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  1. 千代田区議会 2019-02-20
    平成31年第1回定例会(第2日) 本文 開催日: 2019-02-20


    取得元: 千代田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-02
    千代田区議会議事録 トップページ 詳細検索 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成31年第1回定例会(第2日) 本文 2019-02-20 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 64 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長松本佳子議員選択 2 : ◯23番(戸張孝次郎議員選択 3 : ◯区長石川雅己君) 選択 4 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 5 : ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 選択 6 : ◯地域振興部長細越正明君) 選択 7 : ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 選択 8 : ◯政策経営部長(清水 章君) 選択 9 : ◯議長松本佳子議員選択 10 : ◯議長松本佳子議員選択 11 : ◯19番(たかざわ秀行議員選択 12 : ◯区長石川雅己君) 選択 13 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 14 : ◯地域振興部長細越正明君) 選択 15 : ◯オリンピックパラリンピック担当部長小川賢太郎君) 選択 16 : ◯19番(たかざわ秀行議員選択 17 : ◯区長石川雅己君) 選択 18 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 19 : ◯議長松本佳子議員選択 20 : ◯12番(木村正明議員選択 21 : ◯区長石川雅己君) 選択 22 : ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 選択 23 : ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 選択 24 : ◯12番(木村正明議員選択 25 : ◯区長石川雅己君) 選択 26 : ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 選択 27 : ◯議長松本佳子議員選択 28 : ◯議長松本佳子議員選択 29 : ◯4番(寺沢文子議員) 選択 30 : ◯区長石川雅己君) 選択 31 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 32 : ◯教育担当部長(村木久人君) 選択 33 : ◯文化スポーツ担当部長(小川賢太郎君) 選択 34 : ◯政策経営部長(清水 章君) 選択 35 : ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 選択 36 : ◯4番(寺沢文子議員) 選択 37 : ◯教育担当部長(村木久人君) 選択 38 : ◯議長松本佳子議員選択 39 : ◯5番(大串ひろやす議員) 選択 40 : ◯区長石川雅己君) 選択 41 : ◯教育長(坂田融朗君) 選択 42 : ◯教育担当部長(村木久人君) 選択 43 : ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 選択 44 : ◯議長松本佳子議員選択 45 : ◯議長松本佳子議員選択 46 : ◯6番(米田かずや議員) 選択 47 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 48 : ◯地域振興部長細越正明君) 選択 49 : ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 選択 50 : ◯議長松本佳子議員選択 51 : ◯16番(永田壮一議員) 選択 52 : ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 選択 53 : ◯議長松本佳子議員選択 54 : ◯議長松本佳子議員選択 55 : ◯7番(大坂隆洋議員) 選択 56 : ◯区長石川雅己君) 選択 57 : ◯地域振興部長細越正明君) 選択 58 : ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 選択 59 : ◯議長松本佳子議員選択 60 : ◯8番(池田とものり議員) 選択 61 : ◯子ども部長大矢栄一君) 選択 62 : ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 選択 63 : ◯議長松本佳子議員選択 64 : ◯議長松本佳子議員) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午後1時00分 開議 ◯議長松本佳子議員) ただいまから平成31年第1回千代田区議会定例会継続会を開会いたします。  これより各会派の代表質問に入ります。  初めに、自由民主党議員団を代表して、23番戸張孝次郎議員。     〔戸張孝次郎議員登壇〕 2: ◯23番(戸張孝次郎議員) 平成31年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団を代表して質問をいたします。  まず初めに、第125代天皇陛下のご即位30年のご事績を奉祝するとともに、その数々のご功績に心より感謝を申し上げます。  平成元年、1月8日の昭和天皇のご逝去を受け始まった「平成」も、残りわずかとなりました。「平成」を振り返りますと、阪神・淡路や東日本の大震災や、甚大な被害をもたらした豪雨災害、宗教団体による連続テロ事件及びバブル経済やリーマンショックなど、「昭和」に劣らぬ激動の時代でありました。  そして、本年4月30日には天皇陛下が退位され、翌5月1日に皇太子様が即位され、新元号が適用されることとなります。  30年余り続いた「平成」という時代が幕を閉じる最後の年に、私も区議会議員として、最後の質問をいたします。  我が国の人口が依然として減少傾向にある中、千代田区の人口は、平成12年に過去最低の3万9,297人まで落ち込んだものの、平成29年4月に6万人を超え、今なお人口の増加が続いています。  都心回帰の影響もありますが、当時、本区では開発が進み、商業地化が進む中で、都市機能と区民の日常生活とが調和したまちに再生することを目指し、誰もが住みたいと思えるまちを実現するために、我々自由民主党議員団は、区民目線に立ち、さまざまな施策に全力で取り組んでまいりました。そのかいあってか、今では人口は回復し、加えて、これまで積極的に展開してきた子育て関連や高齢者福祉に関する施策の影響もあり、今後も、子どもと高齢者を中心に、人口の増加傾向は続くものと見込んでおります。  また、千代田区は、立法・司法・行政の三権及び経済・金融という首都機能を備えた日本の中心・東京の顔であるとともに、江戸開府400年以上の歴史・文化が、まちの人々の生活に息づいているだけでなく、中心に位置する皇居の存在が、歴史と文化、風格などのイメージを高めています。  そのため、区政運営に当たっては、他の自治体以上に、世界や日本全体の社会経済情勢を見きわめるとともに、地域が持つポテンシャルの活用、多様な主体による地域社会のつながりへの対処などの必要があり、多角的かつ多面的な視点で柔軟に対応することが求められます。  こうした中、喫緊の区政課題である人口の増加を見据えた行政サービスの充実と、区の実情や特徴を踏まえ、未来の千代田区を輝かしいものとし、区民一人一人の幸せにつなげるための重要な取り組みについて質問いたします。  まず、平成31年度予算についてお伺いいたします。  ここ最近、日本では、地震や台風など、さまざまな自然災害の甚大な被害を受けております。首都機能を抱える千代田区では、とりわけ都市型災害に備えて、まちの安全安心を確保することが重要な課題になっています。加えて、人口増加に伴う次世代育成に関する取り組みや、高齢社会における福祉サービスの充実、暮らしやすいまちづくりなど、喫緊の課題も抱えています。  さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を来年度に控え、将来への遺産、レガシーを残せるよう、ソフト・ハード事業の推進も着実に取り組んでいかねばなりません。  そこでお伺いいたします。  平成31年度予算の特徴について、お答えください。
     次に、今後の財政運営についてお伺いします。  平成31年度税制改正では、東京都の財源を地方に再配分する新たな偏在是正措置の導入が示され、依然として、大都市の財政が奪われる動きが進んでおります。平成31年度の予算編成では、執行機関より、今後、どのような税制改正があっても、安定的かつ継続的に区民サービスを提供できるよう、中長期的な視点を持った複数年度を見据えた積算が示されました。  昨年度の予算編成時には、地方消費税の清算基準の見直しに伴う、3パターンの中長期的な財政の見通しが示されておりますが、このようにさまざまな試算を行うことは、非常に有益であると受けとめております。  しかし、これまでの国の動向から、今後も引き続き、都市と地方との偏在是正が進められるのではないかと懸念するところであります。区には、区民生活を支える自治体として、さらにきめ細やかな行政サービスを提供していく責務があり、それを支える強固な財政基盤を構築していくことが求められています。そのためには、現在、1,000億円以上積み立てている基金を有効に活用していくことも重要であると考えております。  そこでお伺いします。  さらなる国の税制改正等が懸念される中にあっても、本区の健全な財政運営を図るために、基金の活用も含め、今後どのように取り組んでいくのか、お答えください。  次に、子育て施策、特に共働きの世代の支援と、次代を担う宝である子どもの健全育成について伺います。  平成31年度予算案を見ると、職員給与や施設整備に要する費用を除いた子育て関連予算額は、約104億円であり、子ども1人当たりの予算額は、約104万円とあります。平成30年度も約105万であり、非常に高い額になっています。  これらの中には、共働きの世帯を支援する私立保育園及び学童クラブの開設や、運営に要する経費補助、子どもの健全育成に資する区独自の手当である誕生準備手当や、高校生等医療助成など、区が子育てにかける施策は手厚く、充実していると思います。  そうした子育て施策が評価され、居住地として千代田区が選ばれて、人口の増加に結びついていると思います。こうした区民サービスに引き続き応え、仕事と子育ての両立を図り、安心して子育てができる環境を維持するため、保育園及び学童クラブの待機児童ゼロの堅持が、今後も重要であると考えます。保育園を開設するために、平成31年度予算では、保育園は新規5カ所、学童クラブは新規2カ所を見込んでおり、目標どおりの開設を期待しています。  しかし、保育運営事業者が、区内に保育園や学童クラブを整備したくても、なかなか適した場所がないことから、整備の提案ができないことがあると聞いています。  そこで、お伺いします。  事業者の提案が困難な理由をどのように考えているのでしょうか。また、その課題を、今後はどのように解消していく考えでしょうか、お答えください。  平成31年10月から、幼児教育・保育の無償化の実施が予定されています。今回の国が実施する無償化では、主に3歳から5歳までの子どもを中心に、幼稚園、保育所、認定こども園の費用が無償化される施策によって、子育て世代の経済的負担の軽減と、保育の質の向上を図るとされています。  また、厚生労働省は、平成29年に保育所保育指針を改定し、平成30年4月からの適用が開始されておりますが、その方向の1つに、「保育における幼児教育の積極的な位置づけ」とされ、保育園も、幼稚園や認定こども園とともに、幼児教育の一翼を担う施設として、幼稚園教育要領とのさらなる整合性が図られ、非常に意義のある改定であると考えています。  そこで、お伺いいたします。  そうした状況の中、区においては、保育園と幼稚園が同質な幼児教育を行い、さらなる保育の質の向上を行っていくことが必要です。区として、どのように取り組んでいく考えか、お聞かせください。  次に、高齢者福祉の今後の方向性について伺います。  少子高齢化が進行し、日本全体では人口減少社会となる中で、高齢化率は上昇を続けています。一方で、人口増加が続く千代田区の高齢化率は、介護保険がスタートした平成12年には、20.2%で、23区中2番目に高い状況でした。しかし、最近の23区比較データでは、平成28年の高齢化率18.3%で、23区中3番目に低くなっています。高齢化率が低くなることは、人口構成の観点ではよいことですが、千代田区の場合、転入者が増加しているため、高齢者の割合は低くなっても、実際の高齢者の人数は増えています。千代田区は、「高齢になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるまち」を目指して、介護施設を計画的に整備するとともに、認知症対策、入院生活支援、在宅支援ホームヘルプサービス、紙おむつ支給などの独自の一般施策によって、介護保険サービスでは、生活の安心を支えるには不足するサービスを充実させてきました。  特に、麹町、神田それぞれの「あんしんセンター」に加え、24時間365日対応の高齢者総合サポートセンターが整備されていることは、高齢者の安心という点で大きな成果であると考えています。  私は、人生100年時代を健やかに、生き生きと過ごすために、フレイル対策への取り組みに重点を置くべきだと思いますが、生活支援や介護基盤強化に比べると、認知度が少し低い印象を持っております。千代田区は、10年以上にわたり介護予防事業を実施しています。その結果、「介護予防」という言葉はなじみのある言葉になり、要介護認定率の伸び率が、高齢者人口の伸びほど大きくないという成果も得られたと聞いています。  最近になって、「介護予防」にかわって「フレイル予防」という言葉が使われるようになっています。「健康で長生きするため」に必要なことだと思いますが、この2つの言葉の違いが、一般の区民の方々には理解しにくい面があります。  そこで、お伺いします。  高齢者福祉における柱の1つであるフレイル予防を進める上での課題、その課題にどのように取り組もうとしているのでしょうか。区の考えをお聞かせください。  次に、神田地域のまちづくりについて質問いたします。  神田は、明治期以降も、最も早く都市化が進む「最先端のまち」として発展してまいりました。万世橋駅に隣接する須田町かいわいは、交通の要衝であるとともに、東京屈指の繁華街としてにぎわい、かつて、大名・旗本屋敷が連なっていた神田駿河台、神保町かいわいには、多くの高等教育機関が発祥し、学術・文化が集積して、「ここにしかない」特色ある商店街を育みました。  さて、今、神田のまちはどうでしょうか。神田警察通り沿道や秋葉原周辺などの再開発を初め、区内各所でさまざまな開発の動きが活性化している一方、市街地のありようを見てみると、建物低層部のにぎわいが薄れ、ふだん人けが感じられないマンションやオフィスが増えてまいりました。  さらに、震災復興の町割りのまま、狭い幅員の区道に中小のビルや建物が連なり、老朽化や耐震性などの課題もありながらも、個別での建てかえもままならないといった状況も多く見受けられます。これまでも、再開発などの手法を取り入れ、こうしたまちの課題の解決や、にぎわいの創出を図ろうと、地域自らが知恵を出し、市街地の更新が進められてきました。秋葉原、淡路町、神保町など、住機能・住環境の向上と地域らしさとの調和を図りながら進められてきた好事例も多く見受けられます。  では、今後はどうでしょうか。長期的には人口が減少し、高齢化が進行してまいります。都心における「働き方」も変わってまいりました。いわゆる「成熟時代」のまちづくりを、神田でも真剣に考える必要があります。  「隣の芝生は青い」と言いますが、昨今、日本橋が元気です。福徳神社参道として再生した室町仲通りなど、そぞろ歩きが楽しめる路地としてにぎわっています。何かにつけお隣の中央区と比べるつもりはありませんが、機能更新に当たっては、都市インフラの整備や建物の建てかえといったハード面にとどまらず、室町の開発のように、まちの人々が大切にする歴史的資源や祭礼文化などを踏まえながら、まちのにぎわいを再生させ、地域の人々のコミュニティを醸成し、絆を守り育てる視点などのソフト面を含めた総合的なまちづくりの取り組みが必要ではないでしょうか。  確かに、時代とともに「神田らしさ」というものも変わってきています。かつての職人がベンチャー起業家になり、長屋がシェアハウスになってきたのかもしれません。リノベーションの手法も生かしながら、過去を掘り起こし、未来の神田らしさを築いていくこともあるでしょう。私は、こうした「未来の神田らしさ」を地域の人々としっかりと議論していくことが必要だと考えます。まちづくりは、地域の力なくしては成り立ちません。地域が主体的にまちづくりに取り組み、地域の歴史を踏まえながら新しい文化をつくっていかなければ、真にまちの魅力は生まれません。  そこで、お伺いします。  神田のまちづくりについては、これまで何度かお伺いをしてまいりました。これで最後です。私が愛する神田の歴史や祭礼などの文化を踏まえながら、成熟時代を見据えた神田のまちづくりに向けた区の見解をお聞かせください。  次に、喫煙対策、特に喫煙所の設置について伺います。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで2年を切りましたが、これに伴い、受動喫煙対策に関するさまざまな議論がなされ、都では、東京都子どもを受動喫煙から守る条例や、東京都受動喫煙防止条例が設置されました。  千代田区では、平成14年、全国に先駆けて生活環境条例を設置して、平成26年には、公園など、特に必要がある公共の場所にも適用できるように条例改正して、生活環境を守るための相当の成果を上げてきました。  その一方、喫煙場所を求めて、喫煙者が公園に慢性的に集中するなどの状況が顕著となり、本来、保育園の代替園庭として指定されているものの公園を、利用しにくい状況となりました。  これに対して、区では、昨年4月から、保育園等の代替園庭公園17公園等を禁煙として、さらに、本年1月からは、6公園の禁煙を追加しました。これによって、公園を利用する保育園の方々、公園の横を登校、登園する園児児童の保護者の喜ぶ声も聞こえてきているなど、一定の評価はできます。  しかしながら、規制に伴って公園等の喫煙できる場所が減少しているのは事実であり、この1月以降、無人の機械式パーキングや、路地裏では、やむなく急いで喫煙をしている人を多く見かけます。今後、非喫煙者とのトラブルなどが懸念されます。共生の理念を掲げるのであれば、喫煙所整備にもしっかりと取り組むべきであると考えます。  そこで、今回は3点お伺いします。  1点目は、これまで共生の理念に基づいて、喫煙者に対しても、屋内喫煙所設置助成制度など取り組んできましたが、喫煙者と非喫煙者との共生について、今でもその考え方に変わりはないのでしょうか、改めて伺います。  2点目は、これまでの区議会における区長答弁等において、「喫煙所設置に向けたあらゆる方策について検討し、鋭意進めていく」とありましたが、来年度の予算や取り組みにどのように反映されているのか、伺います。  3点目は、来年度の区の歳入として、約35億円のたばこ税もあることから、これを財源とした喫煙者に対する施策として、喫煙所の設置等、もう一段階上の取り組みについて検討できないかをお伺いします。  以上で、5項目の質問は終わります。  最後に、私ごとになりますが、私は、区議会議員を平成7年に初当選させていただいて以来、6期24年務める中で、1期生のころからモットーにしていたことがあります。それは、理事者、職員の方々に対し、傲慢にならない、偉そうにしない、ということでした。今、振り返ると、自己採点で65点から70点ぐらいではなかったかと思っております。  また、この間、議長を2回も務めさせていただいたり、大病を患ったりすることもあり、議員の先輩方や同僚議員を初め、区長、理事者や職員の皆様に本当に心温かい気持ちで支えられながら、皆様と区政の発展に向けて仕事ができたこと、そして議会外のことですが、千代田クラブの中心として、大好きな野球を長く続けられたことなどなど、一生の思い出でございます。同時に、感謝の気持ちでいっぱいでございます。  今後とも、議会と行政とよい関係の中で、さまざまな課題を解決し、区民福祉の向上を目指すことで、今後の千代田区がますます発展していくことを心から祈念いたしまして、私の本会議場での最後の質問を終了いたします。  長い間、本当にありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 3: ◯区長石川雅己君) まず最初に、戸張議員の今後の財政運営についてのご質問にお答えいたします。  いかなる社会経済の状況においても、質の高い行政サービスを、安定的に提供し、住民福祉の向上に資するというのは、基礎的地方公共団体の、私は、役割だろうと思っております。このためには、強固な財政基盤を構築することが必要であり、戸張議員のご指摘のとおりだろうと思います。  特に、「偏在是正」の名のもとに、都市部の財源を地方に配分しようとする国の動きが懸念されている状況におきましては、また、人口の増加や高齢化の進展など社会構造の変化が見込まれる状況にあっては、後年度の負担をできるだけ少なく、あるいは押しつけない、そうした形で計画的な財政運営をするべきだと私は思っております。  平成31年度の予算編成も、こうした考え方で取り組んだわけでございますが、中長期的な視点のもとに、区民福祉のより一層の向上という観点で、新規・拡充事業を中心に、複数年度の積算を行ったものでありまして、こうした思いも、まさに将来を見据えた考え方だと思います。  私たちは、常に、本区が将来にわたって区民生活を支えるとともに、きめ細かな行政サービスを安定的、継続的に提供できるためには、貴重な基金を今後有効に活用しながら、一方では、強固な財政基盤の確立を目指して、行政運営をしていくつもりでございます。どうぞよろしくお願いを申します。  次に、神田のまちづくりについてのご質問にお答えいたします。  ご承知のとおり、私たちの千代田区は、政治・行政・経済・文化・教育など、多様な機能が高度に集積をしている都市であり、これは恐らく日本の全国の都市の中で唯一だろうと思います。そして、私たちのまちは、常に成長し、変化をし、ひとときもとまらない、生きた都市であります。このことを考えながら、千代田区のまちづくりを進めていくことだろうと思います。  そして、千代田区は、代表性と多様性を兼ね備えた都市でもあります。皇居はもとより、首都機能が集積する地域、あるいは日本経済の中枢を担う大丸有地区は、代表性を備えた地域であろうと思います。その周縁に、個性豊かで多様性に満ちた地域が存在をいたします。その中に、神田は、城下町として江戸で最も古くから栄え、発展してきた、職と住と文化が近接した特色あるまちだろうと思います。  一方、千代田区は、ご承知のとおり、早い段階で都市化が進みました。そして、老朽化した中小ビルが集積する地域も多く、特に神田の地域に多く存在するのはご案内のとおりだろうと思います。機能更新を通じ、地域の課題解決と、区民・地権者の方々の豊かな生活の継続、個性ある事業の継承が、喫緊の課題だろうと思います。  高齢化やライフスタイルの多様化、国際化が進展する中、今後の市街地の機能更新を進めるに当たっては、私は、地域の個性、特色を顧みることなく、都市の「機能」や「利便性」のみで考えるべきではないと思っております。  また、活発な都市活動と人々の暮らしとの調和を図る必要もあります。そのためには、安全で快適な生活環境はもとより、都市の歴史・文化の継承、緑や風格ある景観の保全・創出、豊かなコミュニティの形成が必要であり、祭礼文化も重要な要素だと思っております。  こうしたことが積み重なって初めて、都市の価値、そして結果としてまちの活性化が図られるのだろうと思います。  私は、これまで、地域の特性を磨き上げ、地域の価値を向上するには、単にまちを「つくる」だけではなく、でき上がったまちそのものをいかに活用し、育てていくかということを常に念頭に置きながら進めてきたつもりであります。  議員ご指摘の「神田らしさ」の再生に向け、ハード面だけではなく、文化・歴史、そして、機能更新後のエリアマネジメントといったソフト面についても、行政と地域が知恵を出し合いながら、包容力のある豊かな地域社会の実現に向けて取り組んでいくことだろうと思います。  そして、結びに当たりまして、議員におかれましては、長年、区政の進展のために大変なご尽力をいただきました。特に、私を含め、理事者の方々とは、心のこもった対応をしていただき、議会と執行機関との良好な関係を大変築いていただいたことを、深く感謝を申し上げます。どうぞこれから健康に十分留意され、これまで蓄積してきた知見をもって、今後も私たちにさまざまな形でご指導、ご鞭撻をいただくことをお願い申しまして、私の答弁といたします。  なお、詳細、他の事項については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。ありがとうございました。     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 4: ◯子ども部長大矢栄一君) 戸張議員の子育て施策の質問について、お答えいたします。  まず、保育園や学童クラブの整備に関するご質問ですが、現在の施設整備は、平成27年3月に策定した次世代育成支援計画に基づいて進めており、その際に新たな需要には、私立認可保育所や私立学童クラブを中心として、賃貸物件を活用して整備することとしました。  しかしながら、保育園及び学童クラブの開設に適した賃貸物件の確保は年々困難になっております。この最大の要因は、施設面としては、保育園は児童の安全のために低層階の物件であることに加え、保育室から二方向への避難が可能な物件が極めて少ないこと、学童クラブは小学校からの距離制限があるため、対象となる物件に限りがあること、と考えております。  そこで、旧神田保育園仮園舎、旧和泉橋出張所や地蔵橋西児童遊園など、区有地を活用することで開園場所を提供し、整備の促進に取り組んでいます。  また、経費面として、千代田区は地価が高いことに伴い、賃貸物件のテナント料が他自治体より高額であることを考慮して、開設や運営経費に対する補助率を上乗せした緊急対策や保育士などの宿舎借り上げ、奨学金返済支援等、人材確保に資するさまざまな独自補助を行い、参画意欲を高める取り組みも行っています。  その結果、保育園は、平成31年4月開園が4園、平成32年4月までにさらに5園の開園を見込んでおります。また、学童クラブは、平成31年4月に2カ所の開所を見込んでおります。  さらに、区内において、一定規模の再開発地域がある場合は、環境まちづくり部と協力・連携しながら、保育需要に応じて、私立保育所や私立学童クラブの整備を進めていきたいと考えております。  次に、保育園と幼稚園における幼児教育と保育の質の向上についてのご質問ですが、これまでも本区においては、千代田区の子どもたちのための就学前プログラムに基づき、小学校への滑らかな接続を目指す観点から、同質の保育・教育を提供すべく施設間相互の連携・協力を強化し、保育の質を高めるため、公立・私立の保育園や区立幼稚園、区立小学校の保育士・教職員との間で交流を進めてまいりました。具体的には、区立保育園の保育士と区立幼稚園の幼稚園教諭が、相互の園を1年間交流する派遣研修や、年2回の保育園・幼稚園・小学校合同研修会の実施、例年11月に実施している公立・私立保育園・こども園・幼稚園・認証保育所等の5歳児全員が一堂に会しての観劇会である合同子ども会などで交流しているほか、個別に保育園や幼稚園が行事等で交流を行っているところもあります。  今後も、こうした交流を続けていくほか、保育の質の向上を図る観点から、さらなる充実を検討してまいります。     〔保健福祉部長歌川さとみ君登壇〕 5: ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 戸張議員のフレイル予防に関するご質問に、お答えをいたします。  議員が述べていただきましたように、本区は、「住み慣れた地域でいきいきと暮らし続けるまち」を目指し、高齢者の「介護予防事業」と、中高年のメタボ対策を含めた「健康づくり事業」に、10年以上前から精力的に取り組み、一定の成果を上げております。  「介護予防」と「フレイル予防」の違いですが、「介護予防」は、運動機能・認知機能・口腔機能の低下及び低栄養による要介護状態への移行を予防することを目的としているのに対し、「フレイル予防」は、さらに生活習慣病等の予防の視点をプラスしたものとなります。  年齢とともに心身の活力が低下した「虚弱」の状態を進行させない鍵となる、例えば持病を悪化させないことや、インフルエンザや肺炎などの感染症を未然に防ぐことも、幅広い意味でフレイル予防です。また、介護予防で実施してきた低栄養状態に陥らないための「バランスのよい食事」をとることや、噛みやすくしておく口の中をケアするほか、飲み込む力を保つリハビリをするなど、食べる機能を低下させないよう、「口腔・嚥下機能を保つケア」などもフレイル予防となります。  人生100年時代を、誰もが生き生きと「その人らしく」過ごすために、このような生活全般にかかわるフレイル予防の重要性を認識し、フレイル予防に自ら取り組んでいただく必要があると考えております。本区では、平成30年度からフレイル予防事業を開始していますが、さらに地域への普及を図るため、平成31年度はフレイル予防の取り組みを充実させてまいります。     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 6: ◯地域振興部長細越正明君) 戸張議員の喫煙対策及び喫煙所の設置に関するご質問に、お答えいたします。  初めに、喫煙者と非喫煙者の共生の考え方についてですが、平成14年に、全国に先駆けて、罰則つきの路上禁煙を含む生活環境条例を制定し、喫煙者と非喫煙者の共生を掲げて、路上禁煙と喫煙所整備を両輪とする喫煙対策に鋭意取り組んでまいりました。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定を契機に、受動喫煙に対する関心が高まり、関連する東京都受動喫煙防止条例の制定や、健康増進法が改正され、今後、さらなる加速が見込まれるところでございます。国や東京都の議論の本質も、いかに共生を実現するかということに重きが置かれており、そうした面を先取りして喫煙対策を展開してきた当区といたしましては、これまでと変わることなく、喫煙者と非喫煙者の共生を目指して、さまざまな施策に引き続き取り組んでまいる所存でございます。  次に、喫煙所設置に向けた来年度の予算や取り組みについてですが、東京都受動喫煙防止条例が定める喫煙所の設備基準を満たすため、屋内喫煙所設置助成制度の初期費用限度額を引き上げるとともに、これまで地域から要望のあった喫煙所の面積要件を撤廃して、省スペースの喫煙ブース等、さまざまな形態に助成を適用できるように検討しているところでございます。  また、区の敷地内等における屋内喫煙所の設置や喫煙トレーラーの増設にあわせて、官民連携による既設民間喫煙所の開放促進にも取り組んでまいります。  最後に、たばこ税の歳入を財源とした喫煙所設置等、もう一段階上の取り組みについてですが、これまで区は、喫煙所の整備を初めとする生活環境改善関連事業の充実に注力してまいりました。この基本姿勢は揺るぎないものであり、今後もさらなる施策展開に努め、適時適切に取り組んでまいります。     〔まちづくり担当部長大森幹夫君登壇〕 7: ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 戸張議員の、神田のまちづくりのご質問につきまして、区長答弁を補足してお答えいたします。  いわゆるバブル期を挟んで、急速な業務地化と経済の低迷により住機能が著しく低下した平成10年、区は、「都市計画マスタープラン」を策定し、定住人口の回復を目指したまちづくりの取り組みを進めてまいりました。結果、急速に定住人口が回復いたしましたが、特に神田地域においては、通りに面してエントランスと駐車場しかない集合住宅が増えるとともに、中小の建物がオフィスに純化したビルに建てかわるなど、低層部から人の営みや、なりわいが感じられなくなり、神田らしいにぎわいが失われた街区も見受けられるようになりました。  こうした状況を踏まえ、現在進めている「都市計画マスタープラン」改定の検討において、神田のまちづくりは、重要なテーマとして総合的に取り組んでいく必要があると考えております。  一方、現在、神田の各所で、老朽化や耐震性などの課題を抱えながらも、個別での建てかえがままならないといった状況の中で、開発諸制度の活用や共同化なども視野に入れた、さまざまなまちづくりの動きが活発化しております。  今後の神田のまちづくりを見据えたとき、淡路町はテラスの市街地再開発事業のように、地域の方々が話し合い、まちが大事にする歴史や文化、地域の活動を尊重しながら、良質な公共空間を創出するとともに、新旧コミュニティの調和のとれたエリアマネジメントを実現していくという手法もあるでしょうし、総合設計や共同化などの手法を活用し、神田地域に不足する緑や空地を生み出し、活用することでコミュニティを活性化するという方法もあると思います。  また、歩行者優先のまちの将来像を描く中で、駐車場の適正配置と低層部のにぎわいの創出を図りながら、緩やかに個別建てかえを進め、神田らしい路地の風情を生かすようなまちづくりの手法も考えられます。  いずれにいたしましても、さまざまなまちづくりの手法がある中で、「未来の神田らしさ」を具現化するためには、区民、地権者の皆さんとともに議論することが、ご指摘のとおり、大変重要だと考えております。  幸い、神田には、町会・商店街などのイベントはもとより、安全・安心、にぎわいの創出に向け取り組む方々が多くおられます。こうした地域の主体的なまちづくりの担い手の皆様と行政が知恵を出し合い、神田のまちの魅力の創造に向けて、まちづくりの取り組みを精力的に進めてまいります。     〔政策経営部長清水 章君登壇〕 8: ◯政策経営部長(清水 章君) 戸張議員の、予算案と今後の財政運営について、区長答弁を補足してお答えいたします。  まず、平成31年度予算案の特徴についてのご質問でございますが、平成31年度予算は、みらいプロジェクトが目指す10年後の姿の実現に向けて、取り組みを着実に加速させること、また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とし、共生社会の実現に向けた積極的な展開を図ることを基本方針とし、編成を行いました。
     そして、国際教育の充実や障害者理解の推進、北の丸公園周辺整備などの「東京2020大会を契機とした取り組み」、施設の安定的な運営と職員の人材確保支援を強化する「子どもに関する取り組み」や「保健福祉に関する取り組み」、あるいは、耐震改修助成制度の充実や地区防災計画の策定を支援する「まちの安全・安心に関する取り組み」の強化など、各分野について拡充をした結果、平成30年度に次ぐ、過去2番目の規模の積極的な予算を編成したところでございます。  次に、今後の財政運営についてでございますが、近年、国において、法人住民税の一部国税化や、ふるさと納税など、都市と地方との税源の偏在是正が進められています。加えて、今年度からは、地方消費税交付金の清算基準の見直し、さらに、平成31年度税制改正では、東京都に対する新たな偏在是正措置の導入が決まっております。このような動向から、今後も大都市の財源を地方へ移転する税制改正が懸念されている状況にございます。  一方、今後の本区の財政状況につきましては、子育て世帯や高齢者数の増加に伴う対応のほか、区有施設や都市基盤施設の改修費用など、中長期的に財政負担の増大が見込まれております。  こうした中、本区では、将来にわたり質の高い行政サービスを安定的かつ継続的に提供できるよう、事業の見直し等の内部努力を行い、基金を積み立ててまいりました。そして、今後の財政見通しでは、区有施設や都市基盤整備のほか、施設整備補助や運営費補助等の経費で、平成36年度までの5年間に、約447億円の基金充当を見込んでいるところでございます。  今後も引き続き、効果的な事務事業の選択を行い、基金を有効に活用しながら、強固な財政基盤の確立と安定的な財政運営に努めてまいります。 9: ◯議長松本佳子議員) 議事の都合により休憩いたします。     午後1時48分 休憩     午後1時59分 再開 10: ◯議長松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  各会派の代表質問を続けます。  自由民主党新しい千代田を代表して、19番たかざわ秀行議員。     〔たかざわ秀行議員登壇〕 11: ◯19番(たかざわ秀行議員) 平成31年千代田区議会第1回定例会に当たり、自由民主党新しい千代田を代表し、質問をいたします。  最初に、平成31年度予算(案)について伺います。  平成31年度予算については、全会計合計、一般会計とも、昨年度に次ぎ、過去2番目に大きい予算規模となっております。(スクリーンを資料画面に切り替え)  人口の増加に伴い、住民税も年々増加し、予算規模の倍程度となる1,000億以上もの基金を保有している中で、20年連続で起債等の借金は行わないという、ますます強固な財政基盤が築かれています。  こうした中、区では、次世代育成支援や高齢者福祉など、重点施策として力を注ぎ、さまざまな施策の展開を図ってきた結果、その効果もあって、今後も人口は増え続けるとの推計をしています。(スクリーンを元に戻す)  人口が増えることは、行政にとって当然いいことです。ただし、人口増加に伴い、新たな課題も生じてきます。保育園の待機児童や学校の教室数の不足を初めとする公共施設のキャパシティや、新住民が増えることによる地域コミュニティの維持・形成及び都市基盤の更新や環境確保など、さまざまな問題が懸念されます。  人口が増加していく中、予算規模も拡大しています。真に必要なサービスは提供されているのでしょうか。現在の本区の財政力をもってすれば、さまざまな課題に対応し、さらに、よりよいサービスを実現していくことは容易ではないでしょうか。(スクリーンを資料画面に切り替え)  なぜこのような疑問を抱かざるを得ないか、理由として、最近の区の財政運営に目をやりますと、当初の予算規模に対して、決算においては、見込みよりも歳入が増加したことや、歳出予算の執行率などにより、一般会計で17億円程度、全会計では30億以上もの余剰金を出しています。また、この剰余金は、最終補正予算において、基金に積み立てるなどの処分を行っているため、基金積立金が大きく膨らんでいるところです。このような財政運営は、予算の会計年度独立の観点から、適正な財政運営と言えるのでしょうか。  また、地方消費税における清算基準の見直しや、地方法人税における偏在是正措置など、大都市の財源を地方へ移転する国の税財政制度改革の動きがあり、本区の歳入の見通しは予断を許さない状況にあると危機感をあおるようなことも言っていますが、財源については、歳入超過している、余らせている現状にあるのが実態です。(スクリーンを元に戻す)  区長は、将来世代に負担を残さないというお考えから、借金を行わないと言っておりますが、将来負担比率はマイナス374%、バランスシートで見ると、区の資産を形成している中における将来世代への負担は、わずか2.3%となっています。  現在の納税者と将来の納税者との間の負担の均衡を図ることも、財政運営上における大切な規律ではないでしょうか。言いかえると、もとから住んでいる住民にばかり負担を強いて、新たに転入する区民は、その恩恵を受けるばかりとも見られるような財政運営とも言えます。  このような状況の中、区の31年度予算案と、その財政運営に関して、何点か伺います。  31年度の行政計画とも言える予算案について、区政課題をどのように認識し、どのような対応をしていくのか、予算案の特徴、考え方についてお答えください。  予算編成方針に掲げていた人員・組織など最適な運営体制を選択し、予算を編成したことにより、どのように予算が編成され、この規模になったのか、効果検証も踏まえ、お答えください。  3カ年の複数年度予算を示したことの目的・意義と5年間の財政見通しを明らかにした観点から、中長期的な千代田区の姿とビジョン、「予算会計年度独立の原則」や「将来負担とのバランス」を踏まえた今後の財政運営のあり方について、お答えください。  次に、観光施策について伺います。  我が国は、いよいよ人口減少時代に入り、思うようにGDPも伸びない状況です。企業も、人手不足のために解散を余儀なくされるケースも見受けられます。  政府は、観光立国を目指す方針が示され、インバウンドによりGDPの伸び率の鈍化を防ぎ、国の成長の一助と考えているのでしょう。確かに日本を訪れる外国人観光客は3,000万人を超え、本年4月には改正入国管理法が施行され、多くの外国人労働者の来日も予想されます。外国人観光客の増加による経済効果が期待されるところです。  現在、我が国の観光地では、観光公害(オーバーツーリズム)の問題に苦慮している自治体が多くあります。オーバーツーリズムの問題は、交通渋滞・ごみ問題・トイレ不足・景観破壊などがあります。京都では、観光客の増加により、市民生活にも影響が出ています。通勤や買い物のための交通手段であるバスに乗り切れない事態となり、交通渋滞は日常茶飯事で、対応に苦慮しています。  世界遺産に指定されている白川郷でも、渋滞や、駐車場不足などに苦慮する中、観光客規制に踏み切っています。事前に予約をしないと駐車場に入れないだけでなく、地域内へも入ることすらできません。また、SNSやインスタグラムなどの影響により、多くの地域で、住民の数をはるかに上回る観光客が訪れ、住民生活に支障を来す事態となっています。まさに日本全国に観光公害が広がりつつあります。  本区におきましても、秋葉原周辺は観光客が多く、バスの二重駐車や交通渋滞など、問題が指摘されています。受け入れ態勢を整備することで解決できることもありますが、それだけでは解決できない問題もあります。  我が国では、今年、ワールドカップが行われ、来年にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その後、2025年には大阪で万国博覧会が開かれるなど、国際的イベントが予定されています。ここ千代田でも、オリンピック・パラリンピックにおいて、柔道、重量挙げなど6競技が開催される予定となっており、マラソンコースにもなっております。  本区では、訪れる観光客の方々に対し、おもてなしの気持ちを持ってお迎えするために、ガイドブックの作成や、「千代田安心トイレ推進事業」など、環境整備に努めてきているところです。しかし、まだ多くの課題があります。例えば喫煙者対策もその一つで、東京都の条例により、飲食店の多くは喫煙となり、区内では路上喫煙も禁止となっています。海外の方にどう理解してもらうのか。また、フリーWi-Fiの接続環境も十分とは言えません。おもてなしの心を理解し、よい印象を持っていただき、心のレガシーとなればよいのですが、不快な思いをされないかと危惧しております。  国・東京都では、オリンピック・パラリンピック開催時に、大会運営の円滑化のため、交通渋滞緩和対策として、「有識者交通輸送技術検討会」を開催し、交通量を調整するためにロードプライシングが検討されています。ロードプライシングとは、競技開催時の時間帯は、首都高速道路において、通行料のほかに最大3,000円程度、料金に上乗せされ、競技のない夜間などは料金を下げるというもので、物流にかかわるトラックなどには適用されないとしています。実施されれば、一般道の混雑が予想されます。  また、JOCでは、北京・平昌オリンピック・パラリンピックで導入された、ナンバープレートによる交通規制や、複数人乗車の車両以外の通行を認めないなどの案も検討されているようです。今年7月に実証実験を予定しているようですが、開催期間中の対応とはいえ、区民生活にも少なからず影響が出るものと思われます。道路公団は、指示があれば協力するということです。神宮外苑にあるグラウンドも、オリンピック・パラリンピックのための資材置き場となるため、2年間にわたり閉鎖されることになり、利用者からは不満の声が上がっています。  2020東京オリンピック・パラリンピックは、国を挙げて、みんなが協力をして成功に導かなければなりません。将来的にも有意義で、大きな効果を期待することができます。しかし、このオリンピック・パラリンピックをレガシーとして人々の心にとめ置くためにも、国民生活において過度の負担を強いることあってはならないと考えます。  これらのことを踏まえ、2点、伺います。  観光公害(オーバーツーリズム)の問題について、行政はどのような認識をお持ちか、お答えください。そして、どのような対応を考えているのか、お答えください。  また、オリンピック・パラリンピック開催時、国や都・JOCからの協力要請や指示があった場合の対応はどうするのか、区独自の対策は考えているのか、区長招集挨拶で述べられた準備以外で何かあればお答えください。  最後に、保育所整備について伺います。  1月25日の子育て文教委員会において、平成31年4月の保育所等1次選考申し込み状況の報告がありました。0歳児から5歳児クラスまで、募集枠471人のところ700人の申し込みがあり、2人の辞退があったものの、227人が希望する保育所に入れない状況です。2月には2次選考があり、認証保育園もありますが、まだまだ保育所が必要な状況が続いています。  区では、今後、私立保育所5カ所の開設準備を進めておりますが、23区で認証保育所に入れないワーストワンの千代田区では、隠れ待機児童の解消には至りません。(スクリーンを資料画面に切り替え)  執行機関は、厚生労働省基準の待機児童はゼロであると言い続けていますが、隠れ待機児童の数を見ますと、待機児童ゼロの看板はおろすべきだと思います。他の自治体では、待機児童の定義がさまざまで、より実態に近い数を公表している自治体もあります。本区も、無理に厚生労働省基準などと言わず、実態に目を向けるべきです。(スクリーンを元に戻す)  子育て世代の保護者の方で、「千代田区は待機児童ゼロだから引っ越してきた。でも、保育所落ちた、だまされた」と話しています。諦めて再び引っ越す方もおりますが、2年もの間育休をとり、待機されている方は、今度落ちたら仕事をやめざるを得ないと泣いていました。2年間も育休がとれる職場はまれで、多くは1年間という職場がほとんどだと聞いています。  昨年、国の方針として、消費税が10%になる10月より、幼児教育・保育の無償化となることとなりました。子育て世代にとって負担が減るのでよいことだと思いますが、あるお母さんは、「無償化になれば希望者が多くなり、余計入りにくくなるのでやめてほしい」、また、あるお母さんは、「無償化されなくてもいいから保育園に入れるようにしてほしい」と話していました。第45回千代田区民世論調査によりますと、力を入れてほしい施策で、児童福祉は第6位、その中の分野別要望の3番目に「保育園・学童クラブの待機児童ゼロ」52.3%となっています。  子ども支援課も、子育て推進課も、懸命に努力されていることは理解します。希望者が入れる保育所を整備することは、自治体の義務であり、責任です。待機児童問題が子育て世代を苦しめている実態があるのを、もっと理解してほしいものです。  本区では、皇居を拝し、多くのオフィスビルが建ち並び、数多くの学校・大学があります。そのため、居住スペースは共同住宅が多くなり、住民の8割以上が共同住宅に住み、区内夜間人口は増加しています。保育所整備のための場所を確保するのも大変厳しい状況となっています。まして、園庭を持つ保育園の確保は至難のわざです。子育て推進課の苦労が目に浮かびます。  このような状況の中、昨年9月でしたか、開設予定の麹町エリアの保育園開設がおくれるという報告が、子育て文教委員会にありました。近隣の反対によるとのことでした。現在も、ご理解を得るために説明会を開くなど、開設に向けて、子ども部では努力をされているようです。保育需要が逼迫した中で、やっと開設ができると思っていただけに、残念です。  また、麹町エリアの開設おくれの問題とは違いますが、区長招集挨拶でも触れられましたが、旧高齢者センター跡地に保育所整備を予定しているという計画があり、建物の解体のための予算が計上されています。保育所整備は喫緊の課題ですが、ここでもさまざまな声が上がっていると聞いています。何人かに話を聞くと、「保育園運営業者を選定し、業者に建築をさせ運営させれば、土地を取られてしまうのではないか」「保育園には反対ではないが、高齢者施設も欲しい」という声が聞こえてきます。ちなみに、世論調査で力を入れてほしい施策の第1位は、高齢者施策です。どちらの問題も説明不足が大きな原因ではないかと思います。  そこで、伺います。  新規に保育所を整備するに当たり、近隣への周知説明など、手続手順はどのように行っているのでしょうか。何を開設するにしても、いきなり何々をつくりますと言われても、なかなか理解を得られるものではないと思います。新規保育所開設に当たり、手順手続はどうなのか、時系列を含め、ご説明ください。  旧高齢者センター跡地は、お茶の水小学校エリアにあり、急激な人口増は考えにくいというコンサルタントの調査報告があります。ここを保育所開設場所に決めた根拠をお示しください。保育所開設は喫緊の課題です。もっとニーズの高い地域があると思います。また、さまざまな声に対し、どのように対処するつもりなのか、お答えください。  以上、予算案・観光・待機児童について質問をいたしました。区長・教育長・関係理事者の明快な答弁を求め、代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 12: ◯区長石川雅己君) たかざわ議員の、平成31年度予算案についてのご質問にお答えいたします。  昨今、お話にもありましたように、「偏在是正」の名のもとに、都市部の財源を地方へ配分しようとする国の動きが懸念されている中で、いかなる社会状況の変化にあっても、質の高い行政サービスを安定的に提供することが、私たち基礎的地方公共団体の、私は、役割であろうと思っております。  予算編成に当たっても、こうした考え方を常に持ちながら、すなわち強い財政基盤の確立ということを踏まえながら、将来に負担を残さないということもあわせて考えて、基金というものを活用し、あるいは、将来への需要に使うという考え方で予算の編成をしているわけでございます。  そして、予算は単年度主義ではありますが、人口の増加や高齢化の進展など、社会構造の変化や将来需要も見据える必要があることから、複数年度の視点も盛り込んだのが、今回の予算の特徴であります。私たちは、常に、ある施策を考えるときに、これが継続的に行えられるのかどうかということも、財政的な裏づけも含めて、考えていくのが必要だろうと思います。  平成31年度の予算は、今申し上げましたような考え方を前提に、みらいプロジェクトの着実な加速と、東京2020オリパラ競技大会を契機とする共生社会の実現を基本方針として編成をしたものであります。  そして、予算案を定めるに当たりましては、今後のさまざまな制度改正等を含め、人員、組織のあり方などを一体的に検討した結果、職員定数の大幅な見直しという観点で、条例を出させていただいたわけであります。  今後も強い財政基盤を確立する、質の高い行政サービスを、安定的・継続的に提供できるような区政の運営を、引き続き行っていくことが肝要だろうと思っております。  なお、その他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 13: ◯子ども部長大矢栄一君) たかざわ議員の保育所整備のご質問にお答えいたします。  まず、厚生労働省の待機児童の基準については、全国の自治体と比較可能とするためには、大変重要であると考えております。また、本区としては、待機児童の人数だけではなく、特定園を希望する特定園留保や転所留保などの人数についても、正確な情報を提供していくことが大切であると考えており、今後も随時公表してまいります。  さらに、本区としては、認証保育所等にもご協力いただいた上で、待機児童ゼロという認識をしており、認可保育所と認証保育所で保育内容に極力差異が生じないよう、認証保育所の人員配置の補助や、外遊びの場所の確保等にも、さまざまな支援を行って対応しているところです。  次に、保育所整備の手順に関するご質問ですが、新たな保育需要への対応は、私立認可保育所を公募によって選定した事業者が施設整備をすることを中心としております。民間事業者による賃貸物件を活用した整備の場合は、事業者が、開園予定物件を確保し、基本的な施設図面、保育内容や資金計画などの事業計画を提案していただきます。その後、提案をいただいた複数の中から事業者を選定し、決定する手順となります。  ご質問にありました麹町地区の保育園で申し上げますと、昨年1月より公募を開始し、3月末で締め切り、事業者選定委員会を経て、4月末に事業者を内定しました。その後、議会へ報告するとともに、建築計画の条例各種手続に先立ち、事業者において開園予定を地域に説明いたしました。その後においても、一部の近隣の皆様からご理解がいただけていないことから、区も事業者とともに不安の解消に努めております。  次に、高齢者センター跡地において保育所開設を決めた根拠とその手順についてですが、保育園に適した賃貸物件の確保が困難になっております。そのため、区有地を積極的に活用することで保育需要に応えることといたしました。  保育需要は区内全域で高く、旧高齢者センター跡地は、神保町地区の需要を満たすことはもちろん、鉄道路線の要衝である神保町駅からも近いため、区内全域からの利用も見込めると考えております。さらに、公園と隣接しており、児童が安全に遊び場まで移動できることや、保育園に求められる十分な日照が期待できることからも、高齢者センター跡地は、保育園として適地と考えております。  以上の理由にあわせて、施策の優先順位など総合的に検討した結果、旧高齢者センター跡地を活用することといたしました。  なお、決定した以降は、議会へ報告した後、神保町地区町会連合会を皮切りに、地域の皆様へのお知らせを行い、保育園の開園にご理解がいただけるように努めております。     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 14: ◯地域振興部長細越正明君) たかざわ議員の観光公害に関するご質問にお答えいたします。  初めに、観光公害に関する区の認識でございますが、議員ご指摘のとおり、千代田区においても、外国人観光客の増加に伴う経済効果が期待される一方で、秋葉原周辺における恒常的な大型観光バスの違法駐車や、外国人観光客による路上喫煙など、区民の日常生活に影響を及ぼす事態が、一部において顕在化していることは承知しております。現時点において、京都市や高山市のような深刻な事態には至っておりませんが、こうした状況を真摯に受けとめ、区は、観光公害、いわゆるオーバーツーリズムの問題について、備えを万全にしておく必要があると認識しております。  次に、観光公害に対する区の対応についてですが、まず、大型観光バスの違法駐車対策に関しまして、国が主催する「貸切バス駐車対策会議」に参加して、鋭意検討をしております。昨年度は、同対策会議において、靖国神社と秋葉原をシャトルバスで結ぶ実証実験を行っており、その結果を有効に活用するよう国や都に働きかけてまいります。また、路上喫煙対策についても、案内表示等の多言語化はもとより、さまざまな情報発信ツールを活用して、正しいルールやマナーの周知に努めてまいります。さらには、観光協会が新たに作成する観光ガイドブックにおいて、注意喚起を促してまいります。  今後は、区内においても、違法民泊や、それに起因する騒音問題、ごみの不法投棄などが想定されます。これらの課題に対しても、関係部局と連携を図りながら、区民にとって安全で安心な生活環境の確保に努めるとともに、日常生活に支障を来す状況であれば、適切に対応してまいります。     〔オリンピック・パラリンピック担当部長小川賢太郎君登壇〕 15: ◯オリンピックパラリンピック担当部長小川賢太郎君) たかざわ議員の、オリンピック・パラリンピック開催時の観光客への対策に関するご質問にお答えいたします。  東京都や東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会からは、これまでも、競技会場や最寄り駅までの観客歩行ルートを設定し、警備・誘導や路上美化、休憩所などを確保する「ラストマイル」を整備する取り組みや、来街者に交通や観光などの案内をする都市ボランティアや大会ボランティアの募集、大会スタッフの待機場所の提供など、さまざまな協力依頼がございました。  オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、今後とも区として協力できることは対応してまいりますが、その際には、区民生活への影響などについても十分に考慮していく必要があると認識しております。このため、状況に応じて、関係者との調整などを図った上で、協力の可否について判断してまいります。  また、区の取り組みとしましては、東京都の都市ボランティアを補完する区独自のボランティアの実施について、現在、庁内で検討しております。  引き続き、関係機関と連携を図りつつ、来街者への対応に取り組んでまいります。 16: ◯19番(たかざわ秀行議員) 19番たかざわ秀行、自席より再質問いたします。  まず1点目の予算案についてですが、先ほどグラフによって示させていただいたんですが、基金残高は、ここしばらくずっと積み上がっているわけです。その中で、2000年ですかね、2001年、三位一体の改革ということがありました。そのときには、財源が物すごく減るんだというお話をいただいていましたが、それから先ずっと、国で、要するに是正を改革して偏在を正すんだという形になっても、本区における基金は積み上がっている状態なんです。国が偏在是正をするために改革をしているから、不安なんだということを言われても、それだけでは、実際には基金がどんどん積み重なっているわけですから、それだけでは説明にならないんではないか。もちろん、区民サービスを安定して継続的に続けるのは必要ですけども、例えば、先ほど申し上げたように、ずっと住み続けている人が負担が大きくて、これからの先が少ないというような考え方も是正をしなくてはいけないのではないか。そういうことも考えて、当然、単年度予算ではありますが、長期的な視野に立って考えていくことも必要だと思っております。そういう説明がもう少しあってもいいんではないかというような思いがしております。  それから、保育園整備に関しましても、1月に公募をかけて、3月に締め切って、その後、説明が入る。大体、場所から何から大まかに決まった後に説明に入るということになると、やはり近隣の方は、急にここに保育園ができるというような、ですから保育園を整備することというのは反対ではないと思うんですが、突然説明されても困る、そういう方が多いんではないかと思うんです。その辺、もうちょっと事前に、この地域には必要なんですというお知らせなんかもするような形で対応ができないかということ、その辺はどうなっておるんでしょうか。一切区がかかわらないということではいけないのではないかと思うんですが。  その2点について、お答えください。     〔区長石川雅己君登壇〕 17: ◯区長石川雅己君) 私の招集挨拶をごらんいただければ、ある程度傾向はわかるんではないかと思いますけど、改めまして、詳しく説明をさせていただきます。  私が区長に就任したときは、一般会計は430億円の予算規模ですが、この4割に当たる約170億円の負債、借金残高が積み上がっています。例えば、平成14年の予算の概要をごらんいただければわかると思いますけれども、どういう状況かといいますと、基金の残高が一番たまったのは、平成7年の810億です。しかし、毎年毎年基金を取り崩し、平成13年には600億ちょっとです。200億減っています。一方では、起債も、毎年毎年発行して、その償還のお金も結構積み上がっております。  したがって、そういうことを考えますと、将来に向けてさまざまなことを考えると、基金というのをできるだけ将来のために残しておくというのは、私は必要だろうと思います。  一方では、今回の予算の中でお示しいたしましたように、今後5年の財政計画上では、学校の建てかえ、あるいは施設の整備等で、相当基金を取り崩し、約600億ぐらいになってしまうという、こういうことをぜひご理解をいただきながら、私たちは財政運営をしていく。したがって、ソフトの部分でも、当然、さまざまに目的別の基金を計上しておりますが、安定的・継続的に区民サービスをできるように、基金を計上しているわけでございまして、ただ、単年度で物を見ないでいただきたい。かつ、平成14年度の予算の概要をごらんいただければ、もう、一目瞭然です。すぐに、たまった基金というのは施設建設等で減少してくるということがある。そのことをよくお考えいただきたいという趣旨で、私は、招集挨拶で申し上げましたし、あるいは、今回の予算の参考資料という形で、5年間の財政見通し、その中で基金がどういう形で活用されるかということをもお示しをしていると思います。  ぜひ、今の時点でお金があるからという議論は、ぜひ避けていただきたいということを申し上げたいと思います。  以上です。     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 18: ◯子ども部長大矢栄一君) たかざわ議員の再質問にお答えいたします。  保育園の選定に当たって、早い段階からの地域への説明が必要ではないかということですが、保育園の選定に当たりましては、現在、プロポーザル方式を採用しております。したがいまして、まず公募をいたします。複数の業者がいた場合に、当然、その業者がそれぞれの場所を見つけて審査に入りますので、この段階で複数の業者が地域等へ入りますと、決まるか決まらないかわからないような状況で地域に入るような形になってしまいます。
     また、我々のほうは、例えば業者が1個の場合でも、税理士等のチェックにより、資産内容とか経理内容が不備な場合には落ちる場合もございます。また、二方向避難等、建築の観点からだめになることもございます。したがいまして、プロポーザルが決定して初めて場所も決まるような形ですので、プロポーザルが決定し次第は、速やかに地域に入っているのが現状でございます。当然、説明会等においては、業者だけではなく、区のほうもかかわっております。  ただ、なるべく早く地域に説明したほうがいいのではないかということに関しては、今後も、今のやり方がベストかどうかということを含めまして、改良の余地があるかないかを含めて検討をしてまいります。 19: ◯議長松本佳子議員) 次に、日本共産党区議団を代表して、12番木村正明議員。     〔木村正明議員登壇〕 20: ◯12番(木村正明議員) 私は日本共産党区議団を代表して質問いたします。  区長は、招集挨拶で、法人住民税の国税化の動き、あるいは東京都から1兆円近くの税収の吸い上げなど、大都市から財源を奪おうとする国の「税制改正」に警鐘を乱打しました。私も同感です。毎年1兆円近い税収が奪われれば、都民福祉はもとより、区市町村の事業にも重大な影響を及ぼすことになるからです。  安倍政権が財源確保でやるべきことは、アベノミクスで純利益を2.3倍にも増やした大企業に応分の負担を求める税制改正や、高額な米国製武器の爆買いを中止することであります。各会派の皆さんに呼びかけます。大都市から財源を奪う安倍政権のやり方に対して、ともに抗議の声を上げていこうではありませんか。  さて、地方自治は、戦後、戦争や人権をないがしろにする誤った政治を国が進めようとしたときに、これを抑止するための民主的措置として生まれました。戦前、地方自治はなく、存在したのは、国の下請機関としての地方制度であります。それが、国民を戦争に動員した苦い歴史的教訓から、現行憲法に地方自治が規定されたと言えます。  この立場から、最初に、2つの国政問題について、区長の見解を伺いたいと思います。  1つは、消費税の10%増税についてです。区民の不安の声が急速に広がっています。年金暮らしのある高齢者の方は、「年金は下がる、社会保険料は上がる、手元にほとんど残らない。消費税が上がったら、何を削ればいいんでしょうか」と嘆いておられます。自営業者の方は、「今でも大変なのに、これ以上売上が減ったらおしまい」「インボイスが始まったら対応できない」「経営は厳しい。子どもに店を継いでほしいとはとても言えない」、こういった声が聞かれます。ここに来て、残念ながら、店じまいの張り紙も目につくようになりました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  これは、消費税増税と複数税率で食生活がどう変わるのかを聞いた、リクルートライフスタイルの調査結果をもとにつくったものです。3人に1人が、消費税が10%になったら、外食の回数を減らすと答えています。消費税の10%導入と複数税率の導入で、飲食産業は決定的打撃をこうむることになるのは明らかであります。(スクリーンを元に戻す)  区長は、消費税増税をめぐる、こうした区民の声や不安を、どう受けとめておられますか。まず、率直な答弁を求めるものです。  そもそも、こんな消費不況のときに増税を強行していいのかが問われます。(スクリーンを資料画面に切り替え)  これは、2人以上世帯の家計消費の推移です。実質の家計消費支出は、2014年の消費税8%増税を契機に大きく落ち込み、増税前と比べて、年額で約25万円減っています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  このグラフは、2012年から18年までの平均実質賃金の推移を、政府公表値から示したものです。実質賃金は、2014年の消費税8%への増税を契機に大きく落ち込み、13年平均は392.7万円ですが、18年は382.1万円と、10万円以上も落ち込んだままです。  ところで、国税の収入の推移を見ると、1990年度が60.1兆円、2018年度が59.9兆円です。この間、消費税率が3%から8%に増えたのに、なぜ国の税収は変わらないのか。(スクリーンを資料画面に切り替え)  これは、30年間の消費税収の推移と、法人3税、所得税・住民税の減収額の推移を見たものです。30年間の消費税の累計額が372兆円、一方、法人3税の減収額の累計が291兆円、消費税・住民税の減収額の累計が270兆円となっています。つまり、消費税を上げても、それが法人税の減税の穴埋めになると同時に、消費税増税が引き起こす消費不況が、他の税収増を抑制していることがわかります。消費税を上げる限り、社会保障の財源は生まれません。(スクリーンを元に戻す)  このように、経済の土台である家計消費と実質賃金が冷え込んでいます。そこに消費税増税となれば、区民の暮らしに、そして経済にも、重大な影響を及ぼします。それにより、消費不況をより深刻化させ、社会保障の財源確保はより難しくするでしょう。国に中止を求めるべきです。区長の答弁を求めるものです。  いま一つは、沖縄辺野古への米軍新基地建設についてであります。  「辺野古米軍新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」が、14日に告示されました。投票が全県で実施されることになったのは、沖縄県民の運動が切り開いた結果であります。まさに県民投票は、政府が強権力で新基地をつくろうとすることに対し、民主主義で対抗するものです。  新基地建設は、今、大きな行き詰まりに直面しています。埋め立て予定区域の大浦湾には、超軟弱地盤が存在します。その軟弱地盤は、深いところで海面から90メートルに達しています。地盤改良には、7万7,000本ものくいと、東京ドーム5個分以上の650万平方メートルの砂を必要とするなど、とてつもない規模となります。しかも、国内では、水深65メートル以上の地盤改良工事を行った実績がなく、工事可能な作業船すらありません。新基地建設は技術的にも不可能です。そのため、「辺野古移設」を条件とする限り、米軍普天間基地はいつまでも返還されません。  そもそも、銃剣とブルドーザで住民を追い出してつくった国際法違反の普天間基地は、無条件閉鎖と返還、辺野古への新基地建設中止こそが、オール沖縄の声であります。  今、安倍政権が埋め立てているのは、美しい海であり、5,800種の生物であり、そして民主主義と地方自治です。その矛先は、全ての地方自治体に向けられています。そうである以上、自治体の長として、国に対し、沖縄県民の意思を尊重し、辺野古新基地建設を直ちに中止するよう、強く申し入れるべきではないでしょうか。区長の見解を求めます。  次に、税金の使い方が問われる2つの問題を取り上げます。  1つは、区営四番町アパートの建てかえ問題についてです。これまで何度か取り上げましたが、重ねて区長の見解を伺います。  少なくない区民・関係者が、区の計画に怒り・不安を抱き、その怒りと不安は一層強まっているからです。「体調を壊し、とても引っ越しする自信がなくなった」「引っ越しを考えると憂鬱になる」、こういった居住者の声が聞こえてきます。これまで、建てかえに反対してこなかった方の中にも、工事のおくれと体の衰弱が相まって、引っ越しを考えること自身が、耐えがたい心労となっている方が増えています。  自治体の基本的役割は、住民福祉の増進です。当該アパートは、安全性から建てかえを求められているわけではありません。人道上から建てかえを先送りしてもいいのではありませんか。答弁を求めます。  さて、地方自治法第2条14項は、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない」とうたっています。今回の建てかえ計画は、果たして最少の経費で最大の効果を上げるものなのか。この表をごらんください。(スクリーンを資料画面に切り替え)  四番町区営アパートの修繕工事一覧です。区は、2012年に、「公営住宅等長寿命化計画」をつくりました。築30年の当四番町アパートを60年間持たせることにした計画とも言えます。この「長寿命化計画」に基づき、翌2013年には850万円で屋上防水改修工事を済ませました。翌2014年には、排水設備改修工事に着手します。そのときに、同時に、便器、下駄箱、洗面台、蛇口などを新調し、床を張りかえ、電球もLEDへ交換したわけです。総額は、約1億3,000万円。2015年には3,000万円で給水設備改修工事を終えました。  居住者の皆さんが、「3年越しの一連の改修工事がやっと終わった」とほっとしたのも束の間、同年12月、突然、建てかえることにしたと説明会が開かれたわけです。隣接する保育園・児童館・区営住宅の複合施設と一緒に建てかえたいというのが、その理由です。  改修費総額1億7,000万円。図書館の改修を加えると、2億円の改修事業です。その改修が終わるや否や、壊して建てかえる。これを無駄遣いと言わず何と言えばいいのか。(スクリーンを資料画面に切り替え)  もし、児童館と保育園、区営住宅のみの建てかえ計画に戻したら、どれほど区民の皆さんが喜ぶことでしょうか。  まず、区営住宅居住者の引っ越しの負担が軽減されます。生活環境の激変も避けられます。そして、仮住宅が不要になります。旧麹町保健所跡地には、周辺住民の意向に沿った施設づくりが可能になるのではないでしょうか。  約80億円という施設建設費も節減できます。節減分は、希望する認可保育園に入れない子どもたちの保育環境整備など、福祉施策に優先的に充てることができます。四番町図書館の仮設のための賃借料も不要になり、その分は資料購入に回すこともできるでしょう。まさにいいことずくめではありませんか。(スクリーンを元に戻す)  2棟を1棟に集約する建てかえ計画と、区営住宅・保育園・児童館のみの建てかえ計画、区長はどちらが地方自治法の規定する「最少の経費で最大の効果」を上げる「事務の処理」と思われるのか、しかと答弁を求めたいと思います。  2つ目は、麹町仮住宅敷地内の地下鉄永田町駅の受け口工事についてです。監査委員はこの工事を「違法状態」と判断しました。当然であります。条例は、1億5,000万円以上の契約を、区議会の議決が必要だと規定しているのに、5億円を超える地下工事を、区議会の議決なしに、区は工事を発注してしまったからであります。  なぜ違法状態を招いたか。その原因解明と、過ちを二度と繰り返さないための教訓を導くことは、今定例会の重要な責務であります。  私は、「違法状態」を招いた要因として、石川区政の2つの軽視を指摘したいと思います。  1つは、法令の軽視です。「監査結果」は、「違法状態」となった起点を「平成30年3月12日」としました。これは、仮住宅の受注企業に地下工事の「指示書」を出した日です。驚いたのは、この時点で、工事費用が幾らかかり、どの程度の工事期間かもわからないのに、区が工事を発注してしまったという事実であります。無責任のきわみではありませんか。  工事費用がわからなければ、補正予算をつくれません。予算の裏づけがなければ、契約変更の手続にも進めません。この時点で地下工事を発注する条件は全くなかったのです。  それでも、強引に地下工事を発注したのはなぜか。2017年8月ごろに、区長が、「何とかせい」と無理筋の指示を出したからではありませんか。区長の答弁を求めます。  さて、昨年の第3回定例会において、地下工事のおくれに伴い仮住宅建設が大幅におくれるという報告がなされるまで、地下鉄受け口工事の起点は、2017年11月21日に開催された、第1回跡地活用検討協議会の取りまとめとされてきました。この協議会は、第1回目において、「バリアフリー化された地下鉄出入り口の設置を、仮住宅の整備に合わせるよう、協議会として区に要望していく」とまとめ、区も「検討を約束する」と答えています。  協議会の設置と委員の委嘱、正副委員長の選出をした初回の協議会で、「仮住宅の整備とあわせて、地下鉄出入り口の設置を区に要望する」ということまでまとめるのは、まさに異例の早さです。  区のほうから、取りまとめを急がせたのではありませんか。だとしたら、協議会を区が利用したことになります。そうでないというなら、なぜ区議会に対し、協議会の取りまとめを、地下鉄出入り口検討の起点と説明し、それ以前に区長から指示があったことを隠してきたのか、これもはっきりした説明を求めたいと思います。  いま一つは、区民の声の軽視です。仮住宅建設の説明会のときなど、周辺住民は、繰り返し、旧麹町保健所跡地の活用について、意向調査の実施を求めてきました。公の施設や区有地は区民の共有財産です。公の施設の目的が住民福祉の増進にある以上、住民の声に耳を傾けるのは当然ではありませんか。しかし、区は、意向調査を一貫して拒否し続けてきました。当初から住民の声に耳を傾けてきたら、「違法状態」になることは避けられたでしょう。  区が意向調査を実施しないため、私ども党区議団は、1月、当該周辺の住民を対象にアンケート調査を実施いたしました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  今、30通ほどの回答でありますが、協議会を設置し、そこで旧麹町保健所跡地活用などについて検討していることを「知っている」と回答した方は2割、8割の方は「知らなかった」と答えています。  また、「希望する施設」では、図書館、保育園、スーパー、公共住宅、リサイクルショップの順になっています。住民の願いは多様です。  公の施設整備は、まちづくりそのものです。この点で、第45回千代田区民世論調査は、実に興味深い結果を示しています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  「お住まいの地域のまちづくりに関心がありますか」との質問に、7割以上が「関心がある」と答えています。さらに、「住民参加によるまちづくりを進めるために、必要なことは何だと思いますか」との質問に対し、6割の方が、「まちづくりについての情報提供」と答え、続いて、「まちづくりに取り組む場の提供」、「まちづくりについて話し合う機会の提供」と述べています。(スクリーンを元に戻す)  旧麹町保健所跡地の活用について、区はどれだけ周辺住民に情報を提供し、場と機会を提供してきたでしょうか。極めて不十分だったのではありませんか。  速やかに周辺住民に情報を提供し、直ちに意向調査を実施すべきであります。答弁を求めます。  最後は、まちづくり問題です。  1つは、日本テレビ沿道まちづくりについてであります。  日本テレビの再開発に当たって、「麹町駅のバリアフリー化」「広場の設置」「道路の拡幅」という、町会長などが求める3つの要望は、私はもっともなことだと思います。しかも、現行の地区計画は、その要望に対応できる枠組みになっています。ですから、住民の皆さんの、「私たちがつくった地区計画を守れ」という主張と、決して矛盾するものではありません。  問題は、地区計画の枠内で3つの要望を真剣に検討しようとしない日本テレビの対応です。それどころか、3つの要望に応えるためには、高度利用が必要だと主張しています。この主張は、住民の間に分断をもたらしかねません。(スクリーンを資料画面に切り替え)  沿道まちづくり基本構想素案は、要望に応えるために、「都市開発諸制度の都市計画手法の活用も含めて実現可能性を検討していく」とあります。その都市計画手法とは、1)再開発等促進区を定める地区計画、2)特定街区、3)高度利用地区の3つです。  これらの手法は、いずれも広場設置、道路の拡幅、公共公益施設の設置などの公共貢献を要件として容積率を緩和するものです。(スクリーンを元に戻す)  「広場やバリアフリーの充実のために」高度利用が必要なのではなく、これらの都市計画手法は、広場等をつくらなければ、そもそも高度利用ができないのではありませんか。答弁を求めるものです。  日本テレビが高度利用を検討していることは、協議会での発言等から明らかです。日本テレビ側が、自らの高度利用を進めやすくするために、住民要望に応える形をとっているとしたら、それは住民を分断する最悪のやり方と言わなければなりません。  かつて、開局25周年記念の新社屋建設に際し、「これがなければ、日本の文化と伝統を守る活動などできない」と、敷地内にあった日本庭園を守り抜いた、あの日本テレビの精神はどこへ消えてしまったのか。  区長、基本構想素案が述べる「高度利用」や「めり張りのある都市空間形成」などは、「落ちついた街並み」を目標とする地区計画とは、明らかに異なるものです。将来像の共有に向けて、行政が力を注ぐべきは、先ほどの世論調査の結果にあるように、十分な情報提供とまちづくりに取り組む場、意見交換の機会の提供でなければなりません。そのためにも、基本構想の決定を決して急ぐことがあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。  最後は、東郷元帥公園の改修整備についてです。  まちのオアシスである東郷公園の樹木の保存等を求める周辺住民の願いと、その願いを正面から受けとめ、ともに公園づくりを進めようとする検討協議会の運営を、私はいつも感銘を覚えながら傍聴しています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  特に、次の点に注目しています。1)結論を急がず、みんなで考え、みんなでつくる公園という立場に立った運営となっていること。2)傍聴者も議論に参加できること。3)20名の委員のうち、11名が女性委員であること。4)専門家の知見を積極的に生かしていること。5)協議会の検討結果等をニュースとしてまとめ、公園に掲示し、周辺住民に周知を図っていること、などであります。(スクリーンを元に戻す)  これらの特徴の中には、普遍性を持った内容も含まれているのではないでしょうか。区として、それらの教訓化を図ることは、今後のまちづくりにおける協議会設置や運営にとって有効と思いますが、いかがでしょうか。見解を求めるものであります。  東郷公園の整備は、鉛の検出という予期しない問題が生じ、今後も紆余曲折があるでしょう。それらを1つずつ乗り越え、幅広い意見を吸い上げながら、みんなが喜べる公園整備となることを心から願い、質問を終わります。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 21: ◯区長石川雅己君) 木村議員の2つの国政問題についてのご質問にお答えいたします。  初めに、この秋に予定されております消費税の改定についてでありますが、私は、消費税は主として社会保障の財源として活用される、したがって、ある面では、安定的な財源であり、あらゆる階層の方が全て公平に負担をするという意味で、消費税の意味はあると思います。  特に、所得が少ない人ほど負担感が大きい、格差社会が議論されている中で、消費税の増税への批判が高まっていることも、よく存じております。しかしながら、超高齢化社会で、将来、社会保障は相当増えてまいります。そのためには、現在の世帯、そして将来の世帯も、公平に社会保障の財源を負担をするという意味では、消費税の引き上げというのはやむを得ないものと私は考えております。  次に、沖縄・辺野古への米軍基地建設についてであります。沖縄の意思を尊重するよう国に働きかけなさいというご指摘だろうと思います。この点については、国政において十分論議を尽くしていただきたいと思います。私がこの場でコメントをする立場ではないと思います。  なお、その他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 22: ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 木村議員の、四番町公共施設整備と麹町仮住宅整備に関するご質問にお答えいたします。  まず、四番町アパートを含めた四番町各施設の建てかえ計画についてでございますが、四番町アパートは、隣接する四番町住宅とともに、築30年を経過しており、老朽化対策や機能更新が必要となる時期を迎えております。しかしながら、バリアフリー、プライバシー、セキュリティーなどの機能がもともと乏しいため、現状で、これらの機能を徹底するための対応をすることは困難であり、あわせて、老朽化の進行、併設施設の利用などの状況も総じて考慮し、建てかえが必要であると判断したものでございます。建てかえ後は、バリアフリー等の機能に加えまして、環境にも配慮した住まいを実現することで、住民福祉の向上に寄与できると考えております。  経費面だけではなく、長期的な視野に立ち、居住者の方々や、利用者、地域の皆さんの負担をも勘案し、2棟一体建てかえが最も望ましいと総合的に判断したものでございます。このことにつきましては、区議会におかれましても、長い議論の末、方向性を出されたものでございます。  既に説明会や個別相談会など複数回開催し、個々人の状況に応じたさまざまなご相談をお受けしているところではございますけれども、今後とも、入居者の移転後の生活支援に向け、通院や福祉サービス、移動手段の確保といった不安を持つ方との相談をしっかりと行い、不安の解消に丁寧に努めてまいりたいと存じます。  次に、麹町仮住宅における地下鉄への出入り口の受け口設置の判断に関するご質問についてでございます。  東京メトロ永田町駅のバリアフリー化につきましては、過去にも、地域の開発に伴い検討された経緯がございますが、いずれも技術的な困難があり、断念した経緯があります。  平成29年8月に、地元の町会から、「駅出口の安全とバリアフリーに関する要望」をお受けし、旧麹町保育所跡地利用検討協議会からも、地域の総意として、同様の要望を受けました。東京メトロと地下鉄永田町駅の出口の混雑状況の緩和とバリアフリー整備が可能かどうか、協議したところ、東京メトロも、永田町駅4番出口の混雑状況は課題と認識しており、その解消のためには、連続した乗客の地上への出入り口、すなわち階段とエレベーターのバリアフリー施設の設置ができれば、連絡通路の設置は可能との見解を受けました。  こうした状況を総合的に勘案し、区として連絡通路整備の前提となる地上への出入り口となります「受け口」を、麹町仮住宅に先行して整備する必要があるものと判断したものでございます。  さらに、麹町仮住宅の立地周辺住民に情報を提供し、意向調査を実施すべきとのご意見でございますけれども、検討協議会では、委員によるご議論の後、委員以外の方からもご意見を伺い、参考にしながら進めており、いわば東郷元帥記念公園の協議会と同じく、拡大協議会方式による運営を行っております。  麹町仮住宅の工事に係る工期や予算の変更といった情報提供だけではなく、麹町仮住宅利用終了後の利活用について、さまざまなご意見を頂戴しているところでございまして、最終的には、区の参画と協働のガイドラインに基づき、パブリックコメントを実施する予定となってございます。  次に、東郷元帥記念公園の改修整備に関するご質問にお答えいたします。  ご指摘の東郷元帥記念公園改修整備検討協議会は、公園の改修整備を行うに当たりまして、地域の関係者及び公園利用者が連携して協議しながら整備の推進を図ることを目的に、学識経験者を会長とし、周辺町会の代表、九段小学校及び同幼稚園関係者の代表、近隣保育施設の代表、公園利用者の代表、総勢20人をメンバーとして、平成27年12月に設置したものでございます。  その後、協議会でのさまざまなご意見をいただき、整備計画を取りまとめ、平成29年11月に工事に着手いたしましたが、既存樹木の伐採を初め、整備内容に関する陳情が出され、また、土壌からは基準値を超える鉛が検出されたことから、工事を一旦中止し、協議会に状況をご説明するとともに、この機会を捉え、よりよい公園づくりに向け、傍聴者の方からのご意見も聞きながら、引き続き、公園の改修整備についての協議を継続することといたしました。  特に、土壌からの鉛の検出につきましては、公園利用者や近隣の皆様に過剰な不安を与えることのないよう、専門の学識経験者に協議会への出席をお願いし、専門家の立場でのご見解をいただき、当日出席された傍聴者の方も含め、丁寧な説明でわかりやすかったとのご意見を頂戴いたしました。  東郷元帥記念公園改修整備検討協議会の運営は、拡大協議会の開催などの新たな試みを行うとともに、土壌からの基準値を超える鉛の検出という、これまでにない事象の中で、試行錯誤しながら進めてまいったところでございます。  東郷元帥記念公園は、不特定多数の方が利用される公園という特質があったものとは考えておりますけれども、これを教訓とし、こうした取り組みを、貴重な実践経験として、今後の協議会運営に生かせるよう取り組んでまいります。     〔まちづくり担当部長大森幹夫君登壇〕 23: ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 木村議員の、まちづくりについてのご質問にお答えいたします。  お尋ねの都市計画手法は、公開空地の確保など公共的な整備を行う建築計画に対して、容積率や斜線制限などの建築基準法に定める形態規制を緩和する「都市開発諸制度」でございます。この「都市開発諸制度の都市計画手法」については、東京都が、それぞれの運用基準において、区域要件や必要な公共施設の整備水準などを定めており、こうした要件を満たすことにより高度利用などが可能となる手法でございます。  次に、基本構想についてですが、日本テレビ通り沿道のまちづくりでは、地域主体のまちづくり組織である「日テレ通りまちづくり委員会」で検討を重ね、作成された、まちづくり方針案をベースに、地域が共有できる将来像と、その実現に向けた「まちづくり基本構想」の策定を目指して、「まちづくり協議会」で検討・議論し、現在、さまざまなご意見をいただいているところです。  引き続き、制度に対する理解を深め、合意形成に努めながら、さまざまなご意見を踏まえて、適切に対応してまいります。 24: ◯12番(木村正明議員) 12番木村正明、自席より再質問します。  質問に答えていただかなかったのは極めて残念です。  まず、地下通路の工事の問題です。私は、区長の指示があったのかどうか、これを伺いました。無理筋の指示があったのではないか、これは部長は答えられないでしょう。区長から無理な指示がありましたなんて。区長がお答えしていただくほかありません。なぜ監査結果は違法状態と判断したのか。それははっきりしているんですよ。条例で定めた金額を超える工事の発注なのに、議会の議決なしに工事を発注してしまったからでしょ。  なせそういう手続になったのかというと、補正予算を編成できる状況じゃなかったんですよ。だって、工事費が幾らだかわからないんだから。それなのに工事を発注してしまったんですよ。あり得ないんです。これは、なぜそんなあり得ないことをやったのかというのは、区長の指示があったからじゃありませんか。委員会の審議の中で、区長からの指示があったというのははっきりしているんですよ。どういう指示をしたのかを、私は、区長のお口から直接聞かなければなりません。これが今定例会で大事な課題の1つですからね。違法状態をいかに解消するか、二度とつくらないかは。これは区長の明確な答弁をいただきたい。  それから、四番町アパートの問題です。先ほどスクリーンでも映させていただきました。とにかく3年越しでですよ、改修工事をやると。この築30年のアパートを、さらに30年間もたせるためということで、計画に基づいて、3年間、2億円近くのお金を使って改修工事を行ったんですよ。改修工事が終わったその年ですよ、壊して建てかえる。これが、地方自治法でいう「最少の経費で最大の効果」。それから、地方財政でもあるんです。地方財政法もこう言っています。地方公共団体の経費は、目的を達成するための必要かつ最少の限度を超えて、(ベルの音あり)支出してはならないと。自治法の、いわゆる事務処理の根本原則、地方財政法の予算執行の根本原則に照らして、2億円近くの税金をつぎ込みながら、壊して建てかえるというやり方が、この2つの原則にかなったものなのかどうか、これは明確にお答えいただきたいと思います。
     以上です。     〔区長石川雅己君登壇〕 25: ◯区長石川雅己君) 木村議員の再質問にお答えいたします。  私が指示したということはありません。指示書というのは、通常は担当課長が出しているものでありまして、そういうことを私がしているわけではありません。  以上です。(発言する者あり)     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 26: ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 木村議員の、四番町公共施設整備に関する再質問にお答えをいたします。  先ほども申し上げましたとおり、この計画につきましては、長期的な視点に立ちまして、居住者の方々や利用者、地域の皆さんの負担をも総合的に勘案して、2棟一体建てかえが最も望ましいと判断をしたものでございます。  また、経費につきましては、この四番町アパートを今後も使い続けるという、あくまでも仮定でございますが、大規模改修も想定され、その場合には、現在の入居者の仮移転も想定せざるを得ないという状況にございます。このことにつきましては、特別委員会でもご答弁をさせていただいたところでございます。 27: ◯議長松本佳子議員) 議事の都合により休憩いたします。     午後3時16分 休憩     午後3時29分 再開 28: ◯議長松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、会議時間を延長いたします。  各会派の代表質問を続けます。  千代田を紡ぐ会・立憲を代表して、4番寺沢文子議員。     〔寺沢文子議員登壇〕 29: ◯4番(寺沢文子議員) 憲法を生かし、平和で民主主義が機能する千代田区が継続されることを願って、千代田を紡ぐ会・立憲を代表して質問いたします。  まず、石川区長の政治信条について伺います。  私も、昨年、後期高齢者の仲間に入り、若い方々との考え方の相違に時々驚くことが多くなりました。石川区長は、就任された2001年2月に、当時策定されていた前区長による基本計画と予算を、ご自身の政治理念に基づいて、全てつくり直しをされました。その後の区の財政状況への危機感による立て直し等については、さすが石川区長と受けとめる部分と、新規職員採用ゼロの2003年から2005年の3年間については、私は、将来、千代田区を背負っていく幹部生え抜き職員が、いびつな構成になることを危惧し、新規職員採用について質問いたしましたが、区長は方針を変えませんでした。  現在の係長を含む管理職の年齢バランス状況は、いかがでしょうか。  区長は、恐らく確固としたご自分の政治信条を曲げることなく現在に至っているとお見受けいたしますが、物すごいスピードで国際社会も日本も変化をしております。区においても、ITの普及、そしてAIの導入と、それを使いこなす若い職員との年代の違いによる受けとめ方、考え方に、違いがあるのではないでしょうか。若い職員に対し、区長自らがご自身の信条、政治理念などを示しながら、会話のキャッチボールをし、若い職員の忌憚のない意見を聞く場を設定し、意識を変化させて、若い感性を生かした10年後、15年後の日本が直面する人口減少社会においても、千代田区民が安心して暮らし続けられる、望ましい千代田区の将来像を描いて見せていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。  次に、みらいプロジェクトと現状の乖離についてお伺いします。  地方自治体の最上位計画であった基本構想が、国から地方への義務づけ・枠づけの見直しの一環として、2011年、地方自治法の改正により、義務づけ規定が廃止され、選択できるようになりました。千代田区は、その後5年間の第3次基本計画改定を経て、2015年に、「ちよだみらいプロジェクト第3次基本計画」を策定しました。  10年後の将来像実現を目指して策定されましたが、以前も質問させていただいた施設整備計画のおくれ、そして、計画期間の想定人口、財政フレームなど、想定された数字の現状との乖離が見られます。  また、例えば公有財産白書を策定した2014年当時、公有財産全体の更新にかかる経費の将来予測は、50年間で3,016億円、年平均60.3億円であったものが、現在は、資材、人件費の高騰で、100億円と言われています。  社会状況の目まぐるしい変化は、4、5年先の見通しが立てにくくなっていると言えるのではないでしょうか。自治体の総合計画も工夫が必要になってきています。  計画期間についても、従来型の10年間ではなく、首長任期に合わせ4年としている自治体もあるとのことです。計画の位置づけを、計画の推進に責任を負う主体で分類し、地方自治体のみならず、地域の全ての団体、事業者等が、責務を含め、実現のために共有すべきものを「公共計画」とし、地方自治体が確実に行うべき施策事業を「行政計画」と位置づけている自治体も出てきています。自治体の自主性と創意工夫を求めて、国の基本構想策定義務づけが廃止されたのであれば、千代田区も、数値目標の乖離が顕著に散見される従来型の10年計画にこだわることはないのではないかと思います。区長のご見解をお示しください。  次に、野田市の児童虐待を教訓に子どもの安全と安心を図る区政の取り組みについて伺います。  目黒区で、幼い5歳の女児が虐待死に至った報道がまだ脳裏から消えない今年1月24日、千葉県野田市の小学4年生女児が自宅マンションの浴室で、実の父親による虐待で亡くなった事件は、同じ年齢の孫がいる私にとって、余りにもむごく、悲しく、人ごととは思えませんでした。心からその死を悼み、ご冥福をお祈りいたします。  二度とこのような事件を繰り返さないようにと、関係者から謝罪がありますが、この事件の背景には、母親へのDVがあったという家庭の問題、学校、教育委員会、児童相談所の連携の不備、近隣住民の通報がなかった等々、複雑で、根の深い問題があると言われています。  政府は、2月8日午前の関係閣僚会議で、児相などに1カ月以内に緊急の安全確認を行わせることを決め、児相の体制強化も打ち出しました。昨年12月、2019年から22年度に、児童福祉司を2,020人増やす計画をまとめましたが、前倒しして、1,070人を19年度中に増やすと報道されました。専門性が必要であり、研修を受け、現場の体験が5年から10年必要だとされている、質の高い児童福祉司の確保は、急には困難ではないかと危惧いたします。しかし、ここに及んで、後ろ向きなことは言っていられません。  千代田区の児相設置についてお伺いします。  従来、都道府県、政令都市に設置義務があった児童相談所が23区でも設置できるようになり、練馬区を除く22区が検討を始めたと聞いております。区民の中には、「千代田区では虐待なんてないのでしょう」という声がありますが、児童・家庭支援センターの虐待相談に寄せられた、虐待の疑いを含む新規相談は、昨年4月から9月で113件とのことです。年々増加傾向であり、千代田区においても、一刻も早く子どもの命を守り、安全と安心を図るために、「子ども総合サポートセンター」と、そこに位置づけられる「児童相談所の整備」が必要ではありませんか。  児相が必要とする連携部署と体制は、多岐にわたると聞いていますが、千代田区としては、どのような規模を想定し、どのような資格保持者が、どの程度必要だとお考えでしょうか。お答えください。  また、今回の事件でも、市教育委員会が、「本人の同意がない」との理由で、父親から請求されたアンケートの開示を1回は拒否したと報道されましたが、父親は、未成年者の女児の法定代理人であり、「本人」に当たるため、今回、この理由では拒否できませんでした。未成年者の利益に反するときは開示を拒否できるという、個人情報保護条例の規定なら理由にできたと、弁護士から指摘がありました。児童福祉司を初め、それぞれ専門分野がありますが、法律の専門家である弁護士の位置づけは、児相に必須ではないでしょうか。どのようにお考えでしょうか。  港区では、学校で起こるいじめや保護者とのトラブル等を法的に解決する目的で、2007年度にスクールロイヤー制度を導入し、2018年では21人の弁護士が、計40校ある、公立幼稚園、小中学校ごとに登録されている学校から弁護士に寄せられる相談は、年40件弱とのことです。2013年度には大阪府、2016年度には三重県弁護士会が、独自に県内の小中学校で、「いじめ予防授業」を開始し、今月2月12日のニュースでは、新潟県がスクールロイヤー制度を試験的に導入と報じられました。  いじめ、暴力、保護者の理不尽な要求に法的に対処できることにより、虐待により子どもの命が奪われるという究極の事件の未然防止にもつながるのではないでしょうか。子どもの安全・安心を図る観点から、前向きなご答弁をお願いします。  次に、学校給食の食材安全性向上について質問いたします。  学校給食では、限られた予算の中で、栄養バランスを考えて、育ち盛りの子どもたちに提供されていることに感謝しております。しかし、全ての食材が有機無農薬というわけではない状況にあり、私は、いつも、食材の安全性について注目しております。主食となるパンについては、アメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入小麦が原料となっていますが、その中からグリホサートが検出されたとの報道がありました。除草剤ラウンドアップの主成分であり、検出された量は基準値以下とされていますが、心配です。  2人に1人ががんを発症する日本の状況を見ると、がんの原因の半分は食べ物からではないかとも言われています。人工的な化学物質の多くは、脳に蓄積され、慢性的な毒はゆっくりと免疫力を落としていくとも言われ、子どもの発達障がいをもたらすとの指摘もあります。  輸入小麦は、ポストハーベスト農薬の危険もあり、成長期にある児童、生徒の食の安全性を高めるためには、パンは国産小麦、そしてご飯は国産米が望ましいと思います。しかし、国産小麦は少量生産で、値段が高く、現在の給食費では購入は難しいのではありませんか。そうであれば、米飯給食の割合を、現在の週5日のうち、平均3.5食から向上させてはいかがでしょうか。私たちの未来を背負っていく子どもたちに、少しでも安全でおいしい給食を願っています。  ご答弁をお願いいたします。  次に、ともに支え合える千代田区の共同参画について質問いたします。  政府は、2001年、内閣府に男女共同参画局を設立し、その定義は、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会を確保され、その責任もともに担う」とされています。第2次安倍政権下では、女性活躍推進が最重要施策の一つとされ、首相は、「全ての女性が輝く社会づくり」を唱えています。しかし、残念ながら、ほど遠い現実があると言えます。雇用者全体に占める女性の割合は、2014年、43.3%、2,406万人であるものの、その半数以上は非正規雇用とのデータが出ています。そして、管理職以上に占める女性の割合は7.5%と、国際的に見ても特に低い水準となっています。  千代田区職員の状況を見てみますと、2018年度新規採用は、男性24名(42%)、女性33名(58%)と、女性のほうが多くなっています。一方、現在の職層別男女別職員数については、係長以上は、男性204名(74.2%)、女性71名(25.8%)と、女性の割合は30%を切っています。さらに、育児休業の取得状況に至っては、女性職員の100%取得に対して、男性の取得率は、わずか11.1%とのことです。これでは、男女共同参画にはほど遠い状況と言わざるを得ません。パートナーが平等、対等に家事、育児を担ってくれれば、管理職に挑戦する女性職員も、もう少し増えるのではないでしょうか。男性職員の育児休業取得向上のため、区は、何が必要だとお考えでしょうか。お答えください。  次に、区民の意識を見てみたいと思います。  2013年3月、区は、「男女平等推進行動計画」を策定しました。今後5年間の施策推進の基盤となるもので、「女性活躍推進法」「配偶者暴力対策基本計画」、性的マイノリティへの理解促進など、意欲的に新しい社会情勢を踏まえ、共同参画のみならず、男女平等を位置づけた計画になっていると、私は、評価しています。  一方、区民世論調査で、「性別によって不平等があると感じたこと」では、3割近くが「感じる」と答え、特に女性の30歳代では4割を超えて高くなっています。国全体の経済界等の方々を初め、区でも、町会の役員、学校等の役員を見ても、そのトップのほとんどは男性が占めています。このような区民意識の現状を区はどのように捉えていますか。  すばらしい男女平等推進行動計画をきちんと条例化するためには、区民の意識醸成が欠かせないと考えますが、区として、今後どのように行動計画の周知を図り、条例への道筋を描いているのでしょうか。  最後に、西暦と元号について質問いたします。  現天皇が4月末日に退位され、5月1日から新元号になることで、西暦か、元号か、はたまた併記か、その表記について、国民、区民の関心が高まっているのではないでしょうか。  千代田区は、2018年第3回定例会の議員の一般質問に対して、政経部長が、「国あるいは東京都から統一的な基準は示されていないので、本区の公文書では、改元後も、新たな元号を使用する予定、なお、元号表記を基本としつつ、必要な場合は西暦併記の運用を認める」と答弁されました。  私は、1943年、昭和18年生まれで、次の元号になると、3人の天皇の時代を生きたことになりますが、大正と昭和が何年何月何日に変わったのか、すぐには答えられません。やはりわかりやすさということも大切ではないでしょうか。西暦一辺倒という考えは持っていませんが、年号表記が必要な場合、私は、西暦を使い続けてきました。一方、和暦には、歴史、文化、伝統を考える役割があるとも思っています。  今回、NTT東日本から、「請求書等における西暦表示への変更について」というお知らせが届き、2019年4月より、「和暦」から「西暦」へ変更させていただきます、とありました。また、区議会図書室にある新聞6紙については、5紙が、西暦が大きく表示され、括弧書きで小さく元号が表記されています。そして、1紙が、その逆になっています。手帳やカレンダーの業界から、西暦一本化が始まり、元号表記が中心の役所でも、少しずつ対応が進んでいるとの報道もありました。  庁内で決定したことについて、朝令暮改というわけにはいかないでしょうが、機会を捉えて、区民各層、各年代に、年号表記についてのアンケート調査を実施して、率直な意見を聞いてみてはいかがでしょうか。ご答弁ください。  以上で、私の最後の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 30: ◯区長石川雅己君) 寺沢議員のご質問のうち、ちよだみらいプロジェクトと現状の乖離についての質問をまずお答えいたします。  本区の基本計画であります「ちよだみらいプロジェクト」は、中長期的な視点から、区として進むべき方向を区民の皆様方にお示ししているもので、10年という期間を設定していることはご案内のとおりだろうと思います。  現状では、その基本的な考え方や理念は、大きな変化がないと見込まれますので、当面、改定計画の策定などの大きな変更は考えておりません。しかしながら、ご指摘のような、数値に現状との乖離があることは、ご案内のとおりでありまして、5年目を迎えることから、課題の再確認と今後の取り組みについて、現在、さまざまな議論を庁内でもしております。そして、計画期間を初め、自治体における基本構想や基本計画が、どのような形が望ましいのかという点も含めて、さまざまな議論を庁内でしているということを紹介させていただきたいと思います。  多分、基本構想も議決案件ではなくなってきたということから見ますと、余り長期の計画というのはいかがかという議論もありますので、改めまして、さまざまな議論を庁内でしておりますので、いずれお話をさせていただき、議会とも議論をさせていただきたいと思います。  次に、若い職員に対して、私自らが信条や政治理念などを示しつつ、若い職員の忌憚のない意見を聞き、若い感性を生かした区政運営、あるいは、将来像をつくったらどうだというご意見だろうと思います。  全くそのとおりだろうと思います。特に、新規採用時、あるいは昇任時に、若手職員からさまざまなご意見も頂戴しております。あるいは、採用5年目程度の若手職員には、できるだけ、区のさまざまな計画を策定するに当たって参画をしていただくようにお願いをしておりまして、かなり、そういう部分では進んできているんだろうと思います。  それはなぜかといいますと、将来を見据えると、区民のさまざまな次の世代を担う方々の思いはどうなのかということは、今の若い職員の感性がどうしても必要だということから、取り組んでいるところでございます。  なお、詳細及び他の事項については、関係理事者をもって答弁いたさせます。     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 31: ◯子ども部長大矢栄一君) 寺沢議員の千代田区の児童相談所設置についてのご質問について、お答えします。  千代田区は、特別区が児童相談所を設置することが可能となったことを踏まえ、早期開設に向け準備を進めるとともに、保健所の母子保健機能をあわせ持つことにより、妊娠・出産から子育てまでの切れ目のない支援を行う、いわば子どもの総合的な支援拠点として、(仮称)子ども総合サポートセンターを整備する予定です。  それまでの間は、東京都の児童相談所を核に、児童・家庭支援センターは地域の拠点として、現在と同様に、保健所等関係部署との情報交換と連携を行ってまいります。  また、本区は、要保護児童地域対策協議会を設置しており、区内の全ての保育園、学童クラブ、児童館、区立学校、幼稚園、また、医療機関、警察等もネットワークに入っており、定期的な会議も行っております。今後も、ネットワークの強化に努めてまいります。  児童相談所の仕事としては、虐待、障害、非行等の各種相談を受け、総合的に調査・診断・判定等をする機能のほか、一時的に子どもを保護する機能や、里親や児童養護施設等への入所措置をする機能、関係機関との連携や援助等のネットワーク機能、親権の停止や喪失の請求等の法的対応など、多岐にわたります。  さらに、児童相談所の設置自治体の事務として、児童福祉審議会の運営、里親の認定、療育手帳の判定、保育施設の設置認可等、多種多様な事務を行う必要があります。  児童相談所の規模、人員等についてですが、児童相談所運営指針や児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律に基準が示されており、人口規模、虐待件数等を勘案し、千代田区の場合、児童福祉司はおおむね8人程度と想定できます。児童福祉司の2分の1が必要とされる児童心理司、ほかにも、医師、保健師、弁護士、また、保育士、児童指導員等の資格を有する一時保護所の職員も必要であり、子ども総合サポートセンターの機能を含めると、数十人規模になると想定しており、できるところから採用、育成しております。  また、施設の規模としましては、相談場所や一時保護をした児童が寝泊まりする場所だけでなく、入所の長期化に伴うストレスをため込まないため、グラウンドや体育館等の運動場所も必要となることから、相応の広さの敷地や建物が必要となります。  次に、本区では、子どもや学校をめぐる問題の対応に当たり、多様な利害関係者との調整や個人のプライバシーの保護など、弁護士から必要な指導・助言等を受けるようにしてきました。今後も法律の専門家である弁護士の活用を図ってまいります。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 32: ◯教育担当部長(村木久人君) 寺沢議員の、学校給食の食材安全性についてのご質問にお答えいたします。  学校給食用のパンにつきましては、東京都学校給食会が指定した輸入小麦粉を使用しており、国が一括して輸入を行っているものです。その際、食品安全法の規定に基づいた検査が行われており、基準を超えるグリホサートは検出されておりません。  本区の学校給食では、児童・生徒の健康の増進・食育の推進の観点から、特定の食品に偏らないバランスのよい食事の提供に心がけており、和食の要素も加え、米飯を中心とした献立としております。このため、本区の米飯の比率は、平均週3.7回程度で、東京都の3.4回よりも高くなっております。  安全面を十分に考慮した学校給食を提供することは重要であり、今後とも、保護者・調理従事者・保健所等の関係者と緊密な連携を図りながら、学校給食の実施に努めてまいります。     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕 33: ◯文化スポーツ担当部長(小川賢太郎君) 寺沢議員の、第5次男女平等推進行動計画を踏まえた現状と今後についてのご質問にお答えいたします。  千代田区では、平成9年に、男女平等推進行動計画を策定し、男女共同参画センターMIWの開設、男女平等意識の一層の普及啓発、小中学校における混合名簿の100%実施、育児・介護の社会化の推進などを、関係機関との連携のもと、一歩一歩進めてまいりました。  近年の女性活躍推進の流れにより、男女共同参画の認識が広まり、さまざまな場面で性別による不平等が、より一層意識されるようになってきていると考えております。  また、働く女性が増える中、家庭内では家事や育児における女性の負担が重い傾向が続いています。その結果、育児期に当たる30代の女性が、仕事・家庭の両面で困難を抱えがちになり、不平等をより強く感じる傾向があると考えております。引き続き、MIWの講座を初め、関連部署と連携しながら、育児期の女性の社会参画への支援や、働き方に対する意識改革を推進していきたいと考えております。  次に、第5次男女平等推進行動計画の今後の周知等についてですが、計画に位置づけられた事業を1つ1つ実施していく中で、計画の周知と推進を図っているところでございます。男女共同参画施策の推進に当たっては、学識経験者、民間有識者、区民等で構成する男女平等推進区民会議からご意見をいただいております。計画の進捗を報告し、区の男女共同参画についてご意見をいただく中で、条例化を含めた今後の方向性についてもご議論いただきたいと考えております。     〔政策経営部長清水 章君登壇〕 34: ◯政策経営部長(清水 章君) 寺沢議員の年号表記に関するご質問について、お答え申し上げます。  改元後の年号表記についての統一的な基準は、国あるいは東京都のいずれからも示されてはいない状況でございます。したがいまして、本区の公文書におきましては、改元後、新たな元号を使用するとの方針のもと、今年度、既に各種業務システムのプログラム改修など、全庁的に準備を進めてきたところでございます。  現時点におきましてアンケート調査の実施は難しい状況ではございますが、寺沢議員ご指摘のとおり、区民にとってのわかりやすさも大切な視点であると認識をしております。このため、元号表記を基本としつつ、区民の皆様方への周知文などにおきましては、必要に応じて西暦を併記するなど、わかりやすさにも配慮をしてまいりたいと考えております。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 35: ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 寺沢議員の本区職員に関するご質問に、区長答弁を補足してお答えをいたします。  まず初めに、現在の係長を含む管理監督者の状況についてですが、年齢構成は、50歳代後半が32.4%と一番多く、30歳代後半と40歳代前半が合わせて10%程度、その他の世代が20%前後となっております。  しかし、職員総体で見ると、他の年代に比べ、30歳代半ばから40歳代前半の職員数が少なく、これは、本区に限らず、23区特別区共通の課題となってございます。そのため、特別区においては、経験者採用選考の対象年齢の拡大や、昇任選考対象年齢の引き下げを行うなどの対応が図られており、本区においても、制度を有効に活用し、幅広い年代の職員の確保に努めてまいります。  また、昇任選考に対し意欲を持つ若手職員も多く、経験豊富な再任用職員の活用とあわせ、将来にわたり、管理監督者が不足することのないよう努めてまいります。  次に、ITの普及なども含め、著しく変化する社会において、若い職員の感性を生かし、10年後、15年後の人口減少社会において、区民が安心して暮らし続ける望ましい千代田区の将来像を描くべきとのご質問ですが、区長答弁にもありましたが、現在、特に採用後おおむね5年程度までの職員を対象に、研修や、区の計画策定時などの機会を通じ、若手職員の意見を広く聞く場を設けております。また、政策や事務改善に関する提案を受ける職員提案制度も実施しており、報告会の場で、区長が直接その発表を聞くなど、さまざまな機会を通じ、若手職員の持つ感性を区政運営に取り入れております。  次に、女性職員が管理職に挑戦するための方策の一つとして、男性職員の育児休業取得率向上を図るべきとのご質問についてですが、男性の育児休業の取得について、職員の声として、「抵抗がある」との回答が男性職員に多く、「父親となる職員からは言い出しにくいので、上司から積極的に取得を促すことが必要」「取得後の職場の体制が気になる」などの意見も寄せられております。男性の育児休業取得率を向上させるためには、男性職員自身や、職場の意識改革が何よりも必要であると考えます。これまで以上に制度を周知するとともに、利用促進を図るための両立支援冊子の発行や、所属長からの休暇取得について積極的な声がけの推進、育児休業取得者のいる職場への人的支援を行うなど、男性が育児参加することが当たり前の雰囲気の醸成に努めてまいります。  加えて、職場における働き方改革にも取り組み、仕事と育児を含めた家事の両立が、男性・女性を問わず、無理なくできるように努めてまいります。
    36: ◯4番(寺沢文子議員) 4番寺沢文子、自席から再質問させていただきます。  総じて丁寧なご答弁をいただけたかと思っております。  そうしまして、ただ、1点、ちょっと気になったのが、学校給食の食材の安全性向上についてですね。今、米飯が、5食のうち、1週間で3.7食というふうにおっしゃっていらっしゃいました。で、それをもう少し、私は、増やしていただきたいという意味を込めて質問をいたしました。  というのは、今、米とパンを考えたときに、普通、家庭でもパン食が物すごく普及をしておりまして、パン食に関しましては、輸入小麦が90%を占めているというような状態の中で、パンに対する添加物とか、今言いましたような農薬、それからポストハーベスト、要するに小麦粉に対して殺虫剤をふりかけているような写真も、ネットで調べれば出ております。そうしたようなところから、先ほど申し上げましたように、じりじりと、がんや何かになる可能性も増えているんじゃないかということが言われていますのでね、成長盛りの子どもたちに対しては、少しでもいいもの、安全性の高いものをという趣旨で質問をいたしました。  また、(ベルの音あり)米というのは、山から降ってきた雨が森に行き、田んぼに行き、川に行き、その水を私たちは飲んでいるわけです。ですから、米をたくさん消費するということは、環境面でも大変重要な意味がありますのでね、そこのところをよくご理解いただいて、米飯給食をもう少し増やしていただけたらと思って質問いたします。よろしくご答弁をお願いいたします。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 37: ◯教育担当部長(村木久人君) 寺沢議員の再質問にお答えいたします。  ただいま、学校給食におきまして、米飯給食をさらに増やしていただきたいという、そういったご質問でございました。  先ほどの繰り返しになりますが、現在、区の給食では、和食の要素も加えながら、米飯を中心とした献立にするように努めてございます。その結果、現在、週5日のうち3.7回程度は米飯が出ると、そういった状況になってございます。  議員からご指摘がございましたような、米飯というものは、環境の問題、あるいは伝統の問題、そういったものもございますので、そういったこともいろいろ考えながら、区としては、食育の面もあわせて考え、最適な献立を今後も提供するようにしていきたいというふうに考えてございます。 38: ◯議長松本佳子議員) 次に、公明党議員団を代表して、5番大串ひろやす議員。     〔大串ひろやす議員登壇〕 39: ◯5番(大串ひろやす議員) 平成31年第1回定例会に当たり、公明党議員団を代表して質問を行います。  質問の趣旨は、食育の大切さを確認し、食育についての考え方、また食育推進の方法、そして全ての子どもに必要な食育をどう行っていくのかを問います。また、国民健康保険については、現在の置かれている状況と果たしている役割を確認し、改めて区の保険者としての考え方・決意を問うものであります。  最初に、「食育についての考え方」についてであります。  食育の大切について、千代田区学校保健会会長で、富士見小学校校長の高藤先生は、以下のように述べています。「食べるということに関して言えば、欠食や孤食、好きなものばかりを食べるなどの偏食は、食の乱れをもたらし、子どもたちの健全な発達の阻害や、学習意欲の低下、そして、いらいらし、切れやすい状況などを生み出している。(中略)現在、学校等においては、食育として給食の時間を中心にしながら、健康によい食事のとり方など、望ましい食習慣の形成を図るとともに、食事を通して人間関係をよくするなど、取り組んでいます」と。  軽視されがちな食の乱れですが、そのことが子どもたちの健全な発育・発達を阻害していると。園や学校が行っている給食を通しての食育が中心となるとは思いますが、家庭や地域においても、食の乱れをなくしていくために、ともに食育に取り組んでいきたいと思います。そのためにも、私たちは、改めて、食育とは何か、その目的はどこにあるのかなど、正しく理解する必要があります。  千代田区食育推進計画には、「食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」と定義しています。  そのとおりなのですが、少し抽象的であります。国は、2005年に食育基本法を制定し、2008年、関係する学校給食法、小学校、中学校の学習指導要領、幼稚園教育要領、そして保育所保育指針を、一斉に改訂しました。全てに「食育」の項目を新たに明記したのであります。  食育とは何かを理解するには、この2008年の改訂前と改訂後を比較するとわかりやすいので、ご紹介したいと思います。例えば、保育所保育指針です。2008年改訂前では、食事について、「授乳・食事」の項に記述があります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  (ア)から(キ)まで7項目です。(ア)として、「乳幼児期の食事は、生涯の健康にも関係し、順調な発育・発達に欠くことができない重要なものであり、一人一人の子どもの状態に応じて摂取法や摂取量などが考慮される必要がある」と。  見ていただくとわかるように、(ア)以外は全て授乳についてであります。つまり、食事については、摂取方法と摂取量を考慮せよということ以外には触れられていません。(スクリーンの資料画面を切り替え)  2008年の改訂では、「食育の推進」という項目が新たに入り、「保育所における食育は、健康な生活の基本として「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標として、次の事項に留意して実施しなければならない」とされました。(一)から(四)までであります。  「(一)子どもが生活と遊びの中で、意欲を持って食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待する」と。ここでは、「意欲を持って」と表現しています。食事とは、無理やり食べさせられるものではなく、自ら食べることを楽しみ、共に食べる共食を楽しむことであると、まず書かれました。「楽しい食事」であります。  (二)は食育計画の作成ですが、(三)であります。「子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員との関わりや調理室など食に関わる保育環境に配慮すること」と。ここも大事なことであります。「自らの感覚や体験を通して」とされました。自らの感覚、五感で感じることです。また、食に関する環境への配慮が必要なこと、食材や、つくってくれる人とのかかわりです。  (四)は、子ども一人一人の状態に応じた専門的な対応です。食育について随分具体的に書かれました。(スクリーンを元に戻す)  2008年までは、食事については「摂取」のみであったのと比較すると、格段の変化であります。同時に改訂された指導要領や教育要領なども、記述の多い少ないはありますが、改訂された内容の趣旨は同じであります。  まとめますと、食育とは、食べることをただ栄養の摂取とするのではなく、自ら食べることを楽しみ、皆と一緒に食べる共食を楽しむこと、楽しい食事であります。また、自らの感覚、五感で感じながらの食事を通して、食材や、つくってくれた人への感謝の気持ちが自然と育つということになると思います。  「楽しい食事」について、宮城学院女子大学教授の磯部裕子氏は、このように述べています。「お金さえあれば、手間や時間をかけなくても、空腹を満たすには十分な食事ができるのです。現代の私たちの食生活は、「食べる」という行為に限定するなら、便利そのものになったと思います。(中略)私たちが口にする食材が、どのような環境で、どのように育てられ、どのように加工されているのかわからないまま、そして、それらに携わる人々の存在を見たり感じたりすることもなく食べることができています。家庭での食状況も大きく変わってきました。家庭で食事をつくることが減るとともに、子どもが食事をつくる音を聞き、おいしいにおいを嗅いで、わくわくしながら食事を待ったり、時には手伝う機会も減って、食卓を囲み、会話しながらゆっくり食事の時間を楽しむ、そんな光景は、もはや努力しないとつくり出せない社会になっているのです」と。「食べる」ということに限れば便利になったが、「楽しい食事」は失われたのではと。同感であります。「便利な食事」は「摂取の食事」と言いかえてもよいのかもしれません。「摂取の食事」から「楽しい食事」の時代へ、今こそ食育を通して変えていかねばなりません。  述べました食育の考え方は、子どもはもちろんですが、高齢者にも当てはまります。ひとりで食べることは寂しいし、もちろん栄養は必要ですが、その摂取のみとすれば、これも寂しい話です。この点、高齢者へのボランティア団体が行っている「ふれあい給食」や「配食」は、すばらしい活動であります。高齢者の方々が皆と会話しながら食べる「楽しい食事」、つくってくれた人たちの顔が見える中での食事を、どれほど楽しみにしていることか。また、感謝していることか。まさに食育の実践ではないでしょうか。このような「楽しい食事」の提供をと努力されているボランティア団体、そして活動されている皆様に、こころより感謝申し上げます。  食育の考え方について述べさせていただきました。そこで、改めて区長に、食育についての基本的な考え方をお伺いいたします。  次に、具体的な食育推進の方法についてであります。  園や学校での食育を除くと、区としての具体的な食育推進として、「食育ネットワーク」の行っている食育出前講座があります。現在、食育ネットワークを構成しているのは、団体と個人と合わせて131であり、「学びたい」での登録は、保育園、幼稚園、小・中学校、児童館、また、今述べました「ふれあい給食」や「配食」を行っているボランティア団体なども参加しています。「教えたい」ほうは、東京会館クッキングスクールや江戸神田蕎麦の会、麹町料飲組合など、企業や団体、また、食育インストラクターなどの資格を持った個人の方が参加しています。  講座は、昨年度実績で25回開催し、受講者は、園児から高齢者まで計961名となっています。講座開催の都度、アンケートにより感想も聞いています。昨年12月、富士見わんぱくひろばで行われた親子で参加する「ニコニコクッキング」では、保護者からの感想として、「子どもたちも楽しんで料理に取り組んでいました。これからも子どもと料理をするよいきっかけとなりました。苦手だったエノキを食べられるようになりました」と。子どもからの感想は、「つくるのがたのしかったです。たべるのもたのしかったし、おいしかった」と、大変好評であります。何より親子でつくることから体験でき、「楽しい食事」ができたことは、とてもよい食育になっているのではないでしょうか。  このように、食育について「学びたい」と「教えたい」をマッチングさせた出前講座は、大きな食育推進になっています。今後は、この食育ネットワークの裾野を拡大することが、広く区民の食育につながることと思います。  この裾野拡大に、1つ提案があります。それは、区の「地方との連携方針」のもと、広く地方にも参加していただけるよう働きかけてはどうかということです。地方の特色である食材や郷土料理を紹介し、一緒につくって食事をしてはどうでしょうか。その地方の歴史と文化を理解し、尊重することにもつながるからです。  食育推進の方法として、保健所の栄養食育係が行っている日常の食育相談も欠かせません。昨年度実績で158件の相談があり、相談の内訳は、圧倒的にお母さんからが多いそうです。乳幼児や子どもの食事に関するものが122件となっています。このように、食育について身近に、気軽に相談できる場所があることは、とても大切なことであり、拡充が必要となっています。  具体的な食育推進の方法として、食育ネットワークの裾野拡大と食育相談の拡充について述べました。  そこで、食育ネットワークの裾野拡大について、今後どのように行っていくのか、また、その一つの方法として、「地方との連携方針」のもと、地方からも参加者を募ることを提案します。所見をお伺いいたします。そして、食育相談の拡充策についてもお答えください。  次に、乳幼児から子どもの食育についてであります。  乳幼児から子どもの食育は、特に重要であります。冒頭、高藤先生の言葉を引用しましたが、食育は子どもの健全な発育・発達に欠かせないものであるからです。この点、もう少し説明が必要です。  新宿せいが保育園園長の藤森平司氏は、以下のように述べています。「赤ちゃんは、もともと自分で量を決められる。しかし、哺乳瓶でミルクをあげるようになると、養育者は一定量を一定時間に与えるようになります。すると、自分で量を決める能力は、それに対応するには邪魔になるので、赤ちゃんは自分で決めることをやめていくようになるわけです。自分で食べる量を決める能力をなくして、与えられたものを食べるようになる。いわば、生きていくために自分の能力の一部を消していくということのようなのです。(中略)外から「食べなさい」と言われることで、かえってその能力を失ってしまうということがあるかもしれないのです。(中略)自分から「食べる」のでなければ、結果的に食べ物を残してしまったり、好き嫌いをつくってしまったりすることになるでしょう」「赤ちゃんや子どもたちは何も知らないから、教えなくてはいけないと思いがちですが、それは知識の面からだけです。「生きる力」は、子どもは既に持っているはずなのです。それを上手に引き出して、上手に伸ばしてあげる。それが教育です」と。  私たち大人が乳幼児とどうかかわっていくのかという大事な点でもあります。何でもやってあげるのではなく、本来子どもが持っている「生きる力」を引き出し、伸ばしてあげるのだと。食事もそうだと述べます。「普通の保育では、五感を全部使う活動というのは、食事のほかにはなかなかありそうでありません。特に味覚と嗅覚を使う体験。保育の中で五感を養うと言いつつ、この2つは極めて難しい。そんな中で給食は、それを捉える貴重な体験になるものなのです。私たち保育者は、それを十分意識して、五感をフルに使わせるような計画とすべきです」。「きょうの給食は何かと見せるときに、「これはニンジンよ」と言うだけでなく、色だとか、かじったときの音を聞くとか、においを嗅いでみせるとか、さわってみるとか、そういうことをして食材を感じさせることが大切なのです。こうして五感を使って感じながら食べることが、まさに「味わう」ということなのでしょう。現在の給食では、「食べる」こと=結果を優先して、「五感を使うこと」=過程を軽視してしまっている面があると思います」と。給食を通した食育の大切さがよくわかります。  ここに、千代田区の就学前プログラム。先ほど戸張議員が代表質問で触れておりましたけれども、これは、申すまでもありませんけれども、運営形態にかかわらず、全ての乳幼児が、同じ保育・教育の質を担保できるということから書かれています。ここの中に、食育というページがあります。項目があります。これはまたよくできている。これ、質問じゃないんですけど、僕は、この就学前プログラムを、25年につくって、それっきりなんですけれども、その後いろいろ改正もありましたので、ぜひ、このバージョンアップ版、更新版をつくっていただければ、さらにいいんじゃないかというふうに思います。  この中に、平成25年に作成した、区の就学前プログラムにきちんと、今、引用した、藤森氏の述べたことが書かれています。食育の項です。(スクリーンを資料画面に切り替え)  「「自発的」に食べ、おいしいと「好奇心」を持ち、「おいしい」「もっとたべたい」と共感や意欲が持てる子どもに育てていくことが大切です」と。また、「食事は、生きる糧です。食事を通して感覚機能が発達、心身ともに成長、社会性が身についていきます。また、全て保育と密接につながっています。食育は五感をフルに使い、「自然」、「言語」、「人間関係」、「健康」、「表現」の領域の中につながっていきます。園では、さまざまな観点から、また、それぞれの年齢に応じ、食育を取り入れていくことが大切です」と。子どもが自発的に食べること、また、五感をフルに使う食事について述べています。(スクリーンを写真画面に切り替え)  これは、千代田小学校で行っている食育の様子です。小学校のホームページに掲載されている写真です。校長先生に了解をいただいたので、ご紹介させていただきます。  給食主事の先生と栄養士の先生から直接お話もお伺いできました。この写真は、グリーンピースのさやむき体験です。子どもたちが、ですね。このグリーンピースのさやむきを初めて行うという子どもさんも非常に多かったそうであります。(スクリーンの写真画面を切り替え)  こちらの写真は、トウモロコシの皮むき体験です。トウモロコシがどれほど背が高いのかとか、そういうのも見ながら、トウモロコシをやっています。見て、さわって、嗅いで、音を聞いて、そして、この、子どもたちがむいたトウモロコシなりグリーンピースが、お昼の給食の食材として使われて出てきます。(スクリーンを元に戻す)  このような、子どもたちが五感をフルに使っての食事は、子どもたちが本来持っている「生きる力」を引き出し、伸ばしていくことにつながり、食材や、つくってくれた人への感謝の思いも自然と育ちます。子どもに必要な食育であります。  この食育を、園や学校では、栄養士、調理員、そして保育士や教師の方が、給食を通して行っています。  そこで、改めて、園や学校において、どう食育を行っているのか、また、給食を通しての食育のあり方についてお伺いいたします。  次に、給食でなく弁当持参の幼稚園における食育についてであります。  現在、給食が実施されていない園は、麹町、番町、九段、そしてお茶の水の各幼稚園であります。幼稚園は、週1日は午前中ですが、基本的に午後2時までとなっています。園児たちの昼食は弁当持参となっています。当然、栄養士の先生もいません。このような中、述べましたように、幼児の健全な発育・発達に大切な食育をどう行っていくのかは、大きな課題であります。  行うためには工夫が必要です。例えば広島県のある幼稚園は、保護者の方の協力を得て、月に1日だけ弁当を「一品指定献立」として食育を行っています。また、さきに述べました食育出前講座を、年間のカリキュラムにしっかりと入れていくなども考えられると思います。理想は、やはり給食を通しての食育であります。行うとなれば、ハード面からは幼稚園専用の調理室の整備が必要です。また、ソフト面からは、栄養士や調理士の方の配置も必要となります。よって、すぐ給食をとは申しませんが、今後の方向性としては、明確にすべきであります。やりたくてもできないのか、はなから必要性を認めてないのか、大きな違いであります。  そこで、現在、弁当持参となっている4園について、どのように食育を行っているのか、また、行うのか、お伺いいたします。また、今後の方向性として、全ての園で給食を実施しての食育を目指すべきと考えます。今後の方向性として、教育長にこのご所見をお伺いしたいと思います。  最後に、国民健康保険についてであります。  昨年の第1回定例会にて、この国民健康保険について質問しましたので、同じことは繰り返すつもりはありません。ただ、再度確認すべきは、昨年、国保の制度が大きく変わり、23区としては、それまでの23区統一保険料から、都の示した標準保険料率は参考としながらも、区独自に決めることは可能となったこと、また、一方、国は、これまで各自治体が独自に行ってきた法定外繰入を、赤字の補填であり、国保会計の健全性を損ねるからと、6年間での解消を迫っていることであります。  また、国保の果たしている役割であります。国民健康保険は、国の国民皆保険制度を支え、誰もが必要な医療を受けることを可能とし、もって国民の命と健康を守っています。被保険者の構成は、他の公的医療保険に加入できない無職の方や、派遣やパートなど非正規雇用の方が多くなっています。当然、所得の低い方が多くなっており、年間所得が200万円以下の方が79.8%も占めています。よって、国保会計の赤字は、制度上、構造上の問題であります。私は、法定外繰入の解消を迫るのであれば、まずは国が、制度上、また財政上の何らかの措置を講じるべきであると思います。  昨年、制度が変わってより今日まで、国において、制度上の改正も財政上の措置もありません。このような中、私たち公明党議員団は、今年1月22日に、区長へ、昨年同様、平成31年度においても法定外繰入を継続し、国民健康保険料を引き下げるべきとの緊急要望を行いました。  区としては、来年度予算案として、今年度に引き続き、来年度もほぼ同額の法定外繰入の継続を決め、区独自の保険料率を定めました。このことにより、被保険者の約9割の方の保険料が引き下げとなります。2年連続で保険料の引き下げとなることは、大変画期的なことであります。私どもとしても大いに評価いたします。  そこで、改めて区の保険者としての考え方、決意をお伺いいたします。  以上、食育について、また、国民健康保険について質問いたしました。  区長、教育長並びに関係理事者の前向きで明快なる答弁を期待し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 40: ◯区長石川雅己君) 大串議員の食育についてのご質問にお答えいたします。  「食」という字をよーくごらんになりますと、「人」という字に「良」というのが入っています。したがって、食育というのは、「良い人を育む」というふうに私は思っておりまして、食育というのは非常に大切なことだというふうに、基本的に認識をしております。  同じ食べ物、同じ料理を一緒に食べれば、ともに生きてるなという思いを、皆さんも、感じるだろうと思います。まさに共感力が働くんだろうと思います。おいしいもの、うれしい、楽しいなという、そういう心が共有され、おのずから気持ちが和み、ある面では、人と人とを結びつけるコミュニケーション的な役割も、私は、あるんだろうと思っております。したがって、食育については、今後も積極的に、さまざまな場面で周知を図っていきたいというふうに思います。  ご承知のとおり、千代田区の第3次食育推進計画でも、ライフステージに応じて食育を推進し、区民の健康増進を図りなさいというのが大きな方針であります。具体的には、取り組みとしては、保健所の母子保健事業や生活習慣予防の事業のほか、介護予防事業の中で、高齢者の低栄養予防講座だとか、「ちよだ食育ネットワーク」を活用して、出前講座等も実施をしております。さらに、さまざまな行事、イベントの中でも、食ごま、こまがありますね、それを参加者にお話をしながら、食の大切さというのをかなりいろんな形で、相談とともに周知を図ってきていると思います。  今後も引き続き、食をめぐる課題を踏まえて、地域で、食育に関する個人や学校、企業、飲食店等と幅広く連携をとりまして、ネットワークを充実してまいりたいと思います。  そして、お話のありました地方との連携については、実は既に地方の食材をこの千代田区で持ってきていただきまして、ある面ではフードネットワークという形をとっておりまして、一部は、そうした食材の搬送については、区が実は負担をするというところまで進んでおります。今後、そうしたことも、地方との連携の中で、すばらしい食材をこの千代田区に展開をしながら、もしかすると、将来はそういう方々が、この千代田区で料理をしていただいて、それで区民との交流を図るというようなことも、私は、必要だろうと思います。ある面では、こうしたことが地方との連携ということにもつながり、結果として、区民の皆様方の食というものへのさまざまな展開がなされるのだろうと思っております。  なお、詳細及び他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔教育長坂田融朗君登壇〕 41: ◯教育長(坂田融朗君) 大串議員の、全ての幼稚園で給食を実施し、食育を目指すべきではないかというご質問にお答えをいたします。  幼稚園における給食の提供については、これまで本区では、0歳児からの保育を実施しているこども園、そして、幼保一体施設である千代田幼稚園、昌平幼稚園において、保育園に準じた形で給食を提供をしております。  幼稚園を含めた就学前の児童の昼食、お昼については、食育の観点から、どのようなスタイルがいいのか、形がいいのかというのは、多様な考え方があるところだろうというふうに思っております。  議員ご指摘のように、給食を実施しての食育がよいというお考えの方も相当数いらっしゃる。一方では、家庭でつくるお弁当が子どもの育成には望ましいんだというようなご意見もあるやに聞いておるところでございます。  また、現実問題といたしまして、幼稚園においては、給食を提供するに当たっては、この点、議員もご指摘のように、ハード・ソフト両面において、困難な課題が現実問題としてございます。直ちに実施できるような状況にはないという実情でございます。  ただ、しかしながら、幼稚園に通う園児の保護者の今日における就労状況や家庭環境の変化などを踏まえますと、幼稚園における給食の提供についても、これは前向きに議論を進めていくべきものというふうに私は考えております。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 42: ◯教育担当部長(村木久人君) 大串議員の、保育園、学校、幼稚園における食育についてのご質問にお答えいたします。  各園・学校における食育への取り組みについてですが、各園・学校では、食育に関する年間計画を策定し、各月ごとに設定したテーマに基づき、教員、栄養士、事業者、地域の方々、ボランティア等がさまざまにかかわりながら、食についての学びを実施しております。  そこでは、給食のみならず、さまざまな形での食についての学びができるよう考えており、健康的な生活習慣のための食事についてだけではなく、食を通じた地域理解や食文化の継承、自然の恵みや勤労の大切さ、皆が一緒に共感しながら食事をすることの重要性なども学べるように配慮しています。  給食のない幼稚園における食育につきましても、各歳児に応じた食事のマナーを知ること、各種食材をバランスよく、おいしく食べること、自分たちで栽培し、収穫する喜びを味わうことなどを身につけられるようにするなど、園行事など、さまざまな場面を通じて食育を実践しております。     〔保健福祉部長歌川さとみ君登壇〕 43: ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 大串議員の、国民健康保険に関するご質問にお答えをいたします。  国民健康保険は、国民皆保険制度を支える柱の一つであり、国民の命と健康を守るための重要な医療保険制度であることは、ご指摘のとおりでございます。本区は、保険料負担に伴う区民生活への影響をできるだけ少なくするため、制度改正を機に、23区統一保険料ではなく、独自の算定を行い、保険料負担の軽減のため、法定外繰入の継続を実施いたしました。  平成31年度についても、同様の考えのもと、昨年度並みの法定外繰入を行うとともに、独自の保険料算定を行いました。  その結果、2年連続で、前年度に対して保険料を引き下げることとなり、平成31年度は、加入者の9割以上の方の保険料が、本年度よりさらに下がる見込みでございます。  今後、社会保障費の増加に伴い、社会保険の給付と負担の見直しの議論は避けて通れないと考えております。国民健康保険の保険者として、制度の持続可能性の確保のため、医療費適正化や収納率向上等の取り組みを進めるとともに、区民生活の安心を支える役割を果たす観点から、保険料変動による区民生活への影響を極小化していくという方針を今後も堅持してまいります。 44: ◯議長松本佳子議員) 以上で各会派の代表質問を終わります。  議事の都合により休憩いたします。     午後4時46分 休憩     午後4時59分 再開 45: ◯議長松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問に入ります。通告順に質問をお願いいたします。  初めに、6番米田かずや議員。     〔米田かずや議員登壇〕
    46: ◯6番(米田かずや議員) 平成31年第1回区議会定例会におきまして、公明党議員団の一員として、一般質問させていただきます。  まず初めに、病児・病後児保育について確認させていただきます。  子どもの病気は働いている親にとって最大の悩みと言えます。当然ですが、病気の子どもは保育所に預けることができないので、治るまでは子どものそばで世話をしなければなりません。とはいえ、仕事を抱えていれば、その当日にどうしても出席しなければならない会議や打ち合わせ、作業などがある場合も出てきます。また、夫婦共働きなら、交代で休みをとるなど対応することもできますが、シングルマザーやシングルファーザーだと、より対応が困難になってきます。  子どもが小さいうちは病気続きで、あっという間に有給休暇がなくなったという声をよく聞きます。企業によっては看護休暇という制度もありますが、これもわずか年に5日程度と聞いています。0歳、1歳の子どもは、一度熱を出すと三、四日お休みになることも珍しくありません。水ぼうそうや、はしか、おたふく風邪などの感染症にかかれば、ほぼ1週間はお休みしなければならないので、看護休暇もあっという間に消化します。そのようなとき、近所に祖父母など安心して子どもを預けられる人がいれば助かるのですが、なかなかそうもいきません。  そんなときのためにあるのが、病児保育と病後児保育です。本区でも病後児保育としてポピンズナーサリー一番町、ふじみこども園、神田保育園、麹町保育園で病後児保育室を実施しています。また、病児・病後児保育派遣費用補助制度も実施しており、病気などで集団保育が不可能な児童などを自宅でベビーシッターに保育することに係る費用の半額を、年間上限金額4万円まで助成し、就労世帯の子育てを支援しています。このことは一定の評価をしたいと思います。ですが、近年の子育て世代の人口増加に伴い、利用者数も急激に伸びを示し、病後児保育室の利用人数では、平成28年度が111人、平成29年度は213人と、約2倍近くになっています。病児・病後児保育派遣の利用者数も、平成28年は94件、29年度は132件と、大きく増えています。時期にもよりますが、病後児保育室の利用者数は定員オーバーとなることが多く、利用できないときが多々あると保護者の方からよく伺います。また、病後児保育室だけでなく、病児保育室をぜひつくってほしいとのご要望も多数伺います。  そこでお伺いいたします。今後ますます需要が増えると思われる病児・病後児保育室の課題に対し、区としてどのように考えているか。さらに、今後の展開について、基本的な考えをお聞かせください。(スクリーンを資料画面に切り替え)  お隣の港区では、平成15年度から小児科病院に民間委託で病児保育室を運営しており、現在、病児保育室5カ所、病後児保育室を1カ所行っています。そこで、実際に港区のとようら小児科附属ひまわり保育室に伺い、港区の保育課長と豊浦先生にお話を伺ってきました。  ひまわり保育室は平成15年度に開設し、その際、整備費として区が補助金を助成し、毎年の委託費は、前年度の利用実績を見て年間の委託費を決めていると伺いました。ひまわり保育室は小児科の先生と看護師、保育士3名で運営しており、1日6名まで受け付けています。時期的なものもありますが、年間を通して90%以上の稼働率と語っておりました。預けている保護者の方も、小児科の先生と看護師が常にいますので、とても安心と言っていました。私も見てきましたが、これだととても安心できる環境だと実感いたしました。(スクリーンを元に戻す)  そこで、今後ますます需要が高まる病児保育を、港区のように民間の小児科病院などと連携しながら開設することを検討してはいかがでしょうか。また、その際は、整備費などを区が助成するなど、環境を整えることも検討してはいかがでしょうか。ご所見をお聞かせください。  次に、屋内喫煙所設置助成について確認させていただきます。  昨年4月から保育園などの代替園庭となっている17公園が禁煙となりました。また、本年の1月より、かねてから課題になっていた6公園も禁煙になりました。これにより、公園を利用している非喫煙者の方々、代替園庭として利用している保育園の方々、毎朝公園の横を登校、登園する多くの児童、園児の保護者が喜んでおり、評価したいと思います。実際に1月7日から、美倉橋西児童遊園での警備員、指導員による近隣喫煙所への案内業務、喫煙行為注意、指導業務件数が全体で340件ありましたが、1月31日には2件に、麹町こどもの広場では約270件から6件、佐久間橋児童遊園では約770件から70件までに激減しております。  指導員の方にお話を伺うと、「ここは禁煙になりました。近くの喫煙所はこちらです」と伝えると、ほとんどの方は文句も言わず、「ついにここも禁煙になったのですね。でも、喫煙所もちゃんとつくってください」と従ってくれる方が大半だと伺いました。ただ、このようなマナーのよい方だけではありません。吸えなくなった喫煙者が場所を求めて、近隣のビルとビルの間、駐車場、私道で喫煙するなど、新たな問題も生じると思います。区としても、みらいプロジェクトに掲げている喫煙所設置数100カ所の実現に向け取り組んでいますが、なかなか進みません。  その理由として、場所の問題やスペースの問題などがよく挙げられます。我が党の調査でも、そのような声をよく伺います。もう1つは、高齢の方が経営しているたばこ屋さんのご意見として多かったのですが、初期費用やメンテナンス費用はほぼ助成金で賄えるが、撤去費用は助成してくれないので、できないと伺いました。理由を伺うと、今は元気なので契約期間は頑張ろうと思っているが、いつ体調の変化などの都合で閉めることになるかもしれない。そのときに撤去費用が負担となると伺いました。また、これから設置を考えているたばこ屋さんやテナントビルの方にもこのことを伺ってみると、何らかの理由で閉めるときにも、撤去に関して補助があると前向きに考えられると伺いました。  そこでお伺いいたします。まずは屋外の屋内所喫煙所の設置に向け、都の補助金や木材を使うことで出る補助金などを活用し、積極的に喫煙所の設置に取り組んでいくことと、また、来年度は屋内喫煙所設置助成について、初期費用の補助額を増やしたり、スペースの面積要件の緩和や、区敷地内における屋内喫煙所の設置など、多角的に取り組むことを予定されていると伺っていますが、先ほど述べたように、何らかの理由でやめるときにも、撤去に際し一定の補助をつけ加えることを考えてはいかがでしょうか。あわせて見解をお聞かせください。  最後に、太陽光パネルについてお伺いいたします。  家庭用の太陽光パネルは、設置する際に国が補助金を支給する制度が、平成6年度から12年間、平成20年度から6年間の2回にわたって導入されたことにより普及しました。さらに平成21年から電力会社に電気を買い取ることを義務づける制度が始まったほか、東日本大震災の影響もあり、一気に普及が進みました。太陽光発電協会などによりますと、家庭用の太陽光発電の設置件数は、平成21年度の55万件余りから、4年後の平成25年度には約170万件近くに達した一方、このころの設備が今後次々と設置から10年を迎えることになります。その後、補助金が廃止されたこともあって、件数の伸びは緩やかになりますが、それでも昨年度までに設置された家庭用の太陽光発電は、約237万件を超えています。  本区も省エネルギー改修等助成制度もあり、企業のビルの屋上や中小テナントビルにも多く設置されています。また、数は少ないと思いますが、マンションや戸建ての家にも設置され、普及が進んでおります。ところが先日、この家庭用太陽光パネルに火災が頻繁に発生しているとの報道がありました。こうした家庭用の太陽光発電システムから火や煙が出たといった事故、消費者庁の安全調査委員会、いわゆる消費者事故調によりますと、平成29年11月までの9年間に全国で127件報告されています。消費者事故調は、調査が進んでいなかったこのうちの72件を調べた結果、59件はパワーコンディショナーと呼ばれる装置などから出火していて、使用中に水が入るなど、取りつけ時の不備が主な原因と見られることがわかりました。また、太陽光パネルやケーブルの火災も13件あり、このうち5件は設置から7年以上たったパネルから出火していたほか、ケーブルが挟まっているなど、不適切な設置方法が原因と見られるケースも6件ありました。特に太陽光パネルの火災は、パネルと屋根の間に延焼を防ぐ部材が挟まれていないケースも多く、深刻な被害につながる危険性が大きいとしています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  この太陽光発電システムの火災、消火に当たって、問題を抱えています。太陽光パネルのすぐそばで火災が起きると、炎の光でパネルは発電を続けてしまうのです。太陽光発電システムで火災が起きると、内部では電気を蓄え続けます。(スクリーンの資料画面を切り替え)そこへ真っすぐ水をかけ、消火しようとすると、電気が放水した水を伝って感電するおそれがあるといいます。消防研究センターの田村氏は、人への影響があるような感電が起こる可能性は十分にあると言っており、実際に活動中の消防隊員が感電したケースも報告されています。(スクリーンを元に戻す)  太陽光発電を設置している1,500人を対象としたアンケート調査では、1,000人余りが「保守点検を行ったことがない」と答えています。このため、消費者事故調がまとめた報告書の中で、経済産業省に対し、応急の点検を行うようメーカーに促すとともに、異常を検知して利用者に知らせる機能などの開発を進めるように求めました。消費者事故調は、電気を売却すれば消費者も事業者とみなされ、保守点検を義務づけられる。まずは専門の業者に点検を依頼してほしいと話しています。  さらに、産業技術総合研究所の加藤和彦氏によると、安全という思い込みがあったということなんです。太陽光発電システムが普及し始めたころは、売るほうも買うほうも行政も研究者も、みんな安全だという思い込みがあって、安全の問題が埋もれてしまっていたということなんです。その上、パネルは屋根の上に設置されることが多いので、劣化に消費者が気づきにくいということなんです。なので、定期的な安全点検が絶対に必要だと語っています。  そこでお伺いいたします。先ほど述べたように、本区も大企業の本社ビル、中小のテナントビルやマンションや戸建てのビルに、太陽光パネルが設置されています。区としてパネルが設置されている箇所を掌握しているでしょうか。掌握していなければ早急に掌握することと、パネルを設置してるところには、一斉点検を呼びかけてみてはいかがでしょうか。また、本区にはエネルギー改修等助成制度があり、その制度を活用して太陽光パネルを設置する場合は、定期的な点検を義務づけることを提案いたします。あわせて見解をお聞かせください。  以上、病後児保育、屋内喫煙所設置助成制度、太陽光パネルについて、質問させていただきました。区長、教育長、関係理事者の前向きな答弁を期待し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 47: ◯子ども部長大矢栄一君) 米田議員の病児保育及び病後児保育に関するご質問についてお答えいたします。  まず、本区における病児・病後児保育の状況ですが、ご指摘のとおり、区内4施設での病後児保育及び保育派遣費用助成の利用実績は、就学前人口の増加とともに、どちらの事業も年々増加しております。また、インフルエンザの感染などで需要が急増し、定員を超過したため、保育をお断りする事例がございました。今後は、保育園における病後児保育室の空き情報の共有化や派遣体制の強化について事業者と協議を行い、ニーズに対応できるように努めてまいります。  次に、病児保育についてですが、強く利用を希望する保護者のニーズがあることは把握しております。しかしながら、風邪等に罹患中の児童を預かる病児保育室においては、保育基準で定められた定数の保育士の配置が必要であるとともに、万一の容体の急変に備え、小児科医等の確保や看護師の配置も必要になります。また、施設面においては、インフルエンザなどの感染症に備え複数の出入り口や保育室などが必要となることなども、病児保育を実施する場合の課題となっております。現段階において、これらの課題を踏まえ、事業を実施していただける病院に打診しており、その実現に向けて努力してまいります。     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 48: ◯地域振興部長細越正明君) 米田議員の屋内喫煙所設置助成に関するご質問にお答えいたします。  初めに、屋内喫煙所設置助成制度についてですが、本制度につきましては、平成21年7月から運用を開始した取り組みでございます。たばこを吸う人と吸わない人との共生の理念に基づいた喫煙所整備に当たり、大きな柱となる事業であり、これまで鋭意取り組んできたところでございます。平成26年4月には、小規模であっても喫煙所が設置できるように、面積等の助成要件の緩和や助成率の大幅な引き上げを行うことで、喫煙所の設置者にとって、ほぼ自己負担のない制度に改正してきた経緯がございます。現在、東京都受動喫煙防止条例が定める設備基準を満たすため、初期費用限度額をさらに引き上げるとともに、地域の要望に応える形で、喫煙所の面積要件を撤廃し、省スペースの喫煙ブースなど、さまざまな形態に助成が適用できるように検討しております。いずれにしましても、本制度は受動喫煙対策を推進していく上で喫緊の課題となる喫煙所整備を進めるために創設されたものであり、生活環境条例の実効性を高めるための方策でございます。  このたびの米田議員の喫煙所を閉鎖する際の撤去費用に関する補助制度についてですが、まずは区内の喫煙所整備を最優先で進めることとし、そうした地域の要望はしっかりと受けとめ、将来的にどのような助成制度が有用なのか、他区での事例も参考にしながら研究してまいります。     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 49: ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 米田議員の太陽光パネルに関するご質問にお答えいたします。  住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等につきましては、本年1月28日に消費者安全調査委員会が事故等原因調査報告書を取りまとめました。原因につきましては、議員ご指摘のとおり、パワーコンディショナーへの水分の侵入やケーブルの施工不良、太陽光パネルの経年劣化などであると報告されており、あわせて定期点検や火災事故に関する情報提供の必要性などについても触れているところでございます。  まず、本区における太陽光発電システムの設置箇所についてでございますけれども、太陽光パネルは設備に該当するため、その総数は把握できてはおりませんが、区本庁舎を含む区有施設23施設に太陽光パネルが設置されているほか、区の省エネルギー改修助成を利用して太陽光パネルを設置した件数が25件ございまして、区の助成を利用して太陽光パネルを設置した区民や事業者の方々には個別に情報提供を行い、定期的な点検の実施に協力を要請してまいります。また、その他、独自に太陽光パネルを設置されている区民や事業者の方々には、区の広報やホームページ等で広く点検を呼びかけるとともに、設置箇所の把握に努め、点検を勧奨してまいりたいと存じます。  次に、点検の義務づけについてでございます。  消費者安全調査委員会が、今般の事故等原因調査報告書におきまして、経済産業大臣に対して、保守点検の確実な実施を担保する仕組みの構築等に関して意見の申し出を行っております。こうしたことから、国の動向を注視し、ご指摘の定期的な点検の義務づけなど、必要な方策を検討してまいります。 50: ◯議長松本佳子議員) 次に、16番永田壮一議員。     〔永田壮一議員登壇〕 51: ◯16番(永田壮一議員) 平成31年第1回定例会に当たり、自由民主党議員として一般質問をいたします。危機管理の取り組みについてお伺いします。  本区の危機管理体制は、自然災害には地域防災計画、大規模事故、武力攻撃、テロに対しては、より広域的な国民保護計画を策定して対応しています。自治体の災害対策は主に自然災害の視点から考えられていますが、テロ対策においても、国や都に任せるばかりではなく、区として可能な施策を実行していくことが求められます。  本年5月から新しい御代となり、皇位継承に伴う国事行為が続きます。9月にはラグビーワールドカップ、来年8月からは東京2020オリンピック・パラリンピック大会が開催されます。こうした国際的に注目を集める行事はテロの標的になりやすく、通常以上の警戒が必要です。本区にはハードターゲットとなる官公庁、ソフトターゲットになる全国有数の繁華街、オフィス街があることから、テロ対策は重要課題として取り組んでいくべきです。  最新の区民世論調査の施策の重要度では、防災対策が「重要」「まあ重要」、合わせて89.3%にも及び、関心の高さがよくわかります。防災対策には、自然災害、テロ対策も含まれています。  東京都では、平成31年度予算案において、防災対策を中心に、東京五輪・パラリンピックの開催都市として、安心・安全なまちづくりを目指し、災害対策として前年度比3割増の約170億円が充てられています。新たな取り組みとして、自助の視点から、個々の生活に合わせて災害時の対応を時系列で想定しておくマイ・タイムライン(事前防災行動計画)の支援・普及に5億円計上し、学校で作成セットを配布することで、家族も含めた都民の防災意識向上効果を狙っています。水害に対しては、早期避難を促すため、地域の浸水深情報を地図上に反映させるアプリの開発、外国人向けに緊急時の意思疎通を円滑に行うマニュアル作成、防災アプリの多言語化、消防庁ではオフロード車両、ドローン、エアーボートを使い、現場に先行出動できる部隊を新設することになりました。  東京都の五輪テロ対策は、テロ対策東京パートナーシップ推進会議を設置し、都、自衛隊、警視庁、消防庁、海上保安庁、公共交通、大規模集客施設などの民間事業者による官民連携強化を確認しています。本区における訓練は、2月7日に日本武道館において、五輪大会開催中に発生した爆弾テロを想定して大規模に行われています。観客の避難誘導、傷病者のトリアージ、搬送、自力で歩ける軽傷者は徒歩で九段坂病院に移動して治療を受けるという実践的な内容でした。爆弾テロには化学兵器、生物兵器の可能性まで想定することも必要です。以前は会場付近を中心に警戒対象としていたのが、全国どこで事件が発生してもおかしくない状況で、警備はこれまで以上に広範囲で困難になっています。  テロの発生要因を考えると、我が国では昭和30年、40年代に過激派の活動が盛んな時代がありましたが、社会が安定していくにつれ終息していきました。日本国内では平和な時代が続き、テロを想定することすら忘れられていた24年前の平成7年3月、オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生し、初めてテロに化学兵器が使用され、世界を震憾させました。平成13年にはアメリカでの9・11テロで3,000人が犠牲になり、報復の連鎖によるテロが世界に拡大し、現在に至っています。  昨今のテロの傾向は、官公庁といったハードターゲットよりも、繁華街、競技場、ライブハウスというソフトターゲットになっているのが特徴です。これは、警備が甘い場所での成功率の高さ、不特定多数を標的とすることで社会全体に広く衝撃と恐怖を与える狙いによるものです。  現在、大規模テロは終息に向かっているようですが、アメリカでは個人的な政治思想、宗教、人種差別、社会への不満から、銃乱射事件が後を絶たず、毎年犠牲者が多数出ています。テロは過激な思想を持った一部の組織が起こすものでしたが、個人や少人数での破壊活動は事前の摘発が困難です。国境のない世界が理想のように言う人がいますが、現実は、国家単位の秩序、規律の崩壊は、過激派を台頭させ、世界の混乱を招く要因になるだけです。  多くの国では、武力攻撃テロには重武装でなければ対抗できないので、軍隊が即応体制をとっていますが、日本ではどうでしょうか。自衛隊の活動は、海外派遣ではPKO(平和維持活動)でインフラ整備等復興事業、警戒活動が中心で、軍事行動はできません。そこで、武装勢力に狙われた場合に備え、平和安全法制を整備し、駆けつけ警護が可能になりました。軽武装で正当防衛しか認められない状況でも、これまで隊員の犠牲はなかったのですが、限定された警戒活動の弊害で、民間人の犠牲者は出てしまっています。日本国内の治安出動でも、自衛隊は警察と同様の正当防衛しかできず、欧米のような大規模テロへの軍隊の即応体制はありません。穏健リベラル派とされるドイツのメルケル首相でさえ、テロに対しては「対話では何も得られない。軍事行動で押さえるしかない」と明言しています。常識的な意思疎通を全否定したところにテロが起こるのです。  大規模災害、テロ、武力攻撃といった国家の存立が問われるような状況では、個人の権利や人権は大切であっても、広く国民の生命、身体、財産を守るために、国家権力を拡大し警戒水準を高める必要があります。それには、憲法に自衛隊の存在を明記するだけでなく、大規模災害に対応する緊急事態条項も同様の理由で法整備が待たれます。  現在、テロ警戒のため、不特定多数が集まる空港、駅、繁華街では、制服警察官を積極的に配置した見せる警備を強化しています。本区でも皇居周辺を警備する警察官が増員され、皇居内堀ではほとんど死角がなくなっています。啓発活動においては、路上の不審物、不審者に対して、いつもと違った異常に気づいたらすぐ通報することを徹底し、国民一人一人の警戒意識、監視の目が、テロ、犯罪を未然に防ぐ最大の抑止力となるという周知の徹底が大切です。  自然災害については、日本列島には活火山が世界の7%、震度6以上の地震の2割が発生する、災害密度の高い国です。さらに、内閣府が作成している世界の大都市の自然災害リスク指数において、最も高いのは東京・横浜で、指数710。2位のサンフランシスコが167なので、断トツの1位なのです。東京で生活することは、災害リスクが高い地域であっても、都市の利便性を優先しているとも言えるでしょう。東日本大震災では防災の重要性を実感したにもかかわらず、8年間、日常生活には支障がないことから、警戒感は薄くなっていないでしょうか。日本人の、自然災害を避けようのない災いと考え受け入れてきた潔さ、諦めのよさは、いい面もあるのですが、危機管理意識の低さにつながっているとも言われています。  公助は最後の手段で、まずは自助、次に共助で、自ら危険を回避しなければ命は守れません。本区は、夜間人口を大きく上回る在勤者、昼間人口がいる地域特性があるので、災害発生時には食糧、水がすぐに売り切れ、物流がとまってしまうと、数日間入手困難になります。公の備蓄物資に頼らなくても、自宅避難生活に対する十分な備蓄が必要です。大規模災害は100年から1000年に一度と言われていますが、いつ発生してもおかしくない状況です。30年以内に南海トラフ、首都直下地震のどちらかが発生する確率は96.4%、3年以内に起こる確率は21.3%という統計もあります。自治体は最悪の状況を最善の状態で切り抜ける計画を立て、実行するのが役割です。  そこで、本区の危機管理の取り組みについて7点質問します。  1、災害対策・危機管理課で、防災だけでなく大規模災害、テロ対策について、国、都、近隣区、地域住民、警察、消防といった関係機関との役割分担、情報共有、連絡体制はどのようになっているのか。東京2020五輪大会で区の果たすべき役割は明確になっているのか。  2、自衛隊の災害派遣は、これまでは自治体の要請受けて活動する受け身型でしたが、適切な支援を打診する提案型の運用に変わっています。これを受けて、本区を担任地域とする練馬の第一普通科連隊と日常より情報共有し、大規模災害時の支援受け入れ体制について詳細に決めておく必要があると考えるが、どうか。  3、危機管理を担当する部署の責任者は、経験を積んだ人材、専門家が必要です。現場経験が少ないと災害時の適切な判断が難しくなります。危機管理担当の人材配置、他の部署との連携について、どのように対応しているのか。  4、災害発生時の情報収集、情報発信について、屋上のカメラの運用、現地調査の出動態勢はどのようになっているのか。道路が混雑して車両が使えないことを想定しているのか。また、デマ、風評被害に対する広報の対応を考えているのか。  5、防災訓練は大切だが、訓練のための訓練になっていないか。想定される最悪な状況を含めたさまざまな危機シナリオの作成、訓練の成果、結果の評価と反映はどうしているのか。不意打ちのリアルな訓練の必要性について、どう考えるか。  6、国民保護法では、住民の避難に関する措置を行うに当たり、都道府県知事が避難の指示を行ったときは、市区町村長は直ちに避難誘導実施要領を定めて、その定めるところにより避難住民を誘導することとされている。本区での避難誘導実施要領の策定はどうなっているのか。  7、災害発生後の緊急輸送道路における、がれき・ごみ・放置車両の処分・撤去・移動に対して、区としてどのように対応するのか。  以上、明快な答弁を求め、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 52: ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 永田議員の危機管理の取り組みについてのご質問にお答えをいたします。  まず、テロ対策における各機関等との役割分担などについてお答えをいたします。  テロ等の発生時に区民等の救援救護活動を迅速かつ的確に行うためには、平時より各機関との連携強化が必要であると認識しております。そのため区では、テロ対策訓練として、平成29年度に、内閣官房、総務省消防庁、東京都、自衛隊などとともに、東京都国民保護共同図上訓練を実施したところです。そして、安全・安心なまち千代田区を実現するため、区は平成29年1月に情報共有と協力体制の整備について定めた千代田区パートナーシップ協定を、区内にある4警察署及び民間業界団体と締結し、官民一体となって、地域でテロを許さないまちづくりを目指しているところでございます。  また、今年度においては、警察、消防などとともに、麹町パートナーシップテロ対処合同訓練、及び武道館を使用した、多数傷病者発生時における方面救助救援訓練を実施し、その中で区の役割、連絡体制を明確にしたところです。さらに、区内4警察署及び東京商工会議所と区が、千代田区域内におけるサイバーセキュリティー意識の向上及びサイバー犯罪による被害の防止を図るため、今月中に千代田区サイバーセキュリティーに関する協定を締結する予定でございます。加えて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、東京2020大会に向けた東京都安全・安心推進会議において、東京都や区市町村及び関係省庁、重要インフラ事業者等との連携強化体制の構築や情報共有を図るとともに、治安対策、災害対策、サイバーセキュリティー、感染症対策などについて、それぞれ役割分担を明確にしております。  次に、大規模災害時における自衛隊の支援受け入れ体制についてお答えをいたします。  平成28年熊本地震の検証結果において、平時より、自衛隊、警察、消防との共同訓練等を実施していたことから、発災時の人命救助活動が迅速かつ的確に進めることができたとの報告がありました。本区においても、地域防災計画に、あらかじめ自衛隊、消防、警察を組み入れており、東日本大震災の際も、区災害対策本部に情報連絡体制を確保するため、自衛隊が常駐し活動を行った実績もございます。こうした常日ごろからの連携の中で、今年度実施した麹町中学校避難所総合防災訓練にも、自衛隊を初め関係機関として参加をしていただいているところでございます。  また、発災時における体制として、人的・物的支援を効果的に活用するための受援体制を災害対策本部に設け、自衛隊や他の自治体等への応援要請及び応援受け入れ体制などの整備を進めております。今後も、みんなで助け合う減災のまちづくりを目指し、各防災機関の全機能を有効に発揮することができるよう、各機関との連携強化に努めてまいります。  次に、危機管理を担当する部署の責任者は、経験を積んだ人材、専門家が必要ではないかというご質問にお答えをいたします。現在、東京消防庁の係長級職員を災害対策・危機管理課に派遣受け入れをしているほか、東京消防庁の退職職員8名を災害情報対策員として採用してございます。また、防災における専門知識を有するために、担当部署におきましては、日ごろより災害対策本部立ち上げ訓練や情報伝達訓練などを行い、技能を高めております。さらに、管理職を含めた担当課職員に対し、内閣府主催防災スペシャリスト養成研修などの専門研修に参加させ、専門知識を習得させております。加えて、今年度より開始した防災士資格取得助成事業を行うに当たって、担当課職員4名が既に防災士資格を取得しております。また、発災時においては、対応業務別に全ての班員の班分けを行っております。その際、防災などの専門性の高い部署については、災害時における各班との総合調整を行う役割の班に配置するなど、通常業務との継続性を考慮し職員配置を行っており、各班は、それぞれに役割を担いつつ、連携・協力しながら応急対応業務を行ってまいります。  次に、災害発生時の情報収集、情報発信及びデマ情報などへの対応につきましてお答えをいたします。  発災時においては、高所カメラを活用し俯瞰的に状況を捉えるとともに、区内在住の職員たちで構成された初動調査班により、徒歩で区内調査を実施し、被害状況などの把握に努めることとしております。それとともに、他の防災機関と連携し情報共有を行うとともに、マスコミ報道、SNSなどを効果的に活用し、情報収集に努めてまいります。加えて、迅速かつ的確に区民に避難情報及び被害状況などを、防災行政無線、安全・安心メールなどあらゆる伝達手段を用いて発信してまいります。また、SNS上などで拡散している情報と現場からの情報を比較し、デマや風評被害につながる情報に対しては、ホームページやツイッター、フェイスブックなどを用い、即座に訂正の広報を行ってまいります。  次に、不意打ちのリアルな防災訓練の必要性についてお答えをいたします。  区職員の訓練としては、災害対策本部運営訓練を実施しております。災害対策本部運営訓練では、過去の災害事例や他の自治体で実際に起こった災害対策における教訓を踏まえ、シナリオに取り入れ、訓練を実施しております。その際、防災に関する専門的知見を有する民間業者に訓練支援を委託し、客観的な評価、検証を得ており、その結果を次回の訓練内容等に反映しております。さらに、訓練参加職員には、事前に訓練シナリオを示さないブラインド要素を大きくすることで、初動時における被害状況等に即した、より実践的な災害対策本部運営訓練の実施に努めております。  次に、大規模事故、テロ発生時の避難実施要領についてお答えをいたします。  大規模集客施設等へのテロ等の発生時において、迅速かつ的確な住民の避難を実現するためには、可能な限り速やかに避難経路や避難の手段などを定めた避難実施要領を作成する必要がございます。そのために、平素より具体的な避難実施要領のパターンを作成していくことが重要であり、区としても消防庁が行う避難実施要領パターン作成サポート事業を活用し、現在、東京2020大会に備え、競技会場のような大規模集客施設におけるテロ事案を想定した、避難実施要領パターンの作成を進めているところでございます。  次に、災害発生後の緊急道路障害物除去等につきましてお答えをいたします。  区は、区道における救援活動を円滑に行うための輸送路を選定し、落下物、倒壊物、放置車両など路上障害物を早期に除去し、救援活動のための車両の通行帯の確保を行うこととなってございます。 53: ◯議長松本佳子議員) 議事の都合により、休憩いたします。     午後5時42分 休憩     午後5時54分 再開 54: ◯議長松本佳子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  7番大坂隆洋議員。     〔大坂隆洋議員登壇〕 55: ◯7番(大坂隆洋議員) 平成31年第1回区議会定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として一般質問をいたします。今回はロストジェネレーション問題についてと商工振興施策についての2点、質問をいたします。  「ロストジェネレーション」という言葉は、もともと第一次世界大戦後の1920年ごろ、ヘミングウェイなどに代表されるアメリカの作家を指す言葉として、当時、女流小説家のガートルード・スタインが命名したものと言われています。今、我が国では、ロスジェネ世代と言うと、バブル景気崩壊後の就職氷河期に就職活動を行った世代のことを指し、その中でも特に1999年から2005年の超氷河期に就活動を行った世代が厳しい状況だったと言われています。ちなみに私は大学を2000年に卒業し就職をしていますので、まさにこのロスジェネ世代の当事者ということになります。今回は当事者の一人として、今後、広くこの問題について議論をしていくための問題提起をしなければならないとの思いから、この問題を取り上げることといたしました。  では、ロスジェネ世代の何が問題となっているかについてですが、昨年77.1%だった大卒の就職率は、2000年当時、55.8%でした。当時就職を希望した大学生にとって、正規職員として雇用されることは非常に狭き門だったことがわかると思います。その結果、多くの若者が希望どおりに就職することができず、その後の人生において積み上げるべきキャリアを積むことができなくなってしまいました。終身雇用、年功序列の社会システムが定着していた日本において、新卒の就職時に一度失敗をしてしまうと、その後の挽回は容易なものではありません。現在においても、このロスジェネ世代は、非正規雇用の割合が高い、勤続年数が短い、などの状況に陥っており、その結果、収入が低いまま、将来の見通しが立たないというケースが非常に多くなっています。  また、ロスジェネ世代は、前後の世代と比較して所得が低い状況は現在も続いています。そうした背景から、結婚したくても、金銭的な理由により結婚できない。また、結婚はしたが、子どもをつくる余裕がないなど、少子化がここまで進んでしまった1つの要因にもなっていると考えられており、これは、この世代の自己責任という言葉で片づけることができない社会的な課題となっています。この問題は、今後、全世代で解決に向けて取り組んでいかなければならないと考えます。  では、ロスジェネ世代の顕在化しつつある課題は何かということですが、私は2つあると考えます。  1つ目の課題は、今40代前後になっている世代が、しかるべき社会的なキャリアを積むことができなかった、相応の収入を得られてこなかった結果が、今後どのような問題を引き起こすかということです。  ロスジェネ世代が65歳の高齢者になるのは2040年ごろです。2040年問題という形で議論の対象になっていますが、このころに日本の高齢者人口はピークの3,900万人となり、高齢者率は実に36%という水準にまで到達することが推測されています。その結果、社会保障給付費は190兆円に上ると考えられており、それだけでも大きな課題ですが、このときロスジェネ世代の多くが、老後の暮らしをしていくための必要な貯蓄ができないまま高齢者となります。また、未婚率も上昇していることを重ね合わせると、2040年には貧困で孤独な高齢者が著しく増加する社会になります。こうした状況から、さまざまな社会問題につながっていくことは想像にかたくありません。  この問題は、今後、社会保障や経済政策の観点から放置することはできないものであると同時に、民間企業の経済活動のみに委ねて解決できるものではありません。国民全体の課題として認識し、行政も積極的に解決に向かって努力すべきものであると考えます。もちろん千代田区のような1つの自治体の努力で解決できる問題ではありませんが、無関心でいることは何もプラスに働きません。  そこでお伺いいたします。このような顕在化し始めたロストジェネレーション世代を取り巻く課題に対して、区長はどのような認識を持っているのでしょうか。今後、注目し、幅広く議論を行っていかなければならない課題と考えますが、いかがでしょうか。基本的な考えをお聞かせください。  2つ目の課題は企業サイドの問題です。ロスジェネ世代は今40代前後となっており、企業にとっても、まさにこれからの経営を担う中堅の働き盛りという年齢に差しかかっています。しかしながら、20年前、採用数を絞り、その後も賃金の伸びを抑えるなど、目先の経費節減を行ってきた結果、企業の中に40代前後のキャリアを積んだ正規職員は多く残らないということになってしまいました。2017年には旭化成の社長が、新聞社のインタビューに対し、こう答えています。「30代後半から40代前半の層が薄くなっています。2000年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーを持たないといけない時代に差しかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません」、このように述べております。  なかなか民間企業の内部の正社員の年齢構成を見ることはできませんが、多くの企業で同様のことが起きていると推察されます。旭化成の場合、このまま行くと生産ラインが動かせなくなるような事態になりかねないと危惧をしていましたが、長いスパンで考えれば、管理職の人材不足は経営そのものの危機を招くものであると考えます。今後を担う働き盛りの40代正規職員が手薄となっているという状況は、対岸の火事ではありません。千代田区でも同様な状況となっています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  この表は、現在の千代田区職員を年齢別にあらわしたグラフです。明らかにロスジェネ世代に重なる年代の職員数が少なくなってしまっているというのがわかると思います。業績に左右されない自治体において、なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。2000年前後は、ちょうど区内の人口が減少し続け、底となった時期とも重なるのですが、それにしても余りにも残っている職員数が少ない状況であるというのが、一目見てわかると思います。少なくなっている原因を分析することも必要だし、その対策も早急に立てなければならない状況にあるということは誰が見ても明らかです。(スクリーン表示を元に戻す)  そこでお伺いいたします。このような40歳前後の職員が極端に少ないという現状に対して、どのような認識を持っているのでしょうか。10年後、20年後に向けて安定した行政サービスを区民に提供していく上で、大きな問題を抱えていると指摘せざるを得ない状況です。区の見解をお間かせください。今後、こうした手薄となっている世代の募集を積極的に行っていくということは、社会的な意義もあり、非常に重要な取り組みとなるのではないかと考えます。
     そこでお伺いいたします。現在40歳前後の職員が不足していることは大きな課題であり、これは長期的な視点に立って解決していかなければならないと考えますが、具体的に方策は考えているのでしょうか。区の見解をお聞かせください。  以上、ロストジェネレーション問題について社会に広く問題提起をしたいという観点から、3点お伺いいたしました。  次に、これからの商工振興支援施策について質問をいたします。  私は、中小企業診断士という立場から、毎年、商工融資あっせん事業を中心に、商工振興支援施策についての質問をしてきました。それはただ自分の専門だからというだけでなく、中小企業を中心とした経済の活性化は、区民の皆様の生活の向上、福祉の向上にも密接に関連してくるものであるとの視点から、商工振興はまちのにぎわい創出に欠くことのできない重要なものであると考えているからであり、今後も引き続き積極的な商工振興支援施策の展開を求めていきたいと思っています。  中小企業を取り巻く経営環境は日々激しく変化をしており、それに対応するために、国や東京都でもさまざまな支援施策が打ち出されています。こうした変化を捉えていくだけでも事業者にとっては大変な労力が必要であり、場合によっては大きな負担になってしまうことも考えられます。そうした状況から、千代田区では約70ページから成る「千代田区中小企業支援ガイドブック」を今回作成いたしました。区内にあるさまざまな支援機関が扱っている相談事業や補助金、助成金が網羅的にまとめられており、非常に内容の濃いものができ上がったことについて、まずは評価をいたしますが、このガイドブックを活用して、どのように中小企業に対して必要なサービスの提供を行っていくのかが、次の課題だろうと考えます。  このガイドブックには、千代田区以外にも区内の8つの支援機関が掲載されており、各事業の問い合わせ先は多岐にわたっています。創業の支援事業一つとっても、問い合わせ先が5カ所もあります。内容が濃くなれば、反面わかりづらくなってしまうのは避けて通れない課題です。相談窓口などで十分に説明や案内ができるよう、各支援機関と連携をし、ガイドブックの内容について情報共有を行っていく必要があると考えます。また、中小企業支援施策については、国や都も主体的にかなりのスピード感を持って取り組んでいるという現状があり、ガイドブックの情報更新も非常に重要な課題となります。そのための体制づくりも必要です。  そこでお伺いいたします。今回作成した「千代田区中小企業支援ガイドブック」は、今後どのように活用していくお考えなのでしょうか。区の見解をお聞かせください。  昨年の第1回区議会定例会では、一般質問において、先端設備の導入を促す生産性向上特別措置法に関係する質問をいたしました。生産性向上特別措置法は、区から認定を受けた中小企業の設備投資に対し、償却資産に係る固定資産税を3年間ゼロにするもので、さらに、この制度に基づいた措置の対象となった事業者については、ものづくり補助金や持続化補助金などについても優先採択となり、経営革新に意欲的な中小企業を力強くサポートする制度となっています。この制度を千代田区でも適用可能にするためには、先端設備等導入計画を区がまず作成しなければなりませんでしたが、近隣の各区におくれることなくこの事業に対応できたことは、区内事業者にとって大きなメリットとなっただけでなく、千代田区の中小企業支援に対する前向きな姿勢を内外に示す、よい機会となったのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。この生産性向上特別措置法に関連する事業は、3年間の期間が定められています。当初、千代田区では、年間15件の認定を目標に設定していましたが、その後の進捗はいかがでしょうか。おととい18日には、平成30年度の補正予算によるものづくり補助金の募集が始まりましたが、引き続き広く周知をし、この制度を活用する企業を増やすことが必要と考えますが、いかがでしょうか。この事業のこれまでの成果と今後の展開について、区の見解をお聞かせください。  最後に、商工融資あっせん事業についてお伺いいたします。  平成29年4月から東京信用保証協会の保証づきの融資あっせん事業において、創業時期に利用できる起業資金の利子補給率を改定し、区民と一般区分の差をなくす変更を行いました。これによって、従来のものよりも利用しやすい制度となり、創業者をほかの地域から呼び込むことができる環境へ一歩前進したと考えています。一方で、保証料補助については、事業者が区民の場合は区から全額補助が出ますが、区民以外の一般区分では補助がありません。このため、区民と一般の区分で依然として大きな差が残っているのも事実です。この差は資金調達コストそのものの差になるので、特に創業したばかりの会社や個人経営の事業者にとっては、重くのしかかるものとなっています。  他方、他区の状況を見てみると、その区の区民である、ないにかかわらず、全額補助が出るようなあっせん制度も、少ないながらも存在します。また、東京都が保証料の半額を補助する制度と連携をし、区内企業の保証料補助を行っている区も出てきているのが現状です。千代田区でもこうした制度を活用し、より利用しやすい制度へと改善していく必要があるのではないでしょうか。資金調達コストが高いということは、それだけで企業の区外流出の要因になってしまいます。近隣区との競争を助長するものではありませんが、対象となる中小企業は、千代田区の地場産業と位置づけられている中小ビル経営者にとって、非常に大切な顧客です。中小企業の流出を防ぎながら新たな企業を呼び込むことこそが、地域活性化の原点であると考えます。  そこでお伺いいたします、商工融資あっせん事業において、平成29年4月に起業資金融資の利子補給率を改定しましたが、その成果について、どのように分析をし、認識をしているのでしょうか。また、保証料補助の東京都との連携を行うなど、引き続き区内事業者が安心して事業を運営し、資金調達ができる環境の整備を積極的に進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。  以上、(ベルの音あり)ロストジェネレーション問題と商工振興施策について質問をいたしました。関係理事者の明快な答弁を期待し、私の一般質問を終わります。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 56: ◯区長石川雅己君) 大坂議員の質問のうち、ロストジェネレーション問題についてお答えいたします。  初めに、ロストジェネレーション問題に対する認識でありますが、この世代においては、お話にもありました就職氷河期でありまして、非正規雇用の割合が年々高く、加えて正規雇用者と非正規雇用者との間に、平均賃金に大きな格差が生じた結果、さまざまな生活のスタイルをとるのが難しく、例えばなかなか結婚もできないというようなこともお話のとおりだろうと思います。このことが将来的には貧困で孤独な高齢者を増加させる要因にもなり、単に労働問題にとどまらず、深刻な社会問題になるおそれがあるという認識も持っております。  そして、この問題は、実は私の息子も同年代よりやや若いわけでございまして、大坂議員がおっしゃったことは私もよくわかっております。1つの自治体として取り組むには限界がありますが、この年代の方々は、ある面では非常に苦労し、スキルを相当身につけている方も大変多うございます。したがって、区の職員の募集についても、積極的にこうした年齢の対象を対応してまいりたいと思っております。  なお、詳細その他の事項については、関係理事者をもってご答弁させます。     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 57: ◯地域振興部長細越正明君) 大坂議員の商工振興施策に関するご質問についてお答えいたします。  本年1月に完成した千代田区中小企業支援ハンドブックですが、まずは区の経営相談において活用することが最も効果を発揮するものと考えております。このため、区の経営相談員向けに本ハンドブックの活用方法の勉強会を開催し、相談者が公的支援を余すところなく利活用できるようなサポート体制を構築してまいります。また、議員ご指摘のとおり、ガイドブックの掲載情報の更新は非常に重要な課題と認識しております。関係支援団体との情報交換を密に行うことで、情報更新にもしっかりと取り組んでまいります。  次に、生産性向上特別措置法施行後の取り組み状況についてですが、同法に基づく事業者からの計画を昨年6月から区が認定しておりますが、平成31年1月末現在、認定件数42件であり、年間15件の認定目標を大幅に上回る状況となっております。区といたしましては、商工事業者のニーズにマッチした有用な制度であると認識しており、このメリットを漏れなく享受できるよう、しっかりと本制度の周知に努めてまいります。  最後に、商工融資あっせん制度における起業資金についてですが、議員ご指摘のとおり、平成29年4月に、代表者が区外の方であっても、利子補給率を増やすことで、本人負担率を1.4%から区民と同様の0.4%に改正したところでございます。この結果、平成29年度の起業資金に関する実績は、改正前の5年間の平均と比べて、件数では62%、金額では78%増加しております。起業しやすいまちを標榜する当区といたしましては、起業件数の多寡が区の中小企業振興の指標の1つになることから、さらなる拡充が必要であると認識しております。このため、信用保証料補助においても、利子補給率と同様に、区外の方が利用しやすい仕組みとなるように、議員ご指摘の東京都が信用保証料の半額を補助する東京都との制度連携について調整をしているところでございます。こうした施策を通じて、さらなる起業件数の増加につなげてまいります。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 58: ◯行政管理担当部長(吉村以津己君) 大坂議員のロストジェネレーション世代を取り巻く課題のうち、区職員に関するご質問に区長答弁を補足してお答えをいたします。  議員ご指摘のとおり、40歳前後の職員数は、他の世代と比較して極端に少ない状況で、管理監督する職員層が手薄になる可能性があるという課題を抱えております。これは本区だけに限った傾向ではなく、バブル景気崩壊後の就職氷河期から引き続く10年間、職員数の削減を行うため、新規採用数を抑制してきた特別区全体の共通課題と認識をしております。  こうした課題に対する具体的な取り組みについてですが、職員の採用に当たっては特別区人事委員会が統一の採用試験を実施しており、適宜採用基準の見直しが行われております。具体的には、平成28年度の試験から、事務職などの大学新卒者を想定したI類の年齢要件を、28歳未満から32歳未満までと引き上げを行っております。また、民間企業等からの転職者の受け入れを想定した経験者採用制度を設けており、この受験資格の年齢の上限も、平成32年度の職員採用に向けた来年度の試験より、これまでの45歳から、59歳まで拡大される予定となっております。  本区においても、計画的な新規職員の採用を行うとともに、一定の社会人経験を有する経験者採用制度について積極的に活用し、有為で多様な人材の確保に取り組んでまいります。また、将来区政を牽引すべき管理監督者の確保については、昇任選考の制度の見直しにより、早い時期から受験することが可能な制度となっており、受験資格を有する職員に管理監督者より積極的な受験勧奨を行うなど、その需要を満たせるように引き続き取り組んでまいります。加えて、年齢構成のばらつきが業務に支障を来さぬよう、年齢構成を考慮した職員配置を行うとともに、豊富な経験を持つ再任用職員の活用とあわせ、若手職員の早期育成、能力向上を図りながら、区民満足度の高い行政サービスが今後も安定的、継続的に提供できるよう努めてまいります。 59: ◯議長松本佳子議員) 次に、8番池田とものり議員。     〔池田とものり議員登壇〕 60: ◯8番(池田とものり議員) 平成31年第1回千代田区議会定例会におきまして、自由民主党議員団の一員として一般質問を行います。今回は次世代育成支援について、そして特色ある食育の推進について伺います。  初めに、次世代育成支援について伺います。  身体障害者手帳の対象とならない聴力程度で、学習や日常生活をする上で補聴器が必要な児童に対し、補聴器購入に要する費用の一部を助成する中等度難聴児発達支援事業は、本区でもご案内のとおりです。対象者は、聴覚障害による身体障害者手帳を所持していない18歳未満の児童で、両耳の聴力レベルがおおむね30デシベル以上であること、補聴器の装用により、言語の習得など一定の効果が期待できると医師が判断する者です。しかしながら、片耳難聴の場合はこの対象にはなりません。  聴覚障害による障害者手帳の交付にはさまざまな条件があります。両耳を使って聞こえないのであれば、障害者手帳を交付されます。しかし、片耳難聴の場合、片方の耳は聞こえなくても、もう片方の耳で聞くことができます。その場合、障害者手帳が交付されても6級しか交付されません。両耳難聴と違い、片方の耳は聞こえているため、補聴器やイヤホンの必要性を感じる人は少ないです。ですが、聞こえていない耳のほうから危険が迫ってきたときに対処ができない、話しかけられてもわからないといったことがあるので、それを防ぐ意味でも補聴器やイヤホンは必要なのです。  それでは、子どもたちの学校生活ではどうでしょうか。授業が聞き取りにくいからということで、いつでも前のほうの席にしてもらうことは可能ですが、校外学習やグループ学習のように、多方面から聞こえてくる状況では、なかなか同じ条件で聞くことはできません。片方の耳からしか聞こえないという障害は、話すことはもちろん音の方向感覚にも影響が出ると言われています。友達との会話でも聞き返しが多くなり、相手に嫌な印象を与えたり、集中して話を聞くことで疲れやすくなったり、ストレスの原因にもなります。  また、難聴と同様に、弱視や色覚に障害を持った視覚障害児への補装具の支給には、上限はあるものの事前の相談が必要となります。弱視眼鏡等の購入については医療保険による給付が受けられますが、弱視等治療用眼鏡助成制度を明確にしている自治体もあります。今後は子どもたちの歯科矯正治療への助成も考えられるのではないでしょうか。  そこで質問いたします。千代田区独自の次世代育成支援として、助成制度の見直しなど、未来を担う子どもたちへの支援の輪を広げてはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。  続いて、障害を持つ子どもの成人以降の切れ目のない情報管理について伺います。区長招集挨拶の中でも指摘されていましたように、障害児への支援強化については大変期待しているところです。区立子ども発達センター「さくらキッズ」を中心に相談や療育支援を行ってきた実績から、平成31年度は障害児ケアプランとして、障害児一人一人の情報を集約した上で、適切なサービスのコーディネートを行い、妊娠期から18歳までの切れ目のない支援を提供する体制を整える。と新規の予算が計上されました。保護者とともに地域で安心して暮らしていくための取り組みは、これまで以上に各種サービスの充実、関係機関との連携が強化されることと思います。  特別支援学校に通う生徒は高校2年生あたりから、学校の先生、本人、保護者が同席して進路や就労について福祉課と相談をいたします。担当の先生は、長いところでは卒業後5年は見守り続け、状況を把握していきます。  それでは、行政側は同じように18歳以降の状況把握が十分でしょうか。障害のある子どもの保護者からは、切れ目のない支援というのは、18歳で担当部署が切りかわる時期で、これまでの情報がしっかり引き継がれていくのか、やはりその点を心配されます。これまで支援が充実していた環境から、書類だけでは判断できないサポートが必要とされます。障害児から障害者として生活が始まる中、本人が相談する環境が整っているのか。障害者手帳を所持していない方を含め、今後増え続けていく障害者への対応は十分であるのか。この先区内に住み続けるためのサポートはどの程度なのか。不安は尽きません。保健、医療、教育、福祉の各分野の連携強化を図っていくとのことですが、改めてその取り組みについてお答えいただきたいと思います。18歳までの子育ても、これまでの本区の取り組みでは十分でない部分は、他区の民間事業者や民間施設を利用してきた環境にある中で、これまでの過程を把握し、今後の支援まで一括したサポートなら、本人も保護者も安心して住み続けることができるのではないでしょうか。  そこで質問いたします。出生・乳幼児から18歳までの障害児支援と、その後の障害者福祉とが切れ目のない支援になるよう、一括した情報管理やサポート体制について、見解をお聞かせください。  次に、特色ある食育の推進について伺います。平成29年第1回定例会において、食品ロスの削減を食育として取り組むことについて伺いました。本区だけでなく世界中で問題視されている課題として、その必要性について認識されていることと承知しています。前向きな答弁をいただいたものの、行政としてこれまでどのような取り組みをしてきたのでしょうか。昨年、千代田区内近接大学の高等教育連携強化コンソーシアムが設立されました。12月には区内の徒歩圏にキャンパスがある五つの大学が連携する「千代田区キャンパスコンソ」のシンポジウムが開催され、そこで紹介されていたのが「江戸エコかるた」です。(スクリーンを写真画面に切り替え)  こちらは、東京家政学院大学現代生活学部現代家政学科の学生が、江戸時代に現在で言うエコな暮らしがさまざまなところで実践されていたことに着目し、農と食をつなぐ創意工夫や廃棄を次の生産につなぐ知恵から庶民の味が編み出されてきたことを、44組の読み札、絵札に文字と絵で表現し、千代田らしい食品ロス削減活動として呼びかけています。また、江戸時代の錦絵から当時の暮らしの中のエコを学び、かるたを活用することで、食品ロスの削減に対するこれまでの押しつける教えから、楽しみながら学ぶ工夫を取り入れています。現代社会において問題とされている食品ロスの削減を、江戸の当時の知恵を現代においても活用できることを知ってもらうために作成されました。江戸の知恵は千代田の知恵というように、これまで食育につながらなかった食品ロス削減を、このようなかるたを活用することで、子どもから大人まで、千代田ならではの食品ロスの削減への意識も高まるのではないでしょうか。(スクリーンを元に戻す)  江戸時代の食文化は、旬の食材や地元で取れた食材を無駄なく使い切り、わずかに残った野菜のくずなどは堆肥にして活用するなど、現代のエコ調理につながる理にかなったものでした。そんな江戸の食文化を再現した食事を提供しているのが、皇居外苑にある「楠公レストハウス」です。(スクリーンを写真画面に切り替え)  ここで行われている江戸エコ体験会は、江戸時代の料理書を参考につくられた「江戸エコ行楽重」を提供し、循環型社会の手本といわれる江戸時代に焦点を当て、創意工夫で編み出された江戸庶民の味をエコ・クッキングで再現し、食育及び環境教育に貢献することを目的としています。修学旅行生が立ち寄り食事をとることも多いようです。千代田の子どもたちにもぜひ味わってほしいと思います。(スクリーンを元に戻す)  また、食品ロスの削減について、最近ではアプリを利用したフードシェアリングサービスの取り組みが進んでいます。食品ロスを減らすためにつくられたサービスで、店舗訪問型とネット通販型があり、飲食店側などが廃棄予定の食品を、割引価格で食べたい人に提供するサービスです。(スクリーンを写真画面に切り替え)  飲食店側は、廃棄される予定の商品を、割安の価格とはいえ売ることができるので、利益につながります。廃棄にはもちろんコストがかかります。廃棄の量を減らすことで利益につながります。利用者は値引きされた価格で商品を購入することができます。割引率は利用するサービスや購入する店舗によって変わってきますが、定価より安い価格で購入できるのは大きなメリットと言えます。  本来は廃棄処分される予定の商品なので、期限切れ間近なのはいたし方ないと思います。購入したその日のうちに食べれば全く問題はないように思います。個人で利用することも会社として利用することも、本来は廃棄されてしまう予定の食品を購入して食べるという点では、気軽に社会貢献をすることが可能です。多様な飲食業界や、そこを利用する企業や住民で活気ある本区でも、このようなスマホアプリを利用したサービスは今後されていくことでしょうから、進んで取り組みをサポートしてみてはどうでしょうか。(スクリーンを元に戻す)  そこで質問いたします。歴史ある千代田区の特性を生かした視点や、昼間人口の多いこの千代田区らしいアイデアで食品ロスの削減について考えることで、食育の推進につなげてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。  以上、これまでの、そしてこれからの世代をつなぐため、次世代育成支援について、そして特色ある食育の推進について伺いました。区長、教育長並びに関係理事者の前向きな答弁を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔子ども部長大矢栄一君登壇〕 61: ◯子ども部長大矢栄一君) 初めに、池田議員の補聴器及び治療用眼鏡及び歯科矯正治療の助成制度に関する質問についてお答えいたします。  現在、保健福祉部において実施しております中等度難聴児発達支援事業における対象児童の条件は、ご質問にありました諸条件のとおりであり、片耳難聴の児童は対象となっておりません。現制度が始まった平成26年度からの事業実績は、5年間で昨年度の1人2台のみとなっており、詳細を把握できておりません。まずは、他自治体における取り組み内容の把握とともに、学校や児童・家庭支援センター等において、ニーズの把握に努めてまいります。  次に、弱視等治療用眼鏡助成制度についてですが、現在実施しております乳幼児医療費助成及び義務教育就学時医療費助成の両制度における対象範囲は、健康保険の自己負担分となっております。医師の判断により処方され、保険適用を受けた眼鏡の購入費は両制度の対象となり、後日申請することで、自己負担なしで購入することが可能です。近隣の台東区では独立した制度として助成を実施していることはご指摘のとおりであり、いずれの制度により助成を実施するかにつきましては、今後の検討課題とさせていただきます。  歯科矯正治療への助成につきましても、健康保険の適用を受けて治療した際の自己負担分は、乳幼児医療費助成及び義務教育就学時医療費助成の両制度における対象範囲となっており、対保険適用外の矯正治療への拡充は今後の検討課題とさせていただきます。  次に、障害児支援と障害者福祉の切れ目のない支援に関するご質問についてですが、平成31年度より実施する障害児ケアプランは、妊娠期から18歳までの一貫したプランニングを行うことにより、個に応じたサービスの提供や充実を図り、障害児に関する切れ目のない支援を実現するものです。プランニングでは、保護者の意向や状況を把握し、ライフステージごとにプランを作成します。保健所、保育園、幼稚園や学校、医療機関との情報共有や連携支援を推進するとともに、18歳に至るまでの見通しを提案、明示します。子どもと保護者が将来的な不安を取り除き、地域での安心した暮らしができるように努めてまいります。また、保育園、幼稚園から小学校、中学校と高等学校と、節目節目で情報をきちんと見直し、引き継ぎを行い、支援方法や成長の過程が蓄積したものを、18歳になったときに保健福祉部に引き継ぎます。就労先などにスムーズにつながるよう、ケース会議等も必要に応じて実施します。生まれてから生涯にわたり情報管理を徹底し、地域で安心して暮らしていける体制ができるように努めていきます。     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 62: ◯環境まちづくり部長保科彰吾君) 池田議員の食品ロスに関するご質問にお答えいたします。  平成29年12月に策定いたしました第4次千代田区一般廃棄物処理基本計画におきまして、目標達成に向けた取り組みの中に、新規項目として食品ロス削減を位置づけ、取り組みを進めております。昼夜間人口比率が14倍にも及び、区内から発生するごみの約9割が事業系廃棄物である本区におきましては、飲食店や社員食堂から出される残飯や調理くず、コンビニの消費期限・賞味期限切れの弁当等、日々大量の食品ロスが発生しております。  食品ロスの削減には、必要な量だけ食材を調達し、調理くずをできるだけ少なくする調理をして、食べ残しをしないこと。食品等のスーパー等で、消費期限、賞味期限を見て、古い物から購入、消費していくことなど、消費者と事業者双方からの取り組みを進める必要がございます。そのため、まず区民の皆さんに対しては、引き続き、環境関連のイベント等におきまして、食品ロスの削減をテーマとした情報発信・啓発コーナーを設けるなど、食品ロス問題に関心を持ってもらうような場の提供を行ってまいります。現在、試験的に実施しております、あおぞら相談回収の場におきまして、フードドライブを、これも試験的に実施をしております。家庭で余った食材を持ち寄っていただき、配布団体を通して、食材を必要としている団体、個人にお配りするシステムでございます。このような取り組みも食品ロスの削減を考えていただくきっかけとなると考えております。  また、事業者に対しては、事業用の大規模建築物への立入調査の際に、食品ロス削減に関する指導助言を行うとともに、廃棄物管理責任者講習会などを通じて、食品ロス削減に向けた事業者の意識啓発を図ってまいります。区では毎年、事業用大規模建築物における優良廃棄物管理者を表彰しておりますけれども、社員食堂から排出される調理くずや残飯を、水とCO2に生分解処理し、生ごみゼロを実現した事業者を、本年度の優秀賞として表彰をさせていただきました。  廃棄物を削減するためには、まず、リデュース、リユースの2Rを推進することが重要でございます。議員ご提案の千代田区ならではの食品ロス啓発の取り組みにつきましても、家庭でも企業でも取り組めるわかりやすい事例として、実現の可能性を検討してまいります。 63: ◯議長松本佳子議員) お諮りいたします。  本日は以上で延会したいと思いますが、異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 64: ◯議長松本佳子議員) 異議なしと認め、決定いたします。  次回の継続会は、明日2月21日、午後1時から開会いたします。  ただいま出席の方には文書による通知はいたしませんので、ご了承願います。  本日は以上で終了します。延会します。     午後6時38分 延会                     会議録署名員                        議 長  松 本 佳 子                        議 員  木 村 正 明                        議 員  小 枝 すみ子 発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...