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09月08日-02号

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  1. 奈良市議会 2006-09-08
    09月08日-02号


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    平成18年  9月 定例会平成18年奈良市議会9月定例会会議録(第2号)-----------------------------------     平成18年9月8日(金曜日)午前10時2分開議-----------------------------------議事日程 日程第1 報告第35号 平成17年度奈良市歳入歳出決算の認定について      報告第36号 平成17年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について      報告第37号 平成17年度奈良市病院事業会計決算の認定について      報告第38号 平成17年度奈良市水道事業会計決算の認定について      議案第87号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて      議案第88号 平成18年度奈良市一般会計補正予算(第2号)      議案第89号 平成18年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)      議案第90号 平成18年度奈良市老人保健特別会計補正予算(第2号)      議案第91号 平成18年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第1号)      議案第92号 平成18年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第1号)      議案第93号 平成18年度奈良市水道事業会計補正予算(第1号)      議案第94号 町の区域及び名称の変更に伴う関連条例の整理に関する条例の制定について      議案第95号 奈良市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の制定について      議案第96号 奈良市手数料条例の一部改正について      議案第97号 奈良市乳幼児医療費の助成に関する条例等の一部改正について      議案第98号 奈良市障害者自立支援法施行条例の制定について      議案第99号 奈良市総合福祉センター条例等の一部改正について      議案第100号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について      議案第101号 奈良市ならまちセンター条例等の一部改正について      議案第102号 奈良市自転車等の安全利用に関する条例の一部改正について      議案第103号 奈良市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について      議案第104号 奈良市消防本部及び消防署の設置等に関する条例等の一部改正について      議案第105号 奈良市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について      議案第106号 財産の取得について      議案第107号 財産の取得について      議案第108号 平成18年度奈良市一般会計補正予算(第3号)-----------------------------------本日の会議に付した事件 第1、日程に同じ-----------------------------------出席議員(45名)  1番  奥田正治君      2番  天野秀治君  3番  植村佳史君      4番  大坪宏通君  5番  柿本元気君      6番  東久保耕也君  7番  大国正博君      8番  山中益敏君  9番  藤本孝幸君      10番  松岡克彦君  11番  北村拓哉君      12番  山口裕司君  13番  浅川 仁君      14番  三浦教次君  15番  中西吉日出君     16番  幾田邦夫君  18番  北 良晃君      19番  高杉美根子君  20番  大橋雪子君      21番  山口 誠君  22番  松村和夫君      23番  井上昌弘君  24番  西本守直君      25番  森田一成君  26番  蔵之上政春君     27番  上原 雋君  28番  峠 宏明君      29番  矢追勇夫君  30番  矢野兵治君      31番  高橋克己君  32番  金野秀一君      33番  松石聖一君  34番  岡田佐代子君     35番  原田栄子君  36番  小林照代君      37番  松田末作君  38番  山本 清君      39番  和田晴夫君  40番  米澤 保君      41番  横井健二君  42番  土田敏朗君      43番  船越義治君  44番  岡本志郎君      45番  橋本和信君  46番  大谷 督君欠席議員  なし欠番  17番-----------------------------------説明のため出席した者  市長       藤原 昭君     助役       福井重忠君  市長公室長    平岡 譲君     企画部長     中屋 卓君  総務部長     戸田勝康君     市民生活部長   林 啓文君  保健福祉部長   上谷嘉澄君     保健所長     松本善孝君  環境清美部長   豊田正博君     文化経済部長   西本安博君  建設部長     松田幸俊君     都市計画部長   山林一男君  都市整備部長   佐々木 繁君    水道局長     中尾一郎君  業務部長     福村圭司君     技術部長     山田 要君  消防局長     佐賀勝彦君     教育委員長    植松滋子君  教育長      中尾勝二君     教育総務部長   中室雄俊君  社会教育部長   山本圭造君     監査委員     吉田 肇君  財政課長     津山恭之君-----------------------------------議会事務局職員出席者  議会事務局長   吉村安弘      議会事務局次長                     調査課長事務取扱 植田英夫  庶務課長     竹本尚史      議事課長     芝野勇夫  議事課長補佐   福井俊史      調査課長補佐   加井康章  議事係長     梶 正樹  速記       谷口藤男-----------------------------------  午前10時2分 開議 ○議長(和田晴夫君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 報告第35号 平成17年度奈良市歳入歳出決算の認定について 外25件(質疑並びに一般質問) ○議長(和田晴夫君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、報告第35号 平成17年度奈良市歳入歳出決算の認定についてより報告第38号までの決算4件及び議案第87号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第108号までの22議案、以上26件を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る5日の本会議において、市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 37番松田君。  (37番 松田末作君 登壇) ◆37番(松田末作君) 皆様おはようございます。質問に入る前に、9月6日、秋篠宮家に親王殿下が御誕生、おめでとうございます。この慶事を皆様とともに心から祝福申し上げたいと思います。おめでとうございます。 私は、政翔会を代表して、市長、教育長、水道局長に質問いたします。 さて、現在、日銀のゼロ金利解除、金融機関の預金金利は低金利、住宅ローンの貸し出し金利の引き上げが見られるほか、地価も都心部では上昇し、都市部では下げどまりの傾向にあります。また、原油価格の高騰により物価も上がりつつあります。このようなときに奈良市では、長期営業を続けていたあやめ池遊園地ドリームランドが、景気低迷により経営の不振のため廃業となっています。青少年の非行問題においても、人間性を喪失した犯罪が多く発生しており、美しい郷土をたたえる奈良市の行政姿勢と反対の方向に向かいつつある人々と社会現状を見て、市長はどのような青少年への政策を考えておられるのか、お聞かせください。 次に、前市長に係る機密漏えい事件後、いろいろ問題視されている中で、職員教育の徹底をどのようにしているのか。 次に、指定管理者制度の利点について何か。 次に、奈良市は、2村の合併により面積が広く、人口も増大した。そこで、17年度所得金額は幾らか。また、5年間の伸び率はどうなのか。伸び縮みはどうなのか。 次に、市税未納決算はどのぐらいなのか、また、どのようにして対応してるのか。市税に対する減免措置が行われているが、減免される税の種類とその対象について、また、その減免理由と、5年前の減免額は奈良市の税収の何%になるのか。観光行政にもあればお願いいたします。 次に、中国文化村に奈良市も出資している現状はどう考えているのか。 次に、旧西部出張所跡を身体障がい者の職業技術訓練所として企画してはどうか、お尋ねいたします。 次に、近鉄不動産登美ヶ丘11次開発のうち、一部が奈良学園建設に変更された経過について。 次に、登美ヶ丘11次開発区内の中登美ヶ丘公園を利用する者にとって、自動車駐車場がないことは大変不便であります。近隣の住民に恒常的に利用していただくためには、駐車場確保は避けて通れない問題であると認識しております。このことについてどのように考えておられるのか、お尋ねします。 次に、地区計画を策定されるとき、介護老人施設を否定するような協定案は、市長はどのように考えられるのか。 次に、100年会館の赤字累計はどのぐらいなのか。また、その対策についてどう考えるのか。 次に、旧積水化学移転用地について、市は、100億円ぐらいの資金を投じ事業目的に協力してきた事実に基づき、政治判断によってこのようになっております。この問題の歴史事実を奈良市長はどう考えるのか、また今後どのように対応していくのか。 次に、この土地の再計画の中に入っていたグラウンドゴルフ場建設も中止になっています。愛好者については、非常に残念なことです。そこで、グラウンドゴルフ場建設までに登美ヶ丘球技場の南側の拡張を要望している件について、どのようにお考えですか。 次に、老春手帳バス優待乗車事業とふろの無料入浴、映画の無料について、今回、当初の案を見直し、従来どおりの制度で行うことについて、なぜそのような結果になったのか。その理由及び経過についてお尋ねいたします。 次に、平成14年からバス優待乗車について一部負担金として2,000円を徴収していたが、この件も撤廃してはどうか。 次に、清掃工場が建設された当時は、現在の場所が最も適していると建設された現実、移転が決定された原因と理由、また次の用地選定までのスケジュールはどのようになっているのか、お聞きします。 事業所ごみ、一般家庭ごみの軽減化は推進すべきだと考えます。その手法のうち、ごみの有料化について協議しているとすれば、その状況をお聞かせください。 次に、東部の小・中学校の児童・生徒は激減し、西部では私立校が創建され、活性化されつつある現在、私立校と公立校との教育社会の調和を保てるのか、また、教育行政から生まれる社会の格差はどう考えるのか、今後どのような政策で教育の平等を保っていくのか、お聞かせください。 次に、田原小・中学校で実施されている一貫教育についての成果と、水間小学校の跡地利用についてお尋ねします。また、地元からの要望についてもどう考えているのか、お聞かせください。 御承知のとおり、平成13年をもって地対財特法が失効して約4年半を経過しております。いまだに特別対策を実施していると聞き及んでいます。法失効後における本市の同和行政の状況と、昨今、他市における同和行政の実態がマスコミなどで取り上げられ、大きな社会問題となっています。本市での状況はどうなのか、市民の関心も大きいと思われますので、御答弁お願いいたします。 また、次に、7月28日、西部出張所で開催されたタウンミーティングで市長の発表された西消防署の移転・建てかえについてお聞かせください。 次に、西消防署管内富雄出張所に救急車配備はどのようになっているのか、お尋ねします。 次に、水道事業は、これまで市の発展と人口の急増を追いかけるように、水源の確保や施設の拡張に努めてこられましたことについては敬意を表します。水源確保のために須川ダムを建設、布目ダム、そして比奈知ダムの完成、現在も第6期拡張事業を施行中と聞いていますが、一方、平成14年4月には中核市に移行し、また、平成17年4月には月ヶ瀬村及び都祁村と合併し、市政はますます発展しようとしているところであります。 そこで、管理者に質問いたします。奈良市の水道資源について40万都市になっても十分供給できるのか、また、供給最大人口はどのぐらいなのか。 次に、広島県営水道送水トンネル崩落事故がありました。広島県営水道では、隧道の検査をしていなかったと聞いておりますが、本市ではどのぐらいの間隔で行っているのか。 次に、奈良市の主要な水源河川は布目川、白砂川と聞いております。水源河川でがけ崩れ、その他送水管を遮る危険は全くないのか。 次に、水道料金の値上げは、ここ数年はないのか。 1問目はこれで終わらせていただきます。よろしくお願いします。 ○議長(和田晴夫君) 市長。  (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 37番松田議員の御質問にお答えいたします。 まず、青少年の施策についてでございますが、本市といたしましては、21世紀を担う青少年一人一人が尊重され、将来に向かって希望や目標を持って、そして自主性や創造性に満ちた社会人として自立していけるように青少年の健全育成に取り組んでいるところでもございます。具体的な取り組みといたしましては、関係機関相互の連携を強化して、より一層、非行の早期発見、早期解決に努めてまいります。また、家庭教育におきましても、幼児期からの基本的なしつけや規範意識を育てることが重要でございますので、保護者に対する子育て支援の充実にも努めてまいりたい。さらに、地域の教育力の向上を図って、地域ぐるみで青少年を育成するため、近隣コミュニティーの再生に取り組み、体験活動やボランティア活動など、人との触れ合いを通じて人間性や心の豊かさを回復する施策を進めてまいりたいと考えております。 次に、職員教育の徹底についての御質問でございますが、職員の服務規律の遵守につきましては、かねてからあらゆる機会を通じて指導をしてまいりましたが、議員御指摘の税情報の流出事件を初め、昨年度から本市職員の不祥事が相次いで発生していることはまことに残念でございます。このことから、職員に対する服務規律を徹底し、公務員としての自覚を高めるために、この9月を--本市では初めてのことでございますが、服務規律等強化月間と定めて、管理職会議においてもこのことについて話をしたところでもございます。この期間中、管理職を対象に職場管理と職場研修をテーマに集合研修を実施いたしまして、また、この研修を受講した管理職が所属職員に対して事例研究を中心として職場研修を実施しているところでございます。さらに、全職員が日々の業務における自分の行動をチェックシートによって見直す、それとともに職員倫理ハンドブックをお配りして服務規律の向上に役立てることといたしました。これらの取り組みを通じて、職員一人一人が市民からの信頼の喪失は奈良市政の危機につながるという共通認識を持って、公務員としての自覚を高め、全体の奉仕者として仕事に邁進すべく、しっかりと職員を指導してまいりたいと考えております。 次に、指定管理者制度導入の利点についてでございますが、この制度の趣旨は、今住民の方々のニーズは非常に多様になっております。それらをより効率的、効果的に対応する、そして民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上と経費の節減等を図るということを目的としたものでございます。奈良市におきましては、指定管理者制度を導入する212件の施設のうち、公募を行いました7施設につきまして、利用者の利便性の見地から開館時間を延長したりしているところてございますけれども、あわせて予算面におきましても、17年度予算に比べ経費の節減が図られております。次回以降の指定の手続におきましても、公募を実施する対象を拡大する方針でありますので、このような指定管理者制度の趣旨を反映した事例がさらにふえるものと考えております。 財政運営について、数点お尋ねでございます。平成17年度の総所得金額についてでございますが、平成17年度の総所得金額は5888億円で、過去5年間の推移を見ますと、平成13年度から平成16年度までの4年間は、わずかではありますが、減少していました。しかし、平成17年度におきましては、0.02%の増加となっております。このようなことから、議員も御指摘のとおり、本市においてもわずかではありますが、景気が上向き、経済が活性化する兆しが見えてきたのではないかと考えているところでもございます。 さらに、特に奈良市といたしましては、今後さらに観光政策に力を注ぐことが奈良市経済の発展につながるものと考えておりますので、奈良ブランドの創生や、大いに奈良をPRする情報発信に力を注いで、奈良の経済が活性化するよう努力をしてまいりたいと考えております。 市税未納額とその対応についてでございますが、市税未納額は、平成18年度滞納繰越額が約56億1800万円であります。その対応についてでございますが、今年度から納税課の組織、人員配置体制を見直しました。徴収体制の強化を図ったところでもあります。また、累積滞納者に対しましては、財産調査等を実施して、効果的な徴収を行っているところでもございます。そして、納税課の課内におきましては、地区担当職員や大口・難件チームによる平日の臨戸の徴収とあわせて、年末、年度末の休日、夜間徴収を実施いたしますとともに、昨年同様に市税等徴収緊急対策本部を設置して、その対策に当たってまいります。また、11月からは、新規滞納者をつくらないという観点から、納税呼びかけセンターを開設しまして、現年度分の滞納者を対象に民間委託によります電話催告で自主納付を促し、滞納額の縮小及び収納率向上に努めてまいります。 市税等の減免について、種類、対象、理由等についてのお尋ねでございます。市民税、軽自動車税、事業所税、固定資産税、都市計画税については、減免措置がございます。 また、減免の対象と理由についてでございますが、主なものとして、市民税は、貧困により生活のための公私の扶助を受ける者、所得が皆無となったため生活が著しく困難になった者、災害、盗難により個人の資産について損失を受けた者であり、担税力を考慮して減免をいたしております。固定資産税、都市計画税は、貧困により生活のため公私の扶助を受ける者の所有する固定資産、公益のため直接専用する固定資産、災害または天候の不順により著しく価値を減じた固定資産について、担税力、公益性を考慮して減免をしております。また、個人給付的事業につきましても、減免をしているところでもございます。 5年前の平成13年度の減免額は2億2895万2000円で、税収の約0.47%、平成17年度は1億3666万3000円で、0.31%でございます。なお、観光施策として、国際観光ホテル整備法による登録ホテル、旅館に対して減額措置を講じておりましたが、平成17年度の減額分は約7000万円でございます。ただ、平成18年度には、この制度も廃止をいたしました。 次に、株式会社中国文化村の現状についてでございますが、これは平成2年の8月に株式会社中国文化村に対して、奈良市も出資をしております。平成3年の3月定例会において、当時の市長が中国との信用供与の意味合いから出資をしているわけで、このこと自体に意味があると考えており、経営権を云々するという、そういうことまでは考えておりませんので御了解いただきたいと答弁をしておりますが、趣旨としては、このとおりだというふうに考えております。全国のテーマパークが大変厳しい運営状況とか、本市の財政状況などにもかんがみますと、今後も経営には参画しないという方向で対応してまいりますが、この姿勢で、今後関係機関とは株式会社奈良中国文化村への対応について協議をしてまいります。 旧西部出張所をどのように、一つの提案も加えられまして、利用していくかというお尋ねでございます。この建物は、従来、奈良市教育センターとして活用すべく、教育委員会の行政財産となっておりましたが、教育センターはJR奈良駅西側に保健所との複合施設として建設することになりましたので、行財政改革における財源確保の一環として、当該土地の財産処分について検討してまいりたいと考えているところでございます。 次に、登美ヶ丘11次開発の地区計画の一部が変更された経緯についてのお尋ねでございます。この街区につきましては、当初、集合住宅を主とした土地利用を図るための地区計画を平成5年8月13日付で決定して、平成9年2月10日付で開発行為の完了公告を受けた土地でございます。その後、集合住宅の建築行為がなされないまま放置されておりましたが、平成17年8月初旬に土地所有者から未利用地の街区すべてに、幼稚園から大学までの教育施設を導入する案の提示を受けたところでございます。教育施設の導入には既決定の地区計画の変更が生じるため、地区計画区域内の権利者の合意形成を図る必要から、平成17年8月20日から11月1日にかけ、合計12回の説明会が土地所有者と開発予定者合同で開催をされました。また、平成18年2月26日に地区計画変更の原案作成に関する説明会を市主催で実施をし、区域内住民の意見の聴取を行い、平成18年3月10日から同月24日まで、奈良市地区計画等の案の作成手続に関する条例に基づきまして地区計画変更原案区域内権利者に縦覧をし、平成18年5月1日から同月18日までで都市計画法第17条に基づく地区計画変更案の一般縦覧を行いまして、平成18年5月29日開催の奈良国際文化観光都市建設審議会地区計画変更案を御審議をいただき、原案どおり可決していただきましたので、平成18年6月8日付で地区計画の変更手続を行いました。その後、教育施設建設に係る都市計画法第29条に基づく開発許可を平成18年7月13日付で行い、建築基準法に基づく建築確認は平成18年7月28日付でなされております。以上が経緯でございます。 中登美ヶ丘の近隣公園についてでございますが、近隣公園というのは、近隣に居住する方々の利用に供することを第一義的な目的とした公園でございますので、管理用の駐車場以外は設置をしていないというのが常態でございます。しかし、地元の皆さんの要望のもと、現地を調査の上、地元自治会とも協議を行い、議員の御質問の件について検討してまいります。 次に、地区計画策定時、老人介護施設を否定するような協定案をどのように考えているのかについてのお尋ねでございました。地区計画は、その制度上、基本的には地区内の権利者の考えに基づき、法の範囲において制限内容を定めるものでございます。御質問のありました内容につきましては、以前、奈良国際文化観光都市建設審議会において議論をしていただき、また附帯意見もついて、その議論をしていただいたところでもございます。今後、新たな地区計画を策定する際には、この附帯意見を十分に踏まえながら、地区内の権利者に地区の将来を見据えたルールづくりとなるよう、適切な助言等を行い、地区計画を策定してまいりたいというふうに考えております。 次に、なら100年会館の収支についてでございます。いわゆる赤字という、私自身は赤字という認識ではなく、基本的には収支バランスの問題であるというふうに考えておりますが、昨年度は3億4400万円の差額が収支として生じております。しかしながら、県下の同様の施設とこれを比較いたしましたら、金額的には少ないものであると考えられます。 次に、この収支バランスの対策についてでございますが、なら100年会館では自主事業の財源確保のために、一例といたしまして、財団法人地域創造による支援事業や宝くじ文化公演の助成制度の活用、さらに企業からの協賛金を募るなどの経営努力を重ねておりまして、全国の公立文化施設1,011館のうち、全国文化施設協会発表の自主文化事業の収支比率ランキングでは、全国で第3位を占めているという状況もございます。収支比率がこういう形で比較してよいとはいえ、こうした公立の文化施設というのは、伝統芸能の公演とか、市民参画の催しなど、商業ベースでは取り上げにくいような事業をも取り上げますので、市民の文化活動の拠点として設置されたものであり、ある程度の収支アンバランスは生じるものというふうに認識をしております。議員御指摘の採算の問題につきましては、今後ともより一層、経費の節減と利用の促進を図って、収益の向上に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 次に、積水化学移転問題の歴史事実と今後の対応についてでございますが、経営環境が大きく変化する中で、積水化学工業株式会社も工場移転中止の決定をせざるを得なかったこと、また、当該移転用地を、仮称でございましたが、市民憩いの森として改めて整備することに積水化学工業株式会社も参画、協力をするとのことでもありましたので、移転中止はやむを得ない判断であったと考えております。しかし、市民憩いの森整備事業につきましては、本市の厳しい財政状況の中で、平成14年2月に計画を凍結した次第でございます。当該土地の有効利用に関しましては、市民のニーズに適応した施設であることを念頭に、その土地利用について検討しているところでございます。 登美ヶ丘球技場南側の拡張についてのお尋ねでございます。この球技場は、登美ヶ丘近隣公園の1施設として整備されたもので、現在、少年野球やサッカー、グラウンドゴルフ等に大いに利用されて、平成17年度では170件、8,754人が利用されているという状況がございます。御質問の南側への拡張は、園路、植栽等公園施設がございまして、公園を散策されるなどの利用者にとって、これを廃止するということには、やや不都合が生ずるというようなことも予想をされますけれども、今後、周辺住民や、あるいは利用者等の声をお聞きして、理解と協力が得られる中で検討をいたしたいと存じております。 次に、老春手帳のバス、ふろ、映画の優遇措置の経緯及び、現在に至る理由などについてのお尋ねでございます。今年度に入りまして、改めて制度設計を進めてまいりましたが、議員の皆さん方の御意見、市民の方々の声をお聞きし、さらに一定の時間が制度設計には必要だというふうに考え、また、老春手帳優遇措置事業に関する請願書が議会にも提出され、現在、継続審議になっている状況も考慮した結果、いずれも平成18年度は現行制度を継続することとして、今般、それに伴う所要経費を補正予算に計上をさせていただいたところでございます。よろしく御理解の上、御審議を賜りたいと思っているところでございます。 平成14年度から、バスに関しまして一部負担をお願いしております2,000円の徴収についてのお尋ねでございますが、バス優待乗車の一部負担は、所要経費が年々大幅に増加をしてくる中で、平成14年10月に導入されたものでございます。現在、制度維持のための主要な財源ともなっておりますので、これだけを撤廃してもとに戻すということは考えておりません。 次に、環境清美工場の移転が決定した原因と理由についてのお尋ねでございます。地元住民の皆さんの長年の移転要望や公害調停を申請されるに至った経緯、現工場の耐用年数及び現施設を稼働しながらの現在地での更新の難しさ、また、建設当時に比べて都市開発による周辺環境が大きく変わり、住宅等に近接している状況は好ましくない点などを考慮いたしまして、移転を決定をいたしました。 その用地選定までのスケジュールでございますが、ごみ焼却施設移転建設計画の策定に当たりまして、学識経験者、自治連合会の代表、公募による市民など、21名の方々を委員といたしました奈良市ごみ焼却施設移転建設計画策定委員会を設置いたしまして、本年2月14日に第1回策定委員会を開催して、移転建設計画の策定に向けて協議検討を始めていただいているところでございます。現在、既に4回の策定委員会を開催しており、今後も引き続き、おおむね2カ月に1回での開催を行って、平成20年3月末を目標に移転建設用地の選定に向け努力をしてまいりたいと考えております。 ごみ有料化についてでございますが、ごみの有料化について調査検討を行っていただくために、奈良市清掃業務審議会の部会といたしまして、昨年の12月に奈良市清掃業務審議会の委員、自治連合会、学識経験者などに加えまして、公募によります市民の方々にも御参画をいただきまして、奈良市ごみ有料化検討部会を設置して、ごみ有料化についての協議を始めていただいているところでございます。その進捗状況につきましては、これまでに3回の検討部会を開催して、幅広くごみ減量などのビジョンについて慎重に御審議をいただいているところでございます。今後も定期的に開催し、その中で奈良市にとってもっともよい方向性を答申いただく予定でございます。 続きまして、教育行政についてでございますが、私立校、公立校との調和についてでございますが、私立校では、建学の精神に基づいた特色ある教育を実施しているのに対しまして、公立校は、各家庭から比較的近い場所にございまして、地域に根差した特色ある教育を実施していると、概して言えばこういう特徴があるかと思います。このように特色につきましては違いがございますが、私立校も公立校も国が示しております学習指導要領を基準とした教育活動を行っており、地域の教育環境として両立しているものだというふうに考えております。 続きまして、所得格差と教育の格差ということでございますけれども、義務教育は無償とされ、だれもがひとしく教育を受ける権利がございます。しかし、所得の格差が教育における機会均等を妨げるような場合には、現在、就学援助等その改善に向けた施策を実施しているところでございます。 最後に、教育の平等性を保つということでございますが、国民はすべてひとしく、その能力に応じて教育を受ける権利を与えられなければならないというのが教育基本法に明記をされてるところでもございます。私立校も公立校も学習指導要領によってそれぞれの教育を行っているところでもございます。私立校が建学の精神に基づく特色ある教育を実施していると同様に、市立の学校・園では、奈良市の教育目標の「豊かな心をはぐくみ 未来をひらく」、これに基づいて地域に根差した特色ある教育を実施して、確かな学力の育成に努めております。現在、奈良市としてよりよい教育を実現するために、学校輝きプラン事業や学校教育活動支援事業などを実施しておりますが、引き続き市立学校・園の教育の一層の充実に取り組んで、奈良で住んでよかった、奈良で育ってよかったと思えるような努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 次に、地対財特法失効後の本市の施策の現状についてでございます。昭和44年、特別措置法の施行以来、差別の解消に向けて住環境整備事業を初め特別対策としての事業の実施、推進を図ってまいりました。一方、これらの事業を実施する中で、対象地域の生活実態の改善や状況の変化を見据えながら段階的に見直しを進めてまいりました。現状におきましては、御指摘のような、本市において状況は生じておりませんが、現在、継続して実施しております個人給付的事業等の特別対策につきましても、廃止に向けた見直しを早急に進め、一般施策への移行を段階的に図ってまいります。今後におきましても、あらゆる人権の諸課題に対する取り組みの中で、差別意識の解消、市民意識の高揚を図って差別を生み出している原因を根本的になくすための施策を進めていかなければならないと考えているところでございます。 次に、西消防署庁舎の建てかえについてでございますが、この庁舎は、昭和42年3月に建築なったもので、築39年で、現有の消防庁舎の中で一番古い建物となっております。老朽化が進むとともに、来庁される市民の方々の駐車場も十分確保されていないという状況にございます。消防活動の拠点として、さらには南海・東南海地震等の地震災害に対応する庁舎として、消防署の整備は急務と認識をしております。今後、財政状況も踏まえながら、移転建てかえを視野に入れて候補地の調査を実施しながら進めてまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。 さらに、富雄出張所への救急車の配備についてでございますが、全国的に年々増加傾向にございます救急需要にありましては、当市富雄地区も同様、人口増とともに増加しているところは承知をしております。御指摘の富雄出張所への救急車の配備につきましては、その必要性は十分認識をしておりますので、今後、市域全体の救急隊の運用の検討をあわせてできるだけ早い時期に配備したいと考えておりますので、これにつきましても御理解のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。 あと、お尋ねの田原小・中学校及び旧水間小学校の件につきましては、教育長の方よりお答えをさせていただきます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 教育長。  (教育長 中尾勝二君 登壇) ◎教育長(中尾勝二君) 37番松田議員の御質問にお答えをいたします。 田原小・中学校における小中一貫教育の成果についてでございますが、田原小・中学校で一貫教育に取り組みまして、1年半を経過したところでございます。昨年12月に田原小・中学校で開催をいたしました、その成果の研究発表会におきましては、全国から多くの参加をいただきました。また、ことしの8月、東京で開催されました小中一貫教育全国サミットにおきましても、その田原小・中学校における小中一貫教育の取り組みを報告し、全国からも高い評価をいただいております。具体的には、英会話科で身につけた力を試すために修学旅行先で出会った外国の方にインタビューをする児童の姿が見られたり、情報科で学んだパソコンのプレゼンテーション技能を使い、国内外に奈良を発信することができるようになったということも成果として上がっております。また、小学校と中学校の教員が協力して学習の方法や内容を工夫することにより、子供たちに学習意欲の向上が見られております。また、掃除の時間や集会活動における9年間の縦割り活動は、子供たちの交流を活発にし、豊かな心の育成につながるとともに、小学校から中学校への進学時の不安や戸惑いを和らげることにつながっております。今後も、田原小・中学校、奈良市小中一貫教育推進委員会、教育委員会が連携をとりながら検討、改善を重ね、小中一貫教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、旧水間小学校のその後の利用についてでございますが、その後の活用につきましては、地元からもさまざまな提言をいただき、市教育委員会において活用方法の検討を行ってまいりました。公有財産の有効活用の観点からも早急にその活用方法を決定する必要があることから、本年6月に地元関係者と教育委員会事務局で組織します旧水間小学校施設活用検討委員会を設置し、地域の活性化やまちづくりにつながる活用方法を中心に検討を行っているところでございます。今日まで2回の検討委員会を開催し、地元からもスポーツ施設、住民の交流施設、農産物加工販売施設、展示施設等、さまざまな提案をいただいております。今後は、これらの地元からの提案につきまして、関係機関とも協議を進めながら、地元の皆さんの要望にこたえられるよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 水道局長。  (水道局長 中尾一郎君 登壇) ◎水道局長(中尾一郎君) 37番松田議員の御質問にお答えいたします。 まず第1に、水道資源についてでございますが、水道局においては、平成元年3月に比奈知ダム建設事業の覚書を締結するとともに、第6次拡張事業を実施し、投資を行って安定水利権を獲得することにより、平成3年3月の奈良市新総合計画の40万人都市構想に対応いたしました。現在、布目・比奈知ダムの水源に奈良県営水道も含め、日量24万9100立方メートルの水源水量を確保しております。 また、供給最大人口ということですが、現有浄水施設の中には、老朽化している施設もあることから、木津浄水場について第3次総合計画後期基本計画事業において、毎秒0.3立方メートル分の増補改良工事を実施し、この工事が完了すれば、引き続き緑ヶ丘浄水場の改良工事も必要と考えております。これらすべての老朽化施設の改良工事が完了いたします年度は、現在のところ未定であることから、不確定な要素があり、現時点で正確な供給可能人口を算定できませんが、40万人は十分賄えるものと考えております。 次に、隧道の検査についてでございますが、本市の自然流下導水路は、第3期第2次拡張事業で昭和40年度から42年度にかけて施工されました。布目取水口から須川ダムまでのトンネル部は、昭和54年度に内部踏査して検査を、管路部の一部については、平成7年度にカメラを使用して点検を行い、安全性を確認しております。トンネル部は、施工時の鋼支保工を残して鉄筋コンクリートを打設し、地山とのすき間にはグラウト工を施工しており、地山と一体となり挙動するトンネル構造となっているため、十分な安全性を確保していると考えております。 自然流下導水路は日常運転しており、基本的には送水を停止することができない施設であります。したがいまして、点検方法を現在、検討中であり、適切な方法が見つかれば点検等を実施してまいりたいと考えております。 次に、水源河川でのがけ崩れ等の危険性についてでございますが、本市の主要水源である布目川、白砂川の当局の取水口上流部は比較的平たん部が多く、また、水道局で実施しました水源流域の森林の実態調査結果でも、流域の森林は保水能力を十分持っていることがわかっております。こうしたことから判断いたしますと、がけ崩れ等の危険性は極めて少ないものと考えております。 次に、水道料金の値上げについてでございますが、平成18年度から5年間における第3次総合計画後期基本計画事業の財政収支見込みを立てたところ、平成21年度までは留保資金を保っていけるものと見込んでおります。平成17年度決算については、本議会に報告させていただいておりますが、決算見込みに比べ好転したことから、平成22年度末に発生する不良債務は先送りできるものと予測しております。したがいまして、料金改定につきましては、一層の経営努力を図り、不測の事態が起こらない限り、少なくとも後期基本計画事業が終了する平成22年度までは現行料金で事業運営ができるように努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 37番松田君。 ◆37番(松田末作君) 2問目は自席より質問させていただきます。 質問というよりも、現在の答弁により、非常に御丁寧に答えていただきありがとうございました。意見をつけさせていただきます。 まず1点、この20年前からの市政の流れを十分見つめていただき、反省するところを反省していただき、そして、新しい事業へと予算を組んでいただきたい、これがまず1点です。 それから、第2点目に、納税者と税を受ける者とには、非常に立場が違うと思います。税を納める側は、無から有を生じます。受ける側は、それを納めていただき、消費する方に力を傾けます。この間に、詳しく言えば赤字が生じるようなミスは絶対にしてはいけないと、これはもう守られなければならないことだと存じます。このことについて、十分に気をつけていただきたいと思います。 3点目に、トラは死して皮を残すと申しますが、藤原市長は、市長になって大きく名を残したと言われるような市長になっていただくようお願いいたします。 質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(和田晴夫君) 27番上原君。  (27番 上原 雋君 登壇) ◆27番(上原雋君) 私は、創政会を代表いたしまして、通告いたしております数点につきまして、市長並びに教育長に質問いたします。 質問に入る前に、このたび、秋篠宮妃紀子様が男児を無事御出産されました。このことは、大変喜ばしいことで、市民の皆様方とともに心よりお祝いを申し上げたいと思います。紀子様のお体の回復と、宮様の健やかなる御成長を心からお祈り申し上げます。 それでは、質問に入ります。戦後61年を簡単に振り返りますと、我が国は、敗戦後、占領後の窮乏生活を乗り越え、1951年9月8日のサンフランシスコ講和条約の締結によって独立国としての承認を得、国民の一致協力のもと復興に取り組み、高度経済成長の基礎をつくり、1億総中流時代に向かって団塊の世代の成長とともに、1970年代から80年代は、オイルショックやドルショックなど幾多の経済不況を乗り越えて成長を続け、バブル経済でその頂点を迎えることとなりました。90年に入るや、バブル経済の崩壊、長い不況のトンネルから抜けられずにデフレ経済が現実のものとなり、今までのあらゆるシステムが機能不全に陥りました。90年代は、失われた10年と言われておりますように、政府のあらゆる施策も根本治療をなさず、金融機関の不良債権が膨らみ、考えられなかった銀行の倒産などが相次ぎました。預金利息は下がり、株価、地価は下がる一方、日本国民が自信を失い、動かないで嵐の過ぎるのをただ待つという姿勢で耐え続けているうちに21世紀を迎えたわけでございます。 そこに、「改革なくして成長なし」というスローガンのもと、小泉政権が実現し、官から民へ、国から地方へと、5カ年半にわたる構造改革が実行されてまいりました。国民の改革に伴う痛みへの耐えがたい協力によって、景気にやっと先行きの明るいものが見えてまいりましたが、社会の格差は広がったというのが市民の実感ではないでしょうか。 地方行政においても、地方分権一括法や三位一体の改革等により、地方への自主自立を図るという大義の中にあって、結果として、最後は不十分な税源移譲と大幅な地方交付税の削減と臨時財政対策債等による借金の押しつけであり、多くの地方自治体も財政的に危機的な状況が続いており、一日も早い行財政改革の実行が急がれております。 顧みますれば、我が奈良市においては、元大川市長より前鍵田市長、そして現藤原市長へと市政推進の担い手が目まぐるしく変わり、課題の抽出と仕分けと、行財政改革実施計画の策定を繰り返して、いまだに明確な財政のメニューの目標設定と政策の実行に踏み込み得ていないのが現状であります。そのような状況が続く中で、今議会に上程されております平成17年度歳入歳出決算の認定議案を精査いたしますと、監査委員の審査意見書にもありますように、一般会計決算では、形式収支、実質収支とも黒字、特別会計決算では、形式収支、実質収支とも赤字となっている。単年度収支では、一般会計決算、特別会計決算とも16年度に引き続き2年続いて赤字となっていると述べられております。これは、実質収支で黒字になっているのも、年度末近くになっての出納調整が行われた結果であり、事業の経済的な効率の向上による節約の結果とは考えられない。数字上のつじつま合わせではないかと思料するところであります。このことは、財務分析にもあらわれており、財政力指数0.776、経常収支比率93.8%、公債費比率17.8%と、過去3年間で悪化の傾向をたどっており、財政硬直化の改善の方向が定まっていない、過去3年の行政の混乱が結果として示されております。私たちは、早急な対策が必要と考えますが、市長は、このたびの平成17年度の決算をどのように総括され、今後の方針をどのように立て、実行されようとされているのか、お考えをお聞かせください。 次に、大阪市、京都市等を含め、地方行政職員にあってはならない市民との信頼関係を根底から崩壊させる相次ぐ不祥事が多発いたしております。これを受け、奈良市におかれましても、9月より服務規律等強化月間がスタートし、管理職の特別研修を実施されるとともに、チェックシートを作成して、管理職と職員との意識改革を図ることで不祥事の再発を防止し、市民との信頼回復を図ろうとして、今月中にも独自の懲戒処分の指針を決定し、公表する予定と伺っております。 そこで、職員の意識改革につながるような指針となることが肝要と考えますが、市長はどの程度厳しい指針を打ち出そうとされておられるのか、お考えをお聞かせください。 次は、まちづくりについてお尋ねいたします。政府においては、本年6月の通常国会にて、危機的な状況にある中心市街地を活性化するために、改正都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律、いわゆるまちづくり3法を成立させ、一丸となって中心市街地の活性化に取り組まれてきたところであります。このことは、郊外居住の進展、モータリゼーションの進展、公共公益施設の郊外移転、また、大規模集客施設等の郊外出店など郊外開発によるまち自体の郊外化とともに、商業者の努力不足、地権者の協力不足、両者の一体的取り組み不足による住民、消費者からの乖離の結果として、中心市街地自体の魅力を低下といった環境の変化も、中心市街地衰退の原因であることも否めない事実であります。今まさに求められているのは、これからの少子高齢化の時代においても望ましいまちづくりを実現するための長期的戦略、いわば奈良市百年の計にほかならないと思うのであります。土地利用規制の緩い郊外での大規模小売店舗の出店にブレーキをかける一方で、中心市街地では、にぎわいの回復を目的としたコミュニティーとしての魅力向上、都市の重要な構成要素の集積促進等、中心市街地の再生にアクセルをかけ、加速することが今回のまちづくり3法の法律改正の趣旨ではなかろうかと思います。 そこで、お尋ねいたします。本市南部に隣接する大和郡山市域ではありますが、国道24号線の沿道にイオンと阪神百貨店を核とする約8万平米の売り場面積を有する郊外型超大型商業施設の出店が計画されていると聞き及んでおります。立地は、大和郡山市域であっても、その商業圏は本市の全域を占めるものであり、1市の範囲を超えて広域的な都市構造に影響を与える施設と考えますが、大和郡山市の視点だけではなく、広域的な観点から調整する必要があります。現在、奈良市の大型店小売売り場面積は、全小売売り場面積の70%をもう既に超えております。大型商業施設が飽和状態にあると言えます。大和郡山市への大型店の出店は、本市の既存小売商店にとっても多大な影響を与えるものであり、古都奈良のまちの顔ともいえる三条通りを初めとするJR及び近鉄奈良駅周辺地域、いわゆる奈良市の中心市街地の空洞化がますます進むものと懸念され、まさにまちのアイデンティティーの喪失の危機といっても過言ではないと思うのであります。中心市街地の活性化に取り組んでいる今、この大和郡山市の郊外型超大型商業施設の誘致について、どのように市長はお考えになっておられるのか、また、近隣市町村との連携を図り、県の都市計画審議会や県への意見提出をすることによる出店阻止を図られるお考えはあるのでしょうか、お尋ねいたします。 次に、老人福祉施策につきまして、(仮称)南部老春の家の建設についてお聞きいたします。この件につきましては、かつて平成7年4月12日に南部ブロック自治連合会会長から建設要望書が提出され、また、平成12年6月にも市自治連合会南部ブロック連合会7名の代表の連名で市に要望書が提出されております。この要望書には、当時、奈良市が南部にあります市有地2カ所を南部連合自治会に提示し、これを受けて出されたものでございます。1カ所は北之庄五徳池の北側市有地であり、他の1カ所は都南中学校東側の市有地であります。その後、北之庄五徳池の北側用地につきましては、JR奈良駅周辺地区区画整理事業の移転用地として売却をしたため、市の保有地は現在、都南中学校東側だけとなっております。さらに、平成18年3月定例会において、当会派の中西議員の質問に対する答弁で、建設場所につきましては、都南中学校東側の市有地を第一候補にいたしておりますが、今後、地元関係者の皆様と協議をさせていただき、まず建設場所の決定をいたしたいと考えておりますと答えておられます。また、今年度、予算として設計委託料1650万円、地質調査委託料150万円を予算化されておられます。このような状況でありますから、今後、団塊の世代が地域の中で高齢者として活動され、増加していくことを考えますと、用地の決定を早急にされ、南部の高齢者の福祉の拠点としての老春の家の整備を早く行う必要があると考えますが、市長はどのように取り組もうとされておられるのか、お尋ねいたします。 次に、教育について、教育長にお尋ねいたします。最近、毎日のように殺人事件が報道されております。親が幼子を殺した事件、子が親を殺した事件等が連続して発生、我が奈良県田原本町においても、高校生の長男が自宅に放火をして、母親と妹、弟を焼死させた事件が起き、進学教育に厳しい父親と16歳の少年の心の間に、いつの間にか大きな葛藤が生じたことにより起こった事件として、思春期の子供を養育しておられる親たちに大きな課題とショックを与えた事件でありました。このような心痛む事件が続く背景には、人間関係が希薄になったと言われる現代社会において、家族のあり方が今、問われているように思えてなりません。あわせて、教育行政の今後の進むべき方向性と地域社会のコミュニケーションの充実、子供のサポート体制の構築が行政施策の中で政治的課題として大きな問題となっているように感じます。奈良市教育委員会においては、平成14年より教育改革3つのアクションをまとめられ、平成17年までに各項目について年次的に計画し実行されてまいられました。そして、その総括もなされておられます。今、18年度以降、この3つのアクションの実施された経験を踏まえて、今後どのように推進されるのかをお聞かせください。 次に、その中で、学校の自己評価の実施と教職員の資質の向上については、その実施がおくれているやに伺っておりましたが、安全・安心な学校・園の運営と適正、公平な教育の実現には早急な実施が必要と、かねてより常任委員会でも要請してまいりましたが、どのように今進捗しているのか、また、今後どのような方向で進めようとされているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。 これで私の1問目といたします。 ○議長(和田晴夫君) 市長。  (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 27番上原議員の御質問にお答えいたします。 まず、17年度決算についてどのように総括し、今後どのように対応していくのかという御質問でございますが、歳入におきましては、市税収入が徴収率89.4%と前年度を上回る結果となりましたが、地方交付税や臨時財政対策債等の歳入一般財源が前年度を下回って、質問にもございましたように、三位一体改革の影響などで大変厳しいものとなっております。 このような状況の中ですが、職員に対して、現状の周知を図るとともに、行政サービスの確保に配意をしながら、一つはやはり事業の精査を行ったこと、あるいは効率的な事業の執行に取り組んだこと、また、時期に応じて事務経費等の年度末に向けての抑制を行ったこと等、経費の抑制に鋭意努めてきたところでもございます。結果として、黒字を確保し得たところでもございます。したがって、黒字とはいえ、かなり厳しい状況の中での決算であったものというふうに認識をしておりまして、今後の財政健全化のための運営に向けて、現在行財政改革実施項目を検討しているところでございまして、次年度以降の予算において、その具体化を図ってまいりたいと考えているところでございます。また、職員に対しましても、行財政改革へのさらなる意識改革を進めまして、一丸となった取り組みを行ってまいりたいと存じております。 続きまして、職員の意識改革についてでございますが、行財政改革を実施する上で、職員の意識改革を図ることは大変重要でございます。職員は、全体の奉仕者として住民の福祉の向上のために公務に携わるものでございますし、一般の国民より厳しい倫理規範に従うことが求められております。しかし、相次いで職員の不祥事が発生したことは、職員の公務員としての自覚の欠如によるものというふうに考えてるところでもございます。このことから、先ほど松田議員の御質問でも御答弁に触れましたが、今月を服務規律等強化月間と定めまして、職員研修を実施することによって、これは単に聞くような研修をするというだけではなくて、職員みずからがみずからを顧みて、みずからが活動するというようなことを取り入れて、職員としての意識を改革して服務規律の徹底を図る。そして、御質問でございました懲戒処分につきましても、その指針を定めてまいりたいと考えているところでもございます。一方で、信賞必罰の理念に基づいて、職員にその能力を十分に発揮し、やる気を起こさせるための施策を講じることも、また重要でもございます。そのためには、職員の職務遂行能力とか、勤務実績を把握して、適正に評価することによって人材育成、任用、人事配置、給与処遇などに活用して、年功序列の人事管理から能率、実績に基づく人事管理に転換することが必要であると考えているところでもございます。このことによって、仕事に対し熱意や情熱がわいて職員の意識改革につながるというふうに考えているところでもございます。今後、客観的で公平性や透明性が高くて、そして実効性のある人事評価制度の構築に向けて検討を進めてまいります。 続きまして、まちづくりについて、特に議員の御見識もお述べになりながら、郊外型超大型商業施設の対策についてのお尋ねでございます。中心市街地の活性化とにぎわいを取り戻す、これが奈良市にとっても、私は大変重要な現段階での課題だというふうに考えております。本市でも、その意味では中心市街地活性化基本計画に向けた作業を鋭意進めているところでもございます。そして、御指摘の、現在計画されております(仮称)イオン大和郡山ショッピングセンターが出店した場合には、その立地が本市と隣接するということから、商圏の大部分は本市であることが当然のごとく予測され、本市の既存商店街に及ぼす影響は大きいものがあるという認識はしております。このことは、先ほど成立いたしましたまちづくり3法の改正の趣旨から考えますと、相反することとなりますが、ただ、今本市が進めていこうとしております中心市街地の活性化につきましては、商店街の振興、そして、それだけではなくて、そこで住み、そしてそこで人々が集まるというための環境整備を進めながら、中心市街地の活性化につきましては、しっかりとした取り組みを行って、具体的な効果を出していかなければいけないというふうに考えているところでもございます。また、改正都市計画法の完全施行は、来年11月の予定でございます。今後、法の改正を受けた形で、必要な場合は奈良県や関係団体等とともに十分協議をしながら対応してまいりたいと考えてるところでございます。 次に、仮称でございますが、南部老春の家の建設でございますが、現在、奈良市には東老春の家、西老春の家、北老春の家の3カ所がございます。奈良市老人保健福祉計画では、南部1カ所の整備を行い、計4カ所の整備を目標としているところでございますので、現在、南部老春の家の建設のための基本計画策定に着手をしております。このことから、南部老春の家の建設につきましては、地元関係者と協議を深めて早急に建設場所を確定をしたいと考えております。交通アクセス等課題はいろいろありますが、早期の実現に向け努力をしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 教育長。  (教育長 中尾勝二君 登壇) ◎教育長(中尾勝二君) 27番上原議員の御質問にお答えいたします。 奈良市教育改革3つのアクションの今後の取り組みについてでございますが、平成14年度から平成17年度までタイムスケジュールに基づきまして、奈良市版の教育改革を進めてまいりました。昨年度末には、これまでの教育改革の進捗状況を評価し、成果と課題について整理を行いました。一定の成果が上げられたと評価をいただいている内容、まだ引き続いて継続して取り組まなければならない等の施策もございます。こうしたことを受けまして、現在、3つのアクションの評価で課題とされた内容や、新たな教育課題等の解決のための方策など、奈良らしい教育の創造を図るため、3つのアクションの後期計画をできるだけ早期に策定できるよう、奈良市教育改革プログラム推進委員会で検討をいただいているところでございます。 次に、3つのアクションの中の一つの施策でございます学校評価についてでございますが、平成16年度からすべての学校・園で学校の自己評価を実施いたしております。学校評価は、学校の教育活動を見直し、よりよいものへと改善することを目的に実施いたしているところでございます。具体的には、児童の実態を踏まえ、さまざまな指導方法の工夫改善に努めているか、また、学校行事が児童にとって魅力あるものにするために工夫改善を行っているかなどの項目を定め、教職員が評価する内部評価と保護者や児童・生徒を対象に授業はわかりやすいか、学校行事は充実しているかなどの項目を定めての外部評価を実施し、その結果を集計、分析し、改善策となるよう考えるという流れで進めております。その成果の一例といたしまして、学校評価の結果をもとに授業改善に取り組み、保護者のアンケートの肯定的な意見が62%から77%へ向上するといった学校改善に生かされた例の報告もいただいております。一方、課題といたしましては、外部評価や評価情報の公表、学校評価の活用などが残されております。学校評価をより一層、学校教育の改善に生かすため、本年度から文部科学省の指定を受け、市内10校の研究協力校とともに学校評価システムについての研究を行っているところでございます。今後は、国の動向ともあわせ、よりよい学校評価システムを構築してまいりたいと考えております。 次に、教員の資質向上につきまして、新たな教員の人事評価制度についてでございます。いわゆる人事管理、監督上の目的だけでなく、教職員一人一人に応じた人材育成や能力開発、学校の教育力の向上を図る自己申告評価制度と教職員の業績、能力、意欲を的確に把握する勤務状況評価制度の二つの制度からなっております。本市におきまして、小・中学校、市立高等学校、幼稚園に勤務する教員について、本年度から導入をいたしているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、各教員が設定した目標について、校園長が6月から個々の教職員とのヒアリングを行うとともに授業参観等を行い、目標に沿った職務が行われているかの確認を行い、指導、助言をいたしております。また、校園長につきましては、この8月に教育長等がヒアリングを実施し、指導、助言を行っております。このシステムを導入することにより、校長等管理職と教職員のコミュニケーションを高め、学校組織の活性化、教員の意欲の醸成、意識改革を図りながら、教育全体の資質向上を図っているところでございます。さきに述べましたが、教育のシステムの改善のための学校評価と教員の資質向上のための教員の人事評価を両輪として、学校教育の改善に取り組み、信頼される学校・園づくりを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 27番上原君。
    ◆27番(上原雋君) ありがとうございました。2問目は自席で質問させていただきます。 まず、財政についてでございますが、現在、中東情勢の危機的な状況による石油の高騰やアメリカの経済の減速等による不安もございますが、我が国が今2.2から2.5ぐらいの成長が維持されるといたしましても、先ほどのお答えにもありましたように、我が奈良市においては、毎年43億円の赤字が見込まれるということでございますので、そのいっときも早い行財政改革がなされなければならないという状況でございます。しかるに、2010年に平城京遷都祭を迎える我が市としては、必要な関連事業は先送りすることができません。いっときも早い仕分けが必要であり、そして、何から実施していくのかということをやっぱり市民の皆様に早急に示さなければならないのではないかなと思います。人件費の削減や、入札制度の見直し、同和対策事業の見直し、環境清美事業の見直し、給食事業の見直し、幼保一元化、土地開発公社の土地利用、民間活力の導入、外郭団体の合理化、もうメニューは今まで出尽くすほど出尽くしておるのではないでしょうか。 市長が都市経営戦略会議という会議を設定されまして、そのことを行財政改革委員会の部会で審議しておられるようでございますが、我々議会といたしましても、その件に関しまして、やはり慎重審議を重ねてまいりたいと思っております。18年度の一番最後になって、3月定例会の19年度予算案の前に示されますと、我々といたしましても不十分な審議に終わろうということのおそれがありますので、できるだけこの中で、皆さん方にお示しできる案から12月の定例会前までにお示しをいただきまして、12月定例会でも皆さん方とともに議論を尽くしていきたいなと、このことがやはり議会と行政が相議論をして、市民の皆さんのためにある、この責任の一端ではないかなと、私は思うわけでございます。そういう意味から、一言市長に申し上げたいのは、今般、追加議案といたしまして、第108号、補正予算第3号が提出されました。市民の高齢者の方々に財政の実情を説明し得る、また御理解を得るためのよい機会であったのではないかなと思ってはおりましたが、残念ながら、この補正予算によって、市長は来年度に先送りするということで決断をなさいました。我が創政会といたしましても、是とするものではありません。市長自身が市民の声を聞かれて決断されたのであれば、それはそれでよろしいでしょうが、財政の厳しさは、市民とともに考えていき、市民の方々にも痛みを伴うことは必定でございます。どうか、この件に関しましては、バス優待乗車事業とあわせて、広く議論の輪に乗せていただいて、よりよい改善策をお示ししたいなと、我々も関与していきたいなと、かように思っております。ひとつ早急にプランをまとめられるようにお願いしたいと思います。 事ほどさように財政再建というものに対しては、市民の皆さん方に提案し、説明責任を果たし、実行には不退転の決意で臨むという、市長の強いリーダーシップが必要であります。今後のこの行財政改革に取り組む市長の本当の底力を期待したいと思います。 したがいまして、議会といたしましても、17年度決算における議会費7億4000万余りの経費につきましても、議員定数の削減や、政務調査費、事務局経費を含めて、みずからが痛みを伴う事案に対しても削減の議論を早急に立ち上げていかなければならないのではないかと、かように考えておるところでございます。 次に、決算等についての細かい事案につきましては、決算特別委員会にて質問をしたいと思っております。 次に、お答えになりました服務規程の充実と懲戒処分については、できる限り簡単な規則にして、より厳しさを明確に打ち出すことが肝要ではないかと感じております。公務員の方々は、よほどの重罪を犯さなければ免職にならないという勘違いをしておられる方が、そのような方々が昨今の公務員の不祥事件を引き起こしているのではないかと考えております。公僕としての使命感と責任感をしっかり植えつけていただきたいと思います。 そして、信賞必罰に、賞の部分にもしっかりと取り組んでいただくという答弁でございました。確かに年功序列ではない人事評価制度の再構築は大変難しいものがあると思いますが、やる気のある職員を育成していくことが行政改革の礎であろうかと思います。いまや30代、40代の職員は、やる気をなくしておられます。45歳から50歳でやっと係長というのが実情でございます。もういいわ、団塊の世代がもうあと三、四年で全部退職や、そしたら補佐か課長ぐらいには、最後にはなれるやろう、いや、もうそんな年になってから役職になってもしんどいだけや、給料がそんなに違わへんねんやったら楽な方がいいわというような、本音なのか、あきらめているのかわかりませんが、そのような声を耳にいたしております。これでは組織は活力を生みません。人材の確保と育成は、財政改革の主柱と位置づけ、取り組んでいただくよう強く要望いたしておきます。 次に、大和郡山におけるイオン大和郡山ショッピングセンターの出店についてでございますが、奈良市では既に70%、郡山市でも既に70%を小売売り場面積は大型店が超えております。天理市も64.1となっておりますが、天理市ももちろん商圏でございます。そして、木津、南京都、生駒、生駒郡、かなり大規模な商圏を、この8万平米という大型店は商圏に設定しておられるようでございます。これをすべて、この地域の中での大型店のパーセンテージを集計出ておりませんのでわかりませんが、それでも私は70%以上になっておるやに思います。70%といいますと、もう本当に、奈良市なんかは、かなりまだ小売店舗がございますけれど、他の市・町におきましては、一つの大きな店が出てくることによって、この数字は、極端に言うたら50%から90%ぐらいに上がるぐらいの数字と考えていただいて結構かと思います。奈良市においても、これ70%、現在超えておって、これがもし大和郡山市ではありますが、奈良市の小売売り場面積に追加してパーセンテージをとりましたら、おそらく七十四、五%になるんではないかなと、かように思います。そこへまだ高の原のサンタウンこすもす館、これも駐車場の一部が奈良市ですけど、大部分は京都府でございます。これは、駅前立地でございますし、当初から都市計画の中に、商業地域の中に大型商店を誘致するというのは当初から決まっておった話でございますので、これは今、出店される条件闘争をなされておるわけでございますから、これと今の大和郡山のイオンとは立地条件が、極端にいえば田んぼの真ん中にどーんとつくるようなものでございます。この辺の今のまちづくり3法の考えから申しますと、そういうことをすると、今までの既存の小売店、これは何も今申し上げました中心市街地の問題だけではなく、西大寺、学園前、富雄という、奈良市全域の既存小売店、商店街に影響を与えていくのは必至でございます。まして、都市計画の中に当初からあった、先般開通いたしました中登美ヶ丘の商店街のような立地条件ではございません。ですから、これはやはり、まちづくり3法の精神からも、何とかこれ市の枠を超えてお取り組みいただき、そして、既存小売業者並びに商工会、商店街、商工会議所等にまで御協力をいただいて、この大型商業施設の立地の是非を問うていかなければならないと、このように思うんですが、行政としては、なかなかお取り組みいただきにくい課題ではなかろうかと思います。やはり、まず最初に動くのは、既存の商店、商店街、商工会、商工会議所等々が市域の枠を取り除いて、まず連携していくのが本筋ではなかろうかと思いますが、行政としても、やはりその辺の今後のまちづくりのことを考えた中で、バックアップをひとつよろしくお願い申し上げたいなと、かように思います。 次に、南部老春の家でございますが、お答えにありましたように、交通アクセス等の課題があろうかと思いますが、地元関係者との協議をさせていただき、今年度中に建設場所の決定をいたしたいということでございますが、そこから一歩も足を踏み込んでいただいていないのが実情でございます。南部地区での先般の藤原市長のタウンミーティングにおいても、市長は、都南中学校の東側の市有地を考えていると表明されておりますので、地元では、それを受けまして、そこでいくのかどうかということは十分協議をさせていただいておるように聞いております。そして、多数の同意が得られておると聞いておりますので、早急に建設場所の決定の指令を出していただき、本年度予算化されております予算執行に取り組んでいただいて、早期に調査に入っていただきたいと強く要望をしておきます。 次に、教育行政についてですが、私は、産業文教委員会にずっと所属させていただいておりまして、この3つのアクション、今までにない教育委員会の取り組みであり、また、この4年間をつぶさに見てまいりますと、計画だけではなしに、やはり年次的に実践を積み重ねられて、確かにおくれておる部分もあるやに思います。それは、なかなか学校現場とのお話し合いも大変難しいものがあろうと思いますが、この4年間、この3つのアクション、かなりの部分、達成できたんではないかなという総括も伺っております。ただ、この総括の後、18年度に、まだ至らざるところをやっておられるというお話でしたが、これをもう少し前倒しして、早期にやはり次の展開を考えて、新しい後期3つのアクション計画をつくっていただきたかったなと、こう思うわけでございます。何となれば、そのような事件が起こっておる、すべての原因は、まず家庭にあるのは、これはもう言うまでもございません。しかし、学校教育の場が安全・安心な場であるのは、もう当たり前のことでございますが、それが徐々に壊れているのも今の現状です。やはり、学校が安全・安心で、そして、教育の場として公平・適正にやはり運営されているという、そのベースを、まずこの3つのアクションでつくっていただきたい、これが義務教育のベースでございます。そうでなければ、お金持ちの人が私学へ行けば、確かにいい先生、いい施設に入れるんじゃないかなと思いますが、そうなると公立学校の義務教育というのは崩壊してしまいます。今こそ、この義務教育の、特に初等科教育が私は重要ではないかなと、かように考えます。小学校教育の中で、家庭でなおざりにしておりますしつけや物の本当の豊かさ、思いやり、そういうものをこの初等科教育でしっかり学校教育の中でも教えていかなければ、これは大変な間違った方向へ進む人間が出てこようかと思います。やはり、その辺も含めまして、今後の人材育成、この学校評価はかなりいい評価が出ておるのは、これはちょっと手前みそな面もあろうかと思いますが、それよりも、僕は学校の自己評価を、今学校審議会ができておりますし、また、その第三者的な人からも意見を言ってもらうシステムを早急に構築していただいて、学校のあり方の適正な、また正当な評価が皆さんにオープンにしていただいて、また、それから意見を聞いていただけるような、地域との一体感のある小学校に育てていっていただけたらなと思いますし、また、そこにおられる先生の評価、これがまた大変難しい。この先生というのは、いろんな先生がおられますから。この先生も、先ほどの公務員と同じでなかなかやめさすシステムがございません。この方々にいかに平均点以上の先生になっていただくと、これが一つの課題ではなかろうかと思います。平均点以下の先生がぽっぽっとおって、その平均点以上の先生がカバーできるときはよろしいですわ。平均点以下の先生は、もはやここにおってもらったら邪魔になるわけですわね、邪魔になるわけです。その辺をどの線で引くか、これがやはり先生の自己評価の採点であり、また、今後導入されようとされております第三者からの評価というものが生きてくるんではないかなと。先生にとっては大変厳しいかなと思いますけれど、一般社会では、これは普通のことでございます。今までなし得ていない自己評価、他人評価、そして、それでお互いに話をして、より高め合っていくことこそ普通の社会人の姿でございますので、この3つのアクションの後期の計画につきましては、大いに期待しているところでございます。特に、委員長の重松先生には、ほんまに頑張っていただいておりますので、期待しておりますので、ひとつ厳しい後期3つのアクション計画をつくっていただきまして、本当にああ学んでよかった、育ってよかった奈良にしていただきたいと、かように要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(和田晴夫君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午前11時48分 休憩  午後1時2分 再開 ○議長(和田晴夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(和田晴夫君) 代表質問を続行いたします。 8番山中君。  (8番 山中益敏君 登壇) ◆8番(山中益敏君) 私は、公明党奈良市議会議員団を代表して、通告をしております数点について市長にお尋ねをします。 質問に入る前に、我が公明党は、秋篠宮同妃両殿下に男子のお子様がお生まれになりましたことを、市民の皆様とともに心からお喜び申し上げたいと思います。お子様の健やかな成長と、皇室の一層の御繁栄を心よりお願いを申し上げ、質問に移らせていただきます。 市長は、マニフェスト関連事業の実現を図るために、奈良市都市経営戦略会議を設置し、協働型社会の形成、近隣コミュニティーの形成、観光戦略、行財政改革推進を4本の大きな施策の柱として進め、特に、行財政改革を推進する上で、市民や市民活動団体、NPOや企業などの力を生かした協働型社会の中で市政運営を考えておられます。そこで、特に、事業仕分けと協働の観点で、市長の目指す行財政改革への取り組みについてお尋ねをします。 次に、国において閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」をもとに、歳出・歳入一体改革に向けた取り組みが示されました。本市では、市長みずからが情報公開、そして行財政改革の断行や、市民参画や協働への仕組みづくりの布石としてタウンミーティングなどの機会を通し、奈良市の収支報告を行い、平成22年までに171億、平均すると1年間約43億の収支欠損、赤字が出ますと、財政フレームの説明をされております。 そこで、本市の平成22年までの行財政改革について、2点お聞きをします。 1点目は、歳出削減に向けた具体的な手法と、その優先順位及び項目別の数値目標についてお尋ねをいたします。 2点目は、歳入の見直しや、新たな歳入確保に向けた取り組みについてお尋ねをします。 次に、「骨太方針2006」の中で、平成19年度の予算の基本的な考え方について、世界経済の動向は着実な回復が続くと予測し、我が国においても、平成19年度は自律的、持続的な経済成長が実現すると述べられています。そして、歳出・歳入一体改革で、財政健全化を維持、強化していくことを改革の基本とし、経済成長戦略大綱で、人口減少のもとでも持続的、安定的に成長することを目指すとされています。また、本市における平成17年度決算審査意見書の中で、歳入・歳出の状況が指摘され、行財政改革に向けた本格的な取り組みが検討され、健全な財政運営の第一歩が踏み出されたところであり、市長の目指す協働型社会の形成も積極的に推進されようとしております。 そこで、このような本市の状況と、国における基本的な考え方を踏まえて、平成19年度の予算編成方針についてお尋ねします。 次に、平城遷都1300年記念事業について、私は、記念行事の開催趣旨に同意するものであり、それにふさわしい内容となることを期待するものでもあります。そこで、私なりの考えを述べさせていただき、市長の考えをお尋ねします。 まず、記念行事は、開催することだけが目的ではなく、未来に続く奈良市のまちづくりの大きな1段階であると認識しております。そして、記念行事は平城宮跡を主会場に開催され、交通対策を含む会場周辺整備は公共工事で対応されると伺っております。そうした場合、記念事業開催中の市民生活に影響が出ないよう、交通対策などを実施するのは当然として、記念事業終了後も多くの観光客が宮跡を訪れることと思います。文化庁が出された平城遺跡博物館基本構想によりますと、大極殿正殿の復原が完成後は、平城宮跡を訪れる人は年間150万人から200万人と想定しております。このことを考えますと、長期的観点に立っての周辺対策が必要となってまいります。例えば、宮跡に面した県道や市道の拡幅、駐車スペースの確保といった記念事業本番とは異なる観点からの整備も必要と考えます。また、記念事業用に臨時的に整備をされる交通対策などにつきましても、場合によっては恒常的な手段として必要と思われます。 さらに、記念事業を経済的側面で考えた場合、大切なことは費用対効果の観点であり、いかにその効果を将来に継承していくかということだと考えます。御存じのとおり、奈良市の財政状況は非常に厳しいものがございます。この100年に1度の機会を奈良市のまちづくりや子供を含めた人づくりの絶好の機会と位置づけ、記念事業の成果を将来に継承していく、奈良市としての主体的な取り組みと体制づくりが必要と考えます。 最近、本市の全庁的推進組織を立ち上げられたとお聞きをしましたが、この組織の取り組みが非常に大切だと存じます。 そこで、費用対効果の観点を踏まえて、記念行事のハード・ソフト面における成果の継承について、どのように考えておられるのか、また、本市における全庁推進組織をどのように機能させていくのか、2点について、市長にお考えをお聞きいたします。 次に、東部地域の活性化についてお聞きをします。新市建設計画において、都祁地域では、名古屋と大阪を結ぶ広域交通へのアクセスのよさを生かした製造業の集積や、農業生産から加工、流通までを一体的にとらえた農業振興など、他の地域にはない特性を生かした地域づくりが示され、また月ヶ瀬地域では、名勝月瀬梅林を中心とする自然資源を大切にした美しい観光、梅や茶などの特産物、温泉を生かした交流など、地域資源を生かした地域づくりを目指して、新市建設計画が策定されております。さらに、第3次総合計画後期基本計画の土地利用計画においても、保存と開発の調和を基本に、市街化の動向や土地の自然条件のもと、土地利用に一定の秩序を持たせ、全市にわたって計画的な土地利用を図るとうたわれております。現在、都祁・月ヶ瀬地域においては、都市計画区域外でありますが、住民の意向をもとに、できる限り早い時期に本市としての一体性を確保する都市計画区域の指定をする必要があると考えます。 そこで、東部地域の活性化に向けた取り組みとして、3点お聞きします。 1点目に、都祁地域における企業誘致について、どのように取り組まれようとされているのか、お尋ねをします。 2点目に、東部地域における農業振興について、どのような具体的な支援策を導入されようとしているのか、お聞きいたします。 3点目に、月ヶ瀬・都祁地域の皆さんが合併してよかったと評価する材料に、新市建設計画の推進があります。月ヶ瀬、都祁両地域の新市建設に盛り込まれた建設事業と、そのタイムスケジュールについてお尋ねします。 次に、安全・安心のまちづくりについてお聞きします。市長は、地域の安全対策として、社会活動、防災・防犯活動推進交付金を初め、街路灯の増設及び取りかえに2,000基と大幅な拡充を図り、既存木造住宅耐震化へ向けた取り組みなど、評価をいたします。さらに、災害に備え、自主防災組織補助金の創設及び防災マップとして避難場所の案内をホームページに掲載されたことは、市長のマニフェスト実現の事業と理解をしております。 そこで、防災マップに関連した事項について、2点お聞きします。 奈良市では、平成16年度において、外国人観光客のうち、宿泊客は3万4000人、日帰り客は27万3000人と、年間約30万人の方が来られますが、海外からの観光客に対して、英語、中国語、韓国語などによる避難場所を示す案内板が見当たりません。市長の言われるもてなしのデザインからはほど遠いものを感じざるを得ません。そして、本市は、奈良国際文化観光都市と国際文化の冠を持つ観光都市でもあり、外国語による避難場所を示す看板は必要と考えます。 そこで、1点目に、外国語による避難場所を示す案内板の設置についてどのようにお考えか、お尋ねします。 2点目は、昨年の水防法改正を受け、洪水については、これまでの封じ込めから減災へと治水政策の転換を図ったものと理解しております。減災という観点に立ったハザードマップを作成し、あらかじめ想定される危険箇所については、その内容を表示し、地域の住民の認識と理解を得る必要があるかと考えます。無論、その表示内容により、不利益が発生することも承知をしておりますが、災害に対して、よりアクティブに減災、防災に挑戦する観点からもハザードマップの作成は必要と考えます。 9月5日に奈良県が浸水想定区域を策定し、今後、関係市町村でも洪水ハザードマップが作成されると考えます。そのハザードマップを利用し、内陸型地震の想定震源となる活断層の分布や土砂災害の危険区域などを1枚のマップに示されることが地域の安全・安心のまちづくりの上からも必要と考えます。市長のハザードマップ作成の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、福祉行政についてお聞きします。4月より実施の障害者自立支援法は、精神・身体・知的の3障害を一元化し、契約に基づき、だれもが利用できるユニバーサルな制度にふさわしい定率負担とし、サービス給付の財源確保が法的に担保されました。この制度は、障がい者福祉の発展の基盤ともなるものでありますが、一方では、当事者の負担のあり方や、新たな報酬体系のもとでの事業運営、さらに新たな事業体系への移行などについて、さまざまな課題が指摘されております。そこで、我が党は、障がい者団体など関係者の皆様と何度も意見交換を行い、8月14日に厚生労働省に対して緊急要望を提出し、その結果が追加措置として8月の25日に障がい児の利用者負担の軽減や、施設の安定的な事業運営の配慮として、障がい者の声を大きく反映させることができました。 そこで、障害者自立支援法について、2点お聞きをします。 遠くは平城京時代の昔から福祉事業に歴史を持つ奈良市にとって、市独自の利用者負担軽減措置を講じることは、福祉都市宣言のまちとして、また福祉憲章を全国に先駆けて策定した中核市として大変意義あることと考えます。 そこで、1点目は、低所得者層1・2の方や一般世帯に分類される中でも所得区分を設け、収入の低い世帯の負担率が大きくならないよう、国が定める上限額をさらに引き下げる奈良市独自の軽減措置の実施について、市長の見解をお尋ねします。 2点目に、小規模作業所などの地域活動支援センターへの移行が困難な小規模作業所などについては、その事業の継続を確保するために必要な支援を本市としてどのように取り組まれるのか、お尋ねします。 次に、JR奈良駅前周辺のまちづくりについてお聞きします。JR奈良駅周辺においては、平城遷都1300年記念事業が開催される平成22年度を完成目標に、連続立体交差事業が着々と進められています。JR奈良駅周辺における事業としては、御承知のように、市街地再開発事業、土地区画整理事業、そして連続立体交差事業により、国際文化観光都市・奈良の玄関口にふさわしいまちづくりが進められております。市街地再開発事業による再開発ビルは、既に建設が完成し、駅周辺の土地区画整理事業については、今年度で事業が終結すると聞いております。このような状況の中で、今年度、ペデストリアンデッキを含む東口駅前広場の再検討、高架下の利用計画、旧駅舎の利活用及び駅前の土地利用などについて検討されると伺っており、そこで2点お聞きします。 市長は、これらの計画を通して、JR駅前のまちづくりをにぎわいと魅力あるものとするための方策についてお聞きをします。また、まちづくり交付金を受けるための都市再生整備計画の検討をどのように進められるのか、あわせて2点お尋ねします。 最後に、教育行政についてお聞きします。教育全般にかかわる施策の中で、特に、教育を受ける子供たちの能力をいかに引き出すかという観点から、その課題となる環境をハード、ソフトの両面から整備することが必要と考えます。ハード面でいえば、学校施設の耐震化促進がその一つに考えられます。学校は、子供たちが生活の大半を過ごす場所であり、安全でなくてはなりません。また、学校は、災害時、地域の防災拠点である避難所に指定されています。阪神大震災の際も、発生1時間後には、被災地の小・中学校の大半が被災者で埋まったとの報告もありました。こうした経験から、公立小・中学校の耐震化を進めることは、地域の防災計画を評価するとともに、市長がマニフェストで推進している自主防災組織の充実にもつながると確信します。 そこで、学校施設の耐震化に向けた取り組みについて、2点お聞きをします。 1点目は、学校施設における耐震化診断の進捗状況と今後の計画についてお尋ねをします。 2点目は、学校施設の耐震改修促進計画が各自治体で作成をされ、耐震補強工事や改築工事、また、大規模改造工事などが計画的に進められています。そこで、耐震補強工事の進捗状況と、現在活用している耐震化の制度についてお尋ねします。 以上で第1問を終わります。 ○議長(和田晴夫君) 市長。  (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 8番山中議員の御質問にお答えいたします。 まず、行財政改革に関しまして、第1点は、私の目指す行財政改革の取り組みについてでございますが、公約の中で行政の質的転換のプランとして、行財政改革の推進を上げさせていただきました。その方策として、各種事業を、市がやるもの、市と民間で協働してやるもの、民間でできるものなどに仕分けを行うこととしておりました。こういった考え方に基づきまして、今こそ多くの公的業務について、行政主導・住民参加から住民主導・行政支援への道筋をつけていかなければならないというふうに考えております。公の仕事を地方公共団体と民間や地域の方々と一緒にやりながら進めていき、公共がきちっと指導するもの、公共が実施するもの、公共主導型の協働型、民間主導の協働型、民間実施型など、それぞれの業務の実態をしっかりとつかんで事業を仕分けして、行政のスリム化と市民との協働を成立させる行財政改革の取り組みを目指してまいりたいと考えているところでもございます。 歳出削減に向けた具体的な手法に関してのお尋ねでございますが、歳出削減は、本市の事務事業を根本から見直す事務事業の再編整理を、現在全庁的な体制で進めているところでございます。この作業は、本市の1,286の事務事業を対象に廃止、休止、縮小、継続、民間委託、民営化、このように仕分けをいたしまして見直しをすることとしております。しかし、各事業のその必要性とか効果等も十分にこれは検討して進めていかなければならないと考えているところでもございます。 数値目標は、収支不足額から算定いたしまして、一般財源の20%削減を最大目標値として設定しておりまして、現在、各所管で仕分け、見直しを進めているところでございますが、今後この行程で、都市経営戦略会議及びその専門部会であります行財政改革推進部会でも御意見をいただき、平成19年度予算に組み込んでまいりたいというふうに考えているところでもございます。 歳入の見直しや、新たな収入確保に向けた取り組みについてでございますが、歳入の見直しにつきましては、歳入の根幹をなしております市税については、徴収率の向上を第一の目標といたしまして、各種の方策を進めてまいりたいと考えています。また、受益者負担の見直しにつきましては、国、県、民間の同種のサービスとの均衡を図ると、それとともに受益者、非受益者との公平性の観点から、公正な負担を求めるため、使用料、手数料の見直しの検討が必要であると思います。これにつきましても、全庁的な体制で調査等を進めており、今後、新設や改正案等の検討をしてまいりたいと考えているところでございます。また、新たな収入確保につきましては、行財政改革の推進において、市民の皆様や有識者などの多方面からの御意見をいただきながら、新しい発想による収入源の検討も進めているところでもございます。 次に、平成19年度予算編成に向けた現時点での私の所見でございますが、国におきましては、いわゆる「骨太の方針2006」に基づきまして、新たな挑戦の10年、その初年度として新たに取り組むべき課題の絞り込みが行われたところでございます。それにより、地方財政計画におきましても、さらなる歳出削減が見込まれるのが予想されるところです。しかしながら、地方交付税につきましては、現行法定率の堅持とされたものの、具体的な総額は明らかにもされず、また歳出・歳入一体改革の具体的な内容も不明確であるなど多くの課題が残されている状況にあると認識をしてます。本市におきましては、今後4年間で172億もの収支不足額が見込まれる大変厳しい財政状況に、これに対処するために、現在、先ほど述べましたような歳入・歳出全般にわたる見直しを行っているわけでございますが、新年度予算についても、当然この見直し結果を踏まえたものとしてまいりたいと考えます。 また、来年度の改革への取り組みにつきましては、行政と市民がともに考え、お互いに協働する関係を構築することが大切であるというふうに考え、平成18年度は、その具体策としてタウンミーティングを初め市民企画事業など、さらには、近隣コミュニティーの再生を目指して、自治連合会への新交付金制度の創設など、市民の方々が参画して協働していくための市政運営に努めたところでございますが、さらに、より多くの世代の方々、市民活動団体が参画をし、協働化していく市政運営づくりをより積極的に進めるものとしてまいりたいと考えております。 次に、平城遷都1300年記念事業について、費用対効果の観点を踏まえながら、記念事業の成果の継承についての御見識を御質問の際いただきました。まさに、私も重要な視点だというふうに思っております。つまり、記念事業の成果を一過性のものに終わらせないということは、まさに重要な視点であると考えます。そのような観点から、ハード面では、確かに平城宮跡会場では、原則、盛り土の上にですね、仮設物で展開するということになり、終了後は撤去するということになりますが、記念事業終了後も大極殿正殿等の観光客が想定されますので、例えば遊歩道の動線の部分であるとか、手洗いなどの便益施設などにつきましては、今後、文化庁との協議により、できるだけ残していけるよう協議を進めてまいりたいと思います。また、会場周辺の環境整備につきましても、歩道等の公共施設の整備、そして交通対策を中心に行っていく予定にしておりますが、これらの環境の整備も、市の今後の環境整備に結びつけることが大切であるというふうに考えております。こうした宮跡内外の整備によりまして、平城宮跡の観光資源としての価値が上がることで、その成果を継承していけるものになるのではないのかなというふうに考えます。 また、御指摘のとおり、会場周辺の整備に関しまして、記念事業終了後のことも想定して、2010年までに整備するもの、もう少し長期的に整備に取り組むもの等の、この仕分けもしっかりしながら着実に取り組んでいく必要もあるかと思います。 ハード面だけではなくて、記念事業を支えたボランティアあるいは記念事業を経験した子供たちといった人的資源、もてなしの心といったようなホスピタリティー、あるいは観光・交通情報システムといった新しいシステムなど、ソフトな面の成果も今後の市政に生かしていきたいと思ってるところでもございます。 いずれにいたしましても、記念事業の開催概要が固まってまいりましたら、経済波及効果の測定の実施も含め、御指摘の費用対効果や市の財政事情といったことを視野に入れながら、記念事業は今後につながる奈良市のまちづくりの--議員は1段階とおっしゃられましたが、私もその意識で、まちづくりの重要なステップであるとの認識のもと、主体的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 次に、全庁推進組織の機能についてでございますが、基本的には議員と同じ認識でございます。ただ、まだ発足したばかりでございますので、主体的な取り組みの体制を高めていきたいと思っているところでございます。この組織において市として何ができ、何をすべきなのかの検討を加えて、市としての意思決定を行うとともに、会場周辺住民や市民の皆さんの記念事業に対する多様な意見や要望も受けとめながら、計画に反映させていくことといたしたいとも思っているところでもございます。 次に、東部地域の活性化について、3点の御質問でございます。 第1点は、都祁地域における企業誘致について、どのように取り組むのかということでございますが、本年度は、まず、税等の助成制度や、企業が立地先を選定するための条件等について、企業誘致の先進都市の具体的な調査研究を行っているところでございます。平成19年度では、この調査に基づいて、奈良県の企業誘致条例等も参考にして県とも協調しながら、都祁地域の特性や企業の立地ニーズを生かした適地の選定と、対象企業を掌握するための誘致方法等について、さらに具体的な手段、方策を設定してまいりたいと考えておりまして、その後の活動にしっかりとつなげてまいりたいと思います。 次に、東部地域における農業施策の具体的な支援策についてのお尋ねでございますが、まず、活力ある地域農業を展開するために、農地利用の集積を積極的に進めて、農業経営基盤の強化、拡大を図るように努めているところでございます。また、遊休農地解消の対策といたしまして、従来よりの耕作のしにくい農地を農家全体で守る中山間地域等直接支払制度に加えまして、地域全体で守る農地・水・環境保全向上対策事業にも、今後取り組んでまいりたいと考えています。あわせまして、農産物の生産から加工、流通、販売までの一体的な推進を図り、農産物の付加価値を高めることによって、安定的な農業経営を目指してまいります。そのためにも、農産物及びそれらの加工品のブランド化を目指すとともに、農産物の加工及び流通、販売促進を図るために、新市建設計画にございます農林産物直売所の設置についても、建設準備委員会を設けたところでございまして、その実現に向けて地産地消の推進を図る必要があると考えております。 第3点に、新市建設計画における事業と、そのタイムスケジュールについてでございます。新市建設計画につきましては、合併後の速やかな一体化を促進すると、そして住民福祉の向上と地域の発展を図る具体的なまちづくりの方向性を示すために、平成17年度から26年度までの10カ年を期間として策定されたものでございまして、その項目については、第3次総合計画後期基本計画にすべて盛り込んでおります。したがいまして、その後、その後期基本計画の着実な実現を図るという意味からも、新市建設計画の各事業につきましては、後期基本計画実施計画に掲げております計画年度に沿って進行するよう努めてまいります。 次に、安全・安心のまちづくりに絡まって2点のお尋ねでございます。 まず、1点は、外国語による避難場所を示す案内板についてでございますが、議員御指摘のように、奈良市は国際文化観光都市として、海外から多くの観光客を迎えているところでもございます。しかし、大災害が発生したときには、この海外からの観光客も我々と同様に被災者となるわけでございますので、避難場所を示す案内板が外国の方にも理解できることが重要でございます。わかりやすいデザインも含めて、外国語による表記を考えてまいりたいと存じます。 次に、ハザードマップ作成の取り組みについてでございますが、平成17年7月の水防法改正によりまして、現在、県において浸水想定区域図の作成が進められております。本市域に関しましても、9月5日に佐保川、富雄川、秋篠川、高瀬川の4河川において作業が完了して、浸水想定区域図が公表されたところでもございます。市としましても、この浸水想定区域図に基づき、来年度には洪水ハザードマップを作成することを考えています。また、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定につきましても、県の指定作業の進捗状況にあわせまして、土砂災害ハザードマップを作成していきたいと考えております。あわせて、活断層の分布図につきましても、ハザードマップ作成時に検討してまいりたいと考えているところでもございます。 続きまして、福祉行政に関係いたしまして、その一つは、低所得者世帯に対する利用者負担の軽減措置の実施についてでございますが、国におきまして、福祉サービス利用料の月額上限額を設けるなど、特に低所得者に対するさまざまな負担の軽減策が制度の中に盛り込まれてはいます。お尋ねの市独自の負担軽減策につきましては、6月議会でも答弁いたしましたように、4月から実施されております福祉サービス利用料について、現在、実態の把握を進めているところでございます。引き続き、積極的に実態把握を努めるとともに、他都市の状況について十分調査し、軽減策について検討してまいりたいと考えております。 地域活動支援センター事業への移行が困難な小規模作業所等の支援についてでございますが、将来にわたって安定した継続的なサービスが提供できるよう、地域活動支援センター等への移行を支援するために、当面は、市として一定の運営費の補助を続けてまいりたいと考えます。今後は、それぞれの小規模作業所において、地域活動支援センター等への移行に向け御努力いただきたいと存じているところでございます。 続きまして、JR奈良駅前のまちづくりと都市再生整備計画の検討についてでございますが、JR奈良駅前につきましては、本市の玄関口にふさわしいまちを創造するために、奈良らしさを感じられる、そしてそこでは、玄関口ですので、夜もにぎわいを味わえるというような内容も持った、玄関口にふさわしいまちを創造していくために、新都市拠点整備事業シルクロードタウン21計画として、各種事業を推進していく。これとともに、平成22年の完成を目標に取り組んでおります連続立体交差事業も、新奈良駅舎の設計を行う段階に来ております。このことから、整備課題となっておりますペデストリアンデッキを含む東口駅前広場の再検討、高架下利用計画、旧奈良駅舎の利活用、駅前の土地利用並びに観光交通ネットワーク形成等について、シルクロードタウン21計画の趣旨を踏まえながら、都市再生整備計画の検討を行い、にぎわいと魅力あるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。 この都市再生整備に関しましては、まちづくりを専門分野とされている学識経験者、観光・商工関係者や地域代表者などで構成した懇談会の御意見をお聞きしながら、庁内関係部局で構成するJR奈良駅前まちづくり検討委員会において検討を行うこととし、既に委員会において検討を進めているところでもございます。なお整備計画につきましては、事業スケジュールも含めた内容として、平成18年度中に立案することで進めております。 教育行政について、2点のお尋ねでございます。 第1点は、学校施設の耐震診断の進捗状況と今後の計画についてでございますが、学校施設は、子供たちの学習、生活の場であるとともに、地域コミュニティーの拠点として、また地震等災害時の応急避難施設として、多くの市民の皆さんに利用される施設でございます。地域防災拠点としての役割も担っており、その耐震化は重要な課題であるとも認識をしております。 学校施設の耐震診断は、校舎においては、第1次耐震診断を平成17年度末で完了しており、あわせて、避難所であります体育館等の第2次耐震診断を平成17年度から5カ年計画で実施をしております。今後は、この第1次及び第2次耐震診断の結果を受けて、必要な耐震改修計画を策定し、計画的に耐震化の整備を進めてまいりたいと考えております。 耐震補強工事の進捗状況及び現在活用している耐震化の制度についてでございますが、現在、学校の耐震補強工事は改築工事、大規模改造工事と、あわせて実施をしております。しかし、第2次耐震診断が進んでいないことや、財政上の課題もあり、過去5年間では9校となっているところでもございます。 続きまして、現在活用している耐震化の制度でございますが、耐震化を促進するには、その財源をいかに確保するかが重要な課題でございます。そのため、現在は、国土交通省所管の耐震診断補助及び文部科学省所管の公立学校施設整備補助制度を活用しておりますが、地方公共団体の裁量を高め、学校施設整備のより推進を図るため、ことしから施行されました文部科学省所管の安全・安心な学校づくり交付金制度の、この活用も図りながら、学校施設の耐震診断や耐震補強工事に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 8番山中君。 ◆8番(山中益敏君) 2問目は自席より行います。 市長より、私の趣旨に従った御答弁をいただき、おおむね理解をいたすものでありますが、2点再質問をさせていただきます。 初めに、行財政改革への取り組みについて、市民の方々が参画し、協働化していくための市政運営を積極的に進めると答弁をされました。私も、6月17日の最初のタウンミーティングに参加をいたしました。市の財政状況については、以前から関心を持っており、従来より同僚議員が、国や地方自治体における公会計は、現金主義による単式簿記の方式であり、企業会計は発生主義による複式簿記の違いがあり、公会計のわかりづらい財務状況の指摘をしてまいりました。一般企業の発生主義における複式簿記による財務諸表では、資産や債務の総量や変化、さまざまな行政サービスのコスト、さらに、将来のためにどれぐらいの資金が必要なのかなど、本当の意味での財務状況を認識することができます。さらに、総務省では、5月に新地方公会計制度研究会の報告を受け、すべての地方自治体に対して、国に準拠した貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の財務諸表の作成を求める方針で、人口3万人以上の都市については、3年以内に設けるようにされています。 そこで、公会計の改革について、市長のお考えをお尋ねします。 次に、学校教育行政についてお尋ねをします。耐震補強工事の進捗状況は、先ほどの答弁で過去5年間で9校との答弁をいただきましたが、耐震化の目標は、平成15年では75%、平成27年では90%の基準値より判断をすると、極めて少ない耐震化率と言わざるを得ません。その理由は、学校改築工事や大規模改造工事とあわせた耐震補強工事で進める手法によるためで、規模の大きな学校改築工事や改造工事によらない、耐震補強工事のみに特化した工法で取り組めば、耐震化率はもっと進むものと考えます。 そこで、耐震化率の一層の促進に向けた今後の取り組みをどのようにされるのか、お尋ねをいたします。 以上で質問を終わります。 ○議長(和田晴夫君) 市長。 ◎市長(藤原昭君) 公会計の改革についてでございますが、お述べのように、新地方公会計制度研究会の報告書が、この5月に国会に提出されて、今後、地方自治体に対して、その運用が求められてくるということは承知をしております。 これもお触れになられておられましたんですが、民間企業にある企業会計手法の利点を公会計に取り入れると、そのために現行の公会計制度の基本であります現金主義を発生主義に見直していくというものでございます。従来から、公会計制度については、ストックの資産の状況やコストの状況が欠けているという指摘があったところでもございますので、本市におきましても、国の方から示された方式により、現在、バランスシートや行政コスト計算書、そして、キャッシュフローの計算書を作成しているところでもございます。今後は、その情報公開も進めまして、その示された数値を的確に把握し、私どももよく勉強しなきゃいけないところもございます。そうしながら、健全財政の確立に資してまいりたいというふうに考えているところでもございます。 第2点の耐震化率の推進へ向けた取り組みで、重点的な実施という形での御示唆、御提言もしていただきました。極めて厳しい財政事情の中で、確かにこの耐震化率の低さというのは、私自身も大変危惧をしているところでございます。現在、学校施設の耐震化工事は、お述べのとおり改築工事とか大規模改造工事であわせて行っておるところでございますけれども、その状況としては、遅々として進んでいないというような状況かと思います。そういう意味では、もう少し特化してはどうかという貴重な御示唆も拝聴を今いたしました。私は、少し学校施設全体の耐震化の必要性というのは、当然のことと認識はしているのですけれども、中でも災害時の避難施設にもなってます体育館等の耐震化は、喫緊と申しますか、極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。現在進めております体育館の第2次耐震診断を、これは早期に完了して、その耐震補強工事を優先的に実施をしていく方向を検討してまいりたいというふうに思います。 また、校舎の耐震化につきましては、庁内関係部で組織いたしました学校施設耐震化推進連絡協議会、この中で策定を進めております耐震改修計画において、耐震化の優先順位とか、期間、工法、財政計画など、明確にしながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 8番山中君。 ◆8番(山中益敏君) 3問目は要望、提案として述べさせていただきたいと思います。 市長は、行財政改革の1番の方策として、我が党が提案をしてきました事業仕分けを掲げておられます。事業仕分けの実施に当たっては、削減数値を最優先するのではなく、本来の事業の見直しを徹底し、官みずからがむだの削減に全力で取り組むとともに、運用システムの変更をすることによるコスト削減を、まず優先させるべきと、そして、その際、住民サービスへの影響を検証し、大きな負担が発生しないよう取り組むことを要望いたします。 次に、歳出削減の数値目標として、一般財源の20%の設定をされているという答弁でございましたが、機械的に均等に歳出削減を行うのではなく、高齢者や少子化対策、そのようなところに十分な配慮をした歳出見直しを要望しておきます。 また、歳入の見直しについては、収入率の向上を第一の目標という答弁をいただきましたが、平成19年度の徴収率を、財政フレームでは91.14%と想定をしており、平成15年度の決算報告による市の徴収率は88.3%、平成16年度は89.1%、平成17年度は89.4%と、経年変化を見ると、平成15年度から16年度は0.8%の徴収率の増加、平成16年度から17年度では年間0.3%の徴収率の増加となっており、平成19年度の目標徴収率と平成17年度の実質徴収率の差は、実に1.74%となり、比較すると大変乖離した徴収率と言わざるを得ません。金額的には、概算調定額を約570億とすると、約10億の水増しをした予算となるのではないでしょうか。財政の原則は、入るをはかって出るを制すとあるように、先に実質的な徴収率等でシビアな歳入を図り、その歳入の範囲で歳出項目が積算されるのが原則であります。その原則を遵守した財政フレームの検討を要望いたします。 次に、受益者負担の見直しについては、以前より我が党が要望してきました、人件費を含んだ事業当たりの行政コストを掌握し、受益者に納得のいく説明責任を果たし、導入、見直しについても慎重に行うべきであります。何にも増して、歳出削減に最優先で取り組まれることを主張しておきます。 さらに、歳入の見直しについては、売却可能な未利用用地や施設等の処分につきましても、積極的に取り組まれることを提案しておきます。 行財政改革における公会計制度の改革に向けた取り組みで、今後は財務諸表の情報公開を進めるとともに、財政計画へ反映させる、このような御答弁をいただきました。しかし、実際は、決算が終わった後、資産や債務の関係データを集めて、手作業で編成をされるのが一般的で、財務諸表ができ上がるのは次年度の予算編成が終わってからとなるため、決算結果が反映されないとの指摘もされております。この解消には、日常的な会計処理作業に発生主義による複式簿記を取り入れた新たなシステムの採用が必要となります。東京都では、今春からこの方式をスタートさせ、今後は、国においても一般企業と同じ会計方式の導入を図っていくものと考えます。そこで、新たな会計システムの導入を見据えた学習会などへの取り組みを提案いたします。 次に、平城遷都1300年記念事業につきましては、全庁推進組織が立ち上がっておりますので、今後の進捗を見守ってまいります。その経過の中で、市民や私たちも積極的に提言をさせていただきたいと思いますので、意見聴取の場を設けていただくことや進捗状況の情報提供、さらには市民の意識調査などの実施もあわせて要望しておきます。 次に、東部地域の活性化について、現在、月ヶ瀬、都祁の2地区は、都市計画区域外であり、本市としての一体性を確保する都市計画区域の指定を速やかに行い、おのおのの地域に合ったまちづくりが進むことを要望します。その上で、投資をする企業や生活インフラが整備をされる住宅地など、地域住民への利益を促す結果となり、企業誘致や農業振興の施策がより効果的に作用するものと考えます。また、新市建設計画では23事業が計画をされており、年次的に執行されるよう、今後も見守ってまいります。 次に、安全・安心のまちづくりについては、外国語による避難場所を示す案内板をできる限り速やかに設けていただけるよう要望いたします。また、ハザードマップについても、地震災害、洪水災害、土砂災害などの危険箇所を表記した地図を早急に公表し、自主防災組織でも活用できる紙ベースのマップもあわせて作成していただくことを要望いたします。 福祉行政における障害者自立支援の課題は、さきに指摘をしたように、大きくは利用者の負担のあり方、新たな報酬体系のもとでの事業運営、さらに新たな事業体系への移行緩和に向けた措置などが考えられます。市長の答弁で、本市独自の利用者の負担軽減については、他市の状況を十分調査し、検討されるとのことですが、同じ中核市の大分市においては、低所得者1・2を国の定める上限額の2分の1とし、一般世帯でも、市税が均等割の世帯と年収の総額が300万以下と以上の世帯で3区分を設けて、市独自の上限額を採用しております。また、隣の京都市でも、国の基準の負担上限額を2分の1にする独自の軽減措置を実施しております。本市においても、独自の軽減措置を実施していただくことを強く要望しておきます。 次に、奈良市が主体者として障がい者の地域生活を支援する、地域の特性や利用者の状況に応じて効果的、効率的に実施をされる事業として、既存の事業をまとめた新たな地域支援事業が10月より実施をされます。この制度については、今議会に議案提出されています議案第98号で、利用者負担については、制度の持続性の観点や1割定率負担とされる自立支援給付との類似性から1割負担を基本と考えますが、地域社会で安心して暮らせるための施策を推進するために、本市として利用者負担の軽減措置をされたことに一定の評価をいたします。しかし、今後も利用者の負担軽減については、実態掌握をしていただき、利用者が新たな負担とならないよう取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、小規模作業所について、当分の間、運営費の補助を続けるよう努力をするという答弁をいただきましたが、安心して作業所の運営ができ、利用者へ従来どおりのサービス提供ができるとともに、作業所が法人格を取得する場合は、支援やアドバイスの方をしていただくことを要望しておきます。 また、次に、JR奈良駅前のまちづくりについて、本年度中に都市再生整備計画を立案するとの御答弁をいただきました。JR奈良駅前まちづくり検討委員会を中心に進められると考えますが、計画が遅滞なく、市民に、また見える形で提供されることを要望いたします。 教育行政にかかわる学校施設の耐震化促進については、中でも災害時の避難施設となる体育館については、耐震補強工事を優先して実施をする、このような答弁をいただきました。一層の推進を要望いたします。 ここで、耐震化の促進につながる制度の活用として、まちづくり交付金の提案をさせていただきます。現在は、答弁にありましたように、安全・安心な学校づくり交付金の制度を利用して耐震化の推進を進められておりますが、国土交通省が所管をいたします支援制度であるまちづくり交付金において、公立学校施設の整備についても、まちづくりの一環として行われる範囲の中で整備を行うことが可能になっています。事例としては、災害に強いまちづくりや魅力ある中心市街地の創造など、交付金事業の中で学校の耐震化が進み、学校の整備促進が図られています。本市においても、まちづくり交付金制度の活用に向けた取り組みをされることを提案させていただきます。 なお、午前中の質疑の中に、(仮称)南部老春の家に向けた取り組みの御答弁がありました。私も以前より質問をいたしました案件でもあり、推進に向けた積極的なお取り組みをしていただくことを要望をいたします。 なお、18年度の問題を含めて、決算の詳細につきましては、同僚議員より決算特別委員会で御質問をさせていただくことをつけ加えまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(和田晴夫君) 24番西本君。  (24番 西本守直君 登壇) ◆24番(西本守直君) 私は、日本共産党奈良市会議員団を代表して、市長並びに教育長に質問をさせていただきます。 まず、高齢者への負担軽減策についてです。小泉内閣のこの5年間の構造改革で、国民の中に社会的格差が広がり、暮らしは大変です。とりわけこの夏、高齢者に大変な負担増が襲いかかっています。自民・公明の小泉内閣が進める税制改悪で、老年者控除の廃止や定率減税の半減、その他市県民税の増税、それに国民健康保険料の値上げや介護保険料の値上げです。6月の市民税の通知に驚いた市民が抗議や問い合わせで、1週間に800人の高齢者が市役所を訪れ、3,000本もの電話が殺到しパンクするほどだったと聞いています。これは、奈良市に限ったことではありません。こうした怒りは全国で爆発をしています。あるお年寄りは、電気もつけないで、冷房もつけないで暮らしている、こういうふうに言っていますが、そうした方にまで税金の通知が届いています。私は、この場から、こうした暮らし破壊を進める政府に対して、奈良市として、高齢者の大増税中止、見直しと今後の増税計画の凍結を強く申し入れるように市長に求めます。同時に、奈良市としての対応について質問をいたします。 まず、1点目は、市民税、国保料、介護保険料の新たな負担増は、ことしから3年で幾らになりますか。また、10月から医療費が3割負担になる人は何人でしょうか。 そして、2点目は、奈良市として次の緊急支援策をとることです。それは、一つは、急激な増税となる高齢者世帯に対する市税の減免措置を新たにつくること。二つ目は、住民税の非課税基準を現在の31万5000円から35万円に引き上げること。三つ目は、手続をすればいろんな軽減策があることをもっと親切にあらゆる機会を通じて市民に情報提供すること。四つ目は、国民健康保険料の所得の低い方に対する減免制度を拡充することの4点です。市長、これは奈良市として喫緊の課題です。今からでも補正予算を組んででも高齢者へのこうした救済策に手を打つべきだと考えますが、答弁を求めます。 次に、老春手帳優遇措置事業についてです。3月議会の前の、市長の制度改悪の提案に、奈良市の万年青年クラブの皆さん、シルバーパスを守る会の皆さん、それに公衆浴場の関係者の皆さんなど、制度の継続を求めて、しかも急速に署名活動その他、大きな運動に取り組まれました。また、各地域の単位の老人会として署名活動に取り組まれたところもたくさんあります。これは、かつてなかったことです。私たち日本共産党も、こうした皆さんと力を合わせて制度の継続を求めて取り組んできました。私が参加した正庁の間でのミーティングでは、制度を続けてほしいという意見が相次ぎました。しかし、市長は、最近出された連合会長への手紙で2年かけても実行したいと、その決意を語っておられますし、初日の開会あいさつの中でも、制度の検討をやり直すというふうに言われています。たびたび指摘をしていますように、この制度は、高齢者の社会参加を助け、買い物や病院通いにも利用され、大変喜ばれている奈良市の福祉制度の柱です。市長のいう改革は断念をし、この制度はこのまま継続すべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、奈良市の行財政改革についてです。幾つか具体的にお聞きをしたいと思います。 市長は、タウンミーティングで、向こう5年間で171億円の財源不足が生じると強調されております。果たして、奈良市は市民の暮らしを守ることができないのでしょうか。まず、今日の財政悪化を招いた原因について、この20年間の決算統計を見ると、普通建設事業は、昭和61年からふえ続け、平成元年から急上昇して、平成7年は過去最高で62年の2倍の、実に377億円にもなっています。そのうち、国や県からの補助事業と奈良市の単独事業を比べますと、昭和62年で単独事業は補助事業の1.4倍、それが平成7年には3.1倍、10年には3.2倍、この年は単独事業だけで253億円も使っています。一方、地方債の残高を見ますと、昭和62年の573億円が平成7年には2倍の1187億円、17年には3倍の1805億円になっています。経常収支比率で見ると、昭和62年の73.8%が平成17年度は93.8%、年々高くなって、自由に使えるお金がだんだん少なくなってきています。言いかえますと、大型公共事業に集中的に税金をつぎ込んできた結果、市債残高、つまり借金がふえてきています。その一方、市税については、固定資産税は順調に伸びてきて、ここ数年横ばいを続けていますが、個人市民税は、平成9年度の302億円から平成17年度は211億円と大きく減ってきています。 こうして見てくると、奈良市の今日の財政悪化の原因は、一つは、政府の大企業中心の経済政策の失敗による長期不況、それに国の減税政策による市税収入の落ち込みです。もう一つは、先ほどから見てきた大型公共事業に莫大な税金をつぎ込んできた結果借金がふえた。そして、三つ目は、小泉内閣が進めてきた三位一体改革によって国からの交付税などのお金が減らされている、こうしたことが財政悪化の原因です。ところが、市の行財政改革では、財政難を強調し、職員の大幅削減と市役所の仕事の民間委託、市民への負担増を強調するものとなっております。市長、これまでの公共事業優先の姿勢が借金をふやし、財政難を招いたのであって、市民の責任ではないという点を認められますか、お答えください。その上で、市の行財政改革の具体的な問題についてお聞きします。 まず、投資的経費についてです。財源不足の根拠は、第3次総合計画の後期基本計画で示された平成22年度までの財政見通しですが、この中の投資的経費、いわゆる公共事業と言われている経費は、平成18年度をベースに見ますと、22年度までの4年間で162億円ふえております。つまり、171億円財源が不足する中で、公共事業関係は162億円ふえている。この中には、合併による新市建設計画が192億円あります。内訳は、120億円の保健所、教育センターの複合施設の建設、都祁地域の合併記念公園に15億円、都祁行政センターの建てかえに10億8000万円、合併関連の道路整備に34億円、それに企業誘致その他です。そのほかにもJRの連続立体交差事業に58億円、遷都1300年記念事業に30億円、さらに、我が党議員団がかねてから中止を求めてきたJR南の区画整理事業に12億円、ほかに都市計画道路その他ありまして、同和問題の解決を名目に5億円近くが計画されています。ちなみに、人件費については、毎年の退職者は新規採用で補充し、定期昇給はしないということを前提にして計算をされております。果たして、こうした厳しい財政状況の中で、JRの連続立体は2010年の遷都祭までに何が何でも完成しなければいけない事業でしょうか。また、合併による新市建設計画も、合併特例債を目いっぱい使い、都祁地域に15億円の公園が必要でしょうか。この公園は全体計画で18億円です。また、10億円の都祁行政センターの建てかえ、これは合併した旧役場ですが、合併関連の道路整備も4年で34億円、これほどつぎ込むほど急がれるのでしょうか。また、今の時期に企業誘致はもっと検討が必要です。市長、市民の暮らしや福祉、教育を守るのが市政の最優先課題です。こうした投資的経費を思い切って見直すことが必要と思いますが、この点についてお答えください。 次に、入札制度についてです。入札制度の改革は、行革の柱の一つで、効率的な執行が求められておりますが、残念ながら、奈良市は談合の話が絶えません。談合をいかになくすかが大きなポイントだと考えますが、この点で何をもって談合情報とするのか、明確な規定が必要です。それに、郵便入札の場合はどうするか、こうした点を明確にするべきです。また、金額の大きいものについては、電子入札を急ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。また、随意契約を改めて見直しをして、競争入札に変えていくべきだと思いますが、この点についてお答えください。 次に、同和や不公正をなくすという点についてです。同和の問題では、国の特別対策が既に4年前に終結していますが、市の行財政改革では一言も触れられておりません。私も何度も議会でこの問題を取り上げてきましたが、いまだに奈良市の同和優先の姿勢は変わっていません。例えば、旧同和地区住民を対象にした固定資産税や国保料、保育料は半額負担でいいという措置がとられております。これだけでも年間8000万円近くになります。保育所の保育士さんの加配も、例えばゼロ歳児は園児5人に1人の保育士のところを、旧同和地域の保育所は4人に1人の保育士、こういった計算で加配をされています。また、人権教育推進のためにと加配されている学校の先生も、旧同和地域の学校に偏っております。また、我が党の井上議員が明らかにしたヤマトハイミールという会社、これは同和関連の融資を受けて操業されている会社と聞いておりますが、この会社の下水道料金を奈良市は17年間も請求していなかったと、この問題も本当に許せない話です。恐らく何千万円という金額になると思います。また、部落解放同盟への補助金も300万、それだけでなく、総合計画の後期基本計画で、同和問題の解決として22年度までに6億6000万円が計画されています。主な事業は、人権文化センター、旧隣保館の建てかえだというふうに聞いておりますが、学校の耐震診断や耐震補強工事が大幅におくれている中での、こうした施設の建設計画です。こういう同和対策優先の施策を見直すべきだと思いますが、市長の考えをお聞きします。 次に、職員の不正問題についてです。この間、職員の不祥事は後を絶ちません。平成13年度から今日までの間に処分された職員は52件、この中で上司としての管理監督責任を問われたものが5件ありますので、これを除いても47件です。その中で飲酒運転は6件、仕事に来ないと処分されているのが14件、採用形態で見ますと、選考採用が13件、試験採用39件、そして1カ月以上の停職は22件あります。この中でも、とりわけ飲酒運転は、第三者を被害に巻き込むおそれがあり、絶対にあってはならないものです。市長は、この結果をどう受けとめておられますか。 そして、行財政改革の最後に、国で6月、市場化テスト法が成立しました。市役所の住民票や印鑑証明などを交付する窓口の仕事を民間に任せる、こういう法律ですが、市長は、この市場化テストの導入はいずれ必要とお考えですか。また、公立保育所は市内22ありますが、この保育所の民営化の計画はどうなっていますか。それと、外郭団体の整理はどうされるのですか、お聞きします。 次に、遷都1300年祭についてです。きょうは財政負担に絞ってお聞きをしますが、1300年祭には後期基本計画で30億円しか計上されていませんが、県と市の公的資金は145億円と言われています。今年度の財政負担割合は、県と市が2対1ですから、これからすると、今後もっと負担を求められる可能性もあります。私たち日本共産党は、主会場を平城宮跡にすることをやめて、経費も大幅に節減して抜本的に見直すように、県に求めています。財政難の折に、しかも世界遺産を傷つけるおそれのあるイベントです。市長は、最終的に幾らの負担になると考えておられますか。また、県に対して、過度な財政負担はできない、こういうことを申し入れるべきだと思いますが、この点についてお答えください。 次に、教育長に1点お聞きします。9月末から臨時国会が始まりますが、さきの国会から継続審議になっている教育基本法の改悪の審議が始まります。この点については、議会でもたびたび取り上げてきましたが、改めて長年教育の現場に身を置いてこられた教育長に、この点についてお聞きしたいと思います。 1点目は、子供たちに国を愛する心などの徳目を教え、それを評価することについて。 2点目は、現行の教育基本法が教育の目的としている人格の完成について、どのようにお考えですか。 3点目は、来年4月に予定されている全国一斉学力テストでの奈良市の対応についてお聞きします。 以上で第1問を終わります。 ○議長(和田晴夫君) 市長。  (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 24番西本議員の御質問にお答えいたします。 まず、大きな第1点は、高齢者施策にかかわる御質問でございます。税制改正に伴って市民税、国民健康保険料、介護保険料の3年間の負担増、並びに老人保健法改正によって医療費3割負担になる方の人数等でございますが、まず、老年者控除の廃止等による市民税の増税額は、平成18年度単年度で約5億5000万円と見込んでおります。 次に、公的年金控除額の引き下げに伴い、新たに国民健康保険料所得割が賦課される世帯の3年間の負担増は、約8400万円と見込んでおります。また、老年者非課税措置の廃止による第1号介護保険料の3年間の負担増は、約2億4700万円になると見込んでおります。 次に、老人保健法の改正による医療費3割負担になる方の人数についてでございますが、8月の更新時点で、老人保健制度対象者3万6792人のうち、一定以上の所得者5,563人が10月から3割負担となります。 緊急支援策についてでございますが、まず、高齢者世帯に対する市民税の減免措置についてでございますが、市民税の減税措置につきましては、地方税法第323条におきまして、市町村長は天災、貧困、その他特別の事情がある者に限り、市町村民税を減免することができると定められております。減免措置は、大規模な災害等を除き、個人の収入や資産状況などにより担税力を判断して行うものでありますので、新たな減免措置の創設は、現在のところは考えておりません。 次に、市民税の非課税基準の引き上げについてでございますが、地方税法第295条第1項に定められている非課税限度額につきましては、地方税法施行令第47条の3第2項において、35万円を超えない範囲内において、生活保護法第8条第1項の規定によって厚生労働大臣が定める級地区分ごとに前年の生活保護費を勘案して、総務省令で定める率を乗じて得た金額を参酌して定めるとされております。当市は、この保護基準における級地区分が2級地でございますので、これを勘案して、31万5000円としております。御理解賜りますようお願いを申し上げます。 次に、市民に対する情報提供についてでございますが、来年度は、三位一体改革の一環として、国から地方への税源移譲による税率の変更が行われます。この点もございます。これも地方税法の改正によるものなんですが、本年度よりは、また大きな改正となります。これらの情報提供とか軽減措置等の市民の皆さんへの周知につきましては、市民だよりやホームページ等を通じて行っているところですが、さらに市民の皆様にわかりやすいPRを考えてまいります。 次に、国民健康保険料の低所得者層への減免制度の拡充についてでございますが、現在は、6割、4割の法定減額を実施しております。制度的には、さらに減額率の高い7割、5割減額もありますので、これを適用できるよう、賦課割合の平準化等の見直しを検討してまいりたいと考えております。 続きまして、大きな第2点で老春手帳優遇措置事業についてでございます。制度改革を断念して、このままこの制度を継続すべきと思うがどうかというお尋ねでございますが、議員もお述べになられておられましたように、老春手帳バス優待事業の制度というのは、高齢者の社会参加を助ける大変喜ばれている制度であるということは、私も認識はしております。しかしながら、高齢者人口の大幅な増加によって所要経費が増加する一方、市税等の財源が限られているため、このままでは優遇制度そのものが立ち行かなくなってしまうということから、制度の設計を行い、この制度がこれからも継続され、高齢者の社会参加を促す一助になるようにと考えたというところでもございます。 次に、行財政改革についてでございますが、福祉・教育を守るのが最優先で、収支不足の根拠と考えられる投資的事業を見直すべきではないかという御主張と御質問でございます。投資的経費につきましては、平成7年度の普通会計での決算額377億円、お述べのとおりでございますが、これをピークに税収減の傾向と並行して、その後、10年間抑制に努めてまいりました。そういった経過もございまして、御質問にありました平成18年度当初予算の普通会計の投資的経費は109億円となっております。この中には、合併によります新市建設計画と土地開発公社への健全化対策事業が含まれておりますので、通常の投資的経費は81億円とさらに抑制された結果となっております。この中の投資的経費の主な増加原因は、新市建設計画事業によるものと考えております。これらの新市建設計画事業の必要性については、ここで述べる必要はないかと思います。必要な事業として計上をしているわけでございます。 私は、収支不足の原因は、近年の市税の減収傾向と、そして義務的経費や一般行政経費の負担増にあると考えます。本年度、すべての事務事業について、その対象者や効果などを検討して、廃止、休止、縮小、継続、民間委託、民営化などに仕分けをする事務事業の再編整理を現在進めているところでもございます。福祉や教育、そして市民の暮らしを守るための施策事業の展開を進めるためにも、その進展を図るためにも、この事務事業の再編整理の精度を高めてまいりたいと考えているところでございます。 本市の財政が厳しいものになった要因で、さらに公共事業が優先されたためではないかという御質問がございましたが、現在の財政状況が厳しい要因としては、公債費の増加が負担になっていることは事実でございます。これまで市政運営の一つの柱として、都市基盤の整備が上げられ、その結果、本市におきましても駅前を中心としたまちづくりの推進が図られたわけでございまして、その一定の成果は上がっているものと思っております。しかしながら、その負債が負担となっていることは事実でありますが、今後は、その償還も踏まえての行財政計画を策定して対処してまいる所存でございます。したがって、御質問にありましたように、私も当然、現在の厳しい財政状況の原因は市民の皆さんの責任であるという考えは持っておりません。 次に、談合をなくすための明確な基準づくりについてのお尋ねでございます。現在、市では、入札における談合等に関する措置要領に基づきまして対処しております。談合があったと疑うべき情報がありました際には、関係者に対して事情聴取を行い、奈良市建設工事入札参加者等審査会において審議の上、談合行為の有無の判断をいただき、公正取引委員会にも報告をいたしております。議員御指摘の、郵便入札についての談合情報があった場合の対処法につきましては、通常の談合情報と同様の取り扱いをしております。 電子入札の導入についてでございますが、現在、県を中心として、県下の市町村に対しまして、建設工事電子入札制度に関する意見交換会が開かれて、電子入札導入に向けての協議が進められているところでもございます。本市といたしましても、早期に電子入札を導入できるように努力してまいりたいと考えております。 随意契約を見直して一般競争入札への移行についてでございますが、随意契約は、地方自治法第234条第2項及び地方自治法施行令第167条の2に基づいたものでございます。適切かつ迅速な契約行為のためやむを得ないものであると考えておりますが、入札に基づく契約が基本であることも考え合わせて、契約内容をよく精査し、見直せるものは一般競争入札に移行してまいりたいと考えます。 次に、同和対策優先の施策を見直すべきではないかというお尋ねでございます。平成13年度末の法の失効後、段階的に一般施策への移行を図っているところでございますが、現在、継続実施しております個人給付的事業等の特別対策につきましても、早い時期に廃止に向けた見直しを検討してまいります。しかし、今なお根強い差別意識が存在していることから、今後もさらにあらゆる人権問題に対する取り組みの中で、人権が当たり前の社会意識として市民の中に根づくための施策を進めていかなければならないと考えているところでもございます。 職員の不祥事についてでございますが、服務規律の保持の徹底につきましては、かねてから職員に指導しているにもかかわらず、過去において職員の不祥事が数多く発生いたしましたことはまことに残念であります。特に、議員御指摘のように飲酒運転につきましては、人命にかかわる重大な事故につながる危険性も持っているわけでございますから、今後、飲酒運転の徹底追放に向け、処分の厳罰化を含めた取り組みを進めてまいりたいと考えます。また、無断欠勤者につきましても、職員としての基本であります職務専念義務に対する違反行為であります。職員の意識改革に努めてまいります。なお、処分者の中に選考採用の職員が多く含まれているとの御指摘もありましたが、過去において、一部の職種で職員の採用を競争試験によらず、選考で実施した経緯はございます。しかしながら、選考により採用された職員は、競争試験で採用された職員と同様、まじめに勤務している者が大部分でありまして、採用形態に問題があったとは考えておりません。今後は、職員に対する服務規律を徹底することにより、市民の信頼回復に努めてまいります。 市場化テストの導入についてでございますが、市場化テスト法につきましては、公共サービスの担い手を官民の競争入札によって決めるものでございます。市場化テストは、地方公共団体におきましても、行財政改革の方策の一つであると考えられますが、例えば、和歌山県では導入を推進する方針が示されている一方で、大阪府においてはその導入を見送るといったように、地方公共団体においても、その導入に対する対応は現在のところ異なっております。制度の運用についての実績もまだないという状況でもございます。これに関しましては、本市においては、他の地方公共団体の導入による成果などもやはり明らかになった段階で、その実績等を勘案しながら検討していくのが、今はよい方向ではないかというふうに考えているところでございます。 公立保育所の民営化計画についてでございますが、本年2月に改訂をいたしました奈良市行財政改革大綱で、行政コストの縮減を目指しまして、民間でできると判断される行政サービスについては、民間の事業活動に移行させることが基本方針となっております。奈良市立保育園につきましても同様の検討を進めることになっておりまして、本年度から民営化基本方針や基本計画を策定するための検討委員会を設置をいたします。また、現在、民間に運営を委託しております2園につきまして、民間移管するための準備を進めているところでもございます。これの移管に関しましては、保護者を初めとする関係者の方々に御心配をおかけしないよう、十分な御理解を得た上で推進してまいりたいと考えているところでございます。 次に、平城遷都1300年祭に絡んでの、特に財政負担等についての御質問でございます。本市の財政負担についての御質問としては、以前からも申し上げていますように、記念事業の総事業費そのものが確定していない状況にあります。したがいまして、本市の負担総額も確定をしておりません。また、議員御指摘の県・市2対1という比率につきましては、確かに本年度予算は、過去の記念事業等の先例を参考にして、その率になっているところでございますが、現在のところ負担総額は確定していないことから、次年度以降は決まっておりません。今後の負担につきましては、記念事業の事業費や本市の財政状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。また、本市の財政状況が非常に厳しいということは、十分に県にも伝えております。 これに関しまして、行財政改革にも関係することでございますけども、外郭団体の整理についてでもございますが、指定管理者制度の導入により、今後、公募による指定管理者の選定を実施することによって民間との競合が予想されます。これに対処するために、外郭団体には市民のニーズに効果的、そして効率的に対応できる組織づくり、新たな事業分野の展開など、自立的経営に向けた取り組みが求められております。そのためには、財団職員の雇用の継続を念頭に置きながら、類似した業務の有無、管理を行う施設の数、それに見合う適正な職員配置等を考慮して慎重に進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 教育長。  (教育長 中尾勝二君 登壇) ◎教育長(中尾勝二君) 24番西本議員の御質問にお答えいたします。 初めに、教育基本法についての御質問でございますが、国を愛する心などの指導につきましては、子供たちが郷土に誇りを持ち、自分の育った国や郷土に愛着を持つことは、さまざまな教育活動や一人一人の経験などの積み重ねによって育つものであり、人間形成の上で大切なことであると考えております。また、国を愛する心についての評価につきましては、単なる事象をとらえてするものではなく、子供たちにどのような力が育ってきているのかを総合的に判断していくことが重要であると考えております。 続きまして、教育の目的としての人格の完成についてでございますが、現行の教育基本法第1条にも教育の目的として示されていますように、人格の完成は、教育の目指す大きな目的であると考えております。私は、常々教育とは、子供たちが学校や家庭、地域などでさまざまな人や物と出会い、触れ合う中で感動や喜び、また、時には挫折もあると思いますが、周りの人たちに支えられながら達成感を味わい、そして学ぶ喜びを味わうことによって成長し、人としての完成を目指すものであると考えております。なお、教育基本法の改正につきましては、今後、国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 次に、全国学力・学習状況調査の取り組みについてでございますが、文部科学省が国の責任において義務教育の結果の検証を行うという観点から、子供たちの全国的な学力や学習の状況を把握し、今後の指導に生かせるよう、平成19年度から実施する行政調査であると認識をいたしております。本市といたしましては、調査の趣旨が生かされ、各学校での円滑でかつ確実な実施が行われるように取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 24番西本君。 ◆24番(西本守直君) 2問目は自席からさせていただきます。 今回の市民税の増税は、ことしだけで5億5000万円という答弁です。3年にしますと、16億5000万ぐらいになるかと思います。それに来年は、定率減税が全廃されますので、税金はもっとふえてくるということです。国保料、介護保険料合わせますと、ことしから3年で20億円、市税の新たな減免措置はできない、こういうふうに言われますが、地方税法は、特別の事情のある者は市民税を減免することができる、こういうふうに書いています。今度の場合は、所得がふえていないのに税金がふえる。しかも、一方では、大金持ちや大企業には、減税している中での増税ということです。いわば非常事態です。何らかの手当てを取るべきだというふうに思います。また、非課税基準の引き上げ、わずか3万5000円です。該当者は、恐らくこの間に1万人近くおられるんではないかというふうに思います。確かに1人にすれば月々本当に何百円といった単位の話なんですが、市民税だけでことし5億円も取り立てる、言葉は悪いですが、つめに火をともすような暮らしをされている方々に、こういった救いの手を差し伸べることもできないんかというように、正直私は思います。そういう点で納得がいかない。また、それだけでなく、奈良市はひとり暮らしのお年寄りを対象にした緊急通報システムの事業をやっておられますが、この6月から非課税世帯からも1万8000円近い設置費を取るということになっています。社会的に弱い立場の人に余りにも冷たいやり方ではないかと。なぜこの問題を取り上げるかといいますと、これが象徴的にここにあらわれてると私は思いまして、2問目で取り上げるんですが、去年の実績聞いてみましたら74件、133万円程度だったということです。これから見ても、年間150万ぐらいの話なんです。課税基準の引き上げは、生活保護費との整合性でできない、こういうふうに答弁されている一方で、こちらは生活保護と切り離して考えると、こういう点で全く都合のいいやり方だというふうに思います。2問目でもう一度お聞きしたいんですが、10月から非課税世帯は無料に戻していただきたいというふうに考えるんですが、この点についてお答えいただきたいと思います。 また、老春手帳の事業については、これだけ負担のふえている中で、高齢者に一層の負担を押しつける、こういうことにもなってきます。今やるべきことは、税金の使い方を変えて、福祉、暮らしを守ることではないかというふうに思います。行革については、合併による建設計画が、今後の投資的経費の多くを占めると、こういうことです。こうした事業も聖域にせずに、もう一度見直すべきではないかと考えますので、この点についてもう一度答弁をいただきたいと思います。 市長、私たち議員団も財政が厳しいということは承知をしております。しかし、大きい公共事業は既定どおり進め、同和などの不公正、また、むだ遣いなどもそのままにして、財政難なんで我慢してくれ、こういう話は通らないというふうに思います。行財政改革では、経常収支比率を現在の93.3%から85%に下げるということを目標にしております。これは、一般財源の中で人件費や借金の返済、物件費など常に必要な経費の割合をできるだけ抑えて、余裕ができた分を公共事業に回す、こういう考えです。しかし、経済の高度成長期はそれでよかったかもしれませんけど、これからの財政運営は、経常的な経費中心、維持管理費を重視をした財政運営に切り替えるべきだ、経常収支比率70から80%が適正だと、こういうふうに言っていた時代は終わったと、こういうように主張する学者もおります。また、この計算は、国からの交付金が毎年1%ずつ削減されると、こういう見通しを立てておりますが、これもどれだけ減らされてくるか見通しが立たないというのが現状です。市民税は、市民1人当たりにして5万6600円払っておられます。これは、全国732市の中で高い方から数えて42番目、市民の方は、これだけ高い税金を払っているのに福祉は切り捨てられていくという点で、本当に納得のいかない思いをお持ちです。税金の使い方をやっぱり切りかえるべきだというふうに思います。 入札については、何よりも制度の改善を進めるという点で、市長の姿勢が決定的だというふうに思います。そういう点で、断固とした姿勢で取り組んでいただきたい。また、随意契約を見直すという答弁でしたが、この点について1点、ごみ焼却炉の点検整備、オーバーホールの契約についてですが、私は、委員会で競争入札に変えよと、こう質問してきましたが、随意契約でやっている理由はほとんど見当たりません。競争入札に踏み切るべきだと思いますが、この点についてお答えいただきたいと思います。 次に、職員の削減です。平成25年までに450人減らすということになっていますが、14年度で確か中核市に移行したと思うんですが、県から1,200件もの権限が奈良市に移りました。保健所だけでも確か57人おられたと思うんですが、それが奈良市に移ってきました。しかし、結局職員は、その年も42人減っています。職員の皆さんの仕事もふえて人が減らされる。そのために大変労働密度が高まっている。それは職員への犠牲だけでなくて、結局、市民サービスにも影響してくるというふうに思います。こういうことが原因かどうか私はわかりませんが、1カ月以上病気で休んでおられる職員は、現在41人もおられます。効率第一主義になって、人件費の削減に走ることのないようにしていただきたいというふうに思います。 また、同和事業については、まだ差別意識が残っていると、こういった答弁だったかと思いますが、差別意識の問題については、一般対策化を図る中で時間をかけて解決を図っていくべきではないかと、このようにも思います。 市場化テストについては、このねらいとするところは、50兆円とも言われているこの公共サービス、公共部門の仕事を民間に移す、こういうことがねらいです。そうなりますと、市民のプライバシーの漏えい、侵害の危険が大変多い、大きい、こういう点で私たちは導入に反対だということを申し上げておきます。 また、保育所の民営化は、かなり検討が進んでいるようです。他市の状況を見ても、いろいろ問題が出てきています。中には、民営化した保育所の保育士さんの人件費を切り下げてやめていく職員がいっぱい出てきてるとか、そういう話も聞いてますし、もう経営が成り立たんからといって、民営化した保育所を畳んでしまったというところもあるようです。やはり、今のまま直営を堅持していただきたいというように思います。 最後に、教育長から教育基本法に関連して答弁をいただきました。今度の教育基本法の改悪は、国を愛する心など20の徳目を書き込んで、その目標の達成を子供たちに義務づけようとしております。国を愛する心などは、簡単に評価は下せるものではない。教育の目的としての人格の完成は大切なことだ、こういった答弁の趣旨だったかと思います。そのように受けとめました。ぜひ、注意深く見守っていただきたいというように思います。 ただ、全国一斉学力テストは、かつて1961年から64年まで実施をされたと聞いていますが、子供たちを競争に追い立て、学校を荒らし、国民的な批判の中で中止をしたという経過があります。私たちは、こうした学力テストに反対です。まだ、これから若干時間は残されていると思いますので、もう一度慎重な検討をいただきたいということを申し上げておきます。 これで2問目を終わります。 ○議長(和田晴夫君) 市長。 ◎市長(藤原昭君) 3点の御質問かと思います。 まず第1点は、今後の投資的経費の増加要因になっているということで、新市建設計画を見直す考えはないかということが第1点でございます。現在、新市建設計画の進めております各事業というのは、これは合併協議会において承認されて、平成17年4月の合併後、各事業の担当所管において今、計画推進の努力をしているところでございます。したがいまして、現時点で新市建設計画を見直すことは考えてはおりません。しかし、進捗において内容の精査等変更が生じてくる場合もあると考えてはおります。その際には、関係する旧月ヶ瀬村、旧都祁村のまちづくり協議会とも十分に協議をさせていただき、事業を推進していく考えでございます。 続きまして、もう1点が、前後いたしましたけれども、最初が高齢者施策についての内容について、緊急通報システムについての市民税の所得割の非課税世帯、10月から無料に戻すべきではないかというお考えのもとでの御質問でございます。これは、市民税の所得割の非課税世帯につきましては、平成17年度から内蔵の電池の交換費用、これを。それから、平成18年度からは、緊急通報機器設置費を負担していただくように改正させていただきました。このことにつきましては、平成16年度の事務事業の評価において、受益者負担の原則どおり、設置費用の自己負担を求めていくよう指摘されているものでございました。なお、今後、議員も危惧なされておられます、増加すると見込まれておりますひとり暮らしの高齢者の方々の緊急時に対応できる、この効果的な方策については、早急に検討をしてまいりたいというふうに考えます。 それから、第3点が、随契に絡まりまして、環境清美工場のオーバーホールの入札についての御質問でございます。指名競争入札というのは、価格の低減化とか、契約の透明化を図る意味では有効であると考えます。本市の環境清美工場は、築後20年を経過して、至るところで老朽化をしております。毎日搬入されますごみ量、処理量、処理能力を考えましたときに、定期のオーバーホールによる焼却炉の運転停止期間を最も短くする必要がございます。施行期間が長くなるのは重要な問題でもございますので、現在は随意契約をしているところでございます。しかしながら、議員も御指摘のとおりでございますが、今後は、価格の低減化や契約の透明化を図るという意味から、部分的にでも指名競争入札で契約ができないか検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 24番西本君。 ◆24番(西本守直君) 焼却炉のオーバーホールにつきましては、競争の原理が働いたらかなりの経費の節減になるというふうに思いますので、わざわざこの場で取り上げをさせていただきました。ぜひ、実現の方向に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。 市長は、こういう改革を進める手法として、市民参加、市民との協働ということを強調され、いろいろ新しい取り組みもされています。この間、私も1年間ずっと市長の取り組みを見てきましたけれども、はっきり言いまして、奈良市の政策を市民に理解をしてもらいたい、そして、仕事の一端を市民も担ってほしい、こういうところが本音ではないかというように思います。実は、先日、隣の東大阪の市長がタウンミーティングを開催したと、こういう記事が新聞に出てましたが、参加者100人、そのうち21人から希望が出されて、抽選して17人だけに発言を絞った、それでももう時間足らんかった。ほとんどの市民の意見を聞いてですね、市長は最後に、こういう意見を9月議会に反映していきたいと、こういうようにまとめられたという記事が載ってました。ちょっと奈良市のタウンミーティングと比較をしたもんですから、ここで取り上げたわけです。また、岸和田のまちづくり協議会の様子をこの間話を聞きに行ってきました。あそこは、地域協議会の活動が大変活発です。基本計画など重要な方針を決めるときにも、住民に相談をかける。去年、住民参加の自治基本条例というのがつくられておりますが、これも市役所が案をつくって、市民に相談をかけるという、そういうことではなくて、住民が案をつくって、行政に問うていくと、そういうところまで進んでいるというような話を聞きました。なかなかそんなもの1年、2年で奈良市がやるからといってできるものではないというふうに思いますが、やっぱり市政は市民が主人公、よく自治体は住民が主人公や、行政はコーディネートの役割を果たすんだと、こういうように言われますけれども、奈良市でも、これからの市政のかじ取りを文字どおり住民を主人公にした市民との協働というのを進めていく、そういう方向を真剣に追求していただきたいというように思います。 きょうは、行財政改革を中心に質問をさせていただきました。奈良市は、財政難の中でこれからどうやって市政を進めるのか、私は、このときに改めて自治体の使命というのは何かということを考えていただきたいと思います。実は、最後に、お二人の市民の方の声をちょっと紹介をさせていただきますが、お一人は七十五、六ぐらいの奥さん、高齢の方ですが、税金がふえて大変やと、医療費も高くつくと、年寄りはもう早よ死ねということか。それやったら、いつでも死ねるように薬を欲しい。そういうふうに西本さん言うといてくれ。もう一人の方は、障がい児を抱えたお母さんでしたが、県営住宅におられましたが、子供の養護学校の送り迎えの費用まで1割に負担になったと。保護課へ行ったけど、働けるやろ言われて2回とも断られたと。何かあったら子供と刺し違えてでも自分は死ぬという覚悟してるんや。そうせんかったら生きていかれへんと、そこまで言っておられます。私は、それ聞いたときにもう返す言葉なかったです。こういう人をなくしていくというのが政治ではないんかと、このように思います。そのために、奈良市でもまだまだできることはあるんと違うんかと、このように思います。不要不急の事業を見直す、むだや不公正をなくしていく、それでも足りんかったら市民に相談をかけるという、そういうことになっていくんではないかというふうに思います。これは、奈良市の福祉都市宣言です。「地方公共団体は、国の積極的施策とともに、独自に、社会福祉の充実に努めなければならない。わたくしたち奈良市民は、すでに平城京のむかし、福祉事業が行われた歴史を想起し、人間尊重の新たな理念のもとにすすんで、福祉達成に力を注ぐことを重大な責務と考える。わたくしたちは、このような自覚と認識にたち、あえて「福祉天国」の理想をかかげ、明るい、ゆたかなうるおいのあるまちづくりに前進したいと思う。」福祉都市宣言の一部です。財政難な中でも市民の暮らし、福祉、教育をしっかりと守る改革、それに取り組んでいただきたい。このことを主張して私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(和田晴夫君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後2時58分 休憩  午後3時31分 再開 ○議長(和田晴夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(和田晴夫君) 代表質問を続行いたします。 42番土田君。  (42番 土田敏朗君 登壇) ◆42番(土田敏朗君) 政友会の土田でございます。私で本日最後の代表質問でございます。皆さん、お疲れでございますが、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。 それでは、私は、政友会を代表いたしまして、通告いたしております数点につきまして市長並びに水道局長に質問いたします。 まず、秋篠宮妃紀子様の男児御出産、まことにおめでとうございます。市民の皆様とともに心よりお喜び申し上げます。そして、親王殿下のお健やかな御成長を御祈念申し上げるものでございます。 さて、夏の全国高校野球選手権大会が、猛暑が続く中、8月6日から21日までの16日間にわたり、甲子園球場で熱戦を繰り広げました。その決勝戦は、駒大苫小牧と早稲田実業が延長引き分け再試合を戦い抜き、私たちに大きな感動を与えてくれました。戦いの最後には、両校のエースのピッチャーとバッターでの対決、早稲田実業の斎藤投手が最後の力を振り絞り投げた直球を、駒大苫小牧の田中投手が気迫のこもった空振り三振で幕を閉じるという、熱闘にふさわしい、勝者と敗者を分けるに忍びない戦いでありました。厳しい練習に耐え、野球というチームプレーの中で、みずからの可能性を見出し、それが自信となって猛暑の中を戦い抜いたことは、彼らにとって大きな財産になったことでしょう。こうした選手を育てた指導者も、またはかり知れない喜びを味わったことと思います。個人主義がはびこる現代社会において、チーム全体が目標に向かって一丸となって戦う姿は、心技体を鍛えるスポーツの持つ魅力を改めて感じた一戦でもあり、また、最後まであきらめない気持ちを持つことが、いかに大事であるかを教えてくれたのではないかと感じているところであります。 翻って、我が国経済社会に目を転じますと、本年8月の月例経済報告によりますと、景気は回復しているとされ、全国消費者物価指数も上昇が続いていることから、日本経済のデフレ脱却が緩やかなペースで進み、政府はデフレから脱却したかどうか認定作業に入ったと言われています。 こうした明るいニュースの反面、我が国の昨年の出生率は1.25と、5年連続で過去最低を更新し、このままの状態が続けば江戸末期以降ふえ続けた日本の人口が減少すると言われています。人口減少社会は、労働力は減り、経済が縮み、少子化と高齢化が同時に進めば、年金や医療、介護など社会保障制度は立ち行かなくなり、社会の活力が低下していきます。既に年金制度などについて若者たちに不安感を与えています。日本の現代の人口を維持していくためには2.08の出生率が必要とされていますが、政府の目標は、現在の年金制度の維持を前提としたもので、1.39とかなり低くなっています。ことし上半期の出生数が前年同期を約1万1000人上回り、半期ベースで6年ぶりに増加したとされています。ニートやフリーターといった雇用環境や、女性の社会進出などによる晩婚化など社会環境の変化に伴う少子化傾向は、簡単に変わりそうにもありません。 国の「骨太の方針2006」においては、人口減少・少子高齢化の進行する過程のもとで財政問題は深刻な世代間の不公平を生じさせる。現世代がみずからの負うべき借金の返済を声なき後世代へ先送りすることは許されないと述べています。そのため、2011年度には、国・地方の基礎的財政収支を確実に黒字化するとして、名目経済成長率を3%と予測した場合の、黒字化するための歳出削減または歳入増の必要な額を16兆5000億円と試算し、最大14兆3000億円の歳出削減を盛り込んだ社会保障費、公共投資など、今後5年間の歳出改革を示し、不足する額は税制改革で対応するとされています。 しかし、国・地方の長期債務残高は、平成18年度末で775兆円に上ると見込まれ、GDPの1.5倍にもなります。地方においては、国の三位一体の改革による地方交付税の削減や税源移譲も十分なものではなく、どの自治体も予算が組めないとして、地方財政危機突破運動を展開したことは、記憶に新しいことでございます。また、本市の財政見通しにおいても、平成18年度末、市債残額が2545億円と見込まれるところに、平成15年から22年までの4年間で171億2100万円の財源不足が生じると試算されています。 さて、今定例会に提出されました平成17年度一般会計決算は黒字となっていますが、その執行過程において、決算見込みで数十億円の収支不足が生じるとの話も仄聞いたしております。そして、そのような状況の中で、去る6月に財政再建団体への移行を表明した夕張市は、出納整理期間の会計操作でジャンプ方式と呼ばれる赤字隠しをしていたことが明らかになりました。 そこで、市長に、本市の財政状況について数点お伺いいたします。 まず、平成17年度決算についてでありますが、一般会計決算の実質収支において8億1700万円余りの黒字決算となっています。黒字という結果においては、一定の評価をいたすものでありますが、先ほど申し上げましたように、その過程における決算見込みにおいて、収支不足を生じるような事態は実際にあったのか。あったのであれば、その額はどの程度であったのか、また、その対応に当たってどのような方法をとられたかをお伺いいたします。さらに、そういう事態は過去にもあったのか、お答えください。 また、普通会計で実質収支が7752万円の黒字決算となっていますが、奈良市を除く中核市35市は、すべて億単位の実質収支となっており、奈良市のみが1000万円台での最低額となっています。この結果をどのように感じておられるのか、市長の所感をお聞かせください。 次に、中期財政5カ年計画についてお伺いいたします。市長のマニフェストにあるように、財政健全化の道筋をつけるために、市債残高の削減を行う中期財政5カ年計画を平成17年度に策定されましたが、平成22年度末までのその償還計画はどのようになっているのか。その結果、平成22年度末の市債残高の見込みはどの程度になると予測されているかをお伺いいたします。 また、地方交付税改革に伴う総額の確保について、国は、平成18年度については抑制・減額しない方針を打ち出していますが、新型交付税構想も浮上しております。今後、大幅に減額された場合、本市の財政見通しがさらに厳しくなると予想されますが、市債残高の削減とあわせ、今後の本市行財政運営に当たって、どのような見解をお持ちかをお聞かせください。 次に、少子化対策についてお伺いいたします。終戦直後の第1次ベビーブームには4以上あった合計特殊出生率は、昭和41年のひのえうまの年に1.58になったものの、その後、第2次ベビーブームの昭和48年には2.14となりました。しかし、昭和50年以降は毎年減り続け、平成元年には1.57と昭和41年を下回り、昨年、過去最低を記録。政府が10年以上にわたり取り組んできた少子化対策は、効果が上がらずじまいの結果となっています。社会保障給付費に占める高齢者向け支出は70%、子育て支援は4%と大きな開きがあります。また、電車・バス料金は、中学生から大人料金、しかし高齢者には無料パスを交付するという、高齢者と子の格差も指摘されています。 平成15年7月に成立した少子化社会対策基本法の前文において、我が国における急速な少子化の進展は、人口構造にひずみを生じさせ、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす。我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している。しかしながら、我らはともすれば高齢社会に対する対応にのみ目を奪われ、少子化という、社会の根幹を揺るがしかねない事態に対する国民の意識や社会の対応は、著しく遅れていると、まさに少子化対策の重要性を述べています。そして、国及び地方公共団体は、少子化対策の責務を有するとし、事業主や国民の責務も述べています。同年9月に法は施行され、内閣府に少子化対策会議を設置、平成16年6月には少子化社会対策大綱が閣議決定され、また同年12月には子ども・子育て応援プランが決定されています。 そこで、市長は、マニフェストで小児医療体制の整備、認証保育園制度、子育て支援アドバイザー制度など数点の少子化対策を掲げておられますが、本市における少子化対策の成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。 さらに、本年6月に国の少子化社会対策会議が新しい少子化対策についてを決定しています。新たな少子化対策の推進として、子育て支援策や働き方の改革、その他重要な施策の3項目について、さまざまな施策を示しているところであります。これらの施策については、歳出・歳入一体改革の中で必要な財源の確保とあわせて、平成19年度予算編成過程において検討するものとされています。これら国の施策の中で、市においても対応していかなければならない項目もあろうかと思いますが、速やかに対応するためには、その準備も必要であります。 そこで、市長にお伺いいたします。こうした国の動向を踏まえ、市はどのように対処しようと考えておられるのか。また、市として、今後少子化対策を総合的に進める上で、少子化施策室といった新たな組織を立ち上げる必要があるのではないかと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。 次に、観光行政についてでありますが、国家的事業である平城遷都1300年記念事業に向けた外国人観光客の誘致についてお伺いいたします。1300年前に都として栄えた古都奈良に集う人々の祈りをろうそくの明かりで照らし出そうと、平成10年に始められたなら燈花会は、ことしで8回目を迎え、開催期間中に70万2000人が訪れ、1日当たりでは過去最高となりました。しかし、ここ数年の入り込み観光客数の動向は、平成12年からは年々増加し、15年には1393万人でありましたが、16年には1274万人に減少しています。これは、あやめ池遊園地の閉園が要因とされていますが、去る8月31日には奈良ドリームランドが45年の歴史に幕を閉じ、来年以降の本市の入り込み観光客に影響が出てくるのではないかと心配されます。 一方、奈良市と同じように古都であり、観光都市であります京都市の昨年の観光客数は、4700万人を突破し、5年連続で過去最高を記録しています。中でも外国人の宿泊客が73万人を記録し、前年に比べて19万人、率にして34.2%もの伸びを示し、2年連続で過去最高となっています。我が奈良市の外国人観光客入り込み数の動向は、ここ数年増加しているものの、平成16年で30万7000人、そのうち宿泊客はわずか3万4000人に過ぎません。しかし、奈良は、世界遺産を有する国際文化観光都市として京都より歴史が古く、また、1300年前の姿が今も都市の中に、都市の姿として残っているのは、日本では奈良しかないと言われ、日本人の心のふるさと奈良、平城京時代に国際化社会であった奈良は、たぐいまれな観光資源を有する日本の古都であります。また、東南アジアの中心都市、中国・西安市や韓国・慶州市と友好・姉妹都市でもある奈良は、同じ古都でも京都とは違う面を有しているのではないかと考えます。 今、国は、2010年に1000万人の訪日外国人の誘客を実現するビジット・ジャパン・キャンペーンを実施しているところでもあり、奈良市の持つそうした特性を世界に発信する絶好の機会ではないかと考えます。 そこで、市長にお伺いいたします。奈良市において、昨年度、市長もヨーロッパからの誘客を図るため、フランスでのキャンペーンを展開されたところでありますが、今後、東南アジアを含め、平城遷都1300年に向け、外国人の誘客にどのような取り組みをお考えか、お聞かせください。 次に、教育改革について市長にお伺いします。先日、埼玉で中学生が、父親が勉強に厳しかった、母親も冷たかったので、家を焼いて両親を困らせたかったと自宅に放火し、弟が亡くなるという痛ましい事件がありました。これより先に、奈良県田原本町でも、思わしくない成績が親に通知されるのを気にして自宅に放火、母子3人が亡くなるという同様の事件も発生していますが、余りにも短絡的な子供の行動に、どのような教育環境が必要なのかを痛切に感じているところであります。 こうした背景には、少子化、核家族化と言われ続ける社会の中で、我々大人が子供たちの健やかな成長を見守る、かかわっていくという機会が昔に比べて随分減ってきたのではないかという気がいたします。私たちが小さかったころは、家族や地域の人たちからしかられたり、また褒められたり、励まされたりしたことが多々ありました。今は、子供たちが何をしでかしても見て見ぬふりをしてしまい、地域や家庭で子供を育てるという環境になっていないのではないかとも感じております。このような社会を変えていくには、家庭教育だけでなく、学校教育と地域社会がともに手を携えて、一体となって教育を推進することが必要ではないでしょうか。そういう意味で、市長のマニフェストに掲げられています地域コミュニティーの再生は、教育行政を進める上でも非常に大事なことではないかと思料いたすところであります。 このような中、中央教育審議会の議論におきましても、人間力向上のための教育改革を進めるに当たり、新しい時代の国づくりの基盤となるのは、人づくりであり、子供は社会の宝、国の宝であるとの考えのもと、学校や家庭、地域など、社会全体で新しい時代を切り開く、心豊かでたくましい人間の育成を求める教育改革を進めようとされております。また、地方分権という流れの中において、税財政面における地方の自立性、自主性を高めるものとして、三位一体の改革や義務教育費の国庫負担制度の見直しなどを行っており、教育に関しても従来にも増して地域の主体性と創意工夫により、最適な教育活動の推進が要請されるところであります。 そこで、市長にお伺いいたします。このような状況の中で、今後、市としてどのような施策を展開しようとされているのかをお聞かせください。 最後に、水道ビジョンについて水道局長にお伺いいたします。奈良市の水道は、大正11年9月に木津川を水源として給水を開始して、84年が経過しました。その間には、生活水準の向上や市政の発展による急増する水需要に対処するため、水源に乏しかった本市は、布目ダムや比奈知ダム建設事業に参画するなどして、3系統4水源に分散した渇水に強い水道、余裕のある水道を達成されております。水道局におかれましては、常に清潔でうまい水の安定供給を基本目標に、市民生活などに欠かすことのできない生活基盤であるライフラインとして、企業経営を進めてこられたところであります。そして、平成15年度からは、地域住民念願の東部地域へも上水道の給水が開始されました。普及率も99.7%となり、拡張の時代から本格的な維持管理の時代に入ったと思料いたすところでございます。環境汚染や、予想される南海・東南海地震など危機管理に対する迅速な対応も要求され、長期的視野に立った、しっかりとした事業経営戦略を立てておく必要があります。現時点で問題がないとされるものでも、いざというときにさまざまな課題が発生することも多々あるのではないか、将来的に問題がないかについても検証することが必要ではないかと考えます。水道局におかれましては、今年度、奈良市水道事業中長期計画を策定中と聞き及んでおりますが、計画策定に当たっては、実施計画まで見通し、広い視野に立った確固たる計画を策定する必要があろうかと考えます。 そこで、計画策定の背景、概要、策定に当たっての今後の取り組みについて、水道局長のお考えをお聞かせください。 以上で私の第1問を終わります。 ○議長(和田晴夫君) 市長。  (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 42番土田議員の御質問にお答えいたします。 まず、市の財政事情について、3点のお尋ねがございました。第1点は、17年度決算における収支状況の経過に絡んでの御質問でございました。御指摘にもありましたように、17年度の執行過程において、かなりの収支不足が見込まれたのは事実でございまして、1月時点では、30億円を超える収支不足の見込みとなっておりました。したがいまして、その対策として、年度末に向けて、各所属におきましても可能な限りの執行についての精査をし、そして、義務経費等も含めまして執行の抑制を進めること、その対策をとり、また収入についても、市税を初めとするあらゆる歳入について、その収入努力を行うことといたしました。そして、市債についても、後年度負担にも配意をしながら、借り入れ可能なものについては、知恵を絞ってさまざまな措置をとるという、このような対策をすることにより、その結果、何とか黒字決算をなし得たというのが実情でございます。 このような事態が過去にもあったのかという御質問がございます。バブル経済が崩壊した後で市税等が減っていっている、そういう時代、ここ数年は、額に差異はございますが、やはり同様の状況でありました。しかし、市民サービスに大きな支障を来さないように留意しながら、その対応を図ってきたところでもございます。 第3点には、普通会計の黒字額が、他の中核市と比較して最も低いが、どのように認識しているのかという御質問でございます。確かに普通会計ベースにおいて、実質収支比率を他の中核市と比較した場合、17年度において最も低いものとなっております。本市の場合は、普通会計には、住宅新築資金会計も含まれておりまして、同会計の赤字が大きく影響しているものと考えております。また、この指数の大小のみで、一概に財政状況を示すものではありませんけれども、やはりこの状況は好ましいものではありませんので、現在進めております行財政改革を達成することによって、健全な財政構造をつくり上げてまいりたいと考えております。 次に、市債発行に当たっての償還計画とその残高見込みについての御質問でございます。後期基本計画実施計画におきまして示させていただいております財政フレームにおきますと、今後5年間は、新市建設計画や土地開発公社健全化計画を達成するために、従前に比べ多額の市債発行を計画させていただいております。これにつきましては、計画的な償還に努めるところでありますが、やはり負担となるところでもありますので、今回の補正予算にも提出させていただいたように、借りかえによります後年度への平準化を図ることによって、負担軽減を行ってまいりたいと考えているところでもございます。なお、これによりまして、平成22年度末での普通会計ベースの市債残高は約1794億円となるものと見込んでおります。 また、多くの債務残高に加えまして、国の交付税改革等も進められる現状に対する本市行財政運営の私の考え方への御質問でございますが、御指摘にありましたように、国の行財政改革による地方財政への影響は、ますます厳しいものになることは予想されるところでございます。国の動向につきましては、今後注視して、その対応に努めてまいりたいと考えておりますが、やはりいずれにいたしましても、現在進めております本市独自の行財政改革を確固たるものにして、体力のある奈良市の財政基盤を目指してまいりたいと存じております。 次に、大きな第2点、少子化対策についてでございます。少子化対策につきましては、議員が今お述べのとおり、国や各自治体では少子化に歯どめをかけるべく、次世代育成支援のための行動計画を作成するなど、さまざまな取り組みが行われています。 奈良市におきましても、少子化対策に全市的な取り組みを図るべく、平成17年3月、奈良市次世代育成支援行動計画を策定して、つどいの広場事業の新設、バンビーホームの時間延長、子育て支援センター事業、ファミリー・サポート・センター事業の充実など、14項目の目標数値を設定し、その目標達成に向けて鋭意努力をしているところでございます。また、小児医療体制の整備につきましては、市立奈良病院が、小児科病院2次輪番制に参加して、小児医療体制の充実に努めており、休日夜間応急診療所では、救急1次受け入れ医療機関として小児科医を配置し、休日や夜間における子供の急病に備えております。また、子育て支援アドバイザーは要領を定めて、現在、講習会の講師の選定、アドバイザーの募集の準備を進めております。 これもお述べになられておられましたが、ことし6月には、政府の少子化社会対策会議におきまして、従来の子ども・子育て応援プランからさらに踏み込んだ「新しい少子化対策について」が決定をされました。奈良市におきましても、次世代育成支援行動計画の目標を少しでも早く達成するとともに、今後の見直しにおいて、本市に必要な新たな施策も盛り込んでまいりたいと考えております。 これらの施策を効率的に行うために、庁内の体制整備もあわせ検討しているところでございます。来年度におきましては、奈良市のまちづくり、市民生活づくりの姿として、子育てしやすい安全・安心なまちと言われるようなまちづくりを目指して、さらに施策の展開を図っていきたいと考えております。 次に、観光行政についてでございます。平城遷都1300年を迎える中で、外国人誘客についての取り組みについてのお尋ねでございます。ヨーロッパ、アメリカを初め、来日外国人の50%以上を占めます韓国、台湾、そして中国からの来訪を重視をしているところでございます。奈良を訪れる外国人観光客に対して、おもてなしの心を持って地域との触れ合いを深めてもらうことから、遷都1300年に向けて、外国人向けのボランティアガイドの育成や、旅館組合、商店街振興組合等に対しまして、講座を開催するなどの啓発活動に努めてまいりたいと考えております。また、奈良市を訪れる観光客に利用していただくために、奈良市観光ホームページも英語、中国語に引き続き、早急に韓国語についても対応し、市内の観光案内板においても4カ国語表示への切りかえに積極的に取り組んでまいりたいと思います。 次に、教育改革についてでございます。市としての教育の推進についてでございますが、まず、安全・安心で夢のあるまちづくりを進めていくためには、お述べになられておられましたが、人と人とのコミュニケーション、心の触れ合い、つながり、支え合いが基本のものになると考えております。しかし、御指摘もされていましたように、社会の中では、科学技術が進展する一方で、人と人とのつながりが希薄化し、家庭教育や地域社会の教育力が低下しているというふうに承知をするところです。 そこで、市の教育憲章にも示させていただいておりますように、市民が奈良の教育を考え、未来に羽ばたく子供たちの心身の健全な発達を支えるために、学校・家庭・地域が一体となった教育の推進を支援していくことが重要であると考えます。その実現のため、地域の中に小学校を単位として地縁の仕組みを再構築して、奈良市の子供たちが将来に夢を持てるような生活環境をつくる、「夢・教育プラン」の策定を進めております。既に9月には、ふれあい夢スクール事業を立ち上げまして、地域の方々と子供たちが、また地域の方々同士が触れ合い、きずなを深める場として利用していただけるように、全小学校の余裕教室等の整備を行ったところでもございます。それが地域の活動の拠点となり、学校・家庭・地域のネットワークづくりに発展していくのではないかと期待をしているところでもございます。今後も地域コミュニティーを中心に、みんなが子供たちを見守り育てられるような環境づくりを進めて、愛し愛される奈良を目指して、夢あるまちの創造に努力をしてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 水道局長。  (水道局長 中尾一郎君 登壇) ◎水道局長(中尾一郎君) 42番土田議員の御質問にお答えいたします。 水道ビジョンの策定の背景、計画の概要、今後の取り組みについてでございますが、厚生労働省が平成16年6月に策定した水道ビジョンは、我が国の水道の現状と将来見通しを分析、評価し、今後の水道に関する重点的な政策課題と具体的な施策等を示されたものです。水道ビジョンの基本理念は、安心、安定、持続、環境、国際の五つの政策課題に関する目標を達成することで、信頼性の高い水道を次世代に継承していくための取り組みを進めていくことが必要とされ、事業の現状と将来見通しを分析、評価した上で、目指すべき将来像を描き、実現のための地域水道ビジョンを作成する必要があります。 奈良市水道事業中長期計画は、地域水道ビジョンとしての位置づけと、今世紀半ばを想定し、25年先を見通したマスタープランとして、奈良市水道局のあるべき将来像について、目標を掲げ、その実現に向けた工程を明示するもので、将来計画に基づく事業の運営と計画の定期的な見直しも行っていくものです。奈良市第3次総合計画後期基本計画において、当面の水需要に対応する施設整備がおおむね完了することから、それ以後は、施設の改築、更新を含めた維持管理が主体となってきます。そのために、水道事業を維持するための経営基盤の強化が求められており、給水サービスの向上、経営の効率化を柱に災害などのリスクへの対応に配慮し、維持管理時代に即した、各種施設整備の対策など、長期的、総合的に策定することとして、水道局の基本目標であります、清潔でうまい水の安定供給を継続できるようにする必要があります。この中長期計画策定に当たっては、業務指標での現状の評価及び問題点、課題の抽出や将来の目標値の設定を行い、また水道事業懇談会からも広く意見を聴取し、計画に反映させるとともに、実施計画策定にも取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(和田晴夫君) 42番土田君。 ◆42番(土田敏朗君) ありがとうございました。2問目は自席からさせていただきます。 第1問で、市政を推進する上での大きな課題であります本市財政状況、少子化対策、観光対策、教育改革、水道ビジョンについて質問させていただき、市長、水道局長から御答弁をいただきました。それなりに理解をいたしますが、私なりに意見、思いもございますので、2問目で述べさせていただきたいと思います。 まず、市の財政状況であります。ことし1月時点で30億円の収支不足が生じていたことと御答弁いただきましたが、その時点では、大変な赤字であります。昨年末以降、庁内ではお金が足らないから事業ができないという話をよく耳にしました。財政当局におかれましては、早いうちから財源確保、執行抑制、節減対策をとられた結果、赤字決算にならなくて済んだのではないかと思います。しかし、一般会計、特別会計合わせて58億円もの多額の不用額が生じる結果となっています。このような状況が、ここ数年続いているとの御答弁でありましたが、やはりどこかに無理が生じているのではないでしょうか。事業を進める上で、どのようにしても執行できないものもありますが、議会といたしましては、議決の精神を尊重していただき、予算どおりの執行に努めていただきたいとの思いであります。黒字決算になったことに対する市長の所感では、普通会計ベースでは、会計規模から見ると、本当に少ない額であると、何とか黒字を確保できたところで、かなり厳しいとの認識をされていますが、むしろ実際は赤字決算ではないかとも思います。特に下水道事業費特別会計は、平成17年度包括外部監査の結果報告によれば、下水道事業は、赤字額が巨額であるにもかかわらず、借金が500億円を超えている。赤字公営企業の事業資金を借金で賄うことは、利息の支払いがさらに赤字を増大させるという悪循環に陥ると指摘しています。 このような状況の中で、決算見込みにおける収支不足に対して、夕張市の事例にあったような一時借入金の操作をするという禁じ手ではないにしろ、市債について借り入れ可能なものについては借り入れたり、多額の不用額が出る結果となっていることは好ましくありません。また、普通会計での実質収支が、中核市36都市で最低である決算結果は、想像以上に厳しい財政状況ではないかと思います。議会事務局作成の決算資料によれば、一番多額の実質収支額を計上している市は、浜松市や高松市の92億円となっており、大きな開きがあります。今年度、選択と集中による予算の重点配分を進めるとして、老春手帳優遇措置事業の見直しを提案されましたが、制度設計案が市民の理解を得られない結果となり、実施ができない状態です。やはり、財政再建は至上命題であると考えますので、やるべきものはきちっとした案を練って提案し、不退転の決意で進めていただきたいと思います。 次に、市債残高の削減についてであります。新市建設計画や土地開発公社健全化計画を達成するために、多額の市債発行を余儀なくされているところであります。地方債の発行は、今年度から許可制から協議制に移行され、国は自治体の財政健全度を図る新しい指標、実質公債費比率を導入しました。この比率が25%以上は単独事業などの起債制限を受け、18%以上25%未満は条件つきで起債が許可され、18%未満は国の同意なしで起債が可となっています。ちなみに奈良市は15.5%で、許可なしで起債が可能となっています。また、団塊世代の大量退職に備え、今年度から退職手当債が認められ、9億5000万円が計上されています。しかし、将来、償還金の負担増にもなり、一層の行財政改革が求められ、職員定数や人件費の適正化計画の策定が起債の条件となっています。起債の条件が緩和されたからといって、安易に起債に頼ることは好ましくないことで、後年度負担の生じるような起債の発行は慎むべきであることを申し添えておきたいと思います。 また、地方交付税改革について、国の動向をよく見守るとともに、市長会等を初め、あらゆる機会を通じて国に対して地方財政のあり方を訴えていただき、地方交付税改革が国の赤字の地方へのつけ回しに終わらないように十分注視していただきたいと思います。 次に、少子化対策についてであります。国の少子化社会対策推進専門委員会の報告書には、地域の子育て拠点への助成など子育て支援サービスから育児休業中の所得保障などの働き方の見直しや保育料の負担軽減など経済的支援まで、幅広い施策が盛り込まれています。しかし、具体的な施策になると、財源確保の難しさなど指摘され、実効性がどこまで確保できるかが課題となっています。現に出産費用の無料化の話もありましたが、歳出削減が求められる中で見送られました。 団塊ジュニア世代が30代のうちの今後5年間で成果を上げなければ、出生率反転のきっかけがつかめなくなると危機感も叫ばれているところであります。生まれてからの対応よりも、いかに子供が生まれるかでありますが、団塊ジュニア世代が子供を産まない最大の要因は、未婚にあると言われていることから、その対応策も考えていかなければなりません。人口減にブレーキをかけるには、何よりも生まれる子供の数をふやすことが不可欠で、不妊治療への助成、未婚解消に長時間勤務や残業の抑制といった対応が考えられています。福井県では、全国唯一出生率が上昇しています。大阪市は、来年度少子化に対応する「子ども局」を創設する考えを明らかにしています。いずれにいたしましても、市として独自の対策は限られていますが、かといって国の対応を待っているのではなく、市として何ができるかを考えることが大事ではないかと思います。 秋篠宮妃紀子様の御出産が、出生率の増加の契機になればとの願いもありますが、このまま座視すれば100年後には4000万人、200年後には800万人になるという、未曾有の事態であるという認識をしっかり持っていただきたいと思います。 次に、観光行政についてであります。日本人の海外旅行者数が1600万人であるのに対して、日本を訪れる外国人の旅行者が500万人というのは、大きな格差になっています。これの是正にビジット・ジャパン・キャンペーンを展開されていますが、日本に来ても奈良に来なかったら何もなりませんから、その誘客には最大限の努力をお願いします。 また、京都市の観光客の増加には、京都・花灯路の開催など多彩な観光政策に積極的に取り組まれた結果だとお聞きいたします。京都・花灯路の開催は、なら燈花会と同じように光や明かりを活用して、光回廊構想を立ち上げ、京都東山の散策路を5種類の2,400基のあんどんで照らし出す東山花灯路を平成15年3月から開催されていますが、4回目のことし3月には、104万1000人の集客になっているとのことであります。集客力のある行事であることから、昨年10月には、嵐山一帯でも嵐山花灯路を開催されたところ、63万人の集客があり、観光客誘致に大きな効果を与えています。明かりを使った行事は、なら燈花会が先輩であります。なら燈花会も70万人もの人が訪れているところから、明かりを使った行事は誘客に効果があり、経済的波及効果も大きいと言われています。奈良市においても、誘客に効果のある事業でありますから、どこか別の場所で、時期をずらして開催できないかを考えたとき、例えば、平城遷都1300年記念事業に、平城宮跡一帯をあんどんで浮かび上がらせる平城宮跡回廊といった幻想的なイベントができたらとの思いをいたします。市長は、常々1,300年前の姿が、今も都市の中に、都市の姿として残っているのは、奈良しかないと申されていますが、こうした都市で光の回廊を実現していただけたら、格別なイベントとなるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。 次に、教育改革についてであります。既に、小学校の余裕教室を拠点とする「ふれあい夢スクール」と称する事業を立ち上げられ、学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育てていくという取り組みは評価に値するものと考えます。 今、国会におきましても、教育基本法の改正が継続審議となっておりますが、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するとする家庭教育、学校、家庭及び地域住民等の教育における相互の連携協力などが新たに加えられ、地域における教育の重要性をうかがわせています。中央教育審議会でも、1問で申し上げましたように、教育改革が議論されていますが、切磋琢磨しながら新しい時代を切り開く、心豊かでたくましい日本人の育成を目指し、国家戦略として、教育のあらゆる分野において、人間力向上のための教育改革を一層推進していかなければならないと述べ、「甦れ、日本!」とする改革案には、頑張る子供を応援する教育を目標に掲げています。また、子供には、くじけるな、うそをつくな、弱い者いじめをするな。大人には、褒めよう、しかろう、励まそうという教育改革の標語を示しています。子供たちに常日ごろからこうした接し方をすることが大切ではないかと思います。 第1問の冒頭でも申し上げました、高校野球を通じて将来を担って立つ若者が、指導者にしかられ、励まされ、鍛練を重ね、仲間の中でみずからの立場を見出し、可能性に挑戦していく自信をつかんだことは、彼らの人生にとって大きな意義があり、これもまた、人間力向上の教育ではないでしょうか。本市においても、すばらしい「夢・教育プラン」を作成し、指導者にも十分浸透していただき、日本を背負って立つ人材の育成に取り組まれるように期待したいと思います。 最後に、水道ビジョンであります。経済は回復基調にあるものの、人口減社会が現実のものとなった今、有収水量の減少が懸念され、大正4年10月に水道事業創設以来続けてきた拡張工事も、平成3年10月から始めている現在の6期拡張事業の質的転換を図らなければならないのではないかと考えます。第6期拡張事業は、給水人口40万人、1日1人最大給水量619リットル、1日最大給水量24万7400トンとなっています。これの平成17年度の実績は、給水人口36万2000人、1日1人最大給水量458リットル、1日最大給水量16万6160トンで、計画からは随分開きが出ておりますが、経営状況で黒字決算が続いていることは評価いたします。業務実績では、前年度と比較して給水戸数はふえているものの、有収水量が減少し、有収率も0.5ポイント低下しているのが気にかかるところでありますが、安定的に供給され、昔のような断水のない、心配のないのは市民にとっては大変喜ばしいことで、これも水源の確保に苦労した奈良市にあって、先人たちのたゆまぬ努力の結果でもあります。 水道ビジョンの目的の中にも、需要者のニーズに対応した信頼性の高い水道を次世代に継承していくためには、各水道事業者等が中心となって、水道を改善、改革するための取り組みを進めていくことが必要不可欠であると述べられています。今現在、水道事業に携わる皆さんは、これからの将来に向けて評価されるであろう取り組みが必要であり、厳しい社会情勢の中で、英知を絞り、地域水道ビジョンを策定されますよう、強く要望しておきます。 以上、5点にわたり意見、要望を述べさせていただきました。市長、よろしくお願いいたします。 最後に、かの宰相、吉田 茂は、「改革すべきことがまだまだある。甲論乙駁の間に適切な制度を生んでゆかなければならぬ。徐々に、然も適切に、時間をかけて。何事も永久不変に妥当な制度などがあるはずはない。」と述べていることを申し上げて、政友会代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(和田晴夫君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明9日及び明後10日の2日間は本会議を休会し、11日午前10時より再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(和田晴夫君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。  午後4時28分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長     和田晴夫              奈良市議会議員     大国正博              奈良市議会議員     山口 誠              奈良市議会議員     小林照代...