伊那市議会 > 2022-09-08 >
09月08日-04号

  • "木質バイオマス"(1/4)
ツイート シェア
  1. 伊那市議会 2022-09-08
    09月08日-04号


    取得元: 伊那市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    令和 4年  9月 定例会              令和4年9月            伊那市議会定例会会議録               (5-4)1.開会 令和4年9月8日(木曜日)午前9時30分---------------------------------------2.出席議員の氏名(21名)          1番     池上 謙          2番     伊藤のり子          3番     唐木 拓          4番     小池 隆          5番     篠塚みどり          6番     高橋 姿          7番     高橋明星          8番     三石佳代          9番     湯澤 武         10番     吉田浩之         11番     小林眞由美         12番     田畑正敏         13番     原 一馬         14番     三澤俊明         15番     宮原英幸         16番     白鳥敏明         17番     二瓶裕史         18番     野口輝雄         19番     唐澤千明         20番     飯島光豊         21番     柳川広美---------------------------------------  欠席議員の氏名                 なし---------------------------------------3.説明のため出席した者の職氏名       市長          白鳥 孝       副市長         伊藤 徹       教育長         笠原千俊       総務部長        伊藤博徳       企画部長        飯島 智       文化スポーツ部長    宮下宗親       市民生活部長      城倉 良       保健福祉部長      松澤浩一       農林部長        柴 公人       農林部参事       寺田周平       商工観光部長      高嶋利幸       建設部長        橋爪 豊       建設部参事       鷲見祐人       水道部長        伊藤一真       教育次長        馬場文教       会計管理者       河上千鶴子       高遠町総合支所長    山崎大行       長谷総合支所長     有賀賢治       総務部参事       埋橋 進---------------------------------------4.職務のため出席した事務局職員       事務局長        久保田 玲       次長          井口大輔       庶務係長        竹中恵子       主査          守屋奈央       主査          下島一志---------------------------------------5.議事日程   日程第1 会議録署名議員の指名   日程第2 一般行政に対する質問について--------------------------------------- △開議 午前9時30分 ○議長(白鳥敏明君) おはようございます。連日、大勢の市民の皆様が傍聴に来ていただきまして、大変うれしいことです。 それでは、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お配りしてあります議事日程表によって議事を進めてまいります。---------------------------------------会議録署名議員指名 --------------------------------------- ○議長(白鳥敏明君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員は6番、高橋姿議員、7番、高橋明星議員を指名いたします。--------------------------------------- △一般行政に対する質問について --------------------------------------- ○議長(白鳥敏明君) 日程第2、昨日に引き続き一般行政に対する質問を継続いたします。 田畑正敏議員の質問に入ります。 12番、田畑正敏議員。     (12番 田畑正敏君登壇) ◆12番(田畑正敏君) 12番、田畑正敏でございます。3日目のトップバッターを務めますので、よろしくお願いいたします。 本日は、さきに通告してあります移住・定住施策と人口減少対策について、トンボの楽園の整備事業についての2点について、質問させていただきます。 初めに、移住・定住施策と人口減少対策についてであります。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、東京一極集中が鈍化、総務省が公表した2021年の人口移動報告書によりますと、東京23区では初めて人口流出を示す転出超過となっています。また、2020年から一極集中が鈍化したのは、新型コロナウイルスによって場所を問わず働けるテレワークが普及したことなどを背景に、東京の居住を避ける人が増えているためだとしています。 一方、長野県では2021年の人口移動報告によりますと、県外への転出者が3万1,331人、前年比286人の増だったのに対し、県内への転入者は3万1,189人、前年比1,960人増で142人の転出超過でした。新型コロナ禍での地方回帰の流れを受け、転出超過数は2020年の1,823人から大幅に縮小し、いずれも転入超過には届かなかったものの、市町村や県が取り組んできた移住施策が成果として出ているとしています。 その上で、信州回帰の流れが生まれつつあるので、特に若者へのアピールを強めて定着させることが重要だと、長野県信州暮らし推進課のコメントが出ています。一方、伊那市もこれまで策定した人口ビジョンでは、人口減少は早急に対応すべき待ったなしの課題とし、子育てや住環境への支援、新たな企業誘致による雇用拡大など総合的な対策に取り組んでいます。 そこで最初の質問をします。伊那市の令和3年4月1日の人口は、6万6,863人、令和4年4月1日の人口は6万6,261人となっており、前年対比602人の減となっていますが、このうち転入者数から転出者数を引いた社会増減の実態はどのようになっているでしょうか、お聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 令和4年4月1日現在の社会動態、これは転入者数が2,163人、転出者数が2,334人で、差引きすると171人の転出超過という状況であります。 これまで最も多かった首都圏への転出超過、これについては近年大きく鈍化してきておりまして、その反面、県内への移動と、県内への転出これが増えているという状況であります。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 昨今の各地方自治体による移住者募集のPRは、年々熱を帯びています。ウェブサイトやSNSを使った情報発信、また移住支援マッチングサイトの開設やイベント、セミナーでの相談ブースの出展など、合戦とも形容されるほどになっています。 そうした中、伊那市では移住希望者を支援するサイト「SMOUT」を運営する企業が主催し、サイトユーザーの関心の高さで人気移住地域を表彰する「SMOUT移住アワード2021」の全国市町村ランキングで、1位の山口県萩市に続き、2年連続の2位に選ばれました。コロナ禍の中でも移住情報を積極的に発信し、オンラインで市内の暮らしが分かる体験ツアーやセミナーを実施してきた結果に対する評価だと思います。 また、このサイトを見た人の中には、移住希望者だけではなく伊那市に地域おこし協力隊を希望する人の問合せも増えたとのことで、ユーザーから見れば非常にインパクトのある情報発信であったと受け止めています。 そこで質問いたします。昨年8月に実施した市内への移住を希望する子育て世帯を対象に、「まちめぐりのイベントオンラインツアー」や支援サイト「SMOUT移住アワード」による情報発信、また最近では「伊那MRスクエア」や「AIチャットボット」の様々なシステムを開発して情報を発信していますが、それらの効果により移住者数はどのように増加してきているのでしょうか、お尋ねします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) まず、移住体験ツアーでありますが、これは参加者が実際に現地に足を運んで、地域の魅力を肌で感じていただき、移住定住につなげること、これを目的として開催をしております。で、コロナ禍におきましては、リアルで事業の開催が非常に困難となっておりますので、そうした場合でも、全国でもいち早くオンラインを活用したセミナー、また体験ツアーに取り組んでまいっております。 さらに、セミナー体験ツアー地域おこし協力隊の募集など魅力的な情報発信を行った結果、議員おっしゃるように「SMOUT」で2020年、それから2021年度、この2年連続で全国でもランキング2位ということで、人気の移住地との評価を得ております。 さらに、先端技術を活用して、時間や場所を問わず、スマホなどからより手軽に移住・定住の情報、また伊那市の魅力を知っていただくツールとして「MRスクエア」これを開発しました。さらに、最近では「AIチャットボット・移住ライフデザイン」というものを作って、運用を開始しております。 こうした取組と実際の移住者をひもづけるということは難しい部分もありますが、今後、個々の事業の効果検証を行う中で、移住・定住に確実につながっていくように効果的に実施をしてまいりたいと、またニーズの高い子育てや教育、自然環境などをテーマとしたセミナー、また体験ツアーなどをコロナ禍の状況を見ながら、対面とオンラインを上手に組み合わせながら、積極的に開催をしてまいる、そんな予定でございます。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 一昔前の地方移住の定番イメージは、定年後はのんびり田舎暮らしとか、林業関係の仕事をしたいや、農業をしたいでしたが、近年では特に20歳代から30歳代の若い世代での関心の高まりから、イメージは十人十色と言われています。地方移住者のタイプは、「自然が好き」や「脱都会」などのキーワードでくくられがちですが、最近では都市市民の価値観の多様化を反映して、「こだわり物作り志向」や「スローライフ志向」などの7タイプに分類されているようです。 私も新山定住促進協議会のメンバーとして、平成26年から移住・定住に関した取組をしていますが、以前伊那に住みたい、田舎暮らしをしたいと言っていた皆さんと、現在の移住希望者の皆さんとは明らかに価値観や目的に変化が出てきたように感じています。 そこで質問いたします。最近の移住者が最終的に伊那市を移住先として選んだ一番の決め手となっていることは、どのような内容でしょうかお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 移住相談を受けている中で、近年最も多い内容としましては、子育てまた教育に関するものが多い内容の部分に当たります。その次に、自然や景観あるいは風土、生活環境、そうした順番であります。 ほとんどの移住者においては、実際に田舎暮らしモデルハウス、これは新山に作ったキットハウスでありますが、このモデルハウスや移住体験住宅、こうしたものを利用して、お試し暮らしの体験に加えて、移住準備住宅やまた家賃の軽減など住宅支援の充実というものも伊那市を選んだ要因の一つとなっているわけであります。 さらに、過疎地域定住促進補助金また田舎暮らしモデル地域補助金空き家バンク事業、そうした様々な補助制度を伊那市は用意してありますので、そうしたことも移住の皆さんにとってみると、後押しになっているというに見ております。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 私たちにとりましては、移住者の受入れ側としての体制づくりも必要だと思っています。移住し定住してもらうためには、地域とのコミュニケーション作りが不可欠だと思うからです。中には、地域とはあまり関わりたくないという人もいると聞いていますが、いろいろな形で地域に溶け込んでいただけるような取組が必要だと思います。 そこで質問いたします。最近の移住者は、伊那市のどの地域を希望して実際に住居を構えている人が多いでしょうか。また、何か特筆される傾向がありますでしょうか、お聞きします。
    ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) まず移住される方の多くは、住まいとして初めは賃貸物件を希望するケースが多いわけであります。そのために市街地周辺の民間のアパート、貸家、また高遠長谷地域移住準備住宅、そうしたところを利用をしております。 また、空き家バンクの制度の浸透によりまして、新規登録物件も年々増加をしておりますので、希望の地域で空き家を購入することも、以前に比べ容易になってきております。物件数、登録物件が多い高遠町地区が最近では引き合いが多い、そんな状況でございます。 近年の傾向としましては伊那小学校あるいは伊那西小学校をはじめとした特色ある教育、これを求める移住者が増えております。ちなみにこの4月、伊那小学校には32名ということで、地区外から移住をされている、子供たちが入学している、また伊那西小学校についても十数名ということで、非常に教育移住というのも目に付くところであります。小学校には通学区が決められておりますけれども、小規模特認校を除いては必然的に学区内への居住となるわけでありますので、そうした傾向が顕著であります。 今後でありますが、希望の生活環境またライフスタイルと通わせたい小学校が必ずしもひもづいていないケースもありますので、移住相談の中で何を主に求めているかなどを確認しながら、今後も個々のケースに適した地域や学校、そうしたところを紹介してまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 数ある候補地の中から、伊那市を希望し移住してきた人が、伊那市にそのまま定着しているかも非常に気になるところであります。そこで質問いたしますが、移住者の定着率がどのようになっているのか、把握しているようでしたらお示しください。 ○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。 ◎企画部長(飯島智君) 直近5年間で、市の補助などの支援を受けて移住された256世帯、618人のうち8世帯、11人の方はそれぞれの理由で市外へ転出されているわけでありますけれども、全体で見ますと、98%という非常に高い定着率となっている現状でございます。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 98%ということで、想定したよりか非常に高い確率で伊那に残っていただいているということで、承知をしました。 現在では、全国の市町村がこぞって移住・定住施策を掲げる中で、知恵を絞って結果につなげるため四苦八苦しています。これは、田舎暮らしに憧れるも関心の域を出ない多くの都市住民をどう誘導するかが、地方にとっての課題であることを浮き彫りにしています。その課題解決に向けた最も重要なキーワードは、「仕事と収入」であり、移住ブームの主役が20代から30代の世代であることが、深く関係していると言われています。移住先選択の条件として、田舎暮らしだけではなく仕事が見つけやすく、勤め人として安定的に収入を確保したい、働き盛りの子育て世帯ならではの当然の要望だと思います。新型コロナウイルス感染拡大に伴い広がるリモートワークや企業の地方移転の影響を含めて、移住先の決め手となるのではないかと思っています。 そこで質問いたします。就職相談において地元企業やハローワークとの連携が不可欠だと思いますが、現在、伊那市が行っている移住者向けの就職情報はどのような内容を提供しているのでしょうか。また、その効果についてもお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 就職情報をどのようにして発信をしているかという、現状については担当のほうからお話をさせていただきたいと思います。 現在、製造業の求人情報が主となっておりますが、それは当然これからも就職情報としては発信をしますが、一方では職種の情報発信、これにも重点を置いて取り組んでいこうということであります。都会に住んでいた方、様々なキャリアを持っているわけでありますが、そのマッチングをきちんとしないと、ITの方が福祉に行くとか、ITを続けていきたいんだけれどもという、そうした企業の紹介だけではなくて、やっぱり職種の紹介、これが極めて重要だということで、商工会議所また経営者協会とも話をしながら、対応しているところであります。 ○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。 ◎企画部長(飯島智君) 現状についてお答えを申し上げます。昨年度でありますけれども、伊那市が無料職業紹介所この資格を取得いたしました。これによりまして、庁内各課で連携を図りながら求人情報を収集し、市の公式ホームページ等で公開をしているところであります。またその情報を基に、移住相談窓口におきまして相談者と各企業の人事担当者、これを直接つなぎまして就業マッチングというものも行ってございます。 こうした取組、始めて間もないわけでありますけれども、直近で申しますと、御夫婦の方ですが2名、8月にこの移住相談者の方、市内の企業紹介を行いまして、二人とも採用いただいたというような実績もあるところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 伊那市には田舎暮らしモデル地域として、新山地域、長谷の溝口地域、伊那西地域の3か所が指定され、それぞれ活動しています。同じ田舎暮らしモデル地域でありながら、今まで横のつながりが全くなく、情報交換等の交流もありませんでした。もちろん、地域ごとで取組内容も違いますし、またそれぞれの課題も異なるかと思いますが、だからこそ横の連携も必要ではないかと感じています。 そこで質問いたします。田舎暮らしモデル地域は伊那市の移住・定住促進活動をリードしていく役割を担っていると認識しています。そこで、市主導による田舎暮らしモデル3地域の定期的な情報交換会を実施したらと思いますがいかがでしょうか。市長の考えをお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 田舎暮らしモデル地域におきましては、それぞれの地域の魅力を生かした特色ある活動を行っていただいております。地域の活性化また移住者の支援などに取り組んでいただいているわけであります。 御提案の横の連携ということでありますが、年内に伊那市単独の田舎暮らしモデル地域セミナー、これを計画をしております。広く地域の魅力を発信をしたり、また相互の交流、情報交換の場としていきたいと思います。 また、各地からの他の地域の活動について知りたいと、そうした要望もありますので、今後オンラインなども活用をしながら、定期的な情報交換の場を設けるということで、一層の連携を図ってまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 今、市長から答弁いただきましたように、市も積極的に関与していただく中で、3地域が協力してさらなる移住・定住に向けた取組に貢献できるようになることを期待しています。 昨今のコロナ禍の中で新たな動きも出てきています。新型コロナウイルス感染拡大で急速に進んだテレワーク経験者のうち25%が地方移住に関心が高くなったと回答し、通勤勤務した人の10%を大きく上回っていると報道されています。また、都市での高密度化によるリスクを感じたり、通勤で疲れることもなく自宅で仕事や会議ができるならば、家賃が安く自然豊かなところに住む方がよいという考えで、実際に地方移住した人がテレビなどのマスコミで取り上げられ、「コロナ移住」なる新語も生まれています。都市住民の生活様式の変化と、価値観の多様化が進むウイズコロナ時代、移住者を呼び込む側からすれば、逆にコロナ禍の仕事や生活スタイルの変化も追い風になっていると思います。 そこで質問いたします。こうした環境変化の中で、移住・定住施策をさらに推進するために、新しい取組が必要だと思いますが、伊那市が現在考えている次の一手となる施策はありますでしょうか、市長の考えをお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) これまで取り組んでまいりました様々な移住・定住施策によりまして、移住者数は年々増加をしております。昨年度の伊那市の支援を受けて移住された方、過去最高の163名ということであります。また一方で、社会動態、これはマイナス171名となっております。まあ人口減少にはまだ歯止めがかかっていない状況でありますが、これを分析しますと171名のうち158名、これは上伊那郡内への転出です。お隣の村と町に行っていると。これを止めれば明らかに転入者が増えるという状況になりますので、こうしたことについて次の一手として、今議会にお願いをしていることが幾つかあります。 まず先日の全員協議会で御説明をさせてもらいましたが、次の一手として移住・定住に向けた戦略的な住宅立地誘導事業として、「いな住まいる補助金」この創設についてこの議会でお願いをしております。債務負担行為をお願いをしているわけであります。 また、人口減少に歯止めをかけるには、これまでの移住支援に加えて、ここに暮らす若い世代の皆さんに引き続いて住み続けていただけるような、定住支援が必要であります。新たに住宅や土地に関する総合的な支援を行っていきたいという考えであります。 幾つか項目を挙げさせていただきますと、一つは宅地開発であります。伊那市の土地、都市計画マスタープランに沿った住宅誘導区域等への誘導と、それから宅地分譲に対する補助ということで、新たにこうした補助を創設するもので、事業者が行う3区画以上の宅地分譲に対しては、1区画当たり30万円の補助をしたいということ。また住宅の新築補助の創設ということ、これ新規でありますが、これまで支援策のなかった伊那地域での住宅新築取得に対して、新たに補助制度を創設するということであります。 また細かいことについては、議会の中で委員会の中でお話をさせていただきたいと思います。最大で150万円の補助ということであります。 さらに、移住・定住相談窓口機能の充実、フラット35金利引下げ対象エリアの拡充と、また、まきストーブまたペレットストーブ設置補助の充実ということであります。 先ほど申しました近隣の町村への移住の一番の決め手というのが、土地代が安いということでありますが、伊那市内には土地代の安いところいっぱいありますので、そうしたところをもっと積極的に発信をしていきたいと。さらには各種公共料金の話もありますが、このことについても伊那市もかなり安い、値上げを抑えているという状況でありますし、様々な保育の副食費の無料化ですとかね、子育てしやすい環境づくり、こうしたことを一気にこれからやっていこうという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 今までなかったような大胆な次の一手が出てきましたので、大いに期待をしたいと思います。移住促進も非常に大事なんですけれども、伊那に生まれた人がいかにそのまま住み続けてもらうかというのも非常に大事なことでありますので、この手を使って何とか人口流出の抑制に努めていただきたいというふうに思います。 伊那市地方創生人口ビジョンの将来展望は、2045年に人口5万8,000人を達成するとなっています。出生数の減少等により、自然動態への減少や、また転出者が転入者を上回る社会現象は、まだぬぐえていない中での人口流出の防止等、これまでの経験や知識だけでは解決が難しく、今後の伊那市にとっては大変危惧すべき課題であると思います。 そこで質問いたします。2045年、伊那市の人口5万8,000人達成を可能にするためのビジョンは描けているのでしょうか。目標達成に向けた抜本的対策について、市長の考えをお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市の第2期地方創生総合戦略でありますが、これ令和2年から令和6年であります。この人口ビジョンの中では、2045年の将来目標人口、これを5万8,000というふうに定めております。人口対策とそれから経済対策を柱にして、「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」と、それから「人が集うまち、地域を作る」さらに「地域で安定した雇用を作る」ということ、その先に「時代に合った地域づくりと地域間の連携を促進する」というこの4つの基本目標を設けて、その実現に向けて施策を展開をしているわけであります。 私が常に言っております一次産業の分野でありますが、やはり自分たちが食べるものはこの地域できちんと賄うと、それから自分たちの必要とする水、これも森林の手入れをしながらしっかりと安定的に涵養する。で、またその水を使った小水力、さらには森林資源を使った木質バイオマス、再生可能エネルギー、こうしたものを自ら賄うことができる地域、食と水とエネルギー、こうしたことができるのが伊那市でありますので、このことをしっかりと進めていく。 最近その移住者の問合せの中に変化が表れておりまして、かつては農業をしたい、有機農業をしたい、林業をしたいといったところから、教育の移住で伊那小とかあるいは新山小学校そして伊那西小学校、高遠北小学校などそうした話がありました。ここに来て環境に配慮する地域、特に伊那市は環境「50年の森林ビジョン」から始まって「伊那から減らそうCO2!!」こうした取組を進めてきております。もう平成26年から進めておりますので、こうしたことに加えて、食べるものは安心して賄える、それから水についても同じように安心して手に入ると、さらにエネルギーも化石燃料に頼らない、自分たちの周りにあるエネルギーを使って生活ができるという、そうした取組がかなりこう注目を得ておりまして、移住者の問い合わせの中にはこの環境、それから生活、それから安定とそんなところが非常にこう目につくようになりました。 さらに伊那市では、官民連携で進めておりますDX、デジタルトランスフォーメーションによって市民の皆さんの日々の生活、これが利便性の向上にもつながっているわけであります。AIタクシーの「ぐるっとタクシー」だとか、またドローンを使った「ゆうあいマーケット」、またモバイルクリニック、その他のスマート農業、スマート林業様々進めておりますが、こうしたことが総合的に非常にこう注目度が上がってるというふうに思います。こうした取組を通じて伊那市の魅力、存在感を今後さらに高めるということで、選ばれる伊那市、これにつなげてまいりたいと。 さらに、若い皆さんがこの地域に住み続けていただくように、住宅立地に向けた総合的な支援制度、先ほど少し申し上げましたが、こうしたことに加えて就業支援、職業案内による就業支援、またふるさとワーキングホリデーとかワーケーションの推進、こうしたことを進めて関係人口を作っていく、そうした総合的にしっかりと伊那市の将来を見据えて手を打っているところであります。 5万8,000人、これは数字としては高い目標であるかもしれませんが、日本を支えていく、日本を支えていくモデル地域が伊那だと、この実現のために引き続いて全庁挙げて、また市民の皆さんとも一緒にスクラムを組んで、取り組んでまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 三遠南信自動車道の開通やリニア中央新幹線の開業により、人の流れにも今後大きな変化が生じることと予想され、これらの整備効果を地域の活性化に最大限つなげていくための取組が求められています。今後におけるUIJターンや、二地域居住による移住・定住の推進等、受入れ環境のさらなる整備を行う中で、伊那市が移住・定住の地として選ばれるよう、戦略的な取組をお願いいたしまして、次の質問に入ります。 次は、トンボの楽園の整備事業についてであります。 日本有数の生息地であることが確認されたハッチョウトンボをはじめ県内最多の規模の40種類のトンボの生息地が、富県上新山地籍にあります。平成16年に山を切り崩して山砂を取った跡地に湧水がわき、湿原状態になっていた場所に、世界で一番小さな希少昆虫ハッチョウトンボが発見されました。それ以来、地元有志によって保護育成会が結成され、生息地である湿原を「トンボの楽園」と名称をつけ、ハッチョウトンボの保護や環境整備に努めてきました。 春、秋の草刈り等の環境整備には、地元有志に協力をお願いし、また市からも生活環境課を窓口に関係部門に協力をいただく中で、今日までトンボの楽園の環境整備が継続されてきました。 このような経過の中で、当初よりトンボの楽園の環境整備や保護育成に積極的に取り組んでいただいた先輩方の高齢化に伴い、次の世代に引き継ぎたいとの申出があったため、令和2年10月から新たに「新山トンボの楽園を育てる会」が設立され、新山地区はもちろん、地区外のトンボ愛好者の方からも協力いただく中で、会員78名の新体制でスタートしています。 現在のトンボの楽園の状況ですが、面積は全体で2ヘクタールあり、車50台を停めれることが駐車場があります。今年もハッチョウトンボは5月下旬よりふ化が始まり、7月初旬をピークに8月中旬まで観察できました。体長は20ミリ、1円玉ぐらいの大きさのため、最初は目を凝らさないと見つけにくいですが、雄はきれいな赤色をしており、雌は薄い黄色に黒っぽいしま模様で、草むらでは完全な保護色になっています。そうした中、今年もハッチョウトンボ観察会を、コロナ禍の中ではありましたが、7月2日、3日の二日間にわたって行い、市民の皆さんはもとより市外からも、また県外からも訪れた方もおり、観察会も年々定着しつつあります。 過去の環境整備活動の中では、平成18年3月に水回りがよくハッチョウトンボが生息している場所に沿って、木造の遊歩道が設置されましたが、トンボの生態からそれらの材料には防腐剤が使用できないため、木製の土台や支柱また歩行敷板の腐食が進み、その上を歩行するのが危険な状態となってしまいました。また、腐食した木が沈下して水の流れを変えてしまい、トンボの生息地が狭められている状況が見受けられたため、早急に改修する必要に迫られました。しかし、問題は改修するための資金源をどうするかということでした。 そこで、市の生活環境課に相談したところ、令和3年度の県の地域発元気づくり支援金事業を紹介していただき、また県との窓口であった地域創造課の御指導、御支援をいただく中で、「日本有数のハッチョウトンボ生息地の環境整備」として県に事業申請しました。そして、この里山に「トンボの楽園あり」を発信していきますと付け加えました。 内容としては、老朽化した遊歩道約200メートルを、アルミ製の遊歩道に改修する事業で、県への事業説明やヒアリングも受けてきました。その結果、県としても貴重なハッチョウトンボの生息地の環境整備は応援したい。しかし、金額が大きいので1年ではなく3年計画にしてほしいと、逆提案されました。 県の前向きな回答に感謝しながら、事業計画を令和3年度から5年度の3年間に変更した中で現在進行中であり、この9月からは2期目の工事が始まる予定になっています。 また市から富県地区に交付されている協働のまちづくり交付金についても、富県地域協議会の御理解をいただく中で、その一部を活用させていただくことになり、元気づくり支援金と合わせてトンボの楽園の環境整備を進めているところであります。 ハッチョウトンボの成熟の最盛期は7月上旬ごろがピークとなりますが、そのほかに40種類以上のトンボが晩秋まで観察できます。また、トンボの楽園内の池には、伊那市の友好都市である愛知県知立市からの、友好の証として平成30年に寄贈されたカキツバタが植えられています。知立市の市の花に指定されており、5,000円札の図柄にも採用されているカキツバタです。今年5月には、約300本の鮮やかな紫色の花が咲きました。カキツバタも植えてから4年目となり、やっと新山の環境にも順応してきたのか、今年は特に株数も増え、鮮やかな花が咲き感激しました。 トンボの楽園も、ハッチョウトンボとともにカキツバタとの2枚看板がそろいました。今年はそうした内容がマスコミにも多く取り上げていただいた関係か、トンボの楽園を訪れる方も多く、年間では3,000人を超えるのではないかと想定しています。 また、ハッチョウトンボはもちろんですが、最近では四季折々にわたっていろいろな写真を撮る愛好者が、県内外から訪れているとのことです。特に数年前からは東南アジアの森林に生息しているという真っ赤な鳥、アカサンショウの生態も確認され、野鳥の会の皆さんも県内外から訪れていました。 そのような状況の中で大きな課題があります。それは、トンボの楽園を取り巻く生育環境保持に重点を置くのはもちろん第一優先ですが、その他にトイレ、休憩所をはじめとする施設の不備等で、受入れ態勢に大変苦慮している点であります。現在、トンボの楽園にあるトイレは、以前の役員の方が工事現場で使用してる中古の簡易仮設トイレを寄附してくれ、そのうちの1基が辛うじて使用できるのみとなってます。このような状況の中、7月には大型バス2台で駒ヶ根から来た子供さんの団体もあり、そのたびに案内する役員も気を使い、また不便さを感じているところです。 たまたまですが、昨年7月には長野朝日放送開局30周年記念番組「水と生命のシンフォニー」という1時間番組の中で、トンボの楽園を取り上げていただけるとのことで、7月28日の暑い日に撮影が現地で行われました。私もその現場に立ち会いましたが、そのとき出演したのは昆虫写真家で有名な海野和男さんと、伊那市の観光大使で俳優の鈴木福さんでした。スタッフ含めて6人が2時間ぐらい暑い中で撮影してましたが、そのときもトイレが話題になりました。「このハッチョウトンボのいるすばらしい環境の場所だから、余計にきれいなトイレが欲しいですね」と。結局、撮影に来た皆さんはトイレをのぞいただけで使用しませんでした。 そこで質問いたします。人の集まるところには、最低限トイレが必要となります。したがって、トンボの楽園にトイレの整備をお願いしたいと思います。ちなみに、伊那市の2019年から2023年度の5年間の辺地対策事業債の中に、トンボの楽園整備事業として300万円計上されていますので、トイレ整備に対する市長の考えをお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) このトンボの楽園でありますが、地元の皆さんの思い、また組織の皆さんの活動によって、自然環境の保全また生態系の維持のために、保護活動に取り組んでいただいております。伊那市としましてもトンボの楽園の年2回の草刈り作業への職員の協力とか、また管理物品の支給、そうしたものも行っているところであります。 年間この場所、トンボの楽園に新山トンボの楽園を育てる会のメンバーの皆さんが常駐しているわけではないと思いますが、その何人ぐらい訪れるかといったところも、ちょっと把握できないのが実情であります。 新山トンボの楽園を育てる会によるトンボの楽園への来訪者数、それからトイレの利用状況、こうしたものの状況把握を行い、期間中のレンタルなども今後考えていくということも検討してまいりたいと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 現在、トンボの楽園にある辛うじて使用できる簡易仮設トイレも、会員である70代の近くの女性が毎週掃除をしてくれています。せっかくトンボの楽園に来てくれた人に、設備は古くても不便をかけたくないからと、大変ありがたい感謝の気持ちでいっぱいであります。 ハッチョウトンボは、水のきれいな湿地帯に僅かに生息が確認される貴重なトンボで、良好な自然環境を知るためには指標昆虫にもなっています。したがって、湿地帯の草木が伸びて森林化したり、乾燥化すると生息できないデリケートな昆虫であるため、見方を変えれば自然文化遺産の保護と考えてもよいのではないかと、私は思っています。 そこで質問いたします。伊那市ではトンボの楽園のような希少価値のある場所を、将来にわたってどのように維持管理しようとしているのでしょうか。市長の考えをお示しください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 現在、トンボの楽園のような希少動植物が生息する、生育する場所につきましては、伊那市の貴重な財産として適切に維持管理されるように努めると、また伊那市の魅力として保存、活用していくという考えであります。 トンボの楽園は現在、新山トンボの楽園を育てる会の皆さんが保護活動等に努めていただいて、草刈りまた環境整備などさらにはハッチョウトンボの観察会ということをしていただいております。 日本でもまれに見る貴重なトンボの生息地でありますので、こうしたところの保護活動が展開されていることは、本当にありがたいことだと思っております。 伊那市としましては、今後もトンボが生息を続けることができるように、自然環境の保全、それから生態系の維持に十分な配慮を行って、育てる会と連携を密に取りながら、多くの方々が安全快適にトンボの楽園、トンボの観察等をできるように努めてまいりたいというに考えます。 新山地域、非常にトンボの楽園だけではなくて、貴重な植物それから貴重な昆虫、さらには先ほどあった鳥、これが生息をしております。ハッチョウトンボもそうなんですが、生物の指標昆虫の10種類のうち9種類はもう確認をされておりますので、そうした点においては極めて貴重な地域だと。またアカショウビンはじめ、ヤマセミ、カワセミという希少な鳥も生息をしていたり、猛禽類も大切なものたくさんいるわけでありますので、こうした地域を全体をまあ希少の植物が生息する場所と捉えて、これからも環境整備、また維持活動、維持管理に努めてまいりたいということと、やはりこのこれだけ貴重だということを、もっと発信すべきかなというふうに思ってもおりますので、また地元の皆さんとも話をしながら、また専門的な意見もいただきながら、進めてまいりたいと考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) 今後につきましても、市の方の支援をよろしくお願いしたいと思います。 次はトンボの楽園の駐車場の活用という意味での提案であります。この件につきましては、地元の要求ということではありませんので、先にお断りしておきます。 現在、新山地区でドクターヘリを依頼した場合、ドクターヘリが降りる場合は、上新山の市営田舎暮らし住宅隣の新山グラウンドとなっています。ドクターヘリが到着する前には、上伊那広域連合の消防車が先に来て、グラウンド内に散水をして埃が立たないようにしています。その光景を見ている地元の方から、こんな意見をいただきました。トンボの楽園の駐車場をヘリポートに利用したらどうでしょうか。車50台が駐車できる広さはあるし、草原になっているから埃は立たないから散水の必要はないし、高台で見通しもよいのでドクターヘリの安全運航にも寄与できるのではないでしょうかと。 そこで質問いたします。ドクターヘリポートの場所の選定については、どこが決定権を持っているのでしょうか。また、利用場所の変更はできるのでしょうか、お尋ねします。 ○議長(白鳥敏明君) 埋橋危機管理監。 ◎危機管理監(埋橋進君) 長野県が運営する信州ドクターヘリの離着場はランデブーポイントと呼んでおりますが、その指定につきましては必要性や地元要望を踏まえて、上伊那広域連合の本部が行っております。ランデブーポイントは伊那市内には63地点指定されておりまして、小中学校、高校のグラウンドや公園、地区のグラウンドのほかに民間の駐車場が指定されております。 ランデブーポイントの指定については、消防署からの所要時間、消防車両が安全に通行できる道路付近などのアクセス状況や航空法に基づく規制に関する現地調査を行い、適地と判断すれば土地所有者に土地使用承諾をいただくという流れになっております。トンボの楽園の駐車場については、地元要望を受けた上で、上伊那広域連合本部と連携し、追加が可能か検討してみたいと思っております。 ただし、ヘリコプターの発着に伴う強風によるハッチョウトンボへの生態や周辺環境への影響が懸念されます。また良好なランデブーポイントを維持するために、駐車場の定期的な草刈りなど、地元の負担も予想されるということになっております。 ○議長(白鳥敏明君) 田畑議員。 ◆12番(田畑正敏君) いろいろ課題があるということが分かりました。ドクターヘリポートにつきましては、一番安全な場所がよいと思いますので、関係部門で今後協議していただければと思います。 ハッチョウトンボは江戸時代に名古屋の矢田鉄砲場八丁目で発見されたことから、ハッチョウトンボという名前がついたと聞いています。行動範囲が非常に狭く、環境変化を受けやすいことから、トンボの楽園の中でも少しでも環境のよいところ、よいところへと移動していきます。これからもハッチョウトンボと向き合いながら環境保全に努め、指標昆虫であるハッチョウトンボがこの地で生息し続けることを願って、質問を終わります。 ○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、田畑正敏議員の質問が終了しました。 引き続き、吉田浩之議員の質問に入ります。 10番、吉田浩之議員。     (10番 吉田浩之君登壇) ◆10番(吉田浩之君) 10番、吉田浩之です。富県の議員が二人続きます。さきに通告した3点について質問いたします。 伊那市上水道事業は昭和34年に給水を開始し、安全で良質な水道水を供給すべく、計画的な施設整備を行うことで、時代の要求に応えながら、安全で安心な水の供給に努め、市民生活や経済活動を支えてきました。 また、高遠町地区は片倉簡易水道が昭和34年に供用開始となり、これまでに5つの簡易水道、一つの簡易飲料供給施設、二つの簡易給水施設で供給を行っています。 長谷地区は昭和25年に溝口中央簡易水道として供用を開始し、その後、長谷簡易水道に統合され、現在は一つの簡易水道で供給を行っています。 このように多くの水道事業を行うことで、市内の隅々まで市営水道が行き渡り、市民のライフラインが確保されているわけです。しかし、施設数も多く、令和3年度末で上水道事業と簡易水道事業を合わせて浄水場が28施設、配水池は82施設あり、管路の総延長は737.9キロメートルにも及んでいます。このように多くの施設を抱え、それを維持していくには、多額の経費がかかることは、誰もが想像できるところです。 そうした状況にあって、伊那市の水道経営の課題について、令和2年3月に策定された伊那市水道事業経営健全化計画第3改訂版に基づき、関連資料も加えながら質問をさせていただきます。 初めに水道料金の改定について、お聞きします。経営健全化計画では、適切な時期に管路や施設の更新ができる補填財源を確保し、企業債残高を適切に管理していくためには、単年度1億円程度の純利益を確保する必要があり、その上で、さらに令和8年度に7%の値上げが必要であるとしています。 しかし、最近の純利益は令和2年度が2億4,000万円ほどで、令和3年度も約2億円、令和4年度の当初予算では1億6,000万円ほどを見込んでいます。そうしてみると大きな変動要因がないという前提であれば、これから先、令和7年度までは2億円前後の純利益が見込めることになるわけです。 この純利益は建設改良事業費や起債の償還に充てるためのものであり、現状でも決して資金に余裕があるとは言えない状況にあります。むしろ一定の利益を出さなければ、公営企業としての経営が成り立たないわけです。そのための資金として、令和8年度に7%を値上げをすると予定しているわけですが、1年間の料金収入が約13億円ですから、7%の値上げとなれば約1億円近くの額が料金収入の増加分として見込まれます。そして、その1億円分が純利益で補えるなら、令和8年度の値上げは行わなくて済むということになります。 実際、7月19日の伊那市上下水道事業運営審議会において、水道料金の改定は据置きという諮問が市長から出されており、同審議会は9月2日に諮問どおり据え置くべきとの答申をされています。今回の諮問は令和5年度から7年度までの3年間を期間として諮問されたものであり、そこで示された3年間の収支見込は、まさしく純利益を2億円前後としてあり、この純利益が見込みどおりならば、令和8年度からも値上げせずに済むということになります。 この2年の間にかなり経営改善が進み、その結果、将来値上げをしないで済みそうだと予想されています。これには相当の経営努力があったと推察されますが、経営状況がこれだけ改善したのは、どのような取組がなされたからなのでしょうか。取組内容等について市長にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 令和2年3月に策定をしました伊那市水道事業経営健全化計画、この第3改訂版におきましては、水道サービスの維持などを目標に掲げて、経費の削減それから有収率の向上対策、こうしたものに取り組んでおります。この2年間に経営状況が改善をした主な要因としましては、業務の効率化に向けた民間委託の実施と、それから組織体制の見直し、二つ目は受水費の協定内容の変更と、三つ目が水道施設の電力契約、また配水系統の見直しということが大きな要因であろうと思います。 また、それぞれの三つについての細かいところについては、担当のほうからお話をさせてもらいたいと思います。 こうした取組の積み重ねで経費を削減できたということで、計画を上回る純利益を確保することができてきております。しかしながらでありますが、収益的収支の中では、計画を上回る純利益を確保しているものの、資本的収支の不足分、これを補うために必要となる補填財源の残高比率、これは県下19市の中でも低い水準であります。企業債の償還また今後予定をしております施設、管路の更新、こうしたことを考えますと、決して資金に余裕がある状況ではないというに言えると思います。施設の更新計画また人材育成計画を含めて、中長期的な経営見直しを適切に設定をしながら、将来に向けて持続可能な経営の実現に努めてまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。 ◎水道部長(伊藤一真君) この2年間の取組について御説明をいたします。業務の効率化に向けた民間委託の実施と組織体制の見直しでありますけれども、令和3年10月から高遠町長谷地区における施設管理業務の民間委託を開始をいたしました。また、併せてこれは今後効果が出てくるとこですけれども、高遠長谷水道課の廃止といったこと、水道部の組織体制の見直しは継続して行ってきているとこであります。そういったことによって業務の効率化、人件費の削減を行うということでございます。 また、営業費用の約3割を占めます上伊那広域水道用水企業団の受水費につきましては、令和2年の3月に協定内容を一部変更をし、料金の単価が減額となったということによって、受水費が減額されたということ。さらに水道施設の動力費や電気料金につきましては、令和元年度から電力供給契約の見直しを行いました。また水需要にあわせまして配水系統の見直しを行い、送水ポンプの稼働時間を短縮するといったことを行って、経費の節減に努めてきたところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) それぞれ様々な取組をされてきたということであります。ただ先ほど大きな変動要因がなければと申し上げましたが、上下水道事業運営審議会で示された収支見込について、この変動要因をどこまで見込んでいるかという点が問題になります。 ちなみに、水道事業で大きな経費を占める電気料金ですが、この4月から6月の3か月間の上水道事業でかかった電気料は約940万円とのことでした。前年同期の3か月間は800万円でしたので、前年度の約1.2倍になっているということです。 電気料金は前年度との比較がしやすいということから取り上げてみましたが、ほかにも資材や薬品等、多くの物品が値上がりしていると見込まれます。今回の水道料金を算定する上で、こうした電気料金をはじめ円安、原油高等に伴う値上がり分を見込んでいるのでしょうか。見込んでいないとすれば、今後の水道料金算定にかなり影響するのではないかと考えられますが、現状の値上がり分を算定に含めているかどうかも併せて、今回の料金算定についての考え方をお聞かせください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 料金の算定に当たりましては、令和5年度から7年度までの収支計画を作成をして料金体系を決める総括原価、これを算定をしております。人件費また上伊那広域水道用水企業団からの受水費、減価償却費、それから資産維持費など、そうした費用から補助金などの水道料金以外の収入を控除した額、これを総括原価として、この総括原価を水道料金収入で賄うように料金体系を決めているということであります。 公益社団法人日本水道協会の水道料金算定要領では、給水サービスの水準の維持向上、また施設実体の維持のための必要となる所要額、これを資算維持費として総括原価へ算入することになっておりまして、将来の物価上昇また施設環境の変化に対応するための費用、これも総括原価へ算入を加算をするということで、料金の算定を行っているわけであります。 その中で収支計画における電気料金また動力費でありますが、令和3年度の決算見込額に10%の単価上昇分を加えた金額としております。今般、電気料金の上昇また物価全般の高騰、こうしたことは水道事業におきましても大変大きな影響がありまして、さらに厳しい経営環境となることも予想されますので、今後の動向を注視をしながら対応していく必要があると考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 今市長おっしゃったように、物価高などの不透明な外的要因が多く、経営努力だけでは対応しきれないということもあると思います。状況によっては費用が急激にかさみ、令和5年度からの3年間の間に赤字になることも考えられますし、たとえ、この3年間乗り切れたとしても、次の料金算定においては値上げせざるを得なくなるかもしれません。 料金改定がたとえ僅かであっても、利用者にとっては大きな負担となりますので、今後も経費の動向を注視しながら、見直し期間を3年ごととするのではなく、経営状況を把握しながら柔軟に対応していただければと思います。 次に、この安全で安心な水道の観点から、耐震化についてお聞きします。基幹水路、つまり水源地から浄水施設までの導水管、浄水施設から配水池までの送水管及び配水池からの配水本管についての耐震適合率は、令和2年度末で61.5%であり、県内平均の38.4%や全国平均の40.7%を大きく上回っています。ただこの耐震適合率というのは、地盤の性状を勘案すると耐震性があると判断できる管路についても含むものであり、耐震管の整備率ではありません。耐震管の整備割合は12.6%と県内平均の22.7%、全国平均の26.8%の半分程度となっています。 また、浄水施設の耐震化は、令和2年度末における長野県平均が29.6%、全国平均が38.0%であるのに対し、伊那市は11.4%と県内平均を大きく下回っています。また配水池の耐震化では、県平均36.2%、全国平均60.8%であるのに対し伊那市は3.6%と、これも非常に低いものとなっています。 災害が起きたとき、水の確保は絶対に欠くことのできないことであり、その意味で水道管や水道施設の耐震化は、最優先で取り組まなければならない施策であると考えます。しかし、伊那市の水道施設ではこの耐震化がなかなか進んでいない状況にあります。確かに事業経営として建設改良費を抑えていくという方針は必要なことではありますが、それによって水道施設の耐震化がほとんど進んでいないのは懸念せざるを得ません。 また、厚生労働省では全国で耐震化計画策定及び耐震化を推進し、優先的に病院、避難所などの重要給水施設への供給ラインについて早期に耐震化を進めるとともに、水道基幹施設の全てについて耐震化を実現するよう求めており、国庫補助の制度も設けられています。 建設改良事業費の抑制と、ライフラインとしての安全で安心な水道施設の整備とのバランスが大事なことであると考えますが、この水道施設の耐震化を進めていくことについての市長の考えをお聞かせください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 耐震化についての現状、このことはまた部長のほうからお話をさせていただきますが、令和2年度に水害や地震などの災害に対して浄水場などを整備することを目的として、厚生労働省の経営変更許可、これを取得しまして、令和3年度から第8次整備事業として病院、診療所また避難所などの重要給水施設への配水管の耐震化に対する国の交付金、これを用いて老朽管の更新事業を行っております。 これは引き続いて重要給水施設には可能な限り、国庫補助を用いて事業を展開していく考えであります。また、漏水等が疑われる管路、耐用年数が経過をしている管種及び重要度の高い管路、これも耐震管にも変更していく予定であります。 浄水場、配水池などの水道施設でありますが、これは経過年数とか将来の水需要のこと、また持続可能な水道経営の観点から、重要施設に絞り込んで、令和5年度から計画的に更新工事を実施をしていく予定であります。施設の耐震化につきましては、大変大きな事業費また時間もかかりますので、水道事業経営の健全化を図りながら、より有利な財源を検討しながら進めてまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。 ◎水道部長(伊藤一真君) 現状についてお答えをいたします。少子高齢化の進行によります給水人口の減少ですとか、節水意識の向上によって水需要の減少が進み、料金収入の減少が予想をされます。一方で水道施設、設備、管路等老朽化は刻々と進んでいきますので、各地で頻発する自然災害等に対応し、将来にわたり安心かつ安全な水道を維持するためには多額な費用がかかるということであります。 水道を取り巻く動向大きく変化する中で、持続可能な水道の経営をするために、平成30年度に伊那市水道ビジョンを改訂し、具体的な整備計画として伊那市水道事業基本計画を策定をいたしました。また、健全な経営を行うための水道事業経営健全化計画ですとか、中長期の資産管理を行うための水道事業アセットマネジメントも策定をしているところであります。 水道ビジョンや基本計画では、水道事業が抱える問題を明らかにし、将来像と目標及び整備内容を示し、施策目標として強靭な水道の構築のために施設管路の計画的な耐震化の促進を掲げております。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 計画等を策定して取り組んでいただけるということでありますが、現在そうした中でもいつ起こるかもしれない災害に備える意味でも、できるだけ早い整備をすることが求められるのではないかと思います。 今、お話いただいた平成31年3月に策定された伊那市水道ビジョン、それからアセットマネジメント等の中では、上水道建設改良費を年平均4.75億円、簡易水道建設改良費を年平均0.75億円に抑え、と伊那市水道ビジョンではしてあります。つまり、上水道事業と簡易水道事業の両方の建設改良費として、5.5億円を上限としており、これに基づいて実施計画が策定され、建設改良が進められています。 しかし、環状南線や国道153号伊那バイパス関連の工事を優先しなければならないことから、耐震化というのも現状なかなか進んでいない状況にあります。 そこで、耐震化工事については、この伊那市水道ビジョンに示されている建設改良の工事とは別枠で進めたらいかがでしょうか。 水道経営という点では、年5.5億円を上限としなければ、現在の料金体系ではやっていけないわけですので、別枠となればそのための収入を確保しなければなりません。独立採算制の水道事業会計ではありますが、災害対応のための特別な措置として、一般会計からの繰入金で対応していくものとし、この繰入金を主要な財源として耐震化工事を進めたらどうかと考えますが、どのように考えますでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 水道事業につきましては、当然のことながら公営企業でありますので、料金収入をもって経営を行う独立採算制を基本としております。耐震化工事につきましても水道事業会計内で対応すべきという考えでありまして、現在、一般会計からの繰入金による事業促進というものは考えてはいないわけであります。 限られた建設改良費の中で、重要度の高い施設、管路から計画的に更新をしていくという方針、また今後の水需要予測、適切な水運用を考慮しながら、施設等の統合また廃止、管路のダウンサイジング、こうしたものを検討しながら事業の負担も軽減をしていかなければいけないという考え。 また第8次の整備事業の中では、大きな事業費、期間が必要となりますので、より有利な財源を検討しながら進めてまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) こうした危機管理のために税金を使うというのは、あまり好ましくというよりも、水道料金で対応していきたいということでありますが、あまり目立たず地味な事業でありますけれども、いつ来るか分からない災害に備えていくということも市政運営としては大事なものだというふうに思います。前向きに取り組んでいただければとお願いして、次の項目に移ります。 次は下水道事業についてです。下水道事業は平成2年7月から農業集落排水事業が、平成5年3月から公共下水道事業が、そして平成9年3月から特定環境保全公共下水道事業が供用開始されました。当時、伊那市は下水道普及率が低く、少しでも普及率を上げることが優先課題の一つであり、国の補助金が得られやすかったことなどから、積極的に下水道の整備を進めてきました。 したがって、上水道事業のように地方公営企業法の適用を受け、公営企業として経営していくことを前提としていたわけではありませんでした。また当時は特別会計として、下水道使用料で足りない分は一般会計から繰出せばよいという考えがあったかと思います。 公営企業としての経営の認識を持っていれば、整備後の維持管理や起債の償還などがどれほどの負担になるのかを見込めたはずですし、そうすれば下水道施設をこの30年足らずの間に市内全域に整備するのでなく、もう少し期間はかかるでしょうが、下水道使用料の額も抑えられたのではないかと考えられます。しかし、それをしてこなったことで、平成19年4月に公営企業としての法適用を受けるようになってから、下水道事業の経営の困難さが浮き彫りになってきたかと思います。 その対策として、伊那市下水道事業経営健全化計画が策定され、直近では令和2年3月に第5改訂版が出されています。その計画では、様々な支出の抑制や収入の確保を図る中で、令和5年度と令和8年度にそれぞれ10%の使用料改定をするとともに、一般会計からの出資金4億円を受入れ、令和8年度からはその額を2億円としてくよう計画されています。 4年間で20%の値上げというのは異常な上げ幅です。ただ、下水道事業においても公営企業であるならば、必要に応じて使用料改定は行うべきであり、独立採算の原則と受益者負担の原則に立って使用料を算定していくことが、本来の公営企業の姿であります。社会経済情勢から市民のために改定せず、不足する分を税金で補うということであれば、突き詰めれば下水道使用料を徴収せず、全額税金で賄うということも一つの政策としては考えられるわけです。そうすれば公営企業化する必要などなかったわけです。 当時、財政的にも厳しい中で、公営企業化してその費用については使用者たる市民に負担してもらうという方針があったわけですが、それこそが公営企業本来の形であると考えます。 しかしその一方で、当時の施策としての進め方や、企業会計を前提としていなかったことなどから、一部を一般会計からの繰入金で補填することはある程度必要であると考えます。そうした中で、今回の下水道使用料については据置きとする諮問答申が出されました。 下水道事業経営健全化計画では、令和5年度に10%の値上げが必要としていたところですが、今回の上下水道事業運営審議会の諮問では下水道使用料も据置きとし、不足する資金については一般会計からの繰入金で対応するとしています。10%の値上げをしないことは市民にとってはありがたいことですが、2年半前に策定された経営健全化計画からは180度変わったことになります。 新型コロナウイルス感染やロシアによるウクライナ侵攻等の社会経済情勢の大きな変化はあったものの、全てを一般会計の繰入金で賄うというのは、あまりにも大きな転換であります。本来であれば、その一部を使用料として利用者に負担してもらうことが公営企業としてのあるべき姿だと思います。 下水道使用料を値上げせず、全てを一般会計からの繰入金で賄うこととしたのは、どのような考えによるものだったのでしょうか、市長にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 下水道事業の経営見直し、これにつきましては累積赤字の解消に伴う復活留保資金の活用によって、補填財源が一時的に増加したということになります。資本費平準化債の借入可能額、これ年々減少していくこと、また供用開始から30年が経過することで、一般会計からの補助金が減少していくということの中で、資本的収支の不足額が拡大をして、補填財源が大幅に不足をするだろうという見込みであります。 また、企業債の償還が令和4年度にピークを迎えております。その後も大きくは減少しないことなど、経営を取り巻く環境というのは非常に厳しい状況でありまして、下水道事業の健全化を実現するためには、伊那市下水道事業経営健全化計画第5改訂版でお示しをしたとおり、下水道料金の一層の値上げというもの必要となってくる、こうした試算結果が出ております。 ただ、しかしながらでありますが、昨今の社会情勢、経済情勢、これは長引くコロナ禍によって感染拡大また物価の全般に及ぶ高騰、市民生活に深刻な今影響が出ております。そうした中で、下水道は日々の生活の中では欠くことのできないライフラインでありますので、日常生活に密着をした公共サービスとして、現行の料金水準を維持をするというのが必要であるという考えから、今後の収支計画を精査する中で、一般会計から年6億5,000万円、これを出資をすることで料金の据置きということに至ったわけであります。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 今回、使用料の値上げをせず、一般会計の繰入金で賄ったということで、次回の改定時には、今回同様一般会計繰入金で対応すればよいという意見は出てくるでしょうし、今後改定自体が難しくなるのではないかと懸念されます。直近の現状だけでなく、数年先を見据えた使用料の改定のあり方も考えていくことが必要ではないでしょうか。また上水道事業同様に、次回の改定に向けた検討を3年後とせず、時期を見て速やかに改定することも必要だと考えます。 社会経済情勢や物価高が使用料を改定しないことの理由であるならば、社会経済情勢のスピードは年々速さを増してきており、年度ごとに状況が変わってくることから、そのスピードに合った対応をすべきであり、そのため経営計画を毎年度策定し、見直しを行っていくということも必要かと思います。 スピードある対応を望むところですが、使用料改定の際の基礎となる経営の見通しを毎年度実施し、状況に応じて使用料の改定を行う考えはありますでしょうか、市長にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 現在、総務省の経営戦略策定改定ガイドライン、これに基づきまして3年ごとの経営健全化計画の改定に併せて、10年間の投資・財政計画を作っております。経営の見通しを公表しているわけであります。下水道協会の下水道使用料算定の基本的な考え方というものによりますと、使用料算定期間の設定、これ日常生活に密着をした公共料金としての性格から、できるだけ安定性を保つことが望まれると、一方、反面あまり長期にわたってその期間を設定することは、予測の確実性を失うことになるので、3年から5年程度というのが望ましいとされております。 短期間のうちに改定を繰り返すということは、日常生活に密着した公共料金としての安定性を欠くということになりますので、市民生活また社会経済活動に与える影響というのは、混乱するのではないかというふうに考えられます。 また使用料の改定には、システム改修また印刷物等の更新、市民への広報、そうした周知期間も必要でありますので、一定の準備期間を考慮しますと現在の3年間の間隔、これが適当ではないかという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 実際に据え置いたということが、今回あったわけですので、その次の段階ということで御検討いただければというふうに思います。 一般会計からの繰入金によって、下水道事業会計が賄えるとしても、その前提として下水道事業の経営努力がないと、一般会計からの繰入れは無意味なものになってしまう可能性があります。つまり、経営努力をしっかりしていく必要があります。 そこで経営健全化計画の中で取り組むこととしている具体的な施策の中で、規模が大きい2点について、その進捗状況をお聞きします。 初めに処理場の統合についてお聞きします。 処理場数は令和3年度末で公共下水道事業が2施設、特定環境保全公共下水道事業が3施設、農業集落排水事業が12施設、合計17施設となっています。しかし、人口減少などによる汚水の処理見込量の減少に伴い、処理場を見直し削減を図ることが求められます。 実際、この計画の中でも処理場の整理統合をすべく、令和2年度に小出南部の農業集落排水施設を小出島の特環下水道施設へ統合し、令和5年度に福地の農集排施設を殿島の特環下水道施設へ、美篶東部農集排水施設を公共下水道施設へ、それぞれ統合するよう計画されていますが、この統合の進捗状況はどうなっていますでしょうか。また、これらの処理場の統合以外にも、今後の人口動態を予測する中で、可能ならばさらなる整理統合に取り組んでいくべきと考えますが、予定している統合はありますでしょうか、市長にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この上下水道の事業、特に下水道については短期集中的に投資をしたその償還が今、大変なピークとなっております。繰上げ償還を繰り返してきたわけでありますが、まだまだできない部分もありますので、ちょうど今はピークに当たっているという状況で、これが数年、まあ2年から3年ほど続くだろうと、その後は償還額が減ってまいりますので、大分経営については苦しい場面から脱出ができるかなという考えであります。 私も市役所に来てからこの下水道事業非常に注目をしておりましたというか、心配をしておりまして、公共、特環、それから農業集落排水、この三つを一緒にできないかとか、様々やってきたわけでありますが、ここへ来てようやくこうしたもののつなぎ込みだとか、これをやめていくとか、そうしたこともできるようになってまいりましたので、ランニングコスト等については大分、楽になっているということであります。 この取り組んできた内容については、担当部長のほうからお話をさせてもらいたいと思います。 処理場の設備、これが増設することによって、結果として近隣の農集排処理区の統合が可能になります。そうした地域もあります。また、設備の増設、管渠の接続といった投資に対しても、統合せずに処理場の設備を更新する費用、まあランニングコストといった経費、どのように回収していくのかということで、これはまさに総合的に見ていかなければできない作業でありますので、様々な視点から対応できることはしっかりと対応しながら、健全化の経営ができるように持っていきたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。 ◎水道部長(伊藤一真君) 現状について御説明いたします。 農業集落排水の美篶東部処理区につきましては、公共下水道の特環美篶処理区へ接続をし、伊那浄水管理センターで汚水処理を行うという予定で、現在統合に向けて下水道事業計画の変更認可申請を行っているところでございます。 変更認可の手続、それから今ある施設の財産処分の手続といったものに時間を要したため、今後詳細設計、管路の接続工事を行いまして、令和6年度末に統合をするという予定で進めているところであります。 また、農集排の福地処理区の特環殿島処理区への統合でございますけれども、これも同時に行うという計画でございましたけれども、管路の接続工事、処理施設廃止後の改修工事などの経費も必要になることから、建設改良費の平準化を考慮して統合時期の見直しをして、まだ着手をしていないということであります。 また近年、殿島処理区の汚水量が想定以上の増加傾向にありまして、殿島浄化センターの現状の施設規模で統合が可能かどうか、福地それから殿島両処理区の今後の流入水量の動向を注視しながら、時期等検討していきたいと考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) そうすると多分、下水道事業の経営健全化計画とはそれぞれ統合をしたことを前提で経営計画がされているのではないかと思いますので、できるだけ早い積極的な取組をしていただくよう、お願いいたします。 次に、広域化への対応についてです。 経営健全化計画においては、人口減少時代の中で、市町村の枠を超えた連携や広域的な汚水処理の可能性について検討しますとしています。同じような内容は、上伊那の他の市町村の経営健全化計画の中にも記述が見られます。 各市町村同じような取組をするべく考えているようですが、この広域的な汚水処理の検討に関わる進捗具合はどの程度になっているでしょうか。 また一方、検討されていないとしたら、どのような理由によるのでしょうか、市長にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) まず現状については、担当のほうからお話をさせていただきたいと思います。広域的な汚水処理でありますが、県のほうも盛んにこう進めるようにということで、言われております。ただ統合先等との調整とか、汚水を受け入れる処理場の地元住民の理解とか、料金の設定など、まあ解決しなければならない課題というのが非常に多いわけであります。 また施設を廃止をする場合、これは財産処分、また建設時の補助金、また起債の残り、取扱い、こうした問題も発生しますので、慎重な検討が必要であろうということであります。 今後につきましては、広域連携の拡大また広域的な汚水処理について郡内市町村との情報交換ということ、それから下水道公社も交えて行っていかなければいけないという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 伊藤水道部長。 ◎水道部長(伊藤一真君) 現状ですけれども、公共下水道それから特環下水道の処理施設につきましては、長野県下水道公社に管理を委託をしております。上伊那の全市町村の下水処理施設も下水道公社が管理をしているところであります。 農業集落排水の施設については、民間業者に管理を委託をしているというのが現状であります。こうしたことで広域的な取組としましては、下水道公社が管理をする上伊那の下水道施設で使用する薬品等の購入を一括で行っておりまして、それぞれ市町村で購入するよりも安い単価で購入ができているといった連携を行っております。 広域的な汚水処理につきましては、施設の統合や経営の統合といった具体的な議論はまだ進んでおりませんけれども、下水道公社が毎年行っております市町村との業務打合せ会議の中で、令和3年度に広域化の可能性についての勉強会を開催をいたしました。勉強会の中では、市町村の境で処理区域が隣接をしているエリア、この事例を取り上げていただきまして、統合する場合の方法ですとか、管理上の視点、そういったものから下水道公社の意見を伺ったというところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 一般会計からの繰入れというのは、市民生活を支えていく上でやむを得ないところでありますが、それとともに経営という視点は、より一層の努力をお願いしたいところであります。 特に伊那市は地形的な要因から処理場を多く持たなければならない状況にあり、それが下水道使用料という形で利用者に負担してもらっているわけですから、どの程度を利用者に負担してもらい、どれぐらいを税金で賄うのかは、市長の判断によるところだと思います。 市民に負担をかけたくなければ、できるだけ使用料を低く抑えればいいわけですが、その分税金の持ち出しが多くなり、他の事業に使える税金が減るわけです。利用者の負担と税金の使い方等をしっかり見定めていただければと思います。 市民の理解を得るということとともに経営という視点から、既にお考えがあるでしょうが抜本的な対策を講じながら、税金の合理的、効率的な使い方を進めていくようお願いして、次の質問に移ります。 次に、子ども相談室のあり方についてお聞きします。 子供が望ましい環境で生まれ、心も体も健やかに育つよう保育や母子保護、児童の虐待防止についての対策など児童福祉について網羅した法律として、児童福祉法があります。そしてこの法律の第12条では、都道府県が児童相談所を設置することを義務づけています。 児童相談所とは18歳未満の全ての子供の様々な問題などについて相談を受け付け、心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるように援助し、問題を解決していく専門の相談機関のことです。 長野県内では5つの児童相談所が設置されていますが、上伊那地域にはありません。上伊那北部と伊那市の4市町村は、諏訪児童相談所の管轄となり、上伊那南部と駒ヶ根市の4市町村は飯田児童相談所の管轄となっています。 そうした中、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律が、令和5年4月1日に施行されます。これにより児童相談所の管轄区域は、政令で定める基準を参酌して、都道府県等が定めることになります。つまり、知事の判断で児童相談所を設置することが可能になるのです。 これにより上伊那に児童相談所が設置される可能性が高まるわけですが、上伊那においても全国的な傾向と同様に、児童虐待等の対応件数が増加してきていることから、一日も早い上伊那地域への児童相談所の設置が求められるところであります。そうしたことから、今年に入って、上伊那広域連合の8市町村町長名及び上伊那教育7団体連絡協議会議長名で、それぞれ長野県知事宛に要望書を提出されたとお聞きしています。 この要望書に対する長野県側の反応やその後の動きはどうなっているでしょうか、市長及び教育委員会にお聞きします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この児童相談所に関わる誘致といいますか設置については、かなり以前から、教育関係者からも言われておりました。こうしたことを受けながら、今年の2月4日付で長野県知事、それから県民文化部長宛に要望書を提出をしております。これ上伊那広域連合の連合長それから上伊那教育7団体の連絡協議会の議長名、これで要望書を出して、知事との懇談をしたわけであります。 内容については、今議員おっしゃったように上伊那の北部が諏訪、南部が飯田ということで、こうした児童虐待を含めたいろいろな案件が年々増加をしておりまして、その多くが緊急性を要する事案であります。そうした中において、諏訪から伊那に来る、あるいは飯田から駒ヶ根に来るというそうした移動時間も含めたり、また人数体制も十分でもありませんので、ぜひこの上伊那に児童相談所を設置してほしいということであります。 この意見交換のときには、知事からは次のようなコメントをいただいております。「児童相談所が設置をされた時代と今では社会情勢などが違うので、これからの時代に合った形を考えていかなければいけない。」それから、「人的体制を整えることは簡単ではない。特に児童相談所の職務というのは、子供の命にかかわることであり、職員には高い専門性が求められると、また地域のバランスも考えなくてはいけない。」ということ。三つ目は、「県の新しい総合計画を策定する中で、若者支援、子育て支援は大きなテーマであるので、県全体で総合的に検討していきたい。」というに答えていただいております。 今後も、上伊那地域への児童相談所の設置につきまして、上伊那8市町村長足並みをそろえて、また教育7団体とも連携を取りながら、誘致に向けて対応してまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 児童相談所に関する要望書についてでございます。今、市長お話ありましたが、上伊那教育7団体連絡協議会議長名で、長野県知事及び県民文化部長宛に同じ趣旨の要望書をお出しをしたところでございます。 一例を挙げますと、上伊那南部の子供が措置をされる場合は、多くの場合、下伊那地域の施設に措置をされることになります。そういたしますと、その子が中学から例えば高校へ進学するというような際に、まあ具体的な影響がそこに出ることが見込まれるわけでございます。子供の生活圏は上伊那でございます。で、児相が上伊那にある、そのことが願わしいと考えておるところでありまして、これは上伊那全体、この教育7団体全体といたしましても、同様に考えているところでございます。 これ子供の命、将来に関わることでございます。上伊那地域への児童相談所の早期の開設に向けた取組、これを着実に進めていただくよう、上伊那教育7団体変わらず連携して要望してまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 知事の話等からも、なかなかすぐには難しいということだと思いますけれども、またぜひ積極的にお取組いただきたいと、要望していただきたいと思います。 それでは、上伊那に児童相談所を設置するということの中では今、お話いただいたように、場所の確保や施設の整備、スタッフの確保など開所に向けた準備が必要であり、設置までには時間がかかると思います。そうした状況の中、伊那市では様々な悩みや不安を持った子供や家族から、毎日教育委員会の子ども相談室に相談が寄せられています。 そうした相談を受けて毎年度、150人ほどが新たに要保護児童、要支援児童として対象となってきており、その相談内容も深刻なものが多く、その場で解決できることはほとんどないとのことです。特に最近は重篤な事案が増えてきており、子供が高校を卒業するまで関わることが多く、対応している相談件数は増えることはあっても減ることはない状況となっているようです。それだけ悩み、困っている子供やその家庭が多いということでもあります。 相談にあたっている職員は出勤したかしないうちから、電話対応に追われ、気がつけばパソコンの電源を入れたのが昼近いというようなときもあると聞きます。また保護者の仕事の関係から、夜になってから相談が始まり、日付をまたぐこともあるようです。さらには家庭訪問をする中で、身の危険を感じることや、休日に対応しなければならないこともあるとのことです。 こうした児童や保護者等に対応している職員は、係長と職員の計5名であり、そのうち正規職員は3名、うち1名は再任用職員であります。また、夜間に対応しなければならないことが多いにもかかわらず、男性スタッフは係長のみという体制です。 この人員体制で伊那市の要保護児童の対応をしていくのは、あまりにもスタッフへの負担が大き過ぎると言えます。 そこで教育委員会にお伺いします。この要保護児童の対応に当たる職員を増やし、組織を充実させる考えはありますでしょうか。この6月補正で、ヤングケアラーの職員の予算が計上されましたが、さらに臨床心理士や保健師、保育士など様々な資格の職員を採用し、子ども相談室を充実させていくべきと考えますがいかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 議員御指摘のところでございます。現在、子ども相談室では児童虐待の通告への対応、またその他多くの相談、支援、具体的に申せば不登校、貧困、夫婦の不和、ヤングケアラーなどでございますが、まあそうした各種相談等に当たり、担っているところでございます。 子ども相談室の要保護児童対応に当たる職員でございますが、お話にありましたように、係長1名、保健師2名、保育士1名、社会福祉士1名の計5名。このうち正規の職員は3名で対応しています。 年々相談件数等が増加傾向にあり、対応がなかなか追いつかないと、そういう状況があるのも実際でございます。また、一度の相談で終わらず、相談者の9割が、複数回の対応ということになっているのも実際でございます。 子ども相談室の職員でございますが、発達障害ですとか、また児童虐待等に熟知をしていて、相談支援業務それから訪問支援の経験が豊富、またかつ正しく対応ができる。見立てまた専門的な支援ができる、そういう職員が求められます。 令和2年度には保健師1名を増員をいたしまして、体制を強化してまいりました。なお今お話にありましたように、この4年の10月からヤングケアラーコーディネーターとして会計年度任用職員でございますが、保健師を任用する予定となっております。 ヤングケアラーコーディネーターでございますが、相談機能の強化とヤングケアラーへの対応を充実させるために、子ども相談室に配置をする予定でおります。 なお深刻な事案は増大し、対応の困難さが増している、そのことから職員体制のあり方については引き続き検討してまいりたいと、そのように考えるとこでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) ありがとうございます。現状では子ども相談室のスタッフの熱意によって、児童虐待やネグレクトなどに当たっている状況にあります。このままではスタッフがいつ倒れてもおかしくない状態です。悩み不安に思い、苦しんでいる子供たちを救うためには、スタッフの充実が必要ですので、できるだけ早い対応をお願いしたいと思います。 さて、先ほど児童相談所の設置について質問させていただきましたが、すぐに上伊那に設置されるのは難しいという状況の中で、ほぼそれに近いことをしているのが、この子ども相談室です。子ども相談室は教育委員会学校教育課の一係であり、子ども相談室として管理監督者である管理職がそこにはいません。これだけの重要かつ慎重な対応をしなければならず、即断即決が求められるにもかかわらず、相談室に課長職がいないのは、対応する相手、保護者や第三者に対しても、弱々しいものと受け止められ兼ねません。 この子ども相談室を課相当にすべきと考えますが、市長の考えをお聞かせください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 現在、子供の政策につきましては、保健福祉部の各課、それから学校教育課子ども相談係、ここが連携をして対応しておりますが、新たなヤングケアラー対策、また貧困問題の対策などを考えますと、より予防的で総合的な施策を、さらにしっかりした組織的なつながりとして進めていかなければいけないと、またそうした必要性が高まっていると考えております。 ヤングケアラーの施策担当部署も、市民にはなかなか分かりにくい面もあります。児童虐待をはじめ様々な相談の対応に追われる現在の子ども相談室では、緊急的な対応とか支援の即断、即決、そうしたことが遅れるケースもないとも考えられませんので、状況としてはそうした状況下にあると。支援を必要とする子供たちへのよりよい対応ができるように、組織のあり方も含めて検討してまいりたいと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) ぜひ、前向きな御検討をいただければと思います。 子ども相談室が、悩み困っている子供たちの最後の砦とも言える存在です。どうかこの子ども相談室を充実していただき、一人でも多くの子供が救われるよう、前向きに御検討いただくことをお願いして、最後の項目に移ります。 初日に唐澤千明議員も質問されていましたが、伊那まつり関連についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染が長引くことにより、伊那まつりをはじめ地域の祭りなども中止や規模を縮小しての開催を余儀なくされています。こうしたことは、イベントのあり方だけでなく、まちづくりや地域づくりの方向性にも大きく影響を及ぼします。これからは、コロナ禍により失われた人と人との交流の機会をいかに再開するのか、伊那市やそれぞれの地域の力が試されるときだと言えます。 さて、そうしたコロナ感染の影響から、3年連続で伊那まつりが中止となりました。それを受けて、伊那商工会議所青年部の皆さんが、この時期での祭り開催を願う市民の期待に応えようと、「みなまつり」の企画開催をしました。会場に行ってみると、コロナ感染対策もされていて開催規模も弾力的に調整できる分散型イベントであり、来場者が楽しめる工夫が随所に感じられ、とても雰囲気のいい祭りとなっていました。また、打ち上げ花火は同時に複数か所からの花火をパノラマで見ることができるなど、幻想的にですばらしいものでした。 こうした祭りを企画実行した伊那商工会議所青年部に、改めて拍手を送りたいと思います。この「みなまつり」についての市長の感想をお聞かせください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) まず行って驚いたのは伊那市駅前を人工芝で敷き詰めて、そこが舞台になっていたということであります。しかもその伊那市駅の駅長さんはじめ、JRの関係者も笑顔でそこでいたということ、会話をしたんですけれども、「こうした光景とてもいいですよね。」という、そんな話をしてくれまして、今回の伊那商工会議所青年部の「みなまつり」これは大成功だったろうと。また市民にとっても、喜ばしい事業であって、私としては非常に高く評価をさせていただきたいと思います。 コロナ禍をコロナの拡大抑止、これを私ども力を入れてきたわけでありますが、市民の皆さんの感情を踏まえると、市が先頭に立って開催を呼びかけた場合には、中止をする可能性が高かったわけであります。従来の形の伊那まつりというのは、なかなかできない、そうした雰囲気といいますか環境下であったと思いますが、商工会議所青年部の皆さんが企画をした内容、分散型であったり、またコロナ対応をしっかり取るというようなこと、こうしたやり方というのは非常に意義は大きかったと思います。 こうした民間主導による祭りの開催、これは前々から伊那まつりのあり方について議論してまいりました。みんなが主役、誰もが参加できる市民総参加の魅力ある市民祭りと、こうしたものの実現に向けた大きな一歩であろうというふうに考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) 私も同じような感想を抱いているところでありますが、この「みなまつり」は伊那まつりが中止になったことから開催されたものであります。来年度は従来の伊那まつり開催への期待が高まるかと思います。 そこで、次に伊那まつりのあり方についてお聞きします。 伊那まつり、特に市民踊りは区や団体、学校、企業単位で事前に練習を重ねるなど、人と人とのつながりを深める効果もあり、再開が期待されていますが、市民踊りの連参加については、コロナ禍を経験したことで従来通りの参加連や参加者が見込めないのではないかと、懸念する声も聞かれます。 また昨年度の伊那市事務事業外部評価では、伊那まつりが取り上げられ、踊りと花火に分けて事業主体の見直しをするよう評価されています。 事務事業評価は見方の一つだと思いますが、市民の中にはコロナを乗り切った証として、従来どおりの伊那まつりの開催を望む声も多くあります。このような現状を踏まえ、伊那まつりの開催のあり方や課題についての市長の考えをお聞かせください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那まつりの今後のあり方につきましては、事務局会議で検討を重ねさせていただくことになりますが、市としましては今年の「みなまつり」これを一つの成功事例としてベースに、市民踊りの再現というものを期待をしております。 伊那まつりは市民祭りでありますので、特に市民総参加をうたっていることから、市民踊りというものを伊那まつりの中心に据えるということを前提として、提案していきたいと思います。 また事務局会議の中では、3年連続の伊那まつりの中止から学んだこととして、一つには市民が自ら楽しむ祭りになること、二つ目はコロナ禍のような突然の災いにも対応できる祭りの運営であること。三つ目は社会情勢の変化に即して、内容を修正し続ける祭りの開催である、こうした意見が出されております。 外部評価でも、踊りと花火の切り離しということはされておりますが、今までのような行政主導の伊那まつりの開催ではなくて、地域の皆さんが積極的に関わることができる伊那まつり、こうしたところにかじを切る時期に来ているのではないかと思います。
    ○議長(白鳥敏明君) 吉田議員。 ◆10番(吉田浩之君) いろいろな形が、これからも考えられるかなというふうに思いますが、夏のひと時、市民がよかったと思えるような祭りになればと思います。 様々な意見や考え方をお聞きいただき、市民視点での伊那まつりができることを希望して、私からの質問を終了いたします。 ○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、吉田浩之議員の質問が終了しました。 暫時休憩といたします。 再開は、11時30分といたします。 △休憩 午前11時19分 △再開 午前11時31分 ○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 唐木拓議員の質問に入ります。 3番、唐木拓議員。     (3番 唐木 拓君登壇) ◆3番(唐木拓君) 3番、唐木拓です。まず6月議会では、初めて一般質問させていただきました。その様子はYouTubeで公開され、多くの方々に見ていただける機会となりました。6月議会で質問した中に、防災無線で伊那市の歌を歌詞入りで流してはどうかという提案をいたしました。その件につきまして、多くの方々から意見をいただきました。「伊那市の歌があったんだ。」「いいんじゃないの、やったほうがいいよ。」「おもしろいね。実現できるとよいね。」「こだまや音ズレというけど、今もメロディーが流れていて歌詞が入るだけだよね。」と前向きな意見を多くいただきましたので、引き続き前向きに検討していただければと思います。 さて、本日はさきに通告しました2点、質問させていただきたいと思います。まず、市営住宅ほかの施策についてです。 今回の9月の定例会にも、市営住宅の建設、請負契約の締結についての議案が出ています。公共事業になりますが、名のとおり民間ではできないことを実施するのがあるべき姿だと感じております。 議会の場でも、デジタルタクシー開始の際には民業圧迫という言葉が何度も聞かれました。民間でできることは民間でやればよい、民間ではできない、公共でやらないといけないことは公共でやるべきだと思います。 今回の市営住宅の建設に係る総事業費8.1億円を聞き、民間が賃貸住宅を建設するのにかかる費用の倍以上でございました。それはさすがに高いだろうと思い、いろいろな方に話を伺い調べてみましたが、建てる建設会社の立場ですと、そんなに高くない、むしろ安いといいます。そのギャップは何だろうと思いましたら、公共事業ならではの特性がございました。 例えば、民間で賃貸住宅を建てようとする場合、ハウスメーカーや賃貸住宅を何棟も建設している建設会社のパッケージの集合住宅を建てます。パッケージでございますのでローコスト、もう建物の設計図もできていて、土地に合わせて建てるだけ、内装や設備の変更は可能とはなります。結果的にそのような建物は、どこに建っていても似ている外観になります。 一方、公共事業では、どこかの会社に有利になると問題になりますので、建物の設計図は建築会社や設計会社が作り、それを基に入札が行われ、建物ができてきます。 入札においても公平を期すため建設工事、電気設備工事、機械設備工事と三つに分かれて入札が実施されます。そのようになりますと、民間で似たような間取り、広さの集合住宅を建てるのと比べ2倍以上の費用になってしまうということが分かりました。 さて、市営住宅の建設のほかにも、公共でやらないといけないことはたくさんございます。 ここで少し話が脱線します。先日、議員の有志で、南アルプスの仙丈ヶ岳に伊那市が購入しました馬の背ヒュッテまで登山しました。体力に自信があると思っていました私ですが、歳はいつの間にか取るもので、息切れするほどでございました。生涯学習という言葉は多く知られるようになりましたが、生涯スポーツはまだまだ広がっておりません。伊那市にある総合型地域スポーツクラブの取組はよいなと思いますが、参加者は一部の方で、参加に一歩踏み出されていない方も多くいると思います。 今回の登山を経験したことにより、定期的に運動をする機会は大事だなと実感しました。ふだんからウォーキングをしている人、マレットゴルフを楽しんでいる人、そのような高齢者はとても元気でございます。 ただ、どちらも雨が降ると体を動かすことはできない。雨の日でも運動ができる施設、今後大事になってくるかと思います。そのような機会創出、いろいろな運動をする機会の場の整備など、お金がかかってくる部分はたくさんあるかと思います。 そこで提案です。話はずれますが、先日、まきを背負って鳩吹公園から桂小場の登山口経由で西駒山荘までタイムを競うレース「西駒ボッカ」が開催されました。より地元の市民に登山を身近なものにしてもらうために、例えば市民体育祭に登山を追加するのはいかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市では市民体育祭の一環としまして、伊那市在住者それから在勤者、こうした皆さんを対象にして市民登山を毎年行っております。今年で56回目ということでありますが、今年と昨年は新型コロナウイルス感染症また天候不順のために中止となりましたけれども、ここ数年は20名ほどの参加者がございます。行先としては県内の山、また県外の山、そうしたとこにも登っているわけであります。参加者はもう少し多くてもいいのかなと思っておりますけれども、案内をする体協の登山部の皆さんたちの人数を考えながら、また回数も今1回でありますけれども、そうしたことも含めて、登山に身近な私どもの生活圏から見える山々、そうしたとこにこう登っていただけるような、そうしたことは私もぜひ進めていきたいと思っております。 さらに学校登山もそうなんですが、年々長野県内の学校登山がコロナによって日帰り、もしくは中止ということが続いております。ぜひ1泊2日で山に登る、特に先ほどの馬の背ヒュッテでありますが、収容人員が非常に大きいところでありますので、学校登山の皆さんもそこを使って、比較的3,000メートル峰、仙丈、容易に登れる山でありますので、そうしたところに行ってもらって、下界と違う景色それから植層、植生いろいろなものを楽しんでもらえればと思っております。 登山についてはより多くの市民の皆様にも参加していただけるように、周知を図ってまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) ありがとうございます。その馬の背ヒュッテに行った際、管理人の方から登山人口は大体人口の5%と聞きました。タイムを競う登山レースを市民限定で企画していただければ、今まで興味がなかった層、登山に興味のなかった層の発掘も可能かと思いますので、引き続きもしよろしければ検討していただければと思います。 旧清掃センター跡地に建設予定の室内運動場。 2028年には国体が長野県にやってきます。そして、ソフトボールの会場が伊那市になっています。せっかく室内運動場を作るのであれば、多くなくてもよいのですが観客席も配備し、そこで公式の試合もできる天井の高さのある施設にするような検討も可能だと思われます。 これから設計が始まると思いますが、ぜひ有効利用できるような施設にしていただきたいと思います。そこにも大きなお金がかかってくるかと思います。 そこで質問です。旧清掃センター跡地の室内運動場の要望につきまして、今後広く市民に意見を求める機会はございますでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 結論から言いますと、ある程度の素案ができたところで、地元の皆さんまた議会、さらに利用される皆さんにも考えをお示しをして、意見を聞きたいというに思っております。 今、御質問がありました伊那中央清掃センターの跡地利用でありますが、令和3年6月の議会定例会で報告をさせていただきまして、まあその跡地利用については地元などからの要望を踏まえて、隣接をする美原公園の敷地も活用をしながら、ふだんは屋内体育施設と公園としての利用、そして災害時には避難ができる拠点となる防災拠点となる施設整備を計画をしているという説明をさせていただきました。 ソフトボールだけではなくて、幅広く活用ができるようなものとは言いながらも、ソフトボールや少年野球とか、そうしたことがある程度の広さが必要だろうということでありますので、今それについては研究をしております。また、天井の高さにつきましても、団地がすぐ近くにありますので、隣接をする関係上日照の問題とか、景観にも配慮しなければいけないということで、それも含めた検討をしているところであります。 2028年の国体に向けてソフトボールの選手強化、そうしたことに活用してもらえるような規模またその時期、これを検討してまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) ぜひ、いい施設ができることを願っております。また、同じ2028年には伊那北高校と弥生ヶ丘高校の統合が予定されております。現在の弥生ヶ丘高校の跡地は、市で利用できることとなっています。現在、伊那市の運動施設の調整会議では、各団体で体育館の取り合いがございます。希望が集中する日時には、施設が足りていない状況があります。ぜひ、弥生ヶ丘高校の体育館などが有効利用できれば、すばらしいのではないかと思います。利用するのに周辺の整備を考えると、そこにもお金が必要になってくるかと思います。 そこで質問です。弥生ヶ丘高校の跡地利用につきまして、決まっていることがあれば教えてください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 議員おっしゃいます市が利用できるということがありましたが、あの持ち物は県でありますので、活用する校地、校舎このことにつきましては県においてまず活用が検討をされ、その後、市などの活用の希望があれば市のほうで検討してもよいという手順になってくると思います。 県教委の伊那新校、弥生ヶ丘と伊那北これが再編されるというこの基本方針、基本計画が示されておりまして、校地については今の伊那北高校、伊那弥生ヶ丘高校の跡地利用について、これ様々今検討というか思いがあるようでありまして、場所的にもスマートインターのすぐ近くであって、また繁華街にも近いところ、市街地も近いということで、また校舎そのものも中には新しい校舎もあるようでありますので、こうした活用も可能であろうと。まちづくりの観点から多面的に有効利用できるようなこと、また市民の皆さんや団体の皆さんからも広く意見を聞く場を設けながら、ふさわしい活用方法を考えてまいりたいというふうに思います。 ただ、伊那市駅と伊那北駅を結ぶ町並みといいますか町のあり方、それから伊那新校ができてからその上にある上農高校それから信州大学、長野県工科短期大学校、こうした文教地域がこうつながってまいりますので、ぜひこの再編を一つのチャンスと捉えて、町全体のこのあり方の議論がまた進めば、大変私としてはありがたいし、そうしたことになってくことが望ましいというに考えているところであります。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) ありがとうございます。 先日、大阪に住んでいる友人が伊那市を訪れてきて、車に乗っていて言われたことがあります。「伊那市は道がよくないね。」と。確かに住んでいるとそれが当たり前に感じて気づかない部分でしたが、ほかから来た人が感じることを聞くと、改めて気づきになります。補修しないといけないところはたくさんあるのですが、予算がなく後回しになる。 地元地区の市単事業の要望箇所の視察をさせていただいたのですが、各地区からの要望はたくさんあるのですが、その中で実施されるのはほんの僅か。もちろん簡易的な道路の補修、くぼみなどの補修などはすぐ対応していただき、ありがたいばかりでございます。 しかし、何年も要望を出しているのですが、なかなか実施されず、やっと実施されるなど、ある地区では「どうせ要望してもやってくれないから、要望を出すのも面倒くさい。」と言っている方もいらっしゃいました。 ここで質問です。地区から毎年出ている要望ですが、市単事業をより効率的に進める方向性などありますでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 現状の手続等については担当のほうからお話をさせてもらいますが、今現在その事務手続につきましてはできるだけ簡略化するということの効率化を進めております。それから工事だけではなくて、原材料を支給をしての事業、またソフト事業等も活用しながら、地区の要望の実現に努めているところであります。 ○議長(白鳥敏明君) 橋爪建設部長。 ◎建設部長(橋爪豊君) 市単要望につきましては、年度初めに各地区から土木事業の要望を提出をさせていただきまして、地区の役員の皆様と職員による現地調査を行い、実施する事業について検討を行っております。 全ての地区要望を実施することは困難でありますので、地区と相談しながら現場の状況、また緊急性等を考慮し、優先順位をつけて予算の範囲内で対応しているという状況でございます。 またそういった要望に応えるために、主に道路の補修に関わる要望に対しましては、平成27年から本年令和4年までの8年間で、総額で3億4,000万円の追加の予算措置をしていただきまして対応をしています。最小限の投資で大きな効果が得られるように、地区の皆さんとも相談しながら進めている状況でございます。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) 話は大きく脱線してしまいましたが、必要なところにお金をかける、公共でしかできないことを行う、民間ができるところは民間にやってもらうことが大事なのだと思います。 今回の建設予定の市営住宅は、低所得者向けの公営住宅ではなく、そのほかの住宅に分類される地域優良賃貸住宅で、若者・子育て向けの住宅であります。これは公共でやらなくてもよいと、私は思います。 そこで質問です。今回の住宅建設につきましては、6月の議会でも補正予算が可決され、8月には入札も完了し、施工業者も決まっている状態です。なかなか中止は難しいと思います。今後の同じ目的で建設予定がある2棟の計画につきまして、見直しの可能性はございますでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 橋爪建設部長。 ◎建設部長(橋爪豊君) 今回建設を行います若者・子育て向け住宅は、2棟目の建設を見込んで、共通して使用するエレベーター、受水槽また造成工事や駐車場整備なども含んでおります。若宮団地は伊那バイパスの開通を見据えまして、若者世代から高齢者世代が混在する団地を作る政策的に進めているところでございます。 若者・子育て向け住宅の建設によって、移住・定住策に一定の効果が得られるものと考えており、状況を見ながら2棟目の建設を計画的に進めていきたいと考えています。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) 民間の賃貸住宅での空き物件は、市場にたくさんあります。さきにも申しましたがデジタルタクシーでは民業圧迫というキーワードが何度も聞かれましたが、賃貸住宅でも同じことが言えます。 ハードを作らずに、ソフト面で対応することもできます。つまり、市営住宅を新たに建てなくてもいろいろなアイデアや手法で対応できることはたくさんあります。 例えば、長野市では県外から市内への移住者へ、民間の賃貸住宅に住む若い世代や子育て世帯に対して支援をしています。2年間、月額2万円を上限に家賃の半額までを補助するというものです。移住を前向きに検討してもらう取組だそうです。 どうでしょうか、このような取組をすれば、新築で市営住宅を建設する必要はないのではないでしょうか。ほかの自治体でも、賃貸住宅への移住一時金の補助、これは引っ越し費用や入居の初期費用に使用可能としている自治体もあります。 また、岩手県北上市では、民間の集合住宅を借り上げて公営住宅として活用するそうです。建築後20年以上たち遊休物件になっている集合住宅を有効活用できるように、リフォームにかかる工事費の補助制度を作り、支援するそうです。既存の市営住宅は老朽化が進み、補修するための費用が年々増す中、使われていない民間集合住宅を活用することにより、今後10年間で全体の30%の市営住宅を削減、それにより財政負担が減り、市内の不動産も効果的に使われる相乗効果があるそうです。 この例では、民間の賃貸住宅を丸々借り上げる例でしたが、一部屋単位での補助、家賃だけの補助でもよく、やり方は無限大にあると思われます。 ほかの自治体の例を一部挙げさせていただきましたが、つまりこれは民間の賃貸住宅への家賃補助で解決する話ではないでしょうか。今回の若者・子育て向けの市営住宅も、現在市営住宅のその他の住宅で実施している子育て住まいる事業の家賃2割軽減相当額を、民間集合住宅にて家賃補助という形で実施すれば、解決できる話ではないでしょうか。 現に生活保護を受給されている方は、民間の賃貸住宅を全額の家賃補助を受けて生活されている方もいらっしゃいます。同じようなシステムで運用すればよいわけです。もし、民間の集合住宅の供給量が少ないのであれば、民間で賃貸住宅を建てる人はいるはずでございます。 そこで質問させていただきます。工夫すれば民間の今ある賃貸住宅を活用することで、同等のサービスの提供が可能になると思いますが、今後の検討はいかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 既存の市営住宅につきましては、長寿命化を図りながら最大限利用しております。老朽化が深刻で修繕により回復が見込めないという住宅については廃止という手続を行っております。提案の民間住宅の活用におきましては、買取りの公営住宅また借上げの公営住宅などの方式がありますので、制度の概要また今後の供給戸数これを見極めて、幾つかの先進事例の話もありましたので、こうした事例も参考にしながら今後の研究としてまいりたいと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) もちろん民間の賃貸住宅を借りづらい高齢者や障害者の方もいらっしゃいます。そのような方のために市営住宅を維持するのはよいことだと思います。 また、そもそも民間の賃貸住宅が少ない地域、長谷や高遠では市営住宅の必要性はあるかと思います。8億円の総予算、市の支出は50%といっても4億円でございます。また、国からの支援があると言っても、元々は我々市民の税金でございます。 いろいろと検討が必要な点はあるかと思いますが、8億円かけてあと2棟建てる必要があるのか、必要性も含めましてもっと検討していただければと思います。 この9月定例会の各議員の一般質問では、多くの要望が出てまいりました。実現できればよいものばかりでした。補助や支援といったキーワードがたくさんあり、どれも予算を使うものでした。優先順位はあるかと思いますが、もし民間ができて公共でやる必要がないのであれば、その予算でできることは多いのかと思います。検討していただければと思います。 続きまして、就学児のマスク着用についてでございます。 新型コロナウイルスは猛威を振るい、感染者数は直近でも伸びて現在7波が来ております。コロナ、コロナと言われ始めて、マスク不足が始まり、それまでマスクをつける習慣がなかった我々も、外出の際にはマスク、マスクをつけないと周りの目が気になる状況になっています。 さて、厚生労働省も文部科学省も就学児に対して、マスクの着用の必要がない場面と具体的なものを出していますが、学校での徹底がされていないように感じます。 具体的には、屋外では人との距離が確保できる場合、人との距離が確保できなくても会話をほとんどしないような場合、屋内では人との距離が確保でき会話をほとんど行わない場合、これは個人で行う読書や調べたり考えたりする学習、また学校生活全般ではプールや屋内の体育館等を含め体育の授業や運動部活動、登下校時の際はマスク着用の必要がないとうたっています。 現状では、よく小中学生の登下校時、一人で歩いていても真面目にマスクをしている人が多くいます。マスクをしなくてもよいということが浸透していないように思われます。 マスク着用の弊害は、集中力、記憶力の低下、喉の乾燥、脳や肺へのダメージと言われており心配されます。また、マスクを着用するより消毒、手洗い、換気の対策をするほうが、新型コロナウイルスの対策になるとも言われています。 もちろん風邪の症状があれば、マスクを着用するのはコロナ前からのマナーであり、むしろ今は喉の痛みや発熱があれば外出を控えることがマナーとなりつつあります。また、マスクは相手のウイルス侵入を防ぐ効果より、自分から拡散を防ぐ効果のほうが大きいとも言われています。 マスクをしなくてもよい環境でもマスクをしてしまう、日本人の真面目な性格と言われるところがありますが、子供の成長過程では顔の表情から得る情報、コミュニケーション能力を高めることも、マスク着用により阻害されてしまっています。 怒ったり、笑ったり、悲しんだり、顔から得る相手の感情を認識することは、マスク越しではなかなか難しいことでございます。 そこで質問です。現状の伊那市の小中学校における各学校の児童・生徒へのマスク着用の指示、マスク外してもよい指示はどのようになっていますでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) マスクの着用、また外してよい指示についての御質問でございます。 議員御発言の中にございましたけれども、学校生活でマスクを着用する、また着用の必要がない場面については、国また県からガイドラインが示されております。このガイドライン内容を重なりますけれど申し上げますと、屋内での教育活動について、近距離で会話を行わない場合はマスクを着用する必要はない、特に夏場はこれは熱中症への対応ということもございますが、マスクを外すことができる、そのようにされております。 学校生活での屋外におけるマスク着用のあり方につきましては、それぞれの学校へ通知をするとともに、これは市の校長会がありますので、そうした際にも児童生徒への情報提供、また指導の徹底を指示をしているところでございます。 屋外であっても人が密集する場合、また屋内であっても人が少なくほとんど会話がない、そうした場合など様々な場面が考えられますので、マスク着用の意味を理解した上で、熱中症等へも留意をしながら状況に応じた対応をとる、そのようにしているところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) 第7波の真っ最中でこのようなことを言うのもなかなかタイミングも悪いのですが、マスクが必要なときにはマスクをする、必要ない場面ではマスクを外してもよいよと学校の中でも言っていただける環境づくりが大事だと思います。 子供だけの個々の判断では、なかなかマスクを本当に外しても大丈夫か不安で、判断できない子も多いと思います。 また、個々の先生でも責任問題もあり、なかなか言いづらいこともあります。学校としても同じだと思います。教育委員会からの通達であれば、学校も先生も言いやすいところもあるかと思います。コロナウイルスにかかるより、マスク着用による健康被害や脳の発達が遅れることのほうが心配になります。 そこで質問でございます。現状の登下校でのマスク着用状況から判断しますと、まだ子供たちにマスク着用しなくてもよいことが伝わり切れていないと思われます。改めまして教育委員会から、各学校現場へ通達などを出していただくことは可能でしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) このマスクの着脱のあり方でございますけれども、それぞれの学校で児童生徒に指導し、また保護者には、学校便りそれから保健室便りといった便りも出ております。それらを通してお伝えを多くしてきているところでございます。その中では熱中症予防にも配慮しながら、マスクを着用する場面、また不要な場面等をお伝えをしてきているところでございます。 議員お話の中にもございましたが、この夏以降、大変感染力の強い変異株が流行いたしました。新たに感染する児童生徒、また職員が増加をいたしました。新たな感染がなかなか収束しない、そういう状況が続いているところでございます。 登下校時など屋外におけるマスクの着用につきましては、学校・家庭など子供たちの生活の場で感染症が拡大する中で、感染症対策、予防に丁寧に取り組む姿勢の表れでもあるのかな、そんなふうにも思いながら見ているところでございます。 つい先日、9月5日でございますが校長会ございました。そこでは、マスクの着脱のあり方を含めまして、改めて感染症予防についてお願いをしたところでございます。 ○議長(白鳥敏明君) 唐木議員。 ◆3番(唐木拓君) 何よりも大事なことは、未来ある子供たちの成長でございます。子供たちが伸び伸び生活できる環境を整えることは、我々大人の使命でもあります。子供たちのために、どうすることがよいことなのかを一番に考えていただければと思いまして、質問を終わりにさせていただきます。 ○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、唐木拓議員の質問が終了しました。 暫時休憩いたします。 再開は、13時30分といたします。 △休憩 午後0時8分 △再開 午後1時28分 ○議長(白鳥敏明君) 午後の再開に先立ちまして、本日の会議に欠席者の届出がありましたので、御報告いたします。17番、二瓶裕史議員、所用により午後欠席でございます。 それでは、休憩前に引き続き会議を再開いたします。 宮原英幸議員の質問に入ります。 15番、宮原英幸議員。     (15番 宮原英幸君登壇) ◆15番(宮原英幸君) 15番、宮原英幸です。今定例会最終の質問者ということで、早速質問に入りたいと思います。 先に通告してあります大きな3点につきまして、お聞きをしてまいります。まず最初は自然エネルギー施策について、お聞きしていきます。 人が生きるのに必要な安全のネットワーク、これは水と食料と燃料あるいはエネルギーが手に入り続ける仕組み、こんなふうに言われまして当市においても、市長もしばしば言われておりますけれども、その実現が目指されていると、こういうふうに理解をしております。お金の循環が全てを解決するという前提の現在のマネー資本主義経済システムに、数々の課題があると言われてきている一方で、お金に依存しないサブシステムを構築すべきである、人との絆、自然とのつながりという点からも地方こそ時代の最先端、こう唱える有識者もいるほどです。過疎地域が時代のフロンティア、こういう意見もあります。 先ごろの全員協議会では、市の事業が今回国、環境省ですけれども、国の進める再エネ推進交付金事業の対象となり、重点対策加速化事業が紹介をされました。県も2050年のゼロカーボンを目指すこととして気候非常事態宣言を令和元年に発しまして、市でも地球温暖化対策実行計画の下、さらなるCO2排出抑制への取組が活発化するものと期待をしております。 自然エネルギー活用について、地産地消の観点から特に電力としての活用、まあこの辺に注目しながら市長にお聞きをしてまいります。 当市では「伊那から減らそうCO2!!」伊那市二酸化炭素排出抑制計画等によりまして、市の2050年のゼロカーボン計画に沿うCO2の2030年までの目標排出量、これは2013年に対しておよそ49%の削減、約半分の27万トンいうふうにしております。 今回、加速化事業として木質バイオマス、太陽光利用設備導入促進によることを挙げておりますけれども、民間、事業者、行政部門でこれを達成していけば、森林吸収量と併せて目標が達成していける、こういう理解でよろしいのかどうか。今回、提示されました2030年までの加速化計画は、令和8年までの5年間であります。市独自の事業の一層の加速化がされると考えてよいのでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 国の脱炭素移行再エネ推進交付金、これを活用した重点対策加速化事業の中では、市民また事業者が行う太陽光発電設備や蓄電池、太陽熱システム、ペレットストーブ、ペレットボイラー、まきストーブそうしたものの設置に対して支援をするということのほかに、公共施設への太陽光発電設備また蓄電池、EV、急速充電設備、車載型蓄電池等そうしたものについても導入する計画であります。特にペレットのストーブあるいはボイラーなどの木質バイオマスを活用した設備の導入につきましては、「伊那市50年の森林ビジョン」に基づく森林整備を進める中で、エネルギーの地域内循環を目指して必要な燃料を供給できる仕組み、これもしっかりと構築してまいりたいと考えております。 伊那市では2050年カーボンニュートラルの実現を目指して、2030年の二酸化炭素の排出量の目標、これを27万トンとしております。これは基準年度であります2013年、この排出量に対して自らの取組で14万トンを削減する目標となっております。 今回の重点対策加速化事業によりまして、伊那市の脱炭素社会構築に向けた取組、これは現在よりもさらに加速化されるものと見ております。そしてこの取組に伊那市の森林循環による森林吸収量を加味すると、カーボンニュートラルの目標、これは2050年を待たずして達成できるものと考えております。 今後、市民・事業者が再生可能エネルギーの設備を円滑に導入をしながら、計画どおり進められますように、十分な事業の周知も図ってまいりたいと考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 2030年、令和12年ですけれども、令和12年までの当事業では、今御紹介をいただきましたように木質・太陽光が中心となっているわけですが自然エネルギー活用と、この点では幾つかの選択肢があると思われます。市として水力発電の方向性、これについてはどうでしょうか。 県では企業局が主体となって進めており、市でも「信州Greenでんき」として利用してきています。一方、県下自治体でも自治体の関係する事業が実施ないし計画として動いてきています。 長野市では市や事業者が出資する新会社の設立を検討をすると、それから松本市では民間を巻き込んで電力小売や再エネ普及促進の新会社を設立する方針である、飯田市ではおひさま進歩エネルギー株式会社、これは市民出資ファンドの会社ですけども、市の公共施設・屋根を借りてパネル設置などを行って行政と民間の新しい公共のモデルというようなことが言われております。 そこで資源の電力活用という点でお聞きをしておきたいと思います。 小水力利用についてですが、小水力発電所は現在市内12か所と聞いております。ちなみになんか小水力というやつの定義というのは、各国まだ統一されていないということのようなんですけれども、おおむね1万キロワット以下ということだとすると、市内12か所のうち3か所ぐらいは、この発電量を超えていますので、厳密にはもうちょっと少ないのかもしれないですが、県企業局、中部電力、三峰川電力で10か所、それから土地改良区が2か所ということになっております。当然ながら土地改良区のものは発電量自体が非常に小さいわけですけれども、小さいながら今後地産地消としての小水力発電所設置推進、この可能性があると考えますけれどいかがでしょうか。 地球温暖化対策の地方公共団体実行計画では、小水力1,000キロワット以下の設置数は現状2か所を4か所にするという計画もありますけれど、具体化は進んでいるのでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市内における小水力であります、土地改良区の関係する水力発電所でありますが、これは一つは春富土地改良区であります。それからもう一つが小さいんですけれども美和土地改良区の2か所。それぞれ土地改良区の事業として整備を行って、春富については平成29年、美和については平成27年に稼働を開始をしております。売電収入につきましては、当該発電設備の維持管理費のほかに、土地改良施設の維持管理の費用にも充てられておりまして、当該土地改良区では有効に利活用されていると、そんな状況であります。 今後でありますが、小水力発電施設の設置を行うには地形とか水量、そうしたものの検討はもとより、慣行水利権に関わる協議それから施設管理者などとの協議、また事業化にあたりましては国庫補助事業の導入、そうしたものも必要になってまいります。 特に設備投資額を回収できるか、そして慣行水利権との調整ができるか、この二つは大変大きなハードルとなっておりまして、この解決のためにさらなる法制度の整備、また技術の進歩、こうしたものが必要になってくるものと考えております。 小水力発電による売電収入につきましては、地域の貴重な財源として、市としても小水力発電施設の設置については、土地改良区や意欲のある民間事業者を支援をしてまいりたいと。また土地改良区が管理をします農業用水路以外にも、中小河川、沢、小河川また砂防堰堤とか工業排水、上水道の送水管、こうしたものを活用した水力発電、小水力発電も考えられますので、こうしたものの適地の調査を含めて、小水力発電設置の可能性を研究してまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 今、御紹介いただきましたように、水力の可能性というのも結構ある。大きなものはなかなか難しいと思いますけれど、あちこちに水源もあるわけですから、ぜひこの辺も前向きに検討すべき課題かなというふうに思います。 まあ水力の場合にしても、太陽光の場合でも電力として利用する場合に、常に課題となるのがその安定供給ということになります。太陽光はもちろん夜の発電ができないわけですね。一方、水力は水の安定的な供給、設備投資などリスクもあります。先ほどの農業用水などは冬は水が来ないとか、そんなようなこともあるわけです。しかしながら、将来の蓄電技術の進展等、これを併せて考えますと、水力は資源としての可能性が十分あり、水利権の課題がある等としても、市として今後積極的な推進の取組があっていいんじゃないかなというふうに思っております。 なお、この5月に電気事業法の改正がありまして、蓄電所の設置が事業化されることとなりましたので、今後蓄電事業これは各所で伸びてくるし、技術も進んでくるだろうと思われます。この蓄電事業も新たな取組として、期待できるというふうに考えます。 さて、そのほかの自然エネルギーの活用について、市長にお聞きをします。 2030年以降の取組、及びそれ以降の社会基盤づくりとして、長期的視野に立ちますと水力・木質以外のバイオマス活用、例えば廃棄物系のものでいきますと家畜の排せつ物それから食品廃棄物、こんなようなものがある、それからその他もみ殻ですとかトウモロコシ等未利用資源、こういうものもある。まあこんなことを視野に、今から準備を進めていく必要もあると思います。 最近は下水汚泥の肥料の利用など、そういった推進も進んできているわけです。いわゆるバイオマスとしてですね。 市が関わって、このような資源利用の発電ないし地産地消型の事業展開、こういうことをするというようなことは考えているんでしょうか。直接的ではないにしても、令和元年度に丸紅伊那みらいでんきに500万円の出資をしました。また、信州大学などでは、「信州産ソルガム」といって、イネ科のキビの一種なんですけれど、これの利用研究も進められています。もちろん、ソルガムは発電のために作るというよりも、今後の食料自給、それに備えてということなんですが、まあそんな研究も進めているというふうに聞いています。今度の産官学拠点にも、ぜひこういう研究を誘致していただきたいなというふうに思います。 まあこういった関りも含めてですが、今後の市の関わり方、新しい資源についての関わり方、これについて御意見をお聞きしておきたいと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 議員おっしゃいますように私ども伊那市、あるいはこの上伊那ではこの再生可能エネルギーの取組というのは早くから進んでおりまして、上伊那森林組合の経営をしておりますペレット工場、これ日本で最大の生産量であります。また上伊那クリーンセンターにおきましても、ごみ発電ということで1,880キロワットの発電をしたりという、まあそれに加えて小水力発電、土地改良区の発電所、様々なものを組み合わせて再生可能エネルギーの町として、今注目をされているわけであります。 そうした中で、それ以外ということでありますが、まあ御提案の家畜の排せつ物、それから食品の廃棄物こうしたものを活用したバイオマス発電、これについては発電システムに関わる技術の確立のほかに、安定的なエネルギーの確保、また新たな施設整備などの課題がありますので、現時点においては具体的な事業展開というのは考えてはおりません。 ただ、先ほど申し上げましたまきとかペレットについては、安定的に供給ができますので、こうしたところの増産、生産量の増というものは十分に可能性があるというふうに考えております。 今後につきましては、新たな再生可能エネルギーの分野として、今後普及する可能性があると考えるので、先ほどの家畜の排せつ物とかですねそうしたもの、これは将来に向けて先進事例の情報収集、また活用可能な資源の研究また市内におけるそうした賦存量、そうしたものの把握、これをしっかりと進めながら、具体的に発電計画をする事業者があれば、できる限りの協力をしてまいりたいと。なかなか全国的にも不安定で、また成功事例というのがしっかりあるわけじゃありませんので、そうしたところにまあ力を注ぐよりは、今安定的にもうできているもののほうの増産、そちらのほうが確実性が高いというふうに考えているのであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 市内で新しいそういった取組の推進ということを、もう一回お聞きするつもりでしたけれども、今のお話の中である程度お答えをいただきましたので、次の質問に入りたいと思いますけれど、地域にある資源の活用という点からも、まさしく恵まれた伊那市が、今後積極的に地域循環に向けた施策を展開をぜひしていってほしいなということで、こういった新しい取組も先進地域ございますので、産学官、こういうところを含めて、ぜひしっかり研究をしていただきたいな。で、温暖化対策というのは、行政単独ではもちろんできるわけではありませんし、市民の皆さんそれから産業界を巻き込んで実行の必要があるわけです。そういう皆さんの周知等をしっかり進める必要があるというふうに思います。 中小企業の取組もまだまだというふうに聞いておりまして、せんだって長野経済研究所の最近の調査によると、企業の脱炭素への取組ということなんですけれど、回答のあった356社のうち脱炭素に取り組んでいるのが45.3%だということで、まあ半数に満たない。具体的目標を設定した会社が2割に満たないというようなことです。特に中小企業では何をどんな形で進めるのかがそもそも分からないと言ったような声、これがあるようで、国や県とともに脱炭素に向けての環境整備、こういうものも欠かせないと報道もされております。 住民の皆さんや企業を巻き込んでの理解、活動推進、こういうものが求められるわけですけれど、特に我々も、先ほど炭酸ガスの27万トンとかいう話が出てくるわけですが、実際にどういうレベルのどういう話なのかというのは、なかなかこう身近に感じづらい、それから削減をこう見える化するというのがなかなかうまくできないというようなこともありますので、この見える化についてはいろいろ研究をしているところもありますので、ぜひそういったことも参考にして、例えば太陽光だと、今何キロワット発電してますよというの、こう表示が出ているわけですけれど、炭酸ガスなんかもそういうことがやれるような技術も出てきてますので、ぜひ研究をして市民の皆さんそれから事業者の皆さんもしっかり巻き込んだ上で、やっぱり進めていく必要があるなというふうに思います。 次の質問に移ります。コロナ対策をずっと市でもやってきているわけですけれども、今回の一般質問でも何回か同じような質問が出てますので、多少重複するところがあるかもしれませんが、お聞きをしておきます。特に農林業分野の今後の対策ということで、お聞きをしていきます。 コロナ第7波であると、それからまたウクライナ問題に発する不安定な政情が顕在化をしてきている、気候変動等も大きいということで、世界経済の停滞や格差拡大等の様々な社会問題も含めて、懸念をされているところです。 その影響は様々な方面に及んでおりまして、地元金融機関の調査でも今後のエネルギー価格高騰、これを懸念する企業は約4割に上っているということです。加えて資材高騰も全産業界ここに大きな影響を与えると、こういうふうに報告がされております。 急激かつ過去に例を見ない社会変化が生じていると言えると思います。市ではコロナの影響が顕在化して以来、この9月定例会での議案含め、28弾に及ぶ支援を講じてきております。農林業分野では、米の過剰在庫などから、昨年末からは水張りを要求する水田活用直接支払交付金問題も示されて、コメ政策自体も大きな転換期を迎えているわけです。今後のコロナ支援対策について、酪農・林業あたりをちょっと中心に、お聞きをしていきます。 この農政の分野というのは特に中央、国とのですねいろいろな対策、ここに影響を大きく自治体も受けるわけですけれども、生産物価格の転嫁が非常に難しい仕組みというふうになっている問題もあって、農家の窮地が続いているとこう言えると思います。コロナの影響が長期化が想定されるわけですけれども、できるところでの積極的な関与を期待してお聞きをします。 当市でも飼料対策として、コロナ対策の21弾、27弾で高騰緊急支援、これは飼料の高騰緊急支援を行っています。およそ1,650万ですね、行っているわけですけれど、飼料高止まりでしかも長期化しているということで、農家経営に大きな影響が出てきているということは前々も紹介されたとおりです。このところの高騰支援対策、これが適切適時に実行されていると考えていらっしゃるか。まあ農家とすると、支援は大変ありがたい、ただ実行が遅いというような声も耳に入ってきておりますが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 農業はコロナ禍によって外食産業等の需要減、まあそうした影響を受けたのに加えて、コロナ禍からの経済の回復基調による穀物の需要増、ロシアのウクライナ侵攻、海外への依存度が高い配合飼料、また肥料が大きく値上がりをするということで、大変な影響を受けているのが実態であります。 伊那市ではこれらの影響を受ける農家支援として、令和3年から例えば原油等の高騰に対する支援とか、これは園芸事業者に対する支援、米価の下落に対する支援事業、飼料の高騰、野菜の生産者に対する支援、様々なことを切れ目なく行ってきた予定であります。 新型コロナ対応地方創生臨時交付金こうしたものを活用しながら、また市独自のものを入れながら、さらに国がコロナ対策として実施をしました高収益作物次期作支援交付金、そうしたものの手続も市で行ってきております。制度上精いっぱいやってきたつもりであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 国・県のほうでも非常に大きな問題だということで、いろいろ緊急的な措置が講じられて、市のほうとしてもできる限りのまあ上乗せとかいうことも含めて、何回も実行してきているのは大変評価ができるなというふうに思っております。 令和2年度の6月補正では農業の収入保険料補助が早速に実施をされました。令和4年度当初でも、当初予算でも2回目の支援が実施をされてきているところです。減収補填として保険の役割は非常に大きいと思います。そんな意味でちょっと収入保険に関連してお聞きをします。 収入保険ちょっと簡単にお話をしておきますと、2019年から始まった収入保険ですけれども、保険期間が1年と、基準収入、5年間の平均ですけれども、これに対する収入の減少分の最大9割の補填がまあされるということですが、あくまで収入をこう担保するものであって、所得補償ということではありません。 今後、例えば今の米について、コロナの影響の長期化等で米の需要減退が不安視をされております。そういう中、米価中心の基準収入が下がり、補填自体が下がっていく、基準収入が下がると補填自体が当然下がっていくということも中長期的には予想されるわけですね、そういうようなことも心配をされますし、肥料高騰のようなコスト高に対しては対応していないと、こういう点も懸念材料なんですね。そういう点で、コスト高騰による所得減少をカバーできる仕組みがないというのが現況だと思います。 一方、収入保険の加入要件というのが、青色申告の経営体ということなんですが、ここはこれは全国で37万ほどあるんだそうです。この7月で、その加入は約2割ということのようです。品目ごとの農業共済というのもあったり、いわゆる牛、牛の関係なんかはマルキンなどもありますけども、様々なリスクから農業経営を守るということで収入保険への加入推進がされているところであります。ただ、手続の簡素化、保険料の引下げ、支払いの迅速化、青色じゃなくて白色、の申告農業者の加入者も認めてほしいというような課題も根強いというに聞いております。 そのような背景を承知した上でちょっとお聞きをしますけれども、長期化が予想される中、収入保険料補助は今後も継続的に実施していく予定があるでしょうか。地方創生臨時交付金の継続前提でなければ、市単独で長期に支援を続けることは難しいんじゃないかなということも思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 収入保険制度につきましては、品目の枠にとらわれず自然災害、価格低下なども含めた収入減少を補填する仕組みで、保険料と積立金にそれぞれ国庫補助がありまして、農業経営に起きうる多くのマイナス要因をカバーできる有益な制度と考えております。 伊那市でも令和2年度から収入保険加入支援として、保険料に対しての新規加入者への支援補助あるいは継続加入者の補助、令和3年度も同じように新規加入者に対しての補助、4年度も同じようにやってきております。 来年度以降の収入保険料の補助につきましては、農業者のリスク軽減を図ることができ、また大変有効でありますので、他の市町村の取組状況も見ながら、さらに詳細組立てについてはまた検討しながら、継続をしていきたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 加入促進も含めて、収入保険非常にいろいろな場面に役立てるということもありますので、加入促進を含めてぜひしっかり支援をしていただきたいなというふうに思います。 酪農家に対しては飼料高騰対策など、先ほど説明もありましたけれど緊急的に実施をされてきました。高止まりということで、国際情勢の点からも早期に安定化するという見込みはないわけですね。このような状況が長期化してきておりますけども、この長期化に対して先ほどの収入保険と同様、高騰支援・飼料用米利用拡大などの支援施策、継続的に実施をしていくのでしょうか。ただ、これが実施支援、実施が続けられるかどうか、大変不安にも思いますがいかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 畜産業につきましては、世界的に穀物価格が大幅な上昇をしている中で、配合飼料が大きな値上がりをしているなど、甚大な影響を受けているのが実態であります。 畜産業の事業継続に向けた経営支援として、飼料高騰緊急支援事業それから飼料用米購入支援事業を実施をしてきております。県も配合飼料の価格高騰緊急支援事業を令和4年6月補正で予算化をしておりまして、支援に乗り出してきたという状況であります。 今後の支援につきましては、伊那市単独の予算では規模的にも大変大きな効果を出せないために、影響がさらに長期化する場合には、国の制度化が必要という考えであります。国の動向等に注視をしながら、迅速に対応できるように準備をしていくわけでありますが、現状を国等関係機関にきちんと伝えて、有効な支援の実施、こうしたものも要望してまいりたいというに考えております。 今後も伊那市農業振興センターまたJA上伊那等関係機関と情報共有をしながら、連携をして対応していく、そうした考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 酪農においては事業者が少ないこともあります。伊那に関係する一つの組合は、40年ほど前は200ぐらいの組合員がいたけども、今は13ぐらいしかないということだそうです。お互いにワラなどの余り具合の情報交換等を個別にですねやり取りをしているというふうにも聞いております。牧草などのいわゆる飼料を全て自前で準備できるところってのは少ないと思いますし、足りない栄養価を配合飼料で賄うということになりますと、価格高騰をまともに受けるということになるわけですが、事業者がお互いに情報交換できるような広域的ネットワークづくり、こういったものを支援できないでしょうか。 今後は市としてもいわゆるソフト面での支援というかね、こういうことも強化していく時期じゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 上伊那には専門酪農、専門酪として言われております酪農組合が二つあります。市内の15の農家が加入をして、まあJA系には5つの農家、その他には、同じ5つの農家、そんなような状況でありまして、各農家の情報交換これまでどおり酪農組合、それからJAを中心として取り組んでいただいてきておりますし、これからも同じように情報交換ができるのであろうと思います。 酪農組合などから具体的な要望等があれば、伊那市としても当然連携をして検討してまいりたいというに考えております。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 今回の一般質問の中でも肥料高騰等いろいろと話題が出ておりますので、これからしっかりと対応をしていく場面が出てくるんじゃないかなというふうに思います。ただ、事業者自体が減っている酪農というのは、特に後継者問題が大きいというふうに聞いております。そもそも農業分野の中でも新規就農は初期投資が大きくてなかなか参入しにくいということで、結果的に家族経営が中心になり、子供が引き継げば残るしそうでなければ廃業すると、こういう危機が迫っている分野というふうに言えると思います。 酪農後継者育成について、どのような支援が具体化されているでしょうか。またこれは飼料高騰などは、さらに新規就農を困難にしていまして、拍車をかけていくのではないかなというふうに懸念をしておりますが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 酪農の後継者につきましては、子供が引き継ぐ場合がほとんどでありますが、伊那市では地域の酪農家が相談をし合って廃業する農家があった場合、その牛などを引き継いだり、また法人では社員として後継者を育成している事例があります。全国的には経営を一式継承するというケースもあるようであります。 今後も酪農組合またJAとも連携をしまして、国の農業次世代人材投資資金あるいは経営継承発展等支援事業、こうした制度を積極的に活用しながら後継者の育成確保に取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 酪農に限らず農政全体の課題も非常に多いわけですが、市としてできることを最大限進めていただきたいというふうに思います。 次に、林業分野についてちょっとお聞きをしておきます。 過去今まで9月を除きますと27弾に及ぶ対策が、コロナ対策として実施をされてきているわけですけれど、林業者支援はちょっと薄いんじゃないかなというふうに私は思っています。県下では林業従事者が1,500人を切っているというふうに言われてますけれど、当市はその約1割が従事をしておりまして、移住者などでは林業従事希望者も増えているというふうに聞いています。 例えば、危険木伐採必要箇所については市内各所にあると考えますが、コロナ対策第5弾で、危険木伐採による林業者支援が行われました。県ライフライン保全対策事業基準に沿っているということで、10か所程度だったわけですけれども、もっと積極的な拡大の適用を望みます。 6月議会の際にも少し触れましたけれども、地域要望に応える事業の積極的実施支援をさらに充実させていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 林業分野におけるコロナ対策、これは令和2年度には危険木の伐採事業として事業費約500万円もって、14か所を発注して経営支援を行った経過があります。また2019年と2021年を比較しまして、30%以上林業収入が減少した林業事業体、また個人に対しては緊急支援事業として補助金交付金を実施をしましたが、対象者16名あったものに対して申請が1者のみと、一人のみということでありました。 新型コロナに起因するウッドショックの影響もありまして、木材価格が高騰をし現在も高水準で止まっているということ、それから国内産材への切替えが声高に叫ばれているわけでありますが、林業の産業としての形が小さくなっておりまして、林業従事者の減少それから製材をする場所の減少、あるいは乾燥する場所の減少、そうしたマイナス要素がずっとこう続いてきたという影響下で、国内産材をこれから使いましょうといってもなかなか簡単に産業が立ち直るわけではないわけでありますので、もう少しこうしたものについては時間もかかるだろうと。 また危険木についても、長野県の制度はあるにはあるんですが非常に小さいわけでして、先日も市長会の席で、この部分についてはもっと手当を、補助金を上げるべきだというお願いをしたところであります。松枯れの伐採をする場合については、ある程度補助があるのですが、それは危険木であると対象外になってしまいますので、どうしても手が出せないと。危険なところですので、木高についても小さくて、危険だけが伴うということでありますので、こうしたことは国挙げてやっぱり制度を変えていただくということの今お願いを始めているところであります。 危険木の伐採等によるライフラインの保全対策、これはもちろん重要であります。県の森林税を財源とする事業、こうしたものも積極的に使っていくわけでありますが、それでも足りない部分が当然出てまいります。これ森林環境譲与税、この活用も検討していきたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) おっしゃるように、県の森林税は確かに支障木伐採にはちょっと少な過ぎるというふうに思いますので、この辺積極的に今度来年からどうするかというのは、今議論になってますけれど、ぜひ進めてしっかり要望していただきたいなというふうに思います。 林業成長化産業を目指す当市としては、林業離れにならないような施策も必要だというふうに思います。例えば今、支障木の話題を出しましたけれども、もう何年か計画で市内をエリア別に例えば分けて、安全面で問題と思われる支障木だとか支障枝、枝ですね、そういうものを徹底的に除去する施策などを実施をしていったらどうか。これは地域からの声を待つんじゃなくて、市の側から提案して進めていくというようなこともしっかりやっていく必要がある時期に来てるんじゃないかなと。支障木というのは枝を払ってもまた10年、15年後にまた伸びてきますので、やはりこういうものは継続的にコンスタントにやっていかなきゃいけないというふうなことを思います。で、いずれにしても影響が長期にわたりますので、そういう意味で長期の事業継続の視点ということでの支援も必要になります。先ほどウッドショックの話題が出ましたけれども、製材あるいは乾燥の設備機材の支援、また就業支援こういったようなことをさらに中長期的に強化をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) そのとおりだと思います。私どもの地域には、550平方キロという大変広い森林がありますので、こうしたものを活用した新しい地方の姿というのを、これからしっかりと描き出すべきだと、その中には皆伐また再造林、それから昨日も出ましたけれども、一昨日ですか林福連携というような取組、また果樹とか自宅の庭辺りの選定枝、また木を切った後の枝また端ころ、こうしたものを使った小規模なチップ発電とか、もう森林にはあらゆる可能性がありますので、そうしたことをこの伊那市でモデルとしてしっかりとこう取り組みながら、林業を産業として、しかもこの地域を支える大事な産業として大きくしていくということで、今担当のほうとも取組についての打ち合わせをしながら、できるところは既に始めているという状況であります。 長野県でも林業へ就業するために、長野県林業大学校において研修を受ける者に対しての給付金というのがありますが、長野県の林業大学校どうしても出ると公務員のほうに流れてしまうと、林業の現場になかなか出て来ないというのが今までの姿でありましたので、そうしたことがこう林業大学校が地域の林業を支えるそうしたスキルを持った学生を育ててもらえるような、そうしたことも今私どもは期待といいますか、要望しているところであります。 さらに、林業というのは非常に危険な産業だということが言われているんですが、まあ建設業に比べてはるかに高い労災の発生率と、それをいかになくしていくのか、そのためにも高性能機械の導入とか、それによって機械化をしていく、また遠隔集材機を導入をしながら、林道の開設それからチェーンソーによる伐採ではなくて別な方法、様々なそうした安全対策というのも、これからやっていかないと産業としてはいつまでも従事者が少ないままの産業になってしまいますので、そうしたことも進めながら、またこの地域には民間の林業事業体もありますが、もう一つは上伊那森林組合があります。そのほかに小規模な林業事業体もありまして、その小規模な事業体の方がだんだん増えておりますので、そうした皆さんとも安全面それから収益面、収入面そうしたところも含めて一緒に考えながら、またこの地域から国のほうにも要望事項たくさん今出しておりますので、こうした地方から変えていく産業の一つとしての林業、こうしたことをしっかりとまた発信をしてまいりたいという考えであります。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 長期的な取組が必要になるわけで、今後どのようにこういろいろ変化をしてくるか、非常に不安あるいは不明なところもあるわけですけれど、ただ延々とこう支援だけを続けていくというのはこれはなかなか難しいし、国の交付金に頼る支援だけというわけにもいきません。その事業がそもそも存続できるような、先ほどのまあソフト面も含めた施策の再構築を、やはりここでいろいろ考えていかなきゃいけない、もちろん農林業ばかりではないんですけれど、今は緊急支援必要だと、一方で新しい価値観、新しい段階の基準として切替えが必要なときを迎えているというふうに思います。 さっき話題に出したバイオマスの中で、それから畜産とかの中では、話題にも出ました堆肥の還元ですとか、今市長もおっしゃった林業の中でも先端技術を利用しての省力化等、こういうことを含めて一層そういうことを調整をしていくことが業界の未来を開いていくというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 最後に、マレットゴルフ場の管理についてちょっとお聞きをしておきます。 市内各地にマレットゴルフ場が点在をしておりまして、その設置目的また経緯といろいろあるんですが、この管理についてお聞きしておきます。 程度の差こそあれ、地域交流の場であったり、里山や河川敷が利用されているという点でも非常にこういいスポーツだなと、また手軽にできる。福井県発祥らしいんですけど、長野県はどうも大勢のプレーヤーがいるそうです。市内でも愛好家が非常に多いというふうに聞いております。手軽にできて、またお年寄りでも若い人でも、男の人でも女の人でもさほどハンディを感じずに、まあゴルフ感覚でできるということで、このメリットあるいは過去のそういった蓄積も非常に大きいというふうに思っております。 現在も盛んに利用されているところがある一方で、場所によってはそのまま管理もされずに放置状態になっているというようなところもあります。そこで市営施設として振興公社が委託管理をされているものがある一方、何らかの施設の附属施設として設置をされているものもあるし、過去、地区で独自に設置したものもあるというふうに聞いておりますけれど、使用頻度も大きく異なっていると考えられるわけですが、市はどこまでこの辺を把握しているのでしょうか。また所管はどうなっているんでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 宮下文化スポーツ部長。 ◎文化スポーツ部長(宮下宗親君) 市内にあるマレットゴルフ場でございますけども、市が所管し管理する施設が3か所、また各地域が設置し維持管理をしている施設が31か所ございまして、全体で34か所のマレットゴルフ場があるということを把握をしております。このうち議員がおっしゃるとおり、地域のマレットゴルフ場には利用者の減少等によりまして、ほぼ利用されていない施設であるとか、閉鎖をしてしまったといった施設も含まれております。 現在、市で管理している施設はスポーツ課所管のマレットパークはびろと花の丘マレットゴルフ場、また都市整備課のほうで所管をしております榛原河川公園内にありますマレットゴルフ場の施設、この三つでありますけれど、ほかのほとんどのマレットゴルフ場は地域が設置した施設として、それぞれの地域で維持管理をしていただいてるということを承知しております。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) そうなんですよね、地域にある施設というのはみんな今んとこいい意味でボランティアで管理をしてくれてる、それの努力に大変敬意を表するものなんですけれど、ただ地区にある施設もいろいろなところにありまして、神社の境内だとか、林の中、まあ里山のとこであったり、また河川敷であったりいろいろあるわけです。特に心配ごとがあるんですけれど、また木の話じゃいけないんですが、神社とか林の中の木がね、結構大きいところがありまして、枯れ枝が落下をしたり、そもそも大木が、枯れてしまって倒れそうだというような話もあるところがあります。で、そういう危険が出ているんですが、既に役割を終えているのではないかと思われる場所については、この際、地元と協調して、その必要性の検討、特に今お話ししたような木の管理、こういったようなものもそろそろ実態を把握して、存続管理の検討をする時期じゃないかなというふうに思っています。もちろん一層の利用促進策を講ずることも、選択としてはあるわけですけれど、まあいろいろスポーツの趣向変化というのもありますので、利用について考える時期に来ていると思いますがいかがでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 宮下部長。 ◎文化スポーツ部長(宮下宗親君) 各地域が設置をいたしましたマレットゴルフ場の必要性それから管理方法等につきましては、各地域の実情に合わせて、それぞれの地域で御検討いただいているものと承知をしております。 今後、マレットゴルフ場を含めて周辺の改修などを行う場合につきましては、伊那市の体育施設設置補助金が活用できるというふうに思いますので、随時担当課へ御相談をしていただきたいというふうに思います。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) じゃあスポーツ課のほうに相談をすればいいということですか。 ○議長(白鳥敏明君) 宮下部長。 ◎文化スポーツ部長(宮下宗親君) スポーツ課のほうへ御相談をいただければと思います。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 分かりました。存続管理、この後の存続についての検討というのはされないんでしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 宮下部長。 ◎文化スポーツ部長(宮下宗親君) 地区が設置をしたマレットゴルフ場につきましては、マレットゴルフ場があるということは承知をしておりますが、その維持管理それから設置の経緯、必要性等につきましては市のほうではもともと設置の段階から関知をしておりませんので、万が一廃止をするという場合につきましては、地区のほうでお考えいただくという形になろうかと思います。
    ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 私は、その実態の調査もしてほしいなと思っているんですけれど、この辺は市のほうは今のところやるつもりはないという理解でしょうか。 ○議長(白鳥敏明君) 宮下部長。 ◎文化スポーツ部長(宮下宗親君) 今のところ考えてはおりませんけれども、実際には例えば何人使っているかというのが、事実上分からない施設もたくさんございますので、実態をそれぞれの設置をした地域の皆さんにお聞きをすることは可能でありますので、そういったことをお聞きをして、もし廃止がしたいということであれば、またスポーツ課のほうへ御相談をいただければというふうに思います。 ○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。 ◆15番(宮原英幸君) 地域のスポーツ振興だとか交流の場として非常に貴重な意義のあったところが多いんですが、まあ管理をする人たちも高齢化をしていたり、その利用者の減少とかいうことで、スポーツの趣向も変わってきているということで、ぜひ利用者に危険が及ばないように、市も介在をして早めの実態調査、また今後の検討をしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、宮原英幸議員の質問が終了しました 以上で通告者の質問が終了いたしました。 引き続き関連質問を行います。なお質問に当たりましては、簡潔明瞭に、また真に関連のある事項に限りますので、その点に留意して質問願います。 それでは、関連質問のある方の発言を許します。 13番、原一馬議員。 ◆13番(原一馬君) 13番、原です。先ほどの宮原議員の一般質問、自然エネルギー施策について質問、関連質問をさせていただきます。 本議会でも市長から答弁やまた通常の発言でも、その木質バイオマスや水力発電などのそのエネルギー関連、エネルギーの地産、そういった話あるいは脱炭素社会構築への取組ということで、伊那市の市政というのは十分承知をしているつもりでおります。この特に地産のエネルギーについて質問を、関連質問をさせていただきます。 今年に入ってそのウクライナの戦争なんかで、国際情勢の変化が大きくこの私たちの生活に影響するなと、地方自治体の経営にも少なからず影響があるなということを感じておりますけれども、この地産のエネルギーが、直接その公共施設とかそういったものに利用できると、そういったところの痛みを少しでも緩和できるんじゃないかというようなことを考えるわけです。 4年前に、昨今コロナで行政視察にあまり出られていませんけれど、4年前に、岩手県の紫波町や徳島県の神山町なんかに視察に行って、そこでは、これは経済建設委員会や平成クラブの行政視察ですけれども、間伐材とか廃材をこうボイラーに集めて、もう町の一区画を暖房を行き渡らせるとか、あるいはボイラーを利用して様々な公共施設のいろいろに活用をしていると、そういったところを見て、国際情勢が大きく変化したものが、直接その自治体経営なんかに影響を随分緩和できるんじゃないかというようなことを思ったわけですけれど。 そこで、今伊那市が進めるこの目指す地産地消のこのエネルギー、その将来的なそのどんなことが可能か、今言ったような関連ですけれどもね、直接地産のエネルギーを公共施設などに使って、国際情勢の変化なんかからまあ影響を少しでも緩和するとかそういったところ、可能性とそういった思いがあれば、答弁をお願いします。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 電気を起こして自分で使うという、小規模であればですが、電気については電気事業法がありますので、やはり本当に僅かなものであれば別にしても、なかなか簡単ではないと思います。 今、議員おっしゃったその地域で完結型の熱供給、これは北欧ではもう当たり前にやっていることでありますので、間伐材の端材またいろいろなものを材をチップ化して、それをボイラーを回して地域の熱源として利用するということは、十分可能だと思います。 北海道ではもう既に始まっておりますし、日本各地でもそうした取組をしておりますので、森林をしっかり有する伊那市にとってみると、そうした20戸あるいは30戸ぐらいの集落であれば、熱源を共同で使うということは、十分可能と思います。 ○議長(白鳥敏明君) ほかにございますか。 14番、三澤俊明議員。 ◆14番(三澤俊明君) 14番、三澤俊明です。私は伊藤議員の20代に女性に選ばれる伊那市を目指してについて、関連質問いたします。 上伊那広域連合の調査でも、文系女子の就職先がないよ、なぜかというと上伊那は伊那市を含めて製造業が多いからといった結果でしたが、では果たして製造業が、文系女子がやる仕事がないかというとそうでもなくて、市長がおっしゃったように例えば生産管理の仕事からSDGs、BCP、ISO、CSR活動だとか5S・無駄取り改善休止、これ文系女子でも全部できる仕事なんですよね。しかしながら多くの中小製造業っていうのが、人手不足だからとかあとはこれらが生産性がないという理由で、今言ったようなことをこれ仕事とみなしてないんですよね。片手間で済めばいいと。現状どうしているかっていうと、現場のスタッフがラインを止めてまでこういったことに取り組んでいる、その結果どうなるかというと、逆に大きなロスが生じているんですよ。ですから、ここはこういった仕事を女性に任せてしまえば、雇用も生まれるしロスもなくなると、そのように私は考えます。 そこで、伊那市のじゃあ製造業を実際実態はどうなんだということを、例えば商工振興課あたりで調査をして、文系女子でもできることがあるかといった、そういったことを調査してそれを基に研究して、その今後の雇用拡大に近づけていけばいいなと、私はそのように考えますが、市長の見解を聞かせてください。 ○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 文系女子の職場の話については、その文系女子が何をするのかという話じゃなくて、やっぱりこうその方にあった仕事というのは、多少理系が勝っていてもできるものだと思っています。こちらに帰ってきても、そうした職場がないということが、はなからそうしたレッテルを自ら貼っているので、伊那に帰ってきても仕事がないという、そうした結論に至っているんだと思います。 やはり私たちは企業の皆さんとも一緒になって、職場がこれだけいろいろな職種があって職場がありますよという情報発信を、もっと丁寧にやっていくべきであろうと思います。私は文系だったんですけども、実際の仕事はほとんど理系の仕事をやってきています。だから、最初からもう文系だから文系の仕事、理系は理系というのじゃなくて、その人に合ったものであれば何でもできると思いますので、ともかくそういう仕事がない、職場がないのではなくて、もっと職場がいっぱいあるということを知ってもらう、その情報発信をすべきだと思っております。 ○議長(白鳥敏明君) 以上をもって、関連質問を終結いたします。 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。 △散会 午後2時29分 地方自治法第123条第2項の規定により署名をする。       伊那市議会議長       伊那市議会議員       伊那市議会議員...