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03月04日-02号

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  1. 奈良市議会 2020-03-04
    03月04日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    令和 2年  3月 定例会令和2年奈良市議会3月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   令和2年3月4日(水曜日)午前10時1分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第2号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第3号 令和元年度奈良市一般会計補正予算(第7号)       議案第4号 令和元年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)       議案第5号 令和元年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)       議案第6号 令和元年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第3号)       議案第7号 奈良市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について       議案第8号 奈良市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について       議案第9号 奈良市児童相談所基金条例の制定について       議案第10号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第11号 奈良市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について       議案第12号 工事請負契約の締結について       議案第13号 訴えの提起について       議案第14号 令和2年度奈良市一般会計予算       議案第15号 令和2年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第16号 令和2年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第17号 令和2年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第18号 令和2年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算       議案第19号 令和2年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第20号 令和2年度奈良市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第21号 令和2年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第22号 令和2年度奈良市病院事業会計予算       議案第23号 令和2年度奈良市水道事業会計予算       議案第24号 令和2年度奈良市下水道事業会計予算       議案第25号 奈良市長等の損害賠償責任の一部の免責に関する条例の制定について       議案第26号 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正について       議案第27号 奈良市月ヶ瀬福祉センター条例の一部改正について       議案第28号 奈良市都祁福祉センター条例の一部改正について       議案第29号 奈良市無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について       議案第30号 奈良市指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の制定について       議案第31号 奈良市動物愛護管理員設置条例の制定について       議案第32号 奈良市食品衛生法の営業の施設に関する公衆衛生の基準を定める条例の廃止について       議案第33号 奈良市浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部改正について       議案第34号 奈良市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例の制定について       議案第35号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について       議案第36号 奈良市工場立地法準則条例の制定について       議案第37号 奈良市地域経済牽引事業の促進に係る固定資産税の特例に関する条例の制定について       議案第38号 奈良市伝統的家屋交流施設条例の廃止について       議案第39号 奈良市道路占用料に関する条例等の一部改正について       議案第40号 奈良市学校給食センター条例の一部改正について       議案第41号 奈良市水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例及び奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について       議案第42号 包括外部監査契約の締結について       議案第43号 市道路線の廃止について       議案第44号 市道路線の認定について       議案第45号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第46号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第47号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第48号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第49号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第50号 公の施設の指定管理者の指定について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、報告 議案第25号に対する監査委員からの意見回答書の提出報告  第2、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(37名)  1番 道端孝治君      2番 塚本 勝君  3番 樋口清二郎君     4番 山出哲史君  5番 林 政行君      6番 松下幸治君  7番 阪本美知子君     8番 山本直子君  9番 白川健太郎君     10番 山本憲宥君  11番 太田晃司君      12番 階戸幸一君  13番 横井雄一君      14番 宮池 明君  15番 早田哲朗君      16番 三橋和史君  17番 大西淳文君      18番 柿本元気君  19番 酒井孝江君      20番 山口裕司君  21番 北村拓哉君      22番 八尾俊宏君  23番 東久保耕也君     24番 内藤智司君  26番 藤田幸代君      27番 田畑日佐恵君  28番 九里雄二君      29番 三浦教次君  30番 松石聖一君      31番 鍵田美智子君  32番 井上昌弘君      34番 森田一成君  35番 土田敏朗君      36番 北 良晃君  37番 中西吉日出君     38番 伊藤 剛君  39番 森岡弘之君 欠席議員  なし 欠番  25番 33番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      向井政彦君  副市長      西谷忠雄君   危機管理監    國友 昭君  総合政策部長   染谷禎章君   総務部長     吉村啓信君  市民部長     深村 浩君   福祉部長     米浪奈美子君  子ども未来部長  真銅正宣君   健康医療部長   佐藤敏行君  環境部長     奥田晴久君   観光経済部長   梅森義弘君  都市整備部長   荻田勝人君   建設部長     木村康貴君  企業局長     池田 修君   消防局長     西岡光治君  教育長      中室雄俊君   教育部長     中西寿人君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   谷田健次君  財政課長     小西啓詞君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     梶 正樹    事務局次長    中井史栄  議会総務課長   児林尚史    議事調査課長   島岡佳彦  議事調査課長補佐 秋田良久    議事調査課主査  米浪高之  議事係長     石丸元太郎   調査係長     大村一平----------------------------------- ○議長(森田一成君) 皆さん、おはようございます。 この議場の中というのは密閉空間で、また非常に長時間座ってもらわんなんというふうな状況です。コロナウイルスにとって、これぐらい都合のいい場所はないのと違うんかなと、ちょっとそんなことを思いましたので、通常、議場の扉というのは閉めるんですけれども、今議会に限って少し戸を開けて、議会のほうを進めてまいりたいなと思います。(松石聖一議員「いいんちゃう。風通しよくなって」と呼ぶ) それから、今議会につきまして、議員の皆様には、もう一度質問原稿のほうにお目通しされて、できるだけ簡略化に努めていただきたいことと、理事者の皆様には、答弁のほうを簡潔明瞭にしていただいて、どうか議事の進行に御協力をお願いしたいというふうに思います。-----------------------------------   午前10時1分 開議 ○議長(森田一成君) それでは、休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △報告 議案第25号に対する監査委員からの意見回答書の提出報告 ○議長(森田一成君) 私より御報告申し上げます。 去る2月27日、監査委員に対して、議案第25号 奈良市長等の損害賠償責任の一部の免責に関する条例の制定について、平成29年6月9日に公布された地方自治法等の一部を改正する法律附則第2条第7項の規定に基づき、意見を聴取いたしましたところ、お手元に御配付いたしておりますとおり、監査委員からの回答書が提出されております。----------------------------------- △日程第1 議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外49件(質疑並びに一般質問) ○議長(森田一成君) 日程に入ります。 日程第1、議案第1号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第50号までの50議案を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る2月27日の本会議において、市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 11番太田君。   (11番 太田晃司君 登壇) ◆11番(太田晃司君) おはようございます。自由民主党の太田晃司です。 東大寺二月堂の修二会が本行を迎える時期に入りました。東大寺で大仏開眼の供養が行われた752年と同じ年に始められて以来、途絶えることのない行事でありますが、一切の衆生に代わって、旧年中に犯した罪や過ちを悔い改め、新年の平和安寧や五穀豊穣を祈るとされる、こうした仏事や信仰の歴史背景には何があったのでしょうか。 大仏建立の詔勅があった奈良時代、その数年前に天平の疫病が大流行し、平城京においても相当の死者が出たとされています。当時の為政者である藤原氏四兄弟が相次いで死去するなどし、政治的、社会的な混乱を鎮めるための大仏建立であったのではと言われています。 今、中国の武漢市に端を発したと言われている新型コロナウイルスの世界的な蔓延が我が国の政治経済に影響を及ぼしています。しかし、過去の事例を挙げるまでもなく、人類の歴史は感染症との歴史の闘いの上に積み重ねられた現在であると言ってもいいでしょう。 各地で罹患された方々には心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く回復されますことをお祈りいたします。 新型ウイルスによる公衆衛生や危機管理をはじめとする積み残された課題は改善しなければなりませんが、正しく恐れることを念頭に、感染症の終息に向かって行政、議員が一丸となって取り組んでまいりましょう。 それでは、通告に従いまして、市長並びに教育長へ質問いたします。 最初に、新年度予算について、市長に伺います。 新年度予算は、一般会計において1441億円と過去最大規模であり、年々増加傾向にあります。第4次総合計画が最終年度となる本年でありますが、後期計画の財政見通しでは、最終年度の歳出見通しは普通会計で1287億円であり、会計区分が異なるとはいえ、実際の予算と相当の乖離をしていることが読み取れます。 そこで1点目に、必要な公共事業への投資は必要でありますが、総合計画策定時点での財政見通しと歳入歳出が乖離をしている理由についてお聞かせをください。 2点目に、本市の厳しい財政状況を鑑みると、適切な市債発行の抑制と行財政改革が求められます。新年度においてどのような目標値を掲げてこれらに取り組もうとするのか、考えをお聞かせください。 3点目に、新年度予算における財源不足の対応について、予算編成段階で具体的にどのような事業を見直すことで収支を整えたのかお聞かせください。 4点目に、会計年度任用職員制度についてお聞きいたします。 令和2年4月に地方公務員法等の改正により、会計年度任用職員制度が施行されますが、本市の定員適正化計画が令和2年度で終了することを受けて、次期定員適正化計画にどのような影響を与えると考えているのかお聞かせください。また、期末手当などの待遇改善や昇給により、どの程度の人件費が増加すると見込んでいるのでしょうか。 国からは、本制度に関連した新年度地方財政計画では、全国で約1700億円の財政措置の計画が発表されていることを受けて、奈良市にどの程度財政措置される予定なのかお聞かせください。 次に、先般2月17日に市長より本市の重要施策の進捗について説明を受けました4つの案件についてお聞きをしてまいります。 1点目に、仮称奈良市子どもセンターについてお聞きいたします。 児童相談所、一時保護所の機能のほか、地域子育て支援センター子ども発達センター子ども家庭総合支援拠点、キッズスペースなど、子供とその保護者の交流拠点を目指しておられます。本市の児童を取り巻く虐待相談対応件数や、療育相談者の件数の増加という時代のニーズに応じた施設であることは一定の理解をいたします。 ただし、従前の平松町から用地変更を行ったことで、当初の設置基本計画の変更を行うことをまずは公表することが先決ではないのか、その所見をお聞きいたします。 また、一時保護所についてはデリケートな部分が多いため、その配置については慎重を期す必要があると考えます。そこで、令和3年度中に児童相談所と同時に供用を目指そうとしているのか、設置をする場合の用地内の配置、また周辺住民の理解については、どのように進められているのかお聞きをいたします。 2点目に、平松地区周辺まちづくりについてお聞きをいたします。 平松地区においては、従前より県とのまちづくり協定を実施されてきましたが、仮称奈良市子どもセンターの柏木町への移転表明により、その跡地活用についての再度の修正を迫られています。 先日の説明会では、医療・介護・福祉ゾーン、賑わいゾーン、子育て支援ゾーンと3つについては明示をされているところですが、奈良県総合医療センター周辺地域まちづくり協議会で、この変更について地域住民に説明を尽くすことが先決ではないかと考えます。 平成31年4月以来協議会は開催をされておりませんが、地域住民とどのように話合いが進んでいるのかお聞きをいたします。 3点目に、新クリーンセンターについてお聞きをいたします。 市長は、今任期中に新クリーンセンター建設の候補地をしっかりと決定する旨、過去の定例会で発言をされております。現在、5市町によるごみ処理広域化の下で七条町に工場候補地を求めています。域内の地域住民への理解は欠かせませんが、県立養護学校や病院施設などの公共に関わる施設も存在しておりますが、これらとはどのような話合いとなっているのかお聞きをいたします。 また、ほかの4市町のそれぞれの保有施設の耐用年数が終了していない中で、新候補地への合意は道半ばであると考えます。次期尚早とも考えられる中、新年度予算には環境影響評価の配慮書作成に関わる事業が計上されていますが、これ以上候補地を変更する考えはないと事実上捉えてよいのか、その覚悟についてお聞かせください。 4点目に、新斎苑建設事業についてお聞きをいたします。 令和4年当初の完成を目指して整備事業が進められておりますが、新年度予算では主要な施策項目において、初めて地域活性化対策等事業の金額と内容が明示をされております。 いまだに全体像が見えない地域活性化対策事業でありますが、この件について、現在、各自治会とどのように交渉を進めているのか、要望に対する進捗をお聞かせください。併せて新斎苑整備事業そのものの工期遅れに対する追加工事の金額明示がいつ頃となるのかもお聞かせください。 次に、観光行政について伺います。 新型コロナウイルス感染拡大と奈良県下における感染者の発見を受け、奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合から、2月17日に仲川市長へ国内観光客向けの誘客対策の実行や緊急資金繰り支援の要望書が提出されています。 そこで、これらに関連して数点お聞きをいたします。 1点目に、リスク分散を考慮した観光戦略についてお聞きします。 国土交通省によると、2019年の訪日外国人観光客数は3188万人でありました。政府は、東京五輪を迎える本年、訪日観光客数を4000万人目標とすると掲げていますが、日韓関係の影響や中国に端を発する新型コロナウイルス感染拡大などにより、初期の目標達成は容易ではないと考えられます。平成30年の本市の観光入込客数のうち国別宿泊者の資料によると、32万3870人のうち58.0%が中国、11.8%が韓国、5.9%が台湾と外的要因に大きく影響を受けているところであります。 今後もこうした主要な国々の観光客に奈良を訪れていただくための誘致施策は継続するべきと考えますが、一方で、リスク分散を考慮した観光戦略が必要であります。東京五輪が終了した後の観光戦略も含め、今後どのような戦略を考えているのかお聞かせください。 2点目に、周遊観光の拡大を促す観光施策についてお聞きをします。 2018年に近畿運輸局と関西経済連合会が行った訪日外国人向けIC乗車券KANSAI ONE PASSの分析調査によると、奈良県への滞在時間は4.7時間と日帰り観光の実情を示すデータが出ています。 そこで、本市として宿泊をいただけるように周遊観光を誘う観光オプションがこれまで以上に必要と考えます。例えば自転車、オートバイ、RVパークなど、乗用車以外の手段による寺社仏閣をはじめとする観光地の周遊を誘う施策の必要性についてはどのように考えているのか。県の観光施策との連携も含めてお聞かせください。 3点目に、新型コロナウイルスにより影響を受ける産業等への緊急対応についてお聞きをいたします。 政府は、2月13日の新型コロナウイルス感染症対策本部にて、影響を受ける産業等への緊急対応策の一つとして、日本政策金融公庫などへ緊急貸付・保証枠として約5000億円規模の予算計上を行っています。 そこで、本市としての支援策としてどのような事業を考えているのかお聞かせください。 次に、子育て行政についてお聞きをいたします。 人口減少の時代において、子育て世帯に奈良市にいかに定住をしていただくかが奈良市の未来を考えると重要な課題であります。 そこで1点目に、本市のゼロ歳から4歳の人口がどのように推移をしたのか。仲川市長が就任した直後と直近の年度まで、その比較についてお聞かせください。 2点目に、本市への子育て世代の定住者増加を狙う施策について今後どのように展開しようとしているのか、具体策についてお聞かせください。 3点目に、不妊治療における助成制度の所得制限の緩和についてお聞きをいたします。 不妊治療をめぐっては、潜在的に制度利用を希望されている方も多いと伺っております。しかし、体外受精での医療費で助成金を受ける場合、夫婦の世帯所得が730万円未満である必要があります。現在の多様な働き方により、夫婦共働き世帯も増加傾向にある中、所得制限の壁が障壁になっているケースも否定はできません。潜在的な出産希望者への財政支援を行う意味でも所得制限の緩和が必要と考えますが、その考えについてお聞かせください。 次に、教育行政2項目について、教育長に伺います。 最初に、新型コロナウイルスに伴う3月2日からの市立学校・園への臨時休業についてお聞きをいたします。 2月27日の政府要請を受けて本市でも実施をされることとなりました。感染拡大を未然に防ぐ意味での施策として一定の理解はできるものの、唐突な実施に対して教育現場と関係する御家庭では相当な御苦労をされているのではないかと考えます。 そこで1点目に、休業となった日から終業式まで自宅で長時間を過ごすことになる子供たちへの期間中の学業面や生活面でのケアについて、また休校となった授業の補填について、それぞれの対応策をお聞かせください。 2点目に、各校の卒業式の参加について、保護者の参加について条件をつけて参加いただくことを認めるお知らせをされたようですが、2月26日市長記者会見の後、2月28日、3月2日、それぞれの市教育委員会のお知らせとなった経緯についてお聞かせをください。 次に、ICT教育について伺います。 情報社会の次の世代と言われるSociety5.0の時代では、IoTやAIなどの先進技術を産業や日常生活に取り入れる格差なき多様なニーズに対応したモノやサービスの提供を実現する社会を目指しています。 人工知能の急速な進化により、今後数十年先には半数近くの仕事が自動化される可能性が高いとも予測をされる中で、現在の教育現場には、こうした社会の変化に柔軟に対応でき、未来社会で活躍できる子供たちを確実に育成していく務めがあります。新年度から小学校においてプログラミング教育が開始をされるなど、今後も学習現場においてICT環境の充実が求められます。GIGAスクール構想の実現に向けて、政府は昨年12月の閣議決定で令和5年までに児童・生徒向けの1人1台学習用端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想を掲げました。 そこで、教育長へ数点お聞きをいたします。 1点目に、本市生徒への端末の整備状況と整備計画、端末を整備するに当たっての調達面においての価格と品質の工夫についてお聞かせください。 2点目に、これら端末環境を子供たちが利用するに当たって耐え得る通信環境の整備がされているのか、その整備状況と今後の整備計画についてお聞かせください。 3点目に、学校ICT化を進める上で、ICT支援員の配置状況と取組内容についてお聞かせください。 4点目に、本市が先進事例として取り組んでいる学びならによって具体的にどのような成果が得られたと考えるか、その現状と展望についてお聞かせください。 以上、1問目といたします。 ○議長(森田一成君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの太田議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、総合計画におけます財政見通しと来年度当初予算案の事業費のこの乖離についてどう考えるかという御質問でございます。 これにつきましては、総合計画では普通会計ベース、また当初予算案につきましては一般会計ベースでの金額となるため、単純な比較は難しいところでございますが、総合計画の財政見通しでは計上されておりませんでした仮称子どもセンター建設事業、また平城西中学校区の小中一貫校建設事業などの増や、計上されていたものの金額や実施年度などが未定でありました新斎苑整備事業や本庁舎耐震化事業の増などによりまして、事業費に差が生じているところでございます。 次に、市債の発行と行財政改革についての目標値ということでございますが、市債発行につきましては、市債等の将来負担すべき実質的な負債を表す指標でございます将来負担比率について、第4次総合計画の後期基本計画において、令和2年度末におきまして170.0以下を目標値と定めております。これまでの市債発行の抑制、また交付税算入措置のある市債の活用などの取組によりまして、平成30年度末に既に目標値を達成いたしております。 令和2年度の当初予算案につきましては、先ほども申し上げました仮称子どもセンターなどの未来への投資となる重要な大型事業の計上によりまして、市債残高は一時的に増加をする見込みでありますが、引き続き、これまで同様、将来負担の軽減に向けての努力を続けてまいりたいと考えております。 また、行財政改革の目標値といたしましては、平成30年度から令和2年度までの3か年計画でございます新・奈良市行財政改革重点取組項目におきまして、取組項目ごとに目標値を定めております。 具体的には、歳入確保として市税及び国民健康保険料の徴収率、また経費の節減といたしまして外郭団体関連予算額の見直しや職員数の適正化を踏まえました正規職員数等を目標値として定めており、これらの取組を着実に進めることで、公共事業の投資や必要な市民サービスを確実に提供できる行政運営体制を確立してまいりたいと考えております。 また、令和2年度の当初予算案策定に当たりまして、どのような事業を見直したかという御質問でございますが、主なものといたしましては、歳入におきましては、昨年度条例を改正いたしました一般廃棄物手数料の平年度化分で約1億円、また歳出面におきましては、今年度に手当の適正化を図るため実施いたしました期末勤勉手当算定に係る管理職加算の段階的廃止によりまして約5000万円、また企業局への繰出金の見直しで上下水道合わせまして約1億5000万円、これらに加えまして、行財政改革重点取組項目の一つに掲げております外郭団体の経営自立化を年度計画によりまして指定管理料の積算の考え方を定め、その結果といたしまして約1億1000万円の見直しにつながったところでございます。 次に、会計年度任用職員制度についての御質問であります。 定員適正化計画にどのような影響を与えるかという御質問でありますが、この定員適正化計画は、中長期的な視野に立って定員管理を効果的に推進する観点から、正規職員が行う業務、そして非正規職員が行う業務、または民間部門に委託をすべき業務などのいわゆる業務の切り分け、業務付与の在り方を検討し、様々な雇用形態の職員によるベストミックスを導き出した上で正規職員数の適正数を示したものであります。 一方で、会計年度任用職員制度につきましては、地方公共団体におけます行政需要の多様化に対応し、効率的で適正な行政運営を目的とし、これまでの非常勤嘱託職員、臨時職員、パート職員とそれぞれ異なった名称でございました非正規職員につきまして、会計年度任用職員として一本化して整理をするなど、任用等に関する制度の明確化、また給付についての規定を整備しようとするものでございます。 このことから、会計年度任用職員制度の施行が直ちに定員適正化計画に大きな影響を与えるということではございませんが、次期定員適正化計画の策定におきましては、会計年度任用職員制度によるフルタイムの非正規職員が制度的に認められたことなどの影響も踏まえまして、適正人数を定めてまいりたいと考えております。 次に、期末手当や処遇改善等によってどの程度人件費が増加をするかという御質問でありますが、通勤手当や社会保険料等の関連経費も含めますと、約2億7000万円の増と見込んでおります。 一方、これに対する国の財源措置がどうなっているかという御質問でございますが、令和2年度地方財政計画案におきましては、会計年度任用職員制度の導入に係る地方財政措置につきましては、その施行に伴い、期末手当の支給等に要する経費を1700億円程度計上し、必要となる一般財源を確保されたと示されているところであります。 その財源につきましては、普通交付税で措置される予定と聞き及んでおりますが、その算定につきましては、自治体が実際に任用する会計年度任用職員の人数を基に積算するということではなく、国において交付税の算定基準となる行政分野に標準的な会計年度任用職員の人数を設定して、これを基に所要額を積算すると伺っております。 さらに、交付税の算定基準にない分野の会計年度任用職員に対応する所要額については、人口を基礎数値として算出する、いわゆる包括算定経費の中で措置されると聞いてございます。 続きまして、子どもセンターについての御質問でございます。 当初の児童相談所設置基本計画の変更をまず行うべきではないかという御指摘でございました。まさに御指摘のとおりでございまして、平成31年3月に策定をいたしました児童相談所設置基本計画につきましては、児童相談所及び一時保護所を含みます仮称子どもセンターの予定地を平松町の奈良県総合医療センター跡地といたしておりましたことから、計画の見直しを場所変更に伴って、変更の手続をさせていただいたところでございます。 本年1月31日には第6回の奈良市児童相談所等のあり方検討会議を開催し、子どもセンターの建設予定地が変更になった経緯、また現状の準備状況について報告をさせていただいております。 委員の方からは、児童虐待相談対応件数の増加と全国で虐待による重症事案が相次ぐこの時期の本市の児童相談所開設への取組を評価いただくとともに、予定地におきましても確認を得て、変更させていただきました。 また、一時保護所につきましては、一時保護所を同時に開設するのかという御質問でございますが、一時保護につきましては、子供の安全を迅速に確保し、子供の心身、また置かれている環境などの状況を把握するためのものでございまして、児童虐待により緊急な保護が必要な場合には、ちゅうちょのない対応が必要であると考えております。そのため、一時保護所につきましても、児童相談所とともに整備をし、同時の開設をしてまいりたいと考えているところでございます。 また、一時保護された子供たちは、安全確保のため、保護者との分離や外出などの行動を制限することとなりますため、一時保護所の設置につきましては、それらのことも踏まえた設計や整備が必要であると考えております。 周辺の住民の皆様に対しましては、これまでも説明会などを通しまして、施設の整備のみならず、その必要性、また機能等につきましても説明を行わせていただいているところでございます。 続きまして、平松のまちづくりについてでございますが、平松地区の住民の皆様との話合いの状況ということでありますが、4月以降、県市で協議を進めてきたところでございましたが、考え方がまとまらず、9月に予定をしていたまちづくり協議会については延期し、その後10月には市として総合的に判断して、当該地区での子どもセンターの建設を断念したという経緯がございます。その後におきまして、県と市で引き続き断続的な協議を行っておりまして、全体計画をまとめた後に、まちづくり協議会を開催していこうという方向性を協議いたしております。 現時点での協議結果といたしましては、昨年4月にまちづくり協議会でお示しいたしました基本構想素案のコンセプトでございます子育て世代から高齢者までが笑顔で暮らせるまちづくりという、このコンセプトにつきましては、今後も変更がないものと考えております。 また、医療・福祉・介護に関する拠点、それから子育てに関する拠点、そしてにぎわいや防災に寄与する公園を併せたまちづくりゾーンという形で、市が民間活力を活用して整備していきたいと考えております。敷地の全体につきましては4.2ヘクタールと非常に大きいこともございますので、市といたしましては、いわゆる、先ほど申し上げました複合的な機能を持ち合わせたまちづくりゾーンの部分を担当し、県においては、それ以外の部分の管理や活用方針を担当していただきたい、そのように考えており、調整をいたしております。そして、そのまちづくりゾーンに係る用地につきましては、県と市のまちづくりに関する連携協定活用マニュアルに基づきまして県有地の譲渡をいただく予定でございます。市の事業として位置づけるなど、整理すべき条件がもう少し残ってございますが、基本的には50%の減免で調整をいたしております。 このような基本的なまちづくりゾーンの在り方という考え方につきましては、県と市で合意をいたしているところでございます。また、今後引き続き県との協議を進めさせていただきまして、もろもろの条件等の調整が整った時点でまちづくり協議会を開催し、地域の方々にも御説明申し上げ、御意見を伺ってまいりたいと考えております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問であります。 県立奈良養護学校等への説明をどのように果たしているかという御質問でございます。 地元周辺住民の皆様方に対しましては、これまでも各自治会等を通じた住民説明会を開催させていただいており、建設候補地内の事業所、また御指摘をいただきました近隣の病院等につきましても、市の計画案を直接御説明申し上げているところでございます。また、県立奈良養護学校につきましては、奈良県に対しましてこの新クリーンセンターの候補地が、この周辺で計画をしているという状況について御説明を申し上げております。 おのおの様々な御意見をいただいているところではございますが、引き続き真摯に対応し、十分な説明を尽くすことが何よりも重要であると考えておりますので、今後も地域の皆様の御理解、御協力を得るために丁寧な話合いを重ねてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、候補地の変更をしないという覚悟で臨んでいるのかという御質問でございます。 5市町の現ごみ焼却施設につきましては、それぞれの状況、年代等、状況の違いはございますものの、やはり近い将来においては新施設の必要性があるということについて共通認識をいたしております。その中におきましては、まずもって今建設候補地といたしております地域の地権者の方々との合意形成、そして地域住民の皆様の御理解をいただくことが重要であると考えております。その上で、早期に七条地区に建設地を確定させていくということが長年の課題を解決する唯一の方策であると考えているところでございます。この点につきましては、不退転の覚悟で臨んでまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問でございます。 地域活性化対策について、地元との協議状況についての御質問であります。この地域活性化対策事業につきましては、既に新斎苑事業への合意をいただき、市と協定書を締結いただきました横井東町自治会様及び白毫寺町連合自治会様と協議を継続いたしております。 各自治会からは地域の集会所、また消防ポンプ格納庫の改築、それから用水路等農業施設の整備、農業用水源の保全、防犯対策としての防犯カメラの設置などを地域活性化対策事業として要望いただいております。その中で、まずは、具体的な要望箇所の現場確認を行うとともに、整備に要する事業期間や優先順位の確認を行っております。令和2年度の予算案につきましては、市の財政状況等も踏まえまして、優先順位の高いものから順次実施をいたしていこうと考えております。また、鹿野園町様につきましては、近々自治会と協定書を締結できる見込みとなっております。その後設置される予定であります仮称まちづくり協議会の中におきまして、地域活性化対策事業について具体的な協議を進めていきたいと考えております。令和2年度の予算案といたしましては、防災対策事業として水路の改築を行う予定をいたしております。 次に、新斎苑整備工事自体に要する費用について、追加的な部分がいつ頃明示できるのかという御質問であります。 これにつきましては、工事を現在、順次進めている中におきまして、工事内容の詳細が確定し、内訳書が提出されたものから順次精査をいたしているところであり、事業費の精査が完了次第、必要な予算措置を行ってまいりたいと考えております。 一方で、現在、県によりまして市役所庁舎南側で建設が進められておりますホテル等を含めました複合施設の整備事業におきましては、事業費の増減及び労務単価の改定などによるインフレスライド分の精算については、最終年度に行うこととされていることもあり、これらの取組も参考にしながら、最終年度でございます令和3年度での設計変更も視野に準備をしてまいりたいと考えております。 続きまして、観光行政についての御質問でございます。 インバウンドについて、リスクを分散して戦略的に取り組むべきではないかという御指摘であります。 本市の平成30年の観光入込客数調査におきましては、国別宿泊客数のいわゆるトップスリーにつきましては、中国、韓国、台湾の順となっておりまして、中国については全体の58%を占め、第1位でありますものの、対前年比では8.1ポイント減少いたしております。一方、この3つの地域以外の上位といたしましては、アメリカ、香港、オーストラリア、シンガポール、フランス、イギリス、マレーシアなどがございますが、いずれも前年と比べまして増加傾向にございます。 そういった意味では、御指摘をいただきましたリスク分散という観点からも、主要3地域以外の特に欧州圏、それから東アジアでの他の国などにつきましても、今後ターゲットとして、さらなる誘客に努めてまいりたいと考えております。 具体的な取組といたしましては、平成30年度から3か年の事業として地方創生交付金を活用し、フランスをターゲットに奈良県や吉野町と共同で展開をいたしておりますジャポニスムプロモーション事業をはじめ、奈良市観光協会におきましては商談会への参加、また旅行事業者などを招聘して実際に奈良を体験してもらう、いわゆるファムトリップなどの開催をいたしておりますが、外国人の奈良に対する認知度、また旅行ニーズに関する情報収集も並行して行わせていただいております。今後も外国人観光客の皆様の出発地における発地型の情報発信につなげていきたいと考えております。 次に、周遊観光を拡大するための方策についてというテーマでございます。 本市の観光におきましては、やはり観光客の方々の奈良での滞在時間をどのように延ばしていくかということが最大の課題であると認識をいたしております。 そのようなことから、通過型の観光から滞在型の観光へシフトをしていくことが重要であり、御指摘をいただきましたような乗用車以外の手段を活用した周遊観光を促していくということは大変重要であると考えております。 自転車周遊につきましては、自転車による観光振興を目指して、奈良県が平成22年12月に奈良県自転車利用促進計画を策定したところでございますが、その取組の一環として約600キロメートル、31ルートに及びますサイクリングルートを設け、奈良市と県内の他の市町村を結ぶルートも設定されております。また、オートバイにつきましては、名阪国道の針インターに隣接いたします道の駅針テラスは、関西屈指のツーリング拠点として利用者が多く、本市の東部地域や県内の東南部地域を周遊する玄関口としての役割を担っていると考えております。 さらに、RVパークにつきましては、月ヶ瀬地域にございますロマントピア月ヶ瀬に日本RV協会認定のRVパークを平成28年2月に設置させていただいております。豊かな自然の中で宿泊を体験できるものとして好評をいただいておりますが、平城宮跡歴史公園の朱雀門ひろば県営エリアにおいても、同様の認定RVパーク5台分が今年4月から営業開始をすると聞いてございます。 これらの移動手段を生かした周遊観光を充実させることで、これまでとは違った切り口で奈良観光の楽しみ方を提案し、観光の選択肢を広げていくということが重要だと考えております。これらにつきましては、県との連携、また県内市町村との連携も含めて、本市を中心として、県内広域で取り組んでいくことが滞在時間の延長につながると考えております。 続きまして、コロナウイルスへの対応ということでございます。 特に産業に対する緊急対応をどのように考えているかということでありますが、新型コロナウイルスの拡大は日本経済に大きな影響を与えると考えており、4月まで感染拡大が続いた場合には、訪日客関連の宿泊、飲食、物販等の消費が全国で6244億円、関西では1905億円、また奈良県においては208億円減少するという民間の調査機関の試算もございます。 そのような状況の中におきまして、本市といたしましては、商工会議所や県のよろず支援拠点、また日本政策金融公庫などが設置をされている新型コロナウイルスに関する特別相談窓口とも連携を図りながら、国、県、また金融機関等が実施される支援策の情報提供を事業者に行ってきたところでございます。 国の支援につきましては、先日、経済産業省より、新型コロナウイルスにより影響を受けている中小企業への資金繰り支援措置として、いわゆるセーフティネット保証4号が発動されたところでございます。 この措置は、自然災害等の突発的事由により、経営の安定に支障が生じている中小企業者の方々への資金供給の円滑化を図るため実施されるものでありまして、この認定業務につきましては、本市が担当させていただくこととなってございます。この国、県の取組を受けまして、本市といたしましては、現在、独自の緊急経済対策といたしまして、このセーフティネット保証4号に関連をいたしまして、利子補給制度を新たに創設していきたいと考えているところでございます。 続きまして、少子化対策についての御質問でございます。 本市のゼロ歳から4歳児の人口についてという御質問でありますが、平成22年4月にはゼロ歳から4歳児が1万4107名おられましたが、31年4月段階では1万2329名と、この10年間で約1,800名、約13%減少しております。 これは、未婚率の上昇、また女性人口の減少などに伴い出生数が年々減少しているということが原因となっておりまして、平成22年には年間2,858人の出生がございましたが、直近の数字でございます平成29年につきましては2,301名ということで、およそ20%の減少となっております。 次に、子育て世代に向けまして定住増加を図る具体的な取組ということでありますが、本市の20代から30代の人口につきましては転出過多となっており、その要因としては、結婚や就職の関係で都市部や近隣市へ転出をしていることも予測されます。また、出生率の高い世代であります20代から30代の転出については、人口減少につながる課題であるとも認識をいたしております。そのため、結婚や子育てを控えるこの世代をターゲットとして、人生のターニングポイントは奈良市へということで移住、定住を検討していただく取組を進めております。 具体的には、奈良市で住む魅力を具体的にイメージを持っていただけるような情報誌を3月末に発行いたしまして、約2万部印刷する予定でございます。このほかに、子育てに関する情報として、保育コンシェルジュや学童保育での夏休みの昼食提供等、本市が取り組む独自の子育て支援策について紹介をさせていただくほか、既に奈良市へ移住をされた、いわゆる先輩ママさんのインタビューなども掲載して、具体的な移住のイメージを持っていただこうと考えております。また、これらの冊子につきましては、子育てイベント、企業の採用活動での配布、また東京の都営地下鉄でのパンフレットラックへの配架も予定をいたしております。また、令和2年度には東京と奈良で奈良ファンや奈良出身者が集う行事の企画も予定をいたしております。奈良市でのライフスタイルについて具体的なイメージを持っていただくことや、参加者同士で情報交換をしていただくなど、定住意欲を高める取組を断続的に講じてまいりたいと考えております。 次に、不妊治療に関する所得制限についての御質問であります。 本市の特定不妊治療助成事業につきましては、国の補助事業を利用しておりまして、国の要綱にございますように、夫婦で合計所得が730万円までという対象となっております。これにつきましては、平成16年の国民生活基礎調査に基づき、不妊治療を受けると想定される世帯の90%が該当するように制度設計されたと聞き及んでおります。 一方で、他の自治体と比べて所得水準が相対的に高いことなどを理由に、所得制限を緩和される取組が一部の自治体で広がっているということにつきまして認識をいたしております。 本市といたしましては、不妊治療の実態につきまして、さらに幅広く情報収集を行って、対象者にとりまして、より望ましい助成制度の内容について今後具体的に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 太田議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、新型コロナウイルスについて、学校が臨時休業いたしております。そのことに関わりまして子供たちへのケアや、あるいは授業の補填などをどのようにするのかというお尋ねでございます。 新型コロナウイルスの感染拡大防止に関しましては、令和2年2月28日付で文部科学事務次官名にて、新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について通知が発出されました。この通知を受け、市教育委員会といたしましては、3月2日から修了式の日まで全市立小・中・高等学校を臨時休業とすることといたしました。 臨時休業中の学習や授業の補填につきましては、文部科学省からも通知があり、可能な限り臨時休業期間中において家庭学習を適切に課したり、臨時休業終了後には補充のための授業や補習を行ったりするなど、配慮することが示されております。 本市では、全市立学校に対し、当面の児童・生徒の学習につきましては、学校及び児童・生徒の実態等を踏まえ、学習プリントなどを作成し、児童・生徒に配布することなど、具体的な手だてを講じるよう学校に指示をいたしております。また、生活面につきましては、児童・生徒が人の集まるような場所への外出や不要不急の外出を避け、なるべく自宅で過ごす等、臨時休業中・春季休業中の生活について指導するよう指示をいたしております。 次に、各校の卒業式への保護者の参加についての経緯ということでございますが、市教育委員会といたしましては、令和2年2月25日に国から発出されました新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を受け、その時点では、各校における卒業式の参加者については卒業生、在校生、保護者については同居している方に限り参加を認めることとし、来賓の参加については認めないということといたしました。その後、令和2年2月28日付の文部科学事務次官名の通知を受け、多くの人が集まれば集まるほど感染リスクが高まることから、感染拡大防止への最大限の対策を取るため、卒業式への参加を教職員、卒業生のみといたしました。 しかしながら、卒業式は、子供にとっては人生の節目となる大事な学校行事であり、そのような場に保護者が立ち会うことは、子供にとっても、保護者にとっても大きな意義のあるものでございます。2月28日から3月1日までの3日間に、市民の方々や保護者の皆さんから、ぜひ卒業式に参加をさせてほしいという御意見やお問合せを多数いただきました。こうした保護者の皆さんの思いや、これまで子供たちを育ててきた気持ちをおもんぱかり、また県下各市町村の対応も鑑みながら再検討を行いました。卒業式の時間を短縮したり消毒を徹底するなど、感染リスクを最大限に抑えながら、卒業生、教職員に加えて、同居している保護者2名までの参加を認めることといたしました。 続きまして、ICT教育についてのお尋ねでございます。 まず、端末の整備状況と整備計画、端末を整備するに当たっての調達面においての価格と品質の工夫ということについてでございますが、文部科学省のGIGAスクール構想は、児童・生徒1人1台のタブレット端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することにより、誰一人取り残すことのない個別最適化された学びを実現させようとするものでございます。 現在、本市では市内小・中学校1校につきおおむね40台の端末、合計2,533台のタブレット端末を整備しております。これは、児童・生徒5.4人に1台のタブレット端末を整備していることになります。 GIGAスクール構想では、令和5年までに小学校1年生から中学校3年生の児童・生徒1人に1台のタブレット端末を整備することとなっております。国の補助事業の採択状況にも左右されますが、本市では、令和2年度において小学校4年生から中学校3年生までを整備し、今後順次小学校1年生から3年生を整備していきたいと、このように考えております。また、タブレット端末の整備に当たりましては多額の費用がかかりますが、奈良県域内での共同調達を実現することにより、調達コストの削減と品質の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。 続きまして、通信環境の整備状況と今後の計画についてでございますが、現在は平成21年度に整備をされました校内ネットワークを運用いたしております。これは、当時としては十分高速でありましたが、現在では多数の端末が同時に接続することによってネットワークが不安定になったり、速度が遅くなったりするなどの症状が生じております。 GIGAスクール構想では、1人1台端末に対応した高速大容量のネットワークを整備することになっており、本市では補助事業を活用し、抜本的な改善を行う予定でございます。具体的には、校内ネットワークの更新、関連するネットワーク機器やサーバー設備の増強などを行い、1人1台端末に対応したインターネット環境の整備を行っていきたいと考えております。 続きまして、ICT支援員の配置状況とその取組内容についてでございますが、本市では、これまでもICT支援員を配置せず、市立学校のICT環境を委託している事業者に日常的な保守及び不具合への対応を依頼してまいりました。今後もICT支援員は配置をせず、教員のスキルを向上させることで簡易なトラブル等の対応をしていきたいというふうに考えております。 本市におきましては、各小学校から選出された1名の教員に対してプログラミング研修等の集合研修を実施し、学校におけるICT活用を推進する教員として育成いたしております。 今後は市教育委員会といたしましても、その教員を中心として、他の教員が主体的にICT機器を活用した学習活動を推進できるよう支援してまいりたいと、このように考えております。 続きまして、学びならの事業成果と今後の展望ということについてでございますが、小学校4年生から6年生で取り組んでおります学びならの成果について、昨年4月に実施をいたしました全国学力・学習状況調査の結果では、小学校算数のほとんどの問題で全国の平均正答率と同等か、それを上回る結果となっておりました。特に思考力を問う問題や記述で解答する問題など、比較的難易度が高い問題において全国や県の平均に比べ優位性が認められたことから、子供たちが課題に対して向き合う姿勢が見られるようになったと考えております。 今後の展望につきましては、現在、テストや復習プリントを紙ベースで行っておりますが、国のGIGAスクール構想の下、1人1台の学習端末の整備に合わせてデジタル化を進めてまいりたいと、このように考えております。 このような環境の中でテスト結果をデータ分析し、一人一人の習熟度に応じた復習課題に取り組む個別最適化された学習を着実に実践し、さらなる学力の向上や指導法の改善に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 11番太田君。 ◆11番(太田晃司君) 2問目は、教育長にICT教育について再質問させていただきます。2点あります。 1点目に、教員が生徒へのICT教育の指導を行うに当たっての能力向上に向けて、市教育委員会としてどのような取組を行っているのかお聞かせをください。 2点目に、教員の業務負担軽減に向けた統合型校務支援システムの整備率が、平成30年度の調査では奈良県では19.7%と、全国平均の57.5%を下回る結果となっております。本市の実情はどのようになっているのか、また今後の展開についてお聞かせをください。 以上、2問目とします。 ○議長(森田一成君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 2問目でございますので、自席よりお答えを申し上げます。 ICT教育における教員の指導力向上についてというお尋ねでございますが、本市におきましては、各校のICT活用を推進する教員が校内研修や活用の中核的な役割を担い、ICT教育の一層の充実を図っております。また、プログラミング教育をはじめ、様々な学習活動の中でICTの効果的な活用が求められていることから、県教育委員会やNPO法人等とも連携し、教職員のICT活用能力の向上を目的とした教職員研修を行っているところでございます。 もう一点のお尋ねでございますが、教員の業務負担軽減に向けた統合型校務支援システムの整備率というお尋ねでございます。 奈良県は、平成29年度より奈良県内全市町村での稼働を前提とした統合型校務支援システムの整備事業を推進しております。本市では、令和元年9月から市内小・中学校におきまして、統合型校務支援システムを試行いたしており、現在、出席簿への入力、通知表や指導要録の作成など、本システムを活用して実施をいたしております。 本格的な稼働となる令和2年度4月からは、全ての市内小・中学校におきまして成績処理、学籍管理、教職員の情報共有といった業務も統合型校務支援システムを活用して実施していく予定でございます。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 11番太田君。 ◆11番(太田晃司君) 3問目は、意見、要望とさせていただきます。 最初に、新年度予算についてであります。 過去最高となった今回の予算規模でありますけれども、厳しい財政状況の折、果たして身の丈に合った内容であるか、いま一度確認する必要があると思います。 今回は第4次総合計画の後期基本計画の財政見通しということで、こちらを引き合いに出させていただきましたけれども、投資的経費に会計の分類の違いはあるとはいえ、乖離があるということは、当初計画外の事業が相当考えられるということであります。また、必要性が認められる事業であっても、例えば子どもセンター等の市長の3期目の当初政策に掲げられたメニューに合ったものなのか、こうしたことも検証していく必要があると思います。 自治体財政は単年度主義とはいえ、特に大規模に陥りがちなこうした投資的経費については、任期4年間を念頭に置いた計画性、そしてまた結果検証が求められるということは指摘をしておきます。 また、新年度から始まる会計年度任用職員制度については、そもそも多様化する行政需要に対応して非常勤職員の任用等に関連する制度を明確に位置づけるための制度であります。 しかし、新年度から該当する職員にあっては期末手当が支給されるものの、月額の給与が減額になり、総額として変わらないのではないか、こういった心配をされている方も中にはいるというふうに聞いております。 物件費から人件費への金額の振替にとどまらず、今回総額では増加をしておりますので、こういった面、職員給与も年額で増加することも多いと思いますけれども、制度開始が4月から始まるに当たって、関係職員にいま一度丁寧な説明をいただくようにお願いいたします。 次に、4点取り上げました重要施策についてであります。 個々の施策については、今後の予算決算委員会でも詳細の審査をさせていただきますので多くは控えますけれども、複数に共通して言えることは、地域住民をはじめ関係者の理解がしっかりと浸透しているか、このことに尽きると考えます。 特に子どもセンターやクリーンセンターについては、候補地変更を昨年末に発表されたばかりであります。児童相談所設置基本計画の内容変更、そしてまた環境影響評価の書類の作成など、本格的な着手に向けて入ろうとされております。先ほども不退転の覚悟を持って臨まれると、こうしたことをおっしゃいましたが、そのことは、やはり当然でありますけれども、今回取り上げた部分だけでも4つのこうした大型事業が同時進行で進んでいくことには一定の不安を感じるところもあります。確実な事業の推進とともに、進捗の丁寧な説明を今後も求めてまいりたいと思います。 また、児童相談所設置基本計画において位置変更を行ったことで、平松地区において子どもセンター設置の選択はもうなくなったものと解釈をいたしましたけれども、現地でのまちづくりゾーンの在り方をめぐって県との協議が今も継続されております。県市連携、このことの重要性をいま一度認識いただきまして、地域ニーズに合ったまち開きとなるように期待をいたします。 新斎苑建設計画については、地域活性化対策等事業が明示をされたことは一定の評価をさせていただきます。 供用開始が延期されたことに伴う追加工事の費用の明示の見解を先ほどいただきました。JWマリオットホテル等のこうした労務単価の改定の部分を引き合いに出されましたけれども、その中でも、追加費用の中でも大きな金額変更となった部分については、やはり早めに我々にも提示をしていただきたい、このことは意見をさせていただきます。 次に、観光行政についてであります。 本市の基幹産業とも言える観光行政が新型コロナウイルスの影響で大きな影響を受けているということは御承知のとおりであります。 問題は、これから東京五輪が無事に終了したとして、その後の観光行政の戦略をしっかり打ち立てられるかであると思います。インバウンドによる外国人観光客へのさらなる促進施策が必要でありますけれども、先ほどの答弁にもあったとおり、本市への来訪主要3か国以外の国々へのさらなる働きかけ、また国内観光客が来訪していただくための仕掛けをしっかりと打つ必要があります。今回はアウトドアを基軸とした周遊観光の在り方ということで3分野を取り上げさせていただきました。こうした、やはり潜在力があると思われる部門での観光施策の展開が今後は重要だと思います。 RVについて一例を挙げると、キャンピングカー白書というものがありまして、2018年度の部分を見ますと、このキャンピングカーの保有台数が10年前と比較して倍増近く、10万6200台に上っているというふうな報告もあります。既に本市では月ヶ瀬のエリアにRVパークを設置されておりますけれども、こうした部分でどのような利用があるのか利用分析とともに、県内各地の観光地への周遊の起点となるような新たな施設の設置というものも、県や民間業者とも連携しながら促進をしていくことも必要であろうと考えます。 また、今回は取り上げませんでしたけれども、宿泊税について意見をいたします。 この新税については、1月31日に市長から新型コロナウイルスの影響により導入を見送ると表明をされました。しかし、ウイルスの影響もさることながら、宿泊事業者の理解が得られなかったことが、やはり根本の理由であります。 私も過去の議会において、宿泊税を含む新税の導入検討について提案したことは事実でありますけれども、早期の導入をすることの主張はしておらず、あくまで観光税等も含めて一つの提案として庁内でしっかり検討していただきたい、こうした旨の発言をいたしました。現年度で調査費を計上されました。そしてまた、その部分について、執行部は施策実施に向けて急いで結論を出すような動きをされたのではないか、このように考えると大変残念な思いであります。制度を導入する根幹となるべき理念が置き去りになっているのではないかというふうな声もあります。新税の導入の前に、本市がより多くの観光客にお越しいただくためにどのような施策を具体的に展開していくのか、こういう前提条件がやはり抜け落ちています。延期ではなくて、一旦中止した上で根本から見直してはどうかというふうなことを意見させていただきたいと思います。 次に、子育て行政についてであります。 新年度予算においては、テーマの一つとして、子どもにやさしいまちということで予算配分をされておりますが、これまで市長が就任されて以来、今回質問させていただいたゼロ歳から4歳児人口は減少し続けている、こうした事実にどの程度着目をされてきたでしょうか。 全国的に少子化傾向であるということは免れない事実であります。しかし、他市との事例を比較するまでもなく、その減少幅を少なくする、もしくは増加に転じるような施策をしっかりと展開していただきたいと思います。 今回は特定不妊治療費の助成に対する所得制限の緩和についてお聞きをいたしました。私が調べたNPO法人のFineという団体のアンケートによりますと、こうした体外受精・顕微授精の1周期あたりの平均治療費が近年高額化しており、若い世代ほど治療を断念している、こうした調査もあります。 助成金の利用分析についてお答えいただきましたが、要は潜在的に利用したいと思っているものの、それを手控えている世帯、そこへのアプローチをどのようにするかであります。近年、所得制限の緩和を実施している自治体も増えているというふうに聞いておりますので、こうした動向もしっかりと分析をいただきたいというふうに要望いたします。 こうした施策には、当然財源の確保という大きな課題が伴います。しかし、本市が、本市への定住とともに人口増を呼び込む施策をしっかりと打ち込むことで、10年先、20年先もこのペースで人口減少していく、この幅を食い止められるとしたら、それは、やはり本市の行く末に大きな影響を与えていきます。 定住者の増加における広報活動の話もいただきましたけれども、同時に奈良市に定住をいただけるような重点施策を展開いただきたい、このことを意見いたします。 最後に、教育行政についてであります。 新型コロナウイルスを受けての臨時休業の体制については、学校現場でも御苦労されていることには理解をいたします。 児童にとっては自宅待機、あるいは学校での自主学習等、様々な形態が取られていると思いますけれども、各教室の担任の教員におかれては、電話対応、あるいは家庭訪問でもよいので、学校、バンビーホームでの自主学習以外の選択をされている児童に対して、しっかりと状況確認を欠かさないようにお願いいたします。 そしてまた、卒業式における保護者出席の対応については、保護者からの要望を受けて条件をつけて出席可能に変更されたと、この対応も緊急下の状況ではやむを得ないと考えます。 しかし、市からの情報発信の場においては一元化を図るべきであります。特に市長のSNSでの発言の取扱いには注意をいただきたいと思います。市教育委員会の文書や報道が発表される前に、こうした発言が先行すると、やはり数時間でも学校現場のみならず、児童を持つ保護者に混乱を招くおそれがあります。今後は統一基準を明確に定める必要があるということを意見いたします。 ICT教育については、今後端末とネットワーク環境が整い始めると教員の指導力が課題となってきます。 各校で1人ずつ配置しているICT推進教員の研修体制を県教委と連携するようなプログラムを実施されているというふうなことでありますけれども、今後はしっかり中核となる教員を中心に、各学校でこうした教員のICT活用能力の底上げを行っていただくようにお願いいたします。 また、本市がこれまで先進的に取り組んでこられた学びならについては、数学という1つの科目に限ってでありますが、苦手な単元の克服について一定の成果を上げていただいているようであります。今後は生徒1人1台の端末が実現するようになれば、さらにデジタルを駆使した進化した取組も実現可能となりますので、引き続きの推進をお願いいたします。 最後に、中室教育長におかれましては、今年度で任期が終わることとなります。これまで奈良市の子供たちの未来のために教育行政に御尽力いただいたことに感謝を申し上げますとともに、新北谷教育長の下で、Society5.0という新たな時代に果敢に取り組もうとする子供たちを最大限フォローできるような教育環境の充実に努めていただくように期待をいたします。 また、本年度で退職を迎える職員の皆様におかれましても、長年にわたって奈良市へ奉職をいただいたことに改めて感謝と敬意を表したいと思います。 以上で、会派を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(森田一成君) 38番伊藤君。   (38番 伊藤 剛君 登壇) ◆38番(伊藤剛君) 私は、公明党奈良市議会議員団を代表し、通告しております数点について、市長並びに教育長へ質問させていただきます。 まず、今般の新型コロナウイルス感染症について、我が会派は迅速に対応するべく、2月3日に熊野正士参議院議員とともに仲川市長、そして奈良市ホテル・旅館組合役員の皆さんと相次いでお会いし、被害の様子など、現場の切実なお声をお聞きいたしました。 全国の地方と国をつなぐ我が党のネットワークにより、本市のみならず各地域一つ一つの御要望が集約され、間髪入れず政府へ申入れされた結果、総額153億円の緊急対策が打ち出されることとなり、また一昨日、我が党の推進によって休業中の給料に対する助成制度の創設が発表されたところであります。今後も我が会派は、国及び本市における状況を的確に把握することに力を尽くしてまいります。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、令和2年度予算案について、市長に2点お尋ねします。 まず、一般会計は総額1441億円と過去最大規模であり、前年度予算額と比較しますと約103億円の増額となっております。予算規模が一層大きくなった要因として市債が213億3270万円計上されており、この額は前年度比約81億円の増で、その背景として新斎苑整備事業、また本庁舎耐震化整備事業など大規模事業が重なった結果、普通建設事業が約78億円と大幅な増額となっている点が挙げられます。 そのことについて、必要不可欠な事業の進捗を図るため、有利な起債を活用する期限に迫られているなどの理由があるとは思いますが、借金というべき市債が一気に81億円も増えるということは、市民目線ではなかなか理解し難いことであります。 そこで、来年度借入れ予定の市債のうち、交付税措置等の対象となる割合はどの程度なのかお尋ねします。 次に、歳入の根幹をなす市税についてでありますが、来年度は今年度比約2600万円の増額を見込んでおられます。 市債の大幅増などによって歳入全体に占める市税の割合は2.9%減、37%であり、使用料や手数料を含めた自主財源比率の42%と今年度とを比較し、悪化しております。予算規模に見合った自主財源を確保するため、どのような対策を考えておられるのかお尋ねします。 次に、仮称奈良市子どもセンターについて、3点質問いたします。 平成30年度における児童虐待相談件数は全国で約16万件、本市では862件と過去最高となっており、また児童虐待通告時における重度、最重度の割合についても年々増加しているという本市の深刻な状況があります。これらを背景として家庭内に様々な課題を抱えていることが多いという指摘もあり、本市として、これらの課題解決のため果たすべき責務は極めて大きいと考えます。具体的な相談支援、子育て支援等充実のため、今回、仮称子どもセンター建設事業として12億9300万円の計上、また債務負担行為を設定されています。 そこで1点目として、建設計画予定地である柏木公園の土壌調査について。 2点目は、建設計画予定地が平松地区より柏木地区へと変更になったことによる建設工事費の比較について。 3点目として、施設整備に対する国の支援についてお尋ねをいたします。 次に、幼保無償化について2点質問いたします。 昨年10月より幼保無償化がスタートしておりますが、この施策は我が党としての重要政策であり、税と社会保障の一体改革の中で消費税10%増税時に同時に実施するものとして、当時の3党合意に反映されたものであります。大きな改革である幼保無償化が現場でどのような評価となっているのかという実態を把握するため、昨年11月から12月にかけ、我が党の国会議員、地方議員合わせて約3,000名、施設利用者と事業者の合計約2万8000名の皆さんの下へ参り、対面による聞き取り調査を行いました。 その結果、利用者の約9割が幼保無償化を評価すると回答した一方で、保育の質の向上、受皿整備の2点が今後の課題として明らかにされました。 そこで1点目として、本市としてこの2点の課題についてどのように考えられるのか。 2点目は、これら課題について、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねします。 次に、地域福祉計画について質問いたします。 現在、いわゆる2025年問題が指摘されておりまして、5年後、今、全国における認知症の方が約700万人、65歳以上高齢世代の5人にお一人が認知症になるという予測であります。また、高齢者の親がひきこもりの中高年の子供を扶養する8050問題や、生涯未婚率の増加により自助が難しい世帯の増加など、これら課題に対し地域がいかに対応し、支え合っていくのかということがますます重要になってきております。 そこで、本市として、ただいま審議中の第5次総合計画の策定を踏まえ、来年度には第4次地域福祉計画の策定を進められると思いますが、地域社会の関係性が希薄化する中、今後地域福祉をどのように進めていかれるのかお尋ねします。また、地域福祉計画策定に当たり、奈良市社会福祉協議会との連携をどのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、現環境清美工場の長寿命化と新クリーンセンターについて数点質問いたします。 まず、本市として喫緊の最重要課題である新クリーンセンター建設計画について、市長は今任期中に道筋をつけるとこれまでの議会答弁等において明確に示してこられました。そして現在、広域化の手法により七条地区を建設候補地とする中、先月17日には市長自ら市議会議員全員を対象にした説明会を開催されたところであります。 そこで1点目として、広域化に関し、4市町に対するこれまでの進捗状況と今後具体的に広域化をどのように進めていかれるのかお尋ねします。 次に、予算案に1000万円計上されている環境影響評価についてでありますが、この手続は住民との合意形成がその前提となります。 そこで2点目として、地域との合意形成について、これまでの経緯を踏まえ、どのように進められるのかお尋ねします。 次に、現環境清美工場の長寿命化についてでありますが、施設の老朽化が刻一刻と今なお進んでおり、予期せぬ故障や大規模なトラブルが起こり得るリスクがある中、我が会派は少なくとも10年は施設が維持される長寿命化に、また基幹改修の必要性を一貫して主張してきたところであります。 そこで1点目として、これまでの現工場に対する長寿命化の取組と新クリーンセンター稼働時まで工場を維持させるための具体的対応についてお尋ねします。 次に、私は、平成29年9月の決算審査等特別委員会において、今後10年間における工場に対する維持管理コストについて質問し、工場長より約135億円から140億円必要との御答弁をいただきました。このときより現在まで既に1年半近く経過し、施設老朽化はさらに進んでいると考えられますが、そこで2点目として、現時点において、今後10年間の工場の維持管理コストはどの程度になるお考えなのかお尋ねします。 次に、奈良市国土強靭化地域計画について、2点質問いたします。 平成25年12月11日に、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が公布、施行されており、この法律に基づく国土強靱化地域計画について、本市は昨年12月に奈良市国土強靱化地域計画として策定されております。 そこで、奈良市国土強靱化地域計画がもたらす効果について、そしてさらに、今般この計画を策定した理由についてお尋ねします。 次に、奈良市観光活性化に向けた官民連携について質問いたします。 今年に入り、新型コロナウイルス感染症の影響による宿泊客減少など、本市の観光事業は大きな打撃を受けているところであります。かつてのにぎわいを取り戻し、本市の観光活性化を今後どのように進めていくかということについて、官民が一体となり、この困難に立ち向かっていくという、今こそがその重大な時期であると言えます。 そこで、将来に向かって力強く宿泊客を増やしていく施策を展開する上で、本市と宿泊事業者が互いに良好な関係を構築し、協議していくためのプラットフォームづくりが必要であると考えますが、市長の見解をお尋ねします。 次に、学校における働き方改革について2点、教育長にお尋ねします。 現在、いわゆる過労死ラインとされている月80時間以上の時間外勤務をしている教員の割合が小学校で約3割、中学校で約6割に及んでいるという調査結果もある中、教員の負担軽減ということが大きな課題として指摘されています。文部科学省において学校における働き方改革推進本部を設置し、校長のマネジメント、家庭、地域との適切な役割分担の推進がなされる一方で、本市においても学校教育の充実を図り、質の高い教育を進める上で働き方改革は喫緊の課題となっております。 そこで1点目として、学校における働き方改革についてのお考えをお尋ねします。 次に、教育長におかれましては、この3月末をもって退任されることとなりました。 そこで2点目として、この11年間を振り返り、今の思いを率直に語っていただきたいと思います。 以上で私の1問目を終わります。
    ○議長(森田一成君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの伊藤議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、令和2年度予算案についての御質問でございます。 今回の市債の借入れ予定につきまして、交付税措置があるものがどの程度あるかという御質問であります。 新年度の予算につきましては、本市の重要課題の解決に向けた施設整備や命と子供を守る予算としての仮称子どもセンターの建設や本庁舎耐震化整備、またデジタル同報系防災行政無線の整備などを進めるという、未来へ希望をつなぐための施策に重点配分をしたところでございます。 本市におきましては、投資的経費を予算化する上で市債を発行し、事業を進めているところでありますが、厳しい財政状況を鑑み、交付税措置等のある財政上有利な市債を積極的に活用いたしております。 新年度におきましては、約213億円の市債のうち約133億円、割合で申し上げますと62.4%を合併特例債や緊急防災・減災事業債といった、後年度に交付税措置のある有利な市債を活用させていただいております。これまでと同様に、市債の発行は抑制をしていくべきものと考えておりますが、避けられない事業等を行う場合におきましても、後年度の負担とならないよう、しっかりと財政運営を図ってまいりたいと考えております。 また、今後の自主財源の確保をどのように考えているかということでありますが、昨年度におきましては、環境清美工場への一般廃棄物の持込み手数料の見直しを、また今年度は屋内温水プールの利用料の見直しを行わせていただくなど、自主財源の確保に努めてきたところでございます。また、今般、企業誘致を促進するための条例の制定に向けて提案し、本市に工場や事業所などを招き入れるための条件整備を行い、将来的な自主財源の確保につなげる施策を講じてまいりたいと考えております。 今後も行財政改革の推進に引き続き取り組むとともに、歳入面におきましては、受益者負担の見直しや企業誘致なども含めた新たな財源確保策に力を入れてまいりたいと考えております。 次に、幼保無償化についての御質問でございます。 幼保無償化につきましては、保育の質の向上と受皿の整備の2つの課題についてどのように考えるかということであります。 どちらも大変重要な課題と考えておりまして、幼児教育・保育の無償化開始後、保育所等への申込みも増加をしておりますことから、これらの課題により一層取り組んでまいりたいと考えております。 また、今後につきましては、特に保育の質の向上ということにつきましては、やはり保育の質を担保する人材の確保をすることが何よりも重要であると考えております。これまでも職員給与改善事業や保育士宿舎借り上げ支援事業などを展開し、保育士が働きやすい環境を整え、保育士の確保、そして離職の防止を図っております。来年度予算におきましては、新たな保育士確保策といたしまして、保育士就労奨励費交付事業、また保育士の負担軽減や保育人材の確保を目的に、保育補助者雇上強化事業の予算を計上いたしております。 次に、受皿の整備ということにつきましては、昨年については2つの保育園の開園がされました。また、今年4月には、待機児童が特に多い地域でございます近鉄奈良駅、近鉄大和西大寺駅周辺において、小規模保育事業所の開園を予定いたしております。さらに、近鉄学園前駅地域、また近鉄富雄駅地域におきましては、令和3年4月1日までの可能な限り早い段階での開園を目指し、現在事業者の公募をさせていただいております。これらの施策を通しまして、奈良市といたしましても、しっかりと受皿の整備という課題に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、ちょっと順番が前後いたしてしまいましたが、子どもセンターについての御質問にお答えを申し上げたいと思います。 柏木公園における土壌調査につきましてでございますが、柏木公園の南側におきまして、昨年12月から合計16か所のボーリングによる土壌調査をさせていただいております。その結果といたしまして、6か所から地中に廃棄物が発見されましたため、その廃棄物につきまして土壌汚染対策法に定めがございます特定有害物質の分析調査をさせていただきました。 その結果、2か所から土壌溶出量基準の基準値を上回るフッ素及びその他化合物が出てまいりました。そして、1か所からは土壌含有量基準の基準値を上回る鉛及びその化合物が検出されております。引き続きその廃棄物の下の土壌についても特定有害物質の分析調査を行ったところでございますが、いずれからも基準値を上回る物質は検出をされておりません。なお、そのいずれの場所も建設の予定地とは指定いたさない予定でございます。 さらに廃棄物が埋まっている範囲を確認するために実施をいたしました地中レーダーによる調査の分析結果とともに、地中の廃棄物については柏木公園の西側に埋まっていることを確認したため、柏木公園の東側を子どもセンター建設予定場所としていきたいと考えております。 なお、建設予定場所のうち1か所のみ廃棄物が含まれていたため、適正に処理してまいりたいと考えております。 次に、子どもセンターの建設候補地が変更することに伴って、建設工事費がどのように変わるかということでありますが、以前に仮称子どもセンター建設候補地といたしておりました平松町の奈良県総合医療センター跡地におきましては、県有地でございますため、その用地取得などに費用が必要となる予定でございました。 一方で、柏木公園につきましては、市有地でございますため用地取得費はかからない一方で、地中の廃棄物の撤去費用、また地盤が変わることで、くいが長くなるなどの追加費用が一定必要となる見込みでございます。子どもセンター自体の工事費は同規模でございますため、建設候補地が変更することに伴っての金額面での変更といたしましては、約2億円減額されるものと試算をいたしております。 次に、国からの支援がどの程度あるかということでございますが、一時保護所につきましては、次世代育成支援対策施設整備交付金によりまして一部が財政措置されておりまして、一時保護所整備費に対して補助される割合が、試算によりますと、単価等の見直しにより令和元年度からは26%増え、令和2年度では約44%の割合となる見込みでございます。 さらに、児童相談所及び一時保護所におきまして、これまで財政支援がなく本市の負担となっていた部分につきましても、令和2年度からは元利償還金に対する交付税措置がある起債の発行が認められることとなったわけでございます。これらによりまして、児童相談所におきましては、児童相談所整備費の財政措置が従来から22%増えまして約72%の財政措置に、また一時保護所につきましても、次世代育成支援対策施設整備交付金と合わせまして、一時保護所の整備費の約69%が財政措置をされるものと試算をいたしております。 続きまして、地域福祉についての御質問でございます。 次年度策定を予定いたしております第4次地域福祉計画につきましては、これまでの地域福祉計画の成果を踏まえるとともに、現在策定中であります総合計画に基づき、制度や分野ごとの縦割り、また支え手、受け手という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が我が事として取り組むことができるような方策を検討していきたいと考えております。併せまして高齢者、障害者など、全ての方々が社会参加の機会を持ち、支え合いながら暮らすことができる地域共生社会の実現に向け、取り組んでいきたいと考えております。 また、奈良市社会福祉協議会との連携につきましては、現行の地域福祉計画と、そして市社協が作成をいたしております地域福祉活動計画につきまして理念や基本目標を同じくしており、行政と市社協が連携して福祉課題の解決に取り組む指針といたしているところでございます。次の地域福祉計画の策定に当たりましても、市社協との連携をより深め、同じ方向性を持って一体的に計画の策定をしていきたいと考えているところでございます。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございます。 ごみ処理の広域化についての進捗、そしてまた今後の進め方ということでございます。 県北部地域の5市町によります合同勉強会につきましては、昨年12月には各市町の副市長、副町長の参加をいただきまして、建設候補地を本市七条地区として示したことを前提に、よりレベルアップした協議を行っております。 課題となっております各市町の現有施設の更新時期の違いにつきまして互いに共有をしながら、現時点で建設候補地の条件等を踏まえ、各市町の判断をできるだけ早期に表明していただきたいと働きかけをいたしました。このことによりまして、広域化の参加市町の枠組みを固め、一日も早く新施設の建設事業に本格的に着手できるよう、地権者の方々との合意形成や地元住民の皆様の御理解を得てまいりたいと考えております。また、必要な各種調査等にも取り組み、最大限の努力をもって進めてまいる所存であります。 次に、環境影響評価についての御質問でございますが、環境影響評価実施に当たりまして、今議会に提案をさせていただいております予算の中では、配慮書作成の予算を提案させていただいております。これにつきましては、予算をお認めいただけましたら、来年度早期に作成にかかってまいりたいと考えております。この環境影響評価につきましては、クリーンセンターが建設されることによる地域の環境への影響を様々な角度から調査、予測、評価を行うものでございますが、来年度予定をいたしておりますこの配慮書というものにつきましては、まず、調査や評価を行う項目について検討を行うものでありまして、まず最初の第一段階であると考えております。 今後につきましては、まず、地権者の皆様には今後の様々な調査等による土地への立入り等についての御同意をいただくとともに、用地の協力についても協議をしてまいりたいと考えております。また、地元住民の皆様につきましても、引き続き御理解をいただけるよう従来からの地元の課題の解決や、また今回御提案申し上げておりますクリーンセンターを核にした新しいまちづくりにつきましても、御意見をいただきながら丁寧な説明を重ねてまいりたいと考えております。 次に、現環境清美工場についての御質問であります。 日常の適正な運転管理と毎年の適切な定期点検整備を行い、併せて適時の延命化対策としては、平成30年度からは焼却炉の改修と焼却炉棟の建屋の補強を実施することによりまして、施設の安全性の向上に努めてきたところでございます。なお、老朽化した施設ではございますが、現在の処理能力に応じ、丁寧で適正な運転を心がけて稼働させていただいている状況でございます。 また、大規模故障時の対応についてでありますが、奈良県内12市などで構成をいたします奈良県都市清掃協議会におきまして、災害等緊急時における一般廃棄物処理に関する相互協定を締結しており、近隣市を含め他都市との連携と併せまして、大規模災害時には他の自治体の事例も参考にしながら、さらなる対応策の強化を図っていかなければならないと考えております。今後も新施設が稼働するまでの環境清美工場の維持につきましては、延命化対策を含め、最も有効で効果的な改修を行っていきたいと考えております。 次に、今後10年間の維持管理コストがどの程度であるかという御質問であります。 昨年11月の市民環境委員会におきまして、平成28年度から平成30年度までの3年間の決算を基に算定し、10年間算定したものによりますと、今後10年間で人件費を除きますと約127億円を要すると答弁をさせていただいたところでございます。 維持管理コストに関連をいたしましては、現工場の老朽化に伴い、今後発生し得る故障等についても適正に対応してまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、国土強靱化についての御質問であります。 まず、奈良市国土強靭化地域計画を策定することといたしました理由でありますけれども、この国土強靱化地域計画の策定が、国からの補助金、交付金におきまして重点化、要件化をされていくことから、これまで取り組んでまいりました施策や事業、計画を平成25年12月11日に公布、施行されました強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法の前文にございます「大規模自然災害等に強い国土及び地域を作るとともに、自らの生命及び生活を守ることができるよう地域住民の力を向上させる」という目標の下、奈良市国土強靱化地域計画として改めて明確化をするとともに、各施策、事業、計画を整理し、昨年12月3日に第1版を策定したところであります。 次に、この計画がもたらす効果でありますが、奈良市国土強靱化地域計画につきましては、どのような災害に対して強靱化を図るかを想定するリスクとして抽出しており、設定いたしましたリスクシナリオによりまして、脆弱性の評価、リスクシナリオごとの推進方針などを示しており、リスクを明確化し、対策の方向性を具体化するものであります。また、この計画の策定は、市民の生命、財産を守るという我々の行政の根本の使命に基づく施策として、全庁的に取り組まなければならないことを改めて全職員に浸透させるための指針にもなるものと考えております。 続きまして、観光行政についての御質問でございます。 奈良市の観光活性化に向けた官民の連携ということでございますが、まず、宿泊事業者の方々とのプラットフォームにつきましては、宿泊者数の増加を目指すことが本市の観光施策の命題でもあり、本市が将来にわたって魅力ある観光地として発展をし続けていくためにも、この官民連携による観光の質の向上、また魅力や価値を高めていくということは不可欠であると考えております。 この奈良の魅力や価値を向上させるという取組は、将来的に宿泊の誘客にもつながるものであり、宿泊税の導入を検討する際にも宿泊事業者の方々との意見を交わしていくことを前提として取り組んできたところでございます。一方で、新型コロナウイルスによる地域経済への影響を払拭する上でも、本市の観光活性化に向けた意見交換が特に求められていると考えております。 今後も引き続き、行政のみならず、民間の事業者の方とも連携を図りながら、奈良市の観光力を高めていく取組に力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 伊藤議員の代表質問にお答えを申し上げます。 まず、学校における働き方改革についてということでございますが、学校の働き方改革につきましては、単に教員の勤務時間を削減するだけではなく、質の高い授業づくりのための時間や子供と向き合う時間を十分に確保することが大切であるというふうに考えております。 これから求められる教育は、子供たちが主体的に学ぶことが大切であり、そのためには教員は知識や技能を教えるだけではなく、ICTを効果的に活用したり、協働的な学びをコーディネートするような役割も担うことになります。そのために、これまで以上に教材研究や研修を行う時間が必要となります。学校における働き方改革を推進することは、そのような授業の質、教育の質を高めることにつながるものであるというふうに考えております。 続きまして、これまでの教育長としての11年間についての思いということでございますが、私は、平成21年4月1日付で教育長を拝命いたしました。その年の6月定例市議会におきまして、教育には不易と流行があり、そのどちらも大切にしながら、奈良で学んだことを誇らしげに語れる子の育成ということを進めていきたいというふうに決意を述べさせていただきました。 子供たちがこれから生きていく未来社会は、ますますグローバル化が進み、国や文化が異なる人々が共に生きていく多文化共生社会でございます。そういった社会の中で、お互いに相手を尊重し、協力し合って新しい社会をつくり上げていくためには、しっかりとしたアイデンティティーが必要であります。どのような時代が来ようとも、どのように社会が変化しようとも、生まれ育った故郷を大切にし、それを誇らしげに語ることができる教育は自分の根っこをつくる教育であり、これから未来社会を切り開いていく基となる教育であるというふうに考えております。 先日開催されました第10回世界遺産学習全国サミットでは、10年前にこうした学びを体験した子供たちが今成人となり、現在の自分の夢を語る場面がございました。教育は日々の営みの積み重ねが大事だと言われますが、子供たちの堂々とした姿から、確実に本市の子供たちのアイデンティティーを育んできたことを実感した場面でもございました。このような教育を日々積み重ね、推進してこられたことを大変うれしく思っております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 38番伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 2問目は自席より行わせていただきます。 数点再質問させていただきます。 まず、自主財源の確保について、市長に質問いたします。 1問目で、将来的な自主財源の確保につながる施策として企業誘致の促進を挙げておられましたが、そのことに関連する議案第36号及び第37号について、これら具体策が自主財源確保につながるよう今後どのように進めていかれるのかお尋ねいたします。 次に、幼保無償化に関連する保育士の負担軽減について質問いたします。 本市では、新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、小学校、中学校、高等学校に対し、3月2日以降の臨時休業を要請しています。このことで、保育所等で働く保育士の方々におかれましては、学校等の臨時休業に伴って自宅にて子育てせざるを得ず、勤務することが困難であるという事例があると伺っています。 1問目で、保育の質を担保するには人材確保が何より重要とのお答えをいただきましたが、保育士が少ない中で保育園の運営を強いられる場合において、保育士の負担軽減という観点からも何らかの対応策が必要と思われます。市長のお考えをお尋ねします。 次に、地域福祉計画に関連して、認知症施策について質問いたします。 団塊の世代の方が全て後期高齢者となる2025年には、全国における介護人材が約34万人不足するという厳しい予測がなされています。その数字を根拠としますと、本市においても相当数の介護人材の不足という、この現実が5年後に迫っていることになります。 そこで、本市の介護人材不足に対し、今後どのように取り組まれるのかお尋ねします。 次に、現環境清美工場について質問いたします。 1問目では長寿命化の内容、そして大規模故障時の対応について確認いたしましたが、我が会派が一貫して主張、要望してまいりました基幹改修ということについて、市長は言及されておりません。 市民生活への多大なる影響を防ぐため、少なくとも10年間、現工場を無事故で稼働させなければならないという考えは、市長も私どもも全く一致するところであります。 今再び市長にお尋ねします。 基幹改修への言及がないのはなぜでしょうか。例えばですね、4炉ある焼却炉のうち、せめて2炉だけでも基幹改修するお考えはございませんでしょうか、市長の御見解をお尋ねしたいと思います。 次に、奈良市国土強靱化地域計画に関連し、2点質問いたします。 1問目で、国からの補助金、交付金を得る前提として国土強靱化地域計画の策定、今後重点化、要件化されると御答弁いただきましたが、その意味で、昨年12月に第1版が策定されたこの計画に対し、絶えず内容の精査、見直し等が必要と考えます。 そこで1点目として、現時点における奈良市国土強靱化地域計画の改定状況、そして今後の改定についてのお考えについてお尋ねします。 次に、奈良市国土強靱化地域計画の策定に伴う本市の組織体制についてであります。 今般、同計画を策定されたことは評価するところでありますが、計画自体を迅速かつ円滑に実行し、進めることができる体制づくりも極めて重要であります。また、災害が起こった際の対策も重要である一方に、それ以前に災害が起こらないための、起こっても最小限度にとどめられるための予防保全に注力するべきではないかと考えます。 そこで2点目として、建設部と企業局による予防保全業務を専門的に担っていく部署の立ち上げの必要性について、市長のお考えをお尋ねします。 次に、奈良市観光活性化に向けた官民連携について質問いたします。 1問目で、官民連携による本市と宿泊事業者等とのプラットフォームづくりは、新型コロナウイルスによる地域経済への影響を払拭するとともに、宿泊客増加などの観光活性化に向けた意見交換の場として望ましいという市長の考えが示されました。 このことに関連し、宿泊客を増やしていくために観光客滞在時間を延ばすことは必須であり、奈良公園付近に集中する観光のにぎわいをJR奈良駅より西側へと、いかにそのウイングを広げていくのかということを我が市議団は、我が会派は一貫して主張してまいりました。 奈良県では現在、大宮通りプロジェクトを展開し、来月開業予定の奈良県コンベンションセンターをはじめ、大宮通り周辺を一体的、総合的に整備することによって、西へ向けた新たな人の流れを創出する動きを活発化させています。また今春、薬師寺東塔の大修理も完了し、さらに現在進行中の近鉄大和西大寺駅整備事業も来春完了しますと、ここを起点とした西部方面への新たな観光の流れに期待ができます。奈良公園周辺とはまた違った魅力のある西部方面への観光誘客は、本市全体の活性化を考える上で非常に重要と思われますが、この点についての市長のお考えについてお尋ねをいたします。 以上で、私の2問目とさせていただきます。 ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 まず、企業誘致についての御質問でございますが、議案第36号、奈良市工場立地法準則条例の制定につきましては、工場が立地可能な地域につきましては、工場立地法において規定されております緑地面積率等についての割合を緩和し、市内の限られた産業用地の効率的な活用を促そうとするものでございます。 そして、議案第37号の奈良市地域経済牽引事業の促進に係る固定資産税の特例に関する条例の制定につきましては、条例施行日以降、一定の条件を満たした上で施設を立地された事業に対しまして固定資産税を3年間、課税を免除できるようにするものでございます。 歳入予算案の市税の構成から見ますと、個人市民税の割合が43.4%と大きく占めている一方で、法人市民税は5.7%、事業所税は1.8%など、主に企業が負担する税の割合が低いという状況がございます。これらの状況がこれまでも長年続いてきたという状況であります。 一方、今後につきましては、将来的にいわゆる生産年齢人口が減少していくということが予測される中において、当然、それに伴い大阪方面にこれまでお勤めであった方々を中心とした個人市民税が脆弱になっていくということが予想されます。 このような中におきましては、先ほど申し上げましたような規制緩和や優遇措置制度を活用するとともに、関係機関と連携した企業誘致策を展開することで産業集積の形成、また活性化を促進し、雇用の創出、税収の確保を図ることが持続的な市政運営のために求められていると認識をいたしております。 続きまして、今回の新型コロナウイルスに関連をいたしまして、保育士の負担軽減に向けた取組ということでございます。 今回の新型コロナウイルス感染症対策については、保育園におきましても、保護者の方で可能な方については御家庭で保育をしていただければ、その分、保育士の負担軽減につながるというふうに考えておりまして、保護者の方が可能な範囲で家庭でお子さんを見ていただければというお願いもさせていただいているところでございます。 一方で、家庭保育に御協力をいただいた場合には、当然保育所を休まれた分の保育料をお返しする必要が出てまいりますので、これにつきましては、日割りで後日お返しをしていきたいというふうに考えております。詳細な設計につきましては、現在調整中でございます。 次に、地域福祉計画についての御質問でございます。 特に介護人材の不足にどのように対応していくかということでございますが、奈良県の介護人材に係る需給推計によりますと、2025年の介護人材の需要見込みと供給見込みを基に算出した充足率については85.5%となっておりまして、介護人材が人数で申し上げれば約4,500名不足すると見込まれております。これは本市におきましても重要な課題であると考えており、そのため、介護の専門的知識を必要とする業務と専門知識がなくてもできる業務とをしっかりと分けまして、介護専門職以外の方が担っていただける部分については、特に地域の多様な担い手の方々を育成し、活用を図っていくということが介護人材不足問題に対応していく上で重要だと考えております。現在、簡単な家事援助を行う人材の育成、また認知症カフェなどでのボランティアの育成、また昨年10月からは、地域住民主体によります通所型の介護予防事業などについても実施をいただいております。 今後は、現在本市で約2万5000名養成いたしました認知症サポーターについても地域の貴重な資源と捉え、地域福祉の担い手として活躍をいただけるように促してまいりたいと考えております。 次に、環境清美工場についての御質問をいただきました。 基幹改修をしないのかということでございます。通常、他市等でも行われております基幹改修につきましては、設計、施工してから、おおむね15年程度運用されるということが一般的でございます。 本市の場合、今後10年後までには遅くとも新しいクリーンセンターを建設していきたいというふうに考えておりますので、基幹改修という方法とまでには至りませんけれども、先ほども答弁申し上げましたように、必要な部分についての大規模改修を、平成30年度から取組を進めさせていただいております。当然のことながら、この約10年間を安全に操業していくということが重要な責務であると考えておりますので、必要な対策についてはしっかりと取ってまいりたいと考えております。 次に、国土強靱化についての御質問でございます。 改定状況についての御質問をいただきました。 現在の第1版の策定をした後に、内容をさらに見直しまして、各府省庁の補助金等の重点化に対応するための事業の具体化も加えて、第1の2版という形で先日2月20日に改定をさせていただきました。また、今後については、現在の地域計画が第4次の総合計画を基にしておりますので、第5次の総合計画を策定した後には整合性を保つための改定が必要だと考えております。また、奈良市地域防災計画、奈良市業務継続計画、地方版総合戦略、それからインフラ長寿命化計画などとも整合性を図っていく必要がありますので、その改定を適時図っていく必要があると認識をいたしております。 また、今後災害が起こった際の被害を最小限に抑えるための専門部署という御質問でございます。 まず、インフラ整備につきましては、専門性を持って取り組んでいくということが重要でありますので、より効率的に業務が進められる体制が必要であると考えております。限られた職員数の中ではございますけれども、特に御指摘をいただいております国土強靱化に向けては、やはりこれまで以上の追加的な体制が必要であると認識をいたしております。そのため、より実効性の高い事業を推進していくために、来年度からは、まず道路インフラ部門におきまして、いわゆる確実な予防保全を進めていくための専門部署を設置していきたいというふうに考えております。 次に、観光についての御質問でございます。 西部地域に積極的にウイングを広げて観光客を導いていくべきだという御趣旨の御意見でございました。おっしゃるとおり、西部地域の観光の魅力の発信ということにつきましては、平成30年3月に朱雀門ひろばが開園をしておりますが、来月には市役所前の県のコンベンションセンター、またJWマリオットホテルが新たに開業することから、大宮通りを軸に西へ向かう新たな人の流れが生まれると期待いたしております。 市としての魅力発信に関する取り組みとしては、観光協会が展開いたしております冬の奈良大和路キャンペーンにおきまして、西ノ京や富雄方面等、いわゆる西奈良エリアについて初めて特集として取り上げさせていただきました。 その中では、暮らすように旅する冬の西奈良というテーマといたしまして、地元で愛されている社寺、美術館、飲食店舗などをローカルな目線で紹介させていただきました。また、国内最大の円墳でございます富雄丸山古墳につきましては、発掘体験を行いまして、奈良市観光協会が昨年11月から12月にかけまして7日間行いましたが、194名の方が参加をされ大変好評でございました。 今後につきましては、先ほど申し上げました大宮通りを核とした西側への人の流れとともに、例えば市役所の庁舎耐震化にも伴いまして、平城宮跡の復元模型についても、より観光客の方に見ていただけるような工夫をするなど、市としてもできることがたくさんあると認識をいたしております。今後も奈良公園中心部のみならず、奈良観光の多様な魅力を知っていただくために、西部地域の持つ魅力を新しい切り口で発信していきたいというふうに考えております。 ○議長(森田一成君) 38番伊藤君。 ◆38番(伊藤剛君) 3問目は主張、要望とさせていただきます。 初めに、令和2年度予算案についてでありますが、まず、市債について前年度比約81億円増額の約213億円のうち、将来交付税措置される分として62.4%、約133億円という御答弁でありました。しかしながら、市債残高は、令和2年度末に2年ぶりに2000億円台となってしまう見通しであります。増えた借金を減らして市民サービス向上へと施策を進めるためには自主財源を増やすことに尽きますが、この点についてさらなる行財政改革の取組が求められます。 また、2問目で、市税増収に向けた企業誘致の推進策を御答弁いただきましたが、しかし、これら具体策も来年度予算にどの程度反映されるかは現時点では不透明と言わざるを得ません。その意味で、行財政運営の効率化等がさらに目に見える形で示されるよう工夫をしていただくことを要望したいと思います。 次に、幼保無償化についてであります。 課題とされる保育の質の向上へ向けた取組では、保育士の確保、離職防止に向けた新たな具体策を示され、もう一つの課題であります受皿整備に対しましても小規模保育事業所を、今年度開園予定施設、そして来年度開園予定の計画を御答弁いただきました。 これらを評価するものであります一方で、政府においても保育所、認定こども園などの施設整備や、また保育士処遇改善、また保育人材確保等に向けた今年度補正予算、また来年度予算案に相当額の費用が計上されているというふうに伺っております。 本市としても、こうした内容を精査の上、活用できる部分は大いに施設充実へと活用していただきますことを要望いたしたいと思います。 次に、地域福祉計画についてであります。 令和2年度末までの現第3次地域福祉計画では、権利養護センターや基幹型地域包括支援センターの設置、また生活支援コーディネーターの配置に認知症施策の推進など、我が市議団が主張、要望した施策を着実に進められている点は評価したいと思います。その背景として、ひとりぼっち0というキーワードを掲げた市社会福祉協議会の地域福祉活動計画との連携にあった、このように思います。その意味で、御答弁いただきましたように、本市の第4次地域福祉計画が市社協の地域福祉活動計画と連携し、同じ方向性を持って一体的に策定されますように取り組んでいただくことを要望いたします。 また、認知症施策についてでありますが、政府は来年度に向けて認知症施策のさらなる充実を目指し、認知症施策推進大綱に基づいたチームオレンジを、市町村に整備する費用を来年度予算案に計上しています。 チームオレンジは、認知症サポーターを中心に近隣でチームを組み、認知症の人や家族を手助けするため、見守りや外出支援を行うと伺っております。国の来年度予算が成立次第、ぜひこうした制度も活用できるようでありましたら、介護人材の不足という課題解消に向け、認知症サポーターの養成とともに努力していただきたいということを要望します。 次に、奈良市国土強靱化地域計画についてであります。 その計画内容について懸念される点としましては、この3つの基本項目の下に18のリスクシナリオがあり、それぞれ全64に及ぶ抽出した課題がつながっています。これは広大なエリアに及んでおりまして、かつ多岐にわたっている。こうした課題に基づく具体的な事業施策をどのようにバランスよく進めていくのかという全体像が示されていないのではないかと思います。第5次総合計画策定後の改定時に全体的な進捗計画についても示されるべきであります。 もう一つ懸念される点として地域防災計画、地方版総合戦略、インフラ長寿命化計画、さらには奈良市業務継続計画等の個別計画と、今申し上げましたリスクシナリオとの関連性、整合性ということが現計画ではやはり分かりにくいと思います。その意味で、この点においても今後奈良市国土強靱化地域計画の進捗状況を確認していく上でも、こうした点についても次回改定時にぜひとも改善をしていただくよう要望します。 次に、予防保全業務を推進するための専門部署の設置でありますが、2問目で、より効率的な事業推進のため、まずは道路インフラ整備について、より確実な予防保全に向けての専門部署の設置を検討すると前向きに御答弁いただきました。この点は評価いたします。 この予防保全の内容に沿った業務を行う専門部署が一日も早くですね、市長は来年度とおっしゃいましたが、でき得るならば一日も早く設置されることに期待をしたいと思います。 次に、現環境清美工場の長寿命化についてであります。 今から約9年前に、これは平成23年でありますが、たしか5月ぐらいだったと記憶していますが、現工場の4基の焼却炉のうち1基が突然故障して焼却能力が極端に落ち、こういった事故が発生いたしまして、その報告を聞いて私もこの現場に参りました。そして、実際に10メートル前後のごみ山が築かれておりまして、その光景に大きなショックを受けたわけでありますが、そのごみ山が解消されるまで数か月かかったと、これは後日伺いました。 この長寿命化に関する御答弁では、平成30年度から焼却炉改修と焼却炉建屋の補強は実施しているとのことでありますけれども、9年前のようなこうしたトラブルが発生するリスクがどの程度小さくできているのかというのは、やはりちょっと不安ではないかなと思います。 大規模改修時の対応について、災害時、緊急時においての一般廃棄物処理に関する相互協定を基に対応策を検討すると御答弁いただきましたが、そうしたときに想定される本市の負担、市民の影響には、やはり具体的には言及されなかったわけであります。さらに、今後10年間の環境清美工場においての人件費を除いた維持管理コストも、以前確認した額とほとんど変わらない127億円と御答弁いただきましたが、加えて、この費用は最低限でありまして、現工場が現地で稼働する時間がより長くなると、もっとこのコストが膨らんでいくと、その可能性も十分あり得ると思います。市長は、先ほど基幹改修は15年ということをおっしゃいましたが、やはり必ずしも、10年後をもちろん目指すんですけれども、10年後に新しいクリーンセンターが着実に完成できればいいんですが、今その保証のない段階で、例えばこの10年というスパンを見た場合においても127億円、130億円という維持管理費用が、仮に基幹改修も、そら、やる箇所によってそれぞれ費用は違いますけれども、どの程度コスト面でも具体的に相違があるのかと、一度これは検証いただきたい。私も以前、委員会、本会議で、これは何度も言っておりますが、実際そのモデルケースを設定していただいた上で、仮にこの箇所を基幹改修する場合と、御答弁いただいた長寿命化のトータルコストが実際どれぐらい違うのかというのをぜひとも一度立ち止まって検証していただきたい、このことを強く強く要望したいと思います。 次に、奈良市観光活性化に向けた官民連携についてでありますけれども、1問目で本市と宿泊事業者とのプラットフォームづくりについて、観光活性化に向けての官民連携による意見交換の場として望ましい、こうした内容を御答弁いただきました。 我が会派は質問の冒頭でも申し上げましたけれども、先月、旅館・ホテル組合役員の方々と懇談し、定期的に皆さんから本市と協議の場を持って、活性化に向けたあらゆるノウハウもこちらから、組合のほうからもぜひとも提供していきたいと、奈良市と力を合わせてこの難局を乗り切っていきたいと、非常に心に響く思いを直接お聞きしたわけであります。市長におかれましては、こうした切実な御意見をしっかりと受け止めていただいて、速やかにアクションを起こしていただきたいと思います。 また、西部地域の持つ魅力発信についても、いよいよ今春により新たな流れに期待するところでありますが、特に西ノ京より富雄丸山古墳に至るルートは大きな可能性を秘めていると考えますので、新たな切り口での発信に期待をしたいと思います。 最後に、教育長、11年間大変お疲れさまでした。ありがとうございました。 ただし、現在、新型コロナウイルス感染症による多大な影響が教育現場へももたらされておりますので、最後まで責任ある御対応のほど何とぞよろしくお願いします。 先ほどの御答弁で世界遺産学習全国サミットについて述べていただいて、私も全体会に参加させていただきました。 歴史的な第1回サミットが本市にて開催されるに至るまでの10年間に及ぶ御苦労や、今回節目となった第10回を数えるに至るこれまでの成果をお聞きし、大変感銘を受けました。教育長の大きな御功績の一つであるかと思います。また、本市の教育行政のトップとして、11年間その職責を果たしてこられたことに対し、心からの敬意を表しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(森田一成君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後0時1分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(宮池明君) 議長所用のため、私、代わって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(宮池明君) 代表質問を続行いたします。 4番山出君。   (4番 山出哲史君 登壇) ◆4番(山出哲史君) 改革新政会の山出哲史でございます。よろしくお願いいたします。 会派を代表して、8項目について一括質問一括答弁方式で、仲川市長に質問をいたします。 さきの太田議員と伊藤議員の質問と重なる部分も多少ございますが、御容赦をお願いいたします。 では、質問に入ります。 令和2年度事業計画策定及び予算編成についてでございます。 昨年7月に通知されました令和2年度の予算編成方針の冒頭に、「成長戦略を着実に実行し成果を挙げていくことが求められている」と掲げられています。前年度の方針にもこのフレーズがございました。私は、以前の議会においてこの成長戦略という言葉に違和感を感じていると、奈良市にふさわしい表現を考えてほしいことを要望させていただきました。 人口が減り、若者が減り、子供が減る一方で高齢者が増え、お独り暮らしが増え、空き家が増える今の奈良市において、戦略の対象となっている成長とは具体的に何を指しているのかをお教えください。 次に、主要な施策項目について伺います。 昨年10月に実施されました消費税引上げの目的は、全ての世代を対象とする社会保障の充実であります。この税率の引上げにより、来年度一般会計歳入予算において、地方消費税交付金は9億円の増額が見込まれています。 しかしながら、令和2年度の主要な施策項目には、高齢者や障害者などの社会保障に関わる施策が上げられていません。また、昨年12月に奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例が改正され、地域自治協議会がまちづくりの重要な担い手組織として位置づけられました。 令和2年度主要な施策項目の共通テーマでもある「住みたい、住み続けたい未来(あす)へのまちづくり」の主な担い手でもあるのに、主要な施策項目の中に地域自治協議会の名前は見当たりません。このことについて、市長のお考えを伺います。 次に、外郭団体への事業委託のありようについて伺います。 これまで身近なパートナーとして奈良市の事業運営の一翼を担ってきた奈良市総合財団、奈良市生涯学習財団、奈良市社会福祉協議会などの外郭団体に対する来年度の事業委託のありようについて、市長のお考えを伺います。 次に、今後の事業計画についてであります。 本市の財政力比率は決して高い水準ではありません。また、経常収支比率も3年連続100%を超えています。その中で、児童相談所及び一時保護所においては、事業開始後の運営費のかなりの部分を国からの地方交付税に頼る予定であります。 しかしながら、その地方交付税の額は、国の政策の転換や財政方針の変更などにより大きく減らされることがあります。この点も含め、市長は児童相談所、一時保護所の運営に関わる財政収支をどのように考えているか、お伺いいたします。 次に、奈良市第5次総合計画のありようについてであります。 現在、計画の素案の策定作業が大詰めを迎えているとお聞きしています。総合計画は平成23年度より策定の義務が外されました。社会の変化が加速度的に速くなっている現在、市長があえて10年先を見据えた総合計画策定を決意されたのか、その主な狙いについてお教えください。 次に、その第5次総合計画に関わる財政フレームの策定についてはどのように考えていらっしゃるか、お伺いいたします。 次に、教育施策の実施についてであります。 市長の教育行政との関わりようについて伺います。 少し古い資料になりますが、平成16年9月に行われた国の中教審教育制度分科会地方教育行政部会第12回の資料に、教育長から見た首長の教育施策に対するスタンスを尋ねた調査の結果が載っています。その中に、人口規模20万人以上の67の自治体のうち、首長が自身の発案を教育委員会を通して実施しているに当てはまるのが36自治体、53.7%、具体的な指示をするに当てはまるのが35自治体、52.2%の結果がございます。 その地方教育行政部会が開かれた10年後、平成27年4月1日に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正、施行されました。この中で教育長と教育委員長が一本化され、首長と教育委員会という執行機関同士の協議と調整の場として総合教育会議が位置づけられました。本市でもこの法律改正の下で総合教育会議が設置され、市長の教育施策実施に対する影響力が強化されたと思います。 市長は、本市の教育施策の実施に関わり、御自身の発案を教育委員会を通して実施されたことはありますか、または全くありませんか。具体的な指示をされたことはありますか、または全くありませんか、お答えください。 次に、職員の意識調査の実施についてであります。 本市の管理職昇任候補者選考試験が今年度実施分から廃止されました。この選考試験については、年々受験資格のある職員の受験率が下がり、昨年度は2割程度になっていたとお聞きしています。市長は、この状況に至った主な要因をどのように考えられておられますでしょうか、お聞きいたします。 次に、新クリーンセンターについてです。 新クリーンセンター事業は、3期目を務めておられる市長が任期中に道筋をつけると約束された事業です。市民にとっても日々の生活に欠かせない最も重要な事業の一つです。市長は、昨年の12月定例本会議において建設候補地を明言され、現在、様々な調整が本格化しています。建設候補地が確定してから環境調査なども含め、実際にクリーンセンターが動き出すまでには最低でも10年かかると言われています。 市長が公言された任期中に道筋をつけるとは、具体的にどういう状況を指しておられますでしょうか、お尋ねいたします。 次に、現在稼働中のクリーンセンターに係るごみ行政の課題について伺います。 ごみの量を減らすために様々な施策が行われていますが、成果のほうはいかがでしょうか、お尋ねいたします。また、焼却炉の老朽化がかなり進んでいますが、万が一機能が止まった場合の対応準備はどうなっていますでしょうか、お尋ねいたします。 次に、新斎苑事業についてであります。 本市が初めて採用したDBO方式で運営される新斎苑の開業予定まで残すところ2年余りとなりました。工程は順調に進んでいるのでしょうか。また、オペレーションの部分に当たる具体的な運営方法や業務内容などは決まってきているのでしょうか、お伺いいたします。また、現在稼働している斎苑のその後について、現時点における市長の考えはいかがでしょうか、お尋ねいたします。 次に、工期延長、工法の変更、建築資材の高騰、建設業界の人手不足など、様々な要因により事業費全体が増大することが懸念されています。そのことについて、市長の認識をお伺いいたします。 最後に、針テラス事業についてです。 令和元年12月23日の市長専決処分により、針テラスの南館を買い戻したとの報告がありました。一歩進んだことは喜ばしい限りであります。 今後の事業の進め方についてお考えを伺います。よろしくお願いします。 1問目は以上です。 ○副議長(宮池明君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの山出議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、予算編成全体につきまして、成長戦略についての御質問であります。 予算編成におけます成長戦略とは、少子高齢化による人口減少が予測される中で本市の将来を見据え、持続的な発展を目指し、奈良市に住みたい、住み続けたいと思っていただけるまちづくりを進める方策であると考えております。また、全ての市民の皆様が愛着を持って暮らしていただくだけではなく、やはり安心して暮らしていただけるまちづくりに取り組むことも重要だと考えております。 私は、就任以来、子育て支援や教育分野の充実を図り、安心して子育てなどができる環境を整え、その成果として、子育て世代の転入者が転出者を上回る状況になってきていることなど、持続的なまちの発展ということでは一定の成果が見え始めてきていると感じております。 さらに新年度におきましては、市内の子供やその家族をワンストップで支援する仮称子どもセンターの建設を進めるとともに、災害・防災に配慮した体制の構築など、市民の皆様の命と子供を守るとして、これまで以上に安全・安心のまちづくりを目指す予算措置を講じたところであります。今後とも、子育て世代などへの支援の充実をはじめとした定住人口の増加に向けた施策の展開に加え、本市に暮らす全ての市民の皆様にとって安心していただける様々な取組を進めていきたいと考えております。 次に、主要な施策項目についての御質問でありますが、今回の主要な施策につきましては、新年度における重点的な取組を御紹介させていただくに当たりまして、4つのジャンルに分類分けをさせていただいたところでございます。 議員からは、高齢者・障害者施策が載っていない、また地域自治協議会についての記載が見当たらないという御指摘がありましたが、これらに関わる施策の予算につきましては、継続事業でございましたため、主要な施策項目には表記はいたしておりません。しかし一方で、いずれも重要な施策であるという認識は持っております。 特に、地域自治協議会につきましては、地域の個人、そして連合会、社会福祉協議会や民生・児童委員、また自主防災・防犯組織などを中心に、地域内で活動されている団体が参加し、それぞれの地域における教育や福祉の充実、地域ぐるみの防犯活動など、様々な地域課題の解決のために市と協力をしながら取り組んでいただく重要な担い手であると考えております。 今後のまちづくりにつきまして、市民と行政が共に考え、協働していくことが必要だと考えており、多様な住民ニーズへの対応を同時に満足させる新しい公共サービスの在り方の実現に向け、地域自治協議会との協働は欠かせないものだと考えております。そのことから、今後も重要な取組の一つと位置づけ、立ち上がり交付金はもとより、準備交付金の予算措置もしっかりと講じ、関係部署とも連携をしながら支援させていただきたいと考えております。 次に、外郭団体への事業委託の在り方についてということでございますが、行財政改革重点取組項目におきまして、外郭団体の経営の自立化を目標に掲げておりまして、新年度の予算編成方針におきましても、民間事業者と対等に競い合い、競争ができる体制を確立すること、また、自助努力による財源確保など、自立のための経営改善に努めること、さらに職員の適正配置や組織の合理化を進めることを示し、意識づけ、啓発を行ってきたところでございます。 令和2年度予算におきましては、非公募となっております施設の指定管理料につきまして積算方法を整理し、公募を想定した指定管理料を予算額として計上しております。今後も経営の自立化のさらなる推進に向けて、外郭団体との協議を行ってまいりたいと考えております。 次に、児童相談所についての御質問をいただきました。 児童相談所、一時保護所を運用していく上での財政収支をどのように考えているかという御質問であります。 これにつきましては、子ども・子育て支援交付金及び児童虐待・DV対策等総合支援事業費国庫補助金、また児童入所施設措置費等国庫負担金などの国庫支出金と、それから人件費や運営費の一部につきましては地方交付税による措置を見込んでおります。 そのような財政措置につきましては、年度により変動があり得るということは認識をいたしておりますが、このたび児童相談所の整備及び運営を円滑かつ安定的に推進するための財源として、新たに奈良市児童相談所基金も創設をしたところであります。その周知を図り、基金も有効に活用していきたいと考えております。また、当然のことながら、市全体といたしましては、将来に備え、引き続きさらなる行革に取り組んでいきたいと考えております。 続きまして、総合計画についてでありますが、法的な策定義務がなくなった上で、あえて10年間の計画を策定するその狙いについてという御質問であります。 これにつきましては、御案内のように地方自治法におきまして、地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めることが従来市町村に義務づけられておりましたが、平成23年に義務づけがなくなり、基本構想を策定するかどうかは、それぞれの自治体の自主的な判断に委ねられることとなったわけでございます。 策定の義務自体はなくなりましたものの、やはり市政運営に際しましては、中長期的な視点に立ち、本市が目指すべきまちづくりの大きな方向性を総合計画という形で策定し、その大きな方向性に基づいて各個別分野の計画を策定していくことが安定した自治体運営を行っていく上では重要だと考えております。また、社会の構造が大きく変化し、ライフスタイルや価値観が多様化する中で、行政だけで様々な課題を解決し、市民ニーズに応えていくことが難しくなっておりますことから、今後のまちづくりにつきましては、市民と行政が共に協働していくことがさらに求められていると考えております。そのためにも、今回の取組であります市民と共に目指す将来のビジョンを皆様と共有し、これを実現していくための各分野で取り組む様々な施策の方向性を示すということが重要だと考えましたことから、10年間のまちづくりの指針となる第5次総合計画として策定をさせていただいているところでございます。 また、それに伴う財政フレームについてという御質問でありますが、次期第5次総合計画につきましては、令和3年度以降の10年間を計画期間とする計画でありまして、その財政フレームにつきましては、国の示す地方財政対策や税制改正などの影響を受け、また社会経済情勢の変化、国の施策の動向にも当然ながら左右されるものでございます。例えば市債につきましては、発行の抑制に努める予定といたしておりますが、地方交付税の不足を埋めるために発行する臨時財政対策債については、国の方針変更により、また時代の速い潮流、多様化する市民ニーズ、そして不測の事業に対する市債の発行なども考えられますことから、フレームを一旦お示ししても、その数値と実際には差異が生じる場面も予測されるものでございます。 一方で、総合計画につきましては、先ほど申し上げましたように、本市の各分野で取り組んでいく施策の方向性、10年間のまちづくりの指針となる計画でありますことから、計画期間内の財政状況を算定し、市民に公開していくということは大変重要だと考えております。そのことからも、次期第5次総合計画におきましても、財政に関する数値をお示しする予定で取り組んでおります。 続きまして、教育委員会との関係についてという御質問でございますが、私が教育の施策の実施に対して自らの発案を教育委員会を通して実施したことがあるか、もしくは具体的な指示をしたことがあるかということでございますが、これは、指示をする、されるという関係ではなくて、常に教育長をはじめとする教育委員会とは日常的に様々な情報の共有、また本市の目指すべき教育について協議をさせていただいております。 次に、職員の管理職昇任試験の受験率が下がっていることについてどのような要因を考えるかということでございますが、本市におきましては、管理職への昇任について競争試験による能力実証を行うことを目的といたしまして、平成22年度から平成30年度まで管理職試験を行ってまいりました。その中には受験率が5割を超える年もありました一方で、昨年度につきましては23%という状況でございます。 この大きな変化の要因といたしましては、一番大きなものは、やはり平成24年度からは全員受験としておりましたが、平成29年度から希望制に変更いたしております。そのことが、大きく受験率が下がっている一つの要因であると認識をいたしております。 次に、クリーンセンター事業について、具体的に道筋とはどういうことかということでございますが、非常に幅広い定義であると認識をいたしておりますが、やはりこの事業を今後計画的に着実に進めていくという中におきましては、まず一つには、広域化の枠組みを確定するということが何よりも重要であります。併せて、建設候補地の地権者の皆様との合意形成を図り、建設候補地をしっかりと確定するということが重要だと考えております。 まだこの取組につきましては、昨年からスタートをしたばかりでございますので、引き続き地域住民の皆様に対しましても、これまで以上に足を運び、そして丁寧なる説明と理解いただけるための努力を重ねていきたいと考えております。 続きまして、ごみの減量化の取組状況についてということでございます。 家庭系ごみにつきましては、ごみ減量キャラバンの開催、また小学校向けの環境学習会の開催といった啓発事業とともに、平成30年度からは雑紙を中心とした古紙の資源化と集団資源回収の拡大について市民の皆様に御協力をお願いしてきたところでございます。特に雑紙が資源化できる古紙であるということについては、多くの市民の皆様に一定の御理解をいただけたというふうに認識いたしております。また、事業系のごみにつきましては、展開検査などによる事業系ごみの適正処理の指導強化を行うとともに、昨年10月から廃棄物処理手数料の値上げといった取組をさせていただいております。 その成果といたしましては、家庭系の燃やせるごみにつきましては、平成30年度に前年度比マイナスの1,662トン、率では3.5%の減というような効果が出ております。また事業系ごみの手数料の値上げにつきましては、昨年10月以降は前年度比で毎月2%から4%程度の削減傾向が続いていると聞いてございます。また一方で、手数料改定前の令和元年7月から9月にかけては前年度比で5%から7%ごみ量が増加をすると、いわゆる駆け込み需要があったということも報告を受けております。これらにつきましては、中長期的にその推移を見守っていくことが重要であると考えております。 続きまして、焼却炉の機能が止まった場合にどのように対応していくかということでありますが、奈良県内の12市などで構成いたします奈良県都市清掃協議会におきまして、災害等緊急時における一般廃棄物処理に関する相互応援協定というものを締結いたしておりまして、近隣市も含め、他都市との連携により対応していくべきものと考えております。 次に、新斎苑事業について、新斎苑の運営方法、業務内容についてどの程度確定をしたかという御質問でございます。 まず、工事の工程につきましては、おおむね現工程どおり進んでおり、本年8月には橋梁が完成し、年末からは建築工事に着手するよう進めているところであります。 また、運営方法、業務内容ということにつきましては、DBO方式で進めております新斎苑では、この運営部分を特別目的会社の株式会社まほろばの杜というところが担っていくこととなります。この会社につきましては、代表企業であります村本建設株式会社をはじめ、施設の維持管理運営、また火葬炉の運転、炉の保守管理といたしまして株式会社宮本工業所、それから株式会社合人社計画研究所、それから株式会社五輪という企業体で構成されます組織でございます。 そして、これによりまして、業務の内容といたしましては、2件同時の火葬に対応ができる3名の案内職員の配置、それから受付業務の職員につきましても3名を配置すること、同時にこれら職員を清掃業務も担うマルチスタッフとすることによりまして、急な火葬件数の増加にも対応できる柔軟性を持たせた人員配置が計画をされております。利用される方にとりましては、火葬炉の空き状況の照会、予約の申請についてはパソコンやスマートフォン、ファクスから24時間で対応できる予約システムを導入していくことで利便性の向上に努めるとともに、火葬から骨上げまでに要する時間につきましてもおおむね1時間半程度となりますことから、現火葬場につきましては、冷却装置がないことから一旦御帰宅をされるということがございますが、そういった市民の皆様の負担が軽減されるものと考えております。 さらに近年は家族葬、もしくは近親者の方だけの、いわゆる少人数の告別式などを求められる社会変化がございますけれども、新斎苑におきましては、1室ではありますが、そのような御利用に対応ができる多目的室も用意をさせていただいております。ほかにも小さなお子様用のキッズルーム、売店、また待合室などにつきましても穏やかにお過ごしをいただける施設としてしっかりと整備をしていきたいと考えております。また、近年につきましては、ペットにつきましても家族の一員として火葬を望まれることが多いことから、動物炉につきましても1炉整備をさせていただきまして、そのような需要に応えていきたいと考えております。 これらの利用料金や法事等の一般催事での利用の可否、また現在、市の各部署で対応している業務などにつきまして、今後事業者と連携を深めていく必要もあり、これら詳細部分につきまして、今後引き続き調整をしてまいりたいと考えております。 次に、現東山霊苑火葬場の跡地についてという御質問でありますが、現在の東山霊苑火葬場につきましては、平成30年6月9日付で地権者であります西勝寺様と合意書を締結しており、その中におきまして、平成33年、令和で申しますと令和3年3月末日をもって東山霊苑火葬場の使用を停止すること、そして停止後には速やかに収去作業に着手し、その1年後の平成34年、令和4年3月末までに全て収去することとなっております。 しかし一方で、新斎苑の完成時期が当初の計画から約1年遅延することに伴いまして現火葬場の使用期限の延長が必要となりますことから、土地所有者であります西勝寺様と協議をするとともに、火葬場収去後の跡地利用につきましては、白毫寺町連合自治会様とも協議を図り、様々な御意見をいただきながら具体的な調整を進めているところであります。 続きまして、新斎苑建設工事の事業費についてということでありますが、当初3か年計画での工事工程であったものの、関係自治会、また関係機関との協議などで時間を要しましたことから、おおむね1年間の工期の延長となっているところであります。この間、鉢伏街道沿道の住民の方をはじめ、隣接自治会の皆様からも強い要望があり、橋梁完成まで鉢伏街道を通行する工事車両については通行条件を変更してほしい、また、投棄物の処理におきましては、周辺水利組合の皆様から農作物への影響について懸念が示されたことに伴いまして、処理方法を変更したことによる投棄物処理量の増加、加えて当初想定をしておりました施工条件と現場状況の不一致などに伴う手法の変更、さらには、現在建築の実施設計を行っているところでありますが、当初計画時から建設資材、労務単価などが高騰しているなどの様々な増減要因が生じていると認識をいたしております。これらにつきましては、工事内容の詳細が確定し、事業者から提出された内訳書により、増額はもとより、減額の部分についてもしっかりと内容を精査し、金額を確定させてまいりたいと考えております。 続きまして、針テラスについての御質問であります。 針テラス事業の今後につきましては、今議会で財産の取得を提案させていただいております南館につきましては、以前の運営事業者が本市に無断で抵当権を設定した上、長らく競売手続が進められていた状況でございましたが、大阪地方裁判所での法的手続を経て、ようやく本市への売却が決定されたところでございます。 ただし、もう一方の建物であります北館につきましては、建物の所有者が第三者へ無断で譲渡され、新たに抵当権も設定をされておりますことから、所有権の移転と抵当権抹消の請求に関する訴訟を現在も続けております。そのため、まだ法的手続が必要な状況ではございますものの、南館の取得により事業正常化が一歩前進したと考えております。 まずは、道の駅として必要な機能の維持に引き続き努めるとともに、今後に向けまして、新たな運営事業者の選定など、速やかに次の段階に移行し、魅力ある道の駅となるよう事業展開やその方向性について具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(宮池明君) 4番山出君。 ◆4番(山出哲史君) 市長、ありがとうございました。 では、自席から数点、2問目として質問をさせていただきたいと思います。 まず、外郭団体への事業委託のありようについて、1問目でも御答弁いただいているんですけれども、とても大事な部分だと思っていますので再質問させていただきます。 これまで運営の合理化、効率化などの観点から、奈良市の直営が難しくなった事業を外部に委託してきた中で、公共性、公平性が求められる事業については外郭団体をつくり、委ねてきた歴史があります。今後もその事情は全く変わらないと考えます。 現在、外郭団体に委託している事業において、明確な基準等の下で公募できる事業、公募は難しい事業などのすみ分けはできているのでしょうか。すみ分けをするに当たり、外郭団体ときっちりと協議ができているのでしょうか。また、これまで外郭団体は奈良市政を運営する上で大切なパートナーであったことから、今後もその強みを生かせるよう奈良市も一緒に考えていく責任があると考えますが、市長の認識はいかがですか。 次に、教育施策の実施について伺います。 私が議員となってからこの2年7か月の間にも、新たな教育施策が矢継ぎ早に実施されていると感じています。また、そのことにより学校現場が混乱している様子がうかがえます。直接現場の先生からこの状況を何とかしてほしいと懇願されることもあります。市長の御認識はいかがでしょうか。 次に、新クリーンセンターについてです。 市長が約束されたクリーンセンター事業の道筋の具体的な内容について、広域化のパートナーの候補となっている大和郡山市、生駒市、平群町、斑鳩町との個別の話合いはどこまで進んでいますでしょうか。市長は、2市2町のトップの意向は直接確認されていますでしょうか。そのことも含め、現時点での広域化の枠組み制定、確定の見通しについてお教えください。 次に、現クリーンセンターのごみ減量に関わる再質問であります。 現時点でのごみの減量の状況では、焼却炉の4炉稼働を3炉稼働に移行できるまでには至っていないと聞いています。今後の具体的な対策をお教えください。 2問目の最後に、新斎苑事業についてお伺いします。 事業費全体が増大することに対する懸念についてであります。 事業費の増額が必要になることを認識されているということでした。また、その要因を精査していかれるとのことですが、それは現時点では精査していないということなのでしょうか。もし精査しているのであれば、増額の予想額は現時点でどうなっていますでしょうか、お教えください。 以上です。 ○副議長(宮池明君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 まず、外郭団体についての御質問でございますが、公募・非公募をどのようにしていくか、これについては、いわゆる官民役割分担をどのように図っていくかということに直結をいたすと思っております。従来でございますと、何でもかんでも非公募で外郭団体を前提として委託していくということも過去にはございましたが、ここ数年におきましては、民間との競争ということも取り入れながら、外郭団体自体の経営の自立化、意識改革も含めて取り組んでいただいているところでございます。 公募・非公募の判断につきましては、一番には、やはり公益性ということがございます。公益性の中でも特に公益事業を担っていく専門性、唯一性というものが重要でございます。そういったものを有している事業につきましては、他には取り替え難いということから非公募とするものもございます。一方で、単なる施設の管理運営ということでございますと、経験値や専門性というものについては、民間の他の事業者の方と遜色がないというものもあろうかと思います。こういった部分については、積極的に外部との競争環境を取り入れていくということが市民の利益につながると認識をいたしております。 次に、教育についての御質問でございます。 御指摘のように、新たな社会情勢の変化に伴って新たな教育現場に求められる役割、特にグローバル化の進展、また技術の革新等によって従来の教育の取組では対応がし切れないという現状が生じていることについては、私も認識をいたしております。 一方で、少子化の時代の中において、特に教育現場を担っていく教員の人の数と質を確保していくということに大変大きな課題がある時代となってまいりました。この点については、やはり教員の方々の負担が余りにも大き過ぎるということ、いわゆる働き方を見直す必要が、優秀な人材をしっかりと確保する上でも重要だというふうに考えております。 そういった趣旨に伴いまして、本市としては独自に今年度、各学校にタイムレコーダーを設置させていただきまして、教職員のいわゆる時間外勤務の実態についてしっかり把握していこうということで取組をさせていただいております。これにつきましては、国や県の政策等との整合性、もしくは現場からの声を届けていくということも求められていると思いますが、まずは、そのようなデータをしっかりと分析するということで、これから教育現場を担っていく方々の将来に光が見えるように取組を進めていきたいというふうに思っております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございます。 各首長の意向を確認しているのかということでございますが、当然でございます。私自身がお会いする中で様々な意見をいただいております。 続きまして、ごみ減量についての御質問でございますが、今後ごみを減らしていく具体的な方策ということでありますが、昨年から大学の研究室と連携をいたしまして、フードロス対策についての取組を検討させていただいております。また、子供たちに向けての学習用資料の提供や出前講座の開催など、食品ロスも含めたごみの減量ということに取組を進めていきたいというふうに思っております。このような取組については、昨年は研究段階ということでございましたが、来年度につきましては、より実効性を伴って、具体的な取組にしていきたいと考えております。 続きまして、新斎苑建設工事についての認識でございますが、現在、既に工事内容の詳細が確定し、事業者から提出を受けた内訳書については順次精査を進めているところでございます。 また一方で、継続的に取り組んでいる工事の一部という部分につきましては、今後工事全体の詳細を確定しなければ精査ができないという部分もございます。また、労務単価の改定に伴うインフレスライドにつきましても、改定が行われる場合は、年度ごとに賃金等の急激な変動に対処するため国から方針が示されますため、現時点において全体としての精査はできないという状況でございます。 今後工事を進める中で、工事内容の精査が完了次第、必要となる予算につきましてはお示しをしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(宮池明君) 4番山出君。 ◆4番(山出哲史君) 市長、ありがとうございました。 では、3問目は意見、要望とさせていただきます。 まず、1つ目の予算編成方針の内容、表現についてであります。 市長の先ほどの説明を私なりにまとめますと、予算編成方針にある成長戦略を着実に実行し、成果を挙げるというスローガンの下で子育て世代の転出を減らし、転入を増やすことが成果目標となり、目標達成のために子育て支援などの施策を戦略として展開することになります。偏った見方かもしれませんが、人に対する行政施策を戦略と表現することには、どうしても違和感があります。また、事業計画策定及び予算編成段階から、例えば空き家対策や奈良市で新たに生活を始められた外国人の子供への教育機会の提供のありようなど、新たな社会課題に対してもスポットを当ててほしいというふうに思います。 主要な施策項目についても御説明をいただきました。福祉事業や市民参画及び協働によるまちづくり事業も重要施策であるとのことでした。それなら、継続事業であっても主要な施策項目の冊子に盛り込むべきだと思います。市政に関心を持ってくださる市民の方々も冊子を御覧になる可能性があります。次年度からはもう少しジャンルを広げて、市民が我が事と感じるような事業も盛り込んでいただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。 次に、今後の事業計画について、児童相談所、一時保護所の運営に関わる財政収支を例に取り上げて、地方交付税額頼みの事業運営の危うさを指摘させていただきました。 特に児童相談所、一時保護所につきましては、一旦事業をスタートすると後戻りは決してできません。また、確かな事業運営のためには優秀な人材の継続的な確保も必須条件となります。今後もしっかりと議論を積み重ねていきたいというふうに思います。 次に、奈良市第5次総合計画のありようについてです。 今後のまちづくりについては、市民と行政が共に考え協働していくことが重要であるとのこと、大変心強く思います。そのことをぜひ第5次総合計画に明確に位置づけていただき、今後策定される予定の分野別計画にも共通の方向性として反映させていただきたいと考えます。 来年度には奈良市と奈良市民の実践的な協働のありように向けて対話の機会を増やすとともに、裾野を広げる仕掛けが必要だと考えます。ぜひ御検討をよろしくお願いします。 計画に伴う財政フレームにつきましては、予測の難しい内容もあると思いますが、計画がスタートする令和3年4月までには、ある程度の余裕を持って策定を完了していただきますようによろしくお願いします。 次に、教育施策の実施についてであります。 先ほど市長は、日常的に教育委員会と必要な協議と調整を行いながら、教育施策の方向性を共有し、施策が実施されてきたと話されました。 市長が議長を務めておられる奈良市総合教育会議の議事要録を見ると、市長の教育に対する並々ならぬ熱い思いが伝わってまいります。すばらしいことだと思います。ただ、その熱い思いゆえに、施策を実行する学校現場との温度差が大きくなっていないのかは心配なところであります。 次に、職員の意識調査の実施についてであります。 企業でも管理職になりたがらない社員が増えていると聞きます。奈良市の場合も受験率が下がったのは、社会的な傾向に加えて受験が全員から希望者に変わったことも要因だと思われます。ただ、有能な管理職の成り手が少ないことは、組織を維持するためには致命的だと思います。何らかの対策が必要だと思います。 そこで、職員の意識調査を実施することを提案いたします。職員がどのような意識を持って仕事に臨んでいるか本心を知ることは怖いところもありますが、とても有効だと思います。 私は、職員が250人規模の法人で働いていたときに、コンサルの指導の下で法人の中期経営計画の策定を担当しました。その前段で職員の意識調査を行いました。法人組織や上司に対する評価は思ったより厳しいものでした。日頃から思っていた不満を箇条書にしたものもありました。たまには気持ちが明るくなるコメントもありました。最初は正直落ち込みましたが、後からは、それを受け止めて、幹部職員が中心となって1年がかりで改善に取り組みました。法人にとっては間違いなくやってよかった意識調査でありました。 奈良市は、今まさにそのような調査が必要な状況にあると思います。ぜひとも御検討をお願いします。 次に、新クリーンセンターについてであります。 広域化実現のために市長御自身が機会あるごとに2市2町の首長と話し合い、また直接訪問もされていることが分かりました。広域協定に向けて信頼関係をつくっておられるのだと思います。直接訪問して意向の確認をされているということなので、今後は期限を決めた交渉が必要になると考えます。 2市2町の首長だけでなく、地権者との交渉、地元との合意など、多くの課題に対してスタートを切っておられます。市長の任期中での道筋達成は厳しい期間での取組となります。全ての交渉に市長御自身が本気で取り組まれている姿を示していただくことを期待いたします。 次に、今のクリーンセンターのごみ減量の取組が進むことを願って提案をさせていただきます。 市民などへの広報、啓発がとても重要になる取組だと思います。ただ、その際に紙代や印刷代が足りないなどの理由で、広報や啓発が中途半端に終わらないような工夫が必要だと思います。現場では実際にそのようなことが起こっているように感じます。ごみの減量化も奈良市にとっては最重要課題の一つであります。必要な予算の確保をお願いいたします。 最後に、焼却炉がストップしたときに備えた災害等緊急時における一般廃棄物処理に関する相互応援協定についてでありますが、この種の協定は、内容が具体的でなかったため肝心なときに役立たないということが往々にしてございます。早い機会にそのあたりを確認いただいて、不十分であれば、しっかりした内容の協定を結んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 新斎苑事業についてであります。 DBO方式という未知の事業運営方式に現場がブラックボックス化しないように特別目的会社との信頼関係の構築にも努めていただきたいと思います。予定どおり事業が開始できて、スムーズな運営が行われることを願っています。 針テラス事業についてであります。 北館の決着がつくまでのつなぎに、どのような取組が可能かぜひ考えていただきたいと思います。状況によっては、マンパワーの増強も必要になるとは思います。よろしくお願いいたします。 各項目の具体的な議論につきましては、予算決算委員会などにおいて今後審査していきたいというふうに思います。 最後に、今回の代表質問の主項目に挙げさせていただきました市長の政治姿勢について、私の考えを申し述べさせていただきます。 私たちは、来年7月で任期満了となります。場合によっては、私にとって代表質問は今回が最後になるかもしれません。この機会に、これまで市長にお伝えしたいと考えていたことをお話しいたします。 大きくは2つございます。 まず、奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例に関することであります。 この条例は、仲川市長が選挙に初当選されて市長に就任される直前に施行されました2009年7月1日のことであります。当時のホームページに藤原市長のコメントが掲載されていました。内容は次のとおりであります。市民の皆さんの知恵や力をお借りし、またその意見を市政に反映して市民参画と協働によるまちづくりを行うことは、奈良市の市政を行う上の最も重要なことであると考えております、このように掲載されていました。 しかしながら、この10年余りの間、仲川市長はこのことに余り力を入れてこられなかったように思います。昨年12月にようやく地域自治協議会が条例に位置づけられました。ただ、地域自治協議会の取組も自治連合会の主導です。それ以外の市民参画と協働もそれほど進んでおらず、3年先、5年先の姿も描けていない状況だと思います。 先ほどの市長御自身の答弁にもありましたが、今回、第5次総合計画の策定の中で、市民との協働が計画全体の中で共通の大切な要素となっています。仲川市長には、これからの1年5か月を市民参画と協働の推進に力を注いでいただきたい、そして、確かな道筋を残してほしいと強く要望いたします。 地縁団体の運営は、10年前と比べると格段に進化しています。企業経営の手法を地縁組織運営向けにアレンジしたようなイメージであります。さらに仕組みが整えば、高いレベルでの奈良市と地域の協働が生まれるような可能性を感じています。 もう一つの話は、市長にもっと職員を大切にしてほしいということであります。特に責任の重い立場におられる副市長、教育長、部長、次長、課長などをもっと大事にしていただきたいです。 私の主観ですが、公務員の仕事は福祉の仕事に大変似ていると思っています。人を思い、人のために一生懸命働きます。誇り高い仕事だと思っています。意気に感じてこそできる仕事です。そのようなことからも、職員の気持ちを大切にしていただきたい。 少しだけ具体的な話をします。2日前の話です。午後2時半頃に私の携帯電話に知らない方から電話がありました。小学校の卒業式に親が出席できるようにしてほしいとのお話でした。一旦電話を切らせていただき、どのようにお伝えするのがよいか担当課に聞くために内線電話をしました。しばらく後に担当課長と話し始めたとき、同僚議員が市長のつぶやき、卒業式保護者2名までオーケーを見つけました。「市長がつぶやかれたので、保護者にはそのまま伝えますよ」、電話の向こうで「ええっ」と課長は絶句されていました。担当課長なのに知らなかったのだと思います。大慌てで「少し待ってください。できたら5時頃までは待ってほしい」と電話の向こうでおっしゃっていました。これまでも市長のSNSフライング投稿で担当課や現場の混乱を招いたことがあります。特に社会全体が混乱している状況では、さらに状況の判断が求められると思います。今回のことは、ぜひ今後に生かしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 もう一つ、1年余り前の奈良県総合医療センター周辺まちづくり協議会でのことです。 奈良県の理事や地域住民の方々など60名から70名の方が出席されていた会議で、途中から市長がマイクを持たれ、司会進行から質疑応答までされていました。まさに市長の独壇場でありました。後々様々な影響が出たと聞いています。 こういう話は、もうこの程度にしておきますが、仲川市長は選挙で選ばれ、10年以上絶大な権力を持ち続けておられることをもう少し自覚していただきたいというふうに思います。 私も社会人歴37年のうち約半分の期間は中間管理職でありました。体を壊して入院もしましたし、心底気持ちの萎える経験を何度もしています。市長より20年長く生きていますので、その分多くの失敗もしています。奈良市を愛する年寄りのつぶやきと素直に受け止めていただけたら大変うれしいです。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(宮池明君) 9番白川君。   (9番 白川健太郎君 登壇) ◆9番(白川健太郎君) 日本共産党の白川です。 私は会派を代表し、通告に従い、市長及び教育長に質問をいたします。 まず、市長の政治姿勢についてでございます。 本年1月3日、アメリカのトランプ大統領の指示により、バグダート国際空港においてイラン革命防衛隊幹部が空爆で殺害をされるという事件が引き起こされました。 どんな理由をつけても、主権国家の要人を空爆によって殺害する権利は、世界のどの国にも与えられておりません。それは国連憲章に違反をした無法な先制攻撃そのものであります。そして、アメリカとイランとの緊張激化は、2018年5月、トランプ政権がイラン核合意から一方的に離脱をしたことが出発点であったことは明瞭であります。 日本政府は、このアメリカによる無法な先制攻撃に対して批判をするどころか、中東沖へ護衛艦を派遣するなど、アメリカが起こす新たな戦争に巻き込まれかねない危険な動きを見せております。 日本共産党は、一連のアメリカ政府による先制攻撃に強く抗議をするとともに、日本政府に対しては、自衛隊の中東沖への派遣は直ちに中止することを強く求めるものでございます。 緊張が高まる下、憲法9条を生かした平和な世界の実現を求める声も高まっております。改憲をめぐり、さきの参議院選挙では自民・公明・維新のいわゆる改憲勢力の議席が3分の2割れとなりましたが、これは多くの国民の皆さんの改憲反対の世論が示された結果と確信をするものであります。 しかし、安倍首相は、自らの総裁任期中の2021年までの改憲を目指し、野党の分断を図り、改憲勢力の再編を狙っています。一方、これまで安倍9条改憲NO!で3000万筆の署名に取り組んでこられた安倍9条改憲NO!全国市民アクションの皆さんは、改憲発議に反対する全国緊急署名を呼びかけ、今運動が広がっております。 奈良市には諸外国からたくさんの観光客の方がお見えになります。市民生活のみならず、奈良市の経済にとっても世界の平和は大変重要な課題であり、憲法9条の理念の下、日本政府は世界の紛争の平和的解決の先頭に立つことを強く求めるものでもございます。平和を希求し、奈良市民の暮らしと経済に責任を持つ市長におかれましても、ぜひ署名の趣旨に御賛同いただくことを強く願うものでございます。 そこで、改憲発議に反対する全国緊急署名の趣旨に対する市長の所見についてお答えください。 次に、景気対策についてでございます。 内閣府が発表いたしました昨年10月から12月期の国内総生産GDP速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が前期の7月から9月期に比べ1.6%低下、年率に換算するとマイナス6.3%で事前の民間シンクタンクの予測を上回る落ち込みとなりました。GDPのマイナス成長は5四半期ぶりで、日本経済が消費税の増税後、新たな消費不況に突入したことを示すものであります。 消費税が増税をされた直後の定例会であります12月議会において、市長は、本市において企業経営や市民生活に一定の影響を及ぼしている、景気の後退につながることが懸念されると述べられておりますが、現状はまさにその予想が的中をしている結果であります。増税で景気が悪化した以上、その原因である消費税を5%へと減税するとともに、社会保障の拡充や賃上げ、子育て支援など、暮らし応援の政治に切り替えることこそ急務であります。 そこで1点目、今回発表されたGDPと消費税増税の影響について、市長の所見を。 2点目に、奈良市経済に対する市長の所見を。 そして3点目に、消費税減税を政府に求める考えについてお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大についてであります。 我が党でも県議団を先頭に2月27日に政府交渉を行い、要望書を提出させていただきました。 中国武漢市から世界規模で拡大をする新型肺炎の感染者が国内でも多数確認をされ、混乱が広がっております。国内においては、4日時点で感染者はついに1,000人となりました。市内小売店ではマスクや消毒液が入手困難な状態が続き、医療機関においても現在は供給をされているものの、今後の入荷については未確定と業者から言われているというふうにもお聞きをいたしております。また、政府による一斉休校の要請は、全国の自治体の教育委員会に大きな混乱をもたらしております。卒業式の運営についても急遽方針が示されましたが、その方針も二転三転し、保護者の方の中に混乱をもたらすこととなりました。医療の現場では、子供のいるスタッフが出勤できずに体制が組めなくなり、診療が行えなくなるのではないかとの懸念もあります。ある病院では、院内に急遽従業員の子供を保育する体制を確保し、対応するとのことでしたけれども、そういった対応ができない病院への支援も必要であります。 感染が広がっていない地域まで一斉に休校とする方針を撤回するとともに、各自治体の対応を政府が財源的にも支援する方針を打ち出すことを政府に強く求めるものであります。 今後一、二週間で感染者数が急激に増える可能性も指摘をされている中において、奈良市の体制がどうなっているのか、数点お伺いをいたしたいと思います。 まず1点目に、奈良市における重度感染者を受入れ可能な病床数は幾つあるのか。 2点目に、保健所や医療機関における職員、医師の体制はどうなっているのか。 3点目に、指定医療機関があふれた場合の対応について。 そして4点目に、奈良市からの情報発信について、特にインターネットを利用できない市民に対してどのように対応されているのかお伺いをいたします。 また5点目に、教育長にお伺いをいたします。 卒業式の対応については先ほど申し上げたとおり、また保護者の方からも市の対応に不満の声も聞かれます。県下の市町村の状況はどうなのか、また、今回の対応についてはどのように検討されたのかお示しください。 観光業への打撃も懸念されます。 先日、市長は、3月議会で上程を検討されていた宿泊税導入を延期されると表明されました。小規模宿泊事業者の皆さんからも導入反対を表明されている中で、上程を見合わされたことは評価いたします。この際、延期をするのではなく、きっぱりと撤回されることを強く求めるものであります。 また、新型肺炎は観光業のみならず、各種行事の延期や中止による会場や仕出しのキャンセルが増えていると業者の方からお聞きもいたしております。また、製造業など、中国と関わりの深い業界についても影響が及んでいるものと考えられます。関連する、特に中小業者の方々からの意見を反映させた経済対策も求められてくるのではないかと考えます。 そこで、観光業、その他業界への影響の分析はどのようにされているのか。また、奈良市として対策を打ち出す考えについてお伺いいたします。 さらに、必要な財源を政府に求める考えについてもお聞きいたします。 次に、新年度の予算編成についてお伺いをいたします。 今回の一般会計総額は1441億円で過去最高額となっております。新斎苑建設や大和西大寺駅周辺の整備事業、子どもセンター建設や平城西中学校区小中一貫校建設、庁舎の耐震化など、大きな予算を伴う建設事業が集中しているのも特徴であります。新斎苑建設や大和西大寺駅周辺の整備事業などは必要な予算としてやむを得ない面もあります。 しかし、新斎苑については、工期延長に伴う費用の増加と発注方法の問題など、個別の問題についてはさらなる議論が必要と考えます。また、地域の皆さんの反対を押し切って進められている小中一貫校建設は、事業そのものに大きな問題があると考えます。 大規模な建設事業が増加をしている中で、後年の負担となる市債残高は、臨時財政対策債を除いた額で2019年度と比べ46億円の増加となっております。一方で、福祉関連では目立った新規施策がない上、議案として国保料の賦課限度額を引き上げる条例改正案も提案され、中間所得層への負担がますます重くなる内容となっております。 そこで1点目として、新年度予算における市債発行と後年における市民負担について、市長のお考えをお示しください。 また、主要な施策項目において、子育て世帯に対する施策は多く述べられております。一方で、現役世代や高齢者に対する福祉施策が打ち出されておりません。新年度、それらの市民に対する福祉施策はどのようにお考えなのかお示しください。 次に、市政上の個々の課題についてお伺いをいたします。 まず、クリーンセンター建設についてであります。 住民説明会や議員への説明資料では、現状のごみ量を基に施設規模を設定しているものと思われます。広域化の勉強会に参加をする5市町の処理能力は日算で約600トン近くにもなりますが、これは大阪広域環境施設組合の八尾工場に匹敵をする巨大な施設となり、それに伴う地元住民の住環境に及ぼす影響も相当なものになると予想されます。 まず第1に、新クリーンセンター建設については、現在の焼却ありきではなく、徹底した分別と再資源化により焼却ごみの総量を抑制すべきと考えます。そのためにも、市役所がまずごみ減量に向けての姿勢を示す必要があるのではないでしょうか。 しかし、今回示された資料では、ごみの減量化については触れられておらず、将来的な目標も不明となっております。そもそも広域化は、国や県の誘導により大型施設建設を誘導するものであり、附帯設備として焼却熱による発電なども盛り込まれるものと考えられます。売電益や周辺地域への供給も見込むとなれば、発電をするためにごみを集めるという、ごみ減量とは相入れないこととなる懸念があります。 一方、広域化の勉強会に参加をしている斑鳩町、また他府県の鹿児島県の志布志市では、ごみ処理施設の存廃が課題となったときに、市町を挙げてごみ減量に取り組み成果を上げています。海洋プラスチックや二酸化炭素排出抑制など、環境保全の面からもごみ減量と再資源化は国を挙げて取り組むべき課題ではないかと考えます。焼却施設が立地をする周辺住民にとっても、施設規模が小さくなれば負担の軽減にもつながります。 クリーンセンター建設が喫緊の課題となっている今こそ、奈良市としてのごみ減量に向けての本気の取組を打ち出すことを強く求めるものであります。そもそも広域化の勉強会に参加をする5市町の中で、焼却施設更新の緊急性があるのは奈良市のみという現状であります。一方、今示されている立地を考えれば、少なくとも大和郡山市との協議がまとまらない限りは実現が難しいものと思われます。 そこで、大和郡山市との協議の状況はどのようになっているのかお示しください。 また、新クリーンセンターの建設目標年度である2029年度までにごみ減量の目標と、それを達成するための計画、目標達成に向けて市が取り組む姿勢を示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。 また、奈良市の現在のリサイクル率は19.8%で、全国平均20.2%よりも低い状態であります。これをどこまで引き上げていくのか目標設定が必要と考えますが、いかがでしょうか。また、今後リサイクル率を引き上げていくために考えられる手段についてお考えをお示しください。 4点目といたしまして、市民にごみ減量の協力をお願いしていくためにも、市役所が率先して取り組む姿勢を示す必要があると考えます。例えばペットボトルの使用量を抑制するために、ウオーターサーバーやお茶の機械を設置する。廃棄される書類についても、機密を保持した上でリサイクルできる手法を検討するなど考えられますが、いかがでしょうか。 次に、平松の県立総合医療センター跡地活用についてお伺いをいたします。 先月17日に議会には説明はされましたが、まちづくり協議会には今なお計画変更について説明をされておりません。本来、子どもセンター建設の計画が撤回をされた時点でまちづくり協議会において説明を行うべきだと考えます。また、今回の計画では、これまでの素案に比べ住宅と見られる部分の面積が大きく拡大をされております。もともと病院という公共施設があったことを考えれば、土地の売却についても慎重に検討すべき内容と考えます。 そこで、今回示された案の策定に至った考えと、今後の地域への説明について。また、県との協議の現状と内容についてお示しください。 2点目に、今ある建物の撤去、土壌汚染対策のスケジュールについて。 3点目といたしまして、土壌汚染について、周辺住民から不安の声も聞かれております。少なくとも調査結果と対策については公開すべきと考えますが、市長の考えを、また県の意向と県へ申し入れる考えについてそれぞれお示しください。 次に、子どもセンターについてお伺いをいたします。 児童虐待が増加を続ける中で、子供たちの命を守る取組は全国的な課題であり、児童相談所はその最前線とも言える施設であります。 しかし、この児童相談所が関わってきたにもかかわらず、子供たちの命が奪われてしまう悲惨な事件が後を絶ちません。また、先月10日にも神戸市で、児童相談所に来た小学6年生の女子児童へ警察に相談するよう伝え、追い返していたことが明らかとなり、大きく報道もされておりました。 児童相談所そのものに多くの注目が集まる中での施設建設であり、奈良市としても相当の決意と覚悟を持って挑まなくてはならない事業だと考えます。児童相談所は、建物そのものよりも中の組織としての体制が重要ではないかと考えます。 先日の厚生消防委員会でも例として紹介をさせていただきましたが、明石市では国の基準を大きく超えて職員を配置、常勤の弁護士も2名配置をしているということでありました。これは、明石市の現状では国の基準では不十分と考えてのことであり、国の基準を超えた費用は、全額市の持ち出しとなっております。特に、児童福祉司の余裕を持った配置は、安定的な相談業務を行う上でも必要と考えます。ともすれば、命にも関わる重大案件が寄せられる児童相談所で働く職員の心理的ストレスは相当なものと言います。全国でも、ストレスを原因として休職する職員の数も相当数に上ります。一人で膨大なケースを担当することとなれば、当然一つ一つのケースに割ける時間も限られ、見落としが発生してしまう危険性すらございます。 内示会で配られた主要な施策項目でも相談件数が増加していることが示されており、この現状に鑑みた職員の配置が絶対的に必要ではないか。そのためには、市長の強い決意が必要であります。 しかし、先般の厚生消防委員会での答弁では、人員や予算について国基準以上の答弁はありませんでした。 そこで、開設に当たっての市長の思い、決意をお示しください。 また、人員配置と予算について、国の基準で十分と考えておられるのか、追加配置のお考えも含め、お示しください。 最後に、保育園民営化についてお伺いをいたします。 右京保育園、鶴舞こども園を皮切りに富雄保育園と富雄第三幼稚園の統合再編、民営化、飛鳥保育園の民営化方針が昨年公表され、今年に入り、伏見保育園、大宮保育園、春日保育園の民営化方針が公表されました。まさに7つもの保育施設を同時並行的に民営化していこうという計画であります。これは余りに拙速で危険な動きだと感じております。計画を聞いて反対の声を上げている方や不安に感じておられる声なき声を無視して、スケジュールありきで粛々と進めるのであれば、保護者や地域の中に大きな分断と対立を持ち込むことになることを指摘しなくてはなりません。 奈良市が進める保育園民営化に対して、保護者の方々の中で自主的に立ち上がり、市の方針を撤回させようと運動が始まっております。署名活動や要請活動などが現に取り組まれておりますが、署名では、短期間での活動で3,447筆の署名が市長宛てに提出をされました。これまで知らなかった市民の中に、民営化路線が知られれば知られるほど多くの方の反対の声が集まってきているのが示されております。公立の保育園は公立としての役割を果たし、これまで多くの方の子育てを助け、信頼もされてきました。反対の声は、これまで奈良市を信頼されてきた方からの声であるということもよく受け止めていただきたいと思います。 そこで1点目に、今回提出されました署名についての市長の所見をお聞かせください。 2点目に、先行して民営化が進められております鶴舞こども園、右京保育園の2園についての現状と市長の評価について。 3点目に、公立保育園の役割をどのように評価、検証をされているのか。 4点目といたしまして、民営化の理由として市立園における保育士不足が述べられておりますが、本来、市立園で保育士が不足し、定員まで受入れができていない状況であるのであれば、市の責任で保育士を確保すべきと考えますが、これまで保育士確保、特に正規職員確保にはどのように取り組んでこられたのか、それぞれお示しをください。 以上で1問目といたします。 ○副議長(宮池明君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの白川議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、憲法改正についての御質問でございます。 憲法9条については、昨年の12月定例会でも御答弁申し上げましたとおり、第9条に戦争放棄をうたう日本国憲法が昭和22年5月3日に施行されてから、日本が戦争の惨禍に遭わず発展をしてきたのは重要な事実だと認識し、その背景には、憲法9条があったと同時に平和を希求する国民の不断の努力があったと考えております。 地方自治体の長としても、いかなる場合であっても戦争は肯定されるものではなく、市民の平和な暮らしや市民の生命、財産を守っていかなければならないと考えており、世界の恒久平和を願う非核平和宣言都市の精神に基づき、様々な普及啓発活動により市民の平和意識の高揚をさらに図ってまいりたいと考えております。特に戦後70年を経過し、記憶の風化が危惧されておりますことから、さきの戦争の悲惨さを忘れることなく、戦争体験者の記憶をしっかりと後世に語り継いでいかなければならないと考えております。 憲法9条の改正につきましては、様々な意見があることは認識をいたしておりますが、その発議権を有する国会において議論がなされるべきものであり、平和な時代をこれからも継承できるように、どのような憲法がふさわしいのか十分に議論をしていただきたいと考えております。 次に、消費税増税が与える影響についてということでありますが、今回内閣府から発表されましたGDP実質成長率の項目を見ましても、消費税率の引上げ前と比較して国内需要が2.1%下落をいたしております。中でも家計の消費活動を示します家計最終消費支出が3.0%の下落、そしてまた、民間企業の設備投資につきましては3.7%の下落ということであり、消費税率の引上げによる影響が否定をできない状況にあると認識いたしております。 次に、奈良市経済に与える影響ということでありますが、最近の景気動向指数等を見ておりますと、経営環境が厳しい状況に向かっていると判断している企業が多いことから、本市においても消費税の引上げが経済活動に影響を及ぼしていることは否定ができないと考えております。また、新型コロナウイルスの脅威が日に日に増しており、資金繰りに困難を来す企業が出てくることも予想されます。今後は資金繰り等、企業経営への緊急的な支援が必要となることから、国や県の支援策を周知するとともに、商工会議所や金融機関等とさらなる連携を図り、市内の企業を支援していきたいと考えております。 次に、消費税率の引下げを政府に求める考えがあるかということでありますが、昨年引き上げられました消費税につきましては、国や地方の財政状況が厳しい中、少子高齢化の急速な進展により増加いたしております社会保障関係経費の財源を安定的に確保すること、そして持続可能な社会保障制度を構築していくためにも必要なものであると考えております。 今後は、景気や国が進める対策等の動向を引き続き注視してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルスに関連をした御質問であります。 市内において重度感染者の受入れができる病床がどれぐらいあるかということでありますが、現在では重度感染者につきましては、感染症指定医療機関で受け入れることとなっており、市内には2医療機関がありまして、合計7床の受入れが可能でございます。 次に、保健所の体制についてということでありますが、本市の新型コロナウイルス感染症の対策については、健康医療部では4つの班体制を取らせていただいております。 総務班につきましては、庁内・関係機関との調整、健康相談班は、一般的な相談、帰国者・接触者相談センターの相談業務、そしてまた移送班については、検体の搬送や患者の移送、そして、感染症対策班は、感染が疑われる人の医療調整や相談、接触者への面接調査などの感染対策全般の業務という役割分担をいたしております。 移送班と感染症対策班は、休日も含めまして24時間体制で、現在、待機や従事をいたしておりまして、感染リスクの高い業務であることから、今後も緊張感を持って事態の長期化、集団感染の発生に備えていきたいと考えております。 また、奈良市の医師会との連携につきましては、事務局を通じ、国、県からの通知や情報については速やかに伝達をしていただき、また県主催の会議や研修会等には共に参加し、情報共有を進めているところであります。さらに、具体的な医療機関からの相談、また受診調整の内容等につきましては、常に電話やメール等を通して、お互いに相互理解を進めているところであります。 次に、指定医療機関があふれた場合の対応ということでありますが、厚生労働省の事務連絡によりますと、新型コロナウイルス感染症につきましては、十分な院内感染防止策を講じた上で一般の医療機関でも入院が可能であるとされております。まずは、感染症指定医療機関において感染症病床以外の病床を増床し、次に、一般の医療機関に病床を確保できるよう県が調整をされているところであります。 次に、特に情報弱者の方々に対してどのように情報発信を市として行っていくのかという御質問であります。 新型コロナウイルス感染症につきましては、日々新たな情報が更新をされますことから、紙媒体による広報では対応がし切れず、ホームページ等のインターネットによる情報提供に頼らざるを得ない状況がございます。一方で、御指摘のように、インターネットを利用されない方につきましては大変御不便をおかけするところでありますが、新聞、テレビ等のマスコミからの情報も取り入れていただけるよう、都度、報道機関に対しても市として適切な情報提供を図ってまいりたいと考えております。 次に、観光施策についてでありますが、観光業、またその他の業界への新型コロナウイルスの問題がどのような影響を与えているかということについてであります。 この新型コロナウイルス肺炎による観光業への影響につきましては、2月17日に奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合が発表いたしました数字では、奈良支部で回答がありました施設22軒におきまして、1月から3月にかけて約1万6000人、金額にしては約1億2600万円分のキャンセルがあったと伺っております。また、全国の全業種の状況といたしましては、日本商工会議所が全国の中小企業を対象に行った調査によりますと、6割以上の中小企業が「影響を受けている」、また「影響を受ける懸念がある」と回答されております。 具体的な影響といたしましては、製品の受注減少や中国人観光客向けの売上減少、また取引先の生産拠点等の変更に伴う調達コストの上昇、そして従業員や顧客の感染防止対策に伴うコストの増加という回答が多い状況でございます。 今後、奈良を訪問する観光客数の低迷が続きますと、観光業を含む中小企業に大きな影響が生じることとなりますため、商工会議所や業種団体等と情報を共有しながら動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、奈良市として経済対策をどのように講じるのかという御質問でありますが、国において新型コロナウイルスの影響を受ける事業者に対しましては5000億円規模の緊急支援策が取りまとめられ、セーフティネット貸付けの要件緩和、また旅館業者等への特別貸付け等の支援が始まったところでございます。また、県や金融機関におきましても、新型コロナウイルス対策の金融支援が始まっております。この緊急事態につきましては、まず、これらの支援情報を、影響を受けておられる事業者の方々にしっかりと効果的に伝えていくことが、より事業者に近い立ち位置であります市としてのまず役割であると考えております。併せまして、インバウンドの推進にも力を入れてきた本市において大きな影響を受けていることが予想されます宿泊、飲食、小売業に対しては、支援策を具体的に講じていきたいということで検討させていただいております。 また併せて、支援に伴い必要となる財源を政府に求める考えがあるかということでありますが、先ほど申し上げましたように、国や県における事業者への支援策が始まったばかりであるということもございますので、現段階におきましては、これらの施策の動向や効果を見定めていきたいというふうに思っております。 次に、来年度の予算編成についての御質問であります。 市債の発行と、それが及ぼす後年度への影響についてという御質問でございます。 これまでも将来世代の負担の軽減を図るために発行の抑制に努め、着実に毎年市債残高を減らしてきたところでございますが、新年度におきましては、合併特例債、また緊急防災・減災事業債など、後年度の償還において有利な交付税措置がある市債の活用を行うことで、将来的な負担の軽減も配慮しながら予算措置を行わせていただいたところでございます。市債の発行によりまして、今後見込まれる公債費の増加につきましては、各年度ごとで将来負担をしっかりと見定めた上で、行財政改革のさらなる推進、また歳入の新たな確保などに努めることによって、市民サービスに支障を来さないよう、安定的な財政運営を心がけてまいりたいと考えております。 また、福祉施策や、市民の暮らしや福祉を守る取組については、どのように事業や予算を計画したのかという御質問であります。 新年度予算におきましては、市民の皆様の生命・財産を守るための防災対策に引き続き重点的に取り組むとともに、市民の皆様に本市で安心して暮らしていただけるよう福祉の充実にも努めたところでございます。 議員から御指摘がありましたように、現役世代、また高齢者に対する福祉の施策ということでございますが、これまでの高齢者施策に加えて、現役世代、また高齢者世代への取組も新たに予算措置を図ったものがございます。 具体的には、高齢化の進展に伴う認知症高齢者の増加に対応ができるよう、現在福祉政策課内に設置いたしております認知症初期集中支援チームを、新たに市内13か所の地域包括支援センターに設置いたします。これによりまして、地域のより身近な場所で認知症の方とその御家族の支援を行っていける体制を目指していきたいと考えております。 加えまして、認知症高齢者が成年後見人制度の利用を円滑に行えるように、後見人等への報酬助成の対象者の拡大を図り、このようなことで困っておられる高齢者の方々への支援を新たに行っていく予定でございます。 加えまして、保健・福祉の向上といたしましては、主に現役世代の方を中心にがんの早期発見、また早期治療を図ることが市民の皆様の健康維持につながるということを考え、胃がん検診においては胃がんリスク検診、また胃がん内視鏡検診の対象年齢について、それぞれ拡充をさせていただいております。 このほか、市民の暮らしを守るということにおきましても、これまでも防災対策などを中心に取り組んできたところでございます。特に新年度におきましては、緊急防災・減災対策事業債の活用が最終年度となりますことから、災害情報や避難勧告等の情報を伝達する同報系防災行政無線のさらなる整備や、災害時の拠点となる施設の非常用自家発電設備の機能維持、強化等、多くの防災関連事業に予算を講じたところであります。これらの取組を着実に実施していくことで、市民の皆様の暮らしの安心につながっていくものと考えております。 次に、新クリーンセンターの建設についての御質問であります。 大和郡山市との協議をどのようにしているかという御質問でありますが、まず、このクリーンセンターの広域化ということにつきましては、昨年12月に大和郡山市も含めた各市町の副市長、副町長が初めて参加する5市町の合同勉強会を開催させていただきました。その場におきまして、本市の副市長からも本市の七条地区での候補地選定について御説明を申し上げ、本市の役割、イニシアチブを発揮する立場からも、より具体的な検討と、そして早期の各市町の御判断をお願いさせていただいたところでございます。 大和郡山市におかれましては、先日の市政の重要案件説明会においても御説明申し上げましたとおり、現施設の基幹改修を行っておられまして、工事後、平成30年から令和14年までの15年間における包括運営委託をなさっておられる状況でございます。これにつきましては、最長でも令和14年度におきまして現在の施設を停止され、新たな施設を稼働されることが必要であると聞き及んでおり、そのためには、それに向けて先駆けて10年ほど前からは新施設の建設に向けた計画を準備していくことが必要であると伺っております。既にその15年のうち2年が経過しておりますため、遅くとも3年後には新施設建設の計画に着手をされることとなりますことから、広域化についても検討いただいているという状況でございます。 1月には大和郡山市から現施設周辺の自治会長様に対して、今回のクリーンセンター建設計画の説明を求められましたことから、本市の副市長以下で参加をさせていただいた次第であります。今後も近隣の自治体としっかりと連携を深め、広域化参加への早期の御判断をお願いしたいと考えているところであります。 次に、新クリーンセンターの建設年度であります令和11年度までのごみ減量についての目標や、また市の取組姿勢についてということであります。 ごみの減量につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条第1項の規定により、一般廃棄物処理基本計画を定め、長期的・総合的視点に立って計画的なごみ処理の推進を図ることとなっております。 現行の計画につきましては、令和2年度で終了となりますため、次期計画となります令和3年度から令和12年度までの10年間の一般廃棄物処理基本計画につきまして、令和2年度中に定めることとなっております。次期基本計画におきましては、コンパクトな適正規模の新クリーンセンター建設につながるよう、ごみの減量の目標、計画、減量に取り組む姿勢等についても改めて定めてまいりたいと考えております。 次に、リサイクル率の目標や、それを向上させていくための具体的な手法についてということでありますが、循環型社会形成推進基本法に定める循環型社会の形成においては、第1に、ごみの発生抑制が求められております。そして、その上でも、なお発生をしたごみについては、利用できるものについては循環資源とし、まず再使用を行い、再使用ができないものは再生利用しなければならない、そのように優先順位をつけて定義づけられております。 リサイクル率につきましては、循環型社会の目標であります発生抑制、再使用の次に来る3番目の優先順位ということもあり、第1番目には、やはりごみの発生抑制をしていく、具体的にはごみの減量化をしていくことが重要だと考えております。さらに、近年の中国の環境規制の影響によりまして、廃プラスチックや古紙の市場価格が低迷するなど、再生利用が周辺環境の変動に大きく影響されることや、再生利用の方法によっては財政コストが非常に高くかかるものもございますことから、リサイクル率を目標数値として中心的に据えるということには慎重な判断が必要だと考えております。 また、今後リサイクル率を引き上げていくために考えられる方策といたしましては、現在も市民の皆様に御協力をいただいておりますプラスチック製容器包装、瓶、缶、ペットボトル、古紙、雑紙等の分別についてのさらなる周知啓発を進めるとともに、家庭系ごみの約4割を占めます生ごみ等の食品ロスの削減、また生ごみ処理機の普及による堆肥化などの取組を進めていくことで、限りある資源の有効活用に努めてまいりたいと考えております。 また、市役所が率先してごみ減量に取り組むべきではないかという御指摘でございますが、本市におきましては、平成24年度よりE-changes推進活動と名づけまして、本庁舎における分別、リサイクルを推進し、焼却、埋立て処分する廃棄物をできる限り減少させる取組を進めております。この取組では、職場から出るごみを15に分別し、できる限りごみの再利用・再資源化の推進を図っております。 加えまして、昨年からは、いわゆる雑紙の分別回収も徹底をさせていただいておりまして、特に従来は可燃ごみといたしておりましたシュレッダーの古紙についても、これを新たにリサイクルの対象として分別回収をするなど、市役所といたしましても、やはりしっかりと率先して取組をしていくことが重要だと認識いたしております。 次に、県の総合医療センターの跡地活用についての御質問であります。 地域への説明、また県との協議状況ということでありますが、先日の議会の説明会で御提示をいたしました内容につきましては、子どもセンターの設置以外については、昨年に地域の皆様にお示しをした基本構想の素案から大きくは変わっていないものと考えております。平松周辺地区のまちづくりについては、知事とも意見交換をさせていただいており、事務レベルにおきましても、市の案については県市で協議を行い、一定の合意をいただいている状況であります。 また、昨年4月に示しましたまちづくり基本構想の素案に関しましては、昨年7月から8月にかけまして意見募集を地域の方々に対して行っておりまして、その結果、22名から交流、公園、医療介護福祉、子供、交通アクセスについてそれぞれ御意見がございました。これらの意見を踏まえまして、県市で協議し、より具体的な内容について今後の基本計画、また募集要項を作成していく中で取り込んでまいりたいというふうに考えております。今後、地域からの意見に対する考え方の整理を行い、県との合意の下、早急にまちづくり協議会を開催し、地域の皆様にも御説明を申し上げ、御意見も伺ってまいりたいと考えているところであります。 次に、既設建物の撤去、土壌汚染対策のスケジュールということでありますが、現在実施中の土壌汚染対策工事につきましては、年度内に完了する予定と聞き及んでございます。並行いたしまして、建物の除却工事に伴う事前の家屋調査を令和2年度にかけて行います。その後、今年の夏以降に建物の除却工事に着手し、おおむね2年後、つまり令和4年度の夏頃には完了する予定と聞き及んでございます。 次に、土壌汚染調査の結果とその対策の公開ということでありますが、土壌汚染調査のその結果につきましては、県が昨年末に報道発表を行うとともに、周辺住民の皆様に対しましては、自治会の回覧によりまして情報提供をされているという状況でございます。また、今年1月には周辺住民の方々を対象にした説明会も行っておられます。対象とされている住民は、病院跡地を中心に広範囲の住民の方を対象とされておりますが、対象外の方で土壌汚染に対して不安のお声があるとすれば、速やかに情報提供や説明を申し上げることが必要であると認識いたしております。その点については、県による取組、工事でございますので、県にもしっかりと情報を提供させていただきたいというふうに思っております。 続きまして、子どもセンターの開設に当たっての思いということでございますが、やはり昨今、様々な児童虐待事案が起こり、その内容が報道され、多くの方が大変な悲しみを感じておられると思います。このような虐待事案が本市でも起こらないとは限らない。だからこそ、我々ができることをしっかりとやっていかなければならないという思いでございます。 特に中核市であります本市におきましては、児童相談所を設置することができると定められており、このメリットと基礎自治体としてのメリット、両方を生かして、母子保健から保育所、幼稚園、そして学校、教育委員会等が連携するということで、これまで以上に妊娠期から切れ目のない相談支援体制を構築し、児童虐待の早期発見、そして発生の防止、さらには虐待対応の充実、また問題が起きた後の事後フォローまで含めて、一気通貫の支援体制を確立していくことが可能になると考えております。 本市の子供たちの命を守り、その家庭への支援を充実するためには、やはり早期の児童相談所を含む子どもセンターの開設を図っていかなければならないと強く感じております。 それに際しまして、次に、人員の配置と予算についての御質問をいただきました。 令和元年の児童福祉法等の改正によりまして、児童相談所の体制強化として令和4年度から管轄人口3万人に1人の割合で児童福祉司の配置、そして常時弁護士による助言、指導の下での適切かつ円滑に対応するための弁護士の配置、そして児童の健康及び心身の発達に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導のためといたしまして、医師及び保健師の配置というものが求められております。現在整備を進めております仮称奈良市子どもセンターでは、児童相談所及び子ども家庭総合支援拠点、さらには子ども発達センターの機能を一体的に運営していきたいというふうに考えております。それによりまして効率的な組織体制を構築し、様々な専門職が役割を分担しながら連携を深めていけるよう取り組んでいきたいと思います。 児童相談所におきましては、国の人員配置基準を踏まえた職員配置を行いまして、予算に関しては国庫支出金及び交付金措置などを活用してまいる所存でございます。 次に、奈良市が進めております保育園の民営化に対する署名をいただいたことへの所見ということでございます。 この署名につきましては、市立保育園の存続の要望といたしまして、本年2月25日付で提出をいただいておりまして、3,447名の方の御署名を頂戴いたしているところでございます。今回、再編実施方針決定の公開がされ、それを受け、このような署名を提出いただいたということにつきましては、その重みを真摯に受け止めたいと考えております。 次に、先行して民営化を進めております2園についての現状、またその評価ということでありますが、先行しております鶴舞こども園、そして右京保育園の2園の現状については、これまでの公立園として培ってきた教育、保育内容、また園の行事、地域や小学校との関わりなどについて、民間移管後も引き続き実施をするため、平成31年4月から移管先法人の園長予定者が園を訪問し、引継ぎを行ってきたところでございます。また、令和2年1月からは、移管後も園児それぞれの発達段階に応じた継続的な教育や保育が行えるよう移管先法人の職員が園に常駐し、園児や保護者との信頼関係を構築するための共同保育というものを行っております。また、移管先法人と園の職員、そして担当課による引継保育会議や、円滑に移管が行われるように保護者の代表、移管先法人、市で構成する三者協議会を設置させていただいて協議を行っております。 これらのように、公私連携幼保連携型認定こども園として移行するため、これまで様々な準備を行ってきましたが、移管先法人には公立として果たしてきた役割を引き続き担うとともに、在園児や保護者に大きな負担を与えないよう、しっかりと引継ぎを行うという共通認識の下で積極的に携わっていただいているものと認識をいたしております。現在、移管に向けた最終段階に入っておりまして、今後もスムーズな移管ができるよう一体となって丁寧に取組を進めていきたいと考えております。 次に、公立保育園の役割をどのように評価、検証するかという御質問でございます。 公立保育所の役割については、本市の教育・保育行政の方向性に沿った確保されるべき保育水準を示すとともに、保育を実践しながらその向上にもつなげるという役割を担っていると認識いたしております。 一方で、これについては、現在も指導監査の実施や公私立の園長会、また公私立の職員が共に参加する研修会などを通して、本市全体の私立も含めた幼児教育全体の質の確保、向上にも努めておるものでありまして、これまでも公私分け隔てなく培ってきた本市独自の取組があると認識をいたしております。 一方で、就学前児童が少ないことなどの要因から民間参入が難しい地域においては、集団生活を通し、活動できる子供の規模を一定程度確保するというようなことで、引き続き公立としての役割が求められているという認識を持ってございます。 次に、保育士の確保についてという御質問でございます。 特に正規職員の保育士をどのように確保する努力をしたかということでありますが、本市のみならず、他の市町村においても保育士確保が大きな課題でございます。保育士確保のためには、各種の就職フェア、職場体験会、大学等への広報活動など、関係機関とも連携を図りながら手段を講じておりますが、特に非正規の保育教育士の確保が大変難しい状況でございます。正規職員の保育教育士の確保といたしましては、新卒採用試験の募集時期が秋であったものを4月に早めるとともに、保育教育士を早々に確保できるよう努めております。それとともに、経験豊かな人材確保ということで、職務経験者、それから任期付職員についても7月から募集するなど、合計3種類の採用試験を実施いたしまして、多様な人材を確保できるよう努めておるところでございます。来年度4月、つまり今年4月には約30人の正規の保育教育士が採用となる予定でございます。また、民営化につきましては、正規の保育教育士が保育士不足となっている園へ異動することによりまして、市立園における正規の保育教育士のさらなる確保にもつながっていくものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(宮池明君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 白川議員の代表質問にお答えを申し上げます。 卒業式の件についてのお尋ねでございます。 まず、県下市町村の状況と市教育委員会の卒業式に関わるこれまでの経緯ということでございます。 県下他市町村で開催されます小・中学校の卒業式の状況につきましては、卒業生とその保護者、教職員のみの参加とするなど、規模を縮小したり、開催時間を短縮したりするなどの対策を取っておる自治体が多い状況でございます。 本市におきましては、午前中にも御答弁申し上げましたとおり、令和2年2月25日に国から発出されました新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を受け、その時点では各校における卒業式の参加者については卒業生、在校生、保護者については同居をしている方に限り参加を認めることとし、来賓の方については認めないというふうにいたしました。 その後、令和2年2月28日付の文部科学事務次官名の通知を受け、多くの人が集まれば集まるほど感染リスクが高まることから、感染拡大防止への最大限の対策を取るため、卒業式への参加を教職員、卒業生のみといたしました。 しかしながら、卒業式は子供にとりましては人生の節目となる大事な学校行事であり、そのような場に保護者が立ち会うことは、子供にとっても保護者にとっても大きな意義のあるものでございます。2月28日から3月1日までの3日間に市民や保護者の皆さんから、ぜひ卒業式に参加をさせてほしいという御意見やお問合せが多数寄せられました。 こうした保護者の皆さんの思いや、これまで子供たちを育ててきた気持ちをおもんぱかり、また県下他市町村の対応も鑑みながら再度検討を行い、卒業式の時間を短縮したり、消毒を徹底するなど、感染リスクを最大限に抑えながら、卒業生、教職員に加えて、同居している保護者は2名までの参加を認めるということにいたしました。 以上でございます。 ○副議長(宮池明君) 9番白川君。 ◆9番(白川健太郎君) 2問目は自席より行わせていただきます。 数点、再質問を行います。 まず、景気対策についてであります。 1問目で、奈良市経済について消費税の影響は否定できない状況だということをお述べになりました。事業者に対する支援についても答弁がありました。対策としては、主に融資など金融関連での支援が主体となるものだと推察をされます。 しかし、融資だけでは一時的には何とかなったとしても、景気が回復をしない限り経営が苦しい状況から抜け出すことはできません。そのためにも消費税の減税と福祉・教育・子育て重視の政策に切替え、国民一人一人の懐を暖める思い切った決断が今迫られているのではないでしょうか。市独自の取組も求められると考えます。 そこで、住宅リフォーム助成制度の復活、また商店版リフォーム助成で実効性のある中小業者支援を求めますが、いかがでしょうか。また、中小企業振興条例を策定するなど、奈良市自身が中小業者を応援している姿勢を示すことも必要と考えますが、市長のお考えをお示しください。 次に、クリーンセンター建設について再質問をいたします。 1問目で、ごみ減量の考えについてお伺いをいたしました。ごみ減量のためには、家庭系ごみのみならず、事業系ごみの分別の徹底、排出抑制が不可欠と考えます。 そこで、事業系ごみの減量についての考え、また展開検査を大幅に増やす考えなどについてお伺いいたします。 次に、総合医療センター跡地活用計画についてであります。 先月17日の議会に対する説明会で配付された資料で、計画地西側に子育て支援ゾーンという記載がございます。 そこで、この子育て支援ゾーンについて、市長からは伏見保育園の移転も示唆をする説明があったというふうに記憶いたしております。具体的にどのように検討されているのかお伺いをいたします。 最後に、子どもセンター建設についてお伺いいたします。 建設予定地の土壌汚染についてであります。 ボーリング調査の結果、西側から過去のごみが検出され、基準値を超える鉛も検出されております。奈良市は、有害物質が多く検出された西側から東側へと建設場所を移動、建物が建つ部分については土壌改良を行う一方で、西側については封じ込めといいながら、事実上放置をするということでありました。西側部分についても子どもセンター建設後は公園として利用されることとなり、その地下に有害なごみが埋められていることに地元の方々が不安を感じられるのも理解ができます。また、周囲への漏出に対するモニタリングの有無や、また現状の周辺環境に対する影響を判断するデータ等も示されておらず、安全性を担保するデータは、いまだ示されていないという状況ではないかと言えるのではないでしょうか。その後、自治連合会からの要請等もあり、方針を変更されたということもお聞きいたしております。 そこで、当該地における土壌汚染対策について、現状でのお考えをお聞かせください。 以上を2問目といたします。 ○副議長(宮池明君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 まず、住宅リフォーム制度について検討せよということでございます。 この制度につきましては、市内の住宅関連産業に係る需要喚起をすること、それによって地域経済の活性化を図るという目的で、平成23年度と24年度に実施をさせていただいた制度でございます。 これにつきましては、リフォームを施工される業者を市内事業者に限定することで内需の拡大が期待できる事業であるということでありますが、国からの景気対策が引き続き打ち出されていることや本市の財政状況等も考えると、今すぐにリフォーム助成制度の取組をするということは難しいというふうに考えられます。 また、中小企業振興条例等によって中小企業者を応援する姿勢を示してはどうかということでございます。 中小企業につきましては、雇用機会の創出や市内の経済活性化の担い手として重要な役割を果たされており、市民の生活を豊かにしていくためにも中小企業の発展、成長が不可欠であると考えております。本市が持続的な発展を遂げていくためには、市内事業者の大半を占める中小企業の振興は極めて重要であると考えており、本市の総合計画にも位置づけているところでございます。今後、条例化につきましては、多くの中小企業等で組織されている商工会議所等と連携を図り、どのような中小企業振興策が望ましいのかということを検討していきたいというふうに考えております。 次に、ごみの減量につきまして、家庭系だけではなくて事業系のごみの減量、もしくはごみの分別が徹底できていないのではないかという御指摘でございます。 平成30年度の事業系ごみの搬入量は3万3691トンでありまして、本市のごみ搬入量の約4割を占めております。この部分を減量するということが大変重要だということについては私も認識をいたしております。 事業系ごみにつきましては、廃棄物処理法に基づいた適正処理が求められますことから、平成27年度から自走式ごみコンベア投入検査機、いわゆる展開検査をするための特殊な機械を導入させていただきまして、職員の負担を少なくして展開検査が行いやすいような対応をさせていただいております。これによりまして、可燃ごみについては週一、二回抜き打ちで対象を定め、また破砕ごみについては、おおむね全ての搬入ごみを対象に展開検査させていただいております。 その結果といたしまして、事業系ごみの搬入量は、平成27年度には前年に比べましては4,399トン、率でいいますと11.2%減少し、以降も毎年減少傾向が続いてございます。 そういった意味では、現在の展開検査が一定功を奏しているというふうにも考えられますため、しばらくこの現行体制を維持していきたいというふうに考えておりますが、今後も引き続き事業系ごみの適正化という問題は重要な課題でございますので、頻度等についてはまた逐次、見直しをしていきたいというふうに考えております。 続きまして、平松の県総合医療センター跡地についての御質問であります。 子育て支援ゾーンの具体的な内容についてということでありますが、この伏見保育園の件については、以前に県が跡地活用のアイデアコンペをされたんですが、その中に、採用された事業計画の中の提案に保育園の設置というものがありましたことから、子育て支援の一つの機能として候補に挙げさせていただいております。伏見保育園については、教育・保育の無償化による地域の1号認定児童の動向、また待機児童数の状況など、こども園への移行も見据えて伏見保育園の在り方の一つとして検討させていただいているという現在の段階でございます。 続きまして、柏木公園での子どもセンターの設置につきまして、廃棄物の対応に伴い、地元の不安にどう対応するのかという御質問でございます。 これにつきましては、事前の土壌調査によりまして、建設予定場所ではない地中の廃棄物から、土壌汚染対策法における特定有害物質であります鉛及びその化合物というものが基準値を超えていることが分かりました。当該廃棄物につきましては建設予定場所ではないというものの、地元の皆様の不安を払拭するために、検出された鉛及びその化合物というものについて撤去をして対応していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(宮池明君) 9番白川君。 ◆9番(白川健太郎君) では、3問目は主張と要望を述べさせていただきます。 まず、憲法改正についてであります。 答弁からも、市長も戦後の日本の平和については憲法が背景にあり、また国民の努力によって、それが守られてきたという認識をお示しいただいたかと思います。 一方で、安倍政権はアメリカの動きに追随し、海上自衛隊を中東沖に派遣するなど、アメリカが海外で起こした戦争に巻き込まれかねない、大変危険な動きを取っているというのが現状でもあります。 海外での戦争に日本が加担するような動きを止めていくためにも、ぜひ市長からも改憲発議はやめるよう声を上げていただくことを強く望みます。同時に、奈良市が行っている自衛隊への名簿提供についても、奈良市の若者が海外の戦場に行かされる最初の窓口とならないためにも中止していただくことを強く要望いたします。 次に、消費税増税と景気対策についてであります。 答弁において市長は、GDPのマイナス成長について消費税増税の影響をお認めになりました。奈良市経済についても、その影響をお認めになられたというふうに思います。 対策についても述べていただきましたが、消費税の増税が景気後退の原因であるならば、まずは即刻消費税を5%へと減税し、そして福祉や教育を拡充して庶民の暮らしを応援する政策こそ、最大の景気対策となり得るのではないでしょうか。同時に、税金は、庶民や中小企業からむしり取るのではなく、所得税の累進性を見直し、大企業や大富裕層にも応分の負担を求める税制改革こそ必要であります。 市独自の景気対策として住宅リフォーム助成制度の実施は否定をされておりますが、国による景気対策は期限付であり、そしてこの施策があってなお景気が後退をしている現状では、その効果も期待ができません。 市として住宅リフォーム助成制度をはじめとした即効性のある景気対策案を打ち出すことを強く要望いたします。 新型肺炎についてであります。 全国一律の一斉休校の要請は、教育委員会のみならず、対象の児童を抱える保護者の皆さんにも大変な混乱をもたらしております。 卒業式のやり方をめぐっても方針が二転三転し、このことについても市民の方より市の対応を批判する声も聞いております。また、市の公式発表の前に市長が御自身のツイッターで情報を流されたために、余計に保護者の方や現場に混乱をもたらすことにもなっております。 特に今回のような全市民的に注目が集まり、多くの方が神経をとがらせている中での情報発信については、やはりより慎重に行っていただく必要があるのではないかと指摘をしておきます。また、休校に伴い保護者の方が仕事に行けなくなることへの休業補償、業者に対する経営支援などの必要な財源についても国に求め、確保していただくよう要望いたします。 感染拡大を予防するための情報発信について、紙媒体での広報は難しいと述べられました。仮に紙での周知が難しいというのであれば、例えば消防車両等で音声による周知も可能だと思います。市民の皆さんに予防について周知をすることこそ、感染拡大防止にもつながるのではないでしょうか、意見として述べておきます。 新年度予算についてであります。 個別の内容については、後日の各分科会で質問もしてまいりたいと思います。 今後の市民負担を考えれば、やむを得ない事業であっても、やはり内容の精査は必要だと考えます。また、中間世代への施策が弱い点も指摘をいたしましたが、今後市民税の歳入を確保していく上でも、特に現役世代の暮らしを応援する施策の打ち出しが必要と考えます。 次に、クリーンセンターの建設についてであります。 クリーンセンターは、市内のどこに建設をするにしても、周辺住民の方には負担となる施設であります。建設後も奈良市だけで平日は平均120台ほどの収集車が出入りし、さらに事業系ごみや持込みの車両もそれに加わることとなります。施設をコンパクトに抑えることができれば、地元への負担を軽減することにもつながります。施設建設ありきや広域化ありきの計画ではなく、奈良市として、ごみをどこまで減らしていくのか、ごみ処理の在り方そのものを見直す時期ではないかと考えます。まずは、ごみ減量の目標を定め、具体的にどう対応していくのか、その計画をまず示していただくよう強く要望いたします。 県総合医療センター跡地活用についてであります。 特に大きな問題は、計画が変更されたにもかかわらず、その説明がまちづくり協議会に説明をされていないという問題であります。これについては、早急に協議会での説明を行うよう、まず要望いたします。 そして、まちづくりゾーンとなる面積が当初の計画よりも大きく縮小されている点についても、まずは地域の皆さんとの話合いが必要ではないと思います。一方的な計画の押しつけとならないよう協議会の開催頻度なども検討いただき、対話によるまちづくりを実践していただくよう要望いたします。 子どもセンターについてであります。 特に人員配置について、市長からは国基準を超えての配置については言及はありませんでした。国の基準は、あくまでも最低基準であります。1人当たりのケース数が40から50ケースとなることが国基準の根拠でありますが、人口3万人に1人の配置であっても、ケース数がこの範囲を超えることも考えられます。その際に、国の基準を超えて職員を配置するのか、また予算についても措置する考えがあるのかどうかについても問われてまいります。細かい点については分科会でもお聞きをしたいと思いますが、市長が決意を持って臨まれるというのであれば、市独自の財源の裏づけも同時に示していただくよう要望いたします。 最後に、保育園民営化についてであります。 署名が提出をされた件について、市長は真摯に受け止めるとお述べになりました。保護者の方からは、「市立園では障害を持った子供でも分け隔てなく見てもらえる」、「競争がなく伸び伸びと通ってくれている」、「特色がないことが子供にストレスを与えなくていい」と市立園を評価する声が多く寄せられております。保護者の方からも評価をされてきた市立保育園の役割を市内各地域からなくしてしまって本当にいいのか。また、右京と鶴舞の民営化すら終わってないうちに、さらに5つもの園を一気に民営化しようする市長の方針は余りにも拙速であり、これまでの経緯を見ても、反対の声を聞かずに粛々と進めるやり方であり、この方針には賛同することはできません。 市立保育園の民営化の計画は中止をするよう強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(宮池明君) 以上で代表質問は終わりました。 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時58分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(森田一成君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(森田一成君) 引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 1番道端君。   (1番 道端孝治君 登壇) ◆1番(道端孝治君) 自民党の道端です。 通告のとおり、PTA組織と行政との関わりについて、特に奈良市教育委員会と学校単位のPTA--以下PTAと略します。学校単位のPTAとの関わりについて、教育部長に数点お尋ねします。一括質問一括答弁でお願いします。 まず1点目として、奈良市教育委員会としてPTAについてどのような認識を持っておられるのかお聞きします。 PTAとは、各学校で組織された保護者と教職員による社会教育関係団体です。昨今では、そのPTAへの強制的な加入や活動の負担が議論を呼んでおり、PTA不要論までも出て社会問題に発展した地域もあります。 本市におきましても、それぞれの公立学校・園におきまして、その学校・園の特色に合わせてPTAが組織され、活動されておりますが、同じように、不要論まではいかなくとも、大なり小なり問題が出てきているのも事実であります。 そこでお聞きします。 奈良市教育委員会として、PTAに対しての基本的な認識をお答えください。 次に、奈良市教育委員会としてPTA活動をどのように支援できるのかについてお聞きします。 社会教育法上、社会教育関係団体であるPTAに対して、教育委員会はPTAの求めに応じ、「専門的技術的指導又は助言を与えることができる。」、また、「社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う。」とあります。一方、「いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。」ともあります。 先ほども申しましたが、昨今PTAについての問題や課題が表面化しております。そのような中で、その対応に苦慮されているPTAの役員や問題提起をされている保護者に対して、奈良市教育委員会として専門的指導や助言を行うなどの必要性が感じられます。 そこで2点目として、奈良市教育委員会としてPTAに対してどのような支援をできるのかお答えください。 次に、3点目として、学校行事に係る経費などの運営費や学校設備の備品購入費をPTAが負担している点について、奈良市教育委員会の認識を求めたいと思います。 本来、学校行事に係る経費などの運営費や学校設備の備品購入費は、当然公費で賄うものであり、学校教育法上では設置者の負担とされています。 しかしながら、一部の学校では、学校行事である運動会で児童が使用するテントのレンタル費を数年間にわたりPTAが支払っていたり、PTAの備品と称して、同じくテントの購入や熱中症予防のための業務用製氷機を購入している等の事例があることが分かりました。PTA会費の使途は、PTA会員の総意を基に決定されるもので、その使途については組織の自由裁量ですが、だからといって、それを公金で賄うべきものを肩代わりすることは違法である可能性があります。 奈良市教育委員会として、これらの点をどのように認識されているのかお聞きいたします。 以上で1問目とします。 ○議長(森田一成君) 教育部長。   (教育部長 中西寿人君 登壇) ◎教育部長(中西寿人君) 道端議員の御質問にお答えをいたします。 PTA組織と行政の関わりについて、まず、PTA組織をどのように認識しているかとの御質問でございます。 PTA組織は、学校と保護者と、そして地域の連携協力を進めながら、子供の周りに立つ大人がそれぞれの立場で子供たちのために今何をしなければいけないか、何が必要なのかを考え行動する組織であると理解しております。したがいまして、学校の教育活動において欠くことのできない団体であると認識しているところでございます。 続きまして、学校単位のPTA活動への支援についての御質問でございますが、市教育委員会といたしましては、学校単位のPTA活動に対しましては、直接具体的な支援は行っていないのが現状でございます。しかし、奈良市PTA連合会に対しましては運営補助を行い、活動が活発に進むよう積極的な支援を行っております。 奈良市PTA連合会では、各学校単位のPTA活動の状況や要望を集約している状況でございまして、市教育委員会も連合会を通じて情報共有を行いながら課題解決に向けた協議を行っているところでございます。 あと一点、PTA会費の一部が学校の運営費に使われているのではないかという御指摘でございます。 今日までPTA側の御厚意によりまして、会費収入の一部を充て、子供たちが使用する物品購入や運動会の際のテントの設営経費等について御負担をいただくなど、学校側に対して御協力いただいていることは、私どもも承知しているところでございます。 しかしながら、本来学校の管理運営や教育活動に必要な経費については、御質問にもございましたが、設置者である本市が負担することが原則でございまして、安易にPTA会費に負担を求めることは適切でないと考えております。 そのため、教育委員会といたしましては、安易にPTA会費に負担をお願いすることがないよう、また学校配当予算の計画的な、適切な執行を行うよう各学校に周知徹底を行っているところでございます。また、併せまして、学校の管理運営や教育活動に必要な経費の確保にも努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 1番道端君。 ◆1番(道端孝治君) 2問目は自席より意見並びに要望をさせていただきます。 まず、奈良市教育委員会としてのPTAの認識については確認させていただきました。 学校の教育活動において欠かすことのできない団体であると認識しているとのこと、すなわち学校の教育活動においては必要な団体であり、いわゆるPTA不要論を否定されたと理解させていただきます。 次に、PTAの支援についてでございます。 現状、PTA活動に対して直接には具体的な支援は行っていないとの御答弁でした。少し残念でございます。どうか専門的見地から支援等を考えていただきたいと思います。 組織の運営や課題について専門的な見地から助言を欲しているPTAはたくさんおられます。個人情報の取扱い、入会届・退会届の在り方、役員選出における人権問題等、普通の保護者であるPTA会員では対処し切れない問題に直面しています。PTAの現状を把握してください。市長も教育長も各PTAの代表との交流の中で様々な意見を聞かれていると思います。 行政としてPTAが必要な団体と考えておられるなら、どうかその問題、課題を認識していただいて、具体的に対処できる支援策で支援していただくことを要望させていただきます。 次に、学校行事に係る経費などの運営費や、学校設備の備品購入費をPTAが負担している点についてですが、現状をお認めになり、適切な行為ではないとのお答えをいただきました。 重ねて申し上げますが、公費で負担すべき費用を、安易にPTA会費からの支出を認めることは、教育予算の不足という行政の怠慢を保護者に転嫁することにつながりかねません。学校側にも、慣例化していたとはいえ、PTA会費を便利な財源として見る甘えがあったことは否定できないと思います。 今後は公費で負担すべき項目とPTA会費などで賄える項目の明確化を図っていただき、そして、よりよい教育環境を望むPTA等の考えに基づき、適正な費用分担を考えて実施することを各学校・園長に周知徹底していただくようお願いします。 最後になりますが、改めてお願いします。 新型コロナウイルス肺炎対策のため、市内全公立学校・園が休校になり、奈良市教育委員会のみならず、学校・園の現場がその対応で大混乱しています。教職員だけでなく、PTAも混乱しているとお聞きしております。 先ほどは奈良市教育委員会としてPTAには具体的な支援はしていないとのことでしたが、この緊急事態においてできるだけPTAをバックアップしていただきたいと思います。特に子供が登校できず、PTAとしても学校で集団で集まることを自粛している今、PTAから情報を発信する手段が限られ、困惑しているとお聞きしております。 先日、教育委員会が運用しているICT、例えばサポートネットや学校ホームページをPTAが活用することについて柔軟な対応をしていただきました。今後も拡大していくだろう教育委員会のICTをPTA活動の支援に活用できるよう、柔軟な対応をしていただくよう要望させていただきまして、私の質問を終わります。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。   (26番 藤田幸代君 登壇) ◆26番(藤田幸代君) 公明党の藤田幸代です。 既に通告しております数点について一問一答方式で、市長をはじめ、関係理事者へ質問させていただきます。 初めに、子供の貧困対策についてお尋ねいたします。 平成28年に行われた本市の子供の貧困実態調査において、子供の貧困割合は6.2人に1人の割合で、子供が貧困状況に置かれているという調査結果があります。そうした子供の貧困状況の中で、母子家庭の貧困状況については、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2018年に行った調査結果から、母子家庭の半数以上が貧困状況に置かれており、13%がディープ・プア状況にあると報告されております。その母子家庭の中でも、これまでは婚姻歴のあるなしにより受けられる公的支援に格差が生じておりました。 私ども公明党は、子供の貧困対策に焦点を置き、こうした婚姻歴のあるなしという親の事情で子供への公的支援に格差を生じさせてはならない、子供への支援の公平性を担保するよう国に強く求めてまいりました。そして、ようやく国において、未婚の独り親家庭にも寡婦控除を適用する方針が、昨年末の令和2年度与党税制改正大綱で閣議決定となったところであります。 ここに至るまで未婚の独り親家庭に対して、寡婦控除のみなし適用や、平成30年末には、令和元年度の税制改正として令和3年度から年収約240万円以下の人を非課税にすること、さらに今年度には臨時の予算措置を実現してきました。 そこで、1問目として、これまで未婚の独り親家庭に対して寡婦控除のみなし適用は、各自治体により対応されてきておりますが、本市ではどのような対応を取られてきたのか、子供の貧困対策、独り親家庭の支援を所管する子ども未来部長にお尋ねいたします。 これを私の1問目といたします。 ○議長(森田一成君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) 藤田議員の御質問に自席よりお答えをさせていただきます。 本市における対応についてでございますが、先進自治体における未婚の独り親への寡婦控除のみなし適用の流れを受けまして、平成27年度から当該制度の導入に向けた庁内調整を始めさせていただきました。 その後、平成28年4月から、20歳未満の子を扶養する未婚の独り親家庭に対しまして、子育てに関連するサービスなどを受ける際に、所得が影響すると想定される事業におきまして寡婦控除のみなし適用を市独自で実施しております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 2問目以降は自席にて質問いたします。 本市では、平成28年度から寡婦控除と想定される事業において、みなし適用してくださっていたとのことでした。 次に、総務部長に、令和2年度税制改正により、未婚の独り親家庭に対して寡婦控除が適用となることが閣議決定されておりますが、寡婦控除の適用を受けるための手続について。また、その手続により、いつから、どのような経済的負担軽減につながると考えられるのかお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 未婚の独り親家庭に対しての寡婦控除の適用の手続でございますが、この方針が閣議決定されまして、地方税法等の一部を改正する法律等が国会の審議中でございます。 関連の法令が改正されますと、令和2年分以降の個人所得税、そして令和3年度分以降の個人住民税においては、未婚の独り親に寡婦控除が適用される見込みでございまして、行政サービスの使用料などの算定などにも反映されるというふうに考えております。 この控除を受けていただくためには、対象者御自身が、所得税ですと令和2年分の年末調整や確定申告、住民税におきましては令和3年度分の申告において、未婚の独り親であることを申告していただく必要があると考えております。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 総務部長の今の御答弁で確認させていただきたいと思います。 いつからの負担軽減になるのかというと、個人所得税に関しては令和2年12月の年末調整や、令和3年2月、3月の確定申告により還付される。また、個人住民税に関しては、令和3年6月頃から納付に反映される。また、住民税が確定された後、その他の行政サービスに反映されるということでよろしいでしょうか。 ○議長(森田一成君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) お答え申し上げます。 藤田議員のおっしゃるとおりでございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) それでは、同じく総務部長に、寡婦控除を受けるための手続は対象者自身の申告等によるということでしたが、申告説明書類というのはなかなか分かりづらいところがあります。 対象者であるのに御本人が気づかずに支援から漏れてしまうことがないよう、行政として取り組むことが大切であると考えますが、住民税を所管する総務部として積極的周知に努めていただきたいと考えますが、そのための取組についてお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 総務部長。 ◎総務部長(吉村啓信君) お答え申し上げます。 税制改正によりまして市民税・県民税が改正されましたら、その主な改正点の詳細につきましては、毎年ホームページに掲載しているところでございます。また、市・県民税申告書に同封しております案内につきましても、毎年、税制改正による市民税・県民税の主な改正点を記載しているところでございます。その表現などにつきましては、多くの方に内容を理解してもらえるようにするため、申告者目線で分かりやすいものになるようにしていきたいというふうに考えております。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 次に、子ども未来部長に、独り親家庭の支援を所管する子ども未来部として、対象者となる未婚の独り親家庭の方の把握はできるのか。また、子ども未来部でできる対象者へ周知するための取組についてお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) お答えをさせていただきます。 対象者の把握と周知の方法につきましては、子ども未来部として正確に対象を把握するということは難しいと考えております。 しかしながら、対象者を多く含んでいると思われる独り親家庭等医療費助成などの更新時の案内に、チラシを同封するなどの方法で周知を行うことは可能であると、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 未婚であるがゆえに、公的支援の対象でなかった独り親家庭にようやく支援の手が届くようになりますので、積極的周知に努めていただきますことを要望いたします。 同じく子ども未来部長に、最初の質問で、未婚の独り親家庭に対してこれまで寡婦控除のみなし適用で対応されてきたということでしたが、制度の移行に当たり、今回の税制改正で寡婦控除が適用されるまでの期間、また手続は対象者自らの申告によるものですので、その手続から漏れる方も出てくることを懸念して、しばらくはみなし適用の継続が必要ではないかと考えます。その対応についてどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) お答えさせていただきます。 現在、みなし適用の対象事業は複数ございます。事業によりまして参照する課税対象所得の年の切替時期が異なってまいります。制度の移行に伴いまして、対象者が手続から漏れることのないよう関係各課と調整をしまして、みなし適用制度の終了の時期を決めていきたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 前向きに取り組んでくださると感謝いたします。 最後に、未婚の独り親家庭の支援もその一つである子供の貧困対策について、市長にお尋ねいたします。 今年度が計画期間の最終年度となる奈良市子どもの豊かな未来応援プランでの3年間の成果として、地域での学習支援事業が挙げられますが、ほかの部分では子供の貧困対策として効果が検証できるようなものがなかったのではないかと考えます。 次期計画の策定に当たり、子供の貧困対策を前に進めるために、これまで我が会派から政策・予算要望してまいりました中に、子供の貧困対策として、フードドライブに取り組み、福祉的活用をしてはどうか、就労支援であるバンビーホームの夏休み等昼食提供事業に子供の貧困対策という目的も含めてはどうか、また、就学援助制度の支給基準を中核市平均並みに拡大することなど、提案してまいりました。 次期計画の策定に向けて、市長のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 次期の奈良市子どもの豊かな未来応援プラン、いわゆる子どもの貧困対策計画についてでございますが、この件につきましては、平成29年3月に策定をいたしておりまして、教育支援の充実、生活支援の充実、経済的支援の充実、そして関係機関と連携した支援の整備という4つを施策の柱と位置づけ進めてきております。 本年度につきましては、計画期間の最終年となるものでございますが、本年度中に国の子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正があり、その中で子供の貧困対策に関する大綱の見直しもあり、指標の改善、また追加などがありましたことから、本市におきましては、現行の計画を一旦延長させていただきまして、その後、次期計画を策定していきたいというふうに考えております。 議員から御提案いただきましたフードドライブであったり、またバンビーホームの昼食提供に際して子供の貧困対策という視点を取り込む、また就学援助の見直しなど、様々な視点について御提言をいただいております。これらの御提案も踏まえて、次の計画の策定の参考とさせていただきたいというふうに考えております。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 親の婚姻歴のあるなしによって、独り親家庭の子供が受けられる公的支援に違いがあるのは、公平性の観点からもあってはならないことでありました。まして子供の貧困状況に占める割合が大きい母子家庭の中での支援の格差です。ようやく未婚の独り親家庭にも光が当たる税制改正が実施の方向となっておりますので、行政としても丁寧な対応をお願いいたします。 次期奈良市子どもの豊かな未来応援プラン策定に当たりましては、今ある子育て事業等を子供の貧困対策に当てはめるのではなく、貧困層にいかにアプローチをかけていくことが対策になるのか、それに対してどの事業が有効な対策になるのかしっかり検討していただき、子供の貧困対策を前に進めていただきたいと要望いたします。また、現在、奈良市では子ども・若者支援地域協議会設立に向けて進めてくださっておりますが、子供の貧困対策もそうしたプラットフォームで検討していくべきテーマでもあると考えます。子供の貧困対策は、全庁挙げて地域との一体的取組でなければならないことを主張させていただきます。 次に、支援が必要な児童・生徒へのICT端末の活用について、教育部長にお尋ねいたします。 他会派の代表質問でGIGAスクールについて取り上げられましたが、国が令和5年度までに小学校、中学校の児童・生徒へ、ICT端末であるパソコン端末の1人1台の配置に向けて整備を進めていくとされており、本市においても、令和2年度に小学校4年生、5年生、6年生と中学校全生徒分の申請を既にされているとのことでした。このことにより、全児童・生徒へのICT教育が大きく進むと同時に、読み、書き等に困難があり、パソコン端末を活用することで課題を克服できる児童・生徒にとって、ICT環境が整うことに大きな意味があります。 そこで、読み、書き等に支援が必要な児童・生徒が使用するものにデイジー教科書等音声教材がありますが、本市において、現在そうした音声教材等が必要となる子供の実態数について、また、令和2年度には小学校4年生、5年生、6年生と中学校全学年を計画しているということでもありましたので、令和2年度に配備の対象とならない小学校1年生、2年生、3年生の音声教材が必要な子供の実態数についてお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 教育部長。 ◎教育部長(中西寿人君) 藤田議員の御質問にお答えを申し上げます。 デイジー教科書等音声教材が必要となる子供の実態についてでございます。 議員お述べのマルチメディアデイジー教科書は、読み上げられる部分が明るい色で強調され、特に読むことに困難がある子供たちのサポートができるような仕様になってございます。 このようにパソコン端末を活用したデイジー教科書など、本市における音声教材の使用状況につきましては、本年2月末現在、本市立学校の中学生で18名、小学校高学年で11名、低学年で5名、合わせて34名がその対象となってございます。 しかし、平成24年、少し前でございますけれども、文部科学省が行った調査によりますと、通常の学級に在籍する児童・生徒のうち、読むこと、または書くことに著しい困難を示す割合が2.4%あるとの報告も出てございます。 パソコン端末を活用した支援が必要な子供たちは、潜在的にも多くいると考えられることから、特性に応じた活用を進める必要があります。そのため、児童・生徒の実態について的確に把握し、効果的な指導への取組を充実してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 御答弁にもありましたが、文部科学省の平成24年の報告では、読み、書くことに支援が必要な児童・生徒の割合は2.4%いるとあります。この割合を当てはめてみますと、本市の直近の児童・生徒数では、読み、書くことに支援が必要になるのが小学校で約375人、中学校で約176人ということになります。国の割合ではありますが、大きく相違することはないと思います。平成30年の質問でも取り上げておりますが、そのときの活用人数が12人でありましたので、現在34人ということで増えているということに一定の評価はさせていただきますが、まだまだ対象となる児童・生徒を見立てる目、教員の認識・スキルの向上が必要であると考えます。 次に、パソコン端末が令和2年度の配備の対象とならないデイジー教科書等音声教材が必要となる小学校1年生から3年生の子供へは、少しでも早くパソコン端末を整えてあげるべきであると考えますが、そうした児童への端末の運用の仕方について、またそうした子供たちは授業で活用するだけでなく、ホームルームや休憩時間など学校生活の中でも必要となります。 小学校1年生から6年生、中学生も含め支援が必要な子供への端末の運用に、ほかの子供たちとは違った対応や配慮が必要となると考えますが、どのような対応を取っていかれるのか、その考えについてお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 教育部長。 ◎教育部長(中西寿人君) お答えをいたします。 パソコン端末の活用と今後の対応について、運用面に関わっての御質問でございます。 例えば書くことが困難な子供たちは、黒板に書かれた学習内容をノートに書き写す代わりにカメラ機能を用いて記録するなど、一人一人の状況に応じた活用を行っているところでございます。どの学年であっても支援を必要とする子供たちに対しまして、パソコン端末を用いた学習支援は有用であるため、パソコン端末の配備に当たりましては、対象となっていない学年の子供たちにも校内で柔軟な運用ができるよう検討しているところでございます。 今後、子供たちの特性や状況を的確に捉えた適切な支援ができるよう、教員のICT活用力向上に関わる研修の充実と、各校におけます特別支援教育推進の中核となる教員の育成を進めてまいります。 また、パソコン端末の配備につきましては、特別な支援を必要とする子供たちに対しまして、効果的な利活用ができるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 前向きな取組をすると御答弁いただきました。ありがとうございます。 支援が必要な児童・生徒へのパソコン端末の柔軟な運用を進めていただくとともに、学校の中でパソコン端末の特別な運用により支援される児童・生徒に対して、周りの児童・生徒の理解を進める取組も同時に必要なことでありますので、学校全体で取り組んでいただくことを主張いたします。 学校でのICT環境が整う機会に、支援が必要な児童・生徒をしっかり見立てていただき、支援を行き渡らせることで、全ての子供たちの学びが確保されますことをよろしくお願いいたします。 次に、未就学児安全対策整備について、子ども未来部長にお尋ねいたします。 令和元年5月に大津市で起きた保育園児らを巻き込んだ交通事故を受け、全国で緊急点検が行われ、その結果により、これまで小学校の通学路への安全対策が進む一方で、未就学児の安全対策が新たな課題として浮かび上がってきました。国においても今年度補正予算、来年度予算で財源を確保し、未就学児の安全対策を進めようとしています。 本市でも未就学児の園外活動などでの安全を確保するため、令和2年度の新規事業として、主要な施策の一つに未就学児安全対策整備が挙げられております。 そこで、昨年、本市が未就学児の園外活動で使用する経路等について合同点検が行われております。その結果と今回の事業での整備計画についてお聞かせください。 ○議長(森田一成君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) お答えをさせていただきます。 合同点検の結果と今回の事業での整備計画についてでございますが、本市におきましては、対象施設における未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を令和元年9月から10月にかけて実施いたしました。 その結果、対策が必要と判断されました危険箇所数は、幼稚園4か所、保育所・地域型保育事業所34か所、認定こども園23か所、認可外保育施設22か所、児童発達支援事業所1か所となっております。 それらの危険箇所に対しまして防護柵、区画線の整備による歩道の確保や、運転者への注意喚起を促すための看板設置による未就学児に対する安全対策を行ってまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 合計84か所の危険箇所があったということで、今回の整備計画では防護柵と歩道確保のための区画線整備、注意を促す看板の設置により未就学児の安全の確保を計画されているということでしたが、厚生労働省等からは、昨年11月にキッズ・ゾーンの設定の推進についての通知が出されております。 キッズ・ゾーンについては、既に小学校等通学路に設けられているスクールゾーンに準ずるものとし、自治体が保育施設、道路管理者、警察などと協議して設定できるとされておりますし、何より車の運転手への注意を促す手段としては、キッズ・ゾーンを道路標示することが有効であると考えます。 今後、本市においてキッズ・ゾーンを設定し、整備していく考えについてお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(真銅正宣君) お答えをさせていただきます。 キッズ・ゾーンの設置に関しましての考え方でございますが、キッズ・ゾーンの設定につきましては、散歩などの園外活動等の安全を確保するための重要な手段の一つであると認識しておるところでございます。 実施に当たりましては、各地域の実情に応じまして設定を検討していく必要があるため、各対象園の状況を関係者とともに確認するとともに、実施に向けた検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) キッズ・ゾーンの設定について検討を進めていくと御答弁いただきました。 私も運転をしていて一番目に入ってくるのが道路面の標示であります。事故を起こさせない、未然防止する安全対策をよろしくお願いいたします。そして、防護柵や区画線の対策も含めて、緊急性のあるところから優先する対応をお願いいたします。 最後に、議案第9号 奈良市児童相談所基金条例の制定について、市長にお尋ねいたします。 警察庁がこのほど公表した2019年の犯罪情勢統計で、虐待の疑いで児童相談所に通告された子供の数は過去最多を更新し、言葉による脅しや無視、面前DVなど、心理的虐待が約7割を占めるとあり、また警察が虐待を事件として摘発した件数も過去最多を更新したということです。 先月の厚生消防委員会の答弁の中でも、本市における今年度の児童虐待に関する相談件数が過去最高であった昨年度の同時期と比べて上回る状況であるとありました。 こうした児童虐待をさせない、未然防止していく子育て支援の充実、そのための仮称子どもセンターの設置とともに、児童相談所を中核市として設置準備をされております。 しかしながら、児童相談所の運営のためには、安定した財源確保が大きな課題となってまいります。虐待状況に置かれている子供に対して継続的・安定的支援を維持し、確保していくため、我が会派から児童相談所基金を設けてはどうかと提案させていただきました。今回、その条例の制定に向けた議案が上げられております。 そこで、奈良市児童相談所基金創設の目的と概要についてお聞かせください。 ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今回、創設をしようといたしております奈良市児童相談所基金につきましては、次世代を担う子供たちの健やかな成長を支援し、その家庭への子育て支援の充実を図るために取り組んでいる児童相談所の整備、それから運営を円滑かつ安定的に推進していくための財源確保を目的といたしております。 この基金につきましては、平成31年2月から開始をいたしておりますふるさと納税の児童相談所整備応援と、それからこれ以外に、児童相談所の設置に対して市民の方から応援をいただいた寄附金を原資とするものといたしております。既に1000万円を超えるふるさと納税と4653万円の寄附金を頂戴いたしており、これらの基金でまずは運用していきたいと考えております。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 最初に申し述べました過去最多となる児童虐待通告件数の状況を受けて、国は、令和2年度に児童相談所を設置する自治体への財政支援を拡充する方針で、施設整備に充てられる地方交付税の割合の国負担50%を72.5%へ引き上げることなどが決定されました。施設整備のための国の支援は手厚くなりましたが、運営のための財源としての国からの地方交付税額は、毎年安定していない状況であります。 そうした状況を踏まえて、児童相談所を安定的に運営していくための基金の創設でありますが、ランニングコストに対してどのような運用をしていくのかお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 児童相談所の運営につきましては、国庫支出金として子ども・子育て支援交付金及び児童虐待・DV対策等総合支援事業費国庫補助金、また施設入所経費に対しましては、児童入所施設措置費等国庫負担金及び障害児入所給付費等国庫負担金などによります財源措置、さらには地方交付税措置の予定を見込んでおります。議員御指摘のとおり、安定したセンター運営を行うため、必要に応じ繰入れ等も必要になってくると考えております。 児童相談所や一時保護所が関わる子供たちは、児童虐待などを理由に様々な環境下での生活を送っております。そのような子供たちに対して基金を有意義に活用し、毎日の生活を安定させ、子供たちの成長や発達に役立つための物品や事業に基金を活用していきたいと考えているところでございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) ランニングコストを検討するのに当たり、そもそも児童相談所が担うべき役割、事業についてどのようなものがあるのかお尋ねいたします。 ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 児童相談所につきましては、子供に関する相談に応じ、子供の有する問題を的確に把握し、最も効果的な援助を行い、子供の福祉を図るとともに、その権利を擁護することが求められております。 事業としては、様々な理由により保護者と一緒に暮らすことができない子供を里親や乳児院、児童養護施設等に措置する事業、そして児童虐待等の相談に24時間365日体制で対応するための事業、そして里親委託の推進、また里親家庭への支援を行う事業、そして施設を退所した後の親子の再統合事業や自立支援事業などがございます。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 児童相談所の役割には相談、援助から一時保護施設などへの措置、里親家庭への委託した後の支援、施設を退所した後の自立支援まで、1人の子供に長く寄り添った支援をしなければならない機関であることが分かりました。それだけに児童相談所の果たす役割の大きさを実感いたします。 そこで、この基金の頼みの綱となるのが寄附金やふるさと納税でありますが、長く御支援いただくためには、児童相談所の状況等を広く報告していくことにより、関心を持って見守っていただくことが必要になるのではないかと考えます。今後の基金を維持していくための取組について、市長のお考えをお尋ねいたします。
    ○議長(森田一成君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) この基金の主な財源は、先ほど申し上げましたように寄附金でありまして、ふるさと納税の児童相談所整備応援の部分につきましては、児童相談所開設後も継続をして求めてまいりたいと考えております。 さらに、児童虐待が社会問題となり関心が高まっており、子供たちのために何かできることはないかと思っておられる市民の方々も多くおられると考えます。このような方々に対しまして児童相談所の役割をしっかりとお伝えし、関心をお持ちいただくために、市としてもしっかりと広報に力を入れていくことが重要であると思っております。 今後は、児童相談所の整備及び運営を含めた子育て支援への取組を充実し、安定した運営を可能とするためにホームページや市民だよりなどでも広く広報を行い、今後も長く基金が活用できるよう、多くの方に御寄附を呼びかける取組を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(森田一成君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) ありがとうございます。 今回、私は子供に視点を置いた支援の充実について質問させていただきました。 市長は、奈良市の令和2年度予算を「いのちと子どもを守る予算」と名づけられました。現在、世の中は不安定な世界情勢や感染症の拡大の懸念、それによる経済への影響などという不安材料が後を絶たない状況下ではあります。そうした状況ではありますが、まずは、奈良市で育まれる命、子供たちが明るい未来に向かっていけるような支援体制の充実をお願いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(森田一成君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明5日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(森田一成君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。----------------------------------- △会議時間の延長 ○議長(森田一成君) 予算決算委員会分科会開催のため、会議時間を午後6時まで延長いたします。----------------------------------- ○議長(森田一成君) 本日はこれで散会いたします。   午後4時15分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長   森田一成              奈良市議会副議長  宮池 明              奈良市議会議員   横井雄一              奈良市議会議員   早田哲朗              奈良市議会議員   九里雄二...