佐世保市議会 > 2020-12-10 >
12月10日-06号

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  1. 佐世保市議会 2020-12-10
    12月10日-06号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-11
    令和 2年 12月 定例会           12月定例会議事日程            第6号                 令和2年12月10日(木曜)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(32名) 1番 宮田京子君    2番 田山藤丸君 3番 松尾俊哉君    4番 小田徳顕君 5番 鶴 大地君    6番 角田隆一郎君 7番 橋之口裕太君   8番 久保葉人君 9番 萩原 活君    10番 宮島武雄君 11番 佐藤文子君    12番 久野秀敏君 13番 永田秀人君    14番 北野正徳君 15番 山下廣大君    16番 永安健次君 17番 湊 浩二郎君   18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 森田 浩君 21番 柴山賢一君    22番 小野原 茂君 23番 林 健二君    24番 大村哲史君 25番 田中 稔君    26番 草津俊比古君 27番 長野孝道君    28番 松尾裕幸君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 古家 勉君    32番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        朝長則男君   副市長       山口智久君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 企画部長      中島勝利君   総務部長      田所和行君 観光商工部長    井元保雅君   農林水産部長    吉田敏之君 都市整備部長    溝口勝利君   土木部長      杉本和孝君 保健福祉部長    野村成人君   教育委員会教育長  西本眞也君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             宮崎謙一郎君 課長補佐兼議事調査係長           藤原理教君     10時00分 開議 ○議長(崎山信幸君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(崎山信幸君)  日程第1一般質問を行います。 順次質問を許します。30番大塚克史議員。 ◆30番(大塚克史君) (登壇) おはようございます。 公明党の大塚でございます。 本日は質問の機会をいただきました。今回はコロナ禍に対する、またウィズコロナに対する項目で質問を取り上げさせていただいております。 通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 1項目めは、コロナ禍における雇用対策について、現状の課題認識と対策について質問をさせていただきます。 収束が見通せない新型コロナウイルスの影響で仕事を失う人が増えております。厚生労働省によれば、全国で解雇や雇い止めに遭った労働者の人数は、12月8日時点までの累計で7万5,000人を超えました。業種別では製造業1万4,929人、飲食業は1万732人、小売業が1万人を超え、宿泊業が9,226人と続いております。 このことは各地の労働局やハローワークに寄せられた相談、報告を基に集計したもので、実態は、より深刻化している可能性があると思われますが、失業者の再就職支援とともに、雇用の維持にも総力を挙げなければなりません。 また、再就職支援では、ハローワークの丁寧な対応が重要となり、求職者の状況やニーズを踏まえたきめ細やかなサポートがさらに必要になります。就業訓練の充実や失業期間中に生活が困窮しないよう、行政との連携も強化をしなくてはならないと思っております。 さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による雇用環境の悪化が来春卒業予定の学生の新卒採用にも影響を及ぼしているようであります。懸念されるのは、第2の就職氷河期世代が生まれることであります。おおむね1993年から2004年の不況期に就職活動をしていた就職氷河期世代の皆様は、今も非正規雇用で不安定な生活を強いられている人も多いと聞きます。 文部科学・厚生労働両省が11月17日に発表した来春卒業予定の大学生の就職内定率は69.8%と、前年同期を7.0ポイント下回りました。これは1996年の調査開始以来、2009年調査の7.4ポイント減に次ぐ下げ幅でもありました。 さらに、求人数自体も減っております。リクルートワークス研究所が8月に発表した調査では、来春卒業の大学生、大学院生を対象とした求人数は前年比で15%以上減っております。高校生の求人も厚生労働省の発表では、前年同期比の24.3%減となっております。 近年の就職活動は学生有利の売手市場が続いていただけに、突然のコロナ禍に大きな不安を抱いている学生、生徒も少なくないと思われます。コロナ禍であっても、次代を担う若者たちが能力を発揮して活躍できる社会を築くための取組を怠ってはいけないと思っております。 そこで、一つ質問でありますけれども、本市の現状と認識をどのように捉えているのかお尋ねをいたします。 まず1点目に、有効求人倍率、離職者の状況など、雇用の現状はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 2点目に、コロナ禍によるセーフティーネット申請雇用調整助成金利用実績など、市内の企業等の状況はどのようになっているのかお尋ねをしておきます。 また、雇用政策につきましては、国主導で様々な支援策を講じられており、労働局やハローワークによる就職相談やあっせんなど対応されているところであり、本市が直接携わるのは難しいとは理解、認識をしておりますが、コロナ禍による緊急事態という特異的なケースでもあり、本市としてもウィズコロナ時代を踏まえ、新しい日常に即した何らかの就職支援策を講じることができないのでしょうか。所見を伺います。 特に企業による雇用の維持、離職者の再就職支援、新卒者の就労支援、以上3点について、本市の現状認識と所見を伺います。 次に、2項目めのウィズコロナ時代を踏まえた市役所の窓口業務について、各種窓口業務対応の現状と課題について質問をいたします。 新型コロナウイルス感染症により、本市の行政運営にも様々な影響が出ているほか、新たな行政課題、地域課題も浮き彫りになっており、今まで以上に行政の発想を超える柔軟かつ新たな視点が求められております。 今回は各種窓口業務の現状と課題について質問させていただきますが、全国の各自治体がホームページや広報紙などを通じて不要不急の来庁を控えるように情報を発信していることや地域住民の理解と協力もあり、通常よりも役所等の来庁者は減少しているようです。 しかし、転入や転居により、国民健康保険後期高齢者医療に関する手続が多い3月、4月の繁忙期はどうしても混雑してしまいます。これは本市においても同様であると思われます。そのほか来庁して行わなければならない各種手続はありますし、今後、国の新たな支援策の申請といった対応も増えていくことが考えられます。これまで約9か月間、本市の窓口対応においても、来庁者を待たせない、庁舎内に滞在をさせない、混雑時には来庁を控えてもらう取組により3密を防いでこられたと思います。 そこで、質問しますが、窓口対応に措置を行うことで、行政サービスの提供に影響が出なかったのでしょうか。 1点目といたしまして、各種窓口では、感染対策など、これまでどのような対応を取られてきたのかお尋ねをいたします。 また、2点目に、来庁者の推移はどのようになっているのかお伺いします。 以上、1回目の質問をいたします。よろしくお願いいたします。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) おはようございます。 1項目めのコロナ禍における雇用対策についてお答えをいたします。 議員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による市内中小企業経営への影響は大きく、厳しい状況が続いております。 まず、本市の有効求人倍率については、長崎労働局が公表した10月末現在は1.2倍となっており、前年同月の1.58倍と比較して0.38ポイント減少している状況です。また、平成28年度以降、今年3月までは1.5倍程度で推移しておりましたが、5月には1.09倍となり、6月以降、1.2倍前後を推移している状況でございます。 新規求人数についても、今年9月の1か月分を前年同月と比較しますと、2,313人から1,830人と、約20%の減少となっております。なお、10月末時点の有効求人倍率は全国が1.06倍、県は0.92倍であり、コロナの影響を受けながらも、本市におきましては全国平均を上回っている状況でございます。 次に、離職状況については、雇用保険適用時に交付される離職票の交付枚数が今年1月から9月までは7,048件で、前年の7,472件と比較しますと約94%となっており、また新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、営業自粛等を余儀なくされていた5月以降においても、各月前年を下回る件数で推移しており、雇用保険の対象とならない学生や短時間、短期間の労働者を除くと、現時点では離職への影響は見られない状況でございます。 一方、雇用者側となる中小企業の資金繰りの状況として、セーフティネット保証の申請・承認件数は、今年3月から10月末までの件数が昨年の7件に対しまして、1,780件となっております。平成20年度のリーマンショック時、1年間の件数が1,370件でございますので、事業継続のための資金需要が大きく伸びている状況でございます。 市内企業の雇用調整助成金の利用状況でございますが、長崎労働局の発表によりますと、今年4月から10月までの間、支援を受けた企業は約550社、支給件数2,291件、支給額約24億3,700万円となっております。前年同期間での支給実績は支給件数2件、支給額約280万円であり、受注量の減少分を雇用調整助成金で補い、従業員を守るといった構図が見られます。 以上の状況から、新型コロナウイルスにより企業経営に影響を受けている市内企業においては、各種支援制度の活用によって、厳しい状況の中、事業継続、雇用維持に努められており、先行きの不透明感から新たな雇用については消極的になっている状況がうかがえます。 次に、このような市内雇用状況を踏まえた対策についてでございます。 企業による雇用の維持という点では、市内事業者の廃業、閉店を防止し、経営及び雇用の維持・継続を支援することを基本方針の一つとして掲げ、緊急経済雇用対策本部を設置し、時期を捉えた中で緊急経済対策事業を実施してきております。 緊急支援段階として、特に影響が甚大であった飲食事業者等への給付金事業や雇用調整助成金相談窓口設置等をはじめ、安定化支援・計画的支援段階まで国の経済対策補助金新型コロナウイルスに係る交付金等を活用しながら、スピード感を持って最優先で事業を展開してまいりました。 今後の展開としましては、新しい日常への対応として、鶴議員の一般質問でもお答えしましたとおり、市内企業のデジタル化促進、IT企業のサテライトオフィス誘致スタートアップ支援によるデジタル技術を活用した新たなビジネス創出の3方向からの取組を踏まえ、デジタル化の進捗状況や企業の規模に応じた資金需要に対応する支援制度の整備についても検討が必要であると考えているところでございます。 次に、離職者の再就職支援については、無料職業紹介所「させぼお仕事情報プラザ」において、移住希望者や育児などにより離職された女性の再就職についてサポートをいたしております。 新型コロナの影響を受けられた方への対応としましては、今年度4月から11月までで移住希望者4名、女性離職者5名の相談を受けており、女性4名の方は就職に至っておられます。 また、就職支援に関するセミナーも随時開催しておりますが、12月8日に開催したセミナーにつきましては、コロナの感染拡大状況を踏まえ、東京在住の講師にリモートで参加いただき、実施したところです。 今後も新型コロナの影響を受けられた女性離職者への対応を含め、きめ細かな就職支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、新規学卒者の就労支援についてでございます。 長崎労働局の発表によりますと、10月末時点における県内高校生を対象とした求人数は前年と比較して2割程度減少している一方、採用状況については県内企業への内定割合は54%と、3年ぶりに5割を超え、過去最高を記録しております。就職希望者のうち県内を希望する高校生の割合も6割程度となっているなど、県内就職志向の高まりが感じられます。 なお、ハローワーク佐世保管内の高校生の市内企業への内定割合は43.2%ですが、過去5年間で初めて4割を超えるなど、こちらも増加傾向にあります。 これは新型コロナウイルス感染症の拡大が顕著な県外、特に、大都市圏での就職を避ける動きや県外企業からの求人減少によるものと推測されますが、市内企業においては、オンラインによる企業説明会を開催されるなど、これを好機と捉えた動きもあり、積極的な人材確保の取組が進められております。 本市におきましても、新規学卒者の地元定着の観点から、企業の採用力強化や地場企業の認知度向上などに努めているところでございます。 その中で、市内企業と学生の接点づくりの場として、企業の若手社員と学生の交流事業を行っておりますが、この取組についても、コロナに対応したリモートによる開催を予定しており、今後も若い人材の市内就職につながるような取組を積極的に行ってまいります。 以上でございます。 ◎保健福祉部長(野村成人君) (登壇) おはようございます。 2項目めのウィズコロナ時代を踏まえた市役所の窓口業務について、私からお答えいたします。 本市におきましては、市内での新型コロナウイルス感染症の発生を受けて、特に、4月以降、市民の皆様が安心して各窓口にお越しいただけるよう感染防止対策に努めております。 まず、庁舎内での取組でございますが、4月初めに各種通知を行い、職員のマスク着用や手洗いの励行、各窓口には飛沫防止用のパネルなどを設置するとともに、窓口周辺などの定期消毒の徹底などに取り組んでいるところです。 次に、ソフト面での取組でございますが、オンラインによる行政手続も実施しており、子ども保健課では妊婦相談、母子健康手帳発行業務に当たり、9月から希望者に対しまして、オンラインによる個別対応ができる環境を整えております。 さらに、納税課、保険料課、子ども支援課においては、当初予定していたスケジュールどおりではございますが、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済を本年11月から開始しており、このことも感染防止対策に資するものと考えております。 次に、コロナ禍における来庁者数などの変化について、幾つかの主な窓口の状況を申し上げます。 平成29年11月から各種手続においてマイナンバーカードを利用した情報連携が開始されたことにより、住民票や所得課税証明書などの添付を不要とする手続が増えてきており、市役所2階の市民税課では、毎年10%程度、税関係書類の取得申請が減少傾向にありますが、4月から10月の実績においては、昨年度1万6,945件に対し、今年度は1万3,870件と、約18%窓口対応が減っております。 また、市役所1階の戸籍住民窓口課においても、マイナンバーカード申請交付手続等、一部増えている業務はあるものの、窓口全体としましては、同じく4月から10月までの実績で昨年度5万6,577件に対し、今年度は5万1,954件と、約8%窓口対応が減っております。 一方、マイナンバーカードをお持ちの方が住民票や所得課税証明書などをコンビニエンスストア等で取得できる証明書交付サービスの利用状況につきましては、同じ時期において交付件数が増加しております。 具体的に申し上げますと、住民票、印鑑証明などについては、昨年度6,749件に対しまして、今年度は1万907件と、約61%の増、所得課税証明書につきましては、昨年度1,325件に対しまして、今年度は1,750件と約32%の増となっております。 このことはマイナンバーカード等を利用したオンライン化の進展に加えまして、コロナ禍の中、たくさんの方が集まる市役所の窓口を避けて、コンビニ等での証明書交付サービスを利用されているものと考えられます。 ◆30番(大塚克史君) (登壇) それぞれに答弁をいただきました。 まずは、コロナ禍における雇用対策について再質問します。 雇用状況、離職の影響、求人倍率、また企業の状況でありますセーフティネット保証の申請数、雇用調整助成金のことにつきましても、様々な支援策をスピード感を持って行われてこられたことにつきましては、大いに評価をしておきたいと思います。 ただ一方では、感染拡大の第3波が全国的にも進んでおり、コロナ禍の影響の長期化ということも懸念されると思っております。 また、新たな雇用は消極的であるとの答弁がありましたが、ぜひ先々の用心といいますか、先々の対策として、最初の質問でも取り上げました、本市の直接的な雇用支援、また雇用創出に取り組む可能性はないのか、伺います。 また、雇用情勢の変化を見据えての先手、先手の雇用対策というのも併せて講じるべきだと思いますが、当局からの所見を伺います。 次に2項目のウィズコロナ時代を踏まえた市役所の窓口業務について再質問します。 それぞれの窓口の対応状況について御答弁をいただきました。感染防止対策など、施設面の取組については理解をし、コロナ禍の中、最前線で接客に当たられる窓口業務関係者の皆様に心からおねぎらいを申し上げたいと思います。 また、ソフト面での窓口業務につきましては、行政手続や子ども保健課では、妊婦相談、母子健康手帳発行業務の個別対応がオンライン化されているとの答弁でもございました。 今定例会におきまして、市長の施政方針におきましては、令和2年4月に策定されました佐世保市ICT戦略において、デジタル技術を最大限に活用し、市民の利便性向上と効率的な行政運営の両立に取り組むと表明をされ、特に、行政のデジタル化GIGAスクール構想を強力に推進していくためにデジタル・ガバメント準備室、スマート・スクール・SASEBO推進室の二つの組織を整備されました。 今回、質問項目に取り上げました窓口業務の対応の在り方につきましても、ウィズコロナ時代を踏まえ、新しい日常に即したオンライン化を着実に推進していくべきだと考えますが、当局の所見を伺います。 以上、再質問を終わります。よろしくお願いします。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) 1項目め、コロナ禍における雇用対策についての再質問にお答えいたします。 議員御案内のとおり、全国的には第3波が拡大しており、企業経営につきましても多くの業種で影響が出ているものと認識しております。 雇用に関しましては、ハローワーク佐世保管内有効求人倍率は、このコロナ禍におきましても県内で唯一、1倍を割り込むことなく維持しておりますが、今後につきましては予断を許さない状況であります。市内経済の状況等を注視しながら、有効求人倍率が大きく1倍を割り込むような事態を迎えた際には、緊急雇用対策事業として公共事業による雇用創出などの検討も必要であると考えております。 また、国の支援といたしましては、12月8日に雇用調整助成金の延長等を含む追加の経済対策が閣議決定されたところです。事業規模約73兆6,000億円、財政支出約40兆円となり、自治体独自施策に活用できる地方創生臨時交付金も約1.5兆円上積みされるとのことですので、本市といたしましても、これをコロナの感染拡大防止と地域経済の回復、活性化に向けて積極的に取り入れながら事業を展開してまいります。 事業の展開に当たりましては、国の施策等の情報収集、周知徹底に努めるとともに、市内の業種ごとの経営状況及び雇用状況を捉えながら、市内企業に対しての経営基盤の強化と事業活動等への支援を行うことで、議員御指摘の企業による雇用の維持、さらには新たな雇用創出促進を図り、基礎自治体として、きめ細やかな就労支援に努めてまいります。 以上でございます。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) おはようございます。 2項目めのウィズコロナ時代を踏まえた市役所の窓口業務についての再質問にお答えをいたします。 デジタル化の進展を踏まえ、新しい日常に即した行政窓口の在り方についてでございますけれども、このデジタル化につきましては、デジタル庁の創設など、国の動向が非常に注目されておりますが、本市としても、ポストコロナ時代における新たな日常構築の原動力として、積極的に推進を行う考えでございます。 特に、議員御案内の行政手続、窓口のオンライン化という点につきましては、市民の皆様の利便性向上に直結する部分でもございますし、新型コロナウイルス感染症の感染リスクの低減という観点からも、まさに今後の新しい行政の形、デジタル・ガバメントの構築において必要不可欠な基盤になるものと考えております。 本市では本年4月に策定いたしました佐世保市ICT戦略の重点取組方針の一つとして、市役所に来庁しなくても、スマートフォンなどから、いつでもすぐ使えて、簡単で便利な行政サービスの実現を掲げ、取組を開始していたところでございますが、取り巻く環境の変化を踏まえて、当初計画案から大幅に前倒しを行い、具体的な検討、整理を進めているところでございます。 その一環として、オンライン申請システム、並びにチャットボットの導入経費について、本定例会に補正予算を計上し、先般可決をいただいた次第でございます。 オンライン申請システムとは、申請や届出等、行政手続のオンライン化を実現するためのシステム基盤でございまして、導入によって件数ベースで6割以上の手続のオンライン化を実現することを当面の目標といたしております。 また、チャットボットにつきましては、佐世保市LINE公式アカウント上で24時間、いつでもお問合せいただくことができる仕組みをつくるものであり、現在、実証実験を行っております「子育て関係Q&A」、「ごみの分別案内」をはじめ、順次新たな内容を拡充していく予定でございます。 それぞれのサービスの開始時期につきましては、チャットボットが来年5月、オンライン申請システムは同年9月頃を想定しておりまして、対象となる具体的手続については、準備が整い次第、改めて市民の皆様にお知らせをいたしたいと考えております。 一方で、手続のオンライン化を進める上で重要になるのが、オンライン上での本人確認の手段であり、これを実現するのがマイナンバーカードだと認識をいたしております。佐世保市内の普及率でございますが、11月1日現在29.4%と、全国平均の21.8%を大きく上回っている状況ではございますが、デジタル化を進める上での本人確認の手段として活用していくためには、まだまだこの割合を向上させていく必要があると考えております。 国はマイナンバーカードをまだお持ちでない方に対し、改めて通知を行うなど、普及率向上に向けて今後、取組を進められると聞き及んでおりますので、本市としても国と歩調を合わせて普及促進の取組を進めてまいります。 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症対策の面からも、市民の皆様の利便性向上の面からも、今後、行政のデジタル化は必須であると考えております。そのような中で、新しい時代に即した行政窓口の在り方、あるべき姿につきましては、これまで述べた考えに基づき、11月1日付で新設いたしましたデジタル・ガバメント準備室を中心に早急に検討を進め、具体化に向けて取り組んでまいります。 以上でございます。 ◆30番(大塚克史君) (登壇) それぞれに御答弁をいただきました。 それでは最後に、再々質問ということで、ぜひ市長に総括的な部分、そして所見をお伺いします。時間が少ししかありませんが、どうかよろしくお願いします。 デジタル化の推進、オンライン化につきましては、非常に急速なスピード感といいますか、Society5.0という言葉を初めて聞いたのは、1年ぐらい前の一般質問で鶴議員が取り上げたときであり、「これは何だろうか」というぐらいの初めての用語でありました。あれからたった1年しかたっていないのに、今こういった質問をしなければならない時代になった。私自身もついていくのが精いっぱいという中で、質問をしている現状でございます。 市役所が、これだけのオンライン化等を推進していくのは、職員としても大変だと思います。また、市民や利用者の皆様も、これについていってもらわないといけないと思います。 そういった意味では、施政方針の中にも書いてありました、便益を享受できるよう、しっかりとそれぞれの3者が併走していけるようなオンライン化の推進をぜひやっていきたいし、やっていただきたいし、私も含めて置き去りにならないように、この時代についていかなければならないと思っております。こういったことも踏まえながら、今回のデジタル化の進展による新たな働き方や雇用の在り方についての市長の考えと今後の本市のデジタル化の展望についてお伺いします。 神戸市では、新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが普及し、働き方の多様化が進む中、新たな取組として、民間企業の社員やフリーランスとして働いている副業人材にホームページのモニタリング、動画の企画など、広報業務をオンラインで委託をされているようでございます。 これまでチーフ・イノベーション・オフィサー、クリエーティブ・ディレクターなど、専門的なスキルや知識を持つ民間人材の積極的な登用もされているようでございます。チーフ・イノベーション・オフィサーとは、企業や団体の情報システム部門における最高責任者のことでございます。また、クリエーティブ・ディレクターとは、企画から制作過程における全ての業務において指揮を執る総責任者のことでございます。説明しても、ぴんとこない部分も若干、私自身もありますが、そういった時代に即した業種に今、行政としても目を当てて委託などされているようでございます。 神戸市の大きな特徴としては、原則として庁舎に登庁を伴わないオンラインでの業務であり、東京などにお住まいの方でも、時間、場所にとらわれることなく神戸市の業務に携わっていただけるという点であるそうでございます。まさにウィズコロナの時代に即した新しい働き方であり、新しい日常における地元佐世保の雇用創出のヒントになると思いますが、市長の所見を伺います。 それから、本日の質問を振り返りまして、冒頭にも申し上げましたとおり、今後の期待する本市のデジタル化に対する展望につきましても、ぜひ市長からの答弁をお伺いしてから、私からの質問を閉じたいと思います。ありがとうございました。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) おはようございます。 大塚議員の再々質問でございます。 コロナ禍における雇用対策、現状の課題認識と対策、そしてウィズコロナ時代を踏まえた市役所の窓口業務ということで御質問がございました。 まず、デジタル化の進展を踏まえた新たな働き方、雇用の在り方についてお答えをいたします。 国はいわゆる骨太の方針でデジタル・ガバメントの構築を最優先政策課題とし、デジタル化への集中投資を行うという方針を示しており、Society5.0の理念に基づき、今後、社会全体のデジタル化がますます進展していくものと思います。 当然ながら、議員から御案内をいただいた新たな働き方、雇用の在り方についても例外ではございません。副業を可とする制度、慣習面の動向とリモートワーク等のデジタル化が融合することで、従来の雇用の在り方や、場合によっては労働市場そのものが変容していく可能性も秘めているものではないかと感じているところでございます。 そういった中で、行政運営の面から、例えば、デジタル専門人材の外部登用について検討を行う上で、従来のやり方に固執するのではなく、このような社会の新たな動きを見据えつつ、その有効性について十分に検討する余地があるのではないかと思います。 次に、今後の本市のデジタル化の展望についてお尋ねがございました。 行政の分野におきまして、本市ではこれまでもデジタル化を積極的に推進しております。先日、日経グローカル誌の電子化推進度ランキングにおいて、全国の市区町村で第9位という評価をいただきました。しかしながら、まだまだ市民の皆様にデジタル化の効果、便益を十分に享受いただくことができていないのが現状ではないかと考えており、今後、より一層デジタル化を推進してまいります。 一方で、大塚議員も先ほどお話をされましたように、デジタル化というのは手段であって目的ではございませんので、取り残される方があってはなりません。むしろ大切なものは、誰も取り残されないためのデジタル化であり、推進に当たっては、高齢者やICTに不慣れな方などが誰でも使いやすいように工夫するなど、十分に意を用いていく考えでございます。 今後、我が国全体が大きな転換点を迎えることになります。本市といたしましても、国が示す「地域未来構想20」を参考にしながら、デジタル化による新たな日常の構築に向けて、デジタル・ガバメント準備室を中心に取組を進めます。 さらに、関係部局長以上で構成する地域情報化推進本部のマネジメントの下、様々な分野において、デジタル化による便益を市民の皆様がしっかりと享受できるまちをつくり上げていくために、関連する施策について、これまで以上にスピード感を持ち、かつ着実に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  暫時休憩いたします。     10時38分 休憩     11時00分 再開 ○議長(崎山信幸君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。2番田山藤丸議員。 ◆2番(田山藤丸君) (登壇) 皆様、こんにちは。 自民党市民会議の田山藤丸です。 このたびも質問の機会をいただき、ありがとうございます。 依然として、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や日常に大きな影響を与えています。私が住んでいる相浦では、来年2月の愛宕市も感染拡大防止に鑑み、中止となってしまいました。440年以上の歴史と伝統がある恒例行事だけに、とても残念なことですが、改めて新型コロナウイルスは私たちのライフスタイルや社会の形さえも変えてしまうのだということを痛感します。 早期の収束、このような簡単な言葉で片づけられることではないことも分かっていますが、イギリスではワクチン接種も始まりました。一刻も早く市民の方々が当たり前の日常を取り戻せる日を切に願い、私も微力ではありますが、行動していく所存でございます。 今回の一般質問では、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えながら、デジタル環境の整備、そして農地の新たな活用策、まちづくりについてお聞きします。 本日は光海中学校の生徒が傍聴に来られており、私もふだんとは違う緊張を感じておりますが、朝長市長をはじめ、当局の方々にも明快な御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従い順次質問を行います。 1項目め、デジタル環境の整備について。 新型コロナウイルスの影響により、全国的にオンラインやリモートでの会議が広がり、市民活動にもインターネット環境は欠かせなくなっています。まさに、新型コロナにより急速なデジタル化の波が地方にも到来しており、市民がタブレットやパソコンを使って日常生活の様々な課題や障壁を乗り越えていくことができる環境づくりや社会教育、学校教育が求められているのではないでしょうか。 これからの自治体は、市民が端末やプロバイダー、Wi-Fi、ウェブカメラを適切に使うことのできる環境と教育を公共事業として進めるべきだと思います。 そんな中、佐世保市では公立公民館の在り方を大きく変えて、新たなコミュニティセンターを設置する取組が進められています。その目的の一つに、より幅広い世代や異業種の方々による公共施設の利用を促進することがありますが、現在、公共施設におけるインターネット環境はどのようになっているのか。近年は避難所機能など防災面も含め、重要な課題です。近年ではポケットWi-Fiなど新たな技術も出てきていますので、早期に公衆無線LAN--Wi-Fi環境の整備を図るべきだと考えますが、現状をお聞きいたします。 また、これらのインターネット環境を整備していく上でも、公共インフラとして欠かすことができない光インターネット、光ファイバーの整備状況について、新型コロナウイルスの感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、新たに黒島、柚木、三川内、宮、俵ヶ浦の5地区が整備されるとお聞きしています。 そこで、今回の事業に含まれなかった未整備地域である宇久、高島についても、公平性の観点から早期の整備が望まれますが、今後の対応について当局の御見解と方針をお伺いいたします。 次に、若者の声を市政に反映する機会づくりについてです。 先日、NHKの報道で、日本国内の若者に新型コロナ後の社会において目指すことというアンケート調査が行われ、回答者の4割がデジタル環境の強化を望み、選択肢の中で最も多かったことが紹介されていました。 デジタル環境の整備は、日頃からインターネット、SNSなどを通じて様々な情報を収集し、発信している若い世代にとって、特に重要な課題だと考えられます。 一方、非正規雇用の増加や少子高齢化による社会保障制度の持続性など、様々な理由により、将来に不安を感じている若者も少なくありません。そこに新型コロナショックが追い打ちをかけています。先行きが不透明な現代において、より一層市民の声に寄り添う姿勢が私たち議員にも行政にも、今こそ求められているのではないかと考えます。 そこで、デジタル環境の整備を好機と捉え、若い世代の声を行政に反映させる機会や仕組みを積極的につくってはどうでしょうか。例えば、リモートであれば1か所に集まる必要もなく、地理的な制約も受けません。デジタル環境の整備は、若者をはじめ、多様な市民の声を市政に反映するチャンスだと考えますが、本市の御見解をお伺いします。 続きまして、2項目め、アフターコロナの新しいまちづくりについてです。 アフターコロナのニューノーマルに対応したまちづくりとして、国土交通省は、働くにも住むにも快適な環境、移住対策、交通体系、緑地や水辺、公園などのオープンスペース、医療、食と健康、農業、スポーツ、スマートシティの推進などの重要性を指摘しています。 そんな中、本市の広大な優良農地として圃場整備されながら利用が低迷している相浦土地改良区が令和4年春までに解散する方針を固めました。その背景には、農地を所有する地権者や農家の高齢化をはじめ、担い手不足があります。 農林水産省が11月27日に発表した2020年の農林業センサスの速報値によると、農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は15年の前回調査に比べて22.5%減の136万1,000人であり、40万人近く減少しています。農業従事者の7割が65歳以上で、全国的に高齢化と担い手不足が大きく進行しているのが現状です。 相浦土地改良区は地権者128名で構成され、面積は約40ヘクタール、ちなみに土地改良区の全国平均は567ヘクタール、九州平均は421ヘクタール、県内平均は109ヘクタールとなっています。国、県、市の支援を受けて、1996年までに約20億円を投じ、優良農地として圃場整備が行われました。 現在は高齢化と担い手不足により、稲作面積は3割未満、耕作者は25名程度、大半が牧草地となっています。また、相浦土地改良区の決算は毎年約150万円の赤字であり、繰越金の取崩しで運営を維持している一方、現状では増収の見込みはありません。加えて、水路、農道など、施設の老朽化対策としての積立てもできない状況であり、学生が多く住む文教地区であることから、地域から農道への街灯の設置など、安心・安全対策が要望されていますが、対応は難しいとのことです。 そんな中、令和元年、土地改良法の改正に伴う準備作業が長崎県土地改良事業団体連合会の主導により開始され、2022年度から複式簿記の導入など、事務が複雑化することなども土地改良区解散の一因となっています。 佐世保市には同様に圃場整備された土地改良区が15組織存在しており、水田の畑作化に伴う基盤整備やポンプなどの補修、組織経営の負担に苦慮しておられます。 このような現状を受け、相浦土地改良区では2004年以降、当該地を活用した大型商業施設の出店計画が持ち上がり、その後も農業振興での好転が見通せない中で、地元からは市政に対し、「まちづくりの視点で活性化策を考えてほしい」との声が相次いできました。印象的だったのは、昨年の市主催の市政懇談会において、参加者から当該農地の活用に関する強い要望と行政、議員に対する大変厳しい指摘があり、会場からは賛同の拍手も聞こえてきたことです。率直に言ってショックでした。 これらの背景には、この農地が佐世保市総合グラウンドや長崎県立大学が隣接し、また近年、陸上自衛隊相浦駐屯地に水陸機動団が新設され、隊員やその家族が大幅に増加していることから若い世代も多く、相浦中里インターチェンジの開通や4車線化事業の着手による交通アクセスの向上など、十分に商圏として成り立つ地理的環境のよさがあります。 そこで、改めて農地法、農振法上の観点から、この相浦土地改良区の可能性について当局の認識を問いたいと思います。 現状の農地法では、開発の例外許可として、地域の農業振興に関する地方公共団体の計画に基づく施設などとありますが、具体的にどのような関連施設が法的に立地可能なのかお尋ねいたします。 さらに、開発の許可不要として、国、県、市が行う場合、法定協議制度により、転用許可権者との協議が成立すれば許可とみなされますが、例えば、現在老朽化が問題となっている総合グラウンドや市内のスポーツ施設を一定集約し、新総合運動公園としてその全体、または一部をこの農地を活用して移転及び再整備することは法的に可能かお伺いいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) おはようございます。 田山議員の1項目め、市内公共施設のインターネット環境整備についての御質問のうち、公共施設への公衆無線LAN、いわゆる公衆Wi-Fi環境の整備について、公立公民館の状況をお答えいたします。 議員御指摘のとおり、公立公民館において、特に、利用団体が主催するリモートでの会議や講座での動画再生など、利用のデジタル化が進みつつありますが、現在は個人の通信機器を使用されているため、場合によっては通信に支障がある旨、聞き及んでいるところでございます。 そのような流れを受けて、Wi-Fi環境の整備につきましては、これまでも検討を行ってきており、より人の集う施設にとの思いで取り組んでいる公立公民館のコミュニティセンター化においても、その理念をさらに推進するための大きな要素になるものと考えております。 一方で、公立公民館は自然災害時の避難所機能も有していることから、Wi-Fi環境の整備に当たっては、どの程度の機能、規模を想定すべきか、関係部署との調整を進めている状況にあり、いまだ検討の途上にあります。 しかしながら、さきに申しましたとおり、公民館のコミュニティセンター化をきっかけに、若い世代の方々にも、より御利用いただける施設、また多様な利用ニーズに対応できる利便性を高めた施設としていくためには、Wi-Fi環境の整備も重要な要素であると認識いたしております。 つきましては、今後ともWi-Fi環境の整備に向けて、設置に要する費用及びその効果の検証を行いながら、引き続き関係部署との調整を進めていくとともに、まずはモバイルルーターの貸出しなど、できるところから運用していくことにつきましても併せて検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目めのデジタル環境の整備についての御質問のうち、教育長が答弁いたしました公民館以外の市内の公共施設のインターネット環境の状況についてお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、近年のスマートフォンをはじめとした通信機器の普及、また新型コロナウイルス感染症の影響によるリモート会議などの利用が増えたことにより、インターネット環境の整備は重要なものになってきているところでございます。 まず、本市の公共施設の公衆Wi-Fi整備の状況でございますが、市役所本庁舎1階の総合窓口、国際ターミナルなどの港湾関連施設、市民文化ホール、アルカスSASEBO、島瀬美術センター、図書館に設置いたしており、市民の皆様、また観光客の皆様に御利用いただいております。 今後、多くの皆様にさらに使いやすいものとなるよう、全国的な規格であり、本市以外でも共通して利用することができるJapan Connected-free Wi-Fiというものを活用し、商店街や観光施設などの民間の施設を含め、一体的に利用できる環境となるように進め、ポスター、ステッカーなどを使ったPRも行ってまいりたいと考えております。 次に、市内の光インターネット環境についてお答えをいたします。 佐世保市内においては現在、宇久、黒島、高島の離島地域、並びに宮地区、三川内地区、柚木地区及び俵ヶ浦町が光インターネットを利用できない地域となっております。これら未整備地区への対応方針としまして、これまでは令和元年度までの計画でありました「ICT利活用による便利な市役所推進計画」におきまして、未整備地区においてもLTEやケーブルインターネットが提供されていることや新しい無線通信規格である5Gへの展開などの社会情勢の変化を見極める必要がありましたことから、一旦整備の判断を当面見送るということにしておりました。 しかし、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、新たな生活様式を実現するために光インターネットの必要性が高まりましたことから、本年7月の臨時会で御承認いただいた地域情報化基盤整備事業におきまして、当該事業に関する国庫補助金に加え、新型コロナ関連の交付金も活用し、民間通信事業者による光インターネット網の整備を進めているところでございます。 なお、このことで整備する地区といたしましては、議員御紹介のとおり、宇久、高島を除いた地域となっております。 このことにつきましては、全ての地区で光インターネット網の整備を進めたいところではございましたけれども、国庫補助を活用するに当たっては、令和3年度末までに整備を終えるということが条件となっていたために、まずはこの期限までに対応可能な地区の整備を進めるということでございました。 整備の全体スケジュールといたしましては、先ほど申しましたように、令和3年度末までに事業が完了する予定としており、また整備が終わった地区から順次、光インターネットサービスが利用できるように計画をいたしております。 一方で、今回整備対象とならなかった宇久、高島の二つの地区につきましては、ほかの地区と同様の通信環境の提供について現在情報収集を行っている状況でございます。本来、光インターネットは民間事業者によって提供されるサービスであり、事業者自身によって整備されることが望ましいと考えております。しかしながら、光インターネット網の整備には多額の事業費が必要となり、採算性や地理的条件により、民間事業者による離島への光インターネット網の敷設は難しい面もあるのではないかと考えております。 これらの課題解決に向けては、行政による一定の関与が必要との認識の下、活用できる財源の調査や実現可能な手段の検討を進めるとともに、新たな無線通信規格である5Gなどの技術動向も注視しながら、宇久、高島においても高速で安定したインターネットを利用できる方法について、引き続き検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、若者の声を市政に反映する機会づくりについてお答えをいたします。 議員の御指摘については、いわゆる市民の声を市政に生かしていくという広聴の仕組みをデジタル化というタイミングで、若い世代の方々に浸透させていくという取組が必要ではないかということと存じます。 まず、広聴の仕組みといたしましては、デジタル環境での取組ではないものの、「市長とキラっ人トーク」という形で市民の皆様などから市長が直接御意見などを聴く取組を行っており、その中でも平成31年2月には大学生や高等専門学校生といった若い世代の方々の声を直接お聞きする取組を行ったところでございます。 また、デジタル環境では、市長への手紙や御意見・お問合せとして、市のホームページからインターネット上で送信することができる広聴システムを整えており、そういった視点では、デジタル環境での広聴の仕組みも一定整っているものと考えております。 この広聴システムを通した御意見などの状況を申し上げますと、寄せられた御意見やお問合せなどは、令和元年度の実績で合計893件あり、令和2年度におきましては、11月末時点になりますが、既に1,000件を超えているという状況でございます。 なお、現状として、この仕組みを使っている若い世代の方々の割合につきましては、相対的には高いとは言えず、令和元年度の実績では、10代と20代の合計の割合が11%となっているところでございます。 したがいまして、デジタル化の進展がもたらす社会環境の変化の恩恵を多く受ける若い世代の方々に対して、このデジタル環境の整備というタイミングを生かして、市政に関心を持っていただくように取組を進めていくということも一つの考え方になるものと存じます。 いずれにいたしましても、デジタル化という動きの中で市政に関心を持っていただくという視点で、広聴のみならず広報という表裏一体の仕組みも含めて取組を効果的に進めていくことは重要であると認識しており、必要な取組につきましては進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◎農林水産部長(吉田敏之君) (登壇) おはようございます。 私からは相浦土地改良区に関してお答えいたします。 人口減少社会の到来により、全産業において就業人口の縮小が見込まれており、農業におきましても、担い手の減少と後継者不足が懸念され、現状の農地を維持していくことも非常に難しくなることが予想されます。そのため、土地改良区のように使いやすい農地を集約し、省力化機械で効率よく農業生産を行うことが今後さらに重要になるものと考えております。 このような中、市内における土地改良区--全15組織ございますが--におきましても、担い手の減少と後継者不足の問題は共通しており、土地改良区内の農地や農業用施設の維持が今後の大きな課題であると認識しております。 これまで土地改良区が整備した農地面積は1,216ヘクタールであり、大型機械の乗り入れが可能なことなどの環境条件が良好なことから、省力化機械の導入や担い手への農地の集約化が進みやすく、今後も本市の農業振興上、必要な農地であると考えております。 とりわけ相浦土地改良区につきましては、平地に位置していること、1枚の農地が30アール以上として圃場整備が行われていることなど、作業効率が良好な農地であることから、市内でも特に優良な農地であると認識しております。 高齢化と担い手不足により、耕作面積、耕作者、利用状況は先ほど議員が御指摘されていたとおりでございます。そのような状況を踏まえ、農地法、農振法の視点からの御質問でございます。 まず、農振法において、例外許可として規定される地域の農業振興に関する地方公共団体の計画に基づく施設について、その具体的な関連施設がどのような施設なのか御説明いたします。 農業振興地域の農用地区域内における開発行為につきましては、農振法の第15条の2第1項の規定により制限されておりますが、その例外としては、農業用ハウスや植物工場などといった農作物栽培高度化施設の用に供する開発行為が許可不要となっております。 また、農業関連施設として、農業者自らが生産する農作物等を主として取り扱う集出荷施設や加工・販売施設などについても開発許可が不要となっておりますが、いずれも農振法上の農用地利用計画における軽微な変更として用途区分の変更手続が必要となります。 なお、農地法における具体的な関連施設につきましても、農振法と同様の施設が対象となりますが、事前に農地転用の許可申請手続が必要となります。 相浦土地改良区の圃場整備地につきましては、農地法上の甲種農地と位置づけられているため、原則転用は不可能とされております。農振法上の農用地利用計画において指定された用途、具体的には農業用施設用地として供する場合は甲種農地でも転用が可能であるものと認識しております。 また、議員のお尋ねにありました総合グラウンドの移転についてでございますが、本来、農振法第15条の2第1項の規定により、農業用施設以外の施設建設につきましては、農用地区域内における開発行為が制限されているものの、国や地方自治体が建設する場合、法的には許可不要になると考えております。 ただし、単に現施設が老朽化しているからというだけではなく、多面的な見地から、優良農地を転用してまで総合グラウンドを移設するのに値する公共政策としての必要性、妥当性があると認められることが前提条件となりますので、そういった意味では、現状では難しいものと考えております。 相浦土地改良区の圃場整備地につきましては、スマート農業などといった先進的な取組を研究していくのに適した農地でありますので、今後における本市の農業振興を図る上で可能性を秘めた土地と位置づけており、ひいては地域振興につながるものと考えております。 以上でございます。 ◆2番(田山藤丸君) (登壇) それぞれに詳しく御答弁をいただきありがとうございました。 1項目めについて、教育長、そして総務部長から答弁がありました。デジタル・ガバメントを掲げる佐世保市でありますので、引き続き、他市町に後れを取ることなく、迅速な取組の必要性を指摘させていただきます。 2項目めの相浦土地改良区の今後の可能性について再質問します。 先ほど農林水産部長より、農地法、農振法上の活用策について御答弁いただきました。農地法、農振法上の規定では、甲種農地でありながらも、農業振興の関連施設であれば立地可能だということ、また総合グラウンドのリニューアルに当たっての農地の活用も法的には許可不要であり、公共政策としての必要性、妥当性があると認められる場合は可能だと私は前向きに受け取りました。ただ、今すぐ成立するお話ではないことも理解します。 地域では11月1日から相浦土地改良区の中に活性化推進委員会が発足し、若手や企業を中心に将来ビジョンを構想する有識者会議--コンソーシアムの設立を目指す動きが出てきています。その根底にある理念は、当該農地が持つ400年以上の歴史と農家のスピリットを最大限尊重し、農業振興を核としながらも、多機能で複合的なまちづくりを実現するというものです。その検討は何かありきでなく、基本的にゼロベースで行い、様々な可能性を模索することとしています。 その中の一つがスマート農業です。農林水産省は、技術発展の著しいロボット技術やAI、IoTなどの先端技術を活用したスマート農業について実証プロジェクトを実施しています。既に令和3年度の事業化に向けた相談窓口が農水省に設置をされたとお聞きしているところです。このスマート農業は非常に大きな可能性を秘めており、その範囲は農業の省力化、デジタル化を中心にコミュニティ、子育て、教育、医療、福祉、観光、エネルギーなど様々な分野につながります。まさにまちづくりです。 特に、再生可能エネルギーについては、アメリカ大統領選挙で、民主党のバイデン前副大統領の勝利がほぼ決まり、米国の来年1月のパリ協定復帰が確実になったとの見方があります。日本政府も菅総理が臨時国会の所信表明演説において、2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロ、いわゆる脱炭素社会の実現に向け、かじを切りました。つまり、脱炭素の環境政策はコロナ禍克服に向けた新たな公共投資として注目を集めているのです。このグリーンニューディールの考え方はこれからの世界を大きく変革することでしょう。 長崎県内でも本年6月、五島市沖の浮体式洋上風力発電施設が全国に先駆けて促進区域に指定され、10月半ばに国の海洋政策などに携わる小此木担当大臣が五島市を訪問し、同施設を視察しました。また、国の後押しを受け、洋上風力を基幹産業化すべく、長崎大学内に洋上風力の人材育成機関--長崎海洋アカデミーが開所されています。 可能性があるのは洋上風力にとどまりません。再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は、農地法や農振法などで規制されている農地を活用し、スマート農業と組み合わせて、食料とエネルギー両方の安定供給、地産地消を進めていくツールとなり得ます。 また、岡山県笠岡市にある株式会社サラでは、農場に木質バイオマス発電施設を隣接し、エネルギーを自給しています。これからの気候変動を予測して、スマート農業による施設型園芸、植物工場を導入し、企業の参入を促していく、さらには蓄電池やエネルギー源の水素化など分散型電源の面から西九州させぼパワーズを活用し、循環型エネルギー社会のモデル事業へ広域的に取り組むことも有効ではないでしょうか。 この可能性は水産分野の先端養殖においても同様となります。話を戻しますが、ドローンやICTなどを活用した最先端のスマート農業により生産の収益性を上げ、その過程でエネルギーもつくり、さらには加工、流通、販売の拠点、直売所や温浴施設、オーガニックカフェやレストランといった集客機能、農産物の収穫体験などは、地域の活性化につながる可能性が広がります。まさに相浦土地改良区はこれからの実証プログラムにふさわしい環境にあるわけです。 しかし、当該地は農地法における甲種農地であり、原則として開発は認められておらず、市長もそのハードルの高さと開発の困難性について議会で繰り返し答弁され、農林水産部も優良農地として活用する方針を示してきました。ただ、残念なことに、行政も農業分野での将来構想や具体策の必要性を認めながらも、今日まで有効な活性化策を地域に提示することはできていません。 そこで、本市としても、相浦土地改良区が有する圃場整備地を一体的かつ有効的に高度活用する将来構想と活性化策について、関係者と十分に意見交換を行い、その調査・研究に官民連携の下で取り組むべきではないでしょうか。市長の御見解をお尋ねいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 田山議員の一般質問にお答えをいたします。 相浦土地改良区における今後の可能性についてということで御質問がございました。 先ほど農林水産部長の答弁にもありましたとおり、相浦地区は市内でも特に優良な農地であると認識しておりますので、今後も農業振興地域としての活用を基本と考えているところであります。 その一方で、人口減少社会における第1次産業の担い手確保は難しい課題であると考えており、その打開策として、全国的にロボットやICTを活用して省力化や高品質生産を実現するスマート農業の動きが加速していると認識をいたしております。 このようなことから、デジタル技術の活用は、農業の省力化・効率化を進め、農業者の負担軽減を図り、これにより高齢農家の従事継続、新規就農の促進につながるものですが、コスト面などの課題も多く、現在、国において地域特性に応じたスマート農業技術の実証、導入、普及の各段階における課題解決に取り組んでおります。 議員御指摘のとおり、相浦土地改良区をはじめ、圃場整備地の将来構想と活性化策につきまして、農業振興上の視点での調査研究を行うことは本市全体の農業振興を図る上でも大変有意義であるものと考えますことから、相浦土地改良区において、スマート農業等の最先端技術の活用を視野に入れた農業振興上の可能性を調査・研究するよう農林水産部に指示をしているところでございます。 農業のスマート化が普及すれば、農業はきつい仕事というイメージが変わり、若年層の新規就農など、新たな担い手の確保、地権者をはじめ、多様な経営体による連携、協業化、企業の新規参入、ひいては地域振興につながるものと期待をいたしております。 現在、相浦土地改良区内におきましては、次の世代の若手を中心とした地域全体の活性化策について検討する協議会が設立され、土地の有効活用に関して研究されると伺っており、既に第1回目の意見交換会の場に、副市長ほか担当職員を参加させていただいたところでございます。 今後とも改良区の皆様の研究結果等を踏まえ、意見交換の場を通して相浦土地改良区を活用した農業を核とする地域振興の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 先ほど田山議員から、2004年に大規模商業施設の出店計画が持ち上がったという説明がございました。それからいろいろ変遷がございました。しかし、なかなか難しいという状況もございまして、今日に至っているわけでございます。そういう中で、今、スマート農業、いわゆるデジタル化、ICTの発展の中で、新たな展開が見込めるような時代に入ってきたのではないかと思っております。 そういう意味で、田山議員もスマート農業の推進を図ってはどうかと提案されたのではないかと思いますが、私も全く同感でございます。まさに今チャンスだと思っておりますので、これから研究を進めていくことは非常に大事なことだと思いますし、そしてまた地権者の皆様方も含めまして地域の皆さん方が、主体的に取り組んでおられるということは大変すばらしいことだと思っているところでございます。 一例といたしまして、先日、テレビで、熊本に果実堂という農業法人--株式会社ではないかと思いますが--の事例が紹介されておりました。まさしくスマート農業を実践されており、69ヘクタールぐらいの農地を活用し、ハウスが六百何十棟と大規模でございます。 しかも、その中ですごいなと思うのは、14毛作--農地を14回回転させていることです。これは作目にもよると思いますけれども、そこはいわゆるベビーリーフを栽培されているということでございます。作目によっては3回転、4回転できるようなものがスマート農業ではないかなと思います。 今までは単作や二毛作という考え方で農地を活用していたと思いますけれども、これからは何回転も回転をさせることで生産性を上げていく、そしてそこに集約をすることによって、従事者が社員として働ける農業形態というものが考えられる時期に来ているのではないかと思っております。 スマート農業を実証する場として、この相浦土地改良区は非常に適しているのではないかと思いますので、日本全国で実証--先ほど岡山の話もされましたけれども--いろいろなところで今取組を始めておりますので、それらを参考にしながら、ぜひ進めていくことができればと思っております。 それに対しましての様々な支援、(終了ブザー)サポートということにつきましては、やぶさかではないということをお話をしておきたいと思います。 以上でございます。
    ◆2番(田山藤丸君) (登壇) 市長、非常に前向きな、そして詳しい御答弁をありがとうございました。 市長がこれまで様々な形、そして視点でこの農地の活用を検討し、取り組んでこられたことも十分承知しています。私は決して農業振興と地域振興、まちづくりは矛盾していないと考えており、大切なことは都会を追いかけるような発想ではなく、新型コロナを見据え、地域の独自性の先に時代の最先端を描けるかどうかだと思っているところです。 いずれにしても、これからのまちづくりは多機能化と複合化、さらには事業としては収益性の向上を避けては通れません。特にそこでは健康や環境に優しいライフスタイルが中心となっていくのではないでしょうか。 今回の質問では総合グラウンドの話も少しさせていただきましたが、その理由は、これからのグリーンニューディールにせよ、国交省のニューノーマルにせよ、都市公園の在り方、存在価値が再定義されていくと考えたからです。農業やスポーツもウエルネス、つまり人づくり、健康づくりだと思います。私はこの「快適、スマート」、「健幸、ウエルネス」ちなみに健幸というのはこのように書きます。(資料掲示)健康の「康」の字が幸福の「幸」の字です。それでウエルネスであります。「まちづくり、シティ」の三つがそろったスマートウエルネスシティこそ、アフターコロナにおいて、持続可能な地域の形成、市民の豊かな未来につながり、佐世保市が目指すところだと考えております。 最後に、相浦土地改良区の理事、役員の平均年齢は70歳を超えており、まさにラストチャンスとの決意で臨んでおられます。ぜひ行政には、これから始まる地域の、企業の新たな挑戦を見守っていただき、助言などのサポートをいただきたいと考えているところです。 さらには、本日は市長から、来年度から相浦土地改良区におけるスマート農業の調査・研究に乗り出すとの答弁がありました。まさに未来に向けてのスタートアップだと思います。引き続き、土地改良区はもちろん、地域ともしっかりと足並みをそろえていただき、この機会に、隣接する長崎県立大学の先生方や学生たちも巻き込んで、みんなの知恵を出し合い、農業を皮切りに、どのような絵を描くことができるのか、10年後を見据え、検討を始めるときではないでしょうか。 将来的には、西九州地域の食料基地として、さらには食やスポーツを含む各分野のエキスパートを育てる人材育成の拠点として、相浦地域における(終了ブザー)新たなまちづくりの方向性を市長に提案させていただき、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(崎山信幸君)  暫時休憩いたします。     11時43分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(山口裕二君)  それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。29番市岡博道議員。 ◆29番(市岡博道君) (登壇) それでは、通告をいたしております2項目にわたって質問、質問というよりは今回はある意味、大変恐縮でありますが、提言ということに近いかと思っておりますが、させていただければと思っております。 まず1項目めは連携の推進について質問いたしますが、小項目を2項目掲げておりますけれども、一括してまず質問をさせていただきます。 さて、人口減少の動きが加速をする中、今後、今までどおりの行政サービスの維持は、将来的に市単独での維持が困難になっていくということが大いに予想されております。 例えば、総人口の中でも小中学生の人口推移を見ても明らかでございます。政策経営課で事前に調べてもらいました。分かりやすいように20年前、10年前、そして現在、それぞれの総人口、また、その折々の佐世保市内における小中学生の数です。平成12年、人口24万人、子どもたちは当時は2万3,700人がいました。10年前、平成22年が人口26万1,000人、合併があったものですから、そのような数字になっております。その折はそれでも残念ながら小中学生、2万2,300人という数字であります。現在、人口24万3,000人、小中学生は1万9,700人という数字になっております。現実に、いやいや確実に子どもたちの数が減ってきているということは、将来にわたってということがおおむね予想できるかなと。 その対応策の一つとしてあるのが、私は広域連携と理解をするものの、その視点を持って取り組むに当たって、問題が顕在化して行うのでは、残念ながら手後れになるのではないかと非常に危惧をいたしております。 そこで、今のうちから広域での行政サービスの提供の在り方、あるいはその仕組みについて早々に検討し、そして実施すべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。 要は複数の自治体間で連携して行政サービスを行ったほうがお互いにメリットがあると思われる事業として、どのようなものがあるのか。そして、それを実現するにはどのような手法がいいのかということであります。この点についてまずお聞きをいたします。 次に、連携を検討する場として、連携中枢都市圏の枠組みをうまく活用してはどうかという点でお聞きをいたします。 まず、問題提起から入りたいと思います。例えば、従前から広域連携を行ってきた消防、医療においても、今の枠組みや負担金割合のままでよいのかどうか。また、本市が単独で行っているようなごみの収集と処理、水、会計、人事の給与計算など、現在は佐世保市単独で維持はできておりますけれども、周辺の市町にとっては既に課題となっているかもしれません。 ともすれば、次のようなケースもございます。例えば、市の事業として行っている急病診療所、さらには市が委託をし、運営をしていただいている二次救急病院の患者の数--これも事前に資料として医療政策課から頂戴しました。実は毎年、佐世保市外の患者の数が増えてきております。現在は急病診療所、そして二次救急におかかりの市外の患者の数が約2割に届こうかという状況になってきております。数は年々増えております。これは本市にとっては憂慮すべき問題ではなかろうかと思います。今後は本市も周辺市町にとっても、基本的な行政サービスを単独で行うことが大きな課題となるかもしれません。 しかしながら、同じ政策の領域、例えば、環境だけを市町の環境部同士で考えてもなかなか前へ進まないだろうと思います。そうであるならば、全体を通して異なる分野での調整による取引、そしてお互いに必要なものを補うような視点に立てば、自治体間で連携して行政サービスを行うことの検討の範囲は広がっていくものと思います。 そこで、そのような考えの下、本市が圏域の中心市として、まずは検討の場をつくるところから声かけを行ってみてはいかがでしょうか。さらに、そのようなことを進める上で、現状、佐世保市として推進できる体制になっているのかということも課題であります。 コストや目標値に対する状況を示す指標であるKPIの効果を考慮し、本市にとって最適かどうかの視点で事業の組立てや実施を行っているのが現状であります。 そうであれば、周辺市町との連携は残念ながら二の次とならざるを得ません。広域連携を推進していくためには、連携の視点を持って進めることが重要です。それが当たり前となるような組織文化を育んでいくこと、制度、仕組みなどのシステム、そして財源などの意思決定の要因を左右する組織構造について変えなければ、変革は成し遂げられないと思います。 そこで、政策や施策を考え、進めていく上で、連携した行政サービスを当たり前とすることを目的に意識醸成、形式的な手続など、変わるための変化が必要だと考えますけれども、当局のお考えをお聞きしておきたいと思います。 次に、2項目め、基地交付金の対象資産の拡大についてお伺いをいたします。 基地交付金については、陸上自衛隊の象徴的な施設である演習場、航空自衛隊の飛行場などは対象資産となっている一方で、本市が多く抱える海上自衛隊の港湾施設は残念ながら対象とはなっておりません。 基地政策局から事前に資料を頂戴しました。数字で申し上げたいと思います。陸上自衛隊、海上自衛隊、本市に所在いたしておりますけれども、その土地については、おおむね全体の約4割近くが対象資産になっております。しかしながら、建物に関しては、海・陸合わせて、残念ながら全体の10%にも満たない施設が対象資産、つまり9割以上の資産が対象資産外であります。これが実態であります。 本市の政府要望においても、最重点要望事項として、毎年この件については所管をされておられる総務省に対し、要望を行っておりますけれども、残念ながら実現には至っておりません。 そこで、漫然と対象資産の範囲拡大を要望するにとどまらず、例えば、港湾施設、あるいはそのうちの岸壁などの係留施設など、ターゲットを絞って要望すべきと思いますが、どうでしょうか。 すなわち、一定の対象に範囲を絞ることで、新たに対象とする理由も整理がしやすいと思います。ましてや文言の追加であっても、法律の改正が必要となってまいります。そうであれば、大方の国会議員の皆様方の理解はもちろん、我々地方の声を酌んだ総務省が財務省を説得する流れまで考えないといけないとも思われます。 さらに、現状の交付金総額では既存の対象施設、例えば、申し上げましたように演習場や飛行場などですら、全てをカバーし切れていない状況も理解をしなければなりません。 全国には基地施設が所在する自治体が約350ほどあるそうであります。そのような中で私どもの願いをいかに実現性の高いものにしていくのか。そこで、まずは地方の声に広がりを持たせるために、特に旧軍港4市にむつ市を含めた5市で連携して進めるべきだと考えます。 また、平成17年に自衛隊の通信施設、いわゆるレーダーサイトが新たに対象資産に加わっておりますけれども、このときは北朝鮮によるミサイルの脅威に対する備えという社会的な機運の高まりが背景にあったと思われます。したがって、こういった過去の事例も参考に取組を進めることができないものかどうか、まず1回目としてはお聞きをしておきたいと思います。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 市岡議員の1項目め、自治体間連携による行政サービスの提供につきましては、全庁的に関係することではございますが、広域連携の推進を担っている点から企画部からお答えをいたします。 まず、将来を見据えた基本的な行政サービスの提供につきましては、議員御指摘のとおり、小中学生の減少は将来の生産年齢人口を表すこととなるため、労働の中核を担う働き手不足の側面と消費者自体の減少と相まって地域経済規模の縮小が懸念され、その結果として税収の減少も予測をされます。 そこで、このような人口減少社会に対応すべく、令和2年度からの第7次佐世保市総合計画は、官民連携で地方創生を目指す「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を包含し、さらには西九州させぼ広域都市圏の発展といった視点も併せ持つ計画としており、民間と行政の連携、近隣市町との連携などの取組を進めているところでございます。 近隣市町との連携となります連携中枢都市圏の枠組みは、人口減少の影響などで直面している課題に対し、単一の自治体だけでなく、必要な分野に応じ、関係市町と広域的に検討を進めることができる手法であり、平成31年4月に本市を中心とした長崎県、佐賀県の周辺11市町でスタートし、令和2年4月からは佐々町を含む12市町で西九州させぼ広域都市圏を形成し、連携した取組を進めております。 取組の1例を御紹介いたしますと、圏域内の農水産物を西九州食材というくくりでブランド化して取り扱うことで、共同での商談会やバイヤーへの売り込みを実施し、販路拡大を目指す事業やさせぼ移住サポートプラザを事務局として、首都圏での共同移住相談会などを通じて、圏域への移住者の増加を図る取組、自治体PPSによる電力の一括調達の仕組みに連携市町が参画することで、より大きなスケールメリットが生まれる事業などがございます。これらの事業をさらに進化させ、また新たな事業を創出することにより、広域連携の効果を高めていきたいと考えております。 次に、連携を検討する場として、連携中枢都市圏の枠組みをうまく活用してはどうかとの御質問にお答えをいたします。 この連携の枠組みは、各自治体の主体性を尊重した比較的緩やかなものではございますが、国の動向や他の連携中枢都市圏の状況も注視しながら、着実に検討を深めるべき枠組みではないかと考えております。 この都市圏の運用形態といたしましては、各市町の首長による協議会、企画担当課長による幹事会、各連携事業担当者による担当者会議、それから各市町の有識者によるビジョン懇談会などがあり、これらを適宜開催し、進捗管理や事業調整を行っているものでございます。 現在、連携事業として実施しております46の事業は同じ政策分野で共通する課題の解決策や相乗効果を考慮し、互いに効果が得られることを念頭にボトムアップで検討し、事業化に至っております。 しかし、この検討方法では、佐世保市と他市町が同一の分野内で共通の課題認識でなければ連携が成立しない構図となるため、議員御提案にありました異なる政策分野での調整を行うことも一つの手段であると認識しております。同じ政策領域内での検討にとどまらず、真に必要なものを補完し合える関係づくり、いわゆる物々交換やシェアのような手法によって具体化への検討を進める必要があると感じております。 一方、そのような手段の実現のためには、中心市、連携市町双方からの提案やトップダウン、ボトムアップ両面からの検討、時には長崎県、佐賀県などにも御協力いただくことも必要であると考えております。 まずは提案や検討するための場づくりとして、企画担当課長が集まる幹事会などを活用し、そのような手法の御提案をしてまいりたいと現在考えております。 また、そのような検討を進める場合において、佐世保市が組織文化や組織構造を伴う推進体制になっているのかといった御質問でございました。 先ほど御説明しましたとおり、第7次佐世保市総合計画では、西九州させぼ広域都市圏の発展を目指す役割も包含した計画としておりますので、都市圏として連携していくことの大きな方向性としては当然のことと職員は認識していると感じております。 しかしながら、個別具体に目を向ければ、日々の業務や意思決定の過程などにおいて、常に連携を考慮して取り組むことが当たり前とまでの意識の醸成には至っていないかもしれません。組織全体の共通意識とするためには、まず我々部局長から中長期を見据え、圏域の視点も踏まえた検討が当たり前なのだということを常々意識し、職員に対してもそのように接していかないと、組織としての常識とはなり得ません。 国において、連携中枢都市圏構想が制定されてから約6年が経過し、全国に34の圏域が形成されておりますので、同様の問題意識を有している圏域などの事例を参考に研究してまいりたいと考えております。 また、組織構造の点につきましては、組織が同じ方向を向いて機能するためには、適切な行政マネジメントを行うことが市役所という組織全体を機能させるために必要だと考えております。 現在も一定のルールに基づき取組を進めているところではございますが、例えば、連携の視点を新規事業の企画や改善を行う際の審査基準とするなど、より一層の広域的な連携が促進されるよう仕組みを検討してまいります。 連携が当たり前の考えであるとする組織文化、それを実現するための組織構造、現実的なアクションにつなげるためには、これらが一体でないと機能しないことから、どのような内容が適しているのか、今後検討を行いたいと考えます。 以上です。 ◎基地政策局長(北村敬男君) (登壇) 2項目めの基地交付金に係る御質問にお答えいたします。 国有提供施設等所在市町村助成交付金、いわゆる基地交付金は、米軍や自衛隊が使用する国有財産である基地施設等が固定資産税の課税対象となっていない一方で、それら施設が所在する市町村の財政に大きな影響を及ぼしていることから、固定資産税の代替的性格を有する財政補給金として毎年度総務省から交付される交付金でございます。 固定資産税の代替的性格を有するとされておりますが、実際の交付額は固定資産税相当額に満たず、また米軍提供施設は全て対象資産である一方で、自衛隊施設は対象となる資産が一部に限定されているという不均衡もございます。 これらのことから、本市及び市議会といたしましては、毎年の政府要望におきまして、最重点課題と位置づけ、交付金の増額及び自衛隊施設に係る対象資産の範囲拡大等について国に対し要望を行っているところでございます。 こうした中、国の基地交付金の予算総額については3年ごとに増額されており、直近では令和元年度予算において8億円が増額されております。 加えて、本市が基地を抱えることで生じる様々な財政需要や制限水域等に代表される本市の特殊性などにつきまして、あらゆる機会を通じて総務省に対して申し上げております。 その結果として、自治体への交付額を決定する際のルールは、「国の予算総額の10分の7は対象資産の価格で案分し、残りの10分の3については対象資産の種類や用途、市町村の財政の状況等を考慮して配分する」となっておりますが、本市に対してはこの10分の3の部分において、総務省から一定の配慮をいただいているものと認識しております。 さて、こうした国への協議・要望に際しまして、総務省から説明を受けておりますのは、現下の国の財政状況で直ちに予算総枠を大きく拡大するのは現実的に困難であるということと、仮に予算を固定資産税の代替分まで引き上げた場合は、基地交付金について一般税収と同様に、基準財政収入額に算入せざるを得ないということでございます。そうなりますと、本市の普通交付税の交付額が減少することになりますので、非常に悩ましいものがございます。 こうした事情から、対象資産の拡大範囲を港湾施設と限定すること、あるいはその中でも一定の機能のみに絞るということは、交付税額についてマイナスの影響が及ぶ可能性が低いと思われますし、また過去の事例のように、対象資産拡大の際に一定の予算の増額も伴えば、港湾施設を持たない他の自治体への影響も少ないと思われ、本市の取るべき方向性としては非常に有効だと考えております。 港湾施設、あるいはそのうちの一部施設を対象資産とするためには、従来から国に対し訴えている当該施設を抱えることによる財政需要や本市の特殊性についての主張のほかに、議員御指摘のとおり、総務省が財務省に説明できる理由も必要と考えます。そうした観点を念頭に、港湾機能の様々な側面について研究し、新たな対象資産とすることに広く理解を得られるような理由の整理を図っていく必要があるものと認識しております。 また、もう一点、議員御指摘の平成17年にレーダーサイトと呼ばれる通信施設が新たに対象となった経緯を振り返りますと、我が国を取り巻く環境、社会情勢の変化も対象資産の拡大に際して必要となる条件ではないかと分析しております。 この観点から申し上げますと、今後、新たな防衛大綱や中期防衛力整備計画が示された場合を含めまして、海上自衛隊を取り巻く防衛政策上において何らかの変化があり、自衛隊が使用する港湾施設の有用性が一層高まったと見られるタイミングは大きな機会になると思われます。 本市におきましては、今後、崎辺地区において海上自衛隊による大規模な施設整備が行われます。そうした機会を逸することがないよう、防衛省とも可能な限り情報共有を図ってまいります。 基地交付金の対象資産は法律で定められておりますので、その拡大には法改正が必要となることから、国会議員の御理解も必要になりますし、佐世保市のみの取組では、その実現は困難と思われます。現在、本市並びに横須賀市、呉市、舞鶴市の4市で構成します旧軍港市振興協議会の枠組みにおいて、港湾施設を基地交付金の対象資産に加えていただくよう国への要望活動を実施しているところでございますので、議員から海上自衛隊の地方総監部が所在します青森県むつ市との連携についても御提言いただきましたが、まずは旧軍港4市において、むつ市との連携及び対象資産拡大の要望の具体に係る方向性を協議してまいりたいと存じます。 ◆29番(市岡博道君) (登壇) それぞれに一定のお考え、お答えをいただきましてありがとうございました。 順序逆に、基地交付金のほうから、これは質問というよりは指摘ということとして受け止めていただければと思っております。 基地交付金に関しましては、本市としての課題は、私なりに二つあると思っております。 一つは、対象資産価格に対する固定資産税相当額に満たない交付実績ということである点、これは別に佐世保市だけの課題ではありません。もう一つは先ほど来、申し上げましたように、海自施設のほとんどが残念ながらその対象にはなっていないという、大きくはこの二つが本市にとって、この交付金に対する課題であろうと思います。 国の説明では、基地交付金というのは、固定資産税の代替的なものとして交付される財政補給金であり、一般財源であるという御説明を常にいただいております。自主財源に乏しい本市にとっては、固定資産税の代替という説明は残念ながら非常につらいものがある。例えば、演習場にしろ、あるいはまた飛行場にしろ、場所的には言わば郊外であります。 しかしながら、呉、舞鶴、横須賀、佐世保、同じようなこととして、まちの成り立ちから言えば、旧海軍が海軍根拠地をおつくりになる。それに人口集積があり、先達がまちをつくり上げていかれた。そういった歴史をひもときますと、どうしても現在、それを活用なさっている海上自衛隊の施設というのは、それぞれのまちの中心にある。そういう中で、この基地交付金というのは、それぞれその所在するまちにとって、いわゆる固定資産税の代替的なものとして交付される財政補給金であるという説明、これは残念ながら受け止める側としては厳しいものがある。 今、局長からも答弁がございました。むつ市を含めた五つのまちで、その現状を踏まえた上で、どのような方策が、どのような方法論が成り立つのか。まずは行政として頑張っていただきたい。 もちろん、これは法改正を伴う話になりますので、国会議員の皆様方の御理解も必要でしょう。と同時に、総務省自治税務局固定資産税課の立場として、財務省に対する説明責任がおありですから、その粗筋をつくっていかないといけない。大変な作業であります。しかしながら、十二分にこの内容等についてはお分かりだと思いますので、まずは今後の行政の動きを注視させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、地域連携のことについて、市長にぜひ答弁をいただければと思っております。 連携に向けた考え方につきましては、先ほど来、企画部長の答弁で、おおむね今の佐世保市の考え方は理解をいたしました。それを踏まえた上で、私見でありますけれども、例えば、こんなことも考えられると思うのです。佐世保市、そして県北地域は、道路にしろ、鉄道にしろ、佐賀県を通らなければ幹線につながりません。西九州自動車道の武雄南インターチェンジから佐世保大塔インターチェンジ間も今後10年間のうちには4車線化になるとは思っておりますけれども、それをなるべくでも早く、少しでも早くお願いをしたい。 また、鉄道においては仮に、佐賀県内においてフル規格化の話が進めば、並行在来線として佐賀県内を通る佐世保線の存在そのものが危うくなることが懸念をされております。しかし、どちらも佐賀県の問題であります。 幸いなことに、西九州させぼ広域都市圏に伊万里市、そして有田町が参加をしていただいている。例えば、一緒になって道路工事の工期の短縮、あるいは鉄道の維持に頑張ってもらうための連携した事業も、この都市圏事業を活用して考えてみるべきだと思いますけれども、どうなのでしょうか。 また、先ほど企画部長から答弁をいただきましたけれども、広域連携を推進するために各市町の必要なものを補完し合う連携の在り方について、ここで改めて市長のお考えをお聞きをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 市岡議員の再質問にお答えをいたします。 再質問にありました佐賀県内の市町との連携についてということでお答えをさせていただきます。 連携市町である伊万里市、有田町とは歴史的にも関係が深く、古くは肥前窯業圏としてのつながりがあり、人の交流をはじめ、自治体間においては松浦鉄道自治体連絡協議会や西九州北部地域開発促進協議会などを組織し、交通体系の整備や産業の振興など様々な分野で連携してまいりました。 今般、2市町を含めた全国でも数少ない県境を越えた連携中枢都市圏を形成することができましたので、中心市としてリーダーシップを発揮し、新たな取組の創出など、この圏域でのさらなる連携を深めてまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、本市を含め圏域の市町において、今は単独で維持できている取組も将来的には維持が困難になるなどの課題が顕在化してくる可能性もございます。そのようなことから、広域的かつ長期的に俯瞰した視点に立ち、必要なものを補完し合う連携の在り方について、改めて連携市町の市長、町長とのコミュニケーションを図り、深めながら検討を進めてまいりたいと、そのように思っております。 以上でございます。 ○副議長(山口裕二君)  12番久野秀敏議員。 ◆12番(久野秀敏君) (登壇) 12番、市民クラブの久野です。 通告に従いまして順次質問いたします。 1項目め、倒木対策につきまして。 地球温暖化の影響で毎年災害が大規模化する中、佐世保市においても大型台風9号、10号が直撃しました。今年の台風はこれまでにない勢力で、事前の避難を呼びかけ、市内全ての小学校が避難所となる中、コロナ禍も重なり、避難所運営についても新たな問題点や課題が出てきておりますが、今回は市が管理している樹木や倒木被害に絞って、その対策を質問したいと思います。 まず、樹木につきましては、人々に木陰などを提供するとともに、四季折々の移り変わりを感じさせてくれるものでありますが、市においては、どの部局でどのような施設において管理がされているのかお尋ねをいたします。 樹木につきましては、様々な機能や効果を持ち合わせているものになりますが、他都市におきましては、それら樹木の落枝や倒木等により人命を奪う事故が起きております。 事例を申し上げますと、2014年3月、広島県三原市芸術文化センター敷地内で、ポプラの木が突然倒れ、近くを歩いていた女性2人に直撃し、1人の方が亡くなられております。同年4月には、神奈川県川崎市の商業施設において、街路樹のケヤキからの落枝で、歩行中の幼稚園に通う6歳の女の子が頭蓋骨の骨折を負う事故が発生しております。 本市においては、人命に関わったものではありませんが、今年9月2日から3日にかけての台風9号で市道東部土地区画1号線の街路樹ヤマモモの木が強風により幹の根元部分から折れ、歩道を挟み隣接する民家の塀を壊すという倒木被害が発生しました。 街路樹の状況としましては、見た目では葉が生い茂っており剪定もされている一見、変哲もないどこにでもある普通の樹木でしたが、現場で折れた部分を確認すると、木の表面部分は硬く、内部はそのほとんどがスポンジ状で空洞化しておりました。 同じ種類の街路樹が立ち並ぶこの市道で、ふだんは緑が生い茂っている樹木は景観上も大変美しく、心も安らぎますし、近年の猛暑が続く夏日においては日陰となり暑さから守ってくれますが、今回の倒木をきっかけに、街路樹を見る際に倒れる危険性がないか気になるようになりました。 病気の原因を伺ったところ、白色腐朽菌というキノコによるものであるとの回答をいただきましたが、東京都建設局公園緑地部がまとめた街路樹診断マニュアルの腐朽度判定基準では、腐朽空洞率50%以上であれば、4段階判定の最下位で、不健全となっており、撤去や植え替えが必要な状況と判定されております。 以上のことから、まずは本市における台風9号及び10号の暴風雨による倒木の件数、また倒木によって停電が起きた件数などの被害状況と東部土地区画1号線街路樹の管理に問題がなかったのか。台風による自然災害でありますが、被害を受けられた民家への補償はないのかお尋ねをいたします。 次に、災害等に備えた点検や事前伐採による計画的な予防対策につきまして、倒木被害を最小限に防ぐ取組として、樹木医など専門家による定期的な点検や災害に備えた計画的な予防対策が必要と考えておりますが、職員で樹木医の資格を保有している方はいない状況です。 台風9号による被害でしたので、3日後の台風10号で被害がさらに拡大しないか心配しておりましたが、幸い、現場近くの倒木被害は発生しなかったと聞いております。今後、いつ風水害が発生してもおかしくない中、どのような対策を講じていくのかお尋ねをいたします。 次に、2項目めのICT化による事務の効率化につきまして。 昨年9月定例会において、システム導入の検討ができないか質問を行ったところです。前回の質問においては、市長からスピード感を持って本格的な検討を開始するとの答弁をいただきましたが、以後、佐世保市におけるICT化へのこれまでの進捗状況について、また電子決裁・文書管理システムの導入に向けたスケジュールについてお尋ねをいたします。 国においては、コロナ禍による新たな日常の構築に向けたデジタル社会を推進するため、行政サービスの効率化や自治体のコスト削減を図る取組として、住民基本台帳や税務など基幹系システムを標準化し、2025年度末を目標に自治体における17業務のシステム標準化も進められています。既に標準仕様を策定している住民基本台帳については、2022年度に開始するという方針が示されました。行政のデジタルトランスフォーメーションを推進するため、判こ文化からの脱却やデジタル庁創設に向けた取組が加速しております。 そのような中、本市における行政のデジタル化を加速させる目的で、デジタル・ガバメント準備室が11月1日に設置されました。取り組むべき内容は、行政手続のオンライン化、公金支払いのキャッシュレス化などとされており、今定例会でも行政手続のデジタル化に約1億8,900万円に及ぶ事業費の補正予算が可決されたところでありますが、デジタル・ガバメント準備室における今後の取組内容や組織体制、スケジュールや目的についてどのようにお考えかお尋ねをいたします。 また、国は来年9月の創設を目指すデジタル庁に強い権限を与え、官民のデジタル改革の司令塔と位置づけており、旗振り役となります。市においても同様の対応を行うのでしょうか。 あわせて、民間企業では、コロナの流行に伴い、テレワークやワーケーションが実施されています。本市においても職員の時差出勤が実施されましたが、働き方改革の一環として、日常的な時差出勤やテレワーク、ワーケーションの実施などができないか見解をお尋ねいたします。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 1項目めの倒木対策につきましては、多くの部局に関わりますので、御質問にございました市道東部土地区画1号線の街路樹を所管します土木部からお答えいたします。 まず、本市が管理する樹木につきましては、財務部所管の市役所本庁舎の樹木をはじめとし、土木部所管の市道の街路樹、都市整備部所管の都市公園や市営住宅の樹木、港湾部所管の臨港道路の街路樹、教育委員会所管の学校施設や地区公民館の樹木、農林水産部所管の市有林など、様々な部局で管理を行っております。 次に、台風9号及び10号による主な施設への倒木被害の状況につきましてお答えいたします。 まず、土木部所管の市道などにおきましては、倒木の件数が366件、倒木の処理額は3,960万円となっております。続きまして、都市整備部所管の都市公園など75件、1,685万円、農林水産部所管の林道など61件、1,345万円、教育委員会所管の学校施設など34件、344万円、保健福祉部所管の墓地など4件、189万円、港湾部所管の臨港道路など3件、21万円、観光商工部所管の動植物園など12件、44万円、全体件数としましては555件、約7,600万円の倒木の処理額となっております。 また、九州電力によりますと、倒木が原因となった停電は市内におきまして38件発生したと伺っております。 次に、市道東部土地区画1号線の街路樹の倒木被害につきましてお答えいたします。 倒木被害が発生しました街路樹につきましては、9月2日深夜、台風9号の暴風雨により根元付近から折れ、倒木したもので、折れた部分を確認いたしましたところ、表面は健全な状態でありましたが、幹の内部はスポンジ状に腐朽している状態でございました。 街路樹の維持管理につきましては、造園業者に年間を通して剪定などの維持管理を委託し、樹木に変状が生じている場合は受託業者から連絡を受け対応することとしており、本件におきましては、一般的な管理水準であったと考えております。 こうしたことから、腐朽の状態を事前に把握することは困難であり、台風の暴風雨により倒木しました今回の事案につきましては、市が損害賠償を負うことはできないとの判断に至ったものでございます。 次に、今後の対策につきましてお答えいたします。 市民生活への影響が大きい街路樹の倒木につきましては、御紹介いただいた他都市の事例のとおり、重大な事故につながる危険性がございます。このことを踏まえ、今年度の緊急対応として、全ての街路樹につきまして、維持管理の受託者に対し、倒木のおそれがある街路樹の確認作業を指示いたしております。 また、令和3年度より倒木が発生した路線や倒木しやすい樹種の路線から優先して、腐朽の原因となるキノコの発生確認や枯れ枝などの枯損部の確認、打音検査による空洞確認などの簡易点検を段階的に行い、異常が確認された街路樹につきましては、専門的な知識を有している樹木医に診断を依頼し、その診断結果を基に伐採を含めた倒木対策を行っていきたいと考えております。 以上でございます。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 2項目めのICT化による事務の効率化についてということでお答えをいたします。 まず、電子決裁・文書管理システムについてでございますけれども、議員御紹介のとおり、昨年9月定例会で一般質問をいただきました後、導入に向けた検討を加速化させ、当初は令和6年度の運用開始と計画をいたしました。その後、今般のデジタル化等の動きに呼応して、佐世保市ICT戦略をよりスピードアップして取り組むこととしたことに伴い、当システムについても当初計画から前倒しして、令和5年度までの運用開始を目指すといたしたところでございます。 導入に向けたスケジュールとしましては、システム導入に伴い、現在の紙文書による事務処理をそのままシステムに置き換えるということではなく、事務処理の進め方そのものを併せて見直す必要があると考えておりますことから、その事前準備として、令和3年度に事務フローの精査・検証、文書規程等の見直し、運用ルールの策定を行います。その後、令和4年度にシステムの開発テスト、職員研修を行い、令和5年度までに運用開始する予定といたしております。 このシステムの導入により、決裁を持ち回る移動時間の短縮やペーパーレス化、文書の保存、廃棄における効率化、省力化、さらには内部統制の観点からのリスクの軽減といったことの効果を見込んでおり、より一層の業務効率化等につながるものと考えております。 次に、デジタル・ガバメント準備室における取組内容についてお答えをいたします。 議員御案内のとおり、行政のデジタル化において、現在、我が国は今までにない大きな変革の時を迎えており、本市としましても、国の動きに遅れることのないよう、行政のデジタル化を加速させるための新たな推進体制を構築することを目的として、11月1日付でデジタル・ガバメント準備室を設置した次第でございます。 そのため、次年度からの具体的な施策推進を担う新組織の立ち上げというものも準備室の大きなミッションの一つであると考えており、またこの新たに設置する組織は国のデジタル庁の取組に適切に対応できる組織であることが前提になるものと認識をしております。 これにつきましては、国において今月下旬にデジタル庁の役割も含めたデジタル改革の基本方針が決定されるものと承知しておりますので、しっかりと国の動向を注視しながら、準備室として検討を進めてまいりたいと考えております。 一方で、行政手続における押印の廃止や旧軍港4市におけるデジタル・ガバメント推進広域研究会発足による自治体間での業務プロセスの標準化、並びに佐世保市ICT戦略に基づく行政手続のオンライン化や公金支払いのキャッシュレス化などにつきましても、準備室として先行して、より強力に速やかに推進してまいります。 いずれにいたしましても、デジタル化そのものは目的ではございませんので、市民の皆様の利便性を飛躍的に向上させる行政サービスの実現と効率的な行政経営を両立させるための手段として、しっかりと取り組んでまいります。 次に、本市職員の働き方改革の一環としてということで時差出勤及びテレワークの実施についてということで御質問がございました。 国が示す働き方改革は、労働生産性を改善することを目的としており、時差出勤に関しては働き方改革の指針等には明確に位置づけられてはおりませんけれども、多様な選択を可能とするワーク・ライフ・バランスの実現や新型コロナウイルス感染防止のための新しい生活様式などの観点からは、時差出勤の導入は一定有効であると考えております。 一方で、市役所の業務については、現在は市民の方と対面して行うものがほとんどであり、業務によっては時差出勤が困難な部署があることから、日常的で一律な時差出勤の導入につきましては、慎重な判断が必要となると考えております。したがいまして、時差出勤の導入につきましては、他都市の状況などを踏まえ、対処してまいりたいと考えております。 また、テレワークにつきましてですが、国や他の自治体で動きが見られるとともに、特に大企業を中心に導入が進んでおり、新たな働き方の一つとなっていると認識しているところでございます。 一方で、当該先行事例においては、テレワークの脆弱性を悪用され、内部情報が漏えいするという事例も多くあると聞いております。 本市での導入に当たっては、業務の効率性、セキュリティーの確保など、総務省のセキュリティーガイドライン等に従い、十分な情報収集を行い、どのような手段が適切か、またデジタル化を進めていく際にも併せて方向性などを検討してまいりたいと考えております。 ◆12番(久野秀敏君) (登壇) それぞれに御答弁ありがとうございます。 まず、倒木対策につきまして、台風9号、10号における倒木被害では、全体で555件、被害額が約7,600万円で、倒木が原因による停電が38件発生し、その他の対策としては、倒木のおそれのある街路樹の確認や事前伐採を含めた倒木対策を行っていただくということでした。 2018年に倒木による人身事故が発生した北九州市の取組では、市が管理する街路樹5万9,000本のうち4,000本を緊急点検されましたが、対象外の街路樹が5万5,000本、公園で管理する木は170万本を超え、市が全ての木を日常的にチェックするのは難しいため、市民へ協力を求めており、枝が枯れたり折れたりしていないか、幹や根元に空洞がないか、キノコが発生していないかといった注意点をまとめた情報提供の協力を求めたチラシを作成し、道路サポーターや公園愛護会など、計1,410の市民ボランティア団体への配布を行い、街路樹の維持管理を行っている業者からは、点検に必要な樹木の情報提供をお願いし、その他、市のホームページや市政だより等で市民への周知を行っているということです。 佐世保市においても、多くの樹木管理を市民にサポートしていただき、倒木の危険性を早期発見するためにも、北九州市と同様の取組が必要ではないかと考えます。 次に、森林の事前伐採について伺います。 災害時の電力供給においては、日頃より電力の安定供給に取り組まれている電力業界の方々へ敬意を表するところでありますが、停電被害は長期化すれば日常生活に与える影響も甚大で、在宅療養をされている方々にとっては生命の危機にもつながりかねません。停電の主な原因は倒木による電線の破断で、被害を軽減させるためにも、日常の点検や計画的な事前伐採が必要と考えます。 三重県は今年3月に大台町と中部電力株式会社の3者で、電力保全のための事前伐採に関する合意書を締結されました。今年度から官民が連携し、災害からライフラインを守る森林の事前伐採に取り組まれており、今後、県内に広げていくということです。全体事業費として、今年度からの4年間で4億円を予定されており、負担割合はライフライン事業者が2分の1、市や町が4分の1、県が4分の1で、財源には、「みえ森と緑の県民税」を充当されるということでした。 地球温暖化により、年々、台風の規模が大きくなっております。また、樹木自体も樹齢を重ね、老木となり、病気や倒木のリスクが高まる一方です。佐世保市でも、県や事業者へ働きかけ、大規模な停電を未然に防止するための森林の事前伐採を行い、災害による被害を軽減させる取組ができないかお尋ねをいたします。 次に、ICT化による事務の効率化につきまして、行政手続のオンライン化や公金支払いのキャッシュレスといった佐世保市ICT戦略が推進されるということでした。 今朝の新聞報道によれば、地方自治体のテレワーク導入に向けて、総務省関連の団体が開発したシステムが完成し、全国で455の自治体、県内では7自治体がIDを取得し、実証実験を開始されたということです。総務省はシステムの整備に加え、財政面でも支援していく考えを示されております。 佐世保市は環境が合わずに見送られたと聞いておりますが、他自治体より先行した取組を行っているということですので、実証実験の事例も研究していただき、住民サービスの向上や事務の効率化、柔軟な働き方の確保という観点からも、他都市に遅れることのないよう、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 キャッシュレス化につきましては、これまで窓口業務、市民向けの話であったかと思いますが、さらに本庁舎内における現金の取扱量を減らすことで、職員の事務負担の軽減などにつながると考えております。現在、職員が現金の取扱いを行う業務で、出張旅費の受領を原則窓口での現金払いで実施していると聞いておりますが、環境部や港湾部、学校や支所などの出先機関では、本庁まで出向かなければならず、受け取りに時間がかかっており、また現金の輸送時に盗難や紛失のリスクも生じていると思われます。 民間企業では、法人用のクレジットカードの利用やインターネットバンキングを活用し、旅費などの経費精算は時間と労力のかかる現金扱いを避け、振込による取扱いとし、振込手数料の削減など、経費節減にも取り組まれております。 庁舎内、水道局を含めた昨年1年間の現金取扱量を確認しましたところ、件数が約9,300件、その額はおよそ16億円ということでした。その中で旅費につきましては年間約6,300件の取扱いが発生しておりますが、県内において佐世保市のみが原則現金扱いを行っているという状況です。仮に現金の受渡しに1件10分程度の時間がかかるとしても、9,300件で1,550時間もかかっているということになりますが、現金扱いを全てなくすということは難しいとも考えております。振込が可能なものは極力現金扱いをなくし、振込か現金の選択制とするなど、庁舎内のキャッシュレス化の取組を推進することは作業時間の短縮や現金の取扱いによる紛失、盗難のリスクを回避でき、行政改革や働き方改革にもつながるものと考えます。 また、銀行にとっても振込により現金取扱量が減るということは業務の負担が減り、お互いにメリットが大きいと考えます。庁舎内でのキャッシュレス化推進についての見解をお尋ねいたします。 以上、2回目の質問を終わります。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 倒木対策に関する市民からの情報提供の取組につきましてお答えいたします。 本市におきましても、街路樹のほか、道路沿線の民有地からの倒木も多いため、市民の皆様への周知や協力のお願いは必要なものと考えております。議員御案内の北九州市の取組など、他の自治体の事例等を参考に市民の御協力を得られるよう、本市のホームページ等へ掲載を行っていきたいと考えております。 また、本市のLINE公式アカウントにおきましても、道路や公園施設の損傷等を発見した際に、簡単に報告ができる機能を令和3年度から運用開始する予定でございますので、市民の皆様にぜひ御活用いただきまして、倒木被害の削減につなげてまいりたいと考えております。 ◎農林水産部長(吉田敏之君) (登壇) 議員御案内の災害時に備えた森林の事前伐採につきましては、近年の全国的な台風被害状況などを勘案いたしますと、倒木に伴う停電被害等による市民生活への影響を軽減させるための有効な手段の一つであるものと認識いたしております。 御紹介いただきました三重県の事例では、みえ森と緑の県民税を活用し、県、市町、事業者でそれぞれ一定割合の費用負担を行う事業となっており、本県にも森林保全等を目的とした県民税--ながさき森林環境税がございます。また、国においても省庁で連携して、森林整備により災害の未然防止に係る取組を支援する重要インフラ施設周辺森林整備事業が新たに創設されております。まずはこうした長崎県のながさき森林環境税や国の補助事業の活用など、県との協議、調整等を始めてまいりたいと考えております。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 2項目めのICT化による事務の効率化についての再質問、キャッシュレス推進、とりわけ旅費の取扱いに関する市長部局における取組についてお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、旅費を現金で受け取るために時間を要していることや現金の受渡しによる紛失等のリスクもあるのではないかと考えているところでございます。特に、出先機関は本庁舎内の部署と比べ、旅費の受け取りに別途時間を要していることは事実でございます。 このような状況を踏まえますと、先ほど答弁いたしましたとおり、佐世保市ICT戦略を推進する上で、キャッシュレス化は喫緊の課題として認識しているところでございますし、また県内の10市が旅費の支払いを原則、口座振込で運用していること、さらに内部統制のリスク管理という観点から鑑みますと、旅費の支払い方法につきましては、原則として口座振込にするなど、早急に検討してまいりたいと考えております。 ◆12番(久野秀敏君) (登壇) それぞれに御答弁ありがとうございます。 再々質問に入ります。 倒木対策につきまして、樹木の管理や倒木対策は防災危機管理局をはじめ、樹木を管理しているそれぞれの部局に関連しますので、総括として最後に市長へお尋ねをいたします。 気象庁と文部科学省が先週末、12月4日に公表しました「日本の気候変動2020」では、今後、気候変動によって豪雨や熱波などに伴う災害が増加し、人命や経済的な損失は明らかに悪化していく状況です。損失を最小限にとどめるためにも、事前の予防対策が不可欠です。市民生活の安心・安全を守るため、樹木の管理や大規模な停電を未然に防止するための森林の事前伐採など、倒木対策における取組について見解をお聞かせください。 以上で私からの質問を終わらせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 久野議員から倒木対策について御質問がございました。 樹木の管理や倒木対策の取組につきましてお答えをいたします。 議員御案内のとおり、文部科学省が先日公表いたしました「日本の気候変動2020」によりますと、パリ協定の摂氏2度上昇シナリオに基づく予測では、21世紀末の日本は20世紀末に比べ、年平均気温は摂氏約1.4度上昇し、1時間50ミリ以上の激しい雨の頻度は約1.6倍に増加し、台風の強度も強まるという将来予測がまとめられております。 今後、気候変動によって豪雨や台風などによる災害が増加することが見込まれることから、防災・減災の観点からも、樹木の点検や計画的な伐採、剪定など、事前の予防対策の必要性を強く感じているところでございます。 その取組につきましては、先ほど土木部長の答弁のとおり、全庁的に様々な施設におきまして樹木の管理を行っておりますが、その中でも特に街路樹は市民生活への影響が非常に大きいことから、点検や樹木医の診断などによる倒木対策に取り組むこととしており、そのほかの施設の樹木につきましても、全庁的に情報を共有し、適正な管理に取り組んでまいりたいと考えております。 また、大規模停電の未然防止など、重要インフラを守るための森林の事前伐採につきまして、議員が披瀝されました三重県等での事前伐採の取組も参考としつつ、農林水産部長の答弁にもありましたように、長崎県のながさき森林環境税や国の新たな補助事業が創設されたところでありますので、国や県、そして電力事業者などの動向を見ながら、活用の可能性について研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(山口裕二君)  暫時休憩いたします。     14時35分 休憩     15時00分 再開 ○議長(崎山信幸君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。15番山下廣大議員。 ◆15番(山下廣大君) (登壇) 自民党市民会議、山下廣大でございます。 まずは佐世保市におけるスポーツ施設の老朽化及び施設整備、利用についてでございます。 今年3月、自民党市民会議の会派内でスポーツ研究会を立ち上げさせていただきました。私はその初代会長という大変名誉な役割をいただきました。まずはこの研究会の目的や使命などを御紹介させていただきたいと思います。 佐世保市議会自民党市民会議スポーツ振興研究会。 1、設立趣旨、人生100年時代がうたわれる今日、余暇時間の増大や高齢化が進み、健康寿命の延伸が求められる中で、子ども、青年、壮年、高齢者がそれぞれスポーツを通じて自らの健康は自分で守るべく、スポーツに接しやすい環境整備、普及活動を行い、様々な課題を研究しつつ、解決に取り組む。 2、研究課題、佐世保市のスポーツを取り巻く環境が他市と比べてどうなのか。佐世保市におけるスポーツ施設の現状分析、施設の在り方を検討する。スポーツとまちづくり、地域活性化、スポーツ産業の振興を推進していく。 3、具体的に取り組むこと、その一つ目として、スポーツを生かした地方創生へのアプローチを検討する。交流人口を増やす。定住人口を増やす。地域住民が、いつまでも生き生きと暮らす、働く。産業、雇用をつくる。そして、二つ目として、佐世保市内のスポーツ施設に関する現状把握、調査、各競技団体との意見交換会を行う。三つ目、佐世保市スポーツ振興基本計画の策定を提案する。四つ目、佐世保市議会スポーツ振興議員連盟の設立を目指す。 以上のことを踏まえまして、今回この研究会というものが設立をされました。 私はいまだにサッカー、フットサルを現役選手として活動しておりまして、佐世保市内はもとより、県内、県外のスポーツ施設には精通をしているつもりでございます。 たくさんの議員の皆様にも御賛同いただきまして、このスポーツ研究会に入会をいただいておりますが、スポーツ研究会として、スポーツ振興課の皆様のお力添えもいただきつつ、本年10月には初めての勉強会も開催させていただきました。そして、先月11月18日には、相浦地区にある総合グラウンドの施設も含めた現地視察と、スポーツのトップブランドであるミズノ株式会社から、部長、支社長に御臨席をいただきまして、日本におけるスポーツ界の現状をお聞かせいただきました。 本日はそういった経緯も含めながら、佐世保市におけるスポーツの現状や今後について質問をさせていただきます。 まずは佐世保市のスポーツ施設の老朽化についてお尋ねいたします。 先日、スポーツ研究会で総合グラウンドのほぼ全ての施設を見学させていただきました。総合グラウンドの敷地17.8ヘクタールには、体育館から順に、プール、テニスコート、アーチェリー練習場、野球場、陸上競技場、投てき練習場、グラウンドゴルフ練習場、サッカー、ソフトボールグラウンドと並んでおります。 そして、テニスコートを除き、そのほとんどが竣工から40年から30年近く経過をしております。当然、いろいろな場面で支障が出てきておりまして、スポーツをする環境としては、十分と言える施設が少ない現状を目の当たりにしました。まずはこちらの施設の老朽化問題や対策、対応についてお尋ねをいたします。 続きまして、本市におけるスポーツ人口の推移についてお尋ねをいたします。 日本におけるスポーツ人口は今から30年前と比べ、ほぼ倍になっているとデータがございました。佐世保市のスポーツ人口もかなり増えているというような印象です。これだけの一大コミュニティというのはなかなかないのではないでしょうか。スポーツが持つ力、これは技術の向上、勝負にこだわることはもちろん、健康に留意するようになりますし、何よりコミュニティができます。 我々が総合グラウンドの視察に行ったときも、高齢者の皆様がグラウンドゴルフを楽しまれておられました。この中には独居の方もおられましたでしょうし、御家族と会話のない方もおられたかもしれません。そんな方々にとって、グラウンドゴルフの楽しみや、コミュニティ内での仲間づくりというものは、かけがえのないものだということも想像に難くありません。もちろん、おかげで御健康になられている方も多いのではないのかなと思います。 そういう意味では、以前もこの議場でお伝えしたとおり、人生100年時代にスポーツの持つ役割はさらに大きくなっていくものだと思います。 昨年はラグビーワールドカップ、来年は東京オリンピック、再来年はワールドマスターズゲーム関西が立て続けにこの日本で開催され、ゴールデンスポーツイヤーズと、奇跡の3年間ということで、スポーツ業界はまさにチャンスと期待値が高まっておりました。しかし、残念ながら東京オリンピック以降は延期となっておりますけれども、逆にそこを考えると、佐世保市内でスポーツ振興の最大のチャンスがやってくるのではないのでしょうか。スポーツを身近に感じるように、様々な施策を途切れなく行っていただく必要があるのではないのかと思います。 そこで、佐世保市においてスポーツ人口の推移を把握されているのかをお尋ねさせていただきます。 そして最後に、人工芝グラウンドの設置についてお尋ねいたします。 佐世保市における人工芝グラウンドの設置についてお尋ねをいたしますけれども、御存じのとおり、佐世保市には市営の人工芝グラウンドがございません。東部スポーツ広場には天然芝のグラウンドがあり、サッカーやラグビーで利用することもございますけれども、日頃より開放しているため、グラウンドがぼこぼこになっていて、実際、私自身も33歳のときにこのグラウンドで足を取られ、靱帯を損傷する大けがをしました。 20歳ぐらいのときに東部スポーツ広場の天然芝のグラウンドで初めてサッカーをしたときの感動を今も鮮明に覚えております。天然芝の管理はとても難しく、練習や練習試合で利用を続けているうちは天然芝がきれいに生えそろうこともありません。費用も維持費も天然芝グラウンドはかなりかかりますし、一定の期間、使えない時期もありますので、その使用に制限がかかることは間違いありません。そのため、人工芝グラウンドが全国的な流れになっており、多くの自治体で設置をされております。長崎県内にも数多くの人工芝グラウンドが建設されておりまして、人口25万人の佐世保市ほどの自治体に人工芝グラウンドがないというのはあまりにも残念な状況でございます。 サッカー、ラグビー、グラウンドゴルフなどの大会も、人工芝グラウンドがあれば可能になるはずなのですけれども、人工芝グラウンドの建設についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。 お尋ねをさせていただきまして、1回目の質問を終わらせていただきます。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 山下議員の佐世保市におけるスポーツ施設の老朽化及び施設整備、そしてその利用についてお尋ねがございました。 まず一つ目、スポーツ施設の老朽化に関する議員からの御質問でございますが、先日、御紹介がありましたように、議員の所属会派におかれて、議員を会長とされますスポーツに関する研究会の皆様におかれましては、大変御多忙の中、総合グラウンドの各施設を御視察いただきまして大変ありがとうございました。 議員が御指摘されましたとおり、総合グラウンドの各施設につきましては、プール、庭球場が昭和43年に竣工したのを皮切りに、陸上競技場、野球場などの施設が順次竣工して現在に至っており、その間、テニスコートの全面改修等を実施しておりますけれども、古いものでは40年以上経過している施設が少なからずございます。 そうした施設について、教育委員会といたしましては、老朽化の程度、施設利用における安全配慮などの観点から、優先順位をつけ、効率的な維持補修を心がけて改修工事等を行ってまいりました。 しかしながら、近年では施設の老朽化、経年劣化の程度が深刻化する状況も出てくるようになり、補修と改修工事の程度の困難さや費用の高額化といった問題、また台風などの風水害による突発的な復旧対応を優先せざるを得ない状況が発生してきております。加えて、総合グラウンド以外の施設でも同様の状況が発生してきており、教育委員会が所管するスポーツ施設全体で老朽化の問題が大きく顕在化してきている状況でございます。 そうした中、少しでも施設の老朽化対策に対応するため、佐世保市公共施設適正配置・保全実施計画に合わせ、その場しのぎ的にならないよう、予防的な維持補修を行い、改修工事費用の平準化などに努めているところであり、今後も市民の皆様が安全かつ快適に利用できるよう、スポーツ施設の環境整備に適切に対応してまいりたいと思っております。 次に、本市におけるスポーツ人口の推移についてのお尋ねですが、議員から御紹介いただきましたデータにつきましては、スポーツ庁が毎年度実施するスポーツの実施状況等に関する世論調査に基づくものでございました。 この調査によりますと、週1日以上、ウオーキングや散歩などを含む運動やスポーツをしている成人の割合が平成3年度は27.8%であったものが平成30年度には55.1%と、ほぼ倍増し、直近の令和元年度では若干減少したものの、53.6%と、半数を超える割合を維持していることからも、この30年弱の傾向といたしましては、運動やスポーツに取り組む人が増加していることがうかがえます。 本市におきましても、市民意識アンケートにおいて、ふだんのスポーツ実施率についての質問を行っており、週1日以上スポーツを実施している割合が平成20年度は38.9%で、10年後の平成30年度では45.9%と、先ほどのスポーツ庁の調査結果ほどではありませんが、本市においても運動やスポーツに取り組む市民の数は着実に増加の傾向にあると言えます。 また、保健福祉部が平成28年度に実施いたしました佐世保市民の健康に関する実態調査では、日常生活において体を動かすことを意識している市民の割合が65.4%となるなど、市民の皆さんの運動、スポーツや健康に対する意識が高まってきており、このことからも本市における健康のための運動も含めたスポーツ人口の裾野は確実に広がってきているものと考えております。 次に、3点目の人工芝グラウンドの設置に関するお尋ねがございました。 議員の御指摘にもありましたように、人工芝グラウンドに関しましては、市内には佐世保青少年の天地に県が所有しております人工芝グラウンドはあるものの、市の所有に係る人工芝グラウンドは設置しておらず、長崎県内においては長崎市、諫早市など4市にサッカーの試合が行えるフルコートのグラウンドが7面、ハーフコートのグラウンドが1面整備されているという状況です。 確かに人工芝グラウンドであれば、建設などの初期費用が天然芝のグラウンドと比べ高くなるものの、維持管理経費を低く抑えられることや芝の状態を維持しやすいことなど、またサッカーのみならず、多目的に使用することができ、天候に左右されにくいなどのメリットがございます。一方、夏場などは人工芝の地面の温度が高くなることや天然芝と比べて身体に負荷がかかるなどという声もございます。 そうしたメリット、デメリットを比較しながら、またグラウンド施設の更新時期等を踏まえ、スポーツ推進計画の策定の議論の中で、整備に関する国、県や民間資本金の活用方策、そして整備後の維持管理について、その主体となる関係団体の運用体制等も含めて、人工芝グラウンドの整備等については全国的な流れという御指摘もございましたので、そのことを踏まえまして、研究、検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ◆15番(山下廣大君) (登壇) それでは、再質問に入らせていただきたいと思います。 こちらに、長崎県が発刊しております「ながさきスポーツビジョン(2016-2020)」がございます。(資料掲示) その中で、生涯スポーツの推進という項目があるのですけれども、成人の週1回以上のスポーツ実施率ということで、平成27年には43.7%だったものを平成32年度、令和2年度には65%にしたいというデータが載っております。こういう形で、県も生涯スポーツの推進には力を入れておられますし、佐世保市としても、やはりこのような数字に近づけるように取り組んでいただきたいと思います。 佐世保市体育協会が出しておられるデータには、団体別競技人口というものがあって、バレー、バスケ、ハンドボール、ソフトボールと、ずらっと34種類ぐらいまで書いてありまして、それらを合計すると令和元年度は2万2,000人ほどスポーツをなされております。 体育協会に入っていないジョギングやウオーキングなどもありますし、ジムなどもスポーツだと思うのです。そういうものを踏まえた中で、潜在的にはたくさんのスポーツ人口がまだまだおられる--3万人、4万人の方々がおられることを踏まえて、今後はさらに佐世保市がスポーツのまちで、生涯スポーツを推進していますというようなイメージづくりもやっていただきたいと思います。 それでは、2回目の質問をさせていただきます。 まずは施設の問題なのですけれども、老朽化対策として御答弁をいただきました。 ただ、維持補修ばかりでは、その場しのぎに過ぎないというのが、やはりどうしても問題として出てきてしまいます。維持管理と整備のための計画策定が急務ではないでしょうか。抜本的な老朽化対策が必要と思いますけれども、いかがでしょうか。 さらに、スポーツ施設と同様に、学校のプールについても老朽化や風水害対策の観点から、市内に全天候型の施設を整備して、子どもたちが1年を通じて水泳に取り組める環境づくりを行うべきではないでしょうかということについて再質問します。 そして、スポーツ人口の推移についてなのですけれども、スポーツしやすい環境も大切なのですが、その環境をつくるという責務も非常に大切だと思っております。くしくも12月定例会で体育文化館を管理する指定管理者が決定しております。私は体育館で行うフットサルをやっておりますので、体育文化館を管理する指定管理者、東部スポーツ広場体育館を管理する指定管理者、どちらも行きますので、私は一利用者として、指定管理者の違いもよく分かっているつもりでございます。 東部スポーツ広場体育館は、キャッシュレス決済やSNSアプリを利用して登録をしていただきまして、空き情報などを素早く送信をしてくださいます。例えば、ある団体からキャンセルが出た場合は登録者の方に「キャンセルが出ましたよ、御希望の方、どうぞ」というような感じで素早い利用の促しがあります。そして、スタッフの皆様も、サービスや気遣いがしっかり行われておりまして、挨拶もまさに民間会社のサービスそのものでございます。この施設を借りてください、使ってください、また来てくださいという思いがしっかりと伝わってきます。 公募の結果、体育文化館の指定管理者は変わることはございませんでしたけれども、さらに市民に寄り添った管理というものをお願いしていただきたいと思います。 スポーツ振興課も、スポーツの振興を掲げているのであれば、スポーツを身近に感じる仕掛けをしていかなければなりません。その任務の一つには、指定管理者への助言や提言などをしっかり伝えるべきだと思っております。そちらのほうもお願いをいたします。 平成26年度の県のアンケートによりますと、運動やスポーツを行う際に困っていること、妨げになっていることというような項目がございます。順番に申し上げますと、1位から、「身近に施設がない」、「勤務時間が長い」、「家事が忙しい」、「施設を利用するのにお金がかかる」、「年を取っている」、「一緒に行う仲間がいない」、「スポーツクラブの会費が高い」、「子どもがいるので忙しい」、「運動技術が劣っている」、「休暇がない」というように書かれております。 逆に、運動、スポーツを実施する理由についてという項目では、「健康づくりのため」が60%、「運動不足を感じるため」が44%、「体力づくりのため」というのが41%、これは複数回答可能なのですけれども、そういう意味では、やはり皆様が、スポーツをする理由には健康づくり、体力づくりがあり、そして4位に「仲間との交流のため」という回答もございます。 先ほど来、お話をしているとおり、佐世保市、そして指定管理者の努力次第でどうにかなる項目も少なくございません。 スポーツの必要性の情報発信や、こういう施設でこういうスポーツができますよというようなPR、施設の利用時間の延長、スポーツで行うコミュニティづくりの推進などなど、弱点が分かっているのですから、それをどうにかクリアする仕掛け、そしてスポーツ人口が増加するような取組を行ってほしいと思います。本市のスポーツ人口の裾野を広げるためにどのような活動を行っているのか、そういう部分も併せてお尋ねをいたします。 そして、人工芝のグラウンドに対してお答えをいただきました。慎重に検討してくださるということでございましたけれども、人工芝グラウンドの必要性は、非常に高いと感じております。私の知人の息子さんにはサッカーをしている子がたくさんいますけれども、大会があるごとに島原市まで行かれます。片道2時間半かけて、選手や家庭の状況によっては宿泊できない選手もいて、「土曜日、往復5時間、日曜日、また往復5時間運転をしているんだよ」というとてもハードな話も聞きます。原則は宿泊していますので、宿泊地は予約でいっぱいとなり、大会を開催するという経済効果はとても大きなものもございます。 人工芝のグラウンドがあれば、佐世保市でも大会の誘致ができますし、それによって利用者や交流人口が増えるということは間違いございません。そういったことによってスポーツツーリズムの効果を得て、ほかの地域振興政策との掛け合わせができていくのではないのかと思います。こちらも併せてお尋ねをいたします。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) スポーツ施設の老朽化に対する抜本的な対策として、施設の維持管理と整備に関する計画を早急に策定すべきではないかというお尋ねもございました。 先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、スポーツ施設に関しましては、現在は補修、改修にとどまっており、議員が御指摘のとおり、抜本的な対策が必要であると、私どもも十分に認識をいたしております。 そこで、令和3年度までに佐世保市でもスポーツ推進計画を策定することにしており、それに合わせ、スポーツ施設の維持管理と整備に関する計画も策定していくことといたしております。 具体的な着手時期等は未定でございますが、既にある佐世保市公共施設適正配置・保全実施計画と整合を図り、老朽化対策にも抜本的に取り組むことができる計画にしたいと考えております。 また、全天候型プールの整備についてのお尋ねもございました。 佐世保市には既に佐世保公園内に屋内温水プールを整備しており、近年の利用者につきましては、年間延べ5万人程度の利用があっております。教育委員会が所管するプール施設の学校利用につきましては、これまでも複数校で実施をしてきており、今年度はこれに加えまして、市内に複数ございます民間のプールについても試行的に利用できないかということで計画を立てておりましたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で、中学校1校が利用するにとどまったところでございます。 今後につきましても、こうした民間の施設を含め、既存の施設と学校との連携について研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、本市のスポーツ人口の拡大ということで、どういった活動を行っているのかというようなお尋ねでございました。 現在、教育委員会といたしましては、小学校の子どもたちにスポーツへの興味関心を持ってもらおうと、スポーツ関心向上事業として、サッカーのJ2のV・ファーレン長崎のホームゲームへの観戦ツアーを実施しているほか、公益財団法人佐世保市体育協会の加盟競技団体が実施しているジュニアを対象とした多数のスポーツ大会や競技力向上のための各種事業などに支援を行っている状況でございます。 また、大人の市民向けには、地域の誰もが年齢、興味、関心、技能レベルに応じて活動ができる総合型地域スポーツクラブへの支援やスポーツ推進委員によるニュースポーツの普及活動などを通し、生涯スポーツへの参加を広く促しているところであります。 さらには、指定管理者においても、スポーツに慣れ親しんでもらうような自主事業を展開されており、スポーツ人口の拡大に向けて各方面から取組を行っているところです。そうした事業活動が先ほどの答弁の中で申し上げました運動やスポーツに取り組む市民の割合の増加に少なからず寄与しているものと考えております。 しかしながら、その施設の管理運営に当たり、まだまだサービスが十分でないという御指摘もございました。利用される方が気持ちよく使っていただくための改善についても助言・指導を行ってまいりたいと思います。 次に、スポーツを手段とした政策の在り方についてのお尋ねがございました。 確かに、現在は議員がおっしゃるように、スポーツのための振興ではなくて、スポーツによるまちづくり振興を行う時代となってきているものと思っております。さらに、今日ではスポーツとは単にするだけではなく、「見る」、「支える」の要素を取り入れ、地域や経済の活性化、健康増進などにつながる有効な手段と言えます。 スポーツによるまちづくり振興という新たな政策に関しても、今後策定するスポーツ推進計画において、その検討を行うとともに、策定後のスポーツ推進計画を事業展開していく中で、関係部局と連携し、地域や経済の活性化、健康増進といったスポーツを通じたひと・まちづくりの推進のために取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。 ◆15番(山下廣大君) (登壇) それでは、再々質問に入らせていただきたいと思います。 まず、人工芝グラウンドですけれども、私は佐賀県のチームにも所属をしておりまして、お隣の嬉野市みゆき公園には、たくさんの人工芝グラウンドや天然芝グラウンドがあったり、そして少し行けば佐賀県多久市--人口1万8,000人ぐらいのまちなのですけれども--にも多目的広場ということで、人工芝のグラウンドがございます。こちらはtotoというスポーツ振興くじを、ナイター設備や人工芝の設置、建設に活用されたということもありますので、そういったいろいろなものを活用しながら、ぜひぜひ進めていただき、佐世保市で大会が開催されて、往復5時間かけて島原市まで行かなくていいような仕掛けをやってほしいと思います。 本日はスポーツに関することということで、1点にスポットを当てて質問させていただきました。 私は20歳で佐世保市の社会人サッカーチームに入ってから、今までずっとサッカーやフットサルチームを率いております。その間、佐世保市の公共施設を使わせていただいたわけなのですけれども、たくさんの選手や関係者とともに力を合わせてこれまでやってきました。10月の市民体育祭のサッカー競技では優勝もさせていただきましたし、フットサルやビーチサッカーでは九州リーグで優勝したり、全国大会出場を決めたりして、朝長市長や西本教育長への表敬訪問などもさせてもらった回数は少なくございません。私がこの場に立っているのも、まさにスポーツをやっているからなんだと思っておりますし、そのスポーツが持つ力や可能性を一番感じている議員ではないのかと思っております。 今でも年齢問わず、アマチュアスポーツに精を出されている佐世保市民の方々はたくさんおられます。もちろん、いろいろなスポーツがある中で、皆様、そこで様々な生きがいを感じておられるのではないのかなと思います。だからこそ、この佐世保市にはスポーツが持つ力、そしてまたスポーツの可能性をもっと見いだすようなスポーツ施策を行っていただきたいと思います。 午前中には田山議員の質問に農林水産部の吉田部長が答弁されておりました。いろいろな見地から農地を転用して総合グラウンドを移設するような公共政策としての必要性、妥当性がある、そういうお話も一つの提案、可能性としてあることも判明をしました。ハードルは高いですけれども、そういったものもできるのではないのかなと思っております。 それでは、最後に一つ提案というか、そういうものも含めてお話をさせていただきます。 岩手県の盛岡市から南に20キロメートル進んだところにオガール紫波という官民が連携して複合した施設を造ったオガールプロジェクトというものがございます。そこはスポーツ施設、カフェ、ホテルがありまして、3万3,000人のまちに年間100万人の方々が施設を利用するというすばらしい驚くべき施設がございます。 この紫波町への行政視察は2年連続で全国1位にもなっておりますし、多分200件ぐらいの行政視察も受け入れておられるような話も聞いております。 こちらのスタートは1998年で、もともとは庁舎移転のために駅前を約30億円で取得をしておりました。10.7ヘクタールだったと思います。ただ、予算がつかず、土地は塩漬け状態となりました。そして、そこからいろいろな試行錯誤もあり、2009年、現代表取締役の岡崎社長が中心となって、行政が民間の力をかりるPPPやPFI方式を導入してオガールを建設いたしました。 公民連携で進めたオガールプラザには、紫波町の農産物の加工品を販売する紫波マルシェやカフェ、居酒屋、眼科、歯科医院、図書館、スタジオなどが入る複合施設がございます。そして、そのほかにも役場の新庁舎や官民複合施設、サッカー場、多目的スポーツ広場、ホテル、保育園、住宅地、パークアンドライドの駐車場が約10年かけて整備をされました。民間のアイデアや資金力を生かして、その結果、魅力あふれる、驚くような施設が出来上がりました。 特筆すべきはバレーボール専用のコートでございまして、今ではバレーボールの聖地になっております。ホテル、カフェ、企業も入居しており、たくさんの方々が日中も訪れるコミュニティの場所になっております。 先ほどから御答弁をいただいておりますけれども、やはり今後は施設を造って終わりという旧来型、従来型のやり方ではなく、オガールのように民間の力と行政がしっかり組んで、資金や指定管理者も含めて、魅力ある施設を造る必要があると思いますし、計画もしていただきたいと思います。 ミズノ株式会社の方もお話をされておりましたけれども、スポーツ施設を造って、あとは利用料で返していくという手法は、これからとても難しいそうです。そういう意味では、今後のスポーツ施設整備というのは、オガールのような手法を利用して行う必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。 こうした施設整備も含め、交流によるスポーツ人口の拡大による地域や経済の活性化について、佐世保市として果たす役割や(終了ブザー)責務、そして、スポーツ政策を所管する教育委員会の存在をどのように表していくおつもりなのか、最後に市長のお考えをお聞かせください。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 山下廣大議員の再々質問、本市におけるスポーツ人口の拡大ということについて答弁をさせていただきます。 スポーツ人口の拡大について、佐世保市としてその役割をどのように考えているかということでございました。 先ほど教育長の答弁でも申し上げましたとおり、現在ではスポーツは単にするだけではなく、スポーツを「見る」、あるいは「支える」ということで、市民一人一人の健康増進だけでなく、その地域の経済やコミュニティの活性化につなげていく、まちづくりの一つの手段として捉えるようになってきております。 佐世保市といたしましても、スポーツ振興を所管している教育委員会と庁内横断的に政策連携を行い、スポーツを通して地域活性化につなげていくという役割や責務を担うものと考えております。 また、先ほど議員から御紹介がございました先進地の事例での公民連携の在り方は、これからのスポーツ政策を考える上で大変参考になるものでございました。 市政運営に当たって、官民協働、連携について、様々な分野において実施しておりますが、今後のスポーツ政策においても、公益財団法人佐世保市体育協会やスポーツ施設の指定管理者など民間団体による積極的な自主事業の企画立案等を促しながら、官民連携の推進を図ってまいりたいと思います。 なお、先日の県議会において、県北地域におけるスポーツの振興に関する質問に対して、県知事からは、本市における健康増進や生きがいづくりにつながる総合型地域スポーツクラブの活動の支援や世界のトッププレーヤーと触れ合う機会を創出する東京オリンピックに向けた事前キャンプ誘致による国際感覚の涵養と競技力の向上、そして、県北の恵まれた自然環境を生かしたアウトドアスポーツの推進などの、スポーツの力を活用した県北の地域振興についても、佐世保市を含む各自治体や関係機関と連携し、積極的に推進してまいりたいとの答弁もあっております。 佐世保市といたしましても、今後、教育委員会を中心に策定していくスポーツ推進計画において、佐世保市におけるスポーツに関するビジョンを明らかにするとともに、県の支援もいただきながら、競技力向上や生涯スポーツの充実といった従来のスポーツ振興にとどまらず、地域や経済の活性化、健康増進等に貢献する政策を官民連携により実施していくことで、佐世保市における新たなスポーツシーンの理想を追求してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  以上をもって本日の日程は終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     15時37分 散会...