次に、政治姿勢の2点目の質問として、水族館・
ロープウエーの存続についてお尋ねします。
長崎観光開発株式会社は、去る6月30日の取締役会において、来年3月をもって解散の方向を打ち出されました。解散理由として、平成7、8年の赤字額が約3億円、累積赤字が8億4,000万円で、今後の社会状況や
交通アクセスを含めて改善のめどは立ちにくく、これ以上の社会貢献は無理だと判断されたと聞き及んでいます。このことは、長崎の観光を支える
ロープウエー、スカイウエーや子供たちの教育の場の一環としての役割を担ってきた水族館の行方にかかわる問題として、市の重要かつ緊急性の高い課題として浮上しています。
市におかれましては、
ロープウエー問題については、市観光課を中心に
運営検討プロジェクトチームを編成され、調査中であられるとのこと。また、水族館問題については
水族館事業検討懇話会を設置され、各界各層の意見を徴するという前向きな取り組みで進めておられます。このことは、いずれかの形で双方とも継続したいと願っておられる市長の意思表明だろうと私は好意的に受けとめています。水族館は昭和34年4月、
ロープウエーは34年10月にオープンし、累積赤字を抱えつつも今日まで存続させてこられました株式会社並びに
従業員各位の社会への貢献魂をぜひ引き継いでほしいと願います。このことを訴え、以下2点にわたって質問します。
その1点目は、
ロープウエー運営検討プロジェクトチームの研究調査や
水族館事業検討懇話会の意見を受けて、市長は、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのでしょうか。去る12日の新進党の渡辺議員の同趣旨質問で「
ロープウエーは存続させたい」旨の市長回答でしたから、一定の理解はできますが、水族館問題を含めて、いま一度明示していただきたいと思います。
2点目は、県市の関係であります。市は12.9%(出資金7,000万円)、県は3%(3,200万円)の株主となっています。大株主の
マルハ株式会社、他民間と合わせて75%の株主にははるかに及びませんが、県市の協力次第では、かなりの力量発揮ができるはずですから、県との協議が鍵を握るのではないかと思いますので、その協議の意思についてご回答ください。
次に、2点目の質問は
スロープバス運行に伴う諸対策についてであります。
県は、9月1日から
スロープバスを1日7往復、
女の都団地から西山木場間で運行されるようになりました。このバスは低床で、しかも、車いす2台の
配置スペースを確保し、障害者、高齢者、子供、妊婦の
活動エリアを広げるものとして大歓迎であります。1台分は普通バスより500万円高で2,500万円だそうですが、人にやさしい交通機関として定着することを望みますが、実現に向けて長崎市としても協力体制をとっておられることに敬意を表しながら、なお、今後の対策についての考え方をお尋ねします。
1つ目、原爆病院や
県福祉センターや
ハートセンター経由路線など新設されていますが、新路線設置などでかなりの道路整備が行われていますが、今後の整備計画は、どうなっていますか。
2つ目、バス停における違法駐車の
取り締まり強化策は、どう進められるでしょうか。
バス停周辺に商店、銀行などがある場合は交通混雑し、駐停車・発進に支障となっています。特に、
スロープバス運行時は支障が大きいと考えられますので、その対策について伺います。
3つ目に、長崎駅
構内バス停における違法駐輪の
取り締まり対策の現状、また、その駐輪対策について、JRとの協議はどのようになっていますか、お尋ねします。
4つ目は、従来要望してきました
バス専用レーンの拡充についてであります。(1) 定時確保のためのマイカーからの乗りかえ、(2)
岩屋橋-昭和町、
経済学部-諏訪神社前間のリバーシブルレーンの導入による
交通緩和策をとってほしいのですが、お考えをお示しください。
5つ目に、今後の推進策について伺います。今回、取り組んでいただいた低
床スロープバスは中心地域での運行ですが、今後、市内全域に広げていく計画はないか伺います。採算性や現行の成果待ちのところもありましょうから、お考えがあったらお聞かせください。
次に、24時間
ホームヘルプ事業についてお尋ねします。
長崎市は、在宅福祉の3本柱である(1)
ホームヘルプ事業、(2)
デイサービス事業、(3)
ショートステイ事業を着実に展開され、実績を上げておられます。特に、
ホームヘルプ事業については、1965年(昭和40年)からの取り組みで30年にわたる努力がされてきました。長崎市もご多分に漏れず高齢化率は17%まで進み、施設福祉の充実と在宅福祉の充実は切実なニーズとなってきました。
本市においての
滞在型ホームヘルプの定着化の上に立って緊急性を要する対策として、一昨年、私は数回にわたって巡回型24時間
ホームヘルプの導入について質問してまいりました。幸い、市においても熱心に導入されましたが、対象者の都合により中断となっておりました。最近、
長崎厚生福祉団で市中心部を重点的に実施してくださっていることを知り、
高齢福祉すこやか支援室長とともに深夜の巡回に同行させていただきました。3時間で5世帯の巡回でしたが、体験して、いかに高齢者に生きる力を与えているものであるか。また、いかに家族の介護負担を軽くするものであるか実感できました。さらにまた、この事業に携わる人々の労苦と精神性の高さを感じ、大きな収穫となりました。
そこで、以下3点にわたり質問いたします。
1.これまでの取り組みの経過状況について。
2.
事業運営上の問題点について伺います。深夜帯であること、人様の家に入ること、住宅事情がいろいろであることなど問題点についてあったらお示しください。
3.市内全域への拡大について伺います。長崎市の
老人保健福祉計画の将来推定では、平成12年には65歳以上在宅ねたきり1,302人となっていますが、全部が
巡回型ホームヘルプの対象者とはいかないまでも、かなりの拡大は必要です。そのための方策をお示しください。
4.
住宅改造支援について伺います。現在も対処されていますが、その後の内容等について、お知らせください。
5.ヘルパーの
安全性確保について、どのように対処されているか伺います。深夜ということで身辺のこと、気象のこと、路上駐車のことなど、昼間考えられない状況があるように見受けましたが、そのことについてお示しください。
最後に4点目、
腸管出血性大腸菌O-157感染症の予防対策について伺います。
去る8月3日、
西日本新聞は「
病原性大腸菌の
感染者急増」「すでに昨年の1.5倍」という見出しで
病原性大腸菌の猛威状況を報道しました。既に
沈静化段階にあると思っていましただけに、私はかなりのショックを受けました。最近は、
高温多湿状況下ですから、長崎市もこの傾向にあるのかと思い、以下2点にわたって伺います。
1つは、本市の感染状況とその予防対策について伺います。
食品衛生課にいただいた資料では、低率の感染状況となっていますが、その現況と予防策についてご回答願います。特に、給食実施の公共施設、また営業施設、家庭や地域対策などお示しください。
2つ目に、感染者ゼロ対策に向けた今後の取り組みについて、既に取り組み中のものもあれば含めてお示し願いたいと思います。
以上、壇上からの質問を終わり、あとは自席から質問させていただきます。
ありがとうございました。=(降壇)=
3 ◯議長(奥村修計君) 伊藤市長。
〔伊藤一長君登壇〕
4 ◯市長(伊藤一長君) 高瀬議員の質問にお答えをいたしたいと思います。
まず、平和行政についてでございます。
平和宣言についてでございますが、ご承知のとおり、平和宣言は、核兵器をめぐる動きなど国内外の情勢を踏まえて
核兵器廃絶と世界恒久平和を求める長崎市民の声を世界に発信する宣言であります。
平和宣言文の作成に当たりましては、
学識経験者など20名からなります
平和宣言文起草委員会を例年4回程度開催をし、委員の方々のご意見を十分にお伺いをしながら、最終的には私が取りまとめているところでございます。私としましては、年々高齢化されている被爆者の思い、市民の方々の平和の願いをいかに宣言に盛り込むか、毎年心を砕いているところでございます。
ことしの
平和宣言文起草委員会におきましては、
平和宣言文に「謝罪」の文言を盛り込むことにつきまして、委員の方々から国がきちんと謝罪をすべきであるとか、被爆者の中にはアジアの人々から謝罪を求められ、複雑な感情を持っている人もいるなどの意見があり、また、侵略と加害の事実を知ることは必要であるとの意見もありました。このような意見を踏まえて、最終的に私の判断で「私たちは、日本のアジア・
太平洋諸国への侵略と加害の歴史を直視し、反省しなければなりません」との表現にしたところであります。
私といたしましては、結果として「謝罪」という文言は盛り込まれませんでしたが、決して謝罪が不必要という考えを持っているわけではありません。むしろ私自身、謝罪の気持ちを持っておりますし、現にアジアの方々が表敬訪問で市役所を訪れたときには、お詫びの気持ちを表明しているところであります。また多くの人々も同じような気持ちでアジアの方々と接しておられるものと思います。
しかしながら、謝罪につきましては、国が責任をもってなすべきことであり、国の謝罪とアジアの人々の声を十分に反映した戦後処理がなされない限り、アジアの人々の信頼は得られないと思うわけであります。
なお、このことにつきましては、ことし8月9日の
原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に
総理大臣代理でご来崎いただきました
小泉厚生大臣に対しまして、知事、
県議会議長、
市議会議長、私と4名で県市の要望をする機会が例年のとおりございました。この折に、関係者の皆様方のご了解をいただきまして、口頭ではございましたが、私の方からも戦後処理の問題、そして謝罪の問題、これを国の責任においてきちっとしていただきたい、しかも、戦争を知らない世代が7割に達していますよということを含めたことを口頭ではございますが、私の方からも
小泉厚生大臣にお願いをした次第でございます。
私は、21世紀に生きる日本の若い世代が、信頼と友情の上にアジアの人々とつき合っていくためにも、また、日本が名実ともに平和国家の道を歩んでいくためにも、国の謝罪と戦後問題の誠実な処理が必要であるというふうに考えているところでございます。
次に、
国連軍縮会議の誘致についてお答えいたしたいと思います。
国連軍縮会議は、昭和63年6月
ニューヨークの国連本部で開催されました第3回
国連軍縮特別総会におきまして、当時の竹下首相が日本での開催を提唱し、翌年の平成元年から毎年日本各地で開催されているところであります。平成7年には、被爆50周年記念事業として本市で開催をされ、36カ国から91人の軍縮大使、
軍縮専門家並びにNGO(非政府組織)代表の方々がご参加されました。会議では、世界の軍縮の実情と問題について討議がなされたほか、議題の一つに
核兵器廃絶が初めて取り上げられるなど、被爆地での開催の意義が十分に反映されたものであったと思います。
最近の核軍縮をめぐる世界の情勢を見てみますと、昨年7月に国際司法裁判所が、核兵器の威嚇と使用は一般的に国際法に違反するとの勧告的意見を発表して以来、9月にはCTBT(
包括的核実験禁止条約)が国連総会で採択をされ、国際社会における具体的な動きが起こっております。また、
キャンベラ委員会による
核兵器廃絶への提案や、かつて核戦略にかかわった科学者や旧
政府関係者、退役軍人による
核兵器廃絶を求める声明が発表されるなど、近年、
核兵器廃絶を求める国際世論が大きな盛り上がりを見せているところであります。
このような中、来年10回目を数える
国連軍縮会議を
被爆地長崎で開催することは、
核兵器廃絶を求める国際世論をさらに喚起する上で大きな意義があるものと考えております。去る8月28日と29日に、私は
高田県知事とともどもに
ニューヨークの国連本部に
デ・ソト国連政治局次長補など
国連関係者を訪問し、長崎開催の要請をいたしたところ、開催実現のよい感触を得ました。時期につきましては、ブリックホールの
国際会議場完成にあわせまして来年秋の開催を要望したところであります。現在、国連側と事務的な調整をしておりますが、平成10年11月の開催の方向で進めているところであります。
なお、開催の経費につきましてですが、今後、県とも協議をいたしますが、あわせて国からの財政的な援助も要望していく所存であります。
次に、水族館・
ロープウエーの問題につきましてお答えをいたしたいと思います。
本年6月30日に、
長崎観光開発株式会社から「水族館及び
ロープウエーの継続に関する要請書」が提出されたことを受けまして、
水族館事業につきましては、広く市民の皆様の意見を聞かせていただき、それを十分踏まえた上で、県や市議会とも協議して市としての判断をしていきたいということから、長崎市
水族館事業検討懇話会を設置いたしました。本懇話会では、水族館の必要性につきまして、また必要であればどのような水族館を目指すのか等について論議されており、10月中には一定のご意見をいただけるものと考えております。懇話会の意見がまとまった時点で、早急に市議会、県とも相談させていただきたいと思います。
次に、
ロープウエー事業に係る検討状況でございますが、本年7月1日に
商工観光部内に
ロープウエー等事業検討プロジェクトチームを設置いたしまして、現在、
長崎観光開発株式会社の経営状況の分析、事業継続するために最も適した経営形態とその経営手法、事業譲渡に係る条件等の整備及び事業認可の手続き等について、関係機関及び関係部局と協議を重ねているところでございます。
具体的な検討経過といたしましては、
長崎観光開発株式会社の約5割の株式を保有いたします
マルハ株式会社を交えた形で要請事項の確認等を含め、同会社の経営に関する協議を重ねるとともに、索道事業の
許認可権限を有します
九州運輸局に対しましても、認可に関する条件及び手続き、譲受側の
経営形態等についての指導及び助言をいただいているところであります。また、庁内におきましては、稲佐山公園内での
ロープウエー等の位置づけ及び事業継続の意義、交通政策上の問題、新たな事業主体の形態とその
経営手法等について関係各部局との協議を重ねております。
ロープウエー事業に関する今後の取り組みといたしましては、市が主体となって事業の継続を行うに当たっての新たな経営主体の決定、事業認可に係る諸条件の整備、稲佐山全体から見た
ロープウエー事業の今後の経営のあり方等について、12月議会までには一定の方針を決定し、議会でのご審議をいただきたいと考えております。
それから、高瀬議員の質問の中で、特に水族館での県とのかかわりの件でございますが、本日から県議会が開催をされます。この件につきましては、
ロープウエーの事業もございますが、特に、水族館の問題は西岡知事、
佐藤知事時代に戦後の復興、あるいは被爆都市からの復興ということを目指した特別立法であります
国際文化都市建設法というふうな形でできた施設ということも含めて、県とのかかわりが非常に強い性格を有した、しかも、教育的な水産都市的な面のそういうふうな施設ではないかというふうな論議が恐らく活発に交わされるんではなかろうかなというふうに推測をされます。
こういった中で、私ども先ほど答弁いたしました市が設置いたしました懇話会での、どういった種類を残した方がいいのか等々の議論と県議会での議論とをかみ合わせた形で、県がどの
程度場所等も含めてかかわるのかというふうな議論に今後なっていくんではなかろうかなというふうに思いますので、私もこの9月議会の県議会の推移を見守りたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、
スロープバス運行に伴います諸対策につきましてお答えをいたしたいと思います。
スロープバスの運行につきましては、本市といたしましても、
公共交通機関の拡充とあわせ、また
障害者団体等の要望を受け、
ハートセンターや
原爆病院付近を経由する路線バスの運行について、各
バス事業者へ強く要請してきたところであります。その結果、本年9月1日より、長崎県交通局のご協力によりまして、通常の路線バスではなく、車いす2台が乗車できる超低
床スロープバス2台を導入していただきまして、
女の都団地から西山木場間で1日7往復運行されましたことは、障害者や高齢者等の皆様方の生活範囲が広がるなど市民生活の利便性の向上が図られたところであります。
ご質問の
バス停付近の道路改良につきましては、今回の
スロープバスの運行に伴い、車いすでの安全な乗降ができるよう
女の都団地から西山木場間の上下線83カ所のバス停のうち、当面9カ所の道路改良を行ってきたところでありますが、16カ所のバス停につきましては、歩道幅員が狭小や道路勾配が急であるなどの物理的な理由から車いすでの乗降ができない状況であります。今後とも、車いすでの利用可能なバス停をふやすため長崎県交通局との協議を行いながら、年次計画による道路改良を可能な限り進めてまいりたいというふうに考えております。
バス停付近における違法駐車の
取り締まりの件でございますが、所轄の警察署により随時行われているところでありますが、警察、
バス事業者との連絡を一層密にして
取り締まりを強化するなど、バスがスムーズに運行されるよう今後ともお願いしてまいりたいというふうに考えております。
長崎駅構内の違法駐輪対策の件でありますが、構内の
バス停付近につきましては、今回の
スロープバスの運行に先立ちまして、長崎県交通局、JR九州、市、所管の警察署の協議のもと50台余りの違法駐輪者への警告、撤去の表示を行ったことから、違法駐輪はほとんどない状況となっております。しかしながら、長崎駅には、
高架広場下に約40台の駐
輪スペースしかないことから、今後は、需要に見合う駐
輪スペースの
受け皿づくりにつきまして、JR九州と協議してまいりたいというふうに考えております。
バス専用レーンにつきましては、昭和53年より導入されまして、現在、国道206号などにおいて8区間、延長8,820メートルが指定されておりまして、バスの定時性、走行性等の向上に大きく寄与しているところでございます。高瀬議員ご指摘の
バス専用レーンの拡大やリバーシブルレーンの導入につきましては、本市が実施した各種調査でも提言をされており、バスの円滑な運行に寄与するのみでなく、激増するマイカーに負荷を与え、自動車の総量抑制と
公共交通機関の充実を促す有効な施策でありますので、春・秋の全国交通安全運動と呼応しましたマイカー自粛運動の推進とともに、あらゆる機会をとらえて所管であります警察へ意見、要望を申し上げているところであり、今後とも強く要請してまいりたいというふうに考えております。
超低
床スロープバスの路線拡大につきましては、高齢社会に対応し、あわせて福祉の充実のために順次拡大していく必要があると認識しておりますが、その実現に当たりましては採算性等の問題がありますので、今回、運行されました
スロープバスの利用状況を踏まえながら、長崎バスを含めた
バス事業者の皆様方とも協議をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、質問の3番目でございます24時間対応ヘルパー事業につきましてお答えをいたしたいと思います。
24時間
ホームヘルプサービス事業は、平成7年度から国が全国21都市を指定し開始された事業であります。この背景といたしまして、重度の障害者や痴呆性老人を持つご家庭にありましては、四六時中、過酷な介護に追われ、常時心身ともに拘束される中で、一晩でもいいからぐっすり眠ってみたいといった切実な介護者の声があり、国としても、このような現実に応えようとしているものであります。
まず、これまでの取り組みの経過と現状についてでございますが、本市といたしましては、平成7年10月から東長崎地区をモデルにしたホームヘルパーの夜間の時間外派遣を開始いたしました。このモデル派遣の状況を踏まえ平成8年10月から深夜等も含め24時間対応できる体制を整備し、常時、介護を要する高齢者等を抱える家庭の福祉に寄与することを目的に、長崎県の「いつでも
ホームヘルプサービス事業」の指定を受けまして、現在取り組んでおるところであります。同事業は、これまでの滞在型によるサービスに加えまして、巡回型といたしまして、ねたきり老人の排泄のお世話、あるいは床ずれの予防などを行うもので、所要時間といたしまして、15分程度を目途にサービスを行うものであります。派遣世帯は、現在のところ高齢者9世帯、障害者1世帯であり、サービス内容といたしましては、原則として早朝、夜間、深夜帯には身体介護を中心にしたサービスを行っているところであります。
ヘルパーの派遣に当たりましては、あらかじめご家庭と事前に十分な話し合いを持ち、利用者の心身の状況、生活時間、家族介護の状況等を最大限勘案をいたしまして、居宅を訪問する時刻、介護等の内容、所要時間等を含めたサービス計画を作成し、きめ細かなサービスを実施しているところであります。ヘルパーの派遣形態は、1人体制での派遣でありますが、深夜帯は原則といたしまして2人1組で実施をしております。派遣時間帯は午後11時30分から午前2時30分までとなっております。訪問に際しましては、周辺の住宅を初め派遣対象者宅の家族の就寝の妨げにならないように、車の運転やドアの開け閉めには細心の注意を払いながら、また介護に際しましては、懐中電灯を使うなどの配慮をしているところであります。
これは、高瀬議員さん初め市議会の皆様方も深夜に巡回型で回っていただいたと思いますので、状況等につきましては、十分ご理解いただけると思いますし、大変なこれは事業であると思いますが、家族の方々には非常に喜ばれている事業だと私も思います。
この事業の導入によりまして、特に深夜帯の身体介護につきましては、介護を必要とする高齢者はもとより、これまで昼夜の別なく介護を担ってこられましたご家庭の負担軽減が図られているものと確信いたしております。
この事業を実施する上での問題点といたしましては、訪問時間が深夜帯ということもあり、他人が家に入り込むことに対する家族の抵抗感があり、派遣が必要と思われる世帯でも派遣に至らないケースがあります。日本の住宅事情とも関連することではありますが、この事業に対します市民の理解を十分に図りながら、派遣対象世帯を広げていく必要があるものと考えているところでございます。
次に、国の24時間
ホームヘルプサービス事業の導入に対する今後の取り組みについてでありますが、実施中の県の事業の成果を踏まえまして、対象者の掘り起こしや体制の整備を図っているところであり、国のモデル事業であります24時間対応型
ホームヘルプサービス事業の実施に向けまして、現在、国と協議中であります。あわせて市内10カ所に配置しております在宅介護支援センター等を初めといたします関係機関と連携を十分に図りながら、24時間
ホームヘルプサービスの活用について、PRに努めてまいりたいというふうに考えているところであります。
また、その他の在宅支援策としての住宅改造につきましては、
ホームヘルプサービスとあわせまして、敷居の段差をなくすことなど高齢者に向けまして室内を改造するための費用を助成し、高齢者の自立を助長するとともに、介護者の負担軽減を図っているところであります。
次に、ご指摘の深夜帯等のヘルパー派遣に伴う従事者の安全確保についてでありますが、緊急事態に対応するため、さきに述べましたとおり、2人体制とし携帯電話を所持させるとともに、事前に警察との連絡体制がとられるような配慮をいたしております。あわせて気象状況等にも配慮いたしておりまして、きょうみたいなのがそうですが、警報等が発令された場合には巡回途中でありましても、利用者へ連絡し中止させていただくなど安全の確保には万全を期しております。
また、ご指摘の
ホームヘルプサービス等の福祉サービスの車両に係る駐車許可証の発行についてでありますが、車の使用は、広域的なエリアを効率よく巡回するため必要不可欠なものでありますが、駐車場の確保には苦慮しているところであり、本市といたしましては、事業推進上の必要性と違法駐車等防止の見地から、路上における駐車許可について、本年5月に長崎県警察本部交通部と協議の上、駐車許可を得ていない車両がある関係施設に対しては、所轄の警察署への駐車許可申請を指導したところでありまして、これまで順調に取得が行われているというふうに確認しているところであります。
本市といたしましては、今後とも利用者のニーズに十分に応えられるよう24時間
ホームヘルプサービス事業の拡大、充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、質問の第4点のO-157の対策につきましてお答えをいたしたいと思います。
平成9年における
腸管出血性大腸菌O-157による患者の発生は、9月8日現在、厚生省のまとめでは、有症者累計1,158名、入院者543名、死亡者3名となっております。長崎県におきましては、現在まで腸管出血性大腸菌感染症患者は44名、うちO-157によるものは35名となっており、亡くなった方はおられません。本市におきましては、昨年は、腸管出血性大腸菌による患者の発生はありませんでしたが、本年は高温多湿ということもありますでしょう、現在まで7名の患者が発生しております。そのうち、O-157によるものは4名、O-111によるものは2名、O-26によるものは1名発生いたしております。いずれも家庭での散発的な発生であります。
本市における腸管出血性大腸菌感染症予防に関する取り組みといたしましては、平成8年8月1日から
腸管出血性大腸菌O-157対策本部を設置するとともに、O-157ホットラインを開設し、市民からの問い合わせや患者発生時における迅速な対応のための体制づくりを図り市民への注意の喚起、関連施設への監視指導や検査体制の充実、医療機関等関係機関への連絡強化に努めてまいったところであります。
本年度の取り組みといたしましては、まず学校給食施設に対し、公立、私立の学校65校への定期的な立ち入り検査を実施し、中心温度計や検食用冷凍庫の有効利用の確認など厚生省マニュアルに基づく管理運営について指導を行ってまいりました。給食従事者に対しては、従来の検便項目に加え、
腸管出血性大腸菌O-157等についても毎月検便を実施するとともに、食品衛生講習会を開催するなど衛生的な食品の取り扱いについての指導を行ってまいりました。
さらに、給食施設以外からの発生を防止するために調理実習室の立ち入り検査を行うとともに、家庭科教師への衛生教育を実施いたしました。また、
腸管出血性大腸菌O-157等の感染を受けやすい児童につきましては、8月4日から10日にかけまして実施いたしました食品衛生週間の中で、市内の小学生を対象に食中毒予防のための標語を募集するとともに、保健環境試験所の見学及び食中毒予防のための学習会を実施し、予防についての啓発を図りました。また、学校給食に原材料を納入する食品営業者の施設への立ち入り検査を実施するとともに、給食従事者と同様に検便を実施するよう指導いたしております。
次に、保育所、老人福祉施設、事業所、病院などの給食施設に対しましても、定期的な立ち入り指導と衛生講習会を実施するなど予防対策に取り組んでまいりました。
一方、市民に対しましては、本年5月1日から新たに市民相談窓口を設置し、市民の皆様のご要望に対応しているところであります。具体的には、自治会など地域における衛生講習会への講師の派遣や啓発ビデオの貸し出し、パンフレットの提供、無料検便などを継続的に実施いたしております。さらに、広報ながさき等におきましても積極的なPRを行っているところであります。
以下、多々ございますけれども、時間の関係もございますので、一部割愛させていただきたいと思います。
なお、8月9日の「ながさき平和の日」につきましては、教育長の方から答弁するようにいたしたいと思いますので、ご了承方よろしくお願い申し上げたいと思います。=(降壇)=
5 ◯教育長(内田進博君) 8月9日「ながさき平和の日」の登校についてお答えをいたします。
8月9日「ながさき平和の日」の登校につきましては、昭和53年、市
教育委員会が市立小中学校へ通知をいたしました「原爆登校日の取り扱い」に基づきまして、8月9日を登校日としてきたところでございます。
本年の8月9日は、第2土曜日で学校は週休日となり、原爆落下中心地付近の学校のうち、地域と慰霊祭的行事を行っている6校を除いたすべての学校が本年は8月8日を登校日といたしました。
また、来年の8月9日は日曜日に当たり、同じような事態が生じることが予想されます。市
教育委員会といたしましては、8月9日実施の6校とその他の学校と比較した場合、慰霊祭的行事の内容に特別な差異がないと判断し、8月9日を登校日にできるよう県
教育委員会と協議をしたところでございます。
休業中の登校日の決定につきましては、市
教育委員会の承認により実施できますが、8月9日が第2土曜日や日曜日に当たる場合は、教職員の服務上の条件整備等の困難点がございます。
そこで、市
教育委員会といたしましては、被爆地として平和を継承するため、特色ある平和に関する教育を推進し、また、長崎市民平和憲章やながさき平和の日条例の趣旨に沿いまして、来年以降は8月9日を登校日にできるよう県
教育委員会と協議を重ねてまいりたいと存じます。
以上でございます。
6 ◯22番(
高瀬アツ子君) 少し質問が多岐にわたりましたので、大変答弁にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びしたいと思います。
いろいろありますが、まず第1、市長の答弁の中で「謝罪」の文言については、自分は他意はなかったんだとおっしゃっておられますけれども、私は、去る8月9日の
西日本新聞に掲載されました長崎大学教授船越耿一氏の文章の中で、「反省と謝罪」という見出し文で、その違いを的確に指摘されています。時間がありませんが、ちょっと読んでみます。「反省と謝罪 市長は反省に謝罪の意味も含まれていると言っているが、その反省は自分の心の中で自分に向けてすることで、謝罪は相手方に対してすることである。してみれば、大いに他意ありと受けとめられても仕方がない」と書いてあります。私も、ここのところを非常にこだわって、この文章を支持していきたいと思っています。市長は他意はないと、外国からのお客さん方に対して謝罪は言っていると言われていますけれども、やはりそうではないかなと、どこかの心のすみに、自悪論と申しますか原爆容認論といいますか、そういったものにつながりかねない。そういう指摘も受けた。そういうことでの配慮があられたのではないかというふうに私は残念に思う次第です。もうお答えは要りませんが、私はそう思うということを述べたいと思います。
それから、
国連軍縮会議の誘致につきましては、大変ご熱心になされておりますし、ぜひ成功させていただきたいと思いますし、私も一昨晩ブリックホールの横を通りまして見てきましたが、立派なものができつつありますので、ぜひブリックホールでやっていただければ。ただ財政面などの裏づけが大変だろうなと思いますけれども、その辺の取り組まれる経過を今後もお知らせ願いたいと思う次第であります。
それから、
ロープウエー・水族館の問題ですが、
ロープウエーは長崎観光開発の調査では、平成6年16万人、7年が14万9,000人、8年が13万5,000人の入場者で、随時だんだんダウンしていっています。スカイウエイについてはほぼ横ばい、21万9,000、19万6,000、21万3,000という、この辺の力強さみたいなものは見えるなと思いますので、その辺のやはり策を講じていただくということと、今後のPRなどもしていただくということで、市長は、これは残していく方向で、索道事業の関係とかいろいろあるということでございますが、ぜひクリアをしていただきたいなと思います。
それから、水族館の問題は、イエスと言われたのか、ノーと言われたのかなと、私はメモにイエス、ノーとクエスチョンをつけておるわけですが、どっちに言われたのかなと思うんですが、やはりイエスだと、残していこうという気持ちだと、私は市長のご発言から解釈をいたします。ありがたいと思います。
できた経緯につきましては、戦後の復興の問題等ありますが、その辺は十分に知っておりますし、また、今は今の時代の新しい感覚でやっていくべきだと思います。私も最近、品川水族館を見てきましたが、議会調査課が調べてくれております17カ所あたりの市立水族館では、どこもほとんど赤字を出しています。品川水族館は2億4,800万円、数字に弱いので読み違えておるかもしれませんけれども、それぐらいの黒字を出しておられるんです。そして、非常に感覚的にフレッシュで、余り大きなものでなくて今の時代に合っているのかなと、あの子供たちの動き、そして高齢者も車いすの方も見ておられる。人口規模が違うから違うさと言ってしまえばそれまでですけれども、やはり工夫があっているというようなことをみましたから、一つ見て全体を論ずることにはなりませんが、せっかくの黒字を出していらっしゃるところなど、あと相模原市とか新潟市とか玉野市とかありますから研究対象にされて、ぜひ実現させていただきたい、残していただきたい。
そして、私の案で恐縮ですけれども、皆さんすぐれた方ばかりおられるので恐縮ですが、場所としては女神大橋エリア、アーバンエリア、それから野口三孝議員がいつか提唱されました旭町地区、ファミリーワイフショップコーナーといいますか、そこら辺の地域、それから神ノ島エリア。そういったことを視野に入れられて、人が移り動く、そして大量に移り動く場所で、やはり再出発をされるような、そのような話し合いを県とやっていただきたいと思います。その辺いま一度市長の決意みたいなものを聞いてみたいと思います。
それから、
スロープバスでございますが、大変有効です。ただ、本当に駐輪場の問題も言われましたが、あそこをこの間見てみましたら、確かに努力のあとが見えます。駐輪場はバスエリアの中には入っていませんが、高架広場の下に「どひゃん」と入っております。そうすると観光バスなんか、入り込んでくるバスなんかが大変迷惑をしていると、あそこにおられる運転手さんたちが言われました。「どうぞ姉ちゃん、のけてくれるごと言うてくれんね」と言われましたので「はい、頑張ります」ということを言うてまいりました。そういうことで、ぜひ何とかJRさんと話し合いをしていただきたいと思います。
それから、ブリックホールのあそこに至るまでの南国殖産からあの辺の道路ですか、あの辺の踏切を挟んで、あの辺が大変ご苦心なさっていらっしゃるんではないかと思います。それから、県の福祉センターのあそこの横断歩道ができていない。車いすの方が幾ら低床バスがついても車いすでは行けないという、その辺をどう今後クリアされていくのか、その辺も心配になるところです。
それから、24時間
ホームヘルプとO-157対策、本当に一生懸命やっていただいて大変うれしく思います。ただ深夜ですから、非常に働く人たち、それから近隣のご家庭に対して気兼ねがありますね。それから小さな階段、「よんごまんご」という言葉がありますね、曲がっている階段があるんです。がたがたしている階段、そういうところが非常に危険性を伴います。対象者の安心と安全とともに、やはり働く人のことも考えなければならないだろうと思います。
あっちこっち言って申しわけありません。水族館は非常に貴重な貴重な動物がいる、そして、その飼育のノウハウを持った人たちもいらっしゃるということ、これも貴重な財産でございますから、ぜひ確保していただきたいというふうに私は思います。
以上で私の質問なのか、言いたいことを言っているだけなのか、よくわかりませんけれども、最後に、どうぞ市長、もう一回水族館についてのご意見を賜りたいと思います。
7 ◯市長(伊藤一長君) 高瀬議員の再質問にお答えいたしたいと思います。
水族館の件でございましたが、
ロープウエーの件も実は残すことも大変なことでございまして、しかも前、答弁いたしましたが、
ロープウエーの施設を含めて、あるいは民間の土地等も含めて、私も引き継ぎましても、このあとリニューアル化の問題がありますので、何年かあとには必ずまた新しい施設をつくりかえなくちゃいけない。それが億単位の金になりますので、そのことも含めて大変だなと思いますが、このことは夜型観光も含めて、やはりこれはきちっと長崎市の方でしなくてはいけないのかなと、そのために議会の皆様方にも、ぜひご理解とご支援とご協力をよろしくお願いさせていただきますということでございます。
水族館の問題につきましては、幾つかあるので一つは実は今の懇話会の中で、どういった動物を残した方がいいのか、それともまるっきりやめた方がいいのかということも含めた形の議論を今2回されていますが、10月の上旬に3回目をされるようでございますけれども、そういうことも含めて10月の月までに一定の方向づけをお願いさせていただきたいということ。
もう一つは、先ほど壇上でお答えさせていただきましたように、できたときの経過からいたしまして、県が非常に深くかかわっておられる、長崎にとってもありがたい事業でしたけれども、かかわっておる事業でございますので、ぜひこれをどういった形で残すのかという、懇話会の方の一定の方向づけを見い出していただきましたら、私どもも、ぜひ市議会の皆様方、関係者の方々と一緒になりました形で、すばらしい技術的なノウハウもありますので、県の方にも強く働きかけていく。これはあくまでも推測でございますが、どこに新しい施設を設置するのか、そして設置するときの建設費は、県と市でどういった形でするのか。そして、その後の運営は県がするのか、市がするのか。そういうふうなことまでの実は詰めを、この10月の答申を懇話会からいただいた後に、今後12月議会、3月議会に向けた形で詰めていかなければいけないということでございますので、そういう点では、幾つかの大きな関門というのは相当あるなというふうに思います。