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  1. 天理市議会 2020-03-01
    03月03日-01号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-29
    令和 2年  3月 定例会(第1回)      令和二年 第一回天理市議会定例会会議録(第一号)---------------------------------------  令和二年三月三日(火曜日) 午前十時零分 開会---------------------------------------議事日程(第一号)一 報告  (一) 令和元年十二月例月出納検査の結果について  (二) 令和二年一月例月出納検査の結果について  (三) 令和元年度第二回定期監査の結果について二 日程  日程第一 報告第一号 損害賠償の専決処分の報告について  日程第二 議案第一号 令和元年度天理一般会計予算(第五号)  〃 〃  議案第二号 令和元年度天理国民健康保険特別会計補正予算(第二号)  〃 〃  議案第三号 令和元年度天理介護保険特別会計補正予算(第四号)  〃 〃  議案第四号 令和元年度天理後期高齢者医療特別会計補正予算(第一号)  〃 〃  議案第五号 令和元年度天理住宅新築資金等貸付金特別会計補正予算(第一号)  〃 〃  議案第六号 令和元年度天理土地区画整理事業特別会計補正予算(第一号)  〃 〃  議案第七号 令和二年度天理一般会計予算  日程第二 議案第八号 令和二年度天理国民健康保険特別会計予算  〃 〃  議案第九号 令和二年度天理介護保険特別会計予算  〃 〃  議案第十号 令和二年度天理後期高齢者医療特別会計予算  〃 〃  議案第十一号 令和二年度天理住宅新築資金等貸付金特別会計予算  〃 〃  議案第十二号 令和二年度天理土地区画整理事業特別会計予算  〃 〃  議案第十三号 令和二年度天理水道事業会計予算  〃 〃  議案第十四号 令和二年度天理下水道事業会計予算  〃 〃  議案第十五号 天理市監査委員に関する条例及び天理市水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部改正について  〃 〃  議案第十六号 天理市印鑑条例の一部改正について  〃 〃  議案第十七号 天理市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について  〃 〃  議案第十八号 地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の一部改正について  〃 〃  議案第十九号 昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例の廃止について  〃 〃  議案第二十号 天理市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について  日程第二 議案第二十一号 天理市特別職の職員の給与に関する条例及び天理市教育委員会の教育長の給与等に関する条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十二号 天理市地域福祉計画審議会条例の制定について  〃 〃  議案第二十三号 天理市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十四号 天理市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十五号 天理市国民健康保険条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十六号 天理市道路占用料に関する条例及び天理市法定外公共物管理条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十七号 天理市営住宅条例の一部改正について  〃 〃  議案第二十八号 天理駅前広場及び天理市自転車等駐車場指定管理者の指定について  〃 〃  議案第二十九号 天理市総合計画基本構想の策定について  〃 〃  議案第三十号 財産の減額貸付けについて  〃 〃  議案第三十一号 損害賠償請求権に係る和解について---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十五名)                  一番   仲西 敏議員                  二番   石津雅恵議員                  三番   西崎圭介議員                  四番   大橋基之議員                  五番   寺井正則議員                  六番   鳥山淳一議員                  七番   内田智之議員                  八番   今西康世議員                  九番   榎堀秀樹議員                  十番   市本貴志議員                 十一番   岡部哲雄議員                 十三番   荻原文明議員                 十四番   山田哲生議員                 十五番   東田匡弘議員                 十六番   加藤嘉久次議員---------------------------------------欠席議員(一名)                 十二番   飯田和男議員---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤田俊史              教育長      森継 隆              市長公室長    岡本匡史              総務部長     寺田具視              総務部次長    加藤道徳              くらし文化部長  城内 薫              危機管理監    中本浩司              くらし文化部                       薮内康裕              次長              健康福祉部長   米田敏宏              健康福祉部                       井上光博              次長              健康福祉部                       上村克樹              次長              環境経済部長   東  博              環境経済部                       金守和史              次長              建設部長     岡林 功              建設部次長    出口 勝              教育委員会                       木村昌訓              事務局長              教育委員会                       青木 仁              事務局次長              監査委員                       長岡律子              事務局長              会計管理者    松原眞紀子              上下水道局長   山本雄彦              上下水道局                       平畠教幸              次長              上下水道局                       岩田全喜              次長議会事務局職員ほか出席者              事務局長     中田憲良              事務局次長    赤埴陽一              事務局係長    河合宏明              書記       上田泰司---------------------------------------                      午後一時零分 開議 ○議長(大橋基之議長) ただいまから令和二年第一回天理市議会定例会を開会いたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 市長より市議会招集についての御挨拶がございます。 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 開会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。 本日、ここに令和二年第一回天理市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多用の中、御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、国の要請に応じて、本市におきましても、昨日三月二日より、全市立校及び園の臨時休業を行ったほか、行事の延期または中止、市施設の利用停止などの対策をとっております。市民生活に多大な影響を与えざるを得ない状況ですが、市議会におかれては議長のリーダーシップのもと、市の対策に速やかな御理解を賜り、重ねて御礼を申し上げます。お亡くなりになった方々への哀悼と患者、感染者の皆様の一日も早い御回復を祈念いたしますとともに、全国で感染拡大防止のため尽力されている関係各位に心からの敬意を表し、本市としても市民の皆様のかけがえのない命と健康を守るため、全力で取り組んでまいりますので、引き続きお力添えを賜りますよう衷心よりお願いを申し上げます。 さて、本会議には令和二年度当初予算案をはじめ、令和元年度一般会計補正予算案並びに条例の制定・改正案など、いずれも重要な案件を提出しております。 何とぞ慎重な御審議を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、開会に当たっての御挨拶とさせていただきます。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 現在の出席議員は十五名で、議会は成立いたしました。 会期の件についてお諮りいたします。 本定例会の会期は、本日より三月十九日までの十七日間と決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(大橋基之議長) 御異議がないと認めます。よって会期は、本日より三月十九日までの十七日間と決定いたしました。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 天理市議会会議規則第八十八条の規定により、会議録署名議員を指名いたします。           十五番  東田匡弘議員           十六番  加藤嘉久次議員            一番  仲西 敏議員 以上、三名の方にお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 令和元年十二月から令和二年一月までの例月出納検査の結果について及び令和元年度第二回定例監査の結果について監査委員より監査報告があり、それぞれ印刷物を配付しておりますので、御清覧願います。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) これより日程に入ります。 日程第一、報告第一号、損害賠償の専決処分の報告については、印刷物を配付しておりますので、御了承願います。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 日程第二、議案第一号、令和元年度天理一般会計補正予算(第五号)ほか議案第二号から議案第三十一号までの三十一議案を一括議題といたします。 ただいま上程になりました議案については、朗読を省略して直ちに提案者の説明を求めます。 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいま一括上程されました三十一議案について順次御説明をいたします。 まず初めに、議案第一号、令和元年度天理一般会計補正予算(第五号)についてでございますが、今回の補正は歳入歳出ともに十二億九千六百六十九万五千円を追加し、予算の総額を二百六十億九千百一万三千円にしようとするものでございます。 歳出の主な内容といたしましては、定年前早期・自己都合退職者等の増加による退職手当の増額、土地売払収入等の基金への積み立て、国庫・県補助金等の確定によります建設事業費の調整に加えまして、国土強靱化対策関連事業として実施する学校トイレ洋式化事業GIGAスクール構想に向けた整備として実施する情報通信ネットワークの整備やパソコン等情報通信端末の購入に要する経費、福住小・中一貫教育に向けた整備工事費等を計上しております。 これらの歳出に見合う財源としては、国庫・県支出金、財産収入、基金繰入金、市債及び繰越金等により収支の均衡を図った次第でございます。また、学校トイレ洋式化事業をはじめ、年度内に完了が見込めない十四事業について繰越明許費の設定もしくは変更をしようとするものでございます。 次に、議案第二号、令和元年度天理国民健康保険特別会計補正予算(第二号)について御説明します。今回の補正は、調整交付金の確定による精算返納金及び財政調整基金への積み立てと繰越金の確定によりまして、歳入歳出ともに一億七千七十七万四千円を追加しようとするものでございます。 次に、議案第三号、令和元年度天理介護保険特別会計補正予算(第四号)について御説明します。 今回の補正は、施設介護サービス給付費の増額と、これに伴う国庫・県支出金一般会計繰入金基金繰入金等の増額によりまして、歳入歳出ともに五千三百三十五万円を追加しようとするものでございます。 次に、議案第四号、令和元年度天理後期高齢者医療特別会計補正予算(第一号)について御説明します。 今回の補正は、後期高齢者医療保険料収入見込みの増加、繰越金の確定及び保険事業委託金収入の増加等と、これに伴う広域連合への負担金及び健康診査委託料等の増加によりまして、歳入歳出ともに一千八百八十七万円を追加しようとするものでございます。 次に、議案第五号、令和元年度天理住宅新築資金等貸付金特別会計補正予算(第一号)について御説明します。 今回の補正は、回収管理組合からの返戻金及び繰越金の確定等によりまして、歳入歳出ともに一千七百二十四万三千円を追加しようとするものでございます。 次に、議案第六号、令和元年度天理土地区画整理事業特別会計補正予算(第一号)について御説明します。 今回の補正は、保留地処分金の増額及び繰越金の確定と、これに伴う基金への積み立て等によりまして、歳入歳出ともに一千四百六十七万八千円を追加しようとするものでございます。また、年度内に完了が見込めない事業について、繰越明許費を設定しようとするものでございます。 次に、令和二年度当初予算案の提案を行うに当たりまして、新年度における市政の展望と基本姿勢についての所信をあわせて申し上げます。議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。 令和最初の年を越し、東京オリンピックパラリンピックが開催予定の二〇二〇年がスタートいたしました。これからの十年を私たちがどう過ごし、どのような二〇三〇年を迎えるのか、世界が注目をしています。国際社会では、産業革命以降急激に活発化した人間活動により、経済・社会の基盤として地球の持続可能性が危ぶまれ、二〇三〇年までの持続可能な開発目標、いわゆるSDGsに基づく努力が行われています。 そして、我が国では、急速な少子高齢化人口減少、とりわけ地方における生産年齢人口の減少が二〇二〇年代にさらに深刻化し、二〇三〇年にはさまざまな社会的問題が顕在化することが懸念されております。労働力不足による経済活動の停滞、福祉や医療サービスが維持できるかなど、私たち地方の自治体にとって存亡にかかわる問題です。他方で、情報通信技術が飛躍的な進歩を遂げ、あらゆるモノやサービスがつながり、膨大な情報の集積の中で人工知能(AI)やロボットが活動する領域を広げております。政府は、人間中心の超スマート社会「Society5.0」を提唱し、また私たち誰もが年齢、性別、国籍、障害の有無など一人ひとりのあらゆる違いを超えて、多様性を尊重し合う中で活躍できる共生社会の実現が、現代社会の諸課題をチャンスに変える方策であるとの認識が広がってまいりました。東京オリンピックパラリンピック、そして二〇二五年の大阪万博へとこの流れが一層強まっていくことは疑いありません。 一方で、令和に入ってからも台風豪雨災害が頻発し、さまざまな自然災害が私たちの生命財産を脅かし続けています。そして、グローバルな人の移動の陰で、このたびは新型コロナウイルス感染症が、瞬く間に我が国を含む国際社会に広がりました。感染拡大の抑止に向けた努力が継続されていますが、既に私たちの社会的、経済的活動に大きな影響が出ています。全国一斉に休校が要請されるなど、戦後始まって以来の未曽有の対策がとられるなど、まさに非常事態といった状況でございます。私たちは、今後さらに不確実性を増していく社会において、さまざまな脅威に備えることが求められております。 私たち天理市もまた、こうした社会の変化を構成する一員でございます。一方で、基礎自治体には抗い得ない大きな変動の渦の中で、自らを見失うことなく主体性を持ち、この十年を単に乗り切るという考え方にとどまるのではなく、次世代に受け継いでいく、豊かな天理市を育んでいかなければなりません。私たちはこの数年、天理らしい魅力、豊かさとは何かを見詰めながら地方創生を進め、また、命と健康、暮らしを守る地方版国土強靱化の努力を続けてきました。しかし、市政の基盤となる財政構造は、これまで全国に例のない宗教文化都市ならではの優位性を短期間に失いつつあります。 本市固有の寄附金は、かつての年間十五億円規模から、平成三十年度予算では九億円に徐々に下がってきたところ、平成三十一年度予算では六億円、令和二年度予算では五億円の計上となり、令和三年度予算ではさらなる減額が想定されています。この寄附金減少に対して、令和三年度に平成三十年度と同じ程度の財政的余裕を保持しようとした場合、本市の税収は約二十億円、すなわち二割五分以上も急増しなければつり合いがとれません。現実的にはあり得ないことでございます。市の事業がさまざまな国または県補助金とあわせて実施されることを勘案すれば、毎年十億円規模の事業を実施できなくなる計算になります。 一方で、社会保障関連経費は増加の一途です。二〇二〇年代に進む超高齢化が予算高騰に拍車をかけないためには、健康寿命を伸ばせるかが鍵となります。また、暮らしを支えるさまざまな公共施設が老朽化しています。令和二年度からの数年間、本市では北中学校、南中学校をはじめとする教育福祉施設の改築、新クリーンセンターの建設など、子どもたちを含めた、安全で健康的な生活環境を守るために不可欠な大型事業が集中しています。 平成三十年秋、今後歳出の大きな伸びが見込まれるにもかかわらず寄附金が急激に減額になることが判明した時点で、これまでどおりの財政運営では令和二年度の予算は組めないと試算されました。二〇三〇年どころか二〇二〇年の段階で、本市は持続可能な行政サービスを守っていけるかの危機にさらされました。私たちは緊急に財政構造改革二〇一九を立案し、令和十年度までの十年間を大きく三期に分け、取り組める歳出削減策から直ちに実施いたしました。 令和元年度予算では、組織・機構の大幅な見直しや働き方改革などにより総人件費の合理化を進めました。下水道事業では、債務残高の減少状況を見定めながら、財源措置のある企業債の発行により資金を調達し、繰出金を見直しました。文化観光事業では、国交付金を受けられないものや事務局を市役所職員が担ってきたものは一斉にあり方を見直し、ほぼ全てを民間主導への転換を図るか、あるいは廃止・縮小しました。市役所職員一丸となった努力と、議会並びに市民の御理解により、初年度の削減目標であった四億円は、ほぼ達成することができました。 令和二年度は、働き方改革による時間外勤務の縮減や組織のスリム化等により、引き続き人件費の削減に努めます。自治体共同クラウドによるICT関連経費の削減、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)等による業務の効率化に取り組み、天理らしいスマート自治体への転換を図ります。また、人口に見合った適正な規模を勘案しつつ、公共サービスの維持・向上を図るため、公共施設の再配置計画を含む個別施設計画を策定し、中でも、福住小・中学校の一貫校化や幼保の再編など、取りかかれるものから、いささかの遅滞もなく果断に進めてまいります。 今後、大型プロジェクト推進のために、財政調整基金は一時的に底近くまで減少し、市債残高が急激に増加することが避けられません。そのため、令和五年度に南北中学校及びクリーンセンター建設事業が一段落した後も、しばらくの間は起債の償還が始まることから、より厳しい財政状況となることが見込まれます。私たちは、天理市を破綻させることはないという自信を持って市政のかじ取りを行いますが、この十年間は生き残りを賭けた、文字どおり必死の決意で改革に邁進しなければならないことを、いま一度この議場で確認させていただきたいと思います。 行財政改革により財政の行き詰まりを回避できたとしても、本市の豊かさや輝きが損なわれてしまえば、人口減少や企業の転出等により、中長期的な展望は望めず、悪循環となってしまいます。行政が主体的役割を果たすべき安全・安心、福祉、子育ての分野で必要な施策を実施しながら、共に支え合える地域社会を再構築し、二〇三〇年に向けて天理らしい共生社会を実現していきます。そして、官民の垣根を越えてオール天理でにぎわいを共に創る「共創」のまちづくりがますます重要になっています。この考えのもと、令和元年度は天理市第六次総合計画を作成し、成案を今定例会に提出しています。 各分野で本市のまちづくりにかかわる市民や大学生の参加を得て市民プロジェクト会議を開催し、二〇二〇年代を見据えた本市の将来像を議論いただきました。これを踏まえ、市議会御代表をはじめ有識者による総合計画審議会でも御意見を頂戴し、「大和青垣に囲まれた歴史と文化かおる共生都市・天理~創り、つながり、笑顔広がる、多様な連携で共に支え合うまち~」を本市が目指すべき将来像として掲げられました。総合計画は、分野ごとの方針などを示した基本構想、それを実施するための施策を二十六の施策で体系化した基本計画、地方創生に関する総合戦略の三部構成としており、各施策においてSDGsの十七目標との関連性を明記しています。 令和二年度予算案は、この第六次総合計画のキックオフとして、四つの重点分野のもと編成しています。第一は、誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実。第二は、地域資源を活用し、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育」の充実。第三は、災害や社会変容に備えた「安全・安心」して暮らせる街づくりの確立。第四は、人口減少時代における効率的で持続可能な行政サービスの実現に向けたスマート自治体の推進と、「オール天理」で進める地方創生です。各項目の主要事業は、後ほど説明をいたします。 このような認識のもと、議案第七号、令和二年度天理一般会計予算(案)について、まず全体像を御説明します。 一般会計の予算額は、歳入歳出とも二百四十八億九千万円、前年度比で六億九千万円、二・九%の増加となりました。 主な歳入としては、市税及び地方消費税交付金が増加するほか、建設事業に伴う補助金及び市債等の増加を見込んでいます。主な歳出では、生活保護費等民生費の増加に加えて、北中学校及び南中学校の建設をはじめとした教育費が大きく増加しています。 具体的な歳入歳出の状況について、歳入から御説明をします。 市税は、個人・法人市民税とも微増を見込んでいます。固定資産税は工場の新設を含め、新築家屋の増加や償却資産の増加により増収見込みです。軽自動車税は、税制改正により本年度から課税方法が変更されますが、登録台数の増により微増となる見込みです。市たばこ税は、健康志向の高まりにより自然減を見込むものの、実績数値より微増と見込んでいます。市税総額は七十六億二千二百万円となり、前年度比一億七千五百万円、二・四%の増収となる見込みです。 地方消費税交付金は、令和元年十月より税率が改正されたことから十四億六千四百万円となり、前年度比二億一千九百万円、一七・六%の増収となる見込みです。 地方交付税は、基準財政需要額の増加額に比べ、市税や地方消費税交付金が大きく伸びた影響で、基準財政収入額の増加額が需要額の伸びを上回ったため五十五億二千四百万円となり、前年度比一億四百万円、一・八%の減収となる見込みでございます。 国庫支出金及び市債については、北中学校及び南中学校の建設事業等に伴い大幅な増加となり、国庫支出金が三十七億四千八百万円で、前年度比二億一千九百万円、六・二%の増、市債は十五億七千三百万円で、前年度比四億一千三百万円、三五・六%の増となる見込みです。 令和二年度末の一般会計における市債残高は二百二十五億八千六百万円となりますが、過去に借り入れた市債の償還元金が本年度の発行額を上回るため、前年度に比べて十億一千二百万円減少する見込みです。 また、財政調整基金の取崩額は、前年度に比べて三千万円減の七億三千万円で、令和二年度末の財政調整基金残高は、一時的に三億二千万円となる見込みですが、決算時には例年どおり五億円から六億円程度積み増しを行うことができるものと想定しています。 次に、歳出について御説明します。 目的別の歳出では、歳出全般の四二・六%を占める民生費が百五億九千九百万円となり、前年度比では一億五千六百万円、一・五%の増加となっています。前年度制度改正により令和元年十月から支給回数が増加し、十五カ月分の支給となった児童扶養手当が通年支給に戻ることによる減少があったものの、生活保護費等による扶助費の増加やふるさと園の設備改修を実施することなどによって増加しています。 衛生費は十六億八千五百万円で、老朽化が著しいごみ焼却施設の修繕や運転管理に係る費用の増加、新クリーンセンター建設に伴う費用の増加により、前年度比一億二千五百万円、八%の増となります。 土木費は二十四億三百万円で、二階堂浸水対策事業の終了に伴う減少などにより、前年度比二億四千四百万円、九・二%の減、教育費は二十八億八千百万円で、北中学校及び南中学校の建設事業による増加に加えまして、令和元年十月より幼児教育無償化が開始されたことによる子育てのための施設等利用給付交付金の大幅増によりまして、前年度比七億四千万円、三四・五%の増となりました。 以上が歳入歳出予算の全体像でございます。 予算規模としては、前年度と比較して六億九千万円増加し、二百四十八億九千万円となりました。扶助費など年々増加の一途をたどる社会保障経費が児童扶養手当を除けば一億円の増、新クリーンセンター建設関連経費等の衛生費の増加分一・二億円、北中学校及び南中学校の建設事業六・八億円等、老朽化した施設の整備費用が主な増額要因でございまして、これらを除けば緊縮型の予算編成となったというふうに考えております。 今後も市税の大幅な伸びは期待できず、一般財源が減少していく中にあっても、「支え合いのまちづくりの推進」、「公民連携による持続可能なまちづくりの実現」、「政策間連携の推進」、「スマート自治体の推進」、「財政構造改革の実行」の五つの考え方を軸に、市政を着実に進めてまいります。 これより、令和二年度の重点施策を四つの柱に沿って御説明します。 第一は、誰もが住みなれた地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実です。 介護予防・認知症対策の分野では、公文教育研究会及び慶應義塾大学と連携し、全国初の成果連動型事業として注目いただいている活脳教室を全市に広げていきます。令和元年度は、市立メディカルセンターに市内五カ所の公民館を加えた六教室で活脳教室を開催し、約百二十人の参加者が市民サポーターの支えを受けて受講されました。結果、教室の参加当初の検査で何らかの認知障害があるとされた受講生の約九五%に改善または機能維持の成果を確認することができました。 令和二年度は、活脳教室を未実施だった公民館に対象に広げ、六教室を実施します。また、令和元年度の修了者を中心に継続した取り組みを行う地域の居場所として、活脳クラブを立ち上げます。この活脳クラブでは、活脳教室で養った学習を通じて脳を活性化させる生活習慣を続けながら、活脳教室の未経験者にも門戸を開き、活脳を通じた地域のきずなづくりに取り組みます。また、活脳教室からのさらなる展開として、本市のスマート自治体に向けた事業で連携しているNTT西日本をパートナーとし、活脳教室修了者の協力を得て、睡眠時の身体データから軽度認知障害(MCI)の特徴をAIが分析し検知するという新技術の開発に協力するなど、ICTを活用した認知症対策先進自治体として、本市の施策を深めてまいります。 また、介護予防の分野では、市民有志がリーダーとなり、転倒予防、嚥下障害の予防、認知症予防の内容を組み入れた天理市オリジナルの「STEP」体操をさらに普及させます。現在二十四名の介護予防リーダーが市立メディカルセンターのいきいきはつらつ教室や天理駅南団体待合所で活躍され、令和元年度は延べ約四千人が参加されました。令和二年度も行政ポイント付与などと組み合わせて、一層の充実を目指します。 令和二年度は地域福祉計画と地域福祉活動計画を一体的に整備します。少子高齢化、核家族化の進行などにより、家族や地域のつながりの希薄化、人と人、家族同士で支え合う機能の低下が懸念されています。生活困窮や、八十代の親が五十代の子どもの生活を支えるという八〇五〇問題などの生活課題が顕在化しています。 高齢者の日常生活に関するさまざまな困り事を地域住民が一体となって支えていくため、生活支援コーディネーターを配置します。まず、住民同士のつながりをつくるため、通いの場を増やし、日常生活でSOSを出せずに困っている人の早期発見に努めます。櫟本校区ではこれまでに北部の地域包括ケアセンターがコーディネーターの役割を果たしながら、地元自治会や地元社会福祉法人との連携協力のもと、地域サロンでの健康講座の講師として医師などの専門家の派遣、地域住民のための見守り活動や医療機関を巡回するバスの運行などを実現しています。これまでの実践例も踏まえながら、同コーディネーターが中心となり、市民と行政、民間事業者が一体となって支え合える取り組みを目指します。 通いの場としては、公民館や地域の集会所を拠点に、高齢者や障害者が歩いていける範囲での居場所づくりが行われています。公民館のふれあい教室や住民主体のサロンが広がり、体操やカラオケなどの活動を通じて外出の機会をつくり、閉じこもりの防止に努めています。最近では頻度を増やし、週一回開催される運動系のサロンが十五カ所に増えています。これらの活動は、ボランティアとして支える側の皆様にとっても生きがいとなっており、市も協働し天理らしい支え合いをつくってまいります。 日常生活の支え合いでは、民間ビジネスとの連携を一層重視していきます。高齢者の運転による事故の多発が社会問題化する中、本市では、中心部や近鉄沿線を除き、買い物や通院などに車なしでは支障がある交通弱者の課題を抱えています。いわゆる買い物困難者へのサポートとしては、本市は平成二十九年度に「ならコープ」と「住民の買い物支援事業に関する協定」を締結いたしました。市や地元は公民館や集会所を販売場所として提供し、コープ会員だけでなく誰でも移動販売を利用できるようになりました。柳本・朝和校区で十六カ所、福住校区で十カ所に広がり、買い物の場としてだけでなく、地域の交流の場、見守りの場としても役割が広がりつつあります。ならコープでは新部署を創設し、本市の移動販売にもさらに力を入れていただきます。 買い物困難者へのサポートを単に民間ビジネスとして捉えるのではなく、「公」の課題を民間パートナーと協働で解決するという視点から進めてまいりました。公共施設を従来の目的に限定せずに、民間ビジネスと両立する形で活用することで、市民サービスを向上させる。活脳教室と同様に、この新しい「公共」のあり方こそ、厳しい財政状況の中でも持続可能な形で行政を発展させる道であると確信をしており、本市の取り組みは多くの自治体やビジネス関係者からも注目をいただいております。令和二年度は買い物の場を支え合いの場につなげていくために、さらなる政策間連携を図っていきます。 令和二年度、第八期介護保険事業計画の策定時期でもございます。令和元年度に実施した調査をもとに、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、国が掲げる主要事業、すなわち要介護認定の適正化、ケアプランの点検、住宅改修などの点検及び福祉用具購入・貸与に関する調査、介護給付費の通知、介護報酬の縦覧点検・医療情報との突合について、重点的に実施するための次期計画を策定します。 障害者福祉では、第六期障害者福祉計画と第二期障害児福祉計画を策定し、令和五年度までの目標及び障害福祉サービス等の見込み量などを定め、障害福祉施策の充実を図ってまいります。また、障害者の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、障害者の生活を地域全体で支える地域生活拠点施設は、国の方針に基づき、多機能拠点整備型を主軸に令和二年度中に一カ所整備する予定です。 平成二十八年四月に施行された「天理市みんなの手話言語条例」に基づき、手話の普及・促進だけでなく、聴覚障害を持つ方の文化及び生活について理解促進を図るべく、引き続き市職員や救急・消防隊員の研修、また、市内小学校での授業としての展開など、さらに充実した取り組みを進めます。障害の有無にかかわらず、地域や人とのつながりを築きながら安心して生活でき、社会参加できる共生のまちを目指し、より一層の取り組みを進めます。 本市ではテレワークによる都市部企業への就職支援を行ってまいりました。本事業により、東京都内に本社を置く監査法人に就職が決まり、業務を開始されている方がおられます。ICTも活用しながら、障害の有無にかかわらず誰もが活躍できる共生社会の実現に向け、引き続き取り組みます。 健康増進事業では、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染症が現代社会の大きな脅威であるとの認識が改めて広まっています。感染症に罹患した場合に、生活習慣病の有無が重症化のポイントにもなっています。本市では、国民健康保険者の特定健診について、令和二年度より自己負担額を半額に軽減し、より受診しやすい環境を整えていきます。そのほか令和二年度からのロタウイルスワクチンの公費での接種に向け、制度の周知を図ります。 また、天理市立地適正化計画では、前栽駅周辺地区について、「市の中核医療福祉施設であるメディカルセンターを中心とした医療、福祉、介護の都市機能に特化した地区を目指す」としております。医療と介護のさらなる連携を図るため、旧市立病院跡地をメディカルセンターの指定管理者である社会医療法人高清会に売却します。同法人は、透析センターや診療所、サービス付き高齢者住宅、保育園などの複合施設を令和三年に整備予定です。メディカルセンターとの一体運用により、医療と介護の連携の中心として、前栽エリアの充実を図ります。 第二の柱は、「地域資源を活かした、一人ひとりの豊かな未来を育む、天理らしい『教育』の充実」です。 令和二年度は、令和六年度までの五年間を対象とする第二次天理市教育大綱の初年度となります。同大綱は、「夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要な力を持った人づくり」、「子育て環境の整備とコミュニティづくり」、「生涯学び、活躍できる環境づくり」、「人も自分も大切にする確かな人権感覚づくり」の四つを柱としています。 小学校では、令和二年度から新学習指導要領に基づいた事業が実施をされます。高学年では、週二時間英語の授業、プログラミング体験やプログラミング的思考を取り入れた授業を実施し、読む力、書く力、数学的思考力を育むための授業づくりを推進します。 本市では、iPadを活用し、児童が主体的に取り組む授業づくりに努めてきました。一人一台の学習用端末があれば、生徒一人ひとりの反応を把握できる双方向型の一斉授業や学習状況に応じた個別学習が可能になります。政府のGIGAスクール構想に沿って、令和五年度までに一人一台の学習用端末を整備する第一段階として、令和元年度補正予算では、高速回線に向けた校内LAN整備等を実施します。また、端末を不登校対策にも活用し、別室登校をしている生徒の学習機会をより充実させてまいります。 また、本市では第一次教育大綱から一貫して自己肯定感を重視しています。学力・学習状況調査結果を分析し、各校の児童・生徒の状況と経年変化を確認しながら、自然体験活動、職場体験活動、ボランティア活動、児童・生徒の自主的な活動などを通じて一人ひとりの役割を大切にして、自己肯定感の育成を図っています。令和二年度より、児童・生徒が自身の変容や成長を自己評価できるよう、キャリアパスポートの取り組みが始まります。児童・生徒のよさを教師や保護者と共有し、自己肯定感のさらなる向上を目指します。 近年、個別の支援が必要な児童・生徒が増えていることから、令和元年度よりスクールサポート支援スタッフを増員し、計二十六名を市内の学校に配置しました。令和二年度も個に応じたきめ細かい指導を行います。 不登校・いじめ対策では、アンケートの実施をはじめ、個々の児童・生徒の抱える背景や行動の動機を把握し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家を交えた対応を強化していきます。また、必要に応じて臨床心理士などの専門家を各校に派遣しています。今後も総合教育センターでの研修や情報交流を充実させ、不登校状態が続く児童・生徒に対する「ゆうフレンド派遣事業」も継続してまいります。 生徒、児童の状況に応じたきめ細かい学習支援、生徒指導のためには、地域社会総がかりでの教育が大切です。令和二年度からコミュニティスクール運営事業が全国的に開始され、本市の各校でも学校運営協議会を設置し、保護者や地域住民と学校が学校協働運営のビジョンを共有し、諸課題を解決してまいります。 櫟本校区では、地域住民と学校職員で組織する櫟小プロジェクト協議会が、地元企業とも連携し、「みんなのとしょかん」、「町カ塾」、「夢応援プロジェクト」、「夢みまもりプロジェクト」の四つの活動を軸に、積極的に取り組まれています。全国的にも先進的な取り組みとして高く評価され、令和元年度文部科学大臣表彰と奈良県教育委員会教育長賞を受賞されました。活動を通じて地域の多世代がつながり、子どもたちと触れ合う機会が増えています。自然に挨拶をする児童が増え、子どもたちの成長が地域の方々の喜びや生きがいにもなっています。地域で子どもを見守り育てるという意識が高まり、子どもたちに関するさまざまな情報が学校に届きやすくなっています。 そのほかの学校においても、各事情に応じて地域との協働に取り組まれており、本市らしいコミュニティスクールの実現を目指してまいります。 食を通じた子どもたちの居場所づくりや多世代の交流事業として、「食堂」の取り組みが全市的に広がり、令和元年は六校区で延べ二千四百名以上が一緒に食卓を囲みました。ワークショップなども地域ごとに工夫されており、公民館と縁が薄かった多くの子育て世代とのつながりも生まれています。公民館は災害時の避難場所でもあり、地域防災力の向上にもつながると考えています。 市民有志の自主事業もさまざまに発展しています。朝御飯や夕御飯を食べながら一緒に宿題をする事業では、不登校傾向の児童が学校に戻ることができたなどのすばらしい成果を得られています。 櫟小プロジェクトやこども食堂事業には、天理教教会本部青年の有志や学生・市民にも多数参加し始めています。令和元年度には、市役所若手職員と本部青年がまちづくりについて協議し、高校生とともに中大路に植栽するプロジェクトも生まれました。次世代を担う子どもたちを育む活動を通じて新たな協働のあり方が芽生えてきたことは、宗教文化都市の未来にとって非常に重要な一歩と考えています。 地域との連携による教育の充実では、朝和小学校の児童を対象に民間プールでのおためし授業を実施します。近年、屋外プールは熱中症対策のため、使用できる日数が減っています。各校のプールは老朽化しており、今後予測される多額の修繕費も踏まえながら、今後のあり方検討の参考にしてまいります。また、平成三十年度の「なら国際映画祭」では、本市を舞台とした「二階堂家物語」が上映されました。同映画祭との連携をさらに深め、国内外の短編映画を鑑賞し、子どもたちが自分の感想や意見を表現し合う新規事業も進める予定です。 次に、教育施設の安全確保と充実について御説明します。予算全体に係る大型事業では、令和二年度から令和三年度にかけて、北中学校及び南中学校の整備を実施します。両校は主要校舎が築六十年を経ており、老朽化が著しく、通常の耐震補強ではなく相当の建て替えが必要であると判断をいたしました。南中学校では中棟を改築し、北棟、特別教室棟は改修工事を行います。北中学校は北校舎を改築し、南校舎は改修工事を行います。両校とも令和二年八月末には仮設校舎が完成する予定であり、この時点で本市の耐震改修率は一〇〇%となる見込みです。授業への影響を最小限にすることはもちろん、グラウンドへの仮設校舎建設に伴うクラブ活動や学校行事への影響にも十分配慮し、長柄運動公園の活用や添上高校との連携を含めた対策を準備し、保護者や地元への説明を丁寧に行っていきます。また、北中学校では、給食室が取り壊されることから、工事期間中、桜井市に給食の調理を委託します。 また、令和元年度三月補正により全ての小中学校のトイレ洋式化を前倒し実施します。これまで年次計画的に実施してきましたが、国土強靱化の緊急対策としての国補正予算による学校施設環境改善交付金を受けて事業を実施できるめどをつけました。感染症対策の上でもトイレの衛生は重要であり、洋式化するだけでなく、より衛生的な乾式の床への転換も行います。そのほか、経年による老朽化対策として、丹波市小学校の屋上防水改修工事を行い、二階堂小学校の給食室の改修工事を令和元年度に引き続き行います。 既存施設を活用した就学前の子育て環境の充実と、仕事と育児の両立支援の拡充のために、令和二年度より本格的な幼保の再編に向けたプロジェクトを開始します。 本市では、全国的に社会問題化した待機児童対策のため、平成二十六年度から懸命の努力を続けてきました。民間保育園は公立保育所と比べて建設費及び人件費で圧倒的に市負担が少ないことから、当初は民間保育園の誘致を目指してきました。しかし、市保有地や公園の提供を申し出て、県内のあらゆる社会福祉法人に働きかけても、誘致のめどは立ちませんでした。平成三十年度には、短期的に待機児童を軽減するには公立の保育枠を拡充する以外にないとの結論に達しました。令和元年度当初の本市の待機児童は十七名ですが、これに含まれない児童を考慮すれば、百人規模の拡充が必要です。しかし、本市の財政状況は新たな公立保育所の建設にも、人件費の純増にも耐えられません。 一方で、本市の保育園の園児数は減少の一途です。子育てと仕事の両立のニーズが高まる中で、幼稚園から保育所に向かう流れが強まり、幼児教育と保育の無償化により加速することが予測されます。そこで、幼稚園の余裕スペースに注目し、また多くの幼稚園教諭と保育士が両方の資格を保有している状況を分析した結果、幼保の再編により、新施設の建設や人件費の大幅な増加がなくても、百人程度の増員は可能であると試算をいたしました。 市内全ての保育所及び幼稚園の状況を確認した結果、令和四年度より前栽幼稚園に保育所の機能をあわせてこども園とし、また丹波市幼稚園を南保育所に統合します。老朽化が著しい北保育所は、現在の場所で改築をします。丹波市幼稚園は、老朽化に加えて国・県の浸水想定の見直しにより、令和二年三月に公表予定の新たな天理市総合防災マップでは、五十センチから三メーターの浸水想定区域に含まれることとなり、対策が急務です。 令和二年度から令和三年度は、この幼保再編の移行期間と位置付けています。令和二年度予算案には、前栽幼稚園のこども園化に向けた保育室の改修や給食室の増設のための設計費用や、南保育所の駐車場を拡張する費用を計上しました。また、丹波市幼稚園の児童がこども園での生活リズムにあらかじめなれるため、令和二年度より給食を提供し、早朝から夜七時までの長時間預かり保育を行います。南保育所では、保育室の増設や老朽部分の修繕、トイレの改修など、こども園としてよりよい環境整備を行うための準備に取りかかります。再編について、幼保双方の保護者と地域、職員に対し、計画の進捗ごとに説明を行い、理解を得ることに努めます。待機児童対策のため不可欠な事業として、また本市が死力を尽くして立ち向かう行財政改革の本丸として不退転の決意を持って進めていきます。 また、幼保の再編にかかわらず、保育士の確保のためには保育所の働き方改革、勤務状況の改善が必要です。保育士ができるだけ子どもたちに向き合うことに専念できるために、事務・書類作業の抜本的な見直しや事務職員による代替も含めた議論を令和二年春より早々に開始します。また、正規職と会計年度任用職員を問わず、再編を通じて雇用を守り、担当児童数の数に関する職員組合との合意も遵守します。幼保の垣根を越えて全体の合理化を行うことが将来的な雇用の安定につながっていくことをより明確にしていきます。 令和四年までの待機児童対策としては、令和三年度開園を目標に小規模保育園の新設も募集します。また、幼稚園の長時間預かりは現在、二階堂、前栽、櫟本、柳本の四園にとどまっています。令和二年度は未実施の全園に拡大し、小規模保育園をはじめ保育の受け皿を補完する役割も目指します。 就学前の保育所だけでなく、全国的に学童保育所のニーズが増加しています。令和元年、全国の登録児童数は過去最高を更新しました。本市では、平成十六年度から天理市学童保育連絡協議会を指定管理者として、六学童保育所、児童数三百五十五人でスタートしました。学童保育所の整備はそれぞれ単体で建設を行ってきましたが、平成二十七年度からは小学校の教室を活用することに方針転換をいたしました。小学校内に移設することによって児童の安全が向上し、校庭を利用できるため、活動の場の改善が図られます。また、平成二十七年度には十二学童保育所で児童数は五百九十三人、令和元年度には十六学童保育所で児童数七百九十人と、当初の二倍以上の受け入れが可能になり、待機児童は出さずに運営できています。令和二年度は、一時的に障害者ふれあいセンターを利用していた柳本学童保育所を柳本小学校内に移設します。学校の余裕スペースを活用することで、個別に整備する場合と比較し、建設費用はおおむね五分の一程度に合理化できます。このことが、平成二十七年度以降の急速な受け入れ枠拡大を可能にした最大の要素であります。しかし、それ以前には、学童保育所を小学校に受け入れることに対して、教育現場から教職員の負担増や、何かあった場合の責任などへの不安がありました。それは現在進めている幼保再編への不安を凌駕するものでありました。その後ことごとく杞憂に終わり、今日まで大きなトラブルもなく、学童保育所は充実できていますが、仮に私どもが断念していたならば、いまごろは相当数の待機児童に苦しんだことでしょう。 限られた財源と人員の中で市民サービスを維持向上させていくためには、従来当たり前とされてきた壁を超える瞬間が必要です。市役所全体がチームとなり、いまある施設や資源を最大限生かせるかどうかが成否の分かれ道です。私たちが責任を負わなければならないのは、これまでの経緯よりも、これから実現する結果が本当に子どもたちにとっての安全・安心や働く子育て世代の支援につながっているのかだと考えています。 第三の柱は、「災害や社会変容に備えた安全・安心して暮らせるまちづくり」です。 たび重なる自然災害を受けて、令和二年度以降、国土強靱化地域計画をあらかじめ自治体が作成し、それに基づく事業であることが多くの国補助金の交付要件になりました。令和元年度は、天理市国土強靱化地域計画を策定し、起きてはならない最悪の事態を回避するための方針を定めました。また、公共施設の改修、道路網の整備や橋梁の長寿命化、防災士の育成や連携強化など、ハード面とソフト面の双方で具体的な施策を盛り込んでいます。 令和元年度中の台風・豪雨災害では、本市でも河川の越水や停電などの被害を受けましたが、速やかに災害対策本部を立ち上げ、避難情報の早期発出、避難所の早期開設により、被害を最小限にとどめることに努めました。豪雨時には、天理市消防団にパトロールや土のう積み、傾斜地の養生などを支援いただき、本市と災害協定を締結している天理市建設業協会にも出動態勢をとっていただき、改めて御礼を申し上げます。 令和二年度は、消防団員に対し、令和元年度に引き続き、活動服百七十着を貸与します。また、本年八月には奈良県消防操法大会が開催され、第二分団の団員八名が約五カ月の修練を経て出場される予定です。団員の技術向上のため、市もできる限りの支援を行います。 ひとり暮らしの高齢者や障害者の方々、介護認定を受けておられる方に対して、災害時の被害を抑えるため、避難行動要支援者対策に取り組んでいます。現在、約三千名の名簿と個人プランを、本人の御同意をいただいた上で、区長や自主防災組織の会長などに共有しています。今後も新規の対象者及び未返送者に対して名簿の登録を促し、行政と地域が一体となった防災体制を整えてまいります。 また、平成三十一年三月に、本市と市内特別養護老人ホーム四カ所と、福祉避難所の設置運営に関する協定を締結しました。これにより、配慮の必要な方が大規模災害で被災し、長期での避難生活を余儀なくされた場合、本市からの要請に基づき、二次的避難所・民間指定福祉避難所として設置運営を行っていただくことになりました。民間施設を本市の指定避難所として指定を行ったのは初めてのことです。 奈良県が本市の土砂災害特別警戒区域の指定を終了し、かつ全国的な基準のもと、千年に一度の想定最大規模、十二時間で三百十六ミリメートルの降雨による洪水浸水想定区域が見直されたことに伴いまして、天理市総合防災マップを改訂しました。四月に全戸に配布予定となっております。 また、令和元年に施行された農業用ため池の管理及び保全に関する法律により、従来の防災重点ため池の基準が見直されました。本市の防災重点ため池は、これまでの八カ所から百三カ所に急増します。迅速な避難行動につなげるため、令和元年度よりため池マップ百三カ所、浸水想定図二十九カ所、五十二カ所のハザードマップの作成に取りかかっています。うち一カ所については、令和二年度より改修計画の策定に着手する予定です。 官民連携での防災事業では、令和二年二月、新たに株式会社スギ薬局と、地域活性化包括連携協定と災害時における物資の確保及び供給に関する協定を締結しました。今後も行政と民間の力が結束できるよう、防災協定の締結や防災協力事業所の登録をより一層推進していきます。 災害に備えたハード面の施設の老朽化対策、整備事業では、令和元年度に橋梁長寿命化修繕計画を策定し、令和五年度までに全三百二十二橋梁の点検を完了する予定です。令和二年度には、国補正予算に採択された一橋を含めて、五橋の改修にかかる予定です。 老朽化する市営住宅及び改良住宅等については、令和二年度は天理市公営住宅等長寿命化計画の最終年度となるため新たに次期長寿命化計画を策定し、引き続き公営住宅管理の充実を図ります。公共施設等総合管理計画との整合性を保ちながら、将来の集約化を含め、地域の実情に応じた公営住宅を目指します。 次に防犯対策ですが、本市では、駅前や小・中学校付近を中心に街頭防犯カメラを四十五台設置・運用しています。うち九台は令和元年度に天理ライオンズクラブより、同会の五十五周年事業として子どもたちの安全・安心を確保するために寄贈いただきました。令和元年度は、自治会等による自主的な防犯カメラの設置に対する補助事業を開始し、五自治会による計十八台の防犯カメラ設置に対する補助を行いました。令和二年度も同補助事業を継続し、地域防犯力の向上に努めます。 また、防犯灯LED化事業では、平成三十年度に市内全域において約六千灯の蛍光防犯灯をLED化するとともに、新たなLED防犯灯の設置要望に応えるため、令和元年度は四十自治体から計百二十九灯の新設申請を受理し、年度内に全て設置完了いたしました。本年度も引き続きLED防犯灯の新設募集を行い、犯罪を起こしにくい明るい環境づくりを推進するとともに、低電力化により地元負担の軽減に寄与していく考えです。 第四の柱は、「スマート自治体の推進と、オール天理で取り組む地方創生」です。 人口減少社会に自治体が持続可能な形で行政サービスを提供するために、スマート自治体への転換が急務です。業務プロセスやシステムの標準化を複数の自治体共同で行う自治体クラウドの令和三年度本格導入を目指し、令和二年度は準備を行います。 市役所業務へのAI、定型作業のロボットによる自動化「RPA」の導入では、令和元年度、一部の税務業務において実証実験を行いました。作業時間を約百時間削減したほか、業務の正確性が増したことで、適正課税に向けた精査に時間を使うことが可能になりました。作業時間の短縮により、窓口業務に注力することができるため、市民サービスの向上につながる効果も確認できました。令和二年度は新たにRPAが稼働するパソコン八台を導入し、住民情報関係事務に加えて財務会計等の内部事務も含め、全庁的にRPAの導入を拡大していきます。 また、内閣官房のデジタル専門人材派遣制度を活用し、ICTを活用したまちづくりの推進に関して、NTT西日本との連携協定を締結する予定です。 国は、マイナンバーカードをデジタル社会における電子化行政の基本基礎ツールとして活用するため、令和三年三月から健康保健証として利用可能にすることを計画しています。令和二年度はカードの認証機能を活用した消費活性化策も予定されています。マイナンバーカードを使って住民の公益的活動を支援し、地域の消費拡大につなげる国の事業「マイキープラットフォーム構想」に、本市は全国の副会長市として積極的に貢献してきており、令和元年度は市商工会と連携し、カードの取得促進と地元商店街での買い物促進を連動させたポイント事業を実施しました。 本市のマイナンバーカード交付率は、ポイント事業を開始した平成二十九年度の一二%から一八%に上昇しました。国が想定する令和四年度にほとんどの市民がカードを保有していることを目標に、本年一月、庁舎地下に専門のコーナーを設置しました。令和二年度は自治会等への出張申請受付を含め、市民への一層の普及に努めます。 公共施設の老朽化に対して、まちづくり全体の視点から効率的な保全と再編を検討するファシリティ・マネジメント推進事業では、令和元年度に施設の劣化度合いや利用状況等の分析を行いました。令和二年度は、個々の施設の将来にわたるコスト試算を行い、長期的な計画「個別施設計画」を策定し、令和三年度に既存の公共施設等総合管理計画を改訂する予定です。 現在進行中のプロジェクトにおいても、前述の南中学校や北中学校の建て替えでは、実際の生徒数に見合った改築規模の見直しにより、経費の合理化に努めました。幼保再編のほかに、福住校区では、既存の福住小学校に福住中学校の機能を集約化した小中一貫校の建設、開設を進めています。いずれの事業でも、単に施設を減らし予算を削る考え方ではなく、政策目的に着眼し、付加価値を高めながら、将来に向けて市民サービスを維持向上させ、市民の利便性を高めることを目指しています。 また、公共施設の設備について、地球温暖化対策の国補助金を受け、省エネルギー設備に改修するESCO事業に取り組んでいます。SDGsに貢献する同事業では、民間の資金とノウハウを活用した改修により、年間約七百三十万円の光熱水費の削減のほか、旧設備の年間の維持管理費約四百三十万円の削減も見込まれます。旧施設では多くの緊急修繕を要していましたが、令和二年度から十五年間、修繕を含めた運転管理を委託することから、修繕費用の削減も見込まれます。 市が保有する未利用地の有効活用についても検討を進めます。田井庄町の放置自転車等保管施設は、令和二年度から天理駅前北地下自転車等駐車場に統合し、跡地の活用をあわせて検討予定です。 スマート自治体への転換やファシリティ・マネジメントを含む行財政改革は、オール天理での地方創生を伴ってこそ、天理の明るい未来を開くことができます。 本市の道路アクセスは、名阪国道や勾田櫟本線の供用開始に加え、令和元年度に北大路線の一部区間を既設市道と接続したことにより、近年目に見えて向上しました。残る主な都市計画道路は、天理環状線から国道百六十九号線をつなぐ別所丹波市線です。より効率的な工法見直しについて地元理解を得ながら、同路線の早期開通に努めます。奈良県が実施する県道九条バイパスの整備は、令和元年度末より用地交渉に入る予定です。本市の南北を結び、緊急車両の通行をはじめ、南部地域の防災力向上、命を守る道であり、本市も積極的に協力していきます。 市内の道路アクセス向上と京奈和自動車道の未通区間工事の進捗など広域的な道路ネットワークの改善により、沿線では工場施設、商業施設や宿泊施設等の土地利用が活発化の兆しを見せています。高原地域では名阪国道の利便性が再認識され、企業による大規模な設備投資も進みました。なら歴史芸術文化村の開村等により、今後、市域全体の土地利用の機運がさらに高まることも予想されます。 山の辺土地区画整理事業では、現在事業中の区間の早期完了を図ることで、計画的な市街地整備と宅地利用の増進を図ります。あわせて、昭和期からの社会情勢の変化を踏まえ、将来的な見通しが立たない未整備区間については、既存の町並みを生かした事業の見直しに向け、国や県と協議していきます。 こうした状況を踏まえ、既存のインフラ施設に新たな可能性を見出しながら、より良好な街区の形成を図ることを目的として、まちづくりの基礎となる第三次都市計画マスタープランを令和三年度までに策定します。令和二年度は市民アンケートの実施や地域別まちづくり懇談会、市民会議を開催し、市民の意見を反映しながら計画策定を進める予定です。 まちづくりに関する県市連携では、令和元年度、天理駅周辺まちづくり基本計画に合意しました。天理駅前広場コフフンからなら歴史芸術文化村を結ぶエリアを、芸術・文化、スポーツなど天理の強みを生かし、継続的なにぎわいを創出する地域としていきます。 天理駅前広場コフフンはオープン以来三年が経過し、日常的に多世代が交流する拠点として市民生活に定着してきました。子どもたちや家族連れ、学生から高齢者までが同じ空間で憩う傍らで、健康づくり、教育・子育て支援、各種ボランティア活動、マルシェ、音楽、ダンススポーツなど年間約五百件の行事イベントが専ら市民主導で行われています。駅ビルでも単なる乗降場でもなく、まちの暮らしとにぎわいの中心に駅を置いた新しい駅前のモデルとして注目され、令和元年度には地方創生担当大臣をはじめ多数の自治体行政、議会、民間ビジネス関係者の視察を受け入れました。 駅の西側でも光の祭典や納涼イベントが開催されるなど、コフフンから地域に活気を広げる動きが生まれており、今後、天理駅周辺の消費喚起を含めたにぎわいにつなげていくかが課題です。令和三年度末には、奈良県が整備中のなら歴史芸術文化村がオープン予定です。奈良県の強みである歴史文化、伝統技術を生かした交流拠点、本市に不足していた山の辺の道エリア初の宿泊施設、農村交流施設・道の駅を合わせた複合施設が生まれます。令和元年度は、奈良県と天理大学との連携協定も締結され、天理大学附属図書館及び参考館の持つ世界的に貴重な文化財、文献資料との相乗効果も期待されます。 本市では、平成三十年度、本通り商店街の空き店舗をリノベーションし、Art-Space TURNを開所しました。国内外のアーティストが市民と交流しながら創作発表するアーティスト・イン・レジデンス事業、ワークショップや市内芸術家の展覧会などが続いており、令和元年度は延べ約六千人が来館しました。令和二年度も引き続きアーティスト・イン・レジデンス事業を展開し、アートによる地方創生を進め、なら歴史芸術文化村の開村に向けた機運醸成を行います。 市南部のJR柳本駅では、令和元年度、無人駅が地元市民の手によって生まれ変わりました。地元区長会や各種団体が中心となって立ち上げた柳本駅舎管理運営協議会の運営のもと、観光・地域交流センター「ピクトン」では、飲食の提供や物販が開始されました。地元営農組合を中心とした定例の朝市、冬季のイルミネーションなども催され、大いににぎわいを見せています。新たに西側改札口を設置したことから、これまでのように跨線橋を渡る必要がなくなりました。官民・市民の連携により古い駅舎が地元コミュニティの真ん中でよみがえった事業として、内閣府やJR西日本から高く評価されています。今後、京終駅や大神神社参道の整備、桜井駅周辺のまちづくりなど、JR万葉まほろば線が一体となった活性化に向け、本市も貢献をしていきます。 東部高原地域では、子育てを軸に移住定住促進を含めた地方創生プロジェクトが加速化しています。 平成二十九年度から小規模特認校となった福住小学校では、令和二年度に十四名が新たに校区外から入学し、全校生徒が五十七名となる予定です。複式学級を解消し、小人数の強みを生かした英会話授業など特色のある教育を進めています。令和二年度は、福住中学校も小規模特認校とします。令和三年度より中学校を小学校内に移設し、施設一体型の小中一貫校に再編します。将来の校舎維持費の縮減が図られるほか、小中連続したカリキュラムのもとで個々に応じたアダプティブラーニングをはじめ、より充実した学習が実現できると考えています。令和二年度は一貫校に向けた小学校校舎の改修を行います。また、現在の中学校校舎は、令和三年度以降、民間ビジネスの力を生かした利活用を目指し、県市連携の中でも高原の活性化拠点として位置付け、地区計画を策定していきます。 令和元年度は、里山環境を生かした自然の中での保育・教育活動に取り組む森のようちえん「ウィズ・ナチュラ」が高原地区に移転してこられました。長滝の滝広場や、休止状態だった山田キャンプ場で地元市民と協力しながら活動いただいています。本市も同団体と連携協定を結び、森林環境譲与税を原資に支援しています。また、上山田の農産品販売所「みちくさ」と同居したカフェをオープンされ、山田公民館では月一回、てんり高原マルシェが開催されています。市内外から出店者が増加しており、全国の森のようちえん関係者をはじめ、ほか府県からの来訪者が続いています。 これらの取り組みの結果、高原地域への移住希望者が続き、受け入れ可能な空き家が不足しています。移住とその後の地域コミュニティへの加入を円滑にするため、令和元年度、二十代から六十代までの地元住民、移住者、男女混成のグループ「大和高原移住促進プロジェクトin天理-椽」が発足しました。高原地区まちづくり協議会を通じて、市も最大限支援していきます。 他方で、高原地区では急速な高齢化が進んでいます。地域の暮らしを支え、移住定住促進を行うためには、持続可能な移動手段の確保が不可欠です。令和二年十月をめどに中山間地域を走る路線バスと本市が運行するコミュニティバス苣原線を統合し、コミュニティバスを下山田まで延伸します。また、福住校区外の児童と山田町の児童の送迎を一本化したスクールバスをあわせて運行予定です。 これら地方創生のパートナーとして大学研究機関との連携協力をさらに発展させていきます。平成二十七年度に開始した行政施策貢献学生認定制度の認定者数は、令和元年度までに計七十七名に達しました。学生有志の個々の取り組みに加えて、天理駅南団体待合所で実施されているテンリ・イングリッシュ・ビレッジ事業や、文部科学省の助成による天理大学スポーツブランドを活かした地域のスポーツ・健康づくり研究拠点の形成事業など、大学全体としての官学・地域連携事業も年々進んでいます。 令和元年度はスポーツのまち・天理を活性化させることを目的に、柔道の大野将平選手、ラグビー・トップリーグのクボタスピアーズ所属の立川理道選手に天理市スポーツ政策特別顧問に就任いただき、天理大学の全面的な支援のもと、トップアスリート貢献プロジェクトを開始しました。大野・立川両顧問の監修のもと、柔道、野球、ホッケー、ラグビーの各クラブ公開練習を実施し、本年一月の天理スポーツフェスタには約四百名の児童が参加し、いつもとは異なる競技の魅力に触れる機会となりました。天理の魅力を生かした青少年育成の一環として、継続的な事業のあり方を大学側と協議していきます。 東京オリンピックパラリンピックに向けて、四月十二日、本市にオリンピック聖火がやってくる予定です。新型コロナウイルス感染症の状況も見ながら、受け入れ準備を進めます。また、本市はエジプト及びフランスの柔道チームのホストタウンに登録されており、天理大学等との協力を得て、両国のオリンピアンや関係者とのスポーツ・文化交流を積極的に行います。 農業をはじめとする産業振興では、なら歴史芸術文化村の開村も見据え、地産地消や販路拡大の取り組みを一層進めていきます。コフフンマルシェのほか、JA天理経済センター、Aコープ櫟本東店でのほのぼの市、柳本マルシェ及び上山田のみちくさ、JR柳本駅前の朝市、蔵之庄町トラックマルシェなど、各地域で地産地消の取り組みが活発化しています。コフフン内のパークサイドキッチンは、総務省所管のローカル10000プロジェクトの代表事例に挙げられ、地元農家から直接食材を調達しているほか、市内若手農業者4Hクラブと連携した事業を実施しています。 刀根早生柿発祥の地・萱生町はジェトロ奈良と連携し、香港市場での柿販売を開始され、現地で大変好評を得ました。大橋議長による沖縄でのトップセールスでは、一千二百四十五ケースもの販売実績を上げられたほか、集荷組合長が農林水産大臣を表敬PRし、東京・奈良まほろば館での試食販売会が行われるなど活動されています。近畿圏内トップクラスの生産量を誇るイチゴも、県内ホテルや都内有名レストランでの利用が広がっています。和爾町特産マコモタケは小・中学校給食に取り入れられているほか、櫟本校区のウオーキングイベントで活用されるなど、地元食材として定着してきました。 農産品を鳥獣害から守る取り組みでは、猟友会等の御尽力により、令和元年度も五百頭以上捕獲しました。また、平成三十年度よりICTを活用したスマート捕獲を杣之内町木堂地区において取り組んでいます。有害獣の隠れ家となり得る放置林の間伐・皆伐による、獣害に強い里山づくり事業を萱生町で取り組み、被害をこうむる農地を囲む防護柵の設置補助も行っています。猟友会会員の高齢化が進んでおり、狩猟免許の新規取得に係る経費を引き続き補助し、人材の確保に努めてまいります。 産業振興に向けた新たなチャレンジとしては、本年一月、本市とシャープ株式会社との間で、インキュベーション事業や新領域の実証実験の推進に向けた連携協定を締結しました。櫟本町のシャープ総合開発センターに入居したベンチャー企業は、シャープの8Kや5Gをはじめとする先端技術、流通販売ネットワークと連携しながら、同センター内の事務所や実験室などの空き施設を活用できます。本市は使用料の二五%を二年間補助します。革新的な技術を持つベンチャー企業の誘致は、シャープにとっても新規ビジネス開拓の相乗効果を期待でき、本市にとっても既存施設を生かした企業誘致の促進や雇用創出につながります。 また、5Gなどの先端技術は、スマート自治体や国土強靱化の鍵として国も重視をしています。シャープの新領域事業に本市が積極的に協力することで、本市が先進的取り組みからおくれをとらない意味でも重要です。市内事業者に対するものづくり、事業承継支援、テレワークなどの働き方改革のサポートに加えて、企業の新領域での挑戦と地方の課題解決の双方にとってウィン・ウィンとなる枠組みをどれだけうまくつくり、結果につなげられるか。財政的人的資源に限りがあるこれからの天理市にとって、十年間を乗り切るだけでなく、その後の発展を切り開けるかどうかの分かれ道だと考えています。 最後に、近隣の市町村と連携することで負担を合理化しながら、市民サービスを向上させていく最大のプロジェクトである新クリーンセンター整備事業の進捗状況について御説明します。 環境保全に万全を期し、地元の皆様に安心いただける施設とするため、奈良県環境評価条例に基づき、平成二十八年度から四年間実施してきた環境影響評価は、本年四月までの奈良県知事意見を踏まえた評価書の公告縦覧により、無事に終了する予定です。並行して、焼却施設及び粗大・リサイクル施設の決定と焼却施設用地周辺の用途地域の変更のための都市計画決定作業を行っており、本年三月から都市計画決定告示及び縦覧を実施しています。 焼却施設及び粗大・リサイクル施設はそれぞれ設計、建設、運転を一括して発注するDBO方式で事業者選定作業を行っており、本年四月末に事業者決定を公表する予定です。七月中旬には請負契約の本契約を締結し、令和二年度中は主に設計業務を行うこととしています。令和三年度中に工事に着手し、令和五年度中の完成を目指します。 地元をはじめ十市町村民の皆様との信頼関係を第一に、環境保全に万全の対策をとり、ごみ処理施設を社会インフラとして捉え、廃棄物エネルギーによる発電や災害時の防災拠点としての活用、環境学習の場の提供など、地元振興にも寄与する新ごみ処理施設を令和六年二月の稼働に向け、全力で取り組んでまいります。 以上、新年度の施政方針及び重点項目の概要を申し上げました。 二〇二〇年代、天理市がなすべきことを着実に実施しながら、将来にわたって市民の皆様の安心と安全を守り、天理市の明るい未来を開いていける市政のもと、私たちが二〇三〇年を迎えられるために。支え合いと、共に創る「共創」により、天理らしい共生都市を築いていく。新たな総合計画のもとでのスタートとなる令和二年度予算案への御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。 次に、議案第八号、令和二年度天理国民健康保険特別会計予算について御説明します。予算の総額は五十八億一千九百七十万円で、一般被保険者療養給付費等の減により、前年度当初予算と比較して二億一千二百八十万円、三・五%の減となっております。国民健康保険事業につきましては、引き続き第二期データヘルス計画により、特定健康診査及び特定保健指導の強化や医療費分析等により医療費の抑制と適正化を図り、財政の安定化と事業の効率化に努めてまいります。 次に、議案第九号、令和二年度天理介護保険特別会計予算について御説明します。予算の総額は五十七億七千九百五十万円で、介護サービス給付費の増により前年度当初予算と比較して三億百二十万円、五・五%の増となっております。介護保険事業につきましては、第七期介護保険事業計画の最終年に当たり、介護給付適正化事業の一層の強化を図るとともに、高齢者の自立支援、重症化防止等に関する取り組みを推進し、適正な介護保険料の設定を目指して次期介護保険事業計画を策定します。また、介護予防を含めた認知症対策としての活脳教室に加え、活脳クラブの立ち上げを支援し、健康寿命を長く保てる高齢者の裾野を広げてまいります。 次に、議案第十号、令和二年度天理後期高齢者医療特別会計予算について御説明します。予算の総額は八億四千三百七十万円で、後期高齢者医療広域連合負担金の増加等により、前年度当初予算と比較して七千二百万円、九・三%の増となっております。 次に、議案第十一号、令和二年度天理住宅新築資金等貸付金特別会計予算について御説明します。予算の総額は三百万円で、長期債の元利償還金の減少により、前年度当初予算と比較して百六十万円、三四・八%の減となっております。 次に、議案第十二号、令和二年度天理土地区画整理事業特別会計予算について御説明します。予算の総額は一億五千二百五十万円で、山の辺第一工区土地区画整理事業費において、道路等整備工事費及び移転・移設補償費等が増加するため、前年度予算と比較して一千三百八十万円、九・九%の増となっております。 次に、議案第十三号、令和二年度天理水道事業会計予算について御説明します。本会計予算は、業務の予定量として、給水戸数二万四千六百五十戸、年間総有収水量七百三十九万二千三十立方メートルを見込み、収益的収入及び支出では、収入総額を二十億七百六十七万七千円、支出総額を十八億五千三百六十万三千円に定めようとするものです。 支出の主な内容は、減価償却費、受水費、職員給与費及び企業債利息です。 また、資本的収入及び支出では、収入総額を三億八千四百二十七万八千円に定めようとするものであり、その主な内容は、分担金、補助金及び定期預金償還金です。 一方、支出総額を十一億九千九百四十万一千円に定めようとするものであり、その主な内容は、配水管改良工事費、杣之内浄水場更新事業費、企業債償還金及び定期預金です。 なお、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額八億一千五百十二万三千円は、過年度分損益勘定留保資金等で補填するものとなっております。 次に、議案第十四号、令和二年度天理下水道事業会計予算について御説明します。 本会計予算は、業務の予定量として、排水戸数二万一千八百三十戸、年間総排水量七百五十九万六千五百四十七立方メートルを見込み、収益的収入及び支出では、収入総額を二十九億四千六百七十三万八千円、支出総額を二十五億二千四百六十八万五千円に定めようとするものでございます。 支出の主な内容は減価償却費、流域下水道維持管理負担金、企業債利息及び職員給与費です。 また、資本的収入及び支出では、収入総額を三億二千六百三十七万円に定めようとするものであり、その主な内容は他会計補助金、企業債及び国庫補助金です。 一方、支出総額を十五億七千八百八十一万四千円に定めようとするものであり、その主な内容は企業債償還金及び管渠整備費です。 なお、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額十二億五千二百四十四万四千円は過年度分損益勘定留保資金等で補填するものです。 以上、新年度の各会計予算について御説明申し上げました。 予算規模といたしましては、一般会計、特別会計、企業会計と合わせ、前年度比〇・三%増の四百四十六億四千五百万円とした次第です。 次に、議案第十五号から議案第二十七号までの十三議案について御説明します。これらはいずれも条例の制定、改正及び廃止に関するものでございます。 まず、議案第十五号、天理市監査委員に関する条例及び天理市水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は、地方自治法等の一部を改正する法律が施行されることに伴い、地方自治法の条項に異動が生じることから、当該条項を引用する各条例について所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第十六号、天理市印鑑条例の一部改正について御説明します。 本案は、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律が制定され、総務省が示す印鑑登録証明事務処理要領において印鑑登録資格がないとされている「成年被後見人」から「意思能力を有しない者」に改められたことから、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第十七号、天理市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は、幼児教育・保育の無償化を受けて、天理市私立幼稚園就園奨励費補助金交付事業が廃止され、同事業に係る事務における個人番号の利用等がなくなったことに伴い、個人番号の利用及び特定個人情報の提供に係る事務から、当該補助金の交付に関する事項を削除するため、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第十八号、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は、会計年度任用職員の服務の宣誓について、初めての任用に引き続いて次年度以降も継続して任用された場合には、初めての任用に際して行った服務の宣誓をもってこれを行ったものとみなすため、また、会計年度任用職員の退職手当に関する特例措置を削除するため、当該整備条例に係る所要の改正をその施行日前にしようとするものであります。 次に、議案第十九号、昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免職及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例の廃止について御説明します。 本案は、本条例の対象が、昭和六十四年一月七日前の行為について、平成元年二月二十四日前に減給または戒告の懲戒処分を受けた者及び昭和六十四年一月七日前の事由による職員の賠償責任に基づく債務についてのものであることから、今後において対象となる事案が発生することが想定されないため、本条例を廃止しようとするものでございます。 次に、議案第二十号、天理市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は、天理市地域福祉計画の策定等に係る天理市地域福祉計画審議会及びコミュニティスクールに係る学校運営協議会を設置すること、また、公職選挙法施行令の一部を改正する政令が施行されたことにより、投票管理者及び期日前投票管理者について、二人以上で交代して職務を行わせることが可能になったことに伴い、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十一号、天理市特別職の職員の給与に関する条例及び天理市教育委員会の教育長の給与等に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は市長、副市長及び教育長の給与月額について、現行の特例減額措置の期間を延長するため、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十二号、天理市地域福祉計画審議会条例の制定について御説明します。 本案は、社会福祉法第百七条に規定する地域福祉計画を策定または変更するに当たり、有識者及び各種関係団体代表等による審議を経て、より実効性のある計画とするため、天理市地域福祉計画審議会の設置について条例を制定しようとするものでございます。 次に、議案第二十三号、天理市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について御説明します。 本案は、災害弔慰金の支給等に関する法律の改正により、災害援護資金に係る償還金の支払猶予及び償還免除のための報告等の制度が新たに法律上の制度とされたことから、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十四号、天理市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について御説明します。 本案は、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令が施行されることに伴い、各市町村の判断で放課後児童支援に係る「みなし支援員」の特例措置期間を延長できることとなったことから、当該期間を令和五年三月三十一日まで延長するため、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十五号、天理市国民健康保険条例の一部改正について御説明します。 本案は、国民健康保険料の賦課限度額及び低所得者に係る軽減判定所得を見直す内容の国民健康保険法施行令の改正に伴い、その趣旨を踏まえて、本市においても賦課限度額の見直し及び保険料軽減判定所得の拡充を図るため、所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十六号、天理市道路占用料に関する条例及び天理市法定外公共物管理条例の一部改正について御説明します。 本案は、道路法施行令が改正され、道路占用料の額等が見直されたことに伴い、同政令の趣旨を踏まえて所要の改正をしようとするものでございます。 次に、議案第二十七号、天理市営住宅条例の一部改正について御説明します。 本案は、民法改正による債権関係の規定の見直し及び単身高齢者の増加など公営住宅を取り巻く状況を踏まえて、国土交通省が公営住宅管理標準条例(案)を改正したことに伴い、所要の改正をしようとするものでございます。 続きまして、議案第二十八号、天理駅前広場及び天理市自転車等駐車場指定管理者の指定について御説明します。 本案は、天理駅前広場及び天理市自転車等駐車場指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定により、議会の議決を求めるものでございます。 次に、議案第二十九号、天理市総合計画基本構想の策定について御説明します。 本案は、第六次天理市総合計画の基本構想の策定につき、天理市議会の議決すべき事件に関する条例第二条第一号の規定により、議会の御議決を求めるものでございます。 次に、議案第三十号、財産の減額貸付けについて御説明します。 本案は、減額貸付けを行っている嘉幡町の体育施設について、引き続いて減額して貸付けを行うため、地方自治法第九十六条第一項第六号の規定により議会の御議決を求めるものでございます。 次に、議案第三十一号、損害賠償請求権に係る和解について御説明します。 本案は、最高裁判所平成十年(行ツ)第二百七十八号事件判決で認容された損害賠償請求権について和解するため、地方自治法第九十六条第一項第十二号の規定により、議会の御議決を求めるものでございます。 以上、意を尽くし切れていないところも多々あろうかと存じますが、提案の説明とさせていただきます。何とぞ慎重な御審議を賜りますようよろしくお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、議案熟読のため明日は休会し、五日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。                      午後二時四十一分 散会...