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2018-01-25 長崎市:平成30年観光客受入対策特別委員会 まとめ
2018-01-25 長崎市:平成30年観光客受入対策特別委員会 本文

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  1. 長崎市議会 2018-01-25
    2018-01-25 長崎市:平成30年観光客受入対策特別委員会 まとめ


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2019-06-01
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1        観光客受入対策特別委員会 調査報告書まとめ(正副委員長案)  本委員会は、交流人口の拡大による経済活性化の視点から、さらなる観光消費額拡大に向 け、国内外からの観光客誘致と受け入れの現状と課題を把握し、観光客受入に係る施策の推 進に寄与するため、官民における取り組みの現状及び課題を把握し、観光立国ショーケース 及び長崎市版DMOの取り組みや夜景観光の推進、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連 遺産」の世界文化遺産登録を見据えた受け入れの方策について鋭意検討を行った。  以下、調査の過程で出された主な意見、要望を付して、本委員会のまとめとする。 1 長崎市の観光動向について (1) 平成28年長崎市観光統計   ア 全国の観光動向     日本人国内延べ旅行者数は前年比6.0%増の6億4,108万人、日本人国内旅行消費額    は前年比2.7%増の20兆9,547億円、国内旅行1人当たりの旅行単価は前年比3.2%減    の3万2,687円である。     次に、訪日外客数は前年比21.8%増で過去最高の2,403万9,053人であった。さらに、    外国人延べ宿泊者数は前年比8.0%増の7,088万3,420人泊、訪日外国人旅行消費額は    前年比7.8%増の3兆7,476億円、1人当たりの旅行支出は前年比11.5%減の15万    5,896円となっている。   イ 長崎市の観光動向
       (ア) 観光客数       観光客数は前年比0.4%増で過去最高の672万3,500人であり、宿泊・日帰りの別      で見ると、宿泊客数は前年比12.6%減の251万5,700人、日帰り客数は前年比10.3%      増の420万7,800人となっている。また、個人・団体の別で見ると、個人客数は前      年比2.8%増の581万2,600人、団体客数は前年比12.4%減の91万900人である。さ      らに、団体客のうち、一般団体客数は前年比14.3%減の63万6,300人、学生団体客      数(修学旅行生)は前年比7.6%減の27万4,600人となっている。       次に、外国人延べ宿泊客数は前年比8.2%減の31万386人泊であり、クルーズ客      船入港数は過去最高の197隻が入港し、クルーズ乗客・乗務員数についても過去最      高の71万7,288人となっている。    (イ) 観光消費額       観光客数は過去最高を記録したものの、観光消費額は宿泊客数の減、特に消費単      価の高い一般観光客の宿泊客数の減少の影響により、前年より約55億円減の約1,314      億円となっている。消費単価を観光客別に見ると、まず一般観光客のうち、宿泊客      は前年より711円増の3万1,533円、日帰り客は前年より405円減の1万3,291円とな      っている。次に、学生観光客のうち、宿泊客は前年より103円増の1万4,582円、日      帰り客は前年より94円減の5,679円となっている。また、一般観光客及び学生観光客      を合わせた消費単価については、全体では前年より902円減の1万9,540円となって      おり、その内、宿泊客は前年より641円増の3万245円、日帰り客は前年より384円減      の1万3,140円となっている。       なお、長崎市を訪れた観光客の消費額によってもたらされる直接効果から間接2      次波及効果までを合計した、県内にもたらす経済波及効果は前年比6.3%(約136      億円)減の2,015億円となっている。なお、経済波及効果がもたらした就業誘発効      果は全体で2万9,036人と推計され、産業部門別で効果が大きいのは、飲食業で1      万3,544人、商業で5,119人、宿泊業で3,857人であった。    (ウ) 観光動向に影響を与えた要因       平成28年4月14日に発生した熊本地震直後のゴールデンウイークの宿泊や修学旅      行等における多数のキャンセル等が減の要因となったものの、平成28年7月から国      土交通省が行った九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度(九州ふっこう      割)や、JR九州と長崎県が共同で実施した長崎デスティネーションキャンペーン、      NEXCO西日本が発売した九州の高速道路の利用料金が割引になる九州観光周      遊ドライブパス等の各種キャンペーンにより観光客の誘客に効果が見られた。その      ほか、観光客数の増の要因として、クルーズ客船の入港隻数の増が大きく起因して      おり、特に、クルーズ市場の拡大に伴う中国からのクルーズ客船乗客数が前年比      82.4%増となっている。 (2) 世界遺産登録の効果について    長崎市では、平成24年度に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」   (以下、産業革命遺産という)と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(以下、   潜伏キリシタン関連遺産という)が世界遺産に登録された場合の登録初年度の観光客数   と経済波及効果の見込みを設定している。産業革命遺産については観光客数を約16万人、   経済波及効果を約63億円とし、潜伏キリシタン関連遺産については観光客数を約19万人、   経済波及効果を約70億円と設定している。なお、実際に平成27年に世界遺産に登録され   た産業革命遺産の観光客数は、試算の結果、前年比で約24万3,000人増加したと見込ん   でおり、平成30年に登録が期待されている潜伏キリシタン関連遺産については、大浦天   主堂は熊本地震の影響で前年度と比較して観光客数は減少しているものの、外海の出津   教会堂や大野教会堂で観光客数は増加の傾向にある。 (3) 今後の観光客数の見込みについて    平成27年に世界遺産に登録された産業革命遺産及び平成30年に登録が期待されてい   る潜伏キリシタン関連遺産の効果も踏まえ、長崎市観光振興計画2020などにもとづく取   り組みにより、観光客数を平成32年までに710万人にまで増加させることを目標として   いる。   以上、長崎市の観光動向の現状について、本委員会では次のような意見・要望が出され  た。  ○ 外国人旅行者よりも消費額が大きい国内旅行者にもう1度来たいと思わせるような   仕組みづくりが大事である。  ○ 観光客を呼び込み、長崎の経済にも波及するというような好循環をつくり出すための   イベントを考え、全国に発信するべきである。  ○ 外海の夕日と夜景をセットにしたPRは宿泊客増加の一つの方法となるため、検討し   てほしい。  ○ 世界遺産登録というインパクトを生かし、世界遺産の価値を多くの人々に情報発信し、   いかに多くの観光客に長崎を訪れてもらうかの対策が観光施策には重要である。  ○ 観光業関係者等への情報収集を行い、事業者の税負担軽減や規制緩和につながるよう   な特区制度を国に申請するなどの努力を行うことで、事業者の観光客受入態勢充実の支   援をしてほしい。  ○ 長崎市観光振興計画2020の推進にあたっては文化観光部に強い権限を持たせた上で、   部局横断的な取り組みを進めてほしい。  ○ 長崎駅に設置している現在の世界遺産案内所については、イメージがあまり良くない   ため、訪れた方の目を引く見せ方や、スペースの確保など再度検討してほしい。  ○ 他都市でもクルーズ客船寄港地の整備が進んでいるため、長崎市においても柳埠頭活   用の検討や、観光統計におけるクルーズ客船の乗客の動向分析を行いながら、受け入れ   体制のさらなる強化を進めてほしい。  ○ ゴールデンウイークなどの繁忙時期や、世界遺産関連施設の観光客の動向を見ながら、   駐車場対策を行うべきである。  ○ 路線バスは旅行者にとってハードルが高いため、産業革命遺産に関連する資産を回る   バスの導入を検討するべきである。  ○ 長崎空港の24時間体制化について県が検討を進める中、市としても具体的な観光施策   を検討し、しっかりと対応してほしい。 2 夜景観光の取り組みについて (1) 行政の取り組み   ア 夜景観光推進の概要     長崎市では、平成5年度にライトスケープ基本計画を策定し、夜景観光の魅力向上    のための取り組みを行っている。     まず、主要な視点場である稲佐山については、平成20年度に稲佐山魅力向上プラン    を策定し、ハード面においては平成20年度は山頂駐車場のリニューアル、平成22年度    は展望台の改修、平成23年度はロープウェイゴンドラの改修、平成24年度は稲佐岳駅    舎通路へのLED照明の整備(光のトンネル)、平成27年度は淵神社駅舎待合所の改    修、稲佐岳駅舎へのエレベーター棟の増築、電波塔のライトアップ整備を実施してい    る。また、平成28年度から平成30年度にかけては稲佐山公園における山頂へのアクセ    スの向上を図るため、スロープカーの整備に取り組むこととしている。一方、ソフト    面においては、スカイウェイの廃止に伴う無料送迎シャトルバスの運行、展望台にお    いてガイド等を行う夜景ナビゲーターの育成などを行っている。     また、稲佐山以外においても、平成7年度から8年度にかけては大浦天主堂や眼鏡    橋、出島などの主要な観光施設のライトアップ整備、平成15年度から17年度にかけて    はナトリウム灯活用夜景魅力アップ整備、平成26年度には中町教会のライトアップ整    備やグラバー園のイルミネーションの拡充、平成27年度には鍋冠山公園展望台の整備    などを実施した。その他、「長崎ノ夜景」のホームページ開設や観光丸のライトアッ
       プを実施している。     このように、ハード・ソフトの両面から夜景観光の魅力向上へ取り組んだことによ    り、平成24年度には香港・モナコとあわせて世界新三大夜景に認定され、平成27年度    にはグラバー園が日本夜景遺産に認定されるとともに、札幌・神戸とあわせて日本新    三大夜景に認定され、また、稲佐山から望む月が日本百名月に認定されている。     なお、平成28年度には全国夜景都市協議会の開催や、環長崎港夜景景観向上基本計    画を策定しており、今後、さらなる夜間景観整備事業を実施することとしている。   イ 県との連携     世界新三大夜景に認定されたことを受け、長崎の夜景の魅力を維持・増進し、誘    客を拡大して地域経済の向上と経済の活性化につなげるため、平成25年度に長崎県    と長崎市において長崎の夜景の在り方に関する検討会を設置した。平成26年度の報    告書の取りまとめでは、1)夜景そのものの魅力向上、2)観光施設、公共施設等によ    る夜間景観の構築、3)視点場の整備、4)鑑賞メニューの充実、5)魅力あるイベント    の強化、6)誘客・宣伝の強化の6点を主な取り組みの柱に具体的な施策の推進・検    討を行うこととし、長崎市が中心となって各施策の実施状況や効果などを確認し、    目標の達成状況を検証するとともに、必要に応じて検討会を実施することとしてい    る。 (2) 民間事業者の取り組み    長崎商工会議所青年部に事務局を置く「長崎夜景プロモーション実行委員会」におい   て、平成25年度には、長崎の夜景をイメージしたバイオリニストの葉加瀬太郎氏による   楽曲「長崎夜曲」の制作、平成26年度及び平成28年度には、稲佐山山頂電波塔のライト   アップやイルミネーションショー等を実施している。また、複数の交通事業者が夜景ツ   アーを実施している。 (3) 環長崎港夜間景観向上基本計画   ア 概要     本計画は、平成26年12月に長崎県と長崎市で取りまとめた、「長崎の夜景の在り方    検討会報告書」を受け、平成5年度に策定していたライトスケープ基本計画を見直し、    世界一の夜景都市となることを目指して遠景及び中・近景の観点から必要な取り組み    について体系的にまとめ、戦略的に夜間景観の向上を図るための基本的な考え方を示    すものである。長崎市第四次総合計画、長崎市景観基本計画、長崎市観光振興計画2020    を上位計画とし、長崎市景観計画、長崎市都市計画マスタープラン、まちぶらプロジ    ェクト等の関連する計画と連携を図りながら、夜間景観の魅力向上に取り組むことと    している。また、対象区域は、主要な視点場である稲佐山並びに鍋冠山展望台から視    認される環長崎港一帯の市街地とし、観光施設等が集中する10エリアを夜間景観向上    重点エリアとして設定している。   イ 基本的な考え方     本計画では都市照明に求められる要素である安全性、美しさ、快適性、環境への配    慮を踏まえ、長崎の個性を光で表現するための3つのコンセプトを「港への流れ込む    輝き」、「おおらかに彩られたまち」、「祈りを誘う灯り」と設定するとともに、このコ    ンセプトを実現するために、「快適な陰影」、「適正な色温度対比」、「グレアフリー」、    「鉛直面の明るさ」、「演色性への配慮」、「高効率照明器具」及び「オペレーション」    という7つの視点を基本的な配慮事項として設定している。これらをもとに、まちの    個性を面で見せる「遠景の夜景みがき」とまちの個性である点(ランドマークの明か    り)と線(点と点を結ぶ動線)を歩いて楽しむ「中・近景の夜間景観づくり」を行う    ことで夜間の景観を相互に高めるとともに、季節や時間等でのオペレーションを行う    光の歳時記を絡めることで、世界一の夜景都市を目指すこととしている。   ウ 3つのコンセプト    (ア) 港へ流れ込む輝き       斜面市街地の地形を生かした光、水面に映り込むきらめき、港町と坂道の情緒      という観点から、海を囲む地形を最大限に生かした美しさを表現する。    (イ) おおらかに彩られたまち       まちの個性を表現する光、和華蘭の文化を感じとれる景色、観光と暮らしが両      立した町並みという観点から、まちの豊かな表情をひとまとめにするのではなく、      それぞれのエリアの個性を演出しながら、訪れた人が感じる魅力と、そこに住む      人が抱く歴史と文化に対する誇りとが自然に溶け合っているように感じられるよ      うに表現する。    (ウ) 祈りを誘う灯り       長崎の歴史を感じさせる光、心を揺さぶる美しさ、非日常に出会う体験の観点      から、長崎の深い歴史を感じさせ、祈りの感情を思い起こさせるように表現する。   エ 7つの視点    (ア) 快適な陰影       適光適所の心地よさを追求するため、適切にデザインされた光と影のバランス      により、場所ごとにさまざまな表情をみせる。    (イ) 適正な色温度対比       まちの個性に寄り添うため、照明には、赤からオレンジ、黄色、白、青白色と      移行するにつれ色温度が高くなるが、この照明の色温度を整理し、エリアごとの      個性を表現する。    (ウ) グレアフリー       目に優しく美しい景観をつくるため、周囲の美しい夜景を邪魔する、不要かつ      不快な眩しさを指すグレアをなくすような対策を行う。    (エ) 鉛直面の明るさ       まちなみを印象づけるため、建物の壁面等をライトアップすることで、空間に      安心と奥行きを感じさせる印象的な夜間景観を作り出す。    (オ) 演色性への配慮       まちの表情を豊かに見せるため、建物や樹木などが光を受けて、本来の色合い      による美しさをみせる。    (カ) 高効率照明器具       エコロジカルで経済的に照らすため、場所ごとの照明効果やメンテナンス性に      見合う高効率な光源・器具により、少ないエネルギーで最大の効果を出す。    (キ) オペレーション       季節や時間を感じさせるため、自然の光が季節や時間によって変化するように、      夜間照明においても、季節や時間などに応じた照明のオペレーションを加えてい      く。   オ 具体的な取り組み    (ア) 遠景の夜景みがき       まず稲佐山展望台は、市街地の明かりを真正面から広がるパノラマで眺めるこ      とができること、市街地の明かりの前に長崎港や浦上川などの水面が横に広がっ      ており、港町らしい水際線を感じやすいことが特徴として挙げられるが、一方で、      近年、空き家や空き地が増加したことにより斜面地の生活の光が減少しているこ      とや、水面に映り込む光が少なく、水際線が不明確であることが課題となってい      る。また、鍋冠山展望台については、まちに近い視点場であることから、眼下に      まちの明かりが連続し、迫力と遠近感を感じることができること、稲佐山山頂展      望台電波塔や女神大橋などのライトアップされたランドマークがよく見えること      が特徴として挙げられるが、対岸の斜面市街地が暗く感じられること、対岸の水      面に映り込む光が少ないこと、市街地に近いため、グレアを感じやすいことが課      題となっている。       そこで、遠景の夜景みがきのための方針として、1つ目に斜面市街地の明かり      の整備としては、今後生活の光が減少していく中で、斜面市街地の防犯灯は長崎
         の夜景の主要な構成要素となるため、遠景の夜景をより魅力的にする長崎らしい      街路照明(長崎灯)の整備、線として浮かび上がらせるための道路照明の整備、      ランドマークのライトアップを行うこととしている。2つ目に水際線の顕在化と      しては、水際に近い建物のファサードや植栽のライトアップ、護岸を活用した手      すり照明、橋梁等のランドマークのライトアップなどを行うことで、水面に美し      い光の映り込みを創り出すこととしている。    (イ) 中・近景の夜間景観づくり       夜間においても「歩いて楽しいまち」を実現するため、各エリアの景観的な特徴      を踏まえた魅力的な夜間景観づくりに取り組むこととしている。そのための方針と      して、1つ目は、各エリアごとに実情に応じた基本原則を設定し、景観づくりの際      に取り組むべき方向性を示すこととしている。2つ目は点づくりとして、エリア内      の文化財や景観重要建造物等のランドマークとなる施設等について、照明設備の整      備を推進することとしている。3つ目は線づくりとして、エリア内のランドマーク      や観光施設をつなぐ主な動線を設定し、夜間景観に配慮した照明設備等の整備を行      うこととしている。なお、対象となる「夜間景観向上重点エリア」10エリアは、西      坂・諏訪の森エリア、長崎駅周辺エリア、市役所通りエリア、中島川・寺町エリア、      春雨通り周辺エリア、丸山エリア、館内・新地エリア、出島エリア、東山手・南山      手エリア及び平和公園エリアである。   以上、夜景観光の取り組みについて、本委員会では次のような意見・要望が出された。  ○ 水際線の顕在化やランドマークとしての公共施設等の夜間景観の構築について、県と   連携して行う部分については、進捗状況を共有することを含め、継続して協議すべきで   ある。  ○ 新駅舎ができるまでの長崎駅舎のライトアップについては必要である。  ○ 稲佐山山頂展望台等の関連施設については、整備後の管理をきちんと行わなければ観   光地としてのイメージが低下する可能性もあるため、ロープウェイの指定管理者とも協   力して保守管理を行ってほしい。  ○ 世界遺産関連施設のライトアップを行うことによる集客効果などをさらに研究・検討   し、具体的に取り組むべきである。  ○ 視点場のバリアフリー化は障害者が夜景を楽しむための重要な要素であるため、バリ   アフリー環境が整っていることをしっかりと情報発信してほしい。  ○ 多くの観光客がスマートフォンを見ながら観光しているが、現行のホームページでは   見づらいため、得たい情報をすぐに得られるよう改良し、スマートフォンにも対応する   ものにしてほしい。 3 観光客の消費に係る現状や課題についての民間事業者等との意見交換   長崎浜市商店街振興組合理事長及び市内のインターナショナルホステル経営者の2名  を招聘し、観光客の消費に係る現状や課題についての意見交換を行った。   まず、長崎浜市商店街振興組合理事長からは、「『浜んまち』における観光客受け入れの  現状と対策について」と題し、アジアクルーズ客船の寄港数及び長崎浜んまち商店街振興  組合連合会(以下、浜振連という)における銀聯カード取扱高等の推移と推計、浜振連と  長崎市中央地区商店街の事業連携の状況、市内・県内の地域活性化事業の企画・立案等を  目的に設立された、一般社団法人長崎サービスアンドディベロップメンツの取り組み概要  及び浜んまち商店街の課題と解決策などについての説明があり、その後、これまでの商店  街が考えるまちづくりというものの限界がきているため、これからは交流人口、定住人口  を含め、まちにいかににぎわいを取り戻すかが重要であるという考えが示された。   次に、市内のインターナショナルホステル経営者からは、「現場から見る長崎市のイン  バウンドの現状と可能性」と題して、低価格帯宿泊施設の概要、長崎のインバウンド低価  格帯宿泊マーケットの現状、インバウンド誘致の課題などについての説明があり、その後、  小規模事業者は補助金等の制度を調べる余裕がないことで、制度があっても利用できない  などの現状があるため、行政と事業者との間でコミュニケーションを密にとってほしいと  の要望があった。 4 観光消費拡大の取り組みについて (1) 観光消費拡大の計画目標    長崎市観光振興計画2020における平成32年の計画目標においては、観光客数について   は79万3,000人増の710万人、観光消費額においては約360億円増の1,600億円、観光消費   単価については宿泊客は5,064円増の3万3,300円、日帰り客は1,542円増の1万4,700   円、全体の平均として、2,823円増の2万2,536円としている。 (2) 外国人観光客の消費を促す主な取り組み   ア 市内飲食店の多言語対応促進「EAT長崎」     平成28年1月から市内飲食店が多言語メニューを無料で簡単に作成でき、外国人観    光客が多言語メニューを備えた店舗を検索できるという2つの機能を備えたウェブ    サイトを開設している。平成29年6月から4言語対応だったものを12言語に拡充して    おり、平成29年7月末現在で市内114店舗が利用している。   イ 商店街と連携した外国人観光客向けおもてなし施設の設置     長崎浜市商店街振興組合と連携し、浜んまち商店街において、トイレ、休憩スペー    ス、多言語観光情報の発信機能を備えたおもてなし施設「浜んまちガーデン」を整備    している。また、長崎浜市商店街振興組合においては、商店街が運営を行う全国初の    取り組みとして、専用スペースを設置し、消費税免税手続きを一括で行えるカウンタ    ーの整備を行っている。消費税免税取扱高は、平成28年2月から平成29年8月までの    累計総売上額が4,221万7,000円であり、月額平均は約222万円である。売上額には細    かい上下変動があるものの、概ね右肩上がりで推移している。なお、累計売上のうち    化粧品の売り上げが約4分の3を占めている。   ウ 決済環境の改善     民間の商店街による取り組みとして、市内中心商業地の浜市を初めとする5つの商    店街振興組合が「長崎浜んまち商店街振興組合連合会」を設立し、クレジット包括決    済事業を実施している。中心商業地のエリア一帯においてクレジットカード等による    決済を可能とさせる取り組みで、顧客の利便性向上、店舗の経費削減、商店街の自主    財源確保を目的に約250店が加盟し、年間約40億円の取扱高となっている。銀聯カー    ドもいち早く導入しており、中国からの観光客のインバウンド消費の拡大にもつなげ    ている。この事業ではスタートした平成13年度から現在に至るまで、決済端末の整備    のため数度の増設、更新がなされており、長崎市においても補助金等による支援を行    っている。現在は次期の更新に向けて、決済サービスのリニューアルと高度化に向け    た検討を進めており、経済産業省の補助を受けながら市場調査が実施されている状況    である。   エ 道の駅「夕陽が丘そとめ」における外国人観光客の受入態勢整備     外海地区は、世界遺産登録を目指している「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連    遺産」の構成遺産として出津・大野集落を持つ地区で、今後、外国人観光客の増加も    見込まれることから、平成28年度に「施設サインの多言語化」及び「物産販売所の免    税対応」を実施している。   オ 民間事業者の取り組みに対する支援     宿泊施設や飲食店、商業施設等の民間事業者が行う外国人観光客の受入態勢整備を    支援し、民間事業者のインバウンド需要の取り込みを促進するため、「外国人観光客    受入推進事業費補助金」制度を設け、事業費の3分の2を補助することとしている。    実績としては、平成27年度は10事業者28件、補助金額は1,160万7,000円となっており、    平成28年度は34事業者59件、補助金額は1,597万4,000円となっている。     また、増加が見込まれる国内外の観光客を新たな顧客層として、その消費の拡大に    向けて小規模事業者が実施する外国語による案内表示や外国語パンフレット作成な
       どの取り組みに対して支援する「まちなか商店街誘客事業費補助金」を設け、新規顧    客の開拓と経営力向上の観点から、経営指導員を置く長崎商工会議所と連携した支援    を行っている。この補助金を通じて、観光客の消費の拡大につなげようとする店舗が    ふえ、観光客のまちなかでの回遊性が高まっていくことを期待している。   カ 地元金融機関等による外貨両替等の環境改善     地元銀行による窓口対応や外貨両替機、海外発行カード対応ATM設置等の対応向    上により、外国人観光客が日本円で消費しやすい環境を整えている。また、文化観光    部に事務局を置く長崎港クルーズ客船受入委員会においても、松が枝国際ターミナル    において外貨両替機等が取り扱わない紙幣や銀行が設置した機械故障時等の両替対    応を行うことで、サービス向上を図っている。   キ クルーズ高品質化の取り組み     博多港、長崎港、八代港、鹿児島港の4港を対象に、九州運輸局が実施した「クル    ーズ船寄港地における上質な着地型観光の実現に向けた調査事業」等の結果を踏まえ、    体験型コンテンツ等の新たな商品造成を促し、滞在満足度の向上、地域経済の活性化    を図っていくこととしている。なお、今後の着地型ツアーへの対策の考え方として、    寄港地の魅力を伝え、中国人観光客の嗜好やニーズの変化に対応した、少人数からで    も利用可能な新たな着地型商品を、中国の旅行会社や九州のランドオペレーターと連    携して検討していく必要があるものと考えている。   ク 旅行者の満足度を上げる滞在型・体験型コンテンツの造成     観光庁の補助を受け実施した「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」では、平    成28年度に効果的な情報発信、市内周遊ツアー等の企画・検討を行い、漁師めし、着    物でまち歩き、マリンアクティビティーなどを企画し、今後、造成・販売につなげて    いくこととした。さらに平成29年度は、「広域観光周遊ルートに関する専門家派遣事    業」において、岐阜県高山市において体験型コンテンツを提供し、欧米からの誘客に    成功している団体の代表を招聘し、長崎市の民間事業者等にアドバイスをいただき、    今後、体験型・滞在型コンテンツの企画造成につなげていくこととしている。今後と    も、豊かな歴史・文化、食などの地域資源を活かした滞在及び地域住民との交流等の    コンテンツの充実など、満足度の高い滞在型プログラムを提供するための取り組みを    進めていくこととしている。   以上、観光消費拡大の取り組みについて、本委員会では次のような意見・要望が出され  た。  ○ 外国人観光客受入態勢整備は行政だけでなく民間事業者の取り組みも必要不可欠で   あるため、民間の取り組みを促すために有効な支援を行ってほしい。  ○ 道の駅夕陽が丘そとめについては聞き取り調査を行い、外国人観光客の実数や免税取   扱高の実態を把握し、今後の施策に生かす必要がある。  ○ クルーズ客船観光客の消費志向が変化する中、船会社や旅行会社に対して滞在型の質   の高い、新しい提案型商品の売り込みを行ってほしい。  ○ 長崎の特徴をいかに観光消費につなげるのかを、国・県・他市町との連携強化や、特   区の活用も検討しながら考えてほしい。  ○ 自由に旅行できる大学生向けの旅行補助金の創設などを検討してほしい。  ○ EAT長崎を多くの事業者が利用、参加するようさらなる周知に努めてほしい。 5 観光立国ショーケース及び長崎市版DMOの取り組みについて (1) 観光立国ショーケースの取り組み   ア 概要     国においては、多様な観光資源のポテンシャルを生かした世界に通用する魅力あ    る地域づくりと、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースの確立を目的に    観光立国ショーケースの取り組みを進めている。     平成28年には釧路市、金沢市とともに長崎市がモデル都市として選定され、     長崎市版DMOの形成・確立、観光資源の磨き上げ、ストレスフリーの環境整備、    海外への情報発信の4つの取り組みを国の集中的な支援を受けながら推進し、2020    年の東京オリンピック・パラリンピックまでに多くの外国人観光客に選ばれる国際    観光都市長崎を目指している。長崎市が実施する観光立国ショーケースの概要とし    て、観光資源の磨き上げについては、長崎独自の歴史、伝統、文化、自然や景観等    の豊かな資源を徹底的に磨き上げるとともに、これまで不足していた滞在型コンテ    ンツの充実を図っていくこととしている。また、ストレスフリーの環境整備につい    ては、クルーズ客船など急増する外国人旅行者の受け入れに伴う課題解決に取り組    むとともに、外国人旅行者が一人でも周遊、滞在を楽しめるための環境整備を行っ    ていくこととしている。さらに、海外への情報発信については、最重要市場のアジ    アだけでなく、東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、滞在期間の長い、    欧州やオーストラリアを対象市場に加え、平和都市長崎としての知名度を生かした    情報発信を強化するとともに、個人旅行対策を強化するため、WEBプロモーショ    ンなどデジタルマーケティングに取り組んでいくこととしている。   イ 具体的な取り組み     観光立国ショーケースの4つの取り組みの柱である「日本版DMOの確立」、「観    光資源の磨き上げ」、「ストレスフリーの環境整備」、「海外への情報発信」について、    平成28年度に実施したこと及び平成29年度から平成32年度に実施することとして、    「日本版DMOの確立」については、ビッグデータを活用したインバウンド戦略の    策定や多様な関係者の合意形成と観光まちづくりの意識醸成を図るためセミナー    を開催しており、今後の取り組みとしては安定的な財源確保と自立的経営の推進や    専門人材の確保・育成などを行うこととしている。「観光資源の磨き上げ」につい    ては、国指定史跡「出島」の復元・活用やストーリー性のある周遊ツアーの造成な    どを行っており、今後の取り組みとしては、世界遺産(候補)の保存・活用や世界    新三大夜景の魅力向上などを行うこととしている。「ストレスフリーの環境整備」    については、クルーズ貸切バスの道路混雑解消対策や文化財における説明板等の多    言語化推進などを行っており、今後の取り組みとしては、医療機関における急患へ    の対応強化や公衆無線LAN環境の改善などを行うこととしている。「海外への情    報発信」については、世界遺産候補を活用した巡礼ツアーの誘致や放送コンテンツ    等を活用した情報発信などを行っており、今後の取り組みとしては、プロモーショ    ン対象市場の拡大やICTを活用したWEB発信の強化などを行うこととしてい    る。 (2) DMOによる観光マーケティングと観光地域経営についての専門家との意見交換    DMO推進機構代表理事を招聘し、DMOによる観光マーケティングと観光地域経   営についての意見交換を行った。    まず代表理事から「観光振興による地方創生」と題して、DMO導入の背景、日本   版DMOの基本概念、財源と組織構造などについての説明を受けた後、各委員との意   見交換を行った。その中で、観光地経営では、極めて見えにくい観光の効果やお金の   流れ、そして、観光客が訪れることで地域も便益をこうむっていることを地域住民に   説明すると同時に、その仕組みづくりを行うことが必要であり、そのためにはDMO   が主導し、行政を初めとするさまざまな組織が1つの方向に向かって役割分担を行う   ことが重要であるという説明があった。また、長崎市は国内で3都市しかない観光立   国ショーケースに選定されており、大きなチャンスを持っているにもかかわらずその   機会を生かしきれていないため、長崎観光の将来像を明確にし、そのイメージを共有   し役割分担に応じて取り組みを進めていくことが重要との説明があった。 (3) 長崎市版DMOの取り組み    現在、長崎国際観光コンベンション協会は日本版DMO候補法人であるが、日本版   DMOとなるためには、報告書やヒアリングに基づき、登録要件が全て充足されている
      と認められる必要がある。さらに、長崎市版DMOが目指す世界水準のDMOが先駆的   インバウンド型DMOと位置づけられたため、日本版DMOの登録要件を高い水準で達   成し、インバウンド向けのプロモーションやコンテンツを提供できる体制の構築が必要   となる。そのような中、平成28年度の取り組みとして、ビッグデータを活用したインバ   ウンド戦略の策定、また長崎市版DMOの形成・確立に向けた合意形成のためのセミナ   ー開催を行っている。平成29年度の取り組みとしては、長崎市の観光に関連するホーム   ページのワンストップ化や、多様な関係者とのさらなる合意形成のための外部アドバイ   ザーからの支援、魅力ある旅行商品の造成やブランド戦略の策定、また、引き続きビッ   グデータの収集分析を行っていくこととしている。さらに、さまざまな分野の方向けの   講演会を実施し、実施体制や財源、人材などについて3つの分科会を設置し、意見交換   会を行った上で、長崎市版DMOの形成・確立に向けたキックオフイベントを実施する   こととしている。平成30年度に予定している取り組みとしては、ビッグデータの収集・   分析を継続的に行いながら、長崎のブランドイメージの確立やビッグデータの分析に基   づいた観光地域づくりの戦略策定、平成29年度に構築するホームページのワンストップ   サイトやSNSを活用したプロモーションに取り組む予定である。さらに、滞在プログ   ラムや着地型旅行商品の造成、昨年度策定したインバウンド戦略に基づいた誘致プロモ   ーションの推進を行い、長崎市版DMOの推進体制の強化を図っていくこととしている。   以上、観光立国ショーケース及び長崎市版DMOの取り組みについて、本委員会では次  のような意見・要望が出された。  ○ 長崎国際観光コンベンション協会に配置した職員は、DMOの業務に特化した仕事を   するよう指導すべきである。  ○ 長崎市版DMOの組織体制を早急に固めるべきであり、体制を機能させるには専門性   の高い人材を早急にそろえる必要があるが、さまざまな取り組みを連携して進める中で、   その人材発掘に関与することも重要である。  ○ 長崎市版DMO形成を機会に、県・市・国際観光コンベンション協会がきちんと役割   分担を行い、新しい形の観光行政を推進してほしい。  ○ 長崎市版DMOの取り組みと行政の取り組みがばらばらにならないよう、調整しなが   ら進めてほしい。 6 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を見据えた観光客受  け入れ対策について (1) 潜伏キリシタン関連遺産の概要と登録に向けたスケジュール    12の構成資産の世界遺産としての価値は、禁教政策の中で「潜伏キリシタン」が密か   に信仰を継続し、厳しい生活条件の下、既存の社会・宗教と共生しつつ、独特の文化的   伝統を育んだことを物語る貴重な物証であることである。12の構成遺産のうち長崎市に   は、大浦天主堂、外海の出津集落、大野集落の3つの構成資産がある。登録に向けたス   ケジュールとしては、平成29年9月4日から14日までイコモスの現地調査が行われ、予   定では、平成30年5月頃にイコモスからの勧告があり、そして、6月24日から7月4日   までバーレーンの首都であるマナーマで開催される第42回ユネスコ世界遺産委員会に   おいて審査、登録の可否が決定することとなっている。 (2) 世界文化遺産登録を見据えた観光客受け入れ対策   ア 基本的な方針等     世界遺産登録に伴い増加する国内外からの観光客の受け入れには、対象資産や環境    保全に十分配慮した対応が必要である。一方で、世界遺産登録を契機として、長崎の    まちや人の「光」をさらに引出し、磨き上げることで、相乗効果により歴史と文化の    まち長崎の魅力を一層高めることになる。そのため、観光客受入の具体的な方向性と    して、「世界遺産と周辺地域の生活及び民間の経済活動を守る」、「受入の充実と来訪    者の満足度向上を図る」、「宿泊・滞在型観光を推進する」、「情報発信と観光客誘致の    強化を図る」及び「地域及び民間活力を活かし、地域への経済波及効果を高める」こ    とを設定している。   イ 具体的な取り組み    (ア) 世界遺産と周辺地域の生活及び民間の経済活動を守る       まず大浦天主堂については、資産の保全に配慮しながら、現状どおり公開するこ      ととしており、関連施設である旧羅典神学校の展示機能の充実を図り、旧長崎大司      教館を活用した博物館が開設予定である。次に、外海の出津集落、大野集落につい      ては集落内の教会は公開を基本としているが、個人、団体客ともに長崎と天草地方      の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターへの事前連絡を行うこと      とし、教会行事等への配慮と観光客の動向が把握できる体制を取っている。なお、      大野教会堂については、資産保護のため外観だけの公開となっている。見学マナー      については、ホームページやパンフレット等を通じて周知を図るとともに、教会守      や長崎さるくガイドによる注意喚起等により、徹底を図るようにしている。    (イ) 受入の充実と来訪者の満足度向上を図る       外海の出津集落及び大野集落については、駐車場、トイレ及び回遊ルートの整備      を行っている。さらに、道の駅夕陽が丘そとめについても駐車場の増設を行ってい      る。また、長崎さるくガイドによる案内を初め、出津教会堂及び大野教会堂に教会      守を配置し、質問などへの対応を行うことで案内体制を充実させるとともに、観光      施設等におけるWi-Fi環境の整備や、多言語に対応した世界遺産等の情報をW      i-Fiでスマートフォン等に配信するICT体制の整備を行っている。サイン整      備については、長崎県が策定したガイドライン等に基づき、県や資産の所有者と連      携しながら、自動車・歩行者誘導サインや解説板等の整備を進めている。誘導板の      多言語表記の未対応箇所や登録後の銘板や解説板についても整備を行っていくと      ともに、構成資産周辺や、駐車場周辺には誘導員配置を検討することとしている。    (ウ) 宿泊・滞在型観光を推進する       世界遺産単体ではなく、世界新三大夜景や長崎ランタンフェスティバルといった      夜型観光素材に加え、平和、キリスト教文化、関連観光施設等、既存の長崎の魅力      や歴史等を組み合わせた旅行商品を旅行会社等に提案し、広く発信していくことで、      宿泊滞在型観光の推進を図っていくこととしている。また、外海地区では3団体が      地域資源を生かしたさまざまな農林漁業体験活動等のグリーンツーリズムを行っ      ており、今後も活動団体等との連携を図りながら、市が作成する冊子やホームペー      ジの充実などによってグリーンツーリズムの魅力を市内外に発信していくことと      している。さらに、滞在時間を延ばす仕組みとして、着地型旅行商品及び周遊ルー      トの造成を促進することとし、長崎さるくの内容の一部改訂に加え、世界遺産関連      コースの充実を図るとともに、「自由設計のまち歩き・オーダーさるく」の一層の      推進により、観光客のニーズの多様化に対応したまち歩き観光を展開し、参加者の      満足度向上を目指している。周遊ルートについては、長崎国際観光コンベンション      協会による着地型旅行商品を活用するとともに、世界遺産に関連した資産を加えた      新たなコースや、遠藤周作文学館や池島炭鉱等の地域資源を含めたルート設定を促      進するとともに、関係市町や旅行会社等と連携し、広域周遊ルートについても設定      を進めていくこととしている。    (エ) 情報発信と観光客誘致の強化を図る       観光プロモーションの方向性としては、「世界遺産の価値を伝えての誘客促進」、      「構成資産以外の関連施設との組み合わせ」、「長崎の魅力との組み合わせ」、「海外      向け情報発信の強化」に取り組むこととし、具体的には、各種媒体を利用した宣      伝、パンフレット・ポスターなど宣伝ツール製作及びICTの活用、一般観光客      や旅行代理店に対し、宣伝ツールを用いた直接的なPRを実施することによる誘      致活動、長崎県や長崎県観光連盟等関係団体と連携した誘客キャンペーンやセー      ルス活動を行うこととしている。また、着地型インフォメーション機能の強化と
         して、世界遺産の価値を正確に伝え、将来に向けて保存・活用していくための世      界遺産センターを設置し、その機能について県が中心となって検討を進めており、      サテライト機能の整備として、外海歴史民俗資料館内の展示改修を行っている。      さらに、道の駅夕陽が丘そとめにおいては、休憩所スペースを活用して、潜伏キ      リシタン関連遺産のパネル展示や映像放送等を実施し、長崎港大波止ターミナル      においては、潜伏キリシタン関連遺産・産業革命遺産に関する世界遺産情報コー      ナーの整備を行っている。そのほかにも、平成27年4月より長崎駅かもめ広場に      世界遺産案内所を設置し、世界遺産等の案内を行っている。なお、世界遺産登録      決定時には周知啓発を強化し、観光客の増加及び世界遺産への理解促進につなげ      ていくこととしている。    (オ) 地域及び民間活力を活かし、地域への経済波及効果を高める       教育・学習旅行の推進、関連事業者等との連携による地域活性化推進、地域イ      ベントとの連携、教会群インフォメーションセンターとの連携、交通事業者との      連携、香酸かんきつ類「ゆうこう」の特産品としての活用を行うこととしている。   以上、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を見据えた観  光客受け入れ対策について、本委員会では次のような意見・要望が出された。  ○ マナーを有しない観光客が、非常に大事な宗教施設の中で問題を起こすのは困るので、   対策をとってほしい。  ○ キリスト教関連遺産が世界遺産に登録された後の宣伝活動が非常に重要であり、2つ   の世界遺産を持つ市としてPRすべきである。  ○ 構成資産の現状分析や世界遺産登録後に想定される問題の整理・解決策の検討を、登   録前から先行して行うべきである。  ○ バス停にローマ字表記をしたり番号を振るなどし、外国人観光客でも行き先がわかる   ような仕組みを特に考えてほしい。  ○ 大野教会堂を訪れる観光客が迷わないよう、回遊路等、道路の整備について十分に気   をつけてほしい。  ○ JR利用の観光客が、インターネットで外海地区の構成資産までの経路検索を行うと   最寄り駅が道ノ尾駅と表示されることが多いため、道ノ尾駅からの行き方がわかるよう、   ホームページでの交通案内を充実させてほしい。  ○ 世界遺産としての普遍的な価値の保存が第一であるので、世界遺産の調査・研究は県   任せではなく、国内全体で十分連携をとり、世界遺産センターの構想を具体化してほし   い。  ○ 道の駅夕陽が丘そとめから出津集落までの散策路整備や、黒崎公民館周辺の道路改修   も含め、市の所管課でとどめるのではなく、市の総合的な政策として取り組むべきであ   る。 7 委員会からの提言   以上、本委員会の調査項目についてまとめたが、本市においては平成30年に「長崎と天  草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録が期待されていることや、引き続  きクルーズ客船の入港数の増加が見込まれる中、観光立国ショーケース選定を契機とし、  長崎の観光振興の中心的役割を果たす長崎市版DMOの推進体制の確立や観光資源の磨  き上げ、Wi-Fi等の整備や多言語対応などによるストレスフリーの環境整備及び海外  への情報発信などに取り組み、国内外からのさまざまな誘客を図ることが重要である。   そのため、特に長崎市版DMOの形成・確立の推進については、候補法人である長崎国  際観光コンベンション協会と行政との役割分担や組織の責任と権限のあり方を明確にし、  着地型旅行商品の造成・販売などから得る事業収益などによる自主財源の確保も行いなが  ら、成果を生み出せる組織とするべく取り組みを進められたい。   また、クルーズ客船観光客の消費拡大を促すため、消費志向の変化に則した、体験型コ  ンテンツを含む新たな商品造成などに関係部局で連携して取り組むことを要望する。   さらに、観光客の滞在時間を延ばすためにも、世界遺産構成資産や観光客の多い施設の  ライトアップの検討や、民間企業や地域と連携した夜景視点場でのイベントの企画・提案  を進めることで観光資源としての長崎の夜の魅力アップを図るとともに、観光客による地  元食材の消費促進や、国内外を問わず食物アレルギーに関する対応を行うことで「食」の  魅力向上に係る取り組みを進め、観光客の満足度向上を図ることを要望する。   理事者におかれては、委員会における調査の過程で各委員から出された意見・要望を十  分に踏まえ、施策に係る事業内容の検証・評価やさらなる充実に向けた予算確保に努める  とともに、さらなる外貨獲得のため、観光客の誘客と消費拡大のための取り組みを進め、  経済活性化及び雇用拡大に結び付くような施策展開を進めることを強く要望する。 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...