建設省雲仙復興工事事務所を初め、関係機関の御努力もあり、5月末の詳細設計の発表後、地域住民の協力関係も進んでまいりました。しかしながら、中・下流部分の問題も浮上して、当初の8月、
買収価格提示がおくれ、地域の宅地、
家屋所有者の不安といら立ちが募っています。せっかく早期に契約をと願っていたのに、おくれた結果、台風等による土石流発生で万一被害が出たら、一体だれが責任を取ってくれるのか。さらにはまた、新たな生活設計も立てられないなどの強い声も少なくありません。この件で市長としてどのように受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいのであります。
次に、四小等の移転問題であります。
育友会を初めとした地元の慎重かつ精力的な検討と市当局及び
教育委員会、さらには議会等の御努力で、やっと四小及び
杉谷公民館の候補地が決定を見ましたことに対し敬意を表しますとともに、代々受け継がれた大事な農地を御提供いただくことになる地権者の皆さん方の御理解と御協力を伏してお願い申し上げる次第であります。この上は一日も早い四小及び
杉谷公民館の移転が望まれるわけですが、市長及び教育長は今後どのように対処していくおつもりなのか、建設省との折衝も含めてお聞かせいただきたいのであります。
さらに、市長としては両者の有効活用をお考えのようですが、その際、地元や関係者の声を十分反映させていただきたいと願うものですけれども、いかがお考えでしょうか。
また、御承知のように、釘原墓地の大部分も移転対象になろうと思いますが、この際、現在地に隣接する形での移転を願う声が多くあります。四小、
杉谷公民館の移転とあわせて進めるお考えはないのか、移転の内訳、段取り、補償等を含めて説明を求めるものであります。
次に、南北両千本木、上折橋可及び中流域の住民移転問題であります。
この件では、既に被災3町内会と
杉谷地区災害復興対策委員会の連名で
市長あて要望書が提出をされ、よく御承知のことと思いますが、住みなれた杉谷に残りたい、子供の通学も引き続き四小になどの願いもあって、移転先を三会の埋め立て1カ所に限定せずに、もっと多面的に検討してほしい、こういう声が大部分であります。既に地区内での移転先の具体的な用地選定に入っている町内会もあるのであります。被災者の方々の心情を市長としてどのように受けとめ、対処されていくのかお聞かせいただきたいのであります。
質問の第2は、市長の政治姿勢についてであります。
まず、
被爆者援護法についてであります。
この問題では、野党時代にはその公約を掲げていた社会党が首班となった政権の誕生により、実現への期待が国民の中に生まれていたものであります。それだけに、国家補償の立場での援護法はつくらないとする村山内閣の重大な背信行為に対して、被爆者と国民の激しい怒りが広がっています。
そもそも原爆投下は
国際法違反であり、日本がアメリカに賠償を要求する権利があったにもかかわらず、
サンフランシスコ条約で日本政府が権利を放棄したものであり、日本政府がみずからの責任で被爆者に補償を行うのは当然であります。ところが、政府はこれを拒否するために
一般被災者との均衡論を持ち出し、被爆者を特別扱いできないと主張しています。しかし、核兵器は特別の残虐性を持った兵器であります。それは放射線、熱線、爆風などの影響により、今なお深刻な被害を
被爆者本人はもとより子々孫々にまで及ぼしています。このような性格を持つものだからこそ、議員立法による援護法案が参議院で89年と92年の2回にわたって可決されるまでになり、全国2,455自治体での制定促進の決議に代表されるように、日本国民全体の要求となっています。政府は現行の原爆2法の改正で済ませようとしていますが、この法律は国家補償の精神ですべての被爆者を援護するものでないため、生活援護的な手当が支給されているのは、被爆者34万人の1%にも満たない状況であります。国家補償を認めないまま幾らこの法律を改正しても、それだけでは被爆者の願いにこたえるものとはならないのであります。国家補償の立場を明確にした
被爆者援護法の制定こそ、今緊急に求められているのであります。長崎県議会も去る7月15日の本会議で核兵器使用は違法の意見書を全会一致で決議したのは、御承知のとおりであります。
この問題に対する市長の積極的な見解の表明と国への働きかけを強く求めるものであります。あわせて本市における被爆者の状況についても御説明を求めるものであります。
次に、
入院給食費の助成についてであります。
入院給食は保険で全額負担して当たり前というのが、1922年に我が国で健康保険が始まって以来の大原則でありました。ところが、
村山内閣成立のどさくさに紛れて、
健康保険法の改悪が衆議院では7時間、参議院では5時間という、驚くべきわずかの審議でもって日本共産党の反対だけで強行され、この10月から患者が1日800円、当面2年間は600円負担することとなり、全国各地で
無料化制度を守れの声が広がっています。8月10日の東京都を初め、全国の県レベルでの助成決定が広がり、市レベルでも検討が進められています。厚生省は8月30日付で各県に圧力をかけていますが、乳幼児、老人など、対象の自治体での前向き検討が広がっている状況であります。市長はこの点をどのように受けとめておられるのか、県に強く要請するとともにみずからの積極的な対応を求めるものでありますが、お考えをお聞かせいただきたいのであります。
質問の第3は、文化財の保護についてであります。
本年度の
市教育努力目標の一つに、「歴史と伝統を踏まえ、豊かさをはぐくむ文化の創造」がうたわれ、
重点努力事項の一つとして
文化財愛護活動の促進、また、推進事項の中には郷土文化の継承活動の促進、指定文化財の管理と啓発、文化財の調査発掘と保護体制の強化などが明確に位置づけられているのであります。こういった点を踏まえ、まず、松平文庫についてお尋ねをいたします。
全国的、歴史的にも貴重な多数の蔵書が年次計画により
マイクロフィルム化とともに
複写製本化、そして、非常に難しい修復作業が行われておりますけれども、一体完了までにどの程度の年月がかかる見込みなのか、もっと早いペースでの作業とならないのか。また、この貴重な蔵書をより広く紹介し、活用してもらうという点でどのようにお考えなのか。
次に、
本光寺古文書について数年間にわたる調査がなされ、去る9月1日に
記念講演会が開かれ、私も興味深くお聞きをしたところであります。その折、講師も教育長に数回にわたって御指摘がなされましたが、予算面でもっと積極的に対応して、より完全を期してほしいという、こういう声に対して一体どのようにお考えなのか。
次にまた、
本市無形文化財の先踊についてであります。
先日の島原新聞に、大変御苦労の中で存続に努力しておられる赤星氏が率直に訴えておられましたし、私の方にも文化面に造詣の深い長老の方からの真撃な御意見も寄せられているところであります。先人が守り続けた貴重な伝統芸能を後世に伝えるためには、やはり行政、
教育委員会の役割が不可欠であろうと思います。教育長の所信を承りたいのであります。
次に、幾度か訴えております天如塔についてであります。
全国的にも貴重なからゆきさんのかかわる建造物の保護について、その後どのように検討されてきたのかお聞かせいただきたいのであります。
聞くところによりますと、
市勢振興計画にかかわる論議の過程で、歴史的に暗い、負の部分だから扱うのは好ましくないという意見が出されたとのことですけれども、筋違いも甚だしい、見識のない意見だと思います。御承知のように、口之津の資料館はからゆきさんコーナーをより充実させる努力をされています。当時の厳しい社会状況の中で筆舌に尽くしがたい、辛酸をなめながらふるさとを思い続け、寄進を続けた先人を葬り去ってはまことに申しわけないと思うのであります。歴史的事実を正しく伝えるためにも、適切な対応を重ねて強く求めるものであります。
以上で通告に基づく質問を終わりますが、答弁の次第によりましては、引き続き自席より再質問をいたします。
3 市長(吉岡庭二郎君)(登壇)
上田議員さんの御質問に対してお答えいたします。
特別立法問題についてでありますが、この問題につきましては、災害発生の当初からそれぞれの立場が解釈で使われてきたところで、言葉だけがひとり歩きをして、一時は自然災害に対する損失補償的に使用されたこともあります。そのため、特別立法という言葉の使用に関しては、平成4年当時の団体の請願行動の際にも不適切との理由で使用されず、新規立法を示唆するにとどまった経緯があり、このことは平成6年の合同請願時にも協議の上同様の扱いとなったところであります。
区域設定に伴う損失補償についての国の見解は、
区域設定そのものが人の生命や身体に対する危険を防止するものであり、究極的には住民等の利益になる権利制限であるとの考えで、損失補償はなじまないものとされております。しかしながら、今次災害が異例の長期にわたることに配慮され、21分野100項目の
特別措置等によって救済を図ることが決定されたものであります。特に
災害対策基金の活用は、通常の行政制度では行えないきめ細かい対策を迅速かつ弾力的に行いやすい方法であり、これからの生業の確保等、自立復興に向けての対策が取りやすい方法であると考えております。今後に向けましては、これほどの長期化を想定していない現行法体系について何らかの補完措置が整備されるなど、災害対策のシステムが見直されていくことを期待するところでございます。
普賢岳噴火災害に伴い、本市から県へ派遣している職員の経費についてでありますが、災害対策につきましては、大規模な災害であり、国、県、市がそれぞれの立場でお互いに連携をとりながら積極的に推進しているところであります。県とされては、県下各地の土木、農林部の技術職員を中心に
島原振興局に集中配置を行い、加えて南高各町からも職員の応援を受けるとともに、一時は近隣他県職員の応援まで受けて対応されております。そのような中で、島原市、深江町は直接被害を受けており、当然努力する立場にあり、県と一緒になっていろいろな事業を推進するため、市からも職員を応援させてほしいという県からの申し入れがありました。
そのようなことから市といたしましては、直接被災地としての受益性、県と一体となり、市が行う災害対策をみずから行うという姿勢、県が行う対策の中で
地元地権者等との連絡調整の役割、事業推進上、県と市との一体性、信頼関係の確立と維持という観点から
地方自治法上の派遣とはせず、協定により行っているところであります。
災害避難道路としては、既に大下1号線、新湊大下線、大下仁田線、
安中稲荷山水無川線の4路線について、安中地区で整備に着手し、平成7年度完成を予定しております。また、杉谷地区には
都市計画街路、長池三会線の整備促進を図るとともに、市内中心部と広域農道を結ぶ道路についても、現在、県とも協議を行っているところであります。また、抜本的な対策として
地域高規格道路整備について国にも強力に働きかけております。
避難誘導標識及び案内板の設置についてでありますが、今年6月、眉山崩壊も含め、想定される災害に対する避難計画を
防災ガイドブックにまとめ、
防災マップとともに全世帯に配布いたしたところでございまして、この中には、各災害に対する
避難対策図を掲載しておりますので、基本的にはこれを御活用いただきたいと存じます。避難誘導につきましては、警察、自衛隊、消防などの関係機関によりスムーズな避難ができるように対処してまいります。
自主防災会の指導、育成についてでありますが、平成4年度において186の全町内会で
自主防災会が結成をされております。本市の
自主防災会は結成が浅いこともあり、全般的に見ますと、その活動はまだ十分とは言えませんが、その中でも独自に避難訓練や消火訓練、あるいは研修会等の活動が行われております。
8月31日には市内全域を対象として
自主防災会役員研修会を開催いたしました。参加者は約350名で、
九州大学島原地震火山観測所長太田一也教授から噴火災害の現状について、また、
防災都市計画研究所代表の
木村拓郎先生からは、
自主防災会活動並びに運営方法について、それぞれ御講演をいただいたところでございまして、大変有意義な研修であったと存じます。
また、9月4日には眉山六渓下流域であります青葉町萩が丘一丁目、萩が丘二丁目の各
目主防災会を対象に警察、消防署、消防団の協力を得、土石流に対する避難訓練を実施し、多大の成果を得たところであります。
防災はそれぞれの生命、身体、財産にかかわる最も基本的な問題であります。私たちの地域は自分たちで──自分たちの地域は自分たちで守るという連帯意識を高めるため、日ごろから地域での交流が必要であり、
自主防災会を核として家庭内での防災の心得、予防など、初歩的な啓発活動から始まり、組織的な訓練を積み重ねていくことが望ましいとされております。
中尾川流域の工事に関する用地買収についてでございますが、この事業につきましては、国の直轄事業として建設省で計画していただき、5月29日に
杉谷公民館におきまして中尾川
導流工詳細計画の説明会が開催されたところであります。その中で、
測量調査等の所要手続が整い次第、用地単価の提示をして、早い時期に用地交渉に入りたいとのことでございましたが、
農地所有者で組織する農地所有の会からの計画の一部変更について要望がなされ、なお調整を要したことから、当初の予定よりおくれることになりました。現在は順調に作業が進み、事業推進のために努力いただいているところであります。
建物等、補償物件のある宅地から先に買収ができないかとのことでありますが、全体的な境界測量を済ませ、個々の土地については全体のバランスの中で単価の調整をするということで、宅地から先に買収することができる状況ではないとのことであります。今後建設省に対し、条件が整い次第できるだけ早く買収が終わっていただくようお願いしてまいります。
第四小学校及び
杉谷公民館の移転につきましては、
移転候補地として宇土町、釘原墓地の西側の地域を決定したところであります。今後、地権者の皆様に御理解をお願いするつもりでございます。今後のスケジュールとしましては、
測量等実施調査、区域の決定、買収交渉、買収、造成工事、校舎、公民館の建築といった手順になります。具体的には、現在、建設省とも協議を重ねておりますが、早い時期に
測量等実施調査に着手したいと考えております。校舎、公民館の建設計画につきましては、今後、関係者の方々の意見も参考にしながら進めてまいりたいと思います。
杉谷地区の釘原墓地についてでございますが、今後の中尾川の改修工事に伴い、墓地の移転が必要となります。現在、市といたしましては、釘原墓地の使用者の
確認作業等を進めているところでございますが、今後、
墓地使用者の名簿作成が終わりましたら、使用者との
話し合い等を予定したいと思っておりますので、その結果を踏まえ対応を考えたいと存じます。
杉谷地区被災者の皆様の移転先についてでございますが、南千本木町、北千本木町及び上折橋町におきましては、平成5年6月23日未明からの大規模の火砕流によりまして、お一人のとうとい人命と多くの貴重な財産も奪われ、また、相次ぐ土石流により家屋や田畑を失われるなど、甚大な被害を受けられたところであります。こうした災害の中で被災者の皆様方には長期にわたり避難生活を続けており、その御苦労のほどははかり知れないものがあり、胸の痛む思いでございます。
災害直後、私は被災者の皆様の願いの一つであります住宅再建にも早速取り組み、被災者の皆様の御意向に沿うように南・
北千本木地区の皆様がまとまって移転ができるところはないものか十分検討をいたしました。その結果、
集団移転住宅用地を内陸部で確保する場合、広大な土地が必要となります。特に、中尾川水系におきましては、昨年の災害を含め、
事業区域設定により200ヘクタールを超える土地が利用できなくなり、このうち約60ヘクタールの農地が流失しており、これ以上広大な農地等をつぶすことは農業振興に大きな影響を及ぼすものと考えるところであります。こうした状況を踏まえ、内陸部で広大な土地を求めることは困難であると判断し、昨年12月に
三会海岸埋立構想を申し上げたところであります。
なお、杉谷地区の被災者の皆様には去る7月15日と7月19日の2回に分けて、
杉谷公民館において三
会海岸埋め立てについての御説明をいたしたところでございます。
被爆者援護法につきましては、現在、
被爆者関係団体等によりその制定が強く求められているところでございます。現在、市内の
被爆者健康手帳の所持者は555名であります。そのうち
健康管理手当の受給者が466名、
保険手当受給者が19名、
家庭介護手当受給者3名を含めまして485名の方々が何らかの手当を受給されておられます。原爆が投下され49年を経過した今日、年々高齢化していかれる被爆者の方々にとって、
被爆者援護法の早期制定は切実な願いでもあります。市議会におきましても、平成4年3月議会において
被爆者援護法制定の促進に関する請願が採択されておりますし、この援護法の早期制定を望むものであります。
入院給食費助成についてでありますが、本市においては
心身障害者、乳幼児、母子家庭における母と子及び寡婦等に対し医療費の一部を支給するため、島原市
福祉医療費の支給に関する条例を制定し負担軽減を行い、福祉の増進に努めているところであります。今回、
健康保険法の改正によりまして、1日600円の
入院給食費の自己負担がかかるようになり、患者の負担増になります。一部の県におきましては、乳幼児等に助成するところもあるとお聞きしていますが、
福祉医療支給対象者に対し、給食費を本市独自で助成することは考えていないところであります。
なお、県に対しましては機会をとらえ助成を働きかけてまいりたいと思います。
4 教育長(北田 久君)
第四小学校、
杉谷公民館の移転についてでございますが、(発言する者あり)現在、建設省と移転について協議を重ねておりますが、測量と実施調査ができるように努めたいと思います。校舎、公民館の建設計画につきましては、今後、関係者の方々の意見も参考にしながら進めてまいりたいと思います。
次に、松平文庫の修復は、現在、2人体制で作業を行っております。年間約700冊程度でございます。今後、修復が必要な量は3,400冊ぐらいでありまして、特に傷みがひどいものが多く含まれておりますので、今までの実績のようにはできないと思われます。こうした古文書をより市民の皆様に親しみを持っていただくように、解説書の作成等についても考えてみたいと思います。
本光寺古文書については、調査を完了し、平成5年度で報告書を発行して、国立大学や関係方面に配布したところであります。市民の方々の活用につきましては、必要に応じて写真や目録での利用ができるようになっております。
先踊につきましては、本年11月に長崎県民俗芸能大会が島原で開催され、出場が決定しており、後継者の育成について代表者と話を進めている段階であります。
天如塔の文化財指定については、その後参考資料等も取り寄せて、去る5月の文化財保護審議会に諮りましたところ、史実を明らかにされた場合に問題点も出てくるだろうと、それも含めて現時点では見送るという結論でございます。
5 18番(上田 泉君)
それぞれの立場で丁寧な答弁をいただいたわけですが、時間の範囲内で再度お尋ねをいたします。
最初に市長です。災害対策についての中での被災者救済にかかわる個人補償の問題です。
先ほどの市長の答弁では、国はこういうふうな考えだという、かなり国の立場での解説をなさったようにお聞きをするわけですけれども、市長自身は警戒区域の設定に伴う、いわゆる損失補償についてはどのようにお考えなのか。申し上げましたように、市議会としてもこれまで公式に国の関係部門に対してこの損失補償を強く求めているのは御承知のとおりですけれども、市長自身がこの点でどのようにお考えになっているのか、その辺をはっきりさせていただきたいと思うんです。
時間が余りありませんから申し上げますけれども、あなた自身の態度というのが、国会でもいろいろ論議になっているわけなんです。例えば、これは6月20日の衆議院の災害対策特別委員会の会議録ですけれども、この中でもあなたの態度に対して防災局長、国土庁の防災局長が答弁の形でいろいろと申し上げているところがあります。参議院においても同様にあなた自身の見解というのが論議になっておるところであります。現地としては、大変な災害の中でもいろんな手だてによって住民の皆さんが前向きにいろいろと再建していこうと、そういう雰囲気が非常に出てきておると市長さんからも伺っております。さらにはまた、警戒区域の設定による補償という問題についても、全然そういう議論がなくなったとは思っておりませんけれども、3年前に比べると、大分状況の変化があるというふうに聞いておるところでございます。あなた自身の政府に対する、言うならば態度をこのように政府答弁という形で利用しているところでございまして、あなた自身が被災者を初めとして多くの人々、つい先日も積極的な活動をされている松平黎明会の方々が、この問題でも強く改めて要求をなさっておられますけれども、被災者に対する救済という問題、特に具体的には、今、警戒区域の設定による大変な状況というのをどう救済をしていくのかという点が一つの大きな焦点になっていると思うわけですが、紹介したように、あなた自身の報告によると、そういう声というのはもう随分少ないんだ、こういうことを国会で答弁をしているわけなんですね。あなた自身も改めてこの場での個人補償の問題でどのようにお考えなのか、率直にお聞きをしておきたいと思うんです。
それから、県との関係での職員派遣問題です。
信頼関係の確立と維持のために県からの申し出を受けて、それも理由の一つとして職員を派遣し、人件費は市が見ると、そういうことをやっておるんだということを先ほどおっしゃいました。では、なぜ
地方自治法の明確な法的な定めがあって、災害復旧でも全国ではかなりの部分がこの明確な方法を適用しておるのか、一体法の定めというのは何なのかということになろうと思うんです。確かに、首長同士の協定でも違法ではないかもしれませんけれども、国の定めとして明確な形で、職員の派遣の場合については受け入れた側が人件費は負担をしなさい、こういう明確な
地方自治法の定めがあって、多くの自治体でそれを適用しているのに、なぜ大変な苦労をしている本市において、依然として職員を5名も6名も出し、さらに人件費まで出すということを続けなければならんのかですね。もし法を適用すると、県との信頼関係が損なわれるということになるのかですね、なぜ法の適用がなされないのか明解にしていただきたいと思うんです。
同時に、冒頭に申し上げましたように、国の補助事業としてやるわけですから、中尾川にしろ、水無川にしろ、大手川にしろ、当然事務費が事業費に応じて算定をされておるわけですね、5%とか8%とか。人件費が当然含まれているじゃありませんか。国からの補助事業で人件費を算人していただいておりながら、人をいただいた地方自治体、市や町からまでまた改めて人件費を徴収する、こういうことに対して、何で県に対してきちんと市の立場で物が言えないのかですね、そういうことを言うと信頼関係を損なうということになぜなるのかですね、明解にしていただきたいと思います。
それから、これ簡単なことですが、万一の場合の安全対策で、せめてだれが見てもわかるような形で屋外の案内板の設置や標識は必要ではないかと申し上げました。あなたは全戸に配布したガイドマップで活用したいということですけれども、マップはマップで必要ですけれども、どういう形での災害が発生をしてくるのか、土石流はそれなりに一定予測できるでしょう。火砕流の発生、場合によっては地震の発生、いろんな災害が想定をされる。あるいはまた、あなた方が既に計画をしている大変な火事の発生ということもあり得る。その場合に、屋外におる人たちが子供を含めて、あるいはおいでいただいている観光客を含めて、いざという場合はどう行動したらいいのかということをわかりやすく示すということは、これは自治体の責任ではないですか。
例えば、これも国会の論議を活用しますけれども、先ほどの災害対策の、参議院ですけれども、6月21日の、これ政府答弁ですけれども、観光客の案内看板等に対して、それに避難対策や避難経路、避難場所等もあわせて標示をするような形で徹底をしていきたいというような論議が国会の方ではなされているわけなんですね。現場を預かる市民や観光客の生命と安全に責任を負う市長として、もっとやはりきめ細かな対策というのが当然ではないでしょうか。そう大した経費もかかるわけじゃないわけですから。
私も議会としてもあちこち視察をさせていただきます。昨年でしたか、一昨年でしたか、十勝方面を視察をさせていただきました。やはりだれが見てもわかるような形で屋外に、万一の場合はこうしなさい、そういうような大きな案内図というのが、観光地ですけれども、当然そういうのが設置をされているわけなんです。そういう例というのは至るところにあるわけなんで、もっときめ細かな安全対策というのが、それもそう金がかかるわけではないわけですから、やろうと思えばできるわけですから、この点は強くあなた自身の態度を求めたいと思うわけですけれども、一言見解を承っておきたいと思います。
それから、いろいろ申し上げたいんですが、時間の関係で委員会等で論議できる点はそちらに回しておきたいと思います。
援護法の問題については、先ほど明解に高齢者にとって切実な問題だ、議会の請願採択の経緯もありますし、援護法の早期制定を望むということを明解におっしゃいました。
また、
入院給食費の助成についても県に働きかけをしていく、あなた自身の御努力を期待しておきたいと思います。
教育長に一言。いろいろと御努力をいただいているのはわかります。最後の天如塔の問題ですね。これは史実を明らかにされた場合に問題点が出てくるというような審議の経過だということですけれども、あなた方自身が直接主催にかかわってこられた文化講座でも、講師の先生が、倉橋教授がですね、明解にきちんとした位置づけをすぺきだと、個人任せや一部の人たち任せでは、これはよろしくない、率直に申し上げられたのはお聞きのとおりであります。確かにいろんな歴史的な建造物や歴史的な事実ということに対して、先ほど申し上げましたように、暗い、負の部分、マイナス部分も当然存在しています。そういう点も含めてですね、後世にやはりきちんと位置づけをしていく、そういう大変な苦労の中でも、ふるさとを思いながら寄進を続けられたあの方々や関係者の方々の大変な御苦労、そして、それを管理されておられる方も市の方で何とか保護してほしいということをおっしゃっている状況があるわけだし、そういった専門家の方々も、早期に市が、
教育委員会が積極的に対応されることを強く望んでおられるわけですから、もっとやはりこの点についてはですね、真剣な検討を望んでおきたいと思うんです。あなた方の立場というのは、文化財の位置づけというのは、単に一部分だけをですね、検証すれば、保護すればいいという問題ではありません。わざわざ紹介したように、本年度の
教育委員会の方針の中にも明確にそういう姿勢はありながら、現実の問題とするとなぜためらってこられるのかですね。いろんな心配なさるお気持ちがわからないわけではありませんけれども、しかし、公的に扱うという場合についてはですね、改めてあなた方自身が広く市民に参加を呼びかけた、あの市民文化講座での倉橋教授等の意見も再度きちんと受けとめられて御検討いただくことを強く望んでおきたいと思います。
時間が限られていますので、以上、幾つか市長に対してお尋ねをいたしますが、簡明なる答弁を望みたいと思います。
6 市長(吉岡庭二郎君)
まず、第1点の警戒区域設定に伴う補償の問題でございますけれども、これにつきましては、前から私がお答えしておりますように、現在、島原市の災害においては
災害対策基金を中心に対応しているところでございます。法律の制定という半面もございますけれども、これと
災害対策基金との関係はどうなるのかということでございますけども、まず第1点の
災害対策基金というのは、非常に個人補償的な部分まで立ち入った対応がしやすいと、しかも、地方自治体の判断でしやすい。例えば、今度制度化いたしました住宅の建ち枯れでございます。あるいは住宅の補修費のことでございます。これは到底当時考えておったような問題じゃなかったわけでございますけれども、もし、それを法律で枠をはめてしまっておったとすれば、多量に生じたこのような建ち枯れとか、あるいは今度自分のうちに帰られたときの家の補修とかは、到底そこまで想定できたかということになってきますと、私はこれは基金があったからここまでできたんじゃないかと思っております。今後、またいろいろそのように、今度は個々の問題になってこようかと思いますけれども、それぞれ今まで警戒区域を設定された人たちの問題を整理いたしまして、そしてまた、これは基金で対応という形になろうかと思うわけでございます。もちろん、この基金は全国でも初めてのことでございまして、これはもう十分国も、あるいは国土庁も承知しておりますから、ここら辺を整理して新たな法律という形になってくると、これがまさしく私は法律になってくるんじゃないかと思っております。そういう形を含めて防災のシステムづくりを強く期待するものでございますけど、当面はやはり
災害対策基金を最大限に利用しながら問題点を整理していきたいと思っているところでございます。
それから、派遣職員の人件費の問題でございますけれども、これは私は常々申し上げておりますように、この災害の今派遣している仕事については、本来ならば、1市でやるということも可能な事業もあります。例えば農地圃場整備等は、これはむしろ市でやるべきことじゃないかなと思っておりますけれども、しかし、これだけ災害が拡大いたしますと、やはりこれは県にやってもらわなきゃいけないということで、むしろ県営でやってもらいたいということをお願いして、実はこれはした事業でございますが、そうすれば、やはり県としても人を派遣してほしいということで、このような協定のもとに派遣しているところでございます。確かに、補助事業で事務費はついてきますけれども、もし、これを市でじゃあ事業主体でやった場合にどうなるかといいますと、市でやった場合は、県の負担というのが義務づけじゃありませんから、もし県が全然上積みをしないということになってくると、国の補助金だけでやらなければいけないと。そういうことになってくると、県の経費は全然出せない場合もあるわけでございますから、そういう意味で県でやってもらったがより国から──失礼しました、より市の負担は少なくなるんじゃないかと思っているところでございます。
屋外の──失礼しました、被害の誘導路、についての標示でございますけれども、幸い
防災ガイドブックを、マップを各所帯に配布いたしましたし、また、防災無線も全家庭に配布しております。当面これを最大限に利用しながら避難誘導をしていきたいと思っているとこでございます。
7 18番(上田 泉君)
あなた自身がなぜね、いろいろ後ろ向き、後ろ向きになられるのかですね、非常に私は不可解なわけなんです。先ほども率直に申し上げましたが、市議会の立場で政府に対して、国会に対して要望した事項、明解にですね、警戒区域設定に伴っての損失補償を制度として確立していただきたい、この点に対してあなた自身が賛成なのか、反対なのかですね、明解にしてください、どうなんですか。
8 市長(吉岡庭二郎君)
私も言っておりますように、これの災害でそのような新しい法律をつくっていただくことは大変いいことだと思って、それについては賛成でございます。しかし、今災害にそれをすぐ間に合わせるような法律がどうかということについて見ますと、やはりそれは災害基金が早く対応できるんじゃないかというのを申し上げたとこでございます。
9 18番(上田 泉君)
前回、あるいはこれまでもですね、同じようなことをおっしゃっているわけなんですね。基金の方で迅速に、柔軟に対応していきたいと。それはそれで非常に積極的だと思うんです。確かにこれまでに例のない形で、知事、あなた方や先代の市長の御努力もあったろうと思うんです。これはこれできちんと評価をするわけですけれども、同時にですね、なぜ国に対してこの警戒区域設定に伴う損失補償の制度化、先ほどあなたはこれは賛成だとおっしゃいました。これを率直にですね、今の時点で要求するのをためらうのかですね、基金の上積み、基金の上積みでやっていきたいと、制度改正は時間が伴うから、新規立法は時間が非常にかかるからということをずうっとおっしゃっているわけですけれども、じゃあそうなるとですね、こういった制度改正や新規立法というのはいつまでたってもできないと思うんですね。これだけ大変な前例のない災害を受け、全国の多くの皆さん方の御心配と御援助をいただいておる本市でこそですね、本市でこそ国に対して今あなた自身を先頭に声を上げること自身がですね、大きな役割を果たすと思うんです。だから、これまでの対応については評価しますけれども、同時に基本のところで国のですね、災害対策に対する姿勢をきちんと確立させていく、その役割があなたの役割でもあるし、現実に島原、深江を救済すると同時にですね、全国各地のいつ起こるかわからない火山国、地震国日本で、万一の場合にそれを救済できるような法制度の確立というのが、あわせてあなた自身、島原市民の責務でもあろうと思うわけなんです。当面の対策に一生懸命取り組むと同時に、基本的な問題もあわせて国に声を大いに上げていくということについて、再度あなた自身のお気持ちを承っておきたいと思います。
それから、県との関係ですね。なぜ
地方自治法を適用したらいけないのかですね、県の事業として認定をされて、国の補助も受けながらやるわけですから、いろんな経過はあったにしても、そして、国の補助の中に当然人件費等の事務費も算入されてくるわけですから、合わせて市が人も出し、金も出すということをなぜ続けなきゃならんのかですね、相当の期間、災害復旧は年数を要するわけです。脆弱な本市財政上ですね、こういう状況をなぜ県に率直に言えないのか、知事に対して何であなた自身がそういう声を言うのをためらうのかですね、あなた自身、
地方自治法にのっとってなぜ対処しないのかと言ったことがありますか。
その2点を再度承っておきたいと思います。
10 市長(吉岡庭二郎君)
法制度の確立については、やはり長期的に見ては、それは望ましいと思っておりますので、今後、いろいろ議会での要望も出ておりますことですし、また内容を検討しながら対応していきたいと思います。
なお、先ほど申しましたように、これは今度の派遣については自治法上の派遣にはなじまないと私は思っております。だから、この協定で進めたいと思います。
11 議長(中村光利君)
残り1分30秒です。
12 18番(上田 泉君)
新規立法を、制度改正をですね、受け入れるかどうかというのは、これ国会の方で決めるわけでしょう。(「そうです」と呼ぶ者あり)あなた自身がなぜためらうのかですね。大いに被災地から声をどんどんどんどん上げていくと、それを受け入れるかどうかというのは、これは国会ですから。ところが、手前の段階で声を上げることすら遠慮するということ自体がですね、被災者を初めとして市民の理解を得られないし、島原を本当に心配しながら一生懸命見守っていただいている全国の皆様、非常にこの点が不可解なんです。何で被災地の市長がもっと声を上げないのかと。国会答弁にわざわざあなたの消極姿勢が引用されるようなですね、そういう姿勢は直ちに改めていただきたいと思います。
それから、
地方自治法の明確な定めがあって、全国各地の被災地はこれをかなりの部分適用して、受け入れた側がきちっと負担していくということをとっているわけですから、十分御調査をいただいて、県に対しても言うべきことは言う、そういう態度を強く求めておきたいと思います。
さらに、住居や観光客の安全対策、なぜこれもためらうのかですね。国に対し、県に対してきちんと物を言うのとあわせて、きめ細かな安全対策についても、あなた自身のもっと積極的な対応を強く望んで質問を終わります。
13 議長(中村光利君)
しばらく休憩いたします。
午前11時 休憩
午前11時12分再開
14 議長(中村光利君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
15 2番(松井大助君)(登壇)
ただいまより通告の順序に従いまして、市長並びに教育長にお伺いを申し上げたいと思います。
まず第1番目は、官民合同請願についてでございます。
さて、季節はめぐり、また、朝夕の風には秋を感じる、そういう季節となってまいりましたけども、お山雲仙の活動は一向に衰えを知りません。災害が始まってより今日まで多くの方たちが防災に、あるいは復興に携わってこられましたが、その中にあって市を代表する市長の、これは前の市長もあわせて、その御心痛、御心配、そして決断、そして行動と、その御努力に対し、心よりお疲れさまでございました、お疲れさまですと感謝を申し上げるものでございます。
そのようなときに先日政府に対し、請願という方法をとられたわけでございます。しかも、全国的にも非常に珍しいという官民一体の請願ということだったわけでございます。しかしながら、その結果はうまくいかなかった。このことについては被災者が、いや、市民が挙げてその成果というものを期待をしていたと思うわけでございますけれども、まことに残念だったと思います。
分譲単価につきましては、御指摘のように船泊が国道の筋で10万5,000円でございますから、それ以上になるということは考えられないと思っております。
なお、漁業補償につきましてはまだ金額は示しておりません。
69 19番(井村成俊君)
それから、市街地再開発再生事業で計画しておるというお話でしたけれども、これは当然国の補助事業としてなさると思うんですけれども、大体どのくらいの事業費、あるいは補助事業のパーセントはなっておるんでしょう。
70 助役(力安孝喜君)
今回の調査でございますが、この調査を受けましてあと調査の中でいろいろ提案がございますので、その提案を実施していく場合に、例えば道路の整備でございますと50%の補助ですとか、あるいは民間でいろいろ整備を行う場合にはどうであるとかですね、一律に全体の補助率が幾らであるかというのはそのものそのものに幾らであるかということでございますので、全くないものもございますし、あるものもございますし、その種類も内容もそれぞれ異なっております。
71 19番(井村成俊君)
これは「島原市経済社会の現状と課題」ということで「島原
市勢振興計画基礎調査報告書」があります。この中を見ますとですね、いろいろ書いてありますが、特に大手広場については詳しく論評しております。これによりますと、交通体系だけではもったいないと。あるいは高層化して駐車場とか商店街とかいろんな公共施設を組み込んだものをつくったらどうかと。高層化の要望が書いてありますけれども、大手広場は私も何回も言っておりますが、島原市の中で大きいスペースのあるところなんですね、大手広場とか国光屋の跡地とか、あるいは新港埋め立て、前浜だとか、そんな多くないわけですね。これ建設省から出ているわけですけれども、環境共生住宅市街地モデル事業というのがあります。これは住宅を中心にしてですね、今度の緑と水の自然環境を生かした住宅をつくりなさいというモデル事業の事業でありまして、これは30%の補助事業となっております。この中にもありますが、太陽光発電ですね、太陽電池発電、これもいいですよと載っておりまして、私もあるメーカーに聞きましたところ、通産省の方でフィールド事業ということで太陽光発電の集団の事業をした場合には7割の助成するというのがあります。普通10キロワットの発電能力のある太陽光発電の設備の場合には約現在2億円程度かかるそうでございまして、その中の7割補てんしますと大体7,000万円ですか、9,000万円ですか、ぐらいの負担すると、あと2億1,000万円は、2億円ですので、7,000万円ぐらいの持ち出しで、あと1億4,000万円程度通産省から補助するというふうないろんないい事業あるようですので、島原市の場合も例えば萩が丘住宅の改築、あるいは建てかえをする場合には建設省の環境共生住宅市街地モデル事業などを適用されまして、高層化の住宅、あるいは資源を守った環境のものとか、あるいは自然エネルギーを使ったものとか、あるいはリサイクル促進の住宅関係とかいろんなの載っておりますので、ぜひこれを参考にしていただいて、いろんな市街地の開発に使ってもらいたいと思います。
それから、ドーナツ化現象、人口のですね。中心部は島原市もそうですが、周辺までずうっと人口移転しているということで、まちの中の活性化に非常に支障を来していると言われています。これにも載っておりますが、中心部の開発ですね、人口の定住化についてはどのような考えがあるんでしょうか。
72 市長(吉岡庭二郎君)
本市におけるドーナツ化現象というのは、よその都市のような形では進行しないと思っておりますけれども、しかし、やはり商店街の活性化につきましては、島原駅前から湊道までの間を今市街地総合再生事業や街並み環境整備事業等で中心街の総合的なまちづくりということを調査検討しておりますので、それに基づいていろいろ各商店街等の改善等がこれで恐らくできてくると思いますので、今議員御指摘のいろいろな建設省なりの補助金を使いながらですね、市街地のいろいろな活性化のための改善を行っていかなければいけないと思っているところでございます。
73 19番(井村成俊君)
最後に、薬草園周辺の開発ですが、これはちょっと地域の近くに聞きましたところ、買い取ってくれという話があっているようですが、これは計画を決めてですね、土地開発公社の方で先行取得していただいて薬草園の整備に使うということはいかがなんでしょうか。
74 市長(吉岡庭二郎君)
薬草園の充実については、先ほども壇上で申し上げたとおりでございますので。まずその前に、観光バスが回転できないということで、早速島原農高に御相談申し上げまして圃場の角をカットしてもらいまして、あそこで大型バスがUターンできるようになりました。そういうこともやっておりますし、またそのように周辺の用地の買ってくれという希望があるということも聞いておりますけれども、今後それをあの薬草園にどのような形で組み合わせていくかを十分今後研究して、そして必要があるならば、またその時点で議会にも御相談申し上げたいと思っております。
75 19番(井村成俊君)
薬草園の歴史、あるいは従来の文物、資料いっぱいあるわけですが、資料館とかですね、あるいは市民の健康教育の場とか、あるいは研修棟などをやっぱり早急に整備する必要があるんじゃないでしょうか。特に、長崎県には長大がありますし、薬学部がありますので、長大の薬学部と共同研究できるような研究施設をつくってもらいますと、いろんな面でプラスになると思います。
京都に私立の企業の武田薬品がありますけれども、武田薬品の京都薬草園研究所があります。そちらには、もう規模はけた外れに大きいわけですけれども、種子の開発からやっておるわけですので、島原市の場合とは違うんですが、一度見学されて薬草園整備する場合には、これが本当に薬草園だという形のものを見てされたらいかがでしょうか。現在の島原市の薬草園の場合は歴史保存ということでなっておりますし、手を加えられないとなっております。特に、屋敷跡が……
76 副議長(中川忠則君)
あと1分です。
77 19番(井村成俊君)続
屋敷跡ありますので、ぜひ今後の観光、あるいは市民の健康教育のために、ぜひ新しい整備対策を立ててもらいたいと思います。要望しておきます。
以上です。
78 副議長(中川忠則君)
しばらく休憩いたします。
午後2時 休憩
午後2時12分再開
79 副議長(中川忠則君)
休憩前に引き続き会議を開きます。8番。
80 8番(松本 匠君)(登壇)
通告の順番に従いまして質問をさせていただきます。
まず第1点目に、災害対策についてであります。その1番といたしまして、千本木、上折橋住民の移転と三会沖埋め立て問題についてであります。この論議につきましては、先ほども論議がされたところであります。しかしながら、もう一度原点に立ち返ってみてお話をさせていただきたいと思います。
千本木、上折の住民の皆様方がみずからアンケートをとられました。先ほど、市長からお話があったとおり、積極的に三会沖に移りますよという方々は11世帯8%、行くところがないならばという条件つきで消極的ではあるけれども、いたし方ないという方が82世帯62%という話がございました。しかしながら、先ほども申し述べましたとおり、原点に立ち返ってみますときに、住民の方は杉谷地区に住みたい、子供たちの問題、教育の問題、学校の問題もありますということをこの間繰り返し強調をされているところであります。そして、私ども市議会の中で、委員会の中で市長を初め理事者の方々はその住民の要望の調査をしたいというふうに、たしかおっしゃられたはずであります。ところが、住民みずからが調査をして私たちの要望はこうですよというところまで追い詰め、調査も一切しなかったのが今までの姿ではなかったんではないでしょうか。そういう意味では、極めて被災を受けられた方々が衣・食・住のうちの住という最も大きな課題に対して住民要望を含めて本当に真っ黒になってその仕事をされたかどうかということはいささか疑問が残るところであります。そういう意味で、三会沖埋立地を前提とした話は今議会でも十分出ましたけれども、その前に住民の意向を意向として受けとめ、どうするのかといった話し合いがなされておりません。そうしたところについての見解を第1点目としてお伺いをしたいと思います。
さらに第2点目として、そうした住宅を求められる方々が杉谷地区のある地域をここに私どもの住宅を建設していただきたいという要望が出されたときにどうなるのでありましょうか。それでもなおかつ三会沖がいいですよという形で進められるのか、それとも船泊、仁田団地に住まわされるような形で防災集団移転を使った本当に住民の立場に立った団地造成ができないものか、そしてそれを住民は待ち望んでおられるということについてどのような見解をお持ちになるかお尋ねをしたいと思います。
災害対策の第2点目であります。これは9月の、たしか25日だったかと思います。ある新聞に、大蔵省が通産省に対して中小企業金融支援打ち切りの打診をしているところであります。新聞紙上でも島原生き残りと復興協議会の方々は、現状にそぐわないものであるということを強く明言をされております。たった半年の経過の中で限られた件数が少ないから、もはや打ち切りですよということに対して非常に憤りを覚えるものであります。21分野101項目と言われている救済措置は政府、官僚にとってはただそれだけのことであったのかというふうに思わざるを得ません。これは市の皆様がなさったことではなく、政府がしたことではありますけれども、このことについてどのようにお考えをお持ちなのか見解を伺いたいと思います。
災害対策の3番目についてであります。法改正と基金問題についてお尋ねをしたいと思います。この問題につきましても、本議会で質問が集中をしております。村山首相の来島、さらには9月6日、7日の
衆議院災害対策特別委員会の視察がございました。一番最初にきょう質問をされた方も警戒地域設定とその補償の問題について論議がなされたところであります。特に、
衆議院災害対策特別委員会の視察の折には、国会議員の皆様に2団体からこの警戒地域設定と補償を求める、さらには実態調査をしていただきたい、国会議員の調査権を発動してすべきであるというふうなことも含めて提言がなされた模様であります。答弁をお聞きいたしますと、この間一貫していわば他力本願的な答弁が繰り返されております。既に災害経過から3年数カ月を経ている現在、こうした問題について市長が今こそ主体性を発揮すべきときではないかというふうに考えております。そうしたことも含めて御見解を賜りたいと思います。
大きな2番として、文化行政についてであります。文化はその地方の市民の本当に市勢にかかわるバロメーターの一つだとも言われております。この間、私は一貫してそうした市民の声を聞き、文化会館を初めとする運営が一体となって進めていく上で問題があるのではないかということを繰り返し指摘をしてまいりました。つい先日、文化事業団と利用者の団体との懇談会が持たれたというふうに聞いております。積極的に評価をしたいと思います。私がある団体からお伺いしたときは、20年この活動をしているけれども、初めてであったと、第一歩になるんでしょうかというふうな受けとめ方で話を聞いておるところであります。積極的に評価すると同時にこの後どのような形で推進を図られるのかお尋ねをしておきたいと思います。
第3点目に、保健センター建設問題についてであります。その第1点として、地域保健法とのかかわりをお伺いをしておきたいと思います。今年の3月議会の中で、地域保健法との関係はありませんよという形で答弁がなされているところであります。しかしながら、その地域保健法の中にも住民に身近な保健サービスと福祉サービスを一元的に提供をし、県保健所と市町村の役割分担を見直すという趣旨が明記をされているところであります。権限移譲も含めて現在なされているところです。そうした中で、こうした医療福祉、保健の分野の中で今マンパワーの確保、その財源的裏打ち、そして行革大綱との関係が問われているところであります。既に皆様御存じのとおり、財政問題については交付税措置をするというふうになっておりますが、年々その金額については目減りをしているところであります。確かに市の保健センターについて発表された当時、そうしたことについて法としての関連性はないということはわからないわけでもありませんけれども、現実展開としては関係性があるのではないかと思います。
さらに2点目として、こうした地域保健法に対する理事者の態度を、見解をお伺いをしておきたいと思います。保健所がこれまでさまざまな分野が果たしてきた役割は大きいものというふうに思います。その中で権限が移譲をされ、市において十分な対策がなされないとき、地域の保健公衆衛生の空洞化を招くものというふうに考えられますがいかがでしょうか。こうした点がもし市の理事者内、あるいは全国の市町村会議等で論議をされておりましたら、お伺いをしたいと思います。
以上、3点にわたって壇上から質問をさせていただきました。答弁のいかんによっては自席から再質問をさせていただきたいと思います。
81 市長(吉岡庭二郎君)(登壇)
松本議員の御質問に対してお答えいたします。
千本木、上折橋住民の意見と三会沖埋め立ての問題についてでありますが、このアンケート調査の結果につきましては、先ほども御説明いたしましたとおりでございまして、もう御質問の中にも出てきましたから、そのとおりでございますけれども、実はこの住民のアンケート調査の前に、市の方でアンケートをやるということで計画をしたところでございますけれども、とりあえず住民の方で先にやるから待っておってくれということがありましたので、それを待って説明をしようと。実はその時点で三会の埋め立てはこのような形で価格も大体これくらいで押さえますよということで申し上げたかったんですけれども、その前に住民の方で先に調査された結果がございましたので、決してうちが何もせずに住民に任せておったということじゃございませんので、そこら辺をひとつ御理解いただきたいと思います。
それから、杉谷地区における住宅用地の確保につきましては、集団移転用地を皆さんが一緒のところに移りたいと。北南も一緒に移りたいという当初の希望もございましたし、そういうことになってくるとかなりの面積が要るということで検討しましたところ、大変広大な面積が要ると。それとまた、特に中尾川水系におきましては、昨年の災害を含めまして事業区域として200ヘクタール以上の土地が利用できなくなるということで、また農地も60ヘクタールの農地が流失をしておりますので、これ以上広大な農地をつぶすことはやはり農業振興に大きな影響を及ぼすんじゃないかということでございます。そういうことで、昨年の12月に内陸部で広大な土地を求めることは困難と判断して、三会沖海岸の埋め立て構想を申し上げたところでございます。この構想に上げております三会海岸壊め立ての住宅団地は上下水道を完備はもとよりでございます。団地周辺には植栽等による本格的な緑化を図っていきます。また、分譲価格の低廉化も図り、住環境を総合的に整備した住宅地を提供することに努めていくように考えておるところでございます。今後とも被災者の皆様方には十分この趣旨を説明申し上げ、御理解いただくように努力してまいりたいと思います。
また、小規模の団地を別につくるということになりますと、道路、上水道、下水道、特にコミプラでございますけど、このようなものも設置しなければならないし、かなりの割高な経費になるんじゃないかと思っております。今、市では三会海岸の造成を計画しておりますので、今のところ他の団地を市でつくる考えは持っていないところでございます。
中小企業支援打ち切り案についてでありますが、雲仙・
普賢岳噴火災害につきましては、災害発生直後より国において激甚災害に準じた
特別措置等を多岐にわたって講じていただいているところでございます。一部報道により、大蔵省が中小企業者の金融支援策の特別措置打ち切りを通商産業省に打診していたというものでありますが、内容については掌握しておりません。このたびの災害は全く予想がつかない長期の災害でありまして、中小企業者の経営環境は依然として厳しいものがあります。市といたしましても、借入金の利子負担の軽減を図るため、4年目の利子補給を県にお願いしているところでありまして、国の特別措置につきましても引き続き継続していただくよう強くお願いをしてまいります。
特別立法という言い方は現在まで多くの方々がそれぞれの考え方で使用をされ、中には自然災害に対する損失補償的に使われるなど、その内容はさまざまなものになっておりました。先般日弁連で発表されました意見書等の影響もありまして、最近では警戒区域によって生じた損失補償と理解されるようになったと存じております。区域の設定を含め、災害対策は社会生活や生業の存続など総合的な観点から検討される必要があります。特に、損失補償の問題では極めて専門的な分野に属しておりますので、日弁連の意見書等を参考に、今後に向けて我が国の災害対策システムが見直されていくことを期待するものであります。
また、
災害対策基金による援助につきましては、県におかれて国や市の意見及び実態把握をしながら実施されているところでありますが、現在までの推移を見ますと、当初の一律採用の時期を過ぎて個別のケースに対応することが必要とされる段階に来ていることを感じております。そのため、市といたしましても
災害対策基金の運用に対する意見や市の基金の運用に当たりましては、被災当事者の個別の事情にも配慮しながら、効率的な運営に努めてまいりたいと存じます。
地域保健法についてでありますが、今回の保健所法などの改正による地域保健法については、市町村保健センターに関する規定の整備と母子保健法などの改正による権限移譲の分野から構成されているところであります。全国市長会においても、平成5年11月に地域保健サービスの見直しに当たっては市町村の意向を尊重し、人材確保の見通し及び必要な財政措置を明確にすることなどを要望がなされております。母子保健などの業務を市町村において一元的に実施することになりますが、今後地域保健を進めていくために、保健所との役割分担等の調整を行い、地域住民に密着した総合的な保健サービスを行ってまいりたいと存じます。本市の保健センターの建設につきましては、高齢化社会や噴火災害の中で、市民全体の健康増進の拠点として、また心の触れ合う憩いの場として検討を重ねてまいりたいと存じます。
82 教育長(北田 久君)
文化行政についてでありますが、島原文化会館の利用者団体と懇談会をことし8月に実施をいたしました。日ごろ文化会館を御利用していただいている島原文化連盟、演劇関係者、音楽関係者及び幼稚園関係者の方々にお集まりいただき、日ごろ気づかれている点や要望等について建設的な御意見をお聞きすることができました。その内容は、文化会館の建てかえからガス湯沸かし器の設置に至るまで、また運営方法についてなど、多岐にわたるものでありました。
今回の意見については、今後十分検討を行い、前向きに対処してまいりたいと思います。また、今後とも文化行政については、機会を見て利用者等の意見を反映できるような方法を考慮して推進してまいりたいと思います。
83 8番(松本 匠君)
それぞれお答えをいただいたところでありますけれども、再度質問をさせていただきたいと思います。
災害対策についての千本木、上折橋住民の移転問題についてでありますけれども、今議会の答弁の特徴の一つとして、広大な地域が見当たらないと、なおかつ農業との関係もありますよという答弁に終始しているわけでありますけれども、その辺についてですね、私たちは具体的な話をほとんど議会の中でも承っておりません。例えば、私たちが車に乗って見てみましても、いわゆる放棄地に近いような形のところも山間部には多々見受けられるわけですね。そういうところで地権者がいいですよということであれば、話も進んでいくのではないかなという気もするわけですけれども、市長が広大な面積を必要とすると言われてましたけれども、例えば船泊団地に限って言えば、あそこは80坪の50区画でしたね。4,000坪、それに道路等々考えあわせますと2町あればできるんではないのかというふうな気がするわけですね。そういうのをたくさん積み重ねていくという方法もあるかと思うんです。現に安中でも仁田と船泊という形で2地域がそういう対象に上ってきたんではないのかなと思うわけです。その辺の具体的なですね、何といいますか、調査等々はされたことがあるのかどうか具体的にもし許せる範囲で結構ですけれども、こういうところをこういう形で調査してみましたというふうなことがあれば、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
84 市長(吉岡庭二郎君)
杉谷地区で3カ所ほど住宅団地としてできないだろうかということで、これは調査といいますか、机上調査等は実施いたしております。そして、そこで果たしてどうなのかということを検討したときにいろいろ障害がございました。まず、やはりどうしても山間地になってしまうと。山となってくると造成費もかなりかかるだろうと、上水道をどうするか、あるいは下水道はどう引っ張っていくかとかもございました。そしてまた、予定しているところにつきましては、いずれにしても、特に杉谷のところは湧水が多いところでございまして、湧水との関連はどうなるのかと、そこら辺も非常に心配されたものがございまして、実際地権者までは当たっておりませんけれども、机上ではそこら辺の調査を十分関係者と調査はしたところでございます。したがって、なかなか広大に宅地をまとめるということは不可能じゃないかという判断になりました。
85 8番(松本 匠君)
造成の問題でありますけれども、たしか現行の集団移転については、造成費用は地方自治体に来るんですもんね。造成して譲渡をする場合には、国の4分の3の補助はたしか受けられないんじゃないかというふうにお聞きをしているところでありますけれども、今造成費用が高くかかるというふうにおっしゃったわけですけれども、その辺の、私は法改正の問題なり、弾力的運用ができない一つの側面だというふうな考え方を持つわけです。たしか分譲じゃなくて、貸しますよということであれば、その適用がなされるはずですよね。住民の要求がですね、強いということであれば、今市長が造成に対して多額の費用がかかると言われましたけれども、やっぱり長期激甚の災害であるということを考えればですね、そういう弾力的な処置のお願いも一方ではしながら、なおかつ住民の要望に沿った形で検討をするということがですね、一番私は正しい論議ではないかというふうに思うわげです。今の現行法規がですね、個々に欠陥があるからそれを前提として立てると、そういう確かに発想になるでしょう。しかし、そういうところで市長がですよ、この問題については所轄の省にですね、こういうことを申し上げると同時にそのことも含んで検討はしておりますけれども、非常に難しいということであれば、ある程度の理解もできますけれども、そういう努力をですね、市長は、今造成ということで出ましたので、その造成に限ってお尋ねしますけれども、どこでどういう形で今回されてきたのかですね、これまでに、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。
86 市長(吉岡庭二郎君)
住宅団地の分譲をするのに、あるいは造成費に対して国の助成ということは考えられないわけでございまして、そういうことで今やってきているのは、特に船泊、それから仁田につきましては造成については、募金の方からかなりの援助を受けているということでございます。そういうことで、それじゃそれを杉谷地区ではどうするかということにつきまして、いろいろそこら辺を2カ所も3カ所もそういうふうな形をつくったがいいのか、それとも環境のいい危険性のない、しかも、大変島原でも現在ないような住環境を整備された公園もあり、広い道路もあり、ショッピングセンターもある、そして安い住宅ができれば、むしろ埋め立てによって生じてくるそちらの方がいいんじゃないかと。そして、そちらの方を中心に今進めているところでございます。これにつきましても、先ほど申し上げましたように、いろいろな国の助成事業などは引っ張ってきたいと思っているところでございます。
87 8番(松本 匠君)
論議をもとに戻しますけれども、住民の方々が意向調査をされるからしばらく待ってほしいと。それを検討した上で話し合いをしましょうということになっていたと。それはそれとして理解できますけれども、恐らく議会でも委員会での答弁からですね、住民がみずからアンケート調査をするという期間まで数カ月あったと思うんですね。──ですね。恐らく私は私の感じ方から言えば、もう自分たちでやらない限り、あるいは要望を取りまとめない限り一歩も進まないということがあったから、私はされたと思うんですね。その意味ではその数カ月間一体何をしようとされているんだろうというのは、私どもも議会で答弁を聞きましてからなかなか回答が返ってこないというのにはいら立っていたわけですけれども、それは何か問題があったわけですかね、さっとできなかったという理由については。その点についてお尋ねをしたいと思います。
88 市長(吉岡庭二郎君)
昨年の12月に中尾川流域の基本構想が発表された段階から、それではその移転先としては三会海岸を構想を持っておりますということを申し上げたわけでございまして、そのときはあくまでも構想でございましたので、それは具体的にどれくらいの価格で販売できるのか、そこら辺をいろいろ調査することも必要でしたし、またその時点では漁協者等のやっぱり話し合いも並行して進めておったときでもございましたので、なかなかもうここに決めましたよということが言いにくいときでもありましたので、それで調査としてはおくれていったのが事実でございます。
89 8番(松本 匠君)
三会の埋め立てについての、当初一番強調された点はですね、住民の被災を受けられた方々の住宅の再建と同時に土砂の埋め立てもできますと、土砂捨て場としても適当ですということでですね、その当時使われておりました言葉が「一石二鳥」という言葉が使われていたわけですね。私それを聞いていて非常に行政サイドの、あるいは行政主導といってもいいんではないかというふうに感じたわけです。その間で私がさっきも言いましたように、いろいろ問題があったと市長言われたわけですけれども、住民の意向について調査をされないと。厳しい言い方をするかもしれませんけれども、この千本木地区の住宅再建と三会沖埋め立てについては、非常に行政サイドの都合が強調されて、住民の本当の要望、考え方等々がですね、後回しにされたような嫌いがあるのではないかというふうに懸念をしているわけです。そして、それが今三会沖埋め立てて「ここに考えております」というふうに言われたときの住民のアンケート結果として出てきたんではないかと。とするならば、机上の計算はしてみましたというふうにおっしゃるわけですけれども、現在、住民の方々がつい先日も杉谷地区でという要望をされていると思うんですね。それでもなおかつ三会沖の埋め立てが最適ですよとおっしゃるのかですね、いや、そしたらその点も理事者としても考えてみましょうと、できることなら仁田、船泊でいろんな適用されたようなことも含めて考えてみましょうというふうにおっしゃるべきなんではないのかという気がしてしょうがないんですけれども、先ほどの答弁を聞いておりますと、現在のところ考えておりませんということで、また再び住民の要望については、ここをこういう形でクリアしながら、ここを一緒にやっていきましょうということではなく、今のところは考えておりませんと、まさに一刀両断の回答であると思うんですね。そういったところではなかなか両者の溝が埋まらないと。ここでやっぱり歩み寄っていくのは行政の方ではないかというふうに考えるわけですけれども、その点については再度お尋ねをしておきたいと思います。
90 市長(吉岡庭二郎君)
現在、三会の埋立地につきましては、環境調査等も進めているところでございまして、今のところはここに一応ここを埋め立てて、そしてそこに住宅地をつくろうという計画をしている段階でございますので、現時点ではほかのところまでやるというところまでは至っていないところでございます。
91 8番(松本 匠君)
先ほど都市計画的な問題もあると。例えば、商店の問題等々も言われました。それはですよ、三会沖の埋め立てじゃなくてもですよ、例えば適当な地域の中でもアイデアを凝らせば解決できるのではないかと。それだからこそ、今島原の市勢ということで災害を通して都市計画についても抜本的な見直しをしようと。これはさまざまな提言等々ありますよね。そういう意味では、都市計画上の問題は三会沖じゃなくても私できるはずだと思うんですね。そういう点もぜひお考えをいただいて、しつこくなりますけれども、住民の要望について、もう少しできますよ、できませんよという論議ではなくて、この点についてはどういうふうに考えているのかと、具体的な一つ一つを共同作業として詰めていただいてできるだけ住民の要望に近い形でお答えをしていただきたいということを要望をしておきたいと思います。
さらに2番目の、中小企業支援打ち切り案についての見解でありますけれども、私これも率直にお尋ねをいたしますけれども、新聞紙上では1社しか載っておりませんでした。私もたまたま見まして、実を言うとびっくりしたんですよ。国というのは本当にこんなに冷たいのかとですね。それから類推しますと、当然この金融支援というのは21分野101項目の中にも入っているわけですね。そもそもこんな形で平然と打ち切られる21分野101項目とは一体何なんだろうと。これだけに限らず財政的な事情があれば、いつでもそういうことを所管の省庁に問い合わせをし、まさか所管の省庁がそれはいいですねということはないと思いますけれども、いずれにしても冷たいなと、これが21分野であるのかという印象を受けたわけです。そういう意味では、市長は先ほど事実関係を詳しく調査されていないということが言われましたけれども、本当はすぐ事実関係を調査してそれが本当であったならぱ、抗議すべきところは抗議すべてでしょう、市長。それがなされないと本当に全部官僚なり政府の言いなりになってしまうということは、この間繰り返し指摘をされたじゃないですか。私も指摘をしましたけれども、そういう人も多いですよね。端的にいいますと、いろいろ何回もおいでになるけれども、具体的なことは一回も言わないでお帰りになるということも、どこに行っても聞くわけなんです。こういう本当打ち切りの策動が出たときこそ調査をし、それが本当であれば、市民の島原市民、深江町民の名を持ってですね、それこそ市民団体も含めて官民一体となって、これはおかしいですよということを言うのが被災を受けられた市長の立場ではないかというふうに私は理解するわけですけれども、その辺のことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
92 市長(吉岡庭二郎君)
この種の記事というのは、よく載るものでございます。1社だけこのような形に載ったことにつきましては、いろいろ今までも各省庁に問い合わせていますけど、そういうことはないということを言われておりましたし、今回もまさかこのような形で出ろうとは思ってもおりませんし、また私たちも上京した折には必ず通産省なども回っておりますけれども、全くそういうことはお話にございませんので、私はこの新聞記事そのものを信じたくはないわけでございます。
93 8番(松本 匠君)
新聞記事についても信用したくないと、気持ちは察するところであります。ただ、私がここではっきりさせてみたいなと考えておりますのは、仮にこれは通産省はこういうことはしませんということで新聞紙上も書いてあるわけですね。しかし、確かに大蔵省が打診をしたという経過はあるようですけれども、こうした国の態度について、市長としては率直なところどういうお気持ちをお持ちでしょうか。
94 市長(吉岡庭二郎君)
災害は現在も続いておるところでございまして、まだまだこのような制度というのは続けていただかねばならない問題でございますので、またいろいろ機会を通じてこういうことがないように強く国にも要望していきたいと思っております。
95 8番(松本 匠君)
ぜひ強い要望をしていただきたいというふうに思います。
3点目の、法改正の問題でありますけれども、先ほどから市議会の中でも随分論議をされております。その中で、市長自身のお言葉の中に「特別立法は自然災害に対する」という答弁の、そういうふうに受けとめられてきたという答弁がございました。
果たしてそうでありましょうか。私どもが特別立法なり、あるいは法改正、新規立法の制定、その3者のどれをとっても自然災害についてということで論議した経過はなかったと思います。もう一番最初に市長が言われました特別法を新規立法と言いかえて請願に行って、その当時市長は助役でしたね。文化会館の前で決起集会にもおいでになり、東京にも一緒に行ったわけですけれども、その時点から長期激甚災害ということが前提になっていたわけですね。そういう意味では、私自身は特別法、あるいは法改正、あるいは新規立法、どう言いかえてもいいんじゃないかと思うんですけれども、市長自身のそうした点に対する、何というか、見解の間違いがあるんではないかというふうな気がしてしようがないわけです。国民もまたここが本当に近代史に類のない長期激甚の災害であったから、さまざまな支援を、義援金含めて、物心両面にわたってしてきたわけですね。まさか市長がそういう答弁をされるとは思わなかったんですけれども、今お尋ねした点についてはどうでしょうか。
96 市長(吉岡庭二郎君)
私が申し上げましたのは、当初特別立法と申しますのは、自然災害の中でいろいろ災害を受けたと。そういうことで補償してもらいたいということの特別立法という形が云々されたときもあったんじゃないかと思っております。あるいはまた、警戒区域を設定したがために法律が必要なんだという言い方もありました。私たちは特に特別立法と言うときには、あるいは新規立法と言うときには、特に防災都市づくりのための特別立法は必要ですと。まちづくりのためにいろいろ、例えば長崎原爆、広島原爆、あのような法律は必要ですと。これの特別立法を否定するものじゃなかったわけでございますけれども、どうも先ほど申しましたようにいろいろな形で使われておりまして、当初恐らく自然災害による個人補償もその中に入っておったんじゃないかということで、それについては火山災害国日本ではなじまれないんじゃないかという形で今まで来ておったような気がするわけでございます。
そういうことで、決して私が認識不足じゃなくて、そのようなそれぞれの考え方で使用されておったということは、これは事実じゃないかと思っております。
97 8番(松本 匠君)
今市長がおっしゃる警戒地域設定にかかわる問題でありますけれども、市長の答弁は今まで期待をすると、日弁連等々に期待をするという意味で壇上でも申し上げましたけれども、極めて後ろ向きであるという気がしてしようがないわけですね。既に、例えば先ほど壇上でも言いましたように、特に衆議院の災害特別委員会が来ましたときにですね、私どもその後で9月7日の日に田口健二
衆議院災害対策特別委員会の委員を呼びまして討論集会を持ちました。その中でも強く今でも出てくるわけです。今でもというよりも、今基金の問題ですとか等々で救われた方々もたくさんいらっしゃいます。しかしながら、警戒地域設定上に伴う損失の問題をですね、それがやっぱりクリアできなければ、生活再建についておぼつきませんと言われる方非常に多いわけですね。それを何で現場の市長が強く要望をされないのか。住民要望の中に全然もうありませんよと、言ってらっしゃるのはほんの少数ですよということとは違うわけですよね。毎回毎回もう改めて出されてくるわけです、重大な問題である。単に法を改正するためにその方策としてそういうことを言っているわけじゃないわけですよね。だとするならば、当然市長としては大きな声で島原、深江の被災を受けた方々はこういう要望をお持ちだということを強く言われなければならないというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
98 市長(吉岡庭二郎君)
この問題につきましては、やはりこの前、総理もおいでになったとき、あるいは国土庁長官がおいでになったときも、個人補償のものは対応できませんとはっきりおっしゃったわけでございまして、そういうことでそのような形の特別立法ということはやはりなかなか難しいんじゃないかと思っておるところでございます。しかし、この前倒案内のとおり衆議院の災害対策特別委員の方々がおいでになったときには、少し変わった発言がありました。私たちでいろいろと現在の法律を全部洗い直してみましょうとですね。それでなお拾えないのがあれば、そこではいろいろ考えて見ましょうということを言っておられました。私もまさしくそのようなことじゃないかと思っております。だから、決して私、新規立法を否定するものじゃございませんけれども、しかし、今時点で何が必要なのかということになってくると、何回も申しておりますように、
災害対策基金のこの運用ですね、これを特に今度は運用に当たりましては、今までは全体的な要項をもってやってきておりましたけど、今後はやはり被災者当事者のいろいろな個別事情も配慮しながら、この基金の対応をやっていかなければいけないと、これを先にこれでやっていきたいと思うわけでございます。もちろん、特に国の災害対策委員会あたりでいろいろ検討してもらうことには私も大いに歓迎しているし、もしそういうようなことで行動を起こさなければならないときには、それは私もと思いますけれども、今までのような形で何かはっきりしないままに個人補償特別立法をつくりなさいと。どことどこをなにをどういうふうな形にするのかというのはなかなか今まで出てきていなかったわけです。それは今の現実の法律でできるじゃないか、できるじゃないかと全部そこで整理されたんですけれども、今度はそれを衆議院の災害対策特別委員会で法律を一つずつしてみて、この法律で適用できないかとやってみて、そしてできないということになってきたら、新規立法について考えたいと思いますという御意見のようでございますから、それには大いに私も賛同しておるところでございます。
99 8番(松本 匠君)
さらにお尋ねをしたいわけですけれども、衆議院のあれは市長、災害特別委員会の小委員会で頑張ってみましょうと、今市長が言われたのはそういう発言でありましたよね。そのときに何が一番今まで論議として抜けてきたのかというところですけれども、データが抜けているんですよ、データがですね。私忘れもしませんけれども、災害が始まりました当初の、もういつの議会か忘れましたけれども、議会の中でそういう損失に伴う調査をしていただきたいということを申し上げた経過がございます。いまだかってさまざまな問題点があるというふうにお聞きはしておりますけれども、調査をしましょうということはなかったわけですね。ある被災を受けた方は、それはもうしないんであれぱ、国会議員の調査権を発動してでもしてみてくださいよと。そこの警戒地域設定に伴ってどういう痛手を受けたのかということを市長みずからがおっしゃらないからこういう論議になってくるんですよ。そこをすぽっと抜かした形であれやこれやおっしゃるから、私は問題が焦点がしぼりにくいんではないかと思います。そういう意味で、そういう警戒地域設定に伴う調査、これは市のレベルで、こういうことであれば調査ができますよとかですね、考えている、考えていない、いろいろあると思いますけれども、それがない限り私水かけ論だと思うんです。市長も自信持っておっしゃれないと思うんです。ですね。全体的な調査、その辺はされるおつもりはあるでしょうか、ないでしょうか。お尋ねしておきます。
100 市長(吉岡庭二郎君)
先ほどの答弁の中で、衆議院の災害対策特別委員会で検討と申しましたけれども、これにつきましては御指摘のとおり、小委員会の中で検討しますということでございますので、訂正させていただきます。
それから、確かに私が先ほど申しましたように、今後はこれだけ災害が長くなってきますと、個々の問題というのが非常に重要になってくるということでございますので、ただ個々の問題といっても非常にいろいろ項目があります。農業だけとってみても収穫前の作物はどれくらいだったのか、直接どうなったのか、共済がどうなったのか、それから植えつけて何日になっておったのかという、そこら辺もかなりありますし、そこら辺が果たして警戒区域が設定したがための災害になるのかどうか、そこら辺も含めますし、もう項目はかなり多岐にわたっております。例えば、生活安定の欠如として通学、通勤上不便を来した経済負担はどうするのかと、こんなのも恐らく警戒区域を設定したがための、小さく言えばそんなのもありますし、だから、物すごく多岐にわたっておりますので、調査が非常に難しいと思いますけれども、しかし、これだけ長くなってくると、やはり御指摘のように今、もうその時期に来ているんじゃないかと思っておりますので、そのように今から研究してみたいと思っております。
101 8番(松本 匠君)
ぜひその調査をやっていただきたいというふうに思うわけです。今までそうした調査がないところでたくさんの問題が語られました。先ほど市長も言われたとおり、基金による個々の対応ということも今後必要となってくるだろうと思います。ただ、そこでお尋ねをしておきたいんですけれども、今市長が個別の対応ということも含めて調査についてさまざまなことを、例えば農産物の警戒地域設定に伴う収穫の問題ですとか、通勤、通学だとかということを上げられましたけれども、それはもう私のお聞きする範囲ではそういう調査について理事者の方で、あるいはどっかの審議会なりで詰められているような発言みたいな受け取り方をするんですけれども、こういう私みたいな受け取り方でよろしいんでしょうか。
102 市長(吉岡庭二郎君)
項目によってはいろいろ私の方でも調査しているのがございます。
103 8番(松本 匠君)
項目によるというと、まだ全体として、例えぱいろんな調査項目があるかと思います。それを網羅したところで改めて警戒地域設定に伴う問題ということで該当の被災を受けられた方々にその調査をされると、近々にされるというふうに理解してよろしいんですか。