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2017-09-07 長崎市:平成29年第3回定例会(3日目) 本文

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  1. 長崎市議会 2017-09-07
    2017-09-07 長崎市:平成29年第3回定例会(3日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1           =開会 午前10時0分= ◯議長(野口達也君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第3号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、前日に引き続き市政一般質問を行います。34番井上重久議員。       〔井上重久君登壇〕 2 ◯34番(井上重久君) 市民クラブの井上重久でございます。それでは質問通告に基づきまして、大きく4点質問を行います。市長並びに理事者の明快、前向きで簡潔な答弁を求めます。  まず大きな1点目、長崎サミットとの連携について。  長崎サミットは、2010年7月に立ち上がった産学官連携の長崎サミットプロジェクトにおきまして、長崎地域の経済停滞、人口減少に歯どめをかけようと、「みんなでつくろう元気な長崎」のスローガンのもと、基幹製造業、観光、水産業、教育分野におきまして、重点推進施策や定量的な目標を掲げ、地域における雇用の維持、1人当たりGDPの水準維持のため、さまざまな取り組みが進められております。また、長崎市におきましては、基幹製造業である造船・造機製造業部門、食品加工・飲食部門、観光関連産業部門の活性化のため経済成長戦略を策定し、取り組みが進められ、一定の成果があらわれております。  そこで、(1)観光振興における重点取り組み。  観光分野においては、交流人口の拡大を目指し、夜景観光の推進や観光立国ショーケースのモデル都市に選定され、有利な財源のもと、観光振興における各事業が進められております。一般会計予算における観光分野の事業投資額と投資効果はどのようになっているのか。どの程度になるのか。あわせまして、長崎サミットと連携した今後の目標と目標達成に向けての取り組みについてお伺いいたします。  (2)基幹製造業の現状と課題。  長崎サミットにおける基幹製造業の目標設定につきましては、4社グループの2020年度の生産高を2008年度実績の5,160億円を維持することを目標といたしております。しかし、2016年度の生産高は4,257億円であり、その後の事業環境の変化もある中で、5,160億円の水準維持は非常にハードルが高いと考えております。基幹製造業における現状と課題についてお尋ねいたします。  大きな2点目、地域コミュニティについて。  地域コミュニティにつきましては、今日まで地域活性化に向け、長崎市よかまちづくり基本条例の施行、地域コミュニティのしくみづくりプロジェクトによるわがまちみらい工房の開催支援などの取り組みが進められてきました。人口減少、少子高齢化など、地域を取り巻く環境が大きく変化する中、これからも暮らしやすいまちにしていくため、地域コミュニティづくりに関する説明会が4月18日から6月3日まで、市内17会場において各自治会、関係者諸団体などの皆様方に説明が行われました。  地域コミュニティのポイントは、地域、地域内の連携、仕組みづくりで行政からは人、拠点、資金の面から支援する新しい仕組みの提案がされております。仕組みづくりは、おおむね現在の小学校校区または連合自治会の区域で自治会や社会福祉協議会青少年育成協議会など地域のさまざまな団体で構成し、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会を立ち上げ、地域の具体的な取り組みをみんなで考え、みんなで実行することとしております。  そこで、(1)地域コミュニティのしくみづくり。  各自治会、関係諸団体の皆様方に説明が行われましたが、追加説明を含めて何会場で何名が参加したのか。また、参加者からの主な質疑、意見、要望等についてどのようなものがあったのかお尋ねいたします。  (2)(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に向けた支援。  自治会や社会福祉協議会青少年育成協議会など地域のさまざまな団体で構成する(仮称)地域コミュニティ連絡協議会を立ち上げ、ネットワークを図るべきと思います。行政の支援や地域での具体的取り組みをどのように考えているのかお尋ねします。
     大きな3点目、国道202号の整備促進並びに(仮称)福田バイパスの早期事業化について。  国道202号につきましては、ながさきサンセットロードを構成する道路として日本風景街道の1つに数えられ、海岸沿いの美しい風景が続く道路であります。福田地区におきましては、現道国道202号の大浜トンネル入り口から福田郵便局前交差点間は、12年前の交通量は8時から20時までの12時間で約9,500台から現在は約1万3,000台に増加いたしております。工事車両を含めた大型車両も増大し、歩道幅の狭い区間における子どもたちの通学や通勤、日常の買い物など市民の安全に支障を来している状況でございます。現在、小浦舟津公園前交差点から福田郵便局前交差点間の約770メートルの区間において歩道整備が進められ、建物調査、用地取得及び改良工事が行われております。また、JR長崎本線連続立体交差事業に伴い、現在、国道202号の宝町交差点から稲佐署に向かう立体交差箇所は、JR線の下をくぐり車は通過いたしております。事業完了時には道路の形状も変わっていくものと思われます。まずは、福田地区における国道202号の歩道整備などの現道整備の進捗状況と、連続立体交差事業完成後の宝町立体交差箇所の将来計画、並びに国道202号の交通環境の抜本的対策となる(仮称)福田バイパスの早期事業化への取り組みについてお伺いいたします。  大きな4点目、公共施設マネジメントの取り組みについて。  市議会におきましては、平成22年度に公共施設利活用特別委員会を設置し、市長に対しましてさまざまな提言を行ってまいりました。行政におきましては、公共施設白書を皮切りに、長崎市公共施設マネジメント基本計画用途別適正化方針、長崎市公共施設保全計画、長崎市公共施設等総合管理計画など、毎年のようにさまざまな計画の策定が行われ今日に至っております。提言、協議を始めてから既に7年が経過していますが、実行計画に向けた地区別計画の策定に向け、これまでの成果、検証を踏まえての取り組み状況をお尋ねいたします。  以上、本壇からの質問といたします。自席から再質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。=(降壇)= 3 ◯議長(野口達也君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 4 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、井上重久議員の質問にお答えします。  まず1点目の長崎サミットとの連携についての(1)観光振興における重点取り組みについてお答えします。  長崎市の過去5年間の一般会計における世界遺産登録推進、文化財保護及び出島復元を含む観光費に係る事業費は、平成24年度から平成26年度までは決算ベースで約15億円から約17億円で推移し、平成27年度からは世界遺産の保存整備や受け入れのための事業及び第三期出島復元整備事業などが開始されたこともあり、それぞれ約27億円となっています。その効果の指標となる観光動向につきましては、まず長崎市の観光客数は平成24年の595万人から毎年増加し、平成28年は約672万人で過去最高となりました。  次に、観光消費額については、平成24年の約1,154億円から平成28年は熊本地震の影響などにより前年と比べると減少したものの、約1,313億円と増加しております。その結果、県内への経済波及効果におきましても、平成24年の1,707億円から平成28年は2,015億円に増加しています。また、経済波及効果をもとに算出した県内への就業者誘発数は、平成24年の2万3,960人から平成28年は2万9,036人となっています。  次に、今後の長崎市における観光振興の取り組みとしましては、長崎市観光振興計画2020を策定し、観光振興の将来像として、「住む人が誇り、誰もが訪れたいまち~交流の産業化による人を呼んで栄えるまちの実現~」を掲げています。この中でこれまでの課題を踏まえて、基本施策として長崎独自の歴史・文化等の資源磨き、ビッグデータ等の分析に基づくマーケティングの推進、受け入れ態勢の整備とおもてなしの充実、観光消費拡大仕掛けづくりなどを柱としています。その中で重点的に取り組む施策として、世界遺産の保存整備と活用、夜景観光の進化、外国人観光客誘致の取り組みの推進の3つを掲げています。これらの施策展開により、計画の最終年となります2020年、平成32年の目標として、まず観光客数については710万人、観光消費額として1,600億円を目指しており、この観光消費額に基づく経済波及効果により県内への就業者誘発数3万5,600人を目指します。この目標を達成するため、PDCAサイクルによる進行管理を行うとともに、産学官等との連携によって持続可能な推進体制をつくるため、長崎市版DMOを確立していきます。  長崎市が誇る有形・無形の地域資源に磨きをかけ、情報を国内外に発信して人の交流を生み出し、訪れる人をふやすとともに、質の高いサービスを提供することによって外貨を稼ぎ、ビジネスの創業や拡充を図り、雇用創出と所得向上につなげ、さらなる交流の好循環を図っていくよう取り組んでいきたいと考えております。  次に、2点目の地域コミュニティについての(1)地域コミュニティのしくみづくりについてお答えします。  人口減少、少子化・高齢化が急速に進む中、ひとり暮らしや高齢世帯が増加していること、生活スタイルや価値観が多様化していることなどにより、地域社会を取り巻く環境は大きく変化しています。長崎市としましては、10年後、20年後を見据え、住民の皆様が安全安心に暮らすことができるように、地域に必要なことを地域で決めて実行する地域、具体的に言いますと、まちの目指す姿がある地域、地域の問題を発見する目がある地域、問題を解決する仕組みがある地域、そして住民同士のつながりがある地域を目指す地域の姿として、地域コミュニティの新しい仕組みをご提案しています。  その内容としては、地域を代表する組織として、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会を設立していただき、長崎市が、人、拠点、資金の3つの視点で応援していくという仕組みを検討しています。この仕組みの素案については、4月から6月までの間、市内を17ブロックに分けて説明会を開催し、自治会を初め、社会福祉協議会地区支部青少年育成協議会、PTAなど地域のさまざまな団体から1,127人の方々にご参加いただきました。また、現在、地域コミュニティ推進室の職員がおおむね小学校区を範囲として順次説明会を開催しておりますが、8月31日時点において、全ての連合自治会長へのご説明が終了しております。小学校区ごとの説明会の進捗状況については、全69の小学校区のうち23の小学校区で開催しており、連合自治会を含む各種団体から703人の方々にお集まりいただいています。あわせて地域によっては小学校区全体で説明を行う前に連合自治会や青少年育成協議会等の団体への説明をご要望いただくことがありますが、これについては22回開催し、416人の方々にご参加をいただいています。なお、小学校区での説明会が未実施の地域については、今後とも地域行事などを勘案しながら、早急に実施していきます。これまで説明会に参加された方々からは、青少年育成協議会社会福祉協議会地区支部のようなネットワーク型の団体との関係はどうなるのか、また、必要性は感じるが担い手の人材が不足しており、協議会の設立が難しいのではないか、交付金の交付までの流れはどうなるのか等のご質問やご意見をいただいています。  地域コミュニティのしくみづくりについては、今後とも地域の実情を踏まえながら、長崎市に合った仕組みとなるよう丁寧に取り組んでいきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 5 ◯商工部長(片岡研之君) ご質問の1点目、長崎サミットとの連携についての(2)基幹製造業の現状と課題についてお答えいたします。  長崎サミットでは、2020年度における基幹製造業大手4社の生産高の目標として、2008年度の水準を維持することとしております。また、2008年度の地元受注率44.0%を、2020年度には10%引き上げて54.0%にすることにより、長崎の経済をより強くしていくこととしております。しかしながら、長崎市の基幹製造業を取り巻く環境は、国際的な安値受注競争が激化するなど事業環境の変化もあり、2016年度の実績は、目標額の82.5%の4,257億円、地元受注率は1.1%増の45.1%となっており、議員ご指摘のとおり、目標達成にはかなり厳しい数字となっております。そのため、造船・造機関係のパートナー企業におきましては、海洋再生エネルギー産業など新分野への進出を初め、域外への販路開拓や自社の強みを生かした異業種参入を模索するなど、経営の安定化を図る取り組みがなされております。  基幹製造業は、観光業や水産業と並んで長崎市の経済の根幹をなす業種であることから、長崎市といたしましては、このような環境変化に対応すべく、海洋再生エネルギー関連産業の集積を図るため、人材育成支援を行うとともに、販路開拓や産学官による共同研究開発に対する支援などを行っているところでございます。  一方、現在長崎市におきましては、少子高齢化や人口流出に伴う生産人口の減少が進んでおり、基幹製造業においても人材確保と育成、技術の継承などさまざまな課題が出てきておりますので、長崎県や関係団体などとも連携しながら、これらの課題の解決に向けて努力してまいります。  以上でございます。 6 ◯企画財政部政策監(原田宏子君) ご質問の2点目、地域コミュニティについての(2)(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に向けた支援についてお答えいたします。  小学校区ごとの説明会を開催した地域におきましては、まずは地域の各種団体が一堂に会した話し合いから始めてみようといった地域や(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に向けて前向きに取り組んでいこうという地域がございます。今後、地域としてどのように進めていこうかということにつきましては、地域の一部の方のご意見だけではなく、さまざまな団体や住民の皆様にその必要性や内容についてしっかりご理解いただいて進めることが大切であると考えておりますので、地域コミュニティ推進室及び支所や行政センターが連携して、話し合いの場から地域に入って支援を行っております。(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に向けて取り組みたいという地域につきましては、地域の将来像や必要な取り組みなどを記載したまちづくり計画の策定に当たりまして、ワークショップやまち歩き等を取り入れながら作業を進めていただいております。そのプログラムやスケジュールにつきましては、地域の実情に合ったものとなるように、事前に地域の方々とご相談させていただくとともに、当日の進行につきましてもお手伝いさせていただいております。あわせまして、地域の課題を発見し、その課題を解決するためには地域のさまざまな団体や世代の方々で話し合っていただくことが重要であり、その過程を通じて地域のつながりが強くなっていくものと考えておりますので、呼びかけ団体につきましても地域の方々と一緒に考えさせていただいております。  (仮称)地域コミュニティ連絡協議会につきましては、将来を見据えた地域を代表する組織として、地域のさまざまな団体で構成していただきたいと考えておりますので、より多くの地域の住民の皆様に参加していただき、地域全体の同意をとりながら進めていただけるよう今後とも支援してまいります。  以上です。 7 ◯土木部長(吉田安秀君) ご質問の3点目、国道202号の整備促進並びに(仮称)福田バイパスの早期事業化についてお答えいたします。  まず、国道202号の福田地区につきましては、道路幅員が狭く、大型車同士の離合がしにくい箇所や歩道が十分確保されていない区間が残されていることから、これまでも地域の皆様のご協力を得ながら道路管理者である長崎県により、大浜町の大迫バス停付近や小浦町の中浦バス停付近フレスポ福田ウエスト前などで歩道の整備等が行われております。現在、小浦舟津公園前交差点から福田郵便局前交差点間の約770メートルの区間において歩道整備などが進められており、この区間の平成28年度末の進捗率は約45%でございます。今年度は用地取得や改良工事が予定されております。  次に、JR長崎本線連続立体交差事業完成後の宝町交差点付近の将来計画につきましては、事業主体である長崎県によりますと、現在、鉄道の下越しとなっている国道を鉄道の高架化とあわせ、連続立体交差事業の中で平面化する計画となっており、事業の完成後は沿道利用の利便性の向上や交通の円滑化が図られるものと考えております。  次に、(仮称)福田バイパスにつきましては、事業主体である長崎県によりますと、整備に多額の費用が必要であるとともに、バイパスの利用交通量も少ないと見込まれることなどの問題があり、長期的な課題であるとのことでございます。  長崎市としましては、こうした問題を解決できるよう地元の皆様と協力しながら検討を行うとともに、市や市議会、交通関係者、地元関係者で構成する一般国道202号(福田バイパス道路整備促進協議会を中心に、引き続き県や国などの関係機関に対し、整備促進の働きかけを行っていきたいと考えております。  以上でございます。 8 ◯理財部政策監(鋤崎徳子君) ご質問の4.公共施設マネジメントの取り組みについてお答えいたします。  まず、これまでの取り組みでございますが、長崎市として、公共施設マネジメントを進めていく上での基本的な考え方や方針となる各種の計画を策定してまいりました。また、このような計画策定と並行して、職員に対しては公共施設マネジメントの必要性の共通認識や当事者意識への転換を図り、全庁的な取り組みとするために、庁内への浸透に努めてまいりました。その結果、今までのように施設が古くなったら建て替えるというのではなく、適切な改修と管理を行い、施設をできるだけ長く使用していく、また、これからの人口減少社会の到来を見据え、所期の行政目的を達成した施設については廃止し、売却等により資産の有効活用を図るなど、職員の施設管理に関する意識の変革につながったと考えております。施設所管部局の中にもこのような考え方が一定浸透し、マネジメントの観点でできるところから取り組んでいるものもございます。例えば、近隣の廃止した施設の用途を変更して改修し、公民館として活用するなどの取り組みや高島や伊王島の遊休地を売却し、現在はメガソーラー施設日帰り入浴施設がそれぞれ民間により整備されたように、新たな財源の確保にも努めております。また、施設の運営方針の見直しを行い、やすらぎ伊王島につきましては民間譲渡も進めてまいりました。このほかにも個別の取り組みはございますが、実績としては、まだまだ十分であるとは思っておりません。  今後、一層マネジメントを進めていくに当たっては、庁内のみならず、市民の皆様とも現状と課題を共有し、1つの施設と施設担当所管部局といった枠を超えた中で施設の再配置を進め、事業化に取り組む必要があると考えております。そのためにも、現在、公共施設マネジメントに取り組む目的や意義を住民の皆さんにご理解いただけるよう、丁寧な説明の場を設け、地区別計画を策定し、施設の再配置を進めるとともに、遊休資産については、売却等を含めた民間活用を進めてまいります。  以上でございます。 9 ◯34番(井上重久君) 一通り答弁をいただきましたので、さらに理解を深めるために意見を交えながら再質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。  大きな1点目の長崎サミットとの連携について。  (1)観光振興における重点取り組みの関係で、長崎市観光振興計画2020の施策目標は、平成32年の目標として観光客数710万人、観光消費額1,600億円、県内就業者誘発数3万5,600人を目指すとのことであります。当然、行政だけで達成できるものではございませんが、長崎サミットと連携した観光振興における重点取り組みについてお尋ねいたします。 10 ◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。  長崎サミットとの連携した観光振興の取り組みについてでございますが、長崎サミットは人口減による地域経済の衰退に歯どめをかけるため、全国でも先駆的な産学官連携のプロジェクトとして平成21年に立ち上げられました。これまで、新幹線についての数次にわたる要望活動のほか、MICE誘致推進協議会の設置や世界遺産の登録推進の年賀状キャンペーンなど、さまざまな分野で経済活性化に向けた取り組みを行ってまいりました。  議員ご質問の観光分野における取り組みについてでございますが、まず、夜景観光の推進として、稲佐山電波塔のライトアップ、長崎夜曲の制作などの取り組みを行ってまいりました。  次に、おもてなしの充実といたしましては、アダプトプログラムやおそうじさるくへの参加促進などを行っております。また、大学の分野になりますが、長崎大学がビッグデータ活用による観光客の周遊動向についての分析を進めており、県・市にこの情報が提供されることになっております。この情報につきましては、長崎市版DMOにおけるマーケティング等に活用してまいりたいと考えております。  長崎市としましては、平成32年の長崎市観光振興計画2020の目標を達成するためには、当然ながら行政だけの取り組みのみならず、長崎サミットを中心とした産学官の一層の連携により取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 11 ◯34番(井上重久君) 長崎市は、釧路市、金沢市とともに、訪日外国人の地方誘致を国が支援するモデル都市、観光立国ショーケースに選定されております。7月27日地元紙の報道によれば、長崎大学は観光活性化支援システムを開発し、ビッグデータで観光活性化を支援すると発表いたしております。ビッグデータという言葉をよく最近耳にしますが、観光分野でこのビッグデータ等の分析とはどのようなものか。また、これを活用した民間事業者、関係団体との連携による今後の観光客の動向分析をどのように観光施策に生かしていくのかお尋ねいたします。 12 ◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。  観光分野でのビッグデータの活用につきましては、平成28年度において日本版DMO候補法人であります長崎国際観光コンベンション協会が、モバイル空間統計等を活用しまして、長崎市に滞在する外国人観光客の動向把握のため、長崎市滞在前後に訪れる都道府県の分析などを行ったところでございます。また、長崎大学が8月1日の長崎サミットの場で発表されたビッグデータを活用した観光活性化支援システムにつきましては、インターネット上に公開されております宿泊予約システムの空室情報に基づきます宿泊施設の客室稼働率やWi-Fiの接続データを活用した外国人観光客の動向を把握できるシステムとなっておりまして、長崎市にも無償提供される予定となっております。  今後はこのシステムの活用を含めまして、長崎市版DMOを中心に、民間事業者の皆様の視点からどのようなデータが事業企画や経営判断により有効に活用できるのかなどについてもご意見をいただきながら活用効果を重視いたしましたデータの収集、分析、それから見える化を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 13 ◯34番(井上重久君) 観光振興における重点取り組みにおける、産学官連携の取り組みは十分重要だと思います。観光客をもてなす地域の事業者や市民の皆様の参画を仰ぐことで目標を目指すとの答弁がありました。これまでの課題を踏まえて、5つの基本施策があります。1点目は、長崎独自の歴史・文化等の資源磨き。これは世界遺産の保存整備と活用、夜景観光の進化、外国人観光客誘致の取り組みの推進。2点目は、ビッグデータ等の分析に基づくマーケティングの推進などがありまして、受け入れ態勢の整備とおもてなしの充実、あるいは観光消費拡大仕掛けづくり、5点目は、広域連携の強化を図るとともに、いわゆる予算計上時におけるPDCAサイクルによる進行管理の実行、投資対効果の検証を行い観光振興につなげてほしいと思います。また、長崎市版DMOの確立、いわゆる観光地域づくり推進法人、DMO長崎協議会(仮称)の設立、データ収集・分析に関する委員会の設置、データが事業の企画や経営判断に活用できるのか意見を聞いて観光振興につなげるとの見解が示されておりますので、サミットワーキングチームとも十分連携をとって、今後とも対応していただくことをまず要望しておきたいと思います。  それから、(2)基幹製造業の現状と課題の関係の中で、再質問です。8月1日に開催されました第15回長崎サミットでは、若者の定着や人材育成をテーマの1つとして協議が行われましたが、現在、取り組んでいる若者の県外流出の防止策と製造業における人材育成についてお尋ねいたします。 14 ◯商工部長(片岡研之君) 再質問にお答えいたします。  若年者の県外流出防止策といたしましては、学生が地元の企業を知らないということも大きな原因となっているため、企業の魅力を発信する地場企業知名度アップ事業や首都圏、福岡都市圏の大学と連携し、長崎市出身の学生に地元企業の情報提供を行うUIJ就職促進事業に取り組んでいるところでございます。また、製造業における人材育成につきましては、造船・造機関連企業の新人社員や中堅社員に対する技能研修などを実施している長崎地域造船造機技術研修センターの取り組みに対しても支援を行っております。8月の長崎サミットにおいては、若年者の地元就職定着、人材育成について行政、大学、民間企業が一体となって取り組み、具体的な成果につなげていくことを確認したところでございますので、長崎県や商工会議所を初めとした業界団体、さらには市内大学とも連携を密にしながら若年者の県外流出防止のための事業を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 15 ◯34番(井上重久君) 基幹製造業の現状と課題の中でございますけれども、去る8月1日に開催された長崎サミットにおきまして、造船海洋関連産業の人材育成や研究開発などを担う西九州海事研究コンソーシアムの設置構想が示されております。一方、民間事業者におきましても造船技術の継承、発展に向け、(仮称)造船技術センターを2018年度に設置する構想もあります。このような構想は、運営主体や資金確保策など今後検討が行われると思います。行政として、国、県、長崎市に何ができるのか。いわゆる特区の申請、あるいは税制優遇、新しい財源確保などを含めまして有利なメニューの調査研究、前広な検討を要請しておきます。また、長崎サミットとの連携につきましては、トップリーダーが一堂に会し議論を重ねることに意義があります。8月のサミットでは、若年者の地元就職、定着、人材育成について産学官、民間企業が一体となって具体的成果につなげることが確認されております。若者の県外流出の防止策として、学生が地元の企業を知らないことも要因の一つであると思いますし、地方に魅力があっても生活が成り立たないという理由で、賃金の高い都市に就職する者が多いと思われます。産学官が連携を図る中、例えば、〔資料提示〕これは、地元紙のNRという、長崎県内の大学、企業・就職活動に関する就活情報誌が9月1日に発行されております。県内企業の情報、魅力となる企業紹介なども含まれております。読者の皆さん、若者がこの地元誌に目を通して読んでもらって、興味を持ってもらって県内就職のきっかけにつながればと大いに期待いたしております。この民間事業者の取り組みが、長崎サミットのスローガンであります「みんなでつくろう元気な長崎」、いわゆるオール長崎の取り組みの1つになっていると思います。長崎サミットと連携してこのような民間事業者による支援の要請、あるいは県内就職につながる働きかけを要望しておきます。  大きな2点目、(1)地域コミュニティのしくみづくりについて再質問を行います。  地域の各種団体の連携による地域活性化や課題解決の取り組みに対して、小学校区を基本に平成24年度から平成26年度にかけまして30万円まで助成する地域コミュニティ活性化事業が実施されました。これまでの取り組みや地域コミュニティ活性化事業の効果と検証を踏まえ、今回の仕組みづくりへどのようにつなげようとしているのか。また、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会に対する財政支援として交付金制度を検討しているとのことでありますが、この制度は単年度事業なのか、継続事業なのか、見解をお尋ねいたします。 16 ◯企画財政部政策監(原田宏子君) 再質問にお答えいたします。  平成24年度から平成26年度までの3年間、長崎県の補助事業を活用して地域のさまざまな課題を解決することを目的として、おおむね小学校区を単位として、地域の団体同士が連携して行う活動に対し助成する地域コミュニティ活性化事業を実施いたしました。その際に、地域の皆様には受け皿としての実行委員会をつくっていただいたのですが、何を買うのかについての話し合いに終始した、地域の幅広い団体の参画にはつながらなかったなど、事業終了後のお声を課題としていただいております。一方、地域におけるさまざまな団体が連携するきっかけになった、地域のさまざまな課題を改めて考える場ができた、物品の購入によりイベントの運営が円滑になったなどの成果のお声もいただいております。この取り組みでできた地域のつながりを母体として、現在進めております(仮称)地域コミュニティ連絡協議会に相当するつながり合う組織を設立された地域もございます。今回の(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に当たりましては、各地域の実情に合わせた形で取り組んでいただきたいと考えておりますが、前に述べました地域コミュニティ活性化事業でできたつながりを生かしていただくことも選択肢の1つとしてあるのではないかと考えております。また、現在取り組んでおります地域コミュニティのしくみづくりにおきましても、地域のさまざまな団体が連携して課題を解決するための活動を財政的に支援するものとして、これまでの課題も踏まえながら交付金制度を検討しているところです。なお、この制度につきましては、単年度のものではなく、継続的なものとして考えております。  以上です。 17 ◯34番(井上重久君) 資金について、事業については継続でやるということでございます。再質問ですが、資金の支援として、交付金制度の検討が示されております。事業実施は平成30年度から予定されているようですが、現在、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の立ち上げに向けて取り組みを進めようとしている地域はどのくらいあるのかお尋ねいたします。 18 ◯企画財政部政策監(原田宏子君) 再質問にお答えいたします。  (仮称)地域コミュニティ連絡協議会の認定要件の案といたしまして、現在幾つかの要件を考えておりますが、まちづくりの目標や活動内容等を定めたまちづくり計画を策定していることを要件の1つとしたいと考えています。現在、日程の調整がついた地域から順次、小学校区ごとの説明会を開催しておりますが、現時点におきまして、まちづくり計画を策定し、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会に相当する組織を立ち上げられている地区が1地区、まちづくり計画の策定など具体的に協議会の設立に向けた話し合いを進められている地区が5地区ございます。そのほかにも、協議会の設立に向けて取り組んでいきたいという地域もございますので、具体的な動きにつながるように支援してまいりたいと考えております。  以上です。 19 ◯34番(井上重久君) 組織立ち上げは今は1地区、具体的に協議をしている地区は5地区との答弁がありました。認定要件の案は、まちづくり計画の策定をするとのことでございます。いわゆるこの仕組みづくりはまちなかでの仕組みづくりと、私は中心部から離れた地域でございますが、地域はさまざまな場所にあります。そういう意味では、地域の実情、地域の伝統、昔のつながりが非常に強いところもあるようでございます。地域コミュニティのしくみづくりは、相当な時間と労力を要するように思います。いわゆる私たちは担い手不足の解消や地域活性化のために、地域の中でもろもろのイベントを通じてつながりをつくる、活性化を図っております。この仕組みづくりは、地道な活動、そしてやはり町内皆さんの協力が必要と思いますので、そこら辺は十分連携をとって対応していただければと要望しておきます。  それから、(2)(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の設立に向けた支援の関係でございますが、これは平成29年度長崎市一般会計予算におきまして、私は賛成の立場から意見を申し上げ、討論を行いました。その内容は、平成29年度の市長の施政方針は、まちを支える仕組みについて組みかえをしようとするもので、地域を支える仕組みを整備する行政サテライト機能再編成、まちづくりを支援する職員の資質向上など地域コミュニティのしくみづくりなどを構築するため、地域を支える職員の研修・教育を行おうとするものであります。  私はやはり一番の基本は、職員が地域のイベントや地域の伝統行事、育友会などの活動に参画する必要がある。自治会加入や自治会役員への就任状況も把握され、理事者の指導性を要請し、その上で担い手育成、地域リーダーの育成など職員の人材育成に努めるよう要望いたしましたが、その後の総合事務所あるいは地域センターとのかかわり、支援体制はどのように検討されたのか、職員のサポート体制の進捗状況についてお尋ねいたします。 20 ◯総務部長(橋田慶信君) 再質問にお答えいたします。  地域にかかわる職員の育成というご質問かと思います。まず行政サテライトとの関係で申し上げますと、10月1日から新たに設置します総合事務所と地域センター、それぞれに地域のまちづくりを支援する職員を配置いたします。このことが今回の行政サテライトの再編成の大きなポイントの1つであり、重要な部分であると思っております。これらの再編成後、総合事務所におきましては、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の立ち上げに当たりまして、本庁の地域コミュニティ推進室と一緒になって地域の体制づくり、それから地域のまちづくり計画書の策定の支援に取り組み、協議会の立ち上げ後も協議会の会議開催の支援や事務局との連絡調整、交付金に係る相談などを継続的に行うこととしております。また、地域を支える職員の育成に向けた取り組みでございますけれども、地域や地域の皆様を知ることで地域を意識した仕事への取り組みにつなげること、また職員が1人の市民として、みずからが居住する地域における活動へ参加するためのきっかけづくりとすることを目的として、新規採用職員を中心とした地域活動研修を実施しております。職員の地域とのかかわり、地域活動への参加促進につきましては、職員の人材育成における重要な課題と捉えております。この研修につきましては、地域の方々の皆様のご協力もいただきながら、来年度以降も継続的に実施し、職員の意識向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 21 ◯34番(井上重久君) 地域を支える職員の育成、この関係、私は福田地区におりますけれども、本年入庁されました新入職員が地域の活動の研修にまいりました。先日は子どもたちのイベント、私たちはイモレンジャーいわゆる農業体験を行っております。夏祭り、イモレンジャー、農業体験の中でそうめん流しもしました。そうめんを食べる箸の竹を切って、孟宗竹の節を切りながらそうめんを食べる皿づくりを職員の皆さんと一緒にさせていただきました。地域に入れば非常に周りの人はありがたいものでございます。現在、地域でリーダーとして活躍されている職員のほかに市役所の職員が地域の自治会、育成協、消防団、社会福祉協議会等の役員として積極的に地域に参画できるよう、市役所の仕組み、職場環境、雰囲気づくりから変えてもらいたい。また、地域の実情に合わせ、小学校区単位もしくは中学校区単位に地域担当職員の増強を図るとともに、地域担当サポーターを任命し、地域コミュニティの活性化を推進するため、地域とつながりをつくるべきと思います。地域活性化の大きな課題は、役員の高齢化、地域リーダー、活動家の育成、将来の担い手不足、財源不足などが主なものであり、この課題解決に向けての支援をお願いするというのを、実は平成26年12月1日の一般質問で私は意見を述べさせていただきました。改めて、地域に参画できる職場環境の改善、つながりをつくるための指導、教育を要請しておきます。  次に、大きな3点目、国道202号の整備促進並びに(仮称)福田バイパスの早期事業化について、意見、要望を述べさせていただきます。  福田バイパス建設促進期成会は、福田地区自治会連合会を初めとし、12の構成団体で平成17年8月に期成会を立ち上げ、今日まで長崎県、長崎市に対しまして陳情、要望活動を行いながら12年が経過いたしました。その間、平成23年8月に設立されました一般国道202号(福田バイパス道路整備促進協議会との連携を図りながら、福田バイパス建設を含む国道202号の交通環境の改善に向けて今日まで署名活動を行いながら、長崎県や国に対しまして早期事業化と道路予算確保の要望活動を行ってきました。本年開催しました期成会総会では、地域の声として県は費用対効果を言われますが、ものを作り、その製品を販売するときは必要であるでしょう。しかし、人の命、安全にはかえられない、安全対策として行政の力で道路をつくってほしい、大型トラックが増加しているので、バイパスで迂回させる必要がある、歩道が狭く、雨の日は傘もさせない状況にあるので歩道の拡幅をお願いする、自然災害、交通事故があったときの対策としての観点からバイパスの必要性を考えてもらいたいなど、国道202号の改善と福田バイパスの早期事業化に向けた調査費の計上を求める意見、要望が出されました。交通事故発生件数は、大浜トンネル入り口から福田郵便局前交差点の間、平成23年に46件、平成24年に31件、平成25年に60件、平成26年に63件、平成27年に51件、平成28年に60件の事故が発生し、私たちは危険地域と認識いたしております。よって今後とも、長崎県、国などに対しまして、国道202号の整備促進並びに交通環境改善の抜本的対策となります(仮称)福田バイパスの早期事業化の道路予算の確保、調査費の計上に向けた継続した要望活動をお願いしておきます。  あと残り3分となりましたので、公共施設マネジメントの関係につきまして少し要望をしておきたいと思います。  私は、この公共施設マネジメントの取り組みにつきましては、平成26年6月11日に一般質問をさせていただきました。そのときに公共施設マネジメントはどのような体制で取り組むのか、公共施設マネジメントの推進は総論賛成、各論反対となることが多いが市民の周知説明をどうしていくのかということを含めまして、平成26年度中にモデルケースとなる施設の複合化、多機能化のモデルプランの作成に着手していく、具体的な先行事例を積み上げ、公共施設マネジメントの理解を深めていくとの答弁をいただいております。そういう意味では、非常にこの公共施設マネジメント、計画はすばらしいものが今でき上がっております。特別委員会を設置しながら今日まで、いわゆるモデルケースとなる施設の複合化、多機能化のモデルプラン、これも少しおくれているように感じております。まずは全体の概要を市民に説明し、市民、地域との合意形成を図り、できる地区から取り組みを進める必要があると思います。モデル地区は今決められて取り組みが進められておりますが、やはり統廃合、合築を含めていわゆる行政のリーダーシップ、やる気を持って取り組みを進めてもらいたい。そして、やはり公共施設マネジメントにつきましては、今まさに成果を上げるときであると考えております。スピード感を持ってやる必要があると思います。公共施設マネジメントは早期に取り組むことで施設の維持管理費等の削減効果も大きくなることから、将来に問題を先送りすることがないように関係部署の連携を十分とって対応することを要望し、市長の見解を最後に求めたいと思います。 22 ◯市長(田上富久君) 井上議員の再質問にお答えします。  公共施設マネジメント、今お話いただきましたように、長崎の将来を考えたときに今やり始めなければならない非常に重要なプロジェクトであると考えておりますし、またお話のようにできるだけ早く取り組んでいく必要があると考えております。しかしながら、一方で地域の理解をしっかりと取りつけながら、市民の皆さんのいろいろなご意見をお聞きしながら進めていくということも重要であり、その兼ね合いを図りながらしっかりと地域の中に入っていろいろなご意見をお聞きしながら成果を出すように進めていきたいと考えております。  以上です。 23 ◯34番(井上重久君) 以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。 24 ◯議長(野口達也君) 次は、4番林 広文議員。       〔林 広文君登壇〕 25 ◯4番(林 広文君) 公明党の林 広文でございます。通告に従い質問いたします。なお、項目の4.マイナンバーカードの利活用については本壇での質問を省略し、時間を見た上で自席での質問といたしますのでよろしくお願いいたします。それでは、市長並びに理事者の皆様の前向きな答弁を期待いたします。  初めに、1.平和行政について、(1)平和首長会議総会の成果についてお伺いします。  核兵器の存在を根底から否定する核兵器禁止条約が7月7日、国連で採択されました。原爆の脅威を体験した被爆都市として、あらゆる機会を捉えて核兵器の非人道性を訴え、「長崎を最後の被爆地に」とのメッセージを発信してきた本市にとって、この上ない大きな成果であり、核兵器廃絶への道のりにおいて重要なステップになったと思います。このようなタイミングで72回目の原爆の日を迎え、今回の平和首長会議総会を本市で開催できたことについては、さらに感慨深いものがあります。核兵器廃絶へ向けた世界の潮流が大きく変わり始めた中、35カ国178都市・団体の314人が参加した平和首長会議総会での議論とその成果、またこれからの取り組みについてご教示ください。  次に2点目、持続可能な開発目標SDGsの取り組みについてお伺いいたします。  SDGsとは、貧困や格差、気候変動などの課題解決に向け、国連加盟国が2016年1月から2030年末の達成を目指して取り組む持続可能な開発目標のことを言います。私たち公明党は、人間の安全保障の理念を盛り込み、紛争の温床を絶つことにつながるSDGsの達成に向けて、全力で取り組むことを決めています。先月10日から19日にかけて、国連ではSDGsに関する政治フォーラムが開かれており、国際社会の取り組みも加速してきています。  政府は、2016年5月にSDGs推進本部を設置し、同年12月にはSDGsの実施方針を策定、2020年度からは我が党の要望を踏まえ、次期学習指導要領にSDGsの理念を反映することも決まっております。また、地方自治体の動きとして、北九州市は本年7月にSDGs推進に向けた北九州市の取り組みを発表。環境未来都市として取り組んできた施策をSDGsの視点で捉え直し、地方自治体として積極的に取り組む方針を定めています。本市は将来の都市像として「個性輝く世界都市」を掲げ、特に被爆都市として平和創出のメッセージを全世界に発信してきました。これは、SDGsの目指す「誰一人取り残さない」という理念と合致するものです。SDGsの掲げる開発目標は17の各分野に分かれていますが、本市でも企業や民間団体との連携のもと、世界の貧困や格差の解決につながるような分野において、具体的なSDGs推進に取り組むべきではないかと考えますが、市の見解をお示しください。  次に大きな3点目、福祉行政について(1)発達障害児の支援についてお尋ねします。  この夏、発達障害児の診療・療育を担っている民間の医療機関を視察しました。この医療機関では、ハートセンターからの専門医の派遣により月5回の診療を行っていますが、常に約600名の予約を抱え、診療は半年待ちになっているとのことでした。発達障害に関する社会の認知度が高まるにつれて、医療や療育の現場では、人材不足や受け入れ環境の不備など多くの課題が複合的に発生しており、発達障害児やその家族に必要な支援が届かない状況が続いています。  その中では特に、発達障害児に携わる専門医の不足が顕著であり、現状のままでは診療待ち期間の長期化は改善のめどが立ちません。このことを解消していくには専門医のみならず、地域の医療機関全体で支える仕組みが必要ではないでしょうか。例えば、症状が安定している定時のお薬のみの再診患者については、地域の小児科や内科医による診療を行う、いわば発達障害児のかかりつけ医ともいえる制度が必要と考えます。これらの取り組みには医師会との協議が必要となりますが、専門医は初診や段階に応じた診療を、かかりつけ医は定時薬を中心とする再診を担当することで、現状はかなり改善されるのではないかと思います。発達障害児の診療待ちの問題については、その解決に向けて市は関係機関との協議の中心となって連携を深めていっていただきたいと思いますが、市の見解をお示しください。  (2)シルバー人材センターの活用。  少子高齢化が進み、人口が減少している中で、本市の成長力を確保していくためには、働く意欲がある高齢者が活躍し続けることができる生涯現役社会を実現することが重要です。このような中で、シルバー人材センターは地域の日常生活に密着した就業機会を提供することなどにより、高齢者の居場所と出番をつくり、生涯現役社会の実現に役割を果たしており、あわせて高齢者の生きがいの充実、社会参加の促進を実行し、地域社会の活性化と健康寿命の増進に寄与しています。  昨年6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」においては、保育分野での高齢者の就業の推進や軽易な介護業務での高齢者人材の活用などが掲げられており、シルバー人材センターに対する地域社会の期待は大きくなっていると感じております。  北九州市では、シルバー人材センターと民間企業が連携し、地域の空き店舗を活用し、宅配便の荷物を地域の高齢者が配送するモデルを構築すると発表しました。また、他都市においても、ふるさと納税の返礼品として空き家の管理や墓掃除をシルバー人材センターに委託するなど、新たなニーズの掘り起こしが図られているところです。本市のシルバー人材センターは、公益社団法人として市の関係団体の位置づけとなっていますが、高齢になっても生きがいづくりとして、地域のために働きたいという人はふえてきており、今後は市とシルバー人材センターとがさらに連携・協力しながら事業を行うことが必要と考えますが、市の見解を伺います。  最後に、5.水道法改正に向けた取り組みについて伺います。  水道法を一部改正する法律案が閣議決定され、今年度中に成立すれば、来年度には施行される見通しとなっています。中長期的な水道需要の減少が避けられない中で、人口減少や水道施設の老朽化などの課題に対応し、水道事業の基盤強化を図ることが法改正の目的になっているようです。  法改正を見据えた本市の対応として、1点目に、水道施設の適切な資産管理を推進する上で欠かすことのできない水道台帳の整備の状況、2点目に、水道事業の中長期的な更新需要と財政収支の見通しを把握するための水道インフラのアセットマネジメントの実施状況について、それぞれの取り組みをご教示ください。  以上、本壇からの質問といたします。=(降壇)=
    26 ◯議長(野口達也君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 27 ◯市長(田上富久君) 公明党、林 広文議員の質問にお答えします。  まず1点目の、平和行政についての(1)平和首長会議総会の成果についてお答えします。  今回の第9回総会は、核兵器禁止条約が制定された翌月という、またとないタイミングで8月7日から10日までの4日間開催し、国内外の178都市・団体314名の参加をいただき、無事に終了しました。  会議では、まず加盟都市が7,400を超える中、また核兵器廃絶の目標年としてきた2020年が近づく中で、今後の平和首長会議の活動をどう方向づけるかについて、活発な議論がなされました。その中で、これまで中核テーマとしてきた核兵器廃絶の実現に加え、紛争や難民、テロなどの課題について世界の地域ごとに解決に取り組むことと、戦争体験や被爆体験などの記憶を継承し、平和の文化を育むため、平和教育に取り組むとした2020年までの行動計画を策定しました。また、会議の総括として、各加盟都市が自国の政府に核兵器禁止条約への参加を働きかけるなどの行動計画を反映したナガサキアピールを全会一致で採択し、平和を市民社会からつくっていこうという力強いメッセージを被爆地長崎から世界へ発信したところです。また、7月に国連で採択された核兵器禁止条約について活発な議論がなされる中、条約の早期発効に向けた特別決議を長崎市から提案し、全会一致で採択されました。核兵器保有国を含む全ての国に対し、加盟を要請し、条約の一日も早い発効を求める内容となっています。ナガサキアピールと特別決議については、8月23日に日本政府へ河野外務大臣を通じて要請しており、また、国連本部で9月20日に開催される核兵器禁止条約署名式に出席する際に、国連及び各国要人に可能な限り直接要請したいと考えています。  今回、新たな試みとして、次世代への戦争体験や被爆体験の継承と人材育成を目的として、若者の役割をテーマとする会議を設けました。長崎、広島、京都など全国各地の学生や留学生たちが世界6つの都市の首長などとともにグループワークを行いましたが、活発な議論の中で被爆地との交換留学制度や平和イベントの開催などの企画案が発表され、非常に有意義な取り組みとなりました。今後、若い世代を主役とするこうした取り組みが国内外に広がっていく契機ともなったのではないかと思います。また、参加者の皆様には落下中心地での献花を初め、原爆資料館やNGOによる原爆パネル展示の見学のほか、被爆体験講話の聴講、平和祈念式典への参列などにより、被爆の実相への理解を深めていただいたと考えています。  総会には、小学生から大学生を含む多くの市民の皆さんからご協力をいただき、感謝を申し上げます。会議や運営ボランティアへの参加を通して、私たちにもできることが何かないかと考えるきっかけになったのではないかと思います。これからも平和首長会議では、さらに加盟都市間の連携を強化し、一日も早い核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 28 ◯企画財政部長(野瀬弘志君) ご質問の2点目、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みについてお答えします。  SDGsは、持続可能な世界を実現するため、先進国と発展途上国がともに取り組むべき国際社会全体の普遍的な目標として、2015年の国連サミットにおいて採択された目標で、経済成長と雇用を初め、循環型社会、貧困、平和など、多岐にわたる分野の17のゴールから構成されており、各国は目標達成に向け、2030年までに取り組むこととされています。  日本も持続可能な経済・社会づくりの課題解決の先進国として、その推進に最大限取り組むことを表明しており、内閣総理大臣を本部長とするSDGs推進本部が設置され、地方自治体の取り組みについては、現在、自治体SDGs推進のための有識者検討会において検討が進められています。  このような中、現在長崎市では、第四次総合計画において、将来の都市像として「個性輝く世界都市」、「希望あふれる人間都市」を掲げ、その実現を目指し、「つながりと創造で新しい長崎へ」という基本姿勢のもと、まちづくりを進めておりますが、その方針や施策にはSDGsが掲げる趣旨に沿った内容が網羅されており、既に取り組みを進めているものもあります。例えば、平和の実現に関しても被爆の継承の取り組みはもとより、世界の平和団体や関係機関との連携による平和の発信や平和をつくり出すことのできる人材の育成など、国内外におけるさまざまな取り組みを推進することにより、SDGsの推進に寄与しているものと考えています。  議員ご指摘のとおり、SDGsの推進は大切な視点であり、現在、国においても平成30年度概算要求に関連予算が計上されていることから、引き続き情報収集に努めるとともに、第四次総合計画に基づく施策の推進に当たっては、SDGsという新たな視点で施策を捉え直すことにより、取り組みのさらなる充実に努めるなど、持続可能なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 29 ◯福祉部長(尾上泰啓君) ご質問の3点目、福祉行政についての(1)発達障害児の支援についてお答えいたします。  発達障害に見られる言葉のおくれや多動性障害、自閉症などの障害を早期に発見し、医学的な診断や評価のもとで適切な対応や支援を行うことは、子どもが社会に適応していく上で重要であり、また、保護者や周囲の理解を促すことで、子どもが過ごしやすい環境が築かれるものと考えています。  長崎市では、障害福祉センター診療所において小児科医師が毎日3人体制で発達障害児の外来診療を実施しておりますが、平成28年度における受診者数は延べ6,565人と、前年度の6,099人から約8%増加し、受診待機期間が平成29年3月の平均で4.1月となるなど、受診希望者数は毎年度増加しています。  このような状況を踏まえ、障害福祉センターにおいては、地域の医療機関と連携を図りながら新たな診療場所の確保に向けた取り組みを進めており、既に発達障害児の診察にご協力いただいている医療機関もございます。しかしながら、発達障害に対する社会の認知度が上がるにつれ、診察を希望する児童は今後も増加傾向が続き、障害福祉センターと現在の協力医療機関の専門医のみでは対応が困難となることが見込まれます。  議員ご提案の発達障害児のかかりつけ医につきましては、障害福祉センターなどの専門的な医療機関で初診を行った発達障害児への投薬などの再診を地域の身近な医療機関に対応いただくことで、専門的な医療機関への受診者の集中を緩和させ、より多くの新規患者の受診を担うことが可能になる制度でございます。長崎市におきましても、現在、一部の小児科医院に投薬などの再診をお願いしているものの、その確保が難しいというのが現状となっております。  投薬などの再診に当たりましても、発達障害の診断に関する一定の専門的な知識や技術が求められるなどの課題もございますので、今後、医療機関や関係団体と協議を行い、ご意見やご提案等をいただきながら、地域内における医療機関の連携による発達障害児の支援体制の構築に努めてまいりたいと考えております。  次に、(2)シルバー人材センターの活用についてお答えいたします。  長崎市シルバー人材センターは、現役を引退された高齢者に対し、臨時的かつ短期的またはその他の軽易な業務を提供することで、高齢者の福祉の増進に資することを目的として、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づいて設立された公益社団法人であり、平成29年9月現在の会員数は1,008人、平均年齢は約71歳となっております。代表的な業務として、樹木の剪定や除草、公園の管理業務などを行っており、平成28年度の契約件数は6,427件、契約金額は約3億7,651万円、就業延べ人員は1万8,658人となっております。  平成28年6月に閣議決定をされた「ニッポン一億総活躍プラン」においては、元気で就労意欲にあふれ、豊かな経験と知恵を持っている高齢者がたくさんおられる一方で、高齢者の7割近くが働きたいと願っているのに対して、実際に働いている方は2割にとどまっているという状況があり、その対応策としてシルバー人材センターの業務範囲の拡張等による高齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保が掲げられております。  議員ご指摘の宅配業務や、ふるさと納税の返礼としての空き家の管理やお墓の清掃等、多様な業務を行っている都市もございます。長崎市においては人口減少が続く中、高齢者がふえておりますが、高齢者人口約12万9,000人のうち、約7割の方は元気な高齢者と考えられます。長崎地域の有効求人倍率が1倍を超え、介護を初めさまざまな産業分野で人材不足が顕著になる中で、元気な高齢者は培ってきた知識や経験を生かして地域を支える貴重な人材であると認識をいたしております。長崎市シルバー人材センターにおきましても、ごみ出し・見守り等の地域で暮らす高齢者を支えるサービスの拡充を検討されておられます。  長崎市といたしましては、今後、他都市の事例等も参考にしながら、シルバー人材センターを活用した新たな業務の導入可能性を関係部局と協議し、これまで以上にシルバー人材センターと連携・協力して、高齢者の就業機会の拡大と生きがいづくりの支援に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 30 ◯上下水道局長(武田敏明君) ご質問の5.水道法改正に向けた取り組みについてお答えいたします。  長崎市は、これまで高度成長期における給水区域の拡張に加え、周辺7町との合併に伴い、多くの水道施設を抱えております。近年は、その施設の多くが耐用年数を迎え更新する必要があるとともに、東日本大震災の教訓を踏まえた耐震性の強化などが求められており、事業費が増大する一方、人口減少や節水機器の普及等に伴う水需要の減少により事業収入が減少し、非常に厳しい事業環境の変化に直面いたしております。  今回の水道法の改正につきましては、このような全国的に共通する課題に対し、水道事業の基盤強化を図るために改正しようとするものでございます。改正の概要としましては、国、都道府県、市町村などの関係者の責務の明確化、広域連携の推進、水道施設台帳を整備し、長期的な観点から計画的な更新を行っていくための適切な資産管理の推進等となっております。  長崎市における水道施設の台帳整備の状況でございますが、水道管路につきましては、水道管路台帳システムや管網解析システムを整備し、維持管理等に活用しているところでございますが、浄水場などの施設につきましては、紙ベースでの台帳が多く、その様式も統一されていない状況にあり、今年度から来年度にかけてデータの電子化作業を行っているところでございます。  次に、アセットマネジメントの取り組みの状況でございますが、施設台帳の電子化が来年度完了する予定でございますので、平成31年度からアセットマネジメント支援情報システムの構築に着手し、平成34年度に完了し、翌平成35年度から運用を開始する予定といたしております。これまでも日常的な維持管理の中で得られた情報や既存の台帳を活用して優先順位を決定し、計画的に事業を実施しているところでございますが、アセットマネジメント支援情報システムの構築後は、水道施設の膨大なデータを効率的に分析・活用し、施設の状況をより正確に把握することで、適切な更新時期の設定や事業費の平準化が可能となり、長期的な財政収支の見通しのもとで、より精度が高い施設の更新計画を立てることが可能となります。  今後とも、安全でおいしい水道水を安定して供給できる健全な水道事業を持続するため、水道法改正の趣旨を踏まえながら、長崎市上下水道事業マスタープランに掲げる「安全・強靭で持続する水道」を目指して、取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 31 ◯4番(林 広文君) 一通りのご答弁をいただきました。ありがとうございます。それでは理解を深めるために、順次再質問をさせていただきたいと思います。  まず、平和首長会議総会に関連してでございます。今回の総会ですけれども、市長の答弁にありましたように、核兵器禁止条約が制定された翌月というタイミングでこの総会が長崎で開催され、各加盟都市、これには自国が核保有国である都市も含まれております。こういったところを含めて、今回、全会一致でナガサキアピールを採択し、核兵器禁止条約への自国政府の参加に向けて働きかけを行うなどの行動計画が策定されたことは、大変意義深いことだと思っております。  本壇からも申し上げましたけれども、核兵器廃絶に向けた世界の潮流がこの核兵器禁止条約を中心に大きく変わっていくのではないかと思われますので、NGOなどの市民団体、そして世界で7,400余りの都市が加盟する平和首長会議の果たす役割はさらに重要になることは間違いないと思っております。加盟都市間の連携強化という言葉もありましたけれども、さらなる推進を期待したいと思っております。  ところでこの核兵器禁止条約ですけれども、今月9月20日に署名を開始して、市長と議長もニューヨークの国連本部に行かれると聞いております。2年以内の条約発効を目指すということでございますけれども、大変残念なのは、唯一の戦争被爆国である日本は、米国を初めとする核保有国や核の傘のもとにある国々とともに条約の参加を見送りました。今後も参加のめどは立っておりません。条約に参加できるような環境づくりについて、私は政府みずから汗をかいて努力してほしいと思っております。  市長も答弁にもありましたけれども、先月、河野外務大臣と面談をされまして、これは新聞報道ですけれども、「本気になって核保有国と非保有国との橋渡し役としての行動を起こし、実効性のある条約となるよう力を尽くしてほしい」と要請されたと聞き及んでおります。現在、政府としましては、核保有国、非核保有国の対立を緩和し、国際社会が協力して核軍縮を確実に進めるための方策を探ることを名目に、核保有国、非保有国双方の有識者による核軍縮に関する賢人会議を設立するということになっております。  ここでお尋ねしたいんですけれども、この賢人会議に対して市長はどのように受けとめをされているのか。そして、この賢人会議ですけれども、同会議の第1回目の会合が11月に広島市で開催されることが決定しているということが報道されております。今後2回目、3回目と予定もあるようですけれども、長崎でのこの賢人会議の開催を要請する考えがあるかどうか。この2点についてお尋ねします。 32 ◯市長(田上富久君) 林議員の再質問にお答えいたします。  まず1点目ですけれども、この賢人会議、先日河野外務大臣とお会いしたときにも核兵器禁止条約についての取り組みのお願いをしたわけですけれども、具体的に核保有国と非保有国の橋渡しをすると言っているその内容をしっかりと具体的に充実させていってほしいと、進めてほしいということをお願いいたしました。そういう中で、河野外務大臣からは、例えばまだ発効していないCTBTなどをしっかりと批准するようにという働きかけを米国にも行ったというお話でありますとか、そういった具体的な働きかけをしていきたいと、今後より積極的にしていきたいというお話がありました。そういう意味では、河野外務大臣ご自身も軍縮議員連盟、世界的な組織の中の日本代表を務めておられた方ですし、またお父上からさまざまな薫陶もあると思いますので、軍縮にはかなり深いご理解を持っておられる方ではないかと思っております。今回そういう意味で、新しい外務大臣就任を迎えて、被爆国として橋渡しを務めるという動きがしっかりと現実のものとなっていくことを期待しているわけです。  そういう中で、その賢人会議がどういう場所になっていくのか、その具体的な場所となっていくのかどうかということについて注目をしています。そういう意味では、今回広島で開催されるわけですけれども、次はどういった会議になっていくのかということがまず先決であると、それをしっかり注視したいと思っております。それが本当に橋渡し役を務めるような内容のものになっていくことを期待しておりますし、またそういう流れの中であれば、長崎が積極的に誘致をするということも考えられると思います。ただ、現段階では、もちろん長崎で開催というような案が出た場合にそれを拒んだりするものではありませんけれども、誘致という積極的な形にいくのかどうかということは賢人会議の内容をしっかりと見させていただきたいと思っておりますし、また大きな期待を持って、長崎からは朝長先生も参加をされますけれども、そういう内容のある、ここから出たメッセージが実際に保有国と非保有国の動き方の距離を縮めていくようなそういった動きになることを期待したいと考えております。  以上です。 33 ◯4番(林 広文君) わかりました。具体的に長崎開催というところまでは、まだこれからしっかりと見きわめた上だという答弁だと思っております。  日本政府が今回、賢人会議というのをつくりましたけれども、ただ核兵器禁止条約についての日本政府の態度というのは、交渉のテーブルにさえもつきませんでした。オランダは交渉に参加した上で反対に回ったという経過がありますけれども、日本政府は不参加を表明して、こういった状態で本当に橋渡し役が今、日本ができるのかというのは少し懐疑的には思っておりますけれども、この賢人会議、少なくとも保有国と非保有国の中で有識者が集まってしっかりと軍縮の部分については進めていくと決めたわけですから、長崎市も積極的に関与していっていただきたい。できればこういったところにも、今回平和首長会議でさまざまな取り組みがありましたけれども、被爆者であるとか、市民、若者の声を賢人会議にもしっかりと届けていただきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、SDGsについてですけれども、今回、初めて私も取り上げさせていただきました。国連が定めた目標でございます。2030年ということで、少し長いスパンで取り組む国連の開発目標でございます。これに自治体としてどうかかわっていくのか、政府もこれから予算等含めて検討しているところでございますけれども、先ほど答弁いただきまして、総合計画にある施策、こういったものをSDGsの視点で捉え直すという答弁がございましたので、これは一定理解したいと思います。  先ほど平和首長会議総会でナガサキアピールというお話をさせていただきました。また、市長からもありましたけれども、このナガサキアピールの中でも首長会議として進める行動としてSDGsに言及がされております。少し引用させていただきますけれども、「世界各地では核兵器のみならず、化学兵器、武力紛争、難民、飢餓、貧困、差別、暴力、環境破壊、近年はテロなど地域特有の課題が出てきている。これらの課題に対処するため、私たちは平和、都市と教育に関連する国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的な活動を支援する」ということを今回のナガサキアピールの中で宣言されております。7,400という数多くの加盟都市とともに、貧困、難民、テロ等のグローバルな課題についても立ち向かっていくという宣言になっておりますので、長崎市はこの平和首長会議の副会長という立場でございます。このSDGsの推進に取り組む姿勢については、しっかりと明らかにして、何に取り組むのか、具体的なコミットをしていただきたいと思っております。これは答弁は要りませんけれども、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、発達障害児について再質問をさせていただきたいと思います。これまで発達障害については、会派としてもさまざまな質問を重ねてまいりました。特に、早期発見のための巡回相談であるとか、検診制度の充実について取り上げてきたんですけれども、確かに早期に発見して診療や療育につなげることというのは大変重要なんですが、今回現場を改めて視察させていただきまして、もともと診療の待ち時間が長いという認識はあったんですけれども、この診療待ち時間の問題はほとんど改善されていないということがわかりました。新しい診断をして、疑いがあるなという子どもさんがあったとしても、実際は診療を受ける機会というのは非常に制限されているという状態でございます。発達障害児を支援する体制が現状では私は追いついていないと思っております。ぜひ、医師の問題については、医師会との協議というのも必要になると思いますけれども、市が中心となっていろんな関係機関と連携しながら取り組んでいただきたいと思っております。  その中でお尋ねしたいのは、医師も不足しているんですけれども、発達障害児の療育や訓練を担うセラピスト、作業療法士であるとか言語聴覚士、臨床心理士、こういった方々の人材不足というのが深刻になっております。発達障害にこういった方々がかかわっていくには、一定程度の経験が必要になってきます。資格があるからといってすぐ小児の、特に発達障害児の中に従事できるものではありません。また、このセラピストには女性人材が多くおられまして、今でもかなりの激務の中で結婚とか子育て、こういったところのタイミングで退職する人、またかなり激務になりますので体調を崩して離職する人なども多くなっていると聞いております。長崎市では障害福祉センターでの診療にもこういった方々が携わっておりますし、民間の医療機関でも今大変不足していると聞いておりますが、こういった発達障害児にかかわるセラピストの皆さんの確保、人材育成について市の考えをお示しください。 34 ◯福祉部長(尾上泰啓君) 再質問にお答えいたします。  現在のセラピストの確保とその育成の状況というご質問だと思いますが、現在、障害福祉センターにおきましては、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士等のセラピストを中心として療育や訓練を行うとともに、また保育所や幼稚園等の巡回相談や保育士等への訪問指導などを行いながら、発達障害児の支援を行っているという状況でございます。こうしたセラピストの退職に伴う人材の確保につきましては、まず募集内容をホームページのほうに掲載いたしまして、あわせて職種ごとに構成されている団体や専門学校、こういったところにも直接協力を依頼しておりますが、まだまだ資格取得者数が少ないということ、また障害児への療育経験がないという方も多いということから応募数が少なく、確保が非常に難しいという状況になっております。また、他の療育関係機関につきましても同じような状況でございまして、やはり確保に苦労されているという状況を聞き及んでいるところでございます。女性の方が確かに多いという状況がございまして、障害福祉センターにおきましては、そういった女性が育児休養等の取得をされた後、できるだけ復帰しやすい環境をつくろうということで進めておりまして、また、障害児の療育の未経験者等につきましては、採用後職場全体で十分なフォローと適切な指導を行うことで、障害児療育に必要な知識や技術についてできるだけ早く習得できるように努めているという状況でございます。  以上でございます。 35 ◯4番(林 広文君) ぜひ、よろしくお願いいたします。  もう1点ですけれども、ネットワークというお話をしましたが、発達障害児については医療機関のみならず、福祉、学校、またNPOといった市民団体、さまざまな機関が発達障害児の周りは携わっておられます。こういった発達障害児を支援していくための関係機関によるネットワークをしっかりと構築して、連携をしながら進めることが必要だと思っております。今、長崎市の中にはこういった関係機関が一堂に会するようなネットワークはないと聞いているんですけれども、今後、しっかりこういったネットワークを確立していくべきだと考えますが、この部分の取り組みについてはどのように考えておられるのかお聞かせください。 36 ◯福祉部長(尾上泰啓君) 再質問にお答えいたします。  確かに発達障害児を支援するに当たっては、医師だけではなくて、先ほどのセラピスト、また教育機関であるとか障害者の団体、いろんな関係機関が一堂に会してネットワークをつくるということが非常に重要になってくるものと考えております。そうしたことから、今後、発達障害児の支援に関する医療機関を初めとする各種関係機関との検討を進める過程において、やはりネットワークの構築についても協議をしっかり行った上で、その構築について早急にできるように検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 37 ◯4番(林 広文君) ぜひ、ネットワークの確立をお願いしたいと思っております。  これも最後になりますけれども、これだけ発達障害児については診療待ちが生じているんで、まだまだ改善する部分はあると思いますけれども、長崎市としてはこの発達障害、障害福祉課を中心にさまざまな団体に対して民間の医療機関にもお願いをして、今何とかこの発達障害児の皆さんの診療、療育を行っているという現状でございます。私は民間の病院を視察しましたけれども、市から依頼を受けておりますので、何とかそれにお答えしたいということで今走り出しておりますけれども、しかしながら民間の医療機関の皆さんもかなり疲弊をしているというか、人材の確保であったり経費の面でもかなりご苦労されているということを伺いました。市がお願いをして、今こうやって参加をしていただいているわけでございますので、このフォローはしっかりやっていただきたい。ネットワークの構築をしながら、こういった協力していただいている民間の医療機関に対しても目くばせをしながら、ぜひ発達障害児の皆さんの待ち時間が少しでも解消できるように取り組んでいただきたいということを最後にお願いして、この件については終わりたいと思います。  次に、シルバー人材センターについてお伺いしたいと思います。  本壇でも少し触れましたけれども、今いろんな市、町でこのシルバー人材センターを活用した取り組みというのが広がっております。私はシルバー人材センターと言いますと、これまでの認識から言うと、草刈りであったり公園の清掃とか、こういった業務が中心かなという認識でいたわけですけれども、今シルバー人材センターの地域におけるあり方というのが大きく変わろうとしていると思っております。平戸市では介護の総合事業というのが始まりましたけれども、この一部を委託で市から受けるという形でシルバー人材センターが受託している。東京都の大田区では保育園の保育補助という形でされていると。ある方は月に10日ぐらい、午前中だけ保育所に伺って、これは派遣事業という形になりますけれども、こういったこともシルバー人材センターでされているということで、これまでの業務から大きく広がってきていると感じております。そういった中で一番多いのは、今新しい業務として、各市町で特に行っているのは空き家の管理でございます。空き家対策特別措置法の施行というのがありましたけれども、自治体は危険な状態で放置される空き家について、所有者へ管理するよう指導をするようになっております。県内でもこの空き家の管理をシルバー人材センターに委託をしたりするところもふえているようですけれども、長崎市のこの空き家の管理についてシルバー人材センターを活用する考えはないでしょうか。お尋ねいたします。 38 ◯まちづくり部長(片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。  空き家の管理につきましては、シルバー人材センターの活用策として一つの考えがあると思っております。今、議員からご指摘もありましたように、県内の他都市の多くにおきましては、既にシルバー人材センターにおきまして、空き家の管理、窓の開け閉めによる換気でありますとか室内の清掃、それから庭も放置されてしまいますので、その手入れなど業務として行っておられます。そうした先行事例を調査いたしまして、今後、長崎市のシルバー人材センターともそのようなことができないのか協議を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 39 ◯4番(林 広文君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それともう1点ですけれども、ふるさと納税の返礼品という話をさせていただきました。これについては何度も取り上げますけれども、北九州市は、例えば10万円以上の納税をされるとシルバー人材センターの方が年に12回空き家に行かれて、写真を撮ったり開け閉めをしたりというのをされているということですね。墓掃除、これはなかなか都会のほうにおられて地元に帰れないという方がふるさと納税をされて、そしてシルバー人材センターが墓掃除をされるということで、ちゃんと墓を掃除する前と後で写真を撮って、申し込んだ方に送るというふうにされているそうでございます。こういったふるさと納税の返礼品としてシルバー人材センターを活用するという考えがあっていいのかなと思うんですが、市の考えをお示しください。 40 ◯商工部長(片岡研之君) 再質問にお答えいたします。  ふるさと納税の制度は、今は地元を離れ都会に住んでいても、自分を育んでくれたふるさとに自分の意志で幾らかでも納税できる制度があってもよいのではないかという趣旨で始まったものでございます。空き家の管理やお墓の清掃などをお考えの方は、長崎市がふるさとである方、あるいは長崎市にゆかりがある方であろうかと思いますので、ご提案の謝礼品につきましては、事業実施の可能性も含めまして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯4番(林 広文君) ふるさと納税については、返礼品の問題というのもこの議会でございましたけれども、納税をしてくださった方への返礼品としてはさまざまな選択肢を広げるというのも大事だと思います。また、本当のこのふるさと納税の趣旨に沿った内容ではないかなと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思っております。  シルバー人材センターを活用することによって、長崎市で元気な高齢者が働ける環境というのに貢献できると思っております。答弁でも働きたいと思っている高齢者は7割だけれども、実際は2割という話がありました。別の全国のあるアンケート調査によれば、65歳以上の半数以上、70歳以上でも3分の1程度は就業を希望しているというデータもございました。実は、長崎市の高齢者の有業率、就業率でもいいんですけれども、これが全国の中でも大変低いということがわかりました。県も長崎市も。日本総研の2016年の全国の幸福度ランキングというものがございます。これは国勢調査とかいろんなデータを統計してランクづけをしているところなんですけれども、長崎市の高齢者の有業率というのは、中核市42市中で41位でありました。非常に高齢者の方で仕事を持っている方が低いというデータがあります。ちなみに、県単位でも47都道府県中44位ということでございます。また、シルバー人材センターについても、県内、各市町全てございますので、これもデータがあるんですけれども、平成27年度のデータですが、60歳以上に占めるこのシルバー人材センターへの加入率が長崎市は0.7でございます。ほかの市、町は全て1以上、多いところは2というポイントのところもございます。このシルバー人材センター、長崎市は県内では一番人口が多いところですけれども、もちろん高齢者の人口も多いのですが、会員数とかシルバー人材センターの契約金額、全て佐世保市よりも下回っております。それだけちょっとシルバー人材センターの活用というのが長崎市においてはできていないんじゃないかなという感じがしております。この辺のところは長崎市の高齢者の有業率が低いというところ、またこのシルバー人材センターの加入率も低いということについては、市としてどのような分析をされているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 42 ◯福祉部長(尾上泰啓君) 再質問にお答えいたします。  まず、高齢者の有業率についてでございますが、平成27年の国勢調査の結果によりますと、中核市の平均が高齢者全体の12.8%の方が何らかの仕事についておられるという数字が出ておりますが、長崎市は11.4%ということで、1.4ポイントほど低いという状況になっています。この要因についてちょっと分析をしてみましたところ、やはり長崎市の高齢化が他都市に比べてより進んでいるというところに一因があるのではないかと思っております。と言いますのも、高齢者のうち65歳から74歳の前期高齢者、こういった方々が比較的体力もあって就業されているんじゃないかと思っているわけですが、そこの比率が中核市と比較をしてみますと、長崎市が低いという数字が出ております。平成27年3月の住民基本台帳の登録者数で比較をしてみますと、前期高齢者の比率が中核市では約52.2%ということで5割を超えているわけですが、長崎市の場合は47.6%ということで、5割を切るという形で4.6ポイントほど低くなっております。このことは体力的にまだ元気で仕事をしたいと思っている方が多い、前期高齢者の割合が低いということが有業者数全体を押し下げる要因になっているのではなかろうかと思っております。  それから2点目の佐世保市との比較、あるいは県内の他都市との比較でシルバー人材センターの加入率が低いのではないかというご指摘でございますが、確かに、佐世保市と長崎市のシルバー人材センターの会員数とを比較してみますと、ほぼ同数という結果が出ております。その理由、背景について直接的なものが、シルバー人材センター自体が昭和56年にできて、40年近く経過している中での長い歴史の中での結果だろうと思っておりますが、ここ数年の動きの中では、シルバー人材センターが現在、長崎市の外郭団体との経営検討委員会、あるいは長崎市の包括外部監査のほうから経営の健全化を図りなさいという答申を受けておりまして、そこに集中をして事業の内容精査をしていると、そういう中で収益性の高い業務にシフトするなど事業領域の絞り込みを行っていること、ここが会員数の増加に一定の影響があっているんじゃなかろうかと思っております。また、仕事のマッチングの部分ですね、高齢者が希望される仕事とあっせんする仕事との間で条件面のマッチングが難しく、会員になっても希望する仕事を得られないといった声もございました。そういうことから、センターは平成28年度から新規入会者を仮会員ということで、会員から除外をいたしております。現在そういった会員は160人ほどいらっしゃるということで、実際に仕事に就業した後、正会員になっていただくという仕組みになっておりますので、そういったところも会員数が少し少ない要因になっているのではなかろうかと思慮しているところでございます。  以上でございます。 43 ◯4番(林 広文君) 分析いただきましたけれども、やはりシルバー人材センターをしっかり活用するためには、市の関係団体という位置づけでありますので出資等もございませんけれども、いろんな協力はできると思いますので、そこを活用することによって加入率等もぜひ上げていただきたいと思っております。  これから、今、定年延長というのも新聞報道であっておりますけれども、やはりこの高齢者の就労というのは非常に鍵になってくると思っております。高齢者が元気で働くことというのは、実は平均寿命であったり健康寿命、また医療費の抑制につながるということがこれはデータとして出ております。社人研、国立社会保障人口問題研究所の調査によりますと、高齢者の就業率が高い地域というのは、平均寿命、健康寿命が長い傾向にあるというのが出ております。ちなみに、中核市で比較すると、長野市は高齢者の就業率が中核市の42市中第1位です。平均寿命が第1位ですね。そして一人当たりの医療費はちょっと落ちますけれども15位ということで、こういった傾向は県でも一緒でございます。長野県、山梨県、農村地帯でありますので農業に携わっている方が多いということで長く仕事に携わっている方が多いのかなというのもあるかもしれませんけれども、いずれにしてもこういった県、市というのは健康寿命が長い、そして医療費が抑制されていくという傾向がございます。長崎市も長く元気でプロジェクトということでいろんなボランティアであったりとか、さまざまな取り組みをしておりますけれども、やはりこの高齢者の就労という部分にもしっかりターゲットを見据えて、施策を展開して高齢者の皆さんが働きやすい環境というのをつくっていくことが、これが将来的な医療費抑制につながっていくと思いますので、もうこれはちょっと聞きませんけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ちなみに、長崎県の健康寿命ですけれども、47都道府県中、長崎県は第46位ですね。一人当たりの医療費、これは全国での42位ということで、非常に悪い状態です。こういったものも高齢者の就労によって私は改善できると思っておりますので、よろしくお願いいたします。  時間がありませんので、最後に水道法の改正ですけれども、水道事業の将来について関心が非常に高まっております。長崎でもありましたけれども、全国で今、管の破裂事故というのが起こっておりまして、経済関係の週刊誌ですけれども週刊ダイヤモンドの中に特集がありまして、全国の水道事業のランキングを特集されておりました。全国水道危険度ランキングというのがあります。これは、各市、町の水道事業の水道料金、経常収支比率、料金回収率、財政力指数、こういったものをランキングして、今この都市が危険だということで全て名前が載っており、健全度はワースト800まで発表されていましたけれども、長崎市はこれによりますとワースト730位でした。微妙な位置ですね。恐らく簡易水道を除けば1,300ぐらいの水道事業があるのかなと思うんですけれども、ワーストと言いながらも真ん中ぐらいじゃないかなと思うんですが、こういった週刊誌でも取り上げられたり、市民にとっても水道事業に関する関心の高まりがあります。市民に対しても将来の水道事業、長崎市の水はどうなるのかというのはわかりやすく示していってほしいと思いますが、こういった例えば財政であれば「What’s財政」とか、もしくは家計に例えて長崎市の財政状況をわかりやすく説明するなど、広報ながさき等でやっておりますけれども、市の水道事業としてこういった部分を市民にわかりやすく周知するという部分はどのようにお考えでしょうか。 44 ◯上下水道局長(武田敏明君) 再質問にお答えいたします。  今議員ご指摘のように、水道事業に対する市民の関心も高まっている中で、やはりよりわかりやすく、今の水道事業の現状についてお伝えする必要があると考えております。今回の水道法の改正案におきましても、水道事業者は、水道施設の更新に関する費用を含むその事業に係る収支の見通しを作成して、公表するように努めなければならないとされているところでございます。今後、先ほどご指摘がございました、一般会計における「What’s財政」とかああいったもの、それからほかの水道事業体のそういった公表資料、そういったものを参考にしながらよりわかりやすい情報発信ができるよう努めていきたいと考えております。  以上でございます。 45 ◯4番(林 広文君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。水道事業というのは非常に大切な事業だと思っております。水道法の改正の中でも、コンセッションという民営化というお話も入っているようでございますけれども、やはり水についてはしっかりと自治体が責任持ってやっていくという体制が必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 46 ◯議長(野口達也君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 午後0時1分=           ~~~~~~~~~~~           =再開 午後1時0分= 47 ◯副議長(筒井正興君) 休憩前に引き続き会議を開きます。5番後藤昭彦議員。       〔後藤昭彦君登壇〕 48 ◯5番(後藤昭彦君) 明政クラブの後藤昭彦です。  平成29年8月8日、私たち明政クラブの板坂博之団長がご逝去されました。私は約2年間という短い間でしたが、議会人として、また一般人としてさまざまなことを学びました。私が市役所を退職し、政治活動を始めましたが、何もかもが思いどおりにいかず、これからどうしたらいいのか途方に暮れていた時期に、板坂団長から電話をいただき、「どうね、頑張りよるね。きつかやろうけど最後まで頑張らんばよ。一緒に仕事をしようね。」との一言に、どれだけ勇気づけられたかはかり知れません。まだまだこれから板坂団長にいろいろな話を聞きたいと思っていただけに残念でなりません。  私は志半ばでご逝去された故板坂博之議員の遺志を引き継ぎ、長崎市市政の発展に向け頑張る所存でございます。衷心からではございますが、改めまして故板坂博之議員のご冥福を心よりお祈りいたします。  それでは質問通告に従い、順次質問してまいりますので、市長並びに理事者の誠実、明快な答弁を求めます。  まず、行政サテライト機能再編成の実施についてお伺いします。いよいよ行政サテライト機能再編成が10月1日より施行されます。行政サテライトの進捗状況につきましては、昨日、先輩議員、同僚議員が質問いたしましたので、その中身についてご質問いたします。  行政サテライトにつきましては、2月定例会の総務委員会において、2日間に及ぶ慎重な審議が行われました。その結果、住民、職員への周知、説明が不足しているということから、施行日を7月1日から10月1日に延長するなど、2点が修正され可決されました。また、遠隔地である野母崎、外海両地区に技術職員を配置することなど、6項目が附帯決議として付されたものです。確かに、技術職員配置につきましては、附帯決議どおり野母崎、外海地区には技術職員を配置していただいております。しかし、その実は、両地区とも予算は持たせないということです。私は、2月定例会の総務委員会の会議録を改めて読ませていただきました。また、総務委員会の委員の皆様にも附帯決議の内容についてお伺いしました。その結果、野母崎、外海地区においては、予算も技術職員も現状の体制は維持するという内容の附帯決議ということになっておりました。附帯決議におきましては、法的拘束力がないことはわかった上でお聞きいたします。市はどのような解釈をして、このような状況になったのでしょうか。仮に、予算を持たない職員を地域センターに配置しても、ただ単に現場を見て、総合事務所に報告するだけではないでしょうか。予算を持たない技術職員に所属長はどのような業務命令を出すのでしょうか。また、130万円以下の軽微な工事については、行政センター管内だけで1,114件あります。その中には、離島である高島地区、池島地区も含まれております。総合事務所の職員だけで対処できるのでしょうか。何を基本に総合事務所の技術職員数を確定したのか、その根拠をお示しください。  続きまして、地域コミュニティの意義について質問いたします。  去る4月18日、野母崎地区を皮切りに6月3日まで、17地域に市長みずからが出向き、地域コミュニティのしくみづくりについての説明会が開催されました。この説明会には、1,127名の住民の方が出席しております。その内容は、地域のさまざまな団体の連携により主体的な活動を行うことを目的とした新たな住民自治組織体として、地域コミュニティ連絡協議会を設置してほしい旨の説明でした。  市はこれまでも、地域コミュニティあり方委員会の設置、地域コミュニティ活性化事業の実施など、さまざまな施策を展開してきました。その結果、最終的にたどり着いたのが、地域コミュニティ連絡協議会の設置ではないかと思います。この事業には、地域振興基金を財源として、年間約2億円の交付金制度を設けることとお聞きしています。現在、地域によっては従来からの自治会を中心とした地域コミュニティ体制が定着している地域もあり、少子高齢化、人口減少の問題など、どうすれば元気な地区になるかを常に考え協議しています。しかし現状においては、長崎市は地域と協働しようとする姿勢は見えません。また、公共施設の利用においても、地域に寄り添う姿勢とは言いがたい事例もあるとお聞きしております。  そこで質問いたします。先般からの説明会においては、住民みんながもっと参加する、団体同士がもっとつながる、地域と市役所がもっとつながる、この3つが大事でこの3つを目指すと言っています。しかし、市が地域に寄り添う姿勢がなければ、地域コミュニティは成り立たないのではないでしょうか。市が推進する地域コミュニティとは何なのか。地域コミュニティ連絡協議会を設置することだけが、市が目的とするコミュニティの姿なのでしょうか。また、コミュニティの推進を初め、市長の考えが職員に浸透していないのではないでしょうか。市長や一部関係部署だけ一生懸命取り組むのではなく、全市的に職員の方にも周知して取り組んでいただきたいと思いますが、職員の周知等はどうしているのかをお示しください。
     次に、普通財産の活用について質問いたします。  現在、長崎市の普通財産所有面積は、山林や原野を含め856万平方メートル、そのうち宅地が126万平方メートルとなっています。市はこの普通財産について売却を基本とし、売却するものについては、宅地のうち接道しているものなど条件が整っているものから売却対象地として選定し、整理する。また、売却となるまでの間は、一時貸し付け等により収入の確保を図ることとなっていると思います。  そこで質問いたします。まず、過去3年間で結構です。売却箇所数、面積、またはどういったところを売却したかをお示しください。また現在、どれくらいの売却予定地があるのか、またその周知方法をあわせてお示しください。  最後に、野母崎地区の振興策について、軍艦島資料館の課題と今後の取り組みについて質問いたします。  軍艦島資料館は、平成15年に当時の野母崎町商工会青年部の有志の皆さんが野母崎町郷土資料館の一角に設置し運営を開始いたしました。その後、平成21年4月から端島見学施設を供用開始する際、上陸できなかった場合の代がえ施設として活用できるように展示リニューアルを行いました。  平成27年7月に世界遺産登録後、入館者数は増加していきましたが、当時の資料館の展示室は90平方メートルと非常に狭く、観光バス1台で満杯状態になっていました。また、展示室に行くには急な階段もあり、高齢者の多くは展示室まで上らないという状況でした。そのような状況の中、平成28年7月に閉鎖しておりました旧福祉保健センター1階に場所を移し、これまで無料であった入館料を有料にして、リニューアルオープンしました。資料館の入館者数は、平成26年度2万7,000人、世界遺産登録された平成27年度には5万825人と大幅に増加いたしましたが、リニューアルした平成28年度には2万5,215人となりました。  現在、野母崎地区においては、公共施設のあり方を考える市民対話が開催されています。その会の中で、軍艦島資料館の現状を見て、どうすればもっとみんなが来たくなる資料館になるのかなどを協議しました。そこにはさまざまな意見が出されました。  そこでお尋ねします。リニューアルして1年が経過した軍艦島資料館ですが、現在の課題と今後の取り組みについてお示しください。  以上、本壇からの質問とし、2の(2)(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の財源については自席より質問いたします。=(降壇)= 49 ◯副議長(筒井正興君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 50 ◯市長(田上富久君) 明政クラブ、後藤昭彦議員の質問にお答えします。  まず2点目の地域コミュニティについての(1)地域コミュニティの意義についてお答えします。  地域コミュニティのしくみづくりを推進する目的ですが、人口減少や少子化、高齢化、ひとり暮らしや高齢世帯の増加、生活スタイルや価値観の多様化などによる社会状況の変化によりまして、地域社会を取り巻く環境も変化し、さまざまな地域課題が顕在化してきています。こういった状況においても、暮らしやすいまちであり続けるためには、自治会を初めとした地域の各種団体が連携し、地域課題の解決に向けた取り組みなど、一体的な地域運営を行う新しい仕組みが必要であると考え、地域コミュニティのしくみづくりを推進しています。また、この地域コミュニティのしくみづくりとあわせまして、行政サテライト機能の再編成におきましても地域センターや総合事務所にまちづくりを支援する業務を明確に位置づけまして、これまで以上に地域に寄り添いながら協働、連携してまちづくりを進めていくこととしています。  議員ご指摘の職員への周知ですが、これまでのやり方にとらわれず、時代の変化に対応して、意識や発想、仕事の仕方を変えていくこと、市民との対話や現場へ赴くことの大切さなど、今の職員に求められていることを、機会を捉えて呼びかけているところです。  地域コミュニティのしくみづくりプロジェクトにつきましても所管課のみで進めていくものではなく、庁内の横の連携を強め、横断的に取り組んでいく必要があるものと考えています。情報共有を徹底しながら進めていきたいと考えています。  仕事を進めていく上では、地域との協働など地域起点で考えていくことがますます重要になるものと考えていますので、今後とも職員への周知、徹底を図り、市民と協働したまちづくりを推進していきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 51 ◯総務部政策監(日向淳一郎君) ご質問の1.行政サテライト機能再編成の実施についてお答えいたします。  2月市議会における総務委員会の附帯決議につきましては重く受けとめております。附帯決議の内容は、野母崎地区及び外海地区が、専門職員が集約配置される予定の総合事務所からも遠隔地となり、行政サービスの低下が懸念されることから、当分の間は技術職員を配置することとなっておりますので、検討の結果、両地区の地域センターには土木技術職員を配置することとしております。  予算につきましては、例えば南総合事務所であれば、土井首、深堀、香焼、伊王島、高島、野母崎、三和の生活道路等の予算を受け持ち、地域の実情に沿って優先順位を決めて執行していくこととしておりますが、総合事務所ごとの予算は、過去の実績を踏まえ、全体額を確保し、著しく不公平にならないようにしてまいります。また、野母崎地域センターと外海地域センターの土木技術員は、市道の破損があるなどの相談があった場合、現状を確認し、対応方法を判断し、小規模なものは業者へ参考見積りを依頼したり、設計が必要なものは速やかに総合事務所に引き継ぐなどの役割を担うとともに、施工状況の確認、大雨や台風に伴う災害状況の調査なども行います。こういった市民の皆様の相談への対応は、地域センターの業務の一つですので、地域センターの所長の命令のもと行うこととしております。  次に、総合事務所が業務に対応できる人員配置であるかというご質問についてでありますが、議員ご指摘の1,114件には市営住宅などの修繕も540件含まれております。総合事務所では、地域整備課がこの業務を行いますが、南、北の総合事務所管内で申し上げますと、現在、行政センターで行っております130万円以下の修繕に加え、土木維持課やみどりの課で行っております生活道路や地域の公園などの130万円を超える工事、さらには土井首、深堀、三重などの現在の支所管内の修繕等の業務量がふえることとなります。したがいまして、この増加分を見込んで人員を配置することとしており、具体的にはこれまで行政センターで正規と再任用職員合わせまして9人であった土木技術員を、南、北の総合事務所の地域整備課で14人、野母崎と外海の地域センターに各1人の合計16人配置するほか、市営住宅の修繕も行政センターの実績をもとに事務職員等を配置することとしており、業務に対応できる体制であると考えております。  以上でございます。 52 ◯理財部長(三井敏弘君) ご質問の3.普通財産の活用についての(1)未利用資産の活用についてお答えいたします。  市有財産のうち、今後行政で直接活用予定がない低未利用資産となっております普通財産につきましては、売却等により有効活用を図ることを基本的な考え方としております。過去3年間の普通財産の売却実績につきましては、平成28年度における土地の売却箇所数は18カ所、売却面積は1万7,800平方メートル、平成27年度における土地の売却箇所数は21カ所、売却面積は4,500平方メートル、平成26年度における土地の売却箇所数は15カ所、売却面積は950平方メートルでございます。そのうち主な売却地は、平成28年度に売却しました成人病センター跡地でございます。現在の売却予定地ですが、平成29年度におきましては21件を予定しております。  売却に当たりましては、当該地への看板の掲出、広報ながさき、長崎市や長崎県宅地建物取引業協会のホームページ、テレビ及びラジオでの広報により周知に努めているところでございます。  今後とも資産を有効活用し、収入の増加を図る観点から、積極的に売却を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 53 ◯文化観光部長(股張一男君) ご質問の4点目、野母崎地区の地域振興策についての(1)軍艦島資料館の課題と今後の取り組みについてお答えいたします。  軍艦島資料館は、平成15年に開館し、現在の長崎南商工会が運営しておりましたが、端島の世界遺産登録による利用者増等に対応することが困難であるとの申し入れがあったことから、場所を旧野母崎福祉保健センター1階に移設し、平成28年7月16日から長崎市による運営を開始しました。  現在の軍艦島資料館は、以前と比べ展示室の面積が約2倍となり、操業当時の写真や軍艦島の模型、世界遺産の紹介パネルを設けるなど、展示内容の充実を図るとともに、スロープや多目的トイレ等のバリアフリー化、受付職員の配置による案内、誘導の充実を図っております。また、機能としましても休憩スペースや野母崎地区内の観光情報の提供を行うなど、端島の価値や歴史を伝える施設としてだけではなく、地域の情報の発信の場としても活用されております。しかし、来館者の状況につきましては、端島が世界遺産に登録された平成27年度には5万825人となったものの、平成28年度は熊本地震の影響などによりまして2万5,115人と大きく減少し、平成29年度においてはさらに減少傾向にあるところでございます。  このような中、先日開催されました公共施設マネジメントの地区別計画の策定に当たり開催しております、野母崎地区の公共施設のあり方を考える市民対話におきまして、地元の皆様から軍艦島資料館の課題や改善策として、展示物及び内容の見直しや拡充、軍艦島を展望できる場所の設置、語り部の配置など、今後の魅力アップを図るための取り組みについて、多数の提案が出されました。  軍艦島資料館は、端島の世界遺産としての価値や当時の歴史を伝えるためだけの施設ではなく、野母崎地区の地域活性化に寄与するためにも重要な施設であると考えておりますので、長崎市といたしましてもさらなるPRに努めるとともに、地元の皆様から出された提案につきましても、十分に踏まえながら、今後、必要に応じて内容の充実に努めることで多くの方々に訪れていただける施設になるように取り組んでまいります。  以上でございます。 54 ◯5番(後藤昭彦君) 一通りの答弁をいただきました。再質問いたします。順不同になるとは思いますがよろしくお願いします。  まず、普通財産の活用について再質問いたします。利用されていない普通財産については、収入の確保の意味からも当然売却が基本だということは十分承知しております。そのことを承知した上でお聞きしたいことが2点ほどあります。  1点目は、普通財産だから何でも売却対象になるのかということです。例えばこういう事例があります。学校敷地内にある旧教職員住宅、これは校舎のすぐ前にあるんですけど、旧教職員住宅について本年3月に、新任の教諭が入居の打診を長崎市に行いました。ところが長崎市の答えは、「そこは売却予定地であるので貸すことはできません。」と、「貸したとしても分筆登記と売却準備をするために夏までには出て行ってもらいますよ。」という回答でした。結局この教諭は、民間の住宅を地元の人にお世話をしてもらって借りたという経緯があります。このように学校敷地内にある物件など、立地条件によっては一般競争入札にはなじまないものがあるとは思うんですが、このように学校敷地内にあるような財産についても売却対象とするのかどうかというのをお尋ねします。 55 ◯理財部長(三井敏弘君) 再質問にお答えします。  青潮学園入り口にございます旧野母教職員住宅第1号につきましては、教職員住宅としての使用及び教育財産としての活用の予定がないため、教育財産として用途が廃止され、平成28年6月17日に普通財産として財産活用課に引き継がれたものです。その後、同住宅につきましては、同学園に赴任予定の先生から入居したい旨の相談が、平成29年3月中旬にございました。普通財産であることから、長崎市で利活用の予定がないと確認できた場合は、建物の状態により建物付きまたは建物を解体し、一般競争入札に売却する普通財産の取り扱いによる対応を考えておりましたので、入居をお断りしたところでございます。しかしながら、当該地につきましては学校の入り口そばにあることなども考慮して、再度関係者等と協議等を行った上で、改めてその対応を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 56 ◯5番(後藤昭彦君) あくまでも学校敷地内にあるんですよね。ただ、そこに住んでいなかったということで普通財産に変更したということなんですけど、私の考えはあくまでもそれは行政財産、教育財産じゃないかなと思うんです。というのは、学校敷地内にあって普通財産で、じゃ一般入札をしました、誰が入るかわからないことをできるのかということなんです。それを簡単に売却予定であるためお断りをしたということで、地元の人も何でここに先生を住ませんとやろうかと、先生がここに住みたいと言っているのに、何で住ませんとやろうかということを地元の人も言っておられます。そういうことで、このような学校敷地内にあるような財産を一般競争入札することではなく、今後立地条件等を十分考慮してもらいたいと思いますがいかがですか。 57 ◯理財部長(三井敏弘君) 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、再度関係者と協議、また調整をして改めてその対応については検討していきたいと考えております。  以上でございます。 58 ◯5番(後藤昭彦君) そしたら教育長はこのような学校敷地内の物件をどう思いますか。場所はご存じだと思います。あのようなところを、学校敷地内で校舎はもう目の前にあります。そういうところを普通財産にして売却というケースがあったときどう思われますか。 59 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  教職員住宅の今後の方針といたしましては、交通網あるいは自家用車、公共交通機関を利用して通勤しているという方も多く、島地区以外を除きまして廃止する方針を立てております。これまでも、もちろん青潮学園の校門の外の入り口近くにもともとございました。この分につきましても教職員の利用がなくて、目的外でほかの方に貸した事例もございました。そういうこともありまして、今回方針にのっとりまして教育財産を廃止し、普通財産として所管がえを行っているものでございます。通勤そのものは、自家用車を使いながら、あるいは公共交通機関を使いながらの通勤は可能と考えておりますので、今後その方針でいきたいと思っているところです。 60 ◯5番(後藤昭彦君) そういうことはわかっているんですけど、そこを一般競争入札が見合うかどうかという判断はどう思われていますか。 61 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  普通財産の活用につきましては、市全体の考え方の中で整理されるものと思っております。  以上でございます。 62 ◯5番(後藤昭彦君) ここに時間を費やしてもあれなんですけど、私は先ほどから言っていますように、立地条件ですね、学校の敷地内にある、校門の前にある。国道から一回校門を入って学校に入るんですよね。入った中にある建物を一般競争入札で誰が入るかわからないような格好にしたらとてもじゃないけどいかんなと思いますので、今後そこは十分考慮してほしいと思います。  それともう1つ、これは普通財産になった学校跡地の活用についてですが、学校跡地の活用になればいろんな議員も質問されております。6月定例会で同僚議員の一般質問に、「学校跡地は市民の貴重な財産であり、その活用に当たっては、地域の皆様のご意見を参考にしながら活用方法を検討する」と答弁されております。しかしながら、実際はその学校跡地が雑草地とならないよう地元自治会の皆さんが集まって協議して、グラウンドゴルフが盛んですので、グラウンドゴルフをしたいと市に申し込んでも、予算が発生するからそれはできませんといった回答とお聞きしておりますが、その真意をお聞かせください。 63 ◯理財部長(三井敏弘君) 再質問にお答えいたします。  地域の住民の方が計画し、実行しようとして市にご相談された際に、それをお断りしたということでございます。これは地元自治会からグラウンドゴルフで利用したいため、脇岬小学校跡地の整備についてご相談があったものでございます。  同跡地につきましては、地元にも売却することをご説明し、売却するまでの間、現状貸し付けを前提として地元自治会に一時的に無償で貸し付けを行っているところでございます。このような中、ご相談がありました整備につきましては、一時的に無償で貸し付けを行っている物件において、一定の整備費用がかかるということが想定されることから、このような整備については実施できない旨、回答させていただきましたが、その際に趣旨の説明が十分に行き届かなかった点については、反省すべきであると思っております。改めてお詫び申し上げます。今後はご相談があった件も含めまして、丁寧な対応をさせていただきたいと考えております。  以上でございます。 64 ◯5番(後藤昭彦君) 野母崎地区の学校跡地については、企業誘致も厳しい、なかなか買い手が現れない。そういう状態で地元自治会においても、学校跡地をどう利用すればいいのか、どう利用して活性化するのかというのが大きな問題となっております。そのような中で、先ほど脇岬小学校跡地と言いましたのであれなんですけど、脇岬小学校跡地については校舎を解体したばかりで、まだグラウンドには石が散在していると。このままでは何の利用もできないということから、石をどけてもらって、グラウンドゴルフができる状態にしてくれと頼んだと聞いております。何もそこをまたブルドーザーとか入れて客土を入れてくださいと、そういうことは言っていないと思います。そのままグラウンドを放置しても、そのグラウンドには当然雑草が生えて、その草刈り等に毎年何十万円もかかると思います。それよりも地元に開放して、管理してもらうほうがよほどお金がかからないんじゃないかなと思いますが、目先のお金じゃなくて、先々のことを考えて話をしてもらいたいと思いますがいかがですか。 65 ◯理財部長(三井敏弘君) そこの土地、学校跡地の利用につきましては、再度また地元の皆様のお話も伺いながら丁寧な対応をさせていただきたいと考えております。  以上でございます。 66 ◯5番(後藤昭彦君) そこは丘になり、有事の際に地元はそこに避難しようという計画までしているんです。そのことも考えて行動していただきたいと。このことは次に触れますけど、コミュニティにも大変つながってくると思います。コミュニティ、コミュニティと言いながら、実際自治会、地元が話をして、協議をしてこれをやろうというときに市が協力しないということでは、片方ではコミュニティ、コミュニティと言いながら片方では協力しない。これじゃコミュニティもなっていかないんじゃないでしょうか。もっと地域に寄り添って、市民の目線となってほしいと思いますのでよろしくお願いいたします。  続きまして、地域コミュニティについてお伺いします。  市長が今、答弁されましたコミュニティという理念はよくわかりますし、大切なものだと理解しております。それに職員がどう対応するか。10月1日から行政サテライトの再編成がまわってきます。職員が今まで以上に散らばるというか、各方面に行きますので、そこをどうするのか重要かと思います。毎月、部長会議、課長会議があっていると思います。そして各所管ごとに朝礼もやっております。そこの中でこういう決まりごとというか、今、市がこういうことを推進しているということをもう一回職員の皆さんに説明というか、お願いしたいと思います。  まず、コミュニティの財源についてお聞きいたします。地域説明会の前半においては、交付金については住民一人当たり500円交付しますという説明をしております。しかし、説明会の後半になったらそれが200円とか300円とかになっており、今どうなっているのかということをお聞きしたところ、まだ検討中であるということで言っております。この確定もしていないのに、何で説明会でそういう説明をするのか私には理解ができません。そこら辺の説明をお願いします。 67 ◯企画財政部政策監(原田宏子君) 再質問にお答えいたします。  地域説明会におきましては、(仮称)地域コミュニティ連絡協議会に対する財政支援としまして、交付金の創設についてご説明いたしましたが、そのほとんどの会場におきまして交付金はどれくらいの予算規模を想定しているのかというご質問をいただいております。これに対しましては、平成29年2月議会の所管事項調査の中でもご説明させていただきましたように、予算規模として人口掛ける500円という約2億円程度の額を予定していることを回答させていただきました。また、各地域への交付額はどれくらいかとの具体的なご質問に対しましては、交付金に上限額を設けようと考えていること、そしてその具体的な制度については、今後、議会の皆様や市民の皆様のご意見を踏まえながら設計していくということをご回答させていただいております。しかしながら、今、議員がご指摘されましたように、地域の説明会の中で地域の皆様が500円を交付すると誤解を与えてしまっているところも私としましては真摯に反省しまして、今後、地域での説明会の際にはこれまで以上にしっかりとご説明させていただきたいと思っています。なお、交付金に係る約2億円程度という想定予算額でございますが、市内全ての地区でこの(仮称)地域コミュニティ連絡協議会が設立され、全ての地区で交付金の上限額まで活用された場合に必要な額となります。  説明は以上です。 68 ◯5番(後藤昭彦君) 今おっしゃいましたが、前半に説明会があった地域の人は、1住民当たり500円ということをもう思っていますよ。また、交付金がひとり歩きしているんじゃないかなと思います。交付金ありきで連絡協議会をつくるというところも出てくるんじゃないかなと懸念しております。  また、財源については、合併特例債で積み立てた地域振興基金を取り崩し、年間約2億円の20年間、財源は確保していますと。確かに積立金は41億円ですか、今あると思います。旧合併地区が持ち寄った基金30億2,000万円は今年度全額使い切るという中で、市町村建設計画の着手率は97.8%です。この未着手の事業もあるところで、この合併特例債で造成した地域振興基金の全額をこの(仮称)地域コミュニティ連絡協議会の交付金に充当するんでしょうか。 69 ◯企画財政部長(野瀬弘志君) 再質問にお答えいたします。  今、ご指摘があったとおり、市町村建設計画の着手率は100%ということではなく、現在、まだ進捗している事業がある状況でございます。そういった中で、合併7町に対する地域振興策の予算でございますが、平成29年度で見ますと、ハード、ソフト事業合わせて約76億3,300万円を計上しております。その財源のうち、先ほどご指摘のあった合併7町が持ち寄ったほうの資金、30億円のうちのことしは残額が約1億3,800万円でございますが、これを全部充当した中ではその財源内訳は約1.8%でございまして、そのほかの大部分は合併特例債、過疎債、辺地債などの有利な財源、また一般財源などにより充当している状況でございます。したがいまして、合併7町が持ち寄った基金は今年度中全てに充当が完了いたしますが、今後も市町村建設計画に掲げる施策など、推進を図るべき事業につきましては、必要な財源を確保しながら着実な推進を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 70 ◯5番(後藤昭彦君) 合併7町が持ち寄った基金約30億2,000万円、これを使い切った中で今まで合併7町が持ち寄った基金を財源としていた各行政センター管内で実施されているイベントですね、野母崎地区で言えば各地区の運動会とか文化発表会、水仙まつり、このようなイベントの助成は来年から、じゃ、どうなるのか。この連絡協議会の財源となっている地域振興基金はこれには充当できないのか、これが心配なんですよ。そこら辺いかがですか。 71 ◯企画財政部長(野瀬弘志君) 再質問にお答えいたします。  合併地区の祭りあるいは文化活動につきましては、合併地区における地域コミュニティの支援あるいは地域活性化に資する事業として、合併7町が持ち寄った基金を財源に進めてまいりました。先ほど申し上げましたように、今年度中に全て充当が完了する見込みでございます。一方、全市的な地域コミュニティに係る交付金の制度を今現在構築を進めておりますが、この目的はコミュニティの支援、あるいは地域の活性化という目的が重複しているということもございますので、その整合を図る必要がございます。十分にその点で検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 72 ◯5番(後藤昭彦君) すみません、ちょっと話を前に戻していただきます。1住民当たり500円とか300円とか200円とかいう話があっておりますが、現在いくらと考えているんですか。 73 ◯企画財政部政策監(原田宏子君) 再質問にお答えいたします。  現在、制度を設計しておりまして、今回の所管事項調査のほうに諮らせていただこうと思っているんですけれども、上限額を設けた上で均等割というのを設けて、あと一人頭400円、それで上限額にしようと今のところ案として持っております。  以上です。 74 ◯5番(後藤昭彦君) 予算が通らない時点で住民の方に説明するのが間違いだと思うんです。決まってないものを説明して、また200円とか300円とか。じゃ今度均等割をして400円とか。どれが本当なのかよくわかりませんけど。そこはしっかり計画をして説明をしていただきたいと思います。  それで企画財政部長にお伺いしますけど、合併地区だけで平成29年度予算ベースで、ハード、ソフト合わせて約76億3,300万円が計上されています。これまでは、地域振興基金もその財源になり、大部分は合併特例債、過疎債、辺地債などの有利な財源と一般財源を充当しているということですね。しかし平成28年度決算においては、経常収支比率が4ポイントも下がっているんですよ。今までより歳出の縛りがきつくなっている中で、この地域振興基金の使途も十分考えなければいけないんじゃないでしょうか。いかがですか。 75 ◯企画財政部長(野瀬弘志君) 再質問にお答えいたします。  地域振興基金、合併特例債を毎年一定額積み立てて、市町村建設計画の中に位置する全市的な長崎市の今後の推進のために費用は使うということになっております。その中で、市町村建設計画の中でも基本目標の中に、地域の支援という非常に大きな位置づけがなされております。その基本目標に従いまして、この地域の支援というものに合併特例債で造成した基金については基本に検討を進めていきたいと考えております。また、先ほど経常収支比率が平成28年度、非常に悪化をしたというご指摘がございました。これにつきましては、分母と分子の中での歳入面が非常に平成28年度は厳しかったということでございます。このことにつきましては、歳入面、さまざまな取り組みの中で交付税をしっかり基準財政需要額の中に算入をしていただく、あるいは自主財源をふやす、また分子のほうになる公債費、これが後年度の負担も考えながら有利な財源をしっかり獲得しながら、さまざまな投資事業を進めていくということで、知恵を絞りながら健全財政の中で運営を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 76 ◯5番(後藤昭彦君) 理想論というか、もうそれはわかっているんですよ。実際、今だいぶ経常収支比率、要は中核市の平均が大体2.6ぐらいですか。2.6ポイントくらい下がったということなんですけど、長崎市は4ポイント下がったと。これはどうしてかというと、それは思ったより税収がなかったということなんでしょう。だからそこら辺をもうちょっと十分考えて、よそも下がっているからうちも下がっているじゃなくて、うちはさらに下がっているという認識を持って、取り組んでいただきたいと思いますし、この地域振興基金の使途についても、合併地区が持ち寄った基金がもうなくなった時点で、じゃそれをどうするかというような全体的なことをもうちょっと考えながら、ただ連絡協議会に交付金を出すなということではないんです。出してほしいんですけど、財源をもっと十分考えた上でやってもらいたいと思いますのでよろしくお願いします。  次に、行政サテライトのことについてお聞きします。  答弁では、「附帯決議につきましては重く受けとめています」というご回答をいただきましたが、非常に軽く見られているんじゃないかなと逆に思います。遠隔地である野母崎、外海地区に技術員を配置するということは、業務を円滑に進めるということじゃないんですか。予算を持たさんと円滑には、スムーズには業務は進まないと思います。今、答弁にあったように、いろいろこういうことをしてもらいますということでおっしゃいましたが、それは一般の事務員でもできる業務なんですよ。特別、技術員をそこに張りつけてこの業務をしてもらうのは非常にもったいない。そう思いませんか。ただ市道の破損の相談があった場合には現状を確認し、対応方法を判断し、小規模なものについては業者への参考見積りを依頼すると。これは技術職員でなくてもできるはずです。仮に、野母崎、外海以外の地域センターの職員にはそれをさせるんでしょう。どうなんですか。 77 ◯総務部政策監(日向淳一郎君) 再質問にお答えいたします。  ほかの地域センターにおいても、いろいろ住民から要望がありまして、それから内容に沿って緊急性があるものについては調査を行い、総合事務所につなぐと、そういう考えで進めていくことを考えております。  以上でございます。 78 ◯5番(後藤昭彦君) それは技術職員じゃなくてもできるんですよ。2月の総務委員会でもこのことについては十分議論をされたと思います。そこを野母崎と外海には現状のままでやってくれという附帯決議までつけてやったにもかかわらず、うわべは附帯決議どおりですよ。職員を配置しますと。でも中身が全然伴ってないじゃないですか。そういうことをするんだったら、例えばその野母崎、外海の技術職員は地域センターと総合事務所の兼務職員にするか、それとも総合事務所に籍を置かせ、地域センターに配置するほうがよっぽど効率的じゃないかなと思うんですけどいかがですか。 79 ◯総務部政策監(日向淳一郎君) 再質問にお答えいたします。  先ほど申しましたように、地域の道路、公園、その他の土木の業務については、総合事務所に専門職員のチームをつくって対応することとしております。生活道路を改修する必要があるなど、地域からの相談があれば原則総合事務所のほうから職員が出向いて行くということで、先ほど答弁しましたように、2月議会での附帯決議を受けまして野母崎、外海に技術職員を配置することということで、そういったことから迅速な対応ができると考えております。そういったことで野母崎、外海に技術職員を配置するようにしておりますが、再編成後にもいろいろな検証が必要になってくると考えておりますので、その中で技術職員を地域センターのほうに置いたほうがいいのか、あるいは総合事務所から出向くような形にしたほうがいいのか、あるいは今おっしゃるように兼務をさせたほうがいいのかということについては実施をしながら十分検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 80 ◯5番(後藤昭彦君) とにかく予算がなければ何もできないんですよ。現場を見て、報告するだけしかできないんですよ。予算があればそこで発注してすぐにできるじゃないですか。簡単な工事で言えば一日二日でですね。予算がなければ、また総合事務所に行って、総合事務所から見てやらんばいけんとでしょう。そうなったときには、また何日かかかる。総合事務所も先ほど言いました130万円以下の工事だけで1,114件あるんですよ。おまけに答弁にあったように市営住宅、これが五百何十件。この市営住宅の工事というのは、恐らく何千円からの工事だと思います。何千円の工事も百万円の工事も手続は一緒ですので、そこら辺をやはりもうちょっと考えていただきたいなと。まだ今まだ始まっておりませんのでどうなのかというのはわかりませんけど、これはぜひ予算をやるか、それとも技術職員を先ほど言いましたように兼務にするか、総合事務所の籍にして、地域センターに配置するか、それを考えていただきたいと思います。  総合事務所のことがいろいろあって時間が余りないんですけど、これはきのう先輩議員である佐藤議員からぜひこれはもう一回聞いてくれということで言われましたので、きのう佐藤議員が質問いたしました6月の所管事項の説明です。その資料には確かに中央総合事務所には総務課はなかったんです。私はお借りしてその所管事項の資料を見せていただきました。それがほんの二、三カ月たって新しい資料には総務課があると。いつそうなったのか。所管事項ではそういう説明をした上で、ふたを開けてみたらそういうことになっていた。これは議会軽視じゃないですか。いかがですか。 81 ◯総務部長(橋田慶信君) 再質問にお答えいたします。  ご指摘のとおり、6月議会の所管事項の説明では中央総合事務所、本課の体制としては地域福祉課とそれから生活福祉1・2課、地域整備1・2課という体制でご説明をしておりました。その後、業務を細かく詰めていく中で、例えば地域のコミュニティに関する施設、ふれあいセンター等なんですが、これについては総合事務所で所管するのがより今回の再編成の意味合いからしてもふさわしいであろうというようなことでありますとか、すこやか支援課の業務の契約の部分を一括して行うというような整理を行いました。そういう関係で、もともと地域福祉課で6月の時点で想定していた職員の数というのは43人程度を想定しておりました。それがそういった業務をしっかり精査する中で、52人ぐらい今回必要だということになりましたので、そうなると管理スパン等も考えてもう一つ課が必要だろうということで、今回、総務課と地域福祉課を分けるということで検討をしているものでございます。  以上でございます。 82 ◯5番(後藤昭彦君) しかし、6月の時点ではそういうことじゃなかったんですよね。6月の時点では所管事項で説明したような体制ということで、私は総務委員会ではありませんのでわかりませんが、十分検討した中でこの配置になったという説明をした中で、この二、三カ月の間でそういうことで変更をしているということになっていると。いいほうに変わればいいと思います。しかし、これはあくまでも議会に所管事項として説明した中でこういう変更であったら、議会にも十分説明はするべきではないかと思います。
     行政サテライトについてはいっぱい聞くことがあったんですけど、時間が余りありませんので、災害時の防災対策についてお聞きします。  行政センターから地域センターに変更することに伴い、職員が半減するということになると思います。地域センターには当然、災害規模に応じてA配備、B配備という配置をすると思いますが、人間が少なくなる中で今までのように配置ができるのか、それと避難所要員がどうなのか、ちょっと説明をお願いします。 83 ◯危機管理監(里 則義君) 再質問にお答えいたします。  大雨や台風、土砂災害等の災害対応につきましては、現在でも本庁を中心に各支所や行政センターにも人員を配置しております。行政サテライト機能再編成後の支所、行政センターにつきましては、地域の皆様の相談窓口業務を行う地域センターへと移行し支所並みとなりますので、防災体制につきましても支所と同じ配置計画となります。しかしながら、市内4つの地域に新たに総合事務所を設置し、土木及び福祉関係の専門職員を重点的に配置しますことから、災害対応につきましては、地域センターと総合事務所が連携しながら、柔軟かつ総合的な対応が図られるものと考えております。  それと避難所が開設された場合の防災体制についてでございますけれども、避難所要員の選任に当たりましては、現場対応に必要な職員は原則として除外することとし、災害対応への影響を及ぼさないよう配慮し、さらに避難所要員についても近隣居住の避難所要員でカバーし合う体制を組むといった対応をしておりますことから、防災体制と避難所運営の体制は両立できるものと考えております。  以上でございます。 84 ◯5番(後藤昭彦君) やはり有事の際は職員の方も頼りにしてきますのでよろしくお願いします。  もう時間がありません。あと税の申告とかも聞きたかったんです。各行政センターは税の申告時期には申告業務を行っております。野母崎地区においては、何カ所かを回って職員がやっております。これは今後どうなるのかということをお聞きしたかったんですけど、2月の総務委員会においては、本庁職員を地域センターに派遣すると、それで対応するということで言っておりますが、どうしてもこれは本庁も忙しい時期なんです。それが本当にできるのかというのが疑問にあります。それと、私、先般から行政センターとかを回らせてもらいました。職員の方が心配しているのは内示です。内示をいつするのか、私はこの行政サテライトをするというときに、準備室か何かつくるのかなと思っておりましたが、それもない。内示は通常1週間前ですが、いつ内示をするのか。1週間前にすれば住民大移動みたいにわっと行ってから、わけのわからんことになるのではと思っておりましたが、内示も十分考慮して、私たちが言うことではないかもしれませんけど、できれば職員の皆さんのために内示も早くしていただいて、スムーズに移動ができるようにお願いしたいと思います。これは要望にかえます。  時間がありませんので、軍艦島資料館なんですけど、先般から軍艦島資料館のあり方について、市民対話で話し合いをしました。さまざまなご意見が出ました。展示の内容についても出ました。そこら辺は地域の声を十分聞いていただいて、より一層いい資料館にしてもらいたいと、また、今後、田の子の再開発に向けた話し合いも再開すると聞いておりますので、そこら辺も十分に加味しながら計画をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。 85 ◯副議長(筒井正興君) 次は、15番中西敦信議員。       〔中西敦信君登壇〕 86 ◯15番(中西敦信君) 日本共産党の中西敦信です。通告に基づき質問しますので、市長並びに担当理事者の誠意ある答弁を求めます。  第1に、子育て支援センターの設置についてです。  子育て支援センターは、現在10カ所に設置され、市の事業計画ではあと6カ所整備する予定ですが、予定どおりに進んでいません。その理由は、設置に当たっての整備方針が、市が保有する既存施設を活用するか、設置に適当な民間施設を活用することとされ、条件が非常に狭められているからではないでしょうか。先日、東長崎支所に最近設置された子育て支援センターに行ってきましたが、スタッフの方が、センターではお子さんとお父さん、お母さんがおもちゃで遊んだり、親同士でおしゃべりしたり、ゆっくり過ごせるのが大きな魅力、看護師、助産師、保育士の資格を持つそれぞれのスタッフが相談に対応している、日見トンネルの向こうからの利用者もいると言われていました。訪問したときも、午前の早い時間から子どもと保護者の利用があり、にぎわいつつもゆっくりとのんびり過ごす様子が見てとれました。施設の面では、10メートル四方の遊びの空間があり、隅には相談スペース、授乳室、子ども用トイレ、普通トイレがゆとりを持って設置されていました。既存の市有施設や適当な民間施設を活用して設置するという市の整備方針では、東長崎のような子育て支援の地域拠点としてしっかり整備していくことは困難だと考えます。市の責任で計画に沿った設置を実現するには、今の整備方針を見直すことが必要ではないかと思いますが、答弁を求めます。あわせて、利用者の見込みが多い地区の一つである岩屋・滑石・横尾地区への設置に向けては、これまでどのように取り組んできたのかをお示しください。  次に、小島養生所跡と関連遺構の保存について質問します。  小島養生所は、日本の近代医学発祥の地としてその歴史的意義は大きく、またオランダとの国際プロジェクトでつくられた日本初の124床からなる近代西洋病院という点で、日蘭交流の歴史の上でも養生所は、出島と同等の価値があると言われています。8月31日、地域で開かれた集会で、ハルメン・ボイケルス長崎大学教授が、「日本近代化のいしずえ、近代医学・自然科学の導入の扉を開いた養生所」と題して講演し、養生所の歴史とその文化的価値について改めて認識を深めた参加者から多くの意見が出されていました。佐古の遺構は、日本にとって宝ではないかと気づいた。江戸末期の坂本龍馬や勝海舟が活躍していた時代にオランダとのかかわりのもと、佐古の地につくられた医学研究所。文化的科学的技術を普及するために使われた大切な遺跡ではないか。養生所がいかに大切なものだったか。オランダで最も先進的なものを長崎につくった。長崎市民のため、学問を通して非常に貢献していただいた。これを壊していいものかどうか考えてほしい。今後のオランダと日本の友好関係にも響いてくるのではないかなどの声です。市長と教育長はこの声を真摯に受けとめるべきではありませんか。長崎市がつくった歴史文化基本構想でも、関連文化財群の一つである近代化の黎明の項の中で、主要な歴史文化遺産として位置づけられています。そうであるならば、養生所を単独で捉えるのではなく、養生所、精得館、分析究理所へと施設の展開と対象敷地全体を日本初の体系的な近代医学教育が行われ、日本の医療・衛生行政の確立につながっていった遺跡群として捉え、遺構全体の保存と活用を図る必要があるのではないでしょうか。  市は、本年6月5日に長崎養生所跡として市の史跡に指定しましたが、その範囲は小島養生所群のごく一部にすぎません。基本構想の関連文化財群の保存活用方針では、長崎市の歴史文化を物語る関連文化財群のストーリーをより充実したものとするために、さらなる調査、研究を推進すると明記されており、長崎市がみずからつくった基本構想にのっとり文化財の保護を行うべきです。そこで仁田佐古小学校の新校舎建設が進められようとしてはいますが、養生所遺跡群の全体を対象にした遺跡調査を行い、その中で出土する価値ある遺跡を対象に国の史跡指定を目指しながら、小島養生所の文化財としての価値にふさわしい形で保存と活用を図る考えはないかお尋ねいたします。  最後に、交流拠点施設整備についてお尋ねします。  事業費147億円もかけて大きな施設を整備するよりも、そのお金を市民の暮らしを支えることに向けるべきです。今計画しているMICE整備は撤回し、本市が有している多様な資源を活用したり、人の育成などソフト面を充実させるなど、まちの総合力を高め、長崎の規模に合ったMICEを進めるべきではないかと思いますが、答弁を求めます。  なお、通告しておりました国民健康保険事業については、自席からの質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。=(降壇)= 87 ◯副議長(筒井正興君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 88 ◯市長(田上富久君) 日本共産党、中西敦信議員の質問にお答えします。  まず4点目の交流拠点施設整備についてお答えします。  少子高齢化の進展により経済の縮小が懸念される中、長崎市においては、歴史、文化、食、平和、医学、市民性などの地域資源を最大限に生かし、交流人口をさらに拡大していくことが求められています。その中で、MICEの推進は観光客だけでなく新たなビジネス客や研究者、大会参加者の来訪により、まち全体の活性化が期待されることから、長崎市にとって重要な取り組みであると考えています。しかしながら、MICEの推進に必要不可欠な受け入れ施設については、現在、国内外から多くの人を呼び込むために必要な複数の会議室や展示機能などがなく、MICEを開催するための機能として十分でないことから、複数の施設等での分散開催とならざるを得ず、主催者の経費増加や参加者に会場間の移動を強いることとなるため、長崎市の都市の魅力が評価されながらも多くの主催者の開催地の検討対象から外れているという大きな問題があります。そこで、長崎駅西側に隣接する立地のよさを最大限に生かし、3,000平米程度のコンベンションホール、4,000平米程度のイベント・展示ホール、20室程度の会議室などを備え、国内外から多くの人々を呼び込むとともに、市民交流を促進するMICE施設を中核とし、都市ブランドの向上を図るホテルや地域のにぎわいと活力を生み出す民間収益施設を複合した交流拠点施設について事業者の具体的な提案を受けるための公募を実施し、検討を進めているところです。  交流拠点施設は、長崎の経済を活性化させ、市民の皆様の生活を支えていくことにつながる未来への投資であり、長崎市に標準装備すべき施設であると考えています。また、交流拠点施設の整備とあわせて、地域での経済波及効果を大きくするためには、国内外からの来訪者に対して長崎市内でより多くの消費を促すための地域一体となった取り組みが必要不可欠です。具体的には、小規模な会議やアフターコンベンションなどを長崎が持つ地域資源を生かした観光施設などで開催したり、宿泊をまち全体で受け入れることで来訪者がまちなかを回遊し、長崎の魅力を味わいながら多くの消費をもたらすことにつながります。あわせて、通訳やガイドなどの人材を育成することでより長崎らしいおもてなしによる受け入れが可能となり、満足度を高めることにつながると考えています。  今後とも、交流拠点施設の整備検討を進めながら長崎が持つ資源や魅力を最大限に活用し、長崎らしいMICEの推進に取り組んでいきたいと考えています。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 89 ◯こども部長(中路崇弘君) ご質問の1点目、子育て支援センターの設置についてお答えします。  子育て支援センターの設置につきましては、平成27年3月に策定した長崎市子ども・子育て支援事業計画に基づき平成31年度までに市内16の区域に設置することを目標に掲げておりますが、現在、7区域が未設置となっている状況にあります。子育て支援センターは、子育て中の親子が集まりやすい、利便性の高い身近な場所で、おおむね10組の親子が一度に利用できる100平方メートル程度の広さを確保する必要があると考えており、これらの条件に該当する適当な施設がないか、市の既存施設や民間施設の活用について調査を進めてきたところでございます。  議員ご指摘のとおり、子育て支援センターの設置については、計画どおりに進んでいない状況にありますので、早期に未設置区域を解消できるよう今後さらにスピードを上げて重点的に取り組んでまいりたいと考えております。設置の進め方につきましては、今後も厳しい財政状況が続くことが予想され、限られた財源の中で、将来にわたって安定した市民サービスを提供し続ける必要があるため、今ある施設を必要に応じて改修しながら、最小の経費で有効活用を図っていくことを基本とすべきであると考えております。また、平成28年度からは市の既存施設に加え、民間施設の活用も視野に入れて調査を進めておりますので、引き続きこの整備方針のもと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、岩屋・滑石・横尾地区における子育て支援センターの設置に向けた取り組み状況についてお答えいたします。  まず、市の既存施設において子育て支援センターへの活用が可能な施設がないか調査を行ってまいりましたが、活用できる適当な施設が見つからなかったことから、民間施設の調査を行っております。民間施設の調査におきましては、子育て支援センターとして場所や広さが適当でなかったり、場所や広さが適当であっても施設が古くバリアフリーに対応していなかったりする状況でございました。また、このほかにも賃料が高額であったり、入居条件がついていたりするなどのさまざまな理由から現時点において適当な施設が見つかっていない状況にあります。既存施設につきましては、日々状況が変化しておりますので、今後も市の既存施設の活用の見通しや民間の不動産情報の積極的な把握などに努めながら、さらに精力的に調査を進め早急に子育て支援センターの未設置区域への設置ができるよう着実に取り組んでまいります。  以上でございます。 90 ◯文化観光部長(股張一男君) ご質問の3点目、小島養生所跡と関連遺構の保存についてお答えいたします。  小島養生所跡は、幕末における近代化の先進地として重要な役割を果たした長崎の歴史資産の一つであり、平成27年3月に策定いたしました長崎市歴史文化基本構想におきましても、近代化の黎明に関する主要な歴史文化遺産として位置づけられています。旧佐古小学校の体育館敷地におきましては、佐古小学校及び仁田小学校の統廃合に伴う新校舎建設に先立ち、平成27年度及び平成28年度にそれぞれ発掘調査を実施して、遺構等の保存状況を確認してきたところであり、その価値につきましては、文化庁及び県の所管課と協議した上で、市の指定文化財を目指すことといたしました。その後、さらに調査を進め、ことし4月に開催された長崎市文化財審議会における審議を経て、日本最初の近代洋式病院及びその関連施設として幕末に設置された小島養生所、医学所及び分析究理所を含む精得館までを対象と見る中で、6月5日付、長崎(小島)養生所跡として市の史跡に指定しております。当初、小島養生所を除く施設の遺構は確認されておりませんでしたが、分析究理所があった敷地におきましては、ことし5月、旧校舎の解体に伴う掘削に際して学芸員による立ち会いを行ったところ、建物周囲の石垣の基礎部分が一部発見されましたので、これらが示す敷地で遺構が残る範囲を史跡に加えることについて、6月に開催された文化財審議会にお諮りし、答申を得たところです。  文化財審議会では、拡大範囲の正確な位置及び面積は、今後、試掘調査の結果をもって決定すること、また、新校舎の建設に支障となる部分は基本的に記録保存とし、工事を計画どおり進めることについて了承を得ており、現在、そのための調査を進めています。そのような中、分析究理所に係る新たな遺構も確認しており、また、試掘調査は、長崎医学校時代の寄宿舎や校務所等も対象に加え実施する予定でありますので、これらの結果につきましては、逐次、文化財審議会に報告し、ご意見を伺ってまいります。これまでの調査・検討の経過から、残存する遺構について国の史跡指定等を受けることは困難であると判断しておりますが、市の史跡として適切な方法により保存・継承を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 91 ◯15番(中西敦信君) 一通りの答弁、ありがとうございました。どれもなかなか納得のいく答弁はありませんでしたが、まずこの小島養生所の保存と活用について、再質問していきたいと思います。  質問の中で特に私が言いたかったのは、せっかく市が自分でつくったこの歴史文化基本構想に小島養生所跡ということで、歴史文化遺産として位置づけているわけですから、きちんと調査して保存と活用の計画をつくっていく必要があったのではないかということです。仁田佐古小の統廃合が協議されているのと同時並行で、そのことを議論していけば、今の意思決定とは異なる結論になり得たのではないかと思います。文化財保護行政という立場から、仁田と佐古のどちらに新校舎をつくるか話し合っているその中で、この佐古小の跡に貴重な文化財が残っている可能性があるから、把握するためのそういう文化財調査をしたいと、教育委員会と文化観光部は提起することだってできたはずです。なぜなら、さっき答弁で文化観光部長が言われた歴史文化基本構想というのは、文化財行政に生かすために市長みずからがそういう策定を呼びかけてつくったから生かすべきだったと思います。そもそもこの小島養生所というものは、ごく簡単な紹介になりますけど、江戸末期に江戸幕府が開国に備えて、オランダに助けを求めて、船を操る人を育成する場所、その人たちが乗る船をつくるところ、それぞれ海軍伝習所、長崎製鉄所がつくられ、その指導にオランダなど海外から多くの人が来る、そうなれば日本にない病気も入ってくる。だからそれを長崎で抑える施設が必要だということでつくられたと思います。ポンペやボードインといったオランダ軍医師の教えを受けようと、日本中から長崎に医学を学びに来て、小島養生所と関連施設ができて、それが活躍した時代というのは決して長くはないですが、コレラといった猛威から長崎の多くの人々の命を救った日本初の124床からなる近代洋式病院で、日本に近代医学が伝わり、長崎から全国に広がっていったまさに発祥の地です。そこで学んだ人たちが明治の医療行政や衛生行政をつくっていったように、臨床教育と医学教育が結びついたもので日本中探してもここにしかないという貴重な歴史文化遺産だと思います。その片方の産業遺産のほうは世界遺産になっていますが、小島養生所の関連するところはその後、明治と昭和の時代に学校が建てられたために、遺構の残り具合が違うということで、市の史跡がせいぜいだというような答弁でしたが、もっとこの価値ある文化財を大事にするという立場に立って、その上に小学校をつくることについて、十分な検討が求められたのではないかと思います。このことについて、教育委員会としても十分な検討をしたんだというお考えなのかどうかお尋ねしたいと思います。 92 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  旧佐古小学校及び旧仁田小学校の統合につきましては、これまでもご説明したとおり、平成22年度から地元の皆様と協議を重ねております。その中で、平成28年4月に新設統合いたしました。その新校舎の位置につきましては、旧佐古小学校の校歌に、「医学部ありしゆかりの地」とうたわれていること、また地元協議の中でも旧佐古小学校は、医療活動の前身に活動を行ってきた場所でもあり、そこに学校を建てることで子どもたちの向学意欲を高めることができるとのご意見をいただくとともに、どちらの敷地に学校を建てるかにつきましては、3つの敷地に分割されている旧仁田小学校よりも敷地がまとまっている旧佐古小学校跡地のほうが円滑な学校運営ができるとして、適地を旧佐古小学校と決めたところでございます。旧佐古小学校が小島養生所跡であったという歴史的事実は認識しておりましたけれども、明治39年から旧佐古小学校の校舎が建っていたこともあり、残存状況は校舎解体後、発掘調査により確認しているところでございます。今確認されている遺構につきましては、確かにそこにあったということで、歴史的な意義は大変大きいと思っております。そういう意味では、発掘されたことによって、改めてそこの小島養生所から近代医学の発祥であった場所であるということをもっとわかりやすく具体的な表示ができるものと思っております。しかしながら残存している物その物は破壊されたものが多く、それをどう価値を見て判断するかは専門家であります審議会のほうにお願いしまして、逐次、その文化財の保護に努めながら建設を並行してさせていただいているところでございます。  以上でございます。 93 ◯15番(中西敦信君) るる言われましたが、私も協議会の議事録を見ましたけど、むしろ教育委員会のほうが佐古小跡に学校をつくりたいということで議論を引っ張っていっていましたし、今、文化財審議会に出土している遺跡については価値を聞きながらと言ったけれども、学校を上に建てるということを前提にして文化財審議会に諮っていますから、純粋にこの歴史的な文化財的な価値を聞くという形には全然なっていない、そこが大きな問題かなと思います。学校を史跡の上につくるというのは開発行為ですから、埋蔵文化財が破壊されることは当然想定されるわけで、教育委員会のこの史跡に対する認識が欠けていたせいで、佐古小に新校舎をとなったのは明らかです。これだけ貴重な歴史的背景があると、市も歴史文化遺産と位置づけているように、掘ってみないと何が出てくるかわからないというような埋蔵文化財じゃないという認識があれば、学校建設の中で遺跡が出てきてもそれはせいぜい記録保存すればいいんだというようなことには絶対にならないと思います。今、つくられようとしている体育館建設で史跡が傷まないのかという心配もありますし、さっき答弁にあった分析究理所跡の石垣や排水溝の跡の瓦とか、土台の基礎に置かれた捨て石というものが校舎の建設で記録保存となれば、文化財としての価値が大きく損なわれることは明らかです。やはりこの文化財に対する教育委員会の認識や姿勢が弱かったと言わざるを得ないと思うんですけれども、その認識はありますか。 94 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  先ほども申し上げましたとおり、旧佐古小学校が小島養生所跡であったという歴史的事実につきましては十分認識しておりました。また、先ほども言いましたように、明治39年からそこには校舎が建っております。そういう中で、どういうものが残されているのかというものにつきましては解体し、発掘をしないとわからない状況でございました。そういう中におきまして今出てきた旧体育館跡につきましてはしっかりと、遺構については小島養生所の図面とよく合っているということもありまして、玉砂利の状況も出てきております。そういうことにつきましては、文化財審議会の皆様のご意見を参考とさせていただきながら、一部は展示して歴史的な役割を十分皆様にお知らせすること、それが子どもたちの自信にも自慢にもなりますでしょうし、観光客の皆様にも十分耐え得るようなそういう展示をし、ここがいかにすごい場所であったかというのは十分わかるように、なかなか物を見ただけではわかりませんので、その歴史的な価値であるとか出来事であるとか、そういうものも含めながら、これは長崎大学医学部のほうとも協議をさせていただきながら展示室をつくる予定にしております。そういう中で、展示できる物は展示し、展示しない物については記録保存ではなくて、埋め戻し保存という形で傷つけないような形で体育館を建てていくという設計をさせていただいているところでございます。また、校舎側につきましては、分析究理所のほうについては今回、遺構がまた出てきておりますので、逐次、文化財審議会の委員の皆様のご意見を伺いながらその対応につきましては、検討していきたいと考えているところでございます。  こちらといたしましても、十分に文化財の保護につきましては、精いっぱいさせていただきたいと思っております。 95 ◯15番(中西敦信君) 教育長は文化財、小島養生所に対する認識はしていたと言うけれども、していたんだったら、統廃合協議会の中で医療活動の前身の活動を行ってきた場所だから、そこで学校を建てたら子どもたちの向学意欲が高まるという意見が出てきたときに、もし本当に遺跡があればそれは大変なことだから、文化財保護を進めるということもあり得るから佐古小の上に学校は建てられないということにもなるかもしれないと言うべきだったと思います。そう考えれば、本当に認識は欠落していたと評価せざるを得ないなと思うわけですけれども、私も先日、さっき文化観光部長が言われた佐古小の発掘調査のところに行ってきました。分析究理所跡の排水溝と基礎の土台となった捨て石を見せてもらいました。捨て石と言っても余り見なれた形ではない、丸みを帯びた勾玉みたいな形をしていて、周りはグラウンドしかないわけですから、丘の上から唐人屋敷跡とか長崎の港、海を見わたしながら、ここで医学や自然科学が全国に伝わっていったんだと、当時の長崎の市民の命を守る医療活動が行われていたと思うと、大切にしないといけない貴重な場所だと思いました。ここに新しい小学校ができて、ぴかぴかの体育館の中にそういう展示室とわかるような資料室をつくっても、この文化財的な価値は十分には伝わらないんじゃないかなと思います。だからこそ歴史文化基本構想でも周辺環境も含めて保存しないといけないと市長みずからが挨拶で言われているとおりだと思うんですけれども、教育長は当然、この発掘現場に行かれたと思いますが、私が見たみたいに文化財を見れば人を感動させる力があると思うんですけれども、小学校をこの上に建てていいんだろうかと、本当にそういう判断でよかったのかと思われなかったのか、質問したいと思います。 96 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  繰り返しになるかと思いますけれども、出てきた遺構につきましては、現にそこにあったということがわかるということで本当に貴重なものであろうと思っております。そういう意味では、過去からの歴史、そういうものの継承に十分ここは生かしていきたいし、またそれは3Dも使いながらイメージできるようなさまざまな手法があると思いますので、そこにつきましては、長崎大学のほうと協議をさせていただきながら、いかに偉大さがわかりやすい展示になるかは今後検討していきたいと思っておりますが、物そのものの価値につきましては、専門家であります文化財審議会の皆様のご意見を参考とさせていただきながら、今後は努めていきたいと思っております。 97 ◯15番(中西敦信君) 教育長は現場に行っても3Dとかで再現すればいいなんて思うぐらい、文化財の保護に対する認識がないんだと改めて確認できたなと思いました。そういうことなので、そもそも文化財保護の行政というのは何なのかということを聞いていきたいと思うんですけれども、文化財保護に関する権限は教育委員会が持っていて、市長に権限を移すことはできないとされています。それは、文化財保護行政上そうすることが求められているからだと思いますけど、教育委員会が文化財保護の権限を持ち、市長部局に移すことができないのはどうしてだとお考えでしょうか。 98 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  文化のことにつきましては、教育委員会の責務になっております。その中で、長崎市の教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例に基づきまして、文化財の保護に関する事務を除きまして市長部局において現在、業務を行っております。このようなことから、文化観光部が行っています文化財の保護に関する事務は、地方自治法第180条の7の規定に基づきまして、補助執行の制度により行っているところでございます。文化財の保護に関する事務を教育委員会で行っているという、そうしないといけないという理由につきましては、文献でもございますように、文化財保護行政は一定の方針のもとに一貫して運用されねばならない、また、時々の政治的な圧力、特定の宗派の介入によって保護の方針が曲げられないよう政治的、宗教的中立が求められている、また、文化財の理解を深め、尊重する態度を育むためには、学校教育は社会教育と一体となって文化財保護の普及啓発に取り組む必要がある、また、首長部局の行う開発行為との均衡を図る観点から、独立した合議制の機関がその事務を担当することが適当であり、首長部局が開発行為を円滑に推進する上でも適正に審査をしておく意義があるということになっております。長崎市といたしましても、文化財の指定など重要な意思決定につきましては、文化財審議会の答申を尊重しながら、教育長と5人の教育委員で構成されております教育委員会で審議し、決定しているところでございます。  以上でございます。 99 ◯15番(中西敦信君) ありがとうございます。ここに文化庁の文化審議会文化財分科会の報告書、平成25年12月に出されたものがあるんですけど、その中で文化財保護行政にいつの時代も変わらず求められるものということで、今教育長が言われた3点、政治的中立性、継続性・安定性の確保、開発行為との均衡とか、あと2点目で言われた学校教育や社会教育と一体になった取り組みということがありますが、実はもう1つ、この中には書かれています。それは専門的・技術的判断の確保ということがまず第一に書かれていて、教育長が言われなかったからこの報告書をちょっと読みますけど、どうして専門的・技術的判断の確保が要るかと言ったら、文化財は貴重な国民的財産であり、一旦滅失、毀損等すれば原状回復が困難な性格のものであることから、その取り扱いに当たっては価値を損なうことのないよう慎重な判断が求められる。また、文化財の保存・活用に際しては、所有者等の権利を一定程度制限することとなる場合もあることから、所有権その他の財産権の尊重や国土の開発、その他の公益との調整なども求められる。このように文化財の指定等やその解除、現状変更等の許可、管理または修理に関する勧告、調査、公開など、各種の文化財保護に関する事務については、学術的・歴史的な価値評価に基づく専門的・技術的な判断にのっとって行われる必要があるということで説明されています。続けて、この報告書では、教育委員会が文化財保護の権限を持つということで、首長部局に移されていないことについて、報告書ではいろんな委員の意見としては肯定的な意見が大多数を占めたと書かれていて、具体的な意見として、文化財保護行政については首長から独立した上で、基本的に教育委員会で執行することが望ましい。文化財保護行政は教育委員会事務局に在籍する文化財の専門職員や地方文化財保護審議会などの専門的見地に立脚して実施される必要があり、首長と一定程度距離のある現行の制度だからこそうまくいっている側面がある。文化財保護行政を教育委員会が担当することは、中立性・継続性を保つ上で非常に有効であり、一旦滅失、毀損等すると原状回復が困難な文化財を扱う上で大変よい制度であるなどです。文化財保護行政に求められている要素を考えて、教育委員会が文化財保護の権限を有するとされているのだと思います。だから、そういう点も踏まえて市長部局で補助執行している自治体もあるんだと思うんですけれども、そういう文化財を所管する部局が教育委員会か市長部局か、その中核市の状況はどのようになっているのかお示しいただきたいと思います。 100 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  平成29年2月に調査した中核市48市の状況を見ますと、文化財の保護に関する事務を教育委員会の部局で行っている市が37市、市長部局で行っている市は11市となっております。この補助執行による事務処理というものは、教育委員会の命を受けて補助執行の部局が行うという制度でございます。 101 ◯15番(中西敦信君) 37という多くの自治体で長崎市と違う、きちんと教育委員会で文化財を所管しているとなっているのは、そうしてこそ文化財を保護できるからだということではないかなと思います。長崎市の場合、教育委員会に文化財の保護の権限があるんだという立場がないと、全くないと、補助執行している市長部局で判断していいんだというふうになっているのかなと思います。都市経営会議で先にそういうことを決めた上で、まだ文化財審議会にこの小島養生所の指定の諮問もしていない段階で、上に学校を建てると決めて諮るという点でも、あくまで文化財審議会というのが教育委員会の附属機関で、文化財保護に関する権限を持っている教育委員会が答申を求めるわけですけれども、長崎市で意思決定をしてから審議会に臨んでいるというのでは、まさに市長部局の越権行為であって、文化財保護行政をゆがめるものではないかと思います。こんな形での文化財指定はあってはならないと思いますが、見解を求めます。 102 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  さまざまな業務は市の方向を決める意味で市の方針を決定するのは必要なことだと思っております。教育長と5人の教育委員の合議制から成ります教育委員会は、市の方針に対しまして、文化財の保護の観点から、今回も市の指定文化財とすることに対しまして、教育委員会の附属機関であります市の文化財審議会のほうに諮問いたしまして答申を受け、答申の内容を参考にし、教育委員会の内部で、教育委員会の合議体の中で市の文化財とすることを決定したものでございます。こういうものにつきましては、制度にのっとって粛々とさせていただいているものと思っておりますので、文化財について保護を怠っているということについては、こちらも一生懸命させていただいているということをご理解いただきたいと思います。 103 ◯15番(中西敦信君) 発掘調査も終わっていない段階で学校を建てるということを決めて、文化財審議会に諮るという姿勢がそもそも間違っていると思いますし、教育長は言われたけれども、4月29日文化財審議会でこういうやりとりがあります。ある委員が、「養生所以外はもう価値がないということではなく、残っているものは原則的に残すということではないかと思う」と発言された後、事務局、文化財課だと思いますが、こう言っています。「今回は市の史跡ということで、指定できる範囲、諮問できる範囲がどこなのかを市として検討し、小島養生所の遺構が出てきている体育館の敷地であると意思決定した上で、この場に臨んでいる。現時点での市の考え方をお示しし、これについて史跡の範囲も諮問の内容になっているので、審議会としてイエス、ノーをいただくことになる」と言っています。文化財審議会に諮る内容の意思決定を長崎市でするということは、教育委員会の権限に対する越権行為ではなくて何なのかなと。職務権限を持つ独立性を侵害するものだと思います。学校の設置場所を決めるのも、教育委員会の専権事項で、権限としては市長部局にはないと思います。統廃合協議会の議事録でも、小島養生所のことは出てきても、歴史文化基本構想のことなど全く取り上げてないし、そもそもそういうのが決まった後に、埋蔵文化財包蔵地に指定されています。戦前の昭和8年に長崎県が近代医学発祥の地として、小島病院跡を文部科学省に文化財指定申請をしていたことを考えれば、統廃合の機会にきちんと史跡調査をするという判断だって当然あり得たと思います。文化財を保護する行政が今確立されています。戦前よりも文化財を守るという立場が、この長崎市で後退していてどうするんだということを言わざるを得ないと思います。  先ほど、教育長が文化財の保護に関することも、補助執行の制度で文化観光部が処理していると言われました。文化財保護行政というのは、政治的中立性、独立性が求められることも指摘したとおり、市長部局はそういう権限を持っている教育委員会の自主性、職務権限の独立性を侵害しない形で補助執行に当たることになると思います。それで、これまでのこの問題での議会の答弁を見てみましたが、市長も文化観光部長もかなり踏み込んだ答弁をされておりました。例えば昨年の11月議会で、市長は遺構の出土を契機に、歴史遺構の保存活用と児童のよりよい教育環境の整備という、2つの価値が相乗効果を生む方向に切りかえて対応をしている、文化観光部長ももろもろ言った後、専門家のご意見をいただいた上で方針決定を行ってまいりたいと考えておりますと。部長の答弁の内容はいいとしても、教育委員会は意思決定についても市長部局に補助執行させているというのは、重大な問題ではないかと思います。市長答弁のほうは、内容はいかがなものかなと思います。まだ文化財審議会に小島養生所の文化財指定に係る諮問も出していない段階で、学校建設ありきの姿勢を明らかにしています。これでは文化財保護行政に求められている専門的・技術的判断の確保、政治的中立性、開発行為との均衡といったことが担保されていないと思います。これまでのことから言っても、文化財保護の行政がきちんと進められていないのは明らかです。そうした文化財保護の立場も取り入れた上で行政を行うのは当然です。学校建設ありきの姿勢を白紙にして、ゼロベースで小島養生所の文化財としての価値を文化財審議会に諮問した上で結論を得るべきだと思いますが、答弁を求めます。 104 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  文化財保護に対しまして、指定に限らず文化財の保護に関しましての議案であるとか予算であるとか、全て教育委員会の中で審議をした上で議会のほうにも提出させていただいている内容がございます。そういうことでは越権行為ということではなく、決定をするという最終的なところは教育委員会の組織の中でさせていただいているということはご理解いただきたいと思います。そういう中で、先ほど申しましたように、文化財保護につきましてはこちらといたしましても小島養生所についてはいい史跡が出てきたと思っておりますが、残存状況がよくないということもあって国の指定は難しいということで、その中でも最も保存の規制が厳しい市の指定文化財と位置づけさせていただきながら、また今後まだ出てきている物もございますので、逐次、文化財審議会の意見をお聞きしながらその保護に努めていきたいと思っております。  以上でございます。 105 ◯15番(中西敦信君) 市の指定が規制をする上で、国の登録文化財の制度より厳しいと言われましたけれども、厳しく規制をするのに何で学校をつくって今出土している遺跡を潰すのかという話であったりとか、学校と併存する形で本当にこの史跡にふさわしい顕在化になるのかということが問題だと思います。それで改めて、この文化財審議会の議事録に目を通してみました。2点、ちょっと疑問に思うことがありました。1つは、さっき言いましたけど、この学校建設とこの文化財が共存するということが小島養生所遺跡群の文化財的価値に照らしてふさわしいのかということです。文化財指定の審議の中で、ある委員は前回の会議で、「この遺構はもう少し残っていれば国レベルであるという話になった。皆さんもそう思われている。残り具合がよくないということで市のレベルになったが、歴史的に見るとこんな価値がある場所はないわけで、国指定のものと同等の取り組みをしてほしいと所見に書いた。日本で最初の洋式病院であり、市指定だが、そのことを重視した保存計画を立てるべき」と述べられています。国指定と同等の取り組みをする価値のある文化財だと言われているわけですが、史跡の上に小学校を建てるということは、国指定と同等の取り組みをと言われていることに反するものではないかと思いますが、いかがでしょうか。 106 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  先ほどから申し上げましたとおり、発掘された物につきましては、その都度専門家のご意見を伺っているところでございます。その中でも、建設につきましても逐次、説明をさせていただきながらの進行をしているところでございます。そういう意味では、残存がよければ、もともと明治39年から学校が建っていたということで随分掘削されておりまして、残存状況が余りよろしくないということは皆さん認められていらっしゃるものですから、それが全部残っていれば国指定として認められるような物だけどということだと認識しているところでございます。その存在意義につきましては、本当に貴重な物だと考えておりますので、長崎市を代表する遺跡としてこういう物が出てきて、昔こういう歴史があって近代医学の発祥の地であると、その物につきましては、今まで以上にきちんと表現することができる物が出てきているものと確信しておりますので、その後の遺構の取り扱いにつきましては、専門家のご意見を伺いながら逐次、進めていきたいと思っております。  以上でございます。 107 ◯15番(中西敦信君) 私も文化財の保護、そんなに詳しくないのであれですけど、国の史跡となったところで、何か開発行為を伴うことをするというのはあり得るのかなと。国指定と同等の取り組みをということに、小学校を建てる、開発行為を伴う、ほかの文化財審議会の会議でも記録保存と言っても8割、9割の復元にしかならないというような市の執行部の回答もあっていました。つまり学校を建てたらきちんと保存もできないし、この文化財的な価値というものを持っているものは生きてこないと思います。  それともう1つなんですけれども、これも指定を決める文化財審議会で、ある委員がなぜここに小学校を建てるのかということが社会的な問題になっているわけで、ある委員が言うように、国指定の価値があると思うということで言われています。まさに、市長、この意見には学校建設ありきの姿勢が文化財審議会の審議に大きな影響を与えたということが示されていると思います。佐古小跡地にしか絶対、100%学校がつくれないということではなくて、統廃合協議会でもどちらがいいかと比較して佐古小になったわけで、初めから絶対、仁田小には新校舎はつくれないということではないですから。文化財は一旦壊してしまうと修復困難なわけで、小島養生所という文化財が一部露出展示とか記録保存で済ませていい文化財ではないと思います。学校建設ありきの市の姿勢が、文化財審議会の議論に影響を与えてしまったことはあってはならないことだと思いますけれども、その認識はありますか。 108 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  文化財審議会につきましては、文化財の保護という観点で見ていただいているものと思っております。  以上でございます。 109 ◯15番(中西敦信君) それはやはり与えられた条件、上に小学校を建てるという、それこそ市長が本会議で答弁して意思決定したことを文化財審議会に持ち込んでいなければ、間違った答申、初めは市の指定であっても、おいおいは県とか国とかの史跡を目指していこうと、そういうことだってできるということが、審議会でも議論されておりました。何よりも、そもそもが長崎市がつくった歴史文化基本構想に位置づけられた遺産なわけですよ。昔そんなところが新しいねとかいうあやふやなものでもありませんし、ましてや、先ほども言いましたが、子どもたちの向学意欲を高めるという理由で、貴重な未来に残すべき文化財を失っていいはずがないと思います。教育委員会は仁田佐古小の建設場所を決定してしまう前に、歴史文化基本構想にのっとり、小島養生所の遺跡調査をすべきか、内部でも文化財審議会でも検討すべきだったし、統廃合協議会にも提起すべきだったと思います。統廃合を決めるプロセスにも、文化財保護の立場は欠落していますし、決めた後も文化財保護の行政をゆがめてしまっていることはあってはならない重大な過ちだと言わなければなりません。せっかくつくった歴史文化基本構想がありながら、貴重な歴史文化遺産をふさわしい形で残すことができないなど、絶対に許されないことだと思います。再検討すべきだと強く求めます。  最後に、司馬遼太郎の本の中にもこの遺跡が出てきますし、もう一度地域に諮る、陳情も本議会、出されていますし、一度決めてしまったことでも変えられないことはないと思います。先ほどの後藤議員の質問でも部長は方針を幾つも変えて答弁していましたし、この小学校の建設の場所をどこにするかについても再度検討していただきたいと要望して、次の質問に移りたいと思います。  次に、子育て支援センターの設置について、お尋ねしたいと思います。  整備方針は基本的に変えないし、それでもスピード感を持って、重点的に取り組んで急いで設置ができるようにという答弁でした。それで滑石地区のことも質問したんですけれども、今進められている滑石支所の移転に合わせて設置をすることができないのかなと思います。市長の滑石支所の開所式でも、移転に合わせていろんな支所だけじゃない、ほかの機能も合わせ持ったいい施設になるということで挨拶があったと思いますし、支所だけが移転するんじゃなくて、何かつくると、子育て支援センターをあわせて設置するということで、こども部長が提起してほしいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。 110 ◯こども部長(中路崇弘君) 再質問にお答えいたします。  こども部といたしましては、子育て支援センターの整備方針としましては、市の既存施設に加えまして民間施設の活用を基本的な考えとしておりますので、したがいまして、早期に未設置区域への設置ができますように、スピード感を持って対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 111 ◯15番(中西敦信君) とにかく頑張ってください。よろしくお願いします。  時間がないので、MICEについて、交流拠点施設について質問したいと思います。  長崎は、確かに市長が言われたみたいに、被爆地であるし、歴史や文化、食など人を引きつけるというのは確かにすごい魅力があるのは、私もそう思いますし、それを生かしてMICEを誘致するというのもわかります。ただ、今つくろうとしている、整備しようとしているものは過大なものではないかと思いますし、受け入れる体制もそういう会議施設とホテルをつくればたくさんMICEができると、学会が入ってくるというものではないと思います。国内外の学会を会議施設などでやって、学会の行事が終わったらその地域を楽しむというところまで含めてが学会なんだということで、学会だけじゃなくてそのまちを楽しむという部分が学会で来た人たちはむしろ大事だということで、それがまちの評価につながっているというような話を聞きました。国内外の人に長崎のまちを楽しんでもらうには、全市民的なおもてなしの体制をつくっていくことも必要だと思いますが、その点の取り組みについてどんなふうにお考えかお尋ねしたいと思います。 112 ◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。  国内外のお客様に楽しんでいただく、そういった具体的な取り組みでございますけれども、一つは地域資源の活用ということが挙げられるかと思います。例えば、グラバー園、それから出島等でのアフターコンベンション、あるいはユニークベニューの開催、さらには参加者の皆さんが楽しんでいただけるような体験型の観光プログラムづくり、そういったものを一層充実するということ、あるいは長崎らしいおもてなしという面では、国の通訳案内士法が今回改正されておりますので、地域ガイド、そういったものを県、関係機関と十分に協議して、ニーズに対応できるような人材、そういったものをつくっていく、あるいは民間事業者によりますソフト面の受け入れ体制の整備というところで、現在、長崎MICE事業者ネットワークというのができておりますので、MICE業務のこの地元受注拡大に向けて、地元事業者のスキルアップを図るこの取り組みがあります。こういったものを総合しながら、地域が一体となって、来訪者の満足度を高めるということが一つの事例かと思います。  以上でございます。 113 ◯15番(中西敦信君) いろんなところで、市民的に県外、国外から来た人をおもてなしするような努力というのは要ると思いますけれども、147億円もかけて整備をするというのは、行き過ぎではないかなと思います。地方自治法でも住民福祉の増進が自治体の一番の仕事だとされていますし、いろんな市民の暮らしを支える要求というのはあります。インフルエンザの予防接種を小学校にも広げるとか、国保税を引き下げるとか、生活道路の整備をきちんと要望されている範囲で答えるとかなど、そういうことをした上でMICEというものの施設は考えるべきものではないかと思いますので、今計画されているMICE施設の撤回を求めて、質問を終わります。 114 ◯副議長(筒井正興君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ、あす8日午前10時から本会議を開き、市政一般質問を続行いたします。  本日は、これをもって散会いたします。           =散会 午後3時1分= ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   上記のとおり会議録を調製し署名する。    平成29年10月30日                                 議  長 野口 達也                                 副議長  筒井 正興                                 署名議員 中里 泰則                                 署名議員 後藤 昭彦 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...