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03月04日-一般質問、議案質疑、議案付託-04号

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  1. 上田市議会 2020-04-02
    03月04日-一般質問、議案質疑、議案付託-04号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    令和 2年  3月 定例会(第1回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)市政について   (4)市政について   (5)気候変動問題と対策について   (6)市政について   (7)市政について   (8)市政について   (9)市政について 第 2 議案第4号から第9号 第 3 議案第10号から第15号 第 4 議案第16号 第 5 議案第17号及び第18号 第 6 議案第19号から第21号 第 7 議案第22号 第 8 議案第23号及び第24号 第 9 議案第25号から第27号 第10 議案第28号及び第29号 第11 議案第30号から第34号 第12 議案第35号及び第37号                                              本日の会議に付した事件 日程第1から第12まで                                              出席議員(29名)    1番   石  合  祐  太  君     2番   斉  藤  達  也  君    3番   金  井  清  一  君     4番   中  村  悠  基  君    5番   松  尾     卓  君     6番   成  瀬     拓  君    7番   齊  藤  加 代 美  君     8番   井  澤     毅  君    9番   林     和  明  君    10番   佐  藤  論  征  君   11番   金  子  和  夫  君    12番   原     栄  一  君   13番   宮  下  省  二  君    14番   飯  島  伴  典  君   15番   欠           員    16番   金  沢  広  美  君   17番   古  市  順  子  君    18番   小 坂 井  二  郎  君   19番   土  屋  勝  浩  君    20番   松  山  賢 太 郎  君   21番   西  沢  逸  郎  君    22番   尾  島     勝  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   池  田  総 一 郎  君    26番   南  波  清  吾  君   27番   池  上  喜 美 子  君    28番   半  田  大  介  君   29番   久 保 田  由  夫  君    30番   渡  辺  正  博  君                                              説明のため出席した者     市    長   土   屋   陽   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     上田市政策研究  吉   澤       猛   君     セ ン ター長     政策企画部長   柳   原       渉   君     総 務 部 長   中   村   栄   孝   君     行政管理課長   小   林       修   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民まちづくり  小 宮 山       剛   君     推 進 部 長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   大   矢   義   博   君     農 林 部 長   工   藤   秀   樹   君     都市建設部長   藤   澤   純   一   君     消 防 部 長   越       浩   司   君     丸子地域自治   竹   花   国   雄   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   崎   完   爾   君     セ ン ター長     武石地域自治   石   井       淳   君     セ ン ター長     会 計 管理者   細   川   真 利 子   君     上下水道局長   柏   木   明   彦   君     教  育  長   峯   村   秀   則   君     教 育 次 長   中   澤   勝   仁   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   橋   詰   聡   史   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    任   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(小林隆利君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(小林隆利君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第12号、市政について、金子議員の質問を許します。金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) おはようございます。一般質問3日目、最初を務めさせていただきます。 それでは、通告に従い質問いたします。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開幕が待ち遠しく、来月4月2日には上田市内を東京オリンピックの聖火が駆け抜けますが、2018年開催の平昌オリンピック、スノーボードハーフパイプで出場した丸子の今井胡桃選手も聖火ランナーで花を添えていただけます。 1998年長野冬季オリンピック開催時に、丸子町商店街も聖火リレーがされ、当時大人気であったTBSの雨宮塔子アナウンサーが走った姿が、今も忘れられません。東京オリンピック・パラリンピックでの日本選手の活躍が日本を、地域を元気にしてくれることでしょう。 スポーツ選手の影響力は計り知れません。長野県内には、サッカーの松本山雅や長野パルセイロ、野球では信濃グランセローズ、バスケットボールでは信州ブレイブウォリアーズがそれぞれの本拠地に立派な施設が存在します。そして、熱烈なファンが応援して、地域が盛り上がっております。 また、真田町出身の塩沢勝吾選手所属のHFL、サッカー北信越リーグのアルティスタ東御は、本拠地を佐久市に移したために、昨年からアルティスタ浅間にチーム名を変更いたしました。佐久市佐久総合運動公園陸上競技場に人工芝のサッカーピッチができたことにより、本拠地を移したものであります。 一方、上田市においては体育施設全般に老朽化が進んでおり、上田市スポーツ施設整備計画が示されております。そんな中、1981年設立で、本年が設立から40年を迎え、上田市職員も4名が現役で活躍しているサッカーチームのFC上田ジェンシャンですが、上田市内にチームがありながら、本拠地上田市内にホームグラウンドを持てず、松本市のサンプロアルウィンサブグラウンドや千曲市サッカー場でのホームゲーム開催を強いられてきました。本年のHFL北信越リーグへの登録を断念し、事実上、社会人チームの上田FCジェンシャンは活動を停止せざるを得ない状況に陥り、残念でなりません。上田市内にホームゲームを開催できるサッカー場が菅平高原以外の場所にあればと思うことしきりであります。 そこで、上田市の現状でのスポーツ振興のためにスポーツ施設の状況を考えることが急務であります。昨年から上田市に本拠地を置いた女子バレーボールVリーグ2部、ルートインホテルズブリリアントアリーズへ上田市がどのような支援を行っているのか。また、どのような連携を図っているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) おはようございます。ブリリアントアリーズに対する支援と連携についてお答えいたします。 ブリリアントアリーズでございますが、平成29年4月に「感動と夢、そして元気を届ける」をチームのモットーとして創部され、全国や北信越の実業団大会での活躍を経て、今年度から国内のトップリーグであるVリーグに参戦いたしました。 このVリーグに参戦するに当たっては、日本バレーボールリーグ機構からチームに対し、地域との交流事業の実施やホームゲーム開催時の治安の確保などのほか、行政の支援を得るという条件が示されており、上田市に対しましても支援要望を頂いたところでございます。 要望の内容につきましては4点ございまして、1つ目といたしまして、ホームタウンを上田市とすることの承諾、2つ目といたしまして、自然運動公園総合体育館をホームアリーナとすることの承諾、3つ目といたしまして、ホームゲーム開催における会場確保の支援、そしてホームゲーム開催に関する広報活動の支援でございます。 これらの要望を受けまして、市といたしましては、上田市スポーツ振興計画に位置づける、みるスポーツの機会向上やスポーツに親しむ動機づけ、またチームの活躍による市のプロモーション効果も踏まえ、支援を決定したところでございます。 具体的な支援といたしましては、上田市を拠点に活躍するチームとして、ホームタウンやホームアリーナの承諾はもちろんのこと、会場につきましても、できるだけ多くの試合が市内で開催できるよう早い段階で確保してまいりました。また、広報面の支援といたしましては、「広報うえだ」、上田市ホームページ、行政チャンネル、SNSなどによる試合のイベントの周知ですとか、市のスポーツ施設や小中学校でのポスター掲示のほか、上田市の魅力を発信するエフエム東御のラジオにおきましても、選手の皆さんにご出演いただきまして、チームの魅力やバレーボールの楽しさ、試合の見どころなどを紹介してきたところでございます。 このほか、自然運動公園総合体育館でのホームゲーム時には、観光協会や農林部とも連携いたしまして、地域の農産物を優秀選手に贈呈するほか物品販売も行い、ブリリアントアリーズのホームアリーナとしての魅力を加えることができたものと考えております。 また、先日は自然運動公園の地元である下之郷自治会からも、今後地域を挙げての応援や協力も行っていきたいとのご提案も頂きました。大変心強いお申出でございまして、チーム側とも情報交換を進めながら、市としても引き続き十分連携を取りながら支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁を頂きました。 ルートインホテルブリリアントアリーズからの要望、また上田市の支援等々お聞きいたしましたし、地元下之郷自治会も協力体制にある、とてもうれしい報告を頂きました。 上田市の支援と連携体制を伺いましたが、本拠地に当たる上田市自然運動公園総合体育館は、ルートインホテルズブリリアントアリーズが活動拠点にする上で十分な設備を備えているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 自然運動公園総合体育館の設備についてご答弁申し上げます。 こちらにつきましては、固定席とアリーナの仮設観覧席を含めまして約1,500席を設けることができ、V2リーグの試合に必要な条件を満たしてございます。今年度は計4回のホームゲームが開催されまして、11月の試合はいずれも満席となり、観客の皆さんの応援に地域での盛り上がりが感じられたところでございます。一方で、12月に開催されました試合におきましては、700人ほどの入場者ということでございます。この一つの要因といたしましては、会場内の寒さが考えられます。プレーを見る側、する側とも、その対策として暖房設備の要望が数多く寄せられたところでございます。 自然運動公園総合体育館につきましては、本議会に上程しております当初予算において、耐震化と、床面や照明器具を含めた大規模改修に併せ、冷暖房設備を導入する計画でおります。工事完了後は、市民を初めご利用いただく多くの皆様に快適な環境を提供できるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁を頂きました。 1,500席の座席確保、また耐震対策、そして今議会で空調関係の予算が計上されているということで、寒さ対策への対応もしていただけるということで安心をしました。 ルートインホテルズブリリアントアリーズへの上田市の支援が後押しとなって、この地域、上田地域が盛り上がることに期待をいたします。 2027年に開催される長野国体で上田市内で開催される競技のテニスは、競技開催に向けてテニスコートを整備することは公表されておりますが、上田市スポーツ施設整備計画で示されている上田城跡公園体育館の移転問題でありますが、現在はルートインホテルズブリリアントアリーズが上田市自然運動公園総合体育館を活動拠点にしておりますが、今後、新たに建設される体育館は、ルートインホテルズブリリアントアリーズの活動拠点や、その他の大きな大会開催が可能なように関連づけて計画されているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 上田城跡公園内の体育館の移転でございます。平成29年に策定いたしました上田市スポーツ施設整備基本構想において、新体育館の整備に当たっては、従前施設の統廃合を検討し、大規模大会に対応した施設を広域施設と位置づけまして整備することといたしました。 そして、この基本構想の下に、市民の皆様に持続可能なスポーツ環境を提供するよう各施設の整備方針を定めたものが、平成30年に策定いたしました上田市スポーツ施設整備計画でございます。この整備計画では、上田城跡公園内にある2つの体育館につきまして、それぞれ老朽化が進み、耐震化が必要なことから、城跡外へ移転し、新体育館を建設することとしております。先ほどご説明いたしましたとおり、新体育館は、全国大会などの大規模大会に対応した広域施設として整備することとしておりますが、今年度からVリーグに参戦したブリリアントアリーズがV1に昇格した場合にも対応できるよう、整備に際しましては十分に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁を頂きました。 ルートインホテルズブリリアントアリーズがV1に昇格が早くに決まったときには、至急体育館の整備をよろしくお願いいたします。 バレーボールに限らず、どんな種目であれ、一流の選手のプレーを間近で見れることは、大人であっても大きな喜びであります。上田市としてルートインホテルズブリリアントアリーズを支援することから、市内のスポーツ少年団や中学校の部活動等と選手との関わりを望みますが、どのような交流がされているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 交流についてでございますが、Vリーグの参戦に当たり、先ほど申し上げました幾つかの条件の中に高校生以下のバレーボール教室の開催や生涯スポーツプログラムの提供という内容がございます。こうした背景もございまして、ブリリアントアリーズ側からも、上田市のチームとして、地域への貢献、地域との交流、また若いバレーボール選手の力になりたいとのことから、上田市スポーツ少年団や市内中学校との交流が行われてきたところでございます。 スポーツ少年団に関しましては、上田市と千曲市で開催されました、今シーズン合計5回のホームゲームにおきまして、市内4つのバレーボールスポーツ少年団が招待されまして、アリーナ席で試合観戦し、その迫力を間近に体験したところでございます。また、各試合開始時に、キッズ・エスコートという選手と子供たちが手をつないで入場するという場面もございまして、チームと地域との一体感の醸成にもつながったものと考えております。 中学校に関しましては、選手を直接学校に派遣しての指導が行われ、市内中学校10校の女子バレーボール部におきまして、部員と選手との触れ合いの機会が実現いたしました。技術の向上はもちろんのこと、ブリリアントアリーズの選手を身近に感じ、トップレベルのアスリートへの憧れや夢も抱くという貴重な体験になったのではないかと考えております。 このほか、ホームゲームでの試合の合間に、小中学生などで構成いたします地域のチアリーディングチームが登場いたしまして、日頃の練習の成果を大勢の観客の皆様に披露できる機会となっているほか、試合会場が華やかな雰囲気に包まれ、また異なる競技の融合といった点につきましても大きな相乗効果が生まれております。こうした若年層へのアプローチは、子供たちの身体と心を健全に育み、教育面でも多大な効果が期待できるものであり、ぜひ継続を期待するところでございます。 いずれにいたしましても、ブリリアントアリーズの活動が上田市のスポーツ振興に与える力は大きく、加えて新たなにぎわいの創造や地域の活力の向上に大変寄与することから、今後とも、より効果的な方法を探りながら支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕
    ◆11番(金子和夫君) 答弁を頂きました。 市内のスポーツ少年団、バレーボール4チームであったり、キッズのエスコート、また中学校への選手の訪問、また地元チアリーディングチームの応援。非常に地域との関わりを感じ、また身近に子供たち、中学生に選手の活躍を見てもらえる、本当にうれしいことだと思います。ぜひともルートインホテルズブリリアントアリーズの選手に憧れてバレーボール選手を目指すバレーボーラーの出現に期待して、次の質問に移ります。 昨年9月21日にメルシャン椀子ワイナリーがオープンし、千曲川ワインバレー構想の中核的な役割を担い、全国からのワイン愛好家から熱い注目を浴び、メルシャン椀子ワイナリー、当初の計画では、テイスティングカウンターやワインショップの営業は昨年末までで、冬季の間、冬の間は休業の予定でしたが、好評につき、計画を変更して冬季間も週末と祝日には営業し、順調な集客をされている様子でした。しかし、残念なことに、このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクが高まっているために、3月2日から、当面の間、メルシャン椀子ワイナリーの営業及びワイナリーツアーを休止しているそうであります。 メルシャンマリコヴィンヤードだけのときと違い、椀子ワイナリーができたことにより、千曲ビューラインから天下山マレットゴルフ場脇を通って、メルシャン椀子ワイナリーへの交差点改修や道幅拡幅も計画され、大型観光バス往来の対策も進みつつありますし、メルシャン椀子ワイナリーへの公共交通の確保も検討されるなど、上田市にとって新たな観光拠点になりつつあります。上田市としても積極的に関わりを持つことが重要であると思います。 公明党代表質問で半田議員の官民連携と地方創生の質問で、キリンが岩手県遠野市の日本産ホップ生産を支援している活動を上田市政策研究センターが視察し、上田市との連携を探っている報告がありましたが、メルシャン椀子ワイナリーが観光面以外でのまちづくりと絡めた関わりに期待するところであります。 そこで、昨年12月5日に、キリングループとワイン産業振興を軸にした地域活性化に関する包括連携協定を締結した内容がどのような内容なのか。 また、公立大学法人長野大学も、昨年10月3日にメルシャン株式会社と包括的連携協定を締結しましたが、上田市として内容を把握しているのか。そして、それぞれの協定内容を踏まえて、キリングループとの連携で上田市として積極的に取り組む事項は何なのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 竹花丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 竹花 国雄君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(竹花国雄君) まず、私からは、市とキリングループとの包括連携協定の内容と取組についてお答えいたします。 昨年9月に上田市初となるワイナリー、シャトー・メルシャン椀子ワイナリーがオープンいたしました。市といたしましては、この機会を絶好のチャンスと捉え、新たな産業となるワイン産業の振興を図り、ワインと関連した食産業や観光業などによる地域発展を進めていくこと肝要と考えているところでございます。 そのワインを軸とした産業振興を加速させるためには、地域の生産者や販売者、飲食業、観光業など、上田市の従来からの地域資産とメルシャン株式会社を初めとしたキリングループの事業活動とを組み合わせて連携体制をつくることで、地域産業の活性化をさらに推し進めるとともに、ワインを含めた地域文化の醸成、環境保全、地域人材の育成、教育など、様々な分野において上田市の発展につなげていくことが必要でございます。 メルシャン株式会社が属しますキリングループとしましても、この椀子ワイナリーを早期に軌道に乗せ、世界の銘醸地として認められるべく日本のワインの発展につなげていくために、地域の様々な産業との連携や協働によるワイン文化の醸成が不可欠であり、ビール事業や飲料事業を含めたキリングループの事業活動を通じて、上田市や地域の団体との連携を深めていきたいとの意向がございました。 このような状況の中、キリングループが世界各地で取り組んでおります。CSV活動の一環としまして、丸子地域の若手農業者グループでありますHEART BEAT まるこ(ハートビートまるこ)の活動に対する連携を一つの契機としまして、上田市とキリングループとの緊密な相互連携と協働による活動を推進することにより、上田市のより一層の活性化を図る目的としまして、先ほど議員から説明がありましたとおり、12月5日にキリンホールディングス株式会社メルシャン株式会社キリンビール株式会社キリンビバレッジ株式会社のキリングループ4社と上田市とで、ワイン産業振興を軸とした地域活性化に関する包括連携協定を締結したところでございます。 協定におきましては、さきにも述べました目的を達成するために、地域活性化のための人材育成、地域産業との連携・協力、環境保全・資源循環、高齢者・障害者の支援、子供・青少年の育成、食育や健康増進など、8つの事項を掲げ、連携、協力をすることとしております。既に上田市とキリングループが連携しまして、先ほど申し上げましたが、若手農業者グループの育成支援、椀子ワイナリーでの椀子マルシェ、塩川小学校児童のジャガイモ栽培などの農業体験、信州爆水RUNなどのスポーツイベントでの協賛やマリコヴィンヤードでの農福連携事業などを実施しているところでございます。 協定締結後の全庁的な取組といたしましては、本年2月に上田市の関係各課の担当職員とキリングループのCSV担当者とでワークショップ形式での第1回オールスタッフミーティングを開催いたしました。このミーティングでは、8つの連携事項やアクションプラン案をもとに、人材育成及び地域リーダーや団体の発掘、ワインツーリズムの構築、にぎわいの創出による地域産業推進、ワイン文化の醸成と教育といったテーマに絞り、3年後のあるべき姿やそこに向かうための取組などを検討し、キリングループ、上田市の双方から活発な意見が出され、意見交換や討議がされたところでございます。 今後は、テーマごとに優先度等を精査しまして、市とキリングループのそれぞれの担当部署で連携を深めまして、上田市の活性化に向けて取り組んでまいります。また、将来的には信州ワインバレー構想に基づき、千曲川ワインバレー特区連絡協議会の関係市町村とともに、信州ワインの向上や新規就農者の支援、観光産業の振興支援、地域のリーダーの人材育成を図ることで、ワイン文化の発展や地域振興につなげていきたいと考えているところでございます。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 昨年10月に締結されました長野大学とメルシャン株式会社との包括連携協定でございますが、将来の理工系学部における発酵学の設置を視野に入れ、両者におきまして共同研究開発や教育、人材育成に関する活動を通じまして、社会への貢献や新たな価値の提案を行うための協定締結であると把握しているところでございます。 この協定は、包括的な連携のもとで相互に協力しながら地域の発展と人材の育成に寄与すること目的とし、教育・人材育成、地域文化の振興、地域の産業振興、学術研究等、それぞれの分野におきまして連携、協力するという内容でございます。 長野大学では、今年度から実施しております信州上田学の講座において、新たな地域資源として期待されるワイン産業への興味、関心を促すことなどを目的に、椀子ワイナリーの施設見学やワイナリー長を講師にお迎えしての日本のワインの歴史から、椀子ワイナリーができるまでの講義を行っていただくなどの連携がスタートしております。次年度以降の取組につきましては、ワイン醸造担当者による大学での講義やワイナリー等での学生向け研修など、さらなる連携に向けて調整、検討を行っているとお聞きをしております。 市といたしましても、この協定に基づく取組が進むことでワインのみならず、上田市の食や文化の魅力が市内外に広く発信されること、さらには地域産業を担う次世代の人材育成につながることなどを期待してるところであり、今後も引き続き設置者としての一定の関わりを持ちながら、各種取組の推進に向けた支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁を頂きました。 東信地域、千曲川流域に点在するワイン用ブドウの産地や、ワイナリーの中心的な存在であり、上田市のみならず千曲川ワインバレー構想のシンボルに成長するであろうメルシャン椀子ワイナリーと、上田市、そして長野大学との今後の連携による相乗効果を期待いたします。 令和元年東日本台風により、丸子から東御市に通ずる県道81号、丸子東部インター線に架かる田中橋の崩落と、東御市の国道18号から海野宿を通過して、しなの鉄道大屋駅前に通ずる海野宿橋が崩落したことから、以前から懸案でありました大屋駅前に関わる周辺道路の渋滞が深刻な状況にあります。千曲川と依田川の合流点のために、大屋橋、大石橋、東郷橋で集中する国道152号石井交差点から大屋駅前周辺道路の渋滞解消のために、令和元年東日本台風被害発生前から抜本的な対策が必要でありました。 現在計画が進められている国道18号上田バイパス第二期工区のうち、上田第一中学校前周辺から東御市方面までの工事を含めた事業の進捗状況を把握しているのかを伺います。 また、大屋駅周辺から丸子地域への国道152号と県道147号芦田大屋停車場線に関わる周辺道路への対応策をどう把握しているのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 初めに、国道18号上田バイパス第二期工区の進捗状況について答弁させていただきます。 国道18号上田バイパスは、東御市から長野市までの広域圏を結ぶ重要な幹線道路として、また上田市街地における交通混雑の緩和や災害時の緊急輸送路の確保を図るとともに、上田地域30分(サンマル)交通圏の確立のための道路として幹線道路ネットワークを構成し、地域の活性化への波及効果をもたらすことから、沿線の地域全体が最も期待を寄せる重要な社会基盤整備であります。 現在進められております国道18号上田バイパス第二期工区は、国が事業主体となり整備しておりまして、計画延長5.9キロメートルのうち、ご質問がございました神川橋付近の上田市国分から東御市本海野までの唯一の未供用区間4.1キロメートルにつきましては、平成21年度から第二期工区の2として整備に着手しております。 本バイパスの進捗状況でございますが、用地買収につきましては平成23年度から上田市国分の上沖地区から着手され、地元対策委員会からのお力添えや地権者の皆様のご理解、ご協力を頂きながら用地買収が進められております。その結果、令和2年1月末現在の面積ベースによる用地取得率でございますが、事業区間全体としては63%、上田市区間では77%となっております。 次に、工事の進捗状況につきましては、平成29年度から、1級河川神川が渡河する神川橋梁工事が着手され、下部工13基のうち、平成30年度までに6基が完成されておりまして、現在、令和元年度発注分の4基が施工中であり、残りは3基となっております。また、同じく令和元年度分として、昨年末において発注された第一中学校付近の関連工事などが今後予定されております。 また、令和2年1月におきまして、本バイパスの整備に対して、補正予算2億5,000万円が配当されておりまして、長野国道事務所から工事進捗のためなどに活用する予定であるとお聞きしておりますので、上田市といたしましても、今後、新規工事が発注された際は、引き続き本バイパスの整備促進のために、地元関係者の皆様と国との連絡調整などに取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、大屋駅から丸子地域へ続く国道152号と周辺道路への対応状況でございます。大屋駅周辺の国道18号と国道152号及び両路線への接続する周辺道路では、特に朝夕のピーク時には大屋駅利用者や通勤者の交通が集中し、激しい渋滞が発生しております。 こうしたことから沿線地域の皆様と行政で組織された大屋駅周辺道路計画検討委員会で策定した大屋駅周辺道路計画検討報告書を踏まえ、これまでも大屋駅周辺道路の渋滞緩和のための様々な対策や関係機関への要望活動を行ってまいりました。その一部を申し上げますが、まず国道152号における現道整備として、東郷橋入り口交差点及び長瀬北街道交差点の右折レーンの設置と歩道整備を含めた交差点改良の事業化について、県へ要望してまいりました。 また、国道152号の周辺道路となる県道芦田大屋停車場線につきましては、塩川小学校入り口から立科方面へ向かって約600メートルの区間につきまして、現在、県が事業主体となり、平成24年度から防災安全交付金事業として、現道を車道幅員6メートル、両側歩道2.5メートルへ拡幅する改良を行っております。進捗状況につきましては、今年度までに約360メートルの区間が完成するという見込みで、残りの約240メートル区間につきましても令和2年度までに完成する予定であるとお聞きしております。 また、最大の課題でございます国道152号のバイパス化につきましては、上田地域30分(サンマル)交通圏構想において、主要地方道丸子東部インター線から東御市国道18号までの延長1.5キロメートルと位置づけられておりまして、バイパス化の早期実現に向けて、国道152号整備促進期成同盟会による国、県への要望活動を行ってまいりました。 また、議員ご指摘のとおり、国道152号や大屋駅周辺道路で渋滞が慢性化している中で、令和元年東日本台風により被災した田中橋と海野宿橋が崩落したことにより、さらに渋滞が悪化しておりますが、県の発表によりますと、田中橋につきましては、今月中旬頃には工事が完了し、通行規制を解除する予定であるとお聞きしておりますので、これによりまして現状の渋滞は緩和されるものと考えております。 いずれにいたしましても、今回の東日本台風災害に伴う交通渋滞への影響からも、国道152号の現道整備やバイパス化、周辺道路の整備の必要性が再認識されたところでございまして、今後も引き続き渋滞緩和策となる路線整備の早期実現に向け、関係機関とも協力する中で積極的に要望活動を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 令和元年東日本台風の災害復旧工事が続いているわけでありますけれども、今回の台風襲来前から激しい状況にあります。また、本年9月1日には三才山トンネルの無料化に伴い、国道254号から県道81号丸子東部インター線の通行量が増加することが容易に想像できます。この深刻な渋滞解消のためには、災害復旧工事の早期完了はもちろんのこと、国道18号バイパスの早期開通と大屋駅周辺の渋滞解消のための国道152号バイパス化が必要と考えます。 土屋市長の市長施政方針の最後に語られておりましたが、自然災害が少ないと言われる上田地域ですが、幾たびか起きた災害を乗り越え、先人たちは今の暮らしを築いてこられたと言われました。今回の台風災害復旧にご尽力されている今こそ、土屋市長は先頭に立って、上田市の10年、20年先に向けて、道路管理者に対して、国道18号バイパスの早期開通と国道152号のバイパス化の早期実現に向けて働きかける土屋市長の強い決意を伺い、私の質問とさせていただきます。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 国道152号や大屋駅周辺道路につきましては、議員ご指摘のとおり、以前から慢性的な渋滞が発生している上、東日本台風により被災した橋梁の通行止めの影響により、朝夕の渋滞が悪化していること、また国道18号上田バイパスと国道152号の両路線の重要性も、先ほどの部長答弁にもありましたように十分認識しております。 国道18号上田バイパスの早期開通や国道152号のバイパス化早期実現に向けての動きでございますけれども、働きかけでございますが、市長就任以来、本2路線の期成同盟会において、先頭に立ち、関係する市町村と連携して、国、県に対し要望活動を行ってまいりました。 国道18号上田バイパスの早期開通の要望活動につきましては、昨年の11月8日には長野国道事務所に対し要望を行いました。また、11月4日に上田電鉄の鉄橋崩落をご視察いただいた赤羽国土交通大臣と御縁がありまして11月15日に面会をいたしまして、バイパスの中央要望を行いました。本バイパスの事業促進について強く要望を行ってまいりました。 また、昨年7月には、長野県建設部長に対し、国道152号を含む上田市の都市基盤に関する要望を上田市独自で行ってまいりました。国道152号のバイパス化につきましては、いまだ事業化に至っておりませんが、今後も引き続き、早期の事業化に向け、鋭意、地元の皆さんとともに要望活動を積極的に行ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時14分   休憩                       ◇                                午前10時30分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第13号、市政について、西沢議員の質問を許します。西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) 通告によりまして、市民の皆様の声をもとに報恩感謝で、1として気象危機への対応について、2として巨大災害の切迫危機への対応について、3としてサントミューゼを活用した文化政策の重要性について、3点。久保田議員さんには及びませんが、17年連続、68回目の質問をしてまいります。 経済活動への深刻な影響が懸念される新型コロナウイルス感染拡大に対する危機管理の対応が重要となっておりますが、一日も早い終息を願い、祈るものです。また、政府には、この日本経済の危機、日本経済の正念場を大胆な政策で国難を乗り切っていただきたいと考えます。 さて、今から遡ること僅か238年前の江戸時代の天明の大飢饉は、悲惨を極めたと言います。数年にわたる天候不順や、これは異常気象の原因は諸説あり、大型のエルニーニョ現象、浅間山の大噴火、アイスランドの2つの火山の噴火等です。また、洪水、噴火、疫病、これは現在の感染症で、餓死者、病死者は、人口3,000万人の1%、30万人に上ったと言われます。また、この時代と鎌倉中期の日本が現在と似ていると言います。今の令和の時代、上田市のリーダーに求められる資質、能力は、今後迫り来る危機に機敏に反応し、直ちに行動に移し、新しい発想で課題を解決していく人間力であります。 そこで、第1に気象危機の対応について伺います。天明の時代の異常気象は、大型のエルニーニョ現象等で5年で収まりましたが、現在の気象危機は、地球温暖化の進行とともにこの10年でますます悪化すると言われておりますが、1として、平成28年3月に策定された第二次上田市総合計画において、市域全体を対象とした地球温暖化対策について研究するとありますが、この4年間の研究の状況、成果はどうか、まずお聞きいたします。 次に、2として、一昨日の土屋市長のご答弁で、今後2年間挑戦すべき課題に気象危機への対応には触れられておりませんでしたが、長野県のリーダーである阿部長野県知事は2月13日の県会の提案説明で、昨年10月の東日本台風の豪雨災害について、気候変動が私たちの暮らしに差し迫った課題であると改めて認識したと強調され、早急に気候危機突破方針を取りまとめ、脱炭素社会を実現するための具体的な行動を起こすとしていることから、上田市においても、県の動きに呼応して気象危機突破方針を速やかに策定し、具体的な行動を起こすときと考えますが、市の見解をお聞きいたします。 次に、オーストラリアの森林火災は、日本の3分の1の面積が焼失し、4億8,000万匹の野生動物が犠牲となり、命がけで消火に当たった消防士の方が、国を挙げての待ったなしの気候変動対策を政府に強く求めております。この豪州の森林火災とアフリカのサバクトビバッタの大量発生の農業被害によるエチオピア、ケニア、ソマリアの深刻な食料危機はインド洋西部の海水温度が上昇するインド洋ダイポールモード現象という大気海洋現象が原因とのことですが、現在、FAO、国連食糧農業機関は緊急援助を世界に呼びかけております。 また、日本においても、この冬は全国的に記録的な暖冬となっております。北陸地方の雪の量は昨年の27%とのことでした。気象庁のまとめによりますと、東日本と西日本の平均気温は平均値を2度前後上回り、1946年の統計開始以来、最も高温となる見通しで、上田地域の農家の皆さんも夏場の水不足を大変心配しておられますが、この気象危機、気候変動による農業の影響を市はどう捉え、今後迫り来るであろう食料危機にどう備えて農産物の生産体制を維持して、市民の皆さんの食生活の安全を守っていかれるのかをお聞きし、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 気候変動、地球温暖化対策についてのご質問にお答えいたします。 第二次上田市総合計画前期まちづくり計画に掲げた温室効果ガスの排出を抑制し、地球温暖化防止対策を推進する施策において、市域全体を対象とした地球温暖化対策について研究するとしております。 気候変動に関する政府間パネル、IPCC、第5次評価報告書によりますと、地球温暖化の原因は、人間、人の活動によるものである可能性が極めて高く、これに起因する気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ持続的に削減する必要があるとしています。 そのような科学的知見に基づき策定した国の地球温暖化対策計画では、地方公共団体の基本的役割として、その地域の自然的、社会的条件に応じた温室効果ガスの排出抑制のための総合的かつ計画的な施策を推進し、再生可能エネルギーの利用促進と徹底した省エネルギーの推進、住民や事業者への情報提供と活動促進を図ること等を目指すことが示されております。 これを基に市では市域への再生可能エネルギーの普及促進を中心に取り組んでおりまして、これまで地域特性を生かした太陽光発電設備について、28の公共施設への導入や12の公共施設への屋根貸し事業を実施するとともに、一般住宅に対しては5,200件を超える補助金交付事業を実施しております。この結果、上田市地域新エネルギービジョンに掲げる一般住宅への太陽光発電設備3万キロワットの導入目標に対して、約8割に当たる約2万4,000キロワットの設備を導入し、約1万トン以上の温室効果ガス削減につながっております。 次に、気候変動対策について、上田市も具体的な行動を起こすべきではないかというご質問であります。長野県議会2月定例会において、県は昨年の令和元年東日本台風による災害を踏まえて、(仮称)気候危機突破方針を取りまとめ、脱炭素社会を実現するために具体的な行動を起こしていくとしており、徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの普及拡大とともに、エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくりなどの気候変動対策に取り組むとしております。 上田市においても、県の気候非常事態宣言に賛同し、今後、県が策定する方針に基づき、周辺自治体とも連携しながら、引き続き太陽光発電を中心とした市域への再生可能エネルギーの普及促進に取り組むとともに、市民への省エネルギーの取組を促すなど、温室効果ガスの排出抑制による気候変動に対する取組を推進してまいります。 私から以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 私からは気象変動による農業への影響、生産体制の維持についてお答えいたします。 気象変動につきまして、昨年の東日本台風による被害は、河川から農業用水を取り入れるための頭首工の被災、農地への土砂流入や崩落などの被害がございましたが、被害状況に応じた復旧工事を進めておりまして、一昨日も答弁いたしましたが、今年の耕作には大きな影響がないもの、またはないように努めてまいりたいと考えております。しかしながら、平成29年の降ひょうによる果樹を中心とした甚大な被害の発生、今年の暖冬、2年連続の雪不足など、農作物への影響が懸念されるところでございます。 議員ご指摘のとおり、ここ数年の気象は極端化していると認識しておりますし、FAO、国連食糧農業機関によりますと、降雨や作物生育期に影響を及ぼす気象変動や干ばつ、洪水等の極端な気象現象が飢餓増加の主な要因の一つとして、2017年には9人に1人が飢えに苦しんでいるとの指摘もございます。 当市におきましては、県の農業改良普及員やJAの営農指導員などによる技術指導や情報の周知、農家自身の努力などにより、その年々の気象条件に対応した営農が行われておりまして、県全体といたしましても、単位面積当たりの米の収量は常に全国でトップクラスと安定して推移していることから、食料危機になるまでの状況には至っていないと考えているところでございます。 昨今の異常気象の下で農業生産体制につきましては、県の農業試験場では、高温条件下でも着色のよいリンゴ、シナノリップや、高温障害を回避できる水稲、風さやかなどを開発しておりまして、市といたしましては、こうした地球温暖化などによる気候変動に対応できる新品種、新技術等の普及促進に努めるとともに、ひょう害等による果樹被害を最小限に抑えるための防ひょうネットなどの設置支援を引き続き行いながら、気象変動に対応する強い農業と生産体制の維持、確立を図ってまいりたいと考えております。 また、農業は国土の保全や水源の涵養などの多面的な機能を有しておりますので、引き続き新規就農者を増やす取組や担い手への農地集積や集約化などの農業振興について、関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 私から以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) おのおのご答弁を頂きました。 政府は、これまで官邸主導でスマート農業推進の農業改革を行ってまいりましたが、農業は命の産業であるという視点が足りないと私は考えます。また、江戸時代、米沢藩主上杉鷹山公並びに白河藩主松平定信公は、日頃から備蓄対策を行っていたため、一人の餓死者も出さずに済んだとのことです。 また、先ほど部長答弁で、再生可能エネルギーの普及促進に取り組むというお話でございましたが、土屋市長には、この際、ぜひごみ処理方法を見直して、ごみは燃やさない宣言をして、トンネルコンポスト方式を導入して大胆な歳出削減に取り組んでいただきたいと私も考えます。また、素早い決断行動力で、今後地球温暖化対策にも取り組んでいただきたいと思います。 次に、2点目として、巨大災害の切迫危機への対応について2点伺います。1として、防災支援協会の方の声として、新本庁舎に災害対策本部を設置して、旧上田、丸子、真田、武石の4地区の災害をモニター管理して、迅速、的確に指示を出すことが、昨年10月の東日本台風の検証として必要と考えますが、市の見解を伺います。 次に、2として、東日本台風の未曽有の災害を体験された市民の皆さんの声として、災害時の対応をより円滑に行うため、上下水道局を新本庁舎に移転して、災害発生時の応急活動体制をさらに整備する必要があるという声を多く耳にいたしますが、市の見解を伺い、私の第2問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 災害時に迅速かつ的確に指示を行うため、新本庁舎内に災害対策本部室を設置すべきではないかとのご質問にお答えいたします。 災害発生時におきましては、災害に関する情報収集、分析を行い、適切な避難勧告等の発令や救助、救急活動といった災害応急対策の方針を決定していくことが求められるところでございまして、昨年10月の令和元年東日本台風を初め、これまでの災害対応の経験からも災害対策本部機能の充実、強化の必要性を強く実感しているところでございます。 現在建設中の新本庁舎におきましては、庁舎整備の方針として、市民の皆様の安全安心を守る防災拠点となる庁舎を掲げておりまして、災害時に迅速な対応と緊急対策の決定を行うため常設の災害対策本部室を設け、必要な情報受発信設備などを整備することとしております。 具体的に申し上げますと、上田市庁舎改修・改築実施設計でお示ししておりますとおり、新本庁舎4階に災害対策本部室を配置するとともに、既存の移動系防災行政無線の移設や情報収集及び情報伝達の一元化、災害情報の効果的な共有を目的とした総合防災情報システムの整備を計画しているところでございます。 議員ご提案の上田、丸子、真田、武石の各地域で発生している災害現場の様子を地域ごとの専用モニターで映像管理することにつきましては、現在もその一部を行っております。例えばGIS、地理情報システム上で通報を受け、応急対策活動を行った現場の位置を撮影した写真を添付して図示することや、移動系防災行政無線の携帯型無線機に装備されている画像伝送の機能を利用し、現場の様子を災害対策本部となる執務室のテレビモニターで映すことなど、こちらは地域ごとの専用モニターはございませんが、市が活用している既存のシステムを通じて、災害現場の様子を庁内で情報共有できる仕組みがございます。 今後、新本庁舎に配置する災害対策本部室では、既存及び新たに整備する計画の各種システムの機能を最大限運用してまいりたいと考えております。併せまして、消防団や市民の皆様からもたらされる画像などを含む災害情報や、民間団体等と締結しております災害時応援協定に基づく無人航空機、いわゆるドローンによる画像情報の提供等などを活用しながら、上田、丸子、真田、武石の各地域で発生している災害状況の把握を的確に行うとともに、応急対策活動が円滑に進められるよう万全を期してまいりたいと考えております。 続きまして、災害時の対応を円滑に行うため、上下水道局を新本庁舎内に設置すべきと考えるかどうかというご質問でございます。上田市庁舎改修、改築は、現地建て替えのため敷地や高さに一定の制限がある中で、新本庁舎、南庁舎に集約する部署につきましては、市民の利便性、防災対応の効率性、事務の効率性等の観点から庁内で検討して、市役所庁舎の規模や附帯設備等も併せて決定しております。 この過程の中で、上下水道局につきましては、市民の皆様の利用が多い上下水道局料金センターの窓口業務等については新本庁舎に配置し、上下水道事業に関する業務は、申請や手続が連携することからワンフロアに集約して配置するため、庁舎改築に伴う部署の移転に併せて、平成30年7月に真田地域自治センターに移転し、業務を行っております。 東日本台風では上下水道施設も大きな被害を受けましたが、一部の断水を除きましては市民生活への影響が最小限に抑えられたものと考えております。上下水道局施設の主な湧水水源や石舟、染屋両浄水場は、上下水道局がある真田地域自治センターに近く、また、つちや水源等の被害については迅速な対応ができたところでございます。また、腰越浄水場での土砂流入や内村橋落橋に伴う上下水道管の破断等におきましても、浄水管理センターと丸子武石上下水道課が連携しながら対応しておりまして、上下水道局が真田地域自治センターに移転したことによるデメリットはなかったものと考えております。 防災、災害対応につきましては、常に最新の情報、事例に基づいた検討・検証、体制の見直し等を行う必要がございます。その過程の中で見いだされる課題などを解決しながら、また新本庁舎に整備が計画されております総合防災システム等を活用し、自治センターや関係部署の連携を強化しつつ、災害対応への備えも含め円滑に対応する防災体制を構築してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) おのおのご答弁を頂きました。 人口減少は緩やかにやってきますが、地球環境は、もはや元に戻らない危険水域に入っていると言います。東日本台風災害の検証作業を進めていく中で、迫り来る巨大災害の危機に、さらに全庁一丸となって大きな危機感を持って対応することを提言いたします。 最後に、サントミューゼを活用した文化政策の重要性についてお聞きします。上田市の姉妹都市である、人口8万1,331人の兵庫県で最も面積が大きい豊岡市の中貝市長さんは、コウノトリの郷としてコウノトリの復活に取り組み、同時に環境と経済を共生させる持続可能な取組によって大きな成功を収められました。 その次に、芸術と文化をターゲットとして、アーティスト・イン・レジデンスの拠点、つまり各種の芸術政策を行う人物を一定期間、ある土地に招聘し、その土地に滞在しながら作品制作をしていただく事業のことでありますが、その拠点として城崎国際アートセンターを設立し、僅か3年で世界の演劇とダンス界にその名が知れ渡り、世界中のアーティストの憧れの地となりつつあると聞きます。 この世界標準のアーティスト・イン・レジデンスの拠点である城崎国際アートセンターの芸術監督である劇作家、平田オリザ氏は、欧州の自治体では、文化政策は予算の5%から10%を占める重要な施策であり、西欧の社会保障、生活保障には、当たり前に文化へのアクセス権、利用する権利が含まれていると言います。 そこで伺います。上田市においては、行財政改革の視点からサントミューゼの事業は一日も早く事業を縮小し、赤字の増加を抑え、施設の維持管理運営費を抑えるべきとの市民の皆様の声と、一方、教育政策と文化政策を連動させて文化資本の蓄積を担って、地域の宝である子供たちの教育効果を上げている文化芸術活動の充実を図ってほしいとの声がありますが、今後、市はどう文化政策を展開して、令和時代に真に文化の薫る都市を創造していかれるのかを伺い、私の質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) サントミューゼを活用した文化施策の重要性についてということでご質問いただきました。 教育施策と文化政策を連動させまして、地域の宝であります子供たちの感性を磨き、教育効果を上げる文化芸術活動は大変有益であるということから、当初、サントミューゼの立ち上げからの理念であります育成を理念としたサントミューゼにおきましても、これらにつきましては根幹となる事業であるということで認識しております。 教育との連携につきましては、音楽室など身近な空間でプロの演奏を聴くことにより、児童の感性や創造力を育むことを主な目的に、開館以来、芸術家ふれあい事業として、市内の全小学校25校の5年生を対象に、国内外で活躍している一流の音楽家によるクラスコンサート、またスタジオでの演劇やダンスの創造力かつ創造活動を実施しております。また、地域ふれあいコンサートとして各地域も公民館を会場にコンサートを開催し、身近な空間で地域の住民の皆様が気軽にクラシック音楽に触れる機会等も提供しているところでございます。学校現場等からもこれらの事業は大変好評を頂いておりまして、引き続き実施していただきたいとの要望を多く頂いております。こうした育成を理念に根差した事業が、このたび評価されまして、先般、交流文化芸術センターとして総務大臣賞を頂戴いたしました。大変名誉なことであると思っているところでございます。 また、市立美術館の子どもアトリエにおきましても、未就学児や小中学生を対象に、美術に触れ合い、感性を伸ばすための各種創作プログラムを実施しております。中でも、市内保育園、幼稚園等を対象に年間1,000人を超える受入れ実績のある絵の具遊びなどの体験プログラムは、日頃経験し難い内容として保育士や教師の評価も高く、要望によっては園や学校に出向いての工夫を凝らしたアウトリーチ活動も行っているところでございます。 こうした今までの文化芸術事業の施策の充実に対しまして、昨年8月以降、5回にわたりまして、上田市交流文化芸術センター運営検証委員会でこれまでの検証を行っていただき、2月14日に市長への答申がなされたところでございます。この答申書におきましても、育成を基本理念とした芸術家ふれあい事業、地域ふれあいコンサートについては、施設の根幹となる事業として引き続き実施し、文化振興はもとより、教育や福祉など他領域との連携を強化されたいとのご提言を頂いております。今後、この頂いた答申を十分に尊重しまして、これまでの事業を踏まえ、例えば地元の演奏家の活用ですとか、演劇アウトリーチによる事業等、今後の事業展開について検討してまいりたいと考えているところでございます。 また、先般、総務文教委員会から附帯意見を頂きました経費につきましても、委託が可能かどうか、それから経費全般について節減できるところはないか、そういったところにつきまして、新たな館長とも協議をいたしまして、引き続き文化を育み、交流と連携で風格漂う魅力あるまちづくりの実現に向けて総合的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時00分   休憩                       ◇                                午前11時15分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第14号、市政について、池上議員の質問を許します。池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 初めに、今回の新型コロナウイルス感染につきまして、誰にとっても未知で経験のないこの難局に、みんなで知恵を出し合い、変毒為薬、毒を変じて薬となす、ピンチをチャンスにという思いで、皆で支え合って乗り越えていきたいと心から願うところであります。 それでは、通告に従いまして質問してまいります。初めに、上田市の教育について伺ってまいります。21世紀を生きる子供たちを取り巻く環境は急激に変化しています。時代が求める人材像は大きく変わろうとしています。自分で考え、自分で行動する力、違いを認め、他者を尊重する力を身につけていくための学びが必要です。多様化していく未来に向けて、上田市の全ての子供たちが安心して自信を持って自由に一人一人が尊重され、幸せを実感できるように、学校教育も変わっていかなければと思います。共々に子供が真ん中の上田市の教育改革を進めたい、その思いで質問してまいります。 初めに、教育長に伺います。就任されて2年がたちました。2年間の自己評価はどうかを伺います。 次に、2020年度は、平成28年から5年間の計画の第2期上田市教育支援プランの最終年度となります。そこで、これまでの取組の評価と課題をお聞きします。 特に、この6つの基本施策の1つ、全ての子供たちの学びを支援では、その支援策として、いじめ、不登校など悩みを抱える児童生徒への支援と、特別な支援を要する児童生徒への支援を行うとありますが、これまでの取組に対する評価と課題は何か。また、来年度はどのように取り組むか。また、当初予算にはこのことについてはどのように反映しているのか、伺います。 1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ただいま教育長としての自己評価につきましてご質問を頂きました。 平成30年4月27日に教育長を拝命いたしまして、はや2年近くが経過いたしました。この間、改めて教育委員会の所管事務の範囲の広さを感じながら、取り組むべき多くの課題に向き合ってまいりました。 ご質問のこれまでの自己評価につきましては、自身で正しい評価をすることはなかなか難しいと感じておりますが、例えば数値で表すとしますと、満点を100点とすると、私が頂けるというのはせいぜい10点ぐらいかなということを感じております。 私は、教育長就任当初、様々な教育課題の中で取り組むべき課題として、学力の定着と向上、不登校、いじめ問題への対応、特別支援教育の充実の3点を挙げさせていただきました。この3点につきましては、まだ課題が十分解決できておらず、大変申し訳なく思っております。このようなことがありまして、10点の自己評価と考えております。 これらの課題に対しましては、解決のために教育現場の現状を十分に分析し、十分に把握した上で、創意工夫にあふれた新たな取組を進める必要があると感じております。引き続き学校長との面談や学校訪問を通じて現場と課題を共有することに努め、課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 教育への取組に終着点はございません。教育の究極の目的は人づくりであり、教育に携わる者は、全ては子供たちのためにを胸に刻み、教育の本質に向けて取り組まなければならないと考えております。私も、引き続き上田市の教育行政の推進に鋭意取り組み、職責を全うしてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、第2期上田市教育支援プランに対する評価と課題についてでございます。平成28年度に策定した第2期上田市教育支援プランでは、上田市教育大綱の理念に基づき、確かな学力を養う、グローバルな能力を培う、ふるさと上田に学ぶの3つを基本目標として掲げ、急速な人口減少や社会のグローバル化など、大きな時代の転換点を迎える中で、将来の主役となる子供たちを育てていくために6つの基本施策と14の支援策を掲げ推進しております。 まず、いじめ、不登校など悩みを抱える児童生徒への支援に対する評価と課題でございます。いじめにつきましては、平成26年4月に上田市いじめ防止基本方針を策定し、いじめは、どの子にも、どの学級にも、どの学校にも起こり得る問題であると共通認識を持ち、行政、学校、家庭、地域が連携しながら取り組んでまいりました。 学校においては、児童生徒が楽しく豊かな学校生活を送ることができる、いじめのない学校をつくるための方針づくり、全ての児童生徒が授業に参加でき、活躍できるような授業改善に努めているほか、なかよし月間、人権月間を全ての学校が設定して、人権教育を行っております。また、校長、教頭、教務主任などで構成されたいじめ問題対策委員会を全校で設置するとともに、生活・学習ノート「紡ぐ」、いじめ察知のためのチェックシート、アンケートを通し、学級の様子、子供の様子など、日常の観察によって早期発見、早期対応に努めているところでございます。 いじめの認知件数は、文部科学省が定義づけたいじめの捉え方が変わったために、結果として増加しましたが、認知された事案については全て市教育委員会に報告されております。上田市の認知件数に対する解消率は、全県、全国と比較しても非常に高い数値になっておりまして、教員がどんないじめも見逃さないという意識をしっかりと持ち、きめ細かく対応している結果であると考えております。 次に、不登校に対する支援の評価と課題でございますが、これまでも心の教室相談員の配置やスクールカウンセラー等の派遣を通じて、児童生徒の悩みや相談に応じているほか、不登校となった場合は、全小中学校で組織されている不登校対策指導委員会において、担任一人ではなく組織的な支援を行ってまいりました。 不登校の児童生徒は、ここ数年横ばいの状況にありますが、今年度からは県から2人のスクールソーシャルワーカーの派遣を受けておりまして、今後さらに一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援をしてまいりたいと考えております。 また、いじめや不登校の原因は様々で、一人一人違っていることから、教育相談所、ふれあい教室、特別支援教育担当、発達相談センターなどが協力し、多面的で継続的に支援が行える体制づくりについても検討しております。令和2年度、それぞれの担当がどのように連携していくか、効果を上げていくかが課題というふうに考えております。 特別な支援を必要とする児童生徒への支援につきましては、インクルーシブ教育を推進してまいりました。通常の学級において、発達障害等のある児童生徒も含めて、全ての児童生徒にとって分かる授業となるよう、授業のユニバーサルデザイン化を促進するとともに、通常の学級においても配慮を必要とする子供の個別指導計画を作成いたしまして、授業での活用を支援してまいりました。 また、国語教育、言語教育において、全ての子供が確実に読みを習得できるよう、多層指導モデル、通称MIM(ミム)と言いますが、平成29年度から導入しまして、本年度は8校がモデル校として取り組んでおります。MIMとは、主に低学年の通常学級において、言語力に関する異なる学力層の子供のニーズに対応した指導でございまして、子供が学習につまずく前に、またつまずきが重篤化する前に指導支援を行うことを目的としております。 具体的には、言葉の名詞や文章の中に入っている小さな「つ」、つまり促音などの特殊音節を学ぶ場面では、動物の猫、木の根っこ、「ねこ」と「ねっこ」、または「まくら」と「まっくら」を絵で示したり、リズムを取りながら違いやルールについて学んでおります。このように促音などを正しく読めて、正しく書けるということが大事な目標でございます。子供たちが喜んで取り組み、読み書きを習得するとともに、指導する担任は一人一人の理解の段階をチェックしながら学習を進められるようになっております。 モデル校からは、多くの子供が興味、関心、意欲を持って取り組むことができた、子供たちの読みの力の向上が見られた、支援をしようとする子供が明確になった等の成果が上げられております。 令和2年度には上田市は、長野県が実施する市町村の特色ある教育を支援する教員配置事業に応募いたしました。公募によって、来年度、郡外からMIMの指導に卓越した教員が1名、上田市に配置されることになっております。この教員は、学級を担任せず、市内の学校を巡回することができるために、各校で大いにMIMを活用し、学力の基礎となる読みの向上を図ってまいります。 来年度、小学校教育全体についてどのように取り組むかにつきましては、教育支援プランに掲げた施策に沿って事業を展開してまいりたいと考えております。小中合わせて全ての児童生徒が分かる楽しい授業を実現するために、児童生徒一人一人の現状に応じた、きめ細やかな指導を実現し、教員が適切に対応できるようにカウンセリングマインドやMIMなどの研修を実施いたします。 当初予算にお願いしていることといたしましては、英語教育に関するALTの増員やパソコンの整備等がございますが、そのほかに不登校や特別な支援が必要な児童生徒への相談支援体制の充実に向け、引き続き心の教室相談員と特別支援教育支援員を学校に配置し、充実に取り組んでまいりたいと考えております。 議員ご質問の課題といたしましては、全ての施策の完成度を高めるということにあるというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま教育長よりご答弁いただきまして、自己評価につきましては、教育長、大変ご謙遜されていると思います。子供が真ん中、子供のためにというのは同じ思いでございますので、私もこれから機を捉えて、いろいろ提案、提言もしながら、共々に子供たちのために、この上田市のために頑張ってまいりたいと思ってるところです。 続けて質問してまいります。次に、基本施策の1番目の学力の定着、向上の中のICTを活用した効果的な授業の推進についてお聞きします。さきに成立した国の2019年度の補正予算には、学校現場のICT化を推進するGIGAスクール構想実現のための経費が盛り込まれています。このGIGAスクール構想とは、児童生徒が1人1台のパソコンやタブレット端末を持ち、クラス全員が一度にアクセスできる推進環境の整備を支援するというものです。 まず、2019年度に補正予算2,318億円を計上し、公立小中学校の場合、1台当たり4.5万円を上限に補助し、通信環境の整備費用も半額助成します。小学校5、6年生と中学1年生への導入を最優先とし、そのほかの学年も2023年度までに別途予算を組み、順次配備するということです。 2019年3月時点の学校におけるパソコンの配置状況は、全国平均で5.4人に1台、最も整備されている佐賀県の1.9人に1台に対し、最も低い県では7.5人に1台と、地域格差も大きいようです。上田市はどうでしょうか。 ICT化は、子供たち一人一人の可能性を引き出す教育を後押しできると考えます。特別な支援を必要とする子供たち、例えば視覚に障害のある子供は、読み上げ機能や拡大機能を利用することで、皆と同じように学べます。聴覚に障害のある場合は、教師やクラスメートの話を音声認識技術を用いて文字に変換することもできます。不登校児の在宅学習にも利用が期待できます。過疎地や入院中の子供を対象にした遠隔教育への活用も期待されています。今回の新型コロナウイルスで学校閉鎖になった香港などでは、自宅で遠隔授業を行っているというニュースもありました。また、日本においても、学校休校中の現在、オンライン事業ができるのではないかとも考えられます。また、外国籍の子供たちにきめ細かい指導を行う際も通訳機能が使えます。 そこで伺います。このように、ICTを活用した効果的な授業について、現状の取組と課題は何か。また、国が進めるGIGAスクール構想の実現について、市はどのように取り組むのか、伺います。 続けて、お聞きします。このようにICT化を進めるのと同時に、情報モラルや情報活用能力の育成が重要です。経済協力開発機構、OECDが世界の15歳を対象に実施した国際学習到達度調査、PISAによると、日本の子供は、ネット上の膨大な情報の中から必要なものを探し出し、信頼できるか見極める能力が十分育まれていない。ネット社会が進展する中、情報を活用する能力を育成する点で日本は遅れているというのです。読解力、情報を判別する能力が、前回調査の8位から何と15位に落ちたそうです。 さらに、日本の子供は、パソコン、スマホには触れているが、チャットやゲームなどをやる時間がOECDの平均より倍ぐらい多いそうです。また、学校や家庭での調べ物で使うのは、日本の子供は2%、ちなみにOECDの平均は20から30%だそうです。情報活用能力、いわゆるメディアリテラシーを向上させていくことは喫緊の課題だと考えます。大人でさえフェイクニュースに踊らされて、トイレットペーパーの買い占めに走ってしまいました。大人にこそメディアリテラシー教育が必要かもしれませんが、子供のうちからのメディアリテラシー教育の必要性を十分育んでいけば、大人になってもしっかりと使えると思います。また、正しいルールやマナーを身につけることで、様々な犯罪、性被害、SNSを使ったいじめ、ネット依存から子供を守ることができます。 そこで、上田市におけるメディアリテラシー教育の現状と成果はどうか。そして新年度の取組はどうかをお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ただいまICTを活用した効果的な事業の推進について、またGIGAスクール構想の実現についてご質問頂きました。 上田市の教育支援プランでは、ICTを活用した効果的な事業の推進を目標に教員のICT活用指導力を養成し、より分かやすい授業の実現を目指して取り組んでおります。ICT教育の環境整備といたしまして、小中学校の普通教室に大型モニターを平成28年度から30年度にかけて整備し、算数または数学の教育者用のデジタル教科書を導入いたしました。また、教材提示装置につきましては、平成29年度から令和元年度にかけて整備いたしまして、児童生徒の作品や教科書などを拡大して大型モニターに映すなど、授業に活用しております。 また、特別支援学級には、平成27年度から29年度にかけて、タブレットパソコンを学級に2台ずつ整備し、障害の状況に応じて学習に使用しております。また、市内の企業から「いーリーダー」というアプリをご寄附いただき、児童生徒の学習意欲の向上につなげております。 議員ご指摘のように、国ではGIGAスクール構想を提唱しておりまして、高速大容量回線の接続可能な校内LANの整備や1人1台のタブレットパソコンの導入などの目標を掲げております。国の補助でございますが、校内LANの整備補助については令和2年度以内に、1人1台の端末整備については令和5年度までという非常に期間が短い、厳しい補助制度でございます。また、国の提唱しているICT環境の整備には莫大な市の負担が必要でありますことから、市としては独自に実現可能な計画を立て、機器の整備を進めてまいりたいというふうに思っております。 教育委員会で試算いたしまして、子供たち1人に1台タブレットパソコンを持たせるということになりますと、約30億円かかるということであります。現在上田市は、タブレットパソコン及びパソコンは7人に1台でありまして、十分とは言えないわけでありますが、やはり5年ごとにソフト入れ替えていくという大きな予算も今後ありますので、慎重に対応していきたいというふうに考えております。 続きまして、メディアリテラシーの教育についてでございますが、新学習指導要領では、学習の基盤となる資質、能力として、言語能力、情報活用能力、問題発見、解決能力などを挙げております。また、小学校では、プログラミング教育が始まるなど、パソコンやインターネットを避けて生活することは現実的になかなか難しく、いかに健全にそれらの機器を使っていくかが課題だと考えております。1日5時間以上パソコンを使っているという児童生徒もおりまして、大変心配になる点でございます。 そのため情報活用能力では、メディアから情報を取得、収集し、取捨選択や評価、判断をする能力を、プログラミング教育では、論理的思考能力を養うことで、メディアからの情報を受け身ではなく、主体的、能動的に扱う能力を養っていくことが重要であると考えております。そのためにICT支援員やマルチメディア情報センター職員による情報モラルの出前講座など、メディアリテラシーの教育に取り組んでいるところでございます。 今年の2月には、市教育委員会で、「スマホ・ネットをかしこく安全に使うために」というリーフレットを作成し、全児童生徒及び保護者宛てに配布いたしました。このリーフレットの中で、新年度に向けてスマートフォンなどを子供に買い与えることや、その時期を考慮し、家族で話し合って決まりをつくっていただくページがございますので、家庭内でもぜひ情報モラルについて考えていただく機会にしていただきたいと思っております。 児童生徒を取り巻く情報環境は日々変化していることから、新年度には今までの事業を継続していくとともに、学校、保護者、地域でメディアリテラシーについて学ぶ機会を増やし、協力して対応していくことが必要だと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま答弁頂きまして、この30億円かかるというのは、補助を受けても30億円かかるのかというのはちょっと私分からないのですけれども、このGIGAスクール構想につきましては、教育長おっしゃったように機材といったハードの整備だけではなく、ICT機器の扱いに不慣れな教員も少なくないことで、ソフト面の支援が非常に重要であるということとか、今後見込まれる端末の維持費も負担などが大きいということも、私も課題は十分承知はしております。しかし、子供たち1人1台持つということで子供たち一人一人の可能性を伸ばす教育というのは待ったなしではないかと私は思っておりますし、先頃文部科学省の担当課にお聞きしましたところ、このGIGAスクール構想につきまして全国1,800市町村のうち、約1,600の自治体が手を挙げているというのです、既に。私は、上田市が残りの200に入らないでほしいというふうに思っているのですけれども、ちょっといろんな情報をまた集めていろいろ検討していただきたいと思います。 それでは、次の質問をいたします。長野県は新年度に学びの改革実践校応援事業として、改革をモデル的に実践する学校を25校指定し、取組推進のための支援をするとしています。この学びの改革の成功事例を広く普及することで、ほかの他校の自発的な取組を促すことも事業の狙いにしているようです。この学びの改革とは、これまでの教師主導による画一的、一斉一律の教育、知識及び技能習得型の教育から、子供主体の自立した個の学び、子供の資質、能力、個別最適化をした学び、問題解決型の探求的な学び、子供や地域の実態に応じ多様なアプローチをするという、これからの学校に求められる学びの改革のことです。他校、ほかの学校、他自治体との枠を超えた連携や、県が選任したアドバイザーの派遣などが事業内容となっております。 そこで、具体的な取組事例として、県が挙げているものを一部紹介いたしますと、一つは長野市立東部中学校の学年担任制、私は以前もこれ質問いたしまして、上田ではあまり考えていないという答弁でございましたけれども、またそこでは生徒たちが学力向上のための組織を自ら立ち上げて放課後学習の場をつくり出したという事例。2点目は、今、子供を入れたい中学校ナンバーワンに挙げられた千代田区立麹町中学校の、常に目的を意識し、学校の当たり前を変えた取組。服装、頭髪指導を行わない。宿題を出さない。点数を取るための定期考査、いわゆる定期テストを廃止し、学習内容の定着を確実に図る方向へ変えたという取組。また、その麹町中学校では、チームとして生徒に関わる全員担任制の導入など、このようなことを県も事例として挙げています。県が25校を指定するということですが、上田市は手を上げるのか、お聞きいたします。 さて、昨年10月に信州大学繊維学部で学びの県づくりフォーラム4が開催されまして、先ほどの麹町中学校の工藤勇一校長の全国が注目する取組、学校が変われば社会は必ず変わるというこの基調講演、その後のそうそうたるメンバーのトークセッションには教育長も参加されておりました。それで、教育長がそこでどんなふうにお感じになられたでしょうか。社会がますます目まぐるしく変化する時代だからこそ、学校は何のためにあるのかという教育の原点をしっかり考えていかなければならないと思います。大人が本気で変われば子供は変わる。そして、上田市でも、これからの学校に求められる学びの改革に積極的に取り組んでほしいと考えますが、見解はどうかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 学びの改革実践校応援事業についてでございますが、学校は、不登校生の増加や配慮が必要な子供の増加、知識伝達型の授業からの脱却など様々な課題を抱えておりまして、子供の自律や個性の伸長を目指しながら、自校の課題解決に向けて学校づくりが求められております。 これを受け、長野県は来年度から、これからの社会を見据えた学校づくり、授業づくりを推進する学校に対して、アドバイザー等を派遣する学びの改革実践校応援事業を行うとしております。 上田市におきましても、来年度、学びの改革実践校に小学校、中学校それぞれ1校ずつが選定されました。具体的には、選定された小学校では、通常の学級における個別の指導計画を作成し、授業のユニバーサルデザイン化に取り組みます。また、中学校では、定期テストの在り方を見直し、中間テストを廃止し、単元テストを導入して評価するとともに、地域企業や大学と連携し、放課後学習や自主学習の場を設け、学力の向上に取り組んでまいります。 このテストや評価の改善の取組につきましては、学びの改革実践校に選定されなかった上田市内の数校、中学校において実践してもらえないかというような働きかけをしておりまして、今のところ3校が取り組む予定でございます。これは、あくまでも試験的な取組でございまして、定期テストの在り方について検討し、単元ごとの評価をするように検討しております。主に2年生の数学あたりで試験的に当たってみたいと思います。数学は、この定期テストを廃止する、単元テストを実施するには、単元終了後に1度単元テストをしますが、生徒が不本意であったというふうな思いがあるなら、もう一度チャレンジを許すということであります。2枚のテストを難易度を同じにするには、やはり今のところ、数学でちょっと試してみる必要があるなと思います。国語、英語では長文読解等がありまして、2枚のテストの難易度を同じにするということが難しいので、来年度は試しに数学で挑戦したいと思っております。 上田市では、特色ある学校づくり交付金事業において、各校の学力向上やキャリア教育を支援しておりますが、学びの改革実践校応援事業と併せ、こうした各校の特色ある取組がさらに充実するよう、今後も支援してまいりたいと考えております。 議員ご指摘の定期テストですが、麹町中学校を参考にしております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 上田市も様々挑戦するということで、何かほっとしたところですけれども、よろしくお願いいたします。 それでは、上田市の教育についての次の質問です。未成年者の自殺対策について伺います。3月は自殺対策基本法に基づく自殺対策強化月間です。近年、自殺者全体の総数は減少傾向ですが、若者世代の自殺死亡率は20代、30代は減少幅が小さく、10代では横ばいの状況が続いています。年代別の死因順位では、15歳から39歳までの1位が自殺です。2018年度の警察庁統計調査によれば、毎日1.6人の子供が自殺しています。先進7か国の中で、若者の死因の1位が自殺となっているのは日本だけです。また、長期休業明けに自殺数が増加するということは、皆さんご存じのとおりです。 子供たちの貴い命を守るために様々な対策が取られているところですが、その中でSOSの出し方に関する教育の取組状況についてを伺ってまいります。今年度を初年度とする上田市自殺対策計画では、SOSの出し方に関する教育を実施する公立中学校の数を計画期間終了年度の2023年度までに全校で実施する目標としていますが、もっとスピード感を持って取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) SOSの出し方に関する教育の取組についてでございますが、長野県は県内の未成年者の自殺死亡率が全国でも高い水準にあることから、誰も自殺に追い込まれることのない信州を実現するために、平成30年3月に第3次長野県自殺対策推進計画を策定いたしました。 将来の長野県を担うかけがえのない子供たちの命を守るために、学校におきましても命の大切さを実感できる教育、命や暮らしの危機に直面したときに誰にどのように助けを求めればよいのかを学ぶための教育、SOSの出し方に関する教育を推進するとして、2022年度において公立中学校で100%実質する目標を立てております。 上田市は、昨年度、モデル校として第六中学校において、2学年を対象に学年集会時に授業を行いました。また、今年度につきましても教育委員会の重点項目に掲げ、取組を行ってまいりまして、3校で実施する予定でございます。これまでに授業を受けた生徒からは、一人で抱え込んで悩むことがある、次は誰かに相談したい、話をすれば気持ちを分かってくれる人も絶対にいるはずであると思った、相談されるような人になりたい、相談されたら聞いて答えてあげられるようになりたいなどの感想があったようでございます。 目標よりもスピード感を持ってとのご指摘でございますが、授業を行うに当たっては、外部の講師を招聘する以外にも、生徒に近い存在である養護教諭などが授業の中に取り入れ、ふだんから取り組んでいることも有効であるというふうに考えております。また、子供たちの様子を日々観察し、心に寄り添いながら、安心して学べる学校環境を整えていくことについても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 2022年度まで3年間かけてということですが、私はもっと早くやってもらってもいいぐらいに思っておりますけれども、よろしくお願いいたします。 それでは、上田市の教育についての最後の質問です。上田市の教育課題の中で最も重要な課題は何であるかということを市長にお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 少子高齢化とともに本格的な人口減少時代を迎えまして、教育を取り巻く社会情勢も大きな転換期を迎えていると思います。変化の激しい複雑な時代であるだけに、教育に対する市民の期待も大変大きく、求められているものも非常に多様化しておりまして、昨今の教育を巡る諸課題に対しまして、教育委員会において様々な取組が進められ、挑戦しているというふうに認識しております。 教育分野は、学校教育、社会教育、またソフト、ハードなど幅広く、それぞれ課題がありますが、私が特に重要だと考えているのは、次代を担う子供たちの育成、そしてまた先ほど来言われております人づくりであろうと思います。 第二次上田市総合計画にも確かな学力や生きる力を育む教育の推進と全ての子供の学びの支援を着実に進めていくことが重要であると考えております。その中の1点目としては、確かな学力や生きる力の育成につきましては、従来の基礎的、基本的な知識及び技能の習得に加えまして、知識、技能を活用して課題を解決するための思考力、あるいは判断力、表現力を育むことが求められております。また、情報化や技術革新、グローバル化等が急速に進展する中、子供たちには予測困難な変化の激しい社会を生きるために必要な力である生きる力を育成することが求められております。 2点目の全ての子供の学びの支援につきましては、誰一人取り残さないというSDGsの考え方に通じるものであり、いじめや不登校などの問題に悩む児童生徒、障害があり特別な支援が必要な児童生徒、あるいは外国籍の児童生徒への支援などが必要であろうと思います。 現在、上田市教育大綱に基づきまして、市長部局と教育委員会が協同しまして第2期上田市教育支援プランが進められておりますが、まずはこれを着実に進めていくことが大切だと思います。 また、教育大綱と第2期教育支援プランにつきましては、令和2年度に5か年計画の最終年度を迎えますことから、その結果をしっかりと検証し、現在策定中の後期まちづくり計画も踏まえまして、来年度には総合教育会議等におきまして、教育委員会と連携、協同し、新たな方針や計画を策定していきたいと思っています。 先ほど来、人づくりということがテーマとなっておりますが、まさにこれは幅広いテーマでございます。例えば小中学校におきましては、知育、徳育、体育、あるいは食育を通じまして人間力をつくっていく、あるいは人間づくりをしていくということであります。また、地域や家庭におきましても、例えば礼儀、挨拶、後始末、あるいは履物をそろえるとか、日常茶飯事の自己規律によりまして、一人一人が志を立てて、そしてまた人間力を向上させ、そして一人一人が心を磨き、心を成長していく、これも大きな人づくりだと思います。また、大人の世界におきましても、特に経営者の皆様におかれましては、人間力向上のための研修あるいは勉強会も進められております。まさに生涯を通じて学びの世界が大事だということであります。 幅広い人間づくりでございます。またご理解をいただきたいと思っておりますけれども、この人づくりを通じまして子供たちの健やかな成長、そして市民の皆様の豊かな人生を支えていくとともに、地域社会が一体となって子供たちを育み、誰もが生涯にわたって学び、成長できる上田市の教育を教育委員会とともに推進してまいりたいと思っていますので、よろしくお願いします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま市長にもご答弁いただきまして、教育長にもご答弁いただきました。しっかりとチームで頑張っていきたいと思うのですが、私、あと4分ですと、次の質問はしっかりと答弁を頂けないので、本当に残念なんですけれども、質問を終わりにさせていただきます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午前11時56分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第15号、市政について、松尾議員の質問を許します。松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 通告により、順次質問してまいります。 治水対策について伺います。令和元年東日本台風による災害復旧については、これまで多くの質問がありましたので、重複しないようお聞きしていきたいと思います。 令和元年東日本台風により、信濃川中流域の広域にわたって甚大な被害が発生したことから、流域内の関係機関が連携し、国、県、市町村で構成する信濃川水系緊急治水対策会議において取りまとめられた緊急治水対策プロジェクトが発表されました。このプロジェクトの趣旨は、治水対策として、河川整備だけでなく地域連携によるソフト対策を一体的かつ緊急的に進めたいということであります。自ら災害に備えることの大切さを感じた多くの市民が、このプロジェクトの内容や上田市が取り組む災害復旧や治水対策は、市民それぞれが自助、共助について考える際の基本的な情報であり、さらなる地域防災力の強化につながるものと考えております。 そこで、お聞きします。このプロジェクトの目的や国、県、市町村の役割、スケジュールはどうか。また、今後の千曲川の災害復旧やしゅんせつなどの治水対策はどのように進めていくのか、お伺いします。 また、上田市内の各地域における県管理の河川のうち、真田角間川、渋沢川、尾根川、武石川の復旧計画や県の河川に架かる橋梁のうち、現在も通行止めになっている橋梁や仮復旧されている橋梁の復旧計画はどうか、お伺いします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 治水対策について、何点かご質問頂きました。 初めに、緊急治水対策プロジェクトの目的や役割、スケジュールについて答弁いたします。今回の令和元年東日本台風により甚大な被害が発生した信濃川水系における今後の治水対策につきましては、国、県、市町村の関係機関が連携して取り組む千曲川水系緊急治水対策プロジェクトがまとめられ、上流から下流まで流域一体となった防災、減災対策が推進されることになりました。 このプロジェクトにつきましては、3つの柱でまとめられておりまして、1つ目に、災害復旧を含む千曲川等のハード整備を主とした被害の軽減に向けた治水対策の推進、2つ目に、千曲川流域の流域抑制を主とした地域が連携した浸水被害軽減対策の推進、3つ目に、防災教育や情報発信などのソフト事業を主とした減災に向けたさらなる取組の推進の内容となっており、おおむね5年間で、再度災害防止・軽減、逃げ遅れゼロ、社会経済被害の最小化を目指しております。 これまで関係行政機関により単体で進められてきた各種事業が、今回のプロジェクトにより一体的なつながりを持ち、千曲川流域全体として取り組むことが共通認識として確認できましたので、市の役割をしっかりと果たしていくとともに、国、県とも密接な連携を図り、水害に強いまちづくりを推進してまいります。 続きまして、災害復旧を含めた今後の千曲川の治水対策につきましては、大屋橋を境に上流を県、そして下流を国が実施することになりますが、まずは緊急性の高い箇所の災害復旧工事が進められ、段階的に堤防整備や堤防強化、河道掘削などが千曲川全体のバランスを確保する中で実施されるということでありますので、上田市といたしましては、より多くの事業が早期に着工できるよう地元調整など積極的に関わってまいりたいと考えております。 続きまして、県管理河川と、そこに架かる橋梁の復旧計画についてでございます。今回の台風による県管理の河川の被害状況につきましては、連続降水量が観測史上最も多かった地点もあったことから、護岸崩落や河床洗掘など100件を超える甚大な被害が発生しており、上田建設事務所におきましては、国の災害復旧事業の採択を受ける中で早期復旧に向けて取り組んでいただいております。 真田角間川につきましては、並行する市道横沢角間線の崩壊と併せ、延長約700メートルにも及ぶ区間で被災を受けており、数年間かけ河川と道路の復旧を進めてまいります。 また、渋沢川につきましては、大規模な護岸崩落により家屋被害も発生してしまいましたが、2か所での護岸復旧と災害関連緊急砂防事業による砂防堰堤の整備が実施されると伺っております。 また、武石川につきましては、武石新橋の橋台裏側の洗掘が発生するなど、大きなものだけでも10か所を超える被災を受けておりますが、応急対応をして道路の通行を確保した箇所もあり、本復旧に向けて工事が発注されると伺っております。 また、尾根川につきましては、石神自治会での越水被害や倒木により河道が塞がれる被害も生じたところですが、護岸崩落箇所において復旧工事が実施される予定と伺っております。 千曲川流域では、支川も含め全体にわたり被害規模が大きく、被災件数が極めて多いことから、今後、人手や資材の関係など不確定要素が問題となり、国、県、市を問わず、数年間をかけての段階的な復旧をせざるを得ない状況にありますが、県には将来を見据えた総合的な治水対策をお願いし、通行止め等になっている箇所の早期の供用開始を要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁頂きました。 次に、このプロジェクトには支流から千曲川への雨水等の流入を抑制する具体的な取組が示されています。市が管理する河川について、東日本台風による被害の状況や復旧計画はどうか。また、今後の流入抑制を図るための取組について、プロジェクトに沿って当初予算で計画している取組はどうか。当初予算に盛り込まれていない治水対策について、防災拠点の設置など様々な課題や地域要望に対してどのように取り組んでいくのか、お伺いします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 初めに、市が管理する河川の災害復旧につきましては、三郎川、八郎沢川、細尾沢川、小沢根川、保代川など丸子、武石地域を中心に多くの被災箇所を抱え、応急的、臨時的に対応したものから、国の災害復旧事業の採択を受け、本格的に復旧工事を行うものがございます。 現在、多くの工事が発注段階でありまして、今後は工事が集中してしまうことから、工程の調整が非常に困難となることが予想されますが、優先順位をつける中で、順次完成させていきたいと考えております。 なお、丸子地域の市の管理河川である下和子地区の栗山沢川、荻窪地区の耳切沢川、平井地区の茂沢入沢川と梅ノ木沢川の4河川では土砂流被害が発生し、依然として上流部に不安定な土砂が堆積している状況であることから、二次災害の危険性が高い箇所について、上田建設事務所において国の補助事業である災害関連緊急砂防事業として採択され、砂防堰堤工事が予定されております。 次に、プロジェクトに沿って市が当初予算で計画している流出抑制対策の一つといたしましては、新年度から事業化する予定の城下地区排水対策事業がございます。急速な宅地化の進んだ城下地区におきましては、今回の台風に限らず、特にゲリラ豪雨と呼ばれる集中的、局所的な大雨に対し非常に脆弱であり、これまでも上田電鉄別所線三好町駅付近では、水路の溢水により電車が運休することもあるなど浸水被害が多発しておりました。浸水被害軽減対策といたしましては、水路の大型化は物理的、経済的に困難であることから、金窓寺川や御所沢を初め、河川、水路が溢水する地点におきましては数か所の調整池を整備し、下流の水路に対しての流出抑制を図るものでございます。 また、この他の事業といたしまして、住宅雨水貯留施設設置に対する補助、河川のしゅんせつや河畔林の伐採による日常の維持管理などの従来からの事業もプロジェクトに位置づけておりまして、予算計上のないものでは、開発事業時における流出抑制の指導、農地転用時における雨水浸透ますや浸透側溝設置の指導などがございます。今回の被災で様々な課題が浮き彫りになり、地域要望も数多くございますが、浸水被害の軽減につきましては、一つ一つの小さなことの積み重ねが大きな効果を生んでいくという一面もございますので、防災拠点の設置など規模の大きいハード整備だけではなく、一軒一軒が流出抑制に取り組むという市民の皆様のご協力も非常に大切であると考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) それぞれ答弁頂きました。 被災経験から災害時に地域がどのようになっているのか、知る必要があるという思いから、地域住民や自治会から河川の水位や画像等が確認できるライブカメラやセンサーの設置要望をお聞きしております。行政や住民自治組織、自治会などで設置することが考えられますが、収集する情報の活用に当たり、設置だけでなくネットワーク化や一元化などの仕組みについても課題になると考えております。 先月の28日に新年度予算が衆議院の予算委員会で承認されました。東日本台風の復興に当たり、被災地から原状復旧ではなく今後の災害に備えるための抜本的な強靭化対策が必要との声を反映した予算が組み込まれております。強靭化対策となるハード整備やライブカメラなどのソフト事業について、国の補助制度を活用して実現できるものがないか、検討をお願いしたいというふうに思っております。 次の質問ですが、現在橋梁が通行止めになっていることにより、周辺の道路や交差点でこれまでに見られなかった渋滞が発生しております。関係する自治会から、渋滞の緩和についての要望があります。市の取組について改めてお伺いします。 さらに、小中学生が通行止めの橋梁を迂回して通学している状況があります。小中学生の通学時の安全を確保するため、迂回路の安全点検を初め学校ボランティア、地域との連携が必要と考えるが、通学時の安全確保のための市の取組はどうか、お伺いします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 初めに、通行止めに伴う渋滞の緩和策と通学路の安全確保について答弁させていただきます。 現在、市内で通行どめが続いている橋梁につきましては、丸子地域の内村橋、馬坂橋、真田地域の四日市橋、角間1号橋、武石地域の小寺尾橋がございます。また、橋梁ではありませんが、千曲川の堤防道路である市道御所小牧線の通行止めによる影響として、生活道路への車両進入があると把握しております。橋梁の通行止めに伴う渋滞の緩和対策につきましては、短期間で効果を発揮できる決め手がないという現状がございますが、信号のサイクルタイムの調整により渋滞緩和の期待できる箇所があれば、上田警察署を初め関係機関と協議してまいりたいと考えております。 次に、通行止め箇所の迂回に伴って、生活道路などに流入する車両の増加と通学路の安全確保につきましては、地域からの改善要望として上がっている箇所もありますので、まずは要望に基づいて、自治会関係者、学校関係者との現地立会いをし、現状をしっかりと把握してまいります。 安全対策といたしましては、迂回車両への注意喚起の看板設置、グリーンベルトや外側線の設置、カーブミラーの設置等がありますが、橋梁の通行止め解除に向けた復旧工事は長期に及びますので、道路状況に応じて、できるだけ早く実施可能な対応をしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁頂きました。 災害復旧の一日も早い進捗、完成が期待されるわけですけれども、何よりも子供の通学時の安全確保が大事かなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、東日本台風に関する検証結果や国、県、市が計画している本治水対策を様々な機会を捉えて市民に周知すべきと考えます。今後の取組はどうか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 市民の皆様方におかれましては、このような大きな災害があり、今後の被災も心配される中で、これからどのような整備が進められていくのか、非常に関心の高いところであると思います。住民の皆様の関心が非常に高かった三好町、諏訪形地区の千曲川堤防と別所線などの一連の災害復旧工事の関係につきましては、主に城下地区の自治会役員を対象に、去る2月19日に合同の説明会を行ったところでございますが、このようなハード整備に関する説明会や何らかの媒体を利用した情報提供も、今後必要に応じて実施していかなければならないと考えております。 なお、防災に関わるハード整備は一度に完璧にできるわけではなく、急傾斜地の付近や天然護岸の河川沿いなど危険性が高いとされている箇所は、依然として市内各地に存在しておりますので、自分の住んでいる地区や勤務している地区にはどのような災害が起こり得るかをそれぞれ想定し、被害の最小化につながるよう、自助、共助の意識を醸成していくことも併せて行っていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁頂きました。 住民への周知につきましては、地区防災計画ですとか、訓練、そういったこと組み立てる上でも非常に重要な情報であります。適宜適切な時期に取組をお願いしたいと思います。 次に、林業振興について伺います。近年、日本の各地で豪雨等による災害が発生し、土砂災害や水害などの甚大な被害が頻発しております。同時に、森林が本来持っている公益的な水源涵養や土壌保全などの機能に改めて注目が集まっています。国は、相次ぐ土砂災害は、森林に手が行き届いていないことが一因とし、森林整備のために市町村に配分する森林環境譲与税を2020年と2021年分について40億円に倍増すると発表しました。さらに、その後も増額し、2024年以降は600億円とするとのことです。 上田市の配分については承知しておりませんが、こうした予算を有効に活用するための新たな取組や整備体制の構築は喫緊の課題になっております。東信地区の主要な樹種であるカラマツの木材価格は低迷しており、今後も回復する見込みは立っておりません。上小地域の林業従事者は、十分な収入を得られないこともあって減少傾向が続いており、人材不足が顕著になっております。森林整備を促進していくためには、林業従事者の所得向上、また新たな人材の確保と一層の育成とともに、最も取り組むべき課題は施業の効率化であり、国や県も注力して取り組んでおります。 そこで、お聞きします。市は昨年4月に、10年を計画期間とする森林整備計画を策定、公表しております。この計画における森林の施業の合理化や新たな整備体制づくりについて、具体的な取組はどうか。今後、第二次上田市総合計画後期まちづくり計画にどのように反映されているのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 林業振興につきまして、森林整備計画における具体的な取組についてお答えいたします。 市町村森林整備計画は、森林法に基づき、5年ごとに10年を1期として作成する計画で、市町村の森林関連施策の方向性や森林所有者等が行う伐採、造林等の基準を示しているものでございます。上田市森林整備計画に示す森林施業の合理化に関する基本方針については、1つ目として、国、県、市、森林所有者、森林組合等林業事業体及び木材産業関係者の間で相互の合意形成を図ること。2つ目といたしまして、地域で一体となり集約化を進めるとともに、集約化した森林は確実に森林経営計画を立てること。3つ目として、林業従事者及び後継者の育成・確保、作業路網の整備など林業関係者等が一体となって、長期目標に立った施策を計画的に実行することとしております。 また、森林整備計画は、長野県が策定する千曲川上流域森林計画に即することとされており、森林整備の基本方針において、地域ごとに望ましい森林資源の姿へ誘導することとしております。一例といたしましては、市の代表的な穀倉地帯である塩田地区では、塩田平の水源である産川の源流に位置する森林については、緑のダムとして水源涵養機能をこれまで以上に高めることを、また武石地域では、マツタケの産地であることからアカマツ林の更新施業等を積極的に進め、特産品であるマツタケの生産の維持や増産を目指した整備を進めるとしております。 次に、森林整備の新たな体制でございますが、昨年4月から森林経営管理法が施行され、森林経営管理制度がスタートいたしました。この制度は市町村が中心となって森林整備を行うものであり、財源として森林環境譲与税が市町村に譲与されるものでございます。この森林経営管理制度は、手入れの行き届いていない人工林を市町村が集積し、林業経営者へ委託、または市町村による管理へ進むという非常に専門的で煩雑な事務になります。このため、県はこの制度を継続的かつ効果的に進めていくためには、市町村が連携して広域的な体制を構築することが必要との考えから、昨年4月に森林経営管理支援センターを設置し、市町村の支援を行っているところでございます。このような県の支援の下、上田市では上小地域の3市町村や信州上小森林組合などと、この制度の効果的な運用に向けた体制整備を協議、検討しているところでございます。 次に、後期まちづくり計画にどのように反映されるかについてお答えいたします。市では現在、令和2年3月の中間答申に向け、第二次上田市総合計画後期まちづくり計画の策定を進めております。林業につきましては、前期計画では、3編、産業・経済分野、誰もがいきいき働き産業が育つまちづくりの第1章において、農林水産業振興の一部として掲げておりましたが、森林経営管理制度や森林環境譲与税がスタートし、さらなる森林整備等の施策を進める必要があることから、後期計画では農業と林業を分割し、森林、林業については、森林の適切な経営管理と地域産木材の利用推進とし、新たな節を設けて策定する方向で調整を行っているところでございます。 この後期計画では、森林経営管理制度に基づいて、森林所有者に適切な経営管理を促すとともに、適切な経営管理を実施できない森林については、経営管理権の集積を進め、そのうち林業経営に適した森林については、意欲と能力のある林業事業体へ委託し、効率的、安定的な林業経営の実現を支援するものとしております。また、林業経営に適さない森林については、公的に管理を行い、間伐などを実施しながら、管理コストが安価な自然林に近い森林に誘導するものとしております。このように、後期まちづくり計画では、市はこれまで手入れのされていなかった私有林の人工林について、積極的に関わりを持ち、林業事業体の協力を頂きながら適切な森林経営管理に努めることとしております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 市域の森林面積は約3万9,166ヘクタールですが、そのうち民有林が占める面積は2万6,999ヘクタールで、森林面積に占める割合は約69%になります。こうした森林の人工林を対象に森林組合が策定した森林経営計画があり、様々な整備を促す施策として、市から森林環境保全直接支援事業として予算がつけられています。この直接支援事業に関する近年の予算額の推移と傾向はどうか。また、今後の見込みはどうか、お伺いします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 森林環境保全直接支援事業に関する予算の推移と今後の見込みについてお答えいたします。 森林環境保全直接支援事業とは、森林の公益的機能の増進や森林資源の循環利用を図るため、林業事業体が面的なまとまりを持って行う森林整備について、国、県が事業費の10分の7を補助する事業であり、市が10分の1のかさ上げ補助をし、事業の推進を図っているところでございます。過去5か年の推移でございますが、補助実績は、平成27年、28年度がそれぞれ約1,000万円、平成29年度から今年度までは約700万円となっており、近年減少傾向になっております。 次に、森林整備面積でございますが、平成27年度につきましては157ヘクタール、平成28年度136ヘクタール、平成29年度74ヘクタール、平成30年度78ヘクタール、そして今年度は約100ヘクタールの実施を見込んでいるところでございます。今年度は若干上昇へ転じましたが、全体の流れとしては減少傾向にございます。減少傾向の主な理由につきましては、まず市内の人工林の多くが林齢を重ね、主伐の時期を迎えている森林が多く、間伐などの森林整備箇所が減少傾向にあることが挙げられます。また、国の方針として、木材製品の国際競争力を強化するために、間伐材生産の拡大を目的とした合板・製材生産性強化対策事業への補助にシフトしていることなどが挙げられます。 今後の見込みにつきましては、先ほども述べましたが、市内の人工林の多くが主伐期を迎えていることから、対象森林が減少傾向になりますが、事業の支援対象となる作業は、植栽、下刈り、枝打ち、除間伐など、幅広い施業が対象となっております。市といたしましては、予算措置に配慮し、森林経営計画に基づく年次計画など、バランスの取れた森林施業の実施を森林事業体と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁頂きました。 直接支援事業については、これまで予算は減少傾向であり、また施業面積も減少しているということであります。災害防止の観点から施業地を拡大していくという必要があるわけですけれども、今林業に求められているのは、さらなる効率化でありまして、施業地の団地化や高性能機械化だけでなく、林地調査から木材販売までの一連の工程を効率化、省力化することが求められておりまして、それが可能な手法としてスマート林業が注目されております。 スマート林業がなぜ必要かということを林業の現場の状況からご説明したいと思います。間伐などの施業を行う場合、森林簿を用いることが一般的です。しかし、森林簿は林地の現状が正確に反映されていないことが多く見られます。一方で現地へ入り、境界の確認、樹種や割合の確認、また立木の密度、1本ずつ胸高直径などを調査すれば林地の材積総数が詳細に把握できるわけですが、こういった調査方法は多くの人員や時間が必要となり、調査費が増加することになります。そのためプロット調査などでは行っておるわけですけれども、そういった調査ではデータが十分でなく、材積総数や搬出予定量などが不明確、不確定のまま施業に着手することが日常的に行われております。結果、十分な搬出量に達せず、利益が確保されないことも珍しくありません。こうしたことから、地ごしらえ、植林の経費が捻出できず、再造林できないという悪循環に陥っております。 こうした現状から、市の森林環境保全直接支援事業による10%のかさ上げは、木材販売額を補填し、施業の収支を補正する意味合いが強いと感じております。日本の林業事業体は補助制度に依存し、常態化していると言われております。将来的にも木材価格の回復が見込めないため、現状の中で自助努力は限界ともいえ、利益を確保することは難しい面があると考えています。こうした現状を打開する方法として、スマート林業が注目されています。 スマート林業の技術は既に実用段階に入っており、昨年9月に林野庁が公表した資料によると、林地調査は、スマート林業におけるレーザー計測と従来の調査方法と比較した省力化率が示され、大幅な省力化が可能であることが分かります。レーザー計測はスマート林業のスタートであり、林業の課題である林地の樹種、密度、材積などのデータを正確かつ低コストで調査することが可能です。上田市においてレーザー計測をいち早く導入すべきと考えますが、そのための財源についてですけれども、県が来年度の当初予算において民有林の地ごしらえや植栽等、人工林を再造林し、林齢の平準化を図るための補助率のかさ上げを15%というふうに予定していると聞いております。この施業は、先ほど伺った市が単独で10%かさ上げ補助している施業と重なる部分ですので、この県の補助制度を活用とするとともに、市単のかさ上げの予算の一部をレーザー計測による調査費や計測機器購入等に充てることができると考えます。市の見解をお伺いします。 さらに、レーザー計測は地形の起伏等も計測できるため、計測したデータは路網の効率化と再造林までの工程の中で様々な活用が可能であり、私は上田地域の林業をスマート林業に転換していくきっかけとなるとともに、施業収支のバランスの向上や安定化につながるものと考えています。レーザー計測を初めスマート林業の技術は、市所有林や民有林が対象の森林環境譲与税を活用した森林経営管理制度の中でも用いることが可能です。 また、来年度、国は、ドローンや地上レーザー等を導入し省力化を目指す取組について、3分の2補助するメニューを用意しています。私は、林業従事者が時代の変化に対応する努力、また市の役割としてスマート林業転換へ促す支援策について検討し、実施に向けた取組が重要であると考えております。 先ほど述べました補助制度も活用し、市が主体的に市所有の所有林においてレーザー計測を実施していただきたいところですけれども、まずは市内の林地でスマート林業導入の実証実験も視野に研究し、レーザー計測導入を検討していくべきと考えます。市のお考えをお伺いして、最後の質問とします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) スマート林業について研究し、取り組む考えがあるかということについて、お答えしたいと思います。 現在、上田市が管理している市有林は、市内の民有林の約15%に当たる4,200ヘクタールございます。間伐などの森林整備を計画的に行う必要があり、緊急度の高いところから実施しておるところでございます。また、多くの森林が伐期を迎えており、今後も計画的な伐採搬出等を行う必要がございます。 この市有林の事業では、職員が山林内で人力による測量を行っておりますが、航空レーザー測量やドローン撮影などによる調査、測量を実施し、森林詳細情報を得た上で適正な森林施業につなげていくことが必要と考えております。このドローンあるいは解析用ソフトの活用ということも将来に向けて検討していくべきものと考えているところでございます。 また、国から市町村へ譲与される森林環境譲与税は、地域の課題解決のための利活用が可能とされておりますことから、先端技術の機材購入等にも活用できるものと聞いております。 いずれにいたしましても、本格的な利用期を迎えている森林資源の循環利用を進め、林業に関わる雇用環境の改善に寄与し、林業の成長産業化を実現していくためには、これらICTなど先端技術の活用によるスマート林業に加え、林業の特性を踏まえた新技術を活用した林業イノベーションを推進し、新技術の実証、実装を通じて、林業の現場へ導入していくことは大変重要なものと考えております。今後もスマート林業の推進につきましては、国、県の今後の動向を踏まえ、上小地域の3市町村や市内の林業事業体とも協力して、前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松尾議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時42分   休憩                       ◇                                午後 1時55分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)気候変動問題と対策について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第16号、気候変動問題と対策について、金沢議員の質問を許します。金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 気候変動問題と対策について質問してまいります。 気候変動は、地球上に生きる全ての人々と将来の世代への驚異という意味で、人類の命運を握る根本問題であります。国連のグテーレス事務総長は、気候変動問題を私たちの時代を決定づける問題と言います。 2019年の世界の平均気温は過去2番目に高く、1980年以降10年ごとの平均気温は過去最高を更新し続けています。気象庁によると、昨年12月から2月までの平均気温は過去最高を記録したと発表がありました。温暖化に歯止めがかかりません。このまま温暖化が進むと、さらに被害が拡大するとの懸念が高まります。 国際社会は、この危機感を共有し、持続可能な社会の構築へ、共に行動を起こし始めようとしております。SDGsのゴールであり、またパリ協定の目標達成年である2030年に向けて、これからの10年がまさに未来を決定していくと言われます。昨年、ドイツの環境NGOは、スペインで開催のCOP25、2018年に異常気象による被害を最も受けたのは日本であると発表しました。西日本豪雨や猛暑に襲われたことが要因と言います。 気候変動は大きく2つの方向から取り組む必要があると言われます。1つは温室効果ガスの削減であり、2つには気候変動による被害の拡大防止の対応という両面からの取組です。このようなことから、気候変動の鍵を握っている一つが森林です。長野県は、北海道、岩手県に次ぐ全国3番目の森林面積を擁し、上田市も7割が森林です。森林の様々な機能は、我々の暮らしに安全安心を与えます。 そこで、質問してまいります。1、森林の持っているパワーは計り知れないと考えられます。地球温暖化を防止する上で森林の持つ効果はどのように発揮しているか。 2、二酸化炭素の吸収量はどのぐらいなのか。 3、森林経営を行っている育成林から生産されたHWP、これは伐採木材製品を言います。この利用状況はどうか。 4、地球温暖化の防止に取り組む上で最重要となる森林整備をどのように進めていくのか。また、森林整備を進める上で課題は何か。 以上4点を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 初めに、地球温暖化防止の上で森林の持つ効果をどのように発揮しているかにお答えいたします。 地球温暖化は、大気中に存在する二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が上昇することが原因であると考えられており、地球温暖化を防ぐためには、大気中への二酸化炭素の放出を減らし、さらに取り除くことが必要となります。 地球温暖化を防止する上で森林が果たしている役割でございますが、森林を構成している樹木は成長のために大気中から二酸化炭素を吸収し、光合成により炭素へ変換し、幹や枝に大量に固定することにより、地球温暖化防止に重要な役割を果たしております。そのため森林が減少しますと二酸化炭素の吸収量が減少し、固定されていた炭素が二酸化炭素として大気中に再放出されることとなり、地球の温暖化が促進することになります。また、樹木は一定の樹齢を過ぎますと二酸化炭素の吸収量が低下するため、適期に伐採し、木材として利用しながら、伐採跡地には確実に植林するという森林の循環利用のサイクルが、地球温暖化防止に大きく貢献するものと考えております。 続きまして、市内の二酸化炭素の吸収量はどのくらいあるかにお答えいたします。森林の二酸化炭素吸収量は、森林の立地、環境等の条件によって異なりますが、成長の早い樹種は二酸化炭素吸収量も大きく、これに対し、成長の遅い樹種は比較的少なく、また樹齢が若い時期に多くの二酸化炭素を吸収し、成熟するに従って吸収量は少なくなると言われております。 市内の森林の二酸化炭素吸収量については、先ほども申し上げたとおり樹種や樹齢などにより吸収量に差があるため、非常に複雑な計算式で求められることになります。長野県の森林CO2吸収量評価手法によるこの計算式で試算しましたところ、市内約3万9,000ヘクタールの森林の吸収量は年間約10万二酸化炭素トンと推計されるところでございます。 次に、育成林から生産された伐採木材製品、HWPの利用についてお答えいたします。まず、1997年、COP3で採択された京都議定書でございますが、この京都議定書では、先進国の各国が二酸化炭素など温室効果ガスの削減量が決められ、削減目標を達成するためには森林の二酸化炭素吸収量を活用することが認められております。 京都議定書において森林吸収量の対象となる森林は、森林経営が行われている森林であり、森林育成林では、1990年以降に森林を適切な状態に保つために森林施業が行われた森林で、具体的には、植栽、保育、間伐など森林整備事業を指しております。また、天然生林では、保安林などの法令等に基づく伐採、転用規制などの保護、保全措置を森林経営として定義されております。 この森林経営が行われている森林から発生したHWP、いわゆる伐採木材製品は、京都議定書第二約束期間において伐採されて製品となった木材、具体的には建築物や家具に使用されている合板や紙の原料のパルプなどが該当しますが、これらは製品となった後も炭素の蓄積物としてみなされ、その炭素の蓄積量を温室効果ガスの吸収量に計上されることとされております。第一約束期間では、森林から伐採された木材中の炭素は計上しないとしておりましたが、第二約束期間では、製品となった後も炭素を蓄積し続けるという考えにより計上するようになったものでございます。 木材製品は建築物や家具に加工され、それらが利用されている間は吸収した炭素を引き続き蓄積、固定しているものとし、蓄積、固定された炭素は、木材製品が廃棄、焼却された際にようやく大気中に放出されるという考えによるものでございます。 市内で伐採された木材は、素材生産業者から原木市場や木材販売業者等を通じて広く県内外問わず流通していることから、HWPの算定ルールが適用される木材製品にどう利用されたかにつきましては把握ができない状況でございます。 ちなみに平成29年の長野県木材統計から県内の製材業者等の出荷割合については、建築用材18%、土木用材11%、チップ56%、その他が15%となっております。また、算定ルール上の木質パネルのうち合板については、上田市を初め長野県のカラマツが多く利用されており、平成29年の県内での素材生産量の43%が県外の合板工場で利用されているという実態でございます。 次に、地球温暖化防止に取り組む上で森林整備をどのように進めるか、課題は何かにつきましてお答えいたします。まず、地球温暖化防止に貢献する機能を十分に発揮させるためには、間伐などの施業を実施することにより、森林を健全な姿で維持することが必要でありますので、引き続き森林整備を計画的に進めることが重要であると考えております。 また、先ほども申し上げましたが、樹木は一定の樹齢を過ぎますと、成長量の低下とともに二酸化炭素の吸収量も低下するため、適期に伐採し、木材として建築物や家具等に利用しつつ、伐採跡地に植林を行い、森林を育成することが、二酸化炭素の吸収の促進につながるものと考えております。このことから、伐採木が確実に利用されるよう地域産木材の利用拡大のための取組を進めるとともに、主伐やその後の再造林が確実に行われることが重要と考えております。 森林整備を進める上での課題につきましては、木材需要の減少等による木材価格の低迷、松くい虫被害の拡大や森林所有者の高齢化等により森林への関心が薄れ、林業活動の停滞、また林業従事者の減少などが挙げられます。このような課題を解決するため、森林環境税が創設され、これを財源とする森林環境譲与税が導入されました。森林環境税は、パリ協定の枠組みの下、我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成、災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する点から、国民一人一人がひとしく負担を分かち合って、我が国の森林を支える仕組みとなっております。 森林環境譲与税の使途につきましては、市町村においては、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てるものとされております。市といたしましては、従来の補助事業に加え、この森林環境譲与税を十分に活用して適切な森林整備に取り組んでまいりたいと考えております。 森林は、地球温暖化の防止、国土の保全、水源の涵養、木材などの物質生産など多面的機能の発揮を通じて、我が国の国民生活、国民経済に欠くことのできない様々な恩恵をもたらしております。これらの多面的機能を将来にわたって発揮させていくためには、適切な森林の経営管理を行い、豊かな人工資源を、切って、使って、植えるという形の循環利用のサイクルを再構築し、森林の適切な経営管理と林業の活性化を進めることが重要であるものとを考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 森林によるCO2の吸収量とHWPによる排出削減量が温暖化対策に貢献していて、計画的に森林整備を進めていくことが大事、そういう答弁でございました。 次に、エコオフィスうえだ、第四次上田市役所地球温暖化防止実行計画について質問してまいります。 1、第四次上田市役所地球温暖化防止実行計画の趣旨と内容はどうか。 2、第三次計画までの各部門の温室効果ガス排出量の削減目標と内容、結果はどうであったか。 3、パリ協定は世界の全ての国が温室効果ガスの削減に取り組み、世界全体で産業革命前からの平均気温の上昇を努力目標として1.5度未満にと言われております。上田市の過去の気温上昇はどのくらいか。 4、市庁舎改修・改築事業や武石地域総合センター整備事業には、温暖化防止実行計画の理念をどう取り入れているのか。 5、上田市は、二酸化炭素排出量を2030年までに40%削減としているが、具体的な計画はどうか。また、信州ソーラーポテンシャルマップの活用を上田市として考えられないか。 以上、5項目について伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 最初に、エコオフィスうえだの計画の趣旨と内容はどうかのご質問であります。 エコオフィスうえだ、上田市役所地球温暖化防止実行計画は、地球温暖化対策の推進に関する法律に規定された地方公共団体の事務及び事業に関する温室効果ガスの排出量削減に向けた実行計画であります。 市では、合併前の平成13年に第一次計画を策定し、平成30年には第四次計画への改定によりまして、庁舎等における効率的なエネルギー利用の促進、職員による環境配慮行動の推進、市が取り組む事業における環境負荷の低減を取組方針として掲げ、具体的には小中学校を含む市有施設において節電行動などによる省エネルギー対策や紙のリサイクル等による省資源化、また太陽光発電設備の導入等により温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいりました。第四次計画では、これまでの日常業務における節電などの取組の強化に加え、照明のLED化等の省エネ設備の導入や施設の改修時期に併せた断熱改修の推進等により、目標達成に向けて取り組んでいるところであります。 次に、第三次計画までの温室効果ガスの排出量の削減目標と結果はどうかであります。これまで合併後の平成20年度から平成24年度までの第二次計画においては、上田終末処理場の焼却炉燃料を重油からガス化に転換したことなどにより、温室効果ガス排出量を平成19年度比で6.1%削減する目標のところ、17.5%削減いたしました。 しかしながら、平成25年度から平成29年度にかけての第三次計画では、サントミューゼの供用開始や「真田丸」の放送などに伴い業務量が増えたこと等によりまして、平成23年度比で1%削減する目標のところ、2.54%の増加となりました。これらの結果から、今までと同様の節電行動による取組だけでは、さらなる温室効果ガスの削減にはつながらないなどの課題がありまして、第四次計画では、さらなる省エネ設備の導入や断熱改修の推進を図ることとしております。 次に、上田市の過去の平均気温はどのくらい上昇したかのご質問でございます。気象庁のデータによりますと、上田市の平均気温に関しては、観測が開始された1976年以降2018年までの43年間のデータを換算しますと、100年当たり約1度の割合で上昇するペースで推移しております。 続きまして、2030年までの上田市の二酸化炭素排出量の削減計画について答弁いたします。エコオフィスうえだは国の温暖化対策計画に準じて計画されていることから、市の事務事業が該当する業務その他部門の温室効果ガス排出量の削減目標に合わせ、2030年度までに基準年比40%削減する計画となっております。 まずは、計画期間が令和5年度までの第四次計画で掲げる温室効果ガス排出削減目標に向けて、引き続き日常業務における省エネ行動、市有施設への省エネ設備の導入や断熱改修、再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいります。再生可能エネルギーのうち太陽光発電及び太陽熱利用システムにつきましては、長野県が作成した信州屋根ソーラーポテンシャルマップも活用しながら、設備の導入を検討しているところであります。このシステムは、既存の建物の屋根ごとに建物の向きや日射量を計算して、太陽光発電や太陽熱利用の適正をウェブ上で表示されるものであります。これは市のホームページからもリンクしておりますので、家庭や事業所への設備導入に当たって、その利活用について周知してまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 私からは、市庁舎改修・改築事業や武石地域総合センター整備事業には、計画の理念を取り入れているかとのご質問にお答えいたします。 まず、上田市庁舎改修・改築基本計画では、国が示しました基準やエコオフィスうえだ、第四次上田市役所地球温暖化防止実行計画の理念に即して省エネルギー技術の採用や自然エネルギー利用の検討を行ってまいりました。 また、庁舎改修・改築実施設計においては、上田市の風土、地域の特性を生かし、省CO2や効率的なエネルギー利用が可能となる機能、設備を導入し、新本庁舎の改築及び南庁舎の改修事業を進めております。 市本庁舎等へ導入する主な設備について申し上げますと、熱源はガス式空調熱源に地中熱を組み合わせた、中央熱源システムとし、改修後の南庁舎の熱源も統合いたします。空調は天井や床からの放射空調を基本とし、ゾーンごとに室内温度や風量を制御いたします。自然採光を確保できるよう窓の位置や大きさ等に配慮し自然採光を確保し、執務室内の照明は調光対応のタスクアンビエント照明方式により、省エネと快適性を実現いたします。また、LED照明の導入、点灯エリアの細分化、トイレや通路等の照明はセンサーによる制御により、庁舎全体の電力の消費削減を図ってまいります。 建物の外装等においては、庁舎中央部には屋上へ通じるエコボイドを設置いたしまして、自然採光や自然通風を積極的に取り込みます。建物の外部には、水平ひさし、縦ルーバー等を設置し、夏季の日射遮蔽の効果を高め、冷房負荷を低減いたします。建物全体の断熱効果を高めるため、断熱性の高い屋根や外壁、高断熱のペアガラス、木とアルミの複合断熱カーテンウオール等を採用し、熱効率に優れた庁舎といたします。 自然エネルギーにおきましては、地中熱の利用や太陽光パネルの設置、さらに既存本庁舎高層棟地下躯体をクール・ヒートトレンチとして改修し、地下の安定した空気を新本庁舎に取り込み、空調機の負担を低減する設計といたしました。庁舎全体では、使用するエネルギーを見える化し、最適化、省エネ化を推進するため、年間を通して庁舎全体で利用するエネルギー管理をBEMS(ベムス)装置、いわゆる中央監視装置で行います。 続きまして、武石地域総合センター整備事業について申し上げます。武石地域総合センターの基本構想及び基本計画の策定に当たりましては、環境負荷の低減について、市が目指す省エネや温室効果ガス排出量の削減目標を考慮して検討を重ね、自然エネルギーの有効活用と省エネルギー化の方針を明確に示しております。この方針に基づき、自然エネルギーの有効活用といたしまして、20キロワット相当の太陽光発電設備を設置すること。また、建物中央に広く確保した光庭により、自然採光、自然通風を生かした、環境への負担を軽減した施設を目指します。ホワイエには化石燃料を使用しないペレットストーブを導入し、温暖化防止に対する考え方を利用者に向かって発信してまいる計画でございます。さらに、武石地域の特徴でございます恵まれた森林資源を有効活用し、武石財産区産の木材を使用することで、地域内外に森林資源の循環サイクルの推進をPRしていくことになると考えております。 以上、申し上げましたように、エコオフィスうえだの計画理念に基づき事業を進めておりますが、今後につきましても地球温暖化防止に向け検討を重ねながら、上田市庁舎改修・改築事業及び武石地域総合センター整備事業を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕
    ◆16番(金沢広美君) 答弁頂きました。 次に、SDGsとソサエティ5.0との関係についての質問です。SDGsは、貧困、教育、エネルギー、気候変動など17の目標から成り、全ての国連加盟国が共有する国際目標です。2016年改定指針のビジョンとして、日本が、世界を誰一人取り残されることのない持続可能なものに変革するとして、ジェンダー平等の実現と気候変動の対策を優先課題にしました。 日本において2019年はSDGs元年と言われ、多くの企業団体が取組を大きく前進させ、国際社会の中で日本はSDGsが最も進んでる国の一つと評価されております。 そこで伺います。上田市のSDGsの取組はどうか。当初予算の編成方針にある7つの重点分野には、SDGsを原動力とした持続可能な社会の構築、ソサエティ5.0の実現とあるが、経済発展と地球温暖化防止の双方を実現していくにはどう取り組むべきか、伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) SDGsの2030年までの取組はどうかのご質問でございます。 市では、現在改定中の第二次上田市総合計画後期まちづくり計画において、SDGsに掲げる目標と関連づけて計画を策定しているところでありまして、特にゴール13「気候変動に具体的な対策を」の目標に対しては、温室効果ガスの排出を抑制して地球温暖化防止対策を推進すること、太陽光など再生可能エネルギーなどの利活用を推進することを施策として掲げる予定であります。 気候変動に対しましては、再生可能エネルギーの利活用を推進し、温室効果ガス排出削減による地球温暖化の緩和策を進めると同時に、気候変動の実態に対しては、その影響による被害の回避や軽減に向けてハザードマップの作成や河川の治水対策の推進などの適応策が必要となります。市としましては、引き続き緩和策と適応策の推進、そして市民意識の醸成により気候変動問題に取り組んでまいります。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 私からは経済発展と地球温暖化防止、これについてお答えいたします。 上田市におきましては、現在、第二次総合計画後期まちづくり計画の策定を進めておりますが、計画の策定に当たりましては、持続可能な都市経営、いわゆる自治体SDGsの理念を掲げ、SDGsという世界共通の物差しを導入し、市の立ち位置や状況を客観的に分析するとともに、SDGsの目標を市の施策に関連づけ、施策体系を再構築するとしております。また、国がSDGsの達成とともに推進しているソサエティ5.0の実現も念頭に置き、上田市政策研究センターの研究結果も踏まえながら、導入可能な取組について検討を進めております。 このソサエティ5.0とは、AIやIoT、ロボット、ビッグデータなどの革新的技術を社会やあらゆる産業に取り入れることにより実現する新たな未来社会の姿であって、狩猟社会、これをソサエティ1.0、農耕社会、ソサエティ2.0、工業社会、ソサエティ3.0、情報社会、ソサエティ4.0に続く、人類社会発展の歴史における5番目の新しい社会の姿とされ、超スマート社会を指すものとされております。 この未来社会では、健康・医療、農業・食料、環境・気候変動、エネルギー、また安全・防災、人やジェンダーの平等などといった様々な社会的課題の解決とともに、国や人種、年齢、性別を超えて必要な物やサービスが必要なだけ届く快適な暮らしが実現すると言われております。 国では、令和元年6月に閣議決定しました「経済財政運営と改革の基本方針2019~「令和」新時代:「Society5.0」への挑戦~」におきましても、地方創生に向けてソサエティ5.0を日本全国で促進し、豊かで暮らしやすい地方を実現していくとしております。これを踏まえまして上田市におきましても、令和2年度当初予算編成方針における7つの重点分野の1つとして、SDGsを原動力とした持続可能な社会の構築、ソサエティ5.0の実現を掲げたところでございます。 ご質問の経済発展と地球温暖化防止の双方を実現するにはどのように取り組むべきか。これにつきましては、世界規模でこのSDGsの取組を推進することにより、SDGsの目標13に掲げる気候変動とその影響に立ち向かうため緊急対策を取ることを実行し、気候変動に起因する危険や自然災害に対する回復力及び適応力を強化することが必要とされ、また一方で、国際的な理解と協力が課題であると、このように言われております。 市といたしましては、これらSDGsの基本的な理念やソサエティ5.0を踏まえた地方創生を目指す取組を進めることにより、気候変動問題に対応していくことが重要であると考えております。具体的には、小中学校での環境教育の推進を含む市民への環境教育の推進、食品ロス削減を初めとする循環型社会の構築、二酸化炭素削減に向けたエネルギーの高効率利用や化石燃料の削減、自然エネルギーの利活用と再生可能エネルギーによる二酸化炭素排出の削減、こういったことを施策として掲げ、取組を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 温室効果ガス削減の取組として、大学構内で発生する温室効果ガス排出量を実質ゼロを目指す大学や、気候変動の研究を積極的に行っている世界、国内の大学の動きは1万6,000以上と言われております。 上田市内の大学や教育機関の取組状況はどうか。また、上田市と大学による関わりや連携はどのように捉えているか、以上、お聞きいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 市内の各大学では、気候変動に関連しまして、教員が所属する学会での研究会や勉強会、また森林や河川などをフィールドとした環境に関する研究、活動等が行われている状況であります。 大学と連携した市の取組につきましては、これまで信州大学繊維学部と連携しまして、エコオフィスうえだに掲げる温室効果ガス排出量の削減に向け、市有の施設、市有の温泉施設等への木質バイオマスボイラーの導入を検討したほか、長野大学と連携しまして、食品ロスの削減意識の醸成のためチラシなどの啓発用品を作成するなど、各大学の教員や学生との協働による事業にも取り組んでいるところであります。また、市内の小学校においては、アサガオやゴーヤなどの緑のカーテンに取り組むなど、省エネ行動により温室効果ガスの削減に取り組んでいます。 こうした取組に加えまして、県内では、長野県立大学や信州大学など、SDGsの視点を取り入れた目標設定や達成に向けた取組を先進的に実践されている大学も多くあることから、市としましても環境問題などの地域課題の解決に向け、市内の大学等との連携を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(土屋勝浩君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 国連創設75周年を記念しての取組がUN75イニシアチブです。様々な形で場を設け、中心課題を気候変動とし、対話による行動を今年の1月から繰り広げております。気候変動問題を解決に向けて進んでいくことは地球規模の問題であり、ましてや一人の人間ができることは小さなことかもしれません。しかし、子や孫、この先の子孫といった将来の世代に対して、私たち一人一人が今対応を通じた共同作業とビジョンに対する共感の広がりが温暖化防止への行動に進んでいくのだと考えます。 地球温暖化対策に積極的に取り組む首長、自治体であることを表明する世界首長誓約日本、これはEUなどで進めてきた国際的活動で、パリ協定の目標達成に地域から貢献しようと、世界139か国、1万を超える自治体首長誓約が行われ、日本国内では22の府市町村が誓約し、長野県では高山村が2018年に誓約しました。松本市は、今年1月、首長誓約し、松本市地球温暖化対策実行計画の中に取り入れました。自治体が取り組むことにより、コーディネーターやサポーターの支援を受けます。自治体はブランド力が高まります。行動する第一歩として、世界首長誓約日本について土屋市長の見解を伺い、最後の質問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 世界首長誓約は、持続可能な強靱な地域づくりを目指しまして、同時に2015年に採択されたパリ協定の目標の達成に地域から貢献しようと、自治体の首長がその旨を誓約し、そのための行動計画を策定した上で具体的な取組を積極的に進めていく国際的な仕組みであります。 全国ではこれまでに22の自治体の首長がこの取組に誓約しており、県内では、先ほどご指摘のように松本市と高山村がこの誓約に基づき、気候変動対策に取り組んでいます。 内容といたしましては、気候エネルギー行動計画を策定し、実施することにより、持続可能なエネルギーの推進、温室効果ガスの大幅削減、気候変動の影響への適応に取り組んでいくものでありまして、誓約に当たっては、国の温室効果ガス排出削減以上の目標設定など、より野心的な行動計画の策定を要するものであります。 松本市や高山村が取り組んでいる世界首長誓約と長野県の気候非常事態宣言は、共に気候変動対策に積極的に取り組むための意思を示すものであります。一昨日の久保田議員の質問に対しまして答弁を申し上げましたが、私といたしましても、低炭素社会を目指し、様々な行動を起こしていくことが必要であると感じています。 上田市といたしましては、長野県の気候非常事態宣言に賛同し、気候変動への緩和策や適応策について、前向きに積極的に取り組んで結果を出してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 金沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時33分   休憩                       ◇                                午後 2時50分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第17号、市政について、古市議員の質問を許します。古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) 通告いたしました2点について質問いたします。 まず、国民健康保険について質問します。昨年9月、安倍首相は自らを議長とする全世代型社会保障検討会議を立ち上げ、社会保障全般にわたる改革に向けた議論を進めております。その内容は、年金の大幅削減、医療、介護の負担増と給付削減、病室淘汰の推進など、国民の生活と人権を脅かす改悪です。これらの案に対し、自治体関係者、医療、介護関係者などから、根本的な見直しを求める声が上がっております。 国民健康保険は、全ての国民の生命と健康を守る国民皆保険制度を支える最後のセーフティーネットです。しかし、国保は、協会けんぽなどと比較して、加入者1人当たりの保険料負担率が所得に対して1割以上と非常に重い負担となっています。高過ぎる国保税の問題の解決は、住民の命と健康を守るために国政と地方政治の重要な課題です。国による大改悪の動きの一方、自治体からは、国保税負担軽減のため抜本的改革を求める声が上がっています。 全国市長会では、昨年6月、国民健康保険制度等に関する重点提言を行いました。主な内容は、国庫負担割合の引上げなど国保財政基盤の拡充強化、特に低所得者層の負担軽減策の拡充強化、子供に関わる均等割保険料を軽減する支援制度の創設、財源確保、また各種医療費助成制度等、全ての地方単独事業に関わるペナルティーの廃止です。全国知事会でも、昨年7月、同様の趣旨の要望をしております。要望に対する市長の見解を伺います。 国は、2018年度の国保の都道府県化に際し、自治体の国保行政を国が採点し、成績がよい自治体に予算を重点的に配分する保険者努力支援制度を導入しました。繰入れ解消、収納率向上、医療費削減などに自治体を駆り立てる仕組みです。 厚生労働省は、来年度からは、国保税軽減のため一般会計から国保会計に法定外繰入れを行う市町村に対し、予算を削減する新たなペナルティーの仕組みの導入を決めました。法定外繰入れは、減点対象となる決算補填等目的とその他がありますが、今年度の上田市の法定外繰入額と内容はどうか、伺います。 また、上田市国保事業基金の残高は昨年度末で12億8,000万円余でしたが、今年度末の見通しはどうか。基金残高は保険給付費の5%程度必要と言われてきましたが、今年度末の基金保有割合の見通しと考え方を伺います。 1問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 平成30年度から国保制度改革が施行され、県が財政運営の実施主体となりました。安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国民健康保険制度が抱える、年齢構成が高く医療費水準が高い、所得水準が低く保険料負担が重いなどといった構造的な課題が県と市町村が一体となって対応しているところであります。 また、この制度改革により新たな財政運営の仕組みが構築されまして、平成27年度から先行して、毎年度1,700億円、平成30年度からさらに1,700億円を追加し、毎年度3,400億円規模の公費の拡充となりました。このように国保制度改革をさらに進め、将来にわたり安定的で持続可能な制度とするため、先ほどもご指摘がありましたが、全国市長会では国民健康保険制度等に関する重点提言が決議され、この重点提言の中では国保財政の基盤強化のための財政支援や子供に関わる均等割保険税の軽減及び必要な財源の確保、地方単独の子供医療助成に係る減額措置の廃止を掲げ、国に対し要望しております。また、全国知事会におきましても、国民健康保険制度につきまして、同趣旨の要望を国にしているものと承知しております。 市といたしましても、将来にわたって持続可能な国民健康保険制度の安定的な運営を図るため、国の財政責任の下、地方と十分な協議を行いながら、国民健康保険制度の安定化を着実に進めるための積極的な措置が講じられるよう、今後とも国の動向を注視してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 私からは、今年度の市の法定外繰入額、そして基金残高の見通し、併せまして保険給付費に対する基金保有割合について答弁申し上げます。 最初に、一般会計から国民健康保険事業特別会計の繰入金でありますが、令和元年5月14日付の総務省通知によりまして、一般会計から国民健康保険事業特別会計に繰り出す基準が通知されております。この通知に基づいて繰り出しを一般会計から行うものを法定内繰入れと申します。そして、それ以外を法定外繰入れと分離をいたしております。また、法定内繰入れにつきましては、国と地方の財源調整の一環といたしまして地方財政措置が行われてる状況でございます。 上田市国民健康保険事業特別会計においては、法定内繰入れといたしまして保険基盤安定制度、国保財政安定化支援事業による繰入れのほか、出産育児一時金に対する繰入れ、あるいは一定の事務費に対する繰入れ等を行っております。 ご質問にございました決算補填、財源補填等が目的である法定外の一般会計からの繰入れについてでございますが、上田市におきましてはこの繰入れは行っておりません。保険者努力支援制度の中では、決算補填、財源補填の目的の法定外繰入れがないと評価される仕組みとなっておりまして、上田市ではこの繰入れは行っていないことから、評価項目では加点となっている状況にございます。 次に、基金残高の見通しについてでございますが、今年度の国保税の収納状況や保険給付費の状況等を踏まえまして、最終的な決算見込みを現在積算しているところでございますが、令和元年度末の基金残高につきましては約10億円から12億円程度を見込んでおります。 次に、保険給付費に対する基金保有割合と基金に対する考え方でございますが、まず基金保有割合につきましては、令和元年度当初予算ベースでは、保険給付費約108億6,000万円に対しまして、基金保有額は約12億8,000万円でございますので、基金保有割合は約11.8%でございます。 国民健康保険事業基金についての考え方でありますが、国保制度改革前につきましては、保険給付費の増加、保険税収入が減少したときなどの財政調整のために活用することを考えておりました。一方、制度改革後は、市町村の保険給付費等の必要な費用は県から交付されることから、基金の活用につきましては、過去におきまして国保運営協議会からの答申を踏まえまして、現在のところ、一定規模の保有と在り方を検討しつつ、国保税の急激な上昇を抑えるためと経済情勢の悪化による収納不足の備えとして活用することといたしております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁を頂きました。 来年度の上田市の国民健康保険税については、全体改定率1.1%減とする条例改正案が今議会に提案されております。来年度の県への納付額は、今年度より5億7,000万円減の35億8,100万円余、1人当たり納付額は11万5,715円で、今年度の90.41%となっております。もう少し減額率を上げることができなかったのか、減額率についての考え方を伺います。 また、来年度からは資産割が廃止となり、応能割と応益割の比率が52.29対47.71となり、応益割が僅かですが上がっております。そのため税額が上がる被保険者もあり、特に低所得者への影響が大きいのではないかと懸念されます。見解を伺います。 来年度の税率の改定内容は、医療給付費分、後期支援金分は、所得割率、均等割額、平等割額がいずれも下がっていますが、介護保険分がいずれも上がっております。税率改定により課税額が増加する被保険者の割合はどうか、伺います。特に、7割、5割、2割軽減となっている低所得者の割合はどうか、伺います。 介護保険分が発生する被保険者は40歳から64歳までの方です。最も子育てにお金のかかる世代が含まれます。国保税は所得がなくても発生する制度であり、所得税、住民税と違って、所得から33万円の基礎控除を差し引いた所得に課税されます。扶養控除も、寡婦控除も、障害者控除もありません。本来控除すべきと考えますが、子供がいる世帯、多子世帯、ひとり親世帯、障害者世帯などを市では把握しているか、伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 今回の国保税率改定による減額率と低所得者への影響についてのご質問でございますが、国民健康保険は、平成30年度から国保制度改革に伴いまして、市町村は国民健康保険税を賦課徴収し、都道府県において国保事業費納付金を納付する都道府県に国保事業費納付金を納付する仕組みとなり、過日示されました令和2年度の事業費納付金に必要となる国民健康保険税の税率の改定について、今議会に条例改正案を提出させていただいておるところでございます。 国保税率の改定につきましては、上田市国民健康保険運営協議会に諮問し、本年1月27日に答申を頂いたものでありまして、この答申内容を尊重したものとなっております。議員ご指摘のとおり、令和2年度の事業費納付金は前年度と比較して減となっておりますことを踏まえまして、賦課総額は、改定前の税率で計算した場合と比べまして全体改定率はマイナス1.1%となっております。 事業費納付金でありますが、毎年度、県が市町村ごとの被保険者数、所得水準、医療費水準等のほかに、公費の清算分や市町村独自の事業費などを基に算出されます。また、県はこの事業費納付金を集めるために必要な標準保険料率を算定いたしまして、市町村はこの保険料率を参考に実際の保険料率、これを決定することとなります。令和2年度の算定におきましては、平成30年度の長野県国民健康保険特別会計決算における余剰金を充てた影響等によりまして、県全体で納付金額が減少したため、この結果として減額となっておるところでございます。 上田市国保の財政運営の状況でございますが、令和2年度の納付金は平成30年度の県の余剰金が充てられるため減額となる一方、元年度におきましては、2年前の公費清算、具体的には前期高齢者交付金の清算などの影響がございまして大幅な増額が予想されたことから、基金の繰入れを予定しております。このように特に医療費分の納付金は医療給付費以外の不確定要素に左右されるため、納付金と同額の減額率として税率改定を行うことは適当でないというふうに考えて改定を行ったものでございます。 なお、上田市国保運営協議会におきましては、令和3年度は反動により大幅な引上げ改定になるのではないか、あるいは医療費が上がり、被保険者数の減少が続いている中では改定率は据え置くべきではないかのご意見もございまして、議論を経た後、それらを踏まえた上で事業費納付金の減額も勘案しながら、協議会からの答申は全体改定率をマイナス1.1%と答申を頂いたものであり、それに沿った形で改定をすることといたしたものでございます。 次に、応益割についてですが、事業費納付金の算定については国からガイドラインが示されておりまして、所得水準等により、所得割、資産割で構成される応能割と、均等割、平等割で構成される応益割の賦課割合を定めることとされております。県は国保運営方針におきまして、ガイドラインに基づきまして、応能割合を49、応益割合を51で標準保険料率と算定いたしております。 当市におきましては、応能割の比率が高く、県の示す標準保険料率との乖離が生じた状況となっております。このため国保運営協議会におきましても、標準保険料率に基づく賦課割合に近づけることが求められております。これらを踏まえまして、段階的に応益割へ比重を置く改定を行ってきているところでございます。 市といたしましては、税率改定の際に低所得者に急激な負担とならないように配慮しつつ、将来的に県が示す標準保険料率に基づく賦課割合に近づけていくよう努力していく必要があるというふうに考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 次に、今回の税率改定により課税額が増加する被保険者の割合についてのご質問でございますが、令和元年度と課税の条件が同じ場合、医療分、後期支援金分、介護納付金分の3区分のうち、40歳から65歳未満の介護2号被保険者がおいでになる世帯は、課税額が増加する可能性がございます。これらの理由といたしまして、全ての被保険者に課税される医療分と後期支援分を合計した税率等の引下げを行った一方で、不足が生じ、基金等で補っていた介護納付金分の税率等を上げたことによるものでございます。 令和2年1月末現在の国保全世帯の2万703世帯のうち、課税額が上がると見込まれる介護2号被保険者がいる世帯は8,258世帯で、全体世帯に占める割合は40%でございます。そのうちいずれかの軽減に該当する世帯が4,606世帯、率にして約22%であり、内訳としましては7割軽減世帯が2,480世帯、率にいたしまして約12%、5割軽減世帯が1,213世帯、率にいたしまして約6%、2割軽減世帯が852世帯、率にいたしまして約4%となっております。 また、先ほど申し上げました介護2号被保険者世帯の8,258世帯の軽減世帯のうち、子供がおいでになる世帯は988世帯で、割合は約5%であり、そのうち3人以上の子供がいる多子世帯は136世帯で、割合は約0.7%となっております。 なお、令和2年度からは資産割が廃止となりますが、介護納付金分が賦課される8,258世帯のうち、資産割が課税されるのは4,155世帯と約半分と見込まれますので、固定資産税の額によりましては、介護納付金分の増額分を資産割分の減額分が上回る場合もあるため、課税額が減少する世帯も少なくないものと考えております。いずれにいたしましても、介護2号被保険者がおいでにならない約6割程度の国保加入世帯では、課税額が下がるものと見込んでいるところでございます。 なお、ご質問にございましたひとり親世帯、障害者世帯の割合につきましては、国民健康保険税の課税額を算出するための必要な要件とはなっていないため、把握はしておりません。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁を頂きました。 来年度の国保税、やはり介護保険分が上がることにより税額が上がる世帯が多いという内容でございました。40%ということで、資産割の方、減るということで、必ずしも全部が全部ではないということですけれども、そういう内容でございました。そして、やはり子供さんがいる世帯が多いということであります。少しでも軽減を考えていく必要があるのではないかと思います。提案いたします。 独自の減免を行う自治体、増えております。例えば人口11万4,000人余の埼玉県ふじみ野市では、18歳未満3人目以上、全額減免を2018年度から実施しております。基金から繰入れをしまして733万円ということです。上田市で今申し上げた条件で実施した場合、対象世帯数、人数、減免額はどのくらいになるか、伺います。 上田市の国保事業基金の残高は、昨年度末では県内で最も多額となっております。今年度末でも10億円から12億円という見通しとお聞きいたしました。また、保険給付費に対する割合も11.8%ということで、大変高くなっております。基金を活用した市独自の減免制度を検討すべきではないかと考えます。見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 続きまして、3人以上の子供の均等割減免を実施した場合等の減免額等について申し上げます。子供の均等割額は、医療分と後期支援分でそれぞれ賦課がされます。令和2年1月末現在のデータで申し上げますと、高校生以下の被保険者が3人以上いる世帯を算出いたしますと、対象世帯は229世帯、被保険者数は293人となり、減免を行った場合の減免額でございますが、約600万円余になると試算いたしております。 次に、市独自の減免制度の検討についてのご質問でありますが、国民健康保険は、保険給付に要する費用を被保険者の負担能力と受益の程度に応じて負担をいただく保険税等によって賄うことを基本といたしております。市町村においては、国民健康保険法や地方税法に基づき、世帯の負担能力に応じて賦課する所得割、資産割と、受益の程度に応じまして賦課する均等割、平等割との合計額によって保険税を算定することとなっております。 また、制度上、国民健康保険税は、世帯の加入者の増加に比例して負担いただく国保税が多くなる仕組みでありますことから、地方税法では、低所得者世帯の応益割の負担軽減措置といたしまして、世帯の所得に応じて、7割、5割、2割の軽減措置が定められておるところでございます。この制度、軽減制度でありますが、世帯の被保険者数の増加に応じて軽減対象所得が拡大する制度となっておりまして、上田市におきましては、約半数以上の世帯がいずれかの軽減対象になるという、こういった状況にございます。 また、国民健康保険事業基金につきましては、先ほども触れさせていただきましたが、平成29年度の上田市国民健康保険運営協議会の答申の中で、一定規模の保有と在り方を検討しつつ、当面は国保税額の急激な上昇を抑えるために活用することとされております。先ほどご答弁申し上げたように県の事業費納付金については、医療給付以外の不確定要素によりまして金額の増減がございます。また、被保険者数の減少傾向が見られること、これが賦課総額の減少につながるといったことも想定されます。こういったことから、基金の活用につきましては慎重に対応する必要があるものと考えております。 今後、県全体で保険税水準を統一するといった動きもありますことから、現段階では、市としては子供や低所得者に対する新たな減免や軽減等を行う考えは、現在ございません。 なお、子供に係る国保税の均等割減免につきましては、全国でも一部自治体において導入されていることは承知はいたしておりますけれども、このことについては全国市長会等から国に対しまして提案がされている状況にもございますし、市といたしましても、引き続きその動向を注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁を頂きました。 国民健康保険証は毎年10月1日から1年間の有効期間で発行されますが、上田市では滞納対策として多くの保険証を窓口で留保していました。私は何度も改善を求めてまいりました。2017年10月1日現在1,133件、2018年は211件まで減らしたということです。昨年10月1日現在もかなり減らしたとお聞きしておりますが、留保数と減少した理由、その後の対応状況を伺います。 上田市では短期保険証を県内で一番多く発行しております。期間は6か月が基本ですが、滞納状況によって1か月から6か月まであります。昨年1月1日現在の短期保険証の発行数は2,691件でした。今年1月1日現在の短期保険証の発行状況を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 短期保険証の留め置き、いわゆる窓口交付の件数、対応後の状況についてのご質問でございますが、短期保険証とは、国民健康保険法第9条第10項の規定によりまして、通常定める12か月の有効期間よりも短い期間を定めた被保険者証でございます。発行基準といたしましては、上田市国民健康保険税の滞納者に係る措置の実施要綱、これに基づきまして過年度において国民保険税の滞納があり、定期的に納税相談及び納税指導を行う必要がある方に対しまして、12か月の満期保険証ではなく、原則として有効期間を6か月とする短期保険証を交付いたしております。 短期保険証のうち、前年度の所得の申告がないなど生活実態が把握できない方で、納付案内センターからの案内や督促状あるいは催告書の送付などに対し、一切ご連絡を頂けない方を中心に窓口交付対象者としておりまして、令和元年10月1日現在の件数は35件でございました。 窓口交付対象者が減少してまいりました理由でございますが、平成30年度からは所得の低い世帯である国保税の軽減対象世帯を対象外としたこと、また、ここ10年近く窓口交付を継続しておる中で、所得の低い方の生活状況がおおむね把握ができてきたことが挙げられます。 窓口交付対象者の状況でございますが、先ほど申し上げました35件のうち、来庁または完納など反応があった方が10件、転出し上田市の国保資格を喪失した方が2件ございました。残りの23件につきましては、セーフティーネット対策といたしまして、令和元年12月26日に令和2年3月末を有効期限とする短期保険証を送付しております。 次に、今年度の短期保険証の発行状況でございますが、令和2年1月1日現在では、有効期間4か月の発行件数が25件、有効期間6か月の発行件数が1,636件、窓口交付はしたものの、その後の有効期限の切れた方が3件ございました。その後、3件の方には、個別の納付相談によりまして短期保険証発行済みとなっておりますことから、現在、保険証がない方はゼロ件となっております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁を頂きました。 保険証の窓口留保及びその後の対応等、大きく改善されたことは評価をいたしますが、短期保険証の発行数はまだ多い状況です。有効期間が今は1か月から6か月までは発行していないということでしょうか。6か月の短期保険証は大変多い状況であります。 長野市の例をご紹介申し上げます。長野市も以前は滞納整理と絡めてかなり多くの短期保険証を発行しておりましたが、平成22年度より1年以上保険料納付のない滞納者のうち軽減世帯を除外し、その上、納付相談のない方に対し、6か月間有効の短期保険証を発行することにしたということです。その結果、1,938件が59件にまでなったということです。また、長野市では、まず簡易書留で全て発送して、不在等で戻ってきた方に改めて通知しております。それでも受け取りに来ない方には、電話連絡、また戸別訪問も行っているということです。一日も早く手元に届くよう努力しているというお話です。その結果、昨年1月1日現在は18件あったという報告があります。 今、上田では、1か月から6か月、短期保険証発行されていないかもしれませんけれども、6か月の発行ということも大変煩雑な事務だと思います。それが市民の立場に立った本当に適切な判断なのか、検証していただいて、見直す必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 短期保険証の有効期間の見直しについてでありますが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、上田市では短期保険証につきましては、上田市国民健康保険税の滞納者に係る措置の実施要綱に基づきまして、原則といたしまして有効期間を6か月とする短期保険証を交付しているところでございます。 原則6か月の有効期間を定めた短期保険証、これを交付いたしておりますが、窓口交付対象者のうち一部は滞納者の実情に応じまして1か月から5か月の有効期間を定め発行いたしている実態がございます。発行事務につきましては、システムの保険証の再交付と同様の手順によるということになるわけでありまして、実務上、煩雑とならないこと、また納税相談の機会、これを確保するために有効期間をそれぞれ定めておりますことから、きめ細かな納税対策を実施する上では、従来どおりの方法によりまして短期保険証を発行してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁頂きました。 住宅政策について質問いたします。人口減少時代とともに空き家の増加とその対策が今日の住宅政策の主要な課題となりました。上田市でも空き家対策については、建築指導課が8部13課から成る庁内検討会の事務局を担ってきましたが、今年度から空家対策室が設置されました。業務内容と今年度の実績、また新年度の事業計画を伺います。 続けて質問いたします。住まいのセーフティーネットの最後のとりでと言われる公営住宅は、ほとんどの自治体が入居条件として1名か2名の保証人を義務づけてきました。上田市でも2名となっております。保証人確保が壁となって、住宅弱者が入居できない事例が後を絶たず、国土交通省は2018年3月、都道府県と政令指定都市に保証人確保を条件から外すことを促す通知を出しております。今年1月現在、8都県と13政令指定都市が既に廃止を決め、今後も増える見通しです。身寄りのない独り暮らしの高齢者が増えていることが背景にあり、さらに今年4月から改正民法が施行され、保証人が負う上限額の設定が義務づけられます。負う金額があらかじめ具体的に示されることで、かえって保証人になることを避ける動きも見込まれるわけです。上田市においても、保証人を不要とするか、1人とするなどの緩和策を検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 私からは、空き家対策の業務内容と今年度の実績、新年度の計画について答弁いたします。 平成31年4月に空家対策室が新設されました。市内の空き家対策については、平成28年度に実施した空き家対策等実施調査の結果、3,415戸あることが判明しており、これらの空き家については平成30年度に策定した上田市空家等対策計画に基づき、適正な管理等の促進を図ってきております。 空き家は、老朽化の度合いや危険度により状態のいいほうから、A、B、Cの3段階に分類しております。平成28年度の空き家等実態調査の結果の時点では、Aランクの空き家は市内に2,841戸、Bランクは476戸、Cランクは98戸となっております。ランクの考え方ですが、Aランクは修繕の必要がほとんどないもの、Bランクは損傷は見られるが当面の危険性がないもの、Cランクは損傷や老朽化が著しいものとしております。 このうち空家対策室では、損傷や老朽化が著しいとされたCランクを優先的に再度の現地調査と、建物所有者には文書で適正な管理をお願いするなどの対策に取り組んでまいりました。結果、平成28年度調査時点では、市内に98戸ありましたが、今年2月末時点では、このうちの19戸が解体いただいてるところでございます。また、昨年10月からはBランクの空き家についても再度現地調査を行っているところでございます。 続きまして、新年度の取組といたしましては、解体を考えている空き家所有者の中には、費用面の問題により実施できないという方も大勢おられます。このため、老朽化が進んだ危険な空き家の早期解消と周辺住民の安心安全な暮らしの確保、住環境の改善等を図ることを目的とし、解体費用の負担軽減と、その後の跡地利活用を推進するため、費用の一部を市から補助金として交付できるよう、当初予算に計上させていただきました。 また、老朽化が進み、周辺環境に影響を及ぼすおそれがある危険な空き家の中で、所有者が不明のものや必要な対策をしていただけない場合については、上田市空家等対策協議会で意見等を聴取した上で、必要に応じ、特定空家等に認定し、助言、指導、勧告などの措置を行うなどの対策も検討してまいりたいと考えてるところでございます。 また、今年度から行っている空き家・住宅相談会については、これまでに2回開催しておりまして、今月も開催する予定でございます。この相談会には多くの方から相談の申込みを頂いておりまして、疑問や不安等で空き家の対策や解体への一歩が踏み出せない方へのきっかけづくりとして有効な手段の一つとして考えていることから、新年度以降もさらに回数を増やして開催していく予定でおります。これら新たな施策等も含め、空き家対策を推進してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 市営住宅の入居要件としている連帯保証人についてお答えいたします。 現在、上田市営住宅等に関する条例の規定に基づきまして、2人の連帯保証人をつけて入居の手続を行っていただいております。入居決定者に連帯保証人をつけていただくようお願いしている理由としましては、入居中に家賃を滞納した場合、または不測の事態が発生した場合等において、入居者に代わって対応していただくためであります。 昨今、入居者の高齢化等により、単身入居者に不測の事態が生じる事例が多いことから、市営住宅の管理運営に万全を期すためにも、引き続き2人の連帯保証人をお願いしていきたいと考えております。なお、県内18市におきましても、原則、保証人をつけていただいた上で市営住宅の入居手続を行っている状況であります。 ただし、生活保護受給者の方につきましては、条例に規定する特別の事情があると認める者としまして、福祉事務所長の確認書の提出により、連帯保証人が1人であっても入居を可能としております。 また、このほかに生活保護受給者以外の方で住宅に困窮しており、身寄りがない、または親族等と疎遠状態になっているなどの理由から2人の連帯保証人を探せない場合は、この3月募集からでありますが、長野県社会福祉協議会で行っている長野県あんしん創造ねっとの入居保証・生活支援事業を利用することによりまして、連帯保証人が1人であっても入居を可能といたしております。この入居保証の対象者は、連帯保証人が確保できず賃貸住宅への入居が困難な方で、かつ上田社会福祉協議会が運営する生活就労支援センターまいさぽ上田の支援プランを利用することによりまして、自立した地域生活を送ることができる方としております。今後も、連帯保証人免除の特別措置につきましては、他自治体の状況も把握しながら研究してまいります。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) 最後に1つだけお聞きいたします。 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台とも言うべきものです。住宅政策は、戦後から長い間、国が取り組むべき課題でありましたけれども、自治体にとっても、自治体における独自の住宅政策の重要性は高まってきております。上田市における住宅政策の基本的な考え方、また課題、そしてまた住宅政策を総合的に推進するための体制整備、総合的な計画が必要ではないかと思います。見解を伺って、質問を終わります。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 住宅政策の基本的な考え方でありますが、人口の減少や少子高齢化の進展、世帯の細分化とともに生活様式が多様化している中で、経済的または社会的な理由に影響されず、誰もが安定して住まいを確保できるよう様々な住宅施策を講じていく必要があります。 住宅施策の課題でありますが、少子高齢化、住宅に困窮する世帯への対応、また空き家対策、省エネルギー住宅の普及や住宅の耐震化、老朽化している市営住宅の対応等、多岐にわたります。 住宅施策の総合的な計画については、平成30年3月に策定しました市営住宅等長寿命化計画には、住宅施策の基本目標など従来の住宅マスタープランの内容を含んでおります。このため、安全安心な快適環境のまちづくりの実現に向けまして、第二次上田市総合計画を最上位計画としまして、個別計画である市営住宅等長寿命化計画や空家等対策計画等を将来のまちづくりの指針であります立地適正化計画と整合を図りながら実施してまいります。これらの計画を着実に推進するために、今後も庁内関係部局が緊密な連携体制を取り、各種住宅施策を推進してまいります。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時35分   休憩                       ◇                                午後 3時50分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第18号、市政について、成瀬議員の質問を許します。成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) 通告に従い、順次質問してまいります。 まず、自殺対策について伺っていきます。日本の自殺者数は、平成10年以降、3万人を超える状況が続き、大きな社会問題となりました。このことから平成18年に自殺対策基本法が制定され、厚生労働省の公表している平成30年の自殺者数の年次推移によると、平成15年の3万4,427人をピークに平成30年には2万840人になり、減少傾向へと向かうようになりました。しかし、いまだに年間2万人を超える方が自殺をしてしまう現状であり、自殺対策は喫緊の課題であると思います。 そこで、まず上田市での自殺者数の推移はどうか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、全国的な自殺者数の傾向について申し上げます。 我が国の自殺者数は、平成10年度以降平成23年度までに14年連続で3万人を超える状況が続いておりました。こうした中、平成18年に自殺対策基本法が制定され、翌年、自殺総合対策大綱が策定され、国を挙げて自殺対策が総合的に推進された結果、自殺者数は減少傾向となり、直近の平成30年では全国で2万668人、人口10万人当たりの自殺率は16.2となっております。また、長野県全体を見ましても、国と同様に近年減少傾向にございまして、平成30年は335人、自殺率は15.9となっております。 こうした中、上田市の自殺者数の推移についてでありますが、上田市でも年ごとに若干の増減はございますが、全体的には国、県と同様に低下傾向にございます。 厚生労働省の「地域における自殺の基礎資料」により具体的に申し上げますと、平成30年の上田市の自殺者数は26人でありまして、自殺率は16.4となっております。また、過去5年間の推移で申し上げますと、平成26年は36人、27年は27人、28年は26人、29年は25人と、これまで徐々に低下してまいりましたが、平成30年には1名増となって26人となっております。 次に、性別では、平成30年の自殺者数は男性が20人、女性6人と、男性が約7割を占めておりまして、過去5年の推移を見ましても、この傾向は変わらない状況にございます。また、年代別では、平成30年は20代の方が6人と最も多くなっております。母数が少ないことから統計的な傾向としては不確実な面もございますが、5年間の推移を見ますと、平成26、27年は50代が最も多くなっておりましたが、近年は30代、20代といった若い世代が、割合とすれば多くなっている傾向にございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 自殺対策基本法が制定され、自殺者数が減少傾向となってはきましたが、自殺者数が年間2万人を超えていることから、平成28年に法改正され、全ての都道府県と市町村に自殺対策計画の策定が義務づけられました。このことを受けて上田市では、今年度から5か年を計画期間とする、午前の池上議員の質問の中でも少し触れられましたが、いのち支える上田市自殺対策計画を策定しました。 上田市では、法改正前から第二次上田市民総合健康づくり計画で、健康づくりの6分野のうち、心の項目で自殺対策に取り組んできましたが、この取組の状況はどうか、伺います。 また、そうした流れを受けて今回計画を策定したと思いますが、本計画の趣旨はどうか、伺います。 そしてまた、計画は地域の特徴を踏まえたものとするため、市町村単位で策定が義務づけられたものと思いますが、上田市の特徴は何か、伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、市としてのこれまでの取組について申し上げます。 議員のご質問でも触れられておいでになりましたが、市ではこれまで市民の各種健康課題に対応した施策を総合的に展開するとともに、健康づくりを推進するための計画であります上田市民健康づくり計画において、6分野の一つとして心の分野を位置づけ、身体の健康と同様に心の健康を維持することの重要性や心の病気予防、そして自殺予防につながる各種施策を展開してまいりました。 具体的には、自殺予防の普及啓発といたしまして、心の健康づくり講演会の開催、相談窓口の周知のためのリーフレットの作成、全戸配布し、広報等の掲載なども行ってまいりました。また、自殺予防を共に取り組む人材育成といたしまして、ゲートキーパーと言われる、悩んでいる人に気づき声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげる人の役割の周知や養成研修などにも取り組んできたところでございます。このゲートキーパー養成研修の実践のための研修では、平成27年度の開始以降5年間で延べ500人を超える方に受講いただいております。 このようにこれまでは精神保健的な視点を中心に自殺対策に取り組み、自殺者数も減少傾向になってまいりましたが、国レベルでは、依然、年間2万人の自殺者がいるという非常事態は続いております状況から、平成28年には法改正がなされ、全ての都道府県、市町村に自殺対策計画策定の義務づけがなされたところでございました。 この自殺対策計画策定のポイントとなる趣旨は5点ございます。まず1点目は、自殺はその多くが追い込まれた末の死であり、防ぐことができる社会的な問題であるとの共通認識の下、自殺対策は、生きることの阻害要因を減らす取組に加えまして、生きることの促進要因を増やす取組を行い、相反する社会全体の自殺リスクを低下させる方法によりまして、生きることの包括的な支援、これを推進することでございます。 2点目といたしましては、自殺を防ぐには、精神保健的な視点のみならず社会・経済的な視点を含む様々な取組が必要となりまして、こうした取組を行うためには様々な関係者や組織が、それぞれ自殺対策の一翼を担っているという自覚の下、緊密に連携することが必要となります。 3点目としましては、自殺対策は、個々人の問題解決に取り組む相談支援を行う対人レベル、包括支援を行うための関係機関等による実務連携などの地域連携レベル、法律、計画などの枠組みの整備、修正に関わる社会制度レベルがございます。こういった幾つかの対応がございますので、それぞれにおいて強力に、かつ総合的に推進することが必要でございます。 4点目でございますが、自殺は誰にでも起こり得る危機ではありますが、そうした心情や背景の理解を深めることも含めて、誰かに援助を求めることが適当であるということが、地域全体の認識となるように積極的に普及活動を行うことが重要でございます。また、身近に自殺を考えている方がいるかもしれないサインに早く気づき、速やかに専門家につなぎ、見守っていけるよう広報活動にも取り組むことが必要であります。 最後に5点目として、誰も自殺に追い込まれない社会を実現するには、市だけではなく、国、県、近隣自治体、関係団体、民間団体、企業、そして市民お一人お一人と連携、協働いたしまして、総合的に推進を図り、そのためにはそれぞれが果たす役割を明確化するとともに、相互連携あるいは協働によりまして一丸ととなって取組を進めることが必要となってまいります。 このような視点を踏まえまして、昨年、市において策定いたしました自殺対策計画でありますが、市で行っている様々な事業を自殺対策につなげるという視点で改めて検証いたしまして、関連する事業を拾い上げる棚卸しを行い、まとめを行ったところでございます。 次に、上田市の自殺の現状における特徴でありますが、平成24年から平成28年までの5年間の合計で申し上げますと、まず性別では、先ほどもご答弁申し上げましたが、男性が全体の7割を占めております。また、年代別では、50歳代の自殺が33名と最も多くなっております。 これらの原因、動機別では、男女ともに健康問題が最も多く、特に女性は63.3%を占めております。2番目の理由といたしましては、男性は経済問題、女性は家庭問題となっております。しかしながら、自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しておりまして、様々な要因が連鎖する中で起きるものと認識いたしております。 また、このほか特徴といたしましては、5年間の自殺者のうち13.9%の方が過去に自殺未遂を図っています。特に女性は30.2%に自殺未遂歴がございまして、男性の4倍を超えていると、こういった実態がございます。このことから、自殺未遂をされた方は自殺のリスクが高くなっているとはいえ、適切なアプローチや支援をしていくことは、自殺を防ぐ上で重要なポイントでございまして、医療機関等関係機関との情報共有、連携が不可欠であると考えております。 また、市では、平成28年に実施いたしました上田市民健康づくり計画策定のためのアンケート調査、この調査では、これまでの人生の中で本気で自殺を考えたことのある人の問いに対して、13.1%の方が回答しておりまして、そのときに誰にも相談しなかった人は、半数以上の56.7%となっております。 一方で、全国的に自殺防止に取り組むNPO法人自殺対策支援センター、ライフリンクによる「自殺実態白書2013」によりますと、自殺を実行した方の約70%が医療、行政機関等に相談しており、自殺に追い込まれる過程の中で何らかのSOSを発信している可能性が高く、そうしたサインに早く気づき、支援につなげる仕組みづくり、地域づくりが必要であると言えます。 さらに、今回の自殺対策計画策定に当たりまして、国が全国の市町村ごとに自殺の特徴分析をした自殺総合対策推進センターの地域自殺実態プロファイルの分析結果から、上田市の主な特徴を申し上げます。なお、このプロファイルでありますが、平成24年から平成28年の5か年間、過去5か年において自殺者数の多い上位5区分を地域の主な自殺の特徴として抽出したものでございます。 自殺者の一番多い対象群でありますが、男性の60歳以上で、無職で家族と同居している対象群でありまして、人口10万人当たりの自殺率は37.8と、平均の2倍となっており、背景にある主な自殺の危機経路は、失業や退職による生活苦に、介護の悩み、疲れ、身体疾患が加わり、自殺に至るというものでございました。2番目は、男性の40歳から59歳の有職者で、同居している対象群で、人口10万人当たりの自殺率は23.1で、背景にある主な自殺の危機経路は、仕事の配置転換等による過労から、職場の人間関係の悩みや仕事の失敗により鬱状態になるというものでございました。3番目でございますが、女性の60歳以上で無職で同居している対象群で、人口10万人当たりの自殺率は16.8で、背景にある主な自殺の危機経路は、身体疾患から病気を苦にしたもの、鬱状態によるものでありました。 以降、4番目は、男性の20代から39歳の有職者の同居されている対象群で、5番目は、男性の40歳から59歳の無職の同居されている対象群となっております。 また、有職、無職別の特徴といたしましては、男性、女性、共に無職者の割合が全国平均に比べて高い傾向にございまして、高齢者関連資料による特徴としましては、男性、女性、共に全国に比べまして、80歳以上の同居ありの方の自殺の割合が高い傾向にございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 本計画では、先ほど答弁頂きました上田市の特徴を踏まえて、3つの重点施策を掲げています。これら3つの重点施策について質問します。 まず、重点施策1として、勤務問題対策が掲げられています。しかし、働き方の重大な問題である低賃金、過密労働の是正は進んでいない状況ですが、どのように対処するのか、伺います。 重点施策2として、生活困窮者、無職者、失業者対策が掲げられています。生活保護基準の見直しが続き、引下げの懸念がありますが、どのように対処するのか、伺います。 重点施策3として、高齢者対策が掲げられています。年金が引き下げられ続けていますが、高齢者の生活が苦しい状況です。どのように対処するのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 自殺対策計画の重点施策の対応につきましては、各部局に関係をいたすわけでありますが、私のほうで一括して答弁申し上げます。 ただいま申し上げました特徴を踏まえまして、計画ではそれぞれの市町村で独自に設定する重点施策といたしまして、勤務問題対策、生活困窮者、無職者、失業者対策、高齢者対策の3つを掲げ、支援が優先されるべき対象として重点的に取組を進めることといたしております。 上田市の自殺対策は、大きく分けて3つの施策群により構成されており、国が定める地域自殺対策施策パッケージにおいて、全ての市町村が共通して取り組むべきものとされたものが、基本施策、市の実態を踏まえてまとめたものが重点施策、さらにその他の事業をまとめたものが関連施策となっております。この重点施策につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、地域自殺実態プロファイルの分析により、支援が優先されるべき対象群として重点的に支援を進めることとして重点施策に位置づけたものでございます。 まず1点目、勤務問題対策でありますが、勤務問題による自殺の背景は、過重労働や低賃金などの問題、あるいはハラスメントや職場の人間関係などの問題点など様々な課題が挙げられます。これに対しましては、労働に関する相談などで現状を適切に把握するとともに、メンタルヘルス対策やハラスメント対策などについての周知、啓発を強化いたしまして、働き方改革を推進し、働く全ての人が将来の展望を持ち得るよう努めてまいります。 次に、2点目として、生活困窮者、無職者、失業者対策でありますが、これらの状態にある方は、単に経済的な問題だけではなく、心身の健康や家族等との人間関係、あるいはひきこもりなどの様々な問題を併せ抱えていることが多く、自殺リスクが高い傾向にございます。このため、生活困窮者自立支援事業と自殺対策の施策を密接に連携させ、経済、生活、それぞれの支援のほか、心の健康や人間関係の視点も含めた包括的な支援を推進する必要があります。 最後、3点目の高齢者対策としましては、高齢者が陥りやすい孤立や孤独を防ぎ、地域包括ケアシステムや地域福祉力の強化などの施策と連動した事業の展開を図る必要がございます。多様な背景や価値観に対応した支援と働きかけを行い、必要なサービスを活用し、生きることの包括的な支援としての施策を進めてまいります。 いずれにいたしましても、自殺に至る要因は1つではなく、多様な要因が複合的に連鎖して起きてしまうと言われております。また、以前は個人の問題として認識されがちでありましたが、法整備等もなされ、国を挙げて自殺対策が総合的に推進されたこともあり、自殺は社会の問題として広く認識されるようになり、自殺対策の地域間格差を解消し、誰もが生きることの包括的な支援が受けられるよう取組が求められております。この計画の下に、行政としての取組はもとより、関係機関や団体等との共通の認識を持ち、連携、協力するネットワークを構築いたしまして、命の大切さ、絆の大切さを改めて認識し、誰もが自殺に追い込まれることのない上田市を目指して取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) それぞれご答弁頂きました。 次に、公共サービスの民営化について伺っていきます。1月27日、28日に政務活動費を活用して第49回市町村議会議員研修会に参加し、自治体戦略2040構想と公共サービスの民営化をテーマとした分科会で学びました。 国は、1990年代の終わり頃から公共サービスの民営化を進めるために新しい法制度をつくってきました。自治体戦略2040構想でもその流れを受けて、2040年のビジョンとして公共サービスの民営化は掲げられています。しかし、私は、公共サービスの民営化は行政のあるべき姿が問われる大きな問題の一つであると考えることから、今回質問します。 まず、そもそもとして公共サービスの民営化による地方自治体と市民にとってのメリットは何か、これについて伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 民営化による地方自治体、市民にとってのメリットは何かについてお答えいたします。 上田市では、平成19年7月に民間活力導入指針を策定して、民間にできることは民間に委ねるといった基本的な考え方に立ち、これまでの行政と民間の役割分担の見直しを行い、積極的な民間活力の導入を進めてまいりました。これまで事務事業の民間委託や指定管理者制度の導入、施設の貸付け、譲渡により行政サービスの提供を民間が実施主体として行う民営化等に取り組んでまいりました。 こうした取組によるメリット、成果につきましては、行政サービスの向上、効率的、効果的でスリムな行政の実現、財政基盤の強化が図られ、これによって生み出される経営資源を市が直接実施すべき分野に重点配分することにより、総合計画で示されました施策がより効果的に実現でき、地方分権時代にふさわしい個性豊かな魅力あるまちづくりができると認識しております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 公共サービスは行政が担当する場合、物的経費と人的経費だけが経費としてかかります。しかし、営利企業に任せると、経費に利益が追加される一方、支出総額を減らす必要があるため人的経費の削減に進み、非正規労働者など不安定な雇用形態で雇われる方が増えることが危惧されますが、この点について見解はどうか、伺います。 また、従業者の不安定な雇用により公共サービスの質が低下する懸念も同時に発生しますが、見解はどうか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 最初に、公共サービスを営利企業に任せると、非正規労働者など不安定な雇用形態で雇われる方が増えることが危惧されるが、どうかというご質問でございます。 上田市では、公共サービスの提供を営利企業が行う例といたしましては指定管理者制度がございます。合併時の平成18年度からこの制度の導入を本格的に進めてまいりまして、現在146の公の施設について指定管理者を指定し、公の施設の管理に民間の有するノウハウを活用することにより、施設の効率的な運営と利用者サービスの向上を図ってまいりました。 指定管理者制度は、その制度の趣旨から、公の施設の管理運営や施設を活用した自主事業を通じて適正な利潤を上げることが認められておりまして、指定管理者の努力によってコスト削減と高いサービスを提供するためのインセンティブとなっていますことから、利益の確保や支出の削減は市としても想定しているところでございます。 また、指定管理者制度は、地方自治法により法人その他の団体であれば法人格の有無も必要とされないことから、株式会社を初め一般財団方式や社会福祉法人、自治会などの様々な団体が管理運営を行っておりまして、公の施設には、その施設にはパートタイム労働者等の非正規労働者の方が多く従事しております。 指定管理施設で働く従業員につきましては、指定管理者を募集する際に示します募集要項や管理業務の仕様書において職員の配置基準や有資格者の考え方等を示し、事業者選定の際に事業計画書やヒアリング等を通じて確認することで、適正な人員配置や賃金単価となるよう設計されているところでございます。 一方、指定管理施設で働く従業員にとりまして、安全な職場で安心して働くことができる環境が確保されることは、良質な市民サービスの提供には不可欠なものであり、そのことが利用者の満足度の向上にもつながることから、労働関係法令等を遵守することは当然のことと認識しております。こういったことから、施設を設置しております市の立場といたしましても、モニタリング評価において従業員の勤務体制や法定帳簿の整備等の状況に関する従業員の労働条件の評価項目を設けておるところでございます。 また、施設所管課及び指定管理者を対象に、労働関係諸法令に基づく規定等の整備やその運用について必要な基礎知識の習得を目指すため、長野県社会保険労務士東信支部のご協力を得て、研修会や課題解決を図るための意見交換会を毎年開催しており、引き続き指定管理施設における労働関係法令遵守の徹底や適正な労働環境の確保に取り組んでまいります。 次に、公共サービスの質が低下する懸念があるか、見解はどうかとのご質問にお答えいたします。指定管理制度を導入する最大の目的といたしましては、サービスの質の向上でございます。公の施設の設置目的等を考慮しながら、行財政改革の一層の推進を図りつつ、多様化する利用者ニーズに効果的、効率的に対応するとともに、市民や民間事業者等の有する能力や経験、知識等を活用いたしまして、利用者サービスの質の向上と利用者の増加を目指すというものでございます。 これは、業務委託や民営化など他の民間活力導入についても同様でございまして、市民満足度向上の視点から、サービス水準の維持向上は行政の果たすべき役割であると認識しております。民間活力導入に当たりましては、サービス低下とならないことに努め、また市民や利用者のご意見をお聞きするとともに、理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 民営化の形態の一つに、公共施設等の管理者等は選定事業者に公共施設等運営権を設定できるとするコンセッション方式があります。コンセッション方式について、研修会の講師の方から様々な問題点が説明されました。契約書について、浜松市の公共下水道終末処理場を例として、条項が102条43ページに及び、添付別紙が37ページ、合計で80ページという膨大なものとなり、地方自治体の実務担当者が運営事業者の雇う専門家と交渉して地方自治体の利益を主張することは、極めて困難であることが指摘されました。 運営する施設の利用料金等を決定する際に、運営事業者の経営状態を開示する保証がないこと。また、コンセッション方式を長期間継続した場合、退職などで専門的知識を有する自治体職員の減少により、運営事業者の意向のままに利用料金等が値上げされるおそれがあることなど、多くの問題があるとの指摘がありますが、コンセッション方式について現段階でどう考えるか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) コンセッション方式についてご質問頂きました。 コンセッション方式は、PFI事業の一つの手法として、平成23年6月の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法の改正によって新たに導入されました制度でございます。この方式は、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が保有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式で、民間事業者が施設の運営及び維持管理を行い、その費用を利用料金で回収することができる仕組みとして、民間事業者による安定的で自由度の高い運営を可能とすることにより、利用者ニーズを反映した質の高いサービスが提供可能になると言われております。 コンセッション方式を含めPFI事業全般といたしましては、公共施設等の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用することにより、同一水準のサービスをより安く、同一価格でより上質のサービスを提供する手法として、国はPPP/PFI推進アクションプログラムを策定して、さらなる推進を図っておりまして、国を初め地方公共団体においても徐々に事業が展開されている状況でございます。 このコンセッション方式により運営権を設定することが可能な公共施設は、PFI法の規定により利用料金を徴収するものに限られておりまして、空港、水道、道路、文教施設、国際会議場や大規模な展示会場などが対象となります。公共施設等の整備等に関する事業にコンセッション方式を含めたPFIを導入するためには、PFI法の規定に基づく実施方針を条例により定め公表した上で、当該事業が特定事業に該当すると認める特定事業の選定をすることが必要となります。また、コンセッション方式で採用する利用料金の制度は、公共施設等の運営権者が自らの収入とすることができ、実施方針に従い料金を設定することができますが、事前の届出が必要となります。 議員ご指摘の運営事業者の意向のままに利用料金等が値上げされるおそれがあるという点でございますが、公共施設等運営権が設定されることとなる民間事業者を選定しようとする場合に、PFI法では実施方針に利用料金に関する事項を定めることとされております。この定めるべき内容といたしましては、公共施設等運営権者の自主性と創意工夫が尊重されますことや、特定の者に対して不当な差別的取扱いをしないこと。社会的、経済的事情に照らして著しく不適切で、公共施設等の利用者の利益を阻害するおそれがあるものでない点に留意しながら、適切な利用料金の上限、幅などについて規定することと国の基本方針やガイドラインにうたわれております。 さらに、業務日報や事業報告書を提出、財務諸表、利用者満足度の評価などを定期的に提出させ確認する、いわゆるモニタリングの手法を構築し、例えばモニタリング評価の結果、不履行が明らかな場合はサービス対価の減額や事業契約の解除などペナルティーを付与することも事業契約に明記するなど、選定事業者が確実に契約内容を履行する仕組みにより行政側の意向は届くものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 公共サービスの民営化については、全国で様々な問題事例があります。1つは、公共サービスを行う民間事業者の経営破綻の問題です。福岡市では、PFI事業として臨海工場余熱利用施設を建設し、発電による電力を活用した温海水を利用するタラソテラピーなどをタラソ福岡が運営していましたが、収支の悪化により撤退、約4か月施設が閉鎖し、市民が利用できない事態が発生しました。北九州市では、コンテナターミナルがPFI事業として運営開始されましたが、需要予測が過大であり、需要が予測を大きく下回り、2年で経営破綻し、市が40億円の支出をして施設の買取りを行いました。また、名古屋港イタリア村もPFI事業により整備されましたが、集客見込みを過大に予測し、2008年5月に170億円の負債を抱え倒産し、従業員に多数の解雇者も出ています。 2つ目は、事故が発生した際の損失の分担の問題です。仙台市では、ごみの焼却熱を利用した温水プール施設で、2005年8月に発生した宮城沖地震で天井が崩落し、多数の住民が重傷を負う事故が発生しました。不十分な検査で手抜き工事を見抜けなかったことが原因とされ、最終的には市が賠償負担することになったと伝えられています。 3つ目は、乏しい財政節減効果の問題です。高知県と高知市は、共同して高知医療センターをPFI事業として建設しました。管理運営を開始し、担当民間事業者は材料費を医業収入の23.4%にできると落札しましたが、経営改善は実現できず、契約解除し、行政の直営となりました。滋賀県、近江八幡市立総合医療センターでもPFI事業の契約解除がありました。滋賀県野洲市では、市立野洲小学校と野洲幼稚園をPFI事業として行いましたが、経費節減できるとして民間事業者に委ねたのに通常より経費がかかる事態となり、契約解除しました。 こうした全国の問題事例についてどう捉えるか、見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 平成11年にPFI法が施行されてから、全国で650を超える事業がPFIにより実施されております。議員ご指摘のとおり、中には問題となった事例もございますが、その反省を踏まえまして、国のガイドラインにおきまして、公平性、透明性、競争性を確保しつつ、民間の創意工夫を生かすため、事業の基本構想、基本計画の策定段階から、民間事業者へのヒアリングにより事業の目的や効果について検討を行うことや、民間投資意向調査やPFI導入可能性調査の実施、また事業者の選定手続においても、応募者との対話の活用などが指摘されております。 また、PFI事業は一般的に10年以上の長期にわたることから、経営破綻や施工不良による事故などの重大な出来事を発生させないことや、仮に重大な出来事が発生した場合、その影響を最小限にとどめるために、リスクを認識してマネジメントする視点も重要と考えております。 公共施設の建設から維持管理、運営までを民間事業者に委ねるPFI事業といえども、市が提供する公共サービスの一環であることには変わりはなく、市民に対する最終的な責任は市が負うものと認識しておりまして、PFI事業の選定につきましては十分な検討が必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員。          〔6番 成瀬 拓君登壇〕 ◆6番(成瀬拓君) ご答弁頂きました。 公共サービスには、1つとして専門性、科学性、2として人権保障と法令遵守、3として実質的平等性、4として民主制、5として安定性、この5つの視点が必要と思います。専門性、科学性というのは、公共サービスにおける様々な基準というのが、住民の安全を保障するための専門的、科学的な英知が盛り込まれており、各法律の基本的な原則や規制は、その時点で人類の知恵、科学が一定程度凝縮した結果ということを示しています。 人権保障と法令遵守というのは、公共サービスは住民の基本的人権の保障を担うものであり、法令を遵守しなければならず、事業者が公共サービスの担い手としてふさわしいか見極めなければならないということを示しています。 実質的平等性というのは、所得や費用負担能力の格差によらず、実質的な意味で平等に保障されるべきということを示しています。 民主制というのは、住民の意思が反映され、議会が監視してサービスの質を高めるために関与できるようにするということを示しています。 安定性というのは、公共サービスは長期間にわたり安定的に行われなければならないということを示しています。公共サービスの民営化については、こうした視点を踏まえて慎重に検討するべきと考えますが、見解はどうか伺い、私の質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 上田市では、平成19年度に定めました民間活力導入指針において、その手法ごとに判断基準を定めております。具体的には、民間委託では市民サービスの維持、向上、2つとして直営に比べ人件費等の経費節減、3つとして事務処理の効率化、4つとして民間の専門的知識や技術の活用といった基準でございます。 民営化につきましては、サービスの需要があるか、同種のサービスを提供する民間事業者が存在するか、受益者負担を求めることができるかの観点から基準を定めております。さらに、競争性や透明性、公平性も確保しつつ、相手方の選定に留意して、法令の規定によるものや許認可等の公権力の行使に当たるものなど、行政が直接実施するべきサービスについては対象から除いた上で、民間にできることは民間に委ねるとの基本的な考え方に基づいて、今後も引き続き民間活力導入を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 成瀬議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時32分   休憩                       ◇                                午後 4時50分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第19号、市政について、渡辺議員の質問を許します。渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 市政について伺ってまいります。 まず、ごみ処理についてであります。ごみは全ての人が関わりのある事柄と言っても過言ではありません。今までは個人、自治体、企業にとって、できるだけコストと労力を割きたくない事象でもありました。 2015年9月、国連で開かれたサミットで、SDGs、持続可能な開発目標、2030年までに持続可能で、よりよい世界を目指す国際目標が採択されました。そして、ごみが世界の資源枯渇、生態系破壊などの環境問題の意識の高まりとともに可能性ある資源として注目されています。また、コミュニティー内全ての構成員が関わる共通課題として、まちづくりへの参画を促すきっかけとしても注目されています。 ごみ処理施設の問題は避けて通れない課題であります。建て替えや新築をごみの減量やリサイクル対策と絡ませて総合的に進める自治体が増えています。施設の処理能力を縮小してリサイクルとごみ減量を加速化させることが、今求められています。 上田地域広域連合でつくる新しい資源循環型施設をよりコンパクトにするために、可燃ごみの減量は必至であります。上田市の平成28年度、家庭から出された可燃ごみが2万2,000トン余り、同年10月、11月の無作為による組成分析では47%が生ごみであったことから、約1万トン余りとなります。 昨年7月18日、生ごみリサイクル研究委員会が設けられ、今年2月13日、5回目の研究委員会が開催され、生ごみリサイクル推進プラン報告案がまとまり、生ごみリサイクル計画が廃棄物処理審議会へ報告されるところまで来ているところであります。 生ごみリサイクル推進プランについて伺ってまいります。その推進プランを必要とする背景と位置づけはどうか、まず最初に伺います。 また、生ごみの自己処理を奨励し、処理機や処理容器などの購入補助を行ってきたが、これまでの取組をどう評価するのか伺い、第1問とします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) ご質問の生ごみリサイクル推進プランは、廃棄物処理審議会の要請に応じて、このほど計画案が取りまとめられたものでありまして、審議会への報告がこれから行われます。このため現時点の計画のものでお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 計画策定の背景につきましては、新たに計画される資源循環型施設をよりコンパクトなものとし、建設候補地周辺地域の環境負荷の低減を図るとともに、ごみを減らして持続的な発展が可能となる循環型社会の形成を目指すことが背景にあります。可燃ごみに含まれる生ごみを減量し、資源化を推進するための仕組みづくりが必要であることから、廃棄物処理審議会の部会として位置づける生ごみリサイクル研究委員会を設け、生ごみリサイクルシステムの構築について検討を重ねてまいりました。計画の位置づけとしましては、平成30年3月に策定の上田市ごみ処理基本計画及びごみ減量アクションプランに示した生ごみ減量の推進施策を展開する個別計画として位置づけております。 次に、生ごみの自己処理の取組の評価であります。市では、平成27年度以降、8割まで補助率を拡充したごみ減量化機器の購入費補助事業や、ボランティア団体と連携した段ボールコンポスト基材のぱっくんの無料頒布などを主な取組として、生ごみの自己処理を推奨してきました。 また、モデル事業として、真田、半過、諏訪形地区で実施しています大型処理機による生ごみの共同処理や自校給食の調理くずの堆肥化にも取り組み、平成26年度から30年度における5年間で、合わせて約480トンの排出抑制効果があったと見込んでいます。 生ごみを自己処理して、可燃ごみとして排出しない一人一人の取組は、家庭内で循環する理想的な処理方法であります。こうした自己処理の積み重ねが、家庭系可燃ごみの処理量が減ってきている要因と評価しており、市民の皆さんの継続した取組に感謝申し上げます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 一人一人の取組の積み重ねがごみ減量につながっているという評価でございます。この一人一人をさらに広げていくということであります。それには何をするのか。より具体的で分かりやすい組立てを示す必要があります。 生ごみリサイクルシステムの構成要素について伺います。また、リサイクルする前にごみの発生を防ぐことが重要と考えるが、市民にどう働きかけるか。また、事業所に対して、ごみの発生抑制や排出抑制をどう働きかけるのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみリサイクルシステムの構成要素についてお答えいたします。 市が目指す生ごみリサイクルは、単に生ごみを資源化するだけではなく、上田市の地域特性を生かして、生ごみをごみから資源に、処理から利用にシフトさせ、まちの活性化に生かす一連の循環の仕組みづくりであります。これにSDGsなどの視点も加えて、生ごみリサイクルシステムの構成要素としています。 まずは、発生を抑制することであります。家庭では、ごみの発生を生まない、賢い消費をすること。食材を使い切り、食べ切れる量を作るなど調理くずや食べ残しを生まないように工夫し、それでも発生する生ごみは自己処理に努めることであります。 また、食品ロスは、目の前の食材や商品がごみになるだけではなく、世界各国から輸入した原材料のほか、生産、輸送、加工時などに使われる貴重な労力と地力、水とエネルギーも無駄にしている背景も考える必要があります。 次に、資源化して利用することであります。全市域での生ごみの自己処理を優先した上で、自己処理が困難な地域でも、分別収集などにより資源化を図り、有効利用することでまちの活性化につなげることを目指します。そして、自主的に取り組むことであります。ごみの減量などに取り組める人が、できることからすぐに取り組むことを促し、市は自主的な取組がしやすい環境を整備することとしております。 次に、市民や事業所に対して、ごみの発生抑制や排出抑制をどう働きかけるかであります。最も基本的な取組は、生ごみそのものを生まないこと。それでも出た生ごみは、なるべく自ら適正に処理して、ごみ集積場や焼却施設に排出しないこと。これらの取組は、全地域で一人一人が自主的に行うものであります。 家庭での取組は、計画的な買物、食材の使い切り、料理の食べ切り、生ごみの水切りの3切り、食品ロスの削減など、できることから発生の抑制に取り組んでもらうことが大切です。そのためには、市民の自主的な取組を促す周知が欠かせません。基本は自治会と連携した地道な説明会やごみ減量アドバイザーが取り組む各種講座、広報やSNSの利用などが考えられます。広報等での周知には、内容を工夫して分かりやすさを心がけてまいります。 次に、事業所においては、事業者の責務として、食品ロスを生まない取組をしていただくよう各種団体への説明や個別訪問も引き続き行ってまいります。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 答弁頂きました。 生ごみの発生、排出抑制の基本は、ごみそのものを出さない、生まない。それでも出たら、なるべく自分で処理するいうことで、ごみの集積所や、また焼却施設に出さないということです。ただ、計画的な買物や調理の工夫、自己処理などにより、生ごみの発生や排出を抑制する取組が大事であることは十分分かりますが、自己処理をしたくても十分な広さの庭や畑がないなどの理由から、自己処理ができない家庭や地域があることは当然であります。 私は、第5回の生ごみリサイクル研究委員会を傍聴いたしました。生ごみリサイクル推進プランの中の生ごみの分別収集による資源化の推進の項目で、3点伺います。 まず一つは、生ごみリサイクルの計画案では、生ごみの自己処理が困難な地域に限り、生ごみの分別収集をするとの方針であるが、収集範囲はどうか。収集量はどのぐらい想定しているのか、伺います。 また、堆肥による資源化が望ましいとしているが、様々な方法の中から堆肥を選択した理由は何か伺うと併せて、可燃ごみから生ごみを取り除き、資源として農業へ利用し、野菜の栽培、販売、消費、土に返るという循環の仕組みを描き、先ほど部長から触れられました、描き示すことが必要と考えるが、見解はどうか、改めて伺います。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 最初に、収集範囲、収集量はどれくらいを想定しているかというご質問でございます。生ごみの自己処理が困難な地域でも資源化できるよう、分別収集する範囲は、上田中央地域の範囲から始め、住民の皆様の理解を得ながら、範囲拡大を急がず段階的に進め、都市計画における用途地域内の範囲を最大と考えております。収集量は、想定する分別収集の範囲から年間約650トンから1,200トンを見込んでおります。 次に、生ごみの資源化の手法であります。生ごみ資源化の主な手法として、飼料化、堆肥化、バイオガス化などを中心に検討いたしました。飼料化は、家畜の餌として高い分別精度と鮮度が求められるため、事業系生ごみに適します。堆肥化は、資源化の中では実績、実例も多く、分別精度も飼料化よりは低く、農地利用の環境もあり取り組みやすさがあります。バイオガス化は施設整備コストが大きくなります。生ごみのほか、下水汚泥やし尿なども含めた複合的な処理がなされる場合が多く、事業実施までには時間を要します。また、処理施設が地域に集中することがないように配慮する必要もあります。 それぞれの処理方法について、資源化に至るまでの時間軸や容易性、施設整備や生成物の利用など総合的に評価を加えました。市の特性を生かした持続的な取組と実施までの時間軸などから勘案して、堆肥化が望ましいとの評価に至りました。 次に、ご質問の趣旨である、生ごみを資源として地域内で循環利用することが重要であります。良質な堆肥を生成して農地還元し、その農地から育つ野菜の価値を上げ、農業を起点としてまちの活性化につなげたいというものであります。この循環利用については、関係する皆さんと連携して協議をしてまいりたいと考えております。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 生ごみの分別収集による資源化の推進に関する項目では、生ごみの資源化施設についての方針も示されていました。ごみの減量に関わるには、生ごみの処理、一手間かける市の取組が必要であります。本気で生ごみの減量化に取り組む姿勢を示すべきで、その点では土屋市長のごみ減量につながる可能性のあることは何でも取り組むという姿勢は大いに評価ができるものだと、このようにも思います。 生ごみリサイクル施設整備の考えについて伺います。さらに、今後の生ごみリサイクルシステム構築への流れはどうか、伺います。
    ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみリサイクル施設の整備についてお答えいたします。 生ごみを収集して資源化を進めるためには、施設整備が必要であります。安定的かつ効率的な処理を可能とする設備を有するとともに、周辺環境にも配慮した施設であることが求められます。堆肥化などの資源化施設の必要性は広く理解されるところでありますが、施設設置については、地域住民の皆様の理解と協力が不可欠であります。 施設整備については、関係する皆さんとの調整を図りながら、民間施設や既存施設の活用、市有地での新設など幅広く検討させていただくこととしており、特定の場所を掲げることは差し控えた上で、計画に基づいて環境整備を進め、事業の確実な実施を図ることとしております。 次に、今後の生ごみリサイクルシステム構築への流れはどうかであります。今後、生ごみリサイクル研究委員会からの報告を受け、廃棄物処理審議会において審議いただいた後、パブリックコメントを経て、令和2年度の当初には市長へ計画案の答申を頂く予定であります。市は、答申を踏まえて市の計画を策定し、できるだけ速やかに事業化できるように努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 廃棄物処理審議会の審議において、仮称でありましたが、生ごみリサイクル推進プラン報告案が十分に尊重されることを望むところでございます。 資源循環型施設建設について1点伺います。市長は、引き続き地域の皆さんのご理解をいただきながら、早期建設に向かいたいと表明されています。さきの上田地域広域連合議会で土屋連合長は、現段階では環境影響評価手続開始の決断に至らずと表明されました。物をつくるには測量と環境アセスメントが前提ですが、地元とすれば環境アセスに同意することは一歩踏み出すことになります。清浄園の跡地に造るということの立地条件の問題が今の最大の課題ではないと、私はこのようにも考えています。 生ごみリサイクル研究委員会が、可燃ごみ減量の決め手である生ごみ処理について検討され、一方で安全で安心、コンパクトな施設、加えてごみ処理量当たりの発電電力量、いわゆるエネルギー回収についても検討された。その資源循環型施設建設検討委員会、この双方の内容がまとまりそうな状況であることから、まとまれば住民サイドからの住民への報告会は開催されるであろうし、行政サイドからの住民の皆さんへの説明会がされることで、環境アセスメントの実施提案ができる条件は、今までのように見通しがなくて環境アセスメントを流したのとは大きく条件が変わってくると考えるが、上田市の見解はどうか、市長に伺います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 関係する地元の中の下塩尻、上塩尻、秋和の皆さん方との信頼関係の中で構築を進めてきた関係で、平成30年11月に資源循環型施設検討委員会が設立されたということであります。それ以降、地域住民の安全安心を将来にわたって保証する計画づくりのため、これまで1年以上にわたって地域住民、学識経験者及び行政により真剣な協議が行われてまいりました。 検討委員会においては、資源循環型施設を環境負荷の少ないコンパクトな施設とするため、ごみ減量再資源化や環境対策などの基本的な考え方について、当初の予定よりも延ばしまして、その会議の当初予定の回数を延長して、安全安心を最優先にした協議を行ってきております。現在、協議結果の取りまとめに向けた最終段階にありまして、現在その日程を調整中であります。 検討委員会での協議が終了した後、その結果について、広域連合に報告をいただくことになっております。広域連合及び市といたしましては、まず資源循環型施設の建設候補地周辺の地域住民の皆様に向けて、検討委員会での協議結果についての説明会を行い、その後、広く市民の皆様へも説明会を行ってまいりたいと考えております。 議員ご指摘のとおり、本年度、広域連合においては環境影響評価の実施を見送りましたが、地域住民の皆様との信頼関係を大切にしながら丁寧に取組を進めることで、令和2年度にはこうした説明会の開催への道筋が開けてくるものと考えております。今後とも、地域住民、また市民の皆様のご理解をいただく中で、私が先頭に立って資源循環型施設建設に向けた取組を進めてまいりますので、議員各位におかれましてもご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。 私から以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 市長から答弁頂きました。 特に私が強調したいのは、この1年の間に2つの大きな研究委員会、検討委員会が開催され、それが双方の結論がもうじき出るということで、条件とすればコンパクトで安全安心、さらにはまた、この現状も併せて、かなり具体的に地元に対しても説明する条件がそろったと、私はこのように見ています。ぜひとも積極的に地元への説明会も含めて足を運んでいただきたいなと改めて思うところでございます。 それでは、次に上田市農業の多様な担い手の育成、確保対策について伺ってまいります。上田市農業委員会は、昨年11月、令和2年度上田市農業施策等に関する要望書を上田市長に提出しました。それは、担い手の集積集約化、耕作放棄地の発生防止、解消、新規参入の促進などで、農地を守り、また農地等の利用の適正化の推進をする上で必要な施策の改善等について要望するものでありました。 市の回答は、国では新規就農し定着する農業者を倍増し、令和5年度までに40代以下の農業従事者が40万人拡大するという施策目標を掲げ、次代を担う若者の就農意欲の喚起と就農の定着を図ることを目的として、平成24年から45歳未満、令和元年から50歳未満の認定新規就農者へ農業次世代人材投資資金の交付を行っているとして、上田市としても担い手農家を増やすことは喫緊の課題として、国の制度の活用に加え、独自の補助制度などの就農環境の整備を進めるというものでした。 2015年の上田市農業は、年齢構成で75歳以上が35.8%、65歳から74歳までが34.7%、55歳から64歳までが13.7%、54歳以下は1桁台であります。ちなみに平均年齢が67歳、さらに耕作放棄地24.12という数字でございます。これはリーサスから拾った数字であります。多くの地域が耕作放棄地を抱え、農業からのリタイアする人々を補完する、補充する新規就農者の確保のめどが立っているわけではなく、地域から主体的に地域農業の構造再編に取り組む強い意志を持たなければならないのは確かであります。 農業経済学者の田代洋一氏は、規模の経済が働く土地利用型農業には規模拡大が必要。それには、家族農家と集落営農による協業化の2つの道がある。高齢化で耕作不能になり放棄されかねない農地を地元での合意形成を通じて担い手農家に集積することが求められている。 さらに、兼業農家、高齢農家が集落営農を組織して、機械作業と管理作業の分業関係を集落地域規模で再編する協業化の道もあるとの、このような理解の下に担い手に資する構造政策として具体的施策のトップが担い手育成と確保対策の推進ということであります。上田市農業委員会の要望のトップも担い手対策であります。 そこで伺います。担い手の定義とは何なのか。また、担い手が農業生産の相当部分を担う構造についてどのように捉えているのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 上田市農業の多様な担い手育成、確保について、担い手の定義と担い手が生産の相当部分を担う構造をどう捉えているかというご質問でございます。 初めに、担い手の定義でございますが、国や県などの補助制度の支援対象としましては、農業法人、集落営農組織などの団体のほかに農業経営基盤強化促進法に基づき認定された認定農業者などが主で、そうした団体や個人が国の担い手として定義されていると考えられますが、市といたしましては、国で言う担い手のほかに、小規模ながらも農産物直売場等へ出荷している農家も含めて、上田市農業を支える大切な担い手として捉えているところでございます。 次に、農業生産における担い手の構造でございますが、地域で中心となる担い手を明らかにする人・農地プランでは、平成30年度末現在で468経営体あり、そのうち認定農業者を含めた個人経営が406経営体と、全体の86.8%を占め、法人が55経営体で11.8%、集落営農組織は7経営体で1.5%の割合となっておりまして、個人経営の農業者が上田市農業の大半を占める構造となっていると捉えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 食料・農業・農村基本計画というのがございます。本年度がこの基本計画の見直しの年ということでありますけれども、今開かれている国会の中では、このことについての言及がなかったという報道も聞いております。ただ、この基本計画の中で担い手の概念を、効率的かつ安定的な農業経営及びそれを目指して経営改善に取り組む農業経営者を担い手とするというものであります。私の認識では、先ほど部長の答弁がありました。大別すると、認定農業者が1つ、2つ目は集落営農、3つ目が法人経営という構造であります。担い手を国が位置づけるというふうに私は理解しています。 今、担い手の構造については、答弁の中で、直売所のそういった農家の皆さんも含めて担い手だという部長の答弁のあったところでありますけれども、改めて、先ほどありました人・農地プランとの関係で、認定農家、そして法人、さらには集落営農のそれぞれの割合もお聞きしましたが、その担い手の現状や育成目標、さらには構造別の課題はどうか。また、課題に対する支援策はどうか、伺います。 担い手の定義のうち集落営農、これは地域営農というふうに言ったほうがいいのではないかと言われていますけれども、あえてそれに従いますけれども、地域営農における担い手は、認定農業者や地域営農者、新規就農者、定年退職就農者、女性農業者、高齢農業者、兼業農業者、農協等の生産部会の会員、先ほどありました直売所の出荷者グループのメンバーや、加えてまた学校給食向け生産者グループも当然あるわけであります。このように地域によって様々あることから、担い手の定義そのもの、基準を生産規模や年齢等とするものではなく、それぞれの生産者の意思が最優先することも必要ではないかと考えますが、その点について再度、お考えを伺います。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 初めに、担い手の現状、育成目標、構造別の課題、支援策についてお答えいたします。 担い手の現状でございますが、農林業センサスで平成27年と10年前の平成17年を比較いたしますと、市内農家戸数は、平成27年度、6,187戸と、10年前と比べまして1,316戸の減少、農業経営者の70歳以上の占める割合は、平成27年度は50.7%で、10年間で18.6%高齢化が進み、遊休農地面積は平成27年度962ヘクタールと、10年前より353ヘクタール増加するなど、従来からの課題である担い手の減少と高齢化、それに伴います遊休農地の増加が続いておりまして、後継者や担い手の育成が進んでいないという課題が浮き彫りとなり、大半を占める個人農家がこの傾向に当てはまると考えられます。 そのため今年度から、県、近隣町村、JA、JAの子会社である農業研修の受入れ機関であります有限会社信州うえだファームとプロジェクトチームを組み、首都圏からの農業人材の誘致、育成、独立就農までの切れ目のない支援体制と、今年度創設した人材誘致のインセンティブとなる農業機械等導入補助制度などを活用し、担い手の確保、育成に向けた取組を鋭意進めているところでございます。 また、熟練農家が、これから農業経営を志す方を研修生として受け入れ、新規就農者として育成する長野県の新規就農里親支援事業に登録している農家の皆さんに対しましては、転入者を市内農業者として育成した場合は1人当たり20万円を、市民の方を市内農業者として育成した場合は1人当たり10万円をそれぞれ交付する制度を設け、担い手を育成する側への支援も行っているところでございます。 法人経営体についても、遊休農地を解消し、規模拡大に取り組む場合は、市単独事業の遊休荒廃農地活性化対策事業や水田農業推進機械施設等導入事業などにより育成支援しており、集落営農組織につきましても法人と同様の支援をしているところでございますが、構成員が高齢化しているという現状もございますので、今後、直接訪問させていただきながら、経営上の課題などをお聞きする中で、現場のニーズ、例えば集落営農の組織化による支援、もしくはスマート農業に対する支援など、きめ細やかな支援策を検討してまいりたいと考えているところでございます。 次に、担い手の基準を生産規模や年齢ではなく、生産者の意思で最優先とすることも必要ではないかというご質問でございます。国などの支援策を活用するには、認定農業者や法人等の規模要件や年齢要件等がございますので、規模などに応じた支援となりますが、地域営農の維持、発展を図るためには、議員ご指摘のとおり、規模や年齢に重きを置く支援策だけではなく、従来からの課題解決にはつながらないと認識しております。地域に多い個人農家や多様な担い手の育成支援が重要であると考えているところでございます。 そのため市では、国などの支援対象にならないような小規模農家に対しましては、地域の営農活性化組織等を通じた支援を行っているほか、新年度からは担い手対策の一環といたしまして、障害者など福祉分野の人材を農業の担い手として携わっていただく農福連携事業を推進してまいりたいと考えているところでございます。また、先ほども申し上げましたが、今後は集落営農組織や地域で活躍されている多様な担い手に直接訪問させていただきながら、生産者の声を尊重した施策の展開を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員。          〔30番 渡辺 正博君登壇〕 ◆30番(渡辺正博君) 改めて、新たな集落営農の組織が必要だと考えます。地域では多様な担い手について、地域としてもしっかり考えることが重要かなと思うわけであります。とはいえ、認定農業者の設定基準は大変重要でありまして、頑張る担い手と多様な個別の担い手の育成の確保は、持続可能な農業、農村の欠かせない条件となります。 農政課の組織改正、併せて地域農業の在り方を地域の皆さんと一緒に考えて決めていく、その進行役として農業委員の地域で果たす役割を期待するということでありますが、組織改正後の展開をどう考えているのか。また、上田市の農業の特色を生かした担い手の展望について伺い、私の質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 農政課の組織改正後の展開と特色を生かした担い手の展望についての考え方にお答えしたいと思います。 今回の組織改正の目的は、農地の貸借に関わる法律の改正によりまして、これまでJA主体で行っていた農地利用集積円滑化事業が、新年度以降、市が中心で行う農地中間管理事業へ統合一本化されることに伴い、担い手へ計画的に農地の集積や集約を行うための体制を整えるものでございます。 担い手への農地集積方法は、農地中間管理事業に関する法律で、市が集落ごとに地域の農業者等を含めた協議の場を設け、参集の農業関係者自らが地域農業の在り方や農地中間管理事業を活用して、どの担い手へどの農地を集約や集積するかを決め、その内容を取りまとめたものが人・農地プランでございます。 今後の担い手への展望でございますが、担い手が減少する中、数少ない担い手が効率よく農作業を進め、生産性を上げる取組は必須であると考えておりますが、当市の農業は、中山間地域にある農地も多数あることから、国が推進している担い手の大規模化にはなじまない集落もございます。そうした中山間地域での農業の維持、発展を図るためには、地域における中心的な担い手のほか、新規就農者や農業後継者、農家組合や高齢農業者、農地を貸したい地主、さらには農地等の維持、保全に取り組む団体などを含め、それぞれが地域農業の現状に向かい合い、課題を共有しながら課題解決に向けた知恵を出していくことが重要でありまして、この話合いが人・農地プランの実質化の取組でございます。この取組は、地域農業の現状を自分事として考え、地域農業の在り方を決めていくことが何より大切なことであることから、地域に精通してる農業者の代表であり、新たな法律の下、活動されております農業委員、農地利用最適化推進委員の皆さんに話合いの中心となっていただきたいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても担い手対策については喫緊の課題、かつ重要な局面を迎えていると認識しており、各集落で自分たちの農業は自分たちで守るといった機運の醸成を図る人・農地プランの取組を通じ、相互に地域農業を支える仕組みづくりが必要であると考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 渡辺議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 5時33分   休憩                       ◇                                午後 5時50分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(9)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第20号、市政について、宮下議員の質問を許します。宮下議員。          〔13番 宮下 省二君登壇〕 ◆13番(宮下省二君) 通告に従いまして、3月定例会最後の質問を順次行ってまいります。 最初に、令和元年東日本台風についてお尋ねいたします。物理学者であり随筆家の寺田寅彦は、大正12年の関東大震災後、天災は忘れた頃にやってくるとの明言を残され、以後、災害を語る際に引用されております。日本列島の自治体では、台風等の災害を教訓として捉え、英知を結集し、今後の防災活動に生かすため、備えあれば憂いなしの取組が行われております。 私が所属する会派では、政務活動費を用いて、今年の1月下旬、千葉県君津市へ防災に関する視察を行い、過去に災害の少なかった同地域では、房総半島台風、東日本台風等の連続した暴風雨により、1週間以上の停電や断水などの被害が発生したことから、全庁を挙げて防災に係る見直しが行われておりました。 当市におきましては、昭和34年の伊勢湾台風以来の大きな被害を受けた市内城下地域では、昨年11月に住民自治組織であります城下まちづくり未来会議から土屋市長へ、千曲川諏訪形堤防復旧に係る地元説明会の開催など13項目にわたる防災に関する要望書を提出いたしました。 また、避難指示が初めて発令されました諏訪形自治会では、今後の活動の参考に資するため、昨年12月に自治会員アンケートを行い、備えの強化を目指しております。今回の東日本台風による災害が市内の広範囲にわたっていたこと、さらに夜間であったこと、かつ週末のため市職員や関係者等の対応や連携が十分に発揮することができなかったことなどが指摘されております。 そこで、12月市議会における一般質問も踏まえ、7点一括伺ってまいります。 市が毎年実施しております防災訓練に新たに夜間訓練を導入し、その体験から職員や関係者等の緊急時における対応能力等の向上を図る必要があると考えます。市民の大切な生命、財産を守る立場から、土屋市長の見解はどうか、伺います。ちなみに諏訪形自治会では、平成23年に午後8時から夜間防災訓練を実施いたしまして、その際の反省点を踏まえ改善を図りながら、今日まで防災活動に取り組んでおります。 2点目として、東日本台風後に市内で災害等のアンケートを実施した団体等の内容をどのように把握されてるのか、伺います。また、団体等において、大変ご多忙の中、まとめられた貴重な調査結果を、今後、市の防災対策に生かすべきと考えますが、市の見解を伺います。 3点目として、市は自主防災組織への補助制度を拡充されますが、対象備品などについて伺います。また、避難所において、避難者や担当されている役員にとって、災害情報が極めて少ない中での活動はとても不安だったとの指摘がされております。自治会関係者からの要望が特に多いケーブルテレビ等の設置について伺います。 4点目として、菅平ダムにライブカメラを設置して、ダムの放流状況を常時見られるシステムについて、県企業局等との協議の状況を伺います。 5点目として、江戸時代から災害の歴史を有し、今回被災された城下地域の災害対応の中で調整池等の整備内容について伺います。 6点目として、千曲川堤防が崩落した二ケ村堰の頭首工の今後の対応及び農業用水路はどのように整備を行い、水量の確保を図るのか、伺います。 7点目として、千曲川河川敷内のごみの除去を目指した住民運動、清流千曲川洗濯大作戦を進める会が発足いたしましたが、波及効果について市長の見解を伺いまして第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 令和元年東日本台風について、何点かご質問いただきました。 私からは、アンケート調査について、自主防災組織への補助について、菅平ダムへのライブカメラの設置について、3点答弁を申し上げます。 最初に、自治会等にアンケート調査を実施した団体等の内容と調査結果の今後の防災対策への反映に関するご質問にお答えいたします。今回の東日本台風におきましては、市として避難情報の発令、指定緊急避難場所の運営等、これまで経験のない規模での災害応急対策を実施いたしました。 これらの活動について、現在、市長を本部長とする上田市復旧・復興対策本部の中に災害検証プロジェクトチームを設置して、検証作業を進めているところでございます。この検証作業に当たりましては、市民や自治会が組織します自主防災組織等の台風近接前後における行動や活動状況の実態を把握しながら、課題を抽出し、次への対応災害対応に生かしていきたいと考えておりまして、アンケート調査等を通じて実体験に基づく意見を集約しているところでございます。 アンケート調査の実施に関して、事例といたしまして把握しているものとしては、市が実施した全自治会の長を対象としたものを初め、自治会単位では諏訪形自治会が独自に自治会住民を対象としたもの、上田ケーブルビジョンが城下地区の住民を対象としたものなどがございます。また、アンケート調査ではございませんが、上田市消防団や上田市校長会などから、台風近接時の対応や指定緊急避難場所開設時における課題等のご意見を提供いただいている事例もございます。アンケート調査などを通じて集約されたご意見等については、現在進めております検証作業の中で共有するとともに、上田市地域防災計画や上田市職員応急対策活動マニュアル、自主防災組織の長を対象としたリーダー研修会のテキスト等に反映させながら、災害に対する備えに生かしてまいりたいと考えております。 続きまして、新年度から拡充予定の自主防災組織の補助制度における対象となる備品等に関するご質問にお答えします。市の防災、減災の取組を進める上で市内の各自治会が組織します自主防災組織は、共助の中核を担う重要な存在として位置づけられておりまして、上田市地域防災計画の中でも自主防災組織の強化、育成を積極的に図っていくものとしております。 自主防災組織が情報収集や救出、救護、避難所運営等に従事していただく中で、必要な防災用資器材に対しては、その必要性を鑑み各種補助制度が設けられており、その1つが市独自の事業であります自主防災組織防災用資器材購入補助事業でございます。この補助事業は、市が定めます57品目の防災用資器材を対象に、現在、補助率2分の1以内、5万円を限度に購入費用を補助するものでございます。 今回、昨年10月の東日本台風により上田市全体に大きな被害が発生したことを踏まえまして、自主防災組織による災害対応力をさらに高めていく必要がありますことから、3年間の時限措置にはなりますが、補助率を3分の2以内、限度額を20万円に引き上げるための新年度の当初予算案を今定例会に上程しております。補助対象となる防災用資器材の品目でございますが、現在57品目を基本としつつ、台風災害後に行われました自治会アンケートなどにより自治会等から寄せられておりますご意見、ご要望を踏まえ、ケーブルテレビといった災害情報を収集、伝達するための器具、あるいはストーブといった暖房器具など、自主防災組織による即応的な活動や住民の安全安心の確保に必要と考えられる資器材の追加について、現在検討しております。 今後、新年度に実施します各自治会の自主防災組織の長を対象としたリーダー研修会等を通じて、詳細についてお知らせしてまいりたいと考えております。 続きまして、菅平ダムの放流状況を見られるライブカメラの設置に係る県企業局等との協議状況についてお答えいたします。菅平ダムへのライブカメラの設置につきましては、昨年12月議会の宮下議員からの一般質問についてご質問いただいております。昨年12月には、土屋市長が県知事に対して台風災害に関する要望を行いましたが、今後の台風や豪雨災害対策の推進の一つとして、河川の監視カメラの設置や水位計の増設等も要望しているところでございます。 菅平ダムの管理者であります県の企業局とのライブカメラ設置に向けた協議の状況でございますが、今年1月には菅平ダム管理所を訪問し、ライブ映像や水位情報などの情報発信について意見交換するとともに、ダム施設や監視システム等を視察させていただきました。また、2月、先月にはケーブルテレビ事業者にも、菅平ダムの状況を確認していただいております。 ライブカメラの設置に当たりましては、関係者において、施設の利用や設備設置の許可などに加えて、設置費用や運営経費の負担等について協議する必要がございますが、現時点では具体的な対応策は決まっておりません。今後も、ダム管理者であります県やケーブルテレビ事業者の意向も伺いながら、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 私からは城下地域の調整池等の整備内容について答弁させていただきます。 城下地域ですが、これまでもゲリラ豪雨と言われる集中的、局所的な大雨に対し、浸水被害が多発しております。その水害対策として御所排水路整備事業を計画しております。事業の概要でございますが、事業期間は令和2年度から令和7年度までの6年間、全体事業費につきましては6億2,000万円を予定してございます。事業の内容でございますが、諏訪形地区の準用河川金窓寺川の流域に1か所、御所地区の御所沢及び三好町排水路の流域に2か所の雨水調整池の整備のほか、排水路の整備を予定してございます。また、調整池につきましては、おおむね10年に1回の大雨に耐え得る規模として検討しております。 令和2年度の事業につきましては、事業費1億7,000万円を計上しておりまして、諏訪形地区の準用河川、金窓寺川の流域に調整池の整備等を予定してございます。さらに、令和3年度以降の調整池整備に向けた現地踏査や各種データの収集、雨水排除計画の見直し、整備手法の検討等に着手してまいります。 本事業の実施によりまして、事業区域の浸水対策としての効果が発現され、地域の防災、減災、さらには市民生活の安全につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 私からは、二ケ村堰の頭首工と今後の農業用水路の整備、水量の確保についてお答えしたいと思います。 上田橋と上田電鉄別所線橋梁の中間にございます二ケ村堰頭首工は、今回の災害により頭首工が堤防崩落とともに欠損し、取水ができない状況となっております。復旧につきましては、被災直後より国土交通省千曲川河川事務所と協議を進めてまいりましたが、現在の位置への復旧は、千曲川の河床低下が著しく、被災前のように自然取水が困難であることや上田橋と別所線橋梁に近接していることから、技術的に困難な状況でございます。 また、堤防の一日も早い本復旧が優先されますことから、堤防復旧工事の工程に併せて頭首工普及工事を行うことは工程的にも厳しい状況であることから、復旧につきましては、別の場所での取水もしくは上田農水頭首工で取水し、六ケ村堰を経由して二ケ村堰へ排水を行うことを検討しているところでございます。いずれにいたしましても、千曲川河川事務所、上田市二ケ村堰土地改良区等と協議を行い、復旧方法の投資効果、経済比較等を行った上で結論を出してまいりたいと考えているところでございます。 また、受益地への水量の確保につきましては、六ケ村堰御所排水路と二ケ村堰の交差部で水回しの応急仮工事を行い、一部自主転作や水系別に取水を行うなど作付計画を立て、水量について十分な確保ができるか検証を行いながら、二ケ村堰土地改良区の役員の皆様と対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 初めに夜間訓練等についてのお尋ねでございます。 今回の台風災害では、市がこれまでに蓄積した知識やノウハウを生かし、台風接近前から各種防災情報を駆使し、人員の配置など活動体制を整えるとともに、発災後の応急活動にも可能な限り対応してまいりました。しかしながら、市として、これまで経験のない規模での災害であり、災害対策本部の運営を初め避難勧告等の発令、指定緊急避難場所の運営、支援物資の受入れなど事態が刻々と変化する中で、市職員同士や市と自治会関係者、施設管理者等との連絡調整など、その場での必要な判断が求められる中、十分な対応ができなかった面もあったと思われます。特に議員ご指摘の市全域で災害が発生したこと、避難所運営等の応急対策活動が夜間に本格化したことなどは、その要因の一つと考えられます。 過去を振り返りましても、平成25年の伊豆大島で発生した土砂災害など、夜間に発生した災害に十分な応急対策が行えず、貴い人命と貴重な財産を奪われた事例があることから、議員ご指摘の夜間訓練の必要性は強く感じているところであります。夜の災害に備えて夜間に防災訓練を行う取組が増えております。これは新聞等でも報道されております。 夜間訓練の実施につきましては、日中の訓練と異なった条件の中で、危険箇所の確認や非常参集の可否など、新たな視点から問題を浮き彫りにできる点において大変有効な訓練であり、災害時の活動従事者の能力向上につながるものと考えております。実施に当たっては課題もあるかと思いますが、市内では、先ほどご指摘の諏訪形自治会など自治会単位で夜間訓練に取り組んだ事例もあるとお聞きしております。市といたしましても、市主体及び自治会単位での防災訓練における新たな手法の一つとして、提供、実施できるよう、先進事例も大いに参考としながら前向きに検討してまいりたいと考えております。 次に、清流千曲川洗濯大作戦の関係でございますが、令和元年東日本台風により千曲川の河川敷はごみ等が散乱し、景観や環境面への影響が危惧されている状況となっております。きれいな千曲川を取り戻したいという熱き思いの皆様のお声かけによりまして、この2月23日に清流千曲川洗濯大作戦を進める会が発足いたしました。この会は、美しい自然を回復させるため、市民及び関係団体の皆様が力を合わせ、まさに市民力により千曲が美化活動を行うことを目指して発足されており、私も含めましてこの目的に賛同された多くの市民の皆様が参加されております。河川美化活動につきましては4月19日に予定されており、市内の千曲川河川流域11か所で実施し、ビニールやプラスチック等のごみの回収を行う内容と聞いております。 設立されました清流千曲川洗濯大作戦を進める会の活動の波及効果につきましては、私たちに大きな恵みを与えてくれております千曲川に恩返しをしたいという市民の有志の熱き思いが清掃活動として表れるものであり、大変心強く、ありがたいことであります。この活動を通じまして、千曲川の支流を含めた各地域でのごみゼロ運動や、あるいは環境美化活動がより活発な取組となること、また私たちの地域の環境や景観をよくしよう、地域をみんなで守っていこう、そういう理念の下、様々な場面において市民の皆様の行動につながるものと大いに期待するところであります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔13番 宮下 省二君登壇〕 ◆13番(宮下省二君) それぞれご答弁を頂きました。 災害に対する備えは、地域における過去の災害の歴史を正しく受け止め、行政の方々だけに頼るのではなく、市民等が一丸となって知恵を絞り、汗をかいて備えることが求められております。地域防災力の向上に向けて活動の輪がさらに拡大することを期待いたしまして、次の質問に入ります。 市の最優先課題であります資源循環型施設建設について、3点お尋ねいたします。 まず最初に、現在の清浄園機能を南部終末処理場内へ移転整備する計画の予定地であります下之条自治会から、本年2月、し尿前処理下水道投入施設に関する下之条の地域振興について、9項目の内容で要望書が市へ提出されました。市長の見解はどうか、伺います。 2点目として、前市政では資源循環型施設建設対策連絡会との話合いを主に行ってまいりましたが、土屋市長が就任された以降は、新たに環境等の専門家を登用し、資源循環型施設検討委員会を設置され、約1年4か月にわたり地域住民の皆さんが納得できる議論を積み重ねてまいりました。今後予定されております検討委員会において、協議が全て終了した後、検討委員によって地元自治会への報告会が行われ、その後、行政等による自治会説明会が開催されるものと考えられますが、内容について伺います。ちなみに前回の地元報告会及び自治会説明会は、いずれも3か所で開催されまして、出席者はほぼ同数とお聞きしております。地元検討委員の皆様が果たされます役割は非常に大きいものがあると認識しております。 次に、対策連絡会を脱退されております団体や、説明会の開催を希望する地域等についてはどのように考えるのか、伺います。土屋市長は、市の最優先課題の解決に向けて、前市長が行うことがなかった建設候補地の諏訪部自治会に対し、市長就任早々、一軒一軒訪問され、自治会の皆様との信頼関係の醸成等に努めてまいりました。節目となります検討委員会の終了後、再度訪問を行うのかについて、市長の見解を伺います。 3点目として、資源循環型施設建設候補地周辺は、市の都市計画用途地域において工業専用地域となっており、工業に特化した土地利用を図るため、土地の流動性は低い状態となっております。今後、地域の活性化を推進するためには準工業地域に変更する必要があると考えますが、市の見解を伺います。 また、準工業地域に変更になった場合、地域振興策としてどんな施設等が想定されるのか伺いまして、第2問といたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 私からは、最初に資源循環型施設検討委員会終了後の地元への説明についてお答えいたします。 地域住民の安全安心を将来にわたって保証する計画をつくることを目的として立ち上げた資源循環型施設検討委員会においては、地元委員及び行政委員が学識経験者を交えて、1年以上にわたり協議を行っており、次回第9回検討委員会で協議結果の最終的な取りまとめとなる予定であります。その検討委員会での協議結果につきましては、広く市民の皆様に周知する必要がありますが、建設候補地周辺の皆様への周知が最優先であることから、まずは地元自治会への説明を進めてまいりたいと考えております。 前回、平成29年に地元自治会へご説明した際には、地元資源循環型施設建設対策連絡会との協議により、まず地元対策連絡会委員による地元報告会を開催した後、行政主催による各自治会への地元説明会を開催した経過がございます。今回の地元自治会への説明につきましては、地元対策連絡会との協議により具体的な内容を決定していくこととなりますが、前回平成29年度に実施した手順と同様、まずは検討委員会での協議にご参加された地元委員が、地元の立場で地元報告会を開催し、その後、地元対策連絡会の協力を得て、行政主催による地元説明会を開催することとなると考えられます。 また、建設候補地周辺の自治会である秋和、上塩尻、下塩尻の各地区において説明会を開催することはもちろんのこと、対策連絡会を脱退した諏訪部地区においても説明会を実施してまいります。さらに、広く市民の皆様に周知する必要があるため、建設候補地周辺以外の地域を対象とした説明会の開催も考えております。説明会を希望する地域などへの説明会につきましても、依頼があれば出向いて説明させていただきたいと考えております。いずれにいたしましても、検討委員会での協議結果について、さらには今後の資源循環型施設建設に向けての取組について、行政の責任において確実に説明していく考えであります。 次に、都市計画用途地域について、準工業地域への変更は可能か等のご質問であります。用途地域は、総合計画や都市計画マスタープランなどに示された市の将来あるべき姿を実現するため、住宅地、商業地、工業地等の具体的かつ適正な土地利用と建築物等の誘導を図る地域であることが、都市計画法第8条に定められており、用途地域は現在13地域があります。 建設候補地周辺の用途地域である工業専用地域は、工業の利便性を増進するために定める地域であり、都市計画運用指針では、住宅等の混在を排除し、またはこれを防止し、工業に特化した土地利用を図る地域としております。具体的には、どんな工場でも建てられますが、住宅、店舗、学校、病院、ホテル等は建てることはできません。一方、建設候補地周辺の土地利用状況は、軽工業施設、サービス工業施設の立地が一部あるものの、多くは農地が現存しているのが実情であります。また、過去10年の工業系施設の新築動向から見ても需要がなく、今後も新築需要は低いと想定されます。 今ご説明した用途地域や土地利用状況を踏まえながら、その時代、またその地域に即したまちづくりを進めていくことが必要と考えております。具体的には、用途地域等の都市計画の見直し、変更を検討することになろうかと思います。 準工業地域は、工場やサービス施設を建築することができる地域ではありますが、住宅や商業施設などの建築も可能となるため、多種多様な土地利用を図ることが可能であります。その準工業地域への変更につきましては、準工業地域の要件に適合しない既存建築物の課題等もございますが、新たなまちづくり方針に即していれば可能であると考えております。 資源循環型施設の建設につきましては、建設候補地周辺の皆様との信頼関係に重きを置き進めていきたいと考えております。その中で、今後の地域の在り方、地域振興策を含めたまちづくりについても議論されることになると思われます。 想定される地域振興策につきましては、用途地域を準工業地域に変更した場合、建築用途が大幅に広がり、多様な土地活用ができるようになるため柔軟なまちづくりが可能となります。例えば温浴施設、福祉施設や、床面積に制約はありますが、商業施設、体育館も立地が可能になります。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 下之条からのし尿前処理下水道投入施設に関する要望書とのことでございますが、清浄園跡地に資源循環型施設建設を進めていく上で大切な計画の一つとして、し尿前処理下水道投入施設があります。これにつきましては南部終末処理場内へ建設を計画しております。この件につきましては、私も同処理場に足を何度も運びました。また、地元の下之条自治会を訪ね、直接住民の皆様と話合いも重ね、その結果、昨年度、自治会から調査、設計までのご了承を頂くことができました。 今年度に入りまして、現在、調査、設計の業務を進めているところでありますが、自治会の皆様とは計3回、し尿前処理下水道投入施設に関する検討会を開催させていただき、私も参加した昨年12月の会議においては、基本設計の内容をご説明するとともに、地域振興について周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮することをお約束してまいりました。 先月、下之条自治会役員の皆様に市役所までお越しいただきまして、し尿前処理下水道投入施設に関する下之条の地域振興の要望書のご提出をいただきました。当日は役員の皆様と具体的な内容を含め意見交換をさせていただいたところであります。 要望の内容につきましては、公民館の修繕から助成金等に絡むものまで多岐にわたっております。市民生活に欠かすことのできない施設を新たに受け入れていただくことを重く受け止め、私も下之条自治会に伺い、誠意を持ってお答えしたいと思っております。今後とも下之条自治会の皆様にご理解をいただきながら、し尿前処理下水道投入施設の建設を契機に下之条の地域価値の向上につながるよう最大限その実現に向け努めまして、早期建設を目指してまいりたいと思います。 次に、資源循環型施設候補地地元自治会への訪問ということでございます。平成30年8月の諏訪部地区を対象とした説明会の開催に当たり、諏訪部地区の皆様の参加をお願いするために、私自ら諏訪部地区の約170世帯を全て訪問いたしました。 先ほど部長答弁もありましたが、今後、地元の下塩尻、上塩尻、秋和の皆さんと構成する検討委員会の協議結果を周知するため、諏訪部地区を対象とした説明会を開催したいと考えております。その開催に当たっては、諏訪部地区一人一人の皆様に直接お願いしたいという思いもあり、私自ら各世帯を訪問する覚悟でございます。 私が市長就任以降、地域住民の皆様との話合いにより信頼関係を築くことが最も重要であると再三申し上げており、今後もその考えは変わることはありません。私は、いつでも地域住民の皆様の元に出向く覚悟であり、地域住民の皆様のご意見を直接お聞きする機会を持つことにより資源循環型施設建設の早期建設に向けて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔13番 宮下 省二君登壇〕 ◆13番(宮下省二君) 市の最優先課題についてご答弁を頂きました。 市民に安全な環境を安心して任せられる施設について、より慎重に、かつ不安解消に向けて慎重なご検討を重ねていただいております委員の皆様のたゆまないご熱意に感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。 次に、公立大学法人長野大学についてお尋ねいたします。長野大学は公立化により優秀な人材が入学され、学生からは向学心への高まりが一層感じられるようになっており、今後の期待に胸が膨らむ思いがいたします。長野大学では、大学の魅力を高めるための中期目標を掲げ、中期6か年計画においてその達成に向けて鋭意取り組んでおられます。 そこで伺います。社会福祉学系大学院の設置は、令和3年4月の開設に向けて順調に進めていただいておりますが、大学改革の一番の課題であります学部学科再編の状況について、市ではどのように把握されているのか、伺います。 次に、今後、学部学科再編に向けて議論がより進んだ場合、教員の処遇など具体的な内容によっては暗礁に乗り上げることも危惧されます。このため、総論賛成、各論反対とならないための配慮として、教員の定年等までの雇用の確保についても検討が必要と考えますが、どうか伺います。 また、大学改革に向けて一層促進を図るため、大学への部長級市職員の派遣等を検討する必要もあると考えますが、市長の見解を伺います。 次に、魅力ある大学経営のため、理工系学部の設置に向けて国と協議を行っている中央水産研究所旧上田庁舎の取得状況について伺いまして、私の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 長野大学の学部学科の再編につきましては、昨年3月の全員協議会でお示しした構想案に基づきまして、大学ではワーキングチーム等の検討組織を設け、具体化に向けて協議を重ねている状況であります。 一方、昨年、公立大学法人評価委員会において、大学の平成30年度の業務実績評価を行う中で、大学院設置及び学部学科再編計画について、進捗はやや遅れているとされ、人事、財源、収支、施設など数字も含めた計画案を策定することが急務であるとのご指摘いただきました。これらの指摘を受けまして、大学側からは、遅れが出ている要因として、学部構成や教育研究領域などの学内コンセンサスを得るのに時間を要することに加え、理工系学部の設置に当たっては施設整備を伴うことから、老朽化している既存校舎の建て替えを併せて検討する必要があること。また、理工系学部設置に伴う教員の配置、採用計画の作成が課題となっていることなどがあるとの説明を受けております。 こうした中、まずは福祉系大学院の設置を先行させることが決定され、文部科学省へ設置認可申請に向けた準備が進められてきており、これと並行して、学部学科再編については、文系2学部、理工系1学部の3学部構成とする構想案に絞り、特色ある教育、研究を進めていくための学問領域、人口減少時代に対応した学生定員数や教員数などについて協議が行われてきております。 また、現在は、既存校舎の建て替えと理工系学部校舎の建設をするためのキャンパスマスタープランを策定し、財源を含めた施設整備計画をまとめるほか、教員の採用計画も検討を進めており、運営費の財政シミュレーションの具体化にも取り組まれているとお聞きしております。 長野大学の白井理事長からは、県内の他大学にはない特色ある分野の教育と研究を産業界と連携を強化して進めるとともに人材育成を図り、次世代ビジネスの創出を目指し、イノベーションを創発する教育と研究で地域社会に貢献したいとの熱き思いをお聞きしております。 私からは大学に対し、学部学科再編は単なる変化ではなく改革である。スクラップ・アンド・ビルドを基本にし、早急に進めてほしい。また、大学理事者と教職員が心を合わせて、スピード感を持って改革を進めてほしいとの思いを伝えさせていただきました。 教員の雇用確保については、基本的には大学側が対応することでありますが、大学では定年退職教員の補充のタイミングで理工系学部などに必要な教員を採用する方法を基本に考えております。また、教育課程を見直すことで教員が担当する科目を変更するなどの方法も取られながら、現在の専任教員は定年までの雇用を保障する方向で人事計画を策定していく予定であるとのことであり、市としても適切な方法と捉えております。また、今後、学部学科再編や施設整備を始動させ、円滑に推進していくためには、相応の職員体制も不可欠となってくるものと考えており、市としても職員配置など必要な対応には意を配りたいと考えております。 市といたしましても、今後も大学改革の方向性に歩調を合わせ、設置者としての立場での一定の関わりを持ちながら、早期の学部学科再編の実現に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 私からは、中央水産研究所旧上田庁舎の取得について、今の現状について申し上げます。 中央水産研究所旧上田庁舎につきましては、閉庁後の施設を長野大学が利活用していく方針としまして、昨年3月の全員協議会で説明させていただきました。閉庁以降、水産研究・教育機構から長野大学が借り受け、研究施設として開設を目指した準備の下に水産庁の科学研究費を活用した研究を現在も継続している状況でございます。 施設の取得、活用に向けましては、現在、財務省を初めとする関係機関との協議を重ねているところでありますが、施設の稼働を途切れることなく続けながら、現時点では令和2年度末での譲渡手続の完了を目指し、所要の手続を進める見通しとなっております。今後、取得に向けましては、財務省が取得価格などを具体的に評価、調整する不動産鑑定を行っていくこととなりますが、引き続き大学での活用が可能となるよう、関係機関との緊密な連携を取りながら、地元関係者の皆様への説明、報告も行いながら鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 宮下議員の質問が終わりました。 以上で一般質問が全て終了いたしました。                       ◇ △日程第2 議案第4号~第9号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第2、議案第4号から第9号まで6件一括議題とし、本案6件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第3 議案第10号~第15号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第3、議案第10号から第15号まで6件一括議題とし、本案6件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第4 議案第16号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第4、議案第16号を議題とし、本案の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第5 議案第17号及び第18号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第5、議案第17号及び第18号、2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第6 議案第19号~第21号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第6、議案第19号から第21号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第7 議案第22号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第7、議案第22号を議題とし、本案の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第8 議案第23号及び第24号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第8、議案第23号及び第24号、2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第9 議案第25号~第27号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第9、議案第25号から第27号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第10 議案第28号及び第29号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第10、議案第28号及び第29号、2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第11 議案第30号~第34号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第11、議案第30号から第34号まで5件一括議題とし、本案5件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第12 議案第35号及び第37号 ○議長(小林隆利君) 次に、日程第12、議案第35号及び第37号、2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ ○議長(小林隆利君) 以上で本日の日程は終了しました。 各議案は、お手元に配付した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 お諮りします。明日5日から17日までの13日間は、委員会審査等のため休会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小林隆利君) ご異議なしと認めます。よって、明日5日から17日までの13日間は休会することに決しました。 次回は3月18日午後1時30分から会議を開きます。 本日はこれにて散会します。          午後 6時37分   散会...