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03月07日-03号

  • いじめ自殺(/)
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  1. 奈良市議会 2016-03-07
    03月07日-03号


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    平成28年  3月 定例会平成28年奈良市議会3月定例会会議録(第3号)-----------------------------------     平成28年3月7日(月曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第1号 平成27年度奈良市一般会計補正予算(第4号)       議案第2号 平成27年度奈良市一般会計補正予算(第5号)       議案第3号 平成27年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)       議案第4号 平成27年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第4号)       議案第5号 平成27年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第2号)       議案第6号 平成27年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)       議案第7号 平成27年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第4号)       議案第8号 平成27年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第5号)       議案第9号 平成27年度奈良市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)       議案第10号 平成27年度奈良市病院事業会計補正予算(第1号)       議案第11号 平成27年度奈良市水道事業会計補正予算(第2号)       議案第12号 平成27年度奈良市都祁水道事業会計補正予算(第1号)       議案第13号 平成27年度奈良市月ヶ瀬簡易水道事業会計補正予算(第2号)       議案第14号 平成27年度奈良市下水道事業会計補正予算(第1号)       議案第15号 奈良市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給に関する条例等の一部改正について       議案第16号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例及び奈良市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部改正について       議案第17号 奈良市税条例の一部改正について       議案第18号 奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例の一部改正について       議案第19号 奈良市広場等利用施設及び観光農園管理施設条例の廃止について       議案第20号 奈良市地区計画形態意匠条例の一部改正について       議案第21号 奈良市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について       議案第22号 奈良市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正について       議案第23号 奈良市小規模上下水道施設公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例の制定について       議案第24号 委託契約の締結について       議案第25号 平成28年度奈良市一般会計予算       議案第26号 平成28年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第27号 平成28年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第28号 平成28年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第29号 平成28年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算       議案第30号 平成28年度奈良市公共用地取得事業特別会計予算       議案第31号 平成28年度奈良市駐車場事業特別会計予算       議案第32号 平成28年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第33号 平成28年度奈良市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第34号 平成28年度奈良市針テラス事業特別会計予算       議案第35号 平成28年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第36号 平成28年度奈良市病院事業会計予算       議案第37号 平成28年度奈良市水道事業会計予算       議案第38号 平成28年度奈良市都祁水道事業会計予算       議案第39号 平成28年度奈良市月ヶ瀬簡易水道事業会計予算       議案第40号 平成28年度奈良市下水道事業会計予算       議案第41号 奈良市建築審査会条例の一部改正について       議案第42号 奈良市行政不服審査法施行条例の制定について       議案第43号 行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について       議案第44号 奈良市情報公開条例等の一部改正について       議案第45号 奈良市固定資産評価審査委員会条例の一部改正について       議案第46号 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について       議案第47号 奈良市職員の退職管理に関する条例の制定について       議案第48号 奈良市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について       議案第49号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について       議案第50号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第51号 奈良市総合福祉センター条例の一部改正について       議案第52号 奈良市子ども医療費の助成に関する条例の一部改正について       議案第53号 奈良市立診療所設置条例の一部改正について       議案第54号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について       議案第55号 奈良市地域ふれあい会館条例の一部改正について       議案第56号 奈良市消費生活センター条例の制定について       議案第57号 奈良市自動車駐車場条例の一部改正について       議案第58号 奈良市火災予防条例の一部改正について       議案第59号 奈良市下水道条例の一部改正について       議案第60号 奈良市水洗便所設備費助成に関する条例の一部改正について       議案第61号 奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について       議案第62号 包括外部監査契約の締結について       議案第63号 市道路線の廃止について       議案第64号 市道路線の認定について       議案第65号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第66号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第69号 奈良市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 松下幸治君      2番 道端孝治君  3番 太田晃司君      4番 八尾俊宏君  5番 柿本元気君      6番 九里雄二君  7番 藤田幸代君      8番 酒井孝江君  9番 階戸幸一君      10番 横井雄一君  11番 山本直子君      12番 白川健太郎君  13番 今西正延君      14番 鍵田美智子君  15番 山本憲宥君      16番 東久保耕也君  17番 北 良晃君      18番 宮池 明君  19番 伊藤 剛君      20番 内藤智司君  21番 山口 誠君      22番 松村和夫君  23番 小川正一君      24番 北村拓哉君  25番 浅川 仁君      26番 三浦教次君  27番 植村佳史君      28番 土田敏朗君  29番 上原 雋君      30番 森岡弘之君  32番 高杉美根子君     33番 松石聖一君  34番 井上昌弘君      35番 松岡克彦君  36番 山口裕司君      37番 森田一成君  38番 中西吉日出君     39番 松田末作君 欠席議員  なし 欠番  31番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      津山恭之君  副市長      向井政彦君   危機管理監    藤村正弘君  総合政策部長   中西寿人君   総務部長     染谷禎章君  財務部長     西谷忠雄君   市民生活部長   外良匡利君  市民活動部長   今西尚子君   保健福祉部長   堀川育子君  子ども未来部長  乾 尚浩君   保健所長     上野満久君  環境部長     南 孝明君   観光経済部長   川本了造君  都市整備部長   喜多六宏君   建設部長     山本幸宏君  会計契約部長   福岡義郎君   企業局長     池田 修君  消防局長     酒井孝師君   教育委員長    杉江雅彦君  教育長      中室雄俊君   教育総務部長   西崎卓哉君  学校教育部長   梅田真寿美君  監査委員     中村勝三郎君  総合政策課長   仲野公夫君   財政課長     辻井 淳君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     米浪高之    事務局次長議会総務課長事務取扱                            小川祐弘  議事調査課長   梶 正樹    議事調査課長補佐 秋田良久  議事係長     杉野真弥    調査係長     岡本欣之  議事調査課書記  中山辰郎-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○副議長(北良晃君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第1号 平成27年度奈良市一般会計補正予算(第4号) 外66件(質疑並びに一般質問) ○副議長(北良晃君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第1号 平成27年度奈良市一般会計補正予算より議案第66号までの66議案及び議案第69号 奈良市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について、以上67議案を一括して議題といたします。 休会前に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 14番鍵田君。   (14番 鍵田美智子君 登壇) ◆14番(鍵田美智子君) 奈良未来の会、鍵田美智子です。皆様、おはようございます。 本日は一問一答で質問したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 2014年秋ごろより、人口減少、地方消滅、地方創生という言葉が躍り出し、現在は選択と集中が国策とおぼしき勢いで政策展開されております。奈良市の予算案の新規施策にも数々の地方創生メニューが入っておりました。私自身は、こうした国の方向性の中で、もう一段深いところで奈良市の教育をテーマに本日の質疑をしたいと考えております。 奈良市学校規模適正化について、初めに教育長にお伺いいたします。 本市では、奈良市学校規模適正化実施方針及び中学校区別実施計画案に基づき、過少規模または早期に適正化が必要な小規模の市立幼稚園、小学校、中学校を対象として学校規模適正化を実施してきています。しかし、市全体の児童・生徒数の減少はさらに深刻化してきており、後期の計画策定が待たれるところであります。 そこで質問に移りますが、今年度で予算化されているにもかかわらず繰り越す予定の耐震化未着手施設があると聞き及んでおります。来年度に耐震化を繰り越すことになった当該施設は、この学校規模適正化との兼ね合いから見た統合再編と、どのような関係性があったのかお答えください。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 一問一答でございますので、自席からお答えを申し上げます。 学校規模適正化との兼ね合いから見た統合再編についてでございますが、鼓阪小学校がある若草中学校区では、鼓阪小学校、鼓阪北小学校が1学年1クラスの小規模校であり、現在の児童数は鼓阪小学校が107名、鼓阪北小学校が121名でございます。このことから、今後の児童数の推移も勘案しながら、将来的にどのような教育環境のもとで学習をしていくことがよいかについては、検討をしていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 一問一答方式ですので、2問目以降は自席より行わせていただきます。 平成20年に奈良市学校規模適正化実施方針を奈良市教育委員会が示した際、本市は特に幼児教育の充実、小中一貫教育など特色ある教育の推進と学校、家庭、地域が一体となって教育の推進に取り組むことを明示されております。パイロット校では、施設一体型で条件的にスタートがしやすいことがありました。その中で、昨年から全市的に小中一貫教育が始まりましたが、スタート校とパイロット校の間で明らかな相違点の一つにカリキュラムの問題があると考えます。小中一貫教育を全市的に行う場合には、カリキュラムがそろっていることが重要であると考えますが、この点について現状をお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答えを申し上げます。 小中一貫教育を進める上でのカリキュラムの現状についてでございますが、今年度より小中一貫教育をスタートした学校につきましては、小学校と中学校の施設が離れている、いわゆる連携型の小中一貫教育であることから、無理なく実施できるカリキュラムを設定いたしました。このことから、特に英語の授業時数において違いが出ております。今後、小中一貫教育の実施を積み重ねる中で検討を行ってまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) スタート校は小中連携しかなく、小中連携はパイロット校よりも連携の方法も置かれている状況も多種多様になり、さらに難しい局面も出てきていると思いますが、現在の状況をお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答えを申し上げます。 スタート校での小中一貫教育の現在の状況についてでございますが、本年度から小中一貫教育を開始したスタート校は連携型であることから、常時、児童・生徒、教職員が交流するという点では一体校と比べて難しい面もございます。現在は、小・中学校の教職員が各中学校区の課題や目指す子供像を共有するとともに、推進組織や具体的な取り組み、また年間計画等を定めた小中一貫教育推進プランを作成し、それに基づく取り組みを行っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 一体型と連携型では、英語教育の総時間数が違う等、明らかな相違が見られるということです。奈良市の児童に保障する教育という観点から見れば、これで学校の質的平等が保てるとお考えでしょうか。重ねて言えば、時間数の違い、連携度の違いがあることで、本市としてはどこまで均一な効果を出すことができるのか、その点が重要になり、これから求められてくる部分でもあると思います。その点については、十分な注意と配慮を持って、学校の質的平等について考慮していただくよう要望しておきます。 次に、奈良市教育振興基本計画についてお伺いいたします。 平成28年1月にこの計画が策定され、教育目標にキャリア教育の位置づけとして、こども園、幼稚園、保育園から高等学校まで、つながりを意識したキャリア教育の推進を奈良市教育委員会として上げられております。しかし、奈良市のこども園の所管課は、現在、子ども未来部となっており、その点で管理監督機能が果たせているのか、奈良市幼児教育の育成が適切に担えているのか疑問に感じているところがあります。 初めに、子ども未来部長にお聞きいたします。 過日、こども園のヒアリングを行った際、担当課は庶務関係のヒアリングはされましたが、各幼稚園の1年間の成果報告を受け的確な評価と指示を出すヒアリングをされた形跡がございません。子ども未来部では、園長報告を受け、適切に評価をし、具体的な指示を出しているのはどなたになるのか具体的にお答えください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) 鍵田議員の御質問に、一問一答ですので、自席よりお答えさせていただきます。 奈良市のこども園、幼稚園、保育園、52園の担当課でありますこども園推進課では、行政職の課長のほかに、保育教育士であり園長経験のある主幹を配置し、園長報告に対する評価や具体的な指示を出しているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。
    ◆14番(鍵田美智子君) 52園ある園に対し、この主幹の方々はどれだけ園に出向き、どんな教育の方向性の指導を行われているのでしょうか。具体的に幼児教育の質的担保をどのように監督し、指示をされているのかお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 こども園推進課では、主幹を初め園経験の豊富な保育教育士を配置し、各園へ保育内容の指導や保護者に対しての支援を行っているところでございます。また、保育の質を高めるために、各園からの指導要請を受けて、保育観察指導や保育カンファレンスを実施しております。 さらに、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の告示に基づき、新たに作成いたしました奈良市立こども園カリキュラムを活用する中で、質の高い保育実践力を身につけることができる研修を初め、特別支援教育に係る研修など多岐にわたる研修を実施しているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 今、説明をいただいたのは、指導や研修の方法論であります。私がお聞きしているのは、そこでどんな内容を話し合い、その内容で十分なのか、新たな視点で考え、指導するのは、どの立場の方がされるのかを聞いております。お言葉ですが、課長や主幹は園に対し具体的な指導、監督はできても、その課長や主幹に対し指導、監督する立場の方が今の子ども未来部におられるのでしょうか。課長、主幹に対し、新たな奈良市の教育方針や方向づけを提示し、適正に教育が行われているかを検証し、判断することができる管理者がいないのが現状ではないでしょうか。 子ども未来部長に再度お聞きします。 教育は、新たな時代に見合う内容を常に考え、情報を携えながら教育の道筋をつけていかなければなりませんが、子ども未来部長はその点についてどうお考えでしょうか。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 これからの未来を担う子供たちに対しての教育に関しましては、やはり幼児期の部分というのが大変重大であるというふうに考えております。私たちのほうにおきましても、もちろん専門的な保育教育士を配置するとともに、先生方全員の中で、園の先生方とあわせて、子供にとって何が大事なのかということをきちっと見きわめながら、子供の健やかな成長に向かっての対策をとっていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 奈良市の教育の道筋についてビジョンがなければ、教育は語れません。 次の質問に移ります。 このたび、奈良市教育振興基本計画の中に、不登校児童・生徒の数字が出ております。小学生は1年から6年までおよそ100人、中学生では3学年で350人以上と、かなりの数字になります。 そこで、関連して子ども未来部長にお聞きしますが、奈良市の児童虐待相談件数及び安否確認数を年齢別相談対応件数でお答えください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 児童虐待相談件数についてでございますが、児童虐待で相談通告を受理した場合は、初期調査を行うとともに子供の安全確認を行っています。平成26年度通告相談件数は549件であり、そのうちゼロ歳から3歳未満が148件、3歳から就学前が147件、小学1年生から3年生までが119件、小学4年生から6年生までが67件、中学生が49件、高校生その他が19件となっております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 直ちに子供の安否確認を行ってほしいと関係者に通告した件数ですが、この数字から御理解できるでしょうか。ゼロ歳から3歳、3歳から就学前の子供たちは、子育て相談や通っている園で専門のケースワーカー、保育士、幼稚園関係者等が保護者や家庭に接触し手厚く見守る体制ができております。しかし、小学校に上がることによって、保護者とのつながりが希薄になり、抱えている問題が複雑化していくおそれが強くなっているということであります。この相談件数を深刻に受けとめ、小・中学校の不登校児童につながらないようにすることも、奈良市の学校現場に求められている大きな使命です。 次に、教育長にお伺いします。 つながりを意識した教育が重要だと考えるなら、幼児教育の重要性や小学校につなげていく幼保の環境がいかに重要か理解できるところです。この点についてお考えをお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答え申し上げます。 幼児教育の重要性についてでございますが、幼児期は生涯にわたる人間形成の基礎が培われる時期であり、幼児期の教育がその後の人間としての生き方を大きく左右する大変重要なものであるというふうに認識をいたしております。そのことから、遊びを主な活動として展開される幼児期の生活と、集団生活の中で学習を主な活動とする小学校の教育とのスムーズな接続を図ることも重要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) これまで奈良市の幼児教育を担われてきた教育委員会のトップである教育長として、現在の子ども未来部の体制で、こども園の監督、指導性が担保できているとお考えでしょうか、お聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答えを申し上げます。 現在の体制でこども園の監督、指導性は担保できているかということについてのお尋ねでございますが、先ほども子ども未来部長の答弁がございましたように、担当課であるこども園推進課には、教育委員会で申しますと指導主事に当たる園長経験者や経験豊富な保育教育士を配置して、日常的にこども園や幼稚園、保育園の教育や保育の指導が行われていると、このように考えております。 幼児教育は、子供の人格形成や学びの基礎をつくる大切な教育であり、それが小学校への教育へとつながっていくということから、教育委員会といたしましては、定期的に関係各課連絡会を開催したり、各園の園長と小・中・高等学校の校長が一堂に会する合同校園長会を開催して、私が直接、本市の教育ビジョンについて話をするなど、子ども未来部と連携を密にして、本市の子供たちの教育の充実、推進に努めているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 子ども未来部と連携をとることと、課の中で責任ある指示や総括をし、方針を打ち出すこととは明らかに違います。教育長の立場で少し無責任な答弁に聞こえます。それなら、主事や課長から報告を受ける際、カリキュラムに沿った教育ができていることを確認し、的確な指示や方向性を出し、教育の方向性を決めている管理職は誰になるのか。そこのところを正確に答えていただきたいところでした。 市長に伺います。 市長、現在のこども園の部署は市長部局です。他市では、幼児教育の部門として、教育委員会がしっかり教育としての道筋をつけ、適切な指示や総括をしている自治体が多くあります。奈良市は、教育部門と離され、現在運営をされています。なぜこのような体制をとられたのか短くお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 幼児教育をなぜ子ども未来部のほうで担っているかということでございますが、これはいろんな考え方がございますが、やはり奈良市としては、ゼロ歳から5歳までの小学校に上がるまでのいわゆる就学前児童の幼児教育については、幼稚園であろうが、保育園であろうが、公立であろうが、私立であろうが、もしくは新しくできましたこども園であろうが、どの園に通っていても同じ内容の、同じ質の幼児教育を提供できるようにしていきたい。そんな思いから、今までは2つの部署でばらばらに対応していたものを1カ所で、ワンストップで対応していこうと。そのように考えて、組織がえをさせていただいたという経緯でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 市長、再度お聞きします。 奈良市のキャリア教育は、つながりを意識した教育ということで、幼・小・中が一貫してつながり、新しいこども園の形の中でも、幼児の教育としての質の担保を保障しなければ、小学校へつなげてもさらに小学校現場が疲弊することが予想されます。市長として、幼児教育の柱を確立する責務は、奈良市教育振興基本計画に記載をされている、基本方針2の次世代を見据えた教育の推進にもつながっていると捉えておりますが、今後、体制を見直されるおつもりはないか、お聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 教育というものは、やはり教育委員会の中のみで語れるものではないと思っています。いろんな分野につながっていきますし、これは子供のみならず、生涯にわたっていろんな場面で、教育という切り口というのはどの業務をやっていても出てくるものだと思っています。 今回、我々は、教育委員会のほうに幼児教育、つまり保育園も含めた業務をまとめるべきか、それとも保健福祉部から分離をいたしまして新しく子ども未来部という部をつくって、そちらのほうでいわゆる幼稚園のほうも入れるのか、どちらの方法もあるだろうというふうに考えた中で、最終的には、やはり子供というくくりの中で、就学前児童をトータルにワンストップで対応できるために新しく子ども未来部というのをつくりまして、そちらのほうに従来の教育委員会で担っていた幼児教育の部門を移したという形になっています。 どれがベストかというと、いろんな方法があると思いますので、ここについてはまたいろんな研究をしていきたいと思いますが、思いといたしましては、従来ですと保育園は保育に欠ける子供の養護施設という位置づけが国でされておりますけれども、私は、お預かりをする養護という観点だけではなくて、教育の観点をその中に入れていくことが大事だというふうに思っておりますので、その趣旨が実現できるように、御指摘いただいた点も含めてしっかりと研究をしていきたいと思っております。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 御答弁ありがとうございます。 確かにそのとおりです。今の幼児教育の中で子供への体制は、管理監督、また適切な指導というのができておりません。それでは現場の方々が大変混乱し、お困りのようです。その点をしっかり見てあげてください。 ただいま答弁いただきましたが、市長は幼児教育の現場をどれだけ御存じでしょうか。市長になられて間もなく7年、私も3年目です。未熟な私でさえ、奈良市の幼児教育の芯が壊れかけていることが今、目に見えております。いずれ市長も私も退場していく人間ですが、ぜひ御検討していただいて、壊して出ていかれるようなことはやめていただきたいと存じます。教育改革も必要なことですが、もとになる幼児教育に適切な指導、監督ができなければ、教育は潰れていきます。責任を持てる機構、人材を配置し、奈良市の教育のもととなる基礎をつくっていただきたく要望し、次の質問に移ります。 奈良市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正についてお伺いいたします。 労働の価値が非常に低下している社会情勢ですが、特に保育園の園長、保育士は低賃金化し、中途退職者が増加するなど、保育士の確保が困難になっております。保育士と幼稚園教諭の賃金格差を埋めるべく着手されていることは理解できますが、子育て支援の職員の労働をもともとから低く見ている現実があります。 その中で、奈良市は認定こども園で働く臨時保育教育士の賃金体系を一つの体系にまとめました。臨時保育士は現在まで日給制で、何年働かれても8,400円、1年でも30年以上働かれても同じ日給制です。幼稚園の教諭は5年で昇給がとまる月額制でした。今回、その体系を一つにまとめ、担任か担任以外で差をつけた月額制に変更が予定をされています。 この改正により、どのような方がマイナスの影響を受けるのか、職員の数とマイナス内容を子ども未来部長にお聞きします。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 今回の改正は、こども園だけではなく、幼稚園・保育園を含めた全ての臨時保育教育士を対象にしており、給与面や任用面での統一や人材確保のために行おうとするものでございます。 現場には、同じ臨時保育教育士の中にクラス担任を持つ職員と持たない職員がおり、その仕事内容や責務、いわゆる職責においては差があり、その差に対して加算を考えております。 したがいまして、加算の対象とならないこども園の臨時保育教育士16人は、期末手当の廃止もあわせ影響を受けるものでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 期末手当が廃止されるということです。大変大きなことだと思います。16名の方は、合わせておよそ25万円から65万円の給料の減額が予定されています。今回の改正で、新しく超過勤務手当をつけられるそうですが、40時間の手当をつけられたとすれば減額前との差異はほとんどありません。およそ270万円台の給与の方が、いきなりこの減額では、生活に支障が出ることは容易に想像することができます。 これまでにも子育て支援の重要な担い手である保育士の待遇は改善が求められてきましたが、今回の改正でどのようになるとお考えでしょうか。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 お尋ねの改正による幼稚園側職員への影響ですが、担任を持っていない職員の職責については、現在の保育園勤務の担任を持っていない臨時職員と同等であると考えられる点から、その双方をすり合わせ、同じ賃金体制とし、クラス担任にはその職責に応じて加算を考えたものとなっております。改正初年度の過渡期でもあり、なるべく御本人の意向調査等を通じて、その働き方につきましては相談しながら進めようとしているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 公共サービスの担い手に広がる労働崩壊が、今、全国の自治体で明らかにされていますが、なぜ8,400円の基準額をもとにされているのかが問題です。加算を考えたのなら、基準額の見直しから始めるのが筋だと思います。正規雇用と臨時保育教育士の人数、全ての職員数をお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 平成28年3月1日現在で、こども園、幼稚園、保育園の正規保育教育士の人数は399名で、臨時保育教育士の人数はパート職員も合わせて319名でございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 職務の内容は非正規の方でも同様に担いますが、いつ民営化を言い出されてもおかしくないようなバランスの職員構成になっております。臨時保育教育士で担任を持っている人数をお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 臨時保育教育士で3歳から5歳のクラス担任を持っている人数は、平成28年3月1日現在で全192クラス中54名でございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) これだけの方が臨時保育教育士として重い責務を担っていますが、職務の内容を理解し、その立場や使命に対して適切に労働の価値として応えているのか本市の姿勢が問われます。臨時保育教育士という身分で、正規雇用の方と同じように担任を持ち、同じ職務をこなす保育教育士の方々にとって適正と言える収入なのか、どのように検証されたのでしょうか、お答えください。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 正規保育教育士と臨時保育教育士とでは、例えば養育が困難な保護者への対応など、より困難度の高い任務につきましては、正規保育教育士が主となり遂行しているところから、その責任につきましては正規保育教育士に比重があるものと認識しております。 今、全国的に保育教育士の処遇改善が求められており、今回の改正に当たり、他市の状況を参考に保育士の臨時職員の日額をもとに月額を算出し、そこにクラス担任を持つ保育教育士にはその職責を鑑み加算をつけるなど、臨時職員の定着率の向上を図るために、職責以外にも経験年数に応じた加算がつく制度等処遇改善を考えたところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 認識をお聞きしてはおりません。適正とお考えか、検証はされましたかとお聞きしました。 市長にお伺いいたします。 若い世代の方々が住みたくなるまちづくりをお考えの市長ですから、奈良市の重要な子育て支援に携わる職員のことを考え、今回の改定に臨まれたのだと存じます。職員自身も将来設計を描きながら奈良市の子育て戦略の重要な担い手として、安心して職務に邁進する手当ができたと言える改定か、お答えください。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今回、御指摘をいただいている点につきましては、こども園、保育園、幼稚園、子供にかかわる園が今、3種類ございますけれども、その中で正規職員以外に幼稚園の講師や保育士の臨時職員の方々も教育にかかわっていると。そこをいかに人材確保をしていくかということが大きなテーマだと考えております。 現在、奈良市も保育士の確保ということについては非常に困難を来している実情がございます。今年度も定員枠がありながら保育士不足のために入園ができなかったお子様が、奈良市の公立保育園、こども園、全て合わせますと100名近くに上っていると。そんな実情がございまして、保育士の処遇改善を待機児童解消へとつなぐこと、また臨時保育教育士の体系を一体化することが、この改正案の趣旨になっております。 月給制が導入されるのであれば、このまま奈良市で仕事をしていきたいという、現場の職員の声もあり、そういったものを酌み取っていくということ。また、処遇が一本化されるということで、幼稚園の現場と保育園の現場双方への勤務が可能になるなど、その職場の選択の幅を広げるということにもなってまいります。この制度を導入することによって、現場の職員のモチベーションの保持や向上、また意欲と能力のある職員が継続して奈良市の施設で働きたいと思っていただけるような環境整備に寄与できるものと考えているところでございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 市長、なぜこれでモチベーションが保持され、向上されるとお考えなのでしょうか。今回の改定は、保育士と幼稚園職員の賃金体系を一つにし、月額の上限を定めていく条例改正ですが、問題なのは低いところに基準を置かれたことです。8,400円の基準額は、もとの保育士の日給額です。しかも、幼稚園側から見れば条件的に悪化した改定で、保育士から見れば今までどおりの日給額がそのまま月額になっただけで、何ら条件がよくなったわけではありません。むしろ、幼稚園側に労働基準の悪化が生じたということです。月額で30万円まで上げることができたのに、今までと何ら改善もしないまま、むしろ、一部の方にはマイナス改定をされたのですから、条件改善をしたとは言えません。なぜもっと負担感のない形で改定をされなかったのか残念に思います。 市長が日ごろ口にされている女性の就労支援や下支えをするつもりがあるなら、少なくとも幼稚園教諭と同じ水準に改定すべきだったのではないでしょうか。市長、もう一度その点についてお考えをお聞かせください。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 今回の改正の一番の発端は、やっぱり現場の職員の声です。特に、最近は近隣の市町村でも保育士不足が著しい状況がございますし、民間とのいわゆる人材の取り合いというふうな状況も懸念されます。実際に我々が運営させていただいている施設でも、そういうふうに、より条件のいいところに人材が流出していってしまうという状況がございますので、これを食いとめるために、まずどうすればいいかと。もちろん給料をたくさんあげるというのは一つの方法でございますが、それも限界がございます。その中で、今まで言われておりましたのは、やはり月給制のほうが魅力があるんだと。なぜならば、ゴールデンウイークであるとか、夏休みであるとか、休みをとってしまうとその分の収入が減るということで、やっぱり安定した年間の収入を確保するということを求めておられる現場の職員さんが多いというふうに聞きましたので、そういう意味で、まず日給制から月給制に変えるということで、安定して仕事をしてもらう。それによって安心して仕事をしてもらう環境をつくる。これが重要だと思っています。 まだまだ改善の余地もいろいろとあると思いますけれども、我々としては、今回の改定がおおむね現場の職員にとってはプラスに働くであろう、それによって奈良市に職員が集まってくるだろうと、そのように考えて改正を提案させていただいたということでございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 私も現場の方々からお声をお聞きしました。本当に悲鳴に近いような形でお声を伺いました。今後さらに離職率が上がれば、どうされるおつもりでしょうか。現在でさえ保育士確保が困難な本市で、待機児童の解消に向けて、さらなる改善を図らなければならないとき、このような賃金改定で目先のお金を惜しまれたことは、抜本的な解決をされなかったことと理解します。この改定を職員に伝えられたのは2月13日以降、所属の園長から口頭で、文書配付すらされておりません。年度末になってからでは別の職業の選択もできないと、職員の方は悲鳴を上げておられました。同じ職場の正規職員と非正規職員では同一労働でありながら大きな賃金格差があることを十分に認識されるとともに、賃金体系を同一体系とされたことを一つの出発点として、臨時保育教育士の賃金を再度見直されるよう強く要望し、次の質問に移ります。 奈良市教育振興戦略懇談会に関する質疑について、教育長にお伺いいたします。 この懇談会に出席されていた政策アドバイザーが、来年度から奈良市立一条高校の校長として就任予定であります。そんな中、この懇談会は県外で開催のものも含めて都合4回開催されており、市長はその全てに出席をされています。市長は何を目的として出席をされたのか、懇談会の設置者としてのお考えを教育長にお伺いいたします。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答えを申し上げます。 本懇談会は、本市の教育行政の推進に当たり、グローバルな視点からの意見や、あるいは助言をいただくために開催したものでございます。いただいた御意見は、そのまま本市の教育行政に当てはめていくということではなく、しっかりと教育委員会の中で議論を行い、よりよい教育を行うための参考とさせてもらうものでございました。 今年度から新しい教育委員会制度となり、いわゆる首長が総合教育会議を主宰し、教育に関する大綱を策定することとなりました。そのことにより、市長と十分な意思の疎通を図り、本市の教育課題のあるべき姿を共有し、より質の高い公教育の実現を目指して取り組んでいく必要があると考えて出席を依頼いたしました。市長におかれましても、より質の高い教育を行っていくため、情報の共有のために参加いただいたものであると認識いたしております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 2014年に地方教育行政法改正案が可決されたことにより、首長に教育の条件整備等重要な教育施策の方向性を策定する権限が与えられるようになりました。この改正案は、教育改革が首長の方針を具体化する単なる下請機関に引き下げられたといっても過言ではないとさえ感じております。 最後に、教育長にお聞きいたします。 先ほどから述べてきた奈良市教育振興基本計画の質疑で、幼児教育の中で果たすべき教育委員会の役目にも触れました。どのような場面でも、どのような市長が政策展開をしようとも、教育委員会が果たすべき役割、教示があると考えますが、その点について、最後に教育長にお考えをお聞きし、私の質問を終わります。 ○副議長(北良晃君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) お答えを申します。 教育委員会が果たすべき役割をどのように考えているのかということでございますが、私が平成21年4月に教育長を拝命いたしました際に、初めての校園長会で、時代の変化に対応して行っていく必要があるもの、いわゆる流行とともに、時代を超えて価値があり、行わなければならないもの、不易があるということを忘れてはなりませんという話を校園長の先生方にいたしました。時代に対応した教育として、当時はまだ浸透していなかった幼小連携教育、あるいは小中一貫教育、または地域との連携などを例に挙げ、こうした新しい取り組みは、学校現場では不安もあるだろうが、積極的に取り組んでいってほしいということを話しました。 一方で、それにも増して重要なのは不易の教育であるということも話をいたしました。一例として挙げましたのは、世界遺産学習で目指している自分の生まれ育った地域を誇らしく思うことができる教育であります。もちろん基礎、基本の学力を身につけることや、人としての優しさや思いやりを育むことなども不易の教育であると考えます。これらの不易と流行を校園長みずからがリーダーシップを発揮して、自分たちの学校・園の実態や状況に合わせ、現場の教職員とともに創意工夫し、取り組んでいってほしいというふうに伝えました。 子供を教え育むのは、現場の教員です。教育は人なりという言葉がございますが、教育委員会は、その現場の教員を支援し、子供が学びやすい環境を整えることで、教育を支えているのだというふうに考えております。そして、同時に、本市の教育の方向性をしっかり示していくことも教育委員会の役割であると考えております。私といたしましては、この初心を忘れず、今後も本市の子供たちのために責任ある教育を行ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 27番植村君。   (27番 植村佳史君 登壇) ◆27番(植村佳史君) おはようございます。自民党奈良市議団の植村佳史でございます。 既に通告している数件について質問をいたします。 まず最初に、多様な観光客の誘致施策についてですが、昨年の10月に仲川市長は、奈良はコンパクトだからこそLGBTへのおもてなしを浸透させやすい。観光協会などと連携して受け入れ態勢を整えていきたい。観光という切り口で世界のLGBTの方々と我々がつながる。結果として奈良の方々にもフィードバックしていけるのではないかと語られ、IGLTA、国際ゲイアンドレズビアン旅行協会様への、日本における公的機関では奈良市が初めての参加になると述べられ、本議会に来年度予算として208万円を提案されました。日本政府観光局、JNTOの英語サイトを私も見たのですが、東京や京都のLGBT対応可能なホテルや観光施設などが紹介されていました。一方、LGBTに取り組んでおられる自治体としては、昨年4月に渋谷区が男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例を施行され、さらに世田谷区においても昨年11月に区長権限においてパートナーシップ宣誓書を実施されたと聞き及んでおります。 さて、本市は観光経済部の所管でこの関連に取り組むとのことですが、京都のように民間の観光関連事業者様が取り組んでおられるのとは違い、やはり留意する点も多々あろうかと思います。また、先日のこの施策の新聞報道を見た市民の方や、先ほど届けられたのですが、NPO法人教育再生・地方議員百人と市民の会様などから、さまざまな声が寄せられています。 そこで、3点質問をいたします。 1点目に、本市がIGLTAに加盟することは、当然、LGBTの人権尊重を推進する人権施策としても積極的に推進していく自治体だなと報道され、期待される立場になると考えるのですが、今後、本市でも渋谷区や世田谷区などに見る同様の人権施策としての条例や、パートナーシップ宣誓書などの施策に取り組もうと考えておられるのかお聞かせください。 2点目に、観光関連業者や民間の旅館、ホテル、結婚式場などに多様な観光客へのおもてなしを推進されるようですが、本市においても、今後はLGBTの人権尊重の観点からしても、市営住宅への入居や不妊治療費の助成などについての要望や問題も当然出てくるのではないかと考えるのですが、その点についてはどのように考えておられるのかお聞かせください。 3点目に、教育の観点から学校教育部長にお聞きします。 産経新聞の報道後に、私どもに、先ほども申し上げましたが、子供を持つ保護者の方から複数の声が寄せられています。この施策が成功するということは、本市に多様な観光客の方々が増加し、観光振興につながるので、世界遺産の寺社・仏閣での多様な観光客のハネムーンや結婚式などの様子を目にする機会も出てくると思います。ただ、今の我が国の法律では同性婚制度はありませんので、自我の確立していない時期の子供たちがその様子を目にしたときに受ける影響などもやはり考えなければならないと思いますが、その点、学校教育現場においては、これに関連した教育や、または誤解を与えないようなLGBTに特化した教育などはされているのでしょうか、お聞かせください。 次に、台湾地震の救援についてお聞きします。 観光庁が2月29日に発表した内容では、外国人の延べ宿泊者数が前年比48.1%増の6637万人となり、過去最高を記録した。宿泊の埋まりぐあいを示す客室稼働率は、大阪府や京都府では8割を超え、東京都1778万人、大阪934万人、京都481万人と、大都市のホテル不足が深刻な実態も明らかになったとありました。そして、奈良も好調で27万7580人で、増加率で91.1%とありました。一方、国別には、中国が1646万人、台湾1071万人、韓国680万人であるとありました。 さて、奈良市においては、先日の観光文教委員会でも明らかになりましたが、平成26年の観光案内所利用者数を見ると、1位が中国で2万2659人、2位が台湾で2万2030人、3位がスペインで1万2629人となっており、人口比率でいうと、中国の13億6000万人に対して台湾は2348万人であることから、いかに台湾人が親日であり、外国人の中では奈良ファンが多いかがわかりました。また、奈良市の台湾人観光客の誘客目的でのさまざまな取り組み施策にも努力されていることがわかりました。 そのような中で、2月6日に台湾の南部で発生した地震による被害に関して、奈良市にとっての観光、国際交流の見地からも台湾支援の活動に取り組むべきではないかとの私の質問に対して、津山副市長は、これまで姉妹都市慶州市で平成10年に発生した大水害や、キャンベラで平成15年に発生した山火事に対して、関係団体などからの募金に公費を加えた義援金を送ったこともあり、台湾への支援も検討していきたい旨の答弁をされましたが、どのように検討されたのか、所管の向井副市長にお聞きします。 次に、なら工藝館のギャラリー阿字万字の利便性についてですが、昨年度、ならまちセンターの1階の企画展示コーナーが民間レストランに変更され、廃止となりました。市長は、その代替案の一つとして、なら工藝館のギャラリー阿字万字など御活用いただければと考えておりますと述べられました。しかし、現状のなら工藝館のギャラリー阿字万字は、ならまちセンターに比べ狭隘であり、しかも工藝館の奥に位置し、デザイン上、壁でセパレートされ、外から視認性も悪く、現状では非常に使いにくく、工藝館館長からも構造上の利便性向上の要望書が提出されています。それに対して、どのようにお考えなのかお聞かせください。 次に、ヘルプマーク啓発事業についてですが、先般12月議会で提案をいたしました福祉施策でありますヘルプマーク啓発事業を平成28年度の重点施策で提案をされていますが、どのように展開されようとしているのかお聞かせください。 次に、多様な観光客の誘致に関連して、市長にもう1点お聞きします。 奈良県は、外国人観光客交流施設猿沢インを猿沢線に開設され、多様な観光客の誘致施策も有効となるわけでありますが、本市も猿沢線事業を平成26年2月24日に記者発表されたわけですが、そのことに関連して、4日の自民党の太田議員の代表質問で、請願第14号、猿沢線事業の質問で一旦白紙撤回をするのかしないのか、イエスかノーかではっきりお答えくださいとの質問に対して、曖昧な答弁を繰り返した市長のその態度を私どもは看過することができません。 市長は、答弁で「白紙といいますと、都市計画も含めどこまでの段階を白紙にするのかという、また細かい話になりますので」、と述べられました。この曖昧な答弁は何なのでしょうか。他人事のようにも聞こえました。この請願は全会一致であります。聞いておられた我々議員も、また鶴福院町自治会の皆様も、不愉快な思いをされていると思います。市長は、請願第14号をちゃんと読んでおられるのでしょうか。鶴福院町自治会様は、白紙撤回について都市計画は含まないと発言されています。また、紹介議員からも都市計画は含まないと何度も説明しております。市長は、一旦白紙撤回が一丁目一番地であることを理解されていないのでしょうか。一体市長は全会一致をどのように考えておられるのかお答えください。 それから、言いわけじみた発言ももう結構ですので、白紙撤回する気があるのであれば、猿沢線事業については一旦白紙撤回させていただきますと、はっきりと言うべきではないのでしょうか、そのこともあわせてお答えください。 以上で1問目といたします。 ○副議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの植村議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、LGBTの取り組みについての御質問でございますが、この取り組みにつきましては、レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、いわゆる心と体の性が一致しない方々などが最近社会問題として取り上げられておりまして、平成27年に行われましたある企業の調査では、人口の約7%がLGBTであるというふうにも言われておりまして、興味本位で見られるなど、偏見や差別などによって社会生活のさまざまな面で人権にかかわる問題も発生しているというふうに認識いたしております。こういう性的指向や性同一性障がいへの無理解と偏見の解消ということは、非常に重要なテーマであり、それぞれの生き方の違いを認め、尊重することが重要だと考えております。 一方で、奈良というまちを考えましたときには、やはり1,300年前から、さまざまな国から多様な文化や民族、人種を受け入れ、それを柔軟に融合させるということで国の礎を築いてきたという、いわゆる多様性を重んじるまちであるという点も重要なポイントかというふうに考えております。御指摘をいただきました渋谷区や世田谷区などでの取り組みにつきましては、本市として現時点で具体的に何をするということは特に考えておりませんけれども、そういった流れが全国に広がってくる、またそういう関心や市民の理解が高まってくるかどうかというところにもポイントがあろうかというふうに思っておりますので、今後につきましては、具体的な全国での取り組みなどを研究して考えてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、市営住宅や不妊治療への対応ということでございますけれども、本市におきましては、市営住宅に入居できる方は配偶者及び3親等以内の血族または姻族としており、現時点では、同性のカップルの方につきましては、配偶者と認められないために入居資格がないということになっております。 次に、不妊治療の助成についてという御質問でございますが、現在、本市で実施をしております不妊治療費助成事業につきましては、法律上、婚姻をされている健康な夫婦が妊娠を希望し、避妊をせず夫婦生活を営んでいるにもかかわらず、一定期間を過ぎても妊娠をしない場合を対象とさせていただいております。LGBTのうち、レズビアン、ゲイという同性のカップルの方々につきましては、この概念に該当しないものと考えております。 続きまして、猿沢線の拡幅問題についての御質問でございます。議会における請願の全会一致をどのように考えているかということでございますが、これは先日もお答え申し上げましたように重みを持って受けとめをしているという考えでございます。そして、白紙撤回について、もっと具体的にどうなのかということでございますが、今、御指摘をいただきましたように、記者会見の以前に戻すということにつきましては、我々もそれがまず地元との対話のスタートだというふうに思っておりますので、そういった意味では白紙撤回という形になろうかと思っております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 向井副市長。   (副市長 向井政彦君 登壇) ◎副市長(向井政彦君) 台湾南部地震の救援についてでございますが、台湾との関係で申し上げますと、議員御指摘のとおり、現在ふえております来日される外国の方々、平成27年で御指摘のように6637万人、そのうち台湾からは1071万人と、中国に次いで2番目に多い状況でございます。また、奈良県には平成26年で16万3700人となっております。また、5年前の東日本大震災におきましては、台湾からは海外では2番目に多くの義援金で御支援をくださいました。 今回の台湾南部地震は、先月、2月6日に発生いたしまして、マグニチュード6.4、死亡者が117名、負傷者551名という大きな被害がございました。その救援につきましては、現在、日本赤十字社が自社のホームページによりまして救援金の支援を呼びかけておりますので、本市におきましても先月末から市のホームページでこの支援を掲載しまして、協力を呼びかけているところでございます。どうぞ御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(北良晃君) 学校教育部長。   (学校教育部長 梅田真寿美君 登壇) ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 植村議員の御質問にお答えをさせていただきます。 学校現場におけるLGBTの指導についてでございますが、学校ではLGBTに特化した指導は行っておりませんが、性に対する不安を持ちながら、周りの不理解により思い悩む児童・生徒がいる可能性があることをまず教職員が認識し、指導に当たることが大切であると考えております。その上で、そうした子供が萎縮することなく前向きに生きていけるよう、心情に配慮した対応をしながら、教育活動全体を通じて、誰に対しても差別することや偏見を持つことなく、互いを認め合い、一人一人を大切にする教育を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 観光経済部長。   (観光経済部長 川本了造君 登壇) ◎観光経済部長(川本了造君) 植村議員の御質問にお答えいたします。 なら工藝館のギャラリー阿字万字の利便性についてでございますが、議員お述べのとおり、建物の構造上、ギャラリー阿字万字は正面ロビーからは死角となり、建物の奥にギャラリーがあり、わかりにくい構造となっております。そのため、案内板の設置等でわかりやすく広報し、利便性の向上を図っているところでございます。 今回、構造を変更すべく、スロープ袖壁の改修を検討したところでございますが、傾斜地に建設されていることもあり、大規模な改修が必要となることがわかりました。この建物は建築から年月がたっており、他の改修部分への優先順位を考慮して、今回、壁の改修は見送ったところでありますが、ギャラリーの有効活用や利便性につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 堀川育子君 登壇) ◎保健福祉部長(堀川育子君) 植村議員の御質問にお答えいたします。 ヘルプマーク啓発事業についてでございますが、ヘルプマークは、援助や配慮を必要としていることが外見からはわかりにくい障がい者や、また内臓疾患をお持ちの方、妊娠初期の方などが、周囲に障がいや心身の状態への配慮を求め、援助を受けやすくするためのマークでございます。本市といたしましては、一人でも多くの方にこのマークの趣旨を御理解いただくとともに、必要とする方には利用してもらいやすいよう、効果的な普及啓発及び配付に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 植村君。 ◆27番(植村佳史君) 2問目は自席より行います。 多様な観光客の誘致について、2点再質問をいたします。 市長は、先ほどの答弁で、ある企業の調査では人口の7%がLGBTであるとも言われており、興味本位で見られるなど偏見や差別により、社会生活のさまざまな面で人権にかかわる問題が発生しているものと認識しておりますと、このように述べられました。 そこで、1点目に、市長がお述べのLGBTの人権にかかわる問題が本市においてはどれぐらい発生しているのでしょうか。この施策を提案するに当たって、当然調査をされていると思うのですが、調査を実施したのであれば、その結果を御説明ください。 それから、2点目に、この208万円の観光戦略施策において、どれぐらいの観光戦略上の効果または成果を計画、予定しておられるのでしょうか、具体的に御説明ください。 以上、2問目とします。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 多様な観光の取り組みについて再質問をいただきましたが、LGBTにつきましては、やはり問題の性質上、実際にそういう悩みを抱えておられても、それを表になかなか出しにくいというようなこともあろうと思います。ですので、正確な数字というのは、恐らく国でも把握ができていない状況がある。逆に言えば、そういうことがおかしなことじゃないということをしっかりと社会として認知をしていってあげることが、悩みを持っている方々にとっては、まず解決策の一歩になるだろうというふうに思っております。そういうことで、本市としても実数として、じゃ、例えば市内にLGBTの方々が何人おられるかという調査を行っておりません。ただ、傾向として、そういう傾向が日本全体でも言われておりますし、また実際の個々の実情の中で、そういう悩みを抱える方がおられるという話は、いろんなところでもやはり昨今耳にすることが多いわけでございますので、そういう方々がより生きやすくしていくために、いわゆる性の多様性を知ってもらうということは大変重要だというふうに思っております。 一方で、観光に与える影響額がどれぐらいであるかという御指摘でございます。このあたりも経済波及効果ということについては重要なポイントだというふうに思っております。本市におきましては、今、世界からたくさんの外国人観光客の方がお越しをいただいております。もちろん、この中には宗教も多様な方が多いということで、例えばイスラム教徒の方のようにはっきりと対応策がわかっているものもありますし、逆にLGBTのように、いろんな国が今いろいろとトライアルをしているというようなところもあると思います。我々としては、奈良に来たいと思った方が奈良で安心して滞在をしてもらえる環境をつくるというのが、とどのつまり、一番の目的だというふうに思っておりますので、奈良に行くとLGBTの方々が偏見の目で見られて非常に気まずい思いをしたというようなことにならないように、国際的な観光地としてのレベルを上げていくというために、まず必要なことだと思っております。 ですので、明確に何億円になるかと言われると、そこは難しいところはございますけれども、多様な、いろんなバックグラウンドを持つ方が来てもいいまちですよということを世界にアピールしていくということは、間違いなくその方々にとっての情報伝達にもなりますし、それであれば日本の中で奈良というまちに行ってみようというふうに思っていただけることに着実につながっていくだろうというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 植村君。 ◆27番(植村佳史君) 3問目は意見並びに主張とさせていただきます。 まず最初に、多様な観光客の誘致についてでありますが、今の御答弁を聞いておりますと、本市におけるLGBTの人権にかかわる--私は問題の発生調査を行ったのかどうなのかということをお聞きしたわけですが、はっきりとはお答えいただけなかったようですけれども--発生調査は行っていないというようなことですね。それから、観光の経済効果及び成果の見込みの数字なども、思いはわかりますけれども、どうやらはっきりは計画されていないということもわかりました。それから、本来は渋谷区や世田谷区のようにLGBTの人権尊重問題として取り組むのかなと私は思っておったんですけれども、どうも今のところはそこまでは考えておられないような感じを受けました。 この多様な観光客の誘致施策の新聞やネット報道があって以来、先ほども言いましたけれども、私ども議員に、教育上の観点から子供に与える影響について心配する複数の保護者からの声が寄せられています。そのことから、学校教育部長にはそのことをお聞きしたのですが、学校現場ではこのことに特化した教育はされておられないということでありました。ゆえに、この施策を進めるに当たっては、学校現場での対応策の検討をやはり急ぐ必要性もあるというふうに思います。市長の答弁を聞いて、私は、この取り組みは観光戦略としてどの程度期待できるのか、今の段階では判断がつきにくい状況であるという感じもいたします。一方、この施策の展開順序としては、本来はやはり、まず人権尊重問題として捉えて取り組むべき案件ではないのかなというふうに感じました。 以上のようなことから、この施策の展開においては、自治体として一番に取り組み、目立つことで効果を狙いたいという市長の思いを理解しないわけではありませんが、市民の方々から私ども議員に対して、例えば収支不足を大切な基金を取り崩してまで補っている財政難の折にあって、優先順位を鑑みた場合、この時期に行わなければならない事業なのですかと、このように私どもが聞かれた場合、自信を持って、そうだと答えるには、余りにも今のところ情報が乏しい状況であると、このように意見を申し上げておきたいと思います。 次に、台湾地震の救援についてですが、5年前の東日本大震災においては、台湾から海外で2番目に多くの義援金を御支援いただいたとのことでしたが、日本赤十字社の発表では、赤十字のほうに寄せられた金額の詳細は1位が米国で29億9811万円であった。2位が何と台湾で29億2894万円、同等クラスということですね。同等の金額であります。そして、近くでいえば5位が中国で9億1997万円、そして24位が大韓民国で2億1557万円だったと、このようにありました。いかに台湾が親日友好国であるかがわかります。 今回の台湾地震で、安倍総理は2月6日の午前、お見舞いのメッセージを述べられ、この困難なときに、日本は、台湾に必要な支援を何でも供与する用意がありますと伝えられました。先般の観光文教委員会においても津山副市長は、以前に関係団体などからの募金に公費を加えた義援金を送ったこともあり、台湾への支援も検討していきたいと、そのような旨の答弁をされておりました。その後、奈良市公式フェイスブックでお見舞いのメッセージを掲載され、そして奈良市ホームページで台湾地震救援金の御案内として、3月に入ってからですが、日赤のホームページへのリンクも掲載していただくことができました。このことに関しては一定の評価をいたしますが、津山副市長が台湾への支援の検討を述べられたので、奈良市独自の以前にあったような義援金を募集されるのかなと期待もしておったわけなんですが、実際には少しがっかりした感じも否めません。それに、日赤の義援金募集期間を見てみますと3月15日までというふうになっており、あと1週間で終わりとなってしまいますので、有効性に、どれだけ見てもらえるのかなという不安も感じておるのも現実です。台湾は、国家間同士だけではなく、奈良市にとっても大切な友好国でありますので、困っているときはお互いさまとして、引き続き助け合いの支援策を検討されてはどうかなと、このように要望しておきたいと思います。 次に、なら工藝館のギャラリー阿字万字の利便性についてですが、市長は、ならまちセンター企画展示コーナーを--市民から存続を願う要望が寄せられていたわけでありますが、署名活動も行われていましたけれども--廃止され、その折の答弁で、代替案の一つとして、なら工藝館のギャラリー阿字万字などの御活用をいただければと、このように述べておられるのですから、早急に利便性の向上対策を講じる必要があると、これは要望しておきたいと思います。 次に、ヘルプマーク啓発事業についてですが、私どもにも奈良市肢体障害者福祉協会の肢体障がい者の方々や難病の方からも早期に事業展開を求める声が寄せられていました。そのことから、昨年度に保守系の議員7名で東京都のヘルプカード事業を視察いたし、その施策展開や効果を研究して12月議会で私のほうから要望してまいりました。そして、来年度での施策展開の提案に--中核市としては初めての取り組みとなるのではないかなと考えておりますが--そのことに関して一定の評価をいたすとともに、福祉都市宣言をした本市としての今後の施策の展開にも期待していきたいと思います。 最後に、先ほどの台湾の観光客誘致に関連した質問で、猿沢線事業のことですが、昨日の質問のときにも言っておりましたけれども、どうも重要なポイントというのは、一旦白紙撤回という言葉なんですね。こういったことをはっきりと言っていただければいいんですけれども、そういう意味で捉えればそうだとかいうふうに言ってはります。今回のこの問題になったことをよく考えていただいても、やっぱり自分の非を認めにくいというのは、市長としては、その立場もありますから、ある程度私もわかります。しかし、請願第14号だけは、市長擁護の立場をとってきておられた会派や議員も含めて全会一致で採択されたのですから、それだけの重みは、言葉だけではなく、やっぱり理解すべきであると思います。市長は、おのれの非は非で素直に認める政治姿勢に改めていっていただきたいと、このように要望して、私の質問を終わります。 以上で終わります。 ○副議長(北良晃君) 34番井上君。   (34番 井上昌弘君 登壇) ◆34番(井上昌弘君) 日本共産党奈良市会議員団の井上です。 通告しております数点について、関係理事者に質問いたします。 まず、奈良市東部・都祁・月ヶ瀬地域の上下水道民営化について、企業局長にお聞きをいたします。 東部・月ヶ瀬・都祁、3地域の上下水道について、奈良市企業局と民間会社の共同出資による新会社を設立し、そこに15年間の契約で経営を委ねる。そして、これらのことを具体化するための実施方針作成の根拠条例案が今議会に提案をされております。しかし、この条例案が通ったら、株式会社による水道経営を前提として、その具体化をどうするのかという議論しかできません。しかし、今は方向性そのものの是非を十分議論しなくてはならない時期だと思います。 以下、具体的にお聞きをいたします。 まず1点目には、今でも赤字なのに株式会社にしたらうまくいくとする根拠は何かという問題です。東部3地域は、今後も人口減少が続き、それに伴う給水人口の減少も予想されます。計画では、水道料金は上げない、住民サービスは維持するとしています。当然、料金収入減も予想されますが、このもとで利益を確保し、奈良市の一般会計からの法定外繰り入れ2億円をなくし、この数年間はほとんどできていない施設更新費も捻出できるとしています。どうしてこのようなことが可能なのか。 2点目、施設の更新に必要な資金調達が民間のほうが公共よりも効率的にできるとありますが、その根拠は何か。 3点目、水道施設の保有は企業局、運営は新会社というように分離させようとしている、その理由は何か。 4点目、施設の保有は企業局なのに、その更新は新会社となっております。保有しないのに更新が計画的に責任を持ってやれるのかどうか。以上お答えください。 次に、市営住宅駐車場使用料の福祉減免の廃止について、市民生活部長に質問いたします。 2月16日付で住宅課から市営住宅入居者に対し、4月から市営住宅の駐車場使用料減免を廃止し、一般入居者と同一料金にするとの通達が届けられました。この減免廃止の対象には障がい者の方も含まれております。この駐車場使用料の福祉減免は、歩行が困難な障がい者への移動支援として自動車税の減免とともに長年続けられてまいりました。制度継続を求める入居者の切実な声にどう応えるのか、経過の報告とともに答弁を求めます。 次に、マイナンバーについてお聞きいたします。 私たちは、情報漏えいや詐欺などの犯罪のおそれがあるとして、制度の廃止、延期を求めてまいりました。マイナンバーカードの申請、交付が始まりましたが、混乱が続いております。昨日の朝日新聞の1面は「マイナンバーカードが受け取れない、シスム障害頻発」と報じております。この1月中旬には、奈良市でもマイナンバーカードの発行を一時中止しております。また、今議会には、一旦は必要とした市民税減免申請等への個人番号記載について、今度は不要とする条例案が提出をされております。総務省やその外郭団体であるJ-LISの対応がこうした混乱の原因と思われますが、1、奈良市でのマイナンバーカードの発行やシステムふぐあいの状況、2、市に返却され、とめ置きされている通知カードの状況、3、市民課の窓口の状況について、お聞きをいたします。 次に、国民健康保険について、保健福祉部長にお聞きをいたします。 国保の都道府県単位化の中で、国は2018年度をめどに公費で3400億円、当面は1700億円を投入し、被保険者1人当たり5,000円の財政改善効果を上げると打ち出しました。2015年度、国による保険者支援の活用で保険料の引き下げが全国に広がりました。国の保険者支援の奈良市における額は幾らか。 また、2016年度も同程度の国からの支援が予算化されることから、本市でもこの支援を保険料の引き下げに活用すべきではないかと考えますが、御見解をお伺いします。 次に、子ども医療費助成について、子ども未来部長にお聞きをいたします。 このたび、奈良県が対象年齢を拡充し、8月から中学校卒業まで入院、通院とも医療費助成を行うことになりました。保護者の長年の強い願いが実現したと評価するものであります。しかし、現物給付にすると国庫負担が減額されることから、これを回避するため、一部負担や償還払いは県制度として継続されます。しかし、このペナルティーは少子化対策に逆行する考え方であるとして、全国知事会や中核市市長会などでも要望が出され、これを受け、国で検討会が持たれております。仮にペナルティーを廃止されたら、償還払いの根拠がなくなり、現物給付に戻す展望が生まれてまいります。 1点目に、昨年から国において開催されている子ども医療費検討会での討議概要とその見通し、2点目に、仮にペナルティーが廃止された場合の本市の対応について、お聞きをいたします。 最後に、就学援助制度について、教育総務部長にお聞きをいたします。 就学援助制度は、小・中学生の子供がいる家庭で経済的困難があるときに学校に係る費用を市町村が支給する制度で、憲法第26条の義務教育は無償という考え方に基づくものですが、実施する自治体により違いがあります。子供の貧困が6人に1人に上る中で、申請のしやすさや出しにくさへの配慮、あるいは援助メニューの拡充などが求められると思いますが、御見解をお伺いいたします。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(北良晃君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 上下水道の民営化についての御質問にお答えいたします。 まず、新会社が利益を上げ、施設更新の費用をどのように捻出できるのかという御質問でございますけれども、上下水道サービスは他の公共サービスと同様に、非効率な地域であっても原則奈良市民の方には全て同水準のサービスを提供したいと考えております。したがって、この計画において新会社が利益を上げるというのは簡単なことではないというふうには認識をしておりますけれども、基本的にはオペレーションコストの削減につながるような民間技術での施設更新、あるいは取水地点の変更による電力使用量の削減などを期待しているところであります。また、投資の費用については、耐用年数に応じて官民で責任分担をするなども検討しながら、これから検討していきたいと考えております。 2番目の質問ですけれども、民間調達が公共調達よりも効率的にできる根拠でございますけれども、公共調達の場合、施設を設計する場合に国の技術基準に合ったものでないと補助金とか起債とかの対象にならないということで、しばしば過大な施設となってしまいます。しかし、民間調達では、施設の規模等や置かれた状況に合わせて設計をするということができるため、安価なものになります。民間に任せることで官が行うよりも柔軟に効率的に調達できるというふうに考えております。 3番目ですけれども、なぜ上下分離方式を採用するかということでございますけれども、いわゆるインフラ事業における上下分離方式というのは、施設をつくったり保有したりというのを下部と見て、それからそれを利用して運営するというのが上部というわけで、上部と下部を分離するというのが上下分離方式というわけでございますけれども、公的機関がインフラ施設の整備とか維持に関与して、それの運営は民間に任せるということで、安全性と事業の効率、活性化を両立させることが狙いだとされております。また、当然のことながら、官が資産を保有することで固定資産税とかを支払うこともありません。今回、提案しておりますコンセッション方式も、上下分離の一種ですけれども、下部側の施設は民間には売却せずに市の保有のままで、上部側の運営権のみ新会社に設定するものでありますので、新会社の公的側面を保つことができ、市民に公の安心感を持っていただきつつ、経営改善を進めていくことができるというふうに考えております。 4つ目の御質問で、施設更新は官が行うべきではないかということでございますけれども、施設を民間に更新してもらうことの狙いといたしましては、パートナー企業の募集時に15年間で更新すべき施設を、いわゆる要求水準書という一種の仕様書ですけれども、それにおいて、あらかじめ大枠を提示し、民がその大枠の中で民のノウハウをもって計画的に実施をするような条件づけということになります。また、新会社の業務開始後は、PFI法に基づき、新会社のモニタリングを行い、監視していくことになっておりますので、事業の実施、施設の更新というものは担保されるというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 市民生活部長。   (市民生活部長 外良匡利君 登壇) ◎市民生活部長(外良匡利君) 井上議員の質問にお答えさせていただきます。 市営住宅等の駐車場使用料の減免措置についてでございますが、現在、自動車税を免除されておられる障がい者の方には、減免申請を受け、駐車場使用料1台当たり月額2,500円を全額免除としておりますが、周辺の駐車場との料金の格差、また既に税法上の免除措置を受けておられ、重ねて駐車場使用料の減免を行うことは、他の使用料を負担されている方との公平性などの観点からも均衡を欠いているということから、平成28年度から駐車場使用料の減免措置を行わないこととさせていただくものでございます。 次に、マイナンバー制度についての御質問でございます。 まず、個人番号カードの発行状況についてでございますが、申請に基づき発行される個人番号カードにつきましては、平成28年2月末日現在で約1万7000件が地方公共団体情報システム機構、略称がJ-LISでありますが、ここから市に届けられております。そのうち、申請者宛てに個人番号カード交付通知書を送付している件数につきましては約6,800件であり、既に交付が完了している件数は2,600件でございます。 次に、システムのふぐあいについてでございますが、1月中旬以降、断続的にJ-LISのカード管理システムに障害が発生し、窓口でのカード交付業務や内部事務ができなくなり、業務に支障が生じておりましたが、その後、J-LISでサーバーの増設、システム改修などの対策がとられ、現在比較的安定した方向で稼働しておるというところでございます。 個人番号カードの交付につきましては、制度導入当初の一時的な大量の申請分を処理したことから、システム障害が起き、業務が遅延したことが原因となり、おくれております。今後は、できるだけ早くお受け取りいただけるよう努めてまいります。 次に、返戻された通知カードについてでございますが、約15万9000通の通知カード郵便の発送に対しまして、約1万3500通が不達となり返戻されてきておりましたが、2月末現在で約7,400通の交付が完了し、残り6,100通を保管中というところでございます。現在、保管中の通知カードにつきましては、未受領者へ受け取りを促すために郵送照会をし、早期に受け取っていただけるよう努めてまいります。 続きまして、市民課の窓口対応についてでございますが、職員の体制につきましては、専任の職員3名を中心に再任用職員5名並びに臨時職員を10名程度配置し、マイナンバー相談コーナー、マイナンバー専用窓口、問い合わせ電話の対応などの業務を効率的に運営いたしております。 市民ホールにはマイナンバー相談コーナーを開設いたしまして、相談業務と事前受付といたしまして、必要書類の記入や本人確認書類の確認などを行っております。その後、市民課のマイナンバー専用窓口まで案内誘導させていただき、個人番号カード交付などの各種手続を行っているところでございます。今後も、2つの窓口の連携によって待ち時間の短縮や手続の円滑化を図り、迅速かつ的確に進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 堀川育子君 登壇) ◎保健福祉部長(堀川育子君) 井上議員の御質問にお答えいたします。 国の保険者支援の本市における額についてでございますが、平成27年度分の額は5億円となります。 また、2016年度も同程度の国からの支援が予算化されていることにつきまして、保険料の引き下げに活用すべきではないかという御質問についてでございますが、本市におきましても、高齢化などにより医療費は増加しているにもかかわらず、低所得者層が多いことから、本年度も国保特別会計の決算見込みは赤字基調であり、決算時には国保財政調整基金の取り崩しも予定しております。依然として厳しい財政状況が続くことから、保険料の引き下げを考慮できる状況ではないと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 子ども未来部長。   (子ども未来部長 乾 尚浩君 登壇) ◎子ども未来部長(乾尚浩君) 井上議員の子ども医療費助成についての御質問にお答えさせていただきます。 まず初めに、国において開催されております子ども医療費検討会での討議概要についてでございますが、国は自治体が子ども医療費制度において現物給付を行った場合に、ペナルティーとして国庫負担金の減額調整を行いますが、このことが実施自治体においては大きな財政負担となっているため、ペナルティーの廃止を各自治体から中核市市長会などを通じ、国に対して要望しております。国は、このような自治体の動きを受け、子どもの医療費制度の在り方等に関する検討会を立ち上げ、ペナルティーの廃止に向けた議論に着手しております。 この検討会での意見といたしましては、現物給付方式の実施に伴い増加する医療費分については、広く国民全体で賄うのではなく、その自治体の負担で賄うという同制度の考え方は適切なものであるとの意見がある一方で、国として推し進める少子化対策に逆行した施策であり、地方の取り組みに二重の負担を強いるものであること、また財政力の有無にかかわらず全国的に子供の医療費助成が行われていることから、ペナルティーを廃止すべきとの意見もございます。報道等によりますと、ペナルティーの廃止を3歳未満の乳幼児や未就学児までとする案などが検討されているとのことでありますが、見直しに関する報告書が3月中にまとめられる予定でございます。また、政府が5月に策定する一億総活躍プランにも一定の方向性が明記される見通しであります。 次に、仮にペナルティーが廃止された場合の本市の対応についてでございますが、ペナルティーが廃止された場合、実施自治体における財政負担が軽減され、現物給付化に向け弾みがつくものと考えます。しかしながら、奈良県下での現物給付方式の実施には、県及び県下市町村の意思統一を図ることが不可欠であり、加えて県医師会等の関係団体、国保団体連合会、支払基金及び各医療機関の理解と協力のもと調整を行う必要がございます。このことから、現物給付方式の実施については県全体で取り組むべきものであるとの考えから、まずは県下12市で構成する奈良県福祉医療都市協議会で協議、調整を行い、県に対して要望を上げてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 教育総務部長。   (教育総務部長 西崎卓哉君 登壇) ◎教育総務部長(西崎卓哉君) 井上議員の御質問にお答えいたします。 まず、就学援助の申請用紙の配付方法についてでございます。 各市立小・中学校におきまして、新入生については入学時に案内文を配付し、6月の申請期間前には全保護者に改めて案内文を配付し、周知しているところでございます。また、申請時期には受付窓口となります各市立小・中学校と教育総務課に所定の申請用紙を備えつけ対応しております。さらに、来年度からは市のホームページを活用して、申請用紙を取得していただけるようにしてまいりたいと考えております。 続きまして、文部科学省が定めている要保護家庭に対する就学援助の補助対象項目についてでございますが、学用品費等の全11項目が指定されており、奈良市におきましては全ての項目に対応しているところでございます。 一方、準要保護家庭につきましては、各自治体の判断においてこの制度を運用しており、全国的に見て、全ての項目について支給を行っている自治体は少なく、項目を限定している場合が多いのが現状でございます。本市におきましては、全11項目のうち、特に必要と思われる学用品費、修学旅行費など6項目について支給しておりますが、財政状況から見て、全ての項目に対応することは難しいと考えており、現在の項目を維持してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 井上君。 ◆34番(井上昌弘君) 2問目は自席から行わせていただきます。 再質問、東部3地域の上下水道民営化について、企業局長にさせていただきます。 2点ですけれども、1点目は、3地域民営化はそれで自己完結するのか、その先の構想はないのかという問題であります。企業局長が再三先進事例として紹介する神奈川県箱根地区における水道事業の包括委託です。私が注目するのは、小規模であるという点が共通しているからであります。6,400人という水道として小規模な地区ですが、ここは新たに民間会社で既に運営がされております。問題は、その狙いですけれども、神奈川県のホームページを見ますと、その狙いについて、水道事業における新たなビジネスチャンスを創出し、民間企業がみずから海外水ビジネスに参入できるよう、水道事業運営の機会を提供しますと述べております。その狙いをあけすけに語っていると思います。命の水を供給する水道施設や営業所を事業拡大の実績を積むためのフィールド、いわば研修施設化するものだと思います。こうした事例との関係で、今回の東部3地域の上下水道民営化、それが終わった後の水道事業の将来について、どういう構想をお持ちなのか。 2点目は、先ほどの御答弁で、経営改善の一環として取水地点の変更を行うことも検討しているとされておりますけれども、これは布目ダムの取水地点の変更だと思いますが、この変更は今の公営企業の体制ではなぜできないのか、民間会社ならなぜできるのか。この2点についてお聞きをいたします。 ○副議長(北良晃君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 最初の御質問は、官民連携会社は、今後、何を目指すのかということについてでございますけれども、海外進出とかそういうことを考えているわけじゃなくて、今回のPPP、官民連携会社は、上下水道サービスという極めて公共性の高い事業を行う会社ですので、将来はこの地域インフラとか、あるいは他の公的なサービスを提供する会社を目指したいというふうに考えております。例えば、インターネットを利用した高齢者に対する行政サービスとか、上下水道会社の特色を生かした空き家管理サービスとか、あるいは地域内の再生可能エネルギーの活用など、この地域の振興に貢献できるような会社になりたいというふうに考えております。 2番目の御質問で、取水地点の変更について公営企業のほうはできないのかと、こういう御質問だったんですけれども、これはまさに官民連携でやるということのスキームの中で、この業務は官のほうの仕事で、今現在、奈良市のほうで水資源開発機構とか国土交通省と取水地点の変更の交渉をやっておりまして、これはまさに公営企業といいますか、官でなければできない。しかし、一旦話が決まって工事をする。どんな低価格の工事をやるかというようなことになると民間の調達のほうがいいだろうというような、官民の責任分担の中で考えていることでありまして、取水地点の変更手続自体は、公営企業である市がやる。ただし、工事は官民連携会社でやるということになると思います。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 井上君。 ◆34番(井上昌弘君) 3問目は、主張、要望とさせていただきます。 まず、財政効果ですけれども、取水地点の変更等で2億円を捻出して、そして一般会計からの繰り入れを3年間で解消するということだったんですけれども、今の御答弁では取水地点の変更は官でできるという話でございました。当然工事もできると。ただし、民間でやったほうが効率的になる可能性があるというふうなことでしたので、私はこれを財政効果の2億円の根拠として使うというのはいかがなものかというふうに思います。 いずれにいたしましても、赤字だからといって東部3地域を切り離していくのはおかしいというふうに思います。どうしたって人口密度が少ないわけですから、同じ水道事業をすれば赤字になるのは目に見えております。私は、公営企業として水道事業は継続し、あえて言うなら、市街地で経営を支え、そして東部地域で水源の涵養、保全を担っていただく。里山を維持管理されている東部の皆さんへの敬意を表して、程度の問題はありますけれども、多少の赤字ということがあったとしても、それはきちんと説明すれば市民の皆さんは理解をしてくださるのではないかというふうに思います。 そして、何よりも今回の提案が非常に突然の提案であり、しかも拙速であるというふうに思います。総合計画にもなく、水道事業中長期計画にもなく、また検討委員会の報告もないまま、いきなり議案が出てきて、そして実施方針を決めてくれと。これは本当に拙速であり、唐突だというふうに言わざるを得ません。我々は公営でやるべきだと思いますけれども、仮に民営化の方向があるとしても、さまざまな問題を検討しなくてはなりませんし、上下一体での新株式会社を経営するのは日本で最初の事例となりますし、公営企業による第三セクターの設立という問題も大きな問題になります。しかも、新斎苑の建設についてもPFIで検討するということも既に構想として述べられておりますので、今回の水道におけるPFIの動向というのは、今後の奈良市の重要施設の建設のあり方についても大きな影響を及ぼしますので、ここはまず実施方針の前に基本方針あるいは基本方向というものを示していただいて、それを十分議論した上で方向性の是非を決めるべきであるということを申し上げたいと思います。 市営住宅の減免につきましては、できないということでしたけれども、居住者の皆さんからは、同じ目的で制度がつくられているはずなのに、自動車税の福祉減免は継続し、一方で駐車場使用料の福祉減免を廃止するのは納得できない。該当者への事前の説明もなく、経過措置もなく、一遍の通知で制度廃止を押しつけるやり方は、福祉都市宣言の看板にみずから泥を塗るものだと怒りを込めて訴えておられます。撤回を求めると同時に、該当者へのまず丁寧な説明をしていただくよう要望いたします。 マイナンバーについてですけれども、依然として6,100通分届いていない。また、マイナンバーカードについても1万7000件届いているけれども、交付としては2,600件しか終わっていないということでございます。この問題については、市民課を初めとした自治体の負担も大変なんですけれども、企業も悲鳴を上げております。民間信用調査会社の東京商工リサーチが1月に行った調査でも、回答のあった7,800社のうち75%が、業務の増加、煩雑化、情報漏えいのリスクなどで、この制度にはメリットがないと答えております。今後、住民票や戸籍などのコンビニ発行ができるとの総務省のふれ込みでありますけれども、こんな状態で準備ができるのは極めて難しいといふうに思います。安易な利用拡大は行わないよう改めて求めておきたいと思います。 子供の医療費助成についてですけれども、大分展望が見えてきたというふうに思います。仮にペナルティーが廃止されたら、現物給付に弾みがつくという答弁でございました。今回の年齢拡充、制度拡充も奈良県福祉医療都市協議会でのまとまりが県を動かしたというふうに聞き及んでおりますので、仮にペナルティーが廃止されたら、奈良県全体として現物給付にするよう、これまでどおり奈良市がリーダーシップを発揮して他市に呼びかけていただきたいということを要望したいと思います。 就学援助制度ですけれども、これについては、奈良市では制度案内は全員に配られておりますけれども、申請は個別に学校か教育委員会に提出をすることになっております。例えば、神奈川県川崎市では、申請用紙を全員に配付し、全員から回収するなど、申請書提出にかかわる抵抗感を和らげる取り組みをしているところもあります。また、奈良市では新入学の学用品費の振り込みは入学後半年もたった9月末ですけれども、新潟市では中学校入学については入学式に間に合うように3月支給に改善をしております。また、援助のメニューについても、国は柔道着や剣道着など体育実技用具の費用あるいは生徒会費などにも認めております。 答弁では、来年度から市のホームページで申請用紙をダウンロードできるようにするということで、少しましになるかなと思いますけれども、メニューの拡大や支給時期の改善などについても、今紹介いたしました先進事例を参考に改善をしていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(北良晃君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時52分 休憩   午後1時0分 再開
    ○副議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(北良晃君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 19番伊藤君。   (19番 伊藤 剛君 登壇) ◆19番(伊藤剛君) 私は、既に通告しております数点につきまして、市長及び関係理事者にお尋ねさせていただきます。 初めに、電力コスト削減と保健福祉政策について、数点市長にお尋ねします。 私は、昨年12月定例会において、来月からの電力小売完全自由化に伴う特定規模電気事業者からの電力調達によるコスト削減額について質問し、庁舎系施設と学校施設の合計77施設において年間約7200万円のコスト削減が実現したという答弁をいただきました。また、先月の総務委員会では、我が党同僚議員の質問に対し、本庁舎への電力調達は特定規模電気事業者からの導入を検討することと、低圧電力についても行財政改革目線で市の全体方針として位置づけたいとの前向きな答弁があったところであります。 そこで、来月、新年度を迎えるに当たり、年間約7200万円のコスト削減にとどまらず、来年度よりさらなる削減に向け、どのように取り組まれるのかお尋ねします。 次に、精神障害者医療費助成の拡大についてお尋ねします。 我が市議団としまして、かねてから、この施策の実現と拡充を訴えてまいりましたが、まず昨年8月に1級所持者への医療費助成が実施され、これは大いに評価するところであります。さらに今回、来年度予算案において2級所持者への助成拡大が計上されておりますが、その助成内容と実施時期についてお尋ねします。 次に、若年性認知症対策についてお尋ねします。 65歳未満で発症する若年性認知症は、推定患者数全国で約3万8000人とされ、社会問題化しております。現役世代での発症は、症状によっては離職を余儀なくされる場合もあるため、経済的に困難な状況となり、家族の生活にも深刻な影響を与えます。しかしながら、企業や医療、介護の現場においては、まだまだ若年性認知症への正しい理解が不足している状況であります。そこで、本市として若年性認知症への対応についてどのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、健康寿命の延伸を推進する保健事業として、糖尿病性腎症重症化予防事業とCOPD、慢性閉塞性肺疾患啓発事業の実施が来年度予算案に盛り込まれております。これは、どのような結果から、この2つの事業を実施しようとされているのかお尋ねします。 次に、移住・定住に向けた取り組みに関連し、特定空家対策について、市民生活部長にお尋ねします。 我が党が推進してまいりました、いわゆる空家対策特措法が昨年成立し、このことを受け、我が市議団は本市の空き家対策実施について要望し、今回、予算案において特定空家対策事業費として910万円が計上されています。これは一定の評価に値すると考えますが、この事業費の内容についてお尋ねします。 次に、新たな観光活性化策として、2点観光経済部長にお尋ねします。 私は、先日、若草公民館を訪問する機会があり、そこで戦国時代の知られざる奈良の歴史や多聞城に関する手づくりのわかりやすい資料などを拝見いたしました。織田信長が安土城を築く際、モデルとしたとされる多聞城を貴重な観光資源として、活用を検討するべきではないかと考えますが、そこで1点目として、多聞城に関する資料の有効活用について、2点目として、県内にある高取城や信貴山城、また郡山城など、城跡を観光資源として活用している地域との連携について、どのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、本市のがん検診の取り組みについて、保健所長にお尋ねします。 現在、本市の胃がん、肺がん検診は、市内各所を検診車が巡回する集団検診方式により実施されておりますが、平成26年度の受診率は、胃がん2.3%、肺がん2.7%となっており、受診率が非常に低い状況です。受診率を改善するためには、個別方式による検診の導入が必要でありますが、これまで国は自治体が行う検診方法としてバリウムによる胃エックス線検査しか認めていないと伺っております。検診受診率改善に向け、今後の胃がん、肺がん検診の取り組みについて、どのように考えておられるのかお尋ねします。 次に、大腸がん検診についてでありますが、平成23年度から実施されている無料クーポン事業は今年度で国庫補助が終了するとお聞きしております。そこで、今後どのように取り組まれるのかお尋ねします。 次に、教育行政について、2点学校教育部長にお尋ねします。 本市には、全国、世界に誇るべき世界遺産だけではなく、各地域に文化財的価値の高い歴史遺産が数多くございます。昨年11月、国の史跡指定を受けた中山瓦窯跡もその一つであり、富雄川沿いにも聖武天皇ゆかりの歴史遺産があると伺っております。子供たちが地域遺産に興味を持ち、地域を誇りに思うことが大切であると考えますが、身近な地域遺産の活用についてお尋ねします。 次に、バンビーホームの平成28年度における施設整備の内容についてもお尋ねをいたします。 以上で私の第1問を終わります。 ○副議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの伊藤議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、電力の小売事業の全面自由化に対する本市の取り組みについてでございますが、本市におきましては、今般、学校、幼稚園等の高圧電力の調達に係る一般競争入札を実施いたしましたところ、約25%の電気料金縮減といった相当な削減効果が得られたところでございます。高圧電力の入札が成立し、料金の縮減効果が得られますのは、一般的には契約電力に対する使用率が低い施設となっておりまして、具体的には事務所系施設やナイター設備を持つ施設などがこれに当たります。今後につきましては、全庁の高圧電力使用施設のうち、このような特性を持った施設を洗い出したところでございまして、順次入札を行っていく仕組みをつくってまいりたいと考えております。 なお、今回の電力自由化に伴い、低圧電力についても料金低減を図る余地が生じてきたところでございますが、現時点では事業者の入札市場への参入が不透明であることや、さまざまな料金設定が展開されておりますことなどから、競争性を担保した適切な調達方法につきまして、検討を加えながら積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、精神障がい者の医療費助成事業の範囲の拡大とその時期についてということでございますが、本市におきましては、昨年8月診療分から精神障害者保健福祉手帳1級の所持者の方を対象に事業を開始しており、全ての診療科の入院及び通院の保険診療分に係る医療費のうち、一部負担金を除いた額を助成させていただいております。 なお、対象者を手帳2級所持者まで拡大する時期につきましては、平成29年1月診療分からを予定いたしております。 平成27年6月末現在の対象者数につきましては、1級が318名、2級が1,708名でございます。 続きまして、若年性認知症についての市の取り組みについてでございますが、現在、本市におきましては、認知症の段階に応じた適切なサービス提供をわかりやすく示す認知症ケアパスを地域包括支援センター、認知症サポート医、また認知症地域支援推進員などの協力を得て作成しているところでございます。その中に、高齢者のみならず、若年性の認知症についての情報も盛り込み、広く周知を図ってまいります。 今後は、若年性認知症に深い理解を持ち、行動していただいておりますさまざまな関係機関とも連携を図りながら適切な支援ができるよう、さらに取り組みを進めていかなければならないと認識いたしております。 続きまして、糖尿病性腎症重症化予防事業とCOPD、慢性閉塞性肺疾患の早期発見、啓発事業についてでございますが、どのような経緯からこの事業を実施するのかということでございます。 この事業につきましては、平成27年度に実施いたしました健康長寿施策推進のための基礎調査における国民健康保険被保険者のデータの分析から、人工透析に移行する原因の半数以上が糖尿病性腎症であること、また初期段階の糖尿病の1人当たり年間医療費が約4万円であるのに対しまして、人工透析に移行した場合には約570万円と、大きく金額が上がることなどの分析の結果が出てまいりました。そのため、人工透析への移行をいかに予防するかということが対策として必要であると考え、このたび糖尿病性腎症重症化予防事業という形で実施することになった次第でございます。 次に、COPD、慢性閉塞性肺疾患の早期発見、啓発事業でございますが、COPDとは、肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気の総称でございまして、主に喫煙を原因とし、医療機関にかからないまま重症化する場合が多いため、早期の発見が課題となっております。 今回の調査では、本市の国民健康保険被保険者のうち、薬物治療を行っておられる患者が約640名であり、推定される潜在患者は約1万9200名であるとの結果が出てきております。これらの潜在患者に対しまして、受診の勧奨を行うことにより、COPDの早期発見、早期治療につなげてまいりたいと考えております。 いずれの事業につきましても、患者御本人の生活の質の維持、向上、また家族の方の介護などの身体的、経済的負担の軽減、さらには本市の健康寿命の延伸や医療費の適正化にもつながることを目的として実施しようとするものでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 市民生活部長。   (市民生活部長 外良匡利君 登壇) ◎市民生活部長(外良匡利君) 伊藤議員の質問にお答えいたします。 平成28年度予算案に計上されております、特定空家対策事業費の具体的な取り組みについてでございます。 管理不全な特定空家への対応といたしまして、今年度末を目途に奈良市空家等対策計画を策定するとともに、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づきます措置を実施する上で必要となる規則を整備してまいります。そして、必要に応じて敷地内への立入調査も行った上で、周辺への悪影響の程度や危険度の切迫性を考慮し、特定空家と判断したものにつきましては、所有者に対しまして指導、勧告、命令等の措置を講じてまいります。 しかし、こうした措置を講じましても是正していただけない場合で、公益上放置することができない状態のものにつきましては、所有者にかわりまして本市が除却などの行政代執行を行ってまいります。そのための経費といたしまして300万円を計上させていただいております。 また、空き家の適切な管理は所有者の責務でありますことから、所有者みずからが除却することを促すために、除却費用の一部を補助する制度の経費といたしまして600万円を計上させていただいているところでございます。その他経費と合わせまして910万円の特定空家対策事業費となっており、こうした事業によりまして特定空家の解消に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 観光経済部長。   (観光経済部長 川本了造君 登壇) ◎観光経済部長(川本了造君) 伊藤議員の御質問にお答えさせていただきます。 多聞城の資料の活用についてでございますが、地元の有志の方々により多聞城に関する資料が作成され、若草公民館に展示されております。これらの資料は、地元にとって貴重な歴史資料であるとともに観光資源でもあるのではないかと認識しており、若草公民館で展示するだけではなく、効果的な活用をすることにより、より一層多聞城の魅力が向上し、きたまちの観光振興につながるのではと考えているところでございます。 また次に、多聞城とともに県内の城跡を観光資源としているところと連携してPRしてはとのことでございますが、平城京遷都以来1,300年余りの連綿と続く歴史と文化を有する奈良市にとりましては、奈良時代に限らず、中世以降の歴史文化遺産を観光資源としてどのように取り上げ、PRしていくかは、一つの課題であると認識しております。 このことから、中世の城郭に光を当てるとともに、同様の観光資源を有する他地域との連携した情報発信は、議員御指摘のとおり有効な誘客手段であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 保健所長。   (保健所長 上野満久君 登壇) ◎保健所長(上野満久君) 伊藤議員の質問にお答えいたします。 今後の胃がん検診、肺がん検診の取り組みについてでございますが、このたび、平成28年4月から自治体が行う検診方法として、50歳以上を対象に胃内視鏡検査の導入が認められることとなりました。これを機に、本市でも胃内視鏡検査による個別方式の導入を図るとともに、肺がん検診につきましても個別方式を導入することにより、これまで同様、胃がん、肺がん検診を同時に受診していただく体制を維持し、受診率の向上を図りたいと考えております。平成28年度につきましては、医療機関の受け皿等の体制整備の問題もありますことから、夏ごろをめどに、まずは50歳に限定して実施し、検診体制の拡充を図りたいと考えております。 続きまして、大腸がん検診無料クーポン券送付事業の今後についてでございますが、大腸がんは40歳から増加するため、大腸がん検診が始まる40歳で検診を受診する習慣化を図ることが重要であること、また無料クーポン券の効果が40歳前半で顕著であったことから、国庫補助事業は終了となりますが、40歳に限定し、本市独自で無料クーポン券送付事業を継続し、さらなる受診率の向上を図りたいと考えております。 以上です。 ○副議長(北良晃君) 学校教育部長。   (学校教育部長 梅田真寿美君 登壇) ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 伊藤議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、身近な地域遺産の活用についてでございますが、本市では特色ある教育の一つとして世界遺産学習に取り組んでおります。奈良のよさを深く知り、自分が生まれ育った地域への誇りを持つ子供の育成を図るため、総合「なら」の時間や教科教育等さまざまな機会を通して世界遺産や地域遺産を活用した学習を行っております。また、総合「なら」においては、本年度より小中一貫教育の全市展開に伴い、9年間を通した世界遺産学習のモデル事例を作成し、地域遺産と結びつけた系統的な学習を推進しております。今後も、地域の方々と学校が連携し、奈良のよさを深く知り、自分が生まれ育った地域への誇りを持つ子供の育成に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、バンビーホームの施設整備についてでございますが、バンビーホームの施設整備は、施設の老朽度や児童1人当たりの施設の狭さ、今後の児童数の推移などによって、総合的に判断し、計画的に進めているところでございます。 本年度4月より施行された奈良市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例では、児童1人当たり1.65平方メートルの保育スペースを確保することとなっていることから、来年度のバンビーホームの施設整備につきましては、児童数の急増により、児童1人当たりの保育スペースが極めて狭い二名バンビーホームの増築及びあやめ池バンビーホームの改築を予算計上しております。また、学校規模適正化による都祁地域の4小学校統合に伴う、都祁バンビーホームの増築も予定しております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 伊藤君。 ◆19番(伊藤剛君) 2問目は自席より行わせていただきます。 2点、再質問させていただきます。 初めに、電力コスト削減について、2点市長にお尋ねします。 1問目で、市長より、全庁の高圧電力使用施設のうち料金の縮減効果の得られやすい施設の洗い出しと、低圧電力に関して競争性のある導入手法の検討という前向きな御答弁をいただき、電力コストの一層の削減に向け期待できると考えます。 そこで、具体的な目標を設定することによって、さらなるコスト削減への弾みがつくと考えますが、市長のお考えをお聞きします。 次に、来年度からの電力調達業務につきましては管財課が一括管理されると聞き及んでいますが、全庁的な取り組みが必要とされる中、管財課という単一セクションで対応が可能なのかという声もお聞きしております。この点についてのお考えをお尋ねします。 次に、学校教育部長にお尋ねします。 1問目でバンビーホームに関する施設整備の具体的内容について御答弁いただきましたが、その中にありました二名バンビーホーム、私自身も昨年、地域の御要望をいただきまして視察をいたしまして、定員を大きく超える児童数、指導員の皆さんが御苦労されている現場の様子を確認させていただきました。環境改善のため増築してほしいとの地域の御要望をいただく中、今回、施設整備が予算計上されておりますが、そこに至った経緯についてお尋ねしたいと思います。 以上で私の第2問を終わります。 ○副議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 電力コストの削減の目標ということでございますが、昨年につきましては、学校、幼稚園等の電力調達に入札を導入したことによりまして、結果として25%という相当な削減効果が得られたところでございます。 今後につきましても、さらなるコスト削減に努めていくというのは当然のことでございますが、一方で、電力調達については社会経済情勢の変化ということにも左右される部分がございますので、具体的に何%というところまでお答えしにくいところはございますが、今後もいろいろな手法を考えまして、少しでも多くの削減効果が得られるように努力をしてまいりたいと考えております。 また、全庁的な取り組みについてということでございますが、これまでそれぞれ施設ごとで管理をしていた電力の契約であるとか管理ということにつきましても、管財課が中心となりまして、全庁の電力調達をワンストップで管理または調達等を行っていけるように、仕組みや体制を整えているところでございます。やはり餅は餅屋ということもございますので、管財課のほうで、その知見をしっかりと高めて、全庁の対応がとれるように体制をつくっていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、本市の厳しい財政状況から考えますと、電力コストの削減ということは非常に重要な部分でもございますので、全庁的な対応がとれるように努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 学校教育部長。 ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 2問目は自席よりお答えをさせていただきます。 二名バンビーホームの施設整備についてでございますが、二名バンビーホームは、近年の就労する保護者の増加に伴い、入所を希望する児童が急増しております。現在、小学校施設や幼稚園施設を一時利用するなど工夫しながら児童の受け入れをしているものの、一部屋しかない施設での児童の受け入れは、安心・安全に過ごしにくい状況となっていることから、児童にとってよりよい環境を整えるためにも緊急対応が必要であるという判断をしたものでございます。 また、二名バンビーホームは、平成17年に建築された比較的新しい建物であるため、全面改築ではなく、現在のバンビーホームとほぼ同規模の施設を1棟増築する予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 伊藤君。 ◆19番(伊藤剛君) 3問目は、主張、要望とさせていただきます。 初めに、電力コスト削減についてでありますが、2問目で触れましたように、電力調達の一括管理をする上で管財課が対応できる体制にあるのかどうかという、この点が少し気になる、また肝心なところじゃないかなと思います。 市長もただいま全庁的な取り組みをしっかり進めるとおっしゃいましたとおり、やはり速やかな情報収集、またスムーズな庁内連携が、今の管財課でワンストップでやっていただかないといけないという意味では、非常にその使命というか、役割が大きいわけでありますので、やはり市長がみずからチェックもしていただいて、年間何千万円単位以上のコスト削減が期待できる大事な業務というか、仕事でありますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 それと、次に精神障害者保健福祉手帳2級への医療費助成拡大、我が市議団としましても、これは何度も議会で取り上げてまいりまして、早期実現を要望してまいりましたので、今回この2級を対象に入れていただいたということを高く評価したいなというふうに思います。 そして、次は若年性認知症についてでありますけれども、深い理解を持って活動している機関、それも奈良発、そして全国に、WHOにも発信されている団体があるとお聞きしておりますが、その団体が追分梅林跡地にこのたびサポートセンターを立ち上げられて、若年性認知症の方々の働き場所、居場所づくりに尽力されていると。大和橘、大和当帰といった奈良県古来の生産品を扱って収益を上げて、また人材確保につなげていくということもされていると伺っております。こういうふうな民間団体との連携ということも大事かと思いますので、どうかその対策をしっかりと進めていただきたいと思います。 そして、次に糖尿病性腎症重症化予防事業につきましては、透析治療に移行した場合の莫大な医療コストが、ただいま御答弁いただきましたように明確になっております。また、COPD、慢性閉塞性肺疾患の潜在患者も約2万人と、こういう結果が出ていますので、本市の財政負担の軽減と、また、市民の皆様が仮に病気をお持ちであっても、うまくつき合って日々健やかに重症化を抑えてお過ごしいただく、こういったことが大事だと思いますので、この2つの事業が、まさにそれにつながる事業として、どうか成果となりますようにお願いしたいと思います。 次に、特定空家対策事業、これも今回910万円予算計上していただいていますが、先ほども申し上げましたように、我が市議団としてもこれまでも訴えてまいりました施策であり、これは一定の評価ができるかと思います。今後、やはりこの制度が市民の皆様により多く周知されますように、どうか工夫をしていただきたいと思います。 次に、多聞城を通じた観光活性化策につきましては、実は戦国時代あたりまで奈良は非常に最先端の都市であったというふうに埋蔵文化財調査センターの所長からも教えていただいたことがあります。今で言いますと、つくばみらい市ぐらいに当たるんでしょうか。奈良市自体が今、どちらかといったらのどかな、そういう都市イメージですけれども、本当にこの時代には最先端、瓦の生産とか、そういうまちだったそうです。中世から近世の時代の転換期の中心地にあったわけでありまして、多聞城はその象徴というべき文化遺産であります。また、去年、埋蔵文化財調査センターで、多聞城と郡山城の発掘展示会を合同でしていただいております。こういう信貴山城、高取城とか城郭の観光資源を持つ地域との連携を図りますように、部長も御答弁いただきましたけれども、観光客の誘致につながるというふうに思います。 そこで、提案なんですけれども、奈良県の城サミットのようなものを計画していただいて、奈良市が開催のリーダー役を果たしていただけないかということを要望としてお伝えしたいと思います。 次に、胃がんと肺がんの検診につきましては、来年度、まず50歳を対象に個別方式を導入されること、我が党が最も重視してきた政策の一つでありますので、これも一定の評価はできるかと思います。再来年度以降、今回は50歳の方限定となっていますが、本市と、また市民の負担がさらに軽減され、対象年齢も一層拡大されますように、私ども公明党としましてもネットワーク政党としまして、しっかりとそういうことを国に伝えていきたいと思います。 また、地域遺産の活用については、部長が御答弁いただきましたように、地域の方々と学校が連携して地域への誇りを持つ子供を育成する、とても大切であると思います。 そこで、またこれも提案なんですけれども、地域あるいは学校から奈良市の文化遺産登録を要望する制度を検討していただけないかなと。郷土愛を育んで、また地域遺産の保護にもつながるというふうに考えますので、お願いしたいと思います。 最後に、バンビーホームにつきましては、今回、施設整備の対象となっている地域にとっては、これは朗報であるかと思います。一方、やはりさまざまな御要望もありますので、対象とならなかった地域の皆さんへの配慮も大切かと思いますので、その点も忘れずに今後対応していただきたい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(北良晃君) 10番横井君。   (10番 横井雄一君 登壇) ◆10番(横井雄一君) 改革新政会の横井雄一でございます。 早速ですが、通告いたしておりますとおり、本日は3つのテーマについて市長並びに環境部長に質問してまいりたいと思います。 まず、まちづくり基本構想の策定について、市長にお尋ねいたします。 平成28年度予算案重点施策項目の中にも書かれております、まちづくり基本構想策定費として1700万円が計上されており、奈良県と協定を交わした3つの地区について策定作業に着手すると理解しています。 とりわけ、奈良公園周辺地区に関しては、そのエリア南部に都市計画道路猿沢線が含まれております。そして、その拡幅事業に関して、奈良市と地元住民との意思疎通は現時点では図られていません。平成28年度、いよいよ基本構想策定作業に入られるということですが、拡幅事業に関して、地元住民の意向が反映されないまま構想策定作業だけが進んでいくことは、許されることではありません。市は、まず地元住民とまちづくりについて十分意思疎通を図るべきであると考えています。平成28年度のこの基本構想が地元住民の意向が反映された構想になるのかどうか、市長の見解を賜りたいと存じます。 次に、奈良市総合財団の将来計画について、市長に続いてお聞きいたします。 平成27年12月議会で、私は、7つの財団を統合してつくった目的である、統合によって人材と事業を継承し、競争力の強化、統合による組織及び職員の活性化、経営の安定に努め、一元的な管理のもとに総合力を発揮し、市民に良質なサービスを提供することにより、文化の創造と福祉の増進に一層寄与しようとするものであるという当初の目的を達成するために、設立から4年がたちまして、そのときに奈良市はどのような使命感を持ってビジョンを描いているのかということを市長に聞きました。市長からお答えいただいたのは、おおむね次の3点でありました。 財団は、市の主に文化、スポーツ関連48施設の指定管理者として、市民サービスを提供している。2つ目、指定管理者制度の趣旨により、競争力の強化、統合による組織及び職員の活性化、経営の安定に向け、改革も進めている。3つ目、指定管理者との協働により、効率的、効果的な施設運営管理と事業の展開をもって、本市の文化創造と福祉の増進に努めると。このようにお答えいただきましたけれども、具体的な方針といったことまでは、まだお答えされておりません。 この間、財団の職員さんが抱く不安というものは大きくなってきていると聞いております。例えば、今後財団は、民間団体、NPO団体に指定管理が移っていき、いずれは財団がなくなってしまうのではないか。また、他の財団、外郭団体と合併して、総合財団もなくなってしまうのではないかというものなんです。また、原因は定かではありませんが、複数の職員さんが休職中とも聞いております。やはり、今申し述べたような職員さんの不安に対し、市長はメッセージを発するべきではないかと、私は考えております。 そこで、次の5点について見解を賜りたいと思います。 1点目として、職員さん約100人の雇用は大丈夫なのかお聞かせください。 2点目として、職員さんの声を吸い上げ、聞く役目の人は誰なのか、逆に市の方針を職員に伝える役目を果たす人は誰なのかお聞かせください。 3点目として、そろそろ財団の将来計画、方針を示すべきときではないかと考えますが、決意をお聞かせください。 4点目として、技術職、専門職の方が財団内のグループを超えて畑違いの事務職に異動することも頻発していると聞きます。それでは技術、専門性の継承は困難になるのではないか。また、職員のモチベーションが下がるのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。 5点目として、民間団体による指定管理が始まった鴻ノ池スタジアムでありますけれども、市民の視点から見て効果的なやり方なのかを検証できているのか、ちゃんと市民の声を聞いているのかお答えください。 次に、奈良市路上喫煙防止に関する条例の中で路上喫煙防止地域が定められていますが、その地域を拡大することを提起したいと考えます。 ここ数年、奈良市への入り込み観光客数はふえており、特にインバウンドの増加は顕著であります。奈良にお客様がたくさんお越しになることは、とてもありがたいことであり、奈良市の観光行政の成果が出ていると考えております。 一方で、問題も出てきていると聞いており、その一つは観光客の路上喫煙が上げられます。現在、奈良市路上喫煙防止に関する条例によって、近鉄奈良駅、JR奈良駅を中心に、大宮通り、三条通り等の一部に路上喫煙禁止地域が設けられていますが、私は不十分ではないかと考えています。特に、近年、多くの観光客が訪れてくださる私の地元ならまちかいわいの狭小な通りでの喫煙は、煙の滞留がしやすい上、通りのお店や住居に煙が流れやすいんです。また、行き交う人の距離も近く、危険であります。これは観光客のみならず一般通行人にも言えることです。 そこで、環境部長に2点お聞きいたします。 1点目として、ならまちかいわいにも路上喫煙禁止地域の拡大を検討してはどうかと考えますが、見解をお聞かせください。 2点目として、検討するに当たっては、まず地域の声を聞いてほしいと考えます。自治会長だけではなく、通りの商店の方、居住者、観光客等の声を幅広く聞いてほしいと考えますが、見解をお聞かせください。 以上で1問目を終わります。 ○副議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの横井議員からの御質問にお答え申し上げます。 奈良公園周辺地区の基本構想に際しまして、猿沢線の拡幅事業に関連する住民の声をどのように今後反映をしていくかという御質問でございます。 県と市のまちづくりに関する包括協定地区の一つでもあります奈良公園周辺地区につきましては、平成28年度中において基本構想の策定を目指しているところでございます。 御質問いただきました都市計画道路猿沢線につきましては、三条通りとならまちをつなぎ、にぎわいと歩行者の快適性を高めるための主要な計画として、奈良公園周辺地区のまちづくり基本構想に位置づけをしていきたいと考えているものでございますが、この事業につきましては、地元の鶴福院町自治会から昨年12月に出されました請願第14号において、一旦白紙撤回し、今後はまちづくりについて地元住民と話し合いの場を持つことという形で請願をいただき、先般、今議会で採択をされたという経緯がございます。 こういったところを踏まえまして、本市といたしましては、まず地域の住民の皆さん方の御意見を伺い、地域のまちづくりを支援していけるような構想として、県との包括協定に際しても、その視点をしっかりと持ちながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、奈良市総合財団についての御質問でございますが、総合財団の経営改革に係るプロパー職員の雇用ということであります。 この外郭財団を取り巻く状況は、今後二、三年で多くの施設が指定管理の更新期を迎えるということもありまして、現在、非公募の施設の公募化や施設の総量の最適化などによりまして、今後は指定管理施設の減少も見込まれ、指定管理を事業の柱とする財団にとりましては、さらに厳しい経営環境に直面することが予測されます。したがいまして、本市のこの方針によりまして、財団みずからが将来を見据えた抜本的な経営判断も迫られることとなってまいります。 その中で、財団職員の雇用の確保につきましては、極めて重要な課題だと認識をしておりまして、市としても財団の将来ビジョンを検討し、十分な議論を経て結論を得ていきたいと考えております。 次に、財団の運営に係りまして、職員の声をどのように誰が聞くかということでございますが、団体職員の意見聴取につきましては、職員から自己申告書の提出をさせておりますので、その内容をもとに把握、分析をする。そしてまた、各財団において職員の意見を吸い上げ、財団の運営に反映をさせているという状況でございます。加えまして、本年度からは本市の再任用の職員らで外郭団体指導グループという組織を結成しまして、市と財団とのパイプ役として各種調整に当たらせているところでございます。 次に、総合財団の将来のビジョンについてということでありますが、財団は現在、市内48の施設の指定管理事業を初めとし、本市の文化、スポーツ、まちづくり事業に寄与することで、行政を補完し、支援する役割を果たしております。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、今後、財団を取り巻く経営環境の変化が現実の問題として危惧されますことから、まずは財団がみずから、さらなる運営コストの削減、また限られた資源と人材の活用による生産性の向上を図るなど、いわゆる生き残りをかけた経営努力に覚悟を持って立ち向かわなければ、財団の将来ビジョンは描けないと考えております。同時に、市は、この問題を行財政改革重点取組項目にも上げており、外郭団体全体の将来像を見据えた抜本的な改革として取り組んでいかなければならないと考えております。 次に、外郭団体間での人事交流についての御質問でございますが、経営資源の根幹をなす職員の資質向上が、団体の運営上、大変重要であり、団体内におきましては、職員個人の特性を考慮した適材適所の人事配置や、専門職にとどまらず団体職員として多角的に活躍できる人材の育成につなげる人事異動がなされているところでございます。一方で、団体間の異動ということにつきましては、やはり他の職場での経験や知識、能力の取得というものが職員本人のキャリアアップにもつながっていくこともあり、職員の適正や能力、また希望を前提とした人事交流を展開しているところでございます。 次に、指定管理施設の公募化により民間に運営が移行した施設の利用者の声をどのように受けとめるかということでございますが、本市では、指定管理者が外郭団体、民間を問わず、管理運営が適正かつ効果的であるかを継承するために、実地調査や利用者へのアンケート調査など、いわゆるモニタリングという作業を通じて、市民の評価を的確に把握するよう努めているところでございます。本年度から指定管理者が総合財団から民間企業に移行した施設につきましても、利用者からさまざまな御意見を頂戴しておりまして、市と指定管理者では、これらの利用者の声を真摯に受けとめ、さらなるサービス向上に向け努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 環境部長。   (環境部長 南 孝明君 登壇) ◎環境部長(南孝明君) 横井議員の御質問にお答えさせていただきます。 路上喫煙禁止地域の拡大についての御質問でございます。 路上喫煙禁止地域は、奈良市路上喫煙防止に関する条例の規定に基づき、市民及び観光客等の身体に危険を及ぼすおそれがあり、また、たばこの吸い殻の散乱を招く路上喫煙の防止を図るため、奈良市ポイ捨て防止に関する条例で規定しております、美化促進重点地域と同じ範囲を路上喫煙禁止地域に指定しております。 現在、禁止地域におきまして、看板、路面表示による周知及び指定職員による巡回、指導を実施しており、また禁止地域以外でも看板等による啓発を行っているところもございます。ならまちかいわいにおきましても、議員御指摘のとおり、歩きたばこによる危険性、ポイ捨てにより美観を損なうことを市民、観光客等に対し十分な啓発を行うことが必要であると考えておりますことから、禁止地域の拡大につきましては今後検討してまいりたいと考えております。 次に、検討するに当たって地域等の声を聞いて進めていくのかという御質問でございますが、路上喫煙禁止地域の拡大を検討する際には、国際文化観光都市として観光客をお招きするというもてなしの心を大切にして、地元や商店の方々に限らず、観光客等幅広い御意見をお聞きして、地元自治会や商店の方々の御協力を得ながら検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 横井君。 ◆10番(横井雄一君) 2問目は自席より申し述べたいと思います。 まずは、市長並びに環境部長からは、それぞれ丁寧にお答えくださいまして、本当にありがとうございます。 2問目は、主張と強い要望とさせていただきたいと思っているんです。順に申し述べていきたいと思います。 まず、環境部長より今し方、路上喫煙禁止地域の拡大について、今後、地域とよく相談しながら検討する旨のお答えをいただきました。お答えいただいたとおり、ぜひとも地域の方々と歩調を合わせて検討いただいて、路上喫煙を制限する啓発活動を行っていただきたいと存じております。ぜひとも地域の皆さんの意見をたくさん聞いてほしいんです。間違っても、いついつからやりますと、いきなり新聞発表が先に立つような、こういうやり方はやっぱりいけないと思いますので、そこはよろしくお願いいたします。この条例は平成21年の施行以来、その禁止地域が固定されたままになっておりますので、状況が変化しているということに対応していただきたいと思います。条例改正も視野に入れて検討していただくよう要望しておきます。 続いて、市長よりお答えいただきました件、最初の県と市でまちづくり基本構想を策定するに当たって、特に奈良公園周辺地区内においては都市計画道路猿沢線を抱えていますことから、地域住民の声や意見を聞いていただいて、地元の支援となる構想にするというお答えでしたので、ぜひそのお言葉どおりに進めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 最後に、奈良市総合財団の将来について、私もたくさん質問をいたしましたし、市長からも丁寧にお答えをいただきましたけれども、想像以上に厳しいお答えだったというふうに受けとめています。職員の雇用は大丈夫なのかという質問に対しては、大丈夫というお答えではありませんでした。極めて重要な課題というふうに表現されて、今後の検討によって結論を出していくべきものということで、こちらは安心を求めたんですけれども、かえってこれは安心ではないという状況に感じております。 さらに、財団の将来については、今後、指定管理は公募化になっていくので、経営環境は厳しくなる。財団みずからさらなる運営コストの削減と、限られた資源と人材の活用による生産性の向上を図るといった、生き残りをかけた経営努力が必要と、こういうお答えでした。さらに、職員の異動に関しては、職員の資質向上が重要で、多角的な人材をつくりたい。そういうことから専門外の仕事につくこともあり得るという趣旨のお答えでした。改めて、どれも厳しいお答えだというふうに思います。 私は、きょう、どのような厳しい内容のお答えであっても市長あるいは副市長に要望しようと考えていたのは、本日述べられた財団の方針、これをちゃんと職員さんに伝えて理解してもらう努力をしてほしいということなんです。これはまず最初にやっていただきたいと思います。 そして、かなり厳しいこともおっしゃいましたので、私もそれなりに強く申し述べなければなりません。 財団の理事長でもいらっしゃる津山副市長に、これはもうお願いなんです。市長の御答弁の中で、財団がみずから、さらなる運営コストの削減と、限られた資源と人材活用による生産性の向上を図るなど、生き残りをかけた経営努力に覚悟を持って立ち向かわなければ、財団の将来ビジョンは描けないとおっしゃいました。きょうの議論の中の肝は、この御答弁かなというふうに私は考えています。生き残りをかけて、経営努力に立ち向かっていただきたいんです。財団の将来ビジョンを描いていただきたいんです。民間に指定管理を奪われたら、奪い返すんだと。それぐらい闘志をむき出しにして立ち向かう集団に、どうかしてください。お願いしたいと思います。 そして、仲川市長におかれましては、どうか財団がみずから将来ビジョンを描く、その努力の経過をしっかり見る時間を、経過を、ちゃんと持っていただきたいなというふうに考えております。厳しい方針を本日提起された以上、それは市長の義務であるというふうに考えておりますので、この点は強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(北良晃君) 8番酒井君。   (8番 酒井孝江君 登壇) ◆8番(酒井孝江君) 無所属の酒井孝江です。よろしくお願いいたします。 さきの御質問と重複するところは御容赦ください。一括質問一括答弁でお聞きします。 まずは、まちづくりについて、市長にお聞きします。 議案第21号、三条通りの条例改正についてです。 今回の改正で、ワンルームマンションや共同住宅や下宿まで規制しようとしています。まち全体のバランスからいって、規制し過ぎではないでしょうか。どういう理由で規制しようとするのか、お聞きします。 次に、奈良町南観光案内所の運営についてお聞きします。 奈良町南観光案内所を運営するくるみの木は、ほかの店が観光案内所だからチラシを置いてほしいと依頼しに行くと、そこの長的な人物が、集合的な店ならチラシや案内を置いてあげるが、個々の店のものは断ると言ったので、驚いて、市の観光案内所なのにそんな規定がどこにあるのかと抗議すると、ここはくるみの木が任されているのだから、市の規定に関係なく勝手にやらせてもらうと言われ、追い払われたそうです。しかも、観光案内所を示す看板や表示がなく、観光案内所であることがわからず、秘密の観光案内所かと観光客や周囲からも疑問の声が出ており、異様な状態です。 また、駐車場を店の21時までの営業時間に合わせて、警察が地元自治会に21時までにするよう要望書を出され、これにも疑問の声があります。市民から私物化の極致だとの声が出ています。また、この建物は苗加家を移築、保存しているのに、店への改築に蔵を切り取って破壊してしまいました。市の方針と反するし、景観保全からいってもおかしく、違反ではないでしょうか。 観光駐車場、観光案内所というより、ただのくるみの木の店であり、指定管理者としての市費まで出して、ただで駐車場つきの店を経営させていると市民が怒っています。商業上の競争原理に違反するし、目的外使用だとの声があります。市が無料で店を経営させるなど、あってはならないことです。このため、周囲の店が大打撃を受け、客足が遠のき、破綻しかけています。 私は、以前の質問で、大規模店ではなく小規模の店でも、ならまちで需要があり、市が応援したらという趣旨の質問をしましたが、補助政策などを言ったのです。直ちに店を中止させるよう要求するとともに質問します。 次に、総務省の地域経済循環創造事業交付金の活用についてお聞きします。 昨年6月15日に、奈良県、南都銀行の共催で、第1回産・学・金・官交流会が開催され、さまざまな事例と地域経済循環創造事業交付金採択事例の発表などがされています。昨年には、斑鳩町の新規起業家発掘&応援事業として、商店街の空きテナントの増加に対処するため、改装し、気軽に借りられるよう支援する事業や、吉野町の湧き水を原料とした宅配水製造と水耕栽培及び地域農産物の活用事業、安堵町の近代陶芸の巨匠、楠本憲吉が過ごした生家を活用し、おもてなしで地域を元気にする、安堵町に初めて誕生する宿泊施設展開による地域元気事業が昨年採択され、交付されています。 しかし、奈良市では、この交付金に動きはありません。この交付金は、地元企業が新しい事業に乗り出すのに支出されるもので、奈良市でも薬膳レストランなどさまざまなアイデアを持つ事業家がいると聞いています。既存の県内の採択事例を聞いても、さまざまな夢が広がります。ぜひ、市内事業家の力を発揮してもらうため、この交付金に力を入れていただくように願うとともに、質問いたします。 次に、公園長寿命化についてお聞きします。 公園長寿命化ですが、水場などのほか、遊具や器具の不全のチェックがポイントになります。これまで老朽化により、児童のさまざまなけがの原因になり、身体部分の欠損など深刻なものもあります。どのように取り組むおつもりか、お聞きします。 次に、西大寺駅周辺整備の平成32年度まで延長方針についてお聞きします。 市長が平成29年度までの周辺整備を平成32年度まで延長する方針を発表されました。しかし、西大寺駅南地区土地区画整理事業地について問題なのは、空き地が目立ち、草が生えているところも多く、寂しい状態であることです。かつて、新大宮地区の区画整理では、日本は高度成長時代ということもあり、区画ができるなり、どんどん建物と住宅で埋まっていき、新市街地ができていき、華やかな現状がありました。しかし、日本は、海外取引の大企業は利益を上げていても、人々の家計を暖めない、冷やす政策で、まちができて繁栄するところまでなかなか進まない面があります。西大寺駅南側も、喫茶店2軒を初め閉店、撤去されたところも多く、区画整理前より逆に少なくなったと市民から聞きました。駅南側に面した部分から埋めていき、人々のにぎわいを取り戻し、周辺にも市街ができていくように、繁栄対策をとる必要があると思います。延長に際し、どのような方針をお持ちなのでしょうか、お聞きします。 次に、観光についてお聞きします。 まずは、奈良町観光と観光客誘致について。 奈良町内のホテル経営者に聞くと、昨年から中国の観光客が急増し、一躍2倍になり、国別ではトップになりました。ゲストハウスでも欧米客より中国人客が多くなったそうです。そして、もちいどの商店街では、中国人観光客に赤ちゃん服などが売れ、着物レンタル店もヘアメイクが追いつかず一部は断ったといいます。 専門家の分析を読みましたが、中国人観光客のポイントは東京と関西にあり、東京では、さまざまな爆買いに示されるように都市観光が中心です。関西では、3地区ですみ分けができていて、大阪では爆買いと宿泊でホテル不足となり、17件ものホテルが新築されるそうです。そして、京都では、宿泊型の文化財をめぐる長期型の観光です。伏見稲荷なども人気スポットだそうです。そして、奈良も入っていますが、短期の休憩場所だそうです。私たちが望む宿泊と買い物は、対象ではありません。しかし、せっかく奈良に来ていただいているのに余りにもったいない。どのように観光事業者と連携し、宿泊と買い物をふやすのかの方針と、どう現状を捉えているのか。この2点についてお聞きします。 次に、クリーンセンター移転、新設についてです。 私は、クリーンセンター移設に賛成しています。今、反対署名が奈良市に提出され、どうするか苦慮しています。よく、今の炉は排気ガスや悪臭などを出さないという声を聞きますが、その方々は業者がつくった新しい炉に行かれます。しかし、地元の炉には見学に行かれません。しかし、私は1996年ごろの、まだ炉が新しいときに見学しています。そのときは、10年から13年という新しい炉のはずですが、濃密なガスと悪臭に、近寄っただけで大変でした。30年は、まだ若い炉のはずなのに、フィルターもきちんと取りかえているはずなのに、疑問が浮かびましたが、現実にクリーンセンターに入ると壮絶なガスと悪臭に包まれていました。炉の見学は、ひどく気分が悪くなりました。今の炉と技術は同じで、集じん機とフィルターで取っています。ちゃんと稼働しているのに、10年余りたつと、その状態なのです。今の技術で大丈夫だというのなら、きちんと年数経過後の炉のデータが各年にわたり、既存の炉のものがあるのですから、データと各都市の炉の見学に賛否の方を連れていけばいいのだと思います。それでみんなが納得できるものを示すべきです。 また、今のクリーンセンターの周囲に勝手に住民が移り住んだというデマを流す方々がおられますが、これはうそです。昭和36年の都市計画でニュータウンとクリーンセンターが同時に区域分けされたのです。しかも、多くの方は、山野で安く買おうという開発業者の宣伝文句で区画整理組合に入り、山野のまま住宅地やマンションの権利を手に入れたのです。当時の広告や資料にクリーンセンターの記入はありません。来てみると建っていたという方がほとんどのようです。問答無用でクリーンセンターを建てる手法を市が使ったことが、後々、平城ニュータウンの周辺住民と大きな問題を起こしました。だからこそ調停でクリーンセンター移転を決めたのだと思います。 そこでお聞きします。年数ごとにガス排気量や炉の状態を示すデータや見学を実行すべきではないでしょうか。また、奈良市がとった現状のクリーンセンター建設手法をどう思いますか。2点お聞きします。 次に、新斎苑についてです。 新斎苑設置について賛成します。ただ、これまでのような嫌悪施設のあり方を変える施策が必要です。そのため、年1回、市民参加でフェスティバルを開催するのはどうでしょう。コミュニティーセンターを併設し、地元自治会を指定管理者にして運営する。ほかのアイデアを募集する。今、大人気の終活セミナーなどの勉強会も開いてもらってはどうでしょう。幾らでもやり方はあるように思います。こういう地元に溶け込む方法について、どうお考えか質問いたします。 次に、市民生活についてお聞きします。 みどりの家内のはり・きゆう治療所は、さまざまな身体的な問題を抱える障がい者に対応できる施設であり、今後とも必要です。なぜ廃止するのかお聞きします。 次に、防犯カメラの設置ですが、その画像の管理者は誰なのでしょうか。例えば地元管理だとすると、さまざまな個人情報を集めることになり、個人情報保護法や市条例違反になりかねません。また、地元は、そのための法的な責任能力自体や監査体制もないはずです。プライバシー問題が起きないよう慎重にしていただきたいと思い、質問します。 次に、空き家対策についてです。 取り上げられている不全空き家ですが、奈良町の町家の中には、老朽化してシロアリの害にやられ、所有者といえども管理費用がなく放置しているものも多くあると聞きます。さまざまな理由で所有者が不全空き家への対応をしない場合は、どのようにされるおつもりでしょうか。また、何らかの支援策を講じる視点はお持ちでしょうか。この2点について質問します。 次に、移住・定住策ですが、多くの情報発信に説得力がないと思います。足らないのは、もっと経験者に具体例を語ってもらい、ホームページなどで発信することです。作家の寮 美千子さんも東京からの移住者ですが、①市民に包容力があり嫌な思いをしたことがない、②市民の文化活動が多様で豊かでとてもいい、③本物の文化財や遺跡があり、すばらしい環境だ。大切にしてほしいなどと言われ、どう宣伝文句を並べるより説得力があります。このことも含め、発信が大事だと思います。 ほかには、特に重大なのは、職を見つけることが大事です。対策や仲介事業が必要だと思いますが、どう移住してもらうか方針をお尋ねします。 次に、同性婚についてです。 東京都渋谷区は同性のカップルを結婚に相当するパートナーシップと認める証明書の交付を、また世田谷区も同性カップルのパートナーシップ宣誓書を受け付けると発表しました。全国初となる自治体独自の試みが同時にスタートしました。これを受け、生命保険会社の中で保険金の受け取り対象を同性パートナーまで広げる動きが広がっています。 人権を守るため、奈良市でもいずれ始める必要があります。悩んで苦しみ自殺に至る子供も報告されていますので、早いほうがいいかと思いますが、どうお考えでしょうか。 次に、学校について、学校教育部長にお聞きします。 学校の子供たちや保護者に対して、学校外の市民やNPOなどの方々から、学校を通して寄附をお願いする行為が見られます。文房具等や金銭を市民やNPO等に対して寄附するよう、子供たちや保護者に手紙や担任の先生から口頭でお願いされます。そして、寄附する金額や文具等を入れる封筒等を子供たちに配って、自宅へ持ち帰らせるなどし、保護者に文具や金銭等を入れてもらい、再び子供たちに持たせて学校へ持って来させ、担任が回収し、それを市民やNPOが受け取られるようです。その後、受け取られた市民やNPOなどから感謝のお手紙を印刷したものを担任を通して子供たちに渡され、子供たちが自宅に持ち帰って保護者に渡すようにされています。 しかし、今、子供の貧困、子育て世帯の貧困が、大きな社会問題となり、日本の子供の6人に1人が貧困であることが国会でも議論されています。OECDによると、我が国の子供の相対的貧困率はOECD加盟国34カ国中10番目に高く、OECD平均を上回っています。子供がいる現役世帯のうち、大人が1人の世帯、いわゆるひとり親家庭の相対的貧困率は、OECD加盟国中最も高いのです。 そのような状況がありながら、学校の子供たちに対しての外部からの寄附の要求行為を漫然と放置していいものでしょうか。子供たちに寄附を求めてくる方々は、まるで1億総中流意識と言われた過去の時代がいまだに続いているような感覚でおられるのか、今の社会的な問題をどの程度正しく理解しているのかと疑問です。学校は、これらの要求が本当に正しいのか、きちんと子供を守る姿勢を示すべきです。 2月8日の朝日新聞によると、寄附や会費集めを自治会に依存している赤い羽根共同募金について、ほかの方法では集まらないからと指摘されています。各世帯からの戸別募金が総額の7割を占め、法人募金は1割にすぎないそうです。自治会と同じように、学校も募金をお願いしやすい便利な対象と見られているのはないでしょうか。 しかし、今や企業の内部留保は300兆円と言われ、貧しい国民とは対照的に企業は過去最高水準の利益を上げています。赤い羽根共同募金等、国際的にも有名な組織であれば、それこそ、そのような企業からの募金を大量に回収するべきではないでしょうか。 平成26年度だけで、奈良市の2万4788名の児童・生徒のうち2,750名、約10人に1人が就学援助の受給者です。その子たちにも同様に寄附が求められており、出せない子は、周りの視線を気にし、つらい思いをしています。 先日、国で子供の貧困についての集まりがあり、それまでに集まった寄附金額がわずかだということで、国民の意識の低さが問題になったそうです。学校に寄附を求めてくる方々が日本の子供の貧困について本当にわかっているのか、いま一度確認が欲しいです。 学校1校につき、どれぐらいの寄附の要求があるのでしょうか。過去1年間で奈良市の学校から寄附した総額は、子供何人から幾ら出したでしょうか、お聞きします。 また、市民やNPO等からの寄附の要求の手紙や返礼の手紙は、大量に印刷して子供たちに配られますが、それは学校の経費でしょうか。また、これら寄附を求められる状態を改め、寄附を強要される子供や保護者を守るお考えはあるのかお聞きします。 次に、男女混合名簿がまだ実現していません。今、市立学校の幾つで実現していますか。男女混合名簿でない学校では常に男子が名簿の先にきています。明かに男尊女卑の思想が見えますし、男女混合名簿を広めようとする方々の指摘でもあります。各学校の校長の判断に任せているのは、男尊女卑を放置する無責任な態度です。男女混合名簿を市立学校全てで実現するのはいつでしょうか。 次に、組み体操について、最近では、組み体操自体をなくす動きもほかの自治体で見受けられます。市内の学校で組み体操は何段が最高ですか。3段ぐらいが限界かと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、学級編制基準について、教育総務部長にお聞きします。 市長のマニフェストでは、小学校全学年で少人数学級を導入したことを高らかにうたっておられました。ところが、今回、小学5、6学年の35人学級編制を県の基準である40人学級編制にするとのことです。 先進諸国では18人から25人が普通で、日本のように子供を窮屈な空間に閉じ込めるのは、伸び盛りの子供たちの自由を奪い、ストレスを高め、いじめが多発する原因となります。一方で、いじめ対策の人材を入れるようですが、人を幾ら入れても環境が悪ければ結局プラスマイナスでゼロなのです。保護者たちや先生たちは嘆き悲しみ、大騒ぎです。 また、毎年毎年このように変化するのは、安定した環境が望ましい子育てに全く逆行しています。最も市独自の少人数学級数が多かった2013年度の基準に戻し、それ以後は編制基準を変えないようにすべきと考えますが、お考えをお聞きします。 次に、上下水道について、企業局長にお聞きします。 上下水道のPFIなどでの移管については、何ら事前論議もなく、今回唐突に出されました。以前の企業局の説明では、都祁や月ヶ瀬地区では、人口に比べ、水道管の延長で資産額が大きく、企業会計にしたときに減価償却の額を上げたので、どうしても赤字になると説明を聞いています。 PFIにしても、これでは赤字なのは変わりません。もっときちんと議論をすべきで、突然に出して、わからないまま通そうとしているのではないのでしょうか、再検討を要求します。 これで私の1問目を終わります。 ○副議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの酒井議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、三条通りの建築物の制限に関する条例改正についてでございますが、三条通りは、地区計画により、通りのシンボル性や魅力を高めるために、建築物の制限や広告物等がきめ細かく規制をされているところでございます。 しかし、近年、相次ぐ分譲マンションの建設などによりまして、ショッピングストリートとしてのにぎわいが途切れるなどの懸念がありましたことから、三条通りに面した共同住宅などの1階部分の2分の1以上に店舗や飲食店などを誘導するため、また入居者の入れかわりが頻繁にあり、まちづくりへの関心が薄いと懸念されるワンルームマンションの規制をするなどを目的として、昨年9月に地区計画の変更を行ったところでございます。 なお、地区計画の変更に当たりましては、地元まちづくり協議会の方々と十分に協議を行い、関係権利者の方々に御理解を得て、手続を進めてきているところでございます。今回御審議をいただく条例の改正につきましては、その地区計画の変更に伴う改正ということになってございます。 続きまして、奈良町南観光案内所及びその駐車場の運営についてということでございます。 奈良町南観光案内所につきましては、10年間の委託契約を締結しております。事業者が運営をしているにぎわい創出施設につきましては、地方自治法第238条の4第2項第4号の規定に基づき、賃貸借契約を締結し、行政財産の有効活用を図っているところでございます。また、駐車場につきましては、同事業者が5年間の利用料金制で指定管理をしており、管理費用を除いたものを市のほうに納付いただいているところでございます。 周辺の店が打撃を受けているというような御指摘もありましたが、私どものほうには、また逆に、奈良町の南に観光客の大きな動線ができたということで、観光客がふえたという声もいただいております。また、駐車場の営業時間についても御指摘をいただきましたが、このあたりも含めて、地元の自治会など地元の方々と丁寧に議論した中で、時間等について決めさせていただいております。また、状況に応じて地元の皆さんとも協議をしながら改善をしてまいりたいと考えております。 続きまして、総務省の地域経済循環創造事業交付金の活用についてでございますが、平成27年5月20日付で、奈良市の創業支援事業計画が国の認定を受けておりまして、地域の金融機関とも連携を図り、交付金を利用できる事業の有無について情報共有を図ってきたところでございますが、現在のところ該当する事業がないという状況でございます。引き続き検討してまいりたいと考えておりますが、昨年末に制度の見直しが行われましたことで、従来、全額国費負担であったものが、市のほうも国の補助金と同額を補助することなどが新たに条件として追加されたところでございます。そのため、今後この交付金を活用しようとする場合には、自治体が直接、解決、支援すべき公共的な地域課題への対応の代替となるものであるかどうかという点も含めまして、より慎重に検討をし、活用をすべきものであると考えております。 次に、公園の長寿命化についてでございますが、平成27年度に公園施設長寿命化計画の策定を完了いたしておりまして、平成28年度より公園施設の長寿命化の工事を実施していく予定でございます。公園施設長寿命化計画策定に当たりまして、公園の遊具等施設の調査点検を行い、老朽化など健全度を4段階、緊急度を3段階で判定をしております。公園施設長寿命化工事の実施に当たりまして、その判定結果を踏まえて、優先順位の高いものから順次進めてまいりたいと考えております。 続きまして、西大寺駅南側のにぎわいについての御質問でございますが、駅南北をつなぐ歩行者専用道路の工事及び北側駅舎の公共補償につきましては、平成32年度までかかる予定となりましたことから、事業期間の延伸を行おうとするものでございますが、現在は事業中でありますことから、宅地や公共施設の整備ができていない場所、また宅地整備が完了し、使用収益が開始されているにもかかわらず、利活用をされていない宅地が存在するということにつきましては、認識いたしております。 宅地の利活用ということにつきましては、個々の権利者によるところでございますけれども、歩行者専用道路や駅前広場の工事が完了いたしますれば、駅南北の歩行者の往来も増加するものと考えておりまして、地区計画による規制の誘導とともに土地の利活用も進むものと考えており、それにより、にぎわいのあるまちにつながっていくと考えております。 続きまして、観光行政についてでございますが、中国人観光客の増加をどのように宿泊や買い物につなげていくかということでございます。 中国から日本への観光客につきましては、2015年に499万3800人となり、前年からの伸び率107.3%となっておりまして、本市におきましても観光案内所を訪れた外国人観光客の中で1位の状況でございます。 この中国人観光客に対する観光事業者との連携、また宿泊や買い物を促す取り組みにつきましては、銀聯カードの普及や総合観光案内所における外貨両替を初めとして、お店などのメニューの翻訳、または外国人おもてなし環境整備補助金を活用した宿泊施設などでの多言語看板等の作成、また多言語QRコードによる観光案内、また多言語コールセンターなどによる観光客と宿泊施設のコミュニケーションの支援などを行っております。また、市内での滞在時間の延長を目的として、なら燈花会やなら瑠璃絵などの夜のイベントや鹿寄せや朝のイベントなどと連携をすることで、もう一食、もう一泊という消費額の増加につなげていきたいと期待いたしております。 また、中国からお越しをいただく観光客の特徴として、個人旅行の割合が38.9%と低く、台湾の55.6%、香港の75.2%と比べましても低いということが明かになっております。また、初回訪問者の割合も、同様に台湾や香港に比べまして55.8%と高く、現段階では決められた日程による団体ツアーで来られた初めての訪日客が多いということから、今後につきましては、自由度があり、リピーターが多い個人旅行客にシフトしていくと考えておりまして、その機を捉えて奈良ファンの増につなげてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、クリーンセンターの建設についての御質問でございますが、環境に与える影響がどうかということでございますが、環境清美工場の排ガスの排出値につきましては、例えばダイオキシン類の濃度は環境基準値の数十分の1の排出となっており、環境負荷の少ない状態で運転をしております。しかしながら、近年建設をされました他都市のクリーンセンターの排出値等を見てまいりますと、通常の一般の地域の住環境と変わらないほどの排出値でございますので、奈良市につきましても今後は同様の最新型の施設を計画し、可能な限り環境に配慮をしていく考えでございます。 また、奈良市がとったクリーンセンターの建設の手法について、いかがかということでございますが、奈良市クリーンセンター建設計画につきましては、平成17年12月26日に現ごみ処理施設の移転建設を趣旨とした調停が成立をしたことにより、その調停条項に基づき事業を進めてきておりまして、適切な方法であると考えております。 次に、新斎苑の建設事業についてでありますが、今までの火葬場に対する偏見やイメージを一掃し、嫌悪施設ではないというイメージをいかにつくっていくかということが重要だと。これは御指摘のとおりだと考えております。そのために、奈良の都の葬送の場としてふさわしい自然に包まれた新斎苑というコンセプトのもとで、森の中で四季折々の自然を楽しむことができる空間をつくり、周辺環境と一体化した、景観に配慮した美術館のようなイメージの施設を目指しているところでございます。議員から御提案がありました地元に溶け込む手法ということにつきましては、まさにその趣旨を実現している他の施設もございますので、今後、地元の要望も踏まえまして、さまざまなアイデアを出してまいりたいと考えております。 また、新斎苑の周辺環境の整備につきましても、施設利用者が待合時間を過ごすための整備を初め、一般の市民の方が集えるような散策道や展望スペースの設置など、地元との協議の中でもそのような点をしっかりと議論し、実現をしてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、みどりの家はり・きゆう治療所の廃止についての件でございますが、平成25年度に実施されました包括外部監査におきまして、直営方式にこだわる必要があるのかという御指摘をいただいているところであります。 一方で、障がい者福祉施策といたしましては、やはり障がい者の方々が自立して生活ができるように就労支援をしていくということが大きなテーマでございます。そのため、従来の直営方式を見直し、現在の利用者の方々に対する治療の継続と、新たに障がい者の就労支援の観点を取り入れまして、総合福祉センター内の現在の場所を民間の事業者に有償で提供し、はり・きゅう・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持つ障がい者の方々の就労の場となるように見直そうと考えているところでございます。 続きまして、防犯カメラの設置についてでありますが、本市が設置いたします防犯カメラにより撮影をした映像情報につきましては、本市が管理をすることになってまいります。また、プライバシー等の問題につきましては、平成19年11月26日付の奈良市個人情報保護審議会答申であります奈良市が管理する防犯、監視カメラの撮影による個人情報の収集についてという中で、画像の取り扱いに関する遵守事項が上げられておりますので、それを踏まえ、防犯カメラ設置に係るガイドライン及びマニュアルを作成し、適切な管理運営を行ってまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、管理不全な空き家についての対応でありますが、適切な管理が行われていない空き家が、防災、衛生、景観などの地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることから、そうした事態に対応するために、平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されたところでございます。 本市におきましても、この法律に基づき、空き家等に対する対策を総合的かつ計画的に実施するため、奈良市空家等対策計画を今年度末をめどに策定するとともに、管理不全な状態の特定空家の所有者に対し、指導、勧告、命令、そして行政代執行等の措置を行う上で、必要となる規則をまず整備しているところでございます。 管理不全な空き家に対しましては、これまで、所有者を特定し、適切に管理をしていただくように働きかけをしてきたところでございますが、来年度からは、こうした計画に基づく施策、また措置を本格的に実施することによりまして、一層実効性のある対策を講じることが可能となってまいります。 次に、管理不全な空き家の所有者に対する支援策でございますが、空き家の適切な管理は所有者の責務であり、倒壊等のおそれのある特定空家を、所有者が、まずはみずからが除却することが重要でありますので、その取り組みを促すために、除却費用の一部を補助する制度を、今回平成28年度当初予算案に計上させていただいた次第でございます。 続きまして、移住・定住促進策についてでありますが、奈良市への移住をしようと考えておられる方にとりまして、実際に移住をされた方の経験や意見を聞くことは、大変重要であり、移住先を決めるための大きな要素になると考えております。そのため、本市の定住促進ホームページにおきましては、奈良市に既に転入をされた方に、奈良市に移住をするきっかけ、また奈良市に住んでよかったことなどを話していただいている動画を現在公開しております。今後もいろいろな切り口から経験談の紹介をしっかりとしてまいりたいと考えております。 また、移住者の就業対策についてでありますが、奈良市外から市内に移住・定住を希望される方の相談につきましては、県の相談窓口であります奈良しごとiセンター内にUIJターン相談窓口がございます。また、奈良県の東京事務所内にも奈良県ふるさと人材相談窓口というものがございまして、こういったところとの連携を図りながら、市内での求人情報、また就職情報の提供を行うことで対応いたしております。また、移住を機に市内で起業を考えておられる方に対しましては、起業家支援施設でありますきらっ都・奈良におきまして、各種の起業サポートを実施しております。今後も移住を希望される方のニーズに沿った形で就業や起業の支援の対策を講じてまいりたいと考えております。 続きまして、同性婚に関する取り組みについての御質問でありますが、近年、地方公共団体による同性パートナーに対する支援策として、パートナー宣誓書を提出した同性カップルに証明書を発行したり、民間企業で同性カップルを結婚に相当する関係として認めるという動きが出てきていることを私どもも認識しております。同性婚が認められることで、社会保障の給付などを受けることができるようになりますが、現在のところ、日本の法律では同性婚が認められていないという現状もあり、今後、市民の関心や理解の進展、また国や他の自治体の状況なども見守ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 学校教育部長。   (学校教育部長 梅田真寿美君 登壇) ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 酒井議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、学校にどれくらいの寄附などのお願いがあるかについてでございますが、市教委として把握はしておりませんが、ユニセフや日本赤十字社などの団体から毎年お願いがあることは承知しております。各種団体から寄附などの依頼があった場合には、学校長の判断において子供や保護者に案内しているものであり、寄附などの行為を強制するものではございません。今後も、各種団体から寄附の依頼があった場合は、その趣旨に照らし、学校長が適切に判断していくものと認識をしております。 続きまして、男女混合名簿についてでございますが、現在、本市の市立小・中学校におきましては、男女混合名簿を使用している小学校は46校中43校、中学校では21校中10校でございます。 名簿の作成における並べ方につきましては、国・県からの明確な基準や指示はなく、学校長の判断により、実情に合った名簿を学校が作成しております。 市教育委員会といたしましては、奈良市男女共同参画計画にありますように、学校教育全体を通じて、性別にとらわれず、一人一人が個性や能力を発揮して、考え、判断し、行動できる教育が推進されるよう、学校に指導してまいりたいと考えております。 続きまして、組み体操についてでございますが、児童・生徒がけがをするといった事故が大きく報じられ、タワーとピラミッドを禁止する自治体があることも認識いたしております。また、文部科学大臣も、事故は一件もあってはいけないというのが文科省の姿勢だ、事故について分析を進め、年度内に一定の方針を示すとコメントされております。奈良県教育委員会からも体育活動中の事故防止についての通知があり、市教育委員会といたしましても児童・生徒の安全確保、事故防止に努めるよう指示しております。 今後は、国や県の動向を注視しながら、組み体操のあり方について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 教育総務部長。   (教育総務部長 西崎卓哉君 登壇) ◎教育総務部長(西崎卓哉君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 平成19年度以降、小学校での少人数学級編制は、対象学年を年々拡大する中で、平成25年度からは小学校全学年で少人数学級編制を行い、児童の個に応じたきめ細かな指導を行ってまいりました。 その一方、本市の抱える教育的課題といたしまして、不登校や普通学級の中で特別な支援を要する児童・生徒の増加、いじめの報告件数が小学校、中学校ともここ3年間減少していない現状がございます。 このような状況の中、平成28年度につきましては、5、6年生については中学校への接続を見据え40人学級編制といたしましたが、あわせて、いじめ対応教員の支援のために新たに市費講師22名を任用し、また特別支援教育支援員については本年度より5名増員となる94名の任用を予定し、子供たちの学校生活のさらなる向上となるよう多様な対応を包括的に取り組みたいと考えております。 本市の厳しい財政状況が続く中、少人数学級編制については、総合的な判断のもと、他の教育施策とともに包括的に実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 上下水道関係についての御質問にお答えいたします。 上下水道PFIなどの移管方針についてのお尋ねでしたけれども、昨年の10月に、奈良市行政財改革重点取組項目の中において、民間活力の導入の一つとして、東部・都祁・月ヶ瀬地域の小規模上下水道施設のコンセッション的な業務委託ということで上げさせていただいておりました。 このようなPFI・PPPといった手法は、国のほうでも推進の方向で、奈良市も平成24年度から国土交通省の支援事業により調査を実施し、また広島県や神奈川県などの先進事例についても調査、研究を行うとともに、国の各省庁や県とも協議を重ねてまいりました。このような段階を経て検討を行ってきた本事業について、事業のフレームがようやく固まったということに伴い、今回、基本条例を提案したものでございます。 以上でございます。 ○副議長(北良晃君) 酒井君。 ◆8番(酒井孝江君) ありがとうございました。 上下水道は、さらに議論が必要だと思います。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(北良晃君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時29分 休憩   午後3時0分 再開 ○議長(浅川仁君) 休憩前に続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(浅川仁君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 15番山本憲宥君。   (15番 山本憲宥君 登壇) ◆15番(山本憲宥君) 自由民主党の山本憲宥です。 早速ですが、通告しています内容について、関係理事者に一問一答方式で質問させていただきます。今回初めて一問一答方式で質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、議案第23号 奈良市小規模上下水道施設公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例の制定について、企業局長にお伺いします。 本件については、先日の我が会派の代表質問においても、これまでの経緯や調査内容について質疑をし、条例制定後のプロセスを含めた内容等は確認をしておりますし、他会派、また他の議員から多くの質疑がありましたが、私からは、対象となる地域の独自性も含め確認したい点がありますので、お伺いいたします。 今回の提案は、東部・月ヶ瀬及び都祁地域の上下水道施設を、民間資金を活用した官民連携会社を設立し事業運営することで、経営の効率化を図ることを目指し、PFI法の規定に基づき、条例を制定しようとするものであります。 そもそもの話になるのですが、奈良市企業局は、公営企業として経営の合理化を進め、経営基盤強化を目指すとして平成26年4月にスタートしています。にもかかわらず、現在の企業局として経営の効率化を図るのではなく、早々に経営、運営体制にコンセッション方式を導入しようとするのかをお伺いします。 これで1問目を終わります。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 一問一答方式ですので、自席からお答え申し上げます。 なぜ経営、運営体制をコンセッション方式としたのかについてでございますけれども、都祁・月ヶ瀬の上下水道は、合併後に経営改善が課題となっており、水道局への移管時に公営企業法を適用するということで、経営状況が明確になってきております。そこで、企業局としては、包括業務委託、指定管理者制度、第三者委託、PFI法等の各種手法の検討、研究を重ね、他都市の先進事例である広島県あるいは神奈川県の調査も行いました。 平成23年度にPFI法が改正され、民間事業者による実施方針策定の提案制度、それから公共施設等運営権に係る制度、いわゆるコンセッション制度が創設され、また平成27年度には専門的ノウハウを有する公務員を退職派遣させる制度が創設をされ、PFI制度が大きく改正されることになり、PFI法活用によるコンセッション方式に決めたところであります。 以上です。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 一問一答方式ですので、2問目以降は自席よりさせていただきます。 次に、上下水道のサービス面についてお伺いします。 まず、対象地域についてお聞きします。 今回提案されているコンセッション方式での官民連携会社による経営ですが、対象地域は奈良市の東部・都祁・月ヶ瀬地域となっております。企業局の水道施設でいうと、緑ヶ丘浄水場から東、全てに当たるかと思います。一概に対象地域といっても、水道は取水から配水まで--これはとる水から配る水になります--都祁・月ヶ瀬はそれぞれ独立をしていますし、そのあたり、下水道事業及び農業集落排水事業を含め官民連携会社が経営しようとする範囲について、対象区域を管路にてお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 官民連携会社が経営する範囲についてでございますけれども、まず水道事業については、東部地域では中ノ川ポンプ所から各配水池を経由して末端給水まで、精華地区では高樋ポンプ所から末端給水までが対象となります。また、都祁地域及び月ヶ瀬地域については、取水から末端給水までの全施設が対象となります。 次に、下水道事業及び農業集落排水事業についてでございますけれども、東部地域では精華地区を含め4つの農業集落排水事業が対象となります。また、月ヶ瀬地域では1つの特定環境保全公共下水道事業と3つの農業集落排水事業が対象となります。 以上です。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) では、官民連携会社設立後の経営、運営体制について、どのような体制を検討しているのか。これは企業局職員の身分保障も含めてお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 官民連携会社設立後の経営、運営体制についてでございますが、上下水道事業にコンセッション方式を導入した場合、上下水道施設の資産は企業局が保有し、その経営は官民連携会社がしていくことになります。 運営体制となる官民連携会社の職員につきましては、PFI法による市役所職員の退職派遣制度を活用し、当初は企業局から半数ぐらいの職員を派遣し、運営を行っていくことを想定しております。職員の身分については、不利益となることはありません。 以上です。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 資産は企業局がそのまま保有し、経営のみを官民連携会社がしていくこと。また、当面は企業局から半数程度の職員の派遣を想定しているので、企業局職員にとって不利益はないとのことですね。 では、次に、対象地域が奈良市の約東半分になることで、企業局が今のまま運営する地域と新たな官民連携会社が経営、運営する地域に分かれるわけですが、今回、奈良市の一部のみが対象地域となることが一番の問題点であると考えます。上水道においては、例えばですが、漏水時における減免制度など、場合によっては大きな請求金額となるために、判断が分かれてしまう事象も想定できます。これらの想定できる問題点も踏まえ、必ず平等な市民サービスが可能なのか、そのお考えをお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 全く同じ市民サービスが可能かどうかについてでございますけれども、コンセッション方式の導入により、上下水道の運営は、対象地域においては官民連携会社に変わりますけれども、この会社は、企業局も出資することにより、新会社の経営をコントロールすることができます。奈良市と同一の条件で事業をやるようにという契約を締結いたしますので、上下水道料金などは市街地と同様とするとともに、供給する水道水質などの上下水道サービスは、水道法や下水道法などの法令に基づき規制されておりますので、官民にかかわらず全く同じということになります。 以上です。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) これは、この質問の最後になりますが、企業局の組織体制について1点お伺いします。 今回提案の官民連携会社による経営ですが、もし経営権が移行すれば、現在の担当課、これは東部上下水道管理課になると思います。この課は、廃止もしくは大幅な縮小となることが予測されます。先ほど企業局職員の身分に不利益はないと御答弁いただきましたが、少しそれ以前の体制でお聞きしたいことがあります。 東部上下水道管理課は、名前こそ上下水道管理でありますが、担当職務の9割以上が上水道の仕事です。実際、課長はもとの水道局所属です。にもかかわらず、なぜか所属は下水道部になっています。どう考えても本来は上水道部に属するはずです。まるで今回の官民連携会社への運営権移行を見込んで、組織編成上でわざと上水道部所属としなかったのかとも考えられますが、そのあたり明確な理由を説明できますか、お聞きします。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。 ◎企業局長(池田修君) 東部上下水道管理課の組織編成が官民連携を見込んでいたのではないかについてでございますけれども、企業局の組織につきましては、平成25年12月議会の全員協議会において、下水道事業の地方公営企業法適用と上下水道組織統合についてというタイトルの資料で御説明いたしましたとおりでございます。この時点では、東部・都祁・月ヶ瀬地域の上下水道のコンセッション方式による官民連携については具体化しておりませんので、組織統合の資料の中にも記載がございません。 したがって、東部上下水道管理課の業務につきましては、統合当初は水道が中心となっておりますが、今後も、東部地域と月ヶ瀬地域の下水道もあわせて管理をし、効率化を図ってまいりたいというふうに考えていたことから、平成26年度の企業局設置時において、下水道部は下水道3課に東部上下水道管理課を加えた組織編成として現在に至っているところであります。したがいまして、議員お述べのように官民連携を見込んで東部上下水道管理課を下水道部に組織したものではございません。 以上です。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 最後の質問に対しては、官民連携を見込んでの組織編成ではないとのことですが、やはり9割以上が上水道の仕事なのですから、どうしても疑問は残ります。 申し上げたいことは、組織編成ではなく、この時期なんです。今回のように経営効率化を検討し、進めるならば、なぜもっと早くから提案をして、対象となる地域とも、また我々議会とも、意見を聞きながら進めなかったのかということです。我が会派の代表質問でも太田議員から意見をさせていただいておりますが、経営改善に向けた取り組みをされている中での解決策としては、一定の理解は示します。しかし、上下水道は日常生活において大切なインフラ設備であり、本来は奈良市全体の計画の中で平等に取り扱うべきものです。ところが、今回は、先ほども申し上げました奈良市の一部のみが対象地域となっていること、また提案が余りにも突然であることを含め、まだまだ理解が広がっていないことなど課題が多く残ります。特に、対象地域となる東部・都祁・月ヶ瀬地域への周知には、さらに時間を重ねる必要があるというふうに意見をさせていただきます。 次の質問に移ります。 次に、子育て環境の充実の施策から、民間保育施設の誘致の取り組み、その中でも小規模保育事業に絞り込んでお聞きしたいと思います。 子ども未来部長にお伺いします。 本市は、保護者が安心して子供を産み育てられる環境づくりとして、既存保育所の定員拡大、新設保育所の設置、幼稚園の預かり保育の拡大等、待機児童解消対策を推進しています。平成27年度には、新たに認可保育所が1カ所、小規模保育施設が1カ所開園、さらに昨年11月から募集を開始していた新たな小規模保育施設3カ所が、1月に設置運営する事業者を決定しています。この小規模保育事業は、国の待機児童解消の年次目標とされる平成29年度末までの解消に向け、国の待機児童解消加速化プランを活用しています。 そこでお聞きします。新年度予算において、民間事業者による認可保育園1カ所と小規模保育施設3カ所を設置し、保育定員を拡大する予算案が提案されていますが、まず本市の小規模保育事業の現状についてお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) 山本憲宥議員の御質問に、一問一答ですので、自席でお答えさせていただきます。 小規模保育事業の現状についてでございますが、本市の小規模保育事業の現状は、昨年4月に社会福祉法人の運営による1カ所を開園し、現在14名が入園しております。本年4月までに、さらに3カ所の開園を目指して、昨年11月下旬に事業者募集を開始し、12月の選考審査委員会の審査を経て、社会福祉法人、株式会社、NPO法人、各1社の事業所の決定を行ったところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) では、次に、本市は昨年から株式会社の参入を認めていますし、実際、先ほど答弁があったように、事業決定した事業者には株式会社とNPO法人が各1社あります。 そこで、新年度に公募される小規模保育事業の実施主体はどのように考えておられますか、お聞きします。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 小規模保育事業の新年度に公募する場合の実施主体につきましては、今年度実施した公募資格を基本として検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 新年度に実施予定の小規模保育事業の公募では、今年度の公募資格を基本とする方向でのお考えとの答弁でした。すなわち、同じく株式会社の参入を認めるということですね。 奈良市は、私立の認可保育所については、事業主体を保育の質を担保するために社会福祉法人に限定されております。昨年より小規模保育事業には株式会社の参入を認めたわけですが、参入後の検証もされず、新たに小規模保育事業所をつくる計画をされていることを大変危惧いたしております。社会福祉法人以外の新たな事業者も参入させるのであれば、保育の質の確保という側面も含めて、小規模保育事業を進めるに当たって、まずは参入後の事業検証をしっかりしていただいてから、次に進むことが必要であるというふうに思いますが、そのあたりどのようにお考えですか。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 小規模保育事業の検証についてでございますが、本市の小規模保育事業の実施に当たっては、社会福祉法人以外の実施主体の参入を認めつつも、保育の質の担保を図る重要性に鑑み、実施に当たっては、A、B、Cの3つの事業類型のうち、最も認可保育所に近いA型を採用することにより、まず保育の質の確保を図ることとしております。また、昨年4月から小規模保育事業を先行実施しております佐紀こだま保育園からは、園の運営状況等の報告を受けるとともに、必要に応じて情報交換を行っております。 喫緊の課題でもある待機児童の解消と多様化する保育ニーズに対応するため、今後の小規模保育事業の拡充を進める上で、既存施設の運営状況等も参考にしながら検討を重ねております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 次に、待機児童の解消対応策についてお伺いします。 奈良市内における保育所の待機児童数は、これまで市がさまざまな取り組みを行ってきたにもかかわらず、依然として解消には至っていないのが現状です。例えば、希望する保育所にあきがないため、入所できず、結果的に待機児童となる場合もあるわけですが、中には、入所児童の充足率が100%に満たず、まだあいている保育所もあると聞きます。そのことを考えると、待機児童数の削減対策として、小規模保育事業を検証もせずに次々開設しようとする市の方針には、やはり疑問が残ります。 そこで、市として現在の市内の公立・私立保育所等の空き状況をどの程度把握されているのかお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 現在の市内の公立、私立各保育園等の空き状況につきましては、毎月、入所審査会を行う前に、各園からの報告によりまして受け入れ可能数として把握しております。審査会では、園から報告のあった受け入れ可能数に基づいて、利用調整を行っているところでございます。 現在、新年度の4月入所者の審査、内定処理が終了し、各園の入所児童がおおむね決定をしておるところでございますが、保護者ニーズにより希望される園もさまざまであるため、現状では受け入れ可能な園もあるところでございます。5月以降の入所希望に対する利用調整につきましても、これまで以上に各園と連絡を密にし、状況を把握しながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 現状では受け入れ可能な園もあるとの答弁でしたが、特に小規模保育事業は、既に1園が開園、3園が開園決定、さらに新年度で3園を計画しています。国の保育所等整備交付金等を活用して施設整備ができますので、待機児童解消対策としては一定の理解を示しますが、これまでの4園の開園後の検証がほぼされずに、次々と小規模保育事業所を開設される本市の計画に対しては、さきの質疑でもお聞きしましたが、疑問と今後の不安を抱いております。まず先に、現在あきのある各園の充足率を上げる努力をする考えはないのかお聞きします。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 あきのある各園の充足率を上げる努力につきましては、現在、窓口等でお問い合わせや相談をいただいたときに、あきのある各園の状況も含め、さまざまな情報を提供させていただき、保護者が施設を希望される際の選択の幅を広げていただけるよう努めておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 次に、先日の代表質問で宮池議員からも質疑がありましたが、小規模保育卒園後の3歳児の受け入れに関して、市の対応をお聞きします。 3歳からの保活や3歳の壁と言われるほど、全国的にも大きな問題となっています。市長は、宮池議員からの質疑に対し、連携施設での優先的な利用に向けて調整するとの答弁であったように思います。明確なお答えを避けられていたようにも感じました。 その連携施設についてですが、現在募集されている4月1日から開設される小規模保育事業3カ所の開設案内--済みません、こちらになるんですけれども--開設案内の関連施設で気がかりな点があるので、1点お聞きしたいと思います。 募集案内の中に、各小規模保育事業所が連携可能な連携施設を記載してあります。連携施設とは、1番、利用子供の卒園後の受け入れ、2番、集団保育の機会の設定、3番、代替保育の提供等を行う施設のことです。そこでなのですが、株式会社ニチイ学館が事業者である仮称ニチイキッズ伏見菅原保育園だけは、保育園の連携は、2番、集団保育の機会の設定のみで、1番の卒園後の受け入れも3番の代替保育の提供も行ってくれないということですよね。 昨年11月に事業者募集をされた際の募集要項を確認すると、運営に当たっての条件項目に連携施設について3点明記してあります。 1つ、小規模保育事業所を利用する乳幼児に対して、定期的に連携施設を開放し、連携施設の入所児童との交流や、集団活動を通じた児童同士の関係、運動会や誕生会等の行事に参加、合同保育及び行事への参加に関する支援を行う。これは先ほどの2番に当たります。 1つ、乳幼児の保育に関する相談、指導等の支援のほか、保育士等の急な病休等の際や研修受講時の代替要員の派遣等の支援を行うこと。これは先ほどの3番に当たります。 1つ、小規模保育事業所を卒園する際の受け皿としての支援を行い、入所受け入れ態勢を整えること。これが先ほどの1番になります。 このように記載されていますし、実際、審査項目にもあります。なぜ審査項目の基準に満たない事業者が選ばれているのか、その理由をお聞きいたします。 ○議長(浅川仁君) 子ども未来部長。 ◎子ども未来部長(乾尚浩君) お答えさせていただきます。 奈良市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例第7条では、保育所、幼稚園または認定こども園を連携施設として規定しており、今回、株式会社ニチイ学館が事業者である仮称ニチイキッズ伏見菅原保育園が、幼稚園と保育園をそれぞれ1カ所ずつ連携施設として設定していることについては、問題がないと判断でき、また、それぞれの連携施設で足りない部分を互いに補い合うことで、その役割を果たすことができるという観点からも、審査基準を満たすと判断し、選定されたものでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 保育園と幼稚園をそれぞれ1カ所ずつ連携施設と設定しているので、問題がないとの答弁でした。それが回答であるならば、仮称ニチイキッズ伏見菅原保育園の卒園児は、次は幼稚園に入園してくださいということにもとれます。その考え方で、今後、本市の待機児童数が本当に削減できるのか大変危惧いたします。現在、そして1年後、2年後に小規模保育事業所を卒園する園児が、新たな待機児童となる可能性を大いに残した取り組みであるというふうに言わざるを得ません。今、質疑した事業所は株式会社です。それでも株式会社参入後も保育の質を確保していると言い切れるでしょうか。 また、小規模保育事業全体を見ても、これは私の独自の調査ですが、小規模保育事業所の仮称YMCA西大寺南保育園と佐紀こだま保育園ですが、それぞれ同じ法人が私立の認可保育園を運営されています。そして、先ほど質疑した連携施設となっています。しかし、その認可保育園両園とも待機児童があります。2月末の調べで、2歳児で佐紀こだま保育園、YMCAあきしの保育園、両園とも複数名の待機児童がおられるようです。ゼロ歳児と1歳児も同様です。これが現実なんです。3歳の壁なんです。 この小規模保育事業は、質疑の中でも申し上げましたが、関連施設との連携状況の調査や検証もせずに次に進むのではなく、株式会社参入後の状況も含めて、しっかりと保育の質の確保を確認してから事業を進めるべきだというふうに意見をさせていただきます。 次の質問に移ります。 次に、安全・安心に暮らせるまちづくりの施策から、災害時等の情報発信と組織間の連携について、危機管理監にお伺いします。 台風等の来襲による風水害や地震等の大災害時、市はさまざまな手段、方法で情報発信を行っており、その手段としては同報系防災行政無線を初め、防災情報メール、緊急告知ラジオ、同報ファクス、エリアメール、ツイッター、市ホームページ等があると伺っております。それらの手段を活用して、災害情報を市民に正確、迅速かつ広く伝えるために、どのように実施しているのかをお聞かせください。 ○議長(浅川仁君) 危機管理監。 ◎危機管理監(藤村正弘君) 一問一答でございますので、自席からお答えさせていただきます。 災害情報を市民の皆様に正確、迅速かつ広く伝えるために、どのように実施しているかについてでございますが、収集した情報をホームページ、またツイッター等のSNSに掲載するとともに、警報が発令された場合は、同報系防災行政無線、緊急告知ラジオ、防災情報メールなどの複数の手段で同時に緊急情報を提供できるように実施しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 災害時の情報発信についてお聞きしたわけですが、災害情報だけでなく、各種情報を市民に正確、迅速かつ広く伝えるためには、ツイッター等のSNSの利用は不可欠なものと考えますが、現在、奈良市のツイッターのフォロワー数を見てみると、平成28年3月1日現在で、市のツイッター--これは広報広聴課が担当していただいています--3,792、観光情報が3,225、消防が722、そして危機管理課が805と、まだまだ少なく、連携もないように思えます。これからこれらをふやすためには市各部局の組織間連携が必要というふうに考えますが、そのあたりの見解をお伺いします。 ○議長(浅川仁君) 危機管理監。 ◎危機管理監(藤村正弘君) お答えいたします。 ツイッター等の組織間連携についてでございますが、議員お述べのとおり、ツイッター等のSNSを利用した情報発信は非常に有効であると認識しております。危機管理課がツイートした災害情報をそれぞれの部局でも速やかにリツイートすると、さらに効果的なものとなりますことから、ツイッター等の組織間連携について、今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。 ◆15番(山本憲宥君) 組織間連携については、今後検討していくとのことでした。どうぞよろしくお願いいたします。 ツイッター等のSNSツールを利用した情報発信は、有効的であり、効果的なことは明らかであります。災害情報や不審者情報など、特に緊急を要する情報の発信については、先ほども述べましたが、市各部局の組織間連携が必要です。例えば、各課が発信するツイッター情報が、広報広聴課が担当する市のツイッターで自動的にまとめて発信できれば有効的でありますが、これに関してはアカウントの管理者の権限など問題点も多いようでありますので、今は、簡単であり、効果的と考えられる組織間連携として、御答弁いただいた、危機管理課がツイートした災害情報をそれぞれの部局でも速やかにリツイートしていただくような、また逆に、学校関係の不審者情報や他の緊急情報をリツイートする対応をしていただき、例えばですが、ガイドライン等を作成していただいて情報のレベル分けをするなど、緊急度合いによって、例えばレベル1からレベル3などに分類していただいて、緊急対応が必要な情報とそうでない情報に分けていただくなど、効果的な情報発信ができる組織間連携の体制を整えていただくよう要望させていただきます。 次の質問に移ります。 次に、次世代を見据えた公教育改革の施策から、本市が進める英語教育の充実について、学校教育部長にお伺いします。 本市は、これまでもグローバル化に対応できる人材の育成、英語を身近な言葉として感じ、みずから進んで外国語を活用する子供の育成を目的として、英語教育の充実に取り組んでいます。 予算書を確認すると、小・中学校へのALT派遣や中核英語教員の育成経費などが確認できます。そこで、新年度の英語教育における取り組みや内容について、お聞かせ願えますか。 ○議長(浅川仁君) 学校教育部長。 ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 一問一答でございますので、山本議員の御質問に自席よりお答えをさせていただきます。 来年度の英語教育の取り組みや内容についてでございますが、これからのグローバル社会におきましては、英語によるコミュニケーション能力を身につけることが不可欠であり、本市におきましては特色ある教育として、小学校1年生からの英語教育を実施いたしております。英語教育を進める上におきましては、市が独自の教育課程を実施できる国の制度である教育課程特例校制度を活用し、9年間の英語のカリキュラムを作成して、系統的に指導ができるよう配慮しております。小学校では、英語になれ親しむことを主眼として、英語を話したり聞いたりする活動によって、英語によるコミュニケーションの素地を養っております。中学校では、小学校で学んだことをベースとして、さらなるスキルアップを図り、英語によるコミュニケーション能力の基礎を養っております。 来年度の英語教育につきましては、小学校1年生から、英語に堪能な地域人材やALTを引き続き配置する予定でございます。さらに、小学校におきましては、1クラス当たり3名のALTを集中的に派遣し、授業や給食、掃除など、学校生活をALTと一緒に過ごす、わくわくイングリッシュデーを開催するなど、早くからネイティブな発音に触れ、学んだ英語を実際に使いながらコミュニケーション能力を高める工夫を行ってまいります。また、中学校におきましては、今年度から開始いたしました、中学生による英語のプレゼンテーションコンテストなどの取り組みを深化、充実させてまいりたいと考えております。さらに、英語教育を推進する上では教員の資質の向上が不可欠であることから、小学校教員への英語研修を充実させるとともに、本市における英語教育の推進的な役割を担う、中核英語教員の育成と活用に取り組んでまいります。 今後、国としても、東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020年を見据え、小・中・高等学校を通じた新たな英語教育改革を順次実施できるよう検討を進めていることから、英語教育に対する国の動向にも注目しながら、本市の英語教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 山本憲宥君。
    ◆15番(山本憲宥君) 最後に、意見を述べさせていただきます。 先ほど部長から、国の動向にも注視しながら、さらなる英語教育の充実と指導者の資質向上に取り組む考えを示していただきました。ありがとうございます。英語教育ですが、急速なグローバル化の進展の中で、必ず必要とされるのが英語力です。この流れは今後も加速していくことが予測されますから、今の子供たちが社会の中心となる20年後、30年後には、さらに求められるはずです。 1つ紹介させていただきたいんですが、先日行われた奈良市立一条高校の卒業式において、教育委員長から、祝辞の中で、ラグビーワールドカップでの日本代表チームの活躍に触れられ、作戦など試合中の判断は監督ではなくキャプテンを中心とした選手たちに委ねられていることに例えられ、これから卒業し巣立っていく卒業生たちにエールを送っておられました。実は、この日本代表チームの活躍の要因に英語力があったと言われています。それは、代表チームのマイケル主将が試合中にレフリーと英語で意思疎通できたことが勝因の一つであったというふうに述べています。また、これも一つの例なのですが、柔道界でも国際的な場で発言力を高めるために、指導者がイギリスに留学して英語力を養うケースなどもあります。 例えば、これは他市の事例になりますが、英検の公費受験を制度化し、学生に年1回の受験を保障した結果、学力向上につながり、県内の学力テストでトップクラスの成績を残すようになった取り組み事例もあります。奈良市が進める英語教育の充実とあわせて、このような取り組み、公費受験の制度化などを進めていけば、さらなる教育環境の充実につながり、子育て環境の充実にもつながるというふうに考えます。 さらにではありますが、移住・定住の促進につながると考えます。それは、今後さらに英語力が求められ、部長から御答弁いただいたように、国も2020年を見据え小・中・高を通じた新たな英語教育改革を進めています。奈良市の小学校、中学校では充実した英語教育が受けられる。奈良市に住んで、奈良市の学校で学ばせたいというふうにつながると考えられるからです。今後ぜひ御検討いただければと思います。 グローバル化がさらに進む未来を見据え、英語教育の充実による定住化促進や外国人向け観光の充実など、英語学習を生かした市政運営に取り組まれることを要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(浅川仁君) 23番小川君。   (23番 小川正一君 登壇) ◆23番(小川正一君) こんにちは、日本共産党奈良市会議員団の小川正一です。 早速質問に入らせていただきます。 まず、遠距離通学について、教育長にお聞きします。 奈良市立小・中学校遠距離通学児童・生徒通学費助成金交付要綱を昭和63年に制定し、費用の一部を援助する制度に基づいて、小学校2キロメートル以上、中学校4キロメートル以上の通学で交通機関を定期的に利用している児童・生徒の保護者に対して、原則必要経費の2割を助成する制度であり、保護者負担の上限を年間6万円と定める。そして、通学費助成金の交付に至った理由として、通学による時間的・身体的負担を軽減するためであり、上限を設けたのは通学距離に保護者間で格差が広がるからとのことでした。 この間、月ヶ瀬、都祁が奈良市と合併し、新たに月ヶ瀬の小・中学校2校、都祁の小学校1校が、この遠距離通学補助の対象となりましたが、月ヶ瀬小学校は、月ヶ瀬村の当時から路線バスの定期代は全額補助していた関係で、奈良市になっても保護者負担はありません。月ヶ瀬中学校は、保護者負担がありましたから、この要綱の補助基準の適用になり、上限6万円を負担する保護者が生じることになりました。また、都祁の六郷小学校は、路線バスがないので、スクールバスを利用しているため、こちらも保護者負担はありません。田原小・中学校、柳生小学校、興東小学校、興東館柳生中学校は、統合を機にスクールバスの運行などで保護者負担は解消されました。 結果、小学校では都跡小学校、佐保小学校、富雄第三小学校、鼓阪小学校が遠距離通学補助の対象です。中学校では、若草中、月ヶ瀬中が遠距離通学補助の対象です。 そこで、お伺いします。 一昨年度の私の質問での、通学する学校の違い、通学距離によって不公平が生じていることに対して、教育長は、義務教育において子供たちがひとしく楽しく学校生活を送れる教育環境を整えていくことが大切であると考えております。今後、遠距離通学制度のあり方などにつきましても、他市の状況などを参考として研究してまいりたいと考えておりますと答弁されておりますが、どのように研究されたのか、その結論はどうなのかお答えください。 次に、学校の統廃合について、これも教育長にお聞きします。 この間、本市の山間では、水間小学校と田原小学校、相和小学校と大柳生小学校、柳生中学校と興東中学校、大柳生幼稚園の廃園、市内では精華小学校と帯解小学校の統廃合が進められました。そして、今回、都祁地域の小学校4校が都祁小学校に統合する方針、月ヶ瀬小学校が月ヶ瀬中学校に一体型一貫校とする計画が提案されていますが、都祁地域の小学校4校統合、月ヶ瀬小中一貫校建設について、保護者、教職員、地域からの主な意見や声を聞かせてください、そして、出ている声にどう答えるのですか、お答えください。 次に、田原診療所について、市民生活部長にお聞きします。 少子高齢化の中で、患者数の減少はあるにしても、田原診療所は地域の医療機関として住民の命を守るという大きな役割を果たしてきたと思いますが、来年度から田原診療所が月、木を休診とするのはなぜなのか、そのことによって診療に支障はないのか、住民の声は出ていないのかお聞かせください。 次に、今回、企業局から提案されている東部・都祁・月ヶ瀬の小規模上下水道について、企業局長にお聞きします。 民間活力を導入し、企業局と民間企業が共同出資する第三セクターの設立を検討している件についてですが、このことについては、我が党の代表質問、また一般質問もさせていただいたのですが、該当地域に居住する者として質問させていただきます。 月ヶ瀬・都祁・東部山間は、奈良市の水源池としての役割を担っている地域です。月ヶ瀬地域は、住民の協力を得て、公共下水と集落排水に取り組み、水源を守る努力をしてきました。今回の民営化は、この努力にも背を向けるものであり、奈良市からこの地域を見放すものであると、地域住民の不満の声が上がっています。そもそも水は命にかかわるものです。それだけに公共が責任を持つものでなければならないのではありませんか。このことについてはどのようにお考えですか、お聞かせください。 次に、本市の消防職員の充足率と救急救命士について、消防局長にお聞きをします。 本市の平成28年度重点施策項目にも上げられています安全・安心に暮らせるまちづくりについてですが、その役割を担っているのが本市の職員、とりわけ消防署の職員ではないでしょうか。本市の正規職員の削減は、消防職員も例外なく行われているように感じます。 そこで、現在の奈良市の消防職員の充足率はどのようになっていますか。また、消防職員のうち救急救命士の人数と各消防署の配置人数はどうなっていますか、お聞きします。 次に、学研奈良登美ヶ丘駅周辺のまちづくりについて、都市整部長にお聞きします。 このことについては、3年前の9月議会でも取り上げましたが、この間、この地域の住民の要望が寄せられていると思います。特に学研奈良登美ヶ丘駅周辺は、この間、マンションや一戸建て住宅がふえている地域です。また、周辺には保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学があり、朝の時間帯は通勤の車両もふえて大変危険です。また、大型商業地もあるところです。 地域の声として、信号機や横断歩道、郵便局、交番の新設などが私たちにも寄せられております。早急に取り組むべき課題であると思うのですが、本市のまちづくりの施策をお聞かせください。 以上で1問目とさせていただきます。 ○議長(浅川仁君) 教育長。   (教育長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長(中室雄俊君) 小川議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、1点目の遠距離通学制度のあり方についてでございますが、公立小・中学校の通学距離について、小学校でおおむね4キロメートル以内、中学校ではおおむね6キロメートル以内という基準を国が示していることから、これを参酌し、各自治体で援助を行っているところでございます。県内他市においても、距離による基準を定めて遠距離助成を実施している自治体では、おおむねこの基準に準じた通学費の助成をされています。 奈良市におきましては、遠距離通学児童・生徒通学費助成金交付要綱による助成金の対象として、現在では、この遠距離通学の距離による基準を小学校は2キロメートル以上、中学校は4キロメートル以上と緩和をし、広く保護者の経済的な負担軽減に取り組んでいるところでございます。 続きまして、都祁小学校4校統合と月ヶ瀬小中一貫校の建設について、保護者あるいは教職員、地域からの主な意見ということでございますが、都祁地域におきましては、4つの小学校区ごとに開催をいただいております学校規模適正化検討協議会や4地区合同で開催をいただいております校舎の増築や改修に伴う会議、またPTA役員会などにおきまして、協議を進めております。その中で出てまいりました主な意見は、統合再編による環境の変化に対する子供たちへの配慮や通学時の安全確保、今後の地域連携の方向性についてなどでございます。 また、月ヶ瀬地域におきましては、施設一体型の校舎づくりについて協議を進めていただきました。主な御意見は、歴史と伝統を生かしながら、小中一貫校として小・中学生が9年間ともに学ぶための機能性を重視した、過ごしやすく学びやすい校舎となるような建設的な御意見を多くいただきました。 そのいただいた意見にどのように答えていくのかということについてでございますが、地域に支えられてきた各学校の歴史と伝統をしっかりと受けとめ、いただきました御意見を反映し、新たな学校づくりを進めてまいりたいと考えております。今後も丁寧に協議を重ね、開校に向けた準備を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 市民生活部長。   (市民生活部長 外良匡利君 登壇) ◎市民生活部長(外良匡利君) 小川議員の質問にお答えさせていただきます。 田原診療所の診療体制の変更に関する御質問でございます。 現在の田原診療所の診療につきましては、地区内に民間診療所もございますことから、平成22年度より月曜日から金曜日までの週5日の午後1時30分から午後4時までの午後診療となっております。直近の平成26年度の患者数を見てみますと、1日平均患者数は7.3人で、1日の患者数が4人以下の診療日数は、全診療日数241日のうち132日であり、50%以上を占めておるところでございます。 こうした状況を踏まえまして、平成28年度より診療日時を火曜日、水曜日、金曜日の週3日の午後診療とすることにつきまして、田原地区自治連合会の定例自治会長会議において説明を行い、周知を図らせていただいたところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 企業局長。   (企業局長 池田 修君 登壇) ◎企業局長(池田修君) 上下水道サービスに対する公共の責任をどう考えるかということでございますが、今回の提案は、経営効率化のためPFI法に基づくコンセッション方式を導入し、官民共同出資の新株式会社を設立して事業運営を行ってまいりますけれども、企業局も出資することにより、新会社をコントロールしていくことになり、料金は市街地と同じで、水質などの住民サービスも変わりません。官民連携の導入は、地域住民の皆様に背を向けるものではなく、将来においても上下水道サービスを市街地と同じような料金で継続して提供できるように経営努力を図っていくものであります。 また、新会社が契約締結時の要求水準を守っているか否かをチェックするモニタリング業務を企業局がみずから行うことにより、新会社となっても今までどおり水道水に対する公共の責任というものを果たしていけるというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 消防局長。   (消防局長 酒井孝師君 登壇) ◎消防局長(酒井孝師君) 小川議員の御質問にお答えいたします。 消防職員の充足率と救急救命士についてでございますが、平成27年4月1日現在の消防職員数は、条例定数412人で、実員数は390人となっており、充足率は約95%となっております。消防局では、組織の業務改善や再任用職員の適正配置等により、現場活動に支障がないよう人員の確保に努めているところでございます。 また、救急救命士につきましては、平成27年4月1日現在、消防局全体で62名の救命士が在職しておりまして、各消防署への配置人数につきましては、中央消防署管内が18人、南消防署管内が10人、西消防署管内が11人、北消防署管内が6人、東消防署管内が10人となっており、東消防署月ヶ瀬分署以外の各署々には救命士を配置しているところでございます。 救命士の養成につきましては、今年度、新たに5名の職員が救命士の資格を取得するため、現在、研修所で高度な救急教育を受けているところでございます。 今後の救命士の配置につきましては、市内全域及び24時間の救急出場に救急救命士が対応できるような救急出場体制を目指し、引き続き計画的な救急救命士人員の増員を行うとともに、市民の安全・安心を確保してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 都市整備部長。   (都市整備部長 喜多六宏君 登壇) ◎都市整備部長(喜多六宏君) 小川議員の御質問にお答えさせていただきます。 登美ヶ丘地区において、郵便局、交番等を設置してほしいとの住民要望についての御質問でございますが、学研奈良登美ヶ丘駅周辺につきましては、民間開発業者による土地区画整理事業が完了し、土地利用が進められているという状況でございます。 御質問のありました郵便局の設置につきましては、以前、近隣にお住まいの方々から要望書をいただいておりますが、現在、設置に向け、開発業者である近鉄不動産株式会社と日本郵便株式会社との間で継続して協議を行っているところであると聞き及んでおります。また、交番の設置に関しましては、奈良県警察により適正な配置計画に基づき設置されるものでございますが、同地区への設置が困難と判断された場合につきましては、地域のパトロール強化等について奈良西警察署に働きかけをしてまいりたいと考えております。 最後に、信号機や横断歩道の設置についてでありますが、町並みが整備され、居住者並びに駅または商業施設の利用者が増加していることに伴い、歩行者等の安全対策が必要である箇所が存在することは認識しております。信号機や横断歩道の設置などは奈良県公安委員会に委ねられておりますが、市といたしましても早急に取り組むべき課題と考え、所轄の奈良西警察署に働きかけ、住民の方々が安全に生活できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 23番小川君。 ◆23番(小川正一君) 2問目からは自席から行わせていただきます。 まず、教育長に再質問させていただきます。 遠距離通学についてですが、先ほどの答弁で、本市は他市と比べて遠距離通学助成を小学校4キロメートルのところを2キロメートルに、中学校6キロメートルのところを4キロメートルにしているということでした。保護者負担を軽減しているというふうにお答えいただきましたが、中学校を見ますと、奈良市の中学校21校8,272人のうち、月ヶ瀬中学校と若草中学校2校の13人で平均4万9169円の保護者負担です。上限の6万円保護者負担をする家庭は3世帯の4人です。そのうち1世帯は兄弟のため、保護者負担は2倍の12万円にもなります。本年度は負担がつらいから保護者が送り迎えされています。ただ、集団登校を崩してしまうことから、PTAの承諾のもとに行っております。 次に、小学校は、奈良市の小学校46校1万6065人中、佐保、都跡、鼓阪、富雄第三の4校120人です。保護者負担は平均2万6540円です。小学生は子供料金のため、中学生の半額ですが、兄弟がいる家庭では2人分、3人分となり、平均額で計算すると2倍では5万3080円になります。 保護者負担は、主なもので学用品費、学校給食費、体操着、修学旅行費などがあると思いますが、これらは全て保護者共通のものであり、就学援助の対象にもなっております。しかし、通学費は、一部の保護者にさらに負担がかかることからも、教育の公平性を取り戻し、不正常な状態をなくすには、奈良市が全額負担することしかないと思うのですが、どうして奈良市は全額負担しようとしないのでしょうか。いつまでに解決するのですか。明確な答弁をお願いいたします。 次に、興東診療所について、市民生活部長にお聞きします。 田原診療所を月曜日、木曜日を休診にして、興東診療所に医師、看護師に勤務してもらうとのことのようですが、それでしたら興東診療所は最初から新しい医師や看護師を採用する考えはなかったのですか。今後の田原診療所、興東診療所ともに月曜日から金曜日まで診療することが基本ではありませんか。また、田原地区には午前中診察している開業医がおられるからまだよいとしても、開業医が近くにいない興東診療所は午前も診療すべきと思います。今後の見通しとあわせてお答えください。 以上で2問目といたします。 ○議長(浅川仁君) 教育長。 ◎教育長(中室雄俊君) 2問目ですので、自席からお答えを申し上げます。 遠距離通学費助成について、奈良市が全額負担すべきではないかという御質問でございますが、確かに、学校に通う子供の数によりまして保護者に御負担をいただく金額に差が生じているということは、認識をいたしております。しかしながら、厳しい財政状況の中で、奈良市といたしましても国の通学距離基準より範囲を広げて通学費助成金制度を実施いたしております。今後も現状制度の維持継続は確保しつつ教育環境の整備に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 ○議長(浅川仁君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(外良匡利君) 小川議員の2問目の御質問でございますので、自席よりお答えさせていただきます。 奈良市立興東診療所の開設に当たっての御質問でございます。 東部地域全体から地域医療を考える中で、大柳生、東里、狭川地区には診療所がなく、同地区からも要望のあった興東診療所を開設することによりまして、地域医療の充実を図るとともに、地区住民の安心・安全、健康保持に寄与できるものと考えております。 興東診療所の診療体制につきましては、月曜日、木曜日の週2日の診療とし、医師、看護師、医療事務各1名の3人体制で運営を行ってまいりますが、医師、看護師の確保が難しい中での最大限の体制をとったものでございます。今後につきましては、開設後の患者数等の推移を見守ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浅川仁君) 23番小川君。 ◆23番(小川正一君) 3問目は主張と要望をさせていただきます。 まず、遠距離通学についてですが、市長は提出議案の重点施策の2つ目、子育て環境の充実について、平成25年度の国民生活基礎調査によりますと、6人に1人の子供が貧困状態にあると報告されました。 そこで、ある新聞をちょっと紹介させていただきます。 福岡県古賀市教育委員会の窓口前にかけられたリユース用の制服。希望者は名前や連絡先を届け出て、サイズを選ぶ。 3年前の春、九州北部にある公立中学校。入学式にある新入生の姿はなかった。2日目も、3日目も。母親は電話で「体調が悪いから」と説明するばかり。ぴんときた担任教諭は学校指定の制服業者に電話したら、「ああ、その子、受け取りに来ていませんよ」。採寸して注文したが、約3万5000円のお金がなくてとりに行けず、登校をさせられなかった。母親はそう打ち明けた。校長が立てかえ、制服を家に届けた。担任の勧めで母親は就学援助を申請し、校長に少しずつ返済する約束をした。4日目、真新しい制服に身を包み、ようやく校門をくぐった。 翌年からこの中学では、制服をとりに来ていない生徒がいないか、入学式前に制服業者に確認するようにした。スタートから子供がつまずくようなことがあってはならない。公立校であっても保護者の負担は重い。「制服だけじゃない。収入のある家庭には何でもないことも、貧しい家庭の子供にとっては関門なんです」。福岡市の学校関係者は打ち明ける。 次に、市立中学校に修学旅行をためらっている生徒がいた。担任が、旅行代は就学援助で賄えますよと説明すると、母親は消えそうな声で答えた。「でも、きれいな下着やパジャマをそろえてあげられない。お小遣いも1万円なんて無理。惨めな思いをさせるぐらいなら」。生徒は結局参加しなかった。 次に、男子11万2972円、女子12万1572円。福岡市のある市立中学校で、入学前後にかかる制服や運動着、通学かばん、校納金の保護者負担の合計です。就学援助を受けても、1年生の年間支給額は約4万8000円で約4割しか賄えません。さらに部活に入れば、例えば野球部ならスパイク、グラブなど初年度に約15万円かかる。 「義務教育は、これを無償とする」。憲法第26条はこううたうが、実際は公立であっても保護者の負担は重い。家庭の懐事情によって学びの場に差が生じる。これを防ぐために対策に乗り出した自治体もあると結んでいます。 本市もこれに似た事例は私も聞いております。本市も具体的な取り組みを展開するために、子供や家庭の実態等を把握し、支援体制等の検討を進め、整備計画の策定を行いますと報告もされました。それなら、この通学費の保護者負担を解消してはどうですか。強く要望しておきます。 次に、学校の統廃合の件ですが、私は安易な統合に反対です。地域のまちづくりにどう取り組んでいこうとしているのか。農林業、商業などの地元産業の育成、空き家、不耕作地対策の取り組み、新規産業の振興でIターン、Uターンの促進に取り組むことや、新住民の募集なども積極的に取り組むなど、やるべきことを全てやることが求められると思うのですが、いかがですか。その中で、近くに保育園、学校、病院、商店があるということが、地域まちづくりの大きな条件になってきます。また、学校が避難場所になっていることから、今後の学校の活用によっては避難場所としての役割が果たせなくなりかねません。事は学校だけの問題ではないということです。総合的な判断、取り組みが必要ではありませんか。全て取り組んだ結果を見て、課題も明らかにして、次に進むべきではないでしょうか。子供の人数が減ったから統合ありきでは、認めることはできません。 次に、田原診療所、興東診療所ともに、地域の高齢化に伴い、自力で診療所に行けない高齢者が今後ふえることが考えられます。そのためにも交通手段の対策は欠かせません。児童・生徒の通学に使っているスクールバスの活用、コミュバスの運行、診療所の診察時間を交通手段が使える時間帯に変更するとか、また、福祉施策として地区社会福祉協議会などを充実させ、都祁、月ヶ瀬が行っている福祉送迎サービスを充実するよう要望しておきます。 次に、東部・月ヶ瀬・都祁地域の上下水道の民営化の件ですが、月ヶ瀬・都祁・東部山間地域を赤字経営だからと切り離して考えることこそ、既に企業局が民営企業化しているのではありませんか。東部・月ヶ瀬・都祁地域は、各集落にあった簡易水道を地域住民が血のにじむような苦労をして水源の確保、配管、維持管理をしてきました。その後、上水道の整備とともに公共に委ねていったわけです。公共だから安心して委ねることができました。もちろん各家庭は多額の負担金を拠出してです。公共下水、集落排水、合併浄化槽によるダムや河川の環境整備事業にも各家庭が多額の負担金を拠出してきました。水源を守っているということからすれば、安心・安全なきれいな水を利用している奈良市民全体で負担するのが当然ではないでしょうか。住民を無視した今回の民営化計画は中止することを強く要望します。 次に、安全・安心に暮らせるまちづくりを本市の重点施策に掲げながら、本市の条例定数も満たしていない消防職員数です。また、最寄りの病院が遠く時間がかかる山間では、救急救命士が配置されていないところが今なおあるということ。配置はされているが、365日24時間体制がとれていないところの解消が急務ではありませんか。そのためにも、少なくとも条例定数の消防職員の確保をしていただき、救急救命士を充実していただくことを要望しておきます。 最後に、学研奈良登美ヶ丘駅周辺の新興住宅地は、自治会が未確立のところも多く、住民の声が酌み上げられません。本市としてアンケートや地域懇談会などに取り組み、住民の要望、声を聞ける場を設けていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ○議長(浅川仁君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明8日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(浅川仁君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後4時14分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長   浅川 仁              奈良市議会副議長  北 良晃              奈良市議会議員   今西正延              奈良市議会議員   鍵田美智子              奈良市議会議員   上原 雋...