○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆)
寺井議員の御質問にお答えいたします。 持続可能な社会の担い手を育てる教育であるESDの趣旨は、総合的な学習の時間をはじめそれぞれの教科の中で現在も適宜取り上げ、学習を進めているところでございます。ESD推進の手引に記載のあるESDカレンダーを活用した授業展開や、
SDGs実践計画表は総合的な学習の時間の年間指導計画を作成する上で、各教科、学校ごとの事情に応じ、取り入れ方を検討いたします。
○議長(
大橋基之議長)
寺井議員。
◆五番(
寺井正則議員) ありがとうございます。前向きな答弁をいただいていると承知いたします。 文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点として位置付けております。現在、世界百八十カ国以上の国・地域で一万一千校以上のユネスコスクールがあるそうです。日本国内の加盟校数は「国連持続可能な開発のための教育の十年」が始まった平成十七年から飛躍的に増加し、平成三十年十月時点で一千百十六校となり、一カ国あたりの加盟校数としては世界最大となっているそうであります。奈良県におきましても、主に奈良市でたくさんのユネスコスクールが実施されております。本市の
教育委員会におけるユネスコスクールに対する認識と、モデル校の設置を推進することについての見解を伺います。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です。モデル校の設置に当たっては、ユネスコスクールガイドラインに示されたガイドラインを念頭に置いて活動することが求められています。天理市では現在、各校で児童・生徒の学習課題を分析し、それに合わせた授業実践を行っております。今後のモデル校の導入可能性について、各校と協議してまいります。
○議長(
大橋基之議長)
寺井議員。
◆五番(
寺井正則議員) モデル校の導入可能性については各校と協議していくということでございます。 先進的な
取り組みをちょっと紹介させていただきたいと思いますが、愛媛県新居浜市
教育委員会は昨年、
SDGsをわかりやすくまとめた小冊子、新居浜版
SDGsを作成し、全小学五、六年生に配布したそうであります。新居浜市では二〇一五年から地域の特色を生かした学習に取り組んでおられ、二〇一七年にはユネスコ、国連教育科学文化機関の理念に沿った教育を行うユネスコスクールに全小・中学校が認定されているそうであります。この小冊子はA4判四十ページで、貧困撲滅や資源保全など十七の国際的な目標をイメージした版画とわかりやすい説明文を掲載、自分たちで何ができるかを話し合ったことを書き込めるスペースを設けているということです。新居浜市
教育委員会では、自分たちの身近な問題として捉え、いま何ができるかを考えてほしいとしております。各教科の単元や項目が
SDGsの十七の目標のどこに関連しているのかを明示しながら学習活動を行うことで、子どもたちが地域や社会で起こっている問題に関心を持ち、身近な問題と捉え、自分たちで何ができるかを考え解決していくことができるような教育を目指すべきと思います。
SDGsをわかりやすくまとめた小冊子を作成して配布することや学習活動の進め方について所見をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) お答えいたします。 ESDと
SDGsとの関係を意識して学習活動を進めていくために、ESD推進の手引を参考に学習計画を立てるよう各校に再度周知いたします。
○議長(
大橋基之議長)
寺井議員。
◆五番(
寺井正則議員) ちょっと何か明確な答弁をいただけていないように思うんですが、それだけユネスコスクールはいろいろ困難なことがあるのかなという認識を持つわけでございます。 東京都品川区は昨年五月、
SDGsの理念を義務教育に取り入れるため、区の教職員を対象に勉強会を開いたそうであります。講師は外務省の職員と第一回ジャパン
SDGsアワードで外務大臣表彰を受賞した会社の社員が務めました。研修の中で、外務省の担当者は持続可能な社会の担い手として子どもたちが
SDGsを学ぶ意識を強調し、政府は子ども向けの教材の作成を進めているとの説明があったそうです。また、ジャパン
SDGsアワードで外務大臣表彰を受けた洗剤の開発・販売を手がける会社から派遣された講師は、会社が
発展途上国で実施する百万人の手洗いプロジェクトの
取り組みなどを報告したとのことでありました。 学校教育における
SDGsの推進については、まず全ての教職員の理解を深めていくことが必要であるということは言うまでもありません。一方で、未来を担う子どもたちに必要なのは、我がまち、我が国だけでなく、グローバルな視点で
SDGsを捉えてもらう必要があります。 二〇二〇年度からは小学三、四年生で外国語活動、五、六年生で外国語の教科が加わります。英語教育の充実はグローバルな人材育成につながり、
SDGsの担い手を輩出する大事な教科になります。そこで、
SDGs推進の視点と英語教育の充実をどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) お答えいたします。 英語教育の充実を図ることは、グローバルな人材育成にとって必要な
取り組みでございます。来年度から小学校の三、四年生で外国語活動、五、六年生で外国語の教科化が始まります。今後、他の市町村の先進的な
取り組みを参考に、より充実した英語教育に取り組んでまいります。また、中学校英語では、必要に応じて
SDGsの視点を取り入れた学習にも取り組んでまいります。
○議長(
大橋基之議長)
寺井議員。
◆五番(
寺井正則議員) ありがとうございます。いま教育長の方から先進的な
取り組みを参考に、より充実した英語教育に取り組んでいきたいという、決意にも似た、はっきりとした明確な答弁をいただいたと認識いたします。
SDGs達成を視野に入れ、グローバルな人材育成を目的とするならば、単なる英語教育にとどまらず、先進英語教育の
取り組みが重要になってくるというご認識をされていると思います。 茨城県境町では、グローバルな人材の育成は
SDGsや地方創生戦略の先駆的なモデルということで、全小・中学校でスーパーグローバルスクール事業、SGSを展開しており、フィリピンから英語教師を呼んで授業を実施しているということでございます。また先進的な
取り組みの参考にしながら英語教育の充実に取り組んでいただきたいと思います。 それでは最後の質問になりますが、学校教育などで消費者意識の向上を図り、エシカル消費の普及啓発に取り組むことについてお尋ねしたいと思います。
SDGsと消費者の役割について、
国連加盟国のそれぞれが二〇三〇年の達成を目指す
SDGsに関し、進行状況を確認する初の首脳級会合が九月二十四、二十五日にニューヨークの国連本部で開催されたそうです。二〇五〇年までに世界人口が九十六億人に達した場合、現在の生活様式を持続させるためには地球が三つ必要になりかねない、これは国連広報センターのウエブサイトに掲載されている
SDGsの目標十二「持続可能な消費と生産」の解説であります。 二十世紀後半に先進国で急激に進んだ大量生産・大量消費というライフスタイルが新興国を中心に世界中に広がっております。豊かさの追求は権利であり、禁じることはできません。しかし、こうした生活様式を支える地球は悲鳴を上げております。その一方で、
SDGsの目標一は「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」となっております。貧困の解消にはその国の
経済成長が必要であり、目標八は「
経済成長と雇用」を掲げております。ただし、地球に大きな負荷をかける
経済成長ではなく、持続可能な
経済成長を求めているのであります。そのためには、政府と企業の努力と同時に消費者が生活様式を転換し、資源を守るために無駄を省き、ものを大切にすることが重要になってまいります。 九月五日、六日の両日、徳島市で開催されたG20首脳会議のサイドイベント、消費者政策国際会合でも、
SDGsの推進が主要な論題となり、日本は持続可能な消費に関するプランを持って臨んだそうであります。日本のプランは、政府の
SDGs推進本部が六月にまとめた拡大版
SDGsアクションプラン二〇一九に示されております。その中で特に強調されているのが倫理的消費、いわゆるエシカル消費の啓発と普及でありました。エシカル消費とは、地域の活性化や雇用なども含む人や社会、環境に配慮した消費行動と定義されております。要するに、いままでは一、安心・安全、二、品質、三、価格といった従来の商品選択の基準だけではなく第四の基準として「人、社会、環境のためになるかどうか」を加えることであると言われております。 たとえば、人への配慮であれば、障害のある人がつくった商品を買って障害者の社会参加を応援する。社会については地産地消を心がける、そうすれば地域の活性化や伝統文化の継承にもつながるし、輸送にかかるコストも削減される。輸入品についても、不当な児童労働による製品なのか。不当に安い値段で買いたたいた材料でつくられた製品なのか。また、山林の保全や自然の枯渇を顧みない森林伐採や乱獲による一次産品なのか。こんなものを選ばないことで公正貿易に貢献できるということであります。環境への配慮であれば、自然に優しい有機農業の農産物を選んだり、風力発電などクリーン
エネルギーを重視することも大事であります。 政府の「倫理的消費」調査研究会は、取りまとめの中で「倫理的消費とは、突き詰めれば、消費者それぞれが、各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援したりしながら、消費活動を行うこと」との見解を示しています。この「各自にとっての社会的課題」に地球を守るための
SDGsの考え方を加えることが求められているのであります。 国連によると、目標十二は「より少ないものでより多く、より良く」を目指すことであります。これは、大量生産・大量消費になれた生活様式の転換につながります。政府は学校教育などで消費者意識の向上を図り、エシカル消費の普及啓発に取り組む方針であります。あらゆる政策を
SDGs達成につなげる
SDGs主流化の一環として堅実に進める必要があります。 そこで、学校教育などで消費者意識の向上を図り、エシカル消費の普及啓発に取り組むことについての
教育委員会の所見をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 消費者教育については、現在、社会科や家庭科の学習の中で取り上げ、児童・生徒の消費者意識の向上を図っています。今後は
SDGsの視点に立った人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費にも注目し、授業を通じて啓発してまいります。
○議長(
大橋基之議長)
寺井議員。
◆五番(
寺井正則議員) ありがとうございます。教育の中において一番大事な視点かなと思いますので、しっかりと推進していただきたいと思います。
SDGsについては常任委員会、またこの
一般質問を通じていろいろお聞かせいただきました。特に昨日の代表質問や個人の
一般質問の中においても、やはり
持続可能性という視点に立ってはさまざまな課題があるなということの認識も改めてさせていただいたところでございます。本市においてもしっかりと、「支え合うまち天理」ということで、市長におかれましてはしっかり取り組んでいただいていることをありがたく認識しているところでございます。
SDGs未来都市の選定を目指すということにつきましても、本年は募集が締め切り間近でできないということでございましたけれども、もしまた続いてそういうことがあるのであれば、市長にリーダーシップをとっていただいて、
SDGs未来都市選定を目指していただきたいと思います。奈良県内においては生駒市と広陵町、三郷町、それから十津川村がされていますので、天理市においても、ぜひともリーダーシップをとって取り組んでいただきたいと思います。どうもありがとうございました。これにて
一般質問を終わらせていただきます。
○議長(
大橋基之議長) 次に、
鳥山淳一議員。 〔六番
鳥山淳一議員 登壇〕
◆六番(
鳥山淳一議員) 議長のお許しをいただき、一問一答方式にて質問を行います。理事者をはじめ関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 少し同僚議員の質問と内容が重なる部分もございますが、御容赦願いたいと思います。件名につきましては、よりよい
まちづくりに向けて、子育て支援について、そして認知症対策・対応について、よりよい教育の推進に向けてでございます。 まず、子育て支援についてお伺いします。産前産後、乳幼児への支援の状況についてお聞きしたいと思いますが、先月二十九日に子育てしやすい環境の整備や社会問題でもある虐待、産後うつを防止していくための出産後の母親や子どもへの授乳指導、育児相談の支援を行う産後ケア事業を自治体の
努力義務とする改正防止保健法が成立しました。核家族の増加により、お一人で産前産後を送るという状況が生じてしまい、そのことにより妊娠中の鬱病の発生が七%から二〇%の確率で出現しているという報告もございます。本市の産前産後の子育て・生活支援の整備はどのように進めておられるか、お聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) ただいま御質問がありました産前産後、乳幼児、就学前の支援の状況についてでありますが、産前産後サポート事業は出産に不安を抱えている、身近に相談できる人がいない等の支援の必要な方に対しまして、ドゥーラ及び助産師が希望者宅に訪問し、妊娠や出産、子育てに関する不安や悩みを伺って寄り添うことで、安心して妊娠期を過ごし、育児に臨めるようにサポートしております。 産後ケア事業は、出産後の身体的な不調や回復の遅れがあり、休養の必要な方や授乳が困難な方などに対しまして母体の身体的ケア及び保健指導や母親の心理ケア、沐浴、授乳等についての具体的な指導及び相談を産院や助産所または居宅においてケアが受けられるようにしているものでございます。 産後ケアには宿泊型、デイサービス型、アウトリーチ型の三類型の利用方法がありまして、利用者の皆様のライフスタイルや育児環境によって選択をいただけるようになっております。そして天理市子育て世代すこやか支援センター「はぐ~る」では、子育てコンシェルジュが母子手帳を発行し、妊娠中からの健康を支えております。そして「はぐ~る」やコフフン、櫟本及び前栽の公民館ではドゥーラが生後四カ月までのお母様とお子さんを対象にサロンを開催し、育児情報の提供や母親同士の交流の場として育児不安の軽減の機会となっています。就学前のお子さんの発達等が気になる御家庭につきましては、発達相談員による相談や集団教育を通じて他児と触れ合うことで経験を深めたり、保育所や幼稚園と連携しながら子どもの成長発達を促し、養育環境の促進に努め、継続的かつ包括的な支援を実施しております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。本市の子育てについての
取り組みは他市町村よりも先進的に行われてるということを私も感じているところです。若いお母さん方からも、本市は子育てがしやすいというようなお話も届いておりますので、より多くの子育て世代の方の居場所、そしていまのままの相談体制の維持や充実の方をよろしくお願いしたいと思います。 次に、子育てを始められた家庭に対して、子育ての孤立化を防ぐこと、そして産後ケアが重要であるとされている中で、特に訪問型の子育て支援の
取り組みがいま重要視されているところでございますが、本市の訪問型による子育て支援の現状はどのようでしょうか。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 訪問型支援については、御希望のある御家庭にドゥーラが訪問し、育児相談や家事援助を行う
取り組みでございまして、平成二十九年七月から開始しており、
令和元年度は十月末時点で百三十一世帯を訪問しております。 そして、地域の見守りとして生後四カ月までに民生委員の皆様が訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」が乳児家庭の孤立化を防ぎ、地域と行政の顔つなぎをやっていただくものとして御活躍いただいております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。やはり訪問して子育ての悩みを個人的に聞くということ、特に今後、少子化の中で子どもや母親支援に重要なことだと思います。訪問型支援の充実の方をさらに進めていただけるようにお願いをしたいと思います。民生委員さんと、そして専門職の方の御意見を絡ませて、また地域での協力体制も構築していただけたらというふうに思うところでございます。よろしくお願いします。 誰もが望んで行っていることではないのですが、子育ての不安が重なってストレスになったり、これが虐待につながるケースが大変増えてきている状況があります。悲しい事件も起こっているところでございますが、厚労省によりますと二〇一八年度に児童虐待の相談通告を受けて対応した件数は約十六万件で、統計調査を開始されてから二十八年間連続で増加しているということでございます。このことはDVとも関連が深く、心理的虐待がこの中の半数を上回っているということであります。 種類別の件数を見ましても、一番多いのがいまの心理的虐待でございますが、その次に保護者の怠慢や育児拒否によるネグレクト、この二つで約八割を占めているといった虐待の件数がございます。奈良県は昨年度、市町村が捉えられたこの虐待の件数または報告が、虐待だけではないです。報告もございますが、二千四百件ございます。その中で、やはり年齢別に見ますと一番多いのが小学生の虐待通報でございます。そしてその次が三歳からの就学前児童、そして〇歳から三歳というふうなことになっています。虐待が家庭の中で起こっているということはこの数字から示されると思いますが、それぞれの子どもが置かれている状況は違いますが、特にいわゆる配慮を要する子どもたちへの就学前、そしてそれが就学後につながる支援についてはどのようでしょうか。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 就学前については先ほど御説明もさせていただいたところでありますけども、発達相談員による相談や集団教室を通じて他児と触れ合う機会あるいは保育所、幼稚園との連携などをしっかりとやっているところでございます。そして、やはり就学後の支援にしっかりとつなぎ目なくやっていくことが非常に大事なわけですけれども、本市においては教育総合センターの適応指導教室、不登校になってしまった児童に対しては「ゆうフレンド」の派遣でありましたり、あるいは各種相談事業などもやっているところでございます。 そして、ネグレクト等についても御指摘があったわけですが、教育総合センターの
取り組みに加えて福祉面からしっかりと支援していくことも大事だというふうに思っております。虐待事案への対応については、市の行政部局及び
教育委員会に加えて天理警察署、奈良県中央こども家庭相談センター、児童家庭支援センターてんりなどで構成される天理市要保護児童対策協議会において協議をしながら進めているところでございます。そして、児童虐待を防いでいくためには、行政、関係機関だけでなく地域や民間の皆さんと連携することも非常に重要でありまして、今後も虐待の早期発見や早期対処ができるよう、地域の中での
きずなづくりというようなところにも取り組んでいきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) 教育現場、小学校でいろんな低学年の姿がございますが、小学校の現場だけでなかなか解決できないことがございます。これにつきましては、昨日の同僚議員からの質問にもございましたが、やはり福祉と教育の連携、相談体制の充実というところが挙げられるかと思いますので、いままさに教育総合センターもございますし、要保護児童対策協議会、要対協と言われていると思うんですが、この方が連携をしていただいて、子どもたちへ漏れ落ちのない相談支援をしていただけたらというふうに思うところでございます。どうぞよろしくお願いします。 次に、本市の認知症対策・対応についてお伺いしたいと思います。 認知症の患者数は二〇一二年で約四百六十二万人、認知症の前段階、軽度認知障害を含めると六十五歳以上の七人に一人、こういう数字になってくるようでございます。今後高齢化が進み、二〇二五年、団塊の世代が後期高齢者になる時期には五人に一人が認知症の発症者と推定されるという数字が出ております。 本市では昨年度、活脳教室の
取り組みが注目されたところでございます。認知症予防の
取り組みとして活脳教室の今年度の状況や、初期の認知症対応について相談等はどのような形になっているのでしょうか。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 本市の活脳教室の
取り組みについては、成果連動型を全国で初めて導入したということで、国の持続可能な社会保障に向けたさまざまな検討会でもモデルとして取り上げていただいているところであります。議員からも御指摘がありましたが、本市の要介護一から五までの全てのレベルにおいて認定理由のトップが認知症というふうになっておりますので、天理といえば活脳教室というところまで本プロジェクトをしっかりと充実させていきたいというふうに思っております。 この活脳教室は公文教育研究会と慶應義塾大学との間で協定を締結して行っているところでありますが、今年度は市内五つの公民館を従来のメディカルセンターに加えてやっておりまして、全六教室で現在では百二十人の参加者を得ておりまして、それぞれの教室が六カ月のプログラムでございますので、いま順次終了する時期を迎えております。私もサポーター講習を受けまして、各教室にサポーターとして行かせていただいているところでありますが、教室の中の
取り組みの間に、日々思っていらっしゃることだったり、悩んでいらっしゃることというような相談をほかの方にもできる非常に貴重な機会となっておりまして、サポーターの皆さんが記録されているものを拝読しても、しっかり地域とつながっていくきっかけづくりにもなっているなというふうに思っております。 来年度はこの活脳教室をさらに拡充・充実していきたいというところと、修了者の皆様方についても継続的に
取り組みをやっていただいて、脳機能の維持改善につながっていくことが非常に重要でございますので、自主クラブ的な集まりとしても修了者の方が継続できるように、市でも移行支援を行いながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。 また、修了された皆さんの認知機能のモニタリングを行うために、ベッドに敷いてその上に寝ることでデータが得られるセンサーで取得された睡眠データをAIで分析し、軽度の認知障害の特徴を検知するというシステムがございまして、こちらはNTT西日本と、いま私どもがAI・
RPAで連携をしているわけでありますが、この軽度認知障害の検知エンジンの実証実験もやっていきたいと思っております。 また、認知症を心配されている御本人及びその御家族からの相談については、市役所窓口あるいはメディカルセンターのまちかど相談室の方で認知症地域支援推進員が対応をさせていただいておりまして、加えて市内四カ所の地域包括支援センターでも相談支援を行っております。認知症初期と思われる市民の皆さんの中で、医療サービスや介護サービスを受けていらっしゃらない場合や、医療、介護のサービスを受けているけれども認知症と診断されていない、認知症の症状が顕著なために御家族が対応で苦労されている場合には市の認知症初期集中支援チームが対応するというような形でやっております。このチーム員が相談者宅に訪問し、詳しくお話を伺う中で、チーム員である医師の助言を受けて、医療機関での受診支援、介護保険サービスの利用に関する支援、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケアや生活環境の改善などに取り組んでいるところでございますが、くり返しになりますけども、やはり重症化される前の軽度初期段階においてどれだけしっかりと対応できるかというところが非常に大事でございますので、簡単な読み書き計算であったり、あるいは日々の
取り組みの中でその改善につなげていくような部分について、市民の皆さんにしっかりと啓発をしていくことが大事だというふうに思っております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。本当に充実した初期対応をしていただいて、活脳教室につきましては今後広めていって、ネットワークやそれぞれのつながりが増えていくことによって認知症への予防がさらに進むというふうに思っているところです。私たちもやがて心配な部分が出てきますので、そのときにまた安心して相談に行けるということをいま聞かせていただきました。ありがとうございました。 この対策の中で、独居高齢者の数なんですが、これもかなり増えてきているところでございます。どうしても独居高齢者の方が気づかないままに認知症が進んでいるといったことがございますので、こういった独居高齢者への認知症対応についてはどのように進められているのかお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 先ほども申し上げましたとおり、やはり早期発見、初期症状のうちに対策をとることが非常に重要な中で、同居される家族がいらっしゃれば生活変化に気づくことができるわけでありますが、独居高齢者の方で特に閉じこもり傾向の方の場合は、早期発見というのが困難であります。そのため、本市では地域包括支援センターによります独居高齢者及び高齢者のみ世帯への訪問活動によって発見に努めております。 たとえば、本市の北部地域では同地域の包括支援センターを運営する法人が大手警備保障会社による見守りサービスを行っておりまして、独居高齢者及び高齢者のみの世帯にモデル的に導入されるといった形で対応が進んでおります。さらには、乳酸菌飲料配布や緊急通報装置利用、配食サービスなどの市の高齢者福祉サービスでも、それらを利用される高齢者の方の見守りをサービス提供事業者が行っておりまして、これまでと様子の違う高齢者がいらっしゃる場合には市に通報をいただくことになっております。 それぞれで認知症と思われる高齢者の方が発見されれば、その方が
地域社会の中でなじみの暮らしが継続できるように、地域包括支援センターや市で支援を開始していくということになっております。ただ、やはり閉じこもっておられる、出かけられない場合、そういった形での訪問で検知できるところには一定の限界もあるわけでございますので、先ほど御紹介したような先端技術を活用するというのも一つの方法でありますけども、そもそもそういう高齢者の皆さんがより集まれるような機会をしっかりとつくっていくことが非常に大事だと思っております。そういう点ではやはりサロン活動でありましたり、あるいは地域の
居場所づくりとあわせてやっていき、地域の皆さん方がちょっとどうかなと、何か最近対応した方がいいよというような形で声をかけ合えるような関係をつくっていくことが大変重要であると考えます。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。いま市長申されたように、独居の方が集まればいろんなコミュニケーションがとれますし、情報交換もできるということがございます。特に認知症についてはいろんな部分で初期の対応、初期の発見に向けての施策がとられていることがございますので、一人でも多くの独居の方が認知症で困ることのないような、いまのような施策を続けていただけたらというふうに思うところでございます。 包括支援センターの皆さんが本当に頑張っておられるところがございます。この質問をする前に一度と思って包括支援センターの方にお邪魔したことがあるんですが、職員の方が時間を惜しんで外に出ておられたような姿を目にしました。一人でも地域へ出向いて認知症や独居の方への対応を考えたいというふうなこともおっしゃっておられました。 その中で、認知症の御家庭の方の高齢化による孤立が全国的に深刻な問題となっています。先ほども市長の御答弁にございましたが、私たちが地域の中で認知症の方をどのように理解していくかということは非常に重要なことでありますし、認知症の方が安心して行動できるような地域づくりが大事な部分であると思います。そういった意味で、地域への働きかけをどのように推進していかれるのかをお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 市長。
◎市長(並河健) 地域の中で認知症の高齢の皆様を支える人材として、サポーターの養成を進めてきているわけですが、
令和元年十二月で五二百人を超えております。この認知症サポーターの養成講座は小中学生から高齢者まで幅広い年齢層に対して開催し、地域において認知症の皆さんと御家族に対する理解を深めることを目指しておるわけでございます。そして今後、認知症の皆さんや家族を見守ることや認知症の方と地域の方々の触れ合いの場となる認知症カフェでの活動などにどんどんサポーターの皆さんが活躍いただけるように、市としても応援していきたいと考えております。 そして、地域の皆さんが自主的に運営されている高齢者サロンなどの
取り組みを市も支援していくとともに、活脳教室やステップ体操などの介護予防をきっかけに住民主体の集い・通いの場づくりを行いながら、認知症対応だけでなく地域福祉を推進する地域住民同士の支え合いの関係を育てていきたいというふうに考えております。 やはり私も活脳教室にかかわっていく中で、認知症について十分理解していなかったなというふうに反省する点もございました。たとえば昔のことは覚えているけども、最近のことは忘れるというふうに焦られるパターンがある。周りの方が最近のこととなのに忘れちゃったのというふうにプレッシャーをかけてしまうと余計認知症の症状は重くなっていくわけなので、非常に悪循環でございます。そういうストレス状態から解放するということが非常に大事でありますし、短期的なことを忘れているのではなくて、そもそも記憶していないということだそうでございます。ですから、昔の記憶は脳が正常に働いて、記憶の保管庫のようなところにきちんと入っているのに対して、脳がきちんと動いていない場合は記憶の保管庫に至るまでに情報が抜け落ちているので、思い出せるはずがないんだということなんです。活脳教室は、脳のリハビリのような形で計算とか読書とかいろいろやる中で、いろんな部位を動かしていくことで記憶の箱の中にきちんと入っていけるような形をつくっていこうということであります。介護の皆さんが接せられるときの、それこそ目線の高さだけでも認知症の方の対応が全然違うというようなことも言われておりまして、やはり多くの皆様方に認知症についてより知識を持っていただく。そして、なってしまったらあとはもうどんどん坂道を転がり落ちていくように悪化する一方だと、そう深刻ばかりに捉えていってもよい結果は生まれませんので、そういうところについても頑張っていきたいと思っております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。高齢者の方が本当に安心してお住まいできる天理市になるような、心強い御答弁をいただきました。 いま、天理市の中では四包括が動いているところでございますが、四包括の連携、そして先ほども出ていましたが、サポーターの方が非常に増えておられます。このサポーターの方が集まって、より認知症の方への理解を進めていけるようなことを進めていただけたらというふうに思います。ありがとうございました。 続きまして、よりよい教育の推進に向けてということで御質問させていただきたいと思います。 来年度、教育課程が変わり、英語科が五、六年で教科として入ってきます。三、四年ではいままでの外国語活動として教育課程に入ってくるわけなんですが、やはり一番大事なのは小学生の六歳から十二歳の間というのは本当に一番幅広い中で、そして三、四年、五、六年で非常に興味も関心も持つ年齢でございます。その間に英語に触れる、外国語活動に触れるということは非常に子どもたちの国際性を磨きますし、いままで私たちが英語を、まず文で理解するというよりも言葉で認識した方がはるかに長い間定着するのではないかというふうに想像するところでございますが、小学校英語教育の充実についてどのようにお考えでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 鳥山議員の御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、来年度から小学校の三、四年生で外国語活動、五、六年生で外国語の教科化が始まります。今年度は移行期間でありますが、英語専科を三人配置して授業を行っております。英語専科の配置により、児童にとりましては専門性を持つ専科の先生から授業を受けられるという利点がございます。来年度からも引き続き配置してもらえるよう県
教育委員会に要請してまいります。 また、天理市では三人のALTを配置しております。児童は授業でALTの発言を聞いて学習を進めることができるだけでなく、授業以外でもALTと話をし、英語に親しむことができています。福住小学校ではSkypeを活用して現地の方と英語でコミュニケーションをとる機会を設けております。今後も天理市の子どもたちが英語に親しむ機会の充実に努めてまいります。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。 もう何年前になるのか、確かな数字がないんですが、天理大学の学生の方がアシスト事業ということで学校に入っていただき、もちろん教職を目指す人、そして福祉を目指す人の参加が多かったことを覚えているんですが、学校のすき間の部分を大変埋めていただけるような活動を天理大学の方にしていただいたということを記憶しております。その分、単位であるとか学校での成績の部分で何らかのかかわりもあったようにも記憶しているところなんですが、現在、天理大学との包括協定もございます。天理市の中で社会資源としての天理大学というのはやっぱり非常に大きな価値がございます。それは教育だけではなくて福祉、産業の部分もそうであるかと思うんですが、こういった天理大学の学生の力をかりることはやっぱり非常に大事なのかなというふうに思いますし、検証的に英語のアシストというような形をとってみてもおもしろいのではないかなというふうに思います。 小学校英語の充実が、ひいては中学校の英語力の高さにもつながっていくというふうにも想像できますので、小学校英語教育の充実については専科の先生、それからALTの方含めて、どういうふうに進めていくかをさらに検討いただけたらというふうに思いますし、天理大学は月に一回、市と連携の会議を進められているようなこともお伺いしたことがございますので、そこの机上に乗せていただけるならば、小学校英語教育の充実に向けた
取り組みを一緒にしていただくということもお考えいただけたらということを要望させていただきたいと思います。 続いて、読書教育推進についてお尋ねしたいと思います。 二〇一八年度、国際的な学習到達度調査の結果で、読解力という部分でちょっと話題になったことがあるんですが、日本の読解力が十五位になったということで、三年前の調査では八位で、その三年前、前々回では四位の読解力でございましたが、二〇一八年度は十五位になっていたということでございます。別に順位にとらわれることもないと思うんですが、中身として私たちも心配するのは、ネット社会の中で短い文でコミュニケーションを図る、または絵文字といったようなものでコミュニケーションをとっていくということが若者の潮流としてあるようなネット社会でございますので、早いという部分もございますが、やはり活字離れにつきましては学力に直接つながる部分でもございます。 このことは学校教育の中でも非常に懸念されている部分ではないかと思いますが、私たちができることの一つとして、活字離れに歯止めを打つということは、読書習慣を学校、家庭、地域でつくっていくということになるかというふうにも思います。読書活動につきましては、子どもの読書推進に関する基本的な計画というものが天理市でもつくられているところでございます。この方につきまして、どういう形で進捗されておられるのかお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議長) 教育長。
◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 子どもたちが自主的に本に親しみ、生涯にわたり読書習慣を身につけることができるように平成十九年に策定しました天理市子ども読書活動推進計画を受けて、本市の各学校では読書推進計画を作成し、子どもたちに読書の習慣を身につけさせるため、読書タイムの設定や絵本の読み聞かせ、図書委員会による推薦図書の紹介など各校で工夫を凝らし、
取り組みをしております。また、図書館を活用した教育活動の展開にも努めております。 しかし、全国学習学力状況調査において質問紙の「読書」に関する項目では決してよい結果はございませんでした。地域の
ボランティアの力をかりて、学校図書室に行きたくなる図書室、本を読んでみたくなる図書室づくりを進めている学校もございます。さらには、図書室を地域の方々に開放している学校もあり、今後、学校だけの
取り組みではなく地域や家庭に呼びかけ、地域や保護者を巻き込んだ
取り組みを展開していきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議長) 鳥山議員。
◆六番(
鳥山淳一議員) ありがとうございました。いま、子どもたちの読書環境を考えるときに、教育長が申されたように地域や家庭を取り込んでいくという展開が大事かなと思います。櫟本小学校が非常に頑張っていることをお聞きします。うれしいなと思う反面、櫟本小学校の
取り組みを取り入れていこうという学校がもっともっと生まれてもいいのではないかなというふうなことを思っておるところです。 毎日新聞の記事の中に「まちじゅうが図書館に」、これは図書館のない町、吉野町の記事でございますが、読書環境を少しでも地域の中に取り込んでいこうという記事が出ておりました。昔のように、当たり前のように絵本とか物語を伝えられているという時代ではないように思いますので、そういった日本の昔話や伝えられている伝承をふだん地域の中で見聞きするという環境づくりにもお力を入れていただけたらというふうに思うところでございます。どうぞまた
ボランティアの方の御意見も聞きながら、さらに読書教育推進の方にお力を入れていただけるようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。 あと二週間たちますと、また年が変わっていきます。本当に理事者をはじめ皆さん方も頑張っていただく中で、私たち市民の方もいろんな部分で安心・安全を図っていけるというふうに思っておりますので、どうぞまたいい年を迎えるとともに、来年も天理市の市民の安全・安心のためにお力をいただけるようにお願いいたしまして、私の
一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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○議長(
大橋基之議長) 以上をもって
一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお明日は休会し、十九日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 午前十一時三十二分 散会...