令和 3年 9月 定例会(第3回) 令和3年飯田市議会第3回
定例会会議録 (第3号)
----------------------------------- 令和3年9月15日(水曜日)10時00分
-----------------------------------日程 第1
会議成立宣言 第2
会議録署名議員指名 第3 一般質問 (1)小平 彰 (2)木下徳康 (3)新井信一郎 (4)佐々木博子 (5)関島百合 第4 議案審議 追加議案(2件)
委員会付託議案 議案第93号から議案第94号まで 説明、質疑及び
委員会付託散会-----------------------------------出席議員 23名 (別表のとおり
)-----------------------------------欠席議員 なし (別表のとおり
)-----------------------------------事務局出席者 (別表のとおり
)-----------------------------------説明のため出席した者 (別表のとおり) 10時00分
開議-----------------------------------
△日程第1
会議成立宣言
○議長(井坪隆君) おはようございます。 現在の出席議員は23名でございます。 よって、本日の会議は成立いたしております。 これより本日の会議を開きます。
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△日程第2
会議録署名議員指名
○議長(井坪隆君)
会議録署名議員として、新井信一郎君、清水勇君を指名いたします。 次に進みます。 ここで、執行機関側が発言の訂正の申出がございましたので、これを認めます。
宮内市立病院事務局長。
◎
市立病院事務局長兼経営企画部長(宮内稔君) 昨日の清水勇議員の一般質問に対する堀米院長の答弁に関して訂正をお願いいたします。 PCR検査のCT値に関する資料説明の際、8月の平均値を21.5と申し上げましたが、正しくは21.25でした。おわびして訂正いたします。
○議長(井坪隆君) ただいまの
市立病院事務局長からの申出につきまして、
飯田市議会会議規則第65条の規定により、発言の訂正を許可いたします。
-----------------------------------
△日程第3 一般質問
○議長(井坪隆君) それでは、昨日に続き一般質問を行います。 一般質問は、それぞれ通告の時間以内で行っていただきます。質問、答弁とも簡潔・明瞭に願い、会議の進行に御協力くださるようお願いいたします。 なお、発言時間において、残り時間1分での質問は配慮していただくよう、議員の皆様にお願いいたします。 今定例会には、
新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、
議会運営委員会において、一般質問における議場に入場できる人数を制限し、分散により実施することを決定いたしております。 なお、執行機関側におきましても、議場への入場者数の削減に御協力を願うことで御理解をいただいております。 ここで、議場への入場者の調整のため、暫時休憩といたします。 10時03分
休憩----------------------------------- 10時04分 再開
○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、通告順に発言を認めます。 小平彰君。
△小平彰
◆1番(小平彰君) 改めまして、おはようございます。新政いいだ、小平彰です。よろしくお願いいたします。 コロナ禍及び
ポストコロナの
スポーツ振興について質問させていただきます。 コロナ禍で東京2020
オリンピック・
パラリンピック大会が開催されましたが、無観客の中で選手が精いっぱい挑戦し、その姿を見させていただき、スポーツのすばらしさを改めて感じさせていただきました。
新型コロナ感染症予防のため外出を控える方が増加した結果、運動不足やストレスから、心身に悪影響を来す問題が生じてきています。 スポーツ庁によると、新しい生活様式を実践し、中・長期にわたり感染症対策と向き合う中で、運動不足から身体的及び精神的な健康を脅かす第2次被害も懸念されるとのことです。 子供の場合、運動は健康的な成長、発達、体力の向上、将来にわたっての
疾病リスク低下、
基本的動作スキルや社会性の習得等、利点があり、大切な成長期に適度な運動、スポーツをしないと心身の健康に悪影響を及ぼすとも言われています。中・高年齢者については、生活習慣病の発病、体力、生活機能の低下を来すリスクが高まります。適度な運動、スポーツを行うことによって、フレイル、ロコモ、移動障害、健康障害を予防、認知症のリスクを避ける効果があると言われています。 健康な高齢者が2週間家の中であまり動き回らないようにすると、足の筋肉量が3.7%減少したという報告もあります。約3.7年分の老化に相当するそうです。運動、スポーツは元気で長寿につながります。 それでは、通告に従いまして伺ってまいります。 (1)コロナ禍における市民の
スポーツ活動の推進について。 ①飯田市
スポーツ推進計画について、1次計画で子供の体力・運動能力及び成人の日常的な
スポーツ習慣の数字を指数や目標値にして政策の進捗を確認してきたと思います。昨日の2番バッターの山崎議員の質問にもございましたが、答弁いただきましたが、改めましてお聞きいたします。 数値の結果はどのような状態だったのでしょうか。
○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) まず、子供の体力、運動能力について触れさせていただきたいと思います。 飯田市では、児童・生徒が、運動が好き、やや好きと答えた割合は全国より高い傾向にあります。このことは、しっかりと子供たちの気持ちを大切にしていきたいと思っています。 そして、第1次
スポーツ推進計画では、児童・生徒の体力・
運動能力調査の総合評価、これは5段階があるんですけれども、5段階の上位2つ、A、Bの割合を全国値以上にするという目標を立てています。令和元年度は38.5%となり、平成27年度より上昇しました。しかし、全国値とは5.3ポイントの差があります。 こうした実態を踏まえて、各学校における
体力向上プランによる一校一運動、また登下校時になるべく歩くことを呼びかける学校の取組の推進、さらには
コーディネーショントレーニングなど、様々なスポーツに触れる機会の充実に取り組んでいるところです。 一方、日常的なスポーツの習慣の定着に関してですが、市民意識の調査では、週に1回以上スポーツに親しむ人の割合を45%以上にするという目標に対して、令和元年度は48.2%と目標を達成しています。平成27年度より9.4ポイント上昇したことになります。 一方、4割の市民はスポーツを行う機会がなく、仕事や家事の多忙が一番の理由となっています。誰でも気軽に楽しめる
ウオーキングや
ニュースポーツの普及、市民が参加できるイベントのほか、障害を持っている方々もできる、そういったスポーツを楽しむ機会の創出に取り組んでいきたいと考えております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) 飯田市の子供たちがスポーツが好きか嫌いかという結果を見て、高評価というところで、スポーツを推進していくためにはいい土台がある、いいベースになっていると思います。子供たちがスポーツに出会い、スポーツを好きになってもらいたい、
基礎体力向上のために努めていただきたいと思います。 また、成人の日常的な
スポーツ習慣は、複合的な要素もあると思います。ワーク・ライフ・バランス、働き方改革、民間の
スポーツクラブの地域差による件数にも影響すると思います。 先ほどおっしゃった
ウオーキング、非常にいいですね。簡単にでき、出会う人たちとの
コミュニケーションも取れるということで、大変よいと思います。各地に
ウオーキングコースマップ、こんなものがあればいいのかなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。 また、障害者の方も一緒に楽しめるスポーツ、これも必要だと思います。健常者も応援する、一緒にやる、こういう
コミュニケーションが非常に必要だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 次に、
全市型競技別スポーツスクールの状況はですが、飯田市と
スポーツ協会と共に立ち上げが始まっているわけですが、概要の説明をよろしくお願いいたします。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 飯田市が始めた
全市型競技別スポーツスクールは、3年前より飯田市
スポーツ協会と協働して取組を進めております。令和元年度は試行的に実施し、1月の1か月間、8種目、そこに603名の生徒が参加をしました。昨年度、本格的な実施となった令和2年度ですが、13種目、1,380人の中学生が参加をしています。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 種目数も増えているというところで、部活動がオフのときにも、もっと練習してみたいという人や初めてチャレンジしたい、運動してみたい、そんな人たちが入るわけですが、レベルが非常に違うというところもあるかと思います。それぞれに選択した
スポーツスクール内での教え方の対応はできているのでしょうか。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 令和2年度、1,380人が参加したと、この内訳を調べてみました。そうすると、参加者の82%は、所属する部活動と同じ種目に参加をしています。つまり、
バスケットボール部の子供たちは
バスケットスクールに参加をしているという状況です。 一方、残りの15%は、所属する部活動とは違う種目に参加しています。さらに3%は、文化部や部活動を行っていない、つまりスポーツをふだんしていない生徒という状況が分かりました。当然、私たちとしては、18%の子供たちもしっかり育んでいきたいわけですが、どうしても長期にわたると技術差、スキルの違いが出てくるので、指導方法にも問題や課題が出てくるということが明らかになってきました。そういった課題を鑑みて、今年度より、いわゆる同じ種目で同じスクールに行く、つまりもっとうまくなりたいと願う競技力向上のスクール、もう一方で、新しいスポーツに挑戦してみたい、体を楽しく動かしてみたい、こういったいわゆる所属する部活動とは違う部活動、ふだん運動していない子供たちを対象にした
体験型スクール、この2つのスクールの2本立てで始めています。 実際に7月に開始したわけですけれども、
アーチェリーや空手のほか、学校に出張するようなスクールも行い、19名の生徒が参加している、そんな実績です。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございます。
体験型スクール、7月の結果はどのような状態だったんでしょうか。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 7月からその2つのコースの中で、特に
体験型スクールを行ったわけですけれども、繰り返しになって恐縮ですけれども、
アーチェリー、空手など体験型のスクールに19名の参加者がいたという状況です。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 市民からも楽しい、新しい、やったことがない、そんなスポーツもあり、興味がありよかったと聞いています。 今後の
全市型競技別スポーツスクールの見通しをお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 現在、コロナ感染のレベルが高い状況にあり、社会体育と連動しながら、今中止となっているところであります。ただ、このコロナ感染のレベルが下がり、他校との交流ができる状況になったら、しっかりと始めていきたいと、そんなふうに思っています。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) スキル、興味、こんなものをどんどん上げていただいて、子供たちがスポーツ、冒頭に言いましたが、大切だというところがあると思いますので、また大きな変換期を迎えております。引き続き注視させていただきますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、③市内の
スポーツ施設の状況についてお聞きしたいと思います。 まず、コロナ禍での利用状況について、
新型コロナウイルスが2020年1月中旬に日本国内で初めて検知され、急速に広まり、飯田市でも感染症が報告されました。そして、未曽有の中、生活が変わり、運動、スポーツも抑制されたと思います。 そこで、飯田市の利用できる
社会体育施設で、コロナ前、前年、昨年ですね、屋内、屋外の利用状況が分かれば、教えていただきたいと思います。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) コロナ禍におけます
社会体育施設の利用状況について御質問いただきました。
社会体育施設の利用状況につきましては、令和元年度、コロナ禍前でございますけれども約40万人ございましたけれども、コロナ禍の令和2年度につきましては約27万人ということで、対比しますと68%減少しております。また、屋外、屋内の施設の別ですけれども、運動場、
テニスコート等の屋外施設につきましては、前年度対比62%、体育館、柔道場等の屋内施設につきましては、前年度対比75%という状況になっております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) 分かりました。 屋内のほうが大きく減ったということですね。運動会等の大きなイベントが減ったのでしょうかね。
コミュニケーション不足というところも非常に懸念されます。 続きまして、
新型コロナウイルス感染予防対策についてお伺いしたいと思います。 コロナ禍での感染レベルの基準等により利用できる場合、安心して利用者が使えるように
アルコール等の設置の有無、また利用者にはどのような利用方法をお願いしているかお聞きしたいと思います。
○議長(井坪隆君)
松下教育委参員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 屋内施設につきましては、検温機器、また
アルコール消毒液の設置、定期的な換気やドアノブ等の消毒等を行っています。 また、これは屋外、屋内問わずですけれども、
社会体育施設を御利用いただく皆様方には、感染予防のチェック項目とお願い事項を記載した
チェックシートをお渡ししておりまして、これによりマスクの着用、利用者の把握、体調管理の徹底、施設内での飲食の制限、観客の皆様を含めての大声を出さない対応、こういったことをお願いしております。また、特に夏季期間については、熱中症対策もございますので、これも併せて周知をさせていただいております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 しっかりやっていただいているようで、引き続きよろしくお願いいたします。 続きまして、ウのトイレの洋式化計画はという質問をさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症予防とは直接は関係ありませんが、市の5か年計画にも出ています。本年度の計画内容を教えていただきたい。また、併せて洗面所の蛇口の感染も見受けられるということがございます。これは考え方で結構なんですが、感染予防のため
人感センサー蛇口、また人が多数触れる照明のスイッチ、これも人感照明に変えるとか、そんなことも踏まえた計画があるかお聞きしたいと思います。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) まず、トイレの洋式化につきましては、昨年度策定いたしました飯田市教育委員会の
施設等総合管理計画に位置づけておりまして、男女別の区画に最低1か所の設置を行うこととしております。 今年度につきましては、飯田市武道館、総合運動場、切石体育館、
松尾天竜グラウンドの整備を終えておりまして、48施設のうち、現在のところ22施設が整備済みとなっておりまして、洋式化の進捗率とすると45.8%という状況になっております。 また、人感式の蛇口や照明の設置について御質問いただきましたけれども、まだまだ県営施設の一部での設置にとどまっておりますので、これにつきましては洋式化と併せて、今後検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 それでは、いろいろな対策、これから
アフターコロナに向けて必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、
④スポーツ指導者の育成はどのように行っていくのかというところで、飯田市における様々な
スポーツ活動に対して指導者が必要だと思います。技術的なものもそうですが、楽しみながら、また規律や社会性も養える指導が不可欠な時代だと思います。 そこで、研修や資格取得への取組はどのように行われているかお聞きしたいと思います。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 議員に御指摘いただいたスポーツにおける指導者の育成、これは大変重要なことだと教育委員会も認識をしております。 その一つとして、飯田市
スポーツ協会が資格取得を支援する制度を設けています。
日本スポーツ協会の
公認スポーツ指導員資格を取得するために必要な受講料や登録料の費用が支援対象となっています。 また、教育委員会が委嘱する
スポーツ推進委員会においては、救命講習会、障害者がより身近で運動やスポーツができる環境整備を支援する団体の
サポートスタッフ講習会などに参加し、市民の
スポーツ推進のための指導、助言が行えるように取り組んでいます。 その中で、指導者は多様なスポーツに対応したスキルが今求められており、今月連携協定を締結した筑波大学の
アスレチックデパートメントの専門的な知見に基づく助言を受けながら取り組んでいきたいと考えております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君)
スポーツ指導員、非常に大切だと思います。皆さんに声をかけてやっていただく方、そういうのも必要だと思いますので、お願いいたします。 筑波大学の
アスレチックデパートメントについて詳しくお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 今、
スポーツ科学というのは日進月歩で大きく前進をしています。それに併せてスポーツに対する思考、考え方も大きく変化をしております。 ところが、
スポーツ現場では指導者の指導スキルや考え方、こういったものがなかなか変わっていかないという課題もあるのが現状です。こうした課題意識をこの筑波大学の
アスレチックデパートメントは持っており、アメリカの
大学スポーツ局の研究を経て、2018年4月に設立した組織であり、スポーツの健全化、スポーツの価値の最大化をビジョンに掲げています。 飯田市とは、こういった最先端の知見を提供していただきながら、指導者へのアドバイスを含めた具体的な助言をいただきたいと考えております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 社会的にも
プロスポーツのほうでもありますが、鬼コーチをつくらないようによろしくお願いいたします。 また、せっかく日本一、世界一になった選手も後でコーチを告訴したということもありますんで、本当に教育と資格取得をして、いろいろやるということが必要だと思いますので、今後ともお願いいたします。 また、取得後のお金のほうもかかるということも聞いておりますので、このほうも御検討ください。よろしくお願いいたします。 続きまして、市民のスポーツの要望についてお聞きいたします。 ア、市民がスポーツをしたいときのガイドということをお聞きしたいと思います。 今回の
オリンピックで新種目の
スケートボードがあり、飯田にはそのようなものはないと思っていたんですが、
室内スケボーパークがありました。また、
スポーツクライミングも飯田市にありました。飯田市の
スポーツ文化の中に民間の施設を取り入れて、市民の皆さんがいろんなスポーツにチャレンジできるということがいいと思います。市民の皆様からもいろいろ要望をいただきます。場所が確保できないという問題もいただきますが、何かスポーツをしたいときにガイド的な部署はございますでしょうか。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 市民の皆様がスポーツをされたいときのガイド的な案内部署でありますけれども、これについては教育委員会の生涯学習・スポーツ課がこの窓口として対応しております。市民の皆様から多様なお問合せがあった場合には、この生涯学習・スポーツ課のほうで、
公益財団法人飯田市
スポーツ協会、あるいは
スポーツ少年団、
社会教育関係団体に確認をさせていただくなどして御案内をしております。 また、担当職員のほうでは、広く情報収集を行って対応ができるような取組をしてございます。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 民間の情報も含め発信できるということでございます。スポーツを、運動を行うだけでなくて、スポーツの関係の展示を見て楽しむ拠点というかプラザ、会館、そんなこともあると市民がスポーツをやってみようというきっかけになるのではないかと思いますので、御検討のほうよろしくお願いいたします。 続きまして、
南信州広域連合で検討を進めていますアリーナの検討状況をお聞きいたします。 令和3年3月の定例会の熊谷議員の一般質問で、平成29年に2万5,000人による署名の下、要望書提出、30年の候補地、また同年のコンサルタントの基礎調査を受け、課題や今後の方向性の協議、そして31年の2月にリニア時代に向けた新施設の整備に向ける基本的な考え方の案が示されたが、状況が見えてこないと質問され、市長は令和3年度、本年ですね、議論を再開したいと答弁なされました。熊谷議員のおはこを取るわけではございませんが、市長の50の構想の中にも
南信州広域連合の
アリーナ設備構想については、優先順位、財政計画等、また住民の皆さんと徹底的に議論をしながら検討していくと言われております。非常に市民も気になっているところでございます。本年度に入り、どのような状況になっているのかお聞きしたいと思います。
○議長(井坪隆君) 塚平
総合政策部長。
◎
総合政策部長兼
IIDAブランド推進課長(塚平賢志君)
南信州広域連合のアリーナの検討状況ということでございます。 今、議員からいろいろ御発言ございましたので、過去のことはそのとおりでございまして、前回のときにも申し上げましたが、広域連合で令和2年度に、アリーナ単体ではなくて、リニア駅周辺の施設と連携して実施します
地域振興ビジョンの策定を進めることとしておりましたが、
コロナウイルスの急速な進展ですとか、夏の豪雨災害への対応を優先したということで、これは令和3年度になったというところでございます。 令和3年度になりまして、広域連合のほうでは、現在、各ブロックに分かれまして
リニアビジョンの策定を進めております。これは飯田市も参画をしております。議員御指摘のとおり、市長の発言がありましたが、飯田市としましては、このビジョンの策定には積極的に関わっておりまして、アリーナの複合施設を含む地域の将来像の策定をリードしてまいりたいということで進めているところでございます。以上です。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。楽しみにしております。
新型コロナウイルスにより新しい生活様式を迎え、
アリーナ構想も大きく変わると思います。地元の人がスポーツができるアリーナなのか、観戦するアリーナなのかと、リニア時代を迎え、今まで遠路で苦慮していたアリーナやドームに行くことが早くなります。維持管理も含めると大きな施設の必要性もないのかと思うこともあります。ホールクラスなのか、アリーナクラスなのか、南信州広域での検討とともに飯田市のスタンスを至急始めるようぜひよろしくお願いいたします。 また、飯田市の
スポーツ施設が貧弱という言葉で市長もおっしゃっていますが、まさしくそのとおりだと思います。全体像を計画して、それぞれの施設を検討していかなければならないと思います。その中で、グラウンドの芝生化とテニスコートの照明の検討についてということをお聞きします。 まず、芝生グラウンドですが、野球やサッカー、ラグビー、大きなスポーツ大会でも予選会場は土のグラウンドで行われて、決勝は芝生が生えそろった競技場で行われることもあります。芝のグラウンドで練習をしていないと、走り方、止まり方、ボールの弾み方、またボールが若干浮くので、蹴り方も変わります。また土等の硬いグラウンドは膝を痛めるとも聞きました。天然芝生や人口芝、ハイブリッド芝などのグラウンドは、土や砂が飛び散らない、地表温度を抑え、ヒートアラウンドの減少、温暖化の抑制、転んでもけがの軽減、そして景観の向上による癒やしもあると思います。 昨年の第4回定例会で原議員の代表質問で、佐藤市長が飯田市だけで芝生グラウンドを造るということではなく、この地域全体に芝生グラウンドがあるという環境をつくっていく必要があり、今後、関係町村に相談をさせていただきたいと考えておりますと答弁をされて、市民は非常に期待しております。コロナ禍で進捗も厳しいと思いますが、進捗状況をお願いいたします。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) グラウンドの芝生化につきましては、飯田市の教育委員会施設等の総合管理計画にも位置づけをして、飯田市
スポーツ協会をはじめとする各種団体と連携をして、整備に向けた検討を進めるという位置づけをしております。 これまでスポーツ議員連盟の皆さんとも視察等したりしてきておりますけれども、こういった施設の視察、また天然芝と人工芝の選定がございますので、それぞれの整備費、維持管理経費、また後処理を含めた環境配慮等についての情報収集を進めてきております。 今後、飯田市
スポーツ協会や主たる利用を行う競技団体、また広域的な視点も持ちながら、どのような競技種目に対応して、どのような用途に即した整備をしていくのかというところの検討をさらに進めていきたいというふうに思います。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございます。 進んでいるということを理解いたしました。いろんな新しい商品もありますので、検討していただいて進めていただきたいと思います。 続きまして、テニスコートの照明、夜間照明ですね。これも
スポーツ協会からの要望が上がり、整備計画を進めていきたいとお聞きしていますし、議論もされています。状況をお聞かせください。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) テニスコートの照明につきましては、これも飯田市教育委員会
施設等総合管理計画において令和3年から7年の期間中に整備をしたいということで位置づけをしております。 現在、飯田市
スポーツ協会を通じて競技団体の意向を確認して、今のところ2つの施設を候補にしまして、いずれかの施設に整備をすべく、整備方法や整備費の検討を進めておるところでございます。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございます。 進んでいるということで安心いたしました。いろんな施設が老朽化しております。いろいろ手をつけなければならんと思いますが、よろしくお願いいたします。 締めくくりといたしまして、
ポストコロナを踏まえ、スポーツの在り方をどう考えるかというところをお伺いしたいと思います。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君)
ポストコロナを踏まえたスポーツの在り方という御質問ですけれども、まず今のこのコロナ禍の中で、学校においても体育や
スポーツ活動が制限され、子供たちの体力低下も懸念されているところです。 また、飯田市の主催するやまびこマーチ、風越登山マラソンも昨年度中止となり、今年度、1コースでありますが、やまびこマーチが開催し、参加者からは、2年ぶりの開催を本当に楽しみにしていましたという声が多数寄せられました。改めてスポーツコミュニティー、生涯スポーツを含めたスポーツの力というものを感じているところです。 先ほど
全市型競技別スポーツスクールの話に触れましたけれども、それぞれの団体が力を合わせる、
ポストコロナに向けて力を合わせるということが必要ではないかというふうに思っています。この競技別
スポーツスクールをつくり上げるに当たっては、市の校長会や
スポーツ協会の各競技団体が力を合わせています。様々な課題もありますけれども、試行錯誤している段階であり、着実に前進していると思っています。 また、スポーツの文化をしっかりと醸成するということで、スポーツをすることだけにとらわれずに、見ることを楽しんだり、支えることにも関わっていくことが大切な要素だと思っています。こうした
スポーツ文化を醸成することで、人生100年と言われている時代です。生涯スポーツの推進、コミュニティスポーツの推進を図りながら、飯田市
スポーツ推進計画の基本理念である「人と地域が輝く社会(まち)」の実現を目指していきたいと考えております。
○議長(井坪隆君) 小平彰君。
◆1番(小平彰君) ありがとうございました。 コロナ前の状況からコロナ禍、そして
ポストコロナに向けての状況をお聞きしました。コロナ禍で審議や計画進捗も進めにくいわけですが、できる方法を考え、すぐやる、このことが
ポストコロナでいち早く立て直せる行政になると思います。新しいスポーツニーズにも対応していただき、飯田で
プロスポーツの観戦も増えるといいです。私も市民の意見を聞き、執行部の皆様と共に住みよいまちづくりにチャレンジしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上をもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(井坪隆君) 以上で、小平彰君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。 10時34分
休憩----------------------------------- 10時40分 再開
○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 木下徳康君。
△木下徳康
◆16番(木下徳康君) 新政いいだ、木下徳康です。 この第3回定例会の質問は、安全対策、災害等復旧についてを聞きます。 今年も先月11日から降り続いた大雨で、当市においても多くの被害がありました。昨年の7月豪雨をはじめ被害が出ております。豪雨による災害が多発することは常態化してきているという認識は私のみではないと思います。 そのとき、被災箇所があるならば、平生の生活のため、すぐにも来るかもしれない次の災害のため即復旧することが安全・安心につながると思います。早期復旧が安全・安心につながるという意味では、交通事故などで損傷したガードレール等の復旧も同様だと思います。また、倒木による被害の防止についてもお聞きしています。 まず、車両事故による防護柵等損傷の復旧についてを聞きます。 防護柵はいわゆるガードレールが主ですが、その破損を私はこの1年間に2か所確認しました。そこは、どちらも人は無事だったようです。しかし、もしこのガードレールがなかったとしたら車は川に転落していたと思われましたので、設置は必要だったと思いますが、そこでは支柱も抜けておりました。そのような状態で同じような事故が起きたらと案じられました。 それでは、車両事故などで破損が年間にどのくらい発生しているのか、またその復旧にはどのぐらいの日がかかっているのかお尋ねします。
○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度の実績でお答えしますけれども、令和2年度、全体で30件発生しております。それで、復旧に要した期間は、最短で6日間、最長では100日、平均で30日程度で復旧しておるという状況でございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 発生件数、復旧期間、今示していただいたような数です。これはどう思われますでしょうか。 私が知るその2つのうちの1つは、1か月半強で復旧されておりました。そこの場所に設置されていたガードレールは、道路と歩道の間にあって、そこは児童・生徒や学生も通っているところでした。近所の人からはいつ直るのかという声もいただいております。 いずれにしても、この復旧には時間が短いほうがいいと私は思いますが、その意味で事故発生から復旧までの手順はどうなっているのかお尋ねいたします。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 通常の場合ですけれども、事故の当事者、または当事者の加入保険会社などからの連絡等によりまして原因者を特定しまして、市で現地確認を行った上、原因者への原形復旧を依頼しておるという状況でございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 基本的に損傷した、させた本人、原因者、あるいはその代理の保険会社が修理、復旧するものだというふうにお聞きしました。 復旧期間は短いほど安全・安心につながると、くどいようですが私は思いますが、このことについて市はどう考えられますでしょうか。お尋ねします。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 当然市といたしましても復旧期間が短いことが望ましく、できる限り早期の復旧をお願いしておるという状況でございます。 また、事故の状況によりまして道路の利用に障害や危険がある場合は、市で応急処置を実施しておるという状況でございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 復旧の期間が短いほどいいという点では合意ができたと思います。 それで、管理者である市がこの復旧を、今、安全対策はされているというふうにお聞きしましたが、もっと根本的に短縮はできないものかというふうに考えますが、お考えがあればお聞きします。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 復旧期間が短縮されるということは大変望ましいことなんですけれども、現状では道路の利用に障害や危険がある場合、応急処置を実施しているという現状から、繰り返しになりますけれども、原因者へ早期に復旧工事をしていただくようにお願いしているということでございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 御説明の中で、原因者に復旧する責任があって、その施工も原因者もしくは代理人の発注によるものによって工事をするということです。壊した人が直すのは当然でありますし、しかし、市としては今お聞きしたように応急処置等、あるいはお願いをしていくという立場かと思います。 そこで、こういうふうに考えるのですが、この工事をまず原因者にお願いするのではなく、この工事自体を市が行ってはどうかというふうに思います。それで、原因者にはその費用を後から弁償してもらうという形にできるとすれば、この復旧期間も市が管理ができますので、復旧までの期間を短縮することが可能になるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 事故の程度によりその対応というのは多様でございますけれども、損傷の規模が大きいなど、応急処置のみでは利用者の安全が確保できないといった事案の発生も想定されるケースもあるため、道路管理者である飯田市が直接復旧工事を施行し、その費用を原因者へ負担金として請求する方法について、復旧に要する期間及び事故当事者の意思の確認等、そういったものを鑑みながら、実務的な課題も含めて、実現可能かどうかという点については研究してまいりたいというふうに思っております。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 市が直接工事を行い、原因者には弁償してもらうという形を検討していくというふうにお聞きました。それはぜひお願いしたいと思います。 それを検討する上で、この復旧方法を今までと変えることを当然検討していただくわけですけれども、そのときに保険会社等との調整が必要かと思われます。それらも含めて検討をお願いできますでしょうか。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 当然ながら実質的に費用を負担する保険会社等、庁内だけにというわけにはいきませんので、外部の意見も取り入れながら進めてまいりたいというふうに思います。 ただ、ケース・バイ・ケースということも想定されますので、現行のやり方と、それから、今これから研究を進めてまいりたいと申し上げた方法と、どういった方法が一番適切か、早期に復旧できるかという観点から見てまいりたいというふうに思います。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 御答弁としてはよく理解できます。現行法と、全てを私が申し上げたような市がまずやるということに、この2つがあると思いますが、並行して検討されるということは私も望むところです。 ちなみに私の加入している車両保険の保険会社に尋ねたところ、こういう件について、市の指示があれば、その対応には問題ないというような話を聞きました。ぜひお願いしたいと思います。 それで、そういったことを考えて、今の検討というのはどのぐらいで結果をもらえるものなのでしょうか。もし方向性があればお聞かせ願いたいと思います。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 当事者を除いた保険会社等々ということになりますけれども、保険会社も多様にあるということ、それから1つは保険会社との話が出来上がっても、その後、実際に現場をやる施行される方の都合云々ありますんで、そういったことも総合的に判断しながら研究していくということになるかと思いますけれども、どれぐらいの期間で検討するかということも、早速今、常に起こり得ることですので、検討は始めたいと思いますけれども、ただ、そういったことを総合的に見たときにどのぐらいの期間でということは、ちょっとお答えできないかなというふうに思います。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 了解いたしました。 しかし、こういった瑕疵がある状態で長い間あるとやっぱり危険になりますので、それは早期復旧を目指していただきたいと思います。 ちなみに復旧までのこの期間ですけど、先ほども説明がありましたが、この安全対策としてコーンやテーピング、あるいは夜間の点灯表示などがされています。今後はこの検討が進んで、「何月何日修理予定」あるいは「工事何月何日」などの看板を立ててもらえれば、さらにいいと思います。 次の質問に参ります。 災害等復旧について聞きます。 昨年の7月豪雨の後、9月の定例会で井水、排水路や倒木による通行止めの未然防止についてお聞きしております。今回はその復旧の状況を聞きます。 昨年の7月豪雨の復旧状況は現在いかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度発生の災害における工事及び委託の発生件数は、全体で1,027件でございます。令和3年8月末、先月末で竣工しております件数が1,007件という状況でございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) かなりの数を復旧させられているというふうにお聞きしました。 昨年の7月豪雨による膨大な被害箇所を復旧されてきたこと、御答弁いただいた部長をはじめ市の担当各位に敬意を表します。また、事業者の方も従来の工事もある中、この工事を優先するなど大変な御尽力をいただいていることと感謝申し上げます。 一方で今、20件ほどですかね、まだ未復旧のところがあるというふうにお聞きしました。この残っている工事、その残った理由等もお聞かせ願えればと思いますが、いかがでしょうか。 今年も先月の13日から15日にかけての豪雨で被害も出ておりますし、まだ台風も心配であります。改めてお聞きします。未復旧となっている状況は、現在いかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 8月末現在、20件が未竣工という状況でございますけれども、未竣工となっております理由といたしましては、1つは大規模な復旧工事であること、それから河川復旧後に行う道路復旧工事、いわゆる施工の順番によるもの、それから工事の実施時期が渇水時に限定される河川が関係する箇所等が未竣工、こういう状況になっております。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 河川、井水、それに付随する道路などに瑕疵がある場合の復旧は、基本、即座にするべきでありますが、今お話しのように、渇水期を待って行う必要がある場合があると思います。この場合でも逆算して考えますと、災害があった年度内に発注ができないとすると梅雨の時期を迎えてしまい、渇水期を待てば2年後の復旧となります。やはり遅くとも翌年の梅雨、台風シーズンには復旧を終えていることを望むわけですが、国・県の査定、工事の大小、施工の事情もあるでしょうから、復旧が遅れる場合には丁寧な地元説明が必要ではないかと私は思います。早期復旧のため、市の体制や取組はどうなっておりますか、改めてお聞きします。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 早期復旧への対応といたしましては、災害復旧業務を優先した体制、業務計画で取り組んでおります。また、建設業会、それから測量調査設計コンサル業会等への御協力を要請いたしまして、災害復旧に関する工事、業務を優先した取組をいただいております。 また、一定の条件を満たしている災害箇所については、応急復旧事業として申請を行いまして、国の災害査定を待つことなく復旧工事を実施することに取り組んでいるという状況です。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) 昨年の7月豪雨により被災した箇所で未復旧のところは、先ほどのように20件というお話でしたが、私の知っているところが1か所ありますが、そこでは、近くの人から不安や不満もいただいております。そこは河川なんですけれども、先月の雨で洗掘が進んでおりました。翌年の梅雨と台風シーズン前に遅くとも復旧を終えることを基本にお願いしたいというふうに思います。 次に、倒木の危険除去について聞きますが、災害時の倒木は道路の通行止め、電線の切断による停電を引き起こす可能性があります。事前の除去ができるのが理想、昨年の質問の中でも共有していると思います。昨年、7月豪雨では30か所余り倒木があったとのことでしたが、この災害等による倒木は年間どのくらいあるのでしょうか、状況をお聞きします。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 令和2年度における災害での倒木は52件ございました。それから、今年度、令和3年度に入ってからは、現在のところ21件発生しておると、そういう状況でございます。
○議長(井坪隆君) 木下徳康君。
◆16番(木下徳康君) やはり、かなりの数のような気がします。これらを防げるものなら防ぎたいと思います。 そのためにも、事前伐採を進めるべく危険木伐採事業補助金の要綱をつくられたと認識しております。この補助金は、昨日、福澤議員の質問の答弁で、道路、河川に隣接する個人所有の土地で、倒木の危険のある木を専門業者に伐採を依頼するときの補助で、伐採木は5メートル以上、15万円を上限に2分の1までというものであり、この補助金について問合せは5件ほどあるものの、支給の実績はないというふうにお聞きしました。認識としては、こういうことでよろしいでしょうか。
○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。
◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 今議員が御指摘いただいたとおり、社会の労働者の構造が稼ぎ手男性中心社会でなくなってきているという認識をしております。 その一方で、同じ内閣府の調査によりますと、就業者に占める非正規雇用率が男性は22.8%に対しまして、女性は56%と半数以上となっております。また、共働き世帯が男性雇用者と無業の妻の世帯の約2倍となっていることから、人々の意識の中では、まだ男が主役、女は脇役の稼ぎ手男性中心のままというふうに読み取ることもでき、構造と意識のずれというのはあるのではないかというふうに考えられると思います。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) 私がこの課題に取りかかろうと思ったきっかけは、飯田市の男性職員の育児休暇取得率が低過ぎる現実からでした。男性の育休取得はもはや国策です。2022年4月からは育児・介護休業法が改正され、男性育休の義務化が始まります。けれども、現実は飯田市だけではなく、どこの市町村もなかなか進んでおりません。この背景には、今答弁にありました稼ぎ手男性中心社会が影響していると私は考えております。 そこで、次の質問です。 稼ぎ手男性中心社会についてどのようにお考えですか、お伺いいたします。
○議長(井坪隆君) 塚平市民協働環境部長。
◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(塚平裕君) 平成27年に制定をされました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、これ女性活躍推進法と言われるものでありますけど、こちらには女性の職業生活における活躍の推進に当たりましては、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、育児、介護その他の家庭生活におけます活動において家族の一員としての役割を円滑に果たしながら職業生活と家庭生活が継続的に両立可能となるよう必要な環境整備が必要であるというふうに書かれております。 そのために市としてできることといたしましては、第6次飯田市男女共同参画計画に重点項目として掲げてございます男性にとっての男女共同参画の推進によりまして男性の意識を変えること、ワーク・ライフ・バランスの推進によりまして男女の働き方を変えていく取組を今より一層進めていくことが必要であるというふうに考えるところであります。 先ほども申し上げましたけど、意識を変えるということについては非常に難しいところもありますので、地道に啓発活動を行っていくということが大事だというふうに考えております。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) ただいまの答弁で男性の意識を変えるとありました。相手に変われと指をさすことは簡単です。けれども、その指を自分に向けたときに、変わることがどれほど大変なことなのかが分かります。男性が意識を変えるためには、私たち女性も共に意識を変える必要があると私は考えております。まずは、男性と女性が共にワーク・ライフ・バランスという名の新しいビジョンを持つことによって共に支え合う男女共同参画が始まるのだと私は思っております。 次の質問に移ります。 さて、前半は、大人たちのジェンダー平等について考えました。続いて、次の質問では、子供たちのジェンダー平等について考えたいと思います。 次の質問に入る前に、ジェンダーの定義についてもう一つお話をいたします。 ジェンダーと似て異なる概念にセックスがあります。海外旅行へ行った際、出入国審査の書類で自分の性別を記入する欄はセックスと書かれています。生まれたときの生物学的な肉体の性差をセックス、育つ過程で身につけていく社会的、文化的な価値観としての性差がジェンダーです。では再び。 男性の皆さん、自分がトイレで用を足すことを想像してみてください。小さいほうをするときは立ってできます。けれども、大きいほうをするときは女性と同じように座ります。では、もし自分が用を足しているときに背後から暴漢に襲われたらどうなるでしょうか。立っているときなら抵抗して戦えます。けれども、座っていたらどこまで抵抗できるでしょうか。女性が用を足すときには常に座らなければなりません。立っているときよりも数倍無防備な状態で自分より筋力のある男性が襲ってきたら、普通の女性は抵抗できません。これは防災、被災地におけるトイレの課題を女性の視点から見たお話です。 前回の一般質問の生理のお話でもそうでしたけれども、私たちが肉体を持つ以上、どうしても埋められない性差、理解できない差はあります。そういう意味で、男女の間に差別はあってはいけないけれども、必要な区別はあっていい、いえ、あるべきだと私は思っております。 ですが、平等を意識するあまりに、その必要な区別が見えなくなっているとしたらどうでしょうか。子供たちは、親や教師など周囲の大人たちとの関わりから価値観を学んでいきます。 そこで、次の質問です。 学校教育における男女平等教育に関して飯田市の現状はどうでしょうか、お伺いいたします。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 現在、学校教育では、人権教育を中心に男女の性差を受け入れ合い、そしてその違いを認め、お互いを尊重する教育が行われています。全ての教育活動を通じて、男女それぞれの特性や立場を理解した上で、違いはあっても平等の考え方を大切に指導しています。全てを同じにするのでなく、真の平等、お互いの立場を分かり合った上で違いは違いとして受け入れ、ひとしくできることはひとしくし、そのバランスを取りながら支え合っていく力を育んでいきたいと考えています。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) 他の市町村ですけれども、小学校の教師をしている友人がおります。彼女に一教師としての意見を聞きました。御紹介いたします。 私たち教師が児童に対してできることは、視野を広げることだと思います。様々な価値観があること、命の重さは皆等しいこと、そして客観的な見方をすること。教師としては多様な考え方を受け入れるし、情報も偏らずに提供します。そこには人権、人として幸せに生きることは何なのかをいつも一緒に考えることが大切だと思っています。そして、子供たちを通して、教師である私自身がより学ぶことだと思っています。以上です。 次の質問に移ります。 先日、伊那谷でキャリア教育研修会があり、私も興味があったので参加してきました。そこで行われたグループワークで一緒になったある教師の方がこんなことを言っていました。 本当は教師ではなく違う職業に就きたかった。でも、事情があって教師になった。だから、自分を反面教師にして、生徒たちには自分の好きなこと、やりたい仕事をしてほしくてキャリア教育の指導をしていると熱く語ってくださいました。 では、その好きなこと、やりたい仕事を選択する際に、ジェンダーバイアスの影響はどのように作用するのでしょうか。 そこで、次の質問です。 職業選択におけるジェンダーバイアスの影響についてどうお考えでしょうか、お伺いします。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) 児童・生徒の職業観、これは身近な大人の考え方や日常的に見聞きしている情報の与える影響は大きいと考えています。そのため、職業によっては男性の仕事、女性の仕事というイメージが知らず知らずのうちに子供たちに育まれているケースもあると考えています。 そこで、学校のキャリア教育の中では、今まで男性の仕事と考えられていた分野で女性が活躍したり、またはその逆の事例をキャリア教育の中で知る機会をつくるなどして、男性の仕事、女性の仕事という固定観念にとらわれることなく仕事を見つけられるような教育を進めています。 そして、その上で大切なことは、男女がそれぞれの違いを理解し、協力し合い、共に暮らしていける共生社会の実現です。その実現のために、児童・生徒が自分の就きたい仕事、自分の向いている仕事に出会い、それに向かって努力していけるようにキャリア教育を進めているところであります。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) 実は、先ほどのグループワークで一緒になった教師の方の言葉には続きがあります。 生徒たちにやりたいことを仕事にしてほしいと指導をしてきたけれども、その指導でよかったのかと最近思うんですと最後おっしゃっていました。非常に思慮深い誠実な言葉だと私は思います。やりたいことを仕事にする、口で言うことは簡単ですが、現実社会はそんなに甘くはありません。自分のやりたいことを見つける、そして実現することがどれほど難しいことかを私たち大人は知っています。知っている私たちが、働くことについて子供たちと共に学び合いながら共に成長していくこと、それがキャリア教育なのかもしれないと私は考えております。 次に移ります。 先ほども述べましたけれども、今回の質問のきっかけは、飯田市の男性職員の育児休暇取得率を上げたいという私の思いからでした。ところで、市長はイクボス・温かボス(あったかボス)宣言にサインをしておられます。イクボス宣言とは、職場で共に働く部下、スタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司と長く定義されております。 そこで、次の質問です。 市職員の共に支え合う男女共同参画へどう働きかけるか、お伺いいたします。
○議長(井坪隆君) 佐藤市長。
◎市長(佐藤健君) 市の男性職員の育児休業の取得率が低いと、そういう御指摘であります。この男性の育休取得という課題については、私はもう10年以上、自らのことも含めて取り組んできている課題でもあります。 大分県の総務部長の頃に私自身は、これは有給というか、正確に言うと育児休業ではなく、配偶者の出産に伴う休暇ということで、高々2週間休んだだけではありますけれども、そのことに伴って、大分県庁の中でこの育児休業、育児休暇がどれだけ広がるかということについても積極的に取り組んできたつもりです。 なかなか難しいというのが率直な感想であります。何が難しいかといいますと、いろいろ啓発をやったり、あるいは呼びかけをしたりという活動をしても、なかなかそれがしみ込んでいかない。我々取り組んでいる側から、粘土層と呼んでいましたけれども、水をまいてもなかなかしみ込んでいかない層があります。代表的なものが上司、そして実はその職員の御家族、特にお父さん、お母さん。この家庭の粘土層については、結局男性職員が休もうとしても、あなたが休む必要はない、あるいはあなたが休むと面倒見なきゃいけない人が1人増えるというような、先ほど来取り上げられている固定的な観念、これを溶かすのは非常に難しいというのが一つ。そしてもう一つは上司であります。 このイクボス・温かボス(あったかボス)宣言については、そういう意味で粘土層になりかねない上司が自らそれを宣言することで、むしろその職員の育休取得をはじめとしたワーク・ライフ・バランスの実現を後押しする立場になる、そういう効果を期待しております。その効果を期待して、既に飯田市としてはもう何年も前から、私が副市長の時代からありますから、もう何年も前からこれに取り組んでいますが、残念ながら、まだその結果が出ていないというのが御指摘のとおりということになります。 長くなりましたけれども、先ほど御紹介いただいたイクボスの定義、温かボス(あったかボス)の定義に沿うような、そういう部長、課長、理事者、これが職員の育休取得をはじめとするワーク・ライフ・バランスの実現についてしっかり後押しする立場になる、こういったことになるように私自身も改めてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) 他の市町村ですけれども、男性で育児休暇を取った行政職員の友人がおります。彼に経験者としての意見を聞きましたので、御紹介いたします。 男性としては、いつも仕事をやり続けなければならないという言い訳や意識があると思う。けれども、一度その言い訳や意識から解放されて子育てに向き合えるのは貴重な経験だった。特に、行政職員が育休を取って、子育てに1か月でも専念できるのは重要だと思う。世の中のパパ・ママを自然と尊敬するし、町なかで子供を見る目、パパ・ママを見る目が変わる。行政職員が実際に地域で子育てすることで見えてくること、見方が変わることがある。公園や保育園、病院、地域、福祉、医療、教育といった分野の利用者としての経験ができる、増える。それがまた、行政や地域づくりに生かせる経験になると思うと彼は言っていました。 では、次の質問に移ります。 第1次事業主行動計画における目標と実績には、男性育休所得率のほかに上位の職責を目指す職員の数値も出ております。数値は年々低下しており、特に女性職員の数値が低下していると聞いております。同じ女性として、その気持ちはよく分かります。家庭でも育児、家事を一生懸命やり、さらに仕事も一人前にやって、さらに自己実現しろなどとは無理な話です。時代背景が変わり、自己実現が上位の職責を担うこととイコールではなくなりました。人々は権威やお金よりも、もっと心の豊かさや幸せを求めている、視点を変えれば、上位の職責を目指す職員の割合が低下していることは、それを証明する数値だとも読み取れます。ですが、組織というものを考えたとき、役職を担う女性がいなくなってしまっては組織が健全に維持できないということも事実です。 そこで、次の質問です。 市長として、ジェンダーギャップの解消についてどうお考えでしょうか、お伺いいたします。
○議長(井坪隆君) 佐藤市長。
◎市長(佐藤健君) 組織の中で女性がしっかりと役割を担っていただくことが大事だというのは、まさに今議員がおっしゃったことと同じ認識であります。一方で、例えば管理職になった年代で、突然女性に対して管理職をやってほしいと言ったり、あるいは組織としての管理職割合を増やそうという数字を追いかける取組をするというのはいささか違うというふうに思っております。 そういった意味で、飯田市では、これまでなかなか女性が担ってこなかった役割についてもしっかりやってもらうということで、例えば公民館主事であったり、例えば自治振興センターのセンター長であったり、こういった職責を若い頃から担っていく、そういう女性職員を増やしていくという取組を、これも何年か前から進めてきております。そういった取組の中で、組織の中で一定の役割を担う女性の割合がもっと増えていく、そんな取組をしっかり続けていきたいというふうに考えております。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) この点について、もう少し踏み込んだ質問をしたいと思うのですがよろしいでしょうか。 ジェンダーギャップの解消、演劇のまちづくりなど、突き抜けた政策を掲げて全国的にも注目を集めていたまちがあります。兵庫県豊岡市です。その旗振り役だった豊岡市の前市長、中貝氏は、今年4月の市長選で落選しています。選挙の世界は、勝てば官軍負ければ賊軍です。ですが、この結果の本当の意味は、今は誰にも分からないと私は思っております。今後の研究や分析の結果を待つべきことだと私は思っております。 そこで、再度お伺いします。 このような現実がある中で、理想と現実のバランスを取りながら今後どのようにリーダーシップを執っていくか、お伺いいたします。
○議長(井坪隆君) 佐藤市長。
◎市長(佐藤健君) 今の豊岡の中貝さんの例を前段に引いた意味合いというのはちょっと分かりづらいところがありますけれども、理想と現実という話で言えば、理想を求めない限り現実は変わっていかないというふうに思います。もちろん、そこに政治家というものは、選挙の洗礼というのが間に都度都度入ってくるわけですけれども、やはり志を持ってその立場を目指した以上は、その現実を変えるために理想をしっかり掲げて、それに向かって歩んでいくということが政治家の姿だというふうに思っています。
○議長(井坪隆君) 佐々木博子さん。
◆14番(佐々木博子君) 私にとってのリーダーシップは2つあります。1つは信じて待つこと、もう一つは助けを求める声に敏感に反応することです。私たちは、性別のほかに幾つもの役割を持っています、家庭でも、職場でも、地域でも。役割を持った途端、そこから理想と現実が生まれ、その理想と現実のはざまで私たちは苦悩します。ですが、理想と現実のはざまで苦悩する私たちが新しいビジョンを持つことによって、自らのリーダーシップを発揮することができる、私はそう信じております。 今回は、私にとっても非常にチャレンジングな一般質問でした。今、ここから飯田市の共に支え合う男女共同参画社会の新しいステージが始まることを確信して、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。
○議長(井坪隆君) 以上で、佐々木博子さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。 13時29分
休憩----------------------------------- 13時40分 再開
○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 関島百合さん。
△関島百合
◆6番(関島百合君) 皆さん、こんにちは。無会派の関島百合です。 望んだわけではないのですが、トリとなってしまいました。今定例会最後の一般質問となりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質問に移ります。 8月26、27日に飯田市を主会場に有機農業研究者会議2021が開催されました。この研究者会議は、飯田市が長年公民館活動に取り組んでいる点と、松川町の有機に関する先進的な取組が決め手となり、飯田市での開催が決まったと関係者の方から教えていただきました。 そこで今回は、この研究者会議が開催された意義を振り返りながら質問を進めさせていただきます。 まず最初に、有機農業を生かしたまちづくりについてお尋ねしていきます。 この研究者会議には、有機農業の研究者や有機農業に関心を寄せる市民が全国から集まる予定でしたが、コロナの関係でオンラインのみでの開催となってしまい残念ではありましたが、農林水産省が今年5月に策定したみどりの食料システム戦略に基づく有機農業推進に関する具体的な説明や、アメリカとEUの事例発表、飯田市と松川町が登場した身近な話題などがあり、充実した内容でした。 開会に当たっての佐藤市長の来賓挨拶もオンラインで視聴させていただきました。佐藤市長はそこで、6月議会の一般質問の際に紹介させていただいた大分県臼杵市の有機の里づくりに触れ、10年頑張ればここまで来ることができると分かった。飯田市も10年先を見据え、有機の取組を着実に進めていきたいと挨拶をされました。この挨拶を聞き、有機は勇気がいる農業を長年にわたり経験してきた研究者の皆さんは、世の中が変わってきたとしみじみ感じたそうです。 また、臼杵市の有機の里づくりを追ったドキュメンタリー映画「100年ごはん」の上映会と座談会も市民により、完全オンラインで26日の夜に企画されました。私はこれにも参加しましたが、お風呂上がりの佐藤市長が突然振られ、松川町と一緒に南信州地域全体で有機の取組を進めていきたいと発言されたことは、座談会に参加していた皆さんの心に強く響いたと感じました。 そこで、改めて有機農業研究者会議2021で全国に向けて佐藤市長が挨拶した思いと、「100年ごはん」の座談会で発言された佐藤市長の思いをお聞かせください。
○議長(井坪隆君) 執行機関側の答弁を求めます。 佐藤市長。
◎市長(佐藤健君) 今、飯田市を主会場ということで開催されました有機農業研究者会議2021年、それからそれに関連して行われました100年ごはんin伊那谷というイベントについて御紹介をいただきながらの御質問でした。 直接関わっていない、視聴されていない議員、職員がほとんどだと思いますので、少し分かりづらかったかもしれませんけれども、飯田市が先ほど議員が御紹介されたような理由で会場に選ばれて、有機農業の研究者の皆さんが集う、そういった研究集会が行われたということであります。 まずは、この飯田を主会場として開催された研究者会議の関係者の皆さんに、本当に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 そこで、私のほうから御挨拶申し上げた中身というのは、私が大分県庁に勤めているときに、その最後のほうの1年ぐらいだと思いますけれども、先ほど紹介のあった臼杵市という人口3万ぐらいの市の取組がちょうど始まったところでした。土づくりセンターというのをちょうど私が大分県庁の最後の1年ぐらいのときに企画して、私は多分計画段階のものをお聞きして、まだ大分県にいるときには完成していなかったんじゃないかと思いますけれども、その土づくりセンターをつくって、土づくりから始めようとしていた臼杵市の姿を当時見ていたわけですけれども、それから10年たって今の臼杵市がどうなっているかというのをこの研究者会議で御挨拶させていただくに当たって調べさせていただいたところ、10年たつとここまで来るんだなというのをしみじみ思ったということを御挨拶で申し上げたということです。 農業というのは自然を相手にした取組ですので、一朝一夕に、一足飛びにいけるものではないというふうに思いますけれども、土づくりからじっくり取り組んだ臼杵市が有機農業の里として今や全国で認められている場所になっている、10年しっかり取り組むとそういう場所になるんだなという感想を込めて御挨拶をさせていただきました。 飯田市もまだまだ始めたばかりというか、これから始めるというところですが、有機農業といいますか、農業を大事にしたまちづくりというのを取り組んでいくことで、10年後には臼杵市のように全国からも注目されるような、そんなまちづくり、農業がこの飯田下伊那でつくっていけたらいいなというふうに思っております。 今回そういったわけで事務方も関わらせていただいて、この研究者会議を関わらせていただいたわけですけれども、そのことによっていろんな人脈もできたと思いますし、また松川町と連携しながらこの地域を全体としてそういう農業を生かしたまちづくりが進められればいいなという思いも込めてお話をさせていただいたわけであります。農業というのは、本当にいろんな方々が関わっていく仕事ですので、なかなか、例えば飯田市だけでとかということでやるよりは、いろんな方々と連携しながら進めていくことがいい形で進められることだと思いますので、そういった意味でも松川町、飯田市だけではなくて、この地域全体でいけるといいなというような、そんな思いもお話をさせていただきました。 ぜひ、今回つくれた全国の皆さんとのネットワークも生かしながら、農業を生かしたまちづくりを進めていければというふうに考えております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) ありがとうございました。 松川町の有機農家さんから佐藤市長の挨拶に感動したというコメントが届いております。 続いて、映画「100年ごはん」について、もう少し紹介させていただきます。 映画「100年ごはん」では、森と海、山、川、農業、食、人の輪といった、これらが全てつながっている様子が描かれていました。つながることの大切さと、つながることで結果が生まれてくるという点には、私は感銘を受けました。 また、臼杵市では、ふるさと納税の2割近くを有機農産物が占め、6年間で1,300人増加した移住者は、有機給食や有機農業を移住の理由の一つに上げているそうで、安心・安全だけで語られがちな有機農業が地域づくりの一端を担っていることも分かりました。 このように、有機農業の持つ可能性は大きなものがありますが、一方でこれまで地域の農業を支えてきてくださった皆さんへのリスペクトも忘れてはいけないと思います。このため、有機農業を含めた南信州地域全体の農業の価値を上げ、分断ではなく、つながることで生まれる価値を見いだすことができる農業の潜在力を生かした多面的な施策を切望します。 そこで伺います。 有機農業研究者会議2021を案内するチラシを見ますと、後援が農林水産省、長野県、
南信州広域連合、飯田市、松川町となっています。この研究者会議の準備に関わった飯田市が今回得たものと今後の展開についてお聞かせください。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 先ほど市長もそのようなことを申しておりましたけれども、今回飯田で開催されたということで、日本有機農業学会をはじめ、多くの関係の皆さんと人脈をつくることができたということが財産だったと思います。 今後、先ほどから松川町とか出ておりますけど、地域の中で取組を進めていくに当たっては、こういった今回得た人脈をしっかりと生かせてもらって、様々な取組に結びつけていくことができるんじゃないかと、こういうふうに考えております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) この研究者会議というものは、元来、つくば市で毎年行われていたようですので、それを研究者だけのものにはしたくないという趣旨で最近地方でも開催されるようになったと聞いておりますので、有機農業の研究者の皆さんもこの地域に来たいと思っているはずですので、市民との交流の場の設定みたいなものも併せて検討をお願いいたします。 次に、有機農業への支援についてお尋ねします。 有機農業研究者会議2021で発表する機会を得た南信州ゆうき人は、佐藤市長のふれあいトークにも参加しています。今後の有機農業や給食を考える上で、この地域では要になる団体だと思われますので、南信州ゆうき人の発足した経過と今後の活動についてお聞かせください。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 南信州ゆうき人という団体のことでということですけれど、これは有機農業推進法が2007年に制定されたわけですけれど、このときを契機に飯田市としては特別栽培、これは減農薬・減化学肥料栽培、これを推進するために関係者に呼びかけまして、当時、人と環境に優しい生産者ネットワークというものを設立したと。このことをきっかけに、このネットワーク参加者の中から作る人、売る人、加工する人などが一つのテーブルを囲み、いろいろな環境保全を視野に入れた農業の在り方を考える、そういう組織ができてきて、これが南信州ゆうき人ということになっていったということでございます。この南信州ゆうき人は、現在30弱の個人・団体が名を連ねて、飯田市の農業課がここに参加させていただいております。 この南信州ゆうき人は、既にこの地域で有機農業や環境に優しい農業の普及を実践されているということから、今後、飯田市が有機農業に推進していくというか、支援していくと、その上では生産、それから運送、販売、こういった面で実績のある南信州ゆうき人としっかりと連携して取り組むことが大事かなと、こういうふうに思っております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 私も南信州ゆうき人の皆さんと話をさせていただいておりますが、皆さんが最近の有機ブームに浮かれるそぶりも見せず、冷静沈着に地域の有機農業と給食を考えている様子を拝見してきました。 有機の取組をさらに一歩前へ進めるためにも、今後どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 有機農業は、いわゆる従来の慣行農業、いわゆる一般的に行われている農業に比べて高い栽培技術が求められる。それから、化学肥料が使用できない有機農業においては、土壌の力を最大限生かすと。完熟堆肥などを用いた土づくりなどが重要になってくるということでございます。こうした土づくりとか栽培技術は、それぞれの生産者の創意工夫によるところも大きいんですけれども、やはり普及拡大させていくというためには、研修会だとか情報共有ができる機会や場所の提供、それから指導者の育成、こういったことが必要と思います。 それから、有機農業にはいろんな有機JASという規格のほかに、県の信州の環境にやさしい農産物とか、それからエコファーマーなどの認証制度があるとか、それから減農薬・減化学肥料などの栽培もあるだとか、なかなか難しいという面もございます。ですので、域産域消の観点から、地域の中での流通も考え、それから慣行農業ですね、一般的に今まで行われている農業からの転換のしやすさ、こういったことを考えていくと、地域の中でも何らか一定の価値を有機農業に、有機に取り組む皆さんが一つの目安になるようなものが必要じゃないかなあと、国の基準とか県の基準とかいろいろこっちの基準はこうだ、あっちの決まりはこうだといろいろあるとなかなか統一がしていけませんので、そこで分かりやすくイメージとしていえば、飯田市が取り組んできている環境ISOでいえば、南信州いいむす21というんですね、地域版の環境の基準がございますので、イメージでいうとそういったような仕組みを構築していけるといいかなというような、それを南信州のブランドとして地域を挙げて打っていけるといいかなと。例えば、そんなようなことも考えていけるといいのではないかなあと思っております。 それから、やっぱりこうやって有機農業というのは、どうしても手間や経費がかかる。そうすると、その生産物が割高になりがちということもございますので、先ほど申し上げたような、地域の何らかの目標や基準を研究しながら、一方で消費者の皆さんにも環境に優しい食材であるということに価値を見いだしてもらって、積極的に選んでもらえるような、そういう意識づくりも併せてやっていく必要があるかなと考えています。ちょっと長くなっちゃってすみません。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 有機農業の根幹となるのは土づくりだと、盛んに最近言われるようになっております。そのための肥料には生ごみを発酵させたものや草を発酵させたもの、間伐した樹木と家畜のふん尿をミックスして発酵させたものなど様々あり、農法もそれぞれです。松川町のほうではいろんな講座を開いておりまして、様々な有機の農法を示しておりますので、飯田市もそのような方向で講座を開いていただければ、興味のある市民の方には面白く思ってもらえると思いますので申し添えます。 あと、有機農業は新規就農者に向くと言われていますので、有機農産物の確保に向けては、有機農業を始めたいと考える移住者をこの地域にいかに呼び込むかもポイントになると思います。 あと、有機への理解については、6月議会で専門家を交えたワークショップの開催を私のほうから要望させていただいておりますが、映画「100年ごはん」の上映会を飯田市主催で開いていただければ多くの方に分かりやすく伝わると思いますので、こちらの検討もぜひお願いいたします。 あと、有機の里づくりを進める大分県臼杵市には有機農業推進室があり、4人の職員と2人の指導員がいるそうですので、この点も参考にしてください。 有機農業の推進のためには、県や国の研究者をはじめ、民間の知見の活用も必要だと思いますので申し添えます。 次に、有機食材を生かした地域産品の販路拡大についてお尋ねします。 域産域消、いわゆる地産地消の概念は定着しています。その上で、次のステップとして有機食材を生かした地域産品の開発、支援について伺います。 近年、飯田市内にあるスーパーにも有機大豆を使った納豆や豆腐、豆乳などが並ぶようになりました。私の地元には、新聞紙を使って雑草の繁茂を抑えて栽培した大豆を使い、手作りみそを仕込むグループがあり、私も参加させていただいておりますが、近年そのみそは地元の文化祭での人気商品になっています。有機JASの認証を取得して有機みそを製造販売する企業も地元にありますので、そうした土壌に立ち、有機食材を生かした地域産品の開発や販路への支援についての考えはいかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 今の御質問は、次にいわゆる加工販売のようなお話だったかと思います。 それで、そういうことに取り組んでいく中で、先ほど申し上げましたように、有機農業の生産物に価値を見いだしてもらい、積極的に選んでもらえるような意識づくりの取組ということも申し上げましたけれども、まずは有機の生産物を今、幾つかの保育園の給食に取り入れていけないかということで調整を進めています。その上で、今加工の話がございましたけど、いわゆる地域産品の販路拡大の一例として、今年2月に南信州地産地消推進協議会と、こういうものが設立されまして、その中で「農+食・観光」と、こういう視点から地元の産品を地元の飲食店や宿泊施設で利用してもらう仕組みづくり、これまちの八百屋機能と言っていますけど、こういうことも今取組を始めまして、徐々に効果が出てきています。これは、まだ有機の食材ということではないんですけれども、そういうサイクルの中に有機食材が活用されるように、段階的にいろいろ進めていければと思います。 それから、今ようやく質問のところですけど、加工販売のお話だったかと思いますが、今エス・バードでは、地元の食品製造や販売促進の支援にも取り組んでいますので、農産物のブランド化、高付加価値化の支援、それから食品の試験機器もいいものが入っていますので、そういうものも活用しながら食品の開発とか、さらにはマーケティングやプロモーション、パッケージデザインなどの支援も幅広く行うようにしておりますので、先ほど幾つかの事例、御紹介ありましたけれども、地域の中でそういうことに取り組んでいかれるような方がおりましたら、ぜひまたエス・バードのほうにも相談をかけていただいて、御利用いただきたいと思います。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 学校のほうでは給食、ちょっと規模が多くて取り組むのがなかなか難しいので、まずは保育園からということだと理解しました。 あと、エス・バードは、私からは工学分野のイメージが強くて近寄り難い施設になっていますので、今後、食品等を活用した講座や支援が広がれば、女性たちからも親しまれるエス・バードになっていくと思いますので、こちらも検討をお願いいたします。 あと、飯田市はかつて発酵のまちづくりに取り組んだ経緯がありますので、そのときの経験を生かし、例えば先ほども申し上げましたが、みそは需要がありますので、発酵と有機を絡めた地域産品のブランド化の検討もお願いいたします。 あと、原料となる農産物を地元で調達するには課題が多々あると思いますが、先ほどお伝えしましたが、新規就農者の確保も念頭に工業課と農業課、ひいては結いターン移住定住推進室とも連携して進めていただくことを要望いたします。 あと、先ほど串原部長さんのほうから南信州いいむすという御紹介を受けたんですけれども、そういったことに絡めて、飯田市独自の農産物の認証制度を設けるというお考えについてはいかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) そういう方向でいろいろ話合いを、研究を進めていけるといいかなと、関係者の皆さん含めて。そのときにイメージするのは南信州いいむすみたいな形のものをやれればいいなと、こういうような方向で思ってはおります。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 次に、学校給食への有機食材導入の進捗状況についてお尋ねします。 6月議会での一般質問の際に、学校給食における有機食材の利用を進める具体的な取組に関して、代田教育長から早速今週中にもという答弁をいただきましたので、その後の進捗状況を教えてください。
○議長(井坪隆君)
松下教育委員会参与。
◎
教育委員会参与教育次長事務取扱(松下徹君) 第2回定例会で一般質問をいただいた以降の取組でありますけれども、まず生産農家の皆さんと学校給食に携わる調理現場の職員とのつながりをつくるところが必要だろうということで、一般質問をいただいた直後の週末に有機野菜の生産グループである南信州ゆうき人の皆さんと市長との懇談を持ちましたけれども、その場には学校教育課の給食担当と調理場の栄養士、また農業課の担当も出席をして、情報意見交換を行いました。 特に、ゆうき人の皆さんからは、有機JAS認証を取得している生産者はまだまだ少ないけれども、化学肥料・農薬を用いない、あるいは少量の使用に抑えて生産されている農家の方が一定程度おいでになって、生産の手がかり、足がかりがあるということを調理現場の職員も認識をしましたし、また調理の現場からは、短時間に調理して配食している調理場ならではの課題もありますので、そういったことをお話ししながら情報意見交換をさせていただきました。 7月には、市内の有機野菜の生産農家の皆さんのところを学校教育課の職員、また農業課の職員で訪問して、圃場での情報交換をしました。8月にも予定をしておりましたが、これちょっとコロナの関係で中止になりましたけれども、これまでそういった動きをして、学校給食におきましては、できますれば、次年度から取組を何らかの形でアクションを起こせれば、そんなことを考えております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) そうしますと、見えてきた課題と今後に向けてはいかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 代田教育長。
◎教育長(代田昭久君) こうした取組の中で、今現在見えてきた課題ということですが、学校給食は1日に調理する量が多い。そのため、日々の給食を献立どおりに提供するのは、指定した日に必要な食材を必要な分量を間違いなく納品してもらうことや、調理に際しては、限られた時間内に滞りなく作業を進めるために一定の規格にそろえることが求められています。分量を確保するために生産供給体制を整えること、また再生産が可能な適正価格での購入や配送方法など、流通に関する調整も必要である。これらが現状での課題と捉えています。 そして、今後に向けてですが、学校給食で使用する食材は地域の生産者が作った農畜産物を地域内の流通販売に関わる皆さんを介して納入してもらい、調理場で丹精込めて調理してもらうことで、子供たちには安心・安全な農産物を提供し、同時に地域内の経済の循環や農業振興につなげていくという域産域消の進める視点に立って、まずは地元産であることを大事にしていきたいと考えています。その上で、なるべく化学肥料や農薬等の使用が少ない安全な食材を使っていきたい。 現在、飯田市では、週5回の米飯給食のお米は地元産を全量使用し、化学肥料や農薬を減らして栽培したこだわり米を優先的に使用しております。その他の食材についても、幾つかの保育園での取組状況を見ながら、できれば来年度対応可能な調理場で部分的にでも、地元産で化学肥料や農薬の使用の少ない野菜を使った献立を試験的に導入することを目標に検討を進めていきたいと考えております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 地元産の使用というのは大切だと思いますので、ぜひ進めてください。 あと、私がここでお伝えできることなんですが、野菜の規格についてです。野菜のふぞろいが調理場の機械を通す際のネックになるといったことをよく聞くんですけれども、このことは松川町の担当者から聞いたんですが、農家の皆さんに大きさをそろえて出荷してもらえば何も問題ないよと言っていましたので、その点参考にしてください。 あと、有機農業は労力がかかることから、農産物の価格が高めになってしまいます。このため、千葉県のいすみ市では従来の給食費からの値上がり分の500万円を市が補填していますので、その点も検討してください。 あと、先ほども出たんですが、飯田市独自の認証制度が整って広まっていけば、有機農産物というか、安心・安全な農産物は今後数が増えていくと思いますので、その認証制度のほうもよろしくお願いいたします。 あと、そういった野菜が不足してしまっても地元産の農産物で補うなど、できることから無理なく始めていっていただきたいと思います。例えば松川町や臼杵市は、ニンジン、タマネギ、ジャガイモなど取り組みやすいものから始めていますので、まずは先進事例を研究していただきたいと思います。 次に、災害から暮らしを守るために気候変動による豪雨へ備える森づくりに関し何点か伺います。 初めに、ナラ枯れについてですが、カシノナガキクイムシによるナラ枯れは飯田市でも近年顕著になり、カシノナガキクイムシと共生関係にあるナラ菌が繁殖しやすい幹が太いナラが枯れています。そこで、飯田市のナラ枯れの現状について教えてください。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) ナラ枯れですけれども、この飯田市内でも全域で確認されてきておりまして、特に天龍峡、山本、三穂、南信濃地域において目立っているという状況で、春には天龍峡の公園付近で伐倒破砕処理なども実施し、冬にかけてもまだ順次駆除していくと、こういう予定でおります。 これ、生活様式の変化が背景にあるということだと思いますけれども、ナラ枯れというのは樹齢の大きい個体に発生しやすいということでございます。過去には薪山として利用されていたんだけれども、今そういうふうではなくなってきたので、こういうことが起きてきているんではないかと言われているということでございます。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 今駆除というお話が出たんですけれども、松枯れもあるんですけれども、ここではナラ枯れについて伺います。 カシノナガキクイムシの殺虫処理やナラ菌の繁殖を抑える殺菌処理が現地で行われています。森林は水を育むという観点から、ナラ枯れに対する殺菌や殺虫処理は万全を期して行われていると思いますが、この点はいかがでしょうか。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 今、殺菌や殺虫処理、これは万全を期して行われているかということだったと思います。 このナラ枯れした被害木は、薬剤を使用した薫蒸処理という方法や、もしくは山から被害木を持ち出して破砕処理する方法といったようなことをしておりますけど、今の薬剤を使用した薫蒸処理のほうですが、これ基本的には松枯れの処理で行う薫蒸と同じ薬剤で、方法も基本的には同じです。ナラ枯れのほうが少し処理の手が込むものですから処理の単価は少し高くなるそうですけど、基本的には松枯れと同じ方法ですので、ナラ枯れの処理以上の害が出ないように、松枯れと同じように万全を期して行っております。 それで、ナラ枯れのことも含めて、森林の持つ水源涵養機能、それから貯水機能など、非常に重要な森林の持つ多面的な機能というのがございますので、ナラ枯れのことも含めまして、市としても国や県とも協力しながら、補助をいただきながらしっかりと森林の整備作業を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 山の貯水機能ということをお聞きしましたので、豪雨災害に備えて山の保水力を高める森林整備にはどのような課題があるのか教えてください。
○議長(井坪隆君) 串原産業経済部長。
◎産業経済部長(串原一保君) 森林整備の課題ということでございますが、森林整備を進めるには、まず森林の所有者の確定が必要ということでございまして、今、森林所有者の世代交代等から所有者不在の森林が増加しまして、整備がなかなか進められないという状況にございます。 ですので、これは国土調査外の山間部において、所有者情報をより精度の高いものにするためにデータ整備をして、そしてまた所有者の意向を調査して森林の施業ができるところを増やしていくと、まずこういう取組が一つでございます。所有者の問題。 それから2つ目として、森林整備を担っていただく技能職員の高齢化や人数の減少の問題ということで、これも全国的な課題でございますけれど、今、森林環境譲与税を有効に活用して人材育成や担い手の確保のモデルを森林組合と連携して構築していこうというふうに今しております。それで、これ例えばのイメージですけれども、できることなら家族連れで、例えば遠山郷に移住して森林の技能職員になってもらえるというような、新たな人材探しも含めていろいろと検討していきたいと思っております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 農業もそうですが、林業でも担い手不足が切実なのが分かりました。飯田市の森林面積は約8割と言われていますので、昨日、福澤議員が指摘した森林環境譲与税を活用しながら、所有者の不在の減少に努めていただきたいと思います。 あと、本日、新井議員が里山の管理について言及しましたし、福澤議員の質問の際には、飯田市が間伐に取り組んでいる様子が分かりました。間伐によって地表に日が差し込み、下草がしっかりと生えた森林は、針葉樹の人工樹林でも根の張りがよく、保水力が高くなることは、森づくりにも取り組む臼杵市で実証されていますので、さらなる森林整備に向けた人材の育成にも森林環境譲与税の活用をお願いいたします。 最後の質問になります。 これまでは、森林整備に関した山の保水力についてお聞きしました。今年はお盆に続いた豪雨の後もスコールのような激しい雨が降り、不安に感じた方も多かったと思いますので、河川を管理する土木工学の立場から、山の保水力をどのように捉えているのかお聞かせください。
○議長(井坪隆君) 米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 適切な森林の整備は山の保水力の増加につながるということで、流出計数の低減につながりますので、水路ですとか河川、あるいはそこへ入ってくる流入水量の減量と排水施設における増水ピークを遅らせ、水位の上昇を抑える効果というものが期待できます。 したがって、防災機能の向上、あるいは災害リスクの低減につながるというふうに考えておりまして、非常に重要というふうに思っております。
○議長(井坪隆君) 関島百合さん。
◆6番(関島百合君) 森林整備が大切なことがよく分かりました。 しかし、人の手が森に入らなくなり、森林資源を利用しなくなったことがナラ枯れの原因と言われる一方、土中、いわゆる土の中の環境の劣化がナラ枯れの原因とする説もあります。落ち葉や枝が絡み合ってふんわりと固定された地面を音を立てながら歩いた経験は誰にでもあると思いますが、この部分を腐食層と呼びます。これは、安定した森の下にできる堆積層です。建築資料研究社の「土中環境 忘れられた共生のまなざし」という本の著者、高田宏臣さんはここで、全国各地で腐食層の消失が報告されている。それは国土全体で進行する森林の劣化や松枯れやナラ枯れにとどまらず、毎年広域化する水害や土砂崩落といった災害の急増とも連動していくと記しています。 治水や防災には土木工学の力も必要ですが、基本は先人たちが共に歩んできた森を健康に保つ森づくりです。樹木をはじめとする多くの命が生きられない環境の中では、人が生きることも困難になります。こうした点も踏まえた森づくりと河川管理をしっかりとお願いいたします。 最後に、有機農業の土づくりと森林の土づくりはつながっているということを申し添えて、私からの一般質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(井坪隆君) 以上で、関島百合さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。 14時20分
休憩----------------------------------- 14時32分 再開
○議長(井坪隆君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。
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△日程第4 議案審議
○議長(井坪隆君) 日程に従いまして、本日上程となりました議案の審議に入ります。 議案第93号「工事請負契約の締結について(過年発生土木施設補助災害復旧事業橋りょう架設工事)」と議案第94号「令和3年度飯田市一般会計補正予算(第6号)案」の以上2件を一括議題といたします。 朗読を省略し、直ちに執行機関側の説明を求めます。 初めに、議案第93号について、米山建設部長。
◎建設部長(米山博樹君) 議案第93号について御説明を申し上げます。 本案は、過年発生土木施設補助災害復旧事業の請負契約の締結について、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により議会の議決を求めるものでございます。 契約の目的は、令和2年の7月豪雨により被災した市道橋に係る令和3・4年度過年発生土木施設補助災害復旧事業橋りょう架設工事でございまして、施行の場所は市道1の南信濃5号線、1級河川遠山川に架設する飯田市南信濃和田、中橋でございます。 契約の方法は、指名競争入札。 契約の金額は、5億6,430万円。 契約の相手方は、飯田市南信濃和田1387番地、株式会社近藤工務店、代表取締役、近藤龍治氏でございます。 説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○議長(井坪隆君) 次に、議案第94号について、佐々木財政課長。
◎財政課長(佐々木学君) それでは、議案第94号について御説明申し上げます。 本案は、令和3年度飯田市一般会計補正予算(第6号)案でございまして、歳入歳出ともに7億3,797万9,000円を追加し、予算の総額を492億883万5,000円としたいとするものでございます。 内容につきましては、第1表 歳入歳出予算補正で御説明申し上げます。 第2条は地方債の変更でございまして、第2表 地方債補正で御説明申し上げます。 8ページをお開きください。 歳出から説明させていただきます。 2款総務費は10万円余の増額で、商業振興費におけるお買いもの商品券給付事業及び観光費における緊急経済対策事業の会計年度任用職員に係る社会保険料等共済費でございます。 4款衛生費は4,750万円余の増額で、抗原定量検査簡易キットを活用した水際対策事業の追加分を計上するものでございます。 7款商工費は2億4,220万円余の増額で、地域のささえあいお買いもの商品券の販売、配付による事業者支援に要する経費を計上するものでございます。 9款消防費は300万円の増額で、
新型コロナウイルス感染症の第5波の終息に向けた感染防止対策の徹底を啓発するための経費を計上するものでございます。 10款教育費は1,010万円余の増額で、令和2年度飯田市成人式の中止に伴うレンタル衣装等のキャンセル料の一部補助に要する経費を計上するものでございます。 11款災害復旧費は4億3,480万円余の増額で、8月13日から14日にかけて発生した豪雨による被災箇所、計414か所の災害復旧事業費を計上するものでございます。 続きまして、7ページへお戻りください。 歳入でございますが、10款地方交付税は普通交付税を増額するもの、12款分担金及び負担金は農地の災害復旧に係る土地所有者の分担金を、14款国庫支出金は
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を、15款県支出金は特別警報Ⅱ発出市町村等事業者支援交付金をそれぞれ計上するものでございます。 また、21款市債は農地、林道、公共土木施設の災害復旧費に係る地方債の額を増額するものでございます。 続きまして、6ページをお開きください。 第2表でございますが、地方債の変更でございまして、補助災害復旧事業及び単独災害復旧事業の事業費の増額に伴い、それぞれの限度額を変更するものでございます。 以上、よろしくお願いいたします。
○議長(井坪隆君) 議案に対する説明が終了しました。 ここで、議案2件に対する質疑通告を受け付けることといたします。 通告は、議会事務局において受け付けます。 通告はございますか。 (挙手する者なし)
○議長(井坪隆君) 議案に対する質疑通告がございませんので、質疑を終結いたします。 次に進みます。 ただいま議題としております議案2件につきましては、お手元に配付してあります付託議案一覧表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託し、審査を願うことにいたします。
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△散会
○議長(井坪隆君) 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 9月27日は午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集くださりますようお願いいたします。 本日はこれをもちまして散会といたします。お疲れさまでした。
----------------------------------- 14時39分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。 令和3年11月10日 飯田市議会議長 井坪 隆 署名議員 新井信一郎 署名議員 清水 勇...