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◯議長(五輪清隆君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第3号により本日の会議を開きます。
日程1
市政一般質問
について、11月30日に引き続き、
市政一般質問を行います。19番
永尾春文議員。
〔永尾春文君登壇〕
2 ◯19番(永尾春文君) 公明党、永尾春文でございます。通告に従い、質問をさせていただきます。市長並びに理事者の明快な答弁を期待します。
1.市長の政治姿勢。(1)
海洋技術産業振興の推進において、
海洋再生エネルギー産業の本市の位置づけについて質問します。
長崎市の強みを生かした産業とは、世界遺産にも象徴される造船業を中心とした
海洋構造物製造産業ではないでしょうか。ことし、日本政府は
エネルギー政策の中で
再生可能エネルギーを主電源とする決定をしました。また、全国では浮体風力発電の設置が進み、五島市においても国の実証実験を踏まえ、新たに民間企業が9基の設置計画をし、建設が進んでいます。この事業において、風力発電本体を長崎市の製造業が受注したと聞き及んでいます。
このように
海洋再生エネルギー産業は、新しい海洋構造物を手がける製造業、海上で行う専門性の高い維持管理業、
インテリジェンス養殖を支える先進の
ロボット製造業、その養殖実現による新しい漁業振興、海洋調査に必要な最先端の調査技術を有する潜水業、専門技術を習得する人材育成、先進都市としての
海洋技術交流による国際会議の誘致実現など、さまざまな分野への波及効果が見込まれます。私はこの
海洋再生エネルギー産業を長崎市の最重要産業として位置づけ、産業振興の先頭に立って、支援を行うべきと考えますが見解をお聞かせ下さい。
(2)宿泊税の早期導入。
私は宿泊税について過去2度一般質問を行い、本年平成30年6月の同僚議員の質問に対し、宿泊税の課税を行うことは適当であり、受益者たる観光客が納税義務者となる宿泊税は、観光客や住民の理解も得られやすいのではないかとの結論に至ったと、庁内の合意について答弁がなされています。本年6月、長崎市
交流拠点施設である
MICE施設建設が決定され、インバウンドだけでなく、
ビジネス観光客誘致においても民間の知見を活用した
長崎版DMO推進の加速が求められており、人材確保も含めたその事業の財源の明確化が喫緊の課題と考えます。
私は、その財源は受益者負担の観点から宿泊税が妥当と考えます。例えば平成33年11月、
交流拠点施設供用開始を考えたとき、このような重要な施策に合わせ、
スケジュール感を持った取り組みが重要と考えますが、市の見解をお聞かせ下さい。また、これを検討する第三者の有識者会議はいつ開かれたのか。開かれていなければいつ開く予定なのか、現在の本市における宿泊税収入見積もり試算もお聞かせ下さい。
(3)公共施設の維持管理。
野母崎診療所の維持管理の適切性について質問します。
施設を調査した結果、
海面シャッターの開閉不能や
厨房湯沸かし器の腐食、警報システムの老朽化など、さまざまな維持管理の問題が見受けられます。なぜこのように維持管理が適切になされていないのか、原因は何なのかお聞かせ下さい。また、問題解決のため、今後どのように取り組むのかお聞かせ下さい。
2.防災行政について、(1)本市における地震災害の危険性の啓発と発災時の市民周知。
本年6月の大阪府北部地震、9月6日に起こった
北海道胆振東部地震、また2016年4月の熊本地震など、これまで余り想定されていなかった地域で、想定外の大きな被害が発生しました。現在も本州全体を襲うおそれのある
南海トラフ巨大地震の対策は、予測される各自治体が取り組んでいます。災害対策の根本は事前の準備であるという観点から、現在起こり得る災害予測を知り対策を立てることは大変重要と考えます。
そこでお聞きします。本市における予想される地震災害の危険性と、その情報をどのように市民に啓発しているのか。市の見解をお聞かせ下さい。
発災時の市民周知について、見える防災ラジオの
取り組み状況をお尋ねします。
平成29年6月、私の一般質問で聴覚障害者のための
防災情報周知対策について、市長は、できるだけ早い時期にさまざまな方策を講じていきたいと答弁がありました。答弁から1年半がたち、どのような方策が講じられたのかお聞かせ下さい。1級、2級合わせて約590人いる
重度聴覚障害者の方々には、ぜひ見える防災ラジオを設置すべきと考えますが、市の見解をお聞かせ下さい。
(2)拠点避難所の
取り組み状況については自席より質問します。
3.
文化観光行政について、(1)
MICE産業振興の推進。
交流拠点施設の
MICE施設整備は、人口減少により年々減少傾向にある国内旅行の
レジャー観光や修学旅行に対し、
ビジネス観光として宿泊を伴う新しい団体旅行を創出し、国内だけでなく海外の良質な
ビジネス観光客を誘致することができます。既にこの分野において国内で先行して取り組み、大きな実績を積み上げてきた沖縄市、福岡市、横浜市、京都市、札幌市など、国内の競合する
MICE観光都市に本市もやっと追いつく端緒を開くことができます。この施設に隣接して、民間で建設される長崎市初の
アッパーホテル、ヒルトン長崎の建設が10月に決定されました。語学を学ぶ若者の世界標準の雇用の場が創出されることは、大変うれしく思います。ほかにも、市内で新しいホテルの建設が既に3件決定され、また別の全国チェーンの
ホテル事業者は、必要な土地が見つかりさえすれば、ぜひ長崎市に参入したいとの意向を聞き及んでおり、事実として、さらなる新しい若者の雇用の場が着々と創出されようとしています。
このような中、本市の
MICE産業振興の推進で最も重要なことは、10年後の
MICE産業の未来を担う学生や社会人などの人材育成ではないかと考えます。現在、長崎市版DMOの中で、
長崎DMO学生チームの組成に取り組んでいます。
インターンシップ化を見据えながら、大学生を公募し、商工会や青年会などが構成員である
観光まちづくりに参画してもらう計画です。例えば、核兵器廃絶を目指しRECNAを創設したように、
MICE産業の研究・人材育成機関を立ち上げ、世界最新の知見を集め、研究する場所をつくる。また、
インターンシップなどを活用し、市内の国公立・私立大学と提携し、大学生らが語学を学びながら、長崎の
MICE施設で働き、最新の
MICE観光を学べる仕組みを創設する。観光業だけでなく教育産業も巻き込んで、
MICE国際観光研究都市をつくり、産業振興、若者の定住人口の拡大を目指すべきではないかと考えます。市の見解をお聞かせ下さい。
(2)端島(軍艦島)の災害対策についてですが、10月6日の台風25号の影響により、これまでにない相当な被害を受け、観光客が上陸できない状況が続いています。私
たち公明党長崎市議団としても、少しでも有利な国からの支援を受けられないかと、被災状況を我が党の
秋野参議院議員に相談し、文化庁と調整をいただき、11月8日、市長もともに要望できたことは、大変うれしく思います。しかし、今回の台風被害からの復旧ですが、想定外の被害であったとしても、時間がかかり過ぎているのではないでしょうか。軍艦島上陸を楽しみに来られた観光客の皆様には、本当に残念な思いをおかけすることとなり、事業者にとっては死活問題になっています。
現在の市の復旧への対応状況、進捗状況については、先日同僚議員の質問により一定の答弁がなされましたので、私からは、大規模な今回の災害を踏まえ、これからも予測される端島災害の速やかな復旧のため、財源の確保も見据え、どのような対策を考えているのか見解をお示しください。
4.平和行政について、(1)平和公園周辺の風雨対策の進捗について。
昨年平成29年11月、私の一般質問に対し、
中央総合事務所長は、改めまして関係部局や平和団体とともに平和公園などで活動されている平和案内人の皆様にご意見をお聞きしながら、雨天時対策の必要性について検討してまいりたいと答弁をされております。その後の
取り組み状況をお示しください。
(2)賢人会議の効果について。
我が公明党会派は2017年9月、2017年12月、2018年6月、2018年9月と一貫して外務省主催の賢人会議の被爆地開催を訴えてまいりました。今回11月14日、15日に第3回賢人会議が長崎市で無事故、大成功で開催されたことを大変うれしく思います。
そこでお尋ねします。今回の賢人会議の被爆地長崎市での開催の意義、どのような効果や反響があったのか、市の見解をお尋ねします。
5.
動物愛護行政について。
まちねこ不妊化事業の推進についてお尋ねします。
5年間の実績と効果、申し込み数など市民の反応と今後の課題についてお聞かせ下さい。猫の殺処分数が減少したとはいえ、いまだ長崎市はその殺処分数が
中核市ワースト1位です。さらに5年間継続して取り組むべきと考えるが、今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
以上。=(降壇)=
3 ◯議長(五輪清隆君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君) 公明党、
永尾春文議員の質問にお答えします。
まず、1点目の市長の政治姿勢についての(1)
海洋技術産業振興の推進についてお答えします。
海洋再生エネルギー産業については、新たな成長産業として期待をされており、
長崎海洋産業クラスター形成推進協議会を中心に、
海洋再生エネルギー産業の集積に向けた取り組みが進められています。
海洋再生エネルギーの本格的な普及については、技術的な課題やさらなるコストの低減といった解決すべき課題はあるものの、国においては、海域の利用促進に関する法律の整備を進めるなど、本格的な普及に向けた動きが始まっており、今後メンテナンスを初め、海域調査や海洋土木など地場企業が参入できる市場が生まれつつあります。
海洋再生エネルギー産業については、本市の基幹産業である造船業で培ってきた技術を転用できることから、長崎市としても成長分野として特に期待ができる重要産業の一つとして位置づけています。
長崎海洋産業クラスター形成推進協議会に対する支援については、入居しているD-FLAGの賃料補助を行っておりますが、
海洋再生エネルギー分野へ参入を図る地場企業への支援として、この分野に進出する際に必要とされる可能性調査及び人材育成に対する支援を行ってきており、昨年度までに11件の取り組みを支援してきました。今年度からは、特に
海洋再生エネルギー分野へ進出する際の可能性調査については、補助限度額を引き上げるなど支援内容を拡充しており、海洋構造物の耐久性向上の研究に対する支援も行っています。
海洋フィールドには、製造業だけではなく、流通業、水産業、
レジャー産業はもとより、資源、エネルギーなど多様な産業があり、相互に連携することによって複合的な産業の場となり、また研究の場となっていく可能性を秘めています。ご質問の
海洋再生エネルギー産業を含む複合的な海洋産業の振興について、産学官のみならず金融機関も巻き込みながら、長崎市として何ができるのか、しっかり見きわめていきたいと考えております。
次に、4点目の平和行政についての(2)賢人会議の成果についてお答えします。
核軍縮のあり方をめぐり、核保有国や
核兵器禁止条約推進国などが対立する中、日本政府が両者の橋渡し役を果たすための方策を探ることを目的に設置された、核軍縮の実質的な進展のための賢人会議の第3回会合が、昨年度の広島、東京に続いて、ことし11月14日、15日の両日、長崎で開催されました。会合に先立ち、白石 隆座長を初め15人の賢人会議の委員が平和祈念像前での献花、
長崎原爆資料館の視察、被爆者の体験講話によって被爆の実相に触れ、また城山小学校の訪問では、委員と児童の交流や被爆校舎の視察を通して平和の大切さをより深く理解していただきました。さらに、市民社会との意見交換では、核抑止や
核兵器禁止条約をめぐり、委員とNGO団体、被爆者や高校生らにより活発な意見交換が行われ、
核兵器禁止条約への参加を求める被爆地の思いを、直接委員に伝える機会となりました。この直後、委員からの要望で急遽、
原爆落下中心地の訪問が追加されたことからも、被爆地の思いが伝わっていると実感をしたところです。
賢人会議の翌日16日から18日にかけては、第6回
核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキが開催されましたが、賢人会議の委員4名にパネリストとして参加していただき、賢人会議と
地球市民集会、それぞれの会議の参加者同士の交流や、集会における議論の活性化へとつながりました。
賢人会議終了後の記者会見で白石座長から、核軍縮のあり方については安全保障上の観点と人道上の観点で、委員間で立場や見解が異なり、橋渡し役の方策を見出すまでには至らなかったが、考え方の違うメンバーが敵対せず尊敬しながら議論をし、長崎を最後の被爆地にするという意見は完全に一致したという趣旨の見解が示され、被爆地長崎での開催は大変意義があったものと考えています。
今後、来年開催予定の核不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会に向けて意見を取りまとめるなど、議論は継続されるということですので、次の第4回賢人会議では、さらに議論を深め、核保有国や
核兵器禁止条約推進国などの対立を越えて、核兵器の廃絶につながる提言がなされることを期待しています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
5 ◯理財部長(小田 徹君) ご質問の1点目、市長の政治姿勢についての(2)宿泊税の早期導入についてお答えいたします。
長崎市の歳入は、市税などの自主財源が少ない中、少子高齢化や人口減少などにより、市税収入は減少傾向で推移するものと見込まれることから、自主財源のさらなる確保が必要と考えています。このようなことから、昨年度、宿泊税の導入の可能性について検討を行い、観光客の受入環境整備のため、受益者たる観光客が納税義務者となる宿泊税は、観光客や住民の理解も得られやすいのではないかとの結論に至ったところです。
宿泊税の導入に当たって、先行自治体は、経済学などの学識経験者や宿泊事業者、観光事業者などの意見を踏まえた検討がなされ、長崎市においてもこのような方々からご意見をいただく必要があると考えており、観光業界のご理解を得た上で、平成31年度中には有識者による会議で検討を始めたいと考えております。
宿泊税の新設には、導入に係る検討、条例制定の議決を経て地方税法の規定による総務大臣の同意が必要となります。先行自治体は、宿泊税制度の周知、事業者への説明会まで含めて、検討から宿泊税導入までに2年程度を要しており、長崎市においても同程度の期間は必要と考えております。宿泊税を導入した場合の税収は、課税対象者、税率、免税点などによって異なりますが、長崎市の平成29年の宿泊者約260万人から、本年10月に宿泊税を導入した京都市の宿泊料金2万円未満への税率と同様に、1人1泊当たりの税率を200円、修学旅行で宿泊する生徒を課税免除とした場合、約5億円の税収となります。なお、宿泊税は宿泊事業者が
特別徴収義務者になることから、新たな事務や
システム改修費などの負担をお願いすることとなりますので、先行自治体は、その経費の一部を
特別徴収交付金として補助する制度を設けているところです。
宿泊税導入の検討に当たりましては、観光業界の理解を得ながら協議を重ね、宿泊税の導入に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
6
◯市民健康部長(田邊 洋君) ご質問の1点目、市長の政治姿勢についての(3)公共施設の維持管理についてお答えいたします。
野母崎診療所は、平成14年4月に65床の入院機能を有する旧
野母崎町立病院として、現在地に移転開院いたしましたが、入院機能の利用の実態がほとんどなくなってきていたことなどから、平成25年4月に無床の診療所といたしました。診療所の縮小に伴い、空きスペースとなりました建物の1階の一部及び2階、3階の全部につきましては、高齢化が進展する
野母崎地区住民の強い要望を踏まえ、改修工事を行い、入所及び通所の複合機能を有する
介護福祉施設として平成27年9月から
社会福祉法人に貸し付けているところでございます。
診療所の建物の貸し付け部分の維持管理につきましては、
社会福祉法人に貸し付ける際に締結いたしました
建物賃貸借契約に基づき、建物の躯体及び附属設備については、長崎市において維持・保全等を行っており、空調設備や外壁の改修など大規模な工事につきましては、有利な財源の確保に努めながら計画的に実施しているところでございます。また、建物の維持管理上必要な修理等につきましても、当該契約に基づき、長崎市において実施すべきものについては、緊急性・優先度などを勘案しながら対応しているところでございます。今後とも、
社会福祉法人と協議を行いながら、適切な建物の維持管理に努めてまいります。
次に、ご質問の5点目、
動物愛護行政についてお答えいたします。
長崎市は野良猫が多いまちと言われており、
動物管理センターにはふん尿による被害の相談や、餌やり行為に対する苦情など、野良猫に関する相談が数多く寄せられております。また、猫の殺処分数が中核市の中で最も多い状況が続いていることから、平成26年度から猫の殺処分数の減少と生活環境被害の軽減を図るために、野良猫の
不妊化手術費用を助成する、
まちねこ不妊化推進事業に取り組んでおります。
この事業に対する申し込みの状況といたしましては、初年度である平成26年度は150頭、平成27年度以降は250頭の募集に対し、個人だけではなく自治会単位での申し込みもなされていることから、毎年約1,000頭分の申し込みがあり、不妊化手術への助成に対する需要は高いものと認識いたしております。事業の実績につきましては、平成26年度が159頭、平成27年度が245頭、平成28年度は245頭、平成29年度が240頭の合計889頭の不妊化手術を実施しており、5年目である今年度も250頭の不妊化手術を予定いたしております。
事業の効果でございますが、平成25年度の殺処分数1,921頭を、5年後の平成30年度までに900頭まで半減させるとの当初目標を掲げておりました。平成29年度は1,001頭まで減少しており、事業の成果は上がってきているものと考えております。また、今年度は昨年度を下回る頭数で推移していることから、当初の目標である900頭を達成できるものと考えております。
今後の取り組みにつきましては、本事業の実績と効果を踏まえ関係団体と協議を行い、殺処分数ゼロを目指して事業を継続してまいりたいと考えております。
以上でございます。
7 ◯危機管理監(里 則義君) ご質問の2点目、防災行政についての(1)本市における地震災害の危険性の啓発と発災時の市民周知についてお答えいたします。
近年、東日本大震災や熊本地震などの大規模地震が発生しておりますが、ことし6月にも
マグニチュード6.1、最大震度6弱を観測した大阪府での地震、さらに9月には
マグニチュード6.7、最大震度7を観測し、多数の土砂災害や大規模停電、いわゆる
ブラックアウトが発生した
北海道胆振東部地震など、今後もどこで大規模な地震が発生するかわからない状況となっております。
このような中、長崎市における地震予測につきましては、平成18年3月に策定された長崎県
地震等防災アセスメント調査報告書によりますと、長崎市に最も影響を及ぼす地震は、
雲仙地溝南縁東部断層帯と西部断層帯が連動して発生する地震で、橘湾を中心に最大震度6強が想定されています。長崎市においても、熊本地震の際には最大震度4を観測しており、今後も
南海トラフ巨大地震による影響や連動型地震など大規模地震発生の可能性も否定できません。したがいまして、防災講話や
地域防災マップづくりなどの機会を捉え、地震の発生もゼロではないこと、断層群の存在、地震時にとるべき避難行動、家具の転倒防止や家庭内備蓄など地震対策について周知してまいりました。しかしながら、長崎市の災害史あるいは災害特性を考えますと、一般的に台風や土砂災害などの風水害が重視される傾向があります。このため地震想定として、海岸沿いでの浸水、山間部での崩落、市街地での倒壊家屋など、地勢の状況に応じた被害などがわかりやすく理解できるよう、防災講話の資料を見直すとともに、引き続きさまざまな機会を捉えて、その周知と防災意識の啓発を図ってまいりたいと考えております。また、聴覚に障害のある方への見える防災ラジオの導入についてでございますが、現在進めている
防災行政無線の
デジタル化更新整備に伴い、
防災行政無線の放送内容が文字で表示される機能を搭載した
ラジオ付戸別受信機を導入するよう計画を進めております。
いずれにいたしましても、市民の防災意識の向上と確実な情報伝達は、防災・減災にとって必要不可欠な要素ですので、調査研究を重ねながら引き続き取り組んでまいります。
以上でございます。
8
◯文化観光部政策監(牧島昌博君) ご質問の3.
文化観光行政について、(1)
MICE産業振興の推進についてお答えいたします。
MICE産業は、学会・大会などの開催を通じた主催者・出展者による機材レンタルや広告印刷など、直接的な経費の支出に加え、開催期間中に参加者による宿泊や飲食、観光の消費が生まれるなど裾野が広く、地域に大きな経済効果をもたらします。この効果を高めるためには、MICEの開催に伴い生じる多様な業務を市内事業者の受注につなげ、域内で経済を循環させていく必要があり、事業者や大学などと連携し、
MICE産業における人材育成を図っていくことが重要であると考えております。現在、事業者を対象とした人材育成の取り組みとしましては、市内106の事業者・団体が加盟する
長崎MICE事業者ネットワークにおいて、
国際観光コンベンションフォーラムの誘致や企画運営や、日本有数の
ミーティングプランナーによるセミナーを開催するなど、質の高いものやサービスを提供できるよう、スキルアップに取り組んでいるところでございます。学生を対象とした人材育成の取り組みとしましては、大学などの教育機関と
MICE事業者、
ホテル事業者及び
長崎MICE事業者ネットワークの事業者などが連携し、
インターンシップを実施することで、MICE開催時の市民サポート育成のみならず、地元の雇用促進に貢献することが期待されます。また、ゼミのテーマとしてMICEに関する業務や、MICEが地域経済にもたらす経済効果などを研究することについて、長崎大学経済学部の先生と協議を進めているところでございます。
今後とも、
MICE産業の研究や人材育成につきましては、
長崎MICE事業者ネットワークの取り組みを強化するとともに、地元の大学などの教育機関や民間事業者と連携し、学生や社会人の人材育成を推進することで、
MICE産業の振興と雇用の増加、ひいては定住人口の拡大につなげてまいります。
以上でございます。
9 ◯文化観光部長(股張一男君) ご質問の3点目、
文化観光行政についての(2)端島(軍艦島)の災害対策についてお答えいたします。
台風25号による端島見学施設の災害につきましては、ドルフィン桟橋のコンクリート剥離を初め、桟橋と船の緩衝材となる防舷材の多くが破損するなど、平成21年の供用開始以来、最大の被害となっております。したがいまして、今回の災害復旧には多額の予算を要することから、その財源としてドルフィン桟橋などについては国土交通省の補助制度を、さらに端島内の施設につきましては、今回、文化庁において有利な補助制度を適用していただくことで調整を行っております。
次に、今後の災害復旧への対応といたしましては、これまでも台風による施設損壊の経験に基づき、資材を調達するなど事前準備をしておりましたが、今回の台風では想定を超える被害が発生し、対応に時間を要した面もありましたので、今回の件を教訓といたしまして、甚大な被害にも対応し得るよう、資材などの事前準備を行うとともに、関係機関等ともさらなる連携を図り、施設を早期に復旧できるような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、天候が不安定な冬場ではございますが、今まで同様、観光客の皆様が軍艦島上陸を楽しめるよう、一刻も早い上陸開始に向けて全力を尽くしてまいります。
以上でございます。
10 ◯
中央総合事務所長(大串昌之君) ご質問の4点目、平和行政についての(1)平和公園の雨天時対策の進捗についてお答えいたします。
平和公園の雨天時対策につきましては、屋根のある施設の必要性などについて、平和案内人や長崎さるくガイドの皆様を対象として、ことし2月から3月にかけてアンケートを実施いたしました。アンケート結果では、屋根のある施設の必要性について、必要が41%、どちらかといえば必要が32%、合計73%となっており、設置を希望する意見が多い状況となっております。なお、設置する場合は景観に支障とならないようにすべきとの意見が共通してあっております。現在、このアンケート結果を踏まえて、構造上や景観上の課題などについて関係課と協議を行いながら、候補地の選定を進めているところでございます。
今後は、平和公園という場所の特殊性もあることから、候補地の検討案を関係者の方へお示しし、意見をお聞きしながら慎重かつ速やかに判断したいと考えております。
以上でございます。
11 ◯19番(永尾春文君) 一定の答弁をありがとうございます。議論を深めるために、再質問をさせていただきます。
まず、市長の政治姿勢の(1)の
海洋技術産業振興の推進においてですけれども、〔パネル表示〕私の質問の中で
インテリジェンス養殖という言葉があったと思うんですが、これは
長崎海洋産業クラスター形成推進協議会のほうで書かれている絵ではございますけれども、浮体風力発電に、この浮沈式というんでしょうか、生けすがこのように波があるときは下に沈んで、安定して養殖が行えるようなその電源などを、全てこの
再生可能エネルギーで行っていく、そのような仕組みであります。まだ、当然これは予想図といいますか、こういったものも予想されるのではないかということで考えられているものなんですけれども、こういったことは、例えば長崎市のどこに行っても魚がとれないよというご相談を受ける中で、新しい長崎市の漁業の振興に寄するのではないかと思っている次第であります。
今回、市長にぜひお尋ねしたいといいますか訴えたいことは、先日の同僚議員の質問もありましたけれども、この海洋を複合した産業は、大変可能性に満ちているのではないかと思います。まだ、これからだと思うんですが、例えばこの海洋技術産業の育成を長崎市の産業振興の大きな柱に据えて、新しい若者の雇用を生み出す振興として目指すべきではないかと。
今後、調査研究を自治体としてもぜひ行っていただきたいんですが、市長みずから他都市の先進事例を例えば視察を行ったりして、やはりMICEもそうなんですが、自治体として方向性を明確にメッセージを示すことが、民間に対してその反応といいますか、経済活性化を促していくのではないかと思っておりまして、そういう積極的な取り組みをぜひお願いしたいと思いますが、よろしければご意見をお聞かせください。
12 ◯商工部長(片岡研之君) 再質問にお答えいたします。
海洋再生エネルギーにつきましては、可能性を持つ一つの産業であると考えております。議員がおっしゃられました養殖関係につきましても、大規模なものは直ちにはできないといたしましても、今、市内事業者の中で、
インテリジェンス養殖の研究をしてみたいというようなお声も聞き及んでおるところでございます。こういったところは、今後もまた事業者の方との詰めをすることによって、何らかの支援ができないかということは考えております。また、
再生可能エネルギーにつきましても、現在まだ私どものほうで、先進視察等はできておりませんが、機会がありましたらそういったところも見ることによって、事業化についての可能性については研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
13 ◯19番(永尾春文君) ぜひ、未来につながる産業振興に努めていただきたいと思います。
順不同になりますけれども、公共施設の維持管理、
野母崎診療所の維持管理の適切性について質問をします。
〔写真表示〕私の本壇の質問では少しわかりづらかったと思うんですが、これは
野母崎診療所の厨房の湯沸かし器のバルブの様子なんですけれども、わかりますか、こういうふうに朽ち果てています。1つだけではなくて、幾つも多分、給水管か何か通っていると思うんですが、そのバルブがほとんどもう残っていない状態なんですね。何でこんなことになっているかが私、わからないんです。
先ほどは、計画的な修繕等がなされているという答弁がありましたけれども、これを見る限りはそうなってないんじゃないかと思うんですが、まずお聞きしたいのは、所管部局はこの状況をどのように把握しているのか。また、これをどう思っているのかお聞かせください。
14
◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えいたします。
野母崎診療所の貸付部分の維持管理でございますが、もちろん法人のほうと協議を行いながら優先度、そして緊急度等付けて行っているところでございます。
この給湯器につきましては、もう私も承知しておりまして、まず給湯器の本体自体の改修を、たしか平成29年度だったと思いますが行わせていただいたところでございます。
今の配管部分とこのバルブの部分でございますが、業者にはまだそこまでの緊急性はないということで、そのときにはまだ改修しておりませんが、今後もそれぞれの必要性に応じ、適時改修はしていきたいと考えております。
以上でございます。
15 ◯19番(永尾春文君) 全庁的に維持管理を推進している財産活用課ですかね、その部局の方がいらっしゃれば、この状況をどのように考えるかお聞かせください。
16 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。
長崎市では今、委託に関しましては所管部局で対応している部分と、あと指定管理者制度やPFIを導入して、民間事業者が有するノウハウを活用して維持管理を行っている部分もあります。
こういった部分で行政財産、普通財産の部分でどのようにして維持管理をしていくかという部分は、なかなか委託をするにしても、どのような頻度とか内容の部分があると思いますので、その部分は全体的にちょっと分析をさせていただきたいと思っています。
以上でございます。
17 ◯19番(永尾春文君) 根本的に市と、これは私がおかしいと思っている、その考え方が違うと思う点は、維持管理の判断基準、適切性が違うのではないかなと。例えば個人の家でしたら20万円、30万円、これ修理費がかかると聞きましたけれども、確かにどうしようかなと。ちょっと手袋使って、回せるところは回せるのかなとか考える、私もそう思うかもしれないですけど、やはりこれは業務として維持管理をしていくべきですから、誰もが例えば安全にというか、適切に使える状態にすることが重要じゃないかと思うわけです。長年積み上げてきた長崎市の職員の方の、独自というかその維持管理の判断基準が、現代に至ってはちょっと合ってないのではないかと思うわけですね。
私、公明党会派では、民間の維持管理の専門的知見を活用して、適切な維持管理をすると。施設などの長寿命化を図り、予防的管理も取り入れて業務の継続性ですね。急に壊れたとなったら、またそこから業者を呼び、設計をさせて、入札をしなければならないなら入札するとか、とにかく何か起こると手間がかかると思うわけです。それは、結果的には職員の皆さんのスムーズな業務を阻害する要因にもなっていると思うわけです。その意味で、包括的維持管理の民間委託の導入を、私たち訴えてきたわけですけれども、この件について再度お尋ねします。
18 ◯理財部長(小田 徹君) 民間の専門的知識を活用した包括的な民間委託ということでございますけれども、現在も例えばPFI事業とか指定管理者とかそういった部分で民間事業者を活用した委託というものがあるんですけれども、今、永尾議員がご指摘の部分なんですが、これ民間のやはり民法上というか司法上のやつで、包括的な民間委託をやる部分だと思っています。今、他都市においてもいろんなところで事例が出てきておりますけれども、私どももそういった部分の民間の専門的な部分は、確かに有効な部分がございますけれども、先ほども申し上げましたように、修繕のどういった部分の頻度がどのくらいあるのかそういった部分の、やはり分析をしなきゃいけない部分とかですね。あと包括的になってきますので他業種の部分をどうやってまとめてやっていくのかとか、そういう発注はどういった可能性になるとか、そういった部分が課題的にまだあるかと思いますので、そういったもののさらなる分析をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
19 ◯19番(永尾春文君) ぜひ分析、調査研究をしていただいて最適なというか、少しでもいい職場環境、また市民の方が安心して使える施設にしていただきたいと思う次第であります。
平和行政の賢人会議の効果について、少し議論を深めさせていただきたいと思います。
今回、第3回賢人会議が終了して、先ほど答弁でもありましたけれども、白石 隆座長が記者会見で、違う考えのメンバーが敵対せずに尊敬しながら議論ができた、これは非常に重要だと語られております。改めて被爆地長崎で話し合うというこの意義、重要性が認識されたのではないでしょうか。今後、対立する国が冷静に話し合える協議の場を提供する、これが長崎市の使命に本当になってくるのではないかなと感じた次第であります。
ところで、少し市長にお尋ねしたいんですけれども、長崎市は2021年の11月供用開始を目指して、国際会議ができる世界標準の
MICE施設を建設しようとしておりますけれども、ここを運営する会社は外務省から委託を受け、洞爺湖サミットなど世界レベルの会議のマネジメントを行った実績のある会社と聞いています。
MICE施設は、どうしても経済効果のことばかり話題になっておりますけれども、それと同時に平和推進というもう一つの重要な役割があると私は考えます。今後、世界レベルの世界平和会議や軍縮会議など開催できる環境が、長崎市にやっと整うのではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
20 ◯原爆被爆対策部長(中川正仁君) 再質問にお答えいたします。
ただいま、平和関係の国際会議の誘致を考えてはどうかというご質問だと思いますけれども、今言われましたように、長崎市では今後、
交流拠点施設の設置が今予定をされておりますので、広島市でも一昨年G8サミットが開かれたということもございます。NPT等は、これまで国連での開催しか実績がございませんが、被爆地長崎で平和の国際会議が開かれるということは、非常に意義があると考えておりますので、今後、外務省それから関係機関と協議をしながら、可能性のあるものについて働きかけをしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
21 ◯19番(永尾春文君) MICEの建設は平和推進の重要な役割を今後担っていくと私も考えております。恐らく2020年のNPT再検討会議は、この様子でありますと核保有国と非核保有国で、
核兵器禁止条約をめぐり深刻な対立が予想されています。例えば、さらにその先2025年のNPT再検討会議を見据えて、その前に開かれる準備委員会などこういったものが長崎市で開くことができないか。冷静な協議ができる場の提供が、核兵器の恐ろしい被害の実相を世界中で一番、唯一誰にでも体感させることができる被爆地の使命と考えます。県や国に要望しながら、市長が例えば参加される国連などの協議の場で、平和や軍縮の国際会議誘致を積極的に提案すべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
22 ◯市長(田上富久君) 永尾議員の再質問にお答えいたします。
今後、
MICE施設の完成を見ながらそういった会議を誘致していくということは、非常に重要なことであると思います。特にその中でも、長崎市の特性を発揮していくという意味では、平和に関する会議というのは非常に可能性があると思いますし、また、そこを通じて長崎が世界の平和に貢献していくという意味でも非常に大きな意味があると思います。こういう平和の側面、それから医学の側面もそうですけども、こういった会議が開かれることで、長崎のまち自体がそうやって貢献していくというそういう、その中で子どもたちが育って、そして自分たちのまちにまた誇りを持って、またそういった動きに参加をしていくと。そういった流れを将来につなげていくためにも平和、特に今おっしゃられた平和の側面での国際会議などの誘致には、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
23 ◯19番(永尾春文君) ぜひお願いしたいと思う次第であります。
動物愛護行政についてお尋ねします。
不妊・去勢の事業継続とあわせ、市民の皆さんに猫の飼い方、新しいマナー、長崎市民にとってはもしかしたら新しいマナーになるかもしれませんが、全国で標準のマナーの周知が私は重要だと考えています。不妊・去勢をするということ、室内飼いをするということ、ワクチンを接種するというこの3点であります。特に室内飼いは、長崎市の文化としてはまだまだ難しいかもしれませんが、こういったマナーの市民周知の取り組みに、行政と市民が一緒になって取り組む動物愛護ボランティア制度を一貫して私は訴えてまいりました。当然、
まちねこ不妊化推進事業で猫を捕まえたりとか、その先に行くおじいちゃんやおばあちゃんのお話を聞いたりとか、そういったこともあると思います。
福山市では、土日限定で乳飲み子の猫の預かりを、市民ボランティアを募って活動をしていました。また、学校の教育に動物愛護の観点から、猫の殺処分の現状を伝える命の授業という講演活動も行っていました。市民と協働しながら、できることから動物愛護の事業に取り組むことが、動物愛護もしくは環境美化の意識を市民に育むことにつながると考えますが、市の見解をお聞かせください。
24
◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えいたします。
動物行政につきましては、今議員おっしゃられたとおり、動物の管理から愛護へ軸足を移しつつあると考えております。長崎市におきましても、動物愛護に関する活動を強化していく必要があると考えております。その一環といたしまして、獣医師の方ですとか動物愛護のボランティアといった方々、その方々たちと意見交換を行いまして、連携のあり方についても意見をいただき、どのような愛護を進めていくか、今後検討していきたいと考えております。
以上でございます。
25 ◯19番(永尾春文君) この猫のことに関しては、地味なことでありますけれども、本当にまちの隅々まで問題、課題となっていることでありますので、どうか積極的に取り組みをお願いしたいと思う次第であります。
防災行政のことでご質問します。
(2)の拠点避難所の
取り組み状況であります。これまでも同僚議員がさまざまな観点で質問をされておりますが、現在の
取り組み状況について簡単にお答えください。
26 ◯危機管理監(里 則義君) 拠点避難所の
取り組み状況についてお答えいたします。
熊本地震などでは、なれない環境等で長期にわたる避難生活を強いられまして、これによってさまざまなストレスが生じております。避難所における空調あるいはシャワー設備など、避難所生活の環境改善が課題と考えております。長崎市としましてもその対策として、避難所の健康面あるいは衛生面などに配慮した設備を備えた避難所を拠点避難所として位置づけまして、これを整備する必要があると考えております。
こうした考え方のもとに、平成28年度から拠点避難所の基本的な考え方の検討に着手しておりますが、考え方のベースとなる避難所指定基準そのものの見直しを行う必要が生じまして、平成29年度に再整理を行っています。これにあわせて、拠点避難所の基本的な考え方につきましても、当初は小中学校の体育館を含めた考え方で進めておりましたけれども、教育現場の早期再開あるいは室温環境などの理由から、選定対象から外して検討する必要があるのではないか、また、それにより20から30カ所と想定していた設置数もふやす必要があるのではないかなど、改めて見直すとともに関係課との協議や候補となる施設の設備状況などを調査し、現在に至っております。このような経緯を踏まえまして、現在拠点避難所の必要数や配置の考え方及び避難生活に対応するために必要な空調、シャワー設備などの基本的な整備方針を固めつつある段階にあります。
いずれにいたしましても、全国的に災害が頻発しておる昨今、拠点避難所の重要性は理解しておりますので、早期に整備できるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
27 ◯19番(永尾春文君) 市民の方も待ち望んでおりますので、ぜひ一刻も早い整備をしていただきたいと考える次第であります。
そこで、拠点避難所にも関係してまいると思うんですけれども、災害の備蓄品についてお尋ねしたいと思います。
現在は特定の場所から、ある一定規模で集めた物を配布するという仕組みにしておりますが、そうではなくて、エリアごとに必要な避難物資を備蓄して、いざというときには、ある一定ですけれども地域ごとに物資の供給がなされるようにすべきだと、以前より私は訴えておるんですけれども、この件について市の見解をお聞かせください。
28 ◯危機管理監(里 則義君) 再質問にお答えいたします。
長崎市地域防災計画におきましては、市が行う備蓄食料、あるいは協定締結団体等からの調達、これは流通備蓄と申しますけれども、それから市民の家庭内備蓄等により必要な食料の確保、供給の安定を図ることを基本方針と定めております。また、これまでにも東日本大震災、熊本地震などの教訓を踏まえまして、備蓄品の見直しを行ってまいりました。現在、長崎市の備蓄状況としましては、
長崎大水害時の想定避難者約3,000人の2日分を備蓄しております。
一方、長崎市は市町合併に伴い、北は外海地区から南は野母崎地区まで南北に長く、面積も広くなったことから、災害としても全域が発生するというよりも局地的な災害が起きる頻度が高いと考えております。そのため備蓄品の配置の考え方としまして、東西南北及び中央エリアの施設で備蓄することにより、リスクを分散し効率的に配送する計画で考えております。現在、北部エリアでは3カ所、南部エリアでは4カ所、東部エリアでは1カ所、離島では高島、池島、西部エリアを含めた中心部エリアにおきましては2カ所、合わせて12カ所にそれぞれ備蓄しております。
しかしながら、議員ご指摘のとおり、収容スペースに応じて備蓄してきた経緯もありまして、現状としてはエリア人口を勘案したバランスのとれた分散備蓄とはなっていないため、今後、備蓄場所や保管する備蓄品目、その数量など適切な備蓄の配置バランスとなるよう見直してまいりたいと考えております。
以上でございます。
29 ◯19番(永尾春文君) ありがとうございます。ぜひ、より迅速性のある備蓄の体制をとっていただきたいと考える次第であります。
MICE産業振興の推進についてですが、琉球大学では下地先生という長崎のMICEの審査員になっていただいた方ですけれども、ツーリズムアカデミーという学べるプログラムをつくっておりました。これは、実は社会人の方が対象なんですけれども、特徴的なのが、自治体とか観光協会などの観光政策担当者の方が学ぶプログラム、また、観光産業に従事している方のプログラム、分けておりまして、より実効性の高い観光ツーリズムを学ぶプログラムが、しかもオンラインで働きながら、多分ご自宅で学べるような環境になっているということなんですけれども、つくられていた次第であります。
このように、やはり先進の観光都市ではこういった人材育成に力を入れております。ぜひ長崎市においても、このような取り組みを今後、強化をしていただきたいと考えております。
あと、宿泊税のことでございますが、福岡市においては、今話題になっておりますけれども福岡市の観光振興条例というのをまずつくりまして、観光の定義というんですか、その上で財源が何で必要なのかという根拠を明らかにした上で、別条例で宿泊税を制定していくという取り組みをなされておりました。
長崎市においても、先ほど答弁がございましたけれども、ぜひ
スケジュール感を持って、少しでも早くこの取り組みがなされ、それがDMOのみならず長崎市の観光に資することで市民の皆さんに還元できるような仕組みづくりを、ぜひつくっていただきたいと考える次第であります。
以上です。
30 ◯議長(五輪清隆君) 次は、10番池田章子議員。
〔池田章子君登壇〕
31 ◯10番(池田章子君) 市民クラブ、社民党の池田章子です。
通告に従って質問します。市長、関係理事者の簡潔で的確な回答を求めます。
1.本人通知制度の登録推進について。
長崎市は一昨年10月から、戸籍謄本や住民票などの不正取得による人権侵害を防ぐ目的で、事前登録型本人通知制度を導入しました。たくさんの市民が登録することにより効果が高まる制度です。しかし、この制度について2年たって、登録が進んでいるという認識をお持ちでしょうか。また、登録数をふやさなければならないという意欲はお持ちなのでしょうか。
2.建設業の後継者育成策について。
昨今、人手不足が社会問題化してきていますが、建設技能労働者の人手不足は特に深刻です。その主な原因の1つは賃金です。国は公共工事の設計労務単価を政策的に引き上げ、その結果、長崎県の主要12職種の平均単価は2012年度に比して49.1%上昇しました。しかし、全国建設労働組合総連合の調査では、現場で働く建設技能労働者の賃金は六、七%しか上がっておらず低いままに抑えられています。後継者の育成のためには、実際に現場で働いている建設技能労働者に設計労務単価に準じた賃金が支払われる公契約条例やそれに準ずる要綱の制定が欠かせないと考えますがいかがでしょうか。
3.「被爆体験者」問題の解決について。
11月13日付の地元新聞の検証、長崎市政、田上市長の3期という記事に、長年の懸案である被爆体験者問題をめぐっては、市長は、どんなルートでもいいから解決したいと語ると書いてありました。市長のこの意気込みは本当でしょうか。本当ならどのような解決のルートを考えておられるのでしょうか。
以上、壇上からの質問とし、4、5については答弁の後、再質問とあわせて自席より質問いたします。=(降壇)=
32 ◯議長(五輪清隆君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
33 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、池田章子議員の質問にお答えします。
まず、3点目の「被爆体験者」問題の解決についてお答えします。
現在、国が指定した被爆地域は爆心地から同心円状ではなく、東西に約7キロメートル、南北に約12キロメートルといういびつな形となっており、被爆体験者の皆様に大きな不公平感を抱かせる要因となっています。そのため、長崎市では市議会と一体となって、長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会、いわゆる原援協を通じて平成27年度から、高齢化し病気に苦しむ被爆体験者の救済という観点から、被爆地域の拡大及び対象合併症の大幅な拡充を国に要望しているところです。その結果、これまでに認知症、脳血管障害及び糖尿病の合併症が追加され、平成31年度には脂質異常症の追加が検討されており、少しずつではありますが対象合併症の拡充が図られてきています。一方で国が被爆地域拡大是正に必要としている科学的・合理的根拠への糸口を見出すために、専門家による長崎市原子爆弾放射線影響研究会を設置し、これまで9回にわたり会議を開催してきました。しかし、低線量被曝による人体影響を確定できる確固たる知見につながる糸口は見出せておらず、引き続き最新の研究論文等の情報を収集し検証していくことが必要であるとの中間経過報告が昨年なされ、その内容については国にも報告をしています。
今回の取材に対して、どんなルートでもいいから解決したいと私が答えましたのは、平均年齢が80歳を超え、高齢化が着実に進行している被爆体験者には、残された時間が多くないことから、先ほど述べたような被爆体験者の救済という観点からの解決か、科学的・合理的根拠を見出すことによる解決か、ある意味では矛盾する2つの考え方でありますが、どちらのルートでも構わないので何とか早期に解決したいという、私の強い思いを述べたものです。被爆地域拡大を求めた訴訟では、昨年の最高裁において原告の皆様にとって非常に厳しい判断が下され、問題解決は依然として厳しい状況ではありますが、今後も科学的・合理的根拠につながる糸口を見出す努力を引き続き行うとともに、地元国会議員、関係国会議員のお力もおかりしながら市議会と一体となって被爆体験者が置かれている厳しい状況を国に粘り強く訴えることにより、被爆体験者の救済のための踏み込んだ方策を講じていただくよう努力していきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
34 ◯
中央総合事務所長(大串昌之君) ご質問の1点目、本人通知制度の登録推進についてお答えいたします。
長崎市においては、証明書の第三者請求や委任状による請求を悪用した不正請求を抑止し、不正取得による人権侵害を未然に防止するため、事前に登録された方に第三者や代理人に住民票等の証明書を交付したことを通知する本人通知制度を平成28年10月から実施しています。各地域センターの窓口や公民館へのポスタ一掲示、広報紙やホームページへの掲載、中央、西浦上、東長崎の各地域センター待合所での行政情報の放映など、本制度の周知を図っているところですが、制度開始当初と比較し登録数は微増の状態にとどまっております。
不正請求を抑止し不正取得による人権侵害を未然に防止するため、さらなる周知の徹底に努め、登録につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
35 ◯理財部長(小田 徹君) ご質問の2点目、建設業の後継者育成策についてお答えします。
建設業界におきましては、技術者の人手不足や若者の就職者の減少など担い手の確保が困難という状況にあると認識しております。
公契約条例は、地方自治体が発注する建設工事などにおいて、受注者に一定額以上の賃金の支払いを義務づけるものです。公契約条例について政令市・中核市などを調査したところ、条例を制定した市におきましては、条例で定めた賃金の下限額を上回っているかどうかの確認は行っているが、条例により賃金が上がったかは把握をしていない。また、工事の受注者内において、条例対象工事の従事者とそれ以外の者の賃金に格差が生じている事例があるということでした。条例を制定していない市におきましては、検討はしたものの、労働者の賃金や労働条件は、労働関係諸法令に基づき、労使の当事者間で適切に処理されるもので、発注者である地方自治体が個々の労働契約に介入することは困難であるため、国の法整備を最優先すべきであるなどの考えや、企業経営への介入であるとの反対の意見があったということでした。このようにその効果の把握ができない状況であり、また労働者の賃金などは、労働関係諸法令に基づき、労使の当事者間で適切に処理されるものであり、これについては国の法整備を最優先すべきであるとの考え方などから公契約条例の制定につきましては慎重にならざるを得ない状況であると考えております。建設業の担い手の確保や育成については、国において、建設業関係団体に対し、技能労働者に係る適切な賃金水準の確保、社会保険加入の徹底などを要請しているほか、技能労働者の賃金実態を設計労務単価に反映するため、公共事業労務費調査の改善を図るなど労働者の処遇改善に取り組んでいるところです。また、国におきましては、設計労務単価の引き上げ効果が現場の技能者まで行き渡っているかをモニタリングし、労働者の実態調査を現在、行ってるところでございます。
長崎市におきましても、設計労務単価の改定には速やかに新単価で積算を行うとともに、インフレスライド条項などを適用し、適正な労務単価を反映した契約金額に変更するなど敏速に対応しているところです。今後とも、適正な労務単価の設定に努め、建設業に従事する労働者の適正賃金の確保を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
36 ◯10番(池田章子君) 一通りのご答弁ありがとうございました。再質問に入らせていただきます。
まず、本人通知制度について再質問いたします。
この本人通知制度の必要性というのは異論がないと、お互いに見解は一致していると思います。長崎市内の探偵業者が、身元調査の依頼で他県の戸籍謄本や住民票を不正取得して逮捕されたという新聞記事もありました。この本人通知制度があったおかげでそれが発覚して、探偵業者は制度が浸透すればもうできないと言っているというわけですから、これはやはり登録を広く進めていかなければならないと思います。
ところが、いろいろな取り組みをして周知徹底に取り組んでいるけれども、なかなか広がっていないというのが所長の見解です。そんなにいろいろと頑張っているのかなということで幾つか指摘させていただきたいと思います。
各地域センターの窓口や公民館にポスターを掲示しています。中央地域センターの窓口を見てきました。そしたら、本人通知制度のポスターは小ぶりなんですけど1枚だけです。横向きに張られていました。一方、住民票のコンビニ交付サービスのポスターは、交付窓口含めて全面に、目立つところに6枚も7枚も張ってあるんです。本当にこれで本人通知制度の登録を推進しようという気持ちがあるんでしょうか。それから、広報ながさきへの掲載もやっていると。今まで、制度が始まる直前から先月まで、探したら3回載っていました。一方、マイナンバーカードのお知らせは、同期間で13回お知らせしているんですよ。おもちゃ病院のお知らせも8回ありました。でも、本人通知制度はたったの3回ですよ。本当にこれで、真剣に登録推進を進めようとしているのか。待合所におけるものも非常に小さいし、あれは登録してくださいというのじゃなくて、本人通知制度をやっていますよというお知らせにすぎないんです。こういう戸籍とか住民票の申請書も、ここに小さく書いてあります。これも登録をお願いしますという方法ではないんですよ。やっていますよという、その告知にすぎないんです。
長崎市が本当に、この本人通知制度が必要だと、広げていかなければいけないと思うのであれば、もうちょっと努力が必要じゃないかと思うんですがいかがでしょうか。
37 ◯
中央総合事務所長(大串昌之君) 再質問にお答えいたします。
本人通知制度は、不正請求を抑止するために効果のある制度であると認識しております。ただいまご指摘いただきましたポスターの掲示の方法などを含めまして、他都市の状況等も踏まえまして、少し調査をさせていただいて周知の機会というものを、もう少し徹底を図るということで取り組みを進めてまいりたいと思っております。例えば転入手続の際に、本人通知制度を長崎市が実施している旨をご案内するなどの工夫を、今後さらに見直すべきは見直していきたいと考えております。
以上でございます。
38 ◯10番(池田章子君) 他都市のということをおっしゃいましたので、私が調べた他都市の工夫をちょっとお知らせしたいと思います。
まず、今は一人ひとりの登録しかできません。本人しか登録ができないんですが、例えば私には認知症の母がいます。登録できません。でも、家族で一括登録が可能な自治体があります。それから、人権研修会で申込用紙を配布して、ほかの研修会でもいいんですが、会場で市の職員が受け付けをする。長崎市はやっていますか。それから、自治体職員が率先して登録をした。皆さん方、この議場にいらっしゃる方々、皆さん登録されたんでしょうか。それから、住民異動届申請書に本人通知制度の登録項目を記載する。そういう項目が、登録をしませんかという希望欄がある。そして説明をする。それから、窓口用封筒に制度を紹介した。庁舎の窓口で勧誘して登録者を大幅に増加させた等々、たくさんの自治体が、この登録推進に向けて努力をしているんですよ。
長崎市はこのような、他都市のような努力をする意気込みはありますか。
39 ◯
中央総合事務所長(大串昌之君) 再質問にお答えいたします。
この本人通知制度につきましては、必要だということで平成28年10月に導入させていただいておるものでございます。この制度の趣旨というものの周知徹底を図りながら、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
40 ◯10番(池田章子君) ことし4月から10月までの約半年間ですが、長崎市の本人通知数は登録者数の14%、つまり登録した人の7人に1人が、第三者によって個人情報が取得されている現状です。もちろん不正取得かどうかはわかりません。しかし、第三者による個人情報数は少なくないじゃないですか。第三者に7人に1人の割合で取得されているわけです。こういう現状があるわけですから、今までのような、長崎市のような、つくりましたけど、ちょっとポスターは張っていますけど、一応書きましたけど、登録したい人の任意ですからどうぞって、そんな態度ではなくて、もうちょっと人権侵害を防ぐための本人通知制度なわけですから、もうちょっと真剣な取り組みが必要ではないかと思いますが、市長、いかがですか。
41 ◯
中央総合事務所長(大串昌之君) 再質問にお答えいたします。
先ほどから答弁いたしておりますとおり、必要な制度ということで私ども、人権侵害の防止ということも含めまして関係団体とも協力しながら、しっかり取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
42 ◯10番(池田章子君) 本当に今後の推移を見守りたいと思いますので、ぜひ努力をしていただきたいと思います。
次に、建設業の後継者育成策について再質問をいたします。
部長は、るる公契約条例をつくらない理由を述べられたわけなんですけれども、まず議論に入る前に、以前の答弁、5年前の答弁で雇用環境報告書の義務づけをしている。そして、元請下請関係適正化指導要綱を制定し、チェックして是正指導をし労働環境の改善につなげると5年前におっしゃったんですね。でも、これをよく調べてみると、何をチェックしているかというと、建設技能労働者の人たちの賃金が、最低賃金を上回っているかどうかしかチェックしていないんですよね。建設技能労働者ですよ、学生のアルバイトじゃないんですよ。これは最低賃金を上回っていたらいいという問題じゃないでしょう。ただ最低賃金を上回っているからいいって言っているから、いつまでたっても現場の技能労働者の賃金が上がらないんですよ。ちゃんと技能労働者に保障された設計労務単価に見合っているかどうかというのをチェックしていくべきです。それから、部長が法の制定を待つべきだとか、民民契約だから問題ないとか言っていますけれども、やれている自治体があるんですよね。やっている自治体、現にあるわけですよ。やれないはずないんです。やる気があるかどうかの問題だと思います。それから、かつても含めてですが、公契約の工事と、要するに公共工事と他の工事との賃金の格差があると、出てくるとおっしゃっていますけど、じゃ、安いほうに合わせればいいんですか。安いまんまでいいんですか。事務作業が複雑になるとか、昔おっしゃっていましたけど、事務手続が煩雑になるからやらないということと、建設技能労働者の後継者がいなくなる、災害対応ができなくなる、インフラの維持ができなくなるということと、どっちが大きな問題だと考えられますか。私は、この建設技能労働者がいなくなるということに危機感が足りないと思います。しかも、公共工事というのは市民の税金で賄われています。設計労務単価を積算して金額を決めているわけですよね。税金でそれを支払っているわけです。それなのに、その賃金が適正に支払われていないというのは、もう本当に怒りを禁じ得ないと思うんですけど、どうお考えですか。
43 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。
先ほど本答弁でも答弁させていただきましたけれども、労働者の部分には、確かに最低賃金法、労働基準法、労働契約法、こういった関係法令があります。そういった中で、最低賃金法の規定の中にも、最低賃金以上を支払って、国民の経済の向上を図るというのが法の目的でありますので、こういった部分と今、池田議員ご指摘の労働条件の中に公的団体が介入していく部分に、法的論点がどうしても見解が今わかれているところで、我々としては慎重に検討せざるを得ないということで判断をしております。
以上でございます。
44 ◯10番(池田章子君) できている自治体があるんですよ。やっている自治体がないなら言いませんけど、法的なものをクリアしてやっている自治体が現に存在するじゃないですか。皆さん方、本当に定住人口をふやしたいんでしょう。賃金を上げなければ。賃金が安い職種に人は集まらないですよ。長崎市は賃金が安いから、みんな人が出ていくんじゃないですか。しかも後継者が育たない。
前の質問のときから、公契約条例の制定や要綱制定も大分ふえています。26都道府県、65自治体にふえています。中核市も、予定の2自治体を入れれば6分の1の中核市が、この公契約条例や要綱制定を取り入れているんですよ。長崎市はしない、できない理由ばかり言っていると私思いますよ。建設技能労働者がいなくなったら災害対応ができなくなります。建設技能労働者がいなくなったら、どんな立派な建物も建たない。職人が育つのに10年かかると言われています。その職人を育てるためには早く手を打たないと、もう10年後に悔やんでも遅いですよ、準備をしていかないと。
公契約条例とか要綱がつくられないという、今回ご答弁だったんですけれども、最低賃金のチェックをするような対策じゃなくて、技能に見合った、設計労務単価に見合った賃金が支払われているかどうかというのを、せめてチェックする体制をつくらないといけないんじゃないでしょうか。ご答弁お願いします。
45 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。
設計労務単価と、先ほどの賃金の部分なんですけど、やはりそこの部分を、我々は設計労務単価に基づいて工事を発注しているわけですけれども、そこと、やはり労働契約と労働条件の部分はあくまでも、先ほどからご答弁申し上げていますように、法律の中でどうしてもそこの部分は対等な立場で契約をして、それに基づいて仕事を行っているわけでございますので、確かにほかの自治体でそういった部分も、要綱とか理念条例、努力義務とかそういった部分で条例を定めるところもありますけれども、やはり今回調べた中でも、学識経験者を含めたところで、やはりどうしても法的論点が整理をできないということで、見送った自治体も聞いております。例えば条例になれば、やはり確かに我々、条例の提案権ということで、責任を持って議会のほうにご提案をするべきことがありますし、要綱に基づいてもやはり市の意思決定ということですので、その部分が我々としては、法的論点がどうしてもなかなか整理をできないということで、今のところ制定をできないという考えでございます。
以上でございます。
46 ◯10番(池田章子君) だから、条例は制定している自治体はあるんですよ、要綱もね。そこを見習うべきです。そして、それが今できないというならば、せめて検討すると、そういう設計労務単価が支払われているかどうか、大体それに見合ったものが支払われているかどうかを、ちゃんとチェックできるような内容を、仕組みをつくるべきだということを言っているんです。ぜひ、検討をお願いしたいと思います。でないと、建設技能労働者の後継者はいなくなりますよ。
それから、後継者育成策としての住宅リフォーム助成制度についてお尋ねしたいと思います。
住宅リフォームは仕事確保と、特に技能の習得においては、新築よりも非常に効果があると現場で言われています。前回の議会で、同僚議員の質問に対して市長は、特に住宅性能向上リフォーム補助金については、引き続き拡充していきたいとお答えになっていますけれども、住宅性能向上もいいです。しかし、対象が浴室とトイレと断熱・遮熱塗装の工事、改修工事に限られています。一方、ながさき住みよ家リフォーム補助のほうは、非常に対象が広くていろんな技能習得ができるわけですよ。そういう意味からも、またことしの予算もながさき住みよ家リフォーム補助のほうは、もう4カ月であっという間になくなりました。そういう市民のニーズも高いわけですから、建設技能労働者の育成に効果が大きいながさき住みよ家リフォーム補助の拡充もお願いできないかと思うんですが、いかがでしょうか。
47 ◯まちづくり部長(片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。
今議員ご指摘のとおり、ながさき住みよ家リフォーム補助金につきましては、居住環境の改善はもとより、若手技能者の育成と技術の継承を大きな目的として取り組んでいるものでございます。今言われましたように、適用範囲も広いことから多数の申請をいただいておりますので、これにつきましては、今後とも市民の皆様の安全安心と居住環境の向上につながりますよう、その継続ができますように検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
48 ◯10番(池田章子君) 継続とともに拡充も、ぜひお願いしたいと思います。
それから最後にですが、後継者育成策として公共工事の平準化ということはできないかと思っています。仕事がない時期があるというのが、やはり後継者がその仕事を選ぶ、その仕事を選ぼうという人が少なくなると。コンスタントに仕事のある安定した職種というようにするために、工事の発注の平準化を考えていただけないでしょうか。
49 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。
平成26年度に公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正されておりますが、その改正された背景といたしまして、公共工事においては全国的に工事完成時期が年度末へ集中している状況にあったことから、発注者は、計画的に発注を行うとともに適切な工期の設定に努めることとされております。
長崎市におきましても、国と同様に年度当初の工事発注件数が少ない状況にありますので、事業担当部局へ、年末から年度末に工期末が集中することがないように、事業量の平準化に留意し、債務負担行為などを活用した年度当初の発注や施工時期の平準化を今、促しているところでございます。
今後とも、年間を通じて偏りのない事業量を確保できるように取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
50 ◯10番(池田章子君) いろんな建設技能労働者の後継者を育成するという策を、それだけではなくていろんな角度からやっていっていただきたいと求めたいと思います。
次に、被爆体験者問題の再質問に入ります。
市長が、どんなルートでもいいから解決したいと言われたということは、非常に心強いと思います。ただ、私が考える解決、改善の方法はほかにもあります。まず、政治的解決ということについては、第一種健康診断受診者証、いわゆるみなし地域の地域指定の是正拡大をして、被爆体験者を含んでいくというのはいかがでしょうか。爆心地から12キロメートルの長与町が入っているのに、なぜほかの12キロメートル圏内がみなし地域に入らないのかと。全く非科学的な判断だと思います。これを要求したことはあられるのでしょうか。それから、被爆体験者の拡充ですが、被爆体験者精神医療受給者証の更新が今、3年に1回になっています。これを終身にできないでしょうか。高齢化して、更新手続が大変厳しくなっている被爆体験者の方たちがおられます。被爆者手帳は終身です。それができないか。それから、対象合併症の枠が、年に1つか2つずつふえてきているんですけれども、もう一気にふやしてもらえませんか。対象合併症の枠を外すということを求めてもらえないですか。全ての病気を対象にしても、年間4億円かからないという試算はもう出されているはずです。それから、被爆体験者も原爆が原因の疾病です。健康管理手当制度というのを創設できないか、ありとあらゆるルートということで、考えていただけないでしょうか。
51 ◯原爆被爆対策部長(中川正仁君) 再質問にお答えいたします。