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12月04日-02号

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  1. 奈良市議会 2017-12-04
    12月04日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    平成29年 12月 定例会平成29年奈良市議会12月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   平成29年12月4日(月曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第98号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて  議案第99号 平成29年度奈良市水道事業会計補正予算(第1号)  議案第100号 平成29年度奈良市下水道事業会計補正予算(第1号)  議案第101号 奈良市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について  議案第102号 奈良市立こども園設置条例等の一部改正について  議案第103号 奈良市心身障害者医療費の助成に関する条例の一部改正について  議案第104号 奈良市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部改正について  議案第105号 奈良市都市公園条例及び奈良市行政財産使用料条例の一部改正について  議案第106号 工事請負契約の締結について  議案第107号 訴えの提起について  議案第108号 反訴の提起について  議案第109号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第110号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第111号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第112号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第113号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第114号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第115号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第116号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第117号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第118号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第119号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第120号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第121号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第122号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第123号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第124号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第125号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第126号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第127号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第128号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第129号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第130号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第131号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第132号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第133号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第134号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第135号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第136号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第137号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第138号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第139号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第140号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第141号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第142号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第143号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第144号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第145号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第146号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第147号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第148号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第149号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第150号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第151号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第152号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第153号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第154号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第155号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第156号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第157号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第158号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第159号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第160号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第161号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第162号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第163号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第164号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第165号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第166号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第167号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第168号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第169号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第170号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第171号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第172号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第173号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第174号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第175号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第176号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第177号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第178号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第179号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第180号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第181号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第182号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第183号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第184号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第185号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第186号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第187号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第188号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第189号 公の施設の指定管理者の指定について  議案第192号 平成29年度奈良市一般会計補正予算(第5号)  議案第193号 平成29年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)  議案第194号 平成29年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第1号)  議案第195号 平成29年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第2号)----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(39名)  1番 道端孝治君      2番 塚本 勝君  3番 樋口清二郎君     4番 山出哲史君  5番 林 政行君      6番 松下幸治君  7番 阪本美知子君     8番 山本直子君  9番 白川健太郎君     10番 山本憲宥君  11番 太田晃司君      12番 階戸幸一君  13番 横井雄一君      14番 宮池 明君  15番 早田哲朗君      16番 三橋和史君  17番 大西淳文君      18番 柿本元気君  19番 酒井孝江君      20番 山口裕司君  21番 北村拓哉君      22番 八尾俊宏君  23番 東久保耕也君     24番 内藤智司君  25番 植村佳史君      26番 藤田幸代君  27番 田畑日佐恵君     28番 九里雄二君  29番 三浦教次君      30番 松石聖一君  31番 鍵田美智子君     32番 井上昌弘君  33番 松岡克彦君      34番 森田一成君  35番 土田敏朗君      36番 北 良晃君  37番 中西吉日出君     38番 伊藤 剛君  39番 森岡弘之君 欠席議員  なし----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      津山恭之君  副市長      向井政彦君   危機管理監    西岡光治君  総合政策部長   染谷禎章君   総務部長     乾 尚浩君  財務部長     中西寿人君   市民生活部長   川尻 茂君  市民活動部長   澤野井 保君  福祉部長     堀川育子君  子ども未来部長  木綿延幸君   健康医療部長   上野満久君  環境部長     山村栄之君   観光経済部長   梅森義弘君  都市整備部長   岡本善昭君   建設部長     杉野高広君  会計契約部長   神田久美君   企業局長     池田 修君  消防局長     藤村正弘君   教育長      中室雄俊君  教育総務部長   尾崎勝彦君   学校教育部長   北谷雅人君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   吉村啓信君  財政課長     増田達男君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     米浪高之    事務局次長    小川祐弘  事務局参事議事調査課長事務取扱  議会総務課長   中谷陽子           梶 正樹  議事調査課長補佐 秋田良久    議事係長     杉野真弥  調査係長     岡本欣之    議事調査課書記  美並彰悟-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○議長(北良晃君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第98号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外95件(質疑並びに一般質問) ○議長(北良晃君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第98号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第189号までの92議案及び議案第192号 平成29年度奈良市一般会計補正予算より議案第195号までの4議案、以上96議案を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る11月29日の本会議において、市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 11番太田君。   (11番 太田晃司君 登壇) ◆11番(太田晃司君) おはようございます。自由民主党の太田晃司です。 平成29年も残すところ1カ月を切りました。振り返りますと、1月の米国でのトランプ政権の誕生に始まり、フランス、ドイツ、イギリス等主要各国で国政選挙が相次いだ1年となりました。我が国においても、10月に衆議院議員選挙が執行され、安倍総理を先頭に自公連立政権のもとで、安定かつ丁寧な政治を目指して政権運営が託されることとなりました。 今、国外に目を向ければ、北朝鮮の北東アジアの脅威等に対応できる安定した外交能力が、また、国内においては超高齢化、そして少子化の時代に対応できる安心・安全の社会基盤の確立が求められています。 奈良1区では、奈良市に加えて生駒市が新たに選挙区となり、新選挙区において自民党候補が当選するなど、奈良市のまちづくりを強力に進めていくために、国政と県政、そして市政のそれぞれの立場で与党議員がともに連動していくための体制づくりが整ったと言えます。 3期目の仲川市政におかれましても、本市に与えられた魅力を最大限に発揮できるよう、二元代表制である行政と議会の歯車が切磋琢磨しながら前進をし、市政発展につながるように私たちも一層努力をし、また、願うものであります。 それでは、会派を代表し、通告に従って、市長並びに教育長へ質問をさせていただきます。 最初に、平成30年度予算編成方針について伺います。 さきの9月定例会で平成28年度決算の内容が明らかになったように、本市の財政状況は経常収支比率が100%を超えるなど、依然として厳しい状況が続いている中、奈良市に住んでよかったと思っていただけるような市民の福祉向上を目指した施策の充実が求められています。 そこで、平成30年度予算編成に当たって、その方向性について数点お尋ねをいたします。 9月定例会及びさきの総務委員会では、我が会派の同僚議員からの質問で、第4次総合計画後期基本計画の実施計画による収支不足は平成30年度で12億円を見込んでおり、予算編成の過程で精査し解消していくとのことでありましたが、単年度収支ということにとどまらず、市の財政再建には中長期的な視点を持って当たることも必要と考えます。 1点目に、行財政改革について伺います。 基本方針では、(2)で「全ての施策を再検証し財政構造改革を断行」とあり、厳しい財政状況の中でも、今後も中長期的な視野で取り組むことがうかがえます。 本市は既に行財政改革として15項目の重点取り組み項目を27年度から3年計画で実施中でありますが、29年度末で終了を迎えます。 そこで、来年度予算編成方針に関連して、今後の行財政改革の取り組みについて、どのように考えているのか、重点取り組み項目に照らして3年間である程度成果の出た項目、継続する項目、また新規の項目があれば、あわせて考えをお聞かせください。 2点目に、毎年のように収支不足解消のために市有地の売却等により臨時的な収入確保策に頼っている状況ですが、ビジョンのない短絡的な市有地の切り売りは妥当ではないと考えます。過去の予算審査等特別委員会で私が指摘をしたように、現在市が保有している遊休地などの市有地について一覧化し、ホームページ等で中長期の使い方を事業者や市民に提示していくつもりはないのか、その進捗についてお聞きをいたします。 3点目に、予算編成の方向性の中で、若手職員を含む現場の職員の創意と工夫を取り入れるとあります。そこで、職員の定員適正化計画についてはどう考えているのでしょうか。 例えば道路の維持補修等に従事される課については、職員配置が平成26年度から減少傾向にある中で、先日の台風21号や22号の被害等により、通常業務以上の負担がかかり、対応が追いついていないとも伺っています。また、生活保護受給者に対応するケースワーカーについても、本市の場合、ほかの自治体よりも非正規のケースワーカーの割合が大きく、正規職員のケースワーカーのみを算定に含めるという県が指摘する基準に対して十分に足りていないのが現状であります。少ない人数と創意工夫で業務を乗り越えることは重要でありますが、一方で現場の声を反映し、来年度の予算編成では必要な部署には重点的に職員を増員させるなど、めり張りをきかせた職員配置が必要と考えますが、その所見をお聞かせください。 次に、今定例会の補正予算で、新斎苑整備事業に関連して土地購入費として1億6772万3000円が計上されていますが、このことについて数点お伺いをいたします。 1点目に、本市の新斎苑基本計画では、事業に必要とされる土地面積は約4.9ヘクタールとの記載がありましたが、なぜ今回11.07ヘクタールにも及ぶ面積の土地取得となったのか、その考えをお聞かせください。 2点目に、本事業は地域住民との丁寧な対話とともに前進していかなければならないと考えます。先日の9月定例会以降、横井東町、白毫寺町、鹿野園町のそれぞれの自治会との対話はどのように進んでいますか。最新の状況をお聞かせください。 3点目に、事業を進めるに当たって、周辺の地域への地域活性化対策事業も同時進行されることが予想されますが、その事業概要、予算、また目標とする完成時期については、いまだ明らかになっていません。これらについての本市の考えをお聞かせください。 次に、県と市の協働によるまちづくりの包括協定について、関連してお聞きいたします。 県都である奈良市が、まちづくりを初めとした多くの施策において県と強力な連携が必要であることは、これまでにも多くの議員から指摘がされてきたところであります。今回は、我が国にとっても一つの起点となるであろう、東京五輪の開催年平成32年度を目標とした場合、今後3年度の中で、県と市が協定を結んでいるまちづくりの包括協定の範囲でどのような課題があるのかについてお聞きをいたします。 1点目に、現在、県と本市が協定をしているエリアは、奈良公園、八条・大安寺、大和西大寺、平松の4つであります。県下各市町村において基本構想を策定した後、基本計画の策定、そして事業実施へとプロセスを経ていく共通の工程となっていますが、ほかの自治体では、事業実施まで到達をしている自治体もあるようですが、本市の場合、どの段階に現在到達をしていますか。地域住民との対話の状況も含めて、その進捗についてお聞かせください。 2点目に、大規模事業が想定されるこれらの4つのまちづくり事業においては、かねてより指摘をさせていただいております社会資本整備総合交付金の投入に頼る事業も多数あると考えます。 そこで、4つのエリア内で、今後どのような社会資本整備総合交付金を活用する事業が予定をされているのか、次年度以降の年度ごとのおおよその金額と事業内容についてお聞かせをください。 3点目に、まちづくりの新たな包括協定の可能性についてお聞きをいたします。 例えば本市の市役所周辺では、平成32年度春を目標に、県営プール等跡地において国際ブランドホテルや交流拠点施設を中心としたまち開きが予定されています。本市も庁舎整備の課題も含め、これらのまち開きに対して積極的にどのようにかかわるかによって、町並みが大きく変容する可能性を秘めています。しかしながら、県と市が連携をしてどのようなグランドデザインを描くのか、その青写真が見えてきていません。そのほかに、県知事は、一つのたたき台として大和西大寺駅から大宮通りに向けて近鉄の鉄道路線を移設し、朱雀門前駅、新新大宮駅、油阪駅、登大路駅、甍駅を設置するなどの構想も伺っています。 そこで、県と市との間で、このエリアに関連して新たな連携をどのように模索しようとしているのか、その考えについてお聞きをいたします。 次に、本市の所有者不明土地対策についてお聞きをいたします。 所有者不明土地問題研究会によると、現在の土地の持ち主を特定できない土地が2016年に全国で410万ヘクタールに及び、その経済損失は2040年までに6兆円規模にもわたるとの指摘があります。実際に所有者不明土地が存在すると、公共事業の際に、用地買収などの段階で停滞が懸念をされるほか、農地を初めとする土地が荒廃する課題も残ります。そこで、本市の場合、所有者不明土地についてどのように把握をしているのか。 1点目に、市内の農地において、登記簿上の所有者が既に死亡しているといった農地、いわゆる相続未登記農地の面積及び登記名義人が市町村外に転出し既に死亡している可能性があるなど、相続未登記のおそれのある農地の面積についてお聞かせください。 2点目に、市街地において、今後、公共事業として利用を予定している地域において、土地所有者が特定できないことによって直面している課題、また今後の具体的な対応策についてお聞かせください。 3点目に、今後の所有者不明土地対策において、地籍調査のさらなる進展が求められます。国土交通省の資料によりますと、本県の地籍調査の進捗は10%台と、全国的にも低い値であります。次年度の本市第4次総合計画実施計画の中では、事業規模の倍増も確認をできますが、現在の進捗等、今後の目標などについてお聞かせください。 次に、教育行政に関連して、教育長に2項目お聞きをいたします。 最初に、道徳教育の教科化についてお聞きをいたします。 市内の小学校では平成30年度、中学校では平成31年度より、道徳の教科化が実施をされることとなります。教科化により週1回の授業が実施をされる中で、子供たちに考える道徳を目指し、主体的に自分ならどうするかといった自己を見つめる授業を目的としています。 そこで、1点目に、来年度からの小学校における授業実施を控えて、指導において現在教員が抱えている課題、また、教科化における期末時の児童の評価方法での工夫についてお聞かせください。 2点目に、本市や地域に貢献された偉人について学ぶなど、こうした本市独自の郷土授業を科目の中で取り入れるつもりはないのか、その展望についてお聞きをいたします。 3点目に、文部科学省は、道徳の特別の教科化の大きなきっかけとして、いじめに関する痛ましい事案があったことを掲げています。本市においても、既にいじめ対応支援教員経費等により事業実施をされているところであります。 そこで、今回の道徳の教科化といじめ対応事業をどのように相互関係を持たせていこうとしているのかについてお聞かせください。 次に、本市中学校における家庭分野における和装教育の実施の現状と展望についてお聞きをいたします。 次期学習指導要領の全面実施である平成33年度に向けて、本年3月の新学習指導要領の発表の中で、和装教育の指導充実が示されました。今後、本市から国際的な人材を育てていく過程において、英語教育はもちろんでありますが、まずは我が国の文化や歴史の理解を伴った教育が大事であり、それらは日本文化の継承にもつながるものと考えます。既に和装教育に関連しては、平成25年度より家庭科の教科書において盛り込まれているところでありますが、今後の学習指導要領の改訂に向けて、さらなる充実が求められるところであります。 そこで、1点目に、平成28年度において、市内中学校の家庭科の授業においての着つけの授業、また和装の基本的な着装についてはどの程度実施をされているのかお聞かせください。 2点目に、家庭科教員の配置についての現状と、今後の新学習指導要領に向けての展望についてお聞かせください。 以上で1問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。 ただいまの太田議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、行革についての御質問でございます。 奈良市行財政改革重点取組項目につきましては、今年度で終了となりますが、今後も引き続き行革の推進が重要であると考え、新たな行革の計画策定につきましては、現在検討作業を行っているところでございます。 新たな計画といたしましては、今年度も含みます今般と同様に3年間というスパンを想定いたしており、平成30年度から総合計画の終了時期でもございます平成32年度までの3年間を取り組み期間として、重点施策に項目を絞り、取り組んでいこうと考えております。 現在の計画における進捗でございますけれども、ごみ関連業務や、また給与、福利厚生事務、さらには企業局の料金徴収業務や窓口業務等の民間委託につきましては、計画どおり順調に進んでいるところでございます。また、学校規模の適正化や広告事業としてのネーミングライツにつきましても、おおむね順調に進捗しているものと考えております。 次期計画につきましては、現在検討作業を行っているところでございますが、現計画の進捗状況を踏まえて、今後さらに成果が期待できるものは継続をし、また、新たな課題につきましても、短期のみの成果にとらわれず、中長期の効果も見きわめて取り入れるなど、優先順位を立てて取捨選択を行ってまいりたいと考えております。 次に、収支不足解消に伴う土地売却についての考えの御質問でございます。 未利用の公有財産につきましては、定期借地権を含めた貸し付けなども検討し、定期的な収入につなげていくという視点も重要だと考えております。そのため、議員御指摘のように、民間から活用提案を求めたい未利用の公有財産については、一覧化した上で、ホームページで公開をしていきたいと考えております。 現在は、形状や立地条件などの個別調査を実施しているところであり、今後公開する未利用地につきましては、売却か貸し付けかについて限定するということではなく、広く市場の反応も求め、民間事業者の豊富なアイデアやノウハウなどの創意工夫を取り入れて、活用を図っていきたいと考えております。 また、市場からの反応のございました公有財産については、優先的に土地の整理を行い、効率的に民間活力の導入を図っていきたいと考えております。 続きまして、定員適正化についての御質問でございます。 本市の厳しい財政状況と今後のさらなる人口減少時代に対応するための自立的、効率的な自治体運営の観点から、定員適正化計画については引き続き推進をしていくことが重要であると認識いたしております。職員の配置につきましては、正規職員の配置を基本としながらも、適切な事務の切り分けによりまして、民間委託の推進や非正規職員の活用を図りながら、市民サービスの低下を招かないように定員の適正化に努めてきたところでございます。 一方で、議員御指摘のように、道路関係部局であったり、またケースワーカーにつきましては、県が指摘する基準に対して不足している現状があり、円滑な保護行政の実施のためには人員の確保が必要であるという状況を認識いたしております。このことから、資格や経験を持った即戦力の人材を確保するため、現場の状況を把握しながら社会福祉職の採用を進めております。これまでに8名の社会福祉職の正規職員を採用し、また、来年度も10名程度の採用を予定しており、ケースワーク事業の充実に努めているところでございます。 今後につきましては、定員適正化計画を進めつつ、ケースワーカーだけに限らずに、その他の分野でも正規、任期付、非正規など多様な雇用形態を活用し、現場の状況も把握しながら業務の量とその内容に応じた職員の適正配置に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問でございます。 今回、御提案申し上げております用地買収の議案につきまして、当初の基本計画からふえたその理由についてということでございますが、御指摘のように、今回の計上いたしております用地買収面積につきましては、まず、計画地部分におきましては、基本計画に表記しております約4.9ヘクタールでございます。次に、アクセス道路及び橋梁部分の必要面積として約0.9ヘクタールを見込んでおり、これ以外に西側の山林部分が約5.2ヘクタールとなりまして、合わせて約11ヘクタールとなるものでございます。西側の山林につきましては、新斎苑の工事に伴い、周辺地域等への地下水の影響について継続的に調査を行うための観測井の設置や、その観測井に至る進入路の確保、また新斎苑施設に必要といたします上水道の配管等の布設などに要する土地を計画地以外に別途必要とするものでございます。 また、計画地の周辺の地域からは、自然災害への不安や懸念が過去に数多く寄せられた経緯がございます中で、最も近隣に位置いたします鹿野園町自治会の皆様から防災対策、また憩いの場として計画地西側の山林を市が購入して責任を持って整備、活用をするべきという要望書を頂戴いたしているところでございます。 新斎苑建設計画におきましては、現在、限られた期限の中で確実に用地を取得できること及び地元周辺住民の皆様の御要望にできる限り真摯に対応することが最も重要だと考えておりますので、計画地西側の山も含め周辺整備、また防災対策などを着実に実施することによって、新斎苑への地元住民の皆様の理解につなげてまいりたいと考えております。そのことから、今回の用地取得に際しましては、西側も含めた一団の土地となる約11ヘクタールの購入を御提案申し上げている次第でございます。 次に、横井東町、白毫寺町、そして鹿野園町のそれぞれの自治会との対話状況についての御質問でございます。 まず、計画地の所在地でございます横井東町自治会につきましては、自治会の皆様と地域活性化対策なども含めた協議を継続して行わせていただいております。そのような中で、地域活性化対策に係る事業実施内容の具体化に向けまして、双方で協議検討をさせていただいている段階であり、今後、協定書の締結を予定いたしております。既に新斎苑事業への賛意はいただいておりますことから、今後も引き続き丁寧に説明を行う中で、必要とされる事業の実施については精査し、双方にとって実りのある協議を今後も引き続き行ってまいりたいと考えております。活性化対策事業の内容が固まり、協定書が締結できれば、今後の予算計上も含めて真摯に対応していきたいと考えております。 そして次に、鹿野園町につきましては、町内におきまして、現在、対策協議会を正式に立ち上げていただいたところでございます。さきの10月に対策協議会から台風21号による町内周辺の被害状況を確認してほしいという御要望を頂戴いたしまして、11月8日には防災対策等も含めた今後の方向性について協議をさせていただきました。また、11月27日には住民集会という形で、鹿野園町住民の皆さまを対象に、現在の新斎苑事業の進捗状況などにつき御説明申し上げたところでございます。その中では、事業を進めていく中でのさまざまな疑問や不安、また御要望等、幅広いたくさんの御意見を頂戴することができました。 今後、対策協議会を窓口とし、地域の要望なども取りまとめていただき、丁寧に対応していきたいと考えております。 また、白毫寺町につきましては、かねてから白毫寺町連合自治会の皆様が窓口となり進めていただいているところでございますが、新斎苑の事業進捗に合わせて対策協議会を立ち上げていただき、ようやく協議の場を設けることができました。その中で、現東山霊苑火葬場の借地等に係る課題とあわせて、新斎苑事業についての御意見も頂戴しているところであります。 いずれにいたしましても、議員御指摘のように、この事業は地域の皆様の御理解が最も重要であると考えております。事業実施に向けた事業者の選定など着実に実務を進める一方で、地元から頂戴をしております御要望や御意見等についてはしっかりと受けとめ、真摯に向き合ってまいりたいと考えております。 今後も引き続き、お一人でも多くの皆様から御理解を頂戴できるように誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地域活性化対策事業に対する市の考えでございます。 地域活性化対策事業につきましては、市のほうから素案を提示させていただいておりますが、事業に関係する周辺地域住民の皆様との協議に当たりまして、もう一度ゼロベースで検討するようにという御意見もいただいている地域もございます。 現在、それぞれの地域ごとに協議を行っており、要望書を提出いただいている地域もございます。もう一度、それぞれの地域にとって真に何が必要かという精査、また優先順位や実施時期なども検討、精査し、財政的な制約もございますが、その中でできる限り真摯に対応していきたいと考えております。 今後、それらの事業実施について必要となる予算につきましては、当然確保していく必要がございますので、議会の皆様方にもお示しをし、御議論をいただきたいと願っているところでございます。 続きまして、県と市のまちづくりに関する包括協定についての御質問でございます。 まず、まちづくり包括協定の進捗でございますが、現在各地域におきまして、地域性を生かし持続的に発展できるまちづくりを進めるために、県との情報や意見交換に努め、連携して取り組むべき内容について協議を行っているところでございます。 中でも、大和西大寺駅周辺地区につきましては、御承知のとおり、西大寺駅以東のまちづくりについて、本年4月に県、市、近畿日本鉄道株式会社で協定を締結し、中長期的な視点での協議を開始しているところでございます。基本構想では、この協議内容を考慮しながら、駅北側の道路環境整備と既存事業との整合を盛り込み、渋滞問題等を喫緊の課題として考え、早期に解消を図ってまいりたいと考えております。 次に、八条・大安寺周辺地域につきましては、昨年度、都市計画決定等の手続の中で事業説明会を開催し、ことし6月に新たな交通結節点のポテンシャルを生かしたまちづくりによる定住人口並びに観光交流人口の増加を目標とした基本構想を策定したところであります。鉄道の高架化や都市計画道路西九条佐保線などの基幹事業は、平成36年度末の完成を目標にいたしておりますことから、今後は駅前広場など周辺事業も、この時期に合わせて事業を進めてまいりたいと考えております。 また、奈良公園周辺地域につきましては、対象となるエリアが広いことから、近鉄奈良駅の周辺、そして旧奈良監獄周辺など、地域ごとに課題や必要な施策を協議させていただいております。旧奈良監獄周辺につきましては、まちづくりに関し法務省との連携も強化していきたいと考えており、基本構想は年度末までに策定する予定でございます。 平松周辺地域につきましては、県主催の総合医療センター跡地活用プロジェクト会議の中で、主に協議を進めているところでございます。県におきまして策定中の基本構想案は、基本的には民間の力を活用した事業が主となるというふうに考えておりますが、市としても地域にとって必要な機能やサービスの提案を行わせていただいております。 次に、今後のこの県市連携によるまちづくりに関する財源確保についての御質問でございます。 地区ごとのまちづくり基本計画の中で、事業の内容や事業主体を定める中におきまして、現在の段階では、既に事業の決定をしているものを除き、事業の規模やそのスケジュールについて詳細の内容はまだ決定はしていない状況にございます。しかしながら、4地区全てにおいて、道路事業を初めとした基盤整備、また公共施設の環境整備について、大規模な公共投資を伴う事業を想定しているところでもございます。そういったことから、御指摘のように財源確保が大変重要でございますが、さまざまな国庫補助の採択要件、また重点配分要素を考慮した整備効果、目標指標を明確に示し、国の支援を活用するべく県とも連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、まちづくりの新たな包括協定についての可能性、具体的には本市の本庁舎周辺を含めたさまざまなグランドデザインということでございますが、これまでも県営プール跡地を中心とした大宮通り周辺におきましては、民間開発が活発化し商業や観光交流機能が高まることが期待されますことから、県の取り組みに対し、必要な都市計画の対応など、市としても関連する手続につきましては協調路線で進めてきたところでございます。 市の庁舎整備につきましては、31年度、32年度の2カ年で耐震化の工事を進めていく計画も同時にしておりますので、県の交流拠点施設整備がちょうどこの32年度の完成を予定しておりますことからも、まち開きまでの期間についてはおおむね3年間ということだと認識いたしております。 県との間におきましては、従来の連携スキームはもちろんのこと、よりスピード感を持ち、緊密な情報共有のもとで双方が意見をしっかりと出し合い、同じ方向を向いてそれぞれの役割を果たしていきたいと考えております。 次に、所有者不明土地についての御質問でございます。 まず、農業委員会関係のところで申し上げますと、農業委員会では、現在、農地の所有者、面積等を農家台帳により管理をいたしており、毎月住民基本台帳のデータに基づく死亡、転出等の異動を農家台帳データと照合し、相続登記がなされた場合には、資産税課の資料により把握をさせていただいております。その結果、11月末現在で、市内の農地総面積3,983.91ヘクタールのうち、農家台帳上の所有者が死亡している農地面積については683.06ヘクタールございます。また、所有者が市外に転出している農地面積は485.36ヘクタールございます。なお、転出先での死亡等の状況については把握できていない状況にございます。 次に、それ以外の所有者不明土地の現状や対策についてでございますが、所有者不明の土地による公共事業の課題としては、所有者の調査に多大な時間を要するということ、また、土地の境界確定や用地取得交渉ができないことなどから、当該部分における公共事業が中断状況となり、事業期間の長大につながることが懸念されております。このような問題は全国的にも見られますことから、法務省におきましても、自治体と連携し、公共事業などに支障を来すおそれのある土地を選び、不明所有者の調査を進め、法定相続人一覧図を作成し、自治体なども利用できるようにするための予算が来年度計上されていると聞き及んでおります。 また、国土交通省におきましては、所有者不明土地について公共事業などが目的であれば、全員の同意がなくても、自治体などがいわゆる利用権を設定できる仕組みを検討していこうという動きも聞き及んでございます。これらの動向や内容を注視しながら、既存の収用制度や不在者財産管理人選任制度などの制度につきましても比較検討を行いながら、個別具体に対策を講じてまいりたいと考えております。 また、所有者不明土地についての地籍調査がやはり重要であろうという御指摘につきましては、平成28年度末現在でございますが、奈良市全体では約24%の進捗、中でも月ヶ瀬地区は100%、都祁地区は62%でありますが、合併前の旧奈良市域におきましては約8%にとどまっている状況でございます。現在は継続して都祁地域においてのみ実施をしているところであり、28年度については0.76平方キロメートルの実施面積で、決算額といたしましては約2200万円でございました。 年々財源の確保が厳しくなっている状況ではございますが、地元で土地境界に精通されている方々の高齢化なども進んでいることから、現在実施をしている地域については、着実に進めていきたいと考えております。また、旧奈良市域の市街地部分につきましては、筆数も多くなるために、中山間地域に比べれば費用もふえるということも考えられますことから、さらに人員を確保していくことが重要だと認識いたしております。 市域全体で計画的な土地利用に基づく地域振興を図っていく上では、やはり土地の戸籍というべき地籍整備の必要性があると強く認識いたしております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 太田議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、道徳科の授業実施に当たり、現在教員が抱えている課題や児童の評価方法についての工夫でございますが、道徳が教科となることで、これまでは例えば望ましいと思われることや決まり切ったことを言わせたり、書かせたりするような授業が多く見られました。これからの道徳は答えが1つでない課題に対して、自分ならどう考え行動するのかを子供たち同士で議論したり、いじめなど日常の具体的な出来事や問題を取り上げ、多様な視点から意見を出し合う中で、自分ができることを考えたりするような道徳への転換が図られます。 昨年、道徳教育に関して国による道徳教育推進状況調査が実施をされました。それによりますと、教員は児童・生徒が主体的に取り組む授業をどのように組み立てていくのか、また、道徳科の評価をどのように行っていくのかといったことに不安を感じていることがわかりました。 道徳科の評価につきましては、児童・生徒がこれまでの自分の経験やそのときの考え方、感じ方と照らし合わせて、さらに考えを深めているのか、また多様な考え方や見方に触れ、さまざまな角度から広く物事を見ようとしているのか、思いやりや親切、命の大切さといった道徳的な事柄を自分と他者とのかかわりの中で考え、深めようとしているのかなどを丁寧に見取り、数値ではなく記述による評価を行うことになります。励まし、伸ばすことに主眼を置いた評価を行うことで、児童・生徒が自分のよい点や成長に気づくとともに、主体的に考え、学ぶ意欲につながるものと考えております。 教育委員会といたしましては、よりよい授業のあり方や評価がなされるよう、研修等を通して教員の指導力の向上に努めてまいりたいと、このように考えております。 続きまして、本市独自の郷土授業を科目の中に取り入れるつもりはないのか、またその展望についてというお尋ねでございますが、道徳の授業を行う上では、児童・生徒の発達段階や特性、地域の実情等を考慮して、多様な教材を活用することが大切であると認識をいたしております。先人の生き方に学ぶこともその一つであり、それにより郷土の伝統や文化を大切にし、社会に尽くしてきた先人や高齢者への尊敬の念を深めることにつながると考えております。 また、本市が特色ある教育として進めている世界遺産学習は、先人の思いや営みから学ぶ中で自分が生まれ育った地域に誇りを持ち、自分が受け継いでいくことを自覚して主体的に行動する子供の育成を図っており、議員お述べの郷土授業でもあると認識をいたしております。 このように、他教科、領域との関連を図りながら、今後も道徳教育の充実に努めてまいりたいと、このように考えております。 続きまして、道徳の教科化といじめ対策事業をどのように相互関係を持たせていくのかということについてのお尋ねでございますが、これまでも道徳の時間をかなめとして、命のとうとさについて考え、他者への思いやりの心の育成に取り組んでまいりました。一方、奈良市独自の取り組みといたしまして、各学校に勤務する教員の中から、校内のいじめ未然防止や迅速な対応の中心となるいじめ対応教員を全ての学校に位置づけております。 今回の道徳の教科化には、いじめ問題が深くかかわっており、道徳教育の重要性が改めて強調されました。いじめにつきましては、子供一人一人が正面から向き合い、考える必要があります。なぜいじめをしてはいけないのか、あなたならどうするのかを問い、自分自身のこととして考え、いじめを許さないという児童・生徒を育てることが大切であると考えております。そのためにも、各校のいじめ対応教員が核となり、具体的な事例をもとにした教材の開発や研究、また効果的な授業展開の方法について研修するなど、教員の資質向上を図っていくことが必要であると考えておるところでございます。 今後も、道徳の授業内容の充実といじめ対策事業とを相互に関係させることで、より一層、いじめの未然防止やいじめを許さない環境づくりに努めてまいりたいと、このように考えております。 続いてのお尋ねの市内中学校の家庭科の授業における着つけの授業や和装の基本的な着装の実施状況ということについてでございますが、前回の学習指導要領の改訂により、国際社会で活躍する日本人を育成する上で、我が国や郷土の伝統や文化を受けとめ、そのよさを継承する必要性が示されました。中学校家庭科において、和装に関する学習が必修となりました。授業では、洋服と和服の構成の違い、和服の着方や文化等について学習を行っております。実際には生徒自身が和服の着つけを行い、生徒に和服のよさを体験させている学校もございます。平成28年度には、実際に着つけの指導や着装を行った市立学校は21校中6校となっております。 続いて、家庭科教員の配置の現状と今後の新学習指導要領に向けた展開についてでございますが、家庭科の教員の配置状況は、平成29年度は小規模校には非常勤講師が配置され、それ以外の学校には常勤の教員が配置をされております。 新学習指導要領においても、グローバル化に対応して、和食、和服など日本の生活文化の継承にかかわる内容を充実させることをうたっております。日本の伝統的な衣服である和服については、冠婚葬祭や儀式等で着用するなど、社会生活を営む上で重要な機能を持っております。 今後の指導に当たっては、衣服と社会生活とのかかわりや目的に応じた着用を意識させながら、日本の伝統文化の継承を図る教育が大切であると認識をいたしております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 11番太田君。 ◆11番(太田晃司君) 再質問は自席からさせていただきます。2点質問いたします。 まず、新斎苑建設推進事業についてですが、1問目の市長からの答弁の中で、新斎苑基本計画に記載されている5.8ヘクタール以外に西部で5.27ヘクタールを土地取得しようとする理由として、観測井の設置、あるいは新斎苑建設に要する上水道の配管等の布設、また、鹿野園町自治会からの防災対策としての広場といった要望があるということを上げていただきました。 しかし、西部の土地の利活用については、地域住民からの地域活性化対策の案の段階にとどまっており、購入後のこの土地の利活用をどのように行うのか、まだ具体的に見えていない状況であります。 そこで、再度質問いたします。 11.07ヘクタールのうち、約西側半分の土地について、新斎苑基本計画に計上されていないのにもかかわらず、なぜ土地購入をしようとしているのか、その理由をお聞かせください。 次に、道徳教育について、教育長にお尋ねいたします。 新教科については、過日も教科書検定が行われたところでありますが、先ほど御答弁いただいたように、検定教科書だけではなくて、本市独自の世界遺産学習を初め、多くの補助教材を活用しながら授業を展開していくことが今後求められています。文部科学省では、道徳が教科化される以前の平成13年より小・中学校へ心のノートを配付し、道徳教育の充実を促しています。その後、この補助教材については、平成26年に私たちの道徳と改訂をし、配付をしています。 そこで、この私たちの道徳の活用の現状についてお聞きいたします。 市内の小・中学校の各校で授業の現場において、この教材をどの程度配付、実践をしているのか、本年度の活用実態の内容についてお聞かせください。 以上、2問目といたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 新斎苑計画についての用地取得の件でございますが、この11.07ヘクタールのうち西側につきましては、御指摘のように、基本計画には示してございません。この基本計画には、都市計画決定も行った区域として計画地が約4.9ヘクタール、アクセス道路の橋梁用地として約0.9ヘクタール、これが当初から想定をしていた敷地となるわけでございます。 一方で、地域の中では、従来から計画地及び周辺において長年の自然災害に対する不安の声や御意見をいただいてきたところでございます。これにつきましては、我々も地質状況調査や断層の調査、またこれに係る第三者評価なども行ってきたところであります。結果といたしまして、新斎苑事業の建設に伴い、今ある地域の防災リスクを増大させるものではないという結論も得、これにつきましては何度も御説明を申し上げているところでございます。 一方で、この事業を進めていく中におきましては、施設に要する水道施設、また配管等の整備、さらにはこれも地域からいただいたお声でございますが、地下水の流れについて事業が竣工した後も継続的に監視が必要であるという声や第三者評価でも同様の指摘もいただいたことから、観測井の設置を予定しております。当然のことながら、この計画地と住民の皆様、お住まいをいただいておりますそのちょうど間に、この西の山が挟まるという位置関係になりますので、その間の山にしっかりと観測の拠点を設けると、そういったことからも西側の用地については必要性を認識してきたところでございます。 一方で、先ほども答弁申し上げましたように、地元の鹿野園町自治会様からは、9月に西側の山林について、防災対策ということからぜひとも活用してほしいという要望書も頂戴しているところでございます。これについては、さきの台風による大雨でも周辺地域では雨水の流入により道路やため池等での被害について、住民の皆さまが示されていた自然災害への一端も確認しておりますことから、個別具体的な防災対策をしっかりとやっていくべきだと、市としても認識したところでございます。 また一方で、この西側の山につきましては、位置関係、先ほど申し上げましたように、いわゆるバッファゾーンという位置づけにもなりますことから、そのバッファゾーンを市が責任を持って所有し、管理してほしいというお声も頂戴しているところでございます。 今後、これらの要望や対策については網羅的に対応し、住民の皆様との協議を進めるためには、やはり用地交渉の中で市が西側の山林を確実に確保することが必要だと判断させていただいたところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 2問目でございますので、自席からお答えを申し上げます。 市内小・中学校の授業において、私たちの道徳をどの程度活用しているのかということについてのお尋ねでございますが、私たちの道徳は、道徳教育の充実を図るために、文部科学省がそれまで活用されていました心のノートを全面改訂して、平成26年度から使用できるよう全国の小・中学校に配付をしている教材でございます。この私たちの道徳は、児童・生徒が命の大切さや思いやりといった道徳的な事柄について、みずから考え、実際に行動できるようになることを狙いとして作成をされております。 活用に当たりましては、教員用の指導資料も配布をされており、道徳の時間だけではなく、学校の教育活動全体を通じて活用されることが期待をされております。 この私たちの道徳は補助的な教材ではございますが、本市では、今年度は全ての小・中学校で使用している、あるいは使用するという予定でございます。 今後もこういった教材を活用しながら道徳教育の充実を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 11番太田君。 ◆11番(太田晃司君) 3問目は意見、また要望というふうにさせていただきます。 最初に、平成30年度の予算編成方針についてであります。 行財政改革については、29年度が重点取り組み項目の最終年度でもあります。ホームページには28年度末の進捗が現在掲載をされておりますけれども、30年度予算が提示される時期に連動して、次の30年度から32年度の向こう3年間の行財政改革の項目を着実に提示いただきますように要望させていただきます。 これまで3年間で成果が具体的に上がらなかったものについては、外部の知見を活用するとか、あるいは外部評価を導入することも一案であろうと思います。本市の財政改革の本丸を担う政策でもありますので、ぜひ削るということではなく、つくり出すというスタンスを忘れずに取り組んでいただきたいと思います。 また、公有地の売却については、市長からホームページでの公開に向けた取り組みの現状を聞かせていただきました。この数年、旧右京幼稚園の跡地売却、また近年では近鉄菖蒲池駅の北側の市有地の売却等、市財政の赤字の埋め合わせの材料とも受けとめられかねない財政運営が続いています。現在、市内には100以上の普通財産が箇所としてあるというふうに伺っております。これらの公開が進みますと、真にその地域で必要な土地利用は何なのか、地域の住民や事業者の知恵などの活用、こういったものが期待できます。早い段階での精査と公開に向けての取り組みを引き続き要望させていただきます。 次に、新斎苑建設推進事業についてです。 今回、土地購入の範囲として新たに追加をされたこの西部の土地について焦点を当てて質問をさせていただきましたが、やはり原点とも言える新斎苑基本計画にまず照らしてみるという作業が抜けていなかったかというふうに考えます。実際、この西部の土地については、本市が今喫緊の課題として間に合わせようとしている新斎苑建設整備事業として活用できるこの合併特例債の対象範囲からも外れており、今急いで購入する大きな理由には当たらないからであります。 今回の答弁の中で、地域活性化の対策協議が立ち上がっている地域のお話も聞かせていただきましたが、いまだ具体的な実施内容、予算が見えてきておりません。そうした意味において、今回の補正予算に計上された土地取得のうち、この西部の部分については少し拙速ではなかったのか、地域住民との具体的な協議が煮詰まった後でもまだ間に合うのではないかという疑念があります。 市長は、3期目に向けた御自身の政策の中で、常に一市民、一生活者の視点を大切にし、利用者の視点に立った行政サービスの改善を進めると書かれておられます。地域活性化事業も含め、住民合意が尽くされるように、行政としても引き続き丁寧に対話を重ねていただきますように要望させていただきます。 次に、県と市とのまちづくりに関する包括協定であります。 今回、4地域の進捗について伺いましたが、西大寺地区のように鉄道の線路の移動も含めたような中長期の中で基本構想を確立しようとしているものから、平松地区のように、県が主導しているものまで、さまざまな対応の包括協定がありますが、いずれにしても、スピード感を持って着実に事業実施まで階段を上っていただきたいということであります。 今、県が公開している県下の各市町村の包括協定の比較表を見ますと、奈良市と同時期に包括協定を結んでいる自治体では、基本構想や基本計画等順調に進んでいるのにもかかわらず、本市の場合、基本計画に至っているものが1つ、基本構想にまだ至っていないものが3つと、どうしてもおくれがちに見えてしまいます。基本計画から事業実施まで具体的に詰めていくことで、ハード面の整備に必要な社会資本整備総合交付金などがどの程度必要になってくるのかなど、国と連携するべき項目も見えてきます。 もちろん要望活動に当たっては、市長が先頭に立ってトップセールスを行っていただくことが第一でありますが、我が会派といたしましても冒頭に申し上げましたように、市・県・国の三者の連携のもとで、これ以上要望額に対する内示額が下がらないような確保策に努めていきたいと考えています。 また、市役所周辺のまちづくりについてですが、本市役所の西側にはイトーヨーカドーの跡地を活用して、株式会社やまきが平成30年の新たな複合商業施設開設に向けて着手中であります。また、南側には県営プールと奈良警察署跡地を活用して、国際級のJWマリオットホテルが平成32年にまち開きを予定されています。こうした市役所を取り巻く環境の変化に積極的に県と協議をしていく必要があります。現在は最寄りの新大宮駅から市役所までは徒歩で10分近くかかるわけでありますが、県が今、一つのたたき台として提案をしている新たな鉄道の新駅の提案が具体的に進むと仮定をした場合、それぞれの駅を核とした新たなまちづくりの絶好の機会になるというふうに考えます。今、進めている市役所の庁舎整備と並行して、スピード感のある具体的な協議を進めていただくように要望いたします。 次に、所有者の不明土地についてであります。 以前から課題とはされていましたが、緊急性がそれほど大きくないとされ、今、全国的に取り上げられているのがこのテーマであります。今回お聞きした質問の中から、市内の農地については約683ヘクタール、市内の農地面積の約17%に当たります。これらがお亡くなりになった後、放置され未登記のままであることがわかりました。 本市の公共事業等で影響がこれまであったのかという具体的な回答まではございませんでしたが、記憶に新しいところでは、東日本大震災の被災地である東北では、復興のための高台移転や防潮堤の用地取得において、土地の権利関係の調整や相続人の追跡に膨大な時間を要し、災害公営住宅の整備が大幅におくれるなどの影響が出たなど、課題が露出をしています。こうした大規模災害が起きた場合の対応にも、権利関係の確定が求められてきます。地籍調査の進捗がなかなか進んでいない本市の状況を市長もよく御承知の現状とは思いますが、マンパワーを要する事業とはいえ、優先順位を下げることなく、全庁的に職員の力をかりることも手段の一つではないかと思います。 また、お隣の精華町では、住民の死亡届が行われた際に、相続登記、そして農地と森林の相続関係の届け出を同時に案内し、手続を促しているとも聞いています。相続が未登記になることを予防する、こうした策にもあわせて取り組んでいただくように意見をさせていただきたいと思います。 そして、教育の行政についてであります。 道徳教育の教科化については、教科化に際しての教員の不安点について、また、いじめ対策との関連でも御答弁をいただきました。 ほかの教科と比べても記述式での評価になるということは、画一の回答を求めるのではなく、いかに児童に主体的に考えさせるかが問われる科目になるということが容易に想像できます。それに、教員一人一人の裁量による濃淡が授業であらわれないような教育委員会や学校現場での共同作業での指導力の向上に努めていただきたいと要望させていただきます。 また、今回質問では触れませんでしたが、道徳の実践には、学校教育での授業はもちろんのこと、家庭や地域での活用が欠かせません。テキストを自宅に持ち帰り演習する、こうしたことも一つの課題ではないかと思います。 また、再質問では、補助教材を活用した道徳教育のあり方についても聞かせていただきました。本市は世界遺産を有し、独自の地域学習が実践できる自治体でもあります。遺産そのものへの理解ももちろんでありますが、これらをつくり上げた先人をクローズアップさせる、こうした偉人による道徳教育も必要だと考えます。 例えば、平城宮跡の復興については棚田嘉十郎が有名でありますけれども、本市のこの世界遺産学習の補助教材のテキストの中で触れられている部分はわずかであります。本市のそれぞれの地域に根づいているそれぞれの偉人たちの人生を発掘し、授業の中で取り上げていくことが、今日の奈良をつくり上げてきた先人の思いを共有し、また検証することにもつながります。こうしたことを通して、奈良に誇りを持つ人材の育成につながるのではないかということを指摘させていただきます。 最後に、和装教育の実践については、次期学習指導要領において指導の充実が図られている科目であります。日常生活では和装に親しむ機会が少ない現代社会において、浴衣の着装など、授業で学ぶ機会がふえれば、季節ごとの行事にこうした和装を着てみようという意識づけにもつながるわけであります。 奈良の観光を衣装という面で捉えてみると、天平衣装などのこういった古代衣装に偏りがちな印象も受けますが、近年では珠光茶会など和装ならではの観光行事も定着をしております。和装についても積極的に取り入れた観光行事がもっとあってもよいというふうに考えます。 こうした施策の展開のためにも、教育面での実践が欠かせません。本市では着つけの、着装の実施校はまだ半数以下の状況であるということを聞かせていただきましたが、さらなる体験型の授業実施に努めていただくように要望させていただきます。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(北良晃君) 26番藤田君。   (26番 藤田幸代君 登壇) ◆26番(藤田幸代君) おはようございます。公明党市議会議員団を代表いたしまして、市長並びに企業局長に一括質問をさせていただきます。 全国的な課題として、人口減少、少子高齢化問題、老朽化するインフラの整備、防災・減災における自然災害対応など数多くの責任が自治体に課せられる中、自治体の財政状況も厳しく、経営健全化の努力が問われている時代であります。 本市におきましても、逼迫する財政状況のもと、高齢者、障がい者、子育てに係る支援であります地域包括ケアシステムと、全ての市民への地域福祉の構築を目指して地域と連携し、庁内横断的な取り組みが必要となるソフト事業、また、安定したライフラインの確保などの長寿命化への課題が山積するハード事業、それら市民の安全・安心を守っていくためには、財政的かじ取りが大変難しい現状でございます。 そこで、市長の行政姿勢について数点お尋ねいたします。 まず、先ごろ発表されました平成30年度予算編成方針について2点お尋ねいたします。 予算編成方針の中にある基本方針には、「きめ細かな福祉で暮らしやすく住み続けたいまちを実現」とありますが、きめ細かな福祉の実現のためには、当然ながら予算の確保も必要になるものと考えます。 そこで、1点目は、本市の大変厳しい財政状況の中で、きめ細かな福祉の実現のために、今回の予算編成方針に当たってどのようにされていくお考えなのかお尋ねいたします。 また、高齢者、障がい者、子供などが地域で安心して暮らしていけるためのきめ細かな福祉の体制づくりには、何よりマンパワーが必要となってきます。現状におきましても、福祉の担い手不足という課題がある中で、本市では定員適正化計画が進められ、大幅な人員削減に取り組んでこられました。平成30年度予算編成方針には、きめ細かな福祉を目指す一方で、来年度も人件費の適正化を図ることとあります。 2点目といたしまして、この方針のもとで充実した福祉のための職員の体制整備をどのように考えておられるのかお聞かせください。 次に、下水道事業会計についてお尋ねいたします。 予算編成方針の留意点には、「独立採算を基本とする特別会計・企業会計については、安易に一般会計からの繰入金・補助金等に財源を求めないこと。」、「各会計の財政健全化方策の検討も積極的に進めること。」とありましたが、企業会計の中の下水道事業について、平成28年度の純損失は4億8100万円で、累積欠損金は19億8600万円と年々増加傾向にあります。 予算編成方針では、企業会計へ独立採算と積極的な財政健全化方策の検討を求められておりますが、下水道事業が企業局へ統合される平成26年度までに、既に基準外繰り入れに頼らざるを得ない財政状況でした。平成24年の奈良市下水道事業経営改善検討委員会からは一般財源に依存した経営に対し、適正な下水道使用料金の値上げを、の提言を受け、使用料の適正化を図るとしながら、急激な負担増を緩和することを理由に、平成25年9月から平成27年度までを算定期間として第1段階としての値上げをされました。 そこで、1点目は、当時の事業の見通しをどのように立てられていたのかお聞かせください。 また、今後近いうちに下水道事業は資金不足となる見込みであると考えます。 2点目として、平成28年度からの2回目の算定見直し期間も過ぎていることから、予算編成方針にある積極的な財政健全化方策の検討を、市長としてどのように対応されるのかお尋ねいたします。 次に、針テラス事業について2点お尋ねいたします。 針テラス事業用地の土地使用料について係争中である使用者が土地使用料を法務局へ供託したことにより、平成28年度決算からおよそ9000万円が収支不足になっており、翌年度歳入からの繰上充用で対応されております。これまで公営企業会計として取り扱われてきましたが、総務省の見解により、平成29年度決算からは普通会計に分類されることとなりました。 そこで、1点目は、公営企業会計から普通会計の分類に移行するに当たり、財政上の影響について、また、2点目は、公営企業会計上の法的な経営健全化の対象ではなくなった状況において、今後事業運営の健全化をどのように進めていくお考えなのかお尋ねいたします。 次に、第5次総合計画についてお尋ねいたします。 奈良市の最上位計画であります総合計画ですが、現在、第4次の後期計画2年目であり、平成32年度末を目指しての計画となっております。次の第5次総合計画策定の準備に向けて検討を始めなければならない時期と考えますが、市長として、次の第5次総合計画をどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 次に、福祉行政についてお尋ねいたします。 奈良市の地域福祉のためのひとりぼっち0プロジェクトは、今後、行政と市社協と地域団体との連携のもと進めていく、地域住民全ての方にとっての安全・安心な生活につながる地域福祉計画であります。地域団体である地区社協や自治連合会など奈良市内の体制は整っていると聞き及びますが、地域によっては実態に即していない体制のところもあると認識しております。ひとりぼっち0プロジェクトを進める上で、地域団体の体制が整っていない地域では、これから行政が進めようとしている地域自治協議会は有効であると考えます。 このことについて、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。 そして、この地域福祉計画であるひとりぼっち0プロジェクトの実施主体が奈良市社会福祉協議会となりますので、地域で活発な活動を期待するのが地区社会福祉協議会になります。しかし、地区社会福祉協議会への活動資金が確保されておりません。また、地域包括ケアシステムの日常生活支援を図っていく上でも、今後、地区社協へ公的支援が必要と考えますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 次に、子供の貧困対策としての就学援助制度についてお尋ねいたします。 本市では、昨年度から子供の貧困対策に取り組んでおられますが、貧困状況にある子供の対策を進めるのであれば、就学援助制度は義務教育期間の貧困状況にある児童・生徒にとって一番の支援につながるものと考えます。 そこで、本市の就学援助制度の現状について、担当課にも御協力いただき調べました。平成28年度データで奈良市の公立小学校の全児童数は1万5918人、中学校の全生徒数は8,062人、そのうち生活保護を受けている要保護者と就学援助を受給している準要保護者は、小学生2,172人、中学生1,217人、そして、昨年行われた子供の貧困実態調査から本市の子供の6.2人に1人が貧困状況にあるという貧困割合が出ました。子供の貧困率は、家族の1人当たりの所得が貧困線といわれる122万円以下の子供の割合になります。本市の割合は、厚生労働省が発表している割合とほぼ同じものでした。この割合から計算すると、本市の小学生は2,567人、中学生は1,300人が貧困状況にあるということになります。本市の就学援助を受けるための準要保護者の基準が貧困線を若干超えた基準になっていることから、先ほど申し上げました要保護者と就学援助を受けている準要保護者の数から見て、貧困状況にあるのに就学援助を受けていない小学生が395人、中学生で83人いるということになります。 1人当たりの所得が122万円はかなり厳しい生活を強いられていることは想像にかたくないと考えますが、なぜ対象であるのに受給できていないのか、一つに周知方法に問題があるのではないか、また、就学援助費支給案内の文書には認定基準がわかりにくい点など、改善しなければならない課題があると考えます。 そこで、1点目は、周知方法や案内の文書を改善していくなどの対応で、貧困状態にある要保護、準要保護者の受給を進めていく考えについてお尋ねいたします。 また、2点目として、認定基準に当たる対象者、小・中学校合わせておよそ500人への支給が進むと、当然財源の確保も必要と考えますが、その考えについてお尋ねいたします。 そして、本市の準要保護者の認定基準が他の中核市と比較してどの程度の基準なのかというと、本市の準要保護者の認定基準は生活保護の基準額の1.13倍で、中核市平均では1.27倍となっており、本市の基準が低いことがわかりました。 そこで、3点目として、今後、奈良市の準要保護者の認定基準を中核市平均の認定基準にまで見直していく必要があると考えますが、市長の見解をお尋ねいたします。 次に、子供・若者へのライフステージに応じた切れ目ない支援についてお尋ねいたします。 本市では、我が会派からの要望を受け、昨年度から子供・若者に係る実態調査を行われ、また、それと同時に、子供の貧困対策をするための実態調査もされてきました。そして、今年度には、子供・若者へのライフステージに応じた切れ目ない支援に向け、庁内の横断的な体制としてのプラットホーム構築のため、関連部署の検討会が持たれたと聞いております。 これまで、この支援の必要性については、我が会派から何度も議会や委員会での質問として取り上げてまいりました。 そこで、1点目は、この支援の必要性について、市長はどのように認識されているのか、2点目は、そのためにどのようなプラットホームを構築しようとするのか、お尋ねいたします。 次に、観光行政について、政府の発表では、全国のことし10月の訪日外客数は過去最高になったとありました。本市におきましても、平成28年に奈良市を訪れた観光客は1554万3000人と平城遷都1300年祭のあった平成22年以来初めて1500万人を突破し、外国人観光客数は157万6000人で、前年比61.64%増と大幅に増加しております。また、奈良市内の観光消費額は約1013億円で、前年比18億円増加しているということです。 そこで、今後、中長期的に入り込み客数を維持していくこと、観光消費額を増加させることについて数点質問いたします。 1点目、JR奈良駅から猿沢池に至る三条通りは、観光客も多く奈良のメーンストリートであると考えます。ことし、やすらぎの道までの商店街のセットバックが完了となりましたが、今後、この三条通りの観光経済を向上させるための計画について、2点目、これまでも観光事業については、いろいろな発案のもと取り組まれてまいりましたが、なかなか観光消費につながっていない事業が多いと考えます。そこで、今後、観光消費につなげるために有償化できるソフト事業について、3点目、現在増加している入り込み客数ですが、中長期的にこの先も入り込み客数を維持していくためには、今の観光客をリピーターにつなげる現在の取り組みが大事であると考えます。その視点での今後の戦略についてお尋ねいたします。 次に、都祁・月ヶ瀬・東部地域が抱える課題について数点質問いたします。 この地域への地域振興対策としては、地域おこし協力隊や散策ガイドマップや農業振興など、定住人口をふやすため地域の活性化に取り組んでおられます。しかし、奈良市街地に比べて人口減少、少子高齢化が急速に進む都祁・月ヶ瀬・東部地域では、生活をしていくための多くの課題があります。生活基盤である買い物手段がない、交通手段がない、住居の老朽化、独居老人や高齢者のみの世帯が多く経済の支え手がいない、特に夜間の医療や介護の支援が受けられないなど、多くの深刻な課題を抱えておられますが、こうした現状を認識されておられるのか。また、今後、行政として、こうした中山間地域の生活基盤をどのように確保していくお考えなのかお尋ねいたします。 2点目は、防災・減災対策についてお尋ねいたします。 これまで災害の少なかった奈良市ですが、長雨の後の台風21号の影響で、都祁・月ヶ瀬・東部地域の農地や山などに多くの被害が出ました。中山間地域の家はほとんどが山に面している現状で、特に家の裏山が崩れるなどの土砂災害は深刻であります。こうした土砂災害を防止していくための抜本的な取り組みとして、森林の保全を活性化していくことが重要であると考えますが、その認識と奈良市のできる取り組みについてお尋ねいたします。 3点目は、都祁・月ヶ瀬・東部地域の上下水道官民連携事業について、企業局長にお尋ねいたします。 この事業は、国の総合戦略の中で、重点事項に位置する事業だと認識しております。そして、全国に奈良市を先進事例として推進するための事業であり、そのために内閣府から調査費として全額の1億597万3000円という高額な補助も受けております。本市の今後の見通しとして、現状のままでは都祁・月ヶ瀬・東部地域の上下水道事業の経営には収支不足や施設の老朽化などの問題があり、早急に対策をとらなければ、地域住民に安定した使用料金で安全な水の提供は確保できないのではないかと懸念しております。 都祁・月ヶ瀬・東部地域にとって上下水道事業の経営を健全化させることは、喫緊の課題を解決する大切な事業であると考えますが、その考えについて及びそのための条例についてお尋ねいたします。 最後に、新斎苑建設事業について、市長にお尋ねいたします。 取得予定の土地に大量の不法投棄物が埋められていることが調査によって判明いたしました。今後、投棄物の処理とその費用についての対応の仕方について、適切に実施されていくのか懸念する声にも、丁寧に説明責任を果たしていく必要があります。 そこで、1点目は、投棄物処理費の積算根拠と費用負担の考え方ついてお尋ねいたします。 2点目は、今議会には新斎苑建設予定地と西側に隣接する土地の購入費用1億6700万円の補正予算が計上されておりますが、土地の購入に至った経緯と購入費用の積算根拠についてお尋ねいたします。 以上で1問目といたします。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇)
    ◎市長(仲川元庸君) 藤田議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、来年度の予算編成方針についての御質問でございます。 特にきめ細かな福祉についてどのように考えるかということでありますが、まず、今回の予算編成方針では単年度にとらわれず、中長期的な視点も持って、来年度に取り組むべき施策をしっかりと見きわめた上で事業計画を立て、効果の高い施策に投資をする一方で、施策が当初の目的を達成していたり、また、効果の乏しいものにつきましては、思い切った見直しを図ることなどにより、めり張りの効いた予算を目指しているところでございます。 そのような中におきまして、福祉の分野、特に障がい者福祉などに関する社会保障費につきましては、来年度も増していくということが予測をされ、各福祉施策へのきめ細やかな対応や市民生活に直結するような施策につきましては、しっかりと維持ができるように、歳出に関しましては各施策の人件費も含めたフルコストでの再検証、また創意工夫、手法の見直しなど行財政改革を行って、福祉を支える予算の捻出につなげてまいりたいと考えております。 歳入に関しましても、市税のさらなる増収を図ることは当然のことながら、保有財産のさらなる利活用、また国・県の補助制度の活用、他団体の助成制度の積極的な活用など、あらゆる面から幅広い視点を持って確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、職員を含めた福祉を支える体制整備についての御質問でございます。 現行の社会情勢下におきまして、本市を取り巻く財政状況につきましては、大変厳しいものがあるということは既に周知のところでございます。その中におきまして、業務のあり方の見直しや定員の適正化につきましても計画を持ち、これまでも取り組みを進めてきたところでございます。 一方で、市民の皆様のニーズが多様化する中において、特によりきめ細やかな福祉の実施につきましては、これまで以上の人員が必要になってくることも認識いたしております。そういったことから、引き続き正規職員につきましては定員の適正化を進める一方で、さきの議会で御承認をいただきました非専門的任期付職員の活用や、また非正規職員の活用も図りながら、市民の皆様がこれからも地域で安心して暮らしていただけるための福祉を支える体制整備に向け、人員の確保、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、下水道事業会計についての御質問でございます。 まず、平成25年度の下水道料金改定当時の事業見通しについてでございますが、下水道事業につきましては、汚水処理に係る経費は使用料収入で負担する、いわゆる独立採算制が原則とされておりますが、これまで本市におきましては、一般会計からの多額の繰り入れにより、使用料の水準を低く抑えてきた経緯がございます。その中で、一般会計の負担を減らし、下水道事業が独立して維持していくことができるように、平成25年9月分から改定することといたしたわけでありますが、総務省通知によらない基準外繰り出しの全額を解消する場合には改定率が60%を超えることとなりましたので、使用者の急激な負担増を避けるために、必要な改定の半分を料金に反映させていただいた次第でございます。 そして、平成26年4月には下水道事業に関しまして、地方公営企業法を適用し企業会計を導入するとともに、水道局の組織統合を行わせていただいたところでもございます。この組織統合による合理化によりまして、企業局の職員につきましては、統合前の上下水道を合わせました232名から、ことしの4月段階では178名と、54名の職員の縮減も図らせていただいております。また、単独の処理場等の包括委託、さらには奈良県の流域下水道維持管理負担金の単価の値下げ交渉など、局といたしましても経費の節減に努めているところでございます。 この結果、資金不足となる見通しにつきましては、平成30年度に資金不足に陥るという見込みを1年先延ばしにすることができたわけでございますが、一方で、下水道事業会計の全体ということで申し上げますと、やはり依然として厳しい財政状況にあるということは言えるところでございます。 次に、使用料の改定についての考えでございますけれども、下水道事業会計は9月の決算審査等特別委員会で企業局がお示しいたしました財政見通しでは、平成31年度末に5億3600万円の不良債務が発生をする見通しとなってございます。現在、企業局におきましては、改めて財政見通しの精査を行わせていただいているところであり、今後、下水道使用料改定につきましては議論を深め、改定の必要性や時期につきましては、議会を初め、市民の皆様の理解を得てまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、針テラス事業についての御質問であります。 針テラス特別会計を公営企業会計から普通会計に分類を移行することによって、どういう影響があるかということでございますが、現在行っております裁判の結果によっても異なるところではありますが、約9000万円の土地使用料徴収に不足が生じた場合には、一般会計から繰り入れが必要となることや、今年度行ったような繰上充用の措置が必要となるわけでございます。また、普通会計の決算につきましても針テラス特別会計の決算が含まれることから、黒字を確保するに当たりましては、針テラス事業の今後の動向に留意が必要であります。 事業運営の健全化につきましては、これまでも積極的に取り組んできたところでありますが、この相手方の事業運営の姿勢ということについて大きな疑問もあることもあり、市といたしましても現在係争中でありますが、法的な手段をもってしっかりと厳正に対応し、今後の方向性については総合的に判断し、早期に対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、総合計画についての御質問でございます。 第4次総合計画の総括を踏まえ、平成33年度からの第5次総合計画の策定についてでありますが、総合計画につきましては、中長期的なまちづくりの方向性を示し、市政運営の根幹となる基本方針であり、策定に際しては市民の皆様にも参画をいただき、議会の御議決をいただいた計画でございます。この平成32年度を目標年次とする現行の計画につきましては、基本構想、基本計画、実施計画という、いわゆる3層構造でございますが、平成23年の地方自治法改正によりまして、基本構想の策定義務が廃止されましたことから、他の自治体におきましては、基本構想と実施計画のいわゆる2層構造とする自治体や、また基本構想と基本計画の2層構造とされている自治体もございます。あるいは、総合計画にかわる新たな市政運営の方針を代替として策定をされる自治体も出てきているところでございます。 総合計画につきましては、行政の全分野を網羅した中長期の計画であるという特性上、社会経済情勢のスピーディーな変化になかなか柔軟に対応ができないということや、策定に要する負担が大きいという課題もあるように考えております。また、総合計画以外にも福祉や教育、都市計画などの分野ごとの個別計画が総合計画と併存しているということもございまして、これらの計画の進捗管理が重複しているような部分もあるように認識いたしております。 これらのことから、次期総合計画につきましては、改めて計画策定の意義やその内容、また進捗管理の方法などしっかりと検討してまいりたいと考えております。その上で、現在と同じような計画がよいのかどうかということも含めて、さらに検討を加え、市民の皆様によりわかりやすいまちづくりの方向性を示せるような手法を考えてまいりたいと考えております。 続きまして、福祉行政についての御質問でございます。 第3次奈良市地域福祉計画、いわゆるひとりぼっち0プロジェクトの推進に当たりましては、地域住民を初め、地域で活動している関係団体やボランティア団体などと連携を図り、それぞれの地域の特性を踏まえながら、課題解決に向け取り組んでいくことが重要でございます。 今後、地域福祉をより一層推進していくためには、地域で主体的な取り組みが図れるように、行政としてどのような支援ができるのか、具体的には地域自治協議会などの仕組みも含め、地域の皆様とともに知恵を絞り、実行に移してまいりたいと考えております。 また、それにあわせまして、地区社協への公的支援のあり方についてでございますが、子供、高齢者、障がい者など、全ての人々が共生できる地域社会を実現するためには、やはり地域福祉のさらなる推進、そして地域包括ケアシステムの構築が重要でございます。そして、地域福祉の推進やこの地域包括支援システムの構築には、地域と行政が協働して取り組むことが重要であり、地区社協はそのパートナーであると認識いたしております。 このことから、地区社協に対する公的な支援の必要性については、市としても認識しており、来年度以降につきましては、地区社協を支援するために活動している担当の職員を増員するなど、よりきめ細やかな支援を図ってまいりたいと考えております。 次に、子供の貧困対策として、就学援助制度のあり方についての御質問でありますが、まず、対象であるにもかかわらず、制度を御利用いただいていない方がおられるという問題につきましては、全保護者に対し、学校を通じて年2回リーフレットを配付するなど、これまでも周知に努めてきたところでございます。また、ホームページを活用して申請書類のダウンロードができるなどの利便性の向上にも努めてきたところであります。 今後は、この申請漏れをなくすために、さらにわかりやすいリーフレットに見直しをしていく、また、ホームページなどにつきましても伝え方の改善を図り、この対象の皆様方に漏れなく制度を御利用いただけるように、さらなる努力をしていきたいと考えております。また、当然のことながら、厳しい財政状況ではありますが、この制度を運用していくための必要な財源につきましては、財源が不足せぬよう予算措置をしっかりと図ってまいりたいと考えております。 次に、準要保護の基準の見直し、これを中核市平均に引き上げてはどうかということでございます。 まず、準要保護に対する就学援助制度の拡充につきましては、今年度より新入学準備金の支給額を約2倍に引き上げたところでございます。また、新入学の保護者の負担軽減のために支給の時期を前倒しをし、入学の前にお金が必要な時期に支給ができるように改善させていただいておるところであります。財政状況もございますので、基準の見直しということにつきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思っております。 次に、子供・若者への切れ目ない支援についてでありますが、義務教育を終了した早い段階における若者に対するアプローチには、若者が通学をしていた学校の教員が身近な相談相手として存在していると考えております。このことから、若者の生活や考えを把握するために、教育委員会におきまして、奈良市子ども・若者計画に係る実態調査を行ったところであります。平成28年度の調査結果からは、進路変更や学力不振に陥るのが高校1年生の学年に多いという結果が出ておることから、今年度は高校1年生に特化した調査を7月と11月、2回行ったところであります。 7月に行った調査結果を受けて開催いたしました奈良市子ども・若者計画にかかわる実態調査検討会議では、会議のメンバーから教育と福祉の連携の必要性、また、児童・生徒からSOSを発することができる環境づくりを求める声などが出たところであります。11月に実施いたしました第2回の調査結果につきましては、現在集計中であり、まとまり次第検討会議において議論をさせていただきたいと考えております。 困難を抱えた子供・若者の支援に関しては、教育段階で困難を抱えそうな子供を早期にケアする、いわゆる予防の観点と、実際に困難を抱えてしまった若者に寄り添うという福祉の観点、この2つがあると思います。この2つの観点から、できる限り早く困難を抱えた若者を支援ができるように、市長部局と教育委員会双方の役割を明確にし、かつプロジェクトチームなど庁内連携体制も構築しながら、切れ目のない支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、観光行政についての御質問でございます。 三条通りの活性化案についてということでございますが、これからの商店街はやはり地元の住民のお客様はもちろんのこと、来訪者の観光客の方も楽しめる場所であるという要素が重要だと考えております。 観光経済の面からは、奈良を訪れる観光客にお店を利用していただくことで、より多くの消費につなげることが可能となってまいります。よく言われることでございますが、最近は、物の消費から事の消費へとニーズが移り変わっていることもあり、地元の住民の皆様が日常に利用されている商店街を同じように歩き、食べ、また買い物をするという、そういった体験がいわゆる体験型の事消費にもつながっていくものだと考えております。 そのためには、個々の店舗の独自性や、また多様性を引き出すとともに、商店街の店舗構成、また客層などの実態をしっかりとデータとして把握、分析した上で、それぞれの商店街の特徴をはっきりと打ち出していくという対策が効果的かと存じます。そして、この商店街ではこんな楽しみがあるという認識をしてもらうことで、まちに来る動機づけや消費の増につながっていくものと期待いたしております。 三条通りのショッピングモールにつきましては、御指摘のように、セットバックが完了したことから、現在、商店街のほうで防犯カメラの設置も計画されており、より安心して買い物ができる環境整備に努めておられます。また、電線が地中化されたことから、JR奈良駅から春日山の景色を楽しみながら歩くことができる空間にもなってございます。今後、歩行者天国の日数増などにつきましても求める声もございますことから、調整を図り、検討をし、歩いて楽しく買い物ができる奈良のメーンストリートにしてまいりたいと考えております。 また次に、イベントなどの開催に際して、有償化されたものを今後どういうふうに進めていくかということであります。有償化されたイベントの一つとしては、具体的には珠光茶会が事例としてございます。今年度で5回目を迎えるわけでございますが、冬の定番の行事として定着してきており、昨年もチケットが完売いたしております。また一方で、こういった有償のイベントに加えまして、なら燈花会や平城京天平祭、なら瑠璃絵など、イベントの参加自体は無料のものもございます。こういった事業につきましては、行事の参加自体は無償であっても、来られた来訪者の方々にトータルでしっかりと消費していただけるような取り組みをしっかりと考え、仕掛けづくりをしていくことが重要だと認識しております。 また次に、リピーターをふやすための今後の戦略についてでありますが、やはり全国の観光地同士が、今非常に競争が熾烈になってきている状況にもあり、奈良市といたしましても、やはりリピーターをふやすための仕掛けが大変重要だと考えております。その中では、食を中心とした観光コンテンツを切り口にすることが効果的であろうと考えております。本市における食のブランド化推進としましては、これまで大和茶やイチゴの古都華を初め、奈良の特産品のPR、普及などに努めてきたところであり、これにつきましては一定の成果は出ているものと考えております。 今後は着地側として、実際に奈良に来られた観光客の皆様に具体的に食に触れていただくための見せ方、提供の仕方の工夫がさらに必要になってくると考えております。例えば商店街や飲食店エリアのそれぞれの特性を生かした気軽な食めぐりや、質の高い土産物の購買促進の仕組みづくりを行うことなどによりまして、奈良での食や買い物の楽しみを体感していただき、ファンとなり、次のリピーターを生み出すような流れをつくってまいりたいと考えております。 続きまして、都祁・月ヶ瀬・東部地域が抱える生活基盤の課題についてでありますが、平成17年の市町村合併後につきましては、新市建設計画に基づき、都祁地域でのコミュニティバスの運行、また生活路線バスを月ヶ瀬地域まで延伸しておりますほか、月ヶ瀬地域と伊賀市を結び、スクールバスと併用されている自主運行バスについても継続し、交通手段の確保に努めております。また、地域活性化の面では、地方創生推進交付金事業や地域おこし協力隊などを活用し、農家民泊の実施、また柳生街道などの地域資源の発掘を行い、東部地域のPRも行っているところであります。しかしながら一方で、御指摘のように、交通や買い物、医療、介護など、いわゆる生活面での課題は継続して存在していることを認識しております。 これらの課題については、行政はもちろんでありますが、行政のみでは解決ができないものもありますことから、民間事業者との連携も含めまして、具体的な解決策を検討してまいりたいと考えております。 次に、台風21号の被害も含めた防災対策としての森林保全でありますが、議員御指摘のように、都祁・月ヶ瀬・東部地域を中心に台風21号によりまして、農業用施設、そして山林に対する被害が多く、全体では200件の被害件数を超えており、山林の被害件数は60件を超えてございます。森林は木材の生産、土壌保全機能、水源の涵養、地球温暖化の防止など多面的な機能を持っておるものであります。その中の土壌保全機能の高度な発揮を図ることが、山地災害の防止につながるものと考えております。方法といたしましては、計画的な造林、間伐等によりしっかりと根を張った丈夫な木の育成を行うことで、山崩れが起きにくい健全な森林が形成されると言われております。 本市といたしましても、奈良市総合計画後期基本計画の中で、農林業の振興と位置づけ、森林の持つ機能の保全、充実を推進すると位置づけており、国や県の制度も活用させていただいております。具体的には、特定間伐等促進計画に基づく国の制度であります美しい森林づくり基盤整備交付金を活用し、また県の森林環境税を原資とする施業放置林整備事業を活用しております。さらには、本市独自で森林総合保育事業を積極的に行っているところでございます。 一方で、森林の管理状況は、所有者の所在不明、また境界の未確定のケースが増加し、スムーズな森林保全を進める上での阻害要因になっているところもございます。これらの解決策としては、31年度から改正森林法の制度運用の開始に向けまして、氏名、住所等の所有者情報を整理した林地台帳の整備を進めております。 今後も森林の管理状況の把握やその精度を高めるとともに、奈良市森林組合、また都祁森林組合とも協働しながら、造林、育成、間伐、搬出というサイクルを継続し、またさまざまな制度も活用した森林保全のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑事業についての御質問でございます。 まず投棄物処理についてでございますが、投棄物の処理費用の算定につきましては、調査を行いまして、その結果をもとに投棄物の土量算出を行ったところ、ボーリングのコアに含まれます投棄物の含有状況などから地中の投棄物混入量を5,067立米と算出し、さらにこの土砂混じりの投棄物の分別を行うことで、廃棄物として処理が必要なものとしては約2,024立米という計算となってまいりました。これらの調査から、コンクリート殻につきましては約144立米、残る1,880立米は混合廃棄物として処分する必要があると考えております。これらの分別費用なども含めた投棄物の処理には、およそ1億4200万円の費用が必要だと計算をさせていただいたところでございます。 このボーリング調査につきましては、投棄されている範囲を30メーターのメッシュに区切り、その区画ごとに1カ所ずつ実施し、機械ボーリングを20カ所、さらには手掘りで3カ所を加えまして、合計で23カ所掘っております。そのことから、信頼性の高い結果が出ているものと考えております。 また、投棄物の処理につきましては、地権者との交渉の中で、投棄物の投棄、埋設時期が地権者が土地を購入された時期よりも以前だと想定されること、また、本来は投棄した者が処理すべきものであるが現時点ではその投棄者が特定できないこと、また、今回の投棄物の処理は市の事業計画により必要となること、また、土地の価格からいたしましても処理費用を地権者が負担をするということが現実的ではないことなどから、合併特例債の活用期限もある中で、この奈良市の60年来の課題を解決するためには、やはりこの処理費用も市が施設の整備費において負担をするべきものと考え、判断をさせていただいたところでございます。 次に、土地の購入についての御質問でございますが、まず地権者との協議におきまして、平成27年7月30日付で土地購入に係る覚書を取り交わしており、その中で、鑑定評価等に基づく適切な価格で購入すると書かせていただいております。その後、昨年発表いたしました奈良市新斎苑基本計画における事業費の中では、土地関係経費といたしまして約3億円を計画させていただいておりました。地権者の方とは今までも交渉を続けてきたところでありますが、鑑定評価額が2社から出たことから、今般具体的な交渉を行ってきたところであります。 市といたしましては、鑑定評価は民間同士の取引を事例としたものであり、事例としては、計画地周辺では民間の取引がほとんど実績としてはないことから、計画地周辺における公共事業の買収事例等も参考にし、地権者からの主張も踏まえて協議を重ねてきたところであります。その結果、2社の鑑定評価の平均額、また、岩井川ダムの建設に伴う県による計画地側の土地購入額の現在評価額の平均といたしまして、1平米1,514円で買収をさせていただくということで地権者の方の内諾をいただいたところでございます。 次に、買収の面積についてでありますが、計画地部分は約4.9ヘクタールございますが、アクセス道路及び橋梁部分の必要面積として、加えて0.9ヘクタールを見込んでおり、これに西側の山林約5.2ヘクタールを合わせまして約11ヘクタールとなってございます。 かねてから計画地の周辺におきましては、自然災害等への不安や懸念が寄せられている中におきまして、地質や土質等に係る一連の事前調査について第三者評価を実施し、その安全性については担保されていると考えておりますが、計画地西側についても市が購入をすることで、防災対策を着実に行うとともに、いわゆるバッファゾーンを備えるということによりまして、地域の皆様の御理解を得てまいりたいと考えているところでございます。 一方で、計画地周辺地域の工事による地下水への影響につきましては、継続して調査を行うべく観測井の設置や、新斎苑設置に要する上水道の配管等の布設に要する土地を必要といたしておりますことから、今回、西側の山林も含めた一団の土地として約11ヘクタールの購入を提案申し上げているところでございます。 このことから、先ほど申し上げました単価と面積を掛けまして、約1億6700万円で地権者の内諾をいただきましたことから、今回の予算計上に至ったものでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 東部・都祁・月ヶ瀬地域の上下水道官民連携事業についてお答えいたします。 官民連携事業の考え方と条例の提案についての御質問をいただきました。 まず、上下水道官民連携事業の考え方についてでございますが、上下水道事業は、急速な少子高齢化による給水人口の減少に伴い、料金収入等も減少傾向にあります。一方で、高度成長期に整備された施設、管路の老朽化が進み、その更新には多額の事業費を必要とすること、またベテラン職員の大量退職による技術力の低下など、多くの課題を抱えております。 議員御指摘のとおり、東部・都祁・月ヶ瀬地域は、市街地よりも人口減少等が進んでいることから、経営の効率化が喫緊の課題となっております。そこで、業務委託の見直しや拡大を進め、民間事業者の経営ノウハウや技術的能力を活用することで市民サービスの向上や効率的な経営を行うとともに、地域の課題、実情に応じて早急に官民連携と広域化に踏み出すことが重要であると考え、現在取り組んでおります。 企業局では、官民連携の活用を通じて、効率的に地域での多様な活動が可能となるものと考えており、上下水道サービスだけでなく、公的サービス、日常生活の支援サービス等も担っていくことを目指しております。 次に、条例の提案についてでございますが、我々がこの地域で実現しようとしている官民連携事業は、水道法の改正後にその仕組みを利用して活用しようとするもので、この法律改正は次期通常国会に提案予定と聞いております。そのポイントは、現行法では上下水道事業をコンセッション方式でやる場合、一旦現在の認可を廃止して、運営権者が新たに国から認可を取得するというようなことが必要であると。このため、現行法では市が事業権を手放すということになって、水道事業の継続ということにいろんな問題が生じるわけですけれども、今考えられております水道法では、現在、奈良市が、我々が保持しております事業認可権というものは市が保有をしたまま官民連携事業会社に運営権だけを設定して事業を実施していくと、こういう仕組みが可能になるというもので、継続的に安定した水道事業が可能になるというものでございます。 今後も、奈良市の企業局が水道事業の認可を保持することから、東部地域等の事業運営に市が最終責任者として関与できる仕組みが担保されるもので、事業の安全・安心につながるものと考えております。官民連携事業を実現するためのコンセッションに係る実施方針の条例提案については、このような改正水道法、あるいは地元や関係機関との調整などの条件が整い次第、議会に提案をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 26番藤田君。 ◆26番(藤田幸代君) 2問目を用意しておりましたが、主張、要望に変えさせていただきます。 平成30年度予算編成方針にある定員適正化につきまして、安定した雇用と処遇があるところによい人材は集まります。また、よい人材の確保がよいシステム構築につながります。よい人材を確保していくための処遇改善、そして正規職員の削減には歯どめが必要と考えます。 下水道事業の使用料改定の時期につきましては、2年後の平成31年10月に予定されております。消費税が10%に引き上がることも念頭に入れていただいて、対応をお考えいただきたいことを要望いたします。 針テラス事業におきましては、使用料収入をもって公債費の償還に充てていて、元金償還残高が9億505万円もあるということですので、平成28年度決算審査の中で監査委員からも言われているように、適時、適切に弁護士と相談し、強い姿勢を持って望まれるよう要望いたします。 第5次総合計画の策定に当たりましては、社会経済情勢の変化が早いことに対応できる計画期間の検討も必要と考えます。そして、外部組織に計画のおおむねを任せるのではなく、奈良市の状況に即した、奈良市による計画の策定をしていただけますよう要望いたします。 地域福祉につきましては、市社会福祉協議会及び地区社協への対応に関して、随分前向きな御答弁をいただけたと感謝いたします。地域自治協議会の体制を整えていくことで、地域福祉が奈良市に行き渡るよう、行政として不断の御努力をお願いいたします。 子供の貧困対策としての就学援助制度について、2問目で準要保護者の認定基準の見直しをお聞きし、今後の検討課題であると考えると御答弁いただきましたが、本市の就学援助費支給案内の文書には、認定される上限の基準の参考例として、4人家族のサラリーマン家庭で収入340万円を想定されております。その同じ条件で税金と社会保険料を引いた可処分所得を計算すると272万2300円になります。ここから家賃、医療費などの支払いがあります。そして、この4人家族の同じ家族構成に支給されている生活保護費の計算では、家賃扶助費を入れてですが、年間301万261円という保護費でした。税金、社会保険料、医療費の扶助がある生活保護世帯と比べて、明らかに上限基準で認定されている準要保護者の所得が低いことがわかります。こうした現状にしっかり目を向けていただきまして、制度のはざまで困窮している子供たちに救済する支援を届けていただきたいことを切に要望いたします。 子供・若者へのライフステージに応じた切れ目ない支援について、これまで我が会派から議会もしくは委員会での質問として何度も取り上げ、ニート、ひきこもり、不登校、発達障がいなど子供と若者が抱える生きづらさの支援のために、乳幼児期から学齢期、青年期における包括的、また継続的支援の必要性を強く訴えてまいりました。 1問目で、その支援の必要性と支援のためのプラットホームの認識についてお聞かせいただきましたが、教育段階での予防の観点、困難を抱えた若者の福祉の観点の2つの観点からだけでは、乳幼児期から学齢期、青年期のライフステージに応じた切れ目ない支援にはつながりません。青年期の生きづらさの背景には何があるのか、教育段階よりももっとさかのぼったところに根本原因があることも少なくありません。本当の支援はそこからしていかなくてはなりません。また、この支援は困難を抱えた若者だけを対象としたものではありません。乳幼児期からの全ての子供と若者への支援であります。 そして、市長部局と教育委員会双方の役割を明確にし、と答弁されましたが、包括的な支援のためには、教育現場でも子供たちの後ろにある家庭における福祉的問題にも目を向ける必要があり、また、市長部局が対応する福祉の支援においては、その子供の成長していく先を見据えた支援につなげなければなりません。プロジェクトチームなど庁内連携体制を構築することで、切れ目ない支援を実現していきたいと御答弁いただいておりますので、双方そうした目を持ちながら、市長部局と教育委員会の関連部署の連携体制であるプラットホームの構築を要望いたします。そして、そのために学校現場で福祉の対応ができるスクールソーシャルワーカーの増員と充実した活用を要望いたします。 そして、今後18歳を超える若者の実態掌握も必要と考えます。その際、この支援には進路から外れてしまった若者に光を当てなければなりません。その点も御留意いただいて、今後の取り組みを期待したいと考えます。 次に、観光行政について、商店街のホームページには、采女祭や春日若宮おん祭などさまざまな行事の舞台となる三条通りのことを「日本一古い都大路」、また「東の春日の山から、西の生駒・暗峠まで、太陽の通る道」、また「古代・太陽の道」、そして「東に『春の日がのぼる』春日の山、西に『日の沈む暗峠』の生駒山」と悠久の歴史が目に浮かぶような情緒ある言葉で表現されております。歴史は奈良市の資産であります。現在、三条通りは幾つかの商店街で構成されているようですが、JR奈良駅から猿沢池までを一つのストーリー性を持たせて昔を感じながら、またにぎわいのあるメーンストリートとして活性化を進めていただきたいことを要望いたします。 そして、一度来てくださった方をリピーターにつなげるために、奈良のあのお店のあれがもう一度食べたいとか、次は秋の季節の奈良を訪問したいなど、口と目に訴えられるものに強みがあり、そのための仕掛けが必要であると考えます。 また、有償化できるソフト事業では、昨年、東アジア文化都市事業で行われたような平城宮跡野外公演--これは大変好評だったと記憶しておりますが--こうしたものを毎年の事業として定着させていくことなども提案させていただきます。 都祁・月ヶ瀬・東部地域の抱える課題につきましては、その生活基盤において、子育て世代では、子供が高校生になると地域外の学校に通うため、市街地までの送り迎えや高いバスの運賃を捻出しなければならないという課題があり、そのため地域外への転出に拍車をかけている現状もあります。そして、高齢者だけの世帯が生活難民、介護難民になる可能性は、市街地より深刻であります。これらをこの地域の喫緊の課題として受けとめ、まずは実態調査をされ、現状をつかんだ上で、解決できる計画を立てていただけますよう要望いたします。 森林保全につきましては、長い目で見なければなりませんが、こうした取り組みが防災・減災の一番の対策と考えます。森林組合への働きかけで森林保全の促進につなげていっていただけますよう要望いたします。 上下水道官民連携事業も、都祁・月ヶ瀬・東部地域の皆様の生活基盤を確保するためには、大きな部分を占めている事業であります。地域住民に安定した使用料金で安全な水を提供していくとともに、地域活性化につなげる事業の展開にも期待したいところです。 そして、これを企業局だけの問題とするのではなく、奈良市として、市長としても積極的に推進していくべきだと考えます。そして、例えば行政がインターネット環境を整備するなどして、上下水道事業とともに民間事業者がクラウドソーシング化を図り、それが定住につながるなど、また森林保全を促進し、その結果出てきた間伐材を木質バイオマスに利用するなど、1つの取り組みが2つにも3つにも展開していく可能性があると考えます。上下水道官民連携事業は、都祁・月ヶ瀬・東部地域の皆様の生活のために進めなければならない事業だと考えます。 そして、新斎苑建設事業について、今後、具体的に工事着手後に投棄物が処理されることになるかと考えますが、調査の信頼性の高さを言及されておりますので、処理費用の見積額に大きな過誤が生じることがないよう対応されることを要望いたします。 土地購入につきましては、予算に建設計画地の西側の山林部分が追加されました。もともと本市は、この土地を購入するかどうかの判断以前に、建設地西側の安全対策を講じていく予定であったはずですので、今回予算が通り、西側の土地が購入されたならば、建設予定地の周辺についての自然災害等への防災・減災の対策をより一層強化していただきますことを要望させていただきます。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時57分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(三浦教次君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(三浦教次君) 代表質問を続行いたします。 20番山口君。   (20番 山口裕司君 登壇) ◆20番(山口裕司君) 私は日本共産党奈良市会議員団を代表し、通告させていただいた内容で市長、教育長に質問します。 午前中の代表質問と内容が重複する点もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。一括質問一括答弁でお願いします。 初めに、市長に伺います。 市長の政治姿勢についてです。 その1として、憲法9条を守り生かす取り組みについて質問いたします。 戦争を直接経験された方々が年々少なくなってきている今日、戦争の悲惨さやおろかさを伝え、平和の大切さを伝える取り組みが広がっています。市長はこのような取り組みについてどのようにお考えでしょうか。また、市長の平和に対するお考えもお聞かせください。 一方、安倍首相は、2020年までに憲法を改正し、9条に自衛隊を明記すると言われています。集団的自衛権容認や安保法制のもとで、今の自衛隊は海外での武力行使が可能な自衛隊です。憲法9条を変えてしまえば、ますます日本が戦争する国に近づきます。こうした動きに対し、安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名が広範に取り組まれています。仲川市長にもぜひこの取り組みに賛同いただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。 政治姿勢の2点目として、核兵器禁止条約に日本政府が参加するように働きかけることについて質問します。 ことし7月7日に国連で採択された核兵器禁止条約について、非核平和都市宣言をしている本市の市長として、市民にその意義を広げる考えはないのかお答えください。 また、日本政府は、核兵器禁止条約に背を向けていますが、広島や長崎の市長は、そのような政府の姿勢を批判するとともに条約への参加を呼びかけています。仲川市長にも、ぜひ国に意見を上げてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、平成30年度予算編成に関連して質問します。 予算編成方針では、選ばれるまちになることが強調され、具体的には子育て、教育環境の充実などが上げられています。一方で、今進められている幼保再編計画や学校規模適正化計画により、地域の身近な幼稚園がなくなったり、小学校もなくされようとしています。また、市長がこの間実績にも上げられた少人数学級も、ここ数年後退しています。 予算編成方針で言われている子育て、教育環境の充実とはどのようなものなのか、お考えをお聞かせください。 2点目として、引き続き業務の民間委託等の行革の推進が言われています。業務の民間委託は、市民サービスにとってどうなのかという点とともに、自治体が責任を持つべき市民の安全を守るという点からどうなのかという点も大切な視点だと思います。 災害時に委託先の職員が、市民の安全を守るという自治体職員と同じ立場で対応できるのでしょうか。民間委託の推進と市民の安全を守るということについて、市長のお考えをお聞かせください。 次に、医療・福祉行政について質問します。 初めに、国民健康保険についてです。 都道府県単位化のスタートまで半年を切りました。今でも保険料が高くて払えないと、切実な市民の声が届いています。県単位化で保険料が上がるのではと心配の声が広がっています。県単位化になっても、奈良市として高過ぎる保険料の引き下げのための努力をすることが必要です。 そのために、一般会計からの法定外繰り入れを継続し、拡充する必要があると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、心身障害者医療費の助成に関する条例の一部改正についてです。 議案第103号についてですが、これは心身障がい者の医療費について一部負担金を導入するものですが、その理由について御説明ください。 次に、介護保険制度についてです。 現在、国では、2018年からの介護報酬改定の論議が進められていますが、今回は2年に一度の医療と診療報酬改定と重なる年のため、財務省は診療、介護の報酬を一体的に削減する機会にすることを狙っています。2015年度の介護報酬改定では、安倍政権が過去最大級のマイナス改定を強行した結果、多くの介護事業所の経営が苦境に追い込まれました。職員を確保できず、特別養護老人ホームが新たに開所できない事態などが大問題になりました。 介護報酬削減は、一人一人が使う介護サービスの量と質の縮減につながるため、利用者家族に大きな負担と困難を強いるものになっています。これまでも要支援の人の保険外しなどが行われ、負担あって介護なしと批判されてきましたが、2018年度改定では、深刻な利用制限が厚労省の審議会でも検討されています。介護保険を利用する人も介護を担う人たちも、ともに安心できる仕組みづくりが急がれます。そのためにも、介護報酬の引き上げは不可欠です。あわせて、利用者負担を軽減する措置も必要です。 そこで質問します。 市長は、国のこのような動きについてどのように認識をされていますか。また、安心できる介護の仕組みを実現するために、介護報酬の引き上げ、仕組みの改善が求められます。国に対して意見を上げるお考えはありませんか、お答えください。 また、第7期介護保険事業計画の進捗と課題について、どのように認識しているのかお答えください。あわせて、保険料を引き下げることや利用料の軽減のための措置が必要と考えますが、市としての取り組みについてお答えください。 次に、安全・安心のまちづくりについてです。 初めに、生活道路の維持補修について質問します。 予算編成方針にも関連しますが、高齢化が進む中で安全・安心に暮らすことができるまちになるためにも、生活道路の維持補修が求められています。一見ささいと思われる穴ぼこやがたがたな道路状況であっても、高齢者や障がい者にとっては、そこを歩行することは大変なことです。財政難を理由に優先順位をつけてと言いますが、結局、穴ぼこなどが原因での賠償事案も後を絶たないではありませんか。少なくとも歩行者、とりわけ高齢者が安全・安心に通行できるよう、自治会や万年青年クラブの協力も得て、傷んだ歩道の点検を行い、予算や人員の配置も含め集中した取り組みで修繕を進める必要があると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、市役所本庁舎の耐震化についてです。 災害時の市民の安全を守る拠点が市役所です。何よりも市役所の耐震化が急がれます。本庁舎耐震化整備検討委員会で耐震化の方向が示されましたが、現在、本庁舎の耐震化についてはどのような状況にあるのか、また、今後の取り組みについてお示しください。 次に、災害時の第一次避難所の拡充についてです。 地域防災計画では、奈良盆地東縁断層帯に起因する大地震が発生した場合に想定される避難者は、約13万人とされています。それに対して、第一次避難所で収容できる人員は3万5000人です。市民の安全を守る立場から、避難所そのものの数をふやす考えはないのかお答えください。 次に、新斎苑建設計画について質問します。 今議会補正予算で提案されている土地購入のための予算についてです。 1点目として、土地取得費用の根拠と妥当性についてお考えをお聞かせください。 2点目として、西側部分、西山部分を取得するということで、これまでその計画はありませんでした。目的とその必要性について、また活用計画についてお答えください。 次に、クリーンセンター建設計画についてです。 平成17年12月26日に調印された公害調停の調停条項の最大のポイントは、循環型総合リサイクル施設として新しいごみ焼却施設の建設計画をできる限り早期に策定し、現環境清美工場については移転を実施するというところにあります。この移転をするということに照らせば、仲川市長がこの間記者会見や議会で発言されている広域化や現地建てかえを含め、あらゆる手法によりクリーンセンター問題の解決を加速しますと、現地建てかえについて言及されていることは、調停条項に違反をするのではと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 同時に、現環境清美工場の老朽化については、放置できない事態です。安全に操業ができるよう、耐震化や維持補修など必要な対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、教育長に質問します。 まず、学校教育施設の整備についてです。 1点目として、右京小学校の未耐震校舎についてです。 右京小学校の未耐震校舎については、これまでも我が党として観光文教委員会などでも質問をし、対応を求めてきた問題です。学校規模適正化計画による統廃合計画があることから、未耐震の校舎が残っています。保護者を初め関係者の方々からも、統廃合計画と切り離して一日も早い耐震化を、と声が上がっています。教育長のお考えをお聞かせください。 2点目として、市内の学校では雨漏りのする体育館や校舎、廊下や壁の傷みなど、施設の老朽化が進んでいる学校・園がたくさんあります。教育環境の整備は行政がやるべき大切な課題です。それぞれの施設の改修について計画を持ち、対応すべきと考えます。同時に、さきにも述べた学校規模適正化計画による統廃合計画とリンクをさせて対応すべきものではありません。老朽化などによる学校など教育施設の改修について、お考えをお示しください。 最後に、聴覚障がい児への教育現場での情報保障支援について、同じく教育長に質問します。 聴覚障がい者とのコミュニケーションのツールの一つとして、例えばUDトークなど音声を文字に変換するアプリが開発され、企業や施設、大学などで導入されています。京都市の聴覚障がい児が学ぶセンター校の二条中学校に2016年から導入されています。先生が話した言葉が生徒のタブレットに文字として変換されます。香川県では、難聴児(者)親の会が提案された難聴児のプログラミング教育が総務省の実証事業に採択され、アプリで声を文字化する事業モデルが始まろうとしています。総務省も、その成果を将来の教育現場に反映させたい意向を示しています。 そこで質問します。 本市の聴覚障がい児が学ぶセンター校の椿井小学校、三笠中学校への音声文字変換システムの導入について、関係者からも切実な要望として声が上がっていますが、教育長のお考えをお聞かせください。 以上で私の第1問を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの山口議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、憲法9条に関する御質問でございます。 その中におきまして、戦後、直接戦争体験をお持ちの方がどんどん少なくなってきている今の時代背景の中で、どのように平和の大切さを伝えるのかという御質問でございます。 さきの大戦から70年余りが過ぎ、戦争体験された方が減りゆく現状に対しまして、戦争の悲惨さや平和の大切さを、私自身も含めた戦争を知らない世代にしっかりと伝えていくことは重要であり、市の責務だと考えております。 また、平和に対する考えということでございますが、いかなる場合であっても戦争は肯定されるものではなく、政治に携わる者として市民の平和な暮らしは守っていかなければならないと考えております。 また、全国の統一署名についての所感ということでございますが、憲法9条の改正につきましては、既に各政党でもさまざまな議論がなされていることを認識いたしております。憲法改正は国会において発議するかどうかが審議をされるものでございますので、地方公共団体の首長としてその議論をしっかりと注視してまいりたいと考えております。 次に、核兵器禁止条約についての御質問でございます。 非核平和都市宣言を行っております本市といたしましても、核兵器禁止条約が目指す核廃絶に向けての方向性は重要なものだと考えております。 また、この条約への参加意見を政府に上げるべきではないかという御提言でございますが、我が国がこの条約に参加をしていないという状況につきましては、政府において検討され、結論を出されたものとは理解いたしておりますが、今後も引き続き議論されるべき重要な課題だと認識いたしております。 続きまして、平成30年度の予算編成に際しての御質問でございます。 子育て、教育環境の充実をどのように図るのかということでございます。 待機児童の解消やバンビーホームでの昼食提供など、子育て真っ最中の保護者の方々をさらに応援していくことをまず第一義に優先して取り組んでいきたいと考えております。また、あわせまして病児保育施設の整備や、休日夜間応急診療所での小児科専門医の全日配置など、さらにきめ細かな子育て環境の充実に努めてまいりたいと考えております。さらには、児童福祉法の改正に伴う中核市への児相設置につきましても、児童虐待の防止対策という観点から大変重要なものと考えており、子供と保護者を支援していくために、着実な設置に向けての準備を進めてまいりたいと考えております。 また一方で、教育環境ということにつきましては、本市の教育施設の老朽化が著しいということもあり、学校・園の施設の長寿命化計画の一環といたしまして、トイレの洋式化また安全性や機能面の改善など、子供たちの教育環境の充実にはさらに力を入れてまいりたいと考えております。 こういったものにつきましては、やはり未来の世代への先行投資として大変重要なものだと認識いたしております。 次に、災害が起きたときの市民の安全を守るために、事業の民間委託化がどう影響を与えるかということの御質問でございます。 限られた経営資源をいかに有効活用するかという課題に対しまして、やはりこれからの時代は定型的な業務は民間へ、そして政策立案など、よりコアな業務につきましては職員が従事をすることで、市民サービスを低下させない範囲で民間委託を進めていくべきだと考えております。 一方で、災害時のような緊急時につきましては、避難所の開設や現場復旧といった課題に、いわゆる人海戦術で対応しなければならないことを認識いたしております。限りある予算と人員の中で災害時の対応がしっかりとれるように、優先順位をつけて防災体制をしっかりと把握していくことも行政の大きな役割であると考えており、今後も総合的に、市民にとってよりよい備えがとれるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、国保の県単位化についての御質問でございます。 国保財政を安定的に運営していくためには、保険給付に要する費用等に係る支出を保険料や国庫負担金等によって賄うことにより、国民健康保険特別会計の収支が均衡しているということが重要でございます。 奈良県国民健康保険運営方針で、保険料の上昇抑制を目的とした法定外の一般会計繰入金は解消、削減すべき対象とされてございます。また、県は法定外繰り入れ解消に伴って保険料負担が増加する市町村が、保険料方針に沿って計画的、段階的に保険料改定が行えるよう、激変緩和措置により支援するとされております。 本市といたしましては、国保事業費の金額が県から示されれば、持続可能な国保制度堅持のための保険料負担と給付のバランスが図れるよう検討してまいりたいと考えております。 続きまして、心身障害者医療費助成制度の一部改正についての御質問でございます。 心身障害者医療費助成事業は、後期高齢者医療保険以外の医療保険に加入されている身体障害者手帳1、2級所持者と、療育手帳所持者の合計約4,500名の方に対しまして、医療費を助成することで健康の保持と福祉の増進を図ることを目的に実施をいたしております。また、本事業のほかに、精神障がい者に対する福祉の向上のために、平成27年8月に精神障害手帳1級所持者より医療費助成を開始し、本年1月には2級所持者まで拡大をさせていただいたところでございます。 この精神障害者医療費助成を初めとする他の医療費助成事業につきましては、一部負担を設けておりますので、本事業との間で不均衡が生じているという状況にございます。そのため、本事業への一部負担金を設けることにつきまして、市内の各障がい者団体の皆様にも御説明を申し上げ、御理解を得た上で、今般の条例改正の提案をさせていただいてございます。 今回の条例改正によりまして、医療費助成制度間の公平性というものにつきましては担保されるものと考えております。 次に、介護保険制度についての御質問でございます。 介護報酬の引き上げについてでありますが、介護の現場で課題となっております介護人材の確保のためには、御指摘のように、介護報酬の引き上げということは一つの方法でございます。一方で、当然のことながら、それに伴いまして利用者の負担額が上がる、もしくは給付費も膨らむことによりまして、介護保険料の将来的な上昇にもつながりますことから、慎重な議論が必要だと考えております。 なお、今後は国の動向も注視をしながら、必要であれば他の自治体とも協議し、国に対して意見を申し上げてまいりたいと考えております。 次に、第7期介護保険事業計画の進捗でございますが、これまでに3回の事業計画策定委員会を開催し、検討を進めてございます。これまでの意見を踏まえて素案を作成し、1月にはパブリックコメントを実施してまいりたいと考えております。 また、介護サービスの需要が増し、給付費も増大、そして介護保険料は上昇を続ける現下の状況のもとで、適切な介護サービスの提供、さらには質の向上をどのように図っていくかということが、介護保険行政の中では重要な課題だと認識いたしております。高齢化が進み、認定者数が増大することで給付費がふえることを考えますと、保険料の引き下げということにつきましてはなかなか難しいところでありますが、今後も保険料と給付のバランスを図りながら、介護保険制度の健全な運営に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、高齢化社会の進展に伴い、生活道路の維持補修をどのように図っていくかという御質問でございます。 奈良市道の適切な維持管理は、やはり喫緊の課題であると認識いたしております。維持管理費につきましては、昨年度より予算を増額して対応させていただいているところではございますが、要望箇所、また穴ぼこなどの通報箇所も非常に多いところでございまして、道路修繕等の自治会や市民からの要望、また電話などでの依頼も年間で約2,000件を超えているという状況でございます。この中で、大規模な舗装の改装につきましては効率的に対応ができるように、舗装の劣化度の評価を行いまして、優先順位を設けて対応をいたしているところであります。歩道の改修につきましても、街路樹の根が上がってくるというようなことによって段差が生じたり、また掘削後の段差が生じるというようなことについては、特にバリアフリーの観点からも優先的に対応させていただいております。 今後さらに高齢化が進む中で、市民の皆様が安全に通行できるように、よりきめ細やかな生活道路の修繕対応を行い、その中でも特に幹線道路や歩道の改修ということにつきましては、力を入れ計画的に行ってまいりたいと考えております。 次に、市役所本庁舎の耐震化についての御質問でございます。 奈良市本庁舎耐震化整備検討委員会から示されました耐震補強改修の方針を基本といたしまして、現在耐震化整備の基本構想を策定中でございます。現在の状況といたしましては、耐震の手法につきましては施工面の問題点、また費用や工期などにつきまして精査を行っており、市民サービスや職務スペースへの影響が最も少ない案を探っているところでございます。 これにつきましては、30年2月末を目途といたしまして、基本構想をまとめてまいりたいと考えております。その後、平成30年度は設計業務委託を行い、31年度、32年度と2カ年をかけまして耐震補強改修工事を行う予定でございます。 続きまして、災害時の一次避難所についての御質問でございます。 現在、第一次避難所といたしましては、市立小学校、中学校、公民館、それから人権文化センターなど115カ所、収容人員では3万5000人を指定させていただいており、避難所配置職員や備蓄物資など、災害対応の体制を整えているところであります。 今年度からは、県立高校や国立大学、また私立の学校などの第二次避難所33カ所の施設管理者と災害時の連絡体制の確認、また具体的な避難場所の確認などを行いまして、避難所配置職員も指名し、災害対応の体制の強化に向け取り組んでいるところでございます。 今後といたしましては、50地区ございます自主防災・防犯組織と協議をいたしまして、地域の、例えば集会所や公民館の分館などもございますので、こういったものの活用を検討し、より地域に密着した、地域で運営をするような形の避難所のスタイルにつきましても前向きに考えていきたいと考えてございます。 次に、新斎苑建設に係る土地取得費用の御質問でございます。 新斎苑の用地につきましては、かねてから地権者と協議を重ねている中におきまして、土地購入に係る覚書を交わさせていただいており、その中では鑑定評価等に基づく適正な価格で購入するとさせていただいております。また、昨年発表いたしました奈良市新斎苑基本計画における事業費の中では、土地関係経費としては約3億円を計画させていただいております。 今回、当該用地を含むこの一団の土地の取得に際しましては、まず、市では不動産鑑定を2社に依頼いたしまして、その平均額が平米当たり463円となったところであります。一方で、鑑定評価というものにつきましては、民間同士の取引を事例としたものでございまして、事例として計画地周辺では、この民間での取引が把握できていない状況もあり、計画地周辺での公共事業での買収事例も参考にし、地権者の主張も踏まえながら協議を重ねてきた次第でございます。 その結果といたしまして、2社の鑑定評価額の平均であります平米463円、そして、岩井川ダムに伴います県の計画地側の土地購入額を、これを現在の評価額に算定をいたし直しまして、これが平米2,566円ということになります。この2つの単価を平均いたしまして、平米1,514円ということで地権者に提案をさせていただきまして、これで内諾をいただいている状況にございます。 合併特例債の活用期限もある中で、市としては、やはりこの60年来の最重要課題を具体化させていく中におきましては、既に事業費等につきましても議会で御承認を賜っているということも踏まえ、民地であります用地の確保というものが最重要の課題であると考えております。その中におきまして、当初計画をしていた予算の中で、おおむねおさまるような形で地権者の御理解がいただけたものだと認識いたしております。 次に、西側の山林を取得するということについての目的や必要性についての御質問でございます。 計画地約4.9ヘクタールにアクセス道路を加えまして5.8ヘクタール、そしてこれに今回西側の山林5.2ヘクタールを加えた合計約11ヘクタールが、今回の用地取得を提案させていただいている内容でございます。 この西側の山の取得ということに対しましては、周辺の最も近くにお住まいをいただいております鹿野園町の自治会の皆様方からも防災対策として、またバッファゾーンとしての憩いの場として、西側の土地についても市が購入をすることで、責任を持って整備や活用をしてほしいというお声も頂戴しているところでございます。また、かねてから当該地域が長年抱えてまいりました自然災害に対する疑問や不安、御意見などもございますことから、この計画地から鹿野園町への地下水の影響を継続的に観測をするために、やはり計画地の西側の山林を活用して観測井を設置し、常にモニタリングをしていくということも求められているところでございます。さらには、この新斎苑施設を建設するに際しまして、上水道の配備をする必要がございますことから、西側の山林に上水道施設、また配管等設置をしていくことも必要となってまいりますので、それに要する用地も必要になってまいります。 これらの要望や対策につきましては、借地による対応も含めてさまざまな検討をしてきたところでございます。住民の皆様とも真摯に向き合い、協議を進める中においては、やはり今回の用地交渉の中において市が西側の山林も確実に取得し、今後も継続して責任ある対応をしていくことが、住民の皆様の御理解をいただく上でも重要だと判断をさせていただいた次第でございます。 今後の活用ということでございますが、現時点で確定しているものということではございませんけれども、先般も住民の皆様からいただいている御意見の中では、先日の台風21号によりまして鉢伏街道につきましても土砂や雨水等が流入して被害が出ているという状況、御報告をいただいておりますので、鉢伏街道の拡幅を行い、側溝整備をし雨水等の排水を機能向上させる、またこの敷地との境界に擁壁等を設置するということも一つの方策だと考えております。 今後も特に関心の高い防災・減災という観点から、個別の具体化を図りまして、当然のことながら周辺住民の皆様の御意見も伺いながら、丁寧に協議、対応させていただきたいと考えております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございます。 現地建てかえも含めて検討するという言及が、公害調停の条項に違反するのではないかという御質問でございます。 平成17年12月の公害調停から既に今12年の歳月が経過しておるわけでございますが、この間、市といたしましては、調停条項に基づき建設計画策定委員会を設置、建設候補地の選定など移転に向けての取り組みを進めてきた次第でございます。平成25年3月には東里地区、中ノ川町・東鳴川町地内を最終建設候補地として選定し、地元交渉を進めるべく努力をしてきたところでございます。 一方で、地元住民の皆様の御理解を得ることが極めて困難な状況にもあり、これ以上問題の先送りは許されず、早期の解決が必要だと考えましたことから、先般の市長選挙におきまして選挙の公約として、広域化や現地建てかえも含め、あらゆる手法によりクリーンセンター問題の解決を加速するという表明をさせていただいた次第でございます。 公害調停は、移転建設を趣旨として成立をしたものであることは当然認識しておるところでございますが、調停成立以来12年もの長い歳月が経過している状況にもございます。そのため、これまでの議会の御議論、また市民の御意見も伺う中で、移転計画の進展が望めない閉塞した状況を打開するためには、現地建てかえという部分も除外せず、文字どおりあらゆる手法を検討する必要があると判断をさせていただいたところでございます。このことにつきましては、まず公害調停申請人の皆様、また左京地区住民の皆様に御理解をいただくための話し合いもさせていただいたところでございます。 今後も、市としては文字どおりあらゆる手法を検討し、現実的に早期にクリーンセンターの建設が実現できるよう努力をしてまいりたいと考えております。 続きまして、現環境清美工場の老朽化対策の御質問でございます。 今般行いました調査業務委託におきまして、施設の老朽箇所並びに焼却炉の構造体で補強が必要なところの調査を行わせていただいておりまして、あわせて施設の適正な維持管理に最も有効な方策の検討を進めてございます。まだ、この調査につきましては進行中ということでありますが、調査の進捗状況の報告などをもとに、緊急性の高い改修につきましては、来年度の当初予算での対応も含めて考えていかなければならないと認識いたしております。 施設の老朽化は深刻な問題でございますが、一方で、新クリーンセンターが建設稼働するまでの間は、現施設の適正な維持管理のもと、安全な施設稼働に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 山口議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、右京小学校校舎の耐震化についてでございますが、右京小学校校舎の耐震性につきましては、一部の教室を除き、文部科学省基準であるIs値0.7を満たしていないことは認識をいたしております。そのため、本年7月に、ふだん児童が使う全ての普通教室において、文部科学省基準以上である教室や、また国土交通省基準であるIs値0.6以上の教室へ、保護者の協力も得ながら教室移動を行ったところでございます。このことにより、一定の安全性は確保させていただいたと考えております。 今後、校舎全体の耐震化につきましては、平城西中学校区での統合再編を進める中で検討していきたいと、このように考えております。 続きまして、老朽化してまいります校舎の教育環境の整備ということでございますが、本市では、第2次ベビーブーム世代の子供たちが学齢期に達した昭和50年代前半に多くの校舎が建設をされました。今後、これらの校舎を初め、それ以前に建設された校舎は、老朽化により順次改築や長寿命化改修などの対策を行う必要性が出てきていると考えております。 これに対応するため、現在、奈良市学校施設長寿命化計画の策定業務に着手しているところでございます。しかしながら、教育環境を整えることの重要性は十分認識をしており、当面の課題である各学校施設のふぐあいについては、その緊急性や必要性を考慮しながら対応していきたいと、このように考えております。 続きまして、聴覚障がい児への教育現場での情報保障支援ということについてのお尋ねでございますが、聴覚障がい児への情報保障支援でございますが、特別な支援を必要とする児童・生徒のICT機器の活用の有効性については理解をいたしており、本市におきましても、特別支援教育連携会議において協議をし、その導入について検討をしてまいりました。聴覚障がい児が学ぶセンター校である椿井小学校、三笠中学校では、来年度からタブレット端末の活用に向けて準備を進めているところでございます。 今後もICT機器を初め、特別な支援を必要とする児童・生徒への支援の充実に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 20番山口君。 ◆20番(山口裕司君) それでは、2問目は自席より再質問を2点させていただきます。 予算編成方針に関連して市長に伺います。 1問目で、私は選ばれるまちということと、それから特に予算編成方針で言われている子育て、教育環境の充実ということについて、その内容について御質問いたしました。 それに関連いたしまして、小学校の統廃合の問題とまちづくりということで、まずお伺いをしたいと思います。 先ほどもございましたとおり、高齢化が進む中での話でありますが、小学校区を一つの生活圏としたまちづくりが今改めて注目をされているのではないかと思います。とりわけ高齢者の方が歩いて移動したり、まちで暮らすというその単位の考え方として一つの小学校区という、それを生活圏とするという考え方があります。子育てや子供の教育環境の整備、防災や地域のコミュニティーの形成も、小学校区を軸に進められてきました。 今、若草中学校区や平城西中学校区では、学校規模適正化計画の中で小学校の統廃合計画があり、小学校が地域からなくなるのではと、それぞれの地域で心配の声が上がっています。 そこで伺いますが、小学校の統廃合と小学校区を軸としたまちづくりについて、市長のお考えをお聞かせください。 2点目といたしまして、予算編成の全体にかかわる質問でございます。 これは、かねてから我が党は繰り返し質問もし、主張もさせていただいておりますが、今、市民の暮らしは大変な状況にあるというふうに思っております。こういう中で、市の予算編成といたしまして、やはり何といっても市民の暮らしや福祉の向上を初め、生活に密着をした分野というものを優先した編成を進めることが大切だと考えます。この点について市長のお考えをお聞かせください。 以上で2問目といたします。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 小学校の統廃合問題とまちづくりについて、再質問を頂戴いたしました。 学校規模適正化計画につきましては、どのような規模の学校で学ぶことが児童・生徒にとって最も適切なのかという教育的視点に主眼を置いて策定し、これまでも実行してきたところでございます。 その中におきまして、保護者の皆様や地域の方々からは、小学校を教育の場であるということはもちろんのこと、地域コミュニティーの拠点という視点、また卒業生の方々からは思い出の場であるというような視点を頂戴しております。 先日開催をいたしました奈良市総合教育会議の中におきましても、この学校規模適正化をテーマに教育委員の方々と意見交換をさせていただきました。その中では、特に平成20年1月に実施方針を定めたときと比べますと、地域との連携や、また、まちづくりという視点がより重要になってきているというような指摘もございました。 このようなことから、若草中学校区及び平城西中学校区を含めた今後の学校規模適正化を考える中におきましては、教育的視点ということは引き続き最も大切にしなければならない部分でございますが、一方でまちづくりの視点も含めて議論をしていくことが重要だと考えております。この点につきましては、教育委員会とさらに議論を深めるとともに、地域の皆様との対話も丁寧に進めてまいりたいと考えております。 続きまして、予算編成に当たっては、市民の暮らしや福祉の向上、いわゆる生活に密着した分野を優先すべきではないかという御提言でございます。 30年度の予算編成については、全ての施策を改めて検証し、再構築をした上で、政策効果の高いと見込まれる事業に重点配分を行っていく考えを持っております。その中におきまして、御指摘のように、市民の暮らしや福祉に密接した事業ということについては、当然のことながら優先順位の高い分野だというふうに考えております。 その中におきまして、やはり限られた財政事情というものがございますので、知恵を絞りまして創意工夫を図りながら、めり張りのきいた予算編成につなげてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(三浦教次君) 20番山口君。 ◆20番(山口裕司君) それでは、3問目は主張、要望とさせていただきます。全体的に意見を述べていきたいというふうに思います。 まず、市長の政治姿勢で、平和の問題について本日質問をさせていただきました。市長の思いも聞かせていただきました。 私は、今ほど平和ということが問われているときはないというふうに考えております。憲法の9条の問題がもちろんございますし、世界のさまざまな動きもございます。また、画期的な出来事としては、紹介いたしました核兵器禁止条約が締結をされたというような動きもございます。自治体の首長が、やはり市民の平和や安全を守るという立場から声を上げていくことが本当に今は大切だというふうに思っております。 憲法問題や核兵器禁止条約については、私は、もう一歩踏み込んだ御答弁を期待していたのですけれども、そのあたりは今後、ぜひこういった点についても、市民の平和を守るという立場で、ぜひ市長には声を上げていただきたい、このように思います。 それから、市民レベルで今さまざまな形で平和を守る活動が行われております。戦争を体験されている方々が本当に御高齢とか病気でお亡くなりになったりして、年々数が少なくなってきている中にあっても、戦争を体験された方は語り部の活動など、命ある限り平和の大切さを訴えるということで取り組んでおられますし、戦後の世代の我々も含めて、そういった方々もやはり戦争はだめだということで声を上げて、いろいろな形で草の根で活動が広がっております。ぜひこうした活動を支援していただきたいということを要望したいと思います。 予算編成方針についてですが、選ばれるまちということが強調されております。しかし同時に、私は基本というのは、どこに住んでいても生活に安心感があるということが大前提ではないかと、このように思います。その結果として、選ばれるまちとして奈良市が選ばれることがあれば本当にいいなというふうに思います。そのためには、何といっても暮らしや福祉、子育てや教育、安全・安心のまちづくりということが重要ではないかと思います。 民間委託については、その全てを否定するものではありませんが、やはり何といっても、自治体が責任を持つべきものまで民間に委託してよいのかどうかということが今問われているのではないかというふうに思います。 先日、奈良では伝統的に行われておりますさまざまな団体の皆さんが、要求や要望項目を持って各自治体を訪問される自治体キャラバンのキャラバン隊の皆さんが奈良市にも来られ、我が党議員団も同席をさせていただきましたけれども、そこで出されている要望、あるいは我が党として毎年予算要望書も市長に提出をさせていただいておりますが、ここで要望させていただいた事項というのは、その全てが市民の切実な声をまとめさせていただいたものであります。ぜひ真剣に受けとめていただきたい、このように思います。 小学校の統廃合と小学校区を軸としたまちづくりについても、予算編成に関連して質問させていただきました。先ほども少し言いましたが、少子高齢化の中で学校を統廃合するということではなしに、むしろ今ある小学校を核としたまちづくりが必要ではないかというふうに私は考えます。生活圏構想--ライフエリアと言われておりますが、こうしたことが今改めて注目をされているのではないか、このように思いますので、ぜひこの点も含んでいただきたい、このように思います。 医療・福祉行政についてでございますが、国保と心身障害者医療費助成、それから介護保険について、本日は質問をさせていただきました。 国保と介護保険については、いずれも今、国の社会保障の改悪路線がある、そこに直面をしている課題、問題だと思います。まずそのことに対して、やはり市民の命を守るという立場から、改悪には反対、ストップの声を上げていただきたいと思います。保険料については、いずれも高くて払えない、こういった声が本当にあります。その声にどう応えるのか、真剣に考えていただきたいと思います。 心身障がい者の医療費助成については、新たに負担を求めるものであります。各種の医療費の一部負担、これについては、公平性ということであればそれぞれの一部負担をなくしていく、こういったことこそ必要ではないか、このように思います。 安全・安心のまちづくりについてですが、道路の維持補修については2,000件を超える要望が毎年あるということで、それ自体は本当に大変な数だというふうに思います。しかし、やはりそのことについては切実な問題で安全にかかわることだ、このように思います。だからこそ、集中した取り組みが要るのではないか、このように思いますので、予算の抜本的なさらなる増額とそれに見合う体制の強化ということもあわせて要望したいと思います。 また、道路の問題ではありませんが、公園のバリアフリー化、市内の公園には傾斜地にある公園もあり、そこには階段が設置されているところもございます。私が聞いた声では、せめて手すりなどがあればもっと公園を活用できるのにといった高齢者の方の声もよく聞きますので、あわせて要望させていただきたいと思います。 市役所の本庁舎耐震化については、大規模な災害が発生した際のまさに拠点となる施設であります。来年の2月末をめどに基本構想がまとまるということですが、速やかに取り組んでいただきたいというふうに思います。 避難所の拡充については、第二次避難所の整備も含めた災害体制を整えていただいているということで御答弁をいただきました。また、さらなる拡充について前向きな答弁もいただいたというふうに思いますので、ぜひお願いしたいと思います。福祉的な対応やさまざまなケアの体制も含めて、防災士の資格を持つ方々や専門家の方々の意見なども踏まえて、避難所の整備にぜひ力を入れていただきたいと思います。 食料や備蓄品の拡充については、この間の議会答弁でも計画を立てて取り組んでいただけるということでありましたので、引き続き努力をお願いしたいと思います。 新斎苑の問題ですが、西山部分、西側の部分の土地を含めると、計画用地の約2倍の用地を取得することになります。その必要性については、防災対策なのか、あるいは隣接をする地元に対する対応なのか、地権者、地主さんに対する対応なのか、この点については複合的な要素があるような答弁をされていたかというふうに思いますが、これまでやはり計画になかった部分でもあります。こういう点では、まだ不明な点があるというふうに思います。引き続き我が党としては、委員会などでもこの点はただしていきたい、このように思います。 クリーンセンターの建設計画についてです。 私は公害調停に直接携わった一人といたしましても、住民と奈良市との間のやはり重要な約束になっているのではというふうに思います。それが崩れてしまったら、やっぱり調停条項に照らせば違反をすることになるんじゃないか、このように思います。 9月24日の左京地区での懇談会でも、現地建てかえについては認められないとの左京の皆さんの意思が表明されたように伺っております。こういう状況にありまして、やはりクリーンセンターの問題を解決するに当たっては、やはり市の責任で一日も早く、現地建てかえでなく候補地の選定を進めるべきだというふうに思いますので、意見として述べておきたいと思います。 学校教育施設の整備についてですが、右京小学校については教室の移動で対応しているということでありますが、校舎全体の耐震化ができていないことに、保護者の皆さんは、やはりこれは幾ら何でもどうなのかということで声を上げておられます。 平城西中学校区との統合再編の中で進めるという御答弁でありました。結局、統合再編ありきと受けとめられても仕方がないのではないかというふうに思います。私はやっぱりこの部分は切り離して、耐震化は耐震化ですぐにでも着手をすべき課題ではないか、これが子供の安全を守るという立場に立てばそういうことではないのか、このように思います。子供に安全に学ぶ環境を保障することと統合再編は別の問題だというふうに思います。一日も早く、校舎全体の耐震化を進めるべきということを意見として述べておきたいと思います。 聴覚障がい児への教育現場での情報保障についてです。さまざまなツールが開発をされてきております。それらを活用した授業や情報保障の支援が広がってきています。ぜひこの点でも関係者の声を聞いていただきながら、前向きに進めていただきたいということを要望させていただきまして、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(三浦教次君) 13番横井君。   (13番 横井雄一君 登壇) ◆13番(横井雄一君) 改革新政会の横井雄一でございます。会派を代表して市長に質問してまいりたいと存じます。 通告に沿って、まず市長の政治姿勢について数点質問です。 この夏の選挙時に掲げられた政策は、3期目に向けた政策と題して、仲川げん公式ウエブサイトに掲げられています。冒頭には、市政運営の基礎となる考え方として8つのコンセプトを上げられており、実に共感できるものが多いのです。 続いて上げておられる個別の政策--30の政策は、具体的な市政課題を解決しようとするものが多く見られ、2期8年の市長経験が生かされているものと改めて感じる次第です。 しかしながら、幾つかその課題解決方法をイメージしにくいものがあり、次の2点についてお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 1点目として、個別政策の2番目に「トップダウンの改革から、職員が自ら行動・変革する組織を目指します!」とあり、職員が自己変革する内側からの市政改革を目指されています。その結果を出すために、具体的にどうやって職員たちの発意を受けとめてそれを実行し、評価していくのか。 2点目として、個別政策の3番目に「さらに、市債残高の縮減と財政健全化を加速させます!」とあります。具体的に何をどうやって実行していくのかお聞かせください。 次に、人口減少に対応する取り組みについてお聞きいたします。 選挙公約の中で、人口減少に対する政策は一つも見当たりません。人口減少はあらゆる方面に影響する重大事項で、奈良市行政においてもその影響は顕著で、税収を初め種々の歳入が減る、子供が減るなど、数え上げたら切りがありません。その影響を市役所運営に絞って見ても、行政を担う人材確保が危機的に困難になると想像します。 今後、人口は減少し、高齢化率は肥大していきます。さまざまな行政サービスを受けたい人はふえ、そのサービス提供を担う人はいなくなると考えられますが、ライフラインを担う行政サービスは、一般商業のように需要と供給のバランスでお客さんが少なくなったのでお店を閉める、店員さんが集まらないので休業するといった経済原則は通用しません。例えば、現在、奈良市企業局に在籍する技術職員の数は、年齢層別で50代、40代、30代でそれぞれ30人から40人ずついますが、20代は7人しかいません。このままでは数十年先には技術の継承はほぼ不可能になることを示唆しています。危機的ではありますが、お店を閉めるわけにはいきません。 そこで2点お聞きいたします。 1点目として、市役所運営の観点から、人口減少問題は行政の人材確保を困難にさせます。その対策をどのように打っていくのかお聞かせください。 2点目として、一政治家としての観点から、少子高齢化--少子化と高齢化を一くくりに言われることが多いのですが--少子化こそ、行政、政治に携わる者として最大の課題であると考えるが、市長の見解をお聞かせください。 次に、奈良県とのまちづくり連携についてお聞きいたします。 平成27年1月、奈良県と奈良市とのまちづくりに関する包括協定が結ばれ、市内の4つの地区を設定してまずは基本構想づくりを行うとし、奈良県との連携作業が始まりました。きょうは特に奈良公園周辺地区の進捗と、その中で奈良市の観光客の玄関口である近鉄奈良駅前の整備の位置づけはどうなっているのかお聞かせください。 次に、新斎苑建設計画の進捗に関して、今回補正予算案として計上されている内容についてお聞きいたします。 まずは、このたび奈良市最大の懸案事業のために、御自分の土地を提供すると決意をくださった地権者に敬意を表したいと思います。 今回の補正予算案の論点は、計画用地取得費用予算額1億6772万3000円に妥当性があるのか否かの1点であると考えています。言いかえれば、土地を差し出してくださる地権者への損失補償は正当なのかどうかを問う案件であります。公共事業の用地交渉は、合意内容が社会的な正当性を持つ必要があり、時に合意交渉を硬直化させることが多いのです。今回も、奈良市側は交渉の駆け引きに使えるフリーハンドを持たない自由度のない交渉であり、奈良市最大の懸案である新斎苑をつくるという計画の性質上、撤退という選択ができない交渉であり、交渉に当たられた担当者の労をねぎらいたいと存じます。 今回のように、公共事業のために民間の土地を求める場合の補償の基準となる事項を定めた公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱は、昭和37年6月、池田勇人内閣によって閣議決定されたもので、平成14年に小泉内閣によって改正されましたものの、社会環境変化の激しい時代には少し古さを感じます。 私見ではありますが、当該用地は平成20年3月ごろに一度新斎苑移転候補地となっていることから、このたび買収に応じていただくこの時期までの間、奈良市、奈良市議会の動きに翻弄されるという心理的負担を考えると、そのことは補償額に加味されるべきではないかと考えさせられます。それはさておきまして、地権者への損失補償は正当なのかどうかを確かめていきたいと存じます。 そこで、次の3点についてお答えください。 1点目として、用地取得額は妥当なのか、2点目として、用地買収交渉プロセスに問題はなかったのか、3点目として、今回用地買収予算が成立しない場合、平成33年3月末の竣工は可能なのかお聞かせください。 次に、クリーンセンター建設計画についてお聞きします。 市長は、ことしの選挙時、公約の一つとして、広域化や現地建てかえも含め、あらゆる手法によりクリーンセンター問題の解決を加速させますと訴えておられました。この10月20日に開催された市民環境委員会で、クリーンセンターの建設推進に関して、会派同僚議員より、現地建てかえが現実的であるとの指摘に対し、理事者側より、公害調停の締結があり、調停申請人3,500人との移転約束の重みを認識しており、公害調停申請人の方々と話をすることが大前提である。現在お住まいの地域の皆様に現状と新クリーンセンターへの御理解をいただくことが一番の課題である。また、用地取得及び大規模造成等の費用や業務が不要でコスト面ではメリットが大きいこと、そして現地建てかえでも環境影響評価に始まり、事業着手、都市計画の変更手続から竣工に至るまで、少なくとも約10年程度の期間を要するとの見解が示されています。 公害調停に定められた移転目標年次も既に超過していながら事業が進捗していない状況も踏まえ、現実的な状況を考えると、もっと踏み込んだ議論が必要と考えます。申請人の方々による公害調停の記録を拝読すれば、公害調停の立脚点となったのは、1つ、当時公害が発生したということ、2つ、周辺住民に健康被害が見受けられたこと、3、だから移転がベストであることと捉えることができます。 これらの点を再検証する必要があると考えており、次の3点についてお聞かせください。 1点目として、現在の焼却炉から公害は発生していないということ、2点目として、人体への影響はないこと、3点目として、今後新設される焼却炉は公害がないこと、これらについて市長の御見解をお聞かせください。 次に、手話言語条例づくりについてお聞きします。 平成23年6月議会で、私は市立奈良病院に手話通訳者を配置してほしいとの議会質問をいたしましてから、その後も聾者を応援する奈良市行政の充実を訴え続けてまいりました。同時に、自分自身も聾者の立場にできるだけ近づこうと聾者と交流し、今は少しずつではありますが、手話で話すこともできるようになってきたところです。 市長もそのような訴えに耳を傾けていただき、平成28年に設立された全国手話言語市区長会に参画され、全国の先進都市との交流や情報交換が可能な環境をつくられており、感謝しております。また、28年11月、聾者や手話関係者と奈良市担当職員により、条例づくりを目指す関係者懇談会を開催していただきました。ことしに入ってからは、市長自身が奈良市手話サークルの例会に参加され、聾者に手話でお話しになるといった努力もされており、その御努力は聾者や手話関係者によく伝わっています。仲川市長は、耳の聞こえない方々やその関係者にとって、今や頼れる存在になっています。本年も10月以降、関係者による意見交換会が行われており、具体的な条例の骨子にも話が及んだと聞いております。 そこで質問です。 手話言語条例づくりのスケジュールを示していただき、その時期的な目標に向かってやるべきことをやり、進めていくべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 最後に、文化振興について、とりわけなら国際映画祭の貢献についてお聞きします。 昨年9月17日から5日間にわたり開催された、なら国際映画祭2016、これは多くの市民や賛同者、世界各国からの応援者によって無事開催されました。奈良市議会では関係予算が認められないということがあり、一議会人としてじくじたる思いをいたしておりますが、運営にかかわる方々が、その逆風を推進力に変えて、より多くの応援者をもって成功に導かれたことに改めて敬意を表したいと思います。 なら国際映画祭は、映画が大好きな方や芸術的感性を持った方々、この祭典を手伝いたいと思う方々、世界中からお越しくださる方々が奈良で出会い、奈良のすばらしさを感じていただける機会です。この映画祭が奈良で始まるまではあり得なかった世界視点の、地球視点の祭典と言っても過言ではありません。もはや文化振興という水準を超えていると考えています。 来年は2年に一度の映画祭、なら国際映画祭2018の年です。この祭典が来年も無事開催できるよう、開催都市奈良市として例年以上の支えが必要と考えますが、市長の見解をお聞かせください。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(三浦教次君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの横井議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず、今回の3期目の選挙公約についての御質問を頂戴いたしました。 トップダウンの改革から、職員みずから行動、変革する組織を目指すということにつきまして、具体的にどのように進めていくのかということでございます。 従来、行政の職員は、国からのいわゆる機関委任事務を決められたとおりに適正に処理をするという能力に重点が置かれておりました。一方で、地方分権の時代を迎え、前例踏襲や一律横並びでの業務遂行という仕事のやり方を変え、多様な地域のニーズに新たな施策をみずから創出し、対応していくことが重要であります。そのためには、職員一人一人が上司から指示をされて動くということではなく、業務の目的に立ち戻り、みずから身近な職場でよりよい仕事の方策を生み出し、みずから改善をしていくという能力が重要でございます。また、それぞれの持てる力をより発揮していくためには、互いの役割を理解し、協力する信頼関係の構築が重要であり、部署間や地域との連携がますます重要になってくるものと考えております。 事業を進めるに当たりまして、私も市長として大きな方針については当然示していくこととなりますけれども、手法論ということにつきましては、職員には積極的に手法の提案、立案をしてほしいと考えております。特に、今年度は市民の皆様と接する機会が多い、いわゆる中核職員の研修といたしまして、職員とのミーティングを通して広く率直な意見の吸い上げを行わせていただいております。職員から上がってきた意見につきましてはなるべく多く酌み取り、事業化や業務の改善に生かしていきたいと考えております。また、各現場が主体となって事業を展開し、実践する力を少しずつ築き上げることで、行動、変革を率先する人づくり、そして組織づくりを目指してまいりたいと考えております。 次に、市債の残高縮減をどのように進めるのかということでございますが、やはり市債残高の縮減、財政の健全化という課題は、次世代への負担とならないように、特に将来負担比率の低減ということに重点を置きながら今日まで取り組んできたところでございます。そのためには、市債の発行については、市民の暮らしに影響を及ぼさない範囲で厳しく精査を行い、抑制に努めてまいりました。その結果、臨時財政対策債を除く実質的な市債等の債務残高については圧縮し、将来負担比率の改善につきましても一定の成果を上げることができたと考えております。 一方で、今後、奈良市におきましては西大寺駅周辺整備事業、また新斎苑建設事業、市庁舎の耐震整備事業等、いわゆる大規模事業を控えておりますことから、これに伴う多額の市債の発行も予測されます。その発行に当たりましては、年次計画により平準化を図ることはもちろんのこと、交付税措置等有利な起債制度を積極的に活用しながら、将来負担の軽減にさらに努めてまいりたいと考えております。 また、財政の健全化につきましては、従来から取り組んでいる家庭系ごみ収集の民間委託など、さまざまな行革手法を検討し、行財政改革の強化に努めてまいりたいと考えております。 次に、人口減少に対する取り組みについての御質問でございます。 人口減少下における人材確保をどのように図っていくのかという御質問でございますが、本格的な人口減少社会を迎え、労働生産人口が減少する中で、優秀な人材の確保につきましては、官民問わず激化している状況にございます。もちろん中長期的な視点に立ちますと、人工知能の進展やロボットへの代替などについても予測されますが、それまでの間、やはりしっかりとした行政運営を行っていくためには、人材の確保にさらに力を入れて取り組んでいくことが重要だと考えております。 本市におきましては、既にSPIの導入や経験者採用の実施や、また今年度は高卒採用枠を拡大するなど、その時々にさまざまな方策を先駆的にチャレンジし、より優秀な人材を確保できるように、今後も引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。 続きまして、少子化問題への対応ということでございますが、奈良市の合計特殊出生率は、平成16年に1.09という最低の数字を記録した後、昨年度には1.28へと改善傾向にはございますものの、この10年間だけをとりましても、ゼロ歳から14歳の子供の数につきましては約14%減少しております。また、25歳から49歳のいわゆる子育て世代ということでも約11%減少しているという状況にございます。少子化の進行で、子供を産む世代であるいわゆる子育て世代自体も減少し、そして出生率も低減をするという、いわゆるこの負のスパイラルをいかに断ち切るかということが重要でございます。少子化に歯どめをかけるためには、やはり子育て、教育、雇用などの施策を総合的に展開する一方で、ターゲットを絞り、有効な施策を効果的に打つことが重要だと考えております。 一般的には、出生数をふやすためのアプローチとしては未婚率を減らす、また、子供を持つ夫婦の割合をふやす、もしくは一組の夫婦が産み育てる子供の数をふやすなど、さまざまなアプローチが指摘されております。この中におきまして、やはり結婚をするということ自体には個人の意思が尊重される部分もございますことから、やはり一組の夫婦が安心して子供を産み育てられる環境の整備を行うということが、社会全体として子供をふやしていくことには最も有効であろうと考えております。 また、平成27年に市内に居住する18歳から39歳の女性を対象に行いました結婚と出産に関する意識調査というものがございますが、この中では希望の子供の数が3人以上であると回答された方が45.9%おられました。一方で、現実的に考えた子供の数は、3人以上とお答えになった方は11.4%しかおられなかったということで、ここに大きな差があると認識いたしております。 こういった部分を鑑みまして、今後、希望の子供の数をそれぞれの御家庭が実現できるように、あらゆる支援策を集中して講じてまいりたいと考えており、具体的には、多子世帯の支援に力を入れていきたいと考えているところでございます。 続きまして、県市のまちづくりの連携について、特に奈良公園周辺地区の部分につきまして、進捗状況等の御質問でございます。 奈良市を訪れる観光客の約半数であります711万人が近鉄を利用されており、県下最大級の利用者数を誇ります近鉄奈良駅につきましては、まさに奈良の顔という部分もあろうかと思います。一方で、近鉄奈良駅につきましてはターミナル機能の不足、また大宮通りの慢性的な交通渋滞につきまして、基本構想の策定に向けた協議の中でも、県市ともどもに課題として認識しております。しかしながら、この課題を解決するためにはやはり大規模な対応が必要となることから、中長期の視点を持ち、まずは県とともに路線バス、タクシー、一般車両、そして荷さばき車両のこれらの車両の動線を整理していくことなど、機能面から駅前広場のあり方を検討していくべきだと考えております。 今後、基本構想の策定後に、地区ごとの基本計画を策定することとなっておりますので、その中で今後のスケジュールを示してまいりたいと考えております。 続きまして、新斎苑計画の推進についての御質問でございます。 まず、今回御提案申し上げております用地の取得費が妥当であるかという御質問でございます。 この点につきましては、地権者と平成27年7月30日付で、新斎苑建設用地として鑑定評価等に基づく適切な価格で購入するという覚書を結んでおります。また、昨年発表いたしました新斎苑基本計画でも、土地関係経費として約3億円を計上しているところでございます。 御指摘のように、いわゆる交渉で価格を決めていくということになりますが、それに先立ちまして、この10月末に鑑定評価額が出されたことから、具体的な交渉をさせていただいた次第であります。この鑑定評価につきましては、民間同士の取引を事例とするものですが、計画地周辺では民間での取引事例がなく、計画地から相当離れた土地の取引を事例として鑑定をされたということでございます。 市としては、覚書どおりに鑑定評価額と、そして計画地周辺での公共事業の買収事例も参考に、地権者との協議を重ねた結果、2社の鑑定評価の平均額、そして岩井川ダム建設に伴い県が岩井川左岸の土地を購入した額、これを現在評価額に換算した額を平均いたしまして、平米当たり1,514円で地権者に提案し、内諾をいただいたところでございます。 買収の面積につきましては、計画地部分の4.9ヘクタール、そしてアクセス道路及び橋梁部分の0.9ヘクタール、これに加えまして、今回は西側の山林部分約5.2ヘクタール、合わせまして約11ヘクタールとさせていただいております。 西側の山林につきましての必要性につきましては、これは第三者評価等でも指摘をされている地下水の調査を継続的にモニタリングを行うべきということから、観測井の設置を行うために必要であるという点、また、新斎苑建設に伴い上水道の配管等が必要となりますことから、その布設に要する土地として必要だという観点がございます。また、計画地周辺で地元住民の皆様方がこれまでに長年抱えてこられた自然災害等に対する不安や御懸念について、市としてしっかりと防災対策を講じるということが地元の皆様の御理解をいただく上でも重要だと考えており、今回の用地取得につきましては、西側の山林も含めた土地を購入いたしたいと考えているところでございます。 今回の用地買収の交渉過程については、まず、これまで所管課の職員が新斎苑事業の説明、また地形測量や土質調査、環境影響評価等の各種の事前調査、また境界の確定作業などの用地測量など、さまざまな事業を行う上で必要なプロセスの進捗に合わせて、その都度その都度、地権者の方と事務的な手続や交渉、御説明を申し上げてきたところでございます。また、私自身も何度も地権者にお会いをさせていただいて、本事業が市民にとって大変重要な事業であるという公益性をぜひとも御理解をいただきたいということで、お願いにも上がらせていただいたことがございます。こういった部分については一定の御理解を頂戴し、一定の信頼関係のもとで先般の覚書を交わし、事業を進めてきたところでございます。 議員お述べのように、民間での不動産売買とは異なり、公共事業での用地買収は裁量の少ない限られた制約の中で行うものでございます。いかにして適切な価格で確実に用地を取得するか、また、今回に関しましては、限られた期間の中で着実に用地を確保するということが必須でございますことから、極めて難しい交渉であったというふうに考えております。こういった交渉を重ねる中におきまして、地権者にも事業への理解を深めていただき、用地の購入についても御協力をいただけることに至った次第でございます。 これまでの答弁でも申し上げてまいりましたように、この新斎苑事業については、やはり60年来の市民の悲願であるという点、そして、これまで60年間事業が実現しなかった最大の理由は、用地が確保できなかったという点でございます。そういった意味では、公共用地ではなく民間の土地を使わせていただいてこの事業を進めるということに相なるわけでございますので、確実な用地の確保を進めることが、この事業の成功には不可欠だと考えております。 あわせて、周辺住民の皆様の御理解を得ることも大変重要でございますので、この地域からのさまざまな御意見や御要望についても真摯に対応し、関係の職員も含めて、また私が先頭に立ち、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、今回の用地費が予算として成立しない場合には、この33年3月末の竣工に間に合うのかどうかという御質問でございます。 新斎苑建設事業計画につきましては、道路及び橋梁の工事に始まりまして、新斎苑の建設部分については設計から工事までを含めて3年を要するものでございます。このことから、今回補正予算として用地費を仮に認めていただけなかった場合、当然、事業のスケジュールには大きな影響が出るものと認識いたしております。また、かねてから財源として考えております合併特例債でございますけれども、用地の取得が仮に1年おくれるということになれば、当然のことながら工事のスケジュールも1年おくれるということになります。竣工までを3年と想定している工事のうち、3年目の業務内容に該当する事業費に対し、合併特例債の充当ができないということとなります。そういった状況の中で、市といたしましては、今回の事業用地を確実に取得させていただくことが、期間内の事業の完了には不可欠であると認識しているところでございます。 続きまして、クリーンセンター建設計画についてでございます。 まず、3点、御質問を頂戴いたしました。 平成15年8月に現環境清美工場周辺の住民の方々を中心に、ごみ焼却による環境汚染の問題があるとして、また近隣に小学校、幼稚園が隣接している工場の立地問題などの理由によりまして、奈良県公害審査会に清掃工場の移転を求める公害調停が申請されたことが端緒となってございます。公害審査会におきまして、申請人と奈良市双方の主張を審査いただいた結果、調停案が示され、平成17年12月に奈良市議会の調停条項案の受諾についての全会一致の御議決を受けまして、申請人3,524名と被申請人である本市との間におきまして、調停条項を内容とする公害調停の成立に至ったわけでございます。 調停の申し立てによりますと、公害が発生しており周辺住民に健康被害があったとの主張でございますが、市としては、健康被害をもたらす環境汚染は発生していないということについては、調停の審理の中では主張はさせていただいております。調停の審査におきましては、健康被害の有意性のある実態や環境清美工場の稼働との明らかな因果関係を認めるには十分ではないとの見解も示されたところでございます。また、環境清美工場の排出ガス等のデータは国の基準値を遵守したものであり、他市の新しい施設では最新の技術を導入し、より厳しい自主基準を設定してこれを満たしておられるケースが多く見られるところでもございます。 現在もごみ焼却施設により健康被害をもたらす環境汚染については発生していないと認識はいたしておりますが、議員お述べのように、最新の技術による新しいごみ焼却施設はさらに安全でクリーンなものであることから、一日も早い施設の更新が急務であると認識をいたしております。 続きまして、手話言語条例についての御質問でございます。 現在、各地方公共団体では、手話言語条例制定の機運が高まりつつあり、既に108の自治体において条例が制定されております。また、平成28年6月8日に設立されました全国手話言語市区長会の会員は本市も含め378団体となっており、活発な情報、意見交換や勉強会等が行われております。 本市におきましても、手話が言語であるという認識を大前提として、手話への理解と普及を図ることで、望ましい共生社会を実現していくため、手話言語条例の制定に向けた取り組みを進めているところであります。手話を母語とする聾者や手話通訳者等の関係者との対話を重ね、ともにつくり上げていくという過程を大切にするという考えのもとで、本年10月16日、また11月28日に活発な意見交換、またコンセプトのすり合わせを行わせていただきました。 今後も継続して幅広い議論を積み重ね、奈良に住む方々にも奈良を訪れる方々にも配慮した条例にしてまいりたいと考えております。 具体的なスケジュールについてでございますが、平成31年5月には奈良県ろうあ者大会が奈良市で開催予定であり、また8月にも全国手話通訳問題研究集会が本市で開催を予定されておりますことから、これらをよい機会といたしまして、平成31年4月からの施行を目指して着実に進めてまいりたいと考えております。 続きまして、なら国際映画祭についての御質問でございます。 前回、開催の危機を逆に力に変え、一致団結をして例年以上の内容を実現されたという議員からの御指摘でございます。この点につきましては、この関係者の皆様方の努力に、私も改めて敬意を表したいと思っております。開催にかける情熱がさらに強まり、映画祭の開催以上の成果もあったのではないかと認識いたしております。 この映画祭につきましては、映画文化や産業の発展だけではなく、各国から発信力の高い方々が訪れることで、奈良を初めとした日本の文化を世界に発信できる好機と考えております。また、会場でございます本市にたくさんの方々が訪れることで、観光消費額などの効果も見込まれ、地域を巻き込んだ活動は、市民が地元の魅力を再発見する機会にもなっていると考えております。さらに、この活動を通し、国際的に活躍できる人材が育つことも期待をいたしております。 現在、社会にはさまざまな課題がある中で、奈良だからこそ世界に発信できるメッセージがあると考えております。この事業は、その世界的な発信を民間の力で行っておられ、行政ではなかなか手が届かない部分を担っていただいているものと考えております。 来年につきましては、9月20日から24日までの5日間に決まったと聞き及んでおります。引き続いて、この関係者の皆様には、開催に向けた資金調達も含めたさまざまな御努力をいただくことになりますが、市としても、広報面はもちろん、さまざまな面で積極的に御支援を申し上げていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 13番横井君。 ◆13番(横井雄一君) 2問目は自席から、幾つか再質問がございます。 まず1問目、御答弁、丁寧にしていただきありがとうございます。 まず、市長の政治姿勢について、職員みずから行動を変革する組織づくりを目指すと、その思いを述べていただきました。行動、変革を率先する人づくり、そして組織づくりをするという意気込みがわかりました。私は、そのための要件は、一言で申し上げると人事教育、人材育成と、これに尽きると考えています。 再質問としては、次の2点です。 1点目として、その人づくりの具体的な行動プランをお聞かせください。 2点目としては、組織づくりのための具体的な取り組みをお聞かせいただきたいと思います。 それで、次に、奈良県とのまちづくりの連携について、御答弁では奈良公園周辺整備の進捗と、そして近鉄奈良駅前整備の位置づけというのはよくわかりました。 近鉄奈良駅前に関しましては、その整備は連携協定の手順に沿った抜本的な整備、これに頼ると、これは何十年かかるかわからない事業だと考えております。駅前広場を中心に、当面の美観を回復していただきたいと私は考えております。地元からの要望もありまして、これ、確かに近鉄電車が地下を通るようになってから、地上の駅前広場というのは50年近く今たっておりますけれども、空間の使い方は全く変わっていませんし、これといった手入れもされていないのは事実で、正直みすぼらしいと感じます。 再質問といたしましては、市長が先ほど奈良の顔とおっしゃった近鉄奈良駅前の当面の対策としての美観回復をすべきと思いますけれども、市長の考えをお聞かせください。 次に、新斎苑建設計画の推進についても再質問があります。 計画用地にかなりの量の産業廃棄物が埋まっていることが、もう既に今はわかっております。そして、さまざまな議論がされておりますけれども、原因は不法投棄にある面が大きくて、その行為に関しては投棄した者が一義的に責任を負うべきところではありますけれども、その特定が困難なために現実的な責任追及ができません。そういう状況であっても、結果的に計画地として絞られた経緯は尊重しなければならないと考えています。 再質問としては、次の2点です。 1点目として、もし計画地に決める以前から産廃が埋まっていることがわかっていても、計画候補地に決めたのかどうか、2点目として、奈良市がこの土地を求めなかったら産業廃棄物の撤去費用は発生しないことを考えると、産業廃棄物の撤去費用を全額市が負担することが地権者への補償としてふさわしいと考えるが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 再質問の最後なんですけれども、クリーンセンターの建設推進について幾つかお答えをいただきましたが、さらに質問が2点あります。 1点目として、いま一度認識すべきことは、問題の本質は、仮に公害があればその対策をすることであって、移転ではないということ、これが1点、2点目として、公害がないのに、移転では問題解決にならないのに、当時、調停受諾の議決を、あるいは締結をしてしまったことはベストの選択ではなかったと今は考えますが、市長の見解をお聞かせください。 以上、2問目でございます。 ○副議長(三浦教次君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 まず、人づくり、組織づくりについての御質問でございます。 まず、人づくりの部分につきましては、特に若手や中堅職員に対しましては、みずから考え行動する、いわゆる自立的人材を育成することを目的にした研修を充実させてきており、これについては一定の成果が出てきておると考えております。引き続き取り組みを進めてまいります。 一方で、団塊世代の大量退職に伴いまして、管理職への登用年齢が若くなり、十分な経験を積む前に昇格をしているというような現状も一部見受けられます。やはり組織の鍵となる管理職がリーダーシップやリスクマネジメント、また当然のことながら行政実務や法的知識など、こういったものをしっかりと兼ね備えて事業を行うことが不可欠でございますが、こういった部分についての一定の危惧がございます。そういったことから、今後は特に管理職の育成ということに重点を置き、管理職に求められる役割を明らかにし、具体的な課題解決の手法を研修を通して学び、またメンター制度などについても取り入れを検討し、フォローアップ体制を充実することで人づくりに努めてまいりたいと考えております。 また、組織づくりの面につきましては、先ほど申し上げました職員ミーティングは、現場視点の率直な意見を直接トップまで吸い上げ、問題点の把握や解決を図る取り組みとして行ったものでございます。また、これ以外には、現在課題となっております時間外勤務の縮減ということがありますが、これについて各部署で企画し、部長、課長、一般職員それぞれが問題意識を持って原因を分析し、要因を特定し、組織ごとに解決していくための取り組みも進めております。具体的には、働きやすい職場にすることに対する意識を高め、実情に応じた時間外縮減を図っていくための具体的な方策を、主体的に考えるという取り組みを進めております。 こういった取り組みを通しまして、やはり各それぞれの職場において、職員が自分たちの頭でしっかりと考えて、みずから行動できる組織へと変革をしてまいりたいと考えております。 続きまして、県と市のまちづくり連携について、近鉄奈良駅の周辺整備をどのようにということでございます。 先ほど申し上げましたように、近鉄奈良駅につきましては、国際文化観光都市であります奈良の玄関口でありますことから、駅前整備については市の重要課題と位置づけ、県とのまちづくり連携協定において、奈良公園周辺地区として整備計画の基本構想づくりに着手しているところであります。 一方で、連携協定に基づく整備には時間を要することから、現在の奈良駅周辺において、いわゆる美観の回復など一定程度の整備については、その間行う必要性も認識いたしております。現在は老朽箇所の暫定的な補修を随時行っているところでありますが、歩道の平板や誘導ブロック等にふぐあいを生じている状況もございます。 今後は、県そして近畿日本鉄道とも連携を図り、近接する連合自治会等の御協力もいただきながら、歩道の改修、照明器具の更新、街路樹の剪定など、修景的な整備について取り組んでまいりたいと考えています。 次に、新斎苑についての御質問でございますが、当初より投棄物が埋まっていることがわかっていても検討したのかという点、また、いわゆるこの投棄物の処理費を市が持つということは補償としてふさわしいのかどうかという、この2点の御質問を頂戴いたしました。 まず、新斎苑事業を進めるためには、計画地を確定するということが何よりも重要でございます。それにつきましては、必要な面積が確保できるという点、また、法的な規制もクリアができるという点、そして、当然のことながら土地をお持ちの方の御協力、御理解がいただけるという点、そして、さらには地元や周辺の皆様の御理解、こういった要件が必要になってまいります。 本市におきましては、昭和30年代から約60年間にわたりまして候補地の選定を行ってきたところでありますが、地権者や周辺住民の皆様の御理解をいただくには至らず、事業が前進をすることがなかったわけでございます。その後、さまざまな経緯の後に、現在の横井町山林を計画地として決定させていただいたところでございます。 議員お述べのとおり、計画地については当初の選定段階においては、投棄物等が埋まっているということにつきましては不明でございましたが、市内の多くの候補地についてさまざまな観点から比較検討を行った中で、事業実現の可能性があった計画地は、結果としてこの横井町山林以外にはなかったということでございます。 結果として、投棄物の処理費が発生をするわけでございますが、事業費で申し上げれば、この事業を行う計画地の場所が今回は山林ということでありますが、これが当然、市街地であれば用地費はさらに高価になるものでございます。そういった意味でも、この現在の横井町山林での用地の取得、またそれに伴いまして事業を行うということにつきましては、やはり60年来の市民の悲願、そして非常に高い公益性を実行するということにおいては適切なものであり、これ以外の選択肢はないものと認識いたしております。 次に、この投棄物の撤去についての費用負担についてでありますが、この投棄物の処理につきましては、地権者との交渉の中で、投棄物の投棄、埋設時期が地権者が土地を購入された時期よりも以前であると想定をされること、そして、本来であれば投棄した者が処理をすべきということが原則でございますけれども、投棄者が既に特定ができないという状況がございます。また、今回のこの投棄物の処理という行為につきましては、当然のことながら、市の新斎苑計画があって初めて投棄物を処理する必要性が発生するわけでございますので、市の計画がなければ、このまま撤去の必要性もないということになります。そういった意味では、いわゆる原因者が市にあるということもございますので、当然これについては市のとるべき負担も生じてこようというふうに考えております。 また、今回の処理費、投棄物の処理につきましては、購入後につきましては、投棄物等については地権者の方がフェンスで対策をするなどされてきたところでございますけれども、今回の事業を行うに際しては、やはりしっかりと完全に投棄物をきちんと処理するということが大変重要だということもあり、市の負担により撤去を行いたいと考えた次第でございます。 こういったさまざまな状況の中で、この60年来の市の最重要課題を解決するためには、何よりも早急に投棄物を撤去し、そしてこの計画地で事業を実現していくことが重要だと考え、判断をさせていただいた次第でございます。また、今回の用地購入に当たりましては、市が投棄物の処理をするということを条件として、地権者の方の内諾をいただいたわけでございますが、今回のトータルの事業の経費ということの中で、この投棄物の処理に係る費用も十分吸収ができると考えておりますので、市民の皆様にも御理解をいただけるものと考えております。 続きまして、クリーンセンターの建設についての御質問でございます。 議員お述べのとおり、公害があれば対策を施すべきで、移転は問題解決の本質ではないのではないかということでございますが、そもそも現有施設において健康被害をもたらす環境汚染ということについては、先ほど申し上げたように、生じていないという認識を市としてはいたしております。 一方で、この公害調停受諾の議決と調停成立の問題性についてということでございますが、公害審査会での審理の過程では、本来の健康被害についての議論はなされましたが、調停条項に盛り込むには至らないとの判断により、移転を目的とする調停案が示され、議会においても公害調停受諾の議決をいただき、調停の成立に至ったものであると認識いたしております。 以上でございます。 ○副議長(三浦教次君) 13番横井君。 ◆13番(横井雄一君) 3問目は、それぞれのテーマについて主張、要望を申し上げたいと思います。市長におかれましては丁寧な答弁、改めてありがとうございます。 1番目の市長の政治姿勢について、公約実現について、職員みずから行動、変革する組織を目指す、財政健全化を加速させるという2点についてお考えを述べていただきました。人づくりと組織づくりについて、取り組みの切り口、ターゲットをお持ちだということがわかりました。既に実践されていることもありますけれども、いずれも一朝一夕では結果が出ない課題だと思いますので、それこそ10年仕事だと思ってこれは見守りたいと存じます。 財政健全化については、これは私も従前から述べておりますように、市民へのサービス水準を低下させることなく、民間に任せている仕事はまだまだございますので、片っ端から民間委託をどんどん進めていただきたいと要望しておきます。 そして、人口減少問題については、問題にどう立ち向かうのかという観点で市長のお考えを伺うことができました。行政を担う人材確保については一つ、将来人工知能に委ねる事務が拡大していくというふうに予想されますので、思い切って事務職員が技術職へ職種転換すること、それによって技術職を確保していくことも先々検討いただきたいと存じます。また、今後、分野、事業によっては、技術力を共有するため、他都市との組織統合も検討する必要があると考えています。よろしくお願いしたいと思います。 少子化については、少子化あるいは人口減少を言いわけにするのではなく、立ち向かう姿勢を示していただきましたし、具体的な取り組みの切り口もお持ちだと捉えました。これからは都市間競争の時代ではなくて、行政も広域化、連携の時代がより加速するものと考えます。いずれにしましても、目先の事象に振り回されないよう立ち向かう必要があると思いますので、これについては、またの機会にも御議論させていただきたいと考えます。 続いて、奈良県とのまちづくり連携について、これは再質問にお答えいただいた近鉄奈良駅前広場周辺の当面の美観回復について必要性を認識しており、取り組みたいと答弁をいただきました。大変ありがとうございます。あとは時期的に、早急に実施していただくことを要望したいと思います。これは地元からは非常に強い要望がありますので、機会があれば、ぜひ市長にもそのお声を直接聞いていただきたいと存じておりますので、その機会にはよろしくお願いいたします。 3つ目、新斎苑建設計画の推進について、今回の補正予算における斎苑計画用地の取得予算案に関して答弁をいただきました。 既に計画は奈良市議会として決定していることから、議会としても撤退の許されない案件なんです。その中で、地元鹿野園町自治会の防災対策要望も受け入れたものとなっており、その金額は過大でもなく過少でもない、正当性は強固であると確信します。あわせて投棄物の在、不在にかかわらず、計画地は唯一無二の存在であったことが改めてわかりました。投棄物処理費を奈良市が全額負担することも、地権者にとっては過不足のない補償であり、市民の皆様の御理解も得ることができると確信しています。60年余りにわたる奈良市最大の懸案の実現に確実な一歩を踏み出していただきたいというふうに存じます。 次に、クリーンセンターの建設について、私ども改革新政会は現地建てかえの立場で臨んでいます。本日の議論からも、公害はないのに移転が目的になってしまったことがわかります。仮に公害があったと想定しても、その解決策はその対策をすることであって、移転ではないことがわかりました。改めて公害調停受諾の締結もベストの選択でなかったと確信します。望ましい姿は、奈良市民にとって過去の決定にこだわらず必要のない移転を避けること、現在敷地内での建てかえが最も合理的であると確信し、その方向で進めていただくことを要望いたします。 続いて、5つ目の手話言語条例づくりについて、大変ありがたい答弁をいただきました。条例づくりの時期について、平成31年4月の施行を目指すと明言いただきました。本当にありがとうございます。私もうれしいですし、聾者、手話関係者もとても喜ばれると思います。市長の御発言にあった、奈良に住む人、奈良を訪れる人にも配慮した条例にしたいというところも同感ですし、よい条例ができるよう私も努力したいと存じます。 要望を申し上げるならば、市長におかれましては、少しずつで結構ですので、ぜひ手話で話す力をレベルアップいただきたいというふうに要望しておきます。 最後に、文化振興について、なら国際映画祭への支援を改めて表明いただきありがとうございます。映画祭を運営する方々は、議会へのPRに今後お越しになると聞いておりまして、活動の理解を深める努力をされるそうです。民間有志の方々が奮闘されるこの希代の事業を、行政も議会も支援することが望ましいと考えておりまして、市長には本日の答弁を実行に移していただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(三浦教次君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時52分 休憩   午後3時30分 再開 ○議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(北良晃君) 代表質問を続行いたします。 18番柿本君。   (18番 柿本元気君 登壇) ◆18番(柿本元気君) 市民の声 奈良の柿本元気です。きょうは会派を代表いたしまして数点質問したいと思いますので、よろしくお願いします。 最初に、新斎苑建設計画についての質問です。 我が会派といたしましては、現計画地に火葬場を建設することにもろ手を挙げて賛成するものでないことは、御存じいただいているとおりです。しかし、一度、民主主義の過程の中で決まったからには、言いたいことをこらえて、今度はよりよい、より安全な火葬場を、より安価に建設できるように力を尽くすことが、市民から求められている役割だと考えます。きょうは、その視点で新斎苑建設計画についてチェックさせていただきます。 さて、今回提出された補正予算には、計画地5万8000平米、その西側の土地5万2800平米の取得のための予算1億6800万円が盛り込まれています。この土地を購入しても、さらに投棄物処理に1億4200万円かかることから、これらをセットで考えると、土地を購入し活用するために3億1000万円程度のお金がかかるという計算になります。 一方、基本計画では、計画地取得のための経費が約3億円と見積もられていましたので、僕は土地を3億円で買って、さらに1億4200万円の撤去費用がかかるというような案が上がってくる可能性も、可能性として考えていました。そして、そのような産業廃棄物の存在を無視した形での土地の売買を行うというのであれば、これは絶対に反対しなければいけないという心づもりでいました。 しかし、過程の部分でどのような話が行われていたのかは知る由もありませんが、形だけを見れば結論として、購入に3億円かかると言われていた土地が撤去費用の分だけ値引きされ、その上、予定地西側の土地までついてきた。しかも、その西側の土地というのは、奈良市にとって不要な土地ではなく、9月議会で我が会派の松石議員が代表質問で、防災の観点から、そして市民サービスの向上、環境保護の観点からも購入するべきだと主張した土地であり、またその後、提出された地元住民の要望書にも購入が求められている土地でありますので、奈良市にとって非常に有意義な取引になるのではないかと感覚的には思っています。 しかし一方で、この土地の鑑定評価額が平均で1平米当たり463円ということを考えますと、土地の面積を乗じて5130万円の土地ということになり、その意味では高過ぎるのではないかという視点も出てきます。 そこで、市長にお尋ねしますが、鑑定評価額に対して金額が高いことをどう考えているのか、近隣の土地の売買事例などがあれば、それも踏まえて考えをお聞かせください。 これで私の1問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの柿本議員からの御質問にお答え申し上げます。 新斎苑建設計画の実施に際しまして、今回の用地取得、これが価格が高過ぎるかどうかという御議論につきましてお答え申し上げます。 今回の公共事業における用地取得におきましては、不動産鑑定評価額はあくまでも参考ということでございまして、これは一般的にも、必ずしもそれを採用しなければならないというものでもないと考えております。一方で、本市と地権者の間におきましては、平成27年7月30日付で新斎苑建設用地として鑑定評価等に基づく適切な価格で購入するとした土地購入に関する覚書を交わさせていただいております。また、昨年発表いたしました奈良市新斎苑基本計画における事業費の中では、土地関係経費としては約3億円を計画させていただいておりました。鑑定評価につきましては、民間同士の取引を事例とするものでございますが、計画地周辺では民間取引の事例がなく、計画地から相当離れた土地の取引を事例としたということでございました。 市といたしましては、覚書どおり鑑定評価額と計画地周辺での公共事業の買収事例も参考に、地権者との協議を重ねてきたところでございます。2社の鑑定評価の平均額、また近隣での岩井川ダム施行時の県による買収単価が4,300円となっており、これに当時から現在に至るまでの地価の変動率を掛けますと、2,566円という額になります。このことから、市の鑑定評価と県による岩井川ダムに際する用地買収の現在価格、これの平均をとったところ1,514円という平米単価が出てきたところでございます。これをもとに地権者の御理解をいただいたところでございます。 今回の新斎苑事業というのは、やはり奈良市の最重要課題ということでもございまして、限られたスケジュールの中で確実に進めていくことが求められており、事業実現のために用地の取得が必要であるとの判断のもとに決定をさせていただいたものでございます。 以上でございます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 今回の土地購入に係る金額は、近隣の売買実績、今訂正にもあったように県が1平米4,300円で買ってはるんですね。これと鑑定評価額を両方考慮してのものだということがわかりました。土地の取引というものが値札をつけられショーケースに並んでいる商品を購入するのとは異なり、売り手買い手の合意に依拠するものである以上、これについては一定理解を示したいと思います。しかし、それでも3億円というのは、今の奈良市にとって大きな大きな金額であることに変わりません。 そこで、今回計画地と同時に購入する西側の土地について、無駄にすることなくしっかりと活用する計画があるのか、お考えを示していただきたいと思います。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目以降は自席でお答え申し上げます。 西側の土地活用についての部分でございますけれども、これにつきましては近隣に集落がございます鹿野園町自治会より、自然災害への不安や懸念が過去から数多く寄せられていたという経緯がある中におきまして、新斎苑の工事による地下水への影響等について調査をするために観測井の設置や、施設に必要となる上水道の配管の布設等、計画地以外の用地を追加的に必要としている状況もございました。そのような中で、鹿野園町自治会からは防災対策や周辺整備に関する要望書の提出をいただいたところでございます。また、近隣の萩ヶ丘町自治会有志の方からも、同様の周辺整備としての要望を頂戴いたしております。 こういった周辺の御要望等も踏まえまして、防災対策また公園的な憩いの場としての整備という両面で、今後、住民の皆様との協議の中でより詳細に検討を進めてまいりたいと考えているところであります。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 今、防災上の観点からと、市民の憩いの場という市民サービスの向上の観点からの御答弁をいただきました。 市民サービスの観点でいうなら、これは僕の個人的な思いですが、僕には小学校1年生の双子の子供がいますので、子供たちが生き生きと遊べるような公園なんかは非常に魅力的だなと思います。例えば奈良県の馬見丘陵公園や、これはこの間行ってきたんですけれども、淡路島にある県立公園のようなものができれば、これは新斎苑の話は飛び越えて、奈良市で子育て中の親が奈良市に足りないと言っている子供が遊べるお出かけスポットになり、子育て支援の観点も含めて一石二鳥だろうと夢が膨らみます。 ですが、一旦将来の話は置いておいて、今すぐ行うべきは防災の観点です。これまでも地元の悲痛な声として上がっていた、崖崩れの可能性のある斜面の擁壁工事であったり、また、あの土地の保安林が今枯れてしまっている。それで十分に防災の役割を果たしていないことから、植栽を進めるなど防災面での活用についての考えをもう少し詳しく示してもらえないでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 具体的に、どのように防災面での活用を図るのかという御質問でございます。 西側の土地につきましては、従来から地域の皆様が防災面でさまざまな不安を抱いておられるという御意見をかねてから頂戴いたしてございます。 このような中、先般の台風21号に際しましても、鉢伏街道に土砂や雨水が流れ込み、通行が困難になる被害が生じるなどの状況を確認しておりますことから、例えば鉢伏街道の拡幅を行い、側溝の整備を行うことで雨水の排水をより円滑に進めるということ、また敷地との境界に擁壁等を設置することなども一案であろうと考えております。これらにつきましては、市が西側の山も含めて用地を取得しなければできないものであると考えております。また森林保全のための間伐や植栽工事等といったいわゆる治山事業という対策についても市独自で検討をするとともに、県とも連携をとりながら事業者としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今後、防災対策につきましては、近隣となる鹿野園町自治会の皆様からの御意見も参考にしながら、より確実な防災、減災という役割を果たす事業に向けて精査し、真摯に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 もともと安全面に課題のある地域ですので、新斎苑が建つことによって、さらに悪影響が出るのではないかというのが地元の心配です。新斎苑建設により、安全面が少なくとも建設前より向上することが肝心です。このことについては、今前向きな御返答をいただきましたので、新斎苑の建設と並行して、ぜひとも早急にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 では次に、新斎苑の運用面について質問します。 新斎苑のDBO方式、とりわけオペレートの部分の民間委託について、前回の会議でも取り上げた項目の一つに、死産児の火葬、収骨ということがありました。先日も現場に足を運ばせていただいて、職員から話を聞いてきたんですが、ちょうど最近の話で死産児の火葬にかかわる話を聞いたので、紹介させていただきます。 死産児の火葬をする場合、書類の中に収骨を希望するかどうかを聞く項目があるらしいです。今はほぼ99%の人が収骨を希望するのですが、収骨を希望しないに丸を打ったお母さんがいました。職員が本当にいいんですかと尋ねたらしいです。亡くなった子供はわずか30グラムほどしかなく、お母さんは「産婦人科で無理だと言われたので諦めていました。本当にできるんですか」と泣き崩れたそうです。流産して本当に悲しい思いをしているお母さんが、その傷に向き合う暇もなく動転したまま火葬の手続をしに来る。そんなお母さんたちにとって、骨が残るという一つの事実がこれまでどれだけの慰めになっただろうと考えると、現火葬場が本当に大切な市民サービスを担ってくれていたことに気づきます。そして、新しい形になったとしても、このサービスはぜひとも継承してほしいと主張し、理事者からもおおむね同意する答弁をいただいてきました。 しかし、この間に示された業者への要求水準書を読みますと、この件に関してはわずか1行、「死産児等を火葬する際は、収骨に配慮し火葬方法を工夫すること。」とあるだけです。これでは、もしも死産児を火葬するのであれば、収骨できるように努力だけはしてくださいねと読むこともでき、一応工夫はしましたけれども、新しい炉の性能と新しい職員の技術では無理でしたというそっけない業者の返事が聞こえてきそうです。 そこで、市長にお尋ねしますが、死産児の収骨について本気で継承する考えはあるんでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 死産児の火葬と収骨についてということでありますが、この点は、今おっしゃっていただきましたように、さきの議会におきましても御指摘を頂戴したところでございます。 対応といたしましては、御披露いただきましたように、要求水準書の文中では「死産児等を火葬する際は、収骨に配慮し火葬方法を工夫すること。」という表現を入れさせていただいております。これは、御議論いただいたことを踏まえて、要求水準書へ追加をさせていただいた部分でございます。また、現在既に本市が持っております死産児の収骨の技術の継承やその特色ということについては、しっかりと尊重し、選定された事業者の技術力、また炉の性能などで、我々のこの要求を具体的に実現をするような提案をいただくものとさせていただいております。 御指摘のように、御遺族への配慮という観点につきましては、これは数値化できるものではないために水準書には明記はいたしておりませんが、収骨技術などと同様に、柔軟な対応として継続できるように事業者側には強く求めてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 要求水準書のこの項目については議会の提案を受けて追加したものだということで、一定の配慮をしていただいているんだなというのはわかりました。しかし、それでもサービスありきではなく、採用される炉の性能ありきということですから、このサービスが本当に継承されるのかどうか、まだまだ疑ってしまうところもあります。 幼くして命を失った我が子の、せめて存在した事実を形に残したいという傷ついたお母さんたちの思いを、これは奈良市民だけではなく、うわさを聞いて他市から依頼されることもたびたびあるほど需要のあることですので、どうか裏切ることなく継承していただきたいと重ねて要望します。 次に、新斎苑のモニタリングについて質問します。 要求水準書を読む限りでは、モニタリングとは名ばかりで、業者の報告を受けるだけの既成事実をつくるための作業のようにも感じられます。市民にとって不可欠なサービスを民間にお願いする責任を考えましても、立入検査等、より深く調査をする必要があるように思いますが、どうでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) モニタリングの方法についてでありますが、運営業務におけるモニタリングにつきましては、まず通常の火葬業務が滞りなく適正に行われているかを確認をする必要がございます。その中の基本としては、日報や月次報告、また年度ごとの報告書の提出を義務づけいたしております。そして、それをもとにヒアリングも行いまして、施設の稼働状況についてもチェックをしていくわけでございますが、実際に現場を確認しないとわからない部分も多々出てくるであろうと考えており、議員お述べのとおり、いわゆる立入検査ということにつきましても、当然必要になってくるものと考えております。 いずれにいたしましても、今後、事業者側から詳細な事業提案をいただく中で、モニタリングの項目なども抽出し、それに要する人員配置など組織体制も含め、より詳細に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 立入検査は必要であるとの認識が示されました。しかし、素人が立入検査をしても、機能を十分に果たすとは考えにくいですし、今現場で働いていただいている職員を活用するなど、現実的な対応をお願いしたいと思います。 では次に、先般から問題になっています針テラス事業について質問します。 市長は、今議会の冒頭で、針テラス事業を公営企業会計から普通会計に移行すると報告されました。またその結果、9月定例市議会で議案に上がった針テラス事業特別会計の個別外部監査を実施する必要がなくなったということでした。 しかし、今までは針テラス事業が公営企業会計という特別枠にあることで、現状が把握しやすいという側面もあったわけですが、これからは市民から課題が見えにくくなるのではないか、もっと言えば、市民から隠すために普通会計に入れちゃうのかという疑念が生まれますが、このことによって一体何が変わるのでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 針テラスについての御質問でございます。 公営企業会計から普通会計に変更することによりまして何が変わるかということでありますが、今後は普通会計の決算に針テラス事業特別会計の決算が含まれるようになりますので、黒字を確保するに当たりましては、針テラス事業の今後の動向に留意が必要となってまいります。 また、今回は針テラス事業特別会計の分類を変更するものでございますので、廃止をするものではありませんので、現在と同様に、針テラス事業の収支を特別会計として確認をすることができるものでございます。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 針テラス事業が普通会計になるといっても、特別会計として確認することができるので、市民の目から隠れるものでないという部分はよくわかりました。しかし、肝心の何のためというのがよくわかりません。これは個別外部監査を実施しなくていいようにテクニックを使ったと考えたらいいんでしょうか。 法律上、個別外部監査が必要なくなったとしても、針テラスの現状は変わりません。運営業者と係争中のため針テラスの土地使用料が納入されず、市の税金で本来個人が支払うべき起債を負担している現状について、僕は以前、法務局に供託されているお金は一旦会計に入れて、その上で不足分については引き続き要求していく姿勢も考えられるのではないかと提案しました。その辺についてはどのように考えているでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 土地使用料の件でございますが、針テラス事業特別会計における平成28年度の収支不足については、平成29年度以降に見込まれる土地使用料収入から繰上充用することで対応いたしております。 今後は係争中の裁判の経緯を見据えながら、運営事業者が法務局に供託をしている土地使用料の還付請求につきましても、弁護士と相談の上、対応してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) そのあたりについて法解釈の問題もありますので、御答弁にもあったように専門家と相談しながら、これは慎重に進めていただきたいなと思っています。 さて、この問題の本質部分を解決するために、契約変更や解除等、思い切ったかじ取りも含めて今後の対応をどのように考えているのかお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今後の対応でありますけれども、この運営事業者であります株式会社三興とは、これまでもたび重なる訴訟を行っており、既に信頼関係は築けていないと認識いたしております。 今後については、現在係争中でもありますので、株式会社三興側の対応も踏まえつつ、相手側に業務の不履行、契約違反が明確であれば、やはり契約解除も当然念頭に置いて対応してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 今の答弁を聞く限り、市長もわかっていただいていると思うんですけれども、この問題については、個別外部監査が必要なくなったからといって何一つ解決したわけではないことを確認し、奈良市の毅然とした態度を求めたいと思います。 では次に、奈良公園周辺のまちづくりについて質問します。 県と市のまちづくりにかかわる包括協定における4地区の進捗状況については、先ほどの質問の中で既に市長から答弁がありました。平成27年1月に包括協定を締結した段階の資料によると、奈良公園周辺と猿沢池周辺についての記載があり、近鉄奈良駅を含む南と東のエリアのまちづくりについて主に触れられています。 しかし、現在進められている基本構想には、旧奈良監獄周辺地区、いわゆるきたまちエリアが追加されています。このことの目的や経緯についてお示しください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) きたまちエリアの取り組みについてでございますが、御指摘いただきました旧奈良監獄を含むきたまちが、包括協定のエリアに含まれることとなったわけでございますが、この経緯といたしましては、平成27年度に法務省が旧奈良監獄の保存、活用の検討を始め、民間企業などから活用案を募集される中で、法務省から、市とも連携をして旧奈良監獄周辺のまちづくりを進めていきたいとの申し出がございました。 市といたしましても、平成28年度に跡地活用施設を核とした周辺整備のあり方について検討を始めたところでございます。現在、市では鴻ノ池運動公園の再整備にも着手をしており、一体的な活用で新たなにぎわいの拠点となり、周辺地域の活性化が図られることから、国・県と相互に情報や意見交換を行い、連携してまちづくりに取り組んでいこうとさせていただいたところでございます。 また、近鉄奈良駅から旧奈良監獄につながるきたまちエリアにつきましては、平成29年2月に策定をいたしました新奈良町にぎわい構想との整合性も図り、県と市が連携してまちづくりを進めていくエリアという位置づけを行い、今後、具体的な施策を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 事情はわかりました。県市連携による包括協定で、奈良市は今、とりわけ近鉄奈良駅の南側のエリアですかね、観光面で大きく変わろうとしています。そして、少年刑務所の閉鎖に伴う活用案で、きたまちもまた大きく変わろうとしているということです。 こういう過渡期にありますから、我々議員としてもどんどん具体案を提案していきたいと思っています。この部分については、我が会派の鍵田議員が専門ですので、一般質問に譲っていきたいと思いますが、この事業には、もちろん近隣に住む市民の協力も不可欠です。本年2月に制定した新奈良町にぎわい構想の理解と周知もまだまだ不十分であると考えますので、その点も留意して事業の進捗を図っていただきたいと要望しておきます。 では次に、市営住宅を不法占拠していた市民に罰金ともとれるような大きな追加使用料を求めた裁判の判決が、11月16日に言い渡されたことに関しての質問です。 この問題は何年か前に取り上げたこともあるんですが、法律用語では不法占拠ということでえぐく感じられるんですが、要は市営住宅に住んでいる家族の介護のために、住民登録していない住民が時には泊まり込んで世話をしていた問題です。これを奈良市は、許可も得ずに勝手に住んでいると判断し、損害賠償金も含めた支払いを求め裁判を起こしたわけですが、一審、二審とも奈良市が負けています。 判決文を読みますと、一審では、市民の--仮にAさんが実際にそこに住んでいたというには証拠が不十分であること、そして、仮に住んでいたとしても、Aさんはお金を払う必要がないということが結論となりました。また、二審はつい先日、11月16日に判決文が出されたわけですが、ここでは、Aさんが市営住宅に住んでいたと推認するのが相当だとした上で、それでもお金を払う法的根拠はないとの見解が示されています。 この判決を受けて、奈良市の今後の方針はどうなのか。上告するのか、しないのか。上告しても、ここまで明確に論拠が示され、また他の判例からも結論が覆されることが期待できない案件ですから、せいぜい時間稼ぎにしかならず、税金の無駄遣いであるように思いますが、どうでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 市営住宅の問題についての御質問でございます。 当該事件につきましては、平成29年2月17日に奈良地裁に控訴をしたものでございまして、11月16日の判決で棄却をされてございます。 この判決につきましては、市といたしましては、公営住宅制度の趣旨に反するものだと認識いたしており、上告し、上級審の判断を求めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) さっきの質問で僕、二審という言葉を使いましたけれども、棄却されたから、これは二審ではないのかな。ごめんなさい、ちょっとその辺、法律のことは置いておきますけれども。 公営住宅法の公営住宅制度の趣旨に反しているとの市の見解もわかるんですが、判決が出た以上、その見解が間違えていた、奈良市のひとりよがりだったということではないでしょうか。多額の費用をかけて上告する意味は、いまいち理解できません。それでも上告するということですから、まだ結論は出ていないということで、その先の話をするには時期尚早かもしれませんが、1点だけ質問します。 というのは、今回の件と同様に、住民との話し合いのみで、市には無断で市営住宅に住んでいたため、市に不法占拠とみなされ、お金を支払った事案がほかにもあると思われるからです。 これまで住民登録せずに市営住宅に住んでいて、奈良市にお金を請求された人数と金額はどうなっているでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 市営住宅における不法占有を理由とした訴訟でございますが、平成23年度から平成29年度11月までで、不法占有を理由とした訴訟につきましては51件を提起させていただいております。この中で上告予定の1件と和解1件を除きまして、第一審で奈良市が勝訴をいたしております。損害金の請求額につきましては、合計で約2300万円となってございます。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 51件ですか。51件、裁判によって彼らから受け取ったお金の正当性まで、今回の判決で揺るぐと--まだ結論は出ていませんけれども--揺るぐという結果になれば、市として、今後何らかの対応が必要であると思われます。結論がまだ出ていない問題ですのでここまでにしておきますが、結論が出た際には、市として何らかの対応は当然必要でしょうし、そのときにはまたこの問題を掘り下げさせていただきます。 では、5点目として保育園、こども園の運営について質問します。 ここまでなかなか解消していない待機児童問題ですが、さきの10月30日に行われた厚生消防委員会では、これまでにない踏み込んだ見解を示していただきました。それは、今見えている待機児童163人、つまり163人の受け皿不足に対し将来のシミュレーションをした結果、6年後には552人の受け皿不足が見込まれ、そのあたりをピークとした上で、それに対する具体的な計画が語られたことです。僕は、これまでも待機児童の解消には潜在的な保育需要の把握が必要だと主張してきましたから、問題解決に向けて非常に大きな手応えをつかんでいるところです。 さて、この計画を実行に移すためには、公立園の保育士確保が欠かせません。 そこで、さきの議会で承認された非専門的任期付職員について、どのように活用をしていくつもりなのかお尋ねします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 公立園における非専門的任期付職員の活用の考え方でございますが、正規職員の退職補充、また待機児童解消への対応などのために、来年度の公立園には新たな保育士としては28名必要であると認識いたしております。これに対しまして、今年度の採用試験による採用、また新たな再任用を行う中で、必要な28人からさらに不足をする人員につきまして、この新たな非専門的任期付職員制度を活用いたしまして、人員の確保を行っていきたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 現状を見ますと、今は保育士さんというのは、正規職員さんと臨時職員さん半々ぐらいいると言われています。正職と比べて臨職というのは、先の保障もなく、また給料も安いということで、同じ職場で同じように働いているのに格差があるのはおかしいのではないかという議論もありました。一方で、全員を正規職員にすると、これから子供が減っていったときに保育士さんの人数が余ってしまうというジレンマもありました。 僕は先の保障というところまでは、そういう意味で難しいかもしれないけれども、給料にまで差をつける必要はないんじゃないかと折衷案を訴えてきました。そんな折に出てきた任期付職員という新しい雇用形態ですが、これはまさにそのような役割--任期付ではあるけれども給料等の処遇は正職と同程度という、まさに時代のニーズに合った雇用形態であると期待を寄せていたわけです。 しかし、今の答弁を聞くと、今現場で頑張っておられる臨職さんの処遇を正当に近づけるのではなく、非専門的任期付職員を新しい雇用にのみ採用するということです。今既に頑張っている職員の給料が上がらず、新しい人の給料だけが上がるとなれば、現場の士気はどうなるでしょうか。 もちろん、保育士をふやすに当たり、新規採用者の給料が高い方が、これから人を集める即効性という意味では有効でしょう。しかし、現場のモチベーションを考えると、中長期的な視点で見るとマイナスのほうが大きくなり、組織論として、あり得ない選択ではないかと考えます。その点についてお考えをお示しください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 処遇の違いによる現場での混乱、また納得感のある働き方という御指摘でございますが、この非専門的任期付職員につきましては、採用試験により能力の確認を行い、本格的な業務に従事していただける、いわば即戦力ということで採用させていただく予定でございます。この職員には、保育業務に加えまして、養育が困難な保護者への対応や、保育計画の立案などの正規職員と同様の本格的な業務に従事することを想定しており、処遇に応じた働きをしていただくことで納得感のある制度運用としてまいりたいと考えております。 また、あわせて御指摘いただきました臨時・パート職員の処遇改善という問題につきましても、これも重要な問題でございますので、引き続き検討を実施していくとともに、保育補助者のさらなる導入により保育教育士の業務の過重を軽減し、保育現場の労働環境を整えていくことで、保育教育士の確保につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) まず答弁の中で、臨時職員と任期付職員の仕事内容を区別する、処遇に合わせた仕事と言いはったかな、ということで納得してもらうという旨でありました。 ただ、今の時点で正職員と臨時職員でも仕事内容がそんなに変わらないというのが現場の声です。臨時職員さんにも担任を持ってもらったり、そんな事例はいっぱいあります。その間に位置する任期付職員の仕事内容をほかと区別するというのは、無理があるのではないでしょうか。 これは、現在の臨時職員さんたちの処遇を、どのように市が捉えているのかという問題です。仕事内容は同等なのに処遇に差がある、これを雇い主の勝手だと考えるならば、任期付職員も試験を設けて対応するのだから問題ないと言うこともできます。しかし、同一労働格差賃金を行政が肯定してしまっている現状に課題を感じ、もろもろの市の事情で臨時職員として働いていただいている、そういう形でも正職さんと変わらず奈良市の保育行政に力を尽くしてくれている保育士さんに申しわけないなという気持ちがあるなら、対応はまた変わってくるはずです。 答弁の中に、臨時・パートタイムの職員の処遇改善についても、引き続き検討を実施するというふうに入っていましたので、その点についてはこの言葉に期待をかけて、また今後の話し合いの課題としていきたいと思います。 さて、先ほどから言っているように、今は深刻な保育士不足ですが、数年後には、少子化に伴い保育ニーズは減少に向かうと言われており、いずれは保育士不足の状況ではなくなります。しかし、そのような状況を踏まえても、今の正規職員の数を見ますと、正規保育士をふやす余地はまだまだあるように思いますけれども、その点はどうでしょうか。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 御指摘のように、保育ニーズの推移ということについては、これはなかなか計画どおりには進まないところもございまして、依然として待機児童が生じているということからも、今後も随時、その動向を注視しながら適切に計画的に対応していかなければというふうに思っております。 一方で、本市といたしましては、あくまでも正規職員の採用を原則としつつも、公立園の再編、また民営化の計画の進捗なども勘案し、その中で非専門的任期付職員の制度や臨時職員の活用を行いながら、効果的、効率的な行政運営として対応してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 今、正規職員の採用が原則というように答弁いただいたと思うんですけれども、その後のただし書きが長かったように、現状そういうふうにはなっていません。それは、現時点での正規職員と臨時職員の比率を見ても明らかです。正規職員をあとどれだけふやすことができるのか。この点についてもシミュレーションをしながら、今後、話し合いを深めていきたい課題だと考えています。 僕は、これまで待機児童解消の方法論の一つというような言い方で、保育士の処遇について表現することが多かったように思いますが、この問題は、手段であると同時に、次の時代の課題、目的となっていく重要な話だと思っています。また、ほかにも残業が正当に評価されていないサービス残業の問題などもあります。今後もこの話は続けていきたいと思いますので、またよろしくお願いします。 では次に、奈良市の老朽化したインフラについて、その修繕計画をお聞きしたいと思います。 まずは、道路インフラについて、市長にお尋ねします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 老朽化したインフラ問題について、まず道路についてということでございます。 道路の部分につきましては、平成26年7月1日の道路法施行規則の改正に伴いまして、道路管理者は全ての橋梁、トンネル等について、5年に1回の頻度で近接目視による点検を行うことが義務づけられております。奈良市が管理する橋梁等につきましても、点検を実施しております。平成30年度が1回目のサイクルの最終年でございますことから、全ての定期点検を完了させるとともに、診断結果に基づき計画的に修繕を行っていきたいと考えております。 一方で、舗装や照明柱など点検が比較的容易なものにつきましては、経年的な劣化に基づき、適切な時期に随時改修、更新をさせていただいております。また、今年度につきましては、道路陥没の原因となる路面下の空洞の有無を調べる路面下空洞化調査も行っております。あとは、街路灯につきましては、防犯灯クラスのLED化が今年度中に完了する予定でございます。 今後、自営ポールの老朽化が進んでいるハイウエー灯タイプの道路照明につきましては、転倒事故を防止するために重量の軽い照明器具への変更、また電柱への共架化を行うことによって、LED化と耐震化、長寿命化を同時に進めていきたいと考えております。 これらによりまして、予防保全による将来の維持管理費用の縮減、また道路利用者が安心して使っていただける道路を実現してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 まず、トンネルと橋については平成30年度に点検が終わるので、その結果を受けて計画的に修繕していくということを了解しました。また、舗装や照明についても、随時点検、改修をしていくということで、よくわかりました。 最後に、道路について、これから路面下空洞化調査を実施するとのことですが、今回の議会に報告された案件でも、道路の穴が理由で自動車が損傷し損害賠償金を払ったというものがありました。八条町の当該道路の写真も確認しましたが、大きな穴で、これは危険だなと感じました。 最近、奈良市内でこの手の事故が多くなったのではないかと感じています。たまたま車の損傷ということでお金で解決できる範囲におさまっていますが、いつ重大な事故が起きてもおかしくありません。市民が安心・安全に生活するために、道路の補修についてもしっかりとした計画を立てて行っていただきたいと思っています。 これは、先ほどの違う議員の答弁の中でもそういう話で、計画的な補修ということを言っていただいたんです。確かに、計画的に補修していって穴があかないようにする、穴があく前に路面下空洞化調査でしっかり調査する、これは大事なことなんですけれども、それに加えて、もうそれが十分やったら言うことないけれども、もしも穴があいちゃったときに、その穴に迅速に対応するということもまた必要じゃないかなと思います。これは、穴があいたという報告を受けてから塞ぐまでの時間もそうですし、穴に気づくまでの時間、これも非常に大事かなとは思っています。 そのためのシステムとして、例えば他市ではアプリを使って市民からのそういう情報をいただくみたいなこともありますけれども、アプリだろうが何であろうが、市民の目を利用していく、市民が気づいて、すぐ市にここ穴あいていますよと教えてくれる、そういうシステムができたら、非常にこれも迅速な対応をしていけるんじゃないかなと期待しているので、その辺もしっかり検討していただきたいなと思います。 では同様に、老朽化した下水道管の改築計画について、企業局長にお尋ねします。 ○議長(北良晃君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 老朽化が進んでいる下水道管の改築の計画についてでございます。 下水道整備区域で老朽化が特に進んでいる地区を対象に、管渠内にカメラ調査を実施して、下水道長寿命化計画を策定して、その計画に基づいて緊急度の高い管渠から国庫補助を受け、順次改策、修繕を進めております。平成28年度から工事に着手をしており、当面の目標としましては平成32年度末までに約12キロメートルの長寿命化計画による改築を実施する予定でございます。 以上です。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) 5年間で12キロメートルの長寿命化計画を実施すると答弁されました。割り算しますと年間2.4キロメートルということですが、これで間に合うんでしょうか。下水管の耐用年数は50年だと聞いていますので、奈良市の下水管の総延長が120キロメートル程度ならちょうど5年間で補修し終わる、いいサイクルになると思うんですが、実際にはどのくらいの長さでしょうか。 また、布設後50年を経過してしまっている管がどの程度あるのかも、あわせてお答えください。 ○議長(北良晃君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 平成28年度末時点で、下水の管渠総延長というのは1,230キロメートルで123キロメートルではありませんけれども、その中で布設後50年以上を経過した管渠は約76キロメートル、5年後の平成33年度末では約153キロメートルということになります。 以上です。 ○議長(北良晃君) 柿本君。
    ◆18番(柿本元気君) 123キロメートルではなく、1,230キロメートルだというお答えが返ってきました。単純計算でも年間24キロメートル、今のペースの10倍のスピードで補修しなければ追いつかないことになります。 また実際には、本市の下水道施設は昭和26年から始まっており、65年ぐらい今たつんですかね。この時代から、今もそうですけれども、急激に補修が必要な管がふえてくると予想されます。また、今の御答弁の中でもありましたが、耐用年数を経過してしまった管が現時点で76キロメートル、しかも計画的な修理をしているという。その計画的な修理が終わった5年後には、何と153キロメートル、今より2倍にふえてしまっているということがわかりました。 非常にまずい現状だなと思いますが、今後どのような対策を考えているでしょうか。 ○議長(北良晃君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 現在取り組んでおります長寿命化計画による管渠改築につきましては、国庫補助制度が平成32年度末で打ち切られるために、平成32年度でおしまいということになります。 その後、それにかわる制度として、国交省のほうで下水道ストックマネジメント支援制度という新しい制度のもとに事業をやることになりますけれども、この新しいストックマネジメント計画では、市内の下水道施設全体の今後の中長期的な老朽化状況を予測しながら、維持管理、改築を一体的に捉えて計画的、効率的な維持管理を実現するというようなものでございます。 この手法は、従来の長寿命化手法と違って、長寿命化手法では対象地区とか施設を特定して、それを詳細にカメラを入れたりいろんなことをして、非常に狭い範囲で特定してやるわけですけれども、今度のストックマネジメント計画は、簡易調査として巡視点検に重点を置いて、市内全体の老朽化状態を広く監視をしていって、老朽化の度合いに合わせて順次、詳細調査に移行して改築箇所を選定していくというようなことにより、リスク管理を踏まえた最小限のコストで改築を進める手法でございます。 本市でも、今後早い時期にストックマネジメント計画を策定して、施設改築のペースを上げるという方向で、やはり限られた財源の中で適切なリスク管理を行うことで、効率的な施設の維持管理を実現していこうと考えております。 以上です。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ストックマネジメント計画という言葉が出てきて、なかなか僕らにとったら難しいんですけれども、ただ説明を聞いている限り、それだけで飛躍的に解決するというほどのことではなさそうやなというふうに聞いていました。現状は非常に深刻ですので、計画の名前が変わっただけで解決できる問題とは思えません。現に、町の水道屋さんにこの間お聞きしたんですけれども、腐った下水管なんかいっぱいあるよと答えが返ってきました。老朽化した下水管の問題を奈良市の喫緊の課題と捉え、何とか維持管理を実現できるよう全力を尽くしていただきたいと要望しておきます。 インフラの老朽化ということで、きょうは市民生活に広くかかわる道路と下水管について質問しましたが、ほかにもいろいろな施設が老朽化しています。雨漏りしている公民館、ボイラーの壊れたスポーツセンターのプールなど、しっかりと計画を立てて補修をしていく必要があります。ついでに、今、ボイラーが壊れたスポーツセンターのプールと言いましたが、これは西部生涯スポーツセンターを念頭に置いて言わせてもらったんですけれども、修理してほしいと市民からの要望も聞こえていますので、ぜひとも早期に修理していただきたいなと思っております。 最後の質問に移りますが、これも老朽化と切り離して考えることのできないクリーンセンターの問題です。 クリーンセンターの焼却炉はぼろぼろで、その維持に手間もコストもかかっており、いつ使用できなくなって市民に迷惑をかけてもおかしくないのが現状です。また、経年劣化に起因したコンクリート鉄筋の劣化による工場の耐震不足は、職員の身の安全さえ保障できない待ったなしの状況であることは、実際に視察して身にしみて感じました。 まずは、クリーンセンターの建てかえについて、市長はできるだけ早く候補地を決定し建てかえを進めると表明されていますが、現状や見込みについて前に進んだ部分はあるんでしょうか、お聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) クリーンセンターの建設計画の進捗でございます。 現在、広域化、また現地建てかえも含め、あらゆる手法により問題解決を図ろうと取り組みをしているところでございます。 まず、広域化の検討ということにつきましては、北和地域の近隣市などと連携したごみ処理につきまして、基礎的な情報を整理しながら、連携の可能性を協議する合同勉強会への参加を準備いたしております。 また、現環境清美工場が立地する左京地区住民の皆様とは、今までには話し合いの機会が持てない状況でございました。その中で9月24日には、左京地区自治連合会のほうで懇談会の機会を設けていただいたところでございます。住民の皆様からは、公害調停の遵守を求める意見を中心に、率直な思いを伺った次第でございます。今後も意見交換や対話を継続できるように、機会を得るよう努力をしてまいりたいと思っております。 また、奈良市自治連合会におきましては、市民の立場からクリーンセンター問題を考える取り組みとして、建設候補地につき、11月末を期限として市内全域からの公募を実施されたところでございます。また、来る12月16日には、クリーンセンターを直接の課題とするものではございませんが、市民に現下のごみ問題をみずからの問題として捉えていただくための奈良市のごみ問題を考える市民集会の開催も予定をされているところでございます。 市といたしましても、この新クリーンセンターの建設は最重要課題の一つでもあり、現環境清美工場の老朽化の進展も踏まえ、早期に限られた選択肢から現実的な方向性を見出してまいりたいと考えております。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 今までなかった動きとしては、左京住民との話し合い、それから自治連合会の動きということを今答弁されました。 確かに今までなかった動きなんですけれども、まだ、これ前に動き出したという状況ではないと思います。左京住民との話し合いも、話し合った上でそこで反対されているという話ですし、自治連合会の動きも、じゃ、うちにクリーンセンターを持ってきていいよという声が上がっているというところまでは聞いていません。そういう意味では、スタート地点で今、準備運動が始まったなぐらいで、まだ前に進んだとは言えないんじゃないかなと。一刻も早い進展を期待しています。 それから、仮に順調に建てかえが進んだとしても、まだまだ新しい施設が使えるまでは時間がかかります。今の施設とは10年以上つき合っていかなければならないことになると思います。 現工場の老朽化の調査業務が実施されていますが、その結果を受けてどのように対応するつもりなのか、また、そのための来年度の予算の対応をどのように考えているのかについてお聞かせください。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今年度につきましては、老朽化の程度を把握するための調査を行っており、現在、焼却炉の構造体の必要となる補強箇所の特定を行っております。調査業務の委託は、年明けの3月までとなってございますけれども、進捗に合わせて随時報告を求め、老朽箇所の状況把握に努めております。 また、調査と並行し、施設の安全性を確保し、かつ施設の適正な維持管理に最も有効な対策を考えるため、費用や工期等の検討も同時並行的に行わせていただいております。この中でも特に緊急性の高い改修につきましては、来年度の予算に反映することも含めて検討をさせていただいている次第でございます。 ○議長(北良晃君) 柿本君。 ◆18番(柿本元気君) ありがとうございます。 今年度末まで調査が続くということですので、実際に補修が始まるのは、平成30年度に間に合わず平成31年からなのかなと心配していましたけれども、今の答弁で、緊急性の高いものは平成30年度当初予算に反映させることも考えていると答弁いただいて安心しました。 地震はいつ起こるかわかりません。壊滅的な地震が起こったら、それはもうどこでも危ないし、しようがないと言えるかもしれませんけれども、何でもない地震で耐震がしっかりしていないために工場が潰れて職員が犠牲になった、こんなことだけは絶対に起こったらあかんと思うので、危機感を持ってしっかりと対応していただきたいなと思います。それからまた、応急処置だけでなく基幹工事が必ず必要なんじゃないかなというふうに思っているのでよろしくお願いします。 僕は、クリーンセンターの現状を待ったなしの状況であると、切迫した状況をきょう訴えたいと思って質問の場に立たせていただきました。答弁では、市長も同じ問題意識を抱えていることはわかるものの、切迫感が実感できない、進捗状況や対応の緩慢さもあると感じました。市長は、一刻の猶予もない状況であることをもっと自覚していただいて、スピード感のある事業展開と目に見える進捗を市民の前に示していただきたいことを市民の声として強く要望し、僕の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明5日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(北良晃君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後4時28分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。             奈良市議会議長   北 良晃             奈良市議会副議長  三浦教次             奈良市議会議員   樋口清二郎             奈良市議会議員   三橋和史             奈良市議会議員   松石聖一...