〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君)
草の根クラブ、
中村すみ代議員の質問にお答えします。
まず、1点目の県都長崎市の将来を見据えた
まちづくりについての、(1)
長崎新幹線整備に伴う
フリーゲージトレインの
開発状況についてお答えします。
九州新幹線西九州ルートで導入が予定されております
フリーゲージトレインにつきましては、昨年9月に開催されました
国土交通省の
技術評価委員会の報告によりますと、
新幹線区間及び在来線の直線区間につきましては、目標とする速度である時速270キロメートル及び130キロメートルで安全、安定に走行できるとなっております。しかしながら、
在来線区間の急カーブ等におきまして目標とする速度に達していないことから、台車の
小型軽量化等を図るとともに、軌道の改良をあわせて実施することにより、目標達成を目指すこととなっております。
このような中、平成23年度の
国土交通省関係予算では、
フリーゲージトレインの
技術開発に係る予算が計上され、新たな改良台車を用いた走行試験がJR四国の予讃線で行われることとなっております。このことから、長崎市としましては、
西九州ルートの開業時までには、これらの課題が解決され、実用化がなされるものと考えております。
なお、博多駅から
関西方面への乗り入れにつきましては、3月に全線開業します
九州新幹線鹿児島ルートと同様、JR九州と
JR西日本との間で運行管理や経営面等の観点から、開業前までに協議がなされるものと思います。長崎市としましても、
関西方面へ乗り入れる
直通ダイヤの実現が望ましいと考えておりますので、JR九州など関係者に対しまして、働きかけを行っていきたいと考えております。
これからの長崎の
まちづくりを考えた場合、交流による活性化を図っていくことは重要であり、
西九州ルートを初めとした長崎駅周辺地区の再整備事業は、将来の長崎の都市の骨格を形成するために必要な事業であると考えております。また、鉄道は二酸化炭素の排出量が少ない効率的な輸送機関として世界各国で注目されており、中国におきましても
高速鉄道網の整備が急速に進められ、北京と上海をつなぐ高速鉄道が、ことしの6月に開業予定ということになっております。長崎市におきましても、上海航路の運航が具体化されていく中、日本と中国で整備が進む
高速鉄道網を1つにつなぎ、
国際ゲートウェイの機能を再構築し、交流による活性化を図っていくためにも
諫早-長崎間の早期着工と整備が必要不可欠と考えておりますので、長崎県を初めとした
関係団体と連携しながら、早期認可・着工に向けて、さらに力を入れて取り組んでいきたいと考えております。
次に、1点目の(2)県庁舎の魚市跡地への移転新築についてお答えします。
県庁舎につきましては、かねてから老朽化、耐震化、狭隘・分散化などの問題が指摘される中、その解決を図るために、長年にわたって
民間有識者並びに県議会を含めた議論が重ねられ、平成9年の9月に、当時の
長崎県知事から、新県庁舎の建設場所は
長崎魚市跡地が最適であるという表明が行われました。長崎市としましても、現庁舎の耐震改修では、庁舎が抱える課題の解決が困難であることから、建て替えは一定やむを得ないものであり、また、現在地での建て替えは、敷地が狭いことや建物が高層になることなど多くの問題点があることから、現実には厳しく、
県庁舎建設用地等を目的とした
長崎魚市跡地の埋め立てについて同意をしてきたこれまでの経過なども踏まえまして、移転する場合の場所は
長崎魚市跡地が適地であると考えてきたところでございます。
そのような中で、平成22年3月、昨年3月に就任された
中村知事は、就任以来、改めて県議会及び県民、市民の皆様のご意見を丁寧に聴取されてきました。こうした経過を踏まえまして、このたび表明された
中村知事の
長崎魚市跡地の埋立地に移転という方針は、これまでも述べられてきたように、県庁舎の防災拠点としての問題をこれ以上先送りにはできないという判断のもとになされたものと考えており、長崎市としては、今後の安全・安心な
まちづくりを進める上でも妥当なものであったと考えております。
なお、長崎市としましては、県庁舎の魚市跡地への移転が具体的に進められるとなった場合には、これを
まちづくりの契機として、周辺地域の活性化につなげるためにも、
県庁移転後の跡地の活用が非常に重要な課題になると申し上げてまいりましたし、その点につきましては、県とも一致をしております。
県庁移転後の跡地の活用は、
まちづくり全体の中で、市民の皆様のご意見もお聞きしながら、県庁舎があったとき以上のにぎわいを周辺地域にもたらすものとなるよう検討を進めていくべきものと考えております。そして、それが県庁の移転完了と時間差なく事業化されることが重要なことであり、今後とも県と一体となって、
県庁移転後の跡地活用に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上、本壇からの答弁といたします。
=(降壇)=
5
◯こども部長(松下貞行君) ご質問の2点目、子ども・子育て新
システムに対する見解についてお答えいたします。
国において、社会全体で子育てを支える、希望がかなえられるという2つの基本的な考え方に基づき、目指すべき社会への4つの政策の柱として、子どもの育ちを支え、若者が安心して成長できる社会へ、それから、妊娠、出産、子育ての希望が実現できる社会へ、それから、多様なネットワークで子育て力のある地域社会へ、及び、男性も女性も仕事と生活が調和する社会へを掲げ、子ども・
子育てビジョンが作成されております。
このビジョンを推進していくために、平成22年1月に子ども・子育て新
システム検討会議を設置し、3つの
ワーキングチームに分けて、さまざまな検討がなされているところでございます。現在、その検討会議で協議されている子ども・子育て新
システムの基本的な考え方などの内容が示されておりますが、これは、まだ検討途中であること、また、地方を含めた
関係団体などから意見を聴取し、すべての子どもに対して良質な生育環境を提供することができるよう、さらに議論が行われるものと思われます。
その中で、
保育行政につきましては、利用者の選択に基づく給付の保障ということで、1つ、市町村の認定に基づくサービスの確実な保障、2点目が、
市町村関与のもと、利用者と事業者の間の
公的保育契約、3点目が、市町村が適切なサービスの確実な利用を支援、4点目、
利用者補助方式として、公定価格を基本とした現物給付など、市町村の関与における具体的な内容の議論が現在なされているところでございます。また、
行政指導監査などによる行政の関与についても、まだ明確に示されたところではありません。
長崎市といたしましては、この議論の行方を注視しながら、その政策が長崎市の
子どもたちが安全で健やかに育つことができる生育環境が確保できるものとなるように、その点を判断し、必要があれば国に対しても意見を申していきたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯24番(
中村すみ代君) ご答弁ありがとうございました。納得できないところが多々ございますので、再質問をしたいと思います。再質問というよりも、時間の配分で、子ども・子育て新
システムと県庁舎については、問題点を指摘しておきたいと思います。
フリーゲージトレインについては再質問をいたします。
まず、子ども・子育て新
システムに対する松下部長のご答弁なんですけれども、私、1月に市の
保育会主催の勉強会に参加させていただきました。そして、そのときに、ほとんどの国民が知らない間に、こんな重要なことが民主党の政権の中で議論されているのかということで、本当にびっくりしたんです。この新
システムは、専ら財政面から、子どものことを置き去りにして、新しい
保育行政を構築しようとするのがこの本質なんですね。それで、先ほどのご答弁で、今後の推移を見守るというようなご答弁がございましたけれども、やはり、このようなとんでもないことが決まらないように、長崎の子どもを健やかに育てる責任を市長は持っておられるわけですから、ぜひ、決まらないうちにですね、やはり積極的に市長会、あるいはさまざまな団体、あるいは市長みずから政府に積極的に、このような制度を構築しないようにぜひ申し入れをしていただくように、これはお願いしておきます。
また、県庁舎問題についてなんですけれども、先ほど市長のご答弁では、県庁舎が防災機能の拠点として尾上町に移転新築するという知事の判断は妥当なものと考えるというようなご答弁があったと思います。その点について、やはり県議会や知事がそういう判断をしたわけでございますけれども、県民は決して納得していないと思うんです。やはり今でも賛否両論あります。また、
中心市街地の商店街を中心に、昨年は2万2,000名の署名が集められ、今も納得しないということで、この反対運動が進んでおります。そういった市民、県民の意向を県都長崎市の
最高責任者の市長がどのように受けとめておられるのか、この重みですね。そして、やはりさまざまな市民の声がいっぱいあると思うんです。そういったものをもっと聞いて、本当に尾上町に移転新築することが、県都長崎市の将来の
まちづくりにとって本当に正しい選択なのかどうか、改めてやっぱり考えていただく必要があるかと思います。
先日、2月22日に、もうご存じのように、ニュージーランドのクライストチャーチで震度6強の大地震が発生しました。被害が拡大しているわけですけれども、専門家の中には、軟弱地盤での
液状化現象が被害を拡大したという、そういう指摘もございます。
尾上町は埋立地です。今、県庁舎が建っているところは強固な岩盤の上に建っているんです。わざわざ軟弱な地盤のところに県庁舎を移さなくてもいいじゃないですか。もう1回、市長、知事に再考を促す、それぐらいのやはり政治的な判断をすべきだと思います。後ほど、もし時間があればご答弁をお願いいたします。
さて、新幹線の
フリーゲージトレインの
開発状況なんですけれども、先ほどのご答弁を伺っていて、まあ本当に、この
フリーゲージトレインを実用化するためには、もう本当に大変だなと。2018年の春、開業するということで、JRの新駅舎の計画や
周辺市街地の開発事業も少しずつ進んでいるわけですけれども、2018年春の開業、大丈夫ですか。まず、それをお尋ねいたします。
7
◯都市計画部長(林 一彦君) 再質問にお答えいたします。
まず、
フリーゲージトレインですけれども、2018年の開業に、この
フリーゲージトレインは大丈夫なのかというようなご指摘かと思います。
議員ご指摘のように、昨年9月の
国土交通省の
技術評価委員会の報告では、在来線の急カーブなど目標速度に達していないなどの課題がございますけれども、今後、台車の小型化、軽量化、軌道の改良の実施など、また、平成23年度も
事業開発予算も計上されておりまして、四国の予讃線での走行実験も予定されるなど、
西九州ルートの開業までには、これらの課題が解決され、実用化されるものと考えております。
フリーゲージトレインにつきましては、これまでも国に対して
早期実用化を求めてまいりましたけれども、今後もさらに力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
8 ◯24番(
中村すみ代君) これは希望的な観測なんです。期待しかないんです。といいますのは、結局、
フリーゲージトレインの車両開発を今しているわけですけど、線路の幅の違う、在来線の線路幅のところと新幹線の広軌の線路、狭いところと広いところを走る列車をつくっているわけですよね、開発しているわけです。そうすると、ゲージを狭くしたり、広くしたりするために、特別な構造の台車が必要なわけですよね。その台車が結局、軽量のものができればいいんですけど、結局、ゲージを狭くしたり、広くしたりするために、この台車が、残念ながら今の技術では重たいものしかできないんです。そうしますと、先ほどご答弁にあったように在来線のカーブ、カーブは白いかもめは時速130キロ出せるんです。それで走行しているんですよ。ですけど、その台車が重いために、先ほどのご答弁で、90キロしか出せないんですよ。130キロ出さないといけないのに、90キロしか出せないということは、これは時間短縮になりますか、26分間短縮すると言っても。結局、130キロ出してしまえば、脱線事故につながる可能性があるんですよ。それだけ危険な車両を、あたかも実用化できるかのように、今、開発しているんですよ。今まで240億円以上を、この開発のために税金を投入したと聞いているんですね。そして、2018年の春の開業に間に合わせるためには、2013年、あと2年ぐらいしか余裕がないんです、開発のために。2018年といったら7年、もう7年後には開業の予定ですよ。にもかかわらず、その線路を走らせる
フリーゲージトレインの開発が今のような現状、それは無理です。私はそう思います。いかがですか。
9
◯都市計画部長(林 一彦君) 再質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたように、今後、国においては台車の小型化、軽量化、それから、軌道の改良などに取り組むということで
技術開発に取り組んでおられますので、
西九州ルートの開業までには、これらの課題が解決するものと考えております。
以上でございます。
10 ◯24番(
中村すみ代君) これは、本当に無理です。はっきり言っておきます。2018年の開業は無理と思います。もし
フリーゲージトレインの、先ほどお話ししたような課題解決がなされて、カーブでも時速130キロ出せたとしても、これはほとんど不可能に近いと思います。出せないと思います。
それと、この
フリーゲージトレインが、これは出せないと思いますけどね、仮に実用化されたとしても、先ほど新大阪への乗り入れのことを言われましたよね。これは夢物語なんです。これ、県のほうが出している
パンフレットを見ますと、もう県民をだましているとしか言えないんです。まず、
フリーゲージトレイン、「
山陽新幹線への
直通乗り入れが可能となります。」と。
フリーゲージトレインは
山陽新幹線への
直通乗り入れが可能となると書いてあるんです。しかし、「
関西方面まで乗り換えなしで行けるの?」という問いに、「
長崎~新大阪の
直通ダイヤが実現することを望んでいます。」、矛盾しているじゃないですか。こんなでたらめなことを
パンフレットに書いて、あたかも
フリーゲージトレインの実用化ができ、なおかつ新大阪に
直通乗り入れができるなんていうことを、このようにでたらめな宣伝をして県民をごまかして、そして、新幹線があたかも開通するかのように宣伝することは、これはある意味では詐欺に近いと私は思います。
それと、中国です。
北京-上海間の
高速道路網が整備されて、そして、
上海-長崎航路、船の航路が開設ということで、アジアからの観光客を誘致できると、これもつけ足しなんですよ。新幹線を誘致するために、もう何でもおっしゃるんです。この点について、25日、板坂議員が質問されましたよね、
上海-長崎航路。私もそう思うんです。あれは長崎のためじゃないんです、
ハウステンボスのためなんです。ですから、わざわざ
上海-長崎航路を使って、長崎に中国からお客様が来ても、これは
ハウステンボスに行っちゃうんですよ。福岡に行かないんです。
ですから、そういうでたらめな、ある意味では言い逃れみたいなことを言わないでください。ですから、本当にこの新幹線、
フリーゲージトレインで新大阪まで行けるなんていうことは、これはほとんど不可能に近いです。
市長、本当に責任持って新大阪に乗り入れられると思われますか。ご答弁ください。
11 ◯副市長(椎木恭二君) 再質問にお答えをいたしたいと思います。
少し問題を整理する必要があるんじゃないかなと思いますけれども、まず、
フリーゲージトレインの技術的な問題として、これは、
フリーゲージトレインというのは、
新幹線規格の広軌の線路と、それから狭い、狭軌の線路を乗り入れるという、その目的のためにつくっている、そういうものですから、そういう意味では技術的には、その
フリーゲージトレインは乗り入れるための技術を持った列車、鉄道であるということなわけです。ですから、技術的には可能なわけです。
ただし、実際に
山陽新幹線に乗り入れるかどうかについては、これは営業の問題もありますから、
JR西日本とJR九州の間の協議の中で実際には決まっていくということになります。ですから、それを実現するために、私どもは鉄道会社、いろんな団体と一緒に、そういったものについては今後、求めていきたい、そういったことを訴えていきたいと、そういう立場にいるということでございます。
以上でございます。
12 ◯24番(
中村すみ代君) それはわかっています。
山陽新幹線に乗り入れられないと、仮に実用化できても。それはなぜかといいますと、これは再三、私、言っています。
山陽新幹線の
過密ダイヤに時速270キロ、もう時速300キロの時代ですよ。その時速300キロの
山陽新幹線に、時速270キロののろのろ運転の
フリーゲージトレインの列車が、これを
過密ダイヤに入れるということは難しいです。だから、営業面でも非常に不可能に近い、そのことを申し上げておきます。
そこで、きょうは30分間という本当に短い質問で、私、十分再質問できなかったわけでございますけど、県都長崎市の本当に将来の
まちづくり、憂いております。ぜひ、
最高責任者の市長として精いっぱい頑張っていただきたいということをお伝えし、また、議会事務局の皆様初め、私の24年間の議会活動を支えてくださったすべての皆様に感謝の言葉を申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
13 ◯議長(吉原 孝君) 次は、48番平野だいとし議員。
〔平野だいとし君登壇〕
14 ◯48番(平野だいとし君) 公明党の平野だいとしです。質問通告に基づきまして、以下3点について質問いたしますので、市長並びに関係理事者の明確で簡潔なご答弁をよろしくお願いいたします。
第1点目は、
まちづくり行政について、3点お伺いいたします。
本年は、
ハウステンボスによる長崎-上海航路、孫文と梅屋庄吉の情報発信なども相まって、本市にとって、今後ますます中国、韓国を中心とした、特に東アジアとの交流が期待されると私は思います。観光、物流の分野を初め、人的交流、技術交流、留学生に関するものなど、広範囲にわたる交流が展開されることが予想されます。こうした活発な交流を支えるには、中国語、英語、韓国語に対応できる優秀な人材の確保が課題になってきます。そこで第1点目は、国際都市構築に向けた本市の展望についてお伺いいたします。
次に2点目は、稲佐山山頂への観光客誘致策についてお伺いします。
稲佐山は、観光都市長崎を代表する名所の1つであり、1人でも多くの観光客に山頂からの眺望、夜景等を楽しんでいただけるような魅力的なスポットにしなければなりません。一昨年春から、一般車両40台の山頂駐車場が整備されてはおりますが、同じ日本の三大夜景の1つである函館山のようには大型バスは駐車できません。また、稲佐山には、函館山のように映画や音楽などのイベントにも使えるシアターや土産品店、レストランなど、雨天時にも楽しめるような施設もありません。そこで、稲佐山の魅力アップのため、本市としてどのような方策を考えておられるのか、お伺いいたします。
次に3点目、朝市モデル事業の総括と今後の取り組みについてお伺いいたします。
まちなかのにぎわいを醸し出す取り組みの1つとして、平成21年から築町地区でつきまち市が、平成22年には出島ワーフ三角広場で軽トラックによる軽トラ朝市が、モデル事業として開催をされております。こうした朝市モデル事業を開催した結果、近隣の駐車場の状況や開催場所の選定なども含め、どのような課題があったのか、また、今後の取り組みについてお伺いいたします。
次に、大きな項目の2点目、平和行政について、長崎型原子爆弾の模型見直しの経緯と今後の取り組みについてお伺いします。
長崎原爆資料館に平成8年の開館当時から常設展示されている長崎型原子爆弾の模型は、本来の原子爆弾と比較しますと、アンテナの形態、設置方向及び色などが相違している、見直しが必要との報道記事があっています。どのような裏づけがあって、このように相違した模型を製作されたのか、経緯と今後の取り組みについてお伺いいたします。
以上で本壇からの質問を終わりますが、ご答弁をお聞きした上で、自席より再質問をさせていただきます。=(降壇)=
15 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
16 ◯市長(田上富久君) 公明党、平野だいとし議員の質問にお答えします。
1点目の
まちづくり行政についての(1)国際都市構築に向けた本市の展望についてお答えします。
長崎市においては、今年度、長崎市アジア・国際観光戦略と3カ年のアクションプランを策定したところであり、外国人観光客が快適に観光を楽しむためのサービス・受け入れ環境の充実、情報発信の強化、誘致・セールス活動等に積極的に取り組んでいくこととしております。また、現在、長崎市アジア・国際戦略を策定しているところであり、その中でも人材育成を重要な課題の1つととらえ、取り組んでいくように考えております。今後、観光、物流の分野を初めとした、あらゆる分野で交流を深めていく中で、言葉によるコミュニケーションは欠かすことのできないものであり、国際的に活躍できる人材を育てること、人材を生かす仕組みをつくっていくことが重要であると考えております。
特に、早急な対応が求められている観光分野における取り組みとして、地域限定通訳案内士が講師となり、外国人観光客を受け入れる観光施設や宿泊施設、交通事業者等に対し、外国語でのおもてなし講習を実施したり、コミュニケーションを円滑にするためのツールとして、外国人観光客を受け入れる際に想定される簡単な会話や単語をまとめた指さしシートの作成をするなど、受け入れ事業者が行う人材育成のサポートを行っていきたいと考えております。また、長崎に勉強に来ている留学生などと連携し、受け入れ施設が必要とする商品ポップやメニュー、簡単な注意書きなどの作成をサポートするボランティアデスクの設置に取り組んでいきたいと考えております。
いずれにしましても、国際理解を高め、国際的な交流のできる長崎人を育てることが、まちの活性化や長崎の個性を生かすことにつながると考えておりますので、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、1点目の(2)稲佐山山頂への観光客誘致策についてお答えします。
平成21年度に稲佐山山頂を訪れた人の数は、ロープウェイ利用者が9万2,919人、稲佐山中腹からの無料送迎バス利用者が5,137人で、このほか、山頂駐車場の利用台数が10万5,021台でございます。1台当たり2.5人と想定しますと26万2,552人となり、合計で約36万人と推計をしております。一方、函館山のロープウェイ利用者数は、平成21年度で123万9,000人と聞いております。ただし、函館での人数は往復での延べ利用者数であり、実数はこの半分に近いと考えられます。
なお、今年度、稲佐山山頂へのアクセス向上策として、ロープウェイ駅舎のバリアフリー化と大型バスの駐車場の設置につきまして、具体的な検討を実施しております。その中で、大型バスの駐車場については複数の候補地を挙げ、その長所、短所を比較しております。大型バスの駐車場を整備する場合、今後のロープウェイの運営にも大きく関係することから、ロープウェイ駅舎のバリアフリー化との優先順位や駐車場を設置する場所などの選定とあわせまして、今後、さまざまな角度から検討していきたいと考えております。
次に、稲佐山の魅力アップのための方策につきましては、現在、稲佐山山頂展望台の改修を行っております。主な改修点は、屋上展望広場における視点場の面積拡大やLEDによるライティング、中央にある円錐形の窓の外周部分への階段状いすの設置、屋内外トイレの改修、レストランを含む展望台内の空調機の改修などで、3月末に完成予定でございます。また、11月にはロープウェイのゴンドラがリニューアルします。これらの改修により、稲佐山山頂を訪れる人の増加と、山頂で楽しんでいただく時間が長くなることを期待しております。
なお、新年度予算に複数の夜景スポットをめぐる夜景観賞バス運行事業費を計上しており、この中で、稲佐山についてはロープウェイを利用して、山頂からの夜景を楽しんでいただくこととしております。議員ご指摘のように、稲佐山山頂の魅力向上を図り、多くの方に楽しんでいただくよう、今後も努めてまいります。
以上でございます。=(降壇)=
17 ◯水産農林部長(溝口博幸君) 次に、
まちづくり行政についての(3)朝市モデル事業の総括と今後の取り組みについてお答えいたします。
朝市モデル事業は、市民や観光客が気楽に立ち寄れる朝市の実現を目指しまして、平成21年度から築町地区において、長崎つきまち市を開催しております。平成22年度におきましては、定期的な開催を目指しまして、春、夏、秋、冬、及びメルカつきまち周年祭として、5月から2月までの計5回、土曜日に開催いたしました。また、メルカつきまちの地下の築町市場では、毎月第3金曜日に実施しております築町市場丼も大変好評で、口コミやテレビ、新聞等の効果もありまして、徐々に広がりを見せております。つきまち市の開催に当たりましては、地元の青年部が主体となっており、来年度以降も積極的に開催していく意向で、商工関連の補助事業の活用も視野に入れて、継続していくと聞き及んでおります。
さらに、平成22年度は機動性と手軽さ、継続性を考慮いたしまして、全国的に広がりつつある軽トラ朝市を出島ワーフ三角広場において、9月と10月の第4日曜日に2回開催いたしました。開催時のアンケート結果では、来場者の97%の方が継続してほしいとの高い評価をいただいております。その一方で、農水産物以外の商品や、その場で食べられるものの販売、子ども向けのイベントの実施、それから、駐車場の設置を望む声が多くございました。出店につきましては、広報誌を初め、市内に30カ所ある直売所に出店を呼びかけるなど、出店者の募集を行い、18業者の出店によりまして開催いたしました。出店者が少なかった要因といたしましては、長崎魚市が、日曜日が休みで水産物の供給が難しいこと、また、夏場の猛暑で農水産物の供給が少なかったこと、さらには、直売所が独自に開催しているイベントの日程と重なったことなどが挙げられます。このことから、農水産物に限定しての開催には限界がございます。継続していくためには、農水産物以外の出店者への呼びかけも必要かと考えております。こうした課題を踏まえまして、平成23年度につきましては、開催日時及び場所についても、さらなる検討を加えながら試行的に開催していく予定でございます。
また、先般、市内企業の若手グループのほうから、軽トラ朝市の共同開催の相談申し入れがあっております。これにつきましては、民間主導による開催を模索しながら、官民協力・連携して、朝市の継続開催によるまちなかの活性化につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
18 ◯原爆被爆対策部長(黒川智夫君) 次に、2.平和行政についての(1)長崎型原子爆弾の模型見直しの経緯と今後の取り組みについてお答えいたします。
長崎原爆資料館は、核兵器の脅威と非人道性、戦争の悲惨さ、平和の大切さを世界に訴え、そして、原爆被爆に関する資料の体系的な整備、展示、保存を図るとともに、被爆の体験を次代を担う
子どもたちに語り伝えることなどを基本理念に、平成8年、被爆50周年を契機として建て直しを行っております。
現在、原爆資料館に展示している長崎型原子爆弾、いわゆるファットマンの模型は、新たな開館時より展示をいたしております。内部構造は、核分裂反応を連続的に起こさせるための仕組みを、小学生や中学生にもできるだけわかりやすくごらんいただけるように、簡略化した説明といたしております。外見や色などについては、当時、長崎型原子爆弾に関する資料がまだ少ない中、アメリカの国立公文書館の資料やアルバカーキの国立原子力博物館等に展示されている長崎型原子爆弾の模型を参考に作成したものです。その後、アメリカの情報公開の進展や日本における調査研究が進む中で、外見の色やアンテナの形など、さまざまな事実が明らかになってまいりました。昨年末に開催されました原爆資料館運営協議会において、委員の方から、長崎型原子爆弾の模型の色や形状、そして、内部構造の説明など、展示に関する提案がなされております。
原爆資料館といたしましては、現在、長崎型原子爆弾の外見の色や形状について調査を進めており、確証が得られましたならば、修学旅行生などにもわかりやすい展示に配慮しつつ、適切な対応をとってまいりたいと考えております。
以上でございます。
19 ◯48番(平野だいとし君) それぞれご答弁ありがとうございました。それでは、順次、再質問をさせていただきます。
最初に、国際都市構想についてから再質問いたします。
ご答弁によりますと、今後、国際化によりまして、人材を育て生かしていきたいと、通訳案内士や留学生に手伝ってもらって、受け入れ業者へのサポートをしていきたい、そのような回答がございました。ぜひ、積極的に推進をしていただきたいと思います。
がしかし、上海航路の復活もあり、長崎がアジアへ、世界へと国際交流の輪を広げていけるチャンス到来のときに、国際都市長崎を標榜するのであれば、さらに私は画期的な人材育成の取り組みが必要ではないかと思っております。一例でありますけれども、
ハウステンボスでは、施設内に英語しか使えないエリアを設け、本場のレストランや店、各国の大学の事務所なども開設し人材育成を図っており、今年4月からオープンを予定しております。本市にも、こうした取り組みが私は必要だと思います。産学官の連携なども視野に入れて取り組まれるお考えはないのか、お聞きいたします。
20 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 再質問にお答えします。
平野議員からご提案がありました、今回、
ハウステンボスで計画されておりますイングリッシュ・スクウェアという、これは修学旅行にも対応していきたいというふうに聞いておりますが、非常に民間としては画期的であり、リゾート観光と英語学習をあわせた計画だというふうに思っております。
長崎市が行政独自で語学学習の機会を提供するということは非常に難しいと考えておりますけれども、こういった機会というのは、ぜひ私どもの中でも考えていきたいとは思っておりますが、当面、私どもは、留学生が多数長崎市には訪れておりますので、そういった留学生と連携しながら、国際交流の機会をふやし、外国語、あるいは外国文化への興味を持つ機会をふやしていきたいと思っております。また、平成23年度の事業といたしましても、留学生の市民宅へのホームステイ、ホームビジット計画というようなものも計画しておりますので、市民が外国文化や外国語に触れ、興味を持つ機会として、国際的な人材育成につなげてまいりたいと思っております。
以上でございます。
21 ◯48番(平野だいとし君) 私は、
ハウステンボスを訪問いたしまして、今度、英語村を運営するベンチャー企業の株式会社ジャイロスコープと、そこの桂次郎社長にお会いし、お話を聞かせていただいてまいりました。
桂社長は言っておられましたけれども、今、本当に留学生の数も減ってきている。それと、本人が、その社長自身が長年、大手の電機メーカーで勤めて、そして、海外で仕事に従事してきたと。その中で感じたことは、日本人は本当に英語力不足と、そういったものを痛切に感じたと。これでは日本は世界でビジネスはできない、何とかしなければいけないと、そういう思いから、今回、こういった英語村を創設したと、そのように言われておりました。
私は本当に、この長崎、長崎だからこそ、長崎に住み、長崎で生活すれば、自然と語学力も身につける、国際感覚も養われる、そう言われるようなまちにぜひ、これは市長が2期目当選の暁には、ぜひそういったまちを目指して頑張っていただきたいと強く要望をさせていただきたいと思います。
次に、稲佐山山頂への観光客誘致についてでございます。
観光客誘致策として、先ほどさまざま大型観光バスの駐車場の整備とか、展望台の改修とか、夜景観光バスの運行など、検討または実施をしていると、そのようなお話がありました。それでは、それらの誘致策をやってみて、本市としてどれぐらいの観光客の誘致を見込んでおられるのか、お聞きしたいと思います。
22 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 再質問にお答えいたします。
稲佐山を訪れた人の数は、先ほど市長が答弁させていただきましたように、平成21年度で約36万人でございます。過去を振り返ってみますと、確かに長崎市内で100万人を超える施設としては、グラバー園、それから原爆資料館、それから長崎市民を含めて多数がご利用、また登っておりました稲佐山ということを考えますと、具体的な数値は定めておりませんが、できるだけ多くの方に、小学校や
子どもたちを含めて稲佐山には登っていただきたいなというふうに考えております。
そういった中で、先ほどの答弁にありましたように、ロープウェイのゴンドラのリニューアル、あるいは山頂へのアクセス向上策につきまして、検討を進めているところでございます。今後とも、1人でも多くの方に山頂に登っていただくような機会をつくってまいりたいと思っております。
以上でございます。
23 ◯48番(平野だいとし君) 過去にも私、同じ質問をさせていただきました。そのときは樫山観光部長でございましたけれども、平成13年の、ピークだったですね、平成13年の67万8,000人を目指していきたいと、そのような回答でなかったかと思います。私は、これでもまだまだ少ないなと思います。函館山は、観光客の約8割が本山頂を訪れていると言われております。それに準ずるくらい稲佐山も、約5割ぐらいでも約250万人になりますので、そのくらいをぜひ目指してもらいたいなと。そのためには、今のままでは私はだめだと思います。今、ロープウェイとか展望台とか売店、そういったものの管理運営体制はどうなっていますか、お聞きいたします。
24 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 再質問にお答えします。
まず初めに、電気自動車の普及促進について質問します。
地球温暖化の影響は既に世界じゅうで観測されており、その原因物質であるCO2等の削減に向けた取り組みが喫緊の課題となる中で、今、電気自動車が注目されています。
本市においては、平成22年度の当初予算で既存の軽自動車の更新に際し、電気自動車2台を購入し、職員が外勤時などに使用されていますが、この公用の電気自動車を土・日・祝日など空き時間に市民に貸し出し、電気自動車の乗り心地や性能、環境へ優しい電気自動車を体感してもらい、普及促進へつなげる観点から、共同で利用するカーシェアリング手法が導入できないか、ご見解をお示しください。
さらに、電気自動車導入時の優遇策として、購入費の補助や自動車税等の減免措置ができないか、お尋ねします。
電気自動車は、環境性能にすぐれた究極のエコカーと言われております。しかしながら、車両価格は370万円台から470万円台であり、自治体などの補助による支援が求められています。また、自動車税等の減免などが消費者の購買意欲も沸き、CO2を削減する環境行政にも協力しているとの思いが高まってくるのではないでしょうか。自動車税等の減免措置についてもご見解をお示しください。
第2点目に、救急体制の構築の第1点、緊急度・重症度識別による救急出動態勢についてお尋ねします。
増大する救急件数の中には、危篤状態のものから軽い症状のものまでいろいろです。さらにはタクシーがわりのような非常識な救急要請までさまざまなものがあります。本市における緊急
システムの現状と課題、さらに緊急度・重症度識別による救急出動態勢についてのご見解をお示しください。
また、本市における市民からの救急相談に対し、どのように対応されているのか、お示しをいただきたいと思います。
質問事項の3点目は、市道油木町西町線開通に伴う安全対策についてお伺いします。
平成3年度から建設に取り組んできた新設道路県道長崎式見港線側を起点に、山間部を通り西町小学校前までの全長1,480メートルの新設道路、市道油木町西町線が来る3月31日に開通式を迎えます。開通に伴いこれまで以上に交通量が増加することが予測されます。
そこで、お伺いします。
西町市場前バス停付近交差点の安全対策と、JR長崎本線西町踏切そばの横断歩道等の安全対策をどのように講じられようとされているのか、ご見解をお示しください。
以上をもちまして壇上からの質問とします。時間があれば自席から再質問をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
=(降壇)=
49 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
50 ◯市長(田上富久君) 公明党、森 幸雄議員の質問にお答えします。
まず、1点目の電気自動車の普及促進についての(1)公用車のカーシェアリングについてお答えします。
近年では低炭素社会の実現を目指して、自動車から排出される温室効果ガスの排出削減の取り組みとして、自動車の個人所有から共同利用への転換により自動車の総量を抑制するカーシェアリングが注目をされてきております。
このような中、一部の自治体におきましては、公用車の有効活用や温室効果ガス排出削減効果に加えまして、電気自動車を市民に体験利用していただくことが電気自動車の普及促進にもつながることから、土曜・日曜・祝日に使用しない公用車、特に電気自動車をカーシェアリングとして市民貸し出す事業の取り組みが進められてきております。
長崎市の公用車へのこの制度の導入につきましては、カーシェアリングが公用車としての利用に支障がないかなど、管理運営面での
システム化や、利用者ニーズの把握などを初めとする検証すべき課題を整理するとともに、既に取り組んでいる自治体の取り組みの仕組みや実態などをまずは調査したいと考えております。
次に、1点目の(2)電気自動車購入費の補助についてお答えします。
電気自動車購入者への補助制度といたしましては、国のクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助の中では、同種の一般車両との価格差の2分の1以内を限度に、また、県が電気自動車の普及促進のために設けたEV・PHVタウン推進補助金においては、国の補助額の2分の1以内の額を限度に補助の対象としており、両方の制度を活用した場合の購入者の負担は、購入費の約6割となっております。
しかしながら、県の補助は県内市町や大企業及び独立行政法人を除く県内法人等を対象にしており、一般の市民は国の補助金のみしか活用できないというのが実情でございます。また、中核市で補助制度を設けている自治体は40都市中12都市ございますが、この中で一般市民向けに補助制度を設けているのは7都市で、このうち九州管内では大分市と鹿児島市となっております。
そこで、ご指摘の長崎市における電気自動車購入費の補助制度の創設につきましては、今後、電気自動車等次世代自動車を取り巻く技術革新の進展や市場の拡大に伴う価格の動向等を見きわめるとともに、二酸化炭素等温室効果ガス削減に向けての他の施策との比較等を行う中で十分に検討を行ってみたいと考えております。
次に、1点目の(3)自動車税等の減免についてお答えします。
電気自動車の購入時におきましては、自動車重量税及び自動車取得税が平成24年3月31日までの間は、エコカー減税による非課税措置が行われております。また、自動車の保有時における自動車税につきましても、グリーン化税制により翌年度の自動車税が50%軽減をされております。なお、長崎県におきましては、エコカー減税等以外の県独自の減免は実施されておらず、また軽自動車税に関する減免につきましても、本市を初め県内の市町で減免は実施されていない状況にあります。
しかしながら、CO2削減に向けた取り組みが課題となる中、電気自動車についてはすぐれた環性能への転換を目指すものであり、本市といたしましても減免に向けて今後検討をしていきたいと考えております。
いずれにしましても、電気自動車の普及促進に向けての施策の充実については、現在、地球温暖化対策実行計画協議会におきまして、2030年度までの今後20年間の温室効果ガスの中期削減戦略の策定を行っているところでありますので、今後この中期削減戦略を具現化していく中で、ご指摘の趣旨も踏まえながら、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上、本壇からの答弁といたします。
=(降壇)=
51 ◯消防局長(菅原 哲君) 2.救急体制の構築についての(1)緊急度・重症度識別
システムの導入についてお答えいたします。
議員ご案内のとおり、本識別
システムは、119番受信時に通報者から聞き取りした症状などの情報をコンピューターに入力することにより、救急車の出場の要否を自動判定する
システムとなっており、現在、横浜市において行われているものでございます。
導入に至った背景には、救急出場件数が増加する中、全搬送人員に占める軽症者の割合が全国平均で50.7%、多いところでは60%にもなっており、緊急に救急車が必要な場合の利用を妨げる可能性があるという理由から、不適正利用に対する抑制策として導入されているものでございます。
長崎市におきましては、救急車の適正利用について電光掲示板やインターネット、広報誌などを活用した広報を行うとともに、通報を受けた際に明らかに軽症と判断される場合には、病院案内やタクシーなどによる病院受診を促すなどの対応を行っていることから、平成22年中の軽症者の割合は34.7%で、他都市と比べますと適正な利用がなされている状況となっております。
また、この緊急度・重症度識別
システムにつきましては、国の報告書や長崎市における追跡調査結果などから、初期の段階で軽症とされた傷病者であっても、その後の検査等の結果、軽症ではなかったという割合が約2割程度あり、かなりのリスクを抱えることから、初期段階における軽症判定は慎重にすべきであり、現状におきましては、識別
システムの導入については考えていないところでございます。
いずれにいたしましても、救急車の適正利用を推進するため、これまでの広報に加え、新たな対応といたしまして総務省消防庁が作成を進めております救急車の適正利用マニュアル等を活用することにより、より迅速で効果的な対応ができるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、(2)救急相談サービスの導入についての本市の現状についてお答えいたします。
本市におきましては、現在、救急案内につきましては、長崎県において運用されている長崎県救急医療情報
システムによるインターネットによる救急医療機関を案内していること、それから、全国統一の小児に関する相談窓口として、小児救急電話相談センター、#8000番を提供していること、それから、昨年10月1日から長崎市コールセンターあじさいコールが病院案内を実施していること、それから、消防局の指令室、救急問い合わせや救急相談があった場合、先ほど申しました長崎県救急医療情報
システムに基づき消防局指令室のほうで病院案内を実施している、そのような状況でございます。
以上でございます。
52 ◯道路公園部長(池田敏明君) ご質問の3.市道油木町西町線開通に伴う交通安全対策についての(1)西町市場前バス停付近交差点についてお答えいたします。
市道油木町西町線につきましては、小江原地区と西町地区を結ぶ延長1,480メートルで、幅員10メートルの計画で平成3年度より事業を進めてまいりましたが、おかげをもちまして本年3月31日に供用の運びとなりました。これもひとえに地権者の皆様を初め、地域住民の皆様、さらには関係機関のご理解ご協力のたまものと深く感謝する次第でございます。
長崎市といたしましては、これまで市道油木町西町線の開通に対処するため、当路線と接続する西町小学校付近から長崎拘置支所付近にかけての市道白鳥町5号線の拡幅整備や、西町小学校前交差点の信号機設置を行うことなどにより交通安全対策を実施してきたところでございます。
ご質問の西町市場前バス停付近交差点につきましては、鋭角に交わる交差部であり、「一旦停止」の標示が双方の路線ともないため、優先する道路が不明確な状況にございます。このため、優先する道路を明確にする意味からも「一旦停止」の標示について警察と協議を行ってきたところでございますが、交差点への車両の進入は運転者双方の安全確認が基本であり、「一旦停止」の規制を設けることは当交差点には難しいとのご回答でございました。
しかしながら、当交差点付近が危険な状況であることは十分認識しているところであり、今後とも関係機関と協議を継続するとともに、車両の注意を喚起する交差点内カラー舗装化や、減速を促す路面標示の設置などの整備を行うことなど、交差点内の交通安全対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、(2)JR長崎本線西町踏切付近の横断歩道についてお答えいたします。
ご質問の西町踏切付近は、過去においても交差点改良を行ってきたところでございますが、依然として変則の交差点と踏切が隣接し、交通がふくそうしていることから、ここ3カ年の交通事故件数は、人身、物損合わせて年平均で14件程度ある状況にございます。
当交差点には信号機の設置がなく危険であることから、これまでも市や地元により信号機の設置を警察に要望した経過がございますが、警察の見解といたしましては、西町踏切周辺への信号機の設置は懸案事項であり、これまでも検討しているが歩行者用の信号機は車両用の信号機とあわせて制御を行うことになり、複雑な交差点形状に加え列車本数の多いJR長崎本線の踏切と制御を連動させることは極めて困難であることから、その設置は難しいとのことでございました。
このようなことから、平成23年度より事業に着手する予定となっております(仮称)西町地区新設道路の整備により、当交差点の負荷軽減等を図りながら交通安全対策に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
53 ◯46番(森 幸雄君) 一通りご答弁をいただきましたけれども、少し掘り下げて再質問をさせていただきたいと思います。
昨年、電気自動車を長崎市は2台購入されて今運行されているわけですけれども、市職員の方々が庁内のカーシェアリングというか、それぞれ所管で申し込んで、あいている時間を有効に活用されているんですけれども、それが1つの趣旨であったと思うんですけれども、本来であればやはりCO2を削減する、特に長崎市はすり鉢型で非常に空気の流れも悪いという、特に長崎駅前、九州で一番交通量が多い、CO2も多いというところで、いろいろ長崎市もこれまで廃食用油の資源化というんですか、市のほうもパッカー車に2年ほど試行運転されましたけれども、これも限度がある、限界があると。廃食用油の回収とか、そういったものも非常に難しいという課題がありましたけれども、最近、電気自動車の開発が進みまして、非常に今注目がされておりまして、いわゆるCO2を排出しない、削減をするというよりも最初から出さない、そういう車にすごくシフトをしてですね、全国的な各自治体でも取り組まれております。
私も先般、日本で最初に電気自動車による公用車のカーシェアリングを実証実験された札幌市へ現地調査に行ってまいりましたけれども、ここは札幌市では西区を環境推進区としてですね、職員が外勤時などに使用する公用車を空き時間に市民に貸し出して、共同で利用する仕組みを実施されてこられました。平成21年11月18日から22年9月30日の約11カ月間、これは軽自動車のアイ・ミーブ、三菱ですけれども、これ2台を利用してですね、公用会員という、区役所の税務職員とかが約90人、一般市民の会員が560人と、その中には個人会員が475人、あとは会社などの法人会員が19法人で85名ということで、実証実験した。非常に好評でありまして、大体短時間、2時間程度の利用、12.3キロメートルから15キロメートルぐらいが利用されているようでありますけれども、この共同利用の有効性が非常に高いということで、今後も引き続いてこの電気自動車の普及促進というか。私どもが行ったときにはかなりの大雪の中でありましたけれども、しっかりそれに対応できる車であると、暖房つけても電気でありますけれども、かなり消費電力あるようですけれども、ガソリン車の4分の1程度であると、もともと充電する発電所のCO2削減にしてでも4分の1程度、また、ハイブリッド車の2分の1以下でこの究極のエコカーとして今注目されております。
そういうことで、長崎市に購入されたということは広く市民に啓発をして、まずそういったカーシェアリングで体感してもらって、購入促進につなげるというのが目的じゃないかと思うんです。本来であれば昨年購入されたわけですけれども、1年間実証実験されて、この新年度からでもカーシェアリングができなかったのかなと。そういう思いが最初からあっての購入なのか、あるいは補助金が出るからせめて市役所では電気自動車を乗ってみようかという思いだったのか、その辺の受けとめ方をちょっとお示しいただきたいと思います。
54 ◯理財部長(井川啓二君) 再質問にお答えいたします。
電気自動車の購入、昨年本市として2台購入いたしております。そういった中で、カーシェアリングにつきましては、台数が2台ということで1年間の検証ということでやってきとるわけですが、実際として貸し出す場合の問題点等の整理、本壇で市長のほうからもご答弁申し上げましたが、問題等の整理がございますので、そういったものを含めまして検証させていただきたいというふうに考えております。
以上です。
55 ◯46番(森 幸雄君) そういったものが念頭に入っていなかったというでしょう、正直いってね。これから検討するということでありますけれども、ともかくせっかく購入されるわけですから、そういうふうにすそ野を広げていく。ラッピングして、電気自動車の宣伝はされていると思いますけれども、やっぱりより多くの人に利用していただくという。
五島が今県の補助をいただきながら進めております。上五島、下五島100台を導入するということでございますけれども、やはりかなりの効果が出ているようでございます。特に離島はガソリン、原油価格が高いわけですから、そういった意味でこの電気自動車が今注目されております。東京とか神奈川も参りまして、こういったものがもう本当に本格的に、電気自動車もまだまだこれから50台、60台入れていこうとか、積極的に取り組んであります。特に京都はこの環境に対しては先駆的な取り組みをされているんですけれども、ここでも2013年度まで5,000台の電気自動車の導入とかですね、そのための充電のインフラ整備とか、そういったものも本当に180度、今までは廃食用油とかですね、そういったバスとか、公用車を走らせていたようでありますけれども、もう今すごく優秀な電気自動車が出てきたということで今切りかえてやっております。
また、さいたま市等には、こちらのほうでも一部自治体では青色防犯パトロールされていますけれども、こういったところにも電気自動車の補助をしながら、さいたま市では昨年10台導入してですね、そういった地域の防犯パトロール等にこの電気自動車を使っていただこうとかですね、取り組んでいます。
先般、長崎新聞に載っていた記事をちょっと注目したんですけれども、東大総長室アドバイザーの村沢さんという方が長崎新聞の政経懇話会で講演をされた記事が載っていたんですけれども、電気自動車と太陽光発電による燃やさない文明の提言ということで、燃やさない文明とは、二酸化炭素CO2を減らすのではなく、排出しない社会のことであると。そういうことで、大きな効果はこれまでの夏場の冷房の設定温度を上げるなどの取り組みはどれも重要だけれども、大きな効果は期待できないと。そこでかぎとなるのが電気自動車と太陽光発電であると言っておられます。
今たしかにまだ高額な電気自動車ありますけれども、これが今青森県の七戸町等ではですね、普通のガソリン車のエンジンとガソリンタンクを取り外して、電気モーターをつけて改造車を今走らせているという。ここはニンニクとか長芋の生産地でありますけれども、約22%が軽トラックであると、ここの町の車がですね。これを今普通の中古自動車を改良して、八戸工業大学と連携してですね、こういうトラックを今どんどん導入していると。足回りとかなんとか、そのまま車検も通るようでありますけれども、電気自動車のトラックとかですね、そういったものを今進めてあります。
この村沢さんという方も長崎新聞の懇話会で、中古車をEV、いわゆる電気自動車に改造する事業も始まったと。改造EVを手がける事業所を1万拠点つくり、各地で年間100台改造すると、1台につき100万円とすると1兆円、新たな産業になるだろうと。国内にはガソリンスタンドが4万店、整備事業者、部品業者数十万店あると。こうした店に車検をやりますと同じように、改造EVをやりますという看板がふえることを期待したいということで、やはり長崎市も中小企業とか、経済の活性化とか、そういったものを考えれば、こういったものもしっかり研究しながら導入を進めていただきたいということを最後要望しておきたいと思います。
最後になりますけれども、地元の課題で、まだ積み残しておった課題でありますけれども、この市道油木町西町線が開通します。現在でもかなりの交通量があります。平成13年には痛ましい踏切事故が西町踏切、そして、音無踏切でも3名の方が死傷するという、魔の踏切、魔の交差点と言われたようで、平成15年には地元12自治会長連名による横断歩道の信号機の設置等を申し入れ行きましたけれども、音無のほうは信号機が平成16年に音声つきの信号にかわりましたけれども、西町踏切は全然進んでおりません。
先ほど部長のほうから新たに既存のバス道路じゃなくて、今の新しい新設道路に接続する道路をということでありましたけれども、油木町西町線でもスタートしてから20年かかっているわけですね。今度また新たにするところは住宅密集地であります。そこの交渉、立ち退きと道路の建設となれば数十年かかると思います。やはり急がなきゃいけない。本来であれば、こういう新設道路をつくる段階から既存道路の整備、安全対策というものは必要ではなかったのかと思いますけれども、その辺の取り組みはこれまで市はどのように検討してこられたのか、ちょっと最後ご答弁お願いしたいと思います。
56 ◯道路公園部長(池田敏明君) 再質問にお答えいたします。
今ご質問の西町踏切につきましては、当然、過去より道路改良を行いまして、直進2車線、あるいは右折する車がスムーズになりやすいような形で整備をやってきたところでございます。
しかしながら、先ほどもご説明したとおりに、踏切と交差点があり、その交差点も変形の交差点でございますが、近接しているということでなかなか難しい状況にあったということでございます。その整理といいましょうか、対策の必要性は十分に認識しておりますが、いかんせん全体的に線路と道路が近接していることもありまして、なかなか難しい状況にございます。そういう交差点の改良をするとともに、現在、赤迫交差点のほうでアンダーパス化をやっておりますので、何とかそういうところを見つけて、長崎本線のこの北部地区一帯の交通安全対策ができるように努めてきたところでございます。
以上でございます。
57 ◯46番(森 幸雄君) 私どもも県警の交通企画とかですね、そういったところにもご相談に行ったことありますけれども、プロの方でもとにかく難しい地形でございます。しかし、地域の皆様には恐怖のままで生活を強いていくのはいかがなものかと。やはり生活者の市民の生命と財産を守るのが我々の仕事ではないかと思います。その辺もっともっと努力して、当事者であるJR、あるいは警察、道路管理者が、プロジェクトチームでもつくってやっぱり取り組んでいただきたいと。一日も早く取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
短い時間での総括、最後の質問になりましたけれども、まだまだ積み残した課題もたくさんございますが、次の方にしっかりつないでですね、また一層の市政発展に努力していきたいとそのように思っています。大変ありがとうございました。
58 ◯議長(吉原 孝君) 休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
=休憩 午後0時1分=
───────────
=再開 午後1時0分=
59 ◯副議長(中田 剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。37番中村照夫議員。
〔中村照夫君登壇〕
60 ◯37番(中村照夫君) ながさき千本桜の中村照夫でございます。私どもは一昨日、浦上川遊歩道を初め市内6カ所に60本の桜の苗木を植えてまいりました。この7年間で680本の桜を植えております。当面2,000本を目標に桜の名所づくりに取り組んでおります。
さて、本会議の開会日、田上市長は施政方針において、就任後4年間を振り返り、所信の一端を述べられました。あなたが、市民が暮らしやすい魅力的な
まちづくりを進めるということを信念として取り組まれてきたということを否定するものではありませんが、その成果がどのように上がっているのかについては、自己評価は大いに甘過ぎるのではないでしょうか。
ここに田上市長のチラシがありますが、たうえ富久が4年間でやってきたこと。これをやらないと前に進めないと書いてありますが、私はその程度では前に進めないと申し上げておきます。職員給与を削減しました、衛生公社の経営再建に着手しましたと書いてありますが、市民病院の職員の給与は13年後でないと国家公務員並みの給与に下がらないとか、衛生公社を100%出資の財団法人化しますなどといった生ぬるい手法では長崎の財政はもたない。もっと危機感を持って市民の住みやすい
まちづくりに取り組んでほしいという視点から、以下、市長の政治姿勢について質問をいたします。
第1は、バイオラボの補助金不正受給についてであります。
長崎市が一昨年9月に補助金不正受給による詐欺事件で告発したバイオラボ社の元社長に対する長崎地検の処分が1月21日付で、嫌疑不十分として不起訴処分としたと発表をされました。この件について田上市長はどのように考えておられるのか。また、今後どのように対応されるお考えなのか、お伺いいたします。
私は100条委員会の委員長をさせていただきました。委員会が明らかにしたことは、バイオラボ社は1.補助金の受給資格を得るために、長崎市内に居住していない者を住民票を移して虚偽の申請を行って補助金を受給した。2.会社の資産計上において、リース物件を偽って資産に計上し、補助金8,600万円を不正受給した。3.そのことが市の担当者にばれて、資産が指定要件を満たしていないことを指摘されると、後日行った工事契約書の日付を改ざんし、奨励金の返還を免れた事実は、私どもの調査で明らかにしたことであります。これは刑法第246条の詐欺罪、公正証書原本不実記載罪、刑法第159条の私文書偽造及び刑法第161条の同行使に当たることは明白であります。市民の貴重な公金が、このようにいとも簡単に8,600万円もだまし取られて、このままで済まされるわけがありません。田上市長は今後どのようにされるのか、お伺いいたします。
次に、職員の続発する不祥事について、市長の指導力をどのように認識されているのかお尋ねいたします。
葬儀で留守宅の住居に侵入し、住居侵入と窃盗で起訴された職員、勤務中にアダルトサイトの閲覧を繰り返した高齢者福祉施設の施設長、勤務中に昼寝をしていた支所長、放火魔職員や、ありもしない特別休暇をでっち上げサボるなど、職員のたがが外れた行為が続出いたしております。これは個人の資質の問題にとどまるものではありません。さきの監査報告においても規定を知らない職員が多い。特に公金の管理や事務の相互チェック体制が不十分。会計事務の基本がおろそかになっていると指摘されております。仕事を知らない職員がいるとは、もってのほかであります。もっと仕事に緊張感を持って、毎朝、終業時に各課や係でミーティングを行い、超勤する者はみんなの前で表明する。市長から副市長、部長、課長は職場を巡回し、声かけ運動を始めてはいかがでしょうか。田上市長はこの事態をどのようにお考えか、お伺いいたします。
次に、市民力はどのように長崎市の施策に生かしているのかという点で市長の考えをお尋ねいたします。
皆さんご承知のとおり、長崎県の指定有形文化財である玉園町の聖福寺を修復しようという市民運動が、さだまさしさんを先頭に展開されております。
この聖福寺の歴史的価値についてでありますが、ここに九州国立博物館の5周年の記念特別展のポスターを持参いたしました。掲示しておりますから、これです。〔パネル表示〕これが長崎から参ります。3月15日から5月22日まで開かれ、中国の名僧、隠元禅師によって建立された黄檗宗大本山京都萬福寺に伝えられる名宝の数々とインパクトの強い仏像や仏画、書など遺産が出現されるということであります。この展示に隠元和尚の孫僧に当たる鉄心道胖が開創した聖福寺のご本尊と布袋さんが出展されます。
九州国立博物館展示課の楠井隆志研究員は、聖福寺のご本尊は中国でつくられ、船で長崎まで運ばれ、1698年、大雄殿に安置されました。当時の中国と長崎の文化交流の橋渡しをする使節だったという点で歴史的に貴重です。この寺院は傷みがひどく、このままでは状態が悪く救えないことも考えられます。今のうちに何とかしないと、歴史が埋もれてしまいますと語っておられます。
長崎県が推し進めております長崎上海航路の就航で、長崎県の周遊観光を広めようという取り組みがありますけれども、長崎市を通過点としないためにも、こうした聖福寺の修復事業は、その大きなかぎを担う大事業と考えますが、田上市長はこの運動をどのようにとらえ、聖福寺の修復事業に長崎市の施策として考えられているのか、お尋ねをいたします。
先週、1週間前にこの仏像が太宰府に向けて出発をいたしました。その2日前に、これは私が撮った写真でございます。〔パネル表示〕右手にご注目ください。次の月曜日にこうして運ばれました。もうそのとき既に、この右手は外れております。こういうふうに傷みがひどいということでございます。これは、この布袋さんの裏側でございます。〔パネル表示〕この中から古文書が見つけられました。これがご本尊ですけれども、ご本尊を取り外したところでございます。〔パネル表示〕この後ろはこういうふうにもう傷みが激しいというのが実態でございます。これはご本尊の後ろの姿でございます。〔パネル表示〕ご本尊の下の木片は、こういうふうにもう腐れ果てているのが実態でございます。
私は、このような文化財を守ろうという運動は日本を愛し、長崎を愛する市民のすばらしい真の民主主義を育てる動きであり、行政は側面からこのような運動を支え支援すべきと思います。そのために、ふるさと納税制度の寄附金活用事業に位置づけ、その意義をわかりやすく全国に発信してはどうかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
このふるさと納税制度は、単にふるさとを思う心を税金で支援するという視点にとどまっておりますが、これをもっと進化すれば、国民個々が納める税金を国民が期待する施策にみずからが誘導できる具体的な政治参加につながると考えております。
その意味からも、それぞれの自治体が文化財保護や国民の共感を得る事業を発信すれば、地域を越えて税金や基金を集めることができると考えますが、田上市長のご所見をお伺いいたします。
この西坂の二十六聖人記念館から筑後町、玉園町の一連の寺院、さらに長崎歴史文化博物館、そして長崎の文献を貯蔵する県立図書館、諏訪神社まで、この一帯はまさに長崎学の宝庫とも言うべき魅力が集積した地域であります。その意味では、この歴史文化散策ゾーンの整備は、単に市民のボランティアの域でとどまるものではありません。
ここに長崎の市民力とも言える活動を紹介いたします。
このマップは、私の友人の上町の老舗のまんじゅう屋さんが自分で地元の歴史文化を紹介するマップとしてつくられた、さるく観光が始まる数十年前からお客さんや観光客に配っておられるかわら版でございます。〔実物表示〕
この写真は、私が住んでおりますつつじが丘の元小学校の校長先生が二十六聖人の記念館や県立図書館の文献やキリシタン資料をもとに、数年にわたり調査を行われ、このほど古賀殉教者記念碑と東望地区殉教者記念碑を建立されました。この場所は、古賀の松原バス停の裏にありまして、この地で古賀のキリシタンが処刑され、東長崎のキリシタンは絶滅したそうであります。このように、すばらしい市民の力を行政はバックアップし、大きな長崎の施策として生かし広げることが市長の市長力ではないか。
諏訪の森には、東照宮の庭の石組みも残っております。長崎歴史文化博物館には諏訪神社にあった能舞台の再現や能面、能衣装の展示もあれば、もっとすばらしいものが実現すると思っております。