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03月08日-02号

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  1. 奈良市議会 2021-03-08
    03月08日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    令和 3年  3月 定例会令和3年奈良市議会3月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   令和3年3月8日(月曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第4号 令和2年度奈良市一般会計補正予算(第9号)       議案第5号 令和2年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)       議案第6号 令和2年度奈良市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)       議案第7号 令和2年度奈良市病院事業会計補正予算(第3号)       議案第8号 奈良市長の退職手当の特例に関する条例の制定について       議案第9号 奈良市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について       議案第10号 奈良市固定資産評価審査委員会条例の一部改正について       議案第11号 奈良市興行場法施行条例の一部改正について       議案第12号 奈良市地域経済牽引事業の促進に係る固定資産税の特例に関する条例の一部改正について       議案第13号 新市建設計画の変更について       議案第14号 財産の取得について       議案第15号 工事請負契約の締結について       議案第16号 工事請負契約の締結について       議案第17号 令和3年度奈良市一般会計予算       議案第18号 令和3年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第19号 令和3年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第20号 令和3年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第21号 令和3年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第22号 令和3年度奈良市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第23号 令和3年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第24号 令和3年度奈良市病院事業会計予算       議案第25号 令和3年度奈良市水道事業会計予算       議案第26号 令和3年度奈良市下水道事業会計予算       議案第27号 奈良市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部改正について       議案第28号 奈良市特別会計条例の一部改正について       議案第29号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第30号 奈良市更生支援に関する条例の制定について       議案第31号 奈良市放課後児童健全育成事業施設条例の一部改正について       議案第32号 奈良市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について       議案第33号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について       議案第34号 奈良市介護保険条例の一部改正について       議案第35号 奈良市営駐車場条例の一部改正について       議案第36号 奈良市勤労者総合福祉センター条例の一部改正について       議案第37号 奈良市道路占用料に関する条例の一部改正について       議案第38号 奈良市立学校設置条例の一部改正について       議案第39号 奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について       議案第40号 包括外部監査契約の締結について       議案第41号 市道路線の廃止について       議案第42号 市道路線の認定について       議案第43号 町の区域の変更について       議案第44号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第45号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第46号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第47号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第48号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第49号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第50号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第51号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第52号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第53号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第54号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第55号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第56号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第57号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第58号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第59号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第60号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第61号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第63号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第64号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第65号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第66号 奈良県市町村総合事務組合を組織する地方公共団体の数の減少及び奈良県市町村総合事務組合規約の変更について       議会議案第1号 奈良市情報公開条例の一部改正について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(37名)  1番 道端孝治君      2番 塚本 勝君  3番 樋口清二郎君     4番 山出哲史君  5番 林 政行君      6番 松下幸治君  7番 阪本美知子君     8番 山本直子君  9番 白川健太郎君     10番 山本憲宥君  11番 太田晃司君      12番 階戸幸一君  13番 横井雄一君      14番 宮池 明君  15番 早田哲朗君      16番 三橋和史君  17番 大西淳文君      18番 柿本元気君  19番 酒井孝江君      20番 山口裕司君  21番 北村拓哉君      22番 八尾俊宏君  23番 東久保耕也君     24番 内藤智司君  26番 藤田幸代君      27番 田畑日佐恵君  28番 九里雄二君      29番 三浦教次君  30番 松石聖一君      31番 鍵田美智子君  32番 井上昌弘君      34番 森田一成君  35番 土田敏朗君      36番 北 良晃君  37番 中西吉日出君     38番 伊藤 剛君  39番 森岡弘之君 欠席議員  なし 欠番  25番 33番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      向井政彦君  副市長      西谷忠雄君   危機管理監    國友 昭君  総合政策部長   真銅正宣君   総務部長     吉村啓信君  市民部長     深村 浩君   福祉部長     米浪奈美子君  子ども未来部長  鈴木千恵美君  健康医療部長   佐藤敏行君  環境部長     奥田晴久君   観光経済部長   梅森義弘君  都市整備部長   荻田勝人君   建設部長     木村康貴君  企業局長     池田 修君   消防局長     西岡光治君  教育長      北谷雅人君   教育部長     立石堅志君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   谷田健次君  財政課長     小西啓詞君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     梶 正樹    事務局次長    中井史栄  議会総務課長   児林尚史    議事調査課長   秋田良久  議事調査課長補佐 杉野真弥    議事調査課主査  米浪高之  議事係長     中山辰郎    調査係長     大村一平-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○議長(三浦教次君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第4号 令和2年度奈良市一般会計補正予算(第9号) 外62件(質疑並びに一般質問) ○議長(三浦教次君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第4号 令和2年度奈良市一般会計補正予算より議案第61号までの58議案及び議案第63号 公の施設の指定管理者の指定についてより議案第66号までの4議案並びに議会議案第1号 奈良市情報公開条例の一部改正について、以上63議案を一括して議題といたします。 本案につきましては、既に去る2日の本会議において、市長並びに提出議員より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 36番北君。   (36番 北 良晃君 登壇) ◆36番(北良晃君) おはようございます。自民党の北でございます。 会派を代表いたしまして、通告いたしております数点について、市長に質問いたします。 昨年の4月に緊急事態宣言が発せられ、新型コロナ対策などをはじめ臨時議会が3回も開催されるなど、国の緊急対策の対応などに追われた1年でございました。市長も今まで経験されたことのない年であったのではないかと思慮いたします。 また、本市におきましても、保健、医療、福祉、救急等の現場で、昼夜を問わずウイルスとの戦いに御尽力いただいております皆様方に感謝を申し上げます。そして、今なお入院等されておられます方々にお見舞いを申し上げます。 コロナ感染症の影響により、我が国は、戦後最大といっていいほどの経済危機に直面し、本市の財政面におきましても税収の減収が見込まれる等、さらに危機的な状況に陥るのではと危惧いたします。今、ニュースもそうですし、市民の方々の話題もほとんどがコロナです。終息の切り札と期待されておりますワクチンの接種が始まります。一日も早い終息を願います。 さて、政府は、昨年12月に令和2年度第3次補正予算を閣議決定し、さらに令和3年度予算案とともに15か月予算として一体的な予算編成をされ、新型コロナウイルス感染症の終息の兆しが見えない中、感染症拡大防止策として地方自治体の取組を支援するため、地方創生臨時交付金を1兆5000億円計上し、また検査体制の充実やワクチン接種の整備に8204億円を確保されました。それが1月28日、成立いたしました。 令和3年度予算案では、一般会計総額は、新型コロナウイルス対策関連費用が大きく上積みされたため106兆6097億円となり、9年連続で過去最高を記録いたしました。令和3年度の地方財政計画の規模は、前年度比1.0%の減、89兆8400億円となり、前年を下回るのは平成24年度以来9年ぶりとのことでございます。地方の財源不足に伴い発行する臨時財政対策債は74.5%増の5兆4796億円となり、自治体が自由に使える一般財源総額は、0.5%減の63兆1432億円となっております。 また、新たに地域デジタル社会推進費を新設され、2000億円を計上されております。さらに、地方創生を支えるため、まち・ひと・しごと創生事業費に1兆円、地域社会の維持・再生に向けた施策のための地域社会再生事業費に4200億円確保されました。感染症対応業務に従事する保健師を今後2年間で900人増員するとの報道もございました。 そこで、国の地方財政計画を受けて、奈良市の令和3年度予算編成での留意点と収支不足対策について伺います。 次に、今回、国の第3次補正予算を受けて、3月議会に多くのコロナ関連予算が補正予算と当初予算案に提案されております。国の第3次補正予算には、引き続き新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が1兆5000億円計上されておりますが、奈良市の交付限度額と、令和3年度当初予算案にどのように活用されたのかお聞きをいたします。 次に、令和2年度の予算執行についてでございます。 コロナ禍において令和2年度は、当初決定していた事業を中止したもの、実施方法を変更し、感染拡大に配慮しながら実施したもの等々、様々な対応で事業が進められたと承知をいたしております。一方、市以外の補助金交付団体が実施する事業も、同様にコロナ対応を余儀なくされたと思われますが、補助金交付に際し、実績を確認し、事業の実施状況に合わせて交付する統一的な方針が必要かと思われますが、この対応についてお聞きをいたします。 次に、新市建設計画の変更について伺います。 新市建設計画は、当初平成17年度から平成26年度の10年間の計画期間でしたが、平成23年8月に東日本大震災等に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律が施行され、合併特例債の発行期限が15年間延長されましたことを受けて、平成26年3月議会において、計画の期限を平成32年度、すなわち令和2年度末まで延長し、事業を進められております。その後、新斎苑建設工事のスケジュールの遅延が懸念される中、平成30年4月に同法律が改正され、最長20年間まで合併特例債の許可、発行が可能になり、本市においては令和7年度まで延長することが可能となりました。 今回の新市建設計画の延長は、新斎苑建設事業のスケジュールを受けて判断されたと思いますが、今回、このタイミングで計画期間を延長することとした経緯についてお尋ねいたします。 また、新斎苑建設事業以外にも今年度末までに完了しない事業についても、併せてお聞きをいたします。 次に、新斎苑建設事業についてです。 当初示された事業費は49億6195万2000円でしたが、今回、令和2年度補正予算として6億8000万円の追加費用が計上されております。新斎苑建設事業の追加費用については、これまでもその額及び補正予算提出時期について確認をしてきたところでございますが、これまで最終段階での精算ということでありました。しかし、今回、土木工事が終了した段階で、土木工事における変更部分及び今後の建設部分における変動も含めて各変動部分を精査され、事業者との協議も一定終わったということで提案されたと理解をいたしております。今回、この金額は、当初示された事業費49億6195万2000円と比較しますと13.7%にもなります。 そこでお聞きをいたします。 この6億8000万円の内訳とこれに対する財源について。また、これに伴う契約変更はいつされる予定であるのか。 さらに、今回新たに債務負担行為の設定を行っておられますが、その理由と内容についてお聞きいたします。 次に、企業誘致とそのインフラ整備についてお聞きいたします。 本市における企業誘致の推進につきましては、令和2年3月議会において、税制面の優遇措置及び規制緩和に関する条例が制定され、企業誘致についてさらに本格的な取組を進めていただいております。ただ、コロナ禍において企業の設備投資が見通せない状況でもございます。企業側にとっては、魅力的な用地を提案していくことが一つのポイントかと思います。 まず、企業誘致に係る諸制度について、その整備状況について改めてお聞きをいたします。 企業誘致につきましては、多くの自治体が取組を進めておられ、特に製造業等の企業誘致実現にはある程度の時間を要すると思いますが、令和2年度における成果についてお聞きをいたします。 次に、IT企業などをターゲットとしたサテライトオフィスの誘致については、本市において特色ある取組をされていると認識をしております。 そこで、これまでの取組や成果を踏まえ、令和3年度以降の企業誘致の方向性についてお聞きをいたします。 さらに、企業誘致に伴い、インフラ整備は必要なものです。その一つは水道事業給水体制です。旧奈良市地域は全地域が給水区域に入っているとお聞きをしておりますが、都祁地域におきましては、旧都祁村時代から水源の確保が難しく、全地域が給水区域とはなっておりません。現に企業が進出してくれ、稼働されているところでも、給水区域に入っていないところは自家井戸で対応されております。 そこで、企業誘致した場所での水道事業の対応について、これはすぐにはいかないと理解をしておりますが、都祁地域も奈良市と同様、全地域を給水区域とすることについてのお考えをお聞きいたします。 次に、本市の基幹産業であります観光事業についてです。 コロナ禍の中、観光客、観光消費額が落ち込んでおります。そこで、アフターコロナを見据えた観光客の誘致と観光消費額の増加に向けた取組についてお聞きをいたします。 関連して、針テラスについてです。 この件につきましては、旧都祁村時代に関西最大の道の駅として安らぎと活力ある里を目指し、平成13年7月にオープンし、さらに奈良市では、奈良市の東の玄関口としてそのような役割を果たしていきたい、そのような思いでありました。しかし、管理会社の倒産等により、いろいろ議論もいただいておりますし、御迷惑をおかけしていることは認識をしております。現在も北館について係争中ですが、裁判の状況と今後の活用についてお聞きをいたします。 次に、市長の退職手当について伺います。 市長自身の退職手当につきましては、1期目の選挙公約の「行政のムダゼロ」の中で、市長をはじめ特別職の退職手当の廃止を実行しようと、平成22年6月定例会に、特別職の退職手当を廃止する奈良市特別職等の退職手当の特例に関する条例の制定を提案されました。しかし、議会は、現在就任されている副市長以下の特別職等は、前市長時代からそれぞれの重責を担い、職務に当たられており、市の要職として副市長ら特別職の市政運営に果たす役割は極めて重要で、有為な人材の確保にも留意すべきであり、市長自身の退職手当を削減されようとする姿勢は評価できますが、副市長ら特別職の退職手当についても、市長と同様に廃止されるのはあまりにも拙速であるとし、議会は修正案を提出し、市長のみ不支給という結論に至りました。 そして、26年3月定例会に、現下の本市の厳しい財政状況を鑑み、市長自身の2期目の任期に係る退職手当につきましては、1期目と同様に不支給とする特例条例を可決されました。 29年3月定例会で教育委員長を廃止し、新たに教育長が教育委員会の代表となる地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、改正後、議会の同意を得て市長が直接教育長を任命することとなり、このとき引き続き当時の教育長の選任が議会で同意をされました。その際も退職手当不支給の特例条例が提案されました。しかし、同様に優秀な人材の登用への影響、特別職の退職手当の在り方が議論となり、新たな教育長の退職手当不支給の特例条例が委員会で否決となり、特例条例を撤回された経過がございます。 その後、特別職報酬等審議会で特別職の退職手当の適正な在り方について議論がされ、市長からの諮問に基づき答申がされました。その答申を受けて、30年3月、答申どおり退職手当は必要との判断の中で財政状況を勘案し、40%程度減額する改正案が提案されました。しかし、議会の議論では、市長の自主的なカットは自分自身で対応すべきであるとの議論があり、元に戻す修正案が可決され、現行制度の退職手当の支給となりました。 そこで市長に伺います。 今回、議案第8号で市長の退職手当を不支給とする提案がされておりますが、その理由、市長のお考えをお聞きいたします。 次に、市長は、この7月で3期目の任期を迎えられます。我々議員もそうです。我々もそうですけれども、12年というのは長いようであっという間に過ぎるものです。この間、子育て支援事業や医療や教育の充実、併せて昨年から、誰も経験したことのないコロナウイルス感染症対策についても積極果敢に挑戦されたことは、市民も評価しているのではないかと考えます。 しかし、着実に実現された事業もあれば、問題、課題として残っている困難な事業等もあろうかと思います。この12年間の市政運営の実績について、市長自身としてどのように評価されておられるのでしょうか。コロナ禍が続く中、今後の市政運営がどのように進んでいくのか、市民も私自身も心配をしているところでございます。 そこで、7月の市長選挙に向けて、仲川市長の出馬の意思についてお聞きをします。また、今後どのような市政運営をされていくのかお聞かせください。 これで1問目を終わります。 ○議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの北議員からの御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、令和3年度予算案についてということで御質問を頂戴いたしました。特に収支不足対策にどのように臨むのかということであります。 国の地方財政計画におきまして、市町村税につきましては前年度比5.4%の減、また近畿圏内の中核市における平均といたしましては、前年度比4.8%減と見込まれている状況にあります。本市の令和3年度当初予算における歳入の見込みにつきましては、市税におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益や個人所得の減少により、市民税が約13億円の減、また新型コロナウイルス感染症対策として、固定資産税・都市計画税に対する軽減措置や特例措置、さらに評価替えに伴う減などによりまして、固定資産税や都市計画税でも約14億円の減となり、市税収入全体では前年度と比べ約26億円の減少、比率では4.9%の減を見込んでおります。 また、地方交付税におきましては、地方財政計画におきまして、総額で前年度比を0.9兆円上回る17.4兆円とされましたものの、地方団体全体の新型コロナウイルス感染症の影響による地方税等の減収を補うまでには至らず、本市におきましては、前年度交付額に基づく推計といたしまして、前年度当初予算より6億円減の141億円と見込んでおります。 また、臨時財政対策債につきましては、35億円増の86億円と見込むほか、新型コロナウイルス感染症対策で固定資産税・都市計画税の軽減措置による減収が全額補填されることなどで、地方特例交付金を4億1000万円の増と見込むなど一般財源総額を確保した次第であります。 一方、歳出面におきましては、人件費、扶助費、公債費といった義務的経費と、コロナ禍における市民サービスの低下を招かぬよう、市民生活の維持のために必要な施策及び新型コロナウイルス感染症対策関連に配慮した施策を中心とさせていただいたことで、収支不足を生じさせることなく予算編成を終えたところでございます。 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付限度額及び3年度当初予算への活用ということであります。 同交付金につきましては、国の3次補正におきまして1.5兆円が増額され、そのうち1兆円が地方単独事業の活用分となっており、本市の交付限度額につきましては12億2233万2000円と示されたところでございます。交付対象事業の基本的な考え方は、従前から大きく変更はなく、新型コロナウイルス感染拡大の防止、そして、感染拡大の影響を受けている地域の経済や市民生活の支援などを通じた地方創生に資する地域の実情に応じた事業に活用できるとされております。 今回の国の3次補正における当該臨時交付金につきましては、新たに地方公共団体の令和3年度当初予算に計上される事業についても交付対象となる旨の通知が国からございましたことから、本市におきましても、家計と民間事業者の支援を中心としたプレミアム付商品券発行事業や、コロナの感染拡大により大きな影響が生じている飲食店などに対する支援を行う緊急経済対策など、総額9億5978万3000円の同交付金を活用した事業予算を計上させていただき、対策を講じてまいりたいと考えているところであります。 続きまして、事業補助金の交付に対する統一的な方針についてということでございます。 事業実施を支援する補助金につきましては、実施時点での感染状況、また実施に向けた準備費用の有無など個々に異なっており、実績報告に従いまして審査をさせていただき、必要額を交付するということとなっております。コロナ禍におきましても、従前と同様に奈良市補助金等交付規則の規定するところによりまして、適正な交付、執行に努めているところであります。 続きまして、新市建設計画についての御質問であります。 同計画につきましては、平成30年度の法律改正により、合併特例債の発行がさらに5年間延長できることとなったわけでございますが、当時は新斎苑建設を中心に計画期間内に事業を完了させるスケジュールでございましたこと、また合併特例債の発行につきましても令和2年度末に全額発行する予定をいたしていたところであります。 しかし、御存じのとおり、新斎苑建設につきましては当初から工期が1年間延長しており、予算につきましても同様に繰り越す必要が生じてきたところでございます。また、新斎苑建設のほか、道路の整備など完了していない事業もございますことから、関係課及び県とも協議をいたしました結果、このたび計画年度を令和7年度まで延長し、引き続き事業を推進することといたしたところでございます。 新斎苑建設事業以外で今年度末までに完了しない事業といたしましては、この新市建設計画に掲載しております市の事業の中では、一本松小倉線道路新設事業、そして新規優良企業誘致事業、農林産物直売所整備事業がございます。このうち農林産物直売所整備事業につきましては、現在、市街地におけます民間での直売所が開設されるなど、一定の販路が拡大している状況もございますことから、市による直売所の整備は行わないこととし、今回事業を削除させていただくことといたしました。 なお、県の事業につきましては、国道369号改良事業、また県道奈良名張線改良事業など5つの事業が未完了でございますことから、これにつきましては、引き続き奈良県において計画の推進をしていただくよう要望させていただきたいと考えております。 続きまして、新斎苑建設事業につきまして、追加費用の中身、また新たな債務負担行為についてという御質問でございます。 同事業につきましては、事業費の増減に大きく影響する土木工事がおおむね完了し、事業者から提出されました設計図書の精査を終えるとともに、今後予想されます事業費の変動要因について積算を終えることができたことで、今回、事業費の増額分を計上させていただいたものでございます。 内容といたしましては、まず新設橋梁の設計変更に起因をするものといたしまして、市が契約時に示した予備設計図書ではなく、契約後に完成した詳細設計図書に基づく施工を事業者に指示いたしましたことによる橋梁の仕様の変更、また橋梁の仮設工につき、時間的制約などの理由で一部市が作成いたしました仮設計画参考図に基づく施工とさせていただいたことで、指定仮設と同様の取扱いをいたしましたことによる増額が2億4095万円ございます。 次に、地元自治会等との調整、要望に起因をするものといたしましては、市道東部第285号線、いわゆる鉢伏街道の通行車両を当初計画の10トンダンプでの通行から4トンダンプに変更させていただくとともに、交通誘導員を増員させていただいたこと、また鉢伏街道からの景観整備といたしまして、造成工事の変更や擁壁の設置、屋根の形状や植栽を変更したこと、さらに投棄物の処理に際しましては、基準値を超える投棄物が存した区画の投棄物混じり土の分別をせずに搬出したことなどによりまして、処分の数量が増加をしたこと、また、これらの変更に至ります地元自治会との協議に時間を要したことにより工事の着手が遅延したことで、現場の維持管理費等が増額したことなどによりまして、約1億8370万円増となってございます。 さらに、各種許認可関係、河川管理者などとの協議、また指導によるものといたしましては、地蔵院川流域の調整池を追加したことなどで4727万円、このほか工事現場の自然的施工条件等に起因するものといたしましては、造成工事におきまして想定以上に土質が硬く、岩の掘削が必要となったことで7169万円、また今後想定されます要因といたしまして、建築工事におけます岩の掘削やインフレスライドを考慮して9300万円を見込んでございます。 一方、建設地の残土処分につきましては、一部を奈良市一般廃棄物最終処分場の覆土として利活用いたしましたことに伴い、1844万円の事業費の減となってございます。これらの増減を合わせまして、6億8000万円の増額を計上させていただいたものでございます。 また、財源につきましては、活用可能な合併特例債の全額を既に建設地の用地取得、また工事費予算などに充当いたしておりまして、今回、追加で措置をいたします予算の財源におきましては、全額をそれ以外の起債で対応いたしたいと考えております。 今後の変更契約の時期等についてでございますが、本予算の成立後、既に判明いたしております橋梁建設や敷地造成等の土木工事及び完了いたしております設計費用につきまして、その総額分といたしまして、一旦5億5000万円程度の変更の仮契約を行わせていただき、今後6月定例会に御提案を申し上げたいと考えております。 さらに、来年の1月頃には、インフレスライドや、現在着手をいたしております建築工事部分に係ります変更分として、清算に伴う変更契約を残りの予算の範囲内で行ってまいりたいと考えております。 また、債務負担行為の設定についてでありますが、新斎苑運営業務委託につきましては、平成33年度から平成47年度、令和で申しますと令和17年度までの15年間を維持管理・運営業務委託期間といたしておりましたところ、工事期間が延長となりましたことから、供用の開始もおおむね1年遅れるということに伴いまして、委託期間を1年延ばし、令和18年度までといたしたことによるものでございます。 続きまして、企業誘致についての御質問であります。 これまで進めてきた取組につきましては、まず少子高齢化社会が到来し、人口減少が顕著となっていく社会情勢の中で、持続可能なまちづくりを目指すためには、企業の誘致や雇用の創出に努めるとともに、活力ある地域産業を創造し、経済活性化に積極的に取り組むことが重要であります。 企業誘致の推進に当たりましては、まず固定資産税の3年間免除に係る優遇制度の導入と、工場立地法において規定されております緑地面積率等を最大限緩和させていただくとともに、令和2年4月からは、産業政策課内におきまして企業誘致係を創設し、ワンストップで企業様のニーズに応えられる体制を整えてきております。 これに加えまして、令和2年10月には、製造業や物流業等のさらなる工場集積を図るため、市内で一定規模以上の産業用地を開発し、企業を誘致する開発事業者への奨励金制度を創設させていただきました。特に名阪国道により京阪神や名古屋などの大都市圏、また関西国際空港に直結するという恵まれた交通利便性を持つ都祁地域におきましては、産業集積のポテンシャルが特に高いと考えており、魅力的な産業用地の創出を図ることで製造業等の誘致につなげてまいりたいと考えております。 また、令和2年度におけます取組といたしましては、議員お述べのとおり、工場系の誘致におきましては一定の時間を要するものの、本市の税収構造から見ますと、やはり依然として個人市民税の割合は43.7%と大きく占めている一方で、法人市民税が6.6%、事業所税が1.9%などと、企業に御負担をいただく税収の割合が依然として低い状況が長年の本市の課題でございましたことから、着実な企業誘致の取組を進めていくことが重要であると考えております。 また、本取組と並行いたしまして、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅でのテレワークの導入などが大幅に進み、都市部のオフィスから地方への分散が予測される中、サテライトオフィスの設置推進に係る補助金を創設し、本市への拠点誘致を進めてきたところでございます。 これらの取組によりまして、令和3年2月には、本補助金の対象企業第1号といたしまして、東京都新宿区に本社を置くIT企業のサテライトオフィス立地が実現したところでございます。当該企業の立地に当たりましては、既に15名程度の新たな雇用を創出されており、本市における情報通信業などへの雇用ニーズも確認ができたところと考えております。 次に、令和3年度以降の取組の方向性ということであります。 今申し上げましたようなIT、もしくはクリエーティブ系企業へのヒアリングなどを進めていく中におきまして、特に世界遺産でもある自然や文化財が市街地のすぐそばに存在している本市特有の環境が、都市部に住んでおられる方々、働いておられる方々から見ますと、創造性を刺激すると高く評価をいただいております。また、移住に関する資料の請求等も大幅に件数が増えているなど、潜在的な需要の高まりを感じております。 そこで、サテライトオフィスを設置する企業の誘致に向けた取組をさらに充実させるために、国の地方創生テレワーク推進交付金を活用し、市内におけるシェアオフィスの設置運営を支援していきたいと考えております。本市への立地に高い興味を持ちながらも賃貸オフィスの契約が障壁となっている企業に対しまして、敷金等の初期費用や、長期契約が不要で個室利用が可能なシェアオフィスの設置を進めることで、企業の要望するレベルに応じた立地を支援できる体制を整えてまいりたいと考えております。 これらの取組を展開することによりまして、都市部に対してゆとりのある地方都市とは異なる、よい仕事ができるまちという観点での新たなブランドを確立し、新たなモデルを構築していくことで、奈良に新しい人の流れをつくってまいりたいと考えております。 また、製造業、また物流業等の工場系の誘致につきましても、民間事業者による名阪国道沿いでの産業用地創出に向けた開発が現在、検討されている事例もございますことから、引き続き官民連携で取組を強めてまいりたいと考えております。 続きまして、都祁地域の企業誘致のための給水に関する御質問でございます。 工場等の企業誘致をいたしました際には、給水に関する対応が求められます。特に大規模な企業誘致と小規模な企業誘致では、その対応が分かれるところであります。小規模な企業誘致に際しましては、給水区域内であるのか、もしくは給水区域外であるのか、現有の水道施設の能力が十分であるかを適宜検討し、個別に対応することとなります。 一方、大規模な企業誘致に際しましては、多くの場合、給水区域外であるということが想定されますので、基本的には水道事業の認可変更により対応することとなります。給水区域外に企業誘致をする際には、水道法上の事業認可変更手続や河川法上の水利権の変更手続が必要となる可能性がございますので、相応の時間を要することに加えまして、事業主の費用負担も必要となるものでございます。 続きまして、針テラスについての御質問でございます。 アフターコロナを見据えた観光客の誘致、また観光消費額の増大に向けてということであります。 現在の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、国内観光客の減少だけではなく、これまで増加傾向にございました訪日外国人観光客が見込めなくなったことから、今後しばらくの間は観光誘客や消費に大きな影響が出るものと考えております。そのため、アフターコロナを見据えた今後の誘客といたしましては、まず国内を中心とした誘客にしっかりと取り組むとともに、2025年の大阪・関西万博を見据えて、将来回復が見込まれる訪日外国人観光客も視野に入れた準備をしていくという手順が必要であると考えております。 また、観光消費額の増加や観光による経済活性化を目指す上におきましては、やはり宿泊を中心とした観光客の滞在時間の延長が重要でございます。これらに向けまして、本市の特色を生かした観光コンテンツの開発や、本市を起点といたしまして県内の他の市町村を交えた周遊型の観光をつくり出していくことが重要であると考えており、奥深い奈良の魅力を安全に安心してゆったりと楽しんでいただけるような環境整備を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、針テラスについての御質問でございます。 道の駅針テラスに関する法的手続の状況につきましては、まず南館につきましては、以前の運営事業者が無断で建物に抵当権を設定し、抵当権者から競売の申立てがなされていたわけでありますが、大阪地方裁判所の許可を受けまして本市が買受けを行い、令和2年3月に本市に所有権が移転いたしております。 また、北館につきましては、以前の運営事業者が無断で建物所有権を譲渡した上に、新たに抵当権が設定されましたことから、事業正常化に向けまして、大阪地裁におきまして所有権の移転と抵当権抹消に関する訴訟を現在、係属中でございます。これにつきましては、第12回期日が2月2日に行われまして、次回は4月に予定されていると聞いてございます。 現在、施設の維持管理につきましては本市が行っているわけでありますが、今後の利活用を考える上では、針テラスが旅の目的地となるような魅力的な道の駅となることとともに、都祁をはじめとする東部地域全体の経済振興の拠点になるよう、安定的に道の駅を運営していくことができる、そのような事業者を選んでいくことが不可欠であると考えております。そのため、針テラスの今後の可能性につきましては、現在様々な事業者から意見聴取をさせていただいており、法的手続の進捗と並行し、速やかに次の段階へ移行できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、退職手当についての御質問であります。 今回、3期目におきまして、退職手当を受け取らないとしたその理由についてということであります。 議員御指摘のように、この特別職の退職手当につきましては、これまでの議論の中でも様々な御意見を頂戴し、御指摘のような位置づけにつきましては、私といたしましても十分理解をいたしているところでございます。これまでは財政状況が悪い中、少しでも健全化に貢献できればという思いもありましたが、現在のコロナ禍におきましては、やはり先行き不透明な経済状況の中で苦しい思いをされている市民の方々、事業者の方々が多くおられ、やはり市民目線で市政運営を行う中ではその痛みに寄り添いたいと考えましたことから、今回は退職金を頂くタイミングではないものと判断をさせていただいた次第でございます。 続きまして、北議員からの最後の御質問であります。 私は、平成21年7月の初当選以来、常に市民目線の市政運営を目指し、この間、一意専心の心で市政運営に邁進をしてまいりました。まずもって、これまでお支えいただきました多くの職員や市民の皆様方、また二元代表制の下で、ときには厳しく、また温かく御指導を賜りました議員の皆様方に対しましても、この場をお借りして厚く御礼を申し上げる次第であります。本当にありがとうございました。 振り返りますと、この12年間におきましては、市民の命を守る取組といたしましては、関係者の御協力により市立奈良病院の建て替えや看護専門学校の開設、休日夜間応急診療所の移転建て替えなどが実現をいたしました。これらの取組が現下のコロナ対策にも大いに貢献ができていることは、私といたしましても大変うれしく思っております。 また、教育や子育てに関しましても、小・中学校の耐震化やエアコンの整備、また中学校給食の実現など、子供や保護者の長年の願い、課題であったものを一つ一つ解消してまいりました。子育て支援に関しましては、本市独自の子どもにやさしいまちづくり条例を制定し、市のあらゆる施策を子供目線で捉えることによりまして、結果として全ての世代に優しい、また暮らしやすいまちづくりにもつながっているものと考えております。 それらの結果、近年は子育て世代の転入が増加してきており、ゼロ歳から14歳までの世代の本市への転入が、一昨年は近畿では2位、昨年も4位に入るなど、子育て世代に選ばれるまちとしての認知が定着してきております。 また、社会資本整備に目を向けますと、大和西大寺駅周辺の土地区画整理事業の進展や駅前広場、南北自由通路の設置、また大和中央道や六条奈良阪線などの基幹道路につきましても着実に事業が進捗いたしております。 さらに、新斎苑の建設事業と、児童相談所を含みます子どもセンターの建設事業につきましては、子供やお年寄りがそれぞれに抱える喫緊の課題やニーズを、我々行政がしっかりとお支えするという意味におきまして、大変重要な事業であったと考えております。 一方で、新クリーンセンターの建設や、八条・大安寺地区の新駅を中心としたまちづくりなどは、まさにこれからが重要な時期であり、精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。 議員御指摘のように12年間というのは、長いようで本当に短かったと感じております。確かに、長期にわたり同じ人間が同じポストにいるということにつきましては、様々な議論があるということを承知いたしておりますし、私自身も感じていたところであります。一方で、そのことをしっかりと自覚した上で、初心を忘れず、市政、行政の継続を図るということも重要なことだと感じております。 このたびの改選に向けましては、新型コロナという誰も経験をしたことのない未曽有の危機に際しまして、市民とともに、引き続き私自身が先頭に立ち、コロナやクリーンセンターなど様々な困難な課題を乗り越え、未来に向け確かな道を切り開いてまいりたいと考えております。そのためには、これまでの経験を踏まえ、見直すべきところは素直に見直し、市民や議員の皆様方、また職員とも協力して、奈良市がいつまでも住みよいまちであり続けられるよう、全身全霊で取り組んでまいりたいと考えている所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 36番北君。 ◆36番(北良晃君) ありがとうございました。 2問目は、本席から意見、要望をさせていただきます。 コロナ禍が1年以上続きまして、コロナ対策で予算、また国の経済対策に対応されていること、これは本当に仕方がないと思います。予算上でも仕方がないと思います。また、令和3年度の義務的経費、これもやっぱり扶助費を中心に増えていく、これも仕方がないことかと思います。 ただ、市長が申されました投資的経費につきましては、必要性、緊急性を考慮したとのことで、2年度の繰越費用は多くございますが、当初予算につきましては昨年より身軽な見やすい予算であるんじゃないかなというように思います。今後、いろんな事業が出てくるかと思いますが、しっかり国・県の補助金、また交付金、これの収入の確保をまず図っていただきたいことをお願いしておきます。 なお、市のコロナ対策の補助金につきましても多く予算化されております。交付に対しまして数字だけで判断されるんじゃなしに、事業者の努力、例えば企業努力等により赤字額を減らされている、そんなことについても加味されることが必要かと思います。 新市建設計画についてです。 お話では、合併特例債につきましては令和2年度で全て財源として措置されるということでございます。しかし、お述べのように残事業がございます。他の補助金、交付金を活用すること等、引き続き事業実施に向けた御努力をお願いしておきます。 針テラスについてです。 今、やはりコロナ禍の影響で観光バスの出入りはほとんどございません。自家用車とバイクのみでございます。この道の駅針テラスは、国のほうでも設立当時から力を入れてくれており、国においては駐車場の大部分の土地を保有していただいておりますし、便所、案内所も国で設置をいただいております。そして、これの管理についても、国のほうで奈良市へ委託という形になっております。今、針テラスやインターチェンジの進入道路につきまして、通学路に活用したいとか、地元の人が歩いて針テラスに入りたいということで要望がございまして、国のほうでも歩道の設置をしてくれています。今週後半にも竣工できるということで、国から連絡をいただいております。 あわせまして、サービスエリア部分とは別に、東側にイチゴ農園がございます。この生産施設の管理につきましては、地元の農家の人を中心に行っていただいておりましたが、事業者との契約解除と同時期に契約解除され、今は生産されておらず、空き地となっております。この土地は本当に広い土地でございまして、この土地についても活用を検討いただきたいと思います。裁判と並行して在り方を検討いただいているようですが、裁判が終結してすぐに移行できるような御配慮をお願いしておきます。 企業誘致につきまして、さきに述べましたように税制面等の優遇措置等について、本当に本格的に取り組んでいただいております。このコロナ禍の中で企業自身が設備投資をどう考えておられるのか把握しにくい状況ですけれども、県等の関係機関と連携しながら取り組んでいただきたいと思います。 また、給水区域につきましても、やはり企業が来る場合は、給水区域内ですか、外ですかということでお話しをいただきますので検討いただきたいと思います。 それと、今、本年度から実施いただいております光ファイバー、光ケーブルですけれども、都祁の場合、この事業につきましても本社との通信に時間がかる、それからまた鮮明でないということで、この事業につきましては、当初は企業、事業所からの要望をいただいたものです。今後とも個々に相談、検討いただきたいと思います。 市長の退職手当についてです。 今回、市長自身が判断された結果ですし、市民や議員の中には退職手当につきましては、特別職も含めてですけれども、減額なり、廃止せよという意見もあることは知っております。ただ、これは私の全くの私見ですけれども、市長等はそれぞれ重責を担っていただいております。大きな責任を担っておられます。また、退職金は給与の一部とのお話もございます。あわせまして、やっぱり奈良市は、奈良県の唯一の中核市です。奈良県のリーダーとしての市であるべきだと思います。当然、仕事も頑張ってもらわなければなりません。条例、法律の範囲内でございますけれども、支給すべきだと私は考えております。極端な話、これも私見ですけれども、市長、議員、職員、この給料、報酬、手当等は、本当に非常時を除き県内市町村のトップであるべきだという、これは私の全くの私見でございます。 今回質問いたしました各項目につきまして、この後の一般質問なり予算決算委員会で同僚議員からも質問をさせていただきます。 コロナ感染対策につきまして、市長以下、職員、関係者一丸となって取り組んでいただいている、これは私も感じております。すばらしい取組です。このコロナ対策は、やっぱり終息して評価されるものかもしれません。全ての市政につきましても、市長をトップとして、やっぱりこういう一丸となった取組をしていただきたい、そのように思います。 なお、本年度末で8名の部長級職員をはじめ、多くの職員さん方が定年退職されるとお聞きをしております。長年にわたり市政発展のために御努力いただきましたことに、お礼と感謝を申し上げます。あわせまして、まだまだ職員として来ていただく方もおられると思います。市民の要望、考え方は多様化しております。引き続き市政発展のために御尽力いただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(三浦教次君) 12番階戸君。   (12番 階戸幸一君 登壇) ◆12番(階戸幸一君) 改革新政会の階戸幸一でございます。 市長並びに教育長、企業局長のほうに質問してまいりたいと思います。 まず、新型コロナウイルス感染拡大によって、第3波の非常に厳しい状況にある社会の中で、この3月議会は、新年度に対してしっかりと市民のために寄り添える、そういった施策を組みながら、我々議員としても二元代表制の中で議論をしてまいりたいと思います。 では、質問のほうにまいりたいと思います。 市長の市政運営について、令和3年度予算全体と公共施設の今後の考え方について質問してまいります。 公共施設の老朽化は、本市においても重要課題の一つと考えられ、その解決に向けた対策として施設の統廃合の検討が必要と考えられます。本市の最上位計画である第5次総合計画等にも組み込まれるべき内容と考えるわけでありますが、市長の見解は。 また、施設の統廃合に伴い、指定管理者制度を導入している公の施設も見直しの対象になると思われますが、当該施設の多くを管理運営している外郭団体にとっては、市からの指定管理料の減少につながり、当該団体の経営基盤にも影響が出てくると危惧されるが、市長の考えをお聞かせください。 次に、新斎苑事業についてです。 2月26日に大阪高等裁判所で判決があり、新斎苑に係る損害賠償請求控訴事件について、副市長から説明がありました。大阪高等裁判所の判決は、鑑定額以上での購入は認めないということでした。これは、行政から我々に説明のあった鑑定価格の3倍は適切でなかったこととなります。当時説明をいただいた根拠をお聞かせください。 次に、以前議会で答弁されています平成15年2月6日、ゴルフ場建設予定地において業者が市に民事訴訟を起こした案件で、市に対して買取りを申し出た金額は鑑定額に対してどのくらいであったのか。 また、平成15年6月17日判決の動物霊園建設に対する解決処置として、鑑定額の3倍くらいで買い取った事例などを挙げて説明をされていましたが、必要性の有無については新斎苑と違うように話しておられますが、鑑定額以上で認められているわけではないように思いますが、この件についてどのように思われるかお答えください。 次に、収用についても相当な期間を要するため、平成33年4月に間に合わない趣旨を過去に説明されています。実際1年遅延し、間に合わなかったわけでありますから、期間ありきで計画性が乏しいと強く感じております。合併特例債の期限ありきでの事業推進であると言わざるを得ません。市長の見解を求めます。 次に、岩井川ダムの建設用地を購入された事例を検討されたようですが、なぜ県の土地購入については問題とならなかったのか、本市としての所見を求めます。 次に、本市の新斎苑用地購入金額に対する訴訟は、全国で類似事例はどのような判例があるのかお答えください。 次に、補正予算に計上されています新斎苑整備事業費6億8000万円について、内示会を変更してまで市長自ら説明をされてまいりました。議案説明会の中で、県に倣った清算時期として、最終段階で行う趣旨を説明されました。内容は、県営プール跡地活用プロジェクト、ホテルを核としたにぎわいと交流の拠点整備事業のことだと思われますが、まず県と本市では事業手法が違うこと--PFIのBTO方式で民間業者が建設後、施設の所有権は当該公共団体に引き渡すが、引き続き施設を運用するプロジェクト推進方法で県は行っております。 また、本市はDBO方式--公共が資金調達を負担し、設計、建設、運営、民間に委託する方式のことであります。大きく違うのは、資金調達が民間か公共かということであります。すなわちPFI方式では、インフレスライド以外の工事費は民間が負担するため、最終段階での変更で問題はないかと思われます。 一方、本市はDBO方式であることから、公共側が資金調達をしなければなりません。当然、工事費の変動があれば税金を投入することとなるため、議会の議決が必要となりますが、市長の見解を求めます。 次に、新斎苑の橋梁設計について。 橋脚工事で設計変更が生じたことの説明がありました。県などの関係者と事前に協議ができていなかったのか、また時間がなかったのか、この点について疑念を感じます。ここでも合併特例債が起因しているように私自身は感じますが、この件についてもお答えをいただきたいと思います。 次に、子どもセンターについてです。 運営に係る人員配置と適正化についてです。仮称子どもセンターの開設準備について、児童相談所等では子供に寄り添った対応が重要で、経験豊かな専門性の高い人材を配置しなければなりません。今回、新規予算2億1786万円が計上されていますが、職員の雇用に対して会計年度任用職員7587万円とあります。経験豊かで専門性を持った職員の会計年度任用職員としての応募があるのかどうか、ここについては非常に疑問であります。スタート時につまずくことを非常に危惧する中であり、また、採用のタイムリミットとして職員の体制をどのように考えているのか、また、会計年度任用職員と正規職員が同一労働を課されるようなことがあってはならないと考えていますが、いかがでしょうか。 次に、クリーンセンター建設計画について。 今回、新規予算としての2550万円のうち、アクセス道路予備設計費2000万円が、クリーンセンター建設候補地へのアクセス道路を整備するために予備設計費として上げられております。そもそも現候補地については、奈良モデルとして大和郡山市と斑鳩町との3市町連携が基本であり、候補地周辺の九条町、七条町の地域住民への説明と承諾なしでは進められないものと考えています。3市町の首長、特に大和郡山市の判断期限は令和3年度中であると考えられますが、関係各所との協議や説明がどこまで進んでいるのか、そのことを踏まえて今回の予備設計をすることになっているのか、お答えをいただきたいと思います。 次に、一条高校の中学校校舎建設について。 令和2年度の予算として、新校舎建設設計委託費9000万円が昨年示されておりました。そして今回、新校舎建設・既存校舎大規模改修工事等で7500万円と、債務負担行為設定で34億円を計上されております。 そこで伺いたいのですが、令和2年度に設計委託されてからここまで詳しい説明がなかったと思われますが、校舎建設に至る経緯を説明いただきたいと思います。 次に、水道事業会計についてであります。 提出議案の要旨説明において、令和3年1月に協議の覚書を締結され、県域水道一体化の動向も見据えた上で、老朽施設の更新と耐震化等、災害対策をより一層進めるとともに、今後も良質で安全で安心できる水道水の安定供給に努めるため、サービス向上やさらなる経費削減に取り組むと説明をされておりました。 本市では、公営企業化をしてから上下水道を一体化し、今、経営改善を継続しているところであります。しかし、県域水道一体化は、経営改善を継続中の企業局--この上下水道を一体化している企業局である上下水道を分離することとなる可能性が十分に考えられます。 そこで、市長にお聞きしたいのです。 自己水源を持ち、県内で3番目に安価な料金で提供している本市が県域水道一体化に参加する意義はどこにあるのか。 また、先日、要旨で述べられた現在の老朽化施設の更新と耐震化等、災害対策に対して、より一層進めると述べておられました。では、現在の更新工事の進捗状況と、進捗状況に照らし合わせた乖離や遅れは出ているのか、いないのか、お答えをいただきたいと思います。 また、水道管路や水道施設の更新計画と健全化評価はどのように考えているのか。そして、県域水道一体化を見据えた中、本市の更新計画のお考えをお聞かせください。 次に、下水道事業について。 県域水道一体化を見据えたとなれば、今後、下水道事業は企業局から再度分離し、本市の一般会計へと組み入れられることになると思われますが、どのようにお考えなのかお聞かせください。 最後に、企業局長に伺います。 管理者が就任されてから、水道事業に御尽力いただきました。特に水道局を公営企業化され、上下水道を一体化され、業務改善や企業努力で事務作業や職員の適正化を進めてこられたわけであります。まだ5年ほどでありますが、効果が現れてきていると私は実感しております。 そこでお聞きしますが、今回の県域水道一体化は、管理者が推し進めてこられた改善策であると私は考えております。そういった進行中の企業局の在り方について、企業局長としてどのようにお考えなのかお答えをいただき、私の1問目といたします。 ○議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの階戸議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず、公共施設の統廃合と第5次総合計画の関連についての所見ということで御質問をいただきました。 昨年の4月から5月にかけまして、第5次総合計画案のパブリックコメントを実施いたしたわけでありますが、その中で施設の統廃合につきましては、市民ニーズや人口動態を鑑みて、利用者が長期にわたり減少傾向にある施設を中心に、市が保有する施設の適正管理や統廃合などに取り組むとさせていただいております。 現在、第5次総合計画につきましては、策定を1年延期し、また現状分析や今後の社会情勢の変化などを見極めた上で内容を見直すことといたしておりますが、公共施設の統廃合をこの総合計画に盛り込んでいくという考えは変わらないところであります。 この施設の統廃合を進めるに当たりましては、指定管理者として多くの公共施設を管理している外郭団体の職員の雇用をしっかりと守るということは大前提であり、その上で市の施策の中でどのような対応をしていくべきか、共に考え、サポートをしていきたいというふうに考えております。 次に、新斎苑についての御質問であります。 議会に説明をした当時の説明の、市の積算単価の根拠についてということでございました。 公共用地の取得につきましては、不動産鑑定価格に基づかなければならないという法的な規定は存在せず、国におきましては、国交省の公共用地の取得に伴う損失補償基準第8条第1項に、取得する土地に対しては、正常な取引価格をもって補償するものとするとされており、第9条第1項には、正常な取引価格は、近傍類地の取引価格を基準とし、これらの土地及び取得する土地につきまして--以下中略でございますが、土地価格形成上の諸要素を総合的に比較考量して算出するものとするとされており、第2項には、基準とする近傍類地の取引価格については、取引が行われた事情、時期等に応じ適正な補正を加えるものとすると規定をされております。 本市の新斎苑事業に係る用地購入費用につきましても、この基準を基にいたしておりまして、不動産鑑定価格を含む関連する事実を適切に考慮することといたしましたことでありまして、本来的には公共事業のための土地取得でありますので、同種の公的な土地取得の事例である奈良県の岩井川ダム、また高円山ドライブウエーの買収事例などを重視し、一方で、その事実だけでは価格決定が十分図れないと考えていましたことから、本市としては、適正な価格の範囲内で可能な限り財政支出を軽減させる責務がありますことから、安価な不動産鑑定価格も持ち出して積極的に価格交渉を行ってきたわけであります。 新斎苑の建設用地におきましては、不動産鑑定の基礎となる取引事例がいずれも本件土地よりも山間部方面へ遠く離れており、土地の性状等も異なるものでございます。これらのみをもって、本来国が示している近傍類地の取引価格とは言い難いと判断させていただいたわけであります。 そのため、本件土地から1キロメーターほどの距離にあります、先ほど申し上げました県による岩井川ダムの買収に伴う3事例--これは平米5,300円、4,900円、4,300円の3事例でありますが、このうち最も安価な山側の土地の4,300円の事例を参考にさせていただきまして、これに価格の時点修正を加えました2,566円という数字を算定の基礎に含め、鑑定価格との平均をもって最終的な1,514円という数字をはじき出したものでございます。これらは、極めて合理的な判断であったと現在でも考えております。 議員御承知のように、これまでも、近傍類地ではない鑑定価格の3倍で購入することが適切かどうかといった提案も、議論もさせていただいたことはございませんし、結果の金額をもってそのような捉え方をするということは、やはり本質を見誤ったものと言わざるを得ないと考えております。 また、他の自治体で不動産鑑定価格以上での取引をした事例についてということでありますが、確かに他の自治体におきましても、同様の買収事案がございます。議員から御指摘がございました事例につきましては、まず、民間事業者がゴルフ場予定地を買収した後、ゴルフ場の建設に対する許認可を市が出さなかった、いわゆる不許可としたことによって、事業者が京都市に対しまして損害賠償を求めた訴訟というものがございます。これは、裁判所での民事調停の場で裁判所から、市が当該ゴルフ場用地を買収する、買収金額も提示されるといった経緯の中で、結果として、市が受け入れたことに対して市長に対する損害賠償請求が認められた事例でございます。 また、他の事例といたしましては、動物霊園の建設をめぐる周辺住民とのトラブルの解決を目的に、大阪府交野市が当該用地を鑑定額を超える金額で買収した事例もあり、これにつきましても、同様に市長への損害賠償請求が認められております。 いずれの判決におきましても、当該地買収に当たっての必要性や議会での審議、調査が十分であったのかということが指摘をされた結果、賠償が認められたと認識をいたしております。 一方、新斎苑の用地買収につきましては、過去60年にわたりまして候補地が選定されず、現火葬場の老朽化に伴い、火葬需要に対応できていない現状や借地の期限、また合併特例債の活用期限といった財政上の問題など、喫緊の課題として長年取り組んできた事案として、最終的に実現可能となる用地でありましたことから、新斎苑の必要性、候補地の選定の経緯、また買収価格につきましても、都度、議会でも御議論いただき、御理解をいただいた上で、関係議案も賛成多数で御議決をいただいてきた経緯がございます。 今回の高裁判決におきましても、新斎苑建設事業用地の取得に係る必要性、緊急性及び非代替性については認定をされており、平成29年度末までに用地取得を完了しなければ合併特例債の活用ができない状況にあると、当時一般的に考えられていたということについても、裁判の中で認定をされている状況でございます。 これらのことから、新斎苑事業につきましては、先ほど事例を挙げさせていただきました他市の事例とはやはり性質が異なるものであると認識をいたしております。 また、合併特例債の発行期限があるということで、やはり期限ありきで事業を進めてきたのではないかという御指摘でございます。 まず、新斎苑の必要性につきましてはこれまでも申し上げてきたところでございますが、やはり事実として、近年、火葬需要が増大し、年間の火葬需要が3,600件程度で現在推移いたしておりますが、現火葬場については1日最大8体、年間でも最大で2,896体の火葬の限界がございます。さらに、老朽化によるメンテナンス等により、実質的には年間で2,600件程度の火葬にしか対応できないという状況がございます。また、一方で、現火葬場は借地ということもあり、地権者からも早期の移転を長年求められており、その借地期限も平成33年3月までとなってございました。 これらの課題を厳しい財政状況にある本市において実現するためには、この元利償還金の70%が地方交付税として措置される合併特例債を活用するということが不可欠であると考え、これを大きな目標として平成25年度から事業を進めてきたものでございます。この間、関係住民の方々からは、反対の請願が提出されるとともに、議会の皆様からも地元の合意や丁寧な説得の必要性、また災害等に対する十分な調査実施等の御指摘を頂戴いたしまして、これを受け、私を含め職員も一丸となって取り組み、結果として当初計画より時間がかかりましたが、合併特例債も満額活用ができる状況で現在事業を進めているところでございます。 また、県によります岩井川ダムの買収事例について、この価格をどう評価するかという御質問もございましたが、この県の用地買収の事例につきましては、私どもが言及する立場にはないものと考えております。 また、他市での用地買収金額が訴訟に発展した事例といたしましては、先ほど申し上げましたゴルフ場用地買収の京都市の事例のほかには、相場よりも大幅に高額な金額で浄水場用地を買収いたしました旧氏家町、現さくら市の事例、また、高額な金額で斎場建設用地を買収した名張市の事例などがございます。 続きまして、新斎苑工事費の増額についてどのように考えたかということで、特に県の県営プール跡地活用事業と奈良市の事例は異なるのではないかという御指摘でございます。 本市の新斎苑事業同様に県のPFI事業につきましては、県による設計に基づく仕様発注ではないことから、事業者の提示する内訳書を精査し、事業費の増減を精査されたと聞き及んでございます。その中では、事業費の増減と経済状況の変動による人件費や資機材の単価といった、いわゆるインフレスライドを全て精査できるのが工事終盤となる最終年度であったことから、判明した必要額を予算措置して変更契約をされたと聞き及んでございます。 一方、本市が取り組んでおりますDBO方式も、BTO方式と同様のPFI方式に含まれるということもございますことから、これまでは県の事例を参考とさせていただいてきたわけでございますが、結果として、今回は異なった手法で清算をさせていただくというふうに判断をさせていただいた次第でございます。 次に、橋梁の設計に関して、関係機関との協議が十分であったのかという御指摘でございます。 橋梁の設計におきましては、事前の地質調査や環境調査といった予備的調査の後、橋梁の種別を選定するための予備設計を実施いたします。この予備設計の段階では、計画協議として関係機関と協議をしながら設計を仕上げてまいります。この予備設計を踏まえまして、その後詳細設計に取りかかるわけでございますが、この際には改めて橋脚等の下部工における掘削予定箇所のボーリング調査、また、下部工や橋桁の仕様を決定していく中において、新たに関係機関との協議が必要となってまいります。このことから、事前に全ての協議が調ってからスタートするということではなくて、設計の各段階において随時関係機関と協議を行っていくことが求められるわけであります。 橋梁に設計の変更が生じたというのは、予備設計の段階では確定しない部材、数量等が、詳細設計の段階で確定したという趣旨で御説明を申し上げさせていただきましたが、予備設計図書を基に事業者側が見積もった部材、また数量等が最終的に詳細設計の段階で確定したことによりまして、今回の清算の金額が確定したわけでございます。 次に、子どもセンターについての御質問であります。 人員の配置が適切になされるのかどうかということの御指摘であります。 児童相談所の介入機能、また支援機能等の業務を効率的、効果的に実施できる組織とするためには、まず正規職員については、児童相談所への派遣により児童相談所業務を経験させており、その習得した技術を持った経験者を配置することで、開設当初からしっかりとした業務が行えるよう準備を進めております。 また、会計年度任用職員につきましては、専門知識を有し、現場経験がある即戦力の方を今、求めておりまして、しっかりと経験を持った方を配置していきたいと考えております。 この児童相談所につきましては、やはり子供の最善の利益を考えるということが何よりも重要でございますので、今申し上げました職員以外にも、医師、弁護士等の配置も含めて万全の体制で臨んでまいりたいと考えております。 続きまして、クリーンセンターに関連いたしまして、アクセス道路整備の予備設計費用が計上されているが、関係市町とどのように協議をしたのかという御質問であります。 大和郡山市、そして斑鳩町とは、3市町の合同勉強会を通じまして、新クリーンセンター建設に係るアクセス道路、また周辺振興施策等について随時議論させていただいており、将来に向けて建設候補地へのアクセス道路の重要性や必要性について、両市町とも十分認識をいただいているものと考えております。 その中で大和郡山市、そして斑鳩町からは課題を示されておりまして、その課題を解決していくことが3市町の枠組み確定に向け重要であると考えており、今後も建設的な議論を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、県域水道一体化についての御質問でございます。 まず、本市が現在、県内では3番目に安価な料金であるという状況を踏まえて、参加する意義がどこにあるのかという御質問でございます。 人口減少時代におきましては、様々な行政サービスを個々の自治体が提供し続けていくということは、やはり一般論として難しいと考えており、広域化の手法を多面的に検討していくということは避けられない重要なことであると認識をいたしております。当然のことながら、経済合理性が確認できれば参加ということにはなりますが、そうでなければ異なる可能性もあるということであります。これにつきましては、令和6年度の基本協定の締結時まで、しっかりと時間をかけて議論していきたいというふうに考えております。 また、更新工事が計画どおりに進捗をしているのかどうかという御質問でございます。 これは大変重要な点でございまして、更新工事、耐震化については、平時はもとより災害、事故等において安定的に給水を継続するために欠かせないものであると認識をいたしております。 この更新工事等につきましては、第4次総合計画後期基本計画実施計画に基づき現在進めているところであり、事業といたしましては、水源・浄水・配水諸設備の更新事業、それから配水管の更新・整備、また緑ヶ丘浄水場急速ろ過池設備改良事業--耐震補強も含むということでありますが、これに加えまして配水池耐震補強事業などを実施いたしておりまして、これらにつきましては、おおむね目標指標値に対しまして進捗が進んでいるというふうに報告を受けてございます。 また、水道管路や水道施設の更新計画と健全度評価をどのように考えているかということでありますが、先ほど申し上げました第4次総合計画後期基本計画実施計画に掲げております各更新工事等の詳細な計画については、別途、送配水施設整備計画に定めております。 今後、奈良市水道事業の給水区域において給水量は減少傾向にございますことから、現在、更新及び整備をする施設規模や管口径が適正となるように、送配水施設整備計画の見直しを行っているところであります。 健全度につきましては、日本水道協会が定めております業務指標によって評価いたしますと、法定耐用年数を超過している浄水施設の割合、また設備の割合、また管路の割合など、それぞれの項目において経年的に悪化している状況が確認されております。また、管路の更新率の項目につきましては経年的に改善をしておりますが、十分に伸びていない現状を認識いたしております。 これらのことから、今後、管路及び施設の健全度指標を改善するために、更新工事については計画的に行っていかなければならないと考えております。 また、県域水道一体化の協議の期間中に、本市の更新をどのように同時並行的にするのか、しないのかということでありますが、これは県域水道一体化にかかわらず計画的に更新していかなければ、更新すべき事案が山積してしまうという状況が想定されます。そのようなことからも、一体化に影響しない施設や管路などに絞りまして、しっかりと更新すべきものについては更新を進めていくべきであると認識をいたしております。 次に、下水道事業についての御質問であります。 今回、水道事業、いわゆる上水道の部分だけが県域の広域化に入った場合には、下水についてはどのようにするのかという御質問であります。 この下水道事業につきましては、水道事業と同様に、もしくはそれ以上に今後経営改善が必要な事業であると私は認識いたしておりまして、これまでの水道サミットや、また本年1月の覚書の締結式の際にも、下水道事業についての広域化についても検討していくことが重要であるという認識をお伝えさせていただいております。 これについては、まだ議論が始まっていない段階ということでございますので、今後どのようになるかというところは未確定なところを多分に含んでおりますけれども、やはり上水のみならず下水道についても、しっかりと連携による経済合理性を高めていく可能性を検討していくべきと考えており、県や関係団体の間で検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 階戸議員の代表質問にお答えをいたします。 令和2年度に計上されている設計予算の説明や、一条高等学校附属中学校校舎建設に至ったプロセスについてお尋ねでございます。 一条高等学校の改革につきましては、平成25年度から教育委員会事務局内に将来構想検討委員会を設置して、教育のビジョンや内容、改革の必要性を検討し、その改革の一つとして中高一貫教育の導入についても検討を進めてまいりました。 また、昭和30年代に建設された校舎本館につきましては、老朽化が著しく進み、建て替えが必要な状況であることから、整備内容について検討を進めてきたところでございます。 そうした中で、中高一貫教育の導入につきましては、教育委員会の会議においてさらに協議を進め、令和2年7月定例教育委員会において、仮称奈良市立一条高等学校附属中学校の設置について議決し、附属中学校設置の方針が固まったことから、中高一貫教育においてさらに推進する探求学習や教科を融合した学習など、教育活動を充実させるための機能を備えた校舎の整備を併せて行うことといたしました。 校舎建設に伴う基本設計業務につきましては、令和2年10月に契約を締結し、老朽化が進んでいる校舎を建て替え、新たな機能を加えた新校舎の建設や改修に向けての設計業務を進めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 階戸議員の下水道事業会計についての御質問にお答えいたします。 県域水道一体化に伴って下水道事業会計をどうするのかということについて、どういうふうに企業局として考えているかという御質問でございました。 議員御指摘のように、企業局として上下一体で業務改善とかをやってきたわけですけれども、今後ともこの方向でやっていきたいと。そのためにも、一体化と並行して下水道事業の広域化についても検討していく必要があると。いずれにせよ、これまでの下水道事業会計の経営改善の努力が逆戻りすることがないようやっていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 12番階戸君。 ◆12番(階戸幸一君) 2問目はこの発言席から行わせていただきます。 さきの質問で、不動産鑑定価格に基づかなければならないわけではない、正常な取引価格は近傍類地の取引価格を基準とし、また土地価格形成上の諸要素を総合的に比較して算出してなどの説明を今、いただいたわけであります。このことは、岩井川ダム建設にも私は当てはまるように思われます。しかし、新斎苑では問題であるとなった今回、どこに違いがあるのか、ここについてお答えをいただきたいと思います。 また、確かに鑑定価格の3倍での購入が適切かの議論ではなかったということは、私自身も認識をしております。しかし、ゴルフ場建設や動物霊園建設の事案も、トラブルから裁判での決着となっています。これは新斎苑も、トラブルから裁判になったという点においては同様ではないでしょうか。借地期限や特例債期限が迫り、関係住民との話合いに十分な時間をかけなかったことがトラブルの原因となり、反対の請願が提出され、計画が遅れ、訴訟に発展したと私は思いますが、市長の考えをお聞かせください。 次に、PFI手法とDBO方式ですが、経済状況の変動、すなわち人件費や資機材などはインフレスライドとして考えるため、いずれも最終段階で確定することは承知をしております。私が指摘をしているのは、設計変更やインフレスライド以外の予算措置について、DBO方式では、1問目に述べましたように行政側が予算措置をすることから、当然、議会の承認が要ることは御存じだと思われますが、このことを怠っており、PFI手法と基本的に違うことを指摘しております。 再度伺いますが、先ほどの答弁が正しいと言えるか、お答えをいただきたいと思います。 次に、子どもセンターについてです。 運用までの期間での人員の確保、ここのタイムリミット、これについて明確な返事をいただいていないわけですが、私たちが一番気にしているのは、やはり開設、オープン当時に、国で決めた法律的な人数60名、最低60名をちゃんと確保できるのか。また、先ほど申し上げたように会計年度任用職員で、経験豊富な専門職を本当に確保できるのか。こういったことを非常に危惧するわけでありますから、万が一この対応が不足するような事態になったとき、どのように対応するのか。当然、正規職員を増員してでも賄っていく、そういった気概があるのかお答えをいただきたいと思います。 次に、クリーンセンター建設候補地へのアクセス道路でございますが、私の質問は3市町の勉強会の話ではなく、各市長、町長に、本市の計画が順調で、大和郡山市の移転建て替えの検討期限となる令和3年度中に、候補地が建設予定地であることがしっかりと担保でき、広域化を進められる状況で今回のアクセス道路を進めようとしているのかということを伺っております。今までのような合併特例債や緊防債のように期限ありきで推し進めることが、同じようなトラブルになるのではないかと非常に心配をしております。市長に再度答弁を求めます。 次に、水道事業会計について。 答弁にあるように、人口減少社会では、個々の自治体で行政サービスを継続して提供することは困難な時代であることは理解をしております。その手法の一つとして、広域化も理解できるところであります。今回の県域水道一体化もその一環で、内容によっては様々な合理性は認められると思います。しかし、過去の広域化の事例として消防の広域化があります。平成26年4月に奈良県広域消防組合が設立されましたが、様々な問題点があるように聞いております。本来、更新計画が設立前であったものが、施設などの更新事業を控えたことから設立後に更新するという、そのことによって各市町村で繰入れを行わなければならないということも聞いております。同じように、水道の広域化についても気になるところであります。 先ほど、奈良市の中では、しっかりと一体化に向けてと並行して、管路などの整備を計画どおり行うということでありました。しかし、他市においては、先ほどの消防の広域化のように、設立後に後回しにしようという考えがあるかもしれません。事実、他市では、この3月の新年度予算において、水道料金の値下げを3月議会で議案提案されている自治体があると聞いております。今後、同じように他の市町村において、こういった水道料金が当初予定していた状況ではなく、今の安価である奈良市の水道料金に近い水道料金に値下げする連鎖が起こることを懸念するわけであります。当初計画がこのことによって崩れていることは、もう周知の事実であります。本市が一体化前に計画どおり施設整備を行っても、他の市町村が消防の広域化のように計画を引き揚げるようなことが起これば、奈良市民の費用負担が増加することが目に見えているわけであります。このようなことが起こっていることは、市長として認識されているのか。 また、下水道についても、答弁では、水道事業と並行して広域化を議論していくことが必要と答弁されておられますが、事実、この協議体の中で下水道事業を一元化と並行して話をするという話は聞いておりません。また、本当にそうであれば、令和7年度の一体化までに、この下水についても一元化の話合いを現実的に行っていくべきであると思われますが、このことは、県も含めて下水道について、現実的に今どのような状況であるのか、この件についてはっきりと答弁を求めたいと思います。 以上で2問目を終わります。 ○議長(三浦教次君) 市長。
    ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 たくさん御質問をいただきましたので、漏れがあればまた御指摘いただきたいと思いますが、まず1点目、新斎苑に関連いたしまして、県によります岩井川ダムの買収事例と本市との違いがどこにあるのかということでございます。 県におきましては、我々が聞いておりますのは、不動産鑑定額でもって買収をしているということではないと聞いてございます。そのあたりが価格決定要素に大きく違いを生じさせているのではないかというふうに考えております。 また、今回の新斎苑建設事業に際しまして訴訟になっている一つの要因が、計画が遅れ、住民の皆様方との意思決定、また御理解をいただくということに十分な対応ができていなかったということも一つの要因ではないかと、トラブルが要因ではないかというような御指摘でございました。やはりこの事業については、私も就任以来、様々な紆余曲折をたどってまいりました。我々が幾ら正しいと考えても、住民の皆様方のお気持ちというものについては、やはり大きく乖離をするという場面も多々ありました。議会においても、様々な幅のある御議論をいただいたと認識をいたしております。 結果として、今回、訴訟を提起されているわけでございますが、やはり市といたしましては、行政という立場で適正な手順や根拠を持って行政運営していくということを大前提としながら、一方で、机の上の議論だけでは物事が進まない、特に困難事例、困難事業を進めていくということにおいては、ときには強いリーダーシップを持って意思決定をし、物事を進めていくということが重要だと考えております。その結果として今回のような訴訟をいただいたということについては、重く受け止めておるところでございます。 また、県のプール跡地事業の答弁が合っているのかということでございますが、そもそもDBO方式を含めますPFI手法によって公共施設の建設を行うという事例自体が、まだ日本の国内で僅かであるということ、特に斎苑等をその手法で行われたものと限定いたしますと、さらに事例は少なくなるわけでございます。何が100点かと、何が正しいかということについては様々な御意見があろうかと考えておりますが、市といたしましては、やはり最も身近な行政であります県により同種のPFI事業が行われたということは、一つ参考にすべきと考えましたことから、一つ、この清算の時期についてもそのような検討をしてきたわけでございますが、繰り返しになりますが、結果としては清算を途中段階で、数字の見通しが立った段階でさせていただいたということで御理解を賜ればと思っております。 次に、子どもセンターについて、オープン当初に人が確保できなかったらどうするのかということでございますが、ここについては、正規の職員はもちろんでありますが、やはり非正規の特に経験と専門性を持つ方々に御協力をいただくということが重要だと考えており、処遇についても相応のものを御用意させていただいて、人の採用を鋭意進めさせていただいております。 これまでも何度も申し上げてきたことでございますが、児童相談所については、建てるまでが仕事ではなくて、建ててからが仕事であるというふうに強く感じております。開所すれば、その日から最先端でしっかりとした事業をするということが当然求められますので、御指摘をいただいた点については十分留意し、しっかりと人員を確保してまいりたいというふうに考えております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございますが、斑鳩町、そして大和郡山市との協議を踏まえた予算計上であるかということでございます。 この点については行政としてのニーズということではなくて、我々が地元の周辺の皆さん方とお話しをさせていただく中で、やはり地域の最大の課題は渋滞問題であるという御意見をいただいたことに起因をいたしております。この点については、大和郡山市や斑鳩町も同様の認識をお持ちいただき、御理解いただいていると考えております。今後、様々な検討を進めていく中におきましては、御指摘いただきましたように、関係市町とのさらなる対話、そして情報共有をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 次に、水道の広域化についての御質問でございます。 消防の広域化のように、更新の時期を、ある意味自分のまちだけ得をするように前後左右するまちが出てくるんではないかという御懸念、またそのような事実があるという御指摘でございました。 やはり広域で事業を進めていくという中におきましては、まずそれぞれの参加市町村が紳士的な対応で臨むということが当然、大前提だというふうに考えております。どこか特定の自治体だけが特別に得をするとか、特段損をするとか、やはりそういうことは連携を図っていく上では避けなければならない要素だと考えております。 一方で、県域ということになってまいりますと、人口の多いところ、少ないところ、様々な地理的条件の差もあろうかと思います。やはり最終ゴールとしては全体最適を目指していくということだと思っておりますが、市としましては、先ほど申し上げましたように令和6年までの間、しっかりとじっくりと議論させていただき、最終判断をしていきたいと考えております。 また、下水道事業についてでございますが、これは現時点で下水道事業の広域化が決まっているということでは、当然ございません。この点については、これまでのサミットの中で毎回私が申し上げております。当市議会におきましても、今の県域の下水道事業と各市町村の事業との間で様々な課題があるということについての認識を皆様からも御指摘いただいてきたところであると考えております。私といたしましては、水道事業の広域化はもちろん検討すべき重要な事柄でありながらも、下水道事業についても、同様に様々に議論、そしてまた改善をしていかなければならないテーマであると考えており、毎回発言をさせていただいているのはそのような狙いでございます。 これを受けまして、荒井知事のほうからも、下水道事業の広域化についてもぜひ検討していきましょうというお答えをいただいております。まだ具体化しているものではもちろんございませんけれども、ここはやはりそれぞれの参加市町村がお互いに持つ経験、知識、情報を持ち寄って、県とも一体となって議論をしていきたいというふうに思っております。下水の広域化がどの時期にできるのかということについては、今申し上げましたように、まだ議論が緒に就いたところでもございますので私が申し上げる段階ではございませんけれども、奈良市としては、やはりしっかりとこの部分も議論させていただきたいという強い思いを持って臨んでいる次第でございます。 ○議長(三浦教次君) 12番階戸君。 ◆12番(階戸幸一君) 市長、ありがとうございます。 なかなか言えないところもあるとは思いますが、3問目は意見、要望と、そして市長へ最後の質問をして終わりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 今まで申し上げました、質問してまいりました内容について、特にやはり新斎苑については、奈良県と奈良市の違い、そして訴訟がされる、されないによって大きく変わったということは、これはもう事実であります。奈良市が裁判に持っていかれ、最高裁までというような状況に来ているわけでありますけれども、やはり先ほどから新斎苑だけではなく、今まで仲川市長がやってこられた事業そのもの全て、今こうして思い返してまいりますと、全てが計画性の甘さ、そして周辺との話合い、また担当課、所管との打合せであり様々な部分において、調整なり話合いができていなかったことがこのような事態を繰り返していると私は感じています。 合併特例債、新斎苑の問題、そして緊防債、庁舎の耐震化の問題、これについても紆余曲折しながら、確かに様々な問題を抱えながら一歩一歩前へ進めていくことは事実だと思います。しかし、よくよく考えれば、耐震化を最小限の耐震化で済まそうと言っていたことが、いつの間にか市民のほうから監査請求をされる状況になる問題となり、また我々は、議論として質問を、また報告、そういった義務を果たさなければならないにもかかわらずここを失念した、またそういった問題で済ませてこられた。非常に我々としては大きな問題であるというふうに感じています。 先ほどのDBOとPFI手法についてもそうだと思います。県は、資金調達の中において、民間の金融機関で調達する中で、大きな変更がなかったからこれに対しての議会への報告、承認を取っていなかったということは明らかであります。本市の場合、これを同じというのであれば、変更などがなければインフレスライドなどの問題は、当然最終的な問題で済むことだと私は思っています。ですが、基本設計から詳細設計を待つまでに工事に入った、そしてその内容によって工事の内容が変わり、手法が変わり、様々な問題を抱えてきたことは事実です。その結果、合併特例債の延期は後の話であったにしろ、合併特例債の期限ありきではなく、しっかりと時間をかけて調査し、そして住民との話をする。そういったことを行っていれば--結果的には変わらなかったかも分かりません、結果論を申し上げて申し訳ないんですが、しかし我々は、議会として行政側の様々な事業に対してチェックを行っていかなければならないわけであります。しかし、このチェックを適切なタイミングをもって行わなければならないにもかかわらず、報告が遅れ、また補正予算が遅れ、もうこのタイミングでなければ採決ができないという、このぎりぎりに置かれた立場の中での議員の判断は、非常に厳しいものがあったと私は感じます。 こういった問題も含めた中で、やはり仲川市長においては、議員云々だけではなく、職員との対話であり、また1期、2期、3期とやってこられた中で、先ほども市長が他の質問の中で、市民に寄り添い、そして職員とも寄り添いながら初心を忘れず見直す、このような発言も答弁でされているわけであります。 しかし、先ほど実績を羅列されましたが、私は1つ抜けていたと思います。福祉に関して、高齢者に対しての部分が非常に欠けていたような気がします。子育て、教育、そして現役世代、こういったところに対しての施策は確かに実施もされ、評価もされる部分もあります。しかし、高齢者福祉の部分に関しては、他の事業と比較して大きく遅れているということは私だけが感じることでしょうか。 こういったことも含めた中で、市長は先ほど最後の答弁の中で、今後についても継続して行いたいという話をされておられましたが、明確な答弁をいただいたわけではありません。我々議員、そして市長共々この7月が改選となります。そして、多選が状況にどのような影響を与えるのか、こういったことも含めて、しっかりと今までやってこられたことも含めて、また今後、先ほど発言されたように市民目線、そして職員と共に歩むというこの気持ちを持っているのであれば、はっきりと先ほどの議員からの質問に対して答えていただきたい、そのように思うわけであります。 言いたいことがあるんですけれども、まず、この12年間、本当に我々とともに市民のために市長としてやってこられたこと自身、私自身も賛同できるところもあり、しかし年々、今申し上げたように思うところが我々にはあるということ、こういったことは心にとどめていただきたい。それを踏まえた上で、市長の4選目が本当にあるのかどうか、この件についてはっきりと答弁をいただきたいのと、先ほどの下水道の話についてもそうです。知事がおっしゃっただけではない、その話合いの中においてしっかりとこれは、同時に一体化ができるというのを進めていく気持ちは最後まで忘れてほしくないです。 そして、先ほども申し上げたように、消防の広域化とは違う形であります。税金からの補助ではありません。水道料金は市民に直接跳ね返るわけであります。こういったことを考えたときに、一元化までの間に料金の値下げ、これが明らかになった今の現実、この状況でも参加を行っていく、またそれは是正をしていく。多分奈良市が中心となっていくわけですから、奈良市が主体となってこういった部分を是正し、そしてよりよい一体化を進めるというこの気概をはっきりと答弁いただいて、私の質問は終わりたいと思います。 ○議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 様々な観点でこの12年間取り組んできた中で、階戸議員をはじめ様々な議員の皆様方から頂戴いたしました御指摘、御指導につきましては、私自身も改めるべきところ、見直すべきところ、さらに学ばなければならない点も多々あろうかと認識をいたしております。その上で、先ほど答弁を申し上げましたように、引き続き市民の皆様とともに挑戦をしていきたいという意向を申し上げた次第でございます。 御質問の要点といたしましては、水道事業の県の広域化に際しまして、特に下水道事業をどのようにしていくかという論点は、私もとても重要な点だと認識をいたしております。ここについて、まだまだ議論が深まっている状況では当然ございません。まずもって上水道の広域化で先駆けて議論が進んでいるという状況でもありますし、県においても、下水道事業の様々な見直し、検討は、ほんの最近、ここ数年で着手をされたというふうにも聞いてございます。このあたりについては引き続きしっかりと議論、対応しながら、議員御指摘のように奈良市が中心的な存在であるということは間違いのないところだというふうに思っておりますので、それぞれの参加市町にとって、これは当然、奈良市も含んでということでありますが、皆さんにとっての納得解を導いていくためには、県任せや他の市町村任せではなく、奈良市自らがしっかりと議論の中心に立ち、汗をかくことが重要だと考えております。その上で、先ほどから出ておりますように、令和6年の協定書締結までによりよい答えを導いてまいりたいと考えている所存でございます。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時55分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(八尾俊宏君) 議長所用のため、私、代わって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(八尾俊宏君) 代表質問を続行いたします。 26番藤田君。   (26番 藤田幸代君 登壇) ◆26番(藤田幸代君) 公明党の藤田幸代でございます。 私は、公明党奈良市議会議員団を代表いたしまして、市長並びに教育長に一括質問一括答弁で質問をいたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について。 都市部を中心として全国的に新型コロナウイルス第3波の感染拡大の影響を大きく受けることとなり、奈良市においても、毎日の新規感染者数を注視し、危機感を持って生活する日が続いておりました。2月末からようやく新規感染者がゼロになる日が続き、3月2日に警戒レベルがステージⅡに引き下げられましたが、まだまだ油断できない状況であり、お一人お一人の感染予防対策に努める行動が必要であります。 経済におきましては、昨年1年間の影響から、第3波の感染拡大状況で長期化する経済の低迷、停滞に、特に観光や飲食関係事業者をはじめ市民生活にも大きく影を落としております。これまでも本市では、こうしたコロナ禍において国の地方創生臨時交付金を活用して、幾つもの新型コロナウイルス感染症支援策を打ってこられました。 そこで、1問目として、今回の国の第3次補正予算を受け、特に経済的影響を大きく受けておられる観光・飲食関係事業者への支援など、本市の経済を維持していくための地域の経済対策についてお尋ねいたします。 2問目として、新型コロナウイルスワクチン接種推進事業に関してお尋ねいたします。 現在、本市においても、新型コロナウイルスワクチン接種を対象者へ円滑に進めていくため、県や奈良市医師会とも検討、調整を進めておられますが、この事業を進めるに伴い、地域の経済支援、雇用支援に結びつけて事業展開していくことで、より多くの効果を期待することができると考えます。長期化する新型コロナウイルス感染拡大により、パート、アルバイトなど非正規労働者への影響が大きくなっている状況があります。そのパートやアルバイト従業員の多くを占めるのが、学生や女性であると考えます。 そこで、1点目に、新型コロナウイルスワクチン接種推進事業に関する一部事務に、市内の学生や女性等、コロナの影響で収入が減少している人を採用してはどうかと考えますが、その考えについてお聞かせください。 また、新型コロナウイルスワクチン接種の協力医療機関側の課題として、事務等の負担が増大することが懸念されます。協力医療機関側の事務負担を軽減するための支援についても併せてお聞かせください。 2点目として、新型コロナウイルス感染症拡大により深刻化する経済状況の中でありますので、緊急事態下の措置として、市内事業者の事業継続を支援するために、新型コロナウイルスワクチン接種事業に関連する様々な業務について、随意契約により締結するといった、市内事業者を優先して採用する考えについてお聞かせください。 次に、奈良市の財政について。 予想だにしなかった新型コロナウイルス感染症の影響を受け、本市の予算編成においても大きく影響を及ぼしております。これまでは国の地方創生臨時交付金があり、新型コロナウイルス感染症への対応をすることができ、今のところ財政調整基金の取崩しもなかったと報告を受けておりますが、新年度では国の交付金がどこまで確保できるのか、その見通しがない中、コロナの影響で新たな事業費の確保も必要となり、これまで以上に厳しい財政状況になるのではないかと危惧するところです。 これまでの奈良市の4年間の財政では、市債残高が大きいために、市債償還のための公債費が大きくなっている状況です。我が会派といたしましても、将来の負担を軽減させるために市債償還に努め、市債残高を減少させることを求めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症への対応に伴い、学校現場では、GIGAスクール構想の下、市内の全公立小・中学校でICT教育の環境が整えられることとなり、行政においてもデジタル化が進むこととなりました。 そのことにより、今後のランニングコストが増大することになります。将来の負担を軽減するために市債残高をさらに減らしていくことは今後も必要と考えますが、そのための市の財政運営をどのように考えているのかについてお聞かせください。 次に、クリーンセンター建設について。 平成30年からごみ処理の広域化について、周辺自治体との勉強会に参加し、奈良県北部地域におけるごみ処理広域化に関する5市町合同勉強会中間報告書を出されました。そこには、5市町を想定したコストシミュレーションの報告があり、単独でごみ処理施設を建設、維持し、処理をすることに比べ、コスト削減の効果が大きいことを理由に広域化を進めていく旨の説明がありました。 しかしながら、昨年には施設更新時期等の違いから、2市町が広域化から外れ、奈良市、大和郡山市、斑鳩町の3市町での広域化を進めていくということを発表されています。広域化の計画が5市町から3市町になることのシミュレーションについて、説明が必要であると考えます。 そこで、1問目として、3市町としてのコストの試算について、当初の広域化の想定では5市町であり、そのコストシミュレーションの下、広域化を進める大きな理由として説明されていましたので、3市町の広域化でもコスト削減の効果が見込めるのか、奈良市単独でクリーンセンターを運用していくこととの比較において、コストシミュレーションはどうなるのかについてお聞かせください。 2問目として、5市町での人口の重心地ということで、七条地区が候補地として浮上したと理解しておりますが、3市町になっても依然として七条地区が候補地になっている理由についてお聞かせください。 3問目として、現在、社会的にカーボンニュートラル--脱炭素社会の実現に向けて、世界が協調して取組を進めるべきであるとされ、公明党といたしましても、地球環境を守る上でその重要性を主張してきたところであります。 そこで、本市のクリーンセンター建設計画には、循環型社会形成推進地域計画策定とありますが、3R--リデュース・リユース・リサイクルを総合的に推進する効果についてお聞かせください。 4問目として、事業の進捗状況の説明に、地元自治会役員及び住民の皆様との意見交換会を実施されたとありますが、どこまでの地元地域を対象に説明がされたのか。また、アクセス道路予備設計が進められる計画でありますが、周辺自治会や地縁団体への説明の状況についてお聞かせください。 次に、公明党奈良市議会議員団まちづくりビジョン2021に示す奈良市の取組についてお尋ねいたします。 改選から今期4年間で我が会派が目指すところの奈良市のまちづくりビジョンは、我が会派として奈良市の課題を洗い出し、目指すべき施策の方向性を示すことにより、充実した市民生活を確保しようと作成したものです。このビジョンを市民の皆様にお示しをし、市長にも提出し、議会質問でも取り上げ、要望を重ねてまいりました。本日の代表質問で、目標とする今期最終年に、公明党奈良市議会議員団まちづくりビジョン2021をどこまで奈良市行政に反映することができたのか、それを検証するための質問をいたします。 このビジョンは、子供、若者、高齢者、観光の4つの点について集約したものであります。 子ども・若者につきましては、時代の変化が著しく、かつ複雑化する社会状況を背景として、生きづらさを抱える子ども・若者が増加傾向にあります。そうした子ども・若者が夢や希望を持ち、力強く生きていくために、その生きづらさを早期発見し、ライフステージ、発達段階に応じた切れ目ない包括的な支援の構築を推進してまいりました。 そのための子供ビジョンの具体策では、妊娠・出産期は支援が必要な母子への支援の入り口となることから、生まれてくる全ての赤ちゃんの育みをサポートできる体制、支援を必要とする赤ちゃんを早期発見し、早期支援に結びつけていくための取組、また子供が抱える生きづらさの中には、子供の貧困問題、発達障害、児童虐待などが大きく関係し、子供の貧困対策についてはそれが多くを占めると言われております。母子家庭への支援、学齢期児童・生徒への就学援助制度の充実、地域での学習支援、フードドライブの活用で福祉的支援につなげることなど、発達障害児への支援では、何より早期療育につなげることにより適応力をつけてあげることができ、ライフステージで途切れることのない支援の継続、また発達障害を早期発見するということは、子供への支援だけではなく、親への支援も併せて進めていかなければなりません。 これらの生きづらさを抱えた子供たちへの支援とともに、全ての子育て支援を充実させていくことが児童虐待を未然防止していくことにつながると訴え、児童虐待の重症事例に迅速に対応するための児童相談所の設置とともに、包括的な子供の支援のための仮称子どもセンターの建設を推進してまいりました。また、児童相談所の安定した運営のために、基金の創設も提案した次第であります。 学校現場では、異常気象による酷暑への対策として、空調設備整備やトイレの洋式化など学校環境の確保、いじめ対応や不登校児童・生徒への対応の充実、支援を必要とする児童・生徒への支援の充実や自校での通級指導教室の拡充に取り組んでまいりました。そして、現在の社会状況下では、学校は子供への教育の確保だけではなく、子供の後ろにある家庭にも目を向け、福祉的支援との連携も必要であることを訴えてまいりました。 若者ビジョンでは、義務教育を卒業した高校生年齢以上の若者への公的支援、所管する課が奈良市では確保できていないことを課題として、ひきこもり等、様々な生きづらさを抱える若者が増加傾向にあり、それに対して包括的支援の構築とその充実を求めてまいりました。また、その支援には、義務教育からの切れ目ない支援が必要であります。そのために、まずは若者の相談窓口の設置、そこでの包括的支援をアセスメントすることにより適切な支援に結びつけること、また、包括的支援をしていくためのプラットフォームの設置の必要性を訴えてまいりました。そして、若者ビジョンでは、少子化対策の一つとなる若い世代の子育て支援の充実も必要と考え、多胎妊婦健診の助成拡充やこども園化を推進することで待機児童の解消につなげ、幼児教育と保育の両立による子供たちの豊かな情操教育となる幼児教育の充実、また保育教育士の確保のための処遇改善と保育士の負担軽減などを求めてまいりました。 高齢者ビジョンについては、高齢者人口が2040年頃にピークを迎えるとされ、高齢化が進む中、生涯にわたり生き生きと暮らせるための健康寿命を延伸できる施策、高齢になっても住み慣れた地域で不安なく過ごせるための地域福祉の充実、高齢化に伴い増加傾向にある認知症への対応の充実等について推進してまいりました。そのための具体的施策として提案してきたことは、胃がん・肺がん検診の対象年齢拡大と受診勧奨、奈良市社会福祉協議会との連携による地域福祉の充実、支え合うまちづくりのための生活支援コーディネーターの推進、権利擁護センターの設置、認知症対応として認知症初期集中支援チームの推進と地域包括支援センターへの配置、徘回による行方不明を防止するための見守りネットワークの構築を訴えてまいりました。 観光ビジョンにつきましては、一昨年までの本市における観光施策では、全国においてここ数年間で行われる予定であったスポーツイベントなどもあり、本市へのインバウンドの観光客数の増加を見込み、観光施策について朝型観光や、富裕層等の観光客層をターゲットにした新たな観光ルートの推進、多言語化したインターネット放送による観光情報の発信、富雄丸山古墳を中心とした西部地域と、自然環境に包まれた東部地域の新しい観光の活性化、パークアンドライド・サイクルライドの推進などを求めてきておりました。 しかしながら、昨年の新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の状況に施策の方向転換を余儀なくされることとなり、ビジョンで示した方向性とは異なりますが、新型コロナウイルスの影響を受け、市内・県内観光を進めるマイクロツーリズムを提案し、アフターコロナを見据えて観光客を呼び戻すための積極的な戦略、現在の仕掛けが大事であることも訴えております。 これら子ども・若者、高齢者ビジョンに示す奈良市の取組について、観光ビジョンについては、新型コロナウイルスで影響を受ける前の状況で我が会派が要望してまいりました観光施策の取組と、ウィズコロナ状況下で提案いたしました観光施策について、市長へお尋ねいたします。 また、子ども・若者ビジョンについて、教育委員会での取組を教育長にお尋ねいたします。 以上で、公明党奈良市議会議員団を代表しての1問目といたします。 ○副議長(八尾俊宏君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの藤田議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、国の3次補正予算を活用いたしました地域の経済対策についてということで御質問をいただきました。 議員お述べのとおり、国のGo Toトラベル事業の停止及び1月の緊急事態宣言発令などによる売上げへの影響は、市内飲食店や市内宿泊施設を中心に、顕著にその影響が現れておりますことから、今回の3次補正予算によりますこの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業者支援につきまして、令和3年度においても実施をしていく考えであります。 まず、市内の消費喚起策といたしましては、17億円分のプレミアム付商品券を発行いたしますことで、幅広い業種の事業者の皆様方へ支援を届けてまいりたいと考えております。また、本事業を令和2年度に実施いたしました際には、目標でありました1,000店舗を大きく上回る1,766店舗に御登録をいただきまして、おかげさまで一般販売をいたしました商品券につきましても完売となったところでございます。 今回は、前回の利用者からの御意見を踏まえまして、飲食店専用のチケットを500円単位での発行に変更したほか、引き続きインターネットでの申込みも受け付けるなど、より利便性の向上につなげてまいりたいと考えております。 販売時期につきましては、できる限り早い段階で開始をしたいと考えており、新型コロナの感染状況に加えまして、市民への周知期間も踏まえて総合的に判断をしていきたいと考えております。 また、飲食店への支援といたしまして、売上げが減少した店舗を対象とした支援金の給付を行うとともに、テークアウトやインターネットを活用した事業など、新たな展開を模索する事業者に対しては、10万円を上限とした必要経費の一部助成や販売機会の提供を行うことなど、市内飲食店の安定した経営基盤の構築につながるような支援を行ってまいります。 さらには、観光関連事業者への需要創出に向け、修学旅行生へ安全・安心で充実した奈良旅行を提供するための支援を行うほか、タクシー利用割引券の配付や市内宿泊施設を利用したテレワーク推進の支援、農作物の輸出拡大とブランド化に向けた支援など、多岐にわたる取組を展開することで、地域経済の活性化に寄与するものと考えております。 これらの取組とともに、緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金や、事業再構築補助金などの3月から国が新たに実施いたします事業を組み合わせまして、事業者支援を展開することで、効果的に市内経済の回復へとつなげてまいりたいと考えております。 次に、ワクチン接種事業に際しまして、市内の学生、または女性の方々を活用してはどうかという御提案でございます。 御指摘のとおり、コロナ禍の社会情勢により雇い止めをされ、生活が困窮されている学生、女性の方々がたくさんおられると認識をいたしております。また、それ以外の方でありましても、様々な理由で職を失い、仕事を求めておられる方々もおられます。 本市といたしましては、コロナ禍で生活に困っている方々を支援していくことが大変重要だと考えており、現在準備を進めておりますワクチン接種事業につきましても、集団接種会場における誘導等の業務や、また窓口業務などの事務の担い手となる会計年度任用職員を募集させていただいており、そうした採用活動も活用し、困窮されている方々への働く場の提供につなげてまいりたいと考えております。 また、協力医療機関側の事務負担を軽減する取組については、引き続き奈良市医師会とも調整をし、積極的に行ってまいりたいと考えております。 また、この接種事業の契約に当たり、市内事業者の優先採用ということでありますが、このワクチン事業を進めていくのに必要となる様々な契約の締結につきましては、地方自治法施行令第167条の2第1項第5号の規定に基づきまして、緊急の必要により競争入札に付すことができないときに随意契約ができるものとなってございます。市といたしましては、ワクチン接種体制確保事業のそれぞれの具体的な契約内容を踏まえまして、随意契約の可否についても判断をしてまいりたいと考えており、結果として市内事業者の方々の事業継続の支援につながるよう、そのような視点も取り入れて適切に対応していきたいと考えております。 次に、GIGAスクール構想など、コロナ対応予算で取り組んだ事業のランニングコストの増がどのように将来負担に影響するかという御質問でございます。 御指摘のように、将来世代に負担を残さないという視点は、平成21年度の私の就任以来、最も重視をしてきたところでございます。特に、市債残高の削減につきましては重点的に取り組んでおり、平成21年度末から令和3年度末見込みにおきまして、臨時財政対策債を除きました全会計での実質的な市債の残高については約520億円の削減、これに土地開発公社の負債清算も含めますと、約700億円の削減となっております。 議員お述べのとおり、今年度につきましては、現在のコロナ禍への対応に最優先で取り組んでまいりました結果、GIGAスクール構想対応予算などにおいて、ランニングコストが来年度以降増大することが避けられない状況がございます。 一方で、将来世代へ負担を先送りしないこと、また、新型コロナウイルスの脅威が去った後の本市の継続的、持続的な発展を考慮した先を見据えた財政運営こそが重要であると認識しており、今回御提案を申し上げております令和2年度の補正予算案及び令和3年度当初予算案につきましては、そのような考え方に基づき編成をさせていただいた次第であります。 次に、クリーンセンターについての御質問であります。 当初の5市町から3市町に変わったことにより、コスト軽減の試算はどのようになったのかということであります。 これにつきましては、3市町合同勉強会におきましてコストシミュレーションを提示し、認識の共有を図っております。具体的には、焼却施設の施設規模及び施設建設費用として、まず広域化建設の場合で試算をいたしますと、平成30年12月に5市町合同勉強会で中間報告書を出した際には、5市町合計で586トン、そして金額では458億円でございました。これを3市町といたしますと393トンで、金額では303億円ということで、コストとともに金額規模も大幅に縮小しております。 また、単独建設の場合では、本市では290トンで241億円、交付金等を考慮した本市の実質負担としては88億4000万円でございましたが、広域化の場合には、交付金等を考慮した本市の実質負担額としては、5市町の広域では73億2000万円、3市町の広域では65億2000万円でありますため、5市町及び3市町のいずれの場合にも、単独建設の場合と比べまして大きなスケールメリットが生じるものと考えております。 次に、候補地についての御質問でありますが、5市町合同勉強会で作成いたしました中間報告書に示しました人口重心地域を中心に、収集運搬、搬入の利便性に関わる幹線道路の状況や規制等を含む土地の状況、また周辺住居等について総合的に勘案して検討を進めた結果、七条地区を候補地として決定し、地元住民の皆様にも説明をさせていただいているところでございます。その中で、昨年8月に生駒市と平群町が広域化への参加を見送られ、3市町となったことにより、その人口重心については、5市町のときよりも東南東方向に大きく移動することとなりました。結果的には今回の七条地区が、より候補地としての適正性が明確になったものであると認識をいたしております。 次に、3Rを総合的に推進する効果についてということであります。 循環型社会形成推進地域計画におきましては、廃棄物の3Rを総合的に推進するために、平成17年度に創設されました国の循環型社会形成推進交付金制度により、交付金を受けるために必要な計画となっております。有限であります資源を効率的に活用するとともに、再生産を行い、持続可能な形で循環させながら利用していく、いわゆる循環型社会を形成するためには、3Rを総合的に推進していくことが重要でございます。 新たなクリーンセンターにおきましては、脱炭素や自然共生への取組、また資源の制約や災害対応、地域振興等の社会課題の同時的な解決を目指すことで、地域に新たな価値を創出する地域の核となる施設として計画をしていくことといたしております。よって、今後はこのように、資源循環分野からの地域計画及び施設整備計画の策定を検討してまいりたいと考えております。 次に、地元への説明会に伴いまして、アクセス道路等の計画を進める際の地元の範囲、それから地権者の理解の状況等についてということであります。 令和元年度より、建設候補地でございます七条地区、その周辺地区であります都跡地区、辰市地区及び大和郡山市自治会の皆様方と定期的に意見交換会を実施させていただいており、令和2年度につきましては、建設候補地自治会でございます七条東自治会の役員の皆様、住民の皆様方を対象に実施をさせていただきました。さらに、令和3年2月には、大安寺地区自治連合会定例会の場にもお招きをいただきまして、建設計画の現状について御説明を申し上げております。また、来年度につきましては、アクセス道路の予備設計を実施予定でありますが、この道路に関わる周辺自治会や地権者の方々にも、コロナの状況も見据えながらではございますが、説明の機会をいただき、できる限り多くの皆様方の御理解を得られるよう努力をしてまいる所存でございます。 続きまして、生まれてくる全ての赤ちゃんの育みをサポートできる体制についてという御質問であります。 妊娠期から子育て期にわたり、切れ目なく支援が必要な方を早期に発見し、必要なサービスが受けられる体制の構築が重要であり、特に妊娠期は支援の入り口となる大切な時期であると認識をいたしております。 そのため、本市におきましては、従来から子育て世代包括支援センターを設置しており、平成30年度からは、必要なサービス内容を分かりやすく示した子育て応援プランを妊娠の届出のときにお渡しすることで、子育てや健康づくりに活用いただいております。 また、妊娠期の取組といたしましては、1回の妊娠につき14回の健康診査費用として9万7500円を助成させていただいておりますが、令和2年度からは多胎妊婦への妊婦健康診査助成費につきましては、市独自で3万円の追加助成を行っております。令和3年度からは、基本となる診査助成費も増額となり、合わせますと13万円の助成となる予定であり、これらにより健康管理の支援を充実させてまいりたいと考えております。 また、子育て期の取組といたしましては、産後鬱の早期発見、早期支援を目的に、平成29年度から産後ケア事業を開始し、当初の受入先は3か所の産科医療機関でありましたが、平成30年度からは5か所に拡充をいたしております。 また、発達障害の早期発見、早期支援を目的に乳幼児健康診査を実施しておりますが、令和元年度からは発達障害のアセスメントツールを活用し、1歳7か月児健康診査の問診項目に追加をすることで、保護者の方々に発達障害に対する気づきを促すことにもつながっております。今後も引き続き早期の発見に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、切れ目ない支援と子供の貧困対策についてということであります。 本市におきましては、過去に重大な児童虐待事案が発生し、重症事例検証会議における厳しい御指摘を踏まえ、基礎自治体である中核市のメリットである保健所や教育委員会などと連携をした児童虐待防止対策の強化を図ってまいりました。妊娠期からの支援が必要な特定妊婦や乳幼児を担当する母子保健、福祉の関係部署、その後の学齢期に関わる教育委員会や学校関係者などに横串を刺し、切れ目のない総合的な支援を行うために、平成30年度に子ども家庭総合支援拠点を設置いたしております。 また、様々な理由で親と暮らせない子供たちに温かい愛情と正しい理解を持ち、家庭的な環境の下で養育をする里親制度の普及啓発にも取り組んでまいりました。さらに、児童相談所とキッズスペースや子ども発達センター、また子ども家庭総合支援拠点が一体となった奈良市子どもセンターを整備することで、ワンストップで子供や家庭への相談支援体制の構築を図ることで、支援体制のさらなる充実に努めてまいる所存であります。 また、令和2年度には多くの方々から頂戴いたしました善意の御寄附を財源とし、奈良市児童相談所基金を設置させていただいております。この基金を児童相談所の整備及び運営の経費に活用し、児童相談所の安定的な運営を図ることは、子供たちの安全と安心できる環境の確保につながっていくと考えております。 また、子供の貧困対策といたしましては、平成29年3月に策定をいたしました子どもの貧困対策計画、奈良市子どもの豊かな未来応援プランにつきましては、経済的に困難な状況が世代を超えて連鎖することがないように、貧困を様々な視点から捉え、市の事業全体の関わりへの意識づけと進捗管理をしながら計画を進めているところであります。また、平成30年度には中学生を対象とした学習支援事業を開始し、令和2年度からはフードバンク事業や支援が必要な子供たちの見守り強化事業など、地域の団体や関係機関とも連携し、取組を進めております。来年度においては、子供の貧困に関する実態調査を実施し、次期子どもの貧困対策計画を策定してまいりたいと考えており、より実効性のある取組を目指してまいりたいと考えております。 今後もコロナ禍による日常生活の変化により、子育てに困難さを抱えた様々な御家庭の状況やニーズに即した子育て支援を行っていきたいと考えております。 続きまして、義務教育を卒業された後の若者への公的支援についてということであります。 義務教育終了後の若者に対しましては、障害の有無にかかわらず、ひきこもりなど社会生活を営む上で困難を抱える方々に対して、福祉、教育、保健・医療の分野横断的にきめ細かな支援が必要であると認識をいたしております。そのため、本市では、平成30年7月に奈良市若者サポートセンター「Restartなら」を設置し、当事者本人や家族などからの相談を受け、関係機関と連携し、本人に寄り添った支援を行わせていただいております。センター設置後、相談年齢の広がりやニーズの高まりにより、前年度と比較をいたしますと、相談件数は約3倍に増加いたしております。その中には、ひきこもりの状況にあった方が春日中学校の夜間学級で学び直しをされ、これからの進路について支援を行わせていただいているような事例もございます。 また、今年度はさらなる体制強化を図るため、これまでのひきこもりに関連した支援機関に加え、連携が弱かった外部機関にも御参加をいただき、奈良市子ども・若者支援地域協議会を設置させていただいております。次年度におきましては、国の予算も活用しながら、訪問支援の拡充、居場所づくりなどを行っていく予定であります。今後も引き続き、切れ目のない包括的な支援に取り組んでいきたいと考えております。 次に、幼児教育と保育の両立を進める中での幼児教育の充実についてでありますが、本市におきましては、質の高い乳幼児期の教育・保育を総合的に提供できるよう、幼稚園教員と保育園保育士が合同で策定をいたしました奈良市立こども園カリキュラムバンビーノ・プランに基づき、豊かな体験活動を通して主体性を育む教育・保育を一体的に進めてまいりました。職員の専門的な知識や実践力を身につける様々な研修や、文部科学省の幼児教育アドバイザー育成事業に毎年継続して取り組み、各園で幼児教育の指導、助言ができる職員を養成してまいりました。この取組が公私立ともに本市全体での教育・保育の質の向上につながってきたと考えており、昨年度、公立園で行いました保護者の評価の中でも、「園児が園生活を楽しんでいる」という項目については、約98.1%の方がそのようにお答えをいただいております。 また、今年度につきましては、正規職員の保育教育士を32名採用させていただいており、保育士確保という観点でも取組を強化しております。来年度につきましては、保育ICTシステムを導入する予定であり、これらが保護者との緊急時の連絡、また園児の登降園の管理などを行うことで、業務の効率化を図り、職員の負担軽減にもつなげてまいりたいと考えております。 その他、会計年度任用職員制度への移行に伴い、月額制の保育教育士に期末手当を支給し、年収ベースでの増額となる処遇改善、また結婚休暇などの休暇制度の充実を図っております。 民間保育所等におきましては、施設整備による保育の受皿整備、給与改善費補助事業の実施による処遇の改善、また宿舎借上げ支援事業や保育士就労奨励費交付事業等によりまして、保育士の方々が働きやすい環境を整え、保育士の確保と、それから離職の防止を図るための様々な補助や支援を行わせていただいております。 これらの対策により保育士の確保を進め、子育て世帯を支援してきたところ、認可保育施設の利用者数については、平成29年4月1日が5,750名でありましたものが、昨年4月1日では6,056名と増加しております。これにより、待機児童数が163名から33名へと減少しているところでございます。 次に、高齢者の施策について、健康寿命延伸のための取組でございますが、まず健康寿命延伸のための各種がん検診の受診率向上に向けた取組について御説明を申し上げます。 まず、胃がん検診については、従来のエックス線検査に加えまして、平成27年度から胃がんの発生リスクでございますピロリ菌の有無を検査する胃がんリスク検診を、国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の改正に基づきまして、平成28年度から胃がん内視鏡検査を開始いたしております。どちらも段階的に対象年齢を広げ、受診率の向上につなげてまいりました。 また、国の指針には示されておりませんが、平成29年度からは、女性に多い肺腺がんを発見しやすいとされております肺がん低線量CT検診をオプション検診として導入いたしております。 これらのがん検診につきましては、市民だよりやホームページへ掲載するとともに、がん検診・各種検診受診票を対象者全員に個別に送付し、受診の勧奨に努めております。 また、地域福祉を充実させるための取組につきましては、高齢者が住み慣れた地域で安心して人生の最期までお過ごしをいただけるよう、地域包括ケアシステムの充実に努めてまいりました。平成30年度に、つながり合い、支え合えるまちづくりの推進のための生活支援コーディネーターを日常生活圏域ごとに配置をさせていただいたとともに、成年後見制度の普及を促すための権利擁護センターも設置をいたしました。 また、生活支援コーディネーターについては、地域活動を推進するに当たりまして、その役割は非常に重要なものであると捉えておりますことから、来年度は新たに2名増員させていただきまして、合計で16名体制を確保してまいりたいと考えております。また、令和元年度には、地域包括ケアシステムの中核となる地域包括支援センターの後方支援を行います基幹型地域包括支援センターも設置をいたしております。特に、認知症の対策につきましては、認知症の予防と、認知症になった後も安心して暮らしていただけるための共生を両輪にいたしまして取組を進めております。 まず、市内1か所の認知症初期集中支援チームを、令和2年度からは13か所の地域包括支援センターに設置いたしますとともに、認知症の方やその御家族が地域で集える拠点となる認知症カフェについても充実を図ってまいりました。また、ICTを活用した見守り活動を進めるため、スマートフォンのアプリを開発した団体と協定を結び、認知症の方々が安心して暮らせるまちづくりを進めているところでございます。 続きまして、まちづくりビジョンを踏まえたウィズコロナ、アフターコロナの観光施策についてということであります。 新型コロナウイルスの感染拡大以前は、インバウンド観光客の急増を受け、本市の観光入込客数も年々増加しており、中心部に集中するにぎわいを市内各所へ拡大するため、東部や西部地域への誘客に取り組むとともに、宿泊型の観光に移行させるための様々な取組を進めてきたところでございました。 一方、コロナ禍におきまして、人の移動自体が感染リスク拡大につながるということからも、近隣の観光を促すことを目的とした、いわゆるマイクロツーリズムが注目をされております。これにつきましては、県内の周遊観光の促進に向けまして、先日も田原本町、吉野町、明日香村の皆さん方と観光の連携を宣言させていただきまして、共々にお互いの魅力を共有し、発信をしていく取組を進めております。これらにつきましては、次年度においては自転車で巡る奈良旅の提案なども行いまして、誘客に向けさらなる連携を強化してまいりたいと考えております。 また、新たな奈良観光の需要創出に向けた取組といたしましては、コロナの臨時交付金を活用し、昨年11月に市内の社寺に御協力をいただき、夜間拝観を行わせていただきました。これらの取組は、これまでよりも奈良を訪れていただく方々の滞在時間を延長するという観点でも大変効果的なものであると認識をいたしております。 今後も国や県における観光地の整備や、観光の需要回復を目指した施策が展開されることを踏まえまして、市といたしましても、早期に観光のにぎわいを取り戻せるような様々な工夫を行ってまいりたいと考えております。 そのため、感染状況を踏まえて段階的に誘客の範囲を拡大しつつ、感染終息後の観光需要の喚起に向けまして、特に滞在型、周遊型の観光を拡充するために、本市の魅力ある観光資源をさらに磨き上げ、奈良のよさを体験できる多様なコンテンツの創出と、奈良ファンの獲得につなげるための情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(八尾俊宏君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 藤田議員の代表質問にお答えいたします。 公明党奈良市議会議員団まちづくりビジョン2021における、奈良市立学校における教育委員会の取組についてお答えをいたします。 最初に、施設の設備面といたしまして、トイレの洋式化についてでございますが、統合再編校を除いて全て避難所にもなっている体育館のトイレにつきましては、平成30年度に完了しております。その他、校舎のトイレの洋式化につきましては、長寿命化計画を待つことなく、年次計画に基づき積極的に改修を進めているところでございます。また、空調設備--エアコンの設置につきましては、普通教室、特別教室におきましては令和元年度に完了しており、体育館におきましては、今後、長寿命化計画を進めていく中で検討してまいりたいと考えております。 次に、いじめ対策についてでございますが、全市立学校にいじめ対応教員を位置づけ、校内体制の充実に努めております。また、教育委員会から全市立学校に学校支援コーディネーターを定期的に派遣し、各学校の状況把握と課題解決に向けての支援を行っているところでございます。心理的なサポートといたしましては、いじめ等に悩む子供たちやその保護者の方に対しまして、電話やメールによる相談窓口に加え、小学校5年生から中学校3年生を対象に、SNS相談アプリSTOPitを導入することで、子供たちにとって活用しやすく、いつでも悩みを相談できる体制を整えているところでございます。 次に、不登校の対策につきましては、早期発見、早期対応、継続支援の観点から、各学校へのスクールカウンセラーの配置と併せ、教育センターでの適応指導教室、さらには子供たちの多様な学びと社会的自立を目指した適応指導教室青山教室の開所を次年度に予定しているところでございます。本年度からは、新型コロナウイルス感染症対策もあり、ウェブを活用した学習支援や教育相談も行っております。また、不登校対策の手引きなどを活用し、校内支援体制の充実を図っているところでございます。 次に、乳幼児期から義務教育以降の切れ目ない支援についてでございますが、発達障害を含む特別な支援を必要とする子供たちへの支援といたしまして、通級指導教室の拡充、専門的な知識を有する教員の育成、特別支援教育支援員の活用を進めているところでございます。また、障害のある子供を持つ保護者の支援といたしまして、新たにハンドブックを作成し、活用を進めてまいりたいと思っております。 最後に、若者の学び直しの場につきましては、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律など国の指針を受け、本市でも平成29年度より春日中学校夜間学級において既卒者の受入れを始めております。また、夜間学級や奈良市若者サポートセンター「Restartなら」などと連携した学び直しの取組を通して、中学校卒業後も社会とのつながりを保ちながら、継続した支援体制をさらに充実させてまいりたいと考えております。 今後も関係部局と連携を深めながら、奈良市の未来を担う子供たちの健やかな育成に向け、一人一人の思いや願いに寄り添いながら学びを支えていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(八尾俊宏君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 2問目は、質問席から市長へお尋ねいたします。 公明党奈良市議会議員団まちづくりビジョン2021では、子ども・若者へのライフステージに応じた切れ目ない包括的な支援、高齢者支援では、地域福祉の充実で住み慣れた地域での安心した生活の確保などを推進してまいりました。現在、公明党が推進しております国の重層的支援体制整備では、その名前のとおり、重層的に子ども・若者から高齢者に至るまで、相談者の属性、世代、相談内容にかかわらず、包括的に相談を受け止め、複雑化、複合化した事例については、関係支援機関の円滑な連携の下で支援できる体制となります。 この重層的支援体制整備の構築に向けて、現在の状況と考えについてお聞かせください。 以上を2問目といたします。 ○副議長(八尾俊宏君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 重層的支援体制の整備に向けてということでありますが、御指摘のように、重層的支援体制整備事業については、高齢者や子供、また生活困窮など各分野の担当部署がこれまで個別に対応してきた相談支援体制に横串を刺し、分野をまたがる課題について総合的に支援をしていく体制であります。これらにつきましては、昨年11月に福祉部、子ども未来部、総務部、そして市社協の代表者によりますプロジェクトチームを設置させていただいております。現在は、プロジェクトチームの実務者における協議において、それぞれの分野の相談支援体制や計画の共有を図らせていただいております。 今後も地域包括支援センターや地域子育て支援センター、またくらしとしごとサポートセンターなど、多様な専門機関が協働して課題解決ができる支援体制をつくっていくべきであると認識をしており、本市といたしましても、さらなる体制強化に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(八尾俊宏君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 3問目は主張、要望といたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について。 昨年からのコロナ禍において、我が会派として5回にわたり、新型コロナウイルス感染症対策を求める要望書を仲川市長へ提出してまいりました。今回の国の第3次補正予算を受け、2月8日には5回目となる要望を行い、その中では、昨年に引き続き市内の全世帯を対象としたプレミアム付商品券の発行を求め、また飲食店をはじめ観光関係事業者の方からの直接のお声を受けて、支援策についても要望をいたしました。これまで要望した多くのことについて検討し、取り組んでいただいてまいりました。それは、現場の声に耳を傾け、行政にその声を届ける役割に徹してきたからこそ、その要望に説得力を持たせることができたのではないか。奈良市行政も市民の生活の安定を最優先する観点で、実施に向けて取り組んでいただいたことに感謝いたします。 まだまだ本格的に終息に向かう見通しが立たない状況であります。市民、市内事業者と行政が一体となって、またその橋渡し役としての議員の務めを果たしながら、我が会派といたしましても、今後もコロナ支援策を提案させていただきたいと考えております。 次に、奈良市の財政について。 御答弁で、平成21年度末から令和3年度末において、臨時財政対策債を除いた全会計の実質の市債残高約520億円を削減、また土地開発公社等の負債清算も含めると約700億円を削減したとありました。それに加えて、本市は市債の借換えの効果で残高の縮減にも努めておられると、私は認識しております。負債の縮減について、過去の市政運営の負債である土地開発公社の負債を清算したことは大きいと考えます。しかしながら、その分、市の財政における公債費の割合が比較的重くなります。一方では、借金返しを軽くして市民サービスに振り替えるという考え方もあるかと考えます。 負債を抱えるということは、過去に投資してきた資金と資本により成り立っている資産による利益や便益を、現代から将来にわたる市民が享受できるのであれば、その負債は先の世代に送ることがあってもいいと考えます。しかし、その利益や便益を現代や将来世代が享受できないのであれば、その負債はどこかの時点で清算しなければなりません。それを強く認識する次代の政治家が清算しなければならないと考えますので、我々公明党奈良市議会議員団は、負債の縮減を求めてまいりました。 今後、GIGAスクール構想対応予算などにおいて、ランニングコストが増大することは避けられない状況でありますが、奈良市の未来を担う子供たちの教育に係る予算は優先しなければならないと考えます。考え方として、過去の大人たちの投資や資金配分の判断によって負債を抱えている現状を鑑みますと、過去において子供の教育や福祉に回されたであろう予算を今の時代に優先して措置するという考え方もできます。 これからも厳しい財政運営が求められますが、新規の予算については、慎重の上に慎重を期して検討を加えて財政運営していただきたいと要望いたします。 次に、クリーンセンター建設について。 御答弁により、広域化の検討が5市町から3市町になることにおいて、そのコストシミュレーションについての考え方や、また候補地の適正性の考え方についても確認いたしました。今後において循環型社会の形成を推進する方針も含め、候補地周辺の地域の住民の皆様に対し、説明の機会をしっかり設けていただくことを要望いたします。 最後に、公明党奈良市議会議員団まちづくりビジョン2021で示す奈良市の取組について。 子供、若者、高齢者、観光について御答弁いただきました。今期このビジョンを基に、毎年の新年度予算施策要望項目に盛り込み、質問に取り上げ、その結果、ビジョンで示す多くの事業、施策を行政に反映していただくことができました。これは、我が会派として洗い出した奈良市の課題に市長はじめ所管課が共感していただき、示した施策について御同意いただけた結果であると考えております。これから先も引き続き支援の充実を目指し、提案し続け、取組を進めてまいります。 現在のところ、今後の要望いたしたいことといたしましては、子供支援では、発達障害児の早期発見、早期療育、そのための市立奈良病院への小児神経専門医の確保、子ども発達センター内で支援が予定されているペアレントトレーニングの充実、学校でのインクルーシブ教育の充実、自校通級指導教室の拡充、義務教育を卒業した後の支援の確保。 子供の貧困支援では、実効性のある子どもの貧困対策計画の確立、就学援助制度の推進と拡充。 学校環境の整備では、トイレの洋式化の早期完了に続き、各学校が抱える修繕改修箇所に対応する学校施設長寿命化計画の推進。 若者支援では、現在進めてくださっております奈良市子ども・若者支援地域協議会での今後の包括的支援の構築に期待をいたしております。そして、プロジェクトチームが立ち上がった重層的支援体制整備で、子供から障害者も含む高齢者までの全てのお困りを抱えた方の支援の構築にも期待するところです。 観光につきましては、コロナ禍ではありますが、一番の魅力となる文化資源、観光資源を有する奈良市として、常に攻めの気概で観光戦略を練っていただく姿勢をお願いいたします。その一つの取組といたしまして、コロナ禍だからこそネット情報を検索される方が多くなってきている状況をキャッチし、これまで提案してきておりました多言語化したインターネット放送による観光情報の発信をし、アフターコロナには奈良へ行きたいという思いの醸成を仕掛けていただくことを主張させていただきます。 そして、今回の御答弁をいただくに当たり、幾つもの所管課が連携して、我が会派が提案し、要望してきたことについて検証を進めてくださったことに深く感謝いたします。これからも公明党奈良市議会議員団は、生活者の市民目線で必要な施策を推し進める取組に徹してまいる決意を申し述べまして、会派を代表いたしましての質問といたします。ありがとうございました。 ○副議長(八尾俊宏君) 21番北村君。   (21番 北村拓哉君 登壇) ◆21番(北村拓哉君) 日本共産党奈良市会議員団の北村拓哉です。 私は、会派を代表し、通告しています数点につきまして、市長に質問します。 最初に、市長の政治姿勢に関わって伺います。 まず、市長公約、多選禁止、任期3期までについてです。 市長が多選禁止、市長任期3期までを自らに課した1期目の公約にどう向き合うのかが問われます。先ほど4期目の出馬表明をされました。しかし、自ら公約に掲げ当選した、多選禁止条例制定の総括について、市長から説明がありません。条例制定化に問題があったと考えているのか否か、説明をしていただきたい。また、4期目出馬となれば、多選の弊害を理由に3期目までが望ましいとした自らの公約はほごにしたということになると思いますが、お答えください。 新斎苑建設についてです。 新斎苑事業における用地取得に係る住民訴訟の高裁判決が出されました。この判決内容の受け止めと、今後どのように対応されるのかお聞かせください。 核兵器禁止条約に関して伺います。 核兵器禁止条約が1月22日に発効しました。これは、広島、長崎の被爆者をはじめ、核兵器のない世界を求める世界の圧倒的多数の政府と市民社会とが協働した取組による画期的成果です。日本共産党は、核兵器廃絶を戦後一貫して訴え、その実現のために行動してきた党として心から歓迎します。人類の歴史で初めて核兵器を違法とする国際法が誕生しました。同条約の発効は、核兵器保有国や核兵器に依存する国を国際法違反の国として政治的、道義的に追い詰めていく大きな力を発揮することは間違いありません。条約が発効したことの受け止めと市長の率直な思いについて伺います。 市長は、昨年の12月定例会の我が党の質問に対し、2017年に採択された核兵器禁止条約が批准50か国を達成し、発効が確実になったことは核兵器廃絶に向けた新たな1ページが開かれたものであり、大変意義深い、核兵器廃絶に向けた世界的な動きが前進することは大変重要、市民の平和な暮らしや文化を守る責務を負う市長として、核兵器のない世界の実現に向けた努力を積み重ねていくことが大切と認識を示されています。 条約発効を歓迎し、例えば庁舎に条約発効歓迎の懸垂幕を掲示することなどを含め、核兵器は違法で禁止の意思を表明することを検討してはどうでしょうか。答弁を求めます。 生活保護費減額処分違法判決の受け止めについて伺います。 国が2013年8月から3回にわたり生活保護費を引き下げたことは、生存権を保障する憲法25条に違反するとして取消しなどを求めた裁判で、2月22日、大阪地裁は保護費の減額は違法だとして、引下げを取り消す判決を出しました。この裁判は、国が平均6.5%、最大10%の生活保護基準引下げを強行したことを受けて起こされましたが、この引下げで国は総額670億円もの保護費を削減、そのうちの580億円についてはデフレ調整として、テレビやパソコンなどの物価下落率が大きく影響する独自の指数を根拠にしました。大阪地裁は判決で、保護世帯ではこれらの品目に支出する割合が一般的世帯よりも相当低いことがうかがわれると指摘し、統計等の客観的な数値等の合理的関連性や専門的知見との整合性を欠いていると強調、判断の過程と手続に過誤、欠落があるとして、厚労大臣の裁量権の範囲の逸脱または濫用があり、違法だと断罪しました。この生活保護費減額処分違法判決の受け止めについてお答えください。 次は、コロナ禍から市民の命と暮らしを守ることについてです。 まず、75歳以上医療費窓口負担2倍化計画について伺います。 政府が今の国会に提出し、成立を狙っている医療制度改定一括法案に、75歳以上の医療費患者負担を1割から2割へと2倍化する内容が盛り込まれています。負担増の対象は、単身で年収200万円以上、75歳以上の夫妻で年収320万円以上の370万人で、75歳以上の高齢者約1815万人の20%になり、2022年度後半から導入をする計画です。75歳以上の高齢者といえば、最も病気にかかりやすく、治療に時間もかかります。現行の原則1割負担の下でも、75歳以上の高齢者は平均で年8万円の窓口負担をしています。これは、74歳以下の窓口負担の平均額の2倍です。高齢者は年収が大きく下がるため、原則1割負担でも年収に占める割合が極めて大きく、受診控えしている人は少なくありません。 そこで、3点伺います。 1点目、この計画で奈良県や奈良市で影響を受ける人数、75歳以上の高齢者における割合はどうか。 2点目、新型コロナウイルス感染症による受診控えも起こっている中、さらに追い打ちをかけ、受診控えを深刻化させる認識はあるか。 3点目、高齢者の命を守るために、計画の撤回を国に求める考えについてお答えください。 新型コロナの影響で減収に見舞われる医療機関への財政支援について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの医療機関が感染拡大防止対策のために経費がかさんでいる上、大幅な減収に見舞われ苦悩しています。地域医療を守ることは待ったなしの重要課題です。 国のコロナ対策の第2次補正に盛り込まれた医療従事者等慰労金給付事業を含む緊急包括支援交付金医療分の奈良県の交付実績は、2月15日時点で交付率44.6%で最下位、これは極めてゆゆしき問題であり、一刻を争って改善する必要があると考えます。奈良県で交付が遅れている原因を本市はどう把握しているのか。医療機関等の減収の実態は地域医療を崩壊させかねず、大変深刻です。減収補填に背を向ける国に根本問題がありますが、少なくとも包括支援交付金の給付が進むよう、他市町村にも呼びかけて、奈良県に対し改善を求めるべきではありませんか。考えを伺います。 令和3年度一般会計予算案についてです。 今度の予算は、何よりも感染防止により市民の命と暮らしを守り、コロナ禍で受けた様々な苦難を救済することに全力を尽くすものでなければなりません。コロナ以前からの行革計画をコロナ危機に乗じる形で市民に転嫁するなどはあってはなりません。 先日の市長の予算説明で、来年度引き続き正職員を減らす計画と説明がありましたが、どの部署を削減する考えか。 先日、市立幼稚園3園を民営化して認定こども園にする方針及び市が公募した場所で株式会社を運営主体とする保育園を選定したことが公表されました。来年度、これ以外に他の部署も含め、新たな民営化や民間委託を考えているのか。そうであるのなら、その詳細を伺います。 新型コロナ対策について3点お聞きします。 1点目、医療機関、福祉施設等での職員を対象にした社会的検査が奈良市でも3月に行われますが、その詳細について。 2点目、コロナの感染を封じるためには、ワクチン接種と並行して無症状感染者を把握、保護するための戦略的なPCR検査を徹底的に行うことが欠かせませんが、その基本認識について。 3点目、コロナ禍が長期化する下で、雇用の非正規化、不安定化や解雇、女性や学生の貧困、貧困の連鎖も起き、市民生活の悪化が深刻です。奈良市のコロナ対策では、世代を問わず、生活困窮者に直接届くコロナ施策、福祉的支援が徹底的に不足しておりますが、その認識があるかについてお答えください。 奈良県の国保運営方針の中間見直しについてお聞きします。 コロナ禍で女性や学生の貧困、高齢者の生活不安が深刻な中、受診機会を確保するため、奈良市では昨年から今年にかけて、国民健康保険の短期証・資格者証世帯を含む国保加入の全ての世帯に保険証を途切れなく発行する特例措置を実施しています。 一方で、4月から適用される国の国保運営方針中間見直しでは、県は収納マニュアルを定め、その中で短期証の有効期間を原則1か月にするとしていますが、奈良市でもそのような運用を行うのかを伺います。 奈良県の国保運営方針の中間見直しでは、収納率を上げるために収納対策を強化するとして、預貯金や給与等の差押えをタイヤロックも含め行うよう、強化策が盛り込まれています。そもそも保険料が高くて払えない状況はそのままにして、徴収強化だけを非人道的に進める差押えを本当に行うのですか、お答えください。 中間見直しに基づき、保険料の減免基準を県内市町村で統一するなどの条例改正案が本議会に提案されています。これまで保険料の申請減免については、災害や所得減少といった事情のほかにも、市で特に必要な場合の減免が制度上認められていましたが、今回、県の中間見直しによって減免基準が統一され、市町村の独自需要に基づく減免ができなくなります。令和6年度までは経過措置期間が設けられていますが、今回提案されている減免事由以外にどうしても減免が必要と判断されるケースについては、どう対応するのかを伺います。 次は、少人数学級の独自施策についてです。 市民の世論と運動の大きな高まりに押され、今年4月から新たに公立小学校全学年で5年間かけて40人学級を35人学級に移行させる法改正案が今国会に提出されています。約40年ぶりの法改正の動きで、長い間の開かずの扉を動かした重要な一歩でありますが、規模もスピードも不十分であり、本格的な少人数学級の前進へ自治体独自に拡充する取組が進んでいます。 35人学級への移行に際しては、クラス増に見合う数の正規教員を増やさなければ、現場の他の部分にしわ寄せがいってしまう。学校現場は、このことを大変危惧されています。実際、新年度の奈良県の予算案では、小・中学校の県費負担教職員が63人も減らされています。奈良市から県に対し、県費教員の配置数を増やすよう強く要請すべきではありませんか。市長の所見を伺います。 次に、まちづくりに関して、2点お聞きします。 まず、旧奈良監獄建物の保存活用についてです。 旧奈良監獄建物が国の重要文化財に指定され、法務省による保存活用が決定されて以降、計画が進まず、令和2年度中に供用開始予定だったのが令和6年度中に延期され、計画が大幅に遅れています。計画が大幅に遅れた原因をどのように把握しているのかお答えください。 2月27日に開催された旧奈良監獄近隣住民の会の集まりで、放射状に広がる5つの赤れんが建造物のうち、保存棟となる第3寮の耐震補強工事と、奈良拘置支所、奈良少年鑑別所の新築工事に今後入り、令和3年度中に工事が完了する概略工程や工事車両の搬入出経路、今年3月19日から4月11日までの期間中、12日間、旧奈良監獄見学ツアーを実施する概要が、法務省SPCの星野リゾート工事施工事業者等から説明がされました。 しかし、計画が遅れた理由や経緯について丁寧な説明はなく、コロナの感染再拡大が懸念される中、なぜツアーを今実施するのかと、当然とも言える質問が出されたり、近隣住民からこれまでに出されてきた意見や要望を計画にどう反映させるのかも不明なままでした。近隣住民の理解や熱意、市民の声の高まりによって保存活用が実現したことからも、近隣住民はもちろんのこと、市民に対しても事業の進捗や今後の計画についてきめ細かい説明を行い、意見や要望に応える場をつくる最低限の責任を果たすよう、法務省やSPCに対し、奈良市からも強く要請すべきです。考えをお聞かせください。 奈良市は、奈良公園周辺地区の旧奈良監獄周辺エリアの県市連携まちづくり基本計画を今年度中に策定するとしておりますが、法務省やSPCは住民説明会で、ホテル事業は小規模になる、計画の基本コンセプトや全体の詳細は何も決まっておらず、来年9月の実施設計が完了する段階まで分からないと述べています。計画自体が大きく遅れ、附帯事業のホテル事業は小規模化の方向など、計画全体が今後どうなるのか、採算が取れるのかも含め、不透明さは否めません。その受け止めとまちづくり基本計画の策定について、市の考えをお聞きします。 次に、平城宮跡内の近鉄線移設案について伺います。 大和西大寺駅及び平城宮跡周辺の8つの踏切道の改良について、昨年7月、県が提案する同駅の高架化と平城宮跡の近鉄線を南側に移設する案を検討の前提にすることを、国と奈良県、奈良市、近鉄の間で合意し、今日に至っています。8つの指定踏切道のうち、奈良市道は6つあります。それぞれの指定踏切道の改良計画を今年度中に国に提出することになっており、奈良市は6つの踏切道について計画づくりをしておりますが、その内容を伺います。 近鉄線移設となれば、工事着工まで約20年、工事期間は約20年要するとも言われ、総事業費も2000億円規模とも聞き及んでいます。この案も指定踏切道の改良の一つの案ではありますが、これだけにこだわっていては、踏切道の安全確保など目の前の課題の解決が先送りされるのではないかと危惧します。関係者の協議の場で踏切道の現実的な改良案の検討が主体的に行えるよう、奈良市から提案すべきではないかと考えます。所見を伺います。 最後に、吉城川バイパス築造工事についてお聞きします。 市内の川久保町、北袋町周辺地域において床上浸水の被害が多発する状況があった中、ようやく今年1月から来年3月にかけて、地域の長年の悲願であった床上浸水被害を解消する工事が始まりました。同工事を行うことによる浸水被害への効果、工事による市民生活への影響と対策について御説明ください。 以上、1問目とします。 ○副議長(八尾俊宏君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの北村議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、私が1期目のマニフェストで掲げました多選禁止条例について、その後どうなったのかということでございます。 こちらにお持ちをいたしておりますけれども(仲川元庸市長資料を示す)その中では、市長の多選禁止条例を制定、なれ合いや癒着を防ぎますということで、確かに表記をさせていただいております。この点につきましては、共産党の議員団の皆さん方からも、当初様々な御意見や御質問をいただいたと記憶をいたしておるところでございます。結果といたしましては、条例化をするということについては、やはり困難であるという判断をさせていただきましたことから、2期目の政策、マニフェストからは、当該部分については削除をさせていただいているという状況でございます。 一方で、条例化ということではなくて、同じ立場に同じ人間が長期間にわたりいるということについては、様々な議論があるということは承知をいたしておりますし、私自身もそのように感じてきたところでございます。 今回の再度の挑戦ということにつきましては、そのことも十分に自覚をした上で、初心を忘れず、市政、行政の継続を図るということの重要性とを総合的に鑑みた中で判断させていただいたということでございます。 続きまして、新斎苑の住民訴訟についてということでございますが、今回の判決を受けての市の見解につきましては、市のホームページにも掲載をさせていただいておりますとおり、まず、用地取得価格の決定につきまして、不動産鑑定価格はあくまでも重要な考慮要素ではあるものの、直ちに市長の裁量を拘束するものではないと認定され、そして本市での火葬場移転事業に係る長年の経緯や東山霊園火葬場の現況に鑑みて、新斎苑建設事業用地の取得に係る必要性、緊急性、そして非代替性について認定され、平成29年度末までに用地取得を完了しなければ合併特例債の活用ができない状況にあると、当時、一般的に考えられていたということについても認定をいただいております。 さらに、本事情を踏まえまして、合併特例債の活用により市の財政負担を軽減しつつ、住民福祉の向上のために一刻も早く新斎苑を竣工すべく、本市としては地権者との交渉において、当時限られた時間の中で合意に達することが可能な範囲の中で、最少の経費により用地取得を実現すべく本件売買契約を締結したものであり、私以下、本市職員などが個人的な利益を図ろうとするといった違法不当な動機が全く認められず、現に利益を得ているというような事情も一切ないことについても認定されております。 一方、主文におきましては、本件訴訟において争点となっておりました投棄物の撤去費用の支出につきましても、一審同様、裁量権の逸脱、濫用となるものではないとして、相手方の請求が棄却されたわけでございますが、市長及び地権者に対して、不動産鑑定価格を上回る売買代金部分につきましては、市において損害賠償請求を行うべきとの結論が出された次第であります。 行政上の必要性、緊急性の下、地方自治法第96条第1項第8号の規定に基づく市議会の議決も経た上で不動産を取得する場合であっても、不動産鑑定価格を上回って取得をすることは市長の裁量権の逸脱、濫用であるとする今回の大阪高裁の判断につきましては、本市として承服し難く、日本国内における地方公共団体における他の用地取得実務にも大きな影響を及ぼす判断でありますことから、改めて最高裁判所の判断を仰ぐべく上告する判断をさせていただいた次第でございます。 次に、核兵器禁止条約が発効したことについての所見ということでございますが、この条約が発効いたしましたことにつきましては、核兵器廃絶に向けた大きな世論の高まりが実を結んだものであると、大変意義深いものであると認識をいたしております。このことは、世界平和への大きな前進であり、市民の平和な暮らしや文化を守るという責務を負う私、市長の立場といたしましても、核兵器のない世界の実現に向けた努力を重ねていくことが大切だと、改めて認識をいたしております。 また、御存じのとおり、奈良市におきましても、平成4年に平和記念碑、また翌5年には非核平和都市宣言碑を設置させていただき、毎年広島、長崎に原爆が投下された日時に合わせて平和の鐘の撞鐘を行うなど、核兵器の悲惨さや平和の尊さを繰り返し発信してきているところでございます。 今後とも世界の恒久平和を願う非核平和都市宣言の精神に基づき、核兵器による悲劇が二度と繰り返されることのないよう啓発活動を進め、市民の平和意識の高揚をさらに図ってまいりたいと考えておりますが、今回の条約の発効に際して、具体的に横断幕等を掲揚する予定については、現在のところございません。 続きまして、生活保護費の減額処分が違法であるとの判決についてどのように受け止めているかということでございます。 平成25年から生活保護費が段階的に引き下げられたことにつきまして、全国の29都道府県で訴訟が行われております。大阪地裁におきましては、支給額の引下げを取り消す判決が言い渡されたところでございますが、一方で、名古屋地裁では、憲法25条が保障する最低限度の生活は下回っていないという判決も出されておるところでございます。今後も裁判の動向を注視しつつ、必要な状況になれば、国に対して生活保護費の引上げ等の要望も上げていく必要があると認識をいたしております。 続きまして、高齢者の医療費の窓口負担についての御質問でございます。 今回の窓口負担の増が奈良県及び奈良市にどのように影響するかという御質問でございます。 後期高齢者医療制度につきましては、現在、原則として窓口1割負担、現役並みの所得を得ておられる方については3割負担となっているところでございます。現在、国会におきまして、1割の方のうち、一定の所得を有する方を2割負担とする制度改正が審議をされているわけでございますが、厚生労働省の資料によりますと、奈良県は被保険者の23.4%、約5万人が2割負担となるという推計が出てございます。これは、関西圏におきましては、関西圏の都道府県の中では奈良県が最も大きな割合を占めるものであると認識をいたしております。 続きまして、負担増による影響をどのように認識をしているかということでありますが、市民の中からも負担増により受診をお控えになる方が出てくるという懸念は持ってございます。国においても、できる限り影響が少なくなるよう、経過措置として負担増加額の上限を設けることなども検討されていると聞き及んでございます。 また、当計画の撤回を国に求める考えがないかという御質問でございます。 国への要望等につきましては、保険者である広域連合が行っておりまして、令和2年11月12日に全国後期高齢者医療広域連合協議会より、厚生労働大臣に対して激変緩和措置を設けることなどの要望書が既に出されているところでございます。今後とも県の広域連合、また県内の市町村とも連携や議論を深め、市民の急激な負担増とならないように求めてまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症による減収に見舞われておられます医療機関への支援ということでございます。 国によります医療従事者等慰労金給付事業については、御案内のように、県が取りまとめておられるところでございます。昨年12月末が申請の期限となっており、市内の各医療機関とも申請は完了されております。一時、実施状況の遅れが取り沙汰されたところでございますが、各医療機関をはじめ対象者には3月中旬には振り込まれる予定と伺ってございます。 包括支援交付金につきましては、事業により前期、後期に分けて交付される場合と、年度末の完了報告により一括して交付される場合があり、一概に事務手続の遅れとまでも言えるものではないと認識をいたしております。 新型コロナウイルス感染症に関わる事業、医療体制等は、隔週で実施されております県をはじめとした県内の主要医療機関や、市町村によるウェブでの連絡会で随時情報の共有が図られております。市もそこに参画をいたしておりますので、また必要に応じて質疑、また提案、要望等を出させていただいて、解決に向けた議論を深めてまいりたいと考えております。 続きまして、来年度の正規職員の配置についてという御質問でございます。 令和3年1月に、定員適正化計画の見直しを行わせていただきまして、令和4年4月には、職員数を2,600名とする目標を掲げ、限られた資源で効率的な行政運営を行うべく、定員の適正化を推進しているところでございます。次年度の予算案におきましても、一般会計で正規職員12名の減を予定いたしており、全庁的に職員配置のバランスを考え、複雑・多様化する市民ニーズの維持に努めてまいりたいと考えております。 次に、公立の幼稚園、保育園等の民間委託について、今後新たに検討しているものがあるかどうかという御質問でございます。 民営化や民間委託ということにつきましては、極力民間でできることは民間へ委ね、真に行政として対応しなければならない政策や課題に重点的に資源を投入することを基本とし、市政運営を行わせていただいております。 来年度におきましては、議員お述べの幼保再編計画に基づく民間移管のほか、小学校2校の給食調理業務の民間委託に加えまして、これまでも進めてまいりました家庭系ごみの収集運搬業務や再生資源の収集運搬業務などについて、民間に委託するための予算を計上させていただいております。この民間委託につきましては、行政責任の確保などにも留意をしながら、行政サービスの質の向上や効率化、またコストの削減につながるよう進めてまいりたいと考えております。 次に、PCR検査につきまして、医療機関、また福祉施設の職員の方々に対する社会的検査について、その詳細をということでございます。 奈良県におきましては、新型コロナウイルスによるクラスター等の発生防止を目的として、県内の医療機関や社会福祉施設等の職員を対象に、いわゆる一斉検査を各市町村の連携協力の下で実施される予定でございます。奈良市に対しましては、2月18日に県から通知がございまして、2月26日の締切りで、担当課のほうから対象となる病院や有床診療所、それから入所系の福祉施設など合計220か所に対しまして申込みの通知を行わせていただきました。その結果といたしましては148か所で、5,497名の方から御応募がございました。 今後は順次、検査の委託を受けておられる民間企業から検査キットを各施設に配付され、その施設の職員がそれぞれ各自で唾液を採取されまして、それを回収したものを検査するという流れとなってございます。 検査の結果につきましては、検査の委託会社が奈良市に通知し、担当課から各施設に連絡をするという流れでございます。なお、陽性者が出た場合には、担当課及び各施設から保健予防課に連絡し、対応する予定となってございます。 続きまして、無症状者を対象とした把握をしていくための基本的な認識についてということでございます。 先ほど申し上げましたようないわゆる一斉検査については、医療機関、福祉施設においてPCR検査と同じ核酸増幅法でありますいわゆるTMA法と言われるもので実施をするものでございます。この事業については、症状の有無にかかわらず、全ての職員を検査対象とすることから、御質問のような無症状感染者の発見にもつながるものであり、これまでのような有症状者や濃厚接触者等、リスクの高い方々に絞り込んだPCR検査に比べて、対象の範囲が拡大されるものでございます。 市といたしましては、国や県の考え方を十分に踏まえながら、適切な検査を行ってまいりたいと考えております。 次に、コロナ禍における世代を問わない生活困窮者支援についてということであります。 長期間にわたりますコロナ禍によって、失業や雇用状況の不安定化などで収入が減少し、生活にお困りの方が少なからずおられるという状況を認識いたしております。本市では、あらゆる世代の生活困窮者に広く支援が行き届くよう、国の制度を活用し、住居を失った方や住居を失うおそれのある方には家賃相当額を支給する住居確保給付金、また社会福祉協議会が窓口となった緊急貸付事業などの支援も行わせていただいております。 今後も引き続き、国の動向も注視しながら、きめ細かな対応を行ってまいりたいと考えております。 次に、国保運営事業についての御質問でございます。 県から出されました中間見直しについてでありますが、短期証の運用について、原則1か月という運用でいくのかという御質問であります。 新型コロナの終息が見通せない中におきまして、感染の拡大前は短期証については原則3か月といたしておりましたが、昨年7月の被保険者証更新時には、短期証の有効期限を全て6か月とさせていただきまして、今年1月にさらに6か月の延長証を発行させていただいております。短期証の運用については、被保険者の生活状況に十分配慮し、被保険者の受診機会が確保できるように行う必要があると考えております。 今後もコロナに関する情報には迅速に対応し、県内の他の市町村とも緊密に連携しながら、慎重に対応していきたいと考えております。 次に、徴収の強化に向けての御質問でございます。 保険料収入の確保は、国保財政の安定運営にとって重要でございますが、被保険者の負担が増加する中で、被保険者それぞれの実情に応じた丁寧な対応や配慮もまた大変重要だと認識しております。 そこで、保険料の徴収に当たりましては、被保険者がそもそも滞納に陥ることがないよう、現年における徴収の徹底を基本としており、口座振替の勧奨、電子決済等の簡便で多様な納付方法を積極的に周知いたしております。また、滞納処分については、納付相談を丁寧に行い、納付する資産があるにもかかわらず保険料をお支払いいただけない世帯に限って実施しているところでございます。 次に、減免事由以外の減免についてということでございますが、県が提案をしております減免事由以外での減免については、国が今後新たに減免を認める旨の法改正をする等の事情がない限り認められないこととなりますので、市独自の判断もできないという状況になります。今回の減免事由の統一については、令和6年度の県内保険料水準の統一化に合わせて、被保険者の保険料負担の公平化を図ることを目的として、県内市町村が足並みをそろえて行おうとするものでございます。 今後も相談に来られた被保険者の方に対しましては、状況をよくお聞きをした上で納付相談等を行い、利用可能な制度を積極的に案内していきたいと考えております。 続きまして、少人数学級についての御質問であります。 公立小学校の学級編制を35人に引き下げる改正法律案が令和3年2月2日に閣議決定されまして、令和3年度から5年間をかけまして、1クラス当たり35人以下にするということが、現在国会で審議中でございます。今まで以上に教員の確保が全国的に課題となりますことから、しっかりと人材確保をするよう、県にも求めてまいりたいと考えております。 続きまして、まちづくりについての御質問であります。 旧奈良監獄の建物の保存活用についてということでありますが、現状をどのように把握、理解しているかということであります。 旧奈良監獄保存活用事業については、奈良市鴻ノ池運動公園の利活用との相乗効果を図り、周辺地域の活性化を図るための重要な拠点づくりであると認識をいたしております。この旧奈良監獄保存事業については、昨年、事業主体が株式会社星野リゾートに替わりまして事業計画が見直されましたこと、また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内外からの観光需要の回復へのスケジュールが見通せないことから、遅延を余儀なくされていると理解をいたしております。 また、近隣住民等の意見、要望に応じる場を設けるよう、法務省等に要請すべきではないかということでございますが、法務省のほうからは、既に近隣住民の方々に対して複数回、説明を行っておられると聞いてございます。昨年はコロナの影響もありましたことから、説明会は避け、近隣の自治連合会の役員、また自治会長様などに対しまして、工事の実施や全体スケジュールの変更点などを説明されたと聞いてございます。 当該事業につきましては、市の鴻ノ池運動公園と旧奈良監獄周辺エリアのまちづくりにおいて重要な事業であり、進めていく上で近隣住民や市民の皆様の御意見は大変大事なものでございますので、法務省や事業者とも、市が間に入り、そのような意見についてもお伝えをする調整役を果たしてまいりたいと考えております。 次に、計画の遅れとまちづくり基本計画の策定についての考えということでありますが、平成31年に策定をいたしました奈良市奈良公園周辺地区まちづくり部分基本構想旧奈良監獄周辺エリアのテーマでございます旧奈良監獄と鴻ノ池運動公園を核とした滞在型スポーツ・健康増進エリアに基づきまして、これらを発展させるため、まちづくり部分基本計画の策定を現在進めております。 先ほど来申し上げておりますように、この旧監獄の保存活用事業の遅れによりまして、市の部分基本計画にも影響が出つつある状況でございますが、市といたしましては、その遅れにより生じた時間を有効活用し、市、法務省、奈良県、民間事業者等の関係者が協力をして、ホテル以外の整備計画や運動公園との連携についても積極的に協議を行い、方針を策定し、具体化を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、平城宮跡内の近鉄線の移設についてという御質問であります。 昨年7月の国、県、市、そして近鉄による合同会議におきまして、大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を内容とする奈良県案を基本に協議を今後進めていくということについて合意し、現在も三者で協議を行っているところでございます。踏切道改良計画に記載をいたします事業の内容、また事業スキーム等について、現在協議を行っておりまして、決まっていない前提条件は多いものの、現時点での合意事項を取り急ぎ取りまとめ、3月末までに踏切道改良計画として作成する予定をいたしております。 次に、議員から、より現実的な方法を提案してはどうかという御提案がございました。 奈良県案につきましては、開かずの踏切や交通渋滞の問題を抜本的に解消するものであり、踏切道改良計画作成後も、その案を基本に協議をしていくこととなります。しかしながら、今後の事業スキームや事業費負担等に関する協議結果、また社会情勢や交通を取り巻く環境の変化により、計画に掲げる改良方法をそのまま進めていくことに支障が生ずる場合には計画を変更するものと考えており、協議の場でも伝えていきたいと考えております。 また、抜本的な対策は、実施されるまで相当の年数を要することもありますので、必要に応じて歩行者の安全性の向上が図れる早期の速効対策について実現できないかどうか、現在、関係機関とも協議を行っているところでございます。これらのことは、今後も県や近鉄とも協議を進めてまいりたいと考えているところであります。 続きまして、吉城川バイパス築造工事についてということであります。 当該工事の浸水被害への効果でありますが、北袋町、川久保町付近及び周辺地域におきましては、平成11年9月21日の床上浸水36戸、床下浸水63戸、また平成25年9月14日から16日に際しましては、床上浸水が8戸、床下浸水が44戸の被害が発生いたしております。今回の吉城川バイパス築造工事につきましては、これらの地域の浸水被害軽減を目的に行っているものでございます。 事業の効果といたしましては、工事前での浸水被害と工事完了後の浸水被害を、奈良市の既往最大降雨が時間当たり79ミリというシミュレーションで比較をいたしますと、工事の施工前は床上浸水戸数が51戸予想されておりますが、工事の完了後ではゼロということをシミュレーションいたしております。工事が完了いたしますと、これらの地域の浸水被害の軽減が大いに期待できるものと認識をいたしております。 次に、工事による市民生活への影響、またそれに対する対策という御質問でございます。 本工事につきましては、工事総延長442メーターの雨水バイパス管を整備するものでありまして、主に推進工法で施工いたすものでございます。この工事に伴いまして、水道管の移設や推進工事の発進立坑、また到達立坑部分の掘削工事が発生いたしますので、道路の一部通行止め、また片側の交互通行など、道路規制による影響が生じてしまいます。その対策といたしましては、工事の看板や交通規制のお知らせを行うなど、工事の進捗状況と併せて随時、地元の皆様方にお知らせをさせていただきたいと思っております。 また、推進機械や建設機械、工事車両等、工事に伴う騒音、また振動などでも影響が考えられます。それらの対策といたしましては、発進立坑に防音ハウスを設置することや、騒音や振動の出にくい機器をなるべく選定することなど、環境に対する影響を最小限に抑えられるよう努力をさせていただきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(八尾俊宏君) 21番北村君。 ◆21番(北村拓哉君) 2問目以降は、この席より行います。 2つの項目で再質問いたします。 奈良県の国保運営方針の中間見直しについてであります。 私は、やはり減免事由を絞り込むということについては問題があると考えます。あくまで国保の運営方針というのは技術的な助言ということでありますので、この点についての再検討が必要ではないかということを思います。県が国保財政に責任を持つというのであるならば、県として保険料軽減のための財政負担措置をすべきであります。そのことを奈良市から県へしっかり要望すべきであると考えますが、この点での所見を伺いたいと思います。 2点目です。少人数学級の独自施策についてであります。 1問目におきまして、私は県費教員の配置数を増やすよう、ぜひ県に対して要請をしていただきたいということを求めました。1問目の中では、教員確保の重要性ということについての認識は示されましたけれども、具体的に要請するという点についての答弁を再度していただきたいと思います。 新型コロナウイルス感染症の影響で、学校での密集、密接の回避でありますとか、不安を抱える子供一人一人へのきめ細かな支援が求められる中で、2021年度からは15の道県で少人数学級の独自施策を拡充しようとしている点が明らかになっております。 群馬県では、小・中学校の全学年に対象を拡大するということでありますが、それも含めまして、小・中全学年で条件なしに少人数学級を実施するのは11県目だということです。今、国が35人学級化の動きを行っておりますので、それを足がかりにしてぜひ本格的な少人数学級の前進へと、これが大事です。 仲川市長は、自らのマニフェストに掲げて、奈良市独自に30人程度学級を小学校全学年で行ったという実績を持っています。したがって、奈良市独自に実施するということはもちろんのことでありますが、奈良県に働きかけて県の力を引き出すことも大事です。その点も含めて、国の動きにとどめることなく、35人学級の前倒しの実施、30人程度学級の復活、あるいは中学、高校への拡大、ぜひこうした点に速やかに踏み出すという点についての市長の意思をお聞きしたいと思います。答弁いただきたいと思います。 以上、2問目とします。 ○副議長(八尾俊宏君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答えを申し上げます。 今回、35人以下ということで、少人数学級、少人数教育が一気に全国に広がることとなったわけでございますが、これまでの配置基準においても、教員の確保がままならない状況が、特に都市部を中心に散見される状況がございます。市といたしましては、県費教員の配置数を増やすということについては、様々な配置基準があろうかと思いますが、特に今回、少人数学級が実現をするに際しましては、やはり人的資源のしっかりとした確保、安定確保をしていただくということは、これはやはり県にお願いしなければならないというふうに考えておりますので、その点については、県にしっかりと意見を申し上げていきたいというふうに思っております。 また、一方で、御提案をいただきました前倒しの実施等については、やはり市として既に1年生、2年生で、市独自で30人学級を実施しておりますことから、これらの施策は継続をしていくものの、これ以上の前倒しをしていくということは、なかなか財政負担上も難しいところがあろうかというふうに考えております。中学校、高校での取組なども含めて、国に対して市長会等を通じて様々な要望も出させていただいているところでございます。 それから、国保の中間見直しに対して減免事由を絞り込むのはよくないということで、代わりに県が財政出動をするべきではないかというような御提案でございました。市といたしましても、今回の取組が負担の増に極力つながらないように配慮をしていくということは重要であると考えており、また一方で、県単位化ということでもございますので、県内の他の市町村とやはり足並みをそろえていくということも重要であるというふうに考えております。 今後、様々な課題については、県も含め関係市町村間でしっかりと議論をし、被保険者の負担が少しでも軽減できるよう、国及び県に対して要望させていただきたいというふうに考えております。 ○副議長(八尾俊宏君) 21番北村君。 ◆21番(北村拓哉君) 3問目は主張、要望を行います。 まず、市長公約の多選禁止の問題です。 1問目でも触れましたけれども、多選禁止条例の制定を公約に掲げて、1期目、市長は当選をされました。それから、多選の弊害を理由にして市長任期は3期までが望ましいということを、この本会議場でも繰り返し述べてこられたと記憶をしております。これからの市長の被選挙権を不当に侵害しかねないということなどを、我が党としては一貫してその問題点を指摘してまいりました。 先ほど説明が市長からもあったわけではありますが、その説明では不十分であると思います。市長からは、条例制定化しようとしたことについて、結局それが誤りであったのか否か、自らはその点についてどう総括をしているのか、反省やら説明やらがないままだという理解です。このまま済ませるということなのかという点を思います。多選の弊害を繰り返し述べてこられましたけれども、自らについて、その3期目までという点について守ることさえもされないということになれば、私はこれは市民への背信になるのではないかという点については意見を述べておきます。 新斎苑建設についてです。 今回の高裁判決に対して、上告して最高裁の判断を仰ぐ考えについては明確に述べられました。現時点において司法判断は確定しておらず、今後の推移を見たいと思いますけれども、新斎苑事業については、DBO方式を採用したことによって事業のグリップを市が握り、コントロールすることを困難にしている状況がある。今日に至る経過は、その問題点や見通しの甘さを露呈しているというふうに思いますので、改めて指摘をしておきます。 核兵器禁止条約が発効したことについてです。 この条約が発効したことで、核兵器が道義的に非難されるだけではなく、明確に違法なものとなりました。唯一の戦争被爆国である日本政府が世界の流れに背を向けて、核抑止力の維持、強化を持ち出して禁止条約への参加を拒否しておりますが、核兵器は違法なものというこの共通の認識が世界と各国の社会に広がっていくならば、核保有や核抑止力を正当化する論拠の土台が掘り崩されていくものだと考えます。世論調査でも、禁止条約への参加支持は7割に達しております。核兵器は違法で禁止の意思ということを奈良市からも積極的に表明をしていただきたい。これらの声の後押しをしていただくことを要望いたします。 生活保護費減額処分違法判決の受け止めについてであります。 市長は、必要な状況になれば、国に対して生活保護費の引上げ等の要望も考えると述べられました。生活保護を利用することのバッシングもある中で、29都道府県で1,000人を超える原告が勇気を持って立ち上がり、起こされた裁判であります。大阪地裁の判決は、ほかの地域での訴訟にも大きな影響を与えることになると思います。 新型コロナウイルス感染症の蔓延で、社会保障の重要性が多くの市民の中で実感をされています。生活保護基準は市民生活を支える言わば岩盤であります。就学援助や最低賃金など様々な制度と連動し、市民生活の全般に大きな影響を及ぼします。市民の命や暮らしを守る責務を果たす立場から、ぜひ臨んでいただきたいと思います。 75歳以上医療費窓口負担2倍化計画についてです。 この計画が強行されれば、奈良市でも負担増による受診控えが出てくる懸念を表明されました。コロナの感染終息の見通しもない中で、今回の計画は中身も時期も極めて問題です。若い世代の負担抑制といいますけれども、この計画では、現役労働者の保険料の負担の減少は1人当たり月30円にすぎません。 一方で、国や地方の公費負担は約1000億円も節減されます。政府はこれまでも国の財政負担を後退させてきました。老人医療費を有料化した1983年の老人医療費に占める国庫負担の割合は45%でありましたけれども、2008年の後期高齢者医療費制度導入時には35%に引き下げられました。高齢者の命を守るためには、計画の撤回、減らした国庫負担を元に戻すという点について求めていただきたいと思います。 新型コロナの影響で減収に見舞われる医療機関への財政支援についてであります。 包括支援交付金について、3月中旬に慰労金が振り込まれる予定であるということで、一概に事務手続の遅ればかりとは言えないというふうに言われましたけれども、各県と比較をした際に、交付時期に遅れがあることは事実であります。これからワクチン接種も始まりますが、医療機関や介護事業所等と行政との間で認識に乖離があることが根本的に問題だと思います。大幅な減収に見舞われて、本当に苦悩されている医療機関、介護事業所、福祉事業所をいかに支えることができるのか、いかに守ることができるのか、自分たちに何ができるのかという立場に立った問題の捉え方というのが十分でないと思います。全国的に、奈良では交付時期に遅れがあるというのは間違いないわけでありますから、その理由をはっきりさせて、改善策について、本当に困っていらっしゃる医療機関等に真摯に説明をしていくということが必要でありますが、それがされていません。奈良市内でも、億を超える融資を受けざるを得ないほど大赤字に見舞われている医療機関もあります。奈良市医師会からも減収の実態をよく聞いて、奈良市として何ができるのかを常に自覚して対応していただくことを求めます。 正職員の削減、民営化、民間委託の推進について述べます。 新年度予算で、一般会計では正規職員を12人削減する予定だと答弁がありましたが、私はコロナ禍の下、極めて重大だと考えます。幼保再編の民間移管や民間委託の拡大には、コロナ禍であっても何らちゅうちょがありません。株式会社を運営主体とする保育園選定など、これまで奈良市が堅持してきた歯止めを飛び越えることについても見過ごせません。仲川市政の下でこうした民営化が十分な総括もなく拡大されていることは大問題でありまして、予算決算委員会の中でただしていきたいと思います。 新型コロナ対策について述べます。 コロナの感染を封じ込めるためには、ワクチン接種と並行して無症状感染者を把握、保護するための戦略的なPCR検査を徹底的に行うことが欠かせないという点については、専門家の皆さんからも繰り返し提言をされています。新型コロナ感染症の一斉・定期的な検査については、奈良県の9月補正で約20億円、そして今の3月議会の令和2年度の補正で約40億円が計上されています。令和2年度補正分は、次年度への繰越しが想定されていると聞いておりますけれども、奈良市として医療機関等の実情については、十分に酌み上げることとともに、ぜひそうした機関と緊密に連携して、検査を新年度以降も着実に進めるように要望いたします。 それから、コロナ対策の中身に関わって述べます。 世代を問わず、生活に困窮された方の手元に、私は直接届く支援が必要であるということを訴えたいと思います。ある生活保護を利用されている年配の男性からお話をお聞きしますと、プレミアム付商品券を幾ら施策化されても、そもそも生活費がぎりぎりで不足をしていると、1万円も出して購入できないと。施策から疎外されているという声であります。 別の方、市内に住む、小学生と保育園の子供を持つ30歳代のシングルの女性ですけれども、公務機関でパート勤務をされていますが、最低賃金ぎりぎりで働き、月の収入は約8万円。そこから5万8000円の家賃を払う生活です。就学援助をはじめ、活用できる補助制度を利用しているものの生活費が足りないと。毎日スーパーでお勤め品を買い、自分の食事は1日1食のときもあると。子供が発達障害の診断を受けていらっしゃって、その療育のためにこれまで仕事も変わらざるを得なかったと。生活保護制度についても、様々な事情が存在していて受けられないと。今回の1万円のプレミアム付商品券のことをどう思いますかとお聞きしたら、とてもとても1万円出して買えないとおっしゃっていました。 まさに今、コロナ禍の下で市民の暮らしの貧困の常態化が進んでおります。貧困が連鎖をしている。市のコロナ対策は、本当に困った人への優しさがない、福祉の心が感じられないと思うのは私だけでしょうか。この改善についても、引き続き委員会で取り上げていきたいと思います。 奈良県の国保運営方針の中間見直しについてであります。 奈良市では、収納率92%であるにもかかわらず、今回、県からは97%が求められていると。これによると、新たに5億円の負担増となり、これ以上保険料を上げられないので、県の基金から借り入れるということになると、3年後に返済が求められます。ですから、医療費削減か、保険料値上げか、こうした選択に追い込まれることにもなってくるということでもあります。私は、問題だらけの中身であると思いますので、ぜひ撤回をきっぱり求めていただきたいと意見を申し上げておきます。 少人数学級の独自施策についてです。 奈良市で実施されている小学1年生の30人学級については、やっていくということはありましたが、その答弁にとどまったというのは大変残念であります。教育関係者や教職員組合、広く市民が求めてきたのは今の半分程度ですよね。だから20人程度の少人数学級ということでありました。現実的な中間段階として30人学級というのは、文部科学省、地方自治体、地方議会などでは常に一致した意見になっておりまして、奈良市議会も12月定例会で30人学級を求める意見書を全会一致で採択しております。 35人学級というのは、国際的に見ますと大人数の学級なんです。また、アメリカやドイツの中学2年生の学級編制が30人なのに、日本では40人であります。まずは日本も小学校にとどまらず、中学校でも35人にするべきではないかと、先日の国会で我が党が迫りますと、首相が中学校も検討していると明言する答弁がありました。 奈良市では、市長自らがマニフェストに掲げて、奈良市独自の30人程度学級を小学校全学年で行った実績を持っておりますし、市長は大いにその点もアピールをしていたわけでありますから、そうした必要性ということは深く認識をされていると思います。ぜひ、現場の声を酌み上げていただいて、今こそ復活へ踏み出すことを求めておきます。 旧奈良監獄建物の保存活用についてであります。 旧奈良監獄の保存活用事業の遅れから、奈良市の基本計画に影響が出ていることは認められました。計画の基本コンセプトや全体の詳細は、来年9月の実施設計の完了までは分からないと。しかも、それは現段階の予定ですから、今後、変更の可能性もあるとなっておりました。法務省やSPCなどと情報を緊密にするということとともに、近隣住民や市民の意見や要望に応える場については、奈良市から法務省や事業者に要望すると、奈良市が間に入って調整役をしていくという答弁がありましたので、ぜひそうした場をまずしっかりとつくる責任を果たしていただきたいということで、意見を述べておきます。 平城宮跡内の近鉄線移設案についてであります。 三者協議の場で踏切道の現実的な改良案の検討が主体的に行えるよう、奈良市からも提案すべきではないですかという提言をさせていただきましたけれども、その点については受け止められたと理解をします。協議の場で伝えていくという答弁もありました。踏切道については、今ある課題の解決に向けて、みんなで知恵を出し合って多角的な検討が柔軟に行えないと、実質的な課題解決にはつながらずに時間だけが経過するということにもなりかねませんので、ぜひ奈良市から動きをつけることを求めておきます。 最後に、吉城川バイパス築造工事についてであります。 1問目でも述べましたとおり、床上浸水被害の解消というのは、本当に地域の皆さんから私自身も直接お聞きをしてきた悩みでもあり、要望でもありましたけれども、その長年の切実な願いということでもありますし、ようやくそのための工事が動き出したということで注視をされています。ぜひ安全に、そして着実に工事を進捗させていただきますことを要望しておきます。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(八尾俊宏君) 以上で代表質問は終わりました。 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後3時1分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(三浦教次君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(三浦教次君) 引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 23番東久保君。   (23番 東久保耕也君 登壇) ◆23番(東久保耕也君) 自民党・結の会の東久保でございます。よろしくお願いいたします。 東部地域の振興施策について、まず、月ヶ瀬、都祁地域の光ファイバー整備事業とワーケーション等支援事業について、市長へ質問させていただきます。 これらの2つの事業は、昨年の7月臨時議会と9月定例会において新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した令和2年度補正予算として提案され、成立したものであります。 光ファイバー事業につきましては、このコロナ禍や今後のオンライン学習やテレワークの推進、オンライン診療などに必要な通信環境を確保するとともに、移住や企業の誘致にも強みとなることから、未整備の月ヶ瀬、都祁地域において整備を行うものです。そして、新しい生活様式となったオンラインによる勤務を、地方において地域の味覚や観光資源を楽しみながら行うワーケーションが注目されているのと同時に、事業所や居宅についても家賃の高い都市部から安価な地方へと向かう動きがあり、今後加速すると見込まれています。 ワーケーション等支援事業は、ワーケーションやリモートワーク施設、サテライトオフィスなどを設置し、運営する事業所を支援することにより、東部地域へのさらなる入り込み客数や移転事業者の増加を図ることを目的としています。 そこで、これらの2つの事業の概要と事業の進捗状況についてお答えください。 次に、東部地域における観光振興施策について、市長へお尋ねいたします。 現在、月ヶ瀬地域では、毎年恒例の月ヶ瀬梅渓梅まつりが開催されております。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、期間中の主なイベントは中止しており、昨年と同様に例年より来訪客が少なくなるものと憂慮しているところです。 この月ヶ瀬梅林は、日本の名勝の第1号として、1922年、大正11年に奈良公園と金沢市の兼六園とともに指定されました。この梅林へは古くから文人墨客が訪れており、近年の高山ダム建設による水没の危機も乗り越えて、現在、約1万本の紅梅、白梅が守り受け継がれております。そして、来年で名勝指定から100周年を迎えることから、名勝100周年記念事業実行委員会が発足し、事業に向けて取組が進められているところであります。今回の記念事業を奈良市東部地域の観光振興策の一つとして位置づけ、コロナ禍で失われたにぎわいを取り戻すきっかけにしたいと考えております。 また、東部地域には、人気アニメに登場する巨石と似ていることから、数多くのアニメファンが訪れるようになった柳生町の一刀石や、秋のシーズンにもみじの紅葉で訪れる観光客を魅了する忍辱山町の円成寺などの観光スポットが数多くあります。これらの点在する多くのスポットを面で捉え、周遊する仕組みをつくることも大変重要であると考えますが、東部地域における観光振興施策についてお願いいたします。 次に、東部地域の課題に対して、住民と行政が一体となって取組を進めている交通弱者対策について、都市整備部長にお尋ねします。 東部地域の高齢化率は、今年1月1日現在42.7%で、市全体の31.28%より10%以上も進んでおります。市街地に比べ公共交通機関が十分でないことや、免許返納後の交通手段の確保などが喫緊の課題となっております。このような中、公共交通空白地域の解消を目的に、昨年10月から本年3月までの間に柳生地区コミュニティバスの実証運行が行われていることに大変注目しているところです。 そこで、この実証運行の概要、利用状況や利用者の反響、今後の取組についてお答えください。 続いて、獣害対策について、観光経済部長にお尋ねします。 東部地域は、その地形や気候を生かしてお米や野菜、お茶などの農作物の生産が盛んに行われている地域であります。しかし、近年、生産者の高齢化や後継者不足が問題化しているのに加え、イノシシや鹿、猿などが農作物に被害を及ぼす獣害が深刻な問題となっております。 そこで、東部地域における獣害の現状や今後の有害鳥獣対策についてお答えください。 最後に、地域おこし協力隊について、市民部長にお尋ねいたします。 この事業は、市外の人材を積極的に誘致し、地域協力活動に登用するとともに、その定住及び定着を図ることを目的としており、本市におきましても平成25年から取組が進められ、任期満了した隊員が定住し、地域の振興に寄与していることから、一定の成果を上げていると思っております。今後も東部地域における様々な課題に地域の皆さんとともに向き合い、取り組んでいただける人材を迎えることは、大変重要であると考えております。 そこで、各地域における地域おこし協力隊の現状について、また今後の取組についてお答えください。 以上で1問目といたします。 ○議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの東久保議員からの御質問にお答え申し上げます。 月ヶ瀬、都祁地域の光ファイバー整備事業とワーケーション等支援事業についての御質問でございます。 まず、月ヶ瀬、都祁地域の光ファイバーにつきましては、市内のデジタル化及び非接触型社会への対応として実施をするものでございます。この事業につきましては、対象となります月ヶ瀬、都祁地域におきまして、平成18年度に通信、放送の同軸ケーブルの整備を行った実績があるこまどりケーブル株式会社が主体となり、総務省によります高度無線環境整備推進事業を活用して行うものでありまして、本年12月末までに完了を目指しているものであります。本市といたしましては、その事業費に対しまして、昨年7月に御議決をいただきました令和2年度補正予算のうち、7954万7000円を補助するものでございます。 事業の進捗状況といたしましては、事業者は昨年中に総務省及び本市に補助金申請を行い、その決定を受けており、地域への事業説明も済ませておられます。先月から各家庭への意向調査やセンター設備設置準備が開始されており、今月中には光ケーブルの敷設作業が開始され、各家庭への引込み作業については6月頃から開始される予定と聞いてございます。 ワーケーション等支援事業につきましては、旧月ヶ瀬学校給食センターを活用し、ワーケーションやリモートワークの施設、あるいはサテライトオフィスなどを設置、運営する事業者を公募型プロポーザル方式にて募集いたしております。この事業者の選定に当たりましては、単に施設の整備や運用に関する提案のみならず、奈良市東部地域の活性化や地域が抱える課題の解決に寄与できる企画提案を期待いたしているところでございます。 なお、選定いたしました事業者に対しましては、昨年9月定例会にて御議決をいただきました令和2年度補正予算のうち、2705万1000円を上限に基礎的な改修費用を支援いたします。また、令和3年度中の開業に対する運営補助といたしましては240万円、令和4年度から令和7年度までの運営補助として1080万円の債務負担を本議会に提案させていただいているところでございます。 事業の進捗状況につきましては、1月22日のプロポーザル採否委員会での採択を経て、2月3日の第1回審査委員会及び同17日の第2回審査委員会を経て、同19日から募集を開始いたしております。今月30日の第3回審査委員会において事業者を決定し、契約を締結する予定をいたしております。 続きまして、月ヶ瀬梅林の名勝指定100周年を記念して、今後、東部振興にどのように取り組んでいくのかという御質問でございます。 令和3年度の取組といたしましては、月ヶ瀬梅林の名勝指定100周年記念が大きなトピックになると考えており、これを機に地域から盛り上げていただくために、地元関係者で構成されます記念事業実行委員会への補助金を新年度で予算計上いたしております。また、梅を生かして地域活性化を目指している本市を含めた13の自治体が加盟している全国梅サミット協議会につきまして、平成22年3月に一度奈良市で開催した実績がございますが、今回の100周年に併せて来年度に本市で改めて開催する予定となってございます。この関連費用につきましても、新年度予算に計上いたしておるところでございます。 今回の記念事業や全国梅サミットを契機に、月ヶ瀬をはじめ東部地域のよさを発信し、地域全体ににぎわいがもたらされるよう、将来につなげていくための施策を展開してまいりたいと考えております。 議員お述べの東部地域に数多くある観光スポットを周遊しながら巡っていただく仕組みづくりは、東部地域での滞在時間の増加や宿泊にもつながっていくことから、これらの魅力を積極的に発信していくとともに、宿泊や体験などのコンテンツで誘客を促進しているさとやま民泊推進事業と併せて取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(三浦教次君) 都市整備部長。   (都市整備部長 荻田勝人君 登壇) ◎都市整備部長(荻田勝人君) 東久保議員の御質問にお答えいたします。 柳生地区コミュニティバス実証運行についての御質問です。 東部地域の交通弱者対策といたしましては、地域の皆様とともに東部地域の交通を考える取組として、セミナーや先進地視察を実施してまいりました。しかし、本年度は新型コロナウイルスの影響により、ワークショップなどの開催ができない状況でございました。そのような中、以前から検討しておりました柳生地区において、感染対策を十分に講じた上で、スクールバスを活用したコミュニティバスの実証運行を実施いたしました。 その概要でございますが、昨年10月、柳生町から大保町経由と邑地町経由の2ルートを設定し、各ルート1日1往復で月3日から4日間運行を行いましたところ、10月から12月の1便当たり平均9.7名の乗車でございました。地域の皆様からは、「とても便利」、「気兼ねなく買物に行けてうれしい」、「継続してほしい」などのお声をいただいております。 今後は、実証運行結果の検証を行うとともに、来年度予算にも計上させていただいており、さらに実証運行を重ねる予定でございます。また、他都市の事例も参考にし、東部地域にとってよりよい手段を地域の皆様とともに見いだしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 観光経済部長。   (観光経済部長 梅森義弘君 登壇) ◎観光経済部長(梅森義弘君) 東久保議員の質問にお答えいたします。 有害鳥獣対策についてでございますが、まず、現状につきましては、農作物等への被害は、東部地域に限らず年々増加傾向にあります。これは、高齢化や後継者不足から休耕地が増え、動物の警戒心が薄れたことや森林の荒廃が進んだことにより、動物たちが餌を求めて田畑を荒らすことが主な要因であると考えております。また、柵やおりの設置にかかる費用や労力等が負担となっていることも重要な課題であると認識しております。 被害の拡大は営農意欲の減退にもつながりますことから、その対策といたしましては、引き続き被害の防除、個体数削減を柱といたしまして、関係者と連携、協力して継続した取組を行ってまいりたいと考えております。具体的には、農業者、猟友会、行政関係機関等が一体となって有害鳥獣の捕獲やそれを行う狩猟者の育成と確保、また設備への支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(三浦教次君) 市民部長。   (市民部長 深村 浩君 登壇) ◎市民部長(深村浩君) 東久保議員の御質問にお答えをいたします。 地域おこし協力隊に関する御質問でございます。 まず、月ヶ瀬行政センター所管の隊員1名につきましては、昨年10月に任用手続を完了し、既に活動を開始しております。具体的な活動内容といたしましては、地域内の施設の連携や活用方法を外部からの視点で提案するほか、奈良県内各地の隊員とLINEなどを活用し情報共有を図る取組を行っております。今後も地域の皆様とともに、地域の魅力をプロモーションする取組を行う予定をしております。 次に、都祁行政センター所管の隊員1名につきましては、森林環境保全などを主なミッションとして、今年度において募集を行いましたが、残念ながら、新型コロナウイルスの影響もあり応募者がございませんでした。令和3年度も引き続き地域の課題解決に向けて、地域の課題により即したミッションを検討し、募集を行う予定でございます。 続きまして、東部出張所所管の隊員につきましては、本年度において3名全員が任期を満了し、引き続き地域に居住しているところでございます。昨年9月に退任した隊員はエゴマなどの農作物の栽培に、12月に退任した隊員は地域観光に携わる事業に引き続き取り組んでおります。それと、また本年1月に退任した隊員は、キッチンカーを用いて、東部地域で取れた野菜やジビエ肉などを使用したスパイスカレーを販売する移動式店舗を開業する予定をしております。 令和3年度におきましては、地域おこし協力隊員を新規に2名採用する予定をしておりますが、地域、行政、隊員間のミスマッチを防ぐため、おためし地域おこし協力隊制度を活用し、昨年11月に東部地域の里山体験ツアーを実施いたしました。また、本年2月には、どのようなミッションが地域にマッチするのか、各連合会等地域の皆様にヒアリングを実施するなど、採用に向けての取組を進めているところでございます。なお、これらの隊員とは別に、東部地域全体の振興を地域とともに進めていくことができる隊員3名について、令和3年度中に任用してまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 23番東久保君。 ◆23番(東久保耕也君) 2問目は、要望を述べさせていただきます。 まず、ワーケーション等支援事業につきまして、事業者の選定に当たりましては、東部地域の魅力が発信でき、施設利用者がそれらを体験できる仕組みをつくることに重点を置いていただき、移住や定住、関係人口などが増加し、地域全域の振興が図れる事業となるよう要望いたします。 そして、月ヶ瀬地域をはじめ、都祁や東部出張所所管区域には、利活用が決まっていない閉鎖された公共施設がたくさんあります。今回の事業の実施状況も踏まえ、ウィズコロナやデジタル化促進の時代に乗り遅れることがないよう、今後もこのような施設の利活用を御検討いただくよう要望しておきます。 まず、獣害対策につきましては、観光経済部長がお述べのように、狩猟者の育成や確保、施設整備への支援、農業者、猟友会、農協、行政関係機関等が一体となって取り組むことは、大変重要であると考えております。有害鳥獣の駆除は、農業者や猟友会が中心となり取り組んでいただいているところでございます。今年度の事例として、奈良市鳥獣被害防止対策協議会の事業において、国の交付金を活用し、ニホンザルを捕獲するための大型捕獲おりを東部地域に設置された旨を伺っております。これは、東部地域にてニホンザルによる農業被害が継続的に発生している中、地元自治会からニホンザル被害の対策に関する要望があり、これを受け、地元自治会において大型捕獲おりを設置できる場所を選定いただき、設置後の見回り等に御協力をいただくこと等について必要なすり合わせを行い、大型捕獲おりの設置に至ったものと思います。 今後も、鳥獣被害に関する各自治会からのお声に寄り添い、耳を傾け、鳥獣被害の低減につながるような対策の実施に向けて、国庫交付金による事業等も活用し、効果的な有害鳥獣対策に取り組んでいただくよう要望いたします。 同じく、有害鳥獣対策として懸案となっておりますのが、狩猟免許所持者の高齢化による地域の有害鳥獣対策の担い手の不足に関する問題であります。 環境省によりますと、年齢別の狩猟免許所持者数では、平成12年時点では60歳以上の狩猟免許所持者が占める割合が全体の38%であったのが、平成28年になりますと全体の62%を占めると示されておることから、狩猟免許所持者の高齢化が進んでいることが分かります。本市における年齢別の狩猟免許所持者数について、直近の状況をお調べいただいたところ、60歳以上の狩猟免許所持者数が全体の62%を占めていることをお聞きいたしました。これは、狩猟免許所持者の高齢化による有害鳥獣対策の担い手の不足が懸念され、本市においても喫緊の課題であることを示しております。本市では狩猟免許取得補助事業により、この課題に取り組んでいただいているところですが、市の広報媒体の活用や、猟友会とも相談され、狩猟免許取得者が少しでも増えるような啓発活動等、息の長い取組をしていただくよう要望いたします。 次に、地域おこし協力隊事業につきまして、要望を述べさせていただきます。 この事業は、東部地域の振興に寄与するものとして、市長が在任期間中に開始された事業であります。地域外からの若い目線で地域の振興に取り組んでもらうことは大変重要なことであり、開始から8年が経過して、事業が定着してきている地域においては、意義のある取組と大変喜んでいただいているところでございます。そして、任期満了後の隊員が地域に定住し、その10年後や20年後に地域住民として地域にもたらす効果も期待されているところでもあります。また、隊員の活動内容などを地域の皆様を含め市民の方々に知っていただくことも大切であり、市民だよりをはじめ、あらゆる広報媒体を駆使して積極的に広報を行うことは、市民の皆様方からの信頼を今まで以上に得ることができ、隊員のモチベーションアップにもつながると考えます。 今後も引き続きこの事業を継続していただくことを、そして隊員が退任後に長く地域に住み続けることができるようフォローしていただくことを、隊員の活動の見える化を積極的に行っていただきたいことを要望しておきます。 最後に、東部地域における観光振興施策につきまして、要望を述べさせていただきます。 このコロナ禍におきましては、2度の緊急事態宣言の発出やGo Toキャンペーンの停止などにより、観光関連の産業は大変な打撃を受けております。一昨年にはインバウンドに特化した誘客で地域の活性化を図る目的で、月ヶ瀬活性化事業検討委員会を発足させ、地域や観光協会、行政が協働してモニターツアーを計画いたしましたが、いま一歩のところで新型コロナウイルスの影響を受け、中断しております。 しかし、日本を含め、海外においてワクチンの接種も始まっており、少しずつではありますが、明るい兆しも見えてまいりました。コロナ禍以前とまではいきませんが、今後、国内外からの観光客も徐々に増えてくるのではないかと思っております。ぜひ、このモニターツアーの計画を地域とともに再始動していただくことを強く要望させていただきます。 そして、東部地域を目的地に選んでもらい、訪れてみたくなる、そしてもう一度行ってみたくなるような魅力の創設は大変重要であると思っております。光ファイバー整備事業やワーケーション等支援事業を礎とし、名勝指定100周年記念や全国梅サミットを起爆剤として、観光振興がさらなる発展を遂げられる施策を講じていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。   (18番 柿本元気君 登壇) ◆18番(柿本元気君) 改革新政会の柿本元気です。 今日は、私からも一問一答形式で少し質問したいと思っています。 まず最初に、市長にお尋ねします。 今議会に提案されたコロナ対策予算の中には、幾つかの市民、事業者等への支援も含まれています。予算措置を講じるに当たって、コロナ禍で苦しむ市民の暮らしの現状をどのように把握されたのかをお尋ねします。 以上で、私の1問目を終わります。 ○議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの柿本議員の御質問にお答え申し上げます。 今回の新型コロナウイルス感染症対策の事業予算を編成するに当たりまして、どのように困っておられる方々の声を把握したのかということでございます。 この新型コロナウイルス感染症につきましては、いまだ終息が見られず、医療、福祉、教育、経済など、様々な分野に影響が及んでおります。そのため、それぞれの所管部局においても、関係団体、関係機関からの御意見、また御要望等を伺い、特に必要性や緊急性があるものにつきましては、財政部局と調整し、予算編成を行わせていただきました。また、私も地域で活動されている関係団体、例えば民生・児童委員協議会や地区社会福祉協議会などとも意見交換を行い、またそれぞれの関係事業者等とも意見交換をする中で、その声を参考にさせていただき、事業や予算に反映をさせていただいたものもございます。 今回の予算につきましては、新型コロナワクチン接種に向けた体制を確保するとともに、医療提供体制の維持と生活・事業継続に困っておられる方々への支援、地域経済の活性化、またアフターコロナに対応した新しい生活様式を見据えて対策に取り組むものなど、引き続き4本の柱で予算を構成させていただいております。特に3次補正で増額されました新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の長期化により深刻な影響を受けていることから、商工会議所や業界団体、商店街などへの聞き取りを行った結果を支援内容に反映させていただいております。 市内での消費喚起につなげるプレミアム付商品券の発行のほか、「飲食店におけるクラスターの発生状況がクローズアップされたことにより、飲食店で食事をすること自体が悪いことかのような風潮となってしまっている」というような声も多く聞かれましたことから、飲食店への事業継続を支援する際に、重点的に同分野に配分を行わせていただいた次第でございます。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ただいま各団体から関係部署が聞き取りを行った、もしくは市長が聞き取りを行ったという話、御答弁がありましたけれども、本当に多様な市民の窮状を拾い上げることができているのか、市長の姿勢にあまり積極性を感じないように感じます。各部署任せ、人任せ、悪く言ったらそういうふうに感じます。 市民の声を積極的に聴くことは、これまでも市長に要望してまいりました。コロナ関連予算といいましても、予算は限られています。その限られた予算を、本当に困っている人に困っている分だけしっかり支援していくと。そのためには、まず現状把握に努めなければいけないということなんですけれども、その一番根本の部分がないということは言いませんけれども、不十分な予算が組まれているんじゃないかなというふうな気がします。それなりに大きいお金を使うわけですから、どんな使い方をしてもある程度誰かに喜んでもらえるというのは当然です。だけれども、本当に効果的な使い方というのをしっかりと考えていただきたい。 今回の予算についても、工夫や改善が見られず、これまで時間がないからということで暫定的に行ったような対策も、今回惰性のように同じような対策が取られてきました。飲食店以外の支援は、非常に手薄だと思います。 また、プレミアム付商品券に関しても、お得感が若干薄れましたよね、パーセンテージでいうと。これは、今までのプレミアム付商品券が実際に売れているんで、このくらいちょっと下げても売れるだろうということかもしれませんが、それやとやっぱり市民の支援という意味合いよりも景気対策の延長に見えると、そういう側面がクローズアップされてしまったんじゃないかなというふうに感じます。 今日の先ほどの質問でもありましたけれども、やっぱり本当にお金に困っている人は--これは5万円までプレミアム付商品券が買えるということになるみたいなんですけれども、計画では--5万円もなかなかやっぱり出せないですよ。5万円出せる人は1万5000円分得をして、なかなか出せない、1万円しか出せないという人は3,000円しか得をしないというような形になっています。この部分って弱点としてやっぱりこれまでも言ってきたところですけれども、何も改善されていないねんなということを残念に思いました。例えば、同じ1人に3,000円の支援であっても、別に1万円出さんでも、5,000円に対して3,000円のプレミアムをつけるとか、いろんな方法があると思うんです。そういう部分が全く改善されていなくて、やっぱり実際に困っている、窮地に追い込まれている人たちを助けるに至らない対策に終わってしまったことを非常に残念に思います。このことについては、これは議場で行っていますけれども、委員会でも取り上げていただいて、ぜひみんなに話し合っていただきたいなというふうに思っています。 それでは、次に、奈良市の人権文化センターについて、市民部長にお尋ねします。 人権文化センターの運営見直しについては、新・奈良市行財政改革重点取組項目の公共施設の運営効率化を基本に置いて進められてきていますが、その見直しの方向性はどうなっているか、お答えください。 ○議長(三浦教次君) 市民部長。 ◎市民部長(深村浩君) 柿本議員の御質問に自席よりお答えをいたします。 人権文化センターにつきましては、議員お述べのように、新・奈良市行財政改革重点取組項目に基づきまして、令和2年度までの3年間を通しまして、その運営方法の見直しについて議論を進めてきたところでございます。現在、これを1年間延長いたしまして、令和3年度につきましても、引き続きその運営の効率化に取り組んでまいる方向で事務を進めているところです。 なお、奈良市における人権文化センターの今後の在り方につきましては、他の中核市等の状況から見ましても、より開かれた自主的、あるいは自立的な方向性に転換することが必要と考えておりまして、引き続き検討してまいりたいと、このように考えております。 以上です。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) これまで直営で行われてきた人権文化センターの運営も、節約のため指定管理へと切り替えていく可能性が示されたのが、新・奈良市行財政改革重点取組項目でした。国においては、2016年に部落差別解消推進法が制定され、2019年にはそれに伴う奈良県条例が県で制定されました。もちろん人権課題は部落差別だけではなく、高齢者、障害者、在日外国人問題といういわゆるマイノリティー問題をはじめ、格差社会における社会的弱者の拡大もまた新たな人権課題として、国連ではSDGsが提唱されています。このように、世界の流れとしても21世紀は人権の世紀だと、人権擁立を課題としています。 そして、奈良市にも、また奈良市人権文化のまちづくり条例という誇るべき条例があります。そのようなすばらしい理念を実効力のあるものに変える機関こそが、奈良市の場合、人権文化センターであり、僅かなお金の節約のために改革の名を借りて指定管理に移行していくことには当初から違和感がありました。それでも、市長は、人権文化センターの運営について新たな形、つまり指定管理者制度の導入を提唱されてきたところです。その中で、指定管理者制度の金銭面以外のメリットも提示され、地元の人の理解を得ることを大前提に制度変更が進められてきたという流れがあります。地元の人たちは、人権文化センターの今後に不安を感じながらも、市の財政状況や制度変更の趣旨に一定の理解を示し始めてくれていました。現に4館ある人権文化センターのうち、今年度は北人権文化センターが指定管理者制度となりました。 市民部長、そこまでの経緯について、改めて確認したいと思います。 ○議長(三浦教次君) 市民部長。 ◎市民部長(深村浩君) お答えいたします。 人権文化センターの指定管理者制度導入に関するこれまでの経緯ということでございますが、運営の見直しに取り組む中で、既に指定管理者制度を導入している自治体の状況を研究するとともに、当該地域を視察いたしまして、指定管理者となっている当該地区の自治会組織の方にもお話を伺ってまいりました。そんな中で、住民が自ら事業を企画することで、利用者ニーズに対応した柔軟な運営ができているなどのメリットのお話も聞くことができましたことから、このことを参考事例として奈良市に持ち帰り、紹介もさせていただいて、住民の交流の拡大につながる手法として、指定管理者制度の導入を地域の皆さんに御検討もいただきました。 そんな中で、今年度においては、北人権文化センターの指定管理者制度の導入が実現したというところでございます。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 今の答弁では、よそを調べたら制度のいいところも見つかったと、だから、指定管理者制度の導入が実現したよと。間違えてはいないんですけれども、ちょっと軽く聞こえますけれども、実際には、そこに大きな苦労が担当課としてもあったと思います。また、地元の方にとっても、たくさんの葛藤や苦悩の中で意見を出し合い、一つの結論を出す大きな苦しみがあったんだろうと思います。そういう部分の地元とのやり取り、どういうやり取りをしてきたのかということを聞きたかったんですけれども、ともあれ、今年度は北人権文化センターの指定管理が実現したところです。そして、来年度に向けて、今度は中人権文化センターの指定管理者制度を進めるため、担当課は何度も当該地区に足を運んでいると聞いています。 引き続き、市民部長、中人権文化センターについて、地元との議論や進み具合はどうなっているか教えてください。 ○議長(三浦教次君) 市民部長。 ◎市民部長(深村浩君) お答えいたします。 中人権文化センターにつきましては、他の3センターと同じように他市の状況を参考事例として紹介するとともに、地域の特性や施設の目的などを改めて確認もいたしました。また、地元の皆さんの思いなどもお聞きしながら、指定管理者制度の導入について御検討をいただきまして、このことについて御理解をいただけたものと認識してございます。 今後も、他のセンターとも併せまして、人権文化センターの在り方自体を検討してまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 今、御答弁の中で、地元の皆さんに御理解いただけたものと認識しているというところで話が終わってしまいました。僕が聞いている話と少し違うなと思います。違うというか不十分だなと、その続きがあるんじゃないかと思います。 実際に、今年度に入ってからだけでも、担当課は地元に7回足を運んでいただいています。その中で、令和3年度から中人権文化センターを指定管理にする提案を地元に何度も行っていただき、地元はそのたびに自分たちで会議を何度も重ね、最初は直営にこだわっていた住民も徐々に理解を示してきたというのは、こういう流れがあるわけです、御答弁のとおりです。それは、もちろん担当課の不断の努力によるものだと思います。 しかし、それでも地元の人たちは、今、北人権文化センターが担っている重大な役割、人権啓発の拠点として、文化や教育の場として、地区内外の住民の交流、憩いの場として、相談事業としての役割を自分たちが委託されて本当に担えるのか、二の足を踏んでいました。それでもけんけんがくがくのやり取りもありながら、地元住民は力とアイデアを出し合うことで、この代え難い奈良市の宝物を自分たちの力で維持しようと決意を固めたのが、昨年10月だと聞いています。そのことは、もちろん市にも伝えられています。そして、彼らは、来年度から指定管理者制度になること、そのことに向けて何度も話し合い、準備を進めてきました。それなのに、去年12月、奈良市からは、急に指定管理は実現しなくなったと告げられています。 直営にこだわってきた彼らが、奈良市の将来を鑑みて譲るところを譲り、精いっぱい協力しようと立ち上がった矢先の話で、市にはしごを外されたと涙を流して悔しがっている人もいました。その話を聞いてから、悔しくて寝れへんくて体調を崩したんやという人もいました。 さて、行政に何らかの意思変更があったわけですが、担当課に聞いても、この理由が何も出てきません。これは非常に異様な出来事だと思います。 そこで、市長に尋ねますが、令和3年度から指定管理者制度実現に向けて動いていた経緯を無視し、ストップをかけた、考えを変えたのは誰なのか、まず端的にお答えください。 ○議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 人権文化センターの今後の在り方につきましては、先ほど部長が答弁申し上げましたように、今後は地域の自立的な運営を行っていただくということが基本だと考えております。様々な地域のこれまでの経緯、また住民の皆様の要望等も踏まえながらでありますけれども、基本的には地域で自主的な運営を行っていただく形が望ましいというふうに考えており、この考え方は従来から変更はございません。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) しかし、実際には担当課が、令和3年度から指定管理者制度を導入するんだと、そのことをお願いに行っているんですけれども、地元がそれをオーケーしたにもかかわらず、そのことが実現しない、ここに何らかの意思変更があったわけですよ。これは担当課が考えを変えたのか、部長ですか、市長ですか、副市長ですか、誰ですか。もう一遍お答えください。 ○議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) どの段階ということではなくて、新たな制度に移行する庁内での議論や準備がまだ十分ではないということでございます。 ○議長(三浦教次君) 18番柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 全く分からないですけれども。いいです、時間もないですから。 そうやって市長が考えを変えて、思いつき行政をされることでほんまに傷ついている人はたくさんいるんですよ。地元の人は、わしらはこんなに協力しようと思って頑張ってきたのに、急にはしごを外された、担当課の人に裏切られたと、担当課のことを恨んでいますよ。担当課に話を聞きに行ったら、あまり言いたくないけれども、担当課も何も言えずに、顔が真っ赤になって涙を流しましたよ。僕は見てしまいましたよ。これは一体どういうことなんやと、トップの在り方がほんまに問われているなと思います。 そして、この1件だけじゃない。やっぱり市長のやり方というのは、大きいこともあれば小さいこともあるけれども、やっぱりそういう側面を持って職員のやる気を、モチベーションをそいできたり、それからまた市民との信頼関係を壊してきたと思います。 最初に指摘したように、コロナ禍で暮らしが壊れ、苦しんでいる市民に寄り添っているようにも私には見えません。これらのことについて、私は市長に責任を求めるつもりはありません。しかし、仲川市長はこれ以上、奈良市長を続けるべきではないと思います。 今日の午前中、市長は非常に煮え切らない出馬表明をされました。その中で、多選の弊害の是非については議論があると、これこそ論点のすり替えだと思ったんですけれども、そういうことを言われていました。今問題になっているのはそういうことじゃないですよね。多選がいいか悪いかなんて、僕にも分かりません。どっちでもいいです。ただ、多選が悪いと言ってきたのは市長であって、そして、自分は3期12年以上、市長を務める気がないと市民に約束されて通ってこられた。その約束を破ることについてどう思うんですかということですよ。僕は、この件について、これもそれ以上言う気はありません。市長が市民との約束を破って選挙に出られるなら、それでもいいでしょう。ただし、やはり市民に、職員に寄り添う市政運営、それをしていかなければ奈良市は立ち行かなくなるということだけは譲れません。このことについて、市長に答弁を求めるつもりはありませんが、市民に答弁をいただきましょう。私は、このことについてしっかりと市民に訴え、市民に信を問いたいと思います。 以上で、私の質問を終わります。 ○議長(三浦教次君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明9日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(三浦教次君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。----------------------------------- 会議時間の延長 ○議長(三浦教次君) 議事の都合により、会議時間を午後5時30分まで延長いたします。----------------------------------- ○議長(三浦教次君) 本日はこれで散会いたします。   午後4時22分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。             奈良市議会議長   三浦教次             奈良市議会副議長  八尾俊宏             奈良市議会議員   松下幸治             奈良市議会議員   東久保耕也             奈良市議会議員   北 良晃...