令和 6年 3月 定例会(第1回) 令和六年 第一回
天理市議会定例会会議録(第四号)
--------------------------------------- 令和六年三月十八日(月曜日) 午前十時零分
開会---------------------------------------議事日程(第四号)一 日程 日程第一
一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり
---------------------------------------出席議員(十六名) 一番
今西康世議員 二番
東田匡弘議員 三番
榎堀秀樹議員 四番
大橋基之議員 五番 鈴木 洋議員 六番
藤本さゆり議員 七番
西崎圭介議員 八番
鳥山淳一議員 九番
内田智之議員 十番
寺井正則議員 十一番
神田和彦議員 十二番 村木 敬議員 十三番
石津雅恵議員 十四番
井上伸吾議員 十五番
山田哲生議員 十六番
市本貴志議員---------------------------------------欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のための出席者 市長 並河 健 副市長 藤田俊史 教育長 伊勢和彦 市長公室長 上田茂治 総務部長 上田義之
くらし文化部長 西辻健一
危機管理監 上土居能一
健康福祉部長 加藤道徳 健康・
こども家庭局長 山本年秀
環境経済部長 谷 文広 建設部長 井上典正
教育委員会 奥村紀一 事務局長 教育次長 山口忠幸
会計管理者 奥村良子
上下水道局長 前田典昭議会事務局職員ほか出席者 事務局長 松原茂幸
事務局次長 青木一朗 書記
生駒健太--------------------------------------- 午前十時零分 開議
○議長(
大橋基之議員) 休会前に引き続き会議をいたします。
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○議長(
大橋基之議員) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問時間は、答弁を含め六十分以内となっておりますので、御了承願います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 五番、
鈴木洋議員。 〔五番 鈴木 洋議員 登壇〕
◆五番(
鈴木洋議員) ただいまから一般質問をさせていただきます。理事者、また幹部の皆様方には、どうぞよろしくお願いいたします。 早くも年度末となり、新年度の市政について、本議会冒頭、方針をお聞かせいただいたわけですが、高齢化と少子化が急激に進行している中、本市は、
人口減少社会適応都市として、環境の変化を受け入れつつ、地域社会の協働により、持続可能で暮らしやすい安心なまちを構築する意思をお示しいただいたものと考えております。地域が育んできた本市らしい強みを生かしつつ、難局に対応しようとする方針について、志を同じくするものです。この施策を行えば、出生率が大きく改善するであるとか、転入が劇的に増加するといったことはないものでありますから、しっかりとした方向性を明示し、地道に多角的にいくつもの施策を進めていくことが大切であると思っております。 さて、新年度は、現在の
前期基本計画最終年であり、第二期まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の仕上げに邁進する年であると同時に、次の
後期基本計画と新たな
総合戦略策定を行う年度となります。そこで、初めに、第二期天理市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の現在地点ということで質問をいたしたいと存じます。 昨年、前年度までの取組について、進捗状況の報告を頂いております。KPIの評価についてもお示しいただいておりますので、総仕上げの最終年の前に、これまでの成果や結果ということはほぼほぼ判明していると言ってもいいかと思います。そこで見えてきた、できてきたこと、また、明白になった課題について、まずは御答弁をお願いしたいと思います。 これまでの総合戦略の取組、成果から見えてきた課題について、特に
政策パッケージの一「地域資源と新しい技術・多様な働き方を融合し、安心・充実して働ける場の創出」と、二「
天理ならではの魅力を活かし、新しい人の流れ創出」の分野について、総括的なお話をお願いいたしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 鈴木議員の御質問にお答えをさせていただきます。 本市の総合戦略については、外部委員で構成するまち・ひと・し
ごと創生会議において、総合戦略の各項目に設定された
重要成果指標であるKPIの推移につき、毎年度、進捗管理を行ってまいりました。直近の令和四年度では、スポーツや
文化芸術分野、福祉分野においてKPIの
目標値達成率が高いわけでありますが、そして、成果も現れていると考えておりますけども、特に企業誘致の分野において、南六条町の名
阪側道周辺や櫟本町
天理インター周辺を中心に、工場や店舗の新設・移転の動きが活発化をしております。
ホテル事業者の誘致についても、文化村併設の
フェアフィールド・バイ・マリオット天理山の辺の道に続きまして、新たに天理駅前に東横インがオープンいたしましたので、市内の
宿泊客室数は、平成三十年以来、約五倍となる約六百室に増加をしておりまして、
宿泊受入れ体制は強化されました。一方で、十アール以上の農用地の荒廃農地等の面積や、
新規雇用数、
子育て支援拠点の利用者数、地域への
学校開放利用者数におけるKPIの
目標値達成率が五〇%未満となっており、産業・農業に関する分野、あるいは学校と大学、地域との連携、
子育て支援拠点に関する分野において、より一層取組を強化したいと考えております。 KPI以外の各取組についても、毎年度報告書に取りまとめ、まち・ひと・し
ごと創生会議において検証を行っております。特に、御質問があった政策分野一の「地域資源と新しい技術・多様な働き方を融合し、安心・充実して働ける場を創出する」につきましては、たとえば
若手就農者のグループ、四Hクラブの挑戦を市が支援する
チャレンジファームにおいて、個人では困難な
スマート農業システムを導入し、大和スイカを収穫いたしました。今後も引き続き、生育状況等のデータを可視化し、様々な作物の栽培を進めたいと考えております。また、先般、
オーガニックビレッジ宣言を行った高原地域においても、企業とも連携をする形で圃場整備を検討しているところであります。 そして、令和四年度には、天理市
産業振興館において、
サテライトオフィスとコワーキングスペースを新設いたしました。多機能型のテレワークセンターへとリニューアルをし、時代のニーズに合った
デジタル実装を推進しております。令和五年度には、
サテライトオフィススペースに県外の
映像関連企業がお試し入居され、本市において実際に事業も開始を頂いています。今後も、都市部の企業と地元企業のマッチングやワーケーションの場を創出することで、働く場の充実を図ってまいります。 そして、政策分野二の「
天理ならではの魅力を活かし、新しい人の流れをつくる」では、天理大学やJTBと共同で進めているスポーツツーリズムでありますけれども、令和五年度は
ラグビー観戦ツアーや海外柔道家の合宿ツアー、
子ども柔道体験ツアーなどを実施いたしました。
イギリス柔道ナショナルチームの合宿時に実施をしました大和瓦の製作体験など、大変好評であったものをさらに充実させ、今後のツアーへの参加者の増加を目指してまいります。 そして、無人駅を地域の交流拠点として整備をした柳本駅舎では、夕涼み会やイルミネーションのほか、駅舎内の
ストリートピアノを活用したコンサートなども開催され、
にぎわいづくりが進んでおります。今後も引き続き本市の魅力を生かし、交流人口、関係人口の創出を図りたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。おっしゃったとおり、だんだんと育んできたことは、さらに継続し、発展させていくことが大切であると思います。 一方で、課題も見えているわけでありますから、総合戦略の最終年度の取組をいかに展開していくのかについてお伺いをしたいと思います。これまでの取組の反省や気づきを得て、さらに工夫をしたり、市民協働の上で力を入れていくことについて、先に冒頭の施政方針でもお話いただいていることでもありますが、重ね重ねになり恐縮ではありますが、前期計画の仕上げとして特に力を入れていくところに絞って、端的にお話を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 総合戦略の最終年度に当たり、特に力を入れていくところということでありますけども、KPIの検証により課題が見えてまいりました産業・農業分野の強化のため、令和六年度より、新たに天理駅前において、観光・農業振興に向けた
産官学連携人材育成プラットフォーム構築プロジェクトを実施いたします。これは、天理大学と
アウトドア総合ブランドのモンベルとの共同体と連携をいたしまして、天理駅前に観光・農業一体の地域振興に貢献できる
人材育成拠点を新設するものであります。天理大学が
サテライトキャンパス事業において、学生への農業や観光の
ビジネス展開についての特別講義を行いまして、市民向けの
リカレント教育も実施をしてまいります。 そして、先般連携協定を結んだモンベルや
地元企業等とも連携をしたインターンシップを含む実践を通じて、ノウハウも習得をいたします。さらに、今後の
インバウンド需要に対して、ネーティブプロデューサーの雇用やデジタル技術を活用した新たな観光振興も図ってまいります。これら
産官学連携の事業を内閣府の
デジタル田園都市国家構想交付金も活用し、新たな視点によって、若年層や
外国人観光客を中心とする観光振興、天理の農産品の
ブランド価値の創出などによって
まちづくりを進めていきたいと考えております。 また、先ほど課題としてほかに挙げました学校、大学、地域との連携の強化のため、
学校地域連携みんなの
学校プロジェクトをより強力に推進してまいります。本市の
コミュニティの核として、地域で重要な役割を果たしていただいている小学校区を守りながら、学校に公民館をはじめとした周辺の公共施設の機能も合わせる
地域連携型小規模校として発展をさせていきたい。そして、教員の働き方改革との両立のために、施政方針でも述べました学校三部制や、あるいは
保護者対応を一元的に行う「ほっとステーション」の開設なども行っていくところであります。 また、
子育て支援拠点に関する分野の強化においては、
こども家庭庁が推奨する児童と家庭が抱える多様な課題に応じて、生活習慣や学習のサポート、食事の提供などを行う子どもの
居場所支援を受けまして、令和六年度に旧天理市
御経野老人憩の家を活用いたしまして、学校や家庭以外にいつでも安心して過ごすことができる子どもの
居場所づくりを
一般社団法人天理文化の会と共同して実施をする予定であります。 急速な人口減少と深刻な少子化の中にあっても、学びの場を守りつつ、地域の子どもを地域のみんなで育て、支え合いながら、
人口減少社会にも適応した取組を重点的に進めたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。特に観光振興、また農業分野の上での人材育成ということについては大変期待をしたいと思っております。先日の鳥山議員の質問にもございましたとおり、観光案内の人材というのが高齢化しておりまして、なかなか後を継ぐ人が育ってこないという実情もございます。ぜひ、そういったことも含めて、しっかり大学、また企業とも連携をして取り組んでいただきたいとお願いしたいと思います。 少子化の問題は、改めて申すまでもなく、大変な危機が我が国に迫っている、そういうことを現していると思います。近隣のある国では、過去十年間に日本以上に急激な少子化が進行し、出生率は〇・七台となっているところがあります。その国の世界第二位である主要産業の造船業は、ほぼ外国人が担っているということで、外国人に頼らなければ国は成り立たないと言えるほどの状況を呈しています。環境も社会意識も異なりますから、日本と同列にはならないとは思いますが、私は数年後の日本の姿を教えていただいているのではないかと感じ、日本の現状も尋常ではないとの危機感を持っています。 国は、十年前より、このままでは地方都市が半減するかもしれないとの危機感の下、地方創生を掲げて、様々な施策を行ってきました。しかしながら、都市圏への人口集中は相変わらずの状況であり、人口減少と若者の流出により、地方都市は疲弊しています。本来、国が地方の面倒をしっかり見てくれなければならないと思うわけでありますが、地方は地方で、自治体独自の取組を行い、少しでも状況改善を目指して施策を打ち出し、かつてない真剣さで行動を起こしていく必要があるものと考えます。 一つには、社会意識、価値観の転換を進める動きが国の至るところでも起こってくることが求められると考えます。個人の権利が守られる社会の構築は大切です。しかし、私たち人間が目の前の個人の権利や利益追求のみに心をとらわれていては、社会の存続は困難となるでしょう。世の中がこれからも発展して、多くの個人の人生が豊かとなり、何よりも次の世代に幸せがつながっていって初めて人の世は成り立つのであり、その結果、個人の人生も輝くものと思います。子どもが生まれない世界は、それは社会がなくなることを意味します。多くの国民がいまの幸せのみを考える生き方、自分一人のことだけに終始する生き方であるならば、世の中の持続的な発展は望めないものと考えます。 この天理市は、
宗教文化都市と言われてきたように、天理教が興ったまちであり、まちの発展には天理教が大きく影響を与えてきました。市内には伝統社寺も多く、そうした
宗教文化的背景の下に発展してきた本市では、助け合いの社会意識が根づいています。他市にも勝るよき地域社会の
コミュニティがあり、人々は他者のために働きたい、地域のために貢献したいという考えの方が大変多いことが本市の特徴ではないかと誇らしく思っています。この天理市から、地域社会で子どもを守り育て、
社会的弱者、また外国人にも優しい住みやすいまちを示し、世の中に提案し、発信していくことは、私は天理市にはできるものと信じています。現在、またこれからも取り組んでいくみんなの
学校プロジェクトをはじめ、本市の施策の方針、方向性は正しいものと私も賛同し、さらに進化できていくよう参画したいと考えます。 次に、
後期基本計画及び(仮称)天理市
デジタル田園都市構想総合戦略に関してということで質問をしてまいりたいと思います。 本年は、令和七年度からの
後期基本計画及び天理市
デジタル田園都市構想総合戦略策定の年でありますが、昨年、策定支援の業務について事業者を選定し、現在、資料やデータの分析など、作業を進めていただいています。既に分析報告などを受けているわけでありますが、本年十月末には原案が提出されるわけで、その策定に関して、本市としての方向性や、どこにどの程度の力を入れていくのか、その主なポイントについてお話を頂きたいと思います。本市も
SDGs未来都市への申請を既に行ったものと思いますが、国が示している方向性に加え、本市として特に取り組みたいと考えていることがありましたら、お聞かせを頂きたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 後期計画のポイントについてということでいまお問合せを頂きましたが、二月に第一回
総合計画審議会を開催いたしまして、そこにおいて、急速な人口社会に適応した
まちづくりの方向性、これをしっかり打ち出していくんだということにつき御理解を頂いたところであります。特に、加速化し続ける少子化という点でありますが、これも施政方針で述べたとおり、平成と比べれば小学生の数が激減をするわけであります。また、これまでに建てた公共施設が一斉に老朽化する中で、全てのハードを維持し続けていくということも、これは不可能であると。そうしたときに、ハードとソフトを固定的に考えてしまいますと、建物の耐用年数とともに、
市民サービスが失われかねない。そうしたことから、みんなの
学校プロジェクトを進める中で、まず山の辺小学校、柳本小学校、これが耐用年数を迎えるわけなんですけども、地域連携型の小規模校において、高齢者の皆さんの健康寿命もしっかりと延ばしながら、子どもたちが地域の中で育まれていく学校はどういったものなんだ、これを具体的にお示ししていきたいと考えております。 そして、SDGsの理念を踏まえたさらなる取組を推進している中で、脱炭素社会、循環経済への転換が求められております。本市は、二〇二一年に天理市ゼロ
カーボンシティー宣言、また、二〇二三年に天理市
プラスチックごみゼロ宣言を行ってまいりました。また、先ほど答弁でも申し上げましたけども、
オーガニックビレッジ宣言というのも行いましたが、いま各学校においても、イチカステーションというのを設けまして、資源化が十分されていないごみをみんなで持ち寄ること自体を通じて地域の
コミュニティをつくっていく、こんな取組も行っているところであります。また、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会という、国が策定した目標がありますけれども、この
デジタル田園都市国家構想総合戦略に基づきまして、本市は、高齢者の皆さんの移動支援のために、AIを活用した
デマンド交通サービスチョイソコてんり、これを四月一日から本格運行するとということになっております。 限られた予算、資源でありますけども、それを最大限生かしながら、持続可能な
市民サービスの在り方をこの後期計画でお示しをしていきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。市長も大変な危機感の下、新たな取組への決意や意思をお示しいただいているわけでありますが、私個人や議会活動としても、同じ方向へ向いて議論を深くし、行動を起こしていきたいと考えるものです。 次に、移住・定住化の推進についての具体的施策ということですが、私は、特に地域振興の上にはよほど力を入れていかなければならないと考えています。社会福祉や教育では本市もなかなか頑張っていると感じておりますが、まだまだ本市に足りないのは、移住・定住の取組と、仕事をつくること。簡単ではありませんが、企業誘致ではないかと思います。実に多様な課題があるわけですが、中でも、これから策定する総合戦略では、人口減少の流れを少しでも緩やかにし、持続可能な天理市を構築していくためにも、移住・定住の取組を様々に進めていくことが大切であると思います。 移住・定住への取組では、高原地域での活動は成果を得ていると評価もいたしますが、
空き家バンクへの登録の少なさは大きな課題であると思います。本市に住みたいと思っている方、本市の魅力を教えてもらい、居住地として選択肢に考える方からしてみると、物件がないのでは、はなからスルーされても仕方がないと思うものです。賃貸物件については、かつては数も少なく、賃貸料も高い傾向にありましたが、近年は数も増加し、古い物件では賃料も安くなりましたが、しかし、空き家は実際には多いにもかかわらず、表にはなかなか出てこない状況を何とかしなければ、移住・
定住希望者への働きかけもままなりません。
空き家バンクへの登録件数を増やす取組には、窓口を設けるだけではなく、積極的に働きかける、また、市民への啓発的な取組が必要で、成功例をアピールしたり、現在の社会で、空き家対策とその活用がいかに大切であるのかを頻繁に様々なところで取り上げる取組が大切であると思います。 ちなみに、事務所を開設したいと考える事業者では、物件の少なさがネックとなっていることも申し上げておきたいと思います。こうしたことも、所有者に不動産、財産を活用するとの考えがないことも一因ではないかと思いますから、啓蒙、啓発は大切で、市民、各種団体への働きかけが大事であろうと思います。 そこで、現時点でお考えになっているさらなる取組、後期計画、次の総合戦略に盛り込むべき移住・定住を図っていく具体的な方策などありましたら、お聞かせを頂きたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 移住・定住の観点からいくつか言及を頂きまして、まず、企業立地ということについては、実際、名阪側道あるいは京奈和の側道のところで一定程度進んでおるわけでありますけども、なかなか農地との関係で建蔽率が低いというような課題もございました。これについては、施政方針で申し上げたとおり、令和五年度に建蔽率の見直しも行いまして、一層の誘致を図っているところであります。そして、
シャープ株式会社と、シャープの
空きスペースを生かした
インキュベーション事業というのを令和三年以降やってまいりまして、同社のセンサーや半導体の開発研究を行う関連企業二社が相次いで事業所内に本社を移転・新設されましたので、これは従業員の異動、新規雇用につながったところであります。今般、奈良県の方もシャープと連携をするということなので、令和六年度からは、奈良県とシャープと本市の三
者連携事業という形で積極的に進めたいというふうに思っております。 また、この住宅という点についてでありますが、全市的に見ますと、山の辺小学校区がいま例外的に児童数が増加をしておるんですけれども、これは国道百六十九号線の東西前後に小規模な住宅開発が行われてきているというのが大きな要因であると。ただし、天理市の場合は、新築の住宅ができた場合でも、市内の住替えというのが非常に多うございまして、市外からの移住ということにはなかなかなっていない。もちろん定住という点では、それも非常に重要なんですが、本市の場合、やはり
市街化調整区域が圧倒的に多いという、土地利用に係る法令の規制の中でこれが課題になっております。 そうした点からしますと、議員から御指摘もありましたとおり、空き家を有効活用するというのが非常に重要であります。特に高原地区においては、農家住宅を除いては、既存宅地しか新しい方が入ってこれないということで、空き家を地域のボランティア団体がしっかりとマッチングを行う。椽というところが活動いただいておりまして、これは、子育て世代が移住したときに、周辺の住民との間もしっかりと橋渡しができるようにという形でやっておりますが、コロナ禍で、特に都市部から自然豊かなところに移住したいという方も多かったので、令和四年度までに十二世帯三十八名の方が福住校区だけで実際に子育て世帯を中心に移住を頂きました。ただし、やはりこれも議員から御指摘がありましたが、非常に物件が少ない。高原地区においても、実は待っていらっしゃる方の方が圧倒的に多いんです。ゆえに、今般、椽の取組をより地域の皆さんに理解いただくために、新しいパンフレットを作成いたしまして、地域の全戸にも配布をいたしますが、それに先立ち、地元区長会の方にも、私はこの間、椽の方と一緒に行きまして、御説明をさせていただきました。 そうじゃないと、やはり空き家がだんだん傷んでいってしまいますと、衛生の面でも、動物が住み続けるとか、あるいは、だんだん傾いてきて周辺の家などにも危害を加えかねないとか、市としても、特定空家になったものを全部代執行していくというのは、これは予算的に難しい。ですので、住み続けたい方が住み続けられるようにするためにも、周辺の空き家に誰かしら入っていただくということは、これは集落全体の問題ですよということを強くお話をさせていただいた中で、何とか物件数を上げたいと思っております。これは、高原に限らず、盆地部の
空き家バンクについても登録物件が非常に限られておるということで、実際、過去に上げたものについては、市の南部も含めて、いるんですよね。ただ、どうしても貸手の方はよっぽど改装してきちんとやってないと来てくれないんだろうと思いがちなんですけども、逆に、いまは自由に改装していいですよというような形で幅を広げていった方が、移住を希望されるような方のニーズに合うんだと。 これは以前から申し上げておりますが、固定資産税の納付通知書に空き家の利活用推進の啓発チラシを同封する。これは、単に利活用しましょうというだけでなく、持っていらっしゃる方には、これは責任が伴うんですよと。ですから、それを放置して、周りの方に何かリスクが及んでしまった場合には、御自身の管理者責任も問われてしまう中で、それだったら市も一緒にこれを生かしていきませんか、こういったことをしっかり市民の皆さんに呼びかけていきたいと思いますので、議会の皆様におかれましても、ぜひ、いま使えるうちに空き家等については利活用しようよということを呼びかけていただけたらと思います。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。持続的な地方都市をつくっていく上には、直接的な取組である、住んでいただく人を増やす取組と、仕事の創出に力を入れていくことに尽きると思うわけですが、これまでに気がつかなかったことも必ずあるのであって、行政、市民、各種団体とは一層のコミュニケーションも図りながら様々な取組をつくっていく必要があると考えます。先ほど、県とシャープ、また市との三者連携というお話がございましたが、そうした県との連携も一層進めていただきたいと希望いたします。 次に、策定される総合戦略においては、市内の事業所や施設などの現状、実情を一層把握して、精緻に目標、指標を設定するということも、計画の策定の上には想定外をつくらないということもつながると思いますので、官民協働を一層進めて、風通しのいい地域社会をつくっていくことが必要であると思います。 私からも意見を申し上げたいと思いますが、移住・定住の促進については、先ほど申しましたように、
空き家バンク登録を増やすため、市民への啓発と協力を求めることに力を入れることが必要であると思います。特に、昨年末に空家等対策の推進に関する特別措置法が改正されましたが、これまでは周囲に悪影響を与える特定空家対策が主であったものが、空き家の活用、拡大、管理の確保、特定空家の除去等に力を入れることで、対応を強化し、所有者には自治体の施策に協力する努力義務が追加されて、所有者の責務が明確となりました。中でも、空家等活用促進区域の策定を自治体が行い、自治体が地域再生によりイニシアチブを発揮しやすくなりましたので、改正法を生かした取組が必須であることを申し上げたいと思います。 天理教関係について申せば、天理教の教会は、かつて東京に一千百か所ございました。教会数に限って言えば、大阪、兵庫に次いで、都道府県の中では三番目に多いのが東京都です。当然に信者数もそれだけ多いわけであり、天理教内の首都圏在住の方に住環境や仕事の環境をつくってもらえないかと考えるわけです。天理教の教会関係者には、若い人も年配の人も、天理市に住みたいと思っておられる方がたくさんおられます。いずれにしても、仕事があればとか、住環境が整えばという課題はあるにせよ、本部の近くに住みたいと考える信者は実に多いのであり、国や県、自治体の支援があることを知らない方は多いのではないかと思いますので、様々なところから情報発信が必要ではないかと思います。私とお付き合いのある天理教教会子弟で会社経営者のある方は、三年前に本社を天理市内に移して活動、事業をしています。そうしたケースが増えることを期待しているわけです。 また、私は大きな施策と考えており、以前から申し上げていますが、国が地方創生の上に行っている奨学金返還支援の取組に対し交付金を出している事業については、これは全国の自治体の実に四割が取り組み始めています。八年前から始まり、だんだんとその自治体の数も増え、学生が地方都市に定着することに成果が上がっています。私が九月議会で質問したときは、令和四年の調査報告から、その時点で六百十五の自治体が既に取り組んでいると申し上げましたが、昨年の調査では、一年間でさらに八十の自治体が増え、六百九十五の自治体が、若者の定着支援を進める上から、この奨学金返還支援の施策を実施しています。 隣の大和郡山市においても、昨年から始まり、八人の申請者が採択されましたが、年間の支援は百万円余りであって、その半分は国の交付金で賄われます。郡山の例では、三年間、最大五十四万円を支援するというもので、実際に市が負担するのは一人二十七万円であることから、支援を受けた若者は、その市に定着することことから、はっきりとすぐに結果の出る移住・定住の推進の施策であります。 奨学金返還支援の施策については、市長からは相談してまいりたいとの答弁を頂いていた話ではありますが、いま一度、全国で四割の自治体が取り組んでいる地方創生の大きな事業について、本市でも取り組む考えはないのか、提案に対してお聞かせを頂きたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 様々の御提案を頂きまして、誠にありがとうございます。やはり天理市は、天理教本部関係、そして学校関係の多くの交流人口があることを前提に、商店街も含めて、これまでつくられてきたまちであるということから、いまの交流人口の減少の影響というのは非常に大きいというふうに思っておりまして、社会増減からすれば、全寮制の高校が閉じられたということは、これは非常に影響があったところであります。なればこそ、この少子化の時代に、大学もしっかり特徴を持っていただかないといけないということから、先ほどお答えをしたモンベル、大学との連携というのも、これは大きな一歩であろうというふうには考えております。 この交流人口という点からすると、私、御本部関係、あるいは青年会の皆さんにも申し上げましたが、いま働き方改革が進む中で、テレワークなどの手段で、都市部で就労をしながら、一定期間地方に行くということも可能なわけでありまして、ぜひ
産業振興館なども活用いただく中で、実際にそういう活動をやっていただければというふうに思っております。修養科などもございますけども、現実に、実際、まだ生産年齢の方が、現役世代の方が、三か月お仕事を休んで天理に来るというのは極めてハードルが高いと。そうすると、ICTも活用しながら、日中働きながら、夜いろんなことをやれるとか、そういうメニューもぜひとも用意を頂ければ、交流人口の確保というところにも御協力を頂けるのではないかと。これはぜひ議員からも、そういったいろんな取組をまちと一緒にやっていただければということで、お話を頂けたらというふうに思います。 奨学金について、奨学金の返還支援については、私としても全く否定する趣旨ではありませんけれども、いま子育て施策を強化しないといけない中で、経常経費をどれだけ切り詰めるかというのが本当にぎりぎりのせめぎ合いの戦いであります。その中で、どの施策が何を目的としてどのぐらい効果が期待できるのかを相当精査していかないといけないと。本市も、三世代同居・近居のための住宅支援事業でありましたり、これは三世代で住みたいであるとかということの建て替えリフォームなどの助成を行ってまいったものであります。あるいは企業立地支援条例、これも企業の誘致をし、新たな雇用創出という一定の効果を上げていると思うんですが、これら、既にやってきたものについても、あってもなくても、天理に来た人があるんだったら申請しようということであったのか、それとも、その制度があることが何らかの意思決定にちゃんと寄与したんだろうかという部分をいま見ていっているところでございます。そういった点からすると、三世代同居の方も、実際に補助を受けていただいた方からは非常に好評を頂いたんですけども、どうもそれがなくても来てたものが、あるんだったら利用しようという部分の方が多いなということから、これはいったん制度として中断をするということをいま考えております。 その中で、奨学金返還につきましても、どのぐらい支援をしたらほかの市に行こうかなというふうに思ってしまっていたものが天理にとどまり得るのかということも含めて、これはしっかり考えていきたいと。もちろん、山間部などで、たとえばお医者さんがどうしてもいない。それを確保するためには、基礎自治体としていくら払ってもこれは仕方がないというようなところが、専門職を狙いを絞って出していくであるとか、やはりそれは地方の実情、それぞれの課題に応じて、ターゲットをしっかり決めていくという部分があろうかと思うんです。天理の場合、やはり市内に学校もあるものですから、その皆さんが、いずれにしても、これはとどまろうというふうに思っていたところで、あるんだったら申請しようという形でバーンと来ますと、なかなかこれは経常経費的にも難しいと。そうすると、どういう形でカテゴライズをして、これであれば、何らかの次の結婚であるとか、あるいは出産であるとかという部分の心理的ハードルを下げる上でも寄与するなとか、もう少し、ぜひ議員ともディスカッションする中で、対象の絞り込みと出し方については、よくよく政策効果がちゃんと上げられるようにやっていきたいと。 やったら喜んでいただけるであろうということは私も全然否定をしないです。ただ、やれたらいいねということを全部やってしまう余裕がない中で、その中で特にやらなければならないものをいま選んでいっているということをぜひ御理解いただいた上で、大和郡山市について、八名の申請者がということですが、それも、大和郡山市の人口規模からして、八人出たからどうなんだというのはなかなか難しいところもあろうかと思います。ぜひしっかりまた検証もしていきたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。様々な取組についてしっかりと中身を精査していただきまして、引き続き検討をお願いしたいと思います。
人口減少社会適応都市ということで打ち出していくわけでありますが、天理の強みを生かし、人々の高邁な社会意識が小さくなる地域社会にあって、持続可能なまちをつくるチャレンジは評価されなければなりませんし、行政、市民一体となって取り組むことが大切であると思います。一方で、国が地方創生に懸命に取り組む流れに乗り、首都圏から地方への定着を促す取組や、仕事創出、若者の移住・定住を進めるための異次元の取組は欠かせないものと思いますので、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。 最後に、
デジタル田園都市国家構想交付金に関して質問をさせていただきます。今後の新たな申請への施策の話をお尋ねしたいと思います。 次年度は、
デジタル実装タイプとして、チョイソコてんり導入や、地方創生推進タイプでは、天理大学とモンベルとの人材育成プラットフォームづくりの事業が予定されているわけでありますが、その次の総合戦略の中で考え得る事業に関してということです。本交付金に関しては、地方創生推進タイプと拠点タイプでは、自治体の総合戦略に盛り込まれている方針が申請の前提としてあるところもありますので、次の
総合戦略策定に関してもたくさんの種を仕込んでいくことが大変重要なことであると思います。また、そうした交付金事業というものも、独自の自治体の予算も当然あるわけでありますけれども、一方で、自治体負担分については、企業版ふるさと納税や寄附金等を活用することも可能でございます。そういうことから、複数のそうした事業を今後つくっていくということが大切なことではないかと思います。 先行事例を本市で行うということも対象になりますし、これまでになかった新たな取組を検討し、議論の上に選択をして、申請につなげていくことが大切でありますので、この場では、方向性なり、そうした本市との関連性があると思われるようなケースなど現時点でありましたら、お聞かせを頂きたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 地方創生関連の国交付金については、私どもの持ち出しに限界がある中で、これまでもあらゆる限り活用してやってきたところでありまして、時々によって、あるいは内閣が変わりますと、微妙に名前が変わったりするものですから、その重点とされているところをうまく狙って、合うように申請をしていかないといけないわけですけども、いまの
デジタル田園都市国家構想交付金については、議員からいま言及いただいたチョイソコでありましたり、あるいは天理大学、モンベルとの連携事業を申請しているほか、市民課の窓口前に設置をしている証明書自動交付機についても、キャッシュレス決済、あるいは多言語対応できる新機種に変えていくであるとか、あるいは来年度いよいよ本格稼働いたします新クリーンセンター、これについても、周辺道路の渋滞をいかに緩和するかというのが地元の皆さんとの関係で極めて重要でありましたので、ごみの持込み予約システムを導入していく。あるいは、みんなの学校についても、安全確保との両立が極めて大事でありますので、ICカード式の電気錠、これと非常通報装置、これを全て全校に配置をすることで、しっかりと安全をいまよりも確保して、公民館等で活躍をされている皆さんには、しっかりと確認の上、入っていただこうと、こういった形で申し込んでおります。 今後の方向性でありますけども、やはり
人口減少社会に対応するという点においては、本市の農業観光分野であるとか、あるいは子育て関係のものであるとかということについては、恐らく国の方としても、名前はその時々で分かりませんけれども、続いていくというふうに思いますので、やはり前もって種を仕込んでいくという視点が大事でありますけども、地域
コミュニティの中で支え合うという、本市が一番核で大事にしたいという部分については、どういう状況であってもぶらさずに、ただ、たとえばデジタル要素がより強くないと取れないであるとか、数年前になかったような部分も出てきておりますので、しっかりそのときのニーズに合わせて対応できるように、柔軟にやっていきたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 鈴木議員。
◆五番(
鈴木洋議員) ありがとうございます。具体的な行政の施策と市民の取組ということについては、これは異次元の取組を打ち出す必要があると考えております。これまでに思ったこともない、考えてこなかった施策の実行と行動を起こしていくというような思い切った方向性ということも必要なことではないかと考えております。次の基本計画と
総合戦略策定支援業務のプロポーザルの仕様書の中においても、コロナの影響により、全ての分野に甚大な影響を及ぼし、我々の生活様式まで変えてしまう大きな変化があり、それは継続しているわけで、基本計画等を策定する上でも見直すべき部分は多岐にわたるとしています。 このような現在のただいまの地点の中で、これからの五年間というものは非常に大事な時期を迎えていくというふうに思っております。どうか引き続き具体的な施策を今後検討していく中においても、ぜひ庁内においても様々な忌憚のない議論が活発になされ、職員や多くの市民からも多様な意見が出るような環境が必要ではないかというふうに思っておりますので、そうしたこともお願いをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員) 次に、十一番、
神田和彦議員。 〔十一番
神田和彦議員 登壇〕
◆十一番(
神田和彦議員) 議長のお許しを頂きましたので、一般質問通告書に従いまして、一問一答方式で質問をさせていただきます。市長並びに関係部署の皆様におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。 質問の一つ目でございます。 六月、七月、十二月の計三回、プレミアム付イチカチャージ券が販売されました。六月議会では、売手、買手側の購入の制限について、九月議会においては、現状の天理市内に流通している流通量、その使用額と未収額についてお伺いさせていただきました。昨年十二月の議会においても同じ質問をさせていただきました。本年二月末につきましては、プレミアムイチカの使用期限でもありました。 偶然ではありますが、二〇二二年の電子新聞の記事を発見したのですが、こちらの方に、「『令和』の一円玉を探せ!二十二年度の硬貨製造六・二億枚。キャッシュレス浸透、二十年間で半減」という記事を発見いたしました。財務省の貨幣製造計画によると、二〇二二年度に製造された硬貨は六億二千九百七万枚、二十年前と比較すると、約十三億一千八百万枚と減少していると。特に少額硬貨の減少が顕著に現れているという記事でございました。一円玉は、一九八九年に三%の消費税が導入されたことで、一九九〇年代前半には約十億万枚が製造されたと。一九九七年に消費税率が五%に上げられたことによって急減。令和に入ってからはなお減っていきまして、一円玉が三百万枚足らずと、極めてレアなものになったと。もし遭遇すればラッキーなレベルであるというふうにも言われております。これは、電子マネーやスマホ決済、ネット通販の普及により現金離れが進んだ結果です。私も、昭和生まれの一員といたしまして、一円玉には何度もお世話になり、一円玉に泣かされたことも過去にはございました。切符を購入する際には、切符購入機で購入したことがない世代もいるのがいまの時代です。 地域デジタル通貨イチカ、このイチカは、地域を限定し、消費を喚起する上で、時代の潮流に合わせた、理にかなった政策であると考えます。約一億円のイチカがこの天理市内の皆様のスマホの中にありました。二月末をもって使用期限を終えたこのプレミアムイチカの使用率を教えていただけないでしょうか。
○議長(
大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 神田議員の御質問にお答えをさせていただきます。 プレミアム付イチカについては、令和五年中に二〇%還元、一〇%還元のものというのを販売したわけなんでございますけれども、それぞれ一月末と二月末をもって使用期間が終了ということの中で、プレミアム付与分を含めた総額約七千六百五十六万円がアプリに取り込まれたんですけども、そのうちの七千六百三十四万円が使用されましたので、使用率が九九・七%と、ほぼ全額がしっかり市内で消費に回っていただいたという形になっております。
○議長(
大橋基之議員) 神田議員。
◆十一番(
神田和彦議員) ありがとうございます。 プレミア付イチカの使用期限終了とともに、次は各御家庭に一人当たり二千ポイントのイチカの配布事業もスタートいたしました。スタートして間もないのは事実でございますが、現在までのまた使用状況を教えていただければというのと、イチカの第三ステージの寄附の件も、あれからどのように増加したのか、また、天理市内でのノーマルイチカの普及について、どのような令和六年ビジョンがあるのか教えていただければと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 令和六年二月に行いました物価高騰対策のイチカポイント配布事業でありますけども、これは六十五歳未満の方にはデジタルで、そして、六十五歳以上の方には紙クーポンでという形で配布をさせていただきまして、やっぱりデジタルがいいんだという方には交換等も行ったわけですが、デジタル部分のアプリへの取り込み状況が約六五%であります。流通見込額約一億二千二百七十五万円のうち、二千四百五十五万円がいままでに使用されておりまして、これの使用期限が七月末まででありますが、残り約九千八百万円については、市内でこれから流通していくという見込みであります。 また、出産・子育て応援ギフトのイチカポイント、こちらも、現金との選択制で、本市については、イチカの場合、上乗せということもやっておりますけども、それを合わせると一億五百二十万円ということになりますので、ぜひ、また市内の商工業者の皆さん方にも、これを御自身の店舗で有効活用いただけるように御一緒に働きかけていただけたらありがたいと考えております。 プレミアム等に関わらず、ノーマルイチカと呼んでいただきましたが、これをどう市内でしっかり今後に生かすのか。これは、やはり地元消費を通じた支え合いの
まちづくりにつながるイチカプラス事業、これをより普及させていきたいと思っております。参加店舗は六十七店舗まで増加をいたしまして、令和五年度分は百二十三万円が市内の子ども食堂やスポーツ活動への寄附に回っていったということなんですけれども、同じ使うのであれば、自分のまちを良くすることに活用しようという共感の部分をぜひ高めていけたらなというふうに思っておりまして、いま公民館等でも、地域のここで使ったら、実はこれがこの子ども食堂のサポートになるんですよみたいな、まだ仕組みについて十分御理解いただいていない方もいますので、ぜひこのイチカを、イチカプラスによって活用すると、自分が子ども食堂に行ってボランティアをやるというのはハードルが高くても、簡単に支え合い活動に参加できるんですよと。これを
天理ならではの取組として大切にしたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 神田議員。
◆十一番(
神田和彦議員) ありがとうございます。お手紙が御自宅に届きまして、まだダウンロードされていない方も多くいらっしゃると思いますが、それこそ天理市民の皆様のスマホの中に、今後、それこそ約九千八百万ポイントが、まだダウンロードされていない状態と思うんですけど、残っているということがいまのお話で分かりました。私も商工会青年部の一員ですので、先ほども市長のお話があったとおり、この件を持ち帰りまして、また事業者仲間の皆様には、売上げ獲得の機会であるというところを促しまして、積極的なイチカの活用、イチカの価格、イチカメニューというところのお話、天理市内での消費喚起というものにつなげていけるよう仲間とともに頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 引き続きまして、質問二の方に移らせていただきます。 令和六年度第一回奈良県・市町村長サミットが桜井の地で開催され、第二回奈良県・市町村長サミットを橿原の地で開催されました。我が維新の会の山下知事の冒頭の挨拶から始まり、並河市長の質問も議事録より拝見させていただきました。令和五年十月六日には、知事と奈良県市長会との間で子育て支援についての意見交換会も行われたと聞いております。その際、子育て支援施策についての保育士の処遇改善、学校給食の無償化、各市町村における事業の実施状況の意向に関するアンケートが取られたと思います。こちらの天理市の回答内容について教えていただけないでしょうか。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) いま神田議員に言及を頂きました子育て支援事業に関する調査でありますけども、これは一月に開催された県の市町村サミットの検討項目の中で、第二子以降の保育料無償化、保育士の処遇改善、市町村立学校給食費の無償化について、いまの実施状況と今後の意向について、市長会を通じて紹介されたものでございます。本市の回答としては、できれば県補助をしていただく優先順位として、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、第二子以降の保育料無償化、これを一番にしていただけないかということで回答いたしました。次に、保育人材の確保・定着するための保育士の処遇改善が、これは二番目。学校給食費の無償化については、この予算規模からしても、国全体でしっかりと考えていかなければならないという認識を示したわけであります。 市町村長サミットの総括としては、知事からは保育士の処遇改善を県補助の対象とするという方向性が示されまして、実は、これ、十月に市長会で行ったときにも、保育士の処遇改善をやって、まず受皿を確保しないと駄目だと思うんだということを先もっておっしゃっていたので、あまり市町村の調査があったからどうなったかというと、どうなんだろうというところもありました。ただ、実際には、その優先順位については、回答がやはり市町村ごとに相当ばらつきがあったのも事実であります。 本市の対応なんですけれども、これは令和六年度予算に盛り込ませていただいていますが、保育士の処遇改善の部分、これは以前から私どもは私立の認可保育所の常勤職員に対して、月額三千五百円の補助金というのは出しておりまして、保育所で働く職員の処遇改善、プラス離職の防止ということを努めてきたところであります。ただ、今般、常任保育士一人に対して月額二万円を上限として、補助率二分の一の奈良県保育士処遇改善事業というのが創設をされたので、本市としても、常勤保育士への補助というのは月額二万円に増額をして、さらなる保育士の処遇改善と離職防止に努めたいというふうに思っております。この負担額というのが一千百五十四万四千円ということでありまして、保育士以外の常勤職員については、これまでどおり月額三千五百円の補助というのを行っていくところであります。 ただ、市町村長サミットで私は申し上げましたのが、大阪に近いエリアで、大阪の処遇とどうしても比べられて取り合いになってしまっているところと、県全体で若干この月額補助についてはニーズが違っている部分も本来だったらあるところだと。ただ、本市の中でも、私立園によっては、保育士が足りないことによって定員を少し限定されているところもあるので、ここは上限額いっぱいまで合わせようということなんですけれども、保育士の皆さんの働き方というところを見ましたら、お金をもらえばそれだけでハッピーかというと、やはり働く環境全般をしっかり整えてあげなければ駄目だと。そういう点からすると、いま実際、現場に行ったら、資格を取りに大学に行っていたんだけども、この進路をやめたというような人も結構出てしまっているような状況の中で、本市はこれに加えて、今般、
保護者対応を一元的に行うほっとステーションをつくるわけなんですが、子どもたちに向き合うことに集中できる環境をつくっていくであるとか、それを合わせてやることによって、これはさらに効果が高まるというふうに思っているところであります。 次に、第二子以降の保育料無償化なんですけれども、これは、保育所、こども園、小規模保育事業所の保育料を、これまでは多子軽減策として、保育所に子どもが同時並行で二人以上入所されている方というのは、国の基準に基づいて、第二子目が半額、第三子以降はこれは無償というところになってきたわけであります。これについて、我々としては、できれば第二子についても、県と市が、市町村が半額ずつ負担する制度が創設された場合は、全部の第二子以降の保育料を無償化にしたいというふうに思っていたんですけれども、それについては県の補助制度が見送りになってしまったということで、これは、全部やってしまうと、試算ですけども、七千二百万円以上かかってしまうと。一遍にこの七千二百万円以上が市の負担になってきてしまいますと、ほかの医療費であるとか、あるいはさっきの保育士の助成のことを考えると、ちょっときついということから、大変残念ながら、国の制度で半額になっている、すなわち就学前に二人以上がいるという方について無償化をしようということで今回は予算計上させていただいております。これについても、市負担というのは三千九百万円程度でありますので、約四千万円ぐらいかかってしまうんですが、何とか、これは近隣市町村の状況から見ても、今回の予算案で実施をしたいというふうに思っております。 ただ、他の議員からも、これ、小学校に行ってからももろもろお金がかかるんやから、お兄ちゃん、お姉ちゃんが学校に行ったら打ち切るよというのもどうやねんという御指摘を頂いている中で、ぜひ県としてそういう制度を創設いただいたら、うちとしても全員にこの対象を拡大したいなというふうに思っておりますので、神田議員におかれましては、党内での議論も活発にしていただけたらとお願いをむしろさせていただきたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 神田議員。
◆十一番(
神田和彦議員) ありがとうございます。先ほども市長から御指摘あったとおり、私もまた党内での研修会等ございますので、またその際にもお話ができればと思っております。また、私も子どもを持つ親といたしまして、それこそ令和五年度の天理市が上げてくださっております保育料第二子無償化の事業に関しまして、市単独で約三千九百万円上げてくださっていることは本当に感謝申し上げます。 先ほどの市長の答弁の中からもございましたとおり、非常に天理市の財政を切り詰めた中で行っていただいている中、重々承知の上ですが、私、維新の方も給食費の無償化というところをうたっている部分もございますので、先ほど市長の御答弁もありましたが、また今後の天理市の給食費無償化、それこそ国が頑張らねばというところもあるんですが、どうかまた御回答、御見解の方を頂ければと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 給食の無償化についてでございますけれども、これは公立小中学校で全て実施をした場合は年間二億三千万円、そして、これがもし仮に就学前であったりとか、私立に行かれている方との平等性というところも考えると、三億円規模の予算が必要になる施策だというふうに考えております。ここは、ただ、ぜひ御理解いただきたいのは、市町村長サミットにおいて、まず県の教育長の方から、給食費の無償化に要する予算額を各市町村の食材調達費を基に試算した結果、約四十八億円にいまこの県全体ではなっちゃうんだと。県をはじめ、全国一律に恒久的な給食費無償化を実現するためには、国における制度設計や予算の確保が必要である。現在、政府にも要望している。給食費無償化の実施に当たっては、やはりこれは私立学校へ通学している児童生徒や、アレルギー等により学校給食の提供を受けていない児童生徒への対応も課題になるんですということをずっと御説明されたんです。だから、私は、これは国がやるということになったら県としても実施するけども、それまでは、県としてはいったん状況を見るということですかという確認の質問をさせていただいたんですが、その後、知事の方からより明確に、現時点では市町村でも意見が分かれているという状況で、子育て施策、人口流出対策にどこまでつながるのかという問題点、国の方での制度創設の見直しの動きもある。実際、それは国の方でも大分議論になっていますので、あるということから、現時点では県の方が給食費無償化の財源の助成をするのは時期尚早であるというお話が、これは知事の方から明確にあったところであります。そう言われてしまいますと、いまの時点で直ちに二億円以上規模を市単独でやるというのは、これは極めて困難であるということから、やはり国の議論がどうなっていくか、そして、それを受けて県がどうするのか。これは、我々としても御一緒に、押しつけ合いということでなくて、声を上げていく必要がある施策だというふうに思っておるんですけども、奈良県としても、国の制度が創設されるまでは、規模を考えたらしんどいという見解が示されている状況だということだと思っておりますので、うまくやっていかなければならない。 それと、やはり共に思いますのは、物価高騰の中で、最近、給食の栄養価をいかに確保していくのかというのが、相当、報道も含めて全国的に課題となっております。だから、無償化をされたときに、予算的にしんどいから、これは安かろう悪かろうという形になってしまったら何もならないわけでありまして、無償化というところに焦点当てるというのも一つ家計への支援ということで重要な部分ながら、子どもたちの生育にとっての質の高い給食をどう確保するのかということも含めて、しっかり考えなければならないことだというふうに思っております。そこからすると、市町村が先行してやるとか自治体側がやるというふうになると、財源は全然変わらないのに、そこからほかをたとえば切り詰めて出すという話になってくるわけですが、国でやるということになったら、そもそも財源自体を確保するという議論もできてくるわけでありますから、ぜひ、国で検討するに当たっては、栄養価がしっかり取れた質の高い給食を確保しましょうと。でも、それは日本国としても、材料費を各御家庭にお願いするということではなくて、これは公費の方でやりましょう。その代わり、子育て支援のための財源としてこういうものが要りますけれども、これは国民の皆さんに御理解いただきましょう。こういう形で恐らく進めていかなければ、持続可能な形でいい給食を提供するということにならないだろう。ぜひ、神田議員含め、維新の皆さんとしても、そういう形での議論をもっと盛り上げていただければ、本来であれば、食育であったりとか、地産地消とか、いろんな要素もある話だというふうに思っておりますので、ぜひ継続的に議論を深められたらと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 神田議員。
◆十一番(
神田和彦議員) 御意見ありがとうございます。 続きまして、そのまま三番の方の質問に移らせていただきます。 十二月より、AIデマンドタクシー、チョイソコの社会実証実験がスタートされました。私は十二月議会においても、登録者数であったり停車場所の質問を当時したかなと思っております。こちらからで、私の御提案もあるんですが、二〇二五年、大阪関西万博が行われる。その移動ニーズの高まりに合わせまして、持続可能な公共交通に向けてというので、大阪府、大阪市がライドシェア導入検討プロジェクトチームを立ち上げまして、実際、活発な議論の方を進められております。天理市も、持続可能な公共交通として、地域公共交通協議会の皆様も巻き込みまして、こういったプロジェクトチームの立ち上げを強く御要望したいというところなんですが、昨年十二月二十日、デジタル行財政改革会議(第三回)の資料十五の方に、デジタル行財政改革中間まとめの中にこのような記述がございました。「同制度の適用対象となる交通空白地に夜間など時間帯の概念を取り込み拡大するほか、対価の目安の引き上げ(タクシー運賃の約八割)やダイナミックプライシングの導入等を実施する。また、地域公共交通会議等における協議において、地方自治体の長が判断できるよう制度の改善を図る。」という記載がございました。 また、令和六年三月十二日現在では、石川県の加賀市、小松市の方ではライドシェアが実施されております。また、国も、四月、六月で制度改革を行うというふうに言っております。令和六年三月七日には、大阪府は、この秋にライドシェア新サービスを導入するという発表も行いました。二〇二十五年には全国展開との予定のことでございます。天理市も、タクシー・バスドライバーの不足はどこでも課題だと思うのですが、この波に乗り遅れることなく、積極的な課題解決に向けて取り組むべき案件であると考えております。また天理市の御見解をお聞かせください。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 市民の皆さんが住み慣れた地域で暮らし続けられるために、生活の足をしっかりと確保しなければならないというのは、これは本当に重視をしているところでありまして、その中で、このライドシェアをめぐる議論についても、本市としても非常に関心を持って注視をしているところであります。いまの国の議論なんですけれども、やはりタクシー業界との議論も相当あって、いま検討する背景としては、タクシーの運転手不足というところに大分焦点が上がっているかなと。運転手の高齢化や成り手不足等により、タクシー運転手が減少していることに加えて、観光客の増加により、地域や時間帯によってはタクシーがつかまりにくい状況がある。これを何とかしないといかんということで、二〇二四年四月から条件つきで国が解禁する方針を示されて、これまで交通空白地の定義というのが地理的な要素だったんですけども、時間的な空白の概念も取り入れて、自家用有償旅客運送制度の運用改善を図るという形になっております。 このライドシェアに関しては、事故が発生した際の責任体制、あるいは保険の補償対応、運行管理、こういうところをタクシー事業者がしっかり関与するというところが結局落としどころという形でいま議論が進んでいると理解をしておるところでありまして、本市で進めていくであるとか検討する際にも、タクシー事業者が民業を圧迫しないという点でどう捉えられるかというところは非常に大事だというふうに思っているのと、あと、乗せられる一般のドライバーがしっかり運転技術、あるいはその意識、お客さんを乗せるということについての教育をやっていただくということが重要な部分であると思っております。 ただ、それに加えて、いま何が一つ政策として整理しないといかんかと我々が考えているかというと、対価の目安がタクシー運賃の約八割という形の設定になっておるんです。需要に応じて、通常収受することになっている対価に対して、これはダイナミックプライシングという検討もされておりますが、五割増を上限、五割引きを下限というふうに設定をすることも可能だというふうに伺っております。もちろん、深夜に、夜間、タクシーが減ったときに、温泉地なんかで旅館に行く足がないと。これを何とか一般の方にサポートいただいて、場合によっては料金が増し増しになっても協力を頂きたいと、こういうところには非常にマッチする施策であるというふうに思うんですけども、観光客のニーズに着目をする地域と、本市はどちらかというと、交通弱者であるとか買物弱者への移動支援を、これは福祉的観点からしっかりやらないといけないという土地でありますので、事情が異なるという部分は、これは留意をしなければならんと思っております。 たとえば高原地域にタクシーでいま行ったら、大体五千円ぐらいかかると思うんですが、半額が下限というふうにされてしまうと、片道二千五百円ぐらいかかっちゃうわけですね。往復したら五千円と。だから、タクシーを使うよりは確かに安いかもしれませんが、買物だったり通院に五千円出して行く人がおるんかという話からすると、これは相当ハードルが高い。あるいは、市の南部の方であっても、二、三千円ぐらいいまかかるエリアが多いと思うんですけども、半分以上ということになると、やはりこれも一千五百円から二千円かかってくると。そしたら、市内のスーパーに往復四千円近くかけて行くのかというと、これはなかなか難しい。ですから、観光客が観光地、宿泊地まで行くために、タクシーに乗るよりは割安だという感覚になれるところと、日常生活の足を確保しないといかんというところでは、相当この料金設定の部分でも考え方が異なる点はあろうというふうに思っております。 だから、そこからすると、まず本市は、チョイソコてんり、だから、これは完全に採算は取れないのははなから分かり切っているわけです。ただ、福祉的観点から、高齢者の方であったり、あるいは車が利用できない世帯の方が日常生活の足として使えるようにという形でやっていくわけなんですが、それとともに、このライドシェアに関しましても、今回、国で議論されて、石川県の加賀市とか小松市とかがまず先進的に取り組まれるというふうに承知をしておるんですが、観光地での施策というところがどんな効果を上げているか。そこで、タクシー事業者による安全確保だったりがどれだけできているかというのも見つつ、もう少し、さらに、我々のように、日常生活の足をどう確保するかが課題なんていうところについては、さらに切り分けたカテゴリーをよく考えて、本当にガソリン等に係る実費の部分を出せばという。いままではどちらかというとそっちをアプリなんかで橋渡しするのがライドシェアで多かったんですけども、ちょっと今回打ち出されているのは、料金体系からしても、大分観光に寄っているかなというふうには思っているところであります。 なので、市民の皆さんが本当に日常の足として出せる金額かどうかというところとかも全部見ながら、このライドシェアについては、もっと議論が具体的に煮詰まっていくように、我々も市長会等を通じて議論していきたいなというふうに思いますので、各政党におかれても、ライドシェアといっても、やっぱり利用される方だったり頻度によって随分これは違いますよねと。だから、そこの部分をよく考えないと駄目ですよねという形で議論を深めていただけたらというふうに思っております。
○議長(
大橋基之議員) 神田議員。
◆十一番(
神田和彦議員) ありがとうございます。それこそ先ほど市長のお言葉にありました社会福祉的な目線と観光地的な目線というところで、またここら辺は、特に加賀市、小松市が先進的にやられていらっしゃいますので、そこの動きを注視した上で、私もまた情報を集めていきたいと思っておりますので、またどうぞよろしくお願いいたします。 私の一般質問はこれで終わりとします。ありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員) 次に、六番、
藤本さゆり議員。 〔六番
藤本さゆり議員 登壇〕
◆六番(
藤本さゆり議員) 議長のお許しを頂きましたので、質問通告書に従いまして、一問一答方式で質問させていただきます。市長並びに関係部局におかれましては、希望のある答弁を頂けますよう、よろしくお願いいたします。 今回の質問は三件ございます。まず最初に、独り暮らし高齢者の緊急時対応について、次に、天理市文化センターと図書館のケーススタディーについて、最後に、公民館での文化活動についてであります。 まず、最初の質問でございます。独り暮らし高齢者緊急通報装置貸与事業の現在の状況についてであります。 少子高齢化が進む中、独り暮らしのシニアの方が増えています。ずっと未婚、あるいは離婚や配偶者と死別、子どもが成人して遠くへ行ってしまったなど、様々な事情でお一人になられた六十五歳以上の方が厚生労働省の国民生活基礎調査によると、約七百四十二万七千世帯に拡大。近くに頼れる人がいなくなり、孤立したり、引き籠もったりする方が増加傾向にあるということでした。死後に生前の意思を実現できる終活相談サービスや、心身の健康を保っていただくための
居場所づくりなどの早急な支援も必要です。本市でも、独り暮らし高齢者の方は増加しています。同様の対策が求められます。 一方で、各地域包括支援センターをはじめ、地域住民の方や近隣の親族の方、民生委員、児童委員、事業者、各種団体と連携・協力で見守り体制があります。しかしながら、もし独り暮らしをなさっている高齢者の方が急病や災害等の緊急時の対策はあるのかと探したところ、天理市ひとり暮らし高齢者緊急通報装置貸与というサービスが見つかりました。奈良県内でも、南部を除くほとんどの市町村がこの種類のサービスを取り入れておられました。通報を受けたコールセンターが司令塔となり、救助や協力、駆けつけなどのサポートで安心や安全を守っていただくことで成立する支援と言えます。何よりも、まず皆様の命と暮らしを守ります。どこにいても、どんなときも誰一人取り残さない、これは私が市民の皆様とお約束したビジョン、三つの政策の一つです。また、本市の重点施策五項目の中にも、誰もが安心して暮らせる福祉の充実を主な事業として御提案がございました。 そこで、ひとり暮らし高齢者緊急通報装置貸与事業の現在の状況について伺います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 藤本議員の御質問にお答えをさせていただきます。 在宅で独り暮らしをされている高齢者の方が急病や災害などの緊急時において迅速に連絡を取ることができる天理市ひとり暮らし高齢者緊急通報装置貸与事業というのを行っているところであります。これは、緊急時において、通報用装置のボタンを押しますと、二十四時間対応可能なコールセンターにつながります。看護師から適切なアドバイスを受けられるほか、状況に応じて、救急車の出動要請や、事前に登録を行った親族などの連絡先への電話連絡を行うこととなっております。 本事業の対象となる方は、天理市内に居住し、天理市の住民基本台帳に登録をされている六十五歳以上の独り暮らしの方であること。そして、市民税が非課税、かつ、心臓、呼吸器、脳血管機能の疾患を患っておられ、常時注意が必要な方ということにしております。令和六年の三月時点でありますが、三十三名の方に利用いただいておりまして、令和五年度の実績として五名の利用がございました。うち二件というのは、救急車の要請に実際につながっております。幸い救急要請した二人の方については、既に退院をされ、御自宅で過ごされている状況であります。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) ありがとうございました。 こういった緊急通報装置サービスを御希望される方がいらっしゃれば御利用いただきたいのですが、対象となられる方が限られており、見直しの必要があると考えます。改善のお考えはございますでしょうか。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 利用条件につきましては、状況からして、以前から見直しが必要であろうという検討も行っておりまして、令和六年四月から、特定疾患のみ対象としている項目については廃止をするということで考えております。このことにより、御利用いただける対象者の数が増加をいたしますので、今後、利用者数の推移を見守りながら、不安を感じつつ独り暮らしをされている高齢者の方がより利用しやすいように、広報紙、あるいは地域包括支援センター等を通じて周知もしっかりやっていきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。この緊急通報装置を御希望されるときの市民の御高齢の方の心配や不安を、安心と安全に変えていただけるような
まちづくりで、市民の皆様の命と暮らしをしっかりと守っていただけますようお願いいたします。装置も進化してくると思いますけれども、駆けつけてくださる方は、できるだけ救急隊などの方よりも、先に寄り添って待ってくださる方に御協力いただきたいです。高齢となられ、独り暮らしになられても、たくさんの愛情に包み込まれていると感じられるような温かな
市民サービスをお願いいたします。 続きまして、天理市文化センターと図書館のケーススタディーについて伺います。 新型コロナウイルス感染症が令和五年五月から五類感染症に移行したことに伴い、館内での基本的な感染対策を行いながら、文化センターは貸し館、図書館は貸出し等のサービス提供、利用者の読書要求に応える資料の選定を行い、生涯学習の拠点の一つとして役割を果たしてくださっていると思います。先日も文化センターに伺いますと、雨が降っていたにもかかわらず、御来館者は多いように感じました。御来館者と御挨拶をさせていただいたり、お話をさせていただくと、存じ上げている方は、恐らく先ほど質問させていただいた独り暮らしの高齢者も多くいらっしゃったように思いました。外出され、健康を維持し、文化センターや図書館などの公共施設を活用しながら、御自身の居場所として、楽しく人生を過ごしてくださっているのは本当にうれしいものです。人生百年時代ですので、文化センターでの新しい他者との交流や、芸術鑑賞や音楽鑑賞、日本文化体験等で人生を謳歌していただきたいです。 しかしながら、独り暮らし高齢者の寿命が延びる一方で、コロナ禍で加速化した子どもたちの生きづらさが増えています。そのようなことから、このたび新規事業として、子どもの
居場所支援事業も四月から開始してくださいますが、つい最近まで、土日のお休みの日に、学校の宿題や受験勉強や研究のために学生が図書館に行きますと、窓際の自習スペースはほぼ満席で、人があふれ、仕方なく本だけをお借りになって帰られる若者の方も少なくありませんでした。まして夏休みなら、涼しいエアコンのかかった図書館の自習コーナーは相当な混雑が予想されます。文化センター内にある図書館という位置付けからも、センター内に自習スペースを設けることも可能かと思われますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 図書館、また、文化センターでの自習スペースということでありますけども、現在、私どもの図書館では、読書や調査研究、自習などを目的に来館される方も多いため、一定、自習スペースを設けておりまして、これは、学生以外に、子どもや大人の方も自由に御利用いただけます。そのほか、図書館の本を使って調べものしたり、読書するための閲覧席やソファーも設けておりまして、利用者の方にはそれぞれ目的に応じて、自習室のみならず、閲覧席もうまく譲り合って利用いただいております。しかし、議員から御指摘があったとおり、夏休みや春休み期間などの繁忙期には、席の利用が多いので、全ての方が座れないというため、特に天理駅の団体待ち合い、あるいは櫟本公民館の自習スペースを御案内せざるを得ないときもあります。実際、うちの子どももよくダンマチの方に行かせていただいております。 ただ、文化センターの利活用ですけれども、これまでコロナワクチンの集団接種会場として使っておりましたが、その利用が終了いたしますので、本年度の四月一日から貸し館業務というのも大分再開をしておりまして、一階の共用部分、こちらなどにローテーブルや椅子なども設置をして、市民の皆さんに憩いの場として自由に使っていただけたらということでやっております。 議員から頂いた御指摘も踏まえまして、この三月から、一階の共用部の長机と椅子を増設いたしまして、従来使用しづらかった自習等の活用もより一層進んでいくように、文化センター全体として取り組んでいきたいというふうに思います。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) ありがとうございました。早急に対応していただきまして、感謝申し上げます。文化センター正面玄関にスタディースペースを設けていただき、御来館者も学生も喜ばれていると思います。入ってすぐなら、ガラス越しでも安全が確保されますし、事例研究として成功なさっているのかと思います。 そこで、今後の有効活用についてのお考えをお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) いまのお答えがちょっと重なってしまう部分もありますが、文化センターの一階共用部を中心に、空いているスペースを有効活用しながら、自習等に積極的に活用いただけるようにしたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。コロナ禍でステイホームになり、学校に行けず、外出も制限され、それまで、家庭がしんどくても何とか生き延びていた子どもたちの逃げ場所がなくなりました。文化センターで運命となる本を図書館で借りて読んでいただいたり、自習していただいたりして、自分で自分を助けるんだと思える居場所をつくっていただけるよう、引き続きお願いいたします。人づくりこそ、よりよき天理の
まちづくりです。地域とともに、一人ひとりの豊かな未来を育む教育、子育ての充実となる土台づくりをお願いいたします。 最後になりましたが、公民館での文化活動について御質問いたします。 天理は、日本一のスポーツのまちとしても有名ですが、歴史文化の芸術都市としての発展する可能性があると考えます。天理の魅力を磨き、最大限に生かしていくべきです。豊かな自然と悠久の歴史に育まれた文化財は、皆様も御存じでいらっしゃるように、本市だけではなく、海外ではアメリカをはじめ、東京や大阪、静岡など、全国各地の博物館や美術館にも所蔵されています。寺社仏閣の文化財や考古資料、正倉院宝物を含めると、奈良県は日本で最も国宝を多く所蔵しているとも言えます。本市の公民館は、公民館主催の学級や講座、文化教室等の開催や住民による自主活動への支援を通じて、生涯学習活動の意欲の向上に寄与されてきました。また、地域
コミュニティの活動拠点、防災拠点として活用され、現在では、文化財課が発掘した考古資料も保存・保管されていると聞きます。 そこで質問させていただきます。まず、公民館で行われている文化活動について、現在の状況をお伺いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 身近な小学校区単位で公民館が地域
コミュニティの核になってきているというのは、本当に本市の支え合いの
まちづくりの上でも重要な特徴だというふうに思っております。公民館では、従来の社会教育を中心とした主催事業として、文化教室や地域づくり推進講座、子ども夢づくり講座、そのほか、地域の方が主体的に活動を行う自主クラブの活動など、文化活動が活発に行われておりまして、特に今年度はコロナ禍の規制がようやく解除されましたので、発表も含めて、公民館まつりも非常に活気があったところかなというふうに思います。 ただ、一方で、文化活動をされている方の固定化や高齢化というのも進んでおりますので、新規参加者が減少しているという課題もございます。そのため、開催人数が教室という形では確保できずに、閉鎖をされる場合であったり、あるいは自主クラブへ移行されているのが目立つようになってきております。 こういった中、公民館をより幅広い皆さんに活用していただくためにも、いま我々が進めている
学校地域連携、みんなの
学校プロジェクトの中で、子どもたちも含めて、様々な社会教育、生涯教育と連携した形で活動を行いまして、学び合うことで相互理解や人間関係を含め、活動の裾野を広げていければというふうに思っております。実際に、先進的に進めている櫟本公民館などでは、これまであまり公民館に来なかった子どもたちが、まなび支え合い塾、町カ塾という形でたくさん来てくれるようにもなりましたし、そのほかの公民館についても、子ども食堂等の事業が新たに進んでいるところでございますので、社会教育をさらに活発にしていくためにも、そういう地域のつながりをいまの現状に合わせてしっかりと広げていくことが大事だというふうに考えております。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) ありがとうございました。公民館で様々な文化活動が行われているということですけれども、私も先日、公民館まつりが各校区で開催されておりましたので、参加させていただきました。陶芸、生け花、お茶席、アートフラワーなど、様々な展示や発表のほか、バザーや模擬店、振る舞いぜんざいやお餅つき大会などの御盛況ぶりが記憶に新しいです。展示方法も、白い布を使われ、自然の光を反射させ、照明にされたり、様々な工夫がなされていて、素人の方が作成されたとは思えないくらい、本当にすばらしい、うまいなと思いました。 しかし、公民館活動の発表の場が年に一回開催される公民館まつりのみとなっていることが大変残念でございます。公民館まつりのほかに、市の公共施設の
空きスペースや展示スペースを使って公民館での活動の成果を発表する場があれば、活動している市民の皆様のやる気などアップし、市民の目にも触れて、芸術文化への理解も深まり、地域の活性化にもつながると考えます。 そこで御質問をさせていただきます。市の公共施設、たとえばArt‐Space TARN等で、公民館まつりのような、公民館での文化活動を展示・発表する場を設ける考えはございますでしょうか。お考えをお伺いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) いま御指摘いただいた点は本当に大切でありまして、公民館の中の活動を活発にするためにも、どんどん外で発表の機会も持っていただいて、それで、多くの方に関心を持ち、また、この教室だったりクラブに誘導すると。そういう双方向からやっていくことが重要だと思っております。つい先日、柳本の方でも、町政百周年を記念して、伊勢街道沿いの旧家で資料展をやられましたけども、やっぱりああいう機会というのは本当にすばらしいですし、また、駅舎の方もそういった形で活用いただいていると。これが公民館ともかみ合う形になることがとても大事だと思います。 そして、今週末も、ちょうど各陶芸教室をされている皆さんの一堂に会した陶芸展、これも文化センターの方でされておりましたが、TARNの方も、実はこれまで陶芸教室とか洋画クラブで活動されている方が御自身で有志であったり個展をされているというのは既に実績としてございますので、どんどん利活用いただけたらと。実際に稼働率からしましてもまだ余裕がございますし、ぜひ、公民館の文化活動、あるいは子どもたちと連携した作品がいろんな形で使えるよということは、我々も積極的に公民館をいま利用されている方にお伝えしていきたいと思いますし、また議員もお力添えいただけたらと思います。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆六番(
藤本さゆり議員) どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 大和青垣に囲まれた歴史と文化かおる共生都市・天理~創り、つながり、笑顔が広がる、多様な連携で共に支え合うまち~、そして、重点施策五項目の最後にある、活力ある地域社会に向けたにぎわいの創造にもつながると考えます。何とぞさらに御検討をお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より二十日まで休会し、二十一日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 午前十一時四十六分 散会...