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  1. 天理市議会 2019-06-01
    06月24日-03号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-29
    令和元年  6月 定例会(第2回)      令和元年 第二回天理市議会定例会会議録(第三号)---------------------------------------  令和元年六月二十四日(月曜日) 午前九時三十分 開会---------------------------------------議事日程(第三号)一 日程  日程第一 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十六名)                  一番   仲西 敏議員                  二番   石津雅恵議員                  三番   西崎圭介議員                  四番   大橋基之議員                  五番   寺井正則議員                  六番   鳥山淳一議員                  七番   内田智之議員                  八番   今西康世議員                  九番   榎堀秀樹議員                  十番   市本貴志議員                 十一番   岡部哲雄議員                 十二番   飯田和男議員                 十三番   荻原文明議員                 十四番   山田哲生議員                 十五番   東田匡弘議員                 十六番   加藤嘉久次議員---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤田俊史              教育長      森継 隆              市長公室長    岡本匡史              市長公室特命理事 吉川尚光              総務部長     寺田具視              総務部次長    加藤道徳              くらし文化部長  城内 薫              危機管理監    中本浩司              くらし文化部                       薮内康裕              次長              健康福祉部長   米田敏宏              健康福祉部                       上村克樹              次長              環境経済部長   東  博              環境経済部                       金守和史              次長              建設部長     岡林 功              建設部次長    出口 勝              教育委員会                       木村昌訓              事務局長              教育委員会                       青木 仁              事務局次長              監査委員                       長岡律子              事務局長              会計管理者    松原眞紀子              上下水道局長   山本雄彦              上下水道局                       平畠教幸              次長              上下水道局                       岩田全喜              次長議会事務局職員ほか出席者              事務局長     中田憲良              事務局次長    赤埴陽一              事務局係長    河合宏明              書記       村田 俊---------------------------------------                      午前十時零分 開議 ○議長(大橋基之議長) 休会前に引き続き会議をいたします。 これより日程に入ります。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 日程第一、一般質問を行います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 一番、仲西敏議員。     〔一番 仲西 敏議員 登壇〕 ◆一番(仲西敏議員) ただいま議長の許可を得ましたので、通告書によりまして一問一答方式で一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 質問の件名は三点ございます。一点目が財政、二点目が消費税、三点目が水道事業、以上でございます。なお、答弁によりましては質問を深めてまいりたいと思いますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。 まず、財政でございます。初めに、二〇〇六年、皆さん御承知いただいております北海道夕張市の財政破綻をきっかけに自治体の財政状況を統一的な指標で明らかにして、財政破綻を早い段階で防止すること、これを目的に、二〇〇七年に地方公共団体財政健全化法が公布されております。この地方公共団体財政健全化法では、健全化判断比率実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率等)が設定されております。 全国的に見ますと、自治体財政の今後、将来の見通しでございますけども、人口減少が続き、また高齢化が進行する。税財源が減少し、扶助費の増加が見込まれるのに加えまして、公共施設の大量更新問題、臨時財政対策債が増加をいたしております。地方財政は将来、大きなリスクを抱えておると言われております。そもそも、地方のほとんどの自治体は財政収支が黒字になっておりますけども、これは言い換えれば、国から地方に配分される地方交付税、各種事業における国からの財源の移転等を通じて、国の財政赤字にしわ寄せをする形で実現されているものというような見方もされております。国の財政状況が苦しい中で、その意味からも自治体の財政改革を怠らずに、財政の健全化に向けて努める必要がございます。 国は「経済財政運営と改革の基本方針二〇一八」で示されております「新経済・財政計画」の枠組みのもと歳出改革に取り組むとしております。歳出全般にわたりまして、政策の優先順位を洗い直して、無駄を徹底して排除する、予算の中身を大胆に重点化する、このような基本方針を示しておりまして、予算を組まれております。 先週六月二十一日、政府は二〇一九年度の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針を閣議決定されております。二〇二〇年度としておりました基礎的財政収支の黒字化目標を五年先延ばしされております。この方針では一〇%の消費税の値上げは明記されておりますけれども、社会保障・財政健全化の取り組みは、消費税の一〇%の引き上げだけではなかなか完結するようなことではないと言われております。課題は多々ございますけども、給付と負担のあり方を含め、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者を迎える二〇二二年以降に、本当に社会保障が大きなボリュームであらわれてくるんです。それをどのように抑制するか、これは大きな課題とされております。社会保障の持続性確保には、歳出抑制、負担増の議論は避けられないと言われております。 そこで、本市の財政状況についてでございます。今年度の予算編成方針にも明文化されておりますように、財政調整基金残高の減少が深刻な状況になっておる。今後、市税等経常一般財源の大幅な増収は見込めないと。それと、施設の老朽化対策、また、大型建設事業が続きます。その中で公債費が増加をし、また新クリーンセンター建設等に係る費用、扶助費の増加が見込まれ、引き続き厳しい状況が続く見込みであるというような、本当にそういう見方をされておるというふうにホームページにも載っております。 そこで質問に入りますけども、実際のところ、本市財政の状況についてお尋ねをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 総務部長。     〔総務部長 寺田具視 登壇〕 ◎総務部長(寺田具視) 本市の財政状況につきまして、主な財政指標等を中心に御説明いたします。 直近の指標といたしましては、平成二十九年度の数値となりまして、本市のホームページにて財政状況資料集として公表しております。普通会計、いわゆる地方財政に関して、統計上財政比較を可能にするための会計区分ですが、この普通会計決算の内容について、前年度との決算数値比較や健全化判断比率の比較、各種比率の経年変化や分析、経常経費に係る経年変化や類似団体との比較・分析などについて、全国統一の書式にて作成・公表しているところです。 平成二十九年度の主立った決算状況を申し上げますと、実質収支は、前年度と比較して約三億円増の約十一億円となり、収支が改善しております。健全化判断比率についても、おおむね健全な状態を保っているところです。経常収支比率につきましては一〇三・三%となり、前年度と比較して一・三ポイント改善しましたが、一〇〇%を超える数値となっており、硬直化した状態となっております。ただ、以前から申し上げておりますとおり、他団体に先駆けて下水道の整備を行ってきたことや、教育・福祉施策に重点的に取り組んできた結果、施設も充実していることから、経常費用が大きくなっております。 さらに、本市特有の事情として、実態的に経常的な収入として寄附金収入がありますが、臨時的な収入として区分しなければならないため、算定の基礎から除くことにより高い水準となっております。地方債残高につきましては、近年減少傾向にありますが、南中学校や北中学校の建て替え、新クリーンセンターの建設など大型建設事業に対する地方債の発行を予定していますので、地方債残高をはじめ実質公債費比率や将来負担比率は上昇する見込みです。 平成三十年度の決算につきましては、速報値といたしまして実質収支額は前年度より一億円の減となりましたが、約十億円の黒字を達成しております。その他の各種指標につきましては現在調整中でありますので、詳細については九月の決算報告にて御説明させていただきます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) ただいま部長から説明を賜りました。非常に厳しい状況ということはうかがえます。もう少し掘り下げて質問させていただきたいと思います。 財政調整基金残高が深刻な状況、また、大型の建設事業負担金が増大すると予想されておるんです。歳入では、今後四年間で十数億円の一般財源が減少するというふうな分析もされておる。それを踏まえまして、まず現在の財政状況の危機レベルを再度掘り下げてお聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 総務部長。 ◎総務部長(寺田具視) 令和元年度予算につきましては、予算編成方針で示しましたとおり、南中学校や北中学校の建て替え事業等施設の老朽化対策としての大型建設事業や新クリーンセンター建設に係る負担金等による歳出の大幅な増加を想定する一方、議員おっしゃいましたように、今後四年間の累計で、これまで継続的に収入としてきた寄附金など十数億円の一般財源が減少する見込みであることから、将来を見据えて持続可能な行財政運営の基礎を一からつくり直す年として予算編成に臨むこととしました。 そして、厳しい財政状況の中にあっても、「安全・安心」「教育」「福祉」に関する施策等、真に必要とされる事業を厳選し、財源配分を行うことで、市民・地域・行政が相互につながる「共に支え合うまち天理」に向けた施策の推進と財政健全化の両立を目指しました。特に、将来の財政負担を見据えて、介護予防や認知症予防事業に重点的に取り組むこととしております。 その結果、一般会計予算の総額は、前年度と比較して七億二千万円、二・九%減の二百四十二億円となり、財政調整基金の取崩し額も前年度より七千万円減とすることができました。本年度末時点での財政調整基金残高の見込みについては、平成三十年度決算剰余金約十億円のうち六億円を積み立てることとし、さらに前年同様、執行段階での取り組み反映等により、平成三十年度末残高約十億円の維持を目指しております。 現在の財政状況といたしましては、厳しい状況ではありますが、直ちに早期健全化団体になるようなレベルではないと考えております。しかしながら、今後を見据えて財政健全化を進めていく必要がありますので、その取り組みとして財政構造改革に着手いたします。これは、本市特有の事情により多額の寄附金を継続的に収入としており、これに依存する財政的な体質を改善し、持続可能な財政構造へと転換するため、今後十年間を三期に分け、それぞれの期間ごとに改革テーマを設定し、取り組みを進めてまいります。 第一期集中改革期間として、令和元年度から四年度までの四年間、働き方改革をはじめとした「総人件費の削減」をメインテーマとして取り組みを開始し、あわせて「官民の役割見直し」や「各種繰出金の見直し」等に着手いたします。これによる効果額は、四年間の累計で約二十億円を見込んでおります。初年度の令和元年度予算において、約四億円の削減を達成いたしております。 第二期集中改革期間は、令和五年度から八年度までの四年間とし、人口減少時代を見据えた「公共施設の柔軟な活用を含めた最適化」に取りかかります。いわゆるファシリティマネジメントとして個別施設の統廃合のみを検討するのではなく、政策間連携を図りながらソフト面も根本的に見直し、将来の維持管理コストを全体として考慮した全体最適化を図ることといたします。 第三期集中改革期間は、令和九年度及び十年度の二年間とし、新たな財政涵養に伴う歳入増加の実現を目指します。歳入の増加は一朝一夕でできるものではありませんが、本年度より第三次都市計画マスタープランの策定に着手しており、移住定住促進や企業誘致等を見据え、地域ごとにまちづくりのあり方について検討を行うこととしております。そして、令和十年度末時点における財政調整基金の残高について、大型建設事業等の推移により一時的に減少せざるを得ないケースが出てきますが、令和十年度末残高十五億円を目指して取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 財政改革十年というお話を賜りました。天理市のこれからの十年に向けて、本当に厳しい時代になると思いますけども、我々も共に頑張ってまいりたいなと思っております。 その改革の流れの中で取り上げたいことがございます。これは先ほど触れましたけども、令和元年度の地方財政の課題としまして、地方財政の健全化の中で、いわゆる行政システムのクラウド化、またマネジメント強化と、地方行政サービスの改革を総務省はうたわれております。その行政コストを下げるためのいろんな方針が示されております。行政コストの削減というのは今に始まったことではないんですけども、ただ、今非常に科学技術が進歩してまいりまして、いろんな手法で行政コストの削減が、実証実験も含めて、全国自治体で進捗しておるように聞いております。 たとえば、先進地事例でいいましたら滋賀県の例がございまして、草津市、守山市、栗東市、野洲市、湖南市と五市全体で業務プロセスシステムの標準化、いわゆる自治体クラウドをされて、約六割のコスト削減という政策目標を立てられておるんです。非常に成果が出ておるというようなことを聞いております。滋賀県の例だけにはとどまらず、そういうふうな事例も先進地事例ではございます。経常的な費用である住民一人当たりの行政コストを抑制する取り組み、ひいては貴重な財源を市民サービスにきちっと届ける、施策でそれを実現していく、こういう流れは全国状況の流れでございます。 このことを踏まえまして、行政コストの削減について、本市の見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの御質問にお答えをさせていただきますが、その前に、一番最初の御質問の冒頭のところで、地方自治体の財政収支の黒字でありますとか、あるいはその基金につながるような部分につき、国の財政赤字にしわ寄せする形で実現されるという表現をいただいたところでありますけれども、現在、交付税の交付団体は大企業等の集積があります東京都内に限られている状況であります。一方で、本市も含めた地方都市の市民の皆様のさまざまな経済、あるいは生産活動を通じて国の財源も支えられているわけでありまして、決して国の財政赤字にしわ寄せするということではなく、基準となる財政需要に対して財源を適正に再配分しておるということであります。この点は私どもの市長会あるいは市議会議長会の方でも同様の議論が行われているというふうに思いますけれども、時に国の一部有識者会議等で極めて誤解に満ちた議論がなされているところでございまして、ぜひとも議員にはきちんと理解をしていただきたいと考えるところであります。 そして、ただいまの行政コストの削減についてでありますが、財政構造改革による持続的な財政を確保するためには、やはり人件費を含む行政コストの最適化が不可欠であると考えております。限られた職員数で必要な住民サービスを提供するためには、企画立案業務や住民への直接的な対応など職員が行うべき業務に注力できるような環境を構築する必要があります。 現在、AIやRPAをはじめとした先端技術を活用した業務効率化に着手をしておりまして、業務プロセスの見直しや業務総量の最適化などを図り、スマート自治体に向けた取り組みを進めていきたいと考えておりますけれども、今後の状況といたしましては、まず最初に業務プロセス及びシステムの標準化により、自治体クラウド、こちらは情報システムを自庁舎で管理・運用することにかえて、セキュリティレベルの高い外部のデータセンターにおいて、複数の自治体が標準的なパッケージを共同で管理・運用し、ネットワーク経由で利用することができる仕組みでございます。主なメリットとしては、標準的なパッケージを共同利用することによりまして、サーバ等の運用及びソフトの改修等に係るコストの削減、集中監視によりますセキュリティレベルの向上、庁舎の災害時や事故時における庁舎の業務継続、業務の標準化による住民サービスの向上などが掲げられております。 政府の目標としても、「世界最先端デジタル国家創造宣言」と、こちらが平成三十年に閣議決定されたものですが、二〇二三年度末までに自治体クラウド導入団体を四百七団体から約一千百団体にするとの目標を設定されておりまして、本市の取り組みとしても、連携可能な他自治体と協議の上、令和二年度に業者調達、令和三年度より本格稼働の予定で、既に前年度に一回目の情報提供依頼を行っており、各業者からの資料提供を受けております。 今年度については、現行業務の標準化を検討した上で、選定に係る仕様書の作成に取り組んでいく予定であります。なお、ランニングコストについては年間約一億円の削減を目標としております。 続きまして、AIとRPAの活用と取り組み状況、今後の導入見通しについてでありますが、人口減少と少子高齢化社会の進展に伴いまして、今後地方自治体が持続可能な形で住民サービスを提供し続けるのは困難な状況が来ているという予想のもと、国としても「スマート自治体」への転換というのが提唱されております。そのための方策として、業務プロセスの標準化やシステムの共同化とともにAI・RPA等のICT活用普及推進が示されております。 本市においても、業務の効率化を進めるためにAI・RPAの導入が不可欠と考えておりまして、これまでに学識経験者等から助言を受けるとともに、業務プロセスの見直しに向けた事前調査に着手するなど、既にスマート自治体への取り組みを進めているところであります。この取り組みを強力に進めていくため、担当理事を新設するとともに各担当部署間の調整を図るなど実施体制を整えております。 今年度中にAI・RPAに実績のある事業者や大学等と連携したモデル事業として具体的な成果が出せるよう事業を進め、今後の展開につなげてまいります。この取り組みは、将来に向けて職員数の大幅な増加というのが見込めない中で、行政改革と住民サービスの向上を両立させるために必ず実行しなければならないと考えておりまして、働き方改革とともに市役所チーム一丸となって必ずやり遂げる決意を持って取り組んでまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 市長、ありがとうございます。 しわ寄せという意味は、本来、私、使うべきではなかったと思います。そういう意味じゃなくて、やっぱり交付税のあり方というのはやはり国と地方と、その関係の中で国自身がいろんな相当な赤字を出しながら、かつ地方の健全な財政ということを支えておるという意味で取り上げた次第でございます。 今、市長の方からるる説明いただきました、行政コスト削減についての自治体クラウド、AI、RPA(ロボティクス)です。新しい科学技術、システム開発に伴って、自治体の行政の施策も非常に変わってきております。 その中で、次に、私、冒頭紹介しましたように、やはり公共施設の老朽化対策、これはもう非常に大きな課題でございます。本市においても老朽化の比率というのは類似団体と比較しても相当高いというふうな指標も出ております。公共施設の維持管理費や更新費など資本的な費用を縮減する、施設の全体最適化が避けられない、絶対必要だという意味でも、ファシリティマネジメントを取り組んでいかざるを得ないという状況だと思います。 これには先進地事例がございまして、岐阜県多治見市は全国初、財政健全化条例を制定されて、市民の理解を得て財政再建を推進されておる。七万五千人まで人口のピークがあったのが今、六万五千人と。人口動向は、人口ビジョンで四万五千人で止まるかなと思うんですけども、将来はわかりません。やはり身の丈に応じた賄いというのか、その辺をやはり見据えないとだめだというようなことで、ダウンサイジングの取り組みというのは大切なポイントだと私は考えます。 この先進地事例、ダウンサイジングにおきましては、神奈川県秦野市が公共施設を四十年間で三割削減すると、そのような取り組みをされております。本市の公共施設の現状と今後に向けての御見解を、時間はございません。簡潔にお聞きしたい、まとめていただけましたらと思います。お願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市では公共施設等総合管理計画をはじめとする調査・検討業務や市有地売却といった公有財産管理業務など、これまで複数の部署に分かれておりました業務を統括的に管理・推進することを目的として、本年四月に総務課内にファシリティマネジメント推進室を新たに設置いたしました。 平成二十九年に策定した公共施設等総合管理計画に引き続き、三カ年計画で再配置計画、個別施設計画策定総合管理計画改定を実施する予定となっております。本年度より個別施設計画の策定を開始しており、十月にはシステム導入により施設情報の一元管理体制を構築する予定です。 さらに、定住自立圏の外部人材活用に係る連携事業として、圏域での公共施設のあり方を研究していく予定としており、奈良県とも連携しながら取り組みを充実してまいります。 本年度は、具体的には施設の劣化調査を実施するとともに、施設の利用状況等を調査し、施設の現状把握及び将来に向けた方向性を検討いたします。個別施設計画には、劣化度調査結果等を踏まえた施設の状態や修繕・改修・更新等の実施内容及び長寿命化対策等の効果見込額などを盛り込む予定でありまして、国ではこれらの情報を公共施設等総合管理計画に反映させ、計画の不断の見直しを実施することにより、公共施設等の最適な配置を実現することとしております。 公共施設マネジメントを推進するためには、施設の維持管理の合理化を図るだけでなく、学校施設を含めた全ての公共施設の余裕スペースなどあらゆる情報を把握した上で、住民との対話の中で見えてきた課題を解決していく必要があります。時には、学校の余裕教室をほかの目的に使用したり、時には二つの施設を一つにした上で新たな機能を付加して利便性を向上する。時には新たな複合施設を、民間の資金とノウハウを活用したPFI事業等により設置・運営するなど、さまざまな可能性を検討する必要があります。 この数年でも、たとえば前栽小学校の校舎や山の辺小学校体育館の建て替え時には、計画されていた全部建て替えという当初案を精査し、改修対応に変更することで、工期の短縮及び事業費の大幅な削減を行いました。さらには、学童保育所については小学校の余裕教室や既存施設を活用することによって、一施設当たりの設置費を大幅に削減いたしました。その結果、平成二十七年度以降、現在の学童施設は全部で十六でありますが、平成二十七年度以降が八という形で、急速に整備を進めてきているところであります。既存施設を活用することにより、コスト削減を図ることや利用者の利便性、機能性を高めることができます。 今後増加する更新需要に対応するため、施設のダウンサイジングや統廃合などにより、単に数値目標を置いて進めていくという観点ではなく、地域住民の皆様が求めておられるサービスや機能を提供する手段として建て替えが最善なのか、あるいは近隣の公共施設で代替が可能なのか、あらゆる可能性を排除せず検討していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) ただいま市長から非常に深い答弁がございました。やはりファシリティマネジメントをきちっと進めていくには、住民の理解と協力は大前提でございますので、推進をよろしくお願いいたします。 次の項目に入ります。消費税のところでございます。御案内のとおり、本年十月一日から消費税が八%から一〇%に増額されるんです。消費税二%分というのは本当に必要財源やと私も思います。これはやっぱり福祉にきちっと届けるということで非常に大切な財源でございます。ただ、庶民、また事業者、商店、特に零細の商店の方等は十月からいろんな制度が変わるんです。食料品等の軽減税率対策、また国の施策として消費税が上がることによって景気が悪化するんじゃないか。それを止めるための国の施策で、いわゆるキャッシュレス支払いをしたらポイントを五%つけますよというような施策がございます。消費税の増額とそれに見合う種々対策がございまして、そこには関係するさまざまな方が対応していかざるを得ないというのがございます。 また、プレミアム付商品券、これも今回は、国では一千七百億円余りの財源を用意されております。最大で二万五千円分の商品券を二万円で買えると。配るんじゃありません、買うんです。これはやはりいろんな手続もございます。これは住民税非課税者及び三歳半未満の子どもがいる世帯の世帯主が対象と、このような制度が新たに始まります。 本市も所管でいろいろお仕事が発生するというようなことを聞いております。消費税率改正による国の対策を受けて、本市の取り組みをお尋ねいたします。
    ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。     〔環境経済部長 東  博 登壇〕 ◎環境経済部長(東博) 議員の質問にお答えさせていただきます。 本年十月に予定されている消費税率引き上げに伴う対応につきましては、引き上げ前後の消費を平準化するための支援策を講ずるなど、国の方で進められております。これらの施策の一つに、駆け込み・反動減に対応するものとして、中小・小規模事業者に関する消費者へのポイント還元支援がございます。この支援は、消費税率引き上げ後九カ月間につきまして、消費者がキャッシュレス決済手段を用いて中小・小規模の小売店、飲食店などで支払いを行った場合、利用した消費者へはポイント還元、そしてキャッシュレス決済を導入した商店側へは決済手数料の一部と端末導入費に対しての補助がございます。 こうした動きを受けまして、今年三月には、商店街組合の青年部層の呼びかけで、キャッシュレス決済導入勉強会が産業振興館で行われました。個別相談会では、その場で五店舗の事業者が導入を申し込むなど、増税後の消費の落ち込み対策を講じられております。 また、先日六月十八日には、天理市商工会におきましてもキャッシュレス決済事業者による導入セミナー及び税務署担当官を講師とした消費税軽減税率制度説明会を、会員企業に限定せずに市内事業者様向けに開催していただき、キャッシュレス決済導入を希望する市内事業者の方々が実際に導入する際にハードルとなる費用、また準備が必要となる機材について熱心に聞き入られていました。 今回説明されたキャッシュレス決済事業者からは、いずれも天理の事業者の方の実情に応じた、初期費用等の必要のないプランを提案され、参加事業者の皆さんは「キャッシュレス決済の導入がハードルの高いものではない」という手応えを感じておられました。 続きまして、天理市プレミアム付商品券発行事業についてお答えさせていただきます。 この事業は、消費税率一〇%への引き上げが低所得者、子育て世帯の消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えすることを目的に、プレミアム付商品券の発行事業を天理市商工会への委託事業として行います。この事業は住民税非課税者及び三歳半未満の子が属する世帯の世帯主が対象となり、市内対象者数は合わせて一万五千人を想定しております。内容といたしましては、対象者一人につき二万五千円分のプレミアム付商品券を二万円で購入できるものであります。 販売場所は、市内にある十一カ所の郵便局を予定しておりまして、子育て世帯の方や高齢者の方にも近くで安心して御購入いただくようにしております。 また、取り扱い店舗につきましては、現在、天理市内の店舗を幅広く対象として商工会の方で募集しておりますので、利用対象者の方には九月下旬ごろに購入引換券と同封で取り扱い店舗一覧表を郵送させていただきます。 広報につきましては、「町から町へ」の八月号に掲載を予定しており、チラシ、ポスター、市や商工会のホームページ等でも周知してまいります。 プレミアム付商品券の使用期間は、消費税率が引き上げとなる本年十月一日から令和二年三月末までを予定しておりまして、経済効果は最大で三億七千五百万円を見込んでおります。プレミアム付商品券の発行に向けて、引き続き、天理市商工会や天理市内の郵便局、各種関係機関とも連携をとりながら進めてまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 詳しい説明、ありがとうございます。 私、思いますのは、やはり消費税は必要財源ということで、これをいかに円滑に実施するかということで、その中で出てきておる消費税一〇%対策をきちっと本市の産業振興に活かすべきではないかというふうに思います。これはもう積極的に活用することが必要じゃないか。また、マイナンバーカードの活用もあわせて国施策でも出ております。本市もいろんな取り組みをなさっておると聞いておりますが、その辺をあわせて市の見解と、今後に向けての取り組みをお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(東博) 議員おっしゃいますように、国の施策をいかに地域経済に取り込んでいくかということは極めて重要なことだと思っております。国の消費税対策を産業振興に積極的に活用する取り組みといたしましては、天理市商工会と連携した取り組みでもあります「マイキープラットホーム構想」による地域経済活性化を本市でも推進するための、「めぐみめぐるてんりポイント券事業」を行ってまいります。 「マイキープラットホーム構想」とは、マイナンバーカードを活用し、公共施設などのさまざまな利用者カードを一枚にするとともに、各自治体のボランティアポイントや健康ポイントなどをクラウド化することにあわせて、クレジットカードなどのポイントやマイレージを地域経済応援ポイントとして合算し、さまざまな住民の公益的活動の支援と地域の消費拡大につなげることを目的としております。 本市は、「マイキープラットホーム運用協議会」の全国副会長職についておりまして、この取り組みを積極的に推進するため、平成二十九年九月から全国に先駆けまして天理市商工会と連携して実証的に開始しております。 具体的には、事業期間中に本通り商店街の加盟店でお買い物をしていただき、発行されるレシートや領収書を天理駅のコフフンカウンターまたは産業振興館でマイナンバーカードとともに提示いただければ、額面の一〇%を次回の買い物時に使えるポイント券として発行するもので、これは二度の消費を促す仕組みとなっております。 今年度も行われます「めぐみめぐるポイント券事業」の取り組みは、消費税率引き上げに伴う駆け込みや反動減対策の一つとして、また、マイナンバーカードの普及及び利活用の促進につながるものと考えております。 今後ますます進むと考えられる「マイキープラットホーム構想」による地域の消費拡大及び産業振興のさまざまな施策を本市の地域経済の活性化にしっかりと取り込めるよう、また、キャッシュレス化の普及拡大に向けた取り組みを天理市商工会との連携を密にしながら取り組んでまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) いろんな取り組みをなさっておることで結構かと思います。また、国の施策で、マイナンバーカードをもっともっと活用し、それを踏まえて自治体ポイントをというようなことも出てきております。これについてはもうちょっとはっきりするような事態になりましたら、また次回にお聞きしたいなと思います。ありがとうございます。 最後の項目でございます。水道事業ということで、日本は世界で冠たる、水がおいしいと、インバウンドで来られる方からもそういう評価でございます。我が国の水道は九七・九%の普及率で、安全でおいしい水はもう達成されておると。一方、水道事業は市町村経営が原則でございまして、さまざまな課題がございます。一つは人口減少です。四十年後には人口が三割減少すると人口ビジョンでは言われております。水道料金収入の基礎でございます水需要も四割減少する。水道施設、いわゆる経営資源は浄水場、貯水池、管路がございまして、これは全て老朽化が進行しておる。経年の変化で非常に老朽化が進んでおる。これは一つの見方でございます。全国状況で見たら、管路を更新するのに百三十年かかるのではないかと、このような見方もございます。耐震化率、これもまだまだ低い。大規模災害時には断水が長期化するリスクを抱えておる。施設の稼働率は年々低下をしております。職員数も減少しております。高齢化も進行、そのようなさまざまな課題がある中で、本市の水道事業の経営状況、今のところどのようになっているんでしょうか。お聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 上下水道局長。     〔上下水道局長 山本雄彦 登壇〕 ◎上下水道局長(山本雄彦) それでは、本市の水道経営の状況につきまして御説明いたします。 議員の御指摘のとおり、本市の水道事業の料金収入も全国的な傾向と同様に人口減少、節水型社会への移行や産業構造の変化などの影響を受け、減少傾向が続いております。平成二十九年度におきましては、水道料金収入は十八億六千八百万円と、十年前の平成十九年度の水道料金収入二十七億五千万円に比べ八億八千二百万円の減、率にいたしまして三十二%の減少となっております。また、平成二十七年度には市民サービスとして、口径二十ミリの基本水量を引き下げることで、一部市民の皆様の御負担を軽減する施策を実施してまいりました。 そのような状況が続いておりますが、継続して経費削減に努めた結果、平成二十九年度決算では三億四千六百万円の黒字を計上しております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 次に、もうちょっと掘り下げてお聞きをしたいと思います。 先ほど申し上げましたけれども、本市の人口ビジョンがピークの七万五千人から現在、六万五千人と。これはまだまだ四万五千人の見通しでは、そこで止まるかなと思うんですけども、人口動向がございます。それを踏まえまして、水道事業の水需要、これにはダウンサイジングの取り組みが必要じゃないか。身の丈に合った事業の構築というのは避けられないと思います。いまいまの課題と取り組みの方向性についてどのように考えられているのか、お聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 上下水道局長。 ◎上下水道局長(山本雄彦) それでは、水道事業の課題といたしまして、今後も人口動向に加え、大口需要家である市内企業の動向等さまざまな要因が重なり、水道料金収入は減少する見通しでございます。いままで行ってまいりました経費削減の取り組みの一つに、職員数の削減があります。今から十年前、平成二十年度には職員数は三十六名在籍しておりましたが、現在は二十五名でございます。約三割の削減を行いつつ、水道の安全・安心を守り、安定供給に努めております。 そのほかの取り組みといたしましては、県営水道受水費の削減、企業債の借り入れ圧縮による利払いの減少、さらに、議員、今おっしゃいました施設更新等のダウンサイジング等施設更新の効率化を進めることにより、経費を削減してまいりました。しかし、今後施設の耐震化事業、老朽化対策事業等の多額の更新需要が見込まれることから、経営状況はより厳しい状況になると思われますが、中長期の施設更新計画に基づき、着実に事業を進めてまいります。今後、一層の経営効率化に努め、可能な限り市民生活への影響を生じさせないよう努力してまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 上下水道局の皆さん方、本当に厳しい状況がよくわかりました。三十六名から二十五名と、それぐらい職員の方が減って、一人当たりの業務量というのは大変な状況でございます。敬意を表したいと思います。 次の項目でございますけども、奈良モデルというようなことがよく言われます。奈良県は小さい自治体が多い。合併がなかなかできなかったという特性がございます。これを奈良県にふさわしい、地域にふさわしい行政の仕組みとして、奈良モデルというのは県の方で方針がございます。これの水道版がいわゆる「新県域水道ビジョン」、これは本年三月に策定をされております。このことについて、時間はございません。簡潔にその背景と概要についてお聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 上下水道局長。 ◎上下水道局長(山本雄彦) それでは「新県域水道ビジョン」の概要でございますが、水道法改正等でも広域化の重要性が唱えられている中、県の基本方針では次のようにうたわれております。 人口減少社会の進展による水需要の減少などにより、水道事業を取り巻く経営環境はますます厳しくなり、限られた資源の中、効率的で持続可能な水道事業経営が求められています。 そこで、県内水道事業の課題を解決し、水道基盤強化のため、県及び市町村の広域連携実現に向けた指針として「新県域水道ビジョン」が策定されました。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) 最後の質問になります。 「新県域水道ビジョン」が策定されまして、本市の参加状況というんですか、今後に向けてどのように考えられているのか、その点をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 上下水道局長。 ◎上下水道局長(山本雄彦) 「新県域水道ビジョン」における天理市の位置付けでございますが、本市は上水道エリア二十八市町村のうち、県営水道区域二十四市町村の一員として位置付けられ、将来に向け平成三十年度から始まりました県域水道一体化の会議に参加しております。 さらに、今年度から設けられた県と市町村・広域水質検査センター組合とで構成されるワーキンググループに参加し、県域水道一体化の検討案の作成及び運営体制について議論を行っております。 本市といたしましては、広域化のスケールメリットに加え、既存施設の有効活用を含め中長期的な安全、安心の確保、料金体系等生活者視点に立った市民サービスを総合的に考えながら対応してまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆一番(仲西敏議員) ありがとうございました。丁寧な御答弁、ありがとうございます。 以上で質問を終わります。御答弁いただいた項目、内容につきまして、検討、調査、研究を含めまして、今後確実に取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、降壇させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、五番、寺井正則議員。     〔五番 寺井正則議員 登壇〕 ◆五番(寺井正則議員) それでは、議長の許可を得まして、質問通告書により一問一答方式により一般質問をさせていただきます。市長はじめ関係部局の職員におかれましては、的確で前向きな答弁をよろしくお願い申し上げます。 今回の質問は五件ございます。まず一つ目は中高年のひきこもり対策、いわゆる「八〇五〇問題」についてであります。二件目は犯罪被害者等支援について、三件目は国土強靭化地域計画の策定について、そして四件目は通学路や緊急避難通路の安全対策について、そして最後に五点目は自転車保険加入の促進についてであります。 それでは、まず初めに中高年のひきこもり対策についてであります。 五月二十八日に神奈川県川崎市で発生した通り魔殺傷事件で、通行人や通学バスを待つ小学生が標的となりました。被害者のうち二名が死亡、十八名が負傷し、犯行の直後、加害者自ら首を刺し死亡するというものでありました。加害者は五十一歳の男性で、幼少期に両親の離婚などの理由でおじ、おばに預けられたが、学校卒業後は定職につくことなく、長期にわたり親族との意思疎通もなかったといいます。また、元農林水産省事務次官の七十六歳の父親が両親に暴力をふるっていた四十四歳の息子を殺害する事件が起こりました。被害者である息子は現在は無職で、ほぼひきこもり状態であったそうであります。殺害動機は、息子が近所の小学校で開催されていた運動会について「うるさい、子どもたちをぶっ殺す」と発言したことから、川崎の事件のように息子が他人に危害を加えるおそれがあるというもので、何とかしなければというものであったそうであります。全てのひきこもりの人が事件に関係するというわけではありませんが、中高年のひきこもりの実態を直視し、対策を急ぐ必要があると思われます。 内閣府は、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる四十から六十四歳のひきこもりの人が全国で六十一万三千人に上るとの推計を公表しております。中高年を対象としたひきこもりについての調査は、今回が初めてだそうであります。ひきこもりは、若者だけでなく、さらに上の世代でも深刻になっているという状況です。今回の調査結果の中でとりわけ深刻なのは長期化であります。ひきこもりの期間は七年以上が約半数で、二十年超も全体の二割に迫ります。当事者や家族の苦悩はいかばかりかと推察いたします。 五十代のひきこもりの子どもの面倒を八十代の親が見る、いわゆる「八〇五〇問題」が、共倒れのリスクとあわせて指摘されておりますが、今回の調査でも対象者の三割超が父母に生計を頼っている実態が明らかになりました。引きこもる本人だけでなく、世帯単位で支援する視点が重要であります。まずは、誰にも相談できずに孤立する本人や家族を見つけ出し、支援の手を差し伸べる体制づくりが求められます。自治体やNPO、福祉関係者などの幅広い機関が連携・協力を進めて孤立に気づき、寄り添うように支える必要があります。特に、相談に来るのを待たず、当事者の自宅を訪ねるアウトリーチ、いわゆる訪問型支援の充実は、社会との結びつきの回復に役立ちます。ひきこもりの人と継続的にかかわる「ひきこもりサポーター」の養成も一層進めるべき。ひきこもり状態になるきっかけは退職が最も多いという点も見逃せません。中でも、バブル崩壊後の就職氷河期に社会に出て、非正規など不安定な雇用環境に置かれた人は、孤立無業となる割合が高いことが明らかになっております。就業機会の確保などに取り組み、ひきこもり状態から抜け出せるよう支援することも重要であります。 ひきこもり対策については、平成二十七年十二月第四回定例会の一般質問においてもお尋ねしたところでございます。本市では、他市から多数視察に見えるほど先進的に取り組んでいただいているとのことでした。内閣府の子ども・若者支援地域協議会設置モデル事業を活用し、地域協議会「子ども・若者支援てんりネットワーク」を立ち上げ、同時に対象者の総合相談窓口として「夢てんり」を週一回開設し、相談員と臨床心理士の二名体制で電話及び面談での対応に当たっているとのこと。また、「ユースアドバイザー養成講座」を年間六回程度、計画的に開催していることや、本庁舎一回の「天理市しごとセンター」との連携も図っていきますとのことでありました。 そこで、お尋ねいたします。中高年のひきこもりが全国で六十万人を超えているとのことでありますが、本市における中高年のひきこもりの状況について、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。     〔教育長 森継 隆 登壇〕 ◎教育長(森継隆) 寺井議員の御質問にお答えいたします。 内閣府が平成三十年十二月に行った調査によりますと、満四十歳から満六十四歳までの広義のひきこもり出現率は一・四%であり、推計人数は六十一万三千人という結果であります。その出現率を天理市の該当人口に当てはめ試算しますと、約二百九十人という数になります。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。ひきこもりという性質上、なかなか正確な数をつかむことは難しい状況のようでございます。ただ、全国の推計数から見れば、天理でも三百人に近いひきこもりの方がおられるというような報告がございます。 ひきこもり問題の専門家であります筑波大学教授の斎藤先生は、全都道府県や政令市にひきこもり支援センターが設置され、制度は充実してきたが、それだけでは足りない。彼らが孤立する前に訪問支援から就労まで切れ目のない相談・支援体制を確立することが必要と述べられております。「天理市しごとセンター」との連携を図り、ひきこもりの方の就労支援にも取り組んでいただいておりますが、現状についてお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 「しごとフェアinてんり」及び週一回開設している「夢てんり」の相談において、就労支援を行っております。「しごとフェアinてんり」は、平成二十八年度より本庁地下にある「天理市しごとセンター」において年二回開催している仕事相談会です。ハローワークをはじめ、県のシルバー人材センター、子育て女性就職相談窓口、福祉人材センターの相談ブースを設け、就労支援を行っております。また、就労に不安を持たれている方には、「若者サポートステーションやまと」や「夢てんり」が就労に向けての相談に当たっています。前回のフェアでは九十八人の来場があり、そのうち五十歳以上の方は四十人でございました。 子ども・若者総合相談窓口「夢てんり」では、産業カウンセラーの資格を持った相談員が、その人に合った働き方を提案しています。 相談の対象年齢といたしましては、子ども・若者育成支援推進法第十三条の規定に基づき、おおむね十五歳以上三十九歳までとしていますが、それ以上の年齢の方でも、相談に来られれば、見通しが持てるまで相談を受けております。昨年度は四十代から六十代で四名の相談があり、そのうち二名の方は支援者と相談に来られ、相談を続けながら、本人に合った配慮のある働き方ができる事業所につなげることができました。 長年外に出ていない人にとって、仕事に向かうためには超えなければならないハードルがいくつもあり、年齢が上がるほど現実的に厳しい状況にありますが、相談に来られた方が少しでも社会との接点を持つ機会を増やし、一歩でも自立に向かって進めるよう、「子ども・若者支援てんりネットワーク」に集まる福祉・保険医療・矯正更生保護・雇用・教育関係二十一機関が連携を取り合いながら、多方面からのアプローチを行ってまいります。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。相談に来られた方も五十歳以上の方で四十名ほどおられ、また成果においても出ているということでございます。ただ、相談に来られた方の話でございます。誰にも相談できずに孤立する本人や家族を見つけ出し、支援の手を差し伸べる体制づくりが求められるのであります。自治体やNPO、福祉関係者などの幅広い機関が連携協力を進めて、孤立に気づき、寄り添うように支える必要があります。民生委員等と連携して当事者の自宅を訪ねるアウトリーチ型支援の充実など、引きこもる本人だけではなく世帯単位で支援する視点が重要であります。 五十代のひきこもりの子どもの面倒を八十代の親が見る、いわゆる「八〇五〇問題」が共倒れのリスクとあわせて指摘されておりますが、この「八〇五〇問題」に対する市長の見解をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 先ほど教育長もお答えをさせていただきましたとおり、「夢てんり」では四十歳以上の方が来られた場合に、見通しが持てるまで相談を継続している中でありますが、そのうち、昨年度では二名の方が実際に事業所につなげることができたという成功例でございます。ここからわかりましたことは、やはり仕事を続けていくためには、何よりも就職先の理解、御配慮も必要不可欠だということでありますので、引き続き就労先と情報を共有しながら支援を続けていきたいと考えております。 そして、ひきこもりの場合、本人が出てこられるまでやはり数年単位でかかるということもありますし、ほとんどの方が、議員御指摘のように、相談窓口まで出てくることができないというのが実情であります。そのため、直接本人へのアプローチが非常に難しい状況にありますが、御家族を支援することがいずれ本人への支援につながっていくということで、継続した相談を行ってまいります。 「夢てんり」の相談窓口がより多くの市民の皆様に周知され、身近な存在となるために、本市のホームページや広報誌などでお知らせを行っております。また、子ども・若者支援ボランティアの方々によるチラシやティッシュの配布、各町内の掲示板へのポスター掲示、関係機関への紹介の依頼を行うなど、さまざまな啓発も行ってまいります。 今後は支援を必要とされている方の発見から相談窓口への誘導、さらには適切な支援の手を差し伸べるために、引き続き子ども・若者支援ボランティアを養成していくとともに、各地域の情報をお持ちの民生委員の皆さんとも連携しながら支援を強化していく必要があると考えております。何よりも、支援を必要とされている御家庭が地域の中で孤立することがないように、日々の見守りや声かけ等、地域社会において共に支え合う関係づくりが必要と存じます。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。本市におきましては、このひきこもり対策については先進的に取り組んでいただいているということは承知しております。ただ、今市長が申されましたように、市長の市政の基本であります支え合う関係づくり、この視点でしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それでは次に、二点目の項目でございます。犯罪被害者等支援についてお尋ねいたします。 兵庫県明石市で、犯罪の被害に遭った人たちを支援する犯罪被害者等支援条例の改正案が可決され、昨年四月一日から施行されました。市によると、これほど手厚い支援内容は全国的に見ても例がないといいます。殺人や性犯罪などの事件の被害者、市民が対象であります。明石市では、犯罪被害者等が受けた被害の早期回復・軽減を図り、市全体で支えるまちづくりを目指すため、犯罪被害者等の支援に関する条例を制定。平成二十六年四月の条例改正では、裁判などで確定した賠償金が支払われない場合、三百万円を上限に市が立て替える制度を全国で初めて導入。そのほか心のケアなどの相談体制、日常生活支援などを規定しております。そして、平成三十年四月の条例改正では、民法に、民事裁判で確定した損害賠償請求権の時効を十年と定めております。時効を免れるためには時効前に再び裁判を起こす(再提訴)必要があります。その費用は被害者側の負担となっておりますが、再提訴等費用の補助を市が行うこととしました。また、未解決事件などの場合で、被害者やその家族などが被疑者の情報提供を求めるために必要なチラシなどの作成費用年間三十万円までなど、真相究明に要する費用の補助も行うとしております。さらに、立替支援金の対象者を拡大しております。犯罪被害者が死亡もしくは死亡に準ずる場合から加療一カ月以上の重傷病を負った場合、性犯罪により被害を受けた場合を対象に追加しております。 本市においても、平成二十九年四月から天理市犯罪被害者等支援条例を制定して、犯罪のない、安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいただいているところであります。相談窓口の設置や、亡くなられた方の遺族や重傷病を負われた本人に見舞金の支給、無利子貸付金の提供などを行うこととしております。 そこで、お尋ねいたします。明石市の条例を参考に犯罪被害者支援を充実させることについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市の犯罪被害者への支援に関しましては、平成二十九年三月に天理警察署及び公益社団法人なら犯罪被害者支援センターと本市、三宅町、川西町、田原本町、山添村によります犯罪被害者支援の連携協定に関する協定書の締結を交わしまして、平成二十九年度当初より、犯罪被害に遭われた方々が平穏な生活を早期に回復できるよう地域全体で支えていくことを目的として、天理市犯罪被害者等支援条例を施行いたしました。 主な支援の内容としては一部議員からも御紹介いただきましたが、遺族見舞金を三十万円、傷害見舞金を十万円、また、応急に資金を必要としている犯罪被害者等に対しては五十万円を超えない範囲での資金貸し付けを行うものでありまして、相談窓口は人権センターで行うこととしております。 犯罪被害に遭われた方やその御家族は、犯罪行為による直接的な被害のほか、後々までも精神的苦痛により仕事や家庭生活を維持することに困難があったり、被害当時に住んでいた地域の住宅に住むことができないというケースもありますし、心ない第三者からの中傷などにより二次被害で苦しまれることも少なくありません。 議員御質問の犯罪被害者支援の充実については、弁護士によるサポート体制の充実など、明石を含め、他市の状況等を参考にもしながら、被害者の支援について調査・研究していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。今提示しました明石市の例というのは、これほど手厚い支援内容は全国的に見ても例がないと言われるようなものでございます。ただ、本市の条例におきましても、いまだかつてこの条例を活用したことがないということでございまして、やはりこういった犯罪被害者支援を充実させることは、ひいては市民の安心、安全につながっていくことと思いますので、ぜひとも支援のための調査・研究をしていっていただきたいと申し上げておきたいと思います。 それでは次に三つ目の項目に移らせていただきます。防災・減災対策として、本市における国土強靭化地域計画の策定についてお尋ねいたします。 災害大国とさえ言われる日本にあって、災害への備えに漏れがないか常にチェックし、対策を磨き上げていく姿勢が行政には欠かせません。とりわけ、住民に最も身近な市区町村によるきめ細かい対策が重要であります。しかし、実際には思うように進んでいないのが現状です。 内閣府によりますと、二〇一三年成立の国土強靭化基本法で努力規定となっている国土強靭化地域計画について、都道府県は全て策定しているが、市区町村は今月一日現在で百十一市町村にとどまっており、全体のわずか六%にすぎないようであります。国土強靭化地域計画は人命の保護をはじめ行政機能や産業活動の維持などを柱に、想定される自然災害によるリスクに対し、それぞれの地域のどこが強く、どこが弱いかを洗い出す。その上で、自主防災組織の組織率や、利用者が多い建築物の耐震化率など具体的な取り組みを数値目標で示すものであります。 過去の大規模自然災害は、発生するたびに長期間かけて復旧・復興を図る事後的な対策をくり返してきました。いかなる災害が発生しても最悪の事態に陥ることを防ぐためには、地域社会の基盤を強化していくことが重要であります。国土強靭化地域計画を策定する最も大きな意義も、ここにあります。 しかし、策定作業を担う市区町村の取り組みは遅れています。奈良県において策定しているのは県と橿原市だけという状況であります。人手とノウハウの不足が主な理由であることから、国や都道府県による後押しが必要になってまいります。政府の国土強靭化推進室は計画策定に関するガイドラインを作成しており、自治体への出前講座も用意しているとのことであります。南海トラフ巨大地震のように広範囲の被害が想定されるケースに備え、複数の市区町村が協議会を設けて共同策定することもできるようであります。 そこで、本市における国土強靭化地域計画の策定についての所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 国土強靭化地域計画は、さまざまな自然災害が起こっても機能不全に陥らず、元気であり続ける強靭な地域をつくるための計画でありまして、国においては国土強靭化基本計画が策定され、奈良県でも国土強靭化地域計画が策定されました。 本市の状況としては、災害対策基本法のもと、災害発生時の応急対応や復旧など災害にかかわる事務、業務に関して総合的に定めました天理市地域防災計画に基づき、防災業務を行っております。また、大規模災害が発生した場合、行政機能が低下する中であっても住民への影響を最小限にとどめられるよう、天理市業務継続計画を定めております。 しかしながら、議員御指摘のとおり、これら発災後の対応についての計画を有効に運用するためにも、平時からの備えを定めた国土強靭化地域計画は重要であると位置付けておりまして、本市の現状に即した国土強靭化地域計画の早急な策定に向けて準備を進めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。本市におきましては、天理市地域防災計画、また、天理市業務継続計画等を定めて真剣に取り組んでいただいているところでございますが、国土強靭化地域計画についても、策定に向けて準備を進めていきたいということでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。通学路や緊急避難道路の安全対策についてであります。 東京都は、区市町村向けに全額補助を行い、国産材の木塀を推進しております。 昨年六月の大阪府北部地震では、小学校のブロック塀が倒壊し、女子児童が下敷きになる痛ましい事故が発生いたしました。以来、全国で危険なブロック塀の撤去や各種改修が進む一方、代替策として木塀や生け垣などを普及させる動きが広がっております。木塀はブロック塀に比べて軽く、万一倒壊した場合でも大きな事故につながりにくく、経年劣化はするが薬剤による防腐処理で耐久性を向上させることが可能とされております。加えて、景観に優れるなどの利点がある。さらに、国内にある人工林の約半数が樹齢五十年を超え、伐採時期を迎えていることから、森林資源の活用策としても期待されているということでございます。 東京都は、危険なブロック塀対策の一環で、国産木材を使った木塀の普及に取り組んでおります。都有施設ではブロック塀から木塀への転換を進めているほか、民間の木塀施設に補助制度を設けている区市町村に対し、一メートル当たり十四万六千円を上限に、費用を全額補助しております。都は、大阪府北部地震をきっかけに、ブロック塀などの緊急点検を実施。その結果、六百三十四の学校施設と七百六十六の都有施設で安全基準に適合していない塀の存在が明らかとなりました。これを踏まえ、小池百合子都知事は昨年七月の定例会見で、危険なブロック塀のかわりとなる木塀を提案。全国知事会でも連携を呼びかけ、同十一月、国産木材の活用を推進する知事会のプロジェクトチームとして国に支援を要請しました。 都は、木塀の設置を後押しするため、同十二月に冒頭の補助制度を開始。今年三月には標準的な仕様をまとめたガイドラインを公表しました。現在、一部の都立高校と都有施設に多摩産材を含む国産木材を使った木塀を試行設置する計画も進めているということでございます。このうち、都立高校についてはプールサイドの目隠しとして六月までに設置される予定であり、木塀の利点や設置費用、耐久性などを検証するとのことであります。 約一千二百世帯の閑静な住宅地が広がる東京都国分寺市高木町。この自治会におきましては、「安全で美しい塀づくり」をまちづくりの中心に据え、三十年以上にわたり危険性の高いブロック塀を生け垣につくり替える取り組みを続けています。一九七八年の宮城県沖地震でブロック塀が倒壊した事故を教訓として、一九八六年に独自の「塀づくり憲章」を制定。「緑豊かな街を生け垣で守りましょう」「お隣と会話のできる塀にしましょう」「歩行者の安全を考えた塀にしましょう」など、まちづくりの理念をわかりやすい言葉でまとめました。また、モデルとなる生け垣を町内に設置するなど、まちづくりに対する住民の意識を高めてきました。 また、国分寺市におきましても、一九八九年、ブロック塀撤去と生け垣造成をあわせて実施する際の費用の補助制度を創設し、同自治会の取り組みを後押し。二〇一三年にはブロック塀撤去と生け垣造成を、それぞれ単独実施でも補助を受けられるよう制度を改正しました。さらに、大阪府北部地震後の昨年十月には、補助対象となるブロック塀と生け垣の長さの上限を双方とも二十メートルから無制限にするなど大幅に拡充しております。 通学路や緊急避難道路の安全対策に木塀や生け垣の設置を推進することについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 先日、昨年六月の大阪府北部地震から一年経ったわけでありますが、ブロック塀倒壊による痛ましい事故の発生を受け、本市においても市所有施設のブロック塀等の緊急点検を行い、危険性が高いものについては直ちに取り壊しを行いました。その後、学校施設でも国の補助金を活用し、復旧作業を進めております。また、通学路につきましても、地震発生後に目視による再点検を行い、危険と思われるブロック塀等の把握に努め、登下校中の安全確保の観点から、児童・生徒への指導を行いました。 また、本年より、所有者による安全対策の一助となるよう、「天理市ブロック塀等撤去工事補助金」を新設し、上限十万円として撤去費用の二分の一を補助することといたしました。 提案いただきました木塀や生け垣を設置することにつきましては、最近の住宅では壁がないというようなものも非常に多いようでございますし、また、防犯の観点からはない方がいいというような御指摘もあるようでありますが、今後、先進自治体からの情報も得ながら、その有用性について私どもも研究していきたいと考えます。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。ブロック塀の対策につきまして、私、昨年の第三回定例会でも一般質問でお尋ねしているところでございます。本市においては、いち早く危険な塀の撤去、また民間のブロック塀の整備、補助金の施策についても実施していただいているところでございます。ただ、こういう方法もあるなということで、確かに木塀でありますと、倒壊して人に危害が加わるということはございませんし、また、積極的な木材の活用によって国産材の普及にもつながるのではないかということで、こういう考え方もあるなということで提案もさせていただいているところでございます。またそういった視点も取り入れながら検討もしていっていただきたいと思います。 それでは次、最後の質問でございます。自転車保険加入の促進についてであります。 環境に優しい交通手段で、身近で手近な乗り物として多くの人が利用する自転車の普及台数は約七千二百万台で、自動車の台数にほぼ匹敵するほど多くあると言われております。そのため、歩行者や他の自転車を巻き込んだ事故は一向に減ることがありません。そこで、万一の事態への備えが必要であります。 また、自転車保険条例の制定が自治体に広がる動きがあります。そのことも踏まえ、国は今年一月、国土交通省内に自転車事故による損害賠償のあり方を協議する有識者検討会を発足させました。現在、保険の補償内容や自動車損害賠償保険と同様、全国一律で自転車利用者に保険加入を義務付けるかどうか検討を行っています。 自転車は、子どもから高齢者まで幅広い層が利用し、利用頻度や経済力にも大きな差があります。こうした点も踏まえた丁寧な議論も求められております。また、事故を起こした自転車運転者の約四割が二十歳未満であることから、保護者の加入の必要性も指摘されております。 公明党は二〇一〇年、党内にプロジェクトチームを発足させ、自転車が安全・快適に走りやすい環境のあり方について活発に議論を重ねてまいりました。二〇一一年には、自転車専用信号や専用通行帯の整備に加え、交通安全教育の徹底や自転車保険の拡充などを盛り込んだ党独自の提言を発表いたしました。二〇一七年十二月に成立した自転車活用推進法の中に提言内容が随所に盛り込まれております。二〇一八年六月に閣議決定されたものでありますが、同法に基づく推進計画の中には、法律による保険加入の義務化について検討を進める方針が明記されております。 自転車がかかわる事故は総数こそ減少しているものの、自転車対歩行者に限ると年間約二千五百件で、横ばいが続いております。近年は、歩行中の女性をはねて重傷を負わせた小学生の親に裁判所が約九千五百万円の支払いを命じるなど、高額賠償の判決が相次いでおります。ところが、保険への加入は十分に進んでいないのが現状であり、二〇一七年に歩行者が死亡または重傷を負った自転車事故のうち、保険に加入していた加害者は六割にとどまっております。自転車保険は加入した保険の種類によって補償額が異なるものの、年間数千円の保険料で最大一億円程度の個人賠償責任補償が主流となっております。低額の費用で手厚い保障を得られるのが特徴であります。しかし、保険に未加入だったために、高額の賠償金を支払えなければ、被害者は十分な補償を受けられず、泣き寝入りするしかないのであります。 このため、住民に自転車保険の加入を勧める自治体が増えております。いずれの自治体も、通学や通勤を含め自転車を利用する全ての人が対象となります。また、自転車の販売店やレンタル店に対しても、購入者や利用者が保険に加入しているかどうか確認し、保険加入を勧めるよう協力を求めております。条例を制定した自治体は都道府県、市町村レベルで二十四を数え、これに加え、三月八日には長野、静岡の両県議会で自転車保険の加入を義務付ける条例が成立するなど、条例化の動きは一層の広がりを見せております。奈良県におきましても、条例案を策定し、パブリックコメントの募集を今月十四日から開始、九月定例県議会に提出を目指す。近畿二府四県で奈良県が最後と奈良新聞で報じられておりました。 自転車は、道路交通法では軽車両に分類されており、自転車と歩行者の事故は立派な交通事故、事故により人に損害を負わせた場合は、損害を賠償しなければならなくなるということであります。基本的には車による交通事故と同様で、損害賠償の対象となるのは治療費、入院費、通院等の交通費、休業補償、後遺症が残存した場合の将来の逸失利益、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、物を破損した場合の賠償等が発生するのであります。 平成二十五年第一回定例会の一般質問においてもお尋ねしておりました。議事録によりますと、保険加入等について、奈良県PTA協議会が推奨している奈良県PTA協議会「幼稚園小中学校総合補償制度」があり、これを校園を通じて保護者の方に配付し、加入を促している。ただ、損害賠償への加入については個人の判断となり、学校から指導したり勧めたりは特にしていないが、自転車走行中の交通事故によって生徒が加害者となったり、保護者が賠償責任を負うと、そういったリスクがあることは大変危惧するので、機会あるごとにこの損害保険加入の必要について皆さんに理解と周知を図っていきたいとの答弁を、当時、村井教育長からいただいたところであります。 そこで、お尋ねいたします。本市における、自転車が加害者になる交通事故の発生状況は。また、機会あるごとにこの損害保険加入の必要性について皆さんに理解と周知を図っていきたいとのことでありましたが、損害保険加入の状況はどうなっているのか。また、その周知についてどうされているのかお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) くらし文化部長。     〔くらし文化部長 城内 薫 登壇〕 ◎くらし文化部長(城内薫) 議員の御質問にお答えいたします。 自転車利用者が加害者になる交通事故の発生状況ですが、県下では平成三十年一年間で百二十八件、前年比二十七件の減少となっておりますが、そのうち天理市内では十六件発生し、前年比四件増加しています。いずれの事故も人身事故につながっている状況です。 自転車は身近な移動手段であり、本市におきましても、健康増進や観光振興の観点からもその役割は大きくなっています。しかしながら、手軽な乗り物であることから、道路交通法上の軽車両になるという認識が薄くなりがちといった側面があり、交通事故総数が減少する中、自転車が関係する事故件数はほぼ横ばい状態で推移し、そうした中で、議員御指摘のとおり、自転車利用者が加害者になる交通事故によって重篤な障害を負わせ、高額な賠償請求を求められるケースが発生しております。 次に、自転車保険の加入状況についてでありますが、市立幼稚園及び小中学校におきまして県PTA協議会「幼稚園小中学校総合補償制度」について、校園を通じて保護者の方に継続的に推奨しており、昨年までの三年間の実績では、平均約九%の加入率になっております。 しかし、奈良県内では、現在、保険加入の義務規定はなく、その他の自転車保険を含めた全体的な加入状況につきましては、統計はございません。 次に、自転車保険加入の周知状況についてでありますが、毎年春と秋に実施される全国交通安全県民運動では、運動重点の一つとして「自転車の安全利用の推進」が掲げられ、本市では交通安全協会等関係機関・団体と連携し、天理駅前一帯において「自転車マナーアップキャンペーン」を実施し、自転車の安全利用とあわせ自転車保険加入の必要性を周知し、加入促進に向けた啓発活動を推進しております。また、運動期間以外におきましても、天理大学防犯ボランティア「防犯パトローズ隊」等との協働により、交通事故危険箇所において自転車利用者を対象として同様の啓発活動を随時実施しているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。天理市でも人身事故が起こっておる、また、保険加入の状況についても推進していただいておりますが、平均九%の加入にとどまっておる。また、安全対策についてもいろいろ積極的に推進していただいているというところでございます。 ただ、やはり個人の判断によることから、強制的に保険加入を推進するということはなかなか難しい状況であったわけでございますが、このたび奈良県におきましても、仮称でございますが、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の制定の手続が進められております。いままではどちらかといえば学校、園など教育現場中心の推進であったように思われますが、条例が施行されれば、市はより一層本腰を入れて保険加入の促進など県条例順守に向けて取り組む必要があると思われますが、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 寺井議員から御紹介いただきましたとおり、現在、奈良県においても自転車の損害保険加入を義務付ける規定を設けた、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の制定手続が進められておりまして、今月十四日から同条例の骨子案を公表し、パブリックコメントの募集が行われているところであります。県条例が施行された場合には、当該保険等の加入義務が県内全ての自転車利用者、事業者等に課されることとなります。したがいまして、本市としては市民に対し、自転車の利用に係る交通事故の防止及び被害者の保護のため、交通安全教育や啓発活動等あらゆる機会を通じて保険等の加入義務化の周知やその他県条例の順守に関する啓発を推進するとともに、県条例施行後の本市内における運用状況等、自転車利用の情勢を踏まえた効果的な取り組みにつき、さらに検討していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。もともとこの質問通告をしたときは、県の条例が計画されているということはわからなくて質問をさせていただいたところでございます。保険加入の促進と安全対策についてしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) しばらく休憩いたします。午後一時より再開いたします。             午前十一時四十分 休憩             午後一時零分 再開 ○議長(大橋基之議長) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き一般質問を行います。 次に、八番、今西康世議員。     〔八番 今西康世議員 登壇〕 ◆八番(今西康世議員) 議長のお許しをいただきましたので、ただいまより、一括質問方式により一般質問をさせていただきます。 まず最初、第一点目は、「なら歴史芸術文化村」の進捗状況についてお伺いいたします。平成二十八年、「(仮称)奈良県国際芸術家村」のときにも質問させていただきましたが、どうぞよろしくお願いいたします。 奈良県では、本県の強みである歴史文化資源を最大活用し、総合的、戦略的に施設展開を図る拠点として、また、文化芸術振興の取り組みに加え、観光、産業振興、まちのにぎわいづくりなど政策間連携を図ることで地域の魅力を高め、地域の活性化を実現する先駆的な拠点として「なら歴史芸術文化村」を建設することになり、今この天理市で着々と工事が進んでいます。いよいよ二〇二一年中にオープン予定になりました。市長も非常に熱心にいろいろ御意見を言ってくださっていると聞いております。また、私たちもぜひ成功させたいという思いでいっぱいです。なら食と農の魅力創造国際大学校関連施設も整備されることから、これらを核とした山の辺の道周辺の農村地域などにおけるにぎわいの創出や地域の活性化が共に生まれてくれれば、なおすばらしいものになると思います。 この十七日に副市長からもお話はいただいておりますが、進捗状況についてお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 二点目は、廃プラスチックの処理についてお伺いいたします。 日本は、一人当たりの使い捨てプラスチックの使用料が、米国に次いで世界で二番目に多いプラスチック大国です。今回、国は、お店や会社から出る廃プラスチックを家庭ごみの焼却場で処理してほしいと自治体に求めてきています。 普通、家庭ごみは一般廃棄物として自治体が回収しています。一方、お店や会社からのごみは産業廃棄物として、民間業者に頼んで別のルートで処理しています。産廃の廃プラを家庭ごみの焼却場で処理するのは異例です。家庭から出たごみも産廃も、処理する方法はほぼ同じです。ペットボトルのリサイクル率は約八十五%で、スーツや食品トレーなどに生まれ変わりますが、プラスチックにはさまざまな素材があって、違う素材がまじるとリサイクルが難しくなります。だから、廃プラの半分以上は燃やして、その熱を発電や暖房に使っていました。廃プラは家庭ごみと産廃合わせて国内で年約九百万トン出ています。その全てを安くリサイクルできるほどの施設は国内にはなく、中国や東南アジアにリサイクル資源として年百万トン以上を輸出しています。しかし、輸出先で放置され、海に流れ出るなど環境問題が起きて、輸入を規制する国が出てきました。海にプラスチックごみが流れ込むと、波や紫外線で砕けて五ミリ以下のマイクロプラスチックになり、これが有害物質を吸着して魚介類に取り込まれ、食物連鎖で人間を含む多くの動物に悪影響を及ぼすおそれがあります。 そんなことから、地球規模の汚染を防ぐため、脱プラスチックの流れが出てきています。そして、多くの国が独自の対策に乗り出し、民間でもいろいろな方法が考えられてきています。日本も各自治体でいろいろな取り組みがされつつありますが、天理市では廃プラスチックはどのように処理されていますか。お伺いいたします。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの今西議員のお問い合わせにつきまして、一番目の「なら歴史芸術文化村」の進捗状況については私から、そして二番目の廃プラスチックの処理については環境経済部長からお答えをさせていただきます。 「なら歴史芸術文化村」は、本県の強みであります歴史文化資源を活用し、さまざまな施策展開を図る拠点として中心となる文化芸術振興の取り組みを行うことに加え、観光・産業振興、まちのにぎわいづくりなど政策間連携を図ることで地域の魅力を高め、地域の活性化を実現する拠点施設として整備をされております。 この一年間の状況でありますが、まず工事関係では、造成工事が昨年一月より始まり、建築工事については昨年七月に起工式を行い、来年五月末の完成を予定されています。その後、内装等整備を行い、令和三年度中の開村予定となっております。 今年に入ってからの出来事では、まず一月に国土交通省が地方創生の核となる優れた企画を選定し、重点的に支援を行う重点「道の駅」に選定されました。このことにより、今後の交付金活用や関係機関との連携など支援が可能となっております。 本年二月には、これまでの「(仮称)奈良県国際芸術家村」を改め、「なら歴史芸術文化村」と名称が決定されました。本年度中に広く県民の皆様に親しまれるような愛称を募集・決定される予定でございます。 そして、本年三月には公募型プロポーザルにより、宿泊事業者が、積水ハウス株式会社を代表構成員とするホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」を優先交渉権者と決定されました。このホテルは、マリオット・インターナショナルが事業コンセプトとして観光資源を渡り歩く新しい旅のスタイルを創出し、全国の道の駅隣接地に展開し、ネットワーク化により相乗効果を上げ、観光客数増加を目指すということでございます。宿泊者は文化村内のレストンで食事をし、産品を購入するといったことも可能になります。 文化村の運営については、文化財の修復や人材育成など県の直営部分と、レストランや直売所などの運営や施設の管理など指定管理者が行う部分に分けられることが予定されております。指定管理者については本年度中に公募が実施され、決定される予定と伺っておりまして、地元の活性化にもつながっていくように、市民の皆様方に「なら歴史芸術文化村」についてより一層、深く御理解いただき、開村に向けた機運を盛り上げていくように本市としても努めたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。     〔環境経済部長 東  博 登壇〕 ◎環境経済部長(東博) 廃プラスチックの処理につきまして説明させていただきます。 一度使っただけで廃棄してしまうシングルユースプラスチック、いわゆる使い捨てプラスチックは、我々の日常生活に欠かせない存在となっております。現在、本市では月曜日をプラスチック製容器包装や発泡スチロール、火曜日を飲料用ペットボトルの回収日と定め、市民の皆様の御協力により分別された資源ごみを回収しております。回収された資源ごみは、中間処理業者においてさらなる分別を行い、日本容器包装リサイクル協会に引き取っていただいております。この日本容器包装リサイクル協会に搬入する以前は民間の事業者にも引き取っていただいておりましたが、本年からは資源化できる全ての廃プラスチックを協会に引き取っていただいております。なお、この協会は、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律に基づく分別基準適合物の再商品化を行い、あわせて廃棄物の適正処理及び資源の有効な利用を図る公益財団法人であります。 協会に搬入されたプラスチック製容器包装は、全体の約三十六%がパレットや再生樹脂などの材料リサイクル商品に、六十四%がコークス炉化学原料や合成ガスを中心としたケミカルリサイクルとして再利用されております。また、ペットボトルは卵パック等に四十四%、カーペット等の繊維に三十四%が再生され、約二十一%については、もとの飲料用ペットボトルに戻っております。なお、今年度は協会に対し、プラスチック製容器包装は約二百四十トン、ペットボトルは約百四十トンを搬入の予定でございます。 今後も市民の皆様方から分別され、排出された資源ごみについては、地球環境の汚染につながらないよう適正に処理をし、あわせて資源の有効利用に努めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆八番(今西康世議員) 非常にわかりやすくお話しくださって、ありがとうございました。 「なら歴史芸術文化村」は、文化財の保存、修復にかかわる伝統技術の伝承が不可欠であることから、県文化財保存事務所、そして天理市文化財課の移転や文化財の保存・修復にかかわる団体、企業等の誘致により、後継者育成はもちろん、文化財の修復現場の公開や解説、また、触れて学ぶことができる機会や場所を提供し、質の高い文化芸術を展開していくことがうたわれています。また、基本的な考え方の中には、具体的な施設整備の実現に当たっては、県と天理市を中心とした地元が役割を分担するとともに、連携して周辺整備やソフト展開を行うことにより、多様な主体の参画を目指すと書かれてあります。 以前は新聞にも何度か報道がありましたけれども、最近あまりこのことについては新聞などでは目にはつかないんですが、それが原因かどうかは別といたしまして、今、市民の中には、どんなものができるのだろうとか、何ができるのだろうとか、そういう声が聞かれております。これが完成するころには、天理市の天理教教会本部であるとか石上神宮、また大和神社など、それからこの前オープンいたしましたJR柳本駅の駅舎でありますとか、天理駅前のコフフンはもちろんですが、参考館、図書館とかの拠点との連携はどうなっていくのだろうかとか、うまくいけばいいなというふうなことで思っております。また、大勢の外国人がきっと来るのだろうとか、私たちの方では、道の駅をつくるなら農産物はやっぱり自分たちのつくったものを売らせてもらうことができるのだろうかなどといろんな意見を言われています。「場所は天理市やけど県がするらしいで」とか期待や不安とがいろいろ入りまじって、皆さんとオープンまでにいろんな話をしているというのが現状でございます。せっかく天理市にできるのだから、これを機会に天理市の活性化につながれば本当にありがたいし、うれしいことだと思っています。 工事費用に百億円もかけてするものですから、できるだけ多くの市民の意識の向上とか市民の参画が大切だと思います。そんなことから、これからもいろいろな計画はされていくと思いますが、たとえば、二カ月とか三カ月ごとにでも積極的に情報を市民に提供していく、進捗状況を知らせる、様子がわかるように市民の人たちに何か見てもらえるような方法はどうかなというふうに思います。オープンしてからはもちろんですが、オープンする前に、オープンに向けて「芸術家村だより」とか、また開村に向けて市民の関心が徐々に高まっていくような方法はないものかというふうに思っています。特に、次の時代を担う子どもたちにも天理市の街の大きな誇りとなるようなしかけづくりができればありがたいなというふうにも思います。目玉や核となるものとか、そういうものも重要になってくるものと思いますし、世界からすごく注目を浴びるようなといいますか、度肝を抜くような展示品とか、オーバーかもしれませんが、常識を覆すような、誰もが驚いたり注目するようなことはないものかなど、いろんなことを勝手に考えているわけでございます。そして、この施設が長きにわたってみんなに愛され続けて、たくさんのリピーターがあって、これをつくって本当によかったなという魅力ある施設になってほしいという思いはいっぱいでございます。いつ来てもたくさんの人たちで天理市はにぎわっているねと言われれば本当にありがたいなというふうに思います。 いずれにいたしましても、どういう方向でやっていかれるのか、もちろんこれは県との相談の中のことだと思いますけれども、交通手段はどうだろうかとか、それから複合棟でこういうことがされるということは書かれてありますが、その複合棟の中でのところが非常に大事になってくるかと思いますが、その辺では何をされるのか。また、プロデューサーといいますか、コミッションメンバーとかいうのはどうされるのだろうかとか、まだまだこれから日にちもありますし、これからが考えていかれるところかとも思いますが、その辺についてお伺いできればありがたいと思います。 それから、次にプラスチックごみについてでございますが、プラスチックごみを東南アジアに最も多く輸出している国の一つが日本です。クアラルンプールの人権団体で働く女性が、日本は清潔で有名というふうに聞いているけれども、近隣の国にごみを押し付けてたのかというふうな、本当に残念で仕方ないという記事がありました。 プラごみをめぐっては、中国がリサイクル用プラスチックの最大の受け入れ国でしたが、二〇一七年末に輸入を禁止しました。また、インドネシアでもプラごみの輸入量は前年比一四一%増の約二十八万三千トン、地元NGOによりますと、国内でのごみの処理は全体の八%にすぎず、ごみは海に大量に排出され、観光にも悪影響を与えているため、政府はごみ輸入の規制を検討し始めました。フィリピンやベトナム、タイ、マレーシアなど東南アジア各国でも問題になり、フィリピンではカナダの民間企業から輸出された二千トン以上のごみがマニラ近郊の港に五年間放置され、外交問題にまで発展しています。マレーシア政府も、先進国のごみを押し付けないでと日米等少なくとも七カ国から違法に持ち込まれたプラスチックごみ四百五十トンを輸出国に送り返すと発表しました。特にマレーシアでは空気や川が汚染され、健康被害も問題になり、仲介業者にはごみを全国に送り返すよう命じています。 こんな問題は国が対応すべきだということになりますが、プラスチックごみの削減を目指し、原田義昭環境相は六月三日に、レジ袋の有料化をスーパーなどの事業者に対して法令で義務化する考えを示しました。時期につきましては、東京五輪に遅れないように、今年か来年ぐらいにはやらなければというふうに述べていました。また、長野県軽井沢町で始まった気候変動や海洋プラスチックごみ対策などを話し合う主要二十カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合のとき、世耕弘成経産相は、来年夏の東京五輪・パラリンピックを念頭に、来年四月一日に結論を得たいと語りました。また、スーパーやコンビニなどで配られるレジ袋の有料義務化、無料配布の廃止については、来年同じく四月一日から実施という方針を明らかにされました。また、原田環境相は、今世紀半のできるだけ早期に脱炭素社会、すなわち二酸化炭素実質排出ゼロの実現を目指し、イノベーションの促進に取り組むと述べました。 それらのことから、具体的なことに取り組むところも出てまいりました。たとえば、東京都は都内の公立小中学校の給食で使うプラスチック製のストローを削減することにしました。二〇一九年度中の一部の学校で、紙パック入り牛乳でストローを使わない提供方法を試験運用いたしました。都内の公立小中学校では、一日に約六十万本を消費していますが、教育委員会が試験運用でストローをつけずにパック入り牛乳を提供し、コップに入れて飲んだり、マイストローや紙製や代替品の利用も検討しています。廃プラスチックによる海洋汚染が指摘される中、都庁内の飲食店で紙製ストローを提供する実験を行ったり、プラごみ削減に積極的に取り組み、教育委員会は環境教育の一環として位置付け、実行を拡大しています。 このように、いよいよ具体的な取り組みがされるようになってきました。天理市ではこれからどのように体制を整えていかれるのでしょうか。また、どのような方法を考えておられるのでしょうか。レジ袋やペットボトルについてはどう考えておられるのか、お伺いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) まず、「なら歴史芸術文化村」の核となる機能でございますが、拠点化を図るために、第一には文化財の保存・修復に係る伝統的な技術の継承と後継者の育成、文化財の修復現場の公開やさまざまな体験メニューによります歴史文化資源と触れ合う場の提供、郷土教育・生涯学習など学習の場の提供など「歴史文化資源活用・文化資源交流・人材育成機能」がございます。 第二には、国内外の芸術家を招聘するAIR等による新たな創作活動や質の高い文化・芸術イベントの開催を通じた、来訪者が文化・芸術に触れ合える等の「文化・芸術振興機能」がございます。 第三には、周遊観光などをはじめとした観光振興や地元農産品の販売・加工、そして伝統工芸品の展示販売・製作実演、そして体験型のワークショップなど「観光・産業振興機能」がございます。そのほかにも、奈良の歴史文化資源の魅力や観光案内、特産品の紹介など「情報発信機能」がございます。 現在整備中の施設はこのような機能を持った複合施設ということでございまして、また、県では「なら歴史芸術文化村」にふさわしい目玉となる展示品や具体的なソフトコンテンツについて検討を進めているところでございまして、本市としても「なら歴史芸術文化村」が持つ、このような機能を街全体の活性化につなげていきたいと考えております。 まず、文化村のオープンを見据えた取り組みとしては、天理駅周辺と文化村を結ぶ芸術文化エリアにおいて、「芸術文化エリア構想」を進めております。昨年より、アーティスト・イン・レジデンスモデル事業として、国内外からアーティストを招聘し、市内に宿泊しながら制作活動を行っていただいております。十二月には、商店街空き店舗を活用した「Art‐SpaceTARN」をオープンし、市内外のアーティストの展示・交流の場となっております。さらに、周遊観光の拠点として再整備いたしましたトレイルセンターや本年四月にリニューアルしたJR柳本駅舎など周辺拠点施設とも連携をして、周遊観光や地元産品の発信、芸術文化の振興を進めておりまして、議員御指摘の点も含め、県・市の連携に努めてまいります。 これまでも折に触れ、市議会の場だけでなく市民や関係者の皆様方へ、各まちづくり協議会やタウンミーティングなどで御説明し、意見をいただいているところでございますが、県事業でありますけれども、今後も可能な限り市民の皆様方に情報提供できるように努めていきたいと存じます。広報に関する御提案については、県の方とも相談をしてまいります。 また、道の駅を含めた運営形態の詳細やソフトコンテンツなど、今後具体化していく部分については、私どもも天理の活性化という観点から定期的に県と協議をしていきたいと考えておりまして、「なら歴史芸術文化村」オープンにより地域の魅力が高まり、国内外から多くの来訪者が訪れることによって地域がにぎわい、活性化するよう県と連携をしながら進めていきたいと存じます。 続きまして、プラスチックごみについてでありますが、これまでプラスチックごみは分別してリサイクルされ、一部はごみとして焼却されるなど処分をされてきました。ところが、地球規模で見ますと、先ほど議員御指摘のとおり、海洋などの生物に深刻な影響を及ぼすおそれのある不法投棄を起因とするストローやペットボトルなどの使い捨てプラスチックの問題が世界的に深刻化しております。使い捨てプラスチックをそもそも出さない取り組みが重要になっております。使い捨てプラスチックの代用品として、生物分解性プラスチックの開発を企業も行っておりますが、まだまだコスト面や性能面で課題があるところであります。小売業におきましては、食品の包装フィルムやストローなどに代表されるように、一度使っただけで廃棄されるプラスチック製品が数多くございます。これらの製品について、割高な代替品への転換は容易ではないと考えられますので、やはり消費者一人ひとりが環境に与える影響を考えて消費やサービスを購入することにより、企業活動に変化を促し、社会も変えていくことができるという「持続可能な開発目標」SDGsに基づく認識を広めていくことが重要であると考えております。 本市では、こうした取り組みの一環として、天理市環境連絡協議会の本年五月の総会時に外部より講師をお招きし、「未来のために知っておきたい、海とプラスチックの話」という題目で廃プラスチックについての講演会を催し、環境汚染防止への啓発を行いました。今後はさらなるプラスチックごみの分別徹底の推進や、プラスチックを自然界に出さないことの重要性について啓発してまいります。 また、環境省においては、プラスチックの総排出量を二〇三〇年までに二五%削減目標とした「プラスチック資源循環戦略」の一環として、レジ袋の有料化の義務付けが提案されております。早ければ二〇二〇年にも実施の方向で検討をされております。本市としても、レジ袋の有料化に向けた対策として、まずはレジ袋にかわるエコバッグの推進等の啓発を積極的に行いつつ、国によりさらなる取り組みが実施された場合には、適切に対応していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆八番(今西康世議員) ありがとうございます。本当によくやってくださっているという感じがいたしました。私もこの前、天理市で環境問題の講演会にも参加させていただき、大変勉強になりました。 廃プラに関しては企業との関連もあり、なかなか難しい問題だとは思いますが、またそれぞれ自分たちも気を付けていかないといけない点も多くあると思います。たとえば、スプーンや皿など使い捨てプラスチックを極力減らす。またリサイクル可能なプラスチック製品の分別の徹底をする。そして、自然に分解される植物由来のプラスチックに切り替えるなど、家庭でできることには私たちも十分注意をしていきたいというふうに思います。天理市の廃プラの情報も、何かの機会があれば、また市民に流していただいて、市民の関心も高まるような方法をとっていただければ、なお環境問題についても良くなるかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、「なら歴史芸術文化村」のことについてはいろいろな検討を進めてくださっているということで、非常にありがたく思います。開村に向けて、世界遺産や国宝、重要文化財など多くを持つ奈良県と、すばらしい景観の地の利を活かしたこの天理市とで、歴史に残るような芸術文化村になってほしいというふうに思います。たくさんのエネルギーが要るかと思いますが、どうぞこれからも頑張ってほしいと思います。 以上で一般質問を終わります。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十三番、荻原文明議員。     〔十三番 荻原文明議員 登壇〕 ◆十三番(荻原文明議員) それでは、一般質問を一括質問方式で行います。市長並びに関係各位にお尋ねいたします。 まず、市立公民館の運営等についてお尋ねをいたします。住民の社会参加の促進が健康寿命を伸ばすことについて、まずお聞きいたします。 日本老年学的評価研究機構が、愛知県内の自治体などで四年から十年間、約二千四百人から二万一千人の高齢者を追跡調査した結果、人との交流は月一回未満で要介護、早期死亡リスクが一・三倍、スポーツは組織に参加しないで行う人は組織に参加して行う人の一・二九倍要介護になりやすい、サロンに参加する人は要介護認定率が六・三%低い、笑わない人は脳卒中リスクが一・六倍増える、幸福感や満足感などの前向きな感情で認知症リスクが半減するという結果が出ています。公民館の役割は、住民の文化的要望に応えるだけではなく、健康寿命を伸ばし、介護費用や医療費の削減にも効果があることが統計調査でも明らかになっています。小学校区ごとにある公民館を住民参加の拠点として活用することが求められています。そのために、行政的な支援がこれまで以上に必要となっています。こうした観点について、まずお尋ねをいたします。 次に、火曜日を閉館するに当たって、昨年十二月の本会議で、議員の一般質問に、「火曜日全日を休館扱いすることで、地域の皆様に使い勝手が悪くなったという御指摘をいただかないように、火曜日は校区の方々に使用いただけるよう会議室等の施設開放を行い、より活発に公民館を御利用いただきたいというものであります」と答弁されています。休館日に住民が積極的に利用できる施設開放の方針を明らかにしていただきたいと思います。 次に、市立公民館の「主催教室十年で卒業問題」については、基準をつくられて昨年度が十年目となりました。教室からクラブに移行した件数、教室もクラブも開催をやめた件数、十年目に該当した教室生の人数、補助講師となった方の人数など、どのような影響が出たのかお聞きいたします。将来的に教室数が減少するのではないかという懸念があります。住民の社会参加を抑制することになり、十年制限は撤廃していただきたいと思いますが、この点についての見解をお尋ねいたします。 次に、現在、都市計画マスタープランの見直しが進められています。こうした中で、都市計画マスタープランをはじめとしたまちづくりなどの計画における進捗状況と、二階堂地域の各種アンケート調査における住民意見に基づくまちづくりを進めることについてお尋ねをいたします。 都市計画マスタープランの改定作業が進められています。これまでの各種計画を策定する際に、さまざまな手法で住民の意見聴取を行ってきました。これらはそれぞれの計画策定に活かされるものですが、地域ごとのまちづくりにも活かすことができます。 たとえば、二〇一三年の都市計画マスタープランでは、西中学校区でアンケート調査に見るまちづくりの方向性について、「お住まいの住宅の状況」の満足度が高い、あるいは「治安の良さや防犯対策の状況」の満足度が高い、「歩行空間等の整備」や「地域のバリアフリー」に関する要望が比較的強い、「介護福祉のための施設・サービス」に関する要望が比較的強いということがアンケートで明らかになっています。 こうした、この間の貴重な財産である過去の住民の直接の意見要望、現在の住民の直接的な意見要望とともに地域ごとのまちづくりを進める必要があるのではないでしょうか。まちづくりは天理市と住民が協力しなければできないということについては言うまでもなく、その前提とする行政が持っている、この間の住民の意見や要望をもとに、行政が地域にまちづくりについて働きかける必要もあります。特に、行政として二階堂地域についてはどのような方針を持って働きかけようとされているのかお尋ねをいたします。 次に、鳥獣被害対策等についてお尋ねいたします。 鳥獣被害対策の現状は、天理市鳥獣被害防止計画を作成され、イノシシ、ニホンジカ、アライグマ、カラス対策は取り組まれているところですが、二〇一七年度の被害金額は四百十三万三千円となっています。また、そのほかにもサルやネズミ、モグラ、ハクビシン、ヌートリアなどの防止計画に記載されていない鳥獣被害についても、どのように現状を把握されているのかお尋ねをいたします。 また、鳥獣被害対策協議会で検討されていますが、計画に書かれている中でも、特に捕獲した鳥獣の皮や角、肉などを特産品として利活用することや地域全体で鳥獣被害対策に取り組む必要性がありますが、その進捗状況、また、緩衝地帯の整備、ICTの活用等について、今後どのように充実されようとしているのか、お尋ねいたします。 次に、自治体情報化について、その課題と方向性についてお尋ねいたします。 二〇一三年六月十四日、電子行政に係る政府の新たな戦略として、「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定され、最近では電子自治体の取り組みを加速するための十の指針が示され、自治体戦略二〇四〇ではAIを使って従来の半分の職員で自治体を動かしていくということが言われています。AIが自治体職員にかわって仕事をするかのようなことも言われ始めています。このような中で、本市でも情報化が進み、最近一部事務のクラウド化が計画されています。そこで、本市の自治体情報化の課題と方向性について、どのようにお考えかお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) それでは、荻原議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、公民館の運営についてでありますが、議員御指摘のとおり、住民の社会参加が健康寿命を伸ばす鍵になるという考え方は、私も大いに賛同をさせていただくところであります。 高齢者の皆さんがついつい自宅に引きこもりがちとなり、周囲とのつながりが薄れてしまうことで、体や脳の機能が低下をしてしまいます。こうしたことに対し、本市としてもこれまでメディカルセンターにおいて実施をしてまいりました認知症予防の活脳教室を、今年度からは同センターから距離がある五つの校区公民館においても実施しているところであります。また、二階堂校区夢づくり食堂など食を通じた居場所づくりにも多くの高齢者が参加されておりまして、地域の方々に公民館にお越しいただくことで住民同士のつながりを広げ、支え合いのきずなを深められていると考えております。 こうしたことから、今後も公民館が地域の拠点として、従来からの社会教育施設という目的に限定することなく、幅広い活用を進める方針でありまして、従来公民館を利用される機会が乏しかった多世代の皆さんが来館してくださることによって、ひいては社会教育の発展にも寄与するというふうに考えております。 そして、公民館は地域のきずなづくりの行政において、市民の暮らしに最も近い拠点施設と位置付けております。公民館職員は各種の自主事業を企画運営し、地域行事への協力、情報発信のための公民館だよりの作成・発行、その他地域各種団体と協議をし、幅広い業務に従事をしております。また、教育委員会から市長部局に事務を補助執行したことによりまして、介護や健康管理など福祉部門のほか、学校教育など公民館の利活用の範囲が大きく広がっております。 一方で、こうしたことによりまして、公民館職員への負担が一層大きくなってきているのも事実でありまして、その働き方の見直しという点から、本年六月より、火曜日の午前中も含めて職員の休暇日とさせていただいております。一方、火曜日全日を休館扱いとすることで地域の皆様方に使い勝手が悪くなったという御指摘をいただかないよう、火・水曜日は職員に休暇をいただきながら、地域で活用いただく日に充てるというものでございます。 利用いただく日は、開館日と同様に公民館使用許可申請書を提出していただきまして、許可を受けていただくことになります。一方で、職員は出勤をいたしませんので、公民館でお預かりをしております個人情報保護等の観点から、事務所への立ち入りはお控えいただいているところであります。また、鍵を利用者にお渡しし、開閉をお願いするということのほか、利用後の電気等の消灯、火気の始末など施設管理をお任せすることになりますので、利用については、まずは校区主催行事や各種校区の団体の会議などを想定しておるところであります。 次に、文化教室についてですが、学びのきっかけとして市の主催事業として開催しております。講師に市が講師料をお支払いし、幅広い市民の方々に学習の機会をつくっていくためのものと考えております。受講年数が十年を超え、技能・知識を習得いただいた方については、新規に学ばれる方々にやはり機会を譲っていただきながら、次のステップとして教える立場、周りの方々に広めていく役割を担っていただくことを期待しております。また、さらにその技量や知識を高めるための自主的なクラブの活動についても、活動の場となる会議室の確保や使用料の減免を受けることはできるわけであります。 しかし、クラブを立ち上げるには少人数でままならない場合、講師の御了解をいただければ、教室生ではなく補助講師として文化教室にも参加をいただくことができます。そして、以後公民館のクラブとして活動できる三人以上となれば、クラブを立ち上げ、活動いただければと考えております。 今年度は二十九の文化教室が自主クラブに移行し、教室からクラブに移行しなかったものが、講師が御高齢となったために廃止となったもの一件を含めて四件であります。十年目に該当した教室生が延べ百九十人となっております。二つの文化教室で四名の方が補助講師として活動いただいている状況でありまして、今後もこういった形で積極的な参画をいただければというふうに考えております。 続きまして、都市計画マスタープランの見直しについてでありますが、この二次のマスタープランは上位計画でありました天理市第五次総合計画が目指す「つながり、にぎわい・未来を創造するまち」を基本方針とし、集約型の都市の形成を目指し、各地域の特性を活かしながら、市域全体の均衡ある発展を目的としております。まちの将来像を見据えながら、おおむね十年後の道路や公園、市街地などに関する取り組み方針を示したもので、平成二十五年に策定されました。現在、本市域の道路整備につきましては、京奈和自動車道の郡山・下ツ道ジャンクションを含む大和区間の供用開始をはじめ、名阪側道の整備完了、北大路線の仮供用開始、勾田櫟本線の事業区間の整備完了や(仮称)九条バイパスの整備事業が進められております。これらのインフラ整備により広域的な交通ネットワークが形成されたことによりまして、道路沿線の土地利用が既に活発化をしております。また、高原地域では名阪国道とこれを補完する上入田都祁線の市道による交通の利便性も再認識されているところから、工業地域内では事業拡大につながる設備投資も進んでおります。 また、「なら歴史芸術文化村」の開村により、本市内外から来訪者が増加すること、今後市域全体の土地利用の機運がさらに高まることも期待され、既存のインフラ施設に新たな可能性を見出しながら、効率的かつ効果的なまちづくりの計画を見直す時期が来ていると考えております。 これらのことから、良好な街区の形成を図るために、本市のまちづくりの基礎となる都市計画マスタープラン(第三次)の策定に着手をいたします。策定期間は令和元年度から三年度までの三カ年とし、現在策定中の天理市第六次総合計画や奈良県都市計画区域マスタープランとの整合性を図りつつ、計画の策定を進めてまいります。 三年間で策定いたします都市計画マスタープラン(第三次)のスケジュールでありますが、一年目に本市における各計画との関連性や整合性を整理するとともに、地域住民の皆さんの意向を反映させるための市民アンケート、加えて高校生アンケートの実施を予定しております。これは、未来へつなぐまちづくりを目指すために、地域の方々に加えて、将来地域を担う世代の方々の御意見をもとに計画のビジョンを策定する上で不可欠なものと考えております。 二年目では、全体構想の構築を図ります。学識経験者をはじめとする専門家による策定委員会、あるいは庁内検討部会での提案、審議、検討により本計画の骨子である全体構想を策定いたします。 三年目につきましては、アンケートの分析結果をもとに、全体構想をより効果的、効率的に実現できるよう、各委員会や地域別の懇談会の開催を予定しております。地理的条件や幹線道路、鉄道など地域ごとの土地利用の特性を分析することで、具体的な現実化の方策を検討した上でパブリックコメントを実施し、都市計画マスタープランの成案といたします。また、都市計画マスタープランの性質上、短期的な実施計画としてのみでなく、現状の土地利用を踏まえ、長期的視点から実現可能な計画をよりわかりやすくお示ししたいと考えております。 また、都市計画マスタープラン(第二次)では、地域住民の皆様のアンケート調査や地域別まちづくり懇談会の御意見を反映させながら策定をいたしました。二階堂小学校区を含む西中学校区では、まちづくりの方針として田園環境と調和した豊かな住環境のあるまちづくり、安全で便利な生活を支える道路と水路の整ったまちづくり、新しい市街地形成を計画的に誘導するまちづくり、田園環境を守り、活用するまちづくり、田園景観と下ツ道、中ツ道の歴史を大切にしたまちづくり、利便性の高さを活用できる交通機関が整ったまちづくりといった七つの方針のもと、まちづくりを進めているところでありまして、国道二十四号、二十五号線の沿線において、中小規模の商業施設や宿泊施設などの土地利用が活発化をしており、地区計画を定めた区域においても、大型商業施設の立地が進んでおります。名阪側道の整備完了、北大路線の仮供用開始により、生活の利便性を支える市内中心部へのアクセス向上も図られたところであります。また、浸水常襲地域の対応についても、今年度から二階堂小学校グラウンドにおきまして貯留施設の整備を進めているところであります。都市計画マスタープラン(第三次)の策定におきましても、アンケート調査や地域別懇談会での御意見を大切にし、地域の皆様からの御意見を最大限活用しながら進めていきたいと考えております。 続きまして、鳥獣被害対策についてでありますが、天理市鳥獣被害防止計画の対象期間であります平成三十年度から三十二年度の三年間とそれ以前の三年間を比較して被害の状況を見ますと、これまでの取り組みによりイノシシによる被害は減少しております。他方、ニホンジカの被害は面積、金額ともに増えておりまして、全体の被害金額では微増となっております。こうした状況を踏まえ、猟友会とも協議の上、工夫を凝らしながら被害の縮小に努めているところであります。 また、鳥獣被害防止計画の対象鳥獣以外の動物の被害については、猟友会や農家組合の皆さんより、日ごろから情報提供いただいているところでありますが、サルの目撃情報がある程度で、現在のところ被害報告はございません。今後の被害状況によりましては、地域の皆さんや猟友会等と連携し、鳥獣対策の推進に努めてまいります。 鳥獣被害対策の現状としては、国からの鳥獣被害防止総合対策交付金を受けまして、これまでに藤井町や上・下仁興町の被害が多い集落に対しまして、農地にイノシシや鹿の侵入を防止するための防護柵の設置を補助し、捕獲従事者に対して有害鳥獣の捕獲活動経費の補助を行っております。 また、昨年度より、効率的な捕獲を実施するために、ICTを活用した遠隔監視操作システムを搭載した囲いわなを設置する「スマート捕獲」を杣之内町木堂地区において取り組んでおります。加えて、市内各地で出没して被害をもたらしておりますアライグマ対策として、アライグマ防除計画に基づき、貸し出す捕獲おりを今年度新たに十基の購入を予定しております。 平成二十九年度から「獣害につよい里山づくり事業」として、鳥獣害のえさ場や隠れ家となり得る放置林の間伐・皆伐等を萱生町で取り組み、里山地域と野生獣の生息地の間に緩衝帯を造成することで、農林業に対する野生獣被害の低減を図り、里山の景観保全に努めてまいりました。実施に当たり、本市と所有者との間で五年間の協定書を締結する中、所有者個人単位ではなく地域単位での被害防止の意識の向上が見受けられました。また、実施箇所の一つであります西山塚古墳上から大和平野を見渡せる眺望のよさを再発見したことにより、観光時の活用という副次的な効果もございました。 市内二十九カ所に設置しております箱わなの設置・管理に対しまして、猟友会に継続的な補助を行い、ニホンジカの雌については県の森林植生保全事業を活用し、捕獲を奨励しているところであります。 また、平成二十八年度に組織をした「鳥獣被害対策実施隊」による一斉集中捕獲を年二回継続実施しております。そのうちの一回は、個体数の抑制のため、出産前の時期に実施することにより、効率的な捕獲を推進しております。また、防除や捕獲を担う人材の確保にも努めております。 有害鳥類につきましては、以前から市内でも駆除要望があり、水稲・野菜類のカラスによる被害が大きいと判断されました地域に対して、奈良県猟友会への委託により、空気銃所持者を集めた捕獲隊による有害鳥類の捕獲も実施をしております。 ジビエにつきましては、一部食肉用として出されている状況もありますが、特産品として活用するためには加工施設の整備や流通などに課題もありまして、今後関係機関と連携しながら研究をしてまいります。 また、緩衝帯の整備やICTの活用については、これまでの駆除を中心とした取り組みだけでなく、鳥獣を農地に寄せ付けない取り組みでございまして、現在の取り組みの成果を踏まえながら地域の皆様と協力し、引き続き進めてまいります。 そして、自治体情報化等についてでありますけども、ICT、いわゆる情報通信技術の分野においては、情報通信機器や情報システムの技術革新により、日々私たちを取り巻く環境が変化をしております。国の方でも、平成三十年六月に閣議決定された「世界最先端デジタル国家創造宣言」で、行政サービスの一〇〇%デジタル化、地方公共団体のクラウド導入の促進、オープンデータ推進などが示されております。 本市の取り組みとしては、今年度は業務の標準化や情報システムの最適化を図るための自治体クラウドの導入に全力を傾注するとともに、AIやRPAなどを活用することによる事務の効率化を図り、事務量の削減と行財政改革に取り組んでまいります。 また、従来から取り組んでおりますマイナンバー制度の適切な運用とマイナンバーカードの多目的利用の推進による住民の皆様の利便性向上、コンピューターウイルス等の情報セキュリティーの脅威に対しての安全・安心の確保、防災分野における事業継続の観点からのICT‐BCPの見直しなどを引き続き行っていく考えでございます。 将来的には、今年の五月に総務省スマート自治体研究会より報告されました「Society5.0時代の地方」を実現する「スマート自治体」への転換を目指していく所存でございます。 人口減少が深刻化しても、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供し続け、住民福祉の水準を維持できるようにするために、行政手続を紙から電子へ、行政アプリケーションを自前調達からサービス利用方式へ、自治体もベンダーも守りの分野から攻めの分野への三原則のもと、さらなる業務プロセスやシステムの標準化、AI・RPA等のICT活用普及促進、電子化・ペーパーレス化、データ形式の標準化などに取り組むことによって、市民の皆様方へのサービスの持続可能な提供ということにもつながってくると考えております。 ○議長(大橋基之議長) 荻原議員。 ◆十三番(荻原文明議員) それでは、再質問を順番に行います。 まず、公民館の運営についてでありますが、住民の社会参加の基本的な認識については一致するわけなんですが、しかし、具体的にはどうかといえば、それに反するような公民館運営行政が行われているのではないでしょうか。 たとえば、今申し上げたような公民館の教室の運営についてでありますが、かつて公民館の教室は月二回、大体年間二十回というのが標準だったと思うんですが、それがだんだんと削減されて、今では年間八回となっております。削減された代わりは、自主的なクラブということで運営をされてきて、市民の、あるいは教室生の自主的な努力によって維持されてきたものであります。しかし、今回、十年で教室生を卒業しなければならないということが実施されるに至っては、自主クラブに完全移行ということが、先ほど御報告いただいた二十九に上っているような状況の中で、これまでのなだらかな経費の削減とは違って、今年度からは、いわば抜本的に運営について削減のメスが入れられたという状況ではないかというふうに思うんです。 実際に教室生は、自主クラブになれば講師料を支払わなければならなくなります。現在、教室生の場合は無料で受講することができるわけなんですが、そうなってくると、無料だから教室に参加しているが、月五百円か千円になるかわかりませんが、講師の費用を払う、その数百円の費用負担さえもわずかな年金の生活の中ではなかなかしんどい、自主クラブになればもう通うのをやめなければならないという声も実際にお聞きしているわけなんです。 また、廃止されたところが講師の高齢化によってということを含めて四件ということであります。今年はそれで済んでいますが、これが数年続けば、徐々にクラブに移行する、あるいは移行できなくて廃止という状況になっていくのではないかというふうに思うんです。公民館の自主事業というのは最も多くの市民が参加する、いわば住民参加の要となっております。ですから、それの果たす役割というのは、先ほど日本老年学的評価研究機構が明らかにしたように、健康寿命を伸ばすことにこれまで大いに貢献をしてきたわけですから、基本的認識では一致しているものの、現実の行政運営の中ではそれに反するようなことが行われているというのではいけないのではないかというふうに思います。ですから、やっぱりせめて十年制限というのは撤回をしていただきたいというふうに思うんですが、そういう観点で行政責任をしっかり果たしていく、住民のそういう現状から見てもしっかりと位置付けて運営を維持していかなければならないという観点から、十年制限は撤廃していただきたいということを改めてお尋ねをいたします。 それから、住民の意見をまちづくりに活かすという観点でいえば、先ほど市長が大まかに二階堂地域の住民意見をおっしゃいましたが、マスタープランを作成するに当たって、あるいはその他の計画をつくるに当たっても、もっと住民の皆さんはユニークな、具体的な意見を述べているわけです。たとえば、天理市農村振興基本計画書では、農村振興あるいは生活環境、自然環境、観光交流、歴史文化にわたって、百四十項目にわたって述べています。それから、都市計画マスタープランについては百五十項目近くの具体的な意見を住民の方は述べられています。その中でも、農休地の荒廃地の改善や有効利用、田んぼの景色をそのままにしてほしいとか遊休農地の一坪農園化、農機具の貸し出しセンター、図書館の設置、歴史資料施設の設置、これは全て二階堂地域なんですが、幼児が遊べる小さな公園付きの公民館の設置、「夕方散歩するのが好きです」とか、タウナギに関する指摘、秋にはトンボが飛んでいいだとか、またそのほかにも田園風景農地とため池が好きだとか、下ツ道を残してほしいとか、二階堂小学校行事における駐車場の確保、バリアフリーの推進、中には核シェルターを設置してほしいとか、そういう御意見もあったりするわけで、こうした、住民の皆さんが具体的に寄せていただいている意見をもとに、特に二階堂地域、西中学校区については、まちづくりを進めていく必要があるのではないかというふうに思うんです。こうした意見というのは、長年行政が住民の皆さんとさまざまな意見交換をしてきた、いわば財産と言えるものですから、これから新しい都市計画マスタープランをつくるに当たって、改めて住民懇談会等を開いていくということなんですが、それもあわせて、そういう具体的な住民の意見を踏まえた上で、二階堂地域あるいは西中学校地域でまちづくりをどのように進めていこうとされるのか、もう少し具体的なお考えがあればお尋ねしたいというふうに思います。 それから、鳥獣被害については、さまざまな取り組みを御報告いただいたわけなんですが、それにあわせてさらに行っていただきたいのは、現在でも補助されているわけなんですが、基本的な電気柵や金網の設置費用に対する補助率を引き上げて、農家の方の負担を少なくしていくということがやっぱり必要ではないかというふうに思います。特に、専業農家の方は大規模に農業をされて、それなりの収入もあるわけなんですが、兼業農家の方にとってみれば、そうしたわずか数万円とか数十万円という負担は、農業収入に比べて比率がかなり大きなものとなりますから、その辺の鳥獣被害に対する負担率というのは、特に修繕とか再設置等への補助率を引き上げていく必要があるのではないかというふうに思います。 それから、狩猟免許の取得等への支援を行われているわけなんですが、その中でも保険料や狩猟免許、あるいは銃を維持していくための費用もやっぱりかかっていくわけですから、その辺に対する費用補助を増やして、若い人が狩猟免許を取得して必要な対応をしていただくという点でいえば、そういう維持費等にも補助をしていくということが必要ではないかというふうに思います。 それから、ジビエといいますか、鹿肉や皮革の積極的な活用についてはなかなか難しい点もあろうかというふうには思うんですが、これについてはやっぱり広域的に、これこそ他の市町村とも協力しながら一定の量を確保して、費用負担もそれぞれ分担しながら取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思うんですが、これについてのお考えも改めてお尋ねいたします。 それから、自治体情報化についてでありますが、先ほど午前中、同僚議員の質問に対してもかなり具体的に本市の情報化については進めていくという御答弁があったわけなんですが、ただ単に自治体の情報化によって効率化すればいいというものではないと思うんです。特にAIは学習機能がだんだんと進化している中で、自治体職員の仕事をAIやRPAが成り替わって仕事をするというものではないというふうに思うんです。川崎市で住民情報とか戸籍、年金、税、電気、水道、ガス等の住民の問い合わせに対してAIが回答するということが試験的に行われているそうでありますが、そういうことがだんだんと進化していく中で、二〇四〇年構想の中では自治体職員が半分でいいということも言われているわけなんです。しかし、そういう中にあっても、AIやRPAの導入で住民サービスの質が向上するということが基本になければならないというふうに思うんです。それを言い直せば、地方自治の本旨に基づいた、自治体行政が地方自治法で言われる住民福祉の向上に役立たなければ、いくらAI・RPAを導入しても本末転倒と言わざるを得ないわけなんです。市長は先ほど住民サービスを維持する、言葉尻を捉えるわけではないんですが、AIやRPAを導入して質の向上を目指す、維持じゃなくて質の向上をやはり目指していくべきではないかというふうに思うんです。AIやRPAに情報をインプットするのは職員がインプットするわけです。自分たちが今行っている仕事をもとにしてインプットしていくわけですから、今現在行政が行っている質というものが、当然AIやRPAに反映されるわけですから、そこが今度は問われてくるというふうに思います。ですから、そういう意味で言えば、情報化に当たっては、地方自治の本旨に基づいて住民サービス、住民福祉の向上、質の向上に役立てるという基本的な観点を持つ必要があるのではないかというふうに思うんですが、その点についての御見解をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 荻原議員の二回目の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、公民館についてでありますが、午前中の質疑で将来の財政状況に向けて施設の統廃合あるいはダウンサイジングというところについて言及があったところでありますけれども、本市の一つの特徴としては、一つの校区に最低一つないし二つの公民館が存在しているというのが経常収支などにも相当影響しているのは事実でございます。しかし一方で、先ほどお答えをさせていただいたとおり、公民館こそ市民の皆様方の暮らしに一番近い、最前線の重要な施設であり、そして、きずなづくり、今私どもが最大に重視しております支え合いの拠点ということで位置付けて、さまざまな利活用というのを図ってきているところでございまして、ぜひこの点については御理解いただきたいというふうに思います。 そんな中で、講師謝礼等について、なかなか予算上の制約がございまして、回数について一定の制約がかかってきたのは事実でありますけれども、一方で周辺自治体と比べれば、天理市の予算というのは相当手厚く確保しているかというふうに思います。そんな中、講師謝礼を私どもがお支払いできるのが八回ということであっても、自主的にどんどん学び合いの機会を持っていただければ、場所の確保はさせていただきます。あるいは、違う公民館同士で一緒に合同教室を組んでいただいた場合は、八回という形にこだわらず、もっと多くお出しをすることで、予算的には効率化するけれども、もっとたくさんの学び合いの機会が持てるじゃないか、こういった提案についてもさせていただいているところでございます。 そして、十年以上の皆様方についてでありますけども、私どもとしても教室の廃止が目的では全くありません。どれだけ学ぶ機会を広げていくかということの中で、今後どういった状況になってくるかというところは慎重に見ていきたいというふうに思っております。ただ、一方で、全部ではもちろんありませんが、一部の声として、人間関係があまりに固定化され過ぎていて新しい方がなかなか入っていきづらいとか、そういうようなことを伺ったこともございます。できるだけ多くの方に学んでいただける機会も持っていただきながら、やはり十年以上の方々についてはクラブでどんどん活動いただく、あるいは補助講師という形で御自身も教えつつ、さらに技量を深めていくというような形で柔軟な対応がとれれば大変ありがたいなというふうに思っております。 次に、マスタープランについてでありますが、私も今回御質問を受けまして平成二十四年当時の地域別まちづくり懇談会を読み返す機会になりました。ありがとうございます。いろんな御意見がございます。おっしゃるように核シェルターというようなことも書いてございました。ただ、この中で、たとえばコミバスの延伸でありましたり、浸水対策であったり、あるいは照明を明るくするとか、駅周辺の駐車場を増やすであるとか、一部については着実に実現できているものもあるなと。なかなかこれを全部一遍に達成するというのは困難がありましても、やはりできるところから一歩ずつということで私どもも取り組んでまいりますし、今度のマスタープランを策定するに当たりましても、平成二十四年から状況が一部変わっているところもあると思いますので、今何を市民の皆様方が求めていらっしゃるのか、これについてはアンケート等、十分お伺いする機会を持ちながら、より中長期的な天理の明るい未来につなげていけるマスタープランの策定に取り組んでいきたい、かように考えております。 次に、鳥獣害対策につきまして、人材確保あるいはその維持経費も含めてどういったことができるのか、また御指摘を踏まえて検討していきたいと思いますし、ジビエの活用については、おっしゃるように自治体単体でそれぞれやっていくというのは困難なところもあるかなというふうに思いますが、広域的に、あるいは県・市の連携の中で、単なる駆除ではなく活用できる部分というのがどういうことがあるのかというのは私どもとしても検討していきたいと考えます。 そして最後にAI・RPA等のICTの活用でありますが、荻原議員がおっしゃるように、まず市民サービスの質が向上しなければいけないというのは全く賛成であります。単に予算を削減するであるとか効率化というところではなくて、それが非常に重要だと。ただ、先ほどおっしゃっていただいたまちづくり懇談会の中でも、本当に多岐にわたる御要望が出されておりますとおり、人口は減る、なかなか歳入は厳しい。なので職員数をそんなに増やすということは非常に経常経費の観点でも困難だ。ただ、今本当に市民の皆様方の御要望も多様化をしている時代だというふうに思います。これにどこまで対応できるのかというところにおいて、AIやRPAを活用することによって、やはり自動化できる部分は効率的にやっていきながら、直に対応させていただいたり、企画立案できるような部分に人員を回していける、あるいは直接市民の皆様方ともお話をしながらサービスを向上させていくというような姿勢が求められているのではないかというふうに考えておりまして、AIやRPA導入によって、まだまだ技術も進歩途上でありますので、先進自治体の中でもかえってトラブルがあるところもあろうかと思いますが、そういう点も含めて私どもとしてのあり方を検討し、特に本年度についてはAI・RPAの導入が最も効果的だと思われる業務の見定めのところからやっていき、そこからどんどん横展開をチーム一丸となってしていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 荻原議員。 ◆十三番(荻原文明議員) 情報化の件で一点。ちょっと具体的なことを言い忘れていましたのでお尋ねしますが、クラウド化の件です。業務の標準化が行われなければ、ある意味ではクラウド化をやる意味がないというふうに思うんです。だからそれで経費の削減、効率化というのが行われるというふうに思うんです。 それに対して、たとえば国民健康保険が県単位化されたわけなんですが、これは奈良県が標準保険料率を定めて、標準保険料率を市町村の自主努力で下げることができないというような制度の仕組みになっているんです。市町村独自で保険料を標準保険料より下げようとすれば、他の市町村に下げた分を負担させなければならないというような制度設計になっておるわけなんです。だから、それと関連して、標準化あるいは標準的なシステムをつくるということは、市町村独自の福祉行政サービスの質の向上というのがなかなか図りにくくなる。カスタマー化すればその分特別なシステム費用が上乗せされるわけですから、その辺のシステムをクラウド化する上でも基本的な矛盾が生じてくるわけなんです。技術の進歩によってその辺は一定克服されるとは思うんですが、カスタマー化することによる多少の費用の増は含めて、クラウド化といいますか、他市町村との標準化というのはきちんと行っていかなければならないというように思うんですが、この点についての基本的な考え方をお尋ねいたします。 それから、公民館の十年卒業問題なんですが、いろいろ説明していただいたんですが、やっぱり納得できないです。人間関係云々と言われましたが、一部にはそういうこともあるかと思うんですが、それは全体の問題ではないですし、新しい人が入れないというのも一部の教室にはありますが、天理市全体の中で言えば数%にもならないんじゃないですか。一つか二つの教室ではそういうことも起こっているというふうに思いますが、それが圧倒的多数の教室でそのようなことが起こっているわけではありませんから。しかも、補助講師としてということなんですが、補助講師が毎年毎年増えていって、理論上全員が補助講師になればクラブに移行しなければならない、教室を廃止しなければならない。もちろん募集して新しい人にどんどん入っていただければならないわけなんですが、そういうことも理論としては起こってくるわけですから、そういう意味で言えば、将来的には新しい人が入らない限りは教室がクラブにどんどん移行していく、数が増えてくるのではないかというふうに思うんですが、またどんな教室でも技能の習熟度というのはやっぱりそれぞれの教室によって違うし、生涯にわたって技能というのはどんな人でも上がっていくわけですから、それに対してきちんと保障していくということも必要ではないかというふうに思いますが、改めて、そういう点から言っても十年卒業というのは、制度としては廃止していただきたいというふうに思います。 この二点、よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) クラウド化に当たりましてやはり業務の標準化が重要であるというのは御指摘のとおりであります。ただ一方で、やはりこれまでのシステムに係る予算というのを見てまいりますと、カスタマイズしている部分で相当かかってくる。ですから、クラウド化をする際に業務の処理のあり方自体も見直していくというのは、これはむしろ副次的効果としてよく行革の文脈でも挙げられるところであります。ただ一方で、それによってきめ細かい本市らしい行政サービスの手足が縛られるようなことになったら仕方がないというのは議員御指摘のとおりかと思いますので、今後この標準化というところに際して、その点は留意しながら進めていきたいと、かように考えております。 そして、次に公民館の話でありますけども、やはりできるだけ幅広い方々に公民館を御活用いただく流れをどのようにつくっていけるかということの中で、十年という縛りは決して教室を潰していくことが目的ではありませんので、先ほどお答えさせていただいたとおり、やはり今後の状況というのは見ていかないといけないというふうに思っております。ただ、みんなが補助講師のレベルに達するような教室ばかりということになりますと、やはり公費で出させていただくということは市民全体で負担するということであります。もし趣味で何かいろいろ習われている方というのがいれば、それは御自身で月謝を出されるわけであります。それに対して相当の技量に達している方の技量をさらに向上させるところにみんなが負担をするということについてどれだけの御理解を得られるかということからすると、やはり生涯学習を始めるきっかけづくりというのがそもそもはある部分なのかなと。ですので、補助講師になっていただいて、十年でいろいろやっていただく方についても、何か新しい方もそこに入っていただくような努力であるとか工夫の部分がもし御一緒に相談できれば、またいろんな展開もあり得るかなと思っておりまして、今おっしゃったことには留意をしながら、また取り組んでいきたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 次に、六番、鳥山淳一議員。     〔六番 鳥山淳一議員 登壇〕 ◆六番(鳥山淳一議員) 議長のお許しをいただき、一問一答方式にて質問を行います。理事者をはじめ関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 件名につきましては、魅力のある住みよいまちづくりに向けて。一点目、本市の不登校・ニート対策について、関連して五点ございますが、現状把握、そして対応、未然予防のための方針、子どもたちの自尊感情や自己肯定感、活動意欲を高める取り組みについて、本市のひきこもり・ニート対応について、関連しての五点でございます。そして、大きな二点目としましては、天理市環境基本条例について御質問したいと思います。よろしくお願いします。 まず、午前中、先の同僚議員の質問にもございましたが、一緒に住まれている親の方が大変高齢になり、御家庭でひきこもりになっておられる方も同じく高齢になり、そして解決の糸口がつかないままずっと過ごしておられるという、天理市にお住まいの方でよくお二人が歩いているところに会うことがございます。親御さんのよく言われるのには、「私ももうすぐ八十になります。私がいなくなったときにこの子がどうなるのか、大変危惧しています」ということをおっしゃっておられるのが頭の中に残っておるところでございます。これらの解決の糸口が少しでも見つかり、また、いまそういう状況に置かれている方が自立できればと心から思うところでございます。 さて、ひきこもりまたはニート、このことと不登校・不登校傾向との直接的な関係については明らかではありません。ただ、子どもたちの問題として依然不登校や不登校傾向ということがございます。このことについては、本市だけではなく全県的、全国的な問題でございますが、未来を担う子どもたちの問題として、直接かかわる地方の自治体の行政、学校が最前線で取り組んでいかなければならないことでございます。 以前にも、このことについては何回か御質問をさせていただいておりますが、年度当初としての状況や解決策の取り組みを御質問したいと思います。 全国的な状況として、このことにつきましては、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査がございます。この調査によりますと、全国で不登校児童生徒は約十四万四千人、前年度より一万人増えてございます。小学校が約四千五百人、中学校が約五千七百人増加しているという全国の傾向でございます。この数字は、児童生徒の全体に占める割合で言いますと小学校が〇・五四%、中学校に至りましては三・二五%になり、小学生は百八十四人に一人、中学生は三十人に一人が不登校でございます。いわゆる年間三十日以上欠席している子どもたち、現在、学校へ行く日数は恐らく二百日前後の日数だと思うんですが、そのうちの三十日を欠席しているという状況でございます。ただ、この統計上一番増えておるところなんですが、いわゆる少子化の中におきましては、子どもの数は今一番、最低なんですが、不登校の割合については増えているということでございますので、ゆゆしき状況かなというところでございます。 奈良県では、小学六年生が九十八名という数字で、中学一年生になるとそれが急に二百四十五名というふうになってまいります。まさにこの一年間でこれだけ不登校の子どもたちが増えているという現状がございます。本市の不登校児童生徒の現状把握についてどのようになっているのかお聞かせ願えればと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。     〔教育長 森継 隆 登壇〕 ◎教育長(森継隆) 鳥山議員の御質問にお答えいたします。 まず、平成三十年度の本市の不登校児童生徒の現状ですが、児童生徒数に占める割合は小学校では〇・六%で、前年度の〇・七%よりやや減少しましたが、奈良県、全国と比較するとやや高い割合となっております。中学校では七・二%で、前年度の四・五%より二・七ポイント上昇しており、奈良県、全国よりも高い割合となっています。不登校になったきっかけと考えられる状況としましては、小中学生ともにいじめを除く友人関係をめぐる問題と、学業の不振、家庭に係る問題がほとんどを占めております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) 今、県下の方では小学校六年生の九十名余り、それから中学校一年生になると二百四十五名だったんですが、本市の方の小学校六年生と中学校一年生の不登校の実数というのは、今わかるんでしょうか。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 昨年度ですが、小学六年生は四人で、中学一年生は三十人でございました。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。やはり同じように中学校に上がるとかなりの数の不登校生徒が増えてくるということでございます。全国的にそういう流れがあるんですが、このことは、学校やいろんなところで精いっぱい取り組まれている関係者の努力の中でも出てくる数字かと思いますが、現在、不登校並びに不登校傾向の子どもたちに本市としてはどのような対応をされているのかお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 御質問にお答えいたします。 本市の不登校児童生徒については、まず市内小中学校において担任や関係教職員により家庭訪問や別室登校、個々の児童生徒の状況に応じた対応を行っています。また、各校にスクールカウンセラーを定期的に派遣して、本人や保護者のカウンセリング、教職員へのコンサルテーションを実施しています。教育総合センターにおきましては、教育相談として、臨床心理士による専門的なカウンセリングやプレイセラピー等の心理療法を実施しています。また、適応指導教室では教員による学力補充や集団への適応力を高めるための活動を行い、子どもたちの学校復帰を目指しています。さらに、心理学を学ぶ大学生・大学院生を家庭や学校へ派遣するゆうフレンド派遣事業も実施しています。 昨年度、不登校状態が続いていた生徒が、継続的なカウンセリングにより情緒的に安定し、適用指導教室を利用することで学習意欲を高め、四月から学校に完全復帰し、現在も意欲的に登校を続けているという事例もございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 さまざまなかかわりが功を奏して、いろんないい結果を生んでくれていることがありますが、中でもやっぱり保護者支援というのが大切な要素の一つというふうに考えます。今お答えいただいた中にスクールカウンセラー、それからゆうフレンドというようなことがございました。こういった取り組みというのは、やっぱり学校にかかわりがあるが、いわゆるアウトリーチとでも申し上げますか、そういった外からの力が本当に子どもたちに登校を推す力になっていていることだと思います。今、天理大学にお世話になり、ゆうフレンドは天理大学の心理を学ぶ大学生・大学院生というお答えをいただいているところです。本当にゆうフレンドというのはすばらしい派遣事業でございますが、心理の学生の数と、それから先ほど聞きました、中学校一年生の不登校生徒の数とすれば、数的にはなかなかマッチングしにくい状況もあるのかなというふうに想定するところでございます。特に、ゆうフレンドにつきましては今後ますます、大学との連携の中でも学生にもプラスになりますし、やっぱり子どもたちが若いお兄さんお姉さんの力を必要とするという部分がございますので、このゆうフレンドの学生について、天理大学の学部も増えております中で、福祉にかかわっている学生の方も視野に入れられることがあってもいいかなと思いますので、希望としてそういうことも御検討いただいて、ゆうフレンドがもし人数足らないというときがあれば御検討いただければと思います。また、一般の心理系の大学を卒業しておられます方につきましては、心理士という資格がございます。公認心理士ではなくても、心理士の方もたくさん天理市におられると思いますので、そういう方たちのお力をお借りすることも一つ大事なことかなというふうに思いますので、また御検討もいただけたらというふうなことを思います。 不登校になったきっかけを、先ほどの調査の中では家庭に係る状況や、いじめを除く友人関係をめぐる問題であるとか学業の不振、こういった点が小学校でも中学校でも大きなパーセントを占めておるところでございます。きめ細かな対応もしていただいているところですが、一番多いのが家庭に係る状況という部分が多いように調査では出ておりますので、このことにつきましてはカウンセリング、保護者への対応の方も力を入れていただきますようにお願いをしたいと思います。 そして、また、未然予防ということが非常に大事なことだと思いますので、不登校や不登校傾向の子どもたちをつくらない、生まないということについての未然予防の方の取り組みはどのようにされているか、お聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 御質問にお答えいたします。不登校の未然防止の基本は、安定した人間関係が保たれ、わかる授業が展開され、学校に来ればほっとするような魅力ある学校づくりにあると考えています。そのような魅力ある学校を目指すために、各校でさまざまな取り組みを通して、お互いに認め合うことができ、相手を思いやることができ、安心して失敗ができ、失敗から学ぶことができる集団づくり、授業づくりを行っています。 また、不登校等支援委員会が中心となり、不登校の早期発見・早期対応の取り組みを行っています。まず、早期発見の取り組みとして、「不登校傾向児童生徒調査」を実施しています。これは、四月から六月の三カ月間で八日以上欠席している者をリストアップすることにより、一学期中に、年度末までに不登校となるおそれのある児童生徒の把握に努めるためのものです。 次に、調査においてリストアップされた児童生徒を担任する教員と連携するため、指導主事と臨床心理士を派遣し、児童生徒の理解と支援の方途を探るため、「学校訪問教育相談会」を実施することにより、早期対応につなげています。 さらに、不登校等支援委員会では教職員向けの「不登校支援のためのリーフレット」を作成し、今年度四月に全校教職員へ配付・啓発を行いました。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。
    ◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。本当にきめ細かな支援をしていただいておると思います。きめ細かな支援がすぐに功を奏するわけではないんですが、そのことが二カ月して、または三カ月して実を結ぶということがございますので、このことに力を入れていただくということを引き続きお願いをしていきたいというふうに思います。 また、教職員の方たちが本当に忙しい中で、さらに不登校の子どもたちへの取り組みをということになりますと、なかなか一人ではできないことがございますので、教育総合センターという、天理市の方には本当に誇れるセンターがございますので、センターと一緒になって親支援、そして子どもの支援をしていただきますようにお願いをしておきたいというふうに思います。 未然予防ということです。大分昔なんですが、地域行事に参加している子どもというのは、当たり前のことかもしれないんですがそういった不登校とか不登校傾向にはなりにくいというような話を聞いたことがあるんです。地域行事を大事にし、また子どもたちを巻き込んでいくといったところのことも力を入れていただけたらと思います。学校、家庭、地域がそれぞれつながって支えていかなければならないときだと言えますので、心豊かな、自分を大切にしていく子どもを育てていくために頑張っていってほしいと思いますが、学校でそういった自尊感情や自己肯定感を育てることも非常に大切な部分であると思うんですが、この点について、市内の学校ではどのような自尊感情、自己肯定感を育てるといった取り組みをされているのかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) お答えいたします。 子どもたちが「自分にはよいところがある」「自分は他人から認められている」「学校や家庭、地域の人から大切にされている」「他の人たちのために役に立っている」「将来の夢を持っている」等、自分で自分を肯定的に認めることが大切という認識のもと、教育大綱にのっとり、重点的に取り組んでまいりました。各学校では、自分を褒める「ほめ日記」や、友達のよかったところを褒める「班ノート」、自分を見詰める「振り返り作文」などの取り組みを実践しています。また、自分のよいところや他人のよいところを出し合いながら、自己理解や他者理解をさせることにも取り組んでいます。さらには、職場体験や田植え体験、保育体験等、さまざまな体験活動や地域行事への参加、ボランティア活動、児童会・生徒会活動等、児童生徒の自主的な活動を通して、自尊感情や自己肯定感を高めるための指導に努めております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) 今、さまざまな取り組みを学校現場の方でされていてくれて本当にうれしいなと思うんですが、不登校の子どもたち、不登校傾向の子どもたちに多く見られるのは、いわゆる行事は参加する、運動会とか遠足は参加できるというような子どもたちの姿が一部にはあります。やっぱり子どもたち同士で何かをするといったところには参加しやすいということかなとも思うんですが、そういったみんなでやる、たとえばボランティアであるとか生徒会や児童会の行事、そういうのに力を入れるということも自尊感情、自己肯定感、直接学力にはつながらないにしても、学校の子どもたちの輪を力強くできるということがございますので、ぜひ各学校でもそういう取り組みを進めていただけるようにお願いしたいと思います。 教育総合センターが最前線としてさまざまな不登校・不登校傾向にかかわっていただいているところなんですが、やっぱり予防、それから学校でのさまざまな取り組みの中にそういった要素を含めていくということは非常に大事な部分ですので、よろしくお願いします。また現場の応援の方もいろんな部分でしていただけたらと思います。 一点目の最後ですが、本市のひきこもり・ニートへの対応、対策についてお伺いしたいと思います。内閣府の調べによりますと、十五歳から三十九歳まで、先ほどの同僚議員は中高年といったところでございましたが、その前のいわゆる若手のひきこもりも五十万人を超えているということでございますし、ニートの人口も、三十五歳までで五十万人を軽く超えているといったことが報告されているところなんですが、ひきこもり・ニートについては、義務教育でございませんので大変見えにくいところがございます。しかし、私たちが一番大きな問題にしていかなければならない部分でもあるかと思います。この方の対応や対策はどのように進められておられるのかお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 議員の質問にお答えいたします。 平成二十五年度より開設された子ども・若者総合相談窓口「夢てんり」では、さまざまな相談を受け付けています。その中でも、ひきこもり・ニートの相談は数多くあります。本人が相談窓口まで出てくる場合には、就労に向けての意欲を高めることや基本的な生活習慣を取り戻すこと、コミュニケーションのとり方や履歴書の書き方などを共に考えることを通して就労への準備を進めていきます。現代ではさまざまな働き方があり、自分に合った働き方を見つけることも就労を継続するためには大切であると考えています。 一方、相談窓口に出てこられない方へのアプローチは大変難しいですが、その場合にはまず家族支援を行うことが大切であると考えております。 本市には、ニート・ひきこもり等社会生活を円滑に営むのに困難を有する若者に支援を行う「子ども・若者支援地域協議会」として「子ども・若者支援てんりネットワーク」があり、相談窓口だけでは対応できない事例につきましては、福祉・保健医療・矯正更生保護・雇用・教育関係二十一機関が集まるこのネットワークを活用して支援に当たっています。具体的な相談事例は、本人、家族の承諾を得て、「利用者・家族の声」としてホームページに掲載させていただいております。 支援を必要としている方を発見し、相談窓口への誘導を行うため、「子ども・若者支援ボランティア」の養成にも力を入れており、その人たちを育てる「ユースアドバイザー養成講座」を毎年開催しています。 また、平成二十九年度からは居場所支援として「夢カフェ」を月一回開催し、同じ立場の人や相談員、活動支援員等、家族以外の人と話したり体を動かしたりできる場を設けています。「夢カフェ」は、コミュニケーション能力を高め、本人が外に出て社会に適応していける力をつけるための場にもなっています。今後、本人たちが安心できる居場所として「夢カフェ」をさらに充実していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) 天理市は本当に先進的に取り組んでおられることが多くて、サポートステーションから「夢てんり」、そして今おっしゃっていただいた「夢カフェ」、このつながりというのは非常にニートやひきこもりの方たちには心強いというか、行きやすい場所というふうなことが想定されます。臨床心理士の方が来にくいということもございますが、ぜひ「夢てんり」や「夢カフェ」の回数や場所について十分拡充していただけたらというふうに思います。 それから、ひきこもりやニートについては先ほどもお答えいただいているんですが、やっぱり情報を提供いただくということが肝要な部分でございます。これについては民生委員であるとか、先ほど「ユースアドバイザー養成講座」がございましたが、これも十分取り組みをいただいているんですが、ユースアドバイザーの方をどんどん増やしていって、活動ができなくても地域の中で情報を得て、それをつないでいただくということにも、地域のかかわりという部分で大きな意味があると思いますので、「ユースアドバイザー養成講座」の方を充実させていただきますようにお願いしたいと思います。 あとは訪問カウンセリング的な要素ができれば、また親とつなぐということがしやすいと思いますので、この方もいろんな、角度を広げて進めていただけるようにお願いしたいと思います。本市におられる方が安心して相談でき、安心して仕事を探せるような状況をぜひともおつくりいただき、またいろんな成果を聞けるようにお願いをしたいと思います。まず、一つ目の方はこれで終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、環境についての質問でございますが、私たちの住む天理市は、本当に皆さんが御存じのとおり、山の辺の道があり、大小さまざまな古墳群や、それから歴史のある寺社、自然環境、これが調和して本当にすばらしいところと私は自負しているところです。ここに生まれて、住んでよかったなと思われる方がたくさんおられると思うんですが、住んでいる私たちも含め、観光に訪れる方々がいいところに来たなと思われるような周辺整備にも、今、力をたくさん入れていただいているところですが、これらの環境をますます良くしていくために、平成二十三年には天理市環境基本条例というのが制定されています。そして、施策としての基本計画もつくられておるところでございますが、今、その平成二十三年から大体七年、八年経っているところでございまして、その間、天理市環境基本計画もつくられた中で、天理市環境基本条例の趣旨や目的に向かった、天理市環境基本計画の目的に向かった進捗状況というのはどのような形なのか、お聞きしたいと思いますのでよろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。     〔環境経済部長 東  博 登壇〕 ◎環境経済部長(東博) 天理市環境基本条例、また天理市環境基本計画の趣旨についてでございます。 平成二十三年度制定の天理市環境基本条例の前文におきましては、まず次のように述べてございます。 本市は、豊かな自然環境や数多くの歴史的文化財、また先人から伝えられてきた誇りある地域文化のもと、発展を続けてきました。 しかし、豊かさや利便性が高まった反面、活発な活動等により環境への負荷が増大し、その影響は地域の環境のみならず、地球全体に及ぶまでに至っています。 もとより、全ての市民は良好な環境のもとに生活する権利を有しており、このかけがえのない環境を将来に引き継いでいくことは私たちの願いであり、責務でもあります。 市、事業者及び市民の全てが、環境の問題を自らの課題として認識し、それぞれの責任のもとに相互に連携しながら役割を果たしていくことにより、環境への負荷を低減するとともに、環境を基調とした持続的発展が可能な社会をつくるため、この条例を制定するとしております。 そして、条例第九条に基づき、環境の保全と創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための、環境の保全と創造に関する基本的な計画、天理市環境基本計画を策定し、望ましい環境像を「ホタル舞い いのち輝くまち 天理~みんなが、安心して、いきいきと暮らせる環境をつくろう~」と掲げました。 また、この計画に示された取り組みを積極的に進めていくに当たり、地域の連携と協働の場として、市民や市民団体、事業者、行政など各主体の参加による天理市環境連絡協議会を設置しております。 天理市環境連絡協議会における主な活動といたしましては、五月の布留川清掃や十一月の落ち葉かき、また天理駅から石上神宮まで路上のごみを拾い集める九月のクリーンアップならキャンペーンや、三月の大和川一斉清掃がございます。また、外部講師をお招きし、環境についての講演会を催し、環境汚染防止の啓発も行っております。 この天理市環境連絡協議会には、「緑の保全部会」「ストップ温暖化部会」「まちづくり・観光部会」「ごみ減量化部会」「環境教育部会」の五つの部会があり、それぞれの部会が牽引役となって、地球温暖化防止に向けた省エネの取り組み、里山体験やホタルの鑑賞会、リバーウオッチング等を通して環境の大切さや省エネに理解を深めていく活動を積極的に展開しております。 また、隔年ではありますが、各種団体の参画による実行委員会形式で「天理環境フォーラム」を開催し、環境問題についての啓発を行っております。特に、山の辺の道周辺は、まさに天理の豊かな環境を形成する中核的なエリアであると言えます。このエリアにおきましても、天理市環境連絡協議会の中心的役割を担っていただいているNPO法人環境市民ネットワーク天理による里山資本を活かした地域づくりの取り組みや、山の辺の道ファンクラブの皆さんによる菜の花や綿を活かした環境の取り組みをはじめ、さまざまな取り組みが展開されております。 これからも本市の環境問題について多くの方々との協働のもと、継続的な活動を一層進めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆六番(鳥山淳一議員) 丁寧な説明、ありがとうございました。山の辺の道の環境のことをいろいろ考えるんですが、市民の中からいろんな動きが出始めています。これは本当にありがたいことですし、やはりそれにいろんな方が力を入れていくためにも、連絡協議会というのを力強い組織にしていけたらなというふうなことを今お聞きしながら思っておりました。今後いろんな部分で、山の辺の道の周辺については脚光を浴びてほしいし、脚光を浴びるべきだと思っておりますので、天理市環境基本計画の中にある歴史文化というところに特化していただくというか、力を入れていただき、山の辺の道のますますの活性化が天理市の魅力を発信する一つと、大きな力となるようにお願いをしたいというふうに思います。本当にありがとうございました。取り組みは大変だと思うんですが、私たちもまた市民の一人として協力していければと思いますので。 私の方の一般質問の方は以上でございます。大変誠意ある御回答をありがとうございました。終わります。 ○議長(大橋基之議長) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 なお、明日より二十六日まで休会し、二十七日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。                      午後二時五十八分 散会...