◆5番(
太田昭司君) 陳情第7号 第2回
北アルプス国際芸術祭の中止を求める陳情について、不採択との
委員長報告に賛成の立場から討論を行います。
新型コロナウイルスの
感染拡大から1年以上が過ぎました。まさにこの激動の1年間において世界では多くの出来事がありました。
アメリカではこれまで長年にわたり、
白人警官により無抵抗の
黒人たちが暴力を受け、そして多くの黒人の命が奪われてきました。そして昨年5月25日、
黒人たちの怒りが爆発する出来事がありました。それは、
アフリカ系アメリカ人である
ジョージ・
フロイド氏が
白人警官により首を抑えつけられ窒息死するという事件であります。この事件こそ、
ブラック・ライブズ・マター運動として知られる、全米に広がるデモの発端となるものでありました。 実は、このデモが広がった背景にはアートの力があったのであります。それは、
ジョージ・
フロイド氏ほか、
犠牲者たちの肖像画を公共の壁や地面に飾ることで、彼らの肖像画がいわゆるイコン、つまり、デモの象徴になったのだといわれております。 また、昨年6月には、ホワイトハウス前の16番街の上に、巨大な
ブラック・ライブズ・マターの16文字が黄色でペイントされました。この
ストリートアートは、その後も各地へ飛び火していきます。
一般質問でも触れましたが、コロナの感染が世界中で拡大し始めた昨年3月、ドイツの
文化大臣は、アーティストは、今、
生命維持に必要不可欠な存在であると断言しました。
生命維持に不可欠であると言っているのであります。あらゆる障害や困難、そして命にも及ぶような危険を乗り越える生きる力を引き出すもの、それが
文化芸術であると言っているのであります。これまで権力に対し泣き寝入りするしかなかった
アメリカの
黒人たちに、団結と勇気を与え、闘う力を与えたものも芸術でありました。 また、市長も、私の質問に対する御答弁で引用されました
都倉文化庁長官のメッセージの中でも、これまでの
新型コロナウイルス感染症との過酷な戦いの中で明らかになったことは、このような未曾有の困難と不安の中、私たちに安らぎと勇気、明日への希望を与えてくれたのが文化であり芸術であったということです。
文化芸術活動は、断じて不要でもなければ不急でもありません。そのような状況であるからこそ、社会全体の健康や幸福を維持し、私たちが生きていく上で必要不可欠なものであると確信していますと、このように宣言しているのであります。 今回の陳情の中で、芸術祭を中止し、浮いた予算と人員を
コロナ対策に振り向けることを求めております。これは全く矛盾した内容ではないでしょうか。
文化庁長官も言われているように、コロナによって不安と恐怖の中にある市民の皆さんに安らぎと勇気を与えるものこそ
文化芸術なのであります。私たちに生きる力を与えるものこそ
文化芸術なのであります。また、この1年間の
コロナ感染拡大による大町市の観光や飲食業、
交通事業者への影響は計り知れません。その大町市の経済の再生を目指し、元気な大町市を取り戻すためにこそ、
北アルプス国際芸術祭を開催するのであります。その
経済効果は、第1回目の芸術祭で既に明らかであります。つまり、私たちに生きる力を与え、生活の基盤となる経済の再生を促す芸術祭こそ最大の
コロナ対策の一つと言えるのであります。 今、
ワクチン接種が大町市でも進められておりますが、今後の市民の
接種状況とコロナの
感染状況をしっかり勘案しながら準備を進めていくべきであります。 今すぐに芸術祭の中止を決定するタイミングにはありません。その上で、芸術祭の開催に際しては、
感染症対策を十分に行い、安全を確保することは何よりも重要であります。市民や来場者、そして
受入スタッフ等の安全・安心を最優先にし、
感染症対策に細心の注意を払い、開催に向けて最善の努力をするべきであることはもちろんであります。 この第2回目の芸術祭は、
コロナ禍により打撃を受けている
市内経済への幅広い
経済波及効果を生み出し、持続可能な
地域づくりを実現すること、そして、徹底した
感染症対策のもとで開催される新たな
生活様式に則した
イベントモデルとして広く認知度を確立することを目的としています。そしてこの芸術祭は、本年県内で開催されるイベントとしては最大級のものであり、その
経済効果は大きく、市の再生にとって大きな
チャンスとなることは間違いありません。
ワクチン接種も順調に進み、市の
経済再生の
チャンスが目前に迫る今、やるべき
感染症対策を十分に行った上で、国内そして県内の
感染状況をしっかり鑑みながら、場合によっては開催の時期の延期等も考慮に入れつつ、
北アルプス国際芸術祭の準備をぜひ進めていただきたいと訴えまして、本陳情不採択への
賛成討論といたします。議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 次に、
平林英市議員。 〔10番(
平林英市君)登壇〕
◆10番(
平林英市君) 陳情第7号 第2回
北アルプス国際芸術祭の中止を求める陳情を本会議で採択することに賛成の立場で討論いたします。
新型コロナによる
感染拡大は、大町市内においては小康状態になっていますが、感染力が一段と強いと言われている変異ウイルスの拡散が懸念されます。芸術祭による人の流れが増えることにより、市内の感染者が増えることが当然予想されております。 私の
一般質問では、県内外の
感染拡大地域から来る芸術祭の鑑賞者のうち、感染している無症状者を受け入れない対策の根拠を示せとの質問で、検温、入場制限、手洗い、消毒などの従来の対策として、感染が拡大するか否かについては、市として特別な情報は持ち合わせていない。しかし、
感染症対策特別部会の専門家は、芸術祭関連施設での感染リスクは高くないとしています。いわば、身内の特別対策委員会の意見では何の根拠にもなりません。この根拠を示せないことをとっても、市民の安全を守ることはできないわけであります。 私は、感染を防ぐ徹底した対策は、入場者全員を対象にしたPCR検査を実施することを提案しました。それに対して、PCR検査を行うことは、感染を疑うことによる人権侵害に当たるとの答弁であります。この答弁で不思議に思ったのは、オリンピックに来日する国外の選手や役員は、全員PCR検査や抗原検査を実施して、陰性を確認して来日しているのではないですか。国内の選手にしても、PCR検査を人権侵害として拒否することはできないはずです。しかも、あれだけ万全な対策をしても、今回、外国のオリンピック選手から感染者が出てしまいました。今、感染力の強い変異種のウイルスを抑え込む必要があるときに、他の地域から観客を呼び込むことは非常にリスクを伴います。市民の命を守る観点から芸術祭の中止をすべきです。 市民意向調査の意見でも、経済活動が大切なのは分かるが、今は命が大切、芸術祭の開催をやめるべきだとの意見が書かれております。 私は、市民の健康と命を守ること、そして地域経済を再生すること、このどちらを市長が優先するのかと端的に牛越市長に聞きました。市長は、どちらも重要であると答えました。私は本当に驚きました。市長の責務は、何をおいても市民の命と健康を、安全を優先することではないでしょうか。牛越市長の政治姿勢が問われる問題ではないでしょうか。 今回の計画では、前回4万5,000人の来場者を今回は目標を5万人としています。芸術祭は、
コロナ禍において疲弊した地域経済を、地域活力を取り戻すための契機とする、そのためワクチンの接種の加速をして接種の早期終了を目指しているとしております。そのために、延期を選択肢に検討しているとの答弁ですが、本当に
ワクチン接種が進んだとしても、多くの鑑賞者を受け入れることによって、変異ウイルスに完全に対抗できるわけではなく、50%の確率でワクチン効果がないという指摘も、私は専門家の医師から聞いております。ましてや、
ワクチン接種ができない12歳未満の子どもはどうするのか、保護者の不安が広がっております。 牛越市長は、経済を活性化して、疲弊している業者と大町市に元気を取り戻すための芸術祭と言っておりますが、
コロナ禍で苦しんでいる小規模事業者や仕事を失った皆さんは直接の支援こそを望んでおります。市内では3月に運転代行業者、この6月にはレストラン業者が破産手続の開始決定に追い込まれました。その一方では、隣の松川村では、
コロナ禍で苦しむ村民に水道料金の減免、そして今回は、18歳以上の村民に6,000円、18歳未満の村民に1万2,000円の商品券を配付します。池田町でも、8月から水道料金の減免を行うそうです。これこそが確実に地域の経済を活性化させ、元気を取り戻すことのできる施策といえます。 芸術祭を強行するより、今、大町市が行うべきことは、市民に対してこのような緊急の直接支援をすることです。そのことが、まさに営業や暮らしの将来に不安な毎日を過ごしている市民を励まし、命と経済を両立させることであり、市民の平等性、公平性につながります。 芸術祭はにぎわいを作り、中心商店街の活性化につながるということがよく言われていますが、多くの商店の皆さんが、前回の芸術祭ではほとんど関係なかったと言っております。意向調査の中でも、巨額の税金で一部の人が利益を被って、町なかが潤ったり、にぎわったりしたとは思えない、このような芸術祭は市民には理解できないなどの意見が書かれております。 このような
コロナ禍の状況下では、さらに延期しても開催にこだわるのはおかしいとの声が圧倒的です。芸術祭を考える会では、1か月間の短期間で約1,200名の芸術祭の中止を求める署名を集めて、市民の意見を聞いてまいりました。芸術祭そのものに賛同する人も含めて、圧倒的な市民が現状では開催すべきでないと、こういう意見であります。 市長は、市民の意向を受けて直ちに中止を決断し、市民への直接の支援を拡充することを求め、陳情第7号の採択に賛成する討論を終わります。各議員が賛同されることをお願い申し上げます。
○議長(二條孝夫君) 次に、
中村直人議員。 〔1番(
中村直人君)登壇〕
◆1番(
中村直人君) 芸術祭中止の陳情の不採択に賛同する観点から、
委員長報告に賛成、原案に反対の討論をいたします。 陳情内のコロナウイルス蔓延への懸念は私も理解できます。今回の定例会でも、市長は、医療関係者も含めた対策部会による意見も参考にしながら、期間の延期の選択肢も排除しないと明言をいたしました。 私も
一般質問などで開催時期の延期については取り上げてきており、陳情の趣旨については理解はいたしますが、ここで求められている中止という判断については賛同しかねます。 以前、私も自身の
一般質問でも触れたように、この芸術祭によって得られるものには、もちろん
経済効果はあるわけですが、それ以外にも、様々な企業との関係、市のブランド、そして多くのメディア等に掲載されることによる知名度の向上など、多岐にわたります。当市が芸術祭を行うという選択肢を持っていることで発生するメリットがたくさんあるわけです。そういった観点からも芸術祭の延期はあり得ど、中止という判断は取るべきではないと考えます。 牛越市長は、少子高齢化による人口の減少をくい止めるための手段の一つとして、国際芸術祭の開催を選択いたしました。その結果、第1回では43万人を超える来場者を迎え、県内への
経済波及効果は10億円という成果を残しました。一度、議会でも触れていますが、商店街生まれの私の実感としては、若い観光客があのような人数、町なかを歩いているのを見るのは初めての光景でした。もちろん、様々な課題もあったと思います。しかし、それらの課題を一つずつ解決していくことで芸術祭を市民にとってよりよいものにしていく必要は、これもあると思います。 しかし、基本的な方向性として、市長が国際芸術祭によりこの地域の発信や、そして市民との協働を見いだしていこうとすることは、この大町市にとって必要な活性化につながるものだと考えております。 特に、
コロナ禍により大きな影響を受けている
市内経済の再生、そしてにぎわいを取り戻す契機として芸術祭に期待をしております。 もちろん、大前提として、芸術祭の開催を成功に導くためには、コロナの感染対策をしっかりと行う必要があると考えています。市民や来場者、スタッフの安全・安心を最優先とした感染防止対策を行う必要があります。
実行委員会では、副市長をトップに据え、大町保健福祉事務所や大町病院、大北医師会など、医療の専門家をオブザーバーに迎え、
新型コロナウイルス感染症対策特別部会を設けました。先日開催されたプレイベントの先行公開展においても、部会からの意見を反映させた感染対策マニュアルにより作品の公開を行ったとのことです。終了後に感染対策として万全であったかの検証も行い、本会期に向け、万全の感染防止対策を取るとしています。検温やチェックシートの記入、そして検温済みバンドの装着に協力していただくこと、また、スタッフが会場の入場可能な人数に制限をかけ、密にならないよう注意を払うなど、徹底した感染防止対策に取り組み、多くの方が芸術祭を安心して訪れられるよう丁寧に準備を進めていただくことを、私からも強く望みます。 加えて、
感染症対策の要として、芸術祭開催に当たり、
ワクチン接種の進捗状況を気にかける方が多いことは、私も理解しております。今月17日に市民団体から芸術祭の中止を求める1,278名分の署名が市長と議長宛てに提出されたことを私も確認しております。 この中では、署名を求めるための説明として、政府の
ワクチン接種を9月目途に終了させる計画は達成困難であり、市のスケジュールは、高齢者が7月末、残りの市民は10月末で完了の見通しであり、芸術祭開催前に
ワクチン接種の完了と感染症沈静化の見通しが立たないことから芸術祭の中止を一刻も早く決断すべきとしております。 一方、本定例会でも行政側からは、
ワクチン接種実施本部を立ち上げ、感染防止対策の切り札であるワクチンの接種に市の総力を挙げて取り組んでいる説明がありました。実際、当初の計画を上回る速さで接種は進んでおり、65歳以上の市民はもちろんのこと、16歳以上から64歳以下の市民についても、9月末から10月上旬には
ワクチン接種が終了するとのことです。こうした
ワクチン接種の広がり、スピードは、市民の日常生活の安心にもつながるすばらしい仕事だと思います。 市長からも今回、
一般質問の答弁の中で、
感染状況や
ワクチン接種の進捗状況などを冷静かつ慎重に見極め、多くの市民に安全で安心な芸術祭の開催に理解が得られるようしっかり判断するとの説明がありました。 私からも、医療の専門家を含めた特別部会の意見などをしっかり参考にしながら、感染対策、そして感染が広がった場合のケースの対応の準備などを行っていただきながら、
ワクチン接種の状況なども踏まえ、適切な開催判断がなされることを強く望みます。議員各位におかれましても、大町市にとって芸術祭の開催を単純に中止することが果たして最適な答えなのか、お考えいただきますようお願いいたしまして、
委員長報告に賛成、原案に反対の討論といたします。皆様の御賛同と御協力をお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 次に、
宮田一男議員。 〔9番(
宮田一男君)登壇〕
◆9番(
宮田一男君) 陳情第7号 第2回
北アルプス国際芸術祭の中止を求める陳情に賛成の立場で討論をします。 この陳情の趣旨は、
コロナ禍での
北アルプス国際芸術祭について中止を求めるものです。 議会総務産業委員会の議論において、市民の中に、
コロナ禍での芸術祭について不安の声があるが、疲弊している大町の経済を活性化するために芸術祭は必要との意見が多数あり、さらに、中止はブレーキをかけることになる、今、ブレーキか、アクセルかとの意見も出されました。 しかし、今、
市内経済が疲弊し、税収も落ち込む見込みとなっているのは、昨年度
北アルプス国際芸術祭を実施しなかったからでしょうか。日本全国が、
新型コロナウイルス感染症により国内外からの観光客が激減し、経済の停滞に陥っています。決して、
北アルプス国際芸術祭を延期したからではございません。 また、私のところに、アートサイトへのボランティアを予定している方から心配される声がございました。今すべきは、
新型コロナウイルス感染症が収束していない中で、市民の安全確保、これを最優先すべきであります。 よって、
北アルプス国際芸術祭の中止を求める本陳情の採択を求めて
賛成討論といたします。
○議長(二條孝夫君) 次に、
大竹真千子議員。 〔2番(
大竹真千子君)登壇〕
◆2番(
大竹真千子君) 陳情第7号 第2回
北アルプス国際芸術祭の中止を求める陳情に対し、
委員長報告に賛成、原案に対し反対の立場から討論をいたします。 本定例会においても、
北アルプス国際芸術祭の開催について様々な論議がなされました。 その中で、市民団体がしっかりとした感染対策を行い、ミュージカルを実施した事例が紹介されました。
文化芸術の火を絶やさぬよう、市民の皆様も様々な工夫をされながら活動を行っているんです。
感染拡大のリスクをできる限り抑え、
文化芸術活動を続けることは決して不可能ではなく、
文化芸術活動の休止を求めることは、あらゆる手段を尽くした上での最終的な手段であるという
文化庁長官のコメントも紹介されました。 私は、これらの論議を通じ、
文化芸術は決して不要不急なものではなく、むしろ、
コロナ禍の中、閉塞感のある市民に対し、安らぎや心のゆとり、あしたへの希望を与えてくれるものであり、リスクを抑えて
文化芸術活動を行うことは可能であると考えています。 市長はこれまでも、誰もが経験したことのない現下での社会状況だからこそ、すぐに中止という安易な発想に決して陥ることなく、万全な感染対策を講じ、安心と安全を確保した上で、多くの市民の知恵と工夫を結集し、開催の道を探っていくとの考えを示してきました。私もこの考えには賛同しております。そしてこれは、冒頭に申し上げた芸術文化の活動にも通じる考え方であり、芸術祭はこうした市民の芸術文化活動のモデル的なものとしていく必要があります。 また、芸術祭の開催は、
コロナ禍により大きな影響を受けている
市内経済の再生や人と人との絆やつながりを取り戻す契機としていくことを、これまでも行政側から説明があり、
文化芸術活動を再生する道しるべとするものであると考えるものであります。 ただし、芸術祭の開催には、市民や来場者、スタッフの安心・安全を最優先とした感染防止対策へのしっかりとした取組を行うのはもちろんであり、ワクチンの接種に市の総力を挙げて取り組み、市民の日常生活への安心につなげる必要があります。 市長は、芸術祭の開催判断については、コロナの
感染拡大の状況、
ワクチン接種の進捗状況など、慎重に見極めながら芸術祭の開催に市民の理解が得られるようにし、判断するとの説明があり、芸術祭を何が何でも強行するという意向ではありません。再延期の可能性も示しており、私としては、今すぐ開催を中止する状況ではないと考えています。
コロナ禍により疲弊した大町市の再生のために、安心して参加できる
北アルプス国際芸術祭の開催と成功を信じつつ、賛成の討論といたします。多くの皆様の御賛同と御協力をお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 以上で、通告による討論は終わりました。 陳情第7号について、他に討論はありませんか。
大和幸久議員。賛成ですか、反対ですか。
◆12番(
大和幸久君) 陳情7号について賛成の立場から。 〔12番(
大和幸久君)登壇〕
◆12番(
大和幸久君) 陳情第7号 第2回
北アルプス国際芸術祭の中止を求める陳情の採択を求める立場から
賛成討論をいたします。 本陳情は、市民有志によって結成され、第1回
北アルプス国際芸術祭、以後、芸術祭と呼びます、から、その在り方について検証や提言を続けてきた大町の芸術祭を考える会から提出された陳情で、6月17日には、この陳情の願意に賛同する市民などから寄せられた1,278名分の署名も市長及び市議会議長宛てに提出されております。短期間の署名依頼にもかかわらず、1,000名を超える賛同が寄せられていますが、これは、市民などの中に国際芸術祭の開催や在り方について、様々な視点からの疑問から始まり、芸術祭の中止を求める声まで、問題点を指摘する声が市民の中に多数存在していることを示しており、これを無視して芸術祭を強引に進めることは許されないことを初めに強く指摘しておきたいと思います。 さて、コロナパンデミックで1年延期された第2回芸術祭は、東京オリンピック終了後の8月21日から10月10日に開催される予定ですが、ここで最大の問題点は、菅自公政権がコロナ菌の日本侵入の水際阻止作戦に失敗した後、国内感染の拡大、拡散の阻止にも失敗して、第4波のパンデミックを引き起こすまでに至っている、この
コロナ感染拡大のさなかに、7月から8月に東京オリンピックを観客を入れて実施することを決めたことであります。 東京五輪は1日最大20万人、再抽選後のチケットは約272万枚、五輪関係者や小・中学生の観戦は1万人の枠には入らないものとするもので、政府が抑えなければいけないと言っている人流をわざわざ大量に作り出す五輪となることは確実となりました。さらにこれらは、政府分科会の尾身茂会長らが提言で無観客開催を提案したにもかかわらず、これを理由も示さず提言を無視して決定されたもので、極めて大きな問題となるものであります。 提言は、五輪がなくても、夏は旅行や帰省で長距離の移動があり、ふだん一緒にいない人との接触が増えて、感染が落ち着いている地方でも感染の急拡大を引き起こす可能性を指摘していました。さらに提言で示された資料は、五輪に伴う人流増加に感染力の強いデルタ株の影響が重なれば、東京都の7月の新規感染者は2,000人を超える推計も示しております。そうなれば、東京の医療は逼迫し、多くの命が奪われかねない危機的状況を招くのは必至と言わざるを得ません。菅首相は、緊急事態宣言発令の場合は無観客も辞さないと述べましたが、これでは手遅れになるおそれがあります。首相は、国民の命と健康を危険にさらしてまで五輪をしなければならない理由を全く説明しておりません。 大町市の芸術祭は、このような事態が引き起こされた後で国際芸術祭を開催することになります。五輪の人流が東京から地方へ移動し、それに伴って地方へコロナウイルスが
感染拡大する中での国際芸術祭開催は、強力に人流の集中を引き起こし、市民や芸術祭参加者感染のリスクを格段に引き上げてしまうことになります。市長の従来の感染対策を徹底して実行すれば
感染拡大は十分防げる。よって第2回芸術祭は実施するという説明に、多くの市民が不安を抱いております。国も大町市も3密を避けることを基本とした従来のコロナ感染対策を実施してきましたが、これにもかかわらず、
感染拡大を防げていないのが、今日の実態であります。 大町市の
ワクチン接種計画は、芸術祭終了まで完了いたしません。しかも、12歳未満は
ワクチン接種の対象外であり、芸術祭までに
ワクチン接種による安全性を保障できないことは明らかになっております。このような事態の中で、8月21日から10月10日の開催予定の第2回芸術祭は、市民の命と健康を守るには中止する以外に選択肢がないと私は思います。 その上で、大町市の職員や財源は、
ワクチン接種をはじめ、
コロナ対策に全力を尽くすべく振り向けるべきことが最善の方策であります。 また、本芸術祭には、
コロナ対策以外にも多くの問題点が市民から指摘されているにもかかわらず、何の改善や見直しも図られないまま、第2回
実行委員会が実行されようとしております。 主なものでは、第1には、作家に支払われる作品制作費の単価などの情報が、第1回と同様、市民に明らかにされていないため、その作品の価値が正当なものか、市民が検証できない問題があります。 第2には、芸術祭運営の主要な部分が総合ディレクターの北川フラム氏に丸投げされることにより、作家に支払われた制作費などが情報開示されず、市民が検証できないという問題もあります。 第3には、芸術祭の運営が実質的に市職員によって運営されることが前提となっており、市の本来の業務に多くのしわ寄せが及び、本来の市民サービスができなくなる問題も抱えております。また、この第1回で延べ1億円余に及ぶ市職員の人件費は、芸術祭の経費には算入されておりません。 第4には、第2回芸術祭の経費、歳出額が第1回よりも9,700万円余増加しており、第1回と同様の額と市長が説明したものが大幅に増額されている問題もあります。 第5には、第1回芸術祭における
経済波及効果調査事業において、国営アルプスあづみの公園の参加者を芸術祭参加者としてダブルカウントし、芸術祭参加者の水増しを行って、過大な
経済波及効果の結果に利用した問題。また、
経済波及効果の計算基礎となる日帰り客や宿泊客の平均単価の積算根拠が示されず、その検証を市民ができない問題等々、主なものでもこのような問題があり、こうした問題を解決しないまま、第2回芸術祭を開催することに多くの市民は賛同を示しておりません。 さらに、今朝の報道によれば、国民の80%がコロナ
ワクチン接種を完了したイスラエルにおいて、ふたたびコロナ感染が広がり始めたという報道がありました。イスラエルでは、コロナウイルスの70%がインドで発見されたデルタ株に替わり、その感染力は強く、1.95倍にもなると専門家は指摘しております。今日のこの情勢を見ると、
ワクチン接種をしたから安全とも言えなくなる事態であります。このような事態の中で、見通しが立たない状況では、第2回芸術祭は一旦中止した上で、市民の疑問や懸念に耳を傾け、説明責任を尽くした上で開催の是非を、市民アンケートを通して民意を問い、その結果を十分に参酌した上で、芸術祭の開催の可否を決定すべきであります。 市長の責任において、これらを確実に実行することを強く求めて、本陳情の
賛成討論を終わりたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 他に討論はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 討論なしと認めます。 以上で討論を終結いたします。 これより採決を行います。
総務産業委員会付託の陳情第7号に対する
総務産業委員長の報告は不採択です。したがって、原案について採決を行います。 本陳情を採決することに御賛成の方の挙手を求めます。 〔少数挙手〕 挙手少数であります。よって、陳情第7号は不採択とすることに決しました。
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△日程第3 閉会中の
継続審査及び調査申出
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○議長(二條孝夫君) 日程第3 閉会中の
継続審査及び調査申出を議題といたします。 議会運営委員長及び各
常任委員長から、目下各委員会において審査及び調査中の事件について、会議規則第112条の規定により、お手元に配付の申出書のとおり
継続審査及び調査の申出があります。 お諮りいたします。各委員長からの申出のとおり、閉会中の
継続審査及び調査を認めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 御異議なしと認めます。よって、各委員長からの申出のとおり、閉会中の
継続審査及び調査を認めることに決しました。 以上で、本定例会に付議されました案件は全て終了いたしました。 ここで、市長より挨拶を受けることといたします。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 6月定例会の閉会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。 本定例会におきましては、専決処分の御報告を申し上げますとともに、提案申し上げました条例案件、予算案件、人事案件につきまして、追加提案の案件を含め、いずれも慎重かつ御熱心な御審議をいただき、全て原案どおり御議決いただきました。ここに厚く御礼申し上げます。 本会議並びに常任委員会における審議の過程でいただきました貴重な御意見や御提言につきましては、今後の市政運営に十分反映させてまいる所存でございます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、新規感染者数が減少し、病床状況も確実に改善しているとして、10都道府県に発出しておりました緊急事態宣言が、今週20日に沖縄県を除き全て解除され、岡山、広島両県を除く7都道府県がまん延防止重点措置に移行しました。 本県におきましては、新規感染者の減少が続いていることから、4月8日に全県域に発出されておりました医療警報が今月8日一斉に解除され、さらに県下全域の感染警戒レベルにつきましても、10県域中6県域がレベル1の平常時に引き下げられました。当市におきましては、先月10人を超えておりました新規感染者が、今月は2人にとどまり、
感染状況は落ち着いてきております。
ワクチン接種の実施状況につきましては、65歳以上の高齢者のうち92%の9,401人が申し込まれ、今週22日現在、1回目6,229人、2回目4,215人が接種を終了しました。また、64歳以下の市民の皆様には、今月15日に接種券を発送し、基礎疾患を持つ方と高齢者施設従事者の予約申込みを22日から、次いで、障害者施設の入所者等と介護保険サービス事業所の従事者、学校の教職員、保育園、幼稚園の職員の予約申込みを29日から開始いたします。それ以外の一般の市民の皆様は、集団接種が来月5日から、個別接種は7日から受付を開始し、接種の時期については、個別接種が来月下旬から、市内16か所の医院、診療所において、また、集団接種は8月1日から従来の大町病院に加え、JAアプロード会場を新設し、接種の加速化を図ります。なお、急な予約取消によるワクチンの廃棄を防ぐため、大町市キャンセル待ちバンクを創設し、ワクチンの有効利用を進めることといたします。 引き続き、国に対し確実なワクチンの供給を要請するとともに、適時適切に接種計画を見直しつつ、
ワクチン接種体制を拡充・強化し、接種を希望される市民の皆様全員がおおむね9月末までに接種を終えるよう全力を尽くしてまいります。
北アルプス国際芸術祭につきましては、これまでも申し上げてまいりましたが、
コロナ禍で疲弊した地域経済を活性化させ、大町を持続可能な地域に再生し、町の活力、元気を取り戻す大きな契機とするため、安全・安心な開催に向けて準備を進めております。一方で、市民の皆様の中に、芸術祭に多くの皆様が訪れることにより市内で感染が拡大することを心配する声があることは十分承知しており、ワクチンの接種が一定程度進むことにより、市民の皆様が安全のうちに、安心して芸術祭を迎えることができるならば、市民の皆様のこうした心情に最大限寄り添い、その可能性を検討することは大切であると考えております。 現在、市では、感染防止対策の切り札でありますワクチンの接種に総力を挙げて取り組んでおり、多くの医療関係の皆様の御熱心な御協力により、当初の計画を上回る速さで接種が進んでおります。市長として、また、芸術祭実行委員長としまして、市民の皆様の健康と安全な日常の暮らしを守り、芸術祭の開催を通じて、決して感染が拡大することのないよう、専門家の皆様から様々な御助言をいただく中で、万全の感染防止対策を講ずるとともに、開催の在り方についてどのような対応が可能か、鋭意検討を進めております。具体的な会期及び開催方法につきましては、明日25日に開催を予定しております
実行委員会総会におきまして協議いただくこととしており、議員各位におかれましても何とぞ深い御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 さて、東京オリンピック開幕まで29日となりました。世界中が未知のウイルスと闘う厳しい局面において、オリンピックは文化や言葉の壁を乗り越え、世界が一つになる平和の祭典であります。スポーツが持つ普遍的な価値、すなわち、困難に果敢に挑戦するトップアスリートの躍動する姿を通じて、多くの観衆が感動を分かち合うオリンピックが大きな勇気と力を与えてくれる契機となることを期待するところでございます。 こうした中、バドミントン競技につきましては、先週18日、現在、女子シングルス世界ランキング3位、リオデジャネイロオリンピックで銅メダルの栄冠に輝きました当市出身の奥原希望選手の出場が決定いたしました。待ちに待った大会が無事開催され、希望さんが満を持して笑顔で元気はつらつとした最高のプレーにより、私たちに感動を分け与える明るいニュースを届けてくれますことを切に願いますとともに、市民の皆様とともに一丸となって必勝の応援に力を尽くしたいと存じます。 結びに、今年は例年よりやや遅めの梅雨入りとなりましたが、近年の気象変動の過激化に伴い、梅雨前線の活発な活動による局地的な集中豪雨が懸念されます。これに加え、この時期は昼夜の寒暖差が大きく、体にストレスが蓄積し疲れやすくなると言われております。また、これから本格的な夏を迎えるに当たり、ウイルス感染症感染予防対策として、引き続きマスクの着用が求められ、熱中症等の多発も心配されます。議員各位におかれましては、くれぐれも健康に御留意いただき、市の限りない発展と市民福祉の向上のため、ますます御活躍されますことを御祈念申し上げ、閉会の御挨拶といたします。誠にありがとうございました。
○議長(二條孝夫君) 私からも一言御挨拶を申し上げます。 本6月定例会は、今月3日に開会し、本日までの会期22日間にわたり、専決処分の報告、人事案件、条例案件、
補正予算等につきまして、慎重かつ熱心に御審議をいただきました。
一般質問では13名の議員に登壇していただき、現
コロナ禍における
北アルプス国際芸術祭開催の対応をはじめとする市政全般の様々な課題等について闊達な議論をいただきました。ここに、議員各位、理事者、部課長の皆さんの御協力により無事閉会できますことに感謝申し上げます。 これから暑い夏を迎えます。議員各位、理事者、各部長の皆さんには、
新型コロナ対策を万全にしていただき、健康には十分御留意の上、なお一層の御活躍を御祈念申し上げまして閉会の挨拶といたします。 以上をもちまして、令和3年
大町市議会6月定例会を閉会といたします。 大変御苦労様でした。
△閉会 午前11時12分 以上会議のてん末を記載し、地方自治法第123条第2項の規定により署名する。 令和3年6月24日
大町市議会議長 二條孝夫 署名議員15番
大厩富義 署名議員16番
中牧盛登...