伊那市議会 2024-03-05
03月05日-02号
令和 6年 3月 定例会 令和6年3月
伊那市議会定例会会議録 (5-2)1.開会 令和6年3月5日(火曜日)午前9時30分
---------------------------------------2.出席議員の氏名(21名) 1番 池上 謙 2番 伊藤のり子 3番 唐木 拓 4番 小池 隆 5番 篠塚みどり 6番 高橋 姿 7番 高橋明星 8番 三石佳代 9番 湯澤 武 10番 吉田浩之 11番 小林眞由美 12番 田畑正敏 13番 原 一馬 14番 三澤俊明 15番 宮原英幸 16番 白鳥敏明 17番 二瓶裕史 18番 野口輝雄 19番 唐澤千明 20番 飯島光豊 21番
柳川広美--------------------------------------- 欠席議員の氏名 なし
---------------------------------------3.説明のため出席した者の職氏名 市長 白鳥 孝 副市長 伊藤 徹 教育長 笠原千俊 総務部長 伊藤博徳 企画部長 飯島 智
文化スポーツ部長 宮原貴敏 市民生活部長 城倉 良 保健福祉部長 村松義隆 農林部長 柴 公人 農林部参事 松本直也 商工観光部長 重盛 巧 建設部長 橋爪 豊 建設部参事 鷲見祐人 水道部長 伊藤一真 教育次長 三澤 豊 会計管理者 河上千鶴子 高遠町総合支所長 福澤 清
長谷総合支所長 有賀賢治 危機管理監 埋橋
進---------------------------------------4.職務のため出席した事務局職員 事務局長 久保田 玲 次長 井口大輔 庶務係長 竹中恵子 主査 守屋奈央 主査
下島一志---------------------------------------5.議事日程 日程第1
会議録署名議員の指名 日程第2 一般行政に対する質問について
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△開議 午前9時30分
○議長(白鳥敏明君) おはようございます。昨日までは暖かい日でしたが、今日から週末までは冬に戻り、寒い雪の降る天気予報が発せられております。三寒四温この季節は体調管理が大変な時期とは思います。3月この時期は大勢で集まる機会が多いと思いますので、体調管理には万全を期していきたいというものです。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程はお配りしてあります議事日程により進めてまいります。
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△
会議録署名議員の
指名 ---------------------------------------
○議長(白鳥敏明君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。本日の
会議録署名議員は19番、唐澤千明議員、20番、
飯島光豊議員を指名いたします。
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△一般行政に対する質問について
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○議長(白鳥敏明君) 日程第2、一般行政に対する質問に入ります。質問通告者は20名であります。 質問順序は抽選で決定した順序で行います。
飯島光豊議員の質問に入ります。 20番、
飯島光豊議員。 (20番 飯島光豊君登壇)
◆20番(飯島光豊君) 20番、飯島光豊です。私はさきに通告した2項目、全市内道路の
交通安全対策、自衛隊への名簿提供からの除外申請について伺います。 それでは大きな項目の1、危険な通学路対策から、さらなる全市内道路の
交通安全対策について伺います。 本議会の開会日の笠原教育長の御挨拶で、通学路については、点検で上がった172か所について、改修整備などをほぼ終える見通しが立ちましたと述べています。 さて、2月24日の市役所で通学路の
交通安全向上のための
オープン報告会が開かれ、行政からの報告、利用者からの報告、地区からの報告がそれぞれの視点からありました。また翌25日には東春近渡場区の公民館において、かねてから危険な市道と言われている
中組殿島橋線についての
通学地域勉強会が、前日の
オープン報告会の参加者に通学路の学校関係者、地元住民も加えて開かれました。 それを踏まえて、以下市長、教育委員会に質問いたします。 最初の質問の(1)は、
オープン報告会についてです。写真のように、2月24日に安全な通学路を考える
オープン報告会が市役所で開かれ、本年度、伊那市が国土交通省から事業採択された社会実験、安全な
通学空間管理のDX実験について、またこれまで春富中学校の生徒を中心にして進めてきた通学路の安全対策の成果、さらに生活道路における地域住民の自主的な安全対策や、住民合意の模索が報告されました。 そこで、行政、利用者、地区の三視点から市長並びに教育委員会が、学び得たこと、そして今後さらにDX社会実験から、地図情報による
データベース化の実装に向けた課題などについて、市長、教育委員会の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 2月24日開催の第4回安全な通学路を考える
オープン報告会におきましては、令和2年に
大成ロテック株式会社と伊那市が、
道路空間整備システムの
構築プロジェクトに関する連携協定を締結した以降、毎年市民の交通安全意識の向上、
交通安全関係者の情報交換の場として、
オープン報告会を行っているところであります。 この
オープン報告会の中では、有識者の方からこれだけ多岐にわたる関係機関や市の部署が集まって、交通安全の対策を進めている事例は少なく、全国的にも珍しい、とても良い取組であるという評価をいただいております。 また、今年度から国土交通省の実施をする社会実験に採択されたことに伴いまして、有識者、学校関係者、民間企業、国土交通省、長野県、長野県伊那警察署、教育委員会、市で組織をする
道路空間整備システム構築プロジェクト推進協議会を設立したわけであります。 この社会実験では、春富中学校と東部中学校の自転車通学の生徒を対象とした安全な
自転車走行空間の確保を目的とした
デジタルマップの作成による関係者間の情報共有、また安全対策の
PDCAサイクルの確立の検討を行っているところであります。 協議会で得た
交通安全対策への取組、手法などを参考にして今後の事業計画や実施に生かすとともに、地元地域をはじめ関係機関、また市の関係部署と連携をして、交通安全への取組を進めてまいりたいという考えであります。 社会実験は令和6年度も継続をしますので、引き続いて現在の取組を進めるととも
デジタルマップが中学生でも情報を更新できるなどの検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 教育委員会から申し上げます。これまで道路の安全対策に係る実務は、主に建設部が行ってきたところでございますけれども、今回の取組によりまして、建設部それから商工観光部、そして教育委員会が道路の安全対策に関わる連携を図るきっかけをつくっていただきました。 申せば、横断的な取組となり、それぞれの分野からの意見が反映できる環境ができた、そのように申せようと思います。 春富中の取組でございますけれども、私よく双方向的なということを申し上げるのですけれども、生徒の提案が道路改良に生かされるケースがありまして、生徒が自ら声をあげる大切さをそれぞれに実感したところと思います。 そして地区の方々です。子供を大切に見守る声も、今回の取組に寄せられております。これまで懸案としていた沢渡交差点の改良などにこれがつながったと申せると思います。 中学生の発言、また問題提起を契機にして、多くの関係機関の横のつながりが実現して、通学路を使う生徒の目線で対策が実現したことは、今後の通学路の安全対策に大変貴重な成果、エポックとなったと申せようかと思います。 この取組を今後も大事にしてまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 関連して伺いますけれども、DX実験は、自治体が担っていた
公共サービス分野に情報技術の発展を取り込もうというもので、私はその考え方を否定はしません。しかし、計画から地域全体の情報収集、サービス提供まで、包括的に企業にも開放がされます。 そこで情報技術をどう生かすかは行政が主導的に検討すべきですが、企業の透明性を確保することと、行政、議会、市民のチェックについて市長の御所見を伺いたいと思います。
○議長(白鳥敏明君)
橋爪建設部長。
◎建設部長(橋爪豊君) 今回地域の声、また利用者の声もしっかりお聞きをすることによって、対策がこれから進められていくということですけれども、伊那市の私どもの考えを押しつけるようなことがないようにしていかなければいけないかなと思ったところですが、デジタル技術を活用することによって、お互いに納得した裏づけのある対策が進んでいくというふうに期待しているところですが、企業の皆さんもしっかり安全に向き合って、地域の声をうまく吸い上げていただくということになっていただいておりますので、これからも連携して一緒にやっていきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 次に質問の(2)、
県道沢渡高遠線のみやま坂の安全対策についてです。 私は12月の一般質問で、東春近の中殿島交差点に至るみやま坂の安全対策について、自転車と歩行者の歩道として、県道脇にある市有地を活用して拡幅したらどうかと提案させていただきました。 写真は去る24日の
オープン報告会において、図らずも県、
伊那建設事務所からみやま坂の
自転車歩行者道の延伸についての報告がされました。 この写真は、
伊那建設事務所の提供で、公表の許可をいただいた上でお示しするものですが、既に伊那市などとの関係者と協議がなされているということですが、電柱、市道交差点、完成時期など、協議の経過を伺います。 さらに、みやま坂の先線の矢羽根マークの路面標示も含め、市長、教育委員会からの御説明を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 昨年11月27日に行われました、安全な通学空間の管理DXの社会実験の有識者の現地視察の際に、みやま坂の自転車・歩行者道の延伸についての御助言をいただきまして、
伊那建設事務所で
交通安全対策を進めていただけることになりました。 既存の
自転車歩行者道を延伸し、みやま坂を下ってきた自転車がより早く歩道に退避できるようにして、自転車通学の安全性向上を図る計画であります。 既に測量と設計業務が発注済みということで、今年度末から現地の測量に入り、その後安全対策についての設計が行われていくという予定であります。 設計案ができたところで、地元あるいは利用者にお示しをし、路面標示などの必要な対策について協議をしていきたいと。また、
自転車歩行者道の延伸部の用地、これは伊那市の市有地でありますので、事業用地として県に提供していきたいという考えであります。 さらに、県の事業に併せて市道側の工事等が必要になれば、協力をしていく考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 写真の赤い部分ですが、ぜひ早急にお願いできればありがたいと思います。 次に質問の(3)、国道153号線沢渡交差点の改良の進捗状況についてです。 12月議会でも取り上げた、沢渡の交差点改良については、現在信号機の移設工事が行われており、今後は横断歩道の移設もされると思いますが、供用開始の時期を伺います。 また、小中学校や地元区民が望んでいる国道153号線の犬田切橋手前で行き止まりになっている歩道を延伸させる要望について、国県の要請状況を含め、市長、教育委員会からの御説明を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 沢渡交差点の改良につきましては、平成18年から長野
県伊那建設事務所によって、交差点部分の改良計画を進めてまいりましたが、道路内の民地、また共有地の問題があって、時間を要しているという状況であります。 暫定的な対策として、県警と
伊那建設事務所により、現在の国道にあります、横断歩道を北側の殿島橋付近に移動する交差点のコンパクト化というものは、今月中に完了する予定であります。 交差点改良や県道の拡幅など、通学路の安全対策がなかなか進展しない中、昨年6月に
西春近自治協議会や関係する地元区長、それから小中学校長から
伊那建設事務所に対し犬田切橋への歩道設置、それから国道の歩道をつなぐということで通学路を変更し、児童生徒の安全確保をしてほしいという新通学ルートの提案やそれに伴う歩道の整備要望が行われたわけであります。 その際県からは、まずできる対策として県警と一緒に、交差点のコンパクト化についての整備を進めたいという回答がありました。 狭隘で交通量の多い県道を通学路としている危険な状況というのは十分承知をしておりまして、早急に沢渡交差点の改良、それから犬田切橋への歩道設置など、通学路の安全対策が図られるように地元と一緒になって県への要望、また関係機関への働きかけなどをやってまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 春富中学校では、毎年春、年度末の休業の際に、新しい1年生と、在校生上級生にあたる子供たちとが、自転車の通学について一緒に実際自転車を学校まで走らせて、危険箇所の学び合いをする、情報の共有をするといったことをしております。 今回のそうした通学路に関わる工事等に関わって、そのことも併せて、やはり子供たちが共有してより安全な通学ができるようにするということを大事に考えてまいりたいと思っているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) よろしくお願いします。期待しております。 次に、質問の(4)、通学路の危険箇所のうち、残された14か所についてであります。令和3年に抽出された市内通学路の危険箇所172か所のうち、残されている14か所については、規模の大きな対策箇所であるとの御答弁ですが、来年度以降の対策施行などの見通しが立った箇所などについて市長、教育委員会からの御説明を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 三澤教育次長。
◎教育次長(三澤豊君) 令和3年度から始まりましたこの事業、原則として令和5年度末までに抽出した全ての箇所について何かしらの対策を行うということにされておりまして、対策が終わっていないとしている14か所についても、草刈りですとか除草といったことは実施していただいておりまして、172か所全てに何かしらの対策を講じていただいているところです。 残りとしている14か所につきましては、暫定的な対応だけでなくて本格的な対応が必要と考える箇所で、
用地買収等ハード整備が困難な箇所を除きまして今後順次工事を進めていただくということでお伺いしております。 担当部局、
建設事務所等からお伺いしているところでは、まず市の対応するところが9か所ほどございますが、そちらについては本年度に前倒しをしたり、また6年度から順次着手していくということで予定が立っているということでお伺いしております。 県道につきましては、用地買収などの時間がかかるということもありますので、まず路面標示やカラー舗装、区画線の引き直し等ですぐできる対応は既にしていただいているところでございますが、道路拡幅、それから歩道設置についても、街路事業ですとか道路改築事業により事業化がされているということで、測量ですとか設計、用地買収などが進められていくということでお伺いしております。 今後予定されている
伊駒アルプスロード等の大型事業に併せて行う安全対策もございますので、継続して関係機関に御協力いただきながら、通学路の安全対策を進めていきたいと考えています。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) ぜひよろしくお願いします。 次に質問の(5)、生活道路の
市道中組殿島橋線などの対策についてです。
市道中組殿島橋線の中組、渡場区間の869メートルと
市道渡場田原線の中殿島区間の177メートルについては、
グリーンベルトやカラー舗装、路面標示などの対策の工事が今日も行われておりますが、住民からは大変喜ばれています。 ところで写真のように去る25日、
東春近渡場すこやか館において、前日の24日の
オープン報告会の参加者と、渡場区、中組区の住民の皆さんが60名ほどを膝を交えて、市内の危険な通学路、生活道路のモデルともいうべき
市道中組殿島橋線について、安全対策を語り合う
通学地域勉強会が開かれました。 学識経験者や国交省の所長さんから示された御助言、意見の主なものは、地区の協議会の設立、道路の
タイムスタディ調査や住民の意向調査、ゾーン30+などの速度規制に関する住民への合意、デバイスなどの設置でした。 具体的には、国管理のビッグデータ、ETC2.0の活用や、ハンプなどデバイスの支援策が示されました。 そこで市と国の連携した対策について、市長、教育委員会の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状についてはまた担当の方からお話をさせていただきます。ゾーン30などの規制については、その地域に暮らしている方々の通行にも制限がかかってまいりますので、地域住民、また学校、警察などと協議の上での合意形成が必要となってまいります。 ゾーン30などの交通規制につきましては、
生活環境課交通安全係が毎年10月に取りまとめを行って、市からの要望として警察に上申をしていると。また国土交通省による可搬型のハンプなどの物理的なデバイスの貸出制度や、ETC2.0データの提供もありますので、地区と相談をしながら活用を検討してまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君)
橋爪建設部長。
◎建設部長(橋爪豊君) 2月25日に渡場区、中組区の皆さんを対象にして勉強会が開催され、金沢市における協働の実例として、金沢市で歩行者、自転車、車のそれぞれが安全に安心して通行できる道路空間の創出のための活動をしていらっしゃいます、
自転車利用環境向上会議全国委員会会長の三国成子さんによる講演が行われ、また
市道中組殿島橋線の
交通安全対策についての意見交換が行われました。 この勉強会には、区民の皆さん32名、
北陸大学名誉教授の三国先生、
大阪公立大学大学院の吉田先生、国土交通省、春富中学校や市も参加させていただきました。勉強会の中では国土交通省から、ゾーン30や速度規制のデバイス設置の事例紹介がございました。 市道の
中組殿島橋線は通学路の緊急点検においても、要対策箇所となっていることから、
グリーンベルトや区画線の設置、学童注意の路面標示、交差点部のカラー舗装、幅員の狭い区間において、水路敷を利用した路肩整備を今実施しているところでございます。 またその対策後の交通状況を見ながら、追加の対策の必要性の有無について、関係の皆様と検討していきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) よろしくお願いします。 質問の(6)、国道152号線
白山トンネル内での事故防止についてです。昨年12月13日、写真のような高遠町の国道152号線の
白山トンネル内で、自転車に乗車して車道を走行中の高齢男性が、乗用車に追突されてお亡くなりになるという痛ましい交通事故が発生しました。事故に遭われた方は法令に基づいて車道左側を通行していたし、ヘルメットも着用していました。 御存じのように、距離600メートルのトンネル内には、幅約1.5メートルの歩道があります。しかし、道交法では、トンネル内を自転車で走行するには、車道を走るか、あるいは自転車から降りて歩行者として歩道を歩く他ありません。 また、このトンネルは児童生徒の通学路でもありますが、さすがに自転車通学の対象地域の生徒さんも家族の車で送迎されていると言われてます。 また、このトンネルは国道ですが、道路管理者の
県伊那建設事務所にお聞きしたところ、トンネル内の照明照度には問題がないと言われました。しかし、地元の区民や通行される皆さんにお聞きすると、明るい外から薄暗いトンネル内に入ると、目が慣れないので、一瞬先がよく見えなくなると訴えられ、トンネル内の照明をもっと明るくしてほしいという声が寄せられています。 地元の区長さんたちは度々県に照明の増設を要請しており、これまで若干改善されたこともあったようですが、ちなみに私が2月27日に現場を確認したときには、トンネル内の照明は3か所ほどが消えていました。 このトンネルの利用者の大半は伊那市民かと思いますし、伊那市としても県に対して照明の増設や看板標識の増設など、歩行者の安全性を高める対策を県に要請することについて、市長の御所見を伺います。 また教育委員会には、トンネル内の児童生徒の通学の指導について御説明を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) まずこのトンネルの名前ですが、正確には
白山トンネルという名称のようであります。 この痛ましい事故の発生の後に、伊那市からも道路管理者であります
伊那建設事務所へトンネル内の管理面などについて確認をしましたけれども、トンネル内の照明は
道路照明施設設置基準に基づいた照度で管理をされていると。また、照明を明るくするには、照明設備自体の工事も必要となり、すぐに対応するのは難しいという回答でありました。 現在のトンネル内の照明につきましては、平成26年3月に照明器具の腐食・劣化等に伴うLED化の工事が施工されております。また、平成26年11月でありますが、小中学生や高校生など歩行者の安全確保を図るため、歩行者用の照明が追加されたという状況であります。 基準に基づいた明るさとはいうものの、市民の皆様からはトンネル内は暗いという御意見をいただいているために、主に利用をしている高遠町また長谷地区の地域協議会などで地元の意向などをお伺いしながら検討していきたいと。また、必要な対策があれば、
伊那建設事務所にもしっかりとお願いをしていく考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 特に小中学校でございますが、年度初めは子供たちに安全な生活を自分でつくっていくということを指導するためにも、それぞれの学校で交通安全教室を開き、通学、また日常生活の道路の横断をはじめとして、あるいは自転車の利用等についても指導しているところでございます。 やはりこうした機会は地域の例えば安協の皆さんのお力をお借りする、警察の方に御指導いただくというようなことも大事に考えながら、やはりその機会として、毎年毎年充実した取組をしてまいることを校長に求めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) よろしくお願いします。 次に、質問の(7)、各地区の交通安全協会の事務局についてであります。市全体の組織である伊那市交通安全協会の事務局は市役所生活環境課の交通安全係が担っています。 その下部機関の各地区交通安全協会は、朝夕などに街頭に立って交通指導をされたり、また、ただいま申し上げられたように新学期には入学入園時の交通安全指導を保育園、学校で行っています。その他、カーブミラーの増設や横断歩道の申請などさらに市や地域の行事やお祭り、イベントの交通整理を依頼するなど、ほぼ毎月のように役割と任務がある公の組織です。 ところが、この各地区交通安全協会の事務局が全て地区会長さんたちに任されており、市役所の支所は一切関わらないということであります。したがって各地区の会長さんたちはその運営にかなりの苦労を感じており、どこでも次の地区会長さんはじめ、主な役員をお願いするのに、いつも困っているとお聞きします。 今でも市役所の各支所は地区区長会、地区社会福祉協議会、地区衛生自治会、地区防犯協会などの事務局も担っています。 そこで、地区交通安全協会事務局について、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状については、担当の方からお話をさせていただきたいと思います。 地区組織の役員のなり手不足は安協だけではなくて市内共通の課題でもあるわけでありますが、負担軽減のために全ての地区安協の事務局を支所や本庁担当課が担うということは、現在の市の職員体制からしても、困難な状況であります。 今後地区安協の事務量等を把握した上で、会議出席の抑制など役員の負担を減らす方策について十分に検討しながら調整を進めてまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 城倉市民生活部長。
◎市民生活部長(城倉良君) 伊那市交通安全協会、伊那市安協と言いますが、これは市全体の取組として、事業計画に基づきまして小学校や保育園等での安全教室、県下一斉で行われる交通安全運動期間の活動などを実施しております。 これに対して市内各地区には合計18の地区交通安全協会、地区安協が組織されておりまして、やはり伊那市安協の事業計画に基づきましてそれぞれの地域において、独自の活動に取り組んでいただいているものであります。 伊那市安協の事務局は市の生活環境課に置かれておりまして、職員が、伊那市安協の事務や地区安協との連携等を行っているところでございます。また地区の活動実績の内容は、生活環境課の事務局へ報告されまして、市はその活動に対して助成金を交付しているということもございます。現状では各地区安協と各支所とは事務的な関わりを持っていませんけれども、一切関われないということではございませんので、全ての地区安協の事務局を市等が担うと、どうしても現在の市の職員体制から見ても難しいというのが、先ほど市長も申し上げたとおりのことでございます。以上です。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 再度御検討いただきたいと思います。 次に大きく2項目めの質問。市の自衛官等募集に関する名簿提供の除外申請について伺います。 1月1日の元旦に襲った能登半島地震は、倒壊などで200人を上回る人命が失われ、傷つき、被災などの深刻な被害が発生しています。改めて犠牲となられた皆様方に、哀悼の誠をささげますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。 さて伊那市は、1月22日の臨時議会の全員協議会で、自衛官等募集に関する名簿提供対象者情報の除外申請の概要を説明しましたので以下を伺います。 なお通告した質問(8)を繰り上げて、質問(2)の前に順番を変えて質問することをあらかじめ議長にお願いを申し上げます。 また、御答弁は市長からいただきたいとお願いしてありますが、これまでのように御答弁の大半を部下に任せるのではなく、できることならば、直接市長ご自身のお言葉でお伺いしたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、最初の質問の(1)、自衛隊と災害等の問題です。 さて、さきにも申し上げましたが、本年1月1日に発生した能登半島地震においては、全国の省庁、行政機関をはじめ、医療機関、インフラ復旧機関、避難所開設、食料・物資支援、企業・民間のボランティアなどが救急、救命、救援活動に駆けつけていただきました。 発生直後の1月1日から正月休みにも関わらず、多くの皆さんは休みを返上して、緊急支援物資輸送などは、道路の亀裂により車が使えないところは人が担いで、また孤立集落にはヘリで届けていただきました。 また、石川県への被災地義援金は2月21日現在、全国、海外から180億8,972万2,094円が、また支援物資も寄せられています。 こうした被災地支援に派遣された皆さんの活動状況は、全国の自治体からは1,200名ほどの職員が応援に派遣され、伊那市からも14名の職員が派遣されました。この他、伊那市水道事業協同組合の皆さんも一緒に御協力いただきました。改めて感謝を申し上げます。 消防庁の緊急消防援助隊からは約5万8,000名が派遣されています。上伊那広域消防からも4次に渡り、58名が派遣されています。警察庁からは警察官が延べ5万5,000人派遣されて、救命・救急活動、安否不明者の捜索をしています。 防衛省からは自衛隊員が逐次投入ということで、最大1万4,000人態勢、2月2日からは1万人態勢になって派遣されています。 医療の分野では、DMATをはじめ主に六つの医療支援チームが派遣されています。伊那中央病院のDMATも既に3回派遣されています。企業・民間のボランティアもおよそ2万6,000人が登録し、既に2,739名が活動を始めています。 こうして、被災地支援に駆けつけていただいた自治体、消防、警察、自衛隊、医療、企業、民間のボランティアの全ての皆さんにこの場を借りて、まず心からの感謝とお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 もとより、公務員はこうした地震災害をはじめ、豪雨や大雪のような突然の自然災害などを含め、国民を助け、守ることは大切な任務の一つの職業です。こうした公務員の職業だけでなく、民間企業などあらゆる職業の選択においても、どんな職業選択においても、当然のことながら、個人の自主志願が基本であることはいうまでもありません。 ところで、去る1月22日の臨時議会の全協で伊那市は、公務員の自衛官等の募集に関する名簿提供について、対象者情報の除外申請制度の概要を初めて説明をいたしました。それは住民基本台帳法で伊那市が厳重に管理している18歳と22歳の市民全員の氏名、住所、年齢、性別の住基4情報を自衛官の募集に使う目的で、自衛隊だけに、それも本人に何の断りもなく、また何の周知もせずに提供してきました。 この自衛官募集に関する自衛隊への名簿対象者の情報の提供は、多くの公務員の職種の中でもとりわけ、自衛隊だけを特別扱いにしたものと言わなければなりません。住民基本台帳法に基づく個人情報の外部提供は唯一、閲覧だけです。個人情報の保護に関する法律でも、提供は法令等の定めがあるときに当たるとは言えません。少なくとも、公務員の他の職種の募集において、公務員である各省庁、自治体の職員、消防士、警察官、教員、裁判官、もっと言えば、特別職公務員の市長、議員などの対応とは明らかに異なっており、これまでの伊那市の対応は問題です。 憲法第22条に規定されている職業選択の自由とは、どんな職種であろうとも自己が従事する職業を平等公平に決定する自由と権利を意味しており、これには自己の選択した職業を遂行する自由、そしてまた、自己が選択したくない職業の自由も含まれています。そして職業選択の前には、当然ながら、その人が知る権利、その人に周知される権利があることは大前提です。 この度、来年度から、こうした自衛隊への個人4情報を提供されたくない市民が自己情報コントロール権を守るために、名簿提供の除外申請を4月1日から5月31日まで市役所の窓口と、郵送で受け付けることになりました。これは自治体としての当然の最低限度の責任でありますが、評価をいたします。 そこで、この度除外申請制度を始めるにあたり、また市民に除外申請制度を周知するにあたり、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 自衛官の募集事務につきましては、法令の定めによって法定受託事務とされておりまして、その上で、自衛隊からの適齢者名簿の求めに応じて提供しているものであります。 その他の公務員については、自衛隊法のような法令の定めがないことから、対応していないというのが現状であります。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 次に質問8を先に順序を繰り上げて伺いますのでよろしくお願いします。ただ今の説明で私は納得できません。 伊那市は、毎年、終戦の日の8月15日、市の主催の二十歳のつどいを開催し、成人した若者と私たち議員は伊那市市民憲章を朗読し、その中の一節「かけがえのない命と平和への願いを伝えます」とともに、唱和します。 また、伊那市議会で平成18年9月21日に決議した非核平和都市宣言の中では、平和憲法の精神からも積極的な役割を果たすと宣言しています。 平和憲法の第9条はその条文で、日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍とその他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない、とあります。 しかし、2015年9月には集団的自衛権などを定めた安保法制が国会で可決成立し、また2022年12月には敵基地攻撃能力などを定めた安保3文書の改定が可決成立しています。 そこで、憲法遵守の立場にある市長として市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 国としての安全保障に関する問題でありますし、このことについて地方自治体としては回答する立場にないという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) それではちょっと市長としては問題があるのじゃないかと思います。それではもう少し伺います。 安保法制、それから安保3文書について伺いたいと思います。自衛隊には安保法制によって、集団的自衛権の行使が付与されました。そして今、安保3文書が改定され、これまで歴代の自民党政権が掲げてきた専守防衛を有名無実化して、反撃能力つまり、敵基地攻撃能力を持てるようになりました。 その一方で、来年度予算に過去最大の8兆円を軍事費に盛り込むなど、敵基地攻撃能力となる長射程ミサイルの開発と大量の取得が進められようとしています。 今後軍事費は国民などへの増税により、5年間で43兆円に増やされる計画が既に示されています。日本が専守防衛から集団的自衛権の国になったということは、それは日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、世界のどこでもアメリカ軍が起こした戦争には日本の自衛隊が参戦するということです。 つまり、アメリカが起こす戦争に自衛隊は参戦し、自衛隊員も戦場に行かなければ、いけないということになりました。 確かに自衛隊が災害救助などで国民を助けて、貢献していただいていることは認めます。感謝もしています。しかし、こういう本当のことを言わないで、除外申請の周知には力を入れるなというような議論は、本末転倒の議論であります。 もちろん自衛隊を職業として選択したい方にとって選択の自由はあります。それはそれで結構であります。しかし、その一方には自分の住基4情報を自衛隊に提供されることは嫌だという方もおられます。 私が言いたいのは、そういう方に伊那市から住基4情報が提供されているということを事前にきちんと知る権利、周知される権利を保障してきちんと市民に周知しなさいと言っているわけであります。 そこで、自衛隊への名簿提供を除外申請制度における市民への周知について、市長の御所見を改めて伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 最初にお答えしたように、この自衛官の募集事務については法令の定めによって、法定受託事務としてされております。 その上で自衛隊からの適齢者名簿の求めに応じて提供しているというものでありまして、このことについて何ら法的に問題はないという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 私が聞いているのは、周知の問題です。改めて伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 何度も言うようですけども、法に基づいてやっている行動でありますので、特段問題ないという考えでおります。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 先ほど申し上げましたけれども歴代の自民党政権はこれまでずっと専守防衛できましたが、それを集団的自衛権に変えたのが安保法制なんです。また安保3文書は日本のアメリカ軍基地と自衛隊基地を全て敵基地攻撃能力に使うという計画です。 ですから、今松本市の自衛隊松本駐屯地を含め、全国の自衛隊の基地、駐屯地の全てで地下シェルターを作るということを防衛省が既に発表しております。そこで、そこを敵基地攻撃能力の戦争で使おうというのであります。 皆さんの中には、戦争は遠いところのことのように思っている方もおいでかもしれませんが、すぐ近くの松本の自衛隊駐屯地も戦争で使われて、日本が戦争になる恐れがあるということなのです。 日本の自衛隊はできてから既に70年も経ちますが、自衛隊はまだ戦争で誰一人も殺していないし、誰一人の戦死者も出しておりません。それはなぜかと言えば、日本には憲法9条があって、そして平和を守るという国民の運動があるからであります。ですから、憲法9条は自衛隊員の命も守っている素晴らしい憲法なんだということを訴えたいと思います。 そこで、憲法の遵守義務がある市長から改めて、安保法制、安保3文書についての御所見を伺いたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 飯島議員の持論でありましょうし、共産党としての立場の意見だと思います。そもそも通告にはないことでございますので、お答えすることはできません。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) きちんと通告しておりますが、お答えにならないということは、本当に問題だと思います。 次に具体的な問題に入ります。質問の(2)住民基本台帳の閲覧についてです。 住民基本台帳法、また個人情報の保護に関する法律は、原則として個人の情報を閲覧以外に、外部の機関に提供してはならないとされています。自衛隊への自衛官募集に関する名簿提供については、法的根拠が曖昧であると言われ、12月議会でも確認しましたように、この名簿提供は伊那市の義務ではありません。義務ではありません。 したがって、県内の19市の中においても、今でも9市が提供でなく、閲覧にとどめています。お隣の南箕輪村でも、法律どおりの閲覧に戻しています。伊那市も法律どおりの閲覧に戻すべきではないでしょうか。改めて市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 閲覧であっても、提供であっても、最終的に適齢者名簿が作成されるということは同じだと思います。 国政地方自治との立場の違いはあるにせよ、合理的に事務を進めるということが大切であると考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) その考え方は私も納得できません。違うと思います。閲覧と提供は、全然違うと思います。 続いて質問の(3)、除外申請の受付期間について伺います。 伊那市の除外申請の受付期間は来年度の4月1日から5月31日までの2か月間とのことです。しかし、同じ県内19市のうち、塩尻市では、受付期間を4か月間保証しています。伊那市はなぜ受付期間が2か月間で、なぜ4か月間としないのでしょうか。市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 県内の状況を確認しましたところ、先ほどおっしゃったとおり4か月が1市、3か月が1市、2か月が2市であります。 また郡内におきましては、二つの市と村が2か月、二つの町と村が1か月の受付期間としております。これらを踏まえまして、2か月が適当と判断させていただきました。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 私は4か月取っているところを基本にして欲しかったと思います。御検討ください。 次に質問の(4)、電子申請による除外申請についてです。 伊那市の除外申請の申請方法では、除外申請書を市役所危機管理課の窓口提出か郵送しか認めていません。しかも、申請書の入手方法は公式ホームページからダウンロードしなさいと言いながら、電子申請を認めていません。しかし県内19市のうち、長野市、松本市、塩尻市などは、当然のように電子申請を認めています。 1月22日の全協の説明のときには、電子申請の受付は、伊那市としてはどういう状況かよく把握して、分析して、必要があれば、電子申請も受け付ける検討をしていきたいと考えておりますと御答弁いただいておりますので、検討の結果を伺います。 また電子申請においては、除外申請情報をQRコードで読み取るようにしていただきたいのですが、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 行政のDX化の要請もある中で、総合的に検討していきたいということであります。また、QRコード等については担当の方からお話をさせていただきます。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) QRコードにつきましては、電子申請に併せて仕組みを構築したいと考えております。 市報いな等でQRコードを見ていただいて、申請するというのも検討してまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 4月1日からの施行に間に合うように大至急お願いいたします。 続いて質問の(5)、除外申請の周知についてです。 個人情報自衛隊に提供される18歳と22歳の皆さんにとっては、そもそも伊那市が提供していることを知らなければ、除外申請することもできません。 1月22日の全協の説明のときには、周知の方法としては、市公式ホームページ、市報いな、い~なチャンネル、プレスリリースとのことでした。 しかし、チラシとかそういういったものの作成も検討していきたいとの御答弁もありましたので、伊那市が周知のチラシを作成して、対象者に直接郵送などで配布できないか、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 御家族への周知も含めまして、伊那市地域安心安全メールによりまして周知を検討してまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 安心安全メールだけでなくチラシも検討してください。 次にチラシの配布の問題です。これは今すぐには答えられなかったのですが、実際に除外申請を周知するには、それぞれの高校などに伊那市からチラシを持っていって、直接学校から対象者に配ってもらうという方式が効果的です。 1月22日の全協でもチラシの配布について、周知の一つとして十分考えたいと検討していきたいと御答弁がありましたので、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 前回そのような回答をした覚えはありません。 したがいましてそこまでの対応を考えていないということです。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 全協で答弁しています。検討してください。 続いて周知のポスターについて検討するか、御所見を伺いたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) それについても対応は考えておりません。
○議長(白鳥敏明君) 飯島議員。
◆20番(飯島光豊君) 全く残念です。市民の皆さんに周知をしていただきたいと思います。質問の最後に申し上げたいと思います。 私は、この名簿提供は、公務員の公務における個人情報の保護の原則に違反して、行うことはできないと考えます。 地方公務員法の第34条、秘密を守る義務、守秘義務は、職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後もまた同様とすると定められています。まさに個人情報、住基4情報はこれに該当し、自衛隊への市民の名簿提供はありえません。 また、自衛隊への名簿提供は、職業選択の自由を侵害するものであり私は公務として行うことはできないと考えます。自衛隊への名簿提供が可能ならば、官民問わず全ての職種の募集のために名簿提供が可能となるとんでもない理屈になります。まさに公務として、根本的な誤りがあるということを申し上げて私の質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、
飯島光豊議員の質問が終了しました。 引き続き、宮原英幸議員の質問に入ります。 15番、宮原英幸議員。 (15番 宮原英幸君登壇)
◆15番(宮原英幸君) 15番、宮原英幸です。さきに通告をしております2点についてお考えを伺ってまいります。 最初に令和6年度予算編成の考え方についてお伺いします。 このたびの3月定例会は、いわゆる予算議会でございます。令和2年度から全世界を悩ませてきた新型コロナも、我が国における感染症法による位置づけが2類から5類感染症に移行し、その後、数々の交流も再開をされてきました。 令和5年度は、その影は社会生活全般に渡ったとはいえ、回復の期待もされたところでしたが、その影響はまだまだ大きく、福祉の充実などが主要な施策となりました。当初予算としては過去4番目の規模とされる令和6年度予算は、市を取り巻く状況の大きな変化を見据えた新たなまちづくりに向けてのスタートとなることが期待されております。 まず、令和6年度の当初予算編成、その考え方を中心に市長にお聞きしてまいります。 当初予算の主題は、誰1人取り残さない持続可能な未来都市とし、地域の未来をともに描く新たなまちづくりを目指すものとされます。誰1人取り残さないという主題はこれで3年目となりますけれども、この想いについて、まず市長にお聞きします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和6年度当初予算案の主題は、誰1人取り残さない持続可能な未来都市としております。このことは、令和4年度の当初予算から掲げているものでありまして、市政の継続性を念頭に置きながら、これまでの取組をさらに進めていく予算とした思いがあります。 伊那市は令和3年度にSDGs未来都市に選定されておりまして、SDGsがうたう誰1人取り残さない社会の実現に向け、市民一人一人に必要とされる支援が届くように、令和4年度から福祉の見直しも進めてきているところであります。 コロナ禍で顕在化した子供をはじめとする、社会的に弱い立場におかれた皆さんへの支援の充実や、以前から新産業技術を活用し、地域の課題解決に取り組んできたところでありまして、令和6年度もこれらの事業を継続して推進してまいりたいという考えであります。またこれまで成果を上げてまいりました食料や水、エネルギーを自給自足できる持続可能な伊那市の実現に向けて、伊那から減らそうCO2!あるいは50年の森林ビジョン、農林業への支援などの事業に加えて、フィンランドに学ぶ森林と教育の関わりなどを通じた地域づくりあるいは人づくりというものを加えて取組を深めてまいりたいという考えであります。 もう一つ、副題でありますが、地域の未来をともに描く新たなまちづくりとしてあります。具体的には、新型コロナウイルス感染症の5類への移行、幹線道路、あるいは広域交通網の事業の進捗、高校再編に向けた動き、戸草ダム建設再開を求める活動など伊那市を取り巻く状況が大変大きく変化しようとしている今、これらの動きを見据えた伊那市の新たなまちづくりを進めて、持続可能な未来都市の構築に取り組んでまいりたいという思いであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 総合計画にもあります地域の個性と魅力が輝く賑わいと活力のあるまちづくりにあっては、このところ伊那ブランドというキーワードが登場しております。具体的に目指すブランドとはどのようなものでしょうか。誰にどのようなブランドを届け、市民生活とどのように関わりをつけていくのでしょうか。 また、ブランディングは、様々なコミュニケーション活動でもあります。ブランド化というのは、他者との差別化というのは一つの目的ですよね。外部に対しての差別化、各自治体による地域ブランドによる差別化という点では、当地域でも社会生活が広域化している将来を考えますと、個人的にはにわかに賛成しかねるというところはございます。一般的に商品であれば、顧客にとっての価値を最大限高めていくことが大きな目的と言えるわけです。 伊那市地域のブランドとなれば、地域住民としての認知が重要であり、まちづくりストーリーの出発点ということが言えると思います。過去のこの事業の効果について検証されていることがあれば、例示いただきながら、お考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) まず伊那市におけるブランドとして、一般的にはそばとか山ブドウとか、あるいは伝統野菜などにそのブランド化というものが挙げられるわけでありますが、これらを含めて、伊那市には人・こと・ものなど多様で豊富な地域資源が存在しております。 しかしその魅力を地域の皆さん、あるいは企業や団体、行政などがそれぞれに発掘・発信をしている状況の中で、統一的なイメージ、あるいは伊那市らしさというものはなかなか定まっていないと。このことは県内外への浸透も不足しておりますし、地域住民の皆さんがその魅力あるいは価値に気がついていない現状もあるということであります。 一例を挙げれば流山市が今、子育てで非常に注目を浴びております。ここのブランドとして一つ発信をしているのが、子育てするなら流山という言葉、これは非常に利いておりますし、それに対しての施策もしっかり充実しているということで、人口がどんどん増えているという事例もあります。一つの事例なのですが、こうしたことを踏まえまして、今年度から着手した地域ブランドの推進においては、先を見据えた唯一無二のブランドの形成によって、伊那市にしかない魅力を作り上げて差別化を図りたいと。このことが地域内外に認知、拡散、活用されることを目指すというそんなことであります。 具体的な事業としましては、本年度から3か年において、アンケート、ヒアリング、ワークショップによるニーズの調査分析、地域資源の棚卸による情報の収集、あるいは整理、さらにデジタルマーケティングによる市場の動向把握などのプロセスを経て、ブランド戦略と、それからアクションプランを策定をしていく中で、地域のブランド化を進めていきたいと考えております。 ブランド訴求のターゲットとしましては、一つ目は伊那で暮らす人々であります。地域のアイデンティティを明確にし、認知させることで市民の郷土愛が醸成され、また暮らしの豊かさというものも実感できる地域ブランドを形成していきたいという考えであります。 それから二つ目でありますが、これから増やしていく伊那市のファンあるいはサポーター、こうした関係人口に向けてのものであります。形成された伊那のブランドが地域内外の人々に伝わることで、これが一つの引き金となって、感動、あるいは共感が生まれ、来訪したい、来伊したい、伊那市を訪れたいという気持ちを作り上げていきたいという考えであります。 さらに大切な視点としてはその過程をできるだけ見える化をし、一人でも多くの人々また企業などが主体的に関わっていく中で、伊那市の地域ブランドというものをともに作り上げていきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) おっしゃるように、ブランド、何か形を作る、あるいは商標なりキャラクターを作るとかそういうものだけでやろうとして市が一人で走るというようなことだけでは、なかなか住民に伝わっていかないと思いますので、先ほどもターゲットの話の中で、伊那で暮らそうとする人たち、ここの人たちにやっぱり共通のアイデンティティを持ってもらうというような努力も、一方で非常に大事なことだと思いますので、ぜひ併せて進めていただきたいなと思います。 令和4年度予算編成時に、市長は福祉の棚卸しを掲げられました。福祉の充実は、いつにおいても基本政策の一つということができると思いますけれど、特に棚卸しを掲げたその成果と、その後の施策実施を経由しまして、6年度予算に対してはどう反映されているのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和4年度に福祉の棚卸しを掲げまして、ハード事業、ソフト事業を合わせて19項目についての実施計画の事業シートを作成いたしました。 この19の項目について福祉の棚卸しを行ったことで、関係各課はそれぞれの課題、あるいは具体的に取り組むための目標というものを明確にすることができているところであります。 主な取組としましては、重層的支援体制の整備の本格的な実施が進みました。それから独自の保育料、県下でも一番安い部類に入る保育料も維持しておりますし、保育の副食費の無償化というものをやってまいりました。 それからコロナによって格差が生じている貧困の子供たちに対しての子供食堂の運営の支援とか、子供の福祉医療費、これは18歳までの子供は窓口負担を無料化する、あるいはサービス券が今まで5種類あったわけでありますが、これを令和5年度に高齢者などへの暮らしいきいき応援券というものに統合して、使い勝手を良くしている。 また引きこもりというのがだんだん増えているという状況下において、こうした親御さんとか本人から相談を受けるひきこもり相談窓口というものも設置をしたりしてきております。 これからのところについても、子供の福祉医療費の給付金制度については、子育て世代の負担軽減のため、令和6年度も継続して実施していきたいと。また、保育料については令和6年度から第2子や低所得世帯の保育料の軽減も拡大をしていくと。それから子供食堂の運営支援につきましては、飲食店の協力によって、常設的な子供食堂を展開していきたいということ。またひとり親家庭の支援としては、高校進学など準備支援金の支給も行っていくということ。 高齢者におきましては、暮らしいきいき応援券の統合による影響というのを検証し、さらに交付内容の充実、あるいは利用用途の見直しも図ってまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) ここからは主要事業の一部について市長及び関係部署にお聞きをしてまいりたいと思います。 先ほども御答弁の中にありましたけれども、SDGsに端を発する伊那から減らそうCo2!!に関わる地球温暖化対策事業、ここでは令和6年度は総額約4億1,700万が計上されております。 5年度予算では同じ事業で約2億2,200万でしたので、2億円ほど増えているわけですけれども、これは主に脱炭素移行再エネ推進交付金事業の拡大によるものです。 市独自に自ら取り組む意義及び期待する効果についてお聞きします。 また将来、水力を含めてこのような事業を主として拡大をしていく予定でしょうか。過去の質問で私も質問したところなんですが、当市内に水力のポテンシャルは大変あると思うのですけれども、小水力等市独自には予定がない旨の答弁をいただいた経緯がありますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 個々についてはまた担当からお話をさせてもらいたいと思います。 今議員おっしゃいましたように、再エネ推進交付金は全国で10か所ほど指定されたのですが、そのうちの一つ、伊那市が事業費の総額で29億円という、地域脱炭素移行再エネ推進交付金の採択を受けることができました。 これは伊那市の脱炭素に対する今までの姿勢それから取組、さらにはその先進性というものが評価されたものと考えております。 今後国とか県をはじめ、民間企業も含めて世界レベルでESG投資がますます盛んになってまいります。伊那市は伊那から減らそうCO2!!の計画に沿って取組を進めてきておりますが、今年度の事業というのは、伊那市の脱炭素への取組における象徴的な事業となるだろうというふうに考えております。それと水力発電でありますが、これは非常にクリーンな再生可能エネルギーとしてあるわけでありますので、二酸化炭素の排出抑制に効果のある取組としての水力発電、これは財源を確保する中で、積極的に取り組んでまいりたいと。 伊那市独自ということもありますし、県の企業局あるいは三峰川電力とか様々な民間資本も入ってきておりますので、トータルとして小水力発電がこの地域の一つの大変大きなクリーンエネルギーとして存在しうるという考えでおります。
○議長(白鳥敏明君) 城倉市民生活部長。
◎市民生活部長(城倉良君) 伊那市では、平成28年3月に伊那市50年の森林ビジョンを、さらに平成28年12月に伊那から減らそうCo2!!伊那市二酸化炭素排出抑制計画をそれぞれ策定いたしまして、豊かな森林資源の活用による木質バイオマスの転換や、豊かな水資源を活用した小水力発電、豊富な日射量を生かした屋根置き太陽光発電、公共施設や防犯灯、街路灯、一般家庭のLED化などの省エネ活動を含め具体的に二酸化炭素の排出抑制に取り組んできているところでございます。 令和3年3月には、伊那から減らそうCo2!!の延長線上の目標として2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言しています。 水力発電の推進につきましては、伊那市の立地上のポテンシャルから見て適地はあるというふうに考えておりますが、許認可の問題で拡大していくことが、どうしても時間を要するという課題がございます。そんな中、長野県企業局が既存の水力発電所をリプレイスして整備しておりまして、地域に開かれた発電所として整備の提案を行うなど、再生可能エネルギーの資源活用や教育の場としてつなげることができているというふうに考えております。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 先ほど申し上げたように市内にポテンシャルたくさんあると思いますので、ぜひ関係機関とも協力して進めていく必要があるのではないかなというふうに思いますのでよろしくお願いいたします。 次に有機農業関連でお聞きをしておきます。政府は、みどりの食料システム戦略の一環で、2050年までに有機農業を全耕地の25%、国レベルでは100万ヘクタールと言われてますけれども、それに拡大する目標を掲げております。当市でも22年からは脱炭素を含めた有機農業への移行を標榜して、有機農業塾開催等、動きを加速してきております。 市の掲げる有機農業の拡大について、市域の耕地はおよそ5,100ヘクタール、うち田が66%で畑が34%ほどですけれども、これがいつまでに面積をどの程度を目指すのか、有機農業は収入に結びつく環境がなければ、苦しむ経営が増えるだけになるという心配をされるところもあります。具体的にどのように市としては主導されていくのか。 食育を進める学校教育への導入も大きな需要拡大の方策の一つだとは思います。給食費の課題とも関連しますけれども、農業振興関係予算で遊休農地の解消をしながら、作物を学校給食に買い取り、農家に安心して作り続けてもらう施策だとか、子供たちが自分たちで作った作物などを給食に提供する継続的な仕組みの提供、こんなものもあっていいかなというふうに思うのですが、さらに総合的な耕作の技術それから販売まで含めた環境拡大施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状の取組状況を細かいところについては担当からお話をさせてもらいたいと思います。 学校給食については、令和6年度に、学校給食のお米を4校対象に約2か月程度、市内の農家が栽培した有機米を導入したいという考えであります。若干高いわけでありますがその差額については市の方でみながら、安心安全な給食を提供していくという考えであります。 4校と全部ではないのですが、今有機米を作っていらっしゃる農家の方が限られておりまして、その皆さんと話をする中で4校、2か月程度は確保できるということでありますので、今後そうした農家が増えてくれば、市内の学校の給食についてはだんだんに切り替えができると考えているところであります。 また今JAさんでやっている、お米にしても様々な野菜にしても、非常に低農薬でやっておりますので、決してその有機だけが全てではないということも申し添えたいと思います。 有機については特に中山間地の多い東部地区におきましては、環境への負荷の低減を図る有機農業に取り組む農家を増やしながら、持続可能な農業生産をさらに発展させたいという考えであります。 それからこれもブランドに継続できると思うのですが、例えば伊那のオーガニックバレーみたいなものも一つのブランド化になっていくだろうと。それと給食費さっき触れたんですが、若干有機の方が高いということもありますけれども、この差額については補填をしていくということで、有機農業を始めたい農家の皆さんの勉強会を開催するなど、こうした取組を促していきたいという考えであります。 それから伊那市の取組の中で、有機野菜を作っている方も何人もいらっしゃいます。そして皆さん大量ではないのですが、精魂込めて作ってもらった
農産物でありますので、こうしたことを伊那市とのいろんな関係のある都会の飲食店とか食堂とか、あるいは今丸紅さんの食堂にも使ってもらっておりまして、そうしたところに定期的に送れるような体制をとっております。 特に昨年10月に行った日比谷松本楼での伊那市フェアの際にも、伊那のそうした有機野菜をふんだんに使った提供もしていただいておりまして、伊那の有機への取組というのが都会でも発信をしてもらっているという状況であります。 伊那市の今までの農業というのがしっかりと定着しておりますので、先ほど言いましたけれども、低農薬で、全国に誇れる高品質の農作物を作っているということも、伊那の農業の特徴であります。有機農業につきましては、消費者、また世界が求めているものでありますので、この栽培技術というものを定着させ、安定的に儲かる農業を目指してまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 松本農林部参事。
◎農林部参事(松本直也君) 国ではみどりの食料システム戦略におきまして、2050年までに目指す姿として、化学農薬の使用量を50%低減、輸入原料等を使用した化学肥料の使用量を30%低減、そして議員おっしゃられた有機農業の取組面積25%、100万ヘクタール拡大するということを示しております。 伊那市では先ほど市長申し上げましたけれども、従来より食料、水、エネルギーを自分たちで賄っていくということを目指しながら、各種施策講じているところでございまして、減農薬ですとか、無農薬栽培など環境への負荷の低減を図るような多様な農業が行われております。 令和4年度については全国から有機農業の専門家を講師として招きまして、伊那谷有機農業塾を6回開催しました。令和5年度ですけれども、NPO法人の民間稲作研究所から講師を招きまして、有機稲作勉強会というものを4回開催いたしました。加えまして来年度から学校給食への有機米に導入に向けまして、学校教育課ですとか、栄養士の方々と会議を行いまして、栽培農家とも意見交換を行ってまいりまして理解を深めてきたところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) いよいよ学校給食にも具体的に導入を図っていかれるということで、非常に結構なことだなと思います。学校給食に関しては全国で話題になりましたけど、民間企業に委託をしたら企業が倒産してしまったというようなこともあり、やはり安心に安全な給食を継続的に提供するいう意味では、材料の供給が継続的になされないといけないということで、関係する有機栽培される農家の皆さんの拡充というのも絶対的に必要になるということですので、ぜひこれは将来へ向けてのステップとして着実に拡大をしていっていただきたいと思います。 次に社会インフラ整備についてお聞きをしておきます。特に伊駒アルプスロードの進捗についてお聞きをします。 御存じのとおり伊駒アルプスロードは、駒ヶ根市北の原から伊那市美篶青島間の約11キロのバイパス計画で、国道153号の渋滞緩和、中央道の代替路、またリニア中央新幹線による地域活性化効果、三遠南信自動車道等の開通で広域的な発展に伴い、突出した波及効果が期待をされているところです。 令和2年3月には、国直轄の事業化となり、昨年は当市において中心杭打式も執り行われました。いくつかの工区に分けて整備効果の高い、天竜川を渡る区間が先行整備をされるとなっております。 ここでお聞きをします。現状の進捗状況及び今後のスケジュールについてはいかがでしょうか。ルート概要は決定していると思いますが、既存道路との連携などは今後さらに検討する、あるいは、検討する余地があるという理解でよろしいでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 鷲見建設部参事。
◎建設部参事(鷲見祐人君) まず進捗状況ですが、伊駒アルプスロードにつきましては議員の御指摘のとおり、天竜川を渡る区間である西春近下牧から東春近田原までを先行整備区間として国土交通省飯田国道事務所において事業を進めていただいており今年度から用地買収に着手しております。 現在のところ先行整備区間を含めて全線のスケジュールは示されておらず、まずは整備効果を早期に表すことができるよう、先行整備区間の事業進捗を図っていくものと考えております。 既存道路との連携につきましては、長野
県伊那建設事務所において、先行整備区間に関係する国道153号の西春近下牧において新設する交差点及び県道車屋大久保線の改良事業が進められております。 なお市においても、国道153号同交差点と、伊駒アルプスロードを接続する市道下牧伊駒線について今年度から用地買収に着手しております。 次に今後ですが、既存道路との連携について伊駒アルプスロードと既存道路が平面交差する箇所は、平成31年2月の都市計画決定に先立ち行われた説明会において示されており、地域の皆様には周知のために再度お示ししてまいります。 伊駒アルプスロードに平面交差など接続箇所を追加することにつきましては、費用対効果及び平面交差を増やすことによる交通流の阻害などの課題を念頭に、市として慎重に考えてまいります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 御答弁いただきましたように、着実に進むという理解をしておりますが、これからおそらく長期間にわたって工事が行われていくということだと思いますので、地元との調整、それから関係道路網の整備も考慮しながら、時代に合った取組をぜひしていただきたいとお願いをしておきます。 ここまで6年度予算の主要事業などからその考え方等についてお聞きをしてまいりました。これから議会審議を経て施策が執行されていくと思いますけれども、それぞれの施策が当初の目的を十分達成できることを期待して次の質問に移りたいと思います。 次は地域医療の今後と地域包括ケアに関してお聞きをします。 地域医療の今後が心配をされます。具体的には、将来の市内ないし上伊那の開業医の方々たちの減少を心配しております。 伊那市医師会の会員についてお聞きをしますと、昨年8月現在ですが、中央病院の医師を除いてですが会員が79名、このうち70歳代以上が30名37.9%、60歳代まで入れますと49名62%だそうです。10年後は極めて深刻な状況が予想されます。 一方で、50歳未満の方は7人8.9%ということだそうです。といいますのも、近年新規開業も少なく、むしろ廃業が3医院ありました。一つの医院は継承の見込みが立ったということですけれどもあります。それから新規開業、事業承継が期待されてはいますけれども、先が明るいとは言えないという状況だと思います。いずれにしても開業医の方々の高齢化は避けられません。 一方、中央病院は地域の基幹病院としてありますが、急性期医療を担っておりますので、地域医療の役割分担ということでいきますと、まずかかりつけ医ということになると思います。ここが弱体化する可能性があるわけです。 開業医院の事業承継等については個人的なことでもあり、それ以上踏み込んだ調査はされていないというふうにお聞きをしております。 2010年度の総人口が約7万1,000人でした。2040年には約5万5,000人へと減少すると予想されている伊那市についても、医療機関を取り巻く環境は、極めて厳しくなるということが予想されます。新規開業などの期待も厳しくなるのではないかなと考えられます。 これらを踏まえて市長にお聞きをしてまいります。 開業医療機関の医師の高齢化、後継が不足しているという点についてどうお考えでしょうか。市としても実態の把握はされているのでしょうか。また把握が必要と考えますけれど、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 開業医の医療機関につきましては、日頃からかかりつけ医として市民の皆さんの日常生活に密着した医療を担っていただいております。 医師の高齢化あるいは後継者不足によって市民が適時適切に医療を受けられない事態が生じるということは避けなければいけないという考えであります。 伊那市医師会としては定期的に行う懇談会で、意見交換などをしておりまして、日頃から地域医療に関する諸問題、諸課題を共有しているところであります。そうした中で、開業医の医師の高齢化あるいは後継者不足の実態についても承知をしているところであります。 市の主導でそれぞれの開業医、また開業医機関に対して、個別に状況を確認すると、いうことは難しいわけでありますが、今後とも医師会と連携を密にしながら進めてまいりたいという考えでございます。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 医学部の定員を増やして医者を増やしたらどうかと、それから医学進学コースなどを高校に設けたらどうかといったような考えもありますし、そういう提案もされているところですけれども、これは一つの対策ではあると思います。 ただ、全国的に問題となっているのは、特にこれからは、医師の偏在の問題じゃないかなと。総数というよりも、偏っているということが問題だというふうに思います。 伊那中央病院は約100人のお医者さんがいらっしゃるわけですけれども、近年の高度医療への取組等が奏功して、研修医に選ばれる病院になっているようで大変心強く思っております。一方、地域開業医は先ほどのとおりです。 そこでお聞きをします。市として住民の安心の原点でもある医療体制の維持のために、例えば早い時期から地元出身の医学生とのネットワークを築いていくとか、地域医療に関心のある学生とのコンタクトを取るとか、開業ないし承継支援をするとか、何らかの働きかけが必要と考えます。いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 医療提供体制を維持することというのは、私たちここに住む者として、住み慣れた場所で地域で安心して暮らすことができるという大変重要な要素の一つとなるわけであります。 そうした中で限りある医療資源を有効に活用するには、広域的な日常社会生活圏である上伊那地域内での連携、それから専門性が高い医療に関しては、県全体での連携というのを考える必要があると思います。 そうした中、県は医療法等の改正に伴い策定しました医師確保計画に基づいて、大学医学部への地域枠の設定や就学支援金の貸与などによって、県内に勤務するお医者さんの確保、また県内での地域や診療科の偏在の是正に向けて、施策を実証しているところであります。 現在伊那市の行う医療機関の開業支援として、分娩を行う産科医療機関と、高度生殖医療を行う婦人科の医療機関向けの補助制度というものを設けているところであります。 先生方が事業継承していただくという中においては、やはり地元出身の医学生が帰ってくるというパターンがほとんどでありますので、外から来て開業というのは中央病院のお医者さんで、地元にという方もいらっしゃいますけども、開業医のところの継承というのはやはり地元で育って地元の高校から医学部に行って帰ってくるというパターンが多いので、ぜひ今度の伊那新校の中には、医学進学コース的なところをぜひ作ってほしいという要望もしているところであります。 こうして地元から出ていって、都会の高校から大学へ行ってというふうになってしまうとなかなかこの伊那に帰ってくることはないものですから、ぜひ地元でそうしたお医者さんになれる医学部に入れるような高校を確保したいという考えで今県とも話をしているところであります。 上伊那地域につきましては、県の医師確保計画の枠組みの中では、医師の少ない地域としています。そうした中で、就学資金貸与の先生とか、あるいは自治医科大学卒業の先生の配置を受けておりまして、またそうした中で、市が単独で地元出身の医学生に個別のアプローチというのは難しい状況でありますので、なんとか小さいうちからそうしたここで医師として働くんだというキャリア的なところのアプローチもしていきたいという考えであります。 それから先ほど産科医とか、あるいは婦人科医療機関への支援という話もしましたが、開業支援については引き続いて必要な支援ができるように、常に考えていきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 長野県中心になって、特に上伊那を非常に少ない地域ということが言われていますので、県でも盛んにそういった施策を講じているところですのでぜひ一緒になって、医師の確保をしていただきたい。また産科のみならず、開業支援等できることはやっていただきたいなと思っております。 例えば市内ですと、皮膚科が減少してきております。診療科の偏在というのは、これからまた課題になってくるのではないかなと思います。 医学部の各分野も非常に専門性が高くなりつつありまして、当地域のような場所は将来むしろいわゆる総合医的な人材が必要になってくるのではないかなと思いますので、これは市というよりも広域ないし、中央行政等で議論しなければいけないことかもしれないのですが、伊那中央病院だとか近隣の基幹病院と、地域医療連携についても、また開業医の皆さんとの間での連絡協議などを早急な具体的検討が必要になってくるのではないかなと思っておりますけれど、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これまでも病診連携などによりまして、医療機関の機能の分化を図っております。患者が症状に適した医療機関で適切な医療を受けられるように、診療所と病院が機能役割を分担しながら連携をしているのは実情であります。 議員おっしゃるように今後ますます医療資源が限られていく可能性を考えますと、広域的な日常生活圏であります上伊那地域での連携の重要性はますます高まってくると考えております。 見直しが進められております上伊那医療圏地域医療構想の検討の場などの機会を捉えて、改めて関係者と上伊那地域内の医療連携の重要性について認識を共有したいと考えているところであります。そうした中、まずは地域医療連携のベースとして日常的な医療の提供、あるいは健康管理、症状に応じての高度専門的医療というものを紹介する役割を担ういわゆるかかりつけ医を持つ重要性についても、市民の皆様に啓発をしていきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 先ほど総合医的な人材も必要になってくるのではないかという話もしましたけれども、ところによっては開業医の皆さんご自身で仲間を作って、それぞれにフォローし合うというような取組をされているところもあるように聞いておりますので、ぜひそんなことも含めて、これからの体制づくり、きちんとやっていく必要があるなというふうに思いますのでよろしくお願いをいたします。 市が実施していますモバイルクリニックについてですが、2022年までの約2年間での利用実績は月平均13.3回だったものが、2023年の1年間で月平均18.3回という実績であったと聞いております。 妊産婦検診も拡大されていることは評価できますし、産科医療機関が拡大したことも寄与していると思います。搭載機器が限られているための課題もあるということですが、更なる進化を期待しております。 これらも含め地域のニーズに合った医療体制の構築というのは欠かせないわけですけれども、先ほどの診療科の偏在にも寄与できればと考えますが、モバイルクリニックに関しては、医療機関への参加推進、それから搭載機器の充実などは進んでいるのでしょうか。また、妊産婦に関しては、産褥期のケアが不十分との意見もあります。助産師会との連携によるケア事業なども考えてはいかがかなと思います。 国も産後ケアへの取組をここのところずっと強化をしてきておりますし、市も産後ケア事業をもろもろ実施してきていることは承知しております。産褥期は、出産後の体が元の状態に戻るまでのおよそ6週間から8週間あたりまでとされておりますが、個人差も非常に大きいとお聞きしておりますし、お金の支援だけではない不安な子育てに寄り添うケアの充実をしっかり考えていく必要があるというふうに思います。 そういう面で経験豊かな助産師の方々等は大きな支えになると思いますが、お考えをお聞きかせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) モバイルクリニックの事業でありますが、始めた当初から比べてだんだんに利用が増えているという中で、昨年から妊産婦の皆さんへのモバイルクリニックの拡大ということで、非常に皆さんから好評を得ております。 大きなお腹をして車を運転してお医者さんに行くとか、あるいは小さい子供を助手席に乗せて、大きなお腹を抱えながら運転するという危険といいますか、何かあったら大変だなという思いが、モバイルクリニックで検診をしていただけるということで利用が格段に増えている状況であります。 今年度については、モバイルクリニックの車を産科・婦人科の皆さん専用のものを一台作りたいという考えでおりまして、そうすると今バッティングしてなかなか活用ができないというお医者さんもおりますけれども、そうした皆さんが自由に使えるようになってくるのではないかと考えているところであります。 モバイルクリニックの事業につきましては、伊那市医師会の内科系の訪問診療を行っているクリニックの先生方も参加してもらっておりますし、令和4年7月からは先ほど申しましたけども周産期の妊産婦健診を実施するマタニティクリニックが新たに参加をしてもらっているところであります。 このマタニティクリニックの参加につきましては、搭載機器の中ではモバイルエコーの小型版なのですが、この遠隔超音波検診検査装置、モバイルクリニックで、訪問診療をしたところの妊産婦さんのエコーを撮ると同じエコーの映像そのものが、遠くにいるお医者さんが同時に見ることができるとか、遠隔の胎児の監視装置というのを開発されておりまして、これによって今どういう状況なのかということもわかると。 また小児用の遠隔聴診器というものを開発し、これが搭載をされることによって参加しているお医者さんに提供できるということも実現をしているところであります。 それから、モバイルクリニックの事業においては、産褥期の2週目の産婦健診というものを行っているところであります。産褥期の2週目の健診でありますが、助産師のみで実施をすることが可能でありますので、モバイルクリニックによる健診の実施、あるいは産褥期ケアの利用については、助産師会とも研究を進めていきたいというふうに考えているところであります。 今後出産後の新生児の小児科あるいは産褥期の婦人科、遠隔心電図の検査装置によります循環器科などの領域への拡大というのは今後期待をされると考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 先ほどの開業医の方々が減っていく可能性があるというようなことの中で、モバイルクリニックを拡充していくというようなお話もありましたので期待をしております。 これまで医療機関の課題、医師の偏在などを話題にしてきたわけですけれども、関連しまして、いわゆる地域包括ケアについてお聞きします。 先日、伊那市高齢者イーナプラン第9期介護保険事業計画の概要が示されました。令和6年度から8年度にかけての目標や関連諸施策を掲載しております。 団塊世代が75歳以上となる2025年度、及び団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢者人口のピークを迎える2040年度の高齢社会を見据えた計画というふうにされております。ここでは地域を丸ごと支えるための地域包括ケアシステムを標榜し、幸せや長寿の喜びを実感し、住み慣れた地域で支え合い、元気に暮らし続ける、これを基本理念として地域共生社会の実現への取組が示されております。 これまで第8期計画においても、高齢者施策としてその重点に一つは地域包括支援センターの機能強化、二つ目、生活支援体制整備の充実、三つ目、在宅医療等介護の連携の充実、これらを掲げて活動が進められてきております。今後は増加すると予想される認知症高齢者も見込み、住まい、医療、介護、予防、生活支援の一体的提供を目指しているとされております。 さて、地域包括ケアシステムは、当然のことながら、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げることが必要となります。地域共生社会の実現のためには、地域住民と行政などの協働、地域や個人が抱える生活課題解決に取り組む必要があるからです。 しかしながら、このような響きのいい包括的な議論だけでは簡単に実現するとは考えられません。例えばどの部署が中心的なまとめ役を担っていけばいいのでしょうか。イーナプラン等は保健福祉部がやっておりますけれど、保健福祉部の業務の一部としてやられるような状況でいいのかどうなのか。地域で丸ごとケアするケアシステムはそれぞれの分野、医療、介護、生活支援、支援センター等の関わりが示されているわけですけれど、各々分野間の連携は決して十分とは言えないというふうに思います。 また、具体的にどこまで何を淘汰すればいいのか、この辺の判断も非常に難しいものがあるというふうに考えております。いくつかの機能分担ございますけれども、医療介護連携の視点から話題にしてみたいと思います。 まず医療についてですが、特にかかりつけ医機能を発揮して、地域の病院連携をしっかりやれる体制づくりは重要です。しかし、先ほども話題にしましたとおり、地域の開業医の方々の不安があります。また、基幹伊那中央病院は、相談支援体制を充実させ、在宅医療を推進するとしておりますけれども、在宅医療を満足に行うためには、訪問介護・看護の充実が必須ですし、例えば現場看護師だけではできない医療行為などに対して、それを指導する医師の存在も不可欠であります。この連携が取れないと、在宅医療は難しいというふうに考えます。在宅での看取りも受けていかなければなりません。 一方、今般の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬の引下げが決まりました。そうでなくても訪問介護員の不足を訴える介護事業所は全国90%以上というふうにも報道されております。担い手不足の中での報酬引下げは在宅ケアを壊すとまで言われているわけです。処遇改善加算があるようですが、補えるものなのでしょうか。 これらを踏まえた上で市長にお聞きをしていきます。 地域包括ケアシステム構築にあたっては、相談体制や健康づくり生活支援等を含め多様な関わりが必要であることはいうまでもありませんが、その中での医療と介護に関する先に指摘しました連携などは自治体としてどのように解決されていくのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状については担当の方からお話をさせていただきたいと思います。 伊那市在宅医療介護連携推進協議会においては、委員の皆さんの意見をもとに、課題について協議をしていくということ、それから各課題について小委員会においてさらに具体的な検討を行っているのは、現状であります。 それから、元気な高齢者から看取りをする高齢者まで、地域で安心して暮らし続けるために、伊那市在宅医療介護連携推進協議会を含めて、上伊那の各機関とも協議をしていかなければいけないと考えているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉部長。
◎保健福祉部長(村松義隆君) 伊那市におきましても、平成28年から地域包括ケアシステム構築に向けまして、伊那市医師会をはじめとしました医療関係者、ケアマネジャー、介護施設関係者等で構成いたします伊那市在宅医療介護連携推進協議会を開催いたしまして、医療と介護の連携について協議を続けてきております。 協議会では、病気や介護が必要な状態になっても、私らしい自分らしい人生の実現を目指す姿としまして、切れ目ない在宅医療と介護の提供体制の構築に向けた協議や、現場の医療看護人材、介護人材の不足についても検討を重ねてきております。 医療と介護の速やかな情報共有を目的としましたいーな@電子連絡帳の利用の推進や、市民自身が望む医療、介護、暮らし方について最後まで自己決定できる人生会議などをお出かけ講座や市報、ケーブルテレビ等を活用しまして周知してきているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 在宅医療介護連携推進ということで、実際には小委員会等を作って、いろいろな形で検討されているというお話ですけれども、全国的にも介護人材の不足等が言われている中で、先ほども指摘したように報酬の引下げ等の影響というのは非常に大きく出てくるのではないかなと思いますので、今後もちょっとその辺しっかり注視しながら、市として出来うることを模索していく時期かなというふうに思います。 介護といっても在宅系、施設系いろいろサービスあるわけですけど、全て自宅というわけにもいかないということはあるわけです。今後増加するとされる認知症高齢者含めて、地域が協働していくためにどのような分担をしていけばいいのでしょうか。プランのメニューは非常に広くて、おびただしいメニューがあって大変だということがよくわかるわけですけれども、受入れ施設が見つかる場合は結構なんですが、自宅に帰りたいという方もそれなりにいらっしゃると聞いております。 訪問介護の弱体化に対してのお考えをお聞きしてまいります。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和3年度末でありますが、介護人材確保に向けてと題しまして、訪問介護事業者、事業所向けにアンケートを実施いたしました。回答した四つの事業所におきましては、やはり従業員不足を感じるとともに採用が難しいという回答でありました。採用が難しいという理由については、やはり仕事がきついイメージがあるということは挙げられております。 このアンケート結果を基に、生活支援体制の整備事業で各事業所とか、あるいはケアマネジャーの皆さんとも協議し、訪問介護人材を含めた介護人材の確保について協議をしているところであります。また社協で要請をいたしました生活支援サポーターの中には、ボランティアとして利用者の方の話し相手になるなどに参加をしている方もおられます。介護保険事業所の負担軽減にもつながっていると捉えております。 介護人材の確保につきましては全国的にも大きな課題となっているわけでありまして、今後も訪問介護事業所やあるいは各関係機関と地域で共同してできる内容も含めて、引き続いて協議をしてまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) なかなか簡単に答えは出てこないだろうと思いますが、継続した御協議また検討をしっかりお願いをしたいと思います。 地域包括ケアシステムは来るべき高齢化を見据えて、介護現場の負担軽減なども図り、高齢者が安心して幸せに暮らし続けるために、地域が一緒に課題解決に取り組むことが必要になるわけです。後期高齢者は団塊ジュニアが75歳を超える2045年以降少しは増えるわけですけれど、その後は絶対数が減少していきます。 こうした見通しを踏まえて何より地域包括ケアシステムを活用して、2040年までの時期を乗り切らなくてはいけないということになると思うのですね。つまるところ、単に高齢者問題だけではなく、これらを通じて地域包括ケアのまちづくりが標榜されなければいけないというふうに考えます。 一方ではコンパクトシティ政策が掲げられておりますけれども、まさにソフトハード両面での地域に適したまちづくりが原点として必要になってくると考えております。まさに他世代にわたる地域全体の問題であり、そういう点では、医療、介護の専門的関係者のみならず、若者を含む市民を巻き込んでの地域でできうる体制づくりが必要になってくると思います。多世代共生社会を目指す際に役立つプラットフォームになりうるというふうに思います。こういう視点がもっとあっていいのではないかなというふうに思います。 認知症徘徊対策としての今
道路空間整備システムをやっておりますけれど、こういうところでもビッグデータを使ったそういうものに対する対応というようなこともできるのではないかなと思います。こういう視点がちょっと足りないのではないかなと、今後補っていくべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 伊那市社会福祉協議会におきましては、生活支援サポーターを要請しておりまして、この生活支援サポーターは個人的なボランティアの支援とか、住民主体の多様なサービスの担い手として期待をされております。 地域でできる体制づくりとしましては、住民主体の多様なサービスがあります。ゴミ出しだとか、灯油入れ、あるいは薬の受け取りとか、買い物など、こうした生活支援サポーターが中心となって組織を作り、サービスを提供するということで、今現在、11事業が登録されているところであります。 伊那市では社協の職員とともに、地域の役員の皆さんと地域の困り事などを検討する地域ケア会議を各地区で開催しております。生活支援サポーターの養成とか、地域ケア会議などへ若い世代が、関心を持って、参加しやすい仕組みづくりというものも進めていかなければいけないということで、多世代共生社会を目指している状況であります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 先ほど申し上げたように包括的という点では非常に焦点がぼけてくる可能性があります。したがって市が中心となって、いろいろな関係団体、あるいは関係の産業の皆さんとしっかり連携をしていくためには、やはり市が中心となってそういうことをやっていかなくてはいけない。ましてや、若い世代の皆さんも巻き込んでということになればさらに風呂敷が広がるといいますか、焦点がぼけてくる可能性がありますので、それぞれの分野における中心的な主導をぜひ市が中心となって、そういう意味では庁内横断的に、専門的にやっていく必要が出てくるのではないかなということも考えますので、よろしくお願いしたいと思います。 市民が安心して暮らせる伊那市を目指し、私達一人一人が多様に関わっていけるようなまちづくりに向かってほしいということを期待しまして、私の質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、宮原英幸議員の質問が終了しました。 暫時休憩とします。 再開は11時37分とします。
△休憩 午前11時29分
△再開 午前11時38分
○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開したいと思います。 三澤俊明議員の質問に入ります。 14番、三澤俊明議員。 (14番 三澤俊明君登壇)
◆14番(三澤俊明君) 14番、三澤俊明です。それでは通告どおりに始めます。 1、震災に見る防災資機材などに関すること。まずはせんだっての能登半島で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げ、1日でも早い復興をお祈りいたします。 まだ多くの皆さんが避難生活をされている中で、私みたいな一地方議員が一般質問の題材として早々に取り上げていいものかと迷いましたが、今伊那市の議員としてできることは伊那市民の安心安全を守ることに少しでも寄与することと考え、今回の通告に至りました。 さて、伊那市においても、30年以内に70から80%の確率で起こるとされている南海トラフ地震ですが、起こった際には伊那市地域防災計画によると、伊那市でも最大で震度6強が想定されています。 また史上に活動の記録がないとされている伊那谷活断層ですが、今回の能登半島沖活断層も同規模の地震があったのは地質調査から判断して、2500年前だと報道がされていました。 そもそも能登半島の今回の活断層ですが、少し前までは断層地図にも載っていませんでしたから、したがって要約しますと、明日にでもこの地域でも地震は起きても不思議ではない。いやむしろ日本中のどこにいても地震は起こるものとして、その場所場所の、危険リスクを予知することが必要かと思われます。 今回の地震による被害を見て感じたことは、津波以外は伊那市でも起こりうる可能性があるということです。それは例えば、電柱が倒れる、道路の地割れ、家屋の倒壊、火災、断水、停電などですが、その中でひときわ今回気になったのが家屋の倒壊です。今回の地震で亡くなられた方の40%が倒壊家屋の下敷きになり圧死、さらに閉じ込められた家屋から救出できずに低体温症や凍死と続いています。 家屋の倒壊となると、震度7クラスの揺れが必然となりますから、さきに述べましたように、伊那市で予想される震度6強が仮に来ても、特に古い木造家屋以外は倒壊は考えにくいと思うのですが、近年の大震災で、事前に震度7が予想されたケースは一つもありませんので、最悪を想定して、それに備えて準備していくことが大事かと思われます。 ここで質問です。(1)、広い伊那市のことですから、いざ大震災が起こったときに、場所場所で災害の種類が異なるかと思いますが、私が先ほど述べましたことも含めて、どのような災害がどういった地域や地形のもとで起こる可能性があると市では想定しているのでしょうか。市長見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 地震に関しましては、最大震度7の揺れが想定される糸魚川静岡構造線の断層帯のところ、それから伊那谷活断層というのも考えられまして、この二つの直下型地震が挙げられております。最大震度6強の揺れが想定されております南海トラフの地震、それぞれ地震への備えというのは必須というふうに言えるかと思います。 直下型地震につきましては、地表に近い部分で発生しますので、前触れがなく、いきなり大きく激しい揺れが発生すると。今回の能登半島地震のように建物の倒壊、道路の破損が多くなる特徴があります。 また土砂災害の警戒区域にも注意が必要でありまして、震度5弱以上となりますと、がけ崩れあるいは土砂崩落が発生をしますので、この地域にお住まいの方には身を守る行動が必要であるというふうに言われております。 併せて河川の合流付近、あるいは埋立地あるいは昔の河道の場所等については、液状化現象が発生しやすいということもあります。大地震の後は特に余震に注意が必要でありますし、継続する揺れで家屋の倒壊、あるいは土砂崩落も発生しますので、あらゆるところに注意を払わなければいけないということになってくるわけであります。 伊那市は御承知のように地形が複雑、山があったり谷があったり、その谷が深かったり、山が高かったりということでありまして、地域ごとに被害が異なるだろうと。地震対策の基本というのは、発生するリスクを今からいつでも想定をしながら、危険な場所から離れる行動あるいは家具の倒れ等、様々なことの備えが必要であると考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) 私が心配していることは、電柱や木が倒れたり、土砂崩れ等で道路が寸断されて、その孤立する集落が発生してしまうケースです。道路網から想定してもそのリスクは非常に高いのではないかと思います。そうなってしまうと、緊急車両、例えば消防署の工作車や消防団の多機能型車というのがあるんですけど、そういったものが入れずに、仮に半全壊した家屋に閉じ込められた住人がいたとしたら、それは自分たちで救出しなくてはならないということで、まさに自助共助ですけど、阪神大震災のデータでは、こういったように生き埋めや閉じ込めにあって、救助されて生き延びたという内訳は、実は自力とか家族、隣人等いわゆる自助共助が95%を占めて、公助、消防ですとか警察、自衛隊の皆さんに助けられたというのは5%に過ぎなかったんですよね。 だからいかにそういう素早い自助共助が必要かということと、それから当然そういったときに倒れてしまった電柱をはじめ、土砂などはやっぱり自分たちで撤去しなくてはいけないんです。そうなってくると、重機でもあればいいのですけどそうばっかりいかないでしょうから、やっぱりあの防災用の資機材というのが非常大事になってくると思います。 ここで質問ですが(2)、現在伊那市では、消防団の各部の詰所とか各自主防災の防災倉庫にどのような防災資機材が備えてあるのか、どの程度市は把握しているのでしょうか、お聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 消防団では、火事などの有事に備えまして、バールやトビ、投光器など統一的に資機材を配備しておりまして、さらに各分団、各部の判断で地域に必要な資機材を追加で配備しております。 自主防災組織につきましては、市内に180の組織がありますが、資機材の整備、管理はそれぞれの組織が地域の状況に応じて行っておりまして、詳細については把握していない状況でございます。自主防災組織による防災資機材整備は、地域の防災活動に重要であることから、地域の実情に応じた防災資機材の配備を検討していただいております。伊那市や長野県社会福祉協議会、伊那市町村振興協会では、防災資機材の購入費用の補助を継続的に支援させていただいております。 今後、常に最新の情報を収集していただき、必要な資機材を厳選し、災害・防災においての備えを推奨していきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) 地域の実情に合わせた資機材はやっぱり地域なりの災害に併せた資機材ということで捉えてよろしいのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 地域によって地形違いますので、そういったところで地域の実情に併せた資機材を用意していただければと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) よく分かりました。 続けて質問です。これは提案になりますけども、伊那市防災ハンドブックで推奨する自主防災向けの防災資材の中に、その救出とか撤去作業にも使用可能なものとして、ハンマーですとか、バール、それからおの、電動のこぎり、スコップ、大型ジャッキ等が明記されていますが、今回の震災を見る限りそれに加えて倒木の処理や救出のための倒壊木造家屋の解体用に、エンジンチェーンソー、さらには、鉄筋コンクリートや屋根、金属シャッター、それからもちろん倒れた電柱の切断用とかに、エンジンカッターとか、あとは重量物の移動に、チェーンブロックなどを新たに推奨してはいかがでしょうか。高価なものですからそろえるとなると金銭面がといった話になると思いますが、必要なものと思われます。見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 自主防災組織による安否確認や救助活動、応急手当は、大変重要な活動でありますが、議員御提案の資機材は救助用の資機材でありまして、特殊な資機材を使用しての人命救助は、安全確保や2次災害防止など、十分な注意が必要であると考えております。 平成26年11月22日、26人が生き埋めになりましたが、地域の力で救助活動が行われた神城断層地震における白馬の奇跡は記憶に新しいところでございます。白馬の事例からもわかるように人命救助の第一は、初動対応と平時からの地域の状況把握でありまして、各家庭の状況を把握していたことが、迅速な活動につながったと言われております。 まずは平時からのソフト対策、また、各家庭における家具等の転倒防止や安全スペースの確保、ヘルメットの準備など自助の推進が、自主防災組織の重要な取組と考えておりますので、御提案の資機材は考えていない状況でございます。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) 分かりました。 では次の質問に移ります。(4)今度は、消防団の防災資機材についてです。現在エンジンチェーンソーは、各分団に1台ずつ支給されていますが、先ほど言いました、閉じ込められた箇所からの救出に有用なエンジンカッターについては、多機能型車両を有する富県分団に1台あるのみです。 しかし、先ほど述べました理由から、私は各分団に1台、あるいは伊那市地域防災計画でも孤立の可能性が指摘されている地域の各部に1台、もしくは最低でも各方面隊に1台は必要ではないかと考えていますが、市長の考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。
◎危機管理監(埋橋進君) 現在多機能型車両を配備している富県分団の資機材の一つとして、エンジンカッターを1台配備しておりますが、平成27年2月に配備されてから、災害現場で使用したことはありません。 エンジンカッターは特殊性が強く、各分団に配備して使いこなすには相当の訓練が必要であるため、富県分団が所有するエンジンカッターを消防団全体で使用するよう、訓練を実施していきたいと考えます。 また、団員が減少していく中で、災害時の道路啓開や水防活動などで使用するチェーンソーにつきましては、現在各分団に1台配備しているところでありますが、各部への配備をし、操作訓練の強化や充実をさせることが優先と考えております。 なおエンジンカッターは危険を伴う特殊な作業であることから、作業に手慣れた消防署員において対応すべきと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) エンジンカッターの使用については割と各消防団でも講習を開いて扱っているところもありますのでまた検討していってくれたらと思います。 こういった資機材ですが使い方については、動画も多く出回っていますし、防災ハンドブックに載せている自治体も多くあります。例えば、阪神大震災で被災した大阪府豊中市ではバールの使い方、油圧ジャッキの使い方、チェーンブロックの使い方等をハンドブックに載せて、市のホームページでも公開しています。一般の人からしたらバールやジャッキの使い方すら分からないと思うんですよ。ですから、何らかこういった身近な自治体からそういったことを教えてもらえると大変ありがたい話しだと思います。 ここで質問です。(5)伊那市の防災ハンドブックでは、応急手当の方法等が挿絵とともに説明文が添えられて掲載されています。それと同様に、防災資機材を用いた救出方法を掲載してみてはいかがでしょうか。救出は2次災害を伴う危険な作業だと言ってしまえばそれまでですが、さきに述べました阪神・淡路大震災の報告もあります。見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 防災ハンドブックにおきましては、浸水想定あるいは土砂災害危険箇所などのハザードマップの掲載だけではなくて、平時の取組や災害時の初動対応、緊急連絡先などを掲載しております。御家庭あるいは地域における防災対策の教本的なものであります。 議員御提案のとおり、救助方法をはじめ応急手当やけが人の搬送方法など、具体的な行動事例というものを掲載することは有効と考えます。今後の更新に併せて、救助方法など防災活動に有益な情報を掲載していきたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) 大変ありがとうございます。今後検討していってほしいと思います。私が倒壊救出と盛んにこだわっているのは、今回あの震災の全壊家屋の数が熊本より多かったということで、我々が普段見ている日本家屋が軒並み倒壊したという、あの映像を見て、本当にこれはいろいろ危険だなと感じたからであります。 それでは次の質問に移ります。次は、災害時応援協定についてです。さきにも述べましたように災害時の初動対応は自助共助ですから、災害時応援協定を結んでいる企業や、自治体が近くにあることは大変心強い限りです。 ところが震災に関しては、面の災害となるため、そういった皆さんも同じ被災者側になるんですよ。ですから、初動はいいんですが活動にも限界があると思うのです。そんなときに頼りになるのが、災害時応援協定を結んでいる県外の自治体です。今回の震災でも多くの自治体が県境を超えて、災害現場に応援に入りました。 そこで市長に質問です。(6)、伊那市では以前からの友好都市のみならず、新たに昨年12月に岐阜県下呂市と災害時応援協定を締結しました。このタイミングですからまさにグッジョブと私は言いたいのですが、そこに至る経緯と今後の災害時応援協定について展望をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この下呂市との災害時応援協定でありますが、これは下呂市からの申出によりまして昨年の12月27日に締結をしております。 伊那市と下呂市、一定の距離がありますし、同時被災のリスクが低いと。また隣県でありますので、比較的支援がしやすいということがメリットとして考えております。 伊那市では県内77市町村と長野県災害時相互応援協定を結んでおります。単独の自治体間での災害時応援協定におきましては、新宿区と、それから愛知県の知立市に次いで、下呂市が3番目というふうになります。自治体間協定におきましては、有事の際に迅速かつ細やかな対応ができるというふうに考えておるところであります。 現在、大規模災害時、県を主体としたカウンターパート方式による支援体制が組まれまして、より大きな枠組みで人材や物資が投入される仕組みとなっておりまして、今回の能登半島地震でも適用されております。 また一方で、隣の宮田村あるいは駒ヶ根市、駒ヶ根市はかほく市と協定を結んでいたり、宮田村が穴水町と協定を結んでいるということで、発災直後に駒ヶ根、宮田から職員がすぐに派遣されているという状況でありますので、こうした協定というのは非常に県を通じて動く前にも、自ら動けるということにおいては非常に有効だと思います。 引き続いて災害時に行政だけでは対応できない、様々な災害対応とかあるいは業務というものをよく精査し、企業、あるいは自治体等との災害時応援協定というのを締結することで、複層的な受援体制を作ってまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) それでは期待しております。 続いて、次の質問に移ります。(7)、今回の震災では、ドローンによる救援物資の運搬が数社によって何か所かで実現しましたが、被災地はLTEが使用できないなど、電波問題をはじめとするトラブルもあったようです。 今後伊那市のドローンも災害時の活用を想定した上で、取り組むべき課題等があったらお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 災害時におきましてドローンは被災地の地域の状況調査、あるいは物資の輸送とか医薬品の輸送など、多様な活用が考えられるわけであります。 能登半島地震におきましても、多くのドローン関係企業が現地で活躍をしておりますけれども、行政の支援内容、あるいは指示が明確であれば、より迅速な対応につながると思っております。 また一方では、このドローンは撮影とか軽量なものの輸送についてはできるわけでありますが、これも有視界で操作をしながらということになりますので、遠隔地への輸送は非常に難しいということであります。 今伊那市で川崎重工と開発をしております重量200キロのものを100キロメートル以上運べる自律飛行のVTOLが完成すれば、災害時には特にこうした応援物資とか様々なものが運べると。 先ほどLTEの電波の話もありましたが、この伊那市で開発をしているVTOLについては、スターリンク、宇宙からの電波を捉えていきますので、どこでも自律飛行できる無人のドローンが、200キロのものを持って指定した場所に運ぶということができますので、万が一伊那市内でそうした災害が発生してもそのドローンを飛ばして、あるいは長谷の奥とか、あるいは災害現場、そうしたところに活躍ができるのではないかということで期待をしております。あと2年ぐらいで完成になるかと思いますので、これから有益な主要の用途といいますか、そうしたこともまた考えていきたいと思います。 災害時というのは様々な部隊の支援が同時進行しますので、この部隊間との連携というのは非常に重要となってまいります。指揮命令系統といいますか、そうしたところがきちんと機能して、それを受けて、それぞれの隊の皆さんが動くということが効果的にできるということが大事だと思いますので、平時からのドローンだけではなくて、関係者との連携、調整ということが極めて肝要であろうと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) ドローンに関しては今、レベル3.5というのがこの間できたと思うんですが、国土交通省からはこういった緊急の災害時の中でドローンに関するガイドラインとかそういったものあるのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) 議員おっしゃるとおり、基本的にはドローンの飛行については航空法の規定を受けるわけですけれども、災害時においては適用除外ですとか柔軟な運用ができることとなっておりますので、その範囲内で運用されるということかと思います。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) はい、分かりました。 それでは次の質問に移ります。竜東地区の防災の拠点として建設が予定されている美原防災スポーツパークですが、今回の地震を機に地元住民の皆さんをはじめ多くの方の施設への期待や関心が高まっており、私のところへもいくつかの要望が来ております。例えば、能登半島地震でも活躍した水循環システムのシャワー室を設置してほしいですとか、簡易トイレセットを多く準備してほしいとか、簡易ベッドを多く準備して欲しい、あるいはアウトドアで使えるような泥水でもろ過して飲めるような装置が欲しい、または災害時にも使えるソーラーパネルの充電器が欲しいなどです。 なお私は、個人的に敷地内に井戸を掘ってほしいと考えています。なぜならば、今回の被災現場でも断水による水不足が最大のネックになっているからです。 ここ伊那市では、天竜川や三峰川など水がたくさんあるだろうと思われるのですけど、伊那市の大方をカバーする浄水は、箕輪ダムから鋼管一本で天竜川を渡って、箕輪浄水場まで使っているラインですから、ここが仮に損壊したら、数日でほぼ市内は断水状態となってしまいますから大変懸念されます。 これらを踏まえて、市長にお聞きします。(8)、建設が予定されている美原防災スポーツパークですが、防災時の拠点として、また避難所として、今回の能登半島地震を踏まえ、どのような防災資機材を設置し、どういった機能を持った施設にしていきたいか考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 名称はまだ決まってはいないと思うんですが、旧清掃センターの跡地に建設を予定しておりますドーム型の災害時の避難場所であります。 仮に美原防災スポーツセンターということで、仮称でありますけれども、今実施設計を行っておりまして、来年度はあそこに盛り土造成を行うということでフラットな状態の上にドームを建設する予定であります。 令和7年度から建設工事、あるいは公園整備を進めていく計画でありまして、災害時には大変な拠点として活用をすると。また平時においては屋根付きのスポーツができる場所ということで活用してまいりたいという考えであります。活用の内容につきましてはまず一つは、プッシュ型の支援とか応援協定によって届いてまいります支援物資を置く場所、それからそこを拠点にして搬出するというそんなデリバリーが考えられます。 もう一つは、緊急的に避難者が難を逃れる場所として、また公園の敷地も大変広いものですから、そうしたところで、車での避難、あるいはその車中での避難ということも想定をしております。 このため避難所として必要となります衛生設備、あるいは発電機、投光器、こうした資機材の備蓄を行うとともに公園内にはテントやあるいはかまどベンチの整備も検討をしているところであります。 井戸の話でありますが、既存の井戸が一番効果的でありますので、既存の井戸の活用についても検討してまいりたいということであります。 この地域は御承知のように河岸段丘の上段にありまして、今のところあそこの地域全体では活断層が確認されておりませんので、非常に安定した場所というふうに見ております。土砂災害のリスクがなくて、河岸段丘の上ということで、好条件であるということから竜東地区の災害時の拠点として、またこれまでの災害の教訓を生かしながら、整備を進めてまいりたいと思います。 また、どんな機能を持たせるかということについては、またいろいろな意見を聞かせていただければと思います。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) ということは今後住民説明会というのを行っていくということでよろしいですか。
○議長(白鳥敏明君) 宮原
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(宮原貴敏君) こちらの施設の関係につきましては地元の方にも、既に説明を進めているところでございまして、なお今後より具体的なところにつきましても丁寧な説明を進めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) それではお願いいたします。 続きまして、2の大きな質問の2に移ります。 職業選択の自由と自衛官募集について。やはり能登半島地震での出来事ですが、SNS等で動画が拡散されたものですから、多くの皆さんが目にしたシーンかもしれませんが、地震発生から、ほぼ10日経過した1月12日のことです。道路が寸断され、未だに孤立したままの輪島市内の集落に陸上自衛隊員30人が、背中にカップ麺やパンといった食料、あるいは燃料を背負い、道なき厳しい山道を歩き続けて集落にたどり着き、住民に物資を直接手渡し届けました。この動画の出来事は、日本中の国民から称賛されました。今回このような孤立集落への自衛隊による支援物資のハンドキャリーは各地で展開された模様です。陸上自衛隊はこういったときのために、夜間行軍というのをやっておりまして、20キロぐらいの荷物を背中に背負って、夜の6時から明け方6時まで35キロほど行進するんですよね。ですからこういったことがなせる技だと思います。 また1月25日には、名神高速道路下り関ヶ原インターチェンジ付近で、大雪により車約770台が立ち往生しましたが、陸上自衛隊員300人が派遣され、除雪にあたり、解消されました。ドライバーの皆さんは口々に、自衛隊の皆さんに感謝を述べていました。 このように、国民の生命や財産を守るべく、昼夜を問わず任務にあたっている自衛官の皆さんは、この職業を自ら選択し、厳しい訓練を経て現場に立っております。我々は、そのことにまず感謝すべきだと考えます。 そんなそれぞれが崇高な志を持った自衛官ですが、中には、志もですが、家庭の事情で自衛官を選択したといった方も見受けられるようです。それは、育った家庭がシングルマザー世帯など貧困家庭ゆえに、衣食住に困らない自衛隊に入隊し、余った給与を実家に仕送りし、兄弟たちを養っているといった皆さんです。そういった方は、現在でも同期のグループには数名ありそうです。これ全く民間企業では考えられませんがこれは事実であります。 ここで質問です。ちょっと長いですがお付き合いください。 (1)、伊那市は、せんだって1月22日の全員協議会で、自衛官募集のために自衛隊に提供している個人情報について、来年度から提供を望まない人は除外するとした、いわゆる除外申請を受け付けるとしました。私は個人的にはそれ自体残念な思いですが、さらに危惧しているのがその周知方法です。 議員の中から徹底的に周知すべきだといった意見も以前から出ていたせいでしょうか。伊那市のホームページ以外にも複数の媒体を使い、周知に努めるようですが、そもそも18歳と22歳といったら立派な成人ですから、仮に除外申請を希望するのであれば、自分の意思でそういった情報を探して、申請用紙の1枚や2枚ダウンロードすることぐらいはできるでしょう、きっと。そう思いませんか。 私は、むしろ必要以上に周知に力を入れてしまうと、自衛官そのものに対しての悪印象を世間に与えてしまう。いわゆる印象操作になってしまうのではないかと考えます。 これは、憲法22条については先ほど説明が細かくありました。内容は略しますが、22条で認められている職業の選択の自由を侵害してしまうのではないかと大変心配しています。つまり、さきに述べましたように、高い志の下、自衛官を目指す者や、家庭的な事情等で生活のために自衛官を目指す皆さんの進路を間接的に閉ざしてしまうのではないかといったことです。 自衛官募集に際しては、自衛隊伊那地域事務所は、我々民間企業と全く同じように学生を相手に合同企業説明会に参加したり、中学生のキャリアフェスにも参加したりしています。ですから、学生が職業として自衛官を目指すのは全く問題ないと考えます。 これを踏まえて市長の見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 自衛隊に対しましては様々な考えがあるということは承知をしておりますが、議員のおっしゃるとおり、自衛隊の任務は防衛だけではなくて、災害時における被災者の生活を守るため、早期復旧に尽力をしていただくなど、大変重要な存在であるということを感じております。 昨年度は、伊那市において、3名の方が自衛官に採用され、訓練を経て、立派な自衛官になることを期待しているところであります。 災害派遣の自衛官の皆さんの姿を見て、自分も誰かの役に立てる職業として、自衛官以外は考えられないといった強い志を持って自衛官になる若者や、自衛隊を取り巻く環境は厳しいものが予想されるが、仕事に誇りと信念を持って頑張れとエールを送る親御さんがいると、伺っております。 伊那市といたしましても、自衛官を職業の一つと捉え、合同企業説明会やキャリアフェスにおいて、長野県地方協力本部伊那地域事務所のPRにも協力してまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 三澤議員。
◆14番(三澤俊明君) 大変ありがとうございました。 以上で私の質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして三澤俊明議員の質問が終了しました。 暫時休憩といたします。 再開は13時30分とします。
△休憩 午後0時16分
△再開 午後1時28分
○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 湯澤武議員の質問に入ります。 9番、湯澤武議員。 (9番 湯澤 武君登壇)
◆9番(湯澤武君) 9番、湯澤武です。事前の通告に従いまして、大きく二つの質問を始めてまいりたいと思います。 初めに大きな一番目、モバイルクリニックによる更なる訪問診療の充実についてでございます。 第二次伊那市総合計画におきまして医療、交通、買い物、このサービスをどのように維持していくか大きな課題として、その施策が問われていると思います。その中で東京23区と同じ面積を持ち、標高差もある伊那市には遠距離である、また医師不足であるなどの理由で通院ができず、医療を受けることのできない深刻な状況があると実感しております。 伊那市における医師不足や通院困難な状況についてある医師は、今は70代80代の先生方が踏ん張っておられる、各医院で訪問診療が行われているが、どこまで続けられるか大きな課題だ、一人の医師が多くの患者さんを抱えている、その一人の医師がいなくなれば、他の医師が大きな負担がかかっていく、5年先、10年先を見つめ、今どう手を打っていくかが重要だと。 人口10万人当たりの医師の人数は全国237人に対して、上伊那は151人であります。こうした中、解決策の一つとして導入された遠隔医療であるモバイルクリニックは、本格運用されて3年目を迎えます。市民の声を受け止め、市長のリーダーシップの下、多くの医療関係者、企業、担当部局の粘り強い努力があり、2019年から2年間の実証実験を経て、2024年4月より本格運用を始めました。 そこでまず市長にお聞きします。これまで3年間のモバイルクリニックの運用実績について、医療内容、人数、稼働率、予算措置、利用者の声など、市民の皆様にも分かりやすく御説明をお願いしたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 数字につきましては担当の方からお話をさせていただきたいと思います。 利用者からでありますが、やはり通院における負担が少なくなったとか、モバイルクリニックの車両が青い色をしておりますので、この青い車は勇気と希望を運んでくれたと、伊那に住んでよかったと。ほかに幼い子がいても誰かに預けることがなく、車内で一緒に面倒を見ることができてありがたい。特に妊婦さん関係では大きなお腹を抱えて運転する怖さがなくなった、安心できる、こうした声をいただいております。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) 令和3年度から3か年の事業費、トータルで申します。運用委託費が約4,500万円、医療機器の高度化に約3,000万円ということで計約7,500万円の経費となっております。 財源につきましては、デジ田交付金を活用いたしまして、国の交付金が50%、交付税措置が45%、残り実質的な市の負担額が5%の375万円という実績でございます。 またこれまで令和6年1月末までですけれども、8つの医療機関であります一般診療が480回、妊産婦検診が77回、オンライン服薬指導が30回、計587回の運用でございます。 また令和5年度でありますが、1月までの間で220回、月平均に換算いたしますと18.3回の実績でございまして、特に妊産婦検診につきましては昨年度6回でありましたけれど、今年度につきましては69回ということで大変な伸びとなっております。 また稼働の関係でありますけれども、医療機関が通常訪問診療を行っております火曜日、水曜日、土曜日をモバイルクリニックでの一般診療としまして、そこに新たに月曜日に妊産婦検診が加わりまして、週4日、通常の運行を行っておりますけれども、稼働率にいたしますと、令和5年度は93.6%という高い稼働率となってございます。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 大変に活躍をしていただいているわけであります。またモバイルクリニックは伊那市民だけの医療サポートにとどまらず、医師不足で通院も遠くて大変だと、離島とかで抱えている全国各地の声に応えようとスタートした事業と考えております。伊那市を模範に、全国14の道府県が挑戦をしていると。その先頭に立つ伊那市は大きな期待を担っている上に、次なる課題への挑戦が必要だと考えております。 そこで、モバイルクリニックの課題の一つである診察体制の強化について質問をいたします。 多くの職種が連携し、情報を共有するプラットフォームいーな@電子連絡帳。患者さんやサービス利用者を支援する医療、介護の関係者が患者や家族の支援に必要な情報の共有を図る画期的なシステムと思います。伊那中央病院の勤務の方からは、電子連絡帳は患者さんの多様な情報を多くの関係者が短時間で共有するためになくてはならないツールになりつつあります、と話を伺いました。短時間で医療・介護、地域サポートなどの情報が共有でき、市民一人一人に総合的な見地からの対策を可能としていると思います。 市はこの活用拡大に努力しておりますが、更なる拡大と安定的な運用を進めることが、当事者をケアする力を向上させ、また多くの医療・介護関係者の働き方を改善し、モバイルクリニックを含めた訪問診療にも大きな手助けとなることは間違いありません。 そこで伺います。モバイルクリニックにおけるいーな@電子連絡帳の効果、今後の拡大とその目標について、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この件についての細かな数字等については担当の方からお答えをさせていただきたいと思います。 在宅医療介護連携推進協議会の中では、ICTの活用として、いーな@電子連絡帳の活用を推進しております。非常に効果の大きい、また利用しやすいシステムでありまして、ICTに慣れない関係者もいる中で、無理のない利用の拡大を図っていきたいと。また令和6年度の在宅療養者の登録目標についても60%程度を考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉部長。
◎保健福祉部長(村松義隆君) いーな@電子連絡帳の利用状況について御報告いたします。 いーな@電子連絡帳は在宅療養者を中心に医療、在宅関係者が情報連携をしている場合と、患者の情報を医師と現場の訪問看護、薬局、モバイルクリニック運行会社で使用している場合の2種類がございます。 在宅療養者の登録者数は1,533人でございまして、在宅療養者2,717人おりますので、56.4%の方が登録していただいているところであります。また関係でありますモバイルクリニック関係者、職員の関係での登録者は587人でございます。在宅療養者の情報共有ツールとしまして、このいーな@電子連絡帳は大変有効でございまして、ケアマネジャーや医療関係者向けの操作研修、他職者向けのセキュリティ研修などを行い、利用支援を行っているところでございます。 ケアマネジャーに利用の状況をアンケートで尋ねたところによりますと、41%の方が大変有効と意見を伺っておりまして、今後この利用を拡大していきたいと思っております。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) セキュリティに留意をしていただきまして、更なる拡大を要望いたします。 次に課題のもう一つでございます。診療内容の検討についてです。 これまでモバイルクリニックの診療は、症状が比較的安定をしている、通院困難で慢性的な患者さんですが、症状が安定している方が中心でありました。 しかしここ1年、産婦人科医院の全面的な協力により、妊産婦の定期検診の利用件数が増えてきていると聞いております。伊那市の年間出生率は370名前後でありますが、モバイルクリニックの利用者は、令和4年の4回から令和5年には67回と拡大されてきております。 妊娠から出産までの健診は約14回、出産後の健診が約2回、毎回のこの健診をモバイルというわけにはいきませんが、モバイルクリニックによって、各家庭を訪問して診療ができれば、通院に伴う様々なリスク、先ほど市長も述べておりましたけども、運転の負担、また上のお子さんの面倒などが改善されていくと考えます。 妊産婦、お一人のこの健診時間約40分から1時間かかると聞いております。ドクターが、医院から画面を通して丁寧に温かく診療しながら、院内での緊急的な状況にもすぐ対応できることが可能だというふうに聞いております。妊産婦の方もドクターも両者の負担が改善できるという方向であります。 また、訪問診療の治療費は通院と比べ2割安く設定されているそうです。妊産婦の方や家族の方の負担軽減、こうした妊娠、出産、育児の安定した環境づくり、伊那市が今求められている環境でございます。 そこで伺います。モバイルクリニックの妊産婦健診専用車の必要性が高まっているのではないかと考えているところでございます。市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) モバイルクリニックの車内での妊産婦健診は、外部からのプライバシー確保また自宅に専用車両が赴くスペシャリティの面から医療者、それから妊産婦さんからも大変好評をいただいております。 妊産婦健診につきましては、検査、問診などに多くの時間を要することから、車両の占有時間が一般診療の20分に対して、約2倍の40分程度を基本としております。 モバイルクリニックは1台の車両を複数の医療関係者で共有する仕組みとなっておりますので、妊産婦健診の大幅な利用増が進む中で、他の医療関係の予約が取りにくいという状況が出始めているところであります。 また妊産婦健診では、一般内科とは異なる特有の検査機器の設置、また車内設備等のレイアウトの変更が求められますので、妊産婦健診の専用車両によって、より効率的な運用が求められているところであります。 安心して出産し、子育てができる環境づくりを実現するために、早期に妊産婦健診専用車モバイルマタニティクリニックという仮称でありますけれども、そうしたものの導入を進めていく予定であります。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 通告はしてないのですけれど関連してお答えいただければというところですけども、現時点でこの運用はいつ頃をめどにされているのか、また先ほど専用車でかなり充実した環境を作っていけるということですが、年間何名ぐらいの診療を目標として導入を検討されているのか。分かる範囲で結構ですが。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) 運用の時期につきましては先ほど市長が申し上げましたとおり、早急にこの導入について現在検討している状況でありますので、これが国の交付金等採択されれば、早ければ1年後くらいに本稼働できればいいなと考えております。 また、人数につきましては今大幅にこの妊産婦健診が増えてきておりますし、これを専用車ということで、毎週他でなく妊産婦健診だけに使えるということになれば、さらに増加も見込めるかと思いますので、現状の数字を踏まえながらさらに増やしていきたいと考えています。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) ありがとうございます。もちろん安心して多くのお子さんを出産し、子育てまた教育への環境を整えることはモバイルクリニックだけで担うことはできないと思います。若いご夫妻の収入が増えていくこと、女性が自分のスキルを生かして結婚、出産、子育てをしながらでも働き続けられる環境の整備、また男性が育児休業を取得しやすい職場環境など、そうした妊娠、出産、育児から教育への金銭的負担をどう軽減していくか、国の取組も相まって出産、子育てしやすい、安心のまち伊那市へ総合的に施策の充実を行っていかなければならないと思っております。 次にモバイルクリニックの課題についてでございますが、2台目のモバイルクリニックについて先ほども少し触れていただきましたが、一つはこの予算措置はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。もう一つは、やはり直接医師の健診を受ける安心感というものがあります。それを大切にするためには、搭載された医療機器の安定運用のための通信環境の強化や、搭載機器の安定的な運用、またスタッフが使っていける技術向上を現実的に進めていかなければならないと思っております。 大事な観点だと考えますけれども、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 伊那市のモバイルクリニック事業につきましては、デジタル田園都市国家構想のモデル事業として、このデジ田交付金の対象となっております。先ほど内訳については、部長から話をさせていただいた内容であります。 次の妊産婦健診用車両についても同様な制度を活用して、伊那市の財政的な持ち出しを極力抑えながら整備を図りたいと。国の交付金が50%で特別交付税としての45%、伊那市の持ち出しは5%ということでありますので、本当に数百万円で数千万の事業が展開できるということであります。 それから通信環境と医療機器につきましても、運用プラットフォームの一環として捉えておりまして、最先端技術の活用、あるいは有効なプロダクトの導入も進めていくつもりであります。 それとスタッフにつきましては、助産師や検査技師の業務を車両で行う専門看護師の確保が必要となりますので、一定のトレーニングを実施し、人材の育成に努めたいと。 また令和6年度の診療報酬の改定では、モバイルクリニックの協創事業者でありますモネテクノロジーズ株式会社と伊那市による厚生労働省等への働きかけによって、車両に搭乗する看護師に対し、看護師等遠隔診療補助加算というものが新設されることから、一般診療も含めましてICT機器の扱いにも慣れた若い専門スタッフの確保を検討していきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 次に一つモバイルクリニックの専用車について提案でございます。母子をサポートする方々の連携がモバイルクリニックの診療について考えましても、大切なところと考えます。 モバイル健診について特化して考えますと、この健診事業に健康推進課の保健師の皆さんも参画をして情報共有することが大切と考えます。その理由でありますけれども、ある助産師さんからのお話です。妊娠出産を控える方の中には、保健師と新しく関係を築くこと、また自分にとって支えてもらえるであろう行政のスタッフに相談をすることに、やや抵抗感じるお母さん方が一定数いらっしゃるとのお話を聞きました。 妊娠中から保健師さんと妊婦さんが顔見知りになることで、産前産後の健診まで顔の見える継続的な関わりを実現することが可能と考えます。母親が安心して相談し、育児できる環境を整える中で、モバイルクリニックがきめ細かく各戸を訪問して健診を行うことで妊産婦の皆さん、家族の皆さんに安心が広がります。 そこで伺います。モバイルクリニック妊産婦健診事業に保健師の皆様も参画し、情報共有する準備を今から進めるべきと提案したいと思いますが、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状につきましては、担当からお話をさせていただくようにお願いします。 医療機関あるいは助産所との情報共有、また妊婦さんとの関係づくりの機会というのは、既にできているというふうに考えております。ただ保健師がモバイルクリニックの健診に関わるということは考えていないところであります。 引き続いて、安心して出産ができる支援体制の研究というのは必要でありますので、これからも引き続いてやっていくつもりであります。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉部長。
◎保健福祉部長(村松義隆君) 妊婦とは、妊娠届出時に保健師は必ず面談を行っております。安心して出産できるよう、母子手帳交付に併せまして相談や保健指導を行っております。 妊娠中に支援が必要と思われる妊婦につきましては、産科や助産所など医療機関から担当保健師が連絡をいただくなど連携をとりながら、妊娠中の支援が行えるようネットワークを構築しているところでございます。 妊娠期を健康に過ごしまして家族が安心して出産や育児に臨めることを目的としました産前学級を、1回目と4回目は全ての妊婦に参加いただくなどして、個別相談などをする体制を整えているところでございます。 産前学級の場合は、保健師と妊婦との相互の関係を築く大切な機会と捉えておりまして、一人一人に丁寧に接しまして、相談や保健指導をしてきているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 確かに助産師さんが直接、モバイルクリニックに関わることはいろんな機器の関係とか少ないかもしれませんけれども、包括的な顔の見える支援という面でお願いをしておきたいと思います。 次にモバイルクリニックと併せました、電子処方箋と処方薬のドローン配送の可能性について伺います。 上伊那薬剤師会と、市内の薬局各社の協力の下、マイナンバーカードを活用しての電子処方箋による情報共有と、遠隔地へのドローン配送は伊那市の目指す姿であります。必要不可欠な医薬品が安全性を確保しながら迅速に届けられること、大きな関心時でございます。 国では、ドローン運用におけるレベル3とレベル4の間の立ち入り管理措置が不要、飛行させる人以外の第三者の立ち入りの規制を制限することが不要なという意味でありますけど、そのレベル3.5が新設され、実証への後押しをしております。 そこで伺います。電子処方箋と処方薬のドローン配送の可能性について、伊那市の現状と今後の取組について、市長の御所見を伺いたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) オンライン診療の後の薬剤処方でありますが、令和4年の12月に薬機法、これは医薬品とか医療機器等の品質と有効性、安全性、これに関する法律でありますが、この薬機法の改正によりまして、薬剤師によるオンライン服薬指導が義務づけられました。 モバイルクリニックでのオンライン服薬指導に対しましては、伊那市薬剤師会と連携して、電子お薬手帳システムによる実証を、ドラッグチェーンアイン薬局の協力によって今進めているところであります。 今般、マイナンバーカードによる電子処方箋の運用がデジタル庁より示されまして、各医療機関、薬局等へマイナンバーカードのリーダーが導入されましたので、モバイルクリニックにおきましても、車載マイナンバーカードリーダーの導入とそれから電子処方箋の実用化について今検討を始めているところであります。 処方薬のドローン配送につきましては、令和5年3月に厚生労働省によってガイドラインが示されたところであります。 現在、市販薬ではございますけれども、長谷のドローン配送地域においては、ゆうあいマーケットの中で、高遠のいろは堂薬局によって提供が行われているところであります。今後も地域に合った効率的な配送手段の一つとして活用していきたいという考えでございます。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) さらなるマイナンバーカードの活用を様々なところで徐々に進んでいくと思っております。様々な状況に併せたドローンの活用と電子処方箋、さらなる進展を期待をしております。 最後に防災面から一つ伺います。能登半島地震の復興を願い、伊那市の災害時におけるあらゆる可能性を総動員する体制を整えていくべきという思いから質問をさせていただきます。 災害時、道路状況、通信環境、様々な状況が整えば、緊急物資を輸送するドローン、特にVTOLや、訪問診療を待つ方々へのモバイルクリニックをはじめとした新産業技術は、何らかの役割を担うことができるのではないかと強く期待をしております。 そこで伺います。様々な制約はあるとは思いますが、災害時に備えたドローンとモバイルクリニック、新産業技術による災害対応へ目指す姿について市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) ゆうあいマーケットで配送手段として使用している物流用のドローンでありますが、積載量ペイロードが5キログラムを距離としては10キロメートル以上先の事前に設定された地区、場所に運ぶということで長谷地区では五つの公民館があります。この五つの場所に無人の自律飛行によって、ドローンによる配送が可能ということであります。 また、今進めております川崎重工株式会社と共同で開発をしております垂直離着陸型無人航空機VTOLでありますが、最大200キロの荷物を吊り下げ方式によって運搬する能力を有しておりまして、標高3,100メートル以上の山小屋への物資の輸送手段として、令和7年度の実用化を目指しているところであります。平地であれば、最大重量は200キロ以上を持てるわけでありますので、これが実験の中でどこまで持てるかということも確認をしてまいりたいと思います。 平常時の用途とは別に、災害時における物資輸送プラットフォームとしての活用を大変期待されているところであります。 またモバイルクリニックのオンライン診療でありますが、遠隔地の医師がモニター画像、あるいはリモートの検査機器によって診察ができますので、長期化した避難所の生活における慢性期疾患を持つ避難者への医療の提供、また地域医師会への支援手段としての活用も考えられると思います。 またその他、モバイル市役所とかモバイル公民館というものも伊那市は持っておりまして、こうしたものも防災対策業務として災害発生時には、地域における情報連絡拠点として、初動体制を確立ができる、また復旧段階においては、支援物資の輸送や通信インフラとしての活用も想定をしているところであります。 第2期の伊那市新産業技術推進ビジョンにおいても、住民の皆様の安心安全の暮らしの実現に向けて、新産業技術の活用によって、自然災害への対応、また事業継続計画BCPへの反映を確保するなど取組を定めているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 大きく期待をしていくところであります。 またモバイルクリニック、本当に活躍をしているのですけれども、まだまだ市民の皆さんへの愛着といいますか、そういうものがもう一歩かなということを個人的に思っておりますので、いろんなところでの子供たちの見学等もまた検討していただければと思っております。 高遠町御堂垣外の70代のご夫妻、何とか車を運転して今通院しているが先のことを思うと不安です。ぐるっとタクシーもありますが、モバイルクリニックが家まで来てくれたら本当に安心だ、希望になりますと。ある30代の女性は、誰1人取り残さないと努力する伊那市を誇りに思っている。全国各地の遠隔地診療の改善へ希望の火を高く灯していただくことを願い、次の質問に移ります。 次に大きな2番目、認知症予防と共生社会の推進についてでございます。 来年度2025年には全国で65歳以上の5人に1人、約700万人が認知症になると推計され、その割合からすると伊那市では4,200人以上と予想されています。 また、早期認知症の方を含めますと4人に1人、伊那市では2,100名の老年人口の中の5,200人以上がその計算に当てはまってまいります。 国では今年1月、共生社会の実現を推進するための認知症基本法を施行いたしました。認知症に関する初の法律であります。伊那市でも第2次総合計画で子育てを支え、誰もが健康で安心して暮らせるまちづくりへ、高齢者福祉分野で認知症施策の推進を掲げ、認知症初期集中支援事業と認知症地域支援、ケア向上事業の充実を目指しております。 また、現在、伊那市高齢者イーナプランも見直しをされているところでございます。 そこで伺います。認知症基本法と伊那市がこれまで進めてきました認知症対策、この方向性の共通点、また今後の改善点があればどこにあるとお考えでしょうか。 市長の認知症施策についての基本理念、思いをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この1月に制定されました認知症基本法は、認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ、支え合いながら共生できる社会の実現を推進するというふうにしております。 伊那市の基本理念も同じく、認知症の方、またその家族が孤立することなく共生できる地域社会を目指すことが目的でございます。 事業としましては、一般市民向けに認知症学習会を開催し、認知症への理解を深めるとともに、地域で認知症の方を支援する認知症サポーターの養成にも取り組んでいるところであります。 現在策定中の第9期介護保険事業計画でも、第8期までの介護保険事業計画を評価し、引き続いて同様の事業を推進していくこととしてございます。 これまでは認知症の方本人からの意見を聞く視点が足りない面がございまして、改善点としては、おしゃべりカフェオレンジという名前でありますが、ここへの認知症の方自身の参加を進めながら、意見や表明ができる場、また能力と個性が生かされる場づくりというものを充実させていきたいという考えでございます。 このおしゃべりカフェオレンジについては市内に5か所ありますので、そうしたことについても広く周知をしていきたいと。 現在策定中の第9期介護保険事業計画を推進するとともに、認知症の方本人やまたその家族が孤立することがないように、必要な相談体制の整備に努めてまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 私も伊那市の認知症施策と、この国の基本法、その共通点を本人や家族のためだけではなくて、市民一人一人がいつ認知症になっても、互いにその人柄や個性を尊重し合って、伊那市らしく、お互い様の心で地域で安心して支えあい暮らし合える共生社会を目指すところにあると思っております。 公明党も、2022年に高齢者の方、全国で7万7,000人に行ったアンケートがありまして、現在困っていることや、将来心配に思っていることは何ですかとの質問に対して、自分や家族が認知症になったときが一番心配だとの回答が64%で第1位でありました。 自分や家族に認知症の傾向が見えたとき、大変なショックと不安が押し寄せてまいります。私の父母ともに認知症の診断を受けまして、市でもこうした不安を受け止め、7年前にサービス事業者ガイド、皆さんも御存知かと思いますがこういった冊子でございますけれども、この中で認知症について5段階に分けてサービスの提供を行ってきていただいております。 しかし、この内容を拝見しますと、困っている当事者やその家族中心といった側面が強いように思います。自分も家族もいつでも認知症になる可能性がある。それでも前を向いて、共に生きていこうという意識へ転換を図っていく内容が大切と考えています。そのために認知症について、できれば小学生ぐらいから正しく学び、早期発見し、発症しても安心して対応できる内容が必要ではないでしょうか。 そこで伺います。市民が日常的に認知症を分かりやすく学ぶことができる、仮称認知症ケアパス、今ちょっと表示していただきましたがこれは青梅市のものでありまして、こういった温かい表紙になっております。目次は認知症のことを学べる内容、早期発見と。それから受診ケアにつなげる方法、相談先は、伊那市もたくさんやっていただいています。生活習慣予防というようなところも含まれております。 こういったサービス事業者ガイドを改善していただいて、発行、配布、ホームページへの掲載を行ってはいかがでしょうか。市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) サービス事業所のガイドに添付されているものは、平成29年に作成したものでございまして、令和6年度は認知症に関わる支援者あるいは家族と協議をし、より見やすいものに改正したいと考えております。 改正した認知症高齢者のケアパス、これは市役所の窓口とかホームページ、市報、ケーブルテレビなどを活用しながら、周知をしてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 新しい伊那市の認知症の施策にあった改定をしていくという方向でお話を伺いました。 私は今回、市には認知症予防や介護予防に多くの事業者がいらっしゃると、本当に再認識させていただきまして、個人の支援者としては認知症サポーター、キャラバンメイト、ボランティアの方々、また地域の支援団体としましては社会福祉協議会、地域包括支援センター、福祉施設、介護サービス事業所、認知症の医療事業者、また拠点としましては、先ほどお話ありました認知症カフェチームオレンジ、そして企業、行政が連携して取り組んでいただいていることに本当に感謝をしております。 先ほど市長も紹介していただいたオレンジカフェは、月1回市内で5か所開催しておりまして、社会福祉協議会による100か所以上の脳いきいき教室や、70か所以上のまちの縁側事業なども大きな役割を果たしていると実感しております。 そこで、初期の集中支援事業について伺います。 認知症は早期発見と早期治療がとても重要でございます。画面はアルツハイマーの認知症の関係でございますが、やはりいろんな特徴がございますが、アルツハイマーの場合、症状がゆっくりと進んでいくという特性がございまして、早期の発見で薬による療法を行うことで進行を遅らせることができるという昨今の状況でございます。早めの受診が肝心となります。 早い段階で認知症が発見できた場合、今後の治療や介護の方法を、本人も交えてゆっくりと話し合う機会、チャンスも生まれてまいります。 私も父の様子の変化に、年のせいだから認知が多少低下してもしょうがないかなとそう思っていた時期がありまして、発見と治療が遅くなったという苦い思いがございます。ですから、認知症の発症の段階において、自分も家族も認知症を正しく知り、怖がらず、受け止めること、これは本当に簡単なことではございませんが、多角的にきめ細やかな施策を早期に充実できるかどうかが勝負と考えている次第でございます。 そこで早期発見への二つの提案をしたいと思います。 一つ目は初期症状を本人と家族、医療機関、介護機関が情報を共有するための簡易なチェックリストです。今日は何月何日何曜日ですか、住所とか当たり前のことなんですけど、こういったことを確認します。約15項目ありまして、最近火をつけっぱなしにすることが多いなとか、そういったことを早めに家族が確認できる項目でございます。 二つ目はさらに細かく確認できます認知症スクリーニングテストというものでございます。画面で言いますと、ちょっと字が小さいです。お年はいくつですか、今日は何月何日というのは先ほどありましたが、少し計算をして100から7を引いたらいくつですかといったこともクイズ形式で行います。先ほど覚えてもらった言葉をもう1回思い出してくださいとか、楽しくやっていただきたいという先ほどよりも詳しい内容でございます。 こうしたチェックリストが2段階でありますと、希望すれば、医師、医療関係と連携して、早期な治療につなげていくことができるのではないでしょうか。 さらに、モバイルクリニックにおいてタブレットを使って、看護師と懇談しながら、さあ今日は頭の体操を一緒にやってみませんかということで、スクリーニングテストなどを上手に行っていただく。また、本人も一緒に考えていただく。最終的には医師の判断を受けて受診できるようにつなげていく。 そこで伺います。この早期発見の二つのテストを紙ベースとホームページで提供してはいかがでしょう。伊那市らしい新しい角度で、医療関係者にも見ていただきながら、そういったテストを作っていってはいかがでしょうか。市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状につきましては数字等を担当のほうからお話させていただきたいと思います。 簡易なチェックテストまた認知症のスクリーニングテストも、最終的に医師への受診に結び付けていきたいわけでありまして、医師会とか医療関係機関、医療機関と協議をして、ホームページ等へ掲載をしたいと考えています。 動脈硬化を起こしやすいのは高血圧、糖尿病などの生活習慣病で、40代50代から増加し始めると。これらの病気の予防というのは、脳梗塞とか心疾患の予防だけではなく、認知症の予防にも効果的でありますので、そうした周知にも努めてまいりたいとう考えでございます。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉部長。
◎保健福祉部長(村松義隆君) 伊那市では、厚生労働省が作成しました認知機能も確認できる簡易な日常生活アンケートを毎年65歳、70歳、75歳の方に郵送しまして、令和5年度は1,744名の方から回答を得ております。 そのうち700人程度の方が運動機能、口腔機能、認知機能、閉じこもりなどの項目が該当になりまして、介護予防事業などを推奨をしているところでございます。 また伊那市でも認知症初期集中支援チームに初期相談を依頼する際に、厚生労働省が定めました認知症評価スケール4種類のうち、2種類を実施してお願いしているところでございます。 2種類とも介護者が記入することになっておりますが、最終的な認知症の判断は、医師の判断が必要でございまして、簡易なチェックリストになっておりませんので、その辺はまた改善をさせていただきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 新たに皆さんが使いやすいチェックリストができていくといいなと期待をしております。 次に予防について伺います。 いろんな1次2次3次と予防の角度があるわけですが、一つ提案はモバイル公民館「モバCO」の活用で認知症予防の更なる推進ができないかということを考えました。 この「モバCO」の目標は、公民館から遠い地域の市民のために出かけていって、趣味の講座、健康増進、脳いきいき教室など認知症を予防するための教室の体験を行うことができます。 そこで伺います。モバCOを使って、特に音楽レクレーション、カラオケ教室など市内の各種取組を定期的に紹介していくことを提案します。また、社会福祉協議会とも連携し、市内の各所に出かけ、一つずつ講座を定例化していってはいかがでしょうか。公民館長等からも賛同いただいておりますが、市長の御所見を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 認知症予防にとりましては、人との交流とか社会参加を保つことが最も大切であります。定期的に集まる場としての市内107か所の脳いきいき教室、また運動を行う地域の介護予防の自主グループも50会場で開催をしております。 認知症予防に特化してのモバCO、モバイル公民館の利用につきましては、バスの中という限られた空間でどのような内容を行うのかなど課題もあるわけであります。脳いきいき教室の参加者などの意見を聞きながら、体験的にモバCOを活用していくということは可能かどうかも含めて、介護予防事業全般の検討をしていきたいと考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) 本当にお一人お一人を大切にするモバイル公民館でもありますので、さらなる可能性を探ってまいりたいと思っております。 最後の質問になります。おしゃべりカフェオレンジについては先ほど市長からも紹介をしていただきました。2か所ほど参加させていただきましたが、1か所ではちょうど100歳になるおばあさまが参加されておりまして、皆さんで今日は100歳のお誕生日なんですということで素晴らしい企画をしていただいておりました。 それぞれの特色を生かして賑やかに担っていただいておりますし、担う皆さんも元気になりますとおっしゃっておりました。 経費は参加費200円をいただき、お茶やお菓子を準備していただいていますが、ほぼそれで使い切ってしまいます。市では紙コップや消毒セットなど、現物支給をしていただいているとのことでございます。 そこで伺います。各所のカフェで要望をさらに細かく聞いていただいて、例えば折り紙、模造紙、マジックなど必要物品の調達をしていただきたいと思います。 また、意識を持って対応して応援してくださるスタッフの後継者が課題だとおっしゃっておりました。担い手を育成するためにも、オレンジカフェの様子を、ケーブルテレビなど各種メディアで紹介することを提案したいと思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現在、伊那市内5か所でボランティアの皆さんの主催によりまして、おしゃべりカフェオレンジが開催をされております。 伊那市では年に1、2回こうした皆さんの代表の方の連絡会を開催をしておりまして、要望の確認あるいは課題、またその課題に対する解決策について話し合いを行っております。 この連絡会では消耗品などの要望、また今後のおしゃべりカフェオレンジを継続させるための方策が検討されております。 伊那市社会福祉協議会が要請をしております生活支援サポーターの方のうち、おしゃべりカフェオレンジにボランティアとして参加できる方を募集したところ、10名以上の皆さんから応募がございました。今後そうした皆さんの意向を確認しながら、事業を推進してまいりたいと思います。 またおしゃべりカフェオレンジだけではなくて、認知症学習会とか、認知症サポーター養成講座など認知症に関する事業参加について、市報とかケーブルテレビなどで広く広報していきたいという考えでございます。
○議長(白鳥敏明君) 湯澤議員。
◆9番(湯澤武君) まとめに入りますけれども、市民の皆さんが協力して認知症の予防についても様々なところで活躍をしていただいていることを、本当に実感をしております。その意味で、高齢者の皆様が生活の場所、働く場所、安心の居場所、この三つの場所を行ったり来たりできる環境を整えていくことは、伊那市の一つの新しいまちづくりの姿ではないかと思います。 その根っこにおいては、伊那市に誇りを持って、のびのびと生き生きと生活されている皆さん、そして、お互い様という心、おいでなんしょという開かれた心、そういった心をお一人お一人とまた育んで頑張ってまいろうと決意をしております。 以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして湯澤武議員の質問が終了しました。 引き続き、高橋姿議員の質問に入ります。 6番、高橋姿議員。 (6番 高橋 姿君登壇)
◆6番(高橋姿君) 6番、高橋姿です。さきに通告しました3点について質問いたします。 12月定例会一般質問でも、自治会組織について宮原議員が取り上げました。さらに具体的にこの課題を解決するために具体的な質問をしていきたいと思います。 南箕輪村でも同じような形で検討委員会が設けられ、様々な課題について一つずつ解決の道筋をつけているかと思います。能登地震でも災害復旧にはこの自治会が大きく影響していることが改めて浮き彫りになりました。大事な組織だと思いますので、突っ込んだ質問をしていきたいと思います。 この自治会に対する基本的な考え方は宮原議員と同様です。立場的に違うのは、前回自治会について質問した時も同じことを言いましたが、私の世帯は移住者の共働き世帯ということです。この質問も移住者共働き目線の自治会組織と題しまして質問を行っていきたいと思います。 もともと伊那市に住んでいる人とは違い、祖父母世代から緩やかに自治会の仕事を受け継ぐことなく、急に降ってくるわけですから今住んでいる西箕輪地区吹上区の自治会に加入したときは驚きの連続でした。そして当時は子育て中で、祖父母の応援も地元に住んでいる人間とは違ってないわけですから、よく分からない中での負担感は相当大きかったことも覚えています。区に入ることで、山野草の会に入ったり、家にあげていただいて獅子舞を舞ったり、区長さんの作った手打ちそばを食べるといった楽しい思い出も、その自治会に入った中では、たくさんあったのは事実です。しかし夜の11時ぐらいまでほぼボランティアで、当時の地縁団体を立ち上げるときだったので特別委員として区の規約づくりに参加したときには、さすがにその負担感の多さに疑問を感じました。 ただ結果的には住み始めて数年の移住者が、地元のことを理解するにはこの自治会加入というのが、この究極の近道であって、今この場に立って市会議員の仕事をしている上では、非常に役に立っていると個人的には感謝をしています。逆にそれがなければ、移住してきた人間がどのようにして、現在の自治組織の集落が維持されているのか理解したことは、なかったと思います。 多くの財産をもともと住んでいた方から受け継ぎながら、後世に伝えていくための自治組織だということの理解を一言で理解することは非常に困難であって、それは非常に重要なことだと思います。 ただ同時に自治会の組織側からも、共働き移住者の課題も同時並行で理解していかなければ、この持続的な自治会活動は不可能ではないかと思っています。 議会の機能の一つとして、そこで取り上げられている言葉が、地域の課題を映す鏡となっていると思います。 議会会議録検索システムは私もよく利用するのですが、伊那市議会でそこから移住者、共働きというキーワード、自治会というキーワードを何回取り上げられているかを検索してみました。スライドの方御覧ください。同時に、伊那市よりも、都会と思われる松本市議会、県内同規模の塩尻市議会も同時に検索してみました。 伊那市議会では自治会と移住者の二つの言葉が他の議会を大幅に上回っています。しかし、共働きの言葉は他の議会に比べて低く、松本市議会と比較すると4分の1程度にとどまります。参考に長野県議会の数値も載せましたがたまたまだと思いますが、この3議会の平均近い数値になりました。この数値と比較しても共働きに対する伊那市の意識は低いのかもしれません。 伊那市の友好都市である新宿区の数値も載せましたが、こちらは自治会の議論が伊那市よりも活発に行われており、移住者というキーワードはほとんど取り上げられてないのが印象的でした。移住者という考え方自体がもう新宿はないのかもしれません。 共働き世帯は令和3年に夫婦世帯の70%を超えましたが、地方での自治会やPTAなどの組織は、専業主婦世帯の感覚が根強く残っていると感じます。フルタイムで両親が働く場合、休日が子供と過ごす貴重な時間であること、土日に仕事がある場合も増えていることなど、一昔前とは違うことが多くなっていると思います。 国民的アニメであるサザエさん、ドラえもん、クレヨンしんちゃんなど、クレヨンしんちゃんとなるとパートで働いていたりとかするんですけれども、なかなかそういう共働き世帯を取り上げたアニメとかもなかなかなく、一般的な理解は薄いのも現状です。最近になってかがみの孤城という映画がありましたが、そこでようやく初めて共働き、不登校というそういう社会的背景がアニメの世界の中でも取り上げられてきて、これからはそういう理解が深まっていくことを期待します。 ここで伊那市長に質問です。 共働き世帯を軸に考えた自治会等の見直しは、行政から提案することはできないでしょうか。日程、内容、またデジタル化など見直せる具体的な提案があればお願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 社会は定年延長によりまして共働き世帯の年齢も増加をしていると。他の自治会役員のなり手に支障をきたしている現状もあります。 個々の生活スタイルが多様化しておりまして、仕事も土日や不規則な交代勤務をしているため、自治会の会議や行事になかなか参加できないと言った声も聞いているところであります。多くの住民が自治会活動に参加できるように社会変化や時代に即した持続可能な自治会運営の見直しというのは、当然必要だという考えであります。 一方で自治会によって歴史的背景とか成り立ち、行事など違いますので、一律での見直しというのは難しい、厳しい現状でございます。 コロナ禍を契機としまして、行事の縮小、廃止それから役員の見直しを行った自治会もございますので、今後も改善事例とか、優良事例というものを広く収集をしながら、積極的に情報提供というものも行ってまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 例えば南箕輪と同じような検討委員会を設けるなどというのは、考えはありますでしょうか。市長、お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 一時そのことも検討しておりまして、答えが出ておりませんけれども、それぞれ自治会で今かなり旧来の継承ではなくてやっぱり今の時代に合った、そうした形を模索しておりますので、そうした点において良い事例というのを上げながらいきたいなと思っております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。次に宮原議員も質問していますが、区費の問題についてです。私自身もこの問題は一般質問で取り上げ、入区費や区費の一覧のアンケート調査など地域創造課から自治会宛てで公開していただきました。 長年住んでいる自分の地域と行われている慣習が当たり前になってしまいますが、地区や地区の歴史や文化的なものを理解していればそれも納得できる部分多いと思います。しかし時間の経過とともに変化してしまった部分も多く、現状ではそれが区費の根拠となり得ない場合もあるとは思います。コロナ禍を経て様々な行事や組織が変わり、一層それが顕著になったことはいうまでもありません。 能登の震災でも改めて確認ができましたが、自治会が機能していることは、災害時には重要であることはいうまでもありません。 具体的な例をここで挙げたいと思います。三、四十代くらいの夫婦を仮に想定します。土日の仕事があり共働きで普段地区との関わりはゴミを出すくらいで、高齢者もおらず、子供もいない。こんな夫婦が区に入って、区費が年間3万円になるとします。ある意味年間3万円の増税ということです。しかも、区の仕事がもれなくついてきます。災害等が起こった際にこの世代が一番活躍するはずですが、この条件では入るメリットがほとんどありません。子育てしてれば、地区の行事等でのつながりもあるので、メリットとなりますがそれもなければ自分たちが高齢になるまで払い続けると30歳から70歳まで120万円ぐらいの負担という、区費が負担ということになります。 もう一つ。70代以上の高齢者の単身世帯でもまた違った問題が出てきます。国民年金の平均受給額は年間60万円、3万円の区費は年収の5%にもなります。これでは区に災害のときに助けてもらう前に生活ができなくなるレベルの負担かと思います。 私の区でもこれが理由で、経済的な理由で区を抜ける単身の高齢者が増えています。区費が高い区の特徴としては、中山間地で区の加入者がもともと少なく、集会センターや山林等の固定資産があって、その管理費があることではないのかと思います。そういった地域こそ災害の発生の可能性が高く、本来なら自治会の継続的な維持をしなければならないのだと思います。 市長にお尋ねします。災害に一番頼りとなる世代と弱者となる世代の両方が区の加入が難しい現状に対し、どのような対策を考えていらっしゃるでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 今回の能登の災害、震災を見ましても、自治会というのは大変重要な役割を果たしております。命を守ることに関しては区への加入、未加入に関わりなく、平等に取り組んでいかなければならないわけであります。この非常時には、隣近所の助け合いというのは欠かせないものでありまして、このため、常日頃からのお互いの顔を知っている、声をかけあうというようなその地域づくりが求められているところであります。 議員から区費が要因で未加入者が増えているとの御指摘をいただいたところでありますが、今年度、各自治会へ他の自治会の入区費、区費の一覧を共有いたしました。大変なばらつきがありまして、入区だけで10万円を超えると、いうようなところもあれば、全くいらないというようなところもあります。そうした他の自治会と自分のところを見比べる中で、金額の見直し等をぜひ行っていただきたいという考えであります。 また、区費によって自治会の活動が行われていることで、住民の皆さんは例えばゴミステーションをはじめ、自治会内の施設の維持、管理それから防犯灯の設置とか道路の補修、あるいはこの時期ですから雪かきとか道路際の除草とか、そうしたことに加えて、山林の手入れなど様々な恩恵を受けているわけであります。今後も機会を捉えて自治会の必要性というものをしっかりPRしながら、加入の促進を図ってまいりたいと。自治会運営の見直しにつきましては、各自治会の課題や現状も違いますので、それぞれ相談に応じながら、よりよい運営方法というものを一緒に考えていきたいと。私の区も同様でありまして、区費が高いという意見の中で、どうしたら安くできるかということを区民が考えて、だいぶ削りながら安くしているという実情があります。従来の慣例を踏襲するということではなくて、時代に合ったそうした見直しをそれぞれの区の中でしっかりと見てもらえればと思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) はい、ありがとうございます。私の加入する吹上区でも、アンケートの結果を役員会で共有しました。その結果、区の編成の見直しなどを行い具体的な動きが出て来るきっかけとなったと思います。 加入世帯が83戸と吹上区は少なく、高齢化も進んでおりそれぞれに危機感があるのと同時に移住者も比較的多い革新的な雰囲気が区にあり、決定的なのは自治会長さんが決断力と実行力に優れた方だったというこのいくつかの条件が揃った上での見直しだったかと思います。なかなかそういう条件が重なることの方が珍しいのではないでしょうか。しかしそういった事例が同じ伊那市にあることが分かるだけでも、具体的な改革や検討が進むのではないかと思います。 ここで市長にお尋ねします。自治会の変化の情報を市報等で共有はできないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和4年度に実施しました自治会アンケートで伊那市から、自治会運営に対して、特に支援が必要と思うものの中に活用できる事例などの情報提供を欲しいという声がございました。 伊那市としても、時代に即した、自治会運営の見直しというものを行ってもらうためにも、取組事例の共有というのは必要と考えております。 議員の地元区の再編等見直しの事例、そうしたものをぜひ共有させてもらいたいと思います。市報をはじめ様々な機会を捉える中で、自治会の優良な活動事例また自治会加入の取組事例などについて積極的に情報共有を行ってまいりたいと。せっかく移住者がだんだん増えている中で、加入の条件の金額の多い少ないによって足踏みしてしまうということがあるのは残念な思いでありますので、できるだけ皆さんが、改善をしながらより良い自治会運営に邁進してもらうことをお願いしたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。 また本来ならこの自治会組織こそデジタル化を進めやすい組織内容だと思います。回覧板、Web会議、災害の安否確認、総会の委任状、自治会の集金の自動化などで、社会では一般的に普及していくことが、改善できる部分で多く見られます。 しかし、高齢者を中心にデジタル弱者がいることでなかなか進まないのも実態です。ただ社会全体、人口減少を克服するのにデジタル化は必須だと思います。自治会でもデジタル化の取組をどうするか考えなければならないと思います。 市長にお尋ねします。若い世帯が多い地区などで、自治体のデジタル化をモデル化として取り組むことは検討できないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 例えば中央区あるいは美原区でありますが、伊那市協働のまちづくり交付金事業におきまして、自治会運営のデジタル化に向けた取組を行った事例もあります。 事業の内容としましては、自治会のホームページを作成し、住民に年間事業報告あるいはの行事のお知らせを周知するもの、スマートフォンなどを使用して、LINEなどのプラットフォームを活用したアンケートの意見集約、必要な情報の随時取得、オンラインでの会議、公民館などの施設の予約といったものが、地区ではデジタル化の事例として出ております。 こうしたことは役員の負担軽減と、それから住民への情報共有を図る上では、必要なものと考えまして、ただ一方でデジタル化したことで役員の負担増につながるということもないわけではありませんので、この情報リテラシーの向上など、人材の育成というもの合わせて必要になってこようかと思います。デジタル化に取り組んだ自治会の事例によりまして、事業効果を見る中で、市として、どのようなデジタル化の推進が必要なのか、ともに考えてまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。 先ほど議会会議録システムで三つの言葉を検索しましたが、今度は違う言葉を検索しました。今度は女性という言葉を検索しました。これは予想どおりの結果となりました。共働きと同じ傾向、また今度子育てというキーワードを検索したんですが、子育ての方はほぼ三つの議会で同じぐらいの検索回数になっていて、ただ女性というキーワードでは、かなり差がついてるのが印象的です。 子育ての必要性を理解していても、女性共働きの現状に注目していないのはちょっと不十分なのかとは思います。自治会長はほとんど男性です。世代が変わるにつれて、女性の自治会長も現れる割合が増えてくるのでしょうが、現状ではこれが非常に課題なのではないかと思います。 ここで市長に質問です。自治会の女性会長の比率等の目標を第5次伊那市男女共同参画計画アクションプランに掲げることは検討できないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 第4次男女共同参画計画のアクションプランにおきましては、地区役員の女性登用の割合これは活動の指標に掲げながら、取組を進めております。 令和5年度の伊那市における地区役員の女性割合これは1,821人中、168人で9.2%と決して高い数字とは言えないわけであります。区などの組織におきまして、事業実施などの意思決定を行う際に、女性が参画することによって多様性が生まれ、様々な視点や意見が反映された住民に有益なものが構築されるわけであります。男女共同参画社会の中、多くの自治会、あるいは区におきまして、女性の役員登用の意識が高まっていることは認識をしておりますが、一方で、区議会などに女性が1人もいない地区もあるわけであります。女性が地区で活躍できる環境の整備をすすめるためにもまずはそうした区議会などへの女性の参加これが重要であると考えております。 女性自治会長が増加するということは望ましいことでありますが現在の男女共同参画計画のアクションプランに掲げております地区役員への女性の登用、これを促していくことで、いずれは女性の自治会長の増加につなげていきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ぜひともそういう時代がくることは私も望ましいと思います。次は逆の課題ですが、日赤奉仕団のような女性のみに役割が実質固定してる役職もあります。能登の震災でも女性だけが炊き出しをしているという避難所もあり、負担が集中し、長期化することも課題となっています。ここで伊那市長に質問します。日赤奉仕団等での女性のみの縛りというのは現在あるのでしょうか。またあるとすれば、今後の見直し、また検討等は行われてくるでしょうか。お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状につきましては担当からお話をさせていただいと思います。 その奉仕団員の選任依頼にあたりましては、性別を問わない依頼というのを続けてきておりますし、今後も様々な機会を捉えて、日赤奉仕団には男性にも務めていただきたいということの周知を図ってまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉部長。
◎保健福祉部長(村松義隆君) 伊那市の赤十字奉仕団は、伊那地区8分団、高遠町地区4分団、長谷地区1分団合計13分団で組織されておりまして、令和5年度現在で288人の方が在籍しております。このうち男性は竜東分団、福島地区に4名在籍していただいております。 団員の選出につきまして、市内各地区の区長さんを通じまして各自治会から1名以上可能な範囲で選出依頼を通知しておりまして、選出にあたっては、性別は問わない旨を明記しておりまして、女性を選任するような縛りは設けておりません。 しかし、選任する自治会におきまして、赤十字奉仕団イコール女性が務めるものといった固定観念があること、また、自治会の役職を男性が務めていることが多い中で、女性の役職として選ばれているものと考えられます。また女性が多い団員の中で男性が活動することに抵抗を感じている方もいらっしゃるということも推察されます。 大きな災害では各避難所での役割分担もある中で、力の必要ながれきの撤去や被災している箇所への補修等には男性が、炊き出しや支援が必要な方への手助けには女性が当たるといったことは考えられますが、そういった状況に応じて協力が必要と思われますのでそういった役割分担等は、今後ともお願いしていきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) またそういう周知徹底をお願いできればと思います。 次に移ります。共働きの子育て世代としては育成会、少年補導員、保護司等の子供に関する地区の役割も大きく変化しているにもかかわらず、見直されてきてないのも課題かと思います。 これは、今回野口議員が一般質問で詳しく取り上げますが、子供を外でほとんど見なくなった中で今年度、予算でも育成会と少年補導の事業は市から併せて350万円ほどの予算がついています。スーパーでの万引きも巡回に回ると、最近は高齢者の万引きが多く、1人で来る子供はほとんど見ないという話を聞きました。 保護司も昔は少年犯罪が多く、1人で複数の少年を担当しているというケースが多かったと聞きますが、今は数人で1人の少年を見るような担当の状態です。 私も今保護司を引き受けていますが、なり手を探すのに大変という話をよく聞きますが、必要なければ数は減らしていくことも考えてはいかがでしょうか。 市長に質問いたします。育成会、少年補導員、保護司等の内容及び人員の見直しを今後検討できないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 保護司の選任に当たっては、保護司法の規定に基づきまして、上伊那保護司会から各郡区に選任依頼がされると。また、各地区の役員は毎回候補者選びには苦慮しているということは、聞いてございます。 実際の活動に当たっては地域の実情を知ったきめ細かい援助というのが必要でありますし、その地域に対象者がいつ来ても対応できる体制づくりもございますので、一概に人数だけの問題では解決できない部分もあろうかと思います。 今後、上伊那保護司会へ取組状況とか業務内容を踏まえて、人数や定数についての見直しが可能かどうか研究していただくように伝えてまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 子ども会育成会それから少年補導員についてお答えします。 地区子ども会育成会でございますが、地区内の主に小・中学生を対象に健全育成活動を自主的に展開するために設置されておりまして、市内で34地区に組織されております。伊那市はそれぞれの地区子ども会育成会に青少年育成事業を委託しております。伊那市地区子ども会育成会の設置要綱でございますが、これは地区子ども会育成会の代表者により組織されています伊那市子ども会育成会連絡協議会が定めているところでございまして、組織の構成、また人数についてはそれぞれの地区の育成会において決めていただいているところでございます。 今後伊那市子ども会育成会連絡協議会におきまして、地域の意見を聞きながら地区子ども会育成会の取組について、検討していきたいと考えているところでございます。 人数についてでございますが、それぞれの育成会において地域の実情を踏まえ、見直し検討をしていただきたいとそのように考えているところでございます。 少年補導員でございますが、青少年の健全育成と非行防止を図ることを目的に伊那市少年補導センター条例に基づきまして、地区から選出をしていただいた55名の方に委嘱し、街頭巡回や挨拶運動を中心とした補導活動を行っていただいているところでございます。 県内各市等の状況でございますが、少年補導委員会は県内19市の内、現在も16市に設置をされ活動をしております。それら16市のうちでございますが、いくつかの市において活動内容、また人数の見直し等を検討しながら、活動を継続してきているところでございます。 伊那市でも補導委員の活動は、非行の防止、抑止また啓発にも一定の効果があると考えておりまして、今後も委員の皆さんの声をお聞きし、参加していただく方々の負担の軽減を考えながら、ここうんと大事なところかなと私思うのですけれど、地域から代表の方が出て、お取組いただいているわけで、地域が子供たちを見守る目を持ち続けているということが大変大事なことだと思います。そのことを大事にしながら取組を続けてまいりたいと思っております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 私も今後とも地域の一人として子どもを見守ることを続けていきたいと思います。また、自治会とまた異なりますが、PTAも自治組織の一つと考えられます。議会でも私や野口議員がPTAの改革を取り上げました。そのせいなのか、昨年西箕輪小学校ではPTA組織の見直しが行われました。PTA上部団体からの脱退の検討や小中学校合同でのPTA講演会の中止など、具体的な検討がされたようです。 また地域ごとの事情ありますが、共働き世帯の増加に伴い、PTAの負担は行政主導である程度見直していくべきではないでしょうか。子どものためではなく、大人中心の周年行事の実施などの活動や研修活動については慣例として行われることも多く、今後、棚卸の必要性があるかと思います。 教育委員会に質問します。教員と保護者の負担を減らすために、PTAの合理化の情報共有を教育委員会主導で今後できないでしょうか。お願いします。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) PTAについてのご質問でございますが、PTAはそれぞれの学校で皆さん御存じのとおり保護者と教職員により組織されております。 教育委員会として、その組織また運営についてなんらかの形で意見を申し上げるということについては控えるところと考えております。PTAの組織とかまた活動内容等については、それぞれPTAにおいて検討がなされ、子どもたち、保護者、学校にとってよりよい組織、活動となることを願っているところでございます。 構成員の皆さんの意見や思いが大事にされていくそのことが、肝心なところかなと思うところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 情報共有という面ではいかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 例えば伊那市には21校小中学校ございますけれども、その方たちがお集まりになるような形で、あるいは伊那養護学校等がお入りになるというようなことは当然あるわけでございますが、そうした中で、合同の研修会等も開催しているように承知はしております。そうした中で今、議員お話のありましたそれぞれの組織がこのような形で工夫をしたよというようなことについての情報共有を図るということはしていただけるかなと思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 前向きな答弁ありがとうございます。 また今回実現しなかったようですが、各上部団体から脱退した際、また脱退しなかった学校と脱退した学校との差が出てくるかと思います。負担増があるかと思います。例えば上伊那、郡のPTAとかは、学校長などが出席する場合もあり、保護者以外も教職員にも偏った負担が発生することも考えられます。 教育委員会に質問します。PTA上部団体からもし脱退するような組織が出た場合、その負担の格差をどう捉えるでしょうか。お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 何らかの組織に属するということになりますと、例えば今PTAのことについてお話をされているわけですけれど、一つ一つのPTAの学校ごとのかたまりでは例えばこんなふうにならないだろうかというような要望といったものが具体的な形で実るということはなかなか難しいということも多くございます。そういう点で例えば大きな団体になるということによってそうした要望が具現するということもあるところだと承知しています。一方同時に何らかの組織の一員になるということになりますと、やはり負担するべきことも当然出てまいるわけで、例えば費用の負担ですとか、あるいは役職を担うといったこともそこに当たることであろうというふうに思います。いずれにしましてもこれは先ほど申しましたように、その学校の保護者、教員によって構成されるPTAでございます。PTAの中で丁寧に意見交換、また議論が行われていくこと、そのことが大事なところであるというふうに思うところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。大きな要望、小さな負担、小さな負担の方をどういうふうにしてこれから軽減していっていただけるか、期待しております。 次の質問に移ります。小中学校残すにはということで質問をしたいと思います。前回の一般質問ではフィンランド教育にて取り上げました。今回は小・中学校の具体的な課題についていくつかの提案をしていきたいと思います。 前回の一般質問でも、小中一貫校、義務教育学校には少し触れました。令和4年9月の小林議員の質問で同様な質問が出ていますが、長野県でも信濃町の小中学校を皮切りに、公立の小中一貫校が増えてきています。小規模の義務教育学校が今までは多い印象でしたが、昨年11月に飯田市が少子化に伴い学園構想として市内全部の小中学校28校を中学校区9校にまとめるという思い切った素案を打ち出しました。 北海道道東の急激な過疎地域、人口増加が続くつくば市など、様々な課題を持つ地域で様々な検討が始まっています。 伊那市教育委員会の6月定例会でも令和11年には市内小中学生が580人減少の見込みとの報告がありました。第2次伊那市総合計画でも前期計画では、学校の適正配置に向け、通学区の弾力化などについて調査研究を行いますとあります。また、後期計画では、児童生徒の減少を踏まえ、伊那市ならではの特色ある教育を推進するための学校の適正な規模、配置について地理的な条件も勘案しながら、検討を進めますとあります。かなり踏み込んだ表現に変化しています。 伊那市長とここで教育委員会に質問します。前期計画の通学区の弾力化の研究の結果と、また後期計画での伊那市の小学校中学校の適正な配置についてどのような検討また結果等あればお答えください。お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 教育委員会からお答えさせていただきます。伊那市総合計画前期計画に掲げました通学区の弾力化などの調査研究につきましては、小規模特認校制度の活用について調査研究を行い、令和3年度から新たに高遠北小学校を小規模特認校として児童の受入れを開始しているところでございます。 ちょっとそれますけど、高遠北小学校では、入ってくださっている特認校のコーディネーターの方がご尽力をくださいまして、子どもたちが素晴らしい絵を描くようになっています。音楽劇に加えまして、学校の特色になっているなあとそんなふうに今思っているところです。 後期計画でございますが、そこに掲げました伊那市の小学校中学校の適正配置につきましては、現在の学校の配置を前提としながらも、今後児童生徒数が減少していく中、伊那市の子供たちにとって最も適した教育環境を提供する、そのためには、どのような形がよいか、これは幅広く検討していきたいと考えています。その際、伊那市では学校の教育活動に地域が大変大きな役割を果たしていていただけることまた地域において学校が果たしている役割も大きいということなども踏まえて慎重に検討していきたいところと考えております。当面は先進的な市町村の取組を調査また研究するなどして伊那市での学校配置について研究検討してまいりたいとそのように考えているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。ただ、私個人的に近い将来、学校の統廃合は必須になるものだと考えています。理由は一番には長寿命化等による経費です。先日の飯田市のこれからの学校のあり方審議会でもこの点が一番の課題だとされています。飯田市の場合は現在ある小中学校28校これ全て残した場合は今後40年間、毎年15億円ほどの予算がかかり、飯田市全体の教育予算45億円の3分の1を毎年締めて、本来の事業を圧迫されてしまうとの説明がされていました。 ここで伊那市長と教育委員会に質問いたします。伊那市の場合には現在ある小中学校21校全て残した場合、今後40年間で飯田市と比べてどれぐらいの支出が見込まれるのでしょうか。お答えください、お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 三澤教育次長。
◎教育次長(三澤豊君) 伊那市では、現在の小・中学校を維持していくということを基本に学校施設の長寿命化計画を策定し、長期的な視野で学校の維持管理を進めているところでございます。現在の学校施設の長寿命化計画は、令和2年度に策定をいたしまして令和3年度から令和32年度までの30年間の計画となってます。 飯田市がどのような内容で経費を入れて算出しているのかというところまで承知しておりませんので単純な比較ということは困難でございますが、伊那市の学校施設長寿命化計画では30年間の総事業費、施設の長寿命化改修によりコストの縮減等を行うなどにより約62億円という経費を見込んでおりまして、年平均いたしますと約2億円いうような試算となってございます。仮に、長寿命化改修ではなく、施設を建て替えていくというような試算をいたしますと30年間の総事業費が約207億、年平均で6億8,000万程度という試算となっております。なおこの学校施設の長寿命化の計画は5年ごとに見直しを行いながら、教育環境の変化ですとか学校施設の老朽化等の状況に応じて、計画内容を変更して推進しているということで、行っております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 飯田市とだいぶ予算内容が違うのでまた改めて私も研究したいと思います。 伊那市には15の小学校と六つの中学校があります。中でも、西箕輪中学校と長谷中学校は施設こそ違えど小中一貫のような形をしています。また、その他の中学校はいくつかの小学校からまとまって進学してきます。中学校で大集団になるメリットは、部活の人数の確保、競争原理、クラス替えによる人間関係のリセットなどが指摘されていました。 しかし部活動は今後地域移行、競争原理はそれの有効性が疑わしく、人間関係のリセットも、少子化による探究の増加で、今後は多くの学校でできなくなっていきます。また、大人数ではアクティブラーニングのような思考型の教育とは合わなくなっているのも事実です。フィンランド教育も小中一貫校が基本です。また全国的に見ても小学校教員の志願者は減っています。信州大学教育学部の受験倍率も低い学部では1倍その後の教員採用試験を見ても、令和5年度採用試験では南信地方が特に低く、採用希望小学校教員は2倍、中学校教員は4倍です。担任の力量が試される小学校は学生にも敬遠されています。 義務教育学校にすることで、中高のカリキュラムを一本化し、教科担任制を小学校にもさらに増やすことで、小学校の固定担任制を弾力的に変え、教員の待遇改善、人材確保も可能となるのでないでしょうか。 この3月議会の一般質問でも野口議員が理科専任教員について触れますが、理科だけでなく、英語や情報といった新しい教科や、算数や数学の融合などを考える際にも、専任教員は必要となってきます。そして、義務教育学校は先ほど、教育長も触れられた地域と連携したコミュニティスクールとの相性も非常に良いのではないでしょうか。 ここで、市長と教育委員会に質問です。将来的に伊那市の小中学校全て小中一貫校の義務教育学校に変えていくことはできないでしょうか。飯田市とは違い、今ある全ての小学校を地域に残し、特色ある義務教育学校にすることは、可能ではないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) まず義務教育学校について少し触れさせていただきますが、学校教育制度の多様化と弾力化を推進するということで、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う新たな学校の種類として平成28年に制度化されたものでございます。 義務教育学校は9年間を一つのまとまりとして考えるということから、一人の校長の下、一つの教員組織が置かれるということ、また、9年間の系統性まとまりを確保した教育課程を編成、実施するということ。また施設の形でございますが、これ先ほどから若干議員触れておられるところですが、施設一体型それから施設隣接型そして施設分離型、これらがあります。教員の免許状については後々将来的には小中いずれの免許も持っている方と、そこで教育活動にあたるというふうに構想されています。 義務教育学校の長短については省略をさせていただきますけれども、一つ申し上げますと、例えば小学校1年生と中学校3年生は明らかに発達段階が異なるわけで、例えば学校行事のあり方とか校長先生のお話というようなところ、などなど一つ一つの行事等で相当程度の配慮が必要になるということが申せるわけでございます。 ここ数年来、伊那市で大事に考えてきたことを少し述べさせていただきたいと思います。伊那市では中学校区単位での教員の研究会ですとか教科ごとの教員の連絡会、あるいは分野的に申し上げますと例えば、学校人権同和教育の担当者会、こういった小中学校の教員が教育課程とかあるいは教育内容にかかわる連携を深め、児童生徒の指導に当たることを大事に考えておりまして、例えば小中学校の教員が相互に授業を担当しあうというような形も含めまして、実はこう申しますと、先ほど挙げました施設分離型が備える条件の一つ、教育課程の共通の検討というようなところに入ってくるところかなというふうに思いますけれども、この方向、中学校区ごとに教育活動等について職員が情報を共有しながら、検討を共にしていくと。こうした形は今後もさらに推進していきたいと考えております。これからも伊那市の小中学校の特色ある学びを大事にしながら、例えば、小中一貫、連携のあり方について地域性、歴史等を踏まえ、その地域にふさわしい小中学校のあり方を求めて研究検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。 また話はちょっと変わりますが、先日岡崎市の中学校の校内フリースクールF組を視察してきました。これは伊藤のり子議員も一般質問で取り上げていますが、実際に見学した学校は伊那東部中学校と同等規模の大規模校で、小規模な小学校から上がってきた女子生徒が中1ギャップで登校できないケースが目立ち、その対応に一番役立っているという話が聞けました。また、このフリースクールを小学校に導入しようとすると、小学校で固定担任制で余裕がなく、なかなか校内フリースクールでの実施は難しいという話を聞きました。 ここで教育委員会に質問します。不登校に対する先ほどの義務教育学校の実施の効果についてどうお考えでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) これは傾向としてということで申し上げますけれども、学年が高くなるにつれて、やはり不登校の児童生徒の割合が高くなっていくということは、申せるところと思います。 義務教育学校の中で不登校に対する対応が成果を上げている学校があるということについても承知をしているところであります。議員御指摘のとおり、小学校から中学校へギャップあるいは壁と言われるその環境の変化への対応の難しさ、そのことによりまして、不登校の状態にある生徒が出やすいということはこれは伊那市においても、あるところかなと感じます。やはり小学校と中学校の接続について様々に工夫をしてきているところでございます。具体的に申し上げますと、中学校の1日入学のあり方を工夫したり、中学校の教員が小学校に出向いて一定期間授業をしたりするとそういった取組がございますし、それらは、小学校6年生が中学校生活に対する緊張を和らげるそのことにつながっていると考えています。議員の御発言の中にありましたように、仕組みとしての義務教育学校が小学校と中学校の切実に有効であるということは、言えようかというふうに思うわけでございますが、不登校に及ぼす影響につきましては不登校一つ一つがケースというふうに申せるほどに非常に複雑でございますので、様々な角度から十分に検討する必要があるところであると思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) これで最後になりますが、伊那市は最近著名な服飾デザイナーや音楽家を輩出し、東京芸術大学とも親交があります。これらの関わりをぜひ新しい教育に生かすことはできないでしょうか。 今後合併して誕生する伊那新校、またこれから検討していただけるかもしれない義務教育学校、施設一体型、施設分離型等で子供たちが誇りに思えるようなシンボルを今後作っていくこと望みます。 ここで市長と教育委員会に質問です。伊那市にゆかりのデザイナーや音楽家、東京芸術大学によるジェンダーレスの制服や時代に合った校歌、校章などを作成することの検討はできないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 教育委員会からお答えさせていただきます。中学校の制服でございます。中学校の制服はそれぞれの学校で制服委員会を置くなどして、生徒保護者の意見を踏まえて、学校長が決定するところでございます。 議員御指摘のとおり、その制服に関わってジェンダーレスまた価格等を課題としまして、制服の見直しに取り組んでいる学校もあるところでございます。制服等については特にその価格について保護者負担の軽減を大事に検討することを促してまいりたいと考えております。また校歌とか校章でございますが、それぞれの学校の歴史の中で、長年親しまれているものでございます。教育委員会が主導してその見直し等の検討を促すというのは慎重であるところかなと考えます。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ジェンダーレスの制服と制服委員会ですが、これに子どもの意見、当時者である子どもの意見というのはどれぐらい関わっているか、もしわかれば、お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 現在、制服等の見直しを行っている学校では子どもたちがどのように考えているかというのはほぼほぼ例外なく大変大事にしているところと承知しております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。 それでは最後3番目の質問に移りたいと思います。inadani seesの今後と題しまして、inadani seesが完成して1年が経とうとしています。インキュベーション施設という耳慣れない目的施設を市民に理解していただくにははまだ時間がかかるのかとは思います。オフィスの入居者も定員に達し様々なイベントも行われていました。地域おこし協力隊員もこの施設の担当となり、今後更なる発展が期待されるところです。私も西箕輪地区の住民として月に1回、2回ぐらいは足を通わせているところです。 ここで市長に質問です。現在までの成果と、今後改善すべき課題を教えて下さい。お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) inadani seesでありますが、伊那谷の地域資源を生かした農林業をしっかりと成立をさせ、日本を支える地域になる。このことを実現するために、伊那谷に多様な人材が集まり、農林業に関わるイノベーションを起こすそうした拠点とするこれが目的の施設であります。 このinadani seesは企てを形にするというそうした言葉を持っておりまして、これまでになかった人と人とのつながり、農林業と他の産業とのつながりを生み出す場でもあります。現在貸しオフィスには6社が入居して、4月からの入居希望者の相談も受けているところであります。 またシェアオフィスの登録者数も2月末現在で15名ということであります。企画としましては、地域内外の人々が集まって学び合うSEESschool、や、焚き火交流会、TAKIBISEES、狼煙を上げて本気で話すトークイベントNOROSEES、プロの目線を交換しながら巡る伊那谷SEESCAMP、こうして企てを形にする講座などが開催されまして、県内外から学生も含めて多くの方が参加をしている状況であります。現在各企画の運営などにデジタル田園都市国家構想交付金を充てておりまして、施設の維持管理費などにも多額の費用がかかっている中でこの交付金を充てているということであります。 今後につきましても長野県が検討しております伊那谷と木曽谷それから諏訪地域も含めたフォレストバレー構想の一つの拠点として、inadani seesも考えられております。信州大学それから上伊那農業高校、そして林業大学校とか木曽谷それから諏訪地域も伊那谷もそうしたものを含めたフォレストバレー構想が動いているということであります。令和7年度からでありますが、指定管理者による管理を検討しておりまして、より自由な発想で企画運営を行い運営費用を見出すこんなことを考えてまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。また現在inadani seesの周辺は除却処分が終わった市営住宅の更地が広がっています。建物1階テラスからの南アルプスの眺望は現在いうまでもありませんが、この場所は伊那インターからも続く広い道に面しており、信州大学との連携の拡大、入居企業の退去時の土地利用面での連携など、可能性が広がる場所だと思います。 市長に質問です。今後建物周辺の土地利用計画をどのように考えているでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 大萱団地の建て替えについては県との共同建て替え事業として実施しておりまして、平成29年度より入居者の集約を行いながら除却も進めているという状況であります。inadani seesを除く市営住宅、大萱団地の敷地については1万8,800平方メートルで、更地になっている敷地が4,500平方メートルでありまして、残りの1万4,300平方メートルの敷地に現在11棟、56戸の市営住宅があります。市営住宅の入居者は、2棟目と3棟目の県営住宅、今建設をしておりますが、こちらに移転入居となります。 令和9年度以降でなければ、既存住宅全てが除却できない状況でありますが、企業からの立地要望があれば随時対応してまいりたいということで、現在更地になっております敷地、それから今後更地としていく敷地を含めて、敷地全体を企業などが立地をする産業適地として活用していきたいと。伊那インターからも近い大学からも非常に近いすぐ隣接をしているという中では、単なる建売住宅用の敷地として提供するのはもったいないわけでありますので、知の拠点となるようなそうした産業適地として活用していきたいという考えであります。立地の企業としましては信州大学、あるいは長野県南信工科短期大学校と連携できるような企業、あるいは農林関係の関連企業あるいは研究開発の企業、そうしたものを考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 今inadani seesに入居している企業が西箕輪羽広荘を活用して新たな事業を始めようとしているということ、観光課からお聞きしました。一時は取壊しが濃厚になった羽広荘ですが、新たな活用が始まることを期待しています。 このようにinadani seesを拠点としていた企業が事業の拡大などを理由に伊那市内に土地や建物を求めることは、今後考えられることだったとは思いますが、今の回答とかぶることでありますが、伊那市として企業等に伴走しながら積極的な支援を行う予定はあるのでしょうか。 ここで市長に質問します。建物周辺の土地利用だけではなく、伊那市内広域にこのinadani seesを拠点とした企業が土地や建物を賃貸または取得出来るようなルートの整備及び情報提供はできないでしょうか。羽広荘の今後に関しても情報提供が可能範囲でお答えいただきたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 重盛商工観光部長。
◎商工観光部長(重盛巧君) まず一つ目の入居企業への土地や建物の紹介でございますが、産業立地のホームページで市が所有しております産業用地及び民間の空き工場や事務所、土地に関する情報を発信しております。 問合せがあれば産業立地推進課で市の用地を案内し、民間の物件であれば所有者に連絡をさせていただきまして、現地立会い等の仲介も行わせていただいております。 市の用地であれば、産業立地推進課が、誘致交渉を行いまして、民間の物件であれば当事者間で合意が整ったところで、民民による契約をいただいております。 今後におきましてはinadani seesの入居企業を訪問いたしまして、退去後の意向を伺いながら、必要であれば、施設周辺の用地をはじめ、市の所有する物件及び民間の物件の紹介を行いまして、市内への立地につなげていきたいと考えております。 二つ目の羽広荘の活用、今後についてでございますが、令和4年12月末に閉鎖をいたしました羽広荘につきましては、議員御指摘のとおり当初建物を取り壊し、更地に戻すことを予定しておりましたが、施設の後利用について数件の問合せがございましたことから活用に向けて令和6年2月8日から16日まで事業提案を募集させていただきましたところ兵庫県に本社を置きます、現在inadani seesにも入居されております服部テキスタイル株式会社様から事業提案をいただいたところでございます。 2月20日に地元の区長様、羽広農業公園管理組合の方など地元の皆さんにも審査に参加いただいた上で、羽広荘の貸付先として決定させていただいたところでございます。 服部テキスタイル株式会社様は、高級ホテルのリネン等を手がける企業様でございまして、羽広荘では産学官の連携を図りながら長期熟成生ハム等の生産販売をA級グルメの特産品開発を行うことをという提案があったところであります。 伊那市といたしましては生産される生ハム等が伊那市の特産品となることを期待するとともに、地域の食や飲み物との相乗効果が生み出され、観光振興や地域の活性化につながることを期待しておりますし、このような取組をしていきたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) 新たな地域ブランドとして定着することを私も楽しみにしております。 次に移ります。先日このinadani seesのイベントで、SEESMEETSというスタッフと、一つのテーマでお茶を飲みながら情報や意見交換をするという企画がありました。 この第1回のテーマが徳島県神山町でした。ちょうど娘がこの町に、最近開学した神山まるごと高専という学校に入学が決まったこともあり、家族で参加してきました。9名ほどの参加者があり、その参加者の中で神山につながりのある方が2人ほどいました。 1人の方が神山まるごと高専に木工機械を導入する予定とのことで詳しく話を伺いました。神山町はスギの産地として有名でありそのスギを生かした木製品をデジタルデータで簡単に加工して作れる機械を学生のために導入する予定とのことでした。素材が近くにあることそれを新しいアイディアで学生が手軽に形にしていくことが、地域にとっての財産になるのだろうと思います。 inadani seesも信州大学が近くにあり、同じ要件が揃っているので、木製品に限らず、
農産物などの加工でも新しいアイディアが集まる拠点づくりは可能ではないでしょうか。SEESカフェ企画のお茶請けには、神山町のキウイと特産のすだちのフルーツソースとさつまいもチップスが出てきました。ありそうでない組み合わせの商品ですが、神山町の取組フードハブプロジェクトから生み出された商品だと聞きました。このSEESMEETSに都会から移住したまた若い女性スタッフの視点が生かされていると感じました。信州大学の学生も含めた更なる新しい視点がこの施設に加わる仕組みづくりが望まれます。 ここで市長に質問します。建物内にワークショップで利用できる木工機器などの設置、また特産品開発に関する資料収集と更なる価値を生み出す設備投資を検討することはできないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 設計段階で木工機器、実験機器などを置いて、ものづくりラボを設ける案も検討しましたが、多様な企画とか必要機器が想定をされまして、利用効率などを考え設置には至らなかった経過があります。簡単な機器であれば、持ち込んでもらい施設を有効に活用してもらうことは可能だと考えます。 特産品の開発に関する資料収集等につきましては、Webルームがありまして、パソコンの貸し出しも行っているので活用していただければと思いますし、またシェアオフィスやSEESの企画の中で、人と人とのつながり、情報交換をしていただければと思います。 長野県が高性能林業機械のシュミュレーターを購入しておりまして、inadani seesに借りてきて、興味のある学生、これは小中学生でも結構ですし、高校生でもまた大学生でも、このシュミュレーターを使っての体験企画こんなことも進めてまいりたいと。また信州大学農学部の学生と定期的なミーティングを行っておりまして、学生とinadani seesの入居企業、一般企業との話ができる機会というのも生まれております。さらに展示コーナー、あるいはホールを有効に活用して、入居者等の情報を展示したり、また木のおもちゃなどの農林の地域資源に関連した商品開発、商品の販売等も行っているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ありがとうございます。先日、行政視察に行った長野県立科町では、大学生を集めたアイディアソン、タテシナソンが開催されており、地方の企業に対しての具体的な改善案が学生たちから出され、ユニークな形のアイディアを実際企業が必ず取り入れることがこのアイディアソンの特徴であり、面白い成果を上げていました。 牛乳を使った製品の事業者に対して、従来の商品を牛柄のデザインで提案で、売り上げを120%アップしたのは、学生らしいアイディアでの成功例として取り上げられていました。また、小布施町でも毎年開催されているHラボサマースクールも、海外や全国各地から学生が集まり、その地域の社会資源や魅力を題材として、新しい形の学びを作っています。これは私の娘もこの企画に参加しましたが、国内外の超有名大学から参加してきた学生に刺激を受け、視野が大きく広がり、目標も具体的になりました。伊那北高校からも1名参加しており、先日の伊那市議会との意見交換会にもその彼が参加していて、夢を聞くと政治に強く関心があり、内閣総理大臣になる夢を熱く語っていました。また私の娘が、小布施についてもこの企画にもとても詳しく、非常に好意的にお店の街を語っていた印象的でした。 立科町と小布施町のイベントに共通することは、外からの若い世代の目で地域を見てもらうことです。若く可能性のある世代に伊那を知ってもらうことは、伊那の若い世代が世界を知ることにもつながり、将来この地域、この伊那谷にどれほどの利益をもたらすかは計り知れないかと思います。 伊那市でも、伊那谷FOREST COLLEGEがそれに近いとは思いますが、学生が参加する日程ではありません。農業や森林のことを学び、仕事にしたいと思っている学生に対して、学びの場を提供することそして伊那のことを知ってもらうことは、今後この地域の大きな資源になるのではと思います。 ここで市長に質問します。inadani seesなどの施設を軸とした学生が集まる企画を伊那市として支援はできないでしょうか。お願いいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 昨年9月から採用した地域おこし協力隊がinadani seesの運営に携わっておりまして、信州大学とも積極的に関わりを持っているようなところであります。具体的には信州大学農学部3年生とのコラボゼミを行って、inadani seesに興味を持ってくれた学生の新たな企画として、棚田と水田をテーマに学生が研究した内容について、地域の人たちと語り合うワークショップ、こんなことが計画をされております。 また信州大学とは農学部や学術研究、産学官連携推進機構これアグリートランスフォーメーション推進室など既に連携が始まっておりますが、今後は上伊那農業高校とか、南信工科短期大学校との連携も検討していきたいと思います。 信州大学と連携企画によりまして、先生たちも興味を示してくれており、少しずつ産学官連携が進んでいると感じておりまして、農林の地域資源に関わるinadani seesとコラボした企画であれば、各種補助事業の申請などによる支援というものを考えられるわけであります。また森林林業や木材等に関わって人材育成とか、木材の利活用につながるような企画であれば、森林環境譲与税の活用も検討できるというふうに捉えております。
○議長(白鳥敏明君) 高橋議員。
◆6番(高橋姿君) ぜひ若い世代を伊那谷に取り組むような企画お願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして高橋姿議員の質問が終了しました。 暫時休憩といたします。 再開は15時40分といたします。
△休憩 午後3時30分
△再開 午後3時41分
○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 唐木拓議員の質問に入ります。 3番、唐木拓議員。 (3番 唐木 拓君登壇)
◆3番(唐木拓君) 3番、唐木拓です。さきに通告したとおり質問させていただきます。 まず市営住宅のあり方についてです。若宮団地に若者・子育て住宅が12月末に完成したわけですが、その効果と今後同様の住宅の建設意向の確認も含めてお聞きします。 若者・子育て向け住宅につきましては建設が始まる前に建てる必要があるのか、その必要性につきまして、一般質問させていただきました。その際には、既に入札も済み、建設業者も決まっており、もう後戻りできない状態でございました。その際いただいた回答の中で、もう1棟のエレベーターや受水槽などの資材を共同発注しているとのことでございました。何を意味しているかといいますと、少なくともあと1棟は建設する予定だということでした。計画では、あと2棟建設する予定で、そのうちの1棟分のエレベーターや受水槽設備を注文しているということでございました。 この若者・子育て住宅ですが、低所得者向けの公営住宅ではなく、その他の住宅に分類されるもので、そもそも市で、行政で建設する必要があるのかという原点に立ち戻って、本日は質問させていただきたいと思います。 2022年9月議会でも述べましたが、全ての市営住宅に反対ということでは全くなく、民間でできることは民間でやる。民間でやれば良いのです。この若者・子育て住宅は、市としてやる必要があるのでしょうか。住宅まで市で用意する必要があるのでしょうか。民間で賃貸住宅を建てないエリアであれば、行政で住宅を建てる必要が出てくるかもしれませんが、若宮周辺も含めてそういうわけではございません。 ちなみに、現在の伊那市内の賃貸住宅の供給状況を御存じでしょうか。過去に例を見ないくらい建設ラッシュが続いています。今年の1月から3月末にかけて完成する新築の賃貸住宅、これは戸建ての住宅や共同住宅を含みますが、市内で150戸、150世帯にのぼります。これが今年の9月まで含めますと、200戸以上になるのです。さらに、この他にも、建設の計画があると伺っております。これは私が集計しただけの数字ですので、より詳細に調べれば、実際にはもっと増える可能性はあるかと思います。民間でやっていることであり、それぞれの責任でやっているので何も言えないのが現実だと思います。 問題はこれだけの需要があるかどうかです。統計的には人口は減少しているものの、世帯数は毎月増えたり減ったりで、微増の増加傾向にありますが、これがいつまで続くかわかりません。 そこでお伺いします。伊那市の世帯数の動向、今後どのようになるか、どのように推移するか、市では把握、予想されていますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) 伊那市の世帯数を昨年11月1日時点で5年前と比較しますと、伊那地区では1,400世帯の増、一方で高遠町地区は61世帯の減、また長谷地区は30世帯の減となっております。 また人口で見ますと、伊那地区で2,156人、高遠町地区で538人、長谷地区で169人のいずれも減となっております。このように人口は減少傾向にありますけれども、一方では世帯数につきましては伊那地区は増加傾向であると。こうした傾向につきましては今後も大きな変化はないものというふうに捉えております。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 世帯数は伸び続けると推測されるということでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) 全増するというよりも、現状の傾向がしばらくは続くのではないかなという予測でございます。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) なかなかこれだけ多くの新築の賃貸住宅が市場に供給されますと、様々な問題が発生してくるかと思います。 もちろん新築の共同住宅の入居は、他の新築ではない物件と比べて決まりやすくなります。すぐにとは言わずとも決まっていくものです。しかし、影響が出てくるのは、築浅物件、築年数の浅い物件でございます。例えば築2年のアパート。新築時に入居した入居者がこの3月末の異動で退去するとします。そうなると、1部屋開く形となります。ただ、市場には新築物件が多くあります。似たような家賃であれば、部屋を新たに探す人はどちらの部屋を選ぶでしょうか。新築のアパートの方を選ぶのだと思います。そうなると、築2年のアパートのその部屋はなかなか入居者が決まらずに時間だけが過ぎていきます。そのアパートの大家さんが自己資金でアパートを建てていれば良いのですが、金融機関から借り入れをして建てている場合、返済に余裕があれば良いのですが、家賃収入を当てに返済計画を立てていますと、返済計画が狂う状況が発生します。これがまだ1部屋であれば、そこまで問題にならないのかと思いますが2部屋、3部屋となってくると、大問題になってきます。家賃を下げると収入が減るので下げられない。いつ入居が決まるか不安な気持ちと、精神的にも良くない状況になります。 ちなみに新築のアパートの理想的な形は、建設中に募集を始め、完成した際には全室入居者が決まっているというものです。現状の伊那市の状況では、新築の共同住宅もまだ半分以上入居者が決まっていないアパートが多くあります。これだけ一気に伊那市内に新築物件が供給されますと、大きな社会問題になってくる可能性があります。 さて、新しく完成した若者・子育て住宅に目を移していきましょう。 そこで伺います。完成後、入居の応募を始め、2月の中旬で一旦募集を締め切りましたが、現状の申込状況、入居見込みはいかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君)
橋爪建設部長。
◎建設部長(橋爪豊君) 若者・子育て向け住宅の募集は、令和6年1月4日から2月7日までと通常よりも長い期間を設けて募集を行っており、8世帯の申込みがありましたが、1世帯がキャンセルとなっております。この7世帯は令和6年3月1日付で入居契約を行い、引っ越しが順次行われている状況でございます。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 2022年12月議会で、この新しく建てる若者・子育て住宅は、地元の人ではなく移住の人に住んでもらわないと意味がない。このような趣旨の内容を述べさせていただきました。なぜならば、市内からの住み替えになりますと、民間の賃貸住宅に影響が出ます。また、近隣市町村からの転入ですと、上伊那で、人口は変わらずの奪い合いになるだけの話です。 繰り返しになりますが、都会などからの移住者に住んでもらい、伊那の良さを分かってもらい、後々伊那に定住していただくきっかけに住んでいただくというものがあるべき姿なのだと思います。そうでないと建てた意味がないのです。 その点も踏まえまして、先ほどの申し込み状況、内訳はどのようになっておりますでしょうか。市内外、県外からの割合を教えていただければと思います。
○議長(白鳥敏明君)
橋爪建設部長。
◎建設部長(橋爪豊君) 市内が4世帯、割合でいきますと57%、県内が2世帯、29%、県外が1世帯14%でございます。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) さらに問題となってくるのは、子育て住まいるという名の家賃の減免でございます。2割の家賃が減免されます。子どもがいる家庭には負担が少なくなって良い制度だと思う方が多いかと思います。これ、値引きなのですが、2割分の家賃補助しているのと変わりません。 スクリーンを御覧ください。通常家賃5万円ですが、2割の減免で家賃が4万円となっております。金銭のやり取りはございませんが、対象者は1万円の家賃補助を受け、1万円のメリットがあるというわけでございます。 同等の広さの民間の住宅と比較しますと、新築ですと倍以上の差があります。民間では、築年数が経つたびに家賃が下がる傾向にありますが、築26年の物件より安い状況でございます。これは純粋な値引きであり、伊那市としては本来入ってくるはずだった家賃分の差額1万円は、純粋な収入のマイナスとなるわけです。この差額を県や国が補助してくれるわけではございません。よくよく考えてみると、公平性に欠けると思いませんか。この恩恵を受けられるのは、この市営住宅、特に特定の住宅に住む方々のみです。それ以外の民間の賃貸住宅に住む人は恩恵を受けられない形となります。しかも、実質の負担が市全額となります。一見よさそうに見えるこの制度ですが、昨年12月に令和9年度まで延長された形となりました。 しかし、制度のあり方について、今後延長継続するかは、公平性の観点から慎重に考えないといけないのかもしれません。 話は変わりますが、先ほど、若者・子育て住宅の申込み状況を教えていただきましたが、広報はどのようにされたのか。その結果、反響は思っていたものだったのか、教えていただきたいと思います。地元の不動産屋さんに話を聞きますと、市営住宅が建設されたこと自体を知らない、募集していることを知らない方が多くいることに驚きました。同じ不動産の業界の方さえ知らない状況でございます。まして一般の人が知っていますでしょうか。 若者・子育て向け住宅につきまして、どのように広報して、思った反響であったのか、教えていただければと思います。
○議長(白鳥敏明君)
橋爪建設部長。
◎建設部長(橋爪豊君) 広報や募集につきましては、庁内の関係部署と連携して市のホームページや移住者向けのWebサイト「SMOUT」、移住定住希望者が登録するメール等で周知を行ってまいりました。 令和5年9月定例会の全員協議会の後、市内、東京、大阪の10か所の移住セミナーにおいて、チラシの配布や相談を行いPRを行ってまいりました。セミナーへの参加者はオンラインを含めて157組でございました。1月25日には伊那北小学校と若者・子育て向け住宅を会場にして、移住者向けのオンラインツアーを開催し、県外10組の参加者にPRを行いました。募集を締め切るまでの間、市や住宅供給公社に相談件数は12件、市内が7件、市外が5件ありました。オンラインツアーの参加者を含めますと、22組の相談があったわけでございます。 相談全てが申込みにつながっていない状況ではございますが、募集戸数を上回るある程度の反響があったものと考えております。今後ですけれども、令和6年3月1日から2回目の募集を行っております。またBSテレビ東京において4月にPR放送を予定しており、い~なちゃんねるでも短編のPRを収録し、放送していく予定です。引き続き、移住相談、移住サイト、ホームページ等で周知を行ってまいります。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 民間の賃貸住宅建設状況を見ても分かるように、民間で賃貸住宅を建ててくれる人は多くいるものです。ただ、そうは言っても、賃貸住宅がすごく儲かるものなのか、といったら、そういうわけでもございません。 賃貸物件の建設会社の営業文句にありますが、相続対策、税金対策という文言が多く並びます。この文言からも分かるとおり、お金を持っている人やメインの事業が順調な人が片手間でやる分にはちょうど良いのかもしれません。それこそ全額借入と言ったら手残りも残りませんし、まして、当てにしていた家賃収入が入ってこなくなりますと大打撃になります。言ってみたら、建ててくれる大家さんはボランティアに近いわけです。 そして、利益を求めますと、複数人をターゲットにする部屋より単身の部屋が増えてしまう現状が浮かび上がります。単純に考えて1Kの1人用の部屋と、複数人世帯の2DKを比べますと、面積は倍なのに家賃を倍取れるかといったら、そういうわけではございません。同じように3LDKと1Kを比べますと、広さは3倍ですが、家賃3倍取れるかといったら、そういうわけでもなく、2倍すら取れないのです。中には差別化をするために、ファミリータイプの部屋をあえて建設する大家さんもいらっしゃいます。まさにボランティアです。 伊那を移住先と考えて移住してくれる家族にとって、子供が複数人いた場合2DKで足りますかというと、足りない場合の方が多いのです。できれば3LDK欲しい。 いな住まいる補助金。これは新築住宅の取得に最大150万円まで補助される制度が伊那にはあります。しかし、賃貸用の物件には補助金が皆無なのが現状です。民間が賃貸住宅を建てる際に、やはりコスト面は多くの問題となり、採算ベースになるものを追求しがちになってしまい、ファミリータイプの物件が少ない傾向にあります。市が税金を使って民間より安い賃料の住宅を供給するなら、民間の建設する賃貸住宅にも税金を投入してほしいという声が上がってくるのも当然のことだと考えます。 事業用の物件に補助金はどうなのかという話は至極真っ当でございますが、よくよく考えてみてください。コロナ禍で事業者向けの補助金は多く出ています。よくよく考えてみてください。燃料費高騰で、事業用の補助金は多く出ています。県、国からの補助がないと難しいという話もよくありますが、よくよく考えてみてください。先ほどの市営住宅向けの子育て住まいる2割の家賃の減免ですが、これは実質、伊那市全額負担の補助金みたいなものです。 今回は、この件は要望せず、このような声があるということにとどめますが、民業圧迫になりますと、このような声が出てきても、NOと言えなくなってしまうことは把握をしていただければと思います。 そして、ファミリータイプの物件は、タイミングにもよりますが、新築は家賃も高めになり、決まりにくいという特性もあります。かつ、退去がありますと、次が決まるまで時間がかかったりします。なので、ファミリータイプの物件はリスクが高くなる要素は多々あるのが現状です。そのファミリータイプの物件ですが、せっかく建てたのに、特に新築は家賃が高く、決まりにくい点が考えられます。 移住施策で、移住者限定でも良いですし、何か条件をつけて民間の賃貸住宅対象にも子育て住まいるのような補助金、家賃補助最大1万円でも良いのです。可能ではないでしょうか、伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 平成28年4月から、その他の住宅に入居する子育て世代を対象としまして、子育て住まいる事業というものを実施しております。子育て世帯の支援、入居率の向上を図ってきたわけであります。 若者・子育て向け住宅につきましては、長期的な入居を考えた住宅ではなく、市内に定住していただく前の準備段階として、準備住宅として短期的な入居を考えた住宅としたもので、他のその他の住宅同様に、子育て住まいる事業を適用したものでございます。 現状は民間賃貸住宅に対する家賃補助というものは考えておりませんが、移住施策を進めていく中で研究をしてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 話は戻りますが、新築の市営住宅の必要性につきまして、当初の計画ですと、後2棟の若者・子育て住宅を建てる計画であり、12月末に示されました後期基本計画の案にもあと50戸の市営住宅を令和10年度までに建設する目標案が示されていました。その案を見直すならば、今しかないという思いで今回の質問をさせていただくきっかけとなりました。 若者・子育て住宅、低所得者向けの公営住宅ではなく、その他の定住促進住宅であれば、その供給は、基本的には民間で担っていくという考え方で良いのではないでしょうか。民業圧迫になっていないのか。新たな住宅の建設を白紙の状態、1から検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この若宮住宅でありますが、伊那バイパスの開通を見据えて、若者世代から高齢者世代が交流する団地づくりを目指して政策的に建設、建て替え事業を進めているところであります。この建て替え事業でありますが、入居状況、それから先ほど議員おっしゃったように民間の建設がラッシュとなっておりますので、こうした社会情勢というものを見ながら、その都度見直しを行っていかなければいけないという考えであります。 若者・子育て向け住宅の1棟目の建設当初から申し上げてまいりましたが、2棟目以降の建設については、入居状況、移住の推移を見ながら、さらには民間の建設状況を見ながら、慎重に検討してまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) ぜひ、慎重に慎重に検討していただきたいと思いまして次の質問に移らせていただきます。 二つ目の質問、災害時の水対応についてです。 先ほど、午前中の三澤議員の質問の中にもありました。上伊那では、箕輪ダムを水源とする用水があり、長野県上伊那広域水道用水企業団が運営し、供給しています。伊那市の水道もここからの水が多く利用されています。 石川県能登半島を震源地とした能登半島地震では、多くの被害を受け、まだまだ水道が利用できない世帯が多くございます。先ほど市長からの話でもありましたが、伊那でも地震という側面から、いくつもの断層があり、いつ地震が来てもおかしくない、いつ来るか分からない地震に備える必要があります。 その点で、ライフラインの一つである水道は行政も関わっている面から、何か対策しておく必要はあるのかと思います。 そこで質問です。伊那の現状、上水につきましては、多くの水源がありますが、この箕輪ダムからの広域水道用水の受入れの割合はどのぐらいの世帯数で全体どのぐらいの割合になりますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。
◎水道部長(伊藤一真君) 令和4年度末で市内2万8,338世帯のうち、1万6,750世帯約59%が広域水道用水企業団からの水となっております。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 箕輪ダムから箕輪にある浄水場への導水管、浄水場からのそれぞれ貯水槽への送水管の耐震化は、現状どのぐらい進んでいますか、把握されておりますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。
◎水道部長(伊藤一真君) 水道の管路につきましては、想定される最大規模の強さのレベル2の地震動に対して耐震性能を有する耐震管と管が敷設された地盤の状況を勘案すれば、耐震性がある判断できる管を含めまして、耐震適合性がある管となります。 上伊那広域水道用水企業団の管路、総延長70.2キロのうち、箕輪ダムから箕輪浄水場までの導水管を含めた64.4キロ91.7%は、耐震適合性があります。残る5.8キロメートル8.3%は耐震適合性がない管となっております。 管路の耐震化につきましては、令和3年度に策定をしました施設更新基本計画による更新に併せて、令和12年度以降に実施をしていく予定となっております。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) また、この広域受水が供給できなかった場合の対策、対応は、何か準備されておりますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。
◎水道部長(伊藤一真君) 広域の水が受水できなくなった場合は、まずは自己水源の給水エリアをできる限り広げ、断水区域を最小限とする対応を行いまして、どうしても断水をしてしまうエリアでは、病院などの重要給水施設等を優先して、給水車などによって給水を行うことといたします。 復旧までに時間を要する場合は、災害協定を結んでいる伊那市水道事業協同組合などに支援要請を行い、伊那市のみでは対応できない場合は、長野県水道協議会の相互応援協定によりまして、他の自治体などに支援要請を行うという計画でございます。 給水用資機材としまして、給水車2台のほか、可搬式ろ過機8台、給水タンク2基、ポリ容器、給水袋などを準備しております。 災害時の支援要請が円滑に行えるように、伊那市水道事業協同組合とは毎年合同で伊那市総合防災訓練に参加をしておりまして、手順等打合せを行っております。 また、日本水道協会の実施する災害時情報伝達訓練にも参加し、支援要請の方法など手順を確認しております。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 今回の能登半島地震では、水道復旧の長期化の対策として井戸の活用が注目されているそうです。水は洗濯や風呂用としても多く使われます。飲料水は給水車の水を利用し、井戸水を洗濯や入浴やトイレで利用する例が挙げられています。 断水時に住宅や工場、商業施設の井戸を近隣住民に開放する仕組みを導入している自治体が、増加しているそうです。災害用井戸を事前登録する制度であり、具体的には、事前に井戸の所在地をホームページ等で周知し、災害時には開放し、住民が自由に使用できるものだそうです。 伊那市でも災害用井戸の制度を検討してはいかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 伊那市では地下資源の適正管理のため、現在499か所の井戸が登録をされております。実際の井戸の数は正確には把握できておりませんが、また飲料水として使用できる場合の定期的な水質検査また適正な衛生管理、個人あるいは事業所の責任で実施をお願いをしているところであります。 井戸は地震の影響を受けにくいとされておりますが、停電すれば、ポンプが作動しませんので、実際には電気がないと井戸のくみ上げはできないということであります。 御提案のように井戸水を洗濯、トイレなど生活用水に使用することは特段問題はなく、全国的には災害時井戸の認定制度の事例もありますし、生活用水の確保だけではなく、応急な給水活動の不足を補うなり、地域の助け合いを強化する利点、こうしたことが挙げられるわけであります。 また飲料水ですね、飲み水を想定をして、薬剤師会と災害時における水質検査業務の協定、また事前に登録された井戸を防災マップに掲載をしている事例もあるということを聞いております。 伊那市におきましても事前に個人や企業などの井戸を把握する方法に加えて、災害時に提供を呼びかけるなどの対応も考えられますので、災害時に向けて井戸の活用方法について検討してまいりたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。
◆3番(唐木拓君) 以上で質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして唐木拓議員質問が終了しました。 引き続き伊藤のり子議員の質問に入ります。 2番、伊藤のり子議員。 (2番 伊藤のり子君登壇)
◆2番(伊藤のり子君) 2番、伊藤のり子です。さきに通告させていただきました3点について質問させていただきます。 まず木質バイオマス発電設備導入は慎重に、です。 2月15日に令和6年度伊那市当初予算のポイントが配布されました。そのトップに掲げられた事業がCO2削減、再生可能エネルギー、環境関連施策、伊那から減らそうCO2!!促進事業、地域脱炭素移行再エネ推進交付金事業4億1,089万円。内訳は、再エネ設備補助、太陽光発電、ペレットストーブ、ペレットボイラー等1億7,529万円。小型木質バイオマス発電設備導入2億3,560万円、木質ペレット製造施設整備への補助3億円、これは上伊那森林組合の木質ペレット増産を支援するため国の補助金を活用し、製造施設の整備に補助金を交付するとありました。 そのうち小型木質バイオマス発電設備導入2億3,560万円についてお伺いします。木質バイオマス発電は、民間が投資する場合を除き、成功事例が少なく、原材料の木材調達が困難であることや、発電のために電気代や燃油代がかかり、24時間365日回し続けなければならないために、想像以上に製造コストがかかること、熱効率が悪く、発電能力が期待するほどではないこと、さらに、設置場所となっている上伊那森林組合には、上記木質ペレット製造施設への補助として3億円が盛り込まれていまして、ペレットの増産が予定されています。 耕地林務課に3億円の内訳を問い合わせたところ、次のように回答いただきました。図を御覧ください。現時点での概算金額となります。機械設備一式3億5,100万円、電気設備一式4,400万円、設置費、諸経費5,500万円、合計4億5,000万円消費税込。既存の建物内に設置するため、建屋建設費等は見込まれていません。また上記金額の3分の2を補助金として予算計上しています、とのことでした。 生活環境課に伺いましたところ、今回導入する機械は小型であり、原材料として美和ダムの流木と、間伐の際に発生し、廃棄されている枝、葉などの林地残材を使うということでした。また、流木のチップ化は、流木が石や砂をかんでいることから難しいのではないかと質問したところ、今の機械はほとんど問題なくチップ化できる旨の回答をいただきました。別の方面の情報として、機械の導入は、生活環境課で、材料調達は耕地林務課であるとお聞きしましたので、耕地林務課に問合せたところ木質バイオマス発電施設の増加などで、間伐材等の燃料の取り合いが生じており、調達が難しくなっていると聞いています、との回答でした。 ここで市長にお聞きします。現在ある流木の量と林地残材の量を教えてください。また、木質バイオマスが1日に消費する量がどのくらいで何年分の材料が調達できると見込んでいるのかをお伺いします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 詳細については担当から話をさせていただきます。御指摘のように災害時の流木、こうしたものは処理に大変な労力を使っておりまして、それを有効活用できないかということからはじまったものであります。 災害の有無、あるいは規模によって、流木の発生量は異なるわけであります。流木によって、何年分の材を調達できるのか、これ試算は難しいわけでありますが、現在ある流木のみでバイオマス発電設備で使用する燃料を確保するということではなくて、今後発生する流木のほか、河道内の立木とか未利用材とかあるいは間伐材、松枯れ材、こうしたものを広く活用して発電をしていくと。50キロワットという極めて小さいものでありますので、材料調達についてはそれほど難しいというわけではないと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 城倉市民生活部長。
◎市民生活部長(城倉良君) 美和ダムの流木は平成30年から令和3年までの4年間で約5,580トン発生しておりまして、年平均で約1,400トン、これを国土交通省がダムから引き揚げて処分しているという状況でございます。台風や豪雨の発生状況によりましてさらに増える年もありますけれども、災害のない年は年間200トンぐらいというふうに聞いております。また美和ダムの他、小渋ダムをはじめとする天竜川流域で発生する流木等の活用も考えられておりまして、これらのチップとして活用できる量年間200トン以上と試算をしております。 また、耕地残材の量は、平成30年2月に実施した伊那市木質バイオマス活用基礎調査の結果によりますと、7,571立米でありましておおむね3,800トンをいう結果でございます。導入を予定している小型木質バイオマス発電設備は乾燥前の生チップの状態で1日に約1.9トン程度を燃料として使用することになります。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 木質バイオマス発電設備はさきにも述べたとおり、24時間365日燃やし続けなければならない設備で、止めることもできますが、止めると一定の温度まで燃焼させることが大変になるというものです。材料不足を補うため、外国から材料を輸入して賄っている事例もあると聞いています。運搬に重油を使い、本当にCO2削減になっているのかと問題視する向きもあります。将来的に間伐材等による燃料の調達が困難になるのではないかと不安視されますが、どのように対処されるおつもりでしょうか、市長にお尋ねします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 先ほど申し上げましたが国土交通省と連携をして、河道内樹木、アカシヤだとか柳とかたくさん河道内に流木があります。立ち木があります。それからダムに流れ込む流木ですね、これのバイオマス利用を推進しておりまして、これ環境省が推進しておりまして、資源の有効活用というものの促進であります。 現在国土交通省と協議を進めておりまして、ダム等へ流れ込む流木、また河道内の立ち木、それから国から提供いただける材を燃料として活用できるように協力体制を整えているところであります。 伊那市で投入を考えている木質バイオマス発電設備については、発電の出力が50キロワットで小型の設備であります。県がやっている塩尻のエフパワーの1万4,500とかあるいは違うところでやっている3,000キロワットとか5,000キロワット、それよりかなり小さいものでありまして、このものと比較しても、材料の調達というのは計算ができるという考えであります。 最近報道のありました、飯田市に建設予定の木質バイオマスの発電所、これは1,990キロワットで2,000キロワットでありますので、これに比べても遥かに小さいのが私どもが考えているものだということであります。 また昼間使って夜間は使わないときには売電ということで利益も入ってまいりますので、そうした点についても計算をしているところであります。 全国的に木質バイオマス発電、これ燃料の調達に課題があるとされていますが、重複しますけれども、今回計画をしている発電施設の規模であれば、運用に必要な材の確保、これ私どもの伊那市の中で十分確保できると、あるいはその流域全体で考えて、小渋ダムあるいは美和ダム、それから国有林からも出る材もありますし、また中部電力などのダムに流れ込むものもありますので、そうしたものを処理費をかけずに、私どもの発電のほうに使わせてもらうという考えであります。 この事業の協力を予定をしております国土交通省、林野庁、中部電力またそうしたところから発生する材とそれから未利用材とか間伐材、先ほども言いましたけども松枯れの材、それから除却建物の廃材、こうしたものも活用できるように関係事業者との協力体制を整えていきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 今回導入予定の木質バイオマス発電設備の生産コストがどのくらいかかり、1年間の発電量がどのくらいで、収入支出をどのように試算し、何年で回収できると見込んでいるか、費用対効果の観点からは問題がないのか市長にお聞きします。
○議長(白鳥敏明君) 城倉市民生活部長。
◎市民生活部長(城倉良君) 令和6年度予算案で計上しております、伊那から減らそうCO2!!促進事業のうち、直接木質バイオマス発電設備の設置に要する経費については、発電機本体や、燃料を乾燥させるための乾燥機、設置工事費、建屋関連の費用として合計で1億1,900万円を見込んでおります。このうち国の地域脱炭素移行再エネ推進交付金を除いた市の負担分は、約4,966万円でございます。 木質バイオマス発電は24時間の稼働でございますが、メンテナンスのために稼働を停止する必要もございまして、その日数を除くと年間で最大325日の稼働を見込んでおります。最大限稼働した場合は、年間で約42万9,000キロワットアワーを発電することができますけれども、発電設備で動かすための電力もありますので、これを除くと年間で約30万キロワットアワーの電力を活用することができるということになります。 この電力をペレット製造ラインで活用することによりまして年間約480万円の電気料金を削減することができまして、さらに夜間を中心に生じる余剰電力を売電することによりまして、約50万円の収入を見込んでおります。併せて530万円の効果を想定しているところでございます。 導入後のラーニングコストとしては、設備のメンテナンスに約314万円、その他保険料等に38万円が必要となりまして、併せて352万円程度が毎年のコストとなります。これを差し引きすることによって、178万円が毎年の効果額となりまして、計算すると約28年で市の負担分を回収できるというふうに試算をしております。 市の負担分の回収年数は、今申し上げましたように28年を見込んでおりますが、発電設備は30年使用する予定でございますので、費用対効果については見合っているものと考えております。 なお発電設備は、市が費用を負担して設置することになりますけれども、国の再エネ推進交付金を活用した事業であるので、本来の目的でございます環境価値を生み出すための投資にも当たります。これによりまして、年間約695トンの二酸化炭素の排出を削減できると試算をしております。また試算による収支とは別に、国における流木や立ち木にかかる廃棄物処分費用の削減も見込まれます。 さらに今回の計画は、エネルギーの地産地消やペレットの生産に一部CO2フリー電力を使うことができることのほか、今後のフィンランドとの環境に関する連携にも寄与するなど費用対効果だけでは測れない部分も多くございます。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 今お話伺ったところでは材料が調達できないということはないのかもしれませんけれども、もし材料が調達できずに機械が止まるようでは設備そのものがお荷物になってしまいます。設備設置を予定しています上伊那森林組合の組合長は白鳥孝伊那市長です。今回自己資金も含めて、上伊那森林組合は、7億の設備投資をすることになるわけですが、上伊那森林組合内での合意形成はできているのでしょうか、市長にお伺いします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この計画について、ペレットの製造ライン等についての説明またこれの稼働について50キロワットの発電設備の導入、こうしたところについて構成市町村長の了解は得ております。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 流木のチップ化がそれほど問題ないのであれば、木質バイオマスではなくペレットとして販売することはできないのでしょうか、市長にお伺いします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) それはできません。上伊那森林組合で製造している木質ペレットこれは「ピュア1号」という業界では一番品質の高いペレットでありますし、ペレット協会からも第1号の品質認証を受けた優れた燃料であります。この上伊那の周辺のアカマツそれからカラマツの間伐材を3:7の割合で混ぜながら生産をしているということで、発熱量が非常に高く、排出される灰が極めて少ない高品質のペレットでありますので、こうしたところに流木とか様々な樹種を使うということは、品質の低下を招くいうことで使うことはできないというわけであります。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 廃棄されるものに光を当てるという市長の構想は素晴らしいと思いますが、税金を2億円余も投資してまでやるべきことなのかどうかということには慎重に考える必要があると思いますが市長のお考えをお聞きします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これは先ほど担当から話をしたようにCO2削減の一環でありますし、投資対効果についてもちゃんとペイができるという計算式の上にやっているところであります。 御承知のように地球温暖化についてはもう全く待ったなしの状況であるわけでありまして、化石燃料にいつまでも頼っているようなことを是認するようなことよりも、自分たちでできることをしっかりやっていくということは肝要だと思います。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) よく分かりました。 次の質問に移らせていただきます。二つ目の質問です。災害時の孤立集落、二次避難、福祉避難、迂回路について。 元日に発生しました、能登半島地震で犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災され、丸2か月が経過した今なお苦しい生活を余儀なくされておられる皆様に、心からお見舞いを申し上げます。また支援に御尽力いただいている皆様に心から感謝を申し上げます。 さて、能登半島地震は多くの教訓を私達に与えました。道路、学校、電気、ガス、水、食料、トイレ、風呂、燃油、医療、医療品、住宅、車、情報。私達が日常当たり前使っているものが突然何もなくなってしまい、それら全てを1から作り上げていかなければならない被災者の皆様の御苦労は、想像を絶するものがあります。 中でも、孤立集落についてはとても考えさせられました。私が住む高遠町藤沢地区や手前の長藤地区、山を隔てた三義地区は、災害時に孤立集落となる可能性が極めて高いからです。1月10日付信濃毎日新聞には、厳寒の孤立、限界に近いと報道されました。100人以上が身を寄せる輪島市内小学校の避難所では、物資が入ってこず、ギリギリの状態。各家庭から持ち寄った食材で炊き出しし、川の水を煮沸して洗い物に使用する、4日に自衛隊が徒歩で物資を運んでくれたが、徒歩のため十分とは言えない量だった。大雪の日には各部屋一つのストーブに身を寄せ合い、1人1枚の毛布とカイロで乗り切った。また同1月20日付けで石川県の馳浩知事は、19日の記者会見で、能登半島地震による土砂災害などで道路が寸断され、住民が取り残されていた輪島市と珠洲市の孤立集落について実質的に解消したとの認識を示したと報道されました。 実に19日間孤立状態が続いた集落があったということになります。長野県の阿部守一知事は、能登半島地震を踏まえ、防災対策見直すべきとして、孤立集落の把握とドローンの活用を挙げておられました。 そこで、伊那市内で想定される孤立集落数を危機管理課にお聞きしましたところ、地域防災計画において富県地区5、西春近地区1、高遠町地区4、長谷地区8の18集落を挙げています。しかしながら今回の能登半島地震においても、土砂災害警戒区域等で崩落が多発していることから、花崗岩等もろい地質で構成される伊那谷においては、道路閉鎖等による孤立の可能性は高いと考えます、と御回答いただきました。 市内どこに住んでいても孤立の可能性を考慮しなければならないということだと思います。 次に、孤立集落を救済するのにドローン活用の可能性を調べてみました。ネット上には能登半島地震、ドローンで検索すると、活動の様子が、こと細かく記載されていまして、大変参考になりました。ただ、気になったのは、医療品の配送や、河川の調査、港の被災状況の確認などの業務は可能であっても、被災地で特に必要とされた水や食料、燃料などの重量物を運ぶことができないことです。 先ほども少し、御答弁がありましたけれども伊那市には山小屋へ物資輸送を実証実験中の無人VTOL機がありますので、無人VTOL機が災害時に物資輸送が可能か調べてみました。 川崎重工業株式会社が開発中の無人VTOL機の性能は、垂直離着陸方式、無人地帯内目視自動飛行(レベル3)200キログラム以上の荷物を100キロメートル以上継続航行でき、上昇能力2,000メートル(標高耐性3,100メートル)と能力的には十分だと思います。 ここで市長にお聞きします。災害時にドローンや無人VTOL機を活用するお考えはありますでしょうか。先ほど御答弁いただいておりますので、簡単で結構です。お願いします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 能登半島地震におきましては、道路の寸断などによって車での通行ができない。また被災者の移動また物資の流通、情報の伝達、こうしたことが困難となりまして、現地の状況が把握できないということになりました。 それに伴って相当数の孤立集落が発生をしたと。孤立集落への対応としては、まず被害状況の把握と住民の安否状況これを行って、次に物資の支給を含めた生活維持の支援それから怪我あるいは病気の方の地区外への退避こうした対応を行うこととしているわけあります。 孤立集落への対応を含めまして、災害時の現場の活動というのは危険が伴うわけでありますが、段階的に対応していく中で、私どもは今川崎重工株式会社と共同開発しておりますVTOL、これは災害対応の段階でも極めて有効であるという考えであります。先日も川崎重工の担当者との打合せの中でも、これがもう少し早く完成していれば、こうした被災地に十分使えたであろうけれども、今後の開発についても急ぎましょうという話でありました。 もともとこのVTOLについては、ヘリコプターの不足、パイロットの不足から山岳、山小屋への荷物の輸送がなかなかうまくいかないという中で、この代わりにVTOLの開発ということで、始まったわけでありますが、このVTOLそのものの活用というものがそうした資材を運ぶだけではなくて、離島に対しての海が荒れていても、物資を運ぶことができるとか、また山間地の工事現場にも道路あるいは橋をかけなくても、重機を分解して持って行って、現地で組み立てて使って工事が終わったらまた分解して戻すというような活用もできるのではないかというような検討も行われていたり、農業とか林業にも使えるということで今後かなりの汎用性についての議論が出てくると思いますが、こうした災害時に真っ先に使えるようなしかも200キロ、もしくは3,000メートルで200キロですので、平地であれば300キロ近くのものが持てる力がありますので、こうしたことで、災害が発生したら、真っ先に活用できるようにまたそうした活用についての検討というのも今から進めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) 次に2次避難所についてですが、能登半島地震では2次避難所に行ったが食事の提供がないホテルだったので、高齢のためコンビニの利用もできず、2、3日で避難所に戻ってしまったという事例も報道されました。 伊那市の2次避難所の対応について、危機管理課では伊那市内にはさくらホテル等の市の関係施設や民間の旅館等、ホテル旅館組合との連携で、市内17の施設が考えられるとのことです。 2次避難については、乳幼児のいる御家庭や御高齢の方を最優先にする関係上、できれば、食事付きのほうがありがたいですし、近くのほうが何かと便利です。 福祉避難所については、現在は市役所や学校の一部をとりあえず福祉避難所として開設しているそうです。福祉避難所は被災していない場所で安心して過ごせるように配慮が必要と考えます。危機管理課のお話では、伊那市では、自治体レベルの支援協定は新宿区、愛知県知立市、岐阜県下呂市の三つです。県内は全77市町村で相互応援協定を締結しています。長野県市町村災害時相互応援協定、内容は物資、人員、避難場所提供、ボランティアあっせん等多岐に渡る協力です。 この他長野県では長野県受援計画を定め、県内ブロック単位による支援体制を構築しています。しかし、近隣市町村への広域避難、福祉避難については具体的な取組が進んでいない状況です。近年の災害は、一つの自治体では対応ができません。せめて同じリスクや課題を持つ上伊那という単位で対応を検討すべきと考えています。 通常の避難についても、市町村境の住民の方は、隣の町村に行ったほうが近いですし、福祉避難所は運営が厳しくなるため、近隣、広域の施設と連携は必須と考えています。あらかじめ協定を結んでおくことで、速やかに2次避難や福祉避難が可能になるのではないでしょうか。との御回答でした。 ここで市長にお聞きします。近隣市町村との広域避難、福祉避難、連携について市長のお考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 平成23年の東日本大震災では、全国知事会などによる広域支援について、事前の調整不足によって被災自治体では支援の受入れができなかったそんなことがございました。 また平成28年の熊本地震では国のプッシュ型支援の受入れ、また応援職員の調達ができないというような課題もあったわけであります。こうした大規模災害におきましては、単一自治体での対応というのには限界がありますので、近隣市町村ここで言えば上伊那圏域それから県と支援体制の輪というものを広げていくそうした体制づくりが求められるわけであります。 そこで平成31年3月でありますが、長野県広域受援計画が策定されまして、平成8年4月に締結をした長野県市町村災害時相互応援協定に基づいて、被災地以外の市町村による支援または国・県・防災関係機関による支援について県が一元的に管理、実施をする体制というのは整備をされました。 長野県の計画策定に伴いまして、各市町村では、受援計画を策定し、伊那市におきましても令和3年3月に大規模災害における県内や近隣自治体との連携を視野に入れた伊那市受援計画というものを策定したところであります。 広域避難あるいは福祉避難所の対応、職員や物資の支援などにつきましては、まずは身近な近隣市町村との連携というのは迅速かつ速やかに現実的にしていくと。そうした具体的な検討を常に考え、また、進めていかなければいけないという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) よろしくお願いします。もう一つ迂回路の整備についてですが、第2次総合計画における施策と展開方針では、災害時の避難、救助をはじめ、物資供給等の応急活動に必要な緊急輸送路の整備を推進します、とあります。 ここで市長にお聞きします。高遠町の的場地区からから四日市場までの間は迂回路がないかあっても細い道しかなく、幹線道路である国道152号は、令和5年6月2日の線状降水帯による大雨のときに、4か所も土砂崩落で寸断されたという経緯があります。まさに長藤、藤沢地区が孤立する原因となるわけですが、この区間の迂回路の整備を御検討いただけませんでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和5年6月、今おっしゃったような線状降水帯の豪雨でありますが、このときは高遠町長藤、中条、中村、塩供、東高遠、鍛冶村、こうしたところで、土砂崩落が発生して152号線が通行止めとなったわけであります。 全ての箇所において、道路管理をしていただいている
伊那建設事務所で、早急な対応をしていただいたことによって、発生した当日中には、片側通行が可能、翌日の午前中までには全面通行が可能となったわけであります。市道でもいたるところで交通不能となりましたけれども、早期の復旧ができたということであります。 近年の異常気象によりまして、災害は激甚化、頻発化しており、これまでに災害被害がなかったところでも発生をしているところであります。 迂回路を整備ということも考えられますけども、国道が寸断されるような状況下では、その迂回路もおそらく被害が発生する可能性が高いということで、確実に利用する状況ではないだろうというふうに考えるところであります。 また迂回路として地区と地区を結ぶ新規のルートというのは、当然でありますけれども多額の費用、それから時間がかかるということで、現状の道路の確保それから災害時のすぐに対応できるような体制づくり、それに対する地元への重機というものをしっかり備えていくということ。併せて
伊那建設事務所また国との連携、こうしたことを迅速に図れるような関係をつくっていきたいと思います。 ちなみに三峰川が氾濫するという事態が右岸が決壊するという事態もありましたが、あの時にも国と県と地元が連携して、事なきを得たということでありますので、今後についても万が一のときにもすぐに復旧できる体制こうしたことが肝要ではなかろうかと思います。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) よろしくお願いいたします。 次の質問に入らせていただきます。リニア中央新幹線開業を見据えた観光のまちづくりについて。 1月31日に飯田市のエス・バードにおいて、リニア開業を見据えたまちづくり講演会が、リニア開業を見据えたまちづくり講演会事務局(長野県建設部リニア整備推進整備局主催)で開催されました。テーマはリニア開業に向けたこれからの観光地域づくりについてでした。リニア中央新幹線の開業は令和7年度以降とされていますが、飯田市に設置される長野県駅(仮称)の工事は着々と進んでいます。 乗降客数を1日6,800人と見込み、駅前広場にはイベント会場が設置され、各地域へいざなう拠点としての役割を担います。長野県駅(仮称)からは、品川まで45分、名古屋まで27分で行くことができます。移動時間が短縮され、出張費が効率化し、生産コストが低下することで、世帯の消費や旅行関連の消費が拡大することなどが期待されています。 伊那市は二つのアルプスに囲まれ、四季折々の美しい自然に囲まれた地域です。リニアの整備効果を経済の活性化、交流人口の拡大などに結びつけることが肝心です。 リニア開業後の観光のまちづくりを考えるには、リニアが当地に与える影響を想像し、観光地としての経営戦略を練り、どのような観光地を目指すかを共有することや、滞在を生むために、昼のコンテンツと夜のコンテンツを組み合わせ、さらに長期滞在していただくために目的を増やす、そして歩くまちを目指すことも大事なポイントとなる。木曽広域や南信州広域、岐阜県の飛騨高山と連携を視野に入れることも考えられる。観光業にとって大事なのは早く着いて、ゆっくり楽しみたいというお客様目線の考え方をすることだそうです。到着後3日から7日間宿泊してもらえるようなプランを練ることが理想であり、そのためには、伊那市の豊富な観光資源をたっぷり盛り込んだ伊那市ならではのプランを作り発信していくことではないでしょうか。 伊那市総合計画には観光資源の構築と有効な活用、おもてなしの心の醸成、広域連携及び広域観光の推進、観光客の需要の把握と対応、農家民泊、インバウンドの推進と充実が掲げられています。この内容を存分に発揮するのは、まさに今です。 もう一つ、2月25日alllaで開催されました、伊那市の地域の魅力向上のためのワークショップフューチャーセッションに参加してきました。 この事業はデジタルマーケティングと伊那市らしいおもてなしを融合し、伊那市と多様に関わる人々の満足度や、利便性の向上を実現することを目指して伊那市がデジタル田園都市国家構想交付金を活用した、伊那市交流人口関係人口基盤構築業務として三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に委託した事業で、フューチャーセッションはその一環として実施されるワークショップです。 当日は3回企画されたうちの1回目で、テーマは伊那の食、食文化の未来を語り合おう。伊那市を訪れた人が新たに体験できる伊那の食、食文化体験とは、でした。 このセッションの目的は、交流人口、関係人口を維持、拡大させることです。私が面白かったと感じたことをピックアップしたいと思います。消費者アンケート、これは令和5年度に行われたものですが、そこから見えてきたこと、伊那市来訪者、主に観光や仕事で訪れた方の行き先、体験したことでは、高遠城址公園45.6%、市街地温泉25.8%、行者そば高遠そば22.1%、登山ハイキング11.9%、お土産購入16.4%でした。 私はかつて高遠案内「ふきのとうの会」に入っていまして、当番で高遠城址公園のボランティアガイドをするとともに、入園者数をカウントしていました。9番駐車場という旧高遠高校のグラウンド駐車場からの入園者数が、土日祝日は毎回、ほぼ1,000人を超えていたことを思い起こしました。 アンケート結果を見て、この事実をこうした形で発表していただけたことに感謝するとともに、これだけ大勢の観光客が高遠を訪れてくれていることを誰も気に留めず、他の観光資源に結びついていないそのもどかしさを感じました。 アンケートに戻りますが、体験したことでは、行者そば、高遠そば22.1%、ローメン17.7%、馬肉料理10.3%、伊那市来訪者による伊那市の地域資源の評価では、1位自然環境に魅力がある、観光名所、観光スポットに魅力があるがほぼ同数、3位が食文化、グルメに魅力がある、でした。 伊那市に来たことがない方の伊那市の魅力10項目に対する関心の大きさで1位が温泉、入浴66.1%、2位が食、グルメ65.3%、3位観光名所観光スポット60.8%でした。 地域価値を抽出するワークショップでは、伊那市の食、食文化の魅力とはなんだろうか、九つの視点で考えようということで、もの・こと・ひと・ところ・過去・未来・技・空気・仕事の観点から考えました。 最後は伊那市の魅力を発信することを仮定して、グループごとに新聞を作りました。まとめとして、伊那市はコロナ禍を経て、オンライン活用が浸透し、リニア開業によりデジタルとリアルが融合した交流や創出が期待できます。人々のライフスタイル、暮らし方、働き方の変化や今後のリニア中央新幹線開業に向けて、交流人口、関係人口の創出、拡大が求められています。地域の魅力、資源をどう活用して、来訪者の誘客や満足度向上につなげるか、消費者の動向を把握しつつ、地域が主役となって未来のありたい姿を描き、実現に向けた取組を始める必要があります。 伊那市ならではの体験、価値を改めて見つめ見直し、新たな魅力を再編しましょうと結ばれました。 ここで市長にお聞きします。リニア開業をチャンスと捉え、観光業をさらに発展させ、交流人口、関係人口の増加を図ることで、伊那市に明るい未来を描きたいと思いますが、市長の意気込みをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) リニア中央新幹線の開業でありますが、長野県駅からここまで30分ぐらいの位置ということの伊那市にとりましては、大変大きなチャンスととらえております。 伊那市には山岳、それから食文化、歴史その他の魅力がたくさんあるわけでありますので、こうしたところを前面に出してやっていきたいと。ただどのような観光客、インバウンドも含めてそこに的を絞るのかというところも明確にしていく必要もあろうかと思います。 先ほど議員おっしゃったように、長期滞在というのは一つのキーワードだと思いますし、特にここの伊那市には宿泊施設が非常に少ないわけであります。農家民泊プラス体験メニューというところで、長期滞在をしていただけるような方、欧米系の皆さんが来て、こちらのカントリースタイル、日本のカントリースタイルを満足していくというこれも一つのターゲットの絞り方かなと思っているところであります。 また例えば山岳観光におきましては、南アルプスの長谷、戸台パーク今度今整備をしておりますが、南アルプス北部の登山基地としての位置づけが非常に大きくなります。それによって全国からのお客様をお迎えする施設となるということ、またそこから帰るときには信州そば発祥の地のそばを食べていただく、買い物をしていただくということにもつながっていくだろうと思います。 また欧米系の皆さんにはおそらく大人気になると思いますけれども、高遠石工の情報発信それから観桜期のさくら、あるいはバラと。そういった山岳と花と食と技とこうしたことも上手にアレンジしながら発信をしていければと思っているところであります。 伊那市だけではなくて、観光というのは私達も当然なんですけれども、伊那市だけに留め置くというようなそうした考えではなくて、伊那谷と木曽谷、あるいは高山と諏訪、そうした広域的なところと連携しながら、長期滞在というのの提案ということ、また面的なつながりだけではなくて、歴史的なつながりとしては、伊那谷というのは芸能の宝庫でありますので、伝統文化、こうした祭というものも海外には受け入れられる素材だと思っております。 こうしたことを一つ一つ確実に形にして、長期滞在型のインバウンド的なもの、あるいは地元の皆様にもしっかり知ってもらうという観光の取組が必要ではなかろうかと思っております。 先日もこんな面白い観光と言いますか、取組があるのだなあと思ったのが、登山道整備にお金を払って来るという、一人5万円というツアーがありまして、これがすぐにいっぱいになってしまうと。1泊、2泊で5万円払って登山道整備をしてくれる、と思えば、先日お会いした方は、これからどこへ行くのかという双葉で会った方は、山梨へブドウの剪定にいくという。そうしたお金を払って、ブドウの剪定をするというツアーもたくさんの皆さんが日本中から来るというようなことでありますし、どこに観光の素材があるかというのはよくよく考えていけば、私たちの気が付かないところに数限りあるのではないかと思っております。 観光をはじめ産業振興という観点、視点ではリニア中央新幹線だけではなくて、三遠南信の自動車道の開通にも期待をしておりますし、様々な人と物の流れというかがこれによって大きく変わってまいりますのでこの潮流を、潮目を見誤ることなく、この観光に継続していきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 伊藤議員。
◆2番(伊藤のり子君) ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。 以上で質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、伊藤のり子議員の質問が終了しました。 お諮りします。 本日はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 (「異議なし」という者あり)
○議長(白鳥敏明君) 御異議なしと認めます。 よって本日はこれをもって延会します。
△延会 午後5時4分 地方自治法第123条第2項の規定により署名をする。 伊那市議会議長 伊那市議会議員 伊那市議会議員...