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12月17日-02号

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  1. 上越市議会 1990-12-17
    12月17日-02号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成 2年  第5回(12月)定例会     平成2年第5回上越市議会定例会会議録(2日目)                           平成2年12月17日(月曜日) 出 席 議 員    1番   石 平 春 彦 君        2番   西 沢 幹 郎 君    3番   宮 沢 武 男 君        4番   杉 田 弘 美 君    5番   大 嶋   宰 君        6番   関 原 忠 良 君    7番   小 林 元 一 君        8番   星 野   実 君    9番   山 田 力之助 君       10番   市 川 文 一 君   11番   渡 辺 義 雄 君       12番   田 村 恒 夫 君   13番   中 村 末 蔵 君       14番   服 部 一 雄 君   15番   山 口   昇 君       16番   相 馬 義 孝 君   17番   小 出 信 義 君       18番   小 林 章 吾 君   19番   大 原 久 勝 君       20番   樋 口 栄 一 君   21番   岩 片 六 良 君       22番   渡 辺 一太郎 君   23番   岡  鍈 一 君       25番   新 保 清 司 君   26番    城 文 夫 君       27番   高 橋   実 君   30番   川 瀬 秀 司 君       31番   五十嵐 雄 吉 君   32番   松 永 芳 男 君 欠 席 議 員   28番   大 滝 和 司 君 説明のため出席した者 市    長  植 木   公 君    助    役  佐 藤 英 一 君 収  入  役  霜 越 清 三 君    教  育  長  上 野   潔 君 市長公 室 長  内 藤 秀 一 君    総 務 部 長  藤 塚 和 生 君 民 生 部 長  竹 内 栄 治 君    経済環境部長  山 口 弘 司 君 建 設 部 長  西 條 達 男 君    ガス水道局長  長谷川 恵 一 君 教 育 次 長  宮  慶次郎 君 行 政 課 長  小日向 治 文 君 職務のため出席した事務局職員 事 務 局 長  松 苗 正 彦 君    次    長  宮 崎 光 雄 君 議 事 係 長  白 石 行 雄 君    主    任  渡 辺   豊 君 主    事  高 原 るみ子 君 議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問  第3 議案第82号より第89号 本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問 市川文一君、新保清司君、大嶋 宰君、本城文夫君、高橋 実君、          石平春彦君、関原忠良君  第3 議案第82号 平成2年度上越市一般会計補正予算(第4号)     議案第83号 平成2年度上越市下水道事業特別会計補正予算(第2号)     議案第84号 平成2年度上越市ガス事業会計補正予算(第1号)     議案第85号 平成2年度上越市水道事業会計補正予算(第1号)     議案第86号 一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について     議案第87号 議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について     議案第88号 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について     議案第89号 教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部改正            について           午前10時1分 開議 ○議長(松永芳男君) これより本日の会議を開きます。                    〇 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(松永芳男君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において中村末蔵君及び岡本*一君を指名いたします。                    〇 △日程第2 一般質問 ○議長(松永芳男君) 日程第2、一般質問を行います。 今期の通告者は7名であります。あらかじめ定めた順序によって順次質問を許します。 念のため申し上げます。議会運営協議会の決定に基づき、1名の質問時間と答弁時間を合わせて原則として40分、1時間を超えないこととなっておりますので、質問に際して御注意願います。 10番、市川文一君。         〔市 川 文 一 君 登 壇〕 ◆10番(市川文一君) 私は、既に通告をいたしました高等教育機関の誘致と問題点についてと題し、質問をいたすものでございます。 短期大学もしくは専修学校を上越市に誘致したいという世論は、かなり以前からくすぶっていますが、上越地域の特性、さらには全国的な若年人口の減少、また大学審議会高等教育計画部会における新増設抑制策の提言など、その環境はますます厳しい状況にあることは御案内のとおりであります。しかし、メーカーに人が来ない。地元中小の企業にとって、技術系の人材を中心に今や悲鳴に近い状況になっていると言われております。また、父兄にとっても中央の大学や専修学校は、地価等の影響で住居費が異常に高く、家計費に占める割合は極限に達していると考えられます。私ごとで恐縮ですが、かつて2人の大学生に仕送りをしていましたが、月額30万円に近い費用はかなりの負担であったわけであります。産業振興と若者の地元定着を図るため、さらには地域の活性化等々、自宅通学可能の高等教育機関設置の夢は、経済界や市民に強い要望があることにかんがみ、市長のお考えをお聞かせ願い、その問題点と打開策を探るものであります。 そこで、まずお聞きいたしますのは、上越市もしくは上越地域における若年人口の予想であります。全国的に見て昨年からここ数年は第2次ベビーブーム世代大学進学期を迎え、ピークの平成4年には18歳人口が 205万人でありますが、平成5年からは一転して下降カーブを描くと言われております。当市における場合、どんな数字を示しているのかお教えを願います。 次に、新聞情報でございますが、文部省の官僚に今県内にわき起こっている大学コールをぶつけると、全国よりは5年おくれていると言うそうであります。その文部省では、61年度からスタートした新高等教育計画の中で、大学立地地方自治体が援助する、いわゆる公私協力方式を打ち出したと言われております。教育投資に小、中、高だけでなく、大学も含めようとする自治体がふえてきたわけであります。このような状況を踏まえながら、上越市にどんな可能性があるのか、対案を出してお考えをお聞きいたします。 まず、上越教育大学総合大学化であります。市長初め多くの関係者の努力で53年に開学した上越教育大学は既に10年を超えています。高校生や大学生に聞きますと、最近の受験生気質の一つは、総合大学志望とのことでございます。しかし、御案内のようにこの大学の成立過程や性質からいって、総合化はかなり難しいと考えられます。そこで、全国的に見てその可能性や当市における動きがあればお聞かせを願います。 次に、県立または上越市を中心とした公立大学の可能性であります。ある識者によれば、大学の立地は県全体の圏域で考えるべきで、上越圏は余りにも狭い。したがって、構想自体を懸念した発言をしておられますが、県では上越地域の大学構想にどんな位置づけをしているのかお聞かせください。 次に、私立大学の分校の誘致であります。過日ある経済界の人たちと話し合った中で、立地費用を30億円と想定し、学校側、経済界、地元市町村10億円ずつ出し合う形を言われましたが、私立への市費の持ち出し、またランニングコストの問題等々、当然ながら一定の限界があるわけでありますが、全国的に見て類似都市での例をお知らせ願い、このような場合での基本的なお考えをお示しください。 最後に、教育長さんにお聞きいたします。新潟県は現役大学進学率全国最下位と言われております。その一つの原因は、大学収容率46位という低さにも原因していると考えられます。しかし、突き詰めて見ると、小中学校を通じて教育に対する熱意が結局は薄いのではないか。学歴社会、競争社会をあおるわけではありませんが、隣県富山などと比べて教育界全体の怠慢と言われてもやむを得ないのではないか。今教育の現場では、このことにどんなとらえ方をしているのかお聞かせください。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 高等教育機関の誘致についての御質問でありますが、大学の誘致問題につきましては、昨年の9月議会でもお答えを申し上げましたとおり、私はぜひ実現をいたしたい行政目標の一つとして、これまで努力してきたところでございます。 最初に、上越地域の若年人口の予想についてのお尋ねでありますが、現在の小中学校在校生及び中学校卒業者数から推定いたしますと、大学進学年齢である18歳人口は、平成3年の 5,027人をピークに翌年以降減少に転じ、平成12年、すなわち西暦2000年には 3,996人、現在の79.5%にまで落ち込むことが予想されるのであります。このような傾向は当地域のみでなく、我が国の18歳人口についても、団塊の世代2世と言われる平成4年の 205万人をピークに翌年以降急減して、平成12年には 151万人、73.7%に減少すると見込まれているのであります。この18歳人口の減少により、今後大学などへの進学率が今春の36.8%から、文部省の大学審議会が予測する40%へと向上したといたしましても、平均的規模の短大で約 200校分、4年制大学では約 100校分に相当する入学者数が減少すると言われており、まさに大学受難時代がやってくると危惧されているのであります。このような中で、大学審議会では去る10月に大学、短大の長期整備計画に関する中間報告をまとめ、公表したところであります。それによりますと、これまで一貫してとり続けてきた定員増、また新たな学部の創設及び大学の設置などの拡大基調から一転して、これらを原則として認めないこととする縮小方向を示した上、入学者の減少に伴う対策として、社会人や留学生の受け入れ、経済社会のニーズに合わせた教育内容など、量から質への転換を図らなければならないとする私学の経営にとって、まさに冬の時代の到来を警鐘する内容となっているのであります。 次に、御質問の上越教育大学総合大学化でありますが、御案内のとおり同大学は初等教育教員を養成する学部と初等、中等教育教員に研究、研さんの機会を提供するための大学院を持つ新構想大学として昭和53年に開学したものであります。今後児童、生徒数が減少することにより、教員の減少も予測される中で、県が中心となって設置した高等教育の推進に関する懇談会が去る6月にまとめた、新潟県における大学等高等教育の推進についての提言で、上越教育大学には学校教育学部以外の学部設置が望まれるとされ、また学内でも大学院に博士課程を設置する構想が打ち出されておりますので、今後これらの移行を十分見きわめながら、研究し、要望を続けてまいりたいと考えておるものであります。 次に、県立または公立大学の可能性についてのお尋ねでありますが、全国的には冒頭に述べたような厳しい状況にあるとはいえ、今ほど申し上げました懇談会の提言によりますと、本県の人口10万人当たりの大学、短大の学生数は平成元年度で 661人と、全国平均 1,970人の3分の1程度であり、低迷している大学進学率も中長期的には上昇傾向にあるため、大学の量的整備を図る必要があるとしておるのであります。この場合、安易な定員増は避け、国際化、情報化など、人文社会系及び理工系など、社会経済の新しいニーズ、さらには地域ニーズにも配慮した特色と魅力ある質の高い大学を目指さなければならないと付言しているのであります。現在私が承知している県内の私立大学の設立構想としては、新潟市とその周辺で新潟国際情報大学などなど、いずれも設置主体は第三セクター方式により構想されているようであります。 最後に、私立大学の分校の誘致でありますが、私立大学は今若年人口の急減期を控え、極めて慎重な姿勢にあります。新たな大学の設置には巨費が必要でありますが、現在国の助成がなされていないため、有効な方法としてここ数年来公私協力方式が定着してきていることは御案内だと思います。昭和57年以降設立された32校の例を見ますと、公私協力の実態はさまざまでありますが、圧倒的に多いのが校地の無償提供であり、その次が校舎建築に要する経費の助成であります。最近その助成額も数億から十数億あるいは数十億まで各様であるのが実態であります。ちなみに、過日の新聞報道によりますと、平成5年度開校を目指している新潟国際情報大学の場合は、1学年 300人の4年制大学でありますが、その創設費として90億円を要すると言われ、これを新潟市が2分の1、すなわち45億円、残りを県と民間で折半する計画のようであると聞いております。しかし、一方では誘致に成功した大学が早くも定員割れの問題が表面化しているところもあるのであります。全国的に地方における大学誘致の理由として、産業振興に必要な人材の確保と教育文化的環境の整備が挙げられておりますが、さきに新潟県が行った高等教育に関するアンケート調査によりますと、県内における企業の半数近くが大卒を、3割が短大卒を採用してはいるものの、採用人数では高校卒が圧倒的に多いのが現状であります。 以上御質問によって、最近の大学設置の動向等について申し上げてまいりましたが、御案内のとおり最近当地経済界を中心に大学設置を求める声が高まり、去る12日には上越地域に大学を設立する会の発起人会が開かれたところであります。市といたしましても、現在大学をめぐる厳しい環境の中ではありますが、就職、進学など、若者が大都市に流れる現状を直視し、当地域の発展を担う人材確保を図るため、上越教育大学の総合化も含め、高等教育機関の設立誘致について、周到なマーケットリサーチと経済界などの協力体制、さらには教員の確保など、幅広い角度から考察するとともに、具体的な協議を行っているところもあり、議会の御協力をいただきながら、今後ともその実現に努力してまいりたいと考えておるものであります。 以上御答弁を申し上げました。 ○議長(松永芳男君) 上野教育長。         〔教 育 長 登 壇〕 ◎教育長(上野潔君) 御質問の現役大学進学率に対する教育現場のとらえ方についてお答えいたします。 平成2年度高等学校卒業者に対する大学、短期大学、専攻科への現役進学者の割合は、全国1位の奈良県が40.7%、最下位の沖縄が19.6%と、全国平均は30.6%となっております。当県の進学率は20.0%で、御案内のとおり47都道府県中46位となり、5ヵ年間続いた最下位をようやく抜け出たところでございます。進学率の差を生む原因はいろいろあろうかと存じますが、全国的には農業中心の県とか、商業中心の県とか、工業主体の県など、いわゆる地域経済の状況や地域特有の歴史、文化などから生ずる県民性の違い等にあると言われております。当県においては、高校卒業者の就職率が全国9位であることや、専門学校や各種学校への進学率が全国7位であることから、その県民性は実務、実学の傾向にあると言えます。県内には御案内のように新潟大学、長岡技術科学大学、上越教育大学の三つの国立大学と国立長岡工業高等専門学校県立女子短大のほかに私立の大学、短大が八つ設置されておりますが、県内高校卒業生徒数に対する大学の収容率は全国で45位という極めて低い実情でございます。このことも大学進学率を引き下げている原因の一つかとも考えられます。大学進学率の向上を図るためには、小学校から高等学校までの教育を見通して、各段階に応じた学力を確実に修得させることが大切であります。これまでも小学校においては学習の基盤となる基礎的、基本的内容の確実な修得に努め、中学校においては小学校教育の基礎に立って、基礎学力の一層の定着と発展を図ってきているところでございます。県教育委員会においては、上越市の高田西小学校城西中学校を含む20の小学校と10の中学校を学力向上研究実践校に指定し、基本的、基礎的な内容を確実に児童、生徒に修得させる方策を研究させ、進学率の向上に資しているところでございます。また、適切な進路情報の収集、提供などが重要であることから、進学指導推進事業や中学校と高等学校の連携教育推進事業などの進学対策に取り組み、進学指導体制の確立に努めているところでございます。教育関係者が十分な教育努力をしていないために、進学率が低いのではないかという御指摘でありますが、当事者として謙虚に受けとめ、今後とも教職員の資質の向上を図ることはもとより、学力向上と個々の生徒の希望に応じた進路の実現を図るために、さらに一層の熱意を持って取り組むよう指導に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(松永芳男君) 10番、市川文一君。         〔市 川 文 一 君 登 壇〕 ◆10番(市川文一君) 大変御丁寧に答弁をいただきまして、再質問するまた性質のものでもございませんが、お恥ずかしい経験を一つだけ述べさせていただきまして、市長初め教育長さんの一層の実は御努力を期待したいものであります。 私は、大学へ行くことができませんでしたもので、ある中央の通信教育を受けました。しかし、生来が怠け癖で、たった4ヵ月で実は挫折をしたわけでありますが、もし言いわけを言わさせてもらうならば、夏場一月、今はどうなっているのかわかりませんが、スクーリング制度というのがあって、どうしても1ヵ月間上京しなければならない。当時の農家にとって、お金は何とかできないことはないんでありますが、労働力が夏場1ヵ月欠けるということは容易ではないと。仮にこれができても、私の怠け癖は、恐らく10年ぐらいかからなければ卒業できないと言われたぐらいの通信教育の大学でありますので、仮にスクーリング制度を何とかこなしたとしても、いつか挫折したろうと私想像するわけでありますが、今の若者には考えられない時代でありますので、そういった意味では今の若い人たちは大変幸せだなとは思いながらも、しかし恐らく身の回りに各種学校あるいは専修学校があれば、行きたい、あるいはやってもいいという本人あるいは家庭がかなりあるのではないだろうかと。そして、今教育長さんのいわゆる県民性等を見れば、そういうものが身の回りにあれば、かなり進学率もいろんな意味で増すのではないだろうかと、そう実は感じたわけであります。しかし、市長さんの今の御答弁にもあるように、実に若者が激減するというこの現象を見るとき、なかなか容易でないなと思いながらも、しかし幸か不幸か、非常に大学進学率が悪いという本県の地域性を逆に生かせば、大学立地の面もないわけではないなと、こう実は感じておるわけでありますが、一層の御努力を御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 私も大学の必要性あるいは大学教育の必要性、特に先般上越振興大会で皆さんがこぞって御要望されたように、これから上越地域の発展は、高速交通網の整備と並んで、人材の確保こそ将来の発展を卜する最も大きな課題であるというお話がありました。ですから、私も大学設置の必要性については、ずっと市長に就任以来努力してきたつもりでありますし、また上越に進出したいという大学もあって、いわゆるマーケットリサーチを行ったこともありますが、その結果は決して良好な結論が出なかったわけであります。 私は、同時に大学教育の必要性のほかに、あなたは一生懸命に勉強されようとして通信制の大学教育を受けられたと言いますが、私も大学へ行きましたが、その点では余りまじめに学校へ通う学生ではありませんでした。ですから、私の見地からまいりますと、大学の必要性という点については、私は必ずしも今一般の世論が考えているような意味ではとらえていないつもりであります。大学の組織自体というものは、私は今後大いに変わってくるだろう。また、若者の教養を得る方法、若者が知識を得る方法のあり方も私は大いに変わってくるというふうに私は考えます。今までのように、大学組織の中で箱詰めにされながら教育を受けるあり方というものは、大きな変革をもたらすのではないかと私は思います。 ですから、今後私たちが若者に、青年たちにどうして知識を与え、教養豊かにする、そういう方法をどう考えるかという問題であるということをも、この際考慮の対象にしなければならないのではないかというふうに思います。例えば先般テレビでも放映されておりましたが、会社に対する勤務形態も、今までみたいな何時に出勤して、何時に帰ってくるというような方法ではなく、在宅勤務というようなものもこれからうんとふえてくるのではないか。ですから、私は今後の勤務形態のあり方と同様、教育を得る方法には、まず国際化の問題がある。そして、大学組織に対する見直しの問題がある。私は、かなり大きな変化のうねりの中で考えられていくことが大切ではないかと、全く私の私見でありますが、そう考えております。ですから、どうか教育を得る方法あるいは常識を学ぶ方法、教養を取得する方法は極めて短絡的なものではなく、私はあらゆる方法によって学び得る、そういう多様化した社会というものがこれから来るであろうと予測をいたしますので、この従来のような単一的な考察の中で考えるべきではないのではないかというふうにも愚見をいたしておりますので、申し添えさせていただきます。 ○議長(松永芳男君) 25番、新保清司君。         〔新 保 清 司 君 登 壇〕 ◆25番(新保清司君) 私は、さきに通告をしておきました自然環境保全の基本方針と施策について、市長の見解をお尋ねいたしたいと思います。 なお、この問題は去る6月定例会及び9月定例会でも若干質問させていただきましたが、そのときはゴルフ場問題が重点でしたので、中途半端になってしまいました。今回は、この問題だけに絞りましたので、よろしくお願いいたします。 前回も申し上げましたように、近年環境問題は大きくは国際規模で、また国内でもいろいろな分野で真剣な議論が行われ、国民の関心が高まっております。これは、環境破壊がこれ以上進めば大変なことになるという実態がだんだん明らかになってきたからではないでしょうか。私は、ここでこういう次元の高い議論をするつもりはありませんし、またそんな知識もありませんが、ただ市長にお尋ねしたいことは、環境破壊の傾向はよそごとではなく、我々のところにもあらわれているんだという認識をお持ちなのかどうかということと、もしそうだとしたら、地方自治体として何ができるのか、何をやってはいけないのかということについて見解をお聞きしたいのであります。 私は、若干僣越ではありましたが、6月定例会で市長に自然環境保全に対する基本理念というものについて質問し、的確な答弁をいただきました。その内容は、さすがに立派なもので、特に自然環境の保全は当然の義務であり、自然の恩恵を現在及び将来に生きる人々に継承されるべきものであると言われており、その点でも全く異議ありません。したがって、こういう基本理念のもとで、現状をどう認識し、どういう施策をやろうとされているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思うのであります。6月定例会では、一般論として水質汚濁、各種騒音などの都市生活型公害が顕著になっており、化学物質による環境汚染なども顕著になっている。また、特大都市周辺では緑を初めとする良好な自然環境が急速に失われつつあると言われておりますが、では上越市の現状はどうなっているのかとなると、いま一つ厳しさが足りないような気がしてなりませんので、改めてその辺を市長の見解をお聞きしたいわけであります。 次に、第3次総合計画の基本計画との関連でお尋ねをいたします。御承知のとおり、基本構想は昭和61年度を初年度とし、昭和70年度、平成7年度でありますが、を目標年次とする10ヵ年計画であります。この基本計画は、ちょうど年度で前期を終わり、今、後期計画案の審議中であると聞いております。そこで、まずこの後期計画案はいつごろ議会に提出されるのかお尋ねをいたしたいと思いますし、第2にはこの後期計画案の中に、今まで申し上げましたような客観情勢を踏まえ、自然環境保全に関連した新しい計画なり、施策が盛り込まれているのかどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。 次の質問は、前段申し上げましたように、我が上越市も全国的に見られるようなスピードで自然環境の破壊が進んでいるのではないかという現状認識の上で、私の意見を交えて問題を提起したいと考えておりますので、市長の見解をお聞かせいただきたいのであります。御承知のように、昭和46年に高田、直江津両市の合併によって発足した上越市は、上越地方の中核都市としての基盤を整えるために、高速交通体系を初めとする大型プロジェクトが数多く導入され、この20年近くはひたすら都市機能の充実に重点を置いた施策が続けられてきたと思います。私は、そのことのよしあしを言うつもりはありませんし、国レベルの地域政策、当市の特殊事情、市民ニーズ等に対応したその時点での適切な施策だったのかもしれません。しかし、このことによってこの10年間原野、山林はもちろん、農地の転用面積もまた相当数に上っていることも事実であり、見逃すわけにはいきません。総合計画の中で示されているところでは、田と畑、これは第2次総合計画の昭和55年度の発表では 7,302ヘクタールだったのが、平成2年、今年度では 6,731ヘクタール、 571ヘクタール減っているのであります。原野と山林では、同じく昭和55年度の第2次総合計画のときには 4,876ヘクタールだったのが、年度 4,455ヘクタール、 471ヘクタール減っているのであります。なお、昭和61年度と年度と比べてみましても、田と畑では 209ヘクタール減っておりますし、原野、山林では23ヘクタール減っているのであります。たとえその時点、その時点では市民ニーズに対応した適切な施策であったとしても、何年か経過してみると、トータル的には自然環境が破壊されていたというのが現状ではないでしょうか。問題は、こういう現状に目を覆って何の手も打たないでいいのかどうかということだと思います。よく世間では、人間は自然環境を破壊しながら生きているんだという人もいますし、開発のためには自然環境破壊は当然のことという意見もあります。しかし、私はそうは思いません。自然環境を守りながら生きていく、これが万物の霊長たる人間の務めなんだと思います。自然環境を破壊することは、すなわち生態系を破壊することであり、ひいては我々人間もまた滅亡することになるわけで、だからこそ今地球規模で環境問題が真剣に議論されているんだと思います。たとえ私たちが議論することは、米粒のような小さなことであったとしても、自然環境を守るためには、目先のことにこだわらず、大胆な発想の転換が必要だと思いますが、この部分についても市長の見解をお聞かせいただきたいのであります。 前置きが長くなりましたが、今まで申し述べてまいりました現状認識のもとに、以下具体的な問題について提言をしながら、市長の御見解をお伺いいたしたいのであります。それは、農地、山林等の保全についてであります。私たちは、今米の自由化に反対しておりますが、それは食糧安保もさることながら、国土保全の観点からも我が国の農地は守るべきだという考えがあるからであります。また、山林につきましても、国土保全、水資源の涵養、生態系の維持、大気の浄化等々多くの公益的機能を持っている貴重な資源でありますので、それがたとえ私用地であると否とにかかわらず、これを保全する施策がなければならないし、そのことがまた地方自治体の責務であるとも思います。このことは、市長は今までも我が上越市は恵まれた自然環境と伝統ある歴史のある町であり、これを守ることが為政者に課せられた責務だと言い切っておられるんですから、そのための施策をお持ちだろうとは思いますが、ここで私は私なりに一つの提案を申し上げたいと思います。それは、この際上越市の土地利用構想の抜本的な見直しについてであります。当市の総合計画は、前段申し上げましたような事情もあって、その基調は都市基盤の整備であり、都市機能の充実であったこと、それはそれなりによかったとしても、この先5年、10年の中期、長期構想をつくる場合には、もう今までの延長線上であってはいけないと、私はそう思います。もうこの辺で都市型と自然環境保全を並列させた方向に軌道修正していかなければ、後世に禍根を残すのではないか、そう思います。私は、そういう観点から、土地利用構想の見直しを言っているのでありますが、例えば都市計画法でいう用途地域のほかに、その他の地域地区として、一定の地域を風致地区に指定して、自然を守り、景観を維持する方策を考えるとか、あるいは久比岐県立自然公園を中心とした南葉山、西部丘陵樹林地帯の恵まれた自然環境を守る方策を、水資源保護を含む自然環境保護条例等の方策を早急に検討すべきだと考えます。いずれにしても、何とかしなければならない、やる気になれば知恵を出し合って自然を守ることができる。今多くの地方自治体、住民がそのために汗をかいているのであります。市長の真摯な御答弁を期待し、最初の質問を終わります。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) まず初めに、自然環境の保全についてお答えをいたします。 昨日もテレビでこの問題が討議されているのを聞きましたが、会社 100社に対し、あなたは営業を行う場合、環境保全について配慮いたす考えはありますかという問いに対して、95社がその考えがありますというように答えていたと。これは、今民間営業各社においても、環境問題を度外視して営業はできないということを如実にあらわしているものであるということが言われておったのを拝見いたしました。今やまさに環境問題は単に行政上の問題のみでなく、当然利益を目的とする営業民間各社においても、まさに焦眉の問題であるということがあらわされていると思うのであります。 このような状況、特にここ数年地球が二酸化炭素やフロンガスによって気象条件に変化を与えているとして、その対策が論議をされ、また森林の伐採によって人為的に砂漠化が起きていると問題提起がなされるなど、かつては考えられもしなかった地球規模での自然環境の保全問題が大きくクローズアップされていることは御案内のとおりであります。このような環境変化の現象は、大量の生産や消費という日常的な経済活動によって、事実が発生しているものなのか、それとも地球の自転運動を含め、他の外界の要因等によって、すなわち自然発生的に起きている現象なのか、学者を初めとする専門家が研究とその対策に追われているところであります。しかし、原因はともかくとして、地球は人類共通のふるさとであります。この地球を美しくきれいに守り、永久に本来あるべき自然のままで後世に引き継いでいくことこそ、今に生きるすべての人類の責務でもあります。それには、基本的に各人、各人がそれぞれ環境問題に等しく関心を持ち、直接自分自身にかかわる問題として、毎日の日常生活における、各人ができる限り有害物質を取り除くことから出発しなければならないと考えるものであります。国民の平和と安寧を導く行政にあっても、環境政策を最も高い努力目標とすることは当然であります。 次に、自然環境保全の基本的な考え方につきましては、6月議会であなたの御質問にお答えを申し上げました。また、さきの9月議会でも本城議員にもお答えをいたしましたが、今もその考え方に変わりはございませんし、今まで市政執行に当たり、ささやかな努力ではあっても、花と緑をまちじゅうにと願い、また公園の築造に努め、行政施策の遂行に必要があって、地形を変更せざるを得ないときは、周辺の自然環境との調和を十分検討しながら進めてまいったつもりであります。このたび自然環境の保全と同時に、これからの開発行為にかかわる環境保全と公害防止の対策を推し進めるために、新たに環境部を設置して取り組むことにしたことからも、私の真意を御理解いただけると存じます。今後とも市民が健康で快適な日常生活を送ることができるよう、一層よりよい環境づくりに努めてまいりたいと考えておるものであります。 次に、第3次総合計画後期基本計画についてでありますが、御案内のとおりこの総合計画は昭和61年に策定したものであります。その内容は、市の目指す都市像と施策の大綱を定めた基本構想及びこの構想を実現するため、平成2年度までの5ヵ年の前期基本計画から構成され、市ではこれを指針として実施計画を組みながら、総合的、計画的な市政運営を図ってきたところであります。したがいまして、このたび策定する後期基本計画は、平成3年度から平成7年度までの5ヵ年間に基本構想が目指す活力ある、個性豊かなまちづくりを実現するための基本施策を明らかにするものでありますが、去る11月15日、これを上越市総合計画審議会に諮問し、現在鋭意御審議をちょうだいいたしておるところであります。なお、この総合計画のうち基本構想につきましては、地方自治法の定めにより、議会の議決が必要であるのに対し、基本計画は審議会の答申をもって確定するものであります。しかしながら、計画は来年度以降5年間の市政運営の指針となるものでありますので、審議会から答申をいただき次第、全員協議会で御報告を申し上げ、またその内容を新年度予算に反映させてまいりたいと考えておるものであります。 次は、このたびの後期基本計画における自然環境保全に向けた施策についての御質問でありますが、諮問いたしました計画原案では、第4章「たくましく伸びる地方中核都市」の中で、新たに「自然環境保全」の項目を設け、本市の特色ある西南部丘陵地域及び海岸地域などのすぐれた自然環境を市民の共有財産として保全、整備を図るための施策を掲げたところであります。すなわち、いま少し具体的に申し上げますと、本市の西部丘陵地帯を初め海岸線の良好な景観地域や神社仏閣、境内などに点在する山林などのすぐれた自然環境は、土地の保全、水源涵養はもとより、四季折々の自然との触れ合いによる生活環境保全など、多様な広域的機能を発揮しており、潤いのある市民生活を送る上で、欠くことのできない存在であります。したがって、これらの自然を市民共有の財産として無秩序な開発を抑制する一方、自然が持つ景観やレクリエーション、生産、防災などに果たす多面的な役割を重視しながら、その有効活用を図っていかなければなりません。そのため当面具体的施策といたしまして、当該地の開発事業に際しては、その計画段階から環境保全上講ずべき措置等について、各分野の専門家による環境影響評価会議などの意見を十分踏まえて、自然環境の保全に万全を期すことをうたい、豊かな自然環境を将来に引き継ぐための施策に意を用いたところであります。 最後に、市街化調整区域内における農用地以外の森林等の土地利用構想について、例えば風致地区など設定をしてはどうかとのお尋ねでありますが、都市計画法上の風致地区は、歴史的、景観的にその価値が極めて高い地区を対象に、現状変更に厳しく制限を行い、その維持、保全を図るために設定するものであります。県内では、新潟市の海浜風致地区など、都市公園を中心に6地区について、いずれも昭和17年以前に設定されておりますが、御案内のとおり、都市計画法及びこれに基づく県の風致地区条例によって、私権が著しく制限されるため、地権者の同意が得られないということなどにより、その後新たな設定はなされておりません。すなわち、私権の制限は人権の制限に及ぶことを戒められているのであります。ちなみに、新潟市の海浜風致地区は、砂防林等を文化財的な立場から保全するため指定されたものであり、一方妙高高原町などでは風致地区を定めたものの、いろいろな面で支障を来している例もあるのであります。このようなことから、本市といたしましては現行の関連する個別法令により、秩序ある土地利用と保全が図られるよう、有効かつ適正な法の運用に今後一層努めてまいりたいと考えておるものであります。 ○議長(松永芳男君) 25番、新保清司君。         〔新 保 清 司 君 登 壇〕
    ◆25番(新保清司君) 御答弁ありがとうございました。 まず基本的に、今地球規模で環境問題が議論されているということと、国内もそうですけれども、現在自然環境保全のためにいろいろ知恵を出し合って論議が展開されていると。しかも、これは前回市長が言われたように、貴重な資源であるし、自然環境はやはり人間にとってなくてはならんもんだという認識の上に立って今後こうやるという、そういう基本的な認識については、今回は完全に私と一致しましたので、この点はどうかひとつその基本理念を今後も持ち続けていただきたいと、こう考えております。ただ、総論でそういう認識がされていますけれども、では我々の身の回り、なかんずく上越市の全体をどう環境保全のためにやっていくのかという点については若干問題がありますし、私とかなり違う部分もございます。 私は、ある学者のの中で、この環境問題を議論する場合に、鳥の目と虫の目と、こういう二つの目で見ていかんきゃならんという、そういうことが書かれていることを今思い起こしました。これはどういうことかというと、鳥は上空高く上がって、それで全体を見ると。地球全部見れるかどうかわかりませんけれども、大きな視野で物を見ると。しかし、虫の目というのは自分の周りだけしか見れないと、こういうことを言っているわけなんですけれども、今市長が言われたことは、確かに鳥の目で見ておられる場合の基本的な考え方、これはそのとおりだと思います。では、我々の身の回り、上越市の実態、これに即応して今後どうするかということになりますと、例えば市長が言われているように、今回来年の1月1日から環境部を新設すると、今議会に部制改正の提案がございました。私たちは、本当に時宜を得た措置だと、こういうふうに考えて歓迎をしているわけでありますが、これは一つの環境問題に対する関心の深さを認めてくれということですから、これはそのとおり素直に認めましょう。 しかし、第3次総合計画の後期計画の中で、具体的にじゃ自然環境保全の問題について新たにどういうことが出てきているのかと、今市長がずっと言われましたけれども、これは今審議会に諮問して審査中ですから、私がここでいろいろ意見を述べることはいかがなもんかと思いますけれども、これを拝見しますと、今市長のお答えを聞いてみた限りでは、やはりあくまでも総論的にはそうだけれども、開発を認めていくという前提で言われていると思います。もちろん、無秩序な開発を抑制するというふうな文言が用いられておりますけれども、西部の丘陵地帯、それから海岸線に沿った良好な景観地域あるいは神社仏閣、境内等に存在する山林等々、自然環境を本当に保全していくと、そのためにどうするかということじゃなくて、その中で開発が行われる、あるいは開発事業を実施する場合にどうするかと、こういうことが中心であるような気がしてなりません。私が言っているのは、これは後から出てきますけれども、確かに私権の制限になるかもわからんけれども、しかしそういう自然の環境を保全しなきゃならんという地域は、地帯は何らかの条例なり、あるいはいろんなものを知恵を出し合って、そしてこれには開発の手が入ってこないと、自然を保全していくと、こういう手だてがないのかということを私は言っているわけであります。確かに風致地区、これはいろいろ問題があることは私もほかでも聞いていますし、勉強していますから、わかりますが、しかしこれとて例えば今まで私たちが、さっき言いましたように、上越市特にそうなんですけれども、今までは都市機能の充実というものに重点を置いてやってきた都市計画があるわけですね。その都市計画の中でも、用途地域の指定をしていると。そして、この地区は市街化地域であるから、うちが建ってもよろしいと。この地域は市街化調整区域だから、ここでは建物は建っちゃいけないと、いけないというとこまでいっているかどうかわかりませんが、とにかく市街化することは好ましくないと。ということは、住宅を建ててはいけないと、市街地にしてはいけないということなんですね。そういう地域指定をしていると。これも私権の制限なんですね。自分の土地の上にうちを建てようと思ったって、これは市街化調整区域だから、うちを建てるのは好ましくないと、こう指定された地域だと、これはやっぱり私権の制限だと。私は、都市計画もそうですが、すべてのことはやっぱりある程度私権の制限があるだろうと、伴うだろうと。確かに私は私権の制限をせいということを前提に言っているわけじゃありませんけれども、やっぱり都市機能の充実ということをやるにしても、そういうことが今まで行われてきていると。そこで、いろいろ都市計画その他で問題がありますけれども、いずれにしてもそういう規制なり、網というものはどんな場合でもやっぱりあるだろうと思います。したがって、それと同じようなことで風致地区というものも考えていいのではないかと。都市計画法でも、風致地区というのはその他の地域指定として認められているわけですから、そういう努力をやはりしていく必要があるんじゃないか。 それからもう一つは、ほかにもぼつぼつ最近出てきていますけども、その地域を自然環境保護条例で自然環境を保護していくという、そういうことも地方自治体でぼつぼつ検討され、また出てきているように聞いておりますが、こういうことも前向きに検討していく必要があるんじゃないかと。ただ、それは私権の制限につながるから、難しいからやめるんだと、あるいはやらんのだと、こういうことでこの問題を片づける、そういう性格のものじゃないんじゃないかと私は思います。したがって、この点についてももう一回ひとつ市長の御答弁いただきたいと。この私権の制限の問題で議論していきますと、私は基本的には私権の制限はしてはならんという考え方ですから、その点で議論をするつもりありませんが、何とかやはり知恵を絞って、そして大事な自然環境を保護していくと、保全をしていくと、こういうことを地方自治体が今全国的にも検討されていますし、当市もその方向で前向きにひとつ検討していく必要があるんじゃないかということを私も言っているわけで、基本的には今まで都市機能の充実ということでずっとやってきたけども、もうそろそろその視点を自然環境保護というところに向けて、それと併用してやっていく、こういうことが上越市の場合の土地利用構想の中に入っていいんじゃないかと、こういうことを私は言っているわけであります。さっき申し上げたとおり、農地を保護しなきゃならんと、保全しなきゃならんからといって、今後一切それに手つけないと、こういうことじゃありませんが、今までのようなスピードで、さっき申し上げたようなスピードで今後もその延長線上で進んでいくということは、この辺でやはり考え直す必要があるんではないかという、そういうことを言っているわけでありますから、両極端じゃなくて、そういう方向に目を向けていくということが必要じゃないかという、そういう視点で質問をしていますので、お答えをいただきたいと。 したがって、今申し上げました具体的な方法についても、今ここで私がどうしてもこれは風致地区をつくってもらわんきゃならん。つくるべきだ。それから、自然環境保護条例をつくるべきだと、こういうことを決定的な決めつけをしているわけじゃありませんが、何かそういう方法もあるんじゃないかと。したがって、そういう方向でひとつ考え方を変えていく必要があるんじゃないかと。そのためにこの第3次総合計画の後期の基本計画案の中にも若干入っているようでありますけれども、どうも私が聞いたところでは物足りないと、方向がちょっと違うような気がすると。開発をするということを前提に、その地区においての開発する場合には云々ということを言っているような気がしますので、その辺もひとつお伺いしたいと。 それから、環境影響評価会議のことを言われましたけれども、私はこういう大きな自然環境保全の問題で、ここに今回設けられた環境影響評価会議が出てくるとは実は思いませんでした。これは、本当にそうなのかどうか。そうだとすれば、法律にも何にも法的に権限もないといいますか、そういうものもない。いわば環境アセスを県知事に出す、その前段で市長が意見をつける。その参考のために意見を聞くという会議だというふうに私は聞いていますし、事実そうだと思うんですけども、それがここで言う自然環境保全の総合計画の中でそれを設けて、そしてその会議の意見を聞きながらやっていくということなのかどうか。そうだとすれば、私はちょっとこの辺はおかしいと思いますので、御答弁を聞いた上、また質問させていただきたいと思います。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 環境を保全しなければならないということは、だれしもが私は考えていることであるというふうに思います。その環境をどう保全するかという問題を論議するとき、あなたは開発を是として論議を行っていると。開発する場合に環境をどうするかということの論議を行っているのではないかということを指摘されておりますが、常に論議はそうなければならないと私は思っております。環境保全を論ずる場合、この環境保全を論ずるとき、例えばこの環境が若干でも壊されることを好ましくないけれども、自分たちの生活がかかり、自分たちの生きる権利を何としても守りたいという人々がそこにいるというところからも、この問題を論議していかないと、私は一方的な論議に終わることが多い。私は、どんなことを論ずる場合、例えば自分のうちが道路にかかって困りますという場合、私はその人が道路にかかるために困って、それこそ何十年住みなれたところを離れていかなければならないという心情に対しては十分同情しなければならないが、同時にそういう局面を要求している事実の論議、この論議も行わなければ私は解決にはならないと思うのであります。環境は保全しなければならない。3歳の子供もわかることであります。しかし、その環境を守ろうとすれば、それは一体そのことによって、どういう影響を与えるかという論議というものもきちっとやらなければいけない。私たちは、絶えず一つ一つのことを守ろうとしたら、その守ることによって生じてくる反対の問題について、絶えず心豊かに大きな視点の中で論議をしないために、常に二つの意見が衝突し合って、果てしない論争、紛争を繰り返しているところが間違いではないかというふうに私は思います。私たちはあるいは自分でも結構です。一つのことをなそうとするとき、それによって生じてくるいろいろな影響についてまず思いをいたさなければいけない。この気持ちなくして、これだけ価値観が多様化している現在の世情の中で、何一つ行われないということになってしまうと私は思います。 しかも、あなたは私権の制限を行うことには本来私は反対であると、こうはっきりおっしゃっておられる。私も私権の制限は行うべきものではないと私は思います。本来私権というものは制限されるべきものではないと。私権は即人権であるとすら私は思います。人の生きる権利である。ですから、どんなことがあっても、どんな事情があっても、本来人権は制限されるものではないと、基本的にはそう思います。しかし、これだけ多様な価値観で生きる中では、ある程度私権の制限もやむを得ないということが言われているとすれば、私たちはその私権の制限を行うとき、その行わなければならないという事情について、十分な納得を得なければならないと私は思います。そのために最大の努力をしなければならない。それほど私権というものは大事なものである。それが環境保全という極めて今日的命題の中であっても、私はそうあるべきであると。これが本来人間社会のまさに正しい概念でなければならないと私は思います。 ですから、私たちは絶えず今一つの行為が行われるとき、この二つの意見があったとするなら、この1の側に立つ人は、2に対する十分な思いやり、論議、むしろここから出発すべきである。もし2の意見を言う人があったら、この2の意見に反対の1の意見に対して、むしろこのことに対する論議というものを一番深めていかなければならない。自分の主張はさておいても、これによってこのことに反対意見を述べている人々に対する私は思いやり、理解、勉強、そういうことを私たちが欠けているから、今いろいろな問題が果てしなく紛争を繰り返していると私は思います。少なくとも行政はそうであってはならない。もし二つの意見があったとするなら、この私は二つの意見に対して精いっぱい勉強し、研究し、そして私たちの意見のみで判断できかねる、そういう専門的知識を必要とすると考えられるときは、専門家会議を開く、環境影響評価会議を開いてそこの意見を聞く、またそれすらも何か一方的な見解を述べるのではないかと考えられるなら、私たちの良識が、私たちの常識があるいはまた13万市民の目が、その環境影響評価会議の結論というものに対して十分な勉強をし、研究をして、誤りなきかどうかという判断ができ得る知識を私たち自身が養成しなければならないと、私はそう思います。 ですから、常に私たちがいつも自分の意見に急なる余り、その反対側に生じてくる現象についての思いやりに欠けているのではないか。この反省こそ私はこれから環境を守る上で最も大事なことである。これなくして私は環境を守るなどということはおこがましくてとても言えない。私自身は、こういう反省の上に立ちながら、今後も環境の問題に対し努力をしていくつもりであります。 ○議長(松永芳男君) 25番、新保清司君。         〔新 保 清 司 君 登 壇〕 ◆25番(新保清司君) 市長、何か勘違いされているんじゃないですか。私は、ゴルフ場の問題を言っているんじゃないんですよ。上越市の全体の土地利用構想、環境保全の問題を言っているんであって、今何か私権の制限の問題をめぐって、賛成、反対の議論があった場合どうだと、そういうことを私は言っているんじゃないんですよ。私が質問したことにひとつお答えいただきたいと思うんです。 それで、問題は市長が具体的にどういう手だてを環境保全のためにやっているのかという質問に対して、まず一つは環境部を新設したと、これは私は評価をすると。二つ目には、第3次総合計画の中でどういうふうに環境保全のことについて施策を盛り込んであるんですかということに対しての質問で、さっき市長が答弁されたことが出てきているわけです。その中で、私は自然環境を保全するために、こういう施策をやっていくんだということはいいんですが、まあ物足らん、物足りるにしてもいいんですけれども、それは自然環境を保全するという**私の感じ方ですよ。自然環境を保全するということと同時に、その中にまず開発行為をどうその中に取り入れていくか、開発行為を前提としてといいますか、そういうことが入っているというふうに私は解釈しているので、それはそういう場合もあるでしょう。あるでしょうけども、少なくとも総合計画の中で自然環境を保全するという施策なり、方針なりを出す場合には、こうこうこういう手だてをして自然環境を保全していくんだと。それは、一つにはそれはできるかできないかわからんけど、私の意見としては風致地区というようなものをつくって、そこに余りその手が入らんように、そういうことをやったらどうかということが一つ。 それから、水資源の保護を含めた自然環境保護条例というものをほかでやっているようだけども、そういうものもつくるということを検討したらどうかと。そこに手が入らんというふうなことを考えていったらどうかということを私は言っているわけであって、それから三つ目にさっき言われた環境影響評価会議、これは私たちの認識では、提案されたのは、環境アセスを県に出す場合に市長が意見をつける。その意見をつける場合の参考意見として、これらの方々に聞いていくんだと、こういう説明を受けたし、そういう会議の性格だというふうに私は認識しているんだけども、この総合計画の中で上越市の環境保全をする場合に、その方針の中に環境影響評価会議の意見も聞いてというようなことが出てくると、これはちょっとなじまないんじゃないかという、そういう感じがするもんですから、その辺をお聞きしているわけであって、何も開発する場合に、甲、乙二つの意見があって、乙の意見を先聞かんからならんとかどうとかと、そういうことまで私はお聞きしているわけじゃないんで、その点をひとつもう一回整理をしてお答えいただきたいと、こう思います。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 私は、何もゴルフ場の問題だけをとらえて答弁しているわけではありません。今あなたもおっしゃったように、開発行為が行われる場合に環境が侵される。ですから、開発行為が行われるその中で、それを是認しながら環境をどう守るかという論議は自分の本意ではないと、こういう御意見だと思いますが、私はそういう反対側、すなわち開発行為が行われることに対する是非の論議もぜひやらなければならないということを言っているわけです。要するに今後道路ができるために環境破壊が行われる。あるいはまた、ゴルフ場ができるために環境破壊が行われる。あるいはまた、その他市民のいろいろな行政ニーズが環境破壊を呼ぶこともあるでしょう。その場合に、その行政ニーズであるとか、その開発行為であるとか、そういうものが大多数の市民にとってそれは一体どういうことなのかということの論議をきちっと行わなければ、私は果てしなく紛争を繰り返すだけであるということを申し上げておるわけです。例えばこれも先般テレビの話でありますが、あなたは高速道路をつくることに賛成ですかと言ったら、95%の人は賛成である。ところが、その高速道路があなたの庭にかかったとしたら、あなたは反対ですかと言ったら、今度は95%の人が反対であると。総論は賛成であるけれども、各論には私は反対である。こういうことの数字が出ていることを私もテレビで見ました。これは、私は一つの人間心理であると思います。 ですから、私はその人々のために理解を得るとするなら、その高速道路というものが、一体今上越市にとってどんなに必要であるものかどうかという論議から進めていかなければ、私は最終的な結論が出るものではない。そして、その討議の結果、それが必要であるということであったとき、大多数の意見がそれを志向したとき、私はその中でそれらの問題の解決に当たっていかなければならない。ですから、私の言うのは、環境も守らなければならない。もう自明の理であります。そういうような環境を守るために、私たちは最善の努力をいたさなければなりませんが、そのためには私権の制限もあえてしなければならないということが、認められていいのかどうかという論議も私は深めていかなければならない。環境を守るために、私権の制限やむなしという結論が、大多数の皆さんによって賛意が表されるかどうかという論議から深めていかなければ、私権の制限は絶対やるべきではないという基本原則だけが、私は生き続けていくということを言っているわけであります。この基本原則というものが侵される場合、それは十分な理由がなければならない。それは、大多数の利益であると私は思います。しかし、大多数の利益が整ったとして、それでなおかつ環境の破壊とか、私権の制限とかが許されていいという短絡的な結論を私は考えておるわけではありませんけれども、しかし基本的には私はそうであるというふうに思います。 ですから、あなたが最後にお触れになった環境影響評価会議というものが、何も単にゴルフ場問題にとどまらず、私は上越市の環境について、これに諮問する必要があるときは、これは市長の諮問機関でありますから、私の専門的知識の足りなさを補ってくれる意味で、今後私に大きな諮問にこたえてくださる、そういうことがもしあるとするなら、私は喜んで受けたいと思いますし、今評価会議が一体いつまで存続するのかと、いつ、どのような機能を今後とも持ち続けていくのかどうかということは、諮問する私が判断してやっていきたいということでございます。 ○議長(松永芳男君) 25番、新保清司君。         〔新 保 清 司 君 登 壇〕 ◆25番(新保清司君) 1分しかないそうですから、答弁は要りません。 ただ、今最後に言われた環境影響評価会議、これは市長の諮問機関だということをはっきり明言されましたが、本当にそうなのかどうか、それを確認しておきたいと思います。 それから、前段の方は簡単な問題なんです。私は、総合計画の中でそういう開発があった場合にどうするかというようなことを、総合計画の基本計画の中でそれは入れる必要がないと、入れるべきじゃないんじゃないかと。ただ、自然環境を保全するというんなら、保全する方針というものをすぱっと出すということでいいんじゃないかという、そういう意味なんです。第3次総合計画の中で例えば申し上げますと、「治山治水」の項で、西部一円の山間部の地質は比較的脆弱で云々と、危険性の高い地域が多いと、こういう現状認識の上に立って、じゃ具体的に施策をどうするのかということでは、河川のはんらん、増水による水害を防ぎ、住民の生命、財産を守るため、河川改修、治水ダム建設の促進を図れるよう国、県に働きかけると、これが具体的な施策なんですね。私は、総合計画の基本計画というのはそういうもんだと、こう認識しているもんですから、開発の行為があった場合にどうするかと、こうするかと。今市長が言われたように、賛成、反対のあれがあったらどうなんだ。そういうことは総合計画の基本計画の中に何も入れる必要はないし、入れるべき性格のもんじゃないと、こういうことを言っているわけなんですが、これは答弁要りません。 ただ、最後に言われた諮問機関、これをはっきりしてください。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 私の諮問機関であります。 ○議長(松永芳男君) 5番、大嶋宰君。         〔大 嶋 宰 君 登 壇〕 ◆5番(大嶋宰君) 私は、さきに提出いたしました通告により質問をいたすものであります。 初めに、流通及び文化面から見た上越市政20周年を契機とする街づくりについて御質問申し上げます。先般来、流通業界をにぎわしておりますのは、一連の日米流通構造協議における話題ではないでしょうか。いろいろの問題の提議がされている中で、本日私は表題により問題を広く提起してみたいと思います。特に地方都市、すなわち人口10万から15万の都市における現在を見て、そこに生活するすべての生活者の利益を考えたとき、今や「街」という定義はまことに重要であります。私ども流通業界にとりましても、今後は商業そのものを経済の論理から街づくりという美しさ、すなわち美の論理へと転換すべきときが来たと思われます。街は、幾つかの要素によって成り立っているわけでございますが、この要素には大きくけ分けて文明的要素と文化的要素とがあります。言うに及ばず、文明的要素とは、主に社会的な公共施設、道路、交通機関等であり、その街に寄りつく交通手段であります。文化的要素とは、その街の景観や文化的遺産、すなわち歴史とか文化的建物あるいはそこに住む人々の生活意識や風土性といったものであります。かつて高度成長期は、文明的要素が優先していたわけでございますが、今現在成熟社会になってくると、文化的要素が各地で重要視されてきているわけであります。と申しましても、経済活動という観点から見ると、依然として文明的要求に偏っており、都市再開発や商店街近代化には投資効率や採算性が何よりも重視される現状でございます。 ここで申し上げたいのは、街は人が集まって初めて生きるものであります。今や我が街上越市は、さきに発表された関越道上越線の施行命令がなされた現状と相まって、市長が常に申されておられるように、将来に向かって大いなる期待を嘱望されていることは、地域住民の周知するところであり、大いに喜ばしいことであります。しかしながら、ここに問題があるとするならば、その受け入れ態勢ではなかろうかと思います。街に人が集まる前提を思うとき、やはり回遊性や景観や文化性が必要であるという観点に立たなければなりません。地域開発には今後絶対に文明的要素と文化的要素が常に融合化して、その文明的装置が新しい文化を生むようなコンセプトとシステムが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。 今人口15万以下の都市で急速に街の中心が空洞化されつつあり、都市の景観も損なわれてきております。加えて日米構造協議以来大店法でも論議されておりますように、消費者と商業者の経済的利害の側面だけが取り上げられ、魅力ある商店街の形成や景観にすぐれた街づくりの観点が見失われている感がいたします。 ちなみに、平成2年12月6日の読売新聞には、本社調査として、大型店規制緩和から半年で、大型店出店表明が昨年同時期の2倍以上に達しているとあり、新潟県では30店の数字が載っております。私の調べたところでも、上越市で6店の大型店出店表明があります。 このような現状を目の前にして、今こそその枠組みとしての街づくりの視点が求められていると思われます。慢性的な交通公害や生活環境の悪化に悩まされていることは絶対に許されないのであります。このようなときに、街づくりの責任を地域住民のみに求めるべきでなく、自治体の大きな役割が求められていると思います。もちろん、マクロ的な都市計画関連法制度そのものもございますが、それ以外においても都市というかけがえのない社会資本を住民のものとして守り育てていく街づくりという責任と権限が大切ではないでしょうか。社会的ストックが蓄積された街とバランスをとりながら、新しい創造を求めることの難しい局面は理解することにやぶさかではございませんが、この時期を逸してはならない自治体の役割は大きいと思われます。商業発展とか、文化のまちといった表現が言葉だけでとどまることなく、また住民の意識が幾ら高まっても、努力しても、御当局の理念が明確でなければ職員も行動しにくい点があるかと思われるのであります。市当局においては、一刻も早く自分のまちをどうしていくのか、ビジョンづくりに取り組むべきだと思います。上越市第3次総合計画では、平成7年をめどに計画されておりますが、前期基本計画はことしをもって終了し、いよいよ後期計画に入る段階に差しかかっております。この際、はっきりした街づくり条例等を作成し、市制20周年の節目を契機に、広く市民に示されるべきではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。 次に、2番目として上越市における中小卸売業及び小売業に対する対策について御質問申し上げます。さきの中小企業庁の商店街実態調査によりますと、みずからを停滞あるいは衰退しているとする商店街の比率は、昭和60年度時点で88.9%に達し、この比率は現在もっと上昇しているはずでございます。商業界は、年ごとに厳しい状況に追い込まれており、今や商業による所得がその商業者の総所得の50%を割り、一般に言う兼業商家と言われるようになってまいりました。加えて、大店法の改廃をめぐり強烈な影響を受けているものと予想されます。通産省においてすら、現在全国 165万の小売店が、あと10年後の2000年には約 120万店程度に減少すると予測しているやに聞いております。このような時の流れと消費者のライフスタイルの変化に翻弄され、商業者の経営環境は一段と厳しさを増す見通しでございます。 さて、我が上越市の現状を見ますと、地域卸売業は商店数 600店、従業員数 5,874人、販売額 3,144億円で、県全体のそれぞれ 6.8%、 7.4%、 5.7%を占め、一方小売業はと見ると、商店数 2,218店、販売額 1,537億円、従業員数 9,464人とそれぞれ県全体の 5.9%、 7.1%、 6.5%となっており、他の産業と比べてもまさるとも劣らぬ地場産業として推移していることは周知するところであります。このような地場産業の現状を絶対沈滞せしめてはならないと考えを一層強くしております。 さて、大店法規制緩和というこのときに当たり、通産省、中小企業庁は、中小小売業対策を平成3年度の最重点施策に挙げ、消費者利益の増進、地域中小小売業の活性化、都市機能の向上、個性のあるコミュニティーの形成の四つの新しい観点から、ソフト、ハード両面からの支援策として、先般 1,678億円という予算の投入を予定していることは御存じかと思います。すなわち、商店街と活性化行動計画策定事業に9億 6,000万、商店街活性化実施策定事業に補助率2分の1の10億円、商店街活性化専門指導事業に1億 3,000万、商業基盤施設整備費補助金として 837億円、中小流通業活性化特別貸付枠として 336億円等々、以上並べますとまさにバラ色的対策の感があるわけでございます。しかしながら、この政策につきましては、一連の前向き姿勢と評価をいたすわけでございます。しかしながら、民間レベルではそれぞれの内容を把握することさえ難しく、消化不良の現象を起こしかねない状況にあります。 聞くところによると、これらの実施に当たっては、市町村等地方公共団体と地域の商業者が協力して第三セクター型の「街づくり財団」または「街づくり会社」を設立して取り組む方法があり、現に取り組んでいる自治体もあります。このようにその機に臨み、自治体の取り組み方いかんによっては、せっかくの施策も不発となりかねないと思われます。よって、この機会に行政も汗をかいていただき、商工業界ともに一生懸命取り組めば、現在の経済改革に勇気を与え、一層の活力と発展をもたらすものと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 ちなみに、現在実施されている本町商店街近代化事業も事業年度終局には、民間等の投資を含め 170億円という額にならんとしておるわけでございます。この商店街の活性化意義を確立せしめるためにも、また上越市全般にわたる商業と工業、それぞれの発展策からも、独立した課を設置するなどして、指導、実施体制の強化を図られてはいかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。 再度繰り返しますが、一つ、地域開発における文明的装置が新しい文化を生むようなコンセプトとシステムの必要性について、2番目に街づくりビジョンの確立とそれに関する条例について、3番目、第三セクター方式による取り組みについて、4番目の担当部署組織体制の充実と指導強化について、市長よりお考えをお示しいただきたいと存じます。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 御答弁を申し上げます。 日米構造協議における交渉経過の中で、大きく論議された問題として、流通業界の問題があるわけでございますけれども、この流通業界における大型店の出店を初めとする今後の進路は、地方都市における流通形態のみならず、産業界全体の変革を迫るものであると私は考えております。このような極めて厳しい現況の中で、現実を直視しながら、業績拡大と地域振興のために力を合わせ努力されている関係者に、私は常日ごろから敬意を表しているのであります。近年モータリゼーション時代の要請として、交通体系の整備の緊急性が叫ばれ、これに呼応した新たな地域開発が行われようとするとき、ショッピングセンターなどの大型店が既存の商店街を避けて進出し、顧客の大量吸収を図ることから、中心商店街が低迷している現象が地方都市の各地で見られており、一方全国の1万 5,000の商店街のうち、みずから衰退を認めているところが、約9割にも及んでいるとの報告もあるのであります。当市にとりましても、北陸自動車道の全通、北海道との定期航路の開設、平成8年にはスーパー特急の直江津駅乗り入れの実現、時期を同じくして上信越自動車道の開通が期待されるなど、上越市を取り巻く社会経済環境は大きく変わることは必至で、これにつれて新たなプロジェクト、大型流通店の進出など、地域経済にとってまだまだ模索の時代が続くと考えられておるのであります。 したがいまして、このことは当市の経済界だけの問題としてではなく、行政としても真剣に取り組んでいかなければならないことであります。商店街は、その都市の顔と言われております。幸い本町大町地区改造計画も追い込みに入ってまいりましたし、高田駅前改造計画もいよいよ着手されるのであります。一方、直江津駅の改築も軌道に乗ってまいりましたし、駅周辺の都市計画にも着手したことは御案内のとおりであります。郊外に立地する大型店と共存していくことは、既存の商店街にとっては難しい問題でもあろうかと思いますが、新たな人の流れをつくることが先決であります。行政は、これからもハードな面で努力をいたしていかなければならないと思っております。地域経済を担う方々は、その地域の特徴をつくる必要があると思います。その特徴と郊外の大型店とが欠点を相補っていく街づくりが新しい文化を生み、考え方の基本となると私は考えます。 次に、街づくりビジョンの確立と関連条例の制定についてお答えをいたします。大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、いわゆる大店法は、大規模小売店舗、中小小売業及び消費者の利害を調整して、地域レベルで大規模小売店舗の出店のあり方を決めることを目的としていることは御案内のとおりであります。その大店法が5月30日から通達によって規制緩和され、2年後には特定地域を対象地域から除外するなど、抜本的な法改正に向けて検討が進められていることも御承知のことと存じます。こうした中で、大型店の出店計画が今各地で急増し、本市においても売り場面積 1,500平方メートル以上の第1種店舗が4店、 500平方メートル以上の第2種店舗が2店、計6店舗が既に事前説明を終了いたしております。これら大型店の商圏は、個々の市町村の行政区域を越えたものになっており、郊外やバイパス沿いに進出し、その結果都市のスプロール化、中心商店街の減退につながることが危惧されるという意見もあるのであります。そこで、商店街の衰退は都市の衰退であり、都市の魅力の喪失につながるということから、新たに「街づくり法」をつくろうという考え方が打ち出されてきたものと承知をいたしております。日本専門店会連盟では、去る6月に「大店法の改悪に反対し、街づくり法の制定を期す」との大会決議を行い、日本商工会議所でも街づくりに役立つ何らかの誘導制度の必要性を表明しておられるのであります。しかし、国においては新たな出店抑制につながるようなことや、都市計画の中での規制強化には消極的と言われておるのであります。このような状況を踏まえながら、条例制定などにつきましては、今後の研究課題として大いに討議を深めてまいりたいと存じておるものであります。 次に、上越市における中小卸売業及び小売業に対する対策についてお答えをいたします。まず、第三セクター方式による取り組みについてでありますが、今回の大店法の規制緩和とともに消費者を引きつける商店街の活性化策の一つとして、通産省が制度化したのが「街づくり会社構想」であることも既に御案内だと思います。この制度は、地方自治体と商店街組合が出資して第三セクターの「街づくり財団」または「街づくり会社」を設立し、小規模な小売店の多い商店街が自力で対応困難なコミュニティーホールやイベント広場、駐車場など商店街活性化施設の整備に取り組むのがねらいであります。本年6月、富山県の上市町で「上市まちづくり会社」が初めて国の認定を受け、その後幾つかの市町村が設立構想を検討していると聞き及んでおります。県内では中里村が「中里地域開発」を設立し、本年11月にホールなどを盛り込んだショッピングセンターの開設を計画中とのことであります。しかし、これらの都市はそれぞれそのまちの持つ特殊な事情があることは御案内だと思いますが、この第三セクターによる街づくり支援事業は、高度化資金の融資も受けられるものであり、今後関係の皆さんと協議を重ねながら、この制度について検討していきたいと考えておるものであります。 最後に、担当部署組織体制の充実と指導強化についてでありますが、これまでも会議所等関係の皆さんともども諸施策の検討、遂行に積極的に対応してまいりましたが、より以上の組織体制の強化が必要かどうかについては、今後国、県の新たな施策や地域活性化などに関連する地元の皆さんの意向も十分お聞きしたり、市行政全般の中で業務の適正配分などを見きわめながら検討してまいりたいと思っております。 最後に、私の私見でありますが、新潟のプラーカ問題というのは、私は非常に私たちに示唆の多い出来事であったと思います。これは、全く私の見解でありますが、もしあのプラーカをつくらなかったら、恐らく当時の市長にばりざんぼうが浴びせられたと私は思います。あのとき市長があのような措置に出るということは、当然やらなければならなかった市長の責任であると私は思います。しかし、現実には 100億に近い大きな損失を市民に与えたわけでありますが、私はさらにいましばらく時間をかすなら、必ず成功すると思います。しかし、それは一体いつになるのか、だれも見通し困難である。ですから、私はやらなければならなかったことである。やらなければ大変市民から叱責を受けた事柄であった。しかし、やったために大変な損失を市民に与えた。しかし、さらに時間をかすなら、必ず将来明るい見通しが私は間違いなくあると、そう認められておるにもかかわらず、今回あのような終息を見なければならなかったのは、地方公共団体、すなわち我々自治体に許された限界を超えるという意味で、私はやむなくあのような措置がとられたというふうに思います。とすると、私は地方自治体が将来このような問題に対してどの程度の措置をなすべきか、手だてをなすべきか、このようなことは大変難しい問題ではあるというふうに思いますが、しかしこれらのことについては今後さらに大いに研究をしていかなければならない。これは、上越市の存立の問題でもあるというように深く肝に銘じながら、十分な勉強をいたしたいと、こう考えておるものであります。 ○議長(松永芳男君) 5番、大嶋宰君。         〔大 嶋 宰 君 登 壇〕 ◆5番(大嶋宰君) 御答弁ありがとうございます。 まことに経済構造というのは答弁しにくい問題がたくさんあろうかと思いますので、これは早急に結果が出る問題ではないとしながらも、市長がいつもおっしゃっているように、行動する冒険をとうといとするお気持ちが常に私らもお聞きしておるわけでございますが、投資と還元という難しいということ、これも今いろいろお聞かせいただいたわけでございますが、しかしながら今回の一連の通産省の平成3年度の新政策の中におきましても、商業集積づくりのための総合的施策につきましては、その施策の必要性の中で、従来の縦割り行政の体質を一歩踏み込んでおるわけでございます。どうしても我々日ごろ今まで縦割り、縦割りということが商業活動のネックになっておったという面もあるわけでございますので、その面を通産省、建設省及び自治省による協力体制の構築を図り、必要に応じて他省庁施策の活用を検討事項に挙げておるわけでございます。このように新しい動きが出てきておる一応期間の問題もここに来ておるわけでございますので、いずれにしても流通は文字の示すように、流れ通う生き物でございます。生きのいいうちにひとつお料理をしていただいて、おいしいものを食べるというような原点にひとつお願いしたいと。死に体にならないように速やかに御対応を切にお願いして、質問を終わりたいと思います。御答弁は結構でございます。 ○議長(松永芳男君) この際、暫時休憩いたします。 再開は1時10分といたします。         午後0時 6分 休憩          午後1時11分 再開 ○議長(松永芳男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 26番、本城文夫君。         〔 城 文 夫 君 登 壇〕 ◆26番(本城文夫君) 私は、あらかじめ通告をしてあります3点の問題について、一般質問をいたしたいと思います。 初めに、平成3年度の上越市における予算編成方針と新年度の重点施策について、市長の考えをお尋ねをしたいと思います。これまでも私はこの時期にいつも新年度の予算編成に臨む市長の基本姿勢を伺ってまいりましたが、市長はその都度国や地方財政についての動向がこの時点では大変不明確であるという状況で、見通しが定かでないということを繰り返し答弁されておられますが、今回もそのような答弁になるのではないかとは思いますが、市長自身の財政見通しについてあるいは国の情勢分析について、この際所信を明らかにしていただきたい、こう思っています。 さて、既に国の予算編成の日程でありますが、大蔵省が12月の24日に原案を内示をして、12月の29日に政府案を決定をするという日程が既に明らかにされています。これによりますと、大蔵省は平成3年度の一般会計予算案の骨格を固めて、予算規模を70兆 4,000億円という形で、2年度の当初に比べますと6%台の伸びを見通しをしているということが明らかにされたのであります。特に大蔵省は地方交付税の交付金をめぐって、地方財政が国と比べて豊かなことから、特例として 5,000億円程度の減額を自治省に求めていると、こういうことが伝えられて、いわば大蔵省と自治省の激しいつばぜり合いが演じられていると、こういうふうに実は私どもは承知しているわけであります。そこで、91年度の地方財政対策は、地方の単独事業を上回る伸び率を確保できるのかどうかということだと言われておりまして、そういう意味で今国の動向についてはかなり左右されますから、その影響で自治体の私どもの財政がどういうふうにはね返っていくのか、これから年度末にかけて、極めて市長も上京陳情されていくと思いますが、とにかく地元の選出の国会議員とも連携をとられまして、予算の獲得に全力を尽くしていただきたいということを、まず期待をしておきたいと思うんであります。 上越市においては、今12月議会で私どもは平成元年度の決算に関連をして、各委員会での審査やあるいは審議が行われまして、数多くの意見や要望が出たわけでありまして、これらの意見要望が平成3年度の予算編成の中にどのようにして組み入れられて、市民の声が反映をされるかどうかというのは、今度は理事者側の受けとめ方にあると思うんでありまして、これが今回の議会での審議が十分ひとつ反映をできますように期待をすると同時に、そういう理解に立っているわけであります。 平成元年度の決算状況を上越市の市長の提案の説明の中でも触れられましたように、歳入では前年度と比べて11.3%増の35億円、歳出で12.8%増の39億円の増。したがって、昭和56年度以来の高い伸び率を示してきたと。また、財政構造を示す経常経費の率も67.9%、前年と比べて 4.1ポイント下がって弾力性が増した決算であると、こういういわば健全財政を堅持をしているということを、市長がこの議会で決算概要として述べられてきたわけであります。そして、平成2年度もほぼ同様に、今回の委員会の中でも各部課長からも説明がありましたが、大体同じような推移をしていると。こういう財政状況の中で、今上越市の新年度の予算編成が始まったというふうに思うわけでありまして、その内容も基本構想や基本計画に沿って、中長期の計画に基づいて、市民生活に直結をする事業の編成の細部にわたって現在立案され、検討されているんではないか、こういうふうに理解をしているわけであります。特に予算の編成に際しまして、市長の重点施策、すなわち方針が明示をされてから、各部や各課が予算計画を立てるわけでありますが、その観点から重点施策について、特に方針を細部にわたって市長がやはり明示をする必要があるというふうに思います。そこで、まず平成3年度の予算編成に当たる市長方針について、この際具体的にお示しをいただきたい、こういうふうに思います。 それから、市長は市長として18年目のスタートを切られるわけでありますが、この間選挙公約にも沿った方針を示されてきているとは思いますが、平成3年度は国の概算要求においても、大幅な収入不足が見込まれるのではないか、あるいは税制改革の動向などが極めて不透明な状態にある。こういう状況の中で、上越市としても正確なやはり経済見通しを定めて収支を見込まなければいけないと、こういうふうに思うんでありまして、そこで平成3年度に向けての市長の国の経済見通しについてどういうふうに予測を立てておられるのか、この際所見を伺っておきたいというふうに思います。 また、平成3年度あるいは中長期的に見た歳入増に対する努力は、一体何を重点に置かれる指針を持っておられるのか、この際あわせてお示しをいただきたいというふうに思います。 それから、予算編成の指針となっております上越市の総合計画、先ほども新保議員から質問のやりとりがありましたので、一部触れられてありましたけれども、これはやはり社会的な状況の変動あるいは市民ニーズの多様化といいましょうか、こういうものにこたえるために、今見直しを検討されていることについては、私も理解をしておりますし、私もこれまで議会のたびごとに市長に申し上げてまいりましたのは、やはり計画的な上越市の行財政運営をやっていただきたい、こういう立場でこれまで主張を繰り返しているわけでありまして、各部課における予算の計画と基本計画との関連について、どのように指示をされたのか、あるいは先ほどもちょっと触れられましたが、上越市の中長期展望に立脚をして、今から取り組んでいかなければいけない事業、あるいは継続事業もかなりあると思うんでありますが、新年度に向けての市長の主要な事業計画は何を一体指示されたのか、この際明らかにできるものであればしていただきたい、こう思うんであります。 次に、質問の2点目でありますが、上越市におきます企業の立地の促進と雇用の拡大対策についてであります。上越市においては、昭和56年に工場誘致などに対応するために、上越市の工場設置奨励条例をつくられて、それが昭和60年の3月の議会で全文を改正をされて、今日の上越市の工場設置奨励条例が制定をされまして、奨励金として固定資産税を3ヵ年にわたって減免をするという措置をとられ、あるいはこれに伴います工場建設の資金の融資あるいは工場移転特別資金融資などの規則に基づいて奨励措置を行って、上越市の産業の振興に寄与してもらうんだと、こういうもとに条例が制定をされた経過をたどっているというふうに思います。そして、一方では黒井の工業団地の造成事業を取り組んでこられましたし、今さらに和田地区での企業立地の環境整備にも努力をされていることも承知をしているわけでありますが、この条例によって既存工場の流出防止の面からも、かなりの成果はあったというふうには思いますが、しかしその反面で新しい時代に対応した高度産業の立地という面では、いささかやはり魅力に欠けたのではないかというふうに私は実は思っています。何もかもすべてに企業を優遇をしていくということではありませんが、この優遇する業種を見きわめてやはり拡大をしていくこと、あるいは立地場所も業種によっては柔軟な対応を図って、時代の流れに弾力的に対応していただく努力も必要ではないか、こういうふうに思うんであります。今市内にあります既存工場の流出の傾向、これはやはり私は年々目立ち始めてきているんではないか。三和村やあるいは頚城村や大潟町、こういうところへ工業団地などが全面移転やあるいは一部の移転、こういう実態を市民の多くはやはり憂慮しているというふうに思います。どこの企業も今こういう高度経済成長の波に乗って、新しい時代の近代化に極めて敏感に対応されているわけでありますから、設備投資がどんどんとなされて、そのために上越市内での用地が不足をしてくる、こういうことがやはり顕在化をして、近隣の町村での安い工業団地の造成地に進出あるいは移転をする傾向がますます進んでいくんではないか。私は、やはりこの際この対応について、先ほども商業関係のことが大嶋さんからも質問がありましたが、やはり私はこの工業問題として、工業の立地として、市長はどう受けとめて対策を考えておられるのかを、お尋ねをしておきたいと思います。 それから次に、新たな企業の誘致の実現に向けた施策はどうかという点であります。企業の誘致に向けて商工団体を初めとして、市長やあるいは理事者側の努力には大変敬意を表しているわけでありますが、問題はやはり企業誘致の受け皿の確保あるいは雇用の確保、こういう問題について幾ら万全な優遇措置を講じても、立地できる受け皿がなければ効果を発揮できないというふうに思います。したがって、やはり長期計画を立てられて、新しい産業立地の確保という面からも、この企業誘致に真剣に考える時期に今上越市は差しかかっているんではないか、こう思いますから、この際市長の考えもあわせてお聞かせをいただきたいと思います。 それから、平成2年度の予算で私ども議会審議を通じて承認をいたしました中小企業団地の適正調査についてでありますが、この調査をコンサルタントに委託をされたわけでありますが、どういう状況にあるのか、あるいはどんな内容にあるのか、今どういう検討が加えられているのか、いつごろめどに中小企業団地適正調査に基づく計画策定をされようとしているのか。 それから、市の基本構想あるいは基本計画との兼ね合いで今進められている線引きなどとの関係について、どういう考え方で対応されようとしているのかも、あわせてこの際明らかにしていただきたいと思います。 それから一方、労働力の面から見た雇用の創出の問題であります。これまで私は機会あるごとに市長の考えを伺ってまいりましたが、ここ数年のやはり企業の景気の上昇に支えられて、雇用状況は極めて好転をしていると、こう言われています。中小零細業種にとっては、逆ではまた人手不足が深刻な状態になっていて、なかなか零細企業には人が集まらない、こういう現状にあるかと思います。上越の職業安定所においても、現在の新規の有効求人倍率、これが 1.4倍程度の傾向を示しておりまして、上越市内でも極めて景気は堅調だと、こういうふうに見ることができるわけでありますが、一方で先ほど申し上げたような中高齢者の求人状況は逆にまた厳しい。再就職の道は大変険しいというふうに言われているわけであります。そこで、最近の上越市における雇用の現状と、あわせて来年の春の高校卒業生の就職動向についてどういう把握をされているのか、この際新しいところの状況を明らかしていただければありがたいと思います。 最後の質問の3点目でありますが、高田城の築造計画の考え方について、市長の考え方をお尋ねをしたいと思います。さきに総括質疑で、私どもの社会党クラブ議員団の中村さんからも、市長の考えがやりとりの中で明らかにされたのでありますが、計画の概要の見通しについて、もう少し具体的にこの際明らかにしていただきたい。高田城の再建については、市民の中にそういう観光的な面からも、そういう機運の高まりがあることを私も十分経過は承知をしておりますが、しかし市民全体が高田城の再建について盛り上がっているかどうかといえば、私はいささか万全ではないのではないか。市民感情はやはり複雑なのではないかと、こういうふうに私は受けとめているわけです。私どもの周りにおられる方々にいろんな意見を聞いたりしておりますが、私はやはり上越市のシンボルとして再建をするために、歴史的な遺産と観光資源の創出、あるいは地域の活性化のための面からという市長の考え方で、3億円を既に積まれて、築造の準備を進められて、現在建設予定地の地質調査あるいは基本構想の調査設計をコンサルタントに委託をしているというのが現状なんでありますが、私はコンサルタントに委託をされる以前の問題として重要なことは、やはり再建に当たる高田城は一体観光の目玉なのか、あるいは文化的な遺産の保全なのかということについて、やはり市民の注目しているところでありまして、私もそう思いますが、やはり3億円の基金をさらに予算を上乗せをして、恐らく来年か、再来年、早ければ来年度ぐらいに出てくるんではないかと思っておりますが、高田城の再建を図るとなれば、やはり私はその財源の投資から見ても、極めて貴重な市民の税金を使うわけですから、私はやはりもっと広く市民の意向も入れて、基本的なやはり市長の構想が組み立てられて、それからやはり私はコンサルタントに委託をしていくと、こういうやはり手順が今必要なんではないか、こういうふうに思います。 したがって、私は今市民の中にあるいろんな疑問、高田城というのは一体中身のない建物だけを再現するのかどうか、あるいは博物館的な要素を持った高田城になるのか、あるいは子供たちに夢を与えるような歴史館というふうになるのかどうか、こういう多くの疑問が高田城再建をめぐっていろいろ出されておりますので、そこでやはり市長の描かれている構想を一歩踏み込んで、この際高田城に対する考え方を明らかにしていただければありがたいと、こう思っています。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 最初に、新年度の経済見通しに関する御質問でありますが、このことにつきましてはまだ国の方針が明らかされておらず、また国の予算及び地方財政対策も、これからまとめられようとしている現段階で、しかも一地方団体の首長として予測することはなかなか困難であると毎年申し上げておりますし、またあなたも御承知のとおりであります。 ただ、今月初めに発表された国民所得統計速報によりますと、最近の金利高の影響などによって、内需、特に民間設備投資を中心に伸び率が下降傾向にあることから、日本経済は本年下期に入って減速しているということであります。経済企画庁では、これをむしろ望ましい速度になったと見ているようでありますが、このことから来年度の経済成長率は実質で3%台の後半から4%ぎりぎりの間とされる情勢になっていると報じられております。一方、大蔵省が明らかにした来年度の税収見通しによりますと、ただいま述べたような景気の減速によって、特に法人税が伸び悩み、ここ数年7から8%の伸びで推移をしてきた税収総額が4%程度にダウンすると見込まれており、地方財政にとっても税収面や交付税に影響が出るのではないかと懸念をいたしておるところであります。このため国の新年度予算は財源不足が必至であるとして、さきに総括質疑に対しても申し上げましたとおり、大蔵省では地方交付税の特例減額を行い、また投資的経費に対する補助率削減の暫定措置を、昭和61年度ペースでさらに10年間継続しようと意図しているようであります。特にここ二、三日前から地方交付税減額に対する大蔵省と自治省との話し合いが持たれておるようでありますが、最終的には 4,000億円程度の減税になるのではないかと今見通されているようであります。 このような中で歳入増を図るため、何に重点を置くかとのお尋ねでありますが、このところ国の地方財政に対する風当たりが強まってきており、御案内のとおり昨年度には税制改革や補助率見直しに際して、地方にも不足財源の負担が課せられた上、さらに地方団体固有の財源とされている地方交付税が減額されることは、まさにゆゆしい問題でありますので、今後も交付税の安定確保、補助率の完全復元、さらに補助対象の拡大等について、関係団体とともに強く要望してまいりたいと存じます。ちなみに、全国市長会では11月末にこうした要求事項を盛り込んだ「都市税財源の充実強化に関する決議」を行い、国の予算編成に向けて運動を実施いたしておるところであります。 一方、市税などの自主財源につきましては、申し上げるまでもなく、制度的な枠組みの中で決まってくるものであり、その拡大は市民負担の増にかかわる問題ともなりますので、今は公平かつ公正な立場に立って、一層の徴収努力をすることにより、歳入確保を図ってまいりたいと考えておるものであります。 次に、各部の予算計画と基本計画との関連でありますが、さきの御質問にもお答えしたとおり、去る昭和61年に策定した第3次総合計画の基本計画期間が年度をもって終了いたしますので、ただいま平成3年度から7年度までの5年間を計画期間とする後期基本計画の策定について、総合計画審議会に諮問をいたしておるところであります。計画につきましては、新年度予算を取りまとめる前、すなわち1月中には答申をいただくべく審議をお願いをいたしておるのでありますが、この答申を待って当然予算に反映させていくことになると思います。 さらに、新年度の主要事業計画についてであります。前段申し上げてきたとおり、財源問題を初め諸条件が把握できない現段階において、個々具体的に申し上げることはできないことは、あなたも御案内だと思いますが、たとえ財政環境が厳しくとも、与えられた条件と財源の中で、市民福祉向上のためいかに効果を上げていくか、創意工夫が求められるわけであります。ですから、こうした点に十分留意しつつ、これまでとり続けてきた姿勢を崩すことなく、積極的な施策の推進に努めてまいりたいと存じておるものであります。このためさきに行った各部課への予算編成通達においても、経常経費のより一層の節減に努める一方、高齢化、国際化、情報化の進展に適切に対応しつつ市民ニーズを把握し、個性的で魅力あるまちづくりのために、新たな発想を駆使して、財源の重点配分を行うよう強く要請したところであります。特に本市では今後も高速交通網を中心に、各種プロジェクトの進展が確実になっている中で、これらのインパクトを十分に生かしながら、21世紀に生きる都市としての基礎固めが重要であります。また、市民生活の変化向上に伴って、市民要求も基盤整備はもとより個々の生活の充実、特に心の豊かさを求める傾向がますます強まっており、生涯学習、文化、スポーツ、福祉などの面でもより一層施策の充実が求められておりますので、これらにもできる限り配慮していきたいと考えているものであります。 なお、来年度は市が発足して20周年という意義ある年に当たりますので、全市民でこれをことほぐことができるよう、関連事業計画について職員に指示し、検討を進めておりますが、その一つとしてこのたび5月のゴールデンウイークに、「日本丸」とともに人気が極めて高い運輸省の帆船「海王丸」の直江津港寄港が、関係者の御尽力により内定いたしました。大変うれしく存じておりますが、さらに今決定いたしておるものとして、小倉遊亀さんの展覧会あるいはモスクワフィルハーモニー交響楽団などが内定をいたしております。 次に、上越市における企業立地の促進と雇用の拡大についての御質問にお答えします。最初に、既存工場の流出傾向をどう見るかということでありますが、まず工業統計調査による当市の工業の現況について若干申し上げたいと存じます。平成元年度の事業所数は 587となっておりますが、これは昭和58年以降ほぼ横ばいの状態でありますが、従業員数では平成元年には前年比 2.4%増の1万 2,488人となりました。また、製造品出荷額につきましては、かつてアルミ製錬関係で国内最大規模と言われた三菱軽金属直江津工場が56年に全面停止となり、その後数年間横ばいの状況が続きましたが、一昨年からようやく増加傾向に転じ、平成元年も前年比10.7%増の 1,822億円余に達しておるのであります。本年も引き続き堅調な伸びを示している状況にあることは、大変喜ばしいことと考えております。 なお、三和村西部工業団地や頚城村西福島工業団地等への当市からの移転企業は、土地利用面なり、地価とのかかわりなどから、事業拡張や新たな業種への展開を目指し、進出したものと承知をいたしております。その反面、ここ数年黒井工業団地やテクノセンターなどへの新たな企業進出もあるわけであります。このように業種の形態、特徴に合った場所に移転進出したそれぞれの企業が、それぞれの進出先で事業の展開に努力されることは、広域的な社会環境が急速に変わりつつある現代社会では当然のことであり、ただ単に一行政区域のみのとらえ方ではなく、地域全体としての広い立場から考えなければならないことは御承知のことと存じます。特に上越市はこの上越圏域のまさに指導的役割を演じなければならない都市であります。もし上越市のみの繁栄を意図して、周辺市町村の衰微をもたらすようなことをあえて行ったとするなら、まさに上越市は怨嗟の焦点にならなければならないわけであります。先般新聞紙上で福祉行政についても、上越市はまさに寛容な指導的立場をずっととり続けてきたということで、大変周辺市町村からお褒めをいただいておりますが、上越市としては当然の措置であると私は考えております。上越市は、ひとり上越市の繁栄のみを企図するのではなく、周辺市町村が一日も早く過疎から脱却し、何とかして人口増を来すことができるような、そういう要素を早く持つために、これに援助を加えること、これが私は上越市がとるべき大きな役割であると思っております。近隣市町村、周辺市町村の発展こそ上越の発展であり、上越の発展は周辺近隣市町村の発展にまさに脈絡一貫したかかわりがあるわけであります。ですから、もちろん私は上越が衰微をしても、周辺市町村を助けなければならないとまでは思いませんけれども、上越市が周辺市町村の指導的な役割を演じていかなければならない定めは、今後とも上越市のある限り私は続くであろうと思っておりますし、またそれが上越圏の発展であり、上越市の発展であるというふうに私は思っておるものであります。 次に、新たな企業誘致施策について申し上げますと、先ほど触れました三菱軽金属直江津工場の全面操業停止が発表されたとき、当市はもとより地域経済界の受けたショックははかり知れないものでありました。このことについても一言触れておきますと、全国でアルミ操業停止を行った工場は実に数多くあるわけでありますが、しかし上越市の直江津にあった三菱軽金属直江津工場ほど粛然と行われた工場は他には例がないと。これは、三菱軽金属、三菱化成の関係の皆様から常に大変なお褒めをいただいております。今度テクノセンターとして、短時日の間にあのようないんしんを取り戻すことができたのも、アルミ製錬停止の際に、上越市民がこれに対して極めて冷静に受けとめ、そしてそのより早い復元を期待したその誠意を感じられて、一日も早く直江津工場を、再び昔のいんしんな姿に取り戻さなければならないという強い関係者の皆様方の誠意と努力によるものであることを、この際申し上げさせていただきます。しかし、それ以来行政側でもこれを一つの契機として、企業誘致と雇用の確保を大きな課題としてとらえ、昭和56年に工場設置奨励条例を制定したことは、既に御案内のとおりであります。その後本年11月までの約10年間に39企業、62工場を奨励工場に指定することができ、指定工場はそれぞれ順調に業績を伸ばしている状況であります。 多くの市町村でも優遇策を講じ、企業誘致に努められていると思いますが、特に最近では交通アクセスに恵まれた安い土地と人材の確保が、誘致の大きな決め手と言われているのであります。当市でも、黒井及び戸野目の工業団地が工場適地の指定を受け、今年度から新たに和田地区にも工業団地を造成する計画で、ただいま関係者との協議を進めております。一方、目下既存企業、とりわけ中小企業との雇用における調和も十分図りながら、積極的に企業誘致に対処しておるところでございます。 3点目の中小企業団地適地調査の見通しについてお答えをいたします。御案内のとおり、現在都市計画の線引き見直しを進めており、先月その公聴会も終了したところであります。その線引きに当たっては、工業系のゾーンに十分配慮し、新たに 123ヘクタールを新規編入する手はずになっており、これを基本に新たな観点で工業団地の適地選定をコンサルタントに委託したものであります。調査のポイントは、既成市街地内の中小企業を誘致集積するための移転工業団地と、比較的規模の大きい企業を市外から誘致することを想定した誘致工業団地の適地を調査するとともに、その整備の期間を短期、中期及び長期に分類した計画策定を進めさせているところであります。 最後に、雇用の状況と新卒者就職の動向についての御質問にお答えをいたします。昨今人手不足による倒産という深刻な事態があらわれていることも御案内のことと思います。そこで、労働市場における需給状況を総括的に示す指標の一つである有効求人倍率について申し上げますと、本年10月の有効求人倍率は全国平均が1.42倍で、前月比0.01の減、上越職安管内では1.42倍で、前月比0.06の上昇となっております。また、去る61年平均では国が0.62倍、県が0.76倍であったのに対し、上越職安が0.82倍であり、その当時と本年との数値から見ても、この地域が景況に余り大きく左右されない企業形態になっているのではないかと推測されるのであります。新卒者の動向につきましては、平成2年3月高校新卒の求人倍率は全県で 3.8倍、上越職安管内では 3.4倍と高い数値を示しております。さらに、高校新卒者の県内就職率は、好景気の影響も受けて、地元企業の雇用も活発で、県全体で男子は77.8%、前年比 0.7%上昇、女子は74.4%、前年比 2.5%上昇となっており、上越職安管内では男子74.2%、前年比 4.3%上昇に対し、女子は前年比 0.3%減の65.9%となっておるのであります。なお、これは上越職安の予測の数字ではありますが、明年3月卒業予定者の管内の就職希望者は県内63.9%、県外26.1%、未定が10.0%という状況にあり、今後関係機関の協力を得ながら、県内、とりわけ地元での就職等人材確保に一層積極的に取り組んでまいる所存であります。 次に、高田城築造計画の考え方についてでありますが、このことにつきましてはさきの総括質疑においても中村、高橋両議員にもお答えをしたように、全市民的な要望を背景に、地域の活性化に向け、歴史的遺産と観光資源の創出のため、高田城再建は有効行政施策であると判断し、議会の皆さんにお諮りして、現在基本構想の調査設計をコンサルタントに委託しているところであります。高田城跡は、13万市民の大切な財産であり、四季を通じて市内外からたくさんの人々が訪れます。高田城三重の櫓の築造に当たりましては、多くの人たちからも歓迎され、将来にわたって高い評価が得られるように、歴史的、文化的観光資源として両面から寄与できる施設を目指すものであります。御承知のとおり、高田公園は県の史跡指定地となっておりますので、建設位置なども原則的には史実に基づくものと指導されているところであります。また、城郭建築という特殊建造物であるため、建物への構造などにつきましても県との協議が必要であります。したがいまして、今後基本構想がまとまり次第、市民の代表から成る高田城三重の櫓築造委員会に諮り、その内容、活用方法、運営方法などについても十分に意見をお聞きするとともに、議会の皆さんにお諮りもし、さらに県とも十分な協議を進めながら、よりよい方向に向け、後世に誇れる高田城三重の櫓の建設に努めてまいる所存でございます。 以上御答弁を申し上げます。 ○議長(松永芳男君) 26番、本城文夫君。         〔 城 文 夫 君 登 壇〕 ◆26番(本城文夫君) 欲張り過ぎましたので、かなり時間がありませんので、簡単に再質問させていただきたいというふうに思っています。 まず、予算編成の関係についてでありますが、市長の考え方は毎度毎度同じような繰り返しでこの時期答弁があるわけなんで、私は少なくてもきょう今明らかにされたのは、いわば行事的な内容、帆船「海王丸」が来るとか、小倉遊亀さんの展覧会をやるとか、モスクワのハーモニー交響楽団が来るとかという、そういうたぐいの日程的なものが今明らかにされたわけですが、私は少なくても来年のやはり上越市の目玉予算はこういうものがあると。あるいは継続事業でこういうところに力点を置かなきゃいけないという点の問題点ぐらいは、やはり私この時期に明らかにされていただきたいと。と申し上げますのは、私はやはり計画的な行財政運営をいつも言っているんですが、時々いわば私どもが考えてもみないような大きな大型事業が飛び出してくる。私は、そういう計画的なある程度そういうものを議会の私どもが少なくとも明らかにされて、そしてみんなで後押しをすると、こういう考え方があっていいのではないか、こういうふうに思いますので、各課に出された通達の内容も、ただ抽象的に国際化や高齢化に対応するような施策、事業の見直しというようなことではなくて、もう一歩踏み込んで私は市長の予算編成に当たる基本的な構えが明らかにされていいんじゃないかというふうに思いますので、その辺をひとつお尋ねをしたわけなんです。 それから、特に国の経済動向といいましょうか、それについて盛んに言われておりますように、とにかく90年代は世界的に景気が後退をすると。世界のマーケット時代だというふうに言われているわけです。その中で、日本も景気はどんどん後退をしていると。そういうことは、もう経済界でも景気見通しについてはそういう予想は、景気の後退は早いと。12月の11日に発表された日銀の経済観測を見ましても、来年の3月までの見通しでも、さらに下落をすると、こういうことがかなり言われておりますし、大型景気が減速をすると、こういう状況に入っていると、こういうことが日銀の発表でも明らかにされているわけですから、私はそれを受けて、先ほども触れましたように、政府予算もかなり厳しいと。先ほど市長も上越市の法人税がかなりダウンするというようなことをおっしゃったわけでありますが、そういう意味で私は歳入見通しでかなり期待できなくなるのではないかという点について、その予算編成との兼ね合いで、財政見通しを実はもう少し明らかにしていただきたかったというふうに思うんであります。 それから、これからの上越市の予算の編成作業の今後の日程について、どんな形で進んでいくのか。市長査定の最後はどれくらいになるのか、その辺をどういうふうに通達されているのかをちょっと明らかにしていただきたいと、こう思います。 それから、企業立地の促進と雇用問題の関係についても、これも私も実はもう4年も前にここでその問題に触れているわけなんですが、そのときの答弁と今の答弁と全く変わっていないんです。そのとき市長は、61年の12月の議会ですから、4年前に答弁されているのは、企業誘致については視野狭窄に陥ってはいけないんだと、広く上越の広域的な視野で問題をとらえなきゃいけないと、こうおっしゃった。私もそのことは否定をしていないですし、そのとき私も広域的な視点での対応と連帯を強めていく必要があるということは私も繰り返してきたんですが、あれから4年たっても市長の答弁は変わっていないように、変わったのは私は企業の動向が変わってきているんじゃないかという点です。これは、私は単に上越市の人口が横ばいである。13万を超えないとよく言うんですが、そのことだけで数字では言えないと思いますが、しかし若者の流出はある。先ほども答弁にあったように、雇用状況は求人倍率を0.06上昇しているという答弁がありましたように、求人倍率はなるほどあるけれども、雇用と労働力がどんどんと流出をしている。若者は、このまちに定着をしない。こういう点が私は大きな問題だと思います。 したがって、あれから4年をいろいろ調べてみましたら、市内の既存工業も拡張計画とともに他の市町村に移転をして、三和の西部工業団地なんかは大小18、あるいは上越市から移転して操業している会社の従業員も 404人、これが三和の工場の方に今行っているわけです。それは、頚城村の福島工業団地にも最近大きな会社が出ているわけですが、私はそれは法人税や個人市民税に、単年度で見たらそう大きな影響はないかもしれませんが、長い目で見たら上越の企業あるいは労働力が流出をして、長い目で見れば上越市の財政的にも大きな影響が出ていくんではないか、こういうふうに私は思います。上越市の高校生の進学、卒業者の就職動向も、求人倍率が昨年の 3.0倍に対して 3.4倍、大変倍率はいいんですが、高校生が県外に流れる。こういう傾向があるわけですから、私は何とか若者をこのまちに歯どめをして、そして働く環境を確保して、労働条件あるいは労働雇用拡大について努力が、行政姿勢が必要だ。先ほど大嶋議員も言われたように、私は上越市の労働行政は、大変他の類似都市と比較すると悪いです。専門職員も1人しかいない。私は、これだけの大きな工場を抱える上越市、あるいはそういう雇用問題で大変いろんなハンディがある上越市、こういうところで私は真剣に企業の育成を図るとすれば、あるいは雇用の拡大を図るとすれば、ある程度行政の労働行政に力を入れる時期ではないか、こういう点についてこの際市長からお考えがあればお伺いをしたいというふうに思います。 それから、時間がありませんので、はしょって申し上げますと、高田城の問題について、市民の声の中には、どうせつくるなら城跡の本丸の土塁の跡につくるんじゃなくて、観光や史跡の面からも、もっと時間をかけて広く検討する必要があるんでないか。市長は、再建ということを言われているわけですから、私は高田城の市長が言われる再建というのは、今教育委員会が今回議会に明らかにされた調査の結果に基づく高田城はこういうものであったという歴史を、それをそのまんまかなり金をかけてつくられるのかなと思ったり、あるいは市民の中にはそういうものの発想の中で、観光の面で生かすというのはどうだと。 私は、実はこの問題が出てから、長野県の大峰城というところへ行って見てまいりました。これは、バードラインで戸隠から入ると長野の近くにあるんですが、あれを見ますと、長野市役所が経営をしているわけですが、年間1万四、五千人の入館者があって、そこではその城、それもやはり上杉家の昔の城を昭和36年に復元をされたわけです。その中では何をやっているかというと、世界の有名な昆虫展覧会あるいは博物館、こういうものをやってお客を集めながら、お城としての大峰城の史跡というものを兼ね備えている。私は、そういうような観点からもある程度考えていく必要があるんでないか。かなり多目的な構想を持っていいんでないか、こういうふうに思うもんですから、その辺はどういう構想でおられるのか。私どもよく行政視察に全国歩きますと、その土地の城をかたどったいわば例えばお菓子屋さんであるとか、お菓子の製造工場であるとか、あるいはパチンコ屋であるとか、あるいはゴルフのカントリークラブであるとか、そういうような建物を併設をしたお城を、それは民間のもちろん事業としてやられているわけですが、そういうところも見受けるもんですから、私はこの際これは教育委員会の所管でいくのか、あるいは商工観光課の所管でいくのか、どういう性格づけをさせたものかという点について、もう少しお聞かせをいただければありがたいと、こう思っているわけであります。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) どうかひとつ私の答弁の時間も考慮しながら御質問いただければ、まことに幸いに存ずるものであります。 まず、ちょっと聞かれた問題、予算査定は1月初旬から総務部長査定が始まります。私の査定は2月初旬であります。 それから、非常に気になる問題は、上越市、例えば三和村に坪2万円の土地がある。これを流出しないために、上越市で坪2万円の土地をつくりなさいと仮にしたとしたら、1万坪で市費を少なくとも四、五億円を出さなければ、そういう土地は造成できないだろうと私は思います。四、五億円も投資して、そしてなおかつ流出を防止するのか。いわゆる上越生活経済圏というのはうんと広がってきている。例えばきょう私は妙高高原へ昼に電話しております、雪が降ったかどうか。赤倉でスキーができるかできないかということは、すぐ直接的に上越へ響いてくる。そういうようにまさに脈絡一貫した経済圏の中で私たちは生きている。にもかかわらず、上越市だけがよくなるとか、上越市の固定資産税がふえるために、上越市に工場をなるたけたくさん持たなければならないなどというセクショナリズムは、全く今後さらに日を追うてなくなっていくことが大切なことであると私は思います。これは、一つ工場の問題のみならず、福祉にしても、文化にしても、すべてであると私は思います。例えば隣にある文化会館に三和から、清里からあるいは大潟からもたくさんおいでになります。しかし、上越市の市費でつくっているものであります。本来からいったら、上越市民だけがその恩恵を享受しなければならないと私は規定してもいいわけでありますけれども、その皆さん方の文化の中心になるということ、あるいはたくさんの人が文化会館においでになることが、有効あるいはいろいろな面から上越市に繁栄をもたらすことになる。ですから、私はこれからは当然みんながよくなるために、そのリーダーシップを上越市がどうとっていくかという問題だろうと私は思います。ですから、新井に企業が来たら、できる限り援助する努力をしてやらなければならない。そして、新井の例えば松下で働いている従業員の皆様が、上越市で忘年会をおやりになるということなどは、もう全く当たり前のことであります。ですから、私たちはもう相互に相補い、相助け合って私は都市が発展する。都市とはまさにそういうものである。高速交通網が整備されて、私たちはもう当然そういう見地から物事を判断していかなければならないというふうに思います。上越市が行政的にもその中心であるために受けているメリットというものは、はかり知れないものがあります。これを一々取り上げたら、周辺市町村が恐らく怨嗟の声を上げるほどに私はたくさんある、そう思います。しかし、それをじっと許してくれているのは、その反対給付もいただけるということの考え方の中でこそ、相互に許し合っているものであるというふうに私は思います。ですから、繰り返し申し上げませんが、私はこれからまさに広域交通の時代、それこそもっともっと目を大きくして、私は相互に助け合う努力をこれからもやっていかなければならないというふうに思います。 高田城の問題は、既に時間がないから、もうやめるように後ろから再三催促がございますので、これでやめさせていただきますが、当然私は文化的な面、これも考えなければ許されません。文化的な面からも当然考えさせられながら、観光的な面の配慮もしていかなければならない。これがまた国なり、県の命題でもあるわけであります。ですから、最小の経費で私は将来皆さん方が喜んでもらえるような、後世に資産として十分受け継がれていくような、そういうものをつくっていきたい。それは、過大な投資であってはならないという前提のもとでつくらなければならないと考えておるわけであります。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 私は、直江津駅南土地区画整理事業について質問をいたします。 ことしの3月22日に、同地区の都市計画事業が組合施行の区画整理事業でなく、市施行による区画整理事業方式でと予定区域民に発表されました。引き続いて5月12日には、地区界測量実施について関係者の協力と理解を得ようと説明会を開かれ、6月議会でその予算審議を提案されたのであります。私は、この時点で関係住民の多数が事業に対して理解と協力の意思表示をしておらない。また、市施行の区画整理事業方式に切りかえることは、強行に等しい強引な進め方であって、やめるべきだと見解を述べました。その理由は、関係者に路線別負担など示してはおられますが、到底容認できる額ではないなど、多数の関係者からの声があることを指摘したところであります。それに対して市当局では、3年6月に判断してもらうということでした。既に3月、5月、地元での説明会であなたは都市計画決定は年内に、事業計画は年度末にという手順を決められており、予算は議決されて、測量に入ったわけです。そうする中で、私は9月議会で一般質問で再度、関係住民の意見を聞き、同意と理解を得るために、例えば事業に伴う負担額が何百万円にも及んでいる。これらの人から、この事業から外してほしいという意思表示をしたら、除外されるのかどうか、見解をただしました。ところが、来年6月、各個人の負担額が決まった時点で判断をしてもらうとの見解をあなたが言われたんです。意見は尊重しますと言われながら、とうとう外すとは言われませんでした。 10月19日、この10月19日ですが、この地域の都市計画について4項目提案説明が地元で行われました。この説明会は、第1に昭和63年3月に発表された駅南予定地区、この地区に対するB調査の一部変更で区域内、これは地区界測量調査結果を踏まえて 700平方メーターふえたこと。また、2番目には交通広場を都市計画道東雲町線の南側に駅広と並列させて 2,000平方メーターとして新規に計画をすること。また、第3に区画幹線道として設計されていた環状線の幅員を拡大して都市計画道とすること。第4には、自由通路を40メーター延長するというもので、その理由は公共投資による個人負担の軽減などにも影響すると思われるので、この軽減のためということでの理由説明でした。都市計画についての地元関係者の同意を得るためのものでしたですが、同意と理解が得られずに、11月の市、県の都市計画審議会にこの案が提案されずに今日に至っております。 ところが、12月の10日、検討委員会が開かれ、その席上、市から近日中に関係住民のこの事業での意思確認にもつながると思われる都市計画決定の手続を進めることについてと題して、あなたの方から一つはぜひ進めるように、また2番目に負担が下がるなら考えてもよい。三つ目にやるようにという三つに分けてのアンケート、市の職員が訪問をし、各戸確認をするということを求めたものでありますが、その結果を18日に集計する。こういうふうに会議で提案されたと聞いております。現在その作業が進められていると思います。 10月19日の検討委員会は、4項目の都市計画決定の同意を得るための手順が討議されたわけですが、住民から出されている懸案について、何ら対策が立てられずに、都市計画説明の地元承認に絞られたわけです。 今まで私は現時点でもなお63年3月のB調査結果、すなわち関係者に示された土地利用計画、公共施設の整備計画、減歩及び宅地計画、資金計画、さらにそれに基づく個人の負担、これは一部発表されていますが、私は関係者が自由にこの期間十分に意見を出し合い、論議を尽くしてきたものとは到底理解ができません。組合施行でなくて、公共施行で実施するとなれば、負担は軽減できるし、のこういう一点張りの言い方では、到底この事業の実施に絶対多数の皆さんの理解と同意は得られようはずがないと私は思っています。 質問の第1は、強引な事業実施に向かっての必要な手順合わせだと思われる4項目の、要するに都市計画決定の意向調査に踏み切られたわけですが、既に都市計画、事業計画を地元住民に発表され、年内と年度末までに行う予定でおられるのか。これは、前に皆さんが発表した手順ですが、今もこの全体集会で都市計画承認してくれと、こういう提案をされたんですが、不同意、こういう結果になって、戸別確認に入っておられます。今後この日程手順に変わりがないのか、この点を明らかにしていただきたいというふうに思います。 第2の点は、地元関係者から10月19日の都市計画決定への地元説明会は、集会参加者は不同意であって、市、県の都市計画審議会に諮問をしてほしくない。このことについてであります。それからいま一つは、市職員の発言に対する陳謝の問題。3番目には、地元説明会で言明されている住民の意思を尊重すると述べられていることを確約してほしい。この3点について回答が求められております。これは、11月15日に対策委員会からあなたに回答を求めたものです。回答が出されていませんが、おくれておる理由を明確にして私はいただきたいと、こういうふうに思います。 第3の点は、あなたが10月3日一部地権者の皆様方に、こうしてまた代表者何々にあてられた回答は、質問に答えておらないと受け取られております。あなたの回答では、負担の軽減と減歩率を示すため、公共施行にしたということ。また地区の公共性を配慮し、要望にこたえるためには、都市計画決定や事業決定の見直しを行う。そして、別途公共事業も導入するとして、一部宅地を地区界面積から除外することが可能であるが、地区を展望した場合、全地区の施行が最も理想であるという回答をされたと聞いております。回答は、質問に答えておられないという意見が、あなたの言われる一部地権者の皆さんにあるわけですが、一部地権者と言われますが、関係地区民は 104世帯、こういうふうに私は理解しておりますが、この17項目についての回答をお願いした方々は五十数名と聞いており、約半数に達するわけです。私は、さきの3項目とあわせまして、関係住民の皆さんに、事業計画について再度理解を深めていただけるような回答をなさるべきだと思っています。また、都市計画区域は21.3ヘクタールで、この中での土地利用計画、公共施設計画、資金計画など、既に素案ができ上がっている中で、都市計画、事業計画が決定されるので、事業から一部を除外することが果たして可能なんですか。もしそうだとしたら、法的根拠を示していただきたいんです。 第4の点は、事業の負担金にかかわる減歩率についての基本的考え方です。住民の要望にこたえられ、路線別の減歩率を昨年示されました。余りの負担が多いので、事業協力に難色を示す方々が大勢出てこられました。大変なことだと今日に至っております。なお、この不安から抜けられず、やめてほしいという声が一層強くなっております。国鉄の跡地、農地についても減歩率を示さないと、こういう態度で関係住民との対話を進められてきましたですが、これは私は正しくない、こういうふうに思います。JRを含めることで、負担が軽減されると言明されてきました。そして、負担はおおむね3%から7%ぐらい、こういうふうに当初言われたんであります。ところが、さきに示された路線別負担は何と38%にも達する。こういうことがあっていいのか。これは、やはり大変なことだと思います。あなた方は、国鉄と農地の減歩は示せない、こういう一点張りでおられますが、それではどこを押さえて路線価価格を住宅地に減歩率として示されたのですか。このことは、国鉄も農地も計画路線別で1物4価で1平方メートル当たり価格は幾らでと、きっちりと計算をしなければ示されないはずですし、計算されると思っております。まして国鉄用地を含めることや公共施行で負担軽減を図るとされ、さらに公共事業投入もなどと言明されておられますので、JR、農地に対して減歩何%を路線別に計算をされたのか、明らかにするのが当然だと思います。また、この地区の将来の用途指定をどう考えておられるのか。四つ目には、この2点について御答弁をお願い申し上げます。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 御質問の駅南地区土地区画整理事業につきましては、あなたから年度の各定例議会において毎回質問を受け、その都度基本的な姿勢、また推進方策などについて御答弁を申し上げてきたところであります。駅南の開発計画につきましては、顧みますと、昭和56年1月に東雲町町内会がみずから将来の望ましいまちづくりに向けて、その検討に着手されたことがこの事業の発端であります。以来昭和61年4月には、地域住民の皆さんの自発的な意思による駅南開発検討委員会が設置され、その要望、意見を行政としても取り組むこととし、同年12月には南口交通広場、自由通路、東雲町線の都市計画決定、昭和63年にはレインボープロジェクトの地域指定を受けるなど、開発整備の素地づくりに努めてまいったのであります。この間地域の皆さんと行政とは、数多くの話し合いの場を持ちながら、よりよい方向で地域開発に寄与するべく討議を重ねてまいりました。そして、本年3月22日及び5月12日には、市施行による土地区画整理事業の推進について、地権者の全体会議が開催されたことは十分御承知のことと存じます。この結果、平成3年6月ごろを目途に負担の軽減対策をも取り入れた個々の減歩率の提示をもとに、事業実施について関係者が正確に判断できる機会を確保することを条件に御理解されたことは、既にこれも御案内のとおりであります。 なお、この条件を満たすには、都市計画決定などの法的手続が必要なため、去る10月19日に都市計画決定に関する説明会を開催したのでありますが、御理解の得られない地権者もありましたので、現在地権者の1人1人のお宅にお伺いし、都市計画決定案及び基本計画の内容を説明し、あわせて法的手続を進めることについて、最終的な御意向の把握に努めておるところであります。したがいまして、関係者の意思を十分尊重することを原則として、関連する手続と事業の適正な推進を図ってまいりたいと考えておるものであります。 次に、地元関係者からの質問に対する回答についてでありますが、この質問の趣旨は、住民意思の尊重、負担の軽減、そして事業計画の変更などであります。この回答につきましては、区画整理事業が関係者の信頼関係を機軸にして成立することから、今までもあらゆる機会をとらえて話し合いを続け、そして理解を得てきたものでありますから、今後も文書による回答ではなく、円満な話し合いによって解決してまいりたいと考えておるものであります。 また、前回の質問に対する再回答につきましては、質問された地権者の皆さんと事前に十分な話し合いと、具体的な内容の調整を図り、双方の合意に基づき回答した経緯があり、その後も質問者からは一切の異論がなかったところであり、再回答は不要かと考えております。 最後に、国鉄清算事業団用地と農地に関する路線別減歩率及び事業後の用途地域の指定についてでございますが、国鉄清算事業団用地には、既に駅南北自由通路を中心に、南口交通広場及び東雲町線の都市計画決定がなされている一方、農地につきましても都市計画道路2路線が計画決定されており、市街地の整備上極めて重要な区域にありますことは御案内のとおりであります。そこで、これらの土地を施行区域に含めますことについては、それぞれの地権者から既に提示してある平均減歩率30から50%をもっておおむねの合意を得ておりますので、当該地権者の財産などの守秘の立場からも、路線別概算減歩率を公表することは必ずしも好ましくないと存じておりますが、あなたも御理解いただけると思います。 また、用途地域の指定についてでありますが、県及び建設省の取り扱い方針としては、事業の着手がなされ、区画道路などの公共施設が概成した段階で、都市計画決定することになっておるのであります。したがいまして、現段階ではレインボープロジェクト及び既存住宅地との整合性を配慮した中で、自由通路と南口交通広場のアクセス周辺では、その公共性と発展性を勘案して業務系とし、また農地ブロックについては業務系も含めた住居系を主体に、それぞれ合理的な用途地域の配置を検討しているところであります。 以上御答弁を申し上げました。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 御答弁をいただいたわけですが、再度質問を申し上げます。 都市計画について地元で説明をされて、おおむね同意を得られたが、さらに事業についての基本計画と都市計画の四つの項目について各戸確認をしていると、こういう御意見だったわけですね、助役さん。私は、先ほども**担当が助役さんですから、申しわけないです。市長さん、そういうわけなんですね。 一つは、お聞きしたいのはこういう点があります。基本計画には、先ほど質問の第1でも申し上げましたですが、資金計画、土地利用計画、いろいろの計画がおおむね四つに分けてあると思うんです。これを2人、3人で組まれるのか、10組の職員をつくられて、1週間ぐらいで戸別に全部確認して歩くと、こういう手順だそうですが、今の答弁だと内容も基本計画について説明をしておりますと、こういうことですね。これは、先ほど私が言いましたように、63年レインボーのとき発表されましたB計画、これに当然地区界測量が今されて、もう都市計画を示す段階というのは、今言った基本計画の細部にわたることが基礎としてなっておると、私はこういう理解するわけです。土地計画、資金計画、すべてのものがなっていると。そして、都市計画というものが関係住民に示されると。だから、これがただ単に職員が玄関先で、入られたんですかと私聞きました。入られて、ゆっくりお話、それでも1時間なり、2時間お話ししてくださいましたですかと。あなたのうちは 600万円も、 700万も負担金が予想されると言われているおうちなんだから、不安の点よく聞いてくださいましたか。いいえ、聞くところまでいかなかったと。もちろん、入り口に市の職員訪問絶対お断りと張ってありましたですからねと、こう言われました。私は、こういうことが今現実に起こっている。このことが3月の22日に組合施行から市施行に変わってくると、こういう事業の方法で進めたいんだという提案をされたときから、もう予想されたことですが、この地域は皆さんが指摘しているように、非常に公共性が強いと。負担がこの計画でいけば非常に高額になるために、公共投資も必要だと、別途工事だということで、例えば都市下水路についても、別でも調査費をつけたとか、いろいろなことが既に発車しているわけです。この事業全体の中での一つの都市計画下水路工事を見ても、そういうふうに別枠で立てられてきていると、これが一つあるわけですが、そういうことも含めて、この公共性が非常に強く強調される余りに、もう一つは土地区画整理事業のことで8年も論議したと言われますが、自分のところが一体この事業をやったらどういうふうになるのか、負担がどういうふうになっていくのか、この細部にわたることまで論議をすれば、あなたは賛成派だと、あなたは反対派だと、こういうことで論議が具体的に煮詰まらなかったという点も一つはあるんです、具体的には。だから、ここで公共施行でやることによって、負担を軽減できるんだと、この提案が果たして関係者にスムーズに理解できるかどうかというのが一つあるんです。 そして、あなた方はこれらの人は一部だと、こう言われていますが、百何軒のうちの五十数名は一部だということではないんです。農地は、JRの土地は、例えば 3,000円のものが 100万円になってもたまげはせんです、これは。用途指定を将来こういうふうに指定がなるとか、そういうものが予想されたときに、保留地処分が、農地は幾らだという予想でもやはりそうだと思うんです。だから、これらについてきっちりとその区域に入られて、その区域だと言われる都市計画決定がされれば、もう建築制限もきちっと行われるし、私権についても一部制限を加えられる事業なんです。そして、これは区画整理組合立と違って、確認をしないでいいというけれど、これは3月の時点で既に確認をしておかなけりゃならない、私はそういう理解の仕方するわけです。 ところが、法はそれを決めていないからということで、今ここで三つの点を出して、都市計画決定について、あなたはよいんですか、あなたは減歩を減らせばよいんですか、全然だめなんですかと、三つの項目での意向調査でしょう。おかしいと私は思うんです。とかく組合立の区画整理事業であれば仮同意をいただきなさい。そして、都市計画だとかいろいろの計画するときには、既に法律で定まった3分の2以上の同意書をいただきなさいと、こういうことになるわけでしょう。だから、ここの出発点がちょっとおかしいということで、説明をせめてなさって同意をいただくという立場であれば、この事業を民主的に関係者の理解のもとに進めるという立場であるならば、また公共投資の分野をたくさんにするという負担軽減の立場をとっているということであれば、基本計画の細部にわたっての資料ぐらい出すのは、私は当然、こういうふうに思います。それから、あなたはたびたび毎回一般質問していると、こういうふうに市長が言われましたですが、基本は私はそういうところにあります。 それからもう一つは、都市計画を決定して、果たして来年の6月にですか、負担が大変だから除いてほしいと。また、その住居地区域について除いてもよいようなことを回答の中に出ていますよ。果たしてできるんですか。できるんだったら、法的根拠を示していただきたい、私は。 私は、1回決めたのがそういうふうにできるんかな。工区を分けて、前の北城1区、2区に分けてやられたときに、2区はやはり同意を皆さん多数からいただけなかったと、こういう点でやめられた経過がありますが、1区、2区に分けてやるんだったら、こういうことも2工区に分けてやって、2区にかかるときに、関係者のその中の絶対多数の皆さんの同意が得られれば、確かにそういうことが私は可能かなという感じはしますが、都市計画を一たん決めれば、もう事業発足があとに残るのは事業計画の決定だとか、それから条例関係だとか、審議会のこととか、議会で議決するもののみに私はなってくるというふうに思うので、その点を明らかにしていただきたいと思うんです。 それから、三つ目には回答のことですが、17項目についてなんですけれど、対応はこれは五つなんです。一つは、今後の計画のスケジュールの問題だとか、それから市施行に対する3月22日の説明は、住民の同意が私は理解していないんだよと、代表の皆さんはこう言いながら、50名に近い人がもう少し理解のできるように説明してほしいと、こういうことだったわけでしょう。それから、計画の変更もひとつ考えていただけないかと。今 21.22ですか、当時は。この面積なんだけれど、我々に示された負担率は、とても今後の年金生活者には耐えがたいもんだから、この地域についても考慮していただけないだろうかと。それから、負担軽減などについての別途事業の導入もと。基本計画などについての見直し、路線別減歩の公開、こういうものが内容だったわけです。市長さんの回答は、私がさっき質問の中で指摘したような内容だったわけです。これについて、あなたは今の私の質問に対して、双方協議で合意に達したと、こういうふうに言われたわけですが、これは達していないと、これは質問したことについてよく答えておいでにならないと、こういうことで地元では理解をしておられるわけです。あえてこのことについては御答弁の中では、回答は再度しないという態度を示されたわけですが、それはそれでわかりました。 以上です。二つの点についてお答えをお願いします。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) いろいろるるお話がありましたが、私は先般来この問題について、詳細にわたって事情聴取いたしました。その結果、一つの決断を下さなければならない段階に来ていると私は判断をいたしております。このことについて、私たちはあるいは関係者は、望ましい新しいまちづくりのため、克雪、防災あるいはまた生活そのものに利便を与えるまちづくりであるというふうに判断をし、そのように上級官庁から理解を受け、その線に沿って進めてまいってきたものでありますが、そこに住む住民たちが、もしそのことについて不同意であるなら、その状況によって最後の決断を下すべきリミットが来ていると、限界が来ていると私は判断をして、先般来関係者にそのことを強く命じております。しかし、議会の皆さんとも今までこの問題について御審議あるいはまた御討議をいただいてきたことでもありますから、その過程を経て最終的な決断をすべきであるというふうに指示をいたしました。いずれ最も近い将来、そのことについて新しい転機を求めたいと、こう指示をいたしておりますので、さよう御承知をいただきたいというふうに思います。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 再度質問を申し上げます。 重大な局面に達しているというのは、私は一つは平成7年の3月に、今までは公共性が非常に強い地域だと、こう言われてきていたんですが、それにやはり事業が合わされていくと。また、あの地域のことを考えれば、私はそれが8年の経過を経た現在、当然そこへ絞られてくるんだというふうに思っております。やはり当初都市計画についての地元説明は、21.3ヘクタールだったわけです。このことは、現在訪問されている家庭に対する同意でも変わらないということなんですか、この面積は。同時に、この面積とともに四つの中のそれは一つなんです、四つの中の。都市計画は21.3ヘクタール、これ一つでしょう。それから、東雲町環状線は幹線区画団地だったんだけれど、今度は都市計画街路に切り上げると。このことは、公共施行で既に基本は用買方式だと、こういうふうに言われているんですから、これは負担を民地の方へ、要するに関係者の方へ転嫁しないと、これ二つ目でしょう。そういうことが二つ目に言われているわけでしょう。三つ目、四つ目についても、やはり都市計画について同じようなことが指摘されたわけですが、この四つのことについて、今住民の確認をされているという理解の私は仕方をしているわけです。だけれど、市長さんの今の御答弁だと、ここは重大な点に来ているんだと。もちろん、年末に都市計画の決定をしたいと、住民にそう言明されたわけです、関係者に。そして、事業決定は年度末だと、こう言われてきているわけですから、その変更だということなんですか。これが一つ。 それからもう一つは、住民の皆さんが言われて、これは負担大変なんだから、じゃ市長さんの回答の中にも、そのことについては全体の中に入った事業の方がよいんだけれど、やむを得ない場合やっぱり検討したいんだというふうにとられる回答されているんですよ。除くことは望ましくないと。だけど、考えようによっちゃ、除いてもいいように受け取られるやっぱり回答なんです、あの回答というのは。だけれど、入っていただいた方がこの地域全体、あのときはまだ 700がふえていませんですから、その事業には参加していただいた方が将来のためにもいいんだと、こういう言い方をされているわけです。私は、再三6月に皆さんが意思表示したときに除くんですかと、こういうふうに見解をお尋ねしてきていた経過がありますから、ここについて二つ目に御答弁を、最後ですから、お願いしたいと思います。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) このことについては、今まで担当の委員会で協議をしていただいてきたことでありますから、私がここで最終的な私の見解を述べる前に、当該委員会で新しい方策について御説明を申し上げ、そこで理解を得ることによって、最終的な決断をしたいということであります。しかし、あなたは今この質問にお立ちになって、そして従来のこの問題に対するいろいろな疑問点あるいは問題点等について、御質問をされたわけでありますので、それにもお答えをしながら、さらにまたそれをも含めてそのような疑問点、問題点をも含めて、早い将来、すなわち年末前に私はこのことに対する最終的な決断を指示をいたしておりますので、御相談をし、そして皆さんの判断をも待ちたい、こう思っているという意味であります。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 市長さん答弁漏れの方は、今訪問なさっていて、基本計画も含めて御説明しておるんですと、こういう御答弁だったでしょう、最初の文書答弁の方は。基本計画には、私は一番関心のある土地の利用だとか、資金計画だとか、それから公共施設計画だとか、いろいろのものがあるんです。そういうものをもう既に都市計画を決定しようとするときには、おおむね国や県の了解を得た案という素案があるはずなんですよ。できている。これを関係者に示さないで、何でそういうことをやるんですかと、べたべたしゃべっていたってしようがない。数字のものをプリントしたものを、こういうもんですよと、これがやっぱり訪問のする方の側の私は意思確認の義務だと思います。 もう一つの点は、そういうものを示すのが、だってそうでしょう。街路について、前に示されたものと今度のものは全然違うよと、こういうこと言っているんです。ある大地主の横へ切られていた道路が反対に行っちゃったじゃないかと、こういうことまで言われています。南の今度 2,000の広場について道があったはずなんです。このことについてももうなくなっているじゃないかと、今度の案は。それから、街路についても、あなた方の方は当初より広くして、これで公共事業を導入すれば、都市計画街路に格上げして、地権者の皆さんには負担がいかないんだよと、こういう説明なさっていたって、実際わからないんです。だから、私は10月19日ですか、この会議で何だかあっとなっちゃって、いかに市が説明が終わりました。皆さんの合意をいただいたと思いますがという、ここまで非常にこれないです。今までわあっと言われていても、例えば3月の22日の会議では、おおむねそういう意見があったけれど、理解を得たものとして私ら認識していますと、私が聞けばそういう御答弁が出てきていた。ところが、都市計画の説明に限りそういう御答弁は出なかったほど深刻だったんです。だから、意思確認の意味を含めて、戸別訪問ということで、関係者の住居を今訪問なさっているわけでしょう。もちろん、私はそれについていろいろな意見あります。意見ありますけれど、確認のことはやはり部分的には必要だと思います。だから、そのことについて、訪問なさるときにやはり出すべきだと。出していかなければ、何がどうなのかさっぱりわからない。そのことを聞いたわけです。御答弁をお願いします。 ○議長(松永芳男君) 佐藤助役。         〔助  役  登  壇〕 ◎助役(佐藤英一君) 10月19日の全体会の説明で、都市計画決定のことにつきまして、4項目を御説明申し上げたわけです。そのことについては、特に大きな問題はないわけでございます。今おっしゃった一般の区画内の道路等がございますですね。このことについては、若干各論の面があるから、事業計画、都市計画決定と、次に迎える事業計画とは違うんでございますから、その段階でよくお話し申し上げますと、あるいはまた相談しましょうと、こう言ってもお聞きにならんかった人がおられます。そのことを含めて先ほど市長が申し上げたわけでございますが、いずれにしましても委員協議会等でこのことについてはまた詳しくお話し申し上げたいと思いますので、その機会にお譲り願いたいと、かように思います。 終わります。 ○議長(松永芳男君) この際、暫時休憩いたします。 再開は3時15分といたします。         午後3時 3分 休憩          午後3時16分 再開 ○議長(松永芳男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 1番、石平春彦君。         〔石 平 春 彦 君 登 壇〕 ◆1番(石平春彦君) 私は、さきに通告いたしました市民3万人の水道水源地ゴルフ場中止要請に対する市長の考え方について一般質問を行います。 谷内取水ダムの上流に隣接しているこのゴルフ場建設問題につきましては、9月議会でも多くの論議が交わされ、市長の御答弁をいただいたところでありますが、その後さまざまな情勢の変化がございました。振り返ってみますと、市には市長の諮問機関である環境影響評価会議が設置され、8人の委員が選任され、その第1回の会議が持たれました。また、議会においては環境保全対策特別委員会が開催され、環境影響評価会議を中心に質疑が交わされました。さらに、県の動きとしては、県議会9月定例会で大規模開発行為に係る環境影響調査書の公開の方向性が明らかにされました。次に、市民の動きとしては、「上越市の水道水源を保護する会」が建設中止を求める3万人以上の署名を集め、市長に陳情するとともに、それに基づいて市議会には環境保全の立場からの慎重な対応と、水道水源保護条例の制定などを求める請願を行いました。また、これとは別に、「上越市の水と緑を守る会」では、 8,000人の署名を集めて議会に反対決議を求める請願を行っております。一方、業者においては環境影響調査を踏まえて桑取、谷浜地区に説明に入ったと聞いておりますが、その後横畑などの3町内会が推進の陳情を行い、逆に桑取の自然と環境を守る会や谷浜地区の西部5ヶ浦会が改めて反対の陳情を行っております。 翻って、ゴルフ場の問題に対する全国の動きを見ますと、自然保護や環境保全に対する認識がますます高まり、規制が厳しくなっております。最近の自治体の対応では、先月の15日に大阪府、そして今月の1日には滋賀県が相次いで凍結の方針を打ち出しております。ここに12月1日付の滋賀県副知事の「ゴルフ場開発計画の規制について」という各市町村長に対する通知を持ってきておりますが、この中で滋賀県の取り扱いを見てみますと、第1に、今後新たな開発計画の申し出は原則として受理しないとなっておりまして、次に重要だと思いますが、協議の途中にあるものにおいても、上水道水源地に影響を及ぼすおそれのあるものは受理をしないということになっております。 このような環境保全の高まりの中で、特に水道水源地のゴルフ場をめぐっては、全国の自治体や議会あるいは水道企業団などで反対の表明や決議が相次いでおりますが、本市周辺の町村でも三和村を初め板倉町、清里村で反対、中止、凍結の方向が打ち出されたことは御案内のとおりであります。 ところで、先ほど業者が説明に入ったと申し上げましたが、きょう、あす桑取、谷浜で再度業者の説明会が行われるということであります。そこで、一部にあらかじめ配布された資料によれば、これはゴルフ場建設に係る説明書の一部でありますけれども、これは市議会で市当局が説明をされました資料、その図面と見比べてみますと大変な差がございます。それは、どういうことかと申し上げますと、当初開発区域の 139ヘクタールのうち集水区域が40ヘクタールであると。これは、パーセンテージでいきますと30%弱でございますが、それが今回のモナコ物産の説明資料によれば、全体の開発区域が 134.5ヘクタール、そのうちの集水区域が63ヘクタールで、いわば約半分が集水区域に入るということであります。もし確認をされてお間違いであれば、指摘をしていただきたいと思いますが、このようにゴルフホールが大きく集水域の中に食い込んでまいりました。このような状態というものにつきましては、新たな懸念の要素が出てきたわけでございます。このような内外の情勢の進展を踏まえる中で、さきの上越市の水道水源を保護する会の3万人の要請内容に沿って、改めて現段階での市長の考え方をお尋ねするものであります。 まず、市民3万人以上が積極的に中止を求めている事実を市長はどのように受けとめられているか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、要請事項についての考え方とそれへの対応について具体的にお尋ねをいたします。要請事項の1番目は、速やかに反対を表明し、事前協議の申請に当たっては、同意を与えないでいただきたいということであります。このことについては、市長は県へ意見を述べるに当たり、環境影響評価会議の専門的な指導、助言を得、さらに市民の意見を吸い上げ、最終的に私の責任において誤りない判断をする旨繰り返し述べておられます。そこで、具体的に3万人の市民の意見の集約として、この要望が出されたことに対して、これをどのように尊重されるおつもりか、市長の率直なお気持ちを承りたいと思います。 要請事項の2番目は、開発区域の水を上水道原水としている13万市民に十分な説明を行うとともに、市民の同意なくして計画を推進しないよう業者を指導していただきたいということであります。この計画がマスコミを通じて市民に明らかになってから10ヵ月がたちましたが、この間桑取、谷浜地区を除いて市民全体には何らの説明もなく、多くの市民は大変不安な状況に置かれております。市長は、さきの議会で「私を信頼してほしい」と言われましたが、その際私も申し上げましたように、行動の裏づけがあってこそ信頼関係は成り立つのであります。このまま不安な状況が続くとしたら、この不安は市政への不信にもつながりかねないと懸念するものであります。市民の切実な要望にぜひ早急にこたえていただきたいと考えますが、その対応を具体的にお聞かせ願いたいと思います。 要望事項の3番目は、環境影響調査書を速やかに市民に公表するよう取り計らっていただきたいということであります。これは、さきに述べました県議会での県当局の答弁にもありますように、年度内に環境アセスメント要綱を作成し、住民への公開を義務づける。また、現在作成しているものについても、公開の方向で指導するというのでありますから、少なくとも市が地元関係者としている桑取、谷浜地区住民には、求めに応じて業者が公表することを妨げるものではなく、さらに進めて要請事項2を善処していただくならば、全市民にも公表させられるものと考えます。したがいまして、県として近い将来環境アセスメント制度の実施がなされるとしても、それはそれとして近日中に業者から開発行為の事前協議書が提出されると言われる局面の中で、上越市民にとっての緊急かつ重大性にかんがみ、早急に対応を考えていただきたいのであります。 要望事項の4番目は、環境影響評価会議を公開していただきたいということであります。市民の不安を解消し、市民が意見を述べるためには、正しい情報が知らされる必要があります。環境影響調査書もさることながら、環境影響評価会議についても同様であると思います。もし会議が密室で行われ、それに基づいて市長が意見を述べるとしたら、仮にその段階で内容が知らされたとしても、市民が意見をまとめる余裕も、意見を述べる機会も全くないわけであります。そうであれば、これまで市長が繰り返し市民の皆さんの意見を吸い上げる機会をできる限り持たなければならないし、その意見が反映されるような努力をしなければならないとおっしゃってきた姿勢が生かされないのではないかと思います。市民の皆さんは、10月16日の陳情の際に、市長の公開も含めてすべて市民のためになるように努力する旨の答弁に大きな期待を抱いておりました。しかし、さきの11月19日の環境保全対策特別委員会で理事者側は、委員個人の責任が問われることがあってはならないからとして、非公開を表明されました。続いて、12月4日に市長は陳情者と会われた席上、プライバシーにかかわるからともおっしゃいました。率直に言って、陳情者を初め市民の皆さんは今大変な失望感の中におります。市長のおっしゃるプライバシーに関しては、例えば議会においても必要に応じて非公開とすることで解決しており、そのことによって原則公開の妨げになるようなことはないのであります。また、評価会議は科学的な見識に基づく専門家の論議の場でありますから、市民の評価は個人的にいろいろあるかもしれませんが、そのことによって委員個人の責任が問われることはあり得ず、またあってはならないことであります。いずれにいたしましても、議会がそうであるように、市民に公開することこそ民主主義の原点であること、とりわけ市民の大きな関心事である今回の場合は、なおさらであることを十分御認識いただき、再考をお願いしたいと思います。 要請事項の5番目は、速やかに水道水源保護条例を制定していただきたいということであります。この件につきましては、私も含めて何回か議会で論議になり、市長もその都度現時点では考えていないが、検討する旨答弁されました。しかし、今回は具体的に3万人の市民の名において要請がなされたわけでありますから、この市民の意思を十分尊重され、調査研究など、実現に向けて一歩踏み込んだ姿勢をぜひお示しいただきたいと思います。 要請事項の6番目は、水道水源地域の自然環境と真に調和のとれた地域振興策を研究し、推進していただきたいということであります。誤解を恐れずに申し上げれば、市民にとって今回の問題は、みずからがどのような自然環境や社会の仕組みの中で暮らしているのかを改めて気づかせてくれたのであります。と同時に、市街地の市民が市内山間地の実態に思いをいたすよい機会になったのではないかと思います。ふだん何の気なしに飲んでいる水が、私たちにとってそれはそれは大切な命の源であり、その大切な飲み水が実は桑取川やその支流の谷内川をせきとめることによって、その上流の里山から流れ、わき出る清浄な水を取り入れたものだったということ、市民の多くはこのことを今回初めて知ったのではないでしょうか。同時に、そのことは逆の立場からいえば、桑取川を生活の一部とし、その恵みを生活の糧として生きてきた沿線住民の皆さんにとって、大変つらいことであったに違いないと思うのであります。そして、社会情勢の変化の中で、過疎化という忌まわしい現実が襲いかかり、出口を見出せないまま現在に至っているのであります。私も過疎化の急激に進行する東頚城の山村に生まれ育った者として、その不安感と地域活性化への切実な気持ちは痛いほどわかるのであります。市民の皆さんの多くも、この大切な飲み水を与えてくれた自然環境と桑取川沿線の皆さんに心から感謝をし、その活性化に対しては協力を惜しまないとの考えをお持ちのことと思います。そのような市民の皆さんの純粋な気持ちの発露が、この要請事項となったものと理解できるのであります。 私は、9月議会の一般質問でも、地域振興のあり方について若干述べさせていただきました。地域住民が主体となった内発的なまちづくりや村おこしが必要ではないかとして、周辺の例として安塚町の雪国文化村や浦川原村の文化人村の建設を挙げました。その後の新聞報道によれば、牧村では家族連れや首都圏の人々がゆっくりくつろげる小さな観光地づくりを目指し、また「マイライフ・リゾート新潟」に指定されている松之山町も、開発の主体となる第三セクターの南越後リゾートでは、あえてゴルフ場を誘致しようとの考えはないとのことであります。また、雪国文化村構想の中で、スキー場を誘致した安塚町の矢野町長も、「通年雇用を考えるとき、ゴルフ場ばかりが能ではない。冬はスキー場で働き、夏は野菜づくりなど農業をやることも考えられる」と述べておられます。このように今多くの自治体では、水源の悪化を初めとしたさまざまな問題を引き起こすゴルフ場開発を見直す機運が生まれ、ゴルフ場に頼らない地域振興への模索が真剣に始まっております。 ところで、私は9月議会の同僚議員への答弁の中で、市長が言われた「古里のゆかり」事業とそれに対する市長の考え方に、心からの賛意を示すものであります。ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。と同時に、豊かな自然を背景に都市住民との交流を積極的に図り、呼び込むような手だてを具体的に考えていただけたらと思います。既に桑取の自然を求めて東京から転入された方もいらっしゃると聞いておりますし、近隣町村では成功例もあるわけでありますから、意識的に取り組めばそれにこたえる時代的素地はあると考えます。 また、定住化を進めるための環境整備としては、既に御案内のことでありますが、農林水産省の「中山間地域農村活性化総合整備事業」や、自治省のリーディングプロジェクトの中の自然保護事業への支援を目指す「自然とのふれあいの里づくり」事業などの活用も、一つの方法ではないかと思われます。 以上、市民の皆さんの真剣かつ切実な気持ちを代弁し、また幾つかの私見を申し上げましたが、市長の具体的で明確な御答弁をよろしくお願い申し上げます。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 初めに、市民3万人以上が積極的に中止を求めている事実をどう受けとめるかということについてお答えをいたします。 私は、行政の長として、同じ市民のどちらにもくみするものではないことをあらかじめ申し上げますとともに、この問題の判断に当たっては、極めて冷静に、そして客観的に、また情緒的に陥ることがなく、学術的な判断材料を得て方針決定をしてまいりたいと念願をいたしておりますが、あなたの質問にこたえるためにあえて申し上げますと、あなたはゴルフ場開発について3万人以上の反対署名者がいると言われますが、同時に開発を熱望している賛成署名者もまた3万 1,500人に達していることも事実なのであります。繰り返し申し上げますが、署名の数の重さについては十分考慮しなければなりませんが、署名の数によって本来あるべき行政の姿勢がゆがめられてはならないことも、あなたは十分御理解いただけると存じます。私は、ゴルフ場開発について賛成、反対は別として、その署名は住民1人1人がみずからの良識に基づいて、意思表示が行われたと受けとめているとともに、この住民意識を大切にする立場から、起業者に対しては関係住民に詳細な計画概要等を提示し、十分な説明を行うよう指導しているところであり、このことについてはこれからも慎重に対処する所存でございます。 次に、上越市の水道水源を保護する会が提出した要請事項の5点と、環境影響評価会議の公開についての質問でありますが、これらの事項については、これまでにもあなたの質問に答えてきたとおり、今でもその考え方に相違はありません。しかしながら、再三にわたり本日も同じ質問ではありますが、若干補足を含めてあえてお答えをいたします。 最初の要請事項は、水道水源の汚染について懸念されることから、開発行為事前協議に同意しないでほしいということを言われているわけでありますが、このことについては、人が生涯にわたって連続的に摂取しても、人の健康に影響が生じないという厚生省の厳しい暫定目標もあり、さらには環境庁水質保全局が発表した農薬についての21種類の暫定指針値が示されているところであります。拙速過ぎて検討する機会を失うことは、事の善悪を問わず行政として許されることではないと私は理解をいたしております。したがいまして、これから提出される開発行為事前協議書に添付される環境影響調査書をもとに、前段の厳しい諸条件をクリアできるかどうか、また水源の良好な保全ができるか否か、このことを慎重に検討をしたその結果、行政としての判断をしたいと申し上げてきているわけであります。この考えは正しい考えであると私は思っておりますし、今も変わりはありません。 2点目は、ゴルフ場開発についての関係者は13万市民であるから、市内全域で説明するよう起業者に指導せよとのことでありますが、建設計画が水道水源の上流に位置しているからこそ慎重に対処し、万全を期していく所存であると申し上げておるのであります。 なお、私は行政運営に当たり、でき得る限り市民の意向を反映する努力をいたしておりますが、すべての市民の意見を聞くことは実態上は不可能なことであります。したがいまして、市民の代表である市議会の意見を行政に反映する一方、いろいろな問題を御相談しながら、市政の運営に当たっていることは御案内のとおりであります。したがいまして、この建設計画もその例外ではなく、今後環境影響評価会議の審議を経た上で御協議してまいる所存であります。 3点目は、環境影響調査書を市民に公表せよとのことでありますが、このことにつきましては9月県議会で明らかにされたとおり、提出された環境影響調査書の審査に当たっては、公平な判断を求める意味からも、審議中の書類については公表しないと言明されたところであり、当市においてもこれの取り扱いについては県と同じであります。しかし、起業者が関係住民に対して十分な理解を得るために、みずから公表することについては差し支えがないと答弁をされているようであります。したがいまして、市といたしましては新潟県ゴルフ場・スキー場適正開発指導指針に基づき、起業者に対し建設計画の具体的な資料を提示し、周辺関係者の理解が得られるために、十分説明するよう指導しているところであります。 4点目は、環境影響評価会議の公開でありますが、既に御案内のとおり、開発行為事前協議書を県へ進達するに当たり、市長が客観的に意見を述べることになっていることから、専門家の皆さんによって各専門的分野で検討した意見を参考とするために、環境影響評価会議を設置したものであります。したがって、専門家の皆さんから公平な見解をお聞きするためにも、また専門家の方々の人権を尊重し、御迷惑をおかけしないためにも、この環境影響評価会議を公開すべきであるかどうかということについては、慎重な態度を要すると判断をいたしております。 次に、5点目の水道水源の保護条例については、9月議会におけるあなたの一般質問で答弁をいたしましたとおりであります。重ねてお答えいたしますが、地方自治体の中でこの条例を制定しているところはわずか十数団体にすぎず、またゴルフ場も含めて規定しているところはさらに少なく、今後も十分他の団体の動向を見きわめながら、制定の適否を判断しようと考えておるものであります。 なお、各団体ともにこの条例制定に消極的である理由として幾つか考えられるうち、大きく分けて三つ存在すると言われております。その一つは、事務の性質から判断して、国の法律によって全国統一的視点から処理すべき事柄と考えられ、団体の条例で規定できるか。また、憲法第29条で保障されている財産権の侵害にならないか。二つ目は、条例である場合、国の法令に当然劣後する関係にあり、国の法令より当然低いとされる関係にあり、目的を発揮できない場合もあるということであります。三つ目は、水源保護は一自治体の行政区域内では解決できない問題である。その水系の関係自治体で合意できるか、また合意できたとしても、それぞれの自治体の条例で規制することが適当かということであります。 また、ごく最近の実例を御紹介いたしますと、隣の長野県知事は、水源保護条例制定県民連絡会が直接請求を起こしたゴルフ場や廃棄物処理施設などの建設を禁止する水源保護条例について、規制すれば重大な影響があるとし、権利を規制し、義務を課す法制化だけに慎重に検討したいと、今12月定例県議会に制定反対の意見を提出されているところであります。この例でも御理解いただけると存じますが、極めて難しい問題を包含しているところでありますので、私は今後の推移を十分見きわめながら対処してまいりたいと考えておるものであります。 最後の御質問は、水道水源地域の自然保護と真に調和のとれた地域振興策を研究し、推進することをお尋ねでありますが、御案内のとおり今回のゴルフ場開発については、民間事業者が開発を計画しているものであり、行政施策として取り上げた開発事業ではありません。しかし、御質問のとおり、水道水源付近での開発であるがゆえに、行政といたしましても万全を期すべく検討を重ねているところであり、今後においても開発事業者と関係住民、さらには賛成者、反対者それぞれの権利を尊重する立場で、慎重に判断することが為政者の当然の責務であると考えております。今後とも客観的に判断できる資料を求めながら、自然環境の保全に十分留意し、検討を進めますが、同時にこのことのみに限らず、広く地域振興策を検討してまいる所存でございます。 何か途中の経過報告の中で違ったものがあるというようなお話でありますが、私たちは最終的な建設計画を判断の資料にすることは当然であります。 さらにまた、開発について東頚城の各市町村でいろいろな諸施策が行われていると、そのような施策もあるということでありますが、残念ながら私の知る限り、それが過疎を食いとめるなどというようなものでないことを、非常に残念に思っております。いろいろな施策が講ぜられても、それは今の東頚城の大勢を覆すような施策に発展するということについては、なかなか容易なことではないと言わざるを得ないわけであります。いずれ国勢調査の数値が発表されますけれども、先般も質問のとき申し上げましたように、過疎の進捗の状況というのは、まさに憂うべきものがあると言わざるを得ないわけであります。これが、あなたのおっしゃるようなそのような施策によって食いとめられるとするなら、これはまさに万々歳でありますけれども、なかなかそんな簡単なものではないという事実は、あなた自身が御承知だと思います。東京から移住をしたケースもあるなどということは、時々テレビ、新聞等で報ぜられております。それは、大勢としての状況ではなく、一、二の特別な例が取り上げられるときが多いわけであります。大勢として東京の何々地区から何万人の人が移住してきたなどという話は、私は今日まで聞いたためしがない。私は、そんな簡単なものではないという認識の上に、今の地方の過疎をしっかりと見詰めなければならない、そんな生易しいものではないと。好むと好まざるとにかかわらず、それが善政であるか、悪政であるかを問わず、事実がそうであるということを否定できないところに問題があると私は言わざるを得ないと思います。 ○議長(松永芳男君) 1番、石平春彦君。         〔石 平 春 彦 君 登 壇〕 ◆1番(石平春彦君) 再質問を行います。 質問の内容が多岐にわたっておりますので、なかなか私も記憶が悪いもんですから、答弁のことを全部自分のものにできませんので、あるいは間違っているかもしれませんので、また御指摘をいただければと思います。 まず、最初の3万人の中止の要請に対して、どのように考えられるかということで、尊重といいますか、数の重さは十分考慮しなければならないというようなことであったかと思います。その点につきましては、私もその答弁をそのとおりとして受けとめさせていただきます。ただ、市長がおっしゃったんで、あえて私も若干申し上げます。これは、別に論議をしようとは思いませんが、一つには賛成も3万何がしだというふうにおっしゃいましたけれども、私も市民の意向というものを十分尊重しなければならないという議員としての立場から、賛成署名というのはどういうものかということで私も確認をさせていただきました。しかし、残念ながらといいますか、市長がおっしゃるように、3万人の反対というその具体的な署名内容に対して、賛成というものは果たしてそれにいわば同じ土俵の中にのった署名なり、要請なのかなというふうに非常に疑問に思ったわけであります。というのは、賛成署名の場合は、地域振興のためにゴルフ場に賛成ですという形のはがき大の署名でした。あて先も別にどこだということではありませんし、印鑑の場所もないということであります。したがって、私は果たしてこれが一つには、数がどうだということではありませんが、3万人という数の重さとして受けとめるべきかどうかなということを私はちょっと疑問に思いました。 それからもう一つは、現在問題になっている谷内取水ダムの上流に立地をすることによって、これに対する懸念というのが市民の間に非常に多くて、そしてその結果として中止のあるいは反対の署名が3万なり、4万なりの形で出てきているんだということでありますので、それに対して谷内取水ダムの上流の立地でいいんだと、これに賛成しますということの署名ではないというふうに私は受けとめておりますし、そういうことでもし陳情されるとすれば、私はそれはちょっと無理があるんではないかというふうに考えております。ただ、その陳情された3町内会の方々については、私は今までもその事実についても十分受けとめておりますし、そういう切実な願いということについての、つまり過疎化からの脱却という意味での切実な願いについては、私も十分受けとめておるところであります。ただ、現実問題として署名数云々ということが、数の重さは十分考慮するということからすれば、果たして賛成の署名と言われるのがそういう形で、いわば対抗的な内容を持ち得るものかどうかと、そこに無理があるんではないかと、私はそういうふうに感じております。 それから、要請事項の1についてでありますが、ここで今までの考え方に相違はないということであります。ただ、私はその中で常に市長もおっしゃっておられるんですが、厚生省や環境庁の基準があると、そういうようなものをもとにして、危険のないようにというようなことをおっしゃっておりますけれども、これは私と常に論点が違うところではあるかと思いますが、もちろんそういった科学的な分析というのは必要であると思いますけれども、私は大前提として、自然環境保全という立場から、分析以前の問題として、環境に与える影響というものが、既に専門的分野のレベルで不確実性が非常にあるということを、これはいわば共通した認識だと思うんです。つまり環境に与える影響というものが数字で、結局影響評価ですから、必ず数字なり、何なりで出てくるわけですが、ただそのことが根本的に大前提として不確実なものであるということ、そこをまず考慮に入れた上で考えていかなきゃならない。判断をしていかなきゃならないということが、いわば環境科学の私は現時点における基本的な考え方ではないかというふうに思います。そういうことの上でやはり考えていただかなければならないということを、私はひとつ申し上げたいわけでありますが、その辺について市長はどのようにお考えになっているか、お聞かせ願えたらありがたいというふうに思います。 それから、要請事項の2につきまして、市民全体に説明をしてもらいたいと。そしてまた、同意なしに推進しないようにしていただきたいということでありますが、市長はここでおっしゃったことは、市民全体に知らせるのは実際上無理であると。したがって、議会に諮って、議会に相談してやるんだということをおっしゃったかと思います。私は、今までの論議の中では、その辺が余りはっきりしなかったんです。私は、はっきり理解はしていなかった。それが今の話でありますと、市民に対する説明はしないと。議会に対して相談するということだということで理解をしていいのかどうか。私は、議会にもちろん相談するのは当たり前でありますが、今やはり非常に市民が不安に思い、事実を知りたいというふうに思っているということにつきましては、このやはり3万人の気持ちというものをぜひ尊重していただきたいということを申し上げているわけで、要するにそれはやらないんだということなのかどうか。もしそうだとすれば、やはり私は考えていただきたいというふうに思います。 それから、環境影響調査書の公表であります。この点につきましては、前の事項との関連もありますが、業者がみずからやるのは構わないというふうにおっしゃいましたですね。それも私は環境影響調査書というものを提出するように業者に指導されているのかどうか。というのは、先ほど申し上げましたように、きょうとあしたと桑取、谷浜に説明会があるわけです。そこに出されている資料というものは、先ほどもその一部をちょっと掲げましたですけれども、その資料というのは環境影響調査書ではないと私は思っています。図面の一部は縮小したものであろうかなとはちょっと推測するんですが、実際のいろいろ中に書いている内容というのは、きちっとした経過がなくて、業者が行う環境影響調査でありますから、できるということで最終的には結論が出るように、結論の方から逆に押していくような形のある意味ではつくり方なのかなとも思うんですが、そういうものでいわば開発ということをやるということの前提の調査でありますから、そういう意味では結論として大丈夫だとか、環境に影響は少ないとか、全くないとかいうことになるかと思いますけれども、それがどういう根拠で、どうしてそうなるのかということが、非常に不確かであるというような資料であると私はこれを見て思いました。ですから、説明会があったときに、住民の皆さんが見られて、果たしてこれで論議というか、質問になるのかなという、あるいは質問されても、結果としては、うん、わかったというふうな、わかったというか、理解をしたというような形のものになるとは到底思われないと私はちょっと感じました。それで、先ほど市としてはあるいは県としては今のところできないが、業者にやるように指導するというふうにおっしゃったわけですから、その辺を実際にもっときちっとされるような形に、実際の話していただきたいというふうに私は思うわけですが、その辺についてはどうお考えになるかということであります。これは、だから要請事項の2の問題で、市民に知らせることはしないというふうな御意向のようでありますから、環境影響調査書ももちろん業者がそういうふうに市民に提出するというか、公表するということはないということになるのかと思います。その辺については、また改めて機会があればお願いしたいと思います。 要請事項の4の評価会議の関係であります。これは、私は公開は慎重な態度を要するというふうにおっしゃったのかなと思うんですが、そういう意味で結論的にその言葉どおりに私は受けとめました。そういう立場からすれば、ぜひ慎重な態度というのは、必ずしも非公開ということではないと思いますので、何らかの形で公開なり、市民がその内容がわかるような形のものをぜひ善処していただきたい。考えていただきたいというふうに思うわけですが、その辺の方策といいますか、考え方があればもう一つ突っ込んでぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。 水道水源保護条例の問題につきましては、これはこれ一つでちょっと一般質問ができるような内容でありますので、今回ちょっと時間もありませんので、これでこの点については再質はやめさせていただきます。 要請事項6、自然環境と調和のとれた地域振興策をということで答弁いただきました。ただ、私はこれは要請の内容にもかかわるわけですけれども、ゴルフ場にかかわってやっていただきたいということ、それもある意味では含まれますが、だけれどもそれだけで言っているわけじゃないわけでありまして、私の質問の中でも申し上げましたように、桑取の現状の中で、桑取の地域の住民の皆さん方もいろいろその地域活性化のために努力をされ、また市長にも陳情されているかと思いますので、それに対して現在あるいはあるんであれば、今までしてきたこういう対応策があったと。そしてまた、その状況に立って、また今度こういうようなこともやりたいんだと、あるいはやる方向で考えているんだというようなことを、自然環境の保全の立場から具体的にお示しいただければありがたいと。あるいはまたそういうことの推進の方向性のお考えを明らかにしていただければありがたいというふうに思います。 ただ、先ほどの御答弁の中で、東頚城の町村のことを私が申し上げたことに対して、過疎化の脱却にはなっていないんだというふうにおっしゃいました。事実数字として挙げれば確かにそうか思います。ただ、私が過程の中でどういう努力をその地域、地域の人たちが一生懸命やっていくかということの中で、いろいろ申し上げたことでありまして、また同時に今その過程、つまり過去例えば10年、20年なりやってきて、そしてこの結果がこういうふうに出たんだということではなくて、つい最近といいますか、ここ数年の中でそういう営みをいろいろ一生懸命、ある意味では落ちるところまで落ちたというか、過疎化が。もちろんどんどん続いているわけですが、ただそれにしても考え方としてはもうこれ以上ひどいことはないというところまで落ちたところで、一生懸命考えて、みんなが一生懸命頑張ってきているという、その過程であるわけです、今は。それを過疎化から脱却し得ていないんだと、数字が出ますよということでは、私はそういうとらえ方というのは、ちょっと賛成できないというか、私は今この過程にいるというこの状況のところで、じゃ未来の光に対して、どう我々が考えていくかということが、桑取地区や何かを考えていく場合にも、また桑取だけでなくて、そのほかの市内のいろんな状況のところを考えていく上においてもやはり重要だと私は思います。その辺についてもぜひ、市長はそういうふうに考えておられるんじゃないと思いますけれども、もうちょっとわかるように説明していただければありがたいというふうに思います。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 一番最後から答えてみたいと思いますが、何かあなたは今いろいろ努力している過程なんだと。そういう努力は評価してもいいんだというような生易しいものではないと私は思います。そんなことは私とあなたとここで討議しているだけの問題にしかすぎない。実際どうにもならないような状態に落ち込んでいる状況をどう脱却できるか。一生懸命にそれなりに考えているその過程だ。だから、その過程の努力を評価していいなんて言っているうちに、村がなくなっていくじゃないですか。そんな生易しい問題であると私はとても思えない。もっともっと住民にとっては切実な、まさに身を切られるように悲しい事実なんです。ですから、そういうものにどうして打ちかつことができるかということを考えた末に、安塚だってスキー場をつくるじゃないですか。それは、環境破壊につながることであったとしても、やはりスキー場をつくらざるを得ないということになってきていると私は思うんです。 環境を保護しなければならない。最初に、あなたは恐らくこの意味は、私は環境は絶対であるという意味から考えなければならないという意味ではないかと思うんですが、私はそうは思わない。人間が生きていくということが、まず一番基本的に大事なことなんです。人間は生きていかなければならない。この世に生を受けて、何としても生き続けなければならないということが、まず私は大前提になければならない。そのよりよく生きていく中に環境保護もあるんです。高速道もあるんです。飛行機もあるんです。まず、生きていくこと、この生きていくというこの中に、私たちがよりよく生きていくために、ぜひ環境保護をしなければならないという大きなテーマが今私たちに与えられている。環境保護があって、それが最大のテーマであって、そこに人間が生きさせられるということではないんです。私はそう思いますから、私は生きていくために、ですからやはり環境は守りたい。よりよい環境の中で幸せな生活を送りたい。しかしまた同時に、あれだけの闘争の後で成田空港がきょうもたくさんの飛行機が走っていくわけです。私たちは、生きていくためにやらなければならないこと、それは最小限にとどめなければならんけれども、そういうことは許されなければならないということを、皆さんがお考えになっておられるのであるというふうに思います。順序は逆になりますかわかりませんが、例えば慎重な態度を要するという環境影響評価会議について申し上げましたが、これは私の諮問機関であって、私自身ではないから、こう申し上げている。私自身が環境影響評価会議の一員であったら、私は否やを言うことができますが、私の諮問機関であっても、その審議を行ってくださる先生方は、私とは別人であります。その中で、皆さんがどうお考えになるかということもありますが、今のところプライバシーの問題、あるいはまた会社のプライバシーの問題、会社というのはゴルフ会社でないですよ。いろいろ農薬の問題等がたくさん出てくるそういう過程の中で、相手会社のプライバシーの問題、あるいはまたその地区民に対するプライバシーの問題、そういう問題が私はその会議の中にまさに山積するがごとくたくさん出てくるというように私は思います。そういうものが全部公開されたら、私はその会議自身が運営できなくなるような当然おそれすら生じてくる。もしそれがおれのうちの土地のことが言われているとか、あるいはおれのうちの会社の薬について何か言われているとか、それは誤解であるとか、正解であるとか、そんなことの一々私が他に漏れたとしたら、私は大変な真っすぐ正しい論議が行われないおそれがあると。そんなことは公開しない方が都合いいとか、都合悪いとかということでは何にもないんです。正しい論議がそこで行われるための場を私たちは提供してやらなければならない。土俵を私たちがつくってあげなければならない。そこではだれにも拘束されない。本当に正しい科学的な見地から、十分意見の発露ができるような土俵を私たちがつくってやらなければならないという意味で、私は公開は当然慎重であるべきだと。これは、私は何も環境影響評価会議のみに限ったものではないと。今後とも私はこのような性格のものであるなら、当然このような配慮というものが私たちになければならないと私は思います。 それから、代議政治、これは私は当然市民の今私たちが議する中で代議政治というものが行われている。だから、あなたも議員の一人ですから、どうかひとつみずからの権限を最高度に発揮するために一生懸命に勉強して、そして市民の負託にこたえるような、そういう努力をしなければいけないということであります。その都度その都度市民に聞いているなんていうことは、現実的に私はできやしないこと。ですから、十分その負託にこたえる人であるかどうかを、4年目ごとに審判をいただきながら、いわゆる代議政治というものが行われているということであります。 もう時間がないそうですから、以上で、漏れ落ちもあるようですが、やめさせていただきます。 ○議長(松永芳男君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 6番、関原忠良君。         〔関 原 忠 良 君 登 壇〕 ◆6番(関原忠良君) 私は、さきに通告いたしました2点について御質問をいたします。 第1点目の職員の研修についてであります。私が申すまでもなく、私たちを取り巻く環境は、その日の世界の出来事が情報として入手でき、好むと好まざるとにかかわらず、世界の動きに注視せざるを得ません。このような状況の中で、市民の要求する行政に対するニーズに、すぐに対応できる人材の育成が必要であることは、皆様御承知のとおりであります。マスコミ等で御案内のとおり、世界は共産圏における経済的行き詰まりの中で政治改革が進み、自由経済体制へと変化しています。世界の経済大国である日本への経済的支援、人材派遣のラブコールは日に日に強くなる一方であります。このような国際情勢の中で、私たちの住むこの上越市の位置を総合的に判断してみますと、平成7年の北越北線の開業、同じく平成8年の上信越自動車道の開通、その後に来る北陸新幹線が実現した暁には、この上越地域はソ連、そしてヨーロッパへの最短距離に位置する日本の玄関口となり得ます。環日本海時代と言われる今日、関東圏、そして関西圏、さらに中部圏への中間に当たる我が上越市直江津港は、新潟東港と比較しても対岸国との貿易に当たり、コンテナ船等の定期航路を開設するに絶好の位置にあると思うのは、私ばかりではないと思います。 国際港である直江津港の名称に関連いたしまして、若干お聞きしたいと思います。かねて上越市の市名変更について話題となりました。市長さんより、十分に検討し、論議を尽くしたいというたしか御答弁があったかと思います。直江津港の呼称の問題も含めまして、市長さんどう思うか、また教えていただければ幸いと思っております。 上越地域の将来計画を立案し、実行できる立場にある植木市長さんが、去る9月17日リージョンプラザ上越において、外務省外務審議官、小和田恒氏を講師に招き、国際シンポジウムを開催されたことは御案内のとおりであります。このことは、その後マスコミ等の報道において高く評価されているところであります。このような国際化の状況の中で、市役所において一番の肝要なことは、それに対応できる人材の育成だということは、私が申すまでもありません。上越市の将来を託す市の職員の国際感覚、語学力を養う意味からも、職員の研修として海外研修を考慮する時期かと思いますが、いかがでしょうか。 第2点目といたしまして、市街化区域、市街化調整区域の下水道の整備についてお尋ねします。まず、市街化区域、すなわち下水道の基本計画区域における整備についてお尋ねします。現在市は下水道認可区域の整備に全力を尽くしていることは御承知のとおりであります。公共下水道の基本計画区域の中で、新たな開発、すなわち土地区画整理事業、民間のデベロッパーによる宅地開発が実施されるに当たり、公共下水道の整備については、市の基本計画に沿って事業認可を受けた地区より整備をする方針であります。新たな開発区域については、手戻りになることがわかりつつ、公共下水道工事は施行していません。私も市職員時代に都市計画課において土地区画整理に携わりました。その中で、公共下水道本管に接続できない公共下水道工事を先行投資しても、その工事の経済の投資効果はなく、むだな投資であり、そのため道路舗装工事の掘削に伴う手戻り工事等があってもやむを得ないと考えておりました。井の中の蛙大海を知らずのことわざどおり、私も頭から下水道整備は無理だと思っていました。時代のニーズでしょうか。去る9月に水戸市へ調査研究に行ってまいりまして、驚いたわけであります。視察に伺った土地区画整理事業において、公共下水道工事を実施しているのであります。お聞きするに、今の公共下水道計画では、事業実施が何年先、何十年先になるか見当がつかないので、独自の処理場をつくり、将来は水戸市の公共下水道に接続できるようにしてあるとのことです。私たちの上越市において、今後宅地開発に当たり、十分に検討いたす価値のあることと思います。 また、参考までに、平成2年7月9日付の日本下水道新聞によりますと、建設省は従来の公共下水道の自然流下方式に加え、新下水輸送システムとして、圧力式と真空式の実整備に踏み切り、今年度各方式を1ヵ所ずつモデル下水道事業として採択、既に補助対象範囲も設定済みであると報道しています。また、これらの手法は財政力の弱い市町村、初期投資の抑制、緊急整備への対応など、都市部でも可能性が大であると報道しているところでございます。詳細については、既に担当課で検討されていることと思いますので、割愛いたしますが、今後の開発等で御検討されてはいかがでしょうか。 次に、市街化調整区域、すなわち、農山村地区の下水道計画についてであります。これに関する一般質問は過去何回か質問があり、市長さんより御答弁をいただいているところでありますが、その後の市の計画の進捗状況、また新たな社会状況をもとに、今後の考え方をお尋ねしたいと思います。今全国の農振地域にある集落は約12万と言われております。仮に毎年 1,000集落ずつ下水道整備をいたしても、約 120年かかると言われております。集排事業、ミニ下水道がスタートしてからまだわずか20年弱ですが、農村における生活様式の変化、取り巻く環境に対する関心の高さが、この下水道事業が緊急の課題であることをうかがい知ることができます。私が昭和63年の6月に一般質問いたしました時点で、全国の集落排水事業による下水道の採択数は 582地区でありました。その後昭和63年99地区、平成元年 144地区、そして平成2年には 149地区とその数は全国で 972地区となりました。3ヵ年で 1.7倍となっております。また、さきに参考までに述べました新下水輸送システムも、農林水産省においても農業集落排水事業として、平成2年度に採択する旨過日新聞に報道されております。いろいろの問題が山積されていることは推察できますが、建設財源等についても、さきに市長さんより御答弁をいただいておるわけですが、国庫補助対象範囲、起債制度、非補助部分の融資制度などなど、事業の実施に当たり微に入り細にわたり配慮されていること等を踏まえ、下水道計画について御答弁をお願いいたします。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 初めに、職員の研修についてお答えを申し上げます。 当市の職員研修は、最近における急速な社会情勢の変化と機敏に対応し、的確にして効率的な行政を推進できるよう、職員の資質向上、組織の活性化を図ることを目的としておるのであります。お尋ねの海外研修でありますが、今日我が国の国際化は、政治や経済、教育や文化、そして技術交流など、さまざまな分野に広がるとともに、海外旅行も年々増加するなど、私たちの日常生活は国際関係の上に成り立っていると言っても決して過言ではありません。当市におきましても、姉妹都市リリエンフェルドとの親善交歓や環日本海関係国との経済交流、地場産業の国際間協力や留学生のホームステイ、そして外国人英語指導助手の招致など、国際交流は急速に進んでおるのであります。したがいまして、当市の国際交流を円滑に進めるための方策の一つとして、これに対応できる職員の育成は、まさに必要不可欠であると考えておるものであります。このような観点から、日ソ沿岸市長会議にソビエト連邦へ、新潟県黒竜江省友好提携5周年記念友好の翼に中国へ、さらに本年6月アルペンスキーの考案者、マチアス・ツダルスキー没後50年祭に、上越市親善訪問団の一員としてリリエンフェルド市へそれぞれ職員を派遣してまいりました。また、昭和63年度新潟県青年リーダー養成海外研修事業として、アメリカ、カナダへ、さらに本年9月健康体力づくり事業財団主催の健康づくり指導者研修にヨーロッパ4ヵ国へ、それぞれ職員が自主参加する便宜を図るなど、海外研修に意を用いてきたところであります。国際化、情報化、高齢化社会が成熟する21世紀に向けて、私は創造的な政策の形成や行政需要と積極的に対応できる組織づくり、人づくりを進めるため、今後とも各種団体、関係機関との連携を密にして、職員に海外派遣の機会を与え、職員研修の充実に努めてまいりたいと考えております。 さらにまた、直江津港の問題と関連して、上越市の名前についての御質問がありました。直江津港は、当然今後とも直江津港としてその名前が画然としておるというふうに思いますが、上越市の名前については、誤解があるといけませんので、あえて繰り返し申し上げますが、名前を変えたいなどと思っているわけではありません。名前を変えるかどうかについて、市民の間に論議をしてほしいということを申し上げておるわけであります。先般東京で上越出身経済人会議がございました。50名近くの皆さん方が参加されたとき、その中でも上越市の名前を変えたらどうかという御意見がございました。二、三人おいでになりました。懇親会の席上、私は各個に皆さん方の意向打診を行いましたところ、極めて多くの方がもしでき得るなら名前を変えるということも、この際20周年のこの契機に考えたらどうかというお話が、かなりの多くの方からおっしゃられたわけであります。私は、20年間使いなれた上越市の名前に愛着を持っていらっしゃるという世論も承知をいたしておりますが、最近また変えたらどうかという御意見もかなり多くなっておられるようであります。ですから、私はもっともっと市民の中で論議をされてしかるべきではないかと、こう思います。 その席上いろいろ出た中で、笑い話でお聞きくださってもよろしいんですが、中には天と地をとって天地市がどうだという御意見もありました。しかし、私が聞く範囲で一番多かったのは、直江津高田市がいいのではないか。これは、何もどちらが上であるとかないとかということではなしに、濁音が下にくるのはおさまりがいいという考え方であります。濁音が下にくるとおさまりがいいということは言われておるとおりであります。しかし、直江津高田市の場合、長過ぎるという御意見が当然ありますが、これは略称直高市でもいいのではないか。これは、私は実はこの意見にはかなり耳を傾けました。というのは、今やまさに略称時代であります。私たちは東日本、そのあとわからない。しかし、JR東日本ということだけはわかります。東日本旅客鉄道株式会社というのかなと、こう振り返って考えてみないと意味がわからない。私は、そういう意味で、ここで申し上げることが適当であるかどうかわかりませんが、今度東北電気工事株式会社が名前を変えてイワテックという名前にされました。私はこれを聞いて、東北電気工事株式会社というのは、東北電力の姉妹会社であるということが今までむしろ生命であったのではないか。東北電気工事株式会社といえば、すぐ東北電力の姉妹会社であると連想できるところが、この会社の持ち味であったのではないかと考えていたにもかかわらず、今度その名を一てきして、あえてイワテックという名前に変えられたというのは、私は大変な英断ではないかと、こう思っております。ですから、例えば東洋レーヨン株式会社が東レ株式会社、帝国人造絹糸株式会社が帝人株式会社などという名称に変えられておるわけでありますから、私は直江津高田市という正式な名称で、略称を直高にするという御意見もなかなかおもしろい意見だなと、こう思っておったわけであります。しかし、私がその名前にしたいなどと思っているわけではありません。また、どうしても名前を変えなければならないなどと思っているわけでもありません。しかし、この機会にそのことをも含めて大いに論議されることが大事ではないか。少なくとも上越出身の経済人の会議で、ほとんど大多数の方々が上越市をもし変えられるとするなら、変えることは望ましいという意見もありましたことを土台にして、私が今ここで申し上げさせていただいたわけであります。 次に、市街化区域及び市街化調整区域における下水道計画についてでありますが、公共下水道事業を国の補助を導入して実施しようとする場合は、おおむね20年先の市街化の動向などを的確に把握し、総合的な見地から全体計画区域を定めて、基本計画を策定しなければならないことは御承知のとおりであります。現在実施しております当市の公共下水道基本計画につきましても、この方針に基づき昭和54年に将来市街地として予想される地域をも含め、計画排水区域として 3,292ヘクタールを対象に、基本計画を策定したところでありますが、このうち第1期整備計画として、人口密度の最も高い市街地を重点に 390ヘクタールの事業認可を得て、その整備に鋭意努力をしていることも御案内のとおりであります。 そこでお尋ねは、まず市街化区域にありながらまだ認可区域となっていない、例えば土地区画整理事業等開発行為がなされた地域において、中間的処理場を建設することができないかとのことでございますが、それには膨大な費用がかかる上、忌避施設であるため、用地の確保など多くの問題の解決が必要であり、関係者の理解を得るには極めて難しい実情にもあることは御理解いただけると存じます。しかしながら、下水道は住宅環境には欠かせない施設でありますので、今後とも公共下水道との整合性を十分考慮しながら、行政指導をしてまいりたいと考えておるものであります。 一方、市街化調整区域における下水道整備についてでありますが、近年生活水準の向上と農業用水などの公共用水域の水質保全の立場から、下水道の整備促進が求められていることは私も承知いたしております。現在農村地域の下水道対策事業として、建設省では特定環境保全下水道事業が、また農林省では農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業及び農業集落排水事業が、さらに厚生省でも地域し尿処理施設整備事業などがメニュー化されており、市でもこれらの事業について種々検討を重ねてきたところであります。しかしながら、このいずれも多額な建設費が見込まれ、したがって受益者負担金もかなり高額な出費が必要であると同時に、維持管理費にも多額の費用が必要とされ、また管理体制や放流先など、極めて数多くの課題を抱えていることから、せっかくの御提言ではありますが、現段階においては早期の計画策定は大変難しい状況にあると申し上げざるを得ないのであります。しかしながら、農村地域の生活環境の改善と公共用水域の水質保全は、市政の重要な課題でありますので、今後とも研究を重ね、地域の生活環境基盤の整備向上に最大限の努力をしてまいる所存でございます。 以上御答弁を申し上げました。 ○議長(松永芳男君) これにて一般質問を終結いたします。                    〇 △日程第3 議案第82号より第89号 ○議長(松永芳男君) 日程第3、議案第82号より第89号を一括議題といたします。 提出者の説明を求めます。 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 本日追加提案いたしました案件につきまして御説明申し上げます。 今回御提案いたしました案件は、いずれも国家公務員の給与改定に準じて実施する職員の給与改定及び共済組合負担金率の改定などによるものであります。 議案第82号は、平成2年度上越市一般会計補正予算であります。歳入歳出予算総額に56万円を追加し、予算規模を 376億 2,294万円といたしました。一般会計では、給与改定費を計上したほか、欠員が生じた議員2名分の報酬及び職員の退職等に伴う不用額の整理を行うものでありますが、財源に繰入金及び諸収入を充当し、差し引き不足額1億 9,662万円は、予備費を減額して収支の均衡を図りました。 議案第83号は、平成2年度上越市下水道事業特別会計補正予算であります。歳入歳出予算総額に 225万円を追加し、予算規模を26億 7,084万円といたしましたが、財源には一般会計繰入金を計上いたしました。 議案第84号は、平成2年度上越市ガス事業会計補正予算であります。企業職員の給与改定等と合わせて計数整理を行うもので、収益的支出で 109万円、資本的支出では72万円をそれぞれ追加するものであります。 議案第85号は、平成2年度上越市水道事業会計補正予算であります。ガス事業会計同様、給与改定等と合わせて計数整理を行うもので、収益的収入で一般会計からの繰入金を、収益的支出で 1,194万円、資本的支出では97万円をそれぞれ追加するものであります。 議案第86号は、一般職の職員の給与に関する条例の一部改正についてであります。国家公務員に係る一般職の職員の給与等に関する法律の一部改正に準じ、期末、勤勉手当の役職段階別加算規定の新設を含む一般職の職員の給与を改定するものであります。 議案第87号、第88号及び第89号は議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例などの一部改正についてであります。議員、特別職及び教育長の期末手当について、一般職の職員の期末手当と同様に加算規定を新設するものであります。 以上提案理由を申し上げましたが、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。 ○議長(松永芳男君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。         〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松永芳男君) 質疑はないものと認めます。 ただいま議題となっております案件のうち議案第82号及び86号より89号は総務常任委員会に、第83号より第85号は建設企業常任委員会にそれぞれ付託いたします。 お諮りいたします。 一般質問が終了いたしましたので、明日の会議は開かないことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松永芳男君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。                               午後4時50分 散会...