(5) 合意形成に向けた市の対応は。
[関連質問の通告あり]49
~
69210番
平林英市
[一問一答]1.
国民健康保険について
(1) コロナ禍で厳しい市民生活の中、保険料を引き上げる根拠は何か。
(2) 未就学児の均等割額の軽減を市独自で行うことはできないか。
2.
二酸化炭素排出ゼロについて
(1) 2050年までに排出ゼロを目指すことを表明すべきではないか。
(2) 具体的なCO2削減の方向性を示せ。69
~
8734番
降旗達也
[一括]1.市長の市政運営について
(1) 4期目の任期満了まで半年余りとなる中、これまでの市政運営や公約実現に対する評価は。87
~
9749番
宮田一男
[一問一答]1.福祉対策について
(1) 福祉灯油の制度化ができないか。
2.
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路について
(1)
市街地区間ルートの課題は何か。
3.難聴者対策について
(1) 補聴器購入時の補助ができないか。97
~
10755番
太田昭司
[一問一答]1.子育て・子ども支援について
(1) コロナ禍において、子育て世代・子どもをどう支援していくか。
2.
文化芸術振興について
(1)
北アルプス国際芸術祭の開催状況は。
(2) 市民の
文化芸術活動の状況は。
(3) 文化芸術が果たす役割は。107
~
121
△開議 午前10時00分
○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから12月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名全員であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、
病院事業管理者、各部長及び庶務課長であります。
---------------------------------------
△日程第1 市政に対する
一般質問---------------------------------------
○議長(二條孝夫君) 日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は14名であります。 よって、本日は
議事日程記載のとおり5名とし、明日9日に5名、あさって10日に4名の予定で質問を行いますので、御了承をお願いいたします。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、政友クラブを代表する
大竹真千子議員の質問を許します。
大竹真千子議員。(拍手) 〔2番(大竹真千子君)登壇〕
◆2番(大竹真千子君) 政友クラブの大竹真千子です。 政友クラブを代表して質問をさせていただきます。 2021年は、第3波の真っただ中に始まり、5月初旬には第4波の、7月末から8月頭には第5波のピークを迎え、
コロナウイルスとの共存を強いられた
ウィズコロナの1年でありました。9月中旬からは徐々に感染者数も減り、
北アルプス国際芸術祭も
コロナウイルスの感染者を出すことなく無事閉幕を迎えられたことは、大変喜ばしいことでありました。 徐々に市内の経済活動も動きを見せる中で、新しい変異株の
オミクロン株の出現により動向が注視されていますが、3回目の
ワクチン接種も準備を進めながら、経済活動の回復期へ移行できることを祈るばかりでございます。 では、まず、財政運営について伺います。 令和2年度の一般会計を見ますと、歳入の決算額が205億円余、決算額が197億円余となり、実質収支額は6億7,000万円余の黒字決算となりました。コロナ禍の影響もあり、
歳入歳出ともに過去最大規模となりました。 歳入においては、市財政の根幹をなす市税が2億円余の減となっており、コロナ禍における入湯税の減や固定資産税の徴収猶予の影響が大きいと伺っています。また、各種施設の使用料なども軒並み減額となるなど、一般財源の減収が影響し、財政の弾力性を表す
経常収支比率は94.1%と硬直化が進みました。 各種の報道では、
新型コロナウイルスの影響は社会的に二極化が見られ、格差が拡大しているとされています。当市においては、観光業、飲食業が売上げに大きく影響を受けていますが、決算から見る個人及び法人市民税は減収であるものの、比較的影響は大きくないことから、
雇用調整助成金など支援策が届きづらい
小規模事業者や非正規労働者への影響が大きくうかがえる状況となっています。 本年度のコロナ対策について見てみますと、
ワクチン接種や子育て世帯への助成など、国の施策に呼応して速やかに予算化、執行に至っているもののほか、
宿泊キャンペーンや
テイクアウトフェア、運行事業者、
山小屋経営者への支援金など、当市の状況に即した経済対策が実施されてきました。 全国では、
緊急事態宣言が解除され、経済活動、人流も活発となってきています。長野労働局によると、県内の
有効求人倍率は先月数値で1.39倍となり、3か月ぶりに増加に転じています。産業別では、宿泊や
飲食サービス関連業などでまだ弱い動きが見られますが、製造業や建設業では好調な動きがあるとされています。 先月21日に閉幕した
北アルプス国際芸術祭においても、市外・県外から多くの方が来場され、市内経済も徐々にではありますが、回復の傾向が見えてきています。また、先月から販売となった「がんばろう!大町応援券」の売行きも好調であると聞いています。 そこで、これまでのコロナ禍における経済対策の効果、現状をどのように捉えているか伺います。 また、回復期にあっては、第2、第3の矢が必要となってきます。現在召集されている臨時国会において審議されている補正予算の内容にも注視すべきと考えていますが、今後の財政運営の課題と方針について伺います。 続いて、新年度予算は本年に引き続き、コロナ禍における予算編成となるとともに、第5次
総合計画後期計画の初年度となることから、市長の財政手腕が試されるところかと思います。令和3年度予算の特徴は、市の将来像である「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向けて、ソフト施策に引き続き厚く予算を配分し、喫緊の課題である
新型コロナウイルス対策に継続的に取り組むとともに、新しい生活様式や働き方改革等、社会変容及び価値観の変化等を踏まえ、
ポストコロナを見据えた持続可能なまちづくりを目指す予算となっていました。 人を育む施策の推進を図るため、市の未来を託す子どもたちの健やかな成長を支援する子ども・子育て支援と、
新型コロナ克服戦略を通じた持続可能なまちづくりの2つを重点施策として、新規・増強に配慮したと伺いました。 新型コロナの感染者数は、現在のところ比較的少数で推移しており、経済活動の再開に向け全国的に加速していますが、原油の高騰、急速な円安、新たな変異株の
オミクロン株などの
ブレーキ要因も重なってきており、国内外の経済動向に注視・配慮が必要です。 そこで、新年度の予算編成に当たり、市長の思いと重点施策について伺います。 続いて、
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランについて伺います。 昨年8月、感染症等の非常事態にも負けない持続可能な
社会経済構造の実現に向け、
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランを打ち出しました。市独自のビジョンや具体的な取組を見える化することで、感染症の拡大という今まで直面したことのない状況下でも、スピード感を持って事業実現に向けて進めてきていただきました。しかし、短期間での対応ということで、反省点などもあるものと考えます。 市民の生活を守る取組、地域の活力を再生する取組、2つの大きな柱で計画を位置づけ、計画期間をおおむね2年で予定していたおお
まち再生プランですが、進捗状況並びに1年経過したところでの反省点について伺います。 全国の
新規感染者数も減少傾向にあり、長野県内においても、この数週間での
新規感染者数については数名という状況です。新たな変異株の
オミクロン株の動向、注視するところではありますが、
ワクチン接種、経済支援策など、スピード感ある施策の実現に期待するところであります。 おお
まち再生プランを、今後どのような方向性を持って市の再生に向け取り組んでいくのか、また、新たな状況を踏まえて、おお
まち再生プランの見直しは考えているのか伺います。 続いて、
オミクロン株も気になるところではありますが、経済については少しずつ動き出しており、飲食業、観光業の方々は、年末、そして新年以降の人々の動きに向け、準備を進めている状況にあります。そんな中、まだまだ厳しい生活を強いられているのが、このコロナによって雇用や就学の機会を奪われたり、あるいは、疾患などによって所得、身体能力などが制限されたりしている社会的に不利な立場にある生活弱者の方々、また子育て世帯の方々です。 物価の上昇が進む中、寒さも厳しくなる冬に向け、石油が高騰し、家計を圧迫しています。市民の生活を守る取組として、コロナ禍で困窮する生活弱者、子育て世帯に対する支援策について、追加支援の予定というのはないものでしょうか。 続いて、
大町総合病院について伺います。 昨年は、
経営健全化計画を進める、まさに身を切る改革の中にあっての
新型コロナウイルスという未知の病原体と闘いながらの病院経営となりました。
藤本病院事業管理者を中心とする
医療スタッフの皆様をはじめ、病院全職員の皆様の御尽力に深く敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。 さて、令和2年度
病院事業会計では、収益的収支の面から見ますと、収益的収入が51億9,800万円余、収益的支出が46億8,300万円余となり、5億1,500万円余の純利益となりました。しかしながら、内訳としますと、医業収益は昨年度2億3,500万円減、入院収益が1億9,800万円減、患者数が対前年比8.2%減の5万8,556人、外来収益が3,900万円減、患者数が対前年比9.5%減の9万1,506人と、入院・外来ともに患者数の減少による医業収益の減となる中、
新型コロナウイルス感染症に係る国・県の補助金増により医業外収益が4億5,900万円増となり、収益的収支は黒字化となりました。 令和3年度は、第4波、第5波を受けながら、その都度、受診控えが見られるものの、感染拡大が落ち着けば、患者数も戻ってくるような傾向が見られると伺っています。 そこで、コロナ禍での経営状況について伺います。また、
新型コロナウイルスによって昨年度は患者数が減少しましたが、今後の患者確保に向けた対策についてお伺いいたします。 続いて、病院の健全経営を進めるに当たり、
経営健全化計画策定する段階からも言われていることではありますが、病院経営においては避けては通れない人材確保についてです。 常勤医師、そして
医療スタッフの確保については、日々御尽力いただいていると思いますが、コロナ禍によって、輪をかけて難しくなっていると思います。また、引く手あまたな職業でもありますので、入れ替わりということも他職種よりは多い業種であると伺っております。 今後の医師、スタッフの確保に向け、そしてまた育成について、対策としてはどのように考えているのか伺います。 また、先日の全員協議会で、産婦人科の医師確保に前進があったとのお話でした。改めてになりますが、分娩再開の見通しについて進捗、今後の展望をお聞かせください。 続いて、
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路についてです。 地域の皆様が切望してきました
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路も、ついに当市の
市街地エリア内を3ルートに絞って検討する段階までまいりました。昭和59年の
豊科糸魚川高速自動車道建設促進期成同盟会の発足から約40年、そして、遡ること約10年の昭和46年に松本市、大町市、糸魚川市の商工会議所からなる塩の
道経済懇談会で新しい道路の建設要望が出されてから、ここまで約50年の歳月を経て現在に至りました。 私も、この運動・活動に参加して20年となります。40年前、50年前から運動・活動してこられた先輩諸兄にしてみれば、なおのこと感慨深いことだと思います。 安曇野市では令和元年6月より、幅の細い
ルート帯選定に向けて説明会を開催し、令和2年8月30日の第7回説明会において
最適ルート帯が決定いたしました。大町市においては昨年2月に、幅の広いルート帯案として市街地西側を通るルート帯が決定し、本年9月には、100メートル幅のルート帯案として、3つのルート帯案が示されたところです。しかし、西側と漠然としていたルート帯が3ルートのより具体化したルート案になったことで、市民の間でより現実的な議論がなされるようになってまいりました。 長きにわたり進められてきた事業ということもあり、あまり御興味を持ってこられなかった方々、そして、当時は子どもだったという若い世代の方々など、改めて市民の方々が関心を示していただいております。今まで何度となく繰り返されてきた質問となるところもあろうかと思いますが、説明会では共有できなかった情報なども含めて、理解を深める上で御質問させていただきたいと思います。市民の皆様に分かりやすい御答弁をいただきたいと思います。 まず、
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路について、これまでの経緯をお聞かせください。 9月に行われた住民説明会では、国会議員の先生が切望しただけだというような誤解を招くようなお話も、反対する市民の方々のほうから出ましたが、過去の経緯、現在に至るまでの意見交換会の内容、議会での議事録など残る資料を拝見する中で、反対のお声もあるものの、意見交換会などでは多くの市民から要望が上がっており、経済団体をはじめとする地域の各団体が大町だけに限らず、糸魚川、小谷、白馬、松川、池田、安曇野、松本と広域的に声を上げ、50年継続して進められてきている動きであります。 道路を含むインフラの整備は、国や地方経済の成長の基盤であり、国民生活の質を高めることへつながるものであります。インフラの整備が不十分であることが、
社会サービスへのアクセスを妨げ、地域格差を拡大し、社会の安定を阻害する要因となる場合もあります。また、インフラ整備の状況は、国内企業や外国企業の投資や進出の決定要因ともなり、地域の成長率を高めていくためには重要な要素となります。 簡単に言えば、作った農作物を多く、早く、数多く売れるところへ運べるほうが有利ですし、観光にしても、この地域へ来ることを目的とした観光客しか集客できない観光地より、この地域を目的に来る観光客も、そしてまた広域的なルートの中で動く観光客も集客が可能であるほうが、より多くのニーズを獲得でき、工夫次第で集客率も向上します。 古くを見れば、交通の要衝と呼ばれる地が栄えてきたことにもありますように、交通の便がよいほど、地域経済は成長する要素を持つことになります。逆の例えを挙げれば、このコロナ禍によって、人の流れを遮断することになったわけですが、それによる経済的なダメージがあるのかないのかは一目瞭然で、人の流れをいかに生み出すかということと経済発展は、イコールに近いと申し上げてもよいと思います。 余談になりますが、芸術祭によって人の流れをつくる、これもそういった策の一つであると言えます。まさに
地域高規格道路は、今後この地域に人の流れを生むことができる重要なインフラとなるものと考えます。 また、
地域高規格道路の実現により得られるメリットは、経済成長の側面だけに限らず、災害からの迅速な復旧・復興を図るための重要なインフラともなりますし、医療機関への
アクセス向上も重要な要素となります。 そこで、伺います。
地域高規格道路によるメリットについて、期待値として出ているものもあると思いますが、行政側として根拠を持って各メリットを出しているものと思います。そのメリット及び根拠となる数値的なものを、分かる範囲で構いませんのでお聞かせください。 現在、北陸エリアと関東圏、中京圏を行き来する大型車両が国道148号線を利用して、小谷、白馬の生活道路を行き来する状況にあります。小谷村では、大型車両が生活道路となっている148号線を行き来することによって、子どもを巻き込んだ交通事故が発生するなど、生活道路と大型車両が行き交う道路を分ける安全面の上でも、
地域高規格道路は実現を切望する道路となっています。また、大型車両が、各市町村が管轄する道路を行き来することになっています。各市町村が負担する道路改良費を圧迫している状況も伺っています。
地域高規格道路ができることによって、大型車両が
地域高規格道路を利用することが予想されますが、維持管理を含めたメリットについてお聞かせください。 さて、切望する声も多いながら、現実的には
市街地エリアを通る3つのルート帯案が示され、今まで漠然としていた道路像がより具体的になってきたことで、御心配の声、不安の声、疑問の声が上がってきている状況にあります。今後は、国の
道路計画策定プロセスガイドラインに基づき、幅の狭い
ルート帯案決定に向け、まちづくりとの連携性、安全な市街地形成、住環境への影響、農地への影響、地域や観光地へのアクセス性を考慮し、さらに、洪水による浸水等でも通行可能なルートを基本項目として検討し、さらに、いただいた意見を参考にした評価項目を設定して、総合的に判断していくことと伺っています。 現在、始点と終点を基に3つのルート案が示されています。この始点と終点が決まっている経緯、3つのルート案の経緯、この始点と終点及びルート案は変更が可能なのかお聞かせください。 道路の計画において、市民の理解を得るためには、計画内容が合理的であり、かつ、
計画策定プロセスが適切である必要があります。国の
道路計画策定プロセスガイドラインでは、
計画策定プロセスの適切性は透明性・客観性・合理性・公正性の4つを要件としており、
計画策定プロセスに関する情報が誰に対しても開示されていることにより透明性を担保し、
計画検討手順や評価に用いるデータ、情報等が客観的なものであることにより客観性を担保しています。また、
計画策定プロセスの各手順が合理的に行われていることにより合理性を担保し、
計画策定プロセスの進め方や判断が偏りなく公平であることにより公正性を担保しています。そして、これらを担保するためには、計画策定と
コミュニケーションを適切に実施する仕組みが必要となってきます。 今後、
技術専門的検討と
コミュニケーションプロセスを大切にしながら進めていくことになると思いますが、今後の進め方、合意形成に向け、市としてどのように対応していくのかお聞かせください。 これで、1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 1回目の質問が終わりました。
大竹真千子議員の持ち時間は残り89分であります。
大竹真千子議員の質問に対する答弁を求めます。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君)
大竹真千子議員の代表質問にお答えします。 初めに、コロナ禍における財政運営についてのお尋ねに順次お答えいたします。 まず、コロナ禍における経済対策の効果と現状についてでございます。
新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けた国内経済の立て直しは、現在もなお一進一退の状況にあり、当市におきましても、基幹産業の一つであります観光産業を中心に、宿泊業や飲食業、交通事業者などの経営に甚大な影響を及ぼしております。 こうした状況を受け、市ではこれまで、
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランに基づき、議員御指摘のとおり、国の施策に基づく給付や
新型コロナ地方創生臨時交付金の活用を図り、市内各分野の産業と地域経済への積極的な支援策を講じてまいりました。 このうち、市内経済に対しましては、これまで二度にわたり実施いたしました、がんばろう!
大町応援券事業の累計販売額が2億1,100万円余となり、その結果、4億4,600万円以上の市内消費につながっております。また、飲食店支援して実施いたしました「がんばろう!
大町テイクアウトフェア」では800万円以上の売上げがあるなど、一定の効果は得られたものと考えております。 地域経済のV字回復とさらなる成長につなげる上で重要となります、新しい生活様式を踏まえた地域経済・産業活動等の再生に向け、引き続き継続的な支援が必要と考えております。議員の御質問にもありますとおり、現在実施しております「がんばろう!大町応援券」の第3弾の販売も好調に推移しておりますことから、年末・年始に向けた市内経済の活性化を後押しできるのではないかと期待しているところでございます。 しかしながら、全国的な感染状況の悪化に伴う景気後退により、地域経済や市民生活への影響は長期化の様相を呈しており、本格的な回復には、なお長期間を要するものと想定しております。市といたしましては、早期の地域経済の回復に向けて、常に国・県の動向を注視し、今後も引き続き、適切かつ迅速に機動的な財政出動に努めてまいります。 次に、今後の財政運営の課題と方針についてのお尋ねにお答えします。 市の財政状況につきましては、令和2年度の一般会計決算において、財政運営の根幹となります市税が2億円を超える減収となりました。新型コロナに伴う景気の悪化により、今後も市税の増収は見込めない状況にあることに加え、人口減少に伴い普通交付税が減額となることを勘案しますと、一般財源総額が劇的に増加に転じることは難しいものと考えております。 また、歳出におきましては、社会保障関連経費や公共施設の老朽化の進行により増加傾向にあります維持管理経費のほか、学校再編に伴う小・中学校の大規模改修事業等に要する経費も今後必要となってまいります。 政府が先月26日に閣議決定した本年度第一次補正予算及び
新型コロナウイルス感染症対策予備費の活用につきましては、地方創生臨時交付金の拡充が示され、新型コロナの感染拡大防止及び
ウィズコロナ、アフターコロナの下での社会経済活動の再開と次なる危機に備える事業などに手厚く支援策が講じられることとなりました。こうした緊急時にあっては、国が財政出動を迅速に行い、地方経済の回復のための手厚い措置を講ずるよう、市長会等を通じて強く求めてまいりたいと考えております。 市といたしましては、財政運営の基本であります、入りを量りて出ずるを制すに立ち返り、常に情報収集に努め、国・県からの支援にとどまらず、民間団体等の助成金の活用など幅広い視点で、さらなる財源確保に努めるとともに、大町市過疎地域持続的発展計画に登載した事業につきましても過疎対策事業債を積極的に活用するなど、適時適切に財源を見極め、事業の成果・効果の検証を徹底し、引き続き健全な財政運営を目指してまいります。 次に、新年度予算編成に当たっての私の考えと重点施策についてお答えいたします。 新年度予算につきましては、10月の庁議において令和4年度予算編成方針を決定し、現在、予算編成作業を進めております。予算編成に当たりましては、新型コロナを乗り越え、次の世代に引き継ぐ新たな大町市の姿を目指し、市民本位の各種施策を推進していくため、来年度が初年度となります第5次総合計画後期基本計画を重点に、
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランや大町市SDGs未来都市計画、さらには過疎地域持続的発展計画などを踏まえ、着実かつ果敢に市政運営に取り組んでまいります。 また、財政運営の一層の健全化を図るため、事業の成果・効果の検証を徹底し、最少の経費で最大の効果を挙げるよう効果的な財源の配分を行い、選択と集中を徹底し、めり張りのある予算とすべく、今後も国・県の政策動向を注視し、情報収集に努め、職員一人一人が柔軟な発想の下、施策の実現に向け、予算編成に取り組むよう指示したところでございます。 重点的に取り組む分野につきましては、
ポストコロナにおける持続的な成長を目指すため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進及び感染拡大防止と社会経済活動の両立を混乱なく実現できる社会への対応のため、必要な施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 これらは現在、我が国全体が直面している課題でありますコロナの克服に真正面から向き合う施策であり、また、国の基本方針の柱であります新しい資本主義、成長と分配の好循環の趣旨に沿った幅広い分野の自立的な成長・発展を促すものでなければなりません。
新型コロナウイルス感染症は、新たな
オミクロン株の発生など状況が刻一刻と変化しており、市民生活への影響や社会経済への状況を的確に捉えつつ、機動的な施策を積極的かつ主体的に打ち出すことができますよう、財源を見極め新年度予算に反映してまいります。 次に、おお
まち再生プランの進捗状況についてお答えいたします。 市では、コロナ禍を克服し、地域活力の再生を目指すとともに、感染症等の非常事態にも負けない持続可能な社会構造の実現に向け、具体的な取組を見える化し、市民の皆様の心配や不安を極力軽減するため、昨年8月に
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランを策定し、このプランに掲げた事業を順次展開してまいりました。このプランに基づき、昨年度より、感染防止対策に向けた医療機関への物資の提供や公共施設での感染防止策の徹底、また、市民への広報・啓発などを重点的に進めてまいりました。 また、子育て世帯への臨時給付金や市税等の徴収猶予など、市民の暮らしを守るための支援や、さらには、地域商品券やクーポン券による市内経済を支えるための消費喚起策などを実施しており、プランに掲げた102項目のうち、定額給付金の支給など既に事業が完了したものも含め、9割以上の事業を執行しております。 また、9月以降、全国的に感染状況が落ち着きを見せる中、新しい生活様式を踏まえた地域経済・産業活動の再生の項目に位置づけました
北アルプス国際芸術祭では3万3,000人以上の来場者を迎え、中でも市外・県外からは、全体の3分の2に当たる2万2,000人を超える方々にお越しいただき、地域のにぎわいの創出につなげることができました。また、芸術鑑賞とともに市内での観光など、大町市の自然に包まれた紅葉の秋の魅力を存分に楽しんでいただけたことと存じます。 コロナの感染状況は、本年7月下旬以降、過去最大となる第5波の到来により新規陽性者が急激に増加し、県内では、8月17日から23日のピーク時における1週間の新規陽性者数は800人以上に達し、医療提供体制への負荷も高まりましたが、その後、ワクチンの接種の効果などにより陽性者数は急激に減少し、先月8日には全圏域の警戒レベルは1となっております。現在、全国の
新規感染者数は低い水準で推移しており、当市では9月17日以降、新規の感染は確認されておりません。 一方、最近では、新たな変異株、
オミクロン株が国内でも確認されるなど、まだまだ予断を許さない状況にはありますが、市民の生活を守る緊急支援のフェーズから地域の活力を再生するⅤ字回復へのフェーズへ、徐々に施策の軸足を移していく必要があるものと考えております。 次に、
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路のこれまでの経緯について、御質問にお答えいたします。 高速交通網のない大北地域にとりましては、既存の高速道と一体となり広域的な道路ネットワークを形成する規格の高い道路の建設は、この地域長年の悲願でございます。そのため、昭和59年、建設促進に向けた最初の期成同盟会が発足し、圏域を超えて今日まで関係市町村が一体となってバトンをつなぎ、積極的な取組を展開してまいりました。その後、国では平成6年に、松本市波田から新潟県糸魚川市までの約100キロメートル間を候補路線に指定し、さらに、10年には計画路線に昇格し、翌年、長野県側では、安曇野市堀金から大町市に至る約15キロメートル間を調査区間に指定し、後に小谷村の約13キロメートル間も追加指定されております。 その後、県では、この道路の起点部を現在の安曇野インター付近に変更するとともに、国の構造要件緩和を受け、現道の積極的な活用を基本としながら、時速60キロメートル2車線の道路として計画を見直し、平成20年に県内ルート約80キロメートル全体の方針が公表されました。27年には、(仮称)安曇野北インターから大町市街地南までの約18キロメートル間の高瀬川右岸道路の一部を現道活用する計画案を公表し、次いで、30年2月からは大町市街地ルートの選定に着手したほか、本年8月には、安曇野市の新設区間約4キロメートルについて令和4年度の事業着手と、約10年をかけて完成を目指す方針が県より示されました。 また、大町以北では、現道改築事業として、小谷村の国道148号雨中トンネル工事や白馬村での道路築造工事が進んでおります。一方、新潟県におきましても、将来の松糸道路の一部となることを想定した西中バイパスが開通するなど整備が進んでおりますことは、議員も御承知のとおりでございます。 こうした経過の中で、大町市街地を通過するルートに関しましては、平成20年に市内で開催された地域づくりフォーラムをはじめ、市内各団体や市民の皆様との懇談会や意見交換を重ね、市街地東を通るルートを市独自に想定し、26年3月に策定した都市計画マスタープランに位置づけたところでございます。 一方、県では、国が道路整備の進め方の指針としてまとめた構想段階における道路計画プロセスガイドラインに準じ、大町市街地ルートの選定を進めており、それまで市が都市計画マスタープランで想定したルートの観点をはじめ、環境面や事業性などの新たな観点や、市民からの意見等を加えた総合的な評価項目や評価結果を段階を追って順次示し、約2年をかけて昨年2月に、市街地西側を通るルート帯を最適と位置づけました。また、本年9月には、この中から幅の細い100メートル幅の3つのルート帯案と評価項目案を公表し、現在、これらの評価・検討に向けた取組を進めているところでございます。 以上、本道路に関するこれまでの経過について御説明申し上げましたが、議員各位には、こうした長い年月をかけ構想と計画づくりを進めてまいりましたことに深い御理解と御協力をお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 次に、
病院事業管理者。 〔
病院事業管理者(藤本圭作君)登壇〕
◎
病院事業管理者(藤本圭作君) 大町病院の経営についてのお尋ねに順次お答えいたします。 初めに、コロナ禍における経営状況と今後の患者確保対策についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、昨年度は、コロナ禍における受診控えなどにより患者が減少いたしました。詳細に見てまいりますと、各種感染症の患者が大きく減少し、中でも小児科患者の減少が顕著となりました。これは、
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、マスク着用と手指消毒の実施など基本的な感染対策が徹底されたためであり、インフルエンザもほぼ流行がありませんでした。また、外出機会の減少により、けがや骨折などの外傷により受診する患者さんも減少しており、観光シーズンにおける県外や海外の方の受診も大きく減少いたしました。 これに対して、今年度の上半期では、外来患者は戻りつつあるものの、入院患者は昨年度よりさらに減少しております。疾患別に見ますと、昨年に引き続き、外傷や消化器疾患、神経疾患が減少し、呼吸器疾患や
新型コロナウイルス感染症の陽性患者が大きく増加し、小児科疾患も増加しております。 医業収益のうち、外来では患者数、単価ともに上昇しているのに対しまして、入院では単価は上昇しておりますものの、患者数が全体的に減少しておりますことから、予算対比では約3%の減収となっております。 なお、今後の患者確保に向けた取組につきましては、専門医及び外科医の増員による患者数と手術件数を増やすこと、また、近隣の診療所等との連携を深め、紹介患者の増加を図ることや健診受診者を増やすことにより、外来診療につなげていくことにしております。 さらに、内科等の専門外来を外来診療風に分かりやすく表示したことに併せ、インスタグラム等のSNSを活用した広報活動や市民向けの医療講演会の開催などを通じ、大町病院の安心・安全な医療を市民の皆様に御理解いただき、安心して病院に受診していただくよう努め、こうした取組により、患者数の確保とともに収益の確保を図ってまいりたいと考えております。 また、医師や
医療スタッフの確保・育成についての御質問にお答えいたします。 医師をはじめとする
医療スタッフの確保につきましては、事業管理者が主催する医療職確保ワーキンググループを定期的に開催し、情報共有を進めた上で、県をはじめ関係機関への要請、医師や看護師等を紹介する企業からの仲介や、大町病院のホームページ、インスタグラムをはじめとするSNSにより求人募集を行っております。また、オンラインによる医学生や研修医、看護師への説明会や病院見学なども実施しております。 さらに、信州大学医学部附属病院との結びつきをより強固にするため、病院医局への頻繁な訪問を行うとともに、医学部教授を招聘し、医療講演会を開催して最先端の見識を深めるとともに、医師の派遣にもつなげるよう取組を進めております。今後、医師等の働き方改革により労働時間等への制約が課せられますことから、医師等の職員数の確保は重要な課題となってまいります。他職種へのタスクシフトやタスクシェアリング、医師業務の他職種への分担を進めますとともに、医師事務補助者の増員、診療看護師や特定行為看護師、認定専門看護師の資格取得の奨励にも力を注いでまいります。 また、職員の育成に関しましては、各職種における教育研修プログラムや研修の実施が必須となっております。医療安全・感染対策研修会だけではなく、ハラスメントや個人情報、接遇などの全体研修の実施、さらには人事評価に向けたマネジメント研修や目標管理の取組、職員の発案により自発的に実施されております次世代リーダー育成研修会など、医療人としてだけではなく、社会人、組織人としても成長できるプログラムを実施しております。 次に、分娩再開の見通しについてお答えいたします。 昨年11月から、産科の診療体制を維持することができなくなり、分娩や妊婦健診など産科診療を休止しております。当院での出産を希望されている皆様をはじめ、地域住民並びに関係機関の皆様には大変御迷惑をおかけしております。この間、新たな産婦人科医師の招聘活動を行うとともに、大北医療圏の市町村からは、松本圏域の出産・子育て安心ネットワークに御参加いただき、妊産婦の方々が安心して出産できる環境づくりに御支援いただいております。 先月からは、新たな産婦人科常勤医師が着任し、分娩再開に向けて準備をスタートしたところでございます。着任した産婦人科医師は、県外で大学病院の医局に在籍した後、産科医院を開業し、多くのお産に関わってきた経験豊富な医師で、当院での産科の再開につきましても、慎重かつ情熱的な思いを持って取り組んでいただいております。 本年9月から10月にかけて、お産に関するアンケートを実施しましたところ、大町病院でお産を再開した場合、利用したいとする方の割合は73.5%でありまして、地域の期待や要望を改めて感じております。常勤医師1人体制では、再開に向けたハードルは高いわけですが、さらなる医師の確保や助産師、看護師とのお産に向けたチームづくりを進め、また近隣の医療機関とも連携・協力をいただき、順次課題をクリアしてまいります。 当面は、外来において妊婦健診をスタートさせ、少しずつ、妊産婦の皆さん、地域の方々に当院の産婦人科に足を運んでいただけるよう努力を重ねてまいります。 市の総合計画には、結婚・妊娠・出産・子育て支援の充実を挙げており、大町病院としては、地域の皆様に安心してお産ができる体制づくりを来春以降、できるだけ早期に実現できますよう全力で努めてまいりますので、御理解をお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 会議の途中でありますが、ここで11時5分まで休憩といたします。
△休憩 午前10時48分
△再開 午前11時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
大竹真千子議員の一般質問を継続します。
大竹真千子議員の持ち時間は残り63分です。
大竹真千子議員の質問に対する答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君) 私からは、コロナ対応における反省点についてのお尋ねにお答えいたします。 令和元年12月に発生した
新型コロナウイルスの感染は、瞬く間に世界中に拡散し、現在、感染者は2億5,400万人余に達し、死者は514万人を超えております。国内におきましても172万人もの規模に拡大し、まさに未曽有の災害であると考えております。 こうした中、市では1月に、
新型コロナウイルス感染症大町市対策本部を設置し、市民の生命と健康をコロナから守ることを最優先に、市主催のイベントや行事の開催基準のほか、市の施設の使用基準の見直しなどを行い、全庁を挙げて感染防止等に努めてまいりました。また、本年4月より開始しました
ワクチン接種では、県内でも先駆けて取組を進めた結果、早期に第2回までの接種をほぼ完了することができました。 一方で、過去に全く例のない膨大な業務量に対し、人的な面で十分な準備態勢が取れなかったことが、反省点の一つと考えております。こうした点も含め、これまでのコロナ対策を踏まえた市の危機管理への対応について、何が達成でき、何が達成できなかったのか、さらに検証を行うとともに、今後の新たな感染症等を含めた緊急事態に対応する組織の在り方について、事務改善研究委員会などにおいて研究を進めております。 また、これまで、コロナ禍により疲弊した地域経済の活性化に向け、適宜適切な経済対策を講じてまいりましたが、今後は地域経済のⅤ字回復と、さらなる成長につなげる上で重要となる新しい生活様式に即応する観光施策や移住・定住施策、町なかの活性化に向けた取組について、重点的に実施していく必要があるものと考えております。 次に、今後の方向性と再生プランの見直しについてお答えいたします。 過去に例のないウイルスの蔓延により、日常的にマスクを着用する生活や手指の消毒、3密を避けた行動など、人々の生活様式は一変し、旅行やレジャー、外食さえも気軽にできないと考える人もなお多く、当市の基幹産業であります観光産業をはじめ、飲食業などを中心に地域経済が受けた影響は予想以上に重く、大きなものと受け止めております。 この再生プランは、感染拡大を防止する対策と経済活動を再生する対策という、いわゆるブレーキとアクセルの両輪を併記したプランとなっており、両立が必要とはいえ、その時々でどのようにバランスを取るか、その状況判断が非常に重要であると考えております。現在はコロナ感染が落ち着きを見せておりますものの、国内でも新たな変異株による感染も確認されているため、引き続き感染状況を注視しながら、事業の効果を検証し、柔軟に再生プランの見直しを図り、地域の再生に積極的に取り組んでまいります。 また、先行きの不透明な状況下において、効果的な施策の選択とその財源の確保は、全国の自治体が直面する共通の大きな課題でもあり、今後より一層の知恵や工夫を出し合い、庁内が一体となり、取組を進めることが必要と考えております。 コロナ禍から完全に脱却するには、さらなる期間が必要であり、
ウィズコロナの新たな時代に、感染症という非常事態にも負けない持続可能な
社会経済構造の実現に向け、多角的な視点により市民生活へ支援を行うとともに、早期の地域社会経済の回復を目指して取り組んでまいります。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 私からは、子育て世帯や生活弱者とされる方々への支援策についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、国の新たな支援策であります18歳以下の児童に10万円相当の給付等を行う子育て世帯等臨時特別支援事業につきましては、先行的に給付できる中学生に加え、同じ世帯に属する16歳から18歳までの児童にも1人につき5万円を12月中に給付できますよう、本定例会におきまして、必要な経費を追加議案として上程することとしております。 また、生活困窮者に対し10万円の給付を行う住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金につきましては、制度の詳細が確定次第、速やかに支給できるよう、現在、情報収集に努めているところでございます。 さらに、昨今の原油価格高騰による灯油の値上がりの影響を受けている世帯を支援するため、市民税非課税世帯のうち、生活保護など一定の条件を満たす世帯に灯油購入の補助を行うこととし、所要の費用につきまして、本定例会に追加議案の上程を予定しております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 私からは、最初に、松糸道路の整備によるメリットについての御質問にお答えいたします。 一般に
地域高規格道路は、高速道などの高規格幹線道路を補完する道路として、通勤圏の拡大や都市部と農山村地域との連携機能の強化とともに、物資の流通や人の交流を活性化する交流機能や、空港や港湾などの広域的な拠点間を結ぶ連結機能を果たす重要な役割がございます。 松糸道路が全線で完成した場合には、現状約2時間20分を要する松本から糸魚川インター間の所要時間が約40分短縮して1時間40分となり、交流機能や地域拠点間の連結機能と安全性が飛躍的に高まるとともに、高次元医療機関への速達性と
大町総合病院から信州大学医学部附属病院間の所要時間は約8分、県立こども病院間では約11分短縮され、連携機能がさらに強化されることとなります。 また、交通容量が増加し、混雑の緩和や交通事故の減少、さらに、災害時には既存の幹線の代替機能を果たすなど、安心・安全を運ぶ道としての高い評価に加え、現在県が示す市街地ルート帯案と交差する県道上にインターチェンジを設けることにより、中心市街地をはじめ主要な観光拠点や東部地域とのアクセス性が容易となり、利便性が大きく向上するものと考えております。 次に、松糸道路が整備されることに伴うメリットについての御質問にお答えいたします。 松糸道路は信号機を設けず、路線全体で時速60キロメートル以上の速度を保つとされることなどから、交通容量を大きく確保することが可能となります。高速交通網が県下の市の中で唯一整備されていない当地域におきましては、現在、既存の国・県道や市道に大型トラック等の通過交通と日常の生活交通とが混在しておりますが、松糸道路の整備により、それらの分離が図られ、議員御指摘の交通事故等の減少にもつながっていくものと考えております。 また、現在、通称オリンピック道路と呼ばれている国道147号常盤上一北交差点からの約8キロメートルの幹線市道は、これまで国道のバイパス機能を果たしており、黒部ダム観光や市内のスキー場のほか白馬以北へのアクセスが容易であることなどから、1日平均約6,000台の交通量に加え、大型観光バスやトラックなどの流入が多く、道路の損傷などにより年間約2,000万円を要する維持補修費に加え、交通事故も多発しております。 松糸道路の整備により、こうした交通が松糸道路へ転換することで、市道等の維持管理費用の削減とともに、市民生活における安心・安全な交通環境の向上が見込まれる一方で、松糸道路の整備効果やメリットをいかに当市の持続的な発展につなげていくかが大きな課題と認識しているところでございます。 次に、現在県が示す大町市街地ルート帯案の起終点及び3案の決定経緯についての御質問にお答えいたします。 現在の市街地ルートの起終点につきましては、県が平成20年に公表した県内ルートの全体方針において、バイパス案も含め、さらなる調査・検討を行う区間として示されております。また、現在県が示す3つのルート帯案の選定経緯に関しましては、議員御承知のとおり、国のガイドラインに準じ段階的な評価手順を踏みながら、これまで県と市が連携して検討を進めてきております。 まず、平成30年2月から12月にかけ、市内の関係団体などとの意見交換や市内6地区での説明会などを通じて、この計画の検討の進め方や課題の共有を図った後、県は翌31年2月から7月にかけ、市街地の東側を通るルートを含めた3つの幅の広いルート案とともに、災害時の影響や事業性など新たな観点を含む5分野8項目の評価項目を設定し、計10回の説明会による意見集約を行いました。 これを踏まえ、令和元年11月から12月にかけて、この3つの比較評価案を公表し、計7回の説明会などの開催により
コミュニケーションプロセスを経ながら、昨年2月に西側ルート帯を最適として選定しております。この間、延べ23回の説明会を開催し、422人の皆様に御出席いただいておりますほか、市の広報紙への掲載やパンフレットの配布、ケーブルテレビや新聞掲載などの情報周知も併せて実施してきております。 その後、コロナ禍の影響から昨年8月に延期し開催された住民説明会において、さらに幅の細い複数のルート帯に絞り込む方針を示し、基礎調査などに基づく道路構造の技術的観点とともに、市がこの道路に求めるまちづくりとの関連性や安全な市街地形成、住環境または農地への影響、地域や観光地などへのアクセス性、洪水による浸水時にも通行可能なルートなど、主に6つの主要なポイントを踏まえた約100メートル幅の3つのルート帯案を本年9月に公表いたしました。また、同時に、交通や環境、土地利用、市街地整備、社会地域経済、事業性など5分野13項目から成る評価項目案を示したところでございます。 これらの内容につきましては、市内3地区で計5回の説明会が開催され、延べ218人の皆様に出席いただいたほか、10月末までアンケートを実施し、期間中251人の皆様から御回答をいただいており、これらの意見等について、現在県より、集約並びに評価項目との整合作業を行っているところと聞いております。 なお、現在の3ルート案は、これまで地域住民の皆様を交えた段階的な評価手順を踏みながら、合理的なルート案として選定を進めてきており、こうした経緯を踏まえ、市として大きな変更にならないものと理解しているところでございます。 次に、ルート帯案の今後の進め方や合意形成に向けた対応についての御質問にお答えいたします。 これまでのルート選定に向けたプロセスは、国のガイドラインに沿って進められてきております。このガイドラインが定められた背景には、社会資本整備に対するニーズが量から質へと変化する中、暮らしに身近な道路事業をはじめ、公共事業に対し、より透明性や効率性の確保が求められるようになってきたことにあります。こうしたニーズに対応し、地域の声を計画に反映しつつ、客観的かつ合理的に道路計画を進めるため、国において市民参画型の
計画策定プロセスとして策定されたものであり、県ではこれまで、このガイドラインによるプロセスを軸として、課題の共有と評価を交互に繰り返し、ルート案の選定を順次進めてきていることに御理解いただきたいと存じます。 こうした中、本年9月に県より示された市街地西側の3つの幅の細いルート帯では、それまで約1キロないし2キロメートルの広い幅で示されていたものが約100メートル幅にまで細く絞り込まれました。さらに、インターチェンジを想定する位置や道路構造の基本的な考え方などが改めて示されましたことから、この松糸道路の計画が地域住民の皆様により身近なものになりつつあることを強く認識しております。 これらのルート帯案は、交通や環境をはじめ、土地利用や事業性など5分野13項目から成る評価項目案と住民説明会やアンケート等でいただいた御意見等を踏まえた評価により、一つのルート案に絞り込んでいくことが方針として示されております。 市としましては、今後も引き続き県との連携を図るとともに、市がこれまでこの道路に込めたまちづくりの観点はもとより、新たに地域から上げられる御意見や要望が可能な限り計画に反映できますよう取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大竹真千子議員。
◆2番(大竹真千子君) 新年度予算についても御丁寧に御説明いただきまして、私、DXの推進など、非常に期待をするところでございます。 また、過疎対策事業債の使い道というか使い方ですね、その辺も非常に注視しているところでございます。ぜひよろしくお願いいたします。 また、おお
まち再生プランの部分、反省点等お聞かせいただきましたけれども、感染症による危機管理の部分で、非常に気づくところも多かったということでございましたので、ぜひ今回の件を参考に、またブラッシュアップを図っていただければよろしいのかなと思います。 それでは、再質問でございますけれども、まず、大町病院の運営について再質問をいたします。
藤本病院事業管理者が就任されて、もうすぐ1年になるわけでございますが、就任早々、
新型コロナウイルスによる予期せぬ対応を迫られる中、令和2年度決算においては資金不足比率ゼロ%を達成し、今期では一時借入金の完納や黒字化によって、当初3月までを予定していた職員給与削減期間を12月に前倒ししての終了など、健全経営に向けた目標について、各取組を前倒しで実現されています。 本会議や全員協議会での御発言を伺う中でも、経営健全化に向けた取組に対するお考えや
新型コロナウイルス感染症指定病院としての柔軟かつスピード感ある対応、そしてまた、広域的に考えながらの専門性の高い医療の充実に向けた取組や専門性の高い人材の育成など、幅広く手腕を発揮されておられ、今後の病院運営も大いに期待するところであります。 先ほどの研修システムの御答弁も、非常に私、興味深く拝聴いたしまして、また、より私のほうも勉強させていただいて、具体的にお話を伺っていきたいなと思うところであります。 そこで、
藤本病院事業管理者に伺いますが、1年間、経営改善にお取り組みいただいて、いかがでしたでしょうか。安定した健全経営に向け、引き続き御尽力いただきたいと考えますが、今後の展望についてはいかがお考えでしょうか、お願いいたします。
○議長(二條孝夫君)
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(藤本圭作君) 御質問にお答えします。 本年4月に大町市
病院事業管理者と病院長を拝命し、今日まで8か月余り経過しましたが、今までと異なる立場で、慌ただしい日々の業務の中、粉骨砕身の思いで取り組み、瞬く間に過ぎてしまったというのが率直な実感であります。 経営健全化に向けた取組に関しましては、前任の井上院長からバトンを引き継ぎ、計画に沿った取組を基本に進めてきたところです。しかしながら、本年度も
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいまして、着任早々から感染症患者の治療や検査、感染症病床の確保、さらにはコロナの
ワクチン接種も並行して対応するなど、事業管理者として気が休まる状況にはありませんでした。 新型コロナの患者対応には、当院の内科、総合診療科の医師が主体となっておりますが、私は呼吸器の専門医としての立場から、できる限りのサポートをしてまいりました。当院へ入院された
新型コロナウイルス感染症患者が、お一人も亡くなることなく退院されたこと、また、
ワクチン接種を連日のように実施し、これまでに約1万5,000回行ってきたことは、公立病院としての責務を自覚し、病院職員全員が一丸となって成し遂げた成果であると考えております。 今後も、新たな変異ウイルスの出現や感染拡大が繰り返される可能性もあり、病院経営の先行きは依然不透明な状況にありますが、産婦人科や整形外科に新たな常勤医師が着任するなど明るい話題もあり、さらなる診療体制の充実と経営改善を目指してまいります。 病院の理念であります、地域に密着した温かく誠実な医療を実現する、これを第一に考え、市民の健康増進、医療・介護の充実、疾病予防に努めるとともに、地域の関係者と連携し、大町病院が医療の質を高め、地域包括ケアシステムの中心を担い、市民の皆さんが安心して暮らしていくことが可能な医療体制の構築を目指してまいります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大竹真千子議員。
◆2番(大竹真千子君) 続いて、
地域高規格道路について再質問いたします。 地域の健全発展に必要な道路ではありますが、ルート案を見ますと、市街地への誘導を意識したルート案になっているものの、田園地帯を抜けていく場所が多く、自然環境へ与える影響や景観については気にされておられる方が多いと感じています。 説明会の主な意見に関する回答に、環境アセスメントを実施する事業には該当しないが、公共事業環境配慮制度の対象事業には該当するということで、必要な環境調査や環境に与える影響を少なくする配慮については行っていくという回答でした。対応については、どのようにお考えでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 環境への配慮についての御質問にお答えいたします。 現在、県が示した3つのルート帯案では、これらを比較・評価するための5分野13項目から成る評価項目案が示されております。このうち、環境分野については、環境の保全と景観・文化財の保全、この2項目に分け、評価視点では例として、住環境や自然環境への影響、景観・文化財等への影響や道路からの眺望などを挙げております。また、議員御指摘のとおり、県は平成23年から、独自の公共事業環境配慮型制度を設けており、今後この制度を取り入れ、環境に配慮した事業を進めていくと聞いております。 市といたしましては、環境に対する配慮は必要なことと認識しており、県とともに、可能な限り環境に配慮した計画となるよう工夫や調整を重ねてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) ここで、関連質問の通告がありますので、これを許すことといたします。 質問者は自席でお願いをいたします。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) それでは、私からは関連質問をさせていただきます。 続けて2点についてお聞きをいたします。 まず、松糸道路建設に当たっての道路の盛土構造についてです。高規格道路の建設、それと、今も景観のお話出ましたが、北アルプスとの景観、これ、どう両立させていくかというのは、当市のブランディングやイメージを考える上でも、また観光行政においても、また移住政策においても大きな課題だと思います。 5月の北アルプスが映り込む水田の風景がどうなるかということは、私も想像せずにはいられません。そこで、道路の盛土の高さを一部下げることについて、市の考えを伺おうと思います。 先日、全員協議会で、県の担当職員の方に来ていただきました。その際に質問させていただきました。答弁によると、盛土を下げたことによって、交差する道路を減らさなくてはいけないとか、そういった可能性も出てくると、そういったことは考慮しないといけないとのことでした。しかし、同時に、盛土を下げることによっての当市にとってのデメリットとメリットをてんびんにかけた上で、市民や市側の考えをまとめてもらえれば、盛土を下げること自体は検討はできると、そういった趣旨の答弁がございました。 これ、市側で検討したり、あるいは市民の声を集めるべき課題だと考えます。先ほど部長の答弁でも、量か質かということが社会資本の整備でも重要になってくると、市としても市民の意見を聞いていくという話もありました。ぜひこちらのことについても丁寧に考えていただき、県とも検討、話合いを持っていただきまして、進めていただきたいと考えます。市の考え方はどうでしょうか、お伺いいたします。 次に、もう一点、木崎湖以北の計画についてもお聞きいたします。 木崎湖以北については、現在、県の計画によると、現道活用区間になるとなっております。現道活用だとはっきり示されただけでも、自分としては非常にありがたかったんですが、さきの質問、北アルプスの景観と同じく、木崎湖も非常に景観の重要性が高い地域ですから、やはりここについては、住民の心配の声も大きくあります。 一方で、今回陳情でも上がっているような市街地の計画と木崎湖以北の計画を一体と進めることは、残念ながら難しいという、既に走り始めている計画であり難しいという県の話は伺いましたが、でしたら、市内区間の計画とは別に、しかし段階的に、市街地は3段、4段といく、木崎湖のほうも一からまた進めていくという、同時に木崎湖以北も調査や情報開示から進めていければいいのではないかと思います。 こちら、市から県へと要望を出せませんか、お伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) まず、盛土の高さを部分的に下げることはできないかとの御質問にお答えいたします。 先ほども御答弁申し上げておりますが、松糸道路は時速60キロメートル以上の速度を確保するため、車両の出入口をインターチェンジのみに絞り、多くの生活道路との交差が想定される市街地ルート区間全線について、基本的に盛土構造とし、立体交差化する方針が示されております。その一方で、議員御指摘のとおり、盛土構造にすることに伴う北アルプスの眺望や沿道景観に対する影響への懸念が、住民の皆様の意見として出されていることも承知をしております。 こうした中、本定例会全員協議会における県からの説明では、松糸道路を横切る道路を数か所に集約し、一定の距離の確保が可能であれば、部分的に道路の高さを低くすることは可能との見解が示されたところでございます。今後、市といたしましても、景観はもとより、地域のコミュニティや利便性にも配慮したバランスの取れた計画となりますよう、地域の皆様からの御意見をお聞きし、県と検討を重ねてまいりたいと考えております。 続きまして、木崎湖以北の現道活用区間についての御質問にお答えいたします。 木崎湖以北につきましては、県では平成20年に、全体ルート構想の中で現道活用区間として方針を示し、昨年度から、国道148号における道路構造や旅行速度などの基礎的な調査に着手しているところと聞いております。これまで市としましては、路線全体での整備の促進、これに向け、期成同盟会などを通じて、国や県に対し必要な働きかけを行ってきており、県内ルートにおける現道活用区間につきましても、事業化に向けた検討の促進や必要な調査の支援等について要望してきております。 今後も、現在進める市街地ルートに接続する木崎湖周辺以北並びに大町市街地以南の堤防道路、これにつきましても調査・検討を進め、市民の皆様へ進捗状況をお伝えできるよう、引き続き県に働きかけてまいりたい、こう考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大竹真千子議員。
◆2番(大竹真千子君) それでは、私、再質問、3つまででございますので、3つ目でございますけれども、最後に市長にお伺いをいたします。 先ほど、合意形成に向けてどのように進めていくのか、プロセス的な部分についてお伺いをさせていただきました。
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路は、50年にわたる、長きにわたる今までの経緯、そして、大町だけの問題ではなく、広域的な地域の連携などを踏まえますと、既に道路が要る要らないを議論する道路ではなく、どんな道路にしていくのかを議論すべき道路になっています。しかし、ルート案が具体的に示されたことにより、実際、御自宅のそばを通りそうだという方や御所有の土地を通過しそうだという皆様にしますと、御心配や疑問の声、まだまだ多数お持ちでございます。そして、日々出される情報に非常に関心をお持ちいただいています。 幅の細いルート帯案に関する第2段階の住民説明会が終わり、並行して御意見や質問を受け付けてまいりましたが、市民の方からのお声とすると、反対の方も賛成の方も、もう少し情報開示に努めてほしい、また、意見集約に配慮してほしいというようなお声を頂戴いたします。どのような道路にしていくかという議論に関しては、まだまだ情報開示、合意形成の場が必要ではないかと感じています。 今後のスケジュール並びに市民の方々との合意形成に向け、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) ルート案の今後のスケジュール、あるいは合意形成についての御質問にお答えいたします。 先ほど部長からも、御質問に御答弁で申し上げましたとおり、大町市街地ルートの案の検討に際しましては、地域の声を計画に適切に反映するため、国のガイドラインに基づき、地域住民の皆様の意見を交えた客観的な評価かつ合理的な手法によって、今日まで段階を踏んで取組を進めてきており、このプロセスに従って導かれる結果につきましては、十分尊重しなければならないものと考えております。 その一方で、議員の御指摘にもありましたとおり、各ルートとも幅の細い具体的なものに絞られてきており、多くの市民の皆様にも高い関心を持っていただいておりますものの、現段階におきましては、県からの情報としてお伝えすることにまだ限りがありますため、理解が十分広がっているとはいえず、さらに理解を深めていただくことも必要である、私自身もそのように考えております。 今後、ルートの絞り込みが進みますと、いわゆる課題も総論から各論へと移ってまいります。引き続き県と連携して、できるだけ早期に情報をお伝えできますよう、市としても取組を進めるとともに、
コミュニケーションプロセスを踏まえ、地域の皆様の疑問や課題の解決に向けた合意形成に市としても力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) よろしいですかね。 以上で、
大竹真千子議員の質問は終了いたしました。 ここで昼食のため、1時ちょうどまで休憩といたします。
△休憩 午前11時45分
△再開 午後1時00分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第2位、平林英市議員の質問通告は2項目です。平林英市議員の質問を許します。平林英市議員。(拍手) 〔10番(平林英市君)登壇〕
◆10番(平林英市君) 日本共産党の平林英市です。 1、
国民健康保険税について、2、
二酸化炭素排出ゼロについて質問いたします。 まず、国保についてです。 今回の
新型コロナウイルスの感染拡大では、弱い立場の人々にしわ寄せがいく社会の構造が浮き彫りにされました。このことにより、深刻な貧富の格差が社会問題として、国民の間で広がっているわけであります。 このようなコロナ禍の状況の中で、市内においても国保加入者が多い飲食業を中心とした個人事業者の業績が回復しなくて、厳しい経営状況にあります。さらに、非正規従業員の雇い止めや収入減、米生産者の米価下落、そこに追い打ちをかけるガソリン、灯油、食料品の相次ぐ値上げによって市民の生活を圧迫しているさなか、公共料金とも言える
国民健康保険の保険税を引き上げる根拠がどこにあるか、私には理解できません。 今回の保険税引上げについて、撤回すべきと考えますが、市長の見解を伺いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 平林英市議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) コロナ禍で厳しい中、
国民健康保険料を改定する根拠は何かとの御質問にお答えします。
国民健康保険制度は平成30年度から、財政基盤強化のため、県が市町村と共に
国民健康保険の運営を担うこととなりました。この新たな制度では、少子高齢化や人口減少の急速な進行により被保険者数の減少が見込まれる中、中長期的に持続可能な制度として確立するため、絶えず制度の検証と見直しが必要とされております。 こうした状況を踏まえ、県と市町村で検討を重ねた結果、本年3月に県より、
国民健康保険運営の中期的改革方針が示されました。この改革方針の中では、各保険者を通じて公平な国保制度となるよう、将来的な税率水準の統一に向けた最初のステップとして、令和9年度までに資産割の廃止とともに、応益割保険税を標準保険税率に近づけていくことが明確に示されております。そのため、当市におきましても、この方針に沿って、着実に段階的に国保税率の改定を進めていく必要がございます。 当市における
国民健康保険税の税率は、平成24年度の改定以来、9年間改定を行っておらず、平成30年度の国保財政の県広域化以降、令和2年度を除き毎年度赤字決算となっておりますことから、早期に収支の均衡を図り、赤字基調の構造の改善を目指すことが不可欠でございます。 なお、
新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい生活環境にある被保険者の方もおられることは十分承知しており、低所得者層の方への軽減措置の活用を図ることなどにより、適切な対応に努めてまいります。 市といたしましては、
国民健康保険制度を中長期的に持続させていくためには、今回、税率改定を行うことが必要と考えております。 なお、改定は今後、令和9年度までの間に段階的に実施することとし、赤字が生じた際には現在ある基金を効果的に活用し、所得の低い方にも十分配慮した改定となりますよう、最大限の配慮の下で実施してまいりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 市長から答弁がありました。 また、具体的に細かいことについて、それぞれ聞いていきます。 私、次に、国保が抱える構造的問題について、年齢構成が高くて医療費水準が高いと、所得水準が低いので保険料負担が重いと、この見解をどのように認識しているか伺いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 国保が抱える構造な的問題についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、国保制度は加入者の年齢構成が高く、その結果として、医療費水準が高くなるという問題を抱えております。当市の65歳以上の国保加入者は、被保険者全体の約60%を占めており、国保が後期高齢者医療制度に移行する前の受皿となっております。 また、議員の所得水準が低いので保険料負担が重いのではとの御指摘につきましては、国保は他の被用者保険と異なり、雇用主の負担がないため、保険料負担を被保険者が担うことや、応益割が保険料に含まれるという特徴がありますことから、他の被用者保険との比較で負担が重くなる傾向にあることは制度上の問題と認識しております。こうした課題につきましては、
国民健康保険制度の課題として、国において十分議論すべきものと考えており、今後も全国市長会等を通じ、国に対し財政支援の拡大を求めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) この次の質問で、ちょっと市長に見解を伺いますので、よろしくお願いしたいと思います。 今言われたような構造的内容は、弱者支援の医療制度だと私は認識しているわけですけれども、厚労省の資料では令和元年度、年金・無職の加入者が44%、非正規労働者32.7%、自営業者15.9%、農林水産業2.3%、こうなっています。若い人でも、複雑な社会に順応できず、心を病み、働くことのできない人も増えております。会社を辞めれば国保に入るということになり、精神や神経の疾患・障害のある人、その他障害のある人でも国保で保障するという、社会保障制度としての医療保険であるはずであります。 国は社会保障の充実として、消費税を10%に引き上げているのではありませんか。言わば、国保の社会保障としての財政支援の回復が急務であります。この辺を、国保改革の旗を掲げている全国市長会の基本方針が出ているわけです。この辺について、市長の見解を伺いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まず、
国民健康保険制度は、今議員の御指摘にもありましたように、市民の皆さんの命と健康を守る医療保険そのものでございます。そうした中で、これも御指摘ありましたように、当然その加入者というのは、いわゆるお勤めされている方ではなく、自ら仕事をされている方を中心とし、また若干の高齢者も入っておりますが、そうしたいわゆる保険基盤が非常に脆弱であるということは間違いないことでございます。そのために、他のこうした保険制度とは異なり、これはまさに公費の負担がまず50%入っております。内訳は、国庫負担金が調整交付金を含め、ちょうど25%、残りの25%を都道府県負担金が12.5%、市町村負担金がやはり同じように12.5%、また、平成27年度からは、保険料の低所得者の軽減強化に別枠の公費負担が入ることになり、それが一定部分入っております。 こうした全体の半分以上を公費で支える、そう意味では、旧来からずっと続いてきましたいわゆる措置費的な、つまり健康保険をしっかり維持するための国の負担、都道府県・市町村の負担、非常に重いものがございます。これによって、脆弱な保険基盤、特に所得階層の低い皆さんが安心して保険に加入できる、そうした素地は、こうした仕組みの中に織り込まれております。 なお、全国市長会からも毎年のように、保険基盤を強化するために国の支援をもっと強化すべき、これは継続的に取り組んできているところでございます。御理解いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 市長が答弁したように50%です。それで、県・市で25%、被保険者が25%、こういう構造になっていますけれども、高齢化が進んでどうしてもお医者さんにかかる人が多くなってくる。そうすると、50%では足りなくなるということが言われているわけです。 全国市長会でも、国保の構造的問題で財政困難を指摘しております。国に対して1兆円の援助を申出しているわけですが、それに対して3,400億円の投入を約束しております。私は、国の1兆円の財政援助で、均等割・平等割、いわゆる応能割がなくせると思います。 さらに、この厳しい国保財政の中で、市町村がどんな改定でもして解決できる問題ではないと私は思いますが、この点の見解をお願いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 構造的な課題という御質問でございます。 先ほども申し上げましたとおり、市長からもありましたとおり、やはり根本的な事情というところは、市町村の独自の力だけではなかなか困難であるという認識は共通でございます。重ねて国・県への要望を努めてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 県内で令和4年度の税制改定を行う予定の市というのは、どことどこでありますか、伺います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 令和4年度税率改定を予定している市という御質問でございます。 県内では3市であり、このほか、1市検討中ということで聞いております。 なお、本年度及び昨年度から既に税率改定を実施しておりますのは4市であります。こうした中、どこの市かとお話ありますけれども、それぞれの事情もございますことから、具体的な市の名称につきましては控えさせていただきます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 今朝の信毎に出ていました。私もびっくりしましたけれども、松本市国保税税率引下げ方針と、そういうふうに書いてありました。確かに黒字会計で実施するとのことですけれども、所得割が9.1%、県内市町村で最も高い数字になっています。私も、これ高いと思います。 大町市は今回、5.9から6.2に改定すると言っております。これは所得に基づく応能割には、いわゆる納付税の限度というものがありますね。ですから、これはやっぱり改定していくことを検討するべきではありませんか。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 松本市の例をお話いただきましたが、大町市は県内全体の中でも、比較的保険税水準が低いと言われている自治体でございます。既に全協等でお話しさせていただいておりますとおり、県の進めるべき道筋に従って、今、負担の在り方につきまして検討いただいているところでございますけれども、基本的には所得割額、標準に近づけるための1ステップをこれで進めてまいりたいというように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 今、3市改定を予定しているし、1市は検討中だという説明がありましたけれども、私は、どうしてこの時期にやるのかなというのをちょっと考えてみたんですけれども、これは市長に本当に失礼な質問かもしれませんが、ちょっと聞いてくださいね。 県の市長会長として、保険税率の統一に向けて先陣を切って、引上げの旗を振っているんじゃないか、こう思っているんですが、いかがでしょう。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 議員から様々な観点から御質問いただきました。 まず、これも今までも何回かお答えしております、例えば法定外繰入れ、これは原理原則に関わることですので、私からもう一度お話を申し上げたいと思います。 具体的なイメージで考えていただきますと、所得水準の高い方は、多分多くがサラリーマン、会社勤めなど給与所得者、この皆さんは、いわゆる組合健保などに入っています。組合健保に加入している以上、給与から自らの保険料を負担しています。と同時に、ほかの皆さんと同じように税も負担しています。一般会計からの繰入れということであれば、市民の皆さんみんなからいただく税を、3割・2割の加入者、被保険者であります国保会計に応援することになると、先ほど申し上げた、いわゆる組合健保の加入者であるその方は、二重に負担することになりますね。自分の保険料を払いながら、また国保の皆さんの保険料も負担する。これはどうしても公平な負担ということにはならない、この点についてはぜひ御理解いただきたい。そのように考えます。 また、今回は、増収を狙うことが直接の目的ではなく、いわゆる所得割と、それから資産割、それのバランスを取ることによって、収支をイーブンにするということがもともとの狙いであります。これは、他の市町村では、例えば今回、税率そのものを抑えるということがあるということは、もちろん承知しておりますが、県全体で保険料負担の水準を同じにしていく、令和9年までに同じにしていくということの中で、例えば大北5市町村の中で町村だけを見ても、資産割を残しているところは、ほかには1町村しかありません。ほかは既に改定してきております。全県的にもやはり、去年あるいはおととしに、こうした全県的な統一を目的としながら、既に改定を進めてきているということについても御理解いただきたいと思います。 特に、資産割をできるだけ早期に解消していくというのが、先ほども議員御自身も賛成というふうにおっしゃっていただきました。資産割は、やはり所得に直接結びつきにくい時代になっております中、資産を持っているからといって、そこに大きな、例えば現在では、医療分では資産割22%も負担いただいています。こういったものを是正していくというのは、やはり喫緊の課題であるということについても御理解いただきたいと思います。 そして、やはり大町市のように比較的規模の小さい市では、より大きな財政基盤の中の保険基盤を確保する、これは誰もが、やっぱり大きな基盤の中で安定して保険財政を担っていく、例えば医療分でいえば、やはり市民の皆さんが健康を害した、けがをしたということで医療機関にかかります。いわゆる医療費を払います。その大半は、保険でカバーするような仕組みになっています。病院あるいは医院の皆さんへの支出に対して、行政は予算があるからといって、それを支払わないということはできません。 そういう意味で、やはり小さな基盤で、例えば、ある年に大勢のけが人が出てしまった、あるいは、例えば人工透析が増えてしまったということによって、相当の医療費がかかるという年は、今までも何回も経験しています。そうしたことをならすためにも、大きな基盤をつくった中で県下全体で支え合う、これがやはり2つ目の目的であります。 そうした1番目の資産割から所得割、その公平を図る、2番目には、大きな財政基盤の下で安定した保険基盤を担っていく、この2つの点で、今回の改正をお願いするものでございます。ぜひ、こうした制度の趣旨にも十分御理解いただけるようお願い申し上げます。よろしくお願いします。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 次に、2番目の質問に移ります。
二酸化炭素排出ゼロについてです。 2050年までに
二酸化炭素排出実質ゼロを表明した自治体は、東京、京都、横浜を含めて479自治体となっています。大北圏内でも、池田町、小谷村、白馬村が加わっています。市としても、松本市、上田市、伊那市、飯田市、佐久市が入っているわけです。大町市は加わる考えはないのか、伺いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 二酸化炭素実質ゼロを目指すことを表明すべきではないかとの御質問にお答えいたします。 本年6月に、地球温暖化対策の推進に関する法律が改正され、基本理念として、2050年までの脱炭素社会の実現が法に明記されました。これは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスの発出量と吸収作用の保全・強化により吸収される温室効果ガスの吸収量との均衡が保たれる社会を目指すもので、国民並びに国・地方公共団体、事業者及び民間団体等の密接な連携の下に行わなければならないとされております。 そのため、
二酸化炭素排出実質ゼロの表明には、まず当市の
二酸化炭素排出量の状況や、実質ゼロにするためには何が必要かをしっかり見極めることが前提であり、これまで地球温暖化対策実行計画区域施策編の策定を先行させ、本定例会全員協議会で計画案をお示ししたところでございます。 今後、この計画に沿い、
二酸化炭素排出の削減を進めることにより、2050年に
二酸化炭素排出を実質ゼロとすることが見込まれますことから、本計画の策定に合わせ、2050年
二酸化炭素排出実質ゼロの表明を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 残り1分20秒です。 再質問はありませんか。平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 今の答弁では、すぐ入るということを言うかなと思ったんですけれども、全くその気はないということですよね。非常に残念なことです。 それでは、次に、市の具体的なCО2削減についての方向性を示してほしいと思います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 二酸化炭素削減の方向性についての御質問にお答えいたします。 2050年
二酸化炭素排出実質ゼロの達成は、国・地方自治体、事業者、国民の全てが全力を持って取り組んだとしても、容易ではない高い目標であります。 国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、革新的なイノベーションの推進やエネルギー政策の推進など、国や企業による戦略と脱炭素ライフスタイルへの転換や、食品ロスの削減など家庭や個人が取り組むべき戦略を示しております。現在策定を進めております当市の地球温暖化対策実行計画区域施策編におきましても、事業者・市民・行政などの分野ごと取り組むべきことを具体的に記載しております。 今後、私たちが個人として取り組めることは、排出量にすれば、たとえ僅かの量であるとしましても、一人一人が取り組まなければ、目標を達成することは到底不可能なものと考えております。SDGs未来都市を掲げる私たちは、イノベーションの推進やエネルギー政策だけに二酸化炭素の排出削減を頼るのではなく、市民の皆様がゼロカーボンへの取組を理解し、エネルギーの節約や再生可能エネルギーの利用、また環境に配慮した商品の選択など、身近な市民レベルでの取組を実践して進めていくことが大切であります。 このため、地球温暖化対策実行計画区域施策編を策定した後には、広く市民の皆様に周知を図り、ゼロカーボンシティの実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 今部長が言われた実行計画、これを読んでみますと、地域目標として、二酸化炭素を2030年までに46%減らすと書いてあるんですよ。これ、具体的にどうやったら、これだけの46%減らすことができると思いますか。 私は、市内におけるのは、再生可能エネルギーというのがやっぱり中心で、水力発電もあるけれども、再生可能エネルギーの中で水力発電はあるし、太陽光発電、これがやっぱり重要な電力になってくると思うんですけれども、これを具体的にどういうふうにして増やしていくかということも、環境問題でいろいろと弊害もありますけれども、その辺のところが非常に大事な問題だと思うんですけれども、その辺の見解を。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) お答えいたします。 太陽光発電が有効な取組の一つではないかということは考えております。 今、県におきましては、公共施設をはじめ個人の住宅も含めて、全ての屋根に太陽光をといった取組も進められると伺っております。市もこうした取組につきまして、区域施策編の中でも計画の中で同様にうたっておりますけれども、こうした取組をまず優先的に取り組む必要があるものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。
◆10番(平林英市君) 屋根に設置する太陽光発電の話が今出ておりましたけれども、これ、進んでいないということですよね。だから、どうやったら具体的に支援できるのかということを聞きたいんです。それと、もう一つは、今、荒廃農地が非常に多くなっております。これをどうやって活用を考えられるか。
○議長(二條孝夫君) 時間です。よろしくお願いします。 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 一般住宅へのソーラーパネルの設置等につきまして、県の取組、これからのところを注視してまいりたいと思います。市も必要に応じて、支援策なども検討が必要かと思われます。 また、最後、荒廃地のお話がありましたけれども、個人所有の用地の活用につきましては、様々、景観の課題でありますとかありますので、慎重に対応していく必要があると考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 以上で、平林英市議員の質問は終了いたしました。 ここで、2時15分まで休憩といたします。
△休憩 午後1時58分
△再開 午後2時15分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第3位、降旗達也議員の質問通告は1項目です。降旗達也議員の質問を許します。降旗達也議員。(拍手) 〔4番(降旗達也君)登壇〕
◆4番(降旗達也君) 創生みらいの降旗達也でございます。 それでは、通告に従いまして、市長の市政運営について、一括にて質問をさせていただきます。 平成30年7月、第4期の牛越大町市政が始まりました。それから3年数か月が経過し、牛越市長の任期の令和4年7月13日まで、あと半年余りとなりました。平成30年の選挙のとき、牛越市長は私の約束として、行動力・実行力・課題解決力で日本一を目指し、子育て支援と高齢者福祉に全力を尽くすと公約を掲げられていました。 選挙公報を見返しますと、「ふるさとに誇りをもつ人を育みます」「活力あふれる産業と賑わいのあるまちを創ります」「健康で安心して暮らせるまちを創ります」「豊かな自然を守り快適なまちを創ります」「市民の参画と協働のまちづくりを進めます」という5つの目標が掲げられ、市長のまちづくりの方向性が描かれておりました。この項目については、総合計画に反映され、様々な施策が計画され、展開がされております。 目標の中にある具体的な部分を見ていきますと、全ての学校でコミュニティ・スクールを進める、国際芸術祭の開催により広く情報発信し、人の流れを創出する、高校3年生までの医療費の無料化、信州花フェスタに多くの来場者を迎え、市街地でのにぎわいの創出をするなどなど、約束として掲げられ、実現してきたものが多くあります。まだ半年余りありますし、自分の評価を自分で行うことはなかなか難しいかとは思いますが、この3年半の市政運営、約束というものに対しての評価をまずお伺いをいたします。 令和2年4月8日、
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための市長からのお願いが発出され、この1年半から2年間というものは経済活動、市民活動など多くの活動が停止し、市長におかれても、約束に挙げた項目などの推進に対し、本当に大きな壁であったかと思います。第6波や
オミクロン株などという話も出てきていて、今後も非常に不安な状況が続いていくのかというふうに思います。 そこで、コロナ対策・コロナ対応ということと市民との約束という部分のバランスについて、どのようにお考えでしょうか。コロナ対策・コロナ対応という部分は、当然上位に挙がるような重大なことではありますが、選挙のときに掲げた市民との約束をどう守っていくのか、お伺いをいたします。 活力ある産業とにぎわいのあるまちという目標の中で、コンパクトシティを目指し、中心市街地での投資を盛んにすると訴えられていました。現在、大町市立地適正化計画の策定が行われ、令和5年度には大町市都市計画マスタープランの見直しなども予定がされています。私も、過日行われました大町市立地適正化計画及び緑の基本計画に関する住民説明会や住民懇談会に何度も足を運ばせていただきましたが、内容が難しいのか、市民の方々の興味も少なく、若干寂しい感じでありました。 大町市立地適正化計画の説明を聞いても、ぼわんとした感じで、20年先を見据えた大町市のまちの在り方を考えるというのは理解ができますが、具体的に何がどうなるのか分かりにくく、ある程度具体的なものがないと、市民の方も興味が向かないのかなという感じもいたしました。 そこで、市長が約束として挙げられていたコンパクトシティを目指しという部分でありますが、一体どのようなまちの形を思い描いているのか。先ほどの立地適正化計画に対する市民の方の反応もありますので、具体的にどのようなコンパクトシティを目指そうと思っていたのか、目指していくのか、お伺いをいたします。 市民の参画と共同のまちづくりの目標の中に、IoTやAIなど最新の情報技術により便利な市民サービスを提供するとあります。IoTは、インターネット・オブ・シングスの略で、「モノのインターネット」と訳されています。インターネットに物が接続されることによって、埋もれていたデータを管理したり分析を行って、質の高いサービスが生まれる可能性が高まると期待が持たれています。AIは、アーティフィシャル・インテリジェンスの略で、人工知能と訳されております。 何やら難しい横文字が並んでいて、市民の方々に伝わりにくいと思いますが、市長の思い描くIoTやAIなど、最新の情報技術により便利な市民サービスを提供するとは、どのようなことを思い描いていたのか、どのような便利な市民サービスをお考えだったのか、お伺いをしたいと思います。 健康で安心して暮らせるまちという目標でありますが、コロナ禍においては、本当に重要な部分が多く含まれていると思います。大町病院の財政の立て直しなどは、コロナへの対応によるものが一因ではありますが、職員の皆さんの非常に大きな協力をいただいて、ここまで来たという部分も大きく、成果として上がっているのかなというふうに感じております。しかしながら、約束に挙げられています子育て世代の経済負担の軽減を図り健やかな成長を支えますという部分については、このコロナ禍においてどうだったのか、いささか疑問が残ります。 令和2年の9月定例会の一般質問で、第一中学校のPTAの皆さんから、近隣町村でも実施がされているような
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて経済負担が増えている子育て世帯に生活の支援をお願いしたいという要望が出ており、当市でも近隣町村のような対応はできないのかと質問をさせていただきました。質問時の答弁は、要望を受け、市では子育て世帯への市独自の経済的支援について検討を行いましたが、結果として、国による給付金により一定の経済的支援を実施していることなどから、現在のところ、市独自の給付は見合わせることとしたということでありました。 このコロナ禍において、子育て世代がコロナで経済的負担が増えているので何とかしてほしいと声を上げたにもかかわらず、国がやっているので見合わせるというのは、非常に残念なことでありました。そういった声をしっかりと聞いて対応していくのが、この約束ではないかと考えますし、まさにこういったコロナ禍においては、非常に重要な部分だったかと思うのでありますが、市長の約束にあります子育て世代の経済的負担の軽減を図り健やかな成長を支えますというのは何を指していたのか、何を指しているのか、お伺いをしたいと思います。
北アルプス国際芸術祭2020-2021が、11月21日、無事閉幕をいたしました。アート会期51日間を全力で駆け抜けたかなというふうに思います。
新型コロナウイルス感染症の拡大の心配がある中、毎週末天候にも恵まれ、3万3,000人余りの方々が大町市の秋の紅葉と芸術祭を楽しんでいただき、無事に閉幕できたことは本当によかったと思います。 本年の6月定例会の一般質問で、市長をスキージャンプのジャンパーに例えて質問をさせていただきましたが、そのときの市長の答弁にも気象状況の話がありました。気象状況に例えるならば、今回の芸術祭の会期の設定は、今までの
コロナウイルスの蔓延状況を考えたときに、まさに一瞬の晴れ間というようなタイミングであったかと思います。 また、芸術祭閉幕のとき、市民の方から、今回の芸術祭は賛否もあるかもしれないし、課題もあったかと思うけれども、本当によくやった。特にボランティアが集まらないという中で、市役所の職員の皆さんはアートサイトに張りついて頑張っていて、本当に御苦労さまという気持ちです。市長には、職員の皆さんをしっかりとねぎらってほしいという話をいただきました。まちづくり交流課をはじめとした職員の皆さんの頑張りを市民の皆さんもしっかりと見てくれているんだなと、改めてこの芸術祭を通して知るいい機会となりました。皆さん本当にお疲れさまでした。 よかったよかったばかりだと質問になりませんので、今回の芸術祭では、食という部分が物足りなかったという声があります。コロナ禍において、食という部分は非常に厳しい部分ではあったかと思いますが、前回の芸術祭で行った飲食店等の自慢の一品などはやってほしかったいう声もあります。また、前回のときにあったような昼食難民というようなこともなかったかのように思います。 そこで、市長の約束には、芸術祭により広く情報発信し、人の流れを創出するとありますが、今回の芸術祭はどうだったのか。細かい数字等はまだ出ていないと思いますが、市長の約束は果たせたのか、また、次回芸術祭はどう考えているのか、お伺いをいたします。 ここまで、牛越市長が4期目の選挙のときに掲げられた約束について質問をさせていただいてきました。初めにも話しましたように、市長の任期が令和4年7月13日となっており、選挙ということになりますと、6月の末か7月の最初になるのではないかというふうに思います。この12月定例会が終わる頃には、残り半年ということになってきます。 市長が約束として掲げたものの中にも、実現した部分、あと少しで実現可能な部分、もう少し頑張らないといけない部分、時間がかかる部分などあるかと思います。100%全て掲げたことが実現すれば、本当にすごいことだと思いますが、残された半年という時間の中で、約束の実現に向けて、今後どのように市政運営をされていくのか、お伺いをいたします。 当然ながら、あと半年の任期中には、どうにも結果が出ないこともあります。例えば、コンパクトシティの推進についても、大町市立地適正化計画などの各計画はできるかもしれませんが、市長の思い描いているコンパクトシティへの進捗などは見届けることができません。また、国際芸術祭についても、今後も続けていくのか、次回はいつやるのか、実行委員会組織と行政の関係はどうするのかなどの検討要素があったり、何より、任期中に次回の芸術祭を見届けることはできません。 あと少しで実現できそうな約束の実現やコンパクトシティの進捗、国際芸術祭を通したシビックプライドの醸成など、市長の思いとして、道半ばという部分もあるかと思いますが、それらの実現を目指し、今後もこの大町市を引っ張っていくというお気持ちはあるのでしょうか。 特に国際芸術祭に対しては、市長は以前の一般質問の答弁で、本当に粘り強い、そして一過性ではない取組が必要だということは、何よりも大事な視点ではないかと思う。例えば、新潟県十日町市の越後妻有の大地の芸術祭においても、3回目までは市民の皆様の参画もなかなか限られていた、しかし、3回目以降は、それまで反対していた人でさえも運営に携わるような、そうした大きな変化が表れたというふうに言われている。それと同時に、それから爆発的に来訪者も増えたとおっしゃっていました。 継続していくことで成果が上がってくるということだと思いますが、やはり始めてしまった人間の責任として、大地の芸術祭でも言われている3回目というものを見届ける責任があると思います。3回目の国際芸術祭を市長として見届けるお気持ちはあるのか、お伺いをいたします。 3年半の市政運営、選挙時の約束に対しての評価、今後の市政運営並びに次期大町市政についてのお気持ちについてお伺いをいたしましたが、ぼわんとした答弁ではなく、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 降旗達也議員の持ち時間は残り25分であります。 降旗達也議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) これまでの市政の運営について、御質問に順次お答えいたします。 初めに、市政運営と公約に対する評価はとのお尋ねでございます。 私は、平成30年7月、市民の皆様の負託を受け、以来、市民の市政への参画と協働の理念の下、市の再生を目指し取り組んでまいりました。 市政の推進に当たり、私のまちづくりの思いは、平成29年度にスタートした第5次総合計画に集約されており、この基本構想に示す5つのまちづくりのテーマを私の約束として、刻一刻変化する社会情勢を踏まえ、基本理念に「人を育てる」を掲げ、将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向け、市民が輝くまちづくりを一歩一歩、着実に進めてまいりました。 まず、人を育む分野では、コミュニティ・スクールの推進により、地域の特性を生かした魅力ある学校づくりを進めるとともに、子育て世代に対する総合的な支援の充実に努めました。また、市民の芸術文化活動への支援のほか、スポーツに親しむ環境の整備に力を尽くしてまいりました。 次に、産業振興では、私自身が県内外の優良企業を訪問し、経営トップに直接要請するなどにより、豊かな水資源を活用する国内有数の飲料水や食品製造の工場誘致に結びつけることができました。 移住・定住の促進では、他に先駆けて様々な奨励策を創設するなど、積極的な施策の展開に努め、まち・ひと・しごと創生総合戦略と相まって、一定の効果が表れてきたものと考えておりますが、現下の人口減少対策には、なお一層力を注ぐ必要があるものと考えております。
北アルプス国際芸術祭では、単に誘客を図るための一過性のイベントではなく、来訪者が当市の豊かな地域資源の魅力を体感することにより市の認知度の向上につなげるとともに、市民の皆様がふるさと大町のよさを再確認し、愛着と誇りを持つ機運の醸成にも寄与するものと考えます。 次に、安心・安全なまちづくりでは、大町病院の経営健全化を支援し、地域医療の維持・向上に力を尽くしましたほか、高校生までの医療費無料化の実現を図りました。 また、市民生活と産業の基盤整備では、広域一般廃棄物処理施設の建設や道路などの都市インフラの整備を着実に進めたところであります。とりわけ、地域の40年余にわたる悲願、松糸道路の推進では、市街地区間について、幅の狭いルート案等が示される段階にまで進んでまいりました。 最後に、市民の参画と協働では、積極的にまちづくりに取り組む市民活動団体が増えてきており、大変心強く感じております。一方、協働のまちづくりに大きな役割を果たす自治会は、高齢化などに伴い、加入率の低下など新たな課題も生じております。 第5次総合計画の行政評価におきましては、順調とおおむね順調との評価を合わせ、全体の91.4%の項目が計画どおり進捗しているとの結果となっております。 人を育む施策は、地域の皆様との連携を深めることで種をまき、交流を重ねることが水や肥料をやることとなり、長い年月をかけ、ようやく花が咲き、この息の長い取組の先に実り豊かな成果が結実するものと考えております。今後も人づくりを軸として、第5次総合計画に位置づけた様々な施策により、地域で活躍する人を育て、市の将来像の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、コロナ対策と市民との約束についてのお尋ねでございます。 過去に例のないウイルスの蔓延により、当市の基幹産業であります観光業をはじめ飲食業などを中心に地域経済が受けた景況は、予想以上に極めて重く、大きなものと受け止めております。また、現下のコロナ感染症の拡大による景気・雇用情勢の悪化など、社会情勢は急激な変化と長期化の様相を呈しており、まずは感染症の拡大防止や医療体制の充実など、市民の命を守ることを最優先に取り組むことが肝要と考えております。 このような状況の中で、具体的な取組をより見える化した
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランに基づき、市民の皆様と共に困難を乗り越え、新たな生活様式に根差した市の再生と持続可能なまちづくりを目指す取組を進めてまいりたいと考えております。 この再生プランの策定に当たりましては、国や県の緊急経済対策における施策の枠組みと第2期総合戦略における基本的な方向性や目標を基本として、新しい生活様式に資する要素を加え、事業の展開や手法を検討いたしております。このため、市の取り組んでおりますコロナ対策の全体像、おお
まち再生プランは、市の基本理念や将来像、また、進むべき方向性を掲げた市民との約束の具体策であり、第5次総合計画前期基本計画など、市の上位計画との整合が図られているものと考えております。 次に、コンパクトシティについて、どのような姿を目指していくかとの御質問にお答えいたします。 当市をはじめ多くの地方都市では、急速な人口減少と少子高齢化が進行する中、これまで一定の人口集積の下で支えられてきた医療や福祉をはじめ、子育て支援や商業等の生活サービスの提供が困難になることが懸念されております。当市では、これらの課題への対応とともに、将来のまちづくりの基本的方向性などを平成26年に改定した大町市都市計画マスタープランに示しております。 そこに示す都市構造の基本的な考え方は、駅前を中心とした市街地周辺を中心的拠点とし、都市機能の集積を図るとともに、既存の集落が形成されている周辺地域を生活拠点と位置づけ、地域住民の日常生活に必要な機能の向上を図り、将来持続可能なコンパクトな居住環境の形成を目指すこととしております。また、現在策定を進めております立地適正化計画は、この実現を目指すための具体的な計画でございます。 議員お尋ねのコンパクトシティが目指す姿は、まず、地域全体の都市像として、単に一つの地域に全ての機能を集約するのではなく、それぞれ多彩で個性豊かな地域の歴史的な成り立ちやコミュニティを大切にしながら、それぞれの拠点を公共交通で結ぶ連携・共生する都市の姿であります。 また、中心拠点におけるコンパクトシティとして目指す姿は、大町駅を交通の拠点とし、中心市街地を含む都市機能誘導区域に医療・福祉施設や商業施設などを集積し、利便性を向上することにより居住を誘導し、ウオーカブルな歩いて回れるまちを形成することとします。これにより、緑地による潤いやにぎわいの創出を図り、子育て世代から高齢者まで誰もが住みやすく、さらには災害に強い安心・安全なまちを思い描いているところでございます。 次に、IoTやAIなどによる市民サービスの提供について、お尋ねにお答えします。 公約に掲げた当時、情報通信分野では、日常生活や産業面などの様々な場面でIoTやAIの活用が始まっており、将来的には、こうした高度情報通信技術を活用することにより、一層市民サービスの向上に資するものと認識しておりました。そのため、庁内では、若手職員を中心に大学や企業と連携して、IoT技術を活用した有害鳥獣対策や、AI技術を活用した高齢者の健康増進や見守りの検討に取り組んでまいりました。また、GPSを利用した登下校時の児童の見守りなど、市民との協働による実証実験を進めており、こうした取組は、利便性の高い新たな行政サービスの提供につながるものと考えております。 現在、国においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)を一層加速化することとしており、こうした時代の潮流を背景としてDXに取り組み、新たな住民サービスを実現しなければならない時代になっております。当市におきましても、自治体テレワーク実証実験に参加し、災害時においても行政サービスを維持するためのシステム構築やAIによる会議録作成システムの導入などを進めております。 今後も引き続き、最新の情報通信技術を活用して、行政手続のオンライン化やペーパーレス化を推進し、行政事務の効率化と市民サービスの向上に努めてまいります。 次に、子育て世代の経済負担の軽減についての御質問にお答えします。 市政運営におきましては、子どもは将来の大町市を託す宝であり、健やかな成長を支援する施策を市の基本に位置づけ、これまで安心して子育てできる環境整備に努めてまいりました。殊に子育て世代の経済的負担の軽減では、国の給付金等の早期支給に努めるほか、市独自の施策として、子ども医療費の助成の18歳への拡大や出産祝い金の支給のほか、3歳時や入学時に子育て家庭を応援する商品券の給付など、途切れることのない支援に取り組んでまいりました。 また、子どもの健やかな成長を支えるため、昨年、連携自立圏事業として大町病院内に病児保育施設を開設したほか、本年4月に設置しました子ども家庭総合支援拠点を中心に、児童センターや保健センター、教育委員会、福祉課などが相互に連携を図り、育児など様々な悩み事に対応できる体制の強化に取り組みました。 確かに、議員御指摘のように、必ずしも市民の皆様の御希望に全てお応えすることは、時々の状況から、また、例えば現金給付の手法など、なかなか困難な部分もありましたが、今後も引き続き、子育て世帯をはじめ市民生活への経済的な影響を重視しつつ、子育て支援に力を尽くしてまいります。 次に、国際芸術祭による情報発信と次回の開催について、お尋ねにお答えします。 芸術祭の期間中、セントラルショップ内に、来場者がお住まいの場所にシールを貼った日本地図が掲出され、これを見てみますと、全国40の都道府県にシールが貼られ、また、地図の周りには、楽しかった、ありがとうなどのメッセージがびっしりと書き込まれておりました。また、県内他の地域から全体の42%、1万4,000人もの方々が来場し、新聞紙上にも市外の方々からお褒めの投稿が幾つも掲載されました。 お尋ねの情報発信につきましたは、県外向け広報を9月中旬にようやく再開したことや、11月に入っても県境をまたぐ旅行に慎重であったことを考えますと、約25%の方が県外、広い範囲からお越しいただいたことは、多様なメディアやSNSによる情報発信に一定の効果があったものと思います。また、人の流れの創出につきましても、おおむね達成できたものと考えております。 次回の開催につきましては、私自身、新潟県の大地の芸術祭などの状況をうかがう中で、議員が御指摘のありましたように、アートが持つ強い力により地域のよさを引き出し、魅力を発信するには、継続的に取り組むことが重要と、これまで考えてまいりました。今回の開催結果の分析はこれからであり、議会をはじめ多くの皆様の御意見をいただき、検討していくことが必要であり、現段階では申し上げることは差し控えたいと考えております。御理解いただきたいと存じます。 次に、今後の市政運営についてのお尋ねでございます。 今後5年間の後期基本計画の策定におきましては、コロナ感染症の蔓延というこれまでに例のない社会情勢の大きな変化を的確に捉え、将来を見通し、各分野の施策に反映していくことが重要な視点であると考えております。また、時代を大きく変える転換点との認識の下で、DX(デジタルトランスフォーメーション)への積極的な取組や、
ウィズコロナ、アフターコロナを展望した市民生活への支援や積極的な経済対策のほか、持続可能な社会の実現に向けたSDGsの視点を具体化し、社会・経済・環境の3つの側面から包括的な取組を進めてまいります。 また、新たな過疎地域持続的発展計画に基づき、恵まれた自然環境、個性豊かな地域文化や観光資源を最大限に活用し、地域の持続的な発展に力を尽くしてまいります。 これらの施策の推進に当たりましては、限られた経営資源を有効かつ効果的に活用するため、事業の選択と集中とともに、中長期的な施策の展開に向け、重点的に取り組むものや分野横断的に取り組むものを重点施策として、後期基本計画に位置づけてまいります。 現下のコロナ禍におきましては、新たな視点と戦略的な取組の下で、市民の皆様の声に耳を傾け、市の将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向け、全力を尽くしてまいる所存でございます。 最後に、第3回の国際芸術祭を市長として見届ける気持ちはあるかとのお尋ねでございます。 平成29年度から令和8年度を計画期間とする第5次総合計画を策定し、基本構想に定めた将来像の実現に向け、これまで全力でまちづくりを進めてまいりました。この間、人口減少、少子高齢化の進展に加え、
新型コロナウイルス感染症による景気・雇用情勢の悪化など、市政を取り巻く社会情勢は急激に変化し、これまで以上に、持続可能な自治体経営と地域特性を生かしたまちづくりが求められております。 国際芸術祭では、あらゆるイベント・行事が中止となるコロナ禍において、徹底した感染対策と大勢の皆様の御支援と御協力により、3万人を超える御来場の皆様に、作品の鑑賞とともに大町市の魅力を十分御堪能いただけたものと考えております。3回目の芸術祭の開催につきましては、私自身、これまでもトリエンナーレにより定着したいと希望を述べてまいりましたが、改めて多くの皆様の御意見を伺い、判断すべきものと考えております。 この激動の時代において、様々な地域課題の解決に向け、さらに一歩でも前進できますよう、4期目の残された期間を全うすべく力を尽くし、職責を果たしてまいりたいと考えております。また、私自身の進退につきましては、なお十分思慮を尽くしてまいりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。降旗達也議員。
◆4番(降旗達也君) 市長のほうから、るるお答えいただきまして、ありがとうございました。 進退につきましては、今後、思慮を尽くして考えていきたいというようなお答えだったかと思います。 本当に、任期いっぱいまで全力で全うするんだ、当然のことでありますし、当然選挙があることですので、続投がどうかということも分からないと思います。本当に、しかしながら、今までこうやって一生懸命、人口減少とか経済の再生とかを引っ張ってきた市長が、まだ周りの意見を聞いてやっていきたいという部分、気持ちは分かりますけれども、私、一番大事な部分は、一生懸命やってきた牛越市長、牛越徹が、私はこうしていきたいんだと、私はこう思っているんだということが、何よりも大切なことだと私は思っています。 当然、周りの人の意見を聞くことは、一番大事な部分なのかもしれないですけれども、それ以上に、私がこのまちを引っ張っていきたいという、そういった思いがあるかないかという市長の最終的な思いという部分が、私は一番大事な部分だと思っていますけれども、そういった部分、最後に、繰り返しになるかもしれませんけれども、もう一度お答えをいただければと思います。よろしくお願いします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 議員御指摘のとおりと思います。 まず、私が大勢の皆様の意見を聞きながら進めていきたいというのは、私の進退においてもそうですが、ふだんの行政事務、あるいは施策の在り方一つ一つについて、多くの皆さんの意見を聞く中で、しっかりしたぶれることのない、そうした軸を定めていきたいという考え方からでございます。 今後、この任期を全うする中で、先ほど思慮を尽くしてまいりたいと考えたのは、やはり一生懸命、自分の考え方を整理する中で、自ら主体的にこのような提案をするから、このような対応するというような確固とした、そんな決断をしてまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。降旗達也議員。
◆4番(降旗達也君) 分かりました。 本当に、前回の選挙で、9,077人の方が牛越徹と名前を書いていただいたと思います。ぜひとも、その方々も、市長、今後どうしていくんだという部分、早くはっきりしてほしいといった思いも、多かれ少なかれあろうかと思いますので、なるべく早く、当然考える時間は必要かと思いますけれども、一日も早い決断をしていただいて、前回入れていただいた9,077人の市民の皆さんの声にしっかりと応えていただけるように、一日も早い判断をしていっていただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(二條孝夫君) 以上で、降旗達也議員の質問は終了いたしました。 ここで、3時10分まで休憩といたします。
△休憩 午後2時53分
△再開 午後3時10分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第4位、宮田一男議員の質問通告は3項目です。宮田一男議員の質問を許します。宮田一男議員。(拍手) 〔9番(宮田一男君)登壇〕
◆9番(宮田一男君) 日本共産党大町市議団の宮田一男です。 通告に基づき、福祉対策について、
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路について、難聴者対策について、3点について順次お伺いします。 最初に、福祉対策についてお伺いします。 今年もあと僅かとなりました。厳しい冬を迎える時期となりましたが、過去に例のない規模での原油の高騰が続いており、住民生活や営業などで経済的な負担が増加していることから社会問題になっています。そして、市民の皆さんは、
新型コロナウイルスの感染によって厳しい生活を余儀なくされている上に、原油の高騰で、これからの生活がどうなるのか、不安の中で生活しています。 経済的な理由から暖房を節約することは、乳幼児のいる世帯、高齢者や病気の方々、介護をしている世帯などにとっては、命と健康に影響を及ぼす危険があります。また、
新型コロナウイルスやインフルエンザの感染拡大の要因になる危険性も否定できません。 このような中、政府は、11月19日に閣議決定したコロナ克服・新時代開拓のための経済対策において、エネルギー価格高騰への対応の中で、最近のガソリン、灯油、軽油、重油、LPG価格等の高騰を踏まえ、地方公共団体が生活困窮者に対する灯油購入費の助成など、原油価格の影響を受けている生活者や事業者を支援するために行う原油価格高騰対策に対し、特別交付税措置を講ずるとしています。 金子総務大臣も会見で、支援を行うとしています。また、市内の団体からも、福祉灯油の実施を求める陳情が提出されています。大町市として、福祉灯油を制度化し、生活困窮者等への助成をすることを求めて、最初の質問とします。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 宮田一男議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 福祉灯油を制度化し、生活困窮者へ助成できないかとの御質問にお答えいたします。 昨今の原油価格の高騰により、11月期の平均灯油価格を昨年同期と比較した場合、18リットル当たり約500円の価格上昇となっており、議員御指摘のとおり、市民生活への影響が懸念されております。特に、これから冬を迎えることから、市では市民税非課税世帯のうち、高齢者のみの世帯や身体や知的障害を有する方の世帯、母子・父子世帯などを対象に灯油代の助成を行うことを既に検討しており、現在、本定例会への追加上程に向けた準備を進めております。 なお、福祉灯油の制度化につきましては、現在のところ検討しておりませんが、今後もこうした場合に価格変動の状況を注視する中で、必要に応じ対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 生活困窮者対策として、いち早い取組に敬意を表したいと思います。 ちょっと質問したいと思います。対象、規模、そして方法はどうなのか、その点について具体的に御回答ください。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 対象は市民税非課税世帯で、生活保護世帯でありますとか、要は生活困窮にあると言われる方、母子・父子世帯も含めていると、高齢者世帯、高度の介護認定を受けている世帯など、るるあります。また、上程の際に御案内させていただきたいと思います。 それと、予定している給付方法ですけれども、1世帯当たり1万円、対象世帯には1万円の現金給付を予定しているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) ありがとうございます。 福祉灯油を実施する場合において、国は特別交付税措置をするとしておりますが、市の財政状況も考慮すると、県からの財政支援も必要です。県に対して財政支援の要望を行う考えはありますか、お聞きします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 福祉灯油の実施に当たり、県に対して財政的支援を要望する考えはないかとの御質問にお答えいたします。 今回検討しております生活困窮者に対する灯油購入費の助成につきましては、議員御指摘のとおり、国から特別交付税措置による財政支援を行う方針が示されております。寒冷地において、冬期間の暖房の燃料である灯油を安定して購入できることは、命を守る上で必要であり、その財源として国や県から支援が得られることは、市の財政上ありがたいことではありますが、今回の国の措置につきましては、市町村に対するものと考えられ、仮に県に対する措置が検討されるような場合には、御提案について必要に応じ検討してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 長野県には、御承知のとおり、77市町村があります。財政力の弱い自治体を後押しするたにも、県が国に上乗せして補助を実施するように働きかけるべきであると考えますが、県市長会長として、牛越市長、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 県の市長会長としてお答えする立場には、この場ではないんですけれども、まず一つは、国の財源措置が、先ほど部長が御答弁申し上げましたように、多分、基礎自治体に配分されるのではないかということが考えられます。 もし仮に、県にも同じような措置が得られれば、県からも当然、給付を求めることについては変わりはございません。ただ、特別交付税というのは地方交付税の中で、地方財政計画で総額が決められていて、そのうち、総額の6%が特別交付税として枠になっています。この分野に仮に、いわゆる地方における需要額が増加する、配分額が増えるということになれば、総額が増えない以上、ほかの分野で配分が削られる、そうした仕組みになっていることも、併せて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 私の言ったのは、県費、国から来る中から各市町村に分けるのではなくて、県費の中から市町村に補助すべきではないかということで申し上げたわけであります。ぜひ県にも強力に要請をしていただきたいと思います。そして、市として、高齢者やひとり親世帯への助成が行われるとのことですけれども、まずは緊急の対策として実施していただきたいと思います。 また、制度化については、今後も検討すること、財源の確保については国や県に働きかけることを求めて、次の質問に移りたいと思います。
地域高規格道路松本糸魚川連絡道路についてお伺いします。 本年9月、大町市街地区間、幅の細いルート帯の設定と評価項目の設定について、大町建設事務所より、市内4か所において説明会が行われました。私は全会場に参加し、市民の方々からの意見を伺いました。様々な意見が出されましたが、これらを受けて、大町市としての課題は何であると考えているのか、最初にお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 松糸道路について、市として課題は何かとのお尋ねにお答えいたします。 松糸道路の大町市街地区間につきましては、本年9月に県より3つのルート帯案が示され、市内3地区、計5回の説明会が開催されたところでございます。 説明会では、市民の皆様から様々な御意見が出されており、まず事業計画に関しましては、この道路は必要との意見がある一方で、多額な建設費用がかかることなどから、計画そのものを懸念する意見もございました。また、事業の進め方に関しましては、住民への周知不足を懸念する意見や現段階での環境影響調査の実施などの意見をいただいております。 ルート選定に関しましては、ルートへの疑問や道路整備に伴う集落の分断を懸念する意見、木崎湖以北の計画案についての要望が上げられております。さらに、比較評価に関しましては、道路整備によって景観等がどのように変化するか、イメージを示してほしいとの要望が上げられております。 市といたしましては、こうした市民の皆様の景観や地域への影響も重要な視点と考える一方、計画段階において、これらの市民の皆様の不安や懸念を少しでも軽減していくためには、まず事業に関して、いかに市民の皆様に分かりやすく理解していただくかについても課題の一つと認識しております。このため、今後の進捗状況に応じて、段階的に県からの正確な情報の発信について、県との連携を一層密にしながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 市民の皆さんの声に真摯に応えることが必要だと思います。言い訳のための説明会やパブリックコメントであってはなりません。 私は説明会以降に、
地域高規格道路について、農業関係団体の方とお話をする機会がありました。役員の皆さんからは、なぜ西ルートなのか、優良農地を横断する、米から果樹に転換し、将来に向け植栽しているところだ、営農計画が狂ってしまうとの御意見をお聞きしました。 そこで、
地域高規格道路の建設による農業関係者への影響や配慮などについて、市の見解をお聞きします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 農業関係者への影響についてのお尋ねにお答えをいたします。 これまで市では、松糸道路の整備に当たり、農業環境の維持・保全は不可欠であるとして、優良農地の減少に配慮し、豊かな田園景観を残すよう、県に申し上げてきたところでございます。 今後、道路整備に伴い、農地の分断や形状の変更などにより、営農計画の変更を余儀なくされる場合も想定されます。このため、道路整備によって影響を受ける農地については、区画の修正など、今後さらに具体的な課題が明らかになった時点で、解決の方策をしっかり検討していく必要があるものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 大町市でも農業後継者の確保、これは緊急の課題です。そして、農業は大町市の基幹産業です。優良農地を保全し、後継者を確保し、農業経営を守らなければ、どんなに便利な道ができても、大町市の未来はありません。 次に移ります。 平成15年8月7日、長野県は、国土交通省の
地域高規格道路の構造要件の見直しに基づいて構造規格の見直しを行いました。主な内容は、サービス速度はおおむね60キロ、車線は2以上、現道活用可能です。市民からは、道路の構造について、なぜ盛土なのか、景観が悪くなる、オリンピック道路がある、大原のクランクを直してもらえばいいのではないかとの声がありますが、市の考えはいかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 市街地区間における現道活用についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、国は高規格道路の要件を緩和し、現道活用を可能としております。しかしながら、当該道路につきましては、幅員や線形が高規格道路としての構造基準を満たしておらず、沿道からの出入りを制限することも困難とのことから、求められるサービス速度の時速60キロメートル以上を確保することが難しいと理解をしております。 このため、議員御提案のオリンピック道路を松糸道路の現道活用区間として利用することは、市としては困難と考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 市民は、生活道路の改良、これを望んでいます。そして、大町の豊かな自然環境を守れ、これが多数の声です。 長野県景観育成計画では、北アルプスの山並みに平行する国道147・148号の沿道が景観形成重点地域に指定され、安曇野から白馬、小谷に至る北アルプスを展望できる地域が一帯となり、きめ細やかな景観づくりが進められているとし、国道147号・148号沿道景観育成重点地域景観計画では、この区間においては眺望を確保しつつ、周辺の田園景観に調和した沿道空間が育成されるように配慮していくことが必要ですとしています。 また、大町市都市計画マスタープランでは、環境土地利用における課題の中で、本市が魅力ある自然環境や田園・農村風景、歴史環境に恵まれた地域であることを改めて市民が意識を共有し、計画的な保全や整備により後世に継承してくための取組が必要ですとしていますが、これらの計画と今回の計画のルートとの整合性についてどう考えるか、市のお考えをお聞きします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 県の景観計画や市の都市マスとの整合性についての御質問にお答えをいたします。 現在、県の景観計画では、国道147・148号が景観形成重点地域に指定をされ、北アルプスの眺望をはじめ、沿線の良好な景観育成に努めていく方針が示されております。また、当市の都市計画マスタープランにおきましては、松糸道路のルートをまちづくりの観点から、眺望や景観をはじめ、中心市街地や東側地域の振興に向け、市街地東側と通るルートが最適と想定してきた経過がございます。 これまで県は、景観保全をはじめ、市が都市マスで想定したルートの観点、これに加え、さらに多くの観点や御意見等を踏まえた総合的な評価を段階的に示しながら、約2か年をかけ、昨年2月に市街地西側を通るルート帯を最適と位置づけており、これらの理由から、市の計画における観点との整合は図られてきているものと理解をしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 今説明ございましたが、私は今回のプランと、自然環境の保全と観光振興を掲げる大町市都市計画マスタープランとは大きな乖離があると考えています。 次に移ります。 木崎以北の国道沿線の方からお聞きしました。今でも振動がある、早くいい道を造ってくれ、そして、生まれたときからここに住んでいるので気にならないとも言っていました。しかし、高速化となれば、振動被害が心配されます。全てのルートの案の最終が木崎です。木崎以北のルートが示されていませんが、木崎以北のルートの課題、これは何であるのか、市の見解をお聞きします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 木崎以北のルートの課題についての御質問にお答えをいたします。 木崎以北のルートに関し、県は平成20年に、現道である国道148号を活用することを方針とし、昨年度から基礎的な調査を実施していると聞いております。 議員御指摘のとおり、現在、木崎以北の国道沿いは、稲尾や海の口、簗場などの集落が連担するほか、木崎湖をはじめ、JR大糸線などが近接しているなどの地形的な制約があり、これらの課題を十分勘案した計画の立案が必要と認識をしているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 木崎湖トンネル以北の道路状況を見ますと、稲尾から簗場に至る間で改良が必要との声をお聞きしました。特に中綱に進入する信号機がありますが、路面凍結時に大型トラックが停止すると、急坂で発進できず、渋滞が発生するとのことです。構造要件の見直しにより現道活用が可能となっているわけですので、ほかに代替ルートのない稲尾から簗場に至る既存国道の改良、これを最優先課題にすべきではないでしょうか。市の見解をお伺いします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 国道の改良を最優先とすべきではないかとの御質問にお答えをいたします。 国道148号は、産業・経済における基幹道路して、さらには地域の皆様の生活道路として、議員御指摘のとおり、現状、代替ルートのない極めて重要な路線であると認識しております。市はこれまで、国道の整備期成同盟会を通じ、危険箇所や交通事故の多発箇所の早急な改良について、国や県に対し積極的に働きかけてきており、今後も引き続き、安心・安全な道路環境の整備に向けた取組を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 行政として、現在市民が困っている問題の課題解決に最善を尽くすべきだと考えます。 次に、昨年9月1日の松本市民タイムスによりますと、昨年8月30日の住民説明会がございました。安曇野市の宮澤宗弘市長は、堤防の強化や景観への配慮を県側に要望する考えを示して、地域住民はもとより、県と協力して、ルート沿線の住民や地権者の一層の理解と協力を得るよう丁寧な説明を心がけると述べたと報道されています。 安曇野市の説明会は、安曇野建設事務所と安曇野市が連名で主催し、市長も参加し、出席し、市民の質問に回答しています。大町市の説明会は、大町建設事務所の主催で、進行は市職員が行っていますが、大町市が市民の疑問に答えるような説明会にはなっていません。私も参加した説明会には、市長は参加していません。 市長は自らのこととして、市民の声に応えるべきではないでしょうか。市長にお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 松糸道路の調整をめぐって、市民の声を私自身が自らお聞きすべきとの提言にお答えします。 これまで安曇野市の新設整備区間につきましては、ルート案の選定をめぐり、長年にわたり膠着状態が続く紆余曲折を経ながら、最終的に、今御質問にありましたように、県と市が相互に連携・協力して、約4キロメートルに及ぶ新設区間の絞り込みが完了し、本年8月にこの区間について、着工や、あるいは完成までの具体的な目標時期が示される段階になってきたと理解しております。 一方、大町市の市街地ルートに関しましては、これまでの答弁でも申し上げてまいりましたように、国のガイドラインに沿って、県と市が連携して、段階的な
コミュニケーションプロセスを通じて、手順を踏んで、市議会や市の都市計画審議会、また地域の皆様からの御意見をいただき、検討を進めてきた経緯がございます。今後も引き続き、県と市が一丸となって、段階ごとに丁寧に御意見を伺い、その都度、課題を整理しつつ、ルートの絞り込みを進めていくこととしております。 また、市長としての説明会出席につきましては、安曇野市では市長はルートの最終決定の際に出席されたものと承知しており、こうしたことを踏まえ、絞り込みの過程におきまして、市長としての私が判断すべき事項や時期がまいりました時点で、市民の皆様に直接御説明し、あるいは調整を図ることも必要と考えております。今後もきめ細かな対応に努めてまいりますので、この点について御理解いただきますようお願いいたします。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 今、市長の答弁のとおりなんですが、決定以前からも、やはり市民の声を真摯にぜひ聞いていただきたいと。そして、市民の代表として、市民の声を酌み上げて県に要望することを求めてまいりたいと思います。 次の質問に移ります。 難聴者対策についてお伺いします。 今回この問題を取り上げたのは、今まで普通の声で話していても聞こえていたのに、大きな声を出さないと聞こえない人が増えてきたからです。中には補聴器を使っている方もいますが、多くの方は使っていません。なぜかと考えると、本人は困っていないんです。自覚しにくいんです。話しかけられたことに気がつかなければ、本人は困りません。テレビの音が小さければ大きな音にすればいい、家族以外と話すことがない、ですから必要ない。では、困るときはどういうときかというと、家族以外と話すときです。 地域の高齢者で、ここ数年、シニアクラブや趣味の会に出かけることを避けるようになった方がいます。家族に聞きますと、めったに外出しないので、認知症が進んでいるとのことです。一方、私の知人で独り暮らしの高齢者、これは90歳以上の方ですが、数年前まで車の運転をしていました。この方は、本人が聴力の低下を自覚して、補聴器を使って会話も十分できました。数年前の免許の更新時に認知症のテストをしたそうですが、90点だったそうです。医療的見地からも、補聴器購入時の補助制度の創設ができないかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 高齢の難聴者に対する補聴器購入の補助制度創設についての御質問にお答えいたします。 現在、聴力に障害があり、身体障害者手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法による補装具給付として、補聴器の購入支援を受けることができます。また、18歳未満で身障手帳交付の対象とならない児童に対しましては、県の地域福祉総合助成金を活用し、軽度・中等度難聴児補聴器購入助成事業を実施しております。こうした中、加齢性難聴による身体障害者手帳取得と補装具給付は、近年、増加傾向にあります。 議員御指摘のとおり、高齢者の皆様が社会との関わりを持つことは、生きがいを持って生活する上で大切なことであり、市としましては、地域で行われている介護予防教室等の機会を通じ、状況の把握に努めますとともに、中度・軽度の難聴者に対する支援の在り方について、今後慎重に研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 厚生労働省の令和2年度老人保健健康増進等事業において、自治体における難聴高齢者の社会参加等に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究が行われて、報告書では5つの提言がされています。自治体として難聴高齢者を把握し、適切な補聴器利用に向けた対策が必要とのことです。 そして、加齢性難聴は気づかないうちに進行して、適切な支援や受診につながらないために、補聴器の所有率が低い現状があります。日本補聴器工業会の調べですと、補聴器の所有率は、全人口に占める難聴者率11.3%の1,430万人に対して、所有者は14.4%の210万人です。では、欧米はどうかといいますと、イギリスは41.1%、ドイツは34%、フランスは30.4%です。日本は欧米に比べて極端に低くなっています。 さらに、補聴器購入の動機について、聞こえが悪くなる、耳鼻科医やかかりつけ医からの推薦に次いで、価格が購入動機となっています。認知症予防対策として、補助制度の導入と補聴器の所有者を増やすことができないか、再度お伺いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 認知症予防対策として補助制度を創設すべきとのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のとおり、昨年度、国が実施した難聴高齢者の社会参加等に向けた補聴器利用と効果に関する研究報告書には、早期発見や医療機関への受診勧奨と専門医との連携の仕組みづくりをはじめ、適切な補聴器利用などのために補聴器相談医等の周知など、5つの提言がされております。 高齢者は、人との会話や趣味の仲間との交流などの社会参加により認知症予防が図られることが想定されますことから、この提言に基づく地域での仕組みづくりについては検討してまいりたいと考えております。 なお、認知症予防対策としての補聴器購入に係る支援の在り方につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) WHOの基準では、41デシベル以上は補聴器をつけることが推奨されています。41デシベルというのは、時々人の言うことがちょっと聞き取れないというレベルです。基本的には聞こえるけれども、かなり聞き取りづらくなってきているのが41デシベルです。 そのレベルで、WHO(世界保健機関)が補聴器をつけたほうがいいと言っているのは、そのレベルを放っておくと、さらにひどくなるということと、そのままいくと認識できない音が増えてくるということです。ですから、その段階で補聴器をつけたほうが音の認識が保てる。決して軽いうちからつけたほうがいいというようなことじゃなくて、41デシベル以上からつけるべきだとWHOが言っているのは、そういう意味があると考えます。 ですから、身障者に該当しないが聞こえづらい若年層も対象として補助制度にできないか、高齢者だけではなくて、できないかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 若年層への補聴器の補助制度についての御質問にお答えいたします。 一般に、早期の補聴器使用については、聴力低下を防ぐ点で有効であるとの見解もございます。このため、若年層への支援についても、日常生活の質の向上を保つ上で有益であるとして、市では18歳未満を対象として、軽度・中等度難聴児補聴器購入助成事業による支援を実施しております。 なお、対象者以外の若年層への支援につきましては、高齢者の支援と同様に、その在り方について研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 全国の自治体では、補聴器の補助制度、これを導入する自治体が増えています。長野県では今年に入って、南牧村で導入をいたしました。この制度は、高齢者だけではなくて、聴覚障害による身障手帳を所持していない者で、18歳以上の住民を対象としています。非常に画期的な制度であります。 大町市も身障者に該当しないが、難聴に分類される若年層から支援することによって進行を遅らせる手だてを講じることが、将来の医療費抑制にもつながると考えます。他市に先駆けて、南牧村と同様の補聴器購入補助制度、この導入を求めますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 18歳以上を対象とした補助制度導入について、御質問にお答えいたします。 先ほど来、御答弁申し上げましたとおり、補聴器の早期使用の必要性につきましては認識しておりますが、市が単独で支援策を実施するということになりますことから、財政的な観点からも現時点では難しいものと考えております。市としましては、今後地域の状況の把握に努めますとともに、必要に応じ、国・県に対して、現在講じられております支援策の拡充について要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) ちょっと紹介をしたいと思うんですが、今、世界のコロナ感染状況を発表しているアメリカのジョンズ・ホプキンス大学、毎日感染者の数を累計しているところですが、研究では、高齢者の難聴を治療せずに放置すると、うつ病や認知症、さらには転倒の危険性が高まり、医療費の増大をもたらすおそれがあるという研究が一つあります。 それから、もう一つの大学では、同じアメリカのブルームバーグ公衆衛生大学院の研究、これによりますと、難聴を未治療のままでいる高齢者は、健聴の高齢者より10年間の医療費、これ平均で46%も高い、こういう研究もあるんです。ですから、今は負担になるかもしれないけれども、将来的な医療負担が下がるという点からいえば、この制度はぜひとも導入していただきたいと思います。 そして、先ほど部長も言いました、高齢者の社会参加を促進する、そして認知症も予防できる、医療費の軽減も図れる、三方丸く収まるこの制度、最初はお金かかるかもしれませんが、将来的な医療費の負担軽減のためにもぜひ導入することを求めて、質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、宮田一男議員の質問は終了いたしました。 ここで、4時5分まで休憩といたします。
△休憩 午後3時50分
△再開 午後4時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第5位、太田昭司議員の質問通告は2項目です。太田昭司議員の質問を許します。太田昭司議員。(拍手) 〔5番(太田昭司君)登壇〕
◆5番(太田昭司君) 皆さん、こんにちは。公明党の太田昭司でございます。 それでは、通告に従いまして、1、子育て・子ども支援について、2、
文化芸術振興について、大きく2点にわたり質問いたします。 先月の11月20日は、世界子どもの日でありました。1954年に、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、国連によって制定されました。そのちょうど5年後の1959年の11月20日は、児童の権利宣言が採択され、さらに、その30年後の1989年の11月20日には、全ての子どもに人権を保障する初めての国際条約となる子どもの権利条約が国連総会で採択されました。日本は1994年に批准しております。 世界中の子どもたちの幸福を願い生まれた子どもの権利条約でありますが、長引くコロナ禍にあって、今、この権利条約の目指す姿とはあまりにもかけ離れた状況が子どもたちを襲っております。 そのような中、つい先日、11月29日に、子どもに関わる政策について議論するための有識者会議が報告書をまとめ、岸田首相に提出いたしました。この報告書の中で、幾つもの重要な指摘がなされております。特に私が第一に重要と感じたのが、子どもの視点、子育て当事者の視点に立った政策立案が重要であるとの指摘であります。現に、この有識者会議は、小学生、中学生、高校生、大学生、また児童養護施設などの子どもたちに直接ヒアリングを行っております。 また、2つ目に重要と感じたのは、子どもや家庭が抱える様々な課題に対し、制度や組織による縦割りの壁、年度の壁、年齢の壁を克服した切れ目のない包括的な支援が重要であるとの指摘であります。 また、3つ目に、待ちの支援から予防的な関わりを強化するとともに、必要な子ども・家庭に支援が確実に届くよう、SNSなどを活用したプッシュ型支援、また、アウトリーチ型支援、すなわち訪問支援に転換していくべきであるとの指摘でございます。 そこで、お聞きいたします。 大町市として、今回の有識者会議の報告書を受けて、大町市の子どもに関する政策を立案していく上で、これらの指摘をどのように反映していくべきとお考えか、お聞きいたします。 以上で第1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 太田昭司議員の質問に対する答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) 子どもに関わる政策について論議をする政府の有識者会議で提起された重要な指摘について、今後市が子育て政策を進めていく上で、どのように反映させていくかとの御質問に総合的にお答えをいたします。 報告書では、子ども・子育ての当事者の視点に立った政策の重要性や(仮称)子ども基本法の制定などが求められており、政府は今回の報告書に基づき、こども庁の運営に関する基本方針を取りまとめると聞いております。本報告書では、これまでの子ども政策は、行政、学校や児童養護施設など、大人の視点、制度や事業を運営する者の視点を中心にしていた面は否めないと指摘しております。 その上で、政策決定過程に子どもや若者の意見を反映させることや、子どもが抱える課題に対し、制度や組織の縦割りや年齢の壁を超えた切れ目のない政策を行っていくことを提言しており、また、必要な子どもや家庭に支援が確実に届くよう、訪問支援等を実践し、緊急時のSOSについても確実に伝えるよう求めております。さらに、今後取り組むべき施策として、子育てや教育に必要な経済的負担の軽減、家庭教育への支援、子どもの安全確保のための環境整備などが挙げられております。 これらの指摘は、行政がこれまで進めてきた教育や子育て支援に関する政策全般に共通した課題であり、市といたしましては、今後推進する子どもに関する施策について、子どもや子育てを担っている保護者の当事者としての意見や要望を最大限尊重することを基本としてまいります。 また、様々な要件が重なる複合的な課題に対しては、縦割りや年齢の壁を超えた切れ目のない包括的な支援策を策定することといたします。さらに、貧困対策やヤングケアラー対策については、必要な支援が必要な子どもや家庭に確実に届くよう、SNSなども活用しながら、能動的で、いわゆるプッシュ型の取組に転換をし、スピーディーで確実な取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 今後の大町市の子ども支援について御答弁いただきました。御答弁にも言っていただきましたとおり、有識者会議の指摘を踏まえた、今後の子どもたちへの支援の充実をぜひお願いしたいと思います。 ただいま教育長より御答弁いただきましたので、子育て支援課として、また福祉課としてのお考えについても聞きしたいと思います。民生部長にお聞きしたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) ただいまの御質問に関しての民生部の見解はとのお尋ねでございます。 子ども・子育て支援につきましては、これまでも保健センターでありますとか教育委員会、子育て支援課などが、それぞれ役割を分担して、専門性・機能性を生かしつつ、子どもの成長段階または特性に応じた切れ目のない支援を取るよう努めているところでございます。本年度からは新たに、子育て支援課内に子ども家庭総合支援拠点を開設しており、関係機関との情報の共有でありますとか連携体制の強化を現在も進めているところでございます。 こうした中、このたびの報告書におきましては、様々な観点による提言がされておりますが、民生部局といたしましても一層、先ほど教育長からもありましたが、子どもや保護者の意見・意思を尊重するということを基本と置き、まず、既に動かしております子ども家庭総合支援拠点の機能強化、また要保護児童対策地域協議会の連携性なども十分図りながら、時代に即した、また提言に即した対応について、積極的に検討してまいりたいというように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ぜひ子どもたち、また当事者の声をお聞きしながら、縦割りの壁を超えた包括的な支援の充実をぜひよろしくお願いいたします。 ところで、小学生、中学生、高校生など、本来ならば学業に専念すべき年代の子どもたちが、病気や障害のある家族を介護しているケースが増えております。いわゆるヤングケアラーと言われる子どもたちであります。正確には、本来は大人が担うと想定されるような家族の世話・介護などを日常的に行っている18歳未満の子どもたちを指します。 国としても、既に昨年度において、中学2年生と高校2年生を対象に実態調査を行っており、その結果を基に、国や幾つかの自治体が支援に乗り出しております。 長野県におきましても、この9月に調査が行われまして、11月に調査結果の報告がありました。県内においても一定のヤングケアラーが存在し、また、今回の調査の数字には表れてこない潜在的なケアラーがさらに多く存在しているのではとの専門家の声もございます。また、さきに触れました子ども政策の推進に係る有識者会議の報告書の中でも、ヤングケアラーの早期発見と包括的な支援体制の整備の必要性に言及しております。 このヤングケアラーの実態について、大町市はどのようにお考えか、まずお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁。教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) ヤングケアラーの実態についてのお尋ねにお答えいたします。 家族が病気であるなどの事情から、通常は大人が担うべき介護や家事を未成年者が行っているヤングケアラーについて、公立の中学校、高校を対象に厚生労働省と文部科学省が行いました実態調査では、中学校で46.6%、全日制の高校では49.8%の学校にそうした生徒が存在し、家族の世話に費やす時間は、長い生徒では1日に7時間に達しており、中学、高校とも、世話をしている相手は兄弟姉妹が最多で、該当する生徒のうち7割以上が、家族の代わりに幼い弟や妹などの世話をしている結果が出ております。 また、公立高校を対象に、先般長野県が行った実態調査でも、世話をしている家族がいると回答した生徒が全日制で2.1%、定時制で3.8%あったとされております。 ヤングケアラーは、年齢や当事者の成長を超えた重い責任や負担を負うことで、本人の成長や教育に大きな影響を及ぼすなどの課題がございますが、家庭内でのデリケートな問題を内包しておりまして、本人や家族に問題の自覚のないケースも多く、支援が必要であっても、なかなか表面に出にくい状況にあるものと思われます。このため、社会全体で課題を共有し、様々な分野が連携したアウトリーチによる心の通った支援が重要だと考えてございます。 現在、県におきましても、プロジェクトチームを立ち上げ、具体的な支援策を検討しておりますので、その動向を注視しながら、市におきましても実態を把握し、教育行政、そして子育てなど関係する分野が連携しまして、配慮の行き届いた施策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ただいま具体的な数字をお聞かせいただきまして、長野県においても決して看過できない状況であることがよく分かりました。このような全国的な、また長野県内のヤングケアラーの現状を鑑みまして、ぜひ大町市としても、大町市のヤングケアラーの実態について調査を実施するなど、何らかの形で実態を把握して、支援に乗り出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) ただいまの大町市でもヤングケアラーの実態調査を行いまして支援を行うべきとの御質問にお答えいたします。 ヤングケアラーは、先ほども申し上げましたとおり、家庭内のデリケートな問題もあり、本人や家庭に自覚のないケースも多く、支援が必要であっても表面化しにくい状況にあるものと思われますが、早期に実態を把握することが大変重要でございますので、市におきましても、小・中学校の児童・生徒を対象とする実態調査の実施について、教育行政と子育て行政が連携し、検討してまいりたいと考えてございます。 また、家庭内の介護や育児を担っている児童や生徒からの相談や心のケアにつきましては、スクールソーシャルワーカーやカウンセラーなどが対応しておりますが、引き続き心の支援に努めるとともに、今後は、該当する家庭への配慮の行き届いた支援についても取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ぜひよろしくお願いいたします。本来、勉学に励み、また友人関係をつくるという人生の基礎を築く貴重な10代を子どもたちが有意義に過ごせますよう、また教育委員会、子育て支援課、福祉課、また関係部局の皆様に、ヤングケアラーに対する包括的な支援をぜひよろしくお願いいたします。 ところで、コロナ禍にありまして、学生、特に大学生たちの生活にも大きな影響が出ております。非常に悲しいことに、コロナによる影響で学費が払えずに、退学や休学に追い込まれている学生たちが既に昨年から多く出ております。今年は昨年よりも増えていることが分かりました。最新の情報によりますと、今年4月から8月の間に、コロナの影響で中退せざるを得なかった大学生、短大生、専門学校生は、全国で701人いるということが分かりました。また、コロナを理由に休学をしている学生は何と4,418人おり、昨年と比較して1,741名も増えております。中退・休学を合わせますと5,000人を超えております。 学生たちは、コロナによりアルバイトを見つけることが難しくなっており、経済的に非常に厳しい状況に追い込まれております。各大学なども授業料の減免や納付の猶予などを行っているようですが、それでも学生たちの経済的な支援として十分ではないということであります。また、コロナ禍にあって、家族が経済的に厳しい状況の中、奨学金を借りてまで学校に通い続けることをためらう学生も少なからずいることと思います。 そこで、奨学金を借りながら学生生活を送っている学生たちのために、将来奨学金の返済を肩代わりしてくれるような制度があれば、学生たちにとって、また御家族にとって、これほどうれしいことはないと思います。 今、全国の自治体の中には、地元企業と連携をし、地元企業に就職した学生の奨学金を肩代わりする取組を行っているところが増えております。ぜひ大町市でも、同様の取組を行うことはできないでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) 奨学金返済のための支援についてのお尋ねにお答えいたします。 当市の奨学金制度につきましては、向学心が高く、学力があるにもかかわらず、経済的な理由によって就学が困難な状況にある学生・生徒に対し、高校生には月額1万5,000円、大学生などには月額3万円を貸与しまして、貸与期間の2倍範囲で無利子で償還する内容となっております。また、特に学力が優秀で経済的に困難な学生につきましては、卒業後、貸与期間の2倍以上市内に居住するなど条件を満たした場合に、償還を必要としない特別奨学金の制度を設けております。 最近の利用状況につきましては、昨年度は新規の一般奨学生1人にとどまり、本年度は新規の一般奨学生及び特別奨学生ともになく、現在継続している一般奨学生と特別奨学生はともに2人ずつというような状況でございます。 議員御提案の地元企業との連携による奨学金の返還支援につきましては、地域の中小企業等の人材の確保や若い世代の定住促進につながる有効な手段と考えますが、他市の事例では、地域の企業等が雇用した従業員に返済相当額を手当てし、その他の方法で手当てする方法やその他の方法で支給し、その費用について自治体が補助する内容となっております。 当市の制度は、日本学生支援機構をはじめとする国・県の施策を補完するもので、他の奨学金の貸与を受けている場合は対象外としており、御案内の制度とは趣旨がやや異なることから、新たな市の支援策として、他の部局とも調整を図りながら、総合的な検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 企業と連携した奨学金についてお聞きいたしました。 奨学金とは本来、どんな家庭状況にある子どもであっても平等に勉学にいそしむことができるための制度でありまして、あくまで子どもの人権、学生の人権を守るための制度であります。その上で、大町市と企業との連携で奨学金を学生の代わりに返済するという制度により、大町市で育った子どもたちが大町市を出た後、大町市へ戻ってきてくれるのであれば、これほど私たち大町市民にとってうれしいことはありません。企業との連携による奨学金の返済制度、早期に実現することを心より願っております。 子育て・子ども支援についての最後の質問になります。 コロナ禍において、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わってしまいました。また、どんな時代であっても、子どもたちが自分らしく輝いて生きる権利があり、その権利を守るために最大限のことをしていく責任が私たち大人にはあるはずです。 未来の大町市を託すべき子どもたちのために、今私たちに何ができるのか。様々な課題を抱えるコロナ禍の子どもの支援について、また、先ほど触れました子ども政策の推進に係る有識者会議の報告書に対する見解も含めまして、最後に教育長にお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(荒井今朝一君) 有識者会議の報告書を踏まえた子どもたちへの今後の支援についてお答えいたします。 先ほど御答弁申し上げましたが、この報告書は67ページにも及ぶ長大なもので、多様化・複雑化する社会環境に加え、コロナ禍という新たな問題が生ずる中、家庭環境や生育歴、社会との関わりや教育現場の指導などで、様々な課題を抱えた子どもたちを支援するためにどのような政策かまとめたもので、一般の方々の具体的な声等も多数載せられております。 報告書では、子どもの視点から課題を十分把握し、地域社会の協力も得て、あるいは情報機器なども効果的に活用しながら、早期に的確な支援を行うことの必要性が明記されております。また、少子化を改善するための経済的支援や、出産前後から幼児期、就学まで一貫した切れ目のない支援、さらには、子どもたちの心のケアの重要性などについても指摘をしております。 来年の就学児童が、当市の場合、170人程度まで減少する一方で、教育支援の対象児童が49人に上る、この現状を顧みますと、幼児から義務教育、さらには義務教育終了後までつながる一貫した指導体制を早急に整備をし、この報告書でも指摘をされております子どもたちの視点に立った早期で的確な支援の実現に向けて一層努力してまいりたいと、そのように存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 教育長より今、子ども・子育て支援に対する御答弁、思いをお聞かせいただきました。 昨年来のコロナ禍にありまして、子どもたちを取り巻く状況は大きく変わりました。子どもたちにとっても非常に生きづらい環境になっております。本当に悲しいことに、子どもの虐待や子ども、若者の自殺も後を絶ちません。どうか子どもたちが誰一人置き去りにされることなく、希望を持って生きていけるよう、子育て・子ども支援の包括的な取組をさらに強化いただけますよう、よろしくお願いいたします。 続きまして、次の質問に移ります。 去年から延期となっていた第2回
北アルプス国際芸術祭が、様々な困難を乗り越えて、ようやく開催されました。まずは、
北アルプス国際芸術祭が無事故で、そしてコロナの感染者を一人も出すことなく終えられましたこと、心よりお喜び申し上げます。 初めに、今回の芸術祭の開催状況についてお聞きいたします。 今回はコロナ禍での開催となったわけですが、そのような中、どのような御苦労があったのか、またどう克服されたのか、また反省点、また前回よりもよかった点等、現在検証できる範囲でお答えいただけたらと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部参事。 〔総務部参事(田中久登君)登壇〕
◎総務部参事(田中久登君) 今回の芸術祭の開催状況についてお答えします。 まず、来場者は、51日間のアート会期におきまして3万3,884人、居住地別では、市内からが33%、市内を除く県内からが42%、県外からが25%となっております。 議員御指摘のとおり、コロナ禍での開催ということで、専門家の知見と御協力により感染防止対策の徹底を図り、安全・安心を最優先に、閉幕まで緊張感を持って慎重に対応してまいりました。 苦労した点は数多くありますが、最も大きなものは、やはり感染防止対策の徹底でした。体温計やアクリルパネル、消毒液など設備面の調達もさることながら、受付での検温、健康チェックシートの記入、サイト内の定員管理などオペレーションが増え、お客様にもお手数をおかけし、時には入場をお待ちいただくこともありました。 また、感染リスクの面からは、バスによりグループで移動するオフィシャルツアーもなかなか実施できない状況が続き、加えて、9月末に
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が解除となったものの、多くの企業や学校などでは11月に入るまで、県境をまたぐ移動に慎重な姿勢のままであったことから、誘客には大変苦労することとなりました。 一方で、このような状況にありましたことから、短期間ではありましたが、県内への誘客・広報を強化したことが功を奏し、県内からは4割を超えるお客様に御来場いただき、集客を下支えできたこと、そして県内での知名度の向上が図られましたことは、ある意味で、災い転じて福となす結果とも言えるかと存じます。 地域経済への影響等につきましては、経済効果の調査が進められておりますので、効果額等の詳細をお示しできるのは今後となりますが、前回と比べよかったと思われることとして、一例を挙げますと、今回はセントラルショップやアートサイト周辺で地域の商品が販売されたということもありまして、売上げが伸びたというふうに聞いております。 今後、年明け以降、様々なデータを収集し、評価・分析を行い、しっかりとした総括をしてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 今回の芸術祭ですが、コロナの感染者も一人も出すことなく、また、このコロナ禍におきまして、3万人の来場者をお迎えできましたこと、これは私は大成功であったと思っております。大変な中、芸術祭に携わられた皆様には心より感謝申し上げます。 さて、今回の芸術祭の来場者の比率を見ますと、前回よりも大町市民の比率が多くなっております。確かにコロナの影響もあり、県外の来場者は当然減っているわけではありますが、前回の市民の来場者が1万2,000人であり、今回は、コロナ禍にかかわらず1万1,000人以上、前回とほぼ同数の市民が芸術祭を鑑賞しております。これは、コロナ禍にあっても、市民の皆さんの芸術祭に対する期待は非常に大きかったと言うこともできると思いますが、市としてどのように分析をしているのか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) コロナ禍におきましても市民の皆様の鑑賞が多かったことに対する分析について、質問にお答えいたします。 詳細な分析は今後となりますけれども、議員御指摘のとおり、今回は多くの市民の皆様の御来場が開幕直後からあり、芸術祭を大きく支えていただいたことを実感しております。これは肌感覚ではありますけれども、今回は御家族連れ、また御夫婦で鑑賞される市民の皆様の姿が多く見受けられました。特に御家族連れでは、会期前の9月に学校単位で作品の一部を鑑賞した小・中学生が会期に入り、家族と共に再度鑑賞しに来場する様子が多く見られました。 また、芸術祭の公式グッズのトートバッグ、あるいはタンブラーなどをお買い求めいただく市民も多く、芸術祭のブランディングが前回以上に市民の皆様にも受入れられたというように感じております。このことは、市民の皆様御自身に楽しんでいただくと同時に、芸術祭の開催が市民の皆様に根づき始め、浸透が図られることにより、シビックプライド、地域への愛着の醸成にも寄与するものと期待をしているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 御家族連れが多かったということを、私も同様の感触を受けております。 今回はコロナ禍ということで、県外のサポーターが非常に少ない中、市の職員の皆さんを中心に、県の職員の方々にも御協力をいただき、運営をされておられました。職員の皆さんの団結力、また組織力には非常に感銘を受けました。大変にお疲れさまでございました。 さて、第2回目の芸術祭が終わったばかりでもあり、詳細な検証は今後、時間をかけて行っていく段階にあるとは思いますが、今回の開催から受ける感触としまして、次回の開催の可能性や時期について、市長の見解をお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 次回の開催の可能性、時期についての御質問にお答えいたします。 来場された皆様の反応、マスコミやメディアの評価、協賛企業の皆様の反応などを見ますと、
北アルプス国際芸術祭が持つ発信力や集客力は大変大きく価値あるものということが、市民の皆様にも、ある程度共有いただけたのではないかというように考えております。 そして、アートが持つ力により、大町市のよさ、こういったものを引き出し、魅力を広く伝えていくというスタイルが人々の交流を促進し、大町ファンを増やすことができる力を持っていることを改めて実感しているところでございます。また、回数を重ね継続していくことにより、ブランディングの強化が図られ、その効果が一層発揮されるものと考えております。 一方で、今回はコロナ禍でもあり、延期を重ねたイレギュラーな開催となりましたことは、御承知のとおりであります。まずは、しっかりとした総括をする中で、実行委員会並びに市議会など多くの皆様の御意見をいただきながら、今後の方針を決めていきたいというように考えております。そのため、現段階ではお答えすることができないことを御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大変によく分かりました。今後、芸術祭についての詳細な検証が待たれるところであります。 昨年来のコロナ禍によりまして、日本中のあらゆる業界が大打撃を受けました。飲食業、宿泊業など観光業界、そして、文化芸術の業界も同じく甚大な影響を受けております。その中にあって、国際芸術祭によりまして、多くの芸術家のための活動の舞台が生まれました。また、来場者によって市内がにぎやかになり、飲食店等の活性化にもつながったとの市民からの声もお聞きしております。ぜひ、大町市が進める文化芸術のまちづくりが今後も引き続き継続されることを心から願っております。 さて、第8回日本美術展、いわゆる日展が東京都の国立新美術館において、10月末から11月にかけて開催されました。今回の日展には、ここ大北地域から何と8名の作家が入選し、大町市内に限っても、何と6名の方が入選しております。これはまさに、大町市の文化芸術史上の快挙といってもいいほどのものであります。 しかし、今回の出来事は、あくまで多くの大町市民の取り組んできた数え切れないほどの芸術活動の成果の象徴であり、大町市には多くの他の優れた芸術家がおられるのであります。その意味で、これまで文化芸術を愛する多くの市民が長い年月をかけて取り組んでこられた活動の成果が、今ようやく目に見える形となって表れてきたわけであり、大町市が文化芸術のまちとして成熟してきた証左と言えるのではないでしょうか。また、内外に自信を持って、大町市は文化芸術のまちであると言えるときが来ている、そのように確信しております。 そこで、これまでの大町市の文化芸術の取組についてお聞きしたいと思います。 特に、大町市民による文化芸術の発表の機会について、また、市内の
文化芸術活動や団体に対して、どのような支援を行っているかについてもお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) 市民による文化活動発表の機会や芸術文化活動に対する支援の実態についてお答えをいたします。 御指摘のとおり、本年の日展において、当市在住の芸術家6名が入選をされたことは誠に喜ばしい限りであり、市民全体にとりましても誠に名誉なことと思います。 当市の文化活動の総合的な発表の場といたしましては、大町市文化祭がございます。本年度は、市内6地区の公民館等を会場に、10月23日から11月14日まで開催をし、大町地区では美術作品のほか、菊花展等も含めて約2,000点の出展をいただきました。文化祭に合わせ実施した市民芸能ショーをはじめ、文化会館大ホールにおいて開催した市民が主役のエンターテインメント、大町市民芸術祭では、7月のミュージックサマーや11月のダンスライブ、ハーモニーコンサートを合わせて33団体410名に出演をいただきました。 文化会館での公演は、舞台セットやスタッフの確保などに多大な労力と作業を要しますが、出演する市民の皆様が大ホールのステージ立つことにより、日頃の練習の成果を十分に発揮され、さらに向上される機会となることを願い、可能な限り御支援をいたしているところでございます。このほか、舞台発表といたしましては、毎年3月には、市が育成に努めております芸術文化協会の発表の場として「はばたきの集い」が開催をされ、多くの団体から発表していただいており、少年少女合唱団は文化会館の外郭団体として、また、例年の雪形まつりは実行委員会を組織して、それぞれ育成に取り組んでいるところでございます。 絵画や美術工芸の活動を発表する機会といたしましては、御案内のとおり、本年度は国際芸術祭に合わせて、文化会館でベストセレクションを開催し、さらに、ギャラリーいーずらでは約2か月間にわたり、10団体から秋の特別作品展の開催をいただきました。また、山岳博物館では常設で山岳絵画を展示をしており、図書館のギャラリーでも本年度、地元ゆかりの作家の企画展を4回開催し、多くの皆様から鑑賞いただきました。 こうした市民による芸術文化の活動への支援につきましては、芸術文化協会への補助金交付のほか、市が共催する事業については必要に応じて負担金を支出しており、さらに、文化会館大ホールにつきましては、市内の文化団体や公民館の登録団体が主催する無料公演に対しましては使用料等を減免するなど、様々な面から支援に努めているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大町市では、市民による
文化芸術活動が非常に活発であることがよく分かりました。 私も市の文化祭は毎年楽しみでありまして、市民の文化活動あるいは発表会には、なるべく足を運ぶようにしております。ぜひ今後も市民の文化活動への深い理解と、また、さらなる支援の充実を願うものであります。 ところで、現在、池田町の北アルプス展望美術館において、大町市の芸術家の皆さんと大北地区の芸術家の皆さんによる「北アルプスの里コネクト展」が開催されております。これまで大北地区内の芸術家の方々が、このように連携をして展覧会を開催することはあまりなかったように感じますが、新しい動きが始まっているように感じます。 今、このような芸術家による新たな動きが見られる中、芸術家の皆さんが常に作品を展示できる場・施設が求められているように感じられてなりません。ぜひ大町市に、芸術家の皆さんの活動を支えるための十分な広さと大きさを持った施設を造ることはできないでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) 芸術活動を支援するため、常設展示できる会場を整備できないかとの御質問にお答えいたします。 現在市内には、ギャラリーいーずらのほか、文化会館や山岳博物館などに展示スペースを設けており、昨年度からは、図書館のロビーもギャラリーとして活用し、それぞれの施設の特徴を生かして展示の場を設けておりますが、現在のところ、御提案のような常設の会場は設けておりません。 御提案のような常設の展示会場の新設につきましては、過去にも幾度か検討されてまいりましたが、空調やセキュリティー、照明などを含めますと、相当額の費用が必要となることから、専門委員会の答申を得て、現在のギャラリーいーずらを活用することとした経緯がございます。現状では、直ちに新設することは困難であることを御理解いただきたいと存じます。 しかしながら、今後、学校再編に伴い、空き校舎等が生じてまいりますので、跡利用などの一環として総合的に検討することも方向性の一つかと考えているところでございます。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 先日、私も北アルプス展望美術館の開催中の「北アルプスの里コネクト展」に行ってまいりました。すばらしい作品に圧倒されると同時に、美術作品を見せるための専用の施設の必要性を痛感いたしました。大町市にもこんな美術館があったらと思わずにはいられませんでした。 今後、今御答弁にもありましたとおり、小・中学校の統廃合により廃校になる学校の建物を市の美術館として改修することも含めまして、ぜひ検討いただきたいと訴えさせていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 今、子どもたちの教育に果たす文化体験や自然体験の大きな役割が注目されております。このたび、厚労省と文科省が、2001年に生まれた子どもたちとその保護者2万人を対象に行った調査によりますと、文化体験や自然体験を多く経験した子どもほど自尊感情が高くなり、その体験が少ないほど、自尊感情も低くなるとの結果が発表されました。 これまでも私は、子どもたちが文化芸術に触れる機会を増やしていただきたいと議会で提言をさせていただきましたが、今回の調査結果を受け、さらにこのことを強く訴えたいと思います。今回の
北アルプス国際芸術祭においても、子どもたちがどのように関わったのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。また、参加した子どもの様子もぜひ伺いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部参事。 〔総務部参事(田中久登君)登壇〕
◎総務部参事(田中久登君) 芸術祭における子どもたちの関わりについて、御質問にお答えします。 芸術祭では学校授業の一環として、8月以降、児童や生徒のためのアート鑑賞会を開催してまいりました。8月から9月前半は、コロナの第5波の影響で中止せざるを得ませんでしたが、9月中旬以降は、市内小・中学校5校の約800人の児童・生徒の皆さんに芸術祭を鑑賞していただきました。 また、9月中旬には、八坂中学校の全校生徒の皆さんが、台湾の作家ヨウ・ウェンフー氏の「心田を耕す」という作品の制作に取り組み、約2万本もの竹ひごを植える作業をしていただきました。この作品は、多くの来場者が訪れ、感動を与える人気の作品となり、子どもたちの記憶にも残るよい機会となりました。 また、会期中には、市外から原村の小学校、池田町の高瀬中学校の皆さんも鑑賞に訪れていただきました。鑑賞にはスタッフが必ず同行しておりましたが、子どもたちは私ども大人のようにフィルターを通して物事を見ることをせず、予備知識を持っていないため、子どもの持つみずみずしい感受性そのままに、作品とそのある場所から素直にその魅力や面白さを感じ取り、目を輝かせていました。私もスタッフとして同行しておりましたが、子どもたちのこうした姿が大変印象的でありました。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 芸術祭に子どもたちがどのように関わったのか、よく分かりました。また、子どもたちの様子、声もお聞かせいただきまして、ありがとうございます。ぜひ今後も出来得る限り、子どもたちが文化芸術に触れる機会をさらに増やしていただきたいと思います。 さて、大町市が文化芸術のまちとして大きく飛躍しようとしている今、さらに市民の
文化芸術活動を支え、また、市民の豊かな心を育む上で大きな役割を果たしている文化活動を推進するためにも、ぜひ大町市として、
文化芸術振興基本条例を制定することを再度提言したいと思います。いよいよ市民の文化芸術に対する意識は高まり、機は熟しているものと感じます。いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁。教育長。
◎教育長(荒井今朝一君)
文化芸術振興基本条例の制定についての御質問にお答えいたします。 平成13年に
文化芸術振興基本法が制定され、文化芸術の振興に関する地方自治体の責務が明文化をされました。その後、29年には、文化芸術基本法に名称が変更され、観光やまちづくりをはじめ、幅広い分野と連携した総合的な施策の推進を盛り込むとともに、地方自治体は国の推進基本計画に基づき、独自に推進基本計画の策定に努めることなどが明文化されました。 こうした背景を踏まえまして、各地で文化芸術の振興に関する条例が制定されており、県内では長野市、松本市、中野市の3市で条例が制定され、11市町村で振興計画が策定をされております。 文化芸術の振興が市民の融和や活力の増進につながり、産業や福祉、教育など幅広い分野について大きな効果をもたらすことは、これは誰もが理解をいただけるものと思いますが、条例の制定が単なる形式的な宣言に終わることなく、市民活動としての文化芸術の振興につなげていくことが大変重要だと考えております。このため、
北アルプス国際芸術祭やベストセレクションなど、今回の成果を的確に分析をし、市民全体の意見を十分見極めながら、庁内の各部局とも調整を図り、条例制定や計画策定について総合的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 市民の文化意識が高まりつつある今、文化的なまちづくりを進める上でも、しっかりとした基本理念が必要と感じます。理念と方向性をしっかり示すことで、計画的に文化政策を進めていくことができます。また、文化政策は今後、持続可能なまちづくりのための大町市の重要政策となるはずであります。ぜひ今後も条例制定を前向きに検討していただきたいと訴えまして、最後の質問に移ります。 市民の
文化芸術活動は、いよいよ活発になり、文化芸術に対する市民の意識は高まっているものと実感いたします。第2回目の
北アルプス国際芸術祭の成功を受け、大町市が名実ともに文化芸術のまちとして飛翔していく今、いよいよ大町市民の文化活動をどのように支えていくお考えであるのか、市長の見解をお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 今後の市民の皆様の文化活動への支援について、御質問にお答えします。 人生に彩りを持たせ、人々の心を豊かにするためには、
文化芸術活動が果たす役割というものは極めて大きなものがあり、平和で穏やかな、そして、心身ともに満たされた潤いのある私たちの生活に不可欠な要素の一つでございます。 議員の御質問にありました
北アルプス国際芸術祭は、定住人口や観光、消費の拡大などにどの程度の効果があったか、総括的な評価は待たねばなりませんが、実質的に3万3,000人以上の方の御来訪をいただき、コロナ禍の中での開催としては、一定の成果につながったものと考えております。とりわけ、多くの市民の皆様に先進的で国際水準の現代アートを鑑賞いただき、同時に開催されたベストセレクションや文化祭などの身近な他の文化イベントを含め、芸術祭や文化に理解を深めていただく機会となりましたことには、大きな意義があったものと考えております。 この成果を今後の芸術文化の振興に結びつけていくためには、市民の皆様が個人あるいは仲間と共同して進める自発的な
文化芸術活動を様々な面から支援し、創造する喜びと感動を相互に分かち合い、市民全体が共有することが重要であり、これにより協働のまちづくりにつながっていくものと考えております。 このため、今後、芸術文化の活動の拠点や、先ほど御質問にありました芸術文化活動の拠点や発表となる場の施設・設備の充実に努めますとともに、引き続き広範な分野の指導者の派遣等の事業を含め、芸術文化団体の育成を図り、芸術文化のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 市長より、大町市民の文化活動に対する支援、また文化振興についてのお考えをお聞きいたしました。 私も、
文化芸術活動に携わる多くの市民の方々と交流をさせていただいております。20代の方から、また90代の方まで、皆さんが生き生きと輝いておられます。この充実した潤いのある生き方、生活というものは、お金があれば実現できるものではありません。それは、文化芸術が生み出す創造性のなせる業であると信じます。 この文化芸術が生み出す力は、大町市が進めるSDGs、そして低炭素社会の実現に寄与するとともに、豊かで幸福な市民生活の実現にも大きく寄与するものと信じるものでございます。市の
文化芸術振興策のさらなる充実を願いまして、私の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、太田昭司議員の質問は終了いたしました。 会議を継続します。太田議員は自席にお戻りください。
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△日程第2 財政事情公表
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○議長(二條孝夫君) 日程第2 財政事情公表を取り扱います。 財政事情公表につきましては、お手元に配付されている資料のとおりであります。 この件につきまして、何か御発言はありませんか。 〔発言する者なし〕 御発言がありませんので、この件は以上とします。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日は、これをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。
△散会 午後4時58分...