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03月05日-03号

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  1. 飯田市議会 2020-03-05
    03月05日-03号


    取得元: 飯田市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-10
    令和 2年  3月 定例会(第1回)        令和2年飯田市議会第1回定例会会議録               (第3号)-----------------------------------       令和2年3月5日(木曜日)9時00分-----------------------------------日程 第1 会議成立宣言 第2 会議録署名議員指名 第3 一般質問   (1)新井信一郎  (2)塚平一成   (3)古川 仁   (4)熊谷泰人   (5)永井一英   (6)木下容子   (7)木下徳康 第4 議案審議      追加議案(3件)      委員会付託議案      議案第40号から議案第42号まで      説明、質疑及び委員会付託 第5 請願、陳情上程(請願1件)      委員会付託散会-----------------------------------出席議員    22名      (別表のとおり)-----------------------------------欠席議員    1名      (別表のとおり)-----------------------------------事務局出席者      (別表のとおり)-----------------------------------説明のため出席した者      (別表のとおり)-----------------------------------     9時00分 開議----------------------------------- △日程第1 会議成立宣言 ○議長(湯澤啓次君) おはようございます。 現在の出席議員は21名でございます。 よって、本日の会議は成立いたしております。 湊猛君から欠席する旨、木下徳康君から遅刻する旨の届けが提出されておりますので、御報告を申し上げます。----------------------------------- △日程第2 会議録署名議員指名 ○議長(湯澤啓次君) これより、本日の会議を開きます。 会議録署名議員として、井坪隆君、原和世君を指名いたします。 次に進みます。----------------------------------- △日程第3 一般質問 ○議長(湯澤啓次君) それでは、昨日に引き続き一般質問を行います。 新井信一郎君。 △新井信一郎 ◆17番(新井信一郎君) おはようございます。会派のぞみ、新井信一郎でございます。 本日、令和2年3月5日は、二十四節季の啓蟄と、虫が冬眠から目覚める頃と言われる、そのときを一般質問と迎えることができました。様々な動きをしっかりとしていかないといけない、そんなときかなあと感じて頑張らせていただきたいと思います。 それでは、早速質問に入らせていただきます。 新型コロナウイルス等感染症への対応状況についてでございます。 先日25日に松本保健所管内で県内1例目となる60代の男性の陽性者が確認をされ、その後、動きがあります。そこで、感染症対策の現状について確認をさせていただきたいと思います。 まず、感染症指定医療機関の要件や役割、また保健所の役割について、病院長、お忙しい中出席いただきまして御説明を頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 執行機関側の答弁を求めます。 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 感染症指定医療機関の要件や役割について、御説明させていただきます。 感染症指定医療機関は、感染力や罹患したときの危険度が非常に高い疾患に対して、感染症に対応するための医療機関が指定されるものであります。2つ主にありまして、第1種感染症指定医療機関というものは原則として都道府県に1か所、ちなみに長野県では信州医療センター須坂病院です。そちらが担当しております。それから、あと第2種感染症指定医療機関、これは2次医療圏、長野県は10に分かれておりますけれども、そこで各1か所ずつ指定されております。 それぞれ対応とか感染疾患が多少違うんですけれども、危険性の高い、特にエボラ出血熱、それから天然痘、ペストなど、こういうような1類感染症という非常に危険な5種類あるんですけれども、それはどちらかというと第1種が主に見ていただくと。それからあと、2類感染症と申しまして、鳥インフルエンザ、ポリオ、結核、それからSARSというような5種類ありますけれども、これらのものは2種感染症指定病院というところが担当するということになっております。 飯田市立病院は2種指定感染症の医療機関となっております。 今回の新型コロナウイルス感染症に関しましては、今までこのような区分はされておりませんでしたけれども、今回2月14日に指定感染症ということになりました。それで、この感染症指定医療機関が担当するということになったわけでございます。 当初は、指定感染症医療機関で対応するというふうに実はなっておりましたが、その後の症例などの数が増えたということで、感染症指定医療機関以外の医療機関でも患者の動線・区分などしっかりと感染予防をすることによって対応することが望ましいという指示も出ております。 感染症指定医療機関の施設の要件でございますけれども、これは病室にトイレとかシャワーがついて、そこで生活ができるようにと。それから、ドアや窓は気密性がしっかり保たれるようにするということが規定条件ということでありまして、この条件は第1種、第2種指定感染医療機関も同じような条件でつくられております。 これらの感染症への対応は、感染に関する法律ということの規定によりまして、保健所が管轄することになっております。今回の新型コロナウイルス感染症指定感染症ということでありますから、感染者に対する入院勧告や健康診断の勧告などは保健所の役割となっております。ですから、当院も保健所の指導により感染対策を実施しているところでございます。以上です。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) そうしますと、飯田市立病院が当地域唯一の感染症指定医療機関ということになろうかと思います。飯田市立病院の感染症専門の病棟やベッドの数、そのあたりを確認させてください。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 当院の感染症指定医療機関としてのベッド数は4床、それから施設としては、病院の本館とは別棟になっております感染症病棟というものがございまして、そこに外来用の診察室、それから入院用の病室が2部屋ありまして、そこに2床ずつ置いてあります。当然、一部屋ごとにトイレとシャワーというものが用意してありまして、それから気密性は比較的保たれている状況に造られております。ちなみに、県内では第1種と2種合わせて11か所の指定医療機関がありますけれども、10か所の2次医療圏にあります病院に関しましては4床ずつ計40床、それから1種の指定医療機関、須坂の信州医療センターでございますけれども、そこは規模が大きくて6床、だけど施設の内容はほぼ同じで、全部で46床分があるという計算になっております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) そうしますと、市立病院には感染症の専門の医師や看護師、何名いるのか教えていただけますか。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 当院では、感染症を専門とする医師が1名、これはインフェクション・コントロールのドクターの資格を持っております。感染対策医師という資格を持っております。それから専従の認定看護師、この看護師もやはり同じように感染症の認定看護師の資格を持っております。それから、兼任のやはり認定看護師1名、合計3名で感染対策に当たっております。 組織としましては、医療安全部内に感染管理室というものを設けまして、この3名が中心となりますが、ほかに多くの職種が集まりまして院内感染防止対策委員会、その下に感染対策チーム、この3名が中心となって感染に関してのいろいろな対策を行っております。 感染対策チームの内容は、今回の新型コロナウイルスは当然のことながら、過去の新型インフルの対応だとか、それから通常発生します季節のインフルエンザ、それからノロウイルスなどもありますし、院内の感染症、いわゆるMRSLとかそういうものまでいろいろ含めまして、多岐にわたっているものを全部中心になって行っておりますので、非常に院内での仕事が多忙でありますし、それから院外にも啓発も含めていろいろな活動をこのチームでは行っておりますので、日常的に非常に活発に仕事は行っております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。
    ◆17番(新井信一郎君) ありがとうございます。非常に多忙を想像させていただきます。 そうしますと、長野県内で感染者が発生する前から非常にいろんな準備等々されておられるのかなあと想像もつくんですが、当地域でも感染者の発生が、これはどこで起きてもおかしくない状況になってまいりましたので心配される。その場合、市立病院でどのような受入れ準備をしているのか、お伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 当院では、長野県内での感染者が発生する前に、ダイアモンド・プリンセス号の発生以来、非常に緊張感を持っていろいろ準備をしておりますけれども、長野県内での発生を踏まえて、よりいろいろな準備を進めているところでございます。 まず、飯田保健所管内で感染症が疑われたという患者さんがもし発生した場合には、飯田保健所の判断で当院に設置されております帰国者・接触者外来というところに受診が勧められますので、その患者さんは来られます。 具体的には、その患者さんが来られた場合には通常の外来患者さんとは別なルートで診察室に入ってもらいます。この診察室は、先ほど申し上げました感染症病棟に設置してあります。そこで診察を行い、もし入院が必要な場合にはそこのところで入院をするとか、重症になったときはどうするとか、そういうことまでちゃんと、どこで誰が診るかというようなところまできっちりといろいろな場面を想定して、感染管理の専門職がいろいろシミュレーションを行いながら、マニュアルを逐次改訂しながら緻密なものとして、毎日毎日確認を行っているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 改めて、非常に多忙、そして本当に先を読んだ行動をされているなあとお伺いいたしました。 そういった中、発生しては絶対いけない話、院内感染予防の対策、お伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) まさにその院内感染というものは非常に重要な問題でありますので、お答えさせてもらいます。 当院は、もともと当地域の3次救急、救命救急センターを持っていますし、救急病院ということで行っていますけれども、しかし、先ほどの2種感染症の指定医療機関ということになっておりますので、両方を診なければならない。今回の新型コロナウイルス感染症は、感染しても軽症であったり、それから症状がなくて治ってしまう方というのが8割というような話も出ておりますけれども、そういうようなことがありますので、そういう方たちが知らず知らずにいらっしゃるかもしれないということで、そこの院内感染防止が極めて重要だと思います。 感染症疑いの患者さんには、先ほども申し上げましたように本館とは別棟で対応を行いますけれども、一般の外来で救急患者さんとか、それからそんなに自覚症状がないというような方たちで、新型コロナ感染の疑いのある患者さんということがいらっしゃるかもしれない。そういうことですから、そういう方に関しましては国の方針に従いまして、その場合も院内で統一して対応するようなことになっております。 具体的なことに関しましては、見つけ次第いろいろな中でできる限りの対応をするというようなことでございますけれども、今回の新型コロナウイルス感染というものは潜伏期が非常に長いものですから、知らず知らずに感染してしまう例が全国的には多いということはやっぱり考えておかなければならないことだと思います。 日常の診療の場で感染対策を万全にすることが感染リスクを低下させるということで、院内ではとにかく予防、手洗いとかマスク、それから手指消毒というようなことを徹底しております。2次感染を防止しつつ、当院の急性期病院ということも行いながらやらなければいけませんので、適切な診療や治療をそういう方たちに行うために、患者さんや職員の動線の確保、それから予防としてマスク、ガウンなども行ったりとか、手指消毒なんてしょっちゅうやらなければいけないということで様々な準備をしておりますし、そんな中で患者さんに多少御負担をかけることもありますので、そこのところはどうか2次感染予防ということでありますので、御理解いただいて対応していただきたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 院長、それぞれ大変なことかと思いますが、ぜひ市民の安心・安全を守るためにも、今後御注意のほどよろしくお願いいたします。 それでは、次に移ります。 市役所など公共施設の対応についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) まず、市役所で行っております来庁者等への対応について御答弁させていただきますが、市役所の本庁舎におきましては、感染症の対策といたしまして、以前よりA棟・C棟の出入口に消毒液を常時設置いたしておりますが、これによりまして手指の消毒をできる環境を整えてきております。加えまして、1月下旬より新型コロナウイルス等の感染症対策といたしまして、せきや熱の症状のある来庁者に対し、申出のあった方については受付にてマスクを配付できるようにいたしております。 加えまして、職員が感染の媒体とならないということに意を配しておりまして、職員やコンシェルジュにはマスクを着用して来庁者の対応をさせていただいているほか、玄関など、それからトイレ等に望ましい手洗いや注意事項、こういったものを掲示させていただいておるといったような状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ただいまは本庁舎に限ってのお話を頂戴しました。本庁舎以外の出先機関等につきましてはいかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) 主に自治振興センター等を含めまして、ただいま申し上げましたとおり消毒液の配付等、それから出入口等に対する注意喚起、こういったものは同様でございます。 また、本庁舎の市民サロンやりんご庁舎、出先のセンター、公民館、図書館など、こういった不特定多数の人が集まる場所について、今のところ一律の利用制限というような状況ではございませんが、こういった場においても国等から示されました注意事項、こういったものを掲示する場としての対応を進めながら、市民に対する広報の場としても活用させていただいておると、こんな状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 本庁舎トイレに設置してありますジェットタオルが現在使えなくなっておりますが、その意味は何かあるんでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) まずジェットタオルについては、その外の部分にウイルスがたまりやすいという国の検査結果、こういった通知も確認をいたしております。本庁舎含めてジェットタオルのタイプというのは幾つかありますし、どういった清掃をするかということとの当然のことながら関連がありますけれども、本庁舎のトイレにありますジェットタオル、これについては殺菌機能がついていないタイプだということであります。 そういったことから、できるだけ感染の可能性のあるものは排除していくことがよかろうと。そういったことで、当分の間、使用については止めさせていただいておるといった状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) どうしてもあの機械が使えないと、こんなことをする人は今はいないかと思いますが、そういったところも注意をするように注意喚起よろしくお願いいたします。 また、お手洗いに石けんの使い方、手洗いの仕方、掲示もされておりました。ありがとうございます。そのあたりの徹底をまた今後お願いいたします。 続きまして、職員の皆さん方、非常に多くの不特定多数の皆さん方とお仕事をする関係上、職員の健康管理についてお伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) 健康管理等、飯田市の新型コロナウイルス感染症対策本部方針に基づきまして、対策を講じて徹底をしてきております。4つの点ということで、風邪の症状を含めて37.5度以上発熱のある場合についての出勤の見合せ。それから、健康管理に気をつけ、小まめな手洗いを励行すること。不要不急な外出等を避ける、それから人混みでのマスクの着用。それから、講演会・イベント等での手洗い、せきエチケットの徹底。こういったことについてはしっかりと職場で共有できるよう徹底をいたしております。 何よりも市役所として大事にいたしておる点でございますが、市民が安心して暮らせるための行政サービスの機能をまずしっかりと維持させると。この責任の下、職員が自身の健康維持のために感染予防に取り組むと。また、周囲に感染することがないように今後ともしっかりした対応を図っていきたいと思うところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ぜひ、お気をつけて作業のほどをよろしくお願いいたします。 続きましてウなんですが、大規模集会・イベント等への対応なんですが、昨日の一般質問でやり取りがありましたので割愛をさせていただきたいと思います。 続きまして、今後の対応、病院等の医療機関の連携も昨日の一般質問で明らかになりました。そこは割愛をさせていただきたいと思います。 続きまして、①医療機関との連携ということで、市立病院の患者さんから疑いの症例が出た場合にはどうするのかというところ。そこをちょっとお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 疑い症例が出た場合でございますね、お答えしたいと思います。 今のところは規定に従いましていろいろやっておりますけれども、今後変更になる可能性もありますので、現時点での対応ということで御勘弁いただきたいと思いますが、飯田保健所からの紹介患者さん以外から当院へ直接電話がかかった場合、このようなときは、やはり患者さんには申し訳ないんですけれども、飯田保健所へ電話相談をしていただいてからという流れで対応しております。 それから、次に、患者さんが直接当院へ来院された場合、そういうときにはどうするかと申しますと、患者さんにはまずマスクをしていただいて、それからなるべく人のいないところで待機していただいて、そこで担当看護師が自分で予防しておりますような格好でお話をお伺いして、それでお車などで待機して、当院のほうでは職員が検討しまして、それですぐ診られるか、または飯田保健所へやはり連絡していただいてから、いろいろな動線をまたちゃんと感染症疑いという形でやるかというようなことを検討してからの対応となっております。 救急患者さんの場合で疑わしい方というのは、ほかの患者さんとの接触を避けるようにしまして、個室へ移動していただいて、そこのところで私たちは当然十分に感染予防をしながら患者さんに対応して、怪しいかどうか、疑いがあるかどうか、または普通の風邪症状だなとかいうようなことをちゃんとトリアージしてから、そこのところでまた対応するような格好になっております。ですから、いろいろな装備、それから準備なんかに多少時間がかかりまして行っているので、皆さんには先ほど申しましたけれども、ちょっと御迷惑がかかる場合があるかもしれないと。 それから、あと患者さんの情報を飯田保健所のほうへちゃんと集めて、情報を一括で管理していただかなきゃいけないということで、そこのところにまず指示を仰いで、それから私たちは対応するというようなことで行っておりますので、保健所と連携しているというところもちょっと強調させていただきたいかなと思います。 それから、それぞれの歩いてこられた場合とか、急に来られた場合に関しても適切に対応を予防策を講じながら行っているということをお話ししたいと思います。よろしいでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 承知いたしました。非常にナイーブなところでございますので、また市民の皆様方に周知徹底のほど、御報告のほど、よろしくお願いしたいと思います。 次に、幼稚園や保育園及び学校の対応というところなんですが、一昨日の質問におきましても相当数の要旨が説明されておりました。また、重複答弁等は避けることにしまして、質問をさせていただきたいと思います。 このところ、3月2日から春休み前まで全市全小・中学校を休校にしたと説明がございました。私は、政府の思い切った行動は、世界の状況を鑑みればよくぞ思い切ってくれた、そう評価をしたいと思います。ただ、こちらに列席の職員各位はもちろんのこと、学校教員、児童・生徒は当然混乱をし、現場の疲労こんぱいは想像を超えるものかと思いますが、非常にそういうような御対応に迅速に対応されていること、感謝申し上げるところでございます。 しかしながら、突然の出来事に対し、また長期の対応ということを余儀なくされる御家庭や職場対応に、何よりも大切な我が子であろうと、保護者の皆さん方から混乱をしているという声を頂戴いたします。現在、小学校児童・生徒の休校の間の受入れ体制、そのあたりの状況をお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 議員御指摘いただきましたように、今この急な事態の中で保護者やそういった関係者の不安を最小限に抑えた対策を取るということが大事だろうというふうに考えております。 そんな中で、現在、昨日も答弁させていただきましたが、児童・生徒の特別な指導の必要があれば臨時的な登校を認めるという措置を取っております。 また、小学校の低学年の児童を目安に、共働きなどで家庭に1人で置けないという御家庭に関しては、学校と相談の上、朝から下校時まで学校で受け入れるという対応を取っています。下校時は、登録している児童は放課後児童クラブで通常どおり受け入れる、こういう形で必要最低限の対応を取りながら、混乱を最小限にしていきたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ありがとうございます。 学校ですので、休校となることで授業時間が不足するんじゃないか、大丈夫なのかなあ、そんな心配も頂くんです。卒業・進級に影響はないのか、そのあたりの確認をさせていただきます。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 既にこの件に関しては、国から通達が来ています。今回の臨時休校によって児童・生徒に不利益が生じないように卒業・進級の認定をするようにという通達が来ていますので、この件に関しては大丈夫だと思います。 ただ、現実問題としては、この間の授業がない。教わっていないわけですから、こういった内容に関しては、具体的には来年度、次年度以降、授業を補足的に行うと。未指導分に関してはしっかりと子供たちに教えていくということは必要だろうというふうに考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 先ほど来、国からの指導ということがありました。そして、それに対応して飯田市独自の取組も何件か今紹介いただいたんですが、飯田市独自の取組についてお伺いをしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 飯田市独自の取組と、ほかもやっているかもしれませんが、報道等々、飯田市が少し特徴的に対応しているなということは2点あるかなあというふうに思っています。 まず報道等でいうと、突然休校になっちゃったので、朝から放課後児童クラブで受け入れるというような自治体が多くて、支援員の手配であるとか、また逆に密集になってしまって危険性があるんじゃないか、そんな指摘を受けていますが、飯田市の場合は先ほど申し上げましたとおり、学校で受け入れようということで、昼間の期間はよりスペースの大きい学校で受け入れている。これを既に28日の段階で学校で受入れを指示して、その体制を整えているということは、早くそういった対応ができたかなあというふうに思っています。 もう一点は臨時的登校を認めるということで、特にこれから中学校に関しては入試があるわけです。そういった進路指導に関して、このまま学校に来られないということだと不安になってしまいますので、そういった臨時的な登校で指導ができる環境を整えた。これも28日の段階で既に学校に通知していると。その間、27日の深夜にこういう対応をしていいかということを学校現場と連絡が取れた。そういった学校現場への御協力や一緒にできたことに対しては感謝申し上げたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 教育現場でも非常に血のにじむような大変な作業、そして迅速な対応に感謝申し上げます。 続きまして、保育園・幼稚園、そのあたりの対応、特徴はどのようにありますでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 保育園の対応についてという御質問ですけれども、学校につきましては3月中の臨時休校の措置を取ったわけですけれども、保育所や認定こども園につきましては通常の保育を実施しております。ただし、集団で過ごすリスクを少しでも回避するために、可能な方は家庭での保育に御協力を頂いておるところでございます。 また、3月はお別れ遠足など園内行事の多いシーズンでありますので、各園に対しましてできるだけ中止、延期、縮小などの協力を要請しておりまして、実施する場合には手洗い、せきエチケット、小まめな換気などの感染予防の配慮、また公共交通機関や不特定多数の者が集まる屋内施設の利用について、極力回避するように要請しているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ありがとうございます。 通常保育を継続してくれている、そんなような状況かなあと思います。ぜひそのあたり、対応、対策、お声かけありましたら、ぜひお酌み取り頂き、市の援助等々お願いしたいと思います。 続きまして、特養など高齢者施設等への対応についてお伺いいたします。いかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 高齢者施設の対応ですけれども、こちらは厚生労働省のほうから高齢者介護施設における一般的な感染症対策についてまとめましたマニュアルが出ております。それに併せまして、令和2年1月31日付で社会福祉施設等における新型コロナウイルスへの対応についてという通知以降、新型コロナウイルスに関連しました通知が多数発出されておりまして、面会制限、湿度管理、施設の消毒、職員及び入居者の手洗い・うがいの励行、職員の出勤前の体温測定、マスクの着用など注意喚起がされているところでございます。 市でも、2月20日に開催しました介護事業所を対象としました連絡会で、新型コロナウイルスの対応について周知・注意喚起を行っているところであります。 また、市の指定管理施設におきましても、感染予防対策を徹底しているところを確認しているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 特に高齢者の皆さん方、合併症等々怖いので、そのあたりの指導、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、公共交通機関・道路等の封鎖の対応についてということなんですが、こちらはこの名のとおり非常に大きな話ではあります。いわゆる国や県警、様々な省庁との連携が取れているか、そんなような意味でお伺いをしております。御答弁をお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 北澤危機管理室長。 ◎危機管理室長(北澤克弘君) 議員おっしゃるとおり、今回のコロナウイルスの件では、公共機関の停止や道路封鎖等には現時点では至っていないというところでございまして、今後も想定されます可能性は低いというふうに考えているところでございまして、そんなことでありますけれど、万が一に備えた国・県、警察、医療機関等の関係機関との連携と連絡はより密にしていく必要があると考えているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 続きまして、リニアの開通を見越しますとどうしても関係人口が増えてくれなきゃ困る、そんなエリアなんですが、防災意識も高めていかなければなりません。そのあたりについて、対策はいかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 北澤危機管理室長。 ◎危機管理室長(北澤克弘君) 今後ですけれども、リニアが開通し、長野県駅を設置するというところで、議員おっしゃいますとおり関係人口が増えていくということも想定する中で、こうした感染症のリスクが高まることは避けられない要素の一つであるということは認識しているところでございまして、市の対応といたしましては、事前の感染対策用の物資の備蓄と緊急時に早期の調達を行うとともに、現状の把握と見立て、体制の確保、目標・方針の決定を行い、そして国・県・関係機関との連携が必要と考えているところでございます。 いずれにしましても、市民の生命と財産を守るためにこうした事態に対応できる人材の確保・育成や、住民に対しても意識啓発も含めながら引き続き充実を図っていくようにお願いをしたいというところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) このように感染症等々なんですが、日頃の健康管理、手洗い、うがい、マスク等々の着用等々があります。そんなような中、他人へのマナーアップも必要に、今回のことを機にきちっとしなければならないのかなあと思います。そのあたりの手法についてお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 感染症にかからないための手法ということですけれども、季節性のインフルエンザでお願いしていることと同様かなあと思っておりまして、せきエチケットの実施や外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などに石けんやアルコール消毒液などによる手洗いなどにお一人お一人が努めていただくことが重要かなあと思っております。 今回の新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染によりまして感染すると考えられておりまして、空気感染は起きていないと考えているものの、閉鎖した空間、近距離での多人数の会話等には注意が必要とされております。 また、持病のある方、御高齢の方はできるだけ人混みの多い場所を避けるなど、より一層注意をお願いしたいと思っております。 また、発熱等の症状が見られるときには会社等を休んでいただいて、自宅での静養・安静をお願いしたいと思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 持ち物を床に置かない、新せきエチケット、市民にせきのエチケットの励行など、衛生文化の周知・普及に取り組んでいただきたい、そんなようなお願いをしたいんですが、このたび同僚の岡田議員が超党派議連の研修会で学ばれたことを紹介させていただきたいと思います。 せきのエチケットなんですが、せき・くしゃみをするときは1メートル以上離れ、できたらしゃがむか下を向いてする。2つ目、出入口の靴底消毒、ドアノブ等の定期的な消毒、室内の換気、加湿の励行。3つ目、持ち物を床に置かない、室内に入るときは持ち物もきちんとアルコール消毒をする。できればそれぐらいのことをしてほしいなあということ。汚染された、どうしてもくしゃみ等々をすると地面に様々な飛沫が飛びます。それをどうしても靴が引っ張りますので、そういったところにまたバッグ等々を下に置いてしまうと、それがそれぞれのところにまた広がっていくという、そんなような御指導を頂きました。ぜひ市民にも広めていただきたいなと思います。 続きまして、大きな2番に移らせてください。 リニア新時代に向けた山岳観光産業づくりについて、お伺いをいたします。 一般社団法人南信州山岳文化伝統の会が立ち上がりました。その会に対しまして、支援状況と今後の取組についてお伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 山岳観光についての御質問を頂きました。 飯田市におけます山岳観光につきましては、やっぱり南アルプスの玄関口でもあります遠山地区の地域活性化の一翼を担う大きな影響を与えるものだというふうに考えております。リニア時代を迎えまして、遠山郷からのアプローチを含めまして南アルプス南部の山の奥深さ、不便さというものが今新たな国内登山に対する価値を生み出す、魅力あるものになるんじゃないかなあという可能性を認識しておるところであります。 一般社団法人南信州観光文化伝統の会の取組につきましても、南信州観光公社と連携した法人化に向けた支援やシンポジウム、そして地元山岳画家と写真家の展示会、そして遠山における世界的登山家の大蔵喜福様による「赤石山脈のエコ・登山活動を遠山に」講演会など参画してきたところでございます。 これまでも今後も、一般社団法人南信州山岳文化伝統の会の皆様が進めているエコ登山の取組、これは地域住民が南アルプスの歴史を知る、そしてまたそのすばらしさ、そして地域としての貴重な資産であるということを実感できる取組だと思っております。この貴重な財産である南アルプスを地域の人が認識するということが、この地域に住む人の再興につながると、自信と誇りを持つことにつながるということで、皆様方とのかけ橋になるよう支援をしてまいりたい、そのように思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) そうしますと、南アルプスエリアの今後の展開についてお伺いをいたします。お願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 南アルプスエリアでございますが、こちらは当地域が有する大切な資源的財産、文化的財産であるところのユネスコのエコパーク、ジオパークの登録を受けております。これらのエリアを拠点に遠山郷の魅力を体感できる体験型プログラム、これを地域と一体となってつくり上げていく、提供できる体制を整えていく、そうしたことで南アルプスへの入り込み客を拡大することができます。 そしてさらに、充実したガイドを行うことで観光客の皆様方の満足度を高める。それによってまたリピーターを増やしていくことができると。ひいては地域に落ちる財貨の獲得にもつながるものだと思っております。 また、この令和2年度におきましては、今後の遠山郷の観光の理念を明らかにしていきたいということで、遠山郷観光振興ビジョンというものをこの地域の関係する皆様と一緒になって策定する予定であります。このビジョン策定の中で山岳高原観光の重要性、そして今後の展開についてもしっかりと位置づけてまいりたいと考えておるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ただいま御紹介がありましたとおり、登山家の大蔵喜福さん、遠山郷におきまして講演会をしていただきました。参加者数は75名、100名弱というような報告を頂戴しております。目的として、明石山脈の麓、遠山郷の地域住民で主に登山関係者でない方を対象として、赤石のエコ・観光登山の構想を説明し、理解を頂くとともに、ワークショップを行い、地域住民の方ができることを出し合いながら、地域全体のプロジェクトとすることのコンセンサスを得る機会とさせていただいた、そんな報告を頂戴しております。 そして、参加者のアンケートがよかったですね。講師の話に思わず聞き入ってしまった。知らないことが多かったですが、南アルプス・赤石山脈が全くといっていいほど手つかずだったのは宝だったし、チャンスと言えることが分かったと。日本は多様性があり、日本人の生きる知恵はすばらしい。めったに聞けない世界の山での暮らしを理解できたと。誰でも学べて自然を大切にしたいと思った。トイレ、その他全て持ち帰りが大切だと改めて認識を多くの皆さん方から寄せられた。そんなことを紹介させていただきます。 続きまして、交流人口を増加させるために市内20地区の取組についてお伺いをいたします。いかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 山岳高原観光の流れの中で20地区の取組ということでございますが、今それを控える遠山郷の中でもいろいろな取組が行われているということを踏まえる中で、昨年の10月には「行きつけの田舎」というようなコンセプトで関係人口の創出を目指しまして、都心を中心に活動している情報発信力のあるクリエーターの皆様を招聘いたしまして、下久堅地区と南信濃の両地区におきまして体験型の見学会、エクスカーションというようですけれども、これを実施して、両地区の結びつきのきっかけをつくってきたと、こんな事例がございます。 今後のまちなか観光、それぞれの20地区、例えば風越山、野底山の里山の魅力、そして西部山麓の美しい景観など、それぞれの皆様方が地域を挙げて取り組んでいただいておる。こうした取組をしっかりとつなげながら、飯田市における周遊滞在型の観光、そうしたものも提案していき、人と人との交流によりまして地域の活性化、こうしたものにつなげてまいりたい、そのように考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ぜひ幅広く提供をお願いしたいと思います。 この地域は人口減少が非常に大きいわけで、試算では10年後で3割とも言われてしまうような、そんな試算もあろうかと思います。そのような中、観光人口の増加や様々なニーズに対し、エコツーリズムに関する、またその類いの新しいチャレンジ、国や県の支援策をきちんと取り入れ、連携を密に今後もしていただきたいと思います。 どうしてもそれに対しましてはインフラ整備が欠かせません。特に遠山郷の主要路線、観光のトップシーズンを前に通行止めになってしまうこの現状回避をどうお考えなのか、お伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 観光のトップシーズン前の通行止め、道路管理ということでございますが、雨季の安全対策として定期的に上村駐在の職員と土木課の職員が中心になって、路面の状況、それから落石、そういった可能な部分ののり面の点検等を実施しております。特に梅雨時期には重点的に点検をして、必要な維持・補修工事等を実施している状況でございます。 また、降雨量の時間雨量、連続雨量、規定を設けて安全確保のための通行止めの措置、さらには安全確認後に開放している、そんな対応をいたしております。 国や県においても、のり面対策の工事を協議をして実施していただいている、そんな状況もございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) しらびそ高原の天の川への周遊道路(市道上村1号線)、この辺りは通年通行ができるようにしてもらえないか、そんなような要望も日に日に高まってきております。このあたりのお考え、いかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) ただいま御発言いただきました上村1号線になりますが、これは上村4号線の分岐点から冬季閉鎖をしている状況にございます。今年におきましても、11月18日から4月の上旬を予定して閉鎖を実施しております。 この路線につきましては、積雪の期間も長く、それから雪崩といったような心配もございます。その時期に除雪作業を行いながら安全に一般車両を通過させるということは、なかなか難しいのが現状というふうには認識をしております。 今後、ただいまおっしゃっていただきました通年開放、これにつきましては、申し上げたような状況からすれば、冬季閉鎖として春に除雪、さらには安全確認後に開放といったところが望ましいというふうには考えるところでございますけれども、施設の営業状況、そういったものと併せて検討課題というふうには認識をしているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) そうですね。どうしてもバランスよく物事を考えていかなければなりません。そして何より安全でなければいけません。そのあたりをぜひ、国・県の皆さん方と連携をとって通年営業、それこそ南アルプスエリアの大きな観光の目玉になります。ぜひ、リニア開通までにはしっかりと形を出していただけるようにお願いをいたします。 続きまして、大きな3番フィルムコミッションについてお伺いをいたします。 映画「いつくしみふかき」が飯田市内を中心に6年の歳月をかけ作成をされました。飯田市内でも先行上映をされ、多くの感動が広がっております。このことにつきまして、飯田市が後援に至った、本当にありがたい話です、その経緯についてまずお伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 串原市長公室長。 ◎市長公室長(串原一保君) この後援の申請は、今から2年半ほど前にございまして、平成29年8月でございますけれど、映画「いつくしみふかき」製作委員会のほうからございまして、この趣旨が、当地をロケ地として制作するものであるということでございましたので、そういった趣旨を適当と判断いたしまして承諾させていただいたということでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 後援をした結果見えたものをお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 串原市長公室長。 ◎市長公室長(串原一保君) 後援をしたことによってというよりも、これは映画の制作に携わった皆様の努力だと思いますけれども、地元の住民の皆さんがエキストラとして参加するとか、それから食事だとか宿泊のお世話をするだとか、お聞きしますと約600人もの皆さんがここに関わりまして、共同して制作するような形になっていったということで、単にここをロケ地とするというだけではなくて、この映画づくりを通じて人と人とのつながりが築けたと聞いております。 市といたしましても、そういう協力があったということ、それからその後のいろんな評価、これが飯田を映画という形で全国・世界に発信できたというようなこと、こういったことを誇りに思うとともにうれしく思うということでございまして、市といたしましても広報の立場から協力をさせていただいたということでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) ただいま答弁があったように、飯田市のみならず全国に、そして世界に発信できるすばらしい作品ができ、それに地元の皆様方が深く携わっていただきました。そんなような作品が、このたびテアトル新宿にて公開が予定されております。4月17日よりと聞いております。それは、飯田市を全国・世界に告知できる大きなチャンスと捉える、そんなようなお考えはいかがでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 木下副市長。 ◎副市長(木下悦夫君) この「いつくしみふかき」でありますけれども、市役所の玄関にも映画の撮影のスナップ写真が掲示されておりますけれども、霜月祭、それから人形劇、りんご並木、それから飯田焼き肉といった飯田の魅力がスクリーンに出てくるわけであります。飯田を知っていただける映画というふうに捉えております。 これまでも広報、それから飯田市が管理するフェイスブックやツイッターで全国に情報発信をしてきたところでありますけれども、4月17日からの東京上映に向けましては、信州飯田ふるさと会連合会役員会での広報の配布、それから銀座NAGANO、それから長野県東京事務所へのチラシの配布などの協力をお願いするなど、そうした取組。それから、飯田ブランディング事業の一環としてでありますけれども、東京においてメディア、それから情報誌の関係者にもその発信についてお願いをしてきたところであります。引き続き情報発信に取り組んでまいります。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 過日、南信州地域の振興局、局長さんに御挨拶にお邪魔させていただきました。観光誘客や映画のロードショー、後にもいわゆる聖地巡礼と言われる、そんなようなことにも非常に県内の多くで取り組まれており実績があるということ。まさに「いつくしみふかき」、この作品も後が非常に楽しみな作品だ。そして、多くの感動を呼ぶ、そんなお墨つきを頂戴しました。 また、この近くに長野県知事さんのほうにも御挨拶に行きたいなあ、そんなような計画もしております。ぜひ、そのあたりも飯田市の皆様方にお力添えを頂きたいと思っております。 あと、コロナウイルスという非常にやっかいなタイミングでございます。大きなイベントがなかなか打てない中、各個人個人へなるべく多くの手元に届くような、そんなようなPRの方法も大切なのかなあと思っております。そのあたりの御相談、今後させていただきたいと思います。 続きまして、フィルムコミッション、先ほど題目とさせていただきましたが、この「いつくしみふかき」撮影における支援状況と、今後の必要性なんですが、必要性のほうを特に重点的にお伺いをしたいと思います。お願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 今後の必要性ということでございます。 これまでも議員さんおっしゃられましたように、いろいろと取組をする中では多くの方が関わっていただいて、やはり今回の場合も南信濃、そうしたところの地域の中の皆さんに関わっていただきました。応援する会を立ち上げていただいたりしてきたということで、やはり地域の盛り上げがあったということが大事だったかなあと、そうした応援もしてきたということを思っております。 そして、必要性につきましてですけれども、これまでも飯田を舞台とした作品が上映されてきておることではございます。今回の「いつくしみふかき」の場合も、今までも出ておりますように多くの方の御支援を頂いて、それぞれの立場からの支援を頂いてきたということでございます。これは当地における一丸となるという多様な主体の協働につながるものだと認識しておるところでございますけれども、この映画を撮影した場所が上映されることで、やはりこれが全国、そして世界へと発信されます。これはそこの地域の皆さん方の誇り、そして地域への愛着というものへもつながっていくということで、さらには観光的には議員のおっしゃるような聖地巡礼といいますか、いろんな方がこちらへ来ていただけるということにつながってくるなあと思っておりますので、今後も映画だけじゃなくて番組取材とか、そういったテレビ取材含めて取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 大山晃一郎監督が述べました。ロケ地となった長野県飯田はどうだったか。飯田は360度山に囲まれていて、小さな路地にいきなり階段があったりだとか高低差があるんです。カメラを通して見たとき立体的で、ここで撮りたいという場所がすごく多いと。そして、準備段階でのエピソード、飯田にフィルムコミッションがなかったこと。地元の方たちも映画を撮るのはいいけれど、自分たちが何をしていいか分からないという状況でありました。映画を応援する会という組織をつくらないと話を通すのもしんどいということで、応援する会に入ってくださいとお願いする活動が大変だったと。いざ撮影となると、飯田の方たちが映画のスタッフになってくださり、他の地域でフィルムコミッションさんと一緒にやるよりももっと広い範囲のことを地元の皆さん方が気遣ってくださいましたと、そんなお言葉も頂いております。 渡辺いっけいさんも、飯田のまちが景観がいいというか、ロケ映えする場所なんです、そんなようなことも頂戴しました。そして、主演男優の遠山雄さん、長野県飯田での撮影にこだわりがあったと聞くが、どういうところかというところなんですが、3年周期で転校を繰り返していた幼少期、そんな遠山雄少年が初めて長野県大鹿村にて皆がフレンドリーで1日で打ち解け、温かく感じたと。そして、厳冬期には飯田市内にて過ごしたのでありますが、飯田は嫌なことがあったり、これから何かにチャレンジをしなくてはいけない不安がすごくあるときは、大人になってからも何かあるとおじいちゃんとおばあちゃんのお墓に報告しに行くぐらい温かい、そんな思い出しかない非常に温かい場所だと頂きました。だから、今回の映画作成のようなどれだけ大変なチャレンジをしても、飯田なら最終的に誰かが助けてくれて何とかなるのではないか、そんな気持ちがあったと、そんな答弁を頂いております。 最後に、この映画「いつくしみふかき」がこうして多くの感動を生み出している真ん中に、この人をなくして今はありません。故伊藤茂雄さんです。今なお多くの人々の心の中で生き続ける茂雄さん、こんなにも多くの感動と人々のつながりを生み出せる場がふるさと飯田。私は、映画「いつくしみふかき」を応援する会に微力ながら参加をさせていただき、作品づくりからまちづくりを改めて学ぶことができました。 だから、この感動を全国の、世界の多くの皆さん方に伝えること。そして、次なる作品づくりができるまち飯田に。 そして、私は政治家です。政治でできることをもっともっと多くの人々と共有できるまちづくりをしたいと思っております。 提案します。私が市長なら、飯田映画祭、もしくは飯田国際映画祭が開催できるまちにしたいなあ、そんなふうに思います。ありがとうございます。 続きまして、4番土地活用(ソーラーパネル等の設置)についてですが、ソーラーパネル、エコは非常に良いことなんですが、その設置後、トラブルが非常に絶えないというようなことがございます。環境基準、そして開発基準、そのあたりは市のホームページ等々に出ておりますが、全国の設置後のトラブル把握、そのあたりはきちんとされていますでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 太陽光発電設備の設置後のトラブルという御質問ですけれども、全国的にはパワーコンディショナーからの騒音の問題ですとか、あるいはパネルの反射光による光害、こういったことが一番多く発生しているということで情報把握をしております。 これ以外もるるありますけれども、このぐらいの答弁にさせていただきます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。
    ◆17番(新井信一郎君) 非常に環境配慮をした取組、ソーラーパネル、いいことなんですが、やはり地べたに直接つけることはなかなか問題があるのかなあと、そんなふうに思います。施設が設置された後、付近住民が災害等含め困惑するケース等が非常に予想されておりますし、事例もございます。いかなる場合も最終的にきちんと撤去できる、そんな責任の所在の明確化が必要と考えます。 1つは、供託金といいますか積立金、撤去するまでのその部分をきちんと担保する上で、その事業を進めてもいいですよ、そんなようなことをきちんと市の条例として、国のほうとしましては一定程度の大きなものはあるかと思うんですが、それから漏れた細かいものが飯田下伊那、非常に多くございます。そのあたりのところの安心感を取るためにも、いわゆる積立方式が必要かと思います。そのあたりのお考えをお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 特に事業者の皆さんの事業継続不能に陥った場合のリスクマネジメントというところでありますけれども、これについては今議員のほうからおっしゃったとおり、国のほうで今まさに現在進行形で、10キロワット以上の全ての太陽光発電施設の認定案件について、源泉徴収的な仕組みの中で外部積立てを行って、万が一の場合には撤去するという費用の仕組みを構築しているという、まさに現在進行形の過程にあります。 当面は、この国の状況、供託金の在り方というのもこの積立金制度とかなり深く関連するところがありますので、当面は国の動向を見て対応していきたいと思います。 また、10キロ以下の案件についてはこの対象にならないもんですから、これについては研究検討課題というふうに捉えさせていただきます。 ○議長(湯澤啓次君) 新井信一郎君。 ◆17番(新井信一郎君) 最後、ランドスケープの概念なんですが、このあたり、大分飯田の中でもこの言葉がなじんできたのかなあと思います。 今、ソーラーパネル等々のお話がありました。一定規模以下のものも市の条例できちんと受皿をつくり、付近住民の、そして訪れる皆さん方が安心して風景を楽しむ、空気を楽しむ、そんなような飯田にしなければなりません。そのためにもこのランドスケープの概念、これからもきちんと市の中で共有をしていただき、市民の皆様方にもその意味を、そしてデザイン大学等々、この次のそういったビジョンもあろうかと思います。そのあたりへつなげていただきたくお願い申し上げまして、私の一般質問を終了とさせていただきます。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で、新井信一郎君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 塚平一成君。 △塚平一成 ◆3番(塚平一成君) おはようございます。会派のぞみの塚平一成でございます。 コロナウイルス拡大による対応状況に対しましては、さきの新井議員の質問の中でも質疑が展開されましたが、昨日も清水勇議員、また村松まり子議員よりそれぞれの観点から取り上げていただきました。 私の今回の質問内容は、この事態を受け、自粛、また取りやめモードを余儀なくされている旅行、外出、またイベントやステージといったことに関わる案件となります。いずれも人や地域に活気を与えられるテーマであり、ぜひこのコロナ対策、適切な対応に取り組まれる中で、問題の終息により市民生活に希望の春が早く訪れますことを願いながら、質問に入らせていただきます。 それではまず1番、ユニバーサルツーリズムの促進について取り上げさせていただきます。 このユニバーサルツーリズムの概念でありますが、観光庁は全ての人が楽しめるようつくられた旅行であり、高齢や障害等の有無に関わらず誰もが気兼ねなく参加できる旅行の提供と定義づけて推進が図られているところであります。これは全国を見ても、例えば京都市では市がユニバーサルツーリズムコンシェルジュを任命する取組が行われたり、また佐賀県の嬉野温泉では、温泉観光協会主催で温泉入浴の介助ヘルパー仲介サービスが行われるなど、地域によりそれぞれ特徴的な取組が進められているところであります。 長野県におきましても、昨年度、平成30年度より信州型のユニバーサルツーリズム推進事業が進められています。この理念としまして、紹介させていただきますと、県民の温かいサポートとおもてなしの心で、山も谷も乗り越え学ぶということでありまして、この山と谷を乗り越え、何か愛染かつらの主題歌の歌詞のようで最初不思議な感覚も覚えたりしたものですが、その後3つの特徴ということを聞かせていただきまして、1つは人材、これはサポート体制ですね。そして機器、サポート機器の充実、そしてもう一つが地域ということで、ここが山も谷もに関わってくるところなんですが、これは信州ならではのバリアということで、通常はバリアであるはずの山や自然が、逆に県の観光資源であるということです。バリアがあるから移動困難者は行けないんだということではなく、さきに示された人材や機器等を活用しながら乗り越え、誰もが信州の自然環境を享受し、楽しんでいただけるような環境の整備と捉えました。 県内、現在は5つの地域でモデルルートも作成され、取組が進められているということであります。 こうした国・県、また各地域でのこういった流れが進みつつある。そんなことを受け、当市においても推進するべき共生の社会づくりの視点から、観光面、また福祉面においてともに欠かせない観点となってこようかと思われます。このユニバーサルツーリズムの推進、市の認識としてどのように捉えていらっしゃるか、まずお伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) ユニバーサルツーリズムにつきましては、今議員からもお話がありましたように、小さな子供や高齢者といった年齢、あるいは言葉の通じない外国人といった国籍、あるいは障害のある方や妊婦さん、ベビーカーの利用等々のハンディがあるにもかかわらず、全ての人が気兼ねなく楽しめるようにつくられた旅行というように認識しております。様々なハンディや障壁を抱えた皆様方に対しまして、サポート体制を整えることにより、諦めていた旅行や野外活動を考える動機づけになるというようなこととともに、観光事業者にとりましては新規顧客を開拓する機会となり、集客力向上が期待できるというような考え方ではないかと考えております。 ユニバーサルツーリズムを推進していくためには、施設のバリアフリー化などハード面の整備はもちろんでありますが、ハンディを抱えた皆さん方の移動支援、あるいはこうした立場を理解したきめ細かな接遇など、ソフト面の充実も課題と考えております。宿泊施設など観光事業者や福祉事業者など、幅広い関係者の皆さん方との連携と協力が重要と認識をしているところであります。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 このユニバーサルツーリズムについて、確かにハード面はまだ課題が大きいところと捉えています。当市としても、まだこれからこの議論の入り口に入っていく段階かなと捉えております。 そこで、今回は外出困難者へのアウトドア支援という、主に人的、市長がおっしゃられましたソフト的な部分、こういったことを議論の切り口として進めさせていただきます。 介護の世界で専門家の格言なんですが、1回の旅行は1年分の機能訓練に匹敵すると。また、旅は最高のリハビリであるという言葉を聞いております。そういったことを感じられるような、今回自身の身近な体験と照らし合わせながら、1番の意義を提議したいと思っております。 小規模なデイサービスを運営しているわけなんですが、その中で外出やお出かけによる心身機能の回復ということに一つ大きな重点を置いて取り組んでいます。もちろん介護計画に位置づけ、人員体制等万全にして希望を考慮した上での取組でありますが、なかなか、例えば独り暮らしのお年寄りの方が行けない温泉とかにお連れして、介助しながら楽しんでいただくということも、めったにはできないんですが、昨年もそういったことを1度企画させていただいたことがあります。 また、この温泉に限らず遠出を楽しんでいただくということもあり、ちょっと一例を出させていただきますと、ある独り暮らしの高齢者の方が、事あるごとに遠山、南信濃のほうに行きたいなあと常に口ずさんでいらっしゃった。それで、ある時期、計画をして、遠山行きの見学ミニツアーというのを行ったことがありました。そして、私はちょっとびっくりしたのが、その後の心の変化の大きさであります。ふだんは、自分は長く生き過ぎたなあと。自分が外に出たらみんなに迷惑をかけるから、もう俺なんか出ちゃあいかんなあと言いながら通っていらっしゃる方なんですが、その後は遠山に行ったんだと、めったに行けないところに行ったというすごい反響でした。心の反響、心の活性がよみがえり、生み出される変化を大きく感じました。その方は認知のある方なんですが、そういった感動は覚えていてくださっているようで、今もまた時期を見てどこどこへ行きましょうねと声かけもしながら、そういう前向きさを植え付ける、そういうことも提供できるよう心がけている次第であります。 これは学術的な部分においても、実は先月、私はある論文を頂戴しまして、奈良学園大学保健医療学部の池田耕二教授、また北大阪ほうせんか病院、こちらは理学療法士の喜多一馬さんの共同による「地域リハビリテーションとしての温泉旅行の可能性を探る」と題する研究論文を頂戴しました。読ませていただきまして、その中でもそういったことが失った自信の回復や新たなる挑戦の気持ちを育み、また他者との交流の促進などの効果が導き出されるという、そういった結論と受け取っております。 以上、自分の体験上、また専門家の経験を伺う中においても、また学術的においても、アウトドアによる非日常の提供による高齢者の方のリハビリ効果はかなり大きいものであると。そして、心身機能の維持改善、自立支援、QOL向上へ向け、こういった非日常へといざなうアウトドア支援の意義は飛躍的に大きいと確信をするところでございますが、いかがでしょう。どのように捉えられていらっしゃいますか、御見解をお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 厚生労働省をはじめとしました諸機関の研究の成果等からも、高齢者の社会参加が高齢者のフレイル状態に陥ることの予防効果が極めて高いとされておりまして、議員指摘のアウトドア活動、これにつきましても高齢者の社会参加等の一例になるものと思われますので、その点からも外出支援というのは意義のあるものかなあと捉えておるところでございます。 同じく、障害児・者の社会参加につきましても、本人や家族の生きがいや達成感の獲得とともに障害者に対する理解の推進にもつながると捉えておりまして、共生社会の実現に向けて有意義なものと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 こういった意義の大きさを、認識を広めていっていただきたいと思っているところでございますが、ここで②現状の把握ということであります。この現状ということなんですが、先ほどのデイサービスの件というのは、なかなか一般の施設ではこういうことは難しいかなと私も認識しておりますので、これは特別な例であるということで、まず御了承くださいませ。 私の聞いている範囲での現状というのをちょっとかいつまんで述べさせていただきます。 外出困難な方の旅行などを支援する目的で、民間の資格で地域トラベルサポーターという資格があります。県内でもこういった専門的な人材の育成の動きも進められ、また各種団体との連携も図られながらの上で、こういう紹介もされていくという活動が実施されております。ちなみに今日聞いた数字なんですが、県内では今現在143名の方がこのサポーターに登録されているということであります。旅行、温泉などのほか、結婚式の出席とか、そういったことの介助というニーズもあるということで聞きました。 この飯田では、数日前に聞いたんですが、まだ3名ということで聞いております。こういったサポーター、いろいろ県内でも活躍をされている事例があるんですが、飯伊における実践的なサポーターの活用の部分ということでは、ちょうど今、阿智の昼神観光局と飯田市内の訪問介護事業者などの連携によって、昼神プレミアムサポートというプロジェクトが進められているんです。これはちょうど今年の1月3日の信濃毎日新聞に掲載されています記事が、「ユニバーサルツーリズムを身近に」というタイトルでこの取組が紹介されています。この記事の中では、サポートが今提供している介助つきの高齢者旅行プランというのを開始されて、飯田市内の93歳の高齢者の方に日帰りの昼神温泉へのツアーを入浴介助つきで提供された、そういった模様など記されています。 なお、この阿智村というのは、冒頭に述べた県の取組のモデルルートでもありまして、村としては一昨年よりユニバーサルツーリズム事業を本格化され、観光局にていろいろ取組を展開されているということでもありました。 この観光振興という観点からは、できれば飯田市内の温泉施設、こういったものもターゲットとなる取組も期待したいところなんですが、現時点ではそのような動きは聞いてはいないところでございます。 以上、主な現状を述べさせていただきました。市としては、そういった現状をどのように把握されているか、また御所見などございましたらお伺いしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 最初に、議員から御紹介がありました通所系サービス事業所において年数回お出かけを行っているというような事例。それから、ほかにも送迎の延長の位置づけで買物等の目的で商店に立ち寄っている、そんなようなケースがあるということは把握しております。 それからまた、障害児・者の一部には、その支援者や知人等によるボランティア活動によりまして、外出や余暇活動といった社会参加が可能となっている事例があることは把握しております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 以上を受けまして、支援体制を今後さらにどれだけ充実させていくべきであるかということについて移らせていただきたいと思います。 この必要性という部分に入ります。まず、高齢者の視点から機能の維持改善、また介護予防、健康寿命増進において有用な観点であるという点については、共有認識であると捉えさせていただいております。必要性の掲示ということでありますが、2021年度、来年4月からの次の第8期の高齢者福祉計画、介護保険事業計画の策定に向け、これから議論が積み重ねられていくというところだと思います。次の8期の計画において、こういったユニバーサルツーリズムの観点から高齢者を非日常へいざなうアウトドア支援の視点といったものを位置づけられるということを提案させていただきたいと思います。 多分1か2で位置づけることが可能なのかなあということを思っておりますが、そういったことでこの体制の構築につなげていただければということをちょっと提言したいところなんですが、いかがでしょうか。御見解をお願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 地域共生社会をこれから実現していくという視点、それから地域包括ケアシステムを構築していくという視点から考えますと、介護保険で手当てするサービスというのは日常生活を送るためのサービスということになってはおるのでありますけれども、例えば日常生活の中で移動するための足の確保というような生活支援の仕組み、そんなようなところを構築していく必要性は認識しておるところでありまして、そういった介護保険外のサービスにつきまして、来年度策定予定の第8期の高齢者福祉計画、介護保険事業計画において必要な取組を位置づけていく必要があるということは考えております。 その体制としましては行政に限らないわけで、NPOとか地域の方、ボランティアなど多様な主体において取組が行われることも想定されますので、それらの主体に対しての支援の方向性とか在り方についても、一定程度位置づける必要があるのかなあと考えておりまして、今後の研究としていきたいと思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 研究に対して前向きな答弁と受け止めさせていただきましたが、より実効的な計画となる、そういった観点からもしっかりとした御検討をお願いしたいところでございます。 それで、先ほど冒頭に県の取組における特徴として、一つサポート機器の充実という点が示されていました。実は、この3月22日に予定されていたんですが、さきのプレミアムサポートのメンバーの方が中心となり、人力、牽引式の車椅子、補助装置を活用した障害者などの移動介助に対する野外体験イベントというのが企画されていたんですが、残念ながらこのウイルス拡大の影響で今回は見合せとなってしまったということがあります。 やはり障害者の方の移動支援という視点、こちらも大変重要でありまして、時には先ほどの山も谷も乗り越えながら自然のすばらしさを提供できる、そんな可能性をさらに広めていかれる、そんなことを期待いたします。そんな視点も踏まえ、障害のある方の移動、アウトドア支援の在り方について、お考えをお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 障害者のアウトドア支援につきましては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律、障害者総合支援法ですけれども、この法律に基づきまして、障害児・者の余暇活動参加への支援もサービスとして位置づけられておるところでございます。 屋外で移動が困難な障害児・者に対してヘルパーによる介護を行う移動支援や、視覚障害者に対する同行援護といった障害福祉サービスがあります。サービスの利用に当たっては、基本相談や計画相談等を通じまして必要とする対象者を把握しまして、個々のニーズに応じた必要なサービスの支給決定を行っておるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 このユニバーサルツーリズムの促進していかれる風潮、そういった理念に即して、また実効的な活動の範囲がより広まるような支援の体制、そういったこともこれから考えていっていただけましたらと思います。 さて、こういった促進に対する今後の展望によりまして、やはり先ほど保険外のサービス、NPOや民間の活用を想定した場合ということも、これからは生じてくるケースがあると思います。先ほどのプレミアムサポートのケースでもそうなんですが、どうしても保険外のサービスということになりますと、介護保険を使って1割とかというのとは違って、利用する方たちへの費用の負担というのもある程度かかってしまう、そんな側面もあろうかと思われます。 県の推進事業の中では、そういった部分も含めて理解の推進ということなのかなと私は捉えている部分ではあるんですが、例えば計画に位置づけ、体制を整えていこうとなった場合の過程で議論されることとは思うんですが、そういったところに対する支援、サポートということについてお伺いをいたします。 介護予防、また維持・改善の視点から、そういったサービスを利用されるに際し、助成の制度を研究されるとか、また市民への啓発の手段について検討されるなど、こういった考えの普及に向けての支援策にそういったことがなり得ると考えるところでございます。少し先の展望の話になるかもしれませんが、そういったことに対する実現性、有効性というところに対してはどのようにお考えになられるか、お伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 介護保険の保険外サービスの点につきましては、先ほども答弁しましたけれども、第8期の計画に向けて今後研究していきたいということですので、これから内容を詰めていきたいと思っておりますが、ただ、障害児・者に向けては、先ほど法に基づいたサービスもしているということでもありましたが、当事者や家族による団体が主催する外出や余暇活動、また障害者支援を行うボランティア団体等に対しましても、その活動費の一部を助成することで活動に対する支援を現在も行っておりまして、そういった取組は今後も継続していきたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 また、この件は今後体制が推進する、そういった流れが出てきた場合に、随時私もまた提起していきたいと思っております。 それでは、最後の(4)の項目になります。 ここまでの議論を踏まえて、このユニバーサルツーリズムの推進に向けて、まずはソフトの部分の体制整備の必要性というのを今日の議論でも改めて認識をさせていただきました。様々な施策の充実により、この飯田にも前向きな高齢者が増え、あふれ、また障害のある方の活動のフィールドも大きく広がっていく、そういった飯田市になってもらいたい、そんなことを私は頭に描いて質問をさせていただきました。そしてまた、そうなることによって、そんな飯田に憧れて全国各地から皆さんが集まってこられる、そういう飯田の未来像というものも私は期待しているところでございます。 私も横浜で活動していて、横浜にいた頃に地区の肢体障害者福祉協会で協力員をしていたこともありました。そこでは研修旅行も定期的に行って、私も一緒に付き添っていったりもしたんですが、今そういった会の人にぜひ一度飯田で研修旅行に来ませんかというようなことも呼びかけているところではあるんです。ただ、どうしても行く観光地や受入先の体制や風土についても慎重になられるというところがどうしてもあるというところは感じていまして、そんなところも踏まえて、ハード的な面も含めた部分になると思うんですが、そういう受入れや体制の整備もしっかりすることによって、首都圏、県外からユニバーサルなニーズにそういったところから応えられる都市となっていくことが、このリニア時代に向けた観光戦略的にも、時代とともにだんだんとクローズアップされてくる、そんな視点と捉えております。 そして、この飯田のよさや、飯田ならではの臨場感あふれる自然環境や、人のポテンシャルや温かみ、そういったことも生かしながら、飯田ならではのユニバーサルツーリズムの土壌と仕組みが構築される、そういったことは大変有用であり、その方向性を示していただけることを望むところでございますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせ願います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) これからのリニア時代に向けまして、飯田の山里街のすばらしい魅力を外に向けて発信していくことは非常に重要であると考えております。そのために、ユニバーサルツーリズムを推進するために、宿泊施設や福祉施設などの事業者やボランティア団体等、幅広い関係者との協力や連携が必要不可欠でありまして、様々なバリアを取り除き、全ての人が気兼ねなく楽しめるためのハード面の整備や、高齢の方や障害のある方にバリアを感じさせないおもてなしが提供されるような関係者の対応が重要であると考えております。 外出困難者に安心して訪れていただくために、バリアフリー等の環境整備はもちろんのこと、今後受入れ側として介助する人の人材確保などのサポート体制も欠かすことはできないと考えておりまして、お互いの個性を尊重し、多様な価値観を認め合いながら交流できる地域の実現に向けて、ボランティアの養成と活動の推進を図るとともに、その積極的な活用に向けてボランティアセンター機能の充実を今後図ってまいりたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) ぜひよろしくお願いします。私も引き続き市議として、また介護の世界に関わる人間としてもしっかり取り組んでまいりますので、共にそういう全ての人に優しい、受け入れる飯田市をつくってまいりたいと思っております。 続きまして、2番に移らせていただきます。 音楽による地域づくりについてということであります。 まず、(1)市民イベントの取組についてでございますが、まずは①の地域力向上の観点からの評価ということで入らせていただきます。 先月、2月23日のことでありました。飯田市公民館におきまして、市内のコーラスグループが1年の成果を披露するコーラスグループ発表会が開催されました。私も地元竜丘のコーラスのメンバーでありますので、参加をさせていただきまして、テナーとしてこのハーモニーをステージで披露させていただいたところでございます。この中では、岡田議員もやはり地元のコーラスメンバーとしてその雄姿を輝かせていらっしゃいました。 コーラス、合唱をやっていて自分の感じていることなんですが、コーラスというのは他人との、周りとのハーモニーが命であるなあと。やることによって協調の精神、また他人を労わる気持ちというものが自然に培われてくるものかなあということで、これを実感しているところであります。音楽による人と人をつなぐ効果、こんなことを言われていますが、そんなところを心で実感しているところなんですね。 ちなみに、これもちょっと私の分析なんですが、逆にカラオケで歌うことってありますよね。皆さんよく行かれることがあると思うんですが、このカラオケで歌うというのは、私は逆にどちらかというと自己愛と捉えています。これは例えば、自分を励ますとか、自分を高揚させるとか、自分のストレスをちょっと軽減するとか、そういうむしろ自分を労わる部分が多いのがカラオケであるなということであります。私はどっちも好きなのでどっちもやるんですが、そんなことで自己愛のカラオケ、そして他人を労わる合唱をやっていることでバランスが取れているのかなあと勝手に解釈をしているところであります。 それで、そういった地域力の向上というところに戻りますが、こういった住民同士、市民同士の人と人とのつながりの強化の上に地域力は上がっていくと私は考えているんです。これは先ほど、音楽を通じても、こういった発表会や各地区でコンサートを行われたりしていると思うんですが、そういったことによる市民参加型の音楽イベントの開催、これは大変意義が大きいものであると捉えています。 そこで、こういった市内での取組をどのようにそういった観点から評価され、考察されているのかということについて、まずお伺いをいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今、議員触れていただいた市民参加型の音楽事業、例えばコーラスグループの発表会、また伊那谷文化芸術祭などがあると思いますが、こうした事業の意義、すばらしいところというのは、市民が主体になって開催し、それぞれの皆さんが発表するというだけではなく、運営にも自ら積極的に関わっていることだと考えています。相互の交流や鑑賞し合い、心のつながりやお互いを尊重し、研さんし合う場になっていると考えています。 さらには、こうした数々の取組を通じて良好なコミュニティーとムトスの心、さらには議員おっしゃるようにハーモニー、こういった心が育まれ、音楽を通じた生きがいのある生き生きとした地域づくりにつながっていると考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) この音楽による地域づくりのすばらしさ、まさに教育長がおっしゃっていただきましたそういうエッセンスが存分にこれからもあふれ出てくる、そんな音楽によるまちづくりというのをまたこれからも推進していっていただきたいと思っております。 先ほど合唱の話をしましたが、ただ一方で合唱に携わる方からいろいろ話を聞く中で、課題として私が感じていることがありまして、まずは高齢化、今やっぱり全国的に合唱というものが衰退傾向にあると指摘されている現状があると思うんですが、そういった中、この飯田市内でも解散や消滅をされてしまった団体もこの数年に幾つかあるということを聞いております。そんなことが悩みの種であるということで伺っているんですが、そういったことのためにも、市民音楽の分野において裾野をもっと広げていくことが大切ではないかなあと思っているところなんです。 来るべきリニア時代、また三遠南信自動車道の開通時代も見据えながら、この飯田が市民音楽の何らかのメッカとなれるような発想で取り組むこと、そんなことも市民意識の向上にとって大きな機会になるのかなと思っています。 ここで、私は飯田がメッカとなり得るのではないかという取組として、ちょっと1点上げさせていただきたいと思うんですが、今、全国からじわじわと注目を集めつつある取組で、「華齢なる音楽祭」という取組が行われています。この「華齢」は、華は中華料理の華、華やかな華なんですが、齢は年齢の齢と表記されています。出演者の全員が60歳以上で、皆さんが運営まで手がける、先ほど教育長もおっしゃられた運営まで手がけられて、積極的なイベントであります。実行委員会形式で毎年9月に開催されている音楽イベントで、昨年の秋で第7回を迎えられたということになります。 音楽祭では、やはり高齢者の皆様が主役となるという概念であり、ステージでもスポットライトを浴びるという、さっきの1番のテーマでも私がキーワードとして出しました非日常、そういった中での音楽の披露を通じ、元気で活力ある高齢者が増え、高齢化が進む当市において大変重要な取組になるのかなと考えております。 横浜では、この趣旨に賛同されてNPO法人が主催するYOKOHAMA童謡フェスティバルというのがあるんですが、その催しとして「華齢なる音楽祭inよこはま」と銘打たれた催しも開催された、そんな経緯もございました。 このように、いろいろ内外への可能性を秘めた取組と捉えていますが、どうでしょうか。この意義をどのように評価されるのか、お聞かせを願います。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 「華齢なる音楽祭」、高齢者から若者までの皆さんにより企画運営されております。その目的としては、高齢者による地域文化の向上、高齢者と若者の世代間交流、学ぶ事業の楽しさを再認識すること、これらを目的として実施しております。 世代を超えて共有できる音楽を通じて、高齢者と若者の垣根のない世代間交流、この実現を目指しており、年齢に関係なく一緒に学ぶ、その貴重な機会になっていると考えています。 人生100年時代と言われる社会を迎えるに当たって、音楽を通じた世代を超えた学びは、高齢者が生きがいを持って元気で活動できる機会として大変重要であり、この「華齢なる音楽祭」はそういった本当に大きな、また貴重なイベントだと、事業だと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 大変な評価を頂いているということでございますが、こちらもまた一方では、特に高齢者の方が中心となる取組でもありまして、今後の継続性を懸念される声というのが聞こえてきているところです。さきの合唱のケースでも示させていただきましたが、後に続く人材への不安という、そういった点があるということであります。 私は、やっぱりこういった流れは継続していって広めていく、先ほど言いました飯田がメッカになれるような取組ということなんですが、おやじバンドというのが流行しましたよね。全国的にブームになって、今もなっていると思うんですが、あれはNHKのコンテスト番組とか、あと「渡る世間は鬼ばかり」という番組で取り上げられたということもブームの一因なのかなと解釈もしているんですが、この取組も戦略的に広めていかれれば、「華齢なるステージ」、そんなようなカテゴリーで飯田発祥で他の都市に広げられていく、そういうことも展望できるのではないかなあと私は考えています。どうでしょう、そういったことに関してどう思われるか、御所見をお願いしたいと思うんですが、いかがですか。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) そうですね。議員おっしゃるように、これをどうやって広げていくか、また持続可能なものにしていくかというのは大きな課題だと思いますし、また教育委員会からもできる形の支援というのを考えていかなきゃいけないんだろうなというふうに思います。 その中で、高校生がこの音楽祭に力を貸したいというような声が上がっているように聞いています。高齢者と共に、また若者、違う世代もここに関わっていくということも大事な要素になるんではないかなと、そんなふうに感じているところです。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 御所見をありがとうございました。 それで、こちらを今後広めていくということを私も希望するところなんですが、ほかにも運営サイドの方々からいろいろお話を伺っているんですが、やっぱりその他に幾つか課題があるということであります。 1つには、会場を押さえる問題で、やっぱりどうしても抽せんとなってしまうと。これは当然ルール上やむを得ないことと認識はしているんですが、これだけ意義もあり、楽しみにしている人が毎年多いということで、やはり皆様に毎年確実に開催できるということが保障できるような、そういったことを望まれるという声を頂いております。 あと、経費的な面での御苦労というのも聞いております。大変であるという声を伺っています。そんな声も踏まえて、今後の広がりの可能性、社会的意義ということも考慮され、またさらに寄り添われた相談支援体制についてどのように捉えていらっしゃるか、御所見をお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 会場等の確保については、それはそれで一定のルール、規定の中で行っていくということが前提にはなるかと思います。ただ、その中で何ができるかというのは、お互いに意見交換、相談しながら進めていきたいと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 ぜひ、皆様の声に真摯に耳を傾けて、できる限りの体制というのをしていただきましたら、そういったことが今後の広がりにつながっていくのかなあと。そして、この飯田を「華齢なる音楽」で売り出せる、そういう土壌になっていくのかなあということを期待しております。といったことで、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、(2)地区の歌についてということで取り上げさせていただきます。 これは、市民が一つになって歌える愛唱歌の有用性という観点から、山崎議員よりも一般質問において提言がされているテーマであります。音楽の持つ人をつなぐ効果の観点からも重要な視点と捉え、ここで今回、また私としては各地区でのこの取組について検証をさせていただきます。 まず、ここ数年、幾つかの地区で住民手作りの地区の歌が作られているという話から始めさせていただきます。竜丘の駄科地区においても、ちょうど5年前に駄科音頭という音頭が作られました。これは区民の方より地域にこういう音頭があったらいいなという声を受け、住民より歌詞が公募され、詞の検討が重ねられ、多くの皆様が携わられてオリジナルな曲が出来上がったということであります。今では地区の文化祭ステージ、またお祭りなど各行事でも頻繁に披露される、文化祭のステージでは私もはっぴを着て一緒になって踊らせていただくなど、本当に身近な地区の音頭として定着が図られているということであります。 これは有志の取組なんですが、竜丘で伊那の竜丘という歌が作られている。これはかつて野口雨情氏が来られたことがあって、そのときにこういう歌を作られ、それがその後記念碑にもなっているんですが、そこで地区の音楽愛好家の方が曲をつけられたという取組であります。私もその有志の一人でもあるんですが、この歌詞が「伊那の竜桃の花盛り」と始まる歌で、歌詞にちなんで地域にハナモモを植えようかという声も上がったりしています。そんなことも取り組んでいるわけなんですが、他の地区においてもこの数年、いろんな形で地区の歌が作られたり、あるいはかつての村歌が継承されたりとか、そんな事案を伺っております。そのような実情、また地域づくりの効果という観点からも、どのように評価されているのかお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 地区の歌の今の状況と効果ということでありましたけれども、まず状況からですが、20地区のうちの16地区に地区の歌がございまして、14の地区で歌が歌われたり、地区のお祭りで踊るなどが継続的にされているというような実態を把握しています。 特に昔からの村歌を行事や会議の折に歌っているというような事例ですとか、小学校の校歌を全体でも歌うというような状況があったり、あるいは最近の事例で言うと、先ほど御紹介いただいた竜丘の駄科音頭以外にも、丸山地区や龍江地区では新たに地区の歌を使って今皆さんで歌っておいでになるという状況もあります。 効果でありますけれども、これは割と最近作られた丸山地区もそうでしたけれども、住民の皆さんのいろんな行事参加や、つながりの意識が弱まってきているのではないか、そういう懸念をされたところがこの歌作りの発端になっておりますように、連帯感や地域への愛着を高めるといった効果をそれぞれ期待されて作られたり、継続的に歌われたりということになっていまして、そこには一定の効果があるんだろうというふうに捉えています。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 地域愛を育む、そういった効果、さらに広めていかれるかということで、②に入ります。 これには、次の世代を担う子供たちへの地域愛の醸成というのも大きな観点となってまいります。さっきの駄科音頭でも、音楽教室を通じて子供たちに植え付ける、そんなことが積極的に行われているということでありますが、教育の観点から、例えばコミュニティスクールの取組とか、また取組が進められるという幼保小中高一貫の地域人教育、こういった地域との関わりの中での教育の機会において、そんなエッセンスが盛り込まれる、歌を地域と共に歌っていかれるようなことで愛郷心と共に子供たちの情操的な部分、魂に自然に埋め込まれていくようなことを考慮し、意識していかれる取組を望みたいところですが、御所見を伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 小・中学校での地区の歌への導入取組ということでありますけれども、これも実際に、例えば龍江はむしろ小学校が地区の歌を作って、それを地区の中で歌っているというような新しい事例もありますけれども、御提案のように地区の歌を小学校の校内放送で流したり、学校行事で歌われるというような事例は、もう既にございます。やはり児童・生徒の皆さんのふるさと意識の醸成ですとか、地域の皆さんとの連帯感をつくられるということに一定の効果を出しているんだと思います。 ただ、具体的な取組については、それぞれの地区における住民の皆さんと学校とのお話合いの中で、コミュニティスクールの仕組みを使ったお話合いも通じて、どんなふうに取り組むかというところを考えられるのが望ましいかなというふうに捉えています。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 分かりました。 最後の項目になります。併せて、地区から都会とか県外に行った人に対して、この歌によって望郷の念を引き起こさせる効果、そういったことも大事な視点と思います。 最後の質問として、ちょっとこれは提言の連鎖というか、出させていただきたいと思いますが、私、先ほど自己愛のカラオケと言いましたが、そういった歌が外に出てもカラオケで歌えるような、そんな環境、雰囲気をつくっていかれたら、これはすばらしいかなと思います。 私も都会にいた頃、よく「信濃の国」、県歌なんですが、カラオケで故郷を思いながら歌ったりしたことがよくあったんですが、やっぱりより身近な地区の歌がそういうことになればいいのかなあと考えているところでございます。 ただ、曲の発信というのはいろんな考えもあって、それだけで終わってしまったらやっぱり何のためだということがありますので、同時にうねりをつくっていく、例えばいろんな各地区の歌のコンテストをやるとか、そういったうねりをつくっていく中でやっていけば、より効果的であるかなということで、これは一つの案なんですが、そんなアクティブな風潮をつくっていくことが必要と捉えています。また、そういったところに側面支援ということも考えられると思うんですが、最後に御見解をお願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 地区の歌の取組を通じて、いろんなふるさと意識を醸成したり地域の振興の効果につなげていくということが必要なので、多様な取組を支援してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 塚平一成君。 ◆3番(塚平一成君) 了解しました。 以上をもちまして、またいろんな願いを込めながら私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で、塚平一成君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     10時51分 休憩-----------------------------------     11時05分 再開 ○議長(湯澤啓次君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 古川仁君。 △古川仁 ◆7番(古川仁君) 皆さん、こんにちは。日本共産党の古川でございます。 本日は、飯田市の国民健康保険について、そして市が今進めております小・中学校のいじめ対策支援についてお聞きしてまいります。 初めに、飯田市の国民健康保険の状況についてお伺いします。 加入者の状況とありますが、具体的に加入者の人数、そして市の人口でいうとどれぐらいの割合か、またできれば、その中で60歳から74歳までの方の割合もお示しいただければと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 飯田市の国民健康保険税についての御質問でございますが、令和元年12月末現在の市の人口は10万676人でありまして、国保の被保険者数は2万252人でございまして、市の人口に占める割合は20.1%となっております。 また、国保の被保険者数のうち60歳から74歳の方は9,499人でありまして、被保険者の46.9%を占める状態であります。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 市民の皆様の約20%の方が加入されておって、その中でも46.9%といいますと、半分ぐらいの方が60歳から74歳までということになります。この構成している方たちの約半分の方が御高齢の方というようなところでございます。 また、後のほうでもお知らせしますが、私どもの会派、日本共産党でも、国保に関して視察をしております。愛知県の一宮市と石川県の加賀市を訪れました。構成の関係なんですが、やはり両市とも、一宮のほうは人口の20.25%で、60歳から74歳の方が52.9%、飯田市よりもちょっと多い。加賀市のほうですが、人口の21.5%の方が加入しておって、御高齢の方が59.7%と、こちらのほうが多かったということですが、全国どの都市も、自治体も、同じようなことが言えるのかなというようなことでございます。 次に、保険税の納入の状況についてお聞かせください。お願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) 保険税の納入の状況でございますけれども、ここにつきましては、1月末の調定額に対します収入済額でお答えをさせていただきます。 元年度の国民保険税の1月末の調定額といたしまして18億7,100万円余、それから4月から1月までの10か月間の収入済額で14億300万円余という状況でございまして、収納率が約75%、これは前年度並みの収納状況というふうに確認いたしております。 昨年度、98%半ばといったような収納状況、最終的な現年度の収納を頂いたわけでございますけれども、これにほぼ近い形ということでございまして、被保険者の皆様の高い納税意識によって支えられておるといった状況と確認をいたしております。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 今の段階では75%ですけれども、いずれは98%と高い納入率になるというところでございます。 どうしても都合がつかずに、支払いが遅れたりとか滞納されているという方の状況はどうでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 寺澤総務部長。 ◎総務部長(寺澤保義君) ただいま申し上げました調定額、それから収入済額の中で見てまいりますと、被保険者はそれぞれ事情がある中で、ほとんどの方が納期限内の保険税の振込に協力を頂いておる状況だというふうに思っております。それぞれ月末等で何人といったような状況というのが、私どもの月末現在ということの確認というのは、特定をしている状況にございませんけれども、特に未納等の状況、これが確認がされた場合について、できる限り早い段階からそれぞれの事情に応じて御相談させていただくということがまず第一だというふうに捉えさせていただいております。そのために、庁内、関係機関の連携や分割納入、こういったことの働きかけなども含めまして、とにかく相談者に寄り添った対応ができるように心がけて進めておる状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 最後のお言葉、大変感動しました。寄り添った対応をしておるということでございます。 そうは申しましても、どうしても市民に皆さんから聞かれるのは、差押えがあったとかそういったことがよく聞かれます。そのときに、以前も質問させていただきましたが、市としては、生活ができるぐらいの金額を残して差押えをしておるというような対応でございましたが、本当に寄り添って、親身になって相談をして、今後も全額を押さえるというようなことがないように、そして生活ができるぐらいの心ある対応をされていかれることを要望しておきますので、お願いします。 次に、例えばそのような滞納だとか起こった場合に、どうしても資格証明書だったりとか短期保険証の発行の事態になると思うんですけれども、そちらの状況はどうでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 被保険者資格証明書の発行についてですけれども、これは納税の機会を確保するための手段ではありますけれども、短期被保険者証よりも重い処分でありまして、完全に保険給付を制限してしまうために、現状では可能な限り交付せずに、基本的には短期被保険者証の活用で対応しておるところでありまして、現在、被保険者資格証明書の発行は行っていない状況であります。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 安心しました。資格証明書の発行はないというところでございます。 もう少しお聞きするんですが、短期保険証なんですけれども、具体的には1か月発行したり、2か月発行したりということがあります。その内訳を教えていただけますか。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 短期保険証の発行状況ですけれども、2月27日現在でありますが、1か月の方が48人、2か月が59人、3か月が196人、4か月が19人、5か月が6人、6か月が56人の方に発行している状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 今、数字をお示しいただきましたが、1か月、2か月、3か月の方がほとんど多いのかなというようなことを感じました。 支払いの状況とか今後の相談によって発行の期間というのが決まってくると思うんですけれども、できれば5か月だったりとか半年の発行というのが望ましい、私はそういうふうに思うんです。 どうしてもこの支払いがというところで、1か月、2か月となっている方があるかもしれませんが、そこら辺はどうか事情のほうを考えたりとか、親身になって相談を受けたりとかして、5か月、あるいは6か月の発行というような措置もしていただきたいなと、これは要望でございますが、それについて一言あればお願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 短期被保険者証の交付につきましては、滞納している世帯に対しまして、納税課において納税の相談する機会を設けて、滞納を解消することを目的として発行しております。 この期間につきましては、先ほど議員もおっしゃいましたけれども、個々の納税相談の中で、今後の納税の方法に合わせまして、相談させていただいた上で期間を決めまして、短期被保険者証を発行しておるところでありますので、また丁寧な納税相談をしながら、期間を検討して決めていきたいと思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 分かりました。 私どもも相談を受けておることがあるんですが、飯田市において、やはり財産があったりお金があったりしてもわざと保険料を納めないという方は、そうはいないと思うんですよね。先ほども申しましたように、国保に入っておられる方というのは御高齢であったりとかして、急に体調が悪くなったりとか、あるいは長期の療養が必要になったりとかという方がおると思うんです。そうした変化にいち早く対応して、アンテナを高く張っていただいて、これからも市民に寄り添った対応をぜひ行っていただきたいなというふうにお願いしたいと思います。 次に移りますが、国民健康保険税についてお聞きしてまいります。 以前、私たちが市民の皆様にアンケートを実施しました。その中で、やはり国保税の負担が大きい、何とかならないかという声が多く聞かれたんです。 このことは、以前にもお示ししましたけれども、各自治体ではもう何ともならんというところで、2014年7月に全国の自治会が国保基盤強化と負担の公平を求めて、公費の1兆円の投入を国に対して求めております。 このように、国保税が加入者の皆さんにとって大変負担であるということは、皆さんも一致する共通の認識ではないかと、このように考えるところであります。この負担の大きな国保税を何とか軽減できないかなというふうに考えます。しかも、子育て支援として軽減できればというような視点から、次にお聞きしてまいります。 御承知のように、保険税は応能割と均等割という2つから成っていると。大体半分半分ということなんですが、応能割と均等割というふうになっています。この均等割のほうなんですが、扶養の家族が多くなれば負担も多くなるというところで、本当に大変なことだというふうなことです。 このことに注目しまして、全国の自治会でも令和2年度国の施策及び予算に関する提案要望というのが昨年の7月に出されております。その中に、子供に関わる均等割保険税軽減措置の導入について、国の責任と負担による見直しの結論を速やかに出すとともに、今後の医療費の増嵩に堪える財政基盤の確立を図るために、国の税率負担の引上げ等、様々な財政支援の公策を講じるようというふうに全国自治会でも言っておきます。 また、全国市長会でも昨年6月に、国に対しまして国民健康保険制度等に関する重点提言というものを出されております。この中で、国保負担割合の引上げなど国庫財政基盤の拡充・強化を図り、国の責任と負担において効果ある措置を講じること。その中に、子育て世代の負担軽減を図るために、子供に関わる均等割保険税を軽減する支援制度を創設するとともに必要な財源を確保することというふうに国に申しております。 私、大変感動しました。涙が出たと思いますけど、しかし、こうやって国に訴えておりますけれども、国の動向を待っていても、これはやはり時間がかかってしまうと私思います。 先ほど申しましたが、視察してまいりました一宮市や加賀市では、国民健康保険の子供の均等割減免の措置を既に行っております。 具体的にはどのような経過があったかと申しますと、一宮市では2009年の9月議会にて、ある議員から、雇用の確保や資金の向上が見込めない今、経済的にも追い詰められた人たちが国保税が払えないために無保険状態になり、医療を満足に受けられない事態が懸念されると。よって、より一歩踏み込んだ軽減が必要と思うがどうかという質問があったんです。当時の市長が、低所得者、多子世帯に対して光を当て、少しでも納めやすい制度にしてまいりたいと、来年度には本気で取り組むというふうな答えになっているそうです。 そして、加賀市なんですが、2018年の3月議会におきまして、人口減少や少子化の対策として、子供に関わる均等割額の減免措置を講じてみてはどうだという質問があって、当時の市長が、加賀市は日本創生会議から消滅可能性都市と言われていると。人口減少対策としてさらなる子育て支援が必要と考えると。子供に関わる均等割減免は、子育て世代の支援として実行してまいりたいという回答があったということでございます。このように取り組まれてきたということです。 飯田市も少子高齢化、人口減少という問題は本当に重要な課題と考えます。ここで市長の年頭所感でも、2020年当初予算編成に向けての考え方の説明でもございました、市民の暮らしと安全を守る事業を優先的に予算化していきます、この言葉をぜひ実行すべきと考えます。と、ここまではいつもどおりのやり取りということになります。 問題は財源なんです。基本的に、一般会計予算からの繰入れはできません。一宮市も子育て世代じゃなくて、ほかの加入の方たちの若干の負担をかけている。そして、加賀市では多くある基金を崩して何とかやりくりしている、こういったことでございました。じゃあどうするんだということです。 国保法77条に、特別な理由がある者に対し、保険税を減免し、徴収を猶予することができるとあります。これで繰入れが可能となると。このことは、主に大きな災害に遭われた方が対象になるのかなということですが、市の抱える少子高齢化、そして人口減少の問題も未来を左右する一大事と考えます。市長の判断で財源を確保し、子供の均等割減免の措置を今すぐ行うべきと考えます。 また、もう一つ、昨日の小林議員の質問にもありましたU・Iターンの新規就農者の状況でございます。 この間、行政の努力で移住・定住の方も大変増えております。その方たちに、子育て世代の方にもっともっと移住してもらうために、国保税の子供の均等割の減免措置を実行して、やはり子供を産み育てるなら飯田市が一番だよねという状況を築くときと私は考えます。 一宮市も加賀市も、首長の英断があって実行されております。県内ではまだ例がございませんが、ここは市長が先陣を切って、国保税の子供の均等割減免の措置を判断されるときだと私は考えますが、市長の御所見を伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 子育ての視点、あるいは子育て世代の負担軽減という点につきましては、議員のお話には私も非常に共感するところであります。 開会挨拶で申し上げてまいりましたが、私自身、就任以来、子育て支援には大変力を入れてまいりました。保育料の大幅な軽減や、あるいは18歳までの医療費の無料化、あるいはそうした必要な皆さん方への給食費の補助等々、そうした中におきまして、昨日もおっしゃいましたけれども、全国市長会の副会長等、中央における意見が言える立場という中で、様々な点におきましてこの飯田市に還元できるような、そういった政策立案を国に対しても求めてきているところであります。 議員からも御紹介がありましたように、子供に係る均等割の保険料軽減措置の導入につきましても、そうしたものの一つというふうに捉えていただければということを思うところでございます。まだその件につきましては実現がされていないわけでありますが、引き続き粘り強くその要望をしていきたいというのが私の立場ということであります。 さて、そうした中で、独自の軽減措置ができるかどうかというのは、まさに財源にかかってくるというように思うところであります。議員からもお話がありましたように、法定外の繰入れをするということをしないということは、これはもう大前提だと私も思っています。 今、国保は都道府県が主体ということで、この保険料の水準につきましても統一できないかというような動きがあるわけでありまして、むしろ法定外繰入れをしているような自治体はそれをやめていくというような動きが一般的ではないかというように捉えているわけでありまして、法定外繰入れができないとすれば、まさにその負担分を他の被保険者に負っていただくということをしていかなければいけない。その理解が果たして得られるかどうかということにつきまして、慎重な判断が必要ということであります。 私としまして、やはり国に対してこの均等割の保険料軽減措置の導入について、引き続き要望していくという立場でいければということを思っておるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 確かに、国に対して全国市長会で提言をなされておるということは本当に評価をするところでございますが、先ほども申しました、国の動向を待っていても、やはりこれは本当に大変なんです。 これは国の制度だからもう何ともならんよというのは分かるんですけれども、やはり市民の皆様の声を聞くと、本当に国保税は高いなということをお聞きします。現にそういう声を聞いた一宮市、それから加賀市が首長の判断で行っておると。ただ、財政的にはそういうことだということになります。なので、法定外繰入れの関係もありますけれども、やはりそこは首長が判断し、財政、それから軽減措置を行うということが必要なんじゃないかなというふうに思います。 これは、多分このまま続けていても平行線だと思いますので、要望としておきますが、やはりリニアを見据えて大きな工事が本格的に始まろうとしておりますが、立派な駅ができたとしても、この飯田市の魅力がないとなかなか人が集まってこないんじゃないかなというふうに思います。これはほかの議員の皆さんも一般質問でも聞かれております、やはり魅力を発掘ということだと思いますけれども、リニアで東京から40分で来られるようになるといいますが、私はバスや車で4時間かけても来たい飯田市にしなければ、人が来ないんじゃないかなというふうにも考えます。 先ほども申しましたけれども、やはり市が先頭に立って子育て支援をさらに増やして、子供を産み育てるんだったら飯田市だよねと言われるぐらいまでになれば、本当に人が集まってくるのかなとも感じます。要望ですけれども、これからも市民の命と暮らしが最優先されるような予算を組んでいただくよう要望しておきます。よろしくお願いします。 さて、次に移ります。 飯田市の教育についてでございます。 市は、飯田市小・中学校いじめ対策指針の改定を進めております。まず、いじめといいましてもなかなか判断が難しいケースが多々あるかと思いますが、どこからいじめなのかというような、その定義というものはございますか。よろしくお願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) まず、飯田市の飯田市小・中学校いじめ対策方針についてですが、国のいじめ防止等のための基本方針の改定、また県のいじめ防止等のための基本的な方針の改定を受けて一部改正をし、いじめの防止に向けての取組をさらに推進したいという意味を込めて、飯田市小・中学校いじめ防止等のための基本方針と名称を改めたところでございます。 議員御質問のいじめの定義ですが、いじめ防止対策法推進法においては、次のように定められています。 いじめとは、児童・生徒に対して、当該児童・生徒が在籍する学校に在籍しているなど、当該児童・生徒と一定の人的関係にあるほかの児童・生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む)であって、当該の対象となった児童・生徒が心身の苦痛を感じているものとしています。 すごく大ざっぱに言えば、児童・生徒が心身の苦痛を感じたら、つまり本人がいじめだと捉えれば、それはいじめになるという解釈をしています。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) その部分は、私も一致するかなというふうに思います。やはりこれぐらいだったらとか、こんなことでとかというふうに思うときがあるかもしれませんが、やはり受けている本人が嫌だなとか、少しでもつらいなとか、悲しいなと思ったら、それはそれでいじめじゃないかなというふうにも思いますし、そういった児童・生徒が本当に一人でもいなくなるということがいいのかなというふうにも考えます。 次に移るんですが、そうしますと、そのいじめをどのように把握していくのかというところでございます。これはなかなか難しいのかなということで、ちょっとこんなケースがあったので、お示ししつつお聞きしていくんですが、もうこれは問題解決しておりますのであれなんですけれども、夏の時期は暑いので水筒を持っていくと。ある子がある子に、暑いから水飲みなよといって、その子が飲んだ。飲んだら、その水筒をぐっと押して口から離さないようにしてゴボゴボとなっちゃったというようなケース。同じ子なんですが、じゃあ移動教室だから次の教室行くよといって、早く早くといって、階段の上からぽんと背中を押されたというようなことがあったと。これは本人が嫌だな、やめてほしいなと思ったもんですから、おうちの方に言って、おうちの方から先生に言って、分かって仲直りしたというようなことがあったんですが、これは本人が嫌だなと発信したもんでよかったのかなと思うですけれども、例えば本人が本当に怖くなっちゃって、何も言えなくなっちゃったら分からない。はたから見ていると、仲のいいグループがじゃれ合っているのかなというぐらいしか見えないというケースもあります。そうしたときに、なかなか把握するというのは難しいのかなと思うんですが、どのように考えますか。
    ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 議員おっしゃるように、いじめの把握、認知というのは非常に難しいというふうに思います。 ただ、それでも学校教員が、子供たちの日々の変容を見逃さないということは大事だろうと思います。また、子供たちの声に真摯に耳を傾ける、こういうことも大事だと思います。具体的には、子供たちが提出している日記などをしっかりと見るということも具体的なことだと思います。いずれにしろ、日々の教員による行動観察ということは、まず前提になると思います。 現在、学校では定期的にアンケート調査、また定期的な面談による聞き取り等も行っております。こうした取組によって、早期に重篤化しない前にいじめを把握するということが何よりも大切だと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 昨日の一般質問で、吉川議員も教職員の皆さんに対しての質問をされておりました。私の主観というか、感じたところでいいますと、ざっくりと申しますと、本当に想像以上に教職員の皆さんというのは大変なんだにということを議論されておったなというふうに思います。私もそのことをうんと感じております。 先ほど教育長もおっしゃいました、やはりこれは先生が日々観察して日記など見てというのがありますけれども、それはそれでよく分かるんですが、本当に先生たちも疲弊しているんじゃないかなというふうに感じます。その理由の一つとしては、国が学習指導要領を数年前に変えて、そこから、二、三年前かな、小学校の低学年でも外国語を教えるようになったりとか、本当に教える教科がだんだん増えてきた。その対応をしなければならない。今、またICT教育が進められております。そのICTにも対応していかなければいけないということで、本当に先生たちは休む暇もないんじゃないかなというふうに感じます。 そのような中で、またこの指針が出て、先生たちに多分勉強会だったりとか教育だったりとかというのがあるかと思うんですけれども、また負担がかかって本当に心身ともに疲れていってしまうんじゃないかなというふうにも感じます。そこら辺の先生たちのケアというのはどうなさるのかなということを質問します。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今回の改正のポイントですが、予防の観点から行う児童・生徒の指導の重要性を強調したところにあります。ですので、議員おっしゃるように、先生方の一方での負担というものもあるかと思いますが、それでもいじめが重大な人権侵害等であることを子供たちに伝えるということは、予防の観点からも大事だというふうに思います。 ただ、おっしゃるように、先生たちだけの指導では不十分だと思っています。大事なことは、子供たち一人一人がいじめのない共生社会を築く力を育む、培っていく、これが大事だと思います。例えばですけれども、先ほど議員も御指摘したように、いじめられたというふうに思ったら、やめて、ほかの人にちゃんと被害を訴えられる力も必要だと思います。また、そういったものを見たら、仲裁役として、やめようよということで、いわゆる仲直りさせるような力、人間関係も必要だと思いますし、そして大前提としていじめはいけないんだということ、そういったそれぞれの力を、いじめてもいけないし、いじめられたら言うし、いじめを見たら傍観者にならない、こういった共生社会を子供たちの中で育める力をしっかりと学校として育んでいく、それが大事じゃないかなと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 今、ちょうど子供たちの中でというのがありました。 もう一個事例があるんです。これがちょっとまた問題でというか、これも問題解決されておるんですが、ある児童が廊下を歩いておったら、メモが落ちておった。それを拾ってみたら、どうも◯◯さんがいじめられているらしいということが分かった。それをすぐに先生のところに持っていって、こういうのが落ちていましたとその子が言ったらしいんですね。そして、発覚して事なきを得て仲直りしたということなんですが、ちょっとここからが、私どうしようかなと思うんですけれども、そのことをその児童がうちへ帰って、今日こういうことがあったんだよと親御さんに言ったそうです。親御さんは、ああ、いいことしたねと言ったんだけれども、ふと次はうちの子がいじめられるんじゃないか、そういうことをしたことによって、その声を出したことによって、うちの子が今度いじめられるんじゃないかとすごい心配になったというんですね。その心境、すごい分かったんです。喉元まで、今度メモ拾ったら先生に出さずに無視しなと言おうかと思ったというぐらい、親御さんは迷ったというんです。この心境、うんと分かるんですけれども、やはりそうしますと、子供同士もそうやって言うことはいいんですが、今度、対親御さんとの関係ということも出てくると思うんです。そのことについてはどうお考えでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) まさに拾って解決しようといった子供に関しては、先ほど私申し上げた仲裁者、仲直りをさせようとした行為だということで、非常に大切なことだと思います。こういった仲裁者が多い集団というのは、いじめが少ないということも言われていますので、そういった行為自体は、本当に大事だというふうに思っています。 さらに大事なことは、それを家庭でも大事なことだねということを子供に伝えて、親が毅然とした態度で児童・生徒に伝えるということも大事かなというふうに思っています。 ですので、先ほど飯田市でいじめの防止に向けての基本方針を策定したというふうに申し上げましたが、これは学校だけではなく、保護者にもしっかりと理解をしていただくということが大事だし、いじめというのは学校だけで防止できるものでなくて、家庭、また地域との連携の中で防止していくものだというふうに考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) そのように思います。 具体的には、今度新しい指針も出来上がってくると思います。そうしましたら、PTA、保護者向けの学習会だったりとか、講演会だったりとかというのをぜひ開いていただいて、共通認識にしていただけないかなというふうに思いました。やはり親御さん、それからお子さん、先生の認識が一致しないと、このいじめというのはなくなっていかないんじゃないかなというふうに思います。 もう一つ、そうすると地域の子供は地域で育てるという言葉もございます。そうした指針ができた暁には、今度は地域の皆さんを集めて、地域全体の学習会というのを開いたほうがいいかなとも思ったんですが、その辺はどうでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 前段、家庭との連携というお話を議員から頂きましたが、このいじめ防止対策や対応については、家庭と情報共有をしながら家庭の声をまた逆に集めて、取組の改善をしていくということが大事だろうというふうに思っています。 後段の地域ということに触れましたけれども、私のほうから先ほど、まず大事なことは、子供自身がいじめを許さない、そしていじめを受けたら嫌だと言える、そしていじめを仲裁する、そういった共生社会をつくるということが大事だということを申し上げましたが、さらに大事なのは、その共生社会が飯田全体に広がることだというふうに思っています。 昨日の、教員の社会でいじめがあっては、それは本末転倒の話になります。学校の文化の中でもいじめのない共生社会があり、さらにはそれを囲む地域社会というのも、まさにお互いがお互いの多様性を認め合う共生社会であることが、いじめのない根本的な解決になっていくんだろうと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 古川仁君。 ◆7番(古川仁君) 本当にそのように思います。 基本的には、私の願いは、つらいとか、悲しいとか、嫌だとかといった思いをしている子が一人もいなくなるということが本当に望ましいというふうに思いますし、そういった状況になるように、先ほどおっしゃいましたように、学校だったり子供、親、地域全体が同じような目標で取り組めて、進んでいくということが私も望ましいのかなというふうに思います。その先頭に立って、やはり行政はしっかり音頭を取って指導していくというのが本当に必要ではないのかなというふうに感じました。 いじめに関して議論してきましたけれども、やはりそういったところで皆さんの意見も取り込んで、新しいいい指針が改定されますことを要望します。よろしくお願いします。 最後になりますが、もう一つ要望です。 議員の皆さん質問されておりますが、この間、本当に新型コロナウイルスが猛威を振るっております。本当に刻々と変わる情勢の中で、市民の皆さんの安心・安全を守るために御尽力されております職員の皆様には、心より本当に敬意を表します。 ただ、やはり市民の皆さん、特に子育て世代の方はすごい不安だったりとか心配を抱えております。特に私ちょっと懸念したのは、子供同士が、例えばせきをしたときに、あっ、新型ウイルスだとかいってすぐにじゃれ合うというか、声をかけてしまうという光景が今後来てしまうんじゃないかと、そのことに対して嫌な思いをする子がおるんじゃないかというふうに考えたんです。いじめじゃないんですけれども、今後そういったことがどんどん拡散してきては大変だなあとも思いますし、どうか大変な時期だと思いますけれども、これからもしっかりと市民の皆さんに寄り添って、声を聞いて、正しい情報を確実に出す、こういったことをされますことを本当に要望しまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で、古川仁君の一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。 再開は、午後1時といたします。再開は、午後1時です。     11時45分 休憩-----------------------------------     13時00分 再開 ○議長(湯澤啓次君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 熊谷泰人君。 △熊谷泰人 ◆10番(熊谷泰人君) こんにちは。会派のぞみ、熊谷泰人でございます。 連日の新型コロナウイルスに関しましては、それぞれのテレビ局等で報道がされておりますけれども、政府の対応などをめぐり、議論が交わされているところでございます。 これまでの質問でも多くの議員が取り上げられておりますけれども、当市の対応につきましては、これまでの議論で理解をすることができました。 未知のウイルスの感染は確かに怖いと思いますけれども、しかし一番怖いのは人間ではないのかなというふうに感じているところでございます。根も葉もないうわさに振り回されて、トイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭からなくなる。マスクを買い上げて何倍もの値段で転売する。感染すれば、まるで重大な事件を起こした犯罪者のような目で見る。電車の中でせきをしただけで非常停止ボタンを押す。こんな人間ばかりではないにしても、一部の心ない人間に振り回されていると思うと、何かむなしくなるのは私だけではないと思います。一日も早い終息を願うばかりです。 今回の質問は、平成28年度に策定され、水道事業の経営戦略が今年度見直しをされ公表されましたので、その内容について伺ってまいります。 水道事業については、平成30年12月に福沢清議員が水道法の改正を受けて、水道管路の老朽化や施設の耐震化、それから水道事業の収支などについて細部にわたり質問をされておりますけれども、1年が経過し、状況の変化もあるかと思いますので、市民の皆様にもぜひ御理解を頂きたい事項ですので、専門的な用語はできるだけ避けていただいて、一般の方でも分かりやすい答弁をお願いしたいというふうに思います。 経営戦略とは、一般的には企業が競争環境の中で持続的に生き残りを図る方針、またはその戦略と定義をされています。つまり、企業の経営方針や計画を示すもので、飯田市水道事業が持続的に生き残りが図られるかが重要と考えます。 まず、令和元年度飯田市水道事業経営戦略の概要について伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 経営戦略の概要でございますが、平成28年1月に総務省より経営戦略の策定に関する通知がございまして、飯田市では飯田市水道ビジョンの経営理念である安全でおいしい水道水を安定して供給することを基本目標としまして、平成29年3月に飯田市水道事業経営戦略として公表しております。この経営戦略は、3年ごとに見直すこととしておりまして、本年度飯田市水道事業経営戦略、令和元年度版としまして策定したものでございます。経営戦略はこれまでの振り返りに基づき、今後行うべき施設、設備などへの投資と、その財政計画を明らかにすることで、安定的な経営が持続できますよう策定するものでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 策定の趣旨、概要は理解いたしました。 市民の生活、生命を維持するためには、水道は絶対に欠かせないライフラインであって、この事業は決して経営破綻、倒産することがあってはならないというふうに思います。 そこで、飯田市における水道事業の現状と課題について伺いたいと思いますが、まずどのような課題があるのかを伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 水道事業の課題ということでございますが、全国の事業体と同様に幾つかの課題がございます。 まずは、人口減少や節水機器の復旧などによります料金収入の減少に起因する財政基盤の弱体化。2つ目には、管路や施設の老朽化によります更新需要の増大。3つ目には、近年頻発します地震、豪雨、台風などの災害への対応の遅れでございます。 それから、災害の際に断水という言葉が飛び交いまして、重要なインフラと言われておりますが、普段は蛇口から水が出るのが当たり前となっておりまして、水道事業に対する社会的な関心が低いことも事業を進める上での課題と考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 人口減少や料金収入の減少、それから管路や施設の老朽化や災害対応の遅れのことですけれども、料金収入については後で少し議論をさせていただきたいと思いますけれども、福沢議員への答弁のおさらいとして、管路や施設の状況について伺いたいと思います。 まず、管路の老朽化の状況についてお伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 管路の状況でございます。 飯田市の水道事業は、昭和3年に供用を開始され、水道管の総延長は平成30年度末で1,179キロでございます。水道本管で現在使用中の管路には、昭和30年のものもあります。 水道管路には様々な管種、鋳鉄管ですとかダクタイル鋳鉄管、鋼管、塩化ビニール管等がございますが、管路の法定耐用年数は一律40年でございます。 飯田市につきましては、実対耐用数が70年から100年とされておりますダクタイル鋳鉄管という丈夫な管を使用しておりまして、その使用率が87.8%と高い状況がございます。他市と比較しますと、管路全体の実際の老朽度の進行は遅いという特徴がございますが、今後を見据えますと管路の大幅な更新需要が見込まれるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 総延長が1,179キロということで、相当な長さがあるわけですけれども、そのうちの88%がダクタイル鋳鉄管という、70年から100年はもつ丈夫な管が飯田市の場合ほとんど布設されていると。一般的には40年ぐらいのものが倍以上もつものが布設されているということで、少し安心したところなんですけれども、次に、施設のほうの老朽化について伺いたいんですけれども、妙琴浄水場は現在改修が進められておりまして、戦略の中では、そのほか野底の浄水場や大瀬木配水池などの改修も計画されているわけですけれども、昭和3年に完成しました丘の上や上郷、座光寺など、約2万4,000人に給水しております一番古い砂払浄水場の改修計画というのがこの戦略の中にはうたわれていないんですけれども、この辺の理由も含めて施設全般の状況を伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 水道施設には、浄水場、それから配水池、ポンプ場といった施設がございまして、飯田市内でこれら施設の総計は179施設に及びます。上水道では浄水場が7つ、配水池が89、それから遠山簡易水道では浄水場が13、配水池が36、そのほかポンプ場ですとか井戸水源がある状況でございます。 施工年度の古い上水道の配水池は、コンクリート構造物の耐用年数とされます50年を超えてきておりまして、これから先20年後には上水道施設のおよそ半分が50年を経過することとなりまして、これらの改修・更新を考えていくことになります。 議員御指摘の砂払浄水場でございますが、昭和3年に完成しまして供用開始されておりまして、緩速ろ過という方式を取っております。 浄水場のろ過方式には、急速ろ過、緩速ろ過、膜ろ過の主に3方式がございまして、緩速ろ過は自然水圧でろ過を行うため、他の方式に比較しますと必要な機械、電気設備が少なく、コンクリート本体の健全性が確保できれば更新等の維持管理費用が少なくてすむという特徴がございます。 本年度、施工年度の古い市内の浄水場4か所及び配水池10か所について劣化度調査を行っておりまして、砂払浄水場の劣化度調査の結果では、劣化が表面モルタルにとどまっておりまして、コンクリート本体は健全であることを確認しております。来年度以降、延命化に必要なひび割れ補修工事につきまして、実施してまいります。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 施設全体では179施設ということ、かなりの数があるわけですけれども、コンクリートについては50年ですか、20年ぐらいから、またこれの更新が始まっていくという話でした。 砂払浄水場については、緩速ろ過方式、これは砂や砂利の中を水圧で自然に通過させてろ過する方式ということで、多分急速ろ過、薬剤やなんか用いて固めてろ過する方式に比べると老朽化が遅いということだと思います。当然、砂利や砂の清掃やなんかは多分定期的にやられていると思うんで、一つ安心したところなんですが、本体のほうも調査の結果、割と安定していると。表面のモルタルの補修等については今後、順次行っていっていただけるということなので、一つ安心したところなんですけれども、たしか黒川から引いておりまして、13キロぐらいの導入管で持ってきておると思うんですよね。その辺のところも心配のところもありますので、順次調査、それから整備を進めていただきたいなというふうに要望をしておきます。 次に、この戦略、経営戦略で一番重要なところかと思いますけれども、現在の飯田市水道事業の経営状況について伺いたいと思うんですが、福沢議員の質問に対する答弁の中では、29年度については1億7,900万円の黒字というふうな答弁を頂いております。現在の経営状況についても伺いたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 経営状況でございますが、水道事業の平成30年度決算は純利益が2億円あまり確保できたことなどから、比較的良好な決算でございました。今年度もほぼ同程度の決算になると見込んでおる状況でございます。 しかしながら、給水に係る経費がどの程度料金収入で賄えておるかを示す料金回収率というものがございますけれども、それが平成17年度以降100%を下回っており、給水に係る費用を料金収入で賄えていないという状況が続いております。 また、給水収益に対する企業債残高の割合を示す企業債残高対給水収益比率は、平成29年度決算数値が488.1%で、類似する団体と比べましても倍近い数値となっておりまして、企業債に依存した経営体質であると言える状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 29、30年度と2億円前後の黒字決算ということで、良好な決算ということなんですけれども、問題は、今お聞きしたところ、料金回収率、これはおいしく飲める安全な水をつくり、各家庭に送るためにかかっている原価に対して、水道料金のほうが追いついていっていないという言い方は変ですけれども、安いということなのかなというふうに理解したんですけれども、ということは赤字というふうに解釈をするわけですが、それからまた企業債、一般的に言えば借金になるわけですけれども、それに大きく依存しているということで、現状の問題を行ってきましたけれども、この課題解決に向けて具体的な施策として、事業の実施状況及び今後の計画等についても伺ってまいりたいんですが、まず管路の更新状況と今後の計画について伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) まず、管路や施設の更新ですとか改修に関する基本的な考え方でございますが、限られた財源で水道事業を継続していくために、選択と集中、それから施設規模の適正化、維持管理費用の低減という3つの視点をもって対応してまいりたいと考えております。 それで、管路の更新状況と今後の計画でございますが、今まではダクタイル鋳鉄管の使用率が高いということを先ほど申し上げましたけれども、法定耐用年数で算出する管路更新率は平成29年度末で0.34%でございまして、全国平均の0.69%と比較しましても低い状況でございます。実対応年数の長い水道管を使用しているとはいえ、今後は管路更新を加速していく必要があると考えております。 管路の更新は、1,000キロを超える管路全てを対象にするのは現実的でないと考えておりまして、水源からの導水管、それから浄水場から配水池までの送水管であります基幹管路を中心に対応してまいりたいと考えております。基幹管路の中でも重要度のランクをつけまして、それを口径ですとか国や県道、緊急輸送路等の道路の種別、それから病院、避難所といった重要施設への経路等のランクの高いものから集中的に更新をしてまいります。 来年度から老朽管更新事業を重点化しまして、今年度予算費1.8倍であります2億8,000万の予算を見込むとともに、令和3年度からは基幹管路の耐震化事業としまして、毎年度1億5,000万円の工事実施を計画しておるような状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 1,180キロ近くもあるものは全部一遍にはできないということで、いわゆる重要ランク、口径、あるいは国県道、緊急輸送路等の道路種別、病院、避難所といったそういう基幹的なところを先に取りかかるということを理解いたしました。 まず、全国的に比べて低いというのはダクタイル管が長くもつからだというふうに理解しましたけれども、来年度からは更新に重点を置いて、2倍近くの予算を見込んで取りかかっていくということかと思います。 次に、施設のほうの改修状況と今後の計画について伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 施設の改修状況と今後の計画でございますが、水道事業の心臓部でございます妙琴浄水場につきましては、平成28年度より第1期工事としまして管理棟及び浄水池更新に着手しておりまして、令和2年度に竣工の予定でございます。続けて第2期工事としまして、薬品沈殿池、急速ろ過池等の具体化を進めてまいります。 水道法の改正によりまして、基幹となる水道施設に用いられるコンクリート構造物につきましては、おおむね5年に1回以上の頻度で点検を行うことが定められております。水道施設につきましては、飯田市水道ビジョンに基づきまして着実な更新を進めるとともに、今後も引き続き劣化度調査を実施し、その結果に基づきまして既存施設の使用が継続できるものにつきましては、適切な維持修繕により延命化を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 分かりました。 次に、災害時の対策についてですけれども、戦略の中には浄水機能が全て停止した場合に備えて、井戸が5か所あるという記載があります。この設置場所や全市民に供給できるだけの対応能力がここにあるのかどうか、全般的な対策についても伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 今、議員御指摘の予備水源としましての井戸が5か所ございます。それは、大堤、押洞、正永寺原、別府、中組でございまして、大規模災害等により水道水の供給ができなくなったときでも市民に安全な飲料水の供給ができるものと考えております。 5か所の中でも別府井戸でございますが、これは深度100メートルの深井戸でございまして、日1,000立方メートルを超える安定した水質、水量がございまして、この井戸だけで10万人の市民が1人1日10リットルの飲料水確保ができる状況でございます。 また、必要に応じまして給水車による給水や給水袋の配付などの対応をすることにしております。 大規模災害時におきましては、日本水道協会に所属する全国の水道事業体相互の応援活動ルールに基づき、受援を受けることになります。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 水道管等の破損により断水が起きたとしても、5か所ある井戸で10万人の市民が1日10リッター賄えるだけの確保ができるんだと。十分な容量を持っているということが分かりました。 私も含めて多くの市民が、先ほども局長おっしゃいましたけど、水が蛇口から出るのは当たり前というふうに考えておるわけですね。水道事業に対する市民の関心がどちらかというと低いのかなというふうに思います。断水になって初めて当たり前でないことに気づくのかもしれません。水道は生きるために絶対必要なライフラインですし、安全でおいしい水道水を安定して供給する、このために戦略計画を立てて実行されている職員の皆様の努力には敬意を表したいというふうに思います。 この状況を市民に対してどのように理解をしていただくか、見える化が必要だというふうに思います。福沢議員の答弁の中でも、広報「いいだ」での掲載やホームページでの広報などを行っていくというようなことでありましたけれども、これまでの事業の見える化の取組について伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 事業への理解を深めていただくための見える化の取組というのは非常に大切な部分と捉えております。具体的には、飯田市上下水道局のホームページの開設を昨年いたしました。それから、広報「いいだ」への特集記事の掲載、浄水施設の見学会などを行ってきておりまして、今後も継続しまして積極的に情報発信をしてまいります。 今回の経営戦略の公表につきましても、この中で今後の水道事業の経営見通しを示すことによりまして、経営健全化に向けた議論の契機になるものと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 分かりました。 実は私もホームページを確認してみたんですけれども、一、二行の文字で説明があるだけで、あまり興味を引くようなものになっていないのではないかなというふうに感じたところです。やはり子供が見ても分かりやすく楽しく見られるような、文字よりもイラストとか漫画的なものを多用して、もっと本当に楽しんで見えるような、そんなようなホームページにしていただけたらなというふうに思いました。これは要望しておきます。 次に、(4)に移りますけれども、戦略の中で今後実施すべき事業の記載の中で、広域交通拠点周辺等の水道施設整備、それから野底浄水場補完事業、入野・大瀬木配水池更新整備事業などの事業が、平成28年度に策定した経営戦略に比べまして、令和元年度、今年度版では事業費が倍近くアップしているわけですけれども、その要因について伺いたいというふうに思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 事業費アップの要因でございますが、老朽管、老朽施設、基幹管路への対応に重点的に予算を配分していくこと。それから、リニア駅周辺地域などの整備内容が具体化してくるのに伴いまして、それらに対応した水道施設の整備が必要であること。それから、降雨によります影響が大きい野底浄水場に対する補完事業を前倒しして実施すること。それから、入野・大瀬木配水池更新整備事業の内容の具体化といったことなどによりまして事業費が増大したものでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 28年度策定時から状況が変化して、事業を前倒ししてきているんだということは、特にリニアの関連事業については基本設計がまとまったばかりなんで、これは理解できるんですけれども、入野・大瀬木配水池については、約6億円から11億円というふうに倍増しているわけですね。この当初の見込みが甘かったのじゃないかというふうに言わざるを得ないんですけれども、このようなことで今後予定されるそのほかの事業費の見込額、これは本当に大丈夫なのかというふうに心配をするところです。 今後も計画より大幅に増額するということになれば、その財源が大丈夫かというふうに心配するところなんですけれども、そこで(5)の1の、その財源の確保、事業遂行のための財源はどのようなものが出ているのかを伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 事業遂行のための財源でございます。 建設改良費が主でございますけれども、企業債、一般会計からの繰入金、県など他事業からの補償金、それから国庫補助金、それから補填財源というものを考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) すみません、先ほど「いりの」・大瀬木配水池と申し上げましたけど、「にゅうの」の間違えでございました。訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。 分かりました。借金である企業債や国・県からの補助、それから一般会計からの繰り出しや補填財源とのことですけれども、一般会計からの繰り出しといっても、むやみやたらに繰り出せるというふうに思いませんので、その繰り出し基準についてを伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 繰出基準でございますが、地方公営企業の経営の健全化、それから経営基盤の強化のため、毎年総務省から地方自治体へ通知が参ります。一般会計が繰り出し基準に基づきまして公営企業会計へ繰り出した場合、その一部につきまして地方交付税措置がされることになっております。 水道事業が繰り出し基準に基づきまして一般会計から繰り入れている項目につきましては、簡易水道、これは過去に統合した簡易水道も含みますが、その元利償還金、それから妙金浄水場などの基幹水道構造物の耐震化事業の事業費、それから消火栓の設置維持に要する経費、それから職員の児童手当に関する経費、それから自然条件などによりまして建設改良療費が割高となる場合の経費、そのほかの繰り出し基準に基づかない基準外の項目としまして、鉛製給水管を早期に解消するための事業補助、それから経営基盤の脆弱な簡易水道、これも過去に統合した簡易水道を含みますが、その経営費補助がございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 構造物の耐震化と、それから鉛製給水管の布設替えには繰り出しが可能だったということですけれども、これから大体ダクタイル鋳鉄管を改修していくわけですけれども、その補助というか繰り出しはできるんでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) その部分の繰り出しはございません。 また、先ほど申し上げましたが、鉛製給水管布設替事業の補助も、鉛製給水管事業の面的な整備が今年度で一段落つくということから、今年度で終了という状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 分かりました。鉛のほうは繰り出しで行いながらやってきたけれども、ダクタイル管については今後は繰り出しはできないと。非常に財政が厳しいところで、なおかつ厳しいのかなというところを理解したところです。 令和5年には、その補填財源、貯金の残高が半減して、企業債残高、いわゆる借金が大幅に増加する見込みになっております。その後10年、20年の事業が果たして成り立っていくのかがどうかが心配なんですけれども、見通しを伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 事業の見通しでございますが、先ほども申し上げました妙金浄水場更新事業、また老朽管や老朽施設、基幹管路などへの対応によりまして、純損益、補填財源はさらに減少、それから企業債残高も増加傾向が続くものと見込んでおりまして、財政基盤の強化が課題でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 大変厳しい条件が続くのかなというふうに思います。 大型事業が続く中で、この財政基盤の強化が課題ということなんですけれども、戦略にある事業の効率化、経営健全化への取組が重要になってくるかと思います。具体的にどのようなことを行っているのかを伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 施設の統廃合や規模の適正化ということを考えておりまして、施設更新時の費用削減、将来の維持管理費の提言には配水区域が隣接するなどの地理的条件を満たす配水池ですとかポンプ場等の施設の統廃合を進めていく必要がございます。 具体的なものとして、飯田市水道ビジョンに基づきます令和2年度から予定しておるのは、先ほども申し上げました入野・大瀬木配水池の更新整備事業がございます。 また、人口減少や節水機器の普及などによりまして、既存の水道施設が課題となる場合がございます。施設規模の適正化の具体例としまして、平成30年度に供用を開始しました鼎配水池というものがございますけれども、1,900トン余りの配水池容量を1,300トンへ規模を適正化するダウンサイジングを行ってきております。 今後も使用水量の減少を見据え、ただし水道施設の消火栓としての防災機能の役割を損なうことがないよう、更新時におきまして水道施設規模の最適化をしてまいります。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 施設の統廃合、それから鼎配水池のように容量を小型化するようなダウンサイジングを行っていくというふうにお聞きしました。 それで、今答弁の中でダウンサイジングという言葉が出てきましたけれども、一般的に企業やなんかでは、コストの削減とか人員削減することをダウンサイジングというふうには言っていることもあるわけですけれども、そこで市の職員、水道に当たっている職員のことについてお伺いしたいんですが、30人の職員のうち臨時が9人、事務職が8人、技術職が僅か13人という状況を戦略の中で確認いたしました。この状態ではとても人員削減ができるような状況じゃないわけで、そればかりか、水道事業を支える技術職員の年齢構成を見ますとほとんどが50歳前後という状況で、10年、20年先を考えると非常に心配するところなんですけれども、この辺のところの人材育成というか、その辺のことをお伺いしたいんですが。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 人材の関係でございますが、議員御指摘のとおり、当市は30歳前後の中堅職員が少なく、かつ経験の浅い職員が多いという課題がございます。安定した水道事業の継続には必要な職員数の確保はもとより、従事する職員には豊富な経験や高い知識が求められ、その知識や経験を次へ継承していくことが必要でございます。 技術継承が必要な項目としましては、給排水に関すること、水処理の実務に関すること、浄水場管理や水運用などに関すること、電気機械設備に関すること、危機管理に関することなど多岐にわたります。ベテラン職員が講師となって局内研修、それから国や日本水道協会などが主催します研修会を活用しながら、知識、技術の習得に努めてまいります。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 職員の育成は非常に大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、いわゆる職員数の減少やなんかで技術力が低下してくると、民間委託というようなことも出てくるわけで、その辺のことも伺いたいんですが、福沢議員の答弁の中でも他市の状況を見ながら検討していくという、いわゆる官民連携、コンセッション事業というものの検討状況をお聞きしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) コンセッション事業につきましては、例を申し上げますと、下水道事業で静岡県浜松市におきまして、平成30年4月からの実施例がございますが、水道事業では現在のところ実施例はございません。 浜松市では水道事業のコンセッションも計画をしましたが、市民からの理解を得られないとして導入に向けた議論を棚上げしている状況と聞いております。 また、宮城県では令和4年1月の事業開始へ向け、水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道を一体とした事業方式、その実施の検討を進めております。 コンセッション事業などが飯田市の水道事業へ導入可能でメリットがあるのかどうか、今後、先進地の動向を注視し、研究してまいりたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 状況は分かりました。 コンセッションについては、宮城県では2022年4月から上水道と下水道、工業用水も含めまして、宮城県議会で可決されて、民間で運営されるという見通しになっていると聞いております。 また、大阪市は上水道事業に導入する条例改正案を市議会へ提出するというような動きもあるようですので、今後そんなような動きが出てくるかと思っております。 私は利益を追求する民営化が市民益につながるとは思いませんから、あまりコンセッションについては賛成ではないんですが、いずれにしましても慎重に調査・研究を進められたいなというふうに要望しておきます。 次に、いわゆる受給者、将来にわたっていく給水人口なんですけれども、これの見込みについて伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 給水人口につきましては、飯田市人口ビジョンを基に推計をしております。平成30年度の給水人口10万144人に対しまして、令和8年度の給水人口は約9万6,000人ということで、4%ほどの減少と見込んでおる状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 4%減、これは給水人口が減っていくと。それから、純利益も次第に減少する。それから、令和5年度の補填財源は、現在の半額の10億円程度になる。令和8年には、グラフを見ましたけれども、10分の1ぐらいなる見込みのようでございますし、借金である企業債残高は年々増えていく。このような中で、料金収入は人口の減もあり、減少していくわけですけれども、このままでは水道事業が破綻ということになるんじゃないかというに非常に心配をするところでございます。 給水の原価に対して料金回収率が88%ということなんですけれども、単純に言えば12%の赤字になっているのかなと。今1立米の水をつくるのに、大体1立米というと風呂おけ1杯ぐらいですかね、そのお金が176円かかっておって、料金は大体158円ということで、ペットボトルの1本の水が、今自動販売機で売られていると120円ぐらいしているわけですけれども、風呂おけ1杯の水が158円ということなんで、決して飯田市の水が高いというふうには私は思わないんですけれども、水道料金を改定してから10年が経過しているわけですが、この料金改定についての考え方をお伺いしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 前澤上下水道局長。 ◎上下水道局長(前澤秀夫君) 料金改定の考えということでございます。 消費税の増税による改定はその都度行っております。ただし、本体部分は平成20年度以降改定していない状況でございます。 先ほど来申し上げておりますように、今後、非常に財政基盤の弱体化ということはございますので、いろいろな面で考えていかなければならないということは認識しております。 改定につきましては、当市財政計画やその他の要素を踏まえた上で、上下水道事業運営審議会がございますので、そちらのほうの意見を聞く中で検討していく事項でございまして、現時点で具体的なことを申し上げる段階ではないと考えております。 引き続き国庫補助金などの財源確保に努めまして、経営改善、効率化をより一層徹底することによりまして、最少の費用で最大の効果を上げまして、市民の負担は極力抑えるように努めてまいりたいと考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 慎重にということのようなお答えですね。 ただ、料金の値上げとなると、なかなか市民の合意を得るのは大変かというふうに思います。早い時期にきちんとスケジュールを示して段階的なアップをしていくようなことを行っていかないと、非常に厳しい状況というふうに思いますので、せめて次期経営戦略の見直し時点、令和4年度にはきちんとした方向を示していただきたいなというふうに思います。 水道事業の現状と将来の見通しについて、きちんと市民に見える化をして理解を求めていかなければならないというふうに思いますので、岩手県の矢巾町というところでは、市民ワークショップを通して、市民から値上げを提案するというようなことになったという事例もあるようでございます。 水道事業が破綻すればどうなってしまうのか、今の時点では想像もつきませんけれども、これまで議論してきた状況から見て、非常に厳しい状況であることは理解しました。 昨日の福澤克憲議員の議論の中にも、北海道夕張市では、財政破綻に伴って水道料金は全国最高額となったという話もありました。いずれ市民にも弊害が出てくるわけですけれども、経営側のコストの削減はもちろんのことですけれども、手後れにならないうちに議会や市民とともに議論を深めていくことが必要じゃないかというふうに思います。 さらに市長、今までの議論の中で、この水道料金も含めてお答えいただきたいと思います。市長、お願いします。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今、議員からもお話があったように、しっかりと慎重にこの議論を進めていく、そんな中ではやはりきちんと見える化も、そして国との情勢についてもしっかり見極めてやっていくことが大事だというふうに考えているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 熊谷泰人君。 ◆10番(熊谷泰人君) 先ほど申しましたけれども、やはり料金の値上げというのは、非常に敏感に市民が考えるところでございますので、それこそ水道事業が破綻するなんていうことになれば、大変なことになるかと思います。 戦略の中でもきちんとうたわれておりますけれども、この戦略に沿ってきちんと今後も進めていっていただきたいなということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
    ○議長(湯澤啓次君) 以上で、熊谷泰人君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 永井一英君。 △永井一英 ◆12番(永井一英君) 皆さん、こんにちは。公明党の永井一英でございます。 今回は、昨年12月議会での代表質問において少し触れ、また市長も年頭所感の中で触れておられますテーマ、人生100年時代を見据えてと題し、議論したいと思っております。 早速質問に入ります。 初めに、飯田市民の男女別平均寿命と健康寿命の推移はどうなっていますか。また、100歳以上人口の10年前との比較はどうでしょうか、お示しください。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 初めに平均寿命でございますが、平成22年度と平成30年度の数値を比較してみますと、男性は平成22年度が80.39歳、平成30年度が82.3歳。女性につきましては、平成22年度が87.36歳、平成30年度が87.50歳で、男女とも延びている状況であります。 また、健康寿命につきましては、男性は22年度が78.77歳、30年度が80.82歳。女性は22年度が84.01歳、30年度が84.25歳で、男女ともに延びている状況でございます。 また、100歳以上の人口についてでございますが、これは長寿支援課での敬老祝賀会を行うためにつかんでいる対象者数で回答させていただきたいと思いますが、平成22年度が87人、令和元年度が139人ということでございまして、22年度に比べまして1.6倍に伸びている状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 分かりました。 女性が占める割合が80%を超えると。多分、全国と一緒の傾向だと思いました。 続いて、平均寿命と健康寿命、また100歳以上人口の将来予測と市の認識を伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) ただいま申しましたように、平均寿命は延びている状況でして、健康寿命も延びてきている状況であります。その差につきましても、僅かではありますが縮まってきておりまして、今後も同様に推移していくと考えております。 飯田市では健康寿命を日常生活動作が自立している期間の平均で算定しておりますけれども、平均寿命との差は日常生活が自立していない不健康な状態の期間となりますので、その差を短縮できることで個人の生活の質の低下を防ぐことになると考えております。その短縮を目指しまして、各種事業を実施しているところであります。 また、100歳以上の人口につきましても、今後同じように増加傾向が見込まれると考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 以前に一般質問の場で話題となったことがありました。漫画「サザエさん」、これは昭和21年、1946年に連載を開始しておりまして、登場する磯野波平さん、明治28年、1895年生まれ、年齢は54歳という設定なんですよね。70年たった今から考えますと、私たちは少なくとも10年ぐらいは若返っているのかなという気がするところでございます。 さて、それでは、人生100年時代と言われ、これまでの現役世代や高齢者の概念を変えていく必要性が指摘されております。市長、どのように考えられますでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これは年頭所感の中でも、まさに人生100年時代の地方創生の報告書で紹介させていただいていますが、今までのまさに磯野波平さんのようなライフスタイルからかなり変わってくるんではないかというふうに思っています。もちろんその背景にあるのは、技術革新が相当進んでいて、平均寿命が延びていて、我々自身がそれだけ若返っていると、昔に比べればというのもあると思うんですが、今までのように学校を卒業して一つの会社に勤め上げて、そしてそこを定年退職したらあとは悠々自適といいますか、どっちかというと養われる側に回るみたいな、そういったイメージから、人生100年時代のこれからは定年後にもう一回チャレンジするというような、そういったライフスタイルを考える人がもっともっと増えてくるということを思うわけであります。 実際に、いわゆるシニアベンチャーという言い方もしておりますけれども、具体的には南信州飯田産業センターの専務理事や、あるいはマネジャー、オーガナイザーなんかみんなそうなんですけど、一度は会社の社長さんまでやられた方が、もう一度社長を辞められた後も社会で活躍され、新しい産業育成にも関わっておられると。そういったのはこれからもどんどん出てきて、まさに現役世代という概念が変わっていく、私はそんなふうに捉えております。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 全く同じ認識なんですね。 実は、友人から「ライフシフト 100年時代の人生戦略」という本を紹介されました。感銘を受けました。同書では、御存じと思いますが、100年ライフを過ごすことになると、従来の、同じことを言っているんですよ。教育、仕事、引退という3つのステージから、ステージの移行を数多く経験するマルチステージへの人生へとさま変わりすると。当然、社会のありようも変化する。しかし、長寿化がもたらす恩恵は煎じ詰めれば時間という贈物であり、人生が長くなれば目的意識を持って有意義な人生を形づくるチャンスが生まれると捉えておられます。 私自身に置き換えますと、十数年費やして仕上げる仕事をもう一つできるという形になるんですよね。これはライフシフト、まさに生き方の転換になります。それは当然、健康寿命を延ばす努力をしていかなきゃならなくなるわけで、これにつながり、ひいては社会貢献にもなるのかなと思うところなんです。そうだとすると、やっぱり今までの固定観念の転換を図るための動機づけ、これが大事になるし、そこをどうするかという、ここに行くんじゃないかなと思うんですね。 市長、年頭所感の中で、御自分も参加された片山委員会の報告書「人生100年時代の地方創生」を引用されて、このように言われておりますね。シニア人材の活用も重要な役割で、シニア人材が活躍できるよう当事者という価値観を共有しつつ、シニアのチャレンジを後押しする社会教育が必要と。ここでいう社会教育は、その意識の転換を図る動機づけになるんでしょうか、どのように考えますか。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これは、一つのチャレンジだとは思うんです。やはりそういった今までの教育を受けて、それから社会に出て、そして定年になったら引退だという、そういった一つのライフサイクルみたいな感じのパターンを、いやいやそうじゃないと、今お話があったように、もう一度チャレンジしようということは、そのことが実は自分にとってもいいことだし、地域にとってもいいことなんだということをやはり知ってもらう、理解してもらう。そういったことが私は非常に重要かなというふうに思っています。そのためには、まさに地域のために何か自分ではまだできるんじゃないかなという当事者意識を持ってもらうための、まさに議員が言う動機づけですね、これができるような社会教育、あるいは地域人としての教育、こういったものを生涯現役の考え方でやっていくというのがこれから非常に重要になってくるんじゃないかなと私は思っています。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) そうなんですね。それで、この社会教育という言葉を使うんですよね。 報告書はさらにこう言っておりますね。社会教育は、人生100年時代においてどこからでもチャレンジできることを知らせつつ、この後なんですけど、多様な生き方を受け入れる寛容な社会の醸成にも寄与すると。多分そうだろうなと思うんです。 この後に、長野県においては公民館という既存の仕組みを活用する方法もあるというふうに提言をされているんですけれども、公民館というと教育長の所管だと思うんですけれども、こういった公民館の活用というのは私は理解するんですけれども、今の取組そのままでできるというふうに考えられるか、御所見をいきなり聞いてもよろしいですか。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 公民館活動というのは、今までは心の豊かさや生きがいを学ぶような場であったことが中心だったと思います。ただ、今、議員と、また市長の会話の中で出てきた学び直しによる人生100年の新たなステージを築くというところに関しては、もう少し仕事に直結したようなノウハウを学ぶ、そういうことは最低限必要になってくるんだろうというふうに思います。 ですので、公民館はベースになりながらも、今のままがそのまま生きがいや働き方、心の豊かさというところから、もう少しステージを上げて働くために何が必要なのか、そういうところを学び合ったりとか、刺激し合ったり、そういう場に少し昇華をする必要があるんじゃないかなと思っています。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 私、公民館活動はこの仕事より長いんですけれども、まさに今言われた、そういうふうに感じていまして、ただ、例えば新たな視点を加える、今昇華と言われましたが、そういうことがないと、今のままを否定するわけじゃないです、絶対に、十何年やっていますので。だけど、もう一つ引き出しを昇華させると、ここを思いました。いずれにしろ教育委員会の役割は僕は重要だなというふうに思っておるところなんです。 続いて、市長、ちょっと大きい、でも市長に聞くしかないんですね、片山さんの。続いて、今後の社会の変化を想定したとき、行政の在り方をどう考えるか、お考えをお示しいただきたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) まさに今のところは非常に重要なところだと思うんですけど、今後の人生100年時代を迎える中で、新たなチャレンジをしていく、そういった環境整備をしていくためには、まさに大人の皆さん方に対しても、多様な人との交流を通じて当事者意識をどうやって醸成していくかと、まさに公民館の役割も含めて、大変重要になってくるというふうに思います。 ちなみに、公民館のもともとの中には、産業振興というのは実は入っていたというのは、これはずうっとやっていた方は御存じの話で、むしろそういった産業振興的な人材育成もかつて公民館はずうっと担っていたということも、もう一度思い返しながらということになるかと思います。 少なくとも今お話がありますように、シニア人材が活用できるためには、そういった地域づくりや産業づくりや人づくりのまさに当事者としての価値観、もう自分が引退してしまっていて、あとはお世話になるだけであると、そういうんじゃなくて、むしろもっと積極的に地域に関わっていこうというチャレンジを後押しするような仕組みというものが求められている。 そういった中で、私は地域の産業界の役割もまだまだあると思うんですね。今までの若い皆さん方だけじゃなくて、そういった皆さん方とも連携していく、そういったステージをつくっていくということも非常に重要かというふうに思っています。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) そこも一緒です。 片山報告書でも6点にわたって問題提起していますけれども、私が思ったのは、飯田市においてどうやって提起された状態に持っていくか、この過程のところが一番大事かなというふうに思っております。また、議論させていただきたいと思います。 それでは、次に進めさせていただきますが、やっぱり何といっても健康寿命を延伸させる必要が出てきますが、政策を伺う前に健康寿命の目標値、ないしはそれに代わるような目標値があるのでしょうか。あれば進捗状況、概要だけお示しいただきたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 健康寿命の目標値ということですけれども、市のほうでは介護保険の認定率を目標値にしておりまして、いいだ未来デザイン2028の中では計画値を20.2と定めておりまして、現在のところ認定率は19.3という状況になっておりますので、目標値を下回っている状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 健康寿命についての目標値を定めていないというのは存じ上げておりました。いわゆる認定率のほうを目標値に掲げてやっているということなんですね。ただ、どうも他市に比べると、ないしは全国、長野県と比べると、少し高いかなという状況かなというふうに認識しております。 それでは、先ほどからずうっと議論しております、3つのステージを行ったり来たりするマルチステージの人生を送るためには、まずはやっぱり健康寿命、賃金を得るための労働に限らず、地域活動などを通じて社会と関わり支え合いの社会づくりに貢献できる期間、これを私たち公明党は活動寿命と言っているんですけど、この延伸に向けた市の政策について伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 御答弁をお願いいたします。 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 飯田市では、地域健康ケア計画というものを毎年更新してつくっておりまして、その中にも介護認定率等を目標に取り組んでおります。その中で、特にフレイル予防の取組が……。     (「議長」と言う者あり) ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) それは後ほど聞きます。 地域健康ケア計画2019、市長の肝煎りで各部を横串にした、いわゆる健康政策を打っていますよね。この中の重点プロジェクト2に、高齢になっても地域で安心して暮らせるための施策の中が多分入っているんじゃないかなと推測するんです。ですから、様々な部署が相まって取り組んでいるんじゃないかなと思いますが、それでよろしいですね。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) はい。 ◆12番(永井一英君) それでは、一つだけ紹介をさせていただきたいと思います。 愛知県豊明市、多分部長ももう御存じだと思います。介護保険の新しい総合事業として、民間企業と協力をして、要支援となった高齢者を元の生活に戻す。ここが発想の転換ですね、豊明モデルと言われているもんですけど、高齢者が外出したくなる取組を行っていますね。この辺については私たちの会派はすごく大事にしておりまして、視察を3回断られておりますけれども、温めていきながら、また次回に取り上げさせていただきたいと思います。 それでは、先ほど部長言われましたフレイル予防について進めたいと思うんですけれども、実は平成30年の第4回定例会におきまして、会派の代表質問で村松議員がフレイル予防の取組に言及をしております。その後の市の取組をお伺いしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) フレイルというのは、要介護状態に至る前段階でありまして、身体的だけでなくて、心理的、社会的な問題を抱えやすく、健康障害を招きやすいリスクの高い状態であります。また、フレイルは、日常生活動作が低下する前に活動性の低下や認知機能の低下、骨折などがありまして、その要因に生活習慣病を抱えている場合も多いために、働き盛り世代から生活習慣病予防の取組をしていくことが必要と考えております。 第7期の介護保険事業計画の期間内では、要介護認定者の伸びが計画値を下回っておりますけれども、当市は県内他市に比べまして要介護認定者の出現率が高くなっておりまして、県内の市で一番高額の介護保険料を御負担いただいておる状態であります。この状態を改善するために、まずは元気な高齢者を増やすことが必要であると考えておりまして、要介護認定者数の抑制、低減が進みますと、介護給付費の抑制、低減につながりまして、保険料の抑制につながるものと捉えておりまして、元気な高齢者を増やすために、フレイル予防については今後さらに注力して取り組んでいく必要があると考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) プライベートのことは申しませんが、身近な者が他界をしましたが、介護保険を一回も使うことなくだったんですね。それを見ていて、やはりフレイル予防は大事だというふうにすごく私は身近に思いまして、それで今これを取り上げておりますが、特にオーラルフレイル、これから伺うんですけど、健康寿命を延伸するためには、やはりいつまでも口から食べる、口腔健康管理が大事だというふうに思うんです、実体験から。オーラルフレイル予防の取組、これについて伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) オーラルフレイルとは、かんだり飲み込んだり話したりするための口腔機能が衰えることでありまして、かむ力や舌の動きの悪化が食生活に支障を及ぼしたり、滑舌が悪くなることで人や社会との関わりの減少を招くことから、全体的なフレイルとの深い関係性が指摘されておりまして、市としてもオーラルフレイルの予防について力を入れていく必要があると捉えております。 現在、取り組んでいる取組としましては、歯科衛生士が高齢者の通いの場等に出かけまして、口腔機能向上の話や体操、義歯の手入れなどの指導を行っておりまして、平成30年度は高齢者を対象としました教室等に50会場500人以上に指導を実施しておるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 部長、やはり人的資源が多分一番要るんだろうなと思うんですね。これが充足しているかというのが少し心配なんです。例えば、歯科医師会との連携というのは考えられないでしょうか。また、そのほかの課題がありますでしょうか、伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) 歯科医師会との連携ということですけれども、歯科医師会とは懇談をしまして、協力していろんな事業を組み立てていきたいと考えておりまして、まず介護予防の事業としまして、今年度取り組みました短期集中通所型サービス事業、これは運動と栄養と口腔の3つの視点から機能回復を図るわけですけれども、そんな点で歯科衛生士に関わっていただく必要がありますので、そんなところの人材確保について歯科医師会に協力要請等をお願いしながら現在取り組んでおるところであります。 一方、資格を持っておっても、現在職場を離れている方の情報がなかなか得ることが難しい状況がありまして、歯科衛生士の人的確保について課題があるなということを思っております。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 課題を認識いたしました。 それでは、次に進みます。 アクティブなシニア層に向けた就労支援や地域で活躍するための支援はどうなっていますか、お伺いします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) アクティブなシニア層への就労支援ということでございます。 現在、国の施策におきまして、やはり労働人口が減少している中で、やはり65歳以上高齢者に対しての多様な就業機会を提供できるということが重要なことだという認識から、雇用継続、定年の引上げというのが進んでおるというような認識をしておるところであります。 中でも、ハローワークにおきましては人生100年時代というものを見据えまして、全国240か所になるわけですが、生涯現役支援窓口というのを設けまして、再就職などを目指すおおむね60歳以上の皆様を対象にいたしまして、求人情報の提供や各種ガイダンスを実施しておるところでございます。 そうした中、当市におきましては、就労支援につきまして、若者から高齢者を含めまして起業意欲のある方、また就労を希望している意欲のある方を対象に、飯田ハローワークと連携した個別相談や合同就職面接会、さらには飯田商工会議所と連携した創業支援、またシルバー人材センターとの連携、こうしたことを年齢を問わず、切れ目のない支援に取り組んできているという状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 一つ事例を挙げさせていただきます。 東京の杉並区ですけれども、おおむね55歳以上の区内の在住者ないしは在勤者を対象に、就業・起業・ボランティア活動等、様々な社会参加に関する情報提供や技術の取得を行う講座、あるいは合同就職面接会を開催。また、個別相談も受けるシニアの就業企業地域活動応援事業を行っておりますが、飯田市でこのような取組はできますでしょうか、伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 杉並区の例を頂きました。やはりシニア層が、今までの議論の中でもありましたように、第二の人生といいますか、地域活動とかにも就労含めて出ていこうとする意欲ある方をしっかりと、定年の前から、早い段階で意欲のある方を支援していくという、これは重要なことだと思っております。 一般社団法人日本アクティブシニア協会というのがあるようでありますけど、そこでは現役以上老人未満というようなことを言っておられる。その中の間、早くから進めていくということは大事なことだと思っておりますので、そうしたことは参考にさせていただければと思っています。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) それで、なかなか新しいシステムをつくってというのは難しいと思うんですけど、私は29年、30年に飯田広域シルバー人材センターの総会に出席させていただきまして、非常に会員の皆さんの社会貢献に対する意欲を感じたんですが、このシルバー人材センターの連携はどうでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) シルバー人材センターとの連携、これはもちろん重要なことだと思っていまして、今まで、先ほどもちょっと申しましたけれども、これまでも連携をさせていただきながら受皿としての連携を取らせていただいておるということでございます。ただ、いろいろとシルバー人材センターの運営につきましても、雇用するいろんな課題があるというようなこともありますので、そういったところはしっかりと協議しながら連携をこれからも進めていく、そんな考え方でおります。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) もう一つ事例があります。 広島市の事例ですけど、協同労働プラットフォーム「らぼーろひろしま」の取組です。この団体が推進している協同労働は、地域の課題解決につながる新たな働き方のことで、60歳以上を中心とする地域住民により構成される多くの自主団体が、メンバー自ら出資者、経営者、そして労働者となり、高齢者の見守り、子育て支援、地域の安全・安心、多世代間の交流といった活動を行っております。いわゆる株式会社のように株主、経営者、労働者が分かれていないんですよね。また、無償のボランティアでもなく、出資経営を集まった方々全員で担って責任を分担しながら各自で収入を得るというユニークな形態です。御所見を伺いたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 松下市民協働環境部長。 ◎市民協働環境部長兼結いターン移住定住推進室長(松下徹君) 今、議員から御紹介いただいたらぼーろひろしまの協同労働でありますけれども、これについては、今年度実はムトス飯田賞を受賞された小野子区でも、高齢者の方の家の周りの除草管理ですとか家事について、やはり地域の方が出資をされて、低廉な料金で助け合いをするというような仕組みをつくられていますけど、これに似た在り方ということでありまして、これから一つの重要な在り方だなということで、大変この活動の中に得られるヒントが多いものとして捉えさせていただきました。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 市長、代表質問のときにも話題にしたと思うんですが、地域課題に対応するための事業体の立ち上げの受皿の組織体というところで、すごく方向性を示しているなと思ったところです。多分同じかなと思います。 ちょっとまた伺いますが、もう一点、市長、思ったのは、通告書に高齢者と書かずにあえてアクティブシニア層と書いたんですね。それは今までの議論のとおり、人生100年時代を見据えるとアクティブなシニア層に向けた就労支援や地域で活躍する支援というのが私は大事だと思うんです。今伺っているように、産経部、市民協働環境部、健康福祉部、教育委員会、複数の関係する部署がまたがる飯田市において未整備の分野かなと思うんですね。これに対して取り組むべきだと思いますが、市長のお考えを伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) まさにそのアクティブシニア層のチャレンジということを後押しするためのプロジェクトというのは、これから非常に重要になってくるというふうに思います。やはり横断的な取組だという認識をしております。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) 最後に伺います。 今から生き方が複線化する社会に適応していくため、誰でも必要な時に教育機関に戻って職業的スキルや知識を学べる仕組み、いわゆるリカレント教育、この飯田市における可能性について伺います。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 先ほど公民館活動とか、飯田市では学ぶ環境が整っているというふうに伝えさせていただきましたが、やっぱり昇華、昇る華という意味で書きましたけれども、アップデートしてさらに働くためのスキルを身につけられる場所になったら、飯田市の強みというのが発揮できると考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 永井一英君。 ◆12番(永井一英君) この問題は、多分これから顕著になり、これから方向性を探るという分野だとも思います。また、市長と議論ができればなと思っております。よろしくお願いいたします。以上です。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で永井一英君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 木下容子さん。 △木下容子 ◆14番(木下容子君) 改めまして、皆さんこんにちは。市民パワーの木下容子でございます。 一般質問も残すところあと2人となりました。皆さんお疲れでしょうけれども、もう少しお付き合いをお願いしたいと思います。 さて、今回の一般質問ですけれども、私はこれまで携帯電話やインターネットなどが子供たちにもたらす影響について、何回か一般質問をさせていただいてまいりました。けれども、現状はますます心配な方向へ向かっているとしか思えません。 そこで、今回は児童・生徒のインターネット、ゲーム依存防止について1項目に絞って質問をさせていただきたいと思います。 まず、(1)番です。飯田市での児童・生徒のインターネットなどの利用の実態をどのようにつかんでいらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 今村教育次長。 ◎教育次長(今村和男君) 飯田市の児童・生徒のインターネット等の利用状況についてということでございますが、これについては長野県教育委員会が毎年アンケート調査を実施しています。 今年のアンケート調査では、長野県内の小学校12校、中学校12校の計24校を抽出されておりまして、その中では飯田市内の小・中学校も各1校回答しております。その結果については、飯田市教育委員会では共有させていただいておりまして、その調査結果からは主に大きく3点の傾向がまとめられています。 1つは、機器使用の低年齢化が進んでいるという点。2点目は、機器の長時間使用の状況があり、ネット依存の傾向を自覚する児童・生徒、保護者が増加傾向にある。3点目は、ネット上のトラブルを経験しているとまとめられています。この傾向は、市内小・中学校の回答結果においても同様の傾向が見られるために、飯田市の小・中学生に当てはまる実態だと認識しております。以上です。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) 教育次長にお話を頂きました。 飯田市としては独自の調査を行っていないけれども、県の調査は毎年やっておられるということで私も把握をしております。 また後でも質問させていただきたいと思いますけれども、その中で分かったことは、低年齢化、長時間化、そして依存の問題、それからトラブルも出てきているという御指摘でございました。 私は独自に飯田市で調査をしてくれということは、これは必要ないなと思います。その労力をぜひ今後の対策に費やしていただきたいというふうに思うわけですけれども、インターネットの普及は本当に社会に大きな変化をもたらしてきておりまして、ネットを通じて瞬時に情報が得られる、あるいは新しい知識を得ることができる。友人や知人や、あるいは全然知らない新しい人ともコミュニケーションを図ることができる、本当にこれはすばらしいことだなというふうに思います。インターネットは正しく利用すれば便利な機器であろうというふうに思います。けれども、その一方で、今も次長がお話しいただきましたように様々な弊害も生まれてきているところでございます。この弊害についてはどのように認識をされていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今、議員おっしゃっていただいたとおり、文明の利器であるインターネット等の利用に関しては、プラスの側面ももちろんあると認識しています。ただ、その一方で、自制心を失い、長時間するような状態であると、児童・生徒の健やかな成長にとっては望ましい状態ではない、マイナスの側面もしっかりと認識していかなければいけないというふうに考えています。 具体的には、3つの課題があると認識をしています。 まず、長時間や夜遅くまで使用することで睡眠不足になり、体調に支障を来し、日常生活や学業の悪いほうに影響を及ぼすこと。 2番目としては、ネット上のやり取りだけではお互いの気持ちが通じ合えず、何げない不用意な言葉が時にいじめやトラブルに発展する可能性があるということ。 そして3番目は、安易な気持ちで画像や情報をネットに掲載することで個人が特定され、プライバシーが侵害されたり、また場合によっては犯罪に巻き込まれる、こんな危険性があると、こういった課題があるということを認識しております。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) 3つ大きく御指摘を頂きました。体の問題、本当に昔の子供さんたちだったら表でしっかり遊んで体づくりだとか健康づくりをしている。今はなかなか家の中に閉じ籠もってネットを使うことによって、本当に目が悪くなったり、あるいは運動機能の衰えがあったり、あるいはゲーム脳みたいな形の身体への異常が出てきてしまう。それから、ネット上でのいじめやトラブルの問題。プライバシーの侵害から犯罪につながるような、本当に大事なことだろうな、これらを何とかしていかなくてはならないかなというふうに思います。 今も誹謗や中傷の書き込みもある。先ほどの古川議員のいじめの問題にもこれはつながることだろうというふうに思いますけれども、誹謗や中小の書き込みからいじめにつながっていくということが考えられます。 平成25年に制定をされましたいじめ防止対策推進法には、第19条にインターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進という項目が盛り込まれております。国でもいよいよインターネットを取り巻く環境について本腰を入れて取り組まなくてはならないというふうに考えてのこの姿勢ではないかというふうに思いますけれども、その点を重く受け止めなければならないというふうに私は思っております。 (3)に参りたいと思います。 厚生労働省で2種類のアンケート調査をこのたび実施されました。それから、長野県での教育委員会でも、次長にお話しいただきましたけれども、教育委員会のほうでも1種類のアンケート調査が実施をされました。 まず、厚生労働省のほうでの1番目のアンケート調査ですけれども、これは厚生省の研究班が一昨年、中・高生にアンケートを実施したということです。8項目の質問、例えば、あなたはインターネットのために大切な人間関係、学校のことや部活動のことを台なしにしたり危うくするようなことがありましたかという質問。また、あるいは、あなたは問題から逃れるために、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みなどといった嫌な気持ちから逃れるためにインターネットを使いますかというような8項目の質問がありました。そして、その8項目のうちの5項目以上に当てはまると、インターネット依存が疑われる病的使用者と診断をされるということです。 その調査結果では、ネット依存の中・高生は全国でおよそ93万人にも上るという推計が公表をされております。これは5年前の調査では51万人だったそうです。この51万人が5年間で93万人に増えた。これは7人に1人の割合だということです。 それから、ネット依存と診断された中・高生の割合ですけれども、男子の中学生、5年前は4.4%でしたけれども、5年後の今回は10.5%に伸びています。そして、女子中学生は5年前7.7%、今は14.3%、これは倍近くに増加をしていることです。高校生も男子7.6%から13.2%に増加、女子11.2%から18.9%にというふうに増加をしております。 先ほどの8つの質問に5つ以上が依存というふうに診断されたそうですけれども、この8つの質問に3項目から4項目が当てはまる、ネット依存予備群と呼ぶそうですけれども、この予備群と診断された人たちまで含めると254万人に上っており、これは中・高生の約半数がネットのやり過ぎで成績が低下をしているということを経験しているそうです。 2つ目の厚生労働省が行った調査ですけれども、これは昨年初めて行った10歳から29歳の若者を対象としたゲーム依存に関する調査という項目だそうです。29歳までですから、当然中・高生だけではありません。若者という形ですけれども、この調査では、過去1か月間の平日で、インターネット使用は平均4時間以上6時間未満という若者は21%いました。平日にもかかわらず6時間以上使っていたという方は15.4%だそうです。夕食を食べたり、お風呂に入ったり、宿題をしたりというような時間を過ごしてからの6時間以上ですから、就寝時間は深夜から明け方の2時、3時、4時までネットを使っているという計算になります。休日には使用はもっと増えます。4時間以上6時間未満の方は23.0%、6時間以上使用していたという方は33.8%にも上っております。 そして3つ目、長野県教育委員会でやられた調査です。 平成20年度から携帯電話についてのアンケート、あるいは携帯電話とインターネットについてのアンケートを毎年実施しているということですけれども、平成26年度からはインターネットについてのアンケートを行っています。使用時間帯について、学習用以外で夜12時から翌朝4時までの間に使用することがあると答えた中学生は、昨年度5.7%でした。しかし、1年たった今年は30.5%に急上昇をしております。さらに驚いたことに、そんな時間帯に我が子がネットを使っていると思っている保護者は2.5%、本当に実際と保護者の認識に開きがあります。高校性については、深夜に利用していると答えた高校生は、昨年度23.1%、今年度は63.5%と3倍近くに跳ね上がっております。しかも、自分の子供が深夜にネットを使っていると思っている親は10.6%のみで、本当に認識に大きなずれが生じているということです。 もう一点、子供自身が自分はネット依存の傾向があると思うという自覚をしている生徒は本当に多くなって、ネット使用している中学生で5人に1人がそう思っている。高校生では3人に1人というふうな結果が出ています。これらの調査結果をどういうふうに受け止めておられますでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 様々な調査結果が教育委員会にも報告され、実態としてはインターネット等による負の側面が本当に進行、毎年毎年深くなっているなということが率直な感想であります。 教育委員会としてどう取り組むかについては、全国の数値だから人ごとというふうに捉えるのではなく、これが飯田市の子供たちの実態だというふうに解釈しながら対策をしっかりと打っていきたいと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) ありがとうございます。 そういうふうに受け止めていただけるということは、これからも飯田市の状況が役に立つことになるかなというふうに思います。 もう一つお伺いをしたいと思います。 県の調査のほうですけれども、学校の授業以外でインターネットを使っている小学校6年生に使用の開始時期を聞いたところ、小学校1・2年生でという生徒が33.9%、3・4年生のときに使い始めたと答えた生徒が35.7%でした。これは、ICT教育もこれからやっていかなくてはならないので、当然必要な部分かなというふうに思いますけれども、私が本当に衝撃を受けたのは、小学校入学前という回答が18.3%もいたという事実でございます。この点については、教育長、どのような感想をお持ちでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) これはあくまでも個人的な見解にはなりますけれども、インターネット全てが悪い側面ではなくて、プラスの側面、様々なリテラシーを使いながら情報収集できると、感性を磨かれるという部分もあります。そういった意味で、現実問題として、小学校上がる前に一定程度、iPadをいじったりとかパソコンをいじったりという子供がいるのは、これは大きな流れなんだろうなというふうに思います。ですので、この数字の中でしっかりプラス面で使っていくということの開始時期にそういった教育をしっかりやっていく、御家庭でしていただく、学校でもしていただくということが大事なんだろうというふうに思います。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) 教育長がおっしゃっていることは本当によく分かります。ただ、小学校入学前は幼児が自ら進んでインターネットを使うということは当然あり得ないことでありまして、そこには保護者が容認し、与えたということだというふうに思います。 そして、今の親の世代は、やはり生まれたときからスマホであるとかインターネットが、生まれたときではないですね。親の世代はそれに慣れ親しんだ世代だろうなというふうに思います。だから、我が子にも幼児期から深く考えずに使わせてしまっているというのが現実じゃないかと思うんです。 ただ、インターネットの弊害も幼児にちゃんと理解をさせた上で使わないと、子供さんたちはそれほど怖いものだと思わずに使ってしまっているというところがあるんではないかなというふうに思います。そういった意味で、小さな頃から使わせるときには、やはり親の監視ができるような状況の中で使わせる、あるいは怖さがちゃんと分かる年代から使わせるということが大事じゃないかなというふうに思います。ネットやスマホを楽しむことがどんな問題を抱えているかをちゃんと理解させた上で使っていただくということが必要ではないかなというふうに思います。 今、香川県で大きな動きが出てきておりまして、(4)のところに参りますけれども、これは香川県議会で、次世代を担う子供たちの健やかな成長のためにネット・ゲーム依存症対策の条例、これは仮称だそうですけれども、この対策条例の制定をしようという動きが出てきております。今はパブリックコメントを実施し、4月の制定を目指しているということです。 制定されれば、ネット・ゲーム依存症対策に関する全国初の条例になるということでございます。この条例案も読んでみました。子供さんたちが平日にコンピューターゲームを利用するのは1日60分まで、休みの日は90分まで、義務教育終了前の子供は午後9時までに、それ以外の子供は10時までに使用をやめる。保護者はそれを守らせるように努めなければならないなどと細かく書かれております。このような条例化の動きに対して、これをどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか、お伺いをしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 香川県の条例も対策の一つだと思います。ネット依存の対策に対しての意識づけや啓発活動の一助にはなるだろうというふうには思います。ただ、こういった問題に関して大事なことは、それぞれの主体、子供たちや家庭、学校が自分事として捉えることが一番大事だというふうに思っています。先ほど来議員おっしゃっていただいているように、SNSの何が危険なのか、こういったものをしっかりと理解し、その上で主体的に制限をしていくということが大事だと考えています。 その中で、飯田市での取組を少し御紹介をさせていただきますが、飯田市の中学校の中には生徒会が主体的にSNSの時間を自分たちで決めていこうということを自主的にルールを作成している学校があります。 また、コミュニティスクールの中で、学校ですること、地域ですること、そして家庭ですることというのを今相互に決めているわけですから、家庭ですることの中に各家庭でPTAが主体的に自分たちでこういう制限をしていこうということをルール化しているコミュニティスクールも出てきています。 条例で決めたから、上から言われてやめるということでは、必ずどこかでうまくいかなくなるんじゃないかなと思います。大事なことは、主体的、能動的にこうったものを自分たちで制限していくと、そういった仕組みづくりやルールづくり、また習慣化が必要だと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) 私も教育長がおっしゃるように、条例で上から押さえつけるべきではないというふうに思います。 現に香川県では条例の策定に対して賛否の議論が巻き起こっておりまして、高校生が600人の反対署名を集めて議会に提出をしたという動きにもつながっているそうです。 ただ、香川県議会のこの動きというのは、やはり自らの問題として高校生に考えさせることができた、そういう意味ではとても問題提起ができたかなというふうに思います。 ただ、今、子供を取り巻くネットやゲームの状況というのは、議会が条例をつくってでも未来を担っていく子供たちを何とか守らなければ大変なことになるという判断に至るほど深刻な状況に陥っているということではないかなというふうに思います。手をこまねいて見ているだけという状況ではないというふうに思います。確かにネットは、インターネットであるとかSNSにしてもそうですし、上手に使えば本当に便利なことですけれども、ただ、やはり負の部分があるということをきちんと理解をする中で使っていく必要があるだろうなというふうに思います。 今後の対策についてお伺いをしたいと思いますけれども、(5)のところ、今後については対策はどういうふうにお考えになっておられるのか、お聞きをしたいと思います。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 今後に関してですが、まず現在、飯田市で取り組んでいることを何点か御紹介をしたいと思います。 まず1点、各小・中学校においては、学校とPTAが連携をして、児童・生徒、保護者、そういった人が一緒になってネットトラブルや情報モラルに関する研修会、学習会を行っています。 また、専門機関による相談窓口を設置しています。児童や保護者、不安があった場合には、そのトラブル解消のための窓口を用意し、そこに連絡、問合せをできるようにしています。 さらには、今、飯田市の教育委員会では年に3回「Hagu」という情報誌を出していますけれども、ここに定期的にインターネットの安全・安心な利用の方法、また正しいルール、そういった必要性についても保護者に啓発するような形で情報提供を行っています。 この3つに関しては、しっかりと今後も行っていきたいというふうに思います。 さらに、先ほど申し上げさせていただきましたが、大事なことは、それぞれの主体がそれぞれの責任を持ってルールづくりをしていくということが大事だろうというふうに思います。先ほど中学校の事例、またコミュニティスクールの事例をお話しさせていただきましたが、こういった動きがだんだん広がっていくように、教育委員会としても情報共有しながら支援をしていきたい。そして、子供たちの安心・安全なネット環境というものを飯田市全体でつくっていきたいと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) 先ほどから生徒会でのお話もございました。あるいは、コミュニティスクールでの事例もお話を頂きました。これからが本当に大事になってくるかなというふうに思います。 長野県から令和2年度以降の方向性が3点にわたって出されております。それから、その中の具体的な施策として4点が提案をされております。この中には、幼児期からの啓発でありますとか、あるいは保護者への啓発がうたわれております。本当にこれは非常に大事なことだろうなというふうに思います。ぜひしっかり取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。 先ほどの生徒会のお話ですけれども、以前の一般質問でのお答えの中では、旭ヶ丘中学校での取組がお話を頂きました。旭ヶ丘中学の取組については、県の方向性にある児童・生徒自らが主体的に考え、ルールづくりをするという県の方向性と本当に一致するものであって、その点はすばらしいなというふうに思います。やはりこのようなよい事例というものは、一つの学校だけに終わらせるだけではなくて、ほかの学校にも広げていくべきだろうなというふうに思っております。 一つ事例をお話ししたいと思いますけれども、千葉県の浦安市の取組ですけれども、浦安市には9つの中学校があるそうです。この9つの中学校の生徒会長さんたちが一堂に集まって、一緒になってうらやすっ子SNSルールという基本行動方針を策定されたということです。生徒がインターネットやSNSについて勉強し、自主的に定めた6つのルールがあるそうです。 1つ目、相手が傷つくか迷ったら書き込まない。 2つ目、お金や個人情報に関する利用規則は必ず読もう。同意ボタンは印鑑だ。 3つ目、利用時間は各家庭で決めて、寝る前のSNSの時間を違うことに使おう。 4つ目、載せてほしくないときは、相手に伝える勇気を持とう。 5つ目、SNSのトラブルは自分で抱え込まず、信頼できる人に相談しよう。 6つ目、直接会ったことのない人には必要以上に関わらないようにしよう。 というものだそうです。この浦安市の取組を参考に、旭ヶ丘のよい事例を飯田市の全中学校に広げるような取組はできないでしょうか、お伺いをいたします。
    ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) 貴重な事例の報告をありがとうございます。 こういった事情を伝えながら、ただこれをつくりなさいというと、また内発性、自発性というものがそがれますので、こういった情報を提供しながら子供たちが自らつくる、そういったまさにムトスの精神を大切にしながらルールをつくっていきたいというふうに思います。 ○議長(湯澤啓次君) 木下容子さん。 ◆14番(木下容子君) やはり働きかけ、あるいは家庭に対する働きかけというのは、本当に大事になってくるかなというふうに思いますが、市長、御感想などお願いできればと思いますが。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今お話がありましたように、まさに学校と地域、そして家庭が一緒になってこの問題解決に当たることが重要かなと。そうした中で、この地域の中、学校の中からそういったことを自分たちで解決していこうと、そういった自分事として解決するという意識をぜひ醸成できればと、そんなふうに思いました。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で、木下容子さんの一般質問を終わります。 会議の途中ですが、ここで暫時休憩といたします。     14時41分 休憩-----------------------------------     14時55分 再開 ○議長(湯澤啓次君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 木下徳康君。 △木下徳康 ◆8番(木下徳康君) 会派のぞみ、木下徳康です。 この第1回定例会最後の質問者となった今回の質問は、市内のインフラのことについて2項目に分けて伺います。 インフラストラクチャー、社会資本は、福祉の向上と経済の発展に必要な公共施設ということです。これには上下水道や道路など市が直接管理運営するものと、電気、ガスなどのように民間の事業者がするものとがあります。これらを市内インフラ整備等に関してとして一つ。 情報社会と言われる現在、情報基盤もインフラとして位置づけられます。市は、この整備に関して積極的に関わるべきだという観点で、情報社会の形成に関してと題して伺います。 早速、市のインフラ整備等に関してですが、まず市道は市が直接整備、維持管理している代表格のインフラです。その現状から聞きます。 現在、地区からの修繕、あるいは利便性の要望を受け、対応していることと思います。その対応状況、あるいは日常点検など、また今後の見通しについてお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 道路等の修繕、それらに関する要望箇所につきましては、各地区まちづくり委員会の皆さんを中心にして大変御尽力いただき、お世話になっております。 その各地区からの要望箇所につきましては、3か年を平均してみますと、毎年1,840件くらいが出されております。そのうち、道路、河川を中心に土木関係のものが約9割、1,670件ほどとなっております。舗装の修繕等のものから、時間をかけて、また広域的に検討しなければならないもの等様々ございますけれども、土木関係全体の中の実施率という点では、約45%の対応ができている状況が毎年の状況でございます。ただ、当然ながら舗装の損傷等緊急な箇所のものは、早急な対応を方針としているところでございます。 舗装に関しては、巡視員として職員が回って点検をするほか、郵便局の皆さんとか、それから地元の地域の皆様からの情報提供をいただいて対応しているところでございます。 今後の見通しということでございますけれども、要望箇所の総数とすれば、同じ状況が続くんではなかろうかという想定はしておりますけれども、公共施設の全般の考え方として、しっかり維持管理をして直して活用をするという考え方がより大事になってきているというふうに感じておりまして、そうしたことから、様々な公共インフラの維持管理の在り方、また工法の検討といった重要性がさらに高まるというふうに認識をしております。 施設によっては地元地域、また関係機関と協議を進めながら適正な維持管理に努めてまいりたいと、そのように考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 今御説明の中で、活用するために維持をしていくんだという言葉がちょっと印象に残りました。 それで、今、地区の要望に対して45%くらいの達成率であるというようなことを聞きました。できれば限りなく100%に近いほうがいいんですけれども、これは当然予算との関係でじれったい感じもするんですけれども、それは私以上に市の皆様のほうが強く感じていられることかもしれません。 そして、今の地区からの指摘、あるいは日常点検で巡視員の方が回っている、あるいは郵便局員から情報を頂くというようなこれらは、いわゆる道路の傷み、あるいは不備、いわゆる瑕疵を発見することだと思います。前回の質問で、道路瑕疵の発見には通報アプリの導入も了解してもらいました。ぜひそれは検討していただきたいと思います。 それで、今回は道路の維持管理というものは、長期にわたってその期間で最低コストになるように行うこと、ライフサイクルコストの低減ということになるかと思いますが、そういったことが維持の目標ではないかというふうに思います。発見された瑕疵を修繕することは当然ですが、それだけでは後手に回った対処療法だと思います。 さて、上下水道、あるいは井水のヒューム管の埋設の工事などで何度も舗装を掘って埋設し、その後舗装を復旧されているという場所が見られますが、それらがなるべくそうならないように防ぐ手だてというものはしているのでしょうか、どうでしょうか、お尋ねします。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 前半に御発言いただきました長期にわたりライフサイクルコストを考えてといった点については、先ほど工法ということをちょっと申し上げましたけれども、より長期間にわたって対応できるといいますか、相対的なライフサイクルコストとして有利な工法といった観点から、しっかり意識をしてまいりたいというふうに思います。 それから、御質問いただきました舗装の対応、水道とかガス工事といったところで路面を切断したといったところの対応でございますけれども、できる限り舗装を予定している箇所において、上下水道をはじめガス、そういった占用者からの情報、事前に調整をして会議を持って、管路の敷設替え、取り出し、そういった部分を舗装前に工事ができるようなことを目的として調整会議等を行ってきているのが状況でございます。できる限り舗装後に開削することのないように調整をしたいというのが考えでございます。 しかしながら、住宅の新築工事などによりまして、新たに道路内の管路工事であったりとか取り出しというものも出てくるのが通常でございまして、占用基準に基づいて幅員とか復旧の幅、基準を設けて、できる限り安全な通行が確保できるような舗装復旧を方針としております。その工法については、協議の中で必要な指導をしっかり行いたいというふうな考えでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 今の御説明の中で上下水道などので道路を占用するような場合、そういったときにその道路が頻繁に使われる、いわゆる幹線道路に近いようなところであったら、後から全面舗装をすることは調整していく、あるいは一般の市道の、道幅も狭いとか通行量が少ないようなところに関して、埋設で掘り返したときも、それは部分舗装にするというような解釈でよろしいでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 道路の全体の幅員に対して管路工事によってどのくらいを掘削するのかという幅員の状況によって規定を設けておりまして、一定の幅員以上の掘削等であれば全面復旧をしなければならない、そういう判断もいたしております。 そうでない場合は、一定程度の延長、管路工事が行われた後に、影響幅の損傷部分をさらに切断をした上で、管路工事をやった部分の本復旧を行う、こういった方法を取っているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 私、ここの考え方として、そこのところをちょっと重要かと思っているんですけれども、占用したときに、そこの道は通行量が多い、先ほど申し上げましたが、ある意味幹線道路であるという2つのことのファクターが組み合わさるから全面舗装をする価値があると。通行量が少ないところ、あるいは幅員が狭いところというのは、そこだけ復旧すればどうにかもつだろうというような判断があるのかなあというふうな気がしていたんですけど、解釈としてそんな感じでよろしいですか。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 十分な説明ができなくて申し訳ありませんでしたが、今御指摘を頂いたとおりの考え方でございます。そうした考え方をもって、占用者に復旧の指示をしている、そういう状況でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 今は2つのファクターを申し上げました。それが、こういった事例に限らず低コストで維持するためには、そういうファクターが幾つか出てきたときに、これは先に全面舗装したほうがいいとか、今の場合でも、通行量に関してはそういうふうに考えて注意を払ってやっていられるということで、そういうことは本当に重要なことだと思っております。 また後ほど触れますが、その観点でリニア工事のことについてお尋ねしたいと思います。 殊に発生土の運搬なんですけれども、10トンの車両がピーク時には1日200台を超える計画とお聞きしているところですが、その長期間にわたる運搬には道路が心配であります。予防的な運用も考えられますが、その対応の考えをお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) リニア工事につきましては、御指摘を頂きましたように、かなりの大型車両が台数多く道路を通行するということを想定をしているわけでございます。そのことから、飯田市道の通行につきましても、事業者、これはJR東海ということになりますが、飯田市道の通行管理に関する確認書ということで協議を行い、締結をさせていただいております。 全体の方針としますと、一般の通行者に迷惑とならないよう、その維持管理を両者で徹底して管理を行おうということで、役割分担を明確にしてまとめたものでございます。今後もこれにより維持管理をしていきたいということで計画をしておるわけですけれども、実際に残土運搬が運行し始めた状況については、状況をしっかり把握して、地元の皆さんにも情報提供をさせていただく中で、しっかり対応していきたいというふうに考えております。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 先日、全協だったかと思うんですけれども、例えば実際に発生土を仮置場にする柿野沢と番入寺のほうですかね、そこのところまで行く道などは、実際にどういうふうに通れるかとか、あるいはそこの道の強度とか、初めにある程度調査をするというようなふうに聞いた覚えがあるんですけど、そういうことをするわけではないですか。 ○議長(湯澤啓次君) 細田リニア推進部長。 ◎リニア推進部長(細田仁君) 今、発生土の運搬のことにつきまして御質問を頂いております。 既に市政懇談会等におきましても、市長からも住民の皆様に御説明申し上げているとおりに、今現在計画している、例えば下久堅でありますとか、あるいはまだ協議中ではございますが、予定を考えております龍江のほうにつきましては、中央道を使ったようなルートを、あるいは三遠南信自動車道を使ったようなルートを考えて、なるべく広い道路を使いながら、住民の皆様の負担が極力少なくなるような方向を考えていきたいということでしております。 ただ、そういった基幹道路以外のところについては、当然ながら国道、県道、市道を使いながら運搬をするということになりますけれども、そういった面も踏まえながら、なるべく大きな規格の道路を使いつつやっていくということになりますが、特に市道の部分につきましては、当然ながら通る前にその話を地元のほうの皆さんのところにさせていただきますけれども、具体的なことにつきましては、先ほど建設部長からお話を申し上げたとおりのことでございまして、その内容につきまして、事前にJR東海のほうと協議をさせていただいた上で、話を進めていくということになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) JR東海のほうとも協定を結びながらやっていくということをお聞きしましたが、私はここである程度、先ほど申し上げたように、準備を整えてから車を通すというふうな認識でいたので、そうなのかどうかというのはちょっと置いておいて、私はそれだけの通行量があるのならば、瑕疵が出てから直すよりも、先に道路を直して強度を上げておいてから使ったほうが、予算的にトータルでは安くなるという判断があったからそうするのかなというふうに思っていたので。これは尋ねません。だから、将来道がどうなるか、このぐらいの車が通ったらどうなるかと、かなり傷んでくるだろう。では、先にそれだけの強度を上げておけば、後から直すよりもかからないと、予算的に。そういう場合があるのかなあと思って、事例としてはいかがかと思って尋ねました。 それで、いつ直すかというタイミングでトータルのコストが変わってくるという場合が考えられると思うのです。そこで、私のすぐ周りの話なんですけれども、住宅地が非常に増えております。それで、道路の陥没も増えてきています。住宅建築には重量車両、積載車両の通行がどうしても増えています。そういったときに道路の損傷が起きる、そのときの対応は何か考えられているのでしょうか、お尋ねします。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) 前段おっしゃっていただいた運搬に関わる道路についても先行してというお話を頂きましたけれども、そういう形で待避所形式で対応した上で運行すると、そういった協議をしている箇所もございますので申し添えます。 それから、ご質問を頂きました住宅建築等に関わる道路への対応ということでございますけれども、住宅新築等の要因で大きな車両が通過をしたときに損傷をするといった場合の対応については、住宅とか工場というような場合もございますけれども、建設に伴う建設車両等の通行によって傷めた、そういったところが明確な場合は、原因者と協議をして対応をしている状況でございます。 また、住宅建築、それから工場等の改築等には、特殊な車両、幅であったり長さであったり、それから総重量20トンを超える車両、様々な規定の中で、そうしたものの通行する場合については、特殊車両通行許可申請といったものも出していただく状況にございますので、そういった申請時において必要な指導をするように心がけているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 今お話の中で幾つかあったかと思うんですが、そういった住宅建築に伴う業者の車両であって、その通行によって瑕疵がはっきりするもの、明確な場合には、業者にしてもらうというようなことなんでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 北沢建設部長。 ◎建設部長(北沢武人君) そういったことを指示する場合もございます。 それから、事前に道路の状況からして、この車両が通行するには、こういった補足的なといいますか、仮設的な対応が必要だ、そういうようなことを含めて協議をさせていただいて、事前に対応していただく、そういうこともございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 道路は基本的に市民みんなのものだというふうに思います。 それで、今のお話を聞いていて、特殊車両などの申請があればはっきりするのかもしれませんが、厳密な意味で通行した車が道路を傷めたんだという因果関係を証明するのはかなり難しくなると思いますし、そういうことが業者に義務ならば、業者はお施主に対して代金を上乗せする必要も出てくるんじゃないかと思います。運転者として通れるかどうかの判断というのは、通常、道幅でしてしまいますので、なかなか車両まで及ばないんじゃないかなという気がします。 それで、市の道の維持管理のことなんですけれども、そうしてみますと、維持管理をするのが目的なのか、その道を市民が使うためが目的なのかというような気がします。維持管理が目的ならば、車を通さなければいいわけですし、市民が使うために必要だから造っているものだとそもそも思います。みんなが使う道なので、みんなでお金を出し合って維持していきましょうということではないかと思います。市民が税金を出して、道の整備や維持管理を市に任せているという認識です。 それで、今回住宅建築のことをちょっと言わせてもらっていますが、ここでさっきの上下水道の2つのファクターが加わったときに全面舗装するとか、ちょっとあれですけど、リニア工事のことから考えて、新築現場近くを具体的にイメージしてみますと、陥没箇所が多数できたり、それがまた深まったりしている。側溝に損傷、あるいは不備がある。道路を横断している排水路のグレーチングに損傷ができている。上下水道管敷設のために復旧工事が必要である。工事が終われば重量車両の通行が基本なくなる。このような条件が重なっているんです。だから、そういったときにそれぞれを部分補修を続けて20年間維持していくことと、当初に全面舗装をかけておいて20年間もたせるというのと、どちらが低コストなのかというところの判断でやってもらいたいというような気がするんです。私にはその判断はつきませんけれども、少なくとも後者のほうが快適な道な状態が続くことは間違いないと思います。それらを、どういう要因が出たときに全面補修で対応するかというような規定として設けてあれば分かりやすいし、それがベストだと思います。 私が今申し上げたのは、その一つの例です。できるだけ快適な道路を長期間最低コストで維持するために部分補修を繰り返すのか、全面補修をするのかをある程度の基準をもって実行していただきたいと申し上げます。 次に、電気、ガスなどの民間事業者が担っているインフラについて、市の認識をお聞きしたいと思います。 電気、ガスなどは市が管理主体でないにしても、災害時には市民の重要なインフラとして確保していくべきだと思います。その意味で、昨年の台風15号による千葉県の大停電は、暴風雨により電線が切断されただけではなく、倒木などにより復旧すべき場所への道が通れないという状況にあったかと思います。それがまた復旧を遅らせていたと聞いているところです。これらはよそごとではありません。飯田市ではこの千葉県の大停電を教訓として、事業者と何か協議したことはあるのでしょうか、お聞きします。 ○議長(湯澤啓次君) 北澤危機管理室長。 ◎危機管理室長(北澤克弘君) 飯田市としましても、議員おっしゃるとおり、電気、ガス、通信のインフラについては重要なものと感じていまして、そういった復旧に向けてのいろいろな対応というのは、業者と話をさせていただいているところでございますけれども、具体的な内容としましては、平成30年秋の静岡県、長野県南部を中心とした延べ119万戸が停電したという事例がございます。 また、昨年の9月の台風24号におけます被害を踏まえまして、中部電力株式会社側から御提案いただきまして、中部電力株式会社電力ネットワークカンパニー飯田営業所と、令和元年5月27日付で災害時の相互応援協定や災害時に支障となる樹木の伐採についての協定の締結を行い、担当者と協議をし事前の対応をしているところでございます。 通信会社としまして、NTT東日本につきまして、中部電力株式会社と同様の協定を今年度末までに締結できるよう協議を進めているところでございまして、先ほど申しましたように、近年の異常気象による集中豪雨や台風接近に伴う倒木等による被害が大規模化しているということを受けまして、こういった事前の連携や事前の協議が進むことによって、被害が削減、縮小できることを期待しているところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 管理主体ではない市でありますが、そういったところでNTT、あるいは中電の管理主体とも協議を続けているというふうにお聞きしました。そうした取組は市民の基盤として大変重要だと思います。 次に、情報社会の形成に関して、まず公共インフラとして情報通信網についてお聞きします。 市ではネット環境を活用していると思います。これらの現状についてお聞きします。 まず、ICT教育の推進をする方向だと思いますが、小・中学校の教育の現場においては現状いかがでしょうか、お尋ねします。 ○議長(湯澤啓次君) 代田教育長。 ◎教育長(代田昭久君) まず、議員御指摘いただいた利用状況の前に、インターネットの利用の重要性についてお話ししたいと思いますが、来年度小学校から始まる新しい学習指導要領では、情報活用能力ということが学習の基盤となる資質・能力の一つとして示され、その育成を図るものということが示されているわけです。 この情報活用能力というものを育成するために、ICT環境の整備とその活用は大きな手段であるというふうに考えています。そのため、必要なときにいつでも児童・生徒が使えるインターネット環境の充実とその活用は重要であるという、飯田市でも認識を持っています。 飯田市では、現在Wi-Fi環境によりインターネットを利用できる児童・生徒の学習者用タブレットの端末が各学校に1クラス以上分配置され、各学校でインターネットを利用した学習が始まっております。 いずれにしろ、今、飯田市では中期の7か年計画でICT教育を進めています。ICTの環境が子供たちの豊かな学びにつながるように推進していきたいと考えています。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) それでは、観光面においてはいかがでしょうか、お尋ねします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 観光面のインターネット利用でございますけれども、観光、誘客、お客様がおるわけなんですけれども、そうしたところにはやはり情報発信ということが重要だということで、そこにはリアルタイム性というものも大きく求められるわけであります。 そうした中で、やはり情報発信としてはイベントの内容の告知や当日の状況変化、こういったものをリアルタイムに伝えるということで活用されておりますし、例えば桜の開花時期における情報なんかもリアルタイムに伝えられるということでございます。 また、民間の観光施設におきましては、独自のホームページによりますところの情報発信や予約受付、特に宿泊施設なんかにおきましては、インターネット上だけでの予約ができるという、OTAと申しますが、そうしたサイトの予約システムを活用して誘客に努めているという状況が見受けられます。 また、外国人のインバウンド旅行については、インターネット環境下、Wi-Fiとかも含めてですけど、これはスマートフォンを活用して、アプリを活用した個人ニーズに合った旅行を楽しんでいただいていると、そんな状況が見受けられるということでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 農業は、スマート化とも言われておりますが、活用の状況、今後はいかがでしょうか、お尋ねします。 ○議長(湯澤啓次君) 遠山産業経済部長。 ◎産業経済部長(遠山昌和君) 農業の今後の活用ということでございます。 様々な活用が既にされておるということ、それと今後の見込みでございますが、例えば気象情報、農作物等の被害状況等の発信による、自然災害を最小限に抑えるということを目的とした農業情報メールの配信というものを行っておりまして、2月末現在で533人という方に御登録をいただいております。 特に農業分野では、畜産におきまして分娩事故を防止するため、出産間近の牛の体温を測定してスマートフォンへ送信する、牛の温度計と書いて牛温計と申しますが、こういったもの。それと、出荷直前の肥育牛の起立困難を検知して生産者へ伝える突然死防止システム。それと、牛舎の様子を離れた場所から確認する監視カメラ等が導入されているということ。また、野菜の作業記録などをスマートフォンで生産管理するというようなことがあります。 今後、スマート農業というお話がありました。自動草刈り機、草刈りといいますか、労働負担を軽減するということから導入が見込まれておるということで、今後進んでいくものだというふうに見込んでおります。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) それぞれの分野で有効に活用しているとお聞きしました。 また、福祉面においても思いますのに、介護、あるいは見守り等にもこれらの環境は重要かというふうに思います。 それで、これらのネットの環境、情報インフラですけれども、公共インフラとしてもっと構築を進めるべきだというふうに考えます。通信料が個人的に負担の少ないWi-Fi設備が重要だと思いまして、これを広域化できるのであれば、さらに効果が上がると考えます。市では既に市庁舎、美術博物館、小・中学校などへのWi-Fiを整備しています。そのそもそもの目的をお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 田中企画課長。 ◎企画課長(田中克己君) ただいま議員に御紹介をいただきましたWi-Fiの環境でございます。 飯田市では、平成29年度でございますけれども、いわゆる公衆無線LANという形で観光案内所、あるいは美術博物館など、主には観光等を拠点とする施設でございますけれども、10施設に設置をいたしてございます。 この目的の御質問でございますけれども、国内外から飯田を訪れてくださるお客様がいらっしゃいます。こうしたお客様方が必要となる情報を当地で容易にかつ随意に御収集いただける環境を整えることで、来訪者の利便性を高めること、そしてまたその結果といたしまして、飯田で見つけたユニークな、あるいは楽しいことやものをSNSなどを使っていただいて国内外に発信していただくと、こういった展開を期待するものでございます。 市庁舎、あるいはりんご庁舎に関しましては、これはお客様、来庁される皆様方の用務の利便性の向上でございます。 また、全小・中学校でございますけれども、これは学習用端末などICTの機器を教育面で有効に活用ができるような環境を整備するために、国の補助金等活用しながら、普通教室等をWi-Fi化をしておりまして、これはまた発災時の避難所の開設の際には災害対応にも活用できると、こういったものも期待しておるところでございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) それぞれの目的をもって設置をされているということです。 スマホを使うときに、スマホでアクセスするときに、キャリア通信よりもWi-Fiを優先して私は使っています。それは、通信料が個人的に負担がないということであります。これは皆さんもそうだとは思います。 さて、5年前になりますが、会派のぞみでは徳島県の神山町に行き、東京に本社のあるIT企業がサテライトオフィスを設けているのを視察してきました。その中で、男性が川に足を入れて涼みながらパソコンを使って仕事をする写真が印象的でした。 詳しい話は省きますが、神山町は町全体をWi-Fi化しているというか、Wi-Fiで覆っていました。そのことはIT企業の参集とまちづくりに貢献しているとのことでした。飯田市でも、いっそWi-Fiで覆ったらいかがでしょうかと思っているんですが、実際、技術上、Wi-Fiで覆うことはかなり困難だというふうに聞いております。せめて飯田市内、例えば自治振興センターの全てや民間の力も借りて商業施設等々、拠点施設の全てにWi-Fi整備を進めるという方向はどうでしょうか。 ○議長(湯澤啓次君) 田中企画課長。 ◎企画課長(田中克己君) 市の施設にということでございます。 市民の皆様が御利用くださいます公共用の施設、あるいは市の事務を行います業務用の施設等含めまして、現在、飯田市には、平成28年度に策定をいたしました公共施設の総合管理計画におきまして勘定しましたところ、建物数700余ございまして、この建物についてを、今議員御指摘のとおりでございます、一律に入れていくというのはなかなか現実的ではございませんので、飯田市への来訪者の利便性、あるいは情報発信を意図いたしました施設、先ほど申し上げましたような施設等でございますけれども、こうしたところへ優先的な設置をまず図りながら、公衆無線LANの利用、あるいは需要を見届けながら、段階的に考えていきたいというふうに考えております。以上でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) それはぜひ進めていってもらいたいと思います。 今は第5世代通信システム、5Gと言われていますが、これは今話題にしたWi-Fi、あるいは現在携帯のようにキャリア通信で行われている4G、LTEと比べて格段の格納性を秘めていると言われています。 それで、ちょっと質問内容を割愛させてもらうところも出ますが、5Gというのは、すごく今までより早くて大容量が送れることになっております。そして、またローカル5Gというものの構築もできるというふうに聞いております。ローカル5Gを使って、今のWi-Fiのように市内全域を覆ってはどうかというふうに考えているわけです。 それで、飯田市においても、ICT教育で、先ほど木下容子議員もネットの弊害、依存症などの対策も重要だということは、私もそのように思います。ですけれども、環境自体が平等に市内を覆っているということが大事なような気がするんです。 例えば、学校に行けばタブレットを使って学習すると、それを使って、だけれども家に戻って、実際は全員が本当にタブレットなりなんなりの機器が使えているかどうか。だから、使えない子がいないようにしてほしい。そのためには、今言ったこれから新しい通信技術で全体をもともと覆ってしまえば、そういう子たちを少なくできるのではないかというふうに考えるものです。そうしますと、例えば一般の方で、今携帯でも通信料を払い、自宅のケーブルにも払いという、それが人によってはなくても通信網は遮断されないという状況になります。ですから、これはそういうふうにできるかどうかとか、これから技術がそうなるのかとか、そうしたいという意思を持つことがまず大事ではないかというふうに私は思います。でき得るならば、市としてそういう方向に進んでいただきたいというふうに思います。 それで、また5Gのシステム等は、昨日からも話題になっておりますが、スマートシティにとっては欠かせない情報になるということになります。市長はこれを進めたいと思っておられるとお聞きしておりますが、市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(湯澤啓次君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今お話がありましたスマートシティにつきましては、これまでも申し上げておりますが、政府が掲げる未来社会のビジョンSociety5.0にふさわしい地域をつくっていくために、飯田市としてもスマートシティにつきまして実装していくことが重要と捉えております。 飯田版のスマートシティ創出に向けましては、リニア駅設置に合わせまして、飯田版の地域循環共生圏も視野に入れながら、都市のエネルギー政策やMaaS、新たなモビリティーの活用に取り組んでいくことが重要と思っております。そうした中で、5Gをどのように活用していけるか、しっかりと考えていきたいというふうに思います。 ○議長(湯澤啓次君) 木下徳康君。 ◆8番(木下徳康君) 市民がひとしく享受できるインフラとして、整備を民間とともに推進されることを希望して今回の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(湯澤啓次君) 以上で、木下徳康君の一般質問を終わります。 ここで吉川秋利議員より発言の申出がありましたので、これを許可します。 吉川秋利君。 ◆19番(吉川秋利君) 19番、議長の配慮により釈明の時を頂きました。 昨日の私の一般質問に関し、前振りの部分で信濃毎日新聞に取り上げられました。このことについては、言葉不足、説明不足があったとの認識があります。 台風19号と議員番号19号のところの被害については、質問に対する対策のほうは怠りないと思いますので大きな被害は出ないと思いますが、想定外の質問が出るかも分かりませんということで、災害ではないという理解を得られるような説明をすべきだったのかなあというふうに思っております。 また、この災害、千曲川水系ではなくて天竜川水系であったとしたらどうかという点につきましては、実際には遠くで起きている災害ということではなくて、自分の天竜川水系であったらどうだったのか、実際に検討したグループもおられるようですが、こういう検討する、もって他山の石とするという解釈で理解をいただきたいというふうに思いました。 そうはいっても、不快に感じた皆さんがおられたとすれば、配慮に欠く発言であったということにおわびを申し上げますとともに、改めて災害に遭われた皆様のできる限り早い復興をお祈りします。 ○議長(湯澤啓次君) 以上をもちまして、一般質問を終了いたしました。----------------------------------- △日程第4 議案審議 ○議長(湯澤啓次君) 日程に従いまして、本日上程となりました議案の審議に入ります。 議案第40号「訴えの提起について」と、以下件名を省略いたしまして、議案第41号及び議案第42号の以上3件を一括議題といたします。 朗読を省略し、直ちに執行機関側の説明を求めます。 初めに、議案第40号について、清水健康福祉部長。 ◎健康福祉部長兼福祉事務所長(清水美沙子君) それでは、議案第40号について御説明申し上げます。 本案は、訴えの提起を行うことについて地方自治法第96条第1項第12号の規定によりまして、議会の議決を求めたいとするものでございます。 訴えの趣旨でございますが、平成28年9月13日付で締結いたしました実施設計業務委託契約に関しまして、相手方の債務不履行を理由として当方が契約解除したことにより生じる違約金等の支払いを求めるものでございます。訴えの相手方及び支払いを求める額につきましては、議案書記載のとおりでございます。 この件に関しましては、契約解除に至る経過等におきまして相手方との主張の隔たりが大きく、事件についての取扱いに記載しましたとおり、相手方が令和2年1月27日付で委託料の支払い請求訴訟を提起しておりますので、これに対しまして、民事訴訟法第146条第1項に規定する反訴として訴えの提起をしたいとするものでございます。なお、反訴の提起が認められない場合は、単純な訴えとして提起いたします。 また、訴訟におきまして上記の請求が認容されない場合には上訴し、相手方から違約金及び遅延損害金の納入があったときには、訴えを取り下げるものでございます。併せまして、本訴におきまして相手方の請求が認容されましたときには、上訴する旨を加え、不測の事態に備え、あらかじめ議決を得たいとするものでございます。 管轄裁判所ですが、本訴に対する反訴の場合と単純な訴えとして提起する場合で裁判所の管轄が変わりますことから、いずれの場合も想定し記載してございます。 説明は以上であります。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 次に、議案第41号について、塚平財政課長。 ◎財政課長(塚平裕君) 議案第41号について御説明申し上げます。 本案は、令和元年度飯田市一般会計補正予算(第9号)案でございまして、歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ62万5,000円を増額いたし、歳入歳出予算の総額を479億7,837万9,000円といたしたいとするものでございます。 内容につきましては、第1表 歳入歳出予算補正で御説明申し上げますので、4ページをお開きください。 歳出から御説明申し上げます。 3款民生費の62万5,000円の増額でございまして、令和2年設計業務委託料請求訴訟に対する、応訴に関する着手金でございます。 続きまして、歳入を説明いたしますので2ページへお戻りください。 19款繰越金は、純繰越金を増額するものでございます。 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(湯澤啓次君) 次に、議案第42号について、塚平経営企画課長。 ◎市立病院経営企画課長(塚平賢志君) それでは、議案第42号について御説明いたします。 本案は、令和元年度飯田市病院事業会計補正予算(第3号)案でございます。 第2条は、予算第3条に定めた収益的収入及び支出の予定額を補正するもので、収入支出それぞれ2,000万円増額したいとするものでございます。 この支出の内容は解決金でございまして、手術中の予期せぬ事態に伴い発生した患者さんの後遺障害に対しまして、解決金を支払いたいとするものでございます。 収入は、病院賠償責任保険からの補填金でございます。 事案の内容につきましては、後ほど病院長から御説明を申し上げます。 なお、いわゆる和解に関することは、地方自治法第96条第1項第12号の規定によりまして議決事件とされておりますが、地方公営企業に関しましては、地方公営企業法第40条第2項の規定によりまして議決事件の適用除外となっております。 また、損害賠償の額を定めることにつきましては、地方自治法第96条第1項第13号の規定によりまして議決事件とされておりますが、本事案は法律上その義務に属する損害賠償ではないことから、それぞれ関連する議案はございませんので申し添えさせていただきます。 それでは、事案の内容につきまして、病院長のほうから御説明申し上げます。 ○議長(湯澤啓次君) 堀米市立病院長。 ◎市立病院長(堀米直人君) 本事案の内容について御説明させていただきます。 患者さんは飯田市内にお住まいの方で、平成29年7月当院において、くも膜下出血に対する開頭脳動脈りゅう手術を受け、手術は成功して日常生活に支障ない程度まで回復されました。この手術の経過の中で、もう一つ未破裂脳動脈りゅうが見つかりました。未破裂脳動脈りゅうというのは、脳の中の血管が枝分かれしている場所にできるこぶでございまして、このこぶの破裂による脳出血が起きないようにするために、平成29年11月、開頭クリッピング手術を行いました。手術の際、治療対象であります動脈りゅうの位置の特定に時間が要してしまいまして、結果的に患者さんに後遺症が生じたものでございます。患者さんは高次脳障害により、記憶、注意力、理解力など症状が残っている状態でございます。 平成31年4月に患者さんの代理人から飯田市に対しまして、損害賠償請求をする内容の申入れ書が提出されました。執刀医師が動脈りゅうの位置の把握を怠り、不要な手術操作を継続したことにより後遺症が発生したという内容であります。しかし、手術に当たりましては、事前に3回に及ぶ脳血管の画像検査を実施し、治療対象の動脈りゅうに最も安全で確実と考えられる方法を選択して手術を行っております。今回の事例は、通常考えられないことでありますが、術前の画像検査で確認ができなかった血管が存在していたため、検査画像と現実の間に乖離が生じたことで動脈りゅうの位置の特定に難渋して、時間を要してしまったわけでございます。この点につきましては、予測不能な事情でありまして、過失に当たらないと私どもは考えております。 当院としての見解を患者さん側に丁寧に御説明して、手術操作に対しては一定の御理解を頂く中で、令和2年2月19日に当院からの提案を受諾し、そのほか一切の異議申立てを行わない旨の御返事を頂いたものでございます。 繰り返しになりますが、当院としては法的な賠償責任はないと考えており、損害賠償金をお支払いするということでは考えておりません。しかし、当院での手術後に生じた後遺症により、患者さんと御家族が心身ともに御苦労されている現状や、早期に解決したいとの意向を踏まえ、本件の解決方法を検討してまいりました。 解決金の金額につきましては、医療訴訟に詳しい当院の弁護士と保険会社に検討を依頼した結果、解決金2,000万円の提示を受け、患者さん側と交渉してまいったものでございます。 なお、この解決金は、病院賠償責任保険で全額補填されることになっております。以上でございます。 ○議長(湯澤啓次君) 議案に対する説明が終了いたしました。 ここで議案3件に対する質疑通告を受け付けることとします。 通告は議会事務局において受け付けます。 通告はございますか。     (挙手する者なし) ○議長(湯澤啓次君) 議案に対する質疑通告がありませんので、質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案3件につきましては、お手元に配付してあります付託議案一覧表のとおり、各常任委員会に付託し、審査を願うことにいたします。----------------------------------- △日程第5 請願、陳情上程 ○議長(湯澤啓次君) 次に、請願及び陳情を議題といたします。 請願1件につきましては、お手元に配付してあります文書表のとおり、所管の常任委員会に付託し、審査を願うことといたします。----------------------------------- △散会 ○議長(湯澤啓次君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。 3月19日は午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集くださるようお願いいたします。 本日はこれをもちまして散会といたします。お疲れさまでした。-----------------------------------     15時48分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。  令和2年5月20日      飯田市議会議長  湯澤啓次      署名議員     井坪 隆      署名議員     原 和世...