• 国体(/)
ツイート シェア
  1. 千代田区議会 2018-09-26
    平成30年第3回定例会(第2日) 本文 開催日: 2018-09-26


    取得元: 千代田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-02
    千代田区議会議事録 トップページ 詳細検索 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成30年第3回定例会(第2日) 本文 2018-09-26 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 67 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 2 : ◯25番(桜井ただし議員) 選択 3 : ◯区長石川雅己君) 選択 4 : ◯教育長坂田融朗君) 選択 5 : ◯教育担当部長村木久人君) 選択 6 : ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 選択 7 : ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 選択 8 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 9 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 10 : ◯20番(はやお恭一議員) 選択 11 : ◯区長石川雅己君) 選択 12 : ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 選択 13 : ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 選択 14 : ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 選択 15 : ◯20番(はやお恭一議員) 選択 16 : ◯区長石川雅己君) 選択 17 : ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 選択 18 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 19 : ◯10番(飯島和子議員) 選択 20 : ◯区長石川雅己君) 選択 21 : ◯地域保健担当部長渡部裕之君) 選択 22 : ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 選択 23 : ◯10番(飯島和子議員) 選択 24 : ◯区長石川雅己君) 選択 25 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 26 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 27 : ◯3番(岩佐りょう子議員) 選択 28 : ◯区長石川雅己君) 選択 29 : ◯教育担当部長村木久人君) 選択 30 : ◯地域保健担当部長渡部裕之君) 選択 31 : ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 選択 32 : ◯3番(岩佐りょう子議員) 選択 33 : ◯教育担当部長村木久人君) 選択 34 : ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 選択 35 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 36 : ◯5番(大串ひろやす議員) 選択 37 : ◯区長石川雅己君) 選択 38 : ◯環境まちづくり部長(保科彰吾君) 選択 39 : ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 選択 40 : ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 選択 41 : ◯5番(大串ひろやす議員) 選択 42 : ◯環境まちづくり部長(保科彰吾君) 選択 43 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 44 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 45 : ◯17番(内田直之議員) 選択 46 : ◯政策経営部長(清水 章君) 選択 47 : ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 選択 48 : ◯17番(内田直之議員) 選択 49 : ◯政策経営部長(清水 章君) 選択 50 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 51 : ◯15番(小林たかや議員) 選択 52 : ◯地域振興部長(細越正明君) 選択 53 : ◯15番(小林たかや議員) 選択 54 : ◯地域振興部長(細越正明君) 選択 55 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 56 : ◯16番(永田壮一議員) 選択 57 : ◯教育担当部長村木久人君) 選択 58 : ◯政策経営部長(清水 章君) 選択 59 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 60 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 61 : ◯8番(池田とものり議員) 選択 62 : ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 選択 63 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 64 : ◯2番(秋谷こうき議員) 選択 65 : ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 選択 66 : ◯議長(松本佳子議員) 選択 67 : ◯議長(松本佳子議員) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午後1時00分 開議 ◯議長(松本佳子議員) ただいまから平成30年第3回千代田区議会定例会継続会を開会いたします。  これより各会派の代表質問に入ります。  初めに、自由民主党議員団を代表して、25番桜井ただし議員。     〔桜井ただし議員登壇〕 2: ◯25番(桜井ただし議員) 平成30年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団を代表して質問をいたします。  質問の初めに、このたびの北海道胆振東部地震や大阪府北部地震及び平成30年7月豪雨、台風21号などの災害により、亡くなられた多くの方々に深く哀悼の意を表するとともに、けがをされた方々や、家屋などに大きな損害をこうむった被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。  まず初めに、平成29年度決算と今後の財政運営について質問をいたします。  第3回定例会は、1年間の総まとめを行う、いわゆる決算議会と言われております。このため、今定例会の議会審議では、平成29年度の決算を総括し、その結果を、今年度の事業執行や平成31年度の予算編成につなげていくことが重要になってきます。  私は、昨年度もこの第3回定例会で自由民主党議員団を代表し、最近の決算審議に関する区の姿勢を質問してきましたが、今年度も、まず初めに、これまでの経緯を振り返り、区の決算審査を受ける姿勢についてお伺いをしたいと思います。  これまでの決算議会を振り返りますと、執行機関の意思決定過程について疑義が生じたことなどの理由により、最終的には附帯決議をつけて決算認定をしたこともありました。また、今回審議いたします、平成29年度予算審議に当たりましても、執行機関が区民などに対して予算審査前に十分な説明を行っていない事業や、進捗や内容が不明確な事業であることなどが明らかになり、10項目にも及ぶ附帯決議を行っております。  執行機関と議会は、車の両輪に例えられるように、チェック・アンド・バランスの関係を保ちながら、協力して住民福祉の向上を実現していくという関係にあります。しかし、過去の状況を見ますと、執行機関と議会の役割が十分に果たされていない状況が見受けられてきました。  そこで、今までの反省を踏まえ、平成29年度の決算審査を受けるに当たり、区はどのように総括をしているのか、決算審査に臨もうとしているのかについて、お伺いをしたいと思います。  次に、平成29年度の決算状況についてお伺いいたします。  平成29年度の予算は、「豊かな地域社会」の実現に向けて、次世代育成や保健福祉などに関する取り組みを積極的に展開されたと、一定の評価をしております。  また、財政面に関しては、財政指標などを見ると、財政力指数や実質収支比率、経常収支比率など、健全な状態であると認識をしています。  しかし、決算資料や監査委員の決算審査意見書などを拝見しますと、執行率や基金の活用、債権に関する課題が見受けられます。執行率については、平成29年度決算では84.3%と、前年度の87.1%を2.8%下回り、94億円の不用額が生じております。翌年度への繰越事業や、やむを得ない事情による工事の延伸のほか、職員の創意工夫による経費節減などの要因もあります。しかし、中には、事業に対する合意形成が不十分なため、予定どおりに進まなかった事業も見受けられます。執行率の低さや進捗状況のおくれは、基金の未活用にもつながってきます。  平成29年度当初予算では、約72億円の基金を活用する予定でしたが、決算では、約12億円のみの活用となっています。また、基金残高に注目が集まる中、その活用目的を明示し、着実な事業の執行を行うことも求められています。それらを踏まえ、決算状況の検証をしっかりと行っていく必要があると考えます。  そのほか、債権については、監査委員の指摘にもあるように、管理期間が長期に及ぶため、適正な管理にぜひ努めていただきたいと思います。  そこで、平成29年度の決算状況について、区の見解を求めます。
     次に、国の税財政制度改革に対する区の考え方について伺います。  ここ数年、法人住民税の国税化や、ふるさと納税制度の拡大など、都市部の税収を吸い上げて地方に配分するような動きが加速しています。また、今年度から、地方消費税交付金の清算基準が見直され、区への交付金が約17億円も減収するという試算がなされています。これに対し、我々自由民主党議員団が中心となり、昨年の第4回定例会において、「「地方消費税」の清算基準見直しの再考を求める意見書」を取りまとめ、要請活動を行いました。我が党は、今後も、このような国の動きに対して、引き続き、団結して訴えてまいります。執行機関におきましても、引き続き、区議会と連携を図りながら、国に対する要請活動などを行うことが大変重要であると考えます。  そこで、国の税財政改革に対する区の考え方について、お伺いをいたします。  最後に、今後の区政運営に対する区長の基本的な姿勢について、お伺いします。  平成31年度予算編成に向けては、既に区の予算編成方針が公表され、動き始めております。平成31年度は、平成の改元や、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の最終準備を行う節目の年でもあります。一方、区政課題に目を向けると、子育て支援や高齢者福祉の充実など、人口増や年齢層の変化に応じた、より一層の事業の推進が求められています。さらに、少し先の将来に目を向けると、2025年問題、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になることも見据えた社会への対応や、公共施設などの老朽化への対応なども考えていかなければなりません。  そこで、区民サービスを低下させないよう、基金や低未利用地の活用なども含め、これからの区政運営をどのように進めていくのかについて、お伺いをいたします。  次に、本区の防災に関連し、都市型災害への対応について質問をいたします。  今年は、例年に比べ早い梅雨明けに始まり、連日のように続く記録的な猛暑が観測され、一方では、集中豪雨や大規模地震といった災害に見舞われた夏となりました。西日本を中心に猛威を振るった平成30年7月豪雨は、200人以上の犠牲を出すなど甚大な被害を各地にもたらし、この被害の深刻さを踏まえ、政府は、5例目の特定非常災害として、地震災害以外では初めてとなる指定を行いました。また、25年ぶりの強い勢力で上陸した台風21号では、暴風雨による停電が、市民生活に重大な影響を及ぼしました。  一方、地震災害も、今月初めに、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震が発生し、北海道では、約295万戸の大規模な停電が起こりました。酷暑の中でライフラインが一たび停止すれば、都心の千代田区でも、生命にかかわる問題に即座につながります。これからの大規模災害を対岸の火事とするのではなく、ここ千代田区のある都心で同様の災害が起こった場合に、区はどう対応していくべきなのか、改めて考えていくべきではないでしょうか。  そこで、区の災害対策について、改めてお伺いをいたします。  まず、平成30年7月豪雨や台風21号による被害や、近年、その発生の危険性が指摘されている首都直下型地震を踏まえて、本区の防災に関する課題認識について、お答えをいただきたいと思います。  次に、平成30年7月豪雨の被災地となった岡山県倉敷市真備町では、複数の河川で堤防が決壊し、浸水の深さは5メートル以上に達したといいます。これは、建物の2階に逃げても、大人が立っていられないほどの深さです。この災害について重要なことは、倉敷市が作成した真備町のハザードマップでは、河川の氾濫により浸水時の深さは5メートル以上になるということが事前に予想されていたことであります。  そこで、千代田区のハザードマップを調べてみると、2つの水害が想定されています。1つは、都が公表したデータをもとに、平成12年の東海豪雨並みの総雨量589ミリの大雨によって、区内を流れる神田川、日本橋川など、東京都が管理する河川が氾濫した場合を想定して、区が平成15年に作成したもの。いま一つは、国が荒川版として公表した、総雨量が548ミリの大雨により、荒川の堤防が決壊した場合を想定し、公表したデータをもとに、区が平成19年に作成したものです。いずれを見ましても、千代田区内に甚大な被害が想定されております。  都市部では、道路舗装などの整備が進み、雨水が地面にしみ込むことができなくなっており、予想を超える集中豪雨の場合は、短期間に大量の雨水が下水や河川に流れ込み、神田川、日本橋川は急激に水位が上昇し、堤防を越えてしまう可能性や、下水道の処理能力を超え、内水氾濫が同時に発生するおそれがあります。それぞれ水害の発生状況は異なりますが、いずれにしても、千代田区では、区が避難勧告などを発した場合、速やかに地下にいる人は地上に上がり、頑強な建物の3階以上や避難所に避難することとしています。しかし、こうしたことは区民に広く知られているでしょうか。  避難準備・勧告・指示の発令は、どのような状況のもと、基準で行われているのでしょうか。また、どのような避難をすべきなのか、豪雨災害が全国で多発している今、改めて、区民への周知を十分に行う必要があります。見解をお聞かせください。  人は、災害時、誰でも「自分は大丈夫」と思いたがると言われており、その考えがとうとい人命を失うことにもなります。そうならないためにも、日ごろから災害情報に敏感になり、もはや何が起きてもおかしくないという心構えを持つことが大事であります。これまでの気象の常識が通用しない今、これまでのように下水道整備や堤防など、ハード面で水害を抑えるという考え方だけでは困難だと思います。早期避難などのソフト面の対策が重要であります。そのためにも、ふだんより、まちなかにおいて、ハザードマップや避難方法など災害情報の見える化を行うべきではないでしょうか。  危機を乗り越え、被害を最小限にし、命を守るために、自分が住み働く場所がどのような被害想定であるのか、対処する方法は何なのかを正しく伝え、区民に認識してもらう努力をする責務が国は課せられています。区民の生命財産を守るため、区は、区民に対し、時には過酷を強いる情報でも、正確にしっかりと周知していかなければいけないと考えます。  また、マンションなどの集合住宅が8割を超えると言われる本区において、災害対策は重要な、そして喫緊な課題です。まちみらい千代田では、マンション交流会などを通じてマンション防災計画を立てるよう指導していますが、その中では、避難誘導班、情報収集班、伝達班、備蓄物資班など、さまざまな役割を決め、マンション内に防災組織をつくり、災害時に機能する取り組みを行っています。大変すばらしい取り組みだと思いますが、単体のマンションだけでなく、地域のマンションとの連携や避難所運営協議会との連携にまでつなげれば、大変すばらしい効果が出てくると思いますが、区の見解をお聞かせください。  次に、今後の小学校整備についてお伺いいたします。  このたび、区立九段小学校・幼稚園の新校舎が無事に完成し、2学期から、新しい校園舎での子どもたちの生活が始まりました。改めてお祝いを申し上げます。  旧校園舎は、大正15年に、関東大震災後の復興小学校として建設され、区内では、現存する唯一の復興小学校の建物でした。新校園舎は、そうした旧校舎の歴史を継承しつつ、21世紀を生きる子どもたちにふさわしい教育施設となるよう、地域の方々の熱い想いによって支えられ、完成に至ったものです。  新校園舎の外観は、復興小学校建設当初の外観が再現されていますが、建物自体の安全性を高め、災害時の防災拠点としても機能する施設となっています。また、隣接した東郷元帥記念公園内にあったプールは、校舎内に取り込まれ、地下に設置された体育館は、公式バスケットボールの試合もできる広さです。さらに、太陽光発電・雨水利用を初めとする自然エネルギーを積極的に利用し、全館でLED照明を採用するなどの環境にも配慮されています。生まれ変わった九段小学校・幼稚園が、次世代を担う子どもたちの楽しい学びの場となることを期待しています。  さて、都心部への人口回帰により、本区の人口は、近年増加が続いています。本年1月1日時点における外国人を含めた本区の人口は、6万1,269人となっており、6万人を超えてきています。これに伴い、子どもの数も増加してきています。15歳未満のいわゆる年少人口は、ここ5年間で見ると、平成26年の1月1日時点で6,360人であったものが、平成30年の1月1日時点で7,964人と、約25%も増加しています。小学校の学級数で見ると、平成26年度は、区立小学校8校合わせて90学級であったものが、平成30年度は99学級にもなっています。特に麹町小学校は、これまで、おおむね12学級で推移してきたものが、平成30年度は17学級まで増加しています。このたび完成した九段小学校は、1学年3学級の18学級までを想定して整備されたと聞いていますが、麹町小学校は、その18学級に迫っています。  児童数の増加に伴い、麹町小学校では、図書室や特別教室などを普通教室に転用して対応してきました。しかし、校舎の現状を見ると、それも限界に来ていると思われます。  そこでお尋ねします。  麹町小学校の整備は喫緊の課題だと考えますが、今後も予測される、さらなる児童数の増に、どのように対応されるのか、また、普通教室に転用した図書室や特別教室を含め、学校教育に必要な機能をどのように維持していくのか、今後、麹町小学校の児童数の見込みも含め、お考えをお聞かせください。  日本全体で見れば、既に人口減少社会に入っており、少子高齢化は一層進んでいくものと思われますが、本区では、まだしばらくは人口の増加傾向が継続し、子どもの数も増加していくものと思われます。次世代を担う子どもたちが増えることは喜ばしいことですが、区として、区の全ての子どもたちに対して、次世代育成や教育についての責務を果たさなければなりません。この問題は、長期的な課題として、これからの児童数の見込みを立てた上で取り組んでいくことが必要と考えます。  そこでお尋ねします。  区では、今後の区全体の児童数の推移について、どのようにお考えなのでしょうか。また、それを踏まえ、まだ未整備の、お茶の水小学校、和泉小学校、番町小学校については、どのような方針で整備を進めていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  最後に、障害者の雇用について質問をいたします。  障害者の雇用については、連日、新聞報道で取り上げられてきたところですが、今年8月、中央省庁で障害者雇用の水増しが発覚し、裁判所、国会事務局を含めて、行政、司法、立法の三権全てで障害者雇用の不適切な操作が行われたことが明らかになりました。地方自治体でも同様の問題が発生しており、現在、少なくとも22の県で、基準に満たないところがわかっています。また、東京23区でも、世田谷区や墨田区で相次いで基準を下回る状態であることがわかりました。  「障害者の雇用の促進に関する法律」の中でもうたわれておりますが、障害者の雇用を確保して、障害のあるなしにかかわらず、ともに生きる共生社会の実現は、働き方改革の中でも各方面で議論がなされています。しかし、残念ながら、目標と実態とかけ離れていることが明らかになったわけで、これは私たち国民の一人一人の意識、障害者に対する理解、受け入れる側の理解と協力に、まだまだ足りないところがあるように思います。  今年4月、「障害者の雇用の促進等に関する法律」における法定雇用率は、国、地方公共団体などで2.3%から2.5%に切りかわりました。本区においては、福祉施設整備特別委員会にて、本年3月時点で、千代田区の障害者雇用率が2.58%となっており、千代田区は達成しているとの答弁がありましたが、改めてその実態はいかがでしょうか。現在の状況についてお答えください。  また、これまでの取り組みや、これからどのように対応をしていくのか、区の基本的な考え方もあわせてお示しください。  加えて、共生社会の実現を目指す千代田区での障害者雇用の取り組みについて伺います。  「千代田区障害者福祉プラン」では、「障害等の状況に応じた就労の場や機会を提供することで障害等のある方の自立を促進する」という目標を掲げ、障害者就労支援センター事業の拡充、精神障害者就労継続支援施設B型「ソーシャルグッドロースターズ千代田」や、3年通過型グループホーム「マメッソちよだ」の開設など、事業の推進がなされてきたところです。  また、障害などのあるなしにかかわらず、その家族も含めて、さまざまな相談に対応するとともに、個々の状況に応じた居場所を提供できる「千代田区障害者よろず相談モフカ」も設置され、順調な滑り出しをしたと聞いており、今後は、地域の相談支援の拠点として役割を果たされることを期待しています。  また、平成29年度第1回定例会において、全会一致で議決した「新たな障害者施設の増設を求める決議」におけるついの住みかとなる入所施設の計画は、10月に障害者支援協議会を開催して、基本的な構想の検討に入ると聞いています。  東京2020オリンピック・パラリンピック大会を契機に、目に見える区の障害者施策が充実してきました。人生100年時代になり、障害のある方の高齢化に伴う高齢者施策の連携や、障害児、発達障害のある子どもへの対応では子ども部との調整や連携など、各部とのきめ細やかな連携対応をしていく必要があると考えます。  そこで、このように千代田区ではさまざまな施策が動き出していますが、就労支援の充実や、親亡き後のついの住みかをどのようにするかなど、まだまだ検討しなければならない課題は山積しています。こうした状況を踏まえ、今後、千代田区ではどのような点を重視し、障害者雇用の充実を図っていくお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。  以上、区政を取り巻く諸課題について質問をいたしました。区長並びに執行機関の明快な答弁を期待し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 3: ◯区長石川雅己君) 初めに、桜井議員の、平成29年度決算と今後の財政運営についてお答えをいたします。  まず、平成29年度予算におきまして、区議会から10項目の附帯決議がされました。私たちは、それぞれの事項について具体の検討を進めているところであり、皆様方にもご案内をしていると思います。  一方、平成29年度決算全体を通じまして、執行率の低い事業があることはご指摘のとおりであります。個別の事業の状況については、丁寧に説明をさせていただきたいと考えておりますので、今定例会の中で具体に審査、ご論議を賜りたいと思います。  また、債権に関する点も含め、決算を踏まえた監査委員からのご指摘については重く受けとめております。今後、同様の誤り等がないよう、しっかりと改善に向けて取り組んでまいりたいと思います。  次に、国の税財政制度改革についてであります。  大都市の財源を地方へ移転するという現在の動きは、本来は、地方分権改革の実現に向けたものであるべき地方税財政改革とはかけ離れたものであり、国と地方との分権改革の論議を、大都市対地方の税財源配分の問題にすりかえることにほかならないと思います。このような不合理な税制改革の見直しに対しては、断固反対の意を表明し、取り組んでおりますし、議会もともどもで、この問題については取り組みたいと思います。  一方、子育て世帯や高齢者数の増加に伴う対応はもとより、区有施設と都市基盤施設の将来費用を合わせますと、今後50年間で、年間平均97億円にも上るという試算をしておりまして、中長期的な財政需要が膨大であることは、桜井議員ご指摘のとおりでありまして、今年度の30年度の予算におきましても、税財政改革の中長期的な見通しについてもお示しをしたところでありますし、今回の招集挨拶でもその点については触れたわけでございます。  ぜひ、これからも、ともどもでこの問題について一緒に運動をしてまいりたいと思っております。  ところで、平成31年度予算については、今回の決算で出されました中で、執行率の低いものについては、再度点検をしまして、そのことを踏まえて、予算計上をどうするかを考えていきたいと思います。  そして、一方では、従来は、予算については単年度主義で、施設建設だけを3年程度のめどを出したわけですけど、今回は、3カ年程度、ソフトについても、事業を明示したいと思います。そのことが将来にわたる安定的な区民サービスを提供していくというあかしになるだろうと思っておりますので、ソフト、ハードを含めて3カ年程度を、皆様方にも予算としてお示しをしたいと思います。  一方では、こうしたことを取り組む上では、当然、内部努力や施策の選択と見直しというものは継続してやっていくということについては、ぜひご理解を賜りたいと思います。  次に、都市型災害への対応についてのご質問にお答えいたします。  このたびの西日本を中心に記録的な大雨をもたらしました、平成30年7月豪雨や、非常に強い勢力で上陸をいたしました台風21号は、多くの人的被害とともに、交通・上下水道・電気などの生活インフラを破綻させるなど、各地に極めて甚大な被害をもたらしたことはご指摘のとおりだろうと思います。  また、大阪北部地震や北海道胆振東部地震では、大規模な停電を初めとするライフラインの被害が発生したこともご案内のとおりだろうと思います。  近年、その発生の危険性が指摘されております首都直下型地震を含め、災害はいつ起きてもおかしくない状況にあるということは、同じ認識だろうと思います。大規模災害が予見される場合には、いち早く避難をお願いすることになることが重要であり、自らも一人一人の方々がそういうことを常に考えていただきたいと思います。  区としましては、タイムラインに応じた避難行動に関する情報を、防災無線やホームページなどで、迅速かつきめ細かく、わかりやすく伝えてまいりたいと思いますし、そのことを繰り返し繰り返し周知をしてまいりたいと思います。加えまして、ハザードマップについても、全区民に配布し、その内容の周知に努めるなど、積極的に、きめ細かく、かつ繰り返し繰り返し情報を提供してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、災害対策は、ここまでやれば十分というものではなく、災害が発生するたびに、それを教訓として、新たな課題が指摘され、そのための災害対策を講じなければならないことは、ご案内のとおりであろうと思います。  招集挨拶でも述べましたが、関係職員を被災地に調査に行かせまして、状況を的確に把握し、その検証結果に基づきまして、災害による被害を最小限にするための防災・減災対策を総点検し、区の災害対策に反映してまいりたいと思います。その上で、地域防災力を強化するとともに、防災の理念である自助・協助・公助の考えのもとに、みんなで助け合う減災のまちづくりを推進してまいりたいと思います。  なお、詳細及び他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔教育長坂田融朗君登壇〕 4: ◯教育長坂田融朗君) 桜井議員の小学校整備に関するご質問にお答えいたします。  千代田区における児童数の推移と学校整備についてでございますが、全国的には、学校の統廃合が中心課題となるなど、少子化の影響が色濃く出ているものの、本区においては、児童数は依然として増加傾向にあり、この傾向は今後しばらく継続するものと予想しております。  教育委員会では、これまでも、こうした児童数の推移を予測可能な限りにおいて勘案しつつ、それぞれの学校の置かれた状況の中で、求められる教育課程や指導方法の変化に適切に対応する教育環境となるよう、それぞれの学校施設の整備を行ってきたところでございます。  今後も引き続き、児童数の推移を注視し、子どもたちにとってよりよい学習環境を提供できるよう、地域特性や都心の制約条件を考慮し、創意工夫をしながら、学校施設の整備を進めてまいります。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 5: ◯教育担当部長村木久人君) 桜井議員の小学校整備に関するご質問に、教育長答弁を補足してお答えいたします。  初めに、麹町小学校の整備についてですが、平成15年に現在の麹町小学校の校舎が整備された当時は、普通教室は1学年各2学級で12教室とし、そのほかに多目的に利用できる教室を2教室分用意して、将来の学級数増加に対応するようにしておりました。  しかし、その後、予想以上に児童数が増加したことから、一部の特別教室や図書室、また管理諸室を転用し、現在は、普通教室は18教室を確保しています。  本年度の麹町小学校は、6年生のみが2学級で、他の学年は3学級の17学級ですが、地区別の年齢別人口等の状況から見まして、次年度は18学級となる見込みです。普通教室に余裕のない状況ですが、麹町小学校の学区の児童数は、このところ、各歳児ともおおむね100人前後で推移しており、当面は18学級の状態が続くものと考えております。  児童数の増によって、現在の麹町小学校の校舎は、少人数教育への対応などが課題となっており、また、将来的にさらなる児童数の増があった場合の対応は、今後の大きな課題として認識しているところです。  次に、ご指摘の学校を含め、今後の小学校の整備についてですが、現在の児童数の増加傾向を踏まえた児童数の推計を見ながら進めております。現在、整備計画が進められているお茶の水小学校につきましては、このほど竣工した九段小学校と同様に、18学級を想定して設計を進めており、また、和泉小学校につきましては、近年、和泉橋地区において幼年人口が急増していることを踏まえ、検討に着手していきたいと考えております。     〔保健福祉部長歌川さとみ君登壇〕 6: ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 桜井議員の、共生社会の実現を目指す千代田区での障害者雇用の取り組み等に関するご質問に、お答えをいたします。  人生100年時代となり、障害者施策においては、障害のある方の高齢化に伴う高齢者施策との連携とともに、障害児施策を担う子ども部との調整や連携を、これまで以上に充実していく必要があるということは、議員ご指摘のとおりでございます。  まず、障害者就労支援についてですが、本区では、従前より、東京都などの障害者雇用促進に関する制度の対象とならない、従業員45.5人未満の事業所に対し、雇用助成金や就労実習奨励金、実習受入報奨金、環境整備助成金など、障害者を雇用する事業所に対して、さまざまな制度を構築しております。  さらに本年度は、千代田区就労支援センター事業の支援に当たる専門職員の体制を、4名から5名と増員して事業を拡充いたしました。  実績を見ると、第1四半期の昨年度比では、就労前就職準備支援件数が74件増、就労定着支援件数143件増、企業開拓数3社増と、数量、業務効率ともに向上をしております。  新たな取り組みとしては、地域開拓関連事業や就労支援講座などを実施し、就労支援内容別件数は45件の増、生活支援内容別件数は168件増と、企業開拓の増加とあわせ、障害者の就労支援を推進しているところでございます。  また、平成29年第1回定例会において、全会一致で議決いただきました新たな障害者施設の増設を求める決議における、ついの住みかとなる入所施設の整備につきましても、高齢者や子どもも含めた障害者施策の展開に配慮して、実現に向け精力的に取り組んでまいります。  今後は、障害者福祉手当の拡充や、障害者福祉センターえみふるの事業充実の一環として、子ども部との調整により、障害者についてのサービスの提供も計画していくなど、東京2020パラリンピックに向け、より一層、障害者福祉施策を充実し、共生社会の実現を目指してまいります。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 7: ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 桜井議員のご質問のうち、まず初めに、都市型災害への対応について、区長答弁を補足してお答えをいたします。  今年の夏に見られたような大規模災害は、もはや数十年に一度ではなく、いつ起きてもおかしくない災害と言えます。水害、震災にかかわらず、災害は発災時期、時間帯の違いに応じた災害対応をとることが肝要であることは言うまでもありません。  議員ご指摘のとおり、酷暑の中、都心の千代田区においてライフラインが停止した場合、区民の生命に直接かかわる問題となります。千代田区におけるライフラインは、各事業者によって対策が施されておりますが、今後さらにライフラインの強化を進めていくために、改めて、連絡会議などを通じ、各関係機関に要請するとともに、区においても、区道における電線の地中化などを進めてまいります。  また、避難所における暑さ対策など、避難所生活の安全性向上を目指し、避難所として利用している公共施設の建てかえや改修の際には、コージェネレーションシステムやLPガスによる自立型ガスヒートポンプなど、災害時においても利用可能な空調設備の導入に取り組んでまいります。  今回発生した豪雨災害や台風、震災などの大規模災害を受けて、国や都を初めとするさまざまな機関で検証が行われておりますが、本区としても、被災地の状況を的確に把握し、区の災害対策に生かしてまいります。  次に、避難準備・勧告・指示の発令は、どのような状況下、基準で行われるのか、また、どのような避難をすべきなのかについてのご質問にお答えをいたします。  避難勧告等の発令の基準としては、そのときの気象情報や河川情報を総合的に判断し、国、東京都などからの情報も踏まえ、予見される災害の規模に応じ発令することとしております。また、避難勧告等の避難情報については、区民の生命に直接つながるものであることから、空振りを恐れず、より迅速かつ正確に区民に伝えるために、さまざまな情報伝達手段を活用してまいりたいと考えております。  次に、避難方法ですが、豪雨などによる水害が予想される場合、急激な水位上昇とともに浸水が想定される神田川、日本橋川の氾濫に対しては、堅牢な建物の3階以上に避難する垂直避難を行い、浸水継続時間が2週間と長期にわたる荒川の氾濫の場合は、浸水想定区域外の安全な場所へ避難する水平避難を行うことを基本としております。こうした情報についても、あらゆる機会を通じて、広く区民に周知をしてまいります。  次に、ハザードマップや避難方法など、災害情報の見える化についてのご質問にお答えをいたします。  「平成30年7月豪雨」の経験を踏まえて、ハザードマップの周知は、住民の生命を守るために重要なことであると、改めて指摘されております。本区においては、ハザードマップの更新に必要なデータが東京都から得られ次第、現行のハザードマップの見直しを行い、区民に周知をしてまいります。その際には、区民が日常的に洪水への意識を高め、発災時には、安全かつスムーズな避難行動につなげる必要があると考えております。そのため、ハザードマップの配布だけでなく、ふだんより、自らが生活する地域の洪水の危険性を実感できるよう、生活空間であるまちなかに、浸水深や避難方向などの災害情報を、浸水深プレートやデジタルサイネージなど、景観にも配慮した方法を検討し、その見える化を図ってまいります。  次に、マンション住民への災害対策についてのご質問にお答えをいたします。  現在、マンションの防災対策として、マンション防災計画を作成するに当たっての防災アドバイザー派遣や、エレベーターキャビネットの配布、AEDの設置、災害用資機材などの購入費助成を、まちみらい千代田で実施をしているところでございます。  その中で、マンション防災計画は、マンション居住者同士が助け合い、支え合うことで災害を乗り切るとともに、地域や他のマンションとの連携を精力的に行うなど、マンションの防災力強化の一環で作成されており、現在までに80件のマンション防災計画が作成されております。  マンション防災計画の中では、マンション内で在宅避難をした場合において、マンションや家庭での最低限の備蓄を確保するとともに、備蓄がなくなった際には、水や食料などの提供を避難所で受けることができることや、防災訓練への参加など、互いに連携をしながら災害対応を行うことが示されております。  区では、これらに対応できるように、備蓄物資の配備や防災訓練の周知などを積極的に実施しております。今後とも、マンションや町会、避難所運営協議会など、地域全体の「自助」「協助」を促進支援することで、地域防災力の向上を図ってまいります。  次に、障害者雇用に関するご質問にお答えをいたします。  本区の障害者雇用率の算定に当たっては、国のガイドラインにより、参入すべき職員の把握や障害者手帳の確認など、適切に実施をしており、平成30年6月1日時点での障害者雇用率は2.51%で、国が定めた新たな法定雇用率の2.5%を上回っております。
     次に、障害者雇用に関するこれまでの取り組みや今後の対応についてですが、特別区における障害者採用は、人事委員会による統一選考方式がとられております。これまでは、身体に障害のある方を採用してまいりましたが、平成31年度に採用する職員の選考からは、障害者間の均等な就労機会を確保するため、障害種別を特定することなく、身体に障害のある方のみならず、知識・精神に障害のある方にも広く門戸を開くこととなりました。  こうした状況を十分に考慮し、本区においても、引き続き積極的に障害をお持ちの方の採用を進めるとともに、あわせて、採用後も、障害があっても生き生きと働き続けることができる職場環境づくりに取り組んでまいります。 8: ◯議長(松本佳子議員) 議事の都合により休憩いたします。     午後1時47分 休憩     午後1時59分 再開 9: ◯議長(松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  各会派の代表質問を続けます。  自由民主党新しい千代田を代表して、20番はやお恭一議員。     〔はやお恭一議員登壇〕 10: ◯20番(はやお恭一議員) 平成30年第3回区議会定例会において、自由民主党新しい千代田を代表して質問をさせていただきます。  今定例会では、次の3つの視点から質問をいたします。  1つ目は、まちづくりと駐車場施策の連携について。2つ目は、高齢者福祉施策の進捗と今後について。3つ目は、文化財保護法指定の文化財について。  以上につきまして、質問をさせていただきます。  まず初めに、都市、特に東京の都心部における自動車交通環境の変化、そして高齢化社会の影響、若者の自動車に対する意識の変化などを踏まえながら、まちづくりと駐車場整備施策の連携についてお伺いいたします。(スクリーンを資料画面に切り替え)  道路交通法の円滑化を図り、都市機能の維持及び増進に寄与することを目的に進められてきた我が国の駐車場整備ですが、近年、若者の車離れやカーシェアリングの普及などにより、自動車を持たない傾向が見られています。また、国土交通省も、「大都市では過剰な駐車場整備で社会的損失が発生している可能性がある」として、都市部で駐車場の台数や配置を柔軟に取り扱うよう見解を示しています。  特に都市部では、公共交通機関が発達していることもあり、平成28年度時点で、東京23区の自動車保有台数は、10年前に比べて0.91倍、本区のみでも0.95倍に減っているのに対し、有料駐車場台数は、東京23区で1.24倍、本区でも1.19倍に増えています。そして、今後も、オフィスビルやマンションの新築のたびに、駐車場付置義務によって、駐車場台数は増加の一途をたどっていくと考えられます。  東京都では、平成26年、このような駐車場が余っていく傾向に歯どめをかけるため、新築や増築の際の付置義務台数の算出基準の緩和や、既存の駐車場をほかの用途にも活用できることを盛り込んだ条例改正を行っています。本区においても、平成14年、駐車場の整備計画の改定により、大手町・丸の内・有楽町地域に「地域ルール」を導入し、建物単位の駐車場台数の確保から地域単位での台数確保へと、駐車場付置義務の緩和を図ってきた経緯があります。  そこで、次について伺います。(スクリーンを元に戻す)  これまでの計画や取り組みは、本区における駐車需要の増大を踏まえ、これに対応するため、駐車場を整備し、駐車環境を改善していこうとしてきたものであると考えますが、本区のこれまでの駐車場整備施策の経緯と基本的な考え方についてお答えください。  さて、一方で、本区の特性に合った駐車場整備についても目を向けていく必要があります。  本区は、観光都市・東京の中心部であることから、大型の観光バスなどへの対応、また、業務機能の集積するオフィス街を抱える中、荷さばきなどの物流を円滑にするための駐車場の整備や、バリアフリーを含めた障害者向けの駐車場など、さまざまな用途での駐車場の確保は重要な課題になります。加えて、地価が高い本区においては、マンションの駐車場問題は顕在化しており、稼働率の低い駐車場の運営は、マンションの適正管理の点においても大きな課題となっています。  このように、近年の若者を中心とした自動車保有に対する意識の変化やカーシェアリングの普及、高齢化の進展などを踏まえ、交通の利便性が極めて高い本区において、今後の駐車場整備のあり方、特に駐車場付置義務制度の運用について、状況に沿った形に見直すべきではないかと考えます。  そこで質問です。  交通環境や自動車に対する意識の変化、過度な駐車場の拡大が及ぼすまちへの影響、駐車場需要の多様化等について、区としてどのように認識しているのか、今後の駐車場付置義務のあり方、駐車場整備の方向性について、お答えください。  近年、シェアリングエコノミーや産業のサービス化が進展し、自動車も、「所有する時代から使用する時代へ」、変わりつつあると言われています。本区では、これまで道路整備の基本理念として、「人優先のみちづくり」を標榜してきました。道路という線だけでなく、市街地という面も含め、「人優先のまちづくり」を進めることを目指されてきたと認識しています。駐車場の整備は、まちの景観にも影響を及ぼします。  そこで伺います。  駐車場整備の適正化を含めた人優先のまちづくりについて、長期的視点に立った基本的な考え方をお答えください。  次に、高齢者福祉施策の質問に移ります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  我が国では、これから人口減少社会を迎えようとする中、本区の人口は、近年、増加を続けています。全体としては、生産年齢人口の占める割合が高いものの、数としては、14歳以下の子どもと65歳以上の高齢者の増加が喫緊の政策課題と言えます。特に、子どもの数は十数年後には減少に転じることが予測されていますが、高齢者に関しては、今後20年以上にわたり減少に転ずることがなく、増え続けていきます。  医療の発達や食生活の豊かさなど、我が国の長寿化は、この先も維持されることが予測され、「人生100年時代」という言葉も耳にするようになりました。少子化と長寿化の同時進行、労働人口の確保、年金財政などの喫緊の課題に伴ってか、去る8月には、国家公務員の定年を、60歳から65歳に段階的に上げるよう、人事院から国への申し入れも行われたところです。公務員の定年延長を進めることで、民間企業にも定年の延長を促す意図がうかがえます。日本老年学会が、高齢者の定義の検討について、年齢を引き上げる提言を行ったことも話題になりました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  一方で、高齢者人口の増加は、すなわち現在の社会保障制度の持続可能性の問題と直結します。例えば、国民年金には遺族年金がほとんどつかないことから、基礎年金しか受給できない高齢者単身女性の困窮の問題など、現状のままではさまざまな課題が潜んでいる状況です。高齢者の人口が純粋に増えるということは、また、それだけ、介護サービスや医療など、何らかの支援や治療を受けながら生活をしていく状態になる人の数も増えるということになります。加えて、高齢者の単独世帯の割合の増加が予測されていることからも、ひとり暮らしの高齢者にマッチした施策の充実とともに、区民生活の安心を支える区政が求められています。  特に、介護保険制度においては、本区は保険者となることからも、その財政運営面の対策も備えていく必要があります。例えば、2017年度の本区の介護費用額では、在宅サービスが52.7%、施設・居宅型サービスが47.3%と、在宅と施設ではほぼ半々の支出額となっています。また、介護保険の第1号被保険者1人当たりの1カ月の費用は2万7,470円と、東京都平均や全国平均を約4,000円上回っている状況です。また、2013年の時点での将来人口推計では、本区の高齢化率は、2020年に20%を超え、2030年には24.3%、2040年には32.8%になると推計されています。  したがって、今後、高齢者数も高齢化率も増加し、介護費用額も増大していく中で、本区の将来構想を達成するためには、それ相応の財源の確保が必要不可欠となります。  昨年の第4回定例会の代表質問でも伺いましたが、地方財政の制度見直しにより、今後、区の収入減少も危惧される中、高齢者福祉施策をこれまで以上に具体的かつ実効性のある取り組みとして提供していかなくてはならないという、大変難しい状況にあると言えます。  区としては、そのために高齢者福祉基金がある、ということなのでしょうが、果たして、それだけで十分でしょうか。先ほども述べたように、高齢者の単身世帯の増加の一途をたどる推計、また、今、既に介護費用の使い道が、施設と在宅で半々になっている現状などを踏まえると、この先、長寿命社会を安心して過ごすためには、千代田区としての高齢者福祉に対する確固たる理念を携え、高齢者福祉のどの施策に重点を置いて進めていくか、そこの将来構想を詰めていくことが、とても重要ではないでしょう。  特に財政という点では、区政全体の中でのウエートを含め、「ちよだみらいプロジェクト」の中間見直しを前に、いま一度しっかりと考えていただきたいのです。逆に言うと、そのような「将来構想との連動」、「重点施策と予算のめり張り」を実現していかなければ、これからの長寿社会を安心して過ごしていける、現実味のあるビジョンは生まれないと考えます。  そこで、伺います。(スクリーンを元に戻す)  高齢者を対象とする本区の福祉施策に、現状、どのようなメニューが提供されているのか、また、そのうち活用度の高いもの、低いものなどの具体的な評価を含め、現状をお答えください。  また、高齢者のみの世帯及び独居高齢者の割合を鑑み、今後、どのような施策を展開すべきと考えているか、また、その将来構想の現段階での進捗状況について、お答えください。  最後に、介護保険だけでなく、一般財源を含めた高齢者の福祉施策に関する財源確保の全体像について、具体的にどのように計画されているのか、お答えください。  最後に、文化財についての質問に移ります。  昭和59年に示された「教育と文化のまち千代田区宣言」にあるように、本区では、これまで、歴史的に培われた郷土の文化遺産を次世代に送り継ぐために、祭りや文化財など有形無形を問わず、地域住民を初め、その取り扱いには非常に丁寧に、大切に伝統を尊重した取り組みを重ねてきました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  特に、本区と港区・新宿区の3区にまたがる国指定の史跡「江戸城外堀跡」は、その適切な保存と次世代への継承を目的として、それら3区の連携と協力のもと、史跡整備を視野に入れた保存管理計画が、平成20年に策定されています。整備の完成目標は、江戸城の外堀が完成した400年後に当たる2036年とされており、現時点で18年後になります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  なお、江戸城の外堀跡は大規模なため、地域ごとに多様な歴史や自然環境が広がっていることから、それらの地区ごとに目標を掲げ、その目標に従って保存管理や景観形成、整備・活用計画が定められています。  本区が該当する外濠公園地区、真田堀グラウンド地区では、堀と土手と地形の顕在化や、堀を体感できるような景観の向上に努めることが、目標として挙げられており、いずれにおいても、自然環境の保全が重要視されています。この計画、特に整備を実行するに当たっては、史跡に対する工事を行うことになるため、文化財保護法に基づいた手続が必要となります。  これまで本区では、平成28年度新規予算で800万、外濠公園総合グラウンド整備として予算が示されました。その翌年には、前年度の予算未執行のまま、管理棟の補修も加えた形で、1,598万円に増額された予算が出ています。さらに、予算未執行のまま、その翌年、つまり本年度は2億円の予算が計上されています。予算を執行するためには、連携協力関係にある3区のうち、少なくとも隣接する新宿区との合意や、文化財としての諸手続を踏まえる必要があると思われますが、未執行のまま予算額が膨らみ続けていることに、十分な説明がされているとは考えにくい現状があります。  そこで、質問です。(スクリーンを元に戻す)  本区の史跡等、指定されている文化財の保全と整備について、修理等を実施する際の手続及び合意形成について、文化財保護法も踏まえ、そのあり方についてお答えください。  また、具体的な修理等の事例を、進捗中のものを含め、どのように執行されてきたのか、お答えください。  特に、隣接区との連携が不可欠な外堀保存計画を踏まえた執行事案を、どのように検討・遂行してきたのか、お答えください。  以上につきまして、区長、教育長並びに関係理事者の明快な答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 11: ◯区長石川雅己君) はやお議員の高齢者福祉施策に関するご質問にお答えいたします。  千代田区は、介護保険制度がスタートしたときから、在宅重視、また介護保険制度と高齢者福祉施策、両方の充実を明確な方針のもとに取り組んできております。この方針を踏まえまして、平成27年10月に開設をしました、高齢者総合サポートセンター・かがやきプラザは、「高齢者の自立した生活を支援し、在宅福祉における医療・介護連携の充実を図る」という、本区の方針を象徴した施設だろうと思っております。  少子高齢化が進み、人口構成の変化に対応した社会構造の改革が必要になっている中で、人生100年時代と言われる高齢者福祉施策の重要性は、ますます増嵩しているだろうと思います。本区では、従来から、基礎的自治体の役割である住民生活を支える観点から、介護保険制度の適切な運営とともに、積極的に、介護保険外の一般施策においても、高齢者サービスの充実に努めてきたことは、ご承知だろうと思います。  例えば、一例を申しますと、介護保険で、ご承知のとおり、在宅の場合には、介護度によってサービスの時間数が制限されておりますが、それを加算するだとか、さまざまなことをしてまいっております。今後も、この方針は堅持してまいりたいと思います。  さらに、高齢者の相談支援で、現実に起きている問題として一例を挙げるならば、ひとり暮らしの高齢者の増加によって、在宅での介護者不在や成年後見制度の利用が増加をしてきております。その要因は、介護者の高齢化や、複雑化した家族関係が原因で、以前ならば、家族・親族で解決したことに、行政がかかわらなければならない事例がかなり増えてきております。例えば、ひとり暮らしの高齢者が増加する中で、公と私がクロスオーバーする場面が結構最近は出てきております。これは、施設に入っている方も、在宅の方も、同じような状況であります。  社会構造の変化に対応する高齢者福祉施策の必要性はますます、我々は、必要だろうと思います。改めまして、基礎的自治体としての役割を認識し、人生100年時代を見据えて、これからも、高齢者施策、あるいは障害者施策について、最も力を入れたいと思います。  そのために、来年度の予算については、従来は、ハードの部分だけの2、3年のめどを立てましたけど、ソフトの部分についてもお示しをしたい、3年程度。そのことによって、これからの施策についての方向が出てまいりますと、ご指摘のような財源の、ある一定のめどというのを立てられると思いますし、ある面では福祉基金の再編ということも含めて考えていきたいと思います。  なお、詳細、その他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔保健福祉部長歌川さとみ君登壇〕 12: ◯保健福祉部長歌川さとみ君) はやお議員のご質問のうち、高齢者福祉施策について、区長答弁を補足してお答えをいたします。  本区の高齢者福祉施策は、ひとり暮らし高齢者の方や、高齢者のみで世帯を構成される方を支援する「生活支援事業」、要介護状態になった方を支援する「介護支援事業」、要介護状態にならずに暮らし続けるよう支援する「介護予防・日常生活支援総合事業」、高齢者に関する相談や在宅医療、認知症に関する事業、長年にわたり地域に貢献された高齢者の労をねぎらい長寿を祝福する「敬老事業」、高齢者総合サポートセンターやいきいきプラザ一番町などの施設の管理運営や、特別養護老人ホームなどの介護保険施設への助成など、介護保険制度と一般施策を合わせて、多岐にわたっております。  具体的な評価とのお尋ねですが、1つの例示として、配食サービスをやめ、栄養改善事業を立ち上げるなど、それぞれの事業について、常に不断に見直しをしていく必要があるとの認識でおり、これからも、より必要性の高い事業を推進していけるよう努力をしてまいります。  「「その人らしさ」が尊重され、住み慣れた地域で、生き生きと暮らし続けられるまち、千代田を実現する」ことを、高齢者福祉計画の基本理念とし、可能な限り、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援を一体的に提供できる仕組み「地域包括ケアシステム」を推進していくことが、区としての将来像であります。  地域包括ケアシステム推進の拠点として、平成27年11月に開設したかがやきプラザを、介護予防・フレイル対策の拠点として位置づけ、地域包括ケアシステムを推進してまいります。また、介護保険の適正な運営と、高齢者福祉基金を活用して、高齢者福祉をこれからも充実してまいりたいと考えております。     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕 13: ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) はやお議員の文化財保護法指定の文化財についてのご質問にお答えいたします。  本区には、国の史跡として、特別史跡江戸城跡、史跡江戸城外堀跡、史跡常盤橋門跡の江戸城に関する3件が指定されており、史跡内には、堀や石垣、城門が残り、江戸以来の政治の中心として推移した歴史を知ることができる大きな財産となっております。  こうした史跡に、建築物や工作物の設置、土木構造物の改修等を行う際には、その歴史的な価値を損なうことなく、将来にわたり保存すること、その本質的な価値を著しく減ずる行為は認められないという原則がございます。このため、工事内容等について、必ず事前協議を行い、許可条件等について確認することとなっております。協議に際しては、文化庁、東京都教育委員会と区教育委員会、区域がまたがる場合には、近隣区の教育委員会等により慎重かつ十分な議論と合意形成が必要であり、これを踏まえて、その後の諸手続を行うこととしております。  なお、本区における文化財の保護及び活用等に関することは、教育委員会規則により、その事務を、区長部局(文化財担当)にて補助執行をしているところでございます。  次に、具体的な事例でございますが、基本的には、文化財保護法に基づく手続により、事前協議後に、区または文化庁の許可が必要となり、許可後に工事着手という流れになります。史跡江戸城外堀跡については、これまで、外濠公園に設置した緊急一時保護センター千代田寮の仮設物の設置及び撤去、テニスコート舗装工事や園内の路面舗装工事など、文化庁が軽微と判断したものについては、現状変更許可申請手続により行ってまいりました。  一方、国指定史跡常盤橋門跡常盤橋復旧工事については、文化庁の指導により専門委員会を立ち上げ、学識経験者等の意見も交えて、修理方針を導くための指導助言をいただきながら、国庫補助事業として工事を進めているところでございます。  最後に、史跡江戸城外堀跡保存管理計画書を踏まえた工事等の検討状況についてお答えします。  現在、外濠公園グラウンドの改修工事を計画しており、事業主体である区が、文化庁、都、教育委員会、区の文化財担当や近隣区である新宿区と事前協議を進めておりますが、これまで外濠公園で行ってきた工事等と同様に、現状変更申請手続により対応できるものと確認をしております。今後、近隣区である新宿区へ意見照会を行った上で、区の意見を取りまとめ、東京都教育委員会を経由して文化庁が審査し、許可後に工事着手となります。  工事に当たっては、保存管理計画に掲げる適切な保存と次代に継承することを大前提とし、十分な議論を尽くしつつ、規定に従った適切な手続により遂行してまいります。     〔まちづくり担当部長大森幹夫君登壇〕 14: ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) はやお議員の駐車場施策に関するご質問にお答えいたします。  初めに、区の駐車場施策の経緯と整備の基本的考え方についてですが、都心の千代田区では、昭和期における急速な高度成長に伴うモータリゼーションの進展により、自動車の集中・渋滞・路上駐車など、さまざまな問題が発生いたしました。そこで、増大する駐車需要に対応するため、昭和33年に、駐車場の整備を促進するエリアとして、神田地区や大丸有地区などが、駐車場整備地区に都市計画決定されました。  その後、路上駐車が多く、一時預かり駐車場が不足している実態を踏まえ、月極や専用駐車場の一時預かりへの転用や駐車場案内の円滑化などに取り組むため、平成8年に、「千代田区駐車場整備計画」を策定し、地域特性や開発動向を踏まえながら、計画的かつ総合的に整備・誘導を図り、区内には相当数の駐車場が整備されてきたのは、議員ご案内のとおりでございます。  その一方で、都心の公共交通網が充実するとともに、首都圏の環状道路網の整備も進み、都心に流入する車両が逓減いたしました。さらに、若者の車離れなどにより、自動車保有台数も伸び悩むなど、駐車場需給のバランスが変化し、地域によっては余剰が見られるなど、駐車場整備のあり方が問われるようになりました。  こうした流れの中で、平成14年には、都の駐車場条例が改正され、駐車場整備地域において、区が、地域特性に応じた駐車台数の設定、いわゆる地域ルールを制定・運用できるようになりました。これを受け、平成16年、「千代田区駐車場整備計画」を改定して、大丸有地域における地域ルールを策定し、駐車規模の適正化を図ってまいりましたが、当該エリア以外においても同様の駐車場問題が発生しており、適正な駐車需要への対応が喫緊の課題と認識しております。  次に、今後の付置義務のあり方と整備の方向性についてですが、高度な交通利便性を求めて都心居住を選択した区民の方々には、自動車保有の意向が低い方も多く、商業地域におけるマンションの付置義務駐車場には、稼働率が低い物件があるとの声も伺っております。そうした状況の中、平成26年に改正された駐車場条例では、マンションなどの付置義務台数の算定基準の見直しなども行われましたが、千代田区の地域特性に十分対応できていない状況もございます。一方で、障害者のための駐車場整備が不十分だったり、観光バスの路上駐車が散見されるなど、従前とは異なる駐車場問題も発生しております。また、議員ご指摘のとおり、カーシェアリングの普及や高齢化に伴う自動車保有動向の変化も考慮していく必要がございます。  そのため、付置義務のあり方については、自動車の使用、保有の動向を踏まえながら、量的緩和を検討する一方で、多様な駐車需要に対応する質的向上についても、検討を深めていく必要があると認識しております。  次に、駐車場施策と連携した「人優先のまちづくり」についてですが、例えば大丸有エリアの「地域ルール」の運用に当たっては、付置義務を緩和するとともに、歩行者の安全や円滑な駐車場案内など、交通環境の向上に向けた取り組みを推進しております。  また、本年改正された都市再生特別措置法では、都市再生緊急整備地域内の徒歩圏程度の区域において、建物単位ではなく区域単位に付置義務の規模や位置を最適化する配置計画を、区が策定することが可能になりました。  さらに、本年7月に国土交通省が策定した、「まちづくりと連携した駐車場施策ガイドライン」では、「歩行者中心のまちづくり」を進めるため、駐車場の量や場所、配置の適正化を図っていくための方策などが示され、まちづくりと連携した駐車場整備の重要性が指摘されております。  今後は、国のガイドラインも参考にしながら、駐車場を「点」として捉えるのではなく、街区全体の「面」を意識し、その位置や規模、車両動線の適正化を進め、「人優先のまちづくり」を実現するため、「千代田区駐車場整備計画」の改定を検討してまいります。 15: ◯20番(はやお恭一議員) 20番はやお恭一、自席より再質問させていただきます。  まず、高齢者の福祉施策について、これが2点ほど質問があります。そして、文化財については1点ほどあります。計3点、質問させていただきます。  本当に、福祉施策、高齢者に対して、先駆的に、石川区政に入って、進んできたと思っています。ツールの面については、かなり充足してきた。これについては、私は個人的には評価します。でも、ただツールの面で、療養通所介護だとか、本来掲げていた、九段坂との合築に関して掲げていた内容がまだ不十分なところがある。でも、まあ、このところについてはかなり先駆的にやってきたということに関しては、高く評価したいと思っています。  しかし、高齢者、これが純増していく中にどういうふうに対応していくのか。先ほどさまざまな答弁をいただきましたけれども、まず1点目が、やはり将来構想ということを考えた場合、私が職員の方々の資質を言うのは大変僣越でしたけれども、区民にわかりやすい表現をしていくんだといったときに、将来構想が、先ほど条例部長の答弁で、地域包括ケアシステムを推進していくことである、と。我々、区政に携わる区議会議員でも、「地域包括ケアシステム」って抽象的なんです。わかるようでわからないんです。そういうものをこの本会議で答弁したということに関しては、いま一度反省していただきたい。  医師会なんかの先生方は非常にわかりやすい言葉を使っています。「時々入院、ほぼ在宅」。これが構想の目指すべきビジョンなんですよ。あ、なるほどなと思いましたよ。そういうふうにわかりやすい表現をしていただくということについての、どう努力をするか、言及していただきたい、この答弁に対して。非常にこれは、区民に対してわかりにくい。「地域包括ケアシステム」なんていう言葉を言うのは、これは専門家が使えばいいと思っています。  そして、2点目です。高齢者の福祉の財源について質問したと思います。この財源について質問しているのは、私は、ご存じのとおり、ずっと財政面、そして採用面、定数面、ずっと伝えてきたつもりでいます。そして、先ほどありましたように、純増するこの中でといったときに、私は、この基金の活用なんていうのは、取り崩すのはもう大前提でわかっています。それでも足りなくなるんじゃないんですか。そうなってきたとき、どういうふうにするんですか。例えば、命を保障する医療と介護、そして人づくりである教育制度、これを一番、石川区長は大切にする、プライオリティーを非常に高く持つ。つまり、今後の行政全般における施策の展開のビジョンを、財政計画及び執行体制を含めて一体的にやってくださいよと、ずっと質問してきました。  そして、今、この高齢福祉施策が、非常に純増する中で、厳しいんじゃないの、基金だけで足りるんですか。地方消費税も減額されて、ある計算では100億までカットすると言ったじゃないですか。本気でこの財政計画を立て直さなくちゃいけない。そこの切り口の1つが高齢福祉施策なんですよ。どういうところまでやれるのか。  このところをしっかりと、私が今まで言ってきた業務量を把握し、官と民の役割を分け、そして、この能力、官である職員が区民にわかりやすい言葉で説明できる能力、そして、委託先にゴー・ストップがかけられる人づくりが急務ですよと。この辺を含めて答弁するのが私の狙いで、質問のところにも括弧書きで書いたつもりです。そこについて、しっかりと答弁していただきたいと思います。  3点目。この3年間、この文化財の、そしてまた外堀等々、いろいろありました。私は、人工芝がどうのこうのとか、天然芝がどうのこうの言うつもりはありません。天然芝について、私は、グラウンドのところからしたとき、ヒートアイランドのことから考えて、私は天然芝そのままがいいと思っています。でも、数の面でいろいろあるでしょう。でも、しっかりとした手続をしてくださいよということを、ずーっと言ってきたつもりです。  特に、整備を実行するに当たっては、史跡に対する工事を行うことは、文化財保護法に基づく手続があるんですよね。その手続については、きっちりと明確に言われているんです。具体的には、所在地の教育委員会か、史跡の所在する自治体、すなわち本区千代田区と東京都の見解を添えた上で、所管官庁である文化庁へ申請を行い、許可を得なければ、整備に着手することができない。でも、やってきた。事前検討してきた。これについては、しっかりと決算のところで確認したいと思います。(ベルの音あり)  そして、最後。このところについては、私はコンプライアンスの視点で問題があると思います。しっかりとして、この再質問の中で答弁いただきたい。
     加えて、これは答弁していただかなくても、決算でやりますが、新宿区との検討については、決算の折、経緯・経過、当然、新宿区との検討の結果を、経緯・経過をしっかりと明確にしていただかなければ、外堀保存計画を踏まえた検討にならない、そういうふうに考えますので、ここのところを含めて、答弁をお願いしたいと思います。  以上です。     〔区長石川雅己君登壇〕 16: ◯区長石川雅己君) はやお議員の再質問にお答えいたします。  確かに言葉がわかりにくい。法上は包括ケアというのがあるわけですけど、わかりやすい言葉を使うように、今後、十分に対応したいと思います。  それから、先ほど私、31年度の予算の編成で、従来は、どちらかというと、ハードについては3年程度のめどを出しましたけど、ソフトも含めて、ある一定の施策、事業をお示ししたいということになりますと、当然、それ以降の財源も含めて、どうするかということが当然議論になります。多分、私の今の感覚では、多分、今の福祉基金では十分でないというふうに思いますので、そういうことも含めて、今回の予算の中で、全ての事業をそういうふうにできませんけれども、特にこれからの高齢社会ということを見ますと、福祉あるいは高齢の関係については、きちっと財源のめどもお示しをしたいというふうに思っております。  その他につきましては、関係理事者をもって再答弁をさせます。     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕 17: ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) はやお議員の再質問にお答えいたします。  ご指摘いただいたように、近隣区の意見や当区の意見も含めて、東京都にその意見を添えて出して、さらに文化庁に対しての申請が必要というのは、ご指摘のとおりでございます。  先ほど私が答弁で申し上げましたように、この整備、工事の整備に関しましては、あくまでも許可後に着手をするというルールとなってございますので、現在は、新宿区、千代田区、そして東京都教育委員会、文化庁による事前協議の段階でございます。その中で、当然、文化庁からもさまざまなご意見、またご指導もいただいているところでございますし、新宿区からもご意見をいただきつつ、工事の方向性について、現在決めておるところでございます。  そして、現時点では、先ほど答弁申し上げましたが、現状変更手続で対応が可能であろうという確認がとれているところでございます。  今後、十分にそうした、ただいま申し上げました関係者のご意見もお聞きした上で、手順・手続に従って進めてまいりたいと考えてございます。 18: ◯議長(松本佳子議員) 次に、日本共産党区議団を代表して、10番飯島和子議員。     〔飯島和子議員登壇〕 19: ◯10番(飯島和子議員) 日本共産党区議団を代表して、質問を行います。  初めに、この夏、各地で起こった自然災害によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。  いつ、どこで起こるかわからない自然災害は、予知のための研究と、被害に対する復旧支援が政治に求められています。我が党は、ほかの野党と共同で、生活再建支援のための臨時国会を早く開会し、補正予算を組むことを要求しています。  初めに、自然災害に対する減災のために、区が行うべき具体策について、2点質問します。  1点目は、危険地域を日ごろから認識できるよう、水害と地震のハザードマップを広く配布することについてです。  西日本豪雨では、ハザードマップの周知の重要性が改めて注目されました。区の洪水ハザードマップは、神田川・日本橋川・隅田川の氾濫を想定したものと、荒川の氾濫を想定した2種類があります。いずれも、2004年に作成した当時、危険想定区域に配布したと伺っています。その後はホームページにアップすると同時に、区庁舎2階、出張所で配布しています。  東京都は、2013年度に集中豪雨対策基本方針を改定し、これまでの降雨量時間50ミリから75ミリの豪雨に対応できる対策を立てました。さらに、今年3月に、神田川流域の浸水予想区域図も、17年ぶりに改定しました。  また、国交省は、2016年5月に荒川洪水浸水想定区域図の改定を行いました。  これらを受け、区も改訂版を策定することになると思います。異常気象による集中豪雨が多くなっている中で、危険箇所の周知徹底は、自治体が行うべきことの第一歩です。改訂版を区内全世帯、事業所に配布することと、現行版については、危険が想定される地域に、改めて配布をすることを求めます。(スクリーンを資料画面に切り替え)  また、地震による影響を示す災害情報マップは、液状化や斜面崩壊の危険度と避難所や緊急輸送道路などを示しています。東京都がマグニチュード7.3の東京湾北部地震をもとに作成し、2012年に公表したものです。災害情報マップも、危険度が高いと示されている地域に、改めて配布することが必要と思います。答弁を求めます。(スクリーンを元に戻す)  災害時に、高齢者や子ども、障害者などの施設、いわゆる要配慮者施設に対する支援も自治体の仕事です。避難確保計画策定が、昨年度から義務化されました。策定の点検、指導は、どのように行われているのでしょうか。また、各施設にとって、減災のために必要とされる資材は整備されているのでしょうか。  次に、医療の経済的負担軽減について質問します。(スクリーンを資料画面に切り替え)  国連は、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」で、「すべての者が到達可能な最高水準の身体的及び精神的健康を享受する権利を有することを認める」と、全ての人の「健康権」を保障しています。この規約は、1966年に採択され、日本は1979年に批准しました。WHO憲章で、健康権は基本的人権の1つとし、各国政府に、国民の健康に対する責任を果たすため、十分な健康対策と社会的施策を行わなければならないと明記しています。(スクリーンを元に戻す)  ヨーロッパ諸国では、社会的要因による健康格差縮小を目指す政策的対応や実践が進められ、医療費は無料、自己負担があっても極めて低く抑えられています。例えば、高齢化率が日本に次ぐドイツは、生活保障をした上で、外来の自己負担は3カ月に10ユーロ、約1,400円の負担のみ。入院は1日10ユーロ、年間28日分の負担を上限にしています。スウェーデンの医療は、保険ではなく税金で賄われ、20歳以上は自己負担がありますが、限度額の上限は、年間900クローナ、約9,990円。入院は、1日80クローナと低額です。  一方、日本はどうでしょうか。憲法第13条は、個人の幸福追求権をうたい、第25条は、全ての国民の健康に対する国の義務を定めています。社会保障審議会の1950年勧告は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、国の責務を明示していました。1970年代に東京から始まった、70歳以上の医療費無料化は、国の制度となり、10年間続きましたが、自己負担が導入され、1995年勧告は、「社会保障は私的な相互扶助の社会化」と、公的責任を後退させ、家族や地域の互助にし、憲法25条の精神を後退させました。  さらに、2003年施行の健康増進法は、「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、自らの健康状態の自覚と健康増進に努めなければならない」と、健康問題を、労働・生活背景・環境・健康格差などの問題と全く切り離し、「生活習慣」の問題に矮小化し、「自己責任」としました。自らの健康状態を良好に保つための努力は、法律で義務化するようなものではありません。これは、国の社会保障に対する責任を後退させ、市場化を進めることに狙いがあると指摘せざるを得ません。  健康問題を自己責任とする考えについて、区長の見解を求めます。  この流れを受け、千代田区は、翌2004年にがん検診を有料化し、800円の自己負担としました。この結果、受診率はどうなったでしょうか。例えば胃がん検診は、2001年度59.45%の受診率が、2017年度は24.6%に半減です。  しかし、肺がん検診の胸部エックス線は、2015年度に15.5%だった受診率が、無料にした翌年、2016年度は25.1%に上昇しました。また、乳がん検診は、2009年度から、41歳から61歳までの方は5歳ごとに無料クーポンが出されるようになり、無料に該当する年齢の受診率は、有料の場合よりも13%も高くなっています。大腸がん検診も、41歳から5歳ごとに無料ですが、61歳以外は、無料の年齢の受診率は高くなっています。無料化が受診率を高める重要な要素であることは明らかです。現在、がん検診の無料化は、23区中、過半数が実施しています。我が党区議団が行っている区政アンケートでも、「がん検診の無料化」の要望は、毎年、多く寄せられています。  がん検診を無料に戻すことを求めます。  鈴木俊彦厚労省保険局長が、全国国保運営協議会会長等連絡協議会の講演で、OECD、2016年の資料を示し、「日本の対GDP比は先進諸国に比べて低く、日本は、医療や介護にお金を出し過ぎでない」と述べたことを、国保新聞が報道しています。  骨太方針2018年では、今後連続して、介護、医療費の削減と、年金削減と、保険料の負担増が計画されており、高齢者の可処分所得は減り続けることになります。高齢者から、「「長生きするな」ということか」と、怒りの声が出るのも当然です。  後期高齢者医療制度も、保険料の連続負担増です。今年度から軽減制度がなくなり、保険料が、5,000円から4万円に上がった区民もいらっしゃいます。  現在、国民年金受給額は、平均月額5.5万円、厚生年金は14.6万円、平均年収は約213万円、6割の方は200万円以下です。高齢者の6割の方が、年金以外に収入がありません。世論調査で、老後の不安の第1に挙げられているのは「お金」のことです。総務省、2016家計調査年報は、60歳以上の無職世帯の月平均赤字は、ひとり暮らしで3.6万円、夫婦世帯で5.5万円と報告しています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  高齢者が働く理由の第一は、家計の補填です。65歳以上世帯は、健康医療費が平均月1万5,000円。消費支出に占める割合は、65歳以下世帯に比べて1.34倍で、最も増える費目です。(スクリーンを資料画面に切り替え)  介護が必要になれば、在宅サービス利用料は、2014年の総務省調査で、ひとり暮らしの方で1万2,000円となっています。1割負担のときの調査ですから、現在は2倍、3倍に増えている可能性もあります。その他、在宅介護の経常的費用は、約5万円必要としています。高齢者の貯蓄の目的は、多くが医療、介護、万が一のときのためです。(スクリーンを元に戻す)  金融広報中央委員会の2017年度の調査では、世帯主が70歳以上の2人世帯の貯蓄額平均は1,768万円。貯蓄ゼロの世帯も28%あり、格差が大きく広がっています。WHOは、「低所得者層は、高額所得者層に比べて、重い病気になることが2倍、貧困の中のストレスは、特に高齢者に対する害が多い」と報告しています。  医療機関の調査では、経済的理由で医療や介護の利用を抑制し、重症化、死亡に至った事例が全国で見られています。  日本福祉大学の近藤克則教授の、2万5,000人を対象とした2008年の調査によると、受診抑制の理由に「費用」を挙げた方は、3割負担で35%、1割負担で20%いらっしゃいます。近藤教授は、自己負担の引き上げは受診抑制を招くことは明らかであり、健康格差を大きくする窓口負担拡大に反対されていました。  国は、自己負担拡大を中止し、健康権を保障する世界の流れに向かうべきです。そのスタートとして、どの自治体でも実施している子どもの医療費助成を国の制度にするとともに、1970年代のように、高齢者の医療費を無料化にし、国民の不安を和らげるときです。  1989年、「高齢者福祉の財源確保」を理由に導入した3%の消費税は、5%、8%と税率を上げるたびに、同じ理由を掲げてきましたが、高齢者の負担は増え続け、福祉は後退し続けています。安倍自民党総裁は、来年10月の10%引き上げを断言しました。この間、一方で大企業減税を行いながら、庶民には、逆進税である消費税増税を行うことに、国民は全く納得できません。  スウェーデンは、1814年以来、非同盟中立、戦争をしなかったことで福祉国家になれたと言われています。世界では、核兵器禁止条約に既に15カ国が批准し、新たに10カ国が加わることも明らかにされ、北朝鮮をめぐっては、南北首脳会談の前進、米朝トップ会談も予定されるなど、平和の流れです。  日本は、軍事費を削減し、公正な税制改革に転換すれば、高齢者福祉の財源は生まれます。憲法9条を生かすことで、長生きを喜べる福祉は実現可能です。国の制度がない中、自治体が高齢者の暮らしを守る努力が必要です。三多摩の日の出町は、高校生までの医療費無料化の上に、「お年寄りにやさしいまちづくり宣言」をし、2008年から、75歳以上の医療費助成と人間ドック無料化、19歳以上のがん治療費の無料化を行っています。75歳以上の医療費については、月2,000円以上を助成していますが、その負担は、町財政のわずか1.3%にすぎないそうです。  私は、2015年第2回定例会で、75歳以上の医療費窓口負担の3割負担を2割に、年間窓口負担の一定額以上の助成を求めました。答弁は、「負担能力に応じた負担を求めることは避けて通れない。高額療養費制度、高額介護療養費制度もある」と、冷たいものでした。高額療養費は、今年8月から、住民税非課税世帯以外は、軒並み限度額が引き上げられました。高齢になれば、ほとんどの方は医療を必要とします。その自己負担を軽くすることで、幸せに年を重ねることができる「幸齢者」につながるのではないでしょうか。  再度、75歳以上の医療費窓口負担の軽減を求めます。  最後に、障害者雇用について伺います。  国や自治体は、毎年9月を「障害者雇用支援月間」として、障害者雇用への国民の理解を広げるために、さまざまな啓発活動を行っています。  ところが、この月間を目前にした8月28日、厚労省が発表した中央省庁での障害者雇用の水増し問題に対する調査結果は、啓発されるべきは中央省庁であることが浮き彫りになりました。国の33の行政機関中27の機関が、雇用していると報告していた6,867人のうち、約半数が水増しだったこと、障害者雇用促進法制度化の1976年当時からではないかと疑惑が持たれ、民間企業や障害者団体などからも怒りが噴出しています。  民間企業には、従業員45.5人以上の事業所に雇用を義務化し、100人以上の企業には、雇用率を達成しない場合は1人当たり月5万円のペナルティーと厳しくしています。水増し数が最も多かった財務省を担当する麻生副総理は、「限られた数の障害者を取り合うと弊害が起こる」と、無責任な発言を行ったことは許せません。  2014年、厚労省管轄の独立行政法人・労働者健康福祉機構で水増し偽装が発覚し、機構と元幹部が起訴され、罰金の略式命令を受けました。当時の塩崎厚労大臣は、「障害者雇用促進政策の本気度が問われる」と表明しました。しかし、原因究明と再発防止策の提案を行った第三者委員会は、各省庁などに対する調査を求めましたが、安倍政権は対応しませんでした。安倍政権の責任が問われます。  我が党は、ほかの野党にも呼びかけ、閉会中審査を申し入れましたが、自民党の森山国対委員長は消極的な態度です。国や自治体が雇用率を達成、向上させ、就労継続を可能にするため、合理的配慮に基づいた環境整備と周囲の理解が必要です。障害を持つ方への理解を深め、特性に合ったきめ細かい配慮を行って、積極的に雇用している民間企業も区内にはあります。  手本となるべき千代田区役所はどうでしょうか。区の雇用率は、職員1,235人の2.51%と聞いています。その方々への合理的配慮が十分に行われているのかを伺います。  例えば、通勤ラッシュを避けるために勤務時間をずらすことができる自治体もあります。安全に通勤ができるよう、いわゆるズレ勤務を選択できる制度も必要と思いますが、見解を求めます。  とりわけ、発達障害、精神障害の方の要望を把握し、理解、実現するためには、医師や専門家の意見を必要とする場合もあると思います。このような体制がないために、対応が不十分で、能力を生かし切れず、就労を継続できなくなるようなことがあってはなりません。  きめ細かい合理的配慮ができるよう、当事者の声を定期的に聴く場を設置し、対応することを求めます。  人員削減、長時間・過密労働など、労働環境の悪化が原因のメンタルヘルスが問題になっています。精神障害を発症させ、早期退職や過労死に追い詰める職場であってはなりません。また、そのような環境では、雇用された障害のある方々も、働き続けることはできません。職員全体が働きやすい職場環境になってこそ、障害のある方も快適に働き続けられる職場になることを最後に強調し、質問を終わります。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 20: ◯区長石川雅己君) 飯島議員の後期高齢者医療の窓口負担の軽減に関する質問にお答えいたします。  少子高齢化が進み、人口減少が続く社会構造の変化に対応するためには、現在、75歳以上が加入している後期高齢者医療制度に限らず、社会保障全般の見直し改革が論議されているわけでございます。すなわち、社会保障制度の持続可能性を確保するためには、「年齢に応じた負担」から「負担能力に応じた負担」への見直しは、避けて通れないと私は思っております。  例えば厚生労働省の試算によりますと、団塊世代が全て75歳以上となる7年後、2025年度には、後期高齢者医療費は約27兆円に上昇すると言われております。すなわち、国民医療費の約50%が、後期高齢者の医療費になると試算をされております。  そして、75歳以上が加入をしております後期高齢者の財源は、もちろん保険料もありますが、大幅に、国民健康保険だとか健康保険組合からの支援金で拠出をされております。その割合は、75歳以上が加入している後期高齢者医療保険制度の4割を、国保あるいは健康保険組合から支出をしているという状況であります。そして、これからも少子化が進み、現役世代が減少していく一方では、後期高齢者は増加していくということは想定されます。そうすると、国民健康保険だとか健康保険組合からの支援金が、さらに増えることになる。それは現役世代の、加入者は現役世帯ですから、負担ということになりますと、ある面では世代間の負担のゆがみがさらに広がってしまうというようなことになろうと思います。  したがって、こうした制度を継続的に維持するためには、ある程度所得に応じた負担というのをお願いせざるを得ないというのが、国もそうですし、私たちの物の考え方でございます。  ご質問のように、一定の所得のある加入者の窓口負担を引き下げるということは、医療保険制度あるいは社会保障制度を、継続的に、安定的に制度を構築する上でも、避けて通れないものだというふうに思っておりまして、ぜひその辺はご理解を賜りたいと思います。  なお、詳細、その他の事項については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。     〔地域保健担当部長渡部裕之君登壇〕 21: ◯地域保健担当部長渡部裕之君) 飯島議員のご質問にお答えいたします。  区は、健康増進法の理念に基づき、区民が、主体的で積極的に健康づくりに取り組むことを推進しております。一方、個人の健康問題にはさまざまな要因が関与し、全てを自己責任とすることはできないことから、誰もが健康づくりに取り組める環境を整備するため、区はさまざまな施策を実施しております。  がん検診の無料化についてのご質問ですが、区民の死亡原因はがんが最も多く、検診により早期に発見し、早期に治療に結びつけることが重要であり、検診の受診率向上が課題と考えております。がん検診の無料化については、乳がん、子宮がん、大腸がんの無料クーポン事業の実績等から、受診率の向上に一定の効果があると考えており、関係団体と定期的に、科学的根拠のあるがん検診の実施と受診率及び精密検査受診率の向上に向けて、協議を進めております。  今後、がん検診の無料化については、がん予防の普及啓発の充実を含めて、総合的に検討してまいります。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 22: ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 飯島議員のご質問のうち、まず、自然災害に対する減災のために、区が行うべき具体策についてのご質問にお答えをいたします。  水害と地震のハザードマップの周知についてのご質問ですが、議員ご指摘のとおり、「平成30年7月豪雨」の経験を踏まえ、本区においても、ハザードマップの周知が住民の生命を守るために重要なことであると、改めて認識をしているところでございます。  現在、東京都において、区が洪水ハザードマップを更新するために必要となるデータの調査が進められております。調査結果が得られ次第、現行のハザードマップの見直しを行い、全世帯に配布をしてまいります。  次に、地震による影響を示す災害情報マップの周知についてのご質問にお答えをいたします。  現在、東京都により土砂災害防止法に基づき、新たに土砂災害警戒区域等の調査が行われており、その結果に基づき、区の災害情報マップの見直しを行ってまいります。このマップにつきましても、洪水のハザードマップ同様、区民の皆様へ配布し、その周知を図ってまいります。  加えて、区ホームページへの掲載や区有施設での窓口配布に加え、町会長会議などに職員が直接赴き、ご説明するなど、一層の周知に努めるとともに、ふだんより自らの生活空間であるまちなかで、災害情報が確認できるようなハザードマップの見える化に取り組むなど、さまざまな伝達媒体を用いて、十分な周知を図ってまいります。  次に、要配慮者施設への支援についてのご質問にお答えをいたします。  平成27年9月、関東・東北豪雨や、平成28年8月の台風10号において、逃げおくれによる多数の死者や、甚大な経済損失が発生いたしました。その際、岩手県岩泉町の高齢者グループホームにおいて、適切な避難行動がとれずに、多くの方が亡くなられたことは記憶に新しいところです。  国は、これらを受け、平成29年6月に水防法を改正し、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設のうち、区の地域防災計画に指定された要配慮者施設について、避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が、努力義務から義務化とされ、利用者の確実な避難確保を図ることといたしました。  区において、現在指定している要配慮者利用施設につきましては、対象となる20の施設のうち15の施設から、既に、避難確保計画が区に提出をされております。未提出の施設につきましても、庁内関係部署と連携しながら、職員が計画作成のための指導・助言を行っており、各施設で、作成に向けた作業が進められております。  また、減災のために必要とされる資材につきましては、各施設により、避難確保計画の中で定めておりますが、災害時において、情報収集・伝達に用いるテレビ、ラジオなどの資材や、避難誘導の際に必要とする名簿、携帯拡声器、懐中電灯などの資材を用意しております。  さらに、指定している要配慮者利用施設のうち、区立施設、認証保育所等には、利用者保護の観点から、備蓄物資の配備を行っております。  今後も、要配慮者施設に対して、避難訓練のアドバイスや講座の実施などを初め、利用者の安全安心のための支援を引き続き行ってまいります。  次に、障害者雇用に関するご質問にお答えをいたします。  まず、障害者雇用されている職員への合理的配慮についてでございますが、障害のある職員も、その能力や適性を発揮し、生きがいを持って働けることが大切なことは、議員ご指摘のとおりです。  そのため、まず、全職員が障害者に対する理解を深めることが肝要と考えており、さまざまな研修の場やOJTを通し、意識啓発に努めております。その上で、障害のある職員本人から、障害の状況や、職場で支障となっている事項、配慮が必要な事項を確認し、職場環境の調整や職務内容への配慮・工夫を講じるなど、合理的配慮に努めているところでございます。  次に、安全に通勤ができるよう、フレックスタイムを選択できる制度の導入についてですが、障害のある方に限らず、仕事と家庭生活の両立を進め、誰にとっても働きやすい職場環境を整えるため、フレックスタイム制度に限らず、柔軟で多様な働き方を実現するため、どのような制度が考えられ、導入できるかについて、現在、内部で検討を進めているところでございます。  最後に、当事者の声を定期的に聴く場を設置することについてですが、障害のある方に限らず、配慮を要する個別の事情について、プライバシーに配慮した上で、現在も定期的に職員の声を聴く場を設けております。今後も引き続き、さまざまな立場の方が生き生きと働き続けることのできる職場環境づくりに取り組んでまいります。 23: ◯10番(飯島和子議員) 10番飯島和子、自席から再質問をさせていただきます。  医療費の軽減の問題です。これについては、私もるる高齢者の方の家計の実態、いろんな資料でお示しをいたしました。この夏も、酷暑の中で、クーラーをつけなさいと言っても、電気代が心配だということで我慢しているというような声を、まちの中でも随分伺いました。  そういう状況の中で、やはり高齢者の方が病気になったときに、我慢しない、受診抑制がなくして、病院にすぐ、早期にかかれるということは、結果的には重症化を防いで、医療費の総額というのも減るわけですね。そういった意味で、やはりためらうことなく、早期発見・早期治療をやりなさいということに、窓口負担が軽ければ、できると思うんです。  そういう中で、負担能力に応じていくのは当然だというふうに言われましたけれども、これはもう保険料で、各種保険料で、負担能力に応じて、皆さん払っているわけなんですね。高額所得の方はそれなりに払っているし、低所得の方も払っているわけですよ。でも、そういう中で、二重になるわけですね、窓口負担と。  そういうことで、これをさらに、窓口負担を高齢者の方に求めていくというのは、自己責任という、やっぱり考え方に基づいている。健康権というのを基本的人権というふうに全く認識していないという、そのあかしじゃないかと私は思うんです。  やはり高齢者の方、増えています、当然。少子高齢化の中で、財源が大変です。そこにはやっぱり税金を投入していくということしかない。高齢者本人に負担させていくというのは、本当に過酷だと思うんですね。そういう考え方というのが、そもそも根本から改める必要があるのではないか。それがやはりWHOとか国連が言っているものであり、ヨーロッパでは、それを受けて無料化、負担軽減ということで、非常に低廉に医療費の窓口負担を、負担ないように配慮をしている。そこが全然違うと思うんですね。  そういう意味で、国が本来であれば考えるべきだけれども、その防波堤として、自治体の役割ということで、千代田区は努力をすればできない区ではない。財源はそのためにぜひ使っていただきたい。基金などはそのために使ってほしいと私は思っています。
     それから、がん検診のことについて、総合的にこれから検討ということでしたので、ぜひぜひ前向きに考えていっていただきたいと思います。  5年に1回のクーポン券というのは、確かにその年に当たれば、受診率が高くなるわけですね。それは認めるというふうにおっしゃいました。その5年に1回のときに受けられなかったら、10年に1回になってしまうわけですね。本来、乳がんなんかは、やっぱり2年置きとか、そのぐらいには受けなきゃいけないものなので、そういう意味ではやはり早期発見ということが医療費全体の総額を減らしていくことにつながっていくということで、(ベルの音あり)ぜひぜひ前向きに考えていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。  最後は要望でいいです。     〔区長石川雅己君登壇〕 24: ◯区長石川雅己君) 再質問にお答えいたします。  75歳以上の後期高齢者の医療保険制度で、医療費の自己負担のご質問だろうと思いますけど、あくまでも保険制度でありますから、それなりに保険料も、所得に応じて納めていただいております。  しかし、お医者さんにかかったときゼロというのは、これはなかなか現実的に難しいと思います。というのは、当然、この制度は、後期医療保険制度そのものは、国保ですとか、現役世帯、あるいは保険組合から拠出金をいただいているんです。それでこの後期医療保険制度は成り立っているわけでございます。  そうしますと、飯島議員のおっしゃるように無料化ということになると、これは、国保ですとか、あるいは保険組合、現役世帯の方々の、当然、負担は増えてくる。そういうことが本当に、ある面では、いいのか。やはり少子化という時代にあって、お互いに、ある面では、それぞれが社会保障ということを考えると、それぞれが負担をしていくという、それは、私は避けて通れないだろうと思います。  ぜひ、そういう意味でご理解を賜りたいと思いますし、(発言する者あり)それも難しいと思います。  以上でございます。 25: ◯議長(松本佳子議員) 議事の都合により休憩いたします。     午後3時24分 休憩     午後3時35分 再開 26: ◯議長(松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、会議時間を延長いたします。  各会派の代表質問を続けます。  千代田を紡ぐ会・立憲を代表して、3番岩佐りょう子議員。     〔岩佐りょう子議員登壇〕 27: ◯3番(岩佐りょう子議員) 第3回定例会に当たり、千代田を紡ぐ会・立憲を代表して質問をいたします。  最初に、闘病しながら働き続けられる環境の整備についてお伺いします。  少子高齢社会が進み、労働人口が減少する中で、国が、「一億総活躍社会」の実現を進めています。女性の活躍、高齢者の働く環境整備とともに、病気を治療しながら就労を継続できる社会の構築が必要であるとしています。医療技術の進歩により、がんを初め、多くの疾患の生存率は上昇し、病気と闘いながら社会復帰・職場復帰を目指す人が増えています。不治の病と言われていたがんを例に挙げても、国立がん研究センターのデータによると、がん罹患率は、1985年以降増加の一途をたどるものの、死亡率は、1990年代以降、減少をしています。  2018年のがん罹患数の予測は、約101万3,600例ですが、死亡数予測は約37万9,900人とのデータもあり、今やがんは不治の病から治る病となっており、平成28年度の発表では、62%のがん患者が5年以上生存するとされています。しかし、命を失わなくても「働く」ことに関しては、今なお大きなハードルがあります。  厚生労働省の調査によると、がんを患った勤労者のうち、それまで働いていた職場を「依願退職した」という人が30.5%、「解雇された」という人が4.2%、両者合わせると34.7%、つまり3分の1以上の人が、がんを発病したために離職せざるを得なくなっていることがわかっています。  また、2011年とちょっと古いですが、生命保険会社が実施した調査では、がんを患った人の42%が、発病後、「収入が減少した」と回答しており、現在、各保険会社が就労不能保険を次々に発売しております。  厚生労働省は、2012年の「治療の職業生活の両立等の支援に関する検討会報告書」で、「治療と職業生活の両立」とは、「病気を抱えながらも、働く意欲、能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら、生き生きと就労を続けられることである」として、「仕事をやめない、やめさせない医療」に関する調査研究を開始しています。  しかしながら、疾病や障害を抱える労働者の中には、仕事上の理由で適切な治療を受けることができない場合や、疾病に対する労働者自身の不十分な理解、職場の理解・支援体制不足により、離職に至ってしまう場合も多く、例えば、糖尿病患者の約8%は、仕事が忙しいことの理由で通院を中断されていることも報告されています。  そのような状況の中で、厚生労働省は2015年に「がん対策加速化プラン」を、2016年に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を策定し、2018年には難病に関する留意事項、企業・医療機関連携のためのマニュアルを加えました。このガイドラインは事業者向けのものですが、ガイドライン策定のために厚労省がまとめた検討会報告書には、「行政による支援」も位置づけられております。  しかし、現実的に行政による具体的な支援は余り進んでおりません。区は、地域で課題を抱えて生活するあらゆる区民を対象に、支援するための体制の整備と充実を図るとしています。がんなどを闘病している人は、まさに課題を抱えて生活をしており、働き盛りの年代であれば、長期間治療に専念できる人はそう多くありませんし、子育てや介護をしていれば、状況はさらに深刻になります。  しかし、区では、「高齢者」「障害者」「子ども」を対象に、さまざまな支援をしておりますが、治療に一定期間を必要とする「病人」を対象にした支援はありません。2人に1人ががんになる時代ですが、障がい者として認定されなければ、支援の対象にはならないのです。  そこでお伺いします。  区の各事業における対象の範囲を拡充し、一定の基準を設けて、闘病者も支援をしてはいかがでしょうか。例えば、保育園・介護施設の優先利用、家事支援やふれあい収集など、闘病者にできる支援はまだまだあります。地域福祉だけに限らない、全支援事業の対象の拡充の検討をしてはいかがでしょうか。見解を求めます。  また、治療と仕事の両立のためには、各機関の連携と、それぞれの支援が欠かせません。しかしながら、それらは全て患者であり労働者である本人が、各機関とやりとりしなければなりませんが、治療中の患者にとって、各支援について情報収集することや、医療機関以外の各機関に、それぞれアクセスし、申請や交渉すること自体が大変なことです。  情報収集については人手の足りない中小企業においても同じことが言えます。まさにコーディネートを支援する必要があります。現在、区では、「患者の声相談」として、看護師である専任の相談員に相談できる大変心強い制度がありますが、相談内容は医療に関するものに限られています。  港区では、がん対策推進アクションプランを2016年に策定し、「患者は、医療のほか福祉、介護サービスを必要とする場合があります。現在は、医療、福祉、介護に関する情報はそれぞれの機関で提供されているため、それぞれの機関のホームページなど各種媒体を調べなければなりません。がんに関する情報を一元的に提供できる仕組みが必要です」として、広報誌、リーフレット、健康教室などを活用し、情報提供を行うとともに、がん患者とその家族を対象に、がんや緩和ケアに関する相談、関係施設の紹介、情報提供を行う、みなとがん医療相談室を開始し、電話や対面による相談を行っています。  本区でも、がんや、その他重大疾病について、情報を一元化して提供し、事業者や労働者を支援する治療就労両立支援センター、保健所や社会保険労務士などと、本人や本人の家族が連携できるよう、必要な支援情報の提供と各機関との調整支援をしてはいかがでしょうか。見解を求めます。  また、区としてできる支援の1つに、投薬や医療的ケア、休養が必要な人へのスペースの提供があります。先日、新幹線に設置されている多目的室と呼ばれる個室を見せていただきました。投薬や医療的ケア、透析などに利用されており、体の不自由な方による利用が優先されていますが、あいている場合には、授乳や着がえ、気分が悪く横になりたい場合などでも利用することができるそうです。  闘病をしながら就労を含めた社会参加を考えた場合、自宅の外で、投薬や、気分が悪くなったときに休養できるスペースはほとんどなく、長時間の外出、就労など社会参加の大きな障害になっています。「保健室」のように使えるスペースがあれば、闘病しながらでも外出ができ、就労や活動を続けることの一助になるかと考えます。(スクリーンを写真画面に切り替え)  こちらが、新幹線の中の多目的室です。本当に小さなスペースですが、命綱になるのだと実感いたしました。  2020年にはパラリンピックも開催されます。多くの身体障害のある方が、会場のある千代田区にも来られます。区有施設から喫煙スペースは全てなくなりましたが、かつては喫煙のためだけのスペースがあったのですから、喫煙スペースよりも狭くて済む障がい者・患者・医療的ケアの必要な人のための休憩スペースを設置してはいかがでしょうか。  区有地の有効活用の議論には時間が必要でも、既存の区有施設に、「保健室のような小さなスペース」を設置することは、決断さえすれば実現できると考えます。共生社会の実現を掲げ、パラリンピックこそが重要であると発信している千代田区として、検討ではなく、実現に向けた行動を求めます。(スクリーンを元に戻す)  続いて、アピアランスケアについてお伺いします。  アピアランスケアとは、「外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア」のことを指します。がん等の治療により、脱毛や、肌や爪の変化、手術跡、部分欠損などで、外見に変化が起きることがありますが、外見が変化してしまうことで人と会いたくなくなったり、外出をしたくなくなったりし、精神的に落ち込み、鬱のようになる方もいます。  特に、仕事をしている方は、外見の変化が仕事に影響してしまうのではないかという不安や、実際に異動や解雇・廃業につながってしまうこともあり、外見に関する悩みは想像以上に大きく、医療現場においても、サポートの重要性を認識されてきています。  国立がん研究センターには、2017年に、アピアランス支援センターが開設されました。ウイッグや化粧品などを試せる場所などがあり、助言や情報提供をしています。外見のケアは、病気になった人を精神面から支えるのに必要不可欠であり、就労や治療への意欲を高める有効な取り組みです。しかし、ウイッグや胸部補正具などは、比較的高価であるにもかかわらず、医療保険の適用対象外であり、方法についても、根拠のない情報や実生活に合わない情報などがネットにあふれていて、戸惑う方が多いそうです。  そこで、本区においても、アピアランスケアについての相談体制の整備や情報提供、購入経費の助成をしてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。  次に、企業への支援及び周知についてお伺いします。  現在、ハローワークでは、がん患者を対象に就労支援を行っています。しかし、治療と就労を両立させるためには、病気に理解がある企業への転職も重要ですが、従来の就労を継続するほうが、本人にとっても企業にとっても、望ましいと考えます。厚労省は、治療と職業生活の両立支援には、事業者が「具体的な対応方法等の事業場内ルールを作成し、労働者へ周知することが、治療しながら就労しやすい職場風土を醸成する」として、ガイドラインを周知・啓発をしておりますが、中小企業においては、なかなかルール作成に至らないのが現状です。  各企業へ、医療機関から職場への情報提供の仕方や、産業保健健康支援センター、社会保険労務士などの活用など、有効な支援を今後どのように進めていくかが重要です。区内中小企業を対象とした闘病者の就労継続支援について、見解をお聞かせください。  また、がんを初め、各疾病があっても、治療をしながら今までの生活を維持することは、周囲の理解が必要不可欠ですが、まだまだ、「加療中は治療に専念し、仕事をしないもの」という意識は根強く、「治療をしながら働く」ことに対する理解不足による差別や不当な扱いがあることも事実です。  外見の変化だけではなく、目に見えない部分での機能障害や副作用症状、障害による日常生活行動の変化など、従来と同じように働くことは不可能ですが、調査によると、病気を診断された人の約半数は、「仕事をこれまでどおり続けたい」2割の人が、「以前よりペースや業務量を落として仕事を続けたい」と考えており、3分の2以上の人が何らかの調整をしながら仕事を続けたいと考えていることがわかっております。  病気や治療による変化などへの理解促進のための啓発が必要だと考えますが、見解をお聞かせください。  がんを初め、さまざまな疾患を治療しながら仕事を続け、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることは、多くの人の願いです。前向きなご答弁を期待して、次の質問に移ります。  続いて、LGBT・SOGIの方への差別解消を目的とした施策についてお伺いします。  LGBTを初め、性的マイノリティの方の生きづらさの解消については、定期的に質問・提案をさせていただいております。その間、LGBTに関する認識や施策など、状況はかなりのスピードで変わってきています。先日終わった自民党総裁選の論点に、LGBT対応が挙がったこと自体、少し前では考えられなかったことであり、オリンピック・パラリンピック開催も見据えて、世間の関心の高さがうかがわれます。  LGBTという言葉自体、やっと浸透したかと思えば、LGBTという言葉だけではあらわすことができない人たちがたくさんいることから、特定するべきではないとの考え方で、最近では、「性的指向と性自認」、Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字をとったSOGI(ソジ)という言葉も使われています。  今日、定義そのものの見直しから各施策まで広く各自治体で検討されているのは、歴史を振り返ってみれば、そもそも日本では、江戸時代までLGBTに肯定的であったものの、明治時代以降、その存在が「法」から削除され、欧米のように大きく弾圧されることもないかわりに、存在自体がなかったものとされたままだったからです。当然、LGBTを想定した施策が行政にもなかったのですが、世間的にも関心が高まり、慌てて体制整備が急がれているのが実情です。  千代田区でも、8年前は全く想定もなかった状況から、職員研修やMIWの相談窓口に「性に関すること」を明記、第5次千代田区男女平等推進行動計画に、性的マイノリティに対する配慮を明言し、定期的にMIWが講座を行っております。  しかしながら、共生社会の実現を掲げている区としては、宣言と研修・啓発だけというのは寂しい状況であり、具体的な取り組みを進めていく必要があるのではないでしょうか。  区議会では、本年第2回定例会において、全会一致で「性的マイノリティへの理解とすべての区民が自分らしく生きられる社会を目指す施策の展開を求める決議」を可決しました。この決議を受けとめて、LGBT・SOGIの方への差別解消について、具体的にどのように取り組みを進めていくのか、これまでの進捗と今後の進め方についてお伺いをいたします。  まずは進捗状況について、今まで、避難所の対応や、高齢者住宅を含む公営住宅の同居要件、中学校の制服、区のセクシュアルハラスメント規定の改定についてなど、さまざまな施策についてお聞きしており、その都度、「検討していく」と前向きにご答弁をいただいております。  LGBT・SOGI施策を展開するには、当事者、支援団体、学識経験者などから構成される協議会を設置し、各施策についてそれぞれ検討するなどの踏み込んだ対応をするべきと考えますが、具体的なアクションが確認できません。区のLGBT・SOGI施策についての進捗と、どのような体制で検討しているかをお答えください。  国際平和・男女平等人権課が、政策経営部からわざわざ地域振興部に移った理由は、「区民に一番近いところでということで、事業展開、事業が一番多いところ」だからとご説明がありました。本来ならば、政策経営部が全庁的に全施策において進めていかなければならない国際平和・男女平等人権施策です。より具現化した対策をとることを目的に所管を変更しているのであれば、LGBT施策について、所管変更後の検討状況がどのように変わったのかも含め、具体的にお示しください。  次に、教育の現場におけるLGBT・SOGIへの対応についてお伺いします。  2016年に、文科省から、「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」、通知がされました。そこには、性同一障害に係る児童生徒についての特有の支援のあり方や、「性的マイノリティ」とされる児童生徒に対する相談体制等の充実についての対応が示されており、「性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の実例」として、服装、髪型、更衣室、トイレ、呼称の工夫、授業、水泳、運動部の活動、修学旅行等が挙げられ、具体的な対応を求められています。  性自認が始まり、性に関し違和感を持っている子どもにとって、学校の中で選択肢がないことは、その子どもを追い詰めることになるということは、今まで何度もお伝えしてきたことです。  そこでお伺いします。  千代田区の教育現場において、文科省通知は、どのように扱われ、教職員に知らされ、理解されているのでしょうか。また、この通知をもとに、区内学校の対応はどのように見直されたのでしょうか。まだ見直されていない点については、その進捗と今後の方向性をお示しください。  また、いじめや自殺防止のためには、学齢期の早い段階で、子どもたちが多様な性を理解し、当事者の子どもが自己肯定感を持てるような情報提供が必要です。子どもたちは、テレビやネットだけではなく、正確な情報に基づく教育を学校で受ける権利があります。人権NGOヒューマンライツウオッチによると、2011年から13年にかけて、国内の6自治体において、保育園から高校までの教員約6,000人を対象に行った調査で、回答者の73%は、LGBTの問題を授業で教える必要があると答えているそうです。  ユニセフやWHO、ユネスコなど、主な国連機関は、LGBTインクルーシブなアプローチを教育に採用するよう勧告しています。  教職員の研修だけではなく、子どもたちを対象として、学習過程の中で差別や偏見を防止する観点から、人権教育の一環として、LGBT・SOGIを取り上げてはいかがでしょうか。見解を求めます。  次に、公的書類の性別記載についてお伺いします。  申請書や申込書、また、区が交付する通知書や交付文書等における性別欄については、性同一性障害当事者にとっては、「本人かどうか疑われる、不審に思われる」ことにつながり、不利益があると言われています。これを受けて、全国の自治体では、性同一性障害の方への配慮として、性別記入欄の廃止や性別を非表示とする対応をとるところが増えてきました。  区が扱う文書は多岐にわたり、申請書だけでもかなりの数になります。当事者が少ないとはいえ、配慮する必要があるのは、全国の自治体の対応が物語っています。区として、公的書類の性別記載について、性別記入欄の廃止や性別を非表示とする等の、性同一性障害への配慮について、どのようにお考えか、お聞かせください。  最後に、差別禁止と対応指針についてお伺いします。  都議会では、性的少数者に対する差別の禁止やヘイトスピーチを抑止するための条例案が審議されています。オリンピック・パラリンピック開催都市として当然に期待されるところですが、区市町村との協力体制についても盛り込まれるそうで、区の対応もいずれ問われることになります。  差別禁止について都が宣言するこの条例は、大変喜ばしいものですが、実行力に欠けるとの指摘もあり、前向きな審議を期待するところです。  LGBT・SOGIに対する理解不足による差別や偏見は、いまだ存在しています。差別解消に向けて、区としても対応するべきと考えますが、第5次千代田区男女平等推進行動計画でも、配慮を求めるにとどまっており、差別禁止までは求めておりません。セクシュアルハラスメントと同様、何げない言動が差別につながることがあります。第5次千代田区男女平等推進行動計画のLGBTへの配慮を具体化し、「性的マイノリティへの理解とすべての区民が自分らしく生きられる社会を目指す施策の展開を求める決議」を踏まえて、LGBT・SOGIに対して、区の取り組むべき姿勢を取りまとめ、区職員、教職員のための性自認及び性的指向に関する対応指針を策定してはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。  また、差別を解消するには、差別禁止を明確にする必要があると考えます。明確にすることにより、区民同士や事業者とのトラブル、特に悪質な事案に対して、第三者である区が相談に応じる際の「根拠」とすることができるからです。条例制定も視野に入れた、実効性のあるLGBT・SOGIに対する差別禁止を推進すべきと考えます。見解をお聞かせください。  これまで「検討する」とのご答弁を繰り返しいただきましたが、今こそ具体的な一歩を踏み出す前向きなご答弁を期待して質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 28: ◯区長石川雅己君) 岩佐議員の、治療しながら働き続けられる環境の整備について、お答えいたします。  お話しのように、がんは2人に1人がかかる身近な病気であり、治療技術の進歩等により職業生活の両立は、より重要なことになっているということは、ご指摘のとおりだろうと思います。  また、がん患者だけではなく、難病患者や障害のある方、生活支援が必要な方など、さまざまな困難を抱えた方が仕事を続けられるための支援も重要だろうと思います。  区は、多様な人々がともに支え合う共生社会の実現を目指しておりまして、治療をしながら働き続けられる環境整備のため、区のさまざまな事業における支援や休憩等のための場の確保、あるいは雇用者、特に中小の事業者への働きかけなどを包括的に推進してまいりたいと思います。  なお、詳細及び他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 29: ◯教育担当部長村木久人君) 岩佐議員の教育の現場におけるLGBT等の施策についてのご質問にお答えいたします。  LGBT等への差別解消につきましては、教育の現場においても大きな課題と認識しております。各小中・中等教育学校では、LGBT等の児童・生徒に対して、議員ご指摘の文部科学省通知等に基づき対応することとしています。  教育委員会では、教員向けの人権教育研修会で、当該内容についての研修を開催し、さらに、各学校におけるOJT研修等を実施し、その内容について理解を進めるよう取り組んでいるところです。  その内容に基づき、各学校では、自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認めること、保健室・多目的トイレ等の利用を認めること、校内文書を児童・生徒が希望する呼称で記せるようにすること、悩みを相談できる体制づくりを行うこと等、一人一人に寄り添った柔軟な人権上の配慮を行うようにしています。  今後は、本施策のさらなる推進として、LGBT等の児童・生徒からの申し出があった場合に対応するということではなく、申し出ができない児童・生徒にも配慮した、さらなる環境整備や人的配慮に、各学校が取り組めるよう、教育委員会では必要な支援をしてまいります。  また、人権教育の一環としてLGBT等を取り上げてはどうかとのことですが、学校における人権教育に関する実践的な手引きとして東京都教育委員会から配布されている「人権教育プログラム」においては、人権課題として「性同一性障害」「性的指向」が取り上げられており、各校の実情に応じて指導に活用することができるようになっております。      〔地域保健担当部長渡部裕之君登壇〕 30: ◯地域保健担当部長渡部裕之君) 岩佐議員の、治療しながら働き続けられる環境の整備について、区長答弁を補足してお答えいたします。  まず、情報提供と関係機関との調整支援についてですが、区は保健所において、患者の声相談窓口や保健師による健康相談の中で対応しており、相談内容に応じて関係部署の支援情報の提供を行っております。また、がん診療拠点病院などの医療機関に設置されている「がん相談支援センター」において、療養生活全般の質問や相談を受けております。保健所は、これらの関係機関と連携を強化し、支援してまいります。  また、アピアランスケアについてですが、がん治療による脱毛等の外見(アピアランス)の変化が、治療や就労への意欲を低下させることは認識しております。具体的な支援策については、先行する取り組み等について調査研究し、検討をしてまいります。  病気や治療による変化等への理解促進について、情報発信や相談窓口の周知に努め、関係機関と連携しながら、区民健康講座等の講演会により、理解の促進を図ってまいります。     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕
    31: ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 岩佐議員のLGBT・SOGIの方への施策展開に関するご質問にお答えいたします。  平成26年12月、国際オリンピック委員会がオリンピック憲章に、性的指向による差別禁止を盛り込むことを決議し、東京2020大会に向けて、差別解消への取り組みがますます重要になってきております。  区では、第5次男女平等推進行動計画の中で、新たにLGBT等、いわゆる性的マイノリティの方への理解促進と支援を、施策の方向性として位置づけております。行動計画の進捗や施策展開については、学識経験者、区内企業、区民等で構成される男女平等推進区民会議にご意見をいただいております。  LGBT等への具体的な対応としては、これまでに、男女共同参画週間に合わせたパネル展示による普及啓発を初め、区の管理職を対象とした悉皆研修の実施、学校の制服等で、性自認に合わせた着用を認めることや、区行事等で性自認に合わせてトイレが利用できるよう、誘導等のサポートをするなど、LGBT等への理解促進と差別解消に取り組んでまいりました。  人権教育の一環としましては、今後、人権週間における講演会や、男女共同参画センターMIWの出前講座において、LGBT等をテーマとし、差別や偏見の防止に取り組みたいと考えております。  これらの取り組みに際しては、日ごろから地域に根差した諸事業を行っている地域振興部ならではのアプローチにより、より多くの区民参加や区民ニーズに沿った事業の企画につながり、LGBT等に関連する施策の推進にも資するものであると考えております。  また、公的書類の性別記載については、法定上記載が必要なものを除き、性別記載欄を廃止する、男女以外にその他の欄を設ける等の配慮を行っております。引き続き、当事者の方に配慮した対応を行ってまいります。  対応指針については、区職員がLGBT等を知り、支援するためのガイドラインの策定を庁内で検討しており、男女平等推進区民会議のご意見をいただきながら、作業を進めております。今後、ガイドラインを作成し、区の職員が、アライ(ALLY)、すなわちLGBT等の方への理解者・支援者となって差別解消を推進し、さらに、区民や企業等にも取り組みを広げていきたいと考えております。  このほかの対策についても、男女平等推進区民会議にお諮りしながら、LGBT等の差別解消に向けて取り組みを推進してまいります。 32: ◯3番(岩佐りょう子議員) 3番岩佐りょう子、自席より再質問をさせていただきます。  2点。まず、差別禁止の明確化については、ちょっとお答えがいただいていなかったと思うんですけれども、条例制定も含めて、差別禁止をどこかで明確にしていただきたいというのは、ご見解をいただきたいと思います。  それから、もう一点、教育現場におけるインクルーシブ教育についてなんですけれども、教育現場においては、やはり学校の方針に沿うものが尊重されるのはわかってはいるんですけれども、実情に応じて、都の、都教委の人権教育プログラムが活用されることができるというご答弁だったと思うんですけれども、これは、実情というよりも、目的が、自殺防止とか、差別・いじめ防止ですから、じゃあここの学校は実情は、やったほうがよくて、ここの学校は実情はないから教育をする必要がないというものではないと思うんですね。これはあくまで人権インクルーシブ教育の一環なので、ここに関しては、その学校の実情よりも、一つ、また超えた大きな方向性があると思うんですけど、その点について見解をお聞かせください。  以上です。     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 33: ◯教育担当部長村木久人君) ただいま再質問がございました、教育現場におきます人権教育の一環としてのLGBT等についての教育ということでございます。  先ほど岩佐議員から、東京都の人権教育プログラム、こちらは、いじめとか、そういったものについてということでございましたが、こちらの中で明確に、性同一性障害者、あるいは性的指向、こういったことについて、課題として取り上げるということで項目が出ております。  各学校ではこうした手引きに従いまして教育を進めておりますので、現実に、こうした教育を行っている学校もございます。これから、より一層こういった教育が浸透するように、教育委員会としても必要な支援は行っていく所存でございますので、ご理解いただきたいと思います。     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕 34: ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 岩佐議員の再質問にお答えいたします。  いわゆる男女共同参画条例、多くの自治体で導入されている事例があるかと思いますけれども、基本的に、男女共同参画社会の実現に向けた区の姿勢とか取り組みの方向性をうたったものが多いということでございまして、そうした中、今年の4月1日に、世田谷区が、差別の禁止や、あるいは多文化理解について盛り込んだ条例の制定にこぎつけました。そうした動向については、十分私どもとしても注視をしてまいりたいと考えておりますが、先ほどご答弁申し上げましたガイドラインの策定に向けて、現在、庁内を挙げて取り組んでおりまして、そうした中に、差別禁止につきましても盛り込もうと、今、検討を進めているところでございまして、まずは足元、我々職員や区民の方、企業の方への広がりを見せつつ、条例の制定につきましても、十分、先にある話だという認識でございますので、検討を進めながら、まずはガイドラインの策定に全力を挙げてまいりたいと考えてございます。 35: ◯議長(松本佳子議員) 次に、公明党議員団を代表して、5番大串ひろやす議員。     〔大串ひろやす議員登壇〕 36: ◯5番(大串ひろやす議員) 平成30年第3回定例会に当たり、公明党議員団を代表して質問を行います。  質問に入る前に、この夏の西日本集中豪雨、台風21号、また、大阪府北部地震、そしてこのたびの北海道東部地震において、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧と復興をお祈り申し上げます。  さて、質問の趣旨であります。  この夏は、「命にかかわる猛暑」、そして「集中豪雨」、また「巨大な台風」などの異常気象が連続して発生しました。その原因は、地球の温暖化と都市部のヒートアイランドにあると言われております。私たちは、次の世代、また、その次の世代のために、さらなる対策を講じていかねばなりません。  そこで、区としての温暖化対策、そしてヒートアイランド対策を改めて問うものであります。  また、気象災害のほかにも、いつ起きてもおかしくない地震があります。改めて、区民の命を守るための防災・減災対策はいかにあるべきかを問うものです。  最初にお示しするのは、「世界大都市の自然災害危険度指数」であります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  ミュンヘン再保険会社のアニュアルレポートに基づき内閣府が作成し、平成16年の防災白書に掲載されたものであります。リスク度は、東京・横浜が710であり、次がサンフランシスコの167ですから、いかに東京のリスク度が飛び抜けて高いかがわかります。この指数の出し方ですが、災害度(災害発生確率)×脆弱度(災害への備え)×危険度(危険にさらされる経済的価値)、言ってみれば都市の集積度であらわされ、それぞれ10段階評価となっています。東京は、10×7.1×10で710であります。(スクリーンを元に戻す)  東京としては、脆弱度の指数を下げること、つまり防災力をいかに高めていくのかが課題となっているものです。ミュンヘン再保険会社は、今から14年も前にこのことを指摘し、東京にその対策を求めていたのではないでしょうか。  最初に、温暖化対策についてであります。  例えば、地球温暖化の影響で、日本近海の海水温が高くなっていることがあります。海水温が上昇しているため、ひとたび台風が発生した場合は、勢力を保ったまま、もしくは、さらに勢力を増しながら上陸してくる傾向が強くなっています。今年の台風21号もそうでした。台風の巨大化であります。  また、環境省に「クールチョイス」という動画サイトがありますが、「2100年未来の天気予報」が配信され、話題となりました。これは、このまま温暖化対策を何もしなければ、東京は44度まで上がりますと警告を発したものです。今年の夏でさえ「命にかかわる暑さ」でした。実際7月だけでも熱中症で133名の方が亡くなられています。  温暖化対策は待ったなしの新たな段階を迎えております。温暖化対策は、温室効果ガスの排出削減を目的とする「緩和」策と、気候変動の影響による被害の回避と軽減を目的とする「適応」策の2つが必要であるとされています。いわゆる「緩和」と「適応」であります。  世界では、2015年12月12日、パリにおいて、国連気候変動枠組条約の締約国196カ国・地域の全てが参加してつくり上げた内容が、「パリ協定」として採択されました。その内容とは、「2100年の世界の平均気温の上昇を、2度よりも十分低く、できれば1.5度以内とする。そのために温室効果ガスの排出を正味ゼロにする」というものです。  このパリ協定について、環境省の元官僚で、現在、「環境文明研究所」所長の加藤三郎氏は、こう述べています。「過去2世紀ほどの都市・工業文明時代を大転換する画期的な出来事だ。なぜなら、パリ協定のエッセンスは、今世紀後半に温室効果ガスの排出と吸収を均衡させ、実質ゼロとすることを、国際社会が一致して合意したことで、これは協定以前の「低炭素」ではなく「脱炭素」を目指すことに世界が踏み出したことを意味するからだ。今日、社会を動かすエネルギー源の9割近くを化石燃料が占めていることを考えると、短期間で実質ゼロにすることは、従来のやり方では困難である。しかし、世界中で気候変動が激しく、甚大な被害が発生している現実と、将来はさらに厳しくなるという科学界からの予測と警告とに対応した結果がパリ協定の合意である」と。世界の温暖化対策の「緩和」と「適応」の基準と根拠がここにできたのであります。  日本は、2016年、パリ協定に批准し、本年6月には気候変動適応法が全会一致で可決成立いたしました。これは、気象災害への防災を初め、健康や生態系などさまざまな分野への気候変動の影響に対して、日本社会が計画的に備えていくことを目標としたものであります。国では既に平成27年に、「気候変動の影響への適応計画」を策定していますが、法定計画となり、実効性を高めることになりました。地方自治体には努力義務として適応計画の策定を促し、気候変動の影響のうち、何が深刻であり、それにどう備えるかは、各地域の地理的特性や社会的特性によって大きく異なるため、自治体の役割は重要であるとしています。  千代田区では、2015年に策定した「地球温暖化対策地域推進計画」がありますが、その後、述べましたように、パリ協定も発効され、国内では法律も制定されました。よって、温室効果ガスの排出削減へ脱炭素のビジョンを明確にし、現計画をバージョンアップしてはどうでしょうか。また、気候変動の影響への備えとして、防災・減災のあり方をどうするのか、千代田区の特性を踏まえた実効性ある計画を、気候変動適応計画として、新たに策定すべきであります。  そこで、区長に、温暖化による気象災害が激化していることを受けて、区の温暖化対策はどう進めていくのか、基本的な考え方をお伺いします。  また、これまでの温暖化対策についてですが、何を目標とし、どこまで達成できたのか。また、今後ですが、温暖化対策の大きな転換があったことを受けて、現計画の更新はどうするのか。そして、区として、気候変動適応計画はどのようなものになるのか、お伺いいたします。  次に、ヒートアイランド対策についてであります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  これは、100年間における「東京の平均気温の推移」です。13.5度から16.6度へ3度上昇しています。同じ期間、世界の平均気温は1度の上昇となっていますので、3度上昇のうち、1度が温暖化によるもので、2度は、東京特有のヒートアイランドにその原因があるとされています。(スクリーンを元に戻す)  平成18年作成の「千代田区ヒートアイランド対策」を持ってまいりました。これはホームページからプリントアウトしたものですけど、ヒートアイランド対策計画、非常にこれ、私は、よくできていると思います。これからちょっと述べますけど、ぜひ、これ、見てもらいたいと思います。  ヒートアイランド対策計画ですが、ヒートアイランドの原因として、1)緑地や水面の減少による蒸散効果(水蒸気として発散すること)の減少、2)地表面の人工化(建築物やアスファルト舗装の増加)、3)自動車や冷暖房使用等の人工排熱の増加、4)高層ビル等の乱立、密集化による風の流れの妨害の4点であるとしています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  区は、7年から8年ごとに、「緑地とヒートアイランドの現状について」、みどりの分布と熱分布を調査し、公表しています。調査の目的は、緑と熱の関係及び熱と土地利用の関連性を調べ、有効な対策へつなげていくことであります。みどりの分布、いわゆる緑被率を公表している自治体は多くありますが、熱分布まで示しているのは千代田区のみであるとのことです。欲を言えば、もう1つ、風がどこをどう流れているのか、風の道分布調査も加えてくれれば、さらによくなるものと思います。(スクリーンを元に戻す)  本年は、その8年目に当たり、現在、調査が進められているそうです。調査と対策をセットにして計画を更新していること、大いに評価いたします。しかし、計画のほうは、平成18年作成のものが最後となりました。計画は、温暖化対策地域推進計画の中に入ることになったためです。書き込むページも限られ、調査分析したものがどう対策に反映されたのか、また、どのような成果になったのかがわかりません。例えば18年計画で示された人工排熱の改善策としての「都市排熱処理システムの供給開始」や、歩車道の保水性舗装をセットで行う「クールロード」。また、公園への高木植栽などであります。調査とセットとなっているヒートアイランド対策計画でありますので、温暖化対策の計画とは別に作成するべきであると思います。  もちろん、ヒートアイランド対策は千代田区のみで行っても限界があります。しかし、東京のヒートアイランド対策をリードすることはできます。温暖化対策のパリ協定と同様、例えば東京の全区市町村が参加して、100年後のヒートアイランドによる気温の上昇を何度以内にするという目標を定めて、進めてはどうでしょうか。野心的な「ヒートアイランド対策計画」を持っていれば、そのリード役を千代田区が十分果たすこともできると思います。  そこで、区として、今後のヒートアイランド対策をどう進めていくのか、基本的な考え方をお伺いします。また、調査とセットとしたヒートアイランド対策計画の作成についても、あわせてご答弁ください。  次に、ヒートアイランド対策に関連して、「千代田区緑の基本計画」と「まちづくりグランドデザイン」についてであります。  「緑の基本計画」及び「都市計画マスタープラン」は、平成10年3月に、時を同じくして策定されました。また、その5年後の平成15年には、その両方の計画を補完する「まちづくりグランドデザイン」がつくられます。おおむね20年先のまちの将来像を、この2つの計画と1つのデザインをもって描いたものであります。何を目指したのか。私は、都市の過大化(膨張)を抑えることにあったのではと考えています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  その理由は、緑の基本計画では、「緑心・都心千代田」をテーマとし、「区内のみならず東京都全体に向けた、自然を運び、緑と水を主役とする構造的なネットワークの形成を進めます」としたこと。  「緑の将来像」であります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  グランドデザインでは、この「緑の将来像」を補完して、「水と緑の骨格」と「風の通る道」を示したこと。そして、マスタープランでは、将来像として、「機能性や効率性、経済性を重視するまちづくりから、ゆとりや快適性など生活の質を重視するまちづくりへの転換を進め、心の豊かさを実感できるまちとしていきます」と記述されたことであります。(スクリーンを元に戻す)  つまり、千代田区から緑の道と風の道を東京都全体へ広げ、もって過度に機能性や効率性、経済性を重視した都市の膨張を抑えようとしたのではないでしょうか。また、そのことは同時に、都市のヒートアイランドの抑制を目指したものともなったのです。  これらのことからすると、現在の都市マス改定に合わせ、「緑の基本計画」も、また「まちづくりグランドデザイン」も、目的を明確にして、それぞれバージョンアップを図ってはと考えます。気象や地理に関する分析技術も、今は格段に進歩しています。より精度の高いものが作成可能となっています。  そこで、「緑の基本計画」の今日まで果たしてきた役割と今後の展望をお伺いいたします。また、「まちづくりグランドデザイン」についても、今日までの評価と今後の改定についてお伺いいたします。  次に、防災・減災対策についてであります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  これは、3.11東北大震災のときの宮城県七ヶ浜町の例ですが、リーダーの「「一瞬の機転」が高齢者60人を救った」との記事であります。電話ではありますが、町の担当課長からお話を聞くことができました。「花渕浜地区で、住民でもありました東北学院大学地理学教授の宮城豊彦氏のアドバイスも受けながら、2006年から2007年にかけて、津波ハザードマップを作成いたしました。班ごとに白地図に行政の指定した避難所のほか、自分たちで考えた一時避難所や土石流など危険なところを記入していきました。また、避難所訓練も毎年行い、その都度、防災座談会も行いました。ハザードマップを皆で作成したことが地域をよく知ることにつながり、新聞にある「一瞬の機転」につながったのです」と。(スクリーンを元に戻す)  すばらしいと思います。リーダーだからとか自治会長だからできたのではありません。マップの作成に主体的に携わったからであります。携わった全員が、いざというときの一瞬の機転を働かせることができるということであります。そのことがまさに防災力の向上であります。釜石の奇跡もそうでしたが、七ヶ浜町でも住民主体の防災が、住民の命を守ることになったのであります。  このマップの作成ということでは、東北大震災の教訓を生かして、2013年に災害対策基本法の改正があり、「地区防災計画制度」として新たにスタートしています。昨年の第2回定例会にて、住民の方が主体的に地区防災計画の作成ができるよう支援すべきと質問しました。計画作成には、七ヶ浜町でいえば宮城氏のように、ファシリテーター的な役割を果たす存在が必要であります。この点、今年度より、区民を対象とした防災士資格取得へ補助制度ができたことは大いに評価いたします。  七ヶ浜町もそうであったように、地区防災計画は、住民自ら作成する行動計画であり、自分の地域で起こり得る災害、発災時にとるべき行動について、多くの住民が参加して、主体的な議論を経て作成することが肝要であります。よって、行政は、計画作成それ自体を目的とするのではなく、災害時に、誰もが、一瞬の機転を働かせることができるよう、作成の過程を大事にした支援を行っていくべきです。  支援として考えられることは、誰にもわかりやすい「地区防災計画作成ガイド(作成の手引き)」の作成、職員の持っているノウハウや情報の提供、作成のためのファシリテーター派遣、町会や自主防災組織を対象にした印刷費やマップ作成にかかわる費用の補助などが考えられます。  宮城県七ヶ浜町の例を紹介し、住民の主体的の主体的な防災が住民の命を守ることについて述べました。  そこで、何をもって災害から区民の命を守るのか、区長に、防災・減災対策の基本的な考え方をお伺いいたします。また、住民が主体的に地区防災計画を作成できるよう、区はどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。  次に、ひとりでは避難できない高齢者や障害者など避難行動要支援者をどう守っていくかについてであります。  大阪府豊中市の例を紹介させていただきます。この6月に起きました大阪府北部地震の際、豊中市では、要支援者全員の安否確認を、発災からわずか4時間で完了したとの記事がありました。新聞でこのことを知り、早速、議員団として視察に行ってまいりました。地域福祉課と危機管理課のお二人の職員の方から、2点の説明を受けました。1つは、市の「地域福祉計画」であり、2つ目が「防災・福祉ささえあいづくり推進事業」です。  地域福祉計画では、重点事業の1つに、「災害時要援護者対策」を位置づけ、まず、「平常時と災害時が連動した実効性ある支援体制の構築」を目指したことです。そのポイントは、住民の各校区福祉委員会及び民生委員などが、日常の活動を地道に行っていることでした。「どうして住民の方々がそのように主体的に活動できているのですか」と聞くと、「阪神淡路大震災を経験したことが大きな理由です。いざというときを経験しているから、自分たちで行うという姿勢が身についています。今回の安否確認も、私たちが指示する前に、自主的にスタートしていました」と。  「防災・福祉ささえあい推進事業」では、旧「災害時要援護者安否確認事業」を災害対策基本法の改正後、拡充したものであります。具体的には、名簿登録要件を増やし拡充したこと、支援者の範囲も増やしたこと、安否確認のみならず避難誘導、避難支援まで行うようにしたことなどです。41校区全て約3カ月かけて説明に回ったそうです。この事業のポイントは、平時の体制構築、訓練、関係づくりなどが、いざ災害時には、安否確認、避難支援、避難誘導という関係となることです。平時のつながりの強さが、即防災力の向上になるというものです。(スクリーンを写真画面に切り替え)  これは、豊中市の泉丘校区福祉委員会の方々が、安否確認実地訓練を行っているところです。新聞には、市の社会福祉協議会福祉推進室長のコメントが載せられています。「訓練を重ねるとともに、要支援者とのつながりをつくってきた努力が、いざというときに発揮された。顔の見える関係を築いてきたからこそ、支援者も我が事として要支援者を心配し、確認に走り回れた」と。防災とは何か、要支援者をどう守るのかという答えが、まさにここにあるように思います。(スクリーンを元に戻す)  高齢者社会の平時であれば、間違いなく福祉施策ということですが、いざ災害が起こると、それまで進めてきた防災・減災対策になるという関係を、ぜひとも千代田区でも構築していきたいものであります。  そこで、避難行動要支援者を守るために、区として「平時は福祉、災害時は防災」という関係をどう構築していくのか、改めてお伺いいたします。また、千代田区版の「防災・福祉ささえあいづくり推進事業」の実施を提案します。ご所見をお伺いいたします。  最後に、こども防災手帳の作成についてであります。(スクリーンを資料画面に切り替え)  尾張旭市の「こども防災手帳」、今日、持ってまいりました。これは、小学校1年生から3年生と、それから4年生から6年生用があります。この防災手帳は、またすばらしいんです。どこがすばらしいかというと、ここに「おうちの方とのはなし合い」と書いてあります。お父さん、お母さんと一緒に記入していって、完成させる防災手帳になっています。「おうちの人とのまちあわせ場所」とか、いろいろと、一緒に話し合わないと書けないようになっています。  尾張旭市が作成している「こども防災手帳」です。小学校の1年生から3年生用と、4年生から6年生用があります。  こども防災手帳を作成しているところは、港区や大和市、船橋市など、多くあります。いずれも完成版を配布するものですが、尾張旭市のこども防災手帳は、親子で対話し、一緒に考えながら作成していくのが特徴です。クイズを解きながら考えをめぐらせます。地震や台風のとき、どう行動すべきかを、イラストやクイズを使って楽しく学べるよう工夫されています。尾張旭市では、小学校での避難訓練の事前学習の際にも、この手帳を使い、いざというときの姿勢を学ぶそうです。大変すばらしいこども防災手帳であります。(スクリーンを元に戻す)  そこで、親子で対話しながら防災意識を高めていく、千代田区版の「こども防災手帳」の作成を提案いたします。ご所見をお伺いいたします。  以上、温暖化対策及びヒートアイランド対策について、また、防災・減災対策について質問いたしました。区長並びに関係理事者の前向きで積極的な答弁を期待し、公明党議員団の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔区長石川雅己君登壇〕 37: ◯区長石川雅己君) 初めに、大串議員の地球温暖化対策の基本的な考え方に関するご質問にお答えいたします。  お話しのように、近年、気候変動の影響による自然災害のリスクは増大しております。かけがえのない地球環境を次世代に引き継ぐことは、私たちの世代の重大な責務だろうと思います。そのため、私たち千代田区は、平成19年に、全国で初めてCO2排出量の削減対策目標を掲げた地球温暖化対策条例を制定し、積極的にCO2排出量の削減に取り組んできたことは、ご案内のとおりであります。これは、パリ協定は、各国がそれぞれの立場で、自らプランを立ててつくっていくというパリ協定の精神を、むしろ千代田区のこの条例は先取りをしたというふうに私は思っております。  議員ご指摘のように、一方では、今年の6月に、気候変動適応法が制定され、地球温暖化の影響が徐々に顕在化する中で、さらに、地域特性に合った対策を進めていくためにも、現行の地球温暖化推進計画を抜本的に見直し、今回の法の趣旨を踏まえて、改めて地球温暖化対策の計画をつくり直さなければならないという時代になっていると思います。  特に、法律で、地球温暖化対策は、温暖化の進行を食いとめる「緩和策」と、気候変動による被害を最小限に抑えるための「適応策」を、車の両輪として進めることが大切であるということで、既に国は、27年度に基本計画をつくっております。  したがって、そうしたことを踏まえると、新たな地球温暖化に対する計画をつくり変えなければならないということで、少し時間がかかると思いますけど、基本的につくり変えていかなきゃいけないというふうに思っております。  次に、防災・減災対策の基本的な考え方についてのご質問にお答えいたします。  一言で言えば、例えば地震の場合ですと、「ふいの地震に、ふだんの用意」ということがございます。自然災害を未然に防止することは困難でありますが、いかに被害を軽減するかということが肝要だろうと思います。  そこで、いろんな事例を拝見いたしまして、あるいは、大串議員からもご紹介がありましたように、過去の災害の例を見ますと、地域コミュニティが機能したり確立している地域においては人的被害が軽減されているというのが、過去のそれぞれの地域での実例でございます。この地域コミュニティ、防災に関する地域コミュニティという観点で見ますと、地区防災計画というのは、私は、こういう観点でつくるべきだろうと思います。すなわち、現行の地域防災計画は、どちらかというと、行政が防災関係機関と相談をしてつくっている関係です。しかし、地区防災計画は、どちらかというとボトムアップ、地域からの発意でもって防災計画をつくるという意味では、新たなる防災という観点でのコミュニティをつくっていくということになるだろうと思います。  したがいまして、我々は、こうした地区防災計画を積極的に推進するために、さまざまな観点でご支援、ご協力をさせていただきたいと思いますし、既に防災士の養成をしておりますので、そうした方々の活用も含めて取り組みたいと思います。  結果的に、お話がありますように、こうした地域からの発意で地区防災計画をつくっていくことは、平時は福祉、災害時は防災という、そういう機能になってくるだろうと思いますので、これからひとつさまざまな観点から、地区防災計画を積極的につくるように、区政として、さまざまな形で支援をしてまいりたいと思っております。  それから、大規模災害が予想される場合に、いち早く避難することが重要であるというお話もございました。区としては、タイムラインに応じた避難行動に関する情報を、防災無線やホームページなどで、迅速かつきめ細かく、区民の皆さんに周知をしておりますが、このことを繰り返し繰り返し、さまざまな形で取り組んでまいりたいと思います。  加えて、ハザードマップを全区民に配布することにつきましても、自分の地域がハザードマップ上でどう位置づけられているかについての認識をしていただくことも肝要だろうと思います。そういう意味では、地区防災計画というものをつくる中で、そうしたことも十分に議論の対象にしていただくことが肝要だろうと思います。  招集挨拶で申しましたが、本区としても、被災地に職員を赴かせ、現地を見ていただきまして、被災状況等を的確に把握し、その検証結果に基づき、災害に対する被害を最小限にするための防災・減災対策を総点検し、区の災害対策に反映してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、地域から地区防災計画をつくっていくという考え方を、これから積極的に進めていきたいというふうに思っております。  なお、詳細については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 38: ◯環境まちづくり部長(保科彰吾君) 大串議員の地球温暖化対策並びにヒートアイランド対策等に関するご質問に、区長答弁を補足してお答えいたします。  本区では、千代田区地球温暖化対策条例において、「2020(平成32)年までに、区内のCO2排出量を1990(平成2)年比で25%削減」する対策目標を定めております。また、平成27年3月に策定いたしました「千代田区地球温暖化対策地域推進計画2015」では、2024(平成36)年度までに、同じく1990(平成2)年比で30.9%のCO2排出量を削減する目標を掲げているところでございます。  本区におきましては、事務所ビルなどの業務部門のCO2排出量が、区内のCO2排出量の約4分の3を占めているため、建築物の省エネ化が不可欠でございます。このため、既築建築物に対しましては、省エネ設備の導入支援を、新築建築物に対しましては、環境計画書制度により、低炭素建築物への誘導を図るなど、良質な建物ストックの推進に努めてまいりました。特に、新築建築物につきましては、平成28年10月から事前協議制度を導入し、建築計画の初期の段階から、建築物の低炭素化に関する協議を行い、省エネ基準から、原則として35%以上の省エネを達成するよう協力を求めております。CO2排出量削減を推進してきたところでございます。  こうした取り組みの積み重ねによりまして、CO2排出係数を基準年で固定した場合、1990(平成2)年に約249万トンでありました区内CO2排出量を、2016(平成28)年には約236万トンまで削減できましたけれども、その削減率は約5.2%という状況でございまして、2020(平成32)年の目標達成は極めて厳しい状況にございます。今後取り組みを検証する中で、これまでの課題を整理し、今後の対応等につきまして検討してまいります。  次に、「地球温暖化対策の転換を受けた現計画の更新」についてでございます。
     現行の「千代田区地球温暖化対策地域推進計画2015」では、「エネルギー利用によるCO2排出ゼロのまち」を将来像と定め、脱炭素につながる理念を掲げてございます。この将来像の実現には、現行計画を着実に推進するとともに、状況に応じた見直しも必要でございます。このため、今般の気候変動適応法への対応とあわせて検討してまいります。  次に、気候変動適応計画についてでございます。  地球温暖化対策は、温室効果ガスの排出削減などにより、地球温暖化の進行を防止する「緩和策」に加えまして、気候変動の影響による被害を回避・軽減するための「適応策」を並行して進めていくことが必要でございます。このため、「千代田区地球温暖化対策地域推進計画2015」では、「地球温暖化の進行に備えた対策の推進」を掲げ、熱中症予防などの適応策についても定めてございます。  気候変動による影響は、議員ご指摘のとおり、地域の自然条件等によってさまざまでございますので、適応策につきましても、地域の実情を踏まえた対応が必要でございます。今後、本区における気候変動リスクを分析し、必要な対応を検討してまいります。  次に、今後のヒートアイランド対策の基本的な考え方についてでございます。  ヒートアイランド現象は、言うまでもなく、熱中症の増加や都市型洪水の発生など、都市に暮らす人々の健康や生活にさまざまな影響を及ぼしています。主な原因は、人工排熱の増加や地表面の人工化、都市形態の高密度化などとされてございまして、地球温暖化対策と同様、原因に対する緩和策と、現象に対する適応策を講じていくことが必要でございます。  区といたしましては、緑化の推進や車道の遮熱性舗装、歩道の保水性舗装など有効な緩和策と、ミストの噴霧を初めとするクールスポットの創出などの適応策を、計画的に推進しているところでございます。こうした対策を着実に進めるとともに、関係機関とも連携し、都市で活動する全ての人々の健康や安心・安全を守ってまいります。  次に、熱分布調査等とセットしたヒートアイランド対策計画についてでございます。  議員ご指摘の熱分布調査は、定期的に「夏季の区内の地表面や建物の温度を分析調査する」もので、ヒートアイランド対策の検討と効果検証を行うことを目的としており、本年度が調査の実施年度に当たります。  具体の熱分布を把握することは、効果的なヒートアイランド対策を講じていくために大変重要であり、本年度の調査結果につきましても、今後の対策の検討に活用する予定でございます。  ヒートアイランド現象は、長年にわたる都市形成の結果として生じた環境問題であり、その対策も、長期的な視点に立って講じていく必要がございます。即効性のある画期的な対策を講じる余地が少ないことから、計画の見直しにどの程度反映できるか課題はございますけれども、進め方や関係機関との連携などに関する議員のご意見も踏まえまして、検討してまいりたいと考えます。     〔まちづくり担当部長大森幹夫君登壇〕 39: ◯まちづくり担当部長大森幹夫君) 大串議員の、緑の基本計画とまちづくりグランドデザインについてのご質問にお答えいたします。  まず、緑の基本計画についてですが、千代田区には、皇居の内濠、その内側の緑地、旧江戸城の外濠など、我が国を象徴し、23区の自然を支える緑の一大拠点が存在しております。緑の基本計画は、この豊かな緑を保全・充実し、周辺に向けて緑の連続性を創出することを期待し、次世代に継承することを施策の柱としております。  また、既存市街地においては、公共空間における緑の確保にはおのずと限界があることから、「都市開発と調和したオープンスペースを利用した緑づくり」も施策の柱としているところです。  そうした考えのもと、開発諸制度の活用などにより、これまで約45ヘクタール、区立公園の4倍を超える空地を創出するとともに、事業者の協力も得ながら、可能な限りの緑化を図ってまいりました。  皇居などの拠点の豊かな緑を守るとともに、こうした市街地における身近な緑の創出にも取り組み、地表面被覆の改善を進め、都市のヒートアイランド現象の緩和にも一定の役割を果たしてきたものと認識しております。  現在、改定に向け取り組みを進めている都市計画マスタープランの検討においても、緑のあり方は大変重要な論点であり、その議論を踏まえながら、今後、「緑の基本計画」の改定についても、鋭意検討してまいります。  次に、まちづくりグランドデザインについてですが、これは、平成14年の都市再生特別措置法制定を契機に、千代田区内で活発化した「都市再生」の動向に対し、長期ビジョンとしての「都市計画マスタープラン」を補完し、当時のまちづくりの動きなどを共有するために策定をしたものでございます。その中には、議員ご指摘の「水と緑の骨格」など、普遍的な内容も示されており、「都市計画マスタープラン」の検討の中で、今後、議論・ご意見を頂戴しながら、必要に応じて継承・発展をさせていきたいと考えております。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 40: ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 大串議員の防災・減災対策についてのご質問に、区長答弁を補足してお答えをいたします。  まず初めに、「地区防災計画」策定についてですが、本計画は、地域からの自主的な発意によって作成されるもので、その作成過程において地域コミュニティの形成につながるものと考えております。策定に当たっての区の支援ですが、区では、今年度から、「千代田区地区防災活動支援事業」を実施しております。この事業は、地域住民等から成る防災組織が主体的に実施する防災訓練や「地区防災計画」の策定に対し、その活動に要する経費の一部を補助することにより、自主防災体制の充実と地域防災力の向上を図っていくものです。  地域防災力向上のため、この支援事業が「地区防災計画」の策定につながるように、本制度の周知に努めていくとともに、あわせて、防災計画アドバイザーの派遣や、区長答弁にもありました防災士の方にご協力をいただいたり、区の持っているさまざまなノウハウを提供するなど、積極的に、その支援をしてまいります。  次に、「平時は福祉・災害時は防災」という関係をどう構築していくのかについてですが、本区においても、「地域防災計画」において、要配慮者に対し、一たび災害が発生した際に、地域防災組織や地域住民による協力、連携体制を平常時から確立することとしております。  その上で、議員ご指摘の「防災・福祉のささえあいづくり推進事業」として、高齢者見守り活動や生活支援コーディネーターによる「ささえ愛まち会議」、地域福祉を推進する社会福祉協議会の日常的な活動を通じて、「地域丸ごと」の地域づくりを目指しているところです。  その際、議員ご例示で出されていた、大阪府豊中市の取り組みは、災害を想定したときに見習うべきモデルであると考えております。区としては、大阪府豊中市の事例を初め、他の事例も参考にしながら、住民、企業、大学など、千代田区にかかわる全ての主体が、要配慮者を支え合える地域を目指し、災害にも強い、安心感のある千代田区の実現に努めてまいります。  次に、「こども防災手帳」についてお答えをいたします。  議員ご提案のこども防災手帳は、災害に備えて用意すべき物資や地震・台風のときに、どう行動すべきかを、イラストやクイズを使って説明し、楽しく学べるように工夫されています。また、さまざまなケースで「どうするか」を家族と話し合って記入させることで、完成することとなっており、防災に関する理解が深まるつくりとなっております。  一方、これに類する防災教育の資料としましては、議員ご紹介の自治体以外にも、東京都教育委員会発行の「防災ノート」などがございます。特に防災ノートは、都内の全児童・生徒に配布され、広く防災教育に活用されており、防災ノートを使った防災教育事業に対して、区で実施する防災訓練も協力をしているところでございます。  区では、今後の防災の担い手となる子どもたちの防災意識の高揚と人材育成のために、今年度より、「みらいの防災リーダー養成講座」を実施しており、本養成講座に親子で参加していただくことで防災意識の向上を図ってまいります。  加えて、千代田区の地域特性に合った「こども防災手帳」や「防災ノート」のような家族ぐるみで防災意識を高められるような冊子の作成についても、庁内関係部署と連携しつつ、前向きに検討し、防災教育を推進してまいります。 41: ◯5番(大串ひろやす議員) 5番大串ひろやす、1点だけ自席から再質問をさせていただきます。(発言する者あり)  パリ協定も発効され、また国内では気候変動適応計画も制定されました。そのことを受けて、千代田区としてはどうするのかって、非常に大事なことなんですけれども、区長はすごく積極的に、これは今までの温暖化地域推進計画を見直すんだと。これはもうぜひ、私も必要なことだと思いますので、お願いしたいと思います。  この点、ちょっと部長のほうは、ちょっとトーンが、何かこう、「検討してまいります」ようなことで、本当は区長答弁をもっと補足して、もっと具体的に、僕は、答えてくれるかなと思ったら、何か、「検討する」ということなので、ちょっとあれっ、と思ったんですけれども、ぜひ、その点、1点お伺いしたいと思います。(ベルの音あり)  それから、ヒートアイランド対策ですけれども、これについては、対症療法的ではなくて、私は、さっきも質問したように、オール東京、東京都全体をリードしていくような、千代田区としてのヒートアイランド対策、これは今まで18年につくっていた計画までは、私、そういうものがあったと思っています。そこに政策も乗せて、またきちんとした検証もして、ああいう熱分布までつくってやってきた。これはぜひ、そういったものを、私は継続してやっていただきたい。そのことをもって、東京全体のヒートアイランド対策を千代田区がリードしてやるぐらいの、そういった決意でぜひ取り組んでもらいたいと思います。  以上2点です。よろしくお願いいたします。     〔環境まちづくり部長保科彰吾君登壇〕 42: ◯環境まちづくり部長(保科彰吾君) 大串議員の再質問にお答えいたします。  まず1点目の地球温暖化対策地域推進計画。区長が申し上げましたとおり、パリ協定とか、あと適応計画、特に今般は、適応策と緩和策というような新しい考え方も示されてございますので、そうした観点も含めた形で所与の見直しに取り組まさせていただきたいと存じます。  それからまた、ヒートアイランド対策についてでございますが、先ほども答弁で申し上げましたとおり、ヒートアイランド対策は長年にわたる都市形成の結果として生じた環境問題というふうに考えてございます。したがいまして、千代田区だけでどこができるのかという難しい課題はございますけれども、ただいま議員のご指摘も踏まえた、何らかの形の、千代田区から発信するような対策が講じられればありがたいと存じておりますので、そういった点も含めて、検討に取り組まさせていただきたいと存じます。 43: ◯議長(松本佳子議員) 以上で、各会派の代表質問を終わります。  議事の都合により休憩いたします。     午後4時59分 休憩     午後5時14分 再開 44: ◯議長(松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問に入ります。通告順に質問をお願いいたします。  初めに、17番内田直之議員。     〔内田直之議員登壇〕 45: ◯17番(内田直之議員) 自由民主党議員団の一員として、都市型災害への対応と千代田区におけるふるさと納税について質問いたします。  我が国は、その位置や気象等の自然等条件から、台風、豪雨、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など、自然災害が発生しやすい国土となっています。例えば、日本の国土面積は全世界の0.28%しかありませんが、マグニチュード6以上の大地震の20%は日本で発生しています。また、世界の活火山の7%は日本にあるそうです。記憶に新しい北海道地震や西日本豪雨、昨年の九州北部豪雨を初め、熊本地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災以外にも、毎年のように発生する猛暑や台風、大雪、火山の噴火など、まさに日本は世界有数の自然災害大国だったのです。  過去に大きな災害があった地域では、同様の災害が発生すると言われています。それでは、千代田区ではこれまでどのような災害が起こってきたのでしょうか。(スクリーンを資料画面に切り替え)  1703年に発生した元禄地震は、干葉県野島崎沖を震源とし、犠牲者は6,700人、江戸の震度は5から6であったと推定されています。また、1855年に発生した安政江戸地震は、南関東直下地震の1つであり、犠牲者は1万人、震度は6と推定されています。そして1923年に発生した関東大震災は、相模トラフを震源とし、死者・行方不明者は東京府だけでも7万人、震度は6と推定されています。また、1742年の寛保の洪水を初めとする江戸三大洪水や、明治以降では、二度にわたる関東大水害でも甚大な被害を受けました。特に1910年(明治43年)の大水害では、梅雨前線と2つの台風が重なったことから、豪雨により河川が氾濫し、関東全域で死者・行方不明者847人、家屋全壊・流出約5,000戸を数え、東京府だけでも約150万人が被災する大惨事となりました。  このように、千代田区は歴史的に見ても、直下型地震と海溝型地震、そして台風や前線を伴った大水害に繰り返し襲われてきたことがわかりました。私たちは地域の自然災害の歴史から学び、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、そして荒川の氾濫は必ず起こると想定し、備えることが必要です。(スクリーンを元に戻す)  千代田区では、神田川、日本橋川、墨田川が大雨によって氾濫した場合を想定した洪水ハザードマップと、荒川下流域で堤防が決壊した場合を想定した洪水ハザードマップ荒川版が作成され、区役所や各出張所で配布されていることは承知しています。しかし、どの程度、区民の皆様へ周知されているかは疑問であり、周知度を図る評価メジャーも設定されていないと思います。  それでは質問いたします。私たちは、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震を経験し、地震への対策には注力してきましたが、近年、危険度が高まっている台風や豪雨に伴う水害対策は十分ではなかったと思います。千代田区には数多くの地下鉄駅や地下街があり、都心ならではの豪雨被害も想定しなくてはなりません。見解をお聞かせください。  地球温暖化には諸説ありますが、日本近海の海面水温も直近100年間で1.1度上昇しており、大気中の水蒸気も増え、豪雨の規模並びに発生頻度も増加傾向にあります。実際、1時間に50ミリ以上の雨が降る短時間強雨は、30年前と比べ1.4倍にもなっています。毎年のように発生する深刻な豪雨による水害の危機は、歴史的に見ても、千代田区でも起こり得る災害です。  千代田区では、平成29年に地域防災計画風水害対策編にて、タイムラインを策定したことは承知しています。タイムラインとは、防災関係機関が連携して、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で、「誰が」「いつ」「何をするか」を時系列で整理した防災行動計画です。  阪神・淡路大震災における調査報告書によりますと、67%が家族を含む自助、30%が近隣等の共助により救出されています。また、東日本大震災では、消防団員や民生委員などの避難誘導によって多くの命が救われました。広域的や複合的な災害が発生した場合、行政も機能不全に陥る可能性が高く、私たち一人一人がハザードマップを確認するなど、防災意識を高め、主体的に判断、行動することが大切となります。また、近くの人たちと助け合いができるよう、地域コミュニティを構築することも必要です。まさに自助、共助が重要となります。  それでは質問いたします。千代田区で想定されている水害・災害対策について、地域が主導して取り組むコミュニティタイムラインの策定を検討してはいかがでしょうか。地域に住む全ての人々がかかわり、知識や経験を共有することも期待できると思います。見解をお聞かせください。  効果的な防災・減災活動を実現するには、災害現場からの情報を、いかに迅速に正確に、収集、把握できるかが重要です。昨今の災害対策において、ICTの活用はますます重要となってきました。(スクリーンを資料画面に切り替え)熊本地震や九州北部豪雨では、防災情報共有システム「SIP4D」が活用されました。SIP4Dとは、国全体で状況認識を統一し、的確な災害対応を行うために、府省庁、関係機関、自治体等が運用する災害関連情報システム間を連接し、情報を相互に共有して、統合的な利活用を実現する中核的なシステムです。  また、愛知工科大学の板宮教授が開発した災害疑似体験アプリが高い関心を呼んでいます。これは、スマホと紙製の簡易なゴーグルを組み合わせたARにより、浸水や火災など被災の疑似体験ができるものです。ARを体験した子どもたちは、机上の説明よりも、防災意識や取り組む姿勢が高まったそうです。(スクリーンを元に戻す)  千代田区におきましても、情報の収集や共有化、ウエブやSNSを活用した情報発信、クラウドの活用を可能とするシステムの構築、ICTを活用した防災訓練、職員のICTリテラシー強化など、地域特性を考慮したICT防災の研究、活用が求められています。私もまだまだ勉強不足ではありますが、住民のニーズも含めて、一緒に研究していければと思っています。  それでは質問いたします。千代田区における防災対策におきましても、今後、ICTの活用がますます重要となります。SlP4Dや防災ソフトの開発、活用など、ICT防災の研究と利活用について提案いたします。見解をお聞かせください。  次に、これまで何度か委員会で指摘させていただきましたが、ふるさと納税の制度並びに財政的な影響について、改めて質問いたします。  先日、野田聖子総務大臣は、ふるさと納税制度の抜本的見直しと法制化を表明されました。これまでも総務省は、寄附金に対する自治体の返礼品が3割を超えないことや、地元特産品以外を扱わないことなど、具体的な品目を示し、自粛を求めてきました。多くの自治体は要請に応じましたが、見直す意向がない大阪府泉佐野市や佐賀県みやき町など、12の自治体名が公表されています。  ふるさと納税は、大変問題のある制度であることは、以前より指摘させていただいています。本来の理念を逸脱し、豪華な返礼品を競い合っています。受益と負担を考えた地方税の原則に照らしますと、ふるさと納税をした人は、今住んでいる自治体の行政サービスを受けていながら、負担すべき税の一部を納めていないことになり、本来その区の税収であるべきものが、この制度により他自治体の税収となってしまいます。制度設計そのものに問題があり、地方税の本来の趣旨も逸脱しています。  千代田区におけるふるさと納税の寄附金は、平成27年には約8億5,000万円だったものが、平成29年には21億円を超え、控除額は7億9,000万円にもなりそうです。また、本来の趣旨とかけ離れた返礼品の過熱競争により、事務料や手数料の増大や、税収減に苦しむ自治体も出てきおり、東京23区や横浜市、市川市など首都圏だけではなく、北海道函館市など地方の中堅都市の中にも税収減となる自治体が出てきています。各自治体が共存、共栄できるどころか、税金の奪い合いに陥ってしまいました。  それでは質問いたします。ふるさと納税制度並びに見直しについて、区長のお考えをお伺いいたします。また、千代田区における寄附金控除額は7億9,000万円にも膨れ上がり、行政サービスの低下も懸念されます。ふるさと納税による財政的な影響と今後の動向について、見解をお聞かせください。  最後に、総務省による、ふるさと納税に関する現況調査では、平成29年度の千代田区への寄附は14件、430万円となっています。ふるさと納税本来の趣旨から、その出入りを比較することは適切でないとは思いますが、その差は歴然となっています。各自治体が税金の奪い合いに陥っていることは、ゆゆしき問題です。一方、税収減への現実的な対応として、首都圏では新しいふるさと納税メニューに取り組む自治体も増えてきました。例えば東京都はオリ・パラの施設整備へ、文京区は生活が苦しい子育て世帯へ食べ物を届ける財源へ、江東区は障害者スポーツ振興へ、船橋市は中山競馬場への招待など、地域の課題解決や施設整備、施設集客など、さまざまな事業に取り組んでいます。(スクリーンを資料画面に切り替え)  私が特に注目しているのは、クラウドファンディング型のふるさと納税です。富山県立山市の無電柱化プロジェクトや、熊本県益城町の熊本地震で被災した益城町給食センターの再建など、具体的な事業を示し、支援を募っています。千代田区が、より暮らしやすくなるような新たなプロジェクトを創設し、区民の皆様にもふるさと納税をしていただくことも提案できればと思います。また、千代田区は地方に支えられ社会経済活動を行っているという地域特性もあり、地方と連携し、共存、共栄を目指すべきとも考えてはいかがでしょうか。(スクリーンを元に戻す)  これまで委員会で何度か指摘させていただき、他区における動向調査や具体的な施策の検討をお願いしてまいりました。しかしながら、執行機関は危機感に欠け、気がつけば寄附金控除額は7億9,000万円にまで膨れ上がってしまいました。地方自治の理念をもう一度思い出し、ふるさと納税への実効性のある対応を考えていただきたいと思います。  それでは質問いたします。ふるさと納税制度の見直しを契機に、(ベルの音あり)地域の課題解決や施設整備、施設集客に限定するなど、高額な返礼品を競うのではなく、具体的な事業や体験を返礼とする、千代田区らしい、良識ある、ふるさと納税の導入を検討すべきと考えます。見解をお聞かせください。  以上、区長並びに関係理事者のお考えを伺い、質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)     〔政策経営部長清水 章君登壇〕 46: ◯政策経営部長(清水 章君) 内田議員のふるさと納税についてお答え申し上げます。  住所地以外の地方公共団体を応援するために寄附を行うということは、その自治体にとりましては、歓迎すべき、感謝をすべきことであろうと考えております。しかしながら、現行のふるさと納税制度は、被災地に対する支援として使われることを除けば、基本的には地方税の応益原則に反し、自治体間における財源の奪い合いを生じさせているのみならず、返礼品によって寄附の崇高な理念をもゆがめてしまっており、大変問題のある制度であると認識をしております。  本区におきましては、毎年度その影響額が増加をし、平成30年度当初試算では7億9,000万円にも上り、財政的にも大きな影響を与えてきていることは、内田議員ご指摘のとおりでございます。  このふるさと納税制度に対しましては、特別区が団結をし、再三にわたる要請行動や共同声明の発表などを行ってまいりました。今回の制度改正は、このような取り組みの成果のあらわれであると受けとめておりますが、制度が存続している以上、今度も予断を許さない状況であると認識をしております。  次に、千代田区らしい、良識ある、ふるさと納税の導入についてでございます。  現行のふるさと納税の制度は問題があると認識しておりますので、ふるさと納税のこの制度を活用して対抗策を講ずることは、現時点では考えておりません。しかしながら、地域の課題を解決するために、さまざまな方に千代田区を応援してもらうということは、85万人を超える昼間人口を有する本区が共生社会を目指す上では、非常に大切な視点であることは、内田議員ご指摘のとおりでございます。今後、この視点から、どのようなことが可能か検討してまいりますとともに、千代田区に住み、集う全ての方々に、本区を愛し、応援してもらえるようなサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。     〔行政管理担当部長吉村以津己君登壇〕 47: ◯行政管理担当部長吉村以津己君) 内田議員の都市型災害への対応についてのご質問にお答えをいたします。  千代田区における豪雨災害の想定としましては、議員ご指摘にもありました荒川水系における堤防の決壊によるものや、近年多発しているゲリラ豪雨の際に、短時間で起きる神田川、日本橋川の氾濫があります。こうした河川の氾濫時に、ビル等の地下空間への浸水が生じ、被害が拡大する都市型水害の発生が懸念されております。そのため、区では、地域防災計画で指定している地下街等に対し、避難確保計画、浸水防止計画の作成を求めるとともに、訓練実施の指導及び河川における洪水予報の伝達に努めております。  また、このたびの豪雨災害や台風、震災などの大規模災害を受け、現在、国や都を初めとするさまざまな機関で検証が行われ、新たな課題が浮き彫りになってきております。本区としましても、こうした検証結果を踏まえ、区の災害対策の一層の充実に努めてまいります。  次に、コミュニティタイムラインの策定についてお答えをいたします。  議員ご指摘のとおり、区内で浸水被害が想定される地区では、地域で助け合い、支え合う共助が重要であり、「誰が」「いつ」「何をするのか」を事前に定めたコミュニティタイムライン策定が有効な手段と考えております。また、コミュニティタイムラインを策定することは、計画作成過程において住民同士の情報の共有化が図られるとともに、地域コミュニティの形成にもつながると考えており、その必要性については十分認識しております。  そこで、今年度から実施しております千代田区地区防災活動支援事業において、地域住民等から成る防災組織が主体的に実施する防災訓練や、コミュニティタイムラインを含めた地区防災計画の作成に対し、必要経費の一部を補助する事業を実施しております。各地域に対して本制度の周知に努めていくとともに、防災計画アドバイザーの派遣など、地区防災計画の策定に向けた支援を積極的にしてまいります。  次に、防災対策におけるICTの活用についてお答えをいたします。  議員ご提案のSIP4D(府省庁連携災害情報共有システム)は、各公共機関等のシステム間の情報を共有するシステムであります。  平成29年7月の九州北部豪雨において、公的機関のみならず、民間ヘリの撮影した空中写真等、さまざまなデータを組み合わせて捜索・救助活動を支援した実績があり、このたびの9月6日に発生した北海道胆振東部地震においても、SIP4Dにより、ライフラインの被害状況や被災建物の判読情報、臨時入浴場所や給水支援箇所などの情報が、各機関及びインターネット上で共有できるように活用されております。また、個人がSNSで発信する大量の情報のうち、有用な情報のみすくいとる情報収集SNSツールなどもあることも認識しております。いずれにしても、これらのシステムは災害時における情報収集に大変有効と考えております。  また、災害疑似体験アプリARは、自分が今いる場所で災害が起こるとどうなるのかを、疑似体験することができるものであり、災害を他人事ではなく、我が事と認識し、平時の備えに生かすことは極めて重要であると考えております。  災害対策において、災害時の情報収集や区民への防災知識の普及啓発などに、ICTの活用は欠かせないものとなっております。今後も、新しいシステムの情報や他の自治体の取り組み事例に注視しつつ、災害におけるICTの活用について調査、精査し、区議会ともご相談しながら、順次、区の災害対策への反映させてまいります。 48: ◯17番(内田直之議員) 17番内田直之、自席より、ふるさと納税について、1点だけ再質問いたします。  寄附金控除額が8億円近くまで膨れ上がっているという中で、いまだに危機感が感じられない。もちろん理念は大事ですけども、現実はどうなのかと。他区が、近隣区も含めて他区がやれているのに、なぜ千代田区だけできないのか。やろうとしないのか。基金が1,000億もあるから、8億ぐらいはどうでもいいと。取るに足らないということでしょうか。もう一度お答えください。     〔政策経営部長清水 章君登壇〕 49: ◯政策経営部長(清水 章君) 内田議員のふるさと納税に対する再質問にお答えを申し上げます。  ふるさと納税、この制度による本区の財政減収の影響というものは、看過できないということはご答弁申し上げたとおりでございます。その上で、危機感が感じられないという大変厳しいご指摘だと受けとめております。基金の残高をもって、ふるさと納税制度で対抗措置を講じないということではございません。そもそもそのように区民の皆様方からご指摘を賜ると、そのようにご判断をされるということであれば、私どもの財政状況に関する私どもの発信というものがいまだ不足しているというふうに認識をしたところでございます。  今日の本区の財政状況というものは、区議会におきまして行財政構造改革に関する基本条例をご議決いただきまして、数値目標を掲げながら、効率的な内部努力に努めてきた結果であることに加えまして、都心区特有の行財政需要等、今後の区営施設、都市基盤施設の機能更新に要する莫大な財政需要があることを、改めて国に対しても発信をし、また、区民の皆様方にもご理解を賜るように、広報等でわかりやすく発信していくよう努めてまいりたいと思っております。
    50: ◯議長(松本佳子議員) 次に、15番小林たかや議員。     〔小林たかや議員登壇〕 51: ◯15番(小林たかや議員) 自由民主党議員団の小林たかやです。本日は、3点の一般質問をいたします。  日本では、2年後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、「おもてなし」を実現するためのさまざまな取り組みが各地各所で進んでおります。「おもてなし」とは、表も裏もない心で、心地よく一緒に過ごそうと思いやること。心のこもった待遇のこと。顧客に対して心を込めて歓待や接待やサービスをすることを言います。今回質問する3点、客引き防止対策について、落書き・張り紙防止に対する新たな取組について、喫煙対策については、いずれも千代田区として「おもてなし」を実現するための大変重要な取り組みであると考えます。前向きな答弁を期待しながら質問させていただきます。  初めに、客引き防止対策についてお伺いいたします。  駅周辺の繁華街など一部の地域では、客引き行為などが目立ち、通行の妨げや、まちのイメージ低下など、さまざまな悪影響が生じております。区では平成26年3月、公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例を制定し、地域や警察と連携してパトロールを行うなど、客引き行為等の防止に取り組んできました。特に客引きが目立つ、秋葉原東部地域及び神田駅周辺地域を重点地区に指定して、その地域ではそれぞれの推進団体が、地域ルールに基づいて、安全で快適なまちの実現のために、客引き行為等の防止のための活動を、日々大変な努力をされております。しかし、地域の方々には、取り締まりのための権限、いわゆる決定打、切り札がないため、実効性のある取り組みが行われにくく、なかなか効果があらわれないことから、依然として区に苦情が寄せられております。条例制定後、4年半が経過していますが、これまでの取り組みの効果の検証と、今後、実効性を上げるための方策について、次のとおり質問いたします。  1つ目、重点地区の指定の考え方についてお伺いします。現在まで何カ所指定し、パトロールの実績とその効果について、どのように評価しているのでしょうか。  2つ目、地域の推進団体の組織づくりが進まない原因は何なんでしょうか。対策はとられているのでしょうか。  3番目、客引き行為禁止の周知看板は何カ所に設置され、その効果は検証はされているのでしょうか。  4番目、客引き防止を啓発する街頭スピーカーは、どこに、何台設置されていて、そのアナウンスによる効果と検証はどのようにされているのでしょうか。  5番目、本年度より青パトを3台体制とし、安全・安心パトロールの回数を増やしていますが、その効果と検証はいかがなっているのでしょうか。  6番目、条例違反に基づく改善命令、事実公表は今までなされておりません。今後行う予定はあるのですか。行わない場合、条例違反者が存在する現状をどのように打開していくつもりなのか、ご見解をお示しください。  7番目、現状、生活環境指導員は、路上禁煙の取り締まりが主ですが、客引き防止対策要員として活用できないものなのでしょうか。  8番目、民間警備員によるパトロールの実績と、今後の活用についてのご見解をお伺いいたします。  9番目、防犯カメラの有効活用が期待されます。防犯カメラで現場を見ながら直接客引きに注意喚起を行い、その撃退効果で客引きが激減している商店街が報道されました。防犯カメラが設置されている商店街では、このような取り組みを実施してはいかがでしょうか。  10番目、現在の条例は、区民等の主体かつ具体的な活動を区が支援するものです。しかし、区民には取り締まりのための権限、いわゆる決定打、切り札がないため、実効性のある取り組みがなされにくいため、条例違反者とのイタチごっことの現状です。区は、条例に罰則等を盛り込む条例改正を行わない方針と聞いていますが、それ以外で、条例に基づく取り組みの実効性を高めるための方策があるのでしょうか。具体的にお示しください。  次に、落書き・張り紙防止に対する新たな取組についてお伺いします。  私が平成19年第2回定例会で、都市景観の美観を損ね、地域防犯意識の低下を招く落書き等について一般質問をしてから、11年が経過しました。生活環境条例におきましても落書きの規定があり、対策してきたはずですが、一向に落書き等は減りません。電柱、ガードレールや交通標識への落書きや張られるシールは、地域の防犯力の弱いところを狙って描かれ、放置していくと、増えていきます。スクリーンお願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)  これは、電柱に張られたシールです。右側です。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)また、同じようなシールが張られています。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これも電柱に張られたシールです。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これは落書きです。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これは落書きと、これ、後で見ていただきますけれども、シールが張られているところです。電柱、ガードレール、交通標識には所狭しとシールがびっしり張られております。現在では落書きよりシールが多く、手軽に張られるから、増え続けているのです。(スクリーンを元に戻す)  新宿区、渋谷区、杉並区等で、まちの壁の落書き等を落とし、景観を明るくし、犯罪を防ごうと、落書き消去・壁画作成キャンペーンが始まったと報道されました。被害に遭った地域では、二度と落書きされないよう、住民、自治体、企業、学校などが協力して、落書き消去活動と落書されない工夫をしています。このような活動をしているところは、落書き犯もやりにくく、消去活動が始まったのことで、この地域では被害は避けられるようになります。  新宿区では、平成26年から歌舞伎町アートプロジェクトが始動しています。アートの作品を屋外のあちこちに描き、まち全体ににぎわいと活力を生み出すとともに、作品のある建物や壁には落書きがなくなっているといった効果があります。スクリーンを出してください。(スクリーンを写真画面に切り替え)  歌舞伎町のアートプロジェクトとして、これから見せる3枚ですが、道路上の東電電源トランス盤に描かれたものです。この通りは怪獣ストリートとして、さまざまな怪獣がアーティストにより描かれています。これはキングギドラです。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これはゴジラです。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これはモスラです。楽しいですよね。こういうのが描かれている。  次の3枚、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)「四季の道」と名づけられ、この通りには四季折々の絵が描かれています。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これはおひなさんですね。  次、お願いします。(スクリーンを写真画面に切り替え)これも四季の絵です。  最後の1枚ですが、これは、この道にどのような作品がどこにあるか指示していくものです。(スクリーンを写真画面に切り替え)次のこれですね。こういうふうに、ここに何があるか。アーティストは誰かというのが書いてあるんです。  従来の取り組みでは、悪質な落書き等は解消することが難しいのです。そこで新宿区が取り組む逆転の発想を積極的に取り入れてはいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。(スクリーンを元に戻す)  最後に、喫煙対策についてお伺いします。  喫煙については、受動喫煙等の健康管理面から、近年ますます禁煙化が進んできています。区では、先駆的に条例に基づく取り組みを行っており、路上では喫煙など、面的な規制を区内全域にかけています。これに加えて、最近では都が条例により施設内の規制をかけたため、本区においては、屋外でも屋内でも、たばこを吸う場所が極端に減っています。その結果、千代田区内の喫煙者たちは裏通りや路地裏で喫煙して、人知れず吸い殻だけを残すようになり、近隣住民が困り果てる環境をつくり上げることにつながっております。  平成26年3月の定例会で、環境文教委員会からたばこに関する生活環境整備の附帯決議が出されたのは、区長、覚えていらっしゃいますでしょうか。附帯決議では、1つ、公園での喫煙対策の基本方針を踏まえつつ、非喫煙者にも十分に配慮しながら、分散型の喫煙所を確保すること。2つ、公園等への路上禁煙地区の指定に当たっては、地域や関係機関と十分に協議するとともに、代替えとなる喫煙所を確保すること。3つ目、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、生活環条例の規制内容や喫煙所の見える化を進めるよう、周知方法等について検討することなどが決議されました。しかし、附帯決議が以降も、区によってそれらは実行されないことが原因で、今日大きな問題を生み出しつつあります。区ではこれまでも、喫煙所設置のための取り組みを行ってきましたが、禁煙化の進捗に比べると、喫煙する場所については減る一方で、設置も大幅におくれている現状にあります。私は、早目に手を打つべきと主張し、密閉型の喫煙所、喫煙トレーラーハウスなどの提案をしてきました。密閉型はいまだ芳林公園の1カ所のみですし、喫煙トレーラーハウスについては、やっと予算化され実施するとのことです。  ここで質問します。  1つ、芳林公園の密閉型喫煙所の効果の検証と今後の密閉型喫煙所の整備については、課題整理はどのようになっているのでしょうか。  2つ目、保育園の代替え園庭となる公園は全面禁煙化したことから、区内の数少ない喫煙できる公園に吸い場所を求めた喫煙者が集中しています。特に練成公園は区民からの苦情が絶えません。練成公園に密閉型喫煙所を配置するか、喫煙トレーラーハウスが設置できるよう、改修する検討はできないものでしょうか。  3つ目、密閉型喫煙型と喫煙トレーラーハウスの双方の効果検証を踏まえ、今後の喫煙場所の設置の方向性についての認識をお示しください。  4つ目、また、区内のたばこ小売業者は、吸う場所がないことによるたばこの売り上げの低迷に悲鳴を上げています。その上、今年10月1日より、たばこは1本当たり1円、2019年は据え置き、2020年にはさらに1円、2021年にはさらに1円の、1本当たり3円値上げされます。1箱20本なら60円の値上げになるわけです。現状では区の歳入として約36億円ものたばこ税収入があることから、これを財源として、吸う人のために専用の喫煙所を設置し、喫煙者と共存するための方策を講じることが必要なのではないでしょうか。私はたばこを吸いませんが、ご見解をお示しください。  5つ目、今までもろもろ質問してまいりましたが、最後に、区が進める民間の喫煙所設置協力を待つだけでは限界に来ています。喫煙所設置にはもう時間がありません。喫煙所の設置について、ちよだみらいプロジェクトでは平成31年度に75カ所の設置を目標としていますが、現在はまだ45カ所しか整備されていません。設置に際しての現在の課題認識と今後の取り組みの方向性を、具体的に、いつ、誰が、何を、どのように、幾つ設置するのか、お示しください。ありとあらゆる知恵を絞っての対応が必要です。ご見解をお伺いいたします。  上記の点について、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め、質問といたします。(拍手)     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 52: ◯地域振興部長(細越正明君) 小林たかや議員の客引き防止対策に関するご質問にお答えいたします。  初めに、客引き行為等防止重点地区の指定についてですが、強引な客引き行為などが目立ち、健全なイメージを損なうおそれのある繁華街などに、地域、所轄警察署、区が協議して定めております。地域の発意による地域主体の推進団体が組織され、区や警察も参加して、地域ルールに基づくパトロールを実施しており、現在、秋葉原東部及び神田駅周辺の2カ所を指定しております。また、これらの地区には民間警備員による巡回パトロールも実施しており、重点地区内での活動中は客引き行為が低調になっているとの報告を受けています。  次に、地域の推進団体づくりが進まない原因についてですが、推進団体の結成は地域の発意によることが前提となりますが、そうした気運が高まらないことや、過去にはパトロールの際に客引きに顔を覚えられることを不安に思い、踏み出せない地域もありました。区は、地域が主体的に行動する気運づくりや、パトロールにおいては区と警察が参加して安全対策に配慮した上で行われることを丁寧に説明し、理解いただけるように努めております。  次に、周知看板の設置数とその効果ですが、現在、重点地区を初めとする繁華街等に約70枚を設置しています。周知看板を設置することで、来街者や客引きに対して禁止行為であることを認知してもらうとともに、客引き行為をちゅうちょさせる雰囲気をつくるなど、一定の抑止効果があるものと認識しております。  次に、客引き行為等防止スピーカーですが、本年1月から水道橋駅西口に1台設置しています。来街者等に対して客引きを利用しない旨の注意喚起を促すことで、周知看板と同様、客引きがやりづらい状況づくりに努めております。これにより、スピーカー設置前後の路上等における客引きの人数は、減少傾向にあることを確認しています。しかしながら、客引き行為は状況の変化によって繰り返されることから、今後も粘り強く取り組んでまいります。  次に、青色回転灯パトロールカーによる巡回効果ですが、本年度から1台増車して3台体制で活動を強化し、巡回頻度を高めています。平成28年度からは安全パトロールを基本に、客引き行為等への注意、指導も行っており、生活環境の改善に寄与しているものと認識しています。  次に、条例の改善命令及び事実の公表についてですが、これまでの客引き防止活動において、区の改善命令を発した事例はなく、公表した実績もございません。今後、そうした措置が必要となる事案が発生した場合には、改善命令及び事実の公表を行ってまいります。  次に、生活環境改善指導員の客引き防止対策要員としての活用についてですが、これまでも重点地区における客引き行為防止パトロールの際や、遅番勤務の指導員が青パトに同乗し、繁華街等における路上喫煙に対する注意、指導とあわせて、客引きの注意、指導も行っており、今後も柔軟に対応してまいります。  次に、民間警備員によるパトロールの実績についてですが、秋葉原東部については平成28年1月から、神田駅周辺については平成28年11月から、巡回パトロールを実施しております。両地区ともに重点地区内においては客引き活動が低調になっており、今後も実施していく考えでございます。しかしながら、重点地区外や巡回時間外における客引き行為は横行していることから、青パトによる巡回指導も実施してまいります。  次に、防犯カメラを活用した商店街での客引き対策ですが、当区において設置している防犯カメラは、町会や商店街など地域の発意によって設置したものであります。地域の主体的かつ具体的な取り組みを支援するものでございまして、設置主体である町会等の総意であれば、そうした運用も可能ですが、プライバシーへの配慮など、クリアしなければならない課題があるものと認識をしております。  次に、条例に基づく取り組みの実効性を高めるための方策についてですが、本条例は地域の主体的な活動を区や関係機関が支援するとの考えのもと、誰もが注意、指導できる根拠として制定したものでございます。したがいまして、罰則を盛り込む改正については検討しておりません。悪質な客引きを取り締まるのは風適法や都迷惑防止条例であり、これらの法令に基づいて警察が違反者を検挙しておりますので、関係機関との連携を強化して、粘り強く取り組んでまいりたいと思います。  次に、落書き・張り紙防止に対する新たな取り組みに関するご質問にお答えいたします。逆転の発想「歌舞伎町アートプロジェクト」は、新宿区における、歌舞伎町を誰もが安心して楽しめるまちに再生するための取り組みの1つであり、町会、民間企業、国、東京都、警察、消防等で構成する協議会の提言のもとに活動し、一定の効果を上げていると認識しております。こうした活動の原動力は地域の発意と熱意であり、その気運を高めていくことが肝要であります。先進事例を研究し、本区での導入が可能かどうか検討してまいりたいと考えております。  次に、喫煙対策に関するご質問にお答えいたします。  初めに、芳林公園の密閉型喫煙所の効果と今後の整備についてですが、平成28年3月から運用を開始して以降、喫煙に関する地域からの苦情はほぼなくなり、一定の成果があったものと認識しております。密閉型喫煙所の整備に当たっては、設置場所の確保が最大の課題となります。今後の整備につきましては、選択肢の1つとして引き続き検討してまいります。  次に、練成公園における密閉型喫煙所の設置についてですが、練成公園に喫煙者が集まっていることは区も認識しており、地域要望などを踏まえて禁煙化を検討しています。本年4月に施行された東京都子どもを受動喫煙から守る条例において、公園等では子どもの受動喫煙防止に努めなければならないことが規定されており、公園内の喫煙所整備は慎重な検討が必要となることから、助成制度を活用した喫煙所整備に努めてまいります。  次に、密閉型喫煙所等の効果検証を踏まえた喫煙場所設置の方向性についてですが、今年度は主要路線ごとに設置目標を設定し、沿線の町会や商店街等を中心に重点的に喫煙所整備を働きかけています。さらには屋内喫煙所設置助成制度の助成要件の緩和や、喫煙トレーラーの試験的運用等により、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。また、区内には喫煙可能な飲食店が従来からあり、今後、東京都受動喫煙防止条例の施行により、喫煙スペースを設置する飲食店が増えることから、こうした飲食店をご案内するなど、官民連携した施策を検討しているところでございます。  次に、たばこ税の歳入を財源とした喫煙所の設置についてですが、たばこ税は区の歳入として相当の税収があることは承知しておりますが、たばこのためだけに使われるものではございません。したがいまして、喫煙所の整備につきましては、これまでどおり財源上の制約にとらわれることなく、積極的に進めていきたいと考えております。  最後に、ちよだみらいプロジェクトの喫煙所設置目標に対する取り組みの方向性についてですが、現在、助成制度を活用した喫煙所等は45カ所でございます。健康意識の高まりを背景にした健康増進法の改正や、東京都条例の施行、さらには地域の要請に基づく公園の禁煙化等により、区内の喫煙場所は減少しています。また、喫煙所の設置についても非常に厳しい状況にあることは十分に認識しています。区は共生の理念のもと、助成制度のさらなる促進、喫煙トレーラー等の試験的運用など、官民連携によるあらゆる方策を模索しながら、みらいプロジェクトの目標達成に向けて鋭意取り組んでまいる所存でございます。 53: ◯15番(小林たかや議員) 15番小林たかや、自席より再質問いたします。  厳しいですね、答えが。きついというか。地域、地域と言われるんですけれども、(ベルの音あり)地域というのが弱まっているでしょ。それで、地域にお願いする。地域にお願い。両方の答えもそうなんだけど、じゃあ──基本的に他力本願に見えるんですよ。区がやっぱり打ち出ていかなくてはいけない。例えば、スピーカーでもそうです。1台じゃ少ないですしね。区が働きかけることが地域から上がらなくちゃだめというのがそもそもの方針です。  で、もうちょっと極端な話で言えば、例えば客引きにつけば、風適法に行くと。そこまで行かないで困っているんだからね。風適法に行かないで困っているんですよ。その前で何とかしたいんです。風適法ががんがんやれるような地域じゃ困っちゃうんですからね。  それと、喫煙所についてはもう他力本願です。これは自分でやる。75カ所、いつ、誰が、何を、どのように、幾つ設置するのかというのは答えていないですから、ちゃんと言ってほしい。他力本願ではだめなんです。お答えください。     〔地域振興部長細越正明君登壇〕 54: ◯地域振興部長(細越正明君) 小林たかや議員の再質問にお答えいたします。2点あるかと思います。  まず、1点目の客引き防止条例に関して、区が主体的になるべきというようなご質問だと思います。  もちろん地域のみならず、区が主体的になって進めていく考えでございます。実際にその指導はしていますけれども、その段階で、相手、客引きの方はそこで引いてしまいますので、なかなかその次の厳しいところまで行かないという状況でございますけれども、これはしっかりと、粘り強く取り組んでいきたいと考えております。  それから、たばこにつきましても他力本願であると。この設置目標についてどうなのかというようなご質問でございます。  先ほどもご答弁申し上げましたように、みらいプロジェクトに掲げたこの目標達成、これに向けて取り組んでまいりますので、もちろん区がしっかりと民間と連携しながら取り組んでいくということで、現時点におきましては、あらゆる方策を用いながら取り組んでいきたいと考えております。 55: ◯議長(松本佳子議員) 次に、16番永田壮一議員。     〔永田壮一議員登壇〕 56: ◯16番(永田壮一議員) 平成30年第3回定例会に当たり、自民党議員として一般質問をいたします。1点、元号による年号表記について質問いたします。  年号表記は世界的に西暦が多く使用されていますが、我が国では元号による和暦が使用されてきました。元号は古代中国に始まったものですが、現在は日本のみが採用する独自の文化です。  我が国での起源は、西暦645年、強まる豪族の権力を抑え、天皇を中心とした中央集権国家を確立する大化の改新を進めるため、当時実権を握っていた蘇我一族を討伐、この後、第36代孝徳天皇が、人心を一新するため、元号を大化と定めたことから始まっています。当初、元号は定着せず、この次の元号の後、朝鮮半島での白村江の戦いや権力争いが相次ぎ、32年間、元号が途切れてしまいましたが、それから、現在、平成までの1373年間、継続しています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  明治になって一世一元制度になるまでは、新たな天皇の即位による改元だけでなく、よいことの前ぶれといった祥瑞や、革命が起こるとされる、えとの甲子、辛酉、災害、疫病、飢餓といった災いをおさめるために行っていました。実際に発生した富士山の噴火、大地震、ハレーすい星があらわれたときに改元した記録も残っています。こうして、一代の天皇でも8回もの改元や1元号で2代、3代の天皇が在位することもありました。  今の今上天皇は第125代、元号は247も制定されているのです。(スクリーンを元に戻す)  1つの元号は2年から5年、短いものでは数カ月しか使用されないことも多く、鎌倉時代には「改元既に年中行事のごとし」といった批判もありました。また、元号を使用していない時代は、天皇の名をそのまま使用しており、大化まで在位していた女性天皇、皇極天皇は、皇極4年で孝徳天皇に譲位し、大化元年になっています。  元号の成り立ちから日本の歴史をたどると、時代の変遷がよくわかります。天皇を中心とした中央集権国家の建設のための律令制度から、藤原氏が摂政、関白となって実権を持つ摂関政治。天皇よりも上皇。出家した法皇が権力を持つこともある院政。朝廷内の権力争い、宗教、寺院の対立を治めるために利用された武士団から、平氏、源氏が台頭して、貴族政治が終わり、平氏が滅び、源頼朝による鎌倉幕府から武家政治が、室町、江戸時代まで続いていきます。  武家政治の時代は、天皇を中心とする朝廷は政治的な権限は失ったものの、政権の正統性を示すために、継続性を持つ天皇の存在が不可欠でした。王室を滅ぼしたフランス革命を批判した英国の政治学者エドマンド・バークが、「伝統を保守するためにこそ、現状を改革せよ」、すなわち伝統を破壊せず、緩やかに社会を変えていくことが保守主義であると指摘しています。権力者は変わっても権威の象徴は変えてはならないという、現代の天皇制につながる保守的な価値観を、日本人は古来より潜在的に持っていて、今も引き継がれていると言えます。  さて、元号の法的根拠については、明治までは慣例で継続されていたので、なかったのですが、慶応4年を改め明治元年になる際、天皇一代に元号1つという一世一元の詔を定めました。その後、明治22年、大日本帝国憲法と同時に公布された皇室典範第12条において、「踐祚ノ後元號ヲ建テ一世ノ間ニ再ビ改メザルコト明治元年ノ定制ニ從フ」と、より明確になっています。元号選定の権限も皇室が持っていました。  現行の皇室典範は、占領下の昭和22年、GHQの意向によって、他の法律と同じく国会の決議によって改正可能となり、元号、宮中祭祀についての明記は外されました。これにより、元号は法的根拠を失い、昭和は慣例として使用されるだけになりました。戦前、戦中の戦意高揚のために使われた「万世一系の日本は世界で一番すぐれている。その国体を守らなければならない」という国粋主義への反発で、戦後は天皇制を廃止しようという動きが一部であらわれました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  それでも日本国民が天皇、皇室を大切に思い続けてきたのは、権力者としてではなく、代々、民の保護者として、国の安寧を願い、民のために祈る、とうとい存在であったからなのです。  それから、高度成長期の昭和39年、東京五輪大会を成功させ、国家として自信を取り戻し、依然として好景気が続いていた昭和52年、政府は元号についての調査を実施しています。(スクリーンを資料画面に切り替え)結果、元号存続が80%を超え、廃止は5%と圧倒的な結果であったことから、国会での議論が進み、昭和54年に元号法が成立しました。  条文は、1、皇位の継承があったときには、新たに元号を定め、一世の間、これを改めない。  2、元号は、政令で定める。  というもので、明治の一世一元の詔と同様の内容ではありますが、元号の選定は政府が行うことになりました。(スクリーンを資料画面に切り替え)  憲法での天皇の規定は大日本帝国憲法より重要な項目から定めるという原則から、第1条に「天皇は日本国の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく」とあり、第8条まで、国事行為等、天皇について定めています。  憲法では皇位継承は世襲としか記載ありませんが、皇室典範第1条に「皇統に属する男系の男子がこれを継承する」となっています。(スクリーンを資料画面に切り替え)  ここで、よく議論になる女性天皇、女系天皇、女性宮家について整理しておきます。  歴代天皇の中で、女性天皇は8人存在しましたが、天皇の急な崩御の際、皇太子が幼い場合に即位するまでの中継ぎとしての存在でした。女系天皇については、女性天皇は独身が原則で、譲位後も独身を通すので、その子である女系天皇は、そもそも存在しません。  女性宮家については、皇統以外の男子の子は皇族にはなれないので、結婚するまで一代限りなら可能かもしれませんが、宮家を継承できないので、こちらもあり得ません。  現在、皇位継承可能な男性皇族は、皇太子殿下、秋篠宮殿下、悠仁親王殿下の3名しかいません。今後も男系の万世一系を安定的に守っていくには、旧宮家の復活が求められます。旧皇族であっても、既に民間人として生活している場合には天皇にはふさわしくないので、復活させた旧宮家から新たに誕生した男子を皇位継承者として教育することが前提になります。(スクリーンを元に戻す)  最後に、元号をさかのぼることによって、我が国の歴史の連続性を感じることは、日本人としての自覚と誇りを感じるきっかけになります。歴史教育では、大化の改新、応仁の乱、安政の大獄といった、元号がついたものも含め、西暦で覚えるのが一般的です。それでも、一世一元となった明治以降の歴史は、元号で学ぶことによって、時代全体のイメージを感じ、共有することができます。  既に平成生まれの人材の活躍が当たり前になっていることから、昭和というと郷愁を感じる響きに聞こえるのではないでしょうか。そして、元号と西暦との変換が暗算できるように、明治は45年、大正は15年、昭和は64年まであったことを覚えるくらいは、学校で教えるべきでしょう。  現在も、元号だけでなく、天皇制自体への反対論が、少数であっても根強くあります。戦前の国家主義、天皇制への問題意識、合理性の追求といった主張によるものです。これに対し、評論家の福田恆存は、「元号を廃止させ、西暦一本にする運動の動機は、近代化や西欧化、国際化などに便乗した画一主義、便宜主義であり、もう一つは、天皇制の廃止ないし軽視の意図があると思います」と批判しています。  伝統より合理性を追求することによって国柄を失うことは、国家そのものの否定、ひいては日本人であることを否定するのと同じではないでしょうか。災いが起きると改元されていた時代は終わりましたが、民の安寧のために天皇が祈り続けていることは、今も変わることなく続いています。  一年の節目や季節の変わり目だけでなく、一生に一度あるかどうかの改元による時代の節目を感じることができるのは、日本だけです。また、新しい元号がどうなるか予想するのも楽しいことです。元号に使用されている漢字はわずか72文字で、歴代の候補から選定されることも多く、選択肢は限られています。ネットでは予想ランキングまで出ていますが、発表前に出た案は原則採用されないので、結果的に外れるだけです。(発言する者あり)ちなみに、元号に一番多く使われた漢字は、「永久」の「永」なので、採用されないか、期待はしていますが、予想はそれぞれの心の中に思い描く程度がいいでしょう。
     今回の質問に合わせ、247全ての元号をさかのぼり、考察を深めたことで、天皇、皇室は、日本人にとってとうとい存在であり、世界に誇るべき国柄であることを改めて確認できました。そして、来年5月の新しい時代を国民がこぞって祝福できるように、本区も万全の準備を進めることを求め、5点質問します。  1、本区での元号表記について規則はあるのか。西暦の表記が必要な場合は元号との併記にするべきだと考えるがどうか。  2、東京五輪2020大会を実際にはない「平成32年」と元号で表記することは、慣例で問題ないという認識を持っていますが、本区ではどのように取り扱っているのか。  3、昭和をS、平成をHとアルファベットで簡略化して表記することは避けるべきだと考えるがどうか。  4、来年5月の皇位継承に伴う新元号の公表は、平成31年2月とも4月とも言われているが、本区ではどのように準備、対応をするのか。  5、改元について、区立学校においてどのような教え方をするのか。児童・生徒にとって初めての体験となる皇位継承による新しい天皇の即位、それに伴う行事、改元について、現在、学校では教えていない状況で指導することができるのか。天皇、(ベルの音あり)皇室への理解を深める教育は、我が国の伝統を学び、国への愛着を育むという学習指導要領の趣旨にも沿うことだと認識しているがどうか。  以上、私の元号についての質問を終わり、明快な答弁を求めます。ありがとうございました。(拍手)     〔教育担当部長村木久人君登壇〕 57: ◯教育担当部長村木久人君) 永田議員の、天皇、皇室、元号についての学校教育の現状に関するご質問にお答えします。  議員ご指摘のとおり、元号については、日本の歴史の中で長年使用され、現代でも西暦と同様に日常生活で使用されている重要なものと認識しております。  学校教育における元号の学習については、中学校学習指導要領で、律令国家の確立に至るまでの大化の改新を扱う際に、このころ初めて「大化」という元号が使われたことに触れるようにすることが示されております。  また、小学校学習指導要領では、元号に関しての詳しい指導には触れられておりませんが、天皇の地位について児童に理解しやすい事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連を図りながら学ぶこととされています。  各学校では、国民の祝日についての学習の中で、天皇誕生日に関連して、象徴としての天皇と国民との関係や皇室について学ぶ機会があります。また、来年5月に予定されております元号の改元を含めた、天皇の即位に関係する行事も、元号の使用の歴史に加え、天皇や皇室について理解を深める機会の1つになると考えられます。このように、天皇についての理解を深めることは、現在の学習指導要領の趣旨に沿うものと考えております。     〔政策経営部長清水 章君登壇〕 58: ◯政策経営部長(清水 章君) 永田議員の年号表記に関するご質問についてお答え申し上げます。  まず、現段階におきまして、改元後の年号表記についての統一的な基準は、国あるいは東京都のいずれからも示されてはおりません。したがいまして、本区の公文書におきましては、これまでどおり、改元後も新たな元号を使用する予定としており、せんだって、その方針について全庁的に周知をしたところでございます。なお、この方針におきましては、元号表記を基本としつつ、区民等への周知文などで必要な場合には、西暦を併記する運用を認めることとしてございます。  次に、改元前の現段階で、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催日時について、例えば「平成32年7月」と表記しても間違いではなく、改元後には新たな元号に読みかえることで何ら問題はないということは、議員ご指摘のとおりでございます。したがいまして、本区におきましても、同様に取り扱ってございます。  次に、昭和をS、平成をHというように簡略化した表記につきましては、個人のメモや簡易な打ち合わせ資料等では使用することもございますが、公式な文書におきましては、「平成」と正しく表記しておりまして、改元後も同様の取り扱いをしてまいります。  最後に、新たな元号に対応するための準備といたしましては、今年度予算におきまして、各種業務システムにおけるプログラム改修に必要な経費を措置するとともに、現在、IT推進課を中心に、各業務システムの所管課におきましてプログラム改修に向けた準備を進めているところでございます。 59: ◯議長(松本佳子議員) 議事の都合により、休憩いたします。     午後6時26分 休憩     午後6時38分 再開 60: ◯議長(松本佳子議員) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  8番池田とものり議員。     〔池田とものり議員登壇〕 61: ◯8番(池田とものり議員) 平成30年第3回千代田区議会定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として一般質問を行います。  冒頭、各地でさまざまな災害に見舞われ犠牲となった方々に、深く哀悼の意を捧げるとともに、被災された方が一日も早い日常を取り戻すことを切に願います。  それでは、質問に入ります。今回は高齢者の健康づくりについて伺います。  最初に、フレイルを予防する取り組みについて伺います。  いつまでも健康で人生を楽しみたい。寝たきりにはなりたくない。健康寿命を寿命まで近づけられるか、その健康寿命を延ばすにはフレイルを予防することが大切とされています。(スクリーンを資料画面に切り替え)フレイルとは健常から要介護へ移行する中間の段階と言われています。突然、要介護状態に移行することもありますが、高齢者の多くの場合、フレイルの時期を経て徐々に要介護状態に陥ると考えられています。  フレイルの原因となる例としては、動くことが少なくなる。社会的に交流する機会が減る。筋力が低下する。疲れやすくなる。元気が湧かなくなる。低栄養になる。孤独になる。など、日常生活全般にかかわることが挙げられます。(スクリーンを写真画面に切り替え)  先日のふれあい秋まつりでは、5種目の体力測定が行われ、簡単な実技ですが、健康状態を確認できると、多くの方が体験されていました。このような場に出かけて会話を楽しみ、体を動かすことは刺激になりますが、思ったより動けていない。こんなことでは、と自信をなくして逆効果になってしまわないよう、配慮が必要です。運動することで健康寿命を延ばす目標を持ってもらうことが大事です。これからも元気な高齢者が増え続けてほしいと願います。(スクリーンを資料画面に切り替え)  フレイルは、筋力低下や活動の低下などの身体機能が低下した状態だけにとどまらず、意欲や認知機能の低下した精神的フレイル、独居や閉じこもりによって生じる社会的フレイルなど、多面的な要素が含まれます。予防には運動と栄養の2つが非常に大切と言われています。早期に発見し、運動と栄養の併用で健康な状態に十分な改善が見込めます。また、運動、栄養以外にも、積極的に社会に参加することで、閉じこもりがちな生活をしないことがフレイル予防につながります。  私は高齢者の孤食の解消に努めること、すなわち社会参加を控えている方を一歩外に出してあげることが予防につながると考えます。一人でも気楽に立ち寄れる、気軽に利用できるコミュニティの場を用意し、元気な高齢者にはそこで生き生きと活動してもらう多世代交流も必要ではないでしょうか。(スクリーンを元に戻す)  そこで質問いたします。健康長寿のため、健康寿命を延ばすためにフレイルを予防すること。要介護へリスクのありそうな方への予防の取り組みについて区の認識と現状、今後の課題をお聞かせください。  次に、認知症の早期発見、予防について伺います。  平成29年における65歳以上の高齢者の数が1万817人と、全体の17.9%を占めています。(スクリーンを資料画面に切り替え)そのうちの20%の方が要介護認定を受けています。人口が増えているものの、平成24年度からのその割合はほぼ変わっていません。その中で、要介護認定者数は平成28年では2,195人、認定率に直すと20.1%となります。(スクリーンを資料画面に切り替え)東京都全体や近隣区と比較をすると、ほぼ同じ割合で高齢者の認定率が示されていることがわかります。高齢者の数は年々わずかでも増え続けていますが、要介護認定を受けている数は横ばいか、むしろ減ってきています。元気な高齢者が増えているという証で、大変喜ばしいことです。(スクリーンを元に戻す)  私は、健康寿命を延ばすこととしてフレイルを予防することと同時に、認知症の予防にも着眼が必要と考えます。要支援者の2人に1人は認知症にかかる心配があると言われています。現在、さまざまなアプローチで認知症予防の研究が進められています。そのうち、効果が期待されると言われる方法もあるようですが、決定的な予防方法は、実は見つかっていません。  区では、全3回から構成されるフレイル予防講座を実施し、そのうち2回目の講座では認知症予防講座に設定されています。口腔ケアも大切な要素として取り組まれていますので、加えて認知症の予防に適した食材を使った料理や調理の仕方なども紹介していただきたいと思います。また、絵本の読み聞かせを自身で体験することで予防にもつながると、全15回の講座を実施しています。社会福祉協議会でも幾つかの事業が実施されていますが、どれも評判がいいと聞いています。  先日報道された、国内最高齢115歳の田中カ子さんの朝食後の日課は、オセロ風ゲームと紹介されていました。負けると機嫌が悪くなり、勝つまで続ける負けず嫌いな性格も長寿の源となっているようです。指先を使い、先のことを予測して対戦すること。すなわち脳の活性化には、手先を動かすことが重要であると考えます。いつまでも元気でいられる健康寿命の大切さとして、孤独にならないよう、社会参加の必要性は多大な要因と考えます。さきにも触れましたが、決定的な予防方法は見つかっていませんので、それぞれの効果を期待したいです。  ところで、認知症高齢者の支援を早期から行い、早い時期から安定した在宅生活が確保されるような支援の体制をつくるとして、認知症初期集中支援チームを立ち上げ、平成28年度より本格実施がされています。高齢者あんしんセンターを中心に、専門のサポーター医はもちろん、外部の医療センターとの連携もしっかりしていて、初期の段階での発見に努めています。その後の進行の度合いには個人差がありますが、個々のケアはしっかりしているのでしょうか。また、早期発見への取り組みはどうでしょうか。  そこで質問いたします。  認知症総合支援事業として、認知症の早期発見が大切と言われていますが、その取り組みについてしっかり機能しているのか、その認識と現状、今後の課題をお聞かせください。  認知症の予防について、本区で行われている取り組みの中で、認知症のことをよく知ってもらおうと、認知症サポーター養成講座が開催されています。(スクリーンを写真画面に切り替え)年間で50回を超す開催があり、昨年までで1万4,261人にもなる認知症サポーターが誕生しています。受講した方は、認知症サポーターとして、このオレンジリングを身につけ、地域で活動しています。  区内に勤める企業関係者や学校関係者にとっては、この認知症サポーターの養成講座が役に立っていることと思います。しかしながら、区民のサポーター数は毎年100から200人程度で、その関心度には疑問が持たれます。区民の方にもっと知ってもらいたいところですが、千代田区だからこそ、在勤、在学の方がこれだけ認知症サポーターとなり、それぞれの地域で活躍していることはとてもすばらしいことではないでしょうか。(スクリーンを元に戻す)  私の祖父母は、2人とも自宅で息を引き取りました。祖母は、介護どころか、前日まで外出をしていながら、翌日、眠りから覚めませんでした。祖父は、自宅での在宅介護で晩年は過ごしましたが、認知症にはかからず、身近ではその症状を感じることはできませんでした。  ということで、私もこの養成講座を受けてきました。これがその証となるオレンジリングです。最新の認知症施策や知識を習得できました。  高齢者社会とはいえ、核家族化で親とは離れて生活している世帯が増えていることは理解します。それでも、高齢者が増えている現状で、区民の方により関心を持ってもらう工夫は必要です。孤立した高齢者を地域で見守る取り組みも進めていくことが求められます。1万人を超える多くの認知症サポーターを育成している千代田区ですから、民間の事業者と連携を図り、さまざまな取り組みが期待されます。  そこで質問いたします。  健康長寿に目を向け、若い世代から認知症について理解し、予防するための健康長寿トータルプランを紹介する取り組みがあってもいいのではないでしょうか。65歳になってから認知症などの心配をするのではなく、もっと前の世代からみんなで考える。若くて元気なうちから認知症予防への取り組みを相談する窓口が必要かと考えます。見解をお聞かせください。  以上、これまでの、そしてこれからの世代をつなぐため、高齢者の健康づくりについて3点伺いました。区長並びに関係理事者の前向きな答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔保健福祉部長歌川さとみ君登壇〕 62: ◯保健福祉部長歌川さとみ君) 池田議員の高齢者の健康づくりに関するご質問にお答えをいたします。  超高齢社会は長生きの人が増えることであり、長生きをするなら自立して元気で長生きしたいと思うものです。  本区では、健康寿命を延ばし、要介護期間を短くするために、従来から介護予防事業に積極的に取り組んでまいりました。具体例として、区内各所でシルバートレーニングスタジオが開かれ、かがやきプラザの高齢者活動センターでは、健康づくりから講座、講習会のかがやき大学を初め、ビリヤード、麻雀、卓球、ゴルフ、カラオケなど、また各介護施設でもそれぞれ工夫を凝らし、主体性を持って楽しく過ごせるプログラムが展開されております。さらにスポーツセンターでは、マシンを使った運動教室を実施し、区民館では女性限定で骨盤底筋トレーニングと美容講座のプラチナクラブ、男性限定の体幹トレーニングと脳トレのバーディクラブなどが実施されております。その結果、要介護認定率が高齢者人口の伸び率と比較して高くなっていないなどの成果が得られております。  最近では、介護予防にかわり、フレイル予防が注目されています。身体面、精神・心理面に加えて、栄養や社会とのつながりなど、複数の要素からの予防が健康寿命のためには必要であることが明らかになってきています。  本区では、今年度から体力の維持・向上、栄養摂取、社会参加を組み合わせたフレイル予防講座を開始したところでございます。健康長寿のために、区ではこれからもかがやきプラザを介護予防、フレイル対策の拠点と位置づけて、効果的な事業を展開してまいります。  次に、認知症の早期発見やその予防などについてでございます。  本区は、従来から、認知症対策の重要性を踏まえ、重点的に取り組んでまいりました。認知症は早期の発見による治療と適切なケアをすることで症状の進行を緩やかにできるため、日ごろからの認知症予防に加え、早期の適切な対応が大切でございます。  認知症早期発見のため、独自の健康調査を郵送で行い、回答がない高齢者には、訪問看護師による訪問健康調査を実施しております。その結果、支援が必要な方にはおおむね6カ月間、訪問看護師による見守りや相談支援を行っております。また、高齢者がひきこもり、孤立することを防ぎ、認知症の予防、早期発見にもつながる、「はあとカフェ」という名称での認知症予防カフェを、区内4カ所で開催しております。  さらに支援が必要な方を対象として、認知症サポート医が中心となって早期の介入や相談支援を行うとともに、多職種連携が必要な困難ケースでは、医療と介護の専門職と認知症サポート医による認知症初期集中支援チームが対応に当たるなど、高齢者あんしんセンターに配置した認知症地域支援推進員や医師会の先生や介護関係者と連携し、認知症対策に取り組んでまいります。  また、ご指摘のとおり、若い世代から認知症への理解を深めることは非常に大切なことです。前述の認知症予防カフェには、認知症への理解を深めるため、ボランティアを初めとする若い世代も参加しており、ご本人やご家族のみならず、認知症に関係のある方なら誰でも気軽に参加して理解を深める、サロン的な場となっております。  また、かがやきプラザでは、多世代交流事業を展開するほか、医師会等関係団体と連携して、講演会等の開催を通じた認知症への啓発も行っております。今後も若い世代から認知症への理解を深めるための取り組みを継続してまいります。 63: ◯議長(松本佳子議員) 次に、2番秋谷こうき議員。(発言する者多数あり)     〔秋谷こうき議員登壇〕 64: ◯2番(秋谷こうき議員) 平成30年第3回定例会、秋谷こうき、一般質問を行います。  初めに、7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震により亡くなられた方々へ哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。  それでは、質問に入ります。  まず、千代田区夢の島東少年野球場の整備状況について質問いたします。  千代田区夢の島東少年野球場は、埋め立て造成地を青少年のためのスポーツ広場として、東京都から一時借り受けしているものであります。土曜・日曜・祝日には、多くの野球少年、野球少女が一生懸命練習に励んでおり、千代田区の重要な施設の1つと言えます。  当該野球場は、東京都と千代田区で昭和59年1月20日、管理運営及び利用時間等に関する協定並びに土地無償貸付契約を締結の上、開設し、その後、平成5年10月1日より平成6年4月30日までの間の改修のための一時返還を経て、平成6年4月28日、前述の協定契約を締結、装いも新たに開設し、現在に至っております。  平成16年度以降に行われた主な整備としては、出入り口の変更、B面グラウンドの整備、北側緑道公園側のフェンス扉設置、ダッグアウト補修、砂置き場補修、グラウンドローラー2台購入、物置2台の鍵補修、砕石舗装委託、B面外野補修工事、グラウンドフェンス改修工事などがあります。  当該野球場が東京湾の埋め立て地に立地していることから、東京湾から吹く海風により、グラウンドの土が舞い、土が削れ、結果としてグラウンドにでこぼこが生じることがあります。そうしますと、でこぼこにつまずいたり、グローブをひっかけたりして、けがをするおそれがあります。また、グラウンドがでこぼこでは、ボールのバウンドがイレギュラーになってしまうので、プレーがしづらくなってしまいます。加えて、利用するのは土曜・日曜・祝日でありますので、平日は人がおりません。  平日に人がいないことをいいことに、この夏は、アリのように地面の下に巣をつくる地蜂がセカンド近くに営巣してしまいました。当然すぐに巣は駆除されましたが、蜂が飛んでいてはプレーに集中できないどころか、刺されてしまう危険があります。常日ごろ維持管理を徹底しないと、子どもたちが安心・安全に使えません。  そこでお尋ねいたします。夢の島東少年野球場の現在の整備状況及び今後の整備予定をお聞かせください。  次に、夢の島東野球場の暑さ対策について質問いたします。  区長の招集挨拶にもありましたように、この夏は異常とも言える酷暑でした。そして、ここ数年の気候変動を見ていると、来年以降も酷暑となることが容易に予想されるところであります。  この夏、7月、8月の夢の島野球場の利用日数は合計で18日あり、利用こま数としては46こまありました。ここで、熱中症の予防のため、人体と外気との熱のやりとりに着目して算出される指数である暑さ指数、いわゆるWBGTにおいて、「激しい運動は原則として中止」とする、暑さ指数28度以上の日が18日中15日、46こま中37こまであり、「運動は原則として禁止」とする、暑さ指数31度以上の日は18日中10日、46こま中23こまありました。すなわち激しい運動が原則禁止となるのが使用時間のうち約80%、運動そのものが原則禁止となるのが50%になります。大変な暑さの中、子どもたちは練習に励み、保護者や関係者の方はそれをサポートしています。  夏の時期に練習をしたいと思う子どもたちの気持ちや練習をさせてあげたいと思う保護者、関係者のお気持ちは当然のことであり、私もそう考えます。そうすると、区としては十分な暑さ対策を図り、子どもたち、保護者、関係者の安全を確保すべきであります。  そこでお尋ねします。今後、区として夢の島東野球場の暑さ対策をどうお考えになっているのかお聞かせください。  以上、質問を終わります。ありがとうございました。(発言する者あり)(拍手)(発言する者多数あり)     〔文化スポーツ担当部長小川賢太郎君登壇〕 65: ◯文化スポーツ担当部長小川賢太郎君) 秋谷議員の夢の島東少年野球場に関するご質問にお答えいたします。  夢の島東少年野球場は、千代田区内の子どもたちが野球の練習や試合が十分できないなど、会場の確保に苦労していたことから、昭和59年より、東京都から無償でお借りしている施設です。  施設整備についてですが、施設管理上必要な小破修繕などを、先ほどもご指摘いただきましたが適宜行ってまいりましたが、ご指摘のとおり、グラウンド面については、強風によって風化が目立ってきており、大がかりな土の補修などの抜本的な改修工事が必要であると考えております。  次に、暑さ対策についてでございます。(発言する者あり)  昨今の気象状況を考慮しますと、日差しを避ける場所のない現況に、何らかの対策が必要であると認識しております。このため、貸主である東京都と協議し、利用者等のご意見も伺いながら、必要な施設について検討するとともに、関係者が設置に向けた調整を進め、利用者がより安全・快適に利用できる施設となるよう努めてまいります。(発言する者多数あり) 66: ◯議長(松本佳子議員) お諮りします。本日は以上で延会したいと思いますが、異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 67: ◯議長(松本佳子議員) 異議なしと認め、決定いたします。  次回の継続会は、明日9月27日午後1時から開会いたします。  ただいま出席の方には文書による通知はいたしませんので、ご了承願います。  本日は以上で終了いたします。延会します。     午後7時06分 延会
                        会議録署名員                        議 長  松  本  佳  子                        議 員  池  田  とものり                        議 員  山  田  丈  夫 発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...