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2008-11-28 長崎市:平成20年第4回定例会(2日目) 本文

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  1. 長崎市議会 2008-11-28
    2008-11-28 長崎市:平成20年第4回定例会(2日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1           =開会 午前10時0分= ◯議長(吉原 孝君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第2号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、これよりお手元に配付いたしました質問通告表により、順次、市政一般質問を行います。17番宮崎高舟議員。       〔宮崎高舟君登壇〕 2 ◯17番(宮崎高舟君) 自由民主党の宮崎です。きょうは地元からたくさんの方、応援に駆けつけていただきまして、ありがとうございます。そして、きょうは一般質問の一番バッターということで、いささか緊張はしていますが、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。  本日は、環境行政と文化行政の質問をさせていただきますので、市長並びに理事者の的確な答弁を求めます。  まず最初に、環境行政についてご質問いたします。  今、地球上では、地球温暖化の影響と思われる海面上昇、局地的な集中豪雨、台風やハリケーンの巨大化など極端な現象の大規模化、頻発化が問題になっております。この長崎市におきましても、過去50年間で年間平均気温が0.9度上昇し、真夏日が9日間、熱帯夜が12日間増加し、年間降水量も300ミリ減少しております。昨年2月の新聞報道では、国連関連機関である気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCが地球の温暖化と今後の見通しに関する、いわゆる第4次報告書を公表したことの大きな報道がありました。これらの報道によりますと、報告書では今既に地球温暖化が起こっていると断定し、その原因として人為的な温室効果ガスの増量によるものとほぼ断定をしておりまして、2001年に公表されました第3次報告書よりさらに踏み込んだ表現となっております。また、2099年の地球の平均気温予測では、化石燃料を主たるエネルギー源として高い経済成長を求めようとする社会では、最悪のシナリオで6.4度上昇すると予測し、海面の上昇についても59センチとなっており、人類のみならず、すべての生物にとっても危険な状況だと言えます。  日本政府は、IPCCの公表以前の平成17年の京都議定書の発行に伴い、温室効果ガスの削減に関して、各省庁が連携をして広範多岐にわたる施策を展開しているようでございますが、なかなか削減が容易ではない状況のようです。この京都議定書は、ことしから平成24年までの5年間の第1約束期間に入っており、我が国の場合、平成2年の温室効果ガスの排出量を約束期間内に6%削減することを世界に約束しております。また、ポスト京都議定書に向けて国際会議が活発に開催されたり、ことしの7月に開催されたG8北海道洞爺湖サミットにおいても、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも50%削減することや、分野別に削減目標を設定することなどが合意をされました。  このような状況の中、長崎市でも市みずからの率先的な取り組みなど進めておられると思いますが、本市の地域全体として、まちづくり、交通対策、吸収源となる森林の保全など各分野における取り組みを総合化し、強化していく必要があると考えます。  そこで、お尋ねをいたします。  現在、長崎市では市民、事業者及び市自体、どのような取り組みが進められているのか、お尋ねいたします。そして、今後、地球温暖化対策の取り組みをどのように進めていこうと考えておられるのか、今後の計画についてご答弁をいただきたいと思います。  続きまして、西工場の建て替えにつきましては、昨年の9月議会、11月議会から2回にわたり質問をしてきました。また、今期の議会の文教経済委員会において、所管事項調査として状況報告が予定をされているようでございますが、私も木鉢町の西工場がある地元の人間として、あえて確認の意味も含めて西工場の建て替え計画について再度お尋ねをさせていただきたいと思います。  質問の第1点目は、建設地の選定状況についてであります。  昨年の11月議会において、新しい焼却施設については、平成27年度末までの完成を目標として、平成20年度末には用地を選定する必要性があり、本市が所有する土地を建設用地として選定するとのご答弁をいただいておりましたが、先般、西工場建て替え設置検討委員会から市長へ検討結果が報告されたと聞き及んでおります。その委員会の検討結果はどのような内容であったか。また、その報告内容を踏まえて市として最終的な意思決定をすることになろうかと思いますが、その最終決定はいつぐらいの時期を考えているのかお尋ねをいたします。  次に、2点目の建設までのスケジュールについてであります。  新しい焼却施設は、平成27年度末の完成を目標とされているとのことですが、環境アセスメントや実際の施工期間など相当の時間がかかると予想され、これにより地元との協議期間がかなり制約されているのではないかと考えられます。  そこで、市が建設地の意思決定をした後の新西工場稼働までの具体的な検討が進んでいると思いますので、確認の意味を含めまして、財源や建設手法についてお尋ねいたします。
     次に、新西工場建設に当たっては、市の財政状況や市民の財政負担の軽減という観点から最小限の経費で建設すべきと考えますが、その財源はどのようなものを活用する予定とされているのか、また、建設手法としてPFIも検討するとのご答弁をいただいておりましたが、その後どのような検討をなされたのか、具体的にお伺いいたします。  以上が西工場建て替えについての質問でございます。  3点目に、前回の議会でも質問をさせていただきました皇后島についてであります。  前回質問をさせていただきましたように、皇后島は長く古き歴史がある島で、そして、何よりも風致公園地区でございます。しかしながら、前回の議会でもお話をさせていただきましたように、現在は荒野となっており、とても風致公園と呼べるところではなくなってしまいました。  そこで、質問をさせていただきます。  前回の議会後、一度ごみ拾いや草刈りをしていただきましたが、市は風致公園であります皇后島を今後いかにお考えになっておるか、お伺いいたします。  以上が環境行政につきましてのご質問です。  次に、文化行政についてのご質問です。  神ノ島町に所在をしております四郎ケ島についてお聞きいたします。  9月議会でも同じ会派の先輩議員が取り上げておりましたし、また、これまでの議会でもほかの先輩議員たちが取り上げてきましたように、四郎ケ島砲台跡は長崎市の歴史に深くかかわりがある島でございます。  この神ノ島町に所在をしております四郎ケ島は長崎港の入り口にあり、台場の築造前までは海に浮かぶ島でございました。そして、築造と同時に両島は陸続きとなり、現在では神ノ島北側や東側の海面は埋め立てられてしまい、長崎の市街地と陸続きになりました。そして、皆様がご存じの佐賀藩が独自になぜ四郎ケ島に大砲台場をつくることになったのか、その経緯について長崎の海岸防備の概要を簡単にお話しさせていただきます。  当時、鎖国政策をとった江戸幕府は日本人の渡航を禁じ、貿易もオランダと中国のみといたしました。幕府は、寛永18年、1641年2月、福岡藩に長崎警備を命じ、同年、港内の西泊と戸町に番所を設け、翌年の寛永19年、1642年3月には佐賀藩にも福岡藩と隔年交代で長崎警備をするよう命じ、以来、幕末までこの警備体制が続いていきます。  両藩は、中老、物頭以下、足軽、水夫など約1,000人、船を約30隻派遣し、西泊と戸町の両番所と台場を守り、オランダ船が帰国する9月以降は半数で守備をいたしました。  長崎の台場は、承応2年、1653年、平戸藩によって港内に太田尾、神崎、女神、港外に白崎、高鉾島、長刀岩、蔭尾に増築され、これらの7台場を古台場といい、文化5年、1808年のフェートン号事件以後に増築された新台場と増台場とに区分をされます。ちなみに、フェートン号事件とは、文化5年8月15日、イギリス海軍のフリーゲートフェートン、フリートウッド・ペリュー艦長は、オランダの国旗を掲げ、国籍を偽り、長崎へ入港し、これをオランダ船と誤認した出島のオランダ商館員ホウゼンルマンとシキンムルの2名は慣例に従い、長崎奉行所のオランダ通詞らとともに出迎えの船に乗り込もうとしたところ、武装ボートで商館員2名が拿捕され、船に連行をされました。それと同時に、船はオランダ国旗をおろしてイギリス国旗を掲げ、オランダ船を求めてボートで長崎港内の捜索を行い、人質の1人、ホウゼンルマンを派遣し、まきや水や食糧の提供を要求しました。  長崎奉行の松平康英は、港内警備を担当する佐賀藩、福岡藩の両藩にフェートンの焼き討ち、もしくは抑留を命じ、大村藩などにも派兵を促しました。オランダの商館長のヘンドリック・ズーフは長崎奉行所内に避難し、戦闘回避を勧めましたが、ここに来て長崎警衛当番の佐賀藩が太平になれて守備兵をわずか150名程度に減らしていたことが判明し、翌16日、イギリス船がオランダ人を1人釈放して、欠乏の食料の供給を求め、供給がない場合は港内の和船、唐船を焼き払うと脅迫をしてきました。長崎奉行から連絡を受けた福岡藩、佐賀藩の出兵はおくれており、襲撃兵力がない長崎奉行はやむなく要求を入れ、食料や飲料水を供給し、オランダ商館も豚や牛を送りました。このためにイギリス船は残りのオランダ人も釈放し、翌17日に港外に去り、佐賀藩、福岡藩、大村藩の応援兵が長崎に到着したときには既にフェートン号の姿はありませんでした。手持ちの兵力もなく、侵入船の要求にむざむざ応じざるを得なかった松平康英は、国賊を辱めたとしてみずから切腹し、勝手に兵力を減らした佐賀藩家老数名も責任をとって切腹をいたしました。そして、江戸幕府は佐賀藩が長崎警備の任を怠ったとして、11月には藩主に100日間の閉門を命じ、1825年には異国船打払令を発令することとなります。  このフェートン号事件は、幕府、佐賀藩、福岡藩にとって大きな衝撃となり、長崎警備の強化を推進させ、古台場7カ所に次ぎ、フェートン号事件後、新台場5カ所を増設し、さらにこの12台場の増工事をしました。  その後、外国船の頻繁な来航や、1840年のアヘン戦争などの国際情勢に苦慮した幕府の老中阿部正弘は、佐賀藩、福岡藩に対し、長崎港の台場について諮問をし、それに対して佐賀藩鍋島直正は外目の台場を大幅に改築し、大口径の大砲を100門ほど増設することを提案しましたが、幕府は財源の問題もあり、結局、否決をしました。そこで佐賀藩は、自分の領である神ノ島と四郎ケ島間を埋め立てて、大砲台場の増設、築造を決意しました。大砲台場を独自に築造することにした佐賀藩は、その道の権威者と言われた江戸幕府の江川太郎左衛門の意見を聞き、伊東玄朴を通じて幕府が所蔵していたサハルト八菱城の原本を借り受け研究を進め、そして、佐久間像山らにも相談し、設計図を作成しました。神ノ島と四郎ケ島を結ぶ堤防工事として、人夫約21万6,000人、石工約18万5,000人を要し、その費用は、金に換算しまして約2万8,000両と見積もりました。しかし、堤防工事に着手したものの、予想外の難工事で中断し、工事見直しの見積もりの石工の工事費だけでも6万3,000余両を要することとなり、佐賀藩はやむなく幕府に拝借金を願い出ますが、これはかないませんでした。そこで、佐賀藩は独力で工事を実施することを改めて決意し、90そうの漁船に石材を満載し、これらを海中に投げ入れましたが、激流が激しく押し流され、投げ入れても投げ入れても効果があらわれませんでした。長崎市中では、どんどん転びの堰所の石よ、どこでとまるか行き先も知れぬという歌が流行し、金銀を海底に捨てるものだと嘲笑する者もいたと言われます。そこで、試みに2間に1間半に高さ1丈の枠をつくり、これに石材を充てんして海中に沈めましたところ、それらは潮に流されずにとまり、この方法で神ノ島と四郎ケ島の両端から埋め立てをして、1852年2月から両島の間の漁船の通行を禁じ、145隻の船で一気に埋め立て工事を急ぎ、月末の29日には徒歩で往来ができるようつながり、さらに7月より石堰工事に移り、ようやく神ノ島と四郎ケ島の間の約220メートルの埋め立て工事が終了したと言われており、これにより神ノ島、四郎ケ島の台場の増設、築造が完成、そして、佐賀藩は自力で開発した日本で初めての反射炉を使った鉄製大砲を四郎ケ島の台場に設置、ペリー来航の1年前でした。  1854年、幕府の川路勘定奉行は神ノ島、四郎ケ島、小島など砲台と弾薬庫を巡視し、神ノ島、四郎ケ島、小島からの実弾射撃を見て、川路はこのことを長崎日記に、1月15日晴れ、長崎所々、台場でそのほかを巡視。鍋島直正の新台場まことによろしきできである。16万両かかった由、甚だ感服すと記載されております。長崎で開国を迫ったロシアのプチャーチン艦隊に対して、幕府の川路勘定奉行が断固開港を拒否したのは、開発製造したばかりの伊王島、四郎ケ島に強力な台場があったからだとも言われております。  一方、1853年と1854年に来航したペリー艦隊に幕府は開国の要求をのんだのは、江戸港に伊王島、四郎ケ島のような強力な台場がなかったからだと言われており、幕府は江戸の海防の失態に反省をし、佐賀藩に50門の大砲を注文し、品川の台場に設置をさせました。  このように、この時代から我が国、長崎を守ってきた四郎ケ島に台場が築造されたのは1853年で、現在155年の月日がたっております。そして、何より日本で最初に大砲が据わった場所です。  現在、四郎ケ島は神ノ島から四郎ケ島にかけて約200メートルの堤防があり、昭和の時代に改築され、当時の規模は明らかではございませんが、干潮時にあらわれる石垣は幕末のものだとも考えられております。また、四郎ケ島と小島の間を埋め立てて築造した小島台場、四郎ケ島の山頂部分を削り取って築造したと思われる3カ所の台場があり、一部の欠損がありますが、ほぼ当時の面影を残しております。小島台場の前面に位置する石垣の長さは約70メートル、また、井戸の周辺の石垣は約30メートル、これらの石垣は、専門家の話では高度な技術で積まれているということもわかっておりますし、その眼下にある海岸に沿った巨大な石垣、長さ約95メートルは見る者を圧倒します。山頂の台場に向かう階段、山頂を削り取って築造されたと思われる台場2カ所とそれらの西に隣接する長方形の台場もあり、その間には石組みのトンネルの長さ10メートル、これらの台場は島の地形を巧みに活用されていると専門家は言います。  そして、四郎ケ島西側の海岸に立てば石切りの跡が多く見られ、海岸の石を切って台場の石垣を積んだと想定され、また、四郎ケ島の近くの中ノ島も台場築造の石切り場であったと伝えられております。このように、四郎ケ島は無人島であったため、ほとんど築造当時の面影を残しています。しかし、北側にある巨大な石垣が1991年の台風により一部崩れ出し、現在は3カ所崩壊をしており、いつ崩れてもおかしくはない非常に危険な状況にあります。  歴史的に価値があり、江戸のものつくりの研究に大変必要となるこの大砲台場、そして、何よりも釣り人や子どもたちがそこを通ったときに崩壊をしたならば大惨事になりかねません。  近年、佐賀の市民団体様や大学の教授、市民の各団体様の必死の調査や地元の皆様のご協力で新聞やテレビ報道など、ようやくこの四郎ケ島が注目をされ、日の当たる場所へ出始めました。  以上を踏まえまして、数点の質問をさせていただきます。  1つ目は、四郎ケ島は市が持ち主ではなく、民間の方が持ち主だと聞いておりますし、また、市のほうも何度か史跡的価値の必要性、または地元の意向もあるということで足を運んだとお聞きしておりますが、そのお話の経過をお伺いいたします。  2つ目に、この四郎ケ島の文化財としての重要度はどの程度で考えておられるか、お伺いいたします。  以上で壇上からの質問とさせていただきます。  答弁次第では自席からの再質問をいたします。=(降壇)= 3 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 4 ◯市長(田上富久君) 自由民主党、宮崎高舟議員の質問にお答えします。  1点目の環境行政についての(1)地球温暖化対策の推進についてでございますが、まず、現在の取り組み状況についてお答えいたします。  市民に向けましては、環境教育に重点を置いた取り組みを行っております。具体的には、環境出前講座を開設しまして、公民館、自治会、学校等に職員を派遣し、地球温暖化対策を重要テーマに、「地球温暖化と私たちにできること」と題して実施をしております。そのほか、環境省が国民運動として推進しております我が家の環境大臣、こどもエコクラブへの参加を市民の皆様方に呼びかけております。この我が家の環境大臣は、平成18年度から取り組んでおりまして、自主的に省エネやごみ減量など環境に優しい行動に取り組もうとされるご家庭や団体を登録するものであります。ことしの10月末現在で6つの団体、362世帯の登録がなされております。一方、こどもエコクラブは平成7年度から取り組んでおりまして、小中学生を対象に保護者や学校の先生がサポーターとなって自主的な環境活動を行っており、ことしの10月末現在で15団体、317人の登録がなされています。  事業者に向けた取り組みといたしましては、同じく環境省が推進しています環境マネジメントシステム国際規格ISO14001の国内版でありますエコアクション21の普及に平成19年度から努めておりまして、これもことしの10月末現在で8社の認証登録がなされ、今年度内にはさらに10社程度の認証登録を見込んでおります。また、学校に向けた取り組みとしましては、本年度から小中学校におけるペットボトルのキャップのリサイクル活動、キャップくるくるリサイクルなどの普及啓発、それから、小学校4年生と5年生の全児童への環境副読本の配布、学校版環境ISO長崎エコスクールなどに取り組んでおります。そのほかの施策としましては、ライトダウンキャンペーン、ノーマイカーデー運動、民間建築物の屋上や壁面の緑化に対する補助制度の充実、輸送に伴う二酸化炭素排出削減につながる食料の地産地消など多くの分野でも取り組んでおります。また、市みずからの取り組みとしましては、市役所自身が大規模な事業者であり、消費者であるということを認識しまして、市の事務事業に係る温室効果ガス削減計画として、平成12年度に長崎市役所環境保全率先実行計画を策定しております。省エネやごみの減量とリサイクル、グリーン購入などに取り組むとともに、17項目のエコアクションの実行に努めてまいりました。  こういった取り組みの中で、ことし6月の地球温暖化対策推進法の改正に伴いまして、長崎市役所環境保全率先実行計画に加えて、地域内施策として、事業者や市民の排出抑制の促進、自然エネルギーの導入や公共交通機関、緑地、そのほかの地球環境の整備等の施策を盛り込むことが義務づけられております。そこで、現在、長崎市では公募による市民や市民団体、事業者団体など多くの方々に参画をしていただいて、今年度内の完成を目指す地球温暖化対策を総合的に推進するための計画づくりを行っております。この計画につきましては、長崎市全体の温暖化対策の指針となる計画であり、今後は市民一人ひとりの温暖化防止に向けた取り組みが重要になってくると考えております。  こういったことから、計画をつくった後は、現在、計画策定に参画されている方々や多くの環境活動で活躍されている市民団体の方々、関係行政機関及び学識経験者等で構成します推進協議会を立ち上げまして、この協議会を通じて行政、市民、事業者が一体となり、さらなる温暖化対策の推進に努めていく体制をつくり上げたいというふうに考えております。  次に、1点目の(2)西工場の建て替えについてでございますが、新西工場の建設地の選定につきましては、建設に必要な面積を持つ市有地を公有財産システムから抽出いたしまして、各所管部局に対する調査を行い、候補地として8カ所を選定いたしました。次に、環境や都市計画など専門的な視点から候補地を絞り込むため、大学の教授等で構成いたします新西工場建設地検討委員会を設置し、この8カ所の候補地について現地視察を含む6回の委員会で検討をしていただきました。その結果、検討委員会としては、西部下水処理場の敷地内と三京クリーンランド埋立処分場3工区の一部の2カ所が適地であると判断され、ことし11月17日に報告書として提出をしていただきました。  長崎市としましては、検討委員会からの意見を尊重し、今後の建設地決定に適切に反映したいと考えておりまして、建設までのスケジュール等を勘案して、早ければことしじゅう、遅くとも今年度中には最終的な意思決定をしたいと考えております。  次に、建設までのスケジュールでありますが、合併特例債の活用期限である平成27年度末の完成を目標として、平成21年度の中ごろまでに建設候補地の地域住民の皆様の理解を得た上で、平成21年度の後半から平成24年度にかけて環境アセスメントの実施、平成25年度から27年度までが施設の建設というスケジュールになると考えております。  議員ご指摘のとおり、地域住民の皆様との協議期間はかなり制約されることになろうかとは思いますが、長崎市といたしましては、誠意を持って十分に協議をさせていただきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。  次に、建設に係る財源ですが、循環型社会の形成を図ることを目的として、平成17年度に創設されました循環型社会形成推進交付金を活用するとともに、地方債としまして有利な起債である合併特例債の活用を予定しております。  次に、建設手法としてのPFIについてですが、一般廃棄物処理事業においては、PFIが進んでいる分野であると言われておりまして、他都市での実績も数多くありますことから、長崎市においても、財政負担を最小限に抑える方策としてPFI方式の適用についても検討をしております。  次に、2点目の文化行政についての(1)四郎ケ島の史跡化の推進についてでございますが、ご指摘の地元自治会との協議につきましては、これまでも文化財指定等の関連で必要に応じまして実施をしてまいりました。中でも、ことしに入ってからは、台場跡の保存等を中心に4回の協議を行っております。その中で、自治会としては現在のところ、四郎ケ島台場跡を地域振興の一つの核として生かすことを最優先に考えておられ、民有地のまま四郎ケ島台場跡を文化財として指定するのではなく、できれば国も含め、公有化を図った上でそのような文化財指定の手続きへと移行することを望まれているようであります。  そこで、長崎市としましては、地元のご意向等も踏まえながら、台場跡の保存に向け、どのような方法が検討できるのか、引き続き地元自治会と十分協議を重ねていきたいと考えております。  次に、四郎ケ島の文化財としての価値についてですが、四郎ケ島は現在、市内において埋蔵文化財の存在が確認されている240余りの遺跡の一つとして、四郎ケ島台場跡の名称で工事をされております。ご承知のとおり、島内には当時の石垣や井戸、地下通路などの遺構の保存状態もよく、文化庁もその重要性を認識し、平成15年には遺構の保存状態などの確認のため、近代遺跡の調査を実施したところであります。  このように、幕末期に築造された近代化遺産として、また、近世の貴重な台場の遺構として、四郎ケ島台場跡は国指定史跡に相当する十分な価値があるものと認識をいたしております。  以上、私の本壇からの答弁とさせていただきます。=(降壇)= 5 ◯道路公園部長(池田敏明君) 次に、1.環境行政について、(3)皇后島(ねずみ島)整備についてお答えいたします。  皇后島、いわゆるねずみ島公園は、長崎港玄関口に位置する面積約1.7ヘクタールの豊かな自然を有する風致公園として、昭和26年に都市計画決定を行っております。  当公園におきましては、毎年、長崎遊泳協会が新年恒例の泳ぎ初め式を開催しており、昨年よりこの開催前に長崎市におきまして、砂浜及び歩道の除草、清掃を行っております。この泳ぎ初め式は長崎の伝統行事の一つとなっておりますので、今後も清掃活動を続けてまいりたいと考えております。また、ねずみ島公園周辺では、県の長崎港港湾計画において港湾施設整備のため、埋め立てと緑地等の整備が計画されております。  このようなことから、ねずみ島公園の整備につきましては、今後、長崎港港湾計画の具体的な整備計画や着手時期等が明確になった時点で、整備計画の中での緑地の整備方針との整合を図りながら、風致公園としての整備を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 6 ◯17番(宮崎高舟君) 環境行政から地球温暖化の分の再質問をさせていただきます。  ただいまのご答弁では、地球温暖化対策推進法の改正により、既存の長崎市役所環境保全率先実行計画と統合して新しい地球温暖化対策の計画づくりをしているというふうにお聞きしましたが、私が聞いたところによりますと、この長崎市役所環境保全率先実行計画は総務部の所管ということをお聞きしています。ところが、新しい温暖化対策の計画は環境部で現在つくられていますよね。市の総合的な地球温暖化対策として推進していくのであれば、現在2つの部で所管して取り組んでいるのは、ちょっとおかしいと私は思います。体制を一体化して取り組むべきじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。 7 ◯総務部長(三藤義文君) 再質問にお答えいたします。  現在、全市的な環境対策と申しますか、それにつきましては、確かに環境部のほうで所管いたしまして、一つの事業所としての市役所の内部的な対策は総務部で所管するということで実施をいたしております。  ただ、議員ご指摘のような点は私どもも感じておりますので、今現在、環境部のほうと調整をいたしまして、今後の対策の推進につきましては、環境部のほうで一元化して対応を行っていきたいということで、今予定をしているところでございます。  以上でございます。 8 ◯17番(宮崎高舟君) わかりました。そういうことであれば、今後とも地球温暖化対策の推進にぜひ力を入れて頑張っていただきたいと思います。  続きまして、西工場の建て替えについて再質問をさせていただきます。  西工場を建て替えるに当たり、私が1つ疑問に思うところは、現在建っている西工場の跡地ですね、これはどのように活用されるのかというところをひとつお尋ねさせていただきたいと思います。 9 ◯環境部長(溝田弘人君) 再質問にお答えいたします。  先ほど市長も答弁いたしましたように、現在の計画では、新西工場は平成27年度末の完成を予定いたしております。したがいまして、まずは用地の選定を早急に行いたいというふうに考えております。  新西工場が稼働いたしますと、現在の西工場は当然焼却を停止いたします。そうしますと、速やかに工場の解体というステップになろうかと思いますけれども、その解体後の跡地の活用につきましては、解体につきましても、恐らく億単位の財源が必要になるかというふうに考えております。したがいまして、解体の時期とその跡地の利用計画につきましては、タイミングを同じような形で今後検討していきたいというふうに考えております。  したがいまして、現段階で現在の西工場の跡地をどうするかという部分につきましては、特に成案があるわけではございません。  以上でございます。 10 ◯17番(宮崎高舟君) そういうことであれば、跡地活用につきましては、これは私だけの考えなんですけど、現在、西工場から西泊中学校にかけてですが、あそこの道が近年、金水トンネルとか女神大橋ができて、現在、あそこの道の通りが死んだ状態になっておるんですね。だから、西泊中学校と近隣ということもありますので、例えば学校のスポーツに力を入れるとか、そういう意味で、そういう活用の仕方をちょっとお願いしたいし、跡地活用にしてもとにかく何よりも一番に地元と協議していただいて、今後、跡地活用についても考えていただきたいと要望させていただきます。  次に、西工場、先ほどのご答弁でお話をお聞きしましたところ、どっちになるかわからないけど、一応候補地が2つ上がっているということでお聞きしたんですが、あと地元の協議会とか説明会とか、そういうのはどれくらいに予定されているのか、お尋ねさせていただきます。 11 ◯環境部長(溝田弘人君) 再質問にお答えいたします。  先ほど市長答弁でも申し上げましたように、遅くとも今年度中には市としての場所の決定を行いたいというふうに考えておりますが、その後の地元の皆様方との協議のやり方といいますか、どういった手法がいいのかという部分につきましては、それぞれ地元の自治会長さんたちもいらっしゃいますので、そういう皆様とはどういった手法がいいのかという部分につきましては十分協議をさせていただき、そういった形で臨みたいというふうに考えております。  以上でございます。 12 ◯17番(宮崎高舟君) 実際、候補地の中にはもちろん私の地元も入っていますので、ちょっと言わせていただきますけど、今後は地元の人間の声に真摯に耳を傾けていただき、協議会を開くとか、説明会をまめに行うとか、とにかくちゃんとした話し合いをしていただいて、今後この計画を進めていただきたいということを要望します。  そして、皇后島につきましては、先ほどご答弁がありましたように、これは確認なんですけど、毎年定期的に整備に入っていただくというふうに考えてよろしいんでしょうか。 13 ◯道路公園部長(池田敏明君) 再質問にお答えいたします。  皇后島の砂浜及び歩道の清掃、除草につきましては、今年度も含めまして、今後も引き続き続けてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 14 ◯17番(宮崎高舟君) ありがとうございます。  先ほどもお話に出ましたけど、あそこは前回の議会でも私話しましたが、長崎遊泳協会の発祥の地でもありますので、今後とも皇后島を風致公園地区として整備していただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。  次に、文化行政から幾つか質問をさせていただきたいと思います。  私は、現在、四郎ケ島が文化庁の近代文化財の五十数カ所のうちの一つの候補に上がっているというふうにお聞きしていますが、市自体はその事実は把握をされているのでしょうか。 15 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  四郎ケ島台場跡が国のほうの近代遺産でありますとか、今ご指摘のそういったふうな候補に上がっているということにつきましては聞き及んでおります。  以上でございます。 16 ◯17番(宮崎高舟君) そこのお話に至るまでは、佐賀のNPO法人や、佐賀の大学教授ですね、もちろん地元の方たちの努力があってそこまで話が進んでいったと私は聞いています。  市はそこに至るまで何か施策とか、また、その団体の皆さんにご協力というふうな形はとられたんでしょうか。 17 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  台場跡の保存を考える上で、佐賀の市民団体の方々の活動というのは大変心強く受けとめさせていただいているところでございますけれども、そういったふうな指定等に向けて佐賀のそういったふうな関係団体と直接お話をさせていただいたということは、これまではございません。  以上でございます。 18 ◯17番(宮崎高舟君) 他県の皆さんがあそこの台場を文化財にしたいということで、ここまで頑張っていらっしゃるんですよ。もし仮にあそこが文化財として指定されてしまったら、長崎市、何しよっとやと言われかねないんですよ。  先日、私はちょっと佐賀のほうに行ってまいりまして、佐賀の市民団体の代表の方とか、佐賀の大学教授の皆さんとお話というか、勉強会をさせていただいて、その中でやっぱり市民団体の代表の方からちょっとお話が出たのが、ここまでせっかく進んだんだからと、長崎市さんの協力がもう少しあればというお話も私は実際聞いたんですよ。ですから、まだ私は遅くないと思いますので、できれば早急に地元の皆さんとの協議会、そしてまたは、佐賀の市民団体様との連携に努めていただきますことを要望させていただきます。  そしたら、その件に関して市長の意見をお聞きしてもよろしいでしょうか。 19 ◯市長(田上富久君) 宮崎議員の再質問にお答えいたします。  四郎ケ島の台場、佐賀藩、福岡藩が長崎を江戸時代に守ってくれたということで、特に佐賀藩の当番の年にさまざまな事件が多かったと、福岡藩に比べて佐賀藩のときに多かったということもお聞きしております。その影響で佐賀藩の国防意識といいますか、非常に高まって、それが薩長土肥と言われる4つの藩の中の1つに加わることにつながっていくというようなお話もお聞きしたことがあります。そういう経緯もあって、恐らく佐賀藩の皆さん、佐賀の皆さんは非常にさまざまな歴史的な事件があった場所としても、先祖がそこで活躍した場所としても思い出が一定深いのではないかなというふうに思います。そういう思いも受けとめながら、四郎ケ島の史跡化の推進については、今後、積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上です。 20 ◯17番(宮崎高舟君) 佐賀の方たちとやっぱりお話しした中で、今後、市のほうが動くということであれば全面的に協力をしたいという返答もいただいておりますし、また、佐賀で以前、四郎ケ島の150周年記念というものをしたんですが、そのときに佐賀の市民団体のほうでアームストロング砲という大砲をつくってこちらのほうに持ってきて、7発、記念で空砲を撃ったわけですね。だから、そういった感じで、長崎市自体が今後協力をするということであれば、またアームストロング砲を持ってきて撃ってもいいよと言っておりましたので、ぜひ協力のほうお願いいたします。  続きまして質問させていただきますけど、台場の現状は先ほどの質問の中でもありましたけど、石垣の一部が崩壊して大変危険な状態です。この件に関して市はどのような判断をされているのか、お聞きいたします。 21 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  台場跡の現況につきましては、今と本壇で議員がおっしゃられたとおりでございまして、特に台場跡の北西部分においては、経年劣化や台風の影響によると思われる崩壊が著しく、今後さらにこの崩壊が進行し、石垣の崩落等、そういったふうな危険性もはらんでいるというふうに認識をいたしております。  以上でございます。
    22 ◯17番(宮崎高舟君) そして、私これちょっと聞いた話なんですが、あそこの場所、民間の方の持ち物だというふうには、もちろんお聞きしていますけど、調べたところによれば、市が独自に調査するのは、その持ち主、地主の方の同意があれば調査ができるというようなお話を聞いたんですが、それは本当なんでしょうか。 23 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  ご指摘のとおり、台場跡は民間の方々の所有になっておりますけれども、先ほど市長のほうからもございましたけれども、埋蔵文化財の存在が確認されている遺跡ということでございまして、所有者の方々のご了解をいただければ調査は可能であると認識をいたしております。  以上でございます。 24 ◯17番(宮崎高舟君) そういうことならば、私自身、この前自治会長さんとも話したんですけど、調査するだけならばしてもらっていいですよという返答をいただいています。ですから、あそこの石垣、先ほどからお話に出ていますけど、本当に貴重な石垣なんですよ。そこが崩落する前に何とか地元の方、地主の方と協議してもらって、調査していただきたいと思いますが、市として今後どのような動きを見せていただけるのか、お伺いいたします。 25 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきます。  私どもといたしましても、四郎ケ島台場跡は歴史性に富んだ大変貴重な遺構であると考えておりますので、条件が調えば調査について十分検討を行ってみたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯17番(宮崎高舟君) そうなった場合に財源はどのようにするのか、ひとつお伺いさせていただきます。 27 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  調査をするとした場合は、国、県のほうとも十分お話をさせていただき、相当の部分については国等の補助制度に当てはめて実施をいたしたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯17番(宮崎高舟君) その財源については、具体性というのはあるんですか。 29 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  おおむね調査にどれくらいかかるかというのは、概算把握はいたしておりますけれども、まだ正確なものではございませんので、ここでは差し控えたいと思いますけれども、そういったふうな調査費用、それに充てる財源につきましては、私どもといたしましても一定心づもりは持っているつもりでございます。  以上でございます。 30 ◯17番(宮崎高舟君) わかりました。その件につきましては、もう本当に早急に取りかかっていただきたいと要望させていただきます。  あともう1つ、質問をさせていただきます。  例えば、そこで調査ができるとなったときに市はどのような調査を行うのか、ちょっとお伺いをさせていただきます。 31 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  もし調査をするとした場合、その内容といたしましては、先ほど申しましたけれども、特に崩壊が著しい遺跡の北西部分を中心に測量や写真撮影等を考えているところでございます。また、これらをもとに平面図等の図面の作成を行い、これらを記録保存することにより、これはご質問ありませんでしたけれども、たとえ崩壊が進んだとしても、石垣の復元は可能であるものと考えております。  以上でございます。 32 ◯17番(宮崎高舟君) ちなみに、調査期間はどれくらいで考えられていますか。 33 ◯文化観光部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  具体的にその調査の期間というのはまだ算定まで至っておりませんけれども、これまでの例に照らしますと、1年ないし2年というふうに考えております。  以上でございます。 34 ◯17番(宮崎高舟君) そういうことであれば、先ほどからずっと言っていますけど、早急にお願いしたいと思います。  今のお話を聞きまして、私自身ちょっと安心したところはありますけど、これは私の地元の神ノ島の人たちも一緒の気持ちだと思います。今後とも四郎ケ島の史跡化につきましては、私ももちろんご協力をさせていただきますけど、市のほうとしましても尽力していただくことを要望させていただきます。  最後になるんですけど、今回この四郎ケ島の質問をするに当たって、佐賀の市民団体の皆さんや大学教授にたくさんの資料をいただきました。この場をかりて皆さんに厚く御礼を申し上げて、終了させていただきます。  〔「関連」と言う者あり〕 35 ◯43番(奥村修計君) ただいま宮崎議員の中から四郎ケ島台場の整備について質問がなされ、答弁もなされましたけれども、非常に貴重な文化財ということで、私も平成15年に国の近代化遺産調査があった折に質問しております。そのときは地元の了解をいただかなければできないということで、石垣の崩落についても非常に危険だということを申し上げておりましたけれども、今答弁と質問のやりとりの中で、これから自治会長は大体調査には協力できるという立場であるということがわかっておれば、予算とかなんとかの問題よりも、市長にお願いしたいんですけれども、本当にこの四郎ケ島台場は貴重であることは事実でありますけど、佐賀のほうでもう現に、佐賀藩がつくったわけでありますから、これは残したいというふうになされておるわけですから、市長がここでひとつ、長崎市としても大切な遺産でありますので、ぜひやっていくということを言明していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。 36 ◯市長(田上富久君) 先ほど宮崎議員の再質問にもお答えいたしましたが、佐賀の皆さんが非常に熱心に取り組んでおられると、また、本当に先祖のいろんな活躍の場であったということで、思いが深いということは以前からお聞きをしております。また、それと同時に、先ほど申し上げましたように、史跡としての価値も非常に高いということもお聞きしております。台場が幾つか残っている中でも、特に保存の状態も含めて価値が高いということも聞いております。  もう1つは、近代化遺産群、近代化の産業ではありませんけど、近代化の過程での遺産群というのを長崎の中の一つの資源としてこれから発信をしていくという意味でも、これまではどちらかというと割とマイナーなといいますか、地味な存在であった部分がこれから光が当たっていくという存在の一つでもあろうかというふうに思いますので、今後、積極的に史跡化に向けて取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上です。 37 ◯43番(奥村修計君) 市長より積極的に取り組んでいくという答弁がありましたので、大変心強いと思いますけれども、答弁なさった以上は、やはりまず第1に石垣の崩落をとめるということが必要だと思います。これは了解いただければすぐできるんじゃないかと思うんですよ。まず土台が崩れれば、それだけ費用がかかります。でありますので、今市長の答弁どおり、早急に調査をして、その部分だけでも長崎市としてやっていただきたいと。  部長からは県といろいろな関連を持ってとおっしゃいましたが、そういう余裕はないはずでございますから、ぜひこれは早急に当たって実行していただきたいことを要望いたしまして、関連質問を終わります。 38 ◯議長(吉原 孝君) 次は、2番内田隆英議員。       〔内田隆英君登壇〕 39 ◯2番(内田隆英君) 日本共産党の内田隆英です。質問に入る前に、日本時間の昨夜未明にインドのムンバイにおいて同時テロが発生をしました。いかなる理由、名分であれ、このようなテロ行為は絶対に許されないものであります。今回のテロ行為により、邦人を初め亡くなられた方に対し、お悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げるものであります。現在まだホテルに人質として捕らわれている方もいる中で、一刻も早い解決を心から願うものであります。  それでは、質問に入らせていただきます。  通告に基づいて、以下3点について質問いたします。市長並びに関係理事者の納得いく答弁を求めるものであります。  まず第1点目は、病院事業について質問いたします。  長崎市は、長年の懸案事項である市民病院の建て替えについて、平成18年7月に現在地での建て替えを決定し、周辺地域の用地買収も進め、現在、建て替えに向け計画を進めています。  ところが、長崎県は原爆病院との統合を前提とした救命救急センターも含めた高度医療の充実、すなわち高機能病院建設基本計画案なるものを提示し、長崎市にその実現を求めています。長崎県は、一度は長崎市の現在地での建て替えという方針が変わらないと10月28日に知事が断念の方針を示しながら、11月20日、急遽県知事みずからが長崎市に再度の申し入れを行いました。市長はこれまで現地建て替えを基本としていたのに、県知事の申し入れを受け、2月に検討結果を報告すると約束し、11月26日にはプロジェクトチームを発足させ、改めて内部協議を進めることとしています。  長崎県が県民医療に責任を持つのは当然であります。しかし、今回の提案は余りにも唐突の感をぬぐえません。長崎県が急に高機能医療施設の建設を主張しているのは、昨年12月に総務省から示された公立病院改革ガイドラインを受け、その実現のために長崎市の計画に待ったをかけ、市民病院と原爆病院との統合を持ち出しているのではないでしょうか。  そこでお尋ねしますが、第1に、平成5年から15年間という長い年月をかけ、現在地での市立病院の建設という結果を導き出しましたが、今回の再検討はこれまでの市側における論議が不十分であり、議論に再検討する必要があったということでしょうか。  2つ目に、市立病院を建て替える計画の中で、場所の選定として、これまで駅裏用地の件でJR貨物と再三の協議を重ねてきた経過があります。しかし、JR貨物との協議は結果として不調に終わり、2013年開院という長崎市の計画に間に合わせるためには現在地での建て替え以外にないとの結論が出されました。県は新たな構想を提案する中で、新しい市民病院の建設地としてJR貨物跡地、駅裏と指定していますが、その見通しは立っているのでしょうか。  3つ目に、県が持ち出している原爆病院との統合であるとすれば、お互いの協議が必要であります。そうだとすれば、2013年開院という日程に間に合わせるためには、すぐにでも協議に入らなければいけないと思いますが、いまだ原爆病院内で市民病院との統合のための協議を開始したとは聞き及んでいませんが、そうした状況の中で市が目指している2013年開院という日程に間に合うのか、お示しください。  4つ目に、長崎県はこれまで市民病院の運営に対する財政援助などの申し入れを断ってきていますが、長崎県として財政を含めた何らかの助成なり補助なりを市民病院運営に行ってきたのでしょうか、お答え願います。  病院事業を進める中で、現在、大きな問題の1つとして医師不足があるのではないかと思います。その背景には、平成16年度に始まった新臨床医制度によって新人の医師の県外流出が進み、医師不足が全国で起こっています。これらのことを考えるとき、医師不足を招いている元凶の新臨床医制度そのものを変えるよう国に対して強く働きかけることが必要ではないでしょうか。  そこでお聞きしますが、長崎市としての医師の確保は、同僚議員の質問で、大学病院へお願いしたり、市の公式ホームページなどで募集をしていると答弁をされていますが、民間の病院が行っているように、奨学金制度なども含めて医師の独自の確保に力を入れるべきではないでしょうか。そのために長崎市として確実に医師の確保ができるような奨学金制度などを創設すべきだと思います。それとあわせて、医師確保に支障を来している新臨床医制度の見直しを国に対して働きかける必要があると思いますが、長崎市の考えをお聞かせください。  病院事業の質問の最後に、野母崎病院や琴海病院の運営について質問いたします。  野母崎・琴海病院のあり方検討委員会は、野母崎病院については診療所もしくは民間移譲、琴海病院については民間移譲という結果を出しました。その報告を受け、長崎市は10月30日、野母崎町で病院の民間移譲などの方向について住民説明会を開催されています。その後、琴海町でも同様の住民説明会を行っています。長崎市は民間移譲の考えのようですが、これらの病院は、野母崎は平成14年に、琴海は平成12年に現在の病院を新しく建て替えました。ところが、合併後数年で2つの病院を民間移譲する。その背景には病院経営が赤字であることが強調されています。しかし、この一部は担当医がやめることにより必然的に起こったことであり、医師の確保により赤字の改善をできる部分もあります。ただでさえ、合併町の住民は合併しても何もよいことはないとの思いが強い中で、これまで住民と行政が努力をして築き上げた命と健康を守る施設である病院をいとも簡単に手離そうというやり方に大きな怒りと不安を抱えています。  そこでお聞きしますが、野母崎病院、琴海病院をこれまでどおり市が責任を持って運営できる万全の対策をとるべきであると考えますが、市の考えをお聞かせください。  2点目は、地域振興についてであります。  合併して琴海は3年目、他の6町は4年目に入りました。いずれの町も合併協定に基づき、旧町のさまざまな制度が長崎市の制度に一元化されています。しかし、住民にとってはさきの合併がこれほどまで住民の暮らしに影響を受けるとは思っていなかったはずです。それぞれの町には長年の歴史があり、また、そこに住む住民の知恵と努力によってつくられた制度や施設などが多々ある中で、そのほとんどが長崎市の制度に置きかえられたり、廃止されたりしていることに驚きと戸惑いを感じているのが実情です。  野母崎病院や琴海病院の民間移譲問題、香焼町では住民が長年努力してきたごみの分別収集の品目の変更など、その町の努力を一瞬にして消してしまわれるのではないか、これからどのようになっていくのかという不安と不満の声が聞こえてきます。また、合併してみれば行政センターの権限が小さくなり、これまでのように住民の要望がなかなか実現することができない。一方、公共料金は引き上げられる。合併して何がよかったのかと、ここでも不満の声が起きているのです。なぜこのような声があるのか、それは合併してこんなによかったと言える地域振興が目に見えてこないところにあります。  市長は虹色のまちづくりミーティングを合併各町で行いましたが、そこで示された住民の願いがどのように合併町に形としてあらわれ、合併効果を住民が享受できているのか疑問です。逆に、全国でも上位と言われる上下水道料金に引き上げられたり、介護保険料や住民税など公共料金の引き上げだけが生活に重くのしかかっている印象が強いわけであります。総務省も平成の大合併について、周辺地域の衰退など合併の弊害が各地で見られるようになったため、現在の合併特例法が失効する2010年3月を平成の大合併の期限とする、この方針を発表しています。長崎市の合併町も例外ではありません。  市としてもそれぞれのまちづくりのために知恵を出していることとは思いますが、目に見えてこない合併町の地域振興のために現在どのような具体的な施策が実行されてきているのでしょうか。  2つ目に、地域振興のためには、そこに住む住民の生の声が生かされなければいけないと思います。よって、合併町の住民意識調査を行い、地域振興基金も大いに活用し、地域振興に生かす考えがないか、質問いたします。  大きな3点目は、児童福祉についてであります。  現在、長崎市には民間の認可保育所が85カ所、市立保育所は15カ所あります。長崎市は現在15ある市立保育所を将来原則すべて民間移譲する方針を示しています。幼稚園も同じ方針であります。10年前は民間の認可保育所は53カ所、市立保育所は13カ所です。その後、平成17年度に市立の保育所は16カ所をピークに順次廃止され、現在に至っています。いわゆる民間保育所に重点が置かれているかがわかります。  なぜ市立の保育所を次々に廃止し、民間移譲にするのでしょうか。その根拠として、多様な保育ニーズに応えるためとしていますが、本音は、これまで主張してきたとおり、財政効果が目的にあり、安上がりの保育行政を進めることではありませんか。こうした市の方針は、本来子どもの成長を援助する施設は市が責任を持って運営するという児童福祉法を死文化することではありませんか。市長の答弁を求めます。  2つ目に、認可保育所は市も責任を持って運営をしているから大丈夫と言われますが、公立の保育所があるから、その保育の充実を私立、民間がかがみとして保育を充実させてきた。その立場から、民間移譲ではなく市の直営でさらなる保育の充実を図りながら運営すべきでありますが、市の見解を求めます。  3つ目に、現在、一般財源化されている保育施策の予算を特定財源の確保で施策の充実を行うべきであります。保育単価の国の基準は、人件費の基本は20歳代であり、30歳を過ぎれば給料は上がらない。そうすると、おのずと保育士が継続して働くことを妨げる結果になるのではないでしょうか。そのために、先日、長崎県保育協会が財政支援の充実を県に要望しているのです。市として保育施策の充実のために特定財源の確保が必要だと考えますが、市の見解をお示しください。  以上、本壇からの質問といたします。  再度、自席のほうで再質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。=(降壇)= 40 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 41 ◯市長(田上富久君) 日本共産党、内田隆英議員の質問にお答えします。  まず1点目の病院事業についての(1)市立病院の建て替えに伴う今後の運営についてお答えいたします。  市民病院と成人病センターを廃止・統合し、新しい病院に移行するという計画は、平成5年3月に策定しております。その後、病院経営の健全化を図りながら、平成18年8月に建設地を現在の市民病院とその隣接地とすることを決定し、機能等については、平成19年3月の新市立病院の機能等に関する会議からの報告に基づいて決定をさせていただきました。  そして、今回の県からの申し入れ内容につきましては、県域レベルでの地域医療の充実のため、県と市による一部事務組合方式による共同運営や運営に要する費用について一部を負担する用意があるとの新たな提案がなされたことから、改めて検討を行うこととなった次第です。なお、県からの申し入れでは、建設地は長崎駅裏の土地とし、県が責任を持って用地を確保することについて関係者と調整を図るとされておりますが、その具体的な内容は示されておりません。また、日本赤十字社長崎原爆病院と統合して、同病院を指定管理者として運営する計画になっておりますが、新市立病院は平成25年度までに開院するという基本原則については、県のほうでも承知をしていただいているものと考えております。しかしながら、県に対し、この点につきましても具体的な内容を確認する必要があると考えております。  このように、大きな課題以外にも検証しなければならないものも少なからずありますので、さまざまな角度から課題を抽出し、庁内プロジェクトチームを設置した上で県からの具体的な回答を求めるなどして整理をしていきたいと考えております。  次に、県からの財政支援についてですが、これまで地域がん診療連携拠点病院機能強化事業補助金や感染症指定医療機関運営費補助金など国の補助制度に基づく県の支援を受けたことはありますが、市立病院が市外からの患者を受け入れていることに対する県単独の支援を受けたことはありません。  次に、奨学金制度についてですが、将来の医師確保に対しては、奨学金制度は一定の効果はあるものと考えますが、残念ながら、現在発生している勤務医不足を直ちに解決することはできません。若手医師は、症例が多く、知識や技術の習得ができる病院に集まる傾向にありますので、まずは新市立病院を高度医療が行える魅力ある病院として建設しなければならないと考えております。さらに、指導体制を構築し、充実した研修プログラムをつくるなどして若手医師の育成、確保に努めてまいりますとともに、引き続き長崎大学を初め関係機関との調整を図り、医師の確保に努めていきたいと考えております。なお、勤務医不足という問題に対しては、長崎県市長会、九州市長会、中核市市長会、さらには全国市長会のいずれにおいても、国に対して要望をしてきております。特に私自身が中核市市長会の会長という立場にもありますので、引き続き働きかけを行っていきたいと考えております。  次に、2点目の地域振興についての(1)合併町の地域振興についての具体策についてお答えします。  まず、基本的な地域振興の考え方としては、合併7町の各総合計画を継承するとともに、合併地区ごとに地区別の整備方針を策定し、合併後のまちづくりの基本計画として策定された市町村建設計画に位置づけられた事業を着実に推進することとしております。この市町村建設計画のほかに過疎計画などの各種計画に明記された合併7町地域に関連する事業につきましても、合併地区に適用できる財源を活用しながら確実に実施しております。また、合併した7地区にはさまざまな歴史や文化、豊かな自然などの魅力があふれており、それらの地域資源を生かした地域ごとのまちづくりに取り組むことにより、新市の一層の飛躍が期待できるものと考えております。そこで、地域振興の柱となる住民主導型の地域づくりを推進するために地域の実情に一番精通している住民の皆様の自由な発想と主体的な活動を市民との協働の視点から行政が支援をしていくような仕組みづくりを構築し、市民力を生かした歴史と個性が息づく調和のとれた地域づくりを進めてまいります。  この地域ごとのまちづくり推進の事例といたしまして、本年度、野母崎地区における虹色のまちづくりモデル事業や、合併7地区をバスで回る虹色のまち交流事業を実施しております。虹色のまちづくりモデル事業では、地域の活性化団体や住民の皆様が組織されたのもざき虹色の会で地域の将来像について話し合ったり、いろんな事業計画を出し合い議論する中で、虹色まつりや清掃活動などの地域振興につながる事業が出てきつつあり、長崎市として、これらの事業の実現について支援をしているところであります。虹色のまち交流事業につきましては、行政センターが中心となって地域の皆さんと協働で合併地区をめぐるバスツアーを企画、実施するものですが、既に実施した4地区のツアー参加者から大変好評を得ており、合併地区の魅力の再発見と磨き方、生かし方についての考えを一層深めることができたものと考えています。また、口コミなどによりまして合併地区の魅力が広まり、旧長崎市民との交流が促進されれば、合併地区の活性化につながるものと期待をしております。  今後とも市町村建設計画の推進を柱としながらも、このような地域から提案される合併地区の振興につながる事業につきましては、合併地区が持ち寄りました地域振興基金を活用し、その実施に努めていきたいと考えております。  続きまして、合併町住民意識調査の実施についてお答えします。  長崎市では、第三次総合計画後期基本計画に掲げたまちづくりの施策目標に関する達成度を評価するとともに、今後の市政運営の参考資料とするため、毎年市政に関する市民意識調査を実施しております。調査対象は無作為に抽出した市民2,000人ですが、合併地区の皆さんの施策への評価及びご意見等をお聞きすることができるように、合併7地区の市民が一定の割合で含まれるように配慮をいたしておりますので、この調査の中で今後のまちづくりについて、さらにご意見をお伺いすることができないか、考えてみたいと思います。  また、合併地区住民の皆さんのご意見やご要望につきましては、地域審議会の廃止後は旧市内と同様に必要に応じて自治会で意見を集約していただいた陳情、要望等をお受けいたしております。あわせまして、合併地区におきましても、皆様のご意見やご要望を直接お伺いする機会として市長との地域懇談会を開催しております。行政運営において、地域住民の皆様の声をお聞きすることは非常に重要なことと考えておりますので、これらの取り組みとあわせまして、今後とも地域の総合窓口である行政センターが中心となって、引き続き地域住民の皆さんのご意見、ご要望等の把握に努めたいと考えております。  以上、私の本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 42 ◯病院局長(楠本征夫君) 病院事業についての(2)野母崎病院及び琴海病院の存続についてお答えいたします。  野母崎病院及び琴海病院は、ともに地域の医療を支える病院として長年その役割を担ってきておりますが、合併前の建て替えを機に両病院とも赤字に転落し、合併後も勤務医不足もあって患者数は減少し、赤字が増加しております。平成20年度決算見込みでは、野母崎、琴海両病院合わせて約4億1,000万円の赤字決算となる予定で、また、両病院合わせて約2億9,000万円の現金不足が見込まれております。そのため、市民病院の現金を融通する企業内借入金によって賄わざるを得ない状況に陥っております。このような状況が続けば、両病院のみならず、すべての市立病院の存続が困難になる可能性があります。  一方で、野母崎、琴海両地域では今後高齢化と人口の減少が予測され、地域ニーズに合致した医療が求められますが、サービスや組織の面で柔軟に対応することがなかなか難しい公立病院では、これにお応えすることができないのではないかと考えております。  以上のことから、野母崎、琴海両地域の医療を将来にわたって守るため、地域のニーズに柔軟に対応し、経営面においても費用対効果を十分に発揮することができる民間のお力をおかりすることをあえて検討させていただいております。  以上でございます。 43 ◯こども部長(松下貞行君) 次に、ご質問の3点目、児童福祉について、(1)市立幼稚園・保育所の直営による存続についてお答えいたします。  幼稚園や保育所を取り巻く社会情勢は大きく変化しており、長崎市においても保育所入所児童数の増加、また、その増加に伴う待機児童を抱える一方で、幼稚園においては、私立幼稚園も含めた幼稚園全体の入園率が定員の6割を下回っているという状況にあります。このような状況の中で、長崎市行政改革大綱に基づき、市立幼稚園についてはその必要性や今後のあり方を、また、市立保育所については民間移譲または委託の方針に対する問題点を総合的に検討していただくため、平成18年6月に保護者代表や外部有識者などから成る14名で構成する市立幼稚園・保育所課題検討懇話会を設置し、同年11月に長崎市立幼稚園・保育所の今後のあり方に関する報告書を長崎市のほうにご提出いただきました。  長崎市では、この報告書を重く受けとめ、市全体の施策の方針とあわせて総合的に検討した結果、市立幼稚園・保育所の今後のあり方の方針を策定いたしました。その中で幼稚園につきましては、市立、私立幼稚園ともに幼稚園教育要領に基づいた幼稚園教育が行われている中で、公費負担の公平性の確保や施設の有効活用の必要性などから今の行政に求められていることは、幼稚園教育全体を充実していくことであり、市が直接幼稚園を運営する役割は薄れてきているという考えの中で、桜ケ丘、南幼稚園の2園については市立幼稚園としての機能を廃止し、その後の施設については広く利用が見込まれる他の子ども関連施設へ転用するという基本方針を示したところでございます。  次に、保育所につきましては、市内の認可保育所の大部分が私立保育所であり、保育内容については国の示す保育所保育指導指針に基づいて保育されており、延長保育や一時保育など多様なニーズにも柔軟に対応していただいているところでございます。また、保育所への入所や保育料の決定、施設への指導監査などはすべて市が行っており、行政のかかわりは強く確保されております。このような状況などから、行政の果たすべき役割は直接施設運営を行うだけではなく、限られた財源の中で子育て施設全般の制度の企画、立案や運営、管理の役割を果たすべき主体として、その充実に取り組んでいくことが公的責任であるとの認識のもと、行革大綱に掲げるように民間にできることは民間での立場に立って十分に検討した結果、市立保育所については旧市内10カ所のうち5カ所を民間移譲し、残る5カ所は施設的な課題、制約があるため、当面存続する。また、旧合併町の5カ所については、民間移譲または廃園を基本方針としながらも、時期については今後の検討といたしたところでございます。  また、お尋ねの保育所の運営に係る財源内訳につきましては、従来は国庫負担金、保育料及び長崎市において負担をしてきたところでございますが、平成16年度からは三位一体改革の税源移譲により、公立保育所に係る国庫負担金が一般財源化されたところでございます。現在、国において保育制度のあり方についてさまざまな角度から検討がなされておるところでございますが、その中でも現在の保育サービスの水準を維持、向上させるための財源確保は必要であると考えておりますので、今後とも国の動向を見守ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今回厳しい財政状況や、他の子育て支援策の充実など市全体の施策を考える中で、市立幼稚園の機能の廃止と社会資源としての施設の有効活用、市立保育所の民間移譲という選択をいたしておりますので、保護者や地域の皆様と十分お話し合いを重ね、一人でも多くの方にご理解をいただきながら、基本方針に沿って進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 44 ◯2番(内田隆英君) 一通りご答弁いただきましたので、再質問をいたしますが、まず病院問題で、現在、長崎市に県立の病院がありませんけれども、そこでお伺いしますが、県庁所在地において県立の病院がないのは全国でどのくらいありますか。 45 ◯病院局長(楠本征夫君) 再質問にお答えいたします。  全国の県庁所在地47市区の中で都道府県立病院がない都市は、全部で11市区でございます。  以上でございます。
    46 ◯2番(内田隆英君) 10市か11市区かですけれども、実際に県都に救命救急センターもない、がんセンター、循環器センター、感染症センター、こども病院もないと、これは全国47都道府県で長崎市だけなんですね。そういう状況において、今回、長崎県が市の計画に対して、もう突如としてこういう高機能医療施設建設を求めてきているということについては、非常に筋違いだと私は考えるんです。なぜならば、これまで長崎県は13カ所あった県立の保健所を8カ所に減らして、県立病院は6カ所から3カ所に減らしているんですね。県として県民の命綱を削り続けてきながら、さも長崎市に高機能医療施設建設を長崎市がつくれと、本来県が責任を持ってこういった高機能病院を率先してつくるような立場で、その上で市民病院等に、市長答弁では財政支援はこれまでなかったと。本来、市立病院が、県都にない県立病院の役割を果たしていると私は感じているんですよ。そういった病院に対して、本来なら県が手厚い援助なりを行うべきだと思うんですけれども、それはやらないと。しかも、市が計画に基づいて動き出しているのに、もう十八銀行体育館も壊していらっしゃるんでしょう。そういう動きをしている中に、余りにも市の計画をないがしろにするような申し入れ、それに対して市長は検討するということですけれども、本壇から言ったように、これまでの長崎市の計画ね、長年論議を重ねてきた計画、これがやっぱりまだまだ不十分であったという認識なのか、そうじゃなくて、県の申し入れが来たから、それに対して検討するということなのか、いかがでしょうか。 47 ◯病院局長(楠本征夫君) 今までの検討が不十分であったのかというご質問ですけど、今までやっぱり長崎市を対象にして、いろいろ長崎市の医療を守るためにどうすればいいかということを検討しておりました。いろいろ欲を言えば、大きな病院がいいということはわかるんですけど、現在の計画では長崎市の医療を守れると、そのように考えております。検討が不十分とは、そんなには思っておりません。  以上でございます。 48 ◯2番(内田隆英君) そこで、今さまざまな問題を言われておりますけれども、例えば、救命救急センターの準ね、そういうセンターをつくろうという考えも長崎市は持っておったわけですね。そういうふうに進めてきたわけですけれども、実際にそうしたことをまた再検討しなければいけないというところに来ているけれども、本来、県が高機能医療センター施設を考えるのであれば、私は現在ある原爆病院等を長崎県が力を入れてもっと充実させる。市民病院にも長崎県が力を入れてもっと市と一緒になって充実させていくと、そういう方向こそ求められているんじゃないかと思うんですよ。何か市の計画に対して、ぽっと思い出したようなことを言っているんですけれども、県知事が持ち出した問題としては、実際に総務省の方針から公立病院改革プラン検討協議会を立ち上げて、そこで、そのことをもとにこういう検討会でも意見が出たということで、長崎市に高機能の施設を備えた病院建設をということを注文つけてきたわけですよ。しかし、この検討会でさえ、日赤長崎原爆病院との再編・統合が提案されたが、次元的な理由から否定的な意見が出され、委員全員の合意には至らなかったというのが、10月27日の協議会の中でもう明確に言われているんですよ。意見がまとまらなかったと。しかし、さも県知事がここで出されたから考えろというようなことを市に申し出てきていると、非常にこれは県のやり方については憤りを感じておりますけれども、この協議会そのものが公立病院改革プラン検討地域分科会で、この分科会そのものは、座長が、これは総務省が提唱された公立病院改革プランというのが本年度いっぱいに県が主体となり、地域と話し合ってプランを提出するということになっておると、そういうことで県が設置した正式な協議会であると。そして、この協議会の意見を各自治体の長に提案して、県としてはこういう提案ですよということを協議会から提案すると。そして、最終的にはその自治体から具体論をいただいて、最終的な調整を図っていこうと。そして、ここで出した意見というのは、あくまでも評論家的な意見ではございません。こうすべきだということに対する発言に対しても、やっぱり責任を生ずるわけでございますということを座長は言っているわけです、分科会で。その座長が言って、皆さんそれぞれ検討した結果が、ここで長崎市地域医療圏5つの病院でのことで、結果として委員全員の合意に至らなかったと。  だから、長崎市は今までの計画どおりに、今の市民の命と健康を守るという施設を2013年開院という立場で進めるべきだと強く主張すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 49 ◯病院局長(楠本征夫君) 先ほども言いましたように、長崎市の医療を守るという点では今までの計画でよかったと思いますけど、今度の提案は少し医療圏を広げたような格好で、医師不足に関しても長崎市だけでなくて、ほかの地域もカバーできるようなというご提案です。それに伴って財政的な負担とか、そういうことをされるというご提案ですから、それは新たな提案として、それがいいのか悪いのかも含めて今後検討すると、そういう状況になっているところでございます。  以上でございます。 50 ◯2番(内田隆英君) 市の考え等もあろうかと思うんですけれども、県知事が直談判したということもあり、むげに断れないということもあろうかと思うんだけれども、今回の提案についても非常にでたらめですよ、県の提案というのは。一部事務組合だとか指定管理者で日赤原爆病院が指定管理の席を受け持つと。言うなれば、市民病院、成人病センターの職員を全部雇いどめにして、そして、指定管理者制度として新たに嘱託かだれかを雇って運営するような、まさに職員の労働力を奪い、首を切る、そういったことと、そして指定管理者を原爆病院に任せると。市長、まさにこれは県の市に対する越権行為じゃないですか。その考えについて検討すると言うけれども、どういう考えなのか。私はこれは越権行為だと思うんですよ。その考えについてはどうですか。 51 ◯市長(田上富久君) ガイドプランの協議会の段階でご提案いただいた分につきましては、市としても十分高度医療、それから急性期医療、そして救命救急機能も担える病院をつくるということでこれまでも計画を進めてまいりました。また、それを今の市民病院の老朽化、狭あい化ということを考えますと、時期は譲れないと、できるだけ早い時期につくるという、そういう機能の面、それから時期の面をベースにして、それを実現できる病院をつくるんだということでこれまで進めてまいりました。ですから、その点につきましては、これまでもその方向で実現できるもの、あるいは取り入れられるもの、それがよりいい医療を提供できるという部分については取り入れていきましょうということを申し上げてきました。  今回の提案は、その提案の後に提案されたものでして、しかも、先ほど病院局長からも答弁がありましたように、さらに県域の医療を少し広げた形で分担してもらえないかというような、その分については相応の負担をするというようなお話であるというふうに理解しています。  ですから、今回プロジェクトチームをつくって検討するという分につきましては、まず案についての検証ですね、今ご提案いただいている分についても、果たして実現が可能なのかという、あるいは長崎市の地域医療は全体にとってどうなのかということの検証をまずしたいというふうに考えております。  以上です。 52 ◯2番(内田隆英君) ぜひ高機能の病院施設運営ができればいいわけですから、市としてもそういった立場からこれまで取り組んで計画を練って進めてきたわけですからね。ぜひその立場を維持して、県がとやかく言おうが、やはり県も市も同じ考えでしょうけどね、そういう高機能も。しかし、市は市でもう2013年開院ということで、土地の取得もほぼ終わりながら進めているわけですから、これまでの計画を無にすることがないようなことで進めていただきたいと思います。  野母崎病院、琴海病院のことについて再質問させていただきますけれども、局長が言われたように、合併してから赤字に転落してきているということですけれども、実際に野母崎病院が赤字経営に陥った背景には人工透析のできるお医者さんがおやめになったと、琴海病院も眼科がなくなったと、こういったことも影響していると思うんですよ。そして、私はこういった病院について、確かに赤字が出ているけれども、今現在、お医者さん1人おれば1億円の収益が上がると言われている時代にやはり医師を確保するということについて、これがやっぱり一番大きなネックになっておると思うんですよ。  全国市長会だとか、いろいろなことで応募されておると思うんだけれども、もっとやっぱり市が長いスタンスで、市長が言われるように、いかにいい病院をつくって、そこに新しい研修医等が学びに来て、そこでとどまるというのが一番いいんですよ。ですから、そういう病院建設をまず進めていきたいというような考えで、それはそれで進めてもらいたいんだけれども、長いスタンスで見て、やはりお医者さんを長崎市の病院に、市立病院にとどまらせるという点では、奨学金制度というのは非常に有効な手段だと思うんですよ。まず病院建設からじゃなくて、そういったことと並行してお医者さんを確保するという、そういう立場が求められていると思うんですけれども、やはり市長答弁にあったような考えなのか、局長のお考えはどうですか。 53 ◯病院局長(楠本征夫君) 医師を奨学金で育てるという考えは長崎県も実施しているわけで、全国的にも幾らかあると思います。それの効果というのは否定いたしませんけど、先ほど市長答弁でもありましたように、即効性はないと。だから、将来的にどうするかということですけど、今それに関しても、いろいろ国のほうで議論されております。いわゆる奨学金をもらったから、その後、いわゆる拘束というような形はとれないという、元労働省、厚生労働省のほうからそういう見解を出されておりますから、それをやれば100%医師不足を解消できるというものではないと思います。それよりは、やはり長崎市に魅力ある病院というのをつくって、ある程度即効性もあるし、将来的にも若手医師、あるいはそれに続く者が育つというシステムをつくったほうがいいのではないかと考えております。だけど、奨学金制度を全く否定するものではございません。  以上でございます。 54 ◯2番(内田隆英君) 私が言ったのは例えで、奨学金制度を含めた、医師を長崎市に確保すると、確実に確保できるというような施策を長崎市としてはやっぱり考える必要があるんじゃないかというのを提言しているんですよ。ですから、奨学金制度に縛られないで、長い目で見て、即効性じゃなくても長い目で見てやらないと、ずうっと医師不足が進んでくるわけでしょう。  局長が言われるように、その背景には国の方針、新臨床医制度等も絡んできていると思うんですよ。この点については、国にもそういうことは見直せと、地域医療がもう守れないじゃないかということは強く今後とも申し入れをしていただきたいと、要望だけしておきます。  最後に、この病院問題ではPFIのことを言われましたけれども、市民の命と健康を守る施設ですから、公設公営で責任を持って運営するということが求められておりますけれども、市としてはPFIという流れで来ているようなことをお聞きしますけれども、その方針はどうなんですか、変わりませんか。 55 ◯病院局長(楠本征夫君) PFIに関しましては、やはり病院運営上、今問題になっています、いわゆる建設費が高いということが一番問題だと思います。それをできるだけ削減する目的でいろいろ方法論を検討し、PFIに至ったと。PFIありきで検討したわけではございません。結果でそうなったということでございます。  以上でございます。 56 ◯2番(内田隆英君) PFI方式で全国的に成功がされていないという実例もある中で、やはり事は市民の命と健康を守る大切な施設ですからね、私はそういったものは責任を持って直営で運営するというのが望ましいんですよ。そして、お金の問題、財政の問題がございます。しかし、私はそういう財政の問題があったにしても、命にかかわる健康の問題については、やはりそれは市が責任を持って何らかの形で財政支援が必要だと思うんですよ。そういったことを強く要望しておきます。時間がありませんから、この問題についてはこれで最後にします。  続いて、合併町の地域振興について質問いたしますけれども、ここでも市長は虹色のまち交流事業として合併地区をめぐるバスツアーだとか、いろいろやっていますけれども、合併町の住民が、ああ合併してよかったと、こういうことが合併してからあって、やっぱり合併はよかったんだというのをなかなか肌で感じられないと。それはバスで来て、旧市内の方と合併町の人たちと交流を深めて、ああ旧市内の方にはこういういいところがあるんだなとかいうことで交流が深まるけれども、そこに住んでいる人たちは、いろんな福祉制度が同一化されてみたり、施設が民間委託、移譲、廃止とか、そういったことで、何かいい印象を受けていないというのが実態なんですよ。だから、合併して何がよかったのかというのが住民の心に残らないというか、よかったというふうに残らないと。  その1つに、私は、例えば先ほど病院問題を言ったけれども、野母崎病院とか琴海病院、建設して6年、琴海が8年目ですよ。それで、本当に旧市民の方が合併町に行って、ああいいところだと、野母崎なんか非常に自然豊かで、魚介類もおいしいところですね。そういったところに移り住もうかというときに、病院がもうなくなる、民間移譲か、診療所化されると、安心して住めるのかということも出てくるんじゃないかと思うんですよ。  そういったときに、合併町の町民は、合併していずれもなくなったわけですね。民間移譲の方向で進んでいるわけですよ。何でかというと、赤字が出てきているからと。こういうときにこそ、長崎市と合併してよかったと。これまでどおり、合併せずにそのまま運営しておっても赤字になったかもしれんけれども。しかし、長崎市になったら赤字になったけれども、長崎市が大きく受けとめてくれて、琴海病院にしろ、野母崎病院にしろ、民間移譲ではなく長崎市が責任を持って運営をすると。そうすることにより、ああ合併してよかったなと、安心して住まれるなと、ここに大きな合併の地域振興策があるんじゃないかと思うんですよ。  確かにいろいろやっています。努力されていることは承知いたしております。しかし、それでは合併した町民、住民に、そのことが本当に合併した効果として受けとめられていないのが実情なんですよ。そういう目に見えた地域振興策、これについてどうお考えになっているのか、答弁をお願いします。 57 ◯企画部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  議員ご指摘のさまざまな問題というのは、日本全国でもやっぱり少子高齢化とか、経済の停滞の問題、そういう影響もございまして、合併地域においては非常に厳しい状況があるというふうに認識をいたしております。  市町村建設計画というのは、当然地域の振興を目的として計画を立てておりますので、これを着実に進行していくというのは当然のことでございますが、やはりさまざまな社会情勢の中で合併地域の置かれている状況というのは非常に厳しいという中で、地域住民の皆様方のご意見、さまざまなご提案もいただきながら、やはり前向きに今後どういうふうにしたら地域が本当に活性化するかというのは、幅広く意見を伺っていく必要があるというふうに考えております。  現在、何をやればすぐこうなるかというのは、なかなか難しい問題もございますが、いろんな地域でいろんな特性がございますので、その辺を何か生かす形で地域振興というものを今後とも十分検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上でございます。 58 ◯2番(内田隆英君) 前向きに地域振興を検討されるという答弁ですから、私もそういう期待をしながら、しかし、今現在、地域振興基金が約40億円あるわけですね。こういった基金を大いに活用して、そこに住む住民の生の声をよく聞いて、何が今求められているのかという点では、基金を活用した施策、目に見えた合併してよかったと享受できるような施策をやっていただきたいと。そのためには、市が毎年2,000名から市民の意識調査、私のところにも来ましたけれども、それが中身についてはどこが出したのか、だれが出したのかというのはわからないと。合併町の住民の方が本当に今何を考えているのかということを私は把握する必要があると思うんですよ。もう3年間は激変緩和措置でこのままの体制だと。しかし、激変緩和措置がとれた後に住民はどう考えているのかということは、全市民ではなくて、合併町の住民意識調査というのが必要だと思うんですけれども、それはもうやらないということですけれども、もう一度お伺いしますけど、どうですか。 59 ◯企画部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  市民意識調査の中で実施を合併地区の皆さんにも行っておりますけど、やっぱり合併地域の皆様は、全市的な質問というよりは、合併地域に向いたご質問もあろうかと思いますし、全体の数の中でもう少しご意見をいただくために数字的な配慮も必要じゃないかというふうに思っております。  そのやり方につきましては、今後少し検討させていただいて、合併地域の皆様が今後のまちづくりに向けてどのようなことを考えておられるのかというものの把握に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 60 ◯2番(内田隆英君) ぜひ合併地区の地域振興のことについて考えていただきたいと。  最後に、児童福祉問題で市の考えをお聞きしましたけれども、民間移譲されれば保育士が入れかわると。長崎市は一遍にかわらないように、3カ月間ぐらいですかね、引き継ぎ期間を設けていると。しかし、子どもとしては、本当に民間移譲になれば保育士がかわると。そうなってくると、本当にやっぱり環境は変わるわけですよ。そういう点では、市が言っているようなことにはならないと。  そして、あなた方は一番重要な問題については、こども部幼児課が5月に出した保育民間移譲QアンドAですけれども、私は市は公的保育を放棄しているというように言わざるを得んじゃないかと思うんですよ。この保育士はどうなるのかという点で、民間保育所は若い保育士が多く、経験不足じゃないかと。しかし、あなた方は何と答えておるかと。10年間保育士を新規採用しなかったから、ずっと勤めている方の年齢が上がってきているからベテランになっているんだと。10年間新規採用をしない。もういずれは公的に保育所は市で運営しないという方針を言っているわけですよ。これでは、子どもはたまるもんですか。長崎市の将来を担っていく子どもたちです。その根底には赤字の財政問題があると。  これは病院問題でも一緒ですけれども、命の健康、そして、子どもの問題については長崎市の将来を担うという立場から、財政は赤字で、そういう採算ばっかり考えずに、財政を投入してでも公的保育を守るという立場を堅持していただきたいということについて最後に答弁を求めます。 61 ◯こども部長(松下貞行君) 再質問にお答えいたします。  議員のご指摘の点についてですが、我々も保育士の入れかえに係る子どもへの影響については最小限にしなければいけないということは十分認識しております。そういった中で、実態的に過去に実施した民間移譲の際の引き継ぎの方法、それから、今後につきましては、それらの経験を生かした中で、保育所で働いていた嘱託保育士などを継続して移譲先の法人に雇用をお願いするなど、子どもたちへの影響を最小限にするように努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 62 ◯議長(吉原 孝君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 午前11時58分=           ───────────           =再開 午後1時0分= 63 ◯副議長(中田 剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番向山宗子議員。       〔向山宗子君登壇〕 64 ◯23番(向山宗子君) 皆様こんにちは。公明党の向山宗子でございます。質問通告に従い、以下4点について質問させていただきます。市長並びに関係理事者の誠実かつ前向きなご答弁を期待いたします。どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、小中学校図書館における専任の学校司書の配置について、お伺いいたします。  昨年の9月議会、私の初質問で取り上げさせていただいた問題でございますが、学校図書館で子どもたちと本をつなぐ専任の学校司書を配置してほしいとの声は、ますます広がりを見せています。先日も馬場新教育長に対し、学校図書館ボランティアネットワークin長崎「アニマシオン」の皆様が小中学校図書館における専任学校司書配置の要望に関する陳情を行われました。このボランティアの皆様は平成8年に数校で活動を始められ、13年目を迎える現在は市内約40校の小中学校の方が加入されています。一保護者、一地域住民として読み語りや図書館の飾りつけ、本の装備、修理など、子どもたちの読書環境の向上に地道に取り組んでこられています。もちろん、アニマシオン以外の皆様も多くの方がボランティアとして学校図書館にかかわってくださっています。私も娘の卒業した小学校で一ボランティアとして活動をさせていただいておりますが、かかわるほどに、この専任司書の重要性を痛感するのです。保健室に養護の先生がいらっしゃるように、図書館には図書館の専門家が必要です。子どもたちが調べたい資料や読みたい本を探しているときに的確なアドバイスをしたり、授業に役立つ資料としての本を整えるなど、専門的な知識、技能を持った学校司書でなければできないことは数多くあるのです。図書館にどんなに多くの本があっても、それを生かすことのできる人、子どもたちと本をつなぐ人がいなければ宝の持ち腐れです。悲しいことに我が長崎市にはいまだに倉庫のような図書館、かぎのかかったままの図書館がたくさんあるのです。司書を配置することの効果は県が平成17年から実施している学校司書配置事業にもはっきりと出ております。  昨年も申し上げましたが、平成17年度のモデル校4校における図書貸出冊数は配置前と後を比較すると9.1倍を最高に、6.4倍、3.5倍、1.8倍の伸び率となっており、いずれも高い司書配置効果を示しています。全体的に見ても学校司書配置校13市70校における1人当たりの貸出冊数は年平均42.4冊と、公立小中学校平均の24.1冊の倍という結果が出ています。特に町単独で全小中学校に学校司書の配置をしている時津町では85.8冊という数字も出ています。また、子どもたちの成長面においても、ある市立学校の司書さんいわく、この子は本の調べ方ができているな、取り組み方が違うなと思う子は、ほぼ時津出身の子だということを伺って愕然といたしました。やはり習わなければわからないというのは厳然と出ていると思います。  県による学校司書配置事業は5カ年が過ぎ、一たん本年度で終了となりますが、この事業を取り入れた県下10校のうち、佐世保市、島原市、西海市の8校は引き続き市単独でモデル事業を継続する予定と聞いております。他市においても財政が厳しいのは同じわけで、この結果が出ているということはそれだけ事業の成果が高く、市民からの要望が強くあったのではないでしょうか。  さて、ここで興味深いデータをご紹介します。全国学力学習状況調査結果と読書との関連について、文部科学省が調査したことを受け長崎県でまとめられた調査結果です。〔図示表示〕まず、この表ですけれども、小学校6年生、それから下の段が中学校3年生ですけれども、学校図書館の貸出冊数と国語A、Bの平均正答率との関係を示しています。小学校6年生、中学校3年生、いずれも読書活動が活発な学校は学力調査の正答率も高いと言える結果が出ています。小学校では国語A、知識では正答率上位と下位グループでは貸出冊数において1人当たり年間15.5冊、国語Bでは7.8冊もの差がありました。中学校も同様に3.8冊、3.1冊の差となっております。  また、次は、読書が好きな児童生徒と小中学校国語、これは上の段が国語A、下の段が活用の国語Bの平均正答率の関係を示したグラフなんですけれども、このように、また、全体で言いましても読書が好きと答えた長崎県の小学校6年生は73.4%、中学校3年生は75%と、いずれも全国平均を上回っておりました。これは大変喜ばしいことでございます。この表は今申し上げましたように、読書が好きな児童生徒と小中学校国語A、Bの平均正答率の関係をあらわしています。読書が好きな児童生徒は国語では知識の面でも活用の面でも高得点だった上に、また、こちらは算数、数学の正答率との関係ですが、算数、数学でも同じような結果が出ております。こちらのグラフの高いほうが好き、ピンクがどちらかといえば好き。この次が、どちらかといえば好きではない。白が好きではないというこのような、これが小学校と中学校の結果でございます。もちろんこの結果だけですべてを推しはかれるものではありません。しかし、読む力が子どもたちの学力の発達に大きな影響を与えていることだけは明白だと思います。  また、学力だけにこだわるわけでもありません。心を育てることがもっと重要だと私は考えます。心理学者の多湖輝氏は、読書はいい人間関係のもとをつくると言われています。読書は人の気持ちを察することも教えてくれる。読書好きな人は人づきあいも上手で、いい人間関係を築いている人が多いと分析されています。  全国の小中学校で不登校の児童生徒が2年連続の増加という心痛む現状の中、文部科学省が調査したこの不登校の増加の要因のトップ、全体の92.7%に当たりますが、人間関係をうまく構築できない児童生徒がふえているという結果が出ております。この結果からも、小さいときからの読書教育がいかに大切かを確信いたします。  学校司書として40年間本と子どもたちをつなぐ仕事をしてこられた山形県の五十嵐絹子さんの著書の中には、本を読まなかった子どもたちが彼女とのかかわりの中で本に触れ、読書の力で暴力や不登校を乗り越えたことなど、大きく成長していった数多くの子どもたちのエピソードがあふれています。ご自身の経験の中から、読書とは、これから自分の物語を生きる子どもにとって見えない未来をのぞき見るような貴重な疑似体験であり、必ずや生きる力の糧になると訴えておられます。私も全く同感です。少々長く思いを述べさせていただきましたが、長崎市の未来をつくると言っても決して過言ではない重要な事業である、この学校図書館における専任の学校司書の配置について、今後どのような展開をお考えなのか、モデル事業の早期実施の件も含め、ご見解をお伺いいたします。  次に、子育て支援策についてお伺いします。  まず第1点目に、インフルエンザ予防接種の補助拡大についてです。  既に他県においては学級閉鎖も出つつあるように、インフルエンザがことしも流行の兆しを見せています。新型インフルエンザの不安も増大しつつある現在、予防接種を済まされた方や、もうそろそろと考えておられる市民も多いと思います。しかし、補助のない場合、1回の接種にかかる費用は3,500円、小学生は2回接種をしなければいけないため、1人7,000円、子ども3人だと両親も合わせると一家で約3万円もかかるという現実に、この不景気の中、したくてもできないとの悲痛な声が聞こえてきます。  そこでお尋ねをいたします。現在実施されている乳幼児インフルエンザ予防接種の補助対象者を小学生まで拡大できないものでしょうか。  次に、2点目は父子家庭の医療費助成についてです。  本市のひとり親家庭の中でも父子家庭が約1割を占めております。母子家庭に対しては児童扶養手当、福祉医療、福祉資金貸し付けなどの支援施策がなされていますが、同じような境遇にある父子家庭にはこれといった施策はとられていないのが現状です。男女平等との考え方からしても、おかしいのではないでしょうか。父子家庭といっても所得の高い家庭ばかりではないと思います。せめて命にかかわる面での安心だけでも支援すべきと考えます。中核市においても約8割が医療費の助成は行っていることから、本市における父子家庭においても所得制限の範囲の中で母子家庭医療費助成と同様の助成ができないのか、お尋ねをいたします。  次に、大きな3点目、緊急時訪問介護事業についてお伺いいたします。  本市には、主にひとり暮らしの高齢者の方が急に具合が悪くなったり、転倒事故などの不測の事態が生じたときペンダント型の通報装置のボタンを押せば救急車の要請や身近な人への連絡などをしていただけるすばらしい制度があります。多くの利用者の皆様から喜んでいただいている、いい施策だと思います。平成17年の国勢調査では、本市のひとり暮らしの高齢者は約1万8,000人となっております。より安全・安心を図るためにお尋ねをいたします。緊急時訪問介護事業の実施状況、申請状況など、どういう現状であるか教えてください。  最後に、新市立病院の建設問題についてお尋ねします。  午前中、同僚議員も質問されましたが、素人の私にはわかりづらいところもございます。一般市民によりわかりやすく周知するためにも、私なりの観点で質問させていただきます。  本市では、新市立病院の建設について、平成5年に市立病院建設基本構想策定以来、検討を重ね、平成18年7月には建設地を現市民病院用地及び周辺地区と決定、本会議においてもPFI方式の導入問題など種々議論をし、その計画は進捗中と認識をしております。  しかし、先般、県知事より申し入れがあり、救命救急センターの設置を含めた長崎市民病院と日赤長崎原爆病院との統合という趣旨での新たな提案、要望が行われています。この長崎県の提案に対して、市長はプロジェクトチームを立ち上げ、2月市議会で報告するということですが、議会における調査検討がなされないで進んでいくのではないかとの不安もございます。市の方針を決定するに当たっては、市民、議会にわかる最善の方法をとっていただきたいと望みます。  また、一市民の立場からは県都である本市に救命救急センターは欲しいと思いますし、医師数も多いほうがいいと考えるのは当然のことでもあると思いますが、今回の提案の内容に関して具体的には一体どういう問題点があるのか、その問題点を明確にお示しください。また、それをどのような方法で検討しようとなされているのか、考えておられるのかお伺いをいたします。  以上、本壇よりの質問とさせていただき、ご答弁の後、必要に応じて自席より再質問をさせていただきます。ありがとうございました。=(降壇)= 65 ◯副議長(中田 剛君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 66 ◯市長(田上富久君) 公明党、向山宗子議員の質問にお答えします。  まず、3点目の緊急時訪問介護事業についてでございますが、緊急時訪問介護事業は、ひとり暮らしの高齢者の方等に対しまして、急病や災害時の緊急時に迅速かつ適切な対応が図れるよう緊急通報装置を設置しまして、必要に応じて訪問介護員の派遣を行う事業でございます。  この事業は、平成6年の1月から緊急通報体制等整備事業として開始し、平成18年度からは従来の緊急通報体制に加えまして必要に応じて訪問介護員の派遣を行う緊急時訪問介護事業として実施をしてまいりました。対象者は、おおむね65歳以上のひとり暮らし世帯、高齢者のみの世帯、またはこれに準ずる高齢者で身体的、環境的に緊急通報装置の設置が必要な方となっております。緊急通報装置は、緊急時に緊急ボタンを押すと委託先の受信センターに通報が入ることになっています。連絡を受けた受信センターでは、即時に状況に応じて救急車の要請や親族などの協力員へ現地確認の依頼などを行い、対象者の安全の確保を図っています。  この事業の実施状況ですが、平成18年度の利用実人員は989人、平成19年度が988人、平成20年は10月末現在で1,040人となっております。また、申請の手続きは、介護認定を受けている方で介護サービスを利用されている方は担当のケアマネジャーが、それ以外の方は地域包括支援センターが申請の代行を行っています。申請状況につきましては、平成18年度の申請件数144件に対しまして、決定件数は138件となっております。平成19年度の申請件数は192件、うち決定件数は179件となっております。受信センターに対しましては、迅速かつ適切な対応が求められることから随時指導を重ね、事業の適切な運用を図っております。  次に、4点目の新市立病院の建設問題についてお答えします。  現在の市民病院の一番の問題点は老朽化、狭あい化が著しいということであります。こういった状況にあるため、新しい医療機器の導入ができない、あるいは必要な人員をふやそうとしてもスペースがないなど、これからの高度医療を担っていくに当たっては既に限界を超えているという状況にあります。そのため、一日も早く新しい病院に移行できるよう、現在の市民病院の土地及び隣接地で平成25年度中の開院を目指して事業を進めてまいりました。新市立病院の大きな目的は高度医療と救急医療を充実させることにあります。そのため、脳神経外科を新設して脳卒中に対応するとともに、あわせて心筋梗塞、がんなどといった死亡率が高い疾病にも対応したいと考えております。また、現在各地で問題となっています小児医療、周産期医療をさらに充実する方向で計画を進めております。  救急医療に関しましては、現在の長崎市にはない救命救急センターを設置し、24時間365日、安全・安心な暮らしを市民の皆さんに提供できるよう計画をしております。  このような中、県からさらに病床数をふやし、より機能を充実させた病院の建設について新たな申し入れがなされました。その主な内容は、市民病院、成人病センター、日赤長崎原爆病院を統合し、600床程度の病院を建設すること。運営については公設民営とし、日赤長崎原爆病院を指定管理者とすること。建設場所は長崎駅裏の土地とし、取得に当たっては県も応分の負担をすること。また、運営費についても県の負担を考えているということ。そして、これらを一体のものとして提案するというものでありました。  しかしながら、この提案については十分な検討が必要であると考えております。例えば、建設時期が延びる可能性はないのか、3病院を統合して長崎駅裏に集約することへの市民の理解が得られるのか、新しい建設場所を取得するための費用をどうするか、将来の長崎市の医療を着実に実施できる医療体制であるのか、さらには安定的な経営ができるのかなどであります。そこで、こういった課題を検討、解析するために庁内にプロジェクトチームを設置することにいたしました。さらに、これまでの長崎市の医療を守るという視点に加え、もう少し広い医療圏を想定した上での検討も行っていく必要があろうかと考えております。  いずれにしても、平成25年度に新市立病院が開院するという計画を遅延させることはできませんので、限られた時間ではありますが、議会ともご相談しながら県との協議を進め、来年の2月議会までには、その結果をご報告したいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 67 ◯教育長(馬場豊子君) 1番目の小中学校図書館における専任の学校司書の配置についてお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、読書は子どもたちにとって想像力や考える習慣を身につけ、豊かな感性や思いやりの心をはぐくむ上で大切な営みであり、人としてよりよく生きる力をはぐくむために欠くことのできないものであると認識しております。  長崎市では、子どもの読書習慣を育てるために全部の小中学校で朝の読書活動の時間が設定されております。また、各学校におきましては全校的な取り組みとして、ブックトーク、読み語り、紙芝居など、さまざまな工夫を凝らした読書活動に取り組んでおります。また、学校図書館は、児童生徒にとって読書を楽しむ場であるとともに貴重な学習の場でもございます。平成20年3月に告知されました学習指導要領におきましても、各教科等における言語活動の充実と、さらなる学校図書館の活用を図ることが必要とされたところでございます。  学校図書館を活用した学習を行うためには、担任の相談に応じて適切に本を選び、学習を支援することができる専門知識を持った司書教諭を中心とした全校体制での取り組みが重要となってきます。今年度は12学級以上のすべての小中学校に司書教諭を配置しておりますが、司書教諭は学級担任や他の校務分掌を兼ねている場合が多く、学校図書館の業務に専念することができない状況があることも認識しております。司書教諭がその業務に専任できますよう、全国都市教育長協議会を通して国に対し、国庫負担による司書教諭の加配をお願いしているところでございます。また、県に対しましても、長崎県市町教育委員会連絡協議会を通じまして、12学級未満の学校に司書教諭の配置を行うこと、また、12学級以上の学校につきましては、専任の司書教諭の配置を要望してきたところでございます。  一方、学校図書館を支えるために、小学校59校、中学校13校、計72校におきまして約830人の図書ボランティアの方々にも活動していただいております。館内美化や掲示物の工夫、読み語りなど、児童に直接かかわる活動にも積極的に参加いただいておりまして、司書教諭と手を携えて読書活動を支える重要な役割を担っていただいております。  学校図書館の機能を有効かつ活性化させるためのあり方につきましては、司書教諭等のスキルアップのための研修や図書ボランティアの方々と連携を密にすること、また、議員ご指摘の専任の司書をモデル事業として配置することも含めまして、さまざまな視点から研究を進めていく必要があると考えております。  以上でございます。 68 ◯こども部長(松下貞行君) 次に、ご質問の2点目、子育て支援策についての(1)インフルエンザ予防接種の補助拡大についてお答えいたします。  乳幼児インフルエンザ予防接種事業につきましては、対象者は生後6カ月以上から小学校入学前までの乳幼児であり、およそ1週間から4週間の間隔を置いて2回接種することで効果があるとされているため、2回分の補助を実施しています。高齢者インフルエンザ予防接種と異なり、予防接種法に基づかない長崎市の独自の単独事業であり、乳幼児の健全育成の促進を目的として、平成17年度から実施しております。なお、この事業は、平成20年11月現在、中核市39市のうち、長崎市を含む4市が実施しておるところでございます。接種に関しては長崎市医師会等を通じて長崎市内の医療機関などと委託契約を結んでおり、委託料1回3,600円の2回分7,200円のうち、保護者の皆様に対しては1回につき1,600円の2回分3,200円のご負担をお願いしているところでございます。また、長崎市より1回につき2,000円の2回分4,000円の補助を行っております。また、市民税非課税世帯、生活保護受給世帯及び中国残留邦人の支援給付が決定されている乳幼児に対しましては、その保護者の皆様の自己負担額は全額免除しており、1人につき3,600円の2回分7,200円を補助しております。また、接種する場所につきましても保護者の皆様の利便性を考慮し、長崎市内のみならず、長与町、時津町の西彼地区や諫早市内の一部の医療機関で委託契約を結んでおり、長崎市民であれば接種した際、長崎市で補助することになっております。  議員ご質問のインフルエンザ予防接種の補助拡大につきましては、13歳未満のお子様も2回接種で効果があるとされていますが、現状では小学生になると本事業の補助の対象ではなくなるため、1人につき、おおよそ2回分で7,000円の出費となり、保護者の皆様にとっては経済的にかなりの負担になっていることは十分に承知しております。しかしながら、本事業を小学生までに拡大した場合、試算で2回分の補助の場合は約1億円、1回分の補助としても約5,000万円の予算計上が新たに必要となります。長崎市の厳しい財政状況を考慮いたしますと、現状においては非常に難しい状況にあるということをご理解いただきたいと思います。  続きまして子育て支援策の(2)父子家庭の医療費助成についてお答えいたします。  父子家庭につきましては、経済的負担を初め、家事や子育てにおいては母子家庭と同様に苦労されており、長崎市といたしましても支援が必要であると認識しております。ひとり親家庭に対する施策は国の制度で行っているのがほとんどでございます。長崎市におきましては、父子家庭が利用できる施策として、相談事業や一時的に生活援助が必要な家庭に家庭生活指導員を派遣する事業などを実施しているところですが、母子家庭と比較すると非常に少ない状況となっております。
     医療費助成につきましても福祉医療制度として、長崎市福祉医療費支給条例に基づき一定の所得条件を設けた上で、重度心身障害者、中度心身障害者、乳幼児、母子家庭の母と子、父母のいない子及び寡婦に対し、医療費の一部を支給しているところでございますが、父子家庭を対象とした医療費助成制度はございません。その中、就学前の児童につきましては、乳幼児医療対策事業として対応しているところでございます。医療費支給の財源につきましては、長崎県の福祉医療費補助金がその財源の一部となっております。この長崎県福祉医療費補助金実施要綱では、母子の母と子、寡婦等と医療費支給対象が限定され、父子家庭は対象となっておらず、長崎市の制度も県に対応した形で実施しているところでございます。  他の中核市においては、父子家庭も対象に医療費支給を行っているところもございますが、そのほとんどが県の制度に沿って補助を受けております。したがいまして、同じひとり親家庭で母子家庭と父子家庭を区別しているという点につきましては、十分認識しておりますので、今後も引き続き市長会を通じて長崎県に対して強く要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 69 ◯23番(向山宗子君) 一通りご答弁をいただき、ありがとうございました。  再質問をさせていただきます。順不同になることをどうぞお許しください。  まず、1点目は図書事業について再質問をさせていただきます。  このモデル事業のことも研究してまいりたいという教育長のご答弁でしたが、具体的にモデル事業の実施のあり方をシミュレーションを行って考えられたことはございますでしょうか、もしありましたらお教えください。 70 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  具体的にモデル事業をどういう形で行うかという実施計画まで至っておりません。ただ、図書につきましては、非常に大切なことだという認識は持っておりますので、ぜひそのモデル事業はどうやったらいいのか、またほかの、例えば、今、配置しています司書教諭の方が専任できるような体制づくり、そういうものがどうやってできるのか、そういうことも含めまして研究してまいりたいと思っております。 71 ◯23番(向山宗子君) 例えば、県の施策を受けた佐世保市の例でございますが、小学校2校、中学校2校をモデル事業として実施をされてあります。それで、これはモデル事業ですので、各学校を1年間、学校専任司書が入って、そこで1年間を通して司書教諭や、また、ボランティアのお母さん方と協力しながら成果を生んでおります。そして、次に平等になるように次の年はまたよその学校に移っていくというような、そういう交代でやっていく方式でやっているというふうに伺っています。本当であれば数年同じところですると、もっと効果は出るのかもしれませんけれども、なかなかそういうわけにもいきませんので、たった1年間ではありますけれども、専門の知識を持った専任司書がいて1年間の間に配架の仕方や本の整理、また資料の収集とか、そういうノウハウを伝えながら司書教諭の先生としっかり連携をとってやっていかれることによって司書教諭の先生が育たれているということを伺いました。  今度はそうなると1年間たった後でもお母さん方も、また専任の司書がいてくださることでボランティアも少し力をアップする。また、司書教諭の先生も研修というか、じかに身近な研修を受けられるということで、司書がいなくなった後もまたなるべく図書館の向上、また子どもたちの読書環境の向上に向かっていい成果が出ている。また、司書教諭の先生は普通、学校の教員であられますので、転勤がございます。一度そうやって研修、力をつけられた司書教諭の先生は、また違うところに転勤していかれてもそこでまた立ち上げることができる。そういう目に見えない波状効果が拡大をしていけれるというような、そういうモデル事業のいい効果があるというふうに伺いました。実例としては、お隣の時津東小学校で、あそこはずっと専任司書がいて効果を上げている実例ですけれども、そこで一緒に頑張ってスキルを学んで力をつけた司書教諭の先生が長崎市内にまた転勤してこられて、そこですごく頑張っていらっしゃるという例はたくさんございます。そういう状況もありますので、モデル事業をした場合に、とっても不公平になるのではないかということはないというふうに私は考えております。  予算的な面におきましても、他都市の状況調査において、専任の司書の方を1人雇うとすごく上下の差があるんですが、月額約10万円から約25万円の間ぐらいでお一人を雇用している。また、それを年間に換算すると4人だと年間で480万円から約1,000万円ぐらいの間、それが半分の1校ずつであっても250万円から500万円ぐらいの間というような、考えていただけるそういう予算枠ではないかと私は考えております。また、文部科学省では、新学校図書館図書整備5カ年計画で、これは図書購入費というふうにはなっておりますけれども、平成19年度から平成23年度の5カ年で約1,000億円の予算の措置もなされてあるんですね。そういうことも考えあわせて、今申し上げました、モデル事業のあり方等々、考えを一歩進めてみていただけないか、その考えをお伺いしたいと思います。教育長にお願いいたします。 72 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  今、モデル事業の実例を詳しく説明していただきました。そういう実際効果が上がっているような状況もぜひ参考にさせていただきながら、今後、専任司書の配置も含めまして、また、ほかにもボランティアさん方のいろいろな研修の機会をふやすとか、ボランティアさんも非常に人数が限られてきている実態もありますので、地域の中で広めていくような活動もする必要があるかと思っております。広い範囲で学校の図書館の活性化に向けての研究を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 73 ◯23番(向山宗子君) 今、教育長から言っていただきました司書教諭のレベルアップと研修という意味で、もう一つお願いをしたいことがあるのですが、これはですね、司書教諭というのは学校の先生でありますので、授業を直接行っていける立場にあられる方です。司書教諭と司書というのは全く持っている知識とか、そういうものは違っておりまして、どちらかというと役割も明確に違います。司書教諭は、要するに、学校全体の図書館のあり方というものをしっかりコーディネートするといいますか、学級担任とか、あと普通のほかの教師が図書館を利用しやすいように組み立てていく、またそういうコーディネーター的役割、プロデューサー的役割が求められる。そうなると図書館を活用した授業の組み立てということができるようになります。  この夏に熊本で行われました全国図書館の大会に私も参加させていただきましてお勉強させていただいたんですが、やっぱり、1つの単元、国語でも、理科でも、社会でもそうなんですが、図書館を利用して、いろんな資料を用意して授業を組み立てていくと、ものすごくわかりやすいというか、また、幅の広い授業ができるという実例を幾つも聞かせていただきました。そういう意味において司書教諭のレベルアップ、今教育長言っていただいた、これもすごく大事な点で、そこに学校司書とボランティアがこの三角関係でちょうどきれいにおさまると、ものすごく子どもたちにとって影響力が本当に大きく、いい効果が出ると言われております。  ただ、先ほど教育長も言われましたとおり、司書教諭の先生は担任を持っていらっしゃったり、それから教務主任をなさっていたり、もう本当に忙しい中で必死に頑張ってくださっています。お休み時間に図書室にいてくださるというのが子どもたちにとっては、もう最高のことなんですね。それができないものですから、中学校では往々にしてかぎがかかった状態でだれも図書館に行かないというようなことが起こってくるわけですけれども、そういう意味において頑張ってくださっている先生ほど、ご自分の休み時間を犠牲にして図書館にいていただいて、ご飯を食べる時間もないと。逆に休み時間をずらしてくださるというようなご配慮ができないものかというふうに私も思うんですが、そこら辺になると校長先生の裁量というか、校長先生にも研修を行っていただきたい。ある県北の学校では夏休みに時間をとって校長先生が音頭を取ってくださって、もう全教員を挙げて、またボランティアも全部挙げて図書館の大改造というか、本当に大整理を、図書館整備をしたという話も伺っております。そういう意味で司書教諭ももちろんですが、校長先生の研修とか、司書教諭の研修に関しましては、市の教育委員会の裁量でできる部分があるのかどうか、それをやっていただけるお考えはあるのかどうか、お伺いをさせてください。 74 ◯教育長(馬場豊子君) 長崎市は中核市でありまして、教育委員会としましては研修の権限も持っております。そういう意味で研修の内容については、こちらのほうで組み立てることができるかと思います。  また、学校におきます図書の大切さ、今でも非常に校長先生方も認識されておりまして、全校の一斉の図書活動も中学校においては毎日の状況が、半数以上の学校については毎日行われておりますし、小学校におきましてもほとんどが3日以上の時間を費やしまして、朝の全校一斉の読書時間をとったり、非常に読書については力を入れて、今各学校の中でされておりますので、校長先生方の意識というのも、非常にそういう面では一生懸命されているというふうに認識しております。今後とも研修も含めまして力を入れていきたいと思っております。  以上でございます。 75 ◯23番(向山宗子君) それでは、この質問を最後にしたいと思います。  市長にお答えいただきたいと思います。  この事業に対する市長のお考え、思い、また今後の展開について、ご意見がございましたらよろしくお願いいたします。 76 ◯市長(田上富久君) 向山議員の再質問にお答えいたします。  以前一度、アニマシオンの皆様が実際に活動をしていらっしゃる学校にお邪魔をさせていただきまして図書室の状況も見せていただきましたし、そのときにいろんなことも教えていただいたわけですけれども、確かに、お母さんたちが子どもたちの読書活動を非常によく裏で、また陰で支えてくださっている様子がよくわかりました。また、校長先生、それから司書教諭の先生との連携がやはり、司書がいない状態ですけれども、その中でも非常に重要だという状況もよくわかったような気がいたします。また、図書室の状況が学校によって違うという状況もお聞きしましたし、時津の状況も、そのときにちょっとお聞きしたわけですけれども、最初におっしゃったように、子どもたちにとって読書が及ぼす影響というのは学力の面もそうですし、情操の面でも非常に大きな影響があるというのはそのとおりだと思います。  そういう意味で、これから教育委員会の研究を待って市のほうとしても対応していきたいというふうに考えております。  以上です。 77 ◯23番(向山宗子君) この問題に対しましては予算というのが一番大きなネックになってくるかと思うんですけれども、県の学校司書の配置事業は一応今年度で終わりましたが、例えば、今後同様の施策が県から提示されたときに、今まで長崎市は手を挙げておりませんけれども、今後、積極的に手を挙げるおつもりがあられるかどうか、教育長と市長にお尋ねしたいと思います。 78 ◯教育長(馬場豊子君) 県の事業も5年間の限定ということもございました。やはり今から継続して行う意味では補助事業ももちろん有効に活用する必要があると思いますけれども、継続して長崎市がどうすべきかというのをしっかり見据えながら、使える補助は優先的に使いながら事業を進めていきたいと思っております。  以上でございます。 79 ◯市長(田上富久君) 先ほど教育長が答弁したとおりでありまして、教育委員会の研究の成果をまた待って対応したいというふうに思っております。  以上です。 80 ◯23番(向山宗子君) では、次に新市立病院の建設問題についてお伺いをいたします。  さまざま問題点、提示していただきましたけれども、それでは、県の提案と市の案を比較して数点お尋ねをいたします。  まず第1点目には、一番私たち女性の問題でございますが、今話題になっております周産期医療の件、また、それに続く小児医療の件が問題となっておりますが、私の身近な身内でも新生児集中治療室の不足のために、わざわざ佐賀まで行って治療を受けなければいけない。子どもをそちらで産まなければいけないというような状況も聞いております。この市の案をやった場合に周産期医療、小児医療を確保できるのかどうかが1点。  2点目には、市の計画では公立病院の改革ガイドラインに対して規模が不十分であるため、医師の確保が困難であるというふうな県の見解でございますが、市の考えているやり方で実施した場合、新市立病院はマグネットホスピタルになり得るのか、それをお伺いしたいと思います。  3点目には、せっかく建設をしても破綻をしている病院が全国で出てきている現状におきまして、開業後、経営が長期的に円滑に行えることが重要なことと考えますが、県と市の案を対比した場合にそこら辺はどのようにお考えなのでしょうか。  以上3点をお願いいたします。 81 ◯病院局長(楠本征夫君) 再質問にお答えいたします。  まず、最初の周産期医療に関してでございますけど、現在ございます市民病院の話で、未熟児の集中治療室3床ありますけど、それを6床にふやすと。それから母親、あるいは胎児の集中治療室、これも6床にするということ。それから全体的に周産期のベッドを増床するということで、現在の状況から判断しますと、周産期に関しましては、長崎市を守るという点では十分ではないかと考えております。それから、小児医療に関しましては、これに関しましては現在小児の外来とか、救急に関しましては、いろいろな問題点は起こっているわけなんですけど、実際の入院に関しましては、大体どこでも病床があきがちというふうな状況でございますから、それに対応していろいろ人の配置とか、そういうことを行っていく必要があると思うし、これは長崎市全体の医療機関で、さらにいろいろ検討する必要があると思っております。  それから、2番目の医師確保についてでございますけど、いわゆるマグネットホスピタルというのは言われたとおり、医師、看護師、あるいは患者さんを集めるような病院ということですけど、規模が少ないからマグネット性がないんだと。それは極端な病床数が少ないときにはそういうことは言える可能性はあると思いますけど、450、あるいは500、そういうレベルになれば高機能、例えば、先ほど言いました集中治療、あるいは救命救急、そういうところも充実できますから、それにあわせてマグネット性というのも十分に確保できると、そういうふうに考えております。  それから、経営に関してでございますけど、これは私たち今でも常々苦労をしております。長崎市と県の経営に関する考え方で一番大きな違いというのは、例えば、入院患者さんの1日の入院費、これの置き方によって相当変わってくるわけですけど、これに現在では大きな違いがあるということでですね。長崎市としてはちょっと遠慮をした数字を出しているんですけど、県としては少し多目の数字を出している。その差が大きいということで、こういうことも今後県との話し合いの中で客観的に比較できる表を十分につくりながら検討していきたいと、そのように思っております。  現在では長崎市の考え方で、それから新病院に移行して徐々に膨らむということからすれば経営的にも十分やっていけると、そのように考えております。  以上でございます。 82 ◯23番(向山宗子君) わかりました。  例えば、一番問題の医師を確保するための魅力ある病院づくりということが本当に大事なのかなとも思いますけれども、ちょっと角度の違う質問をさせていただきたいんですが、例えば、特化した優秀な医師、今、ゴッドハンドとか、神の手とか言われるような、そういう医師がおられますけれども、そういう方を招聘するための施策というか、普通、公立病院ではなかなか厳しいということも聞いたことがございますが、そういう特別な経営のお考えというのはございますでしょうか。 83 ◯病院局長(楠本征夫君) 今言われましたとおり、ゴッドハンドと、そういう言葉で呼ばれるドクターというのは日本でもいろいろおられると思います。そういう人たちをいきなり呼べるかというのはなかなか問題あると思います。だけど、今後来ていただけるような数字をつくれるような病院といいますか、あそこにゴッドハンドと言わなくても、それに準ずる人たちが集まりやすいような病院にはしていきたいとは思っております。 84 ◯23番(向山宗子君) はい、わかりました。より広く市民の声を伺いながら、一番大事なことは私たち市民がよりよい医療を受けるためということが大事なことだと思っております。  一つひとつ今言われた課題に対して真剣な検討をお願いしたいことを要望して、この件に関する質問を終わらせていただきます。  3点目に、緊急時訪問介護事業についてお伺いをいたします。  これは先ほどるるご説明ございましたが、希望をしても申請に至らないケースもあるというふうに伺っております。しかし、ご説明の申請者数と決定者数を見ると平成18年で受けられなかった方は6件、19年度で13件と少ない状況ではあるのですが、ただ、伺ったところによると、やっぱりひとり暮らしでも病気でないといけないんじゃないかとか、受け付けてもらえないんじゃないかとか、同居家族がいるために申請を却下されたとかいうことを伺っておりますが、その周知の方法はどうなっているのでしょうか、これが1点でございます。  2点目には、介護を受けていらっしゃる方は、その申請はケアマネジャーさんが担当していらっしゃるというふうにご説明がございましたが、例えば、ケアマネジャーさんが申請の要件をご自分で判断なさって申請をしなかったりとか、例えば、また市には相談するけれども、ちょっと厳しいんじゃないのかなということを伺ったら申請しないとか、そういうこともちょっと伺ったことがあるのですが、その点はいかがでしょうか。  3点目に、一番問題なのは、おひとり暮らしの方は大分これでケアされていると思いますが、同居家族がいらっしゃる方のその要件というものがあると伺っております。ただ、同居家族がいても日中一人でいなければいけない人もいらっしゃると思いますし、また、生活様式も多様になっておりますので、週に何日かご家族の方がパートに行かれたりとか、例えば、2日に1回はいるけれども、看護師さんだとか、タクシーの乗務員さんだとかでほとんど寝ていらっしゃる、緊急時に対応できないというケースも生じてくることもあるかと思います。そういう同居家族のいる方でも大丈夫なように対象要件の緩和、拡大ということはできないのかどうか、3点お伺いをさせてください。 85 ◯福祉保健部長(山本正治君) 1点目の周知につきましてでございますが、現在、本事業の周知につきましては、広報ながさきやホームページへの掲載、また、介護予防教室での周知など、さまざまな機会をとらえて行っております。  また、ご指摘の2点目でございますが、申請代行人をしていただいておりますケアマネジャー、また、地域包括支援センターにつきましては、相談対応マニュアルというものを配付いたしまして周知の徹底を図っております。今後、さらにこの周知活動を継続して行うことによりまして周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。  また、最後の3点目でございます。  そういう同居の家族の方がいらっしゃるという場合、これまでほぼ毎日が独居状態ということを一つの基準としておりましたけれども、この本事業につきましては、ご本人やご家族の方が安心して毎日の生活を送っていただくために実施している事業でございます。したがいまして、今後はご指摘の点を踏まえまして、日数などでの機械的なことで判断するのではなく、その実情をよくお一人おひとりお聞きいたしまして、柔軟な対応を図っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 86 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。高齢者の方がより安心して利用していただけると思います。そのように、これはもう本当にいい政策ですので、そういうお一人おひとりの状況をしっかり聞いていただきながらご配慮していただきたいと思っております。  最後に、インフルエンザと父子家庭の件につきましては、なかなか財政が厳しい状況の中で厳しいことではあるかとは思いますけれども、本当に今こういう厳しい経済状況の中で少しでも前向きに、また、研究をしていっていただければと要望にとどめておきたいと思います。  それで、最後に市長にお伺いしたいんですが、今回、いろいろな子育て支援政策やら子どもたちのことを質問させていただきましたが、やはりすべてにどうしても施策を行うには予算というものが伴ってくる、やりたくてもなかなか全部はやれない、その中でどうしていったらいいのかということを常々本当に悩むわけでございますが、やはり次の予算を立てるときに一生懸命、市長の政治力と、また、しっかり知恵を発揮していただいて、何とかしてこじあけて子どもたちにより多くの、未来の宝である子どもたちのための予算をかち取っていただきたいと本当に心から思うものでありますが、お考えをお聞かせください。 87 ◯市長(田上富久君) 向山議員の再質問にお答えします。  財政状況が厳しいということは、もうご存じのとおりでして、その中で本当に優先順位をつけながら施策を選択していかないといけないというのは申し上げるまでもありません。その中で子どもたちに対する施策、これはある意味、非常に事案によっては緊急性を要するものもあります。それとともに長い目で見て子どもたちの成果が出てくるのはもう10年後、20年後かもしれないけれども、これも大事だというふうな事業もあります。そういう意味で非常にやりたいけれども、なかなかできないというのがあることも現状ですけれども、その中でやはり子どもたちにとって今何が一番急ぐのか、優先順位をきちんとつけながら、また、その議論も、これから今予算編成時期ですけれども、十分に庁内でして、またその議論の大もとになる市民の皆さん、あるいは子どもたちの状況もできるだけ把握しながら予算の審議、協議を進めていきたいというふうに思っております。  子どもたちが健やかに、あるいはさまざまな体験をしながら豊かに育てるようなまちづくりというのは非常に重要だと考えておりますので、真剣に議論をしながら進めたいというふうに思っております。  以上です。 88 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございました。本当に長崎市をつくるのは人であって、その人は本当に10年後、20年後、30年後、築いていくのは子どもたちだと思っております。そのためにも本当にたくさんたくさん職員力、地域力、市民力を総合的に発揮をしながら子どもたちのための政策に本当に少しでも向上するように、また一歩前進するように要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 89 ◯副議長(中田 剛君) 次は、14番深堀ひろし議員。       〔深堀ひろし君登壇〕 90 ◯14番(深堀ひろし君) 皆さん、お疲れさまです。14番の市民クラブ、深堀ひろしでございます。  今回は、人命にかかわる問題を中心に以下質問通告に沿って大きくは3項目を質問させていただきます。市長並びに関係理事者の簡潔で明快な回答をよろしくお願いをいたします。  では、まず1項目めは消防行政について質問をいたします。  本市における救急件数は、昨年、1万9,575件で過去最高を記録し、この10年間で約1.5倍に増加しており、その要因は少子高齢時代の到来や社会環境の著しい変化であると分析をされておられます。実に1日に換算すると約54件であります。年間365日、昼夜を問わず市民の生命と安全を守るために迅速な行動や適切な判断が伴う厳しい業務に従事されておられる消防局職員の皆様には、まずもって感謝と敬意を表する次第であります。  さて、そのような救急業務の中で重要視されるのは、やはり迅速な収容、搬送となるわけですが、そのためには現場到着時間の短縮と搬送する医療機関との交渉時間の短縮が不可欠なものであると考えています。幸い本市においては数多くの関係者のご努力により、通報から医療機関へ搬送する平均の所要時間は昨年実績で全国33.2分に対して31.2分という短い状況にあります。しかしながら、通報から現場到着までの時間だけに限定をすると、全国6.9分に対して7.3分という状況になり、また、これを地区別に見てみると、外海地区においては19.8分、茂木地区においては12.7分、式見地区においては12.1分など、地理的要因から地区によるばらつきも発生しているのが実態であります。  そこでお尋ねをいたしますが、管轄区域全体を均一に統一することは物理的に難しい状況であるということは理解しておりますが、何よりも市民の生命にかかわることでありますので、可能な限り地区によるアンバランスを改善する対策をどのように実施検討をされているのか、お示しいただきたいと思います。  次に、医療機関との交渉時間の短縮についてでありますが、先般、全国大の救急搬送の報道がありましたが、救急搬送時に医療機関から3回以上受け入れを拒否された事例が実に2万4,000件に及ぶというものであります。本市においては4回以上の交渉件数、これは3回以上拒否された件数でありますが、全体で102件、全体の0.6%という低い状況ではありますが、6回以上の交渉件数も実に12件発生している状況から、複数回に及ぶ交渉を減少させる方策についてもお示しをいただきたいと思います。  次に、救急救命士と救急車の適正配置についてお尋ねをいたします。  現在、長崎市消防局には47名の救急救命士と12台の救急車が配置されていますが、この体制はどのような基準で整備、配置されているのかをお尋ねいたします。また、救急業務の高度化やメディカルコントロール体制の充実のために救急隊員や救急救命士に対する教育はどのように実施されているのかも確認したいと思います。  次に、救急車を利用する側の問題点についてお尋ねをいたします。  冒頭、本市においては年間1万9,000件を超える救急件数が発生していることを申し上げましたが、このうち軽症者は全体の34.1%、全国大では52%でありますので、長崎においては軽症程度では119番に通報していない傾向にあると言えます。しかしながら、中にはタクシー代がないので救急車を呼んだ、救急車で病院に行くと待ち時間がなくて診察してもらえるなどの理由で通報される市民がおられるのも事実であります。当然のことではありますが、平均すれば1日約54件も出場する救急車であることから、緊急を要する傷病者がこのようなモラルに欠けた利用者の対応のために搬送がおくれるということも想定されるため、できる限りモラルに欠けた利用は減少させなければなりません。  そこでお尋ねをいたしますが、救急車の適正利用については広報活動を実施されておられますが、悪質な利用者に対する措置などを検討されていないか、お尋ねいたします。  次に、消防費委託町負担金についてお尋ねをいたします。  長崎市消防局においては、隣接する長与町、時津町の消防・救急救助業務を受託しておりますが、その負担金について適正な金額で契約をしているのかをお尋ねいたします。以前確認した際に時津町、長与町との協議が難航し、本市が算定した金額よりも少額で契約しているとの話を聞いたことから、その交渉の経過についてもお尋ねをいたします。  次に、大きな2項目め、周産期医療体制についてお尋ねをいたします。  先般、東京都内において体調不調を訴えた妊婦が周産期母子医療センターを含む8つの病院に受け入れを拒否され、結果的には後日お亡くなりになられるという大変残念な事例が発生をいたしました。この問題は全国的にも大きく取り扱われ、厚生労働省と経済産業省の両省は、医師の稼働状況や受け入れ可否を判断できる最新鋭の情報伝達システムを共同開発することなどを決定いたしました。このような状況の中で、長崎県内においては、大村の国立病院機構長崎医療センターが総合周産期母子医療センターとして、佐世保市立総合病院と長崎市の市民病院が地域の周産期母子医療センターとして周産期母子の医療をサポートしている状況にあります。  そこでお尋ねをいたしますが、東京で発生したような不幸な事例が本市において発生するおそれがないのか、総合周産期母子医療センターである長崎医療センターと長崎市民病院との連携はうまくいっているのか、現在の周産期母子の医療をサポートする体制としては十分なものと言えるのかどうかについて、お尋ねをいたします。  また、関連して全国大で不足が懸念されている新生児集中治療室、NICU及び母体胎児集中治療室、MFICUの設置状況について、本市においては不足している状況にないのかをお尋ねしたいと思います。  最後に、大きな3項目めとして、児童虐待等(家庭内暴力)の防止対策についてお尋ねをいたします。  児童幼児虐待については、ここ数カ月の間に10月には大阪、9月には横須賀、静岡、福岡などの各地で母親が我が子を殺害するという極めて不幸な事件が連続して発生しております。特に、5月に発生した兵庫県伊丹市の殺人事件は2年前にも当該幼児、当時2歳の我が子を虐待したとして母親が逮捕され、その後、平成18年からことしの2月まで県の施設であるこども家庭センターで幼児を保護していました。しかし、母親に変化が生まれたとの理由で、ことしの2月に幼児を家庭に戻しましたけれども、4月には地域住民の方から虐待を疑う通報があっていたにもかかわらず、その直後の5月に母親が我が子を殺害してしまうという事件が発生をしてしまいました。このような不幸な事件は個人や家庭だけの問題として考えるのではなく、現代社会の問題としてとらえ、社会全体で対策を講じていくことが重要だと私は考えております。また、同様に男女間での暴力、いわゆるDVや介護を必要とする高齢者に対する虐待など、家庭内で発生している暴力、虐待は表面化していない事例を含めれば膨大な件数になるのではないでしょうか。  そこでお尋ねをいたしますが、子どもたちへの虐待、男女間のDV、高齢者への虐待に関して、本市においては各種の相談窓口を設置し、サポート体制を構築されていますが、それぞれに相談件数及び対応結果についてお示しをいただきたいと思います。また、これらの現状を踏まえ相談窓口を有する行政として、今後どのようにして相談体制を充実し、未然防止策を強化していくのかの見解をお示しいただきたいと思います。  以上で壇上からの質問とし、答弁をお聞きした上で自席より再質問をさせていただきます。=(降壇)= 91 ◯副議長(中田 剛君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 92 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、深堀ひろし議員の質問にお答えします。  1点目の消防行政についての(4)消防費委託町負担金の見直し状況についてでございますが、現行の時津町、長与町の消防・救急業務にかかる負担金につきましては、平成17年5月に時津、長与両町から消防・救急業務の受託継続について要望がなされたことに対しまして、受託継続に際し、ごみ処理問題など広域的な諸問題について話し合う長崎市・長与町・時津町広域事務連絡協議会を設置し、この中で協議していくことになりました。  この協議会において、負担金の考え方につきましては、当初は長崎市から時津、長与両町の消防・救急業務に必要な人員として、両町の人口規模比率に応じて算定した結果、人員70人、負担金額約7億2,000万円を提示いたしました。これにつきましては、従来の負担金が24人分、約2億7,000万円であり、その差が大き過ぎることから長崎市の提示額については両町と合意を得ることができませんでした。その後、協議を重ねた結果、段階的な措置として、平成18年度及び19年度については、負担金を34人分、約3億9,000万円とすること。平成20年度から22年度については、必要な人員について引き続き協議を行うこと、平成23年度以降については、委託のあり方を含めて検討することを内容とする確認書を平成19年1月に取り交わしました。現在、平成20年度以降の負担金について確認書に基づき協議を行っておりまして、平成20年度の負担金につきましても現時点では確定しておりません。  長与、時津両町の負担額につきましては、議員ご指摘のとおり、町民1人当たりの常備消防費にかかる負担額で見ますと平成19年度の決算ベースで長崎市民の約半分となっており、消防・救急業務については全く同じサービスが提供されているということを考慮しますと、現状のままでは市長として市民の皆様への説明責任を果たせないと認識をいたしております。したがいまして、長崎市としましては、住民1人当たりの負担額が同程度となるように両町に負担をいただきたいと考えており、先日、両町長とお会いした際に、この旨をお伝えしたところでございます。具体的には現時点での試算によりますと、必要人員約68人、負担金額約7億5,000万円となり、現在この内容を両町に提示し、協議を行っておりますが、現行の負担金額との間にはなお大きな開きがあるため、いまだ合意には至っておりません。このため、最終的な負担の条件を譲ることはできませんが、両町の財政事情にも配慮しながら段階的な引き上げについて考慮する必要はあるものと考えております。  いずれにいたしましても、引き続き協議を重ね、早期に合意を得られるよう努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。  次に、2点目の周産期医療体制についての(1)周産期母子医療センターの設置・運営状況についてお答えします。  周産期母子医療センターにつきましては、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターがあります。総合周産期母子医療センターは24時間体制で妊婦及び新生児を受け入れ、リスクの高い妊娠に対し、高度な周産期医療を行うものであり、長崎県では大村市にある独立行政法人国立病院機構長崎医療センターが指定をされております。一方、地域周産期母子医療センターはリスクの高い妊娠に対し、比較的高度な周産期医療を行うものであり、長崎県では長崎市立市民病院及び佐世保市立総合病院の2施設が認定をされております。なお、地域周産期母子医療センターで対応できない場合は総合周産期母子医療センターに搬送されることになっています。
     現在の長崎市の状況としましては、長崎市立市民病院に新生児集中治療室、いわゆるNICUを含む15床の新生児用ベッド、また、長崎大学医学部・歯学部附属病院に9床の新生児用ベッド、合わせて24床の新生児用ベッドがございますが、出生数をもとに推計しますと、新生児用ベッドは30床から40床程度必要となり、6床から16床程度の新生児用ベッドが不足しているものと考えられます。しかしながら、長崎県の周産期医療におきましては、総合周産期母子医療センターである独立行政法人国立病院機構長崎医療センターを中心に、地域周産期母子医療センターである長崎の市民病院と佐世保の市立総合病院、高度な周産期医療を行っている長崎大学医学部・歯学部附属病院、さらに、佐世保共済病院の5つの医療機関の連携体制が構築されております。この連携体制によりまして、長崎市立市民病院で受け入れができない妊婦及び新生児は、長崎大学医学部・歯学部附属病院、あるいは大村の長崎医療センター等への受け入れ体制が確保をされております。このため、ことし10月に発生した東京都の妊婦死亡事故のような事例は現在までのところ長崎市では発生しておりません。  今後とも、大村の長崎医療センター、長崎大学医学部・歯学部附属病院等との連携により妊婦及び新生児の救命に努めていきたいと考えております。  次に、2点目の(2)新生児集中治療室と母体胎児集中治療室の設置状況についてお答えします。  新生児集中治療室につきましては、低体重出生児及び重篤な疾患のある新生児を24時間体制で管理し、より効果的な治療を行うものであり、NICUと呼ばれています。また、母体胎児集中治療室につきましては、合併症などがあり、リスクの高い妊娠や切迫流産などに対応するため24時間体制で管理し、母体や胎児を同時に治療するものでMFICUと呼ばれています。長崎市の新生児集中治療室の設置状況につきましては、長崎市立市民病院に新生児用集中治療ベッド3床がありますが、出生数をもとに算定される必要数は6床から7床程度ですので、3床から4床程度不足をしております。また、母体胎児集中治療室の設置の状況につきましては、現在市内には設置されておらず、大村市にある長崎医療センターに6床が設置されております。このため、長崎市においては新生児集中治療室及び母体胎児集中治療室のいずれも不足している状況にありますが、現在、新市立病院の建設に当たりまして新生児集中治療ベッド6床程度、母体胎児集中治療ベッド6床程度を含む周産期用ベッド42床程度を計画しておりますので、新しい市立病院が完成いたしますと新生児集中治療室及び母体胎児集中治療室、いずれの不足も解消されるものと考えております。  次に、3点目の児童虐待等(家庭内暴力)の防止対策についての(1)家庭内暴力(児童・配偶者・高齢者)の相談状況についてお答えします。  まず、児童虐待の相談状況ですが、長崎市では、児童虐待を初め、子どもにかかわる相談窓口として平成15年度にこども総合相談を設置いたしました。新規に受け付けた児童虐待の相談件数は、平成18年度が100件、平成19年度が67件となっています。相談に対する対応としましては、関係者からの情報収集や事実確認を行いまして、関係する機関と支援方法の検討、あるいは役割分担などの連携を図りながら迅速かつ適切な対応に努めております。さらに、緊急性が高いものや対応が困難な事例につきましては、県のこども・女性・障害者支援センターの指導、助言を受けながら、子どもの安全を第一に考え対応している状況でございます。平成19年度の実績で申しますと、県のこども・女性・障害者支援センターと連携を図りながら対応した件数は49件となっており、そのうち一時保護などが必要な事例としてセンターへ引き継いだケースは10件となっております。  次に、配偶者からの暴力についての相談ですが、近年、全国的には年々増加をしておりまして、長崎県におきましても増加の傾向にあります。長崎市男女共同参画推進センターアマランスの一般相談における配偶者からの暴力についての相談件数は平成18年度が94件、平成19年度が84件となっています。このうち緊急性があると判断し、県のこども・女性・障害者支援センターの一時保護へとつなげたケースは平成18年度が1件、平成19年度の実績はありません。  次に、高齢者虐待の相談状況についてでございますが、平成18年の4月に高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律が施行されました。この法の施行以前に比べますと相談や通報件数が増加をしております。高齢者すこやか支援課及び地域包括支援センターにおける相談通報件数は平成18年度が85件、平成19年度が61件となっています。虐待の内訳を見ますと、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待が大多数を占めております。虐待者は息子、配偶者、娘の順に多くなっており、同居しておられる家族からの虐待が約8割を占めております。虐待を受けた高齢者は女性が約8割で、年齢では80歳代が4割、70歳代が3割となっております。また、虐待を受けた高齢者のうち約4割は認知症があることから、認知症への理解不足、あるいは介護の困難さから虐待に及んでいるという現状も伺えます。  相談に対する個別対応としては、立入調査や関係者からの情報収集によりまして事実確認を行い、生命への危険性が高い場合は施設への一時保護を行っております。措置による一時保護の実施状況は平成18年度が10件、平成19年度は8件となっています。緊急性がない場合は関係者間のケア会議等において対応を検討し、介護サービスの活用などにより虐待が起こる状況を回避するための支援を行っています。また、家族への対応としましては、アルコール依存等の精神的問題、リストラ等による経済的問題など、家族が抱えている問題も深刻な場合が多いため、警察等関係機関との連携のもとで家族間の調整、あるいは介護の負担軽減への支援などを行っております。  次に、3点目の(2)相談体制の充実と未然防止策についてお答えします。  まず、児童虐待の相談体制ですが、現在、保健師、教師、臨床心理士、保育士など10名の相談員を配置しまして、市民から寄せられる各種の相談に対応をしております。電話や来所される方、訪問での相談のほか、携帯メールでの相談にも対応をしております。児童虐待の未然防止策としましては、孤立して子育てを行う親の育児のストレスを軽減することが虐待防止につながるという考えから、常設の子育て支援センターや地域のふれあいセンター等で開催しますお遊び教室などを通じ子育ての仲間をつくったり、育児の悩みを話したりする場を提供しております。また、虐待防止に向けた周知を図るため、平成19年度には学校や保育の現場で子どもと接する機会が多い方を対象に、児童虐待の早期発見のポイントや具体的な連絡方法などを掲載しました長崎市児童虐待対応マニュアルを作成しまして各関係機関へ配付をいたしました。なお、児童虐待防止への取り組みは虐待の通報を受けながら児童の死亡に至った事例もありますように、未然防止策だけではなく、未然防止から早期発見、早期対応、保護、支援に至るまでの切れ目のない支援が必要であります。関係機関の情報共有化など緊密な連携が重要であると認識をしております。長崎市では、福祉、司法、警察、医療、教育、地域の団体などの33の関係機関から構成される長崎市親子支援ネットワーク地域協議会を平成18年の11月に設置しておりますので、この協議会の充実を図り、さらなる連携を図りながら児童虐待防止への取り組みを進めてまいります。  次に、配偶者からの暴力についての相談ですが、アマランスの一般相談で2名の相談員を配置しまして、平日の10時から16時、水曜日は18時から20時の夜間も相談を受けております。未然防止策としましては配偶者からの暴力、いわゆるDVの防止とDV被害者の支援を行うNPO法人との共催で、平成15年度からDV根絶のための講座を開催し、啓発を行っています。そのほか、平成19年1月の配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律の改正に伴いまして広報ながさきにより、その周知を行いました。また、情報誌アマランスにもDVの特集を掲載し、広報ながさき2月号に折り込むなど、機会あるごとにDV防止のための啓発に取り組んでおります。なお、法改正により、市町村の努力義務になりました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画を策定する準備をただいましておりますので、庁内の情報の共有化により相談体制を充実していきたいと思います。また、若年層への啓発としましては、NPO法人が大学生、高校生、平成20年度からは中学生へのDV防止事業を行っております。アマランスの派遣講座とあわせて、そのPRを行いたいと考えております。  次に、高齢者虐待の相談体制及び未然防止策についてですが、高齢者虐待の対応につきましては、未然防止が第一であり、次いで早期発見、早期対応により深刻な状況を防ぐことが大事であります。未然防止のためには虐待はしない、させないという啓発活動として市民対象の講演会や広報、さらにケアマネジャー、介護サービス事業所を対象にした研修会などを実施しまして、家族の身体的、心理的負担の軽減支援を行っております。  高齢者は虐待されていても自分から訴えにくいという心理的背景があります。そのため発見がおくれることがあるため、相談、通報により早期に発見することが必要であります。高齢者虐待防止法において、虐待を発見した場合は介護関係事業所の従事者は市への通報が義務化をされています。早期発見、早期対応の対策としましては、地域の見守り、関係機関とのネットワークづくりが重要になりますので、長崎市では高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会を設置しまして、防止・支援マニュアルの作成や高齢者虐待の防止策に取り組んでおります。また、あわせまして高齢者の相談窓口として市内15カ所に地域包括支援センターを設置しておりますので、引き続きその周知を図るとともに、認知症の人やその家族を支える認知症サポーターを養成し、安心して暮らせる体制づくりを目指したいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 93 ◯消防局長(寺坂義光君) 1点目の消防行政についてのご質問のうち、(1)救急車の現場到着時間と医療機関複数交渉回数の状況並びにその改善策についてお答えをいたします。  まず、救急車の現場到着時間の状況でありますが、ただいまの議員のご指摘のとおり、通報から医療機関へ搬送するまでの所要時間は全国平均と比較いたしまして早いものの、通報から救急現場までの所要時間は全国平均よりやや遅く、特に外海地区など遠隔地域までの現場到着時間につきましては、時間を要しているところでございます。消防局といたしましては、道路の新設や拡幅整備など、道路交通状況の変化に応じまして随時救急隊の出動区域の見直しを行うなど、到着時間の短縮に努めているところであります。さらに救命率向上を図るため、救急隊が現場到着するまでの間、直近の消防署所から消防自動車を先行出動させ、AEDを使用した心肺蘇生や応急手当てなどの救急支援活動を行うとともに、119番を受信する際、現場に居合わせた家族などに対しまして指令課職員による適切な応急手当ての指導を行っているところでございます。また、市民及び市内の事業所等を対象に随時応急手当て講習会を実施しており、平成16年7月からは一般の方もAEDの使用が可能となったことから、このAEDの使用を含めた講習会を積極的に推進しているところでございます。  いずれにいたしましても、市民の救命率向上を図ることは重要なことでございますので、今後とも他都市の状況等も視野に入れながら対応してまいりたいと考えております。  次に、医療機関複数交渉回数の状況並びにその改善策についてでありますが、昨年1年間の医療機関への収容のための交渉回数は3回以内での交渉が99.4%占めているものの、4回以上交渉した件数が102件、そのうち6回以上交渉した件数が12件でございました。救急出動した際の医療機関の選定は傷病者の症状等を勘案し、長崎県救急医療情報システム等を参考にしながら救急輪番病院、救急告示病院、救急協力病院等を中心として最寄りの病院を選択しているところでございます。このように、交渉回数が複数となる要因といたしましては、長崎県救急医療情報システムの情報がリアルタイムに把握できない場合があることや病院側の事情等によるものと考えられるため、平成20年4月30日付で、消防局長及び福祉保健部長連名によりまして医療機関あてに受け入れ情報の提供に関する依頼文を送付したほか、あらゆる機会をとらえまして協力依頼をしているところでございます。なお、交渉回数が多くなるような場合、医療機関までの到着時間を短縮するために直近医療機関へ進行しながら交渉を行い、時間短縮に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも関係機関と連携を図りながら、早期に医療機関収容ができる体制が構築できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、(2)救急救命士と救急車の適正配置についてお答えをいたします。  救急救命士の配置基準につきましては、平成3年に救急救命士法が施行されたことから、高規格救急車1台に対し、最低1名を配置することとし、年次計画により養成を行い、現在47名の救急救命士を配置しているところでございます。また、救急車の配置基準についてでありますが、総務省消防庁が示している消防力の整備指針により、人口15万人までを5台とし、それを上回る人口につきましては、おおむね6万人ごとに1台を加算することとされており、長崎市消防局管内の人口約51万9,000人をもとに算定いたしますと12台となり、保有数も12台でありますので、充足率は100%となっております。  次に、救急隊員の教育についてでありますが、救急救命士に対しての再教育に関しましては、国の指針に基づき長崎県及び長崎地域メディカルコントロール協議会で定められております、2年間に128時間の医療機関での再教育のための病院実習を長崎大学医学部・歯学部附属病院において実施しております。さらに、気管挿管実施のための病院実習並びに薬剤投与実施のための講習等を年次計画により実施し、これらの特定行為ができるように認定救命士の養成に努めているところでございます。また、救急救命士を含む救急隊員の教育といたしましては、さらなる専門的知識及び技術習得のため、医師等を講師として毎年度6回職場内での救急隊員研修会を行っているところであり、さらに、最先端の救急医学の情報や先進的な取り組みを習得する機会といたしまして、日本臨床救急医学会や全国救急隊員シンポジウムに派遣しているところであります。今後とも救急救命士を含む救急隊員の質の向上を図り、高度化する救急業務に対応してまいりたいと考えております。  次に、(3)救急車利用者の問題点についてお答えいたします。  本市消防局管内における昨年1年間の搬送人員は1万8,225人でありますが、このうち軽症者の搬送割合は議員ご指摘のとおり、全体の34.1%で全国平均より低い割合でございますが、全体の3分の1を占めているという現状から見ると、看過できない問題であると認識をいたしているところでございます。消防局では、119番で救急要請があった段階で、傷病の程度が軽くかつ緊急性が少ないと明らかに判断できる場合におきましては、傷病内容に対応できる最寄りの医療機関を紹介するなどの対応を図っております。また、救急車が現場へ出場した場合におきましても、救急隊員が明らかに救急車での搬送の必要がないと判断できる場合、救急隊員が本人及び家族に対しまして十分な説明を行った上でご了解をいただきまして救急車での搬送は行わず、速やかに次の救急要請に対応できるようにしているところでございます。  消防局といたしましては、さらに、救急車の適正利用について、市民を対象とする救急講習時等におきましてご協力をお願いいたしますとともに、広報ながさきへの掲載並びに報道機関等の協力を得ながら広く広報を実施しているところでございます。最近におきましては、救急医療週間に伴い、長崎市広報番組である週刊あじさいを活用するとともに、8月には救急車適正利用ポスターを各救急輪番病院及び公共施設等に掲示したところでございます。また、著しくモラルに欠けた悪質な救急車利用者に対しましては、医療機関や警察機関などとも緊密な連携を図りながら、救急業務の円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 94 ◯14番(深堀ひろし君) 一通りの答弁ありがとうございました。  理解を深めるために再質問させていただきたいというふうに思います。  まず、消防行政についてでありますけれども、今、局長のほうからご答弁いただきました外海地区などの一部地域の時間短縮の問題でありますけれども、AEDを搭載した消防車が先行に出動するというお話もありましたけれども、ただ、抜本的な問題の解決には至っていないというふうに思っております。  先ほども申し上げたように、長崎市平均でいけば7.3分の現場到着に対して外海地区の平均が19.8分でありますから、もう倍以上の時間がかかっているわけですね。確かに、人口密度であるとか、救急出場の回数が市内中心部と比べれば、それは低いのかもしれません。しかしながら、尊い人命に重さはないと思うんですね。地区によっての軽重はないというふうに考えています。そういった意味からはやはり抜本的な、少なくとも倍以内ぐらいまで短縮をする必要があると思うんですね。そういった意味で物理的な対策として、例えば、救急車の仮設の待機場所を設定するとか、もしくは巡回制度を設けるとか、これは例え、例ですけれども、そういった費用対効果も考えながら講じなければいけないというのはわかるんですけれども、例えば、今、消防車と救急車の機能を兼ね備えた消救車というのが2002年に発売されておりますけれども、こういったものを導入するとか、そういった抜本的な対策を考えていないのかをまずお尋ねしたいというふうに思います。 95 ◯消防局長(寺坂義光君) 確かに、外海地区におきましては長時間を要するということでございますけれども、外海地区につきましては、平成17年9月30年の旧大瀬戸出張所の廃止に伴いまして、新たに三重出張所に高規格救急自動車を配置、また西海出張所の救急車をあわせて運用する等の救急業務の強化を図っているところでございます。また、重症者等につきましては、その搬送に長時間要すると予想される場合等につきましては、長崎県のドクターヘリの出動を要請するというふうなもろもろの対策をとっておるわけでございますけど、例えば、途中に仮設の出張所をつくって救急車を配置する等については、今のところ考えておりません。  以上でございます。 96 ◯14番(深堀ひろし君) 消救車の話もちょっとしましたけれども、もう一つ、もし費用対効果を考えたときにドクターヘリもありますよというお話ですが、考え方をちょっと切りかえて、隣接する西海市に、例えば、外海地区の北部の部分については長崎市の管轄から外して西海市側に見てもらうとか、そうすることによって現場到着時間は短縮できるはずです。だから、いろんな選択肢があるわけですよね。さっき申し上げたような消救車も選択肢の一つだと思います。これは消防車と救急車をそれぞれ購入するよりも1台の消救車を購入したほうが経済的にも効果がある。物の話ですけれども、そういったものもぜひ今後の外海地区、それ以外にも長時間及ぶところありますけれども、そういった地区の解消に向けた選択肢として今後も検討をしていただきたいというふうに要望しておきたいというふうに思います。  そして、今度は交渉回数の話なんですけれども、救急医療情報システムを活用するために、ことしの4月に消防局長と福祉保健部長との連名で医療機関等々に文書を出されたというご答弁がありましたが、その後、その文書を出したことによって改善が図られたのか、そのあたりの実績等々を分析されているのかお尋ねしたいというふうに思います。 97 ◯消防局長(寺坂義光君) 再質問にお答えをいたします。  長崎県救急医療情報システムの更新等に関する依頼後の状況はどうかということでございますけれども、原則としてシステムの更新をお願いしておりますが、万が一医療機関の事情等により更新ができない場合等におきましては、直接電話等により情報の提供を受けているところでございます。また、緊急手術中や専門医師の不在等、関係医療機関の事情もある中で、わずかではありますが早期受け入れにご協力いただいているケースがふえてきたものというふうに認識をいたしております。  以上でございます。 98 ◯14番(深堀ひろし君) 少しでもその効果が出てきて、交渉回数が4回以上、3回以上断られるケースが全体の0.6%ですけれども、それができる限りもっと減るような形で、こういったシステムを活用しながら周知徹底も図って改善をしていただきたいというふうに思います。  そして次に、救急救命士の話であります。冒頭、47名の救急救命士が長崎市消防局の中で活動されておられるわけですけれども、この救急救命士というのは、当然、一般の救急隊員よりも高度なスキル、教育を受けた方になるわけですけれども、やはり法的な基準が、今のところ明確な基準がない中で1名でも多く、今の一般の救急隊員がもっと勉強をして、1名でも多く救急救命士にステップアップすれば長崎市全体の救急業務というのはレベルがアップするというふうに思います。  そういった意味では、長崎市の第三次総合計画では平成22年度までに49名救急救命士を養成するという計画がありました。今現在47名です。なぜこういうことを言うのかというと、先ほども答弁の中で、119番を受けた指令課が現場の方にいろんな指示をするというお話がありましたけれども、ここに今の長崎市消防局の指令課には救急救命士は配属されていないんですよね。佐世保であるとか、県央とか、島原の本部、本部といいますか、指令課には救急救命士が配属されているんですよね。その考え方を以前お尋ねしたときに、やはり救急救命士はスキルが高いわけだから現場で活動してもらいたいからというお話もあったんですけれども、やはり直接119番を受けた方が一般の隊員よりもスキルの高い知識のある救急救命士が対応をすれば、その的確な指示もできるというふうに思います。そういった観点から救急救命士の養成をもう少し積極的にやるべきではないかということで、今の考えてある計画をちょっとお尋ねしたいというふうに思います。 99 ◯消防局長(寺坂義光君) 再質問にお答えいたします。  救急救命士の養成計画についてでございますが、先ほどご説明申し上げましたとおり、高規格救急車に最低1名配置する必要があることから、今後、救急救命士の退職、あるいは高齢化の進展、また再教育等を踏まえながら、本年度から平成29年度までの10年間で毎年3名を養成することといたしております。  もう一点、指令課のほうに救急救命士をということでございますけど、まず優先的に、現場救急活動を優先したいというふうに今のところ考えているところでございます。  以上でございます。 100 ◯14番(深堀ひろし君) 毎年3名養成されているということは非常に前向きなご答弁だったと受けとめます。ただ、先ほども申し上げたように、指令課で直接市民の方と、もう本当に救急な状況の中で電話で話をするときに少しでも知識、スキルの高い救急救命士が対応したほうが、やはり的確な指導ができるんではないかなと私は思うんですけどね。ですから、今後、毎年毎年3名ずつ養成していくわけですから、その中の1名でも2名でも計画的にそういった指令課にも、先ほど申し上げたように、佐世保でも、県央でも、島原でも配置しているわけですから、そこも今後考えていただきたいというふうに思います。  そして次に、利用者の問題点でちょっと答弁をいただきましたけれども、いろんなところで広報活動をしているというお話ではあるんですが、やはりモラルが低い、モラルに欠けた通報をされる方に、どこまで啓発をして効果があるのかなというふうに思うわけですよね。ですからもう少し、例えば、これは以前新聞のコラムでも載っていたんですけれども、著しくモラルに欠いた救急車の要請があったときには後日、例えば、一部有料化して、そういった悪質な分に限っては請求をしてもいいんじゃないかというふうなことも新聞で読んだことがあります。有料化することに対する問題点はたくさんあります。本当に必要な方が有料化になっとるからということで、もし119番しないようなことがあれば、それが一番いけないことですから、そういったことにならないような形で悪質な利用に限って後から、そういった方に対して厳しい警告を発するなり、請求するなりということが私は今後必要になってくるのではないかというふうに思うんですけれども、今先ほどの答弁ではいろんな啓発活動をしていくと。テレビを使ったり、マスコミ使ったりしていくということなんですが、もう少し踏み込んだ対策を講じるべきじゃないかというふうに思うんですが、局長いかがお考えでしょうか。 101 ◯消防局長(寺坂義光君) 再質問にお答えいたします。  著しくモラルに欠けた悪質者に対しての救急車利用の有料化ということでございますけれども、この救急業務の有料化についてでございますけれども、救急業務が昭和38年に法制化されました。その際、消防審議会において救急業務に要した費用は徴収しないということで取り決めがなされたところでありますが、近年、救急車のそういうふうな安易な利用とか、また、悪質なモラルに欠けた不適正な利用が数多く報告されることから、国及び一部の自治体においては有料化を視野に入れた検討がなされているようでございます。  議員ご指摘のとおり、救急車の悪質利用者、それから軽症者に対する対応は極めて重要な課題であると認識をしておりますが、救急業務が必要不可欠な行政サービスとして広く定着している現状を総体的に考慮しますと、なかなか難しいところがあるのかなというふうに感じております。救急車の有料化につきましては、他都市の状況、あるいは国の動向等を踏まえながら慎重に検討していきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 102 ◯14番(深堀ひろし君) 前向きに検討していただきたいなというふうに思います。  以前、消防局の方にどういった悪質なケースがありましたかというふうにちょっとヒアリングをしたんですけれども、先ほど壇上でも申し上げましたが、タクシー代がないので救急車を呼んだ。救急車で病院に行くと待ち時間がなくて診察してもらえる。お酒を飲み過ぎて具合が悪い。これは繰り返す人もいるらしいですね。同じ方が何回もお酒を飲み過ぎて具合が悪いからと呼んだとか、ちょっと子どもが熱を出したので、どこの病院に行っていいかわからなかったので救急車を呼んだとか、こういった事例をお聞きすると、やはり最初に申し上げたように、本当に必要な緊急を要する方の対応がこういう方々の対応をして重なったために、一分一秒を争うことがちょっとおくれてしまうということになってしまえばですよ、これはやはり市民全体としても問題だというふうに思いますので、ぜひそういったものも抑制するという意味で、先ほど例えば、一部の有料化というのはちょっと一つの提案ですので、そういった重複するような、こういうモラルに欠けた分ができるだけ抑えられるようなことを今後も考えていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、消防費委託町負担金の見直しの状況についてであります。  先ほど市長の答弁いただきましたけれども、本来、時津、長与町に負担していただくべき金額は平成20年度、今現在で言えば7億5,000万円。しかし、直近、平成19年度の今契約している金額というのは3億9,500万円。その差額は3億5,500万円ですよね。3億5,500万円という額が本来、長崎市民が納めた税金、長崎市民のために使わなければいけないお金をある意味、時津、長与町の消防・救急業務のためにそっちに回しているということになるわけですかね。先ほども答弁がありましたが、要は長与、時津町の住民1人当たりの負担額、常備消防費、これは長与町が最新データで5,400円、時津町で5,700円、長崎市は1万1,600円、実に住民1人当たりの負担額が倍以上格差があるということです。これは我々長崎市民にとって同じ消防・救急業務のサービスを長崎市の市民も時津、長与町の町民の皆さんも同じようにひとしく、同じサービスを受けている中でこれだけの負担の格差を強いられるのは市民として納得できないと思います。  先ほど、市長も説明責任が果たせないというふうに言われましたけれども、まさに我々も市民に対して説明責任が果たせないと思います。そういったところで、やはり強く両町に対して、今、平成20年度の負担額について協議がまさにあっていると思います。今からやっていくのかもしれませんが、そういった中で強い姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。到底その3億5,500万円の格差というのは納得ができるものではありませんので、それについて、もちろんトップでお会いしたというお話もありましたが、もうちょっと突っ込んで話をしていただきたいというふうに思っておるんですが、先ほど答弁の中でも両町の財政事情もいろいろ勘案しながらというご発言がありましたけれども、私は先方の財政事情というよりも、時津、長与町さん、自治体としてその住民の生命と財産を守る消防・救急業務というのは、どんな事業よりも優先してしなければいけない業務だと思っています。その消防・救急業務の負担金の正当な金額を負担しないというのは明らかにその自治体としても責務を果たしていないというふうに思っておるんですね、厳しいようでありますけれども。  そういった意味で、市長、両町に対する交渉に当たっての見解といいますか、お気持ちをちょっとお聞きしたいんですけれども。 103 ◯市長(田上富久君) 深堀ひろし議員の再質問にお答えいたします。  この件につきましては、おっしゃるように、市民の税金の使い方という観点からしますと、市民への説明責任を果たせるということが非常に重要だというふうに考えております。ただ、これまでの交渉の経過もありまして、引き続き交渉をするという流れの中にありますので、本来、こちらがきちんと市民に説明責任ができる形に持っていかなければならないということを前提として、強い姿勢で協議に臨みたいというふうに思っております。  以上です。 104 ◯14番(深堀ひろし君) ぜひ今言われたように、強い姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。  なぜここまで取り上げて言うかというと、ちょうど昨年の11月議会でしたけれども、そのときに、高齢者の皆さんの老人交通費の上限年齢枠の撤廃という議案がありましたけれども、このときに厳しい財政の中で、その上限枠を撤廃することは、やはり長寿祝い金制度の77歳、88歳の部分を見直しをして、その原資の1億400万円だったと思います。この金額をその年齢枠撤廃の分に充てるんだということで、我々市民クラブとしても総枠で、高齢者の皆さんに対する福祉制度を全体で考えればプラスになるんだからということで涙をのんでといいますか、そういう77歳、88歳の祝い金がなくなることは非常に残念ではあるけれども、まあ認めたという経緯があります。  そういった中で、その金額が1億400万円。先ほど消防費の分で3億5,000万円、もう3分の1ですよね。もしこの3億5,000万円が本当はもう何年も前からちゃんといただけているのであれば、去年のそういった長寿祝い金の廃止にはつながらなかったのかもしれません。それはわかりませんけれども、金額で言えばそうなります。それを考えたときに、じゃ時津、長与町さんそれぞれにそういった祝い金制度がないのかということをちょっと調べてみたんですけれども、やっぱり手厚い制度になっているんですよね。77歳、88歳の敬老祝い金はありますし、1つの町にして言えば、70歳以上になれば毎年7,000円、80歳を超えれば毎年1万円、毎年毎年敬老祝い金が出ているんです。我々長崎市民には77歳、88歳の長寿祝い金は去年そういう財政状況の中で廃止をしたという経緯が、そういったことがどうも自分の頭の中にあったものですから。そういった適正な応分の負担なわけですから、法外な金額を時津、長与町さんに求めているのではなくて、人口割で考えたときに、この7億5,000万円というのは適正な金額だという認識の中で協議をしているわけですから、それをしっかりちゃんといただいた上で、また財政が潤えば、今までそういった財政難で切ってきたいろんな福祉制度もありますけれども、そういったところをまず復活するということも今後考えていただければいいなというふうに、これは要望をしておきたいというふうに思います。  時間がないので、最後になりますが、家庭内暴力の件について、最後にちょっと要望をしたいというふうに思います。  先ほど、児童虐待、それからDV、そして高齢者の虐待がありましたけれども、それぞれの相談窓口でそれぞれの主管課が対応しているわけですけれども、例えば、児童の虐待、DV、高齢者の虐待というのは、それぞれ独立して発生しているものではないというふうに私は認識をしております。というのは、ある文献によれば家庭内でDVが発生した。例えば、父親が母親に暴力をふるった。子どものいる家庭でそういうことが起こったときに、実にそのうちの7割の子どもはその虐待の現場を見ている。もうそのこと自体、心理的な虐待があるということです。DVイコール心理的児童虐待が発生していると。その見てしまった7割の子どものうちの3割は実際にその父親から暴力を受けている、虐待を受けているという統計も出ています。そういったものから考えると、それぞれの事象というのは独立して発生しているのではなくていろんな関連性があると。ですから、いろんな窓口を、今、長崎市で3つの窓口を立ち上げていますけれども、そういったものを一本化して家庭何でも110番みたいなものを一つの窓口をつくることによって、いろんな市民が困った、助けを求めるときにDVのことで本当は相談したけれども、実は児童虐待もあっていたんだということを見過ごさないことにもつながるというふうに思いますので、そういった窓口の一本化というのも今後検討をしていただきたいということを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 105 ◯副議長(中田 剛君) 休憩いたします。  午後3時25分から再開いたします。           =休憩 午後3時0分=           ───────────           =再開 午後3時25分= 106 ◯議長(吉原 孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。41番前田哲也議員。       〔前田哲也君登壇〕 107 ◯41番(前田哲也君) 自由民主党の前田哲也です。党首討論もあっておりますので、気になさっている方もいらっしゃると思いますし、全く気になさっていない方もいらっしゃると思いますが、60分おつき合いいただきたいと思います。  質問に入ります前に、今月11月、もう残すところあと3日ですが、さるくフェスタ、さるく推進月間でございました。市長を初め、関係部局の職員の皆さんも休日返上で職務につかれたことと思います。お疲れさまでございます。ただ、今月はさるく推進月間でもありますが、先ほど質問にも上がっておりましたが、児童虐待防止月間でもあります。そして、去る先月の10月はがん撲滅推進月間、乳がんのピンクリボン推進月間でもありました。こういう医療、福祉の推進月間におきまして、本市の取り組みというのは、私の活動不足かもわかりませんが、余り目に入らず、耳に入ってこなかったような感もいたしております。さるく同様、このようなことについても取り組みを強化していただきたいと思います。  児童虐待につきましては、心理士を初めとする専門部署の相談スタッフが日夜頑張られておることは理解しております。ただ、がんの受診につきまして、特に乳がんにつきましては、私が取り寄せました資料によりますと、乳がんの死亡率は全国平均を長崎県は大きく上回り、ワースト6位という成績でございます。このようなことについても、市長みずから啓蒙、啓発、事業の取り組みについて、これからも努力いただきたいと思っています。  それでは、質問に入らせていただきます。  政策の再編・見直しと県との連携について。昨年6月、田上市長就任後の初の議会の代表質問において、前市長時代の政策の見直しがあるのか確認したところ、行政は継続制であるということで、基本的にすべての施策の継続を確認したところです。  その間、今年度初めには、私は選挙の際、マニフェストを示されていない。1年たったことですから、今期におけるマニフェストを示すべきという質問をいたしました。私は社会情勢が大きく変化し財政状況も危機的な状況の中で、これまで進めていた政策において、再編や見直しが必要なものがあると思っております。このような考えに立ったときに、これから再編・見直しの検討が必要と思われる政策や事業にはどのようなものがあると考えられているものか、お示しください。  また、魅力ある都市像を目指す自治体競争に打ち勝つという意味では、今後ますます県と連携が必要と考えますが、現在、どのような形で連携をとり、具体的にはどのように政策協議の場を持っているのかお尋ねします。  また、政策の見直しを検討するべきという立場から、市民病院と原爆病院の統合について、学校選択制度と小中学校の適正配置について、路面電車の北部延伸についてお尋ねします。  病院の統合については、本議会冒頭の行政報告の中では再度検討すると発言があっておりますが、これ以前の市の考え方は現計画どおりということで、統合については否定的見解を示されていました。さきに行われた厚生委員会の自主的調査でも、その理由を市の計画でも十分に高度医療は展開できるを前提に、建設地を動かさないと開設の時期がおくれるという理由を大きな事由として県の案には乗れないと説明されています。  そこで、本壇の質問は、これまでの考え方の中では、現計画どおりでいくという大きな前提となっていました高機能医療が展開できる根拠について明確にお示しください。  次に、学校選択制度についても、さきの議会の文教経済委員会の中で通学審議会の答申を受け、教育委員会で検討した結果、継続という結論を出したと報告がされていますが、改めて通学審議会の出した答申の内容と、それに対しての市の結論、今後の取り組み改善点についてお尋ねします。  路面電車の北部延伸については、自席より質問いたします。  教育行政について。先月、教育長が馬場氏に交代されましたので、教育を取り巻く環境が大きく変化し、本市においても種々の課題が山積する中での教育長のご就任。これからの抱負と早急に取り組むべき課題について、どのようなものがあると認識されているのか、お聞きいたします。  田上市政の目指す文化政策についても、自席から時間がありましたら再質問させていただきます。よろしくお願いします。=(降壇)= 108 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 109 ◯市長(田上富久君) 自由民主党、前田哲也議員の質問にお答えします。  まず、1点目の政策の再編・見直しと県との連携についてお答えします。  人口減少、急速に進む高齢化、少子化など、社会の状況は大きく変化をしており、このような時代にあって大事なことは、自分たちが持っている力、資源、強み、弱みを知って、それを生かすこと。また、時代の流れをしっかりととらえることと思っております。そして、5年後、10年後の長崎市の姿を描き、今やるべきこと、見きわめることが大変重要であり、施政方針でも申しました長崎市の都市の個性を際立たせる、安心して生き生きと暮らせるまちを目指す、市民と行政が力を合わせるという3つの方向性はそのための判断基準でもあります。1年前の予算編成時に示したこの3つの方向性に沿って施策を再編成していく必要があるというふうに思っております。  私はこのような考え方に立って市政運営を進めておりますが、結果として長崎市が従来から推し進めている政策や施策につきましても、取り巻く状況の変化に伴い、見直しや再編の判断が必要になってくるものも出てきております。その際には、現場の目でしっかりと見据え、皆様から寄せられるご意見に耳を傾けながら、その都度、適宜適切な判断を行ってまいりたいと考えております。  次に、長崎県との連携についてでございますが、現在、それぞれの分野で県との協議が必要な場合は、個別に県との協議を行っており、また総合的なまちづくりの観点については副知事、副市長レベルの県市都市づくり連絡協議会連絡会議の中で長崎駅周辺のまちづくりをテーマに協議や情報交換を行っております。また、平成20年度は知事と市長との個別意見交換会が開催されておりますが、長崎市では新幹線問題や企業誘致、アジアからの観光客誘致などについて、知事と意見を交わしたところでございます。長崎市は県内人口の約3割を占めており、県都である長崎市の都市づくりが地域の発展となり、長崎県全体の活性化にもつながっていくと考えております。地方分権に伴う権限移譲の流れも踏まえ、県とはますます緊密な連携、協力が必要になってくると考えております。  今後ともそれぞれの役割分担の明確化と連携の強化を図りながら、長崎市の都市づくりに努めてまいります。  次に、1点目の(1)市民病院と原爆病院の統合についてお答えします。  新市立病院が担うべき機能や規模に関しましては、平成19年3月に提出されました新市立病院の機能等に関する会議からの報告に基づいて、これまで計画を進めてまいりました。また、この計画の内容は、長崎大学医学部長を初め、長崎県福祉保健部長、日赤長崎原爆病院長にもメンバーとして参加していただいて策定されたものでもあります。この報告の内容ですが、長崎地域における新市立病院の果たすべき役割として「医療の変革が今後も続くことが予想されるが、新市立病院にはこのような医療の変化に対応し、今後の医療を守るため、長崎における急性期高度医療の中核的な病院としての役割を果たすことが求められる」とし、主要な機能としては、救急医療、脳血管障害医療、冠動脈疾患医療、がん医療、周産期医療、結核医療、感染症医療などが必要であり、規模については、少なくても450床の病床が必要であるとされております。  ところで、高機能病院として担う救命救急医療を例にとりますと、救命救急センターの指定を受けるためには、救急病床20床を確保して、専任医師5名以上を常駐させるなどといった基準があります。現在の新市立病院の施設計画では、救急病床20床を確保しておりますが、スタッフなどの基準も満たすことができるよう、新市立病院へ移行するまでの間も努力してまいりたいと考えております。さらに、現在の市民病院でも提供可能な救命救急医療の検討にも着手しており、新しい病院に向けての準備を始めております。  新市立病院は、県の計画に比べ、規模において450床と600床の違いや、運営方式において公設公営と公設民営の違いなどがありますが、新市立病院の機能等に関する会議からの報告を踏まえて計画を推進してまいりましたので、高機能病院としての性格を持っているものになるというふうに考えております。  以上、私の本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 110 ◯教育長(馬場豊子君) 1.政策の再編・見直しと県との連携についてのうち、(2)学校選択制と小中学校の適正配置についてお答えいたします。
     学校選択制につきましては、制度導入後3年が経過し、現状について検証を行う必要があると考え、長崎市立学校通学区域審議会に学校選択制の検証について諮問いたしました。審議は、毎年4月に行っております保護者を対象としたアンケート結果と、本年3月に行いました小学校3年生の保護者と中学校3年生を対象としたアンケート結果に、教育及び地域関係者から幅広くご意見をお聞きしたことを参考にしながら慎重に協議がなされ、本年8月に答申をいただきました。その答申の趣旨は、9月市議会定例会で答弁いたしましたように、児童生徒及びその保護者の約8割が学校選択制を支持していること。学校の活性化が推進されていること。通学の利便性の確保がされていることを理由として、課題の解決を含む改善を行いつつ学校選択制を継続するという内容でございます。  通学区域審議会からの答申の中で、今後、学校選択制を継続していく上で解決すべき幾つかの課題も指摘され、現在、その改善に取り組んでいるところでございます。その改善点の1点目は、学校選択制導入後、児童生徒数が大幅に増大する学校と減少する学校が顕著になり、PTA活動や部活動に支障があるというご指摘に対するものであり、このご指摘のうち、児童生徒数が増大している学校につきましては、先を見越した適正規模の維持を前提とし、施設面や学年間の学級数の平準化等を考慮し、受け入れ可能人数の精査を十分に行うことで学習環境を保持してまいりたいと思っております。また、児童生徒数が減少している学校につきましては、より一層の学校の特色化に取り組み、学習効果を上げる工夫ができるよう教育委員会として支援してまいります。  改善点の2点目は、地域団体の活動や学校と地域との連携に陰りが見られるというご指摘でございます。これに対しましては、地域の行事案内等の広報が十分に行きわたり、児童生徒が地域団体の活動に積極的に参加できるように、隣接する学校間の連携を密にしてまいります。  このほか、学校選択制のリーフレットを改定して、学校選択制を利用する際、通学は原則、徒歩で可能な範囲と考えており、小学校4キロメートル、中学校6キロメートル以内としていることや、PTA活動や地域行事への積極的な協力について改めて周知を図っているところでございます。また、現在、平成21年度新入学児童生徒の手続きが行われているところでございますが、これまで校区内の学校に提出した希望申請書は、入学を希望する学校に提出するよう変更いたしております。これにより、受け入れ学校が自校の特色や入学の際の留意点等について保護者に十分説明できるようになっております。同時に、学校から自宅までの距離の把握や通学方法の確認、またPTA活動や地域行事への積極的な協力につきましても直接指導しているところでございます。  長崎市教育委員会といたしましては、今後とも通学区域審議会からご指摘いただいた課題を改善するとともに、常に現状の把握を行い、学校選択制が児童生徒にとってよりよい制度となるよう努めてまいります。  次に、新教育長の教育行政にかける抱負と早急に取り組むべき課題についての認識についてお答えいたします。  長崎市の未来を担う子どもたちには、社会の中の1人の人間として豊かな人生を送ることが望まれているところですが、その中で教育に求められていることは、生きる力を育てることであると認識しております。この生きる力は、知・徳・体のバランスのとれた総合的な力であります。その中でも子どもたちの夢の実現や可能性を広げていくためには、基盤となる確かな学力が必要であると考えております。初めて知る喜び、できなかったことができるようになった達成感とともに、確かな学力を身につけていくことは、自分がやりたいことを実行しようとするときの基礎的な力となるものであり、新たな特性の発見にもつながります。  また、生きる力をはぐくむためにはさまざまな体験が必要であります。核家族化や利便性の高い生活様式が普及している現代社会は、日常生活の中で人とのかかわり方やさまざまな体験ができる機会が少なくなっているように思います。コミュニケーション能力は意識的に高める訓練が必要であり、また、初めての体験で夢中になったり、失敗してやり直したりできる体験の場が必要です。子どもたちは、毎日の生活の中で日々成長していきます。健やかな子どもたちの成長を望むという同じ目的のもと、学校だけではなく、家庭、地域の方々がスクラムを組み、それぞれの得意な分野を生かし、不得意な分野を補っていけるような環境を目指していきたいと考えております。  このように、確かな学力を基盤とした生きる力をはぐくむためには、安全で安心して生活できる環境が何よりも必要です。教育行政には、少子化や老朽化に伴う学校の適正配置計画の見直しや新しい学習指導要領に対応するための日課の見直し、指導計画の作成など、多くの課題がございます。その中でも早急に取り組むべき課題といたしましては、教職員に対する信頼の回復と学校の安全対策であると認識しております。ことし8月から3件連続して長崎市に勤務する現職教職員が逮捕されるという不祥事が発生したことに対しましては、決して起こしてはならないことであり、まことに申しわけなく思っております。各学校の校長先生方には、教職員一人ひとりに対して心に響くような個別指導を改めてお願いしたところでございます。また、12月には、小中学校の校長先生を対象として、現役の警察の方を講師にお招きし、教職員の綱紀粛正の保持に関する研修を行うこととしております。この研修では、外部からの視点による指摘やご意見をいただき、教職員としての使命を再認識し、教育活動に生かしてもらいたいと望んでおります。  今後とも、教育行政並びに学校現場が一体となり、不祥事撲滅に向けて取り組み、一日も早く市民の皆様からの信頼を取り戻すことができるよう取り組んでまいりたいと思っております。  次に、学校の安全対策といたしましては、学校の耐震化は、できる限り計画を前倒しにして、いつ起こるか分からない地震に備えてまいります。また、子どもたちや地域の方々の命を守るということから、今年度中にすべての市立学校にAEDを設置する予定にしております。さらに、不登校児童生徒や特別な支援を必要とする児童生徒に対する対応も大きな課題と受けとめております。児童生徒の状況に応じた、さらにきめ細かい対応に努めるとともに、幼稚園、保育所と小学校の連携や、小学校と中学校の連携を強化していきたいと考えております。  教育は、一人ひとりの人間形成に大きく影響を及ぼすものであり、また、将来の社会の物の考え方の基盤をつくることにもつながると考えております。教育長という重責に身の引き締まる思いでございますが、誠心誠意努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 111 ◯41番(前田哲也君) ご答弁ありがとうございました。自席より再質問をさせていただきたいと思います。  最初に、政策の再編・見直しについてですが、市長のほうからご答弁いただきました。前回もこのような質問をしたので、今回の答弁もそう大きく変わるものではなかったんですが、政策の再編・見直しについては、こういう社会情勢も含めて、財政状況も含めて、意識はしていると。ですから、今後、現場の目で見据え、その都度、適時適切な判断を行っていきたいというような答弁だったと思いますが、就任されて2年がたつ中で、案件ごとにその適切な時期というのがいつだったのかなと思うわけですけど、この2年間振り返ったときに、先ほどちょっと質問で出ました高齢者の交通費助成の引き上げはされました。しかし、これは前市長時代からの市議会も含めた協議事項の延長線だったと思っています。そういうことで見渡した中で、東部の住民センターの形態ですか、それを変えたということ以外には大きな政策事業の見直しというのはあっていないというふうな理解をしています。ということは、この2年間、適時適切という意味では、そういう時期ではなかったということを認識されているというふうに私はとりました。ですから、これから学校選択制、病院について質問しますが、私は今こそ適時な時期として見直しを検討すべきだと思いますので、後ほどまた質問したいと思っています。  それと県との連携につきましても、県市都市づくり連絡会議の中でやっていますということでしたが、今年度やっているのは、5月の末に副知事と副市長レベルでやっています。そういう意味におきましては、市長と知事がトップ同士での政策協議をする場もこれから必要だと思いますし、個別意見交換会にしても、各部局ごとの意見交換的な協議事項にしても、もう少しその重要テーマについては密に、年度に何回でもやるような形で協議をしてもらいたいと思っています。  これも後ほど述べる北部の電車の延伸の問題ですが、今年、昨年、その前と、年一度しか県のほうと協議していないというのは、長年懸案になっていた割には、少し回数が足りないんじゃないのかなと。回数がすべてじゃないですから、中身が出てくればいいんですけど、なかなか中身が出ないということであれば、何度も協議をする姿勢が必要じゃないかということで、そういうものの連携の強化というものをひとつ要望しておきたいと思います。  それでは、病院の統合について再質問をさせていただきます。  正直申し上げて、市長、私はびっくりしていますよ。驚いています。それは、ここに来て再検討をするということに驚いているのではなくて、この問題の発端というのは6月20日のある新聞において、跡地に大規模病院構想があるということでの見出しで、長崎大学医学部による市民病院と原爆病院の統合案が掲載されたことからスタートしております。この間、約5カ月近くあっています。  しかし、当初から市長がおっしゃっていたのは、同じベクトルを向いているんだったら、取り入れるものを検討していきたいというのが6月21日、それ以降のずっと一貫した見解でございました。  最終的には10月の末、当然定例の記者会見が毎月行われておりますので、その中でもこの質疑が出ておりますが、その姿勢というものは変わらず、10月30日に現地、現在の場所に市民病院を建設するという方針を一定出したと思っているんですよ。ということは、私自身はその間も統合について、もちろん県から出されているプランについて、十分メリット、デメリット含めて協議した上で現計画ができるという判断をしたと思っていたし、そういう作業をしていると思っていたので、さきの自主的調査の中でも県案についてメリット、デメリットを示してくださいという質問に対して、病院局長が口頭でそれをご答弁したことに対して、私は少し感情的になって、あのときは先輩に対して大変申しわけなかったなと思っています。そんな言い方をしましたが、ペーパーとしては出てこなかった。なぜかというと、そもそも統合の可否の検討はしていないんですよね。していないんですと私は認識しています。  当初、市長の病院局への指示は3点あります。これは病院局に確認していますから。1つは、市の計画と県の計画の違いを整理してください。2つ目は、今の市の計画ではだめなのか。そして、3つ目が、将来の長崎市民にとってどちらがいいのか、これは非常に大切なことだと思います。この3点が病院局が認識している市長からの指示なんですよ。ですから、この中には今の市の計画でだめなのかというような指示しか出していないので、病院局は県が出したプランに対する検討というのは十分できていないかったと私は思いますし、病院局は県案に対して検討をするという指示は受けていないというようなことを担当者はおっしゃっております。この認識の違いはどこから来ているのか。きょう、病院局の実務方の部長も出てきていますので、まず、その点を1点お尋ねしたいと思います。 112 ◯病院局管理部長(黒川智夫君) 前田議員の再質問にお答えをいたします。  市長からの指示は議員ご指摘のとおりでございます。ただ、県との協議におきまして、公立病院改革プラン検討協議会という協議会が立ち上げをなされ、全体会議が終了いたしましたのが10月16日でございます。その間、長崎市、県、それから医療関係者等を含め、協議会の中で種々協議がなされてきたという経緯がございます。最終的には、10月に入りまして報告書等が市のほうへ提出をされた。その最終報告の中で私どもが実際認識をした内容、それが最終の内容だというふうに私どもは認識をしております。  その時点で、確かに協議会の中で一定資料が提出をされております。ただ、これはあくまで県が協議会の中に提出した案でございまして、その時点で、私どもが現実に進めております計画と県の案というものの一定大まかなすり合わせはやりましたものの、細部に至る検討までは至っていなかったという状況でございます。  以上でございます。 113 ◯41番(前田哲也君) わかりました。ここら辺は認識の違いですし、これから午前中、午後の答弁も含めて、そのプランについてもじっくり検討していくと言っているんですが、実質調査の中ではあくまで私はケアについてはデメリット、メリットを示してくれといったことに対して、結局病院局長が答弁していたことは、県が考える統合したほうがいいというメリット、デメリットについて、すべての反論だけなんですよ。見させてもらったけど、反論ばっかり。それは長崎市から見たメリット、デメリットの検証ではないと。もちろん今管理部長が言ったように、そういう観点からはしていないということだったから、そうだったんでしょう。しかし、市の案がいいと、現計画がいいという中では、やはり県の案と比較することは大事なことなので、その際に県に対して、本当はこれまでも、この算定の根拠、数値とか、そういうものをやはり確認していくべきだったと思うんですよ。少なくとも市長が取り入れられるものは取り入れたいと言っているんですから、そういう作業はなさるべきだったんじゃないのかなということを思っています。  その証拠に、県と同じ協議の場にもちろん着いて、協議というか、県が出したプランの確認の場を同じテーブルで協議している場もない。そして、市の内部の中でも病院局内だけの検討であって、幾つも大事な要素はありますけど、その1つである一番大事な収支の問題について、財政部局の中でも検討もされていない。そして、雇用の問題、日赤の指定管理になるというから、これは大変なことだと思いますが、その部分についても総務部の中でも検討がされていない。これは先般、私は、公式ではありませんが、両部長に確認したときに、特段相談は受けていないと。そして、将来の長崎市民にとってどちらがいいのかという市長の指示に対しては、外部の意見をもっと聞くべきだと思ったんですが、それも十分に行われていない。そういう意味では、これから検討されることですから、そのことに期待をしますが、今までの検討が不十分だったということをまず認識していただきたいと思っています。  そうした中で、じゃ、これから何が大切になってくるかというときに、やはり高度医療が本当に展開できるのかということでございますが、そのことについては、先ほど市長のほうから種々、高次な診療科目を上げて、このことをやっていくから大丈夫なんだという答弁だと私は理解しましたが、しかし、そのことについてお尋ねします。  一番大事なことは、医師がきちんと確保できるかということなんですよ。診療科目を設けても、医師がきちんと確保できるのかということに対しては厳しい状況であるという中で、頑張りますというような答弁をきょうもされておりましたけど、私は、この質問に当たりまして、長崎大学の河野部長にお会いさせていただきました。河野部長がなぜ今回このような提案をされたかということもご確認させてもらいました。部長がおっしゃるには、やはり研修医制度、午前中にも出ていましたけど、あのことによって随分と環境が変わってしまったと。そして、地方の医師不足が深刻になったと。ただ、これは部長のほうはおっしゃらなかったんですが、私が勉強した中では、地方の医師の研修医制度によって影響というのは都市部に集中しているという論調になっていますが、すべてがすべてそうじゃないんですよね。例えば岩手県であったり、沖縄県であったりしていたのは、この制度によって、その制度前より7割増の研修医を集めているという実態があります。ということは、やはりいかに魅力ある質、それから施設を提供できるか、その情報が発信できるかによって、地方の研修医というものが集まってくることが一つの要因であろうかと思いますが、部長がおっしゃるには、もう随分と研修医制度の影響が出てきておりますということで、プラスマイナスありますけど、毎年100人近く研修医がいたが、今現在はその3分の1になってしまったと。そういう中で市民病院ほかいろんなところに医師の派遣もなかなか厳しくなってきましたと。いみじくも言われたのは、野母崎病院、琴海病院の医師不足の問題が出てきていますが、これは対岸の火事の問題ではなく、10年後の、この旧市内の都市部において今のような野母崎、琴海のような状況が発生するということを市民の方にも知ってもらいたいと。それだけ長崎は今まで原爆の関係もありまして医師数も多かったんだけど、これから先は、5年、10年先は深刻な医師不足、そして医師の中でも高齢化になってきますというような危惧の中から、提案を一つにはしておりますという話がありました。  ゆえに私が本当にお聞きしたいのは、頑張りますという気持ちは理解しまして、頑張っておられると思うんだけど、県と協議して、大学病院とこれから協議しても、なかなかその解決策というのは見出せない。それを他県に求めても、これまた大変だと私は思っています。  さっき市長ができますと言った診療科目の中でも、もちろん救命救急はまだそういう体制が整っていないから医師はいませんよね。しかし、周産期の部分に関しても、3床から6床ふやすのはいいですけど、その医師というのは県内見渡しても、なかなかいないんですよね。それと脳ですか、脳の部分についても医者は現実も多分いないと思うんですよ。  そういう中で、あなた方、あえてもう、すみません、あなた方と言いますが、あなた方が医師を確保できるという根拠を明確にひとつ示してほしいというのが1つ。  それと、救命救急というのは、今回の計画の中では絶対に外せないと私は思っております。それが目標でしたから。ただ、先般の記事に見られていましたように、長崎市が計画をしている新型救命救急というのは20床以上がフルスペック。しかし20床以下、お聞きしたら10床からスタートするというよう話をしていますが、それはもしかすると先般の報道では認可が取れないんじゃないかというような指摘があっておりますが、この件について、その後、厚生労働省とかにも確認をしていると思うので、それが本当に今の条件の中で設置の許可が取れるのか、取れないのか。そして、このことも現在県内の救命救急センターの事務局に、私は電話で問い合わせしましたが、新型であっても通常型であっても、医師の数というのは一定規模必要ですと。その一定規模というのは最低ラインが100人だとおっしゃっているんですよね。100人は必要ですと。大村市の国立医療センターが年間1,000件の件数がある中で、今常勤としては108名ですね。それと非常勤とかも含めて200名体制でやって、その1,000件を何とか回していますと。しかし、疲労こんぱいしていますよと話をされていましたよ。長崎市の場合は地域的なこともあって、大村市以上の数が出てくるだろうということを私たちは予測していますという話をしているんですが、高度医療をきちんとできるという、この根拠の医師の確保と救命救急センターが本当に設置できるのか。できないとするならば、これは従来型の二次救急告示病院にとどめるのか、それとも通常の20床のフルスペックのセンターに格上げするのか、その2点のご見解をお尋ねいたします。 114 ◯病院局長(楠本征夫君) 新しい病院で高度医療ができるのかというご質問と思います。高度医療という言葉の定義ですけど、まず今言われましたように、将来にわたって求められる医療を十分にできるのかというのが第1点。第2点は、これも言われました、いわゆる医師を集められるかというのが第2点ではないかと思います。  第1点目の将来の医療に関しましてという、できるかどうかということですけど、これに関しましては、例えば現在の市民病院、成人病センターの医療をもってして、先ほど向山議員からもゴッドハンドという、そういう医師の資格というのを紹介されましたけど、そのゴッドハンドの定義はなかなか難しいんですけど、例えば九州レベルに関しましては、ベスト10、あるいはベスト3に入るというのは何人かいるわけなんですよ。そういうことで、現在では長崎県内において、ほかの医療機関にそれほど引けをとっているとは思っておりません。このままではいけないわけですから、その後は、今言われました救命救急センターとか集中治療室というのを設けるということで、なかなか難しい話になりますけど、これは県の案とも大体同じ規模でございます。  それから、ここで救命救急センターに関しまして、今言われました通常型の救命救急センターというのは20床以上、これまで言われました、いわゆる新型というのは10床からでいいですよと。それはどういう基準かといいますと、通常型が人口100万人を想定していたということですけど、新型というのは30万から50万人と、そういうことで新型というのを予想しておりました。これは県も同じでございます。  だけど、先ほど言われましたように、ことしの5月に通達があったと。いわゆる厚生労働省のホームページに載っていたわけですけど、当時はそれを私たちは発見できませんでした。そういうことで記事になったと思いますけど、もともと救命救急センターに関しましては、通常型の20床というのを予定しておりまして、いわゆるむだな病床があってはいけないから、病床は確保するけど、当初は新型の10床、あるいはそれに近い数字でスタートしようと計画しておりました。だけど、この時点になりましては、厚生労働省にも確認いたしましたけど、やはり通常型が望ましいと、そういうお答えはいただいております。だから、それに向かって今後進めていくということになると思います。  それから、2点目のマグネット制、いわゆる医師を集められるかどうかということでございますけど、これはほかの例からいいまして、病床数が多ければとか、あるいは救命救急センターがあればとか、そういうことはなかなか通用しないと思います。条件ではありますけど、救命救急センターがあれば、すべてがマグネット方式となるというのはちょっと間違いではないかと思います。そういうことで、やはりさっき言いました医師の資質というか、いわゆるゴッドハンドがいる病院とか、そういうところには集まるわけです。それと同時に、研修医を育てるシステム、そういうことが一番重要になってくると思います。現在、そのシステムが完璧に動いているかというのは、そうではないと言わざるを得ないわけですけど、今後、それに向かって進めていきたいと思っております。  それから、一応マグネットもいろいろ程度があると思いますけど、人口50万の医師を守る、特に長崎大学から長崎出身の医師までも、東京とかそういうところに流れているわけですから、少なくともまずは全国から集めるとか、そういうことでなくても長崎市からの流出をとめるというような、そういう目的で動いていきたいと、そのように考えております。  以上が高度医療とマグネット制に関する答弁でございます。 115 ◯41番(前田哲也君) 病院局長、医療の専門という立場で非常に苦しい答弁をされておられるなと私は思うんですが、ちょっと端的に聞きますよ。今の答弁でいくと、平成25年、2013年開院のときに救命救急センターはスタートできるんですか。その1点だけ、できる、できないでお答えください。 116 ◯病院局長(楠本征夫君) これに関しましては、例えば、救命医療を得るためには、やはりその資格を持った人に来ていただかんといかんわけですけど、これは長崎では残念ながら育っておりません。だけど、まだ、先ほど言われましたように、医療センター、あるいは長崎大学にその資格を持った人は何名かいます。だけど、これに頼ってばっかりではいけないわけですから、現在、久留米市とか佐賀市で育つところを検討しております。  以上です。 117 ◯41番(前田哲也君) すみません、端的にまとめて、丁寧に回答してくださったんですね。  甘いと思うんですよね、甘い。できるかできないかということで考えれば、仮に認可が取れても、できないんじゃないですかね。というのは、県内に長崎大学も含めて五、六名しか指導の先生がおられないという話ですよ。そこもいっぱいいっぱい。その方々を長崎市民病院に迎えるとするならば、それなりのいろんな条件面の話し合いがあるでしょうが、なかなかそこを手放しで長崎市民病院にというのは難しいのかなと思いますし、そこで指導医の先生を駆使しても、医師を育てるのには何年もかかる話であって、それができないというのと、もう1つは、救命救急センターは当初の20床、いわゆる通常のセンターを考えていたけど、最初は10床からということですけど、新型にした場合、この手続きというのは、最終的には厚生労働省なんですけど、まずもって県の医療審議会にかけるんですよね。県のほうが病院名を明記しながら、そのことを国のほうとの協議に入るということで、基準に合わないとする県がそのリスクもあるわけですよ。  これは長崎県にとっては、それを協議する立場、認可する立場でしょうけど、痛しかゆしは、当然この合併案を出しているので、県としてはいたずらにできないということは、多分なかなか言い切れないかもしれないんですけど、純粋に今の記事の中で、そして、これは病院局長はご存じかと思いますが、厚生労働省医政局指導課のほうから、救急医療の今後のあり方に関する検討会中間取りまとめというものが出ていますよね。当然勉強されると思いますが、その中では、今まで以上に評価が厳しくなってくるし、その評価いかんによっては、当然補助がされる金額も違ってくる。もとよりも医師の数というものを厳密にとられるわけですよ。そう考えたときに、新型でやる。そして、厚生労働省から通常型が望ましいということを言われたということは、今長崎市が考えている新型はできない可能性が非常に高い。言葉悪く言えば、これは空手形じゃないですか。なのに、これから県がしているものに対して検討していくという中では、当然ここの部分を十分検討していかなきゃいけないというふうに思っていますので、私が言いたいことは、長崎市が高度医療を十分できますと言っていますが、そのことについては、今まで私たちは認めてきましたよ。しかし、医療を取り巻く環境がこれだけ大きく変わった中では、このことをできますというままでは、私はすまされないと思っています。  そういう意味から、これから十分な検討をしてまいりたいと思っていますが、今現在、私たちから言わせると、市議会という立場では県が唐突に出てきた感もぬぐえないわけですよ。私自身もそう思っています。しかし、今になってこういう提案が出てきたということの背景というものを含めて、今、長崎市長はどういう理解をしているのか。やはり非常に難しいことを言われているということは前提でしょうが、この県の提案というものが、それはそれなりにこの環境の中に出たものについては一定自分たちも認識をしているというか、きちんとした真摯な協議に臨もうと思っているのか、その点について市長の答弁を求めます。 118 ◯市長(田上富久君) まず、市民病院につきましては15年間の検討を経て、そして、高度医療、急性期医療をきちんと提供できる病院をつくろうということで進んでおります。  もう1つは、今の市民病院の狭あい化、老朽化という状況を踏まえて、平成25年度までに必ずつくるという2つの方針をもってこれまで臨んできておりました。そしてまた、平成25年度までに向けて、どういった形で実際に医師を確保していくのか、あるいはどういった内容の病院にしていくのかというのを、まさに検討しながら進めている最中であったわけでして、その中で、今回こういった提案がなされたということであります。  1つは、ガイドラインの協議会の中で出てきたわけですけれども、それにつきましては、まだ非常にあいまいな計画であったというふうに思っております。不明確な部分が非常に多かったということで、これまで全力で進めてきたこの計画を、じゃ、そっちに移りましょうかというふうに簡単に移れるようなものでは当然ないというふうに考えております。  その中で、今回、それが一たん終わった後にまた知事がお見えになって、新しい提案。これは市の計画、市立病院としては一定の計画として評価するという前提のもとに、さらに県域というちょっと広い範囲の医療を担ってもらえないかというような提案があったということで、これは新しい提案、しかも一部事務組合といったようなことも考えられるんじゃないかというふうな提案もありましたので、それについては、もちろん私たちも高度急性期医療を担う、そして平成25年度までには開設するというのは譲れないと。これは譲れないけれども、それを前提にした上で、さらにいい医療を市民に提供できる要素がないのかという点について再検討するのはやぶさかではないということで今検討に入ろうとしているわけでして、今回、県の計画につきましても、それが本当に長崎市民にとって、将来にわたっていいのか。大きければいいという問題ではないと思いますので、それも含めてきちんと検証する。それから、可能性についてもこれが本当に実現できるのかという点についてもきちんと検証する。それはやはり開設者であり、それから、これから実際に担っていく者として市がそういったことを検証するのも当然であろうというふうに思いますし、その作業にこれからかかろうということであろうというふうに思っております。  以上です。 119 ◯41番(前田哲也君) 市長の答弁によると、しっかり考えていくという話の中で、1つの視点として、まず市民の医療の質をどう確保するのかが一番大事だといった答弁だったと思います。それともう1つは、今まで少しそこら辺には目がいっていなかった県域の中でどうするかというのをしっかり考えていくということで多分答弁があったと思っています。  これから実現可能性を検討する際に、新たな視点というものが多分あると思いますので、これはお尋ねしようと思いましたが、私のほうが要望をする新たな視点というのも少し述べさせていただきたいと思っています。  これは病院管理局ともお話もしていますが、1つにはやはり県の個々の条件の裏づけをしっかりととっていただきたいということがまず1点。  それから、市長がずっと言い続けてきた、市民にとって何が一番いいのかということをまず基本に置いてほしい。そういう意味では、市民、県民の合意形成がとれなきゃ、この計画というのは多分あり得ないと思いますので、長崎市民に向けて、今の現状の医療の現況、それから将来の姿も含めながら、両方の案、そして何が取り入れられるかということも含めながら、情報の発信と合意形成に努めてほしいと思っています。  それともう1点は、収支について、やはりしっかりと検討してもらいたい。それから、これが一番大きな問題なのかもしれませんが、今の病院の職員の雇用の問題ですね。これは大切な問題だと思いますので、この件についても、長崎市として、もし同じベクトルを目指して、目標が一緒であるならば、県に対しても応分の負担も含めて、しっかりとした条件というものを出してほしいなということを1つ要望しています。  いろんな方の意見を聞く中で、やはり市民の方は医療がよくなることが一番いいと言われる方もいらっしゃいますし、今たびたび出てきた、統合すれば2つの病院が1つになるので、かかりにくくなるというようなご心配もあっているみたいですが、これは医者の立場でいけば、かかりつけ医というものの制度の周知も含めて、かかりやすさの必要を求めていない高度な病院であるということをやはりもう少し市民の方に説明する必要があると思っています。  それと、アクセスの問題もおっしゃっておりますが、県域を考えたときに、県南の島原市であったり、県南の島原市も小児科が絶対的に不足しています。そして、平戸には産婦人科がなくて佐世保に通っているような現況もある中で、長崎市の数キロの間の統合だとするならば、そういう方向になるとするならば、そこの問題もきちんとやはり市民の方に同意を求めてもらいたいと思っています。  それともう1つ、長崎の場合、特に脳と心臓をやられた場合に、長崎県というのは脳疾患であれ、がんの死亡率が高いという意味で、後進県であるということを市民の方にもっと意識をしてもらう必要があるかと思います。長崎市の医療は、先ほども医師の確保の問題を言いましたが、非常に厳しい状況になっているということをまず1つお知らせをしていただきたいと思っています。  るる病院のことばっかり質問をするわけにもいかないんですが、最後に、県案と市の案と両方あっていて、どちらがいいかというような議論を今やっているような感じで、これからやるんでしょうけど、病院局長、最後に、医師という立場で、この両案を比べた場合、どちらが理想というか、望ましいのか。もしお答えできたらお答えしてほしいと思うし、市長におかれましては、今回のこれからの検討というのが、市の計画を前提としないというか、そのことはそのこととして置いておいて、県の計画も含めて前向きに検討するということで理解していいのか。先ほどの質問はちょっと取り下げましょう。今の県の計画をそういう形で積極、前向きに、当然条件づけも含めて検討するという理解をしていいのか、その1点だけ、市長、再度答弁をいただきたいと思います。 120 ◯市長(田上富久君) 前田議員の再質問にお答えいたします。  今はまだ検証にかかろうという段階だろうというふうに考えております。  以上です。 121 ◯41番(前田哲也君) わかりました。期間は2月までということで切られているみたいですので、深い議論をしてもらいたいと思います。  何か、私も含めて議論が、例えは悪いけど、県と長崎市が対立していて、例えるなら、オセロのゲームで今までずっと攻めてきていた、せめぎ合いをしていたのが、最後の最後になって、考えられないような手がポンと入ってきて、ひっくり返るような雰囲気もするわけですが、これはどちらが勝った、負けたという話ではなくて、やはり市民のために何がいいかということで検討していただきたいと思います。  学校選択制について質問をしたいと思います。  先ほど教育長のほうから答弁がありました。結局、答弁の中で、審議会の答申を受けて改善に努めるということで、3点の改善点が上げられておりました。ただ、この改善点というのは通学審議会で指摘された答申であって、そのことを受けて教育委員会がそれをそのまま改善するということで、それ以上の教育委員会として改善する点が見受けられなかったような気がいたしておるんですが、受け付けの方法とかいうのはあったわけですけど、ちょっと私は物足りなさを感じているんですよね。  これもこういう意味ではいろんな問題がある中で、他都市においては学校選択のいいところもあったけど、非常に悪いところも出てきたと。特に地域においてコミュニティーが崩れかかっているという中で、前橋市などは廃止と新聞には出ていますが、廃止ではなくて大幅な見直しをしているんですよね。そういうことの事例を勉強していく中で、長崎市の教育委員会が出した、そしてこれは市長が最終的に判断したと思いますけど、この改善点というのは非常に物足りないと思っています。  1つには、受け入れ適正規模を維持するために抽選をするという話をしておりますので、この点については時間が余りありませんから要望にとどめますが、抽選の際に、一定の優先の枠というのがあるようなお話を聞きました。それは何かというと、今まで選択制を利用して、違う学校の区域に行っていた、子どもから見たらお兄ちゃん、お姉ちゃんがいるところは無条件で通わせますと。兄弟が違う学校に行くというのは避けますということでした。それだけですかという話をしたところ、それだけそこに留意して、あとは補欠の番号を決めてと言っていますけど、多分実施に当たって、初めてのことなので、その抽選のときに非常な混乱であったり不満が出てくると思うんですよ。1つには、その優先枠は、私はそれは結構と思いますが、それだけでいいのかというと、本来の目的である通学区域の距離をきちんと見ようやという部分は優先の中に入っていないんですよね。それと、もしかしたら、本当の一番最初の目的のすぐ近くにあるのにというのに、それが優先枠に入っていなければ外れるという抽選の結果もあるわけですよ。そしたら、何のための選択制だったのかなということもありますので、その点はやっぱりもう少し検討してほしいなと思っています。  それと、審議会の中では話題に上がっていたんですが、答申にもなくて、教育委員会の判断にもなかったのは、学校選択制によって自分たちの地域外に行く子に対して、やっぱり登校、下校の見守りがきちんとできないよということがPTAと地元から言われているんだけど、この件に関しては何の改善点もないんですよね。私が提案するには、教育長が言われた中学生で原則6キロメートル、小学生で4キロメートルを原則として、これはマックスですね。その中で選択制に応募できますとあるんですけど、その距離自体を本当は縮めるべきだったと私は思うんです。  現実の問題としてどうかというと、6キロメートルというとかなりの距離で、北部でいけば住吉のあたりまで行くんですよ。南部でいけばダイヤランドの入り口まで行く、それが選択制の範囲なんですよ。小学生だと、大橋の先が4キロメートルですよ。南部でいくと戸町まで行く。原則論ですけど、そこまで枠を広げなきゃいけなかったのか。現実問題として、原則徒歩になっていますが、車とかバスで学校に通っている子がいるんじゃないですか。私も多々見ています。そういう意味では原則ということを貫くんであれば、そこの受け入れ校が判断するということですが、まずもって、そのことがきちんと履行されているのかということ。そこまでして、違うところに通わなきゃいけないのかということを含めて検討をこれからもしてもらいたいと思っています。  私が確認したいのは、今回の選択制で改善をしながらやっていくということは、担当の方からは平成21年度についてはということで確認していますが、これは今言ったようなこと、それともう1つはですね、すみません、指摘し忘れていました。少なくなったところは一層の特色化に努めて、教育委員会が全面的に支援するとなっていますが、全面的な支援の内容は何ですかというと、何かやりたいことに対して、ソフト面的に支援をするということで、全面的に支援するんだったら、市費も使うということも覚悟を決めて、人の配置も含めて支援制度というものをきちんとつくらなきゃ、多分成り立たないと思っています。私が言わんとしたいことは、このような特色化を図っても、今のニーズの中では減少の流れをとめることは難しいということをご理解していただきたいんですが、先ほど申しましたように、今のような危惧する点が今後また出てくるとするならば、今回の学校選択制の存続というものは平成21年度についてはということで、また新たな事象がついたら再検討、もしくはいろんな協議をするということで理解していいのかどうか、1点お尋ねをいたしたいと思います。 122 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。  本答弁でも申し上げましたとおりに、通学審議会の中では非常にいろいろな団体の方のご意見をいただきながら、慎重に審議をしていただきまして、今議員が言われたような意見も多々出ております。そういう中で答申があったということを重く受けとめております。  ただ、最終的には答弁でも申し上げたとおりに、今回指摘を受けた課題を改善するだけではなくて、現状を常に把握をしながら、必要な見直しは順次行っていく必要があるとは考えております。  以上でございます。 123 ◯41番(前田哲也君) 適正配置の問題についても質疑を深めたかったわけですが、適正配置も10年たちましたので、新たな配置計画をつくると聞いております。なかなか解決に時間がかかる。そして、年々児童数が減っていく中で対象校がふえてきているという中で、今までは学校選択制と適正配置は別物で、リンクしないんですよという話をずっと当面しておりましたが、やはり学校選択制がこれほど小学校、中学校において子どもの色が出てくるとするならば、適正配置の中においても、学校選択制が与える影響を考慮した中での適正配置計画というものをつくり、そのことを地域住民の合意と理解を得られながら作成、そして、そういう意味では最終的には子どもにとってよりよい環境をできるだけ早期に築いてほしいということを要望しておきたいと思います。  病院については、また厚生委員会の中でも質疑を深めたいと思いますが、すみません、質問通告の中で時間が足りませんでした。そのことは、また改めて質問をさせていただきたいと思います。  これで質問を終わらせます。ありがとうございました。 124 ◯議長(吉原 孝君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ、12月1日午前10時から本会議を開き、市政一般質問を続行いたします。  本日は、これをもって散会いたします。           =散会 午後4時25分= ──────────────────────────────────────────────  上記のとおり会議録を調製し署名する。   平成21年2月2日                               議  長 吉原  孝                               副議長  中田  剛                               署名議員 佐藤 正洋                               署名議員 向山 宗子 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...