上田市議会 2020-12-01
11月30日-趣旨説明、議案質疑、議案付託、一般質問、委員長報告、質疑、討論、採決-02号
令和 2年 12月 定例会(第4回)議事日程 第 1 議案第140号 第 2 一般質問 (1)財政状況と予算編成について (2)市政について (3)市政について (4)義務教育における保護者や教職員の負担軽減について (5)空き家対策及び空き家を活用した子育て世帯・
移住者等向け支援について (6)市政について (7)市政について (8)市政について (9)市政について (10)市政について (11)移住定住につなげる様々な取組について (12)子どもに関する市の政策について (13)市の成長戦略について (14)地元製造業への切れ目のない支援と長期的な地域戦略の構築について (15)市政について (16)市政について (17)市政について (18)市政について (19)市政について (20)市政について (21)市政について (22)市政について (23)市政について 追加日程 議案第140号 本日の会議に付した事件 日程第1から第2(6)まで及び追加日程 出席議員(29名) 1番 石 合 祐 太 君 2番 金 井 清 一 君 3番 中 村 悠 基 君 4番 松 尾 卓 君 5番 成 瀬 拓 君 6番 金 子 和 夫 君 7番 欠 員 8番 斉 藤 達 也 君 9番 齊 藤 加 代 美 君 10番 井 澤 毅 君 11番 原 栄 一 君 12番 宮 下 省 二 君 13番 飯 島 伴 典 君 14番 金 沢 広 美 君 15番 古 市 順 子 君 16番 小 坂 井 二 郎 君 17番 松 山 賢 太 郎 君 18番 土 屋 勝 浩 君 19番 林 和 明 君 20番 佐 藤 論 征 君 21番 尾 島 勝 君 22番 佐 藤 清 正 君 23番 小 林 隆 利 君 24番 池 田 総 一 郎 君 25番 南 波 清 吾 君 26番 池 上 喜 美 子 君 27番 半 田 大 介 君 28番 久 保 田 由 夫 君 29番 渡 辺 正 博 君 30番 西 沢 逸 郎 君 説明のため出席した者 市 長 土 屋 陽 一 君 副 市 長 井 上 晴 樹 君 上田市政策研究 吉 澤 猛 君 セ ン ター長
政策企画部長 柳 原 渉 君 総 務 部 長 中 村 栄 孝 君 行政管理課長 小 林 修 君 財 政 部 長 山 口 武 敏 君 財 政 課 長 倉 島 弘 一 君
市民まちづくり 城 下 真 司 君 推 進 部 長 上田地域自治 セ ン ター長
生活環境部長 山 口 泰 芳 君 福 祉 部 長 近 藤 聖 一 君 福祉事務所長 健 康 こども 小 林 一 彦 君 未 来 部 長 商工観光部長 小 相 澤 隆 幸 君 農 林 部 長 工 藤 秀 樹 君
都市建設部長 藤 澤 純 一 君 消 防 部 長 越 浩 司 君 丸子地域自治 竹 花 国 雄 君 セ ン ター長 真田地域自治 山 﨑 完 爾 君 セ ン ター長 武石地域自治 大 平 光 博 君 セ ン ター長 会 計 管理者 小 林 薫 君 上下水道局長 柏 木 明 彦 君 教 育 長 峯 村 秀 則 君 教 育 次 長 中 澤 勝 仁 君
事務局職員出席者 事 務 局 長 中 村 史 君 事 務 局次長 上 原 晶 君 議会担当係長 橋 詰 聡 史 君 主 査 鈴 木 康 平 君 主 査 徳 永 頼 信 君 主 任 福 澤 雄 史 君 午前 9時30分 開議
○議長(土屋勝浩君) これより本日の会議を開きます。 ◇
△日程第1 議案第140号
○議長(土屋勝浩君) 日程第1、議案第140号を議題とします。 なお、本案については本日議決の運びとしたいと思いますので、ご了承願います。 それでは、提案理由の説明を求めます。
中村総務部長。 〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕
◎総務部長(中村栄孝君) おはようございます。それでは、お手元に配付いたしました追加議案集の1ページをお願いいたします。議案第140号、上田市職員の給与に関する条例等中一部改正についてご説明申し上げます。 本案につきましては、12月期の期末手当を支給するに当たり、その基準日であります12月1日までに改正条例を施行する必要がありますことから、本日提案させていただき、本日ご議決を賜りたいというものでございます。 最初に、条例改正の趣旨についてご説明申し上げます。本年10月の人事院の勧告と報告、10月の長野県人事委員会の勧告と11月の報告や、これらの実施状況等を踏まえ、
地方公務員法に規定する給与等の情勢適応の原則及び均衡の原則に基づき、上田市職員の給与について改正を行うとともに、市の常勤の特別職の期末手当の改正を行いたいというものでございます。 また、市議会の議員の皆様の期末手当につきましても、市の常勤特別職と同様な減額を行うとのお申出をいただきましたことから、関係する条例の所要の改正を併せて行いたいというものでございます。 給与改定の概要でございますが、長野県
人事委員会勧告に準拠し、一般職及び
特定任期付職員の期末手当を引き下げるとともに、常勤の特別職及び議会の議員の期末手当を引き下げるものでございます。 なお、一般職の給料月額につきましては、長野県人事委員会の報告に準拠し、据置きとしております。 条例の内容でございますが、第1条と第2条は、上田市職員の給与に関する条例の改正を行うものでございまして、第1条では、一般職の期末手当の支給率を再任用職員も含め100分の5引き下げ、12月に支給する期末手当に適用する改正を行うとともに、第2条では、令和3年度以降の期末手当について、6月期と12月期を同じ支給率にするための改正を行うものでございます。 続く第3条と第4条は、上田市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の改正を行うもので、
特定任期付職員の期末手当について、一般職と同様の改正を行うものでございます。 第5条と、次の2ページをお願いいたします、第6条につきましては、上田市特別職の職員等の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の改正を行うもので、市長、副市長及び教育長並びに議会の議員の期末手当について、一般職と同様の改正を行うものでございます。 2ページ後段の附則でございますが、第1項は、条例の施行日を令和2年12月1日とし、ただし第2条、第4条、第6条の改正につきましては、令和3年4月1日から施行したいというものでございます。 附則第2項は、上田市
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の附則におきまして規定する
会計年度任用職員の期末手当に関する特例について、一般職の期末手当の支給率の改定に合わせて読み替えられる字句を改正するというものでございます。 以上、議案第140号についてご説明申し上げました。よろしくお願いいたします。
○議長(土屋勝浩君) これより本案に対する質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) 本案については
総務文教委員会に付託します。 ここで
委員会審査等のため午前11時15分まで休憩とします。 午前 9時34分 休憩 ◇ 午前11時15分 再開
○議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△日程第2 一般質問(1)財政状況と予算編成について
○議長(土屋勝浩君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 まず、質問第1号、財政状況と予算編成について、松尾議員の質問を許します。松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 議長の許可をいただきましたので、財政状況と予算編成について順次質問してまいります。 初めに、国の動向や市の財政状況、今後の見通しについて数点お伺いします。国は
新型コロナウイルス感染症拡大により収入に相当額の減収があり、期限までに市税の納付が困難になった者への影響を緩和するため、地方税の徴収を猶予する旨の改正があり、公布されました。最長1年間徴収を猶予するとしており、上田市においても市税の減収が懸念されます。 そこで、この地方財政法により徴収を猶予される税目や対象はどうか、また猶予総額の見込みと猶予分の今後の徴収見込みについてどのように考えているかお伺いして、1問とさせていただきます。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 徴収猶予のご質問を頂戴いたしました。 特例による徴収猶予につきましては、イベントの自粛要請や入国制限措置など
新型コロナウイルスの
感染拡大防止のための措置に起因して多くの事業者の収入が急減しているという現下の状況を踏まえ、地方税におきましても無担保かつ延滞金なしで1年間徴収を猶予できる特例が設けられたものでございます。市といたしましては、
新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況に置かれている納税者の皆様からの申請に対し、この徴収猶予の特例措置を活用した対応を図っております。 ご質問の特例猶予の対象となる税目につきましては、令和2年2月1日から令和3年2月1日までに納期限が到来する市民税や固定資産税など全ての市税が対象となっております。ただし、既に納付期限が到来した税目については対象外となるものでございます。 一般会計における10月末現在の市税の
徴収猶予許可額は2億3,300万円余となっております。このうち
新型コロナウイルス感染症による特例での猶予分が1億4,800万円余、また事業について著しい損失を受けた場合などで一時に納付、納入することができないと認められるときに徴収を猶予する従来からの徴収の猶予制度による猶予分が8,500万円余でございます。 なお、状況に応じて1年間の猶予期間を経過せずに納付される方もいらっしゃいますので、
徴収猶予許可額2億3,300万円余のうち3,000万円余が収入済みとなっており、収入未済額としては現在2億200万円余という状況でございます。 今年度の猶予総額の見込みでございますが、現時点で見込むのは大変難しいところであります。猶予は納期に応じて許可を行うこととされておりまして、仮に現在特例猶予を許可している方について、この11月以降2月1日までに納期限を迎える市税の全て、これを猶予したとして試算してみますと、特例猶予で2億800万円余となりまして、現行法での猶予を合わせますと、徴収猶予は最大で2億9,300万円余が見込まれる、こういった状況となっております。 次に、今後の徴収見込みでございますが、猶予された方のほとんどが令和3年度に猶予期限を迎えるため、令和3年度中に納付いただくこととなりますが、感染状況や経済状況によってはその時点での納付が困難となる場合もございますので、現時点では徴収見込額について申し上げることは大変難しいものと捉えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) それぞれ答弁いただきました。
新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境に直面している
中小事業者等に対して、令和3年度固定資産税を減税するということから、地方自治体は減収が予想されております。このため、国は地方債の特例措置や地方税減収補填特別交付金等創設するとしておりますけれども、これを市はどのように受け止めておられるか、また上田市の財政面への影響はどのように捉えているか、見解を伺います。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 令和3年度の
中小事業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置についてご答弁いたします。 初めに、制度を簡単に申しますと、
新型コロナウイルス感染症拡大防止のための措置に起因して厳しい経営環境に直面している
中小事業者等の皆様に対して、一定の条件の下に償却資産と事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の負担を軽減し、これによる固定資産税及び都市計画税の減収額につきまして全額国費で補填される、こういったものでございます。 この制度により、令和3年度の課税分に限定して償却資産及び事業用家屋の負担を2分の1またはゼロにするといった軽減措置が設けられております。対象の要件は、令和2年2月から10月までの任意の連続する3か月間の事業収入を前年の同期間と比較し、事業収入の減少の程度に応じて軽減を適用するもので、事業収入の減少割合が30%以上50%未満は2分の1の軽減を行い、減少割合が50%以上の場合は全額免除とするものでございます。 また、生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充も行われ、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも新規に設備投資を行う
中小事業者等を支援する観点から、適用の対象に一定の事業用家屋及び構築物を加えるとともに、期限の延長がなされております。この措置は、令和3年1月以降2月1日までに市へ申告していただくことになっており、現時点でどの程度の軽減額となるかは不透明な状況でございます。これらの軽減措置による減収分は、ご質問にありました
新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金として全額国費で補填されることとなっております。この特別交付金は、普通交付税の算定の基礎となる
基準財政収入額には算入されない、こういったこととされておりますことから、この軽減制度による財政面へのマイナスの影響は極めて少ないものと捉えております。 次に、先ほどの徴収の猶予の特例制度が設けられたことに伴い、
地方公共団体に生じる令和2年度の一時的な減収を埋めるため、猶予相当額について発行が許される猶予特例債でございますが、充当率は100%と猶予全額の補填がなされるものの、交付税措置はなく、1年以内の償還が条件となっておりますことから、発行につきましては慎重な検討が必要と考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 続きまして、今年度の財政状況は法人市民税を中心に大幅な減収や
合併算定替えによりまして普通交付税の縮減等が予測され、こうした傾向が数年続くのではないかと懸念する声があります。そのため、歳入を確保するための工夫が必要になると考えます。起債については、今年度は新庁舎建設のための起債を含めて約100億円を超す借入れを見込んでおると伺っております。令和3年度以降の起債見込みはどうか、また今後の
公債費負担額の推移はどうか、さらに
公債費負担額を平準化させる取組や基金の活用についても考え方をお尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 令和3年度以降の起債の見込みや公債費負担の平準化等のご質問でございます。 普通会計決算に基づく令和元年度末の起債残高は、前年度から5億4,200万円余り減りまして623億5,500万円余となっております。今年度は庁舎改修・改築事業等に加えて、
令和元年東日本台風による
災害復旧事業などの令和元年度から繰り越された事業もございまして、多くの市債発行を予定しております。また、9月に総務省が発表しました令和3年度
地方財政収支の仮試算では、地方の
一般財源総額は確保される見通しであるものの、
臨時財政対策債の増額が予定されておりまして、起債の残高は今後数年は600億円台で推移することが見込まれる、こういった状況となっております。 次に、公債費でございますが、平成30年度の79億6,000万円、こちらがピークで、過去に発行した起債の償還が順次終了してきておりますことから、今後数年は減少傾向となる見込みでございます。その後は庁舎改修・改築事業などの現在進めております大型事業の償還が始まることに伴い、上昇傾向で推移すると見込んでおります。これへの対応といたしましては、これまでも
庁舎建設事業などの
普通建設事業に対し、
公共施設整備基金の活用や小中学校の
エアコン整備事業に
ふるさと寄附金を活用するなどし、またあらかじめ事業の実施年度の調整を実施するなど、後年度の公債費の平準化を図ってまいりましたが、引き続き
公共施設整備基金や
ふるさと寄附金などの特定目的基金につきまして、基金の設置目的に沿った事業に対し積極的に活用するなどの対応をしてまいります。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 次に、経済対策と
新型コロナウイルス感染症拡大防止策についてお聞きします。 国は経済活動と感染防止の両立を目指すために令和2年度第3次補正予算案を策定中ですが、この予算案は令和3年度当初予算と一体的に編成し、15か月予算として提案する意向との報道がありました。国の令和3年度当初予算案編成は例年と比べ大幅に遅れており、今のところ予算規模は明確になっておりません。また、この予算案は来年1月に開かれる通常国会で審議され、可決することになります。
通常国会召集日について、28日の新聞によりますと1月18日案が有力とのことです。上田市においても経済対策と
新型コロナウイルス感染症拡大防止策は喫緊の課題であります。こうした状況を踏まえ、市は国の動向に対してどのように捉え、予算編成について対応していくのか、お伺いします。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 国の経済対策への対応についてのご質問でございます。 菅首相は11月10日の閣議で、
新型コロナウイルス感染拡大を受け追加の経済対策を盛り込んだ第3次補正予算案の編成を指示し、令和3年度当初予算案と一体としたいわゆる15か月予算の考えの下で編成するとの方針を示しました。ご質問にありましたように、来年1月召集の通常国会に提出し、速やかな成立を目指すとしておりますが、現時点では規模については明らかになっていないという状況でございます。 また、同様に国の令和3年度当初予算編成におきましては、例年とスケジュールが違い、1か月ほど遅れた状況となっております。例年年末に公表されております
地方財政対策につきましては、市町村の予算編成におきまして重要な役割を担っておりますことから、国の動向を注視しておるところでございます。 現在のところ、年末に
地方財政対策が示されるものとして予算編成を進めております。しかし、令和2年度の国の第3次補正の状況によりましては、令和3年度当初予算にこの経済対策に係る予算も併せて計上していくといった状況も見込まれますことから、国、県と連携した調整が必要となってくるものと考えております。 財務省が9月末に発表した国の令和3年度
一般会計予算の概算要求総額は過去最大の105兆円となっておりますが、
新型コロナウイルス対策関連経費は金額を示さないいわゆる事項要求、こちらが多くなっており、今後の国の対応次第で当市の来年度予算にも大きな影響を与えますことから、国や県の動向を注視し、国の予算編成に並行して進められる
地方財政対策の行方や
地方財政計画の内容等に十分留意しながら、追加の経済対策などについて遅滞なく機動的な予算編成を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 続きまして、予算編成についてお聞きします。 経常的経費、一次経費は継続的、恒常的に支出される経費であると承知しております。令和3年度当初予算では
シーリング方式により今年度の予算額から3%削減した額を
予算要求限度額とすることを基本とし、一次経費を削減し、政策的経費に充当できる一般財源を確保するということであります。各部局の組織の経常的予算の執行率にもよると思いますが、各部局現場では相当な努力が必要なのだろうというふうに感じております。平成30年度においても
シーリング方式を用いて経費の削減に取り組んだ経緯があります。こうした経費削減は継続的に取り組み、効果が継続されることが望ましいというふうに考えておりますけれども、そこでお伺いします。令和2年度一次経費に係る予算額から3%削減した具体的な削減額や削減に係る取組の内容はどうか、お伺いします。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 一次経費のご質問を頂戴いたしました。 平成28年度から始まった
合併算定替えによる交付税の段階的縮減が令和2年度で終了しまして、令和3年度からは普通交付税の算定が新市として一本算定となることによる一般財源の減少に対応するため、経常的経費である一次経費の上限を設定しております。令和3年度につきましては、ご質問のとおり、前年度比マイナス3%のシーリングを設定しております。これによる金額でございますが、約1億円の削減を見込んでおります。この削減分を政策的経費である第二次経費の一般財源の一部として活用してまいります。 経常的経費の削減に当たりましては、前年度の実績や既成概念にとらわれず、コスト意識と柔軟な発想を持って取り組んでもらうため、事業の見直し、廃止の視点、こういった内容のものを予算要求課に提示いたしました。事業の有効性や効果の再確認、業務の効率化、集約化、仕様の見直しなどといった視点から事務的経費や施設の維持管理費、また補助金などの経費を対象として、それぞれの担当部署に取組を促すといった対応をしております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 今後、昨年度並みの税収が見込めない中、経費の削減はさらに大きなテーマであり、公共施設の集約や統廃合は喫緊の課題であると考えます。令和元年度には一般会計決算特別委員会から附帯意見が提出されております。令和元年度に重点目標として公共施設長寿命化計画に基づく個別施設計画の策定への取組が掲げられ、今年度も継続して取り組んでおられます。さきの9月議会で今年度中の策定は困難な状況にあるとの答弁がありましたが、改めて個別施設計画の策定の完成時期はどうか伺います。また、個別施設計画は令和2年度中のできるだけ早い時期に策定するよう国から要請されておりますけれども、計画策定による財源措置があるのか、お伺いいたします。
○議長(土屋勝浩君)
中村総務部長。 〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕
◎総務部長(中村栄孝君) 公共施設の個別施設計画等についてお答えいたします。 本格的な人口減少社会を迎え、税収減、社会保障関連経費の増大が見込まれる中で、将来にわたって持続可能な行財政運営を行っていく必要があることから、上田市では平成27年6月に上田市公共施設白書を策定して、保有する公共施設の全体把握と将来更新費用等の推計を行いました。 また、保有する公共施設について、全市的な資産の管理と利活用という視点で検討する公共施設マネジメントの取組が必要であり、平成28年3月に上田市公共施設マネジメント基本方針を策定し、施設の維持管理の基本的な考え方や取組の方向性を定めました。 市ではこの公共施設白書と公共施設マネジメント基本方針の2つを国が言うところの公共施設等総合管理計画と位置づけまして、市の公共施設を計画的かつ適正に維持管理することで、財政負担の平準化や縮減等を図ってまいりたいと考えております。 一方、個別施設計画は、公共施設マネジメント基本方針の計画期間等に準じておりまして、類似目的の施設単位で令和7年度までの具体的な対応方針を定めているものでございます。具体的には、各施設の老朽度や劣化の状況、施設が果たしている役割や機能、利用状況等を踏まえた更新、廃止、長寿命化などといった対策の優先順位の考え方のほか、対策の実施に係る費用や時期等を記載しております。 この個別施設計画の策定状況でございますが、公共施設マネジメント基本方針では個別施設計画として公共施設を種類ごと34に分類して策定することとしておりまして、現在のところスポーツ施設や保育施設など7類型が策定済みでございます。また、現在策定中のものにつきましては、施設の所管課が複数の部局にわたる場合には、類型内で主担当となる所属を決めて様々な調整を行いながら策定作業を進めておりまして、このコロナ禍の中ではございますが、年度末までには素案策定の段階まで進むよう取り組んでまいりたいと考えております。 なお、上田城跡公園内の施設などほかの計画と関連する施設や利用団体や地元との事前調整を要する施設などにつきましては、年度内の策定は難しいと考えておりますが、可能な限り早期に策定できるよう進めてまいります。 次に、個別施設計画策定による財源措置についてでございますが、国では地方債のメニューの一つとして、公共施設最適化事業債を拡充した公共施設等適正管理推進事業債を平成29年度に創設して、
地方公共団体の公共施設の維持管理や更新に係る経費を支援しております。この公共施設等適正管理推進事業債の対象となる事業は7つございまして、1つとして、延べ床面積の減少を伴います集約化・複合化事業、2つとして、施設の使用年数を法定耐用年数を超えて延長させる長寿命化事業、3つとして、ほかの用途への転用事業、4つとして、コンパクトシティの形成に向けた立地適正化事業、5つとして、庁舎等の段差解消などユニバーサルデザイン化事業、6つとして、耐震化未実施の本庁舎の建て替えをする市町村役場機能緊急保全事業、7つとして、施設を解体する除却事業でございます。いずれも公共施設等総合管理計画に基づき実施される事業であること、また除却事業を除いて個別施設計画に位置づけていることが要件となっております。 市ではこれまで保育園の統合事業や市役所本庁舎改築事業などにこれを活用しておりますが、この地方債は現在のところ令和3年度までと期間が限られております。しかしながら、市としましては、厳しい財政状況を踏まえ、交付税措置のあるこの地方債の重要性を十分認識しているところでございまして、今後も引き続き県市長会等を通じてこの地方債の恒久化と拡充を要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員。 〔4番 松尾 卓君登壇〕
◆4番(松尾卓君) 答弁いただきました。公共施設等適正管理推進事業債については、引き続き国の措置をお願いしていく、厳しい地方の状況を考えますと当然必要な財源でありますので、市としての取組も期待いたします。 また、実際に施設の統合などを進めていく場合に様々な課題が出てくるかと思います。実際に武石地域では総合センターを建設中で間もなく完成ということなのですが、特に高齢者施設等を集約していく場合に、いろんな団体が利用されておりました。また、指定管理を受けて運営していた施設がなくなってしまうということで、そうした高齢者の関係の団体の運営費が今後どうするかという課題も出てきているというふうに伺っております。そういったことも事前にしっかり話合いをしながら合意していく必要もあると思いますし、施設の統廃合についても議論されておりますけれども、なかなか市としての具体的な方向性を示していない中で地域協議会等で議論いただいているわけですけれども、なかなか経費の関係だけに焦点が当たってしまって、例えば地域振興についてはどうか、その施設が果たしてきた役割や今後の役割についてどうかという、そういった視点の議論が欠けているように思います。施設の統廃合を進める場合にはそういったこともしっかりと議論できるような役割を担当課のほうでしっかり果たしていただきたいなというふうに希望します。 それでは、最後の質問をさせていただきます。今後の厳しい財政状況を踏まえると、国や県などの補助制度を活用し特定財源を確保することの重要性が高まってくると考えます。そうした上で、国の方針である新たな日常を構築するためのデジタル化や地方創生、また人材育成、イノベーションなどの取組と市が目指すまちづくりや市独自の課題解決のための取組についてマッチングさせていくことが求められます。 そんな中、令和3年度当初予算の編成方針では、
新型コロナウイルス感染症対策に関連する事業以外の既存事業及び新規事業は凍結せざるを得ない段階との認識を示されておりました。しかしながら、こうした厳しい時期だからこそ市民サービスと福祉の向上は必要であり、新たな事業が必要になると考えます。市は予算編成を行う上で新たな施策に対する予算要求に対し、どのようなプロセス、基準で判断していくのか伺います。 また、来年度の予算編成に当たって重点3分野を課題として設定し、重点的に財源配分を行うとされておりますけれども、後期まちづくり計画、スマートシティ化推進計画、また市民ニーズなど喫緊の課題をどのように捉え、市の将来像実現に向けた施策展開を図るのか伺います。 さらに、土屋市長におかれては任期中最後の1年となります。市長の公約に対する予算配分の考え方と公約実現に向けた政策展開や決意はどうか伺いまして、最後の質問とします。
○議長(土屋勝浩君) 土屋市長。 〔市長 土屋 陽一君登壇〕
◎市長(土屋陽一君) 令和3年度当初予算の編成に当たっては、9月30日に総務省から示されました「令和3年度の地方財政の課題」における「
地方財政収支の仮試算」におきまして、地方税等が対前年度比3.6兆円、率にして8.3%の大幅な減とされております。そのことから、
新型コロナウイルス感染症による景気の低迷等により、大幅な市税の減収は避けられないものと見込んでおります。 当市の令和3年度当初予算編成は、令和3年度から始まります5か年の後期まちづくり計画の初年度を迎え、目指すべき将来都市像の実現に向けた編成を進めておりますが、新年度ではこのように大変厳しい財政状況が予想されておりますことから、まずは
新型コロナウイルス感染症対策に係る事業や、公約であります最優先課題である資源循環型施設建設に向けた着実な施策展開に優先的に予算配分を行ってまいります。 また、後期まちづくり計画の推進に向けた施策展開を踏まえまして、「未曽有の危機の克服と「まちづくり計画」の進展に向けて~感染症拡大への対応と地域経済の活性化の両立~」を重点3分野のタイトルとして据えた上、喫緊の課題である3つの分野を重点分野として設定し、令和3年度はこれらを具体化する事業に重点的な財源配分を行うこととしております。 その中でもまず
新型コロナウイルス感染症拡大を防止するための柔軟かつ機動的な施策を推進していく必要があると考えております。感染症拡大防止のほか、医療関係者への支援、市民の皆様の生活の下支え、地域経済の活性化や「新たな日常」の実現を目指した取組など、感染症から市民生活、雇用、地域を守り抜く取組を実施してまいります。加えて、災害からの復旧、復興の推進と災害に強いまちづくりとして、
令和元年東日本台風に係る災害復旧の完了を急ぐとともに、防災、減災対策も推進してまいります。 後期まちづくり計画は、人口減少や少子高齢化が進展する中において、今後生ずる課題や様々なリスクにも的確に対応し、将来にわたって市民が快適で幸せな暮らしを営んでいくためのまちづくりを着実に進めていくために必要な施策を位置づけております。子育て支援の充実や最先端技術の活用など、これからのまちづくりにおいて重要性の高まる施策のほか、災害対応や感染症対策などの課題に必要となる施策など、喫緊の課題を踏まえた施策を盛り込んでおります。 また、現在策定を進めております上田市スマートシティ化推進計画は、後期まちづくり計画の重点プロジェクトの一つである最先端技術活用プロジェクトを具現化するための個別計画として、ICT技術活用によるスマートシティ化を目指す総合的な指針として策定しております。 これらの目指すべき将来都市像の実現に貢献する事業に予算の重点配分をする方向で考えておりますが、現時点では市税の減収がどの程度となるのかを精査している最中でありまして、来年1月の市長査定において財源を踏まえ判断してまいります。 現下の
新型コロナウイルス感染症拡大の局面におきまして、当面は感染症対策に重点を置かざるを得ないものと考えております。県内及び市内の感染状況を踏まえ、資源循環型施設建設に向けた施策や子育て支援や地域交通の確保などの喫緊の課題に対しても、市民ニーズ、緊急性を慎重に見極め、優先順位を定めながら予算配分を決定してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、日々刻々と状況は変化してきておりますことから、これらを的確に見極め、進めるべき施策を慎重に選択しながら、まずは感染症拡大への対応と地域経済の活性化の両立を目指して予算編成を進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 松尾議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。 午前11時55分 休憩 ◇ 午後 1時00分 再開
○議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(2)市政について
○議長(土屋勝浩君) 次に、質問第2号、市政について、石合議員の質問を許します。石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) 通告に従い3項目について質問いたします。 まず、公共交通について伺います。介護や医療、公衆衛生、行政サービス、流通など市民の日常生活維持に不可欠な仕事に携わる方をエッセンシャルワーカーと呼びますが、交通分野に関してはまさにこのエッセンシャルワーカーという表現ができると思います。市では本年7月臨時会において、暮らしを守る公共交通緊急支援事業として、バス、タクシー、代行事業者に対して総額5,600万円の補正予算により支援を行ってきました。バスで見れば1台当たり50万円の補助と、県内他市と比較しても突出した支援であり、積極的な支援と一定の評価ができます。今まさに感染拡大が急速に広がっている状況でもあり、厳しい状況は深刻さを増しているわけですが、この支援は十分と言えるか伺います。 一方、コロナ禍の状況は厳しく、事業者からは悲鳴にも似た声をお聞きします。前月の売上げが減少した分を補填するだけでは立て直しの見通しは立たず、一定のまとまった期間の支援がなければ事業が立ち行かないという声もあります。乗客があろうとなかろうとバスなどを走らせ続けなければならない厳しさもあります。市民生活を守る移動手段の確保、維持に向けては市町村による継続的な支援が必要との見解を9月議会における私の文書質問への回答で市は示しておられますが、令和3年度当初予算編成方針においても厳しい財政見通しが立てられる中、どのように継続的な支援を検討していく考えでしょうか。感染を警戒することから乗客離れが深刻ですが、利用促進や乗車誘導を強める具体策と併せ見解を伺います。 また、文書質問においては、観光振興や県内移動による利用を含めた広域的な視点から国、県によるさらなる支援も必要であるとの認識をお示しいただいていますが、具体的な協議や働きかけはどのように行っていくか、市長会を通じ国に積極的な支援を求めることも急務と考えますが、どうでしょうか。 また、事業者の事業展開エリアが広域にまたがることから、近隣市町村とも連携した取組が必要と考えるがどうか、最初の質問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 藤澤
都市建設部長。 〔
都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕
◎
都市建設部長(藤澤純一君) 公共交通の支援等について何点かご質問をいただきました。 コロナ禍における公共交通事業者への支援につきましては、7月臨時会及び9月定例会におきまして、暮らしを守る公共交通緊急支援事業として、バス、タクシー、代行事業者に対して5,600万円、上田電鉄に対して1,400万円余の補正予算を計上し、積極的な支援を行ってきたところであり、今議会ではしなの鉄道への安全、安定輸送に向けた車両検査に対する支援として950万円余を計上しております。 支援に当たりましては、生活交通である路線バス、タクシーに加え、広域性の観点から県の施策に呼応し、高速バスや貸切りバスも含めた補助を行い、また別所線に対しては県と協調した補助を行ってきております。現時点において台風災害以降市の財政事情が厳しい状況にある中、国の地方創生臨時交付金を活用した最大限の支援を実施しているものと考えております。 また、各事業者においては、国の雇用調整助成金、持続化給付金、県や市の制度融資を活用するとともに、国土交通省の2次補正による感染症対策の補助等を受けながら、公共交通の運行を継続していただいております。 しかしながら、事業者においては先の見えない非常に厳しい状況であり、引き続き定期的な情報交換により経営状況を的確に把握し、全市的な産業分野のバランスを考慮しながら効果的な支援策の検討を進めるとともに、国、県の施策と呼応した従来からある補助金の枠組みも踏まえた支援の在り方についても検討してまいりたいと考えております。 続きまして、コロナ禍における利用促進や乗車誘導の具体策でございますが、各事業者においては感染予防対策ガイドライン等を踏まえ、乗務員の健康管理の徹底とともに、車内全体の抗菌加工や定期的な消毒、換気の徹底などの対策を講じております。また、長野県バス協会では、公共交通機関の利用の安全性を正しく理解していただくための感染防止対策見学会の開催やホームページにおいて動画をアップするなど、様々な取組を行っております。市といたしましても、ホームページによる周知や車内における掲示など様々な機会や媒体により、事業者やバス協会と連携して安心して利用していただけることのPRに努めているところでございます。 また、3密回避には非接触型キャッシュレス決済の取組も有効とされております。現在上田バスの菅平高原線におけるQRコード決済実証実験を行っておりますが、今後は上田電鉄別所線や他のバス路線における展開も検討しており、利用者の利便性や事業者の生産性に係る効果の検証を踏まえながら、新しい生活様式に対応したシステムの導入による利用促進を図ってまいります。 次に、広域的な視点からの国や県によるさらなる支援に係る具体的な協議や働きかけについてでございますけれども、自治体単独の支援のみではなく、国、県による支援も不可欠でありまして、コロナ禍における緊急支援に加えて、事業者が運行維持に必要とする十分な補助が受けられるよう、8月の長野県市長会を通じて国、県に対して要望を行ったところでございます。 また、先週の11月25日に行われました市長と北陸信越運輸局長との面談の際にも地域公共交通を担う事業者への支援について強く要望を行っておりまして、また県知事におかれては折に触れて国に対して積極的な支援の拡充、強化を要望していただいております。 また、近隣自治体と連携した取組につきましては、広域的な観点から自治体をまたいで運行するしなの鉄道については沿線市町による協調した補助を行ってきており、佐久上田線や青木線、長久保線をはじめとしたバス路線については、路線維持や利用促進に向けた沿線自治体による情報交換の機会を設けております。 今後につきましても、引き続き情報収集に努め、国、県に対する要望や沿線自治体と連携した支援や取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。非常に厳しい状況、もう既に切迫しているなどという状況は突破してしまっているという認識でおります。単市による支援では厳しい状況を切り抜けるということも難しくなってきていると思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 上田市では昨年の台風災害や今般の感染症の拡大を契機に事業者との迅速な情報共有、意見交換を行うためのプラットフォームづくりに着手したところと承知しておりますが、現状はどうでしょうか。県内においてはアルピコ交通株式会社が県に対して高速バス路線の公設民営化への支援についての要望を行った経過もありますが、上田市は路線バス運行を維持していくために事業者と協議していることはあるでしょうか。上田市として地域交通を維持、存続していくためにはどのような手段によることがよいと考えておられるでしょうか。バス路線においてはコロナ禍以前から人手不足は深刻でした。路線バスで生じた赤字を観光や高速バスの黒字で補填している状況のため、
新型コロナウイルス感染症の影響により観光、高速バスの収益が減少することは大変大きな痛手です。路線や運行本数の見直しなど具体的な協議はあるか伺います。
○議長(土屋勝浩君) 藤澤
都市建設部長。 〔
都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕
◎
都市建設部長(藤澤純一君) まず、公共交通事業者とのプラットフォームづくりでございますけれども、昨年の台風災害時の代替輸送の確保に係る問題や今般の
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経営に大きな影響が及んでいることを契機として、事業者と行政との迅速な情報共有、意見交換の必要性を認識したところでございます。 6月には鉄道、バス、タクシーの事業者と行政が一堂に会した会議を開催し、コロナ禍における情報共有や意見交換を行うため、市長との懇談の機会を設けたところでございます。その後、国によるセミナーや上田地域の公共交通を考える講演会や日本遺産など様々な場面において公共交通を担う事業者同士の顔の見える関係づくりを促す取組を進めております。 災害時、緊急時における対応や公共交通が抱える課題解決のためには事業分野を超えた連携が必要でありまして、後期まちづくり計画においてもプラットフォームづくりを位置づけているところでございます。今後につきましても、利用促進に向けて
新型コロナウイルス感染症の影響からの回復、ICT技術の活用や観光振興などについて定期的な情報交換、意見交換の機会を設け、各事業者間の連携を強化した体制による課題解決に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、路線バスを維持していくための事業者との協議等についてのご質問です。バス事業者の極めて深刻な運転手不足、昨年の台風災害や
新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、まずは幹線系統の路線を維持するため事業者との協議を行ってまいりました。バス事業者においては、長らく路線バスで生じた赤字を高速バスや貸切りバスで生じた黒字で補填する事業構造にありますが、今般の
新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う貸切り、高速バスの収益激減により、全ての事業区分において収益が赤字に転じている事業者もございます。 行政による支援体制につきましては、市町村をまたぐ高速バスや貸切りバスなど広域性の高いものは、国、県や沿線自治体の役割としての支援が必要と考えております。一方、国庫補助金の減額措置に加え利用者の減少もあり、事業者の収支率の悪化や路線の維持に対する市の財政負担が大きくなっている状況にございます。 このような中、市による支援といたしましては、現行の補助制度において路線バスの運行維持ができるよう、公設民営化という視点も認識し、引き続き重要な課題として検討してまいりたいと考えております。また、コロナ禍を乗り切るための施策に最優先に取り組みつつ、個別の路線、事業者、地域ごとにおける路線の再編、利便性向上や経営の効率化、日本遺産認定を踏まえた観光振興による利用促進などにつきまして、バス事業者と連携して協議を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。 コロナ禍の影響もあり、今年度は公共交通活性化協議会が開かれていませんが、事業者や関係機関の意向聴取やニーズの調査はどのように行われているのでしょうか。また、来年3月28日の別所線全線開通に伴う代替バスの対応等もありますが、今後の活性化協議会の予定を伺います。
○議長(土屋勝浩君) 藤澤
都市建設部長。 〔
都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕
◎
都市建設部長(藤澤純一君) 公共交通活性化協議会に係るご質問でございます。 上田市公共交通活性化協議会は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の規定に基づき、公共交通に係る計画の策定や事業の実施について協議する法定協議会と、道路運送法の規定に基づき、路線バス等のルートやダイヤ、運賃等について協議する地域公共交通会議の役割を有しており、全市的な課題を協議する場となっております。 今年度はコロナ禍で会議開催ができておらず、書面表決の形式による協議を行ったところであり、今後の協議会開催の予定につきましては、年度内に対応すべき案件がございますが、開催の可否につきましては、今後の
新型コロナウイルス感染症の状況を注視し判断したいと考えております。 それぞれの団体の意向や要望の確認につきましては、交通事業者とは先ほどのプラットフォームづくりについて答弁しましたように、様々な場面において情報交換や意見交換の場を設けてございます。また、国や県などの関係機関とは、国のセミナーや県による地域公共交通最適化サポート事業などにおきまして、課題の共有や解決に向けた意見交換を行っております。また、地域協議会、まちづくり協議会を含めた関係団体につきましては、地域の特性やそれぞれの分野を踏まえ意向やニーズの把握を行う必要があることから、個別に対応している状況でございます。 今後につきましても、引き続き事業者や関係機関との情報交換や意見交換による意向やニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。今後の公共交通の在り方について大変重要な岐路に立っているものと認識いたします。かねて申し上げておりますが、あらゆる産業の土台となる公共交通であります。引き続き厳しい認識を共有いただきながらよろしくお願い申し上げます。 公共交通の質問では最後です。過日新聞報道にもございましたが、国が実施したバス停留所の安全性の調査では、上田市内にも危険度Aのバス停留所があるとの結果が出ていましたが、状況と対応はいかがでしょうか。バス停が危険であることで、本来ご利用いただける方が遠のくことがあってはなりません。早急な調査と対応を求め質問します。
○議長(土屋勝浩君) 藤澤
都市建設部長。 〔
都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕
◎
都市建設部長(藤澤純一君) 国によるバス停留所の安全性の調査につきましては、平成30年に発生した横浜市における死亡事故を受け、信号機のない横断歩道や交差点の近くに位置する停留所において、バス停車時に車体が横断歩道にかかるなどの危険性の調査が行われ、バス事業者が運行する路線の停留所の中から運輸局が危険度の分類を行ったものであります。 市内における全停留所925か所のうち、バス停車時に車体が横断歩道にかかるといった危険度A判定の停留所は18か所となっております。優先的な対策が必要とされるA判定のバス停留所の対応につきましては、まずは運行事業者の主体的な役割として、国の指導の下、現地確認を行いながら対策の検討を進めております。 安全対策の方法といたしましては、危険性を軽減させるために停留所の移設が考えられますが、停留所の場所の確保や利用者の利便性が損なわれないよう慎重に検討を進める必要があると考えております。また、バス停留所の対応とともに、バス事業者においては子供や高齢者を対象としたバスの乗り方教室を行う取組を行っており、乗客やドライバーに対するバス乗降時の安全確認の徹底や、交通安全全般の意識向上につきましても関係機関との連携による啓発活動を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。引き続き安全対策の強化、徹底をよろしくお願いいたします。 次に、脱炭素社会に向けた取組について伺います。2016年気候変動の脅威とそれに対処する緊急の必要性を認識し、産業革命前からの地球の気温上昇を2度未満に抑え、1.5度未満にしていく努力をすることを目標とした国際条約、いわゆるパリ協定が発効しました。しかし、その後も世界のCO2排出量と平均気温は観測史上最高を記録し、産業革命前から1.1度上昇しています。さらに、パリ協定に基づく各国のCO2削減目標が達成されたとしても、今世紀末には世界の気温は3度上昇すると国連は警告しています。既に気温の過熱化によって世界各地で熱波、ハリケーン、山火事、洪水、海面上昇、干ばつ、氷床融解などの極端な気候変動が頻繁にもたらされ、国内でも気象災害が頻発しています。昨年9月の国連気候行動サミットでは、77か国が2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを表明しました。その時点では日本はCO2削減目標の引上げに消極的で、石炭火力発電所を増設、輸出し、世界一低い炭素税を引き上げようという姿勢はありませんでした。こうした中で、世界中の若者がグローバル気候ストライキに立ち上がり、昨年9月の行動には185か国で760万人以上が参加しました。世界では1,100を超える自治体や政府機関が気候非常事態宣言を行い、問題解決に向け総力を上げ取り組むことを表明しています。 長野県では、昨年12月、気候非常事態宣言を行い、今年4月1日には気候危機突破方針を知事自らが執筆、打ち出し、10月19日には2050年度までに二酸化炭素の排出を事実上なくすゼロカーボン達成を目指す脱炭素社会づくり条例を制定しました。国においては、10月26日に菅首相が所信表明演説の中でゼロカーボン宣言をしました。国会におきましても衆参両院とも11月に決議を行っています。大変重要な動きと受け止めますが、国、県のそれぞれの動きに対する上田市の受け止めはどうか。また、上田市として県の気候非常事態宣言に賛同していますが、現時点の取組状況はどうか。さらに、
新型コロナウイルス感染症の拡大により社会構造が見直されています。
新型コロナウイルスで停滞した社会を気候変動を抑えながら生態系を守り、立て直そうというグリーンリカバリーという考え方が世界中に広がっていますが、このことについてどのように捉えるか伺います。
○議長(土屋勝浩君) 山口
生活環境部長。 〔
生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕
◎
生活環境部長(山口泰芳君) 脱炭素社会に向けた取組についてお答えいたします。 県の気候非常事態宣言や国の2050年ゼロカーボン宣言については、地球温暖化が要因とされる気候変動などの共通課題を認識し、脱炭素社会の実現に向けた取組を強化していく上で国民、県民に対し方向性を示すことは大変意義のあることと捉えております。特に国が2050年ゼロカーボンを表明したことは、今後の脱炭素社会の実現に向け、地球温暖化対策を強固に進める強い姿勢を示したものであります。市としましても、国、県の宣言に沿って徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの普及拡大など、地域が一体となって気候変動対策に取り組む必要があると考えております。 上田市においては、令和元年12月に出された県の気候非常事態宣言に賛同するとともに、引き続き気候変動に対する取組を推進しております。上田市の取組状況でありますが、現在市ではエコオフィスうえだ(第四次上田市役所地球温暖化防止実行計画)によりましてエネルギーに関する施策を推進し、温室効果ガスの削減に取り組んでいるところであります。また、平成25年に改定した上田市地域新エネルギービジョンにおいて市域の再生可能エネルギーの普及促進を図っており、特に上田地域の特性を生かした太陽光発電及び太陽熱利用設備については、個人向けの補助制度を実施しております。 次に、グリーンリカバリーについてであります。今年のコロナ禍により低迷した経済活動からの回復と脱炭素社会への移行を両立するグリーンリカバリーにつきましては、現在EUを中心に議論されており、今後における気候変動対策への取組が加速する契機になると捉えております。国においても令和3年度の重点施策として示している脱炭素社会への移行、循環経済への移行、分散型社会への移行という3つの移行による持続可能で強靱な経済社会へのリデザイン(再設計)を強力に推進することとしています。市としましては、今後示される具体的な施策に対し情報収集を行うとともに、注視してまいりたいと考えております。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。太陽光発電設置への補助を継続して取り組まれるなど、上田市の特性も現れたことかと思います。ご答弁の中にもございましたが、エコオフィスうえだ、上田市役所地球温暖化防止実行計画は、合併前でありますが、平成13年4月に策定され、平成18年、4市町村合併で全市的な取組として確認し、平成20年4月、第二次計画、平成25年4月、第三次計画、そして平成30年3月、第四次計画と計画の更新も行われながら、また各種の対応も取られているところです。公共施設の省資源化や省エネルギー化、電力の再生エネルギー化など地球温暖化対策の取組状況はどうか、今後の取組方針はどうか、また具体的にどのように進めるか、以上お伺いします。
○議長(土屋勝浩君) 山口
生活環境部長。 〔
生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕
◎
生活環境部長(山口泰芳君) 公共施設の地球温暖化対策の取組状況はどうかのご質問であります。 現在、市ではエコオフィスうえだにおいて日常業務における節電などの省エネの取組の強化に加え、公共施設への再生可能エネルギー設備と省エネ設備の導入等の推進を掲げ、温室効果ガス削減に向けた取組を実施しております。公共施設では、本庁舎、武石地域自治センター、丸子文化会館、自然運動公園総合体育館等の改築、更新に合わせて省エネ設備の導入、照明のLED化等を順次進めております。現在建築中の本庁舎では、地中熱を利用した空調や太陽光発電システム等を導入しております。 今後においても施設の改築や更新等に合わせた省エネ設備や照明のLED化等を積極的に行うとともに、公共施設の電力使用における温室効果ガスの削減を図るため、低炭素電源の選択についてもさらに検討してまいります。 また、市では今年度計画期限を迎える上田市地域新エネルギービジョンの施策を引き継ぎ、踏襲した計画として新たに上田市地球温暖化対策地域推進計画の策定を予定しております。これは、上田市の市民、事業者を含めた地域全体の温暖化対策の計画でありまして、温室効果ガスの排出量の削減目標を定めるとともに、再生可能エネルギーの普及促進や省エネルギー対策などの具体的な温暖化対策を推進するものであります。温暖化対策には温室効果ガスの排出を抑制する緩和策と被害を回避、軽減する適応策があり、一体的に取り組んでいく必要があります。今後はこの計画に基づき気候変動対策としての緩和策、適応策の方針を示しながら、地域が一体となり脱炭素社会を目指す取組を推進してまいります。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) ご答弁をいただきました。 市長に伺います。全国的な流れや、先ほど部長からもご答弁いただきましたが、国際的な動きを捉える中では、今がまさに上田市として気候非常事態宣言を打ち出す絶好のタイミングと言えます。県内市町村におきましても、私の調べですが、10月12日時点までに気候非常事態宣言を白馬村、千曲市、佐久市、小諸市など9つの自治体、またゼロカーボンの表明を白馬村、軽井沢町、立科町、佐久市、小諸市など8つの自治体で行っています。上田市として県の気候非常事態宣言に賛同してきている経過もございますが、ここで上田市として気候非常事態宣言や2050年ゼロカーボン宣言を行う考えはあるか、ご答弁をお願いいたします。
○議長(土屋勝浩君) 土屋市長。 〔市長 土屋 陽一君登壇〕
◎市長(土屋陽一君) 地球温暖化の進行が要因とされます気候変動は、世界各地に記録的な高温や大雨などの異常気象を頻発させる状況にあります。上田市においても
令和元年東日本台風では大雨等により、河川の氾濫や土砂崩落、上田電鉄別所線の千曲川橋梁の一部崩落などの甚大な被害を受け、現在もなお復興途中の段階であります。今後は地球温暖化の進行に伴い大雨や洪水等の発生リスクはさらに高まることが予想されており、地球温暖化による気候変動の問題はもはや気候危機の状態に立ち入ってきている状況であると考えます。 そのような状況の下で、脱炭素社会を目指した地球温暖化対策を一丸となり推進するための意識の醸成を図るためにも、上田市が気候非常事態宣言及び2050年実質ゼロカーボンを表明することは大変重要であろうと捉えております。この宣言につきましては、その実現に向け前向きに検討を進めてまいりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員。 〔1番 石合 祐太君登壇〕
◆1番(石合祐太君) 大変力強いご答弁だったかと思います。ぜひこの気候対策においても先進的な上田市の取組にご期待申し上げます。 最後に、交通安全対策について一括してお伺いします。先日、私の居住区でもありますが、市道伊勢山金井線、通称ふるさと農道におきまして軽自動車1台が横転する交通事故が発生いたしました。勾配もあり、カーブも連担する道路ですが、制限速度を超えて走行する車両が多く、特に下りはスピードが増し危険であり、これまでも事故が発生しています。今回の事故も原因はスピードの出し過ぎと見られています。小中学生の通学路でもあり、農耕車が通るなど生活道路の面もあります。安全確保策は急務であるとの地域の声もあります。このことから市内において交通安全対策を強める必要性を感じ、全般的な視点から質問いたします。 過去10年間の市内の人身事故件数の推移と内容、主要原因はどうか。事故多発地点には見通しの悪さなど一定の共通点があるとも考えます。事故多発地点における状況とそれに対する対策はどうか。運転者のマナー向上と、歩行者も含めて交通ルールに対する意識向上のための各種取組状況はどうか。交通量の多い時間帯に警察による警戒を実施することや、パトカーや白バイの巡回など警察と連携した取組を強化することが最善の効果があると考えますが、どうでしょうか。 最後に、夜間に点滅するタイプの自発光式標識は注意喚起に一定の効果があると認識しておりますが、市内において設置はどの程度進んでいるでしょうか、その効果はどうでしょうか。 以上伺い、私の質問を終わります。
○議長(土屋勝浩君) 山口
生活環境部長。 〔
生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕
◎
生活環境部長(山口泰芳君) 交通安全対策について、上田警察署にお聞きした内容についてお答えいたします。 最初に、上田市内における過去10年の人身事故件数、死者数、負傷者数の推移につきましては、平成22年における人身事故件数は891件、死者数と負傷者数を合わせた死傷者数は1,103人に上りますが、年々人身事故件数、負傷者数は減少傾向にあります。令和元年中の人身事故発生件数は564件で、死傷者数は682人でありまして、平成22年に比べてそれぞれ327件、421人減少しております。死傷者数は減少しておりますが、このうち死者数は過去10年間において、年によって増減はありますが、平均しますと1年で約5人の方が交通事故で貴い命を落とされております。 事故の主要原因につきましては、昨年の全県下のデータを見ますと、事故形態で大多数を占めるのが追突事故でありまして、次いで出会い頭事故となり、この傾向は上田市内でも同様であります。 過去の上田警察署管内の人身事故発生状況を見ますと、路線別では交通量の多い国道18号において交通事故が多発している状況でございます。また、交通事故が多発している場所としましては、見通しの悪い交差点や優先関係が明確ではない交差点等が挙げられるとのことであります。 これらの場所における交通事故防止対策としましては、県公安委員会による信号機、一時停止標識、横断歩道等の交通規制標識の設置や道路管理者による注意喚起看板、路面標示、カーブミラー等の設置などのハード対策を実施している状況であります。ソフト対策としましては、例えば日没が帰宅時間と重なる10月から11月までの間は、特に日没後1時間の歩行者事故防止に焦点を当てたヘッドライトの点灯、歩行者に夜光反射材着用を促す広報啓発活動を行うなど、変化する交通情勢に対応した取組を行っております。 運転手、歩行者の交通マナー向上につきましては、コロナ禍において交通安全啓発の場が制限されているものの、市としましては、季節別交通安全運動時における広報啓発活動や高齢者の集いの場などにおける交通安全講話、広報紙「うえだセキュリティ」の活用などの方法により周知を行っております。これら啓発活動のほか、制服警察官による交通指導取締りや赤色灯を点灯させたパトカー、白バイによる交通事故多発路線におけるパトロールもドライバーの注意喚起に相当効果があるものとお聞きしております。 警察では一件でも悲惨な交通事故を発生させないためにも、事故多発路線、事故発生時間帯等を多角的に分析した上で、限られた警察力を最大限に生かし、これらの街頭活動に取り組んでいるとのことであります。市としましても、上田警察署をはじめ交通安全協会などの交通機関、団体と緊密に連携し、広く道路利用者に対し交通安全の意識づけを推進してまいります。 次に、自発光式標識についてのご質問であります。自発光式標識は、標識の周囲にLEDを点滅、発光させることにより、特に夜間における標識の視認性を向上させ、交通事故の発生を抑止する効果があるものです。上田警察署によりますと、上田警察署管内における自発光式標識の設置場所につきましては令和2年3月末現在で107か所でありまして、令和元年中に10本、平成30年中には24本の自発光式標識を設置したとのことです。 先ほど申し上げましたとおり、交通事故は見通しの悪い交差点に多発する傾向にあり、地元からは事故防止の解決策として信号機設置要望が多く寄せられているところであります。この信号機の設置については、長野県全域の信号機設置要望に対し限られた予算内で対応しているため、要望に優先順位をつけざるを得ない状況であり、交差点の道路状況や交通量、交通事故発生状況、設置の必要性などを長野県全域の要望箇所と比較した上で、必要と認めた場合に限り設置している現状でありまして、全ての交差点に信号機を設置することは困難な状況にあるとお聞きしております。 その点、自発光式標識は信号機設置に比較し低コストで導入でき、一般的な標識に比べ視認性も高まり、交通事故抑止効果も期待できますことから、市としましては引き続き信号機設置が困難な箇所につきましては代替案として自発光式標識の導入を上田警察署に働きかけるなど、早期に実現可能な事故防止対策を行ってまいります。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 石合議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 1時43分 休憩 ◇ 午後 2時00分 再開
○副議長(半田大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(3)市政について
○副議長(半田大介君) 次に、質問第3号、市政について、金井議員の質問を許します。金井議員。 〔2番 金井 清一君登壇〕
◆2番(金井清一君) 今回の一般質問は、上田市の観光地域の
新型コロナウイルス感染症対策について、日本遺産について、森林経営管理制度について、通告により順次質問いたします。 まず、上田市の観光地域の
新型コロナウイルス感染症対策について質問します。観光地域の顧客減少等に対する支援として補助金の交付などを行っていただきましたが、具体的な金額や対応状況はどうであったか、また
新型コロナウイルス感染症の収束がまだ見えない状況ですが、今後の対応策はどうかお尋ねし、第1問とします。
○副議長(半田大介君) 小相澤商工観光部長。 〔商工観光部長 小相澤 隆幸君登壇〕
◎商工観光部長(小相澤隆幸君) 支援の具体的な内容と今後の対応はどうかというご質問をいただきました。 市内の宿泊事業者をはじめ観光関連事業者の皆様におかれましては、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による大幅な観光需要の低迷、またウィズコロナ時代への対応など、いまだかつてない極めて困難な課題に直面した大変厳しい一年となってしまいました。このような状況の中、観光課では観光関連事業者に寄り添い様々な意見をお聴きするとともに、市内外における感染状況や国や県の支援策などを踏まえ、適時一定の条件を設けた上で各種支援事業を実施してきたところでございます。 まず、5月臨時議会でお認めいただきました旅館・ホテル業事業者支援金支給事業につきましては、4月から5月にかけて国の緊急事態宣言が出されたことによる往来の自粛や県の休業要請などによりほぼ全ての宿泊予約がキャンセルとなった市内宿泊事業者の事業継続の下支えを図るため、上限額を300万円とした上で、宿泊定員に7,500円を乗じた支援金を支給させていただきました。11月末現在で市内全191事業所のうち約9割に当たる
166事業所の支給が完了しており、支給総額は1億892万2,500円となっております。 次に、7月の臨時会では4つの支援事業をお認めいただきました。1つ目として、旅館・ホテル業事業者に係る温泉使用料支援事業でございます。6月中旬以降、県域をまたぐ移動が全面解禁となり、経済活動が再開されましたが、市内では観光需要の本格回復には至らず、大変厳しい状況が続いておりました。そこで、宿泊事業者の月々の固定費を軽減し事業継続を図るため、4月から9月までの6か月分の温泉使用料相当額の支援金を支給させていただきました。11月末現在で対象となります市内45の全ての事業者への支給が完了しており、支給総額は3,017万3,000円余りとなっております。 2つ目でございます。旅行業者支援事業につきまして、4月以降多くの修学旅行や社員旅行など団体旅行や手配旅行の延期やキャンセルが相次ぎ、厳しい経営状況が続いていた市内旅行業者の事業の継続の下支えを図るために、1事業者当たり30万円の支援金を支給させていただきました。市内の対象となります11の全ての事業者への支給が完了しておりまして、支給総額は330万円でございます。 3つ目として、市内旅行需要喚起事業につきましては、市民の皆様に地元の旅館やホテルなどを積極的に利用していただくため、旅館組合や観光協会と連携したキャンペーンの開催を支援するものでありまして、1万円相当の豪華景品が市民100人に当たるプレゼント企画を実施するとともに、市民対象のおもてなしプランを造成した宿泊事業者に対して、利用実績に応じて利用者1人当たり500円の支援金を支給させていただきました。11月末現在でプレゼント企画には56人の応募があり、またおもてなしプランについては57の宿泊事業者に造成していただき、利用実績のあった4事業者に対して158人分の支援金7万9,000円を支給させていただいております。今後、年末年始に向け多くの市民の皆様に地元の旅館やホテルなどを利用いただけるよう、さらにPRに努めてまいりたいと考えております。 4つ目といたしまして、索道事業者支援事業につきまして、冬のシーズンに向けて観光需要が落ち込むことが予想されます市内索道事業者の事業継続の下支えを図るために、菅平高原スキー場及び武石番所ヶ原スキー場の誘客促進に向けた割引リフト券の販売に対して、1日券1枚当たり1,000円を補助するもので、今後5,200万円程度の支給を予定しております。 さらに、9月議会では2つの事業をお認めいただきました。1つ目として、市内観光協会・旅館組合等支援事業につきましては、長引く観光需要の低迷により市内旅館、ホテルなど観光関連事業者の売上げが大きく減少したことで、会費などの収入が見込めず、事業経営を継続することが困難な状況にある各観光協会や旅館組合に対して、4月から9月までの6か月分の会費等相当額の支援金の支給をさせていただきました。11月末現在で対象となる市内6団体全ての支給が完了しており、支給総額は2,986万円でございます。 2つ目として、合宿等誘致促進事業につきましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大により大きな影響を受けております旅館、ホテル等の事業の継続を図るために、スポーツや文化活動等による合宿や体験教育活動を実施する団体に対して、連続して2泊以上かつ延べ宿泊者数が20人泊以上を条件に、上限を20万円とした上で、1人1泊当たり1,000円の宿泊費助成を、また距離に応じた最大4万円の交通費助成を実施するとともに、市の条例に規定する施設を利用した場合には、施設使用料の2分の1の額を助成金として支給させていただきました。11月末現在で延べ58団体に800万円余の助成金を支給しております。 最後に、今後の対応でございますけれども、国の観光需要喚起事業Go To トラベルキャンペーンの効果もございまして、9月下旬以降市内における旅行需要は回復傾向にございましたが、11月以降全国的に感染拡大のペースが早まり、国内における1日の感染者数も過去最大を日々更新するなど、感染の第3波により冬季に向け感染状況は予断を許さない状況が続いております。 しかしながら、市内にはウインターシーズンの貴重な観光資源となる菅平高原スキー場や番所ヶ原スキー場を有しておりますので、冬の誘客に全力で取り組んでいく必要がございます。特に菅平高原にあっては、夏場のスポーツ合宿の入り込みが大幅に減少し、宿泊事業者をはじめ観光関連事業者は大きな打撃を受けていることから、スキー場を中心とした誘客促進に向け現在取り組んでおります。索道事業者支援事業や合宿等誘致促進事業をさらに推進するとともに、県内外で観光PRキャンペーンやSNSによる情報発信を積極的に展開してまいります。 いまだ
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況でありますが、引き続き市内外での感染状況や国や県の動向を注視するとともに、宿泊事業者をはじめ観光関連事業者の皆様の声をしっかりとお聴きする中で、効果的な支援が適時実施できるよう引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 金井議員。 〔2番 金井 清一君登壇〕
◆2番(金井清一君) 答弁をいただきました。冬季もお客様の減少の可能性がありますので、早期の対応をお願いします。 次に、日本遺産について質問します。私は出身が塩田ですので、昔から塩田は文化財がたくさんある場所だと思っていました。言い伝えによると、空海である弘法大師が修行された山が弘法山だということで、私の家から弘法山を見ると、虎が横になって塩田平を見ているように見えます。また、弘法大師が仏具である独鈷を埋めた山が独鈷山だそうです。弘法大師が塩田に来て谷の数を数えたところ、高野山より谷が1つ少なかったそうです。そのため弘法大師は高野山に開山したのですが、塩田の谷があと2つ多かったら、弘法大師は塩田に滞在した可能性が大だと思っています。 高野山は世界遺産に認定されましたので、去年の10月に上田市が塩田を日本遺産に認定されるよう国に申請する説明を聞いたときには、塩田は日本遺産に認定されると自信を持ちました。今年の6月に本当に日本遺産に認定され、本当によかったです。 9月議会の文書質問では、認定ストーリーの主な内容や特徴についてお聞きしましたが、その中で特筆すべき内容はどのようなものか再度お尋ねし、第2問とします。
○副議長(半田大介君) 中澤教育次長。 〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕
◎教育次長(中澤勝仁君) 日本遺産につきましては、9月定例会で認定ストーリーの内容等につきましてご質問をいただきました。今回上田市の日本遺産の特筆すべき点につきまして改めてご質問を賜りましたので、前回と重複する箇所もございますが、答弁させていただきたいと思います。 ご承知のとおり、上田市の日本遺産のタイトルは「レイラインがつなぐ『太陽と大地の聖地』~龍と生きるまち信州上田・塩田平~」です。塩田平を中心に信濃国分寺周辺、丸子温泉郷を含めたエリアに所在する35件の構成文化財を中心としたストーリーとなっております。神社仏閣や雨乞いの祭りといった様々な「祈りのかたち」を題材に、文化財を観光振興に活用するため、舞台エリアとしまして塩田平を中心にコンパクトなものにし、周遊のしやすさ等も考慮いたしました。 特筆すべき点の一つは、市民の皆様がこれまで自主事業として継続してこられた観光振興や地域振興のための取組をタイトルやストーリーに取り入れたことです。例えば、「レイライン」や「太陽と大地の聖地」といったフレーズは別所温泉の皆様が以前から続けてこられた取組の中で使われてきたものです。これは、今後日本遺産事業を推進していく上で、地域に特徴的な文化財と関連づけた既存の取組を一層発展させることで、補助事業終了後の推進協議会の自走も視野に入れて、よりスピーディーな事業展開を目指したところでございます。 また、塩田平には無形の文化財とも言える民話や伝説が数多く伝えられております。特に塩田平では雨が少ないがゆえに水を大切にして暮らしてこられた地域の皆さんの願いを投影する民話や伝説が多く残っており、これらを「龍と生きるまち」に例えてタイトルやストーリーに反映させました。龍、ドラゴンは、外国人にもその姿をイメージしやすく、日本遺産が目指すインバウンド、すなわち外国人観光客への訴求力を期待したものでございます。 最後に、現役の鉄道ではありますが、昨年の
令和元年東日本台風で被害を受けた鉄橋、千曲川橋梁をはじめとした別所線の鉄道施設を構成文化財に加えたことです。別所線は来年開業100周年を迎えることから、この鉄道施設について文化財としての価値を評価し、ストーリーの終盤に位置づけるとともに、来年3月に予定されている鉄橋の復旧と別所線の全線開通とを関連づけ、「未来への懸け橋」として、上田市の日本遺産の将来を担う歴史資産に位置づけました。 被災して以降、大勢の皆さんのご厚意により復旧が進む鉄橋は、台風以前は私たちにとって身近で当たり前の景色でしたが、今回の被災と復旧を通して改めて鉄橋の価値と魅力に気づかされました。日本遺産とはまさにこうした歴史資産の価値と魅力を再発見し、大切に保存していこうとする機運の醸成を目的としておるところでございます。 今後、私たちの身近にあるたくさんの文化財を地域の誇りとして活用することで、地域の皆さんが保存活用の主体的な担い手となり、観光振興や地域活性化の素材として文化財を守り、活用していくという取組につながることを大いに期待しておるところでございます。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 金井議員。 〔2番 金井 清一君登壇〕
◆2番(金井清一君) ご答弁をいただきました。 次に、
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況でありますが、これからの日本遺産に関連した事業について、組織体制や市民への啓発、観光誘客などどのように検討しているかお尋ねし、第3問とします。
○副議長(半田大介君) 柳原
政策企画部長。 〔
政策企画部長 柳原 渉君登壇〕
◎
政策企画部長(柳原渉君) 今後の事業の検討内容というご質問でございます。 日本遺産を活用しました事業を推進するため、9月10日でございますが、市を含めた関係団体から成ります上田市日本遺産推進協議会を設立いたしました。民間との協働による観光振興、地域の活性化、またシビックプライドの醸成を目指した取組をスタートいたしました。また、10月2日でございますが、推進協議会の外部組織としまして、文化財活用部会、観光振興部会及び情報発信部会の3部会で成る専門部会を初めて開催いたしまして、推進協議会で決定いたしました今年度の事業計画や予算、今後の事業展開につきまして、情報共有に加え、次年度の文化庁の補助金の申請に向け、部会ごとに市内の関係団体から協議会への事業提案をいただくよう依頼したところでございます。 現在取り組んでおります事業につきましては、ストーリーの構成文化財を巡る案内看板の整備、有償ガイドの育成と事業化による収益確保、身近な文化財の観光資源としての価値の認識と活用、メディアとタイアップした番組制作、市民向けの啓発事業の実施など、文化庁の補助メニュー等を最大限活用しまして事業推進に努めているところでございます。 普及啓発に向けた取組といたしましては、12月13日に認定記念のシンポジウムを計画しております。ストーリーに登場します岳の幟や三頭獅子の披露、日本遺産認定大使による基調講演、市内大学生による研究発表のほか、認定自治体の取組や今後の事業展開について紹介するパネルディスカッションを通じまして、日本遺産に対する理解を深めていただく機会となるよう努めてまいりたいと考えております。 加えまして、12月20日でございますが、神川、塩田、別所温泉地域の住民自治組織の皆様と連携しまして、レイライン上で日本遺産を記念した花火の打ち上げも計画しております。改めて日本遺産に対する市民の機運醸成を図るとともに、官民一体による新たな事業展開につなげてまいりたいと考えております。 また、次年度に向けましては、観光拠点となるビジターセンターの設置の検討、ストーリーの理解を深めるためのセミナー、周遊観光ルートの開発や旅行商品造成の企画検討など、市民の皆様への普及啓発や観光客へのおもてなしの環境の整備に向けた取組も進めてまいりたいと考えております。 今回の日本遺産の認定でありますが、塩田平のみならず、市民の皆様に改めて身近な文化財の魅力を知っていただく絶好の機会と捉えておりまして、市内の文化財の魅力発信事業、また日本遺産を小中学校の総合学習に生かすことができる取組なども検討していきたいと考えております。こうした市民向けの取組につきましては、シビックプライドの醸成や地域の活性化という点からも重点的に進めてまいりたいと考えているところでございます。 また、今回同じく日本遺産に認定されました千曲市との連携も深め、積極的に情報共有や意見交換の場を設けまして、地域の活性化につながる契機となるよう努めてまいります。 今後こうした取組を通じまして日本遺産の趣旨であります文化財を活用した観光拠点としてのさらなる磨き上げを図るとともに、地域の歴史的魅力、特色を通じて上田市のストーリーを語る上で不可欠な魅力であります有形無形の文化財群を住民が主体となって総合的に活用し、より一層発信してまいりたいと考えているところでございます。 また、併せまして民間団体とともに立ち上げました推進協議会が3年間の補助事業を完了した後も自立的な事業展開を図っていくことができる体制づくりを進めまして、この日本遺産が新たな観光コンテンツとして国内外から注目され、さらなる地域の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 金井議員。 〔2番 金井 清一君登壇〕
◆2番(金井清一君) ご答弁をいただきました。 次に、森林経営管理制度について質問します。現在、日本の人工林の多くは十分に成長し木材として利用可能な時期を迎えています。しかしながら、森林所有者の高齢化や相続をそのままにするなど、森林への関心が低下するとともに、木材価格の低迷もあって適切に管理されない森林が全国に増加しています。このような適正に管理されていない森林を市町村が仲介し、場所によっては市町村自身が管理を可能とする森林経営管理制度が平成31年4月からスタートしています。 上田市では上小地域の4市町村が連携してその森林経営管理制度に取り組むものとし、6月議会補正予算では4市町村共同による事務事業を開始するために次の内容で予算を確保しました。まず第1に、森林管理を行うための資機材を導入する、第2として、資機材を基に森林情報の収集や作成、そして森林のマップを整備する、第3として、森林経営管理制度に関する説明会を実施する、第4として、森林所有者の意向調査を実施すると聞いております。これらの進捗状況はどうかお尋ねし、第4問とします。
○副議長(半田大介君) 工藤農林部長。 〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕
◎農林部長(工藤秀樹君) 森林経営管理制度についてのご質問にお答えしてまいります。 まず、この制度は、個人などが所有する私有林の人工林のうち、長期間間伐等が行われていない森林について、市町村が所有者に意向調査を行い、所有者自らが管理できない場合には市町村が委託を受けて伐採等を実施するための権利を設定できる制度でございます。 市町村は、林業経営に適した森林については、意欲と能力のある林業事業体に再委託し、伐採等を実施するための管理権を設定、林業経営に適さない森林については、市町村自らが管理を行い、コストがかからない自然林へ誘導することとしています。この制度に必要な財源として、令和元年度から全国の市町村などに森林環境譲与税の配分が始まっており、上田市では令和元年度は2,130万円余が配分され、令和2年度は4,500万円余が予定されております。 この制度を推進し、適切な森林管理を行うことにより、災害の防止など森林の持つ広域的機能の維持増進と林業の活性化などに寄与することが期待されております。この制度は今までにない全く新しい制度であり、様々な課題があることから、県は昨年森林経営管理支援センターを設置し、市町村の体制支援を行っているところでございます。この制度の適切な運用を図るため、令和元年度から上小地域4市町村、県、森林組合などで構成する上田地域林務行政広域連携検討会議を設置し、協議を続けております。今年度は事業実施に向けた検討と課題等の整理を目的として、4市町村で連携したモデル事業を進めているところでございます。 まず、森林管理を行うための資機材の導入でございますが、今年度は森林環境譲与税の一部を活用し、必要な資機材について購入及びリースを始めております。具体的には、森林GISや森林簿、林地台帳などの森林情報をあらかじめインストールしたパソコン、大型プリンター、360度全方位撮影カメラ及び現地での利用を想定したスマートフォンなどを導入しております。これらは森林GIS等の既存のデータを利用しながら新たなデータを収集、作成し、登録、統合したデータをスマートフォンなどで現場に持ち出し、活用するものでございます。 次に、森林情報の収集や作成、マップの整備でございますが、令和元年度に林地台帳システムが運用開始となり、森林簿と登記情報がリンクされ、森林所有者や樹種、樹齢などの森林資源情報と土地所有者の情報がひもづけられました。これにより意向調査等を行う際の基礎情報として活用することが可能となっております。 また、この制度の今後を見据え、意向調査や経営管理権の設定、森林境界の明確化などを行う際に適切に実施、管理できるよう、一元的に様々な情報を収集、管理する森林経営管理マップ整備事業を進めております。これは、今年度導入したパソコンなどを活用し、森林情報や所有者情報と航空レーザー測量やドローン撮影の各種先端技術によるデータと森林施業履歴を統合、管理するシステムを構築するものでございます。 次に、制度に関する説明会と森林所有者の意向調査でございますが、制度の実施に向けた課題等の把握を目的としたモデル事業として、森林経営管理意向調査モデル事業を今年度から実施しております。これは、今後意向調査を順次実施していくことになりますが、その際に活用できる意向調査実施モデルの構築を目指し、円滑かつ適切な意向調査の実施を目的として行っているものでございます。今年度は地区の選定、所有者調査、地区説明会の実施及び意向調査などを行う予定であり、この夏には地区の選定及び所有者の調査が終わっております。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症拡大により、秋に予定していた地区説明会については開催が未定となり、現在も実施のめどは立っておりません。このため、地区説明会後に予定している意向調査につきましても実施時期は未定となっております。 地区説明会では制度内容や市の方針の説明、意向調査の進め方、取りまとめ方法、境界明確化の方法について説明する予定としており、そのうち制度の説明については、県と共同で上小4市町村で使用できる説明映像を作成し、DVDなどの媒体として完成しておるところでございます。 地区説明会は年明け以降になるものと考えますが、先の見通せないコロナ禍の下で実施できる説明会、意向調査等の方法について検討するとともに、地区説明会資料や意向調査票のひな形作成、意向調査結果に応じた境界の明確化の方法検討などを進め、県の指導をいただきながら、今後に活用できる汎用性のある地区説明会及び意向調査モデルの構築を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 金井議員。 〔2番 金井 清一君登壇〕
◆2番(金井清一君) ご答弁をいただきました。上田市の森林経営管理制度の取組はおおむね分かりました。 次に、長野県内外の森林経営管理制度の取組によりどのような森林経営をされているか、先進市町村などの事例はどのようなものかをお尋ねし、私の最後の質問といたします。
○副議長(半田大介君) 工藤農林部長。 〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕
◎農林部長(工藤秀樹君) 森林経営管理制度について、各自治体で森林環境譲与税を財源として制度の実施や検討をしております。その中でも全国で先行的に制度を進めている地域や県内の事例などでございますが、まず埼玉県の秩父地域では、自治体に林業専門職員がいない実情を踏まえ、1市4町による協議会で本制度を実施しています。協議会の中に集約化推進室を新設して2名の林業専門職員を新たに雇用し、意向調査や境界確認等を実施しております。令和元年度には森林所有者に対して意向調査を実施し、このうち林業経営の成り立たない森林を秩父市が森林環境譲与税を財源として間伐などを実施しております。また、林業経営が成り立つ森林につきましては、民間事業者へ再委託し、森林整備を実施する計画であるとお聞きしております。 また、県内の取組としましては、諏訪地域の6市町村が諏訪地域森林経営管理制度推進協議会を発足し、モデル事業を実施しております。このモデル事業では意向調査や森林境界の明確化を進め、将来において森林整備を自治体単独で実施するか、広域連携で進めるか検討する方針とお聞きしております。県では市町村の取組をサポートするため、業務マニュアルの作成や各種研修会を開催しているところであり、上田市としましても先進地や県内の事例を参考にするとともに、上小地域の他の3市町村と検討、協議を重ねながら引き続きモデル事業を行い、森林経営管理制度の効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 金井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 2時34分 休憩 ◇ 午後 2時50分 再開
○副議長(半田大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(4)義務教育における保護者や教職員の負担軽減について
○副議長(半田大介君) 次に、質問第4号、義務教育における保護者や教職員の負担軽減について、井澤議員の質問を許します。井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) 議長の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。今回の質問につきましては、当初9月議会で行う予定でしたが、
新型コロナウイルス感染症の影響で一般質問は中止となり、書面にて回答をいただきました。その内容についてさらに詳しく質問させていただきます。 今年1月16日に国内で初めての感染者が確認された
新型コロナウイルス感染症ですが、間もなく1年がたとうとする今も全世界で猛威を振るい、日本においても第3波と言われる感染拡大は大変深刻な状況となっています。
新型コロナウイルス感染症は経済にも大きな影響を及ぼしています。4月―6月期のGDP国内総生産は年率換算でマイナス27.8%となり、リーマンショック後の1月―3月期の年率マイナス17.8%を超えて戦後最悪のマイナス成長を記録しました。そして、今月16日に発表された7月―9月期のGDP速報値は年率換算でプラス21.4%となりましたが、4月―6月期の落ち込みの半分強を回復したにすぎないとのことで、コロナ禍前の経済規模に戻るには早くても3年、遅ければ5年以上かかるとの見方も出ています。 また、厚生労働省の調査では、
新型コロナウイルスの影響での失業者は既に7万人を超えたと報告がありました。しかし、これはハローワークなどで把握できた人数であり、実際に仕事を失った人は桁違いに多いと見られています。そして、今年の冬の民間企業のボーナスは前年比マイナス10.7%と、リーマンショックを超える減少幅を記録するとの予測が出ています。このような厳しい社会情勢を鑑みて、小中学校の児童生徒の家庭の経済的負担の軽減についてまずお伺いさせていただきます。 文部科学省が行った保護者が支出した1年間子供1人当たりの経費の実態を捉える子供の学習費調査の最新の結果では、公立の小学校で32万1,281円、中学校で48万8,397円と公表されました。公立の義務教育であっても家庭にかかる経済的負担はとても大きなものとなっています。子供たちが学ぶ学校の運営を支えるには様々な費用が発生します。その費用は公費と私費の2種類があり、公費の財源は税金であり、私費は保護者が払っているお金です。公立の義務教育であっても保護者の負担しなければならない私費は大変高額となっています。 そこで、この公費と私費についてお伺いします。公費負担と私費負担の判断基準は何か。判断基準は明文化しているか。教育委員会は判断基準の周知徹底をしているか。 以上3点につきましてお伺いし、最初の質問とさせていただきます。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) ただいま保護者の経済的負担軽減に関わって義務教育の公費と私費についてご質問いただきました。 公費と私費の基準についてでございますが、毎年長野県教育委員会から「学校徴収金の基本的な考え方について」という通知が出されておりまして、その文書を基に公費負担と私費負担を区分しております。原則として、公費負担をすべき経費の考え方は学校運営に関する経費でありまして、学校共通の水準の維持に必要な経費と示されております。具体的には、施設の建設、維持、補修に要する費用や備品の購入、修理に要する費用、生徒の心身の健康、安全に係る事業に要する費用、授業に要する経費として、例えば理科の実験資材などがございます。 私費負担の考え方は、学校での教育活動に要する費用のうち、授業等で作成した成果物や授業等に用いる購入品が個人に帰属するなど、その直接的利益が児童生徒に還元されるものに関する経費は保護者負担として示されております。例としましては、制服、運動着等の学校指定の被服類や辞書、テキスト等の副教材の費用、修学旅行、遠足、芸術鑑賞の行事費用、課外活動として例えば部活の遠征費、生徒会、文化祭等の経費は保護者に負担していただいております。 判断基準の明文化と周知につきましては、上小校長会において長野県教育委員会からさきに述べた「学校徴収金の基本的な考え方」という通知が出ておりまして、これをもって明文化としたいというふうに考えております。また、周知につきましては、県の判断基準に沿って各小中学校に周知しております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 8月になりますが、教育委員会にもご協力いただき、市内全小中学校にアンケート調査をさせていただきました。その結果を基に幾つかお伺いいたします。まず、かねてより保護者負担が大変大きいと聞いていた学校で行われているテストにかかる費用についてお伺いします。学校で行われるテストには業者から購入したり、業者に印刷を依頼したりと費用がかかるわけですが、アンケート結果では、小学校6年生で年間1人当たり、一番少ない学校で1,200円、多い学校で4,420円、平均で約3,500円との回答をいただきました。また、中学校3年生では2,500円から1万2,722円、平均で約8,000円と金額は大きくなっています。このテストにかかる費用につきましては、ほとんどの学校では学年費等から支払われ、実質保護者負担となっていますが、一部の学校では消耗品費等の名目で公費から支払われていました。同一市内の義務教育の公立校において、このように同じ名目でありながら私費と公費の取扱いの違いがあるのは公平性に問題があると思います。これについて9月議会における書面での質問に対しては、学校の裁量に任せているところですとの回答をいただきました。これはとても疑問に感じます。学校の裁量に任せ、学校間で公費負担か私費負担かで対応が異なるのは公平性の観点から問題であると考えますが、見解はどうか、お伺いいたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) ただいまご質問いただきましたテストに関する費用でございますが、学校によってテストをする時期と回数が違うことから費用に差がございまして、保護者負担額が異なります。小学校ではワークブックやドリル等と同じく教材会社からテストを購入しております。学校ごとに、また学年ごとにどの教材会社のテストを何回行うかを決めております。 一方、議員ご指摘のように、児童数の少ない小学校の中には配当されている予算の一部から支出している学校もございました。今後、保護者負担の在り方に関して上田市教育委員会の方針を周知し、配当予算の執行方法について指導してまいりたいというふうに思っております。消耗品費が潤沢にあったので支出したと思いますが、消耗品費の減額等も考えていかなければいけないなというふうに思っております。 さきに申し上げましたように、どの教材会社を選ぶか、テストを何回行うかは学校や担任が選択して決定しておりますので、上田市教育委員会で教材会社の選定や回数を決めることは考えておりません。テストの時期や回数自体に差があることから公平性に問題があると捉えておりません。どうか上田市教育委員会の方針をご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 憲法第26条で、義務教育はこれを無償とするとされています。また、教育基本法第5条では、授業料を徴収しないと定めています。また、学校教育法第5条では、学校の設置者は学校の経費を負担するとされています。このことについて議論をするつもりはありませんが、現状は義務教育であっても多くの保護者負担があるわけです。公費、私費の負担区分については、学校事務職員の皆さんや組合において少しでも保護者の負担軽減を目指し調査や研究を行ってくれています。ですが、実際の区分は公費で支出できる限度額が基準であり、足りない分はやむを得ず私費でお願いしているというのが実態だと思います。 ただいまご答弁いただいたように、消耗品費を減らすというようなことを言われてしまいますと、私が今回願っていることとは全く逆の方向に行ってしまうわけでございます。公費、私費の区分表を作成することは、結果的に私費負担の固定化につながるということも懸念されるわけです。 9月議会において書面で、直接的利益が児童生徒に還元されるものに対して保護者の方に負担をお願いしていると回答いただきましたけれども、この直接的利益というのは本当に曖昧で分かりづらい回答だと思っております。ですが、現状を考えた場合、ある程度この私費と公費のグレーゾーンを広くしておかないと、現場の経理処理はできないといった実情もあるのだろうと思います。 保護者負担が大きいテストにかかる費用についてですが、松本市においては平成22年度から中学校学年費の保護者負担軽減のために、テスト印刷費を全額公費負担としています。お聞きしたところ、今年度は当初予算で約2,400万円とのことでした。生徒数で換算しますと、上田市の生徒数は松本市の65.7%ですので、1,600万円弱となります。財源厳しい折でありますが、公平性の観点とコロナ禍での保護者の経済的負担を軽減するために、テストに関する費用は公費負担とすべきと考えますが、見解はどうか、お伺いいたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) 先ほど公費負担と私費負担の判断基準について申し上げましたが、直接的利益が児童生徒に還元されるものにつきましては、保護者の方に負担をお願いしております。テストの結果につきましては、児童生徒が家庭に持ち帰り、家族に見せたり、また学習の目当てを立てたり、反省材料に使うなど個人に帰属するものと考えますことから、個人負担をお願いするものでございます。 また、教育委員会では保護者の経済的負担を軽減するために就学援助を行っております。就学援助制度につきましては、年度当初に全ての保護者の皆さんにお知らせし、ご希望を伺っております。さらに、今年はコロナ禍の経済的な理由によりまして就学援助制度を年度途中に新規に申請している家庭もあり、児童生徒に学用品などにかかる費用を援助して経済的負担の軽減に努めているところでございます。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。公費負担にするかどうかの見解はいただけませんでしたが、児童生徒に個人に直接還元されないような教育はないと思っております。限られた財源の中ではありますが、受益者負担主義ではなく、設置者負担主義に基づいて少しでも私費を減らす取組をしていただければと思います。 続きまして、学校制定品についてお伺いします。市内の全中学校が制服を購入することとしているのはなぜか。学校生活で制服を着用するメリットは何か。以上2点お伺いいたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) 中学校の制服についてでございますが、社会全体に多様化する衣服が流通している現在、自由な服装での登校となりますと、華美な洋服や学業にふさわしくない洋服も容認せざるを得ない状況が想定されます。中学生という年代は多感な思春期の時期でございまして、周囲の目などを意識するようになり、必要以上に服装を気にして学業に集中できなくなるおそれもございます。家庭においても毎日服を替えるなど生活費を圧迫することも考えられます。学校指定の制服が決められていれば、保護者にとっても生徒にとっても毎日何を着ていくか考える必要がなく、また金銭的にも私服をそろえるよりは負担が少ないというメリットもございます。 また、他県の状況ですが、女子中学生は私服通学の場合、周囲の目を気にして冬でもスカートで通学する生徒が多いとお聞きしております。制服を決めることによって、上田市内の学校においては冬の寒い時期は抵抗なく女子生徒がズボンで通学できるという事例も聞いております。メリットは以上のように考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 今回市内中学校の学校制定品の価格についてもアンケート調査させていただきました。対象は制服、ワイシャツ、ブラウス、体操着、かばん、上履き、その他学校で決められた入学時に買わなければならない品物になります。その結果、男子では、一番価格の低い学校が4万9,000円、一番価格が高い学校が約8万円、女子は、一番価格が安い学校が約4万5,000円、一番価格が高い学校が約9万3,000円との回答をいただきました。アンケート結果を見て、率直に大変高いと感じました。 それと同時に、同じ市内の公立の中学校においてなぜこれほどの価格差があるのでしょうか。9月議会での書面においては、デザインの違いや素材の違いなどから費用に差が生じていると考えられますと回答いただきました。であるとすれば、低価格で購入されている学校を見習うべきです。義務教育である公立中学校に入学する際に学校で決められた購入品だけで8万円、9万円と高額ですと、ほかにも部活動等で大きな金額が必要となってくる場合もあり、保護者にとっては本当に大変な経済的負担だと思います。先ほどご答弁いただいたメリットの中にもありましたが、家庭の経済格差が表に出にくいという貧困対策があると言われていますが、これでは逆に経済的負担を増す結果になっていると思います。 改めてお伺いします。市内の中学校ごとの制服の購入費用を比較すると大きく異なるが、保護者の経済的負担を考慮した場合に問題があると考えるが見解はどうか、お伺いします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) 中学校の制服につきましては、デザインや材質につきましてこれまで学校と保護者で、または生徒を含めて話し合ってきたものでございます。各学校の歴史や特色などで異なるものと承知しております。購入に当たっては複数業者からの見積りを取る、既製品で対応可能か検討する、リユースの推進をするなど保護者の経済的負担を軽減する方法を今後も検討してまいりたいと考えております。今後保護者や生徒とも相談の上、購入費用の平準化に努めていきたいと考えております。 また、先ほど議員からお話のあったアンケートでは、冬服と夏服を分けて購入するようになっておりますが、現在学校では冬服を基準に購入するようになっておりまして、夏服は任意となっていることから、両方購入する家庭はほとんどない状況でございます。 また、例年3月に各中学校で卒業式が行われるわけですが、男子生徒は3年間着た制服を着てまいります。表面は擦れてぴかぴかになっているような制服で卒業式を迎えるわけですが、思い出深い制服であること、また買換えをせずに3年間大事に着ていたのではないかなというふうに思いまして、この制服代が高いか安いかということはなかなか難しいわけですが、そういう現状もございます。 いずれにいたしましても、購入価格が突出して高額でない限り、現状においては各中学校、保護者の皆様、生徒に一定程度お任せして考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 二、三年前になりますが、東京の公立小学校で高級ブランドであるアルマーニの制服を導入すると話題になりました。一式で8万円強という価格が公立小学校の制服にふさわしいかどうか、随分議論になりました。それを受けてかは定かではありませんが、その直後の平成30年3月19日、文部科学省から学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについての通知があり、保護者の経済的負担軽減に係る留意事項として、学校及び教育委員会は、通学用服等の学用品等の購入について、保護者等の経済的負担が過重なものにならないよう留意すること、教育委員会は、保護者等ができる限り安価で良質な学用品等を購入できるよう、所管の学校に取組を促すとともに、各学校における取組内容の把握に努めること、学校及び教育委員会は、保護者等の経済的負担の軽減に向けた取組を行うに当たっては、公正取引委員会の公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書等も参考とすることといった内容となっています。公正取引委員会の公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書の中でも指摘されていますが、同一市内において制服の仕様は共通化を行ったほうが価格は安くなるとされています。 9月議会の書面において、義務教育であることも踏まえて、学校間で購入費用に差がある中学校の制服を安価なものに合わせる考えはあるかと質問させていただいたところ、ただいまの答弁いただきましたけれども、同じ内容ですけれども、中学校の制服については学校と保護者で、または生徒を含めて話し合ってきたこと、これまでの各学校での歴史、学校ごとの特色などを考えますと市内統一の制服にすることはなじまないかと考えますと回答をいただきました。 地価も不動産も値上がりし、好景気をもたらしたバブル景気、世界規模の金融危機となったリーマンショック、そしてそのリーマンショックをも上回ると懸念されている今起きているコロナ危機、時代とともに経済状況は大きく変わっていきます。学校と保護者、生徒で話し合って決めた経緯はあると思います。ですが、今学校に通っているのは今の生徒であり、それを守り支えているのは今の保護者の皆さんです。今の時代、今の状況に合ったよりよい制服になるよう改善の必要があると考えます。義務教育の公立校であることを踏まえ、保護者の経済的負担を軽減する取組を促していく考えはあるか、お伺いいたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) 先ほど申し上げましたように、保護者の経済的負担を軽減するため、上田市教育委員会では就学援助の制度を設けておりまして、中学校入学時に制服や学用品を購入するための新入学用品費を援助しております。小学校におきましても、入学時に必要なものを準備するため同様の援助を行っております。中学校によっては学生服は特定業者からの購入を指定するものではなく、標準マークのついている服であれば可としている学校もございます。また、夏服については生徒、保護者と話し合ってポロシャツを導入するなど、夏の猛暑に対応しつつ経済的負担を軽減している学校もございます。 今、議員ご提案の全市統一の安い価格の制服ということも選択肢の一つではあると思いますが、これを実施していくにはなかなか時間がかかるというふうに考えております。制服の見直しについては保護者からの要望で変更している経過がございます。現時点では変更を望む声は聞いておりませんので、見直しについて検討する段階ではないというふうに考えますが、先ほど申し上げたとおり、就学援助等保護者の経済的負担を軽減する方法を今後も検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。就学援助制度、これは大変よいことだと思います。しかし、今言ったように、時代に合った制服の見直し、そういったものはぜひ教育委員会が学校に任せるのではなく、取組を促していっていただければと思います。保護者の経済的負担軽減策として制服の再利用とかリユースなどの取組ということも行われているわけです。これが市内共通の制服ということになってくれば品数も増えますし、そういった用途も非常に増してくることが予想されます。ぜひご検討いただければと思います。 続きまして、教職員の負担軽減についてお伺いします。令和2年9月定例会で行った文書質問では、コロナ禍の教職員の負担について軽減を図っていくとの答弁をいただきましたが、その実施状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) コロナ禍の教職員の負担につきましては、児童生徒の学びを保障するため、授業の遅れを取り戻す工夫や調整のほか、1日1回の机や椅子の消毒、登校時の健康チェックカードによる児童生徒の健康状態の確認、検温など、通常とは異なる新たな職務が発生しておりまして、例年にない業務が増えたことで大きな負担となっている現状がございます。 負担軽減の具体策について申し上げます。本年6月に成立した国の令和2年度第2次補正予算においては、学校全体の指導体制の充実を図り、子供たちの不安を取り除き、学びの保障をするため、教員の加配、学習指導員、スクール・サポート・スタッフなど学校に追加加配する内容が盛り込まれました。追加加配となった職種が担う業務でございますが、学習指導員と学習指導補助員は、臨時休業によって生じた授業の遅れを補うために、教員の下でチームティーチングや放課後等を利用して学習状況に応じた補習を行っております。スクール・サポート・スタッフは、教室内の換気や清掃、健康観察のまとめ作業、印刷業務などを担います。また、スクール・サポート・スタッフについては、これまで学級数がおおむね13以上の小中学校が配置の対象とされていましたが、今回その対象を6学級以上まで引き下げ、多くの学校で活用できるようになっております。いずれも業務上において学級担任にしかできないことを明確にしながら、担任が児童生徒への指導や教材研究など、本来の業務である学びの保障に専念できるよう追加加配されたものでございます。 市では学校の状況を把握しながら、実施主体である県に対してこれらの追加配置を要望してまいりましたが、要望に基づき新たに学習指導員を4校に5人、学習指導補助員を21校に45人、スクール・サポート・スタッフを18校に21人配置することができたところでございます。負担を軽減しながらそれぞれが担うべき業務を行うことで、10月末現在では臨時休業によって生じた授業の遅れを小中ともに平均で9割以上取り戻すことができております。 また、市の9月補正予算においては、校内の消毒等の衛生管理業務の強化や学校の定期健康診断における感染症対策のため、地方創生臨時交付金を活用して養護教諭補助者の報酬等に係る追加経費を計上し、勤務時間を増やしております。養護教諭補助者の状況については、大規模校に常時6人、中、小規模校へ必要時に臨時的に17人配置しております。校内の消毒業務を養護教諭が中心となって実施しており、負担が大きくなっている現状にあることから、養護教諭補助者に消毒作業の準備等を手伝ってもらっております。 また、市内小中学校8校においては、地域ボランティアの方に
新型コロナウイルス対策のための消毒、清掃作業にご協力いただいており、学校運営の大きな力となっております。 いずれにいたしましても、学習指導員をはじめ教職員の体制を整え、それぞれの負担を軽減しながら、児童生徒と向き合う時間を少しでも長く確保してまいりたいと考えております。また、これまでと同様に、学校全体での児童生徒へのサポート、寄り添った支援を行い、充実した学校教育活動を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 続きまして、学校給食費の公会計化についてお伺いします。この件も9月議会において書面でやり取りさせていただきました。回答では、文部科学省からも公会計化等の推進については通知もあり、国の方向性も明確に示され、学校給食費徴収・管理に関するガイドラインも策定され、メリットとして、学校事務職員等の業務負担の軽減、保護者の利便性の向上、業務の効率化、管理の透明性等々期待できる一方、システム導入には多額な費用が発生すること、人員体制の整備、強化が必要なこと、食材業者への発注業務も流動的な対応が困難になること等々様々な課題や調整事項を整理するため、さらに研究し、慎重に検討を進めていきたいと考えていますとのお答えでした。もう少し前向きな具体的な計画を伺えると期待していたので、残念でした。 今月4日になりますが、文部科学省から学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査の結果についてが公表されました。令和元年12月1日現在、実施しているが438件で26%、準備、検討しているが524件で31.1%、実施を予定していないが724件で42.9%との状況とのことです。 そこで、お伺いします。国は学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査の結果を11月に公表したが、上田市教育委員会はどのような回答をしたか、お伺いします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) 学校給食費の公会計化についてでございますが、文部科学省より令和元年7月31日付で「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進」についての通知がございまして、教職員の負担軽減等の観点から、学校給食費は
地方公共団体の会計に組み入れる公会計制度を採用するとともに、徴収、管理を学校ではなく
地方公共団体が自らの業務として行うことの推進が求められております。 平成28年度に文部科学省が行った調査では、全国で給食費の未納の保護者への督促を行っている学級担任は46%も存在しており、大きな負担となっているという報告もございますが、上田市の現状では、学校給食費の徴収、督促業務を主に行っているのは学校の事務職員等でございまして、教員の働き方改革による負担軽減の直接的な効果は低いというふうに考えております。 文部科学省は、各学校設置者における学校給食費の公会計化等の推進状況及び学校給食費の公会計化等を進めるに当たり支障となっている事由等を把握し、今後の推進方策の検討に活用するため、学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査が昨年の12月1日現在を調査基準日として実施されました。この調査における上田市教育委員会の現状は、学校給食費を公会計化しているのかの設問については「いいえ」としておりますが、「実施に向けて準備・検討している」という回答をいたしました。また、実施予定時期に関する調査については、令和5年度以降として回答をいたしました。実施に向けて支障となっている事由は、「情報管理のための業務システムの導入・改修・運用に係る経費」、「人員の確保、徴収や未納等の対応における徴税部門等との連携」と回答いたしました。 回答の内容等は以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員。 〔10番 井澤 毅君登壇〕
◆10番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 平成28年、公立小学校、中学校の教員を対象に実施した実態調査では、小学校で57時間29分、中学校で63時間20分という1週間当たりの学内勤務時間を文部科学省では看過できない深刻な状況だとしています。アンケートで今回調査した中においても、市内でも1件、2件といった学校は数件、年度途中では20件あった、また40件あったといった回答の中で、最大で月に96件、平均で70件と回答される学校もありました。現場の切実な思いが伝わってきます。ただいまの答弁の中に学校教職員でなく学校事務員がやっているからというようなご答弁ありましたけれども、そういうことではなく、やはりこの業務というのは学校の教職員、事務員の皆さんがやることではないと思っております。 上田市教育行政に係る事務の点検及び評価報告書においても、教員の働き方改革の推進は目標未達成のC評価となっています。上田市においても学校給食費の公会計化は喫緊の課題と考えます。 そこで、最後の質問になりますけれども、改めて学校給食費の公会計化は具体的な実施目標を設定し、できる限り早期に実現するべきと考えますが、見解はどうかお伺いし、最後の質問といたします。
○副議長(半田大介君) 峯村教育長。 〔教育長 峯村 秀則君登壇〕
◎教育長(峯村秀則君) ただいまのご質問につきまして、学校給食費の公会計化等に関する全国の先行事例が紹介されていることもございまして、これらを参考にしてさらに調査研究や他の市町村等の動向を探る必要があるというふうに考えております。
新型コロナウイルス感染症の影響によりまして次年度の税収の減額が今後予想される中、追加でかかる費用負担を試算したところ、給食管理システム構築に関する経費は1,400万円、毎年のシステムの保守管理に要する経費が120万円、担当する職員の給与を1人当たり500万円と仮定し、常勤職員を3名ほど配置した場合の人件費1,500万円等が想定されます。このほかに口座振替、コンビニ納付手数料、通知書、納付書等の郵送料が必要となることが考えられ、市の財政にとっても大きな負担が発生いたします。学校給食費の公会計化は国からの財政的な支援がなく、果たして教職員等の負担が軽減され、教育環境の向上につながる効果が見込めるのかどうか、教育委員会で慎重に見極める必要があると考えております。 以上でございます。
○副議長(半田大介君) 井澤議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 3時35分 休憩 ◇ 午後 3時50分 再開
○議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(5)空き家対策及び空き家を活用した子育て世帯・
移住者等向け支援について
○議長(土屋勝浩君) 次に、質問第5号、空き家対策及び空き家を活用した子育て世帯・
移住者等向け支援について、斉藤達也議員の質問を許します。斉藤達也議員。 〔8番 斉藤 達也君登壇〕
◆8番(斉藤達也君) 市議会議員になってからはや2年8か月がたちました。この間、一市民としてはなかなか詳細まで知り得なかった様々な課題を目の当たりにして、日を追うごとに上田市の現状に対する危機感が増しています。中でも人口減少問題、2000年をピークに既に20年間続いている人口減少への対応は緊急かつ重要な課題だと感じています。 私は、人口減少への対応は2つの側面から取り組んでいく必要があると思います。1つは、人口が増える環境を整えること、現実的には人口減少幅を抑制すること、もう一つは、将来世代を含めた市民1人当たりの行政コストをこれ以上増大させないように行財政改革に努めることだと思います。特に住宅政策はこの2つの側面のどちらにも大きく関わる重要なものです。具体的な住宅政策としては、移住、定住の促進、特定空家への対応、市営住宅の在り方の見直し、そして立地適正化計画におけるコンパクトシティ等推進のための居住誘導などがありますが、上田市では現在それらの施策がおのおの異なる部局にて行われています。 平成30年住宅・土地統計調査によりますと、上田市の空き家総数は、一戸建てや集合住宅を含め1万3,060戸ありますが、その膨大な数の民間の空き家ストックもまだまだ活用できる余地があります。人口減少対策として民間の空き家ストックを十分に活用し、かつ部局横断的な政策について質問していきたいと思いますが、範囲が非常に多岐にわたるため、市営住宅の在り方や居住誘導施策については次回に回しまして、本日は特定空家に対する現状と課題を確認させていただくとともに、空き家を活用した子育て世帯及び移住者等向けの支援について質問を通じて提案させていただきます。 先ほどもお伝えしたとおり、平成30年住宅・土地統計調査によりますと、上田市の住宅総数7万6,280戸に対して空き家の総数は1万3,060戸、空き家率は17.1%でした。また、一戸建てを対象にした上田市独自の空家等実態調査によりますと、令和元年9月末時点で再利用が十分可能なAランクの空き家が2,842棟、多少の補修工事等を行えば再利用可能なBランクが479棟、そして損傷が激しく老朽化が著しい特定空家候補のCランクが71棟の合計3,392棟となっています。 そこで、まずCランクの特定空家候補及び特定空家について伺います。特定空家と特定空家候補に該当する空き家は何件あるか、また対応状況と課題はどうかお尋ねし、第1問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 藤澤
都市建設部長。 〔
都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕
◎
都市建設部長(藤澤純一君) 特定空家と特定空家候補の件数、そして対応状況と課題についてのご質問をいただきました。 市内にある空き家につきましては、平成28年度実施した空家等実態調査の結果では3,415棟あることが判明しております。空き家は老朽化の度合いによりA、B、Cの3段階に分類しておりまして、このうち最も老朽化が進行しているCランクの空き家は、すぐに倒壊や建築材の飛散等の危険はないが、損傷が激しいと考えられるものとされております。平成28年度の調査時点ではCランクの空き家は98棟ありましたが、個別に対策等を講じた結果、今年の10月末には60棟まで減少しております。また、この中で特定空家候補として考えられるものが15棟でございます。 空家対策の推進に関する特別措置法に規定されている特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、または著しく衛生上有害となるおそれがある状態等の空き家であり、そのまま放置することが不適切な状態の空き家を言います。 特定空家等に認定する手順につきましては、まずは上田市特定空家等判定基準に基づく現地調査等を行い、この判定基準を満たした空き家等に関して、上田市空家等対策協議会での意見聴取や協議を行った後、市の関係課で構成される上田市空家等対策庁内検討会に諮り、認定することとなります。先ほど申し上げましたが、現時点で特定空家候補と考えられるものは15棟でございますが、現在までに特定空家等に認定したものはございません。 市といたしましては、老朽化した空き家については、まずは自己責任において改善等を行っていただくことを基本と考え、個別に文書等により自主的な改善を促しているところでございます。 また、今年度から新たに主にCランク空き家を対象とし、老朽危険空き家の早期解体を促進するための補助制度を導入し、対策等の強化を図ってきておりまして、今年度末までには13棟程度解体いただく見込みとなっております。 一方、老朽化した空き家の中には所有者等が不明なものや、相続が発生している中でも年数が経過し代替わり等により相続人等との交渉ができない状況になっているものもありまして、空き家対策を進めていく上での一つの課題と捉えております。 この解決策の一つとして、先週の11月26日に空き家対策等に関して専門的な知識を有し、また実践が可能な9つの団体と空家等対策に関する協定を締結いたしました。これにより、空き家等に関する様々な問題や市だけでは解決が困難な課題等に対して、より具体的な提案や解決方法のアドバイス等をいただくことも可能となったため、今後は団体の皆様のお力もお借りしながら、また先ほど申し上げました補助金制度の活用も含め空き家対策に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。 〔8番 斉藤 達也君登壇〕
◆8番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。解体の補助制度によりまして今年度末見込みで13棟が解体される見込みであることということをお聞きしまして、多分今後こういった需要がまだまだあるかと思いますので、また来年度に向けて予算拡充していただければと思いました。9団体との協定も、今まで宅建協会さんとの協定はございましたが、特定空家に対する対応だけではなく、利活用に関しても生かせる面が多々あるのかと思いました。ありがとうございました。 次に、去る11月10日に所属会派新生会の研修で持続可能な地域社会総合研究所の藤山浩先生のオンライン講演会を行いました。私は、議員になってから一貫して人口減少社会における公共施設の維持管理コストの増大について課題を提起したり、対応策を提案させていただいてきておりますが、この研修で人口減少の考え方について大きな気づきがありました。藤山先生は、上田市の人口の将来予測について、出生率と人口の流出率及び転入者の年齢層や家族構成によっては、40年後も15万人程度を維持できるとの最適シナリオを示してくださいました。私にとって40年後も上田市が15万人程度を維持できる可能性があることを教えていただいたことが大きな気づきでした。その最適シナリオの内容は次のとおりです。 上田市の20代女性を中心とした流出超過の穴を埋めるために出生率を1.8まで上げること、ちなみに後期まちづくり計画の中で出生率の目標は令和7年度で1.61となっています。人口流出率については、10代後半から20代前半の流出率を何とか現状のまま維持すること、そして転入者の年齢層と家族構成ですが、20代前半男女が70組、20代後半女性が20人、30代子連れ夫婦3人世帯が70組、そして60代定年後故郷に帰ってくる、そういったご夫婦が70組、合計510人が現状より多く転入することとのことでした。非常に難しい目標ではありますが、不可能な目標ではないのではないかと感じました。 藤山先生がサポートしている先進的な他の自治体では、これらの目標をさらに小学校区単位など地域レベルまで落とし込んで、地域住民の皆様が自分事として人口減少への対応を取り組んでおられるとのことでした。20代の若者から子育て世代の夫婦が住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりを徹底的に地域で考えること、さらにはUターンやIターンの移住者をどうやったら増やせるか、増やすために何ができるか、それを地域レベルで考えること、大変すばらしいことだと思います。理想的な姿だと思います。 人口減少と子育て支援については、上田市の最上位の計画である総合計画の後期まちづくり計画の重点プロジェクトにも位置づけられていますので、ぜひそのような取組を上田市でも検討していただければと思います。 ここからは人口減少と子育て支援のどちらにも関係の深い移住、定住施策について質問させていただきます。まず、空き家バンクについてですが、過去の答弁を確認すると、上田への移住希望者から住宅に関する問合せが非常に多い状況を受け、空き家の有効活用により移住を実現する上で重要な住まいに関する悩みを解決し、移住の促進を図ることを目的としているとありました。要は移住政策としての空き家バンクという、そういった位置づけだったかと思います。現在上田市は宅建協会上田支部と連携協定を結び、制度が始まって以来、累計成約件数も100件を超えるなど、民間の流通にはなかなか乗りにくい空き家の利活用という点では着実に成果も上げられています。 そこで、伺います。1点目として、空き家バンクの取組は移住促進を図ることを目的に始まったが、移住希望者の累計成約数と成約率はどうか。 2点目として、コロナ禍の状況にある中で、4月以降の東京都から長野県への転入者は6か月連続で転出者を上回る転入超過の状況が続いているが、上田市と東京都やその他の地域の転出入の状況はどうか。また、4月以降の移住希望者による空き家バンクの成約数と成約率はどうか。 3点目として、移住希望者に対する空き家バンクの課題は何かお尋ねし、第2問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 城下
市民まちづくり推進部長。 〔
市民まちづくり推進部長 城下 真司君登壇〕
◎
市民まちづくり推進部長(城下真司君) 空き家バンクに関する種々のご質問をいただきました。順次お答えしてまいります。 信州うえだ空き家バンクは、空き家の売買、賃貸を希望する所有者から申込みを受けた情報を空き家の利用を希望する者に提供する橋渡しをすることで、空き家の解消と上田への移住を希望される方の住まいに関する悩みの解決の一助とするとともに、市内への定住促進による地域の活性化につなげることを目的といたしまして、平成27年度から運用しているものでございます。 これまでの物件登録の総件数でございますが、193件、成約に至った総件数は106件、また途中で民間売買に移行されて解消された空き家も32件ございまして、これも合わせますと、物件登録された空き家の解消率は71.5%ということになりまして、空き家の解消にも大きな成果を上げているものと考えております。 ご質問の移住希望者の累計成約数と成約率でございますが、令和2年10月末時点で利用希望者登録されている方612人のうち、移住希望の方が335人、全体の成約数は106件のうち、移住希望に係る成約数は36件となっております。したがいまして、移住を希望された方の成約率は10.7%ということになっております。 次に、上田市と東京都やその他の地域との転出入の状況についてお答えしてまいります。今年の4月から10月の住民異動状況につきましては、東京都から上田市への転入者267人に対しまして、東京都への転出者は215人でありまして、上田市への52人の転入超過という状況になっております。一方、東京都以外の地域から上田市への転入者は1,908人、東京都以外への転出者は1,785人で、上田市への123人の転入超過ということになっています。ちなみに、昨年の同時期におきましては、東京都から上田市への転入者226人に対しまして、転出者は229人、したがいまして上田市からの3人の転出超過でありまして、東京都以外の地域から上田市へは460人の転入超過でありました。 今年度につきましては、東京都以外の地域のみならず、東京都からも上田市へ転入される方が転出者を上回っている状況となっておりますが、この傾向が今後も続いていくのかどうか、注視してまいりたいというふうに考えております。 続きまして、空き家バンクの成約数と成約率というお問合せでございます。4月以降の移住希望者による新規利用希望登録60人のうち、成約に結びついたものは2件ということでございまして、今年度の新規移住希望登録者の成約率は3.3%という状況でございます。これは、定住を目的とする不動産物件の売買につきましては、現地での物件の確認が不可欠でございまして、今年度は
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から感染多発地域との往来が控えられ、現地の確認ができない状況が長く続いていたことが移住希望者の成約率が抑制された大きな要因であるというふうに分析しております。 次にご質問いただきました移住希望者に対する空き家バンクの課題ということでございますが、まず空き家バンクの運用につきましては、移住希望者のみならず市内在住の方を含めた空き家バンクの全体の利用希望者にとって選択肢の広がる様々な登録物件を確保しておくことが必要であるというふうに考えております。物件につきましては、空き家の利活用を希望される所有者からの申請により登録しておりますが、申請をただ待つだけではなかなか物件数が増えないということから、登録物件の確保に向けた新たな取組といたしまして、昨年度末から過去に空き家所有者に実施したアンケート調査において空き家バンクの利用に興味があると回答された方に再度空き家の利活用相談を呼びかけるとともに、長野県宅地建物取引業協会上田支部との連携によりまして物件の掘り起こしにも取り組んでおるところでございます。また、昨年度から空家対策室で開催しております空き家相談会において、空き家バンクへの登録が見込める物件につきましては相談の中で紹介していただくなど、登録物件の確保にも努めている状況でございます。 さらに、空き家バンクの登録物件に移住希望の方が望まれるような賃貸、売買物件が少ないことも課題の一つとして挙げられております。一戸建て賃貸物件の供給量が少ないことが主な要因でございますが、民間の流通に乗る物件であれば、空き家バンクに登録するまでもなく民間流通の中で利用され、空き家バンクの登録に至らないものと考えております。 様々な移住相談において移住を希望される方への物件の紹介につきましては、空き家バンクの物件に加えまして、希望条件などの情報を基に宅建業協会のご協力も得まして、民間の物件情報の紹介や移住希望者ご自身による一般の不動産情報サイトの利用などにより移住先を決定していただいている状況にございます。 また、市内には不動産を扱う数多くの民間事業者がございます。様々な物件を用意できる状況ということになっております。移住される皆様の多くは民間事業者の保有する様々な物件の中からライフスタイルに合った物件を選び利用しておられると承知しております。今後も宅建業協会等民間の事業者とも連携しながら、移住を希望する方や定住に向けて住宅の取得を考えておられる方々に対しまして、空き家バンクの登録情報と併せて登録されていない情報の提供にも力を入れてまいります。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。 〔8番 斉藤 達也君登壇〕
◆8番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。コロナ禍の状況にある中で、東京都からは52人の転入超過という状況で、昨年と比べても明らかに移住促進といいますか、そういった流れの中にあるかなというのは確認できました。あと空き家バンクの課題についてもご丁寧にご答弁いただきました。これは次の質問以降でまた深めたいと思います。 令和元年度一般会計決算審査の環境建設分科会に提出された資料によりますと、空き家バンクの成約者の居住地と年齢層に2つの特徴が見られました。それは、令和元年度までの成約者累計95名のうち、上田市民が63名と実に66%を占めており、またそのうち30代から40代の子育て世代が57%を占めているというものです。また、上田市以外の居住者の成約者と合わせても子育て世代が50%を占めていました。 そこで、伺います。空き家バンク利用希望者と成約者は上田市民が多く、特に30代から40代までの子育て世代の割合が高いことが特徴であるが、この結果をどのように分析しているか。また、上田市民や市外からの移住者を問わず、子育て世代の一戸建て住宅へのニーズは満たしているかお尋ねし、第3問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 城下
市民まちづくり推進部長。 〔
市民まちづくり推進部長 城下 真司君登壇〕
◎
市民まちづくり推進部長(城下真司君) 空き家バンクの利用希望者と成約者等に関しましてお答えいたします。 空き家バンクの利用希望者は、上田市在住の30代から40代の世代で全体の25%、成約者につきましても同じく上田市在住の30代から40代の世代で57%を占めております。このことは、30代から40代の子育て世代においてアパート等賃貸物件から戸建て住宅へ移るニーズが高く、住宅を取得される方が多いことによるものと受け止めております。住宅の取得によりまして市外へ転出することなく、市内に引き続き定住していただけることにも一定の効果があるものというふうに考えております。 また、子育て世代の一戸建て住宅のニーズは満たしているかというご質問でございますが、空き家バンクは所有者からの物件登録により実施している事業でありまして、この空き家バンクのみで利用希望者の希望に沿った物件ニーズを全て満たすことは非常に難しい状況にございます。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、市内には不動産を扱う数多くの民間事業者がございまして、様々な物件を用意できる状況にございます。民間の持つ物件やノウハウとの共存によりまして移住希望者や市民の住宅ニーズにも応えている状況であるというふうに認識しております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。 〔8番 斉藤 達也君登壇〕
◆8番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。今ご答弁の中で、民間の事業者でも様々な物件を有しているということをおっしゃっていましたが、私が個人的に調べた、日本最大級と言われるその大手不動産住宅サイトの上田市の物件、中古一戸建て住宅、賃貸確認しましたら、10月のある時点で49件しかありませんでした。そのうち誘導居住面積水準、ある程度豊かなライフスタイルに対応できる面積の水準というのが住生活基本計画の中で定められているのですが、例えばそれが2人世帯で75平米というのがあるのですが、そちらを満たしている物件は本当10件もなかったという、そういう状況です。担当課としてどこまで民間が様々な物件を有しているというのを調べた上で今のご答弁をいただいているかはここでは言及いたしませんが、やっぱり実態はちゃんと把握したほうがいいかと思います。これは次の質問にも関係しますので、次に移ります。 次に、市民の皆さんや移住希望者等を対象に空き家をリノベーションしてサブリースする事業について提案したいと思います。高知県西部の山間地域に人口約3,500人の梼原町という小さな町があります。梼原町では2013年から空き家活用促進事業を開始し、2019年までの6年間で90組187人が移住しました。移住者のうち約半数が空き家活用促進事業によってリノベーションされた空き家に住んでいます。また、移住者の平均年齢も39歳と若く、人口減少対策及び地域コミュニティーの活性化等にも寄与しています。 肝腎のこの空き家活用促進事業の内容は、町が空き家オーナーから10年間の契約で空き家を借り上げ、水回りを中心に最大700万円をかけてリノベーションし、移住者に貸し出すものです。リノベーションしたすぐ住める家があることと月額1万5,000円の破格の家賃が移住希望者にとって評価されている点です。気になるリノベーション費用については、国の空き家対策総合支援事業補助金を2分の1充当し、残りの2分の1を県と町で折半しているのですが、そのうち町の負担分につきましては、先ほどの月額1万5,000円の家賃の中で回収する、そういった仕組みになっています。空き家のオーナーには金銭的負担がないだけでなく、契約期間中の固定資産税は全額免除されます。一方で、あくまでも移住者の生活に配慮したリノベーションや立地条件にこだわっているのがポイントで、空き家オーナーはリノベーションの内容については口出しはできないことになっています。 現在、梼原町の取組を参考に宅建協会上田支部さんの監修の下、提案の詳細をまとめておりますが、その概要は次のとおりです。まず、上田市内の戸建て空き家のうち再利用可能なA、Bランクに該当するものについて、空き家オーナーの申出を受けて市内の事業者がリノベーション計画を策定します。それに対し、市が立地や間取り、耐震性や災害リスク等について審査した後、10年契約で借り上げます。空き家オーナーは梼原町同様に契約期間中の固定資産税は全額免除されることとします。リノベーション費用につきましても、先ほどと同様に2分の1はさきの国の補助金を充当します。上田市の場合、残りは市が負担することになりますが、空き家オーナーの固定資産税減免分と10年間の間の火災保険、修繕費は家賃で回収するスキームを組みます。利用者は一戸建て住宅ニーズの高い子育て世帯や移住者、そして以前より住宅確保が産業水道委員会のほうでも問題になっていますが、住宅確保が課題となっている新規就農者、あと地域おこし協力隊、将来的には住宅確保要配慮者の方々も視野に幅広く想定しています。 この事業の上田市としての収支を計算いたしますと、リノベーション費用を最大の700万円としたとしても、10年間の稼働率を75%で計算した場合でも最低家賃は大体6万円程度に抑えられます。ちなみに、先ほどお伝えした大手住宅不動産サイトの中にある平均の一戸建ての賃料は5万6,000円ですが、一定程度のその面積を有したものに限りますと、それが一気に8万円台ですとか、そのぐらいまで跳ね上がってきます。 期待できる効果としては、子育て世帯等の住環境の改善、若い移住者の増加など移住、定住の促進、地域コミュニティーの活性化、特定空家予備軍の減少による地域環境悪化リスクの低減等枚挙にいとまがありません。また、この事業は企業等が取り組むワーク・ライフ・バランスの充実や多様な働き方の促進、地域経済の発展を図るためテレワークを実施するためのサテライトオフィスを開設する経費に対して補助を行う上田市サテライトオフィス開設事業補助金等との親和性も高いのではないかと感じています。 そこで、伺います。子育て世帯や移住希望者等を対象にした空き家リノベーション住宅のサブリース事業を提案するが、前向きに検討することはできないかお尋ねし、第4問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 城下
市民まちづくり推進部長。 〔
市民まちづくり推進部長 城下 真司君登壇〕
◎
市民まちづくり推進部長(城下真司君) 空き家のリノベーションによるサブリース事業につきまして貴重なご提案を頂戴いたしました。 人口およそ3,500人、町面積の91%を森林が占める高知県梼原町では、町が国、県の補助事業を財源として、個人の所有する空き家を賃貸住宅としてリノベーションを実施し、サブリース事業を実施しているとのことでございます。この梼原町では、かかる事業をまちづくりの主要な取組の一つとして行っておるようでございまして、空家対策特別措置法に基づき空家等対策計画を策定し、さらに法に基づく協議会を設置して、地域の民間事業者等とも連携して行うものでございまして、対象事業は空き家の活用、撤去、またそれに関連する事業ということでお聞きしております。 かかる事業につきましては、議員さんご指摘のとおり、若い移住者の増加による移住、定住の促進や特定空家予備軍の減少による地域環境リスクの低減等につながる空き家の利活用の方法として一つの有効な選択肢であるという印象を受けております。 一方で、不動産物件や取扱業者が数多く存在している上田市において梼原町同様の事業を実施することにつきましては、それが民業の圧迫につながることはないか、また民間不動産業者や対象物件の状況など梼原町との違いも確認をする中で、かかる事業実施のニーズも的確に把握しながら今後検討する必要があるというふうに考えております。 リノベーションは既存の建物に対して新たな価値や機能をつけ加えることでございまして、子育て世帯、移住希望者用の住宅のみならず、就業支援、観光振興等様々な用途のための改修全般を含んでおります。したがいまして、ご提案の事業に市として取り組んでいくためには、住宅課、空き家対策室、商工課や観光課、さらには民間の不動産事業者等様々な角度からの情報を収集し、検討していく必要があるというふうに考えております。今後、上田市政策研究センターも加わりまして、庁内関係各部署が横断的に連携をする中で調査研究を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上、よろしくお願いいたします。
○議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。 〔8番 斉藤 達也君登壇〕
◆8番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。再質問させていただきます。 移住交流推進課だけではなくて、ほかの部局とももちろん連携必要だと思いますし、民間ともいろんな協議をした上で進めていくべきものだと思っておりますし、それは今ご答弁いただいたとおり、ご指摘のとおりだと思いました。 ただ、最後にいただいたご答弁が調査研究というお話でした。今までこの2年8か月市議を務めてきて、なかなかその調査研究というご答弁をいただいたときに、それがいつ本当に調査研究されているのか、実現するのか、なかなかそこははかれないものなのかなというふうに感じています。今のご答弁の中で、上田市においてはその梼原町の取組が民業の圧迫につながるのではないかというのをまずおっしゃっていたかと思うのですが、今上田市で民間のリノベーション市場って実質的にはまだ存在していないですよね。存在していないですね。そういったことも含めて、私はこの提案が絶対とも思っておりませんし、もっとよりよい提案というのは可能性があるかと思いますが、調査研究ということを言われてしまいますと、いつ調査研究していただけるのかなと、検討はしていただけないのかなと思ってしまいます。そこだけもう少し具体的にご答弁いただければ幸いです。お願いします。
○議長(土屋勝浩君) 城下
市民まちづくり推進部長。 〔
市民まちづくり推進部長 城下 真司君登壇〕
◎
市民まちづくり推進部長(城下真司君) 再質問をいただきました。この調査研究という言葉でございますが、これはこういう言葉を使ったわけですけれども、実際は全庁的に関わる問題ということでございまして、既にこうした新しい課題等に対して、今上田市政策研究センターというところがありまして、そこを全庁的に網羅する形で研究していただくということになっておりますので、既にこちらの上田市政策研究センターのほうにももうお話はしておりますので、今後そちらのほうでもまた取りまとめをしていただく中で、先ほど申し上げた課、もしくは必要であればその他の担当する課も含めまして会議を持っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上です。
○議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 4時29分 休憩 ◇ 午後 4時45分 再開
○議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。 ◇
△(6)市政について
○議長(土屋勝浩君) 次に、質問第6号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) 本日最後の質問となりました。いましばらくお付き合いいただきたいと思います。 議長のお許しをいただきましたので、通告いたしましたとおり、令和3年度当初予算編成方針と財政運営についてと経済対策について質問を進めてまいります。 まず初めに、令和3年度当初予算編成方針と財政運営について質問を進めてまいります。令和3年度当初予算編成方針については、10月13日に議会へも報告があり、重点分野として、未曽有の危機の克服とまちづくり計画の進展に向けて、感染症拡大への対応と地域経済の活性化の両立を掲げ、1点目として、感染症拡大を防止するための柔軟かつ機動的な施策の推進、2点目として、市民生活・雇用・事業・地域を守り抜く取組と「新しい生活様式」への対応、3点目として、災害からの復旧・復興の推進と災害に強いまちづくり、環境保全の3つの分野が掲げられました。 令和2年7月17日に経済財政諮問会議での答申を経て閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2020、いわゆる骨太方針2020においても
新型コロナウイルス感染症に対応した基本方針となっており、
新型コロナウイルス感染症の影響により感染対策と経済活動を両立しなければならない中での基本方針については、今回の基本方針にならざるを得ないことは理解するところではありますが、国民にとっては感染の収束がなかなか見えない中においては不安を抱かざるを得ない状況にあります。 上田市の予算編成方針についても、
新型コロナウイルス感染症の影響からこれまでの重点分野とは大幅に異なった重点分野となっており、予算編成方針の策定と予算編成については非常に苦慮されているものと推察いたします。 そこで、まず1点目として、令和3年度当初予算編成方針で示している重点3分野の設定根拠はどうか。できる限り市民の皆さんに分かりやすくご答弁願います。 2点目として、感染が冬季に入り全国的に拡大を見せる中でありますが、ワクチン開発の成功、あるいは治療薬開発、治療方法などの確立など着実に
新型コロナウイルス感染症への対応が日々確立され、収束に向け着実に進んでいることも事実であります。当初予算編成時にはポストコロナに対応した予算編成が難しいものと推察されますが、重点3分野にもポストコロナに対応した予算方針が明確には感じられないところであります。ポストコロナに対応した予算は当初予算に計上するのか、また収束の状況等を見極めながら令和3年度中の補正予算に計上するのか。 以上、まず2点お尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 令和3年度の当初予算編成に関するご質問を頂戴いたしました。 初めに、当初予算編成方針につきましては、ご質問のとおり、令和2年7月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2020、また加えまして総務省から9月に示された「令和3年度の地方財政の課題」における「感染症拡大への対応と地域経済の活性化の両立や防災・減災、国土強靱化等の重要課題への対応」、これを踏まえまして、全世界的に拡大を続ける
新型コロナウイルス感染症への対応が最優先課題であることを念頭に策定いたしました。 緊急事態宣言が発令され、社会経済活動の自粛によって沈静化となった第1波の感染と異なり、8月上旬をピークとする第2波の感染は、首都圏を中心にその後も収束に至らないまま、今まさに全国各地へ第3波として感染が急速に拡大している状況となっております。 上田市におきましても、8月中旬から9月上旬に発生したクラスターなど、この未曽有の危機への対応が最優先課題であり、予算編成においても令和2年度に続き最大限の配慮が必要な状況が引き続き見込まれますことから、令和3年度は感染拡大への対応と地域経済の活性化の両立、これを予算編成の基本に据えた方針といたしました。 重点分野の第1点目、感染症拡大を防止するための柔軟かつ機動的な施策の推進でありますが、文字どおり
新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に抑えながら、地域経済をしっかり守っていくことを最優先課題とする必要がございます。令和3年度はリーマンショック時を上回る一般財源等の減収が避けられない状況も想定されますことから、財政調整基金等の活用も視野に入れ、
新型コロナウイルス感染症拡大の防止策への予算の優先配分など柔軟かつ機動的に行ってまいります。 次に、2点目の市民生活・雇用・事業・地域を守り抜く取組と「新しい生活様式」への対応は、市民の皆様の生活や雇用を支え、コロナ禍を乗り切るための政策についても優先的に財源配分を行うことが必要であり、機を逸することなく対応していくために位置づけたものでございます。加えて、感染リスクを抑える取組として、国が進める新しい生活様式に対応したデジタル化やオンライン化といった施策についても着実に進めていかなければなりません。 さらに、3点目の災害からの復旧・復興の推進と災害に強いまちづくり及び環境保全は、令和2年度の大雨等による災害からの復旧、復興に取り組み、加えて今なお復興途上にある
令和元年東日本台風の被災箇所の復旧完了を目指す年度となること、また今後いつ起こるか予測がし難い様々な自然災害に強いまちを目指し、防災、減災に対する準備を進めてまいりたい、こういったことから重点分野として定めたものでございます。 なお、予算編成に当たりましては、例年12月下旬に閣議決定されます
地方財政対策に加えて、令和2年度の市税の収納状況や将来を見据えた持続可能な財政運営を踏まえ、事業の優先順位を定めながら、令和3年度から開始となる第二次上田市総合計画の後期まちづくり計画の着実な実現に向けた予算編成を行ってまいりたいと考えております。 次に、感染収束後のポストコロナに対応した予算についてのご質問でございます。内閣府が今月16日に発表した7月から9月期の実質国内総生産、実質GDP速報値によれば、4月から6月期に比べ5.0%増と52年ぶりの高水準となり、外出自粛の反動や海外の景気の持ち直しによる影響が見られたと分析されております。ただし、これは見かけ上数値が上向いたものの、年率換算の額では前年同期比で30兆円減という状況となっておりまして、加えて先行きの不透明感から企業の設備投資は回復しておらず、コロナ禍前の水準に戻るまでには二、三年はかかるとの見方が有力となっております。 こうした中、国では
新型コロナウイルスの感染対策に加え、デジタル改革やグリーン社会の実現、国土強靱化事業など、いわゆるポストコロナに対応した事業を柱とする追加の経済対策を当初予算編成と併せた15か月予算として取りまとめている最中でございます。 当市におきましては、この国の令和2年度第3次補正予算や
新型コロナウイルス対応として確保されている予備費の残約7.3兆円の動向を注視しつつ、ポストコロナに対応する事業につきましては、状況によっては感染症の収束を待つことなく、国や県と連携して3月補正予算あるいは追加の補正予算なども視野に機動的に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) まず、重点3分野の設定根拠とポストコロナに対応した予算についてご答弁をいただきました。 それでは、次に財政運営に関連しまして、主要財政指標と基金について質問いたします。この質問につきましては、前回9月定例会一般質問において質問を予定しておりましたが、上田市内での感染拡大により急遽文書による一般質問に切り替えられたことから、今後の財政運営において非常に重要な事柄であるとともに、市長よりこれまで具体的な数字をもって財政運営の在り方をお聞きしたことがなく、直接市長のお言葉でご答弁いただきたいことから、前回取下げを行い、今回改めて質問するものであります。
新型コロナウイルス感染症の対応により、今後主要財政指標、基金については一時的に悪化あるいは取崩しをせざるを得ない状況と考えます。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症はあらゆる手段によりいつの日か収束するものであり、ポストコロナに向け今から方針を持って取り組むことは非常に重要な観点であるものと考えます。また、
新型コロナウイルス感染症が世界中にこれだけの影響を及ぼしている経験から、上田市の財政力をより高め、非常事態に対応できる構造にする必要性も非常に高いのではないでしょうか。 そこで、市長は主要財政指標の各項目と基金の目標数値をどの程度に設定しているのか、また数値の設定根拠はどうか、
新型コロナウイルス感染症が収束した際は目標数値の達成に向けてどのような政策を行うのか、お尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君)
山口財政部長。 〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 初めに、私のほうから主要財政指標と基金の状況についてお答えさせていただきます。 まず、令和元年度の決算状況からの指標でございます。実質赤字比率と連結実質赤字比率につきましては、各会計の決算が黒字であったため算定の対象とはなっておりません。 続いて、実質公債費比率でございますが、平成29年度、こちらが5.727、平成30年度が5.090、令和元年度が5.646、3年間の平均で5.488となりまして、端数処理後の数値で平成30年度と同じ5.4%でございました。財政健全化計画の策定が義務づけられる早期健全化基準の25%は大幅に下回っております。 次に、将来負担比率でありますけれども、前年度比2.2ポイント悪化した28.9%でございます。ただし、早期健全化基準の350%は大幅に下回っているという状況でございます。いずれの指標も県内他市の平均とほぼ同水準の数値という状況でございます。 続いて、標準的な地方税等の収入見込額である
基準財政収入額を標準的な行政運営に必要な財政需要を一定の方法で算定した基準財政需要額で除した値、それの3か年平均でありますが、財政力指数、こちらにつきましては0.596で、平成30年度と比べて0.001ポイント低下したという状況でございます。これにつきましては、分子となる
基準財政収入額、これは平成30年度と比べて1%増と、一方分母となります基準財政需要額、こちらにおきましても増大し、結果として財政力指数はほぼ横ばいだったという状況でございます。 次に、経常収支比率でございますけれども、こちらにつきましては0.1ポイント悪化しまして90.0%という状況でございます。また、9月30日現在の速報値ではありますが、令和元年度の県内19市の平均値、こちらが89.6%、また全国の市町村の平均値は93.6%、こんな状況となっております。また、令和2年度以降につきましても、
会計年度任用職員制度の導入による影響、あるいは市
庁舎建設事業等に係る公債費の増加等により、比率は今後上昇傾向になると考えております。 次に、財政調整基金でございます。財政調整基金は、大きな税収減による収入不足、あるいは災害等の発生により思わぬ支出を余儀なくされた場合に備えて積み立てているものでありますけれども、令和元年度において
令和元年東日本台風災害の影響等により、合併以降初めて取崩しを行いました。甚大な被害をもたらした災害の復旧事業の一般財源として取崩しを行ったもので、金額は2億円でございます。 報道によりますと、令和元年度末と平成30年度末の財政調整基金の減少率、これは長野市で46.6%、佐久市34.5%、東御市26.5%などと、大きく台風災害を受けたところで大きく減らしております。上田市におきましては4.9%の減少でとどまったという状況でございます。 また、現状としましては、東京都において
新型コロナウイルス対応により9,345億円あった財政調整基金の9割強を繰入金として予算化するなど、当市を含む多くの市町村において令和2年度は
新型コロナウイルス対応によって財政調整基金の取崩しを余儀なくされる、こういった厳しい財政運営を強いられている状況となっております。 上田市はこれまで当初予算及び6月補正予算において合計7億7,000万円余の財政調整基金からの繰入金を予算計上いたしましたが、9月補正と12月補正においては
新型コロナウイルス対策等により中止となった事業等の予算の減額による財源調整を行った結果、現時点では追加の財調からの繰入れの計上は行っておりません。引き続き予算執行状況等について精査を行いながら、市税の動向を踏まえ、どの程度まで組み戻せるか、調整を図ってまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 土屋市長。 〔市長 土屋 陽一君登壇〕
◎市長(土屋陽一君) 私からは、若干今の部長答弁とダブるところもありますけれども、答弁させていただきます。 主要の指標でございます。実質公債費比率や将来負担比率といった健全化判断比率につきましては、全国の都市から選定された類似団体17団体と人口14万人以上の同様の産業構造の9団体を抽出しまして、これら26団体の令和元年度決算における速報値の指標の平均値を5年後の目標値として後期まちづくり計画の中に定めております。実質公債費比率は5.8%未満、将来負担比率は40.3%未満との目標を設定いたしました。これらの指標は、現在進めております庁舎整備事業や経済状況の悪化により国税の減少に伴う
臨時財政対策債の増額により今後上昇が見込まれておりますが、類似団体の平均値を超えない目標を設定することによりまして財政の健全性を確保していくものであります。今後の市税等の減少も見込まれますことから、分母の要因である標準財政規模も縮小し、指標の上昇は避けられないことから、類似団体の平均値を目標とする、より客観性を持った設定等を行ったということであります。 それ以外の経常収支比率、公債費負担比率、財政力指数につきましては、全国の政令指定都市あるいは23特別区、54中核市、31施行時特例市を除いた平成31年3月31日現在の687都市における平成28年度から30年度決算の3年間の平均値を目標に設定いたしました。経常収支比率につきましては91.9%以下、公債費負担比率は14.0%以下、財政力指数は0.61以上を今後5年間の目標に定め、健全財政を目指してまいります。 なお、経常収支比率につきましては、これまで90.0%未満を目標としてまいりましたが、
会計年度任用職員制度導入に伴いまして、これまで物件費であった賃金分が人件費に変更されるなど制度改正によりまして、義務的経費の増加が全国的な流れとなってまいります。 次に、財政調整基金につきましては、大規模な災害等が発生した際は一時的に多額の一般財源が必要となります。標準財政規模の10%程度の規模を維持した財政運営を行っていく必要があるものと考えております。今回のように
新型コロナウイルス感染症による市税の減収など今後の財政運営に大きく影響を及ぼすことになりますことから、財政調整基金につきましては、一般財源の調整として柔軟に対応してまいりたいと考えております。 なお、財政調整基金につきましては、
新型コロナウイルス感染症の対応が落ち着いた段階で、昨年の
令和元年東日本台風災害前の残高41億円余を目標に、財政状況を見極めながら復元してまいりたいと考えております。 最後に、
新型コロナウイルス感染症が収束した際の各指標の目標達成に向けてどういった施策を行うかというご質問につきましては、予算編成方針でも触れさせていただきましたが、合併後15年を経過し、
合併算定替えによる財政の優遇措置が令和2年度をもって終了いたします。今後は市内地域間で異なる制度の統一に向けた調整や、一層の財源確保に向けた施設使用料等の減免を含めた措置の見直しを進めるとともに、公共施設の統廃合などによる総量の削減など引き続き行財政改革を進め、健全財政の維持を踏まえながら必要な施策に鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 私からは以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) 財政部長のほうからは現状をお聞きし、市長からは具体的に数値をもってご答弁いただきました。財政調整基金ですけれども、やはり今回
令和元年東日本台風の災害があった際に本当にあれだけの甚大な災害が上田市を襲うということは今まで上田市では本当に考えられなかった、考えなければいけなかったことなのかもしれませんが、40億円以上財政調整基金があるものがこんなに簡単にも取り崩さなければいけないという現状ありました。当面は市長の方針、41億円余を復元していくというようなお話もございましたけれども、これは今後の感染の状況等も踏まえてまた知恵を絞って財政運営に当たっていただきたいと思います。 また、今定例会に上程されております第二次上田市総合計画後期基本計画の中でも、前期に引き続きまして市政の重要な事業を着実に推進する一方で、市債残高や将来の公債費負担に影響を及ぼす歳出を精査し、実質公債費比率など財政健全化指標に留意した財政運営を行いますとされております。これは前期と全く同じ表現で継続されておりますけれども、前期については
新型コロナウイルス感染症、災害復旧、復興、こういったものがなかったときであります。同じ文章ではございますが、やはり後期についてはこの辺を非常に重視していただいて健全財政に取り組まれることを期待いたします。 次に、経済対策について、商工振興策を中心に質問してまいります。まず初めに、消費喚起応援事業についてです。
新型コロナウイルス感染症の拡大や非常事態宣言などを受けステイホームを余儀なくされ、消費マインドが急激に減少し、さらには企業業績にも大きな影響を及ぼしたことから、個人所得も減少し、消費マインド減少に追い打ちをかけております。 このような中において、上田市ではいち早く消費喚起応援事業として、本年7月臨時会において補正予算として4億1,000万円を計上し、モバイル決済サービス事業者及び市内3商工団体と連携したポイントバックキャンペーンを実施いたしました。市民の皆さんには非常に好評であった上、いち早く実施した点につきましては非常に評価できるものと私は考えております。現在、周辺他市でも上田市の取組に追随し同様のキャンペーンが多く実施されている状況にあります。また、今定例会ではさらに補正予算が上程され、追加の実施が提案されたところであります。 そこで、今回の消費喚起応援事業を実施したことによる効果はどうであったか。また、今定例会には第2弾のキャンペーンを実施するための補正予算が計上されておりますが、さらに追加する考えはどうか、お尋ねいたします。 また、今回の事業はキャッシュレス決済の普及促進も目的とされ実施されましたが、好評である一方、スマートフォンの操作にたけていなかったり、キャッシュレス決済の利用方法が分からない方など、高齢者を中心に使用しにくいとのご指摘もあったことも事実であります。このため、全市民の消費喚起につながるための施策も必要と考えますが、見解をお尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君) 小相澤商工観光部長。 〔商工観光部長 小相澤 隆幸君登壇〕
◎商工観光部長(小相澤隆幸君) 消費喚起応援事業の効果はどうかと、それとさらに追加する考えはあるかなどご質問いただきました。 県内で初めての実施となりましたスマートフォン決済事業者PayPayと連携したポイント還元事業につきましては、市内約1,200店舗が参加する中、幅広い世代にわたり多くの方々にご利用いただきました。44日間のキャンペーンの期間中、PayPay決済金額は9億円余、利用者に還元されたポイントは2億1,000万円余となりまして、短期間、この期間でありましたけれども、相当の消費効果が発揮されたものと捉えているところであります。 また、商品券購入のために特定の場所に出かけていく必要がないことや、現金によらない非接触型での支払いが可能となり、感染拡大を防ぐための新しい生活様式に対応したキャッシュレス決済の促進を図ることができたほか、商品券の発行や販売、換金費用が不要になるなど、事務経費の節減にもつながったものと捉えております。 キャンペーンに参加されました事業者の皆様からは、コロナ禍で売上げが減少していた中、導入費用や換金の手間もなく売上げ向上につなげることができたという声をいただいたほか、市民の皆様からもキャンペーンをきっかけに初めてキャッシュレス決済を利用し、便利さとお得感を感じた、コロナ禍でふさぎがちであった家族と一緒に買物をすることができ楽しむことができたというようなうれしいお声も頂戴いたしたところでございます。 そういった状況の中でありますが、事業者の方、市民の皆様からは、第2弾のキャンペーンはいつやるのですかというような声も多く寄せられておりました。継続的な消費喚起により地域経済を活性化させていくために、議員おっしゃっていただきましたように、年明けから第2弾のキャンペーンを行うことといたしまして、本議会において補正予算の計上をさせていただいているところでございます。 さらに追加する考えはあるかということでございますけれども、この第2弾のキャンペーンに向けて参加事業者や利用者の拡大に取り組み、経済波及効果を高めていくことにまずは努めてまいりたいと考えているところでございます。 一方で、高齢者ですとかスマートフォンを利用していない方への消費喚起にはつながっていないのではないかと、全市民の消費喚起につながるための施策が必要と考えるがというご質問でございます。キャッシュレス決済の普及促進につきましては、高齢者への普及が課題の一つでございます。現金の取扱いが不要なため、商品金額や釣銭の計算が不要になるほか、決済情報をご家族が把握できるなど見守り的な機能も果たし、高齢者本人やご家族の方にとってもキャッシュレス化がもたらす恩恵は非常に大きいものもあるのではないかと考えております。第1弾のキャンペーンの際は、旧市民会館におきまして事業者向け、消費者向けの説明会を数日にわたって開催しまして、キャンペーンの周知とともに利用方法、有効性について説明を行い、普及促進に努めてまいりました。説明会に参加していただいた市民の方からは意外と簡単だったという声もいただいておったところでございます。今回の第2弾のキャンペーンでは、高齢者をはじめ一人でも多くの市民の皆様に説明会にお越しいただけるよう、身近な公民館などでの説明会の開催を予定しているところでございます。キャッシュレス化をより身近なものとして捉えていただき、市全体の消費喚起につなげてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) ご答弁いただきました。第2弾を予定され、上程されておりますが、また第2弾が決まりましたら、さらに効果を上げて実施されることを期待いたします。 次に、商工振興策について質問いたします。
新型コロナウイルス感染症の影響により、会食に伴う感染などの広がりにより飲食業関連はこれまでに経験のないほどの影響を受け、工業についても一部では回復が見られますものの、海外との取引が制限を受けるなど大きな影響が出ており、景気低迷を招いております。今回の景気低迷については一過性の要因による影響ではなく、
新型コロナウイルス感染症という今後長く人類が付き合っていかなければならないものであり、新たな生活様式や新たな経済活動に対応した観点で取り組んでいかなければなりません。そのような中、これまで上田市が進めてきた商工振興策についても新たな観点で取り組んでいかなければならないのではないでしょうか。 そこで、市独自の今後の商工振興策をどのように考えるか、お尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君) 小相澤商工観光部長。 〔商工観光部長 小相澤 隆幸君登壇〕
◎商工観光部長(小相澤隆幸君) 市独自の商工観光施策をどのように考えるかということでございます。 市の商工業振興策につきましては、上田市商工業振興プランを策定いたしまして様々な施策を展開しております。ご承知のことと思いますが、具体的には中小企業へのIoTの導入支援や、基幹産業であるものづくり支援、事業者の商品・サービスのブランディング支援、事業承継、M&A支援など、平常時のみならずこのコロナ禍においても重要となる支援について幅広く進めていると認識しております。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今後の商工業振興策は、ウィズコロナ、アフターコロナの視点を十分に取り入れた取組を進めていかなければならないと考えております。 こうした視点に加えまして、昨年度制定いたしました上田市中小企業・小規模企業振興条例の趣旨を踏まえまして、今年度末までに事業者や関係機関の意見をお聴きする機会を設け、商工業振興プランの見直しを行い、コロナ禍においても地域経済が持続的に発展していけるよう常にブラッシュアップを図ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) 次に、企業誘致について質問いたします。 私も製造業に関わっておりますが、
新型コロナウイルス感染症が日本国内で感染を見せるようになって以降、企業の規模にかかわらず廃業する企業、統廃合する製造拠点など顕著に増えている状況にあり、操業を維持する企業においても製造量の大幅な減により、週休3日あるいは4日を余儀なくされている状況を目の当たりにしております。企業の売上げが減れば当然設備投資は減少し、工場の造成などにも大きな影響が予測されるところであります。 そのような中にあって、今定例会補正予算において企業誘致促進事業補助金補助予定として2社分が計上されたことは、
新型コロナウイルス感染症の影響下の中、非常に上田市にとって朗報でありますが、全体的には厳しい状況が続くものと推察されます。 そこで、
新型コロナウイルス感染症による企業誘致の影響はどうか。特に箱畳第二期工業団地への影響はどうか。また、新たな工業団地の造成については経済動向などの情勢を見極めながら検討していく方針でありましたが、新たな工業団地の造成についてはどのように考えるか、お尋ねいたします。
○議長(土屋勝浩君) 小相澤商工観光部長。 〔商工観光部長 小相澤 隆幸君登壇〕
◎商工観光部長(小相澤隆幸君) 企業誘致への影響はどうかということ、それから箱畳工業団地への影響と新たな工業団地の考え方についてご質問いただきました。 この感染症は幅広い業種に様々な影響を与えておりますけれども、市に寄せられております県外企業の県内への工場等立地希望情報や市内企業の問合せにつきましては、平成30年度が22件、令和元年度が23件でございました。今年度は既に23件の問合せをいただいておりまして、このコロナ禍におきましても積極的に設備投資を行い事業拡大する企業、そして拠点再整備によるコスト削減を目指す企業があるなど、常に一定のニーズがあるものと考えております。 箱畳第二期工業団地への影響でございますが、購入のお申込みをいただいております市内企業におきましても、この
新型コロナウイルス感染症による業績への影響はあるものの、将来の事業拡大に向けた積極的な投資の姿勢に変わりがないことを確認いたしておりますので、引き続き正式な契約に向けて協議を重ねてまいりたいと考えております。 また、新たな工業団地の造成につきましては、このコロナ禍においても積極的な設備投資を行う企業が一定数ある状況も確認できておりますので、今後のコロナ禍による影響も注視しながら、インターチェンジ周辺やインターチェンジへのアクセスが良好である土地など、企業の方々の要望も配慮しつつ、工業団地の適地を選定し、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。 〔20番 佐藤 論征君登壇〕
◆20番(佐藤論征君) それでは、時間ございませんので、最後の質問に移ります。 中小企業等への融資に関連して質問いたします。上田市では
新型コロナウイルス感染症による中小企業者への影響に考慮し、中小企業等金融対策事業として継続的に増額補正を行い対策に当たっておりますが、中小企業等金融対策事業の利用状況と中小企業等金融対策事業などの実績から見る中小企業者の現状と今後の見通しはどうかお尋ねいたしまして、私の最後の質問といたします。
○議長(土屋勝浩君) 小相澤商工観光部長。 〔商工観光部長 小相澤 隆幸君登壇〕
◎商工観光部長(小相澤隆幸君) 中小企業等の金融対策の状況と今後の見通しについてのご質問でございます。 中小企業等金融対策事業につきましては、担保力や信用力に弱く、借入れ条件面で不利な立場である中小企業者の皆様に対して、上田市、金融機関、長野県保証協会の3者で協調し、低利な融資を円滑にあっせんする制度でございます。
新型コロナウイルス感染症は全ての業種、業態に多大な影響を与えておりまして、世界的に経済活動が停止したことでリーマンショック時を上回る景気の落ち込みを起こしております。 地元製造業、建設業においては大手企業との取引が中断され、また小売、卸、飲食、サービス業では、自粛等による消費マインドの低下により大きく売上げが減少するなど、資金繰りに苦慮する事業者が増加いたしました。 こうした状況を踏まえ、市では4月から経営安定資金において利率の引下げと2年間の実質無利子化及び信用保証料の全額補助を迅速に実施するなど制度の見直しを図り、中小企業の資金調達を全面的に支援してまいりました。利用状況につきましては、4月から現在までに国、県や金融機関で保証料及び利子率が有利となるセーフティーネットの申請を約800件受け付けたほか、約600件の制度融資のあっせんを行っているところでございます。9月以降
新型コロナウイルス感染症の拡大が一旦収まったことや、自動車部品等の製造業で回復傾向も一部見られましたこと、国のGo To キャンペーン等により旅館、飲食、小売業では事業者の売上げが改善傾向にありました。現在は融資の需要が少し落ち着いている状況でございます。 しかしながら、全国的に感染者が増加傾向にあります。引き続き経済活動の動向を注視し、金融機関、商工団体と連携を図りながら、事業者の資金調達について継続的な支援をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員の質問が終わりました。 ◇
△日程追加 議案第140号
○議長(土屋勝浩君) 本日
総務文教委員会に付託しました議案第140号について、総務文教委員長から審査が終了した旨の報告がありました。 お諮りします。一般質問の途中ですが、この際、議案第140号を日程に追加し議題としたいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) ご異議なしと認めます。よって、この際、議案第140号を日程に追加し議題とすることに決しました。 総務文教委員長の報告を求めます。久保田総務文教委員長。 〔総務文教委員長 久保田 由夫君登壇〕
◎総務文教委員長(久保田由夫君)
総務文教委員会は、本会議休憩中に委員会を開催し、付託案件の審査を終了いたしましたので、その概要についてご報告申し上げます。 議案第140号、上田市職員の給与に関する条例等中一部改正について申し上げます。 本案については、長野県人事委員会が行った職員の給与等に関する勧告などを踏まえ、一般職、
特定任期付職員、市長、副市長、教育長、議員の期末手当の年間支給月数を0.05月引き下げることから、所要の改正を行うものであるとの説明を受けました。 また、令和2年度は12月期に支給する期末手当を0.05月引き下げ、令和3年度以降は6月期と12月期に支給する期末手当を同じ支給率とするために所要の改正を行うもので、令和2年度の改正に伴う施行日は令和2年12月1日、令和3年度以降の改正に伴う施行日は令和3年4月1日であるとの説明を受け、審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
○議長(土屋勝浩君) これより委員長報告に対する質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) これより討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) これより採決します。本案を委員長の報告のとおり決するにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) ご異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。 お諮りします。一般質問の日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋勝浩君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回は明日12月1日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。 午後 5時32分 延会...