平成28年 3月定例会 開議 午前10時
○議長(辻賢治君) おはようございます。出席議員、定足数以上であります。 これより、議事日程第3号により本日の会議を開きます。 日程第1、一般質問を行います。 まず19番、
川上茂次議員。
◆19番(川上茂次君) 登壇 おはようございます。質問前に、3月議会をもって退職される職員の皆さん方に一言御挨拶を申し上げます。 皆さん方には、長きにわたり市政振興に多大な御貢献を賜りました。その御労苦に深甚の感謝を表する次第であります。 私も、33年ほど皆さん方の御支援のおかげでこうして立つことができております。改めて感謝申し上げます。 今後とも、その豊かな行政経験を生かしまして、後生の指導、そして市政振興にますますの御貢献を賜りますようお願い申し上げ、御多幸、御健勝を御祈念申し上げます。 さて、イコモスによる「長崎の教会群と
キリスト教関連遺産」の
世界遺産登録申請の不備の指摘は、関係者に青天のへきれきでありました。6月登録を前提にした多様な計画も先延ばしとならざるを得なくなり、残念のきわみであります。 しかし、内容を詳しく知らない私は、復活期に建設された教会群に重きを置いた箱物優先の感がしていたのは否めませんでした。 この指摘は、長年にわたり根獅子等のキリシタンを調査してきた純心大学の
宮崎賢太郎博士や筑波大学教授の山中弘博士、
九州大学大学院の
藤原恵洋教授等が指摘したことでありました。 特に、宗教学者であり哲学者の山中弘教授は、「
キリスト教世界では、異端の宗教と言われているかくれキリシタンが、
キリスト教世界にどのような貢献をしたのか。有形遺産である
世界遺産登録に対して、禁教・弾圧によって潜伏した無形の信仰を、どのような形で有形にかわるものとしてあらわすか、甚だ至難のわざである。復活期と箱物ばかりでは無理ではないか」と言っていたのが、記憶に残ります。 徳川幕府による
キリスト教禁止令は、1つに「キリスト教の放棄」、2つに「秘密裏に信仰を続けることの禁止」の選択を迫るものでありました。拒めば、死を意味したのであります。 イコモスは、
キリスト教世界のキリスト教に対する禁教と弾圧や迫害を異教徒である徳川幕府が行ったことで生まれた特異な
キリシタン文化に絞り、明らかにすることを求めているものと私は思っています。 平戸市の
文化的景観地区が世界遺産の構成資産になる前提で進んできた時期がありました。しかし、これもイコモスの意を受けて資産の絞り込みが行われ、教会においては、国の重要文化財である田平天主堂が残り、古くても県の文化財であった宝亀天主堂は外されました。 殉教の最たるシンボルである長崎の西坂の二十六聖人や雲仙の温泉地獄の迫害も外されています。平戸市内でも生月のダンジク様や田平の焼罪、「獅子、根獅子あげてもの言うな、飯良が来たら口をつぐめ」と言われていた獅子のメンチロ様や獅子の泣き歌、飯良の泣き念仏、草積の人切川等も入らず、弾圧の時期に全国のバテレンたちが最終的に集まり、信仰の火を最後までともし続けた、日本最後の弾圧によって、日本の歴史上、キリシタンは撲滅したと言われている度島も入っていません。 さらに言えば、その禁教や弾圧よりも早い時期に、平戸城下では宮の前の七郎宮神社の前で、
キリスト教布教拡大が脅威となり、仏門とのいさかいが高じて、
ポルトガル人たち16人が、平戸松浦藩の武士たちによって切り殺された宮の前事件が勃発しています。ポルトガルとの交易は、これをもって終えんを迎えますが、私はこれも一つの
キリスト教弾圧と見ております。 私の身近にも、根獅子の浜で殉教したおろくにん様も、士族ではないからか戸籍がなく、実在の確認がとれず伝承の人と言われています。ゆえに、おろくにん様が殉教した「昇天石」や葬られた聖地「うしわきの森」なども根拠がなく、伝承の域を出ていないのです。 さらに、根獅子のかくれ
キリシタン信仰の中心であり続けた宗家の辻家等は、当初から構成資産の対象外でありました。最後に残ったのが、聖地と集落に絞り込まれた中江ノ島と安満岳、春日集落であります。
山中教授たちが指摘していたように、かくれキリシタンの里根獅子を見ても、確かにこれといった有形の証拠と言えるものはないのであります。 徳川幕府の禁教令の宗門改めは、言語に絶するすさまじい弾圧であります。全国500万余とも言われる信者は根絶してしまったのです。それでも根獅子を初め至るところの里では、信仰のともしびを爪に火をともすようにともし続け、潜伏して継続されていたのであります。 この信仰過程で何らキリシタンたる証拠を残し、発覚すれば、本人はもとより一族郎党、村全体が弾圧される根拠となり、首が幾らあっても足りません。私もその末裔ですから、みずからのことをかくれキリシタンとか、
潜伏キリシタンとは呼びませんが、便宜上きょうは使います。 信仰の形を残さず、表向きは仏教徒であり八幡神社の氏子として「辻の神様」信仰を続けてきたのであります。 例えば猪渡谷村は、処刑と長崎に出奔した者で途絶えてしまい、的山大島から強制移民があっております。その子孫は、今でも大島神社の分霊を祭る大島様講を継続し、埋葬された地は
キリシタン山と呼ばれています。 祖母たちから、踏み絵の前の日に、「根獅子の浜でせめても足の裏ばよく洗っとけよ。踏むときゃちゅうちょせず踏めよ」とささやかれていたと聞いています。たとえにせもののキリストのお顔であっても、ちゅうちょして踏めばキリシタンとみなされたからです。心は痛んでも平然と踏まざるを得ませんでした。踏んだ後でざんげしたのです。 人の心を試す行為が踏み絵を踏むという言葉の語源になったゆえんと思います。 先祖たちにとっては、
キリシタン信仰を守るために住んでいる村が全世界であり、全ての宇宙でありました。転びと言われ、さげすまれても、生きるために信仰をかたくなに守り、信仰を守るためにしたたかに生き延びてきたのであります。まさに命がけの信仰を継続し、みずからの信仰に高めてきたのであります。 だから、根獅子や飯良からは、明治6年に禁教令が解かれた後も、宣教師が復活しなさいと呼びかけても「あんたたちは今ごろ来てなんだ、私たちこそ本物の信者」と言って、呼びかけを拒み、キリスト教に新たに復活する道を選んだ者は誰もいません。 禁教令が解かれた後も、みずからの信仰を守り通したのです。ゆえに、禁教・弾圧・迫害・潜伏の時代の目ぼしいあかしがあるはずがないのです。形あるものがあるとすれば、棄教したかに見せかけ、他人が踏み入らぬ納戸の奥深く隠し持ったと言われる小さな納戸神本体があるばかりです。 かくれキリシタンの里である根獅子でさえ、戸籍を持たぬ殉教者のおろくにん様、そのおろくにん様の教会跡地と処刑された昇天石、遺体が葬られている
聖地うしわきの森や麦穂マリアの伝承を残すチチャの木、神の御言葉を聞く場所であったと言われるニコバの山の座禅石など、専門家の弁を借りて言うならば、伝承の域を出ない史跡等が残るばかりです。しかし、それでもゼウスとキリストの聖画の掛け軸などの聖具は、有形のものとして残っているのです。しかし、これも巧妙に神仏信仰に形を変えて信仰されてきたのであります。 言うならば根獅子のかくれキリシタンを例えて言うなら、その信仰は「神・仏・キリスト」の「3宗教の集合的信仰」と解釈しなければ、部外者には理解しがたいものであります。ゆえに、これら
キリシタン信仰の確証がないと一刀両断に切り捨ててしまえば、証明するあかしは、すべはないのであります。 ほかに南蛮渡来の銅製のメダイや大友宗麟の府内で鋳造されたメダイ、ロザリオの15玄義を示すお札、サンジュワン様の御神体、死者を埋葬するときに唇に含ませた紙型の十字架のお守り、オテンペンシャ、小さなマリア像などが残っているにすぎません。 オラショを根獅子では拝み事と言っておりました。拝み事を唱える前には、必ず日本六十余州の神々を初め、安満岳の奥の院様、中江のサンジュワン様、獅子のコジマ様、うしわきのおろくにん様などの神寄せをしてから拝み事、いわゆるオラショを唱えていたのであります。 私は、なまじっかな文献よりも、先祖たちが連綿と命をかけて信仰してきた伝承こそ、揺るぎない証拠であり、文献よりも確実な構成資産に成り得る貴重なあかしだと思っています。 根獅子の里のキリシタンの宗家である辻家の御神体は、当主以外は知る由もなく、末代にわたり隠され続けたまま、公開されることはありません。根獅子は、今でも潜伏が継続していると言えるのであります。 イコモスが言う禁教・弾圧・潜伏という一連の流れ、ストーリーが
世界文化遺産と成り得るとすれば、今日の郷土史研究のように古文書などの文献を基礎にした調査ばかりでは立証できないのではないでしょうか。まさにイコモスの指摘はもっとも弱いところを突いてきたなと思っています。 私は、かくれキリシタンの里に生まれ、水役であった祖父に洗礼を授かり、正月には家払いで家を清め、葬儀も仏式とあわせて行い、初詣でには八幡神社にお参りし、その帰り道におろくにん様の眠る
聖地うしわきの森に参拝し続ける者として、1つの提言があります。 それは、かくれキリシタンの村々にいまだ脈々と残る説話や伝承、慣習や習慣、なりわいや風俗などを調査し、状況証拠として取りまとめて、全体的・立体的に組み立て、無形の
キリシタン文化を有形に立体化し、実証する方法があるのではないかということです。 また、これらの作業は、今回予算化された文化庁の
歴史文化基本構想の取り組みや、今後、取り組むであろう国交省との推奨及び文科省の3省共管事業の
歴史風致維持保全計画等の取り組みや、そして、その延長上に視野に入れることができる
日本遺産登録への弾みになるものと確信しております。 ともあれ、イコモスが指摘した構成資産をさらに整備し、観光客の受け皿づくりを急ぎ、地域創生の最たる牽引者に生かすためにも、イコモスのアドバイスを最大限に活用し、万全の準備を重ねて、このピンチを最良のチャンスに生かしていただきたい。 そこで、以下をただします。 1つ、それまでの平戸市の取り組みや構成資産の見直しはあるのか。 2つ、イコモスの意向は建物優先の考え方をやめて申請し直せと言っている。現在の
世界遺産登録推進委員会の委員は大変苦労したと思うが、箱物に重きを置いた申請から、新しく弾圧・潜伏の歴史・調査に詳しい専門委員を追加し、新たに委員会を構成すべきではないかと思うが、いかがなものだろうか。 3つに、
世界遺産登録の必須要件は有形遺産であるが、かくれ
キリシタン信仰は隠れて信仰したがゆえに有形のものを残さなかった宗教文化であります。そのために、かくれキリシタンの集落に残っている遺物や伝承等の見直しと収集により、「禁教、棄教と弾圧・迫害・潜伏と潜伏期間の信仰・禁令の解除、潜伏信仰の継続と衰退、そして復活」の歴史を具体的・立体的にまとめた状況証拠を有形の構成資産として申請の根拠にすべきではないか。禁教令下の弾圧と潜伏の期間の調査方法などあれば、所見を伺いたい。 4つに、
地域おこし協力隊の活動事例を聞きました。それぞれに担当範囲で努力しているように思いますが、もう少し活動の柔軟性を持たせればいかがなものかだと思います。ともに、焦眉の
世界遺産登録の対策にかかわる協力隊員を置いて、登録後のまちづくりに推進させてはいかがなものでしょうか。 大きい2つに、
市道山中紐差線は、紐差から朶の原と大石脇区間の安全施設の歩道整備が終わり、安満川のかけかえ工事が進行中であり、安全な道路の完成が期待されています。 本線は、大小のカーブも多く、標高も高く、冬季の積雪も多く危険な道路であります。本線は、中南部地区からの車両の通行量は、国道383号の通行よりも多く、平戸市きっての重要な市道であります。その改良を図っていただきたいと思いますが、その所見をただします。 以上、再質問は自席より行いますので、よろしく御回答願います。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 おはようございます。川上議員の御質問にお答えします。 「長崎の教会群と
キリスト教関連遺産」は、平成19年1月にユネスコの
世界遺産暫定一覧表に登録されました。
県世界遺産学術会議により、平成21年2月に29の
構成資産候補が選ばれた後、国内外の専門家による議論を重ね、御承知のように、最終的には14の構成資産で取りまとめられた推薦書を平成27年1月にユネスコに提出したところであります。 これまでの学術会議や
国際シンポジウムの議論の経過を簡単に御説明いたしますと、平成19年に暫定リストに登録された当初は、県内に分布する教会堂建築が目立っていたものの、建築物としての価値だけでは
世界文化遺産登録は難しいため、長期の潜伏からの復活という、長崎独自のメッセージ性を持たせる必要があることや、未指定文化財の教会堂周辺を文化的景観として価値づけすることなどの指摘が行われており、関係自治体では文化的景観という観点から、集落調査を重点的に実施しています。 特に平戸市では、かくれキリシタンという伝統文化こそが世界的な価値を持つのではないかという判断から、関係自治体の中で唯一、教会堂を含まない平戸島西海岸地域についても調査を実施し、平成22年2月に「平戸島の文化的景観」として、県内で初めて国の
重要文化的景観に選定されています。 平成21年から平成23年にかけて複数回行われた
国際シンポジウムでも同様の指摘が行われたことから、平戸市の文化的景観の重要性は高まり、これまで多くの視察などを受け入れてきています。 最終的に取りまとめられた推薦書は、14の構成資産を、その歴史的文脈に沿って、キリスト教の伝播と繁栄を示す「城跡」、禁教下にもひそかに信仰が継承されていたことを示す「集落」、19世紀の再宣教により集落に建てられた「教会建築」という3つのグループに分けて、
世界文化遺産としての価値を証明していますが、その構成についてイコモスの理解を得ることができず、今回の中間報告を受けて、推薦書の取り下げに至っています。 今後、イコモスと県が結んだ
アドバイザリー契約に基づき、「長崎の教会群」の
世界文化遺産としての価値や、構成資産の検討などが進められる予定です。構成資産について見直しがなされるかどうかは、今のところ断言することができない状況でありますが、国や県との協議の中では、できる限り現在の構成資産を残せるよう調整を行うこととしております。 残余の質問については、担当部長に答弁させます。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 川上議員の御質問にお答えいたします。 学術会議のメンバーについてのお尋ねですが、長崎
県世界遺産学術会議は、
キリシタン史、建築学、景観設計、中世史、建築意匠の分野の専門家6名の委員と世界遺産の専門家2名のオブザーバーから構成され、推薦書作成について指導・助言をいただきながら、推薦書の精度を上げることを目的に、平成19年12月に設置されたものです。 平成27年1月末に
ユネスコ世界遺産センターへ推薦書が提出され、学術会議の目的は推薦書の
ブラッシュアップから構成資産の保全に関する指導・助言に進化し、現在は、オブザーバーだった2名を委員へ加え、メンバーに変更なく8名の委員で構成する「長崎県
世界遺産学術委員会」と名称を変え、平成27年4月1日から設置されております。 議員御指摘の学術委員会のメンバーの見直しにつきましては、設置している長崎県に確認したところ、変更の予定はないという回答でございました。 次に、潜伏期の価値の証明の方法と方向性につきましては、
潜伏キリシタンは目に見えない形で有形の資産を残していません。よって、御指摘のとおり伝承や慣習のほか、地域で大事に引き継がれてきた御神体なども、地域の価値を説明するに当たっては、非常に重要な要素になるものと考えています。 ただ、
世界文化遺産の対象は不動産であり、「
世界遺産条約履行のための指針」には、将来動産になる可能性があるものについても検討対象としないと明記されています。 よって、先ほど御指摘いただきました重要な要素につきましては、地域の歴史を物語る強力な証拠としてイコモスに対し十分に主張しつつ、それが本物であることを示す真実性を持っているか、そして必要な部分か欠落していないかを示す完全性を持っているかを整理しながら、最後は不動産を物証として構成資産にしていく必要があると考えております。 平戸市では、これまでの国内外の専門家などの議論を踏まえ、かくれ
キリシタン信仰に基づく
集落コミュニティが、その生活を営むに当たって必要な機能を保持していた範囲を構成資産にしております。 16世紀の文献史料や江戸時代の絵図、昭和から平成にかけて地域で行われてきた信仰形態や生活圏などを調査し、かつ、
世界文化遺産として国の法律に基づき将来にわたって保全が可能な箇所を、県学術会議や国際会議などで精査した結果が、現在の平戸の聖地と集落です。 イコモスの中間報告では、禁教期に焦点を当てるべきだという指摘がなされています。平戸の聖地と集落は、その禁教期を示すそのものの構成資産であることから、その
世界文化遺産としての価値証明の手法について、大きな指摘は受けていないものと認識しております。 ただ、今後行われるイコモスからの
アドバイス内容については、国や県と情報共有を図り、何らかの指摘を受けた場合には柔軟かつ速やかに対応してまいりたいと考えております。 次に、
地域おこし協力隊についてでありますが、推薦取り下げとはなったものの
世界文化遺産登録後の保全・活用については、最重要課題と認識しております。 現在、春日を訪問する観光客は個人客のほか、周遊バスや団体旅行等により増加傾向にあり、潜伏していた状況をいかに理解していただくかが重要であります。 そのため、小春日に空き家を活用した拠点施設を整備し、構成資産の魅力を理解してもらうための
ガイダンス機能、住民との触れ合いの場である
コミュニケーション機能、地域の産品を販売する機能、また、休憩機能を備えた拠点施設の整備が急務と考え、平成28年度当初予算に計上させていただいております。 現在、実施設計を行っており、地元や観光協会はもちろん、平戸市
文化的景観推進委員会においても指導・助言をいただきながら、有意義な施設整備となるよう準備をしているところでございます。 議員御提案の登録後の対策に関する
地域おこし協力隊の採用については、目的や内容、3年後の定住につながる部分など具体的な整理がまだできておりません。資産を活用したイベントの企画や保全に関する事業等、外からの視点や地域・関係団体をつなぐコーディネーターが必要ではないかと考えております。大学連携や専門家を招聘した学習会等開催しておりますが、まだ成果へとはつながっておりません。まちづくりを牽引するリーダーとして
地域おこし協力隊を採用するかについては、今後検討してまいります。
◎建設部長(池田圭一郎君) 川上議員の御質問についてお答えいたします。
市道山中紐差線の道路改良についてでございますが、当路線は、
主要地方道平戸田平線の山中町交差点から木ケ津町の大川原線につながる幹線道路で、総延長約9.6キロメートルの1級市道であります。 この路線につきましては、御質問にありましたとおり、平成18年度から交付金事業により歩道整備に伴って道路の拡幅も進めてまいりました。現在は安満橋のかけかえ工事を実施しております。 今後の計画としましては、平成31年度から起点側の山中町交差点から紙漉線入り口までの約700メートル区間の歩道整備を計画しておりますが、御質問されました区間の改良につきましては、現在のところ計画はございません。 しかしながら、当路線は国道383号とともに、平戸市の南北を結ぶ
交通ネットワークとして、定住促進や地域の活性化などに極めて重要な道路であると認識しておりますので、十分に現場を精査し、計画計上に向けて検討していきたいと考えております。 以上です。
◆19番(川上茂次君) それぞれ回答いただきまして、お礼申し上げます。 まず最初、最後になっておりましたけども、建設部長のほうにこの路線の改良については、今後検討すると、計画に入れていくように対応したいというような答弁がありましたので、是とします。ぜひともよろしくお願いいたします。 それじゃ、世界遺産の関係で若干時間がありますので、お願いしたいと思います。 市長から詳しく、そして部長からも詳しくおさらいのように御説明いただきました。 大体の流れとしては理解させていただきましたが、一応門外漢でもありますけども、なぜあれだけ満を持して申請したものが、中間報告の中で取り下げが望ましいというような指導を受けたかなちゅうことを思うときに、冒頭に読み上げたようなことが若干あったんじゃないかな。 私も若干、関係者の方々から説明を受けたのは、何のことはない、根獅子も、あるいは獅子もそうですけど、世界遺産のコアになるだろうという期待のもとに、いろんな方々を皆さん方の要請をいただいて受けて案内した経緯、その中でいろんなものを学ばせていただいて、少しかじったわけですけども、その中で自信を持っとったわけですが、それがちょっと頓挫をしたというのが大変残念であり、ざんきにたえない思いから、再度このピンチをチャンスに生かすためにはどのようにしたんがいいかなということで、トライしたわけでございます。 いわば取り下げというのは、先ほども市長も部長もお話がありましたが、満を持して行ったプロセスなり、そのストーリーが再度見直せと言われたことだなというふうにも理解しているんですね。 平戸の場合は、いわゆる伝播から復活まで全てが一貫性がありますから、自己完結型ですから一つのモデルになると思うんですけど、弾圧もあったし、他の地区にこの言葉は該当しないかなというふうに私は感じるわけですね。 平戸は平戸でそれでいいと思うんですけども、ただ何人からかやっぱり田平の天主堂が復活後、しかもある程度してからだから、それはどうなるのだろうかというような話も聞くんですけども、そのようなものも含めまして、いま一度平戸の今後の構成資産の見直しが果たしてないものか、その点の確認ちゅうか、御意見をお願いしたいと思いますが、市長、いかがですかな、一番市長がこの点は頼んだと思いますから。
◎市長(黒田成彦君) 今後、詳しい検証については、中間報告されたイコモス側と県の担当者の中でちょうちょうはっし議論をしながら進めていかれるものと思っています。 先般の中村知事の会見では、できるだけ14の構成資産は残していきたいという強い意思が表明されております。 ただ、この中間報告の内容を精査しますときに、議員御指摘のとおり、禁教、弾圧、潜伏というものにもう少し力量、力点を置いた形で構成資産の証明を膨らませるようにということがありました。 そうしましたときに、いわゆる復活という観点の
教会堂建築群は、なかなかどのように集落形成から発生したものかという証明が、いわゆる時系列的な関連性がどう証明されるかが鍵となってまいります。そういったときに、田平天主堂が存在する、田平町小手田周辺の中でどのような集落形成があったのか、そこに移住というものがどのようにアクセスされ、そこにかくれキリシタン──弾圧された宗徒の方たちが教会堂建築に至ったかという、この物語がさらに加えられるべきなのではないのかということにもつながるのではないかと思っています。 一方、この集落を見たときに、当然、平戸市の価値はそこに証明されているわけでありますが、同様に、禁教期の資産というのは、小値賀の野崎島にある、いわゆる資産、それから天草にあります崎津集落であります。いずれも教会堂とセットであるものですから、そういったところと平戸のまたバランスというものが、今後またスポットを当てられるのではないかなと思うときに、より一層教会堂を持たないところだからこそ、より両地区にまさるとも劣らない価値形成ができるかというのが、今後の課題になってくるんじゃないかなと思っております。
◆19番(川上茂次君) 私も市長がおっしゃるような考え方を持っていましたが、同感として、ぜひともその点で押していただきたいと思います。 ただ、いろいろと調査をしたと言いながら、やっぱりいろんなものがいざ底辺に入りますと集落にはあるんですね。ちょっと冒頭に私が読み上げた一つの事例ですが、ちょっと議長のお許しをいただいてたので、まあほんの事例ですけど、根獅子の里にまつわる聖具をちょっと持ち込みましたので、御紹介したいと思いますが、やはりこれ写真でひとまず御紹介しますけど、こういうふうなどこにもありますけど、これ切支丹資料館には展示していないんですけど、私の祖母の里に伝わる聖具ですが、やっぱり15玄義が立派にある。これ神父様が見れば、やっぱりキリストの5つの喜びから3つのならわしを全部表現しているんですね。これが平成4年ぐらいまで信仰の対象であった。これを大事にして、私は写真を出すこと自体も御法度なんですけど、まだ、こげなものが現存する。 これまだ教会に、資料館には出さないんですよ、あくまでも隠している。このオテンペンシャもこんなふうにして非常に古びていますが、やっぱり利用したんでしょう。もともとこれは自分の体を戒めのためにむち打つものが信仰のお払いに使われたといういきさつがあるようですけども、使い古したものがこんなにある。 そして、これはちょっと初めて出すんですけど、メダイがある。このメダイはちょっと小さいんですね。このメダイが裏表で表がキリストの横顔、裏側がマリアの横顔なんですね。これは、今から7年前に大友宗麟の記念館がある大分県の博物館の彼らが、4回うちに来て、たったこの小さな聖具を調査するために4時間かかった。これは製造の過程で調べたところが、99.9%ポルトガルから持ち込んだものであるということが証明されたんですね。 もう一つ、これも伝わっているんですが、これとこれと、これは銅を本国から持ち込んで、日本のある鉱山の銅とまぜて、いわゆるまぜ合わせたものに本国から持ってきた鋳型に流し込んだんだろうか、日本で製造したんだろうということが証明されたんですよ。これもそうですけど、これはやっぱりマリア様が赤ちゃんを抱いて祈っているようなメダイですが、小さいんですね。 これが一番彼らにとっては貴重で、欲しいというんですけど、今でも、これは大友宗麟の府内で鋳造した、いわゆる国内の大友宗麟のつくらせたメダイなんですね。これが東北、青森まで歩いて持って回っているんですね。こういうようなものが現存する。 表に何かマリア様の像か何かあったんでしょうけど、削った跡があるんですね。これ99.9%大友宗麟の領地であった、ある鉱山から出た銅であるということが証明されました。 毎年、大友宗麟展のときに借りに来るんですけども、このようにして5つのメダイと、1つのマリア様、このマリア様は後でちょっと紹介しますけど、非常に小さいんですよ。やっぱり恵まれた方々は立派なものを聖具を持っているんでしょうけど、貧しい者はそんなもの持たないから、これここに炭化した跡があるんですけど、何か竹ひものようなものに土をもっちゃもっちゃ丸めて、そしていろりのところで焼いたような形なんですね。これが御神体なんですね。 こういうようなものがあるし、これも大友宗麟の記念館の方々が調査したところ、一つの聖具、聖人の遺骨とか毛髪を入れる聖具であるって言われまして、これ日本でつくったんだろうと、非常に精巧で日本に一つしかないちゅうことが証明されております。 都合このようにして並べればなるんですけどもね、こんなものがいまだかつて隠されたまま信仰の対象になっているわけですね。これがさっきの偶像ですけども、こんなもの。そして、こんな箱に入れているんですね。もうともかく私がちょっと何回か洗ったんですけど、もう炭、すすこけて見えない。この布も手で握ればぼろぼろ破れてしまうようなものがあるんですけど、それに巾着袋に入れているんですね。 ここに1つの聖画があるんですけど、これ切支丹資料館に展示しています。文化遺産課のほうがかつて教育委員会のときに、このマリア様は平戸市史のグラビアで飾っています。これ本人の許可を得ずに勝手に使ったんですけどね、これ濱崎さんの家に伝わる原寸大の写真です。これ宮崎賢太郎さんがやっと説得して写したんですけど、これ皆さん方、どういうふうな絵かわかりますかな。これ絶対的なゼウスが、キリストに宇宙を委ねた像だそうです。私たち初め、マリア様が赤ちゃん抱いとると思うたですよ。これ手回り、持ったところが違うらしいんですね。これいわゆる月、星、太陽をあらわしている宇宙を持っている、こういうふうな像が現存しているんですね。 原画はきのう描いたようにもう顔の色が、いわゆる生きた人間のように生々しく、今でも輝くような色をしているんですよ、周りはぼろぼろでも。こんなものが正月の元日から7日間納戸に飾って、そして拝むというのが今でも続いているんですね。これ、公開したことを彼は今後悔しているんですけれども。 そういうことでもう一つは、サンジュワン様って皆さん方聞くと思いますけど、ヨハネ様のことですがね、これ根獅子の川上利作さんという方の家にずっとあかずの扉だったんですけども、彼が亡くなって家を解体したときに出てきた、根獅子で4つのうちの1つの大事な神様です。 あけてみれば何のことはない、灯明皿なんですよ。これが御神体です。いわゆるヤコブ様、ヨハネ様なんですね。こういうふうなものをやっぱり信仰の対象にしてきた。それも隠れながら、見つからないように。で、亡くなった御本人も祖母の親の代からあけなかった。亡くなってから私が家を解体するときに、中尾駿祐さんの要請であけたんですけども、結局今、切支丹資料館に展示していますけどね。こういうようなものが探せばあるんですね。ただ、こういうようなものがキリシタンの証拠にならないと言われればもう証明する手だてがないというふうに私は思うんです。 そういう意味で、今回、平戸の場合は先ほど市長もおっしゃったとおり、伝播から復活から教会の立派な繁栄まで一貫性がある、ストーリーがありますから、ここをほかの地区はどうであれ、ほかの地区がだめな場合は平戸がじゃ代がえをするよと、全部うちに任せてくれというぐらいの勢いで進めてもらいたいなあというふうに実は思うんですね。 なぜこの質問に立ったかというと、観光戦略の宗教ということで、長崎の教会群の場所と商品化、これ文化遺産課の皆さん方が紹介した松井圭介さんが、根獅子や平戸を調査して、世界遺産に絡んだときに、ここに長崎の教会群が今後動くだろうと、市長が説明したようなことがありながら、3つの要点の中で16世紀から継続するキリスト教の影響、そして2つが、キリスト教に根差した文化的伝統の存続の物証、ヨーロッパとは異なる独自の文化性を持つ日本へのキリスト教の伝来と14の劇的な歴史を残す遺産、こういうふうに絞られたんだということを説明しているんですけど、それが少し見直しを要請されたちゅうところに、今回の取り下げがあったんだと思うときに、やっと平戸の時代が来たなと。 今からやっぱり度島が最後の集結地であって、そこが手入れをされたことによって、断絶されたというふうに日本の幕府は立証したわけですので、であれば、度島なんかが逆に言えば最後の弾圧の最たるところとして、表に出るべきじゃないかなと、根獅子もさることながら、飯良もさることながら、そういうふうに感じるわけですね。 県の学術会議のほうとは、国の会議のほうで事は進むかもしれませんが、当然、市長も部長も担当職員もそれぞれの立場で出席すると思いますから、こういうことは遠慮せずに私は声高に進言してもらいたいなあというふうに思うんですね。その点、市長、いかがですかな。
◎市長(黒田成彦君) 今、川上議員のほうから、数多くのこれまで集落で受け継がれてこられた大切な宗教の宝物がありましたけども、そういったものは本当にそれが真贋にかかわらず、きちっとした伝統的なものとして受け継がれた価値があると思います。 おっしゃるように、平戸にはそういった意味では、禁教、弾圧、潜伏という、そこの一定の期間において、そういったものがきちっと証明できる構成遺産を有するということについては、紛れもない事実でございますし、そこは力強く主張していける立場にあると思います。 ただ、この教会群と
キリスト教関連遺産のスタートが、これは先日の政策懇の中で申しましたが、教会建築をそれを主として、主なものとしてスタートしていることから、なかなか今のリセットがどこまでできるのかという課題があります。 本来、これだけのイコモスの中間報告があれば、全部見直して、もうチャラにして、例えばかくれキリシタンの史跡を中心に物語を再構築しろとするならば、逆に大分県の例えば臼杵市の野津集落であるとか、竹田市の城郭内にあるかくれキリシタンの岩の下の伝播する、そういった箇所があります。そういったものが逆に不動産資産として浮かび上がるわけで、今の14資産で果たして耐え得るのかという大いなる疑問も心の中に少なからずあります。 しかしながら、今の枠組みを変えずに再申請となっている現実からは、なかなかそういった思い切ったかじ切りというのも困難な状況にありますし、やはり我々が声高に言っても、14資産を構成する6市2町の意向というものも尊重しなきゃならない。そのトップリーダーとして県知事があり、県の学術会議があるわけですから、言える部分は言ってまいりますが、そういった枠組みがあるということも御理解いただきたいと思います。
◆19番(川上茂次君) ええ、それは十分私も理解しとるし、当然今日まで数年間、6市2町歩調を合わせてきたわけですから、そのスクラムを崩すわけにいかないと思いますが、やっぱり素人がイコモスの今回の中間報告を見たときに、勧告の前に出したちゅうことは、やっぱりのっぴきならないような状態であるということは理解をする。 であれば、登録を前提にするならば、あるところの主義主張は抑えてでもなるものからなすべきじゃないかなと、そういうふうな形を思うんですね。そこが通らなければなるものもならないという感じもありますので、あるところの方々が大いに手を挙げて説明をして、いわゆる譲り合う、それも一つの世界遺産の大きな登録に向けての働きかけじゃないかなというふうに思うんですけども、部長としては、その点どのように理解して、今後、事務方として進むようなお考えですかな。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 先ほども答弁申し上げましたように、かくれキリシタンの伝統的習慣につきましては、特に生月、根獅子地区について有名であります。 ただ、今回は春日地区のほうが構成資産ということでなっておりますが、このほかにも西海岸地区には各地の集落があります。その中に今後守っていくべき資産というものもたくさんありますので、それらを今回の検証の中の証拠として活用できればというふうに考えております。
◆19番(川上茂次君) それはもともと思いますけど、やっぱりこの文脈を見たときに、禁教、拷問、弾圧、迫害ということになれば、もっと具体的な、具体的なリアルなものが求められているんだろうかと思うんですよ。 集落の春日の地区を例に挙げれば、あそこで拷問があったか、弾圧があったか、目に見えないし、文献も見たこともない。お墓はあった。キリシタンのお墓が、いわゆる順境のときの──死んだじゃなしに、逆境、順境の順境ですが、順境のときの死者のお墓か、いわゆる殉教、処刑されたお墓か我々わからないね。 ところが、コジマ様でも、中江ノ島でもいろんなところは、弾圧、処刑──処刑を言いかえれば殉教、そういうものだから貴重があるし、そこを
キリスト教世界に異教徒のうちの幕府が手を加えたちゅうことに、
キリスト教世界の中では特異な事例だから、それを私は求めていると思うんですよ。 悪く言えば、我々
キリスト教世界に刃向かった異端の宗教があったんだと、そこを世に出したいちゅう私見えるんですね。また、言葉を変えて言えば非常に不遜かもしれませんが、十字軍遠征のところが世界遺産になるかなと、彼らが成敗したところが、見方を変えれば。その成敗の歴史が世界遺産になった、私は事例聞いたことがない。 ところが、日本に限って、平戸に限って、長崎に限っては、異教徒であり、家康幕府が、
キリスト教世界に弾圧かけたことが特異な事例として今クローズアップされようとしよるんです、見方を変えればね。これは特異中の特異ですよ。 だから、山中教授とかいろんな教授たちが、
キリスト教世界の中にかくれキリシタンというのは異端の邪教であると、その邪教を形あるものにしない限り、世界遺産にならないと彼は言ってたんですよ。それを私は今、イコモスは指摘してきたと思うんですね、ちょっと極端な表現をあえて言わしていただくなら。 そうしたときに、並々ならぬ証拠を出さなければ、果たしてイエスって言うかなと。だから、イコモスが契約を結ぶそうですけど、どのような契約を結んでアドバイスするかわかりませんが、幾ら金がかかるかわかりませんが、そこに重きを置いているな。そうしたときに、平戸は全部持っている。快くザビエルを2回も3回も迎えた歴史に、これによって京に導くように、ただ自分は奈良やったわけですけどもね、自分の部下に洗礼させていて、そういう中で全てここにあるのは、こここそ世界遺産の中心にならざるを得ないだろうと。復活だけでは弱いなということが私たちは思いよったんです、私個人も。ところが、案の定、復活を余り重きを置いたんじゃないという感じが受けるものですから。やはり異端の宗教が正当である宗教の我々の宗教に加害をした、その歴史を今回立証することになったんだなと理解しております。 そうしたときに、弾圧という一つの重々しいものこそ世界遺産の根拠になるだろうと。それが250年という時間に融合されて、今度は復活という立派なものになったという形がストーリーとして通ると思うんですよね。だから、私はストーリーの見直しと思うんです。ストーリーの見直しを強制されたと思うんです。でなければ、こんなに騒がないと思うんですね。ストーリーの見直しがなければ、このまま強引に国も申請させて、いわゆるフロントで逆転すればいいわけですから、そういう事例があるわけだから、取り下げなくても。ところが、強引に持っていくなら却下されるということが目に見えているから取り下げた。であれば、ストーリー自体の見直しがきたんだなというふうに私は理解しているんです。その点、部長どう思いますか。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) やはり今回のイコモスの調査では、特色である潜伏、弾圧に焦点を当てたストーリー構成をすることを求めていると思います。そうした中で、平戸市には布教から初めて長崎地方に広まっていたキリスト教の需要と反映、弾圧、そして復活という歴史的な事実は、平戸市が持っている歴史的な事実は変わらないと思っております。
◆19番(川上茂次君) 今、あなたが答弁してくれたような根拠があるから、今回のやっぱりイコモスの言わんとするところは、極端に言うならば、構成資産の入れかえ的なところまで私は言及されたと思うんですよ、見方を変えれば、悪く言えば。知事さんは、最高責任者として14の構成資産を守るとおっしゃっていますけど、見方を変えれば、構成資産のあり方自体の見直しを迫っているなと、このストーリーから見れば。だから、重いものだなというふうに私は理解しているんです。でなければ、瀬戸際になってから目の前にして勧告の前に中間報告で取り下げをせざるを得ないという事態は、これ異例ですもん。だから、そのところで果たしてこれがどのようになるのかなというふうに思っているところです。 それはそれとして、私は専門家でもないし、野に立つ人間ですからこれ以上のことは言ってもせんないことですけども、やはりさっき紹介したようなものも、このようにたくさん地区地区にあるわけです。獅子の村田さんという家にもやっぱこんなものがありました。それ今、部長にも同意いただいて調査してもらっていますけども、そういうようなものを今掘り起こす時期に来ているんじゃないかな。世界遺産になろうがなるまいが、今眠れる文化財、歴史的な文化的なものを掘り起こす時期が来ている。ここ10年すれば、もう掘り起こせんですよ。知っている人が死にますから。 そうしたときに、ちょっと話題を変えますが、説明をしておったわけですけど、やっぱりあなた方が今度予算化した歴史文化基本計画、こういうようなものも視野に入れて進めようとしている。私は、まさに今度のあなた方が予算化したこの事業は、そこに共通するものがあると思うんですね。いいときにしてくれたなと思うんですよ。逆に言えば、2年間の見直しのこの期間は有効に使う時期に来ているんだなと。要は、それだけ世界遺産の登録した後の深みが出てくるわけですから、それを国土交通省とか文科省とか農水省の3官共催でやろうとしているもういっちょうの歴史まちづくりですか、あの事業も乗っかかってくれば、これ、事業も10年間はつくだろうし、そうすると今日国も言う日本遺産的なものも視野に入ってくるわけですから、世界遺産じゃなくて。私は、
世界遺産登録に漏れたところを国が緊急避難的に日本遺産にするかなというような感じで最初見たんですけど、鎌倉がだめになったときにですね。最初はそれだったかもしれませんが、今は全く違う切り口でやっぱり日本遺産を進めようとしているし、オリンピックがどうであれしているし、いいものが今後じゃんじゃんじゃんじゃん国も政策として、地域文化、地域の歴史、地霊、地魂というかな、そんなものを地域の活性化に使うような、そして残すような運動として展開されていますから、それを今後有効に使うべきと思いますけども、この点について今後まず部長の見解をお尋ねし、市長の所見を賜りたいと思います。
◎
文化観光部長(加藤栄一君)
歴史文化基本構想につきましては、やはり文化財が指定されている文化財であったり、未指定である文化財、それを一体的に調査を行い、それを関連づけて文化財の有効活用を図ろうということで、その方針についてまとめていくことにしております。これは、今後の文化財を生かした文化のまちづくりというものにつながっていくマスタープラン的なものになるものだと思っておりますので、今後取り組んでまいりたいと思います。
◆19番(川上茂次君) これは部長、世界遺産は世界遺産としてこれは当然なるだろう、なさねばならないんですけどね、努力してもらいたいんですが、今の
歴史文化基本構想も平戸市にとっては非常に必要な事業でありますし、ぜひとも並行して今回の予算も100万ばかりついていますからお願いしたいと思います。 財務部長ですかね、これはあなたの管轄なるかな、あるいは池田部長の管轄になるか、この歴史的風致維持向上計画、こういうようなものも国は予定しているようですから、ぜひともこんなものも
歴史文化基本構想のできた暁には、国のほうはそのような指導もしているようですから、そっちのほうにも結びつけていただいて、さらなるまちづくりを進める一つの起爆剤として設けてもらいたいなというふうに考えますが、何かコメントがあればお願いします。これ国交省と農水省と文科省の3官共同で行いますから、重文景が共菅法の一つであるように、これはおもしろいなと思っているんですけども。
◎建設部長(池田圭一郎君) 歴史風致向上計画を策定しまして、その中でいろいろ計上すれば補助の追加支援というようなこともございますので、そういったところも視野に入れながら、どういったことができるのか、関係部署とよく協議しながら、この計画を策定していきたいと考えております。
◆19番(川上茂次君) それも今度あなたのほうで戦略でしたかな、あの中に川内の町並み景観等も出てくるよということで解釈で入れてもらっておりましたよね。あのとき見たときに、非常に市長の指導がよろしいのでしょう、いろんなところで多様的にいわゆる網羅して活用するような動きが出てきましたので、その点で私は今回もそういうようなものもぜひとも入れてもらいたいなというふうな希望を持っているわけです。これは市長としてどういうふうな御見解でしょうかな。
◎市長(黒田成彦君) 私たちは、今後、人口減少や地域の活性化のためのまちづくりの大きな責務であり課題であると考えております。そういったときに、やはり歴史に学んで、現在を耕していくことが未来に広がるんだという、そういう考え方であります。したがって、どこかがやっているようなもの、あるいはとってつけたようなものをまねても何もなりません。そこにどういった歴史が刻まれてきたのか、そこにどういう価値があるのかというのを再検証して、それを今生きる私たちが大切な宝物として受け継ぎ、自信と誇りに思うことが、そこの地に住むものの使命だと思っております。そういった営みを外部者が見にくることが非日常であり、それが観光資源につながるのかなと。ですから、これもまた観光資源だからやれというのじゃなくて、まず第一義的に地域の受け継ぐべき価値をどう磨き上げるかという、それが今進めようとしています文化によるまちづくりであり、風致条例もそれにつながってくると思います。 したがって、私たちが住む平戸というものが、いかに歴史的に重要なポジションを占めてきたか、そしてそれがどう未来に今再評価されようとしているのかということのきっかけが
世界遺産登録であって、これは決してゴールではありません。したがって、新たに
世界遺産登録という節目が将来にどう生きていくか、それについて仮にまた今の構成資産のままで認められた暁には、いわゆる春日集落のみならず、そこの周辺に点在するさまざまな営みや、そういった貴重な証拠物件や行事などとともに、それが平戸の価値であることを広く世界や国内に発信することで平戸の価値を高め、それがまた次に受け継ぐ世代にも評価されることで、誇りあるまちづくりにつなげていきたいと思っています。
◆19番(川上茂次君) 市長の並々ならぬ決意のほどから理解しましたので、ぜひともそれを期待するし、また我々もできる協力はしていきたいなというふうに考えております。 最後になりますけど、この
地域おこし協力隊のこの間の事例を聞いて、私も感動し、あえていろいろと質問をしたわけですけども、ただ2人の方がおやめになるということで残念に思います。あとの補充もきのうの説明で必要であればやりたいということでしたけど、この7人の発表の中で、せっかくなら世界遺産にかかわる隊員も1人欲しかったなというふうな思いがちょっとしたんですね。 というのは、11月に新上五島の2人の協力隊員が担当職員1泊2日うちに来て研修という名目ですが、私が研修したんですけど、そのときにやっぱり重要文化財景観地区の2つあるところにそれぞれ位置づけしているんですね。あの小さな町でなぜ2つの文化的景観があるのに、ばらばら別々にしたのかな、同じく一緒にされんかなと思うけど、それはそこの意図があるんでしょうけども、これを感じたのは、綾香議員に変わって今度は編集委員に私もなったんですけど、編集委員長、副委員長から地元だからおまえも来いということで一緒に同席したときに、春日の責任者の方々と意見交換したんですよ、取材を。ところが、かわいそうにいろいろ取材する中でもやっぱり明確に
世界遺産登録の準備、なった後の計画とかいろんなものがなかなか回答としてきつかったですね。だから、あなた方はやっぱりせっかくならば外部のアドバイザーとかいろんな形も要るんじゃないかなと、担当職員だけでは厳しいと思うよと。やっぱりフレームづくりが精いっぱいだから、担当職員は。ソフトの部分とかいろんな運用については、外部の方々、研修もしておるだろうがどうだろうかという話をしたんですけど、そういうときにやっぱり世界遺産で誰でもいいというわけじゃないんですが、それに造詣のある学びをした若い青年をそこに置くことによって、いわゆる担当職員、担当部署の一つの大きな支えにもなるだろうし、住民のコーディネーターがわりもするだろうし、そういうふうな活用としていかがなものかなということでちょっと出してみたいんです。その点部長からは必要であるというような答弁をいただきましたが、担当部長としては財務部長いかがですかな、置く必要があると思いますか。どっちでもいいです。
◎総務部長(岡康則君) 私のほうから、地域おこしの取りまとめというとこでお答えさせていただければ。 一応、
地域おこし協力隊にはさまざまな目的があって、さまざまな形で採用することができます。
文化観光部長も申しましたけれども、目的や内容とか、3年後に定住につながる部分が整理できていないと、そういうところを整理したものを私どもに上げていただいて、募集をかけるという段階にしておりますので、担当所管課がそういうところをまとめて募集してくれと言えば、私たちとしては全国に発信していこうと思っております。
◆19番(川上茂次君) 部長、食わずに来て定住する青年もいるんですよ。農水省の事業ですけどね。だから、やっぱり非常に平戸は魅力だから、彼らが安心して第3番目に説明した青年が
地域おこし協力隊の定義をあえて市長に説明しておりましたけども、この間は、ああいうふうな形ができるように単なる職員じゃないわけだから、やっぱり彼らは選ばれし人、助ける人という意識もあるだろうし、その自尊心をうまく活用して、やっぱり定住ができるように、おまえじゃないとできない仕事をさせて、大いに世界遺産をカバーできるような人材も入れてもらいたいというふうに希望しながら、今後ピンチをチャンスに生かすために平戸がどういう役割を行うか、市長や担当部課長の力量に十分に期待しながら、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(辻賢治君) 以上で、
川上茂次議員の一般質問を終了いたします。 10分間休憩いたします。 休憩 午前11時 再開 午前11時10分
○議長(辻賢治君) 会議を再開いたします。 引き続き一般質問を行います。 次は、17番、松山定夫議員。
◆17番(松山定夫君) 登壇 皆さん、おはようございます。私からも冒頭に、3月をもって定年退職なさる皆さん方に一言おねぎらい申し上げたいと思います。本当に長い間、この平戸市のために御尽力をいただきました。本当にありがとうございました。 どうぞ、健康そのものが家族にとっても本人にとっても宝でございますから、どうぞひとつ体には十分気をつけていただいて、また、地域の活性化のために御尽力をいただければ幸いだと思っております。本当にお疲れさまでございました。 それでは、通告に従って一般質問をさせていただきます。 国の補正予算に対する本市の対策でございます。 我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から臨み、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につなげる社会保障、新三本の矢、この実現を目的として、一億総活躍社会の実現に向けて、政府は今年1月に一億総活躍関連予算などを盛り込んだ3兆3,213億円の平成27年度の補正予算が成立いたしました。国の補正予算に伴う本市の事業はどういう事業があるのか、お尋ねをいたします。 次に、合併特例債でございます。 御承知のように、昨年は合併して10周年の節目の年でございました。過去10年間で合併特例債を活用した事業の発行の総額と今後の計画についてお尋ねをいたします。 次に、農林行政でございます。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について質問をいたします。 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加12カ国は、2月4日に協定文に署名、昨年10月に大筋合意した協定文が確定し、2年以内の発効を目指すとしております。日本では、関税の撤廃や削減で輸入が拡大し、特に、農林水産業が打撃を受ける可能性が指摘される中、国、県において農業への影響額などが試算されているが、本市の主要品目における減少額と影響はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。 2番目でございます。新年度予算における主な施策についてお尋ねをいたします。 平戸市の農業に対する課題として、農家の高齢化に伴う
離農による労働不足、新規就農者の確保と多岐にわたり毎年厳しい状況にあっているところでございます。そういう中にあって、新年度予算にどのように反映したのか、お尋ねを申し上げます。 次に、本市の主な農産物の過去10年間の農業販売額の推移について、ここでは産出額としておりますが、販売額の推移についてお尋ねをいたします。 以上、壇上から質問をいたしました。詳細にわたっては質問席で行いますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 松山議員の御質問にお答えいたします。 総務省より2月末に国勢調査の速報値が公表されましたが、1920年から国勢調査が始まって以来、全国の総人口は初めて0.2%減少し、1億2,711万47人となっております。特に平戸市は8.5%の減少で3万1,949人と非常に厳しい結果となりました。 このような中、本市では一昨年の9月に平戸市人口減少対策本部を立ち上げ、随時対応策を協議してまいりましたが、企業誘致など即効性のある対策が困難な本市においては、地道ではありますものの1次産業を活性化し、6次産業化につなげることが最も重要な施策であると位置づけ、新年度予算の編成を行ったところであります。 農業における新年度予算についてでありますが、地域農業の担い手確保・育成のためには、若い人が農業を魅力のある職業の一つとして選択していただけるよう、地域の他産業以上の所得確保が必要と考えており、今年度に創設しました「平戸式もうかる農業実現支援事業」により、担い手の研修や就農後の給付金支給、園芸や肉用牛への施設整備等への支援を中心とした振興対策を重点的に取り組むこととしております。 また、現状では農業経験がないUIターン者や、普通高校卒業者の就農のための受け皿となる研修施設が本地域にないことから、仮称ではありますが、平戸市産業振興公社を設立準備する事業により、農業の支援体制整備について調査を行うこととしております。 さらに、畜産の振興に当たっては、獣医師の確保が重要となりますが、離島である大島での獣医師不在が地域の大きな課題となっており、平戸地区家畜診療所大島駐在所等整備事業により、獣医師が快適に居住し、診療を行う環境整備を支援してまいります。 残余の質問については、担当部長に答弁させます。
◎財務部長(吉住龍三君) 松山議員の御質問にお答えいたします。 国の補正予算に伴う本市の事業につきましては、平成27年度3月補正予算と平成28年度当初予算に分けて今議会に提出をさせていただいております。 まず、平成27年度3月補正予算でございますが、情報セキュリティ緊急対策事業として4,700万円、中部中学校校舎大規模改造事業、これは太陽光の発電設備の設置でございますが、4,874万5,000円、農村地域防災減災事業、これは県工事負担金でございますが、大島地区で880万円、原子力災害対策施設資機材整備事業、これは大島と度島地区でございますが、600万円、社会保障・税番号制度個人番号通知発行事業として748万3,000円などの合計事業費が1億1,897万9,000円となっております。 また、平成28年度当初予算では、臨時福祉給付金給付事業として1億8,000万円、畜産クラスター構築事業として4,922万円、地籍調査事業として3,137万6,000円、水産業競争力強化緊急施設整備事業として1億6,000万円の合計事業費4億2,059万6,000円となっております。 以上、2カ年の合計事業費で5億3,957万5,000円となっておりまして、このうち、国庫補助金、それから、県を通して来る県補助金等を合せまして3億1,123万6,000円となっております。 次に、合併特例事業債の状況でございますが、過去10年間ということでございましたが、今議会に平成28年度の予算まで御提案させていただいておりますので、見込みまで含めまして、ちょっとお答えをさせていただきたいと思いますが、平成17年度から平成28年度当初予算までを含めた借入総額、見込み額につきましては153億2,850万円となっておりまして、合計106事業について合併特例事業債を充当いたしております。 今後の計画につきましては、合併特例事業債の発行限度額が191億2,940万円となっていることから、これまでとの発行差額の38億90万円を発行可能期限である平成32年度までの平戸市総合戦略等の充当財源として有効に活用してまいりたいと考えております。 なお、合併特例事業債につきましては、建設事業分と基金分、これ新しいまちづくり基金に積み立てておりますが、に分かれており、建設事業では、発行限度額168億7,110万円に対しまして、発行残額が30億4,800万円、基金につきましては、発行限度額22億5,830万円に対して、発行残が7億5,290万円となっております。 以上でございます。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 松山議員の御質問にお答えします。 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP協定)における農林水産分野の合意内容につきましては、米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、林産物、水産物などの関税が段階的に削減もしくは撤廃されるほか、国別に無関税枠が設けられることになっております。 本市への影響額の試算につきましては、平成18年に国が市町村別の農業産出額の統計を取りやめたことから、本市独自の影響額を試算することができない状況にありますが、農林水産省が公表したTPP協定における「品目ごとの農林水産物への影響について」では、本市の主要品目である水稲は「国家貿易以外の増大は見込みがたい」、牛肉は「当面、輸入の急増は見込みがたいが、長期的には関税引き下げの影響が懸念」、アスパラガス、イチゴ、タマネギ、バレイショについては「影響が限定的と見込まれる」と分析をされております。 特に、本市への影響が大きいことが想定される肉用牛につきましては、ことし2月に公表されました県の試算によりますと、減少率が4.8%から9.6%で、乳用種などの低等級の国内産牛肉がアメリカ産やオーストラリア産などの外国産牛肉と競合し、販売価格に影響するとされており、黒毛和牛の繁殖牛産地である本市への影響は、当面は限定的であると考えておりますが、牛肉の輸入量によっては影響を及ぼすことも懸念され、今後とも流通の動向を注視してまいります。 続きまして、本市の主な農林産品の販売額の推移についてですが、農産園芸部門の、主食用米、バレイショ、タマネギ、イチゴ、アスパラガス、葉たばこ、特用林産物の菌床シイタケ、それから、畜産部門の肉用牛の8品目を対象として、平成26年度と平成17年度における販売額の比較についてお答えいたします。 農産園芸部門及び特用林産物の7品目につきましては、平成17年度の33億2,100万円に対し、平成26年度は28億9,000万円の87%となっており、13%の減少となっております。 次に、畜産部門の肉用牛につきましては、平成17年度の15億4,000万円に対し、平成26年度は16億2,800万円の105.7%となっており、5.7%増加しております。 主要農産品8品目全体といたしましては、平成17年度の48億6,200万円に対し、平成26年度は45億1,800万円の92.9%となっており、10年で主要品目の販売額は7.1%の減少となっております。 ちなみに、ここ10年間の販売額においては、平成22年度が40億3,700万円と一番低い額となっておりますが、平成22年度と比較した5年間における販売額の推移につきましては、農産園芸部門及び特用林産物の7品目では105.9%、畜産部門の肉用牛では124.4%いずれも増加しており、8品目全体といたしましては111.9%と11.9%増加しているところであります。
◆17番(松山定夫君) それぞれ御答弁をいただきました。まず、国の補正予算について、もちろんちょっとまたお伺いをしたいと思っております。 平成27年度、そして、平成28年度に、それぞれ事業計画を上げて今お話があっておりました。特に、この中で、年金生活者等の支援臨時福祉給付金について、ちょっとお尋ねをしたいと思いますが、これは市民福祉部長でようございますか。 これは、まず予算がどれくらい組まれておるのか。そして、この給付金の対象者、それから、これを発行を何月ごろにするのか。そしてまた、給付金の支給方法ですね。いろいろ問題等もでておりますので、この3点についてお尋ねをいたします。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 松山議員の御質問にお答えいたします。 まず、対象者等についてですが、今回の臨時福祉給付金ですけれども、国は一億総活躍社会の実現に向け、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者への支援によるアベノミクスの成果の近況の観点や、高齢者世帯の年金を含めた所得全体の底上げを図る観点に立ち、低所得の高齢者等を対象に年金生活等支援臨時福祉給付金の給付を行うこととしております。 事業内容ですけれども、支給対象者は、平成27年度の臨時福祉給付金の対象者のうち平成28年度中に65歳以上となる方で、支給額は1人につき3万円で、支給時期は6月以降を予定をしております。 また、国の平成28年度の事業といたしまして、この給付金以外で消費税率引き上げによる影響を緩和するために、平成27年度に引き続き臨時福祉給付金が支給されます。対象者は、平成28年度市民税非課税者で、支給額は1人につき3,000円であります。 また、この臨時福祉給付金の対象者のうち、65歳未満の障害基礎年金、遺族基礎年金受給者に対し3万円を支給することとしております。この支給については、10月以降を予定をしております。 予算のほうですけれども、最初に申し上げました65歳以上の低所得者の分ですが、一応6,000人を予定しておりまして1億8,000万円、あと臨時福祉給付金3,000円の分ですけれども、9,000人を予定しておりまして2,700万円、あと65歳未満の障害者基礎年金、遺族基礎年金の受給者の分ですが、700人を予定しておりまして2,100万円、合計2億2,800万円。 それと、あと支払方法ですけれども、口座振り込みにより支給をしていきたいというふうに思っておりますが、どうしても高齢者の方で口座を持たないという方については、現金支給も一部行っているというような状況です。 以上です。
◆17番(松山定夫君) ありがとうございました。それぞれ年金受給者、そしてまた、障害遺族年金等、そういったもので予算を組んでいるようでございますが、ただ、ここで私が一番心配するのは、やはり現金の受け渡しでございますから、これはもう慎重にやっていただきたいと思っております。いろいろ御承知のように、あちこちでそういうふうないろんな問題等も起きておりますので、その点をひとつ強く要望して、この件については終わりたいと思っております。 それから、合併特例債、これを活用しての事業が報告をされました。 私も一つの節目として、10年間、この合併債を使ってどういうふうな事業をして、どれぐらいの経費、財源が要ったのかなと、かかったのかなというふうなことでお尋ねをいたしました。別にこれをどうのこうのするわけではございませんけれども、やはり市民の方もやはり10年間たって、合併債を使った事業はどんくらいあったんじゃろうかなというふうなことで、やっぱり思っている方もおるようでございますので、あえてこういう質問をさせていただきました。 ちなみに、地区ごとの状況がわかれば、御答弁いただきたいと思いますが、ようございますか。
◎財務部長(吉住龍三君) 各地区の状況、旧市町村ということでお答えをさせていただきたいと思いますが、旧平戸地区では、市道山中・紐差線道路整備事業ほか43事業で66億420万円、旧生月町地区につきましては、山田小学校耐震化事業ほか19事業、13億2,600万円、旧田平町地区におきましては、田平港シーサイドエリア整備事業ほか19事業で15億1,230万円、旧大島村地区につきましては、支所・公民館整備事業ほか14事業で6億8,730万円、それから、市全域を対象とする事業といたしましては防災無線整備事業ほか6事業で51億9,870万円となっております。 この全市を含む地域の事業のうち、基金整備、新しいまちづくり基金として15億540万円が含まれております。 以上でございます。
◆17番(松山定夫君) そうですね、かなり事業をやっているようでございます。総額553億2,850万円というようなことで、合併特例債を使った事業がなされたようでございます。 あともって、まだ限度額が残っておりますので、その限度額についても事業計画を立てていると思っておりますので、何か特別に何かあれば、大きい事業等があればお願いしたいと思います。
◎財務部長(吉住龍三君) 今後の活用する事業ということでございますかね。大きなものといたしましては、通常学校整備等に充てておりますし、今、やっております超高速通信網、ブロードバンド等にも活用していきますので、そういうことを含めて振興計画、実施計画で活用策を検討してまいりたいと思っております。
○議長(辻賢治君) 自席番号をお願いします。
◆17番(松山定夫君) 済みません。そういうふうなことで、ひとつ今後とも大いに活用していただいて、市民の福祉っていいますか、ためにひとつ頑張っていただきたいなと一定思っております。この件についてはこれで終わりたいと思います。 次に、農林行政でございます。 今、部長のほうからもるるTPPについて御答弁をいただきました。政府が試算したTPPの影響、米の影響はゼロというふうなことでございました。特に、農林水産の生産額が、減額が約1,300億円から2,100億円、その中で特に牛肉、約311億円から625億円、豚肉、約169億円から332億円、牛乳、乳製品、約198億円から291億円といったことで、かなり農林水産物の生産の減額が、このTPPによって減額がされるというようなことで、大変この1次産業にとりまして大きい打撃といいますか、それぞれこれについてもいろいろ国のほうも施策を考えているようでございますけれども、とりあえずこういう数字を見ると、大変だな、これから大変だなというふうに考えるところでございます。 今、平戸の影響について部長のほうから答弁をいただきましたけれども、その統計が今まで国の統計で今までやってきておるようでございましたけれども、その統計がなされてなかったというふうなことでございますけれども、それはそれとして、特に御承知のように、この平戸市の農業の柱っちゅうのは、もう御承知のとおり、これはもう畜産でございまして、そういう抱える市でございますので、やっぱりさっき言いますように、この牛肉の問題等がそういうふうに減額になりますと、やはりこの子牛の値段等々もやっぱり影響を及ぼすかなというような感じもしておりますので、それについて肉用牛の振興について、今後部長のほうでどういうふうなお考えをしておりますか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 肉用牛の振興につきましては、「平戸式もうかる農業実現支援事業」や国の「畜産クラスター構築事業」の活用により、規模拡大意向意欲がある担い手に対し積極的に支援してまいります。 また、国においては、牛肉の価格安定対策である「肉用牛肥育経営安定特別対策事業」、牛マルキンですが、これが法制化が予定されており、さらに子牛の価格安定対策である肉用牛子牛生産補給金制度が充実されることから、肉用牛の経営環境は一定保護される状況にあり、さらに平成27年度補正予算においても、TPP関連政策大綱に基づき、さまざまな施策が予算化されていることから、本市に活用できる施策についても積極的に検討してまいります。 また一方、TPPにより牛肉、米、青果物などの輸出拡大の重点品目の全てが関税撤廃となることから、輸出拡大による効果が期待されているところであります。 市といたしましては、平成28年度の新規事業といたしまして、平戸ブランド東アジア進出事業として予算を計上しているところであり、農産物を含む本市の産品が、東アジア地域のニーズや価格、流通形態に合うかどうかを検証するとともに、物流及び販売のパートナーとなる企業とのマッチングを図りながら、関係団体と連携し、今後の輸出戦略を研究してまいります。
◆17番(松山定夫君) 今、御答弁をいただいた中で、肉用牛については関税撤廃により輸出の拡大が大きいと考える中でマルキン制度、これは畜安法といいますか、そういう法律を使って、価格が安くなれば補填をする制度というふうなことで国も考えておるようでございます。 今、部長から御答弁をいただきました、この平戸ブランド、東アジアへの進出事業というようなことで申し上げましたけれども、具体的にどういうふうな形でこの事業を今後やっていくのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 先ほど今後も輸出戦略を研究したいというお話をしたんですけれども、実際、今平戸指定ブランド化として首都圏等に今行っているところでありますけれども、その中でもいい品物、平戸牛も認可ありますし、それから、イチゴ等も認可あります。ただ、輸出の仕方で、どの品目をどういうパートナーと、そして、どういうふうにしてものを運ぶかというものが、全く平戸市としてのノウハウがありませんので、県の輸出協議会等とも連携をしながら、1年かけて研究をさせていただきたいと考えているところでございます。
◆17番(松山定夫君) 国も、やはりそういう考えで、やはり輸入ばかりをして輸出もしなければいけないというふうな事業も上げているようでございますから、平戸市もそういう計画があればひとつ実行していただいて、お願いをしたいというふうに考えておるところでございます。この件については、ここで終わりたいと思います。 次に、新年度の予算、主な主要施策についての、御答弁をいただきました。 それぞれ新しい事業を平成28年度に組んでいるようでございます。平戸市産業振興公社、これについては、きのう同僚議員が質問されていたようでございますので、この件については割愛をさせていただきたいと思っております。 この中で、そのほか、平戸式もうかる農業実現支援事業補助金とか、農業振興費の中では、そういう2つの新しいメニューが出ておりますし、畜産費といたしましては、平戸式もうかる農業実現支援事業、これ4,875万2,000円、それから、離島地区の獣医確保、次に、平戸地区家畜診療大島駐在所の整備事業補助金、それから、畜産のクラスター事業、そういうふうな事業を新しく組んでいるようでございます。 一、二点、この事業についてちょっとお尋ねを、質問をさせていただきます。 まず、平戸地区の家畜診療所、大島駐在所等の整備事業について約2,000万円の予算を組んでいるようでございますが、このことについて答弁できる範囲でようございますから、ひとつお願いしたいと思っております。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 平戸地区家畜診療所大島駐在所等の整備事業についてでありますが、現在の大島駐在所は昭和40年に建設された建物であり、老朽化が著しく、さらに居住施設もないことから、今後、駐在する獣医師の負担が大きいことが想定されるため、長崎県北部農業共済組合が新たに整備する診療所兼獣医師住宅に対する支援として2,000万円の予算を計上させていただいております。
◆17番(松山定夫君) ありがとうございました。この市が2,000万円というようなことで上げておりますけれども、そのほか当事者もございますし、このそういったところ、例えば、農協とか、そういう補助的な問題はなかったですか。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 現在の計画では約3,000万円程度の事業費で共済組合が1,000万円程度、それから、そのうち3分の2を市が支援できないかということで今計画をしているところでございます。
◆17番(松山定夫君) どうぞこの件についても、ひとつ早く事業化されますように、私からもお願いをするところでございます。 もう一つ、この畜産クラスターについて事業が上げられておりますけれども、このことについてもひとつ部長のほうから御答弁をいただきたいと思っております。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 本年度より国において創設された畜産クラスター構築事業は、地域の畜産関係者が密接に連携・結集し、繁殖雌牛の増頭及び飼料の増産など緊急に対応すべき課題を解決するための支援制度となっており、県北地域の各繁殖部会及び肥育部会の代表者、ながさき西海農業協同組合、県及び市町などの関係機関で構成される「ながさき県北畜産クラスター協議会」が平成27年3月に設立され、今年度から事業に取り組んでいるところであります。 平成28年度の予算におきましては、事業主体であるながさき西海農業協同組合に対して、田平地区及び大島地区における30頭以上の牛舎等の整備及び繁殖雌牛の導入に対する支援として4,922万円を計上しております。 なお、本事業の対象となった施設については、国50%、県13.5%、市16.5%で合計80%の補助、繁殖雌牛については1頭当たりで最大で国27.5万円、市が5万円の合計32.5万円の補助が受けられることとなっており、事業実施後の施設及び繁殖雌牛は、ながさき西海農業協同組合から規模拡大に取り組む農業者に対して、補助の残存価格でリースされる計画であり、専業的に繁殖牛経営に取り組む農業者にとっては、初期投資の負担軽減につながるものと考えております。
◆17番(松山定夫君) この畜産クラスターについては、これは前からこういう農協が牛舎を建て、そして、牛を導入し、そして、皆さんにリースをしながら経営をしてもらうというようなことで、今部長のほうから御答弁がありましたように、前からの計画でございまして、これは、前こういう畜産クラスターの構築のための支援事業が整備されますよというようなことで御紹介があって、これ当初、宮崎県のほうでこの事例があって、私もその事例をもとにこの質問をさせていただいたわけでございますけれども、これと全く同様な事業と私は思っておりますが、間違いございませんか、部長、お願いします。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) この畜産クラスターの事業につきましては、先ほど御説明させていただきましたように、昨年の3月に創設された事業ということで、ちょっとその前の事業との関連というのが、ちょっと私のほうでわかりかねます。
◆17番(松山定夫君) 4,922万円、このうち牛の導入補助については165万円程度組んでいるようでございますけれども、この金額はどういうふうな形になりますか。頭数によってこういう試算をしたと思いますけれども、ここのところちょっとお尋ねしたいと思います。 165万円を、492万円のうちに165万円もこれは入っておるというふうに私は感じておるわけでございますけれども、ちょっとそこらのところを教えてください。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 今回の予算で計画をしておりますのは195万円の内訳でございますけれども、1頭当たり32万5,000円掛ける6頭ということでなっております。
○議長(辻賢治君) よろしいですか。 (「ちょっと補足をよろしいですか」と呼ぶ者あり) ちょっと先に部長がもう一回補足するそうです。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 申しわけありません。ちょっと補足ですけれども、国費が27万5,000円掛ける6頭の165万円と、あともうかる農業のほうで130万円ということで、先ほど195万円ということでお答えをさせていただいております。
◆17番(松山定夫君) わかりました。そうすると、毎年増頭していく上において、これだけの補助をいただいて増頭していくというふうなことで御理解ようございますか。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 繁殖雌牛の導入につきましては、牛舎をつくって、すぐに全部入れるというわけじゃありませんので、年次を追いながら支援をしていきたいと考えております。
◆17番(松山定夫君) わかりました。そういうことでひとつよろしくお願いしたいと思っております。 次に移ります。平戸市の主な農産品の10年間の販売額ちゅうようなことで、今部長のほうからさっき御答弁をいただきました。 その前に、県の農林水産省がまとめた数字がありますので、せっかくですので、それを述べさせていただきたいと思いますが。 県は農業産出額、伸び率が全国一、本県が10年間で8.9%の増というようなことで、そういう新聞にこういう記事が載っておりました。 ちょっと読み上げたいと思いますが、時間の都合で途中からちょっと読みましょうかね。途中からやったっちゃ、ちょっといかんか。 品目が肉用牛、豚、イチゴ、レタス、ブロッコー、菊というようなことで、平成14年の産出額をちょっと上げているようでございます。肉用牛で約202億円、それから、豚で137億円、イチゴで96億円、レタスで41億円、ブロッコリーで20億円、菊で36億円というようなことで上げておりますが、主にこの産地については、特に、御承知のように、ここの中で畜産もこの平戸も上がっておるかなというような感じもしておりましたけれども、肉用牛については、やはり五島域のほうが、そういうようなことで生産額が上がっているようでございまして、そのほかの品目については、やはり当然、島原あたりが一番、島原に県央あたりが一番産出額があるようでございますが、イチゴについては、やはりこれはもう島原なども全域について上げているようでございます。一応、こういうふうな数字が出ておりましたので、御紹介をさせていただきました。 今、平戸のほうで、その販売額の推移について部長のほうから答弁をいただきました。8品目で農業の販売額の推移というようなことで私がグラフでちょっと示してもらえんかというようなことで、こうしてグラフができております。 こうして見ますと、大体横ばい、平成17年が48億円、それから、ずっと来て平成22年がちょっと数字が下がっているようでございますけれども、平成26年については45億円ちゅうようなことで、特に、畜産あたりは伸び率が非常に5.7%ですか、こう上がっているようでございますけれども、また、平成27年度については、まだ出ておりませんけれども、特にまた平成27年度は牛、畜産においては、まだ数字的に上がるちゃないかなというふうに思っているところでございます。 この平成22年度のこの数字ですね。部長、何が原因でここら辺でちょっと低かったのか、ちょっとお尋ねをいたしますが、よろしいですか。
◎産業振興部長(渋谷隆秀君) 平成22年で最も落ち込んだのは、僕は水稲と葉たばこだろうと思っております。まず、気象が6月に物すごく低日照で多雨だったということがありまして、たしか作況指数がかなり米は落ちまして、その上にウンカが大発生をしましたが、あと紋枯れ病もかなり出たということで、水稲が前年からすると2億円以上落ち込みをしております。 同じく葉たばこについても、ちょうどその時期が収穫時期に当たるということで、立枯病がたくさん出まして、そのとき大幅に葉たばこの金額も落ちたということで、主要な2品目が大きく落ちたということが、平成22年度の販売額減少につながっていると感じております。
◆17番(松山定夫君) そうですね。私もそういうふうな感じを持っているところでございます。やはりその一年一年のやっぱりそういう天候に左右されますので、そういう状況があるのかなというふうなことでございまして、しかしながら、平成34年ですか、総合計画にもずっと上げて、この販売額の数字も上げているようでございますけれども、三十何年ですか、五十二、三億円の数字を上げているようでございますけれども、どうぞその目標に向かって、計画をずっとやってきた関係で、やはりこの数字がそのまま横ばいの状態で来たかなというふうに私も考えておりますので、この計画ちゅうのは非常に必要だなというふうに感じております。 どうぞ今後ともそういういろんな計画、今度の戦略もそうでしたけれども、今後また過疎化の率、そういう計画も上げているようでございますので、そういう計画をひとつ見据えて今後頑張っていただきたいと。頑張っていただきたいちゅうか、農家がこれはもう頑張って、こういう予算を活用して頑張らんにゃいかんとですけれども、そういったことでひとつよろしくお願いをしたいと思っております。これで販売額については終わりたいと思います。 最後に、市長のほうにちょっと御答弁をいただきたいと思っております。 市長のほうからも農業振興については御答弁をいただきました。大変、平戸式もうかる農業について多額の予算をつけていただいた。よし、これから頑張ろうというふうな皆さんの意気込みがこうして伺えるような気がしております。どうぞひとつ今後ともよろしくお願いしたいと思います。 今、大島のほうに、その獣医さんの住宅等々計画もあるようでございます。全体的に前回12月の定例会のときに19番の同僚議員がこの獣医師の問題でちょっと質問がありました。私もその関係といいますか、そういう思いの中で、特に、農家の生産者の皆さん方も非常に獣医師が不足している状況下にあって、非常に先生を呼んでもなかなかすぐには来られないちゅう状況下にあって、牛を亡くしたりなんだりちゅう大きい事故が最近多くなっているようでございますので、ぜひ、私からもこの獣医師の確保について、お願いをしたいなというふうに思っているところでございます。 今、現在4名の獣医さんがおります。1名は連合会からの出向で来ておりまして、新たにその方がまた帰るそうでございまして、新たにまた1名来るようになっておりますけれども、そうしてもまた4人というようなことでございました。 大体、この往診といいますか、この治療といいますか、獣医さんが年間にかかっている、そういう治療あたりにかかっている頭数がちょっと出ておりますけれども、平成27年度現在で3,208頭、このうち、この別に去勢が793頭、それから、妊娠鑑定が811頭、合計しますと平成27年度現在で4,812頭、4人の先生方がちょっと診よるわけですよね。そうすると、単純にこの数字を4人で診れば1,203頭、1人で大体年間診よる。 この数字を見ますときに、やはり今からも頭数がふえて可能性があると私は期待をしておりますので、ますますこの治療にもなかなか即答、対応できない状況下にあるかなというふうなことでございました。 そこで、市長におかれましては、この畜産については、非常に子牛の購買所についての誘致あたりも積極的にしていただいております。この場をお借りいたしまして感謝をするわけでございますが、ついでとはちょっとどうかなと思いますけれども、どうぞ、そういう市長はある程度顔も広うございまして、あちこちずっと回っているようでございますので、何か思いといいますか、12月、同僚議員がそういう一般質問をしたときのその後の経過といいますか、どういうふうなお考えを持っているのか、ちょっと聞かせていただければなというふうに思っております。
◎市長(黒田成彦君) 私も農業共済組合とともに平戸地区家畜診療所運営協議会に参画いたしまして、この畜産農家のバックアップ体制については深くかかわっております。 このところ獣医師が2名、急遽、それぞれの御都合で、いわゆる離職されたということについては大変なショックを受けております。5名体制でやっていたものが、急に3名になって、緊急対応として今1名、組合のほうから派遣してもらっていますが、このままでいいはずがないというふうな思いで、獣医師の確保についても大きな課題と位置づけております。 今回、新年度予算で、さっき申しました平戸地区家畜診療所大島駐在所等の整備事業についても2,000万円の予算を計上し、新たに診療所の県獣医師住宅に対する支援をしてまいりたいと思っておりますと同時に、獣医師のいわゆる医師人材をどうやって確保し招聘しなければならないかについては、農政の問題だけではなくて、我々のこの行政も大きな課題と認識しております。 先月、県の獣医師会にもお邪魔いたしましたし、また、県の畜産課にもお邪魔いたしました。その通年通して大島に居座ってくれというのは、一番目指すべきところですが、それを早急の対応でどうできるかちゅうのは課題が多い。したがって、臨時的に、あるいは期間を決めてでもいいから研修を含めた形で、その獣医の人材が大島に行って滞在できるような仕組みも含めて関係方面にそういった提案ということを積極的にしているところであります。 また、獣医師会にとっても、今、鹿児島、獣医学部ですね。大学の農学部の中の獣医学部を持っているところが、この近隣では宮崎と鹿児島にあると聞いておりますので、そういったところについてもいろいろな情報がないか、問い合わせをしながら、そういった確保については積極的に動いてまいろうと思っています。 何につきましても、先ほど松山議員からは、この生産額と販売額の指摘がございました。それぞれ品目については、現状維持という数値ではありますが、一番の減少傾向の原因は、やっぱり生産者の減少ですよ。つまり高齢化です。ですから、いわゆる高齢化によって
離農する方の分を誰が補うか。若い世代、新たな担い手が自信を持って、希望を持って営農できる環境づくりが大事だと思っております。 そのために、私たちは、安心と希望をどう与えていくか。そのために獣医師の確保であり、購買者の気持ちも同時並行に伝えていかなきゃいけないということで、先般、神戸の平井会長に来ていただいて、心配しないでいいと、思い切ってやろうという掛け声もいただいて、そういったことが、今般のこのいろいろな指導についても意欲を持ってやっているあらわれだと思っていますので、そういった情報を共有しながら、生産地の魅力を全国に発信していきたいと思っております。
◆17番(松山定夫君) 市長の思いを聞かせていただきました。本当に力強いお言葉をいただきましたので、どうぞひとつ今後ともよろしくお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(辻賢治君) 以上で、松山定夫議員の一般質問を終了いたします。 しばらく休憩いたします。午後の会議は1時30分に再開いたします。 休憩 午後0時09分 再開 午後1時30分
○副議長(山内政夫君) 会議を再開いたします。 引き続き一般質問を行います。 次は、6番、山崎一洋議員。
◆6番(山崎一洋君) 登壇 日本共産党の山崎一洋です。東日本大震災と東京電力の福島第一原発の事故から5年、犠牲になられた皆さんに心から哀悼の意を表したいと思います。 安倍政権は、オール福島の声である県内原発全基廃炉に背を向け、到底帰れる状況にないにもかかわらず、避難指示の解除を進め、賠償すら打ち切ろうとしています。被災者切り捨て政治は許されません。全ての被災者が生活となりわいを再建できるまで、国と東電が責任を持って支援することをこの場からも強く求めたいと思います。 さて私は、国の予算案が発表されますと、勉強、研究を毎年行っております。なぜ平戸の市会議員が国の予算案を研究し、勉強しなければならないかというふうに考えたかといいますと、国が新しく国民のため、平戸市民のために施策を用意した場合、直ちにその実行を市に求めていくためです。あるいは、国が国民、平戸市民のための施策を削ろうとしているときには、それに反対していくためです。 来年度予算案では、保育料引き下げに対して国が新たな措置をとりました。そして、今年度から始まっております国保の国の負担、これを来年度も続けることがわかりました。私は、この2つのことについて、私のところには、保育料が高過ぎるために、保育園に行かせたくても行かせられないという声も寄せられておりますので、この2つのことについては、貧困対策という位置づけで今回は質問をさせていただきたいと思っております。 さて質問に入ります。第1に、消費税の増税について、市長の見解をお聞きします。 安倍内閣の経済政策アベノミクスが、国民の暮らしに大きな打撃を与えています。安倍首相は、経済の好循環が生まれていると自画自賛していますが、第2次安倍政権の発足から3年、個人消費、賃金、雇用の全てがマイナスです。 内閣府が発表した2015年10月から12月のGDP(国内総生産)は、マイナスでした。最大の原因は、国内総生産の6割を占める個人消費の落ち込みです。 第2次安倍政権の発足直前には、308兆5,000億円あった個人消費が、この3年間で304兆5,000億円に、4兆円も減少しております。国民の物を買う力が弱くなりました。その最大の原因は、実質賃金の減少です。賃金が上がらないだけでなく、消費税の増税による物価上昇で、実質賃金は3年間で5%も下がりました。年間400万円の収入がある世帯では20万円もの減少です。 国会で、安倍首相は、パートで働く人がふえたから賃金が下がったと答弁しましたが、パートだけではなく、一般労働者の賃金も3年間で3%下がっております。 雇用はどうでしょうか。3年間で正規雇用は23万人も減りました。パート、臨時などの非正規雇用は172万人もふえております。これでは国民の暮らしも日本経済も衰えていくばかりです。こんなときに消費税を10%に引き上げれば、ますます暮らしが壊れ、一層、景気が悪くなり、税収にも打撃を与えて財政再建もできないことは明らかです。 国会で麻生財務大臣が、消費税増税の影響について答弁しています。 消費税8%から10%への増税で国民1人当たりの負担は2万7,000円ふえます。1世帯当たりの負担は6万2,000円ふえます。3年間で5%から10%への増税です。この連続した増税の影響は、国民1人当たりでは8万1,000円、1世帯当たりでは18万4,000円にも上ることを麻生大臣は認めております。平戸市民の暮らしにも大きな影響を与えることは明らかではないでしょうか。 市長に質問します。住民の暮らしを守るのが、地方自治体の一番の仕事だと思います。その地方自治体の長として10%への消費税増税に反対をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 大きな2つ目に、貧困対策について質問します。 子供の貧困が大きな社会問題となり、テレビや新聞などで繰り返し報道されています。親の失業や低収入、病気、離婚など、家庭の経済状況の悪化でもたらされる子供の貧困は、日本では年々深刻になっています。 国の貧困の実態を示す指標に、総体的貧困率があります。日本政府は、2009年に初めて発表しましたが、そのときの子供の貧困率は2006年の時点で14.2%、7人に1人でした。当時、OECD(経済協力開発機構)の中でも最悪の水準として大きな社会問題になりました。 3年前の国会で子供の貧困対策法が全会一致で成立しました。しかし、政府は真剣な取り組みをしていません。そのため、昨年発表された子供の貧困率は16.3%、前回の発表より2%以上もふえて6人に1人となりました。 子供の貧困対策法は、国や地方自治体の責務などを以下のように明記しています。 貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境の整備を行う。教育の機会均等を図ることを目的に掲げております。そのための子供の貧困対策の総合的な策定、実施に対する国と地方自治体の責務などを明記しています。 市民福祉部長に3つ質問します。1、平戸市の子供の貧困対策の総合的な策定、実施はどうなっていますか。2、対策を行う上で、貧困の実態や貧困状態にある市民の要望をつかむことが重要です。そのために聞き取りやアンケートなどの調査を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。3、平戸市は、2008年から2017年度までの10年間の平戸市総合計画に基づいてまちづくりを進めています。 現在の総合計画の実施計画は、今年度からの3カ年計画です。基本目標として健やかで笑顔と優しさがあふれる地域社会の形成あるいは自然と共生した安全で快適な生活基盤の確保などが掲げられています。 国は、地方創生の名のもとに、国としての長期ビジョンと総合戦略をつくりました。国は、市町村にも地方人口ビジョンと地方版総合戦略の策定を求めています。平戸市では今後5カ年の平戸市総合戦略を間もなく完成させます。 平戸市総合計画にも平戸市総合戦略にも平戸市が行う事業がたくさん書かれております。その中に生活保護や就学援助など、これまでも取り組まれてきた事業はあります。しかし、貧困、特に子供の貧困が大きな社会問題になっているにもかかわらず、貧困対策は書かれていないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 次に、保育料について質問します。 私のところには、保育料が高いために子供を保育園に通わせることができない。保育料を引き下げてほしいという声が寄せられています。私は何度も保育料の引き下げを求めてきました。市民の皆さんから引き下げを求める声が寄せられているからです。そして、今年度から保育料の引き下げが行われました。市民の声が市政を動かしたものだと考えております。 来年度、つまりこの4月から国が保育料引き下げの措置をとることがわかりました。これは、多くの国民の願いが国を動かしたものだと考えております。ただ、極めて不十分なものです。平戸市を初め多くの自治体が既に実施している内容とも重なる部分が多々あります。 市民福祉部長に質問します。国の新しい措置によって平戸市の保育料はどう変わりますか。具体的な事例も上げてお答えいただきたいと思います。 次に、国民健康保険税──国保税について質問します。 先ほども述べましたように、国が国保料引き下げについて、地方自治体への支援を今年度から1,700億円始めました。それが来年度も続くということがわかりました。 私は、この国民健康保険税についても繰り返し質問をしてきました。どの自治体でも国保税、国保料が高くなり、多くの住民は負担に苦しんでいます。 その原因は、国保に対する国の負担がどんどん削られてきたところにあります。ですから、この国保料、国保税に苦しむ国民、市民の苦しみの責任のもとは国にあると言えると思っております。 市民福祉部長に質問します。国の支援1,700億円のうち平戸市への支援額は幾らだったのでしょうか。 次に、教育次長に質問します。子供貧困対策というとき、小学生や中学生を対象にした就学援助も重要だと思います。就学援助に対してどのような取り組みを行うのかが、地方自治体が貧困対策に真剣に取り組んでいるかどうかの一つの指標ともなると思います。 昨年12月の市議会でも質問しました。生活保護の基準が引き下げられました。何の対応もしなければ、連動して就学援助の基準も引き下げられ、これまで就学援助を受けていた児童生徒でも受けられなくなる子供たちが生まれます。 私は、国が生活保護の基準を引き下げる前の市議会で、そうした児童生徒が生まれないように平戸市は対応すべきだと質問しました。そのときの教育次長は、子供たちに影響が出ないよう対応すると答弁しました。 文部科学省も自治体は、子供たちに影響が出ないように対応するようにという通知を出しました。文部科学省の通知を受けて全国で1,734の自治体、98.5%の自治体が対策をとりました。対策をとらずに就学援助をカットしたのは、わずか27の自治体です、1.5%。その中に残念ながら平戸市も含まれております。対策をとり、子供たちに影響が出ないようにするためには、平戸市の場合、わずか数十万円で可能だったのです。 私は、昨年12月の市議会で対策を改めてとるように求めました。しかし、残念ながら教育次長の答弁は対策をとる考えはないというものでした。 これだけ貧困対策が、子供の貧困が大きな社会問題になっておりますので、再度、教育次長に質問をします。就学援助、もとに戻すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 大きな3つ目の質問、市長・副市長・教育長の退職金の減額を求めます。 子供の貧困が大きな社会問題になっています。貧困は子供ばかりではありません。お年寄りの皆さんの貧困も大きな社会問題になっております。「下流老人」という言葉も生まれております。こういう社会状況の中で、市長、副市長、教育長の4年置きに、しかも多額の退職金を受け取るということは、市民の理解を到底得られるものだとは思いません。 市長に質問をします。退職金の見直し、減額を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、1月末の大雪の際の断水について質問をします。 大雪の際、私も御近所や知り合いのお年寄り、あるいは障害を持たれておられる方を訪問しました。幸いに皆さん、断水などで困っているという人はおられませんでした。しかし、雪が解けた後になって、お年寄りの皆さんや障害を持たれておられる皆さんから、給水の場所に行けなくて御近所のお世話になったと、何とかならなかったのかという声が寄せられております。断水になることが、もう少し事前にわかっていたらという声も寄せられました。 総務部長に質問します。1、市の対応が後手後手になったということを昨日のこの本会議の場でも答弁されておりましたが、どんなところが後手後手になったというふうに考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。2、高齢者や障害者など災害弱者と言われる皆さんへの対応はどうだったのか、お答えください。3、災害に備えるということで、今回の経験からどんな教訓を引き出していますか。備えを充実させることなども含めて答弁をお願いしたいと思います。 これで壇上からの質問を終わりまして、この後は質問席から行いますので、よろしくお願いいたします。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 山崎議員の御質問にお答えします。 初めに、安倍政権の経済財政政策、いわゆるアベノミクスについての私の見解を申し上げます。 バブル経済の崩壊に始まりリーマンショックを経た、それまでの我が国経済はデフレ状態が長く続き、それは民主党政権時代においても持ち直すことができませんでした。 わかりやすく経済そのものを体に例えますと「お金の移動」を「血液の流れ」と表現できます。その場合、デフレとは貧血の状態であり、体力が失われ自律回復ができない状況に当てはまります。幾ら財政出動という輸血を繰り返しても健康にならなかった時期は、我が国経済再生の道は険しかったと言わざるを得ず、長引く円高に耐えられなくなった企業は労働市場の安価な中国を初めとするアジア地域へ流出していきました。当然、これらに連動し、しわ寄せを受ける国内企業は体力を失い、雇用が奪われ、まさに瀕死の状態だったことは記憶にまだ残っておられると存じます。 アベノミクスの第一の矢は、金融政策でした。日銀主導で行われた円安誘導政策は見事に為替取引市場に刺激を与え、1ドル70円前半だった相場は一気に100円の壁を超え、一時期120円まで円安となりました。輸出を主とする製造業は息を吹き返し企業収益が持ち直して今日に至っております。 これに続く第二の矢、第三の矢について、評価がいろいろ分かれているところでありますが、結果として現在、経済の血液であるお金は、地方銀行レベルではだぶついておりまして、早い段階で毛細血管にこの流れを促進することが地方経済の復活をもたらし、地域活性につながる処方箋とも言えます。 そこで日銀は、マイナス金利を断行、そして地方銀行経営そのものにも刺激を加えながら、血のめぐりを活性化させようとしています。 本市では、こうした国の動きと連動し、昨年、中小企業・小規模企業の振興に関する条例を策定し、思い切った融資制度を含む産業振興策を実施しました。 また、ふるさと納税制度による好循環が相乗効果となって、平成26年度と平成27年度の2カ年間で、新規創業は7件、設備投資は9件で7,875万円と大幅に伸び、さらに平成25年度の新規融資実績は8件で2,160万円だったものが、この2カ年間で110件の4億7,000万円を超える実績となっています。 総じて金利が安いということは、お金を貯めておくよりもさまざまな投資活動に使ったり、生涯の財産である家の建設、改築なども促進されますし、これがひいては、市内の古民家改修などにも活用できれば定住促進などにも拍車がかかることが期待されます。 かつてのバブル経済期のように、土地さえ保有していれば融資を受けられたり、黙っていても銀行貯金の利子が著しくふえたりする時代は、もはや繰り返されることはありません。バブルとは文字どおり「あぶく銭」であり、例えて言えば、肥満体であることに目を背け血圧が高いのを「貧血ではない」と勘違いしていた状況かもしれません。 本来の健康体は、適度な運動が伴わなければなりません。みずからが積極的な事業運営に挑戦したり、思い切った発想で消費者ニーズに応える戦略に突き進まなければお金という血液は回るはずがありません。 そういった意味においては、アベノミクス効果は本市においても徐々にではありますが、活力をもたらす効果があらわれていると感じております。 なお、消費増税につきましては、国のレベルにおいて議論されるべき重要な財政規律の問題でもあり、地方自治体の長が評価する立場にないと存じますので、回答については差し控えさせていただきます。 次に、特別職の退職金の見直しについての御質問ですが、これは平成22年3月定例会及び平成23年3月定例会でも同様の御質問がなされ、このときもお答えしましたが、市長という職は市民から負託された職であり、当然ながらその給与や退職金についても条例において決定されているものであります。 特に、退職金のもとになる給料は、議会に対し額の改定を提案する際に、市内の公共的団体等の代表者で組織している特別職報酬等審議会において意見を聞くこととされており、今期定例会の議案第6号において「平戸市長、副市長及び教育長の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例」を提案しておりますが、これは特別職報酬等審議会の意見を聞いた上での提案でございます。 答申内容を申し上げますが、「市長等の特別職の給料については合併後に地方交付税が減額され財政状況が悪化するおそれがあることから、財政危機宣言を行い給料を減額しています。その後、財政の見通しが立ったことから財政危機宣言も解除され、職員及び市議会議員については元の額に戻したにもかかわらず減額したままの状態であります。今後の平戸市の状況を考慮した場合、また、県内他市と比較しても低位に位置していることから、平成28年4月1日から合併時の額に戻すのが妥当との判断をしました。しかしながら、今後、人口減少の
抑制や本市の第1次産業などが衰退しないような市政運営を行い、雇用や定住促進の努力を行ってもらいたいとの委員から意見がありましたので附帯事項としてつけ加えさせていただきます」との答申であり、市長を初め特別職の給料が適正かどうかの判断は、審議会で十分審議されているものと思っております。 また、特別職の退職金については、本市も加入しております長崎県市町村総合事務組合の条例において、支給割合が一律に定められており、平戸市だけが高いということはございません。そのようなことから、本市の退職金の額は適正なものと判断をしております。 残余の質問は、担当部長に答弁させます。
◎総務部長(岡康則君) まず私のほうから、大雪時の断水時のどんなところで後手後手だったのかというとこと教訓についてという部分をお答えさせていただきたいと思います。 どういうところが後手後手に回ったかと言いますと、当時、そのときには九州上空に23日の夜から24日にかけて39年ぶりの記録的な強い寒気が流れ込み、陸上は大雪が予想されていたものの、これほど市内の広範囲において露出した給水管の凍結、破損に起因する断水という状況が全く想定されていなかったことから、各部における緊急対応の協議、準備を行っておりませんでした。 そういうことから、1月26日になって給水体制も整備するような状態でございました。その断水期間でありますけれども4日間で42カ所の給水場を設置するまでの対応しかできなかったというところでございます。 そのときの職員の配置でございますけれども、全体で4日間で82人の職員も配置しております。また、あわせてやはり市だけではどうしても足りず、陸上自衛隊のほうから応援をいただいております。それも陸上自衛隊につきましては、大村駐屯地第16普通科連隊及び福岡から陸上自衛隊第4師団のほうから御支援をいただきまして給水活動をしていただき、多くの市民の方から感謝の言葉もいただいたところでございます。そういうふうに、最初から準備できなかったというところで後手後手に回ったというところでございます。 そして、教訓はどうだったのかということでございますけれども、今後につきましては、数十年に一度のこの記録的な寒気の予報が出された場合におきましては、やはり事前に災害警戒本部を設置いたしまして、本部長会議を開催し、各部署における事前準備と各関係機関等への連絡体制の確認及び連携体制につきまして、やはり事前の協議は必要かというふうに考えております。 そして、万が一、こういう事態が出てくるというようなことが把握できた時点で、すぐ災害警戒本部に引き継ぎまして、万全の対策をとるような体制を今後はとっていかなければいけないというふうに教訓として考えたところでございます。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 山崎議員の御質問にお答えします。 まず最初の貧困対策についての対策の策定ができているのかということでございますが、昨日、大久保議員の御質問にもお答えしましたとおり、長崎県におきまして、子供の貧困対策推進方針が策定されておりますので、県と連携を図りながら貧困対策等を推進していきたいというふうに考えております。 また、平戸市の現在の対策といたしましては、まず保護者に対する就労の支援として、生活保護受給者、児童扶養手当受給者、生活困窮者などを対象として福祉事務所とハローワークの連携による就労支援を行っております。 また、看護師など安定した就労へ結びつける可能性の高い技能習得の支援や、平成28年度から新規事業として高等学校卒業程度認定試験合格支援など、母子家庭等の自立支援給付事業を行うことといたしております。 また、ひとり親家庭などへの児童扶養手当やゼロ歳児から中学生までの児童を養育している世帯へ児童手当を支給しているところであります。 次に、聞き取りまたはアンケートを実施してはということでございますが、貧困に対するアンケートということになりますと、個人情報及び個人のプライバシーに関する調査になるところが考えられることから、このアンケートというのは難しいのかなというふうに考えております。 次に、平戸市の総合計画の中に、子供の貧困対策が明記されているかというところでございますが、この子供の貧困というところでの文言の明確な貧困と使った言葉での支援というか、その計画はございませんが、母子家庭等に対する支援等については掲載をしておりますので、その計画に基づきながら対策を行っていきたいというふうに考えております。 あと次に、保育料の引き下げで国の新しい措置によってどのように変わるかというところでございますが、保育園等の保護者負担金、保育料については、平成27年度まで国の基準では多子世帯に係る特例措置として、小学校就学前の子供を第1子として計算し、保育料を第2子半額、第3子以降を無料とされており、本市ではこの国の制度を引き上げて、小学校3年生を第1子として計算して、第3子以降を無料化しているところです。 これを国は、平成28年4月から年収約360万円未満相当の世帯について、小学校就学前としていた従来の多子軽減におる年齢の上限を撤廃するとともに、年収約360万円未満相当のひとり親世帯については、保育料の負担軽減措置を拡大いたしまして、第1子については現行の半額、第2子については無料化とすることが決定されております。これを受けて本市では、国が設定している所得制限の取り扱いについて現在検討中であります。 具体的な例を示してくれということでしたので、ことし平成27年度に、ひとり親4人世帯の場合としまして、子供さんが小学校3年生を頭に3歳児、1歳児がおられた場合、現行の国の制度では小学生はカウントしませんので、第1子目が満額、第2子目半額です。平戸市ではそれを拡充し、小学3年生から数えて3番目以降に当たる保育所を利用している子供を無料としております。 ですから、国でいけば4万2,000円のところを市では1万8,000円、平成28年度になりますと、国が生計が同一の子供であればカウント対象として、第1子半額、第2子無料の改正のため、保育料は全て無料になるというような試算になります。 次が、国民健康保険の1,700億円の平戸への支援額ということでありますけれども、今回の国の財政支援による平戸市国民健康保険の影響ですけれども、財政支援の対象となる被保険者数は平成26年度は7割、5割軽減で4,737人でしたが、平成27年度では7割と5割軽減に加え、新たに2割軽減の支援も対象となり、前年度に比べ2,023人の増、6,760人で、その支援額は平成27年度で対前年度比6,000万円の増となり、保険基盤安定化負担金は2億4,500万円の見込みとなっております。 次に、この前の断水での高齢者への対応というところでありますけれども、1月24日の大雪に伴う断水時において、高齢者等への給水が心配されましたため、ひとり暮らしの65歳以上の高齢者で各種サービスを利用していない見守り対象者107人に対し、電話による確認を行いました。その中でほとんどの方が家族、区長、民生委員、地域の方々によりフォローされていた状況でありました。 また、在宅の介護保険利用者に対しましては、サービス事業所に対して対応をお願いするとともに、介護保険以外の高齢者、デイサービスや配食サービスなどの福祉サービスを利用している高齢者140名に対しても電話での確認を行い、確認がとれないケースには、家族や民生委員に確認をお願いしたところであります。 その中で、地域から孤立されている方が1名おられまして、それについては、こちらのほうから訪問をしまして、水の提供を行ったところであります。 また、高齢者、介護、児童、障害者などの福祉施設に対しても給水状況を確認し、水が不足している場合は、給水車で給水に回るなどの対応を行ったところであります。 以上です。
◎教育次長(松田範夫君) 山崎議員の御質問にお答えいたします。 本市が行っております就学援助、市が単独で行っております準要保護児童生徒就学援助費についての御質問でございますけれども、御承知のように、平成25年度に生活保護法が改正されまして、その基準となります生活扶助費の見直しがされました。それによりまして、準要保護の対象者世帯の基本としております生活基準額が変わったということで、私どもも平成25年度から平成27年度、3回に分けて段階的に見直しを図ってきたところでございます。 これにつきましては、再三再四、12月の議会でも本市の取り組み、そして、基本的な考えについては述べさせていただいたとおりでございます。県内の中で、基準額の1.3倍を対象と用いているところは、本市を含めて6市でございます。そして、1.2倍を用いているところが5市ということで、決して倍率についても他市と引けをとらないということで考えているところでございます。 したがいまして、生活保護法が改正されて、基準となる生活基準額が見直された以上、私どももそれに従って安定をして対応させていただきたいというこれまでの考えに変わりはございません。
◆6番(山崎一洋君) まず、保育料について質問をしたいと思います。 国が新しい基準というか、新しい措置を行うということなんですが、今まで平戸市が行っていた措置と、国が新たに設ける措置、これ重なる部分がありますよね。どうですか。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) そうですね。平戸市のほうが国より先行しておりましたので、重なる部分はございます。
◆6番(山崎一洋君) そうしますと、今まで平戸市が持ち出していたといいますか、負担していた、引き下げのために負担していた部分が国が肩がわりするということになって、市の負担が減るということになると思うんですね。これ金額はわかれば教えてください。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) その金額については、ちょっといろいろな年齢とか所得という部分でありますので、その金額については今お示しをすることはちょっとできないという状況にあります。済みません。
○副議長(山内政夫君) 議席番号を通告してください。
◆6番(山崎一洋君) 今、6番と言いました。 (「言いました」と呼ぶ者あり) 国の新しい措置に伴って4月から平戸市も制度が変わるという理解でよろしいんですね。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 先ほど言いましたように、国が今回新たに年齢制限をなくしたというところについては、やはりこちらのほうとしても取り入れていかなければいけないというふうに考えております。
◆6番(山崎一洋君) 国が負担することによって、市の負担が減るわけですから、その部分ですね。金額は先ほど幾らぐらいになるかわからないということだったんですが、その部分を保育の保育料のさらなる引き下げに充てるべきだというふうに思います。 せっかく国が新しい措置を設けて、引き下げるようにという対策をとっているにもかかわらず、いや平戸市はその浮いた分を引き下げに使わないで一般会計に入れてしまいますよ。そういうことはやるべきではないと思います。ぜひその浮いた部分といいますか、重なってる部分を新たな引き下げに活用するというような方向で検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 先ほどから言いますように、平戸市のこの保育料については、国より先行して保育料を下げてきた。これまでも国の制度と比較しても市の一般持ち出しで8,500万円程度市の負担がございます。そういったことで、今回の国の見直しについては、見直す部分については取り入れていきますが、その後の部分については、今後協議をしてまいりたいというふうに思っております。どうぞよろしく御理解お願いしたいと思います。
◆6番(山崎一洋君) ぜひ協議を急いでいただいて、この4月からぜひとも新たにといいますか、引き下げの政策、充実拡充をしていただければと思います。 市長、よければそれについてどうお考えか、お答えください。
◎市長(黒田成彦君) そのほかにも市が先行して取り組んできた事業に対し、国や県が補助金などを上乗せしてくるというほかの事例もございます。そのときに、じゃどうしたかと言うと、その上乗せで乗っかったままやったっていうのは余り聞いたことがなくて、このことばかりがそうなるのかわかりませんが、できるだけ保育料の減免ということは子育て支援でも重要な柱でもありますから、どのような形がとれるか、協議範囲だと思っています。
◆6番(山崎一洋君) 私も何度も保育料引き下げ求めてきました。そういう意味では、ぜひ市長も今答弁ありましたけれども、協議を実らせていただいて、保育料さらなる引き下げに結びつけていただきたいと思います。 次に、国保税について質問をします。 国が新たに──新たにといいますか、今年度から1,700億円ずつを全国の自治体に支援を行っていると。この1,700億円のうち平戸市は幾ら来てるんでしょうか。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 先ほど答弁しましたように、約6,000万円の分が平戸のほうに来ております。 以上です。
◆6番(山崎一洋君) 6,000万円が新たに国から措置されているということです。答弁あったかもしれませんが、この6,000万円、どういうふうに使ったのかをもう一度説明していただければありがたいと思います。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 低所得者軽減ということで、平戸市、国保では7割、5割、2割軽減という措置がなされています、低所得者に対してですね。ここのこの分に対して、今回の国の財政支援は、国保の国保自体が貧弱な財政基盤というところで、この国の支援がこれまで7割軽減の分に対して12%、それと、5割に対して6%、国からの支援がなされていました。 それが、7割軽減の分に12%が15%、3%の上乗せ、それと、5割軽減の部分に14%、6%は14%の支援にありました。それと、2割軽減の部分については、国からの支援がなかったわけですが、今回13%の支援というところで、国からの支援が拡充された。財政基盤を強化するための支援ということであります。 ただ、この5割軽減、2割軽減の方の割合が拡充されたというところで、51世帯の軽減世帯がふえたというような状況になっております。 以上です。
◆6番(山崎一洋君) なかなか答弁していただけなかったんですけれども、6,000万円のうち今言われた低所得者への援助ですね、支援。6,000万円のうちたった350万円なんですよね。残りの5,650万円は国保会計に入れてしまったということなんですよ。 市からこれいただいた文書があるんです。多分県がつくったのか、厚労省がつくったのか、そこはちょっと確認しておりませんけれども、この1,700億円の使い道が書いてあるんですよ。低所得者対策の強化のため保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた自治体への財政支援を拡充すると。低所得者対策の強化のためにというふうに書いてあるんですね。しかもほかのところではこの低所得者1人当たりについて5,000円の支援になりますよと、具体的な数字まで書いてあるんですよ。 これ5,650万円、ほとんど全部みたいなものを一般会計いや国保会計に入れてしまったという。これはおかしいんじゃないですかね。350万円だけじゃなくて、もっともっと6,000万円全部低所得者の皆さんのための対策、具体的に言えば保険料の引き下げと、保険税の引き下げということに活用すべきだというふうに思いますよ。これはどうでしょうか。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 今、山崎議員は、多分この資料を見られて言っているのかなと思うんですが、ここに書いてあるように、低所得者数に応じた保険者への財政支援ということで、被保険者と。その個人個人に対して5,000円をするというようなことじゃなくて、先ほど私が言いましたように、国民健康保険が財政基盤が貧弱だというところで、貧弱な部分のところは、極端に言うと医療費が上がれば保険税を上げなくちゃいけないと。ですから、その保険税を上げないために、抑えるために、この保険者に対して基盤を強化するために支援をするんですよという制度であるということで御理解をいただきたいなというふうに思っております。
◆6番(山崎一洋君) 理解していただきたいと言われても理解できないんですよね、はっきり書かれてるんですから。この財政基盤の強化のためというのは、再来年度、2018年度から新たに1,700億円が追加されてくるんです。この1,700億円の部分については確かにあなた方が示した文章でも財政基盤の強化に使いなさいよと書いてあるんですよ。だけど、今年度から始まった1,700億円については、明らかに低所得者対策の強化のために使いなさいよって書いてあると。これはどうですか。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) ですから、先ほど言うように、低所得者については7割、5割、2割、そういう軽減をやっているということで、その軽減の対象者についても拡充を今回図っております。
◆6番(山崎一洋君) やっておるって言っても350万円でしょう。6,000万円国から来て350万円でやっているというふうにはならんと思いますよ。これぜひ検討していただきたいんですけど、検討もしないつもりですかね。
◎市民福祉部長(岡部輝幸君) 保険税の引き下げというところですけれども、本市の国保の状況は、被保険者が年々減少している一方、被保険者の高齢化や医療の高度化などにより、1人当たりの医療費が年々増加をしております。それで、これまで保険税については、平成22年度からずっと据え置きをしております。何で据え置きができるかといいますと、これまでの基金を取り崩しながら、被保険者に負担をかけないというところで、その基金を取り崩しながら対応を行ってきたところです。ですから、今回の財政支援を、そのまま1人、被保険者に5,000円ずつしても、そしたら医療費の部分が払えないもんですから、保険税を上げざるを得ないというような状況になります。
◆6番(山崎一洋君) 保険税全体の話になれば、一般会計からの繰り入れをすべきだと私はずっと言ってきましたし、その話を持ち出したらいかんのですか、ここでは。低所得者対策のために6,000万円を出してと、国が出したと。このうち350万円しか市は使っていませんよという、ここに議論を絞らないと。1,700億円再来年度から来る分は財政強化、基盤の強化に使ってもいいですよ。 それと、基金を取り崩して保険料を据え置いてくれと。据え置いてきたというのも、私も繰り返し基金を取り崩して保険税引き下げを求めてきましたよ。これ市民の皆さんの声ですよ。引き下げは繰り返し私質問しましたけれども、引き下げは一度しか行われませんでした、基金を取り崩しての。しかし、その基金を使って据え置いてきたということ自体、市民の皆さんの声を反映したものだと思ってるんです。市民の皆さんは、本当に国保税が高くて困ってるんですよ。ぜひ6,000万円使っていただきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 就学援助ですね。先ほども答弁がありました。戻すつもりはないというような答弁でした。それならば、就学援助について、改善充実を求めていきたいと思っております。 まず、平戸市の就学援助を受けている児童生徒の率はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
◎教育次長(松田範夫君) 昨日も大久保議員にお答えいたしましたけれども、援助につきましては。平成26年度決算におきまして、全児童生徒数、就学援助を受けております児童生徒数は197人でございます。全児童生徒数に占める割合は7.73%でございます。
◆6番(山崎一洋君) 子供の貧困対策という意味からも就学援助、非常に大事な制度だと思っておるんですが、そのあたりの認識はどうですか。
◎教育次長(松田範夫君) 貧困対策の一つとして掲げられておりますけれども、やはり子供たちが経済的な理由で就学困難な児童生徒に対して保護者負担を図る上で援助をしております、この制度でございまして、平等に教育を受ける上では大切な支援措置として理解して業務に当たっているつもりでございます。
◆6番(山崎一洋君) 憲法26条に保障された権利に基づく制度だと思っております。 全国でこの就学援助を受けている児童生徒がおよそ152万人、およそ15%、長崎県でも県全体で15%、長崎市が25%。平戸市は、全国の半分にも満たないという状況なんですが、これどういうふうに考えておられるのかと、これを引き上げるために何か取り組んだことがあれば教えてください。
◎教育次長(松田範夫君) 引き上げるためにとおっしゃっておりますけれども、やはりちゃんとした制度でございますので、これはもう該当する方については積極的に活用して、私たちも援助していくつもりでございます。 しかし、必ずしも高いのがいいのかというと、また違った議論になろうかと思います。一方では、我々としましても、地場産業の育成とか、それとか就労対策と、そうやったところで数々の施策をいたしまして、所得向上に努めているわけですので、そういうことによって安定した生活が受けられるように私ども施しておりますので、こういったものが必ずしも高いのがいいのかというと、捉え方もまた違ってくるかと思います。 その上で、この制度の周知につきましては、これまでもこちらのほうも積極的に行ってきているところでございます。全校生徒に対しまして、毎年1月に学校を通じて全世帯、保護者に対して説明書を添えた申請書を配付しております。それと、新入学児童生徒に対しては、入学説明会の折に配付をしているところでございます。 また、一方で、市のホームページ上でもお知らせをする一方で、随時相談に応じるなど、制度の適正化というふうな運用が図られるよう努めているところでございます。 ちなみに、全国でこういった配付方法について取りまとめたものがありますけれども、文科省がまとめたものがありますけれども、各学校で制度内容案内をまず配付して、希望者に対して各学校から申請を配付している数は56%なんです。そして、各学校に私どもの平戸市みたいに全児童生徒、もしくは保護者に申請書を配付している──学校じゃございません、済みません、自治体数です、自治体数。24.1%なんですよね。そういったところで制度の周知というのは、私たちも積極的に図っているということでございますので、そういった実情については御理解をお願いしたいと思います。
◆6番(山崎一洋君) 就学援助を受ける児童生徒の数が多ければいいというふうには全く私も考えておりません。それは当たり前のことですよね、どなたも。就学援助を受ける、受けざるを得ない子供たちが一人もいなくなるという、それが理想ですから、それを目指してやっているわけですから。 それで、私、もっと積極的に、ひらど広報だとか、自治会の回覧だとか、そういうところでも就学援助を受ける。これぐらいの所得だったら受けられますよと。積極的にその対象になる人は申し来んでくださいよというようなPRといいますか、そういう訴えもしていくべきではないかと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
◎教育次長(松田範夫君) 今、山崎議員が御提案あった具体的な周知方法の媒体としましては、今、回覧とかとおっしゃいましたけれども、私たちが備えている媒体といたしましては、広報ひらど等があろうかと思います。そういったものでホームページでの周知も図っておりますけれども、そういったものを通じて適宜周知していく。その考えについてはやぶさかではございません。
◆6番(山崎一洋君) 時間もなくなりつつありますので、市長・副市長・教育長の退職金についてお聞きします。 4年ごとに退職金が出てるんですが、これ金額は幾らになってるんですか、それぞれ。
○副議長(山内政夫君) 誰が答えますか。
◎総務部長(岡康則君) ちょっと今金額のほうは手元に持ち合わせておりませんけれども、基準がございます。
◆6番(山崎一洋君) 時間がないので。たしか私の記憶では、市長が4年ごとに1,700万円、およそですね。退職金受け取ると。副市長は、たしか800万円台だったと思うんですね。教育長は500万円台だったと思います。まさかこの数字を総務部長が答えないとは思ってなかったもんですから、想定外なんですが、平戸市合併10年たちますけれども、10年前とこの金額は変わってないんですか。
◎総務部長(岡康則君) 結局、10年前の給与が下がっておりますので、現在は下がっております。
◆6番(山崎一洋君) 給与に伴って下がった分だということなんですが、数字はわかりますかね。どれぐらい下がっているかとか。
◎総務部長(岡康則君) 済みません。今ちょっと退職金の金額、大体1期、今議員さんが言われた数字でございます。
◆6番(山崎一洋君) 合併時から人口が大きく減ってるんですよね。4万1,000人から3万1,000人に、およそ1万人減ったんじゃないかと思っているんですが、それでも給与改定に伴う分しか変化してないっていうか、減ってないというところは私不満なんで、人口がこれだけ減ったんだったら、退職金も大きく減額すべきだということを……
○副議長(山内政夫君) 以上で、山崎議員の一般質問を終了いたします。 10分間休憩いたします。 休憩 午後2時30分 再開 午後2時40分
○副議長(山内政夫君) 会議を再開いたします。 引き続き一般質問を行います。 次は、12番、綾香良一議員。
◆12番(綾香良一君) 登壇 皆さん、こんにちは。寒気も次第に落ちつき、暖かい春の訪れが参っております。ことしに入って、さまざまなニュースが飛び込んでまいりました。40年に一度と言われる寒波到来による交通機関は麻痺し、さらには水道管が凍結、破裂し、断水が数日間起こるなど、今までに余り経験をしたことがないことが起こっております。 水道管修復作業では、市内業者と水道局員、OB水道局員が総動員で昼夜を問わず復旧に力を注いでいただき、給水活動では自衛隊を初め、市職員が悪天候の中、献身的に当たり、大変感銘を受けておるところでございます。 また、市長においては、早急に職員に対し、問題を周知し、問題解決のための協力要請を行い、市民の皆様から信頼される行政職員としての活動を行うようにとの旨の連絡がなされておると聞いております。本市においての市長を中心とした行政機関の危機管理体制が構築なされていることに議員として安心をしておるところでございます。 水産分野においては、2月10日に平戸市漁青連主催の意見発表大会が未来創造館で行われ、4名の青年部が発表を行っております。私も漁協組合長の立場で来賓として出席をいたしました。 内容としては、家業を継ぐことへの葛藤と漁業に対する将来への希望、遊漁船での日々の経験と資源確保と環境保全の重要性、超えられない先輩漁師を追い抜き、いつか大島一のカツギ漁師になるという決意、川内かまぼこ加工業の伝統と、さらなる未来への創造性でした。 4名の若者が日々水産業に真摯に向き合う姿勢が伝わり、水産議員として活を入れられたような感じでした。発表の中には、これからの水産業発展のヒントになる事柄も多く、産業振興部においては、この意見発表大会を生かし、ともに若者の意見を十分に取り入れた水産行政を実現していただくようにお願いをいたします。 また、水産業と同じく、基幹産業である観光業では、平戸市内大手ホテルの民事再生法の申請、裁判所による保全命令、2月9日には、長崎の教会群と
キリスト教関連遺産の
世界文化遺産登録の推薦取り下げが閣議決定されるなど、平戸市の観光にとって大変重要な出来事が起こっております。 景気の低迷の中で起こった宿泊数減少や宿泊料金の低下、旅行者ニーズの変化に加え、施設の老朽化による修繕、改良工事への投資など、企業努力だけでは越えることが難しい問題を抱えている宿泊施設が市内でも多いと思われます。 観光は総合産業です。総合的なインフラ整備の充実が観光客誘致に大きな影響を与え、ひいてはそこで働く従業員の雇用の場を失うこともあり得るのです。今回の大手ホテルの民事再生は、一宿泊施設の問題だけではなく、飲食店などを含めた観光客を受け入れる重要な受け皿にかかわる問題であることを忘れてはなりません。 また、受け入れる側も経営者の研さん、おもてなしの確保、従業員の雇用確保等、就労環境向上をあわせた企業努力を行っていく必要があります。 しかし、交通機関などを含めた総合的なインフラ整備については、民間の企業努力だけでは解決できない問題があります。このことを踏まえた上で、観光総合支援対策を行っていかなければならないと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 また、
世界文化遺産登録の推薦取り下げが閣議決定されましたが、この決定を受けて、本市における三つの構成資産の再登録に向けたスケジュールを今後どのように行っていく考えなのかをお聞かせください。 次に、市民病院についてお尋ねをいたします。 最近市民の方から、市民病院のおかげでたばこをやめられたとか、佐世保の病院まで行かなくても手術が受けられ楽になったとか、病院の対応がよくなった等をよく耳にするようになりました。 院長先生を初め、各先生方、看護師、職員の皆さんの日ごろの積み重ねだと思いますが、このような意見を市民の方々から賜ることは大変うれしく思います。市民の皆様の利便性が上がることは大変よいことです。 では、なぜこのような三つの声を聞くようになったのかを教えてください。 なお、再質問につきましては質問席から行いますので、議長よろしくお願いいたします。
◎市長(黒田成彦君) 登壇 綾香議員の御質問にお答えします。 皆様も既に御承知のとおり、長崎の教会群と
キリスト教関連遺産については、2月9日の閣議において、確実な
世界文化遺産登録を目指すためには、イコモスの中間報告の指摘を踏まえた形で再推薦を行うことが最善と判断され、国内推薦を一旦取り下げることが決定されました。 これを受け現在、最短かつ確実な登録を目指し、14の構成資産で禁教潜伏期に焦点を当てた推薦内容に見直しを行っております。 今後は、平成28年度の国内推薦、そして平成30年の
世界文化遺産登録を目指し準備を進めてまいります。そのスケジュールは、この3月末までに推薦書素案を文化庁へ提出し、5月上旬までに推薦書素案最終版をまとめ、文化審議会世界遺産小委員会のヒアリングを受け、7月下旬の文化審議会を経て、9月下旬に国内推薦候補が決定されます。その後、関係省庁連絡会議・閣議了解等の手続を経て、来年1月末までに、改めて
ユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出することとなります。 推薦書については確実な
世界文化遺産登録を目指すため、長崎県がイコモスと
アドバイザリー契約を結び、指導助言をいただきながら、見直し作業を進めてまいります。 次に、観光についてのお尋ねですが、観光とは裾野の広い総合産業であるとの認識を持っており、私の2期目の政策公約でも「本物の平戸は世代を超えて世界を魅了する」をテーマに、観光の基本目標として「魅力ある観光の振興と交流人口拡大」を掲げ、各種施策を取り組んでいるところであります。 平成27年の本市の観光動向を見てみますと、平戸大橋の通行量は、2月から12月までに増加傾向になっており、特に福岡や佐賀方面からの入り込み台数がふえております。 一方、宿泊や観光施設に関しても、夏場から増加に転じているようでございまして、その主な原因といたしましては、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の活用により、宿泊対策を実施したことや大手旅行社とタイアップした夏の企画のほか、円安効果による、韓国、中国、台湾などからの東アジアからの外国人観光客がふえたことによるものと考えております。 しかしながら、今回のように民事再生法を申請している大手宿泊施設の例からしても、本市の観光を見た場合、団体旅行への依存度が高く、老朽化している施設が多いことや都市圏等からの交通アクセスが悪いことなど、依然、本市にとっては厳しい状況にあるものと認識しております。 また、このことがハウステンボスや長崎市内では、明治産業遺産の世界遺産効果、さらに世界新三大夜景、クルーズ船の入港等で飽和状態となっているものの、その波及効果が本市へは少ない状況となっております。 さらに、長崎の教会群と
キリスト教関連遺産が
世界遺産登録への延期をされたことは、追い風を期待していた本市の観光関係者にとっても落胆の色を隠せず、各旅行社においては商品化を検討していたものが見直しとなっているようです。 このような状況の中、本市の基幹産業の一つである観光産業の活性化は、多くの市民も望んでいるところであり、平戸市総合戦略でも、あえて高い目標を掲げ、その目標に向かってさまざまな施策に取り組んでいきたいと考えております。とりわけ、宿泊観光客については、議員御承知のとおり、地域への経済波及効果が大きいということが言われておりますので、官民一体となって各種施策に取り組んでまいります。 残余の質問につきましては、担当部長に答弁させます。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 綾香議員の御質問にお答えいたします。 宿泊対策関連事業につきましては、平成28年度、インフラ、PR、大型コンベンション関係等の事業を行うことといたしております。 具体的に申しますと、まずインフラについては、個人客を獲得することを目的に、主要都市や市内の交通手段として公共交通機関を利用する観光客への助成を行う公共交通機関等利用促進事業や市街地での周遊を図るため、観光用電動アシスト自転車整備事業を初め、市内の宿泊施設のバリアフリー化を進める宿泊施設バリアフリー化支援事業を予定しております。 PRにつきましては、平戸藩の四季シリーズとしてパッケージ化し総合的にPRしていくテーマパーク観光プロモーション事業を初め、本年10月から12月にかけて長崎県とJRグループが連携して取り組む国内最大級規模の観光キャンペーン長崎デスティネーションキャンペーン推進事業や外国人観光客を誘致するための東アジア観光客誘客促進事業を予定しております。 さらに、長崎県では初の学術機関のコンベンション、センサ・マイクロマシンシンポジウム開催支援事業を予定させていただいております。このシンポジウムは、全国から多くの研究者等が参加することから、おもてなしを行うことにより平戸の観光情報を全国へ発信していきたいと考えております。 そのほか、平戸観光の現状分析等を行うため、包括連携協定を提携している大学と連携した観光マーケティング調査事業やおもてなし体制の再整備を図る観光人材育成プログラム事業等も予定しており、さまざまな取り組みを行い、宿泊観光客の増加につなげてまいりたいと考えております。
◎病院局長(村田範保君) それでは、市民病院についての御質問にお答えいたします。 まず、非常に好意的な御意見をいただいているということに対しまして、ありがたく感謝申し上げるところでございます。 それでは、1点目の市民病院でたばこをやめられたという件についてでございますが、当院では循環器を専門とする医師が主に水曜日の午後に予約を受け、禁煙外来を行っております。 禁煙の方法は大きく分けて三つ、一つが自力で禁煙する方法、二つ目が薬局・薬店で買える禁煙補助剤を利用する方法、三つ目が医療機関で医師の指導のもと禁煙補助剤を利用する方法であり、当院の禁煙外来は三つ目の方法ということになります。 担当医師は、平成17年度から当院に勤務しており、当初は保険適用でなかったために実費で診療をしておりましたけれども、平成18年4月から禁煙外来が保険適用となり、患者さんの負担も軽減されております。 禁煙をしたいと思ってもなかなかやめられないという方が多い中で、医師と一緒に取り組むことで禁煙に成功する方も多く見られるようでございます。 また、担当医師は、各地で開催する出前講座にも欠かさず出席し、講話の中で必ず喫煙の怖さを伝え、禁煙に向けた啓発を行っております。 次に、手術についてでありますが、当院では外科と整形外科の手術を行っております。以前は、眼科の手術も行っておりましたが、九州大学病院から派遣される眼科医が常駐でなくなったために、現在では眼科の手術は行っていません。 今年度は、4月から整形外科の専門医が2名着任したことで、整形外科の手術ができるようになり、飛躍的に手術件数も伸びております。中には、交通事故によるかなり難易度が高いと思われるような手術も行っており、議員が言われるように、佐世保まで行くことなく当院で手術ができるようになったとの声も聞かれるのではないかと思っております。 特に、対象者が高齢であればあるほど、家族の見守りが病気回復の力になりますので、居住地近くでの病気療養は治療効果を上げます。当然ながら、患者さんはもとより、家族の皆さんの負担軽減にも大きくつながっているものと思っております。 次に、病院の対応がよくなったということにつきましては、本当にそうであればありがたいことではありますが、まだまだ厳しいお叱りの言葉をいただくこともございます。 そのようなことから、当院では、平成26年度からサービス向上委員会を設置し、毎月委員会を開催する中で、各部署でクレームがあった場合は、その対応策を協議しながら、みんなで情報を共有する体制をとっております。また、患者満足度アンケート調査を行い、その結果をもとに、本年度は接遇マニュアルを作成し、各部署に配布しておりますので、それによって少しは効果が上がってきているのではないかとも思いますが、接遇については、今後とも努力していかなければならないものと思っております。 以上です。
◆12番(綾香良一君) それでは、
世界文化遺産推薦の取り下げについてお聞きをいたします。 今回の推薦取り下げは、構成資産を持つ地元の議員としても大変残念に思っているところです。誰もが来年度には世界遺産として登録されるということを疑っていなかったと思いますが、このような残念な結果を受け、構成資産を持つ地域や関係団体への説明はなされているのか、またなされているとするならば、どのような反応なのかをお聞かせください。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 綾香議員の御質問にお答えいたします。 本年2月9日の閣議決定により推薦取り消しにつきましては、報道がなされました2月4日に議員の皆様を初め、構成資産の所有者や関係団体の代表者に対し、電話にて状況を説明させていただいております。その後、2月6日に大学連携事業による勉強会を開催した春日地区において、住民の皆様へ状況を報告し、御理解をいただいたところです。 2月16日には、庁内で組織する平戸市
世界遺産登録推進本部会議を開催し、情報共有を目的に状況の報告を行っております。また、2月18日政策懇談会において議員の皆様へ状況を報告し、さまざまな御意見をいただいたところです。 今後、さまざまな情報を収集し、4月中に
世界遺産登録を推進する平戸市民の会を開催し、状況や今後のスケジュール等を説明し、再度意識の醸成を図り、再スタートを切ってまいりたいと考えております。
◆12番(綾香良一君) 今回この件に対しては、文化庁や県を除いた形で、平戸市が何かを独断で決めるといったことはなかなか難しいことだと思います。そうした中で、今後の
世界遺産登録は難しいのではないかと悲観した声を耳にすることもございます。 ですが、冒頭の答弁でもあったように、推薦書については長崎県がイコモスとアドバイザー契約を結び、見直し作業を進めていくとの答弁でございましたけれども、今後の一定の方向性が見えてきたことが重要な現実だと思います。これからは、特に構成資産を有する地域や関係団体には、登録をされないのではないかなどの風評や不安を払拭するためにも、随時正確な情報の提供をお願いしたいと思います。 ここで再度確認をいたしますが、平戸市における三つの構成資産とは、
世界遺産登録を目指した形での構成資産と理解はしておりますけれども、そもそも構成資産の価値とは何なのか、この機会にぜひ確認のためにお聞かせください。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 長崎の教会群と
キリスト教関連遺産は、16世紀以来の東西交流と、この交流の中で生まれた文化的伝統を物語る顕著な物証として、長崎県及び熊本県に分布する14の資産から構成されています。 16世紀半ばにキリスト教の布教が行われ、その以降、17世紀に始まる禁教時代においても、組織的に信仰が継承されたのがここ長崎地方でした。明治に入り禁教令が解かれると、長崎地方には多くの教会堂が建てられましたが、それらは約250年にわたった禁教下での密かな信仰継承を背景とすることを特徴としています。 これら14の構成資産は、16世紀の東西交流とキリスト教の伝播を示す城跡、16世紀からの信仰が禁教下にも密かに継承され人々の生活に浸透していたことを示す集落、19世紀の再宣教により長崎地方各地の集落に建てられた教会建築という特性を持つ三つのグループに分けられ、イコモスの現地調査などを受けています。 平戸市には三つの構成資産があり、集落に該当し、キリシタン時代の墓地遺跡や家屋内の納戸神と呼ばれる御神体などがあり、
潜伏キリシタン時代の集落形態をよく残している平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)、岩からしみ出す水を採取し、聖水とするお水取りを行う重要な場所である平戸の聖地と集落(中江ノ島)のほか、教会建築に該当する田平天主堂が外海などからの移住と開拓により建設されたものとして選ばれています。 これらは、地域の人々や文化財保護法によって大切に守られ、長崎の教会群があらわす豊かな文化的伝統を今なお伝えるものとして生き続けています。 この長崎の教会群の価値を証明する各構成資産は、昨年、
世界文化遺産の国内推薦を得たことで、顕著で普遍的な価値を示すものとして国に認められたことになりました。 現在、イコモスの中間報告を受けて、推薦書の取り下げが決定されましたが、その価値については今後も変わらないものであり、引き続き保全と活用を図っていくべきものであると考えております。
◆12番(綾香良一君) 十分に価値がある日本の資産だと、改めて理解をしたところでございます。 そこで、平成28年度の国内推薦、平成30年の
世界文化遺産登録を目指すということですが、
世界遺産登録後における観光客や見学に訪れる方々への受け入れ体制が現時点で十分にできているとは言いがたいと思います。 また、構成資産を抱える関係地区や団体の連携や情報交換、またそれに伴った平戸市の観光地や観光施設への誘致などとの連携も十分にできているとは言えなかったのではないでしょうか。 今回の国内推薦の取り下げにより、現在不足しているような部分の再構築を行う時間が生まれてまいりました。
世界遺産登録による経済効果を最大限に生かすためにも、現在のピンチをチャンスに変えていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 受け入れ体制についての御質問ですが、観光客の受け入れ体制につきましては、議員御指摘のとおり、万全の準備ができている状況ではないということを認識しております。観光客の受け入れや情報発信、誘導案内、ボランティアガイドの研修、ニーズに合ったルートの案内、価値を伝えるためのガイダンス施設や駐車場の整備、特産品の販売等による経済効果等、関係部署でしっかり分担し、情報を共有しながら、関係団体と協議を重ね、平成30年の
世界文化遺産登録を見据え、万全の受け入れ体制を再構築できるよう取り組みを加速してまいりたいと考えております。
◆12番(綾香良一君) そもそも構成資産の価値とはという私の再質問への答弁にもあったように、顕著で普遍的な価値を示すものとして国に認められたということは、すなわちいつの時代の誰が見てもすばらしいと思える価値であり、国がその価値にお墨つきを与えたということでございます。 本市の構成資産においても、
世界遺産登録を前提とした選定での経過があるにせよ、そもそもにおいてのこの構成資産の価値とは、世界遺産になろうがなるまいが、その価値に変わりはなく、その価値の保全を行いながら後世に残していくことが、今生きる我々にとっての大きな使命であると考えております。 そのための手段として、顕著で普遍的な価値を示すものという
世界文化遺産登録の価値は重要であり、後世に残すための手段としても最も効果があるものだと考えております。これから、また新しいチャレンジが始まります。再登録に向けた意気込みと資産の保全と維持についてお聞かせください。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) 再登録に向けた意気込みと資産の保全ということでございますが、今回のイコモスによる中間報告は、日本におけるキリスト教コミュニティの特殊性を禁教期に見出しており、まさに禁教期の構成資産である平戸の聖地と集落の価値は、お墨つきをいただいたものと考えております。このことをチャンスと捉え、全市民が平成30年の
世界文化遺産登録を目指す意思を共有できるよう、官民一体となって取り組んでまいりたいと思います。 また、議員御指摘のとおり、現在の構成資産は世界遺産になるとならないにかかわらず、その価値は変わりなく、活用と保全が最重要課題であると認識しております。保全は所有者や地域のみでできるものではなく、多くの方々の御理解と御協力が不可欠であり、その仕組みづくりが急務であります。
世界文化遺産登録の主目的である価値ある構成資産をいかに後世に引き継いでいくか、多くの方々にその価値を理解していただき、誰もが参加しやすい保全の仕組みや支援策等を検討してまいりたいと考えております。
◆12番(綾香良一君) 関連資産地区の地元議員といたしましても、再登録に向けたチャレンジを応援してまいります。どうか市長を初め、各議員の方々の御協力をお願いし、市職員の頑張りに期待をいたします。 次に、宿泊対策について質問をいたします。 平成28年度の観光における施策もさまざまな観点から見た予算措置がなされておりますが、特にインフラ事業につきましては画期的な予算組みがなされていると思います。 では、具体的にこのインフラ事業の中身について説明を求めます。
◎
文化観光部長(加藤栄一君) それでは、インフラに関する事業についてのお尋ねですが、公共交通機関等利用促進事業につきましては、福岡や佐世保駅からバスやレンタカー、船等を利用し、市内に宿泊する観光客を対象として交通費の一部助成をするほか、度島、大島フェリー等を活用した着地型の旅行商品造成に対する支援を行い、観光客をより周遊させるための仕組みを整えてまいりたいと考えております。 また、観光用電動アシスト自転車整備事業につきましては、現在、観光案内所等に設置しておりますが、年間900件程度の利用者があり、増加傾向にあることから、新たに10台を購入するものです。 観光客の利便性の向上を図るだけでなく、今後は電動アシスト自転車を活用し、大島地区の伝統建造物群や度島の島めぐり、生月島のサンセットウェイ、中南部地区の自然景観などを取り入れたサイクルツーリズムの商品造成につなげていきたいと考えております。 宿泊施設バリアフリー化支援事業につきましては、平成27年度の継続事業として、安全かつ快適で過ごしていただけるような宿泊施設のバリアフリー化への取り組みを支援してまいります。 以上です。
◆12番(綾香良一君) 宿泊施設への施策は、これまでは大型宿泊施設を中心とした施策が主であったように感じております。市内には、多種にわたる宿泊施設があります。大中規模の旅館、大型ホテル、ビジネスホテル、民宿など、平戸を訪ねる用途に合った宿泊施設が数多く営業しています。大型宿泊施設には適用できる施設でも、小規模宿泊施設にはハードルが高過ぎて活用しがたい事業施策もあります。 また、壇上で述べたように、宿泊客の減少や施設の老朽化による修繕、改良工事への投資など、難題を抱えている宿泊施設が多いと思われます。運営を行っていく上では、経営責任は経営者みずからが負うものとはわかっていますけれども、これまで多くのお客様の受け皿になって、平戸の経済を牽引してきたのも事実でございます。これからの宿泊対策においては、各種宿泊施設に合った施策の立案が必要になってくると考えております。 まず、現状の宿泊施設がどのような状況なのか、何に困り、何を行政に求めているのかを知ることが大切であると思います。 また、市の事業だけでは、国、県の事業も各事業所に積極的に周知し、少しでも宿泊施設への負担軽減がなされ、強い経営体の宿泊施設がふえることを期待しますけれども、いかがでしょうか。