• "専門的知見"(/)
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  1. 天理市議会 2023-06-01
    06月22日-04号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    令和 5年  6月 定例会(第2回)      令和五年 第二回天理市議会定例会会議録(第四号)---------------------------------------  令和五年六月二十二日(木曜日) 午前十時零分 開会---------------------------------------議事日程(第四号)一 日程  日程第一 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十六名)                  一番   今西康世議員                  二番   東田匡弘議員                  三番   榎堀秀樹議員                  四番   大橋基之議員                  五番   鈴木 洋議員                  六番   藤本さゆり議員                  七番   仲西 敏議員                  八番   鳥山淳一議員                  九番   内田智之議員                  十番   寺井正則議員                 十一番   神田和彦議員                 十二番   村木 敬議員                 十三番   石津雅恵議員                 十四番   井上伸吾議員                 十五番   山田哲生議員                 十六番   市本貴志議員---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤田俊史              市長公室長    上田茂治              総務部長     上田義之              くらし文化部長  西辻健一              危機管理監    上土居能一              健康福祉部長   加藤道徳              健康・こども家庭局長                       山本年秀              環境経済部長   谷 文広              建設部長     井上典正              教育委員会                       奥村紀一              事務局長              教育次長     山口忠幸              会計管理者    奥村良子              上下水道局長   前田典昭議会事務局職員ほか出席者              事務局長     松原茂幸              事務局次長    青木一朗              書記       堤野裕希---------------------------------------                      午前十時零分 開議 ○議長(大橋基之議員) 休会前に引き続き会議をいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議員) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問時間は、答弁を含め六十分以内となっておりますので、御了承願います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 十二番、村木 敬議員。     〔十二番 村木 敬議員 登壇〕 ◆十二番(村木敬議員) 初めて一般質問をさせていただきます。市長をはじめ、関係各位の皆様の天理市政に対する御尽力に敬意を表すと共に、感謝いたします。天理市民の皆様の願い実現に向けて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 目の不自由な方の移動の自由について。 目の不自由な方の移動の自由について質問させていただきます。移動の自由は、憲法二十二条の移転の自由、憲法十三条の幸福追求権、憲法二十五条の生存権など、複合的な基本的人権の保障に必要な基本的自由であると認識されています。自由に移動することは、人間存在の本質に基づくものであり、それを否定されることは、人間的価値の否定につながると言われています。また、憲法三十一条以下に規定された身体の自由とも関連する権利であると考えられています。最近では、コロナ禍におけるロックダウン緊急事態宣言について、移動の自由の観点から議論されることがありました。 このように、移動の自由は基本的自由であり、人間存在の本質に関わる自由です。さらに、移動の自由の自由権的な理念を実質的に保障するために、行政や公共交通機関に積極的な施策を求める権利があるのではないか。いままさにそういう時代が到来しているのではないか。全ての人が安全に移動する自由のためにと考えています。 先日、市会議員の任期が始まる四月三十日に、目の不自由な方の団体の総会に参加させていただく機会がありました。そのとき、去年十二月に起きた大和郡山での踏切での事故のお話を伺いました。白杖を持った女性が踏切内で電車と接触してお亡くなりになった事故です。私は、後日、現場を見に行きました。勝手に大きな踏切で渡り切れなかったのではないかと考えていましたが、現場を見に行くと、やっと車が一台通れるくらいの幅で、長さは十メートルほどの踏切でした。写真を撮り、手を合わせて、帰ろうとして歩きかけたところへ近所の男性が現れました。挨拶を交わし、事故のことを聞きましたら、そのとき、電車の急ブレーキの音で驚き、事故発生直後の現場を自宅の二階のベランダから見ていたと詳しくお話しくださいました。男性によれば、彼女は、上りと下りの線路の間、踏切から数メートルのところに頭を北の方に向けて細身の体を横たえていたそうです。その男性は、何度も電車の風圧で飛ばされたのではないか、彼女の姿はあまり傷ついていなかったとくり返しお話しになられました。 新聞報道によりますと、大和郡山市の近鉄橿原線の踏切(遮断機、警報機がある)で、四月二十五日夕方、近くに住む女性(五十歳)が特急電車にはねられ死亡した。奈良県警察郡山署によると、白杖を持った女性は、踏切(幅約四メートル、長さ九メートル)に入った後、警報が鳴り、二本目の線路を過ぎた付近で立ち止まった。あと少しで踏切の外に出られる位置だったが、後ろに戻ろうとしたところを跳ねられた。同署は、女性が踏切の手前にいると勘違いし、踏切から離れようとして後方に引き返したと見ている。現場内に点字ブロックはなかった。踏切手前の道路の両端、計四か所に点字ブロックはあったが、女性は存在に気づいていなかったと見られると記されています。 この事故の後、この踏切には、エスコートゾーンと呼ばれる、目の不自由な方のための誘導ブロックが設置されました。また、この総会では、様々な目の不自由な方の移動の自由を妨げる危険を伺いました。その中で、駅のホームからの転落について、もし転落したらどのように退避するのかを話されていました。目の不自由な方の移動の自由を実質的に保障するためには、踏切や横断歩道にはエスコートゾーンの設置が必要であり、駅にはホームドアが必要であり、また、ガイドヘルパーの方の支援が必要です。 これらのことを踏まえて、以下、具体的な質問をさせていただきます。一つ、天理の踏切や横断歩道エスコートゾーンの設置はどうなっていますか。二つ、JR天理駅には、目の不自由な方だけではなく、憩の家に行かれる患者、小学校の生徒、学生、高齢者、発作の持病の方など、多くの方の移動の安全のためにホームドアが必要ですが、どうお考えになられているでしょうか。三つ、ガイドヘルパーの支援の充実が必要ですが、どうお考えですか。以上、答弁を求めます。 次に、水道事業を奈良県広域水道企業団で行うことについて質問させていただきます。 水道事業を奈良県広域水道企業団で行うことは、いままで培われてきた水道の住民自治を投げ捨てることであり、水道事業の身売りであり、自治体の責任放棄です。広域化で天理では浄水場が将来失われます。結果として、天理の水道事業で水が供給できなくなります。現在、天理では、天理ダムから取水して、豊井浄水場から配水される水道と地下水をくみ上げて、杣之内浄水場から配水される水道と県水とで市民の水が賄われています。この天理の水道事業が、水需要の減少などにより、給水収益が減収する一方、既存施設の老朽化に伴う更新需要の増加など、経営環境が厳しくなる状況にあるので、広域化で解決するとのことです。 しかし、各自治体の置かれている様々な状況を一律に広域で吸収して解決することには無理があります。十年間は国や県のお金が出ますが、その後はまた不採算のところを切り捨てるか、それでも抱きかかえるなら、水道料金の大幅な値上げになります。単純に考えて、将来的に水道需要が減少となれば、広域化して規模を大きくするのではなく、いまある水道事業を身の丈に合ったものにすることで解決するべきです。 水は生命の源です。その天理市民水道事業を守っていただきたく、以下のことを質問します。一つ、広域化された水道料金の算定の根拠をお示しください。二つ、浄水場の廃止に伴う災害時のバックアップ、水源分散による災害時の融通機能の喪失のリスクについてどうお考えですか。三つ、将来の水道料金の高騰のリスクについてどうお考えですか。四つ、将来の民営化の有無についてどうお考えですか。五つ、地震による水道供給のストップのリスクについてどうお考えですか。六つ、水道事業住民自治の喪失についてどうお考えですか。以上、答弁を求めます。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 村木議員の御質問にお答えをさせていただきます。 議員が御指摘をされましたとおり、視覚あるいは聴覚等、他の障害を持っていらっしゃる方をはじめ、移動の自由がしっかりと確保されるということは本当に大切なことだというふうに存じますし、昨年の近鉄橿原線大和郡山市内での大変痛ましい事故がまだ記憶に新しいところでございますが、議員におかれましては、本会に向けて実際に現場に行かれて、そのときの様子もつぶさに聞かれたということで、その真摯な姿勢に心から敬意を表するものでございます。 本市内の状況でございますけれども、本市においても、踏切付近視覚障害者誘導用ブロックの設置に向け、設置可能なところから順次行っております。市内の踏切はJR桜井線に三十一か所、近鉄天理線に九か所、合計四十か所踏切がございまして、そのうち里道を含む市道交差箇所に設置されている踏切は三十四か所、県道交差箇所に設置されている踏切が六か所となっております。本市の視覚障害者誘導用ブロック設置箇所としては、視覚障害障害者手帳をお持ちの方のお住まい付近をまず最優先に考えまして、また、視覚障害者の方の利用頻度や踏切の交通量も考慮して検討を進めております。そして、国交省からガイドラインが示された仕様が明らかになった踏切外側の整備については、近鉄天理線の田井庄町の踏切道第三号及び前栽の踏切道第二号から進めることとし、昨年の八月に整備を完了いたしました。 ただ、課題といたしましては、ガイドラインで、踏切の内側や歩道が設置されていない道路における誘導ブロック設置の形状、色の仕様がまだ検討されておる段階ということであります。踏切内側誘導ブロックの設置は県内でも試行的に進められておるものの、先日、橿原市で開催をされた第七十六回全国視覚障害者福祉大会においても、突起物の高さや大きさなどの形状や色などについて様々な提案がなされ、そして、それらを反映してガイドラインの策定が進められているところと承知をしております。 大和郡山市においては、実際に事故が起きられたということで、試行的にされておると承知をしておりますが、やはり視覚障害をお持ちの皆さんにとって、場所によって、形状であったり中身が違うということになりますと、それはそれで非常に分かりにくいというか、命の危険につながるような混乱も招きかねませんので、本市としても、一刻も早く統一的な仕様を定めていただきまして、それを待って、直ちに内側についても対応していきたいということでございますので、ぜひそうした全国的な声を御一緒に高めていけたらというふうに考えております。 そして、交差点道路等についても御指摘を頂きました。本市においては、奈良県住みよい福祉のまちづくり条例や道路の移動円滑化整備ガイドラインというところに基づきまして、天理駅周辺では、特に駅、病院、市役所庁舎などの主要な施設を結ぶ本通り線天理停車場線、そして、中大路線、勾田櫟本線など、市道において、視覚障害者誘導用ブロックの設置をはじめ、歩道の段差解消などのバリアフリーに対応した整備をおおむね終えているところでございます。そして、市の各施設におきましても、順次、改修や耐震化の整備の機会に合わせまして、視覚障害者誘導用ブロックの設置や段差の解消、スロープ、手すりの設置など、施設のバリアフリー化にも努めているところでございます。引き続き、関係者の皆さんの御意見を拝聴しながら、安心して移動を頂けるまちづくりに尽力をしていきたいと考えております。 それに加えて、ホームドアについても御指摘を頂きました。駅の構内におきましては、まず、近鉄天理駅、前栽駅、二階堂駅に視覚障害のある方のホームからの転落を防止する設備として、内方線つき点状ブロック、こちらを市の鉄道駅バリアフリー補助金も活用させていただき、この駅については整備をされておるところであります。同じ対応というのは、JRは天理駅に整備をされております。ただ、一方で、議員から御指摘を頂いた、ドアや可動式のホーム柵などは、ホームからの転落や列車との接触など、事故防止に有効な施設であるものの、既存駅への設置に当たっては、車両扉の位置の異なる列車への対応でありましたり、あるいはホーム幅の減少、停車時間の増大などによる輸送力の低下、また、膨大な設備費用など、こういった点が鉄道事業者から課題として挙げられているところでございまして、現在、奈良県内の鉄道駅については、全ての駅で未設置という状況でございます。 JR西日本内では、二〇三二年までに、京阪神地区整備対象エリアの全駅にホーム柵、あるいはホーム安全スクリーンを整備する計画が進められていると伺っておるんですけれども、残念ながら、万葉まほろば線はこの整備対象エリアに含まれておらんという状況でございます。こうした課題に鉄道事業者がどのような形であればより一歩前に進んでいくことができるのか、これは基礎自治体だけでは難しい点もございますけれども、県・国とも連携をする中で、御一緒に考えていかなければならないというふうに考えております。 続きまして、ガイドヘルパーについてでありますが、視覚障害のある方の移動に関連した福祉サービスとして同行援護というのがございまして、同行援護の際にサポートを行う方のことをガイドヘルパーというふうに呼んでおります。これは、障害者総合支援法に基づき、資格を取得する必要というのがございます。支援の内容としては、移動時及びそれに伴う外出先において、必要な視覚的情報の支援や移動の援護、または排泄・食事等の介護、その他外出に必要な援助というのを行っておりまして、利用いただくには、視覚障害により、移動に著しい困難を有する方であり、一定の要件を満たしている方というのが対象になっております。令和四年度において、天理市の同行援護決定者数は二十二名いらっしゃり、実際にこの同行援護を利用された方というのは月平均約十五名ということでございますが、対象となる視覚障害のある方には、こうしたサービスを今後とも積極的に御活用いただきたいというふうに考えております。 続きまして、水道事業についてでございます。これは、この数年間、我々も議論をする中で、協定の方には参加をさせていただいたという状況でございますが、順次、議員御指摘の点にお答えをさせていただきたいと存じます。 やはり大きな決め手にならざるを得なかったのは料金面でございます。企業団に参加せずに本市単独で経営した場合には、やはり供給単価が相当上昇せざるを得ないと。これは県が行った財政シミュレーションでございまして、その算定根拠というのは、日本水道協会水道料金算定要綱に基づき、奈良県が各市町村のデータを集約して、営業費用と資本費用の合計を基に、この料金基準を算定する総括原価方式というもので行われたものであるんですが、それによりますと、令和七年度の供給単価が、一体化の場合は、一立方メートル当たり百八十三円ですけれども、この令和七年の段階で、単独経営の場合には二百四十三円、すなわち、六十円上昇するという形が示されております。これが令和三十六年度になりますと、一体化の場合は二百六十二円に対して、単独の場合は三百七十六円ということで、百十四円の差があるということでございます。 もちろんシミュレーションについては、奈良市等、参加を最終的にされなかったところが少し算定基準が甘いんじゃないか等々御指摘があったところは私も見ておりますし、市町村によっては結構微妙な差のところというのもあったんですけれども、少なくとも本市に関して申しますと、これだけ相当の差が開いているものが容易にひっくり返るような数字ではないなということの中で、市民生活に多大な影響が生じざるを得ないと。日々の生活にやはり水道というのは必須でございますので、そこに大きな負担を強いるということを我々として重く受け止めなければならないというのが大きなポイントでございました。 その市町村の区域を越えた施設整備の最適化という点に加えて、人員やノウハウ、こちらも、各市町村ごとになりますと、ノウハウ、技術を持っている人員の確保というのが今後非常に重要になってくるわけですが、特に料金にも直結するものとしては、議員からも若干御指摘いただきましたけれども、管路等が非常に老朽化をされていて、この更新を相当しっかりと進めていかなければならない。管路の更新率というのは、発注の状況にもよって、各市町村も、年度ごとに差があるんですけれども、本当に百年で更新するペースにしようと思いましても、相当予算を増やしていかないといけないような状況でございます。〇・五%とか、その辺りにとどまってしまいますと二百年かかるというようなことの中で、災害のことにも触れていただきましたが、料金の値上がりをできるだけ抑えながら、着実にこの管路更新を進めていくためにどうしたらいいんだというのがやはり一番大きな判断のポイントになっておるということを御理解いただきたいと存じます。 そして、豊井浄水場杣之内浄水場の部分なんですけれども、これは当初、せっかく我々も杣之内を更新させていただいたところなのに、そこをいきなり統廃合の対象になってしまってはという議論はしっかりとさせていただき、そして、いままでの協議の中で、大規模修繕を行わなければならない年次までというのは、適切なメンテナンスを行いつつ使用していくということになっております。見込みでありますが、これによって豊井浄水場は令和二十一年度まで、そして杣之内浄水場は令和三十年度までは使用がされていくんだろうというふうに考えております。 現在、本市へは、県営水道受水ルートとして、桜井浄水場からと御所浄水場からの二系統が確保されておりまして、配水池までの浄水というのは一定量が確保されているところでございます。万一、県営水道受水管路が破断するような大規模災害が起こった場合にいかに配水池に生活用水を確保していくかというところが非常に重要でございまして、市民の皆様へ給水車で生活用水をお届けするのは、浄水場からではなく、石上の北低区配水池など、市内七か所の給水箇所になるということで、そこからのまた給水体制については、昨日の一般質問においてもお答えをさせていただいたとおりであります。 ただ、こういった状況に陥らない、あるいは大地震があった場合に少しでも被害を軽微にしていくためには、先ほど申しました管路がやられるということになりますと一番ダメージが大きいわけでございまして、やはりそこの管路更新率というところを一定ペース上げていかないといけない。これが先ほど申し上げた一体化にいま参加する方向で我々が結論を出し、そして、議会においても、その加入について、協定の部分ですけれども、御承認を頂いた大きなポイントになったと考えております。 ただ、一方で、私もいままでの議論に参加をさせていただく中で、特に昨年度、市町村が積極的に関わる前の段階は、非常に一方的に物事が進められておるという印象は非常に強く持ちました。県が決めたことに何を言ってるんだというような感じが極めて濃厚でありまして、資料についても、あるいはその決定事項についても、どちらかというとそういう空気が濃厚であった。その中で、様々な市町村からこれでいいのかという不安の声もあったという認識であります。そこにおいて、やはり水道自治という点に言及を頂きましたけども、やはり主体的に市町村が今後の意思決定に参加をしていく必要がある。県だけで重要事項を決めていくのではやはり市民の皆さんに安心を頂けないだろうということを相当強く申し上げまして、意思決定プロセス等検討部会というのを立ち上げ、私も当時市長会長をやっておりましたので、その中に入らせていただきました。執行機関として、企業団の管理者である企業長、こちらは奈良県知事が務めるということになっておりますが、副企業長は輪番の各市町村長数名で務める方向でいま協議が進んでおります。具体的に何名にするか等は令和五年度に整理をするということになっておりますが、少なくとも副企業長という形で市町村サイドが運営に関わっていくと。 次に、管路更新をはじめとする様々な事業計画の策定や料金改定等重要事項、これは全ての首長が参加する運営協議会で議論し、決定するということになっております。そして、議会の関与という点においては、企業団の意思決定機関として、それぞれの市町村議会の議員で企業団議会を構成いただくということになっておりまして、やはりしっかりと市町村、そして市町村議会の関与がこの広域化後も確保されているというところを、一定、我々の声としても進め、そして、それを文書の上でも確認をしてきているところでございます。 また、現在の上下水道局で本市職員がおりますが、令和十七年三月まで企業団へ出向するという形で事業が行われます。これまでの計画やノウハウが直ちに失われるということではなく、やはり県と違い、実際の水道のお客様に対応する一番前面の業務というのは市町村が行っておりますので、そこにおいても区市町村の側の職員の役割というのが非常に重要であるというふうに考えております。いま私はそういった意思決定の部分について申し上げましたけども、将来的に不採算団体だけが切り捨てられるんじゃないか、あるいは民営化されるんじゃないか、こういった声は相当懸念として伺うことがございました。こちらについては、令和五年二月に、この企業団の設立準備協議会で策定をされた奈良県広域水道企業団基本計画に、事業の運営は企業団が主体的に公営企業として実施するものであり、民営化は行わないと明記をされたわけでございます。私ども、この民営化は行われないという文章にはっきり書かれていることを前提として署名をさせていただいておりますし、万が一、構成する市町村の一部が民営化する、こういったことは重要事項に間違いなく当たりますので、その市町村が関与する、あるいは企業団議会の議論を経ずに一方的に行われるということは、これはあり得ないというふうに考えております。 こうしたことから、やはり、まだまだ整理しないといけないことはたくさんございます。シミュレーションがなされたといっても、実際にどういう料金体系でスタートするのかというような部分については、議論をまだこれからしっかりと具体的に詰めていかなければならない。あるいは、県全体でこのぐらいの予算で更新率をするといったときに、どれだけ平等性が確保されるんだ。それで、きちんとバランスの取れた形でやりませんと、各市町村内の事業者の皆さんも、しっかりと今後安定的に経営していくことができない。そうなりますと、いざ大災害が起きたときに、二十四時間本当に地元の皆さんが動いていただける状況があるから、我々もいま安心できるわけでございまして、そこがどこかだけに予算が偏っているみたいなことが続きますと、おかしくなってしまうわけですね。そういった点について、まず意思決定に主体的に関われるという状況はつくりましたけれども、これからそういった大事な事項について煮詰めていかないといかん段階だというふうに思っております。以上でございます。 ○議長(大橋基之議員) 村木議員。 ◆十二番(村木敬議員) ありがとうございます。 何点かまた質問させていただきます。最初のエスコートゾーンの設置について。いまお話を聞きますと、やはり国のガイドラインがまだ決定されていない。私も国交省の方に電話しましたら、まだ踏切に関しては、関係団体、要するに企業がありますので、そちらの方とのお話もありまして、なかなか話が進んでいないという状況だというようなお話もされていました。しかし、去年にはそういう事故が起こっているわけですから、そういうことに対する、早急に移動の自由というか安全を確保していただくように、関係団体の皆様とも協議しながら進めていただきたいということをお願い申し上げておきます。 それと、あと、関連なんですが、いま駅のことも市長お話しいただいたんですけれども、いまJR天理駅と長柄駅と柳本駅と櫟本駅とがあると思うんですが、天理駅はエレベーターを設置されていまして、長柄駅は、片方の駅ですので、スロープも設置されている。それと柳本駅は、エレベーターはないですが、反対側に改札が設けられていまして、少しは利便性が高められているんですが、櫟本駅に関しては、いまエレベーターも設置されず、体の御不自由な方は、奈良に行こうと思ったら階段を上がらなければならないという状況になっております。 それで、一つ思いますのが、そういう方たちのために、一度天理駅にお戻りいただいて、天理駅なら奈良方面へ行くのにホームをそのまま乗換えできますので、そういう、いま一時的なものですが、櫟本駅の設備に対して、まだそんなすぐにできないと思いますので、暫定的な措置ではあると思いますが、そういう方向での運賃の支援なり、何か限定された体の御不自由な方に対する支援みたいなものがあれば、そういう暫定的な措置として、大変そういう方のためになるんじゃないかということを提案させていただこうと思いまして、どうお考えでしょうかということが一つです。 それから、水道事業のことですが、詳しくお話しいただいて、市長も一生懸命に考えてくださって、そういうことであるんですが、料金のことに対して、総括原価方式とお話しされたんですけど、この総括原価方式の根拠というのは、原価を積み上げていくものだと思うんですけど、しかし、この総括原価方式には、恣意的な判断というか、そういう原価の設定の仕方というのが混じり込む危険はないのかということを一つ質問させていただきます。 それと、併せて、天理市には水源保護条例というのがあると思うんです。それも、水源保護条例は、以後、どういうふうな運用にしていくことになっているんでしょうか。通告にはなかったんですが、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。以上です。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) まず、視覚障害者の方への誘導用ブロックの全体のガイドラインがまだというところで、いま国交省にも御確認いただいたというお話でございましたが、私どもも、事故が起きてから相当時間が経っておりますので、一刻も早くやっていただきたいという思いは全く同じでございます。ぜひ自治体の方からも引き続き声を上げていって、非常に悩ましいところで、できる前に勝手に考えてやってしまうのがいいのか、やはりそれは混乱を生んでしまう部分もあり得るでしょうから、まずはきちんと視覚障害者の皆さんにとって、これだったら安心できるというものを専門的知見から整理を頂きたいというふうに思っております。 次に、櫟本駅、こちらは本当に我々も課題として考えておりまして、以前は柳本駅についても西側の改札というのがなかったわけであります。これを東側の駅舎を私どもが利活用して管理責任を引き受けるというふうにやったときに、ようやくパッケージで、それだったら西側も一定やりましょうという話がJRとの間で進んで、スロープつきの西側というのができたというのが経緯なんですが、櫟本駅についても、いま率直に、JRからは、跨線橋自体が大分老朽化しているので、あれを取っ払おうというような話が何遍も提起されておるんです。ただし、柳本駅と同じような地形であれば非常にやりやすかったんですけども、櫟本駅に関しては非常に段差が大きい。スロープをつける方式であったり、エレベーターをつける話であったり、西側から自由通路をつける話であったり、いろんなことを考えてはおるものの、いずれの案も数億円からの費用というのをこちら側が負担しないとなかなかJRも動けない。 加えて、周りの土地が民地になってしまっているものですから、実際に何かしら構造物を造れるようなスペースというのが非常に限られてしまっておる。こういう形の中で、西側を何とかしたいという思いは本当に同じなんでございますけども、いまJRとの中でも、もう少し経済的に合理性がある、あるいは、これはあまり進んでおりませんが、二階堂駅なんかであれば構内の踏切があるわけですね。ああいったものであれば、整備費用であったり、将来のメンテナンスは安いので、そういった方法も可能なのかとか、いろんな議論を行わせていただいております。ただし、それまでの間、まだ時間がかかるというのは、これは偽らざる事実でございますので、それに対して、天理駅にいったん来てダイヤがうまく合うのかというところは確認をしないといかんわけでありますが、どういった方法があるか、いまの御提案も含めて、我々も検証していけたらというふうに思っております。 次に、水道の部分でありますけれども、算定根拠の点については、相当奈良市と県の間でやり取りがございました。我々もデータの方は出すんですけれども、ほかの市町村全体がどうなっていて、どういう計算でという細かいところがブラックボックスだろうという指摘を相当奈良市がされまして、情報を共有しろということに対して非常に閉鎖的だと。それが最初の意見が食い違ってきた大きな原因かなというふうに思っております。我々も全ての数字をしっかりと検証し切れているかというと、残念ながらそうでない部分もあるのでございますが、奈良市等の指摘を聞かせていただいておりますと、将来、広域化した場合に、たとえば人的にどこまで合理化できるんだというような部分が、ほかの広域化の例からして相当楽観的に見られているんじゃないか等の御指摘がされていたのは承知をしております。 どちらの言っていることが完全に正しいんだというところは、なかなかこれは難しい部分があるんですけども、ただ、そうはいっても、これだけの料金差が開いておりますと、少なくともうちに関していえば、ひっくり返る数字ではないなと。ですから、当然、最初の議論をしていたときから、奈良市が抜け、大和郡山市が戻ってきて、葛城市も難しくなったということで、結構料金が十円を上回る単位で動いている部分というのはあるんです。そこにおいて、一部の町村では、最初思っていらっしゃったより料金が微妙になっているなというところも実際にはあります。そこはそちらの判断なんですが。ただし、うちに関して申しますと、非常に差が大きいものですから、ひっくり返る幅ではないなということの中、ただ、重要な意思決定についてはやはりしっかりと参加をしていかないといけないし、やはり決裁ラインに乗っかっていないと情報というのも来ない。そこを県であったり、あるいは、いままでの方式でしたら、人口が多いところとして橿原市と生駒市は入っておったんですけども、それ以外はというような状況でしたので、きっちり副企業長という形で、輪番制でもいいから入れるようにしよう、そこに議会も関与しようというような形で議論を進めてきているということでございます。 なお、水源の条例につきましては、これは広域化とはまた違う話でございますので、引き続き水源の部分はしっかりやっていくということについて、この条例が直ちに影響を受けるということではないと思っております。 ○議長(大橋基之議員) 村木議員。 ◆十二番(村木敬議員) ありがとうございます。 重ねて、駅のことについて、移動の自由についてお話しさせていただきます。昨今、バリアフリー新法や障害者差別解消法などができて、やはり行政の、また公共機関の積極的な施策が要求されていると思います。どうかそのことを踏まえて、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。 それと、水道のことなんですが、やはり先ほども申しましたが、総括原価方式という方式で原価を計算する場合、やはりそこに恣意的な原価の積上げが起こることが予想されます。市長のそういうきめ細かい監視というか、そういうもので、将来、水道料金の高騰が起こらないように、どうかよろしくお願いいたします。これで一応水道のいろいろと御説明していただいたんですが、引き続き私も勉強してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○議長(大橋基之議員) 次に、六番、藤本さゆり議員。     〔六番 藤本さゆり議員 登壇〕 ◆六番(藤本さゆり議員) 議長のお許しを頂きましたので、質問通告書に従いまして、一問一答方式で質問をさせていただきます。市長並びに関係部局におかれましては、前向きで希望のある答弁を頂けますよう、よろしくお願いいたします。 それでは、一般質問をさせていただきます。 本市における平和教育についてです。現在の学習状況と今後の取組についてです。 二〇二二年は、二月二十四日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻から一年四か月が経過しようとしていますが、いまだに激しい戦闘が続き、多くの犠牲と被害が出ています。ロシアが核攻撃も辞さない態度を示す一方で、その対抗措置として、欧米によるウクライナへの武器供与が進められ、ますます混迷の度合いを深めています。また、北朝鮮による度重なるミサイル発射実験は、日本だけではなく、世界の安全に脅威を与えています。人間を残酷にし、命と尊厳を奪う残虐な行為は断固として止めなければなりません。その意味でも、年々、戦争体験者や被爆者の高齢化が進み、戦争の事実を受け継いでいくことが難しくなっていますが、戦争の事実を伝え、人権、平和の理念を、そして精神を社会や学校でも広げていくことも重要な取組であると思います。 SDGsの目標、十六「平和と公正をすべての人に(平和で包摂的な社会の推進)」は、遠い外国の課題ではなく、私たちにとっても身近な実践です。命と平和を守るには、まず、家庭、地域、職場、学校など、私たちの身近なところで命が大切にされなければなりません。天理市は、昭和六十一年に非核平和都市宣言を契機に、恒久平和の実現のために平和運動の推進に取り組んでいます。一階ロビーでも、七月二十日木曜日まで、世界平和を願う一羽の折り鶴、千羽鶴コーナーが設けられています。また、二〇二二年三月七日、並河健市長と大橋基之議長との連名によるロシアによるウクライナ侵略の平和的解決とウクライナとロシアの両国民の人権尊重を求める意見書を東京にあるロシアとウクライナの両大使館と日本政府に対して送付なさいました。また、支援金を募り、日本赤十字社を通じて、人道支援対応及び救済活動に参加もされています。大半の方はウクライナに帰国なさいましたが、天理大学と共に受入れサポートもなさっていました。 近年でも、やはり天理大学の関係で、イスラエル大使やオマーン大使もお越しになられました。フランスの柔道選手団は、毎年合宿で汗を流され、エジプトの柔道選手団も天理に来られたこともございました。宗教文化都市としての文化スポーツにおける平和外交と言っても過言ではありません。 世界大戦中、本市にあった柳本飛行場(大和海軍航空隊大和基地)のリサーチ結果を現代作家の黒田大スケ氏が作品制作され、「いつかの飛行機」として、なら歴史芸術文化村や本市のArt-Space TARNで、作風を変えながらも発表なさっています。平和教育というものは、歴史を通して正しく伝えられることが大切であると考えます。いまもなお苦しい思いをなさっている方がいらっしゃるということをいつも心に留めておかなくてはなりません。 コロナ禍でのパンデミックや緊急事態宣言など、いまだかつて誰も経験したことがないような出来事に、教育委員会をはじめ、教育現場は大変な状況にあったと思います。学校が休校となり、学校が始まると、不登校の生徒が増え、御父兄方の対応と先生方の御苦労は私たちが考えている以上に大変であったとお察しいたします。しかしながら、市内の小中学生が平和教育として毎年修学旅行で訪れられていた広島原爆資料館への学習もなくなり、旅行先は関西圏となったと聞いております。 私の小学生時代は、お寺の御住職もなさっていた校長先生が一緒に修学旅行に同行してくださり、夜の戦争体験のお話のときも、児童に寄り添ってくださっていました。ある御父兄のお話では、自費で、先日、G7のサミット前に、子どもの平和学習のために広島に行ってきましたよともお聞きしました。そこで、いままで行われていた、私たち日本人にとって大切な平和教育は、現在どのように変化し、行われているのか伺います。 早朝に鳴り響く全国瞬時警報システムや振動、時間的余裕のない事態に関する情報を住民に迅速かつ確実に伝達するJ-ALERT。国民保護に係る警報のサイレンが鳴っても、なす術はありません。戦争体験をなさった方は、まるで戦前のようだとおっしゃったこともあります。iPhone画面を見ると、日々進化する避難対策や様々な安全確保の情報であふれています。このような日常生活は、市内の子どもたちの心にどのように映し出されているのでしょうか。そこで、本市における平和教育、現在の平和学習状況についてお伺いいたします。 ○議長(大橋基之議員) 教育次長。     〔教育次長 山口忠幸 登壇〕 ◎教育次長(山口忠幸) 藤本議員の御質問にお答えさせていただきます。 現在の学習状況についてでありますが、市内の小中学校におきましては、長年、児童生徒に対する平和教育を命の尊さ、人権、お互いを認め合うということを重点的に行ってまいりました。そして、平和学習の集大成としまして、修学旅行を現地学習として位置付け、戦争遺産などの見学や体験談を聞く学習を行い、平和の尊さが心に響くように学んできました。 新型コロナウイルス感染拡大により、数年間、修学旅行先が近畿圏内と限定される中でも、舞鶴市の舞鶴引揚記念館や姫路市の姫路市平和資料館や大阪市のピースおおさかなどを見学しまして、平和教育を継続してまいりました。また、学校内においては、オンラインで人権学習を実施したり、全校で折り鶴を折ったり、また、平和について全校で考える機会を持ってきました。中学校におきましては、映画「さとうきび畑の唄」を鑑賞したり、沖縄戦の学習を通じて平和学習を行いました。平和学習を終えて、児童生徒から、戦争は遠くの世界で起こっているのではなく、自分たちの心の中にもあるという意見が複数ありました。この発言は、児童生徒の力強い未来社会への誓いであると捉えております。 ○議長(大橋基之議員) 藤本議員。 ◆六番(藤本さゆり議員) ありがとうございました。子どもは私たち天理の未来そのものです。どうぞよろしくお願いいたします。 天理市内のなら歴史芸術文化村の二階に、フランスのパリに本部があるACCU(ユネスコ・アジア文化センター)文化遺産保護協力事務所があります。この支部である天理ユネスコ協会が、毎年八月十五日の終戦記念日に、市内にある長岳寺境内で「平和の鐘を鳴らそう」の集いを開催しています。ロシアとウクライナの戦争が早く終わりますように、世界から紛争がなくなりますように、世界中の子どもたちが幸せに暮らせますように、平和への祈りを込めて、一人ひとり鐘をつかれます。 「子どもたちは皆『神はまだ人間に失望していない』というメッセージを神様からもらい、この世に生まれてきた」。インドのノーベル文学賞詩人、タゴールの言葉です。なぜアジアの詩人の言葉を引用するかというと、奈良県はシルクロードの終着点であり、現在は、アジア諸国でも失われた宝物がいまもなお保存、修理、整備、活用、時には展示もされる、人類の心のふるさとだからです。そんな天理市内における今後の平和教育について、どのように考えておられるのか伺います。 ○議長(大橋基之議員) 教育次長。 ◎教育次長(山口忠幸) 今後の平和学習への取組につきましては、未来を担う児童生徒に、大切な平和教育は何かを考え、修学旅行を含めた従来の平和教育の在り方を再度検討しまして、大切なことは継承しまして、変えていくべき内容は変えていきます。 現在、ウクライナでの戦争で多くの方が亡くなり、被害に遭われている現状などを児童生徒がニュース等で見聞きし、なぜ戦争するのかという内容で意見交流を行っています。平和学習では、世の中で起こっていることを自分事として捉え、これからの未来社会における平和とはどんな社会であるかをしっかり考えて、人を思いやる気持や感謝の気持を育む教育につなげていきたいと考えております。
    ○議長(大橋基之議員) 藤本議員。 ◆六番(藤本さゆり議員) ありがとうございました。天理の子どもたちが世界の平和や戦争や紛争のない未来を自分たちの手で築いていくような平和学習をよろしくお願いいたします。 もうすぐ夏休みです。夏は平和を考える季節です。この時期に、水木しげる氏や手塚治虫氏などをはじめ、週刊少年ジャンプでの連載開始から、二〇二三年六月、今月で五十年を迎え、これまで二十四言語に翻訳され、世界中でも読まれてきた「はだしのゲン」など、漫画で戦争疑似体験ができるものをぜひ夏休みの推薦図書としていただきたいのです。 SDGsの目標十六「平和と公正をすべての人に(平和で包摂的な社会の推進)」も、遠い外国の課題ではなく、日本の子どもたちの身近な実践課題でもあります。人間の安全保障にもつながります。学力向上も大切ですが、人格が形成される場として、家庭や地域の次に多くの時間を費やす学校においても、深い愛情に裏打ちされた平和教育を心からお願いいたします。 ユネスコの憲章前文に、さっき山口教育次長もおっしゃっていただいたように、子どもたちの誓いのように、同じユネスコの憲章にも前文がございます。「戦争は人の心の中で生まれたものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とあります。平和に関して、何もできないのではなく、平和を守っていく一員として、新たに心の中に平和のとりでを築く必要がある。あるいは平和の防衛を構築しなければならないとも言えます。自己変革して社会を変えていく、自己変革しながら社会とつながっていくこととも言えます。私は、この平和のとりでを築こうと試みるとき、市内にある石上神宮、重要文化財に指定されている鉄盾、日の御盾と呼ばれる二面を思い出します。一面は市内の布留町石上神宮に、あと一面は東京国立博物館の平成館考古展示室のほぼ中央にいま現在も展示されています。この考古展示室には、天理から出土した柳本の収蔵品も展示されております。たくさん天理の出土品がこの展示室にございます。ぜひお子様方にもお足を運んでいただけますような御伝言をよろしくお願いいたします。 先ほど申し上げました日の御盾は、近い将来、国宝に指定される可能性もある天理出身の宝物でございます。石上神宮でも拝見することはめったにありません。東京でも観覧はできますが、手に入れることはできません。しかしながら、私はいつもこの鉄盾の前で約束します。この盾は手には入らないかもしれないけれど、自分はどうやって生きていけばいいのだろうとまず考えます。しなければならない大切な日常を全力で生き、信頼感を共有できる友人や家族、恋人、そして知人をさらに紹介できる日が来るんだという前向きなポジティブな気持で生きていく機会でもあります。そんなとき、もう一面ある天理の鉄盾も私の前に姿を現してくれるような気持になります。私なりの平和の礎の築き方です。 パンデミックや戦争などの不穏な状況が続く中、私たちの未来と命、そして平和を守る大切さ、そして、身近なところでの命、自分自身をも大切にしなければなりません。残念ながら、世界から戦争がなくなることはないでしょう。でも、戦争をなくすことができると信じる人にしか世界を変えることはできません。世界各地で危険に身をさらし、汗を流しながら、いま現在も本気で平和な世界をつくろうとしている人たちがいます。それができなくても、身近な平和を大切にする人たち、そして子どもたちの小さな力が集まって、世界が少しずつ変わっていく。私たち大人も子どもも、決して無力ではないのです。この言葉は、女性初の国連難民高等弁務官で、JICAの理事長もなさっていた、いまは亡き緒方貞子さんのメッセージです。私たちも、子どもたちと勇気と信念を持って、これからも平和な未来のために行動いたします。強く、優しく、美しく、世界の平和を願う宗教文化都市として、これからの最善の平和教育に御尽力くださいますよう、心よりお願いを申し上げます。 これにて私の一般質問を終わらせていただきます。長きにわたり、本当にありがとうございました。 ○議長(大橋基之議員) 藤本議員、ちょっといいですか。天理市にとっての平和教育というふうな質問をされておるんですけど、少し違った、自分なりに考えた思想というふうなことを述べておられますので、天理市がどういうふうな平和教育をされているかというふうなことをいま教育次長から示されましたので、それに対しての質問等をまた投げかけて、そしてまた、お互い理解しながら、子どもたちの平和教育をどういうふうにするかというような、そういう質問の方をまたしてほしいというようなことも思っておりますので。ただ、今回はこういうふうな形で終わりましたが、次回からはそういうふうなことを、趣旨を踏まえながら、御質問の方、よろしくお願いいたします。 次に、十三番、石津雅恵議員。     〔十三番 石津雅恵議員 登壇〕 ○議長(大橋基之議員) 石津雅恵議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) 議長のお許しを頂戴しましたので、一問一答方式で質問をさせていただきます。 今回は、本市における地域公共交通の現状と課題についてというところでお尋ねしたいと思っております。 地域公共交通は、人口減少や少子高齢化、自然災害や近年の働き方改革、さらに、新型コロナウイルス感染症拡大から、いろんな影響を受け、地域住民の自立した日常生活と社会生活の確保、活力ある都市活動の実現、観光や地域間の交流促進、交通に係る環境負荷の低減などを図るため、市民へのサービス提供の在り方が大きなテーマとなっています。法制度の整備を含めて、様々な取組が進みつつありますけれども、地方公共団体が中心となって事業者や地域住民など多様なステークホルダーとの協議の場を設け、地域の特性や地域の移動ニーズを踏まえた地域公共交通計画の在り方が求められています。 地域の関係者の連携、協働を通じ、利便性、持続可能性、生産性の高い地域公共交通ネットワークへのリデザイン(再構築)を進めるための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律などの一部を改正する法律案が今年二月に閣議決定され、四月に公布されました。地域の関係者の連携と協働の促進、ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設、拡充、また、バス、タクシーなどの地域公共交通の再構築に関する仕組みの拡充、鉄道、タクシーにおける協議、運賃制度の創設などが盛り込まれており、危機に直面する地域交通について、コロナ感染症を契機に、人々の暮らしをめぐる環境や価値観も大きく変わる中、地域づくりへの寄与など、地域の交通の持つ価値や役割を見つめ直すべく、私たち人々の暮らしのニーズに反映された多様な関係の共創の実現などに取り組んでいくことが重要と考えております。 本市においても、二〇一九年に地域公共交通網形成計画が策定され、五年計画の今年度が最終年度となります。これまでの公共交通の現状等について、詳しくお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 石津議員の御質問にお答えをさせていただきます。 本市においては、天理市地域公共交通網形成計画を平成三十一年度に策定しておりますが、議員からも御指摘ございましたが、新型コロナ等を経て、やはり状況というのが相当変化しているところがございます。交通事業者にとっては、コロナ禍における外出自粛や生活スタイルの変化により、輸送需要の減少というのが継続をされ、将来的な需要回復等の先行きがいまだ不透明な状況であります。 一方、利用者側においては、今後、六十五歳以上の高齢者人口が第二次ベビーブームの世代が六十五歳以上となる二〇四二年までは増え続けると予想されまして、本市においても高齢化の進展や、全国的に高まりを見せております高齢者による事故、こちらに対しての運転免許の返納の増加等により、公共交通に対するニーズの重要性というのはますます高まってくるというふうに考えております。こうした将来の状況に備えまして、住民の移動手段を確保するための持続可能な公共交通ネットワークのあるべき姿を再定義し、新たな交通サービスの導入も含めて、あらゆる方策を検討する必要がございます。 本市が運行しているコミュニティバス及びデマンドタクシーの利用者状況については、コロナ禍の影響により、令和二年度は、コミュニティバスの西部線及びデマンドタクシーで大きく利用者が減少いたしました。しかし、令和四年度の利用状況では、コミュニティバス、西部線の利用者数は約一万四千人となりまして、おおむねコロナ前の水準に戻りつつございます。デマンドタクシーの利用者数は約五千名でございまして、こちらは、運行開始以来では最も多い利用者数となっております。 ○議長(大橋基之議員) 石津議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) ありがとうございます。少しコロナも緩和されてきたということで、乗客されているお客様もたくさんいらっしゃる、少しずつ増えてきたというふうなお話を頂戴いたしまして、ありがとうございます。 いま現在、市の予算として、コミュニティバスや地域公共交通に関わる予算はいくらぐらいであるか。そして、乗客数をお聞かせいただきましたけれども、乗客の金額、どれぐらいの売上げがあるかなどをお聞かせいただけたらなと思うんですけれども。よろしくお願いいたします。できる範囲で結構です。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) おおむねの数字で恐縮でございますが、コミュニティバスとデマンドタクシー双方に要する予算というのは、およそ八千万円。それに対して、利用料として頂けておるのはおおむね四百万円程度にとどまっておりまして、基本的には、利用料金によって自己完結的に成り立っているというよりは、これは、公共サービスとして、公共の方の公金で行われている事業というふうに捉えざるを得ない状況であります。 ○議長(大橋基之議員) 石津議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) ありがとうございます。公共交通というのは赤字で当たり前であるという感覚というのがどうしてもありまして、もちろん私たち市民に対しての足がないとか、やっぱり生活に対してのすごく重要なものであるというところで、赤字というのはどうしても、かけ離せないものであると私は思っています。 また、クロスセクターベネフィットといいまして、老人の方が、高齢者の方がやはり外へ出られないという状況がつくられてしまいますと、やはり健康的にも良くない、そして介護保険を使ってしまうなどと、いろんなことが含められたときに、お金の採算が合うのかどうかといったところを考えますと、地域交通がなくなるとか、数が減るとかということになってしまうと大変難しい問題になってくるかなと私は思っています。 いま金額とか乗ってくださった人数をお尋ねしたんですけれども、これから採算を考えていっていただく上で、どうしたらもう少し人に乗っていただけるであろうかとかいう考え方、そして、いまこういう取組がありますよとかいうのがもしもあるのであれば、お聞かせいただけたらなと思うんですけれども、市長、分かる範囲でよろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) いま議員から御指摘を頂いたとおり、単に採算性だけで考えられる問題ではないというふうに思っております。高齢者の皆さんのやはり健康福祉の増進というところもございますし、公共交通が確保されないことによって人口減が進みますと、ますます悪循環でございます。現在、本市では、市域をまたぐ鉄道、路線バスといった広域基幹交通と、それを補完する形でのコミュニティバス、デマンド型の乗り合いタクシーの地域内交通によりまして、公共交通の空白地域の解消割合は、形式的にはですが、約九〇%となっておるわけであります。 しかし、実際にはコミュニティバスの利用では便数が少ないため、行き帰りのどちらかしか利用できない。また、運行経路の事情により、通常、車でしたら十分ほどの目的地まで三十分以上要する場合というのもございます。私が住まいしております福住でありましたら、二十分少々でここまで参りますけども、コミバスであればやはり一時間それを要するというところもございます。デマンド型の乗り合いタクシーの方についても、現在のサービスでは乗車する便の予約を一時間前となっておりますが、第一便に関しては前日までに予約が必要ということになりますので、たとえば高齢者の方が午前中に通院したいというふうになった場合に、帰りの時間がなかなか読めないと、お薬が何時になるか分からないという不確定な場合には、やはり帰りの便の予約は困難であり、どちらかの方は御家族に迎えに来ていただく必要があったり、さらに、コミュニティバス及びデマンド型の乗合タクシーの停留所までが遠いがゆえに、停留所があっても利用しづらいといったような御指摘も頂いているわけでございます。 実際に、コミュニティバスについては、予約なしに乗っていただけるという点はあるんですけれども、御覧いただく中で、あまり人が乗っていない状態で走っているなというふうに感じられる点もあると思いますし、あるいは、あと一便増やせないかなという御指摘を頂いたりするんですが、その車両が目いっぱい動いている状態でいまなので、あと少しというふうになると、予算が直ちに倍近くになってしまうとか、そういった点もあるわけでございます。いまこうした課題を解決し、住民の誰もが通院や買物といった暮らしの移動手段を、いま現時点で我々が負担させていただいている予算の範囲を大きく超えることなくやれるサービスがないかなということで、AI、デジタル技術を活用した新たなデマンド型交通サービスの導入に向けて検討を進めているわけでございます。 この点については、本議会内においても、これまでるる御指摘を頂いた点があったと記憶をしております。AI、デマンド交通では、AIシステムにより、利用者の乗車依頼に合わせた乗り合わせと経路を計算しますので、目的地まで乗り合い送迎でお運びをする中、利便性と効率性を両立することができます。そして、単なる移動サービスの提供にとどまらず、やはり今後は外出促進のための高齢者が参加しやすい健康増進のたとえば取組があったりとか、そういう「コトづくり」を併せてやっていくことも大切だと考えておりまして、民間事業者との競争により、採算性、持続性を向上というところを目指して、このAIのデマンド交通の実証運行をやっていきたいというふうに思っております。予定では、今年度の秋頃にこの実証運行を行いまして、利用者からの御意見等をお伺いし、さらに、来年度から市内全域で本格的な展開、運行が可能なのか、それを詰めていきたいというふうに考えています。 ○議長(大橋基之議員) 石津議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) ありがとうございます。いま現在のバスの利用者というのが、なかなかやはり先ほどお話にあったように、一人だったり、「あれ、空っぽやん」とかいうときもあったりと、いろいろ、私も見ていて寂しくはなるんです。けど、乗せていただきますと、長い時間かかる分、やはりいろんな景色が見えたりとか、天理市ってこんなところあったんやとかということに気づかされたりとか、いろんなそういう利点ももちろんあるわけですね。 あるまちですけれども、妊産婦に対しまして母子手帳をお渡しされたときに、エコでもあるというところから、御自分の運転で来られるのではなくて、検診に行く際にバスを利用しましょうということで、チケットをお渡しされているようなところもございます。それを使うか使わないかは御自分の判断ということらしいですけれども、そういうふうなようにして、バスに乗っていただくような方法を見つけてくださっているところもあります。現在、土、日、祝というのはお休みになっていると思います。ふだんの生活の一つと考えるのであれば、土、日、祝はお休みであるのも確かかなとは思うんですが、子どもさんなんかでも乗り物が好きな方とかもいらっしゃいますので、ぜひ、今日は天理市デーにして土曜日運行させますので、小さなお子様と一緒に乗ってください。そこにはたとえば生き字引のような方に乗っていただいて、天理市のお話を聞きながら、運動公園を見ていただくなり何なりという、いままでの足という形のバスだけではなくて、いろんな使い方をしていただくというか、発想していただけたらいいかなと思っておりますので、少し御検討いただけたらと思います。あと、一番言われるのが、イチカが使えないと。バスに乗った際にイチカでの支払いができないということも言われたりもしますので、そこの辺りも少し御検討いただけたらと思います。 いま、プラスして市長の方からお話を頂きました新しい公共交通のサービスの導入ということになります。これ、やはり先ほど市長も申し上げていらっしゃいましたように、ふだん自転車で活動されている市民の方からは、やっぱり雨の日に自転車に乗れないのでお買物に行けないけれど、バス停がそばにないのでなかなか出ていけない。足を止められてしまうと。あとは、高原地域の高齢者の方からは、大きな荷物を持っていきたいんだけれども、バスに乗るまでのバス停までが遠いと。これもなかなか持ち運びが大変である、急な坂であったりということだと思うんですけども、そういう方々にとっても、いまこれから導入されていくサービス、新しい形というのをまた皆さんにとってはいいことになっていくかなと思っております。 それに併せまして、近隣の市町村との連携も私は必要になってくるのではないかと思っています。地域公共交通網形成計画は、単一の市町村で策定されていることが多いんですけれども、しかし、私たちの移動というのは、住んでいる市の中だけではなく、市町村の境界を意識することなく移動していると思います。令和二年の地域公共交通活性化再生法の改正に伴って、各自治体が同法に基づく地域公共交通計画を策定することが努力義務とされ、自治体が交通政策に深く関与する必要は今後ますます増大すると思われています。これらの市が抱える様々な問題の課題の解決として、また、コンパクトシティを目指していくのであれば、天理市や他市町村への移動がいま以上に便利にできるいい環境を整えることも必要ではないかと考えています。そのようなことから、今後、交通政策は、市町村の垣根を越えて連携して取り組まなければならないのではないかと思っておるんですけれども、しかしながら、なかなか市町村間での複数の自治体の連携が進まないという現状も耳にします。近隣市町村の動きは気になるけれども、予算の獲得や、それこそ市長の思い、問題意識の差など、市町村によって事情が異なるので、単独での調整の方が楽である。あと、地理的な問題、参画する市町村が多ければ多いほど調整コストが高くなり、連携の障害となっているなど、そんな意見を聞くんですけれども、現在、本市はコミュニティバス、川西町まで運行していただいておりますけれども、今後、いろんな形の作り方として、近隣市町村との公共交通の連携についてはどのようにお考えか、少し思いをお聞かせいただけたらと思います。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) いま議員からおっしゃっていただきましたとおり、市民生活においては、市の境というのは全然関係がないものだと思っておりまして、特に本市の西部においては、天理線に行くよりも直接橿原本線に行くほうが便利というところも十分ございます。人によっては、JRの法隆寺駅であったり大和小泉に直接行かれる方もあるわけでございますが、一方、本市にはよろづ等の病院もございますので、近隣自治体から病院に通いたい、そういうニーズもあるところでございます。 いま御紹介いただいた川西町との連携については、結崎駅まで結んでおるわけでございますが、これは定住自立圏の枠組みの中でやらせていただいて、双方にとってウィン・ウィンとなる取組としてこれまでやってきたと思っております。さらに広げられる要素があるかどうかというところは、我々としてもできるだけ市民の利便性は高めていきたいというふうに思っておりますので、継続的に取り組んでいきたいと考えます。 ○議長(大橋基之議員) 石津議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) ありがとうございます。私は、いまできないことがいっぱいあるというお話をさせていただいたんですけども、ある研究の分析では、自治体間に財政の規模の格差がある場合でも、連携に対して手段として連携を自治体間が同意した場合、自治体間の財政規模に関わらず、連携が実施されやすい特徴があるとか、あと、人口の増減のみが連携を志向する大きな要因ではないということとか、あと、第一次産業の割合の高い農村部と低い都市部の連携可能性は高いというような、いい面もいろいろ上がってきております。一分析ではあるんですけれども、そういうことが表に出ております。 逆に、デメリットとしては、高齢化率の高い、格差のある、高い地域と低い地域の連携にはメリットがないとか、いろいろな課題と分析されているものがございますので、方法として一つ考えていただけたらと思います。 できないことが多いと私の方から申し上げたんですけれども、令和二年の七月の末の現在で市町村の連携をしているところというのが全国の中で二十五か所ほどあるという統計が出ております。四町五村で、きっかけとしては、豪雨災害があって、そこから公共交通の再編をしていくために、自治体間の連携によって持続可能に再編する取組を行っているところですとか、あとは、一市四町で、公共交通の空白地域の解消に向けて、ちょうどそこの一市四町は定住自立圏の形成協定を結んでいるということで、それで、いろんな取組として一緒にやっていることがあるというふうに出ています。やはり一緒になるということに対しての抵抗、事務が増えるとか、いろんな予算のこともあると思うんですけれども、私たち市民にとっては、そういうところも広げていっていただけたならば、特に高原地域にお住まいの方などは、なかなか私たちとはまた違う思いでいらっしゃると思いますので、ぜひそこら辺の協定を結んでいただくなり、一緒に路線を増やしていただくような状況をお願いいたします。 あと、ほかの自治体で、ライドシェアリングとかいうのもされているところもございます。これは、ちょっと遠方へ行くのに、それこそ県をまたぐというか、あとは、市町村でもまたいで、また別の市へ行くとか、また別の県に行くとかいうときに、一緒に空席をシェアして出ていかれるという、そういうライドシェアリングのサービスというのもされているまちがあります。やはりなかなか知らない人に乗せていただくという、登録をして、どこどこまで行くと言ってはるから、ちょうど時間帯もいいし、乗せていってもらおうかなとか思っても、なかなか知らない人だったら難しいということで、市町村の中での検討ということで、ちょうど同じ地域に住まわれる方にドライバーの手続をしていただく。それは年齢は七十歳までである。七十歳までの方に、自分が運転される場合にどなたかに乗っていただいてもいいですよというような状況をつくられて、そこに高齢者の方であるとか、お子様であるとか、なかなか自分で移動ができない方に登録をしていただいて一緒に乗っていただくというのはされているところがございます。 それは、地域の方ですし、知らない顔ではないというところで、同じまちに住んでても知らない方というのもいらっしゃると思うんですが、その中で、どういった取組をしようと。たとえばAEDを一緒にやりましょうと、一緒に体験をしてもらって、この人は運転手で登録している方なんやなというのが乗る方にとっては分かったりとか、一緒に何か物事を、一緒に勉強会されたり、保険のことを学んだりとか、いろんな自動車についてのことを学んだりとかということをされているところがございます。いまから実証実験されようと思ってくださっていることにプラスアルファとしてそういうことも、そこでは賄い切れない部分というところの位置付けとしてそういう考え方もあるので、御理解を頂いていればありがたいかなと私は思っています。 いろいろ公共交通には問題が多発しておりますけれども、運営をしていく上で、自治体だけではなく、多様化されているところもございます。地域の自治会や女性会がコミュニティバス、市民の会を運営しています。これは、パートナーズというのをつくられておりまして、たとえば病院に行きたい、そういうところを路線に含みます。そのパートナーから逆に寄附を頂くというか、パートナーズシステムで運営資金を頂くというような、それで運営をしているというようなところもございます。そういうところに、自分のところに来てくださる患者について、自分のところで車を出していたけれども、それではなかなか手が回らないということで、そういうふうな提携を結んでいらっしゃるところもございますし、あとは、社会福祉協議会がデマンド交通の運行しているところなどもあります。そうすると、住民の状況をきめ細かく把握した社会福祉協議会の取組とつながっていくということで、公共交通の在り方として新しいデザインではないかなと思います。 あとは、住民グループを結成して、バスの運行計画をつくって、事業者に委託して運行するプロセスを市が支援するというものもあるそうです。皆さん、それぞれいろんな地域で、どうやってこれを続けていこう、そして予算的にもうまく回していけるのだろうかというのを考えてくださっていますので、ぜひ一つの例として、また新しい考えとして思っていただけたらと思います。 最後になりますけれども、「つながり、にぎわい・未来を創造するまちづくりのために」というふうな言葉が私は大変大好きで、これは第五次総合計画のスローガンになっておるものでございます。いま市長からもお話をいろいろ聞かせてはいただいたんですけども、目の前のものだけではなくて、これから五年先、たとえば十年先について、市長がこれからの公共交通についてどういう思いでいらっしゃるかということをお聞かせいただけたらありがたいんですけれども、よろしいでしょうか。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 今後の思いということでありますけども、本市は非常に地勢が多様だというふうに思っております。単に盆地と高原ということだけではなくて、農村部と都市部が混在しているような中で、支える地域コミュニティをつくっていくということをいま掲げているわけでありますが、その中で、足がしっかり確保されておるというのが非常に大きな条件になってくるし、それが、いま、自動車産業自体も、従来の移動手段として取り上げるというよりも、モビリティの今後の在り方というのが大いに検討されているところでございますので、移動手段の確保、プラス相乗効果があるような施策というのをやっていきたい。 その中において、今回、我々が実証実験をしようとしているのは、AIデマンド交通という形になりますが、議員から御指摘を頂いた様々な要素というのはぜひとも参考にしたいと思いますし、ライドシェアであれば、これまでですと、マッチングを誰がやるんだという事務局機能の部分がなかなか課題になって、やってみませんかということは、実際、高原のまちづくり協議会で議題にしたこともあったんですけれども、なかなかそこの負担がなということで進まなかった。ただ、それがより簡易的なサービスでやれたりもしますので、一方で、乗せたときの危険負担をどうするんだとか、そういった課題もあるわけでありますが、やはり地域の皆さんと一緒になって課題を解決していきたい。その地域の皆さんの中には、事業者の方、あるいは病院、こういったところとも連携するというのは本当に大切なことだというふうに思っておりますので、オール天理で、少なくとも移動手段がないことにより制約されるという要素を少しでも下げていけるように取り組んでいきたいと思います。 ○議長(大橋基之議員) 石津議員。 ◆十三番(石津雅恵議員) ありがとうございます。大変前向きな御意見を頂戴しましたので、行政側にしていただけること、そして私たち市民がやっていけることを見つけながら、また前向きに進んでいけたらと思います。御答弁ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。 ○議長(大橋基之議員) 次に、一番、今西康世議員。     〔一番 今西康世議員 登壇〕 ◆一番(今西康世議員) 議長のお許しを頂きましたので、ただいまから一問一答方式により一般質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、相続登記の申請義務化について、二点目、無縁遺骨について、三点目、公民館について、四点目、女性視点の防災について、以上四点について質問いたします。 まず、相続登記の申請義務化についてですが、二〇二四年、令和六年、来年四月から不動産の相続登記の申請が義務化されます。法務省民事局によると、これまで申請しなくても罰則はありませんでしたが、不動産の取得を知った日から三年以内に申請しないと、過料の適用対象になることになりました。改正後の施行前に相続が発生していた土地も、法改正の施行日、令和六年四月一日から三年以内の申請が義務付けられることになりました。 いま所有者不明土地が問題になっていますが、登記簿を見ても、所有者がすぐに分からない土地、また、所有者と連絡が取れないなど、いろいろな問題が発生しています。このような土地は、公共事業や災害からの復旧、また民間取引の妨げになっています。その上、土地が管理されていないことによる悪影響も出ています。原因は、相続時に登記が行われていないことや、遺産分割をしないまま相続がくり返されることなどによるものだと思います。 令和二年の国土交通省調査によると、全国で所有者不明土地が占める割合は二四%で、その面積は九州本島の大きさに匹敵すると言われています。固定資産税とも大きく関わるわけですが、天理市ではどのくらいの所有者不明土地があるのですか、お伺いいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 今西議員の御質問にお答えをさせていただきます。 本市が現在把握している所有者不明土地は、相続登記の未了のうち、相続人全員が相続放棄をするなどして相続人不在となっている土地が百十筆、約四万四千平方メートルでございます。これでございましたら、本市の評価総地積の約五万一千四十五万平方メートルのうちの〇・〇九%という形になりますが、相続登記の未了の中には、把握している所有者不明土地以外にも、共有地に多数の所有者が存在し、相続者の追跡が困難な土地などが多くあるわけでございます。今後は、相続登記の申請義務化により徐々に解消されていくことを期待しておりますが、やはり相続登記の未了の土地の解消と未然防止が大きな課題であると考えております。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございます。いまお答えいただいたように、追跡困難な土地ということも本当に大変なことだと思います。 所有者不明土地の存在は、東日本大震災などの災害時に土地所有者の探索に時間と費用が非常にかかり、復興の大きな妨げになりました。今後、南海トラフ地震による深刻な被害が想定されています。もしものとき、復興事業を円滑に進めるためにも、所有者不明土地の解消は急を要する課題だと思います。市が公共事業を実施するとき、きちっと登記されていない土地などが関係すると、大きな労力と時間がかかってしまうことになります。それらの解消方法についてはどのように考えて、どのように今後解消していかれるのか、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 所有者不明土地を発生させないためにということでありますが、本市においても、所有者の死亡が判明した場合には、御遺族に対して、相続人代表者指定届兼現所有者申告書を提出いただくよう依頼をしております。その際には、相続登記が別途必要である旨も併せてお知らせをしているところです。しかし、期限内に提出いただけないという場合におきましては、相続人の調査等に多くの時間と労力を要しているのが現状であります。相続登記の申請義務化により、相続手続が早期に進められるとともに、相続人調査の省力化も図れ、適正な課税につながっていくことを期待しているわけであります。 相続登記未了等の解消に向けての法整備が今般改良したことによりまして、国の主導により登記簿の適切な管理を推進することは、固定資産税の適正課税の上でも不可欠であると考えておりまして、土地の所有者が明確になり、議員がおっしゃっていただいた公共事業の円滑な推進にもつながっていくものと考えております。法務局が、所有者不明土地の解消に向けての情報提供、あるいは相続登記の申請義務化の制度周知について、協力依頼にいま各市町村を回っておられるところでありまして、本市としても積極的に連携していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございます。本当に相続が関わると、登記とか非常に難しいなということが私もよく分かりましたので、ぜひこの辺のところは整理していくような方法をうまく考えていってほしいなというふうなことは思います。 続きまして、無縁遺骨について質問いたします。各地の市町村が庁舎内などで引取手のない無縁遺骨を約六万柱保管していることが総務省の調査で分かりました。身寄りのない独居高齢者の方が死亡し、市区町村が葬儀を行ったものの、遺骨の引渡し先が見つからなかったケースが多いそうですが、このような例が私の近所でもありました。人のつながりが希薄化する現在でございますが、これは今後の増加が見込まれてくると思います。 総務省によりますと、二〇二一年の十月末時点で、延べ八百二十二市区町村が、庁舎内の棚や倉庫のほか、運営する墓地や納骨堂などで遺骨を保管されていたそうです。約六万柱のうち九割に当たる約五万四千柱は身元を確認できましたが、引取手が見つからない。それからまた、親族が引取り拒否をするため、そういうことで、残りは約六千柱は身元が分からなかったということなんですが、単純比較はできませんが、二〇一八年には四万五千柱あったということですが、二〇二一年では既にこのときの一・三倍に超えたということも聞いております。天理市ではどれぐらいの数がどこにどのように保管されているのか、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 独居となった方がお亡くなりになり、あるいは御遺体を引き取る方がいない、または引き取る方が不明な場合、こちらは死亡地の首長として火葬を執り行うということになっております。本市のこうしたケースは、平成三十年以降の五年間で十八件ございました。この十八件のうち、住民票や戸籍等を追跡して親族調査を行ったところ、十一件については御親族の元に御遺骨が戻っているわけでありますが、残る七件が無縁遺骨となっております。こうした場合に、市内の霊場に御遺骨をいったんお預けしまして、霊園の御好意により、一定期間はそのまま区分をされた状態で保管を頂いておるわけですが、その後は永代供養墓に合祀にて納骨をされております。 少子化や未婚化の上昇など、ライフスタイルの多様化によりまして、今後も市で執り行わざるを得ない火葬というのは増えていくことも懸念をされるわけでございますが、しっかりとつながりのあるまちづくりを進めていく中で、できるだけ無縁遺骨の発生を防止できないかと存じますし、やむを得ざる事情によりまして無縁遺骨となられた場合には、心を込めて対応していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございました。本当にこの辺のところはこれから増えていくことと思いますので、またどうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、公民館について質問いたします。 人生百年時代になり、社会も急速な変化を続ける中、全ての人がウエルビーイングの実現に向けた生涯学習、社会教育の推進が言われるようになってきました。最近は、社会のライフスタイルの変化などにより、人と人とのつながりの希薄化や、困難な立場にある人々、たとえば貧困の状況にある子ども、障害者、高齢者、孤独、孤立の状態にある人、外国人等々に関する課題が顕在化、深刻化しています。そんなことから、学びを通した人づくり、つながりづくり、地域づくりがとても大切になってきました。そして、その実現を支える地域コミュニティが一層重要になってきました。そして、その中でも、社会人の学び直しをはじめとする生涯学習がなお一層重要になってきています。特に公民館は、地域コミュニティ拠点機能の強化を図る観点からは大切な位置付けです。子どもの居場所としての公民館の活用、子ども食堂、住民相互の学び合いや交流の促進、また、公民館は避難所としても利用されています。それに、投票所にもなっています。 いまタウンミーティングが始まっています。これからそれぞれの地域の方々との意見交換が行われるわけですが、校区によっては、利用の仕方や物の考え方の違いもあると思います。公民館についてですが、タウンミーティングでいろいろお話を聞かせていただいている中でですが、その中に、小学校に公民館を入れるというお話が出てきます。昨日の一般質問にありましたみんなの学校プロジェクトに関することですが、小学校に公民館を入れることにはメリットもあるでしょうが、デメリットもあると思います。学校に大人が出入りすることにより、大人はどんな方もおられるわけですので、子どもたちの安全をどこまで担保できるかなど、心配な要素もあります。また、学校教育と社会教育とは異なるので、相入れない部分もあり、ひずみが出てくるのではないかなど、老婆心ながら思っています。これらのことについてはどのように考えておられますか、お伺いいたします。 確かにいまの公民館がすごく活発に機能しているかと言われれば、それはどうでしょうと思う部分もあります。かけているお金の割に効果が出ているのかと言われれば、費用対効果を考えると仕方ないのかなと思うこともあります。他市に比べて天理市は非常にぜいたくな公民館かもしれません。しかし、社会教育、生涯学習の進展などを考えますと、これからの各地方公共団体における関連施設、施策や民間企業等との連携を進めるとともに、地域住民や有識者からの外部評価を活用した運営の方法など、実用に応じた公民館の運営や複合化など、また、文化交流等の利用、そして、社会教育士の養成や配置等も進めて、機能強化の有効な方策を講じては、そういうふうにしてほしいという気持も多分にあります。いろいろ申しましたが、これらのことについては、今後どのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 公民館は、地域住民の社会教育を推進する場として、また、議員おっしゃっていただきましたとおり、子どもの居場所や住民相互の学び合いの場として、行政と住民等の協働を育む、これから支え合う地域社会の中核として考えておるわけでございます。そうした中、議員におかれましては、御地元の式上のみならず、あらゆる校区の公民館活動を見させていただいても、積極的に教室などでも御貢献を頂いておりまして、心から敬意と感謝を表する次第でございます。 一方、地域のコミュニティでは、少子高齢化、核家族化が進む中で、地域活動自体がやはり昔と比べたら希薄化、近所での付き合いというのも希薄になっている。子どもたちが親以外の大人と接する機会が少なくなり、コミュニケーション能力の育成にも影響しておるというふうに考えております。公民館においては新しい役割が求められている中で、私も、単純な費用対効果ではかれるものではないというふうに考えておるわけであります。 一方、本市の公民館におきましても、令和十年頃からは大規模改修や根本的な建て替えが必要となってくる時期だというふうに思っております。既に雨漏り、あるいは外壁などで数千万円単位の補修が必要になっている館というのもございます。そうした中、全ての公民館の老朽化対策というのが可能か。いま市内に各校区一つ、二つ、それぞれあるわけですが、これを全て更新することが財政的にできるのかというふうになった場合には、しっかりと対策を取っておかないと、耐用年数を迎えると同時に、せっかくこれまで地域で育んできていただいた諸活動が、ハードとソフトが一緒になってしまっていると、本当にそれをもって失われかねないという懸念も持っております。 そうしたことから、県内のほかの自治体の状況を見させていただいたら、そもそも自治体の中に一個中央公民館があるだけとか、あるいは相当広いエリアの中に集約されているという状況もあるわけでございますが、やはり本市においてはできるだけきめ細かく社会教育、生涯教育、地域の支え合いの場を維持していきたいというのが率直な思いです。そうした中で、みんなの学校プロジェクトというのを進めておるわけでありますが、大きな要素として考えておるのが、天理市内においては校区が単なる通学の範囲という捉え方よりも、これまで地域コミュニティの核になってきた、それが天理の特徴だというふうに思っております。その特徴を生かして、特に櫟本校区でこれが先行して進んできたわけですが、地域有志が運営する町カ塾、あるいは夢応援プロジェクトというものを学校と地域社会が連携をし、児童等、地域の高齢者をはじめとする皆さんの交流というのが本当に育ってきております。結果として、公民館の利用者の高齢化ということもよく言われますが、これまであまり行かなかっただろうなというような子育て世代、あるいは子ども自身が公民館に行っているところも見られるところでございまして、学校地域連携が進むことにより、公民館側にも利用者が増えていくというところも見られると思っております。 もちろん、校区においてもそれぞれの事情というのがございますし、行われている活動の中で特に力を入れておられるもの等あるわけでありますが、昨年度から、実際に各小学校で公民館との協働事業、あるいは学校内での地域の居場所づくりなどを試験的に行っていったところ、やはり限られた時間の中でも、子どもたちと大人が共に学び合うことの意義というのを確認できたというふうに思っております。子どもたちにとっては、社会教育をされている地域の皆さんから学ぶということは、都市部のより希薄な地域では得られない学びの機会でありますし、高齢者の皆さんにとっても、やはり子どもたちと一緒にやることでやりがいがあるということで、活動を広げていただける部分というのは大いにあるだろう。もちろんそこにおいて、昨日、神田議員からも御質問いただきましたが、セキュリティーという点は非常に重要でございますので、館内に入ってくる方をきっちりチェックする、あるいは、今後、設備面でも増やしていくというところもございますが、教育長から答弁をさせていただいたとおり、学校のスタッフだけで、本当に突入してくるような方があった場合に、どこまでカバーできるだろうと。地域の皆さんもしっかり関与いただいているほうが、より学校の運用としても安全面を高められる部分があると。こうしたことから、本市においては、公民館活動を今後もより活発にしていくという観点から、この社会教育と学校教育の連携を一層育んでいきたいというのが趣旨でございます。 これが十分まだ伝わり切っていない部分があるがゆえに、公民館を潰そうとしているんじゃないかとか、そうした誤解が一部広がってしまっているところもあるかと思いますが、私は、いまタウンミーティングを各校区でやらせていただくに当たって、ぜひその点はしっかりとお伝えをしていきたいというふうに思っておりますし、一方で、非常に懸念をしているのは、出生率によって、子どもの数自体も大いに減っていくわけであります。いま生まれている子どもの数から計算をしても、百人台で学校の生徒が少なくなってくるところというのもいくつか出てまいります。昨日、別件で、朝和小学校で説明会をさせていただくものがあったんですが、いまの一年生と三年生、それと、今いる一歳から三歳、これは三歳しか違いはないわけですけども、そこだけでも三割減というのが見込まれている。それに対して、多くの自治体においては、いま学校ごとの統合というような議論にもならざるを得ない状況になっている。それに対して、天理市においては、やはりこれまでの校区と地域コミュニティというところを考えますと、できるだけ学校校舎を地域全体で有効に活用していく中で、何とか単なる整理統合という形ではない道を目指していきたいというふうに思っているところでございます。 東京都内の都市部においても、やはり学校の在り方自体を単に学校のいままでの授業だけで使うというよりは、放課後、地域の皆さんにも使っていただく場所として提供しようと、そんな積極的に取り組んでいらっしゃるところもあるわけでございまして、そうした先進事例も参考にしながら、地域の皆さんといままで公民館で養っていただいたことをもっともっと大切にしていくためにはどうすればいいんだと、そういう視点で取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございます。これからは、住民でできるところは住民でしていかなければならない、住民自治が非常に大切になってくると思います。行政の負担をできるだけ軽くして、いまおっしゃったように、多様化される中で、地域住民が生きがいを持って潤いのある充実した人生を送るというのが理想であるわけです。私たち市民も公民館を有意義に使わせてもらいたいと思っていますので、地域にある公民館が、いまおっしゃったように、有意義にこれからも発展していくようなことを私たちも思いますし、またどうぞ行政の方のお力もお貸し願いたいと思います。 それから、話は変わりますが、公民館で二か所の公民館のあるところが三校区あります。これは、取りようによっては分館のように感じる方もあると思いますが、位置付けとしては正式な公民館です。その公民館で貸し館利用の申込みをされていたのに、行ったら門が閉められていたり、鍵がかかっていたり、休館になっていたりしたことがありました。それには貼り紙がしてあって、「用事のある方は何々公民館へ連絡ください」と書かれていたこともありました。また、何も書かれず、鍵が、扉が閉まっていたこともありました。それにまた、あるお母さんが子どもを連れてトイレを借りにこられたのですが、公民館は休みではなかったのに、閉まっていて、とても困られたこともありました。困られただけではなく、非常に怒っておられました。公民館にもいろいろ事情があったのだと思いますが、今後はこんなことがないようにくれぐれもお願いしておきたいと思います。答弁は結構でございます。 それでは、続きまして、四番、最後でございますが、防災に女性の視点をということで質問いたします。 二〇一一年に発生した東日本大震災の避難所で実際にあった出来事です。それは、年配の男性が避難所にいた女性を集め、生理用ナプキンを一人につき一枚ずつ配ったことがありました。個人差はありますが、生理中は一日何回も必要な一方、生理は、人によって違いますが、約一か月に一度しかないために、全員に配る必要はないわけです。受け取った人たちは、ナプキンはトイレに備え付けてほしいとか、女性に配ってほしかったなど、配慮をしてほしかったと言われていました。女性にとっては当たり前のことなのにと、防災に女性の視点が必要なことを私はこのとき非常に痛感いたしました。 また、二〇二〇年の七月、福島市に大雨警報が出たとき、妊娠三十六週の妊婦が、出産を間近に控えていた人なんですが、その方が冷たい体育館の床に毛布一枚で過ごされたということも聞きました。後でビジネスホテルを予約できて、そちらへ避難することができたということも聞いております。また、二歳の子どもを連れたお母さんが、娘の手を引きながら、かさばるおむつや粉ミルクを持ちながら移動するのも大変です。特に避難先ではお湯の調達が難しいです。ミルクを作るのには、哺乳瓶にミルクを入れて、そこへ水を少しずつ入れ、溶けないミルクを何度も何度も水を入れては振り、水を入れては振りをくり返して作ったことを話されていました。 避難生活はとても大変で、ストレスになり、体調の悪化につながることがあります。特に女性たちを取り巻く状況は深刻です。エコノミー症候群など、避難生活で体調を崩す女性の割合は男性より多いという報告も受けております。熊本地震におけるエコノミークラス症候群の入院患者のおよそ七七%は女性でした。このようなことはほんの一部ですが、防災の鍵は女性の参画だと言ってもいいのではないかと思いました。女性が関われば、避難所ももっと変わるように思います。何とか女性職員を増やすとか、女性職員を配置していただくなど、できないものかというふうに思いますが、しかし、実際問題、なかなか難しい問題だということは私も思います。女性ももちろん二十四時間体制、緊急対応となっても、育児や介護を担っていることが多い、その女性ですから、現実的には難しいということになってしまいます。 内閣府は、災害対応力の強化を目指すガイドラインで、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどを十分に配慮された、女性の視点からの災害対応が行われることが、防災や減災、災害に強い社会の実現にとって必須と定めています。実際、市区町村は六割が担当部署で女性職員ゼロです。天理市でも、女性の視点に対する災害対応力の強化を図るために、地方公共団体において防災担当部局と男女共同参画担当、あるいは男女共同参画センターの連携体制等も取っていただいているようには聞いておりますが、具体的にはなかなか難しいようです。自治防災組織もありますが、訓練実施となると、これもまたなかなか女性の進出は難しいように思います。そんな難しいことではありますが、女性職員や女性防災士の拡大、また、女性に限らず、女性の視点を持った考え方ややり方についてはどのように考え、どのようにしていかれるのか、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) 議員から御指摘を頂きましたとおり、災害時では女性目線での対応というのが本当に必要な場合というのが多々ございまして、特に避難所運営においては、共同生活の場となりますので、女性の視点による運営が必須でございますし、そのことは、単に女性に対してだけでなく、男性も含めた避難者全体にとって重要であると存じます。 本市の避難所においては、災害対策本部体制の中で、避難所開設時に公民館に五名、小中学校に十六名の女性職員を配置する体制も整えているところでございますが、やはり地域防災力という点で、女性防災士の果たしていただく役割というのは非常に大きいと考えております。補助金を活用され、資格を取得された方が、令和四年度末で、本市内七十一名、日本防災士機構認定の防災士を含めて、市内の防災士がいま百三十七名いらっしゃるわけですけども、女性防災士はいまだ十五名ということで、一〇%少々にとどまっております。今西議員におかれましては、率先して防災士の資格を令和三年度に取得を頂いておりまして、心から御礼を申し上げますとともに、今後も多くの希望者が受験をしていただきたいと考えておりますので、ぜひともお力添えをお願いしたいというふうに考えております。 この拡充については、ホームページ、広報紙などで適時啓発を実施し、また、地域自主防災組織における訓練等では、県が作成している女性目線のハンドブック等も活用した啓発を行っていっておりますが、やはり地域、自治会等の中においても、女性の担い手が非常に大事だという認識を広く広めていかなければならないと考えておりまして、その中で、ぜひとも女性防災士の拡充に努めてまいります。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございます。私は、つい先日ですが、防災の研修を消防署で受けました。天理市ではありませんでしたが、AEDを使う講習の際、命の大切さはよく分かっていますが、やり方については、もっと女性に配慮する方法があるだろうと強く感じたことがありました。講習をしてくださったのは男性四人でしたが、もちろん男性の方でいいんですが、女性の視点を取り入れてもらえればありがたいのにと思いました。それは、人命救助でAEDを使用する場面なんですが、男性にする場合はそのやり方で、いままでのやり方でいいと思うんですが、若い女性や中高生、若い女性だけではありませんが、たとえば布を一枚かぶせるとか、うまく胸を隠してやるとか、女性の視点への配慮が欲しいと思いました。AEDがセットされている機械に風呂敷くらいの布を一枚入れておくのも今後の方法ではないかとも思い、私はこのとき、人命救助の方法を教えてくれた人に聞きました。「この講習は開催されているところによってやり方は違いますか」。すると、その人は、「どこで受けてもらっても同じですよ」と言われました。 私は以前、天理消防署でも受講しました。今回は、コロナ禍のためしばらく休みでしたが、コロナが開けてからの受講でした。やり方が変わっていたのは、マウストゥマウス、口の部分は、感染等の関係から、その部分はしないようにやっていました。私は、「もしここに救助を受けている人が女性ならどういうふうにされるんですか」と聞きました。すると、その人は「誰でも同じです。子どもさんはAEDで少し違いますが、やり方は皆一緒です。大切なのは命です。命を救うことが一番です」と言われました。おっしゃることはもっともです。その状況に応じてはさみで服を切ることも話されました。少しでも早く助けることを説明されました。誰もが命が一番だということは分かっています。海で溺れた人などは裸に近い状態です。また、この人だかりの中で、この様子をスマホで撮ったり撮影する人がいるかもしれないではないですか。その動画を拡散する人がいるかもしれません。いろいろな状況を考えた上で配慮するのが私は大切ではないかとそこで言ったわけなんですが、大事なことになる前に、人命救助の講習実施にも女性への配慮を考えた講習方法にしてほしいということを非常に感じました。このことについてはどのように考えておられますでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議員) 市長。 ◎市長(並河健) やはり防災研修会等において女性に配慮した講義内容をしっかりとやっていくということは、より多くの女性の皆さんにこの防災分野に関わっていただく上でも非常に大事だと思っております。御参加されたものはどういう詳細なやり取りであったのかというところでいまお聞かせを頂く中で、AEDを使用する機会というのは本当に一分一秒を争うことの中、命を最優先したいということでその方はきっと回答された部分もあったんだろうと。極限状態においては服を切ってでもというお話でありましたが、ただ、おっしゃるように、服の下で下着をずらして貼るという方法や、あるいは、上からタオルをかけてもAEDの使用自体は可能ということでありますので、今後、天理消防署等にも御指摘の点というのは共有する中で、どういったことが可能なのかということはしっかりと話をしていきたいというふうに思います。 ○議長(大橋基之議員) 今西議員。 ◆一番(今西康世議員) ありがとうございます。本当に一番ありがたいところでございます。 熊本の益城町で避難所運営の中心に女性がいたことで、不安や困り事がとても少なかったと書かれた資料を見たことがありましたので、私も実際に益城町に視察に行きました。女性はよく動くし、男女の役割を固定化せず、掃除や食事配りなどは、男女関係なく、できる人がやるように促されていました。特に九州の女性はよく動かれるのかもしれません。女性は、日常生活の中で常に臨機応変なことをやっていますので、災害で女性たちが力を発揮するのは理にかなっているというふうに思いました。 避難所では少数の人で対応するのは難しい、いろんなリーダーの人が複数、その状態をつくっていたんですが、非常に男女バランスよく、いろんな活躍ができるように、うまくそこではされていました。熊本と奈良では大きく違うわけですけれども、災害時に女性が現場で指図するというのはなかなか大変なことです。力仕事は男性にお願いすることができたとしても、その場所でああしろこうしろの采配はなかなか女性で触れるものではありません。そこで、知識を深めるためにも、女性防災士の拡大を市が先ほどおっしゃったように率先してやってもらえるということを聞いて、本当にありがたいと思いました。益城町の女性は防災士ではなかったですが、防災に関しての知識は非常に深く、よく勉強されているグループがいくつもありました。いろいろこちらからいくら質問しても、「それはどうでしょうね」とは決して言われずに、「私たちの町ではこのように対応します」とか、「東北ではこんな例がありました」など、市民の一人ひとりの女性が答えてくれて、驚きました。日常生活と、もしものときのことは常に考え、行動に結びつけていくことができればありがたいことだと思います。自分ももっとしっかり勉強していかなければと改めて思っているところです。 時間が遅くなって、後になって申し訳ありませんが、天理市の一層の安全な安心を願って、一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議員) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より二十五日まで休会し、二十六日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。                      午後零時十分 散会...