• 野中広務(/)
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  1. 平戸市議会 2014-06-01
    06月09日-02号


    取得元: 平戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-03
    平成26年 6月定例会                  午前十時零分 開議 ○議長(吉住威三美君)  出席議員定足数以上であります。 会議に入ります前に、市長より発言の申し出があっておりますので、これを許します。 ◎市長(黒田成彦君)  皆さん、おはようございます。昨日お亡くなりになりました桂宮宜仁親王殿下の薨去を悼み、謹んで哀悼の意を申し上げます。市では、本日より記帳所を本庁、支所、出張所に設置することといたしておりますので、議員各位におかれましてもよろしくお願い申し上げます。 これより議事日程第二号により本日の会議を開きます。  日程第一 一般質問  を行います。通告表の順序に従い、まず八番、近藤芳人議員。 ◆八番(近藤芳人君) 登壇 皆さん、おはようございます。名誉の一番バッターを射とめまして、頑張ってやりたいと思います。 今回私は、住宅困窮者対策というテーマで、六十分を費やしていこうというふうに考えております。 昭和二十六年に施行されました公営住宅法というのがございますが。これは真に住宅に困窮する層に対し、公が住居を提供し、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で賃貸するということにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として制定されたものでございます。戦後の人口急増、そして住宅不足、そういう時代のもとにあって法整備された、いわゆるセーフティーネットの先駆けであったというふうに、私自身は理解しているところです。 それを受けて、全国的に公営住宅の建設が雨後の竹の子のようにされ始めたわけでございますが。その公営住宅法施行後六十年が過ぎ、当時つくられた公営住宅には老朽化したものが多く、安全性・機能性の面で多くの問題をはらんでまいりました。 これは全国的な傾向でございまして、平戸市においても御多分ではないという、そういう状況でございます。 また、住宅困窮者は公営住宅に住み続ける傾向が非常に高い、こういった傾向がございます。ですから、結果的に入居者の高齢化または単独住居化という状況も進行してまいります。 一方で、現在の車社会となりまして、駐車場不足の問題も顕著でありまして。それらも含めて従来の住まいだけの提供では救い切れない、生活に対する不便や不安も増幅することになり、もはや住宅整備はその解決の一つの方策にすぎず、いろいろな方面から対象を考えていく必要があるというふうに理解しております。 自治体の予算が逼迫する現代にあって、いかに効率的でかつ利用者がより満足する状況がつくり出せるかということこそが命題となってくるというふうに、私は理解しております。 そこで、まず冒頭に市長に対し、本市の基本的な住宅困窮者対策の理念を確認したいというふうに思います。同時に現状を、どのような状況にあるのか。また、どのような問題点を認識されているのか、範囲が広うございますので概要をお知らせいただければと思います。 壇上での質問は以上といたします。よろしくお願いいたします。 ◎市長(黒田成彦君) 登壇 それでは、近藤議員の御質問にお答えいたします。 まず、基本理念でございますが、公営住宅は公営住宅法に基づき、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、住宅に困窮する低額所得者に対して、低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としています。 このような公営住宅の持つ役割は、住宅市場を補完しセーフティーネットを形成することで、本市が掲げるまちづくりには欠かせないものであります。特に住宅に困窮する方々が、夢とゆとりを持って生き生きと暮らせるためには、重要なものであると考えております。現在耐用年数を超える老朽化した公営住宅を中心に、建てかえや改修を計画的に進めており、新しくなった公営住宅が町並み形成や、将来にわたる地域の活性化に結びつくことを目指して、今後とも公営住宅事業を効率的かつ効果的に進めてまいります。 残余の質問については、担当部長に答弁させます。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  近藤議員の御質問にお答えいたします。 現状についてでございますが。現在、本市では四十四団地、九百九十二戸の市営住宅を管理しており、そのうち昭和三十年から四十年代後半に建設された木造簡易平屋住宅が耐用年数を超え、限られた予算の中で適切な整備・管理・運営を行いながら、効率的かつ効果的な市営住宅の活用が求められている状況です。 具体的に申しますと、九百九十二戸の市営住宅のうち耐用年限が経過している木造住宅が百四戸、簡易平屋住宅が三百二十四戸となっており、住宅全体の四三%を占めている状況です。また、それらの住宅が耐震性が低く浄化槽がない住宅であり安全性や居住性の面からも早急な対応が必要となっています。 一方、三階から四階建て鉄筋コンクリートづくり住宅においては、老朽化が著しいものもあります。このようなことから、本市においては平戸市総合計画にある良質な公営住宅の供給の実現に向けて平成二十二年九月に策定した、平戸市公営住宅等長寿命化計画に基づき、市営住宅の建てかえや改修等を行っております。 整備方針としましては耐用年数の三十年を超え老朽化が激しい木造住宅と、三階から四階建ての鉄筋コンクリートづくり住宅のうち、建設後五十年以上を経過した住宅は建てかえを行うこととしています。また、残りの耐用年数が三十年以上あり一部改修が必要な住宅は、外壁改修や屋上防水などの長寿命化型改修を行うこととしています。現在、計画的に事業を進めているところです。 入居世帯の状況を見てみますと。母子世帯や一人暮らしの高齢者などの社会的弱者の方も数多く入居しておられます。公営住宅は、健康で文化的な生活を営むための住宅の確保が困難な、住宅困窮者に対する福祉的な役割も大きいものと考えております。 次に、問題点と検討課題でありますが。大きく分けて四つあると考えております。 一つ目は、住宅建てかえ用地の問題です。 長寿命化計画において建てかえを予定してる住宅の中には、現在の敷地が狭く、現地での建てかえができない住宅があります。現在入居されている方々の御理解を得た上での建てかえ用地の選定、移転用地、移転終了地域との調和を含めて住宅づくりが課題となっております。 二つ目は、住みかえ入居者の家賃の負担が増すという問題です。 入居者の理解を得ることが難しく、法律に基づいて段階的に家賃が上昇する激変緩和措置がありますが、五年間の経過措置であるため、入居者に説明を行いながら負担が困難な場合は、別の住宅への移転を斡旋するなどの協議に努めていく必要があります。 三つ目は、十戸未満の小規模住宅が各地に点在し、住宅管理が非効率であるという問題です。 住宅の建てかえと用途廃止を一体的に進め、統廃合を進める必要があります。しかしながら、入居されている住宅困窮者にとって、これも家賃の上昇に対する負担から、転居が進まない状況です。そのためには、入居者への丁寧な説明に努め御理解をしていただく必要があると考えております。 四つ目は、高齢者や障害者対応のバリアフリー化された住宅が少ないという問題です。 現在の市営住宅の世帯主の割合は六十歳以上が約四割、七十歳以上が約二割であり、高齢者世帯の割合が高く、今後高齢化が急速に進むことが予想されます。建てかえを行う住宅については、障害者に対する車椅子対応の住宅も含め、バリアフリー化され、住む人に優しい居住環境の整備が必要であると考えております。 以上です。 ◆八番(近藤芳人君)  答弁ありがとうございました。まず、今の答弁が建設部からの御答弁となりました。 行政改革の一環として、公共施設の適正化計画っていうのがありますが。そのような観点から総務部長のほうに、まずはお伺い、確認したいと思ってるんですが。 要するに、住宅困窮者対策という問題、課題に取り組むべき部署が、どこになるのかと、そういった確認になると思うんですが。公共施設適正化計画の中で、本市における公共施設の適正化を全市的に進めていくっていうことになってると思いますが。この市営住宅の適正化っていうのを、どのように誰が捉えて進めていくというふうに考えればいいのか。まず基本的な誰がの部分について御説明お願いいたします。 ◎総務部長(岡康則君)  誰がこの公共施設に、住宅について、困窮者について対応していくのかということでございますけれども。 まず最初に、公共施設の適正化の視点から見た今後の市営住宅のあり方について、ちょっとお答えさせていただきます。 市営住宅の今後の方針につきましては、平成二十二年度に当時の都市計画課におきまして、平戸市公営住宅等長寿命化計画が策定されております。この計画は十年間の計画期間をもって、市営住宅のストックマネジメントに関する基本方針を定め、既存施設の有効活用の適正化を図ることとしております。 また、計画の中では老朽化に伴う建てかえ時期にあわせて、今後における施設個々の利用状況や管理コスト等を踏まえ、住宅の建てかえ、個別改善、用途廃止といった判定を行うことにより、施設整備を計画的に実施するように目的を立てております。 行革推進課といたしましては、市営住宅の適正化につきましては本計画に基づく計画的な市営住宅の長寿命化対策と、整合性をもって進めていくことが重要であると認識しております。 しかし、来るべき超高齢化社会や地方交付税の合併算定替廃止に伴う財政規模縮小等に対応できるよう、全庁的な適正化の視点から市営住宅のあり方を再検証することも必要なことから、住宅担当課とも調整を図りながら、平戸市公営住宅等長寿命化計画を(仮称)平戸市公共施設適正化計画に反映させるように、作業を進めてまいりたいと考えております。 今後の市営住宅のどこが担当していくかという部分になりますけれども。この平戸市公営住宅等長寿命化計画に基づき、入居者数の動向等に応じた市営住宅の適正化を負う所管課が中心になって進めておりますので。まず最初に、所管課が中心となって進めていただき、それに応じまして私どもが調整をかけていくというようなことで進めていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◆八番(近藤芳人君)  わかりました。それでは、今後の、この後の質問は、基本的に建設部だけの質問というふうに考えていきたいと思います。 今答弁の中にもありました、平戸市公営住宅等長寿命化計画っていうのが平成二十二年度に策定されております。私もそれは読ませていただいているんですが、一般質問の前段階、前準備の段階で、関係課とある程度の議論をしましたが、その中で私、数点ここで公言するに足りないような話も含めて、指摘をしておりますんで、そこはまあ、まずキャッチしていただきたいというふうに思っております。 そして、まず一番大きな理解のための整理としまして、漠然と公営住宅という言い方をしたり、市営住宅という言い方をしたりしていますが、実はこれ言葉の定義が違うんですよね。公営住宅というのは真に住宅に困窮する人向け。市営住宅というのはもう少し広い意味で、いわゆる特公賃住宅なんていうのもありますが、そういったものも含むものであるっていうふうに理解しております。そのあたりを、専門のお立場から説明していただいて。 さらに、私はその両者の違いも含めて、次回の公営住宅等長寿命化計画においては、その両者の性質の違いがありますので、違う性質ごとに高寿命化またはニーズの解決方策、そういったものを計画化していっていただきたいというふうに思ってるんですが、その定義とその方針、定義の方針について御回答を願います。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  まず、市営住宅の需要推計の基礎数値を、今後見直しを行うのかという御質問では……、じゃないですね。公営住宅の定義、公営住宅と市営住宅の違いでございますけれども。 公営住宅は、おっしゃいますように、低廉所得者を対象とした、公営住宅法に基づく住宅でありまして。一方、特定公共賃貸住宅というのがありまして、それは公営住宅入居されない方の定住促進のための住宅で、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づく住宅です。 本来、市営住宅といいますと、先ほど言いました公営住宅と特定公共賃貸住宅を一まとめに整理しているような状況が、平戸市公営住宅等長寿命化計画のほうで、計画ではそれを二つに、市営住宅の中に、それではない特定公共賃貸住宅というものを、長寿命化計画の中で一つにまとめて整理しておるような状況の計画になっております。 計画がわかりづらいものになっておりましたので、議員おっしゃいますように、今後見直しにおいては二つを明確に区分した上で、計画を策定していきたいと考えております。 以上でございます。 ◆八番(近藤芳人君)  非常に複雑な説明でしたけども。いわゆる公営住宅っていうのは公営住宅法に規定された、冒頭私も申しあげましたし、市長もおっしゃってた、真に住宅に困窮する層に対して公が住居を提供すると、そういった位置づけのもの。それに対して、特定優良賃貸住宅、まあ特公賃って言ったりしてますが、それはもう少し収入に余裕のある方向けの、比較的高級な住宅であって、家賃の減免等が緩いと、そういった関係ですね。 特公賃と言われている団地、住宅が平戸市内にどういうのがあるかというと、馬の元A、B、C、D、下亀A、B、日の浦団地、そして生月の代作団地の一棟だけ、このあたりがいわゆる特公賃で、それ以外は公営住宅であるというふうに理解しております。 その意味で、特公賃に住まわれる層と、いわゆる公営住宅に住まわれる層ではおのずと性質が違ってまいります。真に住宅困窮者といえば公営住宅に私はスポットを当てて大丈夫だというふうに思っとりますので、そのあたりの言葉の定義もここでしっかりしながら、今後の残り四十分の議論をしていきたいというふうに思っております。 それで、まず喫緊の課題として、駐車場の整備について、ちょっと毛色の違う話ですが行いたいと思います。 先日、五月二十一日に、産業建設委員会が行われ、その折に各市営住宅の駐車場の状況、また今後の整備のあり方について現地を調査し議論を行ったところです。本年度の予算の中にも駐車場整備に係る工事代金、またはそれに伴う収入あたりが掲載されており、今年度からいよいよ本格的に駐車場に対する、本市としての流れが動き始めたというふうに理解しておるところです。 この駐車場料金ですが、料金の体系につきまして説明を求めたわけですが、その体系が非常にその説明においては、曖昧な感じがありまして十分理解しきれたというわけにはいきません。近傍の駐車場料金を超過しないという考え方がまずあるということでした。これは、超過しないということは近傍の駐車場よりも安くするということですから、近傍の駐車場、いわゆる民間が頑張っている駐車場に対する、民業圧迫になり得る可能性もあるわけですね。そのあたりをどうさじかげんを考えて料金設定をするかという問題があります。 また、二台目の料金を一台目の一・五倍にするという、そういうルールもあるようでして。一・五倍にすると恐らく近傍の駐車場超えてしまうようなこともあり得ましてね。このあたりの考え方が非常にすっきりしないなというふうに、私はその時点では思っております。 また同時に、ある団地においては、砂場を潰して駐車場にしようというふうになっておりました。また、既に児童遊具のあった場所を潰して駐車場にしているところ、また、植え込みとか緑のある場所を潰して駐車場にしようとしてるところもありました。駐車場確保という意味では、まあやむを得ないような部分もわかるわけですが、考え方としてはそのような商売にならないような、福祉的な部分こそが公共が行うべきであって。駐車場ってのは経済活動を伴いますので、そういったものは民業のほうに委ねて、経済の活性化を促すというあり方もあっていいと私は思ってるんです。そのあたりが、どう基本的な考え方として、本市の駐車場整備の中にあるのか、その基本線を教えていただきたいというふうに思います。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  駐車場の本市の整備の方針と基準についてのお尋ね、駐車場は民間が提供できるし、公園を潰してまで駐車場を整備すべきかっていうふうなお尋ねでございますけれども。 本市の方針と基準を述べますと、駐車場が未整備の場合の、まず駐車場をなぜ整備しなければいけないかと申しますと。未整備の場合、市営住宅の状況を見てみますと、無秩序な駐車が多く見られておりまして、消防活動や緊急車両の進入が懸念される状況であります。そういったところで駐車場の整備を現在進めているところであります。 その整備の方針といたしましては、一世帯当たり一台の駐車場を敷地内に駐車できることを基本としております。しかし議員おっしゃいますように、敷地がどうしても狭く、どうしても緑地等を駐車場として利用せざるを得ない場合も出てございます。そのような場合は入居者の意見を聞き、御理解を得た上でやむを得ず緑地等を撤去し駐車場として整備を進めている状況です。 それから、駐車場の料金についてのお尋ねでございますが。その駐車の使用料につきましては、これまで入居者が敷地内に無料で自由に駐車していた現状を踏まえますとともに、低所得者に対する公営住宅の低廉な家賃と同様な考え方から、駐車場の使用料におきましても、低廉な使用料を設定しております。そのような考え方から、市住宅条例において近傍同士の駐車場料金を限度とした使用料金とすることを定めております。 なお、県内市町においても同様な基準で定めている状況です。 また、二台目の料金一・五倍については、ほとんど二台目の駐車場の方はおられませんけれども、余裕があって駐車場を整備した場合には一・五倍にすることとして、今定めている状況です。 以上です。 ◆八番(近藤芳人君)  まだ、正直、答弁とは言えないんですね。まず、その低廉な家賃と同様に駐車料金も安くするとおっしゃるのであれば、それは公営住宅に限定した話ですよね。市営住宅というのは、特公賃も含んでるわけですから。特公賃の人たちが、真に住宅に困窮する、公営住宅法に基づいた入居者であるかというと、違うという説明がありましたよね。 私は、その人たちから高く取れと言ってるわけじゃないんですよ。今まで無料で来てたところに、駐車料金を取ろうというところに波が今立ち始めているわけですから。どの辺で着地すればいいかという、非常にデリケートな問題であるんで、慎重に考えてもらいたいし、今まで取ってなかったのであれば、なるだけ何かその流れが守れないかなという気持ちは十分あるんです。その中で、今市営住宅については、低廉な家賃でというふうなおっしゃい方しましたけども。そこは正確に言ったら違いますね。そこを、まず改めてください。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  たしかに市営住宅ということで、公営住宅も特公賃住宅の駐車場も同じような取り扱いになっていることは事実であります。 市の条例におきましても、市営住宅として使用料金が設定されておりまして、そのようなことになっております。 そういったことで、議員おっしゃいますように、低所得者に対する公営住宅と高額所得者に対する特公賃住宅においては、基準となる法も違い、目的も異なり、家賃の考え方も異なるものでございますので、駐車場料金におきましても、実際違った考え方で整備すべきだったというふうに、今ここでっていうか、考えているところです。 しかしながら、現在入居されている方々には、もう今の駐車場に対しての使用料契約されておりまして。何ら、駐車場の整備もないまま使用料を変更することはできないというふうに考えていますが。基本的な考え方としましては、特公賃住宅においては、駐車場料金を別物として設定すべきであろうというふうに考えております。 今後、特公賃住宅を建設する際には、違った考え方で整備していこうというふうに考えております。 ◆八番(近藤芳人君)  特公賃の方から高く取れということを、私は申しているわけじゃないということは、再三申しておきます。今まで無料で来たところを有料化するという中で、その施設の中で何とか駐車場が確保できるのであれば、そんなに高くない金額で提供しましょうという、そういう少し政治的な鉛筆をなめる数字になっている。それで着地しようと、そういう考えであれば私は十分理解できます。取らないわけにはいかない。しかし、急にゼロが満額取るというのも問題があるし。その敷地の中で何とかなるんであれば、何とか頑張りたいということであればですね。そのように理解していいかというのが、まず一点ですね。 それともう一点、その敷地内に確保できるかどうかというのが、一つ大きな課題になってくると思います。 先ほど言ったように、児童遊具を削ったり、緑を削ったり、そういった本来は憩いに使うようなスペースを削ってまで駐車場を確保しているという、涙ぐましい努力をしてくれてるわけですよね。それはそれで今の車社会の中で、非常にうれしいことだと私は思うんです。 一方で、近隣に、具体的な名前を上げるのはよしときますが、近隣にゲートボール場があって、そこの広場を借りれば何とか駐車場になるからということで、そこを市が借り上げて、そこをまた低廉に貸し出そうというふうな、そういった動きもありましてね。また、今回建てかえを考えている住宅については、更地になった場所、そこは市があるところから借りてるわけですが、その借地をそのまま借地として借りて、安い駐車場にしようというふうな方針もうかがい知れました。私は、そこについては明らかに間違っているというふうに思っております。 つまり、市が持ってない、他人様の土地を安く借り上げて、さらにそこで安い駐車場をつくるというのは、私は市が行うべきことではないと思います。そこは基本的に、その地主さんにお願いして、駐車場の要求が高いんだけど、そこ駐車場としてお宅様が貸してもらえないでしょうかということで、民間の方をそのまま活用してもらえれば、市があえて安く借りてそこを駐車場にするっていうのは、間違っていると思います。 その意味で、敷地内に一台目を置く分については低廉な形でやりましょう。で、それに余す部分については、近隣に土地があるようであれば、そういった方に十分お骨折りをして、駐車場が足りないと言ってる住居者のニーズを、賄ってあげる、そういうお骨折りをしてしていただきたいうふうに思っております。 その二点について、確認をしたいと思います。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  先ほど、整備の方針でも申しましたけれども。敷地内に一世帯当たり一台の駐車場を敷地内に整備することといたしたいと思います。 先ほど言われましたように、敷地外にまで民地を求めて駐車場を整備するようなことは、それはもう民間のほうに任せるべきではないかということについては、駐車場の整備につきましては、敷地内で整備していくこととしますし、それ以外の場合においては、民間の駐車場を利用していきたいというふうに考えております。今のところ、駐車場一戸一台というのは、敷地内に確保できる予定でありますので、民地をそこに、民間の駐車場を求め、民地を求めてまで、住宅のほうで駐車場を整備していくような予定はないとこでございます。 ◆八番(近藤芳人君)  そのように方針が変わったというふうに理解すればよろしいでしょうかね。産建の委員会のときには、そのような答弁じゃなかったもんですから。変わったと理解しました。はい。 敷地内の一台の駐車場で、一応ある程度足りるというふうに、部長先ほどから暗におっしゃってますが。私の耳にはやはり二台持ってる家庭も結構あって、その二台目の置き場に困ってるという声も結構聞くんですよ。で、その意味でそこを、先ほどの例えばゲートボール場みたいな場所を市が借りてとは、私は言わないんですが、その地主さんと十分話し合いをして、また、それ以外の場所でも結構です、近隣に駐車場として適地があるようであれば、そこを現実のものにできるように、そこのお骨折りは市がやって上げるべきであるというふうに思います。 その点、もう一点確認させてもらいます。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  二台目以降の駐車場につきましては、そういった近傍の民間の駐車場を斡旋するなど、いろいろなことに住まわれる方とお話をしながら進めていきたいと思っております。 ◆八番(近藤芳人君)  よろしくお願いいたします。 それでは、次のテーマに移ります。 建てかえによって家賃がはね上がるというふうな問題を、先ほど冒頭の答弁の中で部長がおっしゃっておりました。具体的に申しますと、生月の壱部浦住宅ですね、それが今回建てかえの計画に上がっております。生月の商工会の前の、海のほうに建てかえると、そういう予定だそうですが。先日の委員会でも現地まで見に行きましたが。 そこで家賃、その減免の額によって高低ありますが、現状の家賃の最低額が五千百円であって、それが建てかえ後、新しいところに移りますと、減免した一番最低の家賃が一万七千円になるという説明がありました。 ですから今五千百円で、今の古いアパートに住んでいる方が、新しいところに移り住んだ場合、五千百円が一万七千円になってしまうと、まあそういう話ですよね。ちなみに収入が多くて一番高い家賃を払ってる人で言うと、一万三千百円が現状の金額で、それが住みかえによって四万四千円になってしまうと。一万三千百円が四万四千円です。 ですから、簡単に新しくつくりかえましたから、そこにじゃあ移り住んでくださいという話ではないみたいですね。ここには非常に大きなハードルがあるみたいです。冒頭部長もおっしゃってたように、そこに住めない人に対しては、別の物件を斡旋するとか、数年間の家賃の激変緩和措置もあると、そういったお話がありました。そのあたりもう一度説明をお願いしたいと思います。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  建てかえが発生したときに、そこへ住まわれる方々の家賃が非常にはね上がる、それに対する緩和措置が何らかあるのかというお尋ねでしたが。 おっしゃいますように壱部浦住宅で申しますと。現在の家賃は五千百円から建てかえ後には一万三千百円、共益費が千三百円となり、建てかえ後の家賃は共益費や駐車場を含め、二万一千円から四万八千円程度になると予想されております。 そういった家賃がはね返るということに対する緩和措置でございますけれども。建てかえ入居の場合、公営住宅法に基づきまして新家賃に対する五年間の激変緩和措置がございます。それ以外には救済措置は設けられておりません。この法律に基づく緩和措置がありまして、市に特別な激変緩和に対する措置はない状況であります。 家賃が低廉な別の住宅への移転の斡旋に努めることに努力している状況です。
    ◆八番(近藤芳人君)  今、古い建てかえが迫っている住宅に住んでおられる方が、そのままそっくり移れるような状況であれば、非常に問題も少ないわけですね。ところが、そういう状態ではない、金額が非常にはね上がってしまうという中で、その建てかえの場所も、今住んでる方といろいろ協議をしたりしてるみたいです。 実際そこに住める人が、例えば壱部浦住宅であれば十六戸あるわけですが。そのうちどのぐらいの戸数になりそうなのか。また、そこにもう新しいところに住めそうにない人たちに対する斡旋っていうのは、ちょっと早く先手回しに手を打ってもいいわけですよね。そういったことはできておりますか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  済いません。今具体的な数字を持ち合わせておりませんので。後で答弁させていただいてよろしいでしょうか。 十六戸中何戸かっていうお話ですけれども、十六戸中十世帯が建てかえに回るということでお聞きしております。(発言する者あり)十戸です。(発言する者あり)建てかえ後に、新しい住宅に移るという確認されているのは十戸でございます。 ◆八番(近藤芳人君)  十六戸中十戸というのはわかりました。つまりその残りの六戸が問題ですね、一つはね。だから、その六戸に対しては、なるだけ早めにね、次の移り住む場所もいろいろ配慮してくれたほうがいいわけですよね。潰すの待つんじゃなくて。 そのような動きはちゃんとやってるんでしょうかっていう質問です。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  十六戸全ての方と細かくお話をさせていただいて、建てかえ後の住宅に住めない方に対しては、いろいろお話をさせてもらっているという状況ということに、私のほうは聞いております。 ◆八番(近藤芳人君)  しっかりやってくださいね。ぜひ期待しています。 人が引っ越すというのは、非常に大きいな話ですんでね。そんなにないと思います。ですから、特に新しい場所に住むということが、断念せざるを得ない方にとっては、次の住居地選びっていうのは死活問題でございます。なるだけ早めに、ぜひお願いしたいと思っております。 じゃあ、次に、別の話にしたいと思います。 次は、市役所が公営住宅または特公賃含めた住宅を、市営住宅を貸すというのは、いわゆる民間のアパート賃貸経営と非常に似た部分があります。もちろん利益を追求するかというと、そうじゃない部分がありますんで。完全に一致するというわけではありませんが。物件をつくって、それを必要な人に貸すという、そういう基本的なサイクルは変わらないわけですね。その物件を維持管理していかなきゃいけないと。 その意味で民間でいうと、賃貸の部屋が空室の状態で長期間あくというのは、営業損失になるわけでございまして。なるだけその空室の状況を減らすという、そういう努力というのが必要になってきます。市営住宅、公営住宅においても基本的には同じような考え方があるというふうに、私は理解しておるわけです。税金を投入してつくった住宅ですから、常にどなたかが住んでいる状態っていうのが望ましくて。その機会損失の割合を減らしていく努力っていうのが必要になってくると思いますが。 例えば、今行っている住宅管理を、民間委託することによって、その専門的な立場の方に管理運営をお願いするということができないかということも、素人ながら想定するわけですが。その点いかがお考えでしょうか。 公営住宅については、収入による家賃の減免がありますので、その収入が幾らなのか。また、それによる家賃を幾らにするのかという、その決定のプロセスは自治体が担うべきであって、守秘義務を要する部分であると思います。また、その入居者の選考においても、各種その希望者の背景というのがありますんで、そのあたりも十分配慮した上で、民間に委ねるとしたら、その部分は自治体が担うべきだと思います。 その二点以外は、恐らく民間でもやっていけるんじゃないかというふうに、私は思ってるわけですが。その辺に対して、どのような見解をお持ちかお答えください。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  市の住宅管理を民間に委託したほうが専門的なこともありましょうし、民間の専門性も生かしながら、市営住宅を管理するほうが、より適格で、また空き室についても期間短縮等、迅速で正確な対応ができるのではないかというふうなお尋ねですが。 住宅管理においては民間を活用すれば、職員の適正化や、ということでございますけども。民間委託としては現在、県、長崎市、大村市、佐世保市が指定管理者制度により民間委託を行っている状況です。本市におきましても、現在の監理・事務内容を精査しまして、コスト面での比較を行い、委託が可能かを今後検討していきたいと考えております。 現状、退去届け受理日から次の入居まで、退去修繕や畳を変えたり、室内の回復掃除に一ヵ月半程度の日数を要しております。公営住宅においては、民間と異なる広報とか抽選とかの手続がございまして。また、住宅困窮者の方に広く情報を伝えるために、広報紙やインターネットによる周知期間が十日、書類審査の機関が七日必要となってまいっております。 このほか低額所得者ということもあって、なかなか自己負担もできずに退去が遅れるような状況もございます。そういったことから、市営住宅の空白期間、住まわれてない期間が二ヵ月を要している状況でございます。 今後、先ほども申しましたが、事務の内容を十分に精査し、少しでも短期間に短縮できないか、そのような面で民間委託できないかということについて、検討してまいりたいと思います。 以上です。 ◆八番(近藤芳人君)  今幾つか現状の説明の中に、大事な言葉も含まれていたように理解しました。 まず一点は、退去届が退去をする五日前に出せばいいという、そういう現状ですね。いわゆる民間の賃貸物件であれば、一般的には一ヵ月前に明け渡すという意思をはっきりしてくれというのが一般的ですよね。それが五日前っていうふうになりますと、やはり出る五日前ですから、その後すぐに退去した後の物件をもう一回見て、現状復旧するという、そういう段取り等が、ばたばたっと発生するようになるわけですね。それによって、もしかしたら次に貸し出せるまでの期間が延びてしまうのではないかという、そういう心配、危惧があります。 また、その退去するときに、どうしても住宅困窮者の場合、延びてしまう可能性があるという話もありましたが、要するに、畳がえ等の現状復帰をするための資金が退去する方にない場合、その精算をしてしまうまで次に貸せないというふうなジレンマがあるというふうに私も聞いております。退去する方のざくっと二割程度がそのような状況になってしまうというふうにも聞いております。その期間をいかに減らすか、その二割をいかにゼロに近づけるかという努力が私、ひとつ必要だと思うんですよ。 例えば、できるかどうかわかりませんが、家賃に対して、家賃プラス退去時の現状復帰の引当金を千円でも二千円でも希望する人には募っておいて、住んでる間、ずっとそれを引き当てて積んどいてあげる。退去するときにそれを現状復帰なり、転居の費用に充ててもらうというふうな、そういったやり方もできないのか。そういった検討もぜひやってもらえると、私は住んでる人にとってもありがたいケースがあるんじゃないかと思うんですよね。 それはもしかしたら、その特公賃に住んでる方もその後、持ち家持とうと思ってるんであれば、その家賃、少し積み増しして、それを積み立てておいて、何か運用して、何か市の補助か何かで追加してあげて、それで出るときに自分の持ち家を持とうとするんであれば、少しどーんとお金を渡すような、そういった施策ももしかしたら考えられるかもしれません。 真に住宅に困窮する人が、その次の住みかをスムーズに探せ、また、その物件がスムーズに明け渡せるような仕組みとしては、私はそういうやり方も模索してみる必要があるのではないかなというふうに思っております。その当たり、どうお考えか一点。 さらに、現在、入居者選考というのが二ヵ月に一回の割合で行われてますね。私はその二ヵ月に一回のまとめた処理というのが、果たして適切かというふうに疑問に思っております。 一件一件、状況は違うわけですから、都度やっても構わないですね。現在、二ヵ月に一回行われてるというのは、従来の入居者選考委員会というのがあったときは、その選考委員を招集しないといけないですから、まとめて物件を五件、十件束ねないと選考委員会も開きにくいでしょうから、そういうふうにやってたと思いますが、今は事務的に決めて、玉を一個引くのか二個引くのか、そういった検討するだけでしょうから。その意味では、一件一件別々に、都度発生の都度やって、早く回転させるというやり方もありうるわけですね。私はその積み重ねがあってもいいと思いまして、そのような観点から、現状の退去から入居に至るスピーディーな回転っていうのを、変革をもたらすような、そういった仕組みができないかというふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  退去できない方が二割おられて、それを何らか減らす、削減する方策は、何か検討できないかということと、今、抽選を二ヵ月に一回行っておりますが、もう少しスピーディーに、二ヵ月を一ヵ月に一回するとかいうことで、もう少し事務の改善して早目に改善と言いますか、早目の選定ができないかということでございますけれども、二割の削減については、今のところ、どういった方策で二割の方を、どうしても退去できない方、二割に対してどういうふうにこう、減らすような方策があるのかということについては、今のところ、こうやったら、こうしていこうかというふうな方策を持っているものはございません。 議員から御提案がありますように、何らかのその退去費用を積み上げてやればどうかということ、そういったことも含めまして、何らか減らす方策がないかということについて、検討していきたいと思います。 それから、今やっております、二ヵ月に一回の抽選を一ヵ月にということでございますが、これはもう少し事務の内容を精査いたしまして、短くできるものは短くして、少しでも短く、短期間にできないかということで今後、検討していきたいと思います。 ◆八番(近藤芳人君)  ちょっとまだ十分な答弁だとは思っておりませんが、今後また時間をかけて進めていきたいというふうに思いますんで、ぜひよろしくお願いします。 そしたら、次に、空室をいかに減らすかという意味で、現状は政治的に、あえて空室を持ってるというケースがあります。例えば、DV被害者のために緊急避難場所として空ける、または災害等に遭われた方の避難場所として空ける、そういった形で何ヵ所かを常に空室として空けてくださっておりますね。これは非常に住民としてはというか、国民としてありがたい措置であるというふうに思うところであります。 ただ、一方、この空室をあえて持っとかなくちゃいけないのか、それとも空室をあえて持たずに、空室も全部埋めてしまって、空いてれば空室に入れるし、そうでなければ民間の住宅に家賃補助をして使ってもらうというやり方でも、私はそこは柔軟にできるというふうに思うんですね。つまり、いかに空室の回転を上げるか、空室じゃない状態を常につくるかということが一つの観点として必要であると思ってまして、そのような家賃補助という、新しい住宅困窮者対策のモデルが実現可能なのかどうか、その当たりどのように思うでしょうか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  民間住宅の入居者への家賃補助についてでございますが、全国的に前例がなく、公営住宅法に基づかない市独自で取り組むこととなる、議員御提案の家賃補助については、新たな政策になると思います。このため、公営住宅事業としてどのようなメリット、デメリットがあるのかを慎重に見極める必要があると考えております。まずは、被災者支援等のために公営住宅に確保する空室の代替え案として議員提案の家賃へ補助について、検討したいと考えております。 入居期間も限定できることから、取り組みやすく、公営住宅の空室の無駄をなくすという面で一定のメリットがあると考えられます。そのような検討を行いながら、市として家賃補助という新しい施策にどこまで踏み込んでいけるのか、慎重に検討してまいります。 ◆八番(近藤芳人君)  ありがとうございます。ぜひよろしく御検討ください。 それでは、続きまして、住宅困窮者と住宅との間の最適なマッチングといいますか、誰がどこに住むかという、そのマッチングについて質問をしたいと思います。 冒頭、バリアフリー化された住宅が少ないという、そういう問題点を建設部長のほうが御指摘をされてました。それに伴い、新しく建てかえをされようとしている住宅においては、一階部分はバリアフリー化──段差のない住宅ですね──また、壱部浦住宅について言えば、一階の八部屋の──八室のうち、一つは車椅子対応の住宅にするというふうにも、前もって聞いております。 そのような流れというのは非常にありがたいわけではありますが、果たしてそこに本当にそういうものを必要とする人をきちっと当てはめることができるか、そこが私は次の大きな課題になってくるというふうに思います。 車椅子部分はまだ、車椅子を使っている人限定というふうに入居者条件を絞ればやりやすいと思うんですが、バリアフリー化というのは今、ほかの団地にも既にバリアフリー化された住宅がありますが、そこには、じゃあ決してバリアフリーが本当に必要な人が住んでるかというとそうじゃないわけです。新しくそういうバリアフリー化が必要な人がその住宅を望んでも、入居者がいる間はもちろん出て行けとは言えませんから、一回住ませるということは非常に大きな決断になるわけですね。 ですから、今後新しく──今のところはしょうがないとしても──今後新しく、そのバリアフリー化された住宅の入居者募集をする場合は、その応募者の条件として何等か縛りをつけるというふうなことが私は要されるのかなというふうに思っております。その当たりは具体的に何か検討されておりますか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  バリアフリー化された住宅のミスマッチが生じないような入居者選定ということについては、今のところ抽選会の選考要件として一般の方が一回抽選のところ、高齢者とか障害者等には優遇抽選対象者として、二回抽選するというような措置を取っております。 しかしながら、現在のところ、入居者対象者を絞るというような措置は行っていないのが現状です。今後は、バリアフリー住宅の一階が高齢者優先にするなど選定について、他市町の事例を参考にして検討していきたいと考えております。 ◆八番(近藤芳人君)  よろしく検討をお願いいたします。 それでは、続きまして、建てかえが建物だけの建てかえではなくて、その地域全体としてどうあるべきかという、まち全体のあり方──リノベーション何て言う英語がありますが──そういった観点から、どうあるべきかという質問に移りたいと思います。 現状、建てかえ用地の選定は、市が現在の入居者の意見を聞いてどの辺だったら許してくれるかと、また、どこだったら土地があるかという当たりで決定してきた経緯があります。 しかし、今後も超高齢化、または過疎化ですね、それに伴うまち並みの空洞化というのも現実の社会問題として大きいわけです。空き家が増加したり危険家屋が増大したりという、そういった問題もあるわけですね。そのような意味で、地域のコミュニティ自体が揺らぎつつある中で、どうしても建てかえ用地が広大な敷地を要するからついついまちの外側にこう、拡散していくような、そういった流れがやはりあると思うんです。 従来、人がふえてた時代、また経済が本当に右肩上がりの時代はそれでよかったと思うんです。それによってその近隣の土地の価値も上がるし、いろんな効果が期待されたと思うんですが、今後、いわゆるコンパクトシティですとか、スマートシュリンクなんていうふうな、小さくまとまったまち並みをつくっていき、その中に機能を集約していくという流れの中にあって、私はその、流れが一変してるというふうに理解しております。 つまり、その地域においてどういうところにどんな物件があったほうがいろんなサービスがやりやすいか、まちとして機能が固めやすいかという意味で、地域の人に十分話を聞いてその中に位置づけてもらうというふうな、そういった決定のプロセスが必要になってくるんではないかというふうに思っております。 壱部浦住宅については、建てかえ用地が確定したみたいですから、そこはもうそこで決まりです。 次、生月の舘浦旧アパートの建てかえが喫緊の問題として出てくるでしょうが、例えばそこを地域コミュニティという新しい発想で市長もやろうとしてますから、そのコミュニティに一回議論を任せてみて、どんな意見が出るかというのを一回集約する、そういったことが必要になってくるというふうに私は思います。 超高齢化が進む公営住宅の入居者に対して、賄いが必要だったり、または介護施設が近くにあったり、そういったことがもしかしたら機能的に要求されてるし、そういったことであれば自分たちがやるよっていうふうなNPOとか、ボランティア団体がいるかもしれませんね。近くに厨房施設のある公民館的なものがあるんだったら、私たちはそこでつくるよというふうな、そんな話にも発展しうる可能性がありますし、あそこの空き家三棟つぶしてそこにつくってもらったほうがよかとばってんっていうのであれば、市が買い取ってそこにつくってもらうとかですね、そういった話もあろうかと思います。 地域に一旦そういう声を委ねて検討するという部分については、どのようにお考えか、時間ないですね、その点と、最後に市長にまとめの答弁をお願いして、終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎市長(黒田成彦君)  現在が行政指導で決定してきた流れがありますが、今後は今、近藤議員が御指摘のような形で、地域の中でのいわゆる居住空間、ソフト面も踏まえて、地域住民の皆様方の意見を聞く場を設けながら用地の選定を行ってまいりたいと思いますし、今後、そういったまちづくりという観点から、どういうふうな形で市営住宅のあり方があるのか、これから共有をしていきたいと思います。 さきほどからの御指摘もいろいろありましたが、これまで法令あるいは条例に基づいてやってきた傾向が強くて、ある意味、経営感覚であるとか、利用者目線とか、こういったものを十分に反映しながら、今後の計画を遂行してまいりたいと思っております。 ○議長(吉住威三美君)  以上で、近藤芳人議員の一般質問を終了します。 ここで十分間休憩します。               午前十一時零分 休憩               ~~~~~~~~~~               午前十一時十分 再開 ○副議長(田島輝美君)  引き続き、一般質問を行います。 次は、十九番、川上茂次議員。 ◆十九番(川上茂次君)  上着はいいですか。 ○副議長(田島輝美君)  どうぞ。 ◆十九番(川上茂次君) 登壇 それでは、順番にしたがって質問させていただきます。 今回、テーマを「暮らしの変化を捉え、地道な再生の道を拓く、平戸市の新たなまちづくりを願って」と提言いたします。 まず、去る六日午後三時、アメリカのデンバー市のコロラド州立ベアークリークの高校生たち四十三名が、市長表敬訪問を受けていただきまして、心から感謝申し上げます。午後四時からは永田記念図書館企画と運営による国際多文化交流サービス日本文化との出会い体験で、日本語とタイ語と英語による絵本の読み語り、日本、平戸を一言での表現、ツルの折り紙体験、根獅子の里キリシタン悲話であるおろくにん様、英文紙芝居の体験を、中部公民館の協力でさせていただきました。 さらに、七日は生月町のB&Gの主導でカヌー、火薬体験を開催し、海のないデンバー市の生徒たちが日本の海水浴場百選根獅子の海の魅力を満喫いたしました。これは、ベースインターナショナルジャパンの企画を私たち協議会が受けたものでありますが、今後も多文化交流の一環として、いろんなものを開催していきたいと思います。皆様方の今日までの御協力に厚くお礼申し上げますとともに、今後ともよろしくお願いいたします。 次に、質問に入ります。 一つ、豊かな歴史に彩られた文化の薫り高いまち・平戸の「文化創造都市への取り組み」について提案します。 文化創造都市とは「地域固有の文化や資源を生かした創造的な活動が活発に行われ、その活動が新しい価値や文化、産業の創出につながり、市民の暮らしの質や豊かさを高めていく都市」として定義され、これまでの効率主義、大量生産・大量消費主義の工業社会からサービス化が進み、人と人が接触し、感動や癒しや生きがい等の生活の質を向上する脱大量生産社会であり、柔軟性に富み、革新的な修正自在型の都市経済システムを持ったポスト工業化社会を目指す都市といわれております。 文化創造都市は、豊かな自然景観、多様な歴史や文化芸術に彩られ、世界遺産や重要伝統的建造物群、あるいは国の文化財等の豊富な京都や金沢・彦根や小布施のまちが事例に上げられております。 平戸市は、かつて西の都とうたわれ、豊かな歴史や文化に彩られ多くの指定文化財を保有し、伝統的建造物群と重要文化的景観にも選定されるとともに、特に、世界遺産登録の暫定リストに上がり、多くの史跡や麗しい景観に恵まれております。まさに、平戸は文化創造都市にふさわしい要件を保有していると、関係研究者間で評価されております。 既に平戸市は、平成十四年二月二日、北部公民館で十二の大学関係者や一般参加者二百余名を集め、文化経済学会(日本)九州部会平戸大会を開催し、「新時代のまちづくりのために文化創造都市を推進しよう」と大会宣言を行っております。文化経済学会とは、文化及び芸術に関する社会・経済的問題の研究促進を掲げ、その分野に携わる研究者・実務者等による研究成果の発表と相互交流、文化に関する系統的な社会・経済学的研究の発展と教育の普及に資する学会でありまして、文化創造都市の研究も行っているところであります。 ところで、従来の観光振興とは異なった地方の観光まちづくりの関心が高まってきております。その背景には、高齢少子化、人口減少による地域の衰退があり、多くの地方都市は「都市の生き残りをかけて地域の資源を磨き、観光を振興し、交流人口をふやしたい」と躍起になっています。確かに従来の観光振興といえば、集客施設や門前の土産品店、飲食や宿泊業、交通や旅行会社などの観光関連産業の振興のことでありました。いまだに道路や駐車場、ホテルやテーマパーク的なものが要るという発想が残っております。 しかし、観光客のニーズと観光振興の意味も大きく変わり、観光とのかかわりはまちの商業サービス業全体に広がり、商店街が女性化し、成熟化してサービス化が進み、観光客の消費が土産物より飲食や買い物消費に転換したと言われております。まさに、大量生産、大量消費の工業社会の時代から、ポスト工業社会・脱工業時代に変わり、時代や社会とともにまちと商店も変わり、住民と観光客も大きく変わってきております。今や観光振興は、市民と観光客の融合を進め、まちの商業サービス全体の向上がなければありえず、それに気づいたまちは今日賑わっております。しかし、今なお地方都市の多くはこのことに気づいていないと指摘されております。 地元商店街のある商店主は、景気のよいときは個店本位の経営で成り立ち、商店街ぐるみのまちづくりという概念は薄かったと述懐されていますが、いまだに従来型の観光業と商工業の乖離は残渣として残っております。商店街の観光化とは、商店主も地元顧客も遠来の観光客もみんなが融合し、観光商工業がサービス化するまちづくりのことだと思いますが、平戸のまちは融合しているでしょうか。 近年、「地域が主体となって、自然・文化・歴史・産業・人材など、地域のあらゆる資源を生かすことによって、交流を振興し、活力あるまちを実現するための活動」という「観光まちづくり」の言葉が、国の観光立国推進基本計画にうたわれるとともに、一般的に使われております。観光まちづくりは、文化創造都市づくりと言いかえることができ、一人一人の小さな創造力がまちの魅力を高め、小さなビジネスを育てる観光まちづくりが、新たな文化創造都市を推進するともいわれております。 文化発展を通じて、地域の産業経済、社会のリノベーションの牽引力と捉え、新たな経済振興を図るには住民と事業者と行政が連携し、生活の質の向上を図る観光が必要だと思います。観光客をひきつけている長浜や小布施のまちは、まちの逸品と個性的な飲食などのサービスがあり、商店街の住民と観光客も、ともになごみ楽しむまちに変わることによって賑わいが再生されております。 平戸は、かつて西の都とうたわれた歴史を持ち、変えてはならない大切なものと、歴史があるがゆえに日々変わり、時代の流れとともに進化していく新しい動きが必要であります。商店街が魅力的な商品や飲食を楽しむ場所であり、常におしゃれに変わりゆく街角に出会う安らぎと楽しさのまちになれば、観光と商業や農林業が融合した創造都市になるものと思われます。 そこで、平戸が文化創造都市づくりに取り組むことを仮定して、次の所見をただします。 一つに、小さな都市が観光振興のためにすべきこと。 二つに、観光の大きなトレンドは何か。 三つ、観光客を引きつけるものは何か。 四つ、市民も観光客も楽しむまちとはどんなまちか。 五つ、地域雇用を生み出す観光政策とはどんな政策か。 六つ、感動するまち並みをつくる景観まちづくりをどう進めるか。 七つ、訪ねて歩いて楽しいまちを創る交通政策をどう進めるか。 八つ、創造都市づくりには多様な力が要ると言われております。さて、どのように進めるか。 大きい項目の二つ、文化創造都市の必須に世界遺産登録の存在があります。幸い、平戸市も長崎の教会群の世界遺産登録が平成二十六年度夏に国の推薦、平成二十八年度登録のシナリオが見えておりますので、再度ただします。 一つ、世界遺産登録は目的ではなく、地域振興の有効な手法であります。もはや担当課のみの仕事では、本来の目的である地域振興は図れません。世界遺産登録は市総合計画にあるものの、世界遺産の取り組みを見据え、地域住民の取り組みを巻き込む官学民の、より具体的明確な構想を策定し、平戸市の総合施策という認識と責任のもとに関係各課が一丸となって取り組むべきでものであります。 二つ、平成二十八年度の世界遺産登録を目指し、ことしの夏に国の推薦決定を見込むと、世界遺産登録までに実質二ヵ年しかありません。世界遺産登録決定に間に合う対策と組織を決定し、具体的な運動へ展開しなければ、単に登録制度に乗りかかっただけであり、登録の意味がありません。そこで、世界遺産効果を市全域に拡大し、行き渡らせるための平戸市のロードマップも必要です。 続いて、水産振興について。 「歴史は、過去を回想し、懐かしむだけのものではない。現在を生き、未来を拓くための〈鏡〉ともなる。どのように先人たちが風土を築き、伝統を育ててきたかを酌み取って、その遺産の上に、我々が新たなる創造を加えていく。そういう〈糧〉ともなるべきものであろう」、これは、昭和六十三年四月に刊行された「舘浦漁業協同組合八十五年史」の巻頭言に記された金子源吉組合長の冒頭の言葉であり、「現下、我が国の水産業界は極めて厳しい状況に直面している。季節に例えるなら〈冬〉と言ってもいい。舘浦もまた例外ではない。しかも、生月大橋架橋、漁港整備の完了も間近であり、生月に新しい夜明けが来ようとしている」という言葉で結んでいます。なぜに二十五年後の今ごろ、舘浦漁協八十五年の沿革史を持ち出したか。西海の一塊の孤島が約百年間にわたって我が国の遠洋巻き網漁業を代表する一大基地として存在してきたか、その歴史をたどることで、閉塞する現代漁業振興の糸口がつかめるんじゃないか、金子源吉組合長の言葉にあるように、歴史は未来を拓く〈鏡〉ともなることを信じ、金子厚男氏によって編さんされた沿革史をひもといてみたのであります。 この沿革史の結びに、四十余年間にわたり組合長として舘浦漁協経営に携わり、日本遠洋巻き網漁業の育ての親であった正三位勲一等・元農林水産大臣、金子岩三先生の言葉を敷衍して「あらゆる産業が変化の中に生きているごとく、漁業もそうである。そして、また、あらゆる産業がそうであるに似て、漁業も人間というものに帰着する。どれだけ後継者が育ち、祖業を新しい血が受け継いでゆくか、リードオフマンが登場してくるか、究極、漁業も人間の産業である」と言っています。 なお、結びの項には、当時の生月町立山田小学校社会科学部会がまとめた『生月の漁業~まき網船団の基地・舘浦』の冊子の後書きに、「沿岸漁業の衰退と共に人口流出の続いた近隣町村にあって、生月のみがその例外であった要因は何であったろうか、それは〈漁業に対する基本的姿勢の違いによる〉、〈あくまでこれで食べていかねば〉、〈是が非でも〉といった漁業に対する執念ともいうべき島民一丸となった姿勢が他の町村と違っていた」と、漁業者の聞き取りが紹介されています。 この冊子の結びに、「二百海里時代を迎えて資源の枯渇や漁獲量の規制、操業禁止区域や保護区の拡大、沿岸漁業の不振など」目前に迫る中、「生月島の人々は何度となくやってきた危機を、持ち前のファイトと対応力、新たな魚種の獲得、新たな漁法の開拓で切り抜けてきた。国際的な規模でやってくる危機をいかなる方策で切り開いていくか、この島の連帯感と持ち前のファイトある活動力が続く限り、いかなる苦難があろうとも切り抜けていくだろう」と記されています。 沿革史の後書きに、「舘浦漁協の歴史とこれからの漁協の在り方、基幹産業である漁業とそれを取り巻く行政のありさまが提言され、時代の担い手である少年たちこそが未来を紡ぎ出す人であり、舘浦の歴史の土壌から培われた精神は生き続け、歴史を受け継ぎ、一層発展させ、大いなる果実を舘浦にもたらす力になるだろう」と結ばれています。 このように、水産業に命を懸けて生きてきた舘浦を初めとする生月人の生きざまを記した、舘浦漁協沿革史の記録の中にこそ、水産業に限らず、過疎化し廃れてゆく今日の私たちの地方の生き残りをかけた、地域づくりのヒントが存在するものと信じ、一般質問に引用させていただきました。 私は、一昨年の一般質問で、水産立市でありながら平戸市の水産行政の方向性がよく見えない。平戸市こそ農業振興基本計画に勝る「平戸市水産業振興計画」が必要であるが、早急に策定をお願いしたいと提案いたしました。幸いにも担当課の尽力で、本年三月議会に水産業振興基本計画が示されました。私たちの議員全員協議会で説明していただき、全協でも高く評価されたところであります。 では、この水産業振興基本計画を、漁業者及び漁業者が組合員となって協同し経済活動を行い、漁業の生産能率を上げることによって組合員──いわゆる漁業者の経済的、社会的地位を向上するために組織化し、市内の漁協と具体的に連携し、いかに目的達成を図るものか、以下の項目についてただします。 平戸市水産業振興基本計画に見る水産業振興の新たな特色は何であるか。 二つに、新たに導入が見込まれる水産業振興部門は何であるか。また、その研究は進んでいるか。 三つに、行政は漁協や農協等の組合の指導にも責務を有しています。漁業者の福利厚生と構成する組合発展のために、既存の漁業関連施設の活用について、管内漁協の水産施設の内容と稼働率・採算性等はいかがなものであるか。 利用不調な水産施設の実態はいかがなものであるか。 活用中の施設のさらなる活用と、利用不調の水産施設の活用による水産業振興策はいかがなものであるか。 新たなる水産加工品の開発・販売による水産振興の研究に、どんなものがあるか。 五つに、平戸のカキは生食にふさわしいと聞いております。研究販売はできないものか、進んでいるものか。 大きい項目の三つに、農林業振興について。 初冬に平戸サザンカ、厳冬に平戸藪ツバキ、新春に薫る梅の花、弥生の山もとかすむ山桜、大輪の平戸ツツジの繚乱は、平戸に彩りを添えて住む人も交流者も楽しませます。希少な平戸固有種の二度咲き桜、別名「お世継ぎ桜」が気高く庭を飾ります。亀岡城や沖禎介邸宅跡、由緒ある屋敷跡に残る、至るところに巨木のマキは茂り、かつて藩主が兵糧や飢饉の非常食として植栽を奨励した善政の歴史を今に残すとともに、民家のヒャーシ、いわゆる防風林となり、端正に刈り込んだ景観は、平戸のシンボルとなっています。また、礫岩や屏風岳等によるイトラッキョウや白檀、朝鮮野菊等が自生しています。 平戸は固有の豊かな花卉花木は貴重な資源であり財産であります。平戸ツツジは品種登録をし、生産販売した時代もありました。しかし、平戸藪ツバキも登録したものの生産や商品化には至っていません。いわんや平戸サザンカや山桜、二度咲き桜はなおさらです。平戸から大村公園に持ち込まれた平戸二度咲き桜は、今では大村桜と命名され大村を代表する桜になり、平戸は本家の誇りを失ってしまいました。 これまで育種や商品化、産業化について提言してまいりましたが、何ら動きがありません。地域再生・地域おこしには地域資源を掘り起こし、ブラッシュアップして活用することが求められています。 既に、対馬ではウミテラシともナンジャモンジャの木ともいわれる「ヒトツバタゴ」を、壱岐では「壱岐の山桜」、五島では著名な「玉の浦」を初め、五島藪ツバキをそれぞれ特産化し販売するとともに、五島市には資生堂が入り、椿油の化粧品開発が進み、松浦市福島町の藪ツバキ公園は有名になっています。 そこで、以下の所見をただします。 一つ、風致保存条例では、風致全般の対処に限界があり、世界遺産登録を視野に拘束力を持つ景観法を上位法に景観条例を制定し、景観計画を立て、全市域にネットをかけました。特に、西目海岸の隠れキリシタン地域は重要文化的景観に選定されていますが、旧風致保存条例ではマキの島外搬出届等があったように思いますが、景観条例の中での対処はいかがなものであるか。 二つに、城主がマキの植林を奨励し、マキの巨木が市民の財産であるように、山林原野や荒廃段畑等に、マキの造林やマキ並木づくりによる景観形成と市木の保全に行政として努めるつもりはないのか。 三つ、平戸固有種の花卉花木等を文化財とし保護し育成するとともに、景観づくりや観光資源、そして農林業振興に生かす意思はないのか。 四つに、マキ・平戸ツツジ・サザンカ・山桜・二度咲き桜・黄ユリやイトラッキョウ等の固有の草花を、民間の園芸愛好会の趣味の域にのみに任せていいものか。 五つに、平戸市もミカン生産団地を造成し、ミカン生産に努めた時代がありました。しかし、全国的な団地造成はミカン生産過剰となり、広大な廃園が残っています。ところが、ながさき西海農協管内のミカンは全国トップの価格で販売されているが、量が足りません。そこで、広範な畑地と整備した汎用性のある圃場も生かして果樹栽培の導入は図られないものか、所見をただします。 以上、再質問は時間に応じて自席から行いますので、よろしくお願いいたします。 ◎市長(黒田成彦君) 登壇 川上議員の御質問にお答えいたします。 議員から御提案がありました、文化創造都市づくりについてでございますが、その定義や概念は、ただいま議員から御説明をいただいたとおりと認識しております。 既に、フランスのパリや、我が国では京都では、文化芸術が有する創造性を都市の活性化に結びつける取り組みが実践され、そのことにより、産業や観光の発展など、変貌を遂げ、世界に冠たるブランド都市としてよく事例されております。 つまり、かつての産業・工業都市と言われていたまちが、経済優先で発展していた都市が、この再生を図る上での重要な役割を果たしてくるのが文化・芸術であるということは、今やユネスコでも国際的に認知されており、また、国内では飛騨高山や萩・津和野など、かつての原風景をそのまま、まちづくりに生かした新しいタイプのまちづくりとして注目されている手法であると認識しております。 そういった意味で今回の世界遺産登録に向けた動きが加速する中、地域住民が住みよい豊かな環境をつくるため、そして多くの来訪者に選ばれ続けるまちであるために、文化創造都市の概念はまさに時期を得た提案と受け止めております。 そういうことからも、今回の世界遺産登録は、登録することのみが目的ではなく、後世資産の保全と平戸市における歴史と文化を生かしたまちづくりを達成するための一つの手段だと考え、御提案に沿えるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ところで、御指摘がありました世界遺産登録を活用した地域振興を図ることは、国内推薦が次第に現実味を帯びてきている中で、大きな期待とともに、地域を巻き込んだ受け入れ態勢の整備が急務であると認識しているところであります。 このため、部長以上で構成する平戸市世界遺産登録推進本部を去る五月一日に開催し、これまでの経過報告と今後の課題を共有したほか、実務レベルの担当者会議の設置が提案され、早速、五月二十一日に第一回の会議が開催されたところであります。この会議では、実務者による横断的な組織体制を取るとともに、情報の共有を図りながら実行力のある事業計画を検討していくこととしております。 そして、今月開催予定の第二回目からは、県の担当者もこの会に加わることになっており、当面の重要なプロジェクトの一つを自分たちが担っているなという認識のもと、受け入れ態勢の構築と資産の保全、さらには活用に向けた具体的な取り組みを進めていきたいと考えております。 その間できるだけ早く、どの組織がどの事業へ活動を展開していくのかを示す全体計画を作成し、加えて、短期のロードマップ、中長期のロードマップの作成に向けて、地域の現状や要望を十分に反映させ、官民共同による実行力のある取り組みにつなげてまいりたいと考えております。 残余質問については、担当部長に答弁させます。 ◎文化観光部長(松田隆也君)  それでは、私のほうから八項目に関わる総括して御答弁申し上げます。 観光の振興についてのお尋ねですが、観光客のニーズは、これまでの名所や旧跡を訪ねたり、行楽地で遊んだりする「観光地」や「観光施設」を中心としたものから、「旅先の地域の人とのふれあい体験」、「自分を見つめる生き方の探求」、あるいは「日常生活にない癒し」などを求めるいわゆる「目的」指向型へと変化してきております。 また、個人の嗜好にあった旅行スタイルの変更に伴い、グルメやスポーツ、あるいは参加体験、地域交流など、さまざまなニーズに対応した旅行プランの提供が求められております。 幸い、本市には多くの史跡があり、また他に類例を見ない格調高く稀有な歴史文化遺産が豊富に存在をしておりまして、小さい都市といえども、これらの潜在能力を生かしたまちづくりが可能と考えております。 つまり、ただいま議員から御指摘がありました、「観光振興のためにすべきこと」「大きなトレンドとは何か」あるいは「引きつけるものは何か」という視点で言いますと、まずこれからの観光は、市民と観光客が交流する中で、互いに感動や癒しや生きがいなどを感じることができるような、平戸だから感じる仕掛け、あるいは旅行プラン等を地域と一体となってつくり上げていくことだと思っております。 具体的な例を上げますならば、先日開催いたしました「武家屋敷のお庭めぐり」などは、所有者の御了解さえあれば、武家屋敷の感動や癒しなどが体験できますし、国の名勝に指定された棲霞園や梅ヶ谷津偕楽園の一般公開は、昔ながらの風景に触れ、日常生活のギャップを体験することでリフレッシュし、加えて、大学生による案内説明がさらに共感を呼び、結果として、来場者へ満足を提供することができました。 地域に残る文化や伝統、史跡、自然景観などに誇りや愛着を持って保存・継承していく中で、体験や交流といった人と人とが交わることで、新しい価値を生み出すものになると考えております。 次に、「市民も観光客も楽しむまちとはどんなまちか」、あるいは次の「地域雇用を生み出す観光政策とはどんな政策か」でございますが、北部地区商店街を例に、次の景観まちづくりと絡めて申し上げますと、まち並み環境整備事業による店舗の外観改修や電線の地中化により、町屋の景観が整備されつつあり、統一感ある町屋の景観は、訪れる観光客にとっても魅力あるものと思っております。 また、みやんちょ商店街と木引田町商店街振興組合が連携して、平戸商店街ガイドブックの作成などによる積極的な誘客展開が行われる予定だと伺っており、期待するところでございます。 しかしながら、現状は駐車場があっても、そのものが月極めや店舗用で、観光客が利用できる駐車場が少ないとか、平戸牛を食べたかったけれども、どの店も一緒に休んでいたといったような声が観光客から寄せられるなど、商店街には地元志向の店舗が多く、観光客を意識した店舗づくりが不足しているように感じます。議員から御指摘ございました「商店街の観光化」という点で言えば、こうしたサービス面の克服が大きな課題と言えますし、まちを歩きながら、人と人との触れ合いができるまちこそ大きな魅力アップにつながるものと感じております。 また、議員御指摘の交通政策の観点では、歩行者の安全な歩行空間の確保と、歩いて楽しいまちをつくることは究極の目標でありますが、これを進めるには、市だけでは限界があり、県などの関係機関を初め、何よりも地区の合意形成が不可欠でありますので、引き続き立場を越えた議論が必要だと認識しております。 いずれにしても、文化創造都市づくりに当たっては、行政だけでなし得るものではなく、官民一体となって創造性を発揮して進める必要があり、さまざまな分野の御協力をいただきながら、地域の活性化に結びつける研究、あるいは仕掛けを模索していきたいと考えております。 以上でございます。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  川上議員の御質問にお答えします。 平戸市水産業振興基本計画についてでございますが、計画内容検討時には、市内各漁協の組合長が異口同音に訴えたのは、後継者確保の問題でした。 そこで、平戸市漁業担い手確保支援協議会では、平戸市独自の指導漁業者登録制度を新たに導入し、多角経営を目指す漁家子弟の研修機会の充実を図るとともに、新規就農者のフォローアップ体制を整備しているところでございます。 また、新たな取り組みとして、養殖魚の品質向上と販売促進を掲げておりますが、平戸夏香ブリにつきましては、メディアでの紹介を経て市内のホテルや飲食店での取り扱いもふえ、今年度は県の競争力ある養殖魚づくり推進事業への採択も決まり、さらに商標登録の出願も終えたところでございます。 さらに、市内の水産加工業者や漁協青年部及び女性漁業者の中には、県の総合水産試験場において水産加工品の改良や新商品の開発に取り組んでいる方がいますが、市の技師も水産試験場に同行したり、検討会に参加するなど、常に県と連携した指導を行っております。 一方、漁協の共同利用施設に関しましては、概ね利用計画に沿った利用がなされていると理解しております。しかしながら、中にはその後の水揚げの大幅な減少等により利用率の低下を招いている施設も散見されます。補助事業により取得した財産につきましては、国が定める基準「補助事業等により取得し、又は効用の増加した財産の処分等の承認基準」について基づき、対応することとなりますが、内容によっては他の目的に利用することも可能であるため、現状の分析と将来に向けての利用計画の検討を指導してまいります。 なお、平戸産養殖マガキにつきましては、これまで地域の環境特性を生かしながら養殖の普及に努めてまいりましたが、直売所での販売や贈答品としての地方発送、さらには首都圏の飲食店等への出荷もふえております。特に昨年度はふるさと納税に伴うポイント交換賞品として利用したことから大きな需要の伸びが見られました。 市といたしましては、取り組むべき最大の課題は、生産と流通の改善と捉えており、高品質で安心できる平戸の水産物を需用に見合う形で、消費者に供給できるシステムが構築できれば収益アップも期待できると考えております。 現在、平戸市地域資源ブランド化推進協議会の事業展開によって、首都圏においても平戸産の加工品を含む水産物に対する高い評価が得られるようになってまいりました。 また、平戸魚市では市内の各漁協と連携し、福岡都市圏を初めとする九州各県での試験販売を行っていますが、市といたしましても今後とも流通や消費動向を分析しながら、販売体制の見直しを続けていきたいと考えております。 そのためには、もうかる水産業の実践とやる気ある人材育成を目指し、平戸市水産振興協議会を核としながら、各漁協の販売主任者による検討協議への場を設け、具体的な対応を進めてまいります。 次に、マキの木等を掘り出した後の対処法についてでございますが。 まず、個人所有の財産に関する商取引であれば、売買そのものを規制することは困難であろうと考えられます。しかしながら、大木を掘り出した後の景観が損なわれる可能性や、水の涵養等を初めとする樹木の持つ多面的機能を維持するためには、苗木を植えるなどの手当てが必要であり、市民の皆さんの意識の高揚を図ることが大切であると思います。 そこで、例えば樹木の重要性を実感していただくために、植樹や育樹の体験が必要なのではないかと考えます。本市におきましては、ながさき森林環境税や緑の募金等を活用し、小規模ではありますが平成二十年度から育樹祭を毎年行っており、今年度で七回を数えます。市といたしましては、育樹祭等を通して花卉や花木の保全に努めてまいりたいと考えております。 また、平戸市固有の植物は、本市の地理的・気候的条件の中で長い年月をかけて育ったものであり、本市の特産として活用していただきたい地域資源ですが、本市には花卉類に特化した生産農家もなく、民間の園芸愛好家の皆さんが中心的役割を担っているのが現状でございます。 したがいまして、生産農家や園芸愛好家の皆さんが栽培に関する、技術的試験や耕作適地など必要な情報の提供を希望される場合は、適切に対応していきたいと考えております。 一方、果樹栽培に関してでございますが、佐世保市南部のミカン栽培農家を中心とした、JA長崎西海蜜柑部会におきましては、糖度を上げるためのシートマルチ栽培の導入や栽培管理の徹底を図り、一定の糖度を超えたミカンを「味っ子」「味まる」として市場に出荷し、消費者から高い評価を得ているところでございます。 また、平戸市におけるミカン栽培につきましては、一九六〇年代の国内果樹消費の拡大に伴う全国的な増産対策により、栽培面積の拡大が図られましたが、価格低迷等により、栽培面積は十二ヘクタールまで大幅に減少しております。しかしながら、農協系統での販売や個人販売が行われており、全国的に生産が減少している夏ミカン等は都市部の消費者から見直される動きもあります。 例えば昨年四月から平戸産品を販売している東京都板橋区のアンテナショップ「とれたて村」では、数多い平戸産品の中で数量の売上トップは甘夏でした。平戸では農家の庭先などに普通に植わっている果物が、都市部の消費者には人気があることの裏づけだと思います。 市といたしましては、果樹栽培に取り組まれている生産者の規模拡大や省力化対策のほか、需用の高い果実を新たに栽培する生産者に対し、栽培技術の取得や圃場の確保について、県や農協等の関係機関と連携して支援を行うとともに、果樹を志向する新規参入者に対しましては、圃場の確保に加えて青年就農給付金事業等の活用も提案してまいりたいと思います。 ◆十九番(川上茂次君)  基本的には市長のほうから、私の趣旨については理解していただいた答弁がありましたので、それで良としたいと思うんですが。 今回の一般質問の打ち合わせでもやっぱ二時間余り、それから各課・各部の方々が何回か来ていただいて打ち合わせをしましたので、異論なき答弁をいただいたとふうにこう理解をしております。 まず、この文化創造都市という言葉を前回の質問で提言し、今回かなり踏み込んだ答弁をいただきましたし。先ほど申し上げたとおり、市長のほうから今後の方針としては、文化創造都市の構想も取り入れていくというような明快な答弁いただきました。 ただ、部長とのやりとりの中で、若干私が意図する文化創造都市の意味合いと、異なるものがありましたので若干述べてみたいと思います。 やっぱり景観法をなぜつくってきたか。その前に、私は景観法に基づく景観条例をつくる前には、風致保全条例をかつての名市長であった山鹿市長の肝いりによってつくった事例があります。しかし、これは景観を守り風致を守るにはざる法的な力で、努力はしたものの、なかなか実を見ない。早く拘束力のある景観法ができないかなちゅうことで、私も再三一般質問等上げてきましたが、十六年度の法の改正で拘束力を持つ、しかし地域に密着した法ができまして、いわゆる景観法の中で我々も、この景観計画を立て、景観条例をつくっております。 これは世界遺産登録に向けての保護期と期を一にしているわけですので、うちの場合は景観保護に伴う景観条例、それからもろもろの制度を持ったというふうに理解をしておりますが。やはりその中の一つとしてなぜ景観が必要か。これはやっぱり、我々がなりわいを豊かにするための仕組みである。そして今日そのなりわいを生かすために、手っとり早くって言うと語弊がありますけど、やっぱり観光の切り札は最重要であるというふうに言われておりますが、今日までは景観のまちづくりとか観光のまちづくりっていう言葉がずっと言われてきておりますけども、やはり究極は文化創造都市のようなものを、先ほど質問に立った議員がコンパクトシティって言葉を使ったようですけども、まあそのようなものを今後目指すんじゃないかという中で、理解をしております。 できれば部長のほうで、この七項目ばかしに上げた項目についても、さらに吟味し、この各論を具体的に検討してもらいたいと思います。 今回、部長が話したような答弁だったと思うんですけども。やはり時代の流れで商店街も変わるし、我々消費者も変わるし、観光客も変わったならば、その変化にどう対応するようなまちをつくるか。単なるハードなものじゃなくて、ソフトなものをどうつくるか。これが大きな課題じゃないかな。 そういうときにやっぱり、この事例で上げたまちや村を見れば小さなビジネスが盛んに発生してる。で、仮に十年前、二十年前のレストランとか老舗的なものがなくなって新しいものがつくれて。それほどに今のアラフォーという世代の方々を含めて、若い女性たちが、あるいは中高年の方々が集まっている。男性よりも女性の方々が観光客として行動する時代。「わしも連れて行け」っていうような時代になってきたと思うんですね。女性たちは必ずしもマイカーでは行かない。公共交通機関を使う。そうしたときに商店街の車対策はどういうふうに考えるべきか。やはり車を規制してでも、観光客も地元住民も店主も得をするような政策をどう進めていくか。これはやっぱり行政の責務じゃないかなって考えます。 そういうようなことを、私は一つの仮定として、この項目の中には上げております。これはなかなか奥が深いと思いますので。今後の課題として行ってもらいたいし。やはり平戸の商店街に楽しさを求めて、おしゃれを求めて、おいしいものを求めて観光客があえて好んで来てるかな、選ばれて来てるかな。今の観光客は世界を回ります。目も肥える、口も肥える、お金もある。そういうふうな世界のトップの、日本の国のトップの商店街や観光地と比較されて選ばれる、これだけの力があるかな。 そういうようなまちづくりをすれば、私はやっぱり観光立市、観光でまちが立つこともできるだろうし。観光が動けば農林水産も俄然動いてくるでしょうし。やっぱりまず地元の足元をどう高めていくか。足元ビジネスって言うですかね。地元の力をどう蓄えていくか。地元がただ力づいてから、やっぱり外国に責めることができる。かつて大東亜戦争で日本の国が海外に出ましたが、兵站がなかったがゆえに結果的には負けてしまった。 兵站を十二分に捉えた上で戦術を練ることも大きな脅威じゃないか。かつて、先ほど上げた沿革史の中にこういう一文があります。金子大先生が大臣になったときに、ふるさとに帰ってきて、生月の方々と平戸の方々を別々に呼んだそうです。昭和三十四年、平戸の生産額は水産が二億円、当時。農林関係が十四億円、高が十六億円。そして二十年後、平戸は農林が四十七億円、三倍ですね。水産が七十億円、三十五倍に上がってる。しかし生月は二百億円なんですね。片や五万弱、片や一万の人口の島とこの平戸が、これだけの違いは何かと。大先生はこの沿革史の中で言葉を残しております。そして究極は人であるということを、先ほど申し上げたとおりであります。 私たちはやっぱりこの先人の今、三代目か四代目かわかりませんが、一つの事例として舘浦漁協の沿革史、沿革を見るときに、初代の組合長、二代の組合長、漁業者でないにもかかわらず、自分の資材を賭してでも、生月を守ろうとした稀代の二代の漁業長、記念碑があるそうですけども、あるいはこういうような方々に学ばなければならない時代が来たんじゃないかな。そのように考えています。 やっぱり先人は足元で勝負をしております。足元を固めて遠洋に打って出た。そして成功を成し、今日のふるさとを築いた。今から、恐らくその後当地は再生するというふうに期待していますけども。そのようなまちをつくる時代に来たんじゃないかなと思います。 そういう意味で、新たな切り口として文化創造都市を提唱したんですけども。これは今日では世界遺産登録も視野に入れて動きが始まりましたので。具体的に今後かみ砕いて、担当部局において、あるいは全庁的に取り組まなければならない時代が来たというふうに考えますので。よろしくお願いいたしたいと思います。これは、これで終わります。 後日の質問に再三取り上げますので、よろしくお願いいたします。 景観まちづくりの意味も、それから観光まちづくりビジョンも改めて、また伺います。 水産のほうでは、産業振興部長のほうから詳しくありましたが。部長、今の進行計画をいかに漁業者の方々とタイアップして高めていくか。これなかなかいい計画書ができたと思うんで。これを生かさなければ、絵に描いた餅というように感じます。 部長は農林のほうが専門だそうですけども。私は漁業は全くわかりませんし、農林も余りわからないんですけども。あるときに国の出先である試験場の技官から平戸のカキを、どうしても全国に生ガキで出荷したいが、あなた方どういうふうに見えてるかって電話をいただきました。 ぜひともそういうことであればお願いしたいと。生産量もふやすというような努力をしてくれないかと言ったところ、できれば国や県や市と連携して、さらに一つの基地としてやりたいんだというようなお話もありましたので。今後は担当部局のほうで、せっかく平戸出身の若い研究者であり実践を伴う方でありますので、こういう技官の方々と連携をとりながら、漁協を交えて取り組んでもらうことができれば幸いに思います。 あのう部長、先ときに漁協等の団体の施設の活用の問題については一応同意を見ましたので、具体的にはここで控えます。あとは皆様方が行政主導なり、それぞれの立場での上向きするような御努力をお願いしたいというふうに考えております。 それから立ったままでもう行きますが。農林部長に若干お尋ねしますけども。ああ、産業振興部長にお尋ねしますが。 平戸の場合はやっぱ四百種ぐらいの平戸ツツジが登録をされておりますけど、平戸市内のみならず、近隣のまちや村でも、登録される四百種ぐらいあると思うんですね。これをどのように今後生かしていくか。一応研究していただきたい。 一度、昭和四十年代から五十年代に生産、販売の課程もありますが、やっぱりバブルがはじけて、工事用のツツジの供給もなくなった時代がありました。それをもとに今日までは、名前はあるものの実際がなくなった形です。 それとやっぱり専門家の方々に言わせれば、切り込んだツツジは本当、平戸ツツジの持ち味じゃない。文人仕立てといいますか、そのまま一本仕立てでいってやっぱり一メーター、二メータ高くしなければ花も大きくならない。このようなこと言われておりますので。やっぱりこの品種品種の原点に立ち返った研究、指導もぜひともしてもらいたい。何もかに切り込むだけじゃいいんじゃない。こういうようなこと言われておりますので。観光客用の鉢物生産とか、あるいは崎方公園はかつて高い古木だったんですね、背丈以上に。それが切り込まれている。またもとに戻してもらいたいという地元の声もあります。もともと平戸ツツジは切り込みじゃなくて、文人仕立てのように、高く一本仕立てにしてこんもりとするのが平戸ツツジの原点だそうです。できましたらそのようにして、そのツツジの下をトンネルをつくって、一キロぐらいの平戸ツツジトンネルも欲しいちゅうふうな提案も、ある人からいただいたこともありますけど。 このようにして平戸ツツジを有効利用してもらいたいちゅうふうに考えます。この点いかがですか。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  本市固有の花卉の活用等についてということだと思っておりますけれども。 平戸市におきましては、専門の技術を有する方々が善意関連での材料、あるいは物産展における土産品として販売する事例、あるいは趣味が高じて店舗を構えていらっしゃるような事例もあります。また、近くの農業高校では研究品目となってる事例など、品目によって取り扱いがさまざまなのが現状だろうと思っております。 しかしながら、現在の日本の花卉流通を見てみますと、関税などの国境措置がないってことで世界的な流通で価格が形成されておりまして、形質や生産性などを重視して育成され、品質や価格競争ができる品質が現実には流通しているという状況にあります。 しかしながら、一方で園芸愛好家などによるすき間的な需用等も存在することから、まずは景観形成や観光PRといった地域資源等の活用を推進し、民間の方々の活動に対して栽培技術や生産体制に関する支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆十九番(川上茂次君)  それから産業振興部長の場合に、お花が専門だったと聞いてるわけですけど。平戸において、まあ佐世保にはバラとかカーネーションがあるんですが、当地についてそういうふうな花卉の栽培の可能性はあるものか。あるいは果樹の導入が果たして可能のものか、私見で結構ですからちょっとお願いできませんか。部長の所見でいいですから。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  まず平戸市での花卉の栽培については、ホウズキとか葉ボタンなんか今生産をされております。ただ、この品目については出荷時期が短い等がありまして、一定こう規模が限られているという状況にあると思います。 ただ、一番流通量が多い菊等についても、ほぼ全国で企業化されておりますので、今から投資っていうのが何億円って形になりますので、そういうすき間を狙ったような花卉については今後とも可能性があるのかなと思っております。 それから、果樹の振興ということなんですけれども。 あらゆる果樹については、苗木の育成から、安定した収量が確保できるまで、大体ミカンで言うと十年程度の育成期間が必要であるということで。育成期間中は果樹栽培における収入がほとんど見込めないために、農業者の高齢化が進む中で新規の栽培推進は、まあミカンについては困難かなと考えております。 しかしながら、ビワについては県において有望品種「なつたより」という品種が育成されておりますけれども。成木までの期間が比較的短いなど、産地化の可能性が考えられており、園芸を指向する農業者、新規参入者に対しまして、イチゴやアスパラガス、種バレイショや加工タマネギと同様に取り引き作物の一つとして提案をしてまいりたいと考えております。 ◆十九番(川上茂次君)  今十勝ワインがメジャーになっておりますが、十勝ワインをつくった丸谷、当時の町長は、再建団体に陥ったまちが農水省に事業計画を出すときに、案に反して答申した結果、部下職員が全部造反して、畑地作物なしという答弁が出たそうです。それを国に出した。そして彼は即座にそれを撤回して、ともかくブドウをつくれと命令したそうです。ブドウはできるもんですか。極寒一メーター五十凍る。できない。いや、できるんだと。なぜか、山に行けば熊たちの好きな山ブドウがなってるじゃないか。なぜ畑にできないか。彼は作らしたんですね。特攻隊生き残りの方を一人捉まえて、職員は動かないわけですから、造反して、そしてドイツにワインの勉強に派遣するし、今度はもう一人の青年を雇用して甲府の試験場にやった。一人の職員には酒税法を学ばせた、昭和二十九年ですよ。そこにアイデアを見出して今日のワインをつくっていった。 先人はこのように努力をして、特産品を世に残しております。 大山町の矢幡さんもそうでしょ。国が米つくれ、麦つくれ、芋つくれと言うときに、米はつくるな、麦はつくるな。そして大山町は独立国家とか叱られながら、普及所の所長が賛同してくれたおかげで、彼は梅栗を植えなければうちはどうも立たない。規模拡大農家じゃ立たない、やっていった。北と南の閑村が、見捨てられた閑村が、国の援助も大手企業の援助もなしにして。今のインターネットがあるわけじゃない。新聞があるわけじゃない。まちづくりの風が吹いたんですよ。トレンドが。それをつかんだまちは、今はまちづくりのモデルです。 第二の池田町も、第二の大山町も生まれていない。何千人、何万人、何十万人の人が視察に行っても生まれていない。よその市長さんにできて、うちはできないはずはないと思うんですね。 あなた方は、建設部長も含めて二人が、市長に二重丸か三重丸か五重丸かいただいて、県から出向してもらっているなら、命かけてもらいたい二年間。ないはずはないと思う。たかが二十キロ離れた佐世保でできるならば。たしかに平戸の西目海岸は、西の風という怖い脅威があります。たしかに樹木も一夜にして枯れます。しかし、風の吹かない場所もあるんですね。生月町の遠洋巻き網を立ち上げた彼らの奮闘じゃないが、やはり知恵と努力とこれしかないという切羽詰まった生き様こそが、物をつくるんじゃないんですか。私は市長初め皆さんでそういうものを、引き締めてもらいたい。 東京に物を売るのいいでしょう。しかしそれは一部しか売れない。基礎を固めなければ、地場を強固なものにしなければ、いずれ市長が変われば変わってしまうんです。宮崎県しかり、高知県しかり、三重県しかり、かつての知事のにおいは全くありません。逆に今そのにおいを消してます、言ってみれば。それが行政であり自治体です。揺り戻しがあるんです。為政者はなってるときが花。継続はありません。必ず振り子と一緒で違う勢力が台頭します。ただ行政マンと住民は不変である以上は、不変なる作物をつくっていかなきゃどうなりますか。不変であるまちづくりが文化創造都市です。人の手柄、義務だからじゃない。 そういうことで今後、不変なるものを振興計画に沿うものを上げた以上、絶対執行してもらいたい。全部が全部成功するとは思いませんけどもね。一つでもいいと思いますよ。どうでしょうか部長。 ○副議長(田島輝美君)  部長答えますか。市長答える。はい、市長が答える。市長。 ◎市長(黒田成彦君)  川上議員が御指摘いただている理念とか、そういう哲学あるいは行動の指針というものは、まさにそのとおりだと思います。 為政者が変われば、そのまちの色合いも変わるのも当然。したがって、不変性のある行政や住民が一つの共通した認識を持って取り組めるっていうのは、まさにそのとおりだと思います。 じゃ、どちらに力点を置くかっていうときに。さっきの商店街の問題についても、我々いっくらでもやってきました。大学生の意見を反映させたり、第三者の目を入れたり、あるいは若い緊急職員を使って商店街と観光客を結びつける仕組みもやりました。依然変わらないのは、やっぱり事業者の意識ですね。民間の取り組みとか、民間の粘り強い、これで生き抜こうという底力がそこになければ、幾ら行政が計画をつくって補助金を差し上げても、長続きしないんですよね。そこはお互いこれは同じことを言ってる、同じ気持ちであるかもしれませんが。行政もっと頑張れっていう力を、もう少し住民も頑張ろうや、行政一緒にやろうやっていう、その辺のこの、まあ私はスローガンで「主役、脇役」と書いてますけども。これが主客転倒してしまうと、計画が絵に描いた餅にならざるを得ない。 やはり担い手とか事業者の自覚と意欲っていうものをもう少し高めながら、民間主導で物事を実践してまいりたいなと思っております。 ◆十九番(川上茂次君)  たしかに、私も今、商店街の皆さん方がいろいろあって、この二年間大学の教授陣を市民大学で派遣してます。毎月無料で。遅々として動かない。観光のまちづくりって言っても、「うちは観光はしとらんと」って言います。「あの店はしたばって、うちはしとらんと」。で、九つの商店街がばらばらなんですよ、今でも。按針の館落成式のときに、隣の区長を呼ぶか呼ばんかもめるわけですから。呼んでみたら集まった。それがやっぱり一国一城の方々の集まりですね。だからまちづくりいう概念がなかった、商店街には。しかし、それがなければもうまちが潰れるんですよ。 大型店舗のせいじゃない。大型店舗は余りバッティングする物は売ってない。観光客も大型店舗まで買いには行かない。だからせっかく大型店舗が出てきていただいて、私刺されるかもしれないが闇夜に。来たお客をなぜ商店街に導入するような仕組みにしないのか。百七十万の観光客を顧客にして。千円売れれば一億円なら、一億円なりゃせんかね、十何億円売れるんですよ。そういう話をしても、「いや、うちはしとらん」と言うんです。それは意識の問題です。 ところがね、遅々として変わらない意識を変えてやる努力をするのは、やっぱり皆さん方の役目であり、我々の役目なんです。 丸谷さんがやった十勝ワイン。矢幡さんがやった毎晩毎晩。矢幡さんいわく、毎晩毎晩説明するころから若い奥さんが来て、これは変わると思ったら、何のことはない、家で寝られんから夜寝に来とったって奥さんが、時代今から五十年前ですよ。それが変わったんです。変わらんはずはないと思います。 だから、行政と我々、そして住民が合体する。そういう中で、私たちも個人的にもやってます。世界遺産登録に向けて、チャレンジ金やってます。一つの森をつくろうと思っています。そうしなればあなた方だけに任せても責任があるし。我々だけでもやれない。持たざるもの、持っているものを補う社会づくりが、私は協働のまちづくりであり、こういう新たな時代づくりじゃないかなというふうに思いますので、今一度市長お願いします。 ◎市長(黒田成彦君)  先ほど部長の答弁で御説明しました、みやんちょ商店街と木引田町商店街の今回の取り組みですが。彼らが全国商店街組合連合会から引き出した経済産業省の補助事業なんです。これは我々も気づかずに、本当にある意味で民間主導のいわゆる行政を巻き込んだ取り組みと期待しておりますし。こないだ報告を受けたときには、店のそれぞれの独自性あるいは個性をそこに盛り込んで、多くの観光客を引き寄せていきたいというような、新しい理念が芽生えたのかなと思っております。 引き続きこういった民間重視の取り組みをしっかり支えて、地域振興につなげてまいりたいと思っております。 ◆十九番(川上茂次君)  市長の答弁で良とします。お疲れさまでした。 ○副議長(田島輝美君)  以上で、川上茂次議員の一般質問を終了いたします。 ここで休憩します。午後の会議は、一時三十分に再開いたします。               午後零時 十分 休憩               ~~~~~~~~~~               午後一時三十分 再開 ○副議長(田島輝美君)  会議を再開します。 引き続き一般質問を行います。次は、六番、山崎一洋議員。 ◆六番(山崎一洋君) 登壇 日本共産党の山崎一洋です。 まず最初に、安倍政権が行おうとしております解釈改憲について、市長の見解をお聞きしたいと思います。 安倍政権は、憲法の解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認しようとしていますが、集団的自衛権とは、日本が攻撃されてもいないのに、アメリカ初め他国の戦争に参戦することです。日本国憲法では集団的自衛権の行使は認められないというのが、長年にわたる歴代の自民党政権の解釈でした。この解釈を安倍政権は大きく変えようとしています。安倍政権の暴走に対して国民の批判が広がり、世論に大きな変化が起こっています。 ことしの憲法記念日に当たっての各紙の世論調査では、憲法九条改憲でも、集団的自衛権容認の解釈改憲でも、一年前と比べて反対が大きくふえ多数派となっております。 これまで自民党の屋台骨を支えてきた皆さんも反対の声を上げておられます。野中広務さん、古賀誠さん、加藤紘一さんといった歴代の自民党幹事長が、次々に新聞赤旗の一面トップに大きな写真で登場して反対を表明しております。歴代の内閣法制局長官や改憲派の学者などからも、立憲主義の否定だとの厳しい批判が上がっています。 五月十五日、安倍首相が行った記者会見は確信を隠し、架空の事例で必要性を訴えるものでした。首相は大きなパネルを用意して、「紛争国から逃れようとするお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、お子さんやお孫さん、彼らの乗っているアメリカの船を自衛隊は守ることができない」と述べていました。 これに対して、関係者から驚きの声が上がっております。自民党政府で邦人救出を含む安全保障危機管理を担当してきた元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は、NHKテレビで「全く非現実的」と指摘しました。「想定されている朝鮮半島有事で、北朝鮮軍が攻めてくるなら絶対に兆候はつかめるので、攻撃が始まる前に民間航空機で引き上げてもらうのが大原則です。政府関係者など最後まで残った少数の人も、軍艦でなくアメリカの輸送機で運ぶ、それも危険ならしばらく現地にとどめる。集団的自衛権の憲法解釈を変えなくても十分できる」と述べておりました。 安倍首相は限定的と言っていますが、これもごまかしではないでしょうか。 いつ、どこで集団的自衛権を行使するのかは、政府が総合的に勘案しつつ責任を持って判断するとしています。つまり、そのときの政権が判断するということになります。 五月十五日の記者会見を受けて国会で質疑が行われました。そこで明らかになったことは、限定的と言うけれど、一旦集団的自衛権の行使を容認したら、歯どめはなくなるということです。 これまでもアフガン戦争、イラク戦争に自衛隊が派遣されました。しかしどちらの場合も、武力行使してはならない、戦闘地域に行ってはならないという二つの歯どめがありました。自衛隊を派遣する根拠になる法立に、この二つの歯どめが書かれておりました。国会でこの二つの歯どめを残すのかと、何度質問されても安倍首相は最後まで、残すとは言いませんでした。自衛隊の活動を拡大する方向で、戦闘地域の基準を検討すると答弁しました。 そして、この答弁を受けて現在、自民党と公明党の間で新しい基準の検討が行われています。戦闘現場という言葉も出てきていますが、いずれにせよ戦闘地域に行ってはならないという歯どめをなくそうとしています。戦闘地域に行けば自衛隊員が命を落とすことになります。 アフガニスタンに派兵されたNATO軍の任務は、アメリカ軍の後方支援を行うというものでした。しかし、戦闘地域で活動しました。そのために二十一ヵ国千人を超える人たちが亡くなっております。 安倍首相は日本を戦争する国にすることは決してないと述べてきました。しかし、戦闘地域でアメリカ軍に補給などを行えば、アフガニスタンのNATO軍のように攻撃されるでしょう。それに対して自衛隊が反撃することになります。多くの自衛隊員が命を落すことになるのではないでしょうか。 私は紛争と緊張を解決する上で、今日本に何よりも強く求められているのは、北東アジアという地域に平和と安定の枠組みをつくるための外交戦略だと思っております。外交戦略抜きの軍事的対応一辺倒の道を進むことは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、北東アジアの緊張を高めるものだと思います。 市長に質問します。安倍政権は憲法の解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認しようとしておりますが。市長はこれについて、どう考えておられますか。 次に、原発について質問します。 五月二十一日、福井地方裁判所が関西電力大飯原発の再稼働差しとめの判決を出しました。四つの画期的な意義があると思います。 第一に、今回の判決のキーワードは人格権です。判決は人格権が人の命を基礎とし、日本の法制上で最優先されていると述べています。つまり、国民の命と暮らしを守ること以上に大切なことはないという立場に立って、再稼働ストップの判決をくだしたのです。 第二に、原発で一旦発生した事故は、ときの経過に従って拡大していくという性質を持っております。これは他の災害や事故にはない、原発の本質的な特別な危険だと述べております。 第三に、安全神話を断罪しています。今回の裁判で、関西電力は地震による揺れ、基準地震動を七百ガルと想定しました。そして大飯原発はその一・八倍の揺れに耐えられるとしていました。判決は、二〇〇五年から十年足らずのうちに、四つの原発が五回にわたって想定した地震動を超える地震に襲われていること、そして日本で記録されている最大の地震は二〇〇八年の岩手・宮城内陸地震で、四千二十二ガルだなどの事実を示し、関西電力を安全神話と断罪しました。 第四に、コスト優先をきっぱり拒否しました。判決はこう述べています。「被告(関西電力)は、大飯原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所(つまり福井地裁)は、極めて多数の人の存在そのものにかかわる権利と電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないと考えている。このコスト問題に関連して国富の喪失の議論があるが、たとえ大飯原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」判決は国民の安全よりコストを優先する考え方をきっぱり退けました。 私はこの判決は大飯原発だけではなく、全国全ての原発、もちろん玄海原発にも当てはまると思います。 市長に質問します。福井地方裁判所の判決についてどう考えますか。見解をお聞かせください。 原発についての質問を続けます。 私は、繰り返し平戸市は玄海原発の再稼動に反対すべきだと求めてきました。 しかし、平戸市の立場は賛成でも反対でもないというものです。その理由は、平戸市は原発についての専門的知識を持っていない。だから再稼働がいいのか悪いのか判断できないというものだったと受け取っております。そして、再稼働するのであれば国が説明会などを行い、平戸市民の理解を得るべきだということだったと受け取っております。 しかし、この論理はおかしいのではないでしょうか。福島の事故を経験して多くの国民が原発は再稼働すべきではない、原発のない社会を目指すべきだと考えています。どの世論調査をとっても合計すると、七割から八割くらいの人がそう答えています。これは福島の事故によって大きな被害が出たことを目の当たりにして、そう考えているのです。二度と福島の悲劇を繰り返してはならない。原発についての専門的な知識がなくても判断できます。再稼働に皆さん反対しているわけです。 市長に質問します。 原発についての専門的な知識がないから判断できないという言葉の意味ですが、これは専門的な知識がないから玄海原発で重大な事故が起こっても、平戸市民に大きな被害があるかどうか判断できないということでしょうか。 それとも玄海原発で重大な事故が起これば、平戸市民に大きな被害があることはわかる。しかし、それでも専門的な知識がないから判断できないということでしょうか。 それともほかに違う意味があるのでしょうか。教えていただきたいと思います。 市長に三つ目の質問です。 再稼働するのであれば国が市民の理解を得るべきだということですが、市民が理解し納得したかどうかは、誰がどのように判断をするのでしょうか。 四つ目です。田平町の原発避難計画の説明会に出席をさせていただいたことがあります。そのとき一人の区長さんから避難後の暮らしはどうなるのか、農業で生計を立てているから、収入が絶たれてしまう。再稼働に反対するという意見がありました。私は以前にこの意見について質問したことがあります。そのときの総務部長の答弁は、原子力損害の賠償に関する法律に基づいて行われるというものでした。この法律では、賠償は原子力事業者が行い、その能力を超えるときは国が原子力事業者を援助するとなっています。 つまり、総務部長の答弁は、避難後の市民の暮らしについては、平戸市は何も考えていませんという答弁だったと理解しております。市長に質問しますが、これは今も変わりはないんでしょうか。 大きな三つ目の質問です。介護保険について質問します。要介護の人は福祉用具のうち、入浴や排せつ関連の用具、つまり、特定福祉用具といわれる品物を介護保険を利用して購入することができます。特定福祉用具は五種類十一品目あると聞いております。例えば、腰かけ便座──ポータブルトイレと言ったほうがわかりやすいかもしれません──特殊尿器、尿や便が自動的に吸引されるものだそうです。入浴補助用具、入浴用椅子などがあります。 要介護の人がこれらの商品を購入する場合、負担は一割です。ただし、一旦利用者が全額を支払う必要があります。そして、市の窓口に所定の申請を行えば、後日、購入費の九割が介護保険から支給をされます。償還払いという方法です。お年寄りにとって経済的な負担が大きいのではないでしょうか。そして、手続きが面倒ということもあると思います。 最初から利用者が一割を負担して、残りの九割を介護保険から支払うことを受領委任払いと言います。長崎県内でも半分くらいの自治体で、既にこの受領委任払いを行っていると聞いております。 市民福祉部長に質問します。まず、特定福祉用具やそれを購入する際の介護保険の仕組みなどについて、わかりやすく説明をしていただきたいと思います。 そして、平戸市でも受領委任払いを行うべきだと思います。私のところにもそういう声が寄せられております。この願いに応えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、磁気誘導ループについて質問します。磁気誘導ループとは、聴覚障害者用の補聴器を補助する放送設備のことです。磁気を発生させるワイヤーを輪のようにはわせることから、通称、磁気ループと呼ばれております。国際的には、ヒアリングループという名称になっているそうです。 仕組みは簡単です。マイクなどから音声を磁気発生アンプに送り込み、このアンプで音声を磁気に変えます。この磁気を磁気発生ワイヤーに送ります。このワイヤーが補聴器に信号を送ります。ワイヤーが直接補聴器に信号を送りますから、周囲の雑音などに妨げられることなく、クリアーな音を聞くことができます。 最近では、市役所や文化センター、会議室等の床下に埋設されるケースもふえているそうです。施設に設置するもののほかに、移動式のものもあります。会議室や公民館など、比較的小さい規模に対応したものです。全ての機材がアタッシュケース一つに収まります。移動式のものの価格は数十万円とのことでした。平戸市でもこの磁気ループの導入を検討すべきではないかと思います。 私がこう考えたきっかけは、私が住む上大垣自治会の総会での出来事です。耳が少し不自由になったお年寄りが、自分の質問に対する執行部の答えを聞き取ることができずに、質問を途中でやめてしまいました。これから高齢化が進めば、耳の不自由な人や補聴器を使う人が多くなるのではないかと思います。 また、平戸市にも磁気ループを備えた施設が一つくらいあってもいいのではないかと思います。講演会やコンサートなどをそこで行い、補聴器も用意されていれば、耳の不自由な人も参加できるのではないでしょうか。 市民福祉部長に質問します。費用はそれほど大きくならないと思います。その費用なども含めて、磁気ループの導入を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 次に、市営住宅について質問します。私は、二〇一二年の九月議会で、市営住宅に障害者用の住宅をつくるべきだという質問をしました。車椅子で暮らすお子さんのためにと、あるお母さんから私に要望が寄せられました。私は、大村市に出かけて障害者用の市営住宅を見学し、住んでいる障害のある人にお話を伺いました。その上で質問しました。建設部長の答弁は、構造上、既存の市営住宅を改装することは難しい。今後建てられる市営住宅から障害者用をつくりたいというものでした。 建設部長に質問します。ことし生月町の市営住宅の建てかえが予定されています。障害者用住宅の整備はどうなっているのでしょうか。 二つ目に、今後も市営住宅の整備が予定されています。その整備計画とそこでの障害者用住宅の整備計画、どうなっているのでしょうか。教えていただきたいと思います。 三つ目に、現在の古い市営住宅を建てかえますと、家賃も上がることになります。この対策については、午前中に一般質問が行われましたので、壇上からの質問は省略しまして、自席からの質問で補いたいと思っております。 これで、壇上からの質問を終えて、この後は自席から質問をいたします。よろしくお願いしたいと思います。 ◎市長(黒田成彦君) 登壇 山崎議員の御質問にお答えいたします。 憲法解釈の変更問題は、この国の将来や国民の安全を左右する重要なテーマであり、冷静沈着な議論や、中立なデータに基づく議論が不可欠であると思います。いたずらに戦争の不安や、他国の脅威を決めつけた形で、国民をあおったりする言動・行動は厳に慎まなければならないと思います。 マスコミが提供する情報についても、世論調査の前提条件が違うことによって全く相反する結果が出ていることに、違和感を禁じ得ません。例えば、朝日新聞、毎日新聞は「賛成」か「反対」かの二者択一になっていて、毎日新聞に至っては「集団的自衛権を行使した場合、他国の戦争に巻き込まれる恐れがあると思うか、思わないか」などと、反対へ世論を誘導しかねないような質問をしています。 一方、読売新聞や産経新聞においては、集団的自衛権について「全面的に使えるようにすべき」という判断と「使えるようにすべきではない」という判断の中間点として、「必要最小限度で使えるようにすべきだ」という選択肢を設定し、「ないよりあったほうがいいかもしれない」という選択肢を設定し、結果として、この中間的判断、つまり限定的容認論に約六割の回答を引き出し、全面的容認論と合わせて約七割が「容認」という結果を引き出しています。 いずれにしましても、こうした国家の基本にかかわる政治判断は、専門的な知見を有する法学者や最終責任を負う政府関係者の間で充分に議論され、それを国民に明らかにした上で決断すべき政治課題と考えます。したがって、軽々に地方自治体の長が判断や発言は控えるべきであると思います。 次に、大飯原発差し止め訴訟については、五月二十一日、福井地裁判決があり、原発から半径二百五十キロ圏内の住民との関係で差し止めを容認する判決が下ったことは承知しております。しかし、あくまでも司法の場で独立して審理されているものであり、コメントする立場にはありませんので、控えさせていただきます。 原子力発電所の再稼働に対する考えについてでございますが、国の規制委員会が設置され、安全性につきさまざまな議論がなされ、川内原発が秋以降に許可されるのではないかとの話もあっております。 しかし、これまでの議会においても答弁しておりますとおり、電力の供給を原子力に頼らず、東日本大震災後に注目されている再生可能エネルギーなどの充実により市民生活が送れるのであれば、それは望ましい姿であり、危険を伴う原子力発電所は稼働しないほうがよいという考えに変わりはありません。 しかしながら、原子力発電所のほとんどが定期検査のため平成二十四年五月をもって停止してからこれまで、火力発電所の供給力の積み増しにより、夏場及び冬場の電気使用のピーク時には、節電もしなければ乗り切れないような電力供給体制や、原油価格の変動に伴う電気料金の値上げなど、市民生活並びに企業活動に大きな影響を与えている状況に変化はなく、大変憂慮される事態が続いていることも事実であります。 いずれにしましても、市としては、再稼働の可否について判断できる専門的な知見を有していないので、国の責任において、国政の場でエネルギー政策を決定した上で、原子力発電の安全性を確認し、再稼働の方向性を明確にしていただきたいと考えております。 また、その決定の段階においては、住民に対して丁寧に説明を行い、理解を得ていただくことが重要であると思っております。住民の理解が進んだかどうかの判断につきましては、この説明会を主催する九州電力の責任に委ねられるべきであると思っております。 私ども基礎自治体といたしましては、先般、九州電力株式会社並びに県と関係自治体で交わした安全協定の枠組みの中で、情報の共有と緊急避難体制に専念していく考えであります。 残余の質問につきましては、担当部長に答弁させます。 ◎市民福祉部長(小川茂敏君)  私のほうからは、まず、特定福祉用具などの購入についての御質問にお答えをいたします。 特定福祉用具の購入につきましては、在宅で生活される介護が必要な方々の生活環境の整備を目的として、「シャワーベンチ」や「ポータブルトイレ」など、福祉用具を購入するのに費用を支給する介護サービスで、昨年度、本市におきましては二百二十六件の利用があっております。 サービスの利用に当たりましては、一割分が利用者の自己負担でございます。 利用までの手続きにつきましては、要支援若しくは要介護の認定を受けた利用者が、サービスが必要となった時点で申請を行い、福祉用具の購入に掛かった費用を支払い、支払い後に費用の九割が介護給付として支給される償還払い方式による支給が、原則となっているところです。 しかしながら、利用者の一時的な経済的負担の軽減を目的に、九割の介護給付分を直接サービス提供事業者へ給付する受領委任払い制度を導入する自治体もふえてきております。 本市におきましても、同様の受領委任払い制度につきましては、平成二十三年度から住宅改修費の支給において導入をいたしておりますが、今回、御指摘の特定福祉用具購入につきましては、導入に至っておりません。 その理由といたしましては、住宅改修では義務づけられているサービス提供の必要要件を判断する理由書等の提出が義務づけになっておらず、導入により安易な用具の購入が発生する可能性も考えられるというところでございます。 しかし、介護保険基準省令の改正により、平成二十五年度から、福祉用具購入に当たってもその必要性を判断する「福祉用具販売計画書」の作成が義務づけられ、サービスの適正給付に向けた一定の手立てが整備されましたことから、受領委任払い制度について、導入の方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、磁気誘導ループの導入についての御質問にお答えをいたします。 難聴者用の補聴器につきましては、高齢化が進む中、相当数の方々が購入し、利用されていると推測されます。 その中で、明確なものとしましては、本年四月一日現在で、聴覚障害により身体障害者手帳を所持している方が平戸市内に二百五十三名いらっしゃいます。そのうち、補装具として補聴器の給付を受けていらっしゃる方は百四十二名という状況です。 補聴器は、不特定多数の人がいる場所などでは、健常者が想像する以上に周囲の雑音、騒音、残響等の影響を受け、必要な音を鮮明に聞き取ることは困難だと言われております。これを補完する集団補聴システムが、磁気誘導ループシステムというものでございます。 具体的には、床に敷設されたループ状のケーブルに、マイクから拾った音声信号を流し、磁界を発生させ、対応する補聴器に明瞭な音声等を直接伝えることができるというものであります。 このシステムにより、広い空間や周辺の雑音が大きい場所でも、声や音をクリアに聞き取ることができるということでございます。 したがいまして、公会堂やコンサートホール、劇場、聾学校の教室などに設置の事例が見られます。 現在のところ、県内では長崎県立美術館ホールや、佐世保市中央保健福祉センターすこやかプラザ講堂など、百席以上の座席の施設で導入されているところでございます。 本市におきましては、これまで福祉団体からの要望や窓口等での必要性も特に認識していなかったために、現在まで、具体的な検討に至っていない状況でございます。 以上でございます。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  私のほうからは、市営住宅の身障者用住宅の整備計画についてお答えいたします。 現在、本市で管理する市営住宅は九百九十二戸あり、その約半数は老朽化により建てかえや改修が必要な状況です。このため、本市では平戸市公営住宅等長寿命化計画を策定し、年次的に建てかえや改修を行うこととしております。 議員お尋ねの身障者用住宅につきましては、バリアフリー対応の市営住宅は大久保団地に五十戸、供養川住宅に二十二戸、みなみヶ丘団地に十二戸、代作団地に十二戸ありますが、車椅子対応の住宅はございません。 公営住宅等長寿命化計画では、高齢者や障害者などに配慮した居住環境の整備をうたっており、今年度建てかえを行う壱部浦住宅については、市内四地区の障害者団体の意見を参考にし、十六戸のうち一戸を車椅子対応の住宅として整備することといたしました。整備の内容は、先進地である佐世保市と大村市の車椅子対応の住宅を視察し、玄関スライドドアや身障者の移動を補助する天井のリフトレールを設置を取り入れることとしております。 今後は、住宅の建てかえの際はバリアフリー化するとともに、車椅子対応住宅については市内の障害者団体から整備の戸数や内容について意見を伺いながら整備を進めてまいりたいと思っております。 以上です。 ◆六番(山崎一洋君)  まず、市民福祉部長にお聞きしたいと思います。繰り返しになると思うんですが、受領委任払いですね、特定福祉用具を購入する際の受領委任払い制度。これは、さきほどの答弁では、来年度から導入をしたいと、方向で検討するというふうにあったと思うんですが、それで間違いないでしょうか。 ◎市民福祉部長(小川茂敏君)  はい。導入については来年度からの予定で検討に入りたいというふうに思っております。 ◆六番(山崎一洋君)  磁気ループについて、答弁の中では、大きな施設に設置するというようなものがいろいろ出されたと思うんですが、私、質問の中で、移動式のものもあると、小型で公民館や会議室などで利用できるものがあるというふうに案内しました。これについて、答弁は今まで検討に至っていないという答弁だったんですが、今後は検討していくということなんですか、それとも検討しないということなんでしょうかね。 ◎市民福祉部長(小川茂敏君)  正直申し上げますと、このたびの質問で、我々も認識を新たにしたシステムではあるわけであります。実際に問い合わせとか、状況について調べてみました。そういう状況でありまして、方向性がどうであるのかということを今の述べれるような程のことはございませんけれども、当然、おっしゃるように導入すべきなのか、あるいはどういうものなのか、どういうふうにすべきなのか、他市は状況はどうなのかといったものについて十分研究・検討をさせていただきたいと思います。 ◆六番(山崎一洋君)  続いて、建設部長に市営住宅の問題でお聞きしたいと思います。 午前中にも質問ありました。生月の住宅ですね、建てかえによって家賃が五千百円から一万七千円になる。減額措置、低減措置を含めた最低の方が、今現在五千百円の家賃であったのが一万七千円になるということでした。それで、十六戸あるうちに建てかえ後の新しい住宅に入る方が十世帯、残りの六世帯は入れないと。市としては民間をあっせんしたいということなんですが、一万七千円以下で入れる物件というものがそもそもあるんでしょうか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  十六戸のうち十戸が新しい住宅、六戸の方は新しい家賃に対応できなくて別のところにということでございますが、民間だけではなくて、近くにあります少し安い市営住宅がございますので、そちらのほうへのあっせんも含めながら、お話をさせていただきたいと思っております。民間だけではなくて、周りにあります、繰り返しますが少し低廉な市営住宅がありますので、そちらのほうへのあっせんを、まずはしていきたいと考えております。 ◆六番(山崎一洋君)  実際にその六世帯、周りの市営住宅なりで、あるいは民間アパートとかで解決しそうですか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  これからのことにはなりますけれども、市営住宅にも空きがございますので、何とか解決できるのではと思っております。 例えば、平成二十四年度までに建てかえました大久保住宅がございますが、そのときには別の低廉な、市営住宅の中でも家賃が安い住宅へのあっせんを行いながら、大久保住宅においては完了しているという状況もございます。そういった方向で進めていきたいと思っております。 ◆六番(山崎一洋君)  市長に。解釈改憲についてお聞きをしたいと思います。 一地方自治体の市長が軽々に発言すべきではないというふうに言われました。 しかし、全国では、青森市長などを初め、多くの自治体の市長が反対の声を上げております。と言いますのも、この問題、預かる住民の皆さんの命や暮らしに大きな影響を与える、そういう問題だからこそ、各地の市長も声を上げていると思うんです。軽々にではなくて、私は平戸市の市長も反対だという声をぜひ上げていただきたいなと思っておるんですが、その辺はどうでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  私の考えは冒頭に述べたとおりでございますし、さまざまな報道によりますと、立場を明確にしていないケースが多いということで、全国の自治体の長の反応を紹介している記事もございます。 ◆六番(山崎一洋君)  今、市長のほうから、立場を明確にしていないという記事もあるということだったんですが、明確にしている人もたくさんいるっていうことですよね。私は平戸市の皆さんの命とくらしを守るためにも、ぜひ声を上げていただきたいと、反対していただきたいということを述べておきたいと思います。 続いて、原発についてですけども、ちょっと私、なかなか聞き取れなくて、繰り返しの質問になると思うんですが、原発の知識や専門的な知見、知識がないから、市が判断できないというのは一体どういうふうなのかというのがよくわからないんですね。もう一度お願いします。 ◎市長(黒田成彦君)  それでは、逆に、知見がないから我々が迷うことを申しますと、あれだけの一千年に一度と言われる大地震が起きて、福島の悲劇が始まりました。一方で、福島第一原子力発電所には六基の発電施設があって、四基がダウンしました。二基はそうなってない。また、隣接する福島第二原子力発電所も特に何て被害ない。女川原発もどうにもなってない。なぜなのか。わからない。専門的な知見がないからですね。 もちろん、福島第一発電所のような悲劇が繰り返してはならないし、あのような悲惨な結果は二度と繰り返してはならないと思いますが、その根本的な原因の解明がまだよく伝わってない中で、ただいたずらにあの結果だけを見て、不安をあおる、不安でたまりません、私も。ですから、あってはならない、繰り返してはならないと強く思いますが、それは不安であって、どうすればそうならないのか、じゃあ隣接する施設はなぜあのような、同じような惨禍に結果としてならなかったのかがわからないんです。そういう意味で、判断しにくいということです。 ◆六番(山崎一洋君)  今、市長も言われましたね。福島第一原発の事故の原因さえわかってないわけですよ。それを川内原発を初めとして再稼働させようとしているのが、今の政府の立場なんですね。原因すらわかっていない。市長もいろいろ言ってましたけど、わからないと。それで動かすって言うんですから、これはおかしな話なんですね。現に福島の事故が起きて、現に大きな災害、被害を受けてる。この事実を見たら、万が一に備えて再稼働反対だというべきだと思いますよ。市長はどうですか。 ◎市長(黒田成彦君)  私がわからないと言ったのは、福島第一原発は、いわゆる予備電源が地中にあったから、あれが喪失して、予備電力が供給が損なわれたからなったというふうに聞いてます。私がわかんないのは、福島第二や女川が何にも事故も起きなかった原因がわからないんです。そこは御存じですか、なぜじゃあ、あそこは起きなかったんですか。 ◆六番(山崎一洋君)  いずれにせよ、政府も原因を解明できてないとはっきり認めてるんですよ。これで再稼働というのはおかしいというのが圧倒的な国民の声なんですね。ですから、私も平戸市民の命や暮らしを預かる平戸市長、反対の立場に立ってほしいと思っております。 それと、再稼働するなら国が市民に理解を得るべきだと。じゃあ、誰が、市民が理解したのか、納得したのかを誰がどのように判断するんですかと質問しましたところ、九電の責任で判断するという答弁だったと思うんですが、それはそういう理解でよろしいですか。 ◎市長(黒田成彦君)  説明会については電力事業者である九州電力の責任において行うべきと思っておりますし、その説明会の主体である主催者が判断すべきものと思っております。 ◆六番(山崎一洋君)  そうしますと、平戸の市民の皆さんが玄海原発の再稼働に賛成なのか、反対なのかと、理解したのかどうかというのを九電が判断するということですね。 ◎市長(黒田成彦君)  我々の立ち位置としては、説明会には何の要請もないと思いますし、要するに九電の責任において地元の住民に御理解いただく、それが電力事業者としての責任だと思っております。 ◆六番(山崎一洋君)  果たしてどれだけの市民の声を、九電がつかむことができるんでしょうか。大変疑問だと思いますね。九電が説明会を行い、その行った九電が市民の皆さんが理解したかどうかを判断して、理解したと判断すれば再稼働するという、そういうことになっていくわけですか。 ◎市長(黒田成彦君)  そうは言ってないですね。 ◆六番(山崎一洋君)  議長、今、市長が「そうは言ってない」と言われたんで、どうぞ答弁をお願いします。 ◎市長(黒田成彦君)  説明会は九電の責任でやっていただきたい。住民が理解したかどうかは、誰が判断するんだとおっしゃったんで、その場に我々が居合わせるのかは、まだはっきりしてません。とにかく、主催者が主体的に説明会をして、そこで猛烈な反対受けたら、これはまだ理解してないなと思うわけであって、ああ、なるほど、わかったわって言えば、そりゃあその場で判断する。要するに説明会の主体者の責任において判断されるべきだと言ってるので、そこになぜいろいろ言われるのかがわかりません。 ◆六番(山崎一洋君)  そうしますとね、専門的な知識がない、だから判断は国に任せるんだと。再稼働するかどうかは十分に市民の皆さんの理解を得てから。そうなると、これ、判断は国に任せて、そして次の段階、市民の皆さんの理解を得るというところに来たら、九電が説明会を開いて、理解を得たかどうかは九電が判断する。そしたら、もうこれ、再稼働に向かうわけですよね、次の段階で。 ◎市長(黒田成彦君)  さあ、どうやろうか。 ◆六番(山崎一洋君)  市民の理解を得られたと判断するわけですから。平戸市の立場はそういうことだと思うんですが、市長、今、わからないと言われるんですけれども、どうやろうか、わからないと。このこと自体が極めて無責任だと私は思いますよ。わからないと。おかしいと思いますね。どうなんでしょう。 ◎市長(黒田成彦君)  いや、なぜなら、まだ説明会をしてないし、してもいないことをどう思うかと言われてもわからないのは当たり前です。 いずれにしても、法律に基づいて進めてるんです。国が、規制委員会を設置し、いろんな議論をし、審査を経て、そこに自治体の権限とか発言権はありませんので。だから住民に対するきちんとした説明会をするということの流れの中で粛々とやっていただきたいと。結果はやってみないとわからないということです。 ◆六番(山崎一洋君)  自治体の市長の中には、住民の皆さんの声を受けて、例えば函館市長、裁判まで起こして原発の建設を中止したいという人もいるんですよね。国がやることだ、法律がやることだから粛々と進めるんだと。そりゃ、わかりますよ。でも、それに対して自治体がものを言う、それは大いにやっていくべきだと思いますね。その辺はどうでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  ああすべきである、こうすべきであるという解釈は自由でありますが、法律に基づいて粛々と、責任のある機関が責任を果たすべきだと考えております。 ◆六番(山崎一洋君)  そうしますと、繰り返しになりますけれどもね、平戸市は平戸市として再稼働反対すべきだとか、反対だとか賛成だとか、そういうような意思表明とか、そういうこともしないということですね。 ◎市長(黒田成彦君)  そのとおりです。 ◆六番(山崎一洋君)  原発避難計画の説明会に出された意見をということで質問しました。 田平町の避難計画の説明会のときに、ある区長さんが言われたんですね。農業を営んでいる、避難したら生活の糧が失われてしまって暮らしていけなくなる。これについて市はどう思うんだという意見が出され、そのときに、田平の説明会では、説明に来た市の職員は何も言いませんでした。 私は、それを受けて、一般質問でこれを質問しました。総務部長の答弁は、原子力災害の賠償に関する法律に基づいて賠償は行われるというものでした。この法律というのは、賠償は原子力事業者が行うと。その能力に余るのであれば、国がその原子力事業者を支援するということなんですね。 つまり、ここで言えば、例えば玄海原発で言えば、九州電力がもし仮に事故が起こって避難した場合、そういう人たちの損害に対する賠償は九州電力が行うと。九州電力の手に余るようなら国が九州電力を援助するんだということになると思うんですが、このときにはこういう答弁で、市が何かをやろうという、そういうことは考えていないと言いますか、何も答弁なかったです。ですから私は、市は何も考えていないんだなと、検討していないんだなと、そのときには理解したわけですが、これは、この理解でよろしいんでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  法に基づいて賠償は請求していきます。 ◆六番(山崎一洋君)  法に基づいて賠償を請求するのは、被害に遭われた人たちだと思うんですね。市が賠償を求めていくんですか。 ◎市長(黒田成彦君)  だから、被災者個人個人にそういう権限を有されていたとしても、その推定する数値の整理とか、被害に至った後の避難生活のいわゆる賦課、これを計算するノウハウとか、こういったものの支援をして、もし被災したのであれば、それは被災者のために一生懸命頑張りたいという意味であります。 ◆六番(山崎一洋君)  被災された方の援助を行うと、被災された方が九電なり原子力事業者に賠償を求めるお手伝いをするということなんですが、やはり市として独自に援助するとか、そういうことは検討もしていないということでよろしいんですね。 ◎市長(黒田成彦君)  ですから、国の責任においてやっていただきたい。我々が何の専門的知見もないのにいろいろ賛成だ、反対だ言うと、逆に訴えられかねないことも想定されます。ですから、あくまで国の責任において、法に基づいて。そして我々が考えるのは住民のためですよ、住民の安心のために与えられた権限と立場で国に対して申し入れをしていくということです。 ◆六番(山崎一洋君)  予定した質問、まだいくつか残っているんですが、残りの時間では消化しきれないと思いますので、きょうはこれで質問を終わりたいと思います。 ○副議長(田島輝美君)  以上で、山崎一洋議員の一般質問を終了いたします。 ここで十分間休憩いたします。               午後二時二十三分 休憩               ~~~~~~~~~~~               午後二時三十三分 再開 ○議長(吉住威三美君)  会議を開きます。 引き続き、一般質問を行います。 次は、三番、松尾実議員。 ◆三番(松尾実君) 登壇 私も議会へ参り八ヵ月となりましたが、この間、日々新たな経験と研鑚を毎日積ませていただいております。 同様に、黒田市政の二期目も八ヵ月目になりましたが、その間、今年度より消費税が八%に増税され、私たちの必要とする生活必需品のほとんどが値上がりされました。 平戸市においても、四月より水道料金が値上がりをし、五月からは電気料も値上がりをいたしました。また、ガソリンも全国平均よりも割高の状況であります。アベノミクス効果は、この平戸までははるか遠く届かず、景気・経済は低迷状態であります。 特に、本市の基幹産業である農業においては後継者問題、その後継者の花嫁問題、さらに従事者の高齢化問題、イノシシ問題など、上げれば切りがないくらいに難問だらけであります。 漁業においても、魚がとれない、とれても安い、そして燃油の高騰問題など、今日の平戸市の一次産業は、非常に先の見通しが立たない状況下にあるところであります。ゆえに、平戸市全体にプラスとなる相乗効果が表れない現状にあると思います。 その最もたる証が合併して九年目になりますが、合併当時は約四万いた人口も激減状況になっており、現在、三万三千と七千余りの減が厳しい状況を物語っているのではないでしょうか。 例えば、平戸市の将来を担う児童数は、市内小学校二十一校合わせて千五百六十七名であります。中学生は九校合わせて九百八十名、小中学校合わせてもわずか二千五百四十七名であります。人口比率でわずか一三%であります。 この数、この現状は、非常に危機的状況であると思います。また、このような中で若い後継者のほとんどは市内での雇用の場がなく、朝早くから市外へ仕事に出向き、夜は遅く帰宅する状況であります。当然、残った地域は年配の方々ばかりで、日中は限界集落的現状であります。よって、現状は厳しい中にもまだ地域の成り立ちがどうにか維持できる状況でありますが、このような中で平戸の十年、二十年先の将来の見通しの立たない明るい将来像が描けない現状ではないでしょうか。 市長が、二期目の公約に掲げた「市民が主役で行政は脇役」と言われた市政・行政運営はいかがでしょうか。平戸市民の方々の生活満足度は、市長の就任当時からするとアップされているでしょうか。確かに、市民アンケート上は、どの項目もわずかにアップしている項目もありますが、本当にその数字が表わすデータが、市民の方々の満足度の表れでしょうか。 確かに、行政に頼ってばかりのおんぶにだっこの甘えでは、よくないと思います。まずは、自助努力が必要であると思いますが、市長の一期目のスタート時の市民の方々の所得と今日の所得状況はほぼ変わらず、しかし、消費税の増税に伴い、生活必需品のほぼ全てが値上がりし、支出はふえる一方であります。市民の生活の負担は悪くなるばかりであることは、市民の生活が低迷している証ではないでしょうか。 このような状況下で、黒田丸は平戸市民をどのようなビジョンで舵取りをして、どこに向かおうとしているのでしょうか。市民の方々は日々毎日をいっぱいいっぱいでやりくりしている状況であります。これで、市長の言われる安心・安全な住みよいまちづくりができるでしょうか。 今のままで十年先、二十年先の平戸市に明るい見通しが立てるでしょうか。市長の今年度と将来のビジョンをあわせてお尋ねをいたしたいと思います。 なお、再質問と以降の質問については、自席よりさせていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。 ◎市長(黒田成彦君) 登壇 松尾議員の御質問にお答えいたします。 私は、市長二期目のマニフェストの柱の一つとして、「市民が主役、行政は脇役で進める新たなまちづくり」を掲げました。これは、まさに今まで以上の官民協働の理念と地域の自立を促すものであり、多様化する住民ニーズや地域課題が山積する中で、市民がみずからの判断と責任においてこれらの課題解決に取り組むことが重要であると考えています。 あえて、主役とか脇役とかの言葉を使わせていただいた理由は、その立場や役割分担をよりわかりやすく表現したかったからであります。これを演劇に例えますと、まず、舞台ではどういったドラマを演じるかという演題が掲げられます。これが地域づくりのテーマに置きかえられます。そして、これに必要な俳優のキャスティングがあり、舞台演出をより効果的に彩る大道具や小道具などが必要となり、また大勢の観客を集めるための宣伝、会場へのアクセスなども重要な役割となってまいります。 私は、これからのまちづくりは、それぞれの地域において住民みずからが主体的に選ぶテーマづくりが前提として重要になると考えております。よそのまねではなくて、また行政からの押しつけではなくて、そこに住み、先祖から受け継いできたさまざまな価値をかけがえのない魅力として磨き上げ、住民みずからが自信と誇りを持って「主役」という役割を果たしてほしいと思っています。 そのためのさまざまな条件整備や制度設計、補助金交付やハード面での下支え、そして情報発信などを「脇役」として行政が支援していきたい、そういうイメージを描きながら掲げたのが、今回の「市民が主役、行政が脇役」というスローガンであります。 市内においては既にこのような動きは始まっており、鄭成功を活用した中野まちづくり委員会や春日地区の春日講、それから志々伎地区の婦人団体によるひだまりの浜という産直レストラン、最近では、生月町で毎月開催される白月日曜市も、そうした思いを住民主役によって具現化したものであります。ただし、あくまでその主役はみずからが名乗り出る意欲がなければ始まりません。評論ばかりするタイプの方々は、いつまでたっても評論家としての役割しか回ってこないのではないでしょうか。 いずれにしましても、こうした考えに立って、昨年度の度島地区に続き、今年度はまちづくり計画に基づいた市民主体の地域づくりを市内各地に広げるため、新しい交付金制度の導入や集落支援員の配置を行い、さらには職員を地域支援員として配置しながら具体的に進めてまいります。 このほかにも、市民、行政、企業、大学などが相互に連携協働し、多様化する課題や市民ニーズに的確に対応するとともに、新たな環境づくりや支援体制のための施策に取り組むこととしております。 これまでも市民協働の理念を掲げ各種施策に取り組んでまいりましたが、これからは包括連携協定を締結した各大学から学生参加を幅広く求め、若いエネルギーと第三者の視点を活用しながら、さまざまな問題解決に一緒になって取り組むことにしております。 このことによって、交流人口の増加や伝統文化の継承活動など、さまざまな分野において相乗効果を導き出せるよう取り組みを進めているところであります。市民が主役、行政が脇役で進める新たなまちづくりは、産業振興、福祉、教育などのあらゆる分野にも通じるものでありまして、今後におきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三番(松尾実君)  確かに、市長のハードな施策は十分理解できるところでありますが、私が市議となり、市民の方々からこの半年余りでよく言われることが、そういった市長の一生懸命なハードな施策に対して、結構、不平不満が数多く聞かれます。市長、それに対しては、どのように御理解するところでしょうか。御自身にその声は届いているんでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  まず、ちょっと、その質問の前提で確認したいんですけど、ハードなっていうのは、ハード、ソフトのハードという意味でしょうか。それとも、懸命に取り組んでるハードな……。 ◆三番(松尾実君)  全てにおいてのことであります。 ◎市長(黒田成彦君)  ソフト、ハードではないということですね。 それは、賛否両論いろいろあると思います。 ただ、先ほど、壇上から松尾議員がおっしゃったような悲観的なことばかりではないと思うんです。実際、観光統計を見れば、二年連続増加に転じておりますし、それから市長になってすぐ、県のお力添えで、生月大橋、平戸大橋が無料になりました。これは、年間四億円、市民そして利用者から払われていた通行料がゼロになったということは、その通行料の八割が市民ですから、三億二千万円は可処分所得してもう払わなくていい経済効果があらわれたと思っております。 それから、瀬戸市場につきましても、平成二十五年度の売り上げが五億円です。うち二〇%が組合に払われるとすれば、四億円は生産者に還元されてると言えます。それは、参加した人しか恩恵が受けられないかもしれない。でも、参加する人に制限はありませんから、広くチャンスはあるわけです。ですから、どんどんと意欲的な活動をしていただければ、いろいろなボランティア団体、NPO団体もいろいろな協議を重ねてチャンスメーキングを幅広く行ってまいりたいし、私は自分の許す時間がある限り、地域に赴いていろいろな意見交換をし、現場を見ながら耳を傾けております。当然、不平不満も聞いてまいりますが、それに呼応して同じ達成感が味わえたという感動も共有できております。 ◆三番(松尾実君)  それでは、市長のトップセールスの効果などはいかがなんでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  トップセールスというと、殊さら何か特別なことをしてるように聞こえますが、それは当たり前だと思うんです。私は、どこどこに営業に行ってくるための予算措置をお願いしてるわけではありません。もう既に予定されている全国市長会あるいは九州市長会、そういった公務出張先で、時間を遊ばずに有効に面談者を求めて、そして平戸のいろいろな価値を伝え、そしてそれが取引につながるような動きをしているわけであります。 その結果、今、福岡都市圏における老舗デパートとの取引、また関西、首都圏におけるさまざまな物販取引が成功に結びついており、本会議の冒頭にも申しましたように、平戸産の野菜が板橋区の学校給食に採用されるといったこともありますし、思いがけなく、そこの実績を評価された取引業者に、神奈川県厚木市やあるいはほかの都市にも幅広く販路を開拓していただいて、そして平戸の価値が高く評価されているという循環がもたらされていると思っております。 ◆三番(松尾実君)  思うに、市長は、県議時代から非常にフットワークよく、市民目線で対応していただき、好感が持てておったわけでありますけども、今のやっぱり市長の立場というのが、立場が違うとはいえ、若くして市長になって、その分市民の皆さんからの期待もかなり大きかったと思うんですよね。その期待が大きかった分だけ、現実的にはいろいろなハードな施策をしていただいてはおりますけども、やはり全体的にその効果っていうのがなかなか市民の皆さんに見えてきていないというところからの御不満が非常に多いんじゃないかなというところと。 やはり、そういった市長の動きと市民の感覚のずれと申しますか、例えば、地区のイベントなんかに参加されて、歌を歌うなとは申しませんけども、決してそれは悪いことだとは思いません。 ただ、問題は、例えば三日間、さきの二十四日にございました津吉の茶市、金曜、土曜、日曜日ございましたけども、そういったイベントに平日のお昼に行って、歌を歌うのも一つのサービスである。地区の皆さん方との触れ合いという点では決して悪いことではなかったかとは思いますが、そのように平日に歌を歌いに行くほど、この平戸市政、行政というのは安泰なのかなと思うとですけども、その辺は市長いかがでしょうか。 やはり、市長のライブを市民の方は望んでいるのではなく、従来、市長がフットワークよく皆さんと一生懸命会話、そして行動をともにしていただいたころのように、市民の皆さんには、やはり厳しい生活の現状を膝を交えて聞いていただきたいっていう思いがかなりあるんじゃなかろうかと、私は思うとですけども。 ◎市長(黒田成彦君)  三月に南部の有志が組織化を図り、菜の花まつりを実施されました。それは、佐世保港から船でつながる従来ある航路を活用した画期的な取り組みであった。そのことに感銘を受けた私は、地元での意見交換会を提案しました。そこで、膝を突き合わせて、しっかりと意見交換をした上で、津吉茶市に歌を歌ってくれという要請を受けたわけであります。私が好きこのんでしゃしゃり出てるわけではなくて、一緒に盛り上げようということで、時間を割いて行きました。そのことによって、観光協会の定期総会にはおくれましたが、おくれながらもそちらにも駆けつけることができて、観光関係者からもいろいろ意見を聞くことができました。 念のために申しますと、二日目の土曜日は、私、今般、平戸歩こう会にも所属して、歩こう会の皆さんを誘って津吉茶市の現場を訪問し、主催者を激励し、実態を把握しております。そのほかにも、特技がそういったものもあるもんですから、みんなが盛り上げてほしい、一緒に感動を共有してほしい、そして出演する合間の意見交換の場で我々の悩みも聞いてほしいということで、ある意味、平日っていっても夕方だったし、ほかの公務もなかったわけでございますから、その辺は公務優先ではありますけども、そういった若者との語らいが基軸にあるということは御理解いただきたいと思います。 ◆三番(松尾実君)  じゃあ、その辺は理解したいと思います。 ただ、やっぱり、今年度より県より新たに産業振興部と建設部に部長がお見えになっておりますが、副市長も初め三名の方が県からおいでになっておりますが、それぐらいに、やっぱり県から呼ばなければならないほど、ある意味厳しい市政運営ではなかろうか。 これは人材交流、いろいろな流れの中でやっていることであるかとは思いますけども、やはりそういう中で、この役所の中に人材がおらんけんかで県のほうから呼ばにゃならんというようなことではないとは思いますが、その辺はいかがでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  人材育成については、常に歩みを緩めることなく、さまざまな、いわゆる課題を共有し解決していくためには、そういった育成をしなければならないと思っています。 今回、特に、産業振興部長、建設部長にお願いしたのは、産業振興部においては初めての試みである、いわゆる農業、水産業のソフト部門、そして加工や流通、情報発信に至るまでの産業政策を一元的にやるという初めての取り組みであったこと。それから、建設部では、昨年から引き続いて起きた不祥事もあり、いわゆる通常の実務が個人個人の業務で分断されてないか、そういったチェックも県のノウハウも導入しながら改めていくいい機会になってほしいと思って、いわゆる人事交流に応じました。その分、我がほうの若手職員が県のほうに出向いて、県のさまざまな立場、ほかの自治体とのいろんな折衝、また国の制度設計などを勉強するなど、そういった形を通して人材育成に専念しているとこであります。 ◆三番(松尾実君)  確かに、優秀な部長さん方お二人だとは理解しておりますが、たとえそうであってでも、やはり職員のやる気とか向上心、そういったところを何もかにもを重要なポストに置くようであれば、職員のそういったやる気、向上心を損ねてしまうんじゃなかろうかなというところもあるんじゃないかと。 やはり、本当に今後の平戸市を思うなら、五年、十年先を見据えて、人材の育成っていうところも必要じゃなかろうかと思うところですけども、いかがでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  今回、副市長と産業振興部長、建設部長を県から招聘したことに対して、やる気を失っている職員は一人もおりません。むしろ、それぞれの御経験をきちっと捉えながら、管理職一丸となって部下の指導に当たっておりますし、さまざまな問題解決に取り組んでいるところでございます。 松尾議員におかれましては、御熱心に議会に登庁なさって平戸市の施策を研究しておられると思いますので、どうか不満を持ってる市民の皆様にも、ほんとはこうだよっていう、いい面も紹介していただければありがたいと思います。 ◆三番(松尾実君)  これは、私の個人的な話じゃなくて、市民の方々の、やはり市長の二期目に対する大きな期待のあらわれじゃないかなと、そう理解してもらえれば私もいいのかなと。別に個人的な話をしているわけではなく、そういった声がちまたでよく聞こえるということであります。 そして、また申し上げましたように、非常にやはり厳しい状況下にあるわけですので、市民の率直なる声であります。十人おれば十人十色、百人おれば百人百様の考え方がありますので、やはりどのように手厚く、さらにもっと高いサービスを求める場合もあれば、やはりほんの一言声をかけただけで喜ばれ、感謝されることも多々あると思います。 思うに、議会もですが、市民の方々と会話が少ないんじゃないかと思います。ゆえに、市民の方から御不満が出てくる要因になっているんじゃないでしょうか。やはり、市政報告であったり議会報告を条例化して、こまめに市民の方々の声を聞いたり伝えたりすることが必要であると思いますが、それが今後の議会の市政の活性化につながることではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  県議の時代と比べて足の運び方が緩くなってはしないかと言われる点につきましては、それはそうかもしれません。実際、県議時代は、年に四回の定例議会あるいは委員会活動以外は、全て自分の自由にスケジュールが組まれておりました。ですから、行きたいところ、御無沙汰しているところには自分でアポイントをとって自由に動けましたけども、市長という本当に重責は、なかなか自分のスケジュールすら自分の自由時間すら、なかなかとれない状況にあります。その中で、できる限りの地元のイベントやさまざまな会合に顔を出しております。松尾議員も熱心に顔を出しておられますが、たまに松尾議員がいらっしゃらない会合もありますので、私のほうがちょっと多いのかなと思っております。そんな中で、いろいろと市民の皆様との語りかけや意見聴取をやっております。 一期目のときは、市政懇談会とかやったんですけども、ああいうふうに行政主導で集まってくださいといっても、やっぱり限られた方しか集まらないんです。逆に、こちらから指名をして、こういう活動をなさってる皆さんお願いしますっていうふうな形だと、何か、すごいインセンティブというか、集まる意義を見出してだっと集まってくださいますが、幅広く門戸を開いても集まる数が少なかった、これはもうやり方がまずかったんだと思います。日程のとり方も難しかったと思う。 だから、より多く、私はこの二期目はみずから現場に足を運ぶ、あるいは目的意識を持った、共通の悩みを持った方々に呼びかけを行って活性化を促すような取り組みに専念していこうと思っております。 常に、反省して、よりよい方向に行っておりますので、前より少し怠けようなどとはさらさら思っておりませんので、それ御理解ください。 ◆三番(松尾実君)  それでは、市長には今後とも若さと行動力を持って市民の皆さん方に安心安全な生活向上のために強いリーダーシップを発揮していただきますように私からもお願いして、市長に対する質問は終わりたいと思います。 次に、長崎がんばらんば国体の準備状況についてお尋ねいたします。 あと四ヵ月後に迫った長崎がんばらんば国体ですが、四十五年ぶりの長崎県での開催ですが、平戸市で開催される軟式野球、相撲競技についてお尋ねをいたしたいと思います。 選手、競技役員、関係者など総勢二千名が来場するとのことでありますが、宿泊施設、駐車場など現在の準備状況について、そしてボランティアの参加などがちょっと少ないように思われますが、現在の進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎教育次長(松田範夫君)  それでは、松尾議員の御質問にお答えいたします。 長崎がんばらんば国体の準備状況についてでございますけれども、市では去る五月十二日に国体平戸市実行委員会第四回総会を開催いたしまして、実施内容等を御協議いただきまして了解を得たところでございます。 まず、宿泊施設の手配については、監督・役員等の配宿を県の実行委員会と契約いたしておりますJTB九州、近畿日本ツーリスト九州など五社による共同企業体、配宿センターと呼んでおりますけれども、この企業体が共同で行っております。 本市での宿泊施設は、相撲競技会では五つの施設、軟式野球競技では七つの施設を予定しており、延べ四千百十三人分の客室を確保しております。過去の実績から、推定客室数についてはほぼ充足されているという状況にあります。 次に、駐車場については、相撲競技会で市役所第二駐車場、公用車駐車場、荷揚げ場、平戸小グラウンド、亀岡グラウンド、猶興館グラウンド、猶興館の裏駐車場の七ヵ所を予定しており、七百八十八台分を確保しております。昨年開催されましたインターハイ相撲競技大会での実績以上の駐車台数を確保しているところでございます。 軟式野球競技会の赤坂野球場では、ライフカントリー、シーライフ、野球場下の三ヵ所、三百六台を、生月町勤労者体育センターでは、JA配送センター、B&G近辺、生月支所前の三ヵ所、三百七台分を確保しております。両競技会の一般観覧者駐車場と会場までシャトルバスを運行する予定にしております。 次に、会場周辺の環境整備でございますけれども、国道、県道につきましては、県北振興局担当課により沿道の除草とフラワーポット四百四十基の配置が部分的に行われますし、市道におきましても関係部署と連携を図りながら、街路樹の剪定や市道外側線整備等を行ってきております。 また、地域における秋季清掃、秋の清掃におきましても、各区長へ国体開催時期に合わせた実施協力の依頼を行ってきているところでございます。 次に、ボランティアの状況でございますけれども、現在、一般からの募集については企業を中心に五十六名の登録があっております。延べ人数で百七名お手伝いいただくこととしております。今後、希望日時等を調整いたしまして、場内清掃、選手・役員の接客などおもてなし等の業務に従事していただくこととしております。そのほかに、平戸市体育協会に三十四名、平戸市スポーツ推進委員会に十二名、リハーサル大会と同様に協力をいただく予定となっており、合計で百二名となっておるところです。 また、中学校、高校の生徒の皆さんにも補助員として、相撲競技で高校生百七十二名、軟式野球競技で中学生七十六名及び高校生四十九名の計二百九十七名を動員予定しているとこでございます。 さらに、会場内で予定しております平戸あごだしちゃんこ鍋の振る舞いには、地域婦人団体の皆さんの協力をお願いいたしまして、大会運営や会場でのおもてなし、環境美化にかかわるボランティアスタッフについては確保ができている状況にあると言えると思います。 当然、大会期間中は会場周辺や観光スポットにも多くの皆様が訪れることが予想されます。四月には、市内各地で行われた嘱託員辞令交付式にも出向き、各地区の区長さん方にも会場周辺や観光地、沿道の環境美化を初め、全国から集まります選手、監督、応援の皆様を挨拶とおもてなしの心で温かくお迎えし、思い出に残る大会となるよう市民全体で盛り上げていくことをお願いしたところでございます。今後も、商店街や市内各企業にも協力をお願いしていきたいと考えております。 最後に、また各競技会場に多くの市民の皆さんに足を運んでもらい、選手の応援をしていただくことも市民総参加のおもてなしの一つでありますので、多くの市民の皆様に会場に観戦していただくよう、周知広報に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆三番(松尾実君)  進捗状況は滞りなく進んでいるということでありますけども、お隣の松浦市などでは、既にもうのぼりや看板などが各所に設置しておりアピールや盛り上げに努めているようでありますけども、平戸市においてはそういったのぼりや看板も、赤坂の浄水場には赤坂木引方面から来る部分に「歓迎」というような看板は立っておりますけど、本来、平戸大橋のほうに立ってて「歓迎」ならわかるとですけど、出ていくような市民の皆さんを歓迎するような設置の方法ってちょっとおかしいような気がいたしますけど、そういったものとか、何か非常に広告ちゅうかチラシとか、掲示板等にはそういったポスターも設置はされておりますけども、そういったものが、非常に目に見えるまちの中でそういった宣伝活動がちょっと足りないように私としては感じておりますが、その辺はいかがでしょう。 ◎教育次長(松田範夫君)  PRにつきましては、御指摘のように大看板を市内に一ヵ所、それはもう御指摘のところです。そこにつきましてでも、一旦は大橋入り口付近に設置を計画はしたものの、他の広告板とバッティングいたしまして、最終的にはあちらのほうに、全国和牛共進会の後に設置さしていただいたところでございます。 あわせまして、市役所、支所、出張所、公民館、競技会場等にポスター、のぼり旗、横断幕等の設置は随時でありますけれども、市役所及び歩道橋に懸垂幕、横断幕を掲示しております。また、国体瓦版を随時作成いたしまして、班回覧を行っているところです。そのほかに、各種イベントにおいて、がんばくん・らんばちゃんの着ぐるみを活用したPR活動、ホームページ、フェイスブックでの情報提供を行ってきております。 こうした目に見えるPRに加えまして、さきの県高総体相撲競技の無差別級で優勝いたしました松園大成選手や、昨年の東京国体相撲競技青年の部で優勝いたしました長崎チームの松永六十四選手、野口清之選手、同じく軟式野球競技会で準優勝いたしました長崎県チームの稲澤和也選手など、本市出身のアスリートが本大会代表に選出される可能性も非常に高いことから、出場選手の紹介や熱戦が期待される取り組み、あるいは試合の見どころを盛り込んだ情報発信を今後行ってまいりたいと考えております。 また、小中学生には、学校観戦を初めといたしまして、出場県ごとの歓迎ののぼり旗、花苗プランターの植栽を通して、保護者を巻き込んだ機運の醸成を図ってまいります。その上で、他のイベントとの関係もあり、のぼりや横断幕の常時設置はなかなか困難でしたが、本番もいよいよ近まってまいりました。沿道の目につく場所にのぼりや横断幕を配置いたしまして、積極的に周知を図っていきたいと考えてるところでございます。 ◆三番(松尾実君)  今後はそういうふうにされていくっていうことですけど、どうしても、今一ヵ所しか看板を立てておりませんっていう赤坂浄水場のところの看板に対しては非常に違和感を感じておりますけども、やはり全くないわけじゃないと思うし、なければ予算はあるわけですので、どこか例えば田平の道の駅とかの周辺あたりにでも立てたら、非常に目につくところではなかろうかと私は思うとですけど、今のまま最後まであそこに立てとくつもりなんでしょうか。 ◎教育次長(松田範夫君)  今のところ移動等については予定はありませんけれども、今後予定しておりますこういった目に見えないようなところでのPRとあわせて、総合的には判断さしていただきたいと思います。 ◆三番(松尾実君)  しつこいようですけど、「歓迎」ってまで書いておるとに、歓迎される側の観光客の方は全然見えない、一般の市民が通るときに歓迎なんて書いておるような看板ちゅうのに非常に違和感を感じますが、そういったところは、今後に、あと間近になっておりますので、やはり検討する余地はあるっちゃないかな。今のところないということですけど、やはり検討するべきじゃないかなと思いますが。 そして、せっかくこういった半世紀ぶりに開催される国体という一大イベントを、やはり市民共通の理解と参加の事業として、申されましたように一過性のものとせずに今後市民総参加型の地域の活性化につながるようなきっかけであり契機としてほしいと私は思いますし、いろいろボランティアの事業団体の名前も聞いておりますけども、今、議会もこぞって参加協力をしてまいりたいと思いますので、ですよね、皆さん(笑声)(発言する者あり)と申しておりますので、一生懸命議会も頑張って協力してまいりたいと思いますので、よろしくどうぞお願いしたいと思います。 次に、国道三百八十三号線の整備についてお尋ねをいたしますが、最近、国道を通りながら思うのですが、まず平戸の玄関口であります田平町の日の浦から田平公園にかけての国道沿いの道路と歩道の間に草が生えている状況は、観光地の入り口としては非常に気になるところであります。 国道以外にも、例えば赤坂から木引方面の歩道などには人が歩けないような草が生い茂っておりますが、国道三百八十三号線においては、ガードレールがどこにあるかもわからないような草の生え方をしている状況であります。上を見えれば中央線まで伸びてきている大木が平戸から志々伎までに百ヵ所以上あります。それゆえに、路線バス同士や大型車の離合の際に片方が一旦停止をしなければ容易に離合できない状況であり、観光バスのような大型で車体の高い車両は、天井に木々、枝が当たりながら走行している状況はとてもおもてなしどころではなく、不愉快な思いと危険な状況であると思います。 私たちはそのような状況になれてしまい、気にもしないで当たり前のように走行しているのかもしれませんが、多分初めて走行するドライバーの方は、まるでトンネルの中を走行しているような感じではなかろうかと思います。晴天時は走行に支障はありませんが、しけたときの翌日など、枝葉が散乱しており、カーブなどではスリップのおそれもあります。 それと、大木でありますが、もし台風などの際に折れて走行している最中の車両に落ちてきたら、車が傷むレベルの事故では済まない大木でありますが、もしそのような事故が起きたら、それは当たったドライバーの運が悪かった話で済む問題でしょうか。人命にかかわる大きな問題であると思いますが、建設部長さん、いかがでしょうか。
    ◎建設部長(池田圭一郎君)  松尾議員の御質問にお答えいたします。 県管理の道路につきましては、道路二路線で約四十九キロメートル、県道九路線、約百十五キロメートルの道路がございます。 御質問の国道三百八十三号の伐採についてでございますが、県においては、毎年七月の梅雨明け前に指名競争入札により業者に委託契約し、年一回実施している状況です。ことしの除草、街路樹剪定についても、六月中に入札し、七月下旬ごろに実施する予定と伺っております。 また、高木の伐採については、基本的に所有者が伐採するものであるが、危険な箇所等が見受けられた場合は、現場を確認し随時対応していくという県のほうからの意見を伺っております。 そして、また何か事故が起こったときに誰が責任をとるのかという御質問があったと思いますが、それについてはいろいろな裁判の事例をちょっと見てみますと、長時間、道路管理者としての必要な措置がとられていなかった場合は道路管理者に責任があるというような事例がございます。また、強風で倒れた隣地の大木が走行中に直撃して下敷きになった事例では、通常予測できなかった結果による事故であるとして道路管理者には責任は問われなかったという事例がございます。 いずれにしましても、道路管理者がどのような適切な対応、維持管理に対する管理者としての責任を果たしてきたかっていうことで裁判の事例が分かれますので、それはそれぞれの場合によってその責任がどうなっていくのかっていうことは分かれるものだというふうに考えております。 以上です。 ◆三番(松尾実君)  六月から七月に入札を行って、年に一回ということでありますけども、年に一回そういった除草作業をしても、やはりすぐに生えてくるし、昨年同じようにお話を聞いておりましたけども、これは私個人で調べた話ですけども、同じように入札をして実施いたしますって言ってから、実際に実施されたのは九月の末、終わったのは十月の半ばでした。本来、七月の終わりから八月、帰省客とか観光客そういった方たちの、もちろん利用される市内の方も当然ですけども、それに合わせてそういった作業はするべきであって、それが去年そういうふうな流れの中で、どんでもないお彼岸ごろにされたわけですけども、そういったことがないようにきちんとしていただきたいなと思いますし。 確かに、先ほどの質問の中に、折れたらどうするのかっていう質問をいたしました。当然、地主の方に管理責任があるっていうか、維持管理が必要かなとは思うんですけども、しかし、地主に、一メートルからの大木の中央線まで難航して、高さは十メートル以上あるような、そんな大木を切れっていったときに、はいわかりましたっていうことで切っていただけるでしょうか、部長。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  個人での伐採等が難しい場合においては、道路管理者のほうで伐採の許可をいただいて伐採する。非常に危ないものについては、伐採の許可をいただいて伐採することになると思います。 ◎市長(黒田成彦君)  前段の御指摘については、池田部長がまだこちらへ来る前だったので私のほうからお答えいたします。 確かに、議員御指摘のとおり、県の管理においてなされる除草作業が、六月の入札予定だったものが不落によって日程が先送りされまして、お盆後になったという、大変、我々としても苦々しく思っておりますし、悪い評判は聞こえてこないのかっていう、その悪い評の一つに、何やってるんだっていうお叱りを受けました。市はどうすることもできないので、ひたすら県のほうに、そういう、いわゆる入札の手続のおくれなどで市民に迷惑を及ぼすようなことはやめてほしいと、きちっとした形で入札契約を果たして、そして、いわゆる年に一回であるとするならば市民の利便性に重点を置いて道路管理をしっかりとやってほしいという申し入れを県にさしていただいたところでございます。 ◆三番(松尾実君)  そうですね、池田建設部長はおいでたばかりですので、余り平戸の地形についてはいろいろわからないし、聞くのもちょっと酷かなとは思うんですけども。 しかし、そういった道路際の話とか上のそういった木々の話ばかりではなく、実際に三百八十三号線は陳情がかなり上がっているはずだと思いますが、その辺の数の把握は、部長どうでしょうか、できているんでしょうか。 ◎建設部長(池田圭一郎君)  申しわけありません。詳細に把握しておりません。 ◆三番(松尾実君)  済いません、多分そうだろうとは思ったんですけど。 やはり、私の把握するだけでも十五ヵ所ほどは上がっております。やはり、そういった、ただ国道が草が生いとるよ、木が生えとるよということではなく、やはり三百八十三号線の状況というのは、形状は起伏が激しくカーブが多い国道でございますので、地元からの要望、陳情というのは詳細に当たればもっとあるんじゃなかろうかと思います。 そして、また、常々市民の方、特に中南部の方ですけども、やはり北部地区ばかりが優遇されて同じ平戸市である中南部地区は全体的なバランスから見ても不均衡で格差を非常に感じておるとよく聞きます。やはり、そういったところの整備等のおくれと申しますか、道路状況からも不満の声が上がってきているんじゃなかろうかと思うんですけども、その辺は市長いかがでしょうか。 ◎市長(黒田成彦君)  主に、国道三百八十三号線、そして平戸市も縦貫する平戸田平線につきましては県の所管であり、これにおいても、野子大橋の後に今後向月工区ということで今着実にやってもらっているところでございます。いろいろな要望を我々も地区ごとに把握しながら、県と市の役割分担をきちっと定めながら、予算の制限はありますけども優先順位をきちっと整理し、事業執行に努めているとこでございます。 ◆三番(松尾実君)  中南部の方の御不満の部分の格差があるっていう点について答えていただいておりませんけども、その辺はどのように感じておりますか。 ◎市長(黒田成彦君)  前の市長さんから受け継いだ、いわゆる項目の中に、平戸オランダ商館であるとか、いろいろ北部地区で展開されなければならない宿題というのが多ございました。そういった形によって、マスコミとかいろいろな紹介される事柄が主に北部中心で、若干、中南部や生月からは疎外感が感じられたんではないかということもよく把握しております。 先ほど御質問のお答え申しましたように、最近、南部地域の若者が、いわゆる佐世保港から直結する航路によってわずか四十分で佐世保と南部を結びつけるということに着眼を置き地域振興を果たしたことから、そういう新しいルートをこれから住民とともに盛り上げていきたいし、何らかの活性化を中南部ではかることによって観光客の滞在時間を延ばして、その経済波及効果をもたらしていきたいなと思っておりますので、御指導よろしくお願いしたいと思います。 ◆三番(松尾実君)  中南部地区に関しては、別に重きを置いとらんというわけじゃないちゅうことですね。その一環で、先日のライブもされたというふうに理解しておきますので。 そういった中に、三百八十三号線は、やはり平戸島の幹線道路でありますので、市民の方々の生活道路としてだけでなく、やはり奥平戸の観光地としての今後もあわせて利用される全ての方々の安心安全な道路整備を願うところで、この件については終わりたいと思います。 あと、平戸観光のおもてなしとその周辺地域の環境整備ということで、先ほど教育次長から少しお話はございましたけども、やはり平戸観光のおもてなしということで、市長は常々おもてなしの心を強調されております。それは、観光客の方々に手を振ることばかりではないとは思いますが、やはり思うに、おもてなしというのは、まずは受け入れる側の環境整備が整っていることが一番大事じゃないかなと思います。 例えば、トイレでありますけども、観光地周辺の中にありますレストハウスの前の駐車場とか、文化センターの中の特に二階とか大ホールの前、市役所の前の駐車場のトイレ、崎方公園、川内峠、水垂の道路公園、人津久の浜のトイレなど共通してどのトイレも、やはり体の御不自由な方の利用がしづらいトイレであります。 国体に向けては間に合わないと思いますが、通常観光においでになる方々は元気な方ばかりではないですので、今後設置する場合は多目的トイレの設置は義務化されていると思いますので心配はないと思いますが、こういった現況のトイレの対応についてはどのようにお考えでしょうか。 ◎文化観光部長(松田隆也君)  観光施設の多目的トイレについてのお尋ねでございますが、観光地として不特定多数の来訪者を受け入れる上ではトイレは欠かせない公共施設であると認識しておりまして、市内には観光施設を初め公衆トイレや都市公園のトイレなど、補助事業の違いにより各課において整備管理をされている状況にございます。 近年は、長崎県福祉のまちづくり条例に基づいたユニバーサルデザインによる整備は進められておりますが、条例施行前に整備されたトイレも多く、観光課が所管しているトイレにおいても五十近くあるトイレの中で身障者に対応した多目的トイレは三分の一の十七ヵ所にとどまっております。 身障者に対応できる多目的トイレが少ないとの声があるのは私どもも承知をしておりますが、整備には施設建築費のみならずその後の維持管理経費が負担となってくることから、即整備できないっていうのが現状でございます。 このことから、既存の施設の有効活用を図るため、各課の情報を集約をし、観光マップに多目的トイレの設置場所を記載をし、観光客に少しでも快適な旅になるよう情報の提供に努めているところでございます。 また、観光協会が中心になって開発したスマートフォン対応の観光情報提供アプリのウェルカモメというのがありますが、それにおいても地図上でトイレに関する情報を習得できるようになっておりますので、今後は障害者への対応の有無についても確認できるよう改良を加えていきたいと考えております。 一方で、コンビニ業界では、店内のトイレを開放することで売り上げにつながっていくという発想が当たり前となっておりますので、これら民間事業者の協力を受けることも一つの方策ではなかろうかと考えております。 しかしながら、御承知のように長崎県の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録が実現の暁には多くの観光客が訪れることが予想される中で、建設から相当年数が経過し老朽化が進んでいるものもありますので、観光客の動線を踏まえながら、必要なものについては年次計画を立てながら優先順位に従い整備する必要があるものと考えております。 以上です。 ◆三番(松尾実君)  観光立市をうたうのであれば、「やはりトイレが全国一きれいな気持ちのよいトイレがあるまち平戸」とかいうような売り込み方の方法もあってもよいのではなかろうかと思います。 やはり、近くに一番いい事例がございますが、松浦の道の駅、やはり我々が福岡方面、伊万里方面に行くときは、必ず、皆さん方利用を一度はされたかと思いますが、やはりあそこの売店に寄ろうかということではなく、あそこのトイレば使おうかいっていうような形で利用して、そして売店の中に入っていくっていうのが大体の利用者の今の現状じゃなかろうかと思うとですけども。 そういった中で、たかがトイレかもしれませんけども、されどトイレ。やはり、元気な方ばかりではなく、そういった体に障害のあるような方にも優しく配慮されたトイレを設置しながら、あわせて市民全体にも優しく、そして目配り、気配り、そういった心配りのされる市政、行政運営をされることを願いながら、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(吉住威三美君)  以上で、松尾実議員の一般質問を終了します。 ここで十分間休憩します。                午後三時二十七分 休憩                ~~~~~~~~~~~                午後三時三十七分 再開 ○議長(吉住威三美君)  会議を再開します。 ここで、本日予定の一般質問を終了するまで会議時間を延長しますので、よろしくお願いします。 引き続き一般質問を行います。 次は、五番、田島輝美議員。 ◆五番(田島輝美君) 登壇 本日の一般質問最後になりました。大変皆さん方お疲れだと思いますけども、時間の許す限りおつき合いをいただきたいというふうに思います。 今回の一般質問につきましては、私の立場といたしましては、議長を補佐し執行部との調整役ということは、十分その立場を認識しているところでありますけども、早急に担当部署の今後の方向性なり対応について、それは、次回の第十一回の全共対策でございます。今回、議長のお許しをいただきまして通告をいたしておりますので、通告書に従って質問をさせていただきます。 まず、第一項目に、今年度組織再編により創設をされた産業振興部、第一次産業の農林水産に二次、三次の商工物産を加えた、本市にとりましてはもっとも重要な地域産業の振興を担う部署として生産から流通販売まで所管することで、地場産品の高付加価値化による特産品の振興あるいは販路拡大による平戸ブランドの確立、そして六次産業化による新たな雇用の創出いった、この地域経済の活性化に期待するところであります。 当初の提案では、ブランド部あるいは六次産業部としたい意向もあったようでありますけれども、今回の組織再編に当たりましては、市長の思いも強いものがあろうと思っております。活力ある地域産業の振興に向けた重要施策を、具体的にどのように取り組もうとしておられるのか。まず、市長の所見をお伺いしたい。 次に、黒田市政になりましてから、農林水産部長は県との人事交流による県からの人材配置でありました。今回商工物産を加えた産業振興部長として渋谷部長に就任をいただいております。今回は部長に対する質問が多いようでありますが、当然期待のあらわれであろうと思います。 そこで、部長に、就任に当たり、本市の産業振興に対する抱負をおおむね五分程度で、平戸市の産業振興に対する自分の思いをお願いしたい。 第三項目に、畜産振興についてでありますが、平成二十四年度に行われました全国和牛能力共進会長崎県大会におきましては、皆さんの御承知のとおりでありました。これまでの大会にない入場者数でありましたし、成績につきましても全部門で優等賞並びに第八区では日本一に輝きました。まさに、長崎和牛として全国にメジャーデビューを果たした大会でありました。このことは、本定例会冒頭の市長の挨拶にもありましたように、全共長崎大会の影響は大変大きかったと、なおかつ、また、次回開催についても全面的にしっかり支援をしていきたい、力強い言葉をいただいたところであります。 全共は五年に一度の開催でありますが、第十一回は宮城県であります。平成二十九年九月七日から宮崎県仙台市夢メッセみやぎで種牛の部を、肉用牛の部については、仙台市中央卸売市場、食肉市場と会場が決まっております。大会は、九部門に分けて行われますが、第四区の系統雌牛群の出品についてお尋ねをいたします。 今回、この区にエントリーできるのは長崎県で唯一本市で飼育をされてきました始祖牛、「まうめ3」系統牛群であります。今回出品条件が厳しくなりまして、出品系統は遺伝的多様性の維持拡大を担う系統で、なおかつ系統内から造成された種雄牛の三種、父方、母方の双方から系統の遺伝子が固定した可能性のあるもの、またはその個体を母とする三種であることとされておりまして、これはほんと大変に理解が難しいわけでありますが。 そこで、皆様方の手元に配付をいたしておりますのが、この「まうめ3」の系統図であります。この牛の登記については、雌は平仮名で、雄は漢字でされております。系統内から造成されております黄色い網かけをしております川幸号、これをこの系統図の雌地区に交配をして、その産子を四統一群として出品をする。このことは、生産者にも大変理解が厳しく、県北共進会並びに行政としても格段の配慮が必要であると考えます。 全国共進会は、和牛の産地にとって地域ブランドの確立のためには最も重要な大会であります。「まうめ3」系統牛群の対応策について、執行部にお尋ねをいたします。 なお、資料につきましては一般質問後回収をさせていただきますので、よろしくご協力いただきたいというふうに思います。 壇上での質問は以上であります。あとの取り計らいについては、議長よろしくお願いいたします。 ◎市長(黒田成彦君) 登壇 田島議員の御質問にお答えいたします。 産業振興部をつくった狙いは、一次産業の振興を果たす農林課、水産課の機能と地場産品の付加価値を高め、商品の確保や販売促進など二次、三次産業にかかわる商工物産課を統合し、生産現場から市場までの一貫した戦略を築きたいと考えたからにほかなりません。 地域振興を具体的に進めるためには、地域の産業が活性化しなければならず、六次産業化による平戸ブランドの確立や活力ある商店街振興対策のための戦略を掲げています。当時に、第二次定員適正化計画が三年目を迎えることから、組織の縦割りを解消し、市民ニーズに合った組織につくり直すこと、将来にわたる職員の減少等を見据えた組織のスリム化を図ることを目的に、大胆な機構改革を行いました。 人口減少や長引く景気の低迷など直面する課題は簡単には解決できませんが、いずれの自治体も抱える悩みは同じであり、似たような条件の中で地域間競争に生き残らなければなりません。とりわけ、産業振興に関しましては、不確実で見きわめにくい情勢下で成功する魔法のシナリオと呼ばれるものは存在しません。できることから優先的に複数のシナリオをみずから見出し、試行錯誤を繰り返しながら判断力を磨くことが不可欠であろうと思います。過去の失敗事例を含め、多くの情報を集めた上で、それぞれの事情に合った羅針盤を選び、思い切って突き進んでいく以外にないものと考えています。 私は、産業振興の取り組みを通して、ふるさと平戸のすばらしい産品の価値をさらに高め、高品質に見合う収益確保を目指し、もうかる農林水産業の実践によって、そこに住む人たちが他力本願ではなくて、自信と誇りを取り戻し未来に切り開いていけるような力を注いでまいりたいと考えております。 残余の質問については、担当部長より答弁させます。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  それでは、田島議員から御質問がありました産業振興部長の抱負について答弁をさせていただきます。 私は、昭和六十三年に県の農業専門職として採用され、農林行政に携わってまいりました。十三年前に田平町を管轄する江迎普及センターに勤務し、その後他地区での勤務を経て、二年前に県北振興局農林部に戻ってまいりましたが、以前は少なかったイノシシが地域全体に出没し、圃場全体がワイヤーメッシュで囲まれるなど全く異なる農村風景となり、さらに生産者の高齢化も進み、地域全体が疲弊し始めていると感じており、何とか地域を活性化しなければならないと考えております。 まず、農林業振興分野につきましては、平成二十二年度に策定された平戸市農業振興計画に基づき、これまで地域の実情に合った各施策が実施されてきたものと認識しておりますが、TPP参加交渉や国の四つの農政改革など大きな改革が行われようとしており、スピード感を持って本市農業の振興に取り組んでいく必要があると考えております。 まず、本市の農業生産額の約半分を占める肉用牛の振興でありますが、長崎全共以降、子牛の取引価格は高値安定が続いております。しかし、一方で、飼育頭数は生産者の高齢化により減少傾向にあり、産地の維持が厳しい状況になりつつあると認識しております。今後、繁殖牛百頭規模を目指す経営体があらわれるよう、放牧やキャトルステーションを活用した増頭などそれぞれの経営状況に応じた増頭プランを提示しながら、産地規模の維持に努めてまいります。 次いで、園芸の振興です。本市では、イチゴやアスパラガスなどの施設園芸、タマネギや種バレイショなどに取り組まれ、後継者も着実に育ちつつあります。一方、食料消費では、生鮮食料品の割合が三割を切っている中で、加工業務用野菜への対応が求められており、加工用タマネギの栽培面積増加に向け、規模拡大や新規栽培者の確保に取り組んでまいります。 さらに、国の四つの改革では、経営所得安定対策の見直しにより、本市への交付額が約四千七百万円減少することとなっており、影響が少なくなるよう日本型直接支払制度の導入に積極的に取り組んでまいります。 林業分野につきましては、平戸市森林組合では、菌床シイタケの生産体制強化に取り組まれ、雇用創出の重要な役割を担っていることから、今後とも積極的な販路拡大を支援してまいりたいと考えております。 また、鳥獣被害対策につきましても、これまでワイヤーメッシュ柵や電気柵で総延長千三百二十三キロメートルを整備してまいりましたが、今年度も百四十五キロメートルの要望が上がっており、整備への支援を行うとともに、今後とも防護、捕獲、すみ分けの三対策を総合的に推進してまいります。 次に、水産振興分野でありますが、取り組むべき最大の課題は、生産と流通の改善と捉えており、高品質で安心できる平戸の水産物を需要に見合う形で消費者に供給できるシステムが構築できれば、収益アップも期待できると考えております。今後とも、流通や消費動向を分析しながら流通体制の見直しを続けてまいります。 具体的には、本年三月に策定した平戸市水産業振興基本計画の着実な実行のため、もうかる水産業の実践とやる気のある人材育成を目指し、平戸市水産振興協議会を核としながら、各漁協の販売主任者による検討協議の場を設け、具体的な対応を進めてまいります。 次に、商工物産分野でありますが、平戸ブランドの取り組みや平成二十年度から福岡県域を主なターゲットとした平戸ブランドプロモーション事業により、ブランド力の向上による取引拡大を図っており、事業に参画している生産者、五十五業者へのアンケート結果では、年間一億円を超える事業効果があったとの回答があっております。平成二十五年度からは、首都圏まで対象を広げネットワークを活用した新たな事業者との取引や食品製造業での平戸産素材の使用、服部栄養専門学校校長の服部幸應氏、日本を代表するイタリア料理シェフ日高良実氏など、著名人プロデュースによる生産者と連携した商品開発など広がりのある企業とのタイアップ事業を展開してきており、今後ともこの取り組みをさらに充実させてまいります。 中小企業の振興では、平戸市中小企業振興資金を設置しておりますが、本年度からより使いやすい融資条件に見直しました。今後も、中小企業者の資金調達のさらなる円滑化を図るため関係機関と協議を重ねてまいります。 また、商業の活性化、活力と魅力ある商店街を推進するため、今年度、空き店舗等活用促進事業補助金を創設しており、第一次募集では二件の採択を行っております。引き続き、商店街の空洞化を防止しながら商業の活性化を図ってまいりたいと考えております。 企業誘致対策では、継続的な営業訪問活動と並行し、昨年度実施した工業用地適地調査結果をもとに候補地を選定し、新たな工業用地整備に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。 再生可能エネルギー関係では、本年十月二十八日から二十九日にかけまして、第十七回全国風サミットIN平戸を生月町で開催する予定であります。この大会を通じ、再生可能エネルギーのまち平戸を全国へPRするとともに、関連企業の集積が図れないか模索していきたいと考えております。 新設された産業振興部の使命は、一次産業の振興に加え、市内の中小事業者を結びつけた加工等地域全体での六次産業化により、付加価値向上や販売力強化による所得向上を図るとともに、商工業者の経営安定や企業誘致による雇用創出、再生可能エネルギー事業の普及により市内経済の活性化と税収アップを図ることと考えており、これまでの経験や知識を生かしながら積極的に取り組んでまいります。 続きまして、第十一回全国和牛能力共進会宮城県大会に係る県代表牛についてでございますが、去る五月十九日にながさき西海農協および県、市、町の担当者による第十一回全共宮城県大会出品対策会議において、喫緊の対応が必要となる第四区系統雌牛群に関する出品対策について協議がなされました。 第四区は、地域における特色ある系統の再構築を目指し、特色ある遺伝子を保留するための体制づくりを目的としており、県内で出品条件に合致する系統は県北地域の「まうめ3」の系統雌牛群だけとなっております。対策会議では、「まうめ3」の系統雌牛群のリストにある雌牛を地域内に保留するとともに、県種雄牛川幸の種つけ及びその産地の保留対策が検討されました。 今後のスケジュールといたしましては、七月十七日に開催される全国和牛能力共進会長崎和牛推進会議におきまして、県全体の取り組み方針及び事業計画等が決定される予定となっております。その決定を受けて、仮称ではございますが、第十一回全共宮城県大会県北地域対策協議会が設立され、生産者、関係団体など地域が一体となって第四区の出品対策を進めていくとともに、財源に対する支援要請がなされるものと考えております。 現在、「まうめ3」の系統雌牛群として五十二頭がリストアップされてる中、そのうち三十九頭が本市内で飼育されていることから、今後の出品対策を進める過程で県代表になる可能性が大いに期待されます。 市といたしましては、先般開催された全国和牛登録協会長崎県支部県北支所定期総会の中で要請を受けたこともあり、一昨年の長崎県大会で優秀な成績をおさめ、その後の子牛価格の上昇という経済効果につながったことから、宮城県大会に向けても上位入賞を目指し、産地としてのブランド価値を高めるべく生産者の経済的負担軽減を図るため、第四区の出品対策には県や関係自治体及び団体の対応も踏まえながら、積極的に支援してまいりたいと考えております。 ◆五番(田島輝美君)  懇切丁寧に、私の壇上での質問に対してお答えをいただきました。特に、「まうめ3」については支援をするというふうな一つの提案でありましたし、そのことについては後ほどしっかりと説明をしてつなげたいというふうに思いますが。 まず、今回の組織再編については、今まで農林水産あったものに商工という形で一つの部ができたし、ほかの部も大々的に今までにない組織改革をしたんですね。当然、職員はその組織の改革によって事務分掌等もその分掌等の管轄もありますし、それでまた、なおかつ平成二十五年度の決算及び五月の出納閉鎖というこの二ヵ月っていうのは、非常に職員にとっては大変な時期だったろう。 それにしても、やはり行政は停止をしていけないということもありまして、職員の頑張りで今何とか乗り越えたんだろうというふうに思っておりますし、この産業振興部の創設に当たりましても期待をするところでありますし、先ほど新しく就任された渋谷部長の抱負も聞きましたし、しっかりとはっきりと大変わかりやすく自分の抱負を述べていただいた。 これまで、三人、県からの要請があってそれぞれに、この議会において抱負を述べてるんですね。だから、今、きょう部長が感じられたその初心を忘れることなく、同僚議員の質問じゃありませんけど、命をかけてこの平戸市の産業振興のために御尽力をいただきたいというふうに思っております。 そこで、まず本市の産業の主な総生産額っていうのが、ちょっと私の、平戸市の農業振興計画並びに漁業振興計画、そしていただきました資料でやらしてもらいますけども、農業生産額にしては、平成十七年が五十二億二千七百万円、それで平成二十四年に四十二億七千二百万円。これ、五年間で九億九千五百万円の減であります。漁業生産につきましても、平成二十年に五十二億七千八百万円、平成二十四年には四十二億二千万円、いずれにしても十億四千万円の減なんです。これとあわせて、巻き網漁業も平成二十年には九十一億六千万円あったものが、平成二十四年には六十六億九千万円という二十五億円の減なんです。 商工業の製造出荷額についても、四人の従業員の出荷額でありますけども、これも資料によりますから少し差異があるかと思いますが、平成十七年には八十一億八千万円、平成二十四年には七十九億三千万円に激減し、二億四千万円という減になってます。 ちなみに、観光消費額っていうのが、ことし観光統計が出されましたんで、これから見ますと、平成二十五年度の観光消費額っていうのは、百二億二千万円です。全体が五億四千万円の、これだけが増なんです。 要するに、第一次産業、二次産業、三次産業、合わせて製造業も観光業も表裏一体の平戸市全体としての収入でありますから、この生産額をもってそこに従事する生産者並びに、それから給与、所得を得る人たちがこの平戸の税収を納めているわけです。言うまでもなく、これからの地域の行政の最後に残るのは、やはりこの産業振興でもって税収をいかに上げていくか。その税収が上がることによって、教育そして医療、福祉、介護といったものにしか充当できないわけであります。 惨たんたるこの産業振興の激減というのは、これからの平戸市の行政に大きな影を落とすわけでありますけれども、これにつきましても先ほどから何回も議論もされております現状を見るときに、やはり厳しいものがあると思うんですが、その要因についてはいろいろとあろうかと思います。 そこで、部長に少しお尋ねをしたいんですが、部長の答弁でも、先ほどこの産業振興に、そして市長についても、答弁の中で、やはり集中して施策をしていきたいという答えがありましたが、これ、平戸市の農業計画なんですが、これ部長しっかり読んでると思うんです。 この計画の中で、後継者、要するに新規就農者育成、あるいは確保そして認定農業者育成強化というのがあるんですが、この中で、これは平成二十二年につくった計画書ですが、あくまでも計画でありますが、これは文言でうたい込んでるんですが、施策を育成すべき農業経営団体あるいは認定農業者そして新規就農者と、ここに重点的に、集中的に施策を講じていきたいというこの計画なんですが、このことは部長どういうふうに理解をしてますか。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  結果、施策として持ち出す場合に、やはりばらまきではできないということで、国の施策でも認定農業者を中心にしっかりと支援をしていくということになっておりますので、平戸市でもまず認定農業者にしっかり支援をしていく。それに伴って、もうかると今度は後継者が出てきますので、そちらに対してまたしっかりと支援をしていくということで考えておりまして、この農業振興計画のとおりだろうと思っております。 ◆五番(田島輝美君)  この農業振興計画が平成二十二年につくりましてから、大変、国の米政策も変わりましたし、また今TPPという国の交渉段階でありますけども、このTPPにつきましても、今、重要五品目について政府ガード、要するにこれ以上超えたら課税しますっていうそこの部分の聖域を設けるか、もしくはこれで聖域が設けなければ、今言う日本の直接型支払制度を恒久的にやっていかなければ日本の農業っていうのは残れないと、私は思います。皆さん方、まだTPPが決まってませんから、そのことは答弁するあれはないと思うんですが。 そこで、今、部長が言うように、この人材育成とか担い手とかっていうのは、この産業部門だけでなくてあらゆる部門において、これは永遠のテーマなんです。この育成するっていう、あるいは後継者育成って、あるいは人材育成っていうのは、もうこれは全てのもんにおいての恒久的な永遠のテーマでありますから、そのことが一朝一夕に一つのことがあったから後継者が育つっていうもんではなくて、じゃあ、ここで重点的に支援するっていうことで、簡単に説明しやすいように、私は牛の増頭頭数について、ちょっと部長に質問したいと思うんですが。 今、平戸の畜産農家あるいは施設でもそうですけども、高齢化が進む、これは当然のことです。全国どこでも一緒です。生産農家がどんどん減っていく中で、この現状維持をするっていうには、二頭、三頭持ってる高齢者っていうのは、もう限度です。ここ数年でやめていくんです。もうこれは仕方がないことなんです。じゃあ、そこをどこで補うかっていうと、例えば、今、五十頭牛舎を建ててる農家があります。百頭牛舎を持ってる農家もおります。こういう五十頭牛舎に、もし四十頭牛舎を建てて百頭までに伸ばしていける農業者を何人育てられるかと。もし、二、三頭持ってる人が二十人やめても、五十頭ふやせばいい。これで子牛の生産っていうのは維持できるわけです。そこに、市として、例えば、そのように今度四十頭牛舎を計画してますけど、これ三千五百万円ぐらいかかるんです。もし、ここに四十頭ふやすとすれば、今、七十万円以下で二千七百万円ぐらいの投資が要るんです。 こういうときに、重点的にこういう頭数をふやす、あるいは三十頭牛舎の人たちをどうやったら五十頭に仕入れるのかっていう、そこらあたりの営農指導っていうのをまずは把握をすべきだと私は思うんです。本当にその人たちが増頭できるのか。どこの経営体が、誰がそのことを担うことができるのかっていうのを、少し、今年度の事業にもそういう研修やあれということで事業名も上がって、もうかる農業支援隊、今年度の研修をやるということですが、そこらあたりの把握を、どういうふうな段階で把握していこうというふうに部長思います。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  今お話がありましたもうかる農業支援隊については、平成二十四年にできたと思っております。その中で規模拡大をしたい農家とか、あるいは新規就農をしたい農家等について相談を受けてるという形になってると思います。 実際に規模拡大をする場合は、議員が御指摘のとおり、三十頭規模の方もいらっしゃったら五十頭規模の方もいらっしゃいます。それぞれ今まで歩んできた経営に合った形を農協とか検討、勉強しながら提案をしていって、先ほど述べましたように、できたら百頭規模を目指すような農業者っていうものをどう育てていくのかというのが大事なことだろうと思っております。 ◆五番(田島輝美君)  当然無難な答弁ですけど、じゃあ、その人たちが確実にそういるときに、その人たちの資金提供とかあるいは技術的なもの、一番問題は資金提供です。本来なら、これは農協がやるべき営農指導なんです。あるいは、前は、部長もおりました県の普及員という方たち、ずっとこの人たちが営農計画を立てて、そのことで計画を立てて、市に、行政に補助金等の依頼をしてたんですが、今、もう農協の体制ではとてもそういう体制ではない。今、新聞でもありますように、報道されていますように、全中っていいますか、農協の中央会を解体するというふうな抜本的な改革も出されておりまして、農協改革が進むんじゃないかと思いますが。 さしずめ水産にしろ農業にしろ、最終的には行政が責任を持たなければならない部分があって、じゃあ、この人たちにそれだけの融資を農協あるいは金融機関に果たしてできるのかっていう部分があるんですが、そこまで行政が携わるべきというふうに、部長思いますか。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  増頭に当たってはまず経費がかかるということで、僕が県北振興局にいたときに聞いたところ、畜産農家などに聞くと大体一頭増頭するのに、まともにお金をかけると一頭百万円ぐらい要るということなので、単純に五十頭、百頭にすると五千万円からの資金が要るっていうことだろうと思っています。 二通り、お金でいうとありまして、一つは補助事業をどうとってくるか。もう一つは、融資をしっかりとるということなんですけども、これも今回ちょっと調べてみました。 増頭に当たって牛舎を建設する場合の補助事業なんですけれども、国の強い農業づくり交付金という事業があります。これを活用した場合は、国、県、市を合わせると補助率が最大七九%、約八割が補助でいただけるということになっておりますし、要件等で県の肉用牛経営活力アップ事業というものを活用した場合については、県、市で最大六六%までの補助ということで、平戸市については、補助についてはかなり踏み込んだところがあるんだろうと思っております。 それから、資金については、公庫資金等の活用等考えられると思うんですけども、ただ融資要件等についてはどうしても行政が触れられない部分があるので、そこについては今後ともいろいろ検討していきたいと思っております。 それから、増頭についてなんですけれども、これも県のほうで家畜導入事業というものが準備をしてあります。一定以上の成績が見込める繁殖牛を導入する場合については、一頭当たり導入経費の三分の一以内で二十万円を上限に補助を受けることができます。さらにですけれども、市単独の平戸牛里づくり事業では、宮城全共に出品する意欲があり、かつ増頭を目指す繁殖農家に対しては、優良雌牛、繁殖雌牛の導入に当たり、導入経費の二分の一以内で二十万円を上限に補助するものとなっており、県の家畜導入事業との併用は可能としております。 具体的にちょっとお話をさせていただきますが、二つの事業を併用して、例えば六十万円の優良繁殖雌牛を導入する場合は、県の補助金が二十万円、そして市の補助金が二十万円ということで合計四十万円の補助を受けるなど、増頭を行う農業者へは平戸市は手厚く支援をするということで今事業のメニュー等がされてると思っております。 ○議長(吉住威三美君)  産業振興部長、五番議員の質問に的確に答えてください。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  はい。 ◆五番(田島輝美君)  制度的なものをここで議論をせずに、私が聞きにいけばその制度的なことわかるもんで、私が聞いたのは、そこまで踏み込んで行政として支援をできるのかということなんです。 市長にも、これは、もう、次に私のきょうのメーンは「まうめ3」でありますから、そのことについてあれですけど、一つだけ、市長が先ほど答えた、六次産業化を進めるためにこの産業振興部っていうのをつくったんですね、多分。それで、部の中に六次産業部を振興する職員を配置してますけども。 これまで、私は農業の生産っていうのは、系統販売、要するに農協でも漁協でも、農協に出してそれを販売に乗せて市場で売るという、そのところで産地として生き残るためにやはり品質をそろえる、高品質である、それで生産量ということで、大きな生産量がなければ市場の評価はいただけない。ところが、これからはそうじゃない、市長の考えだと、先ほど言うと、やはりそういう大きな系統的な販売は系統的な販売で進めるとしても、それは生活の一番の根源ですからそれは守るべきだとしても、もう一つ、職員が平戸産品が持っていってる、いろんな会場やデパートや持っていって六次産業振興班に四人の職員を配置しながらやっている。例えば六次産業の加工だけでなくして、農産品、魚についても持っていって、実際に販売まで職員に携わさせるというふうに考えていいんですね。 ◎市長(黒田成彦君)  直接公務員が商売をするという形ではなくて、その糸口をつかんでいくという考えであります。 つまり、今、田島議員御指摘のように、従来の系統の共販体制に加えて、直接産地が市場に影響を及ぼすべく小売店舗やあるいはその業界で有名なシェフとかレストラン、専門家に、我々が直接魅力を伝えることによって一定の消費者の評価をもらいながら、それが市場価格に反映していくようなブランド戦略というものを構築していきたいという考え方からこの六次産業化の大きな柱が築けるんではないかなと思っておりまして。 今まではつくったものを金にかえるというものを、今度はマーケット、市場の評価を意識しながらその専門的な立場あるいはもっと影響力を持つ方への高品質の評価をいただくことで、それが市場に跳ね返ってこないかということも模索をしながら、総合的に取り組んでいくという戦略です。 ◆五番(田島輝美君)  今言うのは、部長、農林でも水産でも、今規模拡大をしようっていう人は必ず後継者がいるんです。そういう人がいないと規模拡大もできませんから。私は、そこに重点的に、やはり支援策あるいは営農の指導なりっていうものを、もう少し幅広くじゃなくてこういう人たちをピックアップして重点的に支援すべきじゃないかっていうふうに思っておりますので、そのときのことはしっかりと進めていただきたいし、六次産業の推進についても今の職員をしっかり使って、やはり職員がしっかり業者と一緒に売り歩くというか、そういうふうな六次産業化の入り口のところの支援をしっかりとやっぱりやっていただきたいというふうに思います。 もう一回、その辺、どうですか。 ◎市長(黒田成彦君)  私も、今般の国の農業の改革の骨子を見るときに、ある意味、従来の産業政策に加えて地域政策的な観点も色濃く反映してるんじゃないかと思います。 御指摘のように、例えば産地が形成される。そこで、認定農業者を中心にそういう農業ファクターがふえていったり、あるいは後継者も含めて専門性が高まるときに、それを一家族で、単一経営体でやるのではなくて、複合的に複数者が集まることによって、逆に休日がとれるような産業形成であるとか、補い方によって幅広く展開できるような戦略づくりができると思います。 そういうことに対して、JAバンクも含めた形で一定の融資条件に行政も何らかの支援をしろというならば、それは喜んでさせていただきたいし、それが今般の産業政策、地域政策の絡み合った改革への流れだと思っておりますので、そこはしっかりと受けとめていきたいと思います。 ◆五番(田島輝美君)  ぜひ、産業振興部を、三つを合わせてその部をつくった、それがしっかりと成績に、業績として三年後四年後、実績としてあらわれるような融資の仕方にもついても、よくやっぱり市中銀行あるいはそういうものもあわせて支援をしていかなれば、ただ支援しますよっていう行政の言葉だけで終わるんです。今までずっとそうなんですから。だから、そこをどうもう一歩踏み込んで支援ができるかっていう体制をやはりこの部の中で持たなければ何も進みません。今までどおり言葉だけで終わりますから。今、市長の言うように、そこのところはしっかりやって実績を上げていくっていうふうに思っていいですね。 それでは、本命でありますけども、「まうめ3」の支援策についてということで、皆さん方にお配りをしております、非常にこの系統図っていうのは長くて大きくてわかりにくい点でありますけども、ただ一番上にあるのがこの「まうめ3」、これが元祖でありまして、それからずっと飼われてきたんですけども。 市長、なかなか理解をしにくい牛の世界なんでしょうけども、これだけ平戸に長くこの系統が、これ母方のずっと遺伝子なんですけども、父方っていうのはそれはもう全国から、但馬の兵庫県もおれば鹿児島もおれば島根も鳥取もって、いろんな形で、雄系統の系統は全国各地入ってますけども、母方の、この「まうめ3」の遺伝子っていうのはずっとこういう形で続いてるんです。 牛がこれだけ長く飼われてきたっていうことは、「まうめ3」っていうのがそれだけ農家にとって、例えばいい子牛を生産するとか、いいおっぱいを出すとか、牛が飼いやすいとか、あるいは一番重要な一年一産をして受胎率がいいとかって、何かいいものがあるから続いてきたんだっていう認識は、市長できますか。 ◎市長(黒田成彦君)  文言による説明では一定の理解をしながらも、改めてこの系譜を見たときに、歴史性の高さであるとか、畜産農家の皆さんの熱意のこもった経営に対して改めて敬意を表したいと思いますし、こういった財産がこの地に残ったということは大きな誇りにつながるものと再評価しております。 ◆五番(田島輝美君)  今、財産が残ったっていう市長のその言葉なんです。そこなんです。 実は、この「まうめ3」っていうのは、これは登録協会にある原本です。これは京都の登録協会にある原本なんですが、このときには補助登録といいまして、この「まうめ3」は、昭和二十三年五月一日生まれであります。それで、母は「まうめ2」であります。ここに生まれてるやつは全て「まくま」とか「まつな」とか「まうさ」とか「まきく」っていうこの「ま」がつくんです。これは、当時登録事業が始まったときには、多分自治体でこの登録業を行っていたんだろうということで、この「ま」というのは「北松浦郡」の「ま」なんです。壱岐の系統につきましては、「いまつしま」とか「いとし」とかっていう壱岐の系統は「い」がつくんです。それで、五島につきましては、頭に「こさなまつ」とか「こありあえ」とかいうこういうふうにつくんです。こういう中で、この系統がずっと登録事業が始まったときにずっと続けてきたと。その中でも、この「まうめ3」というのは、唯一、先ほど私が言いますように、この系統の中で川幸という種牛をつくってるんです。この「まうめ3」は、ちなみに大島から導入したというふうな経緯があるんですが、この登録事業が始まる前に導入したというふうに聞いておりますので、出は大島だというふうに理解をしております。だから、大島だからいいわけじゃないんですが、ただ、たまたま、この「まうめ3」のルーツは大島だというふうに聞いております。 そういう中でずっと登録事業が重ねられてきて、唯一、川幸というこの系統図の中から出ている種牛をもう一度系統図の外に載ってますA4のこれがあると思うんですが、ここにずっと五十二頭、今回、この生産者の名前も載ってきてますが、ここに川幸をもう一度受精をして、その子牛を四頭今回にそろえるという。これは、もうこれをしないと全共には出品できないんです。これが長崎県では壱岐でもない、五島でもない、長崎県で唯一平戸に残ってるこの系統しかないっていうわけなんです。 これは、全国でもう十二地区ぐらいしか出てきません。十二地区ぐらいからしか出てこない貴重なものなんです。それだけ、和牛というのがその地で長く飼われてきた実証なんです。 部長、今私が説明しておりますけども、担当部長としてしっかりこの辺は理解できてますかな。 ◎産業振興部長(渋谷隆秀君)  第四区の出品要件の一つに系統雌牛群の始祖牛、いわゆる先祖が昭和五十年以前の生まれであるということとなっているということで、第四区に出品する時点でその地域が四十年以上の歳月をかけて取り組んできた改良の成果を評価されるということになってるということで、非常に重要な系統であるということは理解しております。 ◆五番(田島輝美君)  担当部長にしっかりそういう理解をしていただくと、今後、県の対応なりができるわけでありますから、しっかりこの辺はその生産者の気持ちといいますか、平戸の財産としての認識を担当部長としてしっかりして持っていただきたい。 ここで、二代、三代祖前の川幸というのは、平戸の川原さんが育てた牛なんです。当時、川幸というのは非常に但馬系が強い系統でありましたから、今言う近江牛あるいは松坂牛、神戸ビーフ、静岡、あの辺の名だたる全国の有名なブランドの和牛の素牛として非常に評価が高かったんです。その牛で、今、川幸の子に幸政っていうのが生産されております。これも供用されております。幸政の子からまた政一というのが今生産されております。この政一が今まさに平戸口のあの牛市場の名簿の表紙に載ってるのがこの政一なんです。それが川幸の系統になるわけね。 それで、なぜ、今さら川幸をそれにつけなければならないかという、登録協会といいましょうか、今の和牛の現状を少し私が述べて、少し理解をしていただいて終わりたいと思うんですが。 和牛の改良というのは、もう選抜と淘汰、これによって育種改良が進んできたんです。だから、いいものを残して、いいものを残して、いいものを残してってずっとかけ合わせてきて系統が今近くなってる。それは何かっていうと、全て和牛の目標は産肉能力、要するに肉が多くとれるような体形、そして中にさしといいますか、Aの5、このおいしい肉をとる、このことだけに今まで集中して日本各地で系統のかけ合わせでやってきたんです。それが市場性があって農家がもうかるということでやってきた。 ところが、今、全国の和牛の素牛の上位、種牛の五つの種母牛で全体の五〇%占めてるんです。ということは、もう全ていいもの、産肉能力の高いものだけかけ合わせてきたときに、全国の牛が、北海道から沖縄まで、どこに行っても同じ系統で市場に出てくるんです。 ところが、今、皆さん御存知のように、もう牛の肉っていうのは脂肪が入っておいしくてって、それはもう高級品ですよね。今度、ユネスコの世界遺産にも和食として登録をされた。その中で、和牛っていうのはきちっと定義づけされている。 その中で、これからの和牛の目指すっていうところは、もう和牛の遺伝子は御存じのようにオーストラリアにも行ってるんです。アメリカに行ってる。これからどんどんTPPが開始になると、オーストラリア産和牛っていうのが入ってくるんです。そうなったときに、和牛の価値っていうのはもう日本に古来から飼われてきた和牛としての希少価値、要するに知的財産として生き残るしかないんです。その中で、余りに近い系統だけで肉だけをもたしてきたところに、もう一つ牛の素材っていうのは種牛性っていうのがありまして、お乳をたくさん出す、あるいは子牛が、系統が近くなると、必ず遺伝が近くなれば病気に弱い子牛が産まれる。そうすると、ウイルス性の風邪とかひいてほとんど育たたない。そういう現状が今どんどん強くなる。 その中で、ずっと昔から平戸に伝わってきた「まうめ3」の遺伝子をしっかりとその地域で確保しておかないと、次の改良っていうのがなかなか難しくなる。そういう中で、貴重に、この平戸の「まうめ3」っていうのは、もう全国的にも希少価値があるというふうに、先ほど部長も理解していただきましたし、あるんです。 そういう中で、そのことをもう一回生産者につけていただきたいっていうのは、もう三代祖前の牛をつけると、市場性が安いんです。もう、多分、今この川幸をつけて、半分雄が産まれます。半分でも雄が産まれれば、市場に出さなきゃいけない。つけて、あとの四頭しか残りませんが、あとの雌については保留するか売るかすると、市場性で恐らく出したら、今、七、八万円から十万円は安いんです。なかなか、このことが生産者に理解をしていただけない。このことが行政としても、しっかり平戸市で守っていこうということになれば、やはりそこに支援をしていただければ、農家の支援もいただけるということがあるんですが。 そこで、市長に最後に二つだけ確認をして終わりたいんですが、このことは、平戸の財産でありながら、いわば長崎県和牛のルーツであるし、貴重な長崎和牛としての確固たる遺伝子なんです。このことは、平戸じゃなくして長崎県が県の長崎和牛としての財産として持つべきじゃないかと思うんですが、そのことを県にしっかりと平戸市長が、そのことを、私どもに今度三十九頭子牛をつけなきゃいけないんですが、そのことを県で守るべきでないかというふうに、県の畜産課なりあるいは全共の対策協議会に言うべきだと私は思うんですが、そのことをぜひ市長に進言していただきたい。その担保をとりたいんですが。 ◎市長(黒田成彦君)  私は、県議時代から畜産政策についてたびたび田島議員からいろいろ御指導をいただいてまいりましたが、改めて、この歴史と、今希少価値として残された財産の価値を認識できました。 今、まさにおっしゃるように、平戸のみならず長崎県の財産としてこれを位置づけるべく、県に働きかけをしたいと思います。 ◆五番(田島輝美君)  十一回の全共の長崎県の協議会が七月十七日でしたか、あるんです。それで、もう県は、これ全共対策として七千八百万円ぐらいの予算をその全共の対策協議会に配付してますから、そこで、ぜひその前に、私ども行かなければならないでしょうけども、市長もぜひとも平戸市の首長として、このことはぜひとも県で対応していただきたいということを進言していただきたい。 もう一つ、先ほど部長は支援すると言いましたけれども、県が、このことについては、いや、もうそれは地元平戸でやってくれなきゃ困るというふうな答えが出て、県が支援しないということになれば、最終的には平戸市の行政責任として、この生産性の支援の担保がしっかりととれるものか、もう一度そのことを確認したい。 ◎市長(黒田成彦君)  少なくも、生産者の意欲をしっかりと支えていくことが我々の役目であると考えますときに、そんなことはないと思いますが、県が消極的であれば、我々がその責任を負うべき覚悟は持っております。 ◆五番(田島輝美君)  ありがとうございました。私が意図するところのお答えをしっかりもらいましたんで、残り十一分でありますが、今回の一般質問については以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(吉住威三美君)  以上で、田島輝美議員の一般質問を終了します。 これをもって、本日の一般質問は終了しました。 あすの本会議は午前十時より開き、引き続き一般質問を行います。 本日はこれにて散会いたします。                 午後四時二十七分 散会...