令和 5年 3月定例会 開議 午前10時
○議長(山田能新君) 皆さん、おはようございます。出席議員、定足数以上であります。 これより議事日程第3号により本日の会議を開きます。 日程第1、一般質問を行います。 まず、11番、綾香良浩議員。
◆11番(綾香良浩君) 登壇 皆さん、おはようございます。新波クラブの綾香良浩でございます。 まず、初めに3月で退職される職員の皆様方、長い間平戸市発展のために御尽力をいただき本当にありがとうございました。退職なされる皆様には、これからそれぞれの第二の人生が始まるわけですが、どうか健康に十分気をつけられ、平戸市の発展のためにますますお力添えをお願いいたします。退職される皆様のこれからの御活躍をお祈りいたします。 それでは、一般質問に入ります。 1つ目の今後の観光ビジョンとまち並み保存についての質問ですが。 これまで
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、様々な分野で多大な影響を及ぼしてきたものと思います。しかし、感染対策やワクチン接種などが進み、今では多くの行動制限が解除され、経済活動が再開し、今後はさらに以前のような日常生活に戻る動きが進んでくるのではないかというふうに思っております。 本市におきましても、基幹産業の一つである観光業に大きな影響を受けてまいりましたが、今後は観光業の振興や再生、今後予想されるインバウンドの受入れに向けて本格的な施策の取り組みを行わなければならないのではないかというふうに思っております。 本市の近年の観光事業におかれましては、令和3年度に本市のシンボルである平戸城のリニューアルと懐柔櫓を城泊としてスタートさせ、
観光地域づくり法人、DMOについて正式に登録がなされ積極的に現在活動が行われております。 また、令和5年度から始まる
総合計画後期基本計画の
平戸観光地力向上プロジェクトの中においても、観光地平戸の再生を図るため、平戸城など地域資源を活用した観光誘客対策をはじめDMOの組織化による魅力ある観光地づくりを推進するとともに、市民と一体となった
おもてなし体制の充実を図りたいとされております。 そうした中で、平戸市がこれからの観光ビジョンをどのようにお考えになられているのかをお尋ねいたします。 また、次の水産行政につきましては、質問席より行います。 以上で壇上での質問を終わり、通告いたしております項目及び再質問は質問席において行いますので、議長のお取り計らいをよろしくお願いいたします。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 綾香議員の御質問にお答えいたします。 本市の観光振興につきましては、
総合計画後期基本計画の
重点プロジェクトにおいて、地域資源を活用した観光地づくりの推進とDMOによる魅力ある観光地づくりを掲げております。地域資源を活用した観光地づくりの推進では、観光地平戸の再生を図るため本格的な
インバウンド回復を見据え、リニューアルした平戸城や城泊を核とした観光誘客対策や平戸ならではのテーマ観光を活用した
体験型コンテンツの創出など、住民一体となった観光地づくりを中心に進めてまいります。 さらに、これからの観光振興としては、
アルベルゴ・ディフーゾという地域資源や空き家などを活用した分散型ホテルの構築に向け、新たな観光地づくりや
おもてなし体制の充実に取り組んでいく所存であります。 次に、DMOによる魅力ある観光地づくりは、既に御存じのとおりDMOに登録された平戸観光協会を中心に、国の補助事業を積極的に活用しながら地域の活性化と選ばれる
観光地域づくりを目指してまいります。 また、令和5年度については、新たな
DMO構築計画を策定することから、後期計画と連携した観光振興を図ることを考えております。 以上です。
◆11番(綾香良浩君) ありがとうございました。今後の観光ビジョンとまち並み保存についての再質問させていただきます。 コロナ禍の影響を受けて、旅行形態と生活様式の変化が伴う中においても、行政やDMOが中心となって、現在
アドベンチャーツーリズム事業や
誘客プロモーションなど積極的に観光事業が行われてきたものというふうに思っております。今後は、インバウンドや国内の観光客についても、また本格的に回復をしていくものというふうに期待をしております。 平戸市においても、先ほど答弁がありました新たな観光地づくりや
おもてなし体制の充実を生かすため、さらなる観光施策が必要になってくるのではないかなというふうに考えております。 平戸市では、その新たな取り組みとして、昨年12月、観光の
ビジネスモデルの一つである地域丸ごとホテルと呼ばれる
アルベルゴ・ディフーゾタウンの認証式が行われたと思います。まずは、この
アルベルゴ・ディフーゾタウンとはどのようなものなのかをお尋ねいたします。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) おはようございます。それでは、綾香議員の御質問にお答えいたします。 まず、
アルベルゴ・ディフーゾとは、地域に散らばっている空き家を活用し、建物単体ではなく地域一体をホテルとするイタリア発祥の取り組みでございます。語源は、イタリア語でアルベルゴが宿、ディフーゾが分散したという意味で、直訳では分散型ホテルとなります。 従来ホテルには、宿泊する客室、あとレストランなどの飲食スペース、お土産などを扱う売店などが一つの建物で構成されておりますが、
アルベルゴ・ディフーゾはその構成要素を一定の地域に広げた取り組みであり、地域の空き家はホテルにおける部屋とし、レストランは地域の飲食店、お土産、売店は地域の物産店を利用するなど、地域で暮らすイメージを持った
滞在型旅行スタイルでございます。この旅行スタイルが、地域独自のおもてなしにより、集落における地域活性化や新たなる観光誘客を図ることができると考えられます。 次に、
オスピタリタ・ディフーザでありますが、基本理念は
アルベルゴ・ディフーゾと共通でありますが、経営方法やレストラン、客室などの構成要素の距離、
アルベルゴ・ディフーゾの場合は約200m以内、
オスピタリタ・ディフーザの場合は約1km以内となっておりまして、このような違いがございます。 お尋ねの
アルベルゴ・ディフーゾタウンとは、今説明を申し上げました
アルベルゴ・ディフーゾと
オスピタリタ・ディフーザを計画推進し、地域の持続と発展を目指す自治体に対して与えられる名称でございます。 以上でございます。
◆11番(綾香良浩君) 今、
アルベルゴ・ディフーゾと
オスピタリタ・ディフーザということで2つの新たな用語が、1つの新たな用語が出てきて、市民の皆さん方も大変困惑するんじゃないかなと思いますけれども。 この分散型ホテルである
アルベルゴ・ディフーゾタウンの取り組みは、後期計画にもあるように、まさに観光の質を高め、滞在時間の延長と満足度の向上につながるような取り組みではないかというふうに思っております。 本市は、この
アルベルゴ・ディフーゾタウンの認証を受けることで、どのような形で観光施策にこれから生かそうと考えているのか、また構想をお持ちなのかをお聞かせください。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) お答えいたします。
アルベルゴ・ディフーゾの大きな特徴としては、既存の建物や空き家などを有効活用して地域に点在する宿泊施設や飲食店、地域資源などを一つの集合体とした
観光地域づくりを形成するものでございます。 今後、
アルベルゴ・ディフーゾタウンを活用した観光施策については、宿泊機能がまちに点在することが大きな特徴であることから、地域での回遊性を高めることで滞在時間延長と観光消費額の増加につながると考えております。 また、地域全体を宿泊施設と捉えることから、地域活性化や面的観光拠点としての高付加価値を創出することに期待するところでございます。 以上でございます。
◆11番(綾香良浩君) ありがとうございます。
アルベルゴ・ディフーゾタウンの正式な認証はこれからだというふうに理解をしておりますけれども、正式に認証を受けるための条件やスケジュールはこれからどのようになっていくのか、教えてください。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) 今回は、正式認証を前提とする
スタートアップ認証であり、今後のスケジュールとしては、事業を実施できる運営者を4月から公募し、6月下旬に事業者を選定した後、平戸市独自の
アルベルゴ・ディフーゾタウン計画を作成し、正式認証に向けた事業推進を図ることとしております。 なお、本年11月には
アルベルゴ・ディフーゾに認定された世界各国の代表者が集うシンポジウムが東京で開催されることとなっており、その中で事業の進捗などを報告する予定としております。 以上でございます。
◆11番(綾香良浩君) 今日はこの
アルベルゴ・ディフーゾということを市民の皆さん方にも少しちょっと理解をしていただきたくこの一般質問をしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 本年11月には事業進捗を報告する予定ということですが、この事業は本市の観光業また商店街の活性化また空き家対策、さまざまな観点からも大きなチャンスであるというふうに私は思っています。 この
アルベルゴ・ディフーゾですが、日本では岡山県の矢掛町が2018年にアジア初の
分散型宿泊施設として正式に認定を受けられています。私も昨年6月に
アルベルゴ・ディフーゾインターナショナル、ジャン・
カルロ・ダッラーラ会長の特別講演に参加する機会をいただきまして、近い将来平戸市も手を挙げる時期が来るのではないかとは思っていましたけれども、昨年12月に市長のほうより認定式を行ったという報告を受けて、私も大変うれしく思っている一人でございます。 早速、この
アルベルゴ・ディフーゾと呼ばれるものを体験しようとこの矢掛町を訪れて、関係者の方やまちの方々とお話をしてまいりました。私ちょっと矢掛町まで出向いていきました。 まず、この矢掛町についてお話をしますと、昔は旧山陽道でまち全体を宿として提供していた宿場町としてにぎわいのあるまちであったそうです。しかし、当時の情緒あふれる建物は残ってはいるものの、人口減少などの影響によって交流人口も少なくなり、まちなかに宿泊施設がない、宿のない宿場町と呼ばれるようになったそうです。 しかし、この矢掛町では今でも多くの建物が当時のままで残されておりまして、参勤交代にも使われたという本陣と脇本陣の双方が現存している宿場町はこの矢掛町だけだそうです。 その歴史的な価値やその建物やまち並みを残すべく、また加えて地域の活性化や人口減少対策のためにも、このまち並み保存に本格的に取り組まれておられました。
まち並み整備事業や古民家の再生事業によって、建物の外観を整備して古民家を改修し、宿泊施設や観光案内所などまち所有の施設を完成させていました。ここがちょっとポイントで、指定管理で行われている施設がたくさんございました。矢掛町は、それまでまちの施策として観光分野にそれほど力を入れてこなかったそうです。農業のまちであるというふうに聞いてまいりました。 しかし、この事業に取り組まれた2016年を観光元年と位置づけ、また本格的な観光による地域活性化の取り組みを始めたそうです。そして、その後そのまちづくりやまち並みの魅力に引かれて人々が集まるようになり、今ではカフェやショップも開く方々も増え、その結果このような取り組みが評価されて、2018年に
アルベルゴ・ディフーゾに認定、また地域DMOにも令和4年度に本登録されております。 また、3月6日の観光経済新聞の記事で、矢掛町が
幸福度ランキングで中国地方1位となったことも報道されております。 ちなみに選ばれた背景といたしましては、情緒的な評価が高い、単に利便で機能的であるという側面だけではなく、住んでいる人視点での情緒的な評価も重要となったということです。 私は、この宿場のまちであった矢掛町が取り組まれたこの事業は、特に平戸の北部エリア、崎方町などを中心としたまちづくりを考えるとき、注目すべき魅力あるまちづくりではないかなというふうに思いました。 まち並み景観を保存しながら観光地としての観光にもつなげていく、また旧城下町の景観が残るこの平戸市にとっても、このような取り組みを目指して、またさまざまな施策をこれまで行ってきたのではないかなというふうに思っております。
アルベルゴ・ディフーゾについては、この平戸北部を中心としたまちづくりを考えるとき、市はどのようなまちづくりやまた連携またイメージを今考えておられるのかをお聞かせください。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) お答えいたします。 平戸北部を中心とした場合のイメージといたしましては、
街なみ環境整備事業を行っている崎方町をはじめ旧町部地区を中心としたエリアを考えているところでございます。宿泊する客室は既存の宿泊施設や空き家を活用し、レストランなどの飲食スペースについては地域内にある複数の飲食店から選んでいただくことを想定しております。 他の事業との連携等につきましては、庁内では
空き家対策事業や
移住定住対策事業との連携を考えております。 また、令和5年度は、大学連携として九州大学の
地域政策デザインスクール開講に際し、本市が連携自治体として協力することとなっております。その中で、本市が進める
アルベルゴ・ディフーゾについても研究をしていただき、事業の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。 以上です。
◆11番(綾香良浩君) ありがとうございます。今、九州大学との連携といったこと話がありましたけれども、これは大変ありがたく、期待するところでありますし、どのような成果がこれから生まれてくるのか大変今のうちから楽しみにしております。 次に、行政が行う他事業との連携という観点からお聞きします。 昨年9月定例会で、同僚議員から平戸城下旧町地区のまち並み整備の現状と課題についての質問があったと思いますが、その中で今後のまち並み事業の在り方や
街なみ環境整備の基本理念でもある歴史を生かした歩いて楽しいまちづくりの実現のための指針を策定するといった答弁もあったというふうに記憶しております。 この
北部地区エリアのまち並み一体を含めて観光エリアとして考えるときに、この
街なみ環境整備事業との連携は必ず必要となるものと思いますが、都市計画課が行われているまち並み保全といった視点から見た
アルベルゴ・ディフーゾタウンへの取り組みについてはどのような視点からの考えがあるのか、お聞かせください。
◎建設部長(山下正剛君) お答えします。 議員御承知のとおり
街なみ環境整備事業は、平戸城下旧町地区において趣ある町家への修復を平成17年度から15年間実施し、168棟の家屋の修復を行い、令和元年をもって終了いたしております。 また、平成20年度に平戸市景観計画条例を策定し、併せて
街なみ環境整備事業の周辺整備の一環として無電柱化事業を実施するなど平戸城下旧町地区の景観形成が整い、令和元年度に
国土交通大臣表彰を受賞しております。 このように、平戸城下旧町地区のまち並み整備はゴールに至ったとの認識をしておりましたが、今回、世界からさらに高い評価を得たことから
アルベルゴ・ディフーゾタウンスタートアップの認証を受け、次のステージに向けて動き出したものと理解しております。 一方で、
街なみ環境整備事業の検証を行う中で、まち並みをより魅力あるものにするための一つの手法として、修復した町家に明かりを灯し付加価値を加えることで夜間のそぞろ歩きを誘発する提案がなされ、このことに大きな反響があったことから、
地元まちづくり運営協議会による「ほのあかり事業」が動き出しているところです。 このように、夜間景観を整備することにより平戸市での滞在時間を長くすることや宿泊につなげることから
アルベルゴ・ディフーゾタウンには大変有効なものと理解しておりますので、まず
まちづくり運営協議会と連携し、魅力ある夜間景観形成に努めてまいりたいと思っております。
◆11番(綾香良浩君) ありがとうございます。先日行われたまち協主催の明かりのイベント、講演会があったと思うんですけども、私も実際行ってみて大変いろいろ勉強させられることが多くある本当にすばらしい講演会だったというふうに思っております。 これまで行ってきた
街なみ環境事業で一定の成果を出して、その背景を受けて
スタートアップの認証を受けたものだと理解しているという事業に対する今成果を上げた答弁がございましたけれども。これから、なお一層市民の機運が高まるように都市計画課に対しましても大変期待するところでございます。 一方で、本市においても人口減少や少子高齢化の影響により更地も増えて、これから空き家対策も課題となっているところですが、商店街についても同じ問題を抱えているというふうに感じています。 この矢掛町のまちづくりを見るときにさまざまな部分で参考となることが多くあるというふうに感じて、実際私見てまいりました。それまでの自分の固定観念がちょっといろいろ覆された部分もございました。 まず、これは当たり前のことなんですけど、本市も同じように歴史あるまち並みや建物が残るこの景観です。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんけれども、これはたとえ建物が空き家となってしまっても取り壊さない限りはこのまち並みというのはその場に残るわけです。ただ、空き家が更地になってしまったり、またそこが駐車場になってしまったりすると、その景観を取り戻すということは、もうこれはなかなか同じ景観を取り戻すことは一生できなくなってしまいます。 建物がなくなり空洞化してしまうと
まち並みそのものが失われてしまう。私は、この空き家を含めたまち並みが本市にとっての資産であると矢掛町に行って本当に感じてまいりました。 商店街だけを見てみますと、少しずつではありますけれども更地が増えていくことで、見えない今の資産がどんどん失われているのではないかというふうに私はちょっと危惧をしております。空き家となっても、それを景観として残していくこともまち並みをつくる上で大変必要なことではないかというふうに感じています。城下町平戸のまち並みは行政が守るべき資産の一つではないかなというふうに感じています。 そこで、その手段の一つとして矢掛町のように空き家となった建物を1棟でも2棟でも改修やリノベーションを行政が行い、運営主体は民間に任せるといったことも、これからは考えていいのではないかなというふうに思います。 商店街に
分散型宿泊施設を広めるといったことを考えるときに、これからどのような方法で進めていこうと考えられているのか、お尋ねいたします。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) お答えいたします。 来年度の予算におきまして、令和5年度ですが、の予算におきまして、観光課においては
アルベルゴ・ディフーゾタウン推進事業として計上しておりまして、公募等により事業者を選定し推進体制を構築していきたいと考えております。 また、商工物産課では、
アルベルゴ・ディフーゾタウン受入体制支援事業として
アルベルゴ・ディフーゾタウンに参画する事業者に対し改築費用等を支援する取り組みを行うこととしております。 以上です。
◆11番(綾香良浩君) 分かりました。改築費用などを支援する取り組みなどを行うということですが、住民の皆さんが協力しやすいように、空き家を貸し出すとか空き家を手放すといったハードルを少しでも下げる方法をこれから見つけ出すことも重要じゃないかなというふうに思います。 まち並みを残すために、こういうふうな空き家を貸したりとかというのはなかなかやっぱりハードルが高いので、それをどのようにすればハードルが下げれるのかということも併せて考えていただければなと思います。 それから、次のステップである平戸市の観光戦略に関しましては、もう既に旧城下町のまち歩きや平戸城をメインとした周遊観光など多くの観光メニューを積極的に取り組んでおられるわけですけれども、これまで以上に地域資源を生かした
観光コンテンツの価値をさらに高めていく必要があるというふうに思っています。 行政が取り組みにくい部分もあると思いますが、そういったところは民間事業者や、またDMOと連携しながら進めていくべきではないのかなというふうに思っております。 今年度に入り、市長が言われている「異端」と呼ばれる新しい知恵や人材をこういったところに活用していってほしいなというふうに思っております。
アルベルゴ・ディフーゾタウンという観点からも、この北部エリアだけではなく、その後、平戸市の各地域に広がりが見られる事業となるように大変期待をしているところなんですが、こういったまちづくりを他の地域に広げていこうといった構想や今後の展開をどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) ほかの地域における取り組みにつきましては、例でございますが、
大島伝統的建造物群を利用したまちづくりや根獅子町の農泊を利用したまちづくり、川内町のかまぼこ業者と連携したまちづくりなど、本市にはまだポテンシャルを持った地域が多く点在しておりますので、将来的にはほかの地域に波及できるように努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
◆11番(綾香良浩君) はいありがとうございます。今から取り組んでいくということで、大変期待をしておるんですけれども。 私、矢掛町に行って、観光業に直接関係がない矢掛町の人たちを、ちょっとお話をさせてくださいということでつかえましてお話をしてきました。 その方々に、まずは
アルベルゴ・ディフーゾに認定されていることを知っていますか、この矢掛町がということを聞きました。ほとんどの方ちゅうか、全員がそのことは全くもう知りませんでした。知らないけれども、何だか週末になったら人が多くなってきて、それまでなかった、今までなかった店などここ数年で10店舗以上増えて、まちに活気が出てきて何かうれしいんだよねというふうな言葉もいただきました。 あと、また町民も使用できる入浴施設ができて利用させていただいていると。これ分散型ホテルということですので、入浴施設も別のところにありますので、その入浴施設を一般の方々にも開放しているちゅうことでした。 また、老舗の飲食店の方は、この
アルベルゴ・ディフーゾというよりもそういうふうな矢掛屋さんということができたことにより、相乗効果で売上げが上がって大変伸びていてうれしいというふうな、ほとんどマイナスの意見を聞くことができませんでしたというか、ほとんどありませんでした。 そして、またまちなかを散策してみると、また新たに明らかに空き家であった家屋数軒が改修工事を行っており、新たな店舗の準備が進んでいる光景を見ることもできました。 住民の満足度とは、
アルベルゴ・ディフーゾという称号より何かが変わっていると、まあ肌で感じる、こういうことなのかもしれないなと思って帰ってきました。 どちらかと言いますと、私の感想なんですけども、矢掛町に
アルベルゴ・ディフーゾというものが乗っかったようなイメージがありますが、正直、平戸市はこの
アルベルゴ・ディフーゾにうまく乗っかることにより新たな事業展開が広がるんじゃないかなというふうに思っております。 先ほど答弁にもあったように、川内地区や大島地区、根獅子地区、私はこういったところにも
アルベルゴ・ディフーゾという認証を活用したまちづくりができるのではないかなというふうに考えております。特に、川内地区に関しては既に地域の産業を生かした様々な取り組みがなされております。古民家再生と併せて、そこに拠点となる施設、フロント機能や入浴施設や宿泊施設などがあれば、本市の各地区の観光エリアとしての魅力が増します。 また、平戸市に訪れてみたい目的や場所を1つでも2つでも増やしていくことで、まずは平戸市を選んでもらうための仕掛けを行い、訪れたいまちとしての全体の価値を上げ、本市のシンボルである平戸城やほかの観光施設また旅館やホテルなどの価値もさらにこのことによって増していくのではないかなというふうに思っております。 初めにも言いましたが、確かにコロナの影響により商店街をはじめ観光業は大きな影響を受けています。しかし、コロナの影響はマイナスの面だけではなく、新たな社会環境や生活スタイルが構築されたものとも思っています。コロナ前よりデジタル化が進み、社会生活もリモートワークやオンライン会議が日常になり、場所を選ばない仕事のスタイルも増え、都市部ではないそういった場所も好まれ選ばれるようになってきています。本市の観光メニューや観光資源と組み合わせることで長期滞在を促して、観光だけではなく仕事と観光を満喫できるワーケーションに選ばれる場所になるはずです。 市長がおっしゃる最先端という価値を高めるためにも、長期滞在型の観光やワーケーション、移住・定住したいまちとしての平戸市を発信するために、この
アルベルゴ・ディフーゾタウンを推進し、世界へ発信していただきたいと思っております。
アルベルゴ・ディフーゾタウンに対する市長の思いをお聞かせください。
◎市長(黒田成彦君) これまで我々が推進しておりました観光戦略は、決してこれは間違いでもないし、これからそのベクトルはどんどん推し進めていく、そういう気持ちでございます。 ただ、観光の落とし穴というのは、非日常を求めて旅人は行くわけです。行った先の住民は、それが日常であるため、何が非日常か観光客の気持ちが分かりにくいというギャップがあるわけです。こういったときに、一つの成功事例であるとか、よその取り組みを参考にするのは、大きな、大事な勉強課程であると思います。 今回、九州大学の
地域政策デザインスクール開講に際して求めたのは、第三者の目、若い感性を活用するという意味ですが、何よりも
アルベルゴ・ディフーゾという世界に共通するトレンドを九州の最西端の田舎でやっていくことの価値を私は見出しております。 加えて、今回、これまでやってきたいわゆる景観形成、そして条例制定、さらには古民家協会との連携や空き家バンクの登録、これは、ある意味朽ちていく、あるいは人口が少なくなっていくまちの生き残りだったんだけど、裏返してみれば、それは世界が求める素朴な日本の原風景であって、
アルベルゴ・ディフーゾタウン認証を取ることで、これがスタートになったという劇的な展開だと思います。 加えて私は、今回のこの
アルベルゴ・ディフーゾをやっていく上では、あまり大々的にお金をかけてやるんじゃなくて、小さく生んで、その成功体験を住民が共有して広げていく形、それは要するに先行してきた景観形成の崎方町城下町を中心に、どんどんとそれに似たような農村地域が、これに連動していくことを願っております。 幸い
アルベルゴ・ディフーゾ協会、これは世界に展開している協会で、極東支部が今回日本を受け持っていますが、これと連動しているのが日本ファームステイ協会というのがあります。要するに農村地区をどうやって活性化するかという法人が、これと組んで我々にアプローチをかけているという点から、平戸が今後非日常、都会に住む人たちの非日常を楽しませる観光地として発展する大きな要素を秘めていると思いますので、どうか皆様方の御理解と御協力、この事業に対するいわゆる同じ連携をこれからよろしくお願いしたいと思っております。
◎消防長(本山繁治君) 私も、今朝、この新聞の記事を見ました。一応、その事例をちょっと確認したのですが、市民病院から佐世保のほうの医療機関に搬送されたという事例で、走行した経路については、大越を通って川内から本線に入り搬送をしていると思います。 道路が、というようなイメージで、これの記事になっているのですが、調べたところ、うちの救急車も、かなり走行距離も15万km近く走っていまして、12年を経過した車両で、若干、サスペンション等のへたりもあるのかなというふうに思っております。 道路については、そういったところもしっかり今度は踏まえながら、改善の要望ができるところがあれば、消防のほうからも提案をさせていただきたいと思います。
◆18番(近藤芳人君) ありがとうございます。ぜひ、いろんな目線で、やはり、市民生活の安全、安心を実現できればと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、次に項目2番の平戸大橋近辺の交通渋滞解消についてに移らせていただきます。 平戸大橋近辺の交通渋滞につきましては、以前から、本市も長崎県に対して何度も要望を行っているということは承知しております。そして、ここにきて、田平側に大型スーパーが開業したり、平戸のほうにも量販店が建設されたり、これによるのか交通量も増えたというふうに感じます。 主要地方道平戸田平線、西九州道のためのバイパスの田平工区は、令和5年度に完成予定というふうに聞きます。つまり、平戸大橋の突き当たりの部分が十字路になるわけでございまして、こういうことも含め、車両通行量というのは、もっと増えることになるでしょう。 また、古江の入口から明の川内へのトンネルが、将来的にできるというふうになりますと、かなり先の話ではありますが、平戸市の中心部を通らずに、上大垣から岩の上大橋方面を通る車両が、今以上に増えるということが想定されます。 今すぐにという話ではございませんが、右折、左折が非効率だとか、半感応の問題なども、一部では耳にするところでございます。 この辺り、総合的に踏まえて、担当の建設部長のほうではどのようにお考えか、所見をお聞かせください。
◎建設部長(山下正剛君) お答えします。 まず、現状といたしましては、国道383号の岩の上バイパス交差点から平戸大橋を経由して国道204号と交差する道路は、平戸本島から本土に通じる唯一の道路であり、市民生活や地域経済に欠かせない道路として、重要な役割を担っております。 この区間につきましては、これまでも朝夕の通勤時や週末及び連休のイベント開催時には渋滞が発生しており、近年では、郊外への商業施設の建設により、常に渋滞が恒常化していると認識しております。 これは、国道県道でございますので、道路管理者である県に対しましては、平戸市自治連合協議会等から、平戸大橋から岩の上大橋間における右折、左折の車線の整備についての要望書が提出されており、今年度、県が交通量調査や現地調査を実施していると伺っております。 市といたしましても、事業化に向け、今年度3月に県北振興局長へ要望を提出し、次年度には県知事要望を実施する予定としております。 また、今後は商業施設のオープンや、県道平戸江迎線田平バイパスになりますけど。──の開通が予定されており、この区間の利用状況をよく検証し、交通渋滞の解消を図るため、関係機関と十分協議してまいりたいと思っております。 以上です。
◆18番(近藤芳人君) そうですね。今、部長おっしゃったように、これは県の道路でございますので、県の管轄でございますので、我々がいろいろと催促して、あそこもここもという話ではないと思っております。 ぜひ、順番に従って、確実に進めてもらえればというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、次に4番の度島地区の常備消防についてでございますが、これは、昨日同僚の山内貴史議員の御質問で明快な答弁がございました。ですから、今日はこの場では割愛させていただきます。 市長の御英断、本当にすばらしいと思います。また消防本部におかれましては、何かといろいろ、今、問題のある中で、こういったことも実現するという、人員配置等で難しい部分も、多分出てくるとは思いますが、ここは、ぜひ腕の見せ所というところで、汚名返上、名誉を回復できるように、しっかり頑張っていただきたいというふうに思いますし、心から応援したいというふうに思っております。ぜひ、頑張ってください。 それでは、4番は以上で終わりにさせていただいて、次に、5番の離島の買物支援、運賃支援について、これに入らせていただきます。 これも、度島、大島のまち協を訪問したときに聞いた話として、やはり、どうしてもフェリーの運賃、それに伴う時間、この辺りがあるものですから、何かと割高になる。これは、もう当然、皆さん分かっている話でございます。 それによって、まち協それぞれがいろいろと知恵を絞って、その交付金の一部を運賃の補助という形で事業に充てている、そういった涙ぐましい状況も聞いております。 じゃあ、現在それでいいのかどうか、十分なのかどうか、そういったことを図るためにも、平戸市が行っている運賃の支援制度として何があるのか、また、その原資はどのようになっているのか、課題はどうなのか、ここをまとめて説明をお願いいたします。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) すいません。私のほうからは、移動販売関係の状況を説明させてもらってよろしいでしょうか。失礼しました。じゃあ、お答えいたします。 大島地区、度島地区での小売店及び移動販売車の現状でございますけれども、まず大島地区においては、約10店舗の食料品と小売店が営業されており、移動販売車につきましては、週に曜日を決めて2業者が移動販売をしているほか、コンビニエンスストア事業者が令和4年7月から、これまで3回移動販売を行ったと伺っております。 次に、度島地区でございますけれども、2店舗の食料品と小売店が営業をいたしております。移動販売車につきましては、度島地区
まちづくり運営協議会の月イチマーケット事業日に併せて、毎月第3金曜日に、令和4年10月からこれまで3回、コンビニエンスストア事業者が島内にて移動販売をしており、島民の皆さんからは、普段買えない商品を買えることから、大変好評だと伺っているところでございます。 以上でございます。
◎総務部長(桝田俊介君) お答えいたします。 離島における
まちづくり運営協議会の取り組みでございますけれども、まず度島地区
まちづくり運営協議会では、平成28年度から度島ふれあいモデルシステムとして、買物支援委託事業を行っております。 これは、タブレットやスマートフォンを活用し、島内の商店に島外のスーパーへ買い出しに行ってもらい、購入者へ配達していただくものでございます。 まちづくり協議会は、島内商店へ買物代行委託料、荷物のフェリー運賃負担、ふれあいモデルシステムの保守料を負担しております。 そのほか、月イチマーケット開催事業として、まち協が月に1回、島内外の業者や出店を呼びかけ、度島交流会館で販売会を開いております。 また、スポーツ支援といたしましても、小学校2クラブにスポーツ団体遠征費などの活動支援を補助しております。 そのほか、まちづくり交付金の支援以外でも、農業や家庭菜園を行っている人に対し、まちづくり協議会の役員が代わって、島外の量販店で肥料を共同購入し、各家庭に届ける事業に対する補助に、再生可能エネルギー活用離島活性化基金が使われておるところでございます。 次に、大島村
まちづくり運営協議会では、買物支援事業として、地元の移動販売業2者に対し、燃料費の助成を行っているところでございます。 以上でございます。
◆18番(近藤芳人君) 一部再生可能エネルギー活用離島活性化基金を使っているという話、それから、まち協が、自らの交付金から手出ししているという話、両方あったと思います。 じゃあ、その再生可能エネルギー活用離島活性化基金につきましては、今後、基金の積み増しが非常に厳しい状況になっております。そうなった場合、これが枯渇した場合、現在の支援は打切りになるのか、それとも離島のハンデ解消というのは、別の手立てを継続的にやっていくというふうに期待していいのか、その辺りの解釈はどのようにお考えでしょうか。
◎財務部長(平松貫治君) 現在、再生可能エネルギー活用離島活性化基金を充当している事業は、交通におけるハンディキャップをはじめとする、離島があるがゆえに生じる本土地域との格差を是正するための施策として、基金の有無に関わらず、市が行うべき事業であると認識しておりまして、今後も、財源手当に留意しながら継続していきたいと考えているところでございます。 以上です。
◆18番(近藤芳人君) ありがとうございました。12月の定例会の一般質問の折に、同僚議員から類似の質問がありまして、その時点では、12月中に各離島地域において意見聴取を行い、今後の離島振興につながる施策の充実を図るとこういった答弁でとどまっておりましたが、今の答弁だと、もう一歩踏み込んだ形だというふうに理解いたしました。 ぜひ、今後とも安心できるような状況を継続できればというふうに思います。また同時に、もう一つのまち協の交付金のほうですけれども、やはり離島加算というのがありますが、この離島加算の額が十分なのか適正なのか、その辺りの考え方は、ちょっと難しいかと思いますが、私は、もう少し離島加算を増やしてもいいんじゃないか、今の使われ方からすると、その辺の御議論も、ぜひしてもらいたいと思っているんですが、3年間はという話もありました。3年後には、そういった見直しもあり得るのかどうか、その辺りの、少し先読みを一言だけお願いできないでしょうか。
◎総務部長(桝田俊介君) 昨日も答弁したところでございますけれども、まちづくり交付金の基礎は、主に人口でございます。人口1人当たり1,500円ということで、出しておるところでございます。 離島につきましては、そういった離島ならではのそういった部分があるということで、1人1,000円ということで、人口1人当たり1,000円ということを加算しているところでございます。 これは、特別離島であるということから加算しているところでございます。 度島、大島でございますが、度島なんかも、結構事業を行っておられて、結構交付金が、だんだん少なくなっていくというところに、危惧されているというところもあろうかと思います。 3年後に、その離島加算について検討というか、改正できるかどうかについては、言及はできませんけれども、3年後に、また内容を踏まえながら検討していくということになろうかと思っているところでございます。 以上でございます。
◆18番(近藤芳人君) 今の段階でそれができるというのは言えないとは思いますが、多くの島の人たちが心配していますし、それを聞いている議員もたくさんおるという状況だけはお伝えしておきます。どうぞ御検討方よろしくお願いいたします。 それでは次に6番のまち協の今後の運営についてでございます。これはタイトルが非常に大きいんですが、提案するというか、言う内容は非常にちっぽけな話でございまして、これは年度末に交付金の残金をどう清算するかという、そういった話に尽きるわけです。複数のまち協から話を聞きますのが、3月末で一旦年度が終わりますので、その時点で交付金の残金を返さなきゃいけない。ところが、そうすると4月以降の運営の資金がショートしてしまうので、そこが非常に悩ましい。多少残しておいてもいいよというふうな、曖昧な運用の在り方は指示されているんだけど、それが非常に難しくて、頭を悩ませますというふうなことを聞いておりました。 次年度からは交付金の交付のタイミングを少し早めるというふうな話も聞いておりますが、できれば一層算出の式をつくって、返還しなくていい額っていうのを明確に計算できるようにするか、まち協に運営資金として留保金を持たせるような制度にするか、または収益活動ができるまち協であればNPO格を例えば持って、そういったところであればそれに生かせる資金を自由に生かせますので、そういうやり方をするか。私が思うにはその3種類ぐらいしかないと思うんですけども、何らか上手な運用の仕方はないでしょうか。
◎総務部長(桝田俊介君) まちづくり交付金につきましては、平戸市コミュニティ推進モデル地域交付金交付要綱に基づき、地域の創意工夫を生かした取り組みを支援し、これからのコミュニティの在り方を検証することを目的に交付しております。市といたしましても地域が主体となって行う活動を後押しするもので、できる限り柔軟に対応したいと考えております。これまでまちづくり交付金は各まち協からの申請に基づき交付事務を行っていますが、総会の時期などが異なることから、支払いが5月中になることもあり、実質繰越金がないと組織の運営自体が難しい状況もございます。 この状況に対応するため、令和5年度から交付金の一部を前金払いとして4月上旬を目処に支出するようにしているところでございます。交付金は交付要綱の目的と使途に寄与する活動に対して交付しており、交付した年度内で有効に活用していただくことが前提でございます。ただし、年度末に残額が生じた場合は次年度に繰り越すこととなり、その返還は求めないこととしておるところでございます。 以上でございます。
◆18番(近藤芳人君) 分かりました。そのような運用にしていただければ、まち協側も悩むことなく、意図的に変にお金を余らすということをしなければ、十分健全な仕組みになろうかというふうに思います。分かりました。 それではあと7、8、9が残っているんですが、ちょっと時間の配分が非常に難しくて、7番については割愛させてください。建設部のほうにおかれましては答弁準備していただきましたが、申し訳ないです。今回これ取消しにさせていただきます。 それでは8番の移住・定住政策についてでございます。これも長崎県に行って、移住サポートセンターのほうから説明を受けました。長崎県においては、転入者の年齢割合でいうと40代までの若い人たちが8割なんです。50代以上の年齢の高い人は2割しかいない。私これ意外に思ったんですが、定年後に来るのかなと思ってたら、非常に若い人の方が多いということでした。 また近年の転入はⅠターンに比べてUターンがじわじわ割合を伸ばして、5割を超えていると、こういった状況でございました。本市においても同じような傾向なのか、それとも本市はまた違う動きなのか、その辺りの傾向を簡単に教えていただけますでしょうか。
◎財務部長(平松貫治君) 平戸市における移住者の傾向でありますが、まず移住者の年齢階層別割合で申し上げますと、令和3年度では40代以下が県全体で、議員おっしゃるように81%で、本市も73%と比較的若い世代の割合が多い状況となっております。また近年の移住者に占めるUIターン者の割合で申し上げますと、本市の令和3年度はⅠターン者数の割合が高くなりましたが、それ以前は県と同様にUターン者数の割合が高い傾向となっているところでございます。 以上です。
◆18番(近藤芳人君) ありがとうございました。やはり若い方が多いということですね。私自分の偏見で退職された方が多いんだろうと思っていたのが、実は違ったというのが目からうろこでございました。そうなりますと、前から私も述べておるのですが、住宅補助については比較的手厚くやっているのですが、本市は。就職や就業、独立への支援というのが、移住・定住の中では非常に手薄な感じがしています。 今朝ほどの話もありましたが、例えば漁業者の就職フェアとか、そういう業態ごとの就職支援というのはそれぞれ頑張ってやってはおられるのですが、いざ移住・定住政策という意味で、その柱として就業支援というのが少し手薄な感じに見えてしまいます。 先日、基本構想、基本計画が出てきましたが、その中の質疑でも私は申し上げたのですが、県とか西九州広域連合、こういったところに就業の支援を頼るだけでなくて、本市ならではの支援が望ましく、担当者の熱意が伝わるということをぜひやってもらいたいし、住まいよりも就業、食い扶持のほうが厚いのかなというふうな気がするのです。その辺り、担当の部長としてはどのようにお考えでしょうか。
◎財務部長(平松貫治君) 現在本市においては、議員がおっしゃられました住環境整備に対する支援制度のほかに、就業につきましても企業情報の提供や創業支援制度を設けているところでありまして、このような取り組みを総合的に推進していくことが移住政策において、今後につながる重要な点であるというふうに考えているところでございます。 以上です。
◆18番(近藤芳人君) 言葉にするとそうなると思うんです。そこの部分がもう少し前面に出てくるようなアピールを、ぜひしてもらいたいという思いです。やはり基本構想、基本計画の中でもそこの文言が抜けてましたので、こういったことなしに若い人の就業というか移住・定住はあり得ませんので、ぜひそこは御一考いただければと思います。 それと同時に、賃貸物件の充実と賃貸入居時の補助というのもぜひ考えていただけないかというふうに思います。過去に私が提案をしたことがあります。住宅についての補助というのが、本市においては物件を購入する際の補助というのが非常に手厚いものがございますが、賃貸についてはそれがないわけです。やはり若い方中心にどこかから転居してくるということは、やはり収入に非常に不安な状態で来られるわけですから、家を買うぐらいの結構な資産を持った状態でドーンと入ってくる方というのはどっちかというと稀なほうで、恵まれている方でして、そうじゃない賃貸でとにかく住まいながら、どうやって定着しようかと必死になっている方も少なからずおられるというふうに推測します。 そういった方向けの支援というのがどうしてもないわけでございまして、そこを実現できないか。特にそうなると、いわゆる会社の転勤として平戸市に来る方、そういった方にも家賃補助というのが適用されてしまうというのが悩みの一つだというふうに以前聞いたことがあります。そのとき私が申し上げたのは健康保険ですとか、共済じゃない、国民健康保険に入っておられる方という限定にすれば、かなり厳格に絞り込みができるんじゃないか。真っさらの状態でIターンした方、Uターンした方に絞り込めるんじゃないか、そういったことも申し上げました。 そういったやり方はいかがなのか、その後、検討がされたのか。また最近では、大阪府松原市が賃貸住宅への入居について補助をするという制度もあるというふうに新聞記事で読みました。その辺りも含めて、今後若い人向けの賃貸住宅への入居時の補助、どのようにお考えか、その点をお聞かせください。
◎財務部長(平松貫治君) まず議員から、ただいま御紹介がございました大阪府松原市の制度でございますが、人口減少に対する施策として地理的に大阪市とか、地理的に大都市への利便性が高い優位性を生かしまして、市内に転入する新入学生や新社会人を対象とした家賃補助の制度を設けていると思われます。 平戸市におきましては、過去に議員の御提案もございまして、結婚後夫婦に対する賃貸物件の補助はございますけれども、様々な補助制度について議員から御提案をいただいているところでございますが、特に若い世代においては資金的な状況も踏まえ、まずは家屋を調達する上で、アパートなど賃貸住宅に住むことから始めると想定されることから、本市における制度創設も含めまして、効果的な施策について引き続き幅広く検討をしていきたいと考えているところでございます。 以上です。
◆18番(近藤芳人君) ありがとうございます。ぜひ検討をお願いいたします。 時間がほとんどなくなってしまいました。ふるさと納税について。ここにつきましては、平戸市の委託先であります株式会社スチームシップのCEOであります藤山雷太さん、この方と熱く話をさせていただきまして、非常にいいところに受託したなと、委託されたなというふうに感心したところでございます。ぜひこの企業が行っているプラン・ドゥー・シーの部分を科学的にしっかりやっておられる。 コンピューターを使って数値をしっかり出した上でやっておられるというのが、やはり最大の部分だと思いますし、扱っている、対応している自治体全てが毎年寄附額が増えているという、本当に信じられないような成果を出されております。平戸市もぜひそこに合わせてやっていっていただきたいというのが、研修に参加したうちの会派の全員の総意でございました。 時間もあまりございませんので、最後市長に答弁していただく時間も作りたいので今までの私から質問した雑多な内容ではございましたが、この中で何か取り立てて市長のほうで何かございましたら、よろしくお願いいたします。
◎市長(黒田成彦君) 近藤議員におかれましては、会派研修という枠組みの中で幅広い立場、そして現場に赴きながら、今貴重な御提言を幾つもいただいたところであります。いずれにしましても人口減少とか、ある意味へき地や離島に住む者の立場に立って、どのように行政を推進し運営していくかというそういうテーマでございますので、これからもそのような先進事例であるとか、あるいは民間のアイデアであるとか、幅広く我々も受け付けながら、柔軟に対応し、連携を深めてまいりたいと思っております。機会あるごとに我々が気づきにくいところ、あるいは思いが届かないところについても、引き続き御提言、御指導賜ればありがたいと思っております。
◆18番(近藤芳人君) ありがとうございます。 以上で、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。
○副議長(神田全記君) 以上で、近藤芳人議員の一般質問を終了いたします。 10分間休憩いたします。 休憩 午後2時29分 再開 午後2時40分
○議長(山田能新君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 次は、13番、辻賢治議員。
◆13番(辻賢治君) 登壇 皆さん、こんにちは。政和会の辻賢治です。さきに登壇した議員も既に申し上げておりましたけども、私からもこの3月をもって退職される職員の皆様に一言御挨拶を申し上げたいと思います。長い間、お疲れさまでございました。これからは、それぞれの立場で、長年培ってきた知識と経験をもって、市政発展に御尽力いただきますよう、お願い申し上げます。本当にお疲れさまでした。 それでは、質問に移ります。 今回大きく2点、質問をいたします。 まず1点目は、観光行政、平戸城千本桜整備事業についてであります。 私は、令和元年6月議会において、城泊のための懐柔櫓整備事業、平戸城大規模改修事業に合わせ、平戸城と都市公園でもある亀岡公園が一体となった、いわゆる亀岡の杜に桜の植栽をし、亀岡の杜千本桜を目指しましょうと提案をいたしました。幸い、市長の理解も得、同じく令和元年度から事業がスタートいたしました。 その足がかりとして、日本さくらの会より苗木300本を寄贈していただくことになり、年100本ずつ3年で植栽をされました。その後、亀岡公園の植栽が始まると思っておりましたが、令和3年度で事業終了となり、何か釈然としないというか、消化不良の状態が今日まで続きました。このまま、千本桜を目指すことを諦めてはいけないという強い思いから、今回の質問となりました。 そこで、①令和元年度から3か年での事業終了について伺います。②の今後の整備事業計画については、再質問にて行います。 大きな2点目、消防行政、消防本署におけるパワーハラスメント事案について、①ハラスメント事案発覚までの経緯を時系列で説明を求めます。②平成27年からハラスメントがあったと公表されている。その間、解決できなかった要因を問う。③今後の再発防止策は、策定中であるのか、現在、策定中なのかについては再質問にて質問席で行います。 以上、壇上での質問を終わります。議長のお取り計らい、よろしくお願いいたします。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 辻議員の御質問にお答えいたします。 平戸城の桜の植栽につきましては、平戸観光のシンボルである平戸城のリニューアルの一連の取組として、令和元年度から平戸城宿泊施設整備事業と平戸城大規模改修事業、令和3年度には平戸城千本桜整備事業にて3年間実施したところであります。 なお、植栽に係る桜の若木については、日本さくらの会より令和元年度から3年度まで各年度100本ずつ御寄贈をいただき、計300本の桜を平戸城本丸から各櫓周辺に植栽を行ったところです。 なぜ300本で事業を終了したのかにつきましては、平戸城内において伐採等を行わず、桜の植栽をできる場所が確保できなかったことが主な理由であります。 私からは以上です。
◆13番(辻賢治君) 3か年で終了した経過というか経緯は承知をいたしました。前回の私の提案内容というのは、平戸城の大規模改修事業等に合わせ、亀岡の杜としてこの平戸城、亀岡公園を一体とした桜の名所にしていただきたいとお願いした経緯もあることから、当然、継続して桜の植栽をしていただけるものと考えておりましたが、双方に多少の認識のずれがあったのかと思います。 それでは、再質問に入らせていただきます。 平戸城だけでは場所的に本数が限られるだろうということは、当然元年度の質問の折には、私は想定をしておりました。都市公園でもある亀岡公園を含めた亀岡の杜という表現をしたというのが、そのときの状況でしたね、前回、提案した内容です。 今言いましたように、平戸城に限定したから植栽の場所がなくなり終了という形になったのかなというふうに思っております。その間、植栽した苗木は、私たちが仲介して日本さくらの会から寄贈していただいた苗木300本だけですよね。市単独で多分、苗木の購入というのは一本もなかったと思います。 私は、そのときのその元年度を思い出すと、お互いに理解し合えたものとちょっと認識のずれがあったんですけども、市として千本桜を目指すという積極性は、私には全く感じられないのですが、部長、どう思われますか。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) 御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、今回の植栽におきましては寄贈された桜のみで整備を行ったところでございます。市が自ら購入し、植栽がなされていないというのは、先ほど市長申しましたように、平戸場内に伐採せずに植栽できる場所がなかったことが理由でございまして、寄贈された桜のみで植栽を行ったものでございます。 以上でございます。
◆13番(辻賢治君) 早い話、伐採すれば植栽の場所はあったということですよね。伐採をすればね。伐採をする場所がなかったっておっしゃっておりましたけども、伐採できる場所は、私はあったと思うけど、まあいいでしょう。 いずれにしても、積極性というのは、私自身は余り感じられませんでした。ただ、終了した事業について、これ以上、何だかんだ言っても前には進みませんから、次の質問に移ります。 ②の今後の整備計画についてであります。 私としては、今後も亀岡の杜千本桜整備事業を新たに計画をしてほしいとは願っています。令和元年度当初予算に平戸城観光魅力化創出事業として、事業費200万円、内容50本、城内に植栽する予定となっているが、これは単年度事業なのでしょうか。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) お答えいたします。 平戸城観光魅力化創出事業につきましては、令和5年度の単年度事業でございます。今回の事業につきましては、平戸城周辺整備の一つとして桜の植栽を行うこととしており、平戸城内の一部を伐採し、新たに植栽場所を確保して、桜の名所を目指し、整備を行うものでございます。 以上でございます。
◆13番(辻賢治君) 単年度事業ということですね。さっきちょっと聞き忘れましたけど、これは市の単独事業ですね、市の単独事業ですね、分かりました。 これについては、今部長答弁したように、平戸城限定ということであるものの積極性は感じています。なぜなら伐採して植栽の場所を確保すると言ったからです。今のことについては、積極性は感じております。ただ、残念なのは単年度事業だということですね。 これで多分、城内の植栽事業は終了となると思われますけども、私が目指す桜の名所、亀岡の杜は、平戸城と亀岡公園が一体となった名所となるということであります。本数に決してこだわっているわけではありません。 前回の一般質問においても、千本桜とは言わないけども、それぐらいの気持ちで目指しましょうというふうに言ったと思うんですけどね。亀岡公園は観光課じゃなくて都市公園であるということですので、所管が建設部になりますんで、建設部長にちょっとお伺いしますけども、仮に亀岡公園内に桜の植栽を行うとして、その場所の確保というのは可能なんでしょうか。
◎建設部長(山下正剛君) お答えします。 議員御承知のとおり、平戸城の周辺整備に合わせて、「やらんば!平戸」応援基金を活用し、樹木の伐採や剪定を計画的に実施しているところでございます。なので、そのスペースは、あと園路沿いの空いたスペースに植栽することは可能ではないかと考えております。
◆13番(辻賢治君) 植栽は可能という今の部長の答弁でありました。ぜひ平戸城と亀岡公園一帯を亀岡の杜として、桜の名所としてしていただきたい。桜満開時の亀岡の杜というのは、間違いなく観光のキラーコンテンツになると信じております。城泊あり桜ありというふうになれば、特にインバウンド向けの好材料となるはずです。亀岡の杜千本桜整備事業として令和6年度に向けて計画を検討するお考えはないか部長にお尋ねします。
◎
文化観光商工部長(度嶋悟君) お答えいたします。 令和6年度以降の整備につきましては、平戸城及び亀岡公園の桜は、平戸古来の桜である二度咲き桜をはじめ、ソメイヨシノ、オオシマザクラを楽しめる本市の代表する桜の名所として多くの市民に親しまれているとともに、外国人を含む観光客に大変人気である本市の貴重な観光資源の一つであると考えております。 亀岡の杜が桜の名所となるよう、令和6年度以降の整備につきましても、植栽場所の確保や土地所有者の許可等の課題解決に向け、亀岡公園の所管課とも連携を図りながら、前向きに検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆13番(辻賢治君) 亀岡の杜が桜の名所となるよう、ただいまの部長答弁では前向きに検討するということだったと思います。もちろん、これは誰しも分かるように、すぐに桜の名所になるというわけではないと思うんですね。やっぱりそこには何年かかかるし、私が一番言いたいのは、少しずつでもいいから継続してこの事業展開をしてほしいなということなんですよ。一気にということではなくして、継続してやるということを特にここは強くお願いを申し上げておきます。 数年後には訪れた人に特に感動を与えるような、そんな名所になるということもイメージをしておりますので、次の質問で申し上げますけれども、市長のお考え、前回はイメージをある程度、共有できたかなというふうには思っていたんですけど、また今回は新たに再提案という形での提案になりましたので、市長のお考えをぜひ伺いたいと思います。
◎市長(黒田成彦君) 桜の花は春の訪れとともにそこに住む人々、あるいは観光客の気持ちを温かく、柔らかく包み込む日本を代表する樹木であると思っております。実際、亀岡公園の桜につきましては、地元のローカルニュースでも開花状況というニュース、天気予報で紹介されるときに6か所ぐらい選定されて、そのうち亀岡公園も指定されております。 したがいまして、そういう過去の経過や亀岡公園というネームバリュー、
観光コンテンツとしても非常に魅力ある事業でもあると思いますので、千本桜という名前がもたらすイメージも大事でございますから、今300本新しく植えて、前の老木を伐採して、合計500本をちょっと超えたぐらいでございますが、県内でずっとランキング調べますと、本数からいけば6番目ぐらいなんですね。ですから、大村公園の2,000本を筆頭にいくつもありますけども、西海橋が1,000本ですか、これより負けないように、いわゆる桜が咲くと平戸に行こうと言われるような名所になる目標も立てなければならないと思っています。 一方で、全国で「さくら名所100選」というのがありまして、北海道からずっとあるんですけど、そこには、例えば会津若松の鶴ヶ城公園とか小田原市の城址公園、大阪城公園、姫路城とかお城とタイアップされた桜の名所がございます。やはり、この本数のみで、いわゆるスポットとするよりもむしろお城の城郭のシルエットとか石垣と併せて桜の魅力というものを演出することも、平戸ならではできることだと思いますので、そういった意味におきましても、桜の名所として継続的にこれを持続発展することは、議員御提案のとおり有意義なことと思っております。 ちなみに、長崎県は大村しかこれは指定されておりませんので、2番目の指定を受けるように努力していくことも大事かなと、こういったプロジェクトの財源につきましては、先ほど、「やらんば!平戸」応援基金もございますが、クラウドファンディングなど使いまして、多くの平戸ファンの方からの寄附も求めながら、要するに問題は場所だと思うんですね。それがいたずらにお城の石垣のそれを根が張って崩すものでないよう、あるいはいろいろ環境整備とか、今ある木の状況などと合わせながら、調和のとれた桜の杜になるよう、担当課や地権者と協議をして進めていきたいと思っているところでございます。
◆13番(辻賢治君) 市長からさらに踏み込んだ前向きな御答弁をいただいたということに、まずはほっとしております。さっきも申し上げましたけど、令和元年度の6月だったと思うんですけど、一般質問をした折の事業に対する思いとかイメージというのは、まだ共有できていたんだなと改めて感じております。 さっきも言ったとおり、継続してやるということが大事だろうし、決して目指すのはさくら100選だろうと思うんですけども、そこに行かないまでも県内では屈指の、大村に続き亀岡の杜、あるいは平戸城と言えるような、そんな名所をぜひ目指していただきたいというふうに思っております。 民間が調べたこの平戸の亀岡の桜というのは、多分900本で発表されていると思うんですけども、かなり前のやつで、今調査すれば多分分かると思うんですが、かなり減っていますよ。もちろん伐採したのもありますけど、老木で朽ち果てたのもかなりの数あるし、そこら辺はもう一度、お互いに頑張って名所を目指しましょうということを伝えて、次の質問に移りたいと思います。 次に、大きな2点目、消防本署におけるパワーハラスメント事案についてであります。ハラスメント事案発覚までの経緯を時系列で説明を求めます。
◎消防長(本山繁治君) 辻議員の御質問にお答えいたします。 今回の事案につきましては、平成27年から令和4年にかけて、指導の範囲を超え、長期にわたり複数の職員に対し、一係長の暴言等のハラスメントがあり、昨年10月に幹部職員及び人事課へ相談があり発覚したものでございます。
◆13番(辻賢治君) この時系列の説明をあえて求めたのは、議会と市民に向け、消防長よりきちんと説明をしてほしかったということで、時系列の説明を求めました。 マスコミには1月20日に公表をされ、その後、議会議員に対しては、マスコミに公表した内容を1枚物のペーパーでいただきました。こちらですね。 議会と行政の二元代表制ということであるならば、期を見て、議会に説明をしてほしかった、そこはちょっと残念に思っております。 それでは、不十分というのもハラスメントを受けた彼らや残る職員に向け、この事案について議論をすることで、何かしらメッセージが送れるんじゃないかという思いの中で、今回の質問をすることといたしました。 昨日、同様の質問を同僚議員がしました。明日も同様の質問が同僚議員からあります。それぞれに思いは一緒だと思います、今申し上げた私の思いと。多分一緒だろうと思います。そのことをきちんと踏まえた上で御答弁をいただきたいと思います。 内容については承知をいたしました。既に処分等もなされ、表面上の決着は一応はついているようですが、今回のハラスメント事案で直接的、または間接的に起因して退職する者は数名いると聞いているが、それは事実かと聞こうと思っておりましたが、昨日の質問において消防長が今般4名退職ということを言っておりましたので、それが事実ということは分かりました。 その内容を教えてもらいますかね。
◎消防長(本山繁治君) お答えいたします。 現在、4名の職員から退職願が提出をされておりますが、このうち2名が今回のハラスメントに直接起因する者でありますが、ほかの2名につきましては、はっきりと分からない部分もございますが、ハラスメントに対する私たち管理職の対応などへの不満などもあるように感じております。
◆13番(辻賢治君) 私が直接的、間接的起因という表現をしたのは、あるもう元職員になりますけども、方にお会いしたときに、数年前にあることに大体は端を発していたんですけども、その後、数年間、同僚のハラスメントをそばで見ていて、何も改善されない、このまま職場の環境って全く変わらないんじゃないかということで、合わせ技ということはないですけど、前回の件と併せてもう退職するしかないんじゃないかということで決められたというお話を聞いておりましたので、直接的には2名、ただ間接的という表現をしたのは、そういう方がいるよということでの意味での間接的ですから、そこは御理解してくださいね。 そのときに聞いた話なんですけど、退職する方全員が30代ということもお聞きしました。30代といえば、いわば中堅どころ、後進の指導教育も担ってもらう年代でもあります。これからの消防を特にリードしていく立場の年代でもあるということです。また、同時に様々な資格の取得をしていたのも間違いないことであります。 退職の理由というのはここにあるわけですけれども、ハラスメントに起因してやめていくというのは、とても残念に思います。私は、平戸市の貴重な人的財産を失ったというような気持ちでおりますが、消防長はどう思われますか。
◎消防長(本山繁治君) 議員がおっしゃるとおり、平戸市にとっても大切な財産であり、これから平戸消防を担うべき職員でもありましたので、消防にとっても非常に大きな痛手でございます。また同様に組織を預かるものとして、本人はもちろん、その御家族、そしてまた、消防職員は一般職と違い、これまで寝食をともにしてきた同僚であります。そうした同僚が職を離れることは非常に私にとっても痛恨の極みです。また、市民の皆様には不安を与え、信頼を失う事態となり、本当に申し訳なく思っております。
◆13番(辻賢治君) ちょっと聞きづらくなったかな。財産と言える職員を失ったということは、痛恨の極みであるというようなことをおっしゃったと思います。これは、退職者本人ももちろんですけど、私御家族にもお会いしましたけども、家族も巻き込んでいるということなんですよ、本人だけじゃなくして、退職にいたるまで、やっぱりかなり苦しんだんだろうなということを、そのときに思いまして、ちょっと胸が痛かったですね。私もなぜかしら申し訳ないという言葉をちゃんと添えて話は終わりましたけども。 消防長、今感極まりかけた部分もありましたけれども、組織の長として大変な立場にあるということは、当然私も理解しております。特に今回の件ではいろんな面で精神的にも大変なんだろうなということは理解はしておりますが、平成27年からのハラスメントについては、上司に相談していたということです。その間、なぜ解決できなかったのかの要因を問うと、実は予定をしていたんですけども、昨日同僚議員が同様の質問をしております。答弁は当然、同様の答弁になるかと思いますので、答弁後からの質問をさせていただきたいというふうに思います。 昨日の答弁では、一定の厳しい口調に対しても指導の一環として捉えてきた部分があり、ハラスメントとしての認識不足によるものと考えるということをおっしゃっておりましたが、認識不足はもちろんですが、相談体制、防止対策はしっかりできていなかったというのが、全ての要因だと私は思っております。 その相談体制、防止対策というのは、どのようになっていたのか伺います。
◎消防長(本山繁治君) 相談体制につきましては、平戸市職場におけるハラスメント防止に関する規定第6条により、ハラスメントと思われる被害者にあったとき、または被害を見かけたときは、所属長、または総務部人事課を窓口として苦情の申し出及び相談を行うものとなっております。
◆13番(辻賢治君) この規定ですもんね、私も手元においておりますが、私は、昨年の夏ごろ、一度、一読して、今回で2度目、今回は熟読をさせていただきましたけども、これは目的定義から始まって、今消防長がおっしゃった苦情相談第6条、復唱になりますけども、ちょっと申し上げますね。ハラスメントと思われる被害にあったとき、または被害を見かけたときは、所属長、または総務部人事課を窓口として苦情の申出及び相談を行うものとする。2、苦情相談を受けた所属長または総務部人事課担当者は、当該問題を迅速かつ適切に解決するため、苦情相談に係る問題の事実関係の調査を行い、当該苦情相談に係る当事者に対し、指導、助言等を行うものとするというふうにあります。 当事者にすれば、相談窓口が2か所あるということ、相談された側は事実関係の調査を迅速に行い、適切な指導助言を行うとあります。事案発覚前には所属長のみで、人事課窓口への相談は全くあってないということであります。 消防署全職員に対して、人事課窓口でも相談を行えると周知されていたのか、また、この規定があることは認識されていたのでしょうか。
◎消防長(本山繁治君) 相談窓口につきましては、議員おっしゃるとおりでございます。このことにつきましては、職員がどこまで把握していたかは自分に分かりませんけれども、ハラスメントに関する研修を十分にしていなかった部分もございますし、周知が十分でなく、相談窓口が所属部以外に総務部人事課にあることを伝えられなかった部分はあったのではないかと思っております。
◆13番(辻賢治君) 周知は十分でなかったということですね。 先ほども申し上げましたけども、相談体制がしっかりしていれば、ここまで大きな問題になる前に解決できたんじゃないかというふうには思っておりますが、消防長の先ほどの答弁で、相談体制は市の規定に準じてというようなことをおっしゃっておりましたけど、市の規定に全く準じていません。全く機能もしていなかった。結果論ではあるものの、上司に相談して、何も改善されないと感じれば、時間がたつにつれ、当然、不信感というのは増していったと思うんです。それが、結局退職へとつながったんじゃないかというふうに、私個人的には思っております。 今後、このような問題が起こらないようにするためにも、相談体制の抜本的な見直しというのが大変重要になってきます。 所属長に相談してもなかなか改善されないとなれば、人事課にも窓口があるんだということ、また、対応については、管理職を含む全職員に機会を設けて周知するという必要はあったかと思うんです。特に管理職は、この規定の第3条に、所属長の責務というところがありますから、ここはぜひ、熟読をさせていただきたいと思います。 また、市の例規は、当然、皆さん御存じのとおり、市のホームページでいつでも閲覧できるようになっているということも含めて、特に新人が入庁した折、そのことを何かの機会を捉えて周知してもらえればということをお願いしておきます。 1つ、ちょっと私が危惧をしていることがありまして、消防の職場っていうのは、当然、階級社会で、下命することが多いと思うんです。今回の案件で、今後の指揮命令系統に影響が出ないのかというのを、ちょっと私は心配をしておりますが、いかがでしょうか。
◎消防長(本山繁治君) 消防職員は、災害の現場では危険な場面や被災者の生死にかかわる場面にも直面をいたします。また、現場活動において、指揮命令系統が明確でなければ仲間の命にもかかわることから、現場指揮系統において影響があってはなりません。 今後においても、これまで同様に気を緩めることなく堅持して行かなければならないものと考えております。一方、こういう事態になり、職員間のコミュニケーションの場をしっかりと設けて、職員間の信頼関係をまずは再構築し、組織体制の強化に努めてまいりたいと思っております。
◆13番(辻賢治君) これまで同様に気を緩めることなく堅持していくということでありましたが、それと同時に、組織の体制強化に努めるということでありました。その言葉を聞いて、正直、ちょっと安心をいたしました。やっぱり今回のハラスメントの事案で指揮命令系統にゆるみがいったのは、どこか気を使い、遠慮してという部分が出てくるんじゃないか、影響が出てくるんじゃないかとちょっと心配もしておりました。ただ、この指揮命令系統を消防長もおっしゃったように、緩めたらやっぱり事故につながるし、しいて言えば、市民の安全安心にも影響がでかねないということが根底にありますから、今の言葉を聞いて安心をいたしました。 それでは、次の質問に移ります。 ハラスメントに限らず、職場環境や人権問題など、相談体制はあるものの機能をしなかったことは今後の教訓としてしっかり受けとめてもらいたいと思います。今回の事案を受け、相談体制の強化や管理職の意識改革を含めた再発防止策というのは策定済みであるのか、また、現在、策定中なのか、お尋ねします。
◎消防長(本山繁治君) この事案が発覚してから、これまで再発防止に向けて、まずは外部講師による研修、それから、ハラスメント防止宣言の発出やパワーハラスメントの防止に関する指針などを策定し、また、職員へのアンケート調査を実施し、実態の把握に努めております。 現在は、ハラスメント防止等に関する撲滅推進会議の設置要綱を人事課と協議をしながら策定を進めており、ハラスメント防止に向けた取組を実施できる体制をまずは構築するとともに、定期的なアンケートを実施し、職員の意見や思いを把握した上で、今回の教訓を生かして改善に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
◆13番(辻賢治君) 改善に向け、全力で取り組むということであります。また、組織体制強化、再発防止というのを、特に強くお願いをいたします。 しっかりとした要綱策定、机上論ではなく実行できる体制づくりというのを、ぜひしていただきたいと思います。それに伴うふさわしい人材の確保も必要になってくるんじゃなかろうかと思っております。 既にアンケート調査も実施されたということでありました。そのアンケート調査の結果を十分にくみ取って今後に生かしていただきたいと思います。 ここで行政経験豊富な副市長、ぜひ、これから作るであろう策定協議にかかわっていただきたいと思います。併せて、ただいまの私の一連の質問に対して、総括して何かコメントがあればいただきたいと思います。
◎副市長(松田隆也君) 今回のハラスメント事案につきましては、市民の生命、財産を預かる消防職場の職員間の信頼関係を破壊するだけでなく、職員の相互の士気を低下させ、被害者である職員にも苦痛をもたらせました。このことは、本市行政の信頼を失墜させ、職員としての信頼を傷つけたものでございます。 昨日からの議論の中でも見えてきましたように、掘り下げてみれば、所属長への相談といいましても、組織の長がしたことで、直接、直属の上司に言えなかった、それを横の上司も気づかなかったのかどうかはわかりませんが、そういう相談体制になっていなかった。窓口も、先ほど消防長の答弁がありましたように、不明確で十分な周知ができていなかったということから、意を決して、勇気をもって人事課に相談に来たというのが発端でございました。 今後におきましては、昨日の議論にありましたけども、消防職員委員会とか、それぞれの職域の中で、階級の中でもきちんとした、解決に向けた解決能力を持つような管理職の資質の向上もそうですし、また、周りがそういうことに気づいていち早く相談できる体制を、まず、風通しのいい職場を作るというのが先でございます。 一連の相談を受けまして人事課とも協議をする中で、次の4月以降の体制につきましても、既に人員体制について、ちょっと穴が見えている、そのことに対しましても、市長部局からも応援をしなきゃならないということになっておりますし、まずは不足する人員体制をどうして埋めるのかという早急な課題がつきつけられております。各市民にも迷惑をかけられない、そういう非常事態が生じることがないような体制づくりをこれからしていかなきゃならないという重要な局面にもなっておりますので、これからは職員一人一人が新たな感覚を持って、覚悟を持って一丸となり、市民が安心して、安全なまちになるように、再発防止に向けて努めていかなければならないと思っておりますので、しっかりと私どもも助言してまいりたいと思っております。
◆13番(辻賢治君) 副市長からただいま御答弁いただきました。助言もするということでもありましたので、ぜひ、積極的にかかわっていただきますようお願いいたします。また、同時に、覚悟を持って臨みたいというような言葉もありましたけども、その言葉を信じたいと思います。 大きく変わらなければ、30代以下の職員がまた何も変わってないじゃないかって思うようなことにもつながると思いますので、今、副市長がおっしゃった覚悟を持ってということを、消防長以下、管理職は、ぜひ、重く受け止めていただきたいと思います。 消防職員の皆様というのは、市民の財産と安全安心を守る、崇高な使命を持って職務に当たらなければなりません。今でも多くの職員は、日々の救急、防災の職務に全力で取り組んでおり、特にコロナ禍においては、自らのリスクもある中、多くの救急搬送などに活躍し、市民の厚い信頼を受けております。 彼らの個々の努力は決して無駄にならないよう、信頼回復に向け、再発防止に全力で取り組んでいただきたいということを強く申し上げて、時間はかなり余りましたけども、自分の言いたいことは全て言いましたので、これで一般質問を終わります。
○議長(山田能新君) 以上で、辻賢治議員の一般質問を終了いたします。 これをもって、本日の一般質問は終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より開き、引き続き一般質問を行います。 本日は、これにて散会いたします。お疲れさまでした。 散会 午後3時24分...