飯田市議会 > 2011-03-09 >
03月09日-02号

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  1. 飯田市議会 2011-03-09
    03月09日-02号


    取得元: 飯田市議会公式サイト
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    平成23年  3月 定例会(第1回)        平成23年飯田市議会第1回定例会会議録               (第2号)-----------------------------------        平成23年3月9日(水曜日)10時00分-----------------------------------日程 第1 会議成立宣言 第2 会議録署名議員指名 第3 一般質問   (1)下平勝熙  (2)井坪 隆  (3)新井信一郎   (4)湯澤啓次  (5)吉川秋利  (6)内田雄一   (7)福沢 清  (8)村松まり子 (9)林 幸次  (10)湊  猛 (11)伊壷敏子 (12)木下克志  (13)牛山滿智子(14)原 和世 (15)木下容子  (16)清水可晴 (17)永井一英 (18)後藤荘一  (19)清水 勇 (20)森本美保子延会-----------------------------------出席議員    23名       (別表のとおり)-----------------------------------欠席議員    なし       (別表のとおり)-----------------------------------事務局出席者       (別表のとおり)-----------------------------------説明のため出席した者       (別表のとおり)-----------------------------------     10時00分 開議----------------------------------- △日程第1 会議成立宣言 ○議長(中島武津雄君) おはようございます。 現在の出席議員は23名であります。 よって、本日の会議は成立いたしております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第2 会議録署名議員指名 ○議長(中島武津雄君) 会議録署名議員として、福沢清君、内田雄一君を御指名申し上げます。----------------------------------- △日程第3 一般質問 ○議長(中島武津雄君) 日程に従いまして、これより一般質問を行います。 一般質問は20名の通告がございました。 一般質問の質問時間は、質問、答弁合わせて60分を上限とし、それぞれ通告いただいた時間以内で行っていただきます。 質問、答弁とも簡潔・明瞭に願い、会議の進行に御協力くださいますようお願いをいたします。 それでは、通告順に発言を認めます。 下平勝熙君。 △下平勝熙 ◆12番(下平勝熙君) おはようございます。市民パワーの下平勝熙でございます。 この飯田地方は、かつては蚕(養蚕業)でなりわいをし、生計を立てておりました。今、希望退職、整理退職で仕事がなく、実質解雇の笑えない状況にあります。景気回復のための緊急経済対策として新しい政策が繰り出されておりますが、実態感がわいてきません。むしろ、失望をしている状況でございます。今回は23年度の市政運営について、その方針や、そしてまた、リニアに関してと環境政策などについて通告をしてあります。 きょうは、将来世代を担う小学生の皆さんが傍聴にいらっしゃっております。第1回定例会一般質問トップバッターといたしまして、意気込みが空回りしないよう留意をして質問をしてまいりたいと思います。 議会は、自治体の決定者であり、監視者、提案者、集約者の四つの役割を持っていると言われていますが、必ずしもそのようになっていないし、そう見られていない現状もあります。質問の事前通告、答弁のすり合わせで審議も形骸化の指摘もあるところでもあります。その点もあわせて留意をしてまいりたいと思います。何しろ、議会改革のING、進行状態の状況でございます。 それでは、通告に従って質問をしてまいります。 まず第1点でございますが、予算要望をそれぞれの会派で提出し、そしてまた、要求の段階では歳出の要求が435億円、そしてまた歳入421億円で、11億円が不足をするというかなりの開きがあったのでございます。その中で、各会派、市民からの要望、提言、そしてまた行政評価の検証結果を、実効性のある予算編成とするために、政策にどう反映できたかをお尋ねいたします。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) それでは、私の方からお答えさせていただきますが、新年度予算につきましては、議会各会派からの予算に関する提言、あるいは要望書、また日常的に市民の皆さんから寄せられております要望、また行政評価に基づきます議会や市民推進委員会からいただいた提言などを踏まえまして、各部で事業を検討し、その内容を財政部局で整理をした上で、最終的に理事者査定により決定という形で予算編成をしたものでございます。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) そうした中で、まだ実現ができない政策もあるわけでございまして、この実現できない要望の課題は何であったのかをお尋ねいたします。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 平成23年度の予算につきましては、結果といたしまして、全体として昨年度を上回る一般財源の確保ができたところでございます。一方で、主要基金からの繰入金につきましては、昨年度よりは圧縮はできたというものの、4億円を超える額を計上しているところであります。 予算編成全般を通じまして、要望等には意を配した結果、昨年度を上回る予算規模となりました。これ以上の基金の取り崩しですとか、それから予算規模の拡大ということでは、持続可能な財政運営という観点から問題があるということで、これ以上、すべての要望の予算化については困難な状況であるということでございます。 ◆12番(下平勝熙君) お聞きすると、市民要望すべてにこたえるという余裕はない。つまり、財源がなかなか足りないということだろうと思いますけど、そこで私どもが考えなければいけないことは、何でも要望ということは、これからは段々と市民も含めて慎んでいかなければ、将来世代に負担が残るというふうに理解をすればよろしいでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 答弁を願います。 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 常々申し上げていますように、人口減少、少子化、あと高齢化といったこの21世紀におきまして、将来に過度の負担を残していくような政策は、厳に慎まなければいけないと思っているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) そのことをお聞きいたしまして、次に移ってまいります。 行財政改革の観点から、身の丈に合った財政運営をということでございます。 今年度の当初予算は、412億円が3月補正で450億円になりました。一般会計の財政ガイドラインの400億円は、机上の数字に終わっている状況にあるわけでございます。国の緊急経済対策、そして新たな地域活性化交付金などの名目で、臨時財政対策債など、赤字国債を多発している国の状況があるわけでありますが、そうは言っても、後に交付税措置されるといっても、借金に変わりはないわけであります。23年度の当初予算案は424億円で、前倒し6億円の計430億円になるわけであります。前倒しで事業遂行はありがたいことだとは思うわけでありますが、景気に好影響を与えるのか、不透明な状況もあるわけでございます。 原則、赤字国債の発行はできないので、今国は公債特例法で無理をしてきた結果、現在の借金大国になったということでございまして、身の丈に合った財政運営をしていこうとするならば、当初予算で事足りるはずだというふうに感じております。行政改革に水を差すような国の政策をどう思っているのか、市長の所感をお聞きいたしたいと思います。
    ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 御案内のとおり、国の借金、国債及び借入金の残高というのは、12月末におきまして919兆円、これは財務省のホームページに出ている数字でございますが、非常にお話にあるように大変な借金だというふうに思うわけであります。 今回の緊急経済対策に伴う臨時交付金を活用した事業ということにつきましては、今お話があったように、2月の臨時議会におきまして御決定をいただいた分も含めた場合、23年度の予算を総額で見ますと430億円を超えるという規模になっております。この臨時交付金については、木造保育園の耐震化でありますとか、社会体育施設等の大規模改修、あるいは道路補修と、いずれにしても老朽化してきている施設の改修ということで、将来的には、やはりどうしてもやっていかなきゃいけない、そういった施設等の改修をできたということは、私は一定の評価をしていいんじゃないかなと思っております。 ただ、お話があったように、もともとの出どころは、国の赤字国債によって賄われているという状況、これは当然、今の借入金の規模を見てもわかりますように、いつまでも続くものではないというふうに思っています。したがって、やはりこれから行財政改革をしっかりと進める中で、先ほどお話があったような事業の進め方にしましても、しっかりと優先度を考えて、私の言葉で言えば、五つの基本方針に沿った市政経営に資するような、そういった事業を明確にしながらやっていくということが必要かなと思っているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 選択と集中と、一言で言えばそういうことだろうというふうに思うわけでありますが、そのことを国の機関にどのように市長はお伝えし、そしてまた地域主権、地方分権、財源移譲、こういったものをできるだけ早く地方に移譲するということを訴えていただきたいと思うんですが、そのことについてどのようなチャンネルで訴えていくのか、お伺いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) そうしたまさに地域主権にかかわる大きな課題につきましては、全国市長会等のチャンネルを通じて国へ働きかけをするということもございますし、御案内のとおり、定住自立圏を進めている私どもの地域がモデル的な役割を果たしていくということによりまして、内外に発信力をつけていくことができると思っているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 飯田市政の経営のトップといたしまして、ぜひそのことは国に強く訴えていっていただきたいというふうに思います。 毎年成人式のときに、市民1人当たりの1年間の税収と使う経費がデータとして出されているところでございまして、そのデータによりますと、支出が38万9,000円、そして納めるお金が10万8,000円だということでした。乖離が28万あるわけでなんですね。そして、市債残高が1人38万円ぐらいになるわけでございます。こういうような状況ですと、単純に見ると非常に財政運営的に厳しいというふうに言われるところでございますが、きょうは、せっかく将来世代の皆さんがいらっしゃるので、不安感を取り除くために御説明ができればと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 税収と経費の関係について、1人当たりで見るとそういったことだと思いますが、当然、今の財政運営というものは、ここに交付金というものが入ってきて、これは日本の地方では大体みんなそういうところが多いんですが、この交付金によってそうした差額が賄われているという状況があります。今、そういった中でも、やはり税収をもふやしていかないと、この国の下支えである交付金というのは、将来的に厳しい状況にあるということが予想されるわけでありますから、したがって、経済自立を高める政策というのをこの地域として率先して進めていくというわけであります。 また、市債残高につきましては、行財政改革を進める中でこれを圧縮していくということに努めておりまして、大体、年間、でこぼこはありますけれど、十数億円ぐらいの残高の圧縮はできてきているというように思っております。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) そこで、今、財政ガイドラインが存在しているわけでありまして、一般会計が400億円以下、そしてまた市債残高が400億円以下、そして基金残高が30億以上ということになっているわけでございまして、その点の見直しをぼつぼつ図らなければいけないというふうに思います。今後、行財政改革大綱、そしてまた基本計画、後期計画の中での見直しということは必要と思いますが、その点はいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 今、議員御指摘のように、これから後期の基本計画、あるいは新たな行財政改革大綱の策定が予定をされております。財政運営目標につきましても、これらと連動するものでございますので、平成23年度中に新たな財政運営目標を設定していきたいという考えでございます。その中で、歳出の規模や、あるいは起債残高の規制などにつきまして、どのような指標を設定することが効果的か検討していきたいというふうに考えております。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 検討をお約束していただきましたので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、2番目の地域自治組織関係の質問に移らせていただきます。 この22年度で地域自治組織の検証を行われたところでございますが、これを今後どう生かすのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 平成19年度に導入した地域自治組織につきましては、地域協議会の設置でありますとか、あるいは従来の自治組織の活動からのまちづくり委員会への再編をしたこと、そうしたことを通しまして、住民の皆さん方の意見を行政により反映させやすく、また簡素で効率的な組織にすることで、住民の皆さん方により主体的に自主活動に参加していただく、そういったことを目的としてこの4年間やってきたところでありますが、この検証をしたところ、おおむねそういった目的に沿った形になってきているんではないかなというように評価をしているところであります。もちろん改善事項も幾つも出てきているわけでありまして、今後、さらにそうした目的に沿った形で、この地域自治組織の改善は継続的に行っていく必要があると考えているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 徐々に定着はしつつあるという検証結果だということでありますが、一方、自治会、それから地域づくり委員会の二つの組織が存在するところもある。そしてまた、女性役員・委員の3割以上のところもなかなか課題だと、それから役員の交代が一斉に行われて苦労が多いと、それから各組織の長に業務が集中をしてしまっているという課題もあるわけでございますので、こういった検証の結果をこれからどのように見直し、今後も実施をしていくのか、お考えをお聞かせいただきます。 ○議長(中島武津雄君) 三浦地域づくり・庶務課長。 ◎地域づくり・庶務課長(三浦伸一君) 2月に行われました全員協議会におきまして、運営上の改善について、今考えて整理している状況をお知らせしたところでございます。委員の選出、地域協議会の役割等につきましては、各地区で今回の改善を検討するに当たっても議論いただいておりますので、地域の実情に合った形で委員の選出、また運営がされていくものと思っておりますし、またそのように進めていくように指導をしていきたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) そういったことは情報の共有化ということも非常に大事でございますので、そんな点も踏まえながら、お互いに協働でよい地域自治組織をつくっていくということを心がけていただくことを要望としておきます。 次に、地域自治組織の未加入の課題に移らせていただきますが、自治活動組織加入促進事業が3年を経過したということでございます。現在の加入率はどのぐらいか、そしてまた事業の成果は上がっているのかをお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 三浦地域づくり・庶務課長。 ◎地域づくり・庶務課長(三浦伸一君) 平成22年4月1日現在の組合加入世帯率は、住民基本台帳におきますと74.36%でございます。今、議員より御指摘のありました組合加入を促進する事業、これは平成20年度から22年度までの3年間を目標にして取り組んでまいりました。組合未加入世帯を対象とした広報等の文書配付事業で各地区で取り組んでいただきまして、3年間で471世帯に御加入をいただいたところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 目標はどのぐらいであったのかわかりませんけれども、471世帯が加入をしたということで、これは評価的には、多分加入があったということはいいんではないかなというふうに考えております。 また、組合加入の障害の要因は、環境衛生のごみの問題、そしてまた、加入金や地域活動に負担感があるということが要因であるというふうに思うところでございます。非常に法律的に難しいところもございまして、強制はできないというところがございますので、その点も踏まえた取り扱いが十分必要だというふうに思っております。ぜひとも未加入の解消に向けて、お互いに努力するというふうになろうかなと思います。 続きまして、パワーアップ交付金を増額する考えはないかということでございます。 パワーアップ交付金につきましては、現状は2自治区1億円を原資といたしまして人口面積割で配分をし、運営をしているということでございました。しかし、自治会経費、区費などの全額負担も、負担額の差異はあるものの、相当の負担になっているということに変わりはないと思います。多様な主体の協働ということになれば、地域づくりの財源は市民税均等割額相当額分はあってもいいのではないかというふうに思います。 今、個人市民税均等割は、5万人の市民の方が納められているということでございまして、1人3,000円ということは、総額1億5,000万になるということでございます。一方で、市川市で見られるように、市民税の1%という取り扱いもあるわけでございますが、市民税全体で見ますと、今年度の予算の場合はおおむね50億程度というふうになっているところでございます。この3%分を、各地区の特徴ある活動を財政支援していくためにもそのような取り扱い配分にしていただければというふうに思っております。現行の1億円に地域づくり政策経費として5,000万ということになるわけでございます。 増額を提案したいと思います。もちろんばらまきに終わらせないためにも、配分方法、市内分権、財源移譲の制度設計も必要と考えるが、その点いかがお考えか、所見をお願いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 三浦地域づくり・庶務課長。 ◎地域づくり・庶務課長(三浦伸一君) パワーアップ地域交付金につきましては、今回の検証作業の中におきましても、配分方法について、人口均等割以外に面積割、予算規模などを反映すべきではないかという御意見もいただいておりましたが、この部分につきましては、引き続き検討してまいるということで、当面、現在の配分方法を継続してまいりたいと思っております。当面は、従来から実施しております事業の点検・改善を行うことにより、役員の負担を軽減すること、また効果的に事業を運営する工夫、それらに取り組むことを優先したいと思っております。 なお、パワーアップ交付金以外に、従来から広報等の文書の配布、ごみ集積場の管理など、全市一律に行われるべき事業につきましては、パワーアップ地域交付金とは別に、各地区と委託契約を結んで委託料の支払いをしてまいっているところでございます。 また、ムトス飯田支援事業などの地域づくり活動への助成制度や、国・県等の補助制度が活用できますように、情報を積極的に提供してまいりたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 地域の自立を促すためにも、そういった今までのいろんな意図があるわけですね、支援の。それを一括して全体をまとめて、地域がその地区に合った運用ができるような仕組みもあってもいいと思います。そしてまた、お聞きするところによりますと、九州の宮崎市は地域コミュニティー税というような条例をつくりました。そして、今均等割で集めている税額プラス500円を財源といたしまして、目的に沿った使い方をするということで、市民の皆さんに使っていただくというようなシステムもつくっているようでございますから、ぜひともそんな点も今後御検討いただきたいなということを提案しておきます。よろしくお願いいたします。 次に、リニア新幹線のことでございます。 私の持ち時間は40分でございます。飯田駅で乗って40分たつと品川に着くというイメージがわいてくるところでございますが、まずそういったイメージ。まずどのぐらいの利用人口があるかということ、大体今出されている情報は、1編成12両、70人乗車、大体840人ですね。飯田市に駅ができたとして、例えば1時間に1本ということになると、12本ぐらいに相当しますと大体1万人ぐらいになると思いますね。それの上下乗降をすると、全員がおりて全員が乗るというようなことになりますと、大体2万人ぐらいがマックス訪れるというイメージもわいてきますが、そんなことは多分あり得ないと思うわけでありますが、いろいろイメージが皆さんわいてくると思います。 市長は、リニア新幹線のイメージをどのようにとらえているのか、まず全国に与える影響はどんなものか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) リニア中央新幹線は、御案内のとおり、今こうやって議論している間に品川に着いてしまうというぐらい、大幅に時間短縮が見込める、非常に大きな可能性を持ったプロジェクトだというように思っております。特に首都圏、中京圏、そして将来的には関西圏という日本の3大都市圏を一体的に結ぶ、まさに一つの大きな都市圏にまでしてしまうぐらいの国家的なプロジェクトなのではないかという認識を持っております。当然、それだけの移動時間の短縮があるわけですから、ライフスタイルも大幅に変わってくる。今ですと4時間かけなければ東京に行けない、あるいは2時間かけなければ名古屋に行けないというのが、40分、20分で行けるということは、この地域に住みながら大都市圏に通勤・通学も十分可能だというぐらいの状況であります。国として考えますと、やはりそうしたリニアの超電導高速鉄道技術というものは、当然国際競争力にもかかわってくる技術でありまして、国際競争力の向上にもつながっていくものではないかなと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) それでは、当地区に与えるイメージというのは、市長はどうお持ちですか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) プラスの効果が多く出てほしいというように期待をしているわけですが、マイナスの効果が出る可能性もあるということで、どちらになるかというのは、これからの地域づくり次第だというように思っています。プラスの効果が出た場合、先ほど申し上げましたが、この地域に住みながら、まさにきょうおいでいただいております子供たちが働き盛りになるとき、この地域から都市圏に向かって通勤・通学もできる、世界に飛び出してもいける、そういった状況になるというふうに思っておりますが、もしうまく地域づくりを進めることができないとなると、そうした皆さん方が逆に大都市圏の方に住んでしまって、週末に、あるいは1ヵ月に1回か、そのぐらい親の顔、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんの顔を見に帰ってくると、この地域にとってはあまり、言ってみれば人口減少、少子化・高齢化に歯どめがかからない状況ということにもなりかねない。そういうことを考えますと、やはりプラスの効果を最大限に生かしながら、マイナスの効果を最小限に抑えるような地域づくりをこれから取り組んでいかなきゃいけないというように思っているわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) イメージについてはお聞きしました。 それでは次に移ります。 現飯田駅に併設する優位性についてでございますが、私ども市民パワーでは、2月に東北新幹線の盛岡駅へ視察に行ってまいりました。盛岡は、当時の東北線が南北に走っている。そしてまた、西に田沢湖線、それから秋田新幹線ですね。それから東に山形線と、非常に鉄道の結節性がいいということでございまして、停車駅全体でとらえて駅の誘致はしなかったということでございます。そしてまた、既存のインフラの活用ということで、盛岡市の南、西南地区の都市開発、いわゆる約440ヘクタールを行いました。当初は仙台へのストロー効果も懸念されたところでございますが、それもなくて、マンションもふえてきた状況だということでございます。そして、あわせて交通インフラも大変整備をされておりまして、都市計画道路が昭和13年のままの状態であったものを、昭和62年から平成13年にかけて一気に実施をしたということでございます。また、平成17年にオムニバスタウンと都市計画道路のドッキングということで、自家用車我慢の生活で、自転車、そしてまた歩行者、公共交通シフトを目指して、自転車走行空間ネットワーク、飯田も進めていると思いますけれども、そういう1.5キロのゾーンをつくったと。そのキーポイントを担ったのがユニバーサルデザインであったということでございます。また、市民バスは定時制、バス停への近さ、運行本数は10分間隔で、今では年間130万人が利用されているということでございます。 古きよき文化を残し活用、そしてまた都市観光を結びつけ、観光パッケージで売り出していくということでございました。失敗例で新花巻駅と新青森のお話もお聞きいたしまして、いずれも現駅と市街地から離れている、目的地まで時間がかかるデメリットがあったということでございまして、言ってみれば都合のいいところに人は集まるということだろうというふうに思います。 そのことで、現飯田駅併設の優位性について、市民の皆さんにどのように御説明をされるのか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今、議員からるる御説明があったとおりでございまして、やはりこの交通の結節性というものが非常に重要になってくるということがまずあります。それからあと、やはりこういった財政状況が、きょう一番最初から御議論いただいていますが、厳しい中で、地域がどれだけの負担をこうしたプロジェクトにしていけるかということも非常に重要になってきます。 今、言われておりますように、駅設置自体の負担が350億ということがありますが、駅の位置によりましても、あとの地域づくり、駅周辺をどうするか、アクセス道路をどうするかといったようなことも含めますと、そういった全体のリニアに係るコストというものを考えていかなきゃいけない。そうしますと、やはり今までの交通インフラというものを、これまでつくってきたストック、今ちょうど羽場大瀬木線をこの飯田インターの方から羽場地区を通って丸山地区、まちの中に通していく、そうしたプロジェクトがちょうど動いているところでありますが、それがもし完成いたしますと、5分以内でこのインターチェンジから飯田駅までアクセスすることもできるといった、今やっている交通インフラもしっかりと利用するといった中で、なるべく将来に過度の負担をかけることなく、利便性がいい駅の立地というものを考えていく必要がある。そういった中で、現駅併設という考え方を打ち出させていただいており、そして飯田・下伊那全体で意見集約を図ってきているという状況でございます。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 持ち時間が迫っておりますので、リニアの中間駅までちょっと飛ばして質問させていただきますが、基金の目的についてお聞きいたします。 今現在、広域連合は駅設置基金、そしてまた飯田市は整備促進基金ということでやっているわけですが、目的をお尋ねいたします。 ○議長(中島武津雄君) 木下企画部参事。 ◎企画部参事[リニア推進対策担当](木下悦夫君) 基金の目的でありますけれども、リニア中央新幹線の早期実現のために、リニア飯田駅の誘致、駅の設置及び関連する基盤整備のための財源とするものであります。これは、飯田駅設置整備推進基金条例によるものであります。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) 今年度も3億円をプラスするということでございますが、いずれにしても税金でございます。 これからのキーポイントは、市長も述べていらっしゃるようにもろ刃の剣ということでございまして、あちら立てればこちら立たずということであります。利もあり害もあるという新幹線でございます。将来、当地域を担う世代に過度な負担を背負わせることのないように留意しながら、事業を進めていっていただきたいということを要望いたします。 続きまして、ごみの再資源化の検討についてでございます。 生ごみの堆肥化については、現在、中心市街地の飯田の線路下でごみ収集をして、モデル的にやっているところでございますが、なかなか拡大をしない、拡大の可能性はあるのかをお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) これまでもいろいろ検討してまいりましたが、現在収集するエリアの中にも協力していただける方が6割ということで、いろいろコスト等見合いをいたしました。まず、この地区の中の協力率を上げることで進めたいと思いまして、今のところ地域拡大は特に考えておりません。 ○議長(中島武津雄君) 下平勝熙君。 ◆12番(下平勝熙君) どうも頭打ちのようであります。であるならば、リサイクル収集推進事業の今年度の中にもありますけれども、拡大・拡充で生ごみ等の再資源化を検討していくということでございます。ぜひメタンガス化の検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この生ごみ処理につきましては、堆肥化による再資源化ということだけではなくて、今お話があったようなメタンガス利用のようなバイオマスエネルギー活用等も視野に入れながら、将来的にはどういう処理をしていったらいいかということを検討していきたいというふうに思っています。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、下平勝熙君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 井坪隆君。 △井坪隆 ◆21番(井坪隆君) 会派みらいの井坪隆です。 先日の3月1日、今議会の開会日に、市長より平成23年度の市の経営方針についてのあいさつがありました。その中では、リニア中央新幹線についての市長の姿勢や、市政の五つの基本方針が述べられました。私は、今回の質問において、市長の経営方針から三つの項目を取り上げました。まずは、リニア中央新幹線への考え方と五つの基本方針の中から、二つの基本方針をもとにして市長の考え方をお伺いいたします。 1点目は、リニア中央新幹線についてです。 リニア中央新幹線は、今から17年後に、東京から名古屋までの開通を目指しているとされています。17年後といえば、今の小学校6年生が29歳になったころです。しかし、早くも隣の山梨県では、トンネルやリニアの軌道が走るその工事が進んでいますから、そんなに遠い話のものでもありません。私たちのまちでも、間もなく同じように工事現場が見られ、そして17年後には時速500キロのリニア新幹線がこの飯田を走る姿が見られる、そんな夢のある大きな事業です。 そのリニア中央新幹線を一日も早く開業させること、飯田の駅の設置をすること、これに向けて一緒になって力を合わせることが大切な長野県への対応をどのように考えているか、市長の考え方をお伺いいたします。 2点目は、市政経営の基本方針である経済自立度を高める多様な産業施策の推進とする項目です。 市長はこのことについて、地域の宝と力を生かして、新しい価値をつくることにチャレンジしていくと述べました。そこで、地域の宝として全国に誇ることができるこの地域のブランド、市田柿にどのようにかかわっていくのか、お伺いいたします。 3点目は、同じく基本方針の中の、安心して健やかに暮らせるまちづくりから伺います。 市民の一人ひとりが、心も体も健康で生き生きとした生活ができるようにとつくられた地域健康ケア計画について、つくられた考え方や、どのようにして計画を実行に移していくのか、お伺いいたします。 ところで、毎年3月の議会開会日に行われる市長のあいさつは、新年度の予算、事業が示される施政方針演説として大変重要な意味を持つものであります。その重要性を考えるとき、殊さらこの日の演説は、市長みずからの発する言葉、息遣い、思い、情熱、迫力にどうしても関心を寄せざるを得ません。私は、市長のその発する言葉、息遣い、思い、情熱、迫力を感じ取ろうとしたのであります。 あいさつの内容は、細かな点に至るまで市政の経営方針が示され、産業の振興から健康福祉、教育に至るまで、まさに21世紀型戦略的地域づくりが示されました。後に拝見したあいさつの原稿を見ても、きちんと組み立てられた1年間の設計図のようなものを見た感じがいたしました。しかるに、私が感じ取ろうとしたこと、あるいはそれを期待した市民に対し、市長のあいさつは果たしてどこまで市民の心に届いたのでありましょうか。 私ごとで恐縮でございますが、私は、少しばかり音楽を楽しんだり、音楽づくりの現場というものにかかわっています。その中で感ずることは、一分のすきもない研ぎ澄まされた技術による高いレベルの演奏が、演奏家のたゆまぬ努力と練習でなし得たとしても、これを聞く観客は、指揮者の思いというものに感動し、またその指揮者の思いを演奏家が受けとめて、そしてより高みを持った芸術としてつくり上げられ、まさにコンサートホールは感動と喜びに満たされるということです。平成23年度、飯田市は何をするのかが、先日の市長のあいさつによってそれが示されました。しかし、そこに指揮者によって音楽がつくられていくような、そんな感動が生まれたのでしょうか。コンサートホールならぬ議場の客席に座った私には、いささか胸に響くものを感じ取ることはできなかったのであります。願わくは、今後、何のために、どんな思いで施策を進めるのか、機会あるごとに熱く市民に訴え、語りかけていただきたいと希望するものであります。 一方、日常的に市長自身によって市政の方向を伝えようとする努力は評価いたしております。 去る1月に、年頭所感で市政の経営を発表された以降、各種団体などの新年会を初め、市長が出席するあらゆる場において、「23年度市政経営の方向について」と題したパンフレットを市長みずからが配り、参加者に理解を求める姿は、市政の方向を市民にわかってもらおうとする市長の愚直な姿勢を見て取ることができ、その姿を評価するものであります。 あの世界のトヨタが、昨年、アメリカで意図的な強烈なバッシングを受けた後、その直後に豊田社長はこう語っています。1,000万台を目標とせず、1,000万人の客が求める車を提供すると述べました。競争市場主義の価値観に染まらず、住みなれた飯田の土地で安心して暮らし続けたい、そんな市民の願いに、市長のみならず、私たち市議会も今以上に市民の皆さんとのあり方についての改革を進め、一人でも多くの市民の願いにこたえていきたいものです。 オーケストラは、野生の感覚を失わない指揮者の振りまく生命力によって、まじめで、地味で、かたい表情の団員たちは、少しずつ体温を取り戻していきます。そして、観客はともに芸術をつくり上げる現場にいることの満足を覚えます。このそれぞれの立場を市長、職員、市民、飯田市と置きかえて、苦しいけれども希望の光の見える飯田市を、真の小さな世界都市を目指して、一緒になってつくり上げていこうではありませんか。 17年後に29歳になる小学生も、そして17年後に74歳になる私も、市長の熱い思いに期待し、これに共鳴してこそ、それまでを一生懸命に頑張っていくことをお約束申し上げます。 それでは、リニアの県への働きかけについてお伺いいたします。 去る2月26日付の信濃毎日新聞の報道によりますと、交通政策審議会小委員会の中間取りまとめに対する意見公募、これで長野県以外の府県や経済団体なども、国がリニア新幹線の建設開業に深く関与するように、そう求めていることがわかったとしています。その府県や経済団体名も、信濃毎日新聞は具体的に報じています。 まず、山梨県商工会連合会とその沿線市議会、さらに神奈川県商工会議所連合会、大阪府、そして奈良県、いずれも具体的な自治体の名前を上げて国の関与を求めていると。こうした自治体や経済団体の国の関与を求める動きというのは、前回の12月の議会の会派みらいの代表質問における議論、こういったものが飯田市の市長に対するものであって、私は大変心強いというふうに思います。 さらに心強いのは、会長が長野県知事であるリニア中央新幹線建設長野県協議会、これが去る1月11日に国土交通省に対する意見書で、最終的に国の判断を尊重すべきと述べました。このことは事実上、知事自身が、会長自身が支援運動を容認したというふうにとらえ、これは非常に大きな意義があると思います。加えて、引き続き南アルプスを迂回する伊那谷ルートの再検証を求める県内の自治体がある中で、阿部知事は、国の判断を尊重することでは意思統一したと、こう朝日新聞の取材に答えています。こうした経緯から、リニアを取り巻く長野県の姿勢というのは、ニュートラルのように見える姿勢から、おのずと次の段階に、つまり環境アセスメントや、いわゆる駅設置、こういったレベルにぐんとハンドルを切りかえていく、こういうことは必至であろうと私は感じます。 そこで、お伺いいたします。 今後、長野県への働きについて、どのような考えでおられるのか、市長の御所見をお願いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 御案内のとおり、このリニアのプロジェクトというものは国家的プロジェクトではあるわけなんですが、JR東海が民間主導でやっていると。これについて、中間取りまとめにおきまして、建設主体及び運営主体はJR東海が適当であるという方向性も示されてきているわけであります。そうした中で、JR東海側から、先ほども申し上げましたが、中間駅につきましては地元の負担でというようなお話も出ているわけで、それだけでも350億というような話になるわけです。当然、この財政規模から考えても、私ども飯田市のみならず、飯田・下伊那だけでそれを負担していくというのはかなり無理がある話というふうに考えておりまして、やはり県と一緒になってリニアのプロジェクトに当たっていくということが基本であろうというように思っております。 そうした中で、今、井坪議員からお話がありました県の協議会におきましても、最終的には国の判断を尊重するという形で意思統一がなされたということは、私は非常に大きな前進と考えておりまして、私ども飯田・下伊那地域と県とで一緒になってリニアプロジェクトを進める基盤ができ上がってきているというようにとらえているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 同じく新聞の報道なんですが、信州日報の報道によりますと、去る2月24日の県議会の一般質問、これで、下伊那地方事務所内に県の出先機関を設けるように要望すべきに対して、阿部知事は、今後の進捗状況を踏まえながら返答すると答弁いたしました。 そこで、市長にお伺いいたします。 私は、かかる経緯、それから周辺の環境の変化、こうして急速に展開しているわけですので、これをかんがみて、地方事務所ではなくて、これまでのノウハウ、それから関係機関への働きの実績、あるいは豊富な情報量を持つこの飯田市役所、牧野市長のいる飯田市役所にこそ県の機関を設置すべきであると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 当然これから最終答申がなされ、そして整備計画の決定という段階に入っていく中で、具体的な駅設置に関するプロジェクトも進んでいくということになれば、やはりちょっと県の本庁は遠過ぎますので、出先をこの飯田・下伊那地域に置いて、やはりこの飯田・下伊那と一緒になってやっていくということは、私も非常に実があることかなというふうに思います。それで、どこにあればいいのかというのは、ちょっとまた先の理論なんですけれど、物理的にじゃあどれぐらいの規模の部隊が配置されるのかということも考えますと、今の私どもの市役所は、申しわけないんですがあまりスペースがない状況でありまして、そういった詳細な話というのは、今後の検討課題かなと思うところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) これは、昔の議会で検討するということはやらないことということがありました。そんなことは言っちゃおれないんで、いよいよ目の前に迫っているわけですので、市長みずから飯田・下伊那、つまり広域連合の立場からも、ぜひそんな姿勢を打ち出して県に働きかけを願いたいと思います。 次に、市田柿についてお伺いいたします。 1月11日に発表された日銀による地域経済報告、いわゆるさくらレポート、これによりますと、各地域において成長が期待されている産業の動向について、地域が有する強みや地域資源を生かした産業であることということが上げられています。このさくらレポートが言うまでもなく、飯田市の地域活性化プログラムには、そうした産業の代表格として市田柿を位置づけています。多分、これは飯田市のことをさくらレポートが書いたのかなと私は見ましたけれども、現在、市田柿は原材料の生産と1次加工品の製造を農家が行っているばかりか、民間の地域内の事業者が2次加工品の製造、販売を行ったり、それからブランド価値を利用した商品販売、例えばパッケージには「市田柿」という商標表示はないんだけれども、ディスプレーに市田柿を使用したというふうなことで使ったりして、説明の基準がきつくなって、ブランドの価値が非常に高く、市田柿ブランドの対価というものが、いわゆる地域内外から投資を呼び込んでいるというふうに私は思います。 さきに発表された地域経済活性化プログラム2011では、この市田柿について、重点プロジェクトの中の産業連携による地域資源の活用創出、この項目で市田柿の振興を上げています。まずはこの市田柿のブランド価値を高める取り組みについて、その基本的な方針を市長から伺いたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この市田柿につきましては、ここ数年でかなりブランド価値が高まってきていると、今議員からも御指摘があったとおりだと私も思っています。これは、一つには特に大都市圏に対するマーケティングが功を奏したということも上げられると思いますし、また実際に、今、例えば名古屋のマーケティングショップを基点として市田柿の産地ツアーなどをやっておりますが、この地域に根差した産品として、非常に情報発信力を高めてきておるという、そうした中での成果だというように思っているわけであります。 特にこの市田柿は、今お話があったように、農産物そのものというよりは、加工品としてこの付加価値を高めることができる、そういった私たちの地域のまさに宝でございまして、これをどういった形で農家の皆さん、あるいは事業者の皆さん方と一緒になってこの価値をしっかりと高める中で、産業全体の底上げを図っていったということが非常に重要になるプロジェクトで、私どもはこうしたものを市田柿クラスターとして、いわゆる産業集積をしっかりとこの地域の中につくっていくことによって、まさにこの経済自立度の向上につなげていきたいと考えているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 答弁漏れがあったらおっしゃってください。 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 十分であります。 ただ一つ、今、随所でブランド価値と、私も話しましたけれども、市長からもブランド価値というような言葉を使用されていますが、市田柿のブランド価値、こういうものを高める目的というのは何なんですか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) いろんな見方があると思うんですけど、やはり地域ブランドというものを大事にしていく、これはリニアの将来ビジョンの中でも出てきている事柄なんですね。結局、地域ブランドを高めることによって、この地域全体のみんなで一緒にやっていこうという求心力を持つというふうに思っておりますし、何よりこれを自分たちの宝であると感じること、そしてこれをしっかりまた磨いて、そしてこれにさらに付加価値をつけていこうと考えること、これがやはり私は非常に重要だと思うんですね。まさにブランドをつくっていくというのは、そういったたゆまない働きかけ、それによってなされるものだというように思うわけです。要は、できてしまったものをほうっておいて、あとはどうぞ御自由にというものではなくて、絶えずそうした働きかけをする中でブランド力を高める努力をしていく、そのことによりまして、さらにブランド力が高まることによって外貨を稼ぐ、そういったものになり得ると思うわけです。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 非常に熱い思いを語っていただいたと思っています。 私は、むしろもう少しハードな答えが返ってくるかなあと思ったんで、抵抗してやろうかなあと思ったんですけれども、一たん広がりを見せた市田柿のブランドを保護して、それからより価値の高いものとして維持管理するということには、飯田・下伊那地域内外からの投資を誘発する。それで、さらに地域内の農家の収入の増加だけではなくて、関連企業、包装資材の関係だとか、あるいは流通業、食品業者、こういったものにすべて行き渡って、地域全体をまさに経済的に自立した地域にできる、これがブランド価値を高めるためのいわゆるハードの方の目的だと私は思うんですね。しかし、このブランド価値を高めると一口に言っても、生産現場や販売現場というのは、私は一抹の不安と危機感を持っています。 私は、実は柿の生産者なんで、柿の木が12本あるんですけれども、とても加工ができないので、今は生柿で出しているんですけど、いずれはそんな道をやっていきたいなと思うんですが、そうやっている中でも自分が不安なんですね。実は、これから御提案申し上げることというのは、私の首を絞めることになるかもしれない。 干し柿と市田柿は、純白性、あるいは粉の透明性、それから地色、こういうもので消費者に十分にこたえるための感点で、今、市田柿のよさが非常に有利になって、それこそブランドになり得る。しかも、模造品が出ているぐらいのようですね、中国の方とか。だけど、今申し上げたとおり、店頭商品については、まだ製品のばらつきが多いということをよく聞きます。それから、消費者のニーズに十分にこたえているとは言いがたいんじゃないかという意見も聞いております。それから、特に2次加工品や3次的な表示販売品にも賦課されているブランドの価値というのは、あまり客観的に評価されていないんですね。製造現場だとかJAの出荷に対して非常に厳しい、だけれども、こういうことが消費者ばかりでなくて、生産者に対してもあいまいなブランドになっているというふうに私は感じています。このままいくと、徐々にブランドの価値が私は低下していくと思う。私あたりが必死になってやればいいですが、面倒くさいとちょっと思っただけでも、もうブランド価値がどんどん低下していく。これが逆に、私が先ほど申し上げたブランド価値を高めるための目的、地域経済全体の自立ということに反していってしまうというふうに考えますが、市長の認識をお聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 井坪君にはぜひ加工まで頑張ってやっていただければと思うところでありますが、まさに農家の皆さんが今お話があったように、本当に頑張ってつくっていただいた柿、これをしっかりとブランド価値を反映させた価格で売れるようにしていく、これが非常に重要じゃないかなと思っています。そのために、やはり厳しい消費者の評価にも耐え得るような、そういう品質を地域全体でどうやって保証していくかということが非常に重要になってくるというふうに思っています。特に、今お話がありましたように、いわゆる干し柿の状況で出していく、時には、かなり農協・園協の皆さん方が中心になって、この市田柿のブランド推進協の皆さん方がチェックをしてやっていただいておりますが、その先ですね。実は、そのまま食べる人もいるんですが、その後さらに加工して、いろんなお菓子になったり、ゼリーになったり、さまざまな加工の仕方があって、市田柿というのは、そういう意味ではいろんな加工製品としても流通をしているという状況なわけであります。 私は思うんですけど、そういったまさに2次加工、3次加工の部分も含めて、この飯田・下伊那地域が中心になってそういうものをつくっていくということがやはり大事なんじゃないかなと。そうしたことでまたブランドの価値も上がっていく、そういうふうに思うわけです。ほかの地域の加工食品の中に市田柿使用というのを見るたびに、私はこの飯田・下伊那地域が頑張らなきゃと、そんなふうに思うところであります。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) まさにそのとおりでありまして、2次加工品、3次加工品も評価に耐えられるものにならないと、本当のブランドとは言えないと思うし、先ほどブランド推進協の話がありましたけれども、私はここで新しい提案をしたいんですが、要するにブランド管理をするということですね。つまり、貴重な資源の市田柿というブランドを、適正かつ、しかも公平に管理していく、さらに運営していくということが、本当に今お話のあったような地域によるブランドの共有ということで大変重要だと思います。それは、生産者、販売業者に至るまで地域で共有していくということですね。 そこで、地域全体で共有するためには、ブランドの価値をだれもがわかるような基準で客観的に評価、そして分析していくと、これを地域全体に示していく、そういったブランド管理というのが私は欠かせないと思います。もともと個々ばらばらに使用していた市田柿という知的財産を、地域が市田柿ブランドとして管理するためには、このブランド管理を公平で、しかもかつ適切に行うための組織や資金が必要とされます。私はあまりよくわかりませんけれども、このブランド推進協はその役割を果たしているのかどうか、若干不安と疑問もあるだけに、このブランド管理の方法についてしていくべきではないかと、公平かつ適正に。この考えについて、市長はどうお考えですか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) やはり品質管理については、今お話があったとおりかと思います。どういうふうにやっていくかということについては、担当部の方から答弁をさせていただきます。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 市田柿ブランド推進協議会でございますけれど、今34団体の会員が入ってございます。その中に、農業改良普及センター、それから南信農業試験所等も入っております。そんなことで、技術面においての研究会等々も実施しております。それから各農協の研究成果等を集約しまして、品質管理マニュアルと、これは実は平成16年に一番最初につくってございますが、これの見直しをかけております。それから、病虫害の生態研究に基づく防除の徹底など、各農協を通じ、生産者へ指導を現在しているところでございます。 それから、先ほど来もお話がございましたが、少し細かな話でございますが、表面の粉の量など2項目について、基準を満たさない干し柿には市田柿の名称を使わないことというようなことを決めまして、市田柿ブランドをより高める取り組みを今現在始めたところでございます。 何分にも、実際には平成19年3月からこの協議会を立ち上げまして、それから18年に地域の団体商標登録というのをしまして、それで委員会後、市田柿商標管理委員会というのも19年の3月に立ち上げまして、それはそれで商標登録の方をやっております。 それから、研究会につきましては、細かなところまで動き出したというところまでこの協議会はしております。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 確かに防除の徹底なんか大変厳しいです。私たちにもJAの職員の方が見えたり、それから柿の色までちゃんと示したカードをもらって、それをなくしちゃって怒られましたけれども、大変厳しい。そういうことでブランド推進協自体がいろんな意味で品質管理について役割を果たしているということは、大体予想はつくし、今の答弁でもわかりました。しかし、一つ思うのは、ブランド推進協というところに飯田市というのはどういうかかわりなんだろう、飯田市はどういう役割を果たしているんだろうというのがなかなかわからない。 そこで、飯田市に提案です。 さっき私言いましたけど、生産者の首を絞めることになっちゃうんだけれども、実はこれは地域にとって大事だということで、ブランド管理をするためのNPO法人の設立を提案したいと思っています。 NPO法人は、そもそも民間の手によって設立されるべきでありますけれども、殊に市田柿については、NPO法人を立ち上げるためには、これまでやってみえたブランド推進協や、あるいは民間業者等を入れて、これを大きく転換、あるいは進化させていかなければブランド管理にはなかなか長い間の苦労は結びつかないだろうというふうに思っております。そういう意味で、法人の設立に当たって、飯田市というものの役割、あるいは、事によれば中央事務所といいますか、県の役割というのが非常に大切であるというふうに私は思います。その法人の設立の目的は、言うまでもなく市田柿の理念や価値を大事にしていく、ブランドを管理していくということです。 それで、登録商標の管理やブランドイメージの創出管理、廃止、これは今でも推進協でやっていると思いますが、それを引き継ぐ。それから、原材料や干し柿製品の品質基準を設定して、流通を一括管理する。基準以下の原料や製品には登録商標の基準を禁ずる。これは先ほどもお話がありました。それから、すべての2次加工製品の品質ブランド価値を審査して、それぞれの製品のブランド名使用権を許認可する。そしてブランド使用料を徴収する。そして、ブランド本部はブランド価値を維持向上するための資金を持って、それを管理運営する。この資金につきましては後ほど言います。 これらの活動によって得られる効果というのは、申すまでもなく原料、干し柿の1次加工品、それからお菓子などの維持加工品、これの品質の維持・向上の基準が明確になるということ。そして、消費者にわかりやすい品質が提供できる。そして、究極的にはブランド力の維持向上を一括管理できるというふうに考えます。 具体的なことについては、私、企画書を産経部の方にお預けしてありますので、もし検討していただければと思いますが、この提案について、事前にちょっとお聞きいただいたかもしれませんが、どのように受けとめていらっしゃるか、お伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 今、産業経済部内に市田柿プロジェクトということで取り組んでいます。今話がずうっとされていまして、市田柿ブランドを推進していきますプロジェクト、それからもう一方の柱としまして、市田柿生産体制強化ということを柱のもう一つに掲げております。ですから、一つはブランド化していくことと、もう一つは先ほどちょっと出ておりました苗木等々も改良していくこと、それから加工設備の導入等々に対すること。それから共同化、皮むきで進めておりますが、それからこれから干し柿を一生懸命やっていただく方に対します帰農者のような方々に対する熟練者の小まめな指導みたいなことも、これも大きな柱のもう一つとして掲げているところであります。 そういうことで、今おっしゃられたようなブランド化をしていきます仕組みの管理につきましては、非常に仕組み化をしていくというのが難しいことだなというふうには感じておりますけれども、実際の課題としまして、先ほど出ておりますような品質ごとの階級基準ですとか、それから客観的な管理基準について、先進事例等では相当いろんな管理方法をとられているところもあるとお聞きしております。それを課題にして今後研究してまいりたい。 それから、先ほど市長が申し上げました加工食品の分野のすそ野を広げることによりまして、加工原料等で活用するということで、大きくブランド化に一歩前進できるんじゃないかと、それを大きな主眼として取り組んでまいりたいということで、今御提案がありましたことについても参考にさせていただきたいと思います。 それから、今までそれ以外の分野で流通販売体制を強化するためのプロモーション活動ですとか、それからホームページの情報発信等もあまりきれいに整理されておりませんので、そういったものの整理、それからマーケティング活動の支援、それから市田柿のファンづくりと、そういうものを行政側で支援をしてまいりたいと。そんなことで、管理体制のほかに行政側としてはそういうことを支援していきたいというのが、目下この市田柿プロジェクトの構想でございます。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 市として、同様といいますか、考え方が似ている取り組みをしていくというお話ですが、私は、市役所というところの継続性の限度があると思うんですね。NPO法人を設立しろという提案ですけれども、そういう方向で考えていった方が、まさに多様な主体で支えられて、しかも1年や2年じゃだめなんですよ。やっぱり柿の栽培から始まって、いろんな技術を得て、そして自分自身が柿を持っている農家のおじさんがブランド価値を十分意識してできる。そういうためには、やはり私は民間のそういうものの立ち上げの方が、息の長い取り組みにはふさわしいのではないかというふうに思いますが、部長、どう思われますか。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) ことし大きな柱として据えましたので、これから体制的にどういうふうにやっていくのか、民間の中からそういうふうな取り組みになるような方々が出ていただくということを期待しながら、それも一つの大きな課題だという認識を持っております。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) NPO法人も設立するという提案をしましたが、そのためには資金もいろいろ要るので、ファンドをつくったらどうかというお話をしたいんですが、時間がありません。企画書をお渡しいたしますので、またそれで検討していただきたいと思います。要は、先ほどちょっとお話がありましたけれども、企画書を見ていただいたと思いますが、そういったファンドを設立をすることによって、例えばJAだけではなくて管理法人が苗木を新しくしていくだとか、あるいは市田柿の皮むき器なんかどんどん更新されていますから、そういうものへの設備投資に対する補助だとか、あるいは2次加工品の種類や品質の改善だとか、そういうあらゆるいい方向に回っていると思うし、しかもそれは息の長い取り組みが必要であるので、ぜひ検討の中に、NPO法人の設立という究極はあったとしても、ブランド管理をいかにしていくのか、こういうことに対する具体的な動き、あるいは組織というものについて、検討していっていただきたいと思いますが、市長の御所見をちょっとお伺いしておきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 先ほどのNPO法人の話も含めて、やはり検討課題だと思っております。基本的に今お話があったように、事業を種まき、芽出しの段階から自立させていく間に、どうしても金融的な手法というのは非常に重要であるというのは、私が常々申し上げているところであります。まさに地域政策金融、こうした考え方を、この市田柿クラスターをつくるときにもどのような形でそれを機能させていくかということは、非常に重要な観点だと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 場合によっては、このファンドに投資する人は、県外の人だけに絞ってもおもしろいと思いますね。要するに、市田柿サポーターみたいになって飯田を支えてもらうということもできると思います。得意なところですので、ぜひよろしくお願いします。 次に、地域健康ケア計画についてお伺いいたします。 昨年12月の社会委員会の協議会で、保健福祉部から地域健康ケア計画2010の素案が示されました。昨年の12月です。2010年の年末に2010年の計画が出されたと、こういうことで大変社会委員会でも話題にはなりましたけれども、それなりの事情があったんでしょう。さすがに23年度施政方針の提案の中では、既に2011を策定するとなっていますけれども、2011の策定の理念を御説明いただきます。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 基本的に2010に引き続いてということになるわけであります。取り組みとして考えておりますのは、安心して健やかに暮らせるまちづくり、これを具体化していくために、市民総健康、生涯現役を目指した地域健康ケア計画の取り組みをさらに進めていきたいというものでございます。 基本的には、2010を継承して、さらにその拡充を図りたいというものでございまして、具体的には会期中にこれを2011としてお示ししていく、そんな予定でございます。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 2010に引き続いて、しかも拡充していくということですが、昨年の2010年の計画の説明の最後は、重点プログラムに自転車で健康づくりというものがありました。2011年でもこのプログラムはあるんですか。 ○議長(中島武津雄君) 答弁を願います。 原保健福祉部長。
    ◎保健福祉部長(原重一君) 御指摘いただきました2010の健康ケア計画では、六つの重点プロジェクトを提案させていただいております。2011では、市長が冒頭にごあいさつなど申し上げましたように、七つの重点プロジェクトということについて、自転車につきましては、このように入れてございます。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 2010年では、この自転車のことについて、このように解説しています。 ツアー・オブ・ジャパン(全日本実業団サイクルロードレース)、ヒルクライムなどを実施してきたことにより、飯田を全国に発信し、地域内の人が、国際レース等が地域で開催されることを誇りに思い、自転車に興味を持って楽しむ人がふえてきている。また、自転車市民共同利用システムの推進を図っており、この取り組みを実施する自治体の中では、当地域は全国でもまれな山岳地域であり、電動自転車を取り入れるなどの点から、全国から注目されている、こう書いてあります。ところが、この説明論理から一直線に健康の視点に持っていって、幅広い層への浸透に最も効果的である、こう論理をつないでいます。なぜ市民の健康増進に市役所が率先して自転車に取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この自転車で健康づくりということについては、今お話があったように、もともとこの自転車のまちづくりの取り組みというのは、まずは観光面というような取り組みからスタートして、御案内のとおりかと思います。それによりまして、この地域が注目され、また自転車のスポーツ選手もこの地域に定住していただくというような大きな効果が生まれてきたわけであります。 また、環境面での取り組みということにつきましても、自転車が非常に有用であると。これは、これからの低炭素のまちづくりを考えていく上でも欠かすことができない要素であると。そうした中で、健康につきましても、こうした取り組みを進めていろんな議論を進めていく中で、やはり健康においても自転車というのは一つのツールになり得るという考え方を議論の中から見出してきて、そして市民としても一つの選択肢として、こうした自転車の健康づくりというものを提案させていただくものでございます。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 今の市長の答弁をお聞きしていても、先ほどの論理と同じなんですね。自転車はいい、観光にもいい、それから低炭素にいい、だから健康に利用するんだと。この論理が私にはどうしてもわからない。つまり、なぜという問いに答えにはなっていない。私が言いたいことは、市役所の仕事のあり方という部分なんです。市役所の仕事のあり方を見たときに、その視点からなぜなんであります。市役所の仕事やあり方を象徴する議論が、私はこの自転車で健康づくりだというふうに昨年から感じました。 自転車をキーワードに事業を進めている市民や団体がいますよね。そうした多様な主体で支えることができている自転車という事業に、健康づくりとはいえ、なぜ市役所がかかわるという発想になるのか。2010年健康計画の家庭訪問のプロジェクトのように、市民生活の現場で本当に市民のために働く、たとえマンパワーは多様な主体がいなくても、そうした市民の安心できる社会づくりにみずからがかかわれるということが、市役所職員としてのやりがいであり、市役所の本来の姿ではないかというふうに私は考えます。役所が策定する事業というものは、こういった発想でつくられていくことが本来ではないでしょうか。 市役所とは、市長とは、それから職員とは、究極は、市民が安心して暮らせるまちをつくることであり、そのために働くと。そのためには、市役所が本当に市民が今住んでいる地域で安心して暮らせる社会づくりを目指す形になっているのか。それから、施策や事業が、何のために、だれのために、何を目指すのか、こういった原点回帰を常に行っているのか。さらに、そのことに職員や市役所が誇りややりがいを持って働けるのかどうか、これが大切だと私は考えますが、市長の御所見を伺います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この地域健康ケア計画というものは、国の計画の地域版をつくるというものではなくて、むしろそうした健康福祉関連の政策を連結し統合していくということと、新たに今、職員のお話が出ましたが、経済活性化プログラムもそうでありますけれど、統合的アプローチという言い方をしていますが、総合的にこの課題をとらえ、一体どういったプロジェクトによって、今お話のあった安心して健康的に暮らせる地域をつくっていくかということを、職員の皆さん方も、想像力と創造性を発揮してみずから考えていただくと。そして部局横断的にこのプロジェクトを立ち上げて考えていただくというものでございます。ですから、そういった意味では、活性化プログラムも健康ケア計画もそうですが、トップダウンというやり方よりは、方向性はもちろん私の方で示させていただいておりますが、むしろボトムアップ的にこういったやり方はどうだというようなことを上げてきてもらって、そしてそれが重点プロジェクトとして設立していくというものでございまして、私が掲げております現場主義の現場の考え方、まさに地域に飛び出して、職員の皆さん方が現場の感覚で物を考えて、そしてそこからそうした政策をつくり出していくということを、ぜひ議員も温かい目で見ていただければなと思うところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 井坪隆君。 ◆21番(井坪隆君) 多分、牧野市長、これにかなり自分自身の思いが入っていると思う、地域健康ケア計画。トップダウンではないですよ。地域活性化プログラムと同時に、総体的なものとして市民の健康づくりをやっていくというのは、市政の施策として私は非常に大事だと思うんです。ゆえに、地方政治の究極の役割というんですか、そういうことを私が言うのは立場上どうかと思うんですが、市民一人ひとりが努力して幸せになる、そのための障害をいかにして取り除いていくか、これが究極の地方の政治あり方だというふうに思いますので、市長の思いをぜひ私の意見と絡めながら、また深く考えていただいて、この地域健康ケア計画を強力に推進していただきたいと思います。以上で終わります。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、井坪隆君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 新井信一郎君。 △新井信一郎 ◆9番(新井信一郎君) こんにちは。会派のぞみ、新井信一郎でございます。 三寒四温、まさにその表現が当てはまる季節となりました。インフルエンザやお風邪など引かれておりませんでしょうか。そろそろ花粉症の心配もせねばなりません。 めぐるのは季節ばかりではありません。矢継ぎ早にやってくるさまざまな事柄、無関心が招いたこの社会、国の政治の世界も、身近な私たちの暮らしも、同じかと存じます。 ところで、気がつけば、私も2回目の成人式を迎えました。早いなあというのが正直な気持ちであります。早い早いと申しますのは、この地域に、それこそもっともっと速い乗り物が春の訪れとともにやってきそうな雰囲気です。 さて、そんな中で質問です。 1番、リニア中央新幹線について。リニア中央新幹線飯田駅現駅への併設について。 2番、地域資源の活用について。これは、環境モデル都市、環境文化都市、小さな世界都市としての将来ビジョンについてです。 以上、大きくは2点であります。 私の残り持ち時間は少なくなってまいりました。リニア実用世代の子供たちへ、今何ができるのか、何をせねばならないのか、現代を生きる大人たちの責任です。どうぞ一緒に考えてください。 通告に従い、順次質問をさせていただきます。 春の訪れとともに、リニア中央新幹線の話題も色濃くなってまいりました。今定例会の開会日にも、牧野市長、あいさつにも非常に多くリニア関連の内容に触れておりました。余談かもしれませんが、そのあいさつの中でリニアという言葉、たしか24ヵ所あったかと思います。まさに正念場中の正念場、リニアへかける思い、強さが伝わってまいりました。もちろん私も、同じく強い意志を改めて固めさせていただきました。 そこで質問に入ります。リニア中央新幹線飯田駅現駅併設についてですが、こちらは駅関連にとらわれず、交通政策審議会の中間取りまとめ、主に15回、16回あたりがメインになるかと思いますが、そのあたりの発表内容、報告をわかりやすく教えてください。 1番としまして、現在、国やJR東海はどのような発表をされているでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 木下企画部参事。 ◎企画部参事[リニア推進対策担当](木下悦夫君) まず、国に関するところであります。 交通政策審議会の中央新幹線小委員会で中間取りまとめがありますけれども、走行方式が超電導リニア方式、それから南アルプスルート、そして事業主体・営業主体がJR東海を指名すること、それが適当であると報告がされました。附帯意見といたしまして、在来鉄道、それから高速道路との結節性などの高度なトランジットハブの重要性、それから戦略的な地域づくりの重要性が記されております。その後、中間取りまとめに対するパブリックコメントの募集を経て、第15回の小委員会が開催されました。 当地域に関係することといたしまして、パブリックコメントの集計結果から中間取りまとめを覆す内容がなかったとして、3月から4月には最終取りまとめが行われる見通しであります。その後、第16回の小委員会で、中間駅について論じられておりますけれども、ここでは駅の設置数を最小限にとどめる中央新幹線は、駅アクセス圏拡大と魅力ある駅空間の創造が重要である。その具体策について議論をされております。その中で、地方都市に幾つかの拠点をつくっても、まちが衰退する。それから、高速道路を使った高度な公共交通との結節、その仕方が決定的に重要だと、こういった意見が出されております。 JR東海であります。記者会見での発言として一部報道されたものでありますけれども、これはただいま委員会で審議中ということから、これからという状況ではありますけれども、報道によりますと、駅はつくりやすいところにつくる、それから、ことしの秋までに環境影響調査を始めたい、こういうものであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 大まかなルート選定要綱はかなり思惑どおりに近いのかなと感じます。しかしながら、まだまだ問題は山積と考えます。前回定例会あたりからもにわかにささやかれてまいりました、じゃあどこへ駅を置くのかと。今御答弁いただいた一番最後の下り、駅はつくりやすい場所につくると、このあたりは非常に大きな論議を呼んでおるところであります。 そのような中で質問なんですが、飯田市を初めとする南信州広域連合の意思は、現在JR飯田駅設置併設となっておりますが、今後の対応をどのようにお考えでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今、議員からもお話がありましたとおり、8月の末には広域連合議会におきまして、現駅併設の意見集約をしていただき、また2月16日に行われましたこの飯田・下伊那地区のリニア期成同盟会におきましては、これは行政も、経済界も、各種団体も、みんな加入していただいているものでありますが、その総会におきまして、同様に現駅併設の決議を満場一致でいただいたところでございます。そうしたことを重く受けとめまして、これから関係機関に対して私たちの地域の思いというものをしっかりとお伝えしていく。そして、その中で、外に対しては私たちの地域の一丸となった運動を展開する。そして、内においてはそうした考え方を議論を深めて共有化していく。そういった意味では、3月6日の地域づくりシンポジウムもその一環であったと考えているわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございます。 我々会派のぞみですが、そんな中、過日、視察におきまして、東北新幹線、新青森駅、在来線の青森駅等々視察に行ってまいりました。先ほど市民パワーさんの方でも行かれたようなお話がございましたが、たった数キロ離れているだけの駅の設置ですら、新幹線を利用した地域活用が、失礼ながらままならないような状況を私も目の当たりにさせていただきました。それは、駅の土地の利用が、駅の真ん前ですよ、あのようなすばらしい新幹線というツールをもってしても土地が利用されていない。値段も出ていたんですが、この場では言いませんが、決して高いようなお値段を提示しているわけではなかった、そのように感じました。そのあたりは、今市長の答弁の中にありました地域づくりのシンポジウムの中でも小澤先生のお話あたりにたどり着くのかなと感じます。私も参加させていただきました。その際に、リニア将来構想検討委員会の有識者の座長をお務めになられました小澤一郎さんをお招きした基調講演の中、将来の地域づくりについて、まさに当地域の思いや理にかなった示唆に富む講演であり、さらに先ほど市長からもありました、地域一丸となってさらに進めなければいけない、そのように私も拝聴させていただきました。 そのシンポジウムですが、どのような感想をお持ちでありましたか、お願いします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 小澤一郎先生の基調講演を聞いていて、私も大変思いを強くしたところであります。先ほど、視察に行かれたところがなかなかうまい形で開発することができていないと、まさにこの20世紀型の右肩上がりの考え方の延長で、そうした駅のとらえをしてきて、そのままにしてしまった地域においては、どうしてもそういった状況が起きてしまっているということではないかと思います。小澤先生の講演会でもありましたこの21世紀型の戦略的地域づくりというものは、20世紀のように、ほうっておいても経済成長をしていく中で、課題が何とか解決できる方向に向かったといった時代じゃなくて、まさに戦略的に地域づくりを詰めていく、それも人口減少、少子化・高齢化といった構造的な課題というものを前提としながら対処をしていかなきゃいけない、そういった時代においては、地域の中では共感をいかに呼ぶような地域づくりをするか。地域の外においては、いかに関心を持ってもらって、その地域に行ってみてそうしたものにかかわっていこうと、まさに参画意識を持っていこうとするかと、そういった地域づくりをしていかなきゃいけないということを言っていて、私はまさに共感をしたところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございます。そのシンポジウムの内容というものは、私の後段の方にもかぶりますので、よろしくお願いいたします。 少し振り返らせてください。私も一般質問等により強く要望しておりました、飯田・下伊那地区児童における夢の実現の一端として投げかけました「リニア中央新幹線が走る夢のまち」コンクールが実施されました。シンポジウムの当日も所狭しと飾ってあったことを私も拝見させていただきました。また、開会までの間、プロジェクターにて投影も非常にうれしく存じました。ありがとうございました。 その「リニア中央新幹線が走る夢のまち」コンクールの状況について、まずお聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 木下企画部参事。 ◎企画部参事[リニア推進対策担当](木下悦夫君) 「リニア中央新幹線が走る夢のまち」の絵画コンクールですけれども、飯田・下伊那地域の小学生から518点の応募がございました。応募作品は、飯田市の公民館、それから松川町、阿智村、下條村の各公民館、それから、さきのシンポジウムなどで展示をいたしました。多くの皆さんに関心を寄せていただいたところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございました。 たしか1次募集、2次募集に至った経緯が若干あったのかなと思いますが、当初の呼びかけでは作品が若干少なかったとありました。とにかく、呼びかけいかんによっては、子供たちへの投げかけ、すなわち意識、動機づけがまるで違ってまいります。その前段で商工会さん等が主導とされましたリニア下敷きの意味もあわせて、だんだん色濃くなってきたものと考えます。結果的に、子育て世代の大人たちへの投げかけ、大きな意味での国家形成への参加であり、協働でのまちづくりの精神のはぐくみと結びつくと考えております。 そこでお聞きいたしますが、御参加いただいたすばらしい作品たち、展示ばかりではなく、次の有効活用はどのようにお考えでありますか、お聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 木下企画部参事。 ◎企画部参事[リニア推進対策担当](木下悦夫君) 518点のうち、入賞作品18点を選んでおりますけれども、さきの期成同盟会の会場にも展示をさせていただきましたが、リニア啓発のために観光案内所への展示、それから本に挟むしおりの作成、それからリニアに関する資料の表紙、説明会など、さまざまな場面で活用をさせていただいているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございます。しおりですね、当日配られたものもしおりの一部と理解してよろしいですね。 いいですね、ああいったものは。多くの市民の皆さん、ここへ訪れる皆さん方が、たまたま、たしか民間の本屋さんのレジわきとかに置いてありますね。今はどうでしたか、三国志の川本喜八郎先生の、そのあたりのしおりがあったかと思います。そのようにどんどんもっと市民にわかりやすく、この地を訪れる人にわかりやすく展開していくべきだと考えております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 また、あわせまして、今回518という多くの皆さん方から知恵をいただいた、そういったものを入賞いかんにかかわらず、その気持ちを酌み、その気持ちをさらに育てていただきたいとお願い申し上げます。 少しシンポジウムの件に絡めさせていただき、質問させていただきますが、参加者はそれなりにいらっしゃいました。どうでしょうか、いわゆる子育て世代の大人が少なかったこと。もっと言えば、学生さんというのか、そのあたりの世代、事実、リニア実用世代の参加について、今後どのようにお考えでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今回のシンポジウムは、同盟会の主催ということで、まちづくり委員会、あるいは議員団代等の各種団体、同盟会の関係者が中心というとらえをしております。当然、今議員から御指摘があった子育て世代、そういった世代に対するアプローチというのは、またそういう世代向けのアプローチが必要じゃないかなというふうに私も感じておりまして、むしろ、例えばインターネット世代にはホームページで訴えていくとか、あるいは今回、予算の計上をさせていただきますが、子供向けにわかりやすい冊子をつくって、それをツールにして訴えていくとか、さまざまなアプローチがされています。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございます。 今回の予算の説明の中でも、リニアの冊子の利用がありましたね。ぜひ幅広く展開していただきたい。あわせまして、僕はこの518という数を大切にしたいなと思います。 今回応募してくれた児童・生徒さんたちには、御家庭にはリニア関係のダイレクトメールなどで参加を呼びかける、言ってみたらリニアのパスポートのようなものを作成し、また次回への参加、協働参画ですね。そのようにつなげていっていただきたい、いわゆるリニアファンクラブのようなものを設立してみてはどうでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 木下企画部参事。 ◎企画部参事[リニア推進対策担当](木下悦夫君) リニアの開通が予定されております16年後、そのときの現役世代として活躍する子供たちに、リニアの夢や夢のあるまちづくりについての理解関心を深めていただくということは、さまざまなアイデアや工夫が必要だというふうに考えております。議員の提案も参考にさせていただき、検討してまいりたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) それこそ私たちは、頭がかたくなっている部分が非常に多いのかなと、大人世代は思います。きっとそんなリニアの実用世代、私はそのように申させていただくんですが、成人された暁には、一枚一枚のスケッチから本当にまちができ上がったんだと。そんな子供たちが大人に育てば、無関心で無責任な社会は薄れ、自然と住民自治は確立し、活気はみなぎると信じます。 そこで、一つの提案なんですが、現在、飯田市役所建てかえの議論がかなり進んでおりますが、いただいた作品すべて、タイル、ブロック、ああいったものに転写して半永久に残すという提言をさせていただきます。なぜなら、一緒に将来を考えてくれた仲間だから、僕は大切にしたいなと思います。そんな要望を残しつつ、次へ移らせてください。 さて、次の質問ですが、先ほどなぜ現駅併設がよいのかと、意味があるのかと説明があったかと思います。当然といえば当然だと思います。私が生まれたころから、飯田・下伊那の皆様方、もっと言えばそれより先かもしれません。一方から見れば、何を夢見たことか、そのようなことができるわけないじゃないか、非常にさまざまなことを言われてきたかと思います。言うなれば、古来往来された古道こそが理にかない、無駄の少ないルートであり、それは事実歴史が証明してきている、そのようにあります。この現代において、先人に改めて敬意と感謝を述べたいと思います。 それらを踏まえまして、いかにインフラ整備が大切か、復習をしたと前提して、質問させていただきます。 現在、JR飯田駅を核とした飯田市のインフラ整備は、どのような状況となっているのでしょうか。まず丘の上、いわゆる中心市街地の状況をお聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼建設部長。 ◎建設部長(菅沼良収君) 中心市街地の整備につきましては、平成20年に策定をされました中心市街地活性化基本計画に基づき整備を進めてきているところでございます。 特に、中央自動車道飯田インターチェンジから羽場大瀬木線を経由いたしまして、中心市街地へのアクセス道路の整備をいたしました。高羽町において大門今宮線の交差点改良を実施しております。平成22年度末に完成する見込みでございます。 また、飯田郵便局横の東和町線につきまして、道路整備を今年度から着手しておるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 続きまして、もう少し大きな幹線道路とのアクセス部、そのあたりについてお聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼建設部長。 ◎建設部長(菅沼良収君) 幹線とのアクセスでございますけれども、羽場大瀬木線開通による中心市街地のアクセス道路といたしまして、先ほど申しました市道東和町線の整備を中央公園再整備と並行いたしまして実施をしておりました。平成24年度の完了を目指しておるところでございます。 また、現飯田駅の周辺道路を中心に歩車道の改修整備を予定しております。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 今の答弁にもありました主要幹線道路の代表の一つとしまして、羽場大瀬木線についての状況をお聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼建設部長。 ◎建設部長(菅沼良収君) 羽場大瀬木線につきましては、長野県事業といたしまして、羽場-北方間で工事が進められております。羽場-切石区間では松川を渡る橋梁の上部工が発注をされました。平成25年度には下山妙琴原線まで開通いたしたいとお聞きをしておるところでございます。 また、切石-北方区間におきましては、北方地区において今年度から用地補償が進められておるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 財政の厳しいことは重々承知しておりますが、関係各位の御尽力により、かなり姿が見えてまいりました。ただ、気がかりな点もございます。その先線ですね。いわゆる通称南バイパス、伊賀良地先から山本地先までの区間であります。 現在、大瀬木地区にあります熊殿線の開通によりまして、運動公園線の朝夕の慢性的な渋滞や事故が後を絶ちません。また、環状化されていないがゆえの道路機能のパフォーマンスがうまく発揮されていない。そのあたりのお考えは、市長、どうでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) このリニアの将来をにらんで、まさにアクセス道路の問題に非常にかかわってくる話というように受けとめていまして、いわゆる長野県の南の玄関口、かつ三遠南信の北の玄関口としてのリニア飯田駅の機能を最大限に発揮させるためには、羽場大瀬木線というアクセス道路が非常に重要になってくるという認識でおりますし、特にこの三遠南信からの南からのアクセスということを考えますと、今議員からお話がありました南バイパス、これの早期事業化ということをしっかりと考えていかなければいけないというように思っているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございます。改めて気持ちがリンクしたと信じます。 もう1点、お願いとしまして、各種県主導の整備事業をされる際、県の主導箇所と市事業部の、特に接続部分や、それに関しましての規格や地権者に対する格差、さまざまございますね。そのあたりの是正を今後の課題として強く要望させていただきつつ、次に移らせていただきます。 ここまで来ますと、三遠南信自動車道が残ってくるわけでありますが、こちらは当会派の清水勇議員が詳細に質問されるかと思いますので、私はざっくりと質問させていただきます。 さきの県議会一般質問のやりとりの中でも登場しました。非常に何やら及び腰のような答弁が聞き漏れてまいりました。平成20年代後半の供用は厳しいのではないかと、県のトップがまだまだやりもしない前から弱気な発言。我々、南信地域のみならず、浜松・豊橋市民を含めた250万圏域の願いはどうなってしまうんでしょうかね。やる気と意気込みのある答弁を期待いたしますが、そのあたり、どのようにつかんでおられますでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 当然ながら、平成20年代後半の開通を目指すといった目標をおろしているわけではありません。三遠南信圏域を初め、関係する同盟会、あるいは周辺の町村の皆さん方と連携をして、しっかりと働きかけを強めていきたいと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) ありがとうございました。力強い思いで私も一緒になって頑張らせていただきたいと思います。 我々には何せ時間がありません。何せあと15年、16年のお話でございます。今までの、失礼ながら、のらりくらりということでは、ちょっと事は話すことはできません。三遠南信自動車道は、直近ではドクターヘリですら頓挫してしまったこの当地域、特に遠山地区、沿線地区の期成同盟会からも必死の声が出ておりました。命をつなぐ道路なんだと。単なる政治ゲームに翻弄されることなく、真に必要な道路、命に直結する道路として関係機関に強く要望をお願いいたします。 次に移ります。 リニアを使いこなさねばならない世代、先ほども述べさせていただきました、リニア実用世代となる皆さん方への質問とさせていただきます。 人材育成の観点からしまして、リニアを題材とした飯田市らしい小・中学校の授業展開を考えてみてはいかがでしょうか。その中で、私はリニアを肌で感じてもらうということのために、学校ごとの社会見学や修学旅行のコースを設定しているかと思います。そのあたりにコースを取り入れてみるということのお考えはどうでしょうか。 今回、項目として(ア)(イ)(ウ)と分かれておりますが、時間も押しておりますので、そのあたりはまとめていただいて結構です。いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 御指摘の社会見学、あるいは修学旅行でリニア実験線の試乗ということでございますが、学校現場では、社会見学とか修学旅行等々を計画・立案する場合には相当な時間を要します。下見等々を実施しなければなりません。そういうふうなこともございますけれども、学校現場の意見等々を聞きながら、調整を行う中で検討をしていきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 民間主体のことですが、リニア鉄道館が3月14日にオープンすると聞いております。そのあたりも大きな教育教材の一つと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 3月にオープンするという名古屋のリニアの鉄道館でございますが、いろんな新聞等々で報道されておりますけれども、私ども、一つの情報として学校現場の方へは提供をしていきたいと、そのほかは検討を必要とする事項があれば、検討をしていかなければならないと思います。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 話は若干前後して恐縮なんですが、私が先ほど述べましたリニアパスポートの存在意義や、多くのアイデアを託して、貴重な時間を割いて出展されたリニアのスケッチ、夢のある絵を描いてくれた皆さん方には、間もなくオープンするリニア鉄道館への招待券を贈るぐらい、そのぐらいのことを僕は考えてもいいんじゃないのかなと。それで、行かれてそこの感想をまたフィードバックしていただく、それこそがいわゆる点から線への発想の一歩かと思いますが、そのあたり牧野市長、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 一つの提案として受けとめさせていただきますが、先ほども申し上げましたように、将来のこの地域を担っていく世代に対して、この地域が将来どうなっていくかということについて、やはり関心を持ってもらうことは非常に大事だと、そういった観点から、どういったやり方ができるかということを検討していく必要があるだろうと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 多くの検討をぜひ現実のものに、リニアも夢が現実になります。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、大きな地域資源の活用に移らせていただきます。 環境モデル都市、環境文化都市、小さな世界都市として将来ビジョンについてをお聞きするんですが、庁舎にも、道路沿いの横断幕にも、ついに堰を切ったように大きく掲示されました「リニア中央新幹線の飯田駅併設で世界の知が結集する環境モデル都市へ」と大きく書かれました。私の一般質問対策で作成されたわけではないと思いますが、非常に評価できることであることは間違いありません。 そこで、今後、各地域の資源を生かすことが将来の飯田市の活性化につながるかと思います。もちろん、その中には定住者、地域の活性化、にぎわいへのかぎと考えるわけですが、例えば西部山ろく、山沿いの風景のあたりの利活用、遠山等々の周辺の地域、さまざまな資源があります。もちろん丘の上でも有名なリンゴ並木、動物園、桜並木もございます。桜並木ですが、満開シーズンでもいまだに歩行者天国にできないという、非常に寂しい部分がありますが、魅力がまだまだ重なっていないんですね。そのあたり、リニアを踏まえまして将来に向けた都市構造において、中心地と周辺各地が互いに知り合い、盛り上がるような仕掛けが必要と考えます。南信州の将来イメージビジョンに向けた取り組みについて、どのようにお考えでありますか、お聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これはリニア将来ビジョンの中にも出てきておりますように、やはりマイナスの効果が最小限に抑えられるようにするためには、この地域の魅力、まさに山、里、まちの暮らし、この魅力をいかに守っていくかということが非常に重要だというふうに思っていまして、それは私のよく申し上げている結いの力をいかんなく発揮するということが望まれるんではないかと。そういった中で、今までも山でしたら山の暮らしを守っていくための中山間地の振興計画を策定させていただいておりますし、中心市街地なら中心市街地の活性化の基本計画があるわけであります。 こうした特徴ある暮らしを守りながら、リニアのある将来に備えていきたいと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) そのあたりは、まさに今回行われましたリニア中央新幹線を見据えた地域づくりのシンポジウムにおいて、小澤先生の基調講演と非常に強くリンクすると思います。人口減の時代に、地域の衰退をとめるには何が必要か。それは、今後、ここだけで維持・成長していくことは困難、地域がよくならねば、子もよくならない。もう一つ、地域と子は運命共同体、地域との協働、協調による取り組みが不可欠、貴重なアドバイスをいただきました。このあたり、どのようにお考えでしょうか。もう一度整理していただけますか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) そういった議員の御指摘、地域との協働ということ、これはまさにこの地域の魅力を高めていくためにそういった協働が必要であるというふうに思っています。要は、地域のことをよく知る、よく学ぶという中で、また地域のよさを磨き上げていく。それによって、さらにこの地域のよさをより広範囲に知っていく人がふえていく、そういったいい循環をつくっていくことが大事じゃないかなと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) 今回、そういったものに関しますと、ムトス飯田賞というものが非常に有効に僕は機能するんじゃないのかなと思います。そのあたりを、単なるといったら大変恐縮なんですが、表彰の場ではなく、今後の人材育成、人材活用、一つの産業としてのスタートのきっかけとして位置づけできないでしょうか、どうでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) ムトスの飯田賞につきましては、御案内のとおり単なる表彰だけじゃなくて、そうした取り組みというものを広く知ってもらい、そしてまた、そのほかのムトスの精神で地域づくりにかかわる人をどんどんふやして、また育てていく、そういった考え方が当然あるというふうに思うわけであります。リニア時代に向けて、既存の産業をいかにパワーアップし、高度化していくかということが非常に重要でありますし、また今お話があったように人材の育成の仕組みというものは、このビジョンが長期的に目標を持ってやっているものですから、当然並行してやっていかなきゃいけないというふうに思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) その人材が育つ環境整備、学校整備についてに移らせていただきます。 低炭素型地域エネルギーシステムの構築には、学校が核となるべきと考えますが、そのあたりはいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 議員御指摘のとおり、そういった環境施策推進に当たっても、やはり次代を担う子供たちがどう考えるかということが大切かなと思いまして、具体的な内容も含めまして、そういうふうに進めていかなければと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) その中で、学校の芝生化というもの、かなり前からも言葉を出させていただいております。学校の校庭は社会体育、学校行事の際の駐車場として利用されていることがありますが、全面芝生化とすることは管理面の課題が多いと思いますが、市の緑化計画を計画されていますね。その中の検討の中で、そろそろ方針転換の時期ではないかと考えます。そもそも子供たちがメインで、素足で使うステージに大人の一方的な都合で自動車という土足で踏み上がるような行為というものは、僕はそろそろ見直すべきではないかと考えます。どうしても駐車場が必要であれば、学校も大切なエリアである土地の獲得・拡大も視野に入れなければならないと思いますが、そのあたり、どのようにお考えになりますか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 学校の校庭につきましては、社会体育であるとか、学校行事での際の駐車場で使用されていることは議員御指摘のとおりでございますが、やはり多面的な議論をしなければならない現状であるため、管理上のこと等課題が多いのではありますが、市の緑化計画などの検討をする中で考えていかなければいけないということで考えております。 そんな中で、子供たちと地域のボランティア的な活動などによって、芝生の管理・運営が行われる体制づくりの見通しがなければ、その活動等を尊重しながら支援していくことが大切であるかなということを考えております。 ○議長(中島武津雄君) 新井信一郎君。 ◆9番(新井信一郎君) このあたりは牧野市長ともかなり前にお約束させていただきましたので、遂行の方をよろしくお願いいたします。 まとめさせていただきます。 リニアのルート問題やリニア自身の必要性など、早期建設との二極化の議論を迎えつつある時代です。物事には両面、両極端がしかりです。私は、以前から世界自然遺産に南アルプスを唱えている立場の一人です。そんな私がリニア早期建設サイドにいるということはなぜだと、そのような御意見を賜ることもあります。だからこそ私は、リニアが今必要なんだと。はてなが並ぶかもしれませんが、今現在、南アルプスの自然が守られていません。リニアは基本的に民間主体で運営とお聞きしております。今から述べることは、もちろん国が強い主導を持って動いてくれなければできないことでありますし、それこそ夢かもしれません。リニアに乗車される方から、100円でも、10円でも、アルプス保全基金みたいな名前とさせていただきまして、アルプスを守っていただきたい。それがこの地域を守ること、育てることとつながると思います。 私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、新井信一郎君の一般質問を終わります。 会議の途中でございますが、ここで暫時休憩といたします。     12時13分 休憩-----------------------------------     13時00分 再開 ○議長(中島武津雄君) 休憩を閉じ会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 湯澤啓次君。 △湯澤啓次 ◆1番(湯澤啓次君) こんにちは。会派のぞみの湯澤啓次でございます。 本日の地元紙に、麻績の里、舞台桜が市の文化財の指定になる見通しとの記事を拝見いたしました。舞台桜は、全国でも麻績の里でしかない学術的にも大変貴重な桜でございます。また、大変全国にもファンが多く、毎年春には観桜客が押しかけるようなってきております。また飯田にオンリーワンの宝物がふえたと。こうした関係の皆さんの御苦労に対しては、敬意を表したいというふうに思います。 さて、先月2月20日に公民館大会が行われましたが、基調講演の冒頭、東京大学の牧野教授が示された二つの事実に私は強い衝撃を受けました。 一つは、21世紀の人口推移が私の想像をはるかに超えて、大変深刻であるということです。今世紀末には、日本の人口は4,000万人になる可能性があるとのことでございます。4,000万人というのは明治初期のころと同じです。日本は、明治から100年余りをかけて1億2,000万人の人口に達し、また100年足らずで明治時代の人口に戻るというのです。同じ人口でも、高齢者の人口比率が当時と全然違いますので、深刻度が大きく違います。 二つ目は、社会の変化の中で人とのきずな、生きている実感が失われつつあるという点です。今、若い人にリストカット、手首を傷つける人がふえているそうです。血を出すこと、痛みを知って、ああ、私はここにいるんだと気がつくと。自分は社会に役立っているんだろうか、私はここにいてもよいのだろうかと深刻に悩む高校生、大学生がふえているとのことです。生きている実感の徹底的な否定、生の十全感の喪失が始まっていると先生は指摘されました。私たちがよかれと思って突き進んできたこの現代社会は、大きなひずみをはらんでいると言ってよいでしょう。 昨年10月に飯田市で開催されました定住自立圏全国サミットで基調講演された佐々木先生は、もう20世紀の考え方ではだめなんだと、21世紀の考え方で、仕組みの組みかえ作業を覚悟を持って遂行することなしには、日本の展望は開けないと言われました。本日は、市長も年頭所感で述べられております21世紀の考え方をキーワードに、これからの市政のあり方、とりわけ中心市街地の総合再生について質問させていただきます。 市長にぜひお尋ねしたいんですけれども、年頭所感にある21世紀型地域づくりにおける21世紀型戦略についてですけれども、今私が述べましたように、21世紀型の考え方とは何かも含めまして、御見解をいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これにつきましては、今お話がありました定住自立圏の全国市町村長サミットにおけます佐々木先生の講演、あるいは先ほど議論させていただきましたリニアの地域づくりシンポジウムにおけます小澤一郎先生の講演等にも出てきたところでありますが、やはり21世紀型ということで、対比されるのは20世紀型の地域づくりということになるかと思いますが、まさに右肩上がり、高度経済成長からバブルに至るまでの、言ってみれば、あまりいろいろ考えなくても成長の波に乗っていく形で地域づくりを進めることができた。そういった意味では非常に幸運な時代だった。それが21世紀になって、牧野先生の話にもあるように、人口減少、少子化・高齢化の時代に入って全く環境が変わってしまった、そういったときに、地域づくりをどういうふうに進めていったらいいかという考え方があります。 これはまさに戦略的という言葉を使わせていただいておりますが、今までの20世紀型のような将来的には何とかなるだろうという考え方でやっていくのは、もはや通用しない。そういった言い方をすれば、確実に次の世代以降に非常に重い負担を強いる、まさに負担を先送って重い負担を強いてしまう、そういったことになりかねない。そういった中で、極力この地域の将来を担ってもらう世代の負担を減らし、過度の負担にならないような形で地域づくりを進めていく、そのための考え方というように思っております。 佐々木先生は、覚悟を持ってそれを進めていかなければいけないということで定住自立圏の考え方もおっしゃっておられたように、これまでのような、例えばフルセットの行政を全市町村で一律にやっていくというようなことはもうできないと。そういった時代になっていく中で、生活圏、経済圏を同じくする市町村で役割分担をしながら、そして人材のサイクル構築の受け皿となれるような定住自立圏をつくっていくという考え方も、御案内のとおり示してきておられましたし、また、私どもの第5次基本構想基本計画におけますキーワード「多様な主体との協働」という言葉にも代表されますように、行政のみでこうした地域の課題を解決していくというのももはや難しい状況になっている中で、地域を挙げてさまざまな皆さん方に主体的に取り組んでいただくことによって初めて地域づくりが機能していく、そういった考え方というものが必要になってきているんではないかと思うわけであります。
    ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 今市長が言われましたとおり、やはり行政だけではとてもできないと、地域を挙げて人々が本気にならないとだめだろうということ、全く同感でございます。 しかしながら、私は、定住自立圏をいち早く取り組んだこの地域であり、またきずながまだまだ残っておると。先ほど述べさせていただきました、まさに生の十全感というものはこの地でこそ取り戻せるんだと、そんな思いもあります。 そこで、私たちや市民、特に皆さん職員に対しても、市長、トップリーダーとしてこういう時代こそ何を問いかけたらよろしいか、ちょっとお尋ねしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これまでも申してきているところでありますが、いわゆる前例踏襲的なやり方ではもはや通用しなくなっている。課題を先送りするような考え方では地域として立ち行かなくなってしまう、そういった今の状況にかんがみて、今までとは違ったアプローチでこの地域づくりにかかわっていってもらう、その必要性があるというように考えております。 特にこの地域におきまして、今お話がありましたように、他地域のモデルになっていくような取り組みを先駆けて行う、そうしたことを通して内外への発信力を高めていくということが非常に重要になるというふうに考えていまして、そのためには、この地域にどういったニーズがあるのかということをしっかりととらえ、そして先ほども申し上げたように、創造力と創造性を遺憾なく発揮して、そして総合的な見方によって今の複合的なこの地域の課題への対応を考えていく、まさにこうした取り組みということが今求められているのではないかというふうに思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 市長が言われました、まさにここには底力があるというふうに私は思っていますし、この地域でこそ全国に先駆けてやるんだという気概を教授したいと、そんなふうに思います。 次に、中心市街地についてお話をしていきたいと思うんですけれども、あえて私は南信州の中心核という言葉を使わせていただきました。どうも丘の上ばかり何でお金をかけるんだという声も、正直なところよく聞かれます。そのことに対して、やっぱり私たち自身も、それこそ仕組みの組かえもしていかなきゃいけないと。すなわち、丘の上というか、中心市街地は、飯田市だけのものではないんだと。南信州定住自立圏のいわば首都である。その首都の真ん中の核なんだという見地に立って、この中心市街地の再生を考える必要があると思うんですね。そのときにこそ、先ほど来出ています21世紀の考え方でもって仕組みの組みかえが必要と思いますが、市長、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この中心市街地の議論ということで申し上げると、まさに20世紀型の考え方でいけば、広くあまねくという観点で、地域全体で、どんな形であれとにかく発展をしていくと、そのために原動力になるような予算配分をという考え方もあったかと思うんですが、先ほど申し上げましたように、定住自立圏の考え方もそうでありますが、もう役割分担というものを明確にしていかないと、つまり選択と集中によって、この地域にはこういう役割を担ってもらうという考え方をしていかないと、全体がそれこそ共倒れになりかねない、今そういった時代に来ているというように思うわけであります。 特に今お話があった中心市街地のとらえ方ということでありますが、やはり地域を挙げて、私たちの地域はどういった将来ビジョンを描くかということを、リニアの将来ビジョンにおきましても半年間議論してきたところであります。これは本当に飯田市のみならず、飯田・下伊那全体で議論していく中で、対外的に打ち出された将来像というものが小さな世界都市であり、そして高付加価値都市圏を目指すんだという考え方ではなかったかと思っております。 小さな世界都市を目指すということを考えたときに、これは私の持っているリニアを見据えたイメージでいいますと、スイスの山岳都市、ダボスでありますとか、あるいはジュネーブのような、そういった小さい山岳都市であるにもかかわらず、世界的に非常に名が知れて、そしてまさに先ほど議員がおっしゃったようなオンリーワンの何かを持っているという、そういったイメージを持って見ていただいていると思うんですが、私は、飯田も将来的にはそういった価値があるものになっていくだろうと。そういったヨーロッパ的なまちづくりというものは、まさに選択と集中ということをしっかりととらえながら、そしてそれもちゃんと地域全体で合意をとりながら地域づくりを進めていく、まさにローカルアジェンダの地域づくりというものを実践してきているというのが、私がヨーロッパで学んできているところでございます。 そうした考え方で考えた場合、飯田のみならず、飯田・下伊那の顔としてこの中心市街地をどうとらえていくかということは非常に重要であり、リニアでこの地域を訪れた人たちが最初にこの地域にどういう印象を持つかということも考えたときに、まさに世界の地が結集し、そしてだれもがこここそ環境モデル都市であると思われるようなまちづくりを、そうした町なかから進めていくということは、私は必要ではないかと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) そういった見地から今までを振り返ってみたいと思うんですね。 飯田市の中心市街地の再開発については全国から高い評価を得ているという、意外とこれは市民の皆さんに知られていないことなんですけれども、そのあたりを含めて市長の過去の成果といいますか、どのように評価されておるのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) いわゆる中心市街地におけるまちづくりの全国的な評価というものは、これは住民主体でまず進めてきているというところが一つ上げられると思います。再開発事業におきましても、住民主体によります組合施行で行われて、あれだけの再開発がなし遂げられてきているということ。それから、人口減少、少子化・高齢化といった時代を先取りする形で、いわゆる車社会を前提としたまちづくりではなくて、交通弱者の方が町なかで定住できるような考え方、これがとられているというのが一つ大きな注目点ではないかというふうに思っております。 こうした取り組みを通して、またまちの中で学び合いというものが起こっているというのも、私は十分注目できることかと思っております。例えば、文化の発信としてイデア朝大学のような取り組みも住民主体で始まってきておりますし、あるいは農商の連携、域産域商の連携事業も町なかでも始まってきているわけであります。こうしたさまざまな、いわゆるりんご並木まちづくりネットワークという民間主体のネットワークを中心とした取り組み、それが町の中のにぎわいにもこれからまたつながっていくのではないかと期待しているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 私は住民主体が一番大事なんだろうと思いますね。 特に一番最後のところで言われましたけれども、NPO法人のイデアですとかIIDA WAVEのような、あれは全く文化的な自主的な活動だと思うんですね。そういうものがなぜ出てきたか、それはやっぱり私は公民館活動というベースがあったからではないかというふうに思っております。 それはまた後ほどお話をしてまいりたいんですけれども、交通弱者のお話も出ました。やはり環境モデル都市という点で飯田市は取り組んでいるわけですけれども、これは21世紀型の組みかえのいいモデルにもなるのではないかと。また同時に、リニアにふさわしい環境モデル都市としても見直すことができるのではないか。今飯田市が取り組もうとされているこれらの事業については、どういうねらいを持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これまでも申したところでありますが、リニアを想定したときの、先ほど申し上げたように対外的には小さな世界都市、あるいは多機能高付加価値都市圏を目指すということがあるわけですが、そうした変化に対して、地域の中の魅力というものをしっかり保っていく、これができないと、これまで申してきたようなマイナスの効果、ストロー現象が出てしまいかねないというのがリニアのもろ刃の剣と言われるところだと思うんですね。そうしたことを考えますと、今お話がありました、まさに地域の文化、あるいは歴史・風土といったこの地域特有の大切なものをいかに守って、それを育てていくかということが大変重要になってくる。まさにこの地域のまち、あるいは里、山、それぞれの暮らしをしっかりと保持しながらリニア時代を迎えるということが、リニア将来ビジョンを実現する上での私はかぎになると思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 丘の上のような比較的狭いスペースに環境モデル都市のような事業を展開するというのは非常に意味があると思います。先ほど新幹線の新青森駅の話が出ました。青森市はコンパクトシティーをねらっていますよね。たった4キロ離れただけで実は大変大きな効果がほとんど出ていないという結果でした。私は、まさに丘の上という狭いスペースはリニア時代にふさわしいといいますか、むしろリニア飯田駅を想定していち早く取り組むいいモデルになるのではないかと、むしろそういったことをリニアにもアピールできるんではないかという気がいたすんですけど、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今出た青森という地域に限らず、日本の地域が今抱えている課題というのは、まさに20世紀型の地域づくりをしてきたことに対して、どこかで21世紀型に切りかえてこなきゃいけなかった。時代の環境変化にみずからの地域づくりというものをうまく合わせていけたかどうかと。うまく合わせることができたところについては、どうしてこうなってしまったんだろうということはないわけですね。特にリニアのように、新幹線プロジェクトや高速道路は非常にスパンが長いわけですよね、計画から実際にでき上がるまでの。青森の話も何か40年くらい前からの計画というふうな話を聞いております。ですから、そうした非常に期間が長い取り組みに対して、ちゃんとそういった期間に耐えられるような地域づくりができるかどうかということが、まさに戦略的地域づくりと言われているところだと私は思っております。 今お話があったように、この環境モデル都市の行動計画におきましても、まずは住民参画、個人のライフスタイルをいかに低炭素化するかという意識から出発すると。それを町なかの低炭素化につなげていくという中で、それをさらに周辺の中山間地の森につなげていこうと、これがまさにおひさまと森のエネルギーを利用した飯田型の環境モデル都市の構築の行動計画のまさに柱になっているわけですね。そうした中で、この住民参画による低炭素化、そこをベースとしながら町なかの低炭素化を進めるということは、このリニアの将来ビジョンにも非常にリンクしてくる。まさにこの世界の知を結集させる環境モデル都市飯田を目指す、非常に私は重要な概念だというふうに思っております。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 環境は、実は景観とも非常に大きく結びつくのではないかという気がいたしております。 市長は、小さな世界都市という言葉をよく使われますけれども、私は、それを自分ながらどんなイメージを考えられるかなと思ったときに、実は原田泰治の世界を思ったんですね。御存じのとおり、原田泰治は幼少のころを飯田で過ごされて、あの作品はほとんど飯田の原風景であります。彼は東ヨーロッパにも旅をされていますし、アメリカでも展覧会を開いていると。言ってみれば世界に通用する原風景がこの飯田にあると言ってよろしいと思います。田園風景もそうなんですけども、南アルプスが見られるという、つまり丘の上から、中心市街地から山々が見えるというこの風景は、やはり残さなくてはいけないんじゃないかという、そんな感じが私はしております。 特にリニアでダム開発が懸念されるわけですけれども、そういった総合的な空間計画といいますか、将来計画といったようなものは市長の中にはおありでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 景観ということは、非常にこの地域の大変重要な私は財産という位置づけでおります。 やはり景観というものは一朝一夕にできるものではないんですね。先人たちがこの地域に注いできた思いというものの集合体、それで景観ができ上がっている。実際に、いわゆる里山の風景にしましても、そこには人の手が入っているわけですね。人が山に入って手入れをしているし、田畑を耕してそうした田園風景をつくってきているわけですから、まちも同様に、そうした積み重ねによってつくられてきているわけでありまして、そうした先人たちの思いというものをしっかりと受けとめながら、未来に紡いでいく。そのためには、今お話があったような、急激に一時の経済的環境の中だけで地域づくりをそこにさらすということは、非常に地域にとっていいことではないと。それは地域づくりのシンポジウムで掛川市の企画課の鈴木さんからもお話があったように、あの時代はちょうどバブルだったということもありますけど、一時期非常に地価が高騰してしまって、お話があったような乱開発という状況が見られたと。やはりそうならないためにどうするかということを、土地利用という観点で各地区で考えていくことが重要なんじゃないかと、私はそう思っています。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) やはり上から景観計画、あるいは条例でばさっとする、これはなかなか難しいところがあると思うんですね。特に中心市街地でも、地域が自分たちのまちをどうするんだと、そんな機運を私も期待しますし、それをぜひサポートしていただきたいと思います。 もう1点、これはあくまでも私のお願いでありますけれども、あくまでも景観というのはハードじゃなくて、やはりソフト的な景観もあると思うんですね。それは暮らしの景観だろうというふうに思います。人々の営みといいますか、あるいは生活、あるいは人と人との関係といったものがそのまちの景観をつくっているんだと、そういったものが私は飯田の丘の上で少しずつ進みつつあるような気がしますので、どうかその辺も行政としてもサポートしていただきたいというふうに思います。 私はちょっと最近若干懸念することがありまして、コープながのの錦町店が閉鎖されると。幸い宅配サービスをしていただけるということなんですけれども、せっかく丘の上といいますか、都市をここまで支えようとしている動きでも、衰退は免れないわけです。そこで私たちは、きずなある暮らしというものを、丘の上といいますか、都市で再構築するにはどうしたらいいかということを考えていかなきゃいけない。 その一つで、あくまで福祉的なサービス、これも否定はしませんし非常に重要ですけれども、それにもまさるものは、元気のいい自治会、自主的な、そういった機運をサポートするような動きというものも必要なんじゃないかと思いますね。つまり、自分たちでこのまちを、それこそ自治会をというか、そういう動きが大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) まさにそうした生活に密接にかかわりのある機能というものは、いわゆる社会資本、インフラと言っても過言ではないと私は思うんですが、そうしたものをいかに守っていくかということを地域全体でも考えていかなきゃいけない。今までのように民間任せでやっていると、そうした撤退なども、なかなか次に出てくれるということがなくなってしまう。そういったことは実際に、いわゆる財政力が豊かなまちであったり、あるいは新幹線や高速道路が通っていて、そのほかに何が要るのというようなまちであっても起こってはくるんです。ということは、ほうっておいては地域づくりはできないということでありまして、まさに住民主体という観点からいいますと、既にそうした試みも始まっていると私は思っています。 昨年11月からまち・むらを元気にするビジネス講座を主催して、中心市街地の商店の皆さん方、まちづくりに意欲を持つ皆さん方が、そういったきずなをしっかり強めていこうという試みを始めていただいている。そういったことをしっかりとまた伝えていきたいと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 時間がなくて、実は御紹介したい案件があったんですけど、渋谷区(表参道)の商店街、自治会で、飯田市と座光寺等の件がありまして、リンゴの、それこそ飯田市のりんご並木に感動して、自分たちの通りにリンゴを植えようとして実際に植えられた。その活動に二つの点で注目したいと思うのが、外の力をですね。そこの皆さんはみんな御年配なんですね。ところが、我々がお手伝いする、全くそういう別の人たちとの交流を向こうが望んでおるということ、また彼らが朝早く起きて何をやるかというと、ペンキを塗るんですね、シャッターの。落書きがしてあったらすぐ消しちゃう。このまちは美化を含めて、あるいは花壇を植えるとか、そういう活動を自分たちでされていると。僕は非常に感動したわけですが、そういう元気のいい自治会といいますか、その形をどんどん行政としてもサポートできるといいと、そんなふうにも思いまして、ぜひお願いしたいと思います。 もう1点は、まちというのは、ただただそういったものだけじゃなくて、中心市街地とか若者とかよそ者とかが集まって自分を表現する場でもあると思うんです。私はそういった点で、中心市街地には幾つかの機能がそろいつつあるし、またその機能の組みかえも、時には思い切った組みかえというものも必要になるんじゃないかという気がいたすんですけれども、その辺はいかがですか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 先ほど申し上げたようなりんご並木、まちづくりネットワークや、あるいはイデアの皆さん方が、そうした若い皆さん方の思いというものをしっかりと受けた形で、朝大学やりんご並木という試みをされているというように思うわけでありますし、また、私も大学連携の関係で、そういった町なかの若い皆さん方の試みということで、大学の先生方や研究者、学生の皆さん方と、そういったことをやっている皆さん方と御一緒になって議論していただくような機会をつくらせていただいているわけですけれど、そういった中でお互いに学び合うということができてきているんじゃないかと。先ほど申し上げた活力を引き出すというのは、一つは学ぶというところから生まれてくると思うんですね。そういった試みをこれからもしっかりやっていく、まさに仕組みの組みかえというのは、これまでの受け身の形で物事を考えていくんじゃなくて、むしろ自分たちから積極的にどうしていったらいいかということを学ぶということから私は始まるんじゃないかと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 私はつい先日、ある大学生のレポートを読ませていただいたんです。飯田へ来ている、飯田のことを勉強されている、よくぞと思いました。それはやはり飯田にそれだけの魅力があるし、まさにりんご並木、そういった活発な動きを的確にとらえているし、学生ってすごいなと思ったんですね。 私は、やはりりんご並木の周辺というのは大変魅力のあるスポットなんじゃないかと。まだまだハード的なものも組みかえができる余地があるなと思います。ですので、今後大胆なあのあたりの組みかえも視野に入れながら検討していただきたいと、そんなふうに思います。 続きまして、いよいよ後期5ヵ年計画に入るということになろうかと思います。 そこで、21世紀型中心市街地の総再生に何ができるかということを議論してまいりたいと思うんですけれども、私は平成12年から始まった計画については、大変よく頑張ってきておるのかというようなとらえ方をしております。しかしながら、リニア時代、また21世紀という時代において組みかえをするとしたら、一体どこをどのように手を加えようとされておるのか、もし市長に今構想があれば、お話を聞かせていただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 中心市街地の活性化、基本計画も、あるいは今お話がありました第5次構想の後期計画もそうでありますが、一つは、リニアを見据えたまちづくりという観点は、計画当時にはまだ、夢物語とはいいませんが、遠い将来の話という位置づけの中で考えられていた。それが一つ現実のものとしてこれをどう組み込んでいくかということが大きな観点かと思います。 それともう一つは環境モデル都市というもの、中心市街地を徹底的に低炭素化していくという考え方と、こうした既存の活性化基本計画等をどうやって結びつけて一つのものにしていくかといったあたりが私は重要な観点になるかと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 私は、実は大事な視点は人だと思っているんですね。なぜかといいますと、さっき話が出ましたNPOのイデアとか、あるいはIIDA WAVE、実は私も入っているんですけれども、最初わからなかったんですね、1人だけ入っていて、こんなにもやっているんだ。考えてみたら私は座光寺ですし、飯田の人間ではないんでですね。つまり、あそこは何か目的に向かってのコミュニティーができつつあるんだなと。さっきも申し上げましたけれども、これはやっぱり公民館活動と似ているんだと。丘の上の課題をどう解決していくか。そこで実はまずはリーダーが出るんです。人づくりがされているんだろう。そこに実は市の職員も絡む、これはまさに公民館支援ですよね。私はどうも、これはたまたま丘の上にいらっしゃる皆さんだけでなくて、その皆さんが公民館ではぐくんでいた、そういった風土みたいなものを引き継いでいるんではないか、そんな感じがするわけです。ですから、私はそうした一つの精神ではないんですけれども、人づくりというものが非常に重要なんです。なぜそれを言うかというと、21世紀の場合は羅針盤がないわけです。そのときに何をするかというと、地図しかないだろうと。そのためには、いろんな人の価値観を捨てるのではなく認めつつ、そしてその上乗せで新しい価値をつくっていくような姿勢が必要なんじゃないかと。そのためにも発想のしやすい場といこと。どうも最近、私は成果主義というもの、数字でもってとらえられ過ぎてしまうような気がして仕方がないわけなんですね。失敗でもいい、新しいかけにチャレンジしていくというような、そんなことも私はこれからとても必要なんじゃないかという気がしているんですね。そういう点で、人づくりという点については市長はどんなお考えをお持ちでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これは年頭所感でも申し上げた21世紀型の戦略的地域づくりにも大きくかかるところでありまして、まさに今お話があったこれからの地域づくりと人づくりとを並行的に進めていかなければならないと思っております。特に16年後とはいえ、中・長期的な視点でもって考えるわけでありますが、むしろそのときの現役世代というのはむしろ我々ではなくて我々よりももっと下の世代、子供や孫たちがこの地域の中心になっていかなきゃいけない時代になっていくと。そういうふうに考えますと、まさに地域の将来を担う次の世代をどうやって育てていくかということを並行的に考えていかないと、そこは待っていても多分出てくるだろうという、それでは恐らく出てこない。もう人口減少、少子化という時代の中では戦略的に人づくりもやっていかなければ、今やっていることも、持続可能な成果と今お話が今ありましたけど、結果として衰退しかねないということになりかねないと私は思っています。 ○議長(中島武津雄君) 湯澤啓次君。 ◆1番(湯澤啓次君) 昨年、日本全国をわかせました探査機はやぶさがございました。はやぶさの成功の秘訣は、今まで取り組んできた仲間たちを信じ、最後まであきらめず絶対に成功させるんだという強いマインド、チームプレーがあったからだというふうに私は思います。まさに日本的といいますか、飯田でそれがまさにまたれるんではないか、またできるというふうに私は思っております。 どうか飯田市民が、先ほども言いました一人ひとりが自覚を持って、心を一つにして大変な時代を乗り切ることを祈願いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、湯澤啓次君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 吉川秋利君。 △吉川秋利 ◆4番(吉川秋利君) こんにちは。会派のぞみの吉川でございます。 世界は、特にアラブ諸国を中心に激震が走っております。もしかしたら間もなく中国も揺れてくるのではないでしょうか。期待というか、そんなことを思っております。いろいろと日本の世情もそうですが、せわしげな世情ではあります。日本の政局も、国民のための政治をお願いしたいと思っております。 さて、今回も教育問題について質問をしてまいります。一緒に考えていただきたいと思います。 教育委員会については、シリーズで質問をしますという通告して1年になります。教育関係の議論については、わかりにくい部分もあると思いますが、引き続いて質問させていただきます。 今回は、前回時間切れとなった部分と、新しく方針が示されました小・中連携の一貫教育についてお聞きをします。その次に、キャリア教育について、教育委員会の考え方、飯田市のビジョンをお聞きし、教育委員会へのシリーズでの質問の中締めとなるようなまとめをしてまいりたいと思います。わかりやすい答弁をお願いします。 教育委員会についてシリーズで質問をしてきましたが、小・中一貫教育については、小・中の連携がスケジュール的に難しいとか、方針は出すけれども先生方の了解をなかなか得られないとか、言いわけに近いような答弁が多くありました。小・中連携の一貫教育について、今度は実施に向けて検討委員会で検討が進められるということをお聞きしております。 その具体的な内容や進捗状況については後ほどお聞きするとして、以前にも教育委員会の主導性についてお聞きしました。答弁では、設置した学校の事務的管理、物的管理、運営管理といった責任がある。しかし、飯田市の教育方針を押し進めるには、一方的な指導ではなく、教育委員会と学校が十分に連携、あるいは協力して取り組む必要があるとの答弁がありました。教育委員長さんも新進気鋭の若手にかわられましたので、期待をいたしているところであります。市議会に初登場となりまして、大変緊張をされているようですが、連携、あるいは協力して取り組むため、教育委員長の意気込みをお聞きします。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 小林教育委員長。 ◎教育委員長(小林正佳君) 昨年の10月に飯田市教育委員会定例会におきまして教育委員長を拝命しました小林正佳と申します。微力な者でございますが、ここにおられる市議会議員の皆様方を初め関係の皆さん方の御協力、御支援をいただきまして、飯田市の教育の発展のために全力を尽くしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、教育委員会の主導性についてのお尋ねでございますが、中国の古い言葉に、穀物、稲だとか麦の穀物でありますが、穀物は1年、木は10年、人は100年という言葉がございます。人が今、人間として存在しているその背景には、100年前からの祖先の教えが今生きて実を結んでいるといった意味ではないかというふうに解釈しております。翻って考えてみますに、現在行われている教育の成果は、100年先にも大きな影響を与え、その真価が問われるということであり、教育は、将来を見据えて長いスパンで構想しながら、しかし喫緊の教育課題に対しては迅速に対応していくことが大切であると、そんなふうに考えております。 飯田市の教育委員会では、教育振興基本計画に基づき、目指す姿を「地育力による心豊かな人づくり」と掲げまして、質的な向上を目指して取り組んでいることは御承知のとおりかと思います。 今年度はこれを受けまして、4月の教育委員会定例会において、学校分野で申し上げれば、一つとして確かな学力をつける教育実践、二つ目として心と命を大切にする教育の推進、三つ目として連携による小・中一貫教育の推進等、8項目を重点として、これらが各学校において具現できますよう、校長会、教頭会、また学校訪問等を通じて指導・助言・援助を行ってまいりました。これらの取り組みが成果を上げるには、各学校が学校長を中心に一丸となって子供たちの実態、それからその地域の特色を生かした教育活動を展開するとともに、学校・家庭・地域が連携し、それぞれがその役割を果たすことが重要であると思います。教育委員会としましては、まず5名の教育委員が学校等にできる限り足を運んで状況を的確に把握するとともに、各学校において創造的、主体的な教育活動が展開できるよう支援してまいりたいと考えております。 また、時として発生する緊急の問題に対しては、学校任せにすることなく、一緒になって考え、ともに歩む教育委員会という姿勢で問題解決に当たり、子供たちの目の輝く学校づくり、地域づくりに向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。以上であります。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 大変説得力のある意思表示をいただきました。 今話にも出ました教育委員会、どんな大きな都市でも5人で構成されるそうであります。この5人の委員会にもっと指導性を発揮してほしいと思っておりまして、そんな意味からも、前回質問をしました教育委員会の部屋については、その後、何らかの論議がされたのかどうなのか、お聞きをします。 先回の教育次長の気持ちとしては、教育委員会事務局の近くで定例会を行う場所を希望しているということでした。全くそのとおりだと思います。会議資料等、どのように管理されるのか、過去の資料も確認したいときがあると思います。教育委員会の部屋を用意して、将来にかかわる方針の検討などをしていただきたい。教育長は特別職として部屋もあり、給料もそれなりであるとは思いますが、教育長以外の教育委員の皆さんは、決して多くない手当でありながら、日夜飯田市の将来を考えておられると思います。そんなプライドを持てるような拠点となるような部屋が必要であろうと思いますが、これは教育委員会の手に負えないようにも思いますが、この音頭を取るのはどなたが取ってくれるのか、企画部長なのか総務部長なのか、渡邉行革本部長なのか、庁舎については検討中でありますけれども、新庁舎と言わず速やかに対応をしていただきたいと思いますが、どなたが対応してくれることになるのかお聞きをします。 ○議長(中島武津雄君) 答弁を求めます。 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 教育委員会の所管事項ということであれば教育委員会という形ですが、庁舎の施設管理という立場でいけば総務部の所管ということですが、現状の執務室等の確保については、非常に厳しい物理的な実態もございますので、御理解をいただきながら、新庁舎の建設の中では具体的な検討を深めてまいりたいということで御理解をいただければと思います。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 教育次長が御理解を私にいただくというのも変な感じだと思いますが、できれば行革の本部長、今までもいい返事をいただいておりますので、前向きに検討していただけたらと思います。 勝手なことを言いました。次に進みます。 教育委員は、市長の推薦があって議会の同意によって任命をされるということで、行政から独立した権限を持って教育の独立性というものが担保されているというふうに思いますが、教育委員会の方向性については、合議制ということで大きな方向性に間違いはないであろうという前提でありますが、チェック機能についてはどのようになっているのか、またどのように考えているのか、お聞きをします。チェック機能があるとすれば、だれがどの時点でチェックするのか、お聞きをします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 教育委員会によって決定をいたしました事項、これは教育長の指揮監督のもとに事務局が推進していくという形になっているわけであります。そしてまた教育委員は、常に方針、あるいは方向性、事業の進捗状況、こういうものを把握しながら内容の報告を求めるなど、対応を常に行っていただいております。 合議制の教育委員会、これは原則として公開をいたしております。協議内容はだれでも傍聴が可能でございますし、またホームページに教育委員会の会議録等々は掲載をいたしております。市民に開かれた教育委員会ということを心がけているところでございます。 一方、御指摘の教育委員会の事務事業等につきましては、監査委員によります行政監査、そして市長部局の行政評価、そして議会の皆様方からも評価をしていただき、意見を事業に反映させているという形をとっております。これらの対応によりまして教育委員会の取り組みをチェックする、そういうことは担保されていると、こんなふうに考えております。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) チェックをするという言葉自体にちょっと違和感があるのかもわかりません。校長先生を経験された教育委員長や教育長には、釈迦に説法のように思えるかもしれませんけれども、先生の教えたいことと生徒の教えてほしいこと、地域が教えたいことは必ずしも一致しないと思います。そんなことで、教育委員会は何を考えようとしているのかということを知ることも非常に必要なことでありまして、文殊の知恵という言葉もありますが、情報公開をする、今おっしゃいました開かれた委員会、本人はみんな開かれていると思っている。議会も御存じのように情報の共有を目指していろいろ理解を求めているんですが、その割に開かれているというような意識を持たれていない。できれば教育委員会も、今おっしゃられた本当に開かれた考えで皆さんにいろんな考えを持って進めていけば、よい方向になるのではないかというふうに思います。 そんなわけで、市長にお聞きします。 教育委員会の独自性というものは認めていかなくてはいけないんですが、飯田市の最高責任者としての市長にとって、こういったチェック機能というのはどんな扱いをすることになるのでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 私の立場から申し上げれば、やはり年頭所感で申し上げております、次年度の予算編成に当たっての基本的な方向というものについて、教育委員会の皆さん方で担当していただいている政策、そうしたものがしっかりとすり合わさってきていただいているかどうかというところが、非常に予算を編成していく上で重要になっていくかというふうに思っております。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) よろしくお願いします。 次に、小・中連携の一貫教育についてお聞きをします。 小・中一貫教育については、今まで5年間にわたり多くの議員が質問や提言をしてきたわけですが、連携をしている、できることからやっているという答弁が多かったわけです。その内容や進捗状況について、チェック機能がなかったのか、よくわからなかった。議員としても責任があると反省をしておりますが、今度は、飯田市らしい小・中連携の一貫教育について検討委員会を設置して進めるということであります。来年から体制づくりをするといって、最近、飯田市小・中学校教育の充実のためにということで、飯田市教育の理念が示されました。 この中で、連携という言葉がクローズアップされているように感じますが、そもそも小・中連携の一貫教育は何をしようとしておるのか、お聞きをします。地育力による心豊かな人づくりという理念はわかりますが、具体的に何を目指しているのかお聞きをしたいと思います。言いかえれば、何のために小・中連携の一貫教育を導入しようとしているのか、お聞きをします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 小・中連携一貫教育につきましては、今まで本当に多くの議員の皆様方から御質問をいただいてきたところでございますが、平成17年度から飯田市の義務教育、やはり飯田らしい義務教育を展開したいという願いから、連携教育、いわゆる中学校区ごとにそれぞれ今どんな教育課題があるのかという観点から、それぞれの中学校区で連携できるところから連携をして、その延長線上に小・中一貫教育というふうなものを模索可能かどうか、そんな観点から、17年から小・中の連携教育、これを取り組んでまいりました。 その中で、いろいろな教育課題が見えてきたわけでございまして、その教育課題に対する対策といたしまして、その都度できるところは対策を講じてまいりましたけれども、総合的な解決を考えていかなきゃいけないということから、義務教育9年間を一体的にとらえた継続性のある指導を行う必要がある、そういう認識に立ちまして、それを飯田らしい一貫教育ということに銘打ちまして、それを導入することによって人材育成に努め、あるいは子供たちの本当の生きる力をはぐくんでまいりたいと、こんなふうに考えたわけでございます。 そして一貫教育の導入によりまして、今盛んに話題になっております子供たちの生活面での安堵感、あるいは学習面での解決力、理解力、こういったものの向上が図れる、そしてまた学校へ行くことが楽しいな、こんなふうなことになれば、今社会で問題になっております不登校問題等々には対応できていくのかと、こんなふうにも考えているわけでございます。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 内容として、今まで一生懸命提言をしてきたこと、これが反映されるのかどうなのかよくわからない。 この間の小・中一貫の講演会でもありました。理念としては頭ではわかるんだけれども、じゃあ実際どうなんだということがよくわからない。飯田らしい小・中連携の一貫教育というのは、今説明いただきました。何なのかということ、具体的に言えば、まず学力向上についてはどの程度の向上が見込めるのか、量的には出せないかもしれませんが、まず学力向上についてはどんなことを望んでおりますか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 教育のまず最たる目的が人間形成ということでございますけれども、学力という問題も一般社会人として重要な部門でございますので、その学力向上ということをこの小・中一貫でも取り上げていこうということでございます。 量的にどうこうということはなかなか難しい問題でございますので、これからと申しますか、今まで校長会、あるいは教頭会のプロジェクトチーム等々で委員会を立ち上げまして、飯田市の学力問題、教育問題に対する検討を重ねてきております。飯田市の子供たちの現在の学力はどうであるかという観点から検討をいたしておりますけれども、全国の学力テスト等々の結果、あるいは県で行っておりますテスト等の結果からして、平均は確保いたしておりますけれども、あくまでも平均でございますので、もう少しレベルを上げていく必要があるだろうということでございまして、学力問題につきましては、今までの学習等々の取り組み以上に学力向上に対する具体的なカリキュラムの検討、あるいは先生方の指導力向上等々に結びつけて、飯田市の子供たちの学力全体をレベルアップしていきたいと、こういうふうな思いでございます。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 人材育成というのは非常に大切だと思うんですが、その基本になるのは学力の向上ではないかと、もとになるものは、そんなことを思っておりますが、中学校の先生による出前授業が主になる連携教育だとすると、教科担任制を小学校に取り入れることになるんでしょうか。それが、今カリキュラムの話が出ました。大変な変更になるのか、何年生から連携教育を採用していくのか。わかりやすく言えば、小学校の算数が数学になるのはいつからなのか、小学校はあくまでも算数で、中学は数学なのか、何年生から出前授業なんかを適用していくのか、具体的に示せるようでしたらお願いします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 先ほど小・中の9年間を一つの視野に入れてという話を申し上げましたが、当然そこに行くにはカリキュラムの見直しといいますか、新しいカリキュラムの構成等々が必要になってくるわけでありまして、今、中学校の先生が小学校へ出前授業に行くとかいうふうなことでお話がありましたけれども、これも4月からの新しい検討委員会の中で、じゃあ飯田とすれば、教育課題がこういう課題であるからこんなふうなカリキュラムにしていきたい。今までの小学校から中学校への結節の仕方、この辺をどんなふうにしていくか。この間の講演会の佐藤先生のお話の中にもございましたけれども、幾つかのパターンが考えられるわけでありまして、そんなようなことを、具体的には4月からの検討委員会の中で早急に検討していかなければいけない課題だと、こんなふうに思います。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) ちょっと問題点は後でまたお聞きしますが、もう一つ、小・中連携の一貫教育に大きな効果が望まれるものとしては、小1プロブレム、中1ギャップ、不登校などについて改善が見込まれるわけですけれども、これはどのように考えておりますか、お聞きします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 御指摘の小1プロブレム、そしてまた中1ギャップ等々につきましては、今まで連携教育という中でどういう部門を連携で検討していったらいいかということの中に、幼・保・小・中連携ということで、この小1プロブレムは、小学校に入学してきた子供以前の、幼稚園、保育園からの課題があるだろうというふうなことで、幼・保・小・中の不登校問題等につきましては、不登校問題を検討していく中で、いわゆる対処療法だけではとても対応できない現状にあるということで、幼・保・小・中の委員会をつくりまして現在検討が進められてきておりますので、今回の小中一貫教育の中には、当然その検討の成果を生かして、小1プロブレム、そしてまた中1ギャップ等には対応していきたいというふうに思っております。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 幼・保・小・中も連携していくということであります。具体的にはちょっとよくわかりませんけれど、時間がありませんので、実施するに当たって、具体的な問題がいろいろ思い浮かぶだろうかと思いますが、お聞きをしたいと思いますが、当面23年から検討するということでスケジュール表というか方針が出されたということについては、約束を果たしてくれたなというふうに思っておりますが、この連携事業、よくわからないんですが、中学校の先生が小学校へ行って出前授業をする。中学校の授業を小学校の先生が見学をするというような受けとめ方をしておりますが、そんなことでよろしいんでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) これは、中学校区におきましてどういう形の一貫をやるかということは、それぞれの中学校区で検討していただくという内容でございまして、すべての教科で中学の先生が小学校へ行って授業をするとかいうことではなくて、特に数学とか英語とか算数、そういったようなものにつきましては、非常に今までも小学校から中学校へのつなぎが決してうまくいっているとは思っておりませんでした。そのあたりが特に話題になるわけでございますけれども、これは中学校区によって検討していただく課題でございまして、すべての教科で出前授業がということではございません。 そしてまた、いわゆるどういう形の小・中連携にするか、これにつきましては、これからの検討委員会の中での検討、そしてまた学校現場の先生方の御意見、これもお聞きする中でどういう形の一貫教育をやっていこうかということになろうかと思います。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) ちょっと今の答弁はよくわからんですね。学校ごとにそれを決めるんですか、連携の仕方。じゃあ中学校があって、小学校が二つあれば、小学校二つ同士の連携も必要だし、例えば鼎とか、一つから一つへ行くんであればそれだけで話はできるけれども、今の話をお聞きすると、中学校区の中でお話をして、どういう連携の小・中一貫教育をやるということになるわけですか。そこのところをはっきりちょっとお聞きします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 今申されましたように、中学校が1校、小学校が1校というふうな中学校区もございますし、中学校が1校で小学校が複数校あるというような地区もございます。そういうことで、おのずと教育課題等が違ってこようかと思います。 そういう中で、基本的な考え方は検討委員会で、飯田市全体の基本的な小・中一貫教育についての考え方は示しますけれども、具体的に教育展開をしていく、その場においては、中学校区における個々の課題というふうなものもございましょうから、そういうことで違いが当然出てくるだろうと、こんなふうに思います。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) ちょっと理解できないんですが、飯田らしい小・中一貫教育というものがあって、その学校区ごとの問題は、それはそれで対応すべきことであって、本当の飯田市としての方針というのはきちんと決まっていないとおかしいと思いますけどね、それは。問題はそれぞれの学校区であるかもしれん。でも、飯田らしい小・中連携一貫教育というのであれば、飯田らしさは何なのかというのをはっきり出してもらわんと、それはおかしいですよ。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 先ほども申し上げましたように、当然飯田らしい一貫教育ということでございますので、飯田市の方針はきちっと示して、その上で具体的な教育展開という段になりますと、各中学校区の課題も当然出てくるだろうというふうに思います。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 今まで提言したことが取り入れられたかどうかわかりません、反映されたかどうかわかりませんと言ったのはそういうことなんですが、いろいろ今まで検討をさせてもらいまして、子供たちが何歳から脳の働きが変わるから、4年生からそれじゃあこうやっていきましょうという事例も勉強しながら検討して、提言をしてきた。でも、今の話からいくと、何年からやるかどうかわからない。それを23年4月に教育委員会の担当セクションを設置して、それからやると。実施は24年だと。そんな短い期間でできるほど、今お聞きしたら検討が進んでいないように思うんですよね。23年の4月に検討委員会をやって、こうしましょう、ああしましょうと、3ヵ月でやったとして、あと半年しかカリキュラムをつくるまでに時間がないですよね。2月、3月にもう次の年のカリキュラムができていないとおかしいわけですから。今そういった説明からいくと、方針がまだそこまで定まっていないように私は思うんですが、定まっていますか、それは。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 教育委員会の中に、今年度から検討委員会の準備委員会を設けて1年間研究をしてまいっているわけでありますが、その中で、今まで17年度から連携教育ということで推進してきて、先ほども申し上げましたように、校長会、教頭会等で検討委員会、あるいは緊急のプロジェクトチームを組みまして、教科ごとに、あるいは教育課題ごとにどういう形で連携教育を、そしてまた一貫教育につなげていこうかという研究がなされてきたわけでございます。 せんだって、校長会、教頭会等々でも1年間、あるいは今までの積み上げてきた2年、3年の研究成果を発表し、その発表を聞く限り、私ども、今まで準備をしてきたその方向性を示してくれているなと、こんなふうに感じたわけでございまして、今御指摘の1年間、これから何も決まっていないから、これから1年間でそれができるのかということで御指摘でございますけれども、今までの準備過程がそういう過程でございまして、今まで連携教育ということを進めてまいりました。その取り組みをベースにして、これからの1年間で準備をいたします。そしてまたモデル校等々研究もし、23年度は検討委員会、そして24年度はモデル校指定、そしてまた25年度から各中学校区で展開と、こんなふうな大きな予定でございますので、そんな段取りで進めていくということでございます。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 厳しいことを申しましたけれども、幼・保・小はよくわかりませんが、小中連携については、私が思っていたよりは学校サイドの理解が進んでいるなと、そんなことは思っておりますので、間違いのない方向で頑張っていただきたいというしかきょうの時点では言いようがないわけですが、よろしくお願いをします。 最後の質問になります。 キャリア教育についてお聞きをしたいわけですが、昨年、第1回の飯田市キャリア教育推進協議会、去年の7月に関係者20人の出席で開催されたということでありました。この協議会の目的についてお聞きをしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 飯田市におけるキャリア教育は、小・中学生を重点対象といたしまして、子供たちが自分の可能性に気づいて、将来の職業に対する希望、あるいは勤労意識、あるいは自分の夢を実現するための意欲などを醸成する、これを目的として推進しているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 文科省の表彰を受けた学校もあるようでありますけれども、その取り組み状況を、具体的にはどんなことなのか、概要をちょっとお話しいただきたいと思います。取り組んでいない学校もあるんでしょうか。概要で結構ですので、お願いします。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) まず取り組んでいない学校はという御質問でございますが、基本的には全中学校で取り組んでいただいております。 それから、表彰を受けたのは、丸山小学校と西中学校が小中連携して9年間のキャリア教育という形の中で文科省から表彰を受けたということで、具体的にさまざまな形での取り組みを実施している中で、飯田市の行っているキャリア教育については、いろんな意味で評価をされている結果かなということも考えております。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。
    ◆4番(吉川秋利君) 少し視点を変えてみたいんですが、私たちの子供のころは、農繁休暇とかお手伝い休みとかあったんですが、今はそれもなくなって、キャリア教育なども必要だというふうに思うわけですけれども、一つ私たちの身近には自然がありまして、毎日自然に接することができると思います。身近な通学の途中で目にする自然というものの整備も考えていただきたいと思いますが、例えば一時期水路はほとんど3面張りになってしまいまして、せせらぎというものがなくなりました。しかし、私の近くの用水路では魚が泳ぐ姿も見られます。田んぼもあるし畑もある、そこにいろいろな生物や、植物や、四季の移り変わりを感じております。そういったことに興味を持つ子供たちに、心のゆとりも必要なのではないでしょうか。簡単に言えば、道草を食うようなゆとりがあったらいいなというふうに思うんですが、教育委員長のインタビューの記事にありまして、それを市がリードしながら家庭と地域、学校が連携して問題解決に当たりたいと書かれておりました。まさにそのとおりだと思います。 教育は、家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世間の教えで実を結ぶという言葉を引用されておりましたが、もっともな話だと思います。どこが先でどこが次というんじゃなくて、学校と家庭と地域が連携をし、繰り返して子供にかかわっていくことが大切だと思いますが、そういった意味から言えば、今のキャリア教育、けちをつけるわけではないんですが、一部の大人というか社会とのかかわりであって、地域のかかわりというにはちょっと違うのかなと。家庭の教えというか、家庭の力が幾分弱くなっているような気もすると。そんなことから、もっと地域のかかわりでカバーすることが必要なのではないだろうかと、そんなことを思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 議員御指摘のことは、私も日ごろ感じていることで同感でございます。 教育委員会といたしましては、このキャリア教育の場面も、やはり家庭生活とか、あるいは地域の活動、そういうものの中にあるんだというふうにも思います。そういう意味で、家庭教育啓発事業といたしまして我が家の結いタイムに取り組み、少しずつ成果を上げているように思っております。 それから、その中でお手伝いだとか会話、あいさつ、そういうふうな呼びかけ等々、これもキャリア教育の一貫ではないかと、そんなふうに思っておりますので、現在いろいろな地域の皆さん、企業等々にお願いをしてキャリア教育に取り組んでいるわけでございますけれども、今申し上げましたような部門もその中で取り組んでいただいております。 ○議長(中島武津雄君) 吉川秋利君。 ◆4番(吉川秋利君) 身近な自然の中で生物を発見する、観察をする、ときにはペットボトルや油が浮いていることを発見する、そんなことでポイ捨てをするモラルに欠けた大人に対して、教えるだけの教育でなくて、教えられ、一緒に学ぶということも必要ではないかと思います。ありがとうございました。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、吉川秋利君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 内田雄一君。 △内田雄一 ◆7番(内田雄一君) 日本共産党の内田雄一でございます。 会派名を間違えないように気をつけて出てまいりました。 私どもの会派では、去る1月19日に学校教育の調理場の現場を見るために、市内最大の調理場であります矢高共同調理場と、自校の調理方式の給食を実施しております上郷小学校を見てまいりました。 また、その後の2月16日に、毎年実施をされているわけですが、全国一斉の学力調査の来年度の実施方針等について、飯田市教育委員会に申し入れを行いました。 今回の一般質問では、これらの教育現場にかかわる部分について、とりわけ学校給食のあり方と食育の関連、学力調査についての実施方針についてを伺ってまいります。 まず最初に、学校給食の現状について、基礎的な部分からお聞きをしてまいります。 私どもが矢高調理場にお邪魔をしたときにお聞きをしたのが、市内最大規模である矢高調理場、ここでは小学校と中学校合わせて9校、全部で5,000食近い分を調理しているというふうにお聞きをしてまいりました。飯田市には矢高以外にも調理場はあるわけでして、それらの調理場、また自校方式を採用されているところも含めて、市内の調理場の運用状況について、基本的なことをまず先にお聞きをいたします。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 学校給食につきましては、基本的な方向性としては、議員御指摘のとおり矢高の共同調理場が一番大きくて、ほかに丸山、竜峡、遠山、それから上郷、高陵の各調理場での対応となっておりますが、現状を基本的には維持してまいりたいという考え方でございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) この共同調理場について、やはり大規模な調理場など、そろそろ設備が改修時期に来ている部分も出てきているのではないかと思いますが、今後の調理場の規模やあり方について、整備改修を含めてどのような規模をとっていくのか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 特に矢高の共同調理場ですが、施設について、厨房設備等の更新時期を迎えているものもございますので、数年かけての改修を行っていく予定を立てております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 私どもの会派では、これまでも学校の給食に関しては、自校方式としていただくようにということを長年求めてきております。 それは後ほどお話をいたしますが、食育との関連もございます。小規模にして子供たちに身近なところでの給食の調理ができること、つくっていただいている方の顔が見えるとか、小異規模であれば地元でとれた食材の活用もしやすいのではないかという点、それと現在の大規模調理場では、調理をされてから遠方の学校まで届けるのに毎日30分以上かかってしまうという点にも配慮しなければいけないのかなと。なるべく温かいものをつくって届けて、食べていただくということ、こういったことを考えて、まず現状、遠方の小規模の学校から自校方式として変更していく考えはあるのかどうか、お聞きします。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 調理場から距離の遠い、遠方ということだろうと思いますけれど、それについては、基本的には現状で、やはり配達の工夫等を考えながら対応してまいるということで、現状で取り組んでまいりたいと思っておりますが、特に矢高調理場につきましては、調理数が非常に多いということで、今後全体のバランスを考える中で検討していくべき事項ということで認識はしております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 今すぐには難しいのかなというふうな回答だと受けとめますが、長期的な展望として、なるべく規模を抑えて、今おっしゃられたように矢高の規模については現在の規模が適切かどうか、せいぜい2,000食であるとか、学校数、今9校あるのを3校ぐらいに抑えようとかいった具体的な展望があれば、そういった方向でぜひ検討していただきたいというふうに思います。 それともう1点、提案も兼ねてお聞きをいたしますが、お米について、学校給食のうち大体週3日ぐらいは御飯の給食になるのかなというふうに思います。ほかにパンの日があったり、ソフトめんが出る日があるようですけれども、このお米について、小規模の50人とか60人とかいう規模の学校から、学校で炊飯をする、小規模の学校であればクラスごとに炊飯するとかということもやろうと思えば可能なんじゃないかと思いますけれども、検討できませんでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 先ほど、若干調理場全体のことで答弁が少し欠けていたかと思うんですが、いずれにしても調理場の整備計画につきまして、23年度、具体的な計画を策定する予定でございますので、その中で考えてまいりたいということでございます。 それから、米飯の自校炊飯ということでございますが、これについては、学校給食の衛生管理基準との絡みもございますので、これからの検討事項としては位置づけてまいりたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) このお米について、私どもが上郷小学校にお邪魔をした1月19日もお米の日でありました。お昼前に学校にお邪魔をいたしましたので、1時間ほど現場の栄養士さんに話をお聞きして、その後で職員室に行って一緒に給食をいただいてきました。つくりたての温かいものをすぐに食べられるので、自校方式をとっている最大のメリットだというふうに感じたわけですが、御飯だけは少し冷たかったんですね。お話をお聞きしている中で、御飯とかパンの主食については地元の業者さんから納入を受けているということで、この日も実際、午前10時過ぎには給食室の前に届けられていたということです。 保温のケースに入れてはあるんですが、やはり届いてから実際の給食を食べる時間までが2時間以上、3時間近くあきますので、どうしても冷めてしまうということもあるのかなと。自校方式で非常に温かくておいしいんですけど、この御飯の問題、ちょっと残念だったなと。きっと市内全校、これは同じような状況ではないかというふうに思います。パンはなかなか学校で焼きたてをつくるというのは難しいことでしょうが、御飯はできるだけ温かいものを、できれば自分たちの地域でとれたお米を食べるということも、また味覚を育てるとか、食に対してしっかり向き合っていくという意味で重要になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 議員に御試食いただいた際は、多分小分けにされた容器で、時間の経過も含めてあったのかという気がしますが、児童・生徒用の容器については、大きな容器に一括して保存しており、配ぜんの前の対応については、温かさというのは確保する状態で対応していますので、子供たちは温かいものを食べているという認識のもとにおります。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) ぜひその部分はちゃんともう一度確認をとっていただきたいと思います。 次に、食育推進について伺いますが、現在の飯田市の取り組み状況、どういったことに力を入れているのか、食育についてまず飯田市全体のことを伺います。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) その点につきましては、私の方から答弁をさせていただきます。 飯田市では、平成21年に食育推進計画を策定いたしまして、その基本理念とするところを、若干計画の中からかいつまんで御説明を申し上げます。御案内のとおり飽食の時代、それから先ほどからもお話にございましたように、ゆとりのない時代となりまして、食べることの大切さがどうしても忘れられがちとなっている現在の中で、市民みんなが食にかかわり、あるいは食に対する感謝、あるいは思いやりの心を深めるとともに、食べることの大切さを理解し、食に関する知識と安全・安心な食べ物を選択する力を習得し、さらには飯田市固有の風土であるとか文化、そういったものを生かした食生活を実践するということで市民総健康を目指したいというものでございまして、健康ケア計画の重点プロジェクトの一つとしても、いろんな形でいろんな主体の協力をいただく中で推進しておるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) それを踏まえて、学校の現場ではどういった位置づけで取り組みをされておりますでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 各学校では、食に関する指導の全体計画を策定いたしまして、給食、それから授業、行事を通して食育に取り組んでいるところでございます。 具体的な例としては、域産域消の推進、それから結いタイムの朝飯田の取り組みとか、それから各学校独自で食農体験などに取り組んでいるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 今、域産域消の話も出ましたが、その分についてお聞きをいたします。 まず、大規模な調理場と自校方式をとっている上郷などの調理場とでは、地元農産物等の食材の利用状況に違いは出ておりますでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) 基本的には大きな差は出ていないという認識のもとなんですが、ただ、昨年度みたいな気象条件のときに、本来使用すべきものが十分調達できないというような状況もございまして、若干調理場ごとの差は出ているかということはとらえております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 域産域消について、学校給食の中でも考えていくことも重要なテーマかと思いますので、まずそれをお聞きしたんです。地元でとれる食材を口にするとか、フードマイレージという問題も今はありますし、食の安全ということも非常に問われる時代であります。それは難しい話で、子供たちがどこまで理解できるのかという点もあるのかもしれませんが、もっと身近に考えて、生産者の顔が見えるといった意味で、子供たちにもわかるように、子供のうちから習慣として食育の一つの重要なテーマとして位置づけていく必要があるのかというふうに思います。 先ほど上郷小学校で給食をいただいてきたという話をしましたが、その日のメニューは肉じゃがでありました。上郷小学校、児童数800人ぐらいということですが、肉じゃがに使うジャガイモはコンテナにして三つほどあれば足りてしまうそうなんです。つまり、上郷でとれたジャガイモを上郷の子供たちは食べることができる。調理場の規模についてさきほどお聞きをいたしましたが、そういったこともかかわってくる。調理場によってそれほど利用状況に違いはないという話でしたけれども、私が事前にいただいた資料では、矢高で22.4%、自校方式の上郷が34.1%、この差をどう見るか、大きいと見るか、小さいと見るかはあると思うんですけど、やっぱり小規模であれば、今の肉じゃがのジャガイモの例をとってみても、入手がしやすい、確保しやすいという面があるのかというふうに考えております。 それで、現状、大きな調理場と小さな調理場、いろいろあることは認識しているんですが、それを踏まえた上でも、地元食材の利用について今後どういうふうにしていくのか、拡大をされるのか、大きいところと小さいところとではやり方等違ってくるとは思うんですが、その辺のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育次長。 ◎教育次長(小林正春君) それぞれの調理場の利用実態については、議員からお示しいただいた数字のとおりということなんですが、やはり食数によって対応の状況に若干の差があることも事実でございまして、一番は各それぞれの調理場ごとで生産流通のルートを確立することが重要かなという認識を持っておりまして、このための仕組みづくりをするということが重要なことかなという考え方を持っております。 また、具体的に調理場の現場におきましては、いろんな形の食材が入ってくることが考えられますので、調理場に補助員を配置するなどして域産域消の取り組みを推進できればという考え方を持っております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) わかりました。 私が本日お聞きしたい重要なことは、ここからさらに先であります。食育を進めるに当たってのかぎとなる、食のプロフェッショナルである栄養士や栄養教諭の配置についてです。 この問題は、昨年の6月定例会一般質問において、伊壷敏子議員からも同様の質問がありまして、このときは市長がお答えになっています。県の栄養教諭との関係の中で、そういったことを検討していく必要があると思っているところでありますとお答えになっています。 今回現場を見てきて、強く実感したことがあります。まず、矢高と上郷の比較になってしまって恐縮ではありますが、矢高がだめだと、できていないという話じゃなくて、限られた制約と人数の中で非常に努力をされております。ただ、調理場の見学に来た小学生が、ここは食品工場みたいだと言って帰っていくというお話を現場の方にお聞きをしたものですから、少しふびんだというか、子供たちと、調理されている方や矢高調理場に配置をされております栄養士さんとの距離がなかなか縮まらない。たしか2人栄養教諭が配置されているというふうにお聞きしたんですが、間違っていたら訂正してください。担当する9校の児童・生徒さんとお互い近い関係にならないのかというのは、率直に感じた点であります。 一方の上郷小学校では、ガラスを1枚隔ててすぐ先に調理師の方が見える。ちょうど当番の子供たちが給食をとりに来る時間帯も給食室の前の廊下で見ておりました。そうすると、何年何組です、いただきますと当番の子供たちが声をそろえて元気にあいさつをしてからそれぞれの教室に運んでいくといった様子でした。上郷小学校に栄養士さんが1名配置をされておるんですけれども、調理師さんと手分けをして、年に何回か全部の教室を回っておられると。それで食の大切さなんかを直接子供たちに話もしている。あと例えば、高学年であれば、みんなが喜ぶ給食のメニューを考えてみるようなことも、これは担任の先生も協力して、学校ぐるみで取り組んでいるというお話をお聞きしてまいりました。一つ一つのクラス単位で見れば、年間2時間とか、授業時間数にすればそれぐらいになるんでしょうけれども、そういった体制を学校ぐるみで応援してとれているということが本当にすごいことだというふうに感じました。余りにも感動して、学校にあった献立カレンダーをいただいてきてしまいました。懐かしいものですね。 献立表でありますが、これ、裏に何が載っているのかといいますと、大きいパネルにしてお見せしたら本当はいいんですけれど、それができないので、ちょっと読みます。読書旬間中は、給食でも物語を楽しみました。11月29日から12月10日までの読書旬間にあわせて、給食には物語に出てくる食べ物や料理が登場しました。その内容を少しですが紹介します。ぜひ「ぐりとぐら」シリーズの絵本を手にとって、一緒に楽しんでくださいと書いてあります。その下には、ぐりぐらのカステラ、ぐりぐらのキッシュ、カボチャのドーナツ、給食にも出したようですが、そのつくり方のレシピまで載せておるようです。この献立カレンダーをもとにして、子供たちがうちに帰っても親御さんと一緒になって自分でもつくってみたい、そんな子供たちの願いにこたえて、給食と家庭を結ぶかけ橋にもなっている、私はそういうふうに感じました。表の献立、これは1月の献立表なんですけれども、大事なことが書いてありまして、1月の食育目標は「感謝して食べる」だそうです。1月は、お正月に食べる料理や材料を使った献立を多く入れました。それぞれの料理に込められた願いを調べたり、考えたりするのもおもしろいですねという意識を持って給食をつくっているし、子供たちに接しているということが現場を見せていただく中で本当にわかりました。教育長、どうでしょうか。こういったことも大事な食育だと私は感じております。 なかなか大規模な調理場でここまできめ細かなことはできないかもしれませんけれども、こういう仕事のできる栄養教諭であるとか、栄養士さんをもっと多く配置する気はありませんか、どうでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 栄養教諭につきましては、現在市内2名配置をいたしておりますけれども、今議員御指摘のような形で食育が叫ばれる今日でございますので、できるだけ多く配置していただければ大変うれしいということで、機会があるごとに県の方へはお願いをしているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) ぜひ前向きに検討していただいて、子供たちに夢を与える給食となるように努力をお願いいたします。 2点目の質問に移ります。 全国一斉学力調査についてお聞きいたします。 通告と順番が前後いたしますが、あらかじめ御了承いただきます。 私どもの会派と市民有志の皆さんで、2月16日に全国学テの市内全校参加をしないようにということを教育委員会に申し入れを行いました。申し入れに至る経緯ですが、事の発端は1月21日、学校教育課長を会派にお呼びいたしまして、来年度の全国学テの実施方針についてお聞きをいたしました。本年度と同じ抽出方法にて実施をする旨の回答があった。ところが、その数日後、とある信頼できる筋より、抽出校以外でも全校で希望利用によって学力調査を実施する。ついては、コールセンターより学校名、対象児童数等の確認の連絡があるので対応するようにという依頼文が、1月18日付で市教委から各学校長あてに通知されているというお話を聞きました。それを受けて、全校参加なのか再度市教委へ尋ねたものの、予算が決定していないことを理由に明確な回答は得られませんでした。 ここでいう予算とは、抽出校以外の希望利用の学校の児童・生徒が受けたテストの採点に係る経費を県と市がそれぞれ2分の1ずつ負担をするという方針のことだと思われますが、予算についてはこれから審議なので、この部分は触れなくて結構ですが、採点に関する経費がどうなるのかわからないにせよ、市教委が全学校にあてて学テ実施の依頼文をどういった意図で出したのかという問題を私たちは認識をしたわけであります。 2月16日に申し入れを行った中で、教育長、学校教育課長と懇談をする中で、依頼文について質問をしたところ、校長会の決定であり、市教委にはよくわからんという趣旨の内容でありました。ここまでの経緯について、以上が私の認識ですが、教育長の認識はどうでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 今、議員がおっしゃられますような経緯は確かにございましたが、いわゆる校長会が決定したからその内容はわからんというふうなことは、私の方で発言をしたかどうかちょっとあれでございますが、議員がおっしゃられますように、この全国のテストは悉皆調査でございましたが、途中で政権がかわったこともありまして、抽出調査ということになりまして、その後、私どもも今年度は抽出調査でいくのかなと、こんなふうに思っておりました。 そこで、学力問題につきましては、国も、あるいは県も、非常に敏感にとらえております。その中で、しっかりしたデータをもとに教育展開をしていただこうということでありましょう。いろいろな検討がなされる中で、希望する学校等につきましても申し出てくださいというふうな文書が参りまして、そのことについて来た文書を、各学校の方へ準備段階ということでお流ししたということでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) あまり先走られると困るんですが、校長会の決定とされる部分についてまずお聞きをしていきたいんですが、市内全校長が希望利用による参加を表明したかというと、どうやら違うのではないかと思っている。県教委が招集する県校長会が1月17日に開催されており、その県校長会後に飯田市の関係の校長会が開かれて、全校で希望利用する趣旨のことを立ち話程度の会話の中で耳にしている校長がおります。その1月17日の県校長会後の校長会は、市内各学校の意思を確認するような話し合いが持たれた場ではなく、希望利用で全校やることになったのでよろしく頼むというニュアンスの報告を受ける雰囲気であったというふうに聞いております。全校長の意向を調査したり、学校現場の声を聞くような会議は開催されていないし、そればかりか、前日の1月18日に各学校にあてた依頼文においても、2月校長会で正式決定するという記載があります。つまり、市教委がこれまで繰り返し言ってきた校長会の決定なるものは、私たちが申し入れを行った段階では存在していないということになるんじゃないかと思うんです。 それと、お聞きしたいところはここなんですが、県教委から市教委へ、県教委の学力向上検討委員会が、学力向上事業の学力向上構築プログラムと連携した形で学テを位置づけたPDCAサイクル支援事業として学テを実施するといった内容の通達、もしくは報告など、何らかのアプローチが県教委からありましたか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) いわゆる全国学テにつきましての依頼といいますか、準備段階が必要でございますので、それぞれの県の方でも希望調査をするという段取りの中で、いわゆるアプローチといいますか、こういう方向で考えているという通知は当然来ているわけでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 全校参加をするということを、県教委に飯田市の方から報告をしたのはいつでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) これにつきましては、私の方から校長会長さんの方へ、ことしの全国学テについては、市とすればどのようなお考えでしょうかということでお願いをし、そしてまた御返事をいただいたのが、2月18日の第5回校長会において、教育委員会から各学校の判断に任すべきとの意見があることを踏まえまして、方向性を示していただきたい、そんなお話もして、いわゆる県の方へ報告しましたのは2月28日、いろんな国・県の事業をする調査への回答、これが県への報告に当たるところになると思います。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 前回お話を直接したときはその日付じゃなかったと思うんですが、何か変わったんですが。1月7日じゃないんですか。 ○議長(中島武津雄君) 木下学校教育課長。 ◎学校教育課長(木下浩文君) 2月16日にお話をさせていただきましたときには、たしか1月7日というふうに回答させていただいております。これは、県の方から希望はあるかというふうな依頼文の中で、事前に全部の学校が希望しますというような形でとりあえず進めさせていただくということで御報告申し上げたのが1月7日ということでございます。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 何か釈然としませんよね。 実は1月7日の段階では、抽出校以外も含めて希望利用でやるという方向は形づくられていたと見ることもできるんじゃないかというふうな感じを受けます。見方によってですよ。県教委の強い意向に市教委が配慮をしたと見られても仕方がない部分もあるんじゃないでしょうか。市教委の自立性とか主導性というものをどのように考えておりますでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) この問題は、いわゆる教育問題にいろいろ取り組む場合に、国、県、そして市というふうにいろんな施策がおりてまいりますけれども、その施策を市教委としてはどのように理解し、どのように現場の先生方におろすというかということにつきましては、絶えず現場の先生方の、あるいは学校現場の意向も伺いながら、そしてまた市教委の考え方も明確にしながら今までやってきているつもりでございます。ということでございますので、今回のこの問題につきましても、私どもから校長会の方にこういう方針で全校でやってくださいとか、そういうふうなことは一切申し上げておりませんで、校長会のそれぞれの検討の委員会がございますので、そこで検討をして、そして校長会の方で報告し、その結果について私の方へ報告があったと、そんなふうに理解しております。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 飯田市においては、本年度は抽出校プラス希望利用6校のみで、来年度についても抽出校以外は希望により実施というのが表向きの方針でありますよね。仮定について今お話しいただいたんですけれども、学校ごとに自主的な判断ができること、それと1月18日の依頼文は強制を意図するものではないというのは今お答えいただいたとは思うんですが、これは市教委の立場としては明確なものであって、2月の校長会であるとか、しかるべき場所でその方針は徹底されているんでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 先ほども申し上げましたように、2月18日に出しました文書の中にもその意思を伝えたつもりでございますが、学校現場でのとらえ方も若干温度差があったかというふうに思いますけれども、先ほども申し上げましたように、各学校の判断に任せるべき、そういう意見もあることを踏まえまして、指示を出したところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) それでは教育委員長に伺います。 全国一斉学力調査に対してどのような御所見をお持ちでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小林教育委員長。 ◎教育委員長(小林正佳君) お答えいたします。 日々の学校で行われている教育活動について、特に学力の定着とか学習状況を的確に把握するということは、子供たちの力をつける上で、学校に課せられた責務であると、そんなふうに思っております。 そこで、来年度飯田市の教育委員会では、文部科学省が実施する、先ほど問題になっておりました全国学力学習状況調査を抽出校以外にも希望校には実施費用を補助するというものでございますが、それは現場の学校で採点に大変な時間がかかる、そういうことを何とか軽減しようというものでございます。 そして、この調査は、利点としますと三つあるかというふうに思います。一つは、この調査結果を累積することによって、日ごろの先生方の学習指導を見返す契機になるということが1点目。それから2点目に、自分たちの学校の子供たちは全国に比べてどういうところにプラス面があり、どういう点が問題点になるかと、それが2点目でございます。それから3点目とすると、子供たち一人ひとりがどういうところが伸びているか、どういうところをもう少し伸ばしたらいいか、一人ひとりに返していくという、そんな点での指導の決め出しができるので、大変重要かというふうに考えております。 しかしながら、学力の一断面でございます、この調査は。それが点数のみがひとり歩きしまして、他の市町村と比べてとか、他の学校と比べて、その比較に一喜一憂することだけはないように最大限の配慮をしていかなければならないと、そんなふうに考えております。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) 今おっしゃられた問題点、そのとおりだと思うんですよ。 ちょっと時間の都合があるので幾つか飛ばしますけれども、全国学テ、最初は悉皆調査でやられて、その後で抽出になったわけですよね。悉皆と抽出で問題点も違ってくるのかというふうに思っていまして、全員参加だと、今おっしゃられたような序列イメージであるとか、学校によってはテスト向けの勉強をさせなければいけなくなってしまうとか、全体的な傾向をつかむのであればサンプル調査で十分であるという意見も、悉皆当時は御意見としてあった。そういうさまざまな悉皆調査における問題点というのが指摘をされましたよね。 悉皆から抽出に変わった経緯は、国の方の事業仕分けで、お金の面だけで変わったというのが印象で、こういった悉皆調査における問題点を認識した上で変わったのではないことは事実ではあるんですが、とはいうものの、悉皆調査ではこれだけの問題に念を押されておると、教育委員長もそれも認識されているような印象は受けました。しかしながら、なぜ希望利用でありながら全校で実施するというような方向になってきたのかというのが、これはどうも私は釈然としません。そのことについてもう一回、さっきと重複になるかもしれませんが、教育委員会のお考えをお聞かせいただきたいのと、それと、抽出の分は国で集計しますよね。でも、希望利用された分は飯田市教委には全部データが集まってくるわけですよね。そのデータの取り扱いについて、どういう取り扱いになるのかもお答え願います。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 全国学力学習状況調査が、先ほど委員長も申しましたように、過度の競争といったことにならないようにということで、それぞれ全国の都道府県の教育委員会等々にアンケート等を国の方では調査をしたようでございますが、そのデータを見ますと、7割くらいが全員参加の復活を要望しているという現実もあるわけでございます。学テの意義等については、先ほど委員長が申し上げたとおりでございます。私もそのような認識を持っております。 それから、出てきたデータにつきましては、すべての学校のあれは飯田市教委の方へ参ります、受けた学校は。それをどのように扱うかということは、今までと変わることはございませんので、市教委と、そしてまた校長会の中に学力を検討する委員会がございますので、その委員会で検討をいたしまして、市としてはどういう学力の傾向であった、じゃあこれをどういうふうに学校現場におろして、それぞれの学校でどんな授業展開にそれをおろしていくかを検討し、実践をしていく、そういう予定です。 ○議長(中島武津雄君) 内田雄一君。 ◆7番(内田雄一君) わかりました。 過度に競争をあおることのないように、これは絶対にお願いを申し上げておきます。 学力向上については、これだけ大がかりなテストによる調査ではなく、市教委が学校と緊密に連携をする中で必要な対応をしていくということが一番必要ではないかというふうに感じます。 小1プロブレム、中1ギャップといった問題も先ほど来議論になっているところでありますが、不登校などの問題にも対処できる小中連携等の飯田市に合った義務教育の形、そういったことを飯田市教委の方も相当な問題意識を持っておられるということは、私どもも見ていて理解しているところでありますので、そういった点ともあわせて、子供たちや教員に負担にならないような指導力の発揮をお願いしたいということです。 終わります。ありがとうございました。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、内田雄一君の一般質問を終わります。 会議の途中でございますが、ここで暫時休憩といたします。     15時02分 休憩-----------------------------------     15時15分 再開 ○議長(中島武津雄君) 休憩を閉じ会議を再開いたします。 それでは、次の一般質問を行います。 福沢清君。 △福沢清 ◆6番(福沢清君) 会派みらいの福沢清でございます。 中央政界では、国民の期待を担った政権がそれにこたえることができず、混迷を続けています。政権交代に携わった者として無念な気持ちです。 来月に県会議員選挙を控え、議員と首長のあり方も話題に上っています。私たち議員は、市民の皆さんの声に真摯に向き合うことで、少しでも市民と議員の幅が少なくなり、また理解し合うように近づく努力をしなければならないと感じるところであります。 さて、3月議会は、新しい年度の予算が論議されるときです。予算が市民生活にとってどのような影響があるか。今までの現金の収支だけでなく、市民の、また市全体の財産がどうなっているのか、どのように運用されていくのか、こういった会計制度も一昨年から新しくなったようですので、それについて質問をさせていただきたいと思います。 また、住民基本台帳カードや、それに関連して今話題になりつつある自治体クラウド、さらに昨年3月にも質問した(仮称)低炭素社会基本条例、その後についてもお聞きしたいと思います。 まず最初に、新しい地方公会計制度による飯田市の財産諸表について伺います。 今までは、予算・決算で収入・支出だけが明らかになっていましたが、この新しい会計制度では、飯田市の財産、また純資産の変化、変動が明らかにされています。また、一般会計だけでなくて、下水道事業や病院事業、介護保険事業など特別会計が全会計連結となっています。 また、それとは別に都市開発公社、飯田清掃株式会社などが関連団体として会計が連結されています。この制度は一昨年からできて、昨年12月に平成21年度の財務4表がホームページで公表されたものであります。民間企業では、この表で計算されていたものであります。一般家庭に例えれば、毎月の家計簿だけでなくて、その家の財産のあり方、土地の問題だとか、そういった問題についても明らかにしていくということだと思います。それによって、飯田市の将来のあり方も議論できるようになった、画期的なものだというふうに考えています。 したがって、こういった財務諸表についてわかりやすい解説と、例えば飯田市の広報などに掲載することが必要だと思いますが、これについていかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 飯田市では、平成21年度から公会計改革によります財務諸表を作成しておりまして、22年度におきましても、各表の開設や指標を掲載した小冊子を作成いたしまして、12月に公表をしたところでございます。 地方公共団体の活動は、一般企業の経済活動と異なりますので、財務諸表につきましてもわかりにくい面もあろうかと思います。そういう点は事実だと思いますので、わかりやすい説明ができるように検討していかなければならないと思っております。 また、広報の3月15日号におきまして、貸借対照表の解説を掲載できるように準備を進めておるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 現在の会計制度は非常にホームページだけでわかりにくいというか、情報公開が十分だとは言えないと思います。同じような都市との比較とか、去年とことしの比較とか、そういったものも含めて、ホームページ、それから広報などを通じてPRをしていただきたいし、解説版とか、予算については概要もつくっていらっしゃるので、そういったものについても検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 先ほども申し上げましたが、財務諸表、確かにわかりにくい面もあろうかと思います。ただ、始めてまだ2年が経過したところでございますので、これから各年度の蓄積を見ながら、できるだけわかりやすい説明に努めてまいりたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) いずれにしても、私たちにも、市民の皆さんにも、なかなか取っつきがにくいところだと思いますけれども、ぜひわかりやすい情報公開を広くしていただくようにお願いしてまいりたいと思います。 2番目として、この新しい会計制度について、いろいろと計算の仕方のモデルがあるようでありますが、総務省改訂モデルとか、飯田市で使っている基準モデルとか、総務省のモデルの場合は全国で85%の各市町村で使われているし、飯田市の基準モデルはまだ10%ぐらいしか使われていないということですが、このモデルを選んだ理由についてお尋ねしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 財務諸表には、議員御指摘のように、総務省方式改訂モデル、それから基準モデルの2種類がございます。この大きな違いは、資産評価の方法が違うところでございまして、総務省方式改訂モデルでは、過去の支出額の積み上げ方式をとっておりますので、どうしても現在の価値とは若干異なってまいります。 これに対しまして基準モデルでは、現在価値でもって資産を評価するという方法をとっておりまして、私どもが基準モデルを採用いたしましたのは、今申し上げましたように現在価値で資産が把握できるということ、それから将来的にこの活用範囲が広がっていくのではないかと想定をいたしまして、基準モデルを採用したところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) この財務諸表について、現在でどのような分析をしているのか、またその活用方法についてお尋ねしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 財務諸表を作成するようになりまして、まだ2年目でございまして、現在におきましては資産と負債、行政コスト等の現状を把握するところにまだとどまっている状況であります。 今後の活用につきまして、今考えておりますのは特に資産の把握、評価の結果を見まして、公共施設の長期的な維持、あるいは更新、改修等の計画に活用できないかということを考えておりまして、これは将来的な財政見通しを立てる上でも重要な要素になりますので、そうした面で具体的な方法を検討していきたいと考えているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 理解しました。飯田市の採用している基準モデルというのは、現在の固定資産をすべて洗い直すというような特徴があると聞きます。それに対して総務省のモデルというのは、今までの計算だけである程度の諸表ができるというふうに聞いていますので、私は今の基準モデルをした方が、よりこれからの財政についてもわかりやすいんじゃないかと思いまして、ぜひこれを推進していただきたいと思います。 全国では、まだ10%と採用されているのが少ないかと思いますけれども、ぜひこれを進めていっていただきたいと思いますし、今後の基本構想の基礎になると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。 それでは、平成21年度の財務諸表の詳細についてお尋ねしたいと思います。 平成20年度の全会計貸借対照表では、全資産の中で純資産の占める割合が57.8%、21年度では58.86%ということで1%、金額にすると36億5,000万円くらい多くなっていると思います。純資産というのは、市の経営の中でためてきた資産というふうに理解していますが、全資産の中で57%、58%というふうに1%ふえているわけでありますが、これについてどのように分析しておられますか。
    ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 資産の数字については議員御指摘のとおりでございまして、前年度と比較して1ポイントほど上昇いたしております。これは、裏返しますと将来世代が負担する負債の割合が減ったということになるものであります。 増加の理由でございますけれども、繰り上げ償還ですとか、起債発行額の抑制ということをずうっと進めてまいりまして、その結果ということが一つございます。それが負債が減少したことになっております。 それから、ここ数年の傾向でありますが、国の経済対策等によりまして、資産形成に対する国の補助金が増加してきているということも一因として負債が減少した理由なのかなと見ているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) ただいまの分析で受けとめました。 次に、国や県など、こういうものに対する基準というのは現在あるんでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 純資産比率ですとか、裏返しますと負債の比率等につきまして、このくらいにしようとか、この辺が水準であろうとかという国・県等からの指標みたいなものはまだ示されておりません。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) いずれにしても、これはまだ新しい制度でありますし、今のパーセンテージについても、どういうように資産がなっていくのが一番理想的なのか、そういうことについても一緒に考えてまいりたいと思います。いずれにしても、市民の皆さんにこういう点も明らかにしていただきたいと思います。 同じ貸借対照表の中で、財源の残高が20年度に比べて6億4,000万ふえているという結果になっておりますが、21年度に市民の皆さんに負担していただいた税金が将来に繰り越して有効に使わなかったという議論もあるんじゃないかと思いますが、その辺について説明をしていただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 貸借対照表の財源が増加をしているという御指摘でありますけれども、これは経常的な経費ですとか、道路改良等の資産形成に使った経費の合計が市税等の収入の範囲内だったということを示しております。残った財源が通常の決算に置きかえれば繰越金になったということになるわけでありますけれども、残った繰越金が余りに大きいということでありましたら、調達した財源の割に行政サービスが少ないのではないかという議論もあろうかと思っています。 どの程度が適当かということは特に指標があるわけではございませんけれども、例えば21年度を見ていただきますと、調達した財源がおよそ580億円程度でございます。そうした中で、その残余が6億円ということで1%程度ということでありまして、適当な範囲の中にあるのではないかというふうに今は認識をしているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) わかりました。このことも市民の税金がどういうように繰り越されているか、また今後どういうように使われていくか、非常に大切なことだと思いますので、ぜひわかりやすく説明していただくとともに、今後どのくらいの金額が残ったら将来一番いいのかなということも研究していきたいと思います。 続いて、平成21年度の全会計行政コスト計算書についてお尋ねします。 支出の多い順番から三つほど例を挙げさせていただきますけれども、それについてふえた理由等をお尋ねしたいと思います。 初めに、補助金等移転支出というのが17億5,000万余りふえていますが、これの主な理由というのはいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 議員御指摘のように、経常費用の中では移転支出のうちの補助金等移転支出が一番大きく、17億円ほど増加しております。この中身でありますけれども、これは国の経済対策の一環として実施されました定額給付金がございました。それがおよそ17億円ということで、これは21年度の特殊的な要因かなあと見ているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 続きまして、人件費が5億8,400万円余りふえていますが、これは前の年に比べて10%余り多くなっていますが、これの理由等はいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 全会計の連結でございますので、普通会計等におります一般職員ばかりではございません。企業会計、病院等も含めましての全体の職員、それから臨時職員も含めてそれだけの増加があったということでございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 続いて、委託費が4億余りふえていますが、これの内容についてお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 委託費の増加の要因でございますけれども、さまざまな内容を含んでおりますけれども、主なものを申し上げますと、妊婦健診の委託事業が充実されてきているようなこと、それから、市民バス等の運行委託等も充実されて増加してきていることが大きな要因でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 今の説明については、了解させていただきます。 いずれにしても、これ以外についても一般会計の方は説明がある程度ついていますが、説明をホームページでもしていただいた方がいいのではないかと思います。 次に、純資産変動計算書というのがあって、この中に開始時の未分析残高ということで、ちょっとなじみのない言葉なんですけれども、この財務諸表をつくる前に今までの資産がどうだったかということだと大ざっぱに思ったんですけれども、これが28億7,300余あるんですけれども、これの計算根拠等についてお尋ねしたいんですが。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 今御指摘の開始時未分析残高という概念でありますが、これは基準モデルの特徴の一つでございまして、この財務諸表を作成いたしましたのが平成20年度からでございまして、20年度以前に飯田市が取得した資産の財源となったものについて、例えば市税でありますとか、国・県からの支出金でありますとか、そういうものを過去にさかのぼって全部を分析することは不可能でございまして、この基準モデルではそれらをすべてまとめて開始時に分析残高という形で表現しているものでございます。この計算式は、開始時、いわゆる平成20年の開始のときにあった資産の合計から負債の合計を引いた額を開始時未分析残高として一括して計上するものでございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これらについては、理解させてもらいました。 いずれにしても、先ほど申し上げましたように、ホームページでこれらについても明らかにしていただければと思います。 続いて、平成23年度の予算では、21年度、22年度の決算を踏まえてどのような財政状況にしていくつもりなのか。全会計について、考え方を明らかにしていただきたいと思います。 一つは純資産比率、一つは財源。財源の方は平成21年度では18億余になっていますが、これについて今年度の予算の中で明らかにできるところはしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 公会計制度改革によります財務諸表につきましては、私ども一般会計を含めまして、各特別会計が現金主義の単式簿記で計上しておりますけれども、それらの予算執行の結果を一定のルールで複式に置きかえて作成しております。ですから、企業会計のように予算段階から実際に複式で作成して執行しているというものではございません。 予算段階から複式基調で予算書を作成しております。そういう状況でありましたら23年度末の全会計を連結した予定貸借対照表等も作成することは可能かと思いますけれども、今のところそのような状況に至っておりませんので、純資産比率につきましても、財源の見込みにつきましても、現在では試算した数値を持っておりません。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これは全会計ですので、一番初めに申し上げた幾つかの会計制度がそうなれば、将来はこういう全会計連結ということもできるというふうに考えてよろしいわけですか。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 御指摘のように、すべての会計が複式の考え方で予算ができるようになるとすれば、連結をする形で予定の貸借対照表なりを作成することは可能になるかと思います。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) いずれにしても、基本構想を推進していく中でも、財源がどうなるかということが一番根底になる問題でありますので、ぜひ長期的な財政運営という中でも、この財政制度、皆さんにも情報公開をして、またわかりやすい解説もしていただきたいと思います。 飯田市の場合は、私が勉強させていただいた範囲では、非常に先進的な会計モデルを採用して財務諸表もホームページで公開しているということで、そういう点ではすばらしいと感じています。いずれにしても、財務のことはいろんな施策の基礎になるということでありますので、自信を持ってこれからも、大変でしょうけれども頑張っていただきたいと思います。 次に、住民基本台帳カードについてお尋ねしたいと思います。 略して住基カードと呼ばれていますけれども、平成15年8月からスタートして、インターネットでいろんな申請ができる電子自治体の基礎になるものというふうに考えてよろしいでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 住民基本台帳カードについて、住基カードというふうに略させていただきますが、今議員からお話がありましたとおり、電子化の一つの道具として始まった制度でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これからのIT社会を考えると、これの利用の推進をしていかなければいけないというふうに思うわけでありますけれども、飯田市は今10万5,000人くらいだと思いますけれども、住基カードというのは、今のところ何枚くらい発行されていますか。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 平成23年1月末現在でございますけれども、2,540枚ということでございまして、普及率にしますと2.42%という状況でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 私が勝手にホームページ等から計算させてもらったところでは、大体全国的には4%ぐらいだというふうに計算させてもらいました。今お話をいただきましたように、飯田市の方は2.4%ぐらいということで、こういう状況についてどう思いますか。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 今お話がありましたように、長野県の普及率からしましても、県内の普及率が3%程度でございますので、それに比較しても低い状況があるということだと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 現在の飯田市での住基カードの使い道というのはどのようなものでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 現在、住基カードにつきましては、写真つきのカードにつきましては、身分証明書として使用ができることになっております。印鑑登録をされております方につきましては、印鑑登録証にかえて住基カードで印鑑登録証の交付申請書に添えて申請ができることにもなっております。それから先ほど議員さんの方からお話がありましたように、確定申告の際に電子申請をする本人証明ということにも用いられております。以上でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) ほかの市町村の住基カードの使い道としては、図書館カードとか地域通貨、ポイントカードなどありますが、飯田市としては、これから利用の仕方を拡大していくことについてどう考えていますか。 それと、2月の初めに報道されたのですが、上伊那地区では伊那市、駒ヶ根、辰野、箕輪、南箕輪、宮田の6市町村が、住民票とか印鑑登録証明書が住基カードを利用してコンビニでの取得を始めたようでありますが、飯田市として先ほどの利用の拡大の問題とコンビニでの取得、それについてはいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 電子自治体の推進、これは窓口サービスの拡充にもつながる話ということで、平成20年度に策定した飯田市の情報化基本計画2008にも、そうした推進によって市民の皆さん方に便利になったと実感できるような事業をつくっていく必要があると考えているところでありまして、費用対効果は当然配慮しなきゃいかんところでありますが、今お話があったようなコンビニなどで住民票の交付サービス等を考えていけないか、そういった活用を考える時期に来ていると思っている次第です。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 市長の答弁に補足をさせていただくような形になりますが、平成22年度につきましては、運転免許証を持たない高齢者の身分証明書として活用いただくということで、地区の敬老会とか文化祭など、そういった行事に合わせまして、市内の5地区に職員が出向きまして200件余の発行をさせていただいたということで、交付促進の努力もしているところであります。今後につきましては、今市長のお話にありましたように、普及拡大につながる事業を行うとともに、先進事例を参考にしながら市民サービスの向上ができるように検討してまいりたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 財団法人地方自治情報センターというのがあって、上伊那の方ではコンビニの利用について、ここからの財政支援を受けたと伺っております。飯田市では先ほどの計画の中で、証明書自動交付機の計画があるようでありましたけれども、上伊那では交換の時期に来ているということで1,000万円くらいかかるということなんですよね。ですから、そういうものの費用対効果も十分考えて、住基カードの拡大についてもぜひ推進していただきたいと思いますが、再度、財政の面についていかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 自動交付機とかコンビニで住民票を交付するために、データベースを整えたり、システムの構築ということで多額の経費がかかるわけであります。事業を実施するに当たりましては、そういった国の助成制度を活用してまいりたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 市長からも前向きな答弁があったというように受けとめました。これについては、将来国の方では社会保障カードとか、外国人に対しても住基カードを発行できるような検討も現在されているようでありますので、ぜひこれについては推進、また使い道の拡大というものをやっていっていただきたいと思います。 住基カードの使い道を拡大することによって、個人情報保護の問題がいつも取りざたされるわけでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 小西市民課長。 ◎市民課長(小西盛登君) 住基カードの申請のときですけれども、本人に成り済ましてのカード取得を防ぐということで、運転免許証など、写真つきの公的機関が発行したものを提示していただいて、本人確認を行って申請の受け付けをしているという状況でございます。 それから、住基カードを実際に使うときでありますが、本人が定めました暗証番号が必要になるということで、第三者が不正に利用できない仕組みになっているというところもございます。 それから、運用システムにつきましては、専用の回線を使用しておりまして、不正接続の防止対策など、個人情報の保護と安全確保のための措置がとられております。自治体の職員につきましては、罰則つきの法的な規制もかかっているという状況でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 今の個人情報の対策については、テレビ等でも報道されているように、情報の保護という問題は追いかけっこみたいなもので、対策に終わりはないと思いますので、ぜひ万全を期すという気持ちで取り組んでいただきたいと思います。 また、今お話がありましたけれども、高齢化社会になると車の免許も持てないという場合もあります。そういう場合は、その人の身分を証明するものは、住基カードのほかにはなかなかないんじゃないかと思います。そういう意味で、ぜひ施策の推進と、さらなる拡大を心がけていただきたいと思いますので、お願いいたします。 次に、自治体クラウドについてお話しさせていただきたいと思います。 今、クラウドコンピューターとか、あるいは自治体クラウドというものが新聞紙上をにぎわしていますけれども、直訳すると、クラウドというのは「雲」というふうに言うそうであります。現在のコンピューターシステムのいろんなシステムを大きく変えるもので、個々の端末、文書ファイルとか、動画データをつなぐということはなくて、インターネットの向こう側の他人のコンピューターに任せるというもので、他人のコンピューター、イコール、雲というふうに解説されている部分があります。 このシステムを生かして、2009年度からは自治体クラウドの開発実験というものも行われているようでありますけれども、ことしの4月には150以上の地方自治体でも主な業務に運用されているようでありますが、飯田市として、今の時点の自治体クラウドに対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) クラウドコンピューティングというのは、今議員の御説明がありましたけど、データやソフトをインターネット等のネットワーク上で活用できる情報システムの利用形態であり、近年民間事業者においてその導入が進んでいると思っておりますし、私たちもこの仕組みを余り意識せずに日ごろ利用していると思っています。 このシステムは、自治体でも利用価値が高いものとして総務省などでも検討されておりますし、お話の自治体でも検討されておりますけれども、まだまだ課題もありますので、飯田市としては今後の動向を注視して情報収集、研究を進めていきたいという段階でございます。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 個々のコンピューターにつながるソフトウエアを持たないということで、行政のコストも大幅に圧縮されると聞いています。具体的には30%から50%の経費削減につながると聞きますが、この財政についてはいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 私もまだ詳しくは自治体クラウドの状況というのは承知していないんですが、一般的な民間で使われているクラウドの様子を見ますと、自治体クラウドについても経費削減とか職員の負担軽減という効果が考えられると思います。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 個々の自治体でも、どの程度コンピューターが使われるとか、そういうものも違うと思いますので、ぜひこれからの研究課題としていただきたいと思います。 次に、自治体クラウドの内容について若干お話をさせていただきたいと思いますが、自治体クラウドを使って住民データとかそういうものをやった場合の障害は、どういうものが考えられるか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 先ほどの住基カードのところでも出てまいりましたけれども、自治体の場合は住民のデータ、個人情報が扱われますので、十分な安全対策とかセキュリティー対策が必要だと思っております。 この自治体クラウド推進に向けては、平成23年度に総務省において相互運用性を確保するための共通ルールの構築とか情報セキュリティーの確保、向上等について整理を行っているということでありますが、そういったところから課題が明確になってくるのかなと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これについては、戸籍法で戸籍というのは自治体に置かなければならないという規制もあるようでありますので、今後も研究を続けていってもらいたいと思います。 続いて、医療部門については遠隔診断、通院が困難な人の健康管理、いろいろできるというメリットもあると聞きますが、この部門についてはいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 遠隔医療支援クラウドというものの提案は、平成21年12月24日開催の第4回へき地保健医療対策検討会で提案されたとお聞きしておりますが、医療部分についても、今後さまざまな技術開発がされて活用されてくるのではないかなと思っております。インターネット上ではないと思いますけど、飯田・下伊那5病院でも地域連携サーバーを設置して、診療情報の共有化システムを進めているということですし、また県全体でも信州大学が中心となって検討を進めていっているというようなことがありますから、今後進むのではないかなと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これは、医師法で対面医療が義務づけられているという制約を聞きましたけれども、こういった遠隔地で医療ができるという点については非常にメリットだと思いますので、ぜひこれについても研究を重ねてもらいたいと思います。 また、私自身もすべてを理解できるものではありませんけれども、このクラウド、電子自治体、さきの住基カードといったものについて、電子自治体ということが今後だんだん進んでくると思うんですけれども、こういうところについて、人材育成というのは飯田市ではいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 先ほど市長からも答弁を申し上げましたけれども、飯田市情報化基本計画の方で、クラウドコンピューティングだけではなくて、そういったことを進めるということでありまして、日ごろそんな研修等も積んでいるつもりでありますけれども、こういったことを進めていくには人材育成は必要だと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 政府の方では、全家庭にパソコンという構想もあるようで、自分たちの予想を超えた速度でいろんなシステムが考えられているわけです。それに対応するには、自治体でも体制が必要だと思います。ぜひ自治体クラウドについては、研究もしながら、コストの計算とか、そういうものもしていただきたい。今お話のあった人材育成等もお願いしたいと思います。 最後に、がらっと変わりまして、去年の3月のときにもお話を申し上げましたが、低炭素社会基本条例についてお尋ねしたいと思います。 これについては、ちょうど1年前に質問させていただきましたが、このときは当初の予定どおり条例策定というのは進めていくというように受けとめましたけれども、現在もその方針について変更はないでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この低炭素社会基本条例につきましては、1年前にも議論させていただいたところでありますが、国の温暖化対策基本法をにらみながら、この地域におけます低炭素社会をどういうふうにつくっていくかということをしっかりと議会の皆さんや住民の皆さんと一緒になって考えて、それをやっていきたいということで取り組んでいく方向性を出させていただいたところでありますが、御案内のように、今年度、一番もとになると思っておりました国の温暖化対策基本法が廃案になっております。 そうした中、条例制定に向けての準備というものも進められなかったところが正直あるわけでありますが、これまでも議論させていただいたとおり、この低炭素な地域づくりというのは、この地域にとりまして、非常に重要な課題であるととらえております。 来年度におきましては、21’いいだ環境プランの第3次改定や、あるいは予算にも盛らせていただきましたロードマップの策定といったようなこともあるわけでありまして、そうした中で条例につきましても検討を進めていければと思っておるところであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 今の市長の答弁では、予定どおりはできないと、飯田市において低炭素社会基本条例というのは、国の法律にもかかわってくるということで、予定では今年度制定というふうになっているわけでありますが、それはできないということで受けとめてよろしいわけですね。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) そう思っていただいて結構です。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 国の法律ができないからできないということではなくて、環境モデル都市ということでありますから、これについては時間がかかったとしてもつくる方向というのは明らかにしてもらえませんか。いかがですか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 先ほど申し上げたとおり、そういったことで経緯はあったわけでありますが、来年度につきましては、環境プランの改定、あるいは低炭素な都市づくりの中長期ロードマップの策定といったことを検討していく中で、この条例についても検討していきたいという考えであります。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) この条例をつくるときに、去年の3月のときに確認させてもらいましたけど、そのときに部長の答弁で、議会は当然のことながらさまざまな多様な主体で審議会を構成していきたいと、そういった中で、パブリックコメントを実施しながら市民参画といった機会を整えて進めていきたいというふうに答えておられますけれども、審議会の構成とか議員のかかわりというものについて、市の考え方をお尋ねしたいと思いますが、いかがですか。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) この環境モデル都市の行動計画につきましては、この短期のスパンでの行動計画が示されておりまして、23年度中に基本条例を進めたいといったような構成になっていたわけですが、今言ったような状況もありまして、来年度中の策定は難しいと考えておりますが、やはりこういった条例というのは、つくる過程が一番大事だと思っています。このプロセスの中で、こういった低炭素社会づくりにつながっていくことが一番大事かなと考えておりまして、具体的に審議会等まで進んでおりませんが、さまざまな形で市民の皆様の参画の機会を整えて進めていきたいと現在考えております。
    ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 去年の答弁の中では、議会も当然のことながらと書いてあるんですが、それというのは議員もその審議会の中に入ると、その辺について審議会と議員とのかかわりとか、そういうものも含めて御答弁いただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) 昨年の私の言い方がまずかったのかもわかりませんが、そういった審議の過程を都度議会の方へも御相談させていただきたいと、こんな趣旨で昨年申し上げたつもりでございました。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) これについては、先ほどの市長の答弁と相まって、できるだけ早急にこれについても検討していくということでよろしいですか。まだ年度は明らかにできないということでありますけれども、そうことで受けとめてよろしいでしょうか。その点はいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) 先ほど申したとおり、行動計画では23年度中に策定したいということでございましたが、こういった国の動向を見ながら、行動計画の期間内には策定していきたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) さっきとダブってしまうんですけれども、いずれにしても環境モデル都市をうたった飯田市でありますから、ぜひこれについては国の法律がどうあろうと早急に制定をしていただきたいというふうに思いますし、この計画の中では低炭素社会基金の創設、それからエコポイント制度の検討というのも、環境モデル都市計画の中では、この条例を背景にして検討をうたわれているわけですけれども、それについても検討はしていただけるのでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) 行動計画に示されたとおり、そういった制度も含めて検討してまいりたいと。とにかく飯田らしいというのを前面に出した条例づくりをこれから進めていきたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) 最近の広報活動というのを私もいろいろ見させていただいたんですが、低炭素社会ということは非常にうたわれているわけでありますが、条例ということは出てきません。広報なんかにも出てこないということであります。このことについても条例をつくればいいというものでもありませんけれども、一つのきっかけだというふうに思いまして、市民の皆さんの論議をきちんと集約するという点でも大事なことだと思いますので、環境モデル都市として環境首都を目指すというような宣言もしていらっしゃるということですから、ぜひ市民の意識の高揚というものも図っていただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 澤柳水道環境部長。 ◎水道環境部長(澤柳孝彦君) いろんな面で市民の皆さんに実際に低炭素社会づくりに一歩行動をしていただけるようなことも、この行動計画の中にあるわけでございまして、いろんな啓発活動を通じながら着実に進めていきたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 福沢清君。 ◆6番(福沢清君) いずれにしても、飯田市が一つの売りといいますか、一つの都市のイメージとして、この問題も非常に大事だと思いますので、ぜひ早急に基本条例にも取りかかっていただきたいと思いますし、この低炭素社会の実現に向けても努力をしていただきたいと思います。というものの、一つの結晶というのはこの条例の制定にもつながると思いますので、今年度は非常に難しいというふうに聞き取りましたけれども、これについてもぜひ早急に論議をしていただきたいと再度お願いして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、福沢清君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 村松まり子さん。 △村松まり子 ◆13番(村松まり子君) 公明党の村松まり子でございます。 今回は大きく2項目について質問をさせていただきます。 1項目めは、支え合う地域社会づくりについてでございます。 今、日本の社会は大きく変化してきています。血縁で言えば単身者がふえ、地縁で言えば一つの土地で暮らし続ける人が少なくなる。また、企業の終身雇用も崩れ、職縁も薄くなってきております。いわゆるきずなが急激になくなりつつある。そして、看過できないのは、縁をつくることができない人と、できている人との格差が絶望的なまでに広がっているという現実でございます。 昨年の夏、大きな社会問題となった地域から孤立する高齢者がふえる中で、地域全体で高齢者を支えるネットワークづくり、在宅で安心して暮らすことができる仕組みづくりは、地域福祉の新しい要請であります。高齢者ばかりでなく、子育てに悩む母親や、ニート、いわゆる若年無業者や、ひきこもりなどの問題を抱える若者が増加しております。 こういった希望なき無縁社会の進行を放置することなく、一人ひとりの安心・安全のために、高齢者や弱い立場の人を孤立させない、支え合う地域社会を構築し、市民が支え合って輝き、支え合う社会を願って、何点かにわたって質問をさせていただきます。 2項目めは、地域を支える公共交通についての現状と課題。 駒場沿線の空白区の解消について質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、支え合う地域社会づくりについてお伺いをいたします。 今、世代を問わず、人や地域とのつながりを持てずに社会から孤立する無縁社会が言われておりますが、市民が支え合って孤立させない地域社会を構築していくことが必要と思いますが、支え合う地域社会づくりについての市長の見解をまずお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 議員御指摘のとおり、核家族化の進行、あるいはそうした高齢化といった傾向の中で、単身世帯や高齢者のみの世帯の増加ということが急激に進行しているという状況で、いわゆる近所づき合いも非常に希薄化してきているということが言われているわけでありまして、地域社会におきましては、まさに孤立する世帯の増加ということは、社会全体に大きな問題を起こしかねない不安定要素だというようにとらえるところであります。 そうした中でやはり大事なのは、ともに助け合う、まさに支え合う地域社会づくりということで、議員からも御指摘いただいているところでありますが、いわゆる共助ですね。この仕組みをどうやって再構築していくかということになるかなと思っておりまして、実際私どもの地域は、まさに結いのまちでありまして、こうした結びつきこそがこの地域の特徴であるわけでありますから、それを生かしながら具体的な対応をしていく必要があるだろうと。例えば、災害時助け合いマップの作成なんかにおきましても、単なる非常時のために使うというだけではなくて、日ごろから地域における声かけでありますとか、どうかなというような形でお互いをちゃんと助け合いができるような状況にしておくという意味もあると思っております。 まさに、この健康ケア計画であります高齢になっても地域で安心して暮らせるための支援、そういったものにつながっていく取り組みを、私たちがしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかと思っているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) ただいま、支え合う地域社会づくりについて市長の考えをお聞きいたしました。目指すところは同じだという認識で、提案も含めて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、地域全体で高齢者を支えて、在宅で安心して暮らすことができる仕組みづくりは、地域福祉の要請であり、課題であります。そこで伺いますけれども、高齢者の地域見守りネットワークの強化について、この体制と現状はどうか。 また、地域での見守りの担い手といたしまして活躍をいただいているのが、民生委員でございます。その民生委員さんのお仕事は、最近では認知症の高齢者や児童虐待の増加など、その役割は多岐にわたっております。また、福祉制度も多様で複雑になってきておりまして、その情報を整理して支援を必要とする人に説明することが難しくなってきております。 そういった民生委員の方々への負担も大きくなっている現状がありますので、民生委員が活動しやすい体制や環境づくりのための支援が必要と思いますが、この点どう考えているのか、お聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 議員御指摘のように、独居の高齢者世帯でありますとか、2人、3人で暮らしてはいるんだけれども65歳の人たちばかりの世帯とか、そういった世帯が非常に多くございます。こうした人たちが地域の中で安心して暮らしていくためには、何を置いても地域での支え合い、助け合いが必要であると思っております。現在のところ、隣近所の人たち、それから民生委員、まちづくり委員会の健康福祉委員みたいな皆さんです。それから高齢者クラブ等の地域のいろんな団体、市の地区保健師、地域包括支援センター、介護保険のいろんな事業者がございますが、程度によりまして介護保険サービス、そういったものを通しまして、いろんな形で何とか支えているという状況でございます。 それから、今御指摘の民生委員でございます。地域の支え合いや見守りにおきましては、特に議員おっしゃるとおり民生委員さんの担っていただく部分が大でございます。非常に大変でございます。したがいまして、この場をおかりして、日ごろの活動に深く感謝を申し上げたいと思います。 飯田市としましては、民生委員の皆様が活動しやすくするために、少なくとも活動に必要な情報をできる限り提供申し上げるとともに、各地区の民生委員会の会議とか、会長さんたちが2ヵ月に1回お集まりになる会長会、そういった場所において、民生委員の皆様方のいろんな御意見、御提言、情勢報告をお聞きしたり、行政側のいろんな状況説明をするなどとして、情報交換を行いまして認識の共有でありますとか、連携を図っているところでございます。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) やはり、地域のそういった福祉の担い手であります民生委員を行政が支援して、連携する仕組みをさらに強化をしていただきまして、民生委員が活動しやすい環境整備を図っていただきたいと思います。 それから、地域福祉の拠点センターとしてのかなめの地域包括支援センターですけれども、ここは多様な市民の要望に対応ができる高齢者の総合的な相談窓口として、さらに機能させるために、私は人員体制の強化や広報活動の充実を図るべきだと思います。 それから、これからの介護保険の改定と合わせまして、24時間対応の在宅介護の地域包括ケアシステムの確立を目指しまして、地域包括支援センターをもっともっと市民に身近な機関にするために、例えば中学校区に1ヵ所の設置を目指してはどうかと思いますが、考えをお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 地域包括支援センターについての御指摘でございます。 この地域包括支援センターは、地域の中で高齢者の総合的な窓口でございます。と同時に、高齢者が住みなれた地域の中で安心して暮らしていただけるためのネットワークづくり、いろんな事業者を初めとした団体がある。そういった人たちのネットワークづくりの中心的存在として、機能の強化を図ってきているところでございます。発足当初と比べて、人員面でも徐々に充実を図ってきております。 また、地域包括支援センターが大分周知されてきたと思っておりますけど、まだまだ知れ渡っていないという現状もありますので、今後も積極的にいろんな形で広報を行います。同時に地域包括支援センターの職員が、今年度できましたら高齢者世帯を、極力元気な人たちも含めて訪問させていただいて、その人たちに直接周知をしていきたいと考えております。 それから、地域包括支援センターの設置場所についての御提案がございました。せめて中学校区内にできないのかということでございますが、国の基準もございまして、これは平成18年の制度でございますが、そういったものを参考にして、現在飯田市には4ヵ所の地域包括支援センターを設置して、さらにブランチとして2ヵ所の在宅介護支援センターの設置をしているところでございますが、当面は現在の体制を維持しながら、ニーズが大きいことは存じ上げておりますので、23年度に行います介護保険事業計画の中で、地域包括支援センターのあり方につきましてもこれまでの検証や検討をしていきたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) 地域福祉の充実に重要な鍵を握っております地域包括支援センターのあり方については、きちんと検証していただいて、市民に身近な地域福祉の拠点センターとして、ぜひ拡充をしていっていただきたいと思います。 それから、団塊の世代が大量に高齢者の仲間入りをして地域に戻ってくる時代でもございます。長い間さまざまな分野で多くの経験をして無限のバイタリティー、また高い能力、意欲に満ちた団塊世代と言われる方々が、会社人間から地域人間として、この飯田市という地域社会に回帰されるということは、その潜在能力を大いに活用いたしまして、豊かな地域づくりに生かす大きなチャンスと考えます。また、団塊世代のそういった地域福祉の戦力化が大きなキーワードになると考えます。 そこで、団塊の世代に地域福祉の担い手として活動してもらうために、サポーター登録の制度を考えてほしいと思いますが、この点はいかがでしょうか。 もう1点あわせてお聞きいたしますけれども、市民の方から寄せられている声なんですけれども、突然家族を介護する立場になっても、何もできずに本当に困ると。前もってある程度の知識があれば、安心して介護ができるのにといった声を寄せられております。ぜひ地域での介護力の向上のために、そういった団塊の世代とか、一般市民を対象とした介護技術を習得するための研修を実施すべきと考えますが、この点の考えをお聞かせください。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 団塊の世代の皆さんが、やがて地域に戻ってこられるわけでありますが、地域福祉の活動に率先して参加していただけるということは、飯田市としても非常に期待をしておりますけれども、同時に何よりもその活動を通して団塊の世代の皆さんたちが社会貢献をしていただく、自己実現をしていただけるということは、健康ケア計画の目指す市民総健康、生涯現役でやっていただくという趣旨にもつながるものであると思っております。 サポーター制度についてでございますが、現在、飯田市では社協にお願いする中で、ファミリーサポートセンターの事業を実施しております。主には子育てと介護事業が多いんですけれども、支援をしたい人、支援を受けたい人とのマッチングをする事業でございますが、そういったところも一つ参考にしていただきたい。 また、シルバー人材センターがございます。これは今おっしゃったような、みずからの長年の経験を生かしながら地域に還元をして生かしていっていただくという志をお持ちの団塊の世代の方々の受け皿の大きい一つになるだろうと思っております。まずは今申し上げました二つの受け入れ体制をこれからやりながら、事業の活用を呼びかけていきたいと思っております。 また、最近は地域の中で福祉活動を行うボランティアグループ、あるいはNPOも出てきております。いろいろ芽生えてきているという感じでありまして、市としても社協なんかと協力して、こうした団体の活動をいろんな形で支援をできればと思っております。 もう1点、市民の方々がやがて来るかもしれない介護のときのために研修の方法はという御提案でございますが、長野県介護センターというのがございまして、そこが出前講座をやってくれますので、その出前講座を活用していきたいと。それによって、介護技術を学ぶ講習会の開催を具体的にしていきたいと思っております。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) まず、サポーターの登録制度につきましては、答弁では、今の市の取り組みの中でということだったかと思います。内閣府の調査によりますと、60歳代の約64%の人が社会のために役に立ちたい、その具体的な活動といたしまして、約42%の方々が自分の町内会などの地域活動をしたいというふうに回答しておりまして、かなりの人が生活の場である地域社会に関心があるということがうかがえますので、ぜひそういった方々に対して、団塊の世代の熟年層がとにかく活動に参加しやすい対策をこれからも推し進めていっていただきたいと思います。 それから、介護の研修なんですけれども、一般の方を対象にした介護技術を学ぶ研修会、担い手を育成する上でも大変有効であると考えます。他の自治体の例でございますけれども、そこでは中学生から高齢者まで、全体で支え合う地域づくりを進めるために、地域福祉と家族介護の質の向上を図る目的で、独自の地域介護ヘルパー養成の研修を行っている地域もあります。長野県の介護センターの出前講座の活用をということで御答弁がございましたので、そういったところも利用しながら、一般の市民の方々が研修をどんどん受けられるように、安心して介護ができるようにしていただきたいと思います。 次に、ボランティアのポイント制度の提案でございます。 支え合う市民の力を生かせる地域づくりのために、ボランティア活動にポイント制を導入いたしまして、そのボランティアポイントをためることで、地域での一人ひとりの活動に報いながら実りあるものにしていくボランティアポイント制度を取り入れてはどうかということでございます。 このことにつきましては、私、平成20年の一般質問でも東京都稲城市の取り組みを紹介しながら提案させていただいております。今、国の方でも平成22年度の補正予算におきまして、介護基盤緊急整備等臨時特例基金に地域支え合い体制づくりの事業分といたしまして、200億円の積み増しを行っております。この中にボランティアポイント制度の導入の支援も入っておりますので、ぜひ飯田市といたしましても導入すべきと思いますが、この点いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) ボランティアポイント制度でございます。私どももいろいろ研究をさせていただいております。議員御指摘のようなポイント制度もあれば、福祉以外のいろんなボランティアについてのポイント制度というのは、いろんな自治体の工夫があると理解しております。今後、こうしたいろんな取り組みを参考とさせていただきながら、私どもとしても時間をかけて研究していきたいと思います。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) これから研究をしていくという御答弁だったと思います。やはり、高齢者が住みなれた地域で生き生きとした生活を続けていかれるために、元気な高齢者の地域での積極的な社会参加活動を支援する取り組みが制度として必要であり、まただれもが助け合い活動の担い手、受け手になれるよう、そして助け合い活動が継続されて広がっていくためにも、ボランティア活動をポイント化していく制度をぜひ進めていっていただきたいと思います。 続きまして、高齢者の地域における外出、買い物などの生活支援サービスの充実についてお伺いいたします。 高齢者を中心に、食料品や生活必需品の買い物に困っている買い物弱者と言われる方がふえております。経産省の発表によりますと、全国で600万人、また今後増加の傾向であると言われております。 市といたしまして、こういった買い物に困っている人の現状をどうとらえているのかお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 昨年、私どもとしましては、飯田市の高齢者クラブ連合会の会員の皆さんを対象にアンケートを実施しました。その結果からも、やはり通院であるとか、買い物に困っている、あるいは不安を抱いているという高齢者がいらっしゃることが明らかになっております。県の産業政策課が調査をした結果としても、長野県下で5万人から8万人くらいそういう人がいるんではないかと推計されているようでございます。議員御指摘のとおりであります。 これらの状況を踏まえまして、飯田市としましても、庁内のいろんな関係部署が連携して、産業政策部含めまして、高齢者や宅配サービス等を行っている商店への聞き取り、あるいは先行事例の視察を行っているところでございまして、今後飯田の商工会議所とも、あるいはほかの事業者とも連携して、いろんな対応を検討していきたいと思っております。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) 買い物弱者の方々に対しまして、各自治体も地域住民の生活を守るインフラであり、公的支援が必要との考えの中、企業と連携しながら支援体制を推し進めている状況でございます。 これは例でございますけれども、東京都武蔵村山市では、市の補助金に加えて商店街が経費を負担して、定年退職者の有償ボランティアによる高齢者の買い物の送迎と宅配サービスを行う事業を展開いたしております。また、島根県松江市では、地域資源マップというのを作成いたしまして、高齢者向けサービスを実施する商店などの情報を掲載し、買い物支援につなげる取り組みを行っております。あるいは、高齢者が集まりやすい集会所に、高齢者にも使いやすいタッチパネル式の注文機を置いて、ネットスーパーを始めている地域もございます。 飯田市といたしまして、先ほど答弁がございましたように、商工会議所や事業者とも連携して早急な対応を要望いたしておきます。 2点目の質問に入ります。 子育てなどの不安に悩む母親などへの家庭訪問つき相談支援事業の現状と課題についてでございますが、核家族化の進展によりまして、家族や周囲から支援を得にくい状況がございまして、子育ての孤立化や不安を抱える親がふえている中で、現在は飯田市が行っております、本人と面談する家庭訪問つき相談支援の現状と課題について伺います。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 子育て家庭への訪問活動といたしましては、まずは生後2ヵ月ぐらいまでをめどとして実施しております2ヵ月児訪問がございます。これは地区の担当保健師が行っております。訪問の際には、母子の健康状態のほか、子育て全般についての相談を受けております。その後、地域で子育てを応援する仕組みとして、民生児童委員さんによりますおめでとう赤ちゃん事業、これは平成21年から始めたものですが、これは4ヵ月ごろを中心に実施しております。 それ以外は、健診、乳幼児学級などで子育てについてのいろんな相談に当たっておりますけれども、母親の育児に対する精神的な不安の相談内容が非常に多くなってきておりますため、いかにきめ細かなフォローがしていけるのかが課題といいますか、大切なことだろうと思っておるところであります。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) ただいまいろんな支援が報告されました。その中で、やはり課題として言われておりましたのが、母親の育児に対する精神的な不安、相談内容に対してのきめ細やかなフォローをすることが課題であるといったことだったと思いますけれども、それについての対応策をお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 訪問や健診を初め、相談を受けた結果、継続した何らかの支援が必要と判断した場合には、つまりちょっとリスクがあるという方は、養育支援家庭訪問活動を充実してきておりまして、保健師ですとか臨床心理士等の専門スタッフが各家庭へ直接支援に入っております。また、社協で実施していただいております育児支援家庭訪問登録員養成講座というのがございますが、こういったものを受講した子育てアドバイザーの皆さんにも協力をいただき、心配ある家庭に対しまして、家庭育児支援のための訪問を実施しているところでございます。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) 私が心配していることは、育児に対する不安が児童虐待の入り口となっているケースもございます。そういったリスクの高い若年層、若いお母さんたちとか、そういった支援体制をどう考えるかお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 原保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(原重一君) 考え方としまして、現在対応していることでありますが、議員御指摘のような状況が多いために、いろんな関係機関がネットワークを組んで、連携して対応していくことが大事だと思いまして、現在子育て支援ネットワーク協議会、市長が会長になりまして、こういったものを設けて取り組んでいるところであります。今後も先ほど申したような対象者への養育支援のための家庭訪問を継続しながら、地域を初めとして幅広く関係機関と協力しながら子育て家庭を守っていく予定でございます。以上です。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) ぜひ子育て家庭が地域の中で孤立して不安を抱えることがないように、地域における子育ての関係者ともさらに連携しながら見守りの輪を広げていっていただきたいと思います。 次に、3点目の質問に移ります。 3点目といたしまして、ニート、いわゆる若年無業者のことですけれども、こういった若年無業者の方やひきこもりなどの子供、若者を総合的に支援する体制の強化についてお伺いいたします。 これにつきましては、国の方で子ども・若者育成支援推進法というのが平成22年4月に施行されました。この法律がこれまで進められてきた若年層に対する施策と明らかに異なるのは、対象年齢を乳幼児期から30代に置きまして、彼らの成長に沿って継続した支援ができるように総合的推進とそれに取り組む社会のネットワーク整備が強く示されております。 飯田市では、ニートやひきこもりなどの子供・若者への総合的な支援にどう取り組むのか、まずお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) いわゆるニート、ひきこもりなどの総合支援ということについてでありますが、飯田市におきましては、そうした若い皆さん方になってしまう前に、小・中学校におきまして、きょうも議論が出ていましたが、キャリア教育の推進、こういったことを通して勤労観の醸成を図るということ。あるいは、将来ひきこもりにつながらないように、不登校対策を実施することで予防的な取り組みということを中心的に行ってきているわけであります。 そうした中で、若い皆さん方への支援ということにつきましては、青少年健全育成事業やジョブカフェ、あるいは福祉分野などの総合的な取り組み等を必要とする、まさに部局横断的な総合的な支援が必要だという考え方をとっておりまして、まずは相談窓口の設置から入っていきたいと考えているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) まずは相談窓口から設置というふうに御答弁をお伺いいたしました。本当にこのことについて、この法律につきましては、私は平成21年12月に質問をさせていただいておりまして、そのときには施行されていないのでという御答弁でございました。この法律が施行されましたので、ぜひ市としても力を入れてやっていただきたいと思います。 この子ども・若者育成支援推進法の中には、地域協議会の設置が盛り込まれておりますけれども、そういったことを市では設置する考えはあるのか、この点をお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 伊澤教育長。 ◎教育長(伊澤宏爾君) 今、申されましたように、昨年4月、この法律が施行されまして、全国的には県レベルでの計画策定、あるいは県や市段階での地域協議会の設置、この動きが出てきているかなと思っております。 長野県におきましては、生活文化課の青少年対策係が所管になっておりまして、平成23年度の新規事業として長野県子ども・若者計画を策定する予定であると聞いております。 本市といたしましては、この全国的な取り組み状況、あるいは長野県の計画の内容を見ながら、ニートやひきこもりの地域の実態を把握する中で、今後の取り組みのあり方、先ほど申し上げましたようなことで検討していきたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) ニートやひきこもりの地域の実態の把握もしていただけるということでございました。この地域協議会の構成者といたしまして、教育とか福祉、保健、医療、矯正、更生保護、また雇用とかそのほかの子供や若者育成支援に関する分野の方々が入っているというふうになっております。こういった方々の関係機関、関係団体が連携して切れ目のない支援を効果的に、さらに円滑に実施できるように、この協議会はなっております。この推進法の制定された背景でありますけれども、ニートやひきこもり、不登校、発達障害など、子供や若者が抱える問題が深刻化していると。さらには、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界があるということを十分認識していただきまして、スピード感を持って子供や若者たちの育成に力を入れていっていただきたいと思います。 続きまして、大きな2項目めの地域を支える公共交通について伺ってまいります。 飯田市では、地域公共交通の改善を進めて、路線バスの改変や乗り合いタクシーの導入など、安心で暮らしやすい地域づくりに取り組んでいるところでございますが、新年度の国の補助金制度の変更があるというふうに聞いております。このことを踏まえまして、今の飯田市の公共交通の現状と課題についてお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 地域公共交通については、定住自立圏の中でも地域医療、産業振興と並んで3本柱の一つというようなとらえをしているところでありますが、これを協議しているのが飯田市のみならず飯田・下伊那全体ですので、南信州地域交通問題協議会で協議がされておるわけでありますが、やはり路線間の接続を円滑化して、さらに連携を深めていくということが課題だろうと考えておりまして、そうしたことをネットワークの強化として実施していくことを目指しているわけでありますが、議員御指摘のように、国の新制度、地域公共交通確保維持改善事業という新しい制度がまだ固まっておりませんが、ぜひその制度の適用を受けられるような準備を進めていきたいという状況でございます。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 飯田市の運行について、バスの方は乗車率は順調ですけれども、乗り合いタクシーの方が若干乗車率が低いので、今後利用促進を図ってまいりたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) 地域の中で協議しながら、せっかくの乗り合いタクシー、またバスなんですけど、乗り合いタクシーの乗車率が低いという御答弁だったと思いますけれども、せっかくできたことですので、利用促進を図るべきと考えますが、今後どうするのかお伺いいたします。 ○議長(中島武津雄君) 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 幾つか対応してまいりたいと思います。バスについては、人形劇のキャラクター「ぽお」のデザインでラッピングしたバスを走らせるとか、乗り合いタクシーについては、愛称募集とかスタンプカードの導入を図ってみたり、時刻表についても見やすいものに改善して普及を図ってまいりたいと思っています。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) ぜひ取り組みをよろしくお願いいたします。 続きまして、最後の質問なんですけれども、駒場線沿線の空白区についてでございます。 駒場線沿線の西部山ろく線沿いの地域は、公共交通空白地となっておりまして、特に三尋石市営とか県営住宅は高齢者の交通弱者が多数おりますので、駒場線の停留所まで行くのも大変なんですけれども、このことにつきまして、今後どのように対応するのかお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 手短にまとめてください。 北原企画部長。 ◎企画部長(北原重敏君) 地元まちづくり委員会とも協議しまして、便数の多い駒場線との連結を軸に検討してまいりたいと思っております。 ○議長(中島武津雄君) 村松まり子さん。 ◆13番(村松まり子君) 駒場線との連結をこれから地元と協議していくということでございますので、外出に困っている高齢者の方のために早急に取り組んでいただきたいと思います。 あわせて乗り合いタクシー等で駒場線のバス停のところまで行った場合に、そのバス停に高齢者の方々がバスが来るまで何分か待つような場合に、風や雨にさらされないような対策もよろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、村松まり子さんの一般質問を終わります。 一般質問の途中でございますが、ここでお諮りいたします。 本日の会議時間を議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。     (「異議なし」と言う者あり) ○議長(中島武津雄君) 御異議なしと認めます。 よって、本日の会議時間は延長することに決定しました。 それでは、次の一般質問を行います。 林幸次君。 △林幸次 ◆20番(林幸次君) 公明党の林幸次でございます。 21世紀初頭の今、世界は政治・経済・環境を初めとして、時代の大転換期に直面をいたしております。我が国においては、国政の迷走、停滞あるいは景気の低迷などによって先行きの不透明感が増大し、閉塞感が漂っておる状況でございます。このような時代背景から、将来への目標やビジョンを持つことが困難な状況にあるわけでございますが、この南信州地域におきましては、二つの高速交通インフラの整備が現実性を持ってくる中、将来を見据えたまちづくり、魅力あるまちづくりへの希望の芽が、今まさに大きく膨らもうとしているところでございます。時代の大きな転換期を乗り切り、30年後、50年後の当地域の未来を決する極めて重要なときを迎えているんではないかと思うところでございます。 平成23年度を飯田市の新たな時代の幕あけへのかけ橋の年と位置づけをし、子供たちから高齢者まで、安全で快適に住み、元気に働き、生涯にわたって安心して暮らせる元気都市を目標にして、活力と魅力ある飯田市の再生の実現に向けて、決意も新たにした市政の推進が重要であろうと思うところでございます。 きょうの質問は、このような重要な年度を迎えるに当たっての、市長の市政経営の方針と新年度予算の編成について伺ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、平成23年度の市政経営の方針についてでございますが、ただいまも申し上げましたけれども、平成23年度は飯田の新たな時代の幕あけとなる年ではないかと思っております。また、そういう年にしていかなければならないという決意も必要だと思います。 市長は時あるごとに、正念場中の正念場の年であるという表現をされておりますけれども、それがまさにリニア時代への幕あけ元年の年であるという表現もできるのではないかと私は思っております。その点で、平成23年度の市政経営に当たっての市長の基本的な考え方が大変重要になってくるであろうと思うわけでございます。 順次伺ってまいりますが、市長は年頭に発表されました、平成23年度の市政経営方針の冒頭において、リニア時代を見据えた21世紀型戦略的地域づくりを掲げているわけでございますが、この市政方針の第1に21世紀型戦略的型地域づくりをテーマに掲げたその思い、趣旨、そしてまた、このテーマにかける市長の思いを、まず伺っておきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この21世紀型戦略的地域づくりにつきましては、これまでの一般質問における議論の中でも何回か言及させていただきましたが、やはりこの21世紀型ということにつきましては、これまで申し上げているように20世紀型のやり方ではもはや通用しなくなっている。21世紀型というのはどういったものかということを考えたときに、人口減少、少子化、高齢化という環境の中で、また国の借金も919兆円と、きょうお話させてもらっていますが、どう考えても将来的にこの国の下支えというものを期待するのが難しい状況にある中で、この地域づくりをどのような形で進めていくかということ。それはほうっておいても絶対にいい方向には向かわない。やはり、地域が一丸となって戦略的にこの地域をどうしていくかということを考え、その方向に向かってそれぞれが主体的に努力していく。そうしたことをやって初めてこのリニア、あるいは三遠南信自動車道といった高速交通網を迎えても、この地域から人材や産業が流出していかない、むしろこの地域の魅力に引かれてそうした人材が集まってくる。そういった地域をつくっていくことができると考えているわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 20世紀型のやり方では、もう生き残っていけないということだと思います。特に飯田市の地域におきましては、リニアという大きな課題があるわけですから、そういった意味でも必要であるという思いかと思います。 この戦略的な地域づくりの必要性につきましては、リニアを検討しております国の小委員会の中でも審議されておりますし、また広域連合がつくってきた将来ビジョンの策定におきましても有識者の方々が言われていることがありまして、これから必要な施策であろうなというふうに私も認識をするところでございます。 次に、広域連合で策定をしましたリニア将来ビジョンでございますが、その中に当地域の対外的な将来の地域像として、グローバル化を進めながら小さな世界都市を目指す。それから、地域ブランドを確立して多機能高付加価値都市圏を目指すんだと、この二つが考えられているわけでありますが、当然この地域像推進実現に向かっては、この飯田市が中心になって進めていくことになろうかと思っております。 そこで、この小さな世界都市、多機能高付加価値都市圏、このもう少しはっきりした姿、イメージを具体的にお示しをいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 小さな世界都市、あるいは多機能高付加価値都市圏についても、将来ビジョンの検討会議の中で対外的な打ち出しをしてきていただいたものでありますが、小さな世界都市、まさにリニアを見据えてこうしたグローバル化が進む世界の中で、どうやってこの地域を位置づけるかという中で、非常に私はキーワードになるというふうに思っております。と申しますのは、リニアは単に3大都市圏が一体化するという側面ばかりでなくて、品川の先には国際化している羽田空港があり、名古屋からはセントレアが近いという中で、この地域から世界に向かって飛躍する、そういったインフラが整備されてくるということも言えるわけであります。それは、逆に言えば世界から飯田に向かって人材が流入してくる可能性も持っているわけでありまして、言ってみれば、全国のみならず世界のモデルになるような世界都市を目指していくということを、このリニア時代を見据えと私たちの地域が考えていく必要があるのではないか。どういったところにそういった可能性があるかということを考えますと、この地域の固有の文化、歴史、そういったことを踏まえた中で、例えば人形劇のまちづくりといったことも、非常に世界的に通用する要素だと思っております。 きょう、先ほどまでも議論になっておりました低炭素なまちづくりを目指す。まさに世界の知が結集する環境モデル都市、こうしたことも世界都市の要素になってくるというように思うわけでございます。 多機能付加価値都市圏につきましても、環境の分野における付加価値をどうやって高めていくかということも関係してくるというふうに考えておりますし、またこの地域は公民館活動をベースとした学びの風土というものが培われているわけでありまして、そうした風土を生かしていくとすれば、学術研究都市の側面というものが多機能高付加価値都市圏の中身になっていくのではないかということを思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 世界にモデルになるような大変壮大な夢でございますけれども、東京、中部国際空港から1時間圏になるということから、世界から人を迎えていくポジションを目指すということ、その大きなポイントとしては、既に取り組んでいる人形劇、環境モデル都市を中心とした環境への取り組み、こんなことを掲げられておりました。 小さな世界都市を目指していく上で、何を売りにしていくか。要するにPRポイントにしていくかというのが非常に重要になってくると思いますし、今言われた既に取り組んでいる点なんかは、大事な点ではないかと思っているわけでございますが、施政方針の中で国内外の新しい市場に向けた産業づくりということも、小さな世界都市のところで経済について一番力を入れている部分でありますが、ここについての発言がなかったんですが、この点はそのような取り扱いを考えておられるのでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 先ほど学術研究のところで、地域ブランド化ということも念頭にあったわけでありますが、地域ブランド化というのは、きょうも市田柿クラスターのところでも少し議論させていただきましたが、この地域の持っているすばらしい宝を磨き上げてブランド化させていく。まさにこの地域の産業づくりに非常に密接にかかわるものだというように理解しています。この地域は、これまで培ってきた技術、人材とともに培われた技術をもとにして産業づくりを進めてきているという側面があると思っておりますが、そういった技術を一つの種として、うまくこれを時代のニーズにマッチングさせて、産業クラスターにつなげていく。そうしたことが今求められているのかなと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 概要はわかりましたが、非常に大事なところでありますので、また機会あるごとにこの辺は議論させていただきたいと思っております。 リニアの効果の一つに交流人口の増加、それに伴う定住人口の増加、そこをねらった部分はあるわけですけれども、今、田舎暮らしあるいは農業回帰志向が高まっておりますよね。そういった中で、自然豊かな里山の生活環境を整備するために、2年前に中山間地振興計画を策定されましたけれども、そこで進めております豊かな自然環境を生かして生き生きと暮らせる都会にはない魅力ある地域づくり、これも将来の地域像として重要なポイントになるのではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) リニア将来ビジョンにおきましても、対外的な小さな世界都市等の打ち出しとともに、対内的には守るべきもの、備えるべきものというものを大事に考えるんだと。それも行政のみならず、地域を挙げて多様な主体でこの取り組みをしていくんだといった打ち出しがされているわけであります。今、議員から御指摘があったような、この地域の魅力を形づくっている山・里・町、それぞれの暮らしそのもの、こういったものをいかに守っていくか。そうしたことに、山なら山の暮らしの魅力、町なら町の暮らしの魅力というものをいかに守るかということによりまして、ここに人材が引きつけられる。大都市にはない魅力というものをこの地域は守っているんだということが、この地域に人材を呼び込んでくる。あるいは、この地域を一たん離れた若い人材が戻ってくる。私はそういったことにつながっていくと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) いずれにしても、将来の姿としてはどこにでもあるような都市や地域ではなくて、飯田に行ってみないと感じることができない、見ることができない魅力ある都市像がまさに将来の都市像であろうと思っております。 次に、平成23年度は基本構想、基本計画の後期計画を策定していくことになっております。リニア時代を見据えた将来の地域像、今お伺いした姿ですけれども、そういうものを実現していくための施策を行う基本構想の後期計画にどういう形で反映されていく予定なのか、この辺をお聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。
    ◎市長(牧野光朗君) まずは、来年度は基本構想・基本計画の前期計画の最終年度ということになりますので、前期計画の振り返りをしながらということになるかと思います。 そうは申しましても、既にそうした検討には入っているわけでありますが、この第5次基本構想、基本計画の検討に着手した当初、19年度からスタートでしたから、18年度にまとめてきていたわけでありますが、そのときから見ても、かなり環境変化が激しく、また取り組みにつきましても、さまざまな取り組みをしているという状況であります。当初の基本構想、基本計画の中で考えたよりもはるかに環境が変化してきている。それに対して、当然対応していかなきゃいけないこともふえてきているという中で、例えば環境モデル都市の取り組みでありますとか定住自立圏の取り組み、あるいは三遠南信地域連携ビジョンの取り組み、それから中山間地域振興計画や中心市街地活性化基本計画、さまざまな計画がこの間、地域健康ケア計画や活性化プログラムも含めて動いてきているわけであります。 さらにリニアの将来ビジョンも加わる中で、こうしたものをもう一度有機的に結合させて、しっかりと総括をし、後期の基本計画につなげていくということが必要だろうと。まさに、この戦略的な地域づくりを後期基本計画に反映させていくということになると思っております。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 前期改革をつくった18年度の段階では見えておらなんだ形がさまざま出てきたということで、三遠南信連携ビジョン、リニア将来ビジョンを初めとしてさまざまなビジョン、計画、これを総合的に取り込んでいかんならん。大変な作業になると思うんですが、しかもことしつくってしまわならんということでありますが、今後の後期計画の策定のスケジュールの手順はどうなっていくのかをお聞きしておきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) まず、先ほど申し上げたように、この4年間の取り組みの総括をするとともに、そういった作業をしながら市民や関係団体の皆様方、あるいは市議会の皆さん方にも都度報告をさせていただく中で、後期計画に向けた施策の検討をしていくという計画であります。年末までには計画案を作成してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 年末ですね。年度末じゃなくて。わかりました。 それでは、次に2番目の平成23年度予算編成について伺ってまいりたいと思います。 国の新年度予算案は、現在国で議論されておりますけれども、現政権が初めてゼロから手がけた自前の予算であるわけでございます。そういった意味では、政権の1年の集大成であって、国民から見れば政権評価の総括表とも言えるものではないかと思っております。 現在、政権は多くの内憂外患を抱えておるわけでありまして、加えて政権基盤を揺るがすような事態が相次いで発生しておりまして、新年度予算の執行を裏づける予算関連法案の成否というものが、なお一層不透明になってきたなということで、予算案はがけっ縁に立たされているのではないかと、こんな状況で危惧をしているところでございます。 そんな中、各地域の地方自治体では3月議会、予算議会が始まりまして、予算案が提言されて、その審議を行うということになるわけですが、そのことに複雑な思いを抱くわけであります。こうした中で、国の予算が飯田市の財政にどのような影響を与えるのか、あるいは当初の予算案がどのような政策意図を持って組み入れられたものなのかについて、以下何点か伺ってまいりたいと思います。 まず国の予算でございますが、一般会計の総額は過去最高の92兆4,000億円と膨れ上がっておりまして、2年連続して過去最高規模となっていると。しかも税収が約41兆円にとどまる中、新規国債発行額が44兆3,000億円に達しまして、当初予算ベースとしては、2年連続で国債発行が税収を大きく上回る異常な事態だと言われているわけでございます。財源不足を補うために、国債の発行によって賄っておるわけでありますけれども、国と地方と合わせた長期債務残高が、先ほど市長もおっしゃっていますが、900兆円を超えるという大変なものでございまして、そのことがGDP比で200%を超えてきた。先進国で最悪の状態であるという状況であるわけですが、このような、言ってみれば財政規律のない財政運営について、市長はどのような認識を持っておられるのかお聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 異常事態ということでありますが、そのとおりだと思っています。基本的に国債の残高、国の借金がここまでふえてくるということにつきましては、将来本当に大丈夫なのかと危惧をせざるを得ない、そういった状況かなと。何しろ私が国の下支えが期待できないので、何とか地域の経済自立度を上げようと申し上げてきた7年ほど前のときで700兆円ですから、そこから200兆円積み上がってきているというのは、これは本当にこのままでは済まないというぐらいの認識を持っております。 先ほどからの議論で、市の財政運営につきましては、この市債の残高を、でこぼこはありますけど、年間で十数億円を減らしてきているということを申し上げましたが、基本的に財政運営というものは、債務を増加させないということをまず念頭に考えていくというのが基本ではないかと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 大変な危惧を持っておられると、国民みんながそうだと思います。その中でいかに債務を減らしていくかという飯田市の努力というのは、一定の評価をしているところでございます。 次に、平成23年度の税制改正大綱では、デフレ脱却と雇用創出を目指す方針のもとに、法人の実効税率の5%引き上げをすることが決まっているわけですね。この中身については、国の分が4.18%の引き上げ、地方の法人住民税については0.87%の引き上げということでございますが、税制改正は23年度のことですから、当然この影響というのは翌年度から出てくるものと思っておりますけれども、法人税の約3分の1が地方交付税の原資になるということもあるわけでありまして、そうしますとこの影響に非常に関心が持たれるところでありますが、この法人実効税率の5%引き下げによる飯田市への財政への影響について、どのような影響が出てくるのか、お示しをいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 法人実効税率の引き下げにつきましては、今議員御指摘のように23年度の事業年度を決算とするものということでありますので、影響は24年度からになるわけでありますけれども、法人実効税率引き下げのうちで、法人税率につきましては30%から4.5%引き下げるというふうになっておりますので、その分法人税額が下がるということになります。 法人市民税につきましては、この法人税額に対して課税になりますので、この下がった法人税額が間接的に法人市民税の減につながるということになるわけであります。 今のままで景気の変動がないとして、影響額を試算いたしますと、飯田市で1億2,000万円程度、法人市民税に影響が出るのではないかというふうに試算をしております。ここで法人市民税が減少することの補てん措置といたしまして、都道府県のたばこ税の一部が市町村のたばこ税に移るということが同時に実施されますので、そこに4,000万円程度の増が見込まれますので、差し引きで8,000万円程度の影響というような試算をしているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 法人市民税で1億2,000万の影響があるということでありますが、これは市税の分だけですね。ですから、プラス地方交付税分も影響が出てくる可能性があるだろうと思います。 それから、平成22年度の税制改正ですけれども、年少扶養控除、所得税38万円、住民税33万円、これも廃止が決まっておりますよね。こういうことによって所得税分ではことしの1月から影響が出て、それぞれ給料の中から引かれているという状況であります。住民税分については、来年6月からなくなっていくということになっております。また、時期を合わせて16歳から18歳を対象とした特定扶養控除の上乗せ分が廃止されると決まっておるわけでありますが、こういった税制改正、いわゆる扶養控除の改正による飯田市への財政の影響、これもお示しをいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 年少扶養控除及び特定扶養控除の一部でありますけれども、これにつきましては、申告をいただいてみないとなかなか対象がはっきりわかりませんので、推計をするしかないわけでありますけれども、いずれにいたしましても、この個人市民税につきましては、平成24年度から増収になるというわけでありまして、影響額はおよそ2億円程度かなというふうに見込んでいるところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 24年度は約2億円の増収になるんではないかという見通しのようであります。税収になるということですから、当然国民の負担はそれだけふえるということになるわけですね。この一連の税制改正というのは、法人にとっては減税になるわけでありますけれども、国民にとっては負担増となってくるということで、国民生活の影響が心配されるように考えているところでございます。 地方財政への影響として、今お話のように、法人税率の引き下げによる減、あるいは扶養控除等の見直しによる増が見込まれるということでございますが、トータルとして考えた場合に飯田市の歳入にはどういう影響が出てくるのか、影響があるのかどうか、この辺お示しをいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 議員御指摘のように、法人市民税の減につきましては地方交付税の方にはね返ります。それから個人市民税の増収分も当然に地方交付税の減の要素になるわけであります。トータルで申し上げますと、税の増があれば交付税は減の要素になるわけでありますけれども、ただ昨年6月に国の方から財政運営戦略というのが発表されておりまして、この中では平成23年から25年までの3年間におきましては、地方一般財源の総額を平成22年度並みを確保するという水準が示されております。 ということでありますので、市税、地方交付税等々増減があるわけでありますけれども、トータルとしての一般財源総額につきましては、平成22年度分程度は確保される、そういう措置がとられるのではないかというふうに考えております。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 国の方から23年度から25年度の3年間は一定の確保ということで、増減に影響がないだろうという答申が出されましたけれども、それがどこまで保障されるのか非常に疑問を持つところでございます。 次に進みたいと思いますが、先ほども施政方針のところで確認をさせていただきましたけれども、その施政方針に基づいて今回の23年度の予算編成に当たって、重点的に予算配分をした施策というものはどんなものがあるのでしょうか。これを具体的にお示しいただきたい。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この重点施策と申しましても幾つかあるわけでありますが、やはりリニア時代にふさわしい地域づくりをどうやって進めるかという観点から、先ほどから出ておりますような環境モデル都市のロードマップ策定や、リニアを見据えた中心市街地の道路整備、アクセス道路等も含めた事業、あるいは小さな世界都市を目指す人形劇のまちの国際化事業や、先ほど大学の学術研究の話もさせていただきましたが、大学とのネットワーク構築事業、あるいは文化の面で言えば、菱田春草没後百年記念特別展事業なども上げられると思っています。 子育て支援、それから産業振興、安心・安全といった従来から申し上げている3本柱に関しましては、民間の保育所等の施設整備、あるいは子ども発達総合支援事業等の子育て支援策、活性化プログラム2011によります産業振興、安心・安全なまちづくりでいきますと、市立病院の第3次整備事業等を上げることができるというふうに思っております。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 主な施策を上げていただきましたが、リニア時代を見据えた各種の事業、あるいは子育て支援関係の事業、あるいは市立病院の整備事業、こんな点が主だったかと思っておりますけれども、先ほどから上げておりますけれども、リニア時代を見据えた大変な1年であるわけでありますね。それから前期基本計画の最終年度でもあると。これは市長みずからおっしゃっておりますけれども、市長2期目の後半への年だという位置づけの中にある平成23年度に当たって、市長の思いというものは予算案に十分反映されたと思っていらっしゃるのか、この辺はいかがでしょうか。お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) これは平成23年度の年頭所感並びに市政経営の方向についてということで、まずはそうした考え方を示させていただき、それに基づいてこの予算編成を進めてきたわけであります。全体としては、こうした私の思いというものを十分反映して予算編成をさせていただいたということを思っているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) それでは思いが十分反映されているという認識でよろしいわけですね。わかりました。 次に1点、子ども手当について確認をしておきたいと思います。 御案内のように、子ども手当は新年度3歳未満児が7,000円増額されるということで、月2万円になるということになっております。これによりまして、飯田市の子ども手当は前年度比の予算が約25%増額されて、総額23億8,300万円になるということでございまして、一般会計総額の5.6%を占める大変大きな金額でございます。これは、国の施策でやるわけでございますが、地方負担分も当然あるわけでありますね。地方負担分は全体の約19%だと思います。基本的には、1万3,000円のうち、約2,500円分を地方が負担すると。それを、さらに県と各市町村とで約半分ずつ負担をするという仕組みになっているかと思います。 こういった状況の中から、神奈川県、あるいは神奈川県内市町村、その他の多くの市町村の中で、与党のマニフェストに従って、全額国費で賄うべきだというところから、地方負担分については予算計上しないんだという自治体が多く出てきているわけでありますけれども、こういった点については、市長としてはどういう整理をされて予算計上されたのか、ここを確認させていただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 今の地方負担分については、全国市長会でも相当な議論があったところで、そういった予算計上しない自治体の市長さんたちの御意見も実際聞いてきているところであります。 実際に国会審議が今の状況では極めて不透明と言わざるを得ない中で、また議員御指摘のように、財源の問題もあるわけであります。そうした中ではありますが、国の方でそうした予算計上がされている以上、それを適切に執行していくというのが今の立場というように考え、この予算計上を全額させていただいたというものでございます。 ただ、実際にどうなるかというのは、私も現状はわかりません。そういった状況であるというふうに思っています。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) わかりました。確かに、きのうあたりからの報道を見ていますと、子ども手当法案については今年度末で切れちゃう。これを半年ぐらい継続させるようなつなぎ法案を出そうじゃないかという動きが政府から出てきているようでありますけれども、全く不透明な状況にあることは間違いございません。 次に進みます。 歳出につきましては、事業の選択と重点化にしっかり取り組んでおっていただくところでございますけれども、平成17年3月の国の方針に沿いまして、飯田市でも集中改革プランの策定をして、それに基づいて行財政改革を進めてきたわけでありますが、その経過がどういう形であったのかどうか。そして、またその成果が今度の予算案にどういう形で反映されているものか、この辺をお示しいただきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 行財政改革というのは、常に最少の経費で最大の効果を生み出すべく、常日ごろからこの改善に取り組んでいくといったものだというふうに思っております。そうした取り組みによりまして生まれた財源を新たな市民ニーズにこたえられるような政策、施策に反映させていくということになるかなと思うわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) 市長の答弁に補足をさせていただきます。 予算編成段階での行革のことについてでございますけれども、行革の成果がどのように予算に反映されたかということでございますけれども、個別事業のレベルで1対1で行革の成果がどういう事業へという形での関係にはなっておりませんけれども、飯田市におきましては、基金の取り崩しなしにはいまだになかなか財源が確保できないという状況でありますので、行革の中で生まれてきた財源をもって、少しでも基金の減少が抑制できるように、基金の取り崩しが少なくできるように、そんな努力をしているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 成果についての提示がなかったんですが、今まで報告していただいたところによりますと、数億円以上の成果が出ているということでしたね。予算編成への反映という点では、1対1の関係になっていないんだという答弁であったわけであります。 行革による成果というのは、当然財源となり得るものですよね。また、していかないかんと思うんですよ。そういう意味で、生まれた財源の活用を市民に見える形であらわしていく、これが大事だと思うんです。行財政改革で生み出された経済的効果、これは減税として市民に返すべきだ。あるいは、財政改革の成果をもとにして、政策で還元していくべきだというように考えるわけでありますけれども、この考え方についての市長の見解を伺っておきます。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 飯田市におきましては、議員のお話にあった後者、やはり政策で還元をしていくと。これは地域に置かれた立場で考えますと、今、財政課長からもお話がありましたように、財政需要という点からしますと、まだまだ厳しい状況にある。ましてや、正念場中の正念場と何回も申し上げておりますが、今の私どもの地域におけるこれからの地域づくりということを考えたときには、新たな行政需要に対応していくだけの財源をどれだけ確保できるかというのが大きな課題だというふうに考えております。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) そこで、行財政改革の成果がこれだけあったんですよと。それを原資にこのような政策事業を実施していきますよと。これが目に見える形だと思うんですよ。これをやらないと、幾ら行革やって、これだけ成果が出たといったって、これは自己満足にすぎないと私は思うんですよ。市民にいかに還元していくか、大変重要な点だと思います。しっかりと今後検討していくべき課題だと思いますので、あえて再質問しませんけれども、市長に具体的な検討を求めておきたいと思っております。 次に、予算全体に関して確認をさせていただきますが、対前年11.9億円増、2.9%増、さらに今年度ですが、前年度に比べて17億円の増、4.3%増だったわけであります。2年続けて10億円以上が増額となるという大型予算だった。市長は積極型予算だと言われておりますけれども、400億円を大きく上回る予算規模というものが、飯田市にとって適切であるのかどうか。この辺の市長の御認識を伺っておきたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この予算規模拡大の中身の話でありますが、国・県の補助事業、さっき言った子ども手当とか、あるいは民間の保育所施設整備や、中心市街地活性化基本計画関連事業といった国・県の補助事業や、計画的に実施している事業で占められているわけでありまして、私自身はこの地域のこれからを考えていくときに、今の予算は必要であるという考え方に立っております。もちろん、予算規模の拡大という観点で言えば、そのまま拡大していくことがいいかどうかというのは別な問題だというふうに思っております。 ○議長(中島武津雄君) 林幸次君。 ◆20番(林幸次君) 時間がありません。予算規模が拡大することが悪いことだとは思っておりません。ただし、現実に地方交付税だとか市債だとか、基金に頼らざるを得ない部分があるわけでありますので、しっかりとした財政規律を持ちながら、責任ある市政運営を求めたいと思います。以上でございます。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、林幸次君の一般質問を終わります。 それでは、次の一般質問を行います。 湊猛君。 △湊猛 ◆2番(湊猛君) 会派のぞみの湊猛でございます。本日最後の質問者となりました。もう40分間、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、私たちの地域、遠山郷では、今年度3月31日をもちまして合併特例の5年間が過ぎ、また激変緩和措置が終了し、自治振興センターの機能も変化するときであります。私たち遠山郷も、市長がよく口にします正念場中の超正念場を迎えております。遠山郷の宝、資源を有効活用し、私たちの地域は自分たちで知恵と力を、ずくを発揮し、まちづくり委員会を中心に運営しなければいけないと思うところです。 特に、中山間地の振興なくして飯田市全体の発展はないと確信しております。人口減少、少子高齢化の到来、地域活動の担い手の減少、若者の流出、農地、山林の面的管理の悪化に伴い、自然環境の荒廃化、その他山積みにされている課題を一つ一つ取り上げて市民の皆さんと懇談、協議する中、解決策を見出していかねばと、常に夢と希望を持って取り組んでいきたいと思っております。 そこで今回、山林面積が多い中山間地を中心といたしました林業活性化計画について、公共事業入札制度の見直しについて質問させていただきます。 林業活性化計画について、早速でございますが、私は平成21年度の第3回定例会にて、林業振興について一般質問させていただきました。その中で、森林アクションプラン、里山の整理計画で、山菜山については山林所有者と懇談する中で検討したいと答弁がありました。具体的にやっていること、実行していることがあれば、お聞きいたします。 また、ヤマビル対策に対しても防除剤はないかお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 理事者側の答弁を求めます。 菅沼林務課長。 ◎林務課長(菅沼利和君) お答えさせていただきます。 まず、山菜についてでございますが、飯田市内では竜東地区を中心に、山つけの遊休農地等でタラの芽などの栽培を行っているという状況でございますが、里山だけでの栽培は今のところ行われていない状況でございます。また、県内においても里山だけで行っている事例はなくて、里山あるいは休耕田ハウスを有効的に利用して行っているところが栄村、佐久市等であるという状況でございます。 また、ヤマビル対策でございますが、残念ながら特効薬的なものがないというのが現状でございまして、県とも協議しておりますが、なかなかいい方法がないという状況でございます。現状では、作業の前に足回りにヒルがつかないような薬をまいて、作業に行っているという現状でございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) どうか積極的に実現のため、山林所有者と住民参加する中、懇談、協議し、できればモデル地域の設定を強く提案申し上げるものでございます。 それとともに、ヤマビルに関しましては、拡大を防ぐ研究をよろしくお願いいたします。 次に、切り捨て間伐より搬出間伐移行の課題について伺います。 平成23年度より、国よりの方針が出され、切り捨て間伐には補助金がなくなり、搬出間伐に補助をつけるとのこと。そこで、間伐補助の現状と平成23年度からの新制度について、また、森林管理・環境保全直接支払制度実施に向けての取り組みはどのようになっているか、お聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 現行でございますけれども、間伐に対します補助制度は、切り捨て間伐、搬出間伐、それぞれ助成がございますけれども、搬出間伐への助成の方が手厚くなっております。材木価格の低迷等がありまして、搬出後の輸送コスト等比較いたしまして、なかなか搬出間伐が進まないという現状でございます。 そこで、今御説明ございました、国が来年度森林管理・環境保全直接支払制度を新設いたしまして、面的にまとまって計画的に行う間伐などに対しまして、森林施業と一体となりました森林作業道の開設を支援するというものになるということでございます。 間伐につきましては、搬出間伐を補助の基本といたしまして、搬出間伐とあわせて行う切り捨て間伐も実施できるということになっております。 この新制度におきましては、仮称でございますが、集約化します森林経営計画の策定をいたしましたところの森林についてのみの支援というふうになっております。当面、集約化に向けまして、森林情報の収集、森林の現況調査、所有者等の合意形成、不明確な境界の確定等々が急がれると考えております。この新制度に向けまして、23年度は市としてもこの状況に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 国の目標は、10年後には木材自給率50%以上を目指すとしておりますが、森林経営計画制度を創設していく中で、環境保全、直接支払制度における搬出間伐への補助がどうなるのか、並びに搬出間伐を進めるための課題は何か、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼林務課長。 ◎林務課長(菅沼利和君) それでは、先に森林管理・環境保全直接支払制度における間伐の補助についてでございますが、国から補助単価まではまだ実際に示されていない状況ではございますが、現在示されている内容の中では、集約化され、なおかつ森林経営計画が策定されている森林に対して一定面積以上の間伐を行った場合に補助をするという状況でございます。先ほど議員から御指摘いただきましたように、補助については搬出間伐を基本ということでございますが、一定の条件を満たせば合わせて切り捨て間伐もできるという状況でございます。 計算につきましては、間伐を行った面積によってどれだけの材がそこから出たかということでございまして、ヘクタール当たり10立米以上の材を出せば補助が受けられるということでございまして、補助単価についてもたくさん出せば出すほど単価が上がってくるということで、ヘクタール当たりの材の搬出がふえれば単価が上がってくるという状況でございますが、残念ながら、まだ幾らかというところまでは示されていない状況でございます。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) そのための課題は何かということにつきましては、先ほど来出ております、まずは集約化を行いまして、森林経営計画というものを策定することが重要でございます。この計画に従いまして、計画的に森林整備を行っていく、これが一番の課題だと思っております。 その次には、この搬出間伐に係ります費用をどのくらい低く抑えることができて、市場に安定的に原木を供給できるかと、これが課題になると思っております。そのために、森林作業道の整備推進、それから川上から川下までの材木利用の域内循環、この確立によります需要と供給の確保が重要であると思っております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 現状の中では施業を放棄する山もありますし、増加しておりますね。そしてまた、非常に形骸化しておりまして、森林計画の制度、計画がなくても補助事業が受けられるような、今まではばらばらな林業施業を行ってこられたと。実施した地点の改善を踏まえて適切に森林施業が行われる仕組みの整備を願うとともに、森林の多面的機能の発揮、雇用の創出、山村地域の活性化、低炭素社会構築への寄与につなげることを心より願い、要望いたします。 次に、長野県林務部で平成23年度1月に策定されました森林作業道作設マニュアル活用についてでございますが、整備する作業道は丈夫で簡易な使いやすい道づくりを整備し、工程、工種、工法が必要です。ただ、私たちの住む飯伊地域の地形条件が悪いのは、全国でもまさに縮図であります。こうした中、マニュアルを市としてどのように対応し、どのように利用していくか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 今御説明いただきました作業道作設マニュアル、これがこの1月に新しく県で作成されました。森林作業道作設マニュアルは、県の作業道の指針でもございます。当市におきましても、このマニュアルに沿いまして山を崩すことなく、長期間利用できる丈夫な作業路の開設に、指針に従って進めてまいりたいという予定でございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 先ほども言われましたように、県の指針でもありますので、積極的に活用していただきたいと思います。 その中で、作業路の補助制度はどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼林務課長。 ◎林務課長(菅沼利和君) 作業路の補助でございますが、これも新しい制度になって、国は作業路を広くつくるというのを出しておりますが、残念ながら、補助に関してまだ具体的なところまで出ていない状況でございます。今示されているのは、メーター当たり2,000円以下の簡易な作業路につきましては、森林整備標準単価という基本的なものを国が示して、それによって単価を決めていくんだということまでが示されておりますが、現段階では金額まではまだ示されていないという状況でございます。また、おおむねメーター当たり2,000円を超えるような作業路につきましては、実行経費というものを単価にしたいというふうな話までは出ておりますが、それについても具体的な金額は示されていないという現状でございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 具体的な単価はまだ示されていないということでございますが、今後、補助単価のメーター当たりの単価を上げていく働きかけを要望していかなければならないなと思っております。 次に、飯伊野生鳥獣被害対策チームの活用と効果についてでございますが、県の対策チームのようですが、組織はどのようなものかお伺いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 長野県では、副知事を本部長といたします野生鳥獣被害対策本部が県庁内に設置されております。現地機関としましては、下伊那地方事務所の林務課、農政課、農業改良普及センター等で構成されております飯伊野生鳥獣被害対策チームがございまして、野生鳥獣に負けない集落づくりを目指して、集落ぐるみの被害対策をサポートしているというものでございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) このとおり効果を期待したいと思うんですが、今後どこまでやるか、市の組織と県との関係、連携はできているのか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 当市におきましても、鳥獣被害対策といたしまして、JA南信州農協、下伊那園協、飯田市連合猟友会、農業委員会等で構成されております飯田市鳥獣被害対策協議会というのがございます。先般、県の飯伊野生鳥獣被害対策チームと連携いたしまして、新規狩猟者の確保講習会、千代地区の鳥獣被害対策勉強会におきまして、派遣依頼をお願いいたしまして、被害対策についての説明をいただいたところでございます。また、3月中旬には上郷柏原地区を中心に猿の被害を考える学習会を開催する予定でございまして、その際にも御出席をいただくということになっております。 今後とも連携いたしまして、被害要因や身近に取り組める対策などを学ぶことによりまして、鳥獣被害に対して理解を深めていただくということで、地区や集落ぐるみの鳥獣被害対策の取り組みを連携してやってまいりたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 平成22年度の飯田市の鳥獣被害対策事業費は3,641万5,000円見込みとなっており、予算より1,340万ほどプラスになっているようですが、今後も引き続き積極的な対策を要望いたすところでございます。 野生鳥獣の被害は、加害鳥獣が絶滅しない限り、なくなりません。特にシカが多いんですよね。シカは産まれて1歳から毎年のように1頭ずつ出産しちゃうんですよね。野生鳥獣による被害を限りなくゼロに近づけていくためには、守る、駆除する、住みにくい環境をつくるなどのいろいろな対策を幾つも組み合わせてやっていかなければならないと感じるところでございます。 次に進ませていただきたいと思います。 新庁舎建設に当たり、地域産材の使用はあるのかの件についてでございますが、公共建築の木材利用の促進もされておりますが、庁舎建設を想定する上で、木材活用に関してどのような法令規定、制限があるのか。その上で、どのような活用が可能なのか、どのような利用を考えているか。今こそ木材、地域産材を大きくアピールするときと考えますが、お聞き申し上げたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 北沢庁舎整備推進室長。 ◎庁舎整備推進室長(北沢武人君) 飯田市では、これまでも公共建築物の整備におきましては、木材の積極的な活用に取り組んでいるところでございます。公共建築物における木材の利用の促進に関する法律では、建築基準法、その他の法令に基づく基準において、耐火構造物とすること、または主要構造部を耐火構造とすることが求められていない低層な公共建築物において、積極的に木造化を推進するものとしております。 新庁舎の建築におきましては、都市計画法上の準防火地域に建設すること、また延べ床面積が1,500平方メートルを超えますことから、建築基準法上、耐火建築物とする必要があります。そのため、全体を木造とすることは困難であり、また階層が3階以上で、500平方メートルを超えるものは、内装制限もありますことから、木材使用は限られた用途、場所への使用のみということになってまいります。そのことから、木材使用につきましては、法的な課題があるわけでございますが、有利な活用方法を検討していきたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 制限があるということでございますが、山・里・町、自然の豊かさの地域特性を生かし、環境モデル都市にふさわしい全国からも注目される庁舎を、また森林資源の有効活用を図ることが大切であると思います。 りんご並木に1億円をかけてエコハウスの建設をしたので、つなげる形で庁舎の木材利用を、また森林資源の活用ということに関しても普及につながると考えます。 ほかにも、地域産材活用に関する要望、飯伊森林組合、飯伊木材協同組合、飯田松川入財産区などより要望が出ておりますが、ここで市長の考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 庁舎整備につきましては、基本方針の中でも人にも環境にも配慮し、経済性にすぐれた拠点の形成というものを掲げているわけでありまして、今お話がありましたように、やはり環境配慮ということを考えて、森林資源、特に地域産材をできる限り活用していくという考え方をとっているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) できる限り地域産材を使用することを検討したいと、力強い決意を述べていただきました。ありがとうございます。 三遠南信自動車道、リニア中央新幹線飯田駅設置、トランジェットハブとして開通を見通しての小さな世界都市の形成のため、新庁舎の木材利用を含む環境配慮型的な方針について、再度市長はどのように考えているか。また、市長はどのような庁舎を目指し、何を特徴として全国に自慢できるか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 中心市街地の今後の地域づくりにもかかわることだと思っていまして、そういった意味で低炭素社会の実現ということを庁舎建築の中でも考えていければと。具体的には自然エネルギーの利用、そして今お話があったような地域産材のできる限りの活用といったようなことを通して、この地域の魅力を発信していくことができると思っていますし、また低炭素社会、環境モデル都市の一つのシンボルにもなり得ると考えるわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) ぜひ飯田の拠点づくりとして、環境モデル都市として、小さな世界都市、高付加価値都市圏形成のため、これはすごい、さすが飯田市のシンボルだと言われるような、全国に自慢できるような新庁舎の建設を要望いたします。 次に、共同製材所施設の建設取り組みに対して、市とのかかわりはどのようになっているのかについてでございますが、ことしに入り新聞紙上で報道され、説明会なども開かれておりますが、共同製材施設建設までの経過を若干説明いたしますと、平成20年度7月、南信州木づかいネットワーク発足、地域産材の共同製材所の必要性について合意を得る。平成21年度の南信州木づかい協議会が組織され、必要性について合意を得て、この合意に基づき平成22年度6月、南信州共同製材施設建設推進協議会を設立。飯伊森林組合と飯伊木協が中心となり、共同製材施設建築検討と共同で事業を行う業者を募る。現在の建設推進協議会での内容は、飯伊森林組合が運営を担う。飯伊森林組合と製材業者3社が運営委員会を組織し、運営に当たる。 既存の製材業者とは水平連携を保って運営するとなっておりますが、ここで既存の製材業者、木協の加盟19社との水平連携をどのようにとるのか。また、その利点は何か、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) この地域にございます製材業者の中で、水平連携を御希望されます業者と連携を保って運営を行っていく予定でございます。 連携方法の利点でございますが、一つには、生産品目を分担して受注に備えることができること。それから、共同製材所で品質管理をすることでJAS認定に対応できる。それから三つ目としまして、地域全体としての銘柄化を図る、ブランド化を図るということが期待できると思っております。 具体的な連携先、あるいは連携方法等は今後協議しながら進めていくということでございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 今後、しっかりと連携に関しては詰めていただきたいと思います。 原木の確保と販路はどのようになっているのかお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(中島武津雄君) 粂原産業経済部長。 ◎産業経済部長兼金融政策室長(粂原和代君) 原木の確保につきましては、森林組合と協力いたしまして安定的な確保に取り組む予定でございます。その際の既存の製材業者の原木供給等を圧迫しないということが基本でございます。 それから、販売先の確保は、運営を行います製材業者3社のノウハウを生かして行う予定でございます。また、JAS認証を受けることで、住宅だけでなくて公共施設への製品販売も見込まれまして、安定した需要確保が期待できるものと思っているところでございます。
    ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) ここで、南信濃で営業しておりますウッドアンドアースは、平成22年の春先から、原木不足により営業に支障を来しております。共同製材施設とウッドアンドアースの関係をどのように考えるか、市長にお聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) ウッドアンドアースは、御案内のとおり、遠山地区に根差した遠山杉などの地域産材を製材いただく非常に重要な施設という位置づけで考えておりますので、今回の共同製材施設につきましては、まさに水平連携になるように、つまりお互いにウイン・ウインの有利な関係になるように、両者の協議をしっかりやっていただきたいと期待しているところであります。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 遠山杉として、地域の人たち及び山林所有者が真剣に取り組む努力も必要だと思いますが、ぜひ行政でのバックアップ、サポートをお願いするものでございます。特に、製材施設に当たりましては、ウッドアンドアースとしっかりと協議し、納得がいく体制で施行していただくことを強く要望いたします。 地域経済活性化プログラム2011年度では、共同製材施設建設への支援も記載されておりますが、市としてどのような支援を考えているのか、市長にお伺いしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) この共同製材施設につきましては、活性化プログラム2011におきましても、支援の具体化について記載させていただいているところでありますが、それだけこの施設は非常に重要だと考えているわけであります。 木づかいネットワークの参加企業と連携することによって、まさに地域の中で地域産材がしっかりと循環していく仕組みがつくれると。今までのように、原木が地域外に一たん出ていってしまって、それがまた帰ってきて製材するといったような、ウッドマイレージにしてみれば、環境負荷という面ではいかがなものかという流通体制をもう一度見直して、地域の中でしっかりと流通がされていく仕組みを、この共同製材施設を中核としてつくっていきたいと考えているわけであります。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 市長の思いを言っていただきましたが、やはり何と言っても共同製材工場の建設構想ですね。利点は先ほど言っていただきましたが、問題点もたくさんあるかと思います。 利点としてはJASの認定の製材工場を目指すということも書かれております。特に課題が多いのではないかという感じがいたします。木材製品単価の問題、ユーザーのニーズ分析、人口減少傾向の中、木造建築、木材需要が現状以上望めるかということも含めて、そしてまた工務店、設計士との連絡が十分とれるかということも、利点・問題点を研究し、確実なものとして建設を具体化することを要望いたします。 次に、2番目の公共事業入札制度の見直しについて。 地域の土木建築業者、受注拡大の検討についてでございますが、災害対策や除雪で地域に貢献しているにもかかわらず、国・県の土木工事等では地元地区内の建設業者が受注できないという不満が建設業者からあります。市と県の入札における地域要件の違いはどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 高田財政課長。 ◎財政課長(高田修君) それでは、まず飯田市の入札制度につきましてでございますけれども、飯田市では一般競争入札、指名競争入札ともに、特殊な技術を必要とするものでない限りは、地域要件として市内に本店のある業者ということにしております。 それから、地域を限定されるような土木工事におきましては、地元業者を指名に追加する等の措置もとっているところであります。 それから、長野県が発注する工事の場合についてでございますけれども、飯田市に本店がある業者といった区分はございません。下伊那地方事務所管内、南信地区、あるいは県内地域といったような形での区分でございますので、県が発注する工事におきましては、市内の工事箇所でありましても、市内の業者が受注できないという場合も起こり得ることはあると思っております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 市と県との関係もございますけれども、非常に公共事業費が削減されている中、経営の環境が悪化している中、地域業者の雇用を支えるための対策を市としてどのように考えているか、お聞きしたいと思います。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼建設部長。 ◎建設部長(菅沼良収君) 地域の建設業者の雇用の対策でございますけれども、地域の経済の下支えをするため国の緊急経済対策の補正を受けまして、2月の臨時会で議決をいただいた道路維持、道路改良事業等の約3億6,600万円余を23年度予算の前倒しとして現在執行しております。この補正予算と23年度当初予算を早期発注し、市民要望にこたえるとともに、地域の建設業者の雇用確保につなげたいと考えております。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 平成23年度の当初予算を早期発注し、地域建設業者の雇用確保につなげていただければ大変ありがたく思うところでございます。強く要望申し上げたいと思います。 続いて、災害対策や除雪出動の割合があり、自由競争では地域社会の衰退につながると思いますが、市の考えをお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 菅沼建設部長。 ◎建設部長(菅沼良収君) 地元の建設業者の皆さんには、災害対応、除雪の対応に大変お世話になっていることにつきまして、この場をおかりして感謝を申し上げる次第でございます。災害、除雪につきましては、各地区の業者さんに出動いただいているわけでございますが、公共事業の減少によりまして、作業員の確保や重機の確保に苦慮されていることについては認識をしておるところでございます。特に除雪業務につきましては、県の指導、他市の事例も参考に今後研究をしてまいりたいと思っております。 自由競争につきましては、公共事業の発注者といたしまして、公平・公正の中で競争原理に基づく発注を行うのが使命と考えておりまして、現在は地域要件も考慮した発注を行っているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 次に、地域維持型の契約方式を導入する考えはでございますが、国の施策として地域維持型契約が検討されていると新聞紙上で拝見しております。若干説明いたしますと、公共事業で、国交省は大手ゼネコンが担当している公共事業の範囲を縮小して、地域の中小建設業者の受注量をふやす契約方式の検討を始めたとのこと。2010年には具体策を取りまとめ、必要があれば2012年の通常国会に建設業法改正案を提出する。有識者による国交省の建設産業戦略会議の会合で、地域維持型の契約方式を導入するなどを盛り込んだ基本方針を決めたというふうに書かれております。 先ほども言いましたように、地域の業者の雇用を支えていくために、大手の方ばかりに行かれるということもありますけれども、自由競争だけでは一般競争入札だけでは非常に難しさもあるんじゃなかろうかという気がいたします。 そこで、地域を維持していくために建設業者の育成は不可欠であると思います。工事の発注において地元業者を優先していただきたいと思いますが、市長の考えをお聞きいたします。 ○議長(中島武津雄君) 牧野市長。 ◎市長(牧野光朗君) 先ほど建設部長からもお話があったところでありますが、災害時におけます対応、あるいは除雪等におきまして、地域の建設業者の皆さん方には大変御協力をいただいているところであり、私からも御礼を申し上げる次第でございます。 やはり地域を維持していくためには、そうした建設業者の皆さん方の存在が不可欠であると。実際に、全国では豪雪地帯でも例がありますように、そうした除雪作業ができにくくなっているという状況も報道されている中で、市としましては、市の工事等におきまして、地元の業者の皆さん方にこれからも配慮をしてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(中島武津雄君) 湊猛君。 ◆2番(湊猛君) 市長さんからも市に発注する工事などにおいては、地元の業者に配慮していただけるということで受けとめさせていただきたいと思います。また、国・県への要望活動もあわせてお願いいたしたいと思います。 以上で私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(中島武津雄君) 以上で、湊猛君の一般質問を終わります。 ここでお諮りいたします。 ただいま一般質問の通告者が10名残っておりますが、本日はこの程度にとどめ、延会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。     (「異議なし」と言う者あり) ○議長(中島武津雄君) 御異議なしと認めます。 よって、本日はこれをもって延会と決定いたしました。 明日10日は午前9時から本会議を開きますので、時間に誤りがないよう、定刻までに御参集くださいますよう、お願いをいたします。 本日は、これをもちまして延会といたします。大変に御苦労さまでございました。-----------------------------------     18時06分 延会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。  平成23年5月24日      飯田市議会議長  中島武津雄      署名議員     福沢 清      署名議員     内田雄一...