令和 5年 3月 定例会(第1回) 令和五年 第一回
天理市議会定例会会議録(第一号)
--------------------------------------- 令和五年三月六日(月曜日) 午前十時零分
開会---------------------------------------議事日程(第一号)一 報告 (一) 令和四年度
財政援助団体等監査の結果について (二) 令和四年十二月
例月出納検査の結果について (三) 令和五年一月
例月出納検査の結果について (四) 令和四年度第二回定期監査の結果について二 日程 日程第一 報告第一号 損害賠償の専決処分の報告について 日程第二 承認案第一号 専決処分の承認を求めることについて 日程第三 議案第一号 令和四年度天理市
一般会計補正予算(第九号) 〃 〃 議案第二号 令和四年度天理市
国民健康保険特別会計補正予算(第一号) 〃 〃 議案第三号 令和四年度天理市
介護保険特別会計補正予算(第二号) 〃 〃 議案第四号 令和四年度天理市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第一号) 〃 〃 議案第五号 令和四年度天理市
土地区画整理事業特別会計補正予算(第一号) 日程第三 議案第六号 令和四年度天理市
下水道事業会計補正予算(第一号) 〃 〃 議案第七号 令和五年度天理市
一般会計予算 〃 〃 議案第八号 令和五年度天理市
国民健康保険特別会計予算 〃 〃 議案第九号 令和五年度天理市
介護保険特別会計予算 〃 〃 議案第十号 令和五年度天理市
後期高齢者医療特別会計予算 〃 〃 議案第十一号 令和五年度天理市
土地区画整理事業特別会計予算 〃 〃 議案第十二号 令和五年度天理市
水道事業会計予算 〃 〃 議案第十三号 令和五年度天理市
下水道事業会計予算 〃 〃 議案第十四号 天理市個人情報の保護に関する
法律施行条例の制定について 〃 〃 議案第十五号 天理市情報公開・
個人情報保護審査会条例の制定について 〃 〃 議案第十六号 天理市職員の勤務時間、休暇等に関する条例等の一部改正について 〃 〃 議案第十七号 天理市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例及び天理市農業委員会の委員及び
農地利用最適化推進委員の定数に関する条例の一部改正について 〃 〃 議案第十八号 天理市特別職の職員の給与に関する条例及び天理市
教育委員会の教育長の給与等に関する条例の一部改正について 日程第三 議案第十九号 天理市手数料条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十号 天理市子ども・
子育て会議条例等の一部改正について 〃 〃 議案第二十一号 天理市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十二号 天理市
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十三号 天理市
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十四号 天理市
国民健康保険条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十五号 天理市道路占用料に関する条例及び天理市
法定外公共物管理条例の一部改正について 〃 〃 議案第二十六号 奈良県
広域水道企業団設立準備協議会の設置に関する協議について 〃 〃 議案第二十七号 土地の処分について
---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり
---------------------------------------出席議員(十六名) 一番 仲西 敏議員 二番
石津雅恵議員 三番
西崎圭介議員 四番
大橋基之議員 五番
寺井正則議員 六番
鳥山淳一議員 七番
内田智之議員 八番
今西康世議員 九番
榎堀秀樹議員 十番
市本貴志議員 十一番
岡部哲雄議員 十二番
藤本さゆり議員 十三番
荻原文明議員 十四番
山田哲生議員 十五番
東田匡弘議員 十六番 加藤嘉久次
議員---------------------------------------欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のための出席者 市長 並河 健 副市長 藤田俊史 教育長 伊勢和彦 市長公室長 上田茂治
市長公室理事 西辻健一
健康福祉部理事 総務部長 木村昌訓
くらし文化部長 吉川尚光 危機管理監 上土居能一
健康福祉部長 加藤道徳
環境経済部長 谷 文広 建設部長 井上典正
教育委員会 青木 仁 事務局長
会計管理者 奥村良子
上下水道局長 前田典昭議会事務局職員ほか出席者 事務局長 藪内康裕 事務局次長 松原茂幸 事務局係長 上田
泰司--------------------------------------- 午前十一時零分 開議
○議長(
大橋基之議員) ただいまから令和五年第一回
天理市議会定例会を開会いたします。
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○議長(
大橋基之議員) 市長より市議会招集についての御挨拶がございます。 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 開会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。 本日、ここに令和五年第一回
天理市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多用の中、御参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。 さて、本議会には、令和五年度当初予算案をはじめ、令和四年度
一般会計補正予算案並びに条例の改正案等、いずれも重要な案件を提出しております。何とぞ慎重な御審議を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単でございますが、開会に当たっての御挨拶といたします。よろしくお願いいたします。
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○議長(
大橋基之議員) 現在の出席議員は十六名で、議会は成立いたしました。 会期の件についてお諮りいたします。 本定例会の会期は、本日より三月二十三日までの十八日間と決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」の声あり〕
○議長(
大橋基之議員) 御異議がないと認めます。よって、会期は、本日より三月二十三日までの十八日間と決定いたしました。
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○議長(
大橋基之議員)
天理市議会会議規則第八十八条の規定により、
会議録署名議員を指名いたします。 十番
市本貴志議員 十一番
岡部哲雄議員 十二番
藤本さゆり議員 以上、三名の方にお願いいたします。
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○議長(
大橋基之議員) 令和四年度
財政援助団体等監査の結果について、令和四年十二月及び令和五年一月の
例月出納検査の結果について、令和四年度第二回定期監査の結果について監査委員より監査報告があり、それぞれ印刷物を配付しておりますので、御清覧願います。
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○議長(
大橋基之議員) これより日程に入ります。 日程第一、報告第一号、損害賠償の専決処分の報告については、印刷物を配付しておりますので、御了承願います。
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○議長(
大橋基之議員) 日程第二、承認案第一号、専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。 ただいま上程になりました承認案については、朗読を省略して直ちに提案者の説明を求めます。 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) ただいま上程されました承認案一号、専決処分の承認を求めることについて御説明をいたします。 本案は、令和四年度天理市
一般会計補正予算(第八号)で、国が創設いたしました
出産子育て応援交付金事業を早急に実施するに当たり、補正を行う必要が生じましたが、特に緊急を要するため、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認め、地方自治法第百七十九条第一項の規定により、令和五年一月三十日に専決処分を行いましたので、同条第三項の規定によりこれを御報告し、承認を求めるものでございます。 この補正は
歳入歳出ともに四千六百九十七万四千円を追加し、予算の総額を二百七十九億四千六百十一万六千円にしようとするものでございます。 歳出の主な内容といたしましては、
出産子育て応援ギフトとして、妊娠、出産された方に計十万円ないし
デジタル地域通貨「イチカ」の場合には、十二万ポイントを支給するため、必要な給付金、負担金及びそれに係る事務費等の増額補正でございます。これらの歳出に見合う財源としては、国・県からの
出産子育て応援交付金及び
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等により、収支の均衡を図った次第でございます。 また、
出産子育て応援ギフトの支給につきまして、年度内の完了が見込めないため、
繰越明許費を設定するものでございます。よろしく御承認を賜りますようお願いをいたします。
○議長(
大橋基之議員) ただいま提案者より説明があったとおりであります。本案に対し、質疑等ございませんか。---別に質疑がなければ、本案を原案どおり承認することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」の声あり〕
○議長(
大橋基之議員) 御異議がないと認めます。よって、本案は原案どおり承認することに決しました。
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○議長(
大橋基之議員) 日程第三、議案第一号、令和四年度天理市
一般会計補正予算(第九号)ほか、議案第二号から議案第二十七号までの二十七議案を一括議題といたします。 ただいま上程になりました議案については、朗読を省略して直ちに提案者の説明を求めます。 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) ただいま一括上程されました二十七議案について順次御説明します。 まず初めに、議案第一号、令和四年度天理市
一般会計補正予算(第九号)についてでありますが、今回の補正は
歳入歳出ともに二億三千五百六十五万四千円を追加し、予算総額を二百八十一億八千百七十七万円にしようとするものであります。 歳出の主な内容としては、定年前
早期自己都合退職者等の増加による退職手当の増額、令和四年度
事業執行見込み等による
福祉関連事業費及び
建設事業費等のための調整に加えまして、国の補正予算により前倒しで実施するため池、道路、橋梁、街路、公園などの
防災対策関連事業に要する経費等を計上しています。 また、引き続き物価高騰に対応した家計支援と
事業者支援を行うため、
プレミアム付イチカ販売事業及び子育て世代に対する
イチカ配布事業(
給食費補填事業)等に要する経費を計上しています。 歳入では、国の補正予算に伴う
地方交付税の増額及び繰越金の増額を計上しておりまして、歳出に見合う財源として国庫・県支出金、市債等を充当し、
財政調整基金繰入金の調整により収支の均衡を図った次第であります。 また、
地域通貨活用推進事業及び国の補正予算により前倒しで実施する建設事業など、年度内に完了が見込めない十一事業については、
繰越明許費の設定をしようとするものであります。 次に、議案第二号、令和四年度天理市
国民健康保険特別会計補正予算(第一号)についてでありますが、今回の補正は人件費の減額及び一般被
保険者療養給付費の増加、
保険基盤安定制度等による
保険料軽減額等の確定に伴う各種納付金の確定等々、これらに伴う県負担金及び
一般会計繰入金の補正によりまして、歳入歳出それぞれ一億七千九十二万円を追加しようとするものであります。 次に、議案第三号、令和四年度天理市
介護保険特別会計補正予算(第二号)についてでありますが、今回の補正は
過年度分介護保険料還付金の増額と、それに伴う一般会計からの繰出金の増額によりまして、歳入歳出それぞれ六十万円を追加しようとするものであります。 次に、議案第四号、令和四年度天理市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第一号)について御説明をいたします。今回の補正は、
保険基盤安定負担金等の確定に伴う
広域連合負担金の確定等と一般会計の
繰入金減額等によりまして、歳入歳出それぞれ六百二十万五千円を減額しようとするものであります。 次に、議案第五号、令和四年度天理市
土地区画整理事業特別会計補正予算(第一号)についてでありますが、今回の補正は、令和四年度事業終了に伴う
保留地処分金と整備工事費、移転補償費の減額、人件費の減額及び繰越金の確定と、それに伴う
一般会計繰入金の減額等によりまして、歳入歳出それぞれ四百万円を減額しようとするものであります。 次に、議案第六号、令和四年度天理市
下水道事業会計補正予算(第一号)についてでありますが、今回の補正は、資本的支出について、
嘉幡雨水ポンプ場改築事業に係る国庫補助金の有効活用と工事期間及び事業費の効率化を図るために、
債務負担行為の期間を令和六年度まで延長し、限度額を三億二千七百万円に変更しようとするものであります。 続きまして、令和五年度の当初予算の提案を行うに当たりまして、新年度における市政の展望と基本姿勢についての所信を併せて申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが五月八日より
季節性インフルエンザと同等の五類に移行される予定であります。約三年にわたり社会のあらゆる分野に影響が及んだコロナ禍は、大きな節目を迎えようとしています。これまでにお亡くなりになった皆様に、改めて哀悼の意を表し、今なお療養中の方々の御回復をお祈り申し上げます。
医療従事者の御貢献に心から敬意と感謝を表しますとともに、感染対策に御協力くださってきた全ての市民及び事業者の皆様に御礼を申し上げます。 コロナ禍が始まった当初、私たちは一日も早くかつての日常が取り戻されることを願いました。しかし、ようやくコロナ後の社会が見えつつある今、我が国及び国際社会が抱える課題は、多様化、複雑化し、単にコロナ前の社会に戻ることは不可能と思われます。 ロシアによる
ウクライナ侵攻によって世界の不確実性が高まり、安全保障の対象範囲は
経済技術分野にも急速に拡大をしています。
エネルギー価格の高騰は、輸入物価や消費者物価の上昇に影響し、コロナ禍の傷を癒やすべき市民生活や
社会経済活動に新たな影を落としています。 本市施設の光熱水費や
建設事業等も例外ではございません。資源や食料を巡る国際競争が激化する一方、持続可能な地球環境の保全は差し迫った状況となり、脱炭素や循環型社会への転換は環境問題にとどまらず、産業競争力を保つ上でも不可欠の要素となりました。この視点抜きに地方創生はあり得ず、地方がピンチをチャンスに変えることができるかの分かれ道ともいえます。 コロナ禍の下、少子高齢化には歯止めがかからず、令和四年の出生数は、統計がある一八九九年以来初めて八十万人を下回りました。政府は国家の存続に関わる問題との危機感を示し、「従来と次元の異なる子ども・
子育て施策を実現し、社会全体の意識を変える」として、四月に予定される
こども家庭庁の発足をはじめ、政策の検討を続けています。 本市の子ども・
子育て支援では、この十年間で学童保育の受け皿を倍増させたほか、長年の懸案であった小中学校の耐震化は、北中学校、南中学校の建て替えをもって達成をいたしました。昨年に改編した
前栽こども園と丹波市南こども園の二園に加えまして、民間保育園二園が、四月と六月に開設される予定となり、待機児童の解消も実現できる見込みであります。 うち一園は、市内で待望された病児・病後児保育も可能な施設となります。令和五年度からは医療費助成の対象年齢を高校生までに拡大をいたしました。また、医療費の現物給付化を令和六年八月に県下一斉に実施する方向で、市長会、町村会合同での勉強会を会長市として主催をいたしました。大部分が保険適用となった不妊治療についても、市独自で自己負担分の一部を助成しています。 他方で、子ども・
子育て支援に限らず、福祉の充実には持続可能な財政運営の裏づけが不可欠であります。本市では長らく
天理教教会本部からの多額の寄附金のおかげにより、市税や交付税等で賄い切れる以上のきめ細かい
市民サービスを行ってきました。 顕著な例として、市内に九つの小学校区があり、その全てに公民館と
幼稚園コースが存続しています。そのため、全国の類似団体との比較でも、教育・福祉関連の支出が多く、
経常収支比率の高止まりの要因となっています。しかし、寄附金はかつての年間十五億円規模から徐々に減少し、コロナ禍の影響も加わって、令和四年度に二億円まで低下をいたしました。令和五年度予算案でも同額を計上しています。 私が就任をした平成二十五年と比較をしても、当時と同じ懐事情で市を運営するには、三十億円以上の市税の増加が必要になりますが、市税総額で七十億円台の本市にとって、到底回復できる数字ではありません。 人口についても、かつて天理市が
宗教文化都市として享受していた優位性は急速に薄れつつあり、コロナ禍の三年間で拍車がかかりました。市内で最大規模の団体では、かつて千名を超えた勤務者数が半減をし、関連する施設でも減少しています。全寮制の私立学校一校が、今年度末で閉校され、そして天理大学の学生も収容定員が減少しています。 令和二年の国勢調査では、五年前と比較して本市人口は五・二%減少いたしましたが、詰所や寮などの特別調査区人口が一四・六%減少したことが、押し下げ要因となりました。
住民基本台帳上の社会増減では令和四年中に本市人口はさらに七百五十一人減少し、奈良県全体の減少数千二百二十七名の半数以上を天理市が占める異常事態となりました。財政と人口の両面において、
宗教文化都市として発展してきた天理市は、今地殻変動のさなかにあると言っても過言ではありません。 全国の自治体では、政府の
子育て施策に先行する形で、教育・福祉分野での無償化や補助等の拡充が続いています。子育て等に係る家計の負担や
社会的阻害要因を軽減することの重要性は、本市も共通認識として持っています。結婚や出産に関する希望がかなった場合の希望出生率に
合計特殊出生率を近づけ、また
子育て世帯の転入を促して、地方の人口増につなげるため、努力を続けていかなければなりません。 しかしながら、優遇策の
自治体間競争、
子育て世帯の誘致合戦となった場合に、財政力のある自治体と同じ土俵で闘えるかといえば、厳しいのが現実です。日本社会全体での出生率改善に効果的な施策を見定めつつ、経済的支援に加えてスポーツや歴史、文化、農業、自然環境、お互いの顔が見える
地域コミュニティーなど、本市が持つ社会資源を総動員する必要があります。 特に、
地域コミュニティーは諸先達が営々と築かれてきた天理のかけがえのない財産です。本市は村落社会の構造が県内でも最も残っている地域であり、自治会が小学校区ごとにまとまりを持ち、長寿会や商工連盟、
スポーツ振興委員なども校区単位で形成をされています。 自治会の加入率も減少傾向にありますが、校区が単なる通学範囲ではなく
地域コミュニティーの核になっていることは、今も天理の特徴でございます。この三年間、感染対策のために地域の行事や集会に制限が続きました。高齢者が生きがいを持ち、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、支え合う地域社会の再構築が最重要課題であります。
子どもたちにとっても家族以外の大人と会話する機会が減少したことは、
コミュニケーション能力の成長に大きな影響があったと考えています。 これらの課題、そして天理だからできる強みに着目した取組の一つが「みんなの
学校プロジェクト」です。令和四年度は各小学校区で公民館活動との共同授業、学校内での地域の
居場所づくりなども開始しましたが、まだまだ事業の趣旨を地域の皆様にお伝えし切れておらず、校区によって濃淡があるのも現状です。 しかし、核家族化が進んで、祖父母との同居世帯は昭和、平成と比べて非常に少なくなり、
子どもたちが高齢者にどう接すればよいか、学ぶ機会が減っています。共働きや独り親家庭をはじめ、保護者の皆様も御多忙であり、子ども自身も習い事等で忙しく、日常生活での人との会話が減少しています。 実証的な共同事業では、限られた時間の中でも
子どもたちと高齢者が共に学び合うことの喜びと意議を確認することができました。
子どもたちの笑顔を中心に、学校を再び地域の絆づくりの拠点とすることが、みんなの
学校プロジェクトの目的であります。 公民館の利用者も高齢化やメンバーの固定化が課題となっていますが、
子どもたちと触れ合い、楽しむことによって生涯学習の裾野が広がることを期待しています。課外活動やイベントのように通常の学習とは別に実施するのではありません。公民館をはじめ地域の様々な取組は、理科、社会、図工、音楽、体育、家庭科など、
子どもたちの学習にとって有益な教材の宝庫であり、カリキュラムの中で学校教育と生涯教育の融合を図ります。 地域有志が運営する「マチカ塾」をはじめ、「
夢応援プロジェクト」を地元主導で進めてきた櫟本校区では、櫟本だから可能な地域社会と連携した学びが育ち、児童に地域の高齢者等を思いやる心を見ることができます。生活利便性が高く、財政力の高い都市部と同じ路線で対抗するのではなく、天理で学び育つことの付加価値を創造し、真の郷土愛を育むには、この道しかありません。 今後、より前に進めていくため、みんなの
学校プロジェクトに協力いただける公民館の各教室に対して、予算を重点配分していきます。また、児童が利用しない時間帯の学校施設の利活用を根本から見直し、令和七年度には全ての公民館活動の学校内での実施を可能にすることを目指します。 もちろん、令和七年度をもって全ての公民館を閉鎖するわけではありません。しかし、令和十年頃から老朽化した公民館は、大規模改修や建て替えが必要になってきます。現時点でも数百万円から一千万円以上の改修を要する館が複数ございます。これらを全て賄うことは到底できないのが、天理市の偽らざる現状です。すなわち、みんなの
学校プロジェクトを進めなければ、公民館が耐用年数を迎えると同時に、これまで地域が育んできた諸活動が失われることになるでしょう。 ここで話は戻りますが、寄附金と人口が激減した本市が、これから全国的に期待される
子育て支援の拡充に、どこまで対応できるでしょうか。医療費、保育料、給食費など様々に議論をされていますが、補助や無償化のワンメニューごとに、本市の人口規模で要する費用はおおむね二千万円、三千万円から七、八千万円です。一年限りであればともかく、福祉関連費用は毎年必要です。ただでさえ
経常収支比率が厳しい本市にとって、この金額は決して容易ではありません。 コロナ禍の三年間のように、地方の裁量が大きい財源が国から割り当てられることは、今後期待できません。むしろ現状のサービスを維持していくことすら高いハードルです。 では、諦めてしまうのか。近隣自治体よりも支援が手薄となり、子育てに優しくないまちという認識が広まれば、現役世帯の人口はさらに減り、悪循環となるばかりです。天理らしいサービスの充実によって、若者や子育て世代の共感を得、流出を抑えることが急務です。 道がないわけではないと考えています。みんなの
学校プロジェクトは、あくまでその一例です。まず、施設と
市民サービスを固定的にイコールで捉えるのをやめる必要があります。守るべきはサービスの中身であって、施設そのものではありません。もちろん場所や利用方法を変えれば、なぜ今までどおりでは駄目なのかと一定の摩擦は生じます。そんなに急に変わることはできないとの戸惑いもうかがえます。 最近の数年間も、学童の学校施設利用やこども園化、ごみ処理の広域化などで、私たちは同様の声を頂戴してきました。しかし、我々は粘り強く関係者の御理解を得る努力を尽くし、成し遂げてまいりました。これまでの在り方を否定する意図はなく、急ぎたいのでもありません。変わること自体に意味があるわけではないのです。 しかし、コロナ禍前後に生じたこの数年間に起きた状況は、あまりにも急激かつ強烈です。従来の市役所の業務の在り方や
市民サービスが持続可能ではなく、近い将来に続けられないことが明らかである。この現実を受け止めることは不可避です。 公民館に限らず、老朽化した市内の施設全体の在り方を徹底したファシリティ・マネジメントで見直します。新たな付加価値を生むわけではない修繕や改修など、ハードの維持にかける予算を思い切って停止し、運営費用を合理化し、そこから生み出した財源を学習の中身や支援の拡充につなげる道筋を探ります。 施設だけでなく、業務の在り方自体、デジタル化も積極活用して効率化し、限られた人員でできる、きめ細かなサービスを可能にする市役所へ脱皮することも必要です。コロナ禍の市政運営を平時に戻し、社会が受けた影響をまず癒やさなければならない令和五年度予算案の各施策では、これまでお話しした趣旨をまだ明確に反映できているわけではありません。来年度市政がなすべきことを着実に実施するために、暮らし最優先で予算を組み、財政調整基金の残高も令和三年度末の二倍以上となる二十億円台を五年度末に維持できる見込みが立ちました。 新クリーンセンターの建設が始まり、市債発行額は前年度を上回るものの、令和五年度末の市債残高は前年度比で約一億円減少を見込んでいます。であるならば、なぜ本日これほどの危機感をお示ししたのかと疑問を持たれるかもしれません。表面上は小康状態に見える今だからこそ、将来の見通しを率直にお伝えしたと御理解ください。 コロナ後に向けて世の中が動き出しつつあります。国際社会も我が国も課題は山積する中、政府及び奈良県も今後様々な施策が試みられると予測をいたします。本市としても、社会の動静や市民のニーズに絶えずアンテナを高くしながら、持続可能かつ未来に希望を持てる共創のまちづくりに全力を注ぐことを、予算案の詳細に先立って申し上げます。 では、議案第七号、令和五年度天理市
一般会計予算案について御説明を申し上げます。 一般会計の予算額は、
歳入歳出とも二百六十七億一千万円、前年度比で十億四千万円、四・一%の増加となりました。 まず、歳入から御説明いたします。 市税のうち、個人市民税及び法人市民税は、コロナ禍の影響が続いているものの、国の基調判断及び令和四年度の決算見込額を踏まえ、増額を見込んでいます。固定資産税は家屋及び償却資産の増加による増額を見込んでいます。市税総額は七十六億一千四百万円、前年度比一億七千六百万円、二・四%の増収となる見込みです。 地方交付税交付金は、消費回復の動きが見られるとの基調判断により、前年度比一億一千五百万円、八・〇%の増収、十五億六千五百万円となる見込みです。
地方交付税は六十一億九千五百万円、前年度比七千三百万円、一・二%の増収となる見込みですが、臨時財政対策債が前年度比一億五千八百万円、五〇・七%減の一億五千四百万円となり、実質の
地方交付税は前年度比で八千五百万円減少することとなります。 国庫支出金は、民間保育施設の開設及び障害児施設給付費により増加する一方で、民間保育施設整備補助金の減少、コロナワクチン予算及び地方創生コロナ交付金の減少により、前年度比で五億五千七百万円、一二・五%の減、三十九億六百万円となる見込みです。 市債は、臨時財政対策債が減少する一方、先ほど申し上げましたように、新クリーンセンター建設工事分担金、天理市清掃管理事務所建設工事、北保育所建て替え工事等により、増加をいたしまして、前年度比十四億二千五百万円、一七九・四%増の二十二億一千九百万円となる見込みであります。 道路等の整備や学校関連施設などの公共工事は、引き続き市民の命と安全・安心を確保するため、先送りすることなく取り組むべきものを精査して、国の経済対策等を踏まえて、国庫補助金の活用や、償還時に
地方交付税措置となる有利な起債の利用に努めています。 令和五年度末の一般会計における市債残高は二百二十八億五千六百万円となり、過去に借り入れた市債の償還元金を差し引きますと、前年度と比べて一億六千百万円減少する見込みです。令和五年度の市債元利償還金は、臨時財政対策債を含め約二十四・六億円となりますが、このうち五一%程度は普通
地方交付税の基準財政需要額として算定をされています。 基金からの取り崩し額は減債基金が前年度と同額の一億五千万円、財政調整基金の取り崩し額は、前年度に比べて二億二千万円減の四億一千万円です。令和四年度の決算時には、例年どおり六億円程度の積み増しがあるものと想定をし、令和五年度末の財政調整基金残高は二十億円以上を確保できるものと見込んでいます。 次に、歳出について申し上げます。 目的別の歳出として、歳出全体の四四・九%を占める民生費は百十九億八千七百万円です。前年度比四億三千八百万円、三・八%の増加となっています。 民間介護施設及び民間保育施設整備に伴う補助金などが減少する一方、扶助費等の増加に加えまして、北保育所の移転新設工事費、新たな民間保育施設運営費、子ども医療費助成費等が増加をしたことによります。 衛生費は三十三億九千五百万円で、コロナワクチン関連予算が皆減し、現ごみ焼却施設やし尿処理施設等の修繕に係る費用が減少した一方、新クリーンセンター建設に伴う山辺・県北西部広域環境衛生組合分担金の増加、併設する天理市清掃管理事務所の建設工事費、第二最終処分地閉鎖工事費、火葬場の修繕費などの増加によって、前年度比九億七千七百万円、四〇・四%の増加となっています。 土木費は二十一億三千三百万円で、道路修繕工事費、河川改修工事費、橋梁調査委託料等の増加によりまして、前年度比三千四百万円、一・六%の増です。 教育費は二十一億五千六百万円で、北中学校の建設事業及び各小学校の改修工事が減少いたしますので、前年度比で五千二百万円、二・四%の減となりました。 以上が歳入歳出予算の全体像であります。 政府は少子化対策を充実させる方針を示していますが、防衛費の増額も見込まれる中で、国の施策に対する地方の負担は不透明な状況です。 令和五年度予算は、令和四年度当初予算と比較すると、大型建設事業に伴う歳出が増加をしているものの、職員の定年延長により、令和十四年度までは退職者が隔年となるため、退職手当は三・一六億円減少したこと及び市税や国の交付金等の増額及び国・県支出金の活用や起債等により財源を確保することによりまして、財政調整基金の取り崩しを大幅に抑えて組むことができました。 しかし、令和六年度には、クリーンセンター建設事業の予算規模はさらに増加をいたします。今年度は計上の必要がなかった退職手当も隔年で必要となってきます。現在取り組んでいる「財政構造改革二〇一九」をより加速させ、第二期集中改革期間の初年度として、人件費をはじめとしたあらゆる歳出項目を見直すとともに、公共施設の在り方を抜本的に見直すなど、将来を見据えた収支バランスの改善に取り組みます。 令和五年度予算では、コロナ後に向けた「共に支え合うまちづくり」を推進するため、五つの重点項目を設定しました。 一つ目は、誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実。 二つ目は、地域と共に、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育」「子育て」の充実。 三つ目は、市民の命と暮らしを守る「安全・安心」のまちづくりの実現。 四つ目は、活力ある地域社会に向けた「地方創生」の推進。 五つ目が、新しい時代に適応した持続可能な「行政サービス」の実現であります。 順に詳細を御説明しますが、冒頭に、各施策にまたがる本市の取組として、
デジタル地域通貨「イチカ」について御説明申し上げます。 本市の地元消費の喚起と、支え合いのまちづくりに好循環を生み出すことを目的に、昨年八月から
デジタル地域通貨イチカを運用開始しました。開始当初、二百四十八店舗であった加盟店は、現時点で三百八十店舗を超え、今も増加をしています。 導入初年となる昨年は、コロナ禍やエネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響もあり、公費負担による運用を主としてまいりましたが、
子育て世帯支援、健康増進、プレミアム付イチカの販売など多岐にわたりまして、特に
子育て世帯支援分のイチカは、アプリに取り込んでの使用が九六%を超えて、電子決済が定着をしています。 昨年十二月には、「イチカプラス」事業を開始しました。イチカによる売上げの一部を店舗が子ども食堂やスポーツ団体など地域活動を担う組織に寄附をいただくことで、地元消費に市民が共感できる新たな付加価値を生み出すことを目的としています。現在、四十五店舗がこの理念に賛同いただき、二月末での支援額は五十万円を超える見込みであります。 令和五年度も、イチカは市の様々な施策のプラットフォームとして展開をします。二月から事業を開始した国の出産・子育て応援交付金事業では、出産・子育て応援ギフトのクーポンとして、イチカも選択でき、市独自に計二万円分の上乗せを行います。 また、昨今の物価高騰により、小中学校の給食費を一時的に値上げせざるを得ない状況ですが、御家庭への影響を緩和するため、児童生徒一人当たり一万二千円分のイチカを給付し、おおむね二年分の値上げ相当額を支援します。 その他、生活支援ボランティアなど支え合い事業、ごみの減量化や資源化に取り組んだ市民及び健康増進活動に参加した市民へのポイント付与など、活用の機会を広げてまいります。 特に、プレミアム付イチカチャージカード販売事業では、イチカプラス店でチャージカードを販売いただき、利用者に二割分のプレミアムを付与し、店舗にもチャージ券売上げの一割分を支援します。これにより、民間資金によるイチカの活性化と地元消費の喚起、イチカプラスによる支え合いの循環のさらなる発展を図ります。 次に、五つの柱に沿って重点施策を御説明します。 第一の柱は、誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実です。 認知症対策では、予防と共生を核として、誰もが地域の一員として安心して暮らせる認知症と共生するまちづくりを進めます。 予防では、活脳教室・活脳クラブ、STEP体操。共生では、認知症初期集中支援や認知症サポーターを中心としたチームオレンジによる支援事業、認知症カフェ、メディカルセンター内のまちかど相談室でのオレンジサロンなどを実施しています。 活脳教室は、計百二十九名のサポーターに支えられ、令和元年度から四年間で計十九会場、約三百名の参加を得ました。令和四年度は、身近な場所での活脳を通じた
居場所づくりを目指し、公民館に加えて地域の集会所などでも活脳教室を開催することができました。 令和三年度までの参加者の九割を超える方の認知機能が維持・改善され、今年度も同程度の結果を見込んでいます。アンケートでも前向きな意識の変化が見られます。六か月の教室終了後も継続して活脳に取り組む活脳クラブの立ち上げを支援し、現在百六十名を超える方が参加をされています。 また、世界アルツハイマー月間である九月に啓発事業を行い、若年性アルツハイマー型認知症の当事者による発表や、その人の持つ能力を奪わない工夫を重ねたケア技法であります「ユマニチュード」についての講演会などを開催いたしました。令和五年度も認知症に対する知識、認知症との関わり方を知る機会を設け、当事者や御家族が孤立することなく相談できる環境の確保に努めます。 介護予防分野でのデジタル化では、NTT西日本と連携した睡眠データを可視化する成果連動型事業「睡眠サポートプログラム」を令和四年度に開始しました。自宅で実施でき、かつ睡眠をテーマにしたことにより、今まで介護予防教室などに参加することが少なかった男性参加者の割合が四割を超え、参加者全体の約七〇%以上の方に睡眠改善の効果が見られました。 良質な睡眠を通じて、高齢者の心身の健康状態の維持改善を目指した事業として、令和五年度は効果の検証をさらに進め、事業を展開いたします。 市内に四か所ある地域包括支援センターや生活支援コーディネーターの御支援の下、高齢者が歩いて行くことのできる交流の場が、市立公民館や地域の集会所など、市内各地、現在で五十四か所にできました。リハビリ職の介入により体力測定を行い、結果をフィードバックすることで、健康意識の向上にもつなげています。今後は、認知症サポーターとも連携を図り、認知症患者への支援や、認知症についての理解促進を図ります。 生活支援体制整備事業では、地域住民の互助意識を高め、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で生活できるよう、ボランティア「てんさぽ」を養成し、助けが必要な高齢者とマッチングさせて課題解決を図っています。 これまでに約二百名が登録をくださり、約百回を超える高齢者の軽度な日常生活課題への支援を行っています。マッチングには、医療法人健和会、社団法人セーフティネットリンケージと連携をして、みまもりあいアプリを活用しており、同事業は令和四年度、内閣府の地方創生SDGs官民連携プラットフォームの優良事例にも選ばれました。 一度活動に参加したボランティアの継続率は、八〇%以上と高い定着率があります。令和五年度は一歩踏み出すための動機づけとなるようイチカポイントを付与し、支え合いの輪を広げます。 また、令和五年度から新たに二包括支援センター圏域にも生活支援コーディネーターを配置しまして、より地域に密着した支え合い活動となるよう事業を展開いたします。 また、令和五年度は、今後の障害福祉施策をより充実させるため、国や県の動向や本市におけるこれまでのサービス等の利用状況、関係団体や障害がある方の動向やサービス利用状況を的確に把握し、今後の目標及び障害福祉サービス等の見込み量を定める第七期障害福祉計画・第三期障害児福祉計画を策定します。 介護保険事業でも、制度の持続可能性を確保しつつ、医療、介護、予防、生活支援などを包括的に構築する地域包括ケアシステムの確立を目指して、天理市高齢者福祉計画・第九期介護保険事業計画を策定いたします。 健康推進では、旧市立病院跡地において、隣接する市立メディカルセンターと一体利用を目指し、社会医療法人高清会が天理メディカルイーストを令和四年に開業いたしました。診療所、人工透析室等の医療施設のほか、サービス付高齢者住宅、そして令和五年六月には医療的ケア児、またはそれに準ずる児童への保育や病児保育・病後児保育が可能な施設として、幼保連携型認定こども園が開設される予定です。 サービス付高齢者住宅の入居者が保育施設の
子どもたち、また地域住民との交流を深めながら、共に成長を喜び合い、暮らせる複合型の施設となります。併設のタニタカフェでは、健康食材を使用した新たな食文化の提案が行われ、地域住民向け健康フェスタを同法人と市の共催で行いました。 子宮頸がんワクチンは、令和三年度に積極的な勧奨の差し控えが廃止となり、令和四年度より対象者約千五百名へ個人通知を行うとともに、積極的勧奨を差し控えていた間の対象者約三千六百名に対しても、キャッチアップの個人通知を行いました。 令和四年末時点で定期接種二百八十二名、キャッチアップ接種二百四十七名に実施をしています。令和五年度は、定期接種となる九価ワクチンも事業対象に加えまして、接種勧奨に引き続き努めます。 コロナ禍で停止していた十か月乳幼児健診も令和四年度に再開をいたしまして、特定健診自己負担の軽減を継続するなど、引き続き健康増進に努めています。健康増進及び食育推進、自殺対策の複合計画であります天理市健康づくり計画が令和六年度に次期策定を迎えることになりますので、令和五年度は事前に市民アンケートを実施します。 コロナ感染により、家族全員が有症状で外出できない御家庭に対して、本市は生活支援サービスを行ってきました。令和五年五月八日に感染症法上の類型が五類に引き下げられる見通しとなりましたが、それまでの間は、市単独予算でサービスを継続してまいります。 第二の柱は、地域と共に、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育」「子育て」の充実です。 令和五年度は、定員九十名の民間保育所と、永年の懸案であった医療的ケア児またはそれに準ずる児童への保育や病児保育・病後児保育が可能な施設を併設する定員三十一名の幼保連携型認定こども園が、先ほど申し上げたように開園をいたします。天理市全体での保育所枠は千五百十二名となりまして、ようやく待機児童の解消が実現できる見込みです。 保育士の負担軽減では、令和四年度よりICT運用を進め、令和五年度は指導計画や要録の策成など、業務のさらなる削減を図ります。また、園からのお知らせやメール配信などにより、きめ細かな運営や保護者との連絡調整に活用します。 一方、公立幼稚園では園児数の減少が著しく、昭和五十二年のピーク時から七割減、五百名を下回る規模となっています。一学年十人に満たない園も出てくるなど、
子どもたちに大切な集団が小規模化し、施設の老朽化も進んでいます。 今後は、地域の保育ニーズや地域の要望等を勘案しながら、園区制を廃止し、幼稚園同士の統合や保育所との統合による認定こども園としての整備を目指すなど、幼児教育と保育の垣根を越えた充実を図ります。令和五年度は、北保育所の移転建て替えに着手をし、こども園化にも対応できる施設を令和六年度中の竣工を目指してまいります。 市役所の体制といたしましても、政府の
こども家庭庁発足も視野に、令和五年度は健康福祉部に、健康・こども家庭局を新設します。幼稚園の関連業務を
教育委員会から市長部局に委任し、福祉分野と教育分野が相互協力して、子ども行政全般を通じた取組を担います。 学童保育は全国的にニーズが高まり、県内でも待機児童が発生しています。本市では、学校施設を有効活用することで、整備費用を従来の五分の一に抑えながら枠を拡大し、令和五年度は十六学童保育所、児童数約八百四十人と平成十六年度の立ち上げ時の約二倍の規模となり、待機児童を出さずに運営をしています。引き続き学校現場との連携を強化して、放課後の
居場所づくりと家庭のサポートに努めます。 天理市子育て世代すこやか支援センター「はぐ~る」では、保健師、助産師、保育士が妊娠期からの切れ目のない支援に努めています。二時間無料の託児サービスのほか、来庁できない方のために、LINEを活用した相談業務を行い、次に必要な支援へとつないでいます。 産前産後支援では、令和五年度は育児負担が大きい多胎妊産婦に対してドゥーラによる無料訪問を開始いたします。子どもの預かり支援を受けたい方と、援助したい方をマッチングするファミリーサポートセンター事業は、はぐ~るに加えまして、民間の
子育て支援事業所に補助金を交付し、事業の拡大を図ります。 妊産婦に継続的な情報提供や面談を行う伴走型支援と経済的支援を一体的に実施するため、政府は令和四年度より出産・子育て応援交付金事業を創設しました。補正予算でも申し上げましたが、天理市では、経済的支援について十万円の現金のほか、十二万円相当のイチカの選択制とし、助産院や病院でのショートステイ、ドラッグストアでのベビー用品購入等にイチカの活用対象を拡大いたします。 不妊治療は、令和四年度から大部分が保険適用となりました。しかし、長期の治療を要することも多いため、本市は自己負担分の一部として五万円を支援しており、令和五年度も継続実施いたします。 また、少子化の一因として晩婚化や非婚化も指摘される中、本市では結婚、出産、子育てに関する負担や不安を軽減し、希望する方が生涯を共にするパートナーと家庭をつくることをサポートするため、NPO法人日本結婚教育協会とともに応援事業を行います。 講座を受講した市民ボランティア「ハロパト」を中心に、商工会、天理教青年会、天理大学など多くの市民の皆さんと連携をし、狭義の婚活や少子化対策にとどまらず、家族となった後も見据えて、継続して地域で支え合う取組を目指します。 福祉医療制度は、令和五年四月からは、子育て世代へのさらなる支援として、子ども医療費助成の対象範囲を高校生世代まで拡大をいたします。 現在のところ小学生以上は、医療保険の自己負担分を一旦支払い、後日に助成金を支給する自動償還方式により行っています。 しかし、小中学生について全国で九割以上の市町村が現物給付方式を導入している中で、奈良県の
子育て施策が遅れている象徴のようにもなっています。奈良県内三十九市町村で協議を重ね、令和六年八月から小中学生についても現物給付方式を導入することの合意を形成いたしました。また、令和六年八月から高校生世代まで現物給付方式の導入を視野に、市長会、町村会で努力を続けます。 温かい食事をみんなで囲み、多世代で支え合う絆を深める子ども食堂等が、有志の御尽力により市内各地で広がってきました。コロナ禍のため中断も余儀なくされていましたが、配食など感染対策を行いながら、火が消えないよう守り抜いてくださいました。 柳本公民館では、週明けに
子どもたちが通学しやすいように、日曜の朝御飯を御準備くださり、「天理こども食堂 宿題カフェ」では、夕食を手配いただくなど、それぞれに工夫を凝らしていただいています。一部の食堂では、地元野菜の配布なども実施され、物価高騰の中で利用者の喜びの声を伺います。 令和四年度は、子ども食堂同士の情報共有の場を設け、食材の譲り受けなど、横のつながりを強化するため意見交換会も実施をいたしました。令和五年度は、感染状況も見定めつつ、本来の食堂型式での再開に向けて、市も最大限サポートしてまいります。 また、令和四年度に「フードバンク天理」が発足をいたしました。食品ロス削減推進月間の十月には、天理市内一斉フードドライブ週間として、市役所に加えて市立の公民館、幼稚園、小学校など市内二十か所でフードドライブを開催したところ、二百九十名の方から約六百八十キロもの食品が集まり、子ども食堂等に届けることができました。今後もフードバンク天理とともに、食品ロスと食を通じた子ども支援を強化いたします。 令和二年度に「ひとり親家庭支援に対する連携協定」を締結した「おてらおやつクラブ」との連携事業では、ふるさと納税のガバメントクラウドファンディングの仕組みを活用し、令和四年度は八百万円以上の御寄附を頂きました。 独り親家庭への「おすそわけ」とともに、天理市独自の事業として、支援家庭に天理市内での外食機会の提供や、天理市内農家から購入したお米を「おすそわけ」に同梱するなど、支え合いの輪を広げています。 これらの活動に対して、イチカプラス事業を通じた寄附の提供なども進め、市全体に支え合いの裾野を広げるため全力を尽くします。 市内小中学校は、コロナ対策の影響を三年間受け続けてきました。文部科学省の方針を受けて、本年度の卒業式はマスクを外すことを原則に行い、四月からは授業をはじめ学校生活においても、マスク着用を個々の判断とするなど、日常が回復されつつあります。 令和五年度は、ICTを有効活用し、児童・生徒の主体的な学びを実現する教育を推進します。GIGAスクール構想により、一人一台端末が整備をされ、児童・生徒がふだんの授業で活用して、二年間が経過をいたしました。オンライン授業は日常化し、教員と児童の課題の配信・提出は端末を通じて容易になりました。 ICTを活用した授業により、全国学力・学習状況調査での中学校生徒質問紙の回答では、国語、数学、理科の授業がよく分かると回答した生徒が全国平均を上回りました。令和五年度は、電子黒板の導入も開始をし、児童・生徒自身が主体的に学ぶ授業を目指します。 天理市の児童・生徒の学力課題として、文章や資料を読み取る力と自分の考えを表現する力に弱点がございます。環境問題、食材価格高騰、情報活用など、現代的諸課題を話題にした新聞記事や資料を読み取り、答えを考えるワークシートを活用した取組を、市内全ての小学校五年生から中学三年生まで実施をいたします。 児童・生徒の視野を広げながら、学力向上を図ります。みんなの
学校プロジェクトの中でも、食品残渣発酵分解装置の活用やごみの資源化を地域とともに行うイチカステーションでの活動、ごみを生かしたサステナブルアートなどを通じて、児童・生徒が食品ロスや環境問題を自分ごととして捉える学びを進めます。 令和五年度は、中学校で地域包括支援センターと生活支援コーディネーターが連携した福祉教育も実施をします。認知症理解の促進、多様な人が暮らす地域での共生など、社会課題を学ぶ機会を創設します。福祉を学ぶことで、共感する力や思いやる道徳性などを醸成し、高齢者と直接向き合うことで得られる自己肯定感の醸成につなげてまいります。
子どもたちを中心に地域が共に学ぶ学校づくりは、
子どもたちが多様な価値観を得ながら学ぶ力を伸ばし、将来の社会貢献等への参画意識や非認知能力を育む天理らしい教育の礎になると考えています。 不登校・いじめ対策では、個々の児童・生徒が抱える背景や行動の動機を把握した上で、臨床心理士、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門家を交えて対応しています。 コロナ禍の中でタブレット端末を有効活用し、不登校の児童・生徒に家庭でオンライン授業を配信して、在宅中や別室登校中の児童・生徒の学習機会を保障してまいります。不登校状態が続く児童・生徒に対して、ボランティア学生による「ゆうフレンド派遣事業」も継続をいたします。 双方向のやり取りを行い、課題を適切に提出した場合には出席扱いとすることによって、心身が弱りつつある児童が自分のリズムを取り戻し、不登校になることを未然に防止する効果も上げています。 教員の働き方改革を行い、教員の子どもに向き合う時間や授業準備にかける時間を確保することも重要です。これまでの学校の常識を見直し、勤務時間の中で終わらせることができる学校業務に変革することが重要です。 教員が生き生きと仕事に取り組めてこそ教育は充実をいたします。令和四年度は、校務支援システムを導入し、給食公会計化により、教職員の事務的作業に要する時間短縮と負担軽減につなげることができました。 政府は、休日の部活動について、令和五年度から令和七年度までの三年間を改革推進期間として、地域連携・地域移行に取り組む方針を示しました。本市においても部活動地域移行推進協議会を立ち上げ、令和五年度から本格的に取り組みます。スポーツや文化など、様々な分野で活躍する地域人材が天理には多数いらっしゃり、天理らしい地域協働の部活動を目指します。 通学路対策では、令和三年に千葉県八街市で発生をした痛ましい死傷事故を繰り返さないため、市内通学路で事故現場と共通点がある南中学校前の市道一七六号線を迂回するため、市道一七六号の西側を南北に走る農道を新たな通学路として整備をいたします。 図書館の充実では、令和二年度より電子図書を導入し、読み上げ機能により、高齢の方や視覚などの障害をお持ちの方も利用いただくことができ、多様な読書機会の確保も可能となりました。 令和五年度は、社会科副読本の過去版や『てんりのむかしばなし』などもデジタル化し、児童・生徒の郷土史学習にも活用いたします。また子どもの読書機会を増やすため、これまで実施しているおはなし会やおすすめ本リストの配布に加えまして、電子書籍を生かして各学校の図書館との連携も強化をいたします。
○議長(
大橋基之議員) 提案者の説明の途中ですが、しばらく休憩いたします。午後一時より再開いたします。 午後零時八分 休憩 午後一時零分 再開
○議長(
大橋基之議員) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き提案者の説明を求めます。 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) では、午前中に引き続きまして、市政方針及び令和五年度の
一般会計予算案の御説明をいたします。 第三の柱は、市民の命と暮らしを守る「安全・安心」のまちづくりの実現です。 本市は天理市国土強靱化地域計画に基づき、道路網の整備や橋梁の長寿命化、地域の防災リーダーである防災士の育成、連携強化など、ハード面・ソフト面の双方で施策を計画的に推進しています。 令和三年に、大和川が特定都市河川に指定をされ、大和川流域浸水被害対策推進事業と、奈良県平成緊急内水対策事業の一環として、浸水常襲地であります庵治町の被害軽減のため、農業用ため池である庵治池を治水利用する取組を進めています。 令和四年度には、測量設計を実施し、令和五年度は工事着手を予定しています。二階堂下ツ道・三の坪周辺では、菰池の治水活用による八千トンの貯留と二階堂小学校雨水貯留槽の設置による三千六百トンの貯留により、浸水被害の軽減を図る計画を進めています。 菰池の治水活用に向けて地元協議、下流域との調整を奈良土木事務所と連携して行っており、池の構造調査や健全性の確認の作業を完了し、今後は整備に向けた設計を進め、できるだけ早期の工事着手を目指します。 防災重点農業用ため池九十九か所のうち、令和四年度までに、ため池パトロール四十か所、ため池劣化状況評価の二十二か所行いました。令和五年度は、ため池パトロール十九か所、ため池劣化状況評価十九か所を予定しており、状況によって応急的な防災工事または低水位での管理、損傷箇所の保護等を行います。 橋梁の点検は、令和元年度から二巡目の点検を開始し、令和五年度までに全三百二十二橋梁の点検を完了する予定です。また、令和五年度は十橋の設計及び修繕を予定しています。 そして、令和四年度はシャープ研究開発事業本部が中心となりまして、近畿総合通信局やNTTとも連携をして、高解像度の8K映像と高速通信技術のローカル5Gを組み合わせたインフラ点検の実証実験を行いました。 足場を組むことが大変な天理ダムの壁面をドローンで撮影し、天理市上下水道局の実験会場まで画像を届けました。今後は、画像を比較することで、細かな経年劣化の様子も確認できます。検査や施工監理などを効率的に実施するため、デジタル化は極めて重要であり、市としても最大限協力をしていきます。 災害への備えでは、独り暮らしの高齢者や障害者の方々、要介護者について避難行動要支援者の対策に取り組んでいます。令和四年度時点で回収率が七二・九%、三千六百三十三名の名簿と個人プランを災害時の避難等に役立てるため、区長や自主防災組織の会長などに保管をいただいています。 今後も名簿の登録を促進するとともに、各校区で実施する防災訓練において、避難行動要支援者名簿を使っての安否確認訓練も取り入れるなど、地域と一体となった防災体制を整えてまいります。 特に、医療的ケアが必要となる重度の障害がある方々については、非常時に電源の確保が可能となります市役所内に避難所を設け、天理地区医師会と連携しながら医療体制を整えていきます。 地域防災力の中核となる消防団の強化では、消防団員安全装備品整備事業及びコミュニティ助成事業を活用して、令和五年度は先芯入りの防火用安全長靴の整備を計画しております。今後も、引き続き必要な装備品を確保し、消防団の活動充実に努めます。 防犯対策では、自治会等による防犯カメラ設置に対する補助事業を令和五年度も推進します。また、市内全域において約七千灯に及ぶLED防犯灯を維持管理しており、令和四年度は二十二自治会で計四十六灯を設置しました。令和五年度も地域の実情に応じ、LED防犯灯設置の充実を図ります。 特殊詐欺の被害は、令和四年度に市内で十件、約二千万円にのぼりました。約九割が自宅の固定電話にかかっているため、自動録音や自動着信拒否等の機能が搭載された機器の購入費補助を令和五年度も継続いたします。 第四の柱は、活力ある地域社会に向けた「地方創生」の推進です。 まちの骨格となる交通ネットワークは、名阪国道や京奈和自動車道に加え、京奈和自動車道の一般部の整備が進んでいます。また、市道別所丹波市線は、地元との協議により、当初計画を大幅に合理化して早期完了を目指し、事業を進めています。 あわせて、奈良県が実施をする九条バイパスの整備は、令和四年度末に用地買収が進んだ路線区間の南部から着手されます。広域的な交通ネットワークの沿線では、工場施設、商業施設や宿泊施設等の土地利用が活性化の兆しを見せており、本市の事務所設置奨励金の問合せも増えています。 他方で、市内には企業立地のニーズが高い準工業地域等が不足しており、市街化調整区域で農地転用を行った場合に、建蔽率が低く、民間の投資に見合わない問題に直面をしています。需要が高いエリアについて、市街化の編入や、本市のマスタープランで産業振興地区と位置づけたエリア内の建蔽率変更など、マスタープランに基づいて、奈良県とも協議しながら進めていく必要があります。時機を逸さないためには、京奈和自動車道の未開通区間と側道の整備に合わせて、戦略的に取り組むことが勝負と考えています。 山の辺土地区画整理事業では、事業中の区域の早期完了を図り、社会情勢の変化も踏まえて、未整備区域の事業見直しを進めてまいります。市街地中心部である天理駅周辺地区では、天理駅前広場コフフンのオープンから六年目にして、待望の民間宿泊施設の建設も進んでおり、令和五年度に開業の予定です。民間需要を見定めつつ、選択と集中でまちづくりを進めてまいります。 地域交流や観光振興事業は、コロナ禍の中で地域間の人の移動の制限や、三密の回避などで大きな影響を受けてきました。感染症法上の類型変更など政府の方針にのっとり、換気など一定の感染対策の継続を前提としつつ、市内施設の収容率を通常に戻し、飲食や発声なども規制を撤廃します。 天理駅前広場から本通り商店街、なら歴史芸術文化村、トレイルセンター、柳本駅を含めた山の辺の道の南ルート、そして和爾下神社や櫟本公民館を通り、奈良市に連なる山の辺の道北ルートを、ソフト事業により改めて点から線、そして面で活性化させることが重要です。 令和三年度に県が開業したなら歴史芸術文化村では、イチゴや柿、トマト、ナス、ホウレンソウなど、本市の産品も多数取り扱う道の駅がコロナ禍でも盛況で、隣接する本市の観光駐車場も週末にはいっぱいの状態です。遺物の修復作業の様子、また仏像、歴史的建造物、絵画等の修復作業も見学でき、入居する本市文化財課も連携して天理の古墳文化を発信する展示会、講演会などを開催しています。 令和四年度には、本通り商店街のアートスペースTARNも二十組を超えるアーティストや芸術団体に利用いただき、延べ四千五百名以上の方に来館をいただきました。高校生による映像制作など活用の幅が広がり、令和五年度はデジタルアートのワークショップも企画をしています。 文化村主催のアーティスト誘致交流事業や、「奈良・町家の芸術祭はならぁと」など文化芸術の力で、本通りと山の辺の道をつなげる取組も進んでいます。天理教青年会や商店街有志に市も協力をして、撮影スポットとして近年人気が高まっている中大路のイチョウ並木を歩行者天国として、本通りのイベントと相乗効果を図る新たな展開も生まれました。 天理市の新たなキャッチコピー「Time Travel City」にちなんで、
子どもたちが郷土史を掘り起こした研究発表や、天理青年会議所、山の辺ミュージカルの会など、市内団体が文化村を活用する機会も徐々に増えています。 ハード整備に対する県内の厳しい見方に対して、本市をはじめとする地域が文化村を生かす余地はまだ十分残っており、本年二月には指定管理事業者であるネクスト・アクシスと連携協定を締結しました。協定式では近鉄沿線の特別列車運行イベントと一体的に組み合わせた斬新な企画が開催され、北海道からの参加もありました。 今後は、宿泊施設「フェアフィールド・バイ・マリオット」も含め、奈良県内から人の流れをどう市内に循環させていくか注目して取り組んでまいります。 関西では、令和七年に予定されている大阪・関西万博に向けてインバウンド復活も絡めた観光戦略が次々に打ち出されています。そうした大きな波の中で、本市が存在感を発揮して人を呼び込み、そして地域の活性化につなげるためには、付け焼き刃ではなく、天理が持つ世界に通用する宝物を生かし切ることが重要です。 令和四年度は、天理市と天理大学、JTBによる天理市スポーツツーリズムのモニタリングツアーを実施しました。トップアスリートの合宿と観光の連携、ファミリー向け柔道体験ツアー、ワーケーションツアーなど多様な団体の参加を得て、手応えを感じています。 旭化成柔道部の監督からは「地域の歴史や文化に触れることは、人として、また柔道家の成長につながる。今回の体験は貴重なものとなった」と感想を頂きました。 ワーケーションに参加されたANAグループや首都圏のIT企業の受け入れ時には、天理大学柔道部の穴井監督に講話をお願いしました。「礼の精神を通じて人との関わり方など、職場や日々の生活において多くのことを学んだ」など、企業研修や経営者合宿にも非常に有意義との評価を頂いています。 スポーツツーリズムには、石上神宮の朝の礼拝など宗教文化に加えて、ラテアート体験など市内企業との連携も多く盛り込んでおり、まだまだ掛け算が可能なコンテンツがあふれています。 ハンガリーやエジプトなど、海外の柔道ナショナルチームの受入れも再開をいたしました。スポーツ庁から、本物の武道に触れることができる場所はまだまだ少ないとのコメントを頂いており、インバウンドに対しても非常に訴求力の高いコンテンツになると確信をしています。 柔道のほかにも、台湾の高校生ラグビーチームの合宿も再開をされました。令和五年度は、天理大学や各種競技団体と協力しながら、他競技への展開も図り、将来的な収益性の確保を目指します。 天理大学の語学力やスポーツをはじめ、国際性は紛れもなく天理の貴重な財産であります。ロシアの
ウクライナ侵攻に際し、本市は天理大学とともにウクライナ人家族と留学生を計十二名受け入れました。多くの市民や企業の御協力も得て、スピードと生活支援、就業支援など、いずれにおいても国内で最もきめ細かく対応できていると自負をしています。 また、中川政七商店や天理ユネスコ協会と連携した文化プログラムを実施し、避難民の受入れにとどまらず、将来に向けたウクライナとの親善強化にも寄与しています。 令和四年度は、
子どもたちの開発教育を通じて交流してきたJICA関西・天理大学・本市の三者協定を締結しました。令和五年度は、エジプト政府の要請に基づく同国柔道ナショナルチーム強化のため、天理大学柔道部の学生・卒業生がJICAの海外協力隊としてエジプトに派遣をされる予定です。 日韓関係の複雑化により、姉妹都市交流が残念ながら停止されてきた瑞山市からも、二月に教育長と副市長を迎え、先方中学生の受入れをきっかけに、交流再開の糸口を探っています。活性化のためだけでなく、天理が国際平和に貢献し、
子どもたちを含めて市民がそこから学び、誇りを感じられる取組を目指します。 活性化と暮らしの豊かさの相乗効果を図る事業として、令和四年度は農業と観光を組み合わせ、ベンチャー企業「おてつたび」と新たな旅行商品を開発しました。刀根早生柿発祥の地・萱生町では、農繁期の人手不足のため、放棄地が増加する一方、営農を継続されている方も耕地を広げられずにいます。 そこで、十代から八十代の二十五名を三軒の農家に派遣し、休日や農作業の合間に市内観光を楽しむ企画を実施したところ、農家と参加者双方から好評を得て、関係人口を創出する効果が確認できました。令和五年度は募集を四十名に増やし、受入れ農家を広げます。 また、市内の若手就農者集団「4Hクラブ」も、新たな作物等に挑戦して、収益増につなげるため、市内企業と連携してチャレンジファームを立ち上げました。畑地化にした水田に、温度や湿度などのセンサーを備えたビニールハウスを設置し、大和スイカ復活を目指して苗の植付けなどの準備を進めています。 令和五年度は、新たな大和スイカのブランド化を図り、コーヒー栽培なども視野に事業を広げる予定です。就農者の高齢化が長年課題となる中、若手によるスマート農業へのチャレンジを市も最大限支援します。 有機農業を核とした地域の活性化は、高原地域にも広がっています。大和高原福住村プロジェクトでは、令和四年度、市内の大和農園が開発した大根を有機栽培し、無印良品の県内店舗で販売し、完売御礼となりました。 高原地域で放棄茶園を活用する健一自然農園は、地元住民や子育て世代の移住者と協力して、福住・山田地区の茶畑で取組を開始しました。令和五年度は、農水省が進めるみどりの食料システム戦略におけるオーガニックビレッジへの採択を目指し、有機堆肥の製造にも取り組みながら、里山との共生や循環型の地域づくりを進めます。 同プロジェクトには、大阪・関西万博の署名パビリオン・プロデューサーを務める河瀬直美監督が企画に関わってくださっており、なら国際映画祭と連携したPR映像の作成なども行っていきます。 脱炭素化が国際社会で最重要課題の一つとなる中、本市は令和三年に「天理市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。令和五年度は、旧福住中学校跡地で間伐材や農業残渣を利用したバイオ炭の製作に取り組みます。また、南中学校屋上に、太陽光発電システムを設置する事業が三月四日に竣工しました。 ただし、太陽光発電については、不適切な森林の伐採や無理な盛土などにより、環境破壊や災害発生が懸念される事例も奈良県内外で見られます。本市は、令和四年に施行した「天理市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例」に基づき、適正な設置について指導を行います。奈良県も同様の関連条例を制定する見込みであり、本市も県と連携を図ってまいります。 また、本市は本日三月六日付で、「プラスチックごみゼロ宣言」を行います。「分ければ資源、混ぜればごみ」を広報し、リサイクルの徹底に努めるとともに、布留川や大和川の一斉清掃などでプラスチック資源の回収を強化します。 また、リサイクルやアップサイクル商品、マイボトルの使用などを啓発し、市役所においてインクカートリッジの回収なども進めます。 持続可能な環境の保全のために、本市が取り組む最大のプロジェクトは、十市町村で構成する山辺・県北西部広域環境衛生組合の新クリーンセンター事業です。 四年間の環境影響評価を経て、令和四年度はエネルギー回収型廃棄物処理施設とマテリアルリサイクル推進施設ともに工事に着手をしました。環境負荷を極力低減してごみを処理するだけでなく、現時点で国内最高レベルの熱回収による発電や、地域の交流拠点かつ災害時には防災拠点として活用できる温浴施設を備えた施設を建設しています。 啓発施設では、環境学習の場を提供します。令和四年度に、俳優の加藤雅也氏の協力を得て、櫟本小学校と二階堂小学校では、サスティナブルアートの授業を開始しており、新クリーンセンターでもワークショップなどを企画する予定です。 物価高騰に伴うスライド条項によりまして、多額の事業費増額も見込まれますが、国補助金の確保に十市町村一体となって取り組み、周辺地域の市民との信頼関係を第一に、令和七年四月の竣工を目指してまいります。 第五の柱は、新しい時代に適応した持続可能な行政サービスの実現です。 本市は、NTT西日本と連携し、行政手続をオンライン化するデジタル市役所事業を進めてきました。窓口業務では、転入・転出、各種証明書発行などの手続が、事前にスマートフォンから簡単に申請できるようになりました。 マイナンバーカードで本人確認すれば、転出届は来庁することなく手続が完了します。また、来庁する場合でも、申請情報をデジタル化し、関係課で共有することで手続の簡略化を図り、オンライン申請者については、市役所での待ち時間は三分の一に短縮をいたしました。 さらに、令和四年度末から政府のオンライン申請ぴったりサービスを利用して、子育て業務十五手続及び介護業務十一手続を追加し、サービスを拡大します。 全国で促進された本市のマイナンバーカードの申請率は、直近のオンライン申請を除いた本年二月末時点で八四%を超えています。全国平均を大きく上回り、県内自治体ではトップレベルです。保険証や免許証としての利用をはじめ、政府はマイナンバーカードをデジタル社会のパスポートと位置づけています。いまだ活用方法が十分国民に共有されていないとの批判はあるものの、今後の最新動向を注視して積極活用してまいります。 RPA及びAI-OCRの利用促進については、課税業務、人事業務、ふるさと納税受付業務、医療費の償還払い業務、学校給食関連、市政アンケートの集計業務、価格高騰緊急支援給付金など毎年利用範囲を広めています。 導入した事務では、おおむね年間の所要時間を七割程度削減できています。令和五年度は、介護認定や介護給付関係書類の入力、健診問診票の入力なども活用する予定です。 そして、デジタルが苦手な市民に対して、パソコン・スマホ教室などを積極的に開催することで、誰でもが安心して利用でき、一人でも多くの皆さんに日々の生活の中でデジタル技術を活用いただけるよう取り組みます。 冒頭にも触れたファシリティ・マネジメントでは、公共施設等総合管理計画や公共施設個別施設計画において、既存施設の維持管理について財政的な試算を行い、今ある施設を現状のまま維持することは、現実的に不可能と結論づけています。 同じ場所に同じ規模のものをつくり直すというこれまでの発想を変えることはもちろん、施設と
市民サービスを固定的に捉えることから脱却しなければなりません。これまでにも、後者の学童利用、福住小中一貫校化や幼稚園、保育所のこども園化などの複合化を推進し、市にとって負担が少ない起債を活用して財源を確保することで、耐震化の達成や待機児童の解消などを進めてきました。 コロナ禍において教育現場と学童指導員が連携強化できたように、場所を共有することは、単に予算を削減するだけでなく、縦割りを超えて
市民サービスをよりよいものにしていく効果があると確信をしています。 市民会館をはじめ、近い将来に耐用年数を迎える老朽化施設や、既に利用を停止しながら解体費用を捻出できずに置いている施設など、多数抱えているのが現状です。守るべきは、施設そのものではなく、サービスであることを根本に置いて、市施設全般の見直しを行い、議会とも率直に御相談してまいります。 以上、新年度の施政方針及び重点項目の概要を申し上げました。 長く苦しかったコロナ禍というトンネルの先に、明るい未来が開けていることを、この三年間願わずにはおれませんでした。しかし、現実を直視したこの施政方針では、必ずしも明るい展望ばかりを申し上げられていないことを自覚しています。 人は往々にして正常化バイアスにより現状分析を楽観的に行い、うまくいかない場合や予想に反した場合に、途端に悲観に陥りがちです。天理市は違います。現状分析は冷徹なまでに客観的に、悪い流れも悲観的に想定して心積もりを行います。そして、決して諦めることなく立ち向かい、道を切り開くに当たっては、楽観を失わず果敢な挑戦を続けます。 令和一桁の時代は、もう半分が過ぎようとする中、令和十年代、二〇三〇年代に責任を持った市政をつくるのは、今をおいてありません。 市議会と市政は、ともに市民の代表であり、車の両輪であります。認識がずれて歩みのペースが狂いますと、市が前に進んでいくことができません。市民との共創の精神に常に立ち返りながら、精いっぱい努力してまいりますので、本予算案を慎重に御審議いただき、御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。 引き続きまして、議案第八号、令和五年度天理市
国民健康保険特別会計予算について御説明します。 予算総額は六四億五千四百十万円で、保険給付費の減額等により、前年度当初予算と比較して一億一千七百二十万円、一・八%の減となっています。 国民健康保険事業については、引き続き第二期データヘルス計画により、特定健康診査及び特定保健指導の強化や医療費分析などによりまして、医療費の抑制と適正化を図り、財政の安定化と事業の効率化に努めてまいります。 次に、議案第九号、令和五年度天理市
介護保険特別会計予算について御説明します。 予算総額は六十三億四千三百七十万円で、介護サービス給付費の増額等によりまして、前年度当初予算と比較して二億九千二百五十万円、四・八%の増となっています。 介護保険事業については、介護給付適正化事業の一層の強化を図り、介護保険制度の持続可能性を確保するとともに、高齢者の自立支援、重度化防止等に関する取組を推進します。 また、引き続き、活脳教室など各種事業に取り組み、健康増進と介護予防を図るとともに、認知症について正しく理解し、支え合いのまちづくりを進めます。 次に、議案第十号、令和五年度天理市
後期高齢者医療特別会計予算について御説明します。 予算総額は九億四千五百八十万円で、後期高齢者医療
広域連合負担金増額によりまして、前年度当初予算と比較し、二百八十万円、〇・三%の増となっています。 次に、議案第十一号、令和五年度天理市
土地区画整理事業特別会計予算について御説明します。 予算総額は一億千四百万円で、山の辺第一工区土地区画整理事業費において、早期の事業完了を推進するための事業支援業務委託等を計上したことに伴い、前年度当初予算と比較して二千四百万円、二六・七%の増となっています。 議案第十二号、令和五年度天理市
水道事業会計予算について御説明します。 本会計予算は、業務の予定量として給水個数二万四千九百五十戸、年間総有収水量を七百八万三千二百九十二立方メートルを見込み、収益的収入及び支出では、収入総額を十九億二千四百七十九万二千円、支出総額を十七億五千百二十二万一千円に定めようとするものであります。 支出の主な内容は、減価償却費、受水費、職員給与費及び委託料です。 また、資本的収入及び支出では、収入総額を四億三千八百九十八万六千円に定めようとするものであり、その主な内容は、補助金、分担金及び定期預金償還金です。 一方、支出総額を十一億一千五百七十五万九千円に定めようとするものであり、その主な内容は、配水管改良工事費、送水施設費及び企業債償還金です。 なお、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額六億七千六百七十七万三千円は、過年度分損益勘定留保資金等で補填するものでございます。 そして、議案第十三号、令和五年度天理市
下水道事業会計予算についてです。 本会計予算は、業務の予定量として配水戸数二万二千百九十戸、年間総配水量七百二十一万九千百五十五立方メートルを見込み、収益的収入及び支出では、収入総額を二十七億二千三百三十九万五千円、支出総額を二十二億八千八百六十三万三千円に定めようとするものであります。 支出の主な内容は、減価償却費、流域下水道維持管理負担金、企業債利息及び職員給与費であります。 また、資本的収入及び支出では、収入総額を二億九千八百九十二万五千円に定めようとするものであり、その主な内容は、他会計補助金、企業債及び国庫補助金です。一方、支出総額を十五億三千二百三十五万七千円に定めようとするものであり、その主な内容は、企業債償還金、施設整備費及び管渠整備費であります。 なお、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額、十二億三千三百四十三万二千円は、過年度分損益勘定留保資金等で補填するものであります。 続きまして、議案第十四号から議案第二十七号の十四議案について説明します。これらはいずれも条例の制定及び改正に関するものであります。 まず、議案第十四号、天理市個人情報の保護に関する
法律施行条例の制定について御説明します。 本案は、国における個人情報保護制度の見直しにより、個人情報の保護に関する法律が改正されたことに伴いまして、本市においても新たな個人情報保護制度に基づく運用へ移行するに当たり、必要な事項を定めるため、条例を制定しようとするものであります。 次に、議案第十五号、天理市情報公開・
個人情報保護審査会条例の制定について御説明します。 本案は、国における個人情報保護制度の見直しにより、地方公共団体における情報公開・個人情報保護審査会の役割が改められたことを踏まえ、本市においても、天理市情報公開・個人情報保護審査会の設置、調査審議の手続等に必要となる事項を定めるため、条例を制定しようとするものであります。 次に、議案第十六号、天理市職員の勤務時間、休暇等に関する条例等の一部改正について御説明します。 本案は、職員の育児と仕事の両立を図り、より働きやすい環境にするため、現行の小学校就学前までの子に対して取得できる部分休業制度に加えまして、新たに小学校一年生から三年生までの子に対して取得できる子育て部分休暇制度を設置するため、関係条例について所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第十七号、天理市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例及び天理市農業委員会の委員及び農地利用適正化推進委員の定数に関する条例の一部改正についてでありますが、本案は、農業委員会における多様な人材確保を図る観点から、農業委員を増員するとともに、農業委員会の委員報酬を見直し、月額報酬を減額するため、所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第十八号、天理市特別職の職員の給与に関する条例及び天理市
教育委員会の教育長の給与等に関する条例の一部改正についてでありますが、本案は、市長、副市長及び教育長の給料月額について、現行の特例減額措置の期間を延長するため、所要の改正を行うものであります。 次に、議案第十九号、天理市手数料条例の一部改正についてでありますが、本案は、狂犬病予防法に基づく、市への犬の登録手続について、動物の愛護及び管理に関する法律の改正に伴い、マイクロチップを装着している犬については、当該マイクロチップの装着をもって市への登録とみなされたことから、当該犬に対する窓口での鑑札交付の手続と交付に要する手数料の納付を不要とするため、所要の改正を行うものであります。 次に、議案第二十号、天理市子ども・
子育て会議条例等の一部改正についてですが、本案は、
こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律が施行されたことに伴いまして、引用条項の整備を行うため、関係の三条例について所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第二十一号、天理市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正についてでありますが、本案は、国の基準省令における懲戒権に関する規定が削除されたことに伴いまして本市においても同様の措置を講ずる必要があるため、並びに
こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律が施行されたことにより、引用条項の整備を行うため、所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第二十二号、天理市
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正についてですが、本案は、国の基準省令における懲戒権に関する規定が削除されたこと並びに児童の安全確保に関する計画の策定に関する規定、特にバス送迎に当たって、安全管理の徹底に関する規定が追加されたことに伴い、本市においても同様の措置を講ずる必要があるため、所要の改正をするものであります。 次に、議案第二十三号、天理市
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正についてでありますが、本案は、国の基準省令における児童の安全確保に関する計画の策定と、バス送迎に当たって、安全管理の徹底に係る規定が追加されたことに伴いまして、本市においても同様の措置を講ずる必要があるため、並びに放課後児童支援員に係る「みなし支援員」の特例措置期間を令和十年三月三十一日まで延長するため、所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第二十四号、天理市
国民健康保険条例の一部改正についてでありますが、本案は、健康保険法施行令の改正による出産育児一時金の支給額が引き上げられることに伴い、本市においても同様の措置を講ずるため、並びに令和四年度及び令和五年度の税制改正に対応するほか、失業認定等の雇用保険の手続におけるペーパーレス化の観点から、マイナンバーカードの提示により、受給資格者証の提出が不要となることに対応するため、所要の改正をしようとするものであります。 次に、議案第二十五号、天理市道路占用料に関する条例及び天理市
法定外公共物管理条例の一部改正について御説明します。 本案は、道路法施行令が改正され、道路占用料の額が見直されたことに伴い、同政令の趣旨を踏まえて、所要の改正をしようとするものであります。 続きまして、議案第二十六号、奈良県
広域水道企業団設立準備協議会の設置に関する協議について御説明します。 本案は、奈良県
広域水道企業団設立準備協議会を設置するに当たり、関係地方公共団体と規約を定めることについて協議をするため、地方自治法第二百五十二条の二の二第三項の規定により、議会の議決を求めるものであります。 続きまして、議案第二十七号、土地の処分について御説明します。 本案は、市が保有する普通財産を売却することにより財源を確保するため、天理市が所有する天理市滝本町二三六番外十二筆、総面積一万九百七十三・一二平方メートルの土地について、天理市岸田町満路一一九九番地の社会福祉法人天寿会理事長、林芳繁に対して、三千百四十九万五千円で売却したいので、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例第三条の規定により、議会の議決を求めるものであります。 以上、意を尽くし切れていないところも多々あろうと存じますが、提案の御説明とさせていただきます。何とぞ慎重な御審議を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
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○議長(
大橋基之議員) 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、議案熟読のため明日は休会し、八日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 午後一時四十二分 散会...