○議長(関正史君)
長岡版総合戦略について、任期満了に伴う森市長の決意について、
小熊正志議員。
〔
小熊正志君登壇〕
◆
小熊正志君 市民クラブの小熊正志でございます。通告に従いまして、
長岡版総合戦略についてと、任期満了に伴う森市長の決意について、一括方式で質問をいたします。
最初に、
長岡版総合戦略について質問をいたします。
まず、
次期総合計画との関係性についてお尋ねをいたします。昨年12月定例会の
市民クラブ、
松井一男議員の一般質問において同様の質問があり、「人口減少問題への対応という点で両計画は相互に深くかかわるものであり、十分調整を図りながら検討を進める。」という答弁がありました。その時点では、まち・ひと・し
ごと創生法に基づく
地方版総合戦略の策定については、国のほうから明確に示されていない部分も多々あって、長岡市としても調整を図りながら検討を進めるという言い方になったものと考えております。ことしの1月14日には、
石破地方創生担当大臣から全国の首長、議長宛てに、総合戦略の策定や
地方創生への積極的な取り組みが求められました。長岡市では、4月23日に
長岡版総合戦略の策定に向けた骨子案が発表され、この8月までに策定を目指すことが示されたところであります。一方、総合計画は、
地方自治法の改正により法的な策定義務は廃止されたわけですが、従来から総合的かつ計画的な行政運営を図るための基本構想として、市町村における最上位の計画を持つものであり、長岡市では
次期総合計画の策定に向けた検討が進められております。
そこで、
長岡版総合戦略と
次期総合計画との関係性について、
次期総合計画の策定前に
長岡版総合戦略が策定されることになりますので、
次期総合計画との調整の観点から、理事者の見解を求めたいと思います。
次に、総合戦略の骨子案と具体的な施策についてお尋ねをいたします。発表された骨子案では、「志を未来に活かす、ながおか」という理念が掲げられ、若者が
キーワードとなっております。例示された
リーディングプロジェクトも若者への支援策をイメージするものであります。骨子案ということで、読み取れない部分、少し不安を感じる部分があっても仕方のないことと思いますが、骨子案の若者に着目する視点だけでは不十分感があります。実経済の視点、教育の視点、
地域コミュニティの視点など多様性を起爆力とする生態系的な総合性、戦略性が示されておりません。
そこで、具体的な施策について提言を申し上げ、見解を賜りたいと思います。
地方創生の鍵は、農林業の
成長産業化、地元企業の海外展開、
地域資源循環システムの再構築等により成長する活力を取り戻すこと、及び幸せを実感できる
まちづくりにあると考えます。
キーワードは21世紀の米百俵、すなわち世界を相手に生きていける人づくり、
企業づくりだと思います。以下、この3つの視点から考えを述べたいと思います。
まず、21世紀の米百俵、世界を相手に生きていける
企業づくり、すなわち地域経済の活性化の視点から入りたいと思います。最初に、
長岡デザイン協会(仮称)の提案でございます。企業誘致はもちろん大事だけれども、基本的には自力でさまざまな仕掛けを行い、地元企業が成長する環境をつくることが重要と考えます。長岡には技術革新を重ねる多種多様な
中小企業群があり、地域協業による
内発的発展の素地があります。また、新たな市場を生み出す可能性を秘めた質の高い農林漁業もあります。しかしながら、現実はとても厳しく、低迷を脱し切れない原因の1つに
ブランド戦略の欠如があると思います。私自身、ブランドとは同業他社と競争しない
土俵づくりであり、ブランドの目的は価格を高めること、ブランドの目標は主体的な
価値づくりに参加する人の輪を広げていくことと考えております。ブランドこそが地域再生の鍵であり、
長岡版地方創生に何よりも求められていると思います。そこで、
長岡デザイン協会(仮称)を設立し、地域協業により経済と生活美にかかわる新たな地域価値を創造することを提案いたします。具体的には、
ブランドマーケティングの専門家、インキュベーションマネジャー、
地域連携コーディネーターの方々より、アドバイザーではなく、伴走するサポーターとして参画をいただき、新たな仕事を生み出すことを目指すものであります。こうした専門家を巻き込んだ
ブランド戦略は、農林漁業を健康産業や
エネルギー産業に向けて
成長産業化する
プロジェクトにも必要不可欠のものと考えます。
次は、県内外の市町村、地域との連携についてでございます。与板には直江兼続の資料館があります。来館者のピークは天地人が放映された年の11万人、ここ数年は年間4,000人前後で推移をしております。すばらしい資源を生かし切れていません。そこで、文科省が平成26年度の新規事業として始めた日本遺産の視点から、ソフト面でのリニューアルを提案したいと思います。与板単独では発信力、誘客力は弱いけれども、坂戸城のある魚沼、そして山形県米沢と連携することで新たな物語が生まれ、兼続の未来形をデザインすることができると思います。栃尾は、繊維産業は衰退し、厳しいとの声が聞こえてまいります。この状況を切り返し、未来を切り開く鍵の1つは、十日町、小千谷、塩沢など多様な県内産地と連携し、
学習指導要領の改訂で2012年度から必修化された
和装教育等を通して着物文化を身につけ、世界に発信する
仕掛けづくりです。いま1つは、非衣料分野への進出であり、それを後押しすべく県内の
繊維クラスターや
長岡デザイン協会等が
オール長岡、
オール新潟で連携することが求められていると思います。
次は、空き家、空き校舎の生かし方についてでございます。市内の中心部を歩くと空き家が目につきます。合併地区では空き家に加え空き校舎もふえる中で、里山の暮らし、日本の足跡が消えようとしております。空き家、空き校舎は、
中心市街地の空洞化や中山間地の過疎化を食いとめ、文化成長を促し、地域創生に資する重要な社会資源と考えております。これをリフォームして長寿命化を図るとともに、そこにかかわる人というソフトを変えていくことで、地域経済の活性化を図り、地域文化の厚みを未来につなぐという考え方です。
具体的には、宿泊施設、教育・福祉施設、
シェアハウス、芸術家の工房、あるいは
歴史文化資料館、これは消え行く地域の暮らしや文化的な資料を収集し、
解体費用相当分を地元住民による管理の費用に充てるという一市民からの提案でございます。そのほか起業家村、
空き校舎アートキャンプ、
長岡版トリエンナーレ等々が考えられると思います。
次は、地元企業の
海外展開支援と
外資系企業の
市内進出支援についてでございます。市内企業が、JICA、ODAと
組み海外展開をする動きがあります。
ワキヤ技研、大原鉄工所、
イートラスト各社の、インドネシア、フィリピン、バングラデシュでの展開がそれです。長岡には途上国のニーズに対応できる技術、システム、商品がありますので、このモデルのさらなる強化、推進が重要と考えます。地元企業の海外進出に際しては、銀行等との協定による資金調達や、
リスクマネジメント面での対応強化は当然でございます。他方、海外に拠点のある
人材サービス会社等との協定により、外資系の企業の市内進出の流れをつくるのも重要な戦略項目と言えると思います。双方向の支援体制は、
長岡版地方創生に欠かせないものであり、強力に推進する庁内体制が必要と考えます。
次は、
オープンデータについてでございます。これは、長岡市の
行政データを機械で処理できる
データ形式で公開するものでございます。公開されたデータをもとに、事業者等がアプリをつくる。具体的には、ごみ情報、バスの位置情報、観光情報、
公衆トイレ、消火栓、災害時の避難所やAEDをナビするアプリ等々が想定をされます。ローカルな自治体のデータを使って身の回りの生活を変えていくきっかけになりますし、予算もかかりません。道路、水道、電気等のインフラがあるところに産業が生まれるように、
行政データというインフラが整備されればそこから新しい産業が生まれます。
次は、火焔土器を
東京オリンピックの聖火台に、についてでございます。文化には、
メイン文化とサブ文化とがございます。
メイン文化は内面を掘り下げる文化であり、世界に通用する質が問われます。「縄文は爆発だ」この岡本太郎さんの言葉とともに、4,500年の時空を超えて人々の心を打つ日本の
至宝火焔土器は、世界に通用する質を体現しており、
東京オリンピックの聖火台に最もふさわしいと思います。官民挙げての運動はもちろんですが、大英博物館、
セインズベリー日本藝術研究所との関係性を深めることも、目的達成には欠かせない環境要件であると思います。
セインズベリー日本藝術研究所、これはイギリスにあって日本文化を研究し、
イギリス国内はもとよりヨーロッパにも広く発信している組織であり、大英博物館における
火焔土器展示にも深くかかわっていただいております。この
セインズベリー日本藝術研究所との連携協定は、企業の海外進出をスムーズにする
土壌づくりの面での重要性はもちろんでございますが、火焔土器を聖火台に採用していただくための環境整備の面からもとても重要と考えております。
次に、地域資源を生かし切る観点からの提案でございます。まずは
長岡地産地消
エネルギーパークです。長岡には豊かな森林資源があります。この資源を産業連携によって、
木質ペレット、
バイオコークス、あるいは間伐材を利用した
集成材CLT、炭ボードといった形で製品化し、中山間地に活力を取り戻すことは、
長岡版地方創生にとって大きな課題です。21世紀は資源、環境の持続性が求められる世紀であり、資源と環境が戦略物資となります。長岡市は農山村を世界発の3つの危機、すなわち食料、燃料、温暖化、この3つの危機に立ち向かう戦略地域と位置づけ、効率性、安さ一辺倒の経済から一歩抜け出して、
地方創生を見据えた新しい総合的な
経済システムの観点に立って、中山間地の自立と再生に向け出口論を含め戦略的かつ本格的にかかわるべきと考えます。
次は、
地中熱利用推進プロジェクトについてでございます。地中熱は、天候にも時間帯にも左右されず、いつでも利用できる
自然エネルギーです。1年を通して温度が一定であるため、冬暖かく、夏には冷たく感じます。この温度差を効率的に利用して冷暖房、融雪、
温水プール、農業などで利用する動きが進んでおります。近年電力需給の逼迫もあり節電、省エネ、
CO2削減の切り札となる持続可能な
自然エネルギーとしての期待も高まっており、補助金による導入促進や、国交省の
ガイドライン策定、自治体によっては仕様書の中に組み入れるなどの動きもあり、学校など公共施設、民間住宅への導入も進んでおります。また、既存の井戸を活用して植物体近くを冷却、加温する
農業用地熱利用システムもあり、初期投資、
ランニングコストの面からも農業の新たな可能性を開くとの期待も高まっております。
次に、大
河津分水改修事業、
北スマートインター整備事業の切り口から、
長岡版総合戦略を考えてみたいと思います。いよいよ大
河津分水改修事業が動き出しました。
長岡市議会も
特別委員会を設置し、早期実現に向けて努力しております。この改修により水害に対する
信濃川中流域の安全・安心は格段に高まります。そして、この工事から1,000万立米とも言われる大量の土砂が出ます。この土砂を成長を生み出すインフラに投資し、長岡にしかない
地方創生の強力な
推進エンジンをつくるべきと考えます。
北スマートインター整備事業も始まりました。28年度供用開始、29年度には長岡造形大学へのアクセスも完了する予定です。
北スマートインターは、資本の流れの結節点でございます。この機能を最大限に生かして
地方創生につなげるには、
展示会産業、道の駅、あるいはお米・お酒博物館等々の視点も重要と考えます。
続いて、21世紀の米百俵、世界を相手に生きていける人づくり、すなわち教育の視点から入りたいと思います。最初に、
放課後改革プロジェクトの提案でございます。国家の真の富、財産は人的資源の質です。人口と経済は連動しており、少ない人口で経済を成長させるためには教育投資、すなわち人と知恵への投資によるイノベーションが不可欠であると考えます。教育による人材育成、人的資源の質を高めることは、
地方創生においても極めて重要であり、
地方創生は人材に尽きると言っても過言ではありません。とりわけ幼少期からの育児、教育はとても重要であります。また、貧困による教育格差は危機的な状況であり、
地方創生を考える上でも看過できない水準となっております。
文科省は、平成25年度に家庭状況と学力の関係を全国規模で初めて調査をいたしました。その中で驚きの事実が浮かび上がりました。それは、最も低い
経済力ゾーンにあって3時間以上勉強する子どもの平均点が、最も高い
経済力ゾーンにあって全く勉強しない
子どもたちの平均点を下回っているというものでした。家庭の状況によって、社会に出ていくスタートラインが平等でないという事実は、とても衝撃でした。競争以前に格差があっては、自由な競争社会は成り立ちません。低学力のまま置いていかれると、ニートやホームレスになってしまうなど、社会から排除されるおそれが高まってしまいます。そうした不幸を食いとめるためにも、学力保証は必要だと思います。
ことしの高校入試は、2日間かけて行われ、2日目は応用力が問われる問題が出されました。応用力、
学力アップは
小学校時代からの一歩一歩の積み重ねがとても大切であることは言うまでもありません。そして、子どもの貧困、教育格差の解消、
運転免許証感覚の英語力も求められていると思います。
そこで、放課後キッズクラブを開設し、授業を終えてコミセンに集まる
子どもたち向けに、宿題タイム、英語少年団──これはスポーツ少年団の英語版でありますが、こうした英語少年団あるいはお遊びタイム、町の先生によるおはなし講座等を用意し、誰もが自由に参加でき、学力と生きる力を高める取り組みが必要と考えます。また、家庭教育支援チームの創設、運用が、
子どもたちの学力を保証し、人的資源の質を担保するためにも欠かせないこともあわせて付言しておきたいと思います。
次に、質の高い幼児教育プログラムについてでございます。幼児教育の効果に関する代表的な研究成果として、ペリー就学前計画がよく知られております。この計画は、1960年代のアメリカミシガン州において、質の高い幼児教育プログラムに参加したグループと、参加しなかったグループを対象に、その後長期にわたり追跡調査を実施しているというものでございます。質の高い幼児教育プログラムへの参加は、その後の学校でのよい成績、より高い収入につながっているとの結果が出ています。OECDでも、こうした研究成果を背景に、幼児教育の重要性に関する提言がなされております。日本でも同様な動きがあることを踏まえつつ、質の高い幼児教育プログラムのデザイン及び支援体制が求められていると思います。
続いて、21世紀の米百俵、世界を相手に生きていける地域づくり、すなわち
地域コミュニティの視点から入りたいと思います。都市内分権による新しい役場、コミュニティの形についての提案でございます。合併から10年が経過しました。合併してよかったねと言っていただける
まちづくり、各地域の特性を生かし、地域に愛着を持つ市民を巻き込んだ
長岡版地方創生、成長する活力を取り戻す仕組みづくりが求められていると思います。ポイントは都市内分権、すなわち地域住民が身近な課題の解決や魅力づくりに力を発揮するための仕組みづくりとしてのコミュニティ分権、これとこのコミュニティ分権によって生まれてくる市民の取り組みに迅速かつ的確に対応する行政内部の取り組みとしての行政内分権、この2つが確立され、あわせて財源がきちんと担保された新しい役場コミュニティの形づくりでございます。この新しい役場コミュニティの形は、市役所の窓口機能としての公助、地区連合体としての地域住民の親睦、交流を図る自助、自助、公助ではうまくいかない部分を担う共助が同居し、3者の協議によって地域運営をする官民連携、協働による新しいシステムであり、
地方創生を推進するにふさわしい組織形態であると思います。
以上、るる提案を申し上げましたが、発表された骨子案を
長岡版総合戦略の特徴としながら、今後の策定計画では今ほど申し上げたような具体的な施策も網羅すべきと考えます。見解をお聞かせ願いたいと思います。
次に、市民理解を得るための取り組みについてお尋ねをいたします。
地方版総合戦略の特徴の1つとして、結果重視が強く求められていることが挙げられると思います。つまり
長岡版総合戦略の策定においては、方向性や目標、さらにはそれを達成するための具体的な施策について、今まで以上に市民、関係者からの意見や提案を反映し、理解を深めることが大切であり、そのことが結果にもつながるものと考えます。また、私ども議会との十分な意見交換も必要と考えます。以上の観点から、今後の策定までの期間が短い中でどのような工夫や具体的な方策をもって市民理解を得るのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。
次に、任期満了に伴う森市長の決意についてお尋ねをいたします。森市政の4期16年は、財政再建に始まり、3度の合併をなし遂げるとともに、平成16年度に発生した7・13水害、10・23中越大震災を乗り越え復興を果たしてきました。平成24年には、長岡市の新たな顔となるアオーレ長岡がオープンしました。また、地域に小まめに足を運び、市民の声に耳を傾け、市民の日常生活面での要望にもきめ細かく応えるなど、政策実現のために渾身の努力を傾注されてこられました。先日の市長会総会では、
地方創生をしっかりと仕上げる重要な時期であることから、経験豊富な森市長が4選されました。市長は、現場で市民の気持ちを肌で感じることのできる基礎自治体が発言力を増すことが、日本を救うことになると、自治体が団結して国に提言をしていこうと訴えておられました。長岡市にとっても、
地方創生が動き始めた大切な年であります。
地方創生の未来形は足元にあります。市民各層の志と知恵と思いに心して向き合い、これを最大限に生かした
長岡版総合戦略、総合計画を策定し、全国のモデルとなる事業をデザインし、スピード感を持って実施することが求められていると思います。そのために、11月の任期満了、改選を控えた森市長が、さらなる市政運営についてどのように考えておられるのか、その決意のほどをお伺いしたいと思います。
○議長(関正史君) 森市長。
〔
市長森民夫君登壇〕
◎市長(森民夫君) ただいま小熊議員から、
地方創生に関して御質問をいただきました。本年はまさしく
地方創生元年であると思います。全国の市町村が、それぞれの地域の特色を生かして、また独自の現場に密着した知恵を絞って、人口減少問題に取り組む、これが
地方創生でございますが、ある面から見ますと、これは都市間競争という側面も有しているわけでございます。
長岡市の
地方創生を考えた場合に、なかなか簡単な課題ではない、このように認識をしております。一方で、東京への一極集中に対応していく必要はございます。また同時に、新潟県内においては、新潟市のひとり勝ちにならないように、中越地域のかなめとして他の都市と連携をして責任を果たしていく必要はございます。そういう意味では、長岡らしい強力な政策を講じていく必要があるというふうに考えております。守門岳から日本海まで、広大でかつ多様な地域を抱える長岡市の
地方創生というのは、今まさに待ったなしの厳しい状況にあるというふうに認識しているところでございます。
長岡市がこの状況をしっかりとプラスに変えつつ、中越地域の中枢都市としての使命を遺憾なく発揮していくためには、何よりも長岡独自の
地方創生を追求していく必要があるというふうに考えております。合併により多様化いたしました地域資源を最大限にまず生かす。同時に、戦争や幾多の災害を乗り越えてきた不屈の精神に代表される市民の志、とりわけ将来の長岡を支える
子どもたちや若者の意欲あるいは志を大切にしていく必要があると考えております。そういう意味で、この
地方創生にしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
長岡市民の
ふるさと長岡に対する誇りと愛着、これを原動力として、長岡市のブランド力を高めて全国あるいは世界に発信をしていく、そしてそのことによって人、物、情報これらが集まってくる、そうした政策を強力に推進していく必要があると考えております。
ただいま小熊議員からは、
地方創生に関する数々の御提案をいただきました。議員の皆様をはじめ市民の皆様からのこのような御提案を真摯に受けとめながら、
長岡版総合戦略を策定していく必要がございます。その中で、次の4年間に向けた具体的な政策を練り上げていく必要があると考えている次第でございます。
振り返りますと、私は市民とともに歩むガラス張りの市政を旗印に当選させていただきました。以来市民力あるいは地域力という2つのパワーを常に念頭に置いて、市民の皆様の知恵と力を最大限に生かしながら、市民協働の
まちづくりを進めてまいりました。その成果として、中越地震をはじめとする災害からの復興、アオーレ長岡、あるいは子育ての駅、地域の宝物を大切にする合併など、市民の皆さんとともに歩んでまいりました数多くの政策が今花開いているというふうに自負しているところでございます。
このようなこれまでのこの歩みというのは、先ほど申し上げました今まさに問われている
地方創生を先取りした歩みではなかったかというふうに考えます。その意味で、次の任期の4年間が長岡の未来を決める勝負の期間であります。私は、これまで培ってきた実績を基本に据えまして、これらの政策をさらにパワーアップすることによって、長岡市の
地方創生を軌道に乗せたい、このように考えております。そして、初心に返って長岡市民のふるさとに対する愛着と誇りを基本にした長岡ならではの
地方創生を実現して、全国のモデルとして発信したいという強い意欲に燃えております。これまで市民の皆様及び議員各位に支えられまして数々の困難を克服してまいりました。これまで支えていただいた市民の皆さんと議員各位に対し、心から感謝する気持ちをさらなるエネルギーに変えまして、長岡の未来を決める勝負の期間、市長として全力を尽くしたい、この確固たる決意のもとで本日ここに立候補の表明をさせていただきます。議員各位の御理解、御協力を心からお願い申し上げまして、私の答弁とさせていただきます。
なお、残りの答弁につきましては、副市長からお答えさせていただきます。御質問どうもありがとうございました。
○議長(関正史君) 磯田副市長。
〔副市長磯田達伸君登壇〕
◎副市長(磯田達伸君) 私からは、
長岡版総合戦略についての御質問にお答え申し上げます。
長岡版総合戦略は、人口減少問題への対応が大きな切り口となっておりますが、総合計画と同様に長岡の
まちづくりの方向性を市民の皆さんとしっかりと共有することが極めて大切であると考えております。
次期総合計画につきましては、昨年の12月に長岡市総合計画策定委員会を設置いたしまして、未来を担う青少年や
子どもたちが明るい希望をきちんと持てるような目標を示すなど、これまでと一味違うものにしたいという視点で議論をお願いしております。また、この委員会では、総合戦略に関する事項も御議論いただいております。まずは総合戦略をしっかりまとめ上げ、その内容を基本に十分調整を図りながら上位計画である
次期総合計画の策定を進めていきたいと考えております。
次に、総合戦略の骨子案と具体的な施策についての御質問でありますが、4月23日に発表いたしました
長岡版総合戦略の骨子案は、総合戦略にかける思いや長岡らしさという視点から、特に大切にすべき
キーワードとして若者を打ち出したものであります。将来の人口減少を考えたときに、今の若者が当事者意識を持って提案し、その提案が実践されていく戦略をつくっていくことが重要であります。そして、その理念や目標を市民全体で共有し、若者を支援していくことが、米百俵の精神を持つ長岡らしさにつながるものと確信しております。計画に盛り込む具体的な施策につきましては、骨子案の
リーディングプロジェクトに例示した若者への直接的な政策とともに、今の現役世代や高齢者に対応する政策ももちろん大切であると認識しております。花火や錦鯉などのブランド化と海外展開、農商工連携による新たな価値を創造する6次産業化、高齢社会に対応する多世代健康づくりなどは、今の現役世代が課題を解決しながら発展させ、若者に引き継いでいくためのものであります。
小熊議員から多くの御提案をいただきました。長岡のブランド力を高めること、火焔土器を海外で展示し日本の文化を広めること、あるいは英語少年団によって小学校からの英語教育を強化することなど、いずれも
子どもたちや若者が世界のどこへ行っても
ふるさと長岡に愛着と誇りを持つことにつながります。また、
地域コミュニティについての御提案もいただきました。長岡市は合併前から
地域コミュニティを推進しておりますが、地域の課題を住民が主体となって解決するコミュニティの運営には、現役世代や高齢者の人たちの力が不可欠であります。これこそが
長岡版総合戦略の骨子案に据えた現役世代が若者の志を応援する
まちづくりのあらわれであります。このような御提案も踏まえ、
長岡版総合戦略の策定では、未来を担う若者を主役としながら、市民全体で共有する理念、目標をしっかりと議論した上で、幅広い分野を網羅する施策体系を検討してまいりたいと考えております。
最後に、市民理解を得るための取り組みについてお答えいたします。今月初め産、学、官、金、労、言──言というのは言論、マスコミのことでございますが、こうしたさまざまな分野から意見を聞くために、長岡市
地方創生推進会議を立ち上げました。今後関係機関の実務者レベルで政策提案を含め徹底的に議論したいと考えております。また、若者の提案や意見を聞く場として、ながおか若者会議という取り組みも始めたところです。最初の会合では、アオーレ長岡よりもっとふだん着で若者が集まることのできる居場所がまちなかに欲しいといった、政策のヒントとなる率直な意見が数多く出ました。このほか地域委員の皆様から御意見を伺ったり、市のホームページを通じて市民の皆さんから御意見を募ったりするなど、さまざまな工夫をしてまいります。また、議員の皆様に対しましては、計画の策定過程で十分に説明させていただくとともに、いただいた御意見を戦略にしっかりと反映してまいりたいと考えております。
以上であります。
────────────────────────
△質問項目
栃尾郷診療所の危機打開と存続について
マイナンバー制度について
○議長(関正史君) 次の質問に移ります。
栃尾郷診療所の危機打開と存続について、
マイナンバー制度について、諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君 日本共産党議員団の諸橋虎雄です。通告に従い、一問一答方式で質問いたします。
初めに、
栃尾郷診療所の危機打開と存続について質問します。新潟県厚生連は5月1日、新潟県厚生連、
栃尾郷診療所、新潟県厚生連労働組合、同栃尾支部の4者懇談において、総会の決定事項として、「老健施設については正式に今年度末に廃止したいと考えている」と表明しました。診療所と附属機能については、「現在医師確保、あるいはまた収支のことも含めて行政なり本部のほうでも真剣に取り組んでいる。そこが解決しないと、どの機能を残す、あるいはどの機能をやめるというところが、1つはっきり言えるのは、医師確保が見込めなかった、あるいはまた、どうしても行政との話し合いがつかなくて支援が難しいということになれば、この事業そのものについても断念せざるを得ない最悪の場合もあるということを話しておきたい。仮に残すに当たっても、長岡との兼ね合いが唯一の方法かなと思っている」と説明。そして、8月前後には目安をつけたいとの考えを示したとのことです。これに対して労働組合は、「地域にとって必要な医療機関であり、機能を残すよう努力していただきたい。老健施設についても、決定であったとしても、残すよう諦めないでほしい」と厚生連に要望したとのことです。
3月定例会の一般質問でも申し上げましたが、合併前の栃尾郷病院は、栃尾地域唯一の公的医療機関として栃尾市から補助金など大きな支援を受けながら市民の命と健康を守ってきました。ところが、長岡市に合併して3年後の平成21年10月、それまでの入院施設120床の病院から、入院施設19床と老人保健施設80床併設の診療所に縮小されました。理由は、医師、看護師の確保の問題からも病院の収支状況は大変厳しく、早急に病院機能見直しをしなければ、厚生連全体の収支に大きく影響が出てくるというものでした。長岡市からの財政支援もお願いしたが、難しい状況にあるというものでした。
しかし、縮小はされましたが、入院施設19床が残され、病院と特別養護老人ホームや在宅との中間的施設で医療も行える老人保健施設が併設されました。そして、赤字状況は続くが収支は改善されるということであり、住民は泣く泣く受け入れました。受け入れたというよりも、受け入れさせられたのであります。この経過からしても、これ以上の機能の縮小、ましてや
栃尾郷診療所がなくなるようなことがあってはなりません。診療所を残してほしいとの地域住民の願いは大変強く切実であります。事態は切迫しており、何としてもこの危機を打開し存続を図っていただきたいとの立場から質問するものであります。
そこでまず、栃尾地域における
栃尾郷診療所の役割について改めてお伺いします。市長は3月定例会で、地域医療を守るのは私の責任だと言われました。その一方で、
栃尾郷診療所の入院施設と老人保健施設を残せという私の主張に対して、それも含めるが長岡市全体でどうカバーしていくかということが私の責任だとの考えを示されました。そこで、栃尾地域における
栃尾郷診療所の役割について私の考えを申し上げ、改めて市の見解をお伺いしたいと思います。
栃尾地域は、人口約2万人、面積約205平方キロと広く、全国有数の豪雪地帯でもあります。その栃尾地域において、
栃尾郷診療所は唯一の入院施設19床と老人保健施設80床を持ち、地域の中心的役割を担っている医療機関であります。そして、今後栃尾地域の地域包括ケアシステム構築にも必要な医療機関でもあります。入院施設や老人保健施設がなくなるようなことになると、県下広しといえども医療行為のできる入院、入所施設がないのは栃尾地域だけになってしまうのではないでしょうか。
国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年度をめどに、重度な要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム構築を自治体に求めています。そして、地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏を単位として想定しています。
長岡市は、地理的条件、人口、交通事情等を総合的に勘案して11圏域を日常生活圏域として設定していますが、その1圏域が栃尾地域になっています。栃尾地域の高齢者人口は、平成26年10月現在7,210人となっており、高齢化率は36.09%と長岡市11の日常生活圏中最も高くなっています。今後在宅医療が一層重視されていきますが、在宅や外来診療だけでは対応し切れない病気の方々が住みなれた近くで利用しやすい入院、入所施設が必要です。こうした施設が近くにないと、治療がおくれて病気をさらに悪化させ、医療費もかさんでいくことにもなります。
栃尾郷診療所は、その入院施設、老健施設を持っており、外来診療も24時間体制の訪問看護も在宅みとりも行い、特別養護老人ホームの協力医療機関でもあります。この診療所が中心的役割を担うことができれば、開業医との連携もより可能になり、必要な地域医療体制が構築されるのではないでしょうか。それを長岡市全体でカバーするといっても容易なことではありませんし、適切な方法でもないと思われます。
栃尾郷診療所の持つ機能を存続させることは、地域住民の命と健康を守ることと同時に、住民が安心、安全に住み続けられるまちを守ることでもあります。廃止するようなことになれば、居住環境の悪化と新たな住民負担を強いることにもなり、過疎を一層促進させていくことにもなります。そして、市長が力を入れておられる
地方創生にも逆行することになります。市は栃尾地域における
栃尾郷診療所の役割についてどのようにお考えかお伺いをいたします。
○議長(関正史君) 水澤
福祉保健部長。
〔
福祉保健部長水澤千秋君登壇〕
◎
福祉保健部長(水澤千秋君)
栃尾郷診療所は、現在入院が1年半にわたって休止をしておりまして、現在のところ内科などの外来患者を中心に診療を行っておりますが、栃尾地域には
栃尾郷診療所のほかにも内科、小児科、整形外科、耳鼻咽喉科など10カ所の診療所と6カ所の歯科診療所がありまして、これらの診療所も大事な地域医療を担っていただいております。その中で、
栃尾郷診療所も日常的な診療を通じて一定の役割を担っていただいているものと考えております。
一方、こうした日常的な医療以外の救命救急医療ですとか休日急患診療につきましては、各生活圏ごとに対応できるものではございません。これについては、長年にわたって市と医師会や基幹病院等が共同して長岡の医療圏全体をカバーする広域医療体制をとっているということでございます。入院機能につきましても同様でございまして、医療圏域内の病院や診療所が連携をして、どの地域の方であっても必要な入院治療が受けられる体制になっているものであります。今後
栃尾郷診療所の役割につきましても、こうした医療体制全体の中で十分検討しながら、栃尾の地域医療をしっかりと守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(関正史君) 諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君 御答弁につきましては、これで納得したというわけにもいきませんが、それなりに
栃尾郷診療所の役割についても御理解しておられるようでありますので、次の質問を行いたいと思います。
次に、
栃尾郷診療所の運営について、医師確保、財政支援など総合的に検討し、早急に打開策を講じていただきたいので、市の考えをお伺いします。現在
栃尾郷診療所は約1億6,000万円の赤字が生じております。最大の理由は医師不足です。病院から診療所に縮小する前は年八、九千万円だと聞いていますので、約2倍の赤字になっています。長岡市は、
栃尾郷診療所に無料送迎バス運行の補助金として、3年前から毎年140万円ほどの助成をしております。このバスの運行は大変好評ですが、赤字の額からすれば焼け石に水であります。長岡市立の小国、山古志、寺泊診療所の赤字額も約1億6,000万円と思いますが、原発交付金5,000万円と、残り約1億1,000万円は一般会計から補っております。新潟県厚生連は、同じような厳しい条件のもとで運営しているのだから、
栃尾郷診療所にも同等の援助をしてもらってもいいのではないかとの考えを強く持っております。また、5月1日の4者懇談で、新潟県厚生連は「国からも言われているように、地域医療そのものが厚生連の云々というのはこれはちょっと違います。行政が第一ですよ。あなた方はそこで十分医師が確保できて、財政的にも問題がないなら、それはやってください。そうじゃなかったら行政にお任せしなさい。そのために厚生連がつぶれたら何にもならないでしょうということをはっきりと言われました。」と話したとのことであります。新潟県厚生連は、
栃尾郷診療所も長岡市の公設診療所として、運営は厚生連でということも望んでいるのではないでしょうか。公設診療所にすれば国から交付税で一定額が交付され、経営的には負担が軽減されます。事態は切迫しています。今後赤字分は長岡市が負担の責任を負うという立場で、来年3月末予定の
栃尾郷診療所の縮小、廃止計画及び老健施設廃止計画の中断を求めていただきたいのであります。そして、医療確保、財政支援など総合的に検討し、打開策を講じていただきたいのです。
栃尾郷診療所の機能の存続が図られるよう、新潟県厚生連と話し、腹を割った協議を早急にしていただきたいと思いますが、市の考えはどうでしょうか。
○議長(関正史君) 水澤
福祉保健部長。
〔
福祉保健部長水澤千秋君登壇〕
◎
福祉保健部長(水澤千秋君) 新潟県厚生連との協議につきましては、この6月の上旬に副市長が厚生連本部を訪問しまして、理事長をはじめとして幹部の職員の皆さんと面談をいたしました。
栃尾郷診療所の存続について、そこで改めて要請をしたところでございます。厚生連からは、医師の偏在が一層深刻になり、特に中山間地の医師確保がほとんど不可能になっているということや、あるいは
栃尾郷診療所の累積赤字が15億円を超えるほど大きな問題になっていることなど、大変厳しい状況について御説明がありました。
しかし同時に、長年栃尾地域の医療を守ってきた医療者として果たすべき責任もあるとのお考えも示されました。市としましては、こうした厚生連の事情を十分理解しながらも、診療所の存続について具体的に協議をしていくことを改めてお願いをいたしました。これに対して厚生連としましても、今後も協議に応じる旨のお答えをいただいております。具体的な協議に際しては、医師確保や累積赤字、さらには施設の老朽化などの問題が複雑にかかわっておりますので、方向性を探るのはなかなか容易なことではございませんが、栃尾地域の実情を踏まえた中で何とか最善の策を見出していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(関正史君) 諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君 問題は医師確保、それから財政、この大きな2つではないかなと考えております。それで、医師確保の問題でありますけれども、医師数が少しずつふえてきているような状況もあります。平成20年から4年間で新潟県の病院従事者数は172人増加しています。また、平成27年度から新潟県の修学資金貸与による新潟大学の新潟県地域枠医学生の卒業が本格的に始まります。この修学資金は、卒業後医師免許を取得して一定の期間新潟県が指定する医療機関等に勤務した場合返還が免除されるものであります。この医師は毎年十数人ずつ増加し、平成36年には170人になると見込まれています。修学資金貸与医師数をどこに派遣するかは、県の地域医療センターがその役割を担っています。そこで、竹島良子元県議が2月県議会で、修学資金貸与医師の配置では地域医療センターが公的医師派遣の機能を発揮すべきと強調。泉田知事は、「へき地医療や救急医療など地域における政策的な医療の多くを担う公的病院など優先的に配置する必要がある。医師の配置に当たっては、医療関係団体や市町村からの意見も十分踏まえ、配置先病院の優先順位などを検討していく」と答弁しています。長岡市の今後の対応と運動いかんで
栃尾郷診療所の新たな医師確保の可能性が生まれてきているのではないでしょうか。ことしは県が市町村などの意見も聞いて地域の医療供給体制の将来のあるべき姿を医療計画において策定することになっています。診療所も対象になります。市長が
栃尾郷診療所の必要性と存続の方針をきちんと県に示し、県に医師派遣を強く求めていただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○議長(関正史君) 磯田副市長。
〔副市長磯田達伸君登壇〕
◎副市長(磯田達伸君) 諸橋議員から医師確保の具体的な御提案をいただいたわけですが、通告の趣旨と若干違うところもありますので、これは私どもこれから真摯に研究してまいりたいというふうに思っておりますが、先ほど来諸橋議員が5月1日の4者懇談というようなことをおっしゃって、その内容を御紹介されております。お聞きの方は何のことかなというふうなことで、ちょっと私そこを説明させていただきたいのですが、これは厚生連とその現場の
栃尾郷診療所の現場、これで2者ですね。あと現場の労働組合と、その上部団体である団体のその計4者で、5月1日懇談したということで、実は私6月11日に厚生連の末武理事長を訪ねて、幹部も相当ずらっと五、六人そろっておられたのですが、その方々と話したとき、この5月1日の4者懇談についても話が出ました。その中で、4者懇談で議論になったことで長岡市に御心配かけているとしたら本当に申しわけなくて、冒頭そういうふうな話があって、何のことかなと思いましたら、要するに雇用の問題でその4者懇談で現に
栃尾郷診療所で働いておられる方の雇用をどのように守ってくれるのかというのが強くその幹部の方々に訴えがあって、非常にそれで現場が心配しているというふうな話があったそうです。それについて理事長は、現に勤務している人たちの雇用については厚生連の責任できっちり対応するので、長岡市さんのほうは心配しないでくださいというような話がありました。要するに解雇ということはあり得ない、一人一人について細やかに相談に乗りながら対応していきたいというふうな話がございました。こうした場で、今先ほどおっしゃられたような地域医療を守る問題についても、地域医療を守るという形で職場を守り、自分たちの雇用を守るというのは当然の権利でありますから、そういう議論になるのは当然でございまして、そういう中で厚生連としては責任がない、責任は長岡市に全部あるというふうな言い方は、したのかもわかりませんが、理事長からはこういう話もございました。厚生連としては、農業者の多い栃尾地域に対しては組織──これは組織というのは新潟県厚生農業協同組合連合会ということで、農業者が会員になっている組織なわけで、そういった組織の立場として責任ある立場にあるということを十分認識しているのだということなので、そういう意味では長岡市さんと協力して栃尾の医療というものを守る方策を考えていきたいというふうに言っておりまして、私もそれについては応じて、これからもしっかり栃尾の医療を守るという立場で話をさせてくださいと私申し上げました。ところが、その後で6月に役員の交代時期で、理事長以下かわられるそうなんです。ですから、これからその日だからそんなに徹底的に詰める議論はできませんでしたので、今後新しい役員体制のもとで地域医療をしっかり守るという観点で厚生連と話し合いを進めていきたいというふうに考えておりますので、医師確保も含めてそういった議論をしていきたいと思っています。
それと、医師確保の先ほどのお話ですが、理事長がおっしゃるには、魚沼の基幹病院ができて、県内の医師が相当またそこに行った。もともと都市部への偏在、日本全国でいえば首都圏への医師の偏在というのが問題なわけですが、県内でも都市部への偏在、そして魚沼基幹病院で新潟大学の出身の医師が相当行って、そういういわば影響というのは県内各地で出ているということで、その偏在の度合いが非常にまた厳しくなったということはおっしゃっておられました。いずれこういったいろんな問題がございますが、しっかりとまた話し合っていきたいと思いますので、御理解をよろしくお願いします。
以上でございます。
○議長(関正史君) 諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君 魚沼基幹病院の開院に伴いまして、医師がそちらのほうにかなり多くの方々が任務に当たらなければならない、こういう事情については私もある程度承知しております。しかし、県立病院だった小出病院は魚沼市立の病院として、機能は縮小しますけれども、引き続き運営しております。それから県立六日町病院、あれは廃止になりますが、その後を継いで南魚沼市が市立病院として52億円かけて今建設中でありまして、もう11月にはオープンということであります。ですから、医師がいなくて診療所そのものがもうやめなきゃならんかどうかなんていうそういう状況にあるのは栃尾だけなんです。だから、これでいいということではないんです。だから、何としても打開策を講じていただきたいというのが私の考えであります。
それで、もう1つ医師の確保の問題でお伺いしたいんでありますが、全国市議会旬報6月5日付によりますと、自治体病院議員連盟(会長、細田博之衆議院議員)の総会が、5月21日都市センターホテルで開催されています。この中で重点要望として、経営安定対策強化の財政措置のさらなる拡充、そして医師不足・偏在の早期解消のため医師不足地域への一定期間勤務の義務づけの2点が政府に出されています。その後要望に対して総務省から、自治体病院がへき地医療や高度先進医療などを提供する役割を担うため必要な支援を行う、医師の偏在対策については、厚労省から医師の強制的配置は直ちには難しいが、今後研究する必要がある旨の発言があったとのことであります。医師不足偏在の早期解決のため、医師不足地域への一定期間勤務の義務づけは、非常にこれは重要であります。早期実施が図られるよう、全国市長会長の重責も担っておられる森市長としても頑張っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○議長(関正史君) 磯田副市長。
〔副市長磯田達伸君登壇〕
◎副市長(磯田達伸君) 医師偏在の問題、そして医師の確保の問題につきましては、御指摘のとおり非常に大事な問題でございますので、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(関正史君) 諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君 長岡市の財政負担または財政支援についてお伺いしたいと思います。厚生連の今置かれている状況、それから
栃尾郷診療所で赤字で困っている状況などについては、私もいろいろ聞いております。先ほど言ったことは間違っていないと思いますので、それを踏まえて質問させていただきたいと思います。
今の医師不足、医療制度のもとで、地域医療を担っていくには自治体の財政負担または財政支援は避けられません。例えば、平成25年度の新潟県立病院数は15でしたが、平成25年度決算によりますと、県の一般会計繰入金が約113億円です。それでも約29億円の赤字です。町立津南病院には津南町が平成25年度で一般会計から約4億円の補助金を出しています。ことし10月新築開院予定の阿賀野市立水原郷病院の建設費は約98億円です。そして、指定管理者として運営する新潟県厚生連に阿賀野市は平成23年度に約2億7,000万円、平成24年度に約2億6,000万円、平成25年度に約3億5,000万円を支出しています。ことし11月新築開院予定の南魚沼市立の市民病院の建設費は約52億円です。平成23年1月移転新築の新潟県厚生連の佐渡総合病院に佐渡市は補助金30億円を支出しています。小千谷病院と魚沼病院を統合新築の新潟県厚生連の病院も平成28年10月に開院が予定されていますが、小千谷市は建設費に15億円、そして開院後10年間にわたって毎年1億円の補助をすることになっているとのことであります。人口は津南町が約1万500人、阿賀野市は約4万4,900人、南魚沼市が約5万9,600人、佐渡市が約6万100人、小千谷市が約3万7,700人であり、財政規模もそんなに大きいとは言えません。長岡市の人口規模、財政規模からして、
栃尾郷診療所への1億6,000万円程度の負担や支援は決して多額とは言えないと思います。
栃尾郷診療所への1億6,000万円程度の財政負担、財政支援などについては市の考えはどうか、お伺いをしたいと思います。
○議長(関正史君) 磯田副市長。
〔副市長磯田達伸君登壇〕
◎副市長(磯田達伸君) 先ほども申し上げましたように、
栃尾郷診療所の問題は当事者が厚生連と私どもということで、今まさに交渉中、話し合い中でございますので、栃尾の医療を守るという立場から、私のほうでしっかりと交渉したいと思いますので、そのように御理解いただければと思っております。
以上でございます。
○議長(関正史君) 諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕