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  1. 天理市議会 2016-09-01
    09月21日-04号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-29
    平成28年  9月 定例会(第3回)      平成二十八年 第三回天理市議会定例会会議録(第四号)---------------------------------------  平成二十八年九月二十一日(水曜日) 午前十時零分 開会---------------------------------------議事日程(第四号)一 日程  日程第一 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十七名)                  一番   加藤嘉久次議員                  二番   廣井洋司議員                  三番   三橋保長議員                  四番   市本貴志議員                  五番   岡部哲雄議員                  六番   東田匡弘議員                  七番   飯田和男議員                  八番   堀田佳照議員                  九番   内田智之議員                  十番   榎堀秀樹議員                 十一番   寺井正則議員                 十二番   大橋基之議員                 十三番   今西康世議員                 十四番   荻原文明議員                 十五番   中西一喜議員                 十六番    欠員                 十七番   仲西 敏議員                 十八番   鳥山淳一議員---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤井純一              教育長      森継 隆              上下水道                       藤田俊史              事業管理者              市長公室長    山中由一              市長公室理事   城内 薫              総務部長     竹株道弘              総務部次長    寺田具視              危機管理監    竹中康仁              くらし文化部長  冬木基弘              くらし文化部                       石井義男              次長              健康福祉部長   西本宣康              健康福祉部                       大野篤男              次長              健康福祉部                       阪原嘉章              次長              環境経済部長   北門克之              環境経済部                       上田充男              次長              建設部長     田中雅規              建設部次長    奥田佳三              教育委員会                       仲谷俊充              事務局長              教育委員会                       岡本匡史              事務局次長              監査委員                       中田憲良              事務局長              会計管理者    松原眞紀子              上下水道局長   幸田雅晴              上下水道局                       池田吉弘              次長議会事務局職員ほか出席者              事務局長     阪本 学              事務局次長    上村克樹              事務局主幹    松原茂幸              事務局係長    河合宏明              書記       出口信行---------------------------------------                      午前十時零分 開議 ○議長(大橋基之議長) これより本日の会議をいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) 日程第一、一般質問を行います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 十八番、鳥山淳一議員。     〔十八番 鳥山淳一議員 登壇〕 ◆十八番(鳥山淳一議員) 議長のお許しをいただき、一問一答方式にて質問を行います。理事者の皆様はじめ関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 件名につきましては、山の辺の道周辺活性化について、高齢者によりよい支援・サービスについて、有害鳥獣対策についての三点でございます。 まず一点目の、山の辺の道周辺活性化についてお伺いしたいと思います。 山の辺の道の文化、観光資源としての活性化についてですが、天理市の歴史遺産として、大和古道、上ツ道、中ツ道、下ツ道、特に山の辺の道は、その周辺にある多くの文化財と共に、広く日本だけでなく世界的にも知られているところです。いまも多くの歴史愛好家が訪れたり、多世代にわたり多くの方が風光明媚なハイキングコースとして散策に来られたりしています。 これほどの観光資源を有する地域ですが、訪れる観光客の数は、年々増えていると言いがたいように思います。 南の柳本トレイルセンターでは、平成二十六年、平成二十七年と、それぞれ七万人あまりの来訪者がありました。石上神宮では、一月の参拝者を除いた来訪者の数が、約五十万人であります。大和神社でも、一月の参拝者を除いた数は三万五千人とあります。 奈良県の観光客動態調査報告によると、平成二十六年には三千八百十一万人の人が奈良県を訪れておられます。また、県内を四ゾーンに分けて来客数を調査してます。そのうち、天理市、橿原市、桜井市を中心としたゾーンはCエリアと呼ばれていますが、そのCエリアは、三千八百十一万人のうち約四五%の人がこのCエリアを訪れているという数字が出ております。もちろん、橿原市、桜井市、天理市、そして、明日香村も入っているんですが、いわゆる神社への参拝客もありますが、この人数を見たとき、天理への集客を何倍にも伸ばせるような周辺活性化、また観光振興に向けた一つの考えを大事にしていかなければならないと思います。 本市のまち・ひと・しごと創生総合戦略や、今後、国際芸術家村準備も含めて、いま申し上げました観光振興、周辺活性化のお考えをどのようにお持ちでしょうか。 また、年間二千万人、奈良県へは平成二十五年は四十五万人、平成二十六年には六十六万人と言われる外国人来訪者、いわゆるインバウンドの取り込みも考え、イベントやPR戦術が大切と思われます。これについても、どのように展開をされていかれるでしょうか。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) それでは、鳥山議員の御質問にお答えをさせていただきますが、先立ちまして、昨日は、台風十六号への対応のため、本市議会、大橋議長、また飯田議運委員長をはじめ、皆様方におかれましては、議会日程の上でも大変な御配慮を賜りました。おかげさまで、本市内では大きな被害等は見られなかったわけでございまして、改めて御礼を申し上げますと共に、他地域では一部被害が発生もしておりますので、心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、いま、御質問がございました山の辺の道の活性化についてということでございますが、山の辺の道は、議員も御指摘のとおり、史書に残り、いまも伝わる日本最古の道でございます。道沿いには、深い歴史を持つ神社仏閣、また全国でも屈指の大型古墳群というものが点在しておりまして、柿やミカンの栽培なども盛んでございます。大和青垣国定公園や古都法の指定も受けていく中で、守り続けられてきた歴史と暮らしが結びつくすばらしい観光資源であるというふうに認識をしておるところでございます。 他方で、その資源が個々の魅力にとどまって、点で終わってしまいますと、発信力が弱まり、また議員も御指摘いただいたインバウンドということになりますと、エリアとしてしっかり発信されないと。すばらしいものがあっても、知られなければ、そこに訪れていただくことはできないわけでございまして、点をしっかり線に、また線を面にというような形で、組み合わせて発信をしていくことが重要だということで、この三年ほど取り組んできて、特に昨年からは地方創生の総合戦略の中で、国の交付金も活用しながら取り組んできているところでございます。 また、総合戦略におきましては、政策の四つの柱の一つとして、「天理ならではの魅力を活かし、新しい人の流れをつくる」と掲げておりまして、文化資源のみならず、歴史、あるいは歴史のみならず音楽やスポーツなど、天理ならではの魅力というものも組み合わせてプログラムの企画や情報発信の強化、さらには、本市だけでなく、近隣自治体との連携を通じた周遊観光の振興により、交流人口の拡大、あるいは本市内の消費につなげ、そのことがもたらす経済効果によって地域に好循環を生み出し、また、天理に住みたいなというような方の増加にもつなげていきたいと考えております。 集客に向けた試みの一例を申し上げますと、山の辺の道を中心とするエリアでは、五月に各地をウオーキングサイクリングでめぐっている雑誌などとも連携したイベント「ツール・ド・ニッポン」というのを開催いたしまして、こちら有料の企画でございましたが、関東方面からも多くの方々にお越しをいただきました。また、橿原から奈良に抜けるルートの中に天理を位置付けていった企画でございます。 さらに、十一月には、毎年恒例のウオーキングイベントで「てくてくてんり」というのを行っておりますけども、今回は地域の魅力をより一層体感いただくために、ノルディックウオークサイクリングなどの周遊観光の仕掛けという点を盛り込んでいるところでございます。 これらは、来春にリニューアルオープン天理駅前広場、また議員から御指摘があったトレイルセンターも、今議会に指定管理の上程をさせていただいておりますが、休憩施設のみならず周遊観光の拠点という形で再整備を進めていっております。 さらに、県との連携で、現在計画をしていっております奈良県国際芸術家村の完成、こういったことを踏まえまして、近隣市町村との広域周遊観光、こういった点も含めて、歴史や芸術文化、産業、観光を一体に捉え、周遊できる拠点、仕組みづくりをつくっていこうということでございます。 新しいルートづくりも非常に重要だというふうに思っております。特に、本県の場合は奈良市にインバウンドなど多くの方がお越しになるわけですが、奈良市から県内のほかの場所になかなか行っていただけないということの中で、奈良からどうやって人を連れてくるかということになりますと、市北部、櫟本の皆様と御一緒に、現在、市北部の文化資産をめぐっていただき、地域の活性化につなげていこうということで、石上神宮以北の「伝・山の辺の道」の道標設置ということにも取り組んでいるところでございます。 これらをしっかりと組み合わせて情報発信をしていきたいというふうに考えておりまして、ばらばらにならないように、一体的なPR戦略をつくっていこうということで、国の創生交付金を活用して、現在、ブランディング、PR戦略というのも立てております。この戦略は、観光という部分のみならず、ものづくり、農産品なども含めたものも一体として、コンセプトを打ち出し、そして、今後ポスターやリーフレットの制作、こういったものにもつなげていこうということで考えております。 また、発信する媒体は、やはり市役所だけでは非常に限りがございますので、さまざまなメディア媒体と連携することが非常に重要であると思っておりますし、また、関係の皆さんのホームページやフェイスブックなどのSNS、あるいはこれまで連携をしてきておりますディスカバージャパン、ペーパースカイぱーぷるなどの雑誌、タウン誌、またラジオといった放送関係、テレビもそうでございます。実際に多くの方に天理に来たいと思っていただけるような情報発信をしっかりとやり、そして来春の天理駅前広場、あるいはトレイルセンターを新たな拠点としてリニューアルしていく、その時期につなげていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 大変まちの若い動きが活発になってきているよう思います。そういった意味でも、いろんな部分に期待ができる現状があるんですが、山の辺の道周辺に関しましては、南ルートの方を今回、ずっと回ってみたんですが、非常に看板等の標識が丁寧にされているように感じました。ただ、やっぱり一部舗装の方にもまだ整備が必要かなというところを見受けることができました。 北ルートにつきましては、南ルートほどトイレ等の整備がまだまだこれからであると思いますので、やっぱり観光客の方が来てよかったな、また来ようというふうな気持を持っていただけるような観光ルートとして整備していただけたらというふうに思います。 それから、PRイベントなんですが、私たち、いまもう通常のPRとかイベント、これはもう失敗とか成功とかいうことないと思いますので、大胆なPRをしていただけたら、やっぱりメディアというのはすごく大きいと思います。メディアから、行きたいな、訪れたいなという人を一人でも全国に広げていただけるようなPRの方法をまた工夫いただけたらというふうに思います。 それと感じますことは、やっぱりいま、一つの力だけでは、まちの活性化、特に山の辺の道周辺の活性化については無理があるように思います。市長もよくお話しされるように、官民学産と言われる、これは金も入ったら一番いいんですけれども、そういったいろんな力が結集して、活性化をしていければ、ますますいろんな工夫ができてくるのではというふうに思うところであります。 奈良ナルクというボランティア団体がございますが、このボランティア団体の方がずっと山の辺の道の環境をよくしようということで、菜の花プロジェクト、またはヒマワリを育てるということを、ここ一年、二年実践していただいています。このようなボランティアの力というのは、非常に大切だなというふうに思います。 こういうボランティア組織とも十分連携していただきながら、先ほどもお答えいただきましたように、県市の連携というのが非常にここでウエートを占めてくるように思いますし、やっぱり県市の連携がなければ、東海自然歩道として位置付けもございますので、またより深い県市の連携をしていただき、山の辺の道周辺がより活性化して、多くの人に天理へ来ていただき、天理のよさをまた帰って広めていただけるような取り組みの方をよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、山の辺の道周辺の農産業の振興に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。 山の辺の道周辺は、昔から農作物や果物畑が多くあり、水田と共に古い道の景色に調和していたのですが、やはり少し耕作放棄地を見受けることがあります。農業に触れるという観点、そして、農業におけるリピーターという観光農業の視点や農作物の販売流通を考えたときに、そしてまた、耕作放棄地対策、そして農業振興に向けて、何か一つ、いわゆる食するという視点からの取り組みが大事になってくるように思います。こういった農産業振興に向けての取り組みをお聞かせ願えればというふうに思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ありがとうございます。 鳥山議員御指摘のとおり、各方面との連携が非常に重要だと思っておりまして、本市の地方創生の戦略は、産官学金労言との連携により作成されたものでございますし、また、さまざま行っておりますまちづくりの取り組みは、それぞれ県市連携協定の対象ということで進んできているところでございます。 北のルートにつきましても、櫟本の公民館、いま新しくしようとしておりますが、こちらを公民館でありながら北ルートのトレイルセンターというような形でも位置付けていきたいと思っておりますし、今後、クリーンセンター計画の進捗の中で、白川周辺の整備というところについてもしっかり考えていきたい。 あるいは、発信素材としては、いま、山の辺の道のみならず、福住、山田方面の皆様にも御協力をいただいて、さまざまな映像、画像媒体を撮っているところでございまして、しっかり発信をしていきたいと。その中で、山の辺の道で取り組んでいただいているさまざまなものについても、でき得る限り取り上げていきたいなと考えているところでございます。 山の辺の道の農業ということでございますが、やはり里山でございますので、耕作放棄地が周りに増えてくれば、その景観が失われてしまうというのは、全く御指摘のとおりかなというふうに思います。そういった中で、奈良県、天理市、桜井市、地元関係者・団体が参画のもと、平成二十二年以降、山の辺の道地域づくり協議会というものも設置をされてきておりまして、沿道でのさまざまな花の栽培や収穫体験イベント、また、地域特産品の販売というものをやっていただいております。 そういった中で、山の辺の道周辺農村づくりネットワーク、こちら農家団体の皆様等と連携し、協働協定を結ぶ中で発足をしてきておりまして、これまでもさまざまな取り組みをやっていただいております。 例で申しますと、柿の木オーナー園、こういったことは非常に萱生で熱心にやっていただいておりますが、市内外からもオーナーの希望者が多く、また、地域の皆様にも積極的に運営をしていただいておりまして、本市の特産品のPRというだけでなく、農村と交流する場、みずから収穫し体験する場ということでお越しいただいております。来月にはオーナー園の収穫祭が行われる予定でございます。 本来、実がしっかりと採算性を持って行われていれば一番よいんですけれども、担い手の関係で、柿についても放棄地が増えてきてしまっているのが現状でございます。そんな中、近年注目されております葉っぱ産業の中で、柿の葉の生産というものも取り組みが始まっておりまして、主に柳本から萱生にかけての地域で生産の希望がございまして、柿の葉ずしや加工品の原料としての需要も見込まれているところでございます。ですので、担い手不足あるいは生産者の高齢化といった現状に鑑みまして、一つの選択肢として葉っぱということについても考えていきたいと。今議会に補正予算としてこの樹園地の現状把握と柿の実と葉っぱの生産の区分けを計画的に進めていくための図面作成等に係る調査費も計上させていただいておりまして、地域の皆様の自主的参画の取り組みをしっかりとサポートしていき、山の辺の道の景観を守っていきたいと考えております。 そのほかにも、大学との連携をご紹介いたしますと、早稲田大学との連携事業、こういったことも進んでおりまして、これまで同大学の文化祭などにも本市の特産品を持っていって、好評を得ているということでございます。 あるいは、ほかの市との連携で申しますと、防災協定を日本海沿いの敦賀市と結んでおりますが、こちらの物産フェアにも参加し、天理市の農産品の発信なども行ってまいりました。 また、平成二十六年度からは、県との連携で、天理駅前等天理マルシェを行ってきているところでございますが、それだけではなくて、地元で大分定着してきております柳本マルシェのように、地域みずから独自でマルシェを開催し、地域内外の皆さんの交流をやっていただくような取り組みも行われております。こちらもまちづくりの取り組みの中で、しっかりと連携をしていきたいと思っております。 また、ものづくり自体をサポートすることも非常に重要でございまして、県のものづくり支援に、市内から二業者が参加をされ、いま新しいお茶ですとか開発をされているところでございますが、国の地方創生の交付金を活用して、本市内においても、いまものづくりに取り組みたいという事業者さんの募集、選定を行っているところでございます。 こういった点に加えて、教育や福祉、こういった他分野の政策とも組み合わせまして、都市と農村の共生、交流の推進を図り、山の辺の道、ひいては天理市全体の活性化につなげていきたいと、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 これから一つ一つ実っていく、いま本当に種をまいたものが、芽が出てというときやと思いますので、どんどんと農産業振興活性に向けた取り組みの方に力を入れていただきたいというふうに思います。 現状としては、天理で農作物をつくって、それを毎日橿原の方へ持っていっている農家がございます。そこへ行けば、毎日物が置けるんだということで、橿原に三カ所あると思うんですけども、そちらの方に持っていっているということも聞いたことがあります。やっぱり天理でつくったものを天理で販売できるという場所を一カ所でも多く、マルシェもしていただいているところなんですが、またそういったところをつくっていただけるように、重ねてお願いをしておきたいと思います。やっぱり農産業が元気になるということは、天理にとって大きな力になると思いますので、どうぞよろしくお願いします。 次に、山の辺の道周辺活性化の中で、市の学校教育活動、いわゆる郷土学習、地域学習の取り組みについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 鳥山議員の御質問にお答えいたします。 議員も御承知のとおり、自分が生まれた土地や郷土などの特定の地域の歴史、風土、文化、自然、産業などについて学ぶのが郷土学習、地域学習でございます。 市内の各小・中学校におきましては、自分の生まれた地域を理解し、愛し、地域や社会に貢献できる人材育成を目的として、児童・生徒みずからの調査、観察、体験活動等に地域と連携して取り組んでおります。 その主な取り組みをいくつか紹介させていただきますと、まず一つ目は、郷土学習副読本「わたしたちの天理市」を活用しての小学校三年生の社会科の学習です。この副読本は、教育委員会が市内の社会科担当小学校教諭に、わたしたちの天理市改訂委員を委嘱し、年間数回集まって、内容や資料、写真、地図等を検討し、二年に一度改訂しております。これを使って、子どもたちは天理市の地形や文化、産業、人々の暮らしなどを学習しております。 また、生活科や総合的な学習の時間の活動では、まちや地域を子どもたちが探検し、実際に自分たちが見たり聞いたりしたことを地図や資料にまとめて発表し合ったり、地域にある神社やお寺、古墳等をめぐるウオークラリーを開催して、ガイドブック等にまとめたりする取り組みも行っております。 そのほかには、地域の伝統や文化の継承者を育成するため、はにわ祭り氷まつり等の地域の行事に積極的に参加したり、学校・地域パートナーシップ事業等を通して地域と連携し、地域を知り、学び、郷土愛を育てる取り組みを推進すると共に、地域の方々に御指導を仰いでの古代米づくりやみそづくりにも取り組んでおります。 また、学校行事においても、石上神宮から長岳寺への山の辺の道方面、天理観光農園、龍王山への遠足を実施しています。 今後、教育委員会といたしましても、朝和、柳本、福住校区で県と地域協議会とが連携して作成されましたまちづくりマップ等も積極的に活用し、教師と子どもが共に天理のよさや人のぬくもりを体験できるような教育活動や地域学習を展開してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 本当に山の辺の道周辺には、たくさんの文化財、寺社等があります。天理市の子どもたちに伝えていく文化財産、そして郷土の誇り、そして少しでも興味関心を持って山の辺の道を考えられるような地域学習、郷土学習をお願いしたいというふうに思います。 今後、ますます学習の教育過程がたくさん増えてくると思うんですが、大事なこととして、市全体で計画を持って、山の辺の道、いわゆる郷土学習、地域学習の方を展開していただきたいと思います。 たとえば、いまICTをよく活用した事業があるんですが、三十年前はスライドを持ち寄って地域、たとえば柳本校区のスライドを撮ったものを、先生方の方で櫟本校区の方へ巡回で回していたことがあるんですが、そのころはICTなんかとんでもない話だったんで、そのスライドを見ながら、柳本、福住の子どもたちが二階堂の様子を知るといったことがあったんです。やっぱり、せっかくの教材ですので、それぞれの校区の方へ、いわゆる発信を同じようにしていけるような取り組みをしていただけたらというふうに思います。 どこの学校にいても、山の辺の道は天理市の財産、そこに我々が住んで、学んでいるんだということを思っていただけるような学習の展開、教材の利用をお願いしたいなというふうに思います。 それと、昔は結構多かったんですけども、最近、子どもたちが龍王山に登頂というふうな学習の方の位置付けが少し減ってきているように思ってなりませんので、本当に龍王山から見る大和平野、天理市、そして龍王山の中に、昔、山城があったというような歴史も含めた展開もできると思いますので、こういった学習の方を市としてまた取り上げていただけるようにお願いをしておきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、二点目の高齢者によりよい支援・サービス(地域包括ケア)の推進についてお聞きしたいと思います。 市の地域包括ケア推進の現状とその課題についてお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。 いま現在、いろんな地域イベント、地域で地域包括ケアの方の取り組みをされています。一昨日、敬老の日だったんですが、敬老の日の中にも各町で、地域で高齢者の集まりをしていただいたことをお聞きしていますが、高齢者の方が生きがいを持って、可能な限り住みなれた地域で生活を続けることができるような技術支援、地域においての包括的、継続的な支援・サービス提供体制、いわゆる地域包括ケアシステムなんですが、本市二〇二五年の高齢社会の問題を見据えたときに、本市の要介護、要支援者の推移と、また、医療と介護の連携、地域医療ビジョンはどのようになっているのか、また、包括支援センターでの取り組みはどのようなのかお聞かせ願えればと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 議員御指摘の地域包括ケアに関してでございますけども、まず、要介護者、要支援者の推移ということでお答えをいたしますと、平成二十八年度、要介護者の方が二千二百九十名、対前年度比で三・六%の伸び率となっております。そして、要支援者の方につきましては、一千九十二名で対前年度比が六・四%ということになっておりまして、この両認定者を合計いたしますと、三千三百八十二名となっており、六十五歳以上の高齢者人口に占める割合が二〇・九%、つまりおよそ五名に一人の高齢者の方が、要介護ないしは要支援の認定を受けておられるという状況になっております。 そういった中で、平成二十七年度から、本市では、地域包括ケア推進室、こちらを設置をいたしまして現在取り組んでおりますが、この包括ケアシステムの目的は、高齢者の皆様が可能な限り住みなれた地域で自立した生活を送ることができるように、医療と介護、あるいは介護予防、住まい及び生活支援サービス、こういったことを日常生活の場で切れ目なく提供できる体制をつくっていくということでございます。 平成二十七年度に天理市医師会の皆さんが中心となっていただき、市も連携をして、在宅医療体制整備事業、こちらを推進いたしました。また、本年度には、本市のメディカルセンターに天理市医師会の事務局を置くことになりまして、これを機に、地域包括ケアシステム構築に向け、市と医師会の連携を深めていきたいと考えております。 本年度の取り組みとして、医療と介護サービスの両方を必要とする高齢者の皆さんについて、その情報を医療従事者と介護サービス事業者が共有できるICTシステムの利用、こちらを県と、あるいは医師会と連携して推進することとしております。今後このシステムの利用が普及することにより、パソコンやタブレット、スマートフォン等の情報端末機能を有する機器を活用することで、在宅で医療、介護サービスを受ける高齢者の方の最新の情報を共有することが可能になりまして、医療、介護サービス共に一層適切な対応が可能になってくると考えております。 この利用につきましては、本年八月に介護サービス事業者の皆様への説明会を開催いたしましたが、今後も引き続き普及に向けて取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 いわゆる在宅介護に向けた地域包括事業は、本当に止めることができない、持続的、より深い取り組みをしていかなければならない部分があると思います。 ここで、去年から医師会の方が中心になって支援のあり方を考えていくような集まりをしていただいているところであります。医師会との連携の方も十分お図りいただきながら、四包括センターそれぞれの取り組みの情報発信をしていただけたらなというふうに思います。 いわゆる、地域で生きがいを持たれて、健康長寿への道を歩んでいけるような基盤をおつくりいただきたいというふうに思いますので、今後、このことはまたいろんなところで出てくるかと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。 次に、いわゆる介護予防、高齢者の方が少しでも活動できるという意味では、いま介護予防施策というのが非常に重要なことだと思います。いつまでも元気で長く自立した生活を続けてもらえるような介護予防施策の方、健康づくりを含めまして、また介護予防ボランティア養成等、さまざまな介護予防の事業、そして、情報発信の取り組みがありましたらお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。
    ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 議員御質問いただきました介護予防事業でございますが、いま、全国的にも健康寿命をいかに延ばすかということの中で非常に重視をされている分野でございます。 本市では、各公民館におきましても、ふれあい教室、あるいはメディカルセンターの二階に地域包括ケア広場というのを設置しておりまして、いきいきはつらつ教室、あるいは活脳教室、介護サービス事業所の皆様等においても、二次予防教室などを実施しているところでございます。そのほか、市内の温浴施設と連携をしまして、あったかサロンてんりというものも開催する予定でございまして、これは要介護にならないように、頭を動かしたり体を動かしたりするプログラムを用意し、その後にこの温浴施設を活用していただけるというようなメニューになっております。 各事業の実績でございますが、ふれあい教室は各公民館で月に一回、年十二回開催しておりまして、各参加者を合計いたしますと、平成二十七年度、参加が延べ一千五百八十八名いただきました。ふれあい教室は平成十二年から継続して実施をしており、今後も引き続いてしっかりと拡大していきたいと思っております。いきいきはつらつ教室は、平成二十八年度からメディカルセンターの二階で行っておりますが、運動やリンパマッサージ、囲碁・将棋、あるいはお口の健康教室等を開催しておりまして、本年四月から八月の間に八百二十名の方に参加をいただき、教室の内容につきましては、大変御好評いただいているところでございます。 また、来年度に新たに整備をされます天理駅前広場につきましても、天理大学の体育学部と連携をして選びました健康遊具を多数こちらには設置をしておりまして、さまざま教室を開いておりますけども、公民館であったりメディカルセンターでそれらをやっているということを知らない方も多くいらっしゃるわけでございます。多世代が多く集まっていただき、目につくところのアウトリーチの場として、この駅前広場も活用していきたい。そこから、また今度、こちらの教室がありますよというような形でつないでいくような役割を担わせたいと考えております。 また、メディカルセンターでは、この七月から、脳を活性化させる活脳教室というのを開催しておりまして、現在二十名の方が受講されておりますが、「毎日の生活に張りが出た」あるいは「意欲が湧くようなった」「気持が明るくなった」「物忘れをしなくなった」等の感想をいただいておりまして、ぜひこのノウハウというものは、いろんなところに広げていきたいなというふうに思っております。 二次予防教室では、さわやかチェックリストによりまして、日常センターを送る機能に低下が見られた方を対象に、運動機能の向上や口腔機能の向上及び栄養に関する内容で実施をしております。現在、七カ所で実施をしておるところでございます。 また、本年十月からは、地域の中で介護予防のリーダー的存在というのを育てていきたいなというふうに思っておりまして、介護予防リーダー養成講座を開催して、一人でも多く地域において推進を御一緒にしていただける方を育てることによって、市全域にこういった取り組みを広げていきたい。最初は約十五名が受講をしていただく予定でございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) さまざまな取り組みが始まっているところだというふうに理解して、一人でも多くの高齢者の方が御参加いただけたらというふうに思います。 介護予防という観点から、高齢者の方がコミュニケーションも含めて集われて、いわゆる体操教室などをされているところがいくつかあります。こういった有意な志を持った方が高齢者と一緒に頑張っていこうというような団体の方、また手厚い支援の方もしていただけたらと思いますし、そういう体操をできる場所が、たとえば地域の中で空いているスペースを使っていけるようなこともお考えいただけたらと思います。 あと、我々、PDSCといいますか、それぞれの事業についての評価の方もしていかなければなりませんので、それも含めて、今後、本当にとまることができない施策だと思いますので、どうぞ引き続きよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、独居高齢者への生活支援の方についてお伺いしたいと思います。 市内も独居高齢者の方が少しずつ増えてきております。自動車運転免許返上といった問題も出てきています。どこにいても適切な支援を受けることが、いま本当に大切なことではないかなと考えます。本市の特別給付、そして地域支援事業、特に国民年金に頼らざるを得ない低所得の高齢者の方に対する対応をお聞きしたいと思います。そして、移動、それから安全といったところでお聞かせいただければというふうに思うところです。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西本宣康) 鳥山議員の御質問にお答えいたします。 本市では、主にひとり暮らしまたは高齢者だけの世帯で市民税非課税世帯を対象に、高齢者福祉サービスを実施しております。 事業の内容といたしましては、まず、緊急通報装置の設置事業では、心臓の疾患など緊急性の持病を有する人に通報装置を設置することで、緊急時の対応が円滑に行われるよう、支援をしております。 次に、ひとり暮らし高齢者乳酸菌飲料の配付事業は、ひとり暮らしの高齢者に乳酸菌飲料を配付することで、日々の安否の確認を行う見守り事業として実施しております。 訪問理美容サービスは、理美容店に行くことが困難な高齢者を対象に、理美容業者が訪問して理美容を行います。 この事業は、平成二十八年度からはふるさと納税の返礼品の対象とし、天理市に暮らす高齢者などに訪問理美容事業を提供することで、地方に暮らす家族とのきずなを深めることに役立っております。 次に、寝具洗濯乾燥消毒サービスは、寝具を洗濯することが困難な高齢者を対象に、寝具を洗濯するサービスを行っております。 食の自立支援事業である配食サービスは、食事の調理が困難な高齢者に、定期的に栄養のバランスのとれた食事を提供することで、高齢者の健康維持を図り、また、訪問することで見守り活動にもつなげています。 次に、軽度生活援助事業では、高齢者が自立した生活を継続できるように、日常生活上の軽易な援助、草刈りや清掃を行っております。 これらのほかにも、ひとり暮らし高齢者世帯などの見守り業務を市内の社会福祉法人に委託し、また、奈良コープや奈良県理容生活衛生同業組合天理支部、奈良県美容業生活衛生同業組合天理支部とも見守り協定を締結することで、ひとり暮らし高齢者の見守り体制を強化しております。 また、民生委員の皆様にも、独居高齢者への見守りに御尽力をいただいているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 さまざまな取り組みをしていただいていますが、本当に独居高齢者、特に所得の少ない方への見守り受け皿を引き続きお願いしたいと思います。 時間もありませんので、次に行きたいというふうに思います。 有害鳥獣対策の件なんですが、有害鳥獣対策、特にイノシシの捕獲の現状と処分ということについてお伺いしたいと思います。 先般、先ほど山の辺の道周辺の活性化のお話もさせてもらったんですが、山の辺の道を、これは南ルートを歩いたんですけども、イノシシの柵が非常に多かったことに気がつきました。と同時に、明らかにイノシシが入っていると思われるような、イノシシの足で荒れたところが数カ所目にとまりました。 昨年も質問させていただきましたが、市内の農作物生産者、特に高原地域での農業従事者の皆様より、昨年以上に鳥獣被害についてのことをお聞きすることがあります。その対応に農業生産者の方が前にも増して苦慮されておられます。 この捕獲数ですが、やはりここ三、四年で、通年の三倍以上の捕獲数があるようです。農林水産省の方も特別措置法を設けられたり、県の方におかれても、鳥獣対策本部を立ち上げてその対策に当たっておられますが、個体数をやっぱり減らしていくということ、駆除していく方法はそんなに多くありません。猟友会の方にお願いして、そのものを駆除してもらう方法が、いま一番多い方法で、それしか見受けられないようなところがございます。 今年、集中捕獲という方法がとられ、同僚議員とも一緒に猟友会の方が一番最初の日に集まっているときに行かせていただきました。大変暑い中で、もう立っているのも疲れるぐらいの暑い中、猟友会の方がチームをつくり、数週間にわたって集中捕獲をしていただくことがありました。山田地域と杣之内、この二カ所で集中捕獲をされて、約二十頭に近いイノシシが駆除されたようにお聞きしています。 ただ、そのときのいわゆる猟友会の予算の方なんですが、金額的には十万円に満たないという額でありました。イノシシ一頭の捕獲についても、県から八千円出ているだけで、この金額につきましては、ここ何年も変わっていないのが現状であります。もう本当に各町イノシシの被害の多い町におかれては、猟友会の方に気を使われて、一頭一頭捕獲していくたびにお気を使っていただいているというお話も聞きます。本当に頭数が多くなってきておりますので、その点から考え、予算の方をまた考えていく時期ではないかなというふうなことを思います。 それから、いわゆる捕獲した、駆除したイノシシを埋めたり焼却場へ輸送する手だてにも、大変数が増えてきておりますし、高齢化していることもございます。だから、大変これも難しいところになっていきます。この問題は、いわゆる緊急を要する問題ではないかなというふうに思います。 先ほどの山の辺の道にも及んでいることもありますが、緊急を要する問題としての対応、これをいま迫られている部分があると思いますので、予算の方も含め、猟友会の方が本当に集中捕獲のところをもっと増えていけるようなことを考えていただければというふうに思いますが、その辺については、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 鳥獣害対策については、非常に重要な案件であると認識をしております。 これまで、農家の皆様が防護柵や電気柵を設置する場合に、補助金を交付させていただいておるのと加えて、御指摘ございました猟友会の皆様方にお願いをして、銃器やわな、おりなどで捕獲及び駆除をいただいておるわけでございます。 また、国の緊急捕獲対策事業としては、個人単位ではなく、集落単位の大きな面積で柵を囲った場合や、狩猟免許保有者の皆様方がイノシシや鹿を捕獲した場合の補助金があるわけでございます。 しかしながら、鳥獣害は年々増加をしておりまして、そこで、本年度、本市では新たに、これは以前、内田議員等にも御質問いただきましたが、狩猟免許取得に係る補助金、こちらをつくらせていただいたのと、また、猟友会の皆様にお願いをしまして、地域と期間を限定する、議員にいま御指摘いただいた集中捕獲事業、こちらの予算化をしてまいりました。七月末から約一カ月間、上山田では、くくりわなを六十八カ所設置いただきまして、イノシシ八頭、鹿七頭を捕獲していただいたと。また、捕獲したイノシシと鹿については、地元の御理解と御協力により処分をしていただいたわけでございますが、猟友会と御地元がそれぞれに協力をいただいたということが、非常に重要であったというふうに考えております。 また、杣之内と内馬場、園原におきましても、農作物被害のほかに山の辺の道に係る観光客の安全を図っていくということの目的もありまして、九月の初めから集中捕獲を実施中でございますが、半月足らずの間に、イノシシ、鹿合わせて十二頭が捕獲されているということでございます。 くくりわなによる集中捕獲事業は、今年度は試験的な予算化でございましたが、銃器に比べ、比較的安全かつ効率よく捕獲できる反面、設置や日々に見回っていただくということに大変な手間と労力がかかっているのも、これは事実でございまして、今後継続的に事業を進めていくために、予算のあり方や運用上の課題などについても、改めて検討いたしまして、より効果的で猟友会の皆様、地元の皆様にできるだけ御負担をおかけすることがないような方法を検討してまいりたいと思っております。 また、これは従来からのくり返しになるんですけども、集落や農地に鳥獣を寄せつかせない環境づくりというのも非常に重要でございまして、たとえば、野菜のくずなどが畑のところに捨てられておりますと、それをきっかけに鳥獣が寄ってきて、大切な作物も荒らされてしまうという部分があるわけでございます。ですから、やはり鳥獣が、えさがあそこにあるというようなことがないように、そういったものを放置しない、あるいは草むらをなくしていく、こういったことを地域の皆様とも御一緒に対応していくことが非常に重要でございまして、こちらの啓蒙啓発もあわせて取り組み、被害を最小限にしていきたいなと考えておりますので、引き続いて議員のお力添えもよろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 前向きに検討いただけると理解させていただきたいというふうに思います。 地域の方も、また地域の声として思っていただいていることだと思いますし、地域の方でも、いま市長が申された、寄せつけないという取り組みもしていただけるというふうに思いますが、効率よく個体駆除をするという意味では、集中捕獲、それにあと見合うような予算化と、もう一点だけこれはお願いなんですが、輸送という、いわゆる処分した固体をどういうふうに輸送していくかという、これも課題として十分また近隣の地域の現状とも……。ただ、天理の場合は、いわゆる広くて山間部、いわゆる高原地域の部分が比較的多いところがありますので、そういったところから処分しての輸送となりますと、かなり手間と力が要ることになると思います。今後、減ることは少ないと思いますので、どうか先ほど前向きに検討いただけるということでございましたので、それを答えとしていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。 以上で一般質問の方を終わらせていただきます。誠意ある御回答ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十三番、今西康世議員。     〔十三番 今西康世議員 登壇〕 ◆十三番(今西康世議員) 議長のお許しをいただきましたので、ただいまより一般質問を行います。 防災についてお伺いいたします。 自治体は、災害時にその地域の市民の生命、自由及び財産を守る責務があります。災害対策基本法では、原則として、自治体に地域防災会議を設置し、災害に備えて地域防災計画を策定するとしています。国の計画は、全国的視野に立った縦割りの計画ですが、自治体の計画は、地域の特殊性を踏まえ、その地域の行政機関などの防災活動を網羅的に定めた横割りの計画です。 日本は世界の大地震の二割が発生する地震大国です。日本列島は、北海道と本州の東北部が北アメリカプレート、本州の南西部、四国、九州がユーラシアプレートの上に乗っています。これらの陸プレートの下に太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んで、複雑な力を及ぼし合うため、全国各地で大小さまざまなタイプの地震が絶え間なく発生しています。 国土地理院長の私的諮問機関である地震予知連絡会は、一九七〇年、一九七八年に地震観測強化及び対策を必要とする地震として、十カ所を指定しています。そして、五十年間に既に八カ所でマグニチュード六・八以上の大地震が発生しています。 日本の国土を形成する美しい山や台地、そして海や川、これらの自然の全てには、火山や地震、津波、台風などの歴史が刻まれています。私たちの暮らしや社会は、自然災害と隣り合わせにあったと言っても過言ではありません。日本最古の書物、日本書紀にも地震の記録があります。 大規模な自然災害は、私たちの暮らしを一変してしまう力があります。二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災は、私たち日本人の生活や産業、経済などに大きなダメージを与えました。災害の根源は、宮城県沖のマグニチュード九・〇の地震でしたが、それに伴う津波、そして福島原子力発電所の被災が未曾有の困難をもたらすことになりました。 大規模な自然災害では、とり得る対応策は限られています。高さ十数メートルの津波では、地震直後の高台への退避など、わずかな対応の差が生死を分けました。 一九九五年の阪神・淡路大震災、二〇〇四年の新潟県中越地震など、過去には大規模な震災を経験していますが、こうした経験から教訓を学んでいくことが、次の被害を防ぐことになると思います。 「天災は忘れたころにやってくる」と言ったのは地球物理学者の寺田寅彦ですが、近年になって、東海地震をはじめとする地震予知体制や被災後の法整備も整いつつあるように思います。また、台風や津波、雷、火山など、自然災害による被害を最小限に抑えるための取り組みも、国や地方自治体レベルで進められています。天理市では、津波や火山は関係ないと言えばそれまでですが、旅先や出張先で災害に遭うかもしれませんし、まだまだ個人レベルでの対応は十分にされているとは言えないと思います。 つい先日の九月十日、池上彰のニュース解説、報道特集のテレビ番組で「東海地震対策の見直しが始まった」と題した防災の知識の番組がありました。そして、みんなが一人でも多く防災の共通認識を持つことが非常に大切であると締めくくられました。番組の出演者の本当に地震は来るんですかという質問に対して、「絶対に来ます。地球が動いている限り、地震は必ず来る」と断言されていました。そして、三十年以内、計算によりますと二十七・五年らしいです。七〇%、マグニチュード七クラスが来る。そして、三十年以内という言葉に、三十年先のような錯覚をするかもしれないが、いままさに起きるかもしれないと話されていました。 もちろん、地震だけでなく、台風や水害など、いろいろな災害が含まれるわけですが、そんなことから、国土交通省では、平成二十六年一月に国土交通省水災害に関する防災・減災対策本部を設置し、台風等に伴う大規模な洪水や高潮による被害を最小化するために、総合的、緊急的に取り組むべき対策を検討してきました。 平成二十七年四月に開催した第二回対策本部会議では、国管理河川を対象に、市区町村における避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定すること、さらに、多数の機関が連携した本格的なタイムラインを試行的に策定するなどの中間取りまとめを決定いたしました。 平成二十七年八月に開催した第三回対策本部会議では、国管理河川を対象に、避難勧告等の発令に着目したタイムラインを平成三十二年度までに河川の氾濫により浸水するおそれのある七百三十市町村で策定し、さらに本格的なタイムラインを全国展開していくことを決定いたしました。 これまでの具体的な取り組みとして、平成二十六年度から避難勧告等の発令に着目したタイムラインの策定を開始し、五百七十市区町村で策定しています。また、本格的なタイムラインについては、荒川下流や庄内川等の十四カ所、平成二十八年七月時点において、自治体、インフラの管理者(道路、鉄道、下水道、電力、ガス、通信など)、警察、消防、自衛隊、関係企業等の防災に関係する機関(防災関係機関)と連携し、福祉施設からの避難、鉄道の運行停止等の災害発生前に実施する災害応急対策への取り組みが進められ、その検証も実施されているところです。 そして、台風などの風水害に備えて関係機関が事前にとるべき対応を時系列で整理したタイムライン(事前防災行動計画)を導入する動きは、八月末現在で対象七百三十市区町村のうち五百八十九市区町村で策定したことが、十日、国土交通省の集計でわかりました。 防災対応の不備が問われた茨城県常総市の水害を受け、約一年前の二百十六市区町村から大幅に増えました。昨年の関東・東北豪雨で常総市が大規模に浸水して十日で一年、鬼怒川の堤防決壊現場に避難指示が出ておらず、今年の台風十号でも、岩手県岩泉町で後手に回った対応が問題になりました。 これに対して、タイムラインは、台風の上陸予想時間などから、先を見越して動くのが特徴で、国交省は、早目の対応に変わればと期待しています。国内では、三重県紀宝町が二〇一四年度に初めて導入、二〇二〇年度までに国が指定する浸水想定区域がある七百三十自治体全て導入を目指しています。 そんなことから、天理市も防災行動計画(タイムライン)の策定を考えていく必要があると思います。 昨日も台風十六号が爪跡を残しました。県内六十世帯百人が避難しました。徳島では、降り出した雨が一時間で道路を冠水し、床下浸水になり、また、琵琶湖の水位も十一センチ上昇しました。天理市は、幸い大きな被害はありませんでしたが、このタイムラインについては導入が必要かと思いますが、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に、自主防災組織との連携についてお伺いいたします。 自分たちの地域は自分たちで守るという地域住民の自主的な防災意識と連帯感に基づいて結成された組織のことですが、地域住民が的確に行動し、被害を最小限にするため、日ごろから地域住民の防災知識の普及、啓発、防災訓練などを行っています。 災害時は、初期消火活動、被災者の救出・救助、情報の収集・伝達や避難所の運営など、非常に重要な役割を担っています。 先月、淡路島の北淡町へ行きました。そこで語り部の人の話を聞きましたが、阪神・淡路大震災では、地震直後には十六万四千人が瓦れきの下敷きになり、多くの人は自力で脱出したものの、三万五千人ほどが生き埋めになり、そのうち市民が救助した二万七千人は八割が生存していましたが、警察、消防、自衛隊が救出した七千九百人は半数が亡くなっていました。また、神戸市では、要救助者のうち五%を消防団、八五%を一般住民が救出したという推計があります。この北淡町では、次々と高齢者の人たちを救出しました。「一人の死者も出さず、全員助け出せました。死者ゼロです」と力強く言われ、普段からの自主防災や地域の連携の大切さを話されました。 このようなことから、私たちの住む天理市に置きかえてみますと、自主防災組織も地域によって差があります。災害が起こってから慌てるのではなく、知識、情報を一番よく知っている防災課の指導や情報提供など、災害時に機能するよう行政との連携、応援がぜひとも必要だと思います。これについては、いかがお考えでしょうか。 それともう一つ、避難場所の近くに防災倉庫があります。その中には、防災の備蓄物資が入っています。ご覧になられた方もおられると思いますが、倉庫内の物資の数はわずかな数で、いざというときには、間に合うのだろうかと思います。いまのうちに何らかの対策をとる必要があると思いますが、自主防災組織との連携、また、備蓄物資についてなど、どのようにお考えですか。お伺いいたします。 次に、防災から減災への対策についてでありますが、近年の自然災害では、死者の過半が六十五歳以上の高齢者です。また、障害や難病を持つ方、乳幼児、外国人なども災害からみずからを守ることが困難です。自治体は、このような災害時、要援護者を支援する計画を事前に定めることになっています。 大地震を無被害で乗り切ることは不可能です。また、あまりに過大な準備をすることは、経済的にも許されません。そこで、総合的で網羅的な地域防災計画の中から、最も効果的な分野を選択し、人材や税源などの資源を集中させることにより、被害を可能な限り減らそうというのが減災の考え方です。 地震被害を減らす対策を考えるためには、第一に、地震になったら現状ではどういう被害が生じるかを検討することが重要です。これが大地震の被害想定です。これは地域防災計画を策定するための前提条件であり、避難所の整備、食料や水の備蓄の基準となります。 以前、千葉県へ視察に行ったときにいただいた資料ですが、この資料なんですけれども、「大地震に備える」、また「大地震が起きたら」をテーマとし、わかりやすく図示された内容はもちろんですが、毎月一日、十五日を災害伝言ダイヤルの体験利用日にし、防災に対する市民の意識を高めています。天理市にも大いに役立つと思いますので、参考にしていただければありがたいと思います。 また、それ以外に、地盤の悪い地域で古い住宅に住んでいる人には、防災訓練より耐震補強が重要です。寝たきりの高齢者には、災害時にボランティアが支援する仕組みが、また赤ちゃんのいる家庭では、ミルクやおむつを多目に準備することが欠かせません。市民にとって最も必要な地震対策はそれぞれに違うのであり、これに応えるオーダーメードの防災対策が求められます。 天理市の場合はどのようなことが考えられていますか。お伺いいたします。 次に、救命の連鎖についてお伺いいたします。 傷病者の命を救い、社会復帰に導くために必要な一連の行いで、救命効果を高める四つの取り組みを救命の連鎖といいますが、最初の三つの輪は一般人が担うことになります。これらの役割を知り、適切に行動することで、救える命が増えます。 救命の連鎖とは、一、心停止の予防、二、心停止の早期認識と通報、三、一次救命処置、四、二次救命処置と心拍再開後の集中治療です。四つ目は、一般人ではなく、救急救命士や医師により行われるもので、高度な救命医療を意味します。救命の連鎖が全て迅速に行われて初めて傷病者の救命が成功する可能性が出てくると言われています。 逆に言えば、救命の連鎖の輪のどれか一つでも欠けてしまうと、救命の可能性はほとんどなくなるということになります。欧米に比べ、日本の心肺停止者の救命率はかなり低いと言われており、その原因として、一般の人々への救命の連鎖の浸透度合いの低さが挙げられるという見方もあります。救命の連鎖の考え方の浸透が望まれます。 また、市民の活躍への期待ですが、三つ目の輪である一次救命措置は、現場に居合わせた市民、バイスタンダーと呼ばれますが、これによって行われることが期待されています。心停止が起こったときは、時間との勝負です。救急隊が到着する前に、市民が心肺蘇生を行った場合は、行わなかった場合に比べて生存率が高いことがわかっています。また、市民が除細動を行った方が、救急隊が除細動を行うよりも早く実施できるため、社会復帰率が高いことがわかっています。 この背景には、除細動のタイムリミットが十分ほどだということがあります。心停止状態に陥った場合、何の救命処置もされずに十分経つと、その後の二次救命がいかに優れていても、ほとんど救命できないと言われています。心停止の救命は、倒れて十分の間に現場に居合わせた人が、何をするかで勝負が決まります。一般の方が救命の連鎖を支える重要な役割を担ってるのです。 子どもの場合、子どもの心停止の主な原因には、けが、溺水、窒息などがあります。これらは予防することが可能です。子どもがこういった状況に陥らないように、未然に防ぐことが重要です。子どもにおける心停止の予防は、これらの心停止の原因を予防することです。 成人の場合、成人の救命の連鎖における心停止の予防は、成人の突然死の原因として多い、急性心筋梗塞や脳卒中の初期症状に気づいて、迅速に救急車を要請することです。これら急性心筋梗塞や脳卒中の予防をし、リスクを低下させることはもちろん重要ですが、これらの症状の予防や予知には限界があります。初期症状にいかに早く気づき、いかに早く適切な対処を行うかが重要です。なお、急性心筋梗塞や脳卒中は、生活習慣病とも言われており、がんに続く日本三大の死因です。 また、先ほどの一次救命処置についてですが、心肺蘇生とAEDの使用が主な内容です。 心肺蘇生は、止まった心臓と呼吸を補助する行為です。心臓が止まると、十五秒以内に意識がなくなります。そして、三、四分以上そのままの状態が続くと、脳の回復は困難になると言われています。そのため、心臓が止まっている間、血流を送り出すポンプとして機能しなくなった心臓のかわりに、心肺蘇生法によって脳や心臓に血液を送り続けることは、非常に重要です。これによって、AEDによる心拍再開の効果が高まりますし、後遺症を残さないことにもなります。 このように、救命の連鎖を認識することは、とても大切なことだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、救命講習の充実と拡大についてですが、いままで長々発言した内容は、救命講習を受けると、一目瞭然です。救命講習の大切さは、言うまでもありません。しかし、受講者の人数を調べてみますと、平成二十六年から平成二十八年八月まで、企業も個人も天理市外の人も天理市の人も含めて、百七十六名でした。あまりの少なさに驚きました。でも、その分、これから意識を高め、頑張っていけるとも思い直しました。 奈良県広域消防組合消防本部では、この命にかかわる一番大切な部門の救命講習が行われています。受けてみて初めて、AEDで人が助かると思っていた自分の勘違いを大いに恥じました。また、たまたま命を助ける現場に偶然出合わせ、その講習で習ったことが生かされた事態に自分も驚き、この救命講習の大切さを感じました。消防署の呼びかけだけでなく、防災課も充実、拡大に力を入れる必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) それでは、今西議員の御質問にお答えをいたします。 いずれも防災・減災、あるいは救命について大変重要な御指摘を賜りまして、まことにありがとうございます。 まず、一点目のタイムライン(防災行動計画)の策定でございますけども、本市では、風水害等によりまして河川の洪水などの災害に際し、市職員または天理消防署、天理市消防団で構成する配備を行い、被害の軽減に努めるよう水防計画を策定しているところでございます。昨日につきましても、水防本部を設置いたしまして、累積雨量の逐次把握などを気象台の方とも連携をとりまして、また市内のパトロールの状況などと照らし合わせ、対策を検討していったところでございます。 しかしながら、大規模水害の発災のおそれがある場合に、発生以前から時間軸に沿った準備体制のマニュアルは、これは未策定という状況でございますので、事前から迅速かつ的確な対応がとれるように、いつ、誰が、どのように、何をするかをあらかじめ明確にしていくと共に、被害規模の軽減、早期の回復などを図るためにも、有識者の所見も取り入れながら、策定に向け、早期に取り組んでいきたい、かように考えているところでございます。 また、自主防災組織との連携でございますけれども、本市では自主防災組織の結成数が百三十一組織となっておりまして、結成率は約九三%でございます。ただ、まだ未結成の自治会もございますので、自主防災組織結成に向けての説明会などを行っているところでございますが、今後、より一層未結成の団体の解消に向けて取り組んでいきたい。 また、自主防災組織との連携については、年に一度、自主防災組織研修会を開催いたしまして、会員の皆様方に風水害あるいは地震等の知見を深めていただき、また自助、共助の精神に基づく自主防災組織の必要性を周知しているところでございます。 加えて、毎年校区ごとに市の防災訓練を開催しております。地域住民の皆様や自主防災組織の方々を対象に、避難訓練や避難所の運営訓練などを行っているところでございます。加えて、各自主防災組織からの依頼に応じて、集会所等に集まっていただき、講演や避難訓練などの支援もさせていただいているところでございます。 続きまして、備蓄物資でございますが、備蓄物資は、避難所四十八カ所全てに設置してございますコンテナの防災倉庫と、また、西長柄にございます市の防災備蓄倉庫に衣類、毛布、そして食料などを備蓄しているところでございます。 しかしながら、大規模災害時におきましては、避難者の数に見合う備蓄物資とは言えず、不足分の飲料水、食料、生活物資などの供給を受けるために、民間事業所等と防災協定の締結や防災協力事業所登録をいただいているところでございます。供給物資の内容といたしましては、食料、水などのほか、毛布などの災害緊急物資や生活必需品などとなっております。民間事業者等と協定や協力事業所登録をいただくことで、備蓄物資の不足分をカバーするのに加えまして、食料や水にはやはり賞味期限がございますことから、物資の期限切れなどの問題解消にもつながるというふうに考えております。 今後も計画的に整備等に努めていきたいと考えているところでございますが、これにあわせまして、やはり最近の災害の状況を見ておりますと、全国から支援物資が届くまでに一定の時間を要するのも、これは事実でございます。また、届いた物資を配布するのにも、相当の労力を要することが、これは明らかとなっております。やはり各御家庭におきましても、最低三日間程度何とかしのげていけるような、やはりそういった生活必需品や食料を確保していただくことも非常に重要であるというふうに思っておりまして、これは後ほどお答えしますが、講習等さまざまな機会にもお伝えし、今後とも発信に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、減災へという部分でございますけれども、議員も御指摘いただきました、いわゆる災害弱者と呼ばれる高齢者あるいは障害者の皆様方への対策ということでございますが、在宅の七十歳以上の一人世帯の方々などの避難行動要支援者に関する実態を把握いたしまして、そして、支援体制を確立するために大規模災害時に備え、平常時から地域の中で要支援者の方の情報を共有していくことが可能となるよう、いま、改めて本人同意の確認を含むリストの回収に向けて取り組んでいるところでございます。 これについては、個人情報保護との兼ね合いがどうしてもございますので、やはり御本人に御同意をいただき、そして地域の方々に情報を共有していいという体制をとるところが重要でございまして、現在、それに基づくカルテ策定等に向けても取り組んでいるところでございます。 また、こういったリストをしっかりつくっていくことを通じて、自主防災組織あるいは消防署等にも要支援者の状況を共有し、普段から声かけなどを通じて、避難時における支援などにつなげていきたいと考えております。 さらに、福祉施設との連携につきましても、たとえば社会福祉法人天寿会では、年に数回避難訓練を開催していただいておりまして、本年六月には、民生委員、消防、警察、市などの関係機関が参加、協力の中で、夜間の高齢者の避難訓練も実施をしていただきました。さらに、つい先日にも、サロンに通っていらっしゃる皆様方への避難訓練も実施しているところでございます。 今後とも、こういった福祉施設の皆様などとの連携も、より一層強化をしていきたいと考えております。 また、減災対策の例といたしましては、議員も御指摘のとおり、建物の耐震性を確保することも非常に重要でございまして、教育等の機関の耐震性の確保を最優先として、最近では、丹波市小学校、福住小学校、前栽小学校、嘉幡保育所等の施設整備も行ってきたところでございますが、国庫補助事業として昭和五十六年以前の既存木造住宅の無償耐震診断や耐震改修の補助、こちらも行っているところでございます。 引き続いて、建築物の耐震化や、また、道路、河川整備、ライフラインの強化など、ハード面での減災対策にも取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、救命の連鎖でございますけれども、こちらも御指摘ございましたとおり、一分一秒を争う、特に最初の十分間の間に命が失われる危険性は、急激に高まっていくということでございます。その命を救い、また、その方の社会復帰に導けるためにも、その傍らにいれば、救急車を待つだけではなく、直ちに正しい知識を持って行動に写し、いち早く適切な対応や治療が受けられる状況をつくらなければならないという意味では、救命の連鎖を日常から認識しなければならないというふうに思っておりまして、本市職員みずからも知識と技能の習得に努め、この救命の連鎖の重要性について、市民の皆様に発信をしていくことが重要であると考えております。 ここにおいて、市民向けの救命講習でございますが、天理消防署で専門的な救命講習会のほかに、消防フェアや市の防災訓練などのイベント開催時に救命講習を行っているところでございます。 また、消防団員の皆様方には、地域で救命処置ができるように、三年に一度救命講習を受講することを義務づけさせていただいておりまして、また、各地域の自主防災組織から救命講習の御要望に応じて、消防署や赤十字社の講師依頼等の御案内もさせていただいているところでございます。 しかしながら、消防署で開催される救命講習の参加者が定員に満たないという状況もある中、本市としては、広報紙や市のさまざまなイベントの機会なども通じて、積極的に周知を行うことで、一人でも多くの市民の皆様方に救命の知識を普及させたいと考えております。 また、市職員自身の受講といたしましても、平成二十三年度まで参加希望職員が受講できるように救命講習を開催しておりましたが、現在は新規採用職員、また幼稚園教諭、保育士に限って受講をしているところでございます。行政職員が命の大切さを知り、市民の先頭に立って救命処置ができるよう、消防と連携をとり、全ての市職員に救命講習を受講できる環境が整えられるように、積極的に取り組んでいきたいと、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆十三番(今西康世議員) ありがとうございます。 今後、防災のあり方を大きく変えていく必要があると言われています。 一つには、地球温暖化はなかなか止められない。それどころか、いままで以上に進んでいくだろうということが言われています。九月四日のNHKで日本の巨大危機が放送されました。日本列島を襲う異常気象や巨大地震(メガクライシス)、それから未知の気象災害の恐怖、また、異常気象の加速や落雷の被害にどう対応していくかということでしたが、こうなると、天理や奈良や桜井やというふうなレベルではないわけですけれども、私たちの心づもりとして、ぜひ想定外のことが起こり得る可能性は高いだろうと意識しておくことが、非常に大切になることだと思います。 まず、タイムラインについてお答えいただき、ありがとうございました。 この目的は、防災関係機関が、災害発生時の状況を想定し、共有した上で防災行動をまとめた基本的事項を定めて、災害対応力の向上を目指すものでございますが、これにより、被害の最小化、被害規模の軽減、早期の回復などを図るというものでございます。 アメリカでは、災害発生前の取り組みとして、このタイムラインがあるわけです。タイムラインは、ハリケーンによる高潮災害に備え、ハリケーンの進行状況に応じてどのような対応を実施するかなどの防災行動をあらかじめ計画として策定したものであり、それにより被害を最小限に食い止める工夫をしています。 二〇一二年に発生したハリケーン、サンディでは、ニュージャージー州を中心にタイムラインを活用して、交通機関による住民の避難支援や、その後の交通機関の通行停止などの防災行動を実施し、人命や社会経済的な被害の軽減を図りました。このニュージャージー州のバリア・アイランドでは、タイムラインの実践による早目の防災行動が功を奏して、死者数をゼロに抑えることができました。 しかし、一方、我が国では、これまで多くの防災関係機関が横断的に連携したタイムラインのような防災計画の策定が、必ずしも進んでいないことの現状により、うまく機能しなかったのも事実です。先ほど、市長がタイムラインについて、天理市も導入してこれからやっていくというふうにおっしゃっていただいたので、非常にありがたいと思います。 このタイムラインの効果を調べてみますと、一、災害時、実務担当者は先を見越した早目早目の行動ができます。また、意思決定者は、不測の事態の対応に専念できますと言っています。また、防災関係機関の責任の明確化、防災行動の抜け、漏れ落ちの防止が図られます。また、防災関係機関間では、顔の見える関係を構築できます。また、災害対応の振り返り(検証)、改善を容易に行うことができますと関係機関の方は答えています。 また、タイムラインを策定した市町村の、特に市民の声を調べてみますと、タイムラインを使い、市が一体となって落ちついて対応できたと思う。また、信頼関係があったので、情報のやりとりがスムーズだった。早目の点検により、施設の故障対応が出水前に完了した。要援護者の方々への対応を雨が降る前にでき、余裕が持てた。また、事前準備により、浄水場の濁度上昇に速やかに対応できた。実施すること明確になり、無駄な準備が省けたなど、たくさんの市民の声が上がっています。 そういうことから、タイムラインに早期に取り組んでいくという市長の回答をいただき、本当にありがたいことだと思います。 それから、備蓄物資のことについても、市内四十八カ所のコンテナと西長柄もあるわけですけれども、この辺のところの不足分は民間で補う、食料、水については賞味期限等もあるのでというふうなこともお話がありましたが、いつでもいいわけではないので、ある程度の時期、民間にお願いするならできるだけ早く、こういうことも備えてほしいという、その時期ということもひとつお尋ねしたい内容でございます。 それから、救命講習の充実と拡大のところでございますが、非常に講習の大切さ、また、職員にもこういう講習を受けてもらうという市長の回答でございましたが、私もこの講習を受けて初めて、AEDが人の命を救うのかな、あれで心臓が動くのかなと思ってたのが大間違いで、あれはただ心室細動を止めるだけであって、あとは心肺蘇生が非常に大事である。心肺蘇生は、一人でやってても、たとえば、救急車を呼んでくださいとか、いろんな指示を出す間も心肺蘇生を行わないと命が助からないわけですので、そういう意味では、より多くの、一人でも多くの人がそういうことを知っているということが天理市民の命を救うことだと思いますので、その辺のことも今後においては、講習の拡大と充実については、時期的なものもできるだけ早く、一人でも多くということでお願いしたいと思います。 その程度の内容ですが、これから消防、警察をはじめ福祉施設、いろんなところと連携を取り合った上で進めていかなければならないことで、そういう体制で進まれるという御回答をいただいたわけでございますけれども、できるだけ早急にと私は思うんですが、市長にしては、これはいつごろからスタートしようかとか、あまり備蓄物資が足らないままで、ずっと向こうに、民間のお世話になってというのでは、私は時期的に遅いと思うので、その時期的に何か市長としてのお考えがあればお聞かせ願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。 少しずつこれからということですが、目に見えているという、備えあれば憂いなしのその時期ですね、どれぐらいの時期から心がけておられるのか。また、市職員に対して、いわゆる救命、災害のそういう講習をできるだけ私は一日も早く受けてもらった方がいいと思いますが、その辺のことについては、どのようにお考えでしょうか。お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 御質問の点でございます。 これは災害時のタイムラインともかかわってくるかなというふうに思っておるわけでございますが、いま、事業所の民間の方との連携でございますけども、防災協定を締結する、あるいは防災協力事業所として登録をいただくに当たって、それぞれどの程度の物資をこちらに回していただけるのかということを、これは規定をしていっているという認識でございます。それを改めて本市が現在自前で持っている備蓄の部分と合わせまして、それがどのぐらいの速さできちんと集積ができるのかというのを踏まえまして、事前から対応をとっていく上で、このタイミングでは、その連携をしている事業所さんにお声がけをするというようなことについても検討を進めていきたいというふうに思っております。 また、職員、そして民間の皆様との連携も含めて、一人でも多くの方々に救命講習、あるいは適切な心肺蘇生等の処置がとれるようになるようにということでございますが、これはもうあらゆる機会を通じてやっていかなければいけないことだと思っておりますけれども、まずは、市職員がきちんと講習を受けられる体制というところについては、できるだけ早期に体制を整えていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆十三番(今西康世議員) ありがとうございました。 その回答を聞かせていただいて、本当によかったと思います。 紀伊半島の大水害から五年になりますけれども、奈良県でも死者・行方不明者が二十四人に達して、河川砂防百十四カ所、また道路百二十六カ所が崩壊したという身近な災害があります。 当時、平成二十三年のときですが、十津川村は九月二日、三日をピークに、四日まで激しい雨が降り続いて、観光協会長の田花敏郎さんという方ですが、村役場になぜ消防団を待機させないのかと言われたことがあり、国道百六十八号は村の南北で通行止めとなり、村は一時孤立状態になり、深い傷跡を残しました。 天理でも、たとえば藤井町でありますとか滝本のあちらの方に行くと、道が一本道なので、本当にこういうことが起こると孤立してしまうということになるわけです。 水害後、県のハザードマップで避難所の見直しが行われ、三年前には大規模な避難訓練も行われました。驚くような災害が起こってから、こんな事態は想定外でしたと言われて、それを聞いた市民の人たちは、それなら一体何を想定したのかという憤りを感じておられる現場の声を聞くことがありますが、とにかく一番は、何をおいても命は助かりたい、そして助かる命は助けたいと誰もが思います。 災害の少ない天理市に住んでいて本当にありがたいと思いますけれども、いつ何時、どんな場所で災害に遭うかわかりません。特に、地域によっては抱える課題がそれぞれ違うので、その課題に対応する天理型のタイムラインの強化も必要だというふうに思います。 避難に配慮を要する人についての対策として、市町村長は、高齢者、障害者等の災害時の避難に特に配慮を要する者について名簿を作成し、本人からの同意を得て、消防、民生委員等の関係者にあらかじめ情報提供をするものとするということもありますし、先ほど市長が御答弁いただいた中に、福祉施設との関係のお話もありましたが、ほか、名簿の作成に際し、必要な個人情報を利用できることとするということもあります。 災害時や緊急時において、普段から社会的に弱い立場にある人々が、より一層厳しい状況に置かれることがあろうということを踏まえねばなりません。東日本大震災においても、緊急避難の過程で、障害のある人やからだの不自由な高齢者が大勢犠牲になってしまったという現実があります。 なかなか難しい問題で、いろいろと大変なこともあるかと思いますが、私たち議員ももちろんですが、六万七千人の市民の上に立つ市長には特に、お互い議員共にですが、困難を乗り越えていただけるよう、いろいろな面に御配慮賜りますようお願いして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) しばらく休憩いたします。 午後一時より再開いたします。             午前十一時四十三分 休憩             午後一時 再開 ○議長(大橋基之議長) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き一般質問を行います。 十一番、寺井正則議員。     〔十一番 寺井正則議員 登壇〕 ◆十一番(寺井正則議員) 議長のお許しをいただきまして、これより一問一答方式で一般質問を行います。理事者並びに関係部局におかれましては、的確で前向きな答弁をよろしくお願いいたします。 今回の質問は、三件ございます。まず初めに、住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成することについて、二件目は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた本市活性化の取り組みについて、三件目は、無線LAN、いわゆるWi-Fiの整備について伺います。 初めに、住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成することについてお尋ねいたします。 被災者台帳とは、災害が発生した場合、被災者の援護を総合的かつ効果的に実施するための基礎となる台帳であり、災害対策基本法第九十条の三第一項において、市町村の長が作成することとされております。 被災者台帳を導入することによって、被災者の状況を的確に把握し、迅速な対応が可能になるほか、被災者が何度も申請を行わずに済む等、被災者の負担軽減が期待されております。このため、近年、東日本大震災や広島土砂災害、熊本地震等、大規模災害のみならず、今年の東北や北海道地域の台風の影響が起こりましたが、災害が多発する中、いざというときに被災者台帳の作成をスムーズに行うことが重要であります。 こうした実態を踏まえ、内閣府、特に防災担当におきましては、平成二十六年度被災者台帳調査業務報告書を取りまとめ、地方自治体に対し、先進事例集、導入支援実証報告及びチェックリストを提示しております。 本市においては、既に平成二十四年から被災者支援システムを導入しています。全国では、平成二十八年五月時点で九百四十自治体が導入しております。 この被災者支援システムは、一九九五年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた兵庫県西宮市が独自に開発したシステムで、現在、地方公共団体情報システム機構の被災者支援システム全国サポートセンターにおいて、全国の地方公共団体に無償で公開、提供されております。 このシステムの最大の特徴は、家屋被害ではなく、被災者を中心に据えている点です。住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成し、これをもとに罹災証明書の発行、支援金や義援金の交付、救援物資の管理、仮説住宅の入退去など、被災者支援に必要な情報を一元的に管理します。これによって、被災者支援業務の効率化はもとより、被災者支援業務の正確性及び公平性を図ることができるのであります。 被災者支援システムは、阪神・淡路大震災のさなかに、職員が被災住民のために開発したもので、必ずしも高いIT能力のある職員がいなければできないわけではありません。また、導入に当たって、地方自治体からの求めに応じて、被災者支援システム全国サポートセンターから講師派遣することも可能であります。 仮に民間企業に導入支援を委託したとしても、二十万円から約五十万円弱程度しかかかりません。新たな設備は特に必要なく、既存のパソコンがあれば十分対応できます。システム導入の自治体の一つである奈良県平群町では、二〇一五年に世界銀行が視察に訪れており、世界からも注目をされる取り組みとなっております。 他方、一昨年の広島土砂災害や今般の熊本地震においても、システムが導入されていたにもかかわらず、導入後の運用が適切になされていなかったため、いざというときに十分使えなかったという事例も発生しております。 災害発生時には、被災者の各種手続をスムーズに行うために、縦割り行政の壁を越えた連携が必要ですが、住民基本台帳のデータを連結し、毎日更新する仕組みをつくって、いつ災害が起きても運用できる体制になっているのは、昨年の六月時点で、全国においては平群町だけであったそうであります。これは、被災者支援システム全国サポートセンター、センター長であります吉田稔氏の意見であります。 本市は、災害時にきちんと稼働できる体制にあるのか。業務内容によって各部局にまたがる内容ですが、住民基本台帳のデータと連携した被災者台帳の作成や、被災者が何度も申請を行わずに済む等、被災者の負担軽減につながる運用になっているのか、市長にお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの寺井議員の御質問にお答えをさせていただきます。 本市の被災者支援システムにつきましては、過去において、寺井議員から御提案、御指摘もいただき、平成二十四年から導入を開始しているところでございます。 被災者支援システムは、住民情報システムと同様に、データセンターからのクラウド利用によるものでございまして、行政専用回線にパソコンを接続して利用が可能となります。また、被災者台帳を管理するために、最新の住民情報をシステムに更新するのは、およそ五分から十分程度で対応でき、被害時に罹災証明を発行できる体制を構築しております。 昨年度から、市職員に対しても事業者からの操作説明を受講させ、準備を進めているところですが、本年度からは操作研修の開催を予定しているところでございます。 また、システムには複数の機能が搭載されておりまして、住民基本台帳システムのデータをもとに、証明書発行や救援物資の管理、仮説住宅の入退去管理、また避難所関連情報の管理など、被災関連手続の業務に対応することが可能となっております。 これらの手続をシステムにより一元管理することで、被災者の皆様の手続等で負担を軽減することが期待できると考えております。 今後は、受講者の幅を拡大いたしまして研修を実施し、着実な運用を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 いま、市長の御所見におきましても、このシステムを利用することによって、一元的に管理することで、被災者の手続等で負担を軽減できる、これが一番の目的でございます。 次の質問に移りたいと思いますけども、職員は一般的に数年で人事異動が行われます。各関係部署の職員がシステムを使いこなせる体制にあることが重要であります。被災者支援システム全国サポートセンターでは、四年ほど前から、全国の自治体からの要請を受けて、無料の出前講座を行っているそうであります。この目的は、各自治体の職員の意識改革を行うこと、そして、システムの具体的な操作方法を研修、訓練することであります。 先進自治体では、全庁挙げての職員研修を実施しているようですが、本市はどのような状況か、被災者支援システム全国サポートセンターの出前講座を活用することなどについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの更問でございますが、被災者支援担当の職員の人事異動の際には、当該システムの概要や運用についても引き継ぎをすることとなっており、実際の操作につきましても、操作研修等を通じて掌握するように努めているところでございます。 議員御指摘いただきましたとおり、関係部署の職員につきましても、今後マニュアル等の配布をすると共に、操作研修会を行うように努めてまいりたいと考えておりまして、これに当たっては、被災者支援システム全国サポートセンターの出前講座との連携につきましても、今後検討してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 全国サポートセンターの出前講座についても積極的に活用していただくということでございます。 冒頭申し上げましたけども、広島の土砂災害とか熊本の地震のときも、被災者支援システムがあるにもかかわらず、適正に運用されなかったという事例がございましたので、いざというときに役に立つシステムであると思いますので、適正に運用されるようにお願いしておきたいと思います。 そうしたら、次の質問に移ります。 災害時の救援活動や被災者の各種手続を円滑に行うために、高齢者や障害者などの要援護者を事前に把握する要援護者管理システムと被災者支援システムの両システムを同時に導入することが、救援活動や生活再建により迅速な対応ができると思います。市長の所見をお尋ねいたします。 また、個人情報を掌握することでもあり、当事者の承諾が必要なことから、要援護者の掌握に困難を来している自治会があると聞き及んでおりますが、要援護者支援計画について、どのように取り組んでいかれるかについてもお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市では、西宮市が開発されました要援護者管理システムと全く同じものは導入しておりませんが、障害手帳等の等級レベルで要支援者の情報を抽出してデータベースの管理を行っているところでございます。 本市が運用しております要支援対象者のデータ管理は、要援護者管理システムにおける機能と同様のものであると考えているところでございます。 次に、要支援者の避難支援計画についてでございます。 昨日の仲西議員、また本日の今西議員にも御答弁させていただいたところでございますが、避難行動の要支援者に関する実態を把握し、支援体制を確立するために、大規模災害時に備えて、平常時から地域の皆様との間で要支援者の情報を共有していくことが可能になるよう、改めて本人同意の確認を含むリストの回収に向けて、現在、取り組んでいるところでございまして、これに当たっては、あらかじめ、自主防災組織の研修会や区長連合会の理事会でも趣旨をお話しして、私自身も御協力をお願いしてきたところでございます。 また、このことを受けまして、自主防災組織、消防署等でも要支援者の情報を提供し、普段から声かけなどを通じて、災害時における避難支援のネットワーク構築につなげていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 同様のシステムを導入しているということでございます。また、特に各自治会では、本人の同意が必要なことから、要援護者の掌握に困難を来しているというお話も聞きます。やはり要援護者を掌握している意味、内容について、しっかり当事者に説明をして、そして同意を得ることが大事であると思います。よろしくお願いしたいと思います。 また、消防署等にも要援護者の情報を提供しということで答弁がございましたけども、たとえば、いま広域で消防業務をされておりますので、地理情報システム(GIS)システムがありますので、もう名前、住所を入れたら、ぽんとピンポイントでどこかいうのがわかります。できれば、本市においてもGISシステムを導入して、たとえば、大規模地震で倒壊した建物の損壊の状況であるとか、要援護者がどこに住んでいるとか、そういうものを、要するにGISシステムを導入することによって、いろんなところに、先進的な自治体ではいろんな活用方法があって導入をされていることもあります。これも予算のかかることでございますので、ぜひ検討していっていただきたいということで要望しておきたいと思います。 提案でございますけども、住民参加の協働作業で防災かまどベンチ設置に取り組んではどうかということであります。れんが囲いの土台に木製の座板を載せたつくりで、普段はベンチ、災害時は炊き出しができるかまどとして利用できるもので、市内の指定避難場所などに設置するものであります。 かまどベンチの製作には、指定避難所周辺の自治会や自主防災組織などにも協力を依頼、一緒に汗を流すことで住民同士のきずなを深める場にもなっている。また、自治会単位で独自に設置するケースもあるとのことであります。 防災かまどベンチを設置することについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいま御質問いただきましたかまどベンチでございますけれども、昨年、田部町、これは区画整理のところにつくりました田部公園に二基設置をしたところでございます。他市町村の取り組みとしては、議員も御指摘のとおり、自主防災組織の会員様みずからが自作でレンガを組み合わせてこのベンチをつくっておられる例もあると承知をしておりますので、今後はそういった事例も参考にしながら、設置場所、あるいは設置数、費用面も含めて調査研究をしていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 田部町の公園にもう既に二基設置されているということでございます。また、地域のコミュニティのためにも、防災かまどベンチ活用についても、ぜひいま申されたとおり、前向きに検討していただきたいと思います。 それでは、二件目の質問に移りたいと思います。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた本市活性化の取り組みについてであります。 二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ立国、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興等に資する観点から、参加国・地域との人的、経済的、文化的な総合を図る地方公共団体をホストタウンとして、全国各地に広げる取り組みが推進されております。 本市が、本年六月二十四日に第二次登録団体としてホストタウンに登録されました。県内では、奈良市と大和郡山市も登録されております。本市の相手国はフランスですが、計画の特色は、フランス柔道育ての親と言われ、同国最高勲章を受賞した粟津正蔵師範の存在や、柔道強豪校としての実績のある天理大学では、フランス国の柔道関係者が定期的に研修を実施、この実績をもとに、柔道の事前合宿誘致を進めるとしています。 兵庫県姫路市などもフランス国の柔道関係者の合宿誘致を研究しており、競合する形になっております。今後どのように取り組んでいかれるのか、見通しなども含め、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまのオリンピック・パラリンピックに向けた取り組みということでございますけれども、先だってブラジル、リオデジャネイロで開催されたオリンピック柔道競技におきまして、大野将平選手が見事金メダル、また、パラリンピックでは正木健人選手が前回のロンドンの金に引き続いての銅メダルを獲得されたということで、お二人の御活躍は、天理市民はもとより日本、世界に勇気と元気をもたらしていただいたということで、先日、両選手の祝賀会の機会に、市民栄誉賞を皆様と御一緒に贈呈をさせていただいたところでございます。 三年後に日本で開催されるラグビーのワールドカップや、四年後の東京オリンピック・パラリンピック開催の機会に、出場国チームのキャンプ地を誘致することは、スポーツのまちを掲げる本市にとって、トップアスリートのプレーを間近に見られること、そして多くの関係者の来訪による地域の活性化や交流の進展、また、市民の皆さんみずからも天理のスポーツということについて深く御認識をいただき、世界にも発信できる絶好の機会であると考えております。 他方で、本市の財政状況において、新たな市の施設の新設や受け入れのための大規模な改修というのは、困難も伴うわけでございますが、天理教教会御本部あるいは天理大学では、ラグビーや柔道において、既に充実した設備を有しておられ、また、これらの競技において著名な選手やOBなど関係者も多数在籍されていることから、両者の御協力というのが前提にはなってまいりますけれども、両競技のチームキャンプ地誘致の具体的な検討も進めさせていただいているところでございます。 議員御指摘のホストタウンは、東京オリンピック・パラリンピックにおける事前の合宿や、参加国との交流事業などを行う登録自治体に対して、交流事業の一部を特別交付税措置するなど、地方創生の推進を目指す国の取り組みでございますが、フランス柔道とは、天理柔道会や天理大学において、定期的に研修や合宿が行われるなど、長年にわたり交流を育んでおられることから、本年六月にホストタウンの登録となったところでございます。 現在、天理柔道会、天理大学関係者ともキャンプ地誘致について、条件などの課題についても協議しているところでございますが、このほかにも、天理柔道に縁のある国も複数あるということでございますので、これらの国についても視野に入れながら、また受け入れの時期につきましても、直前なのか、あるいはオリンピックに向けて盛り上がっていく、それよりももう少し前の時期なのか、いろんなケースが想定されますので、柔軟に検討をしていきたいと考えております。 ラグビーにつきましては、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会を通じての誘致となり、受け入れる国や地域の選択権は自治体にはないというふうにされておりますが、組織委員会公認のキャンプ地として、関係団体からなるキャンプ地誘致準備委員会を立ち上げ、その申請に向けて十分な協議を行い、施設等の課題の解決も図っていきたいというふうに考えております。順調な手続ということでございますと、平成二十九年に組織委員会の調査を受けた後、公認キャンプ地として選定をされていくと、このような予定となっております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 このことを契機として、いま市長が申されましたように、スポーツのまちを標榜する本市、常々市長は、天理の強みを生かしたまちづくりということを申されております。トップアスリートのプレーを間近で見られること、また、多くの関係者の来訪による地域の活性化、また国際交流の進展、そして天理を世界に発信できる絶好の機会と捉えて取り組んでいただきたいと思います。 また、誘致についても、当初はフランス柔道ということでございましたが、ほかにも天理柔道に縁のある国が複数あるということで、そういったフランス以外も視野に入れて取り組んでいかれるということでございます。 また、ラグビーにおきましても、組織委員会の調査を受けた後に、公認キャンプ候補地として選定されたときに決まるということで答弁をいただきました。 次に、ホストタウンの推進に資する関係府省庁の取り組みが公表され、文化プログラムの実施に向けた文化庁の基本構想など種々公表されております。文化芸術立国の実現のために、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会及びラグビーワールドカップ二〇一九の機会を生かすと共に、それ以降も多様な文化芸術活動の発展や文化財の着実な保存、活用を目指し、組織委員会等と連携をして、二〇一六年秋から、全国津々浦々で文化プログラムを推進することになっています。 国の計画に準じて奈良県では、来年、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七と第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会が開催されることになっております。文化芸術立国の実現のために、また、本市活性化のためにどのように取り組んでいかれるのか、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 奈良県では、国民文化祭を、文化を奈良県のブランドとして全国に、そして二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを世界に向けた発信の機会というふうに捉えられています。 来年度、国民文化祭と障害者芸術・文化祭を全国で初めての一体開催として、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、また第十七回全国障害者芸術・文化祭で生まれる新たな交流を触媒として、日本各地の文化力を盛り上げ、我が国が目指す文化芸術立国の礎と本県がなることを目指されているわけでございます。 本市といたしましては、国民文化祭の基本理念のもとで、地域にある文化芸術資源を生かして交流を深めながら、つながりのある活動として、地域の活性化に資する取り組みを目指していきたいと考えおります。 この七月に国民文化祭天理実行委員会を立ち上げまして、議会より大橋議長、また各種団体より区長連合会長、障害者団体連合会長をはじめ、委員十六名の体制で現在国民文化祭の実施に向けて審議をしているところでございまして、既にプレ期間というものは始まっておりますので、この秋から行っていきますさまざまなイベントについても、既に国民文化祭のプレ事業というふうに位置付けを開始しているところでございます。 また、市内音楽団体の皆様の代表にお集まりいただき、音楽のまち推進委員会において、音楽等を主体とした市主催事業の企画を練っております。それに加えて、ダンス事業の企画においても同様に委員会を立ち上げ、準備をしているところでございます。 さらに、日ごろから文化芸術をされている皆様方に、国民文化祭への積極的な参加や連携を呼びかけ、オール天理で国民文化祭、障害者芸術・文化祭の取り組みを進めていきたいと考えております。 この国民文化祭は、ちょうど来年春の駅前広場リニューアルとも時期が重なってまいります。本市の芸術文化の発展となるような、継続した事業展開を視野に入れながら、東京オリンピック・パラリンピック、あるいはワールドカップ開催の機会というところも視野に入れまして、また、県の芸術家村構想ということも視野の中に含めて、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 どうか本市の活性化、また本市の芸術文化の発展となるような継続した事業展開を、いま申されたようにお願いしたいと思います。 それでは、最後に三件目の質問に移りたいと思います。 無線LAN(Wi-Fi)の整備についてであります。 三・一一の発災から五年を迎えた東日本大震災、この災害で浮き彫りになった課題の一つが、安否、交通、給水などの情報を得たり、連絡を取り合ったりするための通信手段の確保でありました。大規模災害時には、無線LAN(Wi-Fi)が有効とされておりますが、全国の防災拠点への設置は遅れております。 東日本大震災の発災直後、家族や友人の安否を確認しようと、固定電話と携帯電話による音声通話が集中しました。NTTドコモの発表では、携帯電話の音声通信量が、一時通常の五十から六十倍に上がった。一一〇番などの緊急の通話を確保するため、同社は最大で九〇%の通信を規制、つまり、電話を十回かけて一回つながる程度であり、固定電話でも同レベルの規制が行われたとのことでありました。 一方、メールなど携帯電話によるインターネット利用は、通信規制が行われなかったり、規制を実施した事業者でも、割合が最大三〇%かつ一時的なものだった。その理由は、データをパケットのように分割して送る仕組み、いわゆるパケット通信を採用しているため、一度に大量のデータを送る必要がある音声通話とは異なり、極端に通信量が増えることもないからであります。そこで、緊急時に強い連絡手段として注目をされました。 総務省の研究会が昨年五月に取りまとめた報告書によりますと、役場などの庁舎施設が九%、避難所一%、避難場所〇・一%とほとんどWi-Fiが整備されていない。全国の庁舎施設は、約九千カ所、避難場所、避難場所は約八万八千カ所あることから、それぞれの普及施設は九百カ所弱、一千カ所程度にとどまるとされております。外国人観光客らのニーズが高く、経済効果が見込める施設は、民間事業者によるWi-Fi整備が望めるが、防災拠点のようにいざというときへの備えは、自治体主導のはずであります。 政府は、Wi-Fi環境の整備促進のために、環境・防災Wi-Fiステーション整備事業及び公衆無線LAN環境整備支援事業で、防災や観光の拠点等における来訪者や住民の情報収集等の利便性を高めるため、観光拠点及び防災拠点等におけるWi-Fi環境の整備を行う地方公共団体、第三セクターに対し、その費用の一部の補助を行う事業を行っております。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人受け入れ環境の整備や地域の活性化等に寄与するため、主要な環境防災拠点等におけるWi-Fi環境の整備を推進する必要があります。 本市において、無線LAN(Wi-Fi)の整備は、観光案内所等には整備されておりますが、大規模災害時に有効とされる防災拠点への整備が遅れております。庁舎や公民館、体育館、学校などの避難施設、公園などの避難場所などに整備する考えについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 防災拠点としてのWi-Fi整備につきましては、総務省からも国庫補助金事業として周知をされておりますが、本市では、トレイルセンターや産業振興館、また、現在再整備中の天理駅前広場、そして来月竣工予定の櫟本公民館に市民向け公衆Wi-Fiを設置、または設置予定をしているところでございます。 これらは、まちづくり周遊観光などを目的として設置している意味合いが強うございまして、議員御指摘のとおり、大規模災害時に有効とされる防災拠点としてのWi-Fi整備については、今後、長柄運動公園といった広域避難所への導入など、対象場所や効果などを考慮しつつ検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 観光の拠点等にはWi-Fiが整備されてきましたけど、なかなか防災拠点、また避難所、広域避難所等への整備については、本市においては遅れているという見解も示された上で、今後、まず長柄運動公園といった広域避難所への整備について、検討していきたいという前向きな答弁をいただいております。 ぜひ防災拠点という視点でのWi-Fiの整備についても、積極的に推進していっていただきたいと思います。 これにて一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、八番、堀田佳照議員。     〔八番 堀田佳照議員 登壇〕 ◆八番(堀田佳照議員) 議長のお許しをいただき、一括質問方式にて、観光案内サイン、商工業の事業継承の二つの課題について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 観光立県奈良では、初めて奈良を訪れる国内外の多くの来訪者が、迷うことなく目的地に到着でき、周遊観光が促進できるように、観光案内サイン整備ガイドラインに基づき、県内で統一したサインの整備を展開していくということで、平成二十一年七月に策定した旧ガイドラインを七年ぶりに改訂いたしました。 従来の案内サインの問題点として、効率的かつ効果的な案内誘導となっていない、サインの統一性がなく、利用者にとってわかりにくい、案内が広範囲であるという点が指摘され、新ガイドラインでは、統一したサイン設置の方針を明記し、地域の状況に応じ、きめ細やかに対応できるよう盛り込んだとのことです。 県は、主要観光地でサインの整備を進め、東京五輪が開催される平成三十二年までに各地域で検討し、二百四十三カ所の増設を目標にしています。 ところで、この観光サインといっても、県の担当所管は道路環境課で、主要道路の案内板など、広範囲にわたる内容が含まれています。県では、新ガイドラインを基本方針として、各関係機関が連携、協力して柔軟に対応してほしいとのことで、本市では産業振興課が担当していますが、基本的な考え方は、県も市も同じだと思いますので、今回は、本市の観光標識について絞った項目で質問させていただきます。 さて、標識は大きく三つに分類されるのではないかと思います。一つ目としては、目的とする観光施設等への方向及び距離を表示している指示標識、いわゆる道標。二つ目は、主要な観光施設周辺において次の周遊を促進する周遊促進標識。三つ目は、鉄道駅や主要な駐車場、あるいは観光行動の基点などにある地図をメインにして、現在地や周遊観光施設などの位置関係を表示した図解標識です。 天理市における観光標識の現状をお聞かせください。よろしくお願いいたします。 もう一点、商工業の事業継承についてお伺いいたします。 奈良県においては、後継者不足の悩みを解消したいということで、後継者確保推進支援事業に取り組んでいます。これは、近年高齢化した企業、事業主が後継者不在により事業が存続できないことによる働く場の、雇用の創出が危惧されてきたことが要因です。 そこで、県内企業、事業所の実態調査を行い、事業継承に対する問題点、課題等を明らかにすると共に、後継者不足で悩む企業をデータベース化し、今後の支援につなげるといった事業です。 本市においても、小規模事業者は高齢化や後継者不足のため、廃業を余儀なくされているのが現状です。経営者の将来的な不安の解消、優秀な技術や経営のノウハウを次の世代に継承していくことが経済の発展、雇用の促進、まちの発展、にぎわいのあるまちづくりにつながっていくのではないかと考えます。 事業を渡したい者と事業を受け継ぎたい者とのマッチング支援について、本市の考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) それでは、ただいまの堀田議員の御質問でございますけれども、観光案内サインの現状については私から、そして、二番目の事業の継続ということについては環境経済部長から答弁をさせていただきたいと存じます。 まず、本市の観光案内サインは、主要な観光資源が山の辺の道沿いに集中しておりますことから、山の辺の道周辺やJR各駅から山の辺の道へのアクセス上を中心に整備が進んでいるところでございます。 平成十九年当時、国の交付金を活用し、豊井町から渋谷にかけての山の辺の道沿いの道標等のサインにつきまして、設置場所や設置主体、そして道標案内板等の種類や材質などの設置状況を調べたということがございました。 このときには、調査エリアが市内全域ではなかったので、それ以外の地域も把握できているというわけではございませんが、その資料によりますと、種類の分別が若干異なるんですけれども、誘導のための標識が百十、案内の標識が十四、解説の標識二十二、その他の標識五十六基で、うち六割は天理市と環境省、奈良県、山の辺の道美化促進協議会の設置によるものであるということでございます。 また、設置をしておりますサインの種別では、環境省、奈良県、山の辺の道美化促進協議会が設置したものは、誘導を目的とした標識の割合が高うございまして、天理市設置のものは、誘導標識のほか、案内標識、あるいは解説の標識など、多様な内容となっております。 その後、平成二十年度、そして平成二十一年度において、山の辺の道のサブのルートを中心に、誘導標識十七基、天理、長柄、柳本のJR各駅前の広場に大型の広域観光情報を盛り込んだ案内標識三基が設置をされております。 ○議長(大橋基之議長) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(北門克之) 続きまして、二点目の商工業の事業継承についてお答えいたします。 本年二月に奈良労働局との一体的就労支援事業といたしまして、天理市しごとセンターを設置し、ハローワークと産業振興課が相互に連携して、就職支援を行っているところでございます。 また、産業振興の取り組みといたしまして、ビジネスチャンスや人脈づくりなど、新たなつながりのきっかけの場となるよう、事業者同士の交流の場として、異業種交流会を開催しておりますが、本年度はしごとセンターで七月二十九日に開催いたしました。一部は、中小機構近畿から講師を迎え、セミナーとして「販路拡大と流通」について講演いただきました。二部は、異業種交流会として、市内外の事業所同士が名刺交換会、意見交換会を行いました。参加者は、商工業系を中心に、二十九社の四十二名で、アンケートでは、「いろいろな方と交流できてよかった」「またやってほしい」など、おおむね良好な意見を多くいただいていますので、引き続き異業種交流会を開催し、今後はビジネスマッチングまでつながっていくことを期待しております。 創業支援に関しましては、産業競争力強化法に基づく天理市創業支援事業計画の国の認定を平成二十七年五月に受けておりますが、中小企業者の創業予定者のために、しごとセンター内産業競争力強化室にワンストップ窓口を設け、また、天理市商工会へ補助金を交付して、経営、財務、人材育成、販路開拓についての創業支援セミナーを開催し、元気、やる気のある方の新たな創業を支援しております。 創業セミナーは、十月、十一月に全四回、二十時間を予定しております。募集は二十名でございますが、現時点で、男女合わせて十一名の申し込みがございます。 議員より御指摘いただきました事業を渡したい方と事業を受け継ぎたい方とのマッチングは、優秀な技術や経営ノウハウの流出、喪失を抑え、また、事業所が存続することによる働く場や雇用の確保ができる有効な手法の一つと認識しております。まずは産業振興課の職員が事業所を訪問するなど、さまざまな機会を通じまして、市内事業所の実態調査を行い、事業継承に対する問題点、課題を明らかにしつつ、マッチング支援について、有効な施策を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 堀田議員。 ◆八番(堀田佳照議員) ありがとうございます。観光案内の最大のポイントは、やはりわかりやすいという点が一番重要ではないかと思います。 観光客(来訪客)のおもてなしとは、また訪れたい、観光したいという思いを持っていただくことで、案内の気配りや親切さが重要になってきます。目的地への道に迷ったり、不確かな情報を伝えてしまえば、リピーターとして二度と訪れていただけないということにもなりかねません。 いまも市長が述べられましたように、調査の一部においてでも、種類の違うたくさんの標識が点在し、設置者も異なり、多様な内容ということです。地域性や設置者、団体等の意向や歴史文化のアピールを独自のルールで定められていることもあり、内容も多様化しているのは当然ですが、山の辺の道のルート、東海自然歩道において、県では、平成二十八年度の事業として、予算を三百万円計上し、奈良盆地周遊型ウオークルートの造成事業として、矢羽根型看板に奈良をイメージできるモチーフや形の取り組み、多彩な沿道景観との調和をコンセプトに、奈良の色として定着している蘇芳色、黒みを帯びた赤色を基調色としたプレートを取り付け、目的地への案内をしています。いままで以上にわかりやすくなっているのが現状です。 また、卑弥呼の里、卑弥呼の影絵をモチーフにした地域の名所や施設を示す看板、これは天理市が設置されたと思いますが、山の辺の道美化促進協議会の設置した矢羽根型の看板などがあり、景観と調和したつくりではありますが、県との統一性には欠けているといった現状で、卑弥呼の里の看板も、白色を基調にしていて見づらく、老朽化してきている箇所もあります。 さらに、大和・山の辺の道探訪物語の道標、これは県ですか、市もかんでいると思いますが、そういったさまざまな標識が点在しているというのがいまの現状です。中には、看板だけで、字が消えているものや、意味のわかりにくいような立て看板もありました。 いま言われたような、さまざまな設置者や関係団体との連携や協力のもと、利用者あるいは観光客にとっても紛らわしいとか必要でないといったことも考えられるものに対しては、指示標識において、当然、それぞれの設置者の意向もあると思いますが、調整の上、一定の整備をされてもいいのではないかと思います。 また、観光客が安心して移動できる環境整備においては、きめ細やかな対応が必要であり、図解標識として、いま、櫟本駅、天理駅は工事のため、いまは撤去されていますが、長柄駅、柳本駅に大きな案内板サインが設置されています。 インバウンドの増加に伴う多言語対応について、いま現在は三カ国語(日本語、英語、韓国語)が明記されています。また、視覚による情報伝達が可能な絵で表示したピクトグラムにおいても、過度の表示は避けたいのですが、見た目には、やはりわかりやすいのが現状です。今後、表示面の大きさや情報量とのバランスを考慮していただき、もう少し増やしていただいてもいいのではないかと思います。 また、もう一つ親切さをアピールするなら、距離や時間の目安の明記があればと思います。一部には距離は書いている部分もあるんですが、できましたら、距離あるいは時間がある程度の目安になれば歩きやすいのではないかと思います。 そして、今後、一番見直し、評価を必要とするのは、周遊促進標識ではないかと思っています。市長は常々、市内観光ルートの充実を図り、県内周遊ルートの拠点として、近隣市町村との連携を強化していきたいと言われています。周遊観光の促進には、やはり広域観光案内の整備が不可欠です。国の地方創生の影響を受け、本市においても食と旅の拠点施設、今度天理駅前広場に「にぎわい、つながる街空間」コフフンが四月に完成いたします。また、歴史文化周遊観光の拠点として、これもまた四月にイメージチェンジされた柳本のトレイルセンターがオープンいたします。櫟本では、北のトレイルセンターと位置付けされる公民館がまたオープンします。それぞれの点から線へとつながる動線が確立されていくのではないかと思います。 駅前からのサイクルエリアにおけるクロスバイク等でのツーリングでは、奈良市や明日香村への広域的な観光振興、あるいはトレッキングやノルディックウオークの新しい歩き方の提案やイベントが開催され、その事業に伴う周遊観光サインも重要になってくるのではないかと思います。 市長も、朝の回答の中で言われていましたが、この五月二十九日に「ツール・ド・ニッポン in 奈良・天理」では、雑誌ペーパースカイが企画したウオーキングサイクリングを組み合わせたイベントが二日間にわたり開催され、日本各地から参加者があり、地域のおもてなしに喜んで帰られたのは、記憶に新しいところです。 また、トレイルセンターを拠点として、隣の桜井市と歴史文化遺産を発信し、食と歩くコースの設定も可能です。また、龍王山への登山もパッケージ化すれば、アウトドア派にとっても魅力が増し、楽しみがいくらでも膨らんでくるのではないかと考えます。また、奈良県における農村周遊自転車ルート計画の整備が進めば、隣の桜井市の纏向遺跡から田原本町の唐古・鍵遺跡とつながっていきます。もっと明日香までも足を延ばしてもいいのではないかと思います。 これからは、従来の山の辺の道のウオーキングだけにとどまらず、多様な広域周遊が展開でき、幅広い人々の集客に期待できるのではないかと思っています。 また、県の(仮称)国際芸術家村も、将来誕生すれば、ますます夢が膨らんできます。 県の改訂ポイントの中に、新たにコンパクトなタイプの観光案内サインを設置ということが盛り込まれています。周遊促進標識の役割と特徴は、次の周遊を促進するため、特徴、魅力等の表示、周遊の見どころ、施設までの移動所要時間、休館日時を文章や写真で表示し、そして、多言語として、日本語以外に英語、中国語、韓国語となっています。 コンパクトに限られたスペース内でさまざまな情報を周知するのは、かえってわかりづらくなる可能性もありますが、できれば、ABCコースといったモデルコースを設定し、コンパクトな周遊観光として案内することも一つの方法ではないかと思います。 たとえば、食を中心とした観光ルート、あるいは歴史文化を中心とした観光ルート、アウトドア的な観光ルートサイクリングハイキングコースなどといった、いろいろな工夫したコース設定が考えられるのではないかと思います。また、リピーターにとっても楽しみが増え、訪れる回数が増えてきます。 本市のブランディングプロデューサー、グラフの服部氏がおられますので、天理市ならではのよいアイデアを考えていただければどうかと考えていますが、その点、市長のお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。 そして、商工業の事業継承については、現在のどの地域の商工会においても、後継者不足、技術者の高齢化、若手育成不足で悩み、開業する事業所より廃業する率が上回っています。産業競争力強化室では、先に述べられました異業種交流会を開催し、産業間のビジネスマッチングによる新たな展開に取り組むことによる産業の振興を進められています。 また、創業支援においては、商工会や各関係機関と連携し、相談窓口として創業予定者や創業後五年未満の方、また第二創業を考えている方に対し支援を実施し、地域振興を図っています。 確かに、新たな起業誘致の優遇制度や新規事業に対する支援策も、地域振興あるいは雇用促進において大切ですが、既存のいまある小規模事業者を整え、守っていくことも重要ではないかと思っています。事業主の中には、家族に後継者がいなく、困っている方、日本のものづくりのよさや技術を次に伝えたい方もおられるのではないかと思います。また、アイデア、工夫次第でまだまだ継承できる仕事や店舗も考えられます。 一方で、何か事業をしたい、技術を得たい、小規模な店舗経営を望んでいる方もおられます。 先の商工会戦略会議の中で、会員のメンバーの協力で、このような課題の実態調査をする必要があるといった意見も出ていました。行政単独での調査には限界があり、スムーズに事が運ばないと思います。情報交換や情報収集をしてデータベース化し対応するためには、それぞれの地域と密着した商工会と連携し、協力し合えばよいではないかと思います。 いま、北門部長も御存じのように、農業分野において、既に後継者不足の解消策として、農地の有効利用と農業経営の効率化を図るため、農地を貸したい人、借りたい人とのマッチング事業が、県の主導のもと、天理市が窓口となって進められており、少しずつ成果があるということを聞いています。 公的機関がかかわることで、安心が担保され、優遇措置も期待できるのではないかということで、ぼちぼち事業が進められてきたのではないかと思います。事業廃業者の減少に歯止めをかけるためにも、商工会とタッグを組んでいただき、事業を渡したい者、事業を受け継ぎたい者とのマッチングの支援事業の取り組みをぜひお願いいたしておきます。よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) それでは、周遊観光促進と、またサインについてお答えをさせていただきますけれども、議員が御指摘のとおり、従来の山の辺の道のウオーキングを中心とするような表示にとどまらず、広域的な周遊観光を促進することが必要だというふうに思っておりまして、また、来られる方も、歴史文化、あるいは食、現代的なものと、その目的もさまざまでございますので、ニーズに合った対応が重要であるというふうに思っております。 ハイカーやサイクリストなど利用者の目的に沿ったわかりやすい情報をしっかりと提供する、あるいはサインがただの機能だけではなくて、エリア全体の魅力を伝える空間づくりにもしっかり寄与できるような観光資源の一つとして捉えていくことが重要かというふうに考えております。 現在、奈良からの観光客を天理へ呼び込み、天理の市北部の文化資源をめぐっていただいて、地域の活性化にもつながっていくように、櫟本校区の皆様と御一緒に「伝・山の辺の道」の道標整備にも取り組んでいるところでございます。 これからさらに周遊観光を促進していく上では、天理駅前広場、そしてトレイルセンター、また今後計画が進んでまいります(仮称)奈良県国際芸術家村をつなぎ、めぐるルート、あるいは日本の源流トライアングルとも呼んでおりますが、天理、桜井、磯城郡を回るルート、さらには、広域的に各拠点を自転車で回っていくような、議員にもご紹介いただいた「ツール・ド・ニッポン」のような取り組みを重ねていく必要があるというふうに思っておりまして、これに当たっては、天理駅前広場における食と旅の拠点、また、今回の議会に上程しておりますトレイルセンターの指定管理事業者などともしっかりと連携をしていきながら取り組んでまいりたいと考えております。 そして、県のガイドラインの趣旨も踏まえまして、サインにおいては、多言語化と、あと過度の情報があるとわかりづらいというのも御指摘のとおりだと思いますので、利用者の目線に沿った整備に努めてまいりまして、また、ルートのさまざまなメディア媒体での情報発信ということも合わせて進めてまいりたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 堀田議員。 ◆八番(堀田佳照議員) ありがとうございます。 サイン、標識ですね。設置してそれでいいとは限らず、やっぱり御案内サインの維持管理あるいはマネジメントが大切であり、定期的な点検、あるいは老朽化の対応や補修、交換、施設の変更等において、速やかに修正措置をとることも、来ていただく人へのおもてなしではないかと思っています。 そして、飛鳥地方では、広域観光の周遊支援に向けて、飛鳥観光案内サイン整備計画が進められています。もともとこの地域は、今井町や橿原神宮、藤原宮跡、大和三山、飛鳥京跡、国営飛鳥歴史公園、土佐街道、あるいは高取城跡等の飛鳥地方が有する数多くの歴史施設を有する広域観光拠点であり、各団体が連携し、協働事業として新たな飛鳥観光案内サインを設置するとのことです。 天理市においても、いま現在は山の辺の道(東海自然道)を線とした観光ルートは確立していますが、まだ面として捉えていくのはこれからではないかと思います。今後、本市においても、朝の同僚議員の質問のように、貴重な文化遺産が数多く本市もあります。また、隣の桜井市において、また田原本町、また奈良市との協働のもと、桜井市ではまほろばの発信ということで大和古墳群の発祥地でもあり、大和朝廷が栄え、卑弥呼伝説等でも数々宣伝しています。また、西へ行くと、田原本町の唐古あるいは鍵遺跡、また奈良からも、先ほど市長も言われましたように、観光客を迎えるようなストーリー性を確立していただければ、広域観光として決して飛鳥地方に見劣りしないような地域になってくるのではないかと思っています。 グランドデザインを掲げ、山の辺の道の世界遺産登録に向けて取り組んでいただくことを切にお願いして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より二十五日まで休会し、二十六日午前十時より再開いたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。                      午後二時六分 散会...