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12月08日-02号

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  1. 五島市議会 2006-12-08
    12月08日-02号


    取得元: 五島市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-30
    平成18年 12月 定例会◯出席議員(26名)     1番 清川久義君     2番 熊川長吉君     3番 草野久幸君     4番 菊谷岩雄君     5番 中村康弘君     6番 柿森弘幸君     7番 江川精一郎君     8番 椿山恵三君     9番 柿森 誠君     10番 神之浦伊佐男君     11番 宗 藤人君     12番 古川雄一君     13番 永峯 満君     14番 橋本憲治君     15番 江川美津子君     16番 向原安男君     17番 荒尾正登君     18番 谷川 等君     19番 田橋良康君     20番 谷川福美君     21番 山田権治君     22番 仁田一成君     23番 中尾剛一君     24番 林 忠男君     25番 志内勝利君     26番 浦 藤彦君---------------------------------------◯欠席議員(0名)---------------------------------------◯地方自治法第121条の規定に基づく出席者     市長             中尾郁子君     助役             岩村 進君     収入役            江頭憲一郎君     富江支所長          吉田孝司君     玉之浦支所長         柿山信行君     三井楽支所長         原田善一君     岐宿支所長          平田秋男君     奈留支所長          赤瀬 博君     総務課長           窄 善明君     豊かな島づくり市長公室長   赤尾邦幸君     企画課長           島  悟君     財政課長           木戸庄吾君     水道局長           中野基樹君     建設課長           岸川和彌君     都市計画課長         富山博彌君     農林課長           橋口明敏君     水産課長           村中清志君     商工観光課長         東條一行君     生活環境課長         中村健一君     税務課長           道端金俊君     市民課長           道下俊夫君     社会福祉課長         手島仁助君     長寿対策課長         近藤英海君     健康政策課長         吉谷清光君     教育長            末永文隆君     教育委員会総務課長      小林正治君     学校教育課長         山下彦幸君     生涯学習課長         谷川良二君     監査委員           高木長幸君     監査委員事務局長       松倉正光君     会計課長           奥野音之君     農業委員会事務局長      松野 悟君     選挙管理委員会事務局長    山本政義君     消防長            江口秀美君---------------------------------------◯議会事務局     局長             松野音幸君     次長             山下傳一郎君     議事係長           中里亀之君     書記             城山玲子君     書記             横枕孝規君          平成18年12月8日(金)議事日程表議事日程 第2号日程番号議案番号件名備考1議案第181号工事請負契約の締結について総務委報告2議案第173号長崎県後期高齢者医療広域連合の設立について文教厚生委報告3 市政一般質問について 番号質問者質問要旨1志内勝利議員1 企画行政  ① 定住促進対策   イ U・Iターン促進事業について   ロ 団塊世代の受け入れ態勢は 2 生活環境行政  ① 埋葬・火葬について   イ 火葬場3施設の使用料を統一すべきでは2草野久幸議員1 一般行政  ① 五島市行財政改革において「守り」と「攻め」の方策について 2 福祉行政  ① 児童虐待の現状とその対応は 3 教育行政  ① いじめの現状とその対応は  ② 学校給食費滞納について  ③ フルマラソン大会の開催について3林 忠男議員1 基幹産業の振興について  ① 農業基盤整備について  ② 担い手育成について  ③ 畑作振興について4柿森 誠議員1 教育行政について  ① いじめ対策について   イ いろいろな報道後、教育委員会として何らかの協議はなされたのか   ロ 実態調査はされたのか
      ハ いじめを発生させないための今後の取り組みをどのように考えるか  ② 小中高一貫教育について   イ 教育特区に認定されたがどのような効果が期待できるのか   ロ 小・中学生が入る計画である新校舎建設に対する考え方は  ③ 教会群の世界遺産登録への取り組みについて   イ 3月定例会質問後、市長・教育長はどのように取り組まれたのか 2  福祉行政について  ① 敬老会について   イ 合併後調整した初めての敬老会であったが、参加した人だけがその恩恵を受ける事に不公平感があると思うが市長の考えはどうか   ロ 来年度に対する考え方は  ② 戦没者追悼式典について   イ 光ケーブルの整備後、中継放送する考えは 3 企画行政について  ① U・Iターン促進事業について   イ 19年度からの具体的な取り組みは 4 水道行政について  ① 奈留町水道の水質について   イ 異臭対策をどのように考えているか                         =午前10時00分 開議= ○議長(浦藤彦君) おはようございます。 出席議員は定足数に達しました。 議事日程第2号により、直ちに本日の会議を開きます。 各委員会に休会中の審査を付託した案件中、総務委員会及び文教厚生委員会に先議をお願いした議案につきましては、議長の手元まで審査の結果が報告されております。 △日程第1 議案第181号 工事請負契約の締結について を議題にいたします。 総務委員長の報告を求めます。 ◆総務委員長(柿森弘幸君) (登壇)おはようございます。 総務委員会の報告をいたします。 当委員会に先議を求められておりました議案第181号 工事請負契約の締結についてにつきましては、12月6日、本会議終了後、第1委員会室におきまして慎重な審査を行い、お手元に印刷配付いたしております委員会審査報告書のとおりに結審いたしましたので、その概要を申し述べます。 本案はe-むらづくり事業の五島市音声告知システム設置工事の請負に関し、指名競争入札の結果、日本電気株式会社長崎支店 支店長田中大吾が落札し、現在、同社と仮契約を締結しておりますが、本契約の締結に当たり、地方自治法第96条第1項第5号及び五島市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決を経る必要があるため提案されております。 工事場所は五島市管内、工事請負金額は6億7,515万円、工事の概要はセンター設備一式、子局6ヵ所及び受信装置・宅内工事8,500件を整備するものであります。 審査では、今回の入札の経過と最低制限価格の設定の有無について説明を求めました。 理事者によりますと、今回の指名業者の選定については、指名委員会において電気通信工事総合評定値1,000点をクリアした九州管内に主たる事業所がある上位8社を指名したが、3社が辞退したため5社の入札となった。この事業の予算額は18年度6億2,803万円で、19年度の債務負担分と合わせて12億7,374万5,000円、予定価格は9億5,879万8,050円、落札額は6億7,515万円となっており、工期については議決の翌日から平成20年3月31日までを予定している。 また、最低制限価格の設定は行っていないとの答弁でありました。 次に、今回の契約の中で受信装置を8,500台としていることについて説明を求めました。 理事者によりますと、予算計上時は9,700台を見込んでいたが、e-むらづくり計画を進めている対象世帯約9,000世帯に対し、音声告知放送の加入申し込み状況が約90%であること、また、転入等により増加が想定されることから8,500台を見込んでいるとの答弁でありました。 これに対しまして、音声告知端末の設置は無料であることから、全世帯に設置すべきであるが、加入申し込みのない世帯への対応について説明を求めました。 理事者によりますと、各対象地区の住民説明会や各家庭を訪問し説明を行っているが、今後とも順次加入促進を図っていくとの答弁でありました。 次に、今回の音声告知システムが完成すると、住民にとってどのようなメリットがあるのか説明を求めました。 理事者によりますと、まず防災を第一の目的としているので、災害等の発生及び予報を全世帯に一斉に通知ができること。次に、災害に限らず市役所からのお知らせ等についても一斉に告知することができること。 また、例えば町内会単位など集落ごとの連絡調整にも使用できること。さらに、音声告知端末機に各家庭の固定電話を接続すると、ネットワークに加入された方の通話料が無料になるなどのメリットがあるとの答弁でありました。 次に、今回の入札に係る設計のコンサルタントについて説明を求めました。 理事者によりますと、今回の設計監理業者は「社団法人 日本農村情報システム協会」で、当初からe-むらづくり計画の中で農林・水産事業のコンサルを行っている業者であることから、e-むらづくり事業についても精通していること、また、緊急性、公平性、豊富な実績により1社と随意契約を行っており、18年度、19年度の2ヵ年分として420万円で契約しているとの答弁でありました。 これに対しまして、今後の課題として、大型事業や職員が積算できない事業については、1社ではなく複数の業者に依頼し、設計の妥当性等を含め精査し、経費の節減に努めるなど検討すべきではないのか理事者の考えを求めました。 理事者によりますと、経費、工期などの問題はあるが、公正さや経済効果等を精査し、今後検討していきたいとの答弁でありました。 このほかにも幾つかの質疑がありましたが、設計監理業務契約については、1社との随意契約でありベストではなかったこと、また予定価格より入札額が約3億円も低く、確実な事業実施が見込まれるのかなどの意見がありましたので、本案について採決を行った結果、全会一致で原案を可決すべきものと決定をいたしました。 以上で総務委員会の報告を終わります。(降壇) ○議長(浦藤彦君) 議案第181号の総務委員長報告に対し、質疑を行います。 ◆20番(谷川福美君) ただいま委員長の報告で大体わかったわけですけれども、予定価格の9億5,879万8,050円に対して落札は6億7,515万になって、その差額が2億8,364万8,050円になっておりますが、ただいま委員長の報告では、最低価格を設けていないということでしたが、なぜ最低価格を設けなかったのか、そこら辺の審議がなされておれば説明願います。 ◆総務委員長(柿森弘幸君) お答えをいたします。 最低価格の設定につきましては、工事または製造の請負契約に限られ、物品、財産等の購入に係る契約については採用することができないとされておるということであります。 このようなことから、音声告知システム事業の最低価格については、既にe-むらづくり事業で光ファイバーの配線工事が行われております各世帯に音声受信装置や設備の器具により、備品的・物品的要素の高い機器を設置することから、協議の結果、工事や製造に該当しないとの判断から最低制限価格の設定をしてないという説明を受けております。以上でございます。 ◆20番(谷川福美君) 例えばこのシステム工事に残工事が残っておったとした場合に、今、手元の調査によると、70%という中で落札がなされている、そして、残工事が2億8,364万8,050円に対してのですね。そうした場合に、この率からいった残工事がもしあったとすれば、残工事があるのかないのか、審議なされておればお聞かせてください。 ◆総務委員長(柿森弘幸君) お答えいたします。 受信装置の8,500台というのは、これはあくまでも見込みでありまして、実際に実施するのは、今から啓蒙して回るということでありますから、この数値は当然変わってくる可能性があるだろうと思います。当然、この戸数が変わりますと、請負契約の変更ということになってまいるだろうと思います。 それと、今お尋ねの残工事につきましては、今は設計額そのもので入札された契約金額でありますから、この工事をしていく段階でどういうふうな設計変更が出てくるのか、今ちょっと検討はつきませんし、今契約している段階で私どもは設計変更はその分についてはないんじゃないかなというふうなことで、その分についての質疑はいたしておりません。以上でございます。 ◆20番(谷川福美君) 残工事がないということですが、あった場合にはすごい率で残されていくので、大変工事に心配があるわけです。そこら辺の審議がなされておれば、そこら辺もあわせて説明を願いたいです。 ◆総務委員長(柿森弘幸君) お答えします。 先ほど申し上げましたように、今の段階ではコンサル等入って設計書ができておるわけですから、現時点で変更があるというようなことは申し上げられないというふうに私は思います。 仮に変更が出てきますと、コンサルが入りまして、その中の設計変更があり、かつ契約の額の変更、契約変更があるんだろうというふうに思いまして、先ほど申し上げましたように、その分についての質疑はいたしておりません。以上でございます。 ○議長(浦藤彦君) ほかに質疑ございませんか。 質疑を終わります。 討論を開きます。 まず、反対討論を行います。 次に、賛成討論を行います。 討論を終結し、採決いたします。 議案第181号に対する総務委員長報告は、原案可決であります。委員長報告のとおり可決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と言う者あり〕 ○議長(浦藤彦君) 御異議なしと認めます。よって議案第181号は、総務委員長報告のとおり原案は可決されました。 △日程第2 議案第173号 長崎県後期高齢者医療広域連合の設立について を議題といたします。 文教厚生委員長の報告を求めます。 ◆文教厚生委員長(柿森誠君) (登壇)おはようございます。 文教厚生委員会の報告をいたします。 当委員会に先議を求められておりました議案第173号 長崎県後期高齢者医療広域連合の設立についてにつきましては、12月6日の本会議終了後、第2委員会室におきまして慎重な審査を行い、お手元に印刷配付いたしております委員会審査報告書のとおり結審いたしましたので、その概要を申し述べます。 本案は、平成18年6月21日に健康保険法等の一部を改正する法律が公布されたことに伴い、後期高齢者医療の事務を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合を設立する必要があるが、同広域連合の設立に関する協議については、地方自治法第291条の11の規定により議会の議決を経る必要があることから提案されております。 審査では、9月27日開催の全員協議会で説明があった後期高齢者医療制度の内容を踏まえた上で、まず、後期高齢者医療制度が導入された場合、後期高齢者の保険料については、介護保険と同様月額1万5,000円以上の年金受給者を対象に年金から特別徴収されることになる。また、これまで被用者保険の被扶養者として保険料を負担してこなかった方は新たに保険料を負担することになる。 今でも介護保険料の特別徴収により生活ができない状況にあるが、さらに高齢者の生活を圧迫するのではないか。また、老人保健制度にはなかった保険料滞納者に対する短期被保険者証の発行や資格証明書の交付も行われるということは、高齢者の医療を受ける権利が制限されるのではないか説明を求めました。 理事者によりますと、今回の制度改正の根幹は、医療保険制度間及び世代間、被保険者間の負担の公平を維持するというものである。 現行の老人保健制度では、高齢者も若年者と同様、政府管掌健康保険や健康保険組合、国民健康保険等のそれぞれの医療保険制度に加入し保険料を支払っているが、その給付に関しては医療保険制度ではなく、その高齢者が住んでいる市町村が行うという仕組みがとられていた。また、その市町村が支払う医療給付の財源は、拠出金という形でそれぞれの医療保険制度が市町村に対し負担をしていた。 この拠出金の財源には、高齢者の保険料と若年者の保険料が充てられてきたが、この方式では高齢者の医療費について高齢者自身が一体どれだけ負担して、若年者がどれだけ負担しているのかという負担のルールが不鮮明であった。また、現行制度の運営主体は市町村であっても、実質的な費用負担者は拠出金を負担する医療保険者であるため、制度運営の責任が市町村と医療保険者間で明確にされていなかった。 そうした中、高齢者の医療をいかに公平で、かつわかりやすい形で負担していくにはどうすればいいのか、長年にわたり議論が続けられた結果、新たな高齢者医療制度が創設されたものである。 今後、制度運営の責任が明確になることにより、保険者として保健事業に力を入れ、医療給付費を低く抑えた保険者については、その納める後期高齢者支援金について調整がされるなど、保険者間の負担の公平が図られること、また、被用者保険の被扶養者を含め、後期高齢者一人一人から保険料を徴収し、かつ滞納者に対して短期被保険者証等を発行し、保険料納付を直接働きかける機会を確保することで、被保険者間の負担の公平化が図られること。さらに、国民皆保険制度を堅持するためには、今回の制度改正は必要と考えているとの答弁でありました。 次に、2年ごとに保険料の見直しが実施されるなど、被保険者となる後期高齢者の負担は大きくなるにもかかわらず、広域連合内には被保険者の意見を直接反映できるような組織がないのは問題である。 国民健康保険でいうところの運営協議会と同様の機関は設置できないのか説明を求めました。 理事者によりますと、確かに国民健康保険運営協議会と同様、構成メンバーに被保険者の代表が入って意見を反映できるような組織はないが、各市町議会から選出された広域連合議員で組織する広域連合議会及び各市町長で組織する運営委員会があることから、広域連合議員及び市長それぞれが市民の代表として意見を述べることで十分市民の意見は反映できると考えている。ただし、今後、開催される検討会や部会のときに、被保険者の意見が直接反映できるような組織の設置について意見が出たということは伝えてみたいとの答弁でありました。 次に、今回、設立される広域連合に五島市が加入しないということは可能なのか。また、加入しない場合には何かペナルティーがあるのか説明を求めました。 理事者によりますと、高齢者の医療の確保に関する法律により、「後期高齢者医療制度の財政運営は、都道府県を単位とした全市町村が加入する広域連合で行う」と定められていること。また、国が示した問答集の中に「加入するのは義務である」という文言もあることから、当初から加入しないということも、ペナルティーも想定されていないようである。 実際、広域連合に加入せずに、後期高齢者の医療事務ができるのかどうか、システムを含めいろんなことを構築する必要があることや、それにかかる費用も膨大なものになることから五島市単独ではやることはできないと考えているとの答弁でありました。 以上が審査の概要でありますが、討論において、国の医療制度改革の流れで後期高齢者医療制度が創設されたということは理解できるが、後期高齢者の負担がふえる一方で、老人保健制度にはなかった短期被保険者証の発行や資格証明書の交付が義務づけられるなど、高齢者の医療を受ける権利が制限されること。 また、本来、保健事業は自治体が実施すべき事務となっていたが、今後、自治体の事務ではなくなる恐れがあること。さらに、ほかの医療保険制度についても後期高齢者医療制度と同様一本化されるのではないかと懸念されること。 以上の点で後期高齢者医療制度は、高齢者にとっては介護保険同様、負担だけが重く利用しづらい制度であり、広域連合への加入はやめた方がよいとの考えから本案については反対であるとの意見が述べられましたので、採決を行った結果、賛成多数により、本案につきましては原案を可決すべきものと決定をいたしました。 以上で文教厚生委員会の報告を終わります。(降壇) ○議長(浦藤彦君) 議案第173号の文教厚生委員長報告に対し、質疑を行います。 質疑を終わります。 討論を開きます。 まず、反対討論を行います。 ◆15番(江川美津子君) 議案第173号 長崎県後期高齢者医療広域連合について討論を行います。 この後期高齢者医療制度は、国の医療制度改革の流れで創設されたことは理解をしておりますが、次の理由から反対の意見を申し上げます。 後期高齢者医療制度は、社会保険の被扶養者だけでなく、社会保険本人であっても75歳になると脱会をし、すべての75歳以上の方が本医療制度に加入しなければなりません。また、月に1万5,000円以上の年金の方は、介護保険料と後期高齢者医療の保険料が天引きされることになります。 さらに、保険料を滞納した場合、老人保健制度にはなかった短期保険証や資格証明書の交付も義務づけられており、後期高齢者にとっては介護保険同様、負担だけが重く利用しづらい制度となっています。さらに、後期高齢者医療制度は、本来、自治体が責任を持って行う住民健診を健保組合などの各保険者に義務づけられており、公衆衛生の観点からも問題です。 今回の後期高齢者医療制度の創設は、ことし6月成立した医療制度改正の一環として進められております。 医療制度改正は、公的保険から医療給付費を抑制することによって、企業の社会保険料負担を軽減し、保険外診療の拡大で民間の市場を拡大したいという財界、大企業の要求を色濃く反映したものです。後期高齢者医療制度が、国の医療給付費、医療適正化を目的につくられようとしているのは明らかです。 国は、医療費の抑制ではなく、すべての国民が貧富にかかわりなく医療を受けることができるよう責任を果たすべきです。 本市も広域連合への加入を見送り、高齢者の命と医療を守るために十分な対応をとられるよう強く求めるものです。以上、討論といたします。 ○議長(浦藤彦君) 次に、賛成討論を行います。 ◆10番(神之浦伊佐男君) ただいま議題となっております議案第173号 長崎県後期高齢者医療広域連合の設立について賛成の討論を行います。 本案は、健康保険法等の一部を改正する法律が公布されたことに伴い、老人保健法が高齢者の医療の確保に関する法律に改められ、75歳以上の後期高齢者を対象とする独立した新たな高齢者医療制度が平成20年4月から実施されることから、県内全市町が加入する長崎県後期高齢者医療広域連合を設立する必要があり、同広域連合の設立に関する協議については、地方自治法第291条の11の規定により、議会の議決を経る必要があります。 これらは、老人医療費が増大する中、それを負担する現役世代と高齢者世代との間に負担と給付の不公平感が高まっているため、不公平感をなくし、互助の精神のもとに、今回の改正において75歳以上の後期高齢者について、その心身の特性や生活実態等を踏まえ、平成20年度に独立した医療制度を創設するもので、早急な少子高齢化の進展の中で、国民の安心の基盤である皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能なものとするため見直さざるを得ないものであること、全市町で構成する広域連合が運営主体となることで単独の市町が運営するよりもスケールメリットがあり、財政リスクが軽減することなどから本案について賛成をいたします。 議員皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。 ○議長(浦藤彦君) 引き続き反対討論を行います。 なかったら、賛成討論を行います。 討論を終結し、採決いたします。 採決は起立により行います。 議案第173号に対する文教厚生委員長報告は、原案可決であります。委員長報告のとおり可決することに御賛成の方は起立願います。 〔賛成者起立〕 ○議長(浦藤彦君) 起立多数。よって、議案第173号は、文教厚生委員長報告のとおり原案は可決されました。 △日程第3 市政一般質問について。 これより、印刷配付いたしております一般質問順序表により、一般質問を行います。 まず、25番 志内勝利議員。 ◆25番(志内勝利君) (登壇)おはようございます。トップバッターは気持ちがいいもんですね。 質問の前に、少し時間をいただきまして皆様方にお礼を申し上げます。 去る9月23日におきまして、五島ふくえ漁協、大浜・増田漁業集落並びに大浜地区「海業」振興会主催によります体験型漁業「踊る伊勢エビ大捜査線」と銘打った大浜伊勢エビ祭りを開催をいたしましたところ、五島一円はもとより、豪華客船「飛鳥」の乗客、なお加えて島内外より多くの皆様方のご来場をいただきましたこと、まことにありがとうございます。 おかげさまで体験型観光漁業、ブルー・ツーリズムは所期の目的以上に達成することができました。これもひとえに地区民はもとより県、市の職員、関係機関の皆様の御理解と御協力、またその下支えがあったればこそであります。心よりお礼を申し上げます。 これからにおきましても、本体験型観光漁業は周年を通じて続け、次年度は集客を倍増させるべく努力するものであります。そして、大浜漁民は事業内容をよりよく充実させ、この体験型漁業を五島全域に広め、少子高齢化、後継者不足と衰退する水産業の活性化を促進、元気づけなければならないと大きく志気が上がっているところでもあります。さらには、グリーン・ツーリズム、ブルー・ツーリズムを組み合わせた長期滞在型観光へとステップアップしたいと熱い心を持っております。広げる大風呂敷とどまることを知らないと。 このことにより、現在取り組んでおります本市の3大イベント、アイアンマン、夕やけマラソン、椿まつりに優るとも劣らない集客力を持ち、漁家所得の向上につなげるべく努力しているところであります。 我がラッパも五島の潮風に当たってさびくれたと思ったが、大事には至っていなかった。議員各位、理事者並びに関係機関の皆様方の御理解をいただき、御協力を御願いいたすものであります。五島の漁業者は、夢、ロマンがある。 それでは、質問をいたします。 国においては、平成16年度から始まった三位一体改革、歳出歳入一体改革の名のもと行財政改革を断行し、合併特例債というあめと地方交付税の削減というむちを使い分け、平成の大合併がなされた。結果、県内の市町村数79から23と大きく減少したのであります。時の流れに乗りおくれまいと一斉に合併へと突き進んだ。 しかし、もともと自主財源に乏しい脆弱な自治体が合併したのである。今日まで、依存財源である地方交付税、補助金等に頼ってきた。それが減額、削減となるとひとたまりもない。自治体運営が厳しい。さらには、日本経済の低迷、少子高齢化の進展、地方都市では人口の減少等、社会環境の変貌により、自治体間の競争が激化している今日、そのような中、「しまの豊かさを創造する海洋都市」として五島市が平成16年8月1日に誕生し、2年4ヵ月が過ぎようとしております。 本市が市民の負託にこたえ、次世代に夢を持てる新しいまちづくりを進めるためには、これまでのような行財政運営では行政としての体質、財政力に限界が生じてきた。だれも救いの手は差し伸べてくれない。自己責任のもとで自立するしかない。自力で努力して進むしかない。 そこで、行財政改革大綱が発表され推進されてきた。財政健全化計画、定員適正化計画等が示され、この難局を乗り切ろうとしている。しかし、一夜にして事はなし得ない。そこに大きな壁がふさがっているからである。自主財源を増大させなければ財政が硬直化する。これには税収を上げなければならない。そのためには産業の活性化を図らなければならないことは当然のことであります。 産業が元気になるには、人口増が不可欠である。が、残念ながら本市の人口は減少の一途をたどっている。合併当初4万7,614人であったが、18年3月現在では4万5,941人、1年半で約1,700人減少し、なおとどまることなく進行をいたしております。それでは、どうもその産業形成が成り立たない。このことに危機感を抱き、定住人口の増大を図るべく施策が講じられようとしております。 U・Iターン、さらには西暦2007年から都市部を中心に700万人と大量の団塊世代の退職が始まり、これを長期滞在、また定住者として受け入れようと力を注いでおります。 長崎県においても、U・Iターン促進事業として「ながさき田舎暮らし総合プロモーション事業」を実施され、相談窓口が設置され、実施市町は長崎市を初め3市2町に実施されるようになった。さらには、県との協働市町として18年度モデル市町に本市を含む2市2町が指定され、重点的に支援を受けるようになったのであります。 このことを受け、6月13日、「五島市U・Iターン推進協議会」が発足いたしました。これは五島市総合計画基本構想による定住人口と心のふるさと市民合計10万人の目標を掲げ、定住促進事業を重要施策とし位置づけされております。 そこでお尋ねをいたします。「しまの豊かさを創造する海洋都市」として五島丸が船出して2年4ヵ月、少子高齢化等により過疎化が進み、人口減少に歯どめが効かない今日、定住人口の促進、バーチャル市民、合計10万人に向けた今日までの取り組みをお示しをください。また、本事業推進に当たり、今後の取り組みをお聞かせをください。 生活環境行政、本市にある火葬場3施設について。 「死に方は生き方だ」とよく言われる。だれも人である限り生命に限りがあります。天寿を全うされる方、時半ばにして亡くなられる方、いつ訪れるかわかりませんが、人生には終点があります。人は皆、この世からあの世へ行くにおいて葬儀式があり、仏教では死者を生きているかのようにして扱い、仏の弟子にして浄土に送る。キリスト教では、死という厳しい現実を受けとめ、死者の一切を神に委ね、残された者への神の導きを祈る。神道では、神から生まれた命が、また神のもとにその霊が帰り、残された者の近くにあって見守ってくれるようにという、そして西方浄土、天国、あるいは土に返るというように自然に返るべく火葬場に向かいだびに付されます。 そこでお尋ねをいたします。先ほども言いましたが、五島市は合併して2年を過ぎようとしております。旧市町においての火葬場建設については、そのときの実情があったと思われる。合併した今日、使用料、やすらぎ苑12歳以上におきましては2万円、浄富苑同1万円、奈留葬祭場6,000円とだびに付す料金に差があります。生ある者が土に帰る最後の厳粛な儀式であります。だれも終わりであるその終焉を立派に送りたいということは当然であります。しかし、その使用料にばらつきがあります。 人は皆平等である観点からいたしますと、条例を見直し統一化すべきと考えるが、市長の所見をお伺いし壇上からの質問を終わります。(降壇) ◎市長(中尾郁子君) (登壇)おはようございます。 25番 志内勝利議員の質問にお答えをいたします。 その前に、先ほど御報告がありました「踊る伊勢エビ大捜査線」、盛大に開催されました伊勢エビ祭りにおきましては、議員は会長として大変御苦労をいただきました。この場をかりまして志内会長様を初め大浜地区の関係の皆様方へ、この盛会に導いた過程の御苦労を感謝申し上げお礼を申し上げます。 では、質問にお答えをいたします。 まずU・Iターン促進事業についてのお尋ねでございました。 議員御指摘のように2007年に700万人とも言われております団塊の世代が大量に退職することにつきましては、過疎化が進行中の定住人口及び交流人口の拡大を目指す我が市にとりましては、この機を逃さず、U・Iターン事業を推進していかなければならない時期であると認識をいたしております。 総合計画におきましても、重点施策として位置づけております「定住人口プラス五島市こころのふるさと市民」で、イコール、プラスして10万人とする目標を挙げております。 U・Iターン促進事業につきましては、総合窓口の設置、協議会の立ち上げ、体験ツアーの取り組み、またフォーラム、セミナー、シンポジウムへの参加など、企画実施をいたしております。 「五島市こころのふるさと市民」につきましては、来年には正式募集を行っていくことといたしておりますが、これまでに取り組みましたことは6ヵ月間かけましてすべてのいろいろなイベントを通して参加者へこころのふるさと市民についてのアンケート調査を行いました。その集約が終わりまして、これへ参加する方がバーチャル市民として、こころのふるさと市民として参加をした場合に、どのような恩典を望んでいるのかという調査が終わり、集計も終わりまして、そしてただいまその恩典について交渉中でございます。 今、御返事をいただいているのは、レンタカー、ホテル、ゴルフ場の利用料の軽減でございます。そして、先週、全日空、ORCをお訪ねいたしまして、この目指す施策についての御協力、旅費の軽減をお願いをしたところでございます。ORCにおいては、関西、関東に向けても連携のあるいい線を研究してみようという返事を今いただいております。これから具体的な案が出てくるかと思います。もちろん、船便も交渉中でございます。 次に、現在、移住希望者からの相談や問い合わせ、要望が多いのは、就職、住宅情報でございまして、就職情報につきましてはハローワークと連携した情報提供を始めております。 また、移住希望者の中・長期滞在用住宅の確保につきましては、古い市営住宅や廃校・休校となった校舎の有効活用、県官舎の借り上げなどを検討していくこととあわせまして、不動産協会などとも連携をし、土地及び住宅に関する情報量をふやす取り組みを強化してまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。 次に、火葬場3施設の使用料を統一すべきではとのお尋ねでございました。 使用料の統一につきましては、合併協議会調整部会の調整作業の中でも検討されておりますが、現行のとおりとするとの調整結果に基づき、ただいま旧市町の使用料を引き継いで今日に至っております。 現在稼働しております福江、富江、奈留の3つの火葬場につきましては、建設に至った経緯や施設の規模、炉の処理能力、維持管理体制などが大きく異なっておりまして、使用料につきましても、サービス内容やその維持経費等に応じた料金設定となっております。 その使用料を統一するということになりますと、使用料に見合ったサービスと施設の改善が求められることになります。今後、五島市の火葬行政をどうしていくかといった全体的な視野からも、より慎重な検討は必要かと存じますが、現時点において3施設の使用料を統一することは、時期的に無理があるのかなと思います。 いずれにいたしましても、火葬業務の迅速、適切なる遂行と、議員が先ほど言われました人生終焉の荘厳な儀式の場として十分なサービスが提供できますように努めてまいりたいと存じます。以上です。(降壇) ◆25番(志内勝利君) それでは、自席から質問をいたします。 まず、火葬場についてでありますけれども、これは建設時に至って諸条件、また利用度によって差があり、使用料が定められたということもわかります。また、合併調整部会の方での協議もされているとのことでありました。 しかし、私壇上でも言いましたように、人間死するときはすべて平等なんですよ。高いとか安いとか言っているんじゃないんですよ。 それから、先ほどの答弁では、サービスという言葉が出ておりますけど、このサービスという言葉は何を指して言っているのか。例えば施設の大小とか、または新しいとか古いとか、人的なサービスなのか、この辺どちらのことを言っておられるんですか。課長、お答えください。 ◎生活環境課長(中村健一君) お答えいたします。 3施設の使用料の統一をする場合、どこを基準に統一するのかということになりますが、五島市の中核である施設としてのやすらぎ苑、この使用料に仮に統一するということになるとすれば、奈留で3倍強、あるいは富江で2倍のアップとなります。 現在、富江、奈留においては、件数に応じた勤務体制で、予約が入ったときだけ出勤することになっており、人件費が安く抑えられているため委託料も安くなってございます。また、奈留の場合は、63年に建設してから18年が経過しておりまして、火葬に要する時間も平均3時間以上かかるなどのサービス面の相違もございます。現に火葬炉の改修計画が提出されておりますが、現在の財政状況からこれを受け入れる状況にはございません。 このような状況の中で使用料を統一するということになれば、同様のサービスと施設の改善が求められるということにもなりますので、現状では非常に苦しいというふうに思っております。以上でございます。 ◆25番(志内勝利君) 普通一般的にサービスという言葉は人的なサービスだろうと。その施設の整備とかそういうものじゃない、人的なサービスをサービスというふうに自分はとらえておりました。それはいいでしょう。 それから、火葬場の開場時間ですか、これ8時30分から9時までの件数におきまして、やすらぎ苑におきましては16%、浄富苑22%、奈留3%となっております。これは旧来より行っていた火葬を行ってから告別式をするというふうな式次第であろうと思われます。しかし、昨今では、告別式を行って火葬をするというふうな形に変わってきつつあります。ということは、午前の火葬は、これからにおいて減少傾向になってくるんじゃないかというふうに思われるんですけども、この辺のことはいかがでしょうか。 ◎生活環境課長(中村健一君) たしか去年の12月議会におきましても同様の質問がございまして、1年間の件数の動向というものを調査いたしました。 で、確かに奈留においては午前中の処理件数が3%ぐらいだったんですが、やすらぎ苑においては30%ぐらい、また富江の浄富苑については50%以上まだ午前中に受け付けをしております。 そういう状況から現時点ではなかなか時間の繰り下げというものは、非常に困難であるというふうに一応現下としては結論を出してございます。以上です。 ◆25番(志内勝利君) 確かにそうであるかもしれません、先ほどのパーセントから言えば。しかし、これからの方向性とすれば当然協議していく必要があるというふうに私は思っております。 それから、浄富苑に隣接する富江クリーンセンター、これは直営であります。浄富苑の委託業者、富江清掃社、ごみ収集委託業者であり、またし尿処理の収集の許可業者でもあります。そこの社員が1ないし2名、忙しいときは2名であるでしょうけども、火葬業務に当たっておられます。いいですか。 火葬業務に当たっているその社員は、富江クリーンセンター、焼却場に常につながりがあります。作業上出入りがあります。つまり、そのスタイル、作業服で火葬業務に当たっている、ジャンパー等を来ているときもありましょうけれども。このことに関しまして、関係所管課としてどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 ◎生活環境課長(中村健一君) その件につきましては、葬儀業者の方からも苦情がまいっておりまして、支所と協議いたしまして、委託業者に指導をいたしまして、服装については儀式にふさわしい服装にしてもらうように改めさせたいと思っております。以上です。 ◆25番(志内勝利君) この世の中で形ある人が火葬され、灰となり、また土に自然に帰ろうとする瞬間、終焉であります。それをごみ収集される作業着で火葬業務に当たる、なんたることかと、悲しみに打ちひしがれている遺族に関しましては、いろいろ苦情が出ております。 先ほどの答弁でありますと、委託業者の方にそのようなスタイル、正装でやりたいというふうな言葉でありますが、これは委託の費用の中に例えば礼服というんですかね、正装といいますか、そういった費用も入っているんですか。いかがなんですか。 ◎生活環境課長(中村健一君) 委託料は一括でございますので、明細はお示しをしておりませんけど、我々の仕様書の中には事務服の方の経費については算定をしてございます。 ◆25番(志内勝利君) そのように経費をあれしておるのであるならば、それを着用して業務に当たるべきですよ。やすらぎ苑の委託業者クリメイション、これは正装して儀式にのっとって業務に当たっているじゃないですか。同様にすべきですよ。配慮、心遣いが足りない。正装して業務に当たるよう、これは指導を強く申し上げておきます。 それといま一点、浄富苑の火葬の際に、遺族より出された志を受け取っているというふうに聞きますが、この点理事者は把握しておられますか。また、把握をしておられるなら、これでいいのかお聞かせをください。 ◎生活環境課長(中村健一君) その件につきましても苦情がございまして、私どもも直ちに葬祭業者の聞き取り、あるいは委託業者からも聞き取りを行っております。 私どもは、件数の予約があったときに市民課窓口においてお断りの注意書を配付して現在周知を図っておりますが、今後もそういう業者に指導を徹底して解消に努めたいと思っております。 ◆25番(志内勝利君) その注意書等々を市民課の方から出しているようでございますが、ぜひこの辺はちゃんと徹底するようにしてほしい。 こういった基本的なものは、金というのは受け取るべきじゃない。委託料もちゃんと払っているんですよ。確かに遺族としてみればよくしていただきたい、だれも地獄に堕ちるという気持ちはだれも思っておらないんです。だから、よくしていただいたから志を出すんですよ。もっとも私は、選挙で地獄からはい上がってきた人間ですけれども。(笑声)西方浄土、天国へと願い弔う、人間死しても皆平等であるんです。この点強く進言をいたしておきます。 次に、定住促進に向けたU・Iターンの取り組みでありますけれども、推進協議会から6月13日、助役を会長といたしまして16人のメンバーで構成され、また作業部会も置かれて取り組んでおられます。これは、先ほども言いました五島市総合計画基本構想による将来の目標として定められております。 しかし、定住人口の促進事業は、既に人口減少になる自治体、過疎化に歯どめをかけようとしている地方都市が既に先んじて取り組んでおります。なお、本市もそうなんでしょうけれども。そして、取り組み内容におきましても大きく変わりがない。癒しだとか、潤いだとか、田舎暮らし体験とか、ローカルを前面に出した事業内容ばかりであります。また、団塊世代の定住、また短期滞在、長期滞在、セカンドハウスといった事業内容ばかりであります。どこの自治体も似たような内容であります。 そこでお尋ねをいたしますけれども、他の自治体にない五島市ではの特色ある取り組みがありましたら、お答えをください。 ◎企画課長(島悟君) 大変難しい御質問だというふうに思います。 方法論は別として、考え方を申し上げたいと思うんですが、五島市の環境がその一つのキーポイントになるというふうに私は考えております。海に囲まれた島でありますから、この環境を生かし切っていくということですね。つまり、五島の持つ魅力の再発見がその一つだろうというふうに思います。 2つ目には、やはり人だろうというふうに考えております。それは、こういった人方を受け入れる人の温かさといいますか、そういったもてなしの心をいかに市民がみんなで共有できるかということがこの事業の成功にかかってきているんじゃなかろうかというふうに私は考えております。 最近特に、NHKの全国放送であったこともあるんでしょうけども、大変問い合わせが多くなってきております。市長の市政報告ではホームページへのアクセス数というのが示されましたけれども、この4日間で、市長の市政報告から4日間がたつんですが、既に500件を超える問い合わせがあったことは、これを物語っているというふうに思います。五島に対する関心は非常に強いと。 したがって、先ほど言いましたこの2点の問題について掘り起こしながら、問題の提起をさせていだく、ここが他にない、いわば差別化できる五島としての取り組みではないかというふうに考えております。具体的でありませんで申しわけないんですが、考え方だけ申し上げておきたいというふうに思います。以上です。 ◆25番(志内勝利君) 先ほど課長答弁では、海を生かしたようなものにしていきたい、もう一つは人の温かさ、これはもう金も要らないし、当然できることであります。多分自分もそうであるなと、五島のよさといいますと、そこしかないんだと自分は思っております。 さすがの島課長でも、なかなかちょっと苦しんだような答弁だったかなと思いますが、先ほど答弁等々がありましたけど、本市のU・Iターン者を受け入れる推進体制、取り組み実績、今後の取り組み内容等を見ると、これは以前、平成8年度から取り組んできておられる下五島農林開発公社ですか、総合開発公社、これは2年間の農業研修を行って、そこで修了し定住された方が28名、漁業におきましては1年間の研修で修了された方が3名、そして新たな取り組みとして平成17年度より農業研修生が17年度2名、18年度1名、漁業においては1名であります。たしかその資料によりますとそのようになっております。 これが本当のU・Iターン者であります。これは本当、うそという言葉がちょっとおかしいかなと思いますけど、と思います。五島で暮すんだ、五島で生活をするんだ、仕事をするんだ、単に物見遊山で来たんじゃない。こういった若者たちに五島に定住していただくことによって、生活の活性化が図られると私はそのように思います。そうですよね。 しかし、こういった夢ある若者が、第1次産業の農業とか漁業の就業者ばかりです。U・Iターン者の中には、五島に帰って農業や漁業はやりたくないと、会社や企業に勤めたいと。また、事業、商売をしたいという方たちも当然おるでしょう。こういった人たちに対して行政支援はどうなんですか。仕事関係、住宅関係等々あります。先ほどもありましたが、ハローワーク、会社、企業等と連携を持ち情報提供、または紹介とか相談等は企画課内総合窓口で対応しているんですか。それとも、そのほかの方の情報センター等々があってその中で対応しているのですか。お聞かせをください。 ◎企画課長(島悟君) 総合窓口として、このU・Iターン問題については企画課でワンストップサービスとして行っております。以上です。 ◆25番(志内勝利君) 確かにそのワンストップサービス、そういった中で各課一元化して行っているということでありますけれども、その受入体制ですが、先般の市政報告によると、ホームページへのアクセスにおいて8,400件を超えることだということでありますが、先ほどもこの4日間で500件あったということでありますけれども、いわゆるそのホームページじゃなしに、電話とか、また、その他の問い合わせ等々におきましては、これは当然時間外等々もありますけど、365日これは対応しておるんですか。それとも、時間におきまして、これは何時ごろまでこの辺の方は対応されておるんですか。いかがですか。 ◎企画課長(島悟君) メールによる問い合わせにつきましては、時間中については時間中に即お答えをするということにしているんですが、時間外の問い合わせというのも結構あるというふうに聞いています。 朝出勤したら、早々に履歴を見まして、なるべく早く返事をするようにということで課内協議を進めまして、その点メールの返信関係のやりとりを見てみますと、大変迅速な対応であるということで一面お褒めの言葉もいただいているということを御報告しておきます。 ◆25番(志内勝利君) 確かによその自治体では360日体制でやっておるというふうなところもあります。 資料があります。これは島根県の隠岐であります。この隠岐に関しては、以前にも私、知夫村ということをお話いたしました。村に5年間住んでいただければ牛1頭か船1そうを無償で提供しますよというふうなユニークな形で定住人口をふやしておるところです。 今回は、その隣にある島、海士町というんですね。人口が2,580人ほどでありますけれども、離島であります。U・Iターン者を受け入れるにおいて、住宅問題、仕事関係が一番多いと。当然五島市もそうだと思いますけれども。海士町が定住用住宅として、16年度から17年度にかけて整備した住宅1DKから3LDKまで、また空き家をリニューアルした等々合わせますと32戸整備して、売買とか借家として活用し、もう既に入居者が、全入居予定であるとのことです。 かかる経費といたしまして3億6,365万2,000円がまちづくり交付金等々で措置されているということであります。17年度までに46世帯97人が定住しておるんだと。五島市でこれと同じようにしろと言ってもこれは無理な話でしょう。財政的にも厳しいでしょう。 今回の定住促進は、自治体のみでは推進できません。民間の力が必要であります。自治体との協働がなければ先には進まない。ならば、今住宅であるならば、民間企業とか建設業等とか、そういった業者の皆さんが動きやすいような支援をすると。これは銭があれば補助金も出していただいて結構。簡単に融資が受け入れやすいような形をするとか、制度資金を創設するとか、こういったものを県の方に働きかけるということもこれは当然必要かなと。 幸いにも五島市はモデル市に指定され、1億1,004万5,000円の予算措置がされている、私の資料ではそうなんですけれども、他の資料では500万となっております。どちらが正しいかは知りません。 いずれにしても、官民一体となった取り組みが必要なんです。やはりもっと具体的な現実的な動き、受け入れの基礎をつくるべきと考えますが、どのように考えておりますか。 ◎企画課長(島悟君) 全く議員仰せのとおりだというふうに考えております。 したがしまして、今不足しているそうした就職情報なり、あるいは土地、建物、長期滞在型、あるいは将来永住できるもの等々、特に市営住宅、あるいは県の公舎等々既に把握をいたしておりまして、情報として発信をさせてまいりたいというふうに考えております。 一方、民間の空き家情報については、これは実は不動産との関係があって、こういう協会等々との話し合いが実は必要であります。したがいまして、こうした協会等々の市のホームページとのリンクができないか、そこらで今協議中でありまして、ここができれば民間とそのような連携ができるんじゃないかというふうに一つは思います。 もう一つは、これは先般、建設業の若手を中心に結成をされたんですが、「農援隊五島支部」という支部が結成をされました。会員49名というふうに聞いているんですが、農援隊というのは、農業の農に応援するの援、「農援隊五島支部」というふうに、全国組織があるそうなんですが、これが結成をされました。こことも実は最近かなり協議を持っておりまして、こうした人々の意向等々も含めて、ぜひ議員仰せの内容につきまして内部検討をしてまいりたいというふうに考えております。以上です。 ◆25番(志内勝利君) 確かに五島市においては、市の所有する住宅等々はありませんですね。現在、確かに住宅はありますけれども、今はこちらに在住している人が住んでおられるもんですからないんだということです。この辺を整備をしたい。また、ないものだから県職員のあいた官舎等々も空き家等々も活用したいと、民間等もそうですけれども。 これは、こういったことをするのも限度があります、当然。やはりU・Iターン者の要望、ニーズにこたえるには、民間の活力は欠かせないというふうに私は思っております。これは官民協働の施策をこれからも講じていただきたいというふうに思っております。 次に、住宅の次は仕事でありますけれども、五島で有効求人倍率、いつだったですか、ハローワークから0.28倍というようなことでありました。 第1次産業を除いて、U・Iターン者を迎えても望む職はないと、多分。在住している人も仕事はないんですから。ならば、働く場をつくろうじゃないですか。幸いにもe-むらによって情報発信ができました。これを活用し、五島の名産、特産品、加工品等々を販売をする、こういった事業を起こす事業者の手助け、また、先ほど言いました海を生かしたマリンスポーツ等々の産業のこういったところの支援、さらには、五島には総合的な娯楽施設がない。若者が集まる場がない。親子、ファミリー、子供とともに遊び過ごす施設がなければ五島に来たがりませんですよ。魅力がないと言って、若い人たちは帰ってきません。こういった産業を起こす事業者への支援を行うことによって雇用が生じてくるんだということです。 ただ、このことに関しまして、自治体と民間が協働して産業創出をしなければならない。ただ、民間にはその活力がない。力がない。そこに先ほど言ったようなバックアップが必要であるんだ。金ばかりじゃないんだということです。このことによって求人倍率の0.28倍を押し上げ、ひいては人口減少に歯どめをかけ、U・Iターン者を迎える手段の一つと考えますが、いかがですか、こういった考えは。 ◎企画課長(島悟君) 方向性については、そのように私も理解をいたしております。 一つだけ御報告をさせていただきたいと思うんですが、今月の14日から16日にかけて、日本経済新聞が主催します「エコプロ」というのが開催をされます。東京で開催されるんですが、昨年度の入場者数が実に15万人というふうに聞いております。 このエコプロに出展する企業というのは、もう日本を代表する自動車、電気、ガス、大手のIT企業も含めてそうなんですが、ほとんどが出展をいたします。その1つのブースに農業ゾーンというゾーンをつくりまして、全国でたった2ヵ所、五島市とコウノトリで有名な豊岡市の出展ブースが予定をされております。ぜひこれを活用させていきたいというふうに思います。 特に、先ほど言いました日本の大手関係が、実はエコ、環境対策に対する実証実験地を模索しているという話も聞いていまして、そういう実証実験地として条件が合えば、ぜひそのエコプロで話を聞いてみたいというふうにも考えておりまして、今、農林課、あるいは商工観光課、公室等々とも働きかけながら、このエコプロ対策を一体どうしていくのかということも検討中であります。 大変大型なプロジェクトでありますから、注目を持って、重大関心を持ってこのエコプロの方向について見定めていきたいというふうに考えております。一つの報告として報告をさせていただきます。 ◆25番(志内勝利君) 確かにそういった大手の民間企業等々が五島に注目をしているということも私も承知をいたしております。 ただ、今現在、まだ行政と民間があんまり緊密な関係でない、接点がなかなか、先ほどもありましたけれども、ないというのが現状じゃないかなと。そういった関係でちょっと動きが遅い。フットワークがよろしくない。今回、まだ出ておりませんけれども、「検討します」という言葉がありますけれども、拳闘、ボクシングというのはフットワークが基本なんですよ。この辺がまだ足りないように思われてならない。いわゆるやります、やらせてもらいます、一緒にやりましょうという心構えが必要になってくるんだと私は申し上げたいと思います。いわゆるこの中に法、条例等に縛られて鈍化する、石橋をたたこうとする、これによっていわゆる動きが遅くなってくるんだということであります。 もっと現実を直視していただいて、市民の奉仕者として、大胆かつ先んじて行動を起こしていただきたいというふうに思います。そして、U・Iターン者が一人でも多く五島に来ていただくことによって、地域の活性化、経済が活性化されるものと考えております。 次に、今、人口減少にある地方都市で熱い目線を送っている団塊世代700万人の大量退職者の獲得合戦でありますけれども、本市においてもホームページ等々でこうやって情報発信されております。まだ未整備、整備中のものもあるようでございますけれども。 この人たちに、五島に定住する、長期滞在、短期滞在、セカンドハウスといって季節的に滞在する方たち、いろんな条件、パターンがあろうかと思います。これは国土交通省の16年度の調査でありますけれども、この中で定住の形態とかいろいろあります。定住の形態におきましては、団塊世代の人、悠々自適な生活、これが42%、仕事をしながら37%、一時滞在18%。そして田舎暮らしを決める条件、自然環境64%、気象33%、住居21%。で、定住の際の仕事、勤めですね、企業等が42%、それから自治体等が26%、農業が22%、漁業が6%。希望する土地・建物、いわゆる住宅ですよね。空き家が66%、土地分譲地が57%、貸し農園・農地等が47%と、こういうように出ております。 大体これを見ると、団塊のU・Iターン者は、自然環境の中で悠々自適な生活を望んでおります。希望する土地は、空き家、分譲、貸し農園。仕事においても企業が一番多く、農業においては22%、漁業に至ってはたった6%です。いわゆる一般のU・Iターン者と団塊の人たちとは全く違った形態にあるんだということであります。 確かに、U・Iターン者、団塊の人たちの持つ高度な知識、技術、こういったものを生かして産業の振興とか、また交流人口の拡大を図る大きなメリットがあります。しかし、この時代にある団塊世代の人たちというのは二、三年で終わります。後もって少々の退職者も当然出てくるでしょうけれどもね。 その人たちの受け入れにおいて、メリットも言いましたようにあります。しかし、負も負わなければなりません。デメリットがあります。つまり、五島に来て10年ないし15年、地域の活性化に貢献していただきます。その後、医療、福祉がかかります。そして、なお一層この医療、福祉を充実させなければならない。現在でも歳出の中で社会福祉費が高いウェートを占めているのにですよ。加えて環境整備も行わなければなりません。大丈夫なんですか、この辺は。お聞かせをください。財政課長でも企画課長でも結構です。 ◎企画課長(島悟君) 団塊世代の受け入れというのは、メリットとしてはいろいろ多数あるというふうに私は思います。つまり、高度な技術であったり知識であったりというふうに思います。 これは我が五島市にとって欠くことのできないそういう力であると、こういうふうに認識をいたしておりまして、ただ、そういった人方が希望するいわば医療施設であるとか、こういったこともまた高い希望を持っていることも事実でありまして、そういう意味ではUターン者のいわばわかっている五島の文化であるとか、とは全く違う形でのいわば対策といいますか、を考える必要があるというふうに思います。 先般、県立大学のお力によりますシンポジウムを開催させていただきました。150名に上る参加者があったわけですが、その中で大変感銘を受けたわけですけれども、「風土」という言葉をよく使うと、風と土というふうに書くんですが、実はこの風土の風というのは、考えてみるとIターン者に匹敵するんではなかろうか。あるいは土というのは、五島の人に当てはめてみると、こういった行き来する風と、いわば定着する五島住民が一緒になって調和をしながら風土をつくり出していくんだということをお聞きをしまして、そういう考え方のもとにやはり事を進める必要があるなということを痛感したわけであります。 特に、我が五島市の歴史を見てみると、遣唐使の歴史であるとか、もともとそういった異文化を受け入れてくる心の広さといいますか、そうしたものを持っておったというふうに感じておりまして、そういった団塊の世代が持つ我々と少し違う文化であるとか技術であるとか知識であるとかですね、それらをうまく調和をさせる、そのことはとっても大事なことだろうというふうに思います。 確かに、今後予想される福祉の問題であるとか、懸念をされる問題がありますけれども、とにかくこの受け入れ態勢だけはなるべく早く完備をさせてまいりたいというふうに考えております。以上です。 ◆25番(志内勝利君) 確かに団塊世代の人たちがこちらに入ってくると、いろんな交流とか、また先ほど言われたような文化等々も当然変わってくるでしょうね。大丈夫だと、受け入れにおいてそのように大きなメリットがあるから大丈夫だということなんでしょうけども、決して私は反対しておるわけじゃないんですよ、まだ未知数でありますから。 しかし、先ほど言いました住宅とか、職場・環境問題、医療、福祉、学校、道路といった生活インフラ問題をクリアしなければ問題があります。そのようなことは協議会の中で審議しているから、おまえが心配することないと言われればそれまででありますけれどもね。 ただ、私の言いたいのは団塊の世代の受け入れもいいでしょう。決して悪いとは言いません。だが、今日まで受け入れてきた第1次産業の農林漁業者のこういった研修生、そして、一般の会社、企業に勤める若いU・Iターン者の受け入れを官民一体となってより一層充実させるような施策を講じていただきますよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。 ○議長(浦藤彦君) 以上で志内勝利議員の質問を終わります。 次に、3番 草野久幸議員。 ◆3番(草野久幸君) (登壇)質問に入る前に2点要望させていただきます。 1点目は、今国会に提出されるカネミ油症仮払金特例法についてであります。 この法案は、与党プロジェクトチームがまとめたカネミ油症仮払金返還免除に関する法案であります。被害者は、仮払金債務者全員の一律返還免除を望んでおりますが、この素案では債務管理法の10年履行延期期間の撤廃にとどまり、無資力要件を撤廃していないため免除の幅が変わらないと批判が相次いでおります。 議会開会日には、議長と市長あてに要望書がカネミ油症五島市の会から提出されたと聞いております。どうか被害者の真の救済のため、敏速な対応をお願いいたします。 2点目は、今議会開会日の発言取り消しの件であります。 現在の五島市は、行政運営上大変難しい局面を迎えていると思うのであります。ですから、市長初め理事者の皆様、そして我々議員も危機感を感じ、真摯に取り組むべきと思うものであります。よって、二度と一昨日のような発言がないよう要望いたします。 それでは、質問に入ります。 行財政改革について質問いたします。 私たち会派つばき会は、先月岡山県の倉敷市と、先ほど25番議員から紹介がありました島根県隠岐の島の海士町を行政調査いたしました。この2つの自治体とも行財政改革に取り組んでおりました。 この2つの自治体の改革に共通していたところは、企業経営感覚を取り入れた改革であったということです。企業が経済難に陥ったとき、どのような対処を行うかと考えますと、歳出におきまして社員削減などによる経費の削減、歳入では新しい事業展開による売り上げ増加、大きく分ければこの2つになると思うのです。 今回、通告書の中で守りと攻めという表現をいたしましたが、倉敷市と海士町では、この2つのことを改革の中で実践していました。五島市行財政改革においてこの2つの方策についてお聞きいたします。 次に、子供たちに関する悲惨な事件が多く報道されております。その中でも児童虐待は、身体的暴力だけではなく、性的虐待、言葉による虐待、保護者が子供の養育を拒否するネグレクトなど、これらの虐待によって受ける子供への影響もそれぞれ違い、発見することが非常に難しいと言われております。 そこで、五島市においての児童虐待の現状とその対応をお聞きいたします。 次に、教育行政について3点お伺いいたします。 いじめによる子供の自殺報道を聞くたびに、現在の教育が危機的状況にあることを思い知らされます。いじめがない学校はないと思います。いじめを早く発見する、そして、それをすばやく解決する、そんな学校がすばらしい学校であると思うのです。 この質問をするに当たり、数校の学校訪問をし、いろいろな現状を聞いてまいりました。どの学校も熱心にいじめ問題に対しても取り組んでいるとのことでしたが、五島市の各学校においてのいじめの現状と、その対応をお聞きいたします。 次の2つの質問は、昨年の3月定例議会でも取り上げた問題でありますが、その後の状況を再度お聞かせください。 最初は学校給食費の滞納についてであります。 この滞納額は、全国で今や18億とも言われております。五島市におきましては、昨年の3月議会の教育長の答弁では、17年2月末現在で81世帯、523万325円で、この額を大変深刻に受けとめていると答弁しております。そこで、現在の滞納の状況を改めてお聞きいたします。 最後にフルマラソン大会の開催についてであります。 同じく昨年の3月の答弁で、今後、協議を進めていくとの答弁でしたが、その後の経緯をお聞きいたします。 以上、壇上から質問を終わります。(降壇) ◎市長(中尾郁子君) (登壇)3番 草野久幸議員の質問にお答えをいたします。 その前に、お話がございましたカネミ油症に関しましては、PT(プロジェクトチーム)の代表へ速達で要望書を送らせていただいております。これからも最善を尽くしてまいりたいと思います。 まず、五島市行財政改革について、守りと攻めの方策についてお尋ねがありました。 行政運営には守りと攻めは大事でございますし、基本的にはそういうスタンスでものを眺めております。財政健全化計画が示します身の丈にあった財政運営、つまり徹底した経費の節減が守りでございまして、攻めは五島市総合計画が示しております定住人口と心のふるさと市民の合計を10万人にする、航路・空路の利用者を50万人にするということを中心としました各種の施策を実現することが攻めであると考えております。 議員が視察されましたただいまの成果についてお伺いをいたしましたが、その御意見、御提言につきましては大変参考になります。考え方や行動の仕方、方向性なども共有のものでございます。が、もっと具体的に進めていきたいと思います。 次に、福祉行政で児童虐待の現状とその対応ということの質問でございましたが、児童虐待につきましては本当に全国的にも大きな問題でございまして、悲惨な事件が後を絶たず、連日のように報道されているこのごろでございます。 まず、児童虐待の定義につきまして御説明を申し上げたいと思います。児童虐待とは、子供を養育する親などが子供の面倒を見なかったり、暴力をふるったり、ひどい言葉で子供を傷つけたりすることを言われております。これらの行為は、子供の健やかな心身の成長や人格形成に重大な影響を与え、子供の基本的な人権を侵害するものでございます。 なお、児童虐待は大きく4つに分類されておりますが、1つ目は養育放棄、ネグレクトといいます。要するに養育をしない。それから、2つ目は殴る、けるなどの身体的な虐待でございます。3つ目は、言葉で子供を傷つけたり、子供の目の前で夫婦げんかをしたり、妻を夫が殴ったりなどをする心理的虐待でございます。4つ目が子供への性交や性的行為の強要などの性的虐待となっております。 五島市におきましても、全国的な傾向と同様に児童虐待の件数は増加傾向にございます。先ほど申し上げました4つの児童虐待すべての分類に該当するケースが、もう悲しいながら確認をされております。内容も複雑多岐にわたり、報道されているような悲惨な事件は発生しておりませんが、それにつながる可能性がないとは言えないケースもございます。 その対応につきましては、福祉事務所内にある家庭児童相談室が担当しておりまして、長崎県中央児童相談所を初め学校、保育所、幼稚園、医療機関、保健所、警察、児童福祉施設、民生児童委員など、各関係機関と連携を図りながら対応をいたしているところでございます。しかしながら、家庭内に深く入り込まなければならないケースもありまして、非常に難しい対応が必要でありますことから慎重に対処しているところでございます。 「子守唄の流れるしまづくり」というのも、やはりこういう世相を優しい心で、温かい心で、母性愛で少しでもカバーしていきたいという切なる思いでございます。 3項目めの教育行政につきましては教育長より御答弁を申し上げます。(降壇) ◎教育長(末永文隆君) 教育関係について3点御質問をいただきましたのでお答え申し上げます。 まず第1点目、いじめの問題でございますけど、議員御指摘のとおりに、私ども教育界に対しては厳しい状態にあるというふうに受けとめております。 10月に福岡県で中学2年生がいじめを苦にしてみずから命を絶つ事件が起こりました。その後、各地で小中高校生に至るまで、子供たちがみずから命を絶つ痛ましい事件が連鎖的に起こっております。 私は本議会の答弁でも、いじめ、不登校、暴力行為などは、学校教育の緊急かつ重要な課題であり、加えて私たち長崎県が深く認識しなきゃならない課題として命にかかわる教育を真摯に受けとめている旨のお答えをしております。その対策にもまた努めてまいりました。 このたびの一連のいじめに関する報道のたびに、子供たちや保護者を初め多くの方々に不安な気持ちを抱かせ、それぞれの心中を察するに余りあり、教育に携わる者として申しわけなく思うばかりでございます。 今、私が強く願うことは、子供たちがみずから命を絶つ、この連鎖現象を断ち切ることでございます。そのことを踏まえましてお答えをいたします。 1つ目はいじめの現状でございますが、11月に緊急に特別調査を行いました。平成17年度小学校97件、中学校19件。本年度は11月末現在でございます。小学校76件、中学校32件でございます。なお、この数字には解決された事案、あるいは継続して指導中の事案もあることをつけ加えておきますが、継続中は現在、小学校6件、中学校6件でございます。 対応について申し上げますと、本当に私どもこのいじめ問題については、学校教育の重要な課題として教育委員会、あるいは学校ともにその対策に努めてまいりました。しかしながら、議員御承知のとおり、今回の一連の報道は、教育委員会、あるいは学校の対応についての多くの批判が取り上げられております。そのことを私どもは真摯に受けとめねばならないと考えております。 そのことを含め、今回、私は校長会、教頭研修会、あるいは教務主任研修会等、学校教育の各種研究会及び社会教育分野、PTA研修会、公民館研修会大会等、機会あるたびに私どもの願いを訴えて共通認識として持っていただく、それとともに、それぞれの立場で子供たちに指導や働きかけをお願いしているところでございます。長くなりますけども、その訴えの柱を3点申し上げます。 まず1点は、「いじめはどこにでも起こり得る」、この認識を持つことで、いじめを隠すことなく、トラブルが生じたらいじめとの関連を検証し、早期発見に努めること。 また、いじめで苦しんでいる子供のサインを積極的に、しかも丹念に見つけること。特に、学校に対しては、校長、教頭、あるいは学級担任がいじめに一番敏感であることを求めております。 2つ目は、生き抜く力を育ててほしい。「つらくなったら死ぬしかないんだよね」、この言葉は、小学校6年生、これは一連のこの事件の中で小学6年生の女の子が漏らした言葉というふうに報道を受けております。大変つらい言葉だと受けとめております。 このいたいけなつぶやきを真剣に受けとめていかねばならないと思い、大人の責任として、人生の希望をなくすこのような悩みを子供たちに持たせることは絶対にあってはならない、そういうふうに確信をしております。だからこそ、そうじゃないんだ、人生にはつらいこともあるが、喜びもたくさんあるんだ。どんなに苦しくても、みずから命を絶つことがあってはならない。大人がそれぞれの人生を重ね合わせ語り続けていただきたい。 あるいは、大人がそれぞれの人生の中で、苦しいこと、うれしいことなど、体験したこと、その生き抜いている姿を実感させていただきたい。「人間万事塞翁が馬」、この気概を子供たちにぜひ植えつけていただきたい、そういうふうに願っております。 3つ目は、いじめに対する3つの原則を考えております。そして、このことを大切にしていただきたい。 「いじめは、するを許さず、されるを責めず、第三者なし」、この言葉を繰り返し伝えております。いじめはどんなことがあっても決して許されることではない。いじめはどんなことがあってもされる者を責めてはいけない。 「あなたが頑張らんからいけんとさ」とか、「あなたがこうすればいじめのなくなるとさ」ということは絶対に言ってはいけない。いじめられている子、苦しんでいる子供をしっかりと抱きしめていただきたい。 その中の3点目、第三者なしは、いじめを見て見ぬふりしている者は、いじめに加勢している者である。そのことを「するを許さず、されるを責めず、第三者なし」、この心構えでいじめ問題に真剣に取り組んでほしいという願いを訴えております。 どうか私もこの場をかりて、今のことをすべての子供たちに、みずから命を絶ってほしくない、私どもも頑張ります。あるいは、また大人の皆さん方にも、今、私が申し上げたことを周りの子供たちに語りかけていただきたい、そういう願いを持っておるところでございます。 なお、必要であれば、また具体的な取り組みについては学校教育課長が報告をいたします。 2点目でございまして、給食費滞納の問題でございますけど、本当に前回の議会でも御指摘いただきましたけども、私どももそれ以来、未納者に対する納入督促を努めてまいりました。しかし、残念ながら増加の傾向にあることには間違いございません。 滞納額と申しますと、18年度、本年10月末現在、昨年度の未納分も含めまして564万9,504円となっております。率的に申しますと、10月末現在で給食費に対する滞納額の割合4.84%になっているところでございます。大変先ほどの御質問にもございましたとおり、私どもも深刻に受けとめてまいりたいというふうに考えております。 3点目、フルマラソンの件に対してでございますけれども、私どもの五島市で現在、大人を対象とした、高校生以上を対象としたマラソン大会については2点、夏の鬼岳一周の夕やけマラソンと冬の三井楽半島一周五島つばきマラソンがございます。 この夕やけマラソンについては、2,000名ほどのいわゆる参加をいただいておりますけれども、五島つばきマラソンは、平成13年2月に三井楽町の活性化事業、そして五島椿まつりに協賛する形で始まった大会で、19年2月に第7回大会を計画しております。 参加者が第1回の169名、本年2月の第6回大会195名で、平均200名というふうに認識しております。地元実行委員会でも、知名度を上げて参加者の増加を図るようにいろんな工夫をしておるようでございますけれども、残念ながらこういう数字でございます。 年開けて2月に開催される第7回大会では、新たに10キロコースを設けて募集を開始したことで参加者増を期待しているところでございます。 私も前回の質問を受けまして、フルマラソンについて、フルマラソンを行うことを視野に置いてということでお願いをしておりました。そういうふうなことで地元検討委員会については、第6回大会の参加者にアンケート調査を行っております。アンケートの結果を私いただきましたけれども、半数が現状のままハーフマラソンを中心に希望しているようです。3分の1がフルマラソンを希望する状況、こういうふうなアンケートの結果をいただきました。 さらに、地元関係者の課題として5点ほど報告を受けております。 1点はコースをどう設定するか。現在のコースを岐宿まで延ばすコース案、あるいは荒川へ延ばすコース案などを考えてみているようですけれども、どちらがいいんだということは、まず決定が、決定というよりも考えがまとまっていない。 2点目が、そういうコースを選んだ場合、国道、県道までがコースに入るということです。そうなると、白バイ等の警察官配置を含めた交通整理が課題である。 3点目は、先ほどのコースをどういうコースをとったとしても、コース途中の極度のアップダウンがある。このことがランナーに対して大きな課題だろう。 4点目が、もしフルマラソンに拡大した場合の運営組織、財政等をどうするのか。 5点目が、2月という開催時期をどうとらえるか。私どもは、この五島つばきマラソンは、三井楽地区の地域活性化事業が発端の大会であるために、その特色、趣旨を継続すべきだろうと基本的に考えております。 これまでの経緯を踏まえて、現在は地元実行委員会を中心に考えておりましたけれども、今回、五島市陸上競技会等専門的な立場の方々も交えまして意見を交換し、私どもの考えているのは五島市として総合的に検討が必要だと判断をしております。そういう意味合いで時間をかけて道を探ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) それでは、再質問に入らせていただきます。 まず、行財政の再質問に入りますけど、守りと攻めという形で質問をしていきますけど、まず守りですよね。行財政改革で、今、厳しい財政削減計画がなされておると思います。でも、毎日、夕張市の財政破綻の報道を見とって、五島市民も大変心配しております。そこで、この守り、削減見直し、これ以上のいろんな分野の削減見直しもあるのかどうか、まずこの1点をお聞きいたします。 ◎財政課長(木戸庄吾君) そもそも策定をいたしました財政健全化計画の骨子、基本というのは、収入に見合った支出、これを旨とするということでございますので、今後、国あたりの補助金、あるいは交付税、それからまた市税、そういったものが下がっていけば、当然それに見合うような歳出の削減を図っていかなければ立ち行かないと、そういうことでございます。 ◆3番(草野久幸君) 私はなぜこれを言ったかというと、先ほども言いましたが海士町の現状と比べれば、海士町の人件費の削減計画なんかしたら、五島市の比べもんにならないように削減計画をやっているわけですよ。だから、こういう必要もまた出てくるのじゃなかろうかということで、あえて質問させていただきました。 もう一つ、今度は私が一番言いたいのは攻めなんですけど、今の答弁を聞いとって、どうしても私攻めの分野の具体策が足らないんじゃなかろうかと、今の五島市の行財政改革について思っているわけです。 例えば海士町と比較してみますと、海士町では攻めの戦略として産業振興策を取り組んで、産業興しを一生懸命やっております。その一つに凍結技術、CASというんですけど、CASを使って海士町のCAS凍結センターというのを建てております。 簡単にCASという説明をさせていただきますが、CASとはマイナス55度で特殊な冷凍をします。冷凍時に細胞が破壊されてうまみをなくすと言われておりますが、急速冷凍することによって、生の魚、野菜をそのままの状態で保存できるという新しい凍結技術であります。私も3年前に凍結したイカとサンマの刺身を食べさせていただきました。びっくりしました。私たちが今、五島でとれた、きのうとれた、きょうとれた刺身とさほど変わりがない。これによって町を変えようということでやっているわけです。 まず、このCASについて、私、ものすごく興味を持ちまして、五島も要するに基幹産業が農業、漁業ですので、ぜひともこのCAS、新しい凍結技術、これを研究する必要があるのじゃなかろうかと強く思って帰ってきたんですけど、市長いかがでしょうか。 ◎市長(中尾郁子君) 私も海士町の急速冷凍機といいますか、新しく開発された冷凍の装置の話を聞いております。で、本当に五島もそういうものを取り組んだらいいなと思っております。 ただいまは離島漁業再生支援交付金の中で、例えば海水シャーベット法とか、海士町に比べればそれはちゃちなものかもしれませんけれども、漁業者の方から提案がありまして、今回、そういう資金を使って海水をシャーベット化して、それにそのままキビナを入れて送るというようなことも実施をされてきておりますので、機会がありましたら、そういうものもしっかり検討させていただきたいと思います。 ◆3番(草野久幸君) ぜひともやってほしいと希望いたします。 そして、先ほど言いましたふるさと海士、CASの凍結センター、ここにかかわる海士町の部署、つまり課は「地産地商課」という課でかかわっております。普通地産地消といいますと、地消というのは消費の消を書きます。ここの地産地商課は、商売の商を書きます。つまり地場でつくった商品をブランド化して都市部へ売り込むんだと、この発想なわけですよね。私は感心しました。地産地消、我々は地元で取ったものを地元で消化しようという発想で今まできたわけですけど、同じ島のものと考えれば、ここで取れた物を外に売るんだ。そうしたら地産地商、商売の商だと納得して帰ってまいりました。そうすれば、攻めの方策として、このように産品をブランド化して都会に売り込むんだという新しい動きが必要と思いますが、いかがですか。 ◎商工観光課長(東條一行君) 商工観光課の方で、今、地域ブランド活性化推進協議会を立ち上げまして、そのような事業に取り組んでおります。 その中でも、まだ試作品の段階でございますが、地元の産品をセット化してお歳暮商戦に乗せるということも現在やっているところでございます。以上です。 ◎農林課長(橋口明敏君) 農林課としても、ただいま島外に向けての物販について取り組んでおります。 下五島地区で生活改善グループというのがあるんですけれども、「みじょかセット」というのをつくりまして、きのうほとんどでき上がりまして、130セット近く島外に発送する予定でございます。これを契機としまして、今後も「みじょかセット」を中心としまして、販路拡大に努めてまいりたいと思います。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 私も聞いておりますし、活性化特別委員会の中で報告も受けております。要するに、私が言うのは、やっていることはやっていると。もっと具体的にそうしたら質問いたします。 先ほど25番 志内議員から、U・Iターン、定住促進に関して質問がありました。海士町の方も先ほど言ったように、定住策として成功例でしょう、17年度に91名人口がふえたということです。そこでどこが違うかということなんですね。企業がもしこういう事業をするときは、目標数はどこなのか。この設定が一番必要だと思います。もちろん海士町は、100を目標として17年度に定住促進化を進めるんだということで91人になったということを聞いております。そしたら五島市のこの事業の中で、目標数を幾らに定めて今行動しているのかお聞きいたします。 ◎企画課長(島悟君) 目標が、実はどの目標かというのがはっきりしませんけれども、定住の目標だというふうに理解をしてお答えをさせていただきたいと思うんですが、実は、総合計画おわかりのように、定住人口とそれから心のふるさと市民合わせて10万人という目標を掲げています。したがいまして、それが目標になるんですが、年度目標というのは実は残念ながら定めていません。 これはどういうことかといいますと、特に定住は、情報発信をして五島に定住したいという人がいきなり来るということは実は想定していないんですよ。つまり観光で来るとか、あるいはいろんな体験のためにツアーで来るとか、そして何回か来るうちに、ちょっと長期間滞在してみようかという話の中で、やっぱりその風土なり、そういった環境なり気に入って定住するであろうというふうに思っていまして、年度別の目標数値、ちょっと議員提案なんですが、ちょっと考えさせていただきたいと思うんですが、現在のところはそういう状況で目標設定してないということを御理解いただきたい。 ◆3番(草野久幸君) わかりました。私は、やはり先ほど言った企業感覚を持って行政運営をやるとするならば、まず目標が大事だと思うんです。定住策だけじゃないです。例えばブランド化して、商品を歳暮商戦に挙げる、売るんだと。そしたら、聞きませんけど、農林課で幾らの売り上げを目標として進めているのか。ここら辺に今五島市のやり方が足りないんじゃなかろうかということを勉強して帰ってきたわけです。ぜひともその数字を出していただきたい。 特に、この定住策で課長と夜遅くまで酒酌み交わしたわけなんですけど、彼が言うには、町長が100人ふやせと言ったと。だから、方策はと言うと、「方策はありません」と。今、課長が言うように、いろんな情報がきます。それによって場当たり的にいろんな展開をやってきました。その結果91人になりました。 一番欠けているのは、このスタート時の目標数を掲げていないというところに五島市の今の欠点があるのじゃなかろうかと、あえて今回、攻めという言葉はその意味で使わせていただいたわけです。 もう一つ、五島市が攻めの中で類似団体よりも職員数が多いということだったですね。それで、一応削減計画ありますけど、いろんな、例えば企業に考えれば職員が多いということは社員が多いということです。財政的に考えたらデメリットですよね、今言っているように。でも、もう一方の社員、職員が多いということはメリットでもあるわけです。そこでお聞きしますけど、現在の職員数をお聞かせください。 ◎企画課長(島悟君) 本年4月1日現在で766名であります。 ◆3番(草野久幸君) わかりました。そういたしますと、例えば平成22年4月に640以下にするという数値目標を立てているわけです。そうすると、約100名以上の方々が、要するにその数値目標より現在は多いと。ということは、100名ぐらいの職員の枠があるんだ、ゆとりがあるんだという判断をしてよろしいですか。これは市長に聞きます。 ◎市長(中尾郁子君) 職員数は年次的に削減をしますし、定年退職を迎えますので、それを一括して言えば多いでございます。 ◆3番(草野久幸君) なかなか難しい問題です。要するに多いということは言えるわけですね。 私が今回、攻めの中で提案するのは、この職員を例えば22年までとしても100名ですね、年次的に減っていくんですけど。先ほど言いました地産地商、そのように五島の活性化のため新たなプロジェクトとして職場をつくってできないものか。合併していい話は聞きません。合併効果ってどこなのかと。唯一私が思うのは、類似団体よりも職員が多いんだと。だから、この100人で五島を救うんだと、そういう発想ができないものかと思って、今回、このように攻めという表現で質問しているんですけど、市長いかがですか。 ◎市長(中尾郁子君) 定年を迎えられる方々も経験豊富だし、いろいろな働く場所をつくれば、そこで大いに活躍していただけると思います。年次的でございますので、人数がですね。あとこれから経験豊富な団塊の世代の職員が年次的に減っていって、役所の例えば出先などではそういう方たちが働いていただけないのかとか、いろいろな活躍していただく場所がつくれると思うんです。 もっと、例えば退職していただく方の中でこういうことをやろうという、自発的に、志がある方がいて、その方の周りに何人か集まって企業を起こすというのであれば、これは大いに応援をしたいと思います。私もひそかに思っているのは、そういう方が今ちょっと前に進みづらいいろいろな問題があります、各地に。やろうとしているけれども、事務的に堪能でないとか、いろいろなものがあります。そういうところにそういう方たちの経験を生かしていただいて、退職した後にそういう方をそういう場所で頑張っていただければ、より今、まだ生まれておりませんが、いろいろ生まれようとしているような企画に対しまして非常な力になるかと思います。 それから、今回、只狩荘とかたちばな荘を移譲いたしましたけれども、そこでも非常に新しい雇用が生じておりまして、そういう意味では守りが逆に攻めになったのかなあと、今回調査をしてみて、訪問してみてそう思った次第でございます。 ◆3番(草野久幸君) ちょっと私の質問が伝わっていないような答弁なんですけど、もっと再度繰り返します。 要するに20年まで100人多いんだと。極端に言ったら、来年100人全部退職しますと言っても受け取るわけでしょう。でしょう、希望退職ぐらい。とすれば100人の職員の幅があるんだと。だから、この100人の幅を22年までに段階的に減りますけど、今、職員の100人を使って何かができないのかという質問なんですけど、理解できますか。再度そのことで。 ◎市長(中尾郁子君) そうですね、一度に100人は無理ですけども、例えば35人とか、年度によって退職がありますので、その方々が例えば今も、先ほど言いましたのは芽が出ていない、でも、可能性を今探っているようなのが各町にございます。そこらでお力を発揮していただきたいと、こう思うんでございます。 100名を雇用するような企業誘致がすぐにできればいいんですが、企業誘致は一生懸命やっておりますけれども、水産の加工所とか、そういうところを例えばじゃ受け持とうというふうにやっていただくとか、いろんな場所とチャンスはあると思います。 ○議長(浦藤彦君) しばらく休憩します。 午後は1時15分から再開いたします。                         =午後零時01分 休憩=                         =午後1時13分 再開= ○議長(浦藤彦君) 再開いたします。 午前に引き続き一般質問を続行いたします。 ◆3番(草野久幸君) 引き続き同じ質問をいたします。 私、午前中にわかりやすいように質問したつもりなんですけれども、もう少し職員数を言えば、五島市、計画では午前中言ったような数になっておりますけど、インターネットで引きますと、1,000人当たりの職員数、これを管理適正どうということで載っているんですけど、五島市が1,000人当たりの職員数が14.48、全国平均が8.12、県内の市町村の平均が8.5、類似団体が9.5となっております。これからいけば、五島市適正化計画、22年度のこの予想数値も少し多いんじゃなかろうか。そして、離島でありますので、いろいろ加味しても約100人、150人以上、これが数値ができるのじゃなかろうかと思うんです。そこで午前中何回も私の質問の仕方が悪く、市長から正しい答弁いただかなかったんですけど、その職員数が現実おるんだと。この職員を今の職員の形で、例えば物産の売り込みとかブランド化とか、そういう新しい仕事ができないのかという思いで質問したんですけど、再度それお願いたします。 ◎市長(中尾郁子君) 一度に160人は出ないのでありますけれども、年次的に何十人という単位で、退職者が多い時期ですから五島市も30人、40人という年度がありますので、あわせましてそういう方たちのそういう場所での御意向があればそういうこともやりたいと思いますし、また今現在おります職員も物産販売には積極的に動いていただいておりますが、より一層ですね、議員が言われていることよくわかります。隊をつくってプロジェクトをつくってあちこちに売りに回らせたり、いろいろの方法があると思うんです。それだけの数が出るわけですから、有効に使いなさいということであると思いますが、今そういうことを具体的に準備をしておりませんので、五島市で100人、それ以上の方が4年後には出てくるわけですから、しっかり人材として活用できる道、あり方も探ってみたいなと、きょう質問いただいてそのように思っております。 個人個人はそれぞれにいろいろな予定、希望があるようございますけれども、市としてのそういう大きな方針が出ればそういうものも吸収できるかと、その人材をですね、思います。 ◆3番(草野久幸君) ちょっと私の意図するところではないんですが、もっと別の言い方をします。 企業的経営感覚ということを言いました。例えば100人でいい会社に50人多いんだということになっています。ただ22年までと言いましたけれども、今の段階で百何十人の人が来年ぽんと辞めても行政運営はできるという形で、課長、進んでいるわけでしょう、いかがですか。 ◎企画課長(島悟君) 具体的に申し上げますと、機構改革でその定数の配置をしていくということになるんですが、合併して2年になるんですが、合併した年、つまり16年度については11名減少しました。翌年が23名の定数の減であります。したがって、これまで34名が合併時に比べますと定数的には削除されたと、こういう結果になっております。今年度31名、来年度が52名ということで、具体的にこの定員適正化、あるいは財政健全化によって定数の削減を行っていくということになっているんですが、主体が実は定年退職者なんですね。ですから、極端に言いますと第一線を退いて、いわばこれから年金生活に入っていくであろうという人方が多数でありまして、考え方としては、議員の提案の考え方としては十分わかるんですが、要は攻めの政策として、今、五島市が掲げているそういう分野にもうちょっと力を入れると、こういう御提案というふうに受けとめて、その分についてはぜひ内部検討させていだければと、定数の配分でもって考えさせていただきたいというふうに思います。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 課長が言うのも十分わかるんです。要するに、定員を22年度に決めていますよね。そういった類似団体、私が言いました、要するにここで言えば1,000人に対する9.5という数字でいけば、9.5人で市行政運営はできるんだということなんですよ。だから、そういう体制に課長、今、機構改革で持っていっているわけでしょう。そして、もう一方では退職だけじゃなくて希望退職者も募っているわけでしょう。そんならば22年度にその数値にならんでも、来年、再来年、一挙に希望退職者が出ても行政運営には支障がないんだという解釈を私はしてるんですけど、いかがですか。 ◎企画課長(島悟君) 希望退職によってそういう体制がとれればそのような機構に編成し直すと、こういうことで御理解賜りたい。 ◆3番(草野久幸君) 意見をわかってもらったかなと。私はそれを言ってるわけですよ。22年度、定数を決めているわけですね、目標数値をね。だから、その機構改革を進めていって、今から言えば約百何十人の人員が余裕があるわけです。その余裕がある部分を、今の五島市の活性化に生かす方法がないのかという質問をしているわけです。 市長の言う、来年徐々に退職ですからと、それもわかります。でも機構改革によって22年度に類似団体と同じ数にすると、そしたら百人多いんだということですよね。だから、この百人を機構改革をして、別な仕事をつくってくれと、そういう考え方をすべきじゃないんかということを午前中から何回も何回も言うんですけど、私がちょっと説明が下手くそでわかってもらえないのかなと思いますけど、市長もう一回、最後です。 ◎市長(中尾郁子君) 現在いても4年後には160人余るんだろうと。だから、いたらその160人を職員としておりながらでも何かの活性化に使えと言っていらっしゃるんですね。私は退職した人を何か別組織でというふうに思っておりましたので、おっしゃっていること今よくわかりました。 実は、今でも160人減ったところで業務の遂行はできるのかということが先ほど問われておりましたけど、やはり合併してここまでくるのにも一生懸命でした。やはり各支所のこれまでは町の行政を全部そこでやっていたのを、一気に今年、機構を変えました。また一段と変えていきます。やはり住民の方が合併の行政サービスのあり方に慣れていただくための段階的なものもあると思うんで一挙にはできないと思いますけど、段階的に機構改革もやっていくと。また、来年の春も出します。 やはり一つ一つ職員もまた業務になれていただかなきゃいけないし、支所のあり方も検討しと。確かにそういう、本当は余剰が160人か150人あるはずだというのは御指摘のとおりでありますね。最初からそこの段階までスリム化して効率的な機構改革にしていけば、もう160人どっかで余っているはずでありますけど、今はそれはまだ見えないんでございます。ですから、なるべくそういうポストをつくって、攻めの体制をつくって、そこらで活用するという方向でいく方が今後の方策としてはいいのかなと思います。 合併時には、各町々はそれぞれに職員がふえておりまして、それも引き受けたわけでございますので、もう段階的に機構改革を支所に説明を、支所長もおられますけど、したときに、もう本当これでやっていけるんだろうかと、この3月のときには言われました。また、これを一段とものすごい数で削減をしてまいります。で、やはり行政も一気にやりますとひずみますから、徐々にそういうことをやっていこうと思います。 それから、今、権限移譲が非常に多くございまして、受けるのか受けないのかということでずっと県からも調査がきます。そこについてくるものは余りついてこずに、権限移譲がどんどん国から県からきております。そういう事情もありますので、業務になれていただいて、また権限移譲によってふえた業務も今の陣容で、最終的には160人減の中でこなすことになります。でも、議員が言っていらっしゃることはよくわかります。今お話聞きながらそうなんだと。例えば売り込みやら、ツバキをもっとつくろうとか、そういうプロジェクトを早目に、余剰人員になるであろう数ぐらいを職員の内部で出しながらやっていったら攻めの行政がもうちょっと見えるのかなと、こう思います。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 要するに22年まで4年しかないわけですよ。4年間のうちにこの攻めをせんかったら、22年になったらもうできないんですよ。私が言うのは、これは絶対スピードが必要だと思います。合併効果として職員が多いんだ。これをプラスにするには、私の発想のこの転換しかないと思っていますので、ぜひとも全課でここら辺は詰めて考えてほしいと思います。 そして、攻めの方策として、昨年の3月定例議会の中で風力発電の質問をしました。ここに玉之浦の風力発電の資料もあるんですけども、何か事業がストップしてるという話をちらっと聞いたんですけど、そこら辺の事情がわかっていたらお聞かせください。 ◎市長(中尾郁子君) 玉之浦の風力発電は、もうスタートするばかりに整っております。しかし、企業が受ける国の補助が、ことし全くなかったんだそうでございます、突然。当然その中に入っていて、予定もして企業は進んでおりましたが、先月ですか、先々月ですか、来られまして、一社しかなかったと、今までくじに入ったところは全部いただいていたんだと。で、急にこれがNEDOから出たということで、来年に向けてということで、本社も玉之浦町に、五島市につくって、なお来年に向けて行動しておられます。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 私も風力発電は非常に五島にとっては攻めの方策の一番手だと思っていますので、もし何かあったらそこら辺を協力的に進めていただきたいと思います。 それでは児童虐待の再質問に入ります。 答弁で報告は受けたんですけど、もしよろしかったら児童虐待の実例を、報告できる分野で構いませんけど、現状をもう少し詳しくお聞かせください。 ◎社会福祉課長(手島仁助君) お答えをいたします。 DV関係で平成18年度現在までで、今、4件あっております。その中の1件についてお知らせをいたしたいと思います。 これは保育所の方から連絡がありまして、母親と市の児童相談員及び母子自立支援員で面談を行いまして、内容としては夫よりの暴力、あるいは暴言があり、病院の先生に相談をしたところ、島外へ出た方がいいというような先生のアドバイスがありまして、本人もそのように決意をしたということであります。そういうことで、本人から日にちを指定をいたしまして市外に出たいというような申し出が福祉事務所の方にありまして、それに基づきまして市といたしましては、転出先の福祉事務所の方へ、今までの経緯、それから本人の働くところのどういう仕事につきたいというようなことのお知らせをいたしております。それから学校の方、それから保育所の方にも日にち、いつで出たいというようなことで福祉事務所の方から連絡をいたしております。 その後転出をいたしまして、転出先福祉事務所より、子供の状況、学校への状況の報告、それからお母さんが資格を持っておりましたので就職をしたというような報告もあっておりますし、協議離婚へ向けて双方の親が協議をしているというような報告もあっております。 そういうことでDVのあった場合は、本来、警察への連絡、これは必ず原則的にやっております。今度の場合はそこら辺までの必要がないというようなことでいたしませんでしたけれども、通常であれば警察への報告、それから市民課へ通知をいたしまして、夫からの転出先の問い合わせ等には一切応じないというようなそういう措置をいたしてDVに対する処理をいたしております。以上です。 ◆3番(草野久幸君) はい、わかりました。壇上でも言いましたけど、なかなか発見が難しいとよく言われております。今保育園からの報告ということで課長から聞きましたけど、私もここで保育園、幼稚園、学校、この協力体制はどんななっているのかなと心配です。だから、まず学校で、要するに虐待、そこら辺をどのような協力体制をとっているのかお聞かせください。
    ◎社会福祉課長(手島仁助君) お答えをいたします。 法律が変わりまして児童福祉法、児童虐待防止法が改正をされております。その中で、今まで相談の窓口というのは児童相談所が当たっていたんですけれども、児童福祉法の改正によりまして市町村窓口が当たるというようなことに改正がなっております。そして民生委員、児童委員等につきましては、法律の改正によりまして、そういう虐待等の事実を知った場合には、市町村、あるいは児童相談所へ通告する義務というのが発生をいたしております。そういうことで、従来、児相の方がした仕事について市の方がやっておりまして、児相の方は深刻な事例について児相の方で対応するというようなことになっております。 そういうことで、ちなみに長崎県内の児童虐待の状況というのが報告をされております。平成17年度の報告ですけれども、総数が279件、そのうち児相での一時保護が147件、施設入所が79件。それから、虐待の内容ですけれども、先ほど市長が説明いたしましたけれども、ネグレクトが50.9%、身体的虐待が27.2%、心理的虐待が16.9%、性的虐待が5.0%となっております。その虐待の相手方ですけれども、実の母が58.1%、実の父が26.5%、合わせまして84.6%が実際のお父さんお母さんがしてるというような現状も報告されています。 相談経路ですけれども、親戚、家族、近隣知人が31.5%、それから学校等からが10.8%というような実態が出されております。 そういうことで虐待は家庭内にとどまり、表面化しにくい面があります。そういうことで地域や学校での子供の変化に気がつきましたら、福祉事務所の方に連絡をしてほしいというようなことをお願いをしたいと思います。 それから、虐待防止法によりまして、要保護児童対策地域協議会というのを設置をしなければならないというようなことがうたわれております。現在、全国で32.4%が設置をしております。そういうことで五島市につきましても早い時期に条例化をしまして組織の確立を図りたいと考えております。以上です。 ◎教育長(末永文隆君) 児童虐待に対しましての私どもの取り組みなんですけども、特に養護教諭を中心に管理職、今、福祉の課長が申し上げましたとおりに、私どもに告知義務があるという、通知義務あるということを中心に、こういうことに関して取り組むような指導をしております。 特に養護教諭の場合には、身体測定とか日常的な観察、いわゆる肉体的な観察というのが可能なポジションでありますし、それから、また子供たちのいろんな食生活のことに関しても観察が一番行き届きますので、そこを中心に、あともう一つが学校内における情報の交換、担任、あるいはそれぞれ見かけた、不審に思う、またそういうふうな情報を得た場合の情報交換をし、それを管理職に通じ、管理職から通知義務を果たすようなそういう指導を現在行っております。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) はい、わかりました。そしたらいじめの再質問に入らせていただきます。 壇上でも言いましたけれども、教育長の答弁でいじめの件数を出していただいてびっくりしております。壇上で言いましたように、いじめのない学校はないんだじゃなくて、どこにでもいじめはあり得るんだという見解で質問を展開したいんですけど、まず私の言う、どこの学校にでもいじめはあり得るんだということに関しては教育長いかがですか。 ◎教育長(末永文隆君) 私もベースにした先ほどの訴えの基本はそこに、どこにでも起こり得るんだということで、まず起こらないことが一番のことでございますけども、しかし、起こり得るんだという認識、それは私どもも同じ認識でございます。ということになれば、どこにでも起こり得るとすれば、隠すことをしちゃいけないんだというふうな認識に発展させていきたいと思っております。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) はい、わかりました。私も先ほど言ったように、このいじめの問題をするために各学校を何件か回ってみました。その中で、どこの学校に行っても学校長、「うちの学校の先生は頑張ってます」と言います。私もそう思います。恐らく教育長に言っても、「五島市の先生方は頑張ってます」と言うでしょう。その頑張りが、今私が考えると、学校によっては毎日9時、10時まで職員室に電気がついているという話をよく聞くんですよね。毎日、要するにサービス残業になるわけですよね。そういう状況で、過酷な勤務状況で先生方は子供とゆとりのある接し方ができるのかという、非常に不安に考えてますけど、この先生方の何というんですか、下校時間というんですかね、これに関する教育長の見解をお聞きいたします。 ◎教育長(末永文隆君) その件に関しては2点あろうかと思います。 1つは、場合によっては学校の業務が大変厳しくて残らざるを得ない、そういうふうなものもあろうかと思います。もう一つは、今の情勢の中で、学校で仕事がしやすいからということで残っている状況もございます。これは申しますと、いわゆるパソコンの活用とか、大変私どもからすると困ることですけども、冷暖房の完備、それから、もう一つは特に若い教員というふうに言ったら大変なんでしょうけれども、いわゆる手ぶらで帰る。その通勤の状態を手ぶらで帰っていくという状況が今一つのライフスタイルでございまして、私どもが若いころ教員をしているときには、教員の通勤状態は手元を見れば荷物をどっさり持っているから教員だということがわかっていた、そういうライフスタイル、そして、家に持ち帰っていながらもしなきゃならないことがありましたけれども、そういうふうな教材研究等については自宅でやっていたのが通常でございましたけども、先ほど申し上げましたようなそういうふうな判断もしながら、学校に遅くまで残る、そういう例もあります。 まだ本当に遅くまでという中で部活動の指導とか、その後に自分の残された仕事を処理する、そういうふうな者もございます。これはやはり健康上の問題、先ほど御指摘いただきましたゆとりある教育の問題からすれば、大変問題があろうかと思います。管理職を通じてそのことについては十分指導してるつもりですけれども、個々において、まだ私はあそこの学校が本当に夜遅くまで電気がついているというのは聞き及んでおります。そういうことについては個々にご指導させていただきたいと思っております。以上です。 ◆3番(草野久幸君) やはり子供にゆとりある接し方をするがため、やっぱり先生方もゆとりある勤務状況じゃないとできないと思うんです。毎日毎日10時、12時という話も聞いています。ぜひとも教育長の指導によって、ここら辺がないようにお願いいたします。 この議会の中で、私がいじめ、そして不登校のことに関して、自殺に関してこういう発言をしたことがあります。「うちの子供は不登校でよかった」、これは五島で自殺があったとき、不登校の親の発言です。要するに自分の子供は不登校ということで自分の心の悩みを訴えているんです。よく近ごろのテレビでこの言葉が使われました。 でも、逆に私は思うことがあるんです。学校に行かないという勇気、苦しみ、これも一つあると思います。大変難しいあれかもしれないですけど、いじめによって不登校の原因になっているというケースもあると思いますけど、不登校といじめの関係、教育長見解をお聞きいたします。 ◎教育長(末永文隆君) お答え申し上げます。 不登校といじめの関係ですけども、私どもがいじめの問題を調査しますと、それぞれに原因、要因というのはありまして、不登校がいじめの原因になっているケースもございます。それはもう私たちも認めております。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) はい、わかりました。 去る11月23日、教育委員会の後援や多くの市民の協力を得て「あかね色の空をみたよ」という映画を上映することができました。その関係者の一人として御協力まことにありがとうございました。その中で市長も最後までごらんになったと思います。不登校の子供を取り上げた映画だったわけなんですけど、市長の感想を少し聞きたいなと。そして、教育委員会は何か教育長が別な用件があるということで山下課長がいらっしゃったと思いますので、2人の方に映画を見た感想をお聞きしてみたいと思います。 ◎市長(中尾郁子君) あの映画の主人公である少年は、5年間も不登校を続けていたということで、ドラマがずっと進む中で、私たちはやはりそういう状況にある子供たちをどんなふうに理解していたのかなということをとても考えました。私自身も、私の物差しでやはり子供たちを見ていないのかなということも、とても反省いたしました。 そして、その5年間の不登校を乗り越えて夜間高校へ入った。それでもまた不登校になりがち、挫折しがち、それを支えたのはアルバイト先のおかみさんであり、また家族、遠く離れた両親である。ですから、やはりこういう状況に陥った少年、再起にかけてのエネルギーといいますか、支援は、私たち大人なんだと、最終的には愛なんだということをとても感じました。 それで自分流の考え方で人を見ない、子供を見ない。やはり子供が胸の内で何を思っているのかと。自分だったら越えられるかもしれないけど、越えられない、学校に行けない状況のジレンマの中にいて、その子が毎日毎日悶々としている状況、でも、どこかに何かの才能があるいうこともあの映画でよくわかりました。ドラマではありますけれども、現実、世の中の子供たちはいろんなことに出会って、きっかけをつくれば、また不登校でなくなったり再起の道を歩んだりしているということも、現実私の周りにもちょっと知った方がいまして、そのことも考えながらあの映画を見させていただきましたが、大変いい映画でした。 そして、多くの方がああいうときに時間をつくっていただいて、ああいう場面で、2時間弱でございましたので、自分の胸の内も少し柔らかくして、自分の中にいろいろなレンズを持ちたいなと私は思った次第でございます。以上です。 ◎学校教育課長(山下彦幸君) 私も実は非常に感動しながらあの映画を見させていただきました。その中での感想を幾つか申し上げたいと思います。 まず、家族も大変だなあと。しかし、家族以上に、やはり本人が一番苦しんでいるんだなということをまず感じました。そして、あの子が立ち直るきっかけになったのは、やはり周りの人たちの温かい支え、それが一番感動いたしたところです。 やはり人間というのは一人では生きていけないんだなと、周りの人の温かい支援がなければ、やはり生きていけないんだなという感想を持ちました。これからもそういうことで教育を進めてまいりたいというふうに思います。以上です。 ◆3番(草野久幸君) ありがとうございました。 上映会の折にアンケートをとらせていただきました。そのアンケートの中に、不登校の相談とか、いじめに似た相談とかあったわけです。今、教育委員会の中でもいじめ、不登校に関しては相談窓口を広げていろいろやってもらっております。でも、どうしても相談できない親がいるんだなあと改めて感じたわけなんですけど、そこで教育長にお願いなんです。きょう壇上で、教育長言ったように危機的状況です。もし悩んでいる子供がおったら、悩んでいる親がおったら、「いいですよ。私に直接相談してください」と今呼びかけてほしいと思うんです。教育のトップとして、今はそのくらい言わにゃいかん時期じゃなかろうかと思うんですけど、教育長いかがですか。 ◎教育長(末永文隆君) 本当に、先ほどはいじめのことを申し上げましたけども、不登校の方の子供たちにとってもいろんなケースがありますし、いろんな要因があります。場合によっては、本当に今の状況から一時退避すること、一時身を避けること、大変大事なことだろうと、そういう認識は持っております。 しかし、もう一つ私ども今、学教課長が感想を申し上げましたとおり、こういう悩んでいる子供たち、いろんな苦しんでいる子供たちには周りの支えが大変大事だと思っております。そういう意味では、先ほど子供たちに呼びかけをした、させていただきましたけど、そこに私ども教育委員会、あるいは私教育長自身の「相談に来てください」というのを落としておりました。まさに議員御指摘のとおり、直接私に相談をいただければ、そういうものに対してはぜひ対応してまいりたいと思います。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) 悩んでいる親からすれば、本当心強い発言と思うんです。教育長はトップですので、ぜひ教育長に電話があって、そして相談があったら、そこから解決していくというお約束ということにとらせていただきます。 昨年、委員会の方で呉市に小中一貫教育ということで視察に参りました。そのとき、先生方との雑談の中で、「一貫教育でいじめと不登校が激減しました」、「どういうことですか」と言ったら、小学校の先生、中学校の先生が同じ職員室で同じ子供を、いろんな情報交換をしているということなんですね。今、不登校、いじめの問題をいろいろ私も相談があって聞くわけですけど、小学校、中学校の連携、小学校のときこの子はこうだったんだよ、この連携がちょっと薄いんじゃなかろうかと思うわけですよ。だから、小中一貫教育は別個として、ここら辺の連携をもっと密にすべきだと思いますが、いかがですか。 ◎教育長(末永文隆君) 先ほどのお答えの中で、もう一点加えさせていただきますけど、現在も私どものところには、私に直接というよりも学校教育課の方に親御さんから話があって、そのことで「学校、こういうことを御存じですか」という形は今進めておりますので、ぜひ、先ほどに重ねて申し上げますけども、いろんな悩みを私ども受ける体制をつくっていきたいと思いますので、ぜひ御利用していただければと思います。 それから、現在、小中一貫の中で、いじめ、不登校というのは減少したというのは大変ありがたいことであります。私どもは、今、学校間のつなぎをきめ細やかにしようということが大きなねらいでございまして、実は小学校時代にいじめられたことが中学校までつながってなかったというケースはございます。そして、小学校時代に解決していただろうと思っていたんだけども、実はそれが解決されなかった。私自身も中学校の校長として、小学校時代にいじめられた子供が中学校にきて、2つの小学校があわさって、今まで隣の学校にいた子供たちを集めて今度はいじめる側に逆転したというケースもございます。 そういうふうないろんなケースがございますので、私どもは今、特に2点あります。1点は定期的に、やはり3月の終わりに小中学校、それから幼稚園から含めましてつなぎをしていきたい。そのことをまず3月末はきちんとやっていただきたい、それが1つでございます。もう一つは随時、問題が起こったときにそのつなぎをやるように、この2つのことについては各学校に指導しておりますので、またこの部分が弱いとあれば、再度また確認をしてまいりたいと思います。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) ぜひともそこを強化していただきたいと思います。特に、先生方は異動があります。私はずっと地元におるのでこう見られるんですけど、その子供を見てるわけですよね。ですから、もう少しこの子供をこういう形で救ってやればいろいろできるんだろうなというのが、小学校から中学校の連携がものすごく足りないような感じがしますので、どうかよろしくお願いします。 それから、給食費の滞納の再質問に入ります。 昨年の3月議会のときよりも、今の報告で言えば41万9,000円滞納がふえているわけですね。件数としても32件ふえております。壇上でも言いましたけど、これは深刻な問題として教育長とらえているということなんですけど、要するに3月からこの間ですね、どのような対応をして、その滞納に関して努力してきたのか、もう一回お聞かせください。 ◎教育長(末永文隆君) 私どもこの中で、まず第1点にPTAの皆さん方に対して、私の名前で入学時に全入学生の保護者に向けて、こういう実情であるということでまず文書でお願いをいたしました。第2点目が、PTAのその連合体の中にそういうふうな問題をぜひ取り上げていただきたいということでお願いをしております。 これが呼びかけでございまして、それから3点目、実際に行動したのは、私ども教育委員会の各給食センターの所長等も含めまして、ぜひ、まず督促の足を運ぶことということで、各家庭、未納者に対しての電話とそれから文書とそれから家庭訪問、そのことで督促をしてまいりました。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) わかりました。努力はしたけど、ふえているというのが現状なわけです。これは五島市だけじゃなく全国的なものです。 これをそのまま放置しておけば、前回も言いましたけど、正直者がばかを見るような形になっております。前回、教育長に、もしこれがふえて給食が要するに成り立たないようになったら一般財源から補てんするのかと言ったら、いや絶対しませんと。要するに給食費を上げるか材料費を落とすかしかないという見解だったですけど、そこは変わりませんか。 ◎教育長(末永文隆君) 給食法の定めからいきますと、やはり食材に関しては受益者負担ということで進行してまいりますんで、そのことについてはもう特に、私どものこのような財政でもありますし、これ以上に本当に緊急的な問題が重ならない限り、現在の考え方は変えないと思っております。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 壇上の答弁で全体の給食費額の4.84%だと、滞納額がですね。この額を今一生懸命給食費をまともに払っている人が負担してることになっているわけですよ。これがふえていって、いやどうしようもありませんと言ったって、結局、何というかな、給食費を払う人方がどんどん、どんどん負担が大きくなっていくわけです。 そこで、あとは方法なんですけど、ペナルティーの問題で前回もいろいろ言いましたが、子供に給食をとめるということは、いろいろ教育上問題があろうと思います。でも、福江給食センターの方で、過去に滞納者に対して誓約書を取ったという例があると思いますけど、そこをお聞かせください。 ◎教育長(末永文隆君) 私の手元にもありますけれども、未納者に対してこういうふうなことで、「納付について下記のとおり分納することを誓約いたします」ということの誓約書を取っております。以上でございます。 ◆3番(草野久幸君) 誓約書の下の方に、故意にこれを守らなかったら法的措置もやりますということも書いてますけど、それをやったケースがありますか。 ◎教育長(末永文隆君) 法的措置はとってございません。 と申しますのは、この中に法的措置というのが2つ考えられると思います。何回か前のこの議会の中でもお答えしただろうと思うんですけれども、平戸市が1回裁判所を通じて督促をしたケースがございます。しかし、そのことについては、思いもかけない費用がかかったということを私ども教育長会で報告を受けましたので、そのことについてのものはとれないだろう。あとは法的措置に類似したものとして給食をとめること、あるいは極端な話をすれば、学校給食全体をとめなきゃならない。そういうふうな状況も考えられますけども、現在のところその法的措置はとってございません。 今の議員と私どものやりとりを知り、給食の事態が本当に深刻であると、そういうことを良心的に感じてくださる市民の方、そして未納者の方がおりますと大変ありがたいというふうに思っております。以上です。 ◆3番(草野久幸君) 先ほど言われた、これは福江市給食センターだけの分だと思うんですけど、他の給食センターに広げるお考えはありませんか。 ◎教育長(末永文隆君) この文書については、いわゆる私どもは、もし故意にそういうふうな未納が続いている状態であれば、そういうことも検討しますという意味では、このような措置を広げても構わないと思いますし、むしろ広げていくべきだろうという気もいたしております。以上です。 ◆3番(草野久幸君) それもですけど、この誓約書を、例えば五島市給食センターすべてに適用する考えはありませんか。 ◎教育委員会総務課長(小林正治君) この学校給食費納付誓約書でありますが、これは五島市内の全給食センターに配布をして、このように措置するように五島市給食会の方から指示をしております。 ◆3番(草野久幸君) 大事な問題だと思います。そして、今このままふえていけば、要するに今四・幾らですけど、10%近くなれば、要するに月の計算でいけば、今、小学校が3,700円か800円ぐらいになるわけでしょう。そうしたら700円、800円を余分に払っているということも言えるようになってくるんです。ぜひとも頑張ってほしいと思います。 それでは、時間もあと1分ですのでフルマラソンにいきたいと思います。 教育長の答弁では、三井楽のつばきマラソンをという答弁だったと思うんですけど、私も五島で一体として考えるべきと思っております。特に、冬のスポーツイベントとして、荒川の温泉なんか使ったらいかがだろうかなと考えております。 私ごとでありますけど、ことし、さるく博のイベントでありましたベイサイドマラソンに行ってまいりました。そしたら、走っていて一つだけ思ったことは、応援が数は多いんですけど、応援の仕方がわからないんです。五島は夕やけマラソン、トライアスロンで市民に財産をつくっています。すごい応援です。これを使うしかないなということですので、時間もきましたので、ぜひとも前向きに検討してほしいと思います。これで終わります。 ◎教育長(末永文隆君) 午前中、答弁いたしましたとおりでございまして、私どもも一応フルマラソンを視野に入れながら検討してまいりますけど、ただ大変大きな課題を持っております。 そして、もちろん荒川の方も考えては、コースの中の一つの構想としては持っておりますけども、基本的にあの荒川から三井楽までの間の人里離れたところをランナーが走ることに対して、どういうふうなランナーが持つものだろう、いわゆる魅力を感じるんだろうかということ。あそこを往復した場合に、大半が人里離れたところを走らねばならない。ただ、三井楽の椿の里、いわゆる椿のいろんな植樹されているところを走るあのコースに大変魅力を感じております。そういう意味からすると、三井楽を中心としたものとして五島市全体としてできるものかどうか。そういうような方向で検討させていただきたいと思います。以上でございます。 ○議長(浦藤彦君) 以上で草野久幸議員の質問を終わります。 次に、24番 林 忠男議員。 ◆24番(林忠男君) (登壇)皆さん、こんにちは。しばらくおつき合いをいただき、一般質問をさせていただきます。 今回は、「基幹産業の振興について」と題を掲げまして、特に農業のことを中心として申し上げていきます。よろしくお願いします。 合併後の五島市の現状は日々厳しさを増しています。今後の健全化対策が深刻で急務であります。このような中での再建・活性化については、あらゆる議論や検討が進められておりますが、基本的には、まず基幹産業の活性化振興策ではないでしょうか。いわゆる地域経済の基盤づくりだと思います。 合併時の人口は4万7,631人でありましたが、18年7月末では4万5,976人と著しい減少をたどっております。このような現状、経過を見ながら、その原因はやはり我がふるさと五島の経済基盤が不安であることだと言えます。人口減に歯どめ対策が強く求められています。 私は、今回の一般質問において、農業振興による改革を提言し、五島市当局の見解と取り組みについてお尋ねします。 まず、農業基盤整備について。従来の農業形態から近代的経営計画の推進が必要であります。自立農家の育成対策、土地改良事業の必要性と計画、農地保全対策等の取り組み状況を伺いします。 また、将来に向けては、規模拡大支援事業であるモデル事業の計画がありますが、認識、見解をお聞かせください。 次に担い手育成について、農業就業者の状況は高齢化と後継者不足等により、営農活性化が難しい現状、新しい改革が求められています。本市の施策についてお尋ねします。特に、当面の活性化対策としては、担い手の位置づけが重要とされています。取り組み状況をお知らせください。 次に畑作振興について、五島管内の畑作経過は、平成3年製糸加工場の撤退により桑園130ヘクタールを抜根、切り干しカンショが15年には販売取引停止により畑地利用率が低下し荒廃化が進んできた。農地保全対策としても土地利用体制が図られなければならない。畑作振興対策の現状と計画を伺いします。以上で壇上の質問を終わります。(降壇) ◎市長(中尾郁子君) (登壇)24番 林 忠男議員の質問にお答えをいたします。 まず、農業基盤整備についてのお尋ねでございました。 農業生産の向上を図り、食料の安定供給を維持するためにも農業基盤整備は重要なことだと認識をいたしております。具体的には、堤地区、野々切地区、高田地区、大浜地区の4地区で牟田地区土地改良事業推進協議会を立ち上げ、経営体育成基盤整備事業で約80ヘクタールの農地を整備し、農作業の効率化を図る予定でございます。 順調にまいりますと、平成19年度に概略設計と土譲調査を行い、この資料をもとに、財政事情が許せば平成20年度に事業認可の要望を行い、平成21年度着工を予定いたしております。 次に、担い手育成についてでございますが、今日の農業は、消費・流通の変化から食料の国産農畜産物による対応が厳しい状況になっておりまして、輸入農畜産物による代替、いわゆる食の国際化の進展とともに農業従事者が減少・高齢化、耕作放棄地の増大などにより農業・農村が危機的状況にございます。 このような現状を踏まえまして、国においては昨年3月に「食料・農業・農村基本計画」、10月には「経営所得安定対策大綱」が決定され、兼業農家及び高齢者農家などを初め多様な構成員からなる地域農業を、担い手が中心となり、地域の合意に基づき再編することといたしております。 五島市は、農業を牽引する担い手の確保、育成に積極的に取り組み、地域の実情に即した農業構造の改善に努めてまいっております。認定農業者、集落営農組織、特定農業法人、特定農業団体等を担い手と位置づけることとして、農業を効率的かつ安定的に経営していく農業者に対して認定農業者制度の普及・推進を積極的に行い、認定農業者への速やかなる誘導に努めてまいります。 現在、五島市における認定農業者数は236名となっておりまして、平成22年度末目標数を358名と掲げておりまして、普及・啓発をしております。 また、集落営農につきましては、現状の組織数として32組織がございますが、品目横断的経営安定対策に絡んで、本年度に4つの集落営農組織が設立されております。今後も実態、現状を把握し、組織化、法人化の可能性を探りながら十分に調査し、合意形成を図るため、五島地域担い手育成総合支援協議会と連携し、組織の円滑な誘導を行ってまいります。 次に、畑作振興についてでございますが、現在、麦、葉たばこ、お茶、バレイショ、野菜等を中心に栽培されており、それらの生産安定、品質向上、規模拡大に取り組んでおります。 その中におきまして、平成9年度から導入いたしましたお茶につきましては、平成17年度末現在74ヘクタール、31戸の法人を含む生産者に拡大しておりまして、現在では、乗用機械を利用した省力一貫体系を目指し、県内最大のお茶工場を稼動させて生産の安定に取り組んでおります。 麦につきましては、大麦、小麦、裸麦、合わせて約600ヘクタールの作付がなされており、今後においても、集落営農組織、農作業受託組織の充実とともに、ランク区分に対応した高品質生産の拡大に結びつくものと確信をいたしております。 収益性の高い基幹作物として昭和22年から導入されました葉たばこは、平成18年作において、低温、日照不足、台風による大きな被害を受けまして、昨年作比較反収ベースで4割強の減収となっており、大きな痛手をこうむりました。18年作時点で栽培農家116戸、栽培面積245ヘクタールとなっておりますが、今後も受委託乾燥施設の利用促進、省力化機械の導入を進めるとともに、品質の向上による経営安定を目指してまいります。 野菜の振興品目といたしまして、ブランド化している早出しバレイショのほかアスパラガス、レタス、タカナ、ソラマメ、カボチャ、インゲンなどがあり、面積拡大と生産性の向上を図っております。契約野菜のタカナ、レタスの推進はもとより、平成17年度から新たな契約栽培としてブロッコリーが導入され、産地の拡大がただいま進んでおります。ブロッコリーは、昨年約7ヘクタールを試作し、本年富江、岐宿、大津、各地区などで33ヘクタールに拡大し、来年は50ヘクタール以上の作付を目標にいたしております。 新規作物といたしまして、中玉トマトの導入もされておりますが、今後も高品質安定生産に向けた支援を行ってまいります。 今後、五島市の農業産出額アップを牽引する肉用牛の振興とあわせまして、それぞれの地域の特性を生かした畑地帯の産地づくりに努めてまいりたいと考えております。(降壇) ◆24番(林忠男君) 再度質問をいたします。 今回の私の質問の趣旨をちょっと説明をしたいと思うんです。御丁寧なただいまの答弁をいただいたんですが、ただ、五島の基幹であります農水産、このようなことの必要、それからこれを認識、意識を高めるための施策、こういったことを特にお尋ねをしたいなと思っておりました。中身については、もう十分な答弁もいただいたんですが、順を追って確認をしながら、またお願いをしていきたいと思っております。 ただいま申し上げましたように、地域経済の基盤づくりだというふうなことを申し上げました。いわゆる五島というところは、特に離島でもありますし、そして過去には農水産が基幹であり、今後においてもやっぱりそれらの振興を図っていかなければいけないというふうなことであります。やっぱり島の経済を過去から現在に至るまで支えてきたのはこの基幹産業であり、農業、水産だと思っております。このようなことをさらに活性化して、そして自主財源の確保、それぞれの家庭にしましては、やっぱり自立を高めていくというふうなことではなかろうかと思います。 農業に関しては、私も農業人ですから農業のことを申し上げるんですが、いろんな期待があります。そして、先ほど人口のことも申し上げたんですが、非常に人口減が著しいわけですね。中身を見ますと、特にやっぱり農業に関しましては後継者がいないとか、高齢化とか、そして、さらにはまた離農者、こういったものが目立つわけであります。そして、就業体制にしましても、若い者がなかなか農業を継がないというふうなことであります。 最近では、これは本山地域のことですが、若手がどんどんそういった意識を改革をしまして、そして新しい近代的な農業に取り組む姿があります。これは非常にありがたいことでありますし、今後、やっぱり五島の経済を高める意味において、そういった傾向が見られたというふうなことがあります。 そのような中から、合併してというふうな数字、人口の数字も挙げましたが、2年余りたって2,000人弱の人口減少ですね。これはもう本当に大したもんですよ。いろんな面で反省をしながら考えていくべきではなかろうかと思います。 農業のことに関しましては、そういったことで農業人口も減っておりますし、そして、特に離農者もだんだん多くなっていきつつあるわけです。どうしてもこの農業のそういった営農体制、それから次に担い手ですが、こういったものの位置づけが必要ではなかろうかと思っております。 このようなことで市長に改めて伺いをしますが、この農業の活性化を、市長もいつもこういった思いでいろんなお話をされておりますが、最近の状況を見ながら、どういった施策を特にとっていかなければいけないのかなというふうなことがありましたら、その見解をいただきたいと思います。 ◎市長(中尾郁子君) 農業の離農者が多いというようなことを、ただいま議員おっしゃいましたが、現実に私はいろいろな支所へ行きますときに、本当に畑をよく注意して見ます。荒廃地がふえたのかどうかと、前回荒廃地だったのが耕作されているかどうかというのをいつも注意して見ます。 きのう、富江山下の一帯に行きましたが、本当にブロッコリーの契約栽培が富江地区は広がっています。こんなに頑張っておられるということを見ました。 特に、最近は農協の役員の方といろいろな会合でお話をするんですが、希望があると、特にブロッコリーはもっとふえると。それから、レタスも契約栽培がふえるというようなことを言っておられますので期待を持っております。それから「五島ルビー」、トマトですね。これがまた申し込みが大変多うございます。そのことにもできる限りの支援をしていきたいということも組合長に話をいたしました。 また、どのような支援かといえば、やはり五島牛を5,000頭にしましょうという熱き関係者の思い、それもただかけ声だけではなくって、どこの牛舎はあと何頭ふやせますかというふうなことを全部一軒一軒調査をされまして、そのふやせる頭数を数えて、あともうちょっとふやしてほしいという思いで、無理してあと50頭増やせないかと、もう一棟牛舎を建てたらいいと、そして建てるためには無利子で農協が支援をすると。そして、利子は農協と市の応援もしていただきたいというお話も伺っております。 それで、やはり総体的なことではなくって、品目一つ一つをよくお話を聞きながら、市はどのようにそこで支援の策を探せばいいのか、そして、財源はどこに求めればいいのか、県にはどのようなものがあるのかと、品目ごとに研究をいたしております。 ただいま問われましたことについては、思いはそういうことでございます。もちろんタカナも今順調に育っております、このごろ雨も多うございまして。で、野菜が少しふえたのかなというのが私の実感でございます。 ◆24番(林忠男君) 農業基盤整備についてというふうなことで伺いをいたしたいと思うんですが、荒廃地のことを市長も先ほど申されましたが、これは16年の五島の農業の現状ですが、耕地面積が5,723ヘクタールある中で、耕地率が12.7%というふうな数字なんですね、五島の場合は。水田が32%、畑が64%、ほかが4%というふうな面積の割合ですが、その中で利用率がどうかといいますと、県の平均が95.4%ですが、五島の利用率につきましては86.1%なんですね。非常に少ないわけです。荒廃地が非常に目立つようになりまして、部分的には今、市長御説明のとおり、達成感はあるんですが、荒廃地が非常に心配であります。 このようなことから、やはり土地改良を主としたこのような取り組みの中で、荒廃地をなくしていこうというふうなことになると私は思っております。 農業産出額につきましても、以前の一般質問で申し上げたんですが、昭和60年に103億ぐらいの数字があったわけですが、最近については60億ぐらいの数字に落ち込んでおるわけですね。最近、ここ一、二年については幾らか上向きかなというふうな感じもあるんですが、やはり以前の五島の農業からはかなりのそういった衰退というふうなことが現状であります。 先ほど肉用牛についても非常に希望が持てる話がありましたけども、そのほかについて、やっぱりどうかなというふうなことになります。 農業形態について申し上げて、そしてまた、いろんな調査結果もあれば伺いたいと思うんですが、やはりその農業形態についても、過去は昔の農業をずっとやっておりまして、最近については機械化が進んできたわけですが、それなりの改善、改革がもう少しだなあと思っておりますが、このような中でどういった現状の調査なりをされて結果が出ておるのか伺いをしてみたいと思います。 ◎農林課長(橋口明敏君) お答えします。 議員御存じのように、来年度から品目横断的経営安定対策という制度が始まります。戦後最大の農政の改革だと言われております。それに伴いまして、先ほど市長が壇上で述べたように、担い手に農業が集約されてくるということになってくると思います。 具体的に申しますと、認定農業者になりまして、4へクタール以上の農地を集約すると。それと農地が、零細な農家がいっぱいございます。4ヘクタールにならない人たちに対しては集団で農業をやってもらうと、集落営農組織ですね、これが20ヘクタール以上でございます。 現在の取り組みとしまして、壇上で述べたように4つの組織が形成されています。崎山、本山、富江、三井楽です。これはほとんど来年の麦の対策の分の組織ですけども、これ以降また久賀市小木地区、これも時間を置かずに組織化されるんじゃないかと思っています。このように来年度から制度が変わる関係で、今現在、鋭意組織化に向かってやっておるところでございます。 それと産出額についても議員御指摘がありましたように、以前から比べたら随分減っております。ただ、14年、15年、16年から比較しますと、一番新しい数字ですけども、昨年17年度が61億3000万、16年度が60億ですから若干ふえております。 それと一番の問題は、やはり先ほどから申すように高齢化、担い手の不足だと思っています。これといった特効薬はありませんけども、現在、久賀地区にも畜産農家の後継者が出てきてますし、各地区で人数的には少ないですけども若手がふえております。決して楽観視はしてませんけども、悲観もしておりません。以上でございます。 ◆24番(林忠男君) 担い手のことが今示されたんですが、その前に土地改良事業について少し現状を申し上げながらお尋ねをしていきたいと思っております。 「ながさき農業農村整備2010」というふうな中で、五島農業の冊子の中にあるわけですが、この中で土地改良の計画なんですけども、13年から22年というふうな計画の中で、金額にして520億円ですよと、五島の計画でですね。整備目標としまして、水田整備が現状51%ですが、これを61%にと。そして、さらに畑につきましては、現在6%なんですね、整備された農地が。これを22%というふうな計画があるわけです。 特に、五島地域につきましては、畑の土地改良が進んでないわけですね、他の農業地と比較をしまして。これによってやはり次の担い手の位置づけ関係も非常に難しい面もあるわけです。こういった計画が「ながさき農業農村整備2010」というふうなことでありますが、この取り組みについてどのような認識、そしてまた、計画を持っておられるのかお聞きをしたいと思っております。 ◎農林課長(橋口明敏君) お答えします。 基盤整備についてのお尋ねですけども、現在、基盤整備につきましては、富江、三井楽、下崎山で県営事業を行っております。それに加えまして、先ほど市長が壇上でお答えしたように、新規としまして、議員も御支援している牟田地区土地改良推進事業協議会を立ち上げまして、あそこの牟田川のところに約80ヘクタールという農地を整備して圃場整備をするという計画がございます。財政事情が非常に厳しいんですけども、来年度の当初予算につきましても300万円の調査費というのを計上しております。これが通るか通らないかわかりませんけども、順調にいきますと21年度着工ということで目指してやっています。以上です。 ◆24番(林忠男君) ただいま、計画につきましては説明がありましたけども、特に牟田地区の土地改良につきましては、新しい土地改良の仕組みというふうな認識のもとに取り組んでおるわけであります。 今後については、五島地域の土地改良は、現在、牟田地区で推進をしているような、いわゆる担い手が農地を預かって土地改良をやるというふうな姿がいいんじゃないかと、今からモデル事業というふうなことで私も提案をさせてもらうわけですが、そのような中で、いわゆる農地を利用する人たちが土地改良をやるんだと。そして、その負担金についても、例えば小作料設定なんかをしながらその事業費に充てていくというふうな中身の仕組みで今推進中であります。 次の担い手育成について、特に申し上げたいと思うんですが、ひとつ私は今回私なりの提案をしまして、また、今後の課題、研究事項として取り組んでもらいたいと思っております。どうしてもやっぱり担い手というのが今の事業では先に立つわけです。このような中で、今、牟田地区につきましても担い手をまず探して、そしたら結果として80ヘクタールの半分以上を担い手がもうついたわけですね。いわゆる集積ができたと。でも、そういった中で若手が非常に頑張りが目に見えたというふうなことであります。 で、畑のそういった事業につきましても同じことが言えるわけですが、やはりモデル地区を集落ごとに意向調査をしながら、そしてそのような中で担い手の面積集積から始まった土地改良事業というふうなことにしていくべきだなあと思っておりますが、この考え方についてどういったことに御判断されるか伺いたいと思います。 ◎農林課長(橋口明敏君) 議員御指摘のとおりだと思います。同感です。 ◆24番(林忠男君) そういったことで、各集落ごとにそういった要望、それからそういった調査をやっていただきながら、そしてどんどんそういった事業が進んでいくならば、やっぱりおのずと担い手がそこに入ってくるんだと思うわけです。 例を挙げますと、崎山の畑総のことを先ほど申されましたが、さきに金子知事もあそこを4月に来られた折に、非常にやっぱりあの姿を見ながら感動するわけですね。やっぱりこれでなければ今後は農業は活性化していかないというふうなことなんです。だから、このような中で、やはり土地改良をしながら、おのずと担い手が入っていくような姿、非常に活性化をしておるんですね。そういったことをぜひ取り組んでいただきたいと思っております。 農地の管理体制ですが、これについて過去にも私も質問もしながら、いろんなことを伺ったんですが、専門的な指導員の配置をというふうな御答弁もいただいたこともあったんですが、そのような計画があるのか伺いたいと思います。 ◎農林課長(橋口明敏君) 専門的な職員の配置をということですけども、私の方からお答えします。具体的には、専門的な、例えば議員おっしゃるように県の専門員みたいな普及センターの職員を想定していると思うんですけども、現在御存じのように五島市ではそういった職員はおりません。 現在の職員の中で非常に勉強熱心な職員もおりますので、研修と実務と兼ねまして専門的なことをマスターさせまして、限りなく専門員に近づけるということで頑張ってまいりたいと思いますので、御理解のほどをお願いします。以上です。 ◆24番(林忠男君) 非常にありがたい答弁だと思います。(笑声) なぜ私がこういった提案をするかと申しますと、やはり農家、特に担い手となるべき人たちの考え方、こういったものの調査、そしてその後、集約、これが必要と思うんですね。やっぱり地域に入っていろんな話を聞くといろんな要望が上がってきます。それを集約すると、やはりモデル事業を進めながら、その中に入って、そして500万、1,000万の計画が立つような農業をやりたいわけですね。機械化が進む中で、なかなかそのような規模拡大ができないというふうなことが実情であります。 端的に申しますと、先ほどモデル事業のことを申したんですが、そういったものが50町、100町というふうなことで、最低県営事業は10ヘクタールからできるんですが、例えば50ヘクタールとします。この中に10人ぐらい担い手をつくって、そして農地集積をしながら事業計画を進めると。そして、各受益者については先ほど申しました、例も挙げたんですが、そのような中で御理解をいただいて、そして事業参加をしていただいて、でき上がった農地については利用者が面倒を見ながらいろんな負担もしていくような、そういった事業なんですね、最近の事業というのは。こういったものをぜひ取り入れていただきたいなと。そのためには、やっぱりそういった後継者、担い手の意向調査をしながら取り組んでいただきたいと思っております。 今回、もう一つの提案としまして、この事業を進める中で、崎山でも行って見ると、本当に土木業者が一生懸命働いているわけですね。やっぱり最近を見ますと、土木事業関係がもう極端に減ってきたと。業者もだんだん、だんだん廃業している方もいるわけですね。こういった中で、やはりそういった土木事業によって、やっぱり雇用の場の創出ですね、そういったことがあるわけです。やっぱり農業だけでなくて、関連事業、これをやっぱり大事にしながら、以前にはそういったことで農業をしながら日雇いの場に行く姿が五島は多いわけですね。ぜひ今回、それをあわせながら研究をしていただいて、そして事業を起こすためには地域の状況を聞きながら、みずからそういった要望が上がるような体制、これを整えていただきたいと思っております。 畑作振興のことで先ほどいろんな答弁もあったんですが、ただ主幹的なものが少ないために、これを何とかと思っているわけであります。そしていくと、いわゆるその荒廃地がなくなるわけでありまして、十分、品目については先ほど聞きましたけども、いわゆる土地利用型の作物をどんどん推進をしていただいて、荒地がないようなそういった対策を取り組んでいただきたいと。 五島はこのような基幹産業によって経済基盤をつくり上げていくべきと私は思っております。このようなお願いをしまして一般質問も終わりに近づくわけですが、(笑声)市長も市長に就任されたときに第1次産業について熱い所信表明もありました。もう細かくは申し上げませんが、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。以上、質問を終わります。 ○議長(浦藤彦君) 以上で林 忠男議員の質問を終わります。 しばらく休憩いたします。 3時から再開いたします。                         =午後2時38分 休憩=                         =午後2時57分 再開= ○議長(浦藤彦君) 再開いたします。 休憩前に引き続き、一般質問を続行いたします。 次に、9番 柿森 誠議員。 ◆9番(柿森誠君) (登壇)それでは、通告に従いまして順次質問いたします。 まず、教育行政についてお尋ねいたします。 今、大きな社会問題となっていますいじめ問題についてでありますが、いじめについては、新聞、テレビを初めとして連日いろいろな報道がなされていますが、これらの報道を受け、教育委員会として何らかの協議をされたのかお尋ねをいたします。 また、教育委員会として、各学校に対して実態調査はなされたのかお尋ねをいたします。 いじめについて連日報道がされる中、五島市においては現在まで大きな問題は起きていないと認識していますが、教育委員会として、いじめを発生させないための今後の取り組みをどのようにお考えなのかお尋ねいたします。 次に、小中高一貫教育についてお尋ねいたします。 11月17日の長崎新聞の一面に、「政府は、地域限定で規制緩和する構造改革特区として、五島市、佐世保市と北松小値賀町の離島部3地域が申請していた小中高一貫教育を認定し、公立校としては全国初の試みで2008年度から本格実施する」との報道がなされました。「いずれも少子化や過疎化で児童、生徒数が減り、学級数と教職員数もそれに応じて減少するなどの地域事情があり、小中高が一貫して連携することで学力確保、集団生活の充実が見込まれる」との記事でありました。奈留においては、小学校から英語科を採用するとのことでありますが、この教育特区に認定されたことにより、どのような効果が期待されるかお尋ねいたします。 また、小学生、中学生が一緒に入る計画である新校舎建設についてどのようにお考えなのかお尋ねいたします。 次に、教会群の世界遺産登録への取り組みについてお尋ねいたします。 このことにつきましては、3月の定例会でも質問いたしました。その後、市長、教育長、それぞれの立場でどのように取り組まれたのかお尋ねいたします。 次に、福祉行政についてお尋ねいたします。 まず、敬老会についてでありますが、敬老会は合併後の16年度、17年度については旧市町のやり方で実施されましたが、本年度については、17年度中に調整された各種団体に依頼し行政主催ではやらないこと、敬老会運営負担金として参加者一人当たり1,800円を支出すること。その方針で実施した合併後初めての敬老会でありましたが、参加した人だけがその恩恵を受けることに不公平感があると思いますが、市長の見解をお尋ねいたします。また、来年度に対してのお考えをお尋ねいたします。 次に、戦没者追悼式典についてお尋ねいたします。 本年度の式典は、10月4日、福江文化会館で開催されましたが、その参加対象者は高齢化などの問題があって、行きたくても行けない人も相当数予想されます。そこで、今五島市が進めています光ケーブルが設置された後、その式典を中継放送するお考えはないのかお尋ねいたします。 企画行政についてお尋ねいたします。 U・Iターン促進事業についてでありますが、先々月、10月20日ですが、市役所において、新現役の会代表古賀直樹氏の「長崎の五島から日本の五島へ」と題しましての講演と、その仲間たちを招いて定住促進に向けた意見交換会が開催され、夜は奈留町に移動してNPODONDON奈留の会員との交流が行われました。呼びかけ人は五島市U・Iターン推進協議会会長の岩村助役でありましたが、その呼びかけ人のあいさつの中で、19年度からこの事業に取り組みたいとの意向でありましたが、その具体的な取り組みについてどのようにお考えかお尋ねいたします。 次に、水道事業についてお尋ねいたします。 奈留町水道の水質についてでありますが、旧奈留町においては6つのダムのうち特に2つのダムにおいて、水温が上昇する4月ごろになると植物性プランクトン等の発生によって異臭がするとの苦情が多く寄せられ、同じ水道料金を支払いながら不公平感が生まれていました。そこで、その対策として平成14年3月にダムの中を攪拌する水中噴水ポンプ4基を事業費2,500万かけて設置し現在に至っていますが、その効果は薄く、時期により異臭が発生しているのが現状です。実状であります。この異臭対策をどのようにお考えかお尋ねいたします。 以上で壇上からの質問を終わります。(降壇) ◎市長(中尾郁子君) (登壇)9番 柿森 誠議員の質問にお答えをいたします。 1項目めの教育行政につきましては、教育長より答弁をいたします。 2項目めの福祉行政につきまして、まず初めが敬老会の運営についてのお尋ねでございました。 合併前の敬老会は、各地区ごとに方法、内容が異なっておりましたが、合併後3年を目安に敬老会の方式等を統一することと決定がなされておりましたので、ことしの敬老会から調整することといたしました。大きな調整点は、1つが70歳以上の方全員に贈っていた記念品を廃止したこと、2つ目が参加者に補助していた敬老会開催補助金の対象年齢を70歳から75歳に引き上げるとともに、参加した方のみに食糧費として一人当たり1,800円以内の補助といたしたこと、3つ目が行政が主催して敬老会を開催している地区については、町内会や公民館連合会、または婦人会などの公共的団体にお願いすることとしたこと、この3点でございました。 お尋ねの参加できなかった人に補助、弁当がなかったのは不公平だとの指摘でございますが、確かにことしの敬老会が終わった後、多くの市民から、参加したくても参加できないのに、なぜ公平に補助しないのかと厳しい批判や苦情や御叱正をいただきました。市といたしましても、参加できなかった方の事情の把握や補助金の使い道など、配慮が足りなかったことを深く反省いたしております。 来年度以降は、高齢者の方が等しく気持よく敬老の日を迎えられますように、単価の見直しを行い、75歳以上の方全員を補助対象とすることにいたしておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、戦没者追悼式に参加できない市民のために光ケーブルでの中継はできないかとのお尋ねでございました。 議員仰せのように、さきの大戦で御苦労されて英霊となられたその方の年に一回の戦没者追悼式、年々遺族の方は高齢化が進んでおられまして、その年に一度の開催される戦没者追悼式にも参加ができない方々が大変多くなられております。その方々のためにも追悼式については光ケーブルを通して中継放送ができるよう努力をしたいと考えております。また、必要だと思っております。 次に、U・Iターン促進事業の19年度からの具体的な取り組みについてのお尋ねでございましたが、25番 志内勝利議員の質問にもお答えをいたしましたとおり、移住希望者の要望が強い中・長期滞在用住宅の確保や就職情報、土地、住宅に関する情報の提供などに的確に対応していくために、各課との連携はもとより、ハローワーク、不動産協会、民間のボランティア団体・NPO、大学などとの連携をより強めることに主眼を置いた取り組みを強化してまいりたいと考えております。 さらに、各課で取り組んでおります交流人口・観光客増加、農林・水産の研修制度、五島市こころのふるさと市民、少子高齢化対策など、事業の枠を越えたプロジェクトチームの編成につきましても検討してまいりたいと考えております。 次に、奈留町水道の悪臭対策についてのお尋ねでございますが、奈留町水道のこれまでの経緯や現況につきましては、ただいま生活の拠点を奈留町に置かれております議員御自身が十分に御承知のことと存じますが、この機会に広く知っていただくために、まずこれまでの経緯を紹介させていただきます。 奈留町水道は、昭和29年に簡易水道として事業認可を受け、その後人口の増加に伴い、昭和45年には上水道へと認可変更をいたしましたが、昭和50年には、人口の減少により、再び簡易水道へと認可を変更し、今日に至っている次第でございます。 奈留町は、表流水や地下水に乏しく、さらには離島という地理的条件下にもあり、過去、原水水量の確保を目的として5ヵ所のダムと1つの沈砂池を年次的に整備してまいりました。このことにより、ある程度の水量は確保できましたが、ダムのように水の滞留時間が長い環境においては富栄養化が進み、時期的に異臭を放つこととなります。水道事業者は、水量の確保と水質の保全を常に使命としているところでございますが、過去、議員を初め奈留町の水道事業にかかわってきた方々は、この2つの大きな課題を抱えながら、飲用水の安定供給に努力をしてきたところでございます。 現在、異臭対策として、ダム貯留水の放流や薬品の注入、さらには機械によるダム水の強制循環を実施いたしておりますが、おおよそ7月から10月までの間、時期的に悪臭を放つことがあり、残念でございますが、全面的に改善できたという状況には至っておりません。今後は、ダムの放流を積極的に進めるとともに、他の自治体との情報交換等を密にいたしまして、原水水質の改善のために、さらに努力をしてまいりたいと思っております。 また、非常に厳しい財政状況下にございますが、塩害や経年劣化等により老朽化が著しい浄水施設につきましても、その改善方法、規模等も含め、抜本的な改善策について早急に検討してまいりたいと思っております。以上です。(降壇) ◎教育長(末永文隆君) 教育行政の3点についてお答えいたします。 まず、いじめの問題でございますけども、3番草野議員へのお答えと重なることがあるとは存じますが、お答えをさせていただきます。 平成7年に全国的ないじめの発生の中で、長崎市内の女子中学生がいじめを苦に登校後、校舎から飛び降り、みずから命を絶った事件が起こりました。県教育委員会としては、二度と起こしてはならないと、「いじめ根絶強調月間」を設定し、県下を挙げていじめ根絶に取り組んでまいりました。それから10年周期に大きな生徒指導上の問題が生じると論じる人もおりますが、数年来の長崎県の置かれた状況とあわせて、それ以来の緊急事態だと受けとめておるところでございます。 午前中も申し上げましたけども、このことによって子供たちや保護者を初め多くの方々に不安な気持ちを抱かせ、それぞれに心中を察するに、教育に携わる者として申しわけなく思うばかりでございますし、今、私が願うことは、再度申し上げますけども、子供たちがみずから命を絶つ、この連鎖を断ち切ることだというふうに考えております。 教育委員会としての対応でございますけれども、10月26日の教育委員会10月定例会議において、私どもは協議題と設定して、教育委員の意見もそれぞれ伺いながら対応策について取り組んでまいりました。なお、取り組んだ細かい内容については、後ほど学校教育課長から報告をいたします。 実態調査については、県教委の指示を受け、11月にいじめ問題に限った特別の調査をいたしまして、繰り返して申しますと、平成17年度、小学校97件、中学校が19件、本年度、18年度が小学校76件、中学校32件でございまして、この数字は今までの数字に比べ数値的に多く挙げられてまいっております。 その理由としては、調査内容がきめ細かくなされ、それから解決したものも含めて調査の中に挙げておりますし、あるいはまた、学校の対応の方も個々にそれぞれ教頭あたりが聞き取り調査をし、それぞれケースごとにいじめに挙げようか、それともこれはいじめじゃないんじゃないかということの区別をしながら対応しているようでございます。 このことは学校としても事態を厳しく認識して、緊張感を持っていじめ問題に対応しているというふうに私どもは理解をしております。ただ、この数字の中には指導中の事案が含まれておりますので、今後も私どもは学校との連携を密にして取り組んでまいりたいと考えます。 今後の取り組みについての基本的な考え方を、午前中の答えと同時に、重ねながらお話をさせていただきます。 「いじめをなくす特効薬はない」というふうによく言われるようでございますし、私どももそのような認識を持っております。さらに、いじめについてはその発生件数と同じ数だけ原因とか要因があるとも言われ、事例ごとに検証してみると、まさにそのとおり、それぞれに原因、要因がございます。 また、いじめのない社会、あるいは集団を考えてみると、その集団が十分にお互いを認め合う豊かな人間関係が構築されている社会とか集団にいじめがないというふうに考えております。そのことをベースにしますと、いじめ対応の3原則、午前中と重ねて申し上げます。「するを許さず、されるを責めず、第三者なし」のこの心構えで丹念に取り組んでいかねばならないというふうに考えております。 一方では、いじめはどこにでも起こり得る、このことを深く自覚し、子供たちの人間関係を見つめながら、深刻ないじめにならないよう早期発見に努めることも大切だと考えます。さらには、今、緊急的に取り組まねばならないことは、いじめを苦にみずから命を絶つ子供たちを出さないことだと考えます。 午前中も申し上げました、「つらくなったら死ぬしかないんだよね」というこの小学6年生の子供のこの言葉を真剣に受けとめ、生き抜く力と生き抜く心を育てていくことだと、そういうふうに思っております。どうぞ改めまして申し上げますけども、大人がそれぞれの人生を重ね合わせ語り続けていただき、そして大人がそれぞれの人生の中で苦しいこと、うれしいことを体験しながら生き抜いている姿を実感させていただいて、どんなに人生につらいことがあっても喜びもたくさんあるんだと、どんなに苦しくてもみずから命を絶ってはならないんだということをぜひ伝えていただきたいと思います。 大人の責任として、悩みを子供たちに持たせることは絶対にあってはならないことだと信じておりますし、「人間万事塞翁が馬」の気概を持つ子供たちを育てていきたいと願っておるところでございます。 2つ目の小中高一貫教育について申し上げますと、市長から市政報告で申し上げましたとおり、かねて申請中の奈留地区小中高一貫教育の教育特区が11月16日に認定をされました。特区の内容につきましては、市政報告のとおりでございますし、特区認定の効果について申し上げます。特徴的なことを2点。 第1が、学習指導要領によらない指導ができますので、奈留地区独自の特色ある教育課程が編集できるということでございます。言いかえますと奈留地区の特色を生かした奈留地区独自の特色ある教育を展開されることだと期待をしております。 例えば総合学習の分野で、奈留の郷土学習、「奈留実践」を取り組みます。2つ目は先ほどの質問にもございましたように、英語教育を小学校から取り入れることで子供たちのコミュニケーション能力を育成し、表現力を高める教育が展開されます。このように、授業数の増減を調節することで、奈留の子供たちの持つ課題に適した能力の育成が図れるというふうに考えます。 2つ目は、取り組みを展開していく中で新たな課題が生じた場合も、変更申請をすることで新しい試みが許可されるという状況にあると思っています。今後は県教委や地元推進委員会との連携のもとに、特区認定の効果を一層上げるように努めてまいりたいと考えます。 校舎の関係でございますけども、この小中高一貫教育の実施については、奈留中学校、奈留高校の校舎を活用することで進めてまいりました。 現在の奈留中学校の校舎は、建設後40年経過し老朽化が進んでおり、改築の方向で事業計画を策定しておったところでございますが、平成19年度に敷地調査、基本設計、実施設計委託を行うことで振興実施計画の採択を受けました。事業年度は19年度から3ヵ年を想定しておりますが、着工については現下の厳しい財政状況を考慮しながら対応してまいりたいというように考えております。 教会群の世界遺産登録についてお答えいたします。 この件についても市長の市政報告で申し上げました本年9月に、文化庁が世界文化遺産登録の国内事務手続を大幅に変更いたしました。その内容と経緯について、まず御説明をさせていただきます。 これまでは国が直接対象となる遺産を調査し、候補地を選定する方法でございました。このことを地方自治体からの提案を受けて審査する方法に変更いたしました。文化庁は、自治体から提案を受け、ユネスコの暫定リストに追加申請する候補を選定する手順となります。 10月に各市町の担当課長が県教委に招集をされ、新方式にて説明を受け、その会議で長崎県の方針が示され、長崎教会群と関連遺産を関係市町と共同提案することの了承が求められました。このことについては11月に文書での同意が求められましたので、教育委員会として関係各課に合議し、市長決裁を受け、11月17日付で同意書を県に提出したところでございます。 その間、県教委は、世界文化遺産への登録に向けた提案書検討委員会を立ち上げ、私どもの担当も出席し、提案書のまとめ作業を進めておりました。11月29日に県と7つの関係市町との共同提案として文化庁に提案書を提出しております。 正式な資産名称は、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」でありまして、提案書に含まれる20件の資産の中に五島市関係は3件ございます。今回、全国から文化庁へ提案された数は24件だと報道されております。文化庁は、来年1月中にユネスコの暫定リストに申請する候補を決定する運びとなっているというふうに聞いております。現在、暫定リストには4件登録されておりますけども、それに追加申請するということになっているようでございます。 このような経緯の中で、私は内部対応をいたしましたし、外部への直接アクションは起こしておりません。今後は、県教委の指導を受け、県との何が今から必要なのか、県との連携、さらには教会関係者の協力を受けながら、実現に向けて取り組んでまいりたいというように考えております。以上でございます。 ◎学校教育課長(山下彦幸君) いじめ防止の具体的取り組みについてお答えをいたします。大きく6点について取り組みを行ってまいりました。 1つ目が実態調査、個人面談、教育相談の実施であります。 2つ目が校長会、教頭会、教務主任会等を実施し、いじめに関する基本的認識や取り組みのポイント等についての再確認を行いました。また、県、文科省からの通知を配布し、いじめを隠さないことを基本に据えて対応するよう指導を行いました。 3点目に、いじめの総点検を行うよう指導いたしました。子供のノートや日記、心のノート、児童・生徒理解支援シートを活用し、苦しみを持った子供の発見に努め、迅速に対応するよう通知を出し、指導を行いました。 4点目に、校内いじめ対策委員会の再点検と機能の強化を指導を行いました。 5点目に、指導主事の学校派遣を行いました。学校からいじめの情報や相談がありましたので、指導主事を派遣し、その相談、あるいは指導を行いました。このことにつきましては、今後も行う予定であります。 6点目に、校長講話でいじめのことについて話すように指導を行いました。特に、12月4日からの人権週間で重点的に話をするように指導を行っております。今後ともいじめを発生させないために取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ◆9番(柿森誠君) それでは再質問いたします。 まず水道事業についてでありますが、市長は、早急に抜本的な対策を講じたいということでありましたが、振興計画はどうなっているのかお尋ねをいたします。 ◎水道局長(中野基樹君) 事業の再構築についての振興計画の計上状況ですが、昨日、企画の方から査定結果の報告がありまして、奈留町の簡易水道の改修については、一応平成21年度に顔出しをいたしております。ただ、抜本的に今から改善する方策を早急に検討していかなければなりませんので、今からの作業になると思っております。以上です。 ◆9番(柿森誠君) 現在、奈留町においては、宮の森総合公園に修学旅行の受け入れを行っております。その子供たちの間で何か水のにおいがすると、そのような声が現実的にあっております。そしてまた、宮の森公園では、飲料水として使っていないんですね。飲料水は、ペットボトルを買って子供たちに与えているのが現実なんです。 ですから、今、振興計画にも21年ということでありますけども、どうか一日も早い抜本的な異臭対策をとっていただくようにぜひお願いをして、この件については終わりたいと思います。 次に、敬老会についてでありますけども、市長も市政報告の中で少しだけ触れられていましたけども、市政懇談会の中で敬老会に対する助成のあり方について貴重な意見をいただいたというふうに述べられておりました。今、早速来年度は75歳以上に補助をするんだと、そのように決めたと言われてましたけども、その懇談会の中の具体的な意見をぜひお聞かせいただきたいと思います。 ◎市長(中尾郁子君) たくさん意見が出たようですが、ちょっと資料を持ってきておりませんけど、今記憶にあるもので言いますと、ある町では工夫をして、参加しなかった方、例えば入院している方、グループホームにいる方もみんな町内会の役員がお見舞いも兼ねて顔を見に行ったということで、こういうやり方もあるよというような、活用の仕方でうまくやれたということでございましたけれども、その他多くは本当に不公平だと、高齢者だから行けない人も多いのが現実じゃないかと、もう本当にどう言うんでしょうか、苦情でございました。 話を聞いて初めてそういう実態が出てきたんだと。最初は全員行けるもんだというふうな安易な考え方といいますか、いたしておりましたので、この時期、この敬老会がある時期じゃないとこの検討はうまくいかないということを課長会議でも申し上げまして、関係課長に、今、終わったばかりだから、今が一番ホットで、どうしたらいいかという方策も今が一番わかりやすいということで検討した次第です。 やはり参加者だけを数字にした方、あるいは参加していなくても、ちょっと来れなかったということで数字にした方、いろいろな扱い方があったようでございます。次からはそういう不公平感が出ないように、きっちりしたいと思っております。 ◆9番(柿森誠君) 今年度、参加した人だけだということで、多分予算は組まれていたはずなんですね。そうすると、来年度はその幅を大きく広げるわけですけども、予算の方は大丈夫ですか。 ◎市長(中尾郁子君) 単価を、これからでございますけれども、公平にするためには少し単価の調整が必要かと考えております。まだ、これからでございますので、来年度予算はですね。 ◆9番(柿森誠君) お弁当なりを配布しているわけですけども、いつごろだったかということははっきり記憶してませんけども、国が地域振興券なるものを発行したことがありますけども、そういったことも考えの一つとしていいんじゃないかと思いますけども、いかがですか。 ◎市長(中尾郁子君) 以前、地域振興券というのがございましたけど、今回はそのことは全く考えておりません。お弁当かなと思っているんでございます。 ◆9番(柿森誠君) いろんな形で老人の方にお祝いをするという流れの中では、ぜひそのことも一つの検討案としてお考えをしていただきたいと思います。 次に、戦没者追悼式についてお尋ねをいたします。 できるだけ中継できるように努力したいということでありますけども、ぜひお願いをしたいと思います。来れない人も非常に助かると思います。ただ、この式典については、奈留町だけが地元開催を希望をしておりますというふうに私は聞いています。理由はいろいろあると思いますけども、最大の理由は、船で港まで来ると、港から会場まで、文化会館まで歩くわけですけど、私たちにとっては何でもない距離なんですけども、そういう対象者にとってはそうじゃないですね。 市長は、奈留町でよく発言されてるんですけども、今度の合併は基本的には1市5町の合併なんですけども、福江島と奈留島の合併でもあるということを市長よく言われております。奈留町の不便さをよくわかっているということでありますけども、そういう考えからいきますと、今、奈留町が地元での開催を要望しているということでありますので、その声にこたえるということはできませんか。 ◎市長(中尾郁子君) 一自治体で1ヵ所で開催ということで、今は市が主体になって開催しておりますが、奈留町で開催してくださいということは、私は今初めて聞きまして、この通告を受けましてなるほどねと、おいでになれない方が多いよねということを思いました。それで、これは何としても中継をして、あるいは中継ができない場合は、すぐにその日のうちにビデオを撮って放送ができるようにしたいと思った次第です。 奈留町だけで開催するとなると、また、規模であるとか方法とか、ちょっと検討しなければいけないのかなと思います。少し御意見を伺ってみたいと思いますが、そうですね、奈留町で開けば皆さんが来れるのかどうか。そして、そのようにしたのがいいかどうか。私は陳情を受けたことがないので、きょう初めて伺いましたので。 ◆9番(柿森誠君) 担当課長、いかがですか。 ◎社会福祉課長(手島仁助君) お答えをいたします。 私たちは戦没者の追悼式を行う場合、各戦没者の方からの会議というのを設けております。その中でも、私、今2年になるんですけれども、今、議員がおっしゃるようなことは初めて聞きましたので、今、市長が答えましたように、初めて聞きました。以上です。 ◆9番(柿森誠君) ぜひ、そういった声もあっておりますので、検討課題としていただきたいと思います。 次に、教育行政についてお尋ねをいたします。 午前中の草野議員の質問に対する答弁と同じ答弁をいただきまして大変ありがとうございました。11月に特別な調査をしたんだということでありましたけども、すべての報告がなされたと、オープンになされたというお考えを教育長は持っておりますか。すべての調査を学校側がしたんだというふうな意識を持っておられますか。 ◎教育長(末永文隆君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、数もふえておりますし、この事態を、やはり調査をかける段階に校長会もありましたし、その中でも私、私どもの基本的な訴えも時間を特にとって話をしておりましたので、そのことについては、学校が把握できてることについてはすべて報告したというふうに考えております。 ◆9番(柿森誠君) よく報道もされましたし、よく言われたことですけども、学校側、特に管理者は、自分の学校でいじめ等があることを報告すると、自分の管理能力が問われるんじゃないかと、そういうことで報告も控えるんじゃないかということも言われているわけですけども、教育長も一時期、教育委員会に報告する立場にあったわけですけども、そのような気持ちを持ったことがございますか。(笑声)また、ほかの校長からそういうふうなことを聞かれたことはございますかお尋ねいたします。 ◎教育長(末永文隆君) お答え申し上げます。 先ほど申しました、いじめはどこにでも起こり得るんだというこの認識を深く持つかどうか。そしてもう一つ申し上げましたのは、いじめというのは、基本的にずっとたどっていくと、豊かな人間関係が構築されているところには起こらないというふうなことを突き詰めていけば、当然いじめが出てきたところには豊かな人間関係ができてないんじゃないか。学校経営がうまくいってないんじゃないか。また、学級経営がうまくいってないんじゃないかというふうなそういう懸念をまず持つ。 そのことに関しまして、いやそうじゃないんだ、それももちろんあるんだけども、そのことについてよりも、むしろ今の状態であるならば、いじめはどこにでも起こり得るという認識でもって、起こったときにどうすればいいのかということをやはり考えなきゃならないというふうなことでお願いをしておりますし、事実私も現職の校長でございましたし、先ほど報告の中にありましたけども、基本的調査という学校の基本調査をやるときに、いじめがあるかないかということの報告を受けておりましたけど、基本的には解決したものはもう報告しておりませんでした。 今回は、先ほど申し上げましたとおり、解決してないものもしているものも含めて、いじめと認識するものについてはすべて報告を上げておりますので、そういうふうな認識をしております。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 先ほども言いましたように、教育長は今、自分が報告を受ける側なんですけども、学校側が楽な気持ちで、オープンに報告できるような環境をぜひつくっていただきたいんですけども、そのことで何か気がけていることはございますか。心がけていることがございますか。(発言する者あり) ◎教育長(末永文隆君) 私ども、例えばいじめについての保護者からの訴え、学校から報告が上がってないときに保護者からのいわゆる訴え、「こういうことを知っていますか」というふなことがございます。 または、いじめがあったときに私どもが一番気にしていること、注意していることは、いじめにどう対応しているかというふうな視点で校長たちと対応しておりますので、私どもの気がけていることは、いじめが起こったことに対してよりも、いじめにその後どう対応しているかということの視点で私ども対応するように取り組んでいるつもりでございます。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 今後の取り組みについてお尋ねしますけども、今、毎日、教育再生会議でのいじめの対応策等がよく報道されております。 そこで、教育長の考え方を2点お尋ねしたいんです。1点目は、いじめた側の生徒を学校に来させないようにしようという考え方、2点目、いじめられた側の生徒を学校を休ませようとする考え方、そのような考え方がよく言われますけども、これに対して教育長の見解をお尋ねいたします。 ◎教育長(末永文隆君) 両方今聞かれましたけども、大変難しい問題で、いじめられた子供たちを学校に来させない。しかし、このことに関しては、先ほど来ずっと申し上げておりますけども、ケース・バイ・ケースだろうと思っております。 今、その中で学校の中に無理に行かせることがこの子供のためによくないと、いわゆるいじめられることを責めちゃいけない。だとすれば、この子を抱きしめる、だれが抱きしめるのか。親御さんが抱きしめる必要もあるだろうと思います。学校が抱きしめる場合もあるだろうと思います。そういう意味合いでは、ケースを持ちながら、そのケースごとに、今はちょっと学校のこの集団から身を外した方がこの子の生きる力になるんだとすれば、私はそれをとりたいと思います。 また、いじめる側を外すのかということに対しては、大変これは問題を持っていると思っています。いわゆる隔離政策みたいな形になりまして、いじめる側もいろんな問題を、大人社会のいろんな問題を抱え込んでいじめをせざるを得ない状況にある者もあろうと思います。また、そのいじめに対して、何でしょうか、そういう罪悪感を持たずにやっている子供たちもあろうかと思います。まさにいじめる側についても、100例があれば100例あろうと思ってます。その子もケース・バイ・ケースだと思いますし、もし、安易にそれをいじめた側だからということで集団から外すことになれば、この外されたその子供たちの戻るところはどうなるのか。 随分私どもは、いろんなことで生徒指導上で問題になっているのは、私どもは学校で問題が起こったときには、加害者がおり被害者がいるんだけども、第三者もいるんだけども、すべて私どもが預かっている子供なんだと。その子供に応じて、その子供たちを剥いでいく、排斥することは考えられない、教育のあり方としては考えられない、そういうふうに思っております。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) いじめの対策については、当然いろんな方法があると思いますが、私個人としては、まず保護者が自分の子供をしっかり見つめることだと、私はこのように思っております。 自分の子供だけはいじめに遭っていない。また、いじめをしていないという、そういう過信をしないことだと、私はそう思っているんですけども、教育長の見解をお尋ねいたします。 ◎教育長(末永文隆君) はい、私もそのようなことは基本的に思いますけども、11月の22日に山形県の女子高校生が学校で渡り廊下から飛び降りてみずから命を絶った。その女子高校生は、メールに遺書を書いていた。学校はその段階まではいじめだということは知らなかった。しかし、後ほどの報道によりますと、母親がそのいじめの相談を受けていた。しかし、親もとめることができなかった。いじめの問題はこれほどに根深いものだというふうに考えております。 親がしっかりすればだけでは済まないんじゃないかと思っています。やはりこれは親御さんもそうであり、親御さんがそのときに、そのことで報道を受けたときに一番悔しくて、今、自分の娘の命をとめることができなかった母親の苦しさというのは今も続いているだろうし、これは私どもとしては、まだ推しはかること以上のものがあるだろうと思います。では、どうすればよかったんだろう、どういうふうな対応をしたんだろうというのが報道にもありません、私たちも知ることができません。 私としては、こういうことをしていただいたらよかったんだろうに、その子供を抱きしめていただいて、先ほど来その子の苦しみを受けとめていただいて、「頑張れ」というような言い方でなくって一緒に悲しんでいただいて、そのことを学校に伝えていただければ、そして学校と両者とがあわせて話をしていけば、また別な展開があったんじゃないだろうかと思っております。 議員がおっしゃるように、家庭もやはりそのことを一生懸命やっていただきたいし、我々学校も、学校としてはやっぱりしなきゃならない。やはりここの両者のどれだけの信頼関係、どれだけの支え合い、そのことだろうというふうに考えます。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 保護者が自分の子供を見つめることが大事なんだというふうに私はそう思っているわけですけども、そのことを保護者にあらゆる機会をとらえてしっかり伝えるべきだと、当然こう思うわけですけども、17日に福江地区のPTAの研修会があるようになっております。もちろんそこではしっかり教育長も伝えてくれるんだろうと思いますけども、問題はそこに来なかった保護者にどう伝えるかだということだと思うんです。 出てくる保護者というのは、ある意味では非常に真剣にそういったこともとらえていると考えます。そういった場所に出てこない保護者にどう伝えるか、教育長、何かお考えがありますか。 ◎教育長(末永文隆君) 午前中にもお答え申し上げましたけど、今回このことについては、先ほどの3つの柱を中心にして、すべてのあいさつをさせていただく場面では、もうこのことをずっと重ねてやってまいりました。この場でこのあいさつとしては不似合いなあいさつじゃないかと思われるようなところでも、子供がいれば、保護者がいれば、そして一般の大人がおればというふうな思いでずっと進めさせていただいておりますし、議員御指摘のとおり、このことについて17日の福江地区のPTA研修会、その折にもお話をさせていただきたいと思いますし、あす人権フェスティバルの講師に対する謝辞というのが私に予定されておりますので、そのことについてもやはり講師のお話を受けながらどう結びつけることができるのか、そういう場面でもお話をさせていただきたいと思っております。 また、今御指摘のとおり、そういう場面に出てこない保護者の皆さん方にどうすればいいのか、私も悩みどころですけども、もしかしてこういう会議の中で、こういうテレビを見ていただければ幸いだろうし、そして、さらには私どもが訴えたその大人の方が周りの人に広めていただきたいという思いもありますし、願わくば、学校の方でいろんな会合の中で、そういう大きな会合には来ないんだけども、学校の会合の中に来るときに校長たちがそういう話を進めて、また担任が進めていってくれることを願っているところでございます。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 一つだけ提案したいんですけども、今言われたように、教育長がお話することを、じゃプリントにして配布することは不可能ですか。 ◎教育長(末永文隆君) このことについては、全児童生徒及び保護者に「文科大臣の願い」、それからもう一つは、私ども都市教育長会議からの訴えということで、このことのついては保護者と学校について文書で配布しておりましたので、あえてまた私がそれに重ねて話すことよりもということで、「文科大臣の願い」を中心にしてさせていただいておりますので、現在のところはそのことについては考えておりません。 ◆9番(柿森誠君) たまたま、けさのNHKのテレビを見てました。多分見ていた方、同じ番組を見ていた人もおると思うんですけども、どこだということは忘れました。税金の滞納が多くて、それを取り立てるために発送する通知の袋を色を変えてやったんだと。そうすると、その効果が出たということだったんですね。というのは、色はたぶん赤と黄色だったと思います、出ていたのは。これは何だろうかということで非常に興味を引いたんだと思います。で、見たと。 そういったことも保護者に、普通のプリントじゃなくて、必ず読んでもらうような工夫をしていくと、けさのNHKのニュースでやっていました色を変えた形、目立つようなプリントをやったらどうかと私は思うんですけども、いかがですか。 ◎教育長(末永文隆君) 先ほど私は、「今考えておりません」と言って座ってから、私の願いは、とにかく一人でもここの中でみずから命を絶つ子供がないような願いを持っておりますので、もし私がすることが、そのことが1人でも2人でも通じる人があるとすれば、やはり今議員御指摘のとおりのことについては真剣に考えなきゃならないだろうと思います。 これ私どもの方へ持ち帰りまして、さらにまた文科大臣、あるいは都市教育長会の呼びかけに加えて、私なりの、今、議会の方に報告したそういうふうなものを検討してまいりたいと思います。 ◆9番(柿森誠君) もう一点だけぜひ教育長にお願いしたいんですけども、今、五島市においては、学校現場において報道されているようないじめはないと、また、学校側も隠ぺいはしていないと、私も当然信じております。教育長も同じ気持ちだろうと思います。 今後、教育再生会議等を経て、県教委を通じて、いろんないじめ対策をとるような指導が入るだろうと思いますけども、そのようなときに、五島市においては言われたようなことは、もう既に対策を講じておると自信を持って言えるような体制づくりをぜひお願いをしたいと思いますけども、決意のほどをお聞かせください。 ◎教育長(末永文隆君) はい。再生会議等から出てくることについても、今、即に私どもが対応すればいいのかどうかについては、私もいろんな意味で報道されているものを見ながら疑問を持っている部分もございます。 しかし、私どもは、今、いじめの発生というものに対するきちんとした対応をしなきゃならないと思っておりますので、そういうふうな提言とか、いろいろなことで指示されたことについては真剣に取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 市長、市長の立場から、このいじめの対策も含めたお考えをお聞かせください。 ◎市長(中尾郁子君) 本当に憂うべき現象です。で、やはり子供たちは未完成でございまして、発展途上、成長過程であるので、例えばいじめられている子は、それに強く立ち向かうことが大人と違うんでできない。大人もやはりそういう弱さを持った人もおります。厳しい、あるいは非難、そういう大人の世界でもそれを受けられない者もいますし、子供はなおのこと、まだまだ未完成でありますから、いじめられたら本当に生きていけなくなるというのも実態だと思います。 また、いじめる側の子供も、まだまだ人間として未完成でございますから、自分がどんな感じの立場を演じているのかというのがわからない子供もいるんではないかと私は思います。それで、本当にスキンシップというか、体でぶつかって、まず学校で先生が体でぶつかって、やはりクラス全員を把握しなきゃいけない。 これは調査の結果ということで聞きましたけれども、先生が、生徒と仲間としてお友達関係にあるところがいじめが多いと。で、先生が指導力がある、一段高いところから子供が見れている、そういうところは、クラスはいじめがないというデータが、これはNHKの特集で出ておりまして、なるほどそれもあるかもなと思いました。昔、やはり餓鬼大将などがいて、とことんまでやらないような、何というんですか、けんかの仲裁をするとかそういうことも聞いておりますので、私は女性なので、そういう男性の餓鬼大将のいろんな仲裁の仕方というのは経験がありませんけれども、どんな特効薬もないと思いますけれども、でもやはり先生がまず体で子供たちとぶつかっていって、一つ一つつき合いながら解決してもらいたい。 両親は当たり前のことです、我が子でございますから。大人がやはり人をいじめたり、そういう言動を子供に見せないことだと思うんですね。何でこのような事態に日本中がなったのかと、大人に大いなる責任があると私は思います。それで、極力私自身はそういう行為をしないように、そしてまた、苦しいときにしっかり顔を上げて立ち向かっていくということも示したい。これは大人がやはり教えなきゃいけない、社会で、あるいは家庭でだと思います。そういうものが大人も強くならなければいけないんではないかと私は思います。 ○議長(浦藤彦君) しばらく会期時間を延長いたします。                         =午後3時52分 時間延長= ◆9番(柿森誠君) 次に、小中高一貫教育についてお尋ねをいたします。 長崎県においては、全般的に、特に離島部が英語が弱いとよく言われているんだそうですけども、教育長もそのような御認識ですか。 ◎教育長(末永文隆君) はい。私もそのように認識しておりますし、私どもが中学生時代からその認識というのはずっと変わらない。何でだろうというと、やはり英語環境がそれだけ整っていない、そういうふうな思いをずっとしておりましたし、私どもが実際県の学力調査等でいただいている部分についてもそういう結果は出ているところでございます。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 今回、奈留地区が特区として英語科を導入するわけですけども、話す英語、話す力をつけさせるというのが目的だと、このように言われております。 そうしながら、小学校には専門の英語の先生がいないわけですけども、特区として英語をやろうというふうになっているわけですけども、来年度小学校にそういった専門の英語の先生が入る予定があるんですか。 ◎教育長(末永文隆君) 19年度に関して、英語の免許を持った先生については、小学校の免許を持っている方がもしおればその方が入るんですけども、現在のところ、中学校の免許を持っている人を小学校に配置というふうな話も一応持ってこられましたけど、それは到底不可能なことですので。逆に言うと、中学校に配置して、まさに小中高一貫ですから、中学校の教師が小学校に同時に授業ができるという体制を、それを推し進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆9番(柿森誠君) 今の発言からいきますと、小学校には英語の免許を持った先生は採用しないんだというふうにとらえていいわけですか。 ◎教育長(末永文隆君) はい、19年度に向けてはそういうふうに考えております。 ◆9番(柿森誠君) 将来に向けては、じゃ、小学校に英語の免許を持った先生が入る可能性があると、そうとらえてよろしいんですか。 ◎教育長(末永文隆君) そのことについては、20年度の完全実施の段階から、県教委とやはり折衝していく、大きな人事権を持つ県教委の問題等がございますので、20年度に向けて、その方向で可能かどうかということについては、私どもも県教委と相談をしてまいりたいと思います。 ◆9番(柿森誠君) 県は、全体的にALTを減らそうとしている傾向にあります。 五島市も例外ではないと思いますけども、特区として英語に今から力を入れようとしているわけですけども、こういう考え方というのは、奈留だけですけども、その考え方が逆行しているんじゃないかと私は思うんですけども、ALTを減らすことに関してはどのようなお考えですか。 ◎教育長(末永文隆君) そのことについても大変私どもも憂えておるんですけれども、そのことでいわゆる小中高一貫教育の会議のたびに、奈留のALTは小中高一貫教育という一つの特例として残してくれるようにというふうなお願いをしているんですけども、どうもまだそのことについてはっきりとした回答はいただけてないし、今の流れからいくと、やはり奈留の高校のALTが削減計画の中に載ってしまうんじゃないだろうかというそういうふうな懸念は持っております。大変私どもも残念なことであります。 ◆9番(柿森誠君) 残念だというのは、結果が出てからお聞きしたい言葉で、そうならないようにぜひ努力をしてみてください。お願いします。 校舎の件に少し触れたいんですけども、保護者の間で、言葉が悪いんですけども、奈留中学校は危険校舎だという中で、奈留中学校に、これは小学生の保護者ですけども、一緒に入れたくないという声があるわけです。当然そこには新しい学校を建設していただきたいという思いがあるわけですけども、今教育長の答弁でいきますと、何年度の計画はまだ出てないんですね。そういったものに対しては、もう少し突っ込んだ発言はできませんか。 ◎教育長(末永文隆君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもこの奈留中学校の改築に関しましては、振興計画で採択いただきましたので、一応私どもの願いとしては19年度から3ヵ年計画を考えております。ただ、どうしても19年度から20年度にかけて財政が非常に厳しいというふうな私どもも受けとめをしておりますので、そのことの対応については、まだ非常に弾力的だろうというふうに考えております。 ただ、今、奈留中学校のことに関しまして奈留の皆さん方が大変不安に思っておられる、いわゆる奈留中学校の耐力度調査をした場合に強度不足だったということで、早い時期に改築しなきゃならないというそういうふうな審査結果をいただいております。 そこで、20年度から小学校を中学校に上げる、その完全実施のときに上げますので、現在の奈留中学校を19年度に向けて、小学生があの校舎で生活するのに安全でないと思われるところのいろんな改修をしていきたい。いわゆる今回、当初予算に向けて私どもが今準備を進めておるのは、奈留中学校での安全性の確保、小学生の特に低学年の安全性の確保を重点的に考えていこうというふうに考えております。以上でございます。 ◆9番(柿森誠君) 市長、教育長は財政もにらみながら非常に苦しいお顔で答弁しているんですね。市長として、今、私たちのやりとりの中で校舎を、新しい校舎をというふうな地元の声も当然あるわけですけども、御見解いかがですか。 ◎市長(中尾郁子君) 総理官邸で特区の認定書をいただきました折に懇親会がありまして、国の審議官に「これからは校舎です」ということを言いました。 特区ですから自分のところでやらなきゃいけないわけですけれども、特区の認定をいただいたので、これを武器に国、県にも御支援をお願いしようと思っております。私としては、本当に一日も早く建てかえたいと思います。新しいやり方で奈留地区が特区として子供の教育が進むわけですから、環境も整えてスタートしたいという思いでございます。 で、これは一つの武器になると思うんです、県や国に対しまして。しかも、うちは夕張市の隣におるということをどこででも国で言っておりますので、その中でこの特区を進めるんだということも言っておりますし、もう一つありがたいことに、その審議官が五島市の高校は「『島を守る人を育てるんだ』と言いましたよね」というのを私は念を押されまして、「そうです」と言いました。それで、何とか大勢の中ででも目をかけていただこうという努力をいたしております。なるべく早く新しい環境で、新しい組織の教育ができるように考えてまいりたいと思います。 ◆9番(柿森誠君) 先ほど、壇上から、2008年度から小中高一貫教育が始まるという報道がされたと私は言いましたけども、その記事にならなかったことで、私は個人的に気になっている部分があります。どういうことかといいますと、もともとこの奈留高校を分校にしようという話からこの問題が話が進んでいったわけですね。中尾市長がそれは反対だということで、じゃ奈留高校を残すためにどういう方法があるのかという中で、県教委が小中高一貫教育を打ち出された。そういう経緯があったはずなんです。 そうしますと、あの記事の中に奈留高校を独立校として、本校として残すんだということは明記されておりませんでした。ただ、県教委と中尾市長の間、教育長もかもしれませんけども、高校を残すということがあったはずなんです。そこら辺をぜひ確認をしたいんですけども、いかがですか。 ◎市長(中尾郁子君) 新聞報道で独立校として残すという明記はありませんでしたけれども、分校にすることは反対だということは明快に申し上げまして、相当に反発をいたしました。というのは、知恵がないと、こんなふうにインターネットやいろんなパソコンが発達した中で、また生徒数が減ったからといって、今まで上ってきた道を下がるのかということを言いまして物別れだったんですが、それから2ヵ月半後ぐらいに県教委の方が見えて、こういう方向で検討したいということを言われまして、それから順次いろいろな話が煮詰まってきたわけでございます。 それで明記されてなくても、分校ではございませんので、もう小中高一貫教育という高校の部でございますから、そこには、別段そういう独立校ですということを言う必要もなかったんではないでしょうか。そう思います。 ◆9番(柿森誠君) それでは、U・Iターン促進事業についてお尋ねをいたします。 市政報告の中でも、今年度のU・Iターン事業について詳しく述べられておりました。団塊の世代の移住・定住促進組織との交流や意見交換を進めているところであるということが書かれておりましたけども、市長の基本的な考え方をお尋ねしたいんですけども、市長の考え方の中に、「どうぞ我が町五島に来てください」、そういう考え方がありますか。 ◎市長(中尾郁子君) いつも、どこでもそういう気持ちを申し上げております。U・Iターンと限らず、どなたでも、都会の生活に行き詰まったら帰っていらっしゃい、そういう精神的なですね、というのは、そういう方も温かく迎えられますというふうに言っております、あらゆる場所で。 本当にIターン、Uターン、それから団塊の世代、もうすべての方においでていただきたいという願いでございます。これがまた、こころのふるさと市民をつくる一つの大きな方向性でございます。
    ◆9番(柿森誠君) 今のことについては後で触れますけども、実は先日、会派で長野県の大町市というところに視察に行ってきました。 ここでは、Uターンというのは大町市で生まれた方がいずれは戻ってくる可能性のある方、そういうとらえ方をしまして、純粋に人口をふやすんならばIターンだということで、平成9年よりIターンの奨励金を支給する条例を策定してこの事業を進めている市であります。平成9年から16年までの実績は、支給総額が約4,500万円、合計定住者数は670名だったそうです。 実は、この事業は5年前に終わっております。終わって、現在は670名のうちの二、三割が定住していると、残っているということであります。その5年前にやめた理由は、1つは670名の方がすべて仕事につくとは思えませんけども、そういった方の仕事がふえて、地元に住んでいる方の仕事が少なくなった。これに対する批判が一つあったそうです。それとUターンに関してこの条例が適用されておりませんので、そのUターンの人たちからの不公平感、そういうことで批判が出てきて、この条例を廃止したんだということでありました。 先ほど市長の考え方を私聞きましたけども、都会から地方に住むということは、都会と地方のギャップが必ず生まれるということは容易に想像がつくわけです。そのときに市長が言われた気持ちは私もわかるんですけども、ぜひ自分の町に来てくださいという形で来たときに、そういうギャップが出て不満が出たときに、自分は自治体から呼ばれたから来たんだという形で、自治体にその不満が返ってくるのではないかという形のものも大町市の方も言われておりました。 やっぱりそうならないために、苦労してでも五島市に自分は住むんだという本人の強い意志は私は不可欠だと思うんです。そうであるならば、じゃ五島に何回でも来てもらって五島の情報を知ってもらう。そしてまた、五島の文化を知ってもらう。五島の情報をより多く集めてもらうことが非常に大事であると、私はこのように思います。 そこで、そのための例えば交通費等を含めた補助金の支給、私はこっちの方にお金をかけた方がいいんじゃないかと思うんですけども、市長のお考えはいかがですか。 ◎市長(中尾郁子君) まだ具体的に、その交通費をあげるということも考えておりません。今はもう本当に宣伝をしていると。とても自然が豊かですよと、人情が豊かですよという宣伝をしているという状況でございます。 それから、先ほど言われました、都会で暮らしていらっしゃるので、生活環境に、例えば水道、下水道などの完備したところに暮らしておられる方は、田舎で蚊にかまれたり、そういうことの環境になれてないから大変よという話をよく聞きます。それはもう百人百様だと思います。午前中もその話があっておりましたけれども。百人の方がいれば百様の要求があると思います。 去年でございましたけれども、ある町にやはりそうやって来られた方が、私の部屋まで来て苦情をさんざん言われました。夏になったら暑かと、それから湿気が多くてカビが生えると、町営住宅に入っているということで。でも、ことしは特に湿度が高いからカビは生えますよと言ったんですが、そのように生活観が薄い方は、もう本当に大変だと思います。ですから、いろいろな苦情といいますか、そういう注文も出てくると思います。個別にそれぞれ解決をしなければいけないかと思います。具体的例で言えば、その苦情を言った方は、別の町の町営住宅を紹介しましたが、やっぱりそこに行かずに前のところに住んでいるという状況でございます。 または、御夫婦で来られて家をつくって自分流の生き方で暮らしていらっしゃる方もおられますし、風がどんなに強くても、自分が選んだ場所なので非常に独立した精神を持っていらっしゃる方で、当たり前だと、風が吹けば家は揺れるというような感じで大変危険なところに暮らしていらっしゃる方もおられます。 それで、本当にいらっしゃる方は百人百様の要求、期待を持って来られると思います。でも丁寧に一つ一つ、クリアできなくても対応はしなければいけないと思います。 ◆9番(柿森誠君) ぜひ、来てくださいというのは、当然言葉として使うんですけども、来ることによって自治体がすべてのことを引き受けてくれるんだというような思いを来られる方に与えないように、ぜひ私はしていただきたいと思います。 先ほど言いましたように10月の20日の意見交換会、夜の交流会に出席して思ったんですけども、新現役の会の古賀代表を初めとして、あれだけ多くの方がこの五島のことを本当に好きになってくれていると、このことに本当にびっくりしたわけですけども、この人たちから発せられる五島の情報というのは、聞く側にとっては本当に大切な情報だろうと思います。重要な情報だろうと思います。ぜひ、さっき言いました、今現役の会を初めその人たちを大切にしていただきたいと、このように思います。 ところで市長、そのときに私もちょっとやりとりしたことなんですけども、安倍総理が提唱します「美しい国日本」、どこの地域を市長は想像しますか。 ◎市長(中尾郁子君) 「美しい国日本」の場所を思い浮かべるのは、やっぱり古きよき時代の田舎の風景でございます。それから、「美しい国日本」の精神を思うときに、やはり武道とか、いろいろスポーツで人間性を教えている日本の古きよき習慣でございます。 ◆9番(柿森誠君) 田舎だとおっしゃいましたけども、五島じゃないんですか。(笑声) ◎市長(中尾郁子君) 五島は、もうそのものでございます。 ◆9番(柿森誠君) 古賀代表が冒頭に言われた言葉なんですね。「『美しい国日本』は五島だ」と言われたんです。私も聞いていて本当にびっくりしました、私自身がそう思っていませんでしたので。ですから、私たち以上にこの人たちが五島のことを、先ほども言いましたように非常に好きになっていると。 で、本当はこの質問が、市長が安倍総理に会う前ならよかったんですよね。ぜひ懇談会の中で、「『美しい国日本』が長崎県の五島にありますよ」というふうに伝えていただいて、むしろ安倍総理の方から、「長崎県の五島にそういうところがあります」ということを言ってもらえば非常にいいんだなあと、私はこのように思いますけども。ぜひ安倍総理にお会いしてそのことを訴えていただきたいことをお願いして私の質問を終わります。 ○議長(浦藤彦君) 柿森 誠議員の質問を終わります。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の本会議は、12月11日、午前10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。                         =午後4時14分 散会=...