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2019-09-06 長崎市:令和元年第4回定例会(3日目) 本文

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  1. 長崎市議会 2019-09-06
    2019-09-06 長崎市:令和元年第4回定例会(3日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1           =開会 午前10時0分= ◯副議長(梅原和喜君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第3号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、前日に引き続き、市政一般質問を行います。38番平野 剛議員。       〔平野 剛君登壇〕 2 ◯38番(平野 剛君) 令和長崎の平野 剛です。  通告に従いまして、以下大きく3点について順次質問いたしますので、簡潔で前向きな答弁をお願いいたします。  決して魅力がないまちではないと思いつつも、残念なことに日本一出ていく人が多いまちとなってしまっております。その要因は、住みづらいまちなのか、住みたくても住めないまちなのか、さまざまな角度から検証し、一つ一つ、こつこつと対策を講じていくしかないことと思います。人口減少において、これをやれば対策が講じられるという特効薬は決してない中、本日は何点かその対策について質問していきたいと思います。  まずは各対策についてお伺いする前に、(1)人口推移予測について把握しておきたいと思います。  長崎市においては平成28年に長期人口ビジョンを作成し、それに対し目標を定め取り組まれていることかと思いますが、ここ直近の状況を鑑みるに、その目標は早くも達成するどころか、さらに悪化しているのではと感じておりますが、直近の人口推移は目標や国立社会保障人口問題研究所の予測と比較し、どのような状況なのかお示しください。また、それに従い将来予想がどのように変化しているのかも合わせてお示しください。  次に、(2)家賃が安いまちづくりについてお尋ねいたします。  住みよいまちをつくっていく中で、所得水準が他都市より低い長崎市においては、生活コストがそれに合わせて低くなければ住みよいまちとはなり得ません。しかしながら、現状の住宅の販売価格や家賃は、人件費と建設資材が高騰していく中、特に住みよい平地においては価格がどんどん上昇していっている状況にあります。その要因に、長崎市が定める容積率と高さ制限にあるのではと以前指摘し、その緩和策について提言をさせていただきました。その際の答弁では、社会情勢の変化に応じて適宜見直しをする必要があると考えており、さまざまな観点から検討を進めていきたいとのことでした。その後の検討具合、または進捗状況をお示しください。  次に、(3)奨学金の返還支援についてお尋ねいたします。  この質問も以前、長崎市が取り組むべき施策だとの提言をさせていただきました。その際の担当部長の回答は、現時点において効果の検証、財源の問題など整理できていないとのことでしたので、では、まずは真剣に検証していただきたいと要望したところ、市長より真剣に検証しながら検討していくとの趣旨の回答をいただいたところです。その後、若者の人口流出はますます加速していく中、他都市ではこの施策に取り組む自治体もふえてきているように聞き及んでおります。その後の長崎市の検討具合をお示しください。  次に、(4)新しい産業の誘致・育成についてお尋ねいたします。  世界トップレベル感染症研究施設を長崎大学が建設を始め、2021年夏ごろ完成する予定になっております。完成した暁には、まさに世界トップレベル感染症研究の拠点として、国内はもとより世界においても認知される存在になるんだろうと思います。そこで長崎大学と国の関係機関と一体となって、関連する民間企業を誘致し、この分野における最先端都市として育成されてはいかがかと思いますが、ご見解をお伺いいたします。  次に、2.地方独立行政法人長崎市立病院機構の今後のあり方についてお尋ねいたします。  現在513床のべッドを抱え運営されておられる長崎みなとメディカルセンターについて、その経営状況や長崎市の医療体制を考えたときに、売り上げをふやす、要は患者をふやし収支を好転させていくことよりも、ベッド数を減らし、それに合わせて人件費を減らし、コストを下げて収支を好転させていくという方向で考えるべきだと意見をさせていただきました。そして何よりも、国の方針として地域医療構想が示され、ベッド数を削減していこうという考え方が、今後の方向として打ち出されております。長崎全体のべッド数の削減は、民間病院とともに取り組んでいく必要がある中で、公的病院が先んじて、まずはみずからが取り組むところなんだろうと思います。そんな折、現在4年に1回定める病院機構の経営方針を方向づける中期目標が作成中であります。この作成中の中期目標において、今後のべッド数についてはどのような方針で考えておられるのかお示しください。また現在、長崎県地域医療構想調整会議の中でも、民間病院を含めた病床の機能分化と数について、話が当然なされているものと思いますが、この調整会議の意見についてはどのように反映されるおつもりか、合わせてお示しください。  3.南北幹線道路について。
     長崎市の北部に住む者として、主要幹線道路である国道206号の慢性的渋滞は、日々の生活をしていく上でも何とか解決していただきたい問題でもありますし、時間的経済ロスも相当なものがあるものと思います。そこで、この問題に対しての抜本的な解決策として、長崎南北幹線道路の検討が進められているかと思いますが、現在の状況と今後の予定をお聞かせください。  以上、本壇からの質問とし、ご回答の後、自席より再質問させていただきます。=(降壇)= 3 ◯副議長(梅原和喜君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 4 ◯市長(田上富久君) 令和長崎、平野 剛議員の質問にお答えします。  まず、1点目の人口減少対策についての(1)人口推移予測についてお答えします。  平成30年10月1日における長崎市の推計人口は41万6,419人で、長期人口ビジョンの目標を約7,600人下回るとともに、国立社会保障人口問題研究所、いわゆる社人研が平成30年3月に発表した長崎市の将来推計人口と比較しても、約3,400人下回っています。  次に、今後の人口推移予測ですが、社人研の推計では、令和22年、2040年は33万3,230人となっており、既に現時点で3,400人下回っていることを踏まえますと、さらに厳しい状況が想定されます。長崎市の人口減少の要因は、これまで少子化と10代後半から20代までの若年層の進学、就職、転職による転出超過が主な要因でしたが、それに加えて過去5年間は20代から30代の子育て世代を中心とした転入者の減少が新たな要因と分析しています。このため、総合戦略において人の交流によって経済を活性化する、交流の産業化による長崎創生を特定戦略として定めるとともに、4つの基本目標からなる基本戦略に基づく施策を推進しています。  まず、少子化対策については、子どもの医療費助成の対象の拡大や多子世帯における保育料軽減の要件緩和など、これまで子育て環境の充実などに取り組んでいます。次に、雇用の分野では、若い世代に魅力のある企業の誘致、地場企業の採用力の強化、創業支援などに取り組んできています。さらに、交流の産業化においては、交流拠点施設の整備、南山手地区の洋館を活用した高級ホテルの進出、長崎スタジアムシティ構想など、官民連携した取り組みが進んでいます。また、特に若い世代を意識した中で、選ばれるまちになることをテーマに掲げ、今後4年間で新しい重点プロジェクトにも取り組むこととしていますが、この重点プロジェクトの成果を上げていくことが人口減少に歯どめをかけることに貢献するものと考えています。  人口減少対策は、先ほど議員からもありましたように、何か1つを実施すればよいというような特効薬はなく、さまざまな観点からの取り組みを複合的に推進していく必要があります。したがいまして、長期人口ビジョンの目標達成に向けて、年次的に数値目標を掲げて、自然減、社会減対策の両面から具体的に人口を押し上げる改善策を実施することで、成果を上げるよう最大限の努力をしていきたいと考えています。  次に、3点目の南北幹線道路についてお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、長崎市北部の主要幹線道路である国道206号では、慢性的な交通渋滞が発生し、市民生活に多大な影響を与えています。長崎南北幹線道路は、このような市内北部で慢性的に発生している交通渋滞の緩和はもちろんのこと、県北と県南地域の交流人口の拡大や災害時のダブルネットワークの確保など、西彼杵道路と一体となって機能する、長崎県、長崎市の発展にとって非常に重要な道路と考えています。これまでながさき出島道路や、元船町から松山町を結ぶ浦上川線の約8キロメートルが供用され、並行する国道や周辺市道の交通量の軽減や移動時間の短縮など、一定の効果を上げていますが、未整備区間の茂里町から時津町野田郷間に並行する国道206号においては、慢性的な渋滞の状況が続いています。  また、南北幹線道路西彼杵道路と一体となって整備されることで、市民の安全安心の確保はもとより、長崎市と佐世保市が約1時間で結ばれることになり、地域経済の活性化や観光振興にも大きく寄与することから、長崎市としては長崎南北幹線道路の早期整備を最重要事項と位置づけ、先月27日の長崎市、長崎市議会合同による長崎県への要望の際にも、県知事へ強く働きかけたところです。その結果、県知事から長崎南北幹線道路の未整備区間である茂里町から時津町までについて、ルート選定組織を立ち上げて、早期の新規事業化を目指していくという回答がなされ、事業化に向けて大きな前進があったところです。これからルート選定委員会が設置され、その後、都市計画決定の流れと聞いていますので、長崎市としても長崎南北幹線道路の早期整備、早期完成に向けて、長崎県とともにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 5 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) ご質問の1点目、人口減少対策についての(2)家賃が安いまちづくりについてお答えいたします。  長崎市が目指すネットワーク型コンパクトシティ長崎の実現を図る上では、安全で暮らしやすい場所に都市機能や居住機能を誘導していく必要があるため、そうした場所への民間の投資意欲を向上させるために、都市基盤の整備状況や土地利用の動向を勘案しながら、容積率の緩和など土地利用規制緩和の検討を進めてきております。  昨年度までの主な取り組みとしましては、市全体を牽引する役割を担う都心部において、一定以上の幅員を有する幹線道路が整備された元船町地区や中島川周辺地区などの高度利用が見込める地区において、高さ規制の撤廃や400%であった容積率を500%から最大600%まで緩和するなどの見直しを先行的に実施したところでございます。また、人口減少や少子化・高齢化が深刻化する中、若者や子育て世帯の市外への流出を抑制する住みよかプロジェクト重点プロジェクトに位置づけ、担当の政策監を配置し、短期的に成果が得られるよう取り組みを強化したところでございます。  以上でございます。 6 ◯商工部長(田中洋一君) ご質問の1点目、人口減少対策についての(3)奨学金の返還支援についてお答えいたします。  奨学金の返還支援は、地域に就職・定着し、かつ地域の中核企業等を担うリーダー的人材を確保することを目的とした制度です。昨年、当時の中核市54市を調査したところ、支援制度を実施している都市が11市ございましたが、そのうち7市において申込者数が定員を下回っておりました。この原因を聞き取りしたところ、いずれも制度創設からの年数が浅く、制度が十分に浸透していないことを挙げられており、現時点では、奨学金の返還支援が地元就職に対し、十分に効果があるのかの検証はできていない状況です。将来の長崎市を考えたとき、特に若者の人口流出は大きな問題であり、その対策として若年者の地元就職を促進していくことが喫緊の課題であると考えております。このような観点から、地元企業の情報や長崎で暮らす魅力を一人でも多くの学生に知ってもらうため、学生に対する企業情報等の発信や地元企業の採用活動の支援に取り組んでいるところです。  まずは、これらの取り組みを着実に実施していくとともに、引き続き他都市の奨学金返還支援の実績等も注視しながら、若年者の地元就職、そして地元定着のための効果的な対策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、(4)新しい産業の誘致・育成についてお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、長崎大学は医療分野において卓越した実績を有しております。この医療分野を初めとするさまざまな長崎の強みを産業に育てるため、大学や企業が有するさまざまな知見やノウハウなどの最適な組み合わせを模索し、産業化の後押しを行う、新産業の種を育てるプロジェクトをさきの6月議会において重点プロジェクトとしてお示しし、取り組んでいるところでございます。  このプロジェクトを進めるために、現在、県内の大学における研究分野の中から、長崎市における新たな産業の種となり得る研究の調査・抽出及び新分野進出の意向がある地場企業の把握を行っております。特に医療分野につきましては、既にある長崎の強みの1つとして、新たな産業となる可能性を秘めており、今後、産学官の連携を図りながら、関連分野の企業の誘致や地場企業の育成・支援に努めることで、新たな雇用の創出と若者の定着に取り組んでまいります。  以上でございます。 7 ◯市民健康部長(田邊 洋君) ご質問の2点目、地方独立行政法人長崎市立病院機構の今後のあり方についてお答えいたします。  長崎市立病院機構が運営する長崎みなとメディカルセンターは、長崎市における中核的な病院として高度・急性期医療、小児・周産期医療、感染症や災害などの政策医療に対応するため、また廃止した成人病センターの機能を統合し、513床の病床を有する病院として整備いたしております。長崎市が病院機構に対し指示する業務運営の目標である令和2年度からの第3期中期目標については現在策定中でありますが、特に財務内容の改善に関しては、経営状況の的確な分析を行い、改善や効率化に向け一層取り組むことなどを指示したいと考えております。  議員ご質問のベッド数、いわゆる病床数につきましては、地域医療構想の実現に向け、長崎みなとメディカルセンターを初めとした医療機関を含めた地域全体の課題として検討していく必要があると考えます。そのため、医療機関だけでなく行政や関係団体等で構成される県の地域医療構想審議会などの場において、医療機関の役割分担、機能分化や連携のあり方などについて十分に話し合い、そこでの意見も含めて適正な病床数についても検討を行ってまいります。  病院機構に対する中期目標においては、長崎みなとメディカルセンターが地域の医療機関の一員として、地域の医療機関との役割分担、機能分化や連携について積極的に検討を進めるよう求めていきたいと考えております。  以上でございます。 8 ◯38番(平野 剛君) 一通りのご回答をありがとうございます。順不同になりますが、再質問をさせていただければと思います。  まずは3番、南北幹線道路についてお尋ねいたします。  先ほどの回答では、長崎県において具体的なルートの選定が始まる、ルート選定組織を立ち上げて早期の新規事業化を目指していくというようなことが知事より言われたということで、大きな前進があったようです。きょうこれからの質問の中でも、長崎駅から北部の容積率を緩和するよう求めていく質問をしていくわけなんですが、この事業の実現は都市基盤を高めるといった点でも、大変意義ある事業になることだと思っております。  今後はMICE施設もできることですし、ジャパネットホールディングスグループのスタジアムもできることになりますと、ますますこの周辺の渋滞はふえていくというような懸念もある中で、その渋滞対策としてはもちろんのことでありますけれども、これらの施設へのアクセスを向上し、交流人口を拡大していくというような観点においても重要な事業になることかと思っております。そして何よりも渋滞で日々いらいらしている北部地域の多くの皆様方に大変喜ばれることになるのだろうと思います。事業主体はあくまでも県の事業となるわけですが、今後の大きな課題としては、その予算の確保になることかと思っております。  これまで以上に積極的に国や県に働きかけをお願いして、早期に着手、完成と至ってほしいと願っておるところですが、高宮副市長にちょっとお尋ねしたいと思います。まさにご経歴を拝見するに、ど真ん中の事業でもあるのでしょうし、高宮副市長のご尽力に大いに期待したいと思っているところでございます。よろしければ高宮副市長の意気込みを簡潔にお答えいただければ幸いでございます。お願いいたします。 9 ◯副市長(高宮茂隆君) 再質問にお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、今後、長崎南北幹線道路を早期に整備していくためには、事業予算の安定的な確保も重要な課題と考えております。  長崎市におきましては、市議会のお力添えもいただきながら、国や県並びに関係の国会議員に対し、南北幹線道路早期事業化について要望活動を行っているところですが、事業化された暁には、整備促進のための安定した事業予算の確保について、関係者一丸となって要望を行ってまいりたいと考えております。  私自身も国や県とのパイプをフルに発揮し、南北幹線道路の一日も早い実現のため、精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯38番(平野 剛君) 副市長、ありがとうございます。ぜひとも高宮副市長のお力を長崎のためにおかしいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に2番、地方独立行政法人長崎市立病院機構の今後のあり方についてでございますが、先ほど病床数につきましては、独自の経営状況も調査・分析しつつ、地域全体の課題として地域医療構想調整会議などの話し合いを踏まえながら検討を今後も行っていくというような趣旨の答弁だったかと思いますので、了としたいと思います。まさに病院独自の経営の問題でもありますけれども、地域全体としての問題でもありますので、513床に縛られることなく、あらゆる方々のお話を聞きながら検討を重ねていっていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  では、引き続きまして、人口減少対策につきまして質問を続けたいと思います。  まず、人口推移の予測についてでございますが、先ほどの答弁によりますと、現在長崎市の目指す目標を約7,600人下回り、国立社会保障人口問題研究所の予測さえも3,400人下回っているとの状況でした。ますます悪化している厳しい状況というような認識もあるようです。以前、日本創成会議の座長であった増田氏の著書の中で、この国立社会保障人口問題研究所の推計は、そもそも人口移動が将来一定程度収束することを前提に計算しているが、現実は地方から東京圏への人口流入は、収束するどころかとまらないのではないか、そしてむしろ大量に都会への流入が加速するのではないかとの見解を示されておられました。残念ながら、そのようなことが起こってしまっているようで、さらに今後はますます都会への流入が加速するような状況さえあるようにも思えます。  そこで、その対策についてでございますが、いろんな新しい対策を打っていく必要があるかと思いますが、きょうはそのような観点で3項目、これから質問させていただければと思います。  まずは、(2)家賃が安いまちづくりについてであります。  ご回答では、ここ直近の取り組みについてのご紹介もありました。住みよかプロジェクトというようなことも今年度立ち上げておられますし、いい動き、いい流れだとまずは評価いたしたいと思います。  長崎市の住宅価格についての状況をまず共有しておきたいと思うんですが、ことしの頭に日本銀行の長崎支店から出された資料とレポートがあります。それによりますと、2018年の消費者物価指数が全国平均0.9%増に対しまして、長崎市は1.9%の上昇で、この数字が何と驚くことに全国1位という数字になっております。全国1位の上昇率だったそうです。  この要因がたった1つの項目、住宅価格の上昇にあるということでありました。さらに詳しく中身を見ていくと、特にファミリー向けの賃貸住宅、3LDKから4LDKの上昇をもってして全国1位の上昇率になっているとのレポートが出ておるのを拝見しました。地価もあわせて七、八%上昇しており、地方都市ではあり得ない現象と評しておられます。最近の家賃や分譲価格は、中心市街地から長崎駅、浦上一帯においては、子育て世帯からすると断念せざるを得ないような、とても高い価格になっております。要因は平地に住みたいという強いニーズに対して、容積率や高さ制限によって供給を抑えられ、その需給ギャップで価格が上昇しているようです。  地方都市ではあり得ない現象とまで日本銀行に評されている現象をまずはどう認識されておられるのか、部長、お答えください。 11 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  今、議員がご指摘なされましたとおり、私もそのレポートを拝見しております。物価上昇の中で一番大きい割合として占めているのが賃貸家賃であるということでございます。確かに長崎市の中でマンションの建設に適する土地というのは、平たん地のところが一番好まれるところであろうということはわかっておりますけれども、やはり地価の上昇といったところにつきましては、私どもの立場から言わせていただくと長崎駅の周辺の開発であるとか、これまで手がけてきたことが評価された上での地価の上昇ということで、それは一定評価していただけるのではないかと思っておりますが、その裏腹として今家賃が上がっていることにつながっていることにつきましては、やはりこれは対応しなければいけないことだと思っております。  私どもとしましては、市場の動きというのは、それはそれでございますけれども、やはり住みやすい環境を提供していく上では、家賃というものは大きなウエートを占めると思っておりますので、それも含めて住みやすい環境づくりに資するような、今おっしゃっておられます容積率の緩和であるとか、そういったものには継続して取り組んでいく必要があるだろうと考えております。  以上でございます。 12 ◯38番(平野 剛君) 現在の状況ですと家賃は高い、駐車場代も高いんです。それでついでに言うと水まで高いです。生活コストがすごく高くて、それでいて給料は安いというようなことになったら、それはよそに出ていったほうがましだというような考えも出てきて当然かと思います。人口流出というような観点においても、家賃が安いまち、住みよいまちというのをぜひとも実現していただきたいと思います。  また別の観点で、例えば仮に2LDKで3,000万円、3LDKで4,000万円としましょう。4,000万円はとても出せないから、3,000万円の2LDKにしようと2LDKを買った時点で、子どもは1人しか入れないんです。保育園が無料になったり、医療費を無料にしたりだとか、いろいろと少子化対策というものを打ったとしても、実はこの時点で既に子どもの数は確定していないのか。高いローンを組んだおかげで子どもの数に影響はしていないのかとも思ったりするんです。実は、容積率や高さ制限の緩和策は少子化対策といったような一面もあったりするのではと思いますので、そういった観点も合わせて持っていただければと思います。  ここで地区を具体的に、長崎駅周辺から浦上駅、そして浜口町あたりに範囲を絞って質問したいと思います。  建築部にお調べいただいたところ、ここ直近のマンション建設は非常に盛んで、今年度も昨年を上回る戸数が見込まれているとのことでしたので、今後も長崎駅東側の開発や幸町のジャパネットホールディングスグループの計画などを考えますと、この周辺の地区においても今後も開発が一定程度進むのじゃないかと考えております。  以前、浦上駅周辺から浜口町かいわいには、人はたくさん住んでいるのに子どもがいないということで、江平中学校が廃校になってしまうというような話をしました。そこで、この地区の小学校というところで調べてみたんですが、この地区の小学校は西坂小学校、銭座小学校、坂本小学校があるんですけれども、各学年のクラス数を教育委員会に事前にお聞きしたところ、西坂小学校と銭座小学校は各学年が1クラスしかありません。坂本小学校が1年生と5年生が2クラス、あとは1クラスしかないとのことでした。長崎駅と浦上駅という駅を抱えて、市内でも指折りの住みよい場所であるはずで、実際に人はたくさん住んでいるんです。でも、子どもは少ない。前回も申し上げましたけれども、土地が高いところに容積率がふたをしているがために、開発するほうからすると利益を出すためには1LDKや2LDKの小さい物件をたくさんつくって、ファミリー向けの広い物件は供給されづらい状況となっておるようです。  そのせいで子育て世代が住めないまち、家賃が高いまち、駐車場が高いまちになっているとの指摘もさせていただきました。現状をしっかり把握していただいた上で、未来のまちをどう構築していくのか。ここで懸念するのが、これは一度建ってしまうと、この先ずっとそのままなんです。この先も子育て世帯が住みづらいまち、子どもが少ないまちとしていくのか、容積率の緩和については早急に取り組んでいただきたいと思っておるんですが、部長、その点についてのご見解をお願いいたします。 13 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  若い世代、子育て世帯、やはり経済的にはまだまだといった中で、その住宅の供給をマンションということだけに絞ってしまえば、やはりそれは難しいところがあるだろうと考えておりますし、我々としてもそれは現実的ではないと考えております。  今、まちの中を見回すに、我々が少し取り組まなければいけないと思っておりますのは、今後はまちの構造を改めていこうとする中で、やはり都心の便利なところに、近いところになるべく住みやすい環境づくりをしていくという中では、容積率のあり方というものにつきましては、若干それと少し合っていないところがある。例えば斜面地のところと、それから斜面から平たん地につながる部分においては、斜面地と全く同じ容積率を振られていて、それはやはり土地の使い方としてはおかしいといいますか、もったいない配置の仕方になっているんじゃないか。ここのところをもう少し見直すことによって、マンションということだけに絞らず、例えば賃貸のアパートであるとか、もっと若い人たちが手を出しやすいような物件をふやしやすい環境づくりをしていく。そういったことを目がけて、今言われました便利なところをさらにもっと使いやすくすることを含めてですけれども、そういった視点を持って、今後の容積率の緩和と用途地域の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 14 ◯38番(平野 剛君) ぜひそのような考え方で、きめ細やかに今後のまちづくりというのを検討していただいた上で、いろんなことを決定していただければと思います。  それと先ほど言った小学校は、これは3つとも統廃合の対象にもなっているんです。それでマンション開発をするに当たって、その校区の学校が統廃合されていく可能性がある。私の憶測ですが、こんな情報がもともとあれば、ファミリー世帯のニーズはないものとしての計画になっていくのじゃないかと心配したりするんです。  それで、ここは教育委員会で学校の適正配置というような観点で検討されておられるかと思うんですが、教育委員会でもよく協議していってもらって、将来のまちづくりをどうしていくのか、まちの形をどうしていくのか。今いる子どもの数だけで考えるのではなくて、どういうまちにしていくのかというような観点を取り入れて考えていっていただければと思います。  一度建ったら数十年はそのままです。今の開発のスピードを考えると、そう時間もないように思えますので、部長、教育委員会の学校の統廃合計画とも連携しながら将来のまちづくりを考えていくべきだと思うんですが、その点についてはいかがお考えですか。 15 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  選ばれるまちということでは、やはり安全で暮らしやすいまちにならないといけないということで、今ご指摘いただきました教育環境もそうでございますし、コストの面も、トータルコストも含めてやはり住みやすいまちにしていくことが必要であると思います。  そういう適正な公共サービスを受けられる生活環境の維持ということが重要であると考えておりますので、この点につきましては各分野との連携も、それぞれのところが認識しておられることと思っておりますので、私どももそこと連携して、今後もまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯38番(平野 剛君) ぜひ連携をとっていただきながら将来のまちづくりというものをやっていただければとお願いしたいと思います。  また、もう1つ、別の観点からもお話をしたいと思います。  以前、福岡市の再開発促進事業を例に出したときがあります。通称天神ビッグバンというような事業で、高さ制限を期間限定で緩和する政策を今やっています。これが今、天神を中心にすごいことになっていて、次々と投資が集まり、資金と人が集まってきているようです。先日、福岡市の高島市長の記者会見で、ビジネス環境はどんどんよくなって、プラスのスパイラルに入ってきているというようなコメントを目にしました。また、8月31日の長崎新聞の記事には、片山さつき地方創生大臣へのインタビューの記事として、福岡市はすごい勢いで地方創生に取り組んでいるというようなコメントもされておるのを目にしました。  民間の投資意欲、開発意欲というものをかき立てる上でも、そして長崎経済の内需の拡大というようなことをする意味においても、この容積率の緩和というのは重要な施策になってくるのだろうと思いますが、そのような観点からはどのようにお考えですか。部長、お答えください。 17 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  天神ビッグバンあるいは博多コネクティッドということで、今福岡市の都心部の再開発が非常に脚光を浴びているところでございますけれども、やはり長崎市との比較としましては、まずは交通インフラが大きく違うというところがあるんだろうなと思っております。空港、それから地下鉄、都市高速、それと新幹線ということがありまして、再開発していく、あるいは民間投資を呼び込む素地がやはりそろっているところとしては、福岡市のほうが優位にあるのだろうと思っています。緩和の施策だけを捉えて長崎市に持ち込んでも、果たしてそれがうまくいくのかというところについては、ちょっと難しいところもあると思っていますけれども、重ねての答弁になりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、まず私どもとしてはきちんと足元を見て、本当に今後つくっていきたいまちと容積率の配置とかの整合がとれているのかと、そこのところをまず見定めた上で、そこでもし、おかしいところがあればそれを直して、それで市域全体の用途地域を見直す中で、まずは底上げをやっていきたい。  その上で、その後の動きというものの中で、もしそういうビッグバンとかそういったことをできるような状況があるとすれば、その時点での検討になるのかと思っております。  以上でございます。 18 ◯38番(平野 剛君) 福岡市と状況が違うというような答弁もありましたけれども、私は容積率がやはり上がることによって、利回りがやはり回り始めるんです。やはりそれを見て銀行の融資態度も変わってくるんでしょうし、ビルのオーナーもこれだったらやろうかというような投資意欲、建て替え需要、意欲というものも出てくるものだろうと思うんです。  それで長崎市の今の建設状況を見てみると、長崎駅や新幹線の工事や、県庁の建設は終わりました、市役所、MICE施設はこれからです。ここ直近、数年はたくさん大型工事がありますけれども、その後は大型の公共工事というのも一定終わって、その後はやはり民間の需要というのを喚起させながら、長崎の需要というのを維持していかなければならないと考える中、そういった意味においても、この容積率の緩和というのを今検討していただいている中で、そのようなタイミングで出すことによって、民間の今後の投資意欲の需要というのを掘り出していくというようなこともあるかと思いますので、そういった観点もぜひ持っていただければと、検証していっていただければと、最後にお願いしておきたいと思います。  次に、(3)奨学金の返還支援についてお尋ねいたします。  先ほどの答弁ですが、非常に残念なことにほとんど前向きな答弁はいただけなかったのかなと思います。日本一、人が、若者が出ていっているんですから、日本一、帰ってこられる取り組みをしなければいけないと思うんですけれども非常に残念です。  他都市で取り組んできているところも数多く出てきているんですから、長崎市は他都市におくれることなく、まずは当たり前のようにやっていったらどうかと思うんですけれども、本壇からの質問の回答は、実施している他都市において、対象者への周知が浸透していないため、現時点で十分な検証ができていないとの回答なんです。私は前回、いろんな角度からまず検証してくださいとお願いしたんです。それで検証するということだったので、また質問したんですけれども、この検証するとは、他都市の検証待ちになっているじゃないですか。何で長崎市がまず検証を始めようとしないんですか。何で他都市の検証待ちなんですか。何を検証されてきたのか、ちょっとヒアリングをしている段階でも全く伝わってこなかったですし、何もされていないんだろうなというのがもう見え見えでした。  部長、いろんな観点から検証してくださいとお願いしたんです。その一つ一つを再度説明するにはちょっと時間がないものですから、過去の議事録でも見て確認していただければ幸いなんですけれども、再度しっかりといろんな角度で検証しながら検討してほしいなと思うんですが、引き続き検討のほうはしていただけますでしょうか。 19 ◯商工部長(田中洋一君) 再質問にお答えいたします。  人口減少が地域経済を縮小させ、また地域経済の縮小が人口減少を加速させるという悪循環を避ける意味で、人口減少対策は長崎市として最優先で取り組むべき課題であると考えております。  その解決のためには、若い世代が地元で生活し、仕事、結婚、出産、子育てができる環境を整備していくこと、また長崎で暮らす魅力を発信することで域外から移り住んでいただくなど、多岐にわたる取り組みが必要であると考えております。  その中で、奨学金返済に関しましては、奨学金の問題自体が結婚であったり出産であったり、またその子育て世代の消費、それに少なからず影響しているという調査結果があるということも私どもは認識しております。  したがいまして、今後とも人口減少の歯どめになることはもちろんのこと、地域に与える影響も十分に検証しながら、有効な対策について取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯38番(平野 剛君) 例えば、今県外の大学に子どもを1人やるのに1,000万円が4年間でかかると言われております。  それを考えたときに、どうしてもやはり子どもの数というのは考えてしまうでしょうし、その1,000万円を払うために、相当学資保険等で貯蓄したり、または子どもが大学に行っている間、親は借金したりとかしているんです。それで、そのお金というのは、人とともにそっちで落ちるんです。行った先で、そのためたお金とその4年間の1,000万円というのは、その都市で落ちるんです。それでこれが、帰ってきたら返還支援してあげるよというような仕組みがあれば、保護者のほうも、よし行ってこいと、戻ってくれば肩がわりしてくれるんだから、返還支援してくれるんだからとなれば、そのためていっているお金も長崎市に落ちるようになる。そういったことも含めて考えるというのは、これは商工部の役割だと思うんです。そういった観点も含めて、長崎経済のお金というのが、人の移動とともにお金もどう動いているのかというところも検証しながら、ぜひ考えていっていただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  また今回、ちょっと視点を変えて質問します。県内にどんな奨学金の返還支援制度があるものかと調査してみました。長崎市に支援はないんですけれども、幾つか長崎県や社会福祉協議会が支援しているものがありましたので、詳細はちょっとはしょっておりますが、少し紹介したいと思います。介護福祉士、月額5万円以内プラス入学準備金20万円、就職準備金20万円プラス生活費加算金。これを支援し、5年間の長崎県内への継続勤務で全額返済免除という支援があります。または保育士、月額5万円以内、同じく入学準備金20万円、就職準備金20万円、生活費加算金。これも5年の従事で返済免除となっております。また看護師、助産師、保健師、これにつきましても月額3万2,000円の返還支援制度があります。または獣医師、月額18万円、10年の従事で全額返済免除。あとは県が行う各種人材のアシスト事業というのもあります。  冒頭の商工部からの答弁でもあったように、現在実施している他都市は、対象者への周知に非常に苦労されているというような課題もあるようです。それは県外に現在行っている学生とかなので、所管の部署とかがそこに対して周知しようとしても、なかなかそこでまず、始めたばかりの施策でしょうから、ハードルがあるのかなというような回答がありました。それであるならば、長崎市においてはちょうど秘書広報部ができたところです。これらの制度を知らない数多くの若い方もいらっしゃることと思います。今言ったような介護士だとか保育士だとか、看護師だとか助産師だとか保健師だとか医師だとか、これらの人材というのは長崎にいないとインフラが成り立たない、非常に重要な職業かと思いますし、これは都会でも、今深刻なほど不足している。それで今、都会がこれに必死に、人材確保で地方から人材を吸い上げていっているというような状況もあるようです。  そういった長崎市の基盤を守っていくという意味においても、この制度というのは広く周知していく必要があるかと思いますが、こういった周知については秘書広報部長、どのようにお考えかご見解をお聞かせください。 21 ◯秘書広報部長(原田宏子君) 再質問にお答えします。  議員からご提案がありました県の奨学金返還支援制度のように、長崎市以外が実施主体となる制度や取り組みは、さまざまな分野にございます。これらについて、例えば若者とか長崎で働くなどのテーマを設定し、県・市や他機関で連携しながら組織横断的に発信することは、伝えるべき相手に効果的に情報を届けるための有効な手法の1つだと考えています。  これまでも必要に応じて広報紙やホームページなどにおいて他機関の情報とかも発信してまいりましたが、今後広報戦略を策定し情報発信の強化を図る中で、関係団体との連携や庁内での組織横断的な広報につきましてもしっかり取り組み、市役所全体の広報力を強めて発信していきたいと思っています。
     以上です。 22 ◯38番(平野 剛君) ぜひ、いろんな戦略をもって広報に努めていただいて、今までせっかくあるのにもったいないだとかいうことが多々長崎市にあったかと思いますので、こういった周知も含めてやっていっていただければと思います。  では最後に、(4)新しい産業の誘致・育成について再質問させていただきます。  答弁では前向きなご回答をいただいたことかと思います。これについては私自身も非常に期待しているところがありまして、世界最高水準の施設とうたっておるわけですから、中身もそうなってほしいと思う中、そうであればそれに関連する民間企業の誘致というのも、長崎大学とともに国の関係機関とも連携をとりながら、ぜひともチャレンジしていっていただきたいなと思います。  以前、福島県の会津若松市に視察に行った際に、会津若松市と会津大学の取り組みを知ることができました。会津大学は日本初のICT専門の大学として平成5年にできた大学で、現在、コンピューターサイエンスの領域では研究者の数が全国1位、学生の数、全国1位、学生1,000人当たりのベンチャー企業数、これまた全国1位だそうです。しかし残念なことに、当時それらの学生は東京を中心とした都会にしか就職先はなくて、ほぼ都会へ出ていってしまっている状況が続いていたとのことでした。そこで会津若松市は、経済産業省や総務省と連携しながら民間の企業誘致を官民連携で行って、大手外資系企業の誘致に成功しているんです。それに伴って、ちょうどICTのオフィスを新築で建築している最中でした。それで大手の外資系企業が進出したおかげで、それに関連する企業も数多く一緒に進出してこようとしているんです。それで、これによってICTの関連企業が集積するまちとなってくるばかりか、大学で学んだ学生がそのまま就職できるまちにもなってくるとのことでした。  大学というのは、学びの場としても優秀な人材が集まってくる場所であるんですが、そのせっかくの人材も就職先がなければ結局は出ていってしまいます。長崎大学においても、感染症の研究や医薬品の製造の勉強をする多くの優秀な学生が県外からも長崎に集まっているところです。医学部や薬学部等に在籍しておるわけですけれども、例えば薬学部においては薬剤師を目指す薬学科と医薬品を開発・製造するなど主に医薬品メーカーへの就職を目指す薬科学科とに分かれておるんですけれども、こちらの薬科学科の学生にとっては、せっかく長崎の薬学部に学びに来ても、就職先はまず長崎にはないんです。ほぼ県外に出ていかねばならない状況だと聞いております。  そんな折、この世界トップレベルの感染症の研究施設ができるというのですから、これはぜひ生かしていただきたいと思うんです。この施設が何で長崎にできるのか。もともと医学部内にある熱帯医学研究所が、日本で一番のこの感染症の研究施設であった。感染症やウイルスの研究といえば長崎大学ということがあったというのと、もっとつけ加えると、もともと西洋医学発祥の地ということもあるということです。このような本物の実績だとか、歴史に裏づけされているというものは、絶対的な強みがあると思うんです。これもまた長崎の強み、武器の1つになり得ると、私はそう思っておるんです。また、このような分野の企業を長崎に集積していけるということになれば、市長の1丁目1番地のMICE事業のMICEの誘致というところにもつながってくるものと思いますし、そこにたくさんの人と情報が集まってくるんだと思います。  そこでここは、ぜひ市長にお尋ねしたいと思います。この企業誘致に関しては、市長みずからが直接多方面でご尽力していただきながらしないと、実現はなかなかできない事項であるかと思います。ここは長崎の強みを生かして、新たな産業の種の1つとして、この芽を育てていっていただきたいと思うんですが、この点についての市長のご見解をぜひお聞かせいただければと思います。 23 ◯市長(田上富久君) 平野議員の再質問にお答えいたします。  最近、企業誘致で長崎に進出してくる企業の皆さんとお話しする中で、特にIT関係の人材が圧倒的に不足しているという中で、情報セキュリティーの学部がある県立大学であったり、あるいは長崎大学が新たに情報データ関係の学部をつくろうとしている。そういった環境というのは、いい人材を獲得するという点で非常に魅力があるということで、長崎に新しく今、相次いでIT関係、あるいは研究開発部門の企業が進出してきているという状況があります。これは、先ほど議員からお話があったような状況が長崎でも起きているということで、大学の人材、大学の持っている力が企業誘致につながるということは、長崎でも実証されているというように私も思っております。  一方で、長崎の強みというお話がありましたが、平和と並んで医学というのは、長崎が世界に貢献できる分野の1つであると思いますし、また医学の中でも熱帯医学と放射線医学というのは、長崎が世界に冠たる分野、リードしている分野でもあると思います。そういう意味では、こういった強みをしっかりと生かして、また時代の動きも見ながら、長崎が世界にどう貢献するのかという点は非常に大事だと思っております。そういう意味で、この熱帯医学の分野を生かした企業誘致などについても、大学の先生等とも具体的なさまざまなお話もしながら、そのことによってもちろん人口減少対策にもなりますし、また長崎が世界により貢献していけるという道でもありますので、そういった分野についても大学としっかりと連携しながら、私も先頭に立って努力していきたいというように思います。また、国際会議などの誘致についても、これはもう既に大学の先生等ともお話をしている分でもありますけれども、積極的な誘致に大学のほうでも取り組んでいただけるという体制ができつつありますので、そういう面でも先頭に立って、そういった会議の誘致などについても努力していきたいと考えております。  以上です。 24 ◯38番(平野 剛君) ご回答ありがとうございます。ぜひそのようないろんな観点を持って、日本のこの関連のまちは長崎なんだ、国内から見てもそういうまちになってほしいと思いますし、世界から見ても、この関連は長崎なんだというようなまちに、この武器を生かして、ぜひなっていただければ、新しい産業の芽として育つんじゃないかなと思うんです。ぜひこれはチャレンジしてもらって、実現していっていただきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  目指すモデルとしては、ちょっと大げさかもしれないんですけれども、今世界の中で、この集積のモデルは長崎なんだということをちょっと言ったものですから、これで成功しているのがシリコンバレーだと思うんです。スタンフォード大学が、そのスタンフォード大学とその卒業生が中心になって、あのシリコンバレーというのができていった。これはまさに大学と地域が連携して産業が発展していくということで、まちの発展にそのままつながっていったと思います。市長がよくおっしゃる産学官金労言士のオール長崎で取り組んでいく中の1つになるかと思いますので、ここは夢を持って大きく取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  まだちょっと時間は残ってますが、以上かれこれ質問しながらご提案もさせていただいたところです。人口がどんどん減っていく中、それでもよりよい長崎の未来をつくっていくんだというよういな思いで述べさせていただきました。さまざまな観点から今後もご検討いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。質問を終わります。 25 ◯副議長(梅原和喜君) 次は、33番山本信幸議員。       〔山本信幸君登壇〕 26 ◯33番(山本信幸君) 公明党の山本信幸です。7項目について質問させていただきます。  市長並びに関係理事者の皆様の簡潔で明確なご答弁をよろしくお願いいたします。  1.防災・減災について、(1)宅地のがけ災害対策費補助金の見直し。  8月28日からの大雨は、長崎県北部、佐賀県、福岡県と各地に大きな被害をもたらしました。被害者の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。  また、豪雨の影響はいまだに広がり、今後とも予断を許さない状況となっています。その中で、宅地の崖について、歩道の上にある張り出した敷地からコンクリートの塊が落ちているとの相談を受けました。斜面地の歩道通路で、この地域の市民がどうしても日常の生活のため利用しています。安全確保が急務ですので一定の安全対策をお願いしましたが、宅地の張り出しを撤去するなどの抜本的な解決に至っておりません。機械が入らない本市独特の斜面地では、壊れた敷地の張り出しや転落防止に設置されたブロック塀の撤去工事を行っていくことは、多額の費用がかかり困難な状況となっています。このような場合に本市では、建築基準法による適切な敷地の管理を指導されておりますが、個人の宅地であるために市民の個人負担が大きく、経済的な理由で対応できない現状となっています。さらに、崖地の石積みと一体となった宅地の張り出しは、石積みの崩落も誘発し危険な状態へと進んでいます。しかし実情は、石積みが崩落しなければ、この補助金制度の対象となりません。対象地域の地形や老朽化、さらに降雨により宅地の張り出しの崩落の危険性は増すものの、撤去の困難な状況を考え、宅地の崖地と一体であれば崖地と同等と考えられないのか。市民が張り出し危険箇所を撤去し、生活・避難通路の確保につながる防災工事を行うというような誘導施策、補助制度に拡充できないのか見解を伺います。  (2)地籍調査の推進。  防災・減災につながる対策工事や道路整備工事において、個人の用地が確定していることは早期の工事完了につながります。しかしながら、その隣接地の境界が確定することなく筆界未定となり、用地を確定することができなければ工事着手することもできません。これは個人の宅地や山林についても同じです。そこで境界立ち会いの際、事前に境界を復元し、境界確定の効率化を図るなど、最大限の努力をする必要があると考えます。現状を踏まえ、その対策をお答えください。  2点目、高齢者福祉の推進について、(1)ICTを活用した認知症高齢者の支援。  スマートシティを構築する上で、ICTの活用が急がれます。その中でも今後増加する認知症高齢者の支援策として、6月に示された認知症施策推進大綱においても、地域支援体制の強化として、認知症の人が安全に外出できる地域の見守り体制づくりとともに、行方不明になった際に早期発見、保護ができるように、徘回のおそれのある認知症高齢者へのICTの活用が求められています。そこで本市における取り組みについてお答えください。  (2)セーフティネット住宅の推進。  平成29年10月25日に改正された住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律が施行されました。今後、高齢者単独世帯が増加する中で、住宅確保要配慮者である住宅困窮者に対し、高齢や保証人がいないなどの理由で入居を拒まない賃貸住宅、セーフティネット住宅の登録制度等が創設されています。本市においても登録が開始され、現在22件が登録されています。しかしながら、大阪府を初め他都市においては、制度の効果をより発揮させるために、居住支援協議会活動支援事業を活用し適正申請支援を実施し、4,000件を超える大きな登録件数となっている都市もあります。超高齢化社会を迎え、保証人を立てることができない住宅確保要配慮者が増加する現在の中で、登録数の増加策について見解をお伺いします。  3点目、発達障害児の支援策について。  発達障害児の早期発見と早期療育は、少子化の中で子育て支援策として重要な課題です。そのため、平成29年2月議会においても、保育所等の全施設において、早期発見のための専門職員による定期的な巡回と、その施設に通う園児の保護者に対し、定期的な巡回相談のお知らせとあわせて、発達面に関する気づきを促すチェックシートの配付等について提案してまいりました。そこで、その後の本市の取り組み状況について、また改定した巡回相談等の効果を踏まえながらお答えください。  4点目、長崎県防空本部跡(立山防空壕)の史跡指定について。  長崎県防空本部跡(立山防空壕)は、県知事が防空の指揮をとる場所として設置された施設です。原爆投下後においては被害状況を把握し、国や軍に対し防空情報の第一報を初め、空襲被害状況などをもとに第11報まで発信し続け、近隣の市町に救援救護の指令を出す役割を果たした貴重な遺構です。しかしながら、来年は被爆から75年が経過しようとする中、施設見学を行った際にコンクリートの壁や内装の劣化が多数見受けられました。そこで、文化庁の支援を受け確実に保存し活用していくために、爆心地を中心とした旧城山国民学校校舎を含み構成する国指定史跡、長崎原爆遺跡に追加指定を目指して取り組むべきと考えますが、見解をお答えください。  5点目、公共交通空白地の見直しについて。  超高齢化社会を迎え、住宅よりバス停までの移動がきつい、労力がかかるなどの高齢者の声が聞かれます。特に本市の地形は斜面地が多く、その苦労は年齢が進むにつれて大変な負担となっています。すなわち公共交通空白地以外でも、移動について新たな乗り合いタクシーのあり方の検討など、公共交通空白地にとどまらない考え方が必要と考えます。そのため、この現在の状況と公共交通空白地域の定義には大きな乖離があると思います。本市の見解をお答えください。  6点目、(仮称)西部環状線の推進について。  (仮称)西部環状線は、平成8年度から平成10年度にかけて実施した長崎都市圏パーソントリップ調査に基づき策定した将来道路網マスタープランの中で提案され、長期的な構想となっています。しかしながら市中心部において、長崎スタジアムシティプロジェクトなど大型事業が計画される中で、中心部の変化は著しく、新たな交通需要の発生が予想されています。  そのため、浦上方面から大浜町に抜けて女神大橋と連絡する(仮称)西部環状線は、その効果についてさまざまな角度で検証する必要が生じていると思います。そこで、本市の見解をお尋ねします。  以上、本壇からの質問を終わり、ご答弁の後、自席より再質問させていただきます。  また7点目、総合運動公園運動広場の利便性向上については、時間により自席より質問させていただきます。=(降壇)= 27 ◯副議長(梅原和喜君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 28 ◯市長(田上富久君) 公明党、山本信幸議員の質問にお答えします。  4点目の長崎県防空本部跡(立山防空壕)の史跡指定についてお答えします。  長崎原爆遺跡は爆心地のほか、被爆の痕跡が顕著な旧城山国民学校校舎、浦上天主堂旧鐘楼、旧長崎医科大学門柱、山王神社二の鳥居で構成しており、第二次世界大戦末期における原爆投下の歴史的事実、核兵器の被害や戦争の悲惨さを如実に伝える遺跡として、平成28年10月に国の史跡に指定されました。長崎市では史跡指定後も引き続き、有識者からなる長崎原爆遺跡調査検討委員会や文化庁の指導・助言を得ながら、山王神社境内で補完調査を実施し、史跡指定範囲の拡大について検討を進めているところです。  議員ご質問の長崎県防空本部(立山防空壕)は、県の防空施設の中心的役割を担うところで、昭和20年3月に施設が完成し、空襲警報が発令されると、県知事ら要員が集まって警備や救援・救護など、各種応急対策の指揮、連絡手配に当たっていたところでした。また原爆投下後も被害状況を把握し、国や軍に被爆直後の防空情報の第一報を初め、その後も刻々と集まる空襲被害状況などをもとに、第11報まで発信し続けた施設であることから、当時の社会的状況を示唆する保存すべき被爆建造物等として位置づけています。  長崎市では、この長崎県防空本部跡を被爆の実相を伝える遺構として積極的に活用するため、長崎市原子爆弾被災資料協議会に諮った上で、平成17年に保存整備工事を行い、同年11月から長崎歴史文化博物館の開館に合わせて一般公開を開始しました。現在、コンクリートの劣化状況の調査や、湧水量、酸素濃度の測定などを年4回行って、見学者の安全を確保しながら公開を続けていますが、建設から74年、公開のための保存整備から13年が経過する中で、先ほど議員からもお話がありましたように、コンクリート壁や内装などの劣化が進んでおり、一部通行ができずに見学者にご不便をおかけしている部分も生じてきています。被爆者から直接体験を聞くことができない時代が近づく中で、被爆の実相を伝える被爆遺構の存在は、物言わぬ語り部としてますますその重みを増しています。  貴重な被爆遺構である長崎県防空本部跡の確実な保存と活用を推進するに当たっては、国の文化財として保護を受けられるよう、国指定史跡長崎原爆遺跡への追加指定について、長崎原爆遺跡調査検討委員会のご意見をいただきながら、文化庁としっかり協議していきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 29 ◯建築部長(山北 守君) ご質問の1点目、防災・減災についての(1)宅地のがけ災害対策費補助金の見直しについてお答えいたします。  長崎市では平成27年度に、市民の安全安心な生活環境を確保するため、第三者に被害が及んでいる、もしくは被害が及ぶおそれがある崖崩れを復旧する際、費用の3分の1、上限を200万円として、宅地のがけ災害対策費補助金を創設しました。この制度での補助対象としている崖の定義は、地表面が水平面に対し30度を超える角度をなし、垂直高さが2メートルを超える土地となっております。この制度では、崩壊した崖の復旧工事を補助対象としており、張り出しスラブの復旧工事は補助対象としておりませんが、崩壊した崖の復旧工事に伴い、補助対象範囲にある張り出しスラブを除却する場合には、その費用を補助対象としております。また張り出しスラブが老朽化などにより破損しているものについて、連絡、相談があった場合には現地を確認し、所有者等に対し適切な管理を行うよう指導、助言を行っているところでございます。  斜面市街地には多くの張り出しスラブが存在しており、崩壊すれば崖地と同様に周辺の居住者に被害を及ぼすことになりますので、議員ご提案の崩壊した張り出しスラブの復旧工事に対する支援は、防災・減災のためには有効な方策であるという認識を持っております。しかしながら民有地につきましては、所有者等により適切に管理していただくことが原則であり、どこまで行政が支援すべきかという課題もありますので、他都市の状況を調査し研究してまいりたいと考えております。  続きましてご質問の2点目、高齢者福祉の推進についての(2)セーフティネット住宅の推進についてお答えいたします。  住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律は、高齢者、低額所得者、子育て世帯、障害者、被災者等で住宅の確保に特に配慮を要する者、いわゆる住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進を図るため、平成19年に制定されております。住宅確保要配慮者は家賃滞納、孤独死、子どもの事故・騒音等の不安から、民間賃貸住宅への入居を断られることがある一方で、民間の空き家・空き室は多く存在し増加を続けております。このようなことから、空き家の活用を図り、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅、セーフティネット住宅の登録制度を創設する法改正がなされ、平成29年10月25日に施行されております。現在、セーフティネット住宅は、長崎市において22件の登録がなされています。登録住宅は、国の情報提供システムによって広く入居募集を周知できることや、住宅改修への補助や融資が受けられることなど、民間賃貸住宅事業者に対して利点があるとなっておりますが、改修費補助を受けた場合は住宅確保要配慮者の専用住宅として、最低10年間は提供しなければならないという制約もあるため、登録が伸び悩んでいるものと推察しております。  今後とも登録数を大きく伸ばしている他都市の取り組みなどを参考に効果的な解決策を検討し、登録数の増加につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 30 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) ご質問の1点目、防災・減災についての(2)地籍調査の推進についてお答えいたします。  地籍調査における筆界未定とは、隣接する土地の境界に対する意見の相違、それから土地の所有者が遠隔地に居住されていることなどから、現地立ち会いの協力が得られないなどの理由から、所有地の境界の確認が行えずに、地籍調査で作成する地図に隣接地との境界が不明な土地として表示されることでございます。このことは、地籍調査の効用を大きく損ねることになります。そこで国におきましても、土地所有者の申請に基づき、法務局が土地の境界を特定する筆界特定制度の地籍調査への導入、それから郵送により土地の境界案の確認を可能とする仕組みなど、種々の筆界未定抑制策が検討されているところでございます。そしてもう1つ、復元測量ということもございます。これは、現地の立ち会い調査を行うに先立ちまして、法務局に備えてある登記資料等をもとに、現地に境界の位置を復元する手法でございますが、これは現在、国庫補助の対象外とされております。  しかしながら、筆界未定抑制の有効な方策の1つと考えておりますので、今後その実施につきまして検討してまいりたいと考えております。また、あわせて地籍調査に係る地元説明会や、現地立ち会いをお願いする中で、調査の重要性であるとかメリットにつきましてもご説明し、理解を深めることにより、筆界未定の抑制に努めてまいりたいと考えております。  引き続きご質問の5点目、公共交通空白地の見直しについてお答えいたします。  長崎市では、平たん地ではバス停から300メートル、それから勾配が10度を超える斜面地では、150メートルより遠い5ヘクタール以上のまとまりのある地域を公共交通空白地域と定義して、現在37カ所を設定しております。このうち9地区につきましては、狭隘な道路環境、それから背後人口の規模が小さいといった理由で、コミュニティバス、それから乗り合いタクシーの導入ができない状況となっております。現在の公共交通空白地域の基準は、国のガイドラインや住民アンケート等により定めており、一定の合理性があるものと考えておりますけれども、議員ご指摘のとおり、特に斜面地の高齢化が深刻化する中で、バス停まで歩くことを負担と感じる方がふえているということも認識しております。このようなことからも、新たな重点プロジェクトとして、市民の暮らしやすさの観点から、まちをつなげるプロジェクトを位置づけております。また、国におきましても相乗りタクシーなどの多様な手法の検討が進められております。  今後といたしましては、このプロジェクトの中で、こうした国の動きも注視しながら、既に設定している公共交通空白地域の解消と並行して、交通事業者や地域の皆様と連携し、地域の実情に合わせた取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 31 ◯福祉部長(山口伸一君) ご質問の2点目、高齢者福祉の推進についての(1)ICTを活用した認知症高齢者の支援についてお答えいたします。  我が国においては、2028年には認知症高齢者の数は500万人を超え、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年には約700万人、65歳以上の5人に1人が認知症となると見込まれております。認知症は誰もがなり得るものであり、認知症の人ができる限り地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指して、ことし6月に国において認知症施策推進大綱が策定されております。このような中、長崎市におけるICTを活用した認知症高齢者の支援といたしましては、認知症の高齢者が行方不明になった場合にGPS発信機の情報をもとに、ご家族にご本人の位置情報を提供し早期発見につなげる徘回高齢者等家族支援事業や、徘回のおそれのある高齢者の情報を市で事前に登録し、実際に行方不明になられた際には、ご家族による警察への捜索願いとともに、市が地域の介護事業所に電子メールを一斉送信し、捜索活動に協力していただく徘回高齢者等SOSネットワーク事業に取り組んでおります。これらの事業のほか、新たにICTを活用した認知症高齢者の支援策については、アプリ等を活用し、家族が捜索依頼情報を発信し、支援者が捜索に協力できるシステムを導入している先進自治体もございます。  長崎市におきましても、地域の中には多くの認知症サポーターや高齢者あんしんネットワーク協定の事業所等があることから、これらの支援者が協力して一緒に捜索することで、早期発見につなげるとともに、共助意識の醸成にもつながることから、今後、アプリ等を活用した認知症高齢者を見守るシステムの導入に向け取り組みを進めてまいります。  次に、3点目の発達障害児の支援策についてお答えいたします。  自閉症や注意欠陥多動性障害、学習障害など発達に障害がある子どもが社会に適応していくためには、早い時期から療育や訓練を行うなど、成長や発達段階に応じて、それぞれの特性にあった適切な支援を行うことが重要であると考えております。長崎市では、保育所、幼稚園、認定こども園を対象に、作業療法士、言語聴覚士等の専門職員を派遣する巡回相談を実施しておりますが、平成28年度以前は、発達が気になる子どもの保護者から同意を得られた場合に限り保育所等を訪問し、保育士や保護者等からの相談に対して指導、助言を実施しておりました。平成29年度からは、保護者から同意があった施設だけではなく、希望があった全ての施設を対象として巡回相談を実施しております。また、専門職員もこれまでの1名から2名体制へ拡充し、発達の特性に合わせた配慮の仕方や対応方法などの相談や助言を行うとともに、継続した相談、指導等が必要と判断される場合には、必要に応じて複数回の訪問も行っているところでございます。さらに、巡回相談のお知らせに合わせて、保育所等へ通う園児の保護者に対して発達面に関する気づきを促すチェックシートもあわせて配付するなどの取り組みも行っております。このような取り組みにより、延べ相談者数が平成28年度の331人から平成30年度は463人に、巡回相談から専門医による診断につながった人数が、平成28年度の68人から平成30年度は108人に大きく増加しており、発達障害児の早期発見に一定の効果が出ているものと考えております。  今後も、巡回相談や保育所等の職員に対する療育に関する知識や技術の向上に向けた療育技術指導の充実など、発達障害児の早期発見、早期療育を図る取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 32 ◯土木部長(吉田安秀君) ご質問の6点目、(仮称)西部環状線の推進についてお答えいたします。  (仮称)西部環状線は、国・県・関係市町で構成した長崎都市圏総合都市交通計画協議会において、ご質問にもありましたように、平成8年度から平成10年度にかけて実施しました長崎都市圏パーソントリップ調査に基づき策定した、将来道路網マスタープランの中で提案されました、構想・検討路線の1つでございます。この構想・検討路線の大きな目的としては、長崎市内各地区を結ぶネットワークの強化や交通渋滞の解消等を図るための放射環状型幹線道路網を構築しようとするものでございます。(仮称)西部環状線は、この放射環状型幹線道路網のうち、既に供用しております長崎インターチェンジから女神大橋を経て、大浜町に至る長崎南環状線に続き、大浜町から茂里町地区を結ぼうとするもので、これにより市中心部の渋滞緩和のみならず、地域間の交流や経済の活性化に資することが期待されます。一方、放射環状型幹線道路網の形成に向け、事業中、もしくは事業に着手することに向けて取り組んでいる路線も数多くございます。そこで、長崎市といたしましては、現在事業中の九州横断自動車道や国道34号日見バイパスの4車線化、長崎外環状線などの幹線道路の早期完成と長崎南北幹線道路早期事業化及び西彼杵道路の早期整備について、まずは最優先で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。このような中、国・県においては新たな広域道路交通計画の策定が検討され、また、県とともに長崎市が事務局となって、長崎市中心部の交通結節等検討会議を立ち上げるなど、今まさに将来に向けて検討に踏み出したところでございますので、(仮称)西部環状線につきましては、今後の社会情勢や交通需要の変化も見きわめながら、長期的視点に立って取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 33 ◯33番(山本信幸君) 一通りのご答弁をありがとうございました。それでは理解を深めるために、順次再質問させていただきます。  まず、防災・減災について、(1)宅地のがけ災害対策費補助金の見直しについてです。  これは平成30年度で、今話を聞いてみると、この張り出しについての相談が平成30年度より少し多目に出てきたというような話を私も聞いております。それで平成30年度、そして現在の状況、相談の件数の状況についてお答えください。 34 ◯建築部長(山北 守君) 再質問にお答えいたします。  相談につきましては、平成30年度が155件、そのうち張り出しスラブに関するご相談が5件、令和元年につきましては8月末現在でございますが、相談件数が合計で84件、そのうち張り出しスラブが4件と増加傾向にございます。  以上でございます。 35 ◯33番(山本信幸君) これは既に、4月から始まってこの4カ月、8月末時点で昨年は5件だったんです。それが既に4カ月で、もうこれは4件に達しているわけなんです。  ということは、この崖地の問題の中で、長崎市自体、このまちのつくり方の中で、かなりこの石垣の上の張り出しについても老朽化が進んできている。また、この昨今の降雨の状況が大変異常な状況にある。その中で、この張り出しの影響、また、高齢化が進む中で、その維持管理ができない中で、その水がこの崖地へ流れ込んできて、石が崩れる前に張り出し自体への影響が出てきたんです。  長崎市のまちのつくり方として、従前より石垣の上に貼り出しをつくって、その敷地を広げるというつくり方というのは、これは数多く行われております。また、そのつくり方についても、斜面地であるがゆえに、もともとの既存の石垣の上に乗せてつくるというような、そういうつくり方をしております。現在であれば、建築基準法上のしっかりした指導のもとにつくられると思いますので、その下の石垣等は、しっかりとした擁壁と一体型の張り出しであるけれども、従前の状態としては、その石垣に取ってつけたような張り出し構造物がたくさん出てまいりました。そして、それが高齢化単独世帯になった中で、非常に影響を受けている。これは不思議なことに、崖地のその張り出しの下の石垣の石が1つでも落ちると、石垣の上にある石が1つでも落ちると、これは拳大であれば補助対象になる。ところが張り出しが傾いただけでは対象にならない。またコンクリートがずれただけでは対象にならない。しかし現地の状況としては、それに引っ張られて石垣が膨らんでいる。現在はそういう不思議な状況でございます。  やはりこれは、現場の状況に合わせて、少し状況を見てはどうかと、いわゆる対応の仕方として、現地に合わせた対応を少ししてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。 36 ◯建築部長(山北 守君) 再質問にお答えいたします。  議員がおっしゃるとおり、長崎市の斜面という特性上、張り出しスラブを数多くつくっております。それで、その支柱についても擁壁のほうにもたせて、もうつくられて50年以上がたっているので、危険な状態であるというのは認識しておりますし、対策は一定必要であるというのも認識しております。  ただ、もう一方で考えなければいけないのは、所有者等によるやはり適切な管理というのが原則の部分がございますので、どこまで行政が支援すべきかという部分をもう一度、そこも含めて他都市の状況を調査して研究させていただきたいと考えています。  以上でございます。 37 ◯33番(山本信幸君) 私が言ってるのは、その張り出した下には、実は通路があって、生活者がそこを歩くんです。それで、そこは避難路ともなります。改善しようとしても高額な負担金が要ります。長崎市の政策として、それを誘発するような施策を打ってはどうかと私は言っているのです。全額を負担せよとか、そんな話を言ってはいないです。それも撤去だけでいいのではないかという話を言っているのです。誘発する施策を持つ考えはないかと言っているのです。そういう道路の危険な箇所だけでもいいんじゃないかと言っているのです。  これは、ブロック塀も同じような考えで、私も前回の質問でブロック塀について質問させていただきました。このブロック塀の基礎というような考え方で、ブロック塀の補助制度の中にこれを入れることができないのか、お答えください。 38 ◯建築部長(山北 守君) 再質問にお答えいたします。  張り出しスラブの端のほうにブロック塀が積まれているという状況が多く見られます。これについてもおっしゃるように、スラブが落ちれば当然危険ですし、ブロック塀自体も落ちた場合は危険になってまいります。  それでおっしゃるように、ブロック塀の基礎が張り出しスラブになっているという状況を見ておりますので、そこについては地域を限定してというか、人が通る危険な通路の部分、避難路として使われている部分についてはやるとか、そういう限定的な施工も、補助を含めて検討させていただきたいというように考えております。  以上でございます。 39 ◯33番(山本信幸君) 私はそのブロック塀は、もう1つ申し上げたいのは、非常に張り出しにとって非常な荷重、重さなんです。私も自宅のほうではこの重さがかかるということで、石垣の上の分については撤去しフェンスにかえたということがございました。非常にそのことを考えると、そういう一つ一つの施策として、誘発するような施策を打っていく必要があると考えます。  今後はぜひ研究、検討されて、全国的な流れを見ながらこれを導入するようなことを進めていただきたい。これは意見として申し上げます。  また、(2)の地籍調査の推進について申し上げます。  これは先ほどのお話の中で、筆界未定ということで、境界が確定しないということをなくすんだという気持ちは十分にわかりました。それで筆界特定という制度が、国の制度というものがあるんだと、それは検討されるということでございました。これは非常にいい制度だと思っていて、こういう境界が確定しないと、周りの隣接にも大きな影響があります。こういう筆界特定の国の状況について、もしご存じの部分があったらお答えください。 40 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  筆界特定制度、これは地主が不明なときに、どうしてもその土地の境界を確定しなければいけないときに、第三者を代理人として立てて、そこに第三者、法務局の意見をいただいた上で、そこで確定するところでございます。実際に長崎市が、この地籍調査という中ではございませんが、別の事業の中でこの筆界特定制度を用いまして、用地の解決に導いたという事例はございます。これを地籍調査の中にそのまま導入できるかどうかにつきまして、申しわけございませんが今は最新情報での国の動きというものは、私はちょっと捉えておりませんけれども、しかしながら、やはりこの1つの土地が確定しないがために、周辺の土地の全てが不明なままで残るということにつきましては、この地籍調査というものが公共事業、なかんずく、その災害復旧の事業に対しては非常に大きな貢献があるということからしまして、やはり国のほうとしても早急な実現ということに向けての動きがあると思いますので、私どもはそれを捉えまして、導入できる状況になりましたら、迅速にその適用を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯33番(山本信幸君) わかりました。もっと今後は国の動向については、お互い注視を図っていきたいと思っております。
     また、ちょっと確認の上なんですが、先ほど、いわゆるこの地籍調査、国の補助制度の中で、復元、いわゆる測量の前に既存の地籍図があった場合に、それを復元して、立ち会いで有効的に活用するという話で、この復元測量というのを長崎市の補助ではなくて単独予算でもできないかということの可能性を検討していくと、進めていくと理解したのですが、そのような解釈でよろしいでしょうか。 42 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  今おっしゃいました復元測量、これにつきましては、相続で当時の土地の境界を確認した当人がいなくなっているとか、あるいはその示した境界ぐいとか、そういったものがなくなっているとかいうときに、どうしても地主の方は、本当はどこなのかといったことを知った上で納得したいということがございます。そういったところの判断材料としては非常に大きなものがあって、合意を得るに当たっては非常に有効なものだと考えております。  ただ、先ほど言いましたように、単独費ということもございますし、当然ながら押しなべて一律にやるという話にはならない。それがどうしても必要で、どういったところであれば最も効果が高いのかといったところを見定めながら、この採用につきましては検討したいと考えております。  以上でございます。 43 ◯33番(山本信幸君) これは従前は補助対象として進めていたものだと思いますが、これは単独でもぜひ進めていただいて、しっかりとこの事業の推進を図っていただきたいと思います。これは意見として申し上げます。  次に2点目、高齢者福祉の推進について、(1)ICTを活用した認知症高齢者の支援についてでございます。  これは、認知症高齢者の支援アプリを今後使って、ICTを活用した操作システムの導入に向け検証するということがございました。これは一定、非常に評価していきたいと思います。スマートシティを構築する上で1つの形になっていくものと私は考えます。  その上でもう1つ、一歩進んだ中で、今交通費助成制度が長崎市では行われております。それをこの交通系ICカードの中に今、直接入れようというようなことが進んでまいりました。実は交通費、この助成制度が行われ導入されていく中で、この新しいICカードの裏面には、それぞれの番号が振ってございます。この番号の活用などを検討して、それでの本人確認ができるような、そんなシステムも今後は1つのICTの活用ということで検証してはいかがかと思いますが、お考えをお答えください。 44 ◯福祉部長(山口伸一君) 再質問にお答えいたします。  昨日の答弁でもお話ししましたように、新ICカードを交通費助成制度に導入するということは、昨日申し上げたとおりでございますけれども、これについては民間の2つの事業所のカードということになります。  これにどう活用するかということがあるんですけれども、今後は国のほうでもマイナンバーカードに、今回の消費税等のポイントを上乗せして行うとか、マイナンバーカードに保険証の機能を乗せるとか、そういったものも考えられております。そういう中で、公的なICカードの中で、我々もこの認知症高齢者の支援ができるかというところも考えていきたいと考えております。  以上でございます。 45 ◯33番(山本信幸君) ぜひ、それは検証していただきたい、研究していただきたいと考えます。  私どももその中でマイナンバーカードのお話はありました。これはまだ現在20%台でございます。今は認知症高齢者、これは非常に移動する手段としてバスやタクシー、これはカードを持って動くという可能性は非常に高いと考えます。また1つの判断する手段、その人を判定する手段、その人がわかるような手段、これを1つの手段として捉えていただければ非常にありがたいと思っておりますので、さまざまな施策の1つとして、この活用にも検討していただきたいと考えます。  続きまして、(2)のセーフティネット住宅の推進についてでございます。  これは、このセーフティネット住宅を進める。これはやはり高齢者の単独世帯が進んできて、私にご相談がございました。この斜面地の状況はご存じでしょうか。平成7年度から現在、この令和元年度までの24年間ぐらい、斜面地の施策が進んできて、この24年間ぐらいで斜面地の人口減少はおおむね5万人近くが減っております。それで長崎市の人口総数が減っている数よりもはるかに多い。そういった場合にこの斜面地の方から、下に、どうしても生活が厳しいので平地に住みたいんだというご相談の中で話があって、年金をもらっていらっしゃる方だったんですが、高額な年金がありました。しかし、その方は保証人がどうしても立てられない、いらっしゃらない。ご主人も亡くなられた、子どももいらっしゃらなかったということで、年金も多額にあったんですが、下におりることができなかったんです。住宅を借りることができなかった、マンションを借りることができなかったんです。その意味で、この新たなセーフティネット制度というのは、そういう保証人がいなくても、これは住める制度でございます。またそういうのをマッチングするのが、結局進めていくためには大事でございます。そのために適正申請支援ということで、代行入力とかがございました。しかし、これを進めていく中にはどうしてもその間をマッチングして固めていく手段として、枠づくりに居住支援協議会の設置が必要だと思います。特に県で考えるよりも、長崎市のこの地域独特な斜面地というものを加味した地域での考え方が必要だと思いますが、長崎市の居住支援協議会の設置についてはどのようにお考えかお答えください。 46 ◯建築部長(山北 守君) 再質問にお答えいたします。  状況的には議員がおっしゃるとおりだと思います。そういう認識のもと答弁しましたが、登録数についてもぜひふやしていきたいと考えておりますので、それをふやす中で有効な手段として居住支援協議会の設置というのは、十分必要性は認識しておりますので、設置の方向で検討していきたいと考えております。  以上です。 47 ◯33番(山本信幸君) 今設置していくということの回答がございましたので、ぜひそれを早急に、これは、他都市の状況も参考にしながら進めていただきたいと思います。  3点目の発達障害児の支援策についてご質問します。  これは私が平成29年度にご提案させていただいて、もろもろ進めさせていただいたところでございます。チェックシートについては本当に先ほど言われたとおり直接相談が、いわゆる平成29年から平成30年度に対して、約23人の増、25%の増が、ふえた数に対してのです。数では25%の増、またその巡回によってということであれば、平成29年度の増加数に対して約3割、30%の増となっているところでございます。その意味でまず1点目、このチェックシートの効果は非常にあったものと考えております。また、その施設の職員の方、先生方からは、お話が非常にしやすくなった、ご父兄の方たちに話がしやすくなった、ハートセンター等を紹介しやすくなったと、そういうお声をいただいております。その意味で、これはまた今後については改良すべきところも残っております。ただもう1つ、しかしながらこの巡回相談について、どうしても過去の巡回相談、平成29年度以前の巡回相談と、なかなかこの施設のほうでは混同されているところがございます。先ほど部長の答弁では、ご父兄の方、保護者の方のご了解を得ずに、定期的にある程度、これは回るんだと。そしてその施設のほうが逆に、うちにはそういうお子さんはいないということであれば、そこは除くんだというようなお話であったんですが、施設としては逆にそうではなくて、保護者の了解が得られないから、うちとしてはもういいんですよ、また巡回相談は通常どおりですねというような形での申し込みをしているというような認識がどうもある。そういう意味では、当時決めた、私どもが平成29年度に提案させていただいた、長崎版のこの5歳児健診に近いものなんだと、就学前健診とあわせたら、それに近いものなんだというような発想と、少しずれているように考えますが、そのことについて部長の見解を求めます。 48 ◯福祉部長(山口伸一君) 再質問にお答えいたします。  巡回相談につきましては、専門職員、臨床心理士と言語聴覚士は今まで1名だったのを2名に増員して派遣しております。そういう中で、全園に気になる子の巡回相談事業のご案内も通知しております。そういう中で、全園からハートセンターのほうにご希望、申し込みしていただくという形になっておりまして、巡回相談から、先ほど相談者もふえているし、新規診療につながったというのもふえているというのもございます。そういう中で、その巡回相談プラス、また総合事務所のほうでも発達健診というのもしております。いろんな手法でそういった子どもの発達のおくれを気づくような取り組みをしていくべきだと考えておりますし、巡回相談も今の段階ではベストな巡回相談をしているんだというように考えております。  以上でございます。 49 ◯33番(山本信幸君) 部長はそのようにお答えされたんですが、どうしてもやはりここで見られないお子さんも出てきております。  逆にちょっとある事例を申しますと、3歳半健診が、お母さんのいろんなご事情で受けることができなかったというようなお子さんが、今はスルーをされている現状の方もいらっしゃいました。そういう相談があったので、今回こういう質問をさせていただいておりますが、じゃ、その5歳児健診がない中で、また施設から上げない中では、先ほど発達健診というお話がございましたが、なかなかそこでの見きわめができないと。いわゆる就学前では身体が中心でございますので、なかなかそこまでの見きわめができないというところがございます。  その意味で、私はこの施設のほうをもう一度、周知をしっかりと図っていただいて、そこでの考え方をしっかりと統一していただいて、今後の施設と、また、こども部等の連携をしっかり図っていただいて進めていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 50 ◯福祉部長(山口伸一君) 再質問にお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、保護者の同意が得られないから、今回のような巡回相談員を呼ばないというような誤解がないように、今後はこども部とも連携して、そういった保育園関係者に巡回相談のご案内に努めてまいりたいというように考えております。  以上でございます。 51 ◯33番(山本信幸君) ぜひ、そのように進めていただければと考えます。  次に、4点目の長崎県防空本部跡(立山防空壕)の史跡指定についてでございますが、これについては市長より進めていくと私は理解いたしました。  その中で、今後の追加指定についてちょっと確認なんですが、これは文化庁についてもしっかりとこの可能性を再度確認します。文化庁に対して再度そのことを協議していく、追加指定していくんだということの可能性を協議していくんだということでよろしいでしょうか。 52 ◯原爆被爆対策部長(中川正仁君) 再質問にお答えいたします。  この長崎県防空本部(立山防空壕)ですけれども、先ほど市長が答弁いたしましたように、被爆建造物の中でも当時の社会的状況を示唆するもので、今後とも保存すべき貴重な遺構でございますので、国指定史跡長崎原爆遺跡への追加指定の可能性について、長崎原爆遺跡調査検討委員会のご意見をいただきながら、文化庁とも協議していきたいと考えております。それらの意見を踏まえまして、追加指定について検討していきたいということでございます。  以上でございます。 53 ◯33番(山本信幸君) これはぜひ、私が言ってるのは、そこが時間軸、空間軸になるような、この長崎県の防空本部跡というのはなってくるんだと、その当時の情報が全て集まり、そして発信した場所なんだと、その意味でそこが本当に時間軸、空間軸になっていくという認識を私も視察の中で、見学に行った中で感じました。その意味では、しっかりとこれを残していくべき。長崎がしっかりと残していき、無言の語り部として、しっかりと残していく。長崎原爆遺跡の中に追加指定していただくように、国に対して私はこれを求めていくということを強く要望したいと思います。  次に、5点目の公共交通空白地の見直しについて。  これは部長から回答いただきました。非常にこのバス停までの、この高齢者の負担というのは十分認識されているということは理解しました。ただ、この公共交通空白地の計画の中でいつも言われるのは、バス停の周り500メートル、300メートル圏内だから、お宅の住宅のところはもう関係ないと。そこについては交通手段は考えないと。いつもその原点になるのが、この公共交通空白地の計画でございます。その意味で今回は質問させていただいたんですが、先ほどのご答弁でいただいたとおりであれば、今後はしっかりと別の意味で、もうそれを除いたような対象という見直しだと理解しております。ただ、この立地適正化、高齢化はさらに進んでおります。先ほども私は斜面地の事業が進んできて、24年程度かかるんですが、この中でもう5万人程度が減しております。その意味で公共交通空白地についても、これは考えていかないといけないという部分がございます。  そのことも踏まえまして、見直しについても検討することを考えながら、立地適正化とより合った施策を打つべきと思いますが、いかがでしょうか。 54 ◯まちづくり部長片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  現在のバス空白地域の考え方、基準につきましては、一定合理性があるものと考えておりますけれども、今議員がご指摘のとおり、特に高齢化が進む中では、同じ交通の利用圏といいつつも、その中でもやはりバス停まで移動するのが非常に厳しいという方がふえていってる。これはもう私どももわかっております。今後におきましては、こういう本当に利用圏という中にありながらも、なかなか実際にたどり着けない、行けないような方がふえていく。そこのところをどうしていくかといったところを考えないといけない。階段道しかないところは、もういたし方ないという状況もございますけれども、少なくとも車が入るところにつきましては、何かしらそういった手だてがないか。行政が丸抱えというのは、これは非常に厳しいと思っておりますけれども、自助であるとか共助であるとか、その地元のコミュニティの中で、何か動きがあるとき、そこに行政がどういった支援をできるか、そういった方向での検討になると思いますので、その点につきまして、地域の方々のご意見も聞きながら研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 55 ◯33番(山本信幸君) ぜひ、そこは地域の皆さん等も含めまして、また実情をより加味しながら進めていただきたいと考えます。  次に6点目、(仮称)西部環状線についてでございますが、これについて私は今後の中心部の交通渋滞対策、これを考えたときに、私は浦上川、浦上地区、このあふれる、こちらの地域に出てくる車、車両をどうつなげていくのか。北部については南北線が進んでいくということであれば、これは浦上地区より南北線が延びていくということでございますので、非常に北部側に進む延伸については、これはまた新たに高速に乗られる方は時津寄りのインターを含めて行く、またハウステンボス、佐世保方面に行く方はそれを使っていくということで、交通渋滞対策になっていくと思っております。またもう1つ、今度は南部地区を考えたときに、これは女神大橋を通って、この女神大橋を一方でおりて、南部方面のこの進行方向として、1つそのスタジアムへおりた方が、アフターコンベンションじゃないんですけれども、おりた方たちがその女神大橋をおりたところで、その南部の方向に進んでいくというのも1つ考えられるのではないか。また直接、浦上地区におりた方たちが、そのままこの女神大橋を使って、長崎インターから高速道路へ入っていくという、この直接的なルートもこれは考えられます。これは梁川公園のところをひと工夫して、そこからの展開を図っていくと、現在でも梁川の公園前付近の渋滞対策にもつながっていくと、私は考えております。その意味で、この検証も昔のような価値は変わってきたのではないかと考えるところでございます。  先ほど部長よりも、状況が少し、20年が経過しということでありました。長崎市として、再度ここの部分についてどう考えていらっしゃるのかお答えください。 56 ◯土木部長(吉田安秀君) 再質問にお答えいたします。  ご指摘のように、西部環状線につきましては一定の整備効果が期待される路線と認識しております。また、幹線道路の整備を進める中で、やはり長崎市としては放射環状型の道路網の形成というものを目指しておりますので、その一翼を担うという部分においては、そういった側面からも必要と考えております。一方で、まさに放射環状型を目指している、ほかの路線もございまして、まさにそれを早く完成させて、早く効果を出すということに、まずは力を注がせていただいて、西部環状線につきましてはこれらに続く路線として、まだ少し長期になりますけれども、そういった視野に立って取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 57 ◯33番(山本信幸君) 部長の気持ちはわかりましたので、ぜひ進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  7点目の、先ほど自席からということでありました7点目、総合運動公園運動広場の利便性向上についてでございます。  これは非常に、運動広場について、約3ヘクタールございます。これは利用者が、実は昨年、4万人になっております。非常にたくさんの方が利用されて、非常に使いやすい施設と変わってまいりました。  その意味で、ここについてまだトイレが1カ所しかないとか、防球ネットが低いとか、さまざまにございます。この利用について今後は改良を検証していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 58 ◯土木部長(吉田安秀君) 再質問にお答えいたします。  総合運動公園の運動広場でございますが、ご指摘のとおり、4万人ほどのご利用があってございます。こういった中でトイレにつきましては、やはり不足しているのではないかというお声もお聞きしますので、これにつきましては利用実態に即した需要というものを把握いたしますとともに、利用者の声もお聞きしながら、実態に即した利便性の高いトイレとなるよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 59 ◯33番(山本信幸君) ぜひ進めていただきたいと思います。  ここは多くの方が利用します。ベンチも少ない、水道もない、そういうことも含めて全て関係施設の整備をよろしくお願いします。  以上で終わります。 60 ◯副議長(梅原和喜君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 午前11時59分=           ~~~~~~~~~~~           =再開 午後1時0分= 61 ◯議長(佐藤正洋君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番岩永敏博議員。       〔岩永敏博君登壇〕 62 ◯19番(岩永敏博君) 自民創生の岩永敏博です。通告に従いまして順次質問いたします。市長以下、理事者の明快な答弁をお願いいたします。  1.市長の政治姿勢について、(1)ながさきの「食」の推進への取り組み。  長崎市が全国に誇れる代表的食材と言えば、長崎和牛出島ばらいろ、長崎びわなつたより、そして魚種が豊富な長崎の魚が挙げられます。かつて市民の台所と呼ばれた築町市場の求心力が低下し、市外資本の大型量販店がその販売シェアを占める今日となりましたが、県外の方にも自信を持ってお勧めし提供できる長崎の食材。特に、全国有数の漁獲量と日本一の魚種を誇る長崎の魚を身近に触れて気軽に食することのできる地産地消の拠点が市内中心部にはありません。このことは、長崎の大いなる損失ではないかと憂いているのは私一人だけではないと思います。私自身、県外に出向いた先々で多くの人でにぎわい繁盛する魚市場や屋台村などを見るにつけ、長崎にこんな施設があれば市民や観光客でどんなににぎわうことだろうとため息をつきながらも、その土地土地の海鮮丼を食べて帰ります。  第四次総合計画の後期計画期間における市長の施政方針を年度別に見るにつけ、食の推進、殊さら地産地消の消費拡大に向けた施策は具体的に乏しいと感じております。田上市政が掲げる交流人口拡大のためにも長崎が誇る食の推進は欠かせません。現状の施策と今年度からの新しい取り組みについてお示しください。  (2)地域のまちづくりにおける圏域の考え方。  本市では教育や福祉、まちづくりなど市民サービスを行う上で、その目的に応じて圏域を分けております。大きくは支所機能再編に伴う地域センターの設置、長崎版地域包括システムとしての地域包括センターの設置20カ所、公共施設の適正配置を考える公共施設マネジメントの地区別計画17カ所など、市内の区割りがさまざまであります。市民サービスの観点からは、生活圏域を無視した区割りも散見され、非常に紛らわしいと感じられます。旧町の合併の歴史や学校の統廃合など、さまざまな理由は考えられますが、それぞれの見解をお示しください。  (3)安全安心のまちづくり。  令和時代に入りましても全国各地ではさまざまな事件、事故の報道がなされております。川崎市の通学時の幼児殺傷事件や京都市の放火火災事件、そしてつい先日には長崎市の身近なところでもコンビニ強盗が起こったばかりです。本日、犯人は捕まったとの報道があっておりますが、市民の安全安心を守り暮らしやすいまちをつくることこそ行政の役目でもあります。このことを前提に、以下の項目について質問いたします。  ア.安全安心課の統廃合後における業務体制。  本市では、昨年4月の組織改正により、従前の安全安心課が自治振興課内の所掌事務として統合されました。当時の議会審査においても市民サービスの低下や対応のおくれを危惧する意見が出されておりましたが、現在の業務体制で十分対応ができているのかお伺いいたします。  イ.子どもを守るネットワークの現状の課題と今後の方向性。  地域の子どもは地域で守るとのテーマを掲げ、平成15年の、あの駿ちゃん事件を契機に2年後の平成17年から小学校区単位で設立された子どもを守るネットワークの活動も14年が経過し、7月の強調月間パレードなど、地域ごとの啓発活動により一定活動は醸成しつつあると認識しております。しかしながら、この間においても社会環境の変化は著しく、子どもを取り巻く事件、事故の原因も多様化しており、地域での安全安心への取り組みも交通安全の啓発、不審者や危険箇所の対策、集団下校、危機管理情報などの共有化など、さまざまな対応を求められております。その反面、活動を継続するための地域の担い手不足は深刻な問題となっております。  一方で、本市では地域コミュニティ連絡協議会設置に向けて、それぞれの地域の特色を生かしながらその仕組みが大きく変わろうとしております。暮らしやすいまちにするために、自分たちでできることを、自分たちの地域は自分たちで守るなどの意識醸成が図られている中で、既に地域コミュニティ連絡協議会が設立され包括的な活動ができつつある地域においては、懸案の子どもを守るネットワーク活動を発展的解消として協議会でその活動を担うことで担い手不足を補い、効率よい地域活動ができるのではないかと考えますが、市の見解を伺います。  ウ.公用車の青パト化。  多発する多様な犯罪を抑止する上で青パト活動の取り組みは一定の抑止効果があると認識しております。本市でも地域や民間団体での青パト活動の推進を図っていますが、現状をお示しいただきたいのと、まずは、率先して市役所として取り組むことで、官民一体の取り組みにつながるものと考えますし、職員の防犯に対する意識や交通安全への意識の醸成、ひいては公用車の交通事故抑制につながるものと考えますが、本市の特殊・特別車両を除き、可能な限り公用車を青パト化してはどうかと思いますが、見解を求めます。  2.地域とともにある学校運営について、(1)エアコン設置工事の進捗と夏休み期間の教室等の有効活用策について。  長崎市では県内自治体のトップを切って、小中学校普通教室にエアコン設置の工事を順次行い、この夏休みに全ての工事が完了予定としておりましたが、問題なく予定どおりに終了したのかどうか、まず状況報告をお願いいたします。また、外気の寒暖差を気にすることなく快適に教室で過ごせることから、夏休み期間中であっても教室の有効な活用策が見込まれると思いますが、来年度の学習指導要領の10年ぶりの改訂などに鑑みサマースクールなど学力向上に向けての支援などさまざまな活用が考えられると思いますが、今後の方策があればお示しください。そして、学校施設の地域への開放は、運動場や体育館なども含めて夏祭りや行事に幅広く利用されておりますが、教室の利用に焦点を絞りいろいろな活用策があると思われます。市の見解を求めます。  (2)学校評議員制度のさらなる充実と学校運営協議会への移行について伺います。  昨年11月の私の一般質問におきまして、地域の声を反映させる学校運営協議会への移行の方向性を示されました。今後、全ての学校を同時期に転換するということは、地域性や諸課題も多いことから難しいと思われます。まずは、現在の学校評議員のあり方を検証し、学校間で温度差がある制度そのものを見直すことから取り組むことにより多忙と言われる校長、教頭の効率よい地域への対応などを踏まえまして、学校運営協議会への移行につながるのではないかと考えますが、教育長の見解を伺います。  以上、本壇からの質問とし、内容によっては自席より再質問させていただきます。ありがとうございました。=(降壇)= 63 ◯議長(佐藤正洋君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 64 ◯市長(田上富久君) 自民創生、岩永敏博議員の質問にお答えします。  1点目の市長の政治姿勢についての(1)ながさきの「食」の推進への取り組みについてお答えします。  長崎市には、豊かな自然に恵まれた食材が数多く存在するとともに、長崎の多様性と重層的な歴史文化の象徴である和華蘭文化の中で多種多様な食文化が根づいており、食は長崎市民が誇れる財産であると認識しています。  長崎市では、ながさきの「食」の絞り込み、資源としての磨き上げ、重点的な情報発信の観点から、長崎の魚、長崎和牛出島ばらいろ、ビワの優良品種であるなつたよりといった競争性の高い食材を重点品目と位置づけて、観光客の消費拡大に向けて生産者や流通・販売業者などと連携しながらPRや販路拡大に取り組んでいます。特に、長崎の魚については、魚種の豊富さは全国1位と言われており、春夏秋冬それぞれに旬の魚がある長崎ならではの強みを生かすため、四季の美味しい魚27種をメーンに打ち出し魚の美味しいまち長崎のイメージを観光客に浸透させるとともに、市民への定着を図ることで魚の消費拡大を目指すため、長崎の魚PR・おもてなしアクションチームと連携してガイドブックの作成やホームページでのPRのほか、昨年度制作したプロモーション動画を羽田空港で通年放映するなどの取り組みを行っています。また、のもざき伊勢エビまつりを初めとした旬の魚の直売イベントや料理フェアの開催支援も行っています。さらに、今年度からは四季の美味しい魚27種に含まれているトラフグについて、戸石が養殖トラフグ生産量日本一を誇る長崎県の中でも屈指の産地であることから生産者と飲食店のマッチングにより長崎市内でトラフグを食べられる店舗をふやすとともに産地としてのイメージ強化を図り、市民や観光客による地元消費の拡大を推進することとしています。  交流人口の拡大のためには、長崎市の農水産物が市内外で広く消費され、また長崎市ならではの食材や食文化について市内外での認知度を高める必要があると考えています。今後とも長崎の魚を初めとした重点品目を中心に、関係団体とも連携しながら観光客などに対する情報発信、消費拡大などに取り組んでいきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 65 ◯総務部長(柴原慎一君) ご質問の1.市長の政治姿勢についての(2)地域のまちづくりにおける圏域の考え方についてお答えいたします。  地域センターは地方自治法第155条第1項に規定される支所で、市長の権限に属する事務を地域的に分担させるものでございます。これまで長崎市が周辺町村と合併してきた際に、合併地区の住民の利便性が低下しないよう旧町村役場の行政区域に支所や行政センターを設置してまいりました。平成29年10月からは、市民ができるだけ近くで用事を済ませることができる、困りごとをスピーディーに解決する、地域の特性に合った対応をするの3点をポイントとして、行政サテライト機能再編成を実施しましたが、地域センターの区域についても、従来の支所、行政センターの区域を基本として、住民の身近な場所で身近な手続や相談ができる窓口である地域センターを設置したものでございます。  次に、地域包括支援センターの担当区域は地理的条件、人口、交通事情、介護施設の整備の状況等を総合的に勘案して、担当区域内の65歳以上人口がおおむね6,000人程度となるように区域を設定し20カ所を設置しております。  最後に、公共施設マネジメントの実施計画である地区別計画は、市内17地区に分けて策定するため、各地区において市民対話を実施しております。長崎市におきまして、これまで人口増加や経済の発展に合わせて多くの公共施設を建設してきましたが、今後人口減少や少子高齢化が進んでいく中、既存施設を有効活用し行政サービスの供給体制を最適化することが求められています。
     将来の公共施設のあり方を考えるに当たっては、周辺地域の施設を含めた広域的な視点も必要であるため、まちの成り立ちや地形、交通網、人口規模などを考慮し、地区別計画の区割りを行っております。なお、公共施設の配置については、地区内で完結するものではなく、原則として中学校区ごとに再配置を考えることとしております。  いずれにいたしましても、それぞれの区域の考え方については、市民サービスの利便性を効果的に確保する観点や、将来に向けたまちづくりの観点など、さまざまな視点から区域を考えております。  続きまして、ご質問の1.市長の政治姿勢についての(3)安全安心のまちづくりのうち、ア.安全安心課の統廃合後における業務体制についてお答えいたします。  安全安心課につきましては、安全で安心な地域社会の実現を目指すため、平成20年4月1日付でその当時の自治振興課から安全安心業務と市民相談業務を切り分け設置したものであり、業務を進めるに当たり地域の皆様との連携を図ってまいりました。そのような中、平成29年10月に行政サテライト機能再編性を実施し行政課題などについて地域の特性に応じて迅速に対応するため、自治振興課の業務や総合事務所の業務について再整理を行い、自治振興課で行っていたふれあいセンターに関する業務などは総合事務所に移管し、自治会活動の推進などの業務は、引き続き自治振興課の業務としたところでございます。その中で、安全安心課における地域の防犯や交通安全などの業務は地域の核となる自治会を初め、関係機関や関係団体と連携しながら進めていくものであることなどから、自治振興課と安全安心課の業務については地域との連携を図るという意味で共通しており、1つの課の管理の範囲内でより効果的に業務を行うことができるものと判断し、平成30年4月1日付で自治振興課と安全安心課を統合したものでございます。  所属としての名称からは、安全安心が消えたことから、安全安心に係る業務が縮小した印象を与えるのではないかということですが、自治振興課には安全安心係を設置し、安全安心に係る業務を執行するための人員についても、それまでの安全安心課と変わりなく、その取り組みもこれまで同様に行っているところでございます。  地域の皆様が安全で安心した生活を送れることは非常に大切なものでありますので、今後とも地域の皆様とともに安全で安心な地域社会の実現に向けしっかりと取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 66 ◯こども部長(藤田庄三君) ご質問の1点目、市長の政治姿勢についての(3)安全安心のまちづくりのイ.子どもを守るネットワークの現状の課題と今後の方向性についてお答えいたします。  子どもを守るネットワークは、平成15年に長崎市内で発生しました子どもに係る痛ましい事件を契機として、平成17年から全ての小学校区に設置しており、子どもたちが安全に安心して過ごすことのできる住みよいまちづくりに取り組んでおります。  子どもを守るネットワークの活動といたしましては、事件のあった7月を中心とした啓発活動としての強調月間パトロールや通学路や公園などの子どもたちが立ち寄るような場所における定期的なパトロールの実施、また、パトロールで把握した危険な箇所などを集約し、長崎市などへ改善要望を行うなど、その活動は地域に根づいており、近年の事件事故の状況を踏まえましても、その取り組みの重要性はますます大きくなっているものと認識しております。一方で、議員ご指摘のとおり子どもを守るネットワークの活動においては、参加者の高齢化や活動の中心となる方が固定化し、苦労されているという状況もあります。  そのような中、地域におきましては新たに地域コミュニティのしくみづくりが動き出しており、子どもを守るネットワークの活動につきましても、既に協議会の中で取り組んでいただいている地域もありますので、今後とも地域の実情に応じた形で、地域において活動がしやすい形で継続していただけるよう検討してまいります。  以上でございます。 67 ◯市民生活部長(日向淳一郎君) ご質問の1.市長の政治姿勢についての(3)安全安心のまちづくりのウ.公用車の青パト化についてお答えいたします。  全国では、川崎市でスクールバスを待っていた小学校の児童が殺傷された事件や京都市における放火事件などの痛ましい事件が発生している中、長崎市におきましては、安全で安心なまちづくりを推進するため、関係機関や地域の防犯団体との連携を図りながら防犯意識の醸成や地域防犯活動の充実をより一層図っていく必要があると考えております。  そのような中、防犯活動の1つである青色の回転灯を装備した自動車、いわゆる青パトによる自主防犯パトロールは視認性が高く広範囲をパトロールできるため、犯罪抑止効果が非常に高いものと考えております。現在、長崎市におきましては、18の民間団体が青パト活動を行っており地域の安全安心に大きく寄与されているところであります。さらに今月下旬には、新たに1団体が活動を開始される予定となっております。一方、長崎市役所におきましても公用車16台を青パト車両として登録し、114人が青パト活動を行うために必要な講習を受講し、パトロール実施者証を所持しておりますが、基盤整備は図っているものの定期的な運用にまでは至っていない状況にございます。議員ご指摘のとおり、公用車を青パトとして活用することで、防犯活動の充実のみならず職員の防犯意識や交通安全意識の醸成にもつなげていく必要があると考えておりますので、改めて公用車による青パト活動の徹底を図りたいと考えております。  また、現在登録しているもの以外の公用車を新たに青パト化することにつきましては、さらなる防犯効果が期待できるものと考えておりますので、順次拡大に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 68 ◯教育長(橋田慶信君) ご質問の2点目、地域とともにある学校運営についての(1)エアコン設置工事の進捗と夏休み期間の教室等の有効活用策についてお答えいたします。  小中学校のエアコン設置については、新設校を除く98校のうち、まず中学校38校は6月17日、小学校12校は7月1日に供用開始し、残る小学校48校につきましても2学期の始業式に合わせ9月2日に供用開始しており、予定どおりエアコン設置工事は完了したところです。長期休業中の授業につきましては、体験的な学習を位置づけた学校行事や総合的な学習の時間を実施できることとしています。また、休業中に実施することが効果的と思われる教科等の学習についても、家庭や地域、児童生徒の実態に十分配慮した上で実施できることとしています。  今年度の夏季休業中では小学校7校、中学校19校が授業日を設定し、中学校においては19校の全てで総合的な学習の時間や実力テスト、平和学習等、教室を活用した授業を実施いたしました。さらに、授業日として設定していませんが、本年度は小学校57校、中学校36校においてサマースクールや学習会など、個別の学習支援を教室や図書室で行っております。また、夏季休業中に地域等の団体に学校施設を貸し出したり、開放した学校が小学校で59校、中学校で17校ございました。  エアコンが設置されたことにより、次年度以降は長期休業中における授業日を設定する学校や子どもの学習活動のための教室等の利用がさらに増加することが想定されますので、地域や学校のご意見を伺いながら運用の方法を検討してまいります。  次に、(2)学校評議員制度のさらなる充実と学校運営協議会への移行についてお答えいたします。  地域や保護者の皆さんが地域とともにある学校を目指して学校の運営等に参画する学校運営協議会制度では、地域が学校長の示す教育方針を承認し、学校や地域、子どもたちが抱える課題に対して役割分担をしながら連携協働による取り組みができます。そこで、野母崎青潮学園、三重小学校、横尾小学校をモデル校とし、学校経営の柱の1つとして、地域とともにある学校づくりを教育課程の中に位置づけ、導入のための研究準備を進めております。その中では、校長や特定の教職員の異動があっても持続可能な体制をつくり上げることなどが課題となっています。一方、学校評議員制度は、学校教育法施行規則に基づき、校長が学校運営に関してその権限と責任に関する事項について学校評議員に意見を求め、その意見を参考としつつ学校運営を進めるものです。現在、全ての長崎市立小中高等学校では、学校評議員制度が導入されており、地域に開かれた学校づくりの推進に役立っています。しかしながら、校長がその権限と責任において意見を求めるものであることから学校間で取り組みに差が見られ、学校運営に地域の声が十分に反映されることができていない実態も見られます。したがいまして、地域の多様な意見が学校運営に生かされるような学校評議員と管理職との連携について、今後とも校長会等で指導してまいります。  今後も長崎市が進める地域コミュニティのしくみづくりの動きと十分に連携しながら、それぞれの地域の実態に合った学校運営協議会制度のあり方を検討するとともに、現状の学校評議員制度のさらなる充実にも取り組んでまいります。  以上でございます。 69 ◯19番(岩永敏博君) 一通りのご答弁をいただきました。再質問させていただきます。  まず教育長、学校教室のエアコン工事、進捗を非常に心配しておりました。一保護者としても心配しておりましたけれども、今の報告で夏休みまでに全ての工事が完了したということをお聞きしました。長崎市は議会の要望も踏まえて、県内で最初にこのエアコン工事に取り組みました。その後、国からの支援が後づけでついてきたわけですけれども、全国的な流れがあって、品薄、需給状態、あるいは資材の高騰とか部品の調達、人手不足、いろんな心配があったんですけれども、それを踏まえて担当者、理事並びに受注して工事していただいた電気工事業者あるいは管工事業者の皆さんに敬意を表したいと思います。ありがとうございました。  そこで夏休みのこの教室利用についても、やはりエアコンがついた、夏休みは何も使わないよというのでは、来年から学習指導要領も大きく変わります。そして地域と学校が連携して、今後施設活用も含めてやっていくという中においては、夏休み冬休み、長期休業中の利用の仕方もあっていいのかなと思っておりましたけれども、既にそれも始められているということですので、そこは一定理解を示したいと思っております。  今後は働き方改革の兼ね合いもあります。私が夏休みで感じたのは、中学生の子どもたちも実は部活動が時間的に制限されているんです。その中においては、その制限された時間を有効に活用しながら、例えば部活動が2時間だったら、後の1時間を教室で宿題の時間に充てるとかいうことも、今後は可能じゃないのかなという気もいたしておりますので、弾力的なその活用方策も教育委員会でもっと考えていただければと思います。  片や、今度は地域が学校を利用するという考え方もあろうと思いますけれども、冒頭に申し上げましたとおり、夏休みは行事、夏祭り等でもいろんな形で施設の利用がありました。しかし、教室の利用というのは、なかなか難しかったかと思うんですけれども、今後はその地域が、子どもたちを交えての教室の利用、例えば放課後子ども教室、これも年間を通してやっているんですけれども、夏休みを利用することによって、またこの回数とか、今は地域でまだ取り組んでいないところが数多く利用できるかなということもありますけれども、そのあたりの考えはいかがですか。 70 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。  現在、放課後子ども教室は学校の教室や図書室などを利用しながら運営を地域の社会教育関係団体などに委託し、学習やスポーツ、読み聞かせなど1年間の実施計画を立て、子どもたちに体験活動を行っております。なお、今年度の夏季休業中における地域などの団体の学校施設開放としましては、放課後児童クラブ44件、放課後子ども教室10件、子ども会3件の実績となっております。  今後の学校における夏季休業中の教室等の活用につきましては、放課後子ども教室を含め、地域における子どもにかかわる活動の推進が図られるよう教育委員会と連携しながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯19番(岩永敏博君) 既に放課後児童クラブ44件、子ども教室10件、その他も使っているということで認識していいですか。  これは今年度からですか。それとも以前から使われていたのか、ある意味延べ回数なのかというところも、わかれば教えていただきたいのですが、部長、わかる範囲でお願いします。 72 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。  今年度の夏季休業中の部分の実績ですので、前年度の分はちょっとわかりませんが、今年度中に限りましては、この学校施設開放として、これだけの利用があったということでございます。  そこについては延べなのか、実際の数なのかはそこまでは把握しておりません。 73 ◯19番(岩永敏博君) いずれにしても学童クラブであったり、やはり使えば非常に学力向上にもつながるのかなと。あるいは地域のいろんなスキルを持った方々が、昔遊びだったり、それこそ宿題を見る時間だったり、地域の方と協力しながら運営ができることも今後は考えられますので、ぜひそこは積極的に進めていただければなと思います。  放課後子ども教室はなかなか進捗が進まないという理解をしておりますけど、ちょっと今の放課後子ども教室の、この夏休みの利用に限らず平成30年度で全校全てに設置しますよという数値目標があったと思うのですが、そこだけをちょっと教えてください。 74 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。  放課後子ども教室の設置状況でございますが、市の委託事業として28小学校、そしてそれ以外の学校を合わせまして、現在43校の小学校で実施しており、まだ全小学校区の実施にまでは至っておりません。今後とも地域の社会団体などと協力しながら、実施の促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 75 ◯19番(岩永敏博君) これは、夏休みの利用とちょっと話がずれるんですけれども、制度のあり方も含めて、少しもうちょっと緩和された考え方もあっていいのかなと思いますし、長期休業中だけを使う地域と連携した放課後子ども教室のあり方というのもあっていいのかなと思いますので、そこも検討していただければと思います。要望に変えます。  今後、来年に向けて夏休みの利用が広がってくるかと思うのですが、例えば電気代とかの課題もあろうかと思いますが、そのあたり教育長はどんなお考えですか。 76 ◯教育長(橋田慶信君) 再質問にお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、学校にエアコンが設置されたことによって地域も含めた活用の仕方というのは広がっていくものと思われます。地域とともにある学校という意味からも、それは有用なことではないかと考えているところでございます。  その際に、当然エアコンを使いますとご質問のとおり電気代等が生じてまいりますので、そのあたりをどうするのかと。既に学習開放事業等で運用しているところもありますので、それらを参考にしながら、その内容、実際の運用面での検討を早急に行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 77 ◯19番(岩永敏博君) 時間が少しございますので、来年度に向けて制度の整備をしていただいて、より地域が、そして放課後児童クラブ、その他の子どもたちを健全な育成ができるような環境のもとで使えるように、どうぞ整備をお願いしたいと思います。  次の、学校評議員制度のさらなる充実と学校運営協議会への移行について再質問いたします。  今回もこの議論に力点を置かせていただいておるんですけれども、地域とともにある学校、すなわち地域の声を反映させながら学校運営を行っていくというスタイル。地域性もあり、いろんな課題もあって一気に進んでいくとは限りません。現在、学校評議員、この制度があるんですけれども、校長が推薦、選任するのが通例と私は理解しておりますが、異動がある中で、校長先生もほとんど3年ぐらいしかいないんです。その短期間の中で地域の方のこと、そして地域のことも全てを理解するわけではない。そんな中では、学校評議員を地域が知らないというところもあるのではないかと思います。  現場の校長、教頭先生から、いろいろと話をしていく中で課題がだんだんと見えてくるんですが、学校が、例えば地域のほうへいろんなお願いをしたり、依頼したりすることがあろうかと思います。今後いろんな分業制も進む中で地域のボランティア人材の活用をすることも1つの手段かと思っています。そんな中で、学校でのプリントの印刷とか分類といった雑務、あるいは数年前に行っておりました学力向上のための支援員を地域から来ていただくと。ふるさと教育のための人選、そのあたりを校長先生が地域のほうに誰に相談すればいいのだろうと。それでやはりいろんな団体がありますので、やはり窓口が変わってくるということもある。あるいは多忙な教頭先生に至っては、新年度早々に準備をするのが運動会、体育大会なんです。それで新年度というのは、地域の役員もかわっている。名前もかわる。それで去年の名簿を見て案内を出せば、ちょっともうかわっとっとさねとか言われたりする。そういうところがやはりなかなか、実は多忙をきわめる業務の負担のところかなと思うんです。  ですから、私が何を言いたいかと申しますと、学校評議員がやはりその窓口になって、地域の動き、あるいは地域に対する依頼要望を伝えていく。地域の要望、学校に対するお願い等々も、学校評議員が窓口になって校長、教頭に伝えていく。そのパイプ役、窓口コーディネーター役をすることによって、学校と地域の連携というのがもっとスムーズにいくのではないかという気がしております。  先ほど教育長は、校長、教頭がかわっても持続可能なことが必要だという言葉もありました。そんな中で、1つこれは私からの提案なんですけれども、学校評議員を地域の民生委員あるいは補導員等々を地域で選びます。これは選考委員会をつくっております。そのようにして地域の有識者によって選考委員会を設置していただく。それでこの際、評議員そのものの存在や役割も含めて地域に明確にしていくということが必要ではないかと思うんですが、このあたりの見解を求めたいと思います。 78 ◯教育長(橋田慶信君) 再質問にお答えいたします。  学校評議員は、その学校の職員以外で教育に関する識見と理解のある者を校長が推薦し、教育委員会が委嘱することとなっております。そういう意味で、学校や地域の実情に応じて学校運営に関し、保護者や地域住民等の意向を把握し反映するという役割を担っていただいております。その選考につきましては、校長の裁量によるところとなっておりますけれども、議員ご指摘の選考委員会を設置することも含めて校長が地域に広く情報を求め、適切な人材を推薦することが重要であると考えております。  また、学校評議員の方の地域への周知につきましても、この制度を充実させるに当たり必要な要件であると考えておりますので、先ほど答弁申し上げたように、今後は校長会等でそのあたりの指導を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 79 ◯19番(岩永敏博君) ありがとうございます。多忙をきわめる地域の窓口の教頭先生、ここの負担感を除いてやるということも1つの大事なところですし、地域との密接したつながりをつくるためにも、ぜひ地域から選んだ評議員と。それで地域の皆さんが知っている評議員という制度をさらにつくっていただいて、今後、地域とともにある学校、コミュニティスクールの形成につながるように要望を、そして期待をしたいと思います。  では、次の質問に移ります。  市長の政治姿勢についてですけれども、まず、ながさきの「食」の推進への取り組み。今回は3期目の冒頭に当たって私が質問させていただきました。ある意味、議員生活の中で、もう満身創痍を込めてこの質問。これまで飲食店の経営を20年、飲料メーカーを10年、この経験をもとに、きょうは自分の経験をもって質問させていただきますのでよろしくお願いします。  第四次総合計画の後期計画にも記載しております、魚の美味しいまち長崎の発信、この文言は第四次総合計画というよりも、施政方針の中に毎年のように出てきております。特に近年は、羽田空港での動画PRなどのイメージ戦略に重点を置いていることが見えてきます。一方で、観光や出張、コンベンションで来たお客様が、気軽に長崎の新鮮な魚を食する場の提供が弱いのじゃないかなと、一番のウイークポイントじゃないのかなと思います。もちろん、これまで施策を進めております既存のお店の情報提供、商業活性化の観点から、大いにこれも大事なことですので進めていただきたいのですが、私が言いたいのは受け皿となる、そして市民も利用できる拠点施設、言いかえればにぎわいの創出と長崎の食を発信できる施設。  平成29年の施政方針には一度だけ、「まちなかにおける長崎の魚や水産加工品等を活かした水産物等拠点施設について、関係団体等と連携し、民間活力を活かした整備・運営方法の検討を進めます」と記載されております。  あれから2年がたちまして、なかなか形が見えてきておりませんけれども、その民間や関係団体との協議、これをどのようにこれまでやられてきたのかをまずお示しください。 80 ◯水産農林部長(野崎清隆君) 再質問にお答えいたします。  長崎市では、全国有数の水産県で魚種が豊富という強みを生かすため、観光客や市民がいつでも長崎の旬の魚を購入し食べることができる水産物等の拠点施設につきまして、民間活力を生かした整備・運営方法による設置可能性の検討を行ってきたところです。平成28年度に長崎市に適した施設の設置について総合的に検討するため、持つべき機能や施設規模、立地候補エリア等に係る予備的な調査、分析を実施し、その後、水産関係団体等に対し結果の説明や意見交換を行いましたが、実現には至っておりません。  今後とも、水産関係を初めとした観光・商工部門などの民間の動向を注視しながら関係機関とも連携して情報収集を行うとともに、民間による水産物の拠点施設設置の具体的な計画が示された場合に、どのような支援ができるかについて協議を行ってまいりたいと考えております。  以上です。 81 ◯19番(岩永敏博君) 立地候補のエリアの予備的な調査とか分析、どのような形でそれをされたのか全然見えてきません。本当にどこまで力を入れてやってきたのかというのが全く見えません。三、四年前にどのような調査をして今になっているのかも、まだその経緯はわかりませんけれども、長崎にはその有効な土地がないのも、それも事実でございます。以前は対岸地区の県有地等々のこともお話が上がったり、なかったりしたようですけれども、今、この中心部は非常に大きな動きがあります。100年の大計と言われる、このまちなかの形が変わろうとしている中において、駅周辺、それから今の県庁、元船地区を通って出島、今後すばらしいものができるであろう県庁の跡地、そしてその先の浜町、思案橋といったにぎわいのある中心部です。そこへの動線が新たに期待できるかなと思います。  ここに私が持ってきたのは、〔資料表示〕中心市街地活性化計画のこの中心部のエリア図があります。これは長崎市からいただいたものですけれども、今後の人のにぎわい、動線という中においては、当然今計画をしている新大工から大浦までの、まちなか軸、これが一番の基本軸じゃなかろうかと思いますけれども、ここに記載があるように駅前から水辺の森公園に至る流れ、あるいは駅前から市役所のほうに行く流れ、これがやはり回遊性をもって連携軸として示されております。  やはりここをしっかり、中心部の人の流れをつくることによって、今後は大きなにぎわいも生まれてくるんじゃないかと感じておりますけれども、私が今注力しているのは、その中でも県庁前の元船地区であります。県庁前は、非常にこれを見てもわかるように、今、100円パーキングがずらっと並んでいます。なかなかあそこに何ができるのか、どんな形に変わるのか、今は何らその動きもないわけですけれども、ここの100円駐車場が並んでいるところに市が所有する1,440平米の土地があります。これは現在、民間駐車場として活用されております。ここの市の所有地の状況と今後の活用策をまずお示しください。 82 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。  元船町の市有地につきましては、長崎駅から大波止につながる市中心部の一等地に位置しており、議員ご指摘のように1,400平米を超える土地でございます。元船町の市有地を含め、事業の見直しなどにより発生した未利用資産につきましては、まずは行政目的での活用を検討いたしますが、検討の結果、行政目的がないと判断された未利用地の利活用につきましては、今年度からは新たな手法として民間事業者のさまざまなアイデアをお聞きする、サウンディング型市場調査などにより検討しております。活用目的が明確でないまま資産を保有し続けることは、売却における収入が確保できないことに加え、固定資産税等の税収の機会を損失することにもなりますことから、保有する資産の活用、売却、留保するなどの方針を明確にする必要があると考えております。  元船町市有地は、活用策が決まるまでの間として、平成28年度から制限付一般競争入札による暫定的な貸し付けをし、現在は民間による駐車場として利用されておりますが、当該地の活用に当たりましては、議員ご指摘のまちづくりの視点も必要であり、どのような活用が最も有効なものとなるのか総合的に検討してまいります。  以上でございます。 83 ◯19番(岩永敏博君) 平成28年度から駐車場として貸している、活用しているということですけれども、先ほど申し上げた施政方針の平成29年度の中に、拠点施設を今後民間事業者と協議していくということがありますけれども、私はその当時から既にこのまちなかの動きはもう見えていたわけです。中心市街地活性化についても、もうこの計画は徐々に進んできていた中、県庁は建設中だった。そのころから、これから先はどんなまちの形になるかということも、もうその時点では、ほぼ見えていたわけですけれども、それも踏まえてお聞きしますけれども、この1,440平米の場所をその当時は駐車場として賃貸にする前に、事業者、例えば魚市とか漁連とかと、いろいろその施設についての協議、先ほどの話に戻りますけど、そういうこともこれはされたのですか。 84 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。  今の元船町の土地につきましては、これは裁判でまず日本通運の方と和解の後に、その後は市民病院新築工事のための一時貸し付けとか、その後は近隣マンション建築工事のための一時貸し付けとか、まちづくりとかいう前にも、その周辺のための民間による活用とか、そういった部分で一時貸し付けをしております。総合的にそういったまちづくりの部分というのは、その後なされていません。  以上でございます。 85 ◯19番(岩永敏博君) その換地があったことは私も存じ上げておりますけれども、やはりその10年後、20年後を見据えた中で、どこが有効活用できるか、それでそのうちに市有地がどこにあるのかということも踏まえて、利活用についてはその当時からこれは内部検討も含めてするべきではなかったのかと思います。  まさか今後、庁舎内で照会して売却とはいかないと思うんですけれども、あの土地あの周辺は、県庁があるところはもともと長崎魚市があった場所で、非常にこの食文化の発祥の地です。ですからあそこをまた改めてにぎわいの場所にするという考え方もあるのではないかと思います。  1つ情報がありますので、ここで皆さんにお知らせしたいと思うのですが、県有地があります、これは夢彩都の横のドラゴンプロムナードの倉庫、あるいはそこから県庁のほうに行く海岸、岸壁です。プラタナス広場とあそこはいいます。それであそこの一帯が5月から県の指定管理者制度によって事業者が今運用しておりますけれども、そこの計画の中に、このプラタナス広場においては週末にマルシェやケータリングカー、いわゆるキッチンカーといった、にぎわいの創出。あるいは、先日私が改選後、当選した後に沖縄の国際屋台村に視察に行かせていただきました。そこの事業者と話をして、長崎の非常にポテンシャルのあるそのことも踏まえて、長崎で屋台村をぜひ展開してみたいということで長崎に来ていただいて、このドラゴンプロムナードを活用した屋台村構想について県と、そしてその事業者といいますか、予定する人たちと話をしました。その場に商工部そして文化観光部の皆さんもお呼びしたので、そこまでの流れは理解していただいたのかと思っております。何を言いたいかと言いますと、やはりあの地区を非常に活性化させる、ひいては中心部への動線をつくっていくというのも大きな役割ではないのかなと考えております。  一旦ちょっと話を中心部のほうに目先を変えますが、銅座川プロムナードの整備計画がございます。これは令和6年度までに川を開渠して、またにぎわいの創出を図ろうというような計画ですけれども、現在、市場の暗渠も、いわゆる市場も解体して随分と様相が今変わってきました。そして民間の用地交渉も徐々に進んできておりまして、買収した用地が今は空き地としているところが数カ所ございます。  あの銅座歓楽街は、やはり空き地が目立ってくると、非常に閑散としたイメージも出てきます。そんな中で、1年でも2年でも、いわゆる銅座川プロムナードの工事が進むまでの間、この空き地の活用というのも1つのにぎわいの創出の方策なのかなとも考えております。  暫定的な活用になろうかと思いますが、そのあたりについてぜひ有効活用できるような考えをお持ちならば、どうぞ部長のほうでお答えいただきたいと思います。 86 ◯土木部長(吉田安秀君) 再質問にお答えいたします。  銅座川プロムナードでございますが、銅座地区の防災性の向上と慢性的な交通渋滞の緩和及び地域のにぎわいの再生を目的に都市計画道路銅座町松が枝町線として、浜町側の電車通りから川沿いに銅座橋までの道路整備を現在進めているところでございます。  議員ご提案の用地買収後、工事着手までの土地活用でございますが、事業完了までの間、工事に影響しない範囲において地域から貸し出しの申し出があった場合、それが地域の活性化につながるものにつきましては、前向きに検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 87 ◯19番(岩永敏博君) まず暫定的な活用も認めるというような、今のお話でございます。  銅座のその空き地も今後は移動式のキッチンカーや軽食の屋台等ができるような利活用が図れるようにぜひ配慮していただきたいと思います。  話をこの元船地区にまた戻します。そうやって今からやはり市民が、そして観光客が気軽に食に触れる場、オープンな場所というのはインバウンドからも好まれると思います。  そういう中において、ぜひ市長にここはお伺いしたいのですけれども、MICE、これが1つの起爆剤になるんでしょうけれども、交流人口の拡大によって、市長はあのMICEを装置というような言葉で表現されました。そうであるならば、その後のアフター、これは釈迦に説法ですけれども、やはりその後に、今長崎を散策するあるいは食に触れるということも1つのこのコンベンションであるという中においては、食のこの拠点が1つの装置になるのかなという思いもしております。  ぜひ、私は、この元船町のこの駐車場に貸しているこの用地をぜひ今後、また民間に協議する場、あるいはサウンディング調査をしながら民間の利活用を図っていくということは、ぜひやっていただきたいと思いますけれども、市長の考えをぜひここでお聞かせいただければというように思います。 88 ◯市長(田上富久君) 岩永議員の再質問にお答えいたします。  人の流れをどうつくっていくかという中で、食は非常に大事な資源、人の流れをつくっていく大事な要素であると思っております。そういう意味ではMICE施設があって、そこにおいでになった皆さんが、そこで完結するのではなくて、その後、まちのほうに流れていただく、そこで長崎の食を初めとした文化を楽しんでいただくという意味では、まず銅座、思案橋を初めとした長崎の文化が集積している、そういった地区への流れをどうつくっていくのか、これは非常に大事な要素だと思っておりますし、会議が終わった後、ぜひそういった人の流れができるような、銅座川プロムナードもそういった人の流れに貢献できるような、そういった使い方ができればと思っております。  また、その中で先ほど元船地区のお話がありましたけれども、元船地区はやはり今後、いま少しまちづくりが進んでいる地域でもあって、また新しい長崎の魅力をつくっていける可能性のある場所でもあります。また海に近い、港に近いという意味では、先ほど魚のお話がありましたけれども、これまで市のほうでも、あのあたりで何かそういう下関の唐戸市場ではないですけれども、何か魚を楽しめるような場所の可能性がないかということを随分検討した経過があります。ただ、担い手も含めて条件がそろわなければ、なかなか難しいということで、場所の問題、それから担い手の問題とあって実現はしておりませんけれども、そういった使い方ができないかといったようなことも検討してきた経緯があります。  そういう意味では、少し長くなりましたけれども、MICE施設からその銅座、思案橋に人を流していくような仕掛けづくり、銅座川プロムナードも生かした仕掛けづくりと同時に、元船地区に関しては、そういったそこの地域にふさわしい、地区にふさわしい、何かそういった使い方が、これから少しずつ進んでいくのだろうという中で、今まちづくりがまさしく進んでいる最中でありますので、いろいろな可能性を探ってみたいと思います。
     ただ、今の指摘があった地区に関しては、これまで行政の進めているさまざまな事業の代がえ地などとして周辺を使ってきた経緯があって、中心部では非常に貴重な代がえ地として、事業に非常に貢献してきた場所でもあります。そういった使い方で、これまでも無駄に使っているわけでは全くありませんので、今後ともそういった使い方も含めて、中心部の非常に貴重な市有地ということも含めて、どういった使い方がいいのか十分検討しながら進めていきたいと思っています。 89 ◯19番(岩永敏博君) 市長の今の見解は一定理解します。  県の所有地も含めて、倉庫も含めて、今からもっと利活用しようというような動きもございます。  ぜひ県の情報も入れながら、市としての対応も含めて十分な協議をして、にぎわいの創出、そしてこの銅座、思案橋、浜町の方面へ流れるその回遊性をもっとつくっていただきたいと思います。  最後に、時間はなくなりましたけれども、子どもを守るネットワークは一定理解しました。地域別に、ここは進めていきたいと思っております。  公有車の青パト化、これもある意味、部長から満額回答いただいたのかなと思っています。私が事前に調査した結果の話をしますと、今は130台ほどあるということですので、それについても順次よろしくお願いいたします。  以上で終わります。 90 ◯議長(佐藤正洋君) 次は、12番永尾春文議員。       〔永尾春文君登壇〕 91 ◯12番(永尾春文君) 公明党の永尾春文です。通告に基づいて質問させていただきます。  市長並びに理事者の簡潔で明確なご答弁をお願いいたします。  1.市長の政治姿勢について、(1)新地方公会計のさらなる取り組み。  総務省は平成27年1月、地方公共団体の限られた財源を賢く使う取り組みを行うことが極めて重要との観点から、地方公会計を予算編成等に積極的に活用し、そのための統一的な基準による地方公会計マニュアルを取りまとめています。令和元年8月改訂の当該マニュアルにおいては、事業別・施設別セグメント分析などの財務書類の活用方法等を示しています。長崎市においても、平成20年度より発生主義・複式簿記を参考にした財務書類の作成を行い、ホームページで公表していますが、老朽化対策に活用できる施設ごとの有形固定資産減価償却率や減価償却費なども含めたフルコストで、利用者1人当たりのコストが割り出せる事業別・施設別行政コスト計算書などは算出されておりません。コストの見える化を実現することにより、行政内部のコスト意識改革、施設の統廃合の優先順位判断や受益者負担の適正化に向けた議論に広く市民を巻き込むことが期待されます。本市においても複式簿記を全課に導入し、事業・施設ごとのフルコストを算出し、事業別行政評価シートに反映させ、費用対効果を明確にすべきではないでしょうか。  まずは新公会計導入検討委員会などをつくり、庁内で確実に進めるべきではないかと考えます。見解をお聞かせください。  (2)公共施設マネジメント。  平成28年2月に策定された長崎市公共施設等総合管理計画によると、長崎市の人口は2015年の約43万人から、25年後の2040年には約33万人と推計され、約10万人減少すると予測されています。一方、本市の公共施設の床面積は約194万6,000平方メートルあり、建築後30年以上を経過した施設が半数を超え老朽化が進行し、これらが一斉に建て替えや大規模改修の時期を迎えます。その改修・更新費の不足額は約879億円、年間およそ30億円、約25%に相当する床面積を削減するか、収益をふやさなければなりません。2015年から始まった同計画は、約5年が過ぎようとしています。さかのぼれば2012年、長崎市公共施設白書、長崎市公共施設マネジメント基本計画が出されてから7年が経過しています。これまでさまざまな計画が出されておりますが、現在一体どれほど具体的に進んでいるのか。現在の削減推進状況を床面積別、維持管理費別に数字であらわし、市民に対して説明責任を果たすとともに、この計画の重要性について全庁行政職員、市民の皆様の意識を高めるべきと考えますが、見解をお聞かせください。  3.平和行政について、(1)核兵器禁止条約締約国会議の長崎誘致。  2017年7月7日、核兵器禁止条約は国連総会で122カ国の賛成で採択されました。核兵器の威嚇も禁じ、最も問題とされる核抑止力に踏み込んだ画期的な条約であり、発効には50カ国の批准が必要となります。本年2019年8月、カザフスタンが批准され、現在合計26カ国となっています。同条約第8条によれば、50カ国批准が集まり発効してから1年以内に第1回締約国会議を開催しなければならないとあります。恐らく発効は二、三年後ではないかと言われております。この開催が長崎市、広島市の被爆地で実現できれば、この条約名は開催地の名を使う従来のあり方からすると、ナガサキ・ヒロシマ条約となる可能性も大きいと言われています。また、その会議にかかる財源は、批准国の負担により原則開催されるものだそうです。このことは本年8月9日、我が公明党山口代表並びに国・県・市の議員団と長崎大学核兵器廃絶研究センターとの意見交換の中で、同センターより提案があったものです。  2年後、2021年11月には世界レベルの国際会議が可能となる出島メッセ長崎が開業し、受け入れ態勢が整います。被爆者、市民の皆様の悲願である核兵器禁止条約実現に向けて、橋渡し役として長崎市がみずから手を挙げ、開催を誘致し支援を行い、被爆都市として世界に貢献すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。  (2)平和公園の雨天時対策の進捗。  2011年9月、2017年11月、2018年12月、平和公園を訪れる観光客を引率する被爆継承を担う平和案内人の観点から、風雨対策、照りつける暑さ対策として質問を行い、今回で8年4回目となります。来年2020年の被爆75周年は、さらに来訪者の増加が予想される中、公園の訪問者に対する風雨、暑さなどの安全対策は早急に求められます。いつ設置されるのか、2020年被爆75周年の早いうちに、できれば梅雨に入る前に設置すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。  4.児童福祉行政について、(1)児童虐待対策のさらなる取り組み。  2018年3月、目黒区で、2019年は千葉県野田市や北海道札幌市で、そして先日は鹿児島県出水市で4歳女児の死亡事故が発生するなど、本当に痛ましい虐待による死亡事故が後を絶ちません。平成29年度だけでも全国で52件もの虐待死が発生しています。この児童虐待の防止対策として、国は児童虐待の迅速な対応の観点から、2022年までに市区町村に子ども家庭総合支援拠点の設置を求めています。  本市の取り組みにおいては、市独自の要保護児童対策調整機関などを通して、毎年新しく年間100件余り、児童虐待防止対策に真剣に取り組んでいるものの、市民には余り知られていないのではないでしょうか。市として児童虐待は絶対許さないとの姿勢を明確に示すために、国の拠点整備目標や本市の新市庁舎移転なども見据え、市民の皆様にもすぐわかるように、例えば児童安全相談センターなど名称を明確にするなどして、市独自の具体的な情報発信を図るべきではないかと考えます。見解をお聞かせください。  5.文化観光行政について、(1)小曽根築地と長崎港の歴史に関する総合的な研究。  先日、横浜市にある横浜開港資料館を視察しました。そこでは、幕末開港からの文書資料を国内外から収集し、横浜港の歴史資料の保存管理・活用がしっかりとなされていました。その中で目にしたものの1つが、象の鼻という横浜開港当時の築地、すなわち外国船を受け入れる港の様子です。1859年、安政6年、イギリス波止場と税関波止場の2本の突堤が幕府によって建設されており、初めて見る幕末横浜開港の様子でした。さて、長崎港も幕末開港5都市になっていますが、当時どのようにして港の活用がなされたのか。出島があったので、そこで貿易がなされたのか。それではなぜ、わざわざ出島から離れた大浦・浪の平地区に居留地が形成されたのか。さらに言うと、グラバーは出島で貿易していたのか。私が知る限り、本市において、このことについて、明確な資料を展示したものは知りません。  私個人の調査では、尊王攘夷が吹き荒れる幕末に、開国に備え雄藩の大名が資金を提供し、浪の平、南山手の海岸に民間人、小曽根乾堂によって建設された小曽根築地こそ、長崎における幕末・明治期の主要な貿易港であったと推定されます。本市にも横浜市のように、現代のまちの発展につながる幕末・明治期の長崎港の歴史を明確にし、市民が我がまちの発展の歴史を正確に学ぶ環境をつくり、シビックプライドを醸成する責任があるのではないでしょうか。  そこでお尋ねします。本市として、歴史検証の観点から、幕末の小曽根築地による貿易の姿を検証し、顕在化すべきと考えますが、見解をお聞かせください。さらに、長崎港の歴史を振り返ると、1571年に開港された長崎港は、2021年に開港450周年を迎えます。出島以前には岬の教会と呼ばれたイエズス会本部があったと言われ、開港から1614年の徳川幕府の禁教令までの約四十数年の間に、教会群や病院、福祉施設などが次々と建設され、まるで小ローマのような町並みが出現したと言われています。前回の公明党の代表質問では、資料館の観点から質問させていただきましたが、今回はその前段として、岬の教会、出島、幕末、近代、現代と長崎港に関する歴史の研究を総合的に進め、国内外から情報を収集し発信できるよう、研究体制の確立を行うべきと考えます。本市の見解をお聞かせください。  (2)軍艦島の風評被害対策。  端島見学施設において、本年、令和元年7月12日に行ったアスベスト飛散有無のモニタリング調査で、30日、アスベストと思われる繊維状物質を検出したとの調査機関から暫定報告があり、翌日31日に上陸を停止し、8月3日に再調査を実施しております。8月9日、アスベストが検出しなかったとの再調査の結果が出て、8月10日、上陸を再開しております。また、7月12日調査分の最終報告でも、アスベストは検出されなかったことが報告されています。今回、7月12日の調査並びに8月3日の再調査が、ともにアスベストの検出がされなかったとのダブルチェックの安全結果は重要な評価と言えます。一方、一連のアスベストの報道を受け、本年11月以降にまで上陸予約のキャンセルが相次いでおり、風評被害が続いていると聞き及んでおります。このことから一刻も早く風評被害の根絶に対処し、観光客の皆様にこれまで保たれた安全の実績の安心を届ける責任が本市にあると考えます。市の見解をお聞かせください。また、今後の軍艦島上陸において、観光客の適切な上陸環境推進の観点から、その業務を担う軍艦島観光船協議会との連携も重要と考えます。あわせて市の見解をお聞かせください。  6.地域観光まちづくり行政について、(1)浪平小学校跡地活用における地域住民との約束の速やかな履行。  浪平小学校跡地活用の一般質問も、今回で8回目となります。平成19年に廃校になってから12年、いまだ跡地活用の道筋が見えない状況です。地元住民は、市から無償で借り受ける形で、舗装もされていない地面むき出しのグラウンドの草を住民総出で草を刈り、年に1回の夏祭りも11回を迎え、トイレも水もない中、何とか地元を盛り上げようと活動しております。昨年2018年6月の一般質問で、当時の理財部政策監が、活用策を見出していけるよう取り組む中で、地域の皆様のご意見もお伺いしながらとありました。その後、その結論はどのようになったのかお聞かせください。  以上、本壇からの質問を終わり、ご答弁の後、自席より再質問させていただきます。  また、2の(1)土地の規制緩和による地域経済活性化については、時間により自席より質問させていただきます。ありがとうございました。=(降壇)= 92 ◯議長(佐藤正洋君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 93 ◯市長(田上富久君) 公明党、永尾春文議員の質問にお答えします。  まず3点目の平和行政についての(1)核兵器禁止条約締約国会議の長崎誘致についてお答えします。  核兵器禁止条約は、核兵器の全廃を目指し、核兵器をつくることも、持つことも、使うことも全て国際法違反とした条約です。私はこの条約が国連で採択された直後の平成29年の長崎平和宣言の中で、私たちは被爆者の苦しみや努力にも言及したこの条約をヒロシマ・ナガサキ条約と呼びたいと思いますと述べ、この条約の採択を歓迎しました。それ以降、さまざまな場面で核兵器禁止条約の早期発効を訴えてきました。現在、条約に署名した国は70カ国、そのうち先ほどありましたように26カ国が批准しており、条約の発効に必要な50カ国まで、ちょうど折り返し地点に来たという状況です。今後も被爆地の使命として、条約の早期発効に向けた働きかけを行っていきたいと考えています。この条約は、50カ国目が批准した日から90日後に効力を生じ、議員ご指摘の締約国会議については、第1回会議が条約発効後1年以内に、第2回以降の会議が原則として2年ごとに開催され、国連事務総長が招集することとなっています。  被爆者や被爆地の長年の願いが実を結び採択された、この核兵器禁止条約の締約国会議を被爆地長崎で開催することができれば、原爆資料館の視察や被爆体験講話の聴講などを通して、各国政府の代表に直接被爆の実相に触れていただく機会となります。さらに、ここ長崎から核兵器禁止への強いメッセージを世界に発信することで、国際社会の動きを加速させることも期待でき、大変意義あるものと考えます。しかし、締約国会議の規模や会期、開催地の決定方法など、詳細はまだ明らかになっていませんので、まずは情報収集に努めていきたいと思います。核兵器禁止条約締約国会議に限らず、被爆地長崎において平和の国際会議が開かれることは、大変意義のあることであり、加えて会議場についても令和3年11月に交流拠点施設が開業予定であることから、可能性のあるものについて積極的に働きかけていきたいと考えています。  次に、3点目の(2)平和公園の雨天時対策の進捗についてお答えします。  平和公園の雨天時対策については、平和案内人から、平和公園を訪れた方々が、急に雨が降ってきた際に避難する場所がないため、雨天時対策が必要であるとの要望があっていました。そこで、雨よけ施設の必要性などについて、平和案内人や長崎さるくガイドの皆さんにアンケートを実施したところ、設置を希望する意見が多かったことから、施設の設置に向けて具体的に検討を行いました。まず、雨よけ施設の設置場所については、平和公園という特殊性を考慮し景観に配慮した場所を選定する必要がありましたので、設置可能な公園内の数カ所から、祈念像に向かって左側のエレベーター出入り口裏の植栽部分に絞り込みました。その後、被爆者5団体や関係自治会へ、この箇所に雨よけ施設を設置することについてのご意見を伺ったところ、特段異論はありませんでした。今後は、この場所に設置することを前提に、雨よけ施設としてどういった構造がよいのか、施設の規模はどの程度がよいのか、また、景観に配慮したデザインなどについても詳細な検討を行い、令和2年度に設置したいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 94 ◯企画財政部長(片岡研之君) ご質問の1点目、市長の政治姿勢についての(1)新地方公会計のさらなる取り組みについてお答えいたします。  地方公共団体の予算決算制度は、現金収支を議会の民主的統制下に置くことで、予算の適正、確実な執行を図るという観点から、一年間の現金収入と支出が明らかになる現金主義・単式簿記が採用されております。しかしながら、この方法では減価償却費や退職手当引当金など、現金以外の要素を考慮した実質的なコストや収益の把握ができないことから、国からの要請により、平成20年度決算以降、企業会計の発生主義・複式簿記を参考にした財務書類を作成いたしております。さらに、平成28年度決算からは、国から新たに示された統一的な基準に沿って、財務書類を作成することとなっており、固定資産台帳についても整備したところであり、減価償却に伴う施設等の残存価値についても一定把握できるようになったところでございます。こうした中、他都市では先進的に、複式簿記の機能が付加された会計システムを導入することにより、各課が日々行う会計作業において、自動で複式簿記への仕分けが行われ、さらには人件費や公債費などを事業や施設と関連づけることで、迅速に事業ごと、あるいは施設ごとのフルコスト算出を可能としている事例がございます。なお、こういった財務書類の作成方法には、国が示した基準モデル及び総務省改定モデルの2つのモデルと、東京都や町田市が構築した独自モデルが併存し、地方公共団体間での財務書類の比較が困難な状況であったことなどから、長崎市においては財務会計システムの次期構築とあわせて複式簿記機能の導入を検討することとしていたところでございます。事業ごとや施設ごとのフルコストを算出し、その事業、施設の費用対効果を明確にすることは、PDCAサイクルの過程で、事業の検証や見直し、優先順位の判断などにおいて重要であるということは認識しております。  導入のための検討委員会を設置してはどうかというご質問でございますが、今後、長崎市では財務会計システムの次期構築を検討する時期を迎えることから、まずは他都市の事例なども参考にしながら、事業ごとのフルコストを算出する仕組みの導入に係る費用や、算出のための情報整理に係る業務量等について検証してまいりたいと考えております。  以上でございます。 95 ◯理財部政策監(高江 晃君) ご質問の1点目、市長の政治姿勢についての(2)公共施設マネジメントについてお答えいたします。  公共施設マネジメントは、将来にわたり長崎市が暮らしやすいまちであり続けられるよう、次世代に大きな負担を残すことなく継承できる持続可能な公共施設へ見直すために取り組んでいるものでございます。平成27年2月に策定いたしました、長崎市公共施設の用途別適正化方針のコストシミュレーションにおきまして、道路、水道管などのインフラ資産を除く、平成27年から30年間の公共施設の建て替え、改修等に係る費用は、約879億円が不足すると見込んでおり、これを公共施設の保有床面積に換算した25%削減を目標として、公共施設マネジメントの推進に努めているところでございます。現在までの削減の状況につきましては、平成27年計画策定時の面積、約184万2,000平方メートルから、直近の平成30年では約179万9,000平方メートル、約4万3,000平方メートル、率にいたしまして2.3%の削減を行っております。この施設保有量の適正化に向けましては、将来の市民ニーズ、社会環境の変化等を十分に検証し、行政として保有すべき施設だけを残す施設の統廃合や、複数の機能を集約する施設の複合化による施設規模の適正化などを十分に検討、精査しながら、今後とも保有面積の総量抑制に努めてまいります。  公共施設マネジメントにつきましては、次の時代の長崎の基盤づくりのために大変重要であると認識しており、本市の重点プロジェクトとして位置づけ、その進捗管理を行っております。また、マネジメントの大きな方向性の決定に際しましては、市長をトップとし、全部長を委員とする長崎市公共施設マネジメント推進会議において、十分に協議を行いながら進めるとともに、予算や中期財政計画の中で施設の改修、整備を伴うものは、理財部が企画財政部と合同で担当部局にヒアリングを行い、公共施設マネジメントの方向性と合致しているかのチェック体制を構築しており、今後とも全庁一丸となって公共施設マネジメントを推進してまいりたいと考えております。  続きまして、ご質問の6点目、地域観光まちづくり行政についての(1)浪平小学校跡地活用における地域住民との約束の速やかな履行についてお答えいたします。  浪平小学校跡地につきましては、平成16年2月に地元自治会長や学校関係者で構成する浪平小学校跡地活用地域協議会を設置し、協議を行ってまいりました。その後、跡地活用の検討は、浪の平地区連合自治会を中心とした地元の皆様による協議へと場を移しております。このような中、校舎が立地しておりました下部敷地につきましては、具体的な活用策が決まるまでの当面の活用として、地元からご要望がありました地区の祭りなどに活用できる広場として、暫定的に地元にご活用いただいているところでございます。  長崎市としましては、浪平小学校跡地を含むこの地域は、世界遺産の構成資産を含むグラバー園を初め、居留地時代を物語る洋風の建築物が数多く残る、観光地としての魅力も高いエリアであることから、地域が持つ魅力や資源を生かしていけるよう、この跡地を有効に活用することが重要であると考えております。このようなことから、歴史的資産を生かしたまちづくりの基本計画となります、歴史的風致維持向上計画の策定を進めており、今年度の国の認定を目指しております。本計画におきましては、浪平小学校跡地のある東山手、南山手地区につきましては、重点的かつ優先的に取り組む重点区域に予定しており、歴史的建造物を生かしたにぎわいと、居住環境との調和のとれたまちづくりを進めるため、来年度から地域の皆様も含めた歴史まちづくり協議会を設置し、将来のまちの姿を示した、歴史まちづくり計画の検討を進めることとしております。あわせまして、松が枝国際観光船埠頭2バースの事業化を見据え、整備される岸壁と国道に挟まれた背後地のまちづくりにつきましても、長崎県と共同で整備構想の検討を進めていることから、2バース化との連携も含め長期的な視点も持ち、最もよい形となるよう検討する必要があると考えております。しかしながら、これらの検討には一定期間を要することから、一時的な活用として、浪の平地区連合自治会に無償でお貸ししております当該地の暫定的な整備につきましては、安全性の向上の点などから検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、浪平小学校跡地は、地域はもとより長崎にとって大変重要な場所でございますので、地域の皆様のご意見もお伺いしながら、長崎のまちづくりにとって最もよい活用策を見出していけるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 96 ◯こども部長(藤田庄三君) ご質問の4点目、児童福祉行政についての(1)児童虐待対策のさらなる取り組みについてお答えいたします。  近年、児童虐待への対応は全国的に深刻な社会問題となっており、相談対応件数は長崎市におきましても全国と同様に増加傾向にあります。長崎市における児童虐待の相談対応につきましては、子育て支援課にこども総合相談の窓口を設け、住民に最も身近な基礎自治体として、児童虐待に限らず子どもや子育て家庭からのさまざまな相談に専門資格を持つ職員が応じているところでございます。このような状況の中、平成28年度児童福祉法が改正され、市区町村は子どもとその家庭及び妊産婦等を対象として、実情の把握や相談全般に加え専門的かつ継続的なソーシャルワーク業務を行う市区町村子ども家庭総合支援拠点、いわゆる支援拠点の整備に努めなければならないことが規定され、令和4年度までに全市区町村に設置するとの目標が掲げられております。長崎市におきましては、既にこの支援拠点が担う業務内容、職員配置等の設置要件を満たしておりますので、今年度中をめどに児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会の調整機関である子育て支援課を支援拠点として位置づけたいと考えております。その際には、市民や関係機関に対し、改めて支援拠点の役割や児童虐待等の相談窓口であることをしっかりと周知してまいりたいと考えております。また、複雑・深刻化する児童虐待問題に、さらに迅速かつ専門的に対応できるよう、今後支援拠点における相談支援体制のさらなる充実についても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 97 ◯文化観光部長(股張一男君) ご質問の5点目、文化観光行政についての(1)小曽根築地と長崎港の歴史に関する総合的な研究についてお答えいたします。  長崎のまちは元亀2年、1571年の開港以来、450年の長きにわたり長崎港を中心として他の開港場に先駆け発展してきた歴史を有しております。長崎の歴史の原点となった長崎港は、大航海時代にポルトガルとの南蛮貿易の拠点としてその役割を果たし、江戸時代以降も出島や唐人屋敷において、オランダ及び中国との貿易が行われ、幕府直轄の対外貿易港として成長を続けてまいりました。とりわけ安政の開国に伴う開港後は、大浦、南山手などに外国人居留地が置かれ、グラバーやオルトなど、外国人商人の活躍の場として大いににぎわいました。  議員お尋ねの小曽根築地は、長崎の豪商である小曽根六左衛門、乾堂父子が現在の小曽根町の一部を外国人居留地の造成に先駆け、いち早く開発したものでございます。小曽根築地は、幕末の長崎の歴史の発展の源となった重要な場所であると評価されております。一方で、議員ご指摘のとおり、小曽根築地を初めとする長崎港の歴史に関する総合的な研究については十分とは言えず、今後、長崎市が主体となって研究に取り組み、得られた成果を発信する必要があるものと考えております。現在、長崎市では長崎港に関連する歴史の調査、研究拠点としまして、長崎歴史文化博物館、グラバー園、旧香港上海銀行長崎支店記念館、三菱史料館などが、それぞれのテーマで特徴ある資料展示を行っているところでございます。今後、長崎学研究所が中心となって、小曽根築地を初めとする長崎港の歴史に関する総合的な研究を進め、その情報を研究者や研究団体と連携して収集し、講演会や研究論文の発表、さらに長崎歴史文化博物館との連携による展示の充実などを通じて、市内外への発信に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、(2)軍艦島の風評被害対策についてお答えいたします。  軍艦島に残されている建物や設備は、大正時代から昭和期につくられたもので、アスベストを含む石綿管などが存在することについて確認しております。軍艦島のこれらの資材は、アスベストが飛散する性質のものではございませんが、建物などの劣化等の進行を踏まえ、軍艦島の大気中の状況を定期的に把握し、上陸者等の安全確保を図るため、軍艦島への上陸を開始した平成21年度以降、昨年度までに合計7回、大気中のアスベスト飛散状況について調査を行っており、いずれも問題なしという結果でございました。今年度につきましても、再調査を合わせ2回の調査を実施しており、最終的にはいずれも安全性には問題ございませんでした。  次に、今後の安全点検についてでございますが、さきに申しましたとおり、軍艦島には飛散性ではないとはいえ、アスベストが使われた資材等があることを考えますと、定期的な飛散状況の調査が必要であると考えております。現在、その調査の時期や回数などの検討を進めているところでございますけれども、専門家や関係者の意見も伺いながら対応してまいりたいと考えております。  次に、軍艦島の上陸が安全であることについての情報発信についてでございますが、8月9日の公表に際しましては、市政記者の皆様へより詳細な情報を文書によってリリースすることで、マスコミの皆様方を通じた情報発信を実施したところでございます。また、年間約450万ページビューを誇る、長崎市の公式観光ホームページ、あっ!とながさきや、長崎市総合観光案内所でも、端島見学施設において、大気中にアスベストの飛散はなかったこと、施設の供用再開の情報を発信してまいりました。あわせて県外の旅行会社やバス会社などに対しましても、施設の供用再開などの情報をお知らせしております。本件に関する情報発信につきましては、今後とも引き続き適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。  次に、軍艦島観光船協議会との連携の考え方でございますが、当協議会の会員は、端島見学施設のドルフィン桟橋の使用を長崎市が許可し、軍艦島上陸クルーズを実施している船会社5社であり、この協議会は毎月1回、定例会を開催しておりまして、長崎市もオブザーバーとして、その協議会のほうに参加しております。その定例会の中で、長崎市が端島見学施設に関して何らかの決定等を行う際には、観光船協議会の見解も考慮してほしいなどの意見もいただいております。軍艦島観光につきましては、協議会の会員であるクルーズ会社5社が現場を担っており、現場の状況にも精通しておられますので、情報共有が必要な案件等につきましては、観光船協議会に事前に情報を提供し意見交換を行うなど、今後も連携を図ってまいりますが、端島見学施設は長崎市の公の施設でありますので、長崎市が確固たる責任を持って端島見学施設の適正な維持管理に努めてまいります。  以上でございます。 98 ◯12番(永尾春文君) 答弁のほうをありがとうございます。議論を深めるために再質問させていただきます。  まず、3の平和行政についてから質問させていただきますが、まずは平和公園の雨天時対策の屋根の設置を決定していただきましてありがとうございます。平和案内人の皆様と、もしくは今長崎国際観光コンベンション協会のほうで修学旅行をご案内していただける皆様がいらっしゃいますけれども、やはり若い方よりも高齢者の方が多くて、修学旅行生とか10人ぐらい引率しますが、急な雨とかそういったときに本当に苦労されていらっしゃいますし、照りつける暑いときには本当に大変な様子でいらっしゃいます。今回の設置は来年2020年の75周年に向けて、なるべく早く設置していただいて、観光客の方もたくさん来ることが予想されますので、ぜひ速やかな設置を要望させていただきます。  さて、核兵器禁止条約締約国会議の長崎誘致でありますけれども、先ほど市長より答弁がございまして、情報収集していくということでお話がございました。パリ条約、ベルリン条約、ロンドン条約、ウィーン条約、歴史の教科書などに載っていたそういったことを思い出しますけれども、例えば近くでは1997年、京都議定書ということで、京都で開催された第3回締約国会議で、国別の温室効果ガス削減目標が定められたわけですけれども、これは京都議定書ということで名前がつけられておるわけであります。こういった条約に土地の名前がつくというのは大変意義のあるすばらしいことだと思いますので、ぜひ実現をお願いしたいと思うわけでありますけれども、さらにもっと大事なことは、先ほど市長からもお話があったように、市長はNPTの再検討準備委員会にも欠かさず出席され、世界各国の核廃絶における温度差といいますか、激しさを肌で感じてきたという、帰国後の会見とかもお聞きしました。なかなか核兵器廃絶は難しい険しい道でありますけれども、今回の禁止条約が批准、発効になれば本当に世界にとって希望の1つの道筋になると思いますし、それが広島、長崎という名前がつくことで、例えば日本ではなかなかまだ署名、批准は難しいという状況でありますけれども、地方から世界に貢献できる取り組みかと思います。  もしよろしければ、答弁をいただきましたが、このことについて市長に何か思いがございましたらご答弁をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。 99 ◯市長(田上富久君) 永尾議員の再質問にお答えいたします。  核兵器禁止条約は先ほどお話がありましたように、核兵器の廃絶を望む世界の多くの皆さんにとって1筋の光であると思います。そういう意味では、この条約が1日も早く発効して、そしてその条約を多くの国々の皆さんで育てていくということは非常に大事で、それを育てていくときの場所が締約国会議でもあって、それが長崎で開かれるということになれば、これは非常に大きな意義があると思います。また、NPT再検討会議の準備委員会等は200カ国近い国が当事者となりますので、それに比べますと現実的に考えましても開催のハードルというのは低くなるものと思いますし、またその分、可能性が高まるものと思います。先ほどお話がありましたように、この会議自体は国連事務総長の招集になりますので、昨年、長崎にお越しいただいたグテーレス事務総長の招集ということになるわけですけれども、そういう意味でも、まず国連としっかりと情報収集させていただいて、どういったものなのか、あるいはどういったハードルがあるのかといったことについても、しっかりとまず情報を収集したいと思います。  こういった会議を開催するということは、長崎にとりまして非常に重要な今後の取り組みになっていくものと、そういった会場についても、今後は少し整備が整いますので、そういった意味でも今後は積極的に、私自身も先頭に立ってそういった会議の誘致に努力していきたいと思っております。  以上です。 100 ◯12番(永尾春文君) ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。質問を続けさせていただきます。  4番の児童福祉行政についての児童虐待対策のさらなる取り組みについてです。  先ほど国の拠点整備については、長崎市としては機能は十分担保しておるので、早急に位置づけしたいというお話がございました。資料でいただいた内容を見ますと、年間100件余り、新しく児童虐待がこの長崎市でも発生しており、延べでお聞きしたところでは平成28年、平成29年は3,700件、3,900件だったものが、平成30年度は延べの対応件数が4,900件ということで、1,000件ふえておるわけであります。  この一件一件が先日の鹿児島県出水市の、対応のたった1つのすれ違いということで、本当に痛ましい事故になったわけでありますけれども、長崎市の職員の皆様も13名の相談体制で、本当に真剣に取り組んでいるとお伺いしておる次第でありますが、ここで質問したいのは、この位置づけということで、再度申し上げますけれども、私はやはり長崎市が、児童虐待に関しては絶対に許さないと、そういう姿勢を内外に発信するチャンスかと思いますので、その点について部長の決意をお聞かせください。 101 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。  先ほどご答弁申し上げましたとおり、児童の虐待問題につきましては本当に増加傾向にあり、またさらに対応すべき事案につきましても複雑、そしてまた深刻化しているということから、さらに迅速に、また専門的に対応できるよう、まずは今後の体制のあり方についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 102 ◯12番(永尾春文君) どうかよろしくお願いいたします。  5番の文化観光行政について、小曽根築地と長崎港の歴史に関する総合的な研究について再質問させていただきます。  まずはちょっと見ていただきたいものがございまして、〔資料表示〕ちょっと長いですけれども、実はこれは小曽根築地の様子を、今の言葉で言うと設計図です、図面が残っております。これの本物は長崎歴史文化博物館に保存されております。小曽根家が寄贈されたものだと言われております。この中でちょっと拡大したものがございます。〔資料表示〕これなんですけれども、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、下には海の底というんですか、海底が描いてあって、その上に石垣と、あと桟橋というのでしょうか、デッキというのでしょうか、そういったものが描かれた絵で、その絵を少し拡大したものが上の絵になるわけです。これは何をあらわしているかと申しますと、大浦海岸通りは古写真でもあるように、小さな船が幾つも寄せている砂地の様子であるんですが、この小曽根築地になると、このように高さを上げて、これは何を意味するのか、私は推測ですが、恐らく黒船の当時のサイズは接岸ができたのではないかと思っております。地図にも浮き橋、桟橋が描かれてある図面もございまして、まさしくそういうことが本当だったのかはわかりませんけれども、ぜひ検証していただきたいと思っております。後藤象二郎と坂本龍馬が長崎港を夕顔丸で、土佐藩船で京都に向かう。うそか本当かわかりませんが、船中八策を船の中で考えたという、あのくだりを、あのときはどこからあの2人は出港したのか、そういったことを考えると、この小曽根築地というのは本当に重要な場所ではなかったのかなと思う次第であります。ぜひ、この長崎港並びに小曽根築地の歴史の検証は進めていただきたいと思う次第でございます。  そこで1つご質問したいといいますか、考えていただきたい、提案なんですけれども、歴史の研究というのは10年、20年とかかるものでありまして、それは地道な作業であると思いますし、大変重要なことであると思いますが、それに合わせて小曽根乾堂という人を、もしくは築地を検証する意味で、例えば平和大使とかそういった1つの制度をつくって、自薦、他薦はあるかと思うんですけれども、任命しているように、小曽根乾堂を検証する大使を例えばつくって、そういった歴史好きの方が、おのおのそういったことを発信していく。そういったきっかけづくりをつくってみてはどうかと考えるんですが、見解をお聞かせください。 103 ◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。  長崎のまちというのは、それぞれの時代に応じまして、数多くの偉人あるいは名士を輩出してきたまちと考えております。  そのような背景、こういったものを踏まえつつ、今議員がお尋ねの小曽根乾堂氏の検証につきましては、そのあり方だとか手法等について今後研究してまいりたいと思います。  以上でございます。 104 ◯12番(永尾春文君) どうかよろしくお願いいたします。  質問を続けます。軍艦島の風評被害対策について、これは要望ですけれども、さまざまな環境の安全基準があると思います。ほとんどは検出自体で危険と判断するのではなくて、例えば濃度何%とか数値で安全基準を定め判断していることが多いと思います。今回の事案は、らしいものが検出されたという、その検出の可能性だけで判断がなされたわけでありますが、アスベストにおいても医学やコンクリート学会などの最新の知見を調査研究して、どういった安全基準があるのか、観光客の健康、安全のためにも、もしくは上陸の業務をされる上陸船の皆様のためにもリスク管理を考えていっていただきたいと思いますので、これは要望とかえさせていただきます。  そして、浪平小学校跡地の質問をさせていただきますが、最後のほうに、暫定の整備の中で安全性の向上という点から検討していきますとありました。  例えば先ほど私も質問で申し上げましたが、住民総出の草刈りとか、あとは祭りのときは水もないので、近くの南公民館から届かないホースを届くところまで伸ばして、後は水をバケツで組み上げて祭りの会場まで運んでいるんですけれども、そういったことを、例えばまずはできることから考えていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。 105 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。  浪平小学校跡地につきましては、我々のほうで普通財産の管理ということになりますけれども、今、永尾議員がご指摘のように、地元の方に負担をかけている部分もあるかと思いますので、まずはそういったところで、普通財産の管理として、安全性の部分で何ができるのかのお話をさせていただきたいと思います。  一例として草刈りの中でも、やはり地元の方でどうしてもできない危ない部分とかがあれば、そういった部分は我々のほうでさせていただきたいと思います。  以上でございます。 106 ◯12番(永尾春文君) ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。  それでは1番の市長の政治姿勢の新地方公会計のさらなる取り組みに入りたいと思います。
     〔資料表示〕ここに1つの冊子があります。平成29年度町田市の課別・事業別行政評価シートダイジェストというものです。本当に小さなもので、サイズだけしか皆様にはご紹介できないのですけれども、この中に市民の方に身近な事業、例えば学童保育事業、それがフルコストで書かれておりまして、皆さんが払っていただく育成料収入とか、国、町田市ですから県に値する都からのお金とか、市からの税金等が幾ら使われているのかというのがわかるようになっております。ちなみに町田市の場合は、入会児童1人当たりのコストとして年間36万3,000円、月間3万円が使われているというのが一目でわかるようになっておりました。もう1つちょっと紹介したいなと思ったのが保育所運営です。保育所は今無償化になっておりますので、少しこの資料は古くなりますけれども、お伝えしたいのは入所児童1人当たりのコストが幾らか。年間183万9,000円です。これは1人当たりというのは、恐らくゼロ歳児から5歳児まで平均していますのでゼロ歳児等はもっと大きなコストになるかと思いますが、月間で申しますと15万3,000円。そのようなコストで保育所が運営されているということが一目でわかるようになっておりまして、これは市が地域に赴いて、実は市民の方に説明するための資料なんです。そうやって市民の方にも行政のコスト、要するに皆さんからいただいた税金の使い道を理解していただく、そういった取り組みがなされておりました。  今回、地方公会計を質問するに当たって、財政状況の市民との共有、市民周知が今現在長崎市でなされているのかお尋ねします。 107 ◯企画財政部長(片岡研之君) 再質問にお答えいたします。  私どもは毎年度事業を実施しておりますけれども、そういった実施した事業につきましては、例えば基本計画に基づいていろんな事業をやっておりますけれども、そういった事業について内部評価をやったり、外部評価をいただいたりして、それは公表させていただいております。  あと広報ながさき等、それからWhat’s ZAISEIということで、個々の事業ではございませんけれども、財政状況等については市民の皆様にお知らせさせていただいて、全体的な長崎市の財政についてはお知らせするようなことをさせていただいております。  以上でございます。 108 ◯12番(永尾春文君) ありがとうございます。What’s ZAISEIも大変わかりやすいというか、一生懸命読み込まないと私はなかなかわからないところもあるんですけど、もともと財政はなじみがないので、なかなか難しいと思いますが、皆さんが使っているといいますか、利用していることを、1人当たりとか単位コストであらわすことで、皆さんの税金がどのように使われているか、そういったものを示していくことは、今後大変重要になってくるのではないかなと思います。それでは、次にご質問します。公共施設マネジメントの計画に直接つながることではないかなと思っております。  公共施設マネジメントについては先ほど答弁があったように、率にして2.3%の削減ということで、30年の計画で4年ほどたっておりますので、10分の1以上が進んでおればなという思いがあったんですけれども、やはりなかなか現実は難しいのではないかなと感じております。  そこでお尋ねしますが、施設の中で大きい割合を占める、3分の1の小中学校、あと市営アパート、これについての削減の割合についてお聞かせください。 109 ◯理財部政策監(高江 晃君) 再質問にお答えいたします。  学校施設につきましては、平成27年の約62万6,000平方メートルから、施設の統廃合などにより平成30年では約62万4,000平方メートルとなっておりまして、約2,000平方メートルの減、率にいたしますと約0.3%の減となっております。また、市営住宅につきましては、平成27年の約62万6,000平方メートルから、平成30年では約63万5,000平方メートルとなっており、大園住宅の建て替えなどによって、一時的に約9,000平方メートルの増、率にして約1.4%の増となっております。  以上でございます。 110 ◯12番(永尾春文君) 今お聞きしたように、もともと必要であったから建てた建物であって、1つも無駄がない建物であるわけですから、それを削減するというのは本当に難しいのかなと思います。ただ一方で、今私がやはり感じるのは、学校の削減率を理財部政策監がお答えになったんですけれども、例えばこれは教育長がなぜお答えにならないのか。市営アパートの削減率は、その所管の部長がお答えにならないのか。私が常々この数年感じているのは、市長とかもしくはその理財部政策監は、公共施設マネジメントについて、もしくは財政です、大変頭が痛いといいますか、本当に大変なことを感じていると思うんですが、各所管の施設を担当する、お持ちである部局長というのでしょうか、どのようにこのことについて捉えているのかと思っている次第であります。きょうは時間がありませんので、先ほど企画財政部長が減価償却という言葉でちょっとご説明がありましたけれども、やはり建物の更新については、減価償却の観点から費用対効果の適正な計算と建て替え更新の費用についても、例えば考えていくような、考え方を持っていただきたいと思っている次第でありますが、今回は要望として述べさせていただきます。  ありがとうございました。 111 ◯議長(佐藤正洋君) 本日の市政一般質問は、この程度にとどめ、9月9日午前10時から本会議を開き、市政一般質問を続行いたします。  本日は、これをもって散会いたします。           =散会 午後3時1分= ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                                 議  長 佐藤 正洋                                 副議長  梅原 和喜                                 署名議員 山谷 好弘                                 署名議員 山崎  猛 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...