上田市議会 > 2020-04-01 >
03月03日-一般質問-03号

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  1. 上田市議会 2020-04-01
    03月03日-一般質問-03号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    令和 2年  3月 定例会(第1回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)市政について   (4)市政について   (5)独居高齢者向け終活支援について   (6)市政について   (7)市政について   (8)市政について   (9)有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について   (10)市政について   (11)市政について   (12)市政について   (13)市政について   (14)気候変動問題と対策について   (15)市政について   (16)市政について   (17)市政について   (18)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(9)まで                                              出席議員(29名)    1番   石  合  祐  太  君     2番   斉  藤  達  也  君    3番   金  井  清  一  君     4番   中  村  悠  基  君    5番   松  尾     卓  君     6番   成  瀬     拓  君    7番   齊  藤  加 代 美  君     8番   井  澤     毅  君    9番   林     和  明  君    10番   佐  藤  論  征  君   11番   金  子  和  夫  君    12番   原     栄  一  君   13番   宮  下  省  二  君    14番   飯  島  伴  典  君   15番   欠           員    16番   金  沢  広  美  君   17番   古  市  順  子  君    18番   小 坂 井  二  郎  君   19番   土  屋  勝  浩  君    20番   松  山  賢 太 郎  君   21番   西  沢  逸  郎  君    22番   尾  島     勝  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   池  田  総 一 郎  君    26番   南  波  清  吾  君   27番   池  上  喜 美 子  君    28番   半  田  大  介  君   29番   久 保 田  由  夫  君    30番   渡  辺  正  博  君                                              説明のため出席した者     市    長   土   屋   陽   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     上田市政策研究  吉   澤       猛   君     セ ン ター長     政策企画部長   柳   原       渉   君     総 務 部 長   中   村   栄   孝   君     行政管理課長   小   林       修   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民まちづくり  小 宮 山       剛   君     推 進 部 長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   大   矢   義   博   君     農 林 部 長   工   藤   秀   樹   君     都市建設部長   藤   澤   純   一   君     消 防 部 長   越       浩   司   君     丸子地域自治   竹   花   国   雄   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   崎   完   爾   君     セ ン ター長     武石地域自治   石   井       淳   君     セ ン ター長     会 計 管理者   細   川   真 利 子   君     上下水道局長   柏   木   明   彦   君     教  育  長   峯   村   秀   則   君     教 育 次 長   中   澤   勝   仁   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   橋   詰   聡   史   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    任   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(小林隆利君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(小林隆利君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第3号、市政について、飯島議員の質問を許します。飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) おはようございます。本日はひな祭りです。不安が広がる今日この頃ですが、市民一人一人に日の当たる市政に期待しながら、上田再構築のビジョンについて伺ってまいります。 まず初めに、新型コロナウイルス、コビッド19が日本だけではなく全世界に広まりつつあり、上田市においても不安が広まっていることは明らかであり、この見えないものへの不安感は長引くことで増幅していくことが予測されます。国家としても新型ウイルスという未知の部分が多いウイルスに対しての対策は苦慮を強いられております。今後の人類の脅威は、この経験から微生物やウイルスなどによるパンデミックになっていくのではと、国民一人一人の意識の中にも刻まれる体験であることは言うまでもありません。 この問題に対して先日の首相の決断に関して、感染の拡散を防止するという目的達成のための手段として評価するとともに、それによって市民の生活においても大変な思いをされる方がいることは承知しておりますが、上田市の各種決断に関しても評価しているところであります。 上田市としては、この見えない脅威に対して一定程度国や県の動向を注視しながら対応策を講じる必要もありますが、上田市民の皆さんの安全、安心な暮らしを保障すること、またこのような市民の一人一人が抱く不安に打ちかてるよう、まとまるべきときには全市民ワンチームで立ち向かえる都市づくりを願うところであります。安心、安全に暮らすため、医療、福祉を中心として災害やパンデミックなどを鑑み、都市をデザインしていく中で重要なのは方向性、そしてデータに基づいた課題の掘り出し、それらの課題解決のための手段が大切であり、これらを市民に分かりやすくきちんと示していくことが重要だと考えています。 ウイルス等の対策に関しては、公明党代表半田議員が先日の代表質問で市の方針を問われました。市民の不安に寄り添った体制を構築していただき、感染拡大を何としても最小限にとどめることができるよう願うところです。市民一人一人が正しい知識を身につけられること、不安に対して公的組織が安心、安全をできるだけ先頭に立ち、先手を取り保障する努力は重要であります。 一方で、暮らしのインフラである医療体制の構築も重要な課題であることは再三質問でも取り上げてまいりました。医療環境整備においては、壮志会の代表質問で佐藤清正議員に対し、新しく地域医療政策室を設置し、力強く進めるとの方針の答弁があり、大きな期待をするところであります。 これらの上田市政の方針に対し一定の評価をするとともに、今後の実効性ある施策に期待申し上げます。 今回は今まで述べました事柄を踏まえ、今までも会派としても取り上げ、提案してきましたいわゆる手段の一つである新しいテクノロジーの利用の可能性を含めた上田再構築のビジョンについて伺ってまいります。 まず1点目として、先日の私の会派代表の南波議員の質問とも多少重なるところもありますので、重複部分については答弁差し控えていただいても結構なのですが、上田市政策研究センター長に伺ってまいります。上田市政策研究センターで取り組んだ研究成果を踏まえた政策は来年度の当初予算にどのように反映しているか。また、第二次上田市総合計画の後期まちづくり計画にどのように反映するのかを伺います。 2点目として、医療においては救急医療と緊急を要さない医療ニーズがあります。先日の答弁にもありましたが、この地域は医師数などにおいて県内でも少ない状況であります。医師数の増加には一定の年月がかかることは皆さんの知るところであります。そんな課題がある中で、中山間地域を有する上田において安心に暮らせる医療環境の整備は重要であります。一つの方法として、病院から離れた遠隔地において、移動手段などを気にせずに、住み慣れた家などにいながら、一定の条件下ではありますが、医師による診断を受けられるようになる遠隔診療の技術は日進月歩、目まぐるしく進化しており、今回のような人と人が接触を控えなければならないような状況下においても有効であると考えます。今後5Gなどの環境整備が広まることで様々な不便が解消される時代がすぐそこまで来ていると言っても過言ではない状況です。そのような中、医療において抱える課題と最新のテクノロジーの融合は、今後の変化していく暮らしのスタイルになじみやすく感じているところです。 そこで、伺います。持続可能なまちづくりや市政の課題解決を推進していく上で新技術と市民の暮らしの融合は不可欠であり、これまでもスーパーシティー構想スマートシティーを例に提案してきましたが、具体的にどのような課題や上田市において実施可能なモデル地域を検討してきたか、また取り組む上での課題は何か伺います。 続けて、これまでの庁内に設置されたプロジェクトチームから出された課題解決に向け取り組んできた成果はどのように生かされていくのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 吉澤上田市政策研究センター長。          〔上田市政策研究センター長 吉澤 猛君登壇〕 ◎上田市政策研究センター長(吉澤猛君) おはようございます。上田再構築ビジョンに関して上田市政策研究センターで取り組んできた研究成果等につきまして幾つかご質問いただきましたので、順次お答え申し上げます。 まず、上田市政策研究センターにおいて今年度重点的に取り組んできました人口減少社会に対応した最先端技術導入による住民サービス向上と産業振興の研究結果に関して、令和2年度当初予算及び第二次上田市総合計画後期まちづくり計画への反映状況についてお答えいたします。 まず、令和2年度当初予算への反映についてですが、本研究では庁内プロジェクトチームを設置し、先端技術を活用して解決すべき地域課題や発揮すべき地域の強みを抽出し、検討してまいりました。その結果、4つのテーマ案による合計14の実施サービス、事業案を素案として作成し、それぞれについて今後の取組の方向性を検討いたしました。 この検討プロセスの結果、令和2年度においては課題解決に向けて優先的に実施すべきと評価した事業については実証事業等の実施を検討していくこととし、併せてその他の事業も含めて上田市全体のスマートシティー化の推進につながる計画を策定してまいりたいと考えております。 このため、上田市政策研究センターの令和2年度当初予算においては、スマートシティー化推進に関する計画の策定経費として、幅広い分野の皆様からご意見を伺うための謝礼や印刷製本費等を計上するとともに、実証事業等の実施や計画の策定に向けて内閣府のデジタル専門人材派遣制度の活用を予定していることから、そのための負担金を計上してご審議をお願いしております。 上田市政策研究センターではこれまで内閣府から提示された複数の情報通信関連企業との間で派遣協議を行ってきており、現在そのうちの1社との間で4月1日からの派遣開始に向け協定締結の準備を進めているところでございます。 次に、研究結果の第二次上田市総合計画後期まちづくり計画への反映についてですが、本年度の庁内プロジェクトチームにおける検討なども踏まえる形で、後期まちづくり計画における重点プロジェクトの一つとして、最先端技術活用プロジェクトを新たに位置づけるという方向性に関して、このほど上田市総合計画審議会において了承が得られたところでございます。 現段階における後期まちづくり計画案の中では、例えばAI・RPAを活用した行政サービスの提供や、AI・IoTを活用した生産性の向上支援といった施策を計画を構成する6本の施策大綱ごとに先端技術活用に関する施策として位置づける形となっております。 次に、先端技術活用に関する検討状況とその結果見えてきた課題についてお答えいたします。まず、検討状況ですが、当センターで国等から情報収集する中で、スマートシティー化の推進に当たっては解決すべき課題が曖昧なまま、技術優先で考えるのではなく、解決すべき課題の検討からスタートするという課題オリエンテッド、課題指向という考え方が示されております。この考え方に基づき、昨年9月に当センターを含め47の関係課室等をメンバーとする庁内プロジェクトチームをスタートさせて、まず人口減少や高齢化に伴い顕在化している地域課題等の洗い出しを行い、その結果、関係課からは合計85項目の課題等が出てまいりました。その後、昨年11月にかけてこれらの地域課題等のそれぞれに関して、民間事業者との情報交換により得られた知見をベースとして、技術的な実現可能性を評価するとともに、内閣府のスーパーシティ構想の要件となっている5領域以上の先端技術サービスの同時実装の可能性も勘案しながら、先ほどもご説明しましたように、事業計画案の素案というものを組み立てたところでございます。 この素案の内容ですが、テーマ案としては4つございまして、その1つ目が「中山間地域における人口減少・高齢化社会に対応した『安心・安全』な地域づくり」、2つ目が「椀子ヴィンヤードを核とした丸子地域の産業活性化」、3つ目が「観光施策・交通施策立案のための人流データの捕捉・分析」、4つ目が「防災・減災のまちづくり」、以上の4つを設定し、テーマ案ごとに複数の事業サービス、事業案を組み入れて合計14事業について検討、評価を行いました。 これら4つのテーマ案のうち、特に1つ目の「中山間地域における人口減少・高齢化社会に対応した『安心・安全』な地域づくり」に関しては、スーパーシティ構想への申請可能性を同時に検討する視点から、丸子地域または武石地域を想定して、例えば高齢者等の移動制約者のための移動手段の確保や、薬の宅配等の物流支援、また災害時の高齢者及び要支援者サポート体制の整備等の5つの領域のサービス分野をカバーする素案として組立てを行ったところでございます。 昨年11月以降、これら事業計画案の素案に関しては、民間事業者との情報交換により概算事業費の積算を行うとともに、庁内関係課との間での課題掘下げや関係団体との情報交換等により、事業実施に当たっての課題についても精査してきております。 このやり取りの中で議員からご指摘がございました中山間地域における医療に関しては、武石診療所の医師からもお考えを伺っております。先生としては、今のところ高齢者とのやり取りは対面で、雑談も交えて診療を行うほうが地域の実情に合っているのではないかという認識をお持ちでしたが、高齢者等の移動手段の確保や医療と介護、また医療機関同士の連携の在り方に関して先端技術を有効活用できるのではないかというお考えも持っておられるとのことでございます。 今まで検討状況を述べてまいりましたが、次にその結果見えてきた課題についてお答えいたします。まず、課題の1つ目ですが、スマートシティー化を進めるためには行政だけの対応では困難であり、サービスの提供者として民間企業、大学、NPO、さらにサービスを利用する側の住民の皆様も含めた様々な主体との連携が不可欠となることから、地域課題の解決等を目指して官民連携によるコンソーシアム体制の構築が必要となるものと考えております。 この連携体制の構築に当たっては、例えば上田市ではバス路線の廃止に伴い高齢者等の移動手段確保が急務となってきておりますが、今後仮に先端技術を活用して新たなデマンド交通等を実施する場合には、バス事業者に代わる新たな担い手の確保が不可欠となるなど、先端技術を有する企業だけではなく、サービスの事業主体となり得る地元企業やNPOなどとの連携に向けた十分な調整が必要となります。これに併せて、サービスを利用する住民の皆様に対してもご理解とご協力を頂けるよう十分な調整が必要になるものと考えております。 次に、課題の2つ目としては、国などからは先端技術の導入に当たって発生するランニングコストは行財政コストの低減につながるものでなければならないとの助言を得ておりまして、これまで検討してきた事業計画案の素案についてはいずれも一定程度のランニングコストが必要となることが判明しております。このため、事業実施に当たっては持続的なサービスの維持のために、本来は事業主体となる民間事業者等による自立的な運営が望ましいことではありますが、現実の収益性も勘案するとある程度の公費投入もやむを得ない場合も考えられるため、既存事業の見直しなどによる財源確保に向けた検討も同時に必要となるものと考えております。 今申し上げました事業実施に向けた課題等を踏まえますと、令和2年度の早い時期と想定されているスーパーシティ構想の公募開始までに官民連携によるコンソーシアム体制を整備し、5領域にわたるサービス提供に向けた事業の組立てを行うこと、そしてこれに加えて同構想の必須条件となっている住民合意を得ることはなかなか容易ならざる状況にあるものと認識しており、上田市としては関係団体や住民等の理解が得られる分野から段階的に先端技術活用によるスマートシティー化を図っていくことが現実的な選択肢ではないかと考えております。 最後に、庁内プロジェクトチームにおける検討成果の今後の生かし方についてでございますが、先ほど令和2年度当初予算への反映状況で申し上げましたとおり、可能な分野から実証事業等の導入を検討するとともに、議員ご指摘の医療分野などその他の分野も含めまして上田市全体のスマートシティー化を推進していくための計画を策定していくことにより、先端技術活用に関する施策を着実に進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) 上田市政策研究センターで様々な研究をされていることがよく分かりました。上田の課題たくさんあるということで、85項目にもわたるということです。上田独自のスマートシティーを目指すということをお聞きして、スーパーシティ構想、ちょっとなかなか難しいということで今分かりました。少し残念ではありますが、これから合意形成、あと官民連携の体制構築に期待をするところであります。 また、こういうことに関してはやはりリーダーシップというか、市長の強い思いの下に、それに市民が一丸となって向かうことが大切だと考えますので、最後になりますが、市長にリーダーシップについて伺っていきます。 市長の選挙のときの公約であります上田再構築を進める上で、直轄のシンクタンクである上田市政策研究センターでは、今伺いましたような様々な上田市の課題解決のための研究が進んでいることが分かりました。上田市もこれにより10年先、20年先の未来に向け、少子高齢化社会において持続可能な施策とその実施に向けて期待が高まるところではありますが、考えたことを施策に落とし込み、実装に至るまでは、先ほどもおっしゃられたように、まだまだ本気の行動力と、何より市政に関わる多くの皆さんが課題解決のために取り組んでいくための当事者意識を継続的に持ち続けること、つまりソフト面への方向づけは重要であると考えます。 そこで、伺います。上田再構築プランを掲げ3年目を迎える市長がまちづくりの具体的な大方針を市内外に発信することは重要なことであり、方向性を示すと同時に、市民にとって意思表示やその姿は土屋市長の責任感の表れとなり、その示された方向により市民が一丸となってまちづくりに取り組む活動が一層活発になり、上田市の発展につながるものと考えます。 先ほどの上田市政策研究センター長の答弁でもありましたが、市長の命により上田市政策研究センターが研究課題に据えたAI、IoTを駆使したスマートシティーを目指す上で、例えば「上田市スマートシティ化宣言」のような意思表示をしていただく必要が今こそあるのだと考えますが、市長のソサエティ5.0の実現に向けての本気度と確固たる決意を伺い、私の一般質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 上田再構築に向けた上田市のスマートシティー化の取組に当たっての考え方等について申し上げたいと思います。 まず、最先端技術活用に関する庁内プロジェクト、昨年発足いたしましたが、ここで検討された地域課題等については、いずれも人口減少や高齢化の進展に伴い顕在化してきている課題であり、特に、ご指摘もありました中山間地域においては高齢者の移動手段の確保や里山の環境の維持、保全に係る課題など、住民の皆様にとってそれぞれが切実な問題になっているということは認識しております。 上田市政策研究センターではこれまでの調査研究の中で、庁内プロジェクトチームで洗い出しを行った地域課題等に関し、先端技術活用による事業実施の可能性を検討し、一定の評価、方向づけを行ってきております。その結果、先ほど吉澤センター長が答弁しましたように、まずはいずれの事業を実施する場合でも技術活用を優先せずに、地域課題解決を指向することでサービスを利用する住民の皆様のご理解やご協力が重要となること、次に行政だけで対応することは困難であり、実施主体となり得る地元企業やNPO等との調整や連携が必要となること、そして持続的にサービスを提供していくためには、収益性等も勘案の上、既存事業の見直し等による財源を確保する必要があること等の課題が見えてきております。 今後上田市が人口減少、少子高齢化に対応して持続可能なまちづくりを進めていくためには、事業実施に当たって市民の皆様のご理解やご協力とともに、サービスの提供者となり得る民間事業者等の皆様のご協力と参画が不可欠となることから、それらを促進していくためには、議員がご指摘しましたように、上田市が積極的にスマートシティー化に取り組んでいる姿勢を内外に発信していくことも大変大切な視点であると考えております。 そのための手段といたしましては、1つには、国が設置しているスマートシティ官民連携プラットフォームや、民間コンサルティング会社等が設置しているコンソーシアム等に上田市として積極的に参加し、そこから得られる知見やネットワークを有効に活用していく手法があると考えております。 また、関係団体や住民の皆様の理解が得られた段階で、先端技術を活用した実証事業等を実施することによりまして、上田市として取組姿勢を積極的に情報発信しながら、住民の皆様に実際にサービスを体験、体感していただくことで段階的に取組を広げていくという手段も有効であると捉えております。 このため、上田市政策研究センターでは令和2年度におきまして、先ほども触れておりましたが、内閣府のデジタル専門人材派遣制度の活用により、情報通信関連企業からの人材派遣を受け、その知見やネットワークを活用しながら実証事業等の実施を検討するとともに、市全体のスマートシティー化の推進につながる計画の策定を予定しております。 議員からご提案を頂きました「スマートシティ化宣言」について、京都府木津川市等で同様の宣言をしているということであります。木津川市では令和2年2月4日付で宣言をされたということでありまして、その動向や有効性を見極め、まずは検討させていただきたいと考えております。 国が掲げるソサエティ5.0では、AIやIoT等先端技術の活用により経済発展と社会課題解決の両立を目指すことが示されております。先端技術活用によるスマートシティー化に向けた取組は課題解決等に向けた一つの手段であると認識しております。上田市においても様々な地域課題解決に向けて積極的に先端技術を活用していくことで、地域産業の振興や住民サービスの向上とともに、持続可能な地域づくりにつなげてまいりたいと考えております。 また、就任の3年目を迎えるというこの3年目は、ある意味で大切な3年目というふうに捉えております。スマートシティー化に限らず、大切な3年目ということを踏まえましてしっかりと取組をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前 9時57分   休憩                       ◇                                午前10時15分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第4号、市政について、齊藤加代美議員の質問を許します。齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) 通告に伴い、上田市立産婦人科病院、子育てに優しい上田、そして青少年の居場所づくり、3点について伺ってまいります。 まず最初に、このたびのコロナウイルスの感染対策において、それぞれの部局における急務な対応にねぎらいを、そして市民お一人お一人それぞれの困り事を抱えながらも今を乗り切ろうと、できることを自分事でしてくださっていることに心から感謝いたします。また、新型肺炎に妊産婦の感染、お産になることも予測があります。どうか万全のシミュレーションをお願いいたします。 このたび上田市立産婦人科病院、これからは産婦人科病院と呼びます。常勤医が2月3日付で就任いたしました。しかし、上田市が上小地域の周産期医療の牽引を担っている中、重要な立場において、大変重要な産科医をお隣の東御市民病院の常勤医の先生が就任したこと、実は大変驚きました。本人のご希望とはお聞きしましたが、上小地域にとって本当に適切だったかと疑問を持っております。 私もこの4月で議員になり2年間、幾度か産婦人科病院について質問を繰り返してきました。厚生委員会に所属し、産婦人科病院について多くの議論も重ね、平成30年度産婦人科病院事業会計決算認定附帯意見とし、経費の削減等により収入の黒字化に向けた取組を進めることに基づき、実情と今後の経営ビジョンについて伺ってまいります。 1点目といたしまして、2月から常勤医師が2名体制となりましたが、収支黒字化との関連性はどのように捉えているか伺います。 そして、2名体制になったことで非常勤医師の人数が減り、人件費が削減すると理解はしております。常勤医2名になったことで解消されると期待することは、女性にとって大変デリケートな医療分野、仮に私が妊産婦だとしたら、多くの医師が担当することは不安に大変つながります。次の病院はきっと慎重にならざるを得ない、そのことを解消することを期待しております。 2点目といたしまして、妊産婦1人に対し非常勤医師を含めた複数の医師が担当することは妊産婦にとって不安に感じることを理解しているでしょうか。また、担当医、助産師担当制度は導入しているか、2点伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 市立産婦人科病院についてのご質問を頂きました。 最初に、常勤医2名体制となったが、収支黒字化との関連性について答弁申し上げます。平成30年度以降常勤医師1名での厳しい診療体制の中で、非常勤医師を確保しながら、地域で必要となる分娩取扱体制の維持を最優先といたしまして、診療制限を行うことなく医療の提供を行ってまいりました。このような状況の中で安全性を確保するために、リスクをお持ちの患者は二次医療を担う信州上田医療センターへ早めに紹介することで当院での分娩取扱件数が逆に減少する要因となっておりました。併せて、里帰り分娩利用者数が減少したこともございまして、昨年度の決算では7,234万6,000円余の純損失を計上するに至っております。 こうした中で、この2月から、議員も触れられておいでになりましたが、新たに医師が着任いたしまして常勤医が2名になったことで、通常当院で扱うべき分娩を担う体制に戻ることになり、安定した体制で診療ができることとなりました。これにより、信州上田医療センターへの紹介件数の減少にもつながり、分娩件数と医業収益は一定の回復が見られることを期待いたしております。 一方、常勤医師を採用することができたことによりまして、診療体制を補完してきた非常勤医師の雇用を調整する、減らすことも可能となったところでございまして、人件費を見直すことによる経費節減にも努めてまいります。 さらに、常勤医師に対し当直回数に応じた割合で支給をしております医師職務手当について、この1月から支給基準を見直しをいたしまして経費削減を図ったほか、非常勤医師の報酬単価についても見直しを行い、同じく経費の削減を図ってまいります。 次に、担当医制等についてのご質問でございますが、産婦人科病院では分娩に対応するために24時間医師が常駐いたしまして、外来も複数の医師を配置して診療を行っておりますので、医師の担当医制はとってはおりませんが、しかし医師や看護スタッフによる症例カンファレンス等を通じまして患者の方の情報を共有し、診察に当たっております。 常勤医師1名体制のときには複数の非常勤医師にお願いいたしまして診療体制をとってきたところでありますが、新たに常勤医師を確保できたことで、これまでに比べまして固定的な医師の勤務体制で診療を行うことができることとなりまして、患者の皆様に安心してご利用いただける環境が整ってきたものと捉えております。 ご質問にございます助産師の担当制につきましては、当院をご利用いただいている妊産婦の方に対し、チーム担当制による医療や助産、看護の提供を行っております。具体的には、看護スタッフを4チームの編成といたしまして、妊産婦ごとに担当チームを固定化し、妊娠中から出産、産褥まで妊産婦のご希望や状況を把握をし、一貫した医療、助産、看護の支援が受けていただけるよう進めているところでございます。 また、妊産婦の状況に応じて必要な場合には、チームの中で主担当を固定化し、妊娠中から関係性を深め、関わりを高めることにより、患者様の体調や出産に対するニーズにお応えできる出産につなげるための体制をとってきております。併せて、妊娠中及び出産後の育児に不安をお持ちの方につきましては、継続的な支援を受けることが可能となるよう、保健師などの関係部局と連携をとりながら不安の軽減に努めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。医師の報酬単価の見直しなどご努力をされていること、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。また、ここで産みたいという妊産婦に寄り添い、そして助産師さんの力が最大限発揮できる病院であることを深く望んでおります。 昨年9月の一般質問で経営悪化について詳しく説明を私は受けました。産婦人科病院の出産数を昨年1月までの356名、そして今年度1月末279名と、前年対比しますと、前年比と約78%、マイナス22%と驚きの実績でした。平成29年度をピークに大幅な出産数の低下、そこで1点目、産婦人科病院の開院以来の出産数と外来患者数の推移をどのように捉えていますか。また、当院以外の市内の産科病院における出産数の推移はどうでしょうか。 2点目といたしまして、来年度から病室を利用した宿泊型産後ケア事業を実施予定であるが、事業の目的と内容はどうか、2点伺います。
    ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、産婦人科病院の開院以来の出産数と外来者数等の推移について申し上げます。 市立産婦人科病院におきましては、平成24年の移転新築以降、分娩件数、外来患者数ともに平均して年約3%の増加で推移してまいりました。地域内の分娩施設が減少傾向にある中で、公立病院としての役割を果たし、産婦人科病院の基本方針であります「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」として利用者に寄り添う医療の提供をしてきたことで、地域に求められる役割と機能を担うことができてきたものと考えております。 また、当院以外の市内の分娩を取り扱っている2つの医療機関では、それぞれにおいて分娩取扱件数は年々増加傾向にございまして、周産期医療提供施設が減少する中で、この地域においては地域内完結型の周産期医療提供体制が維持できてきたものと考えております。 平成30年度の途中から常勤医師が1名体制になったことから、安全性を重視した医療の提供を行うため、リスクを抱える妊婦の方については信州上田医療センターのご協力によりまして早期の紹介を進めたことなどにより、分娩取扱実績は大幅な減少となりました。こうした中で、先ほど申し上げましたとおりでございますが、新たな常勤医師の確保ができたことから、新年度以降は分娩取扱数など業務量の一定の回復が見込めるのではないかと考えております。 次に、来年度から行う宿泊型の産後ケアの事業、その事業の目的と内容についてでありますが、現代社会の傾向といたしまして、核家族化や地域のつながりの希薄化など、妊娠、出産、子育てに対する環境が変化しつつある中で、妊産婦の抱えていらっしゃる不安や負担が増えてきているものと受け止めをいたしております。4月から上田市が新たに取り組みます産後ケア事業は、退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポートを行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保することを目的といたしております。 この事業には2つの形態がございまして、宿泊型は産婦人科病院と助産所とうみに、またデイサービス型は助産所とうみとの委託により事業を実施する予定となっております。産婦人科病院では出産後の母及び生後3か月未満の乳児を対象に、空きベッドを利用しての宿泊をしていただきまして、お母さんの心身の健康管理、授乳指導や育児サポート等のきめ細かな支援に取り組んでまいります。 具体的には、24時間常駐する助産師が支援に対応いたしまして、必要な場合には医師の診察につなげることも可能となります。また、市民の方であれば産婦人科病院以外で出産された母子の方も利用することができ、育児不安や育児不慣れで支援が必要となる方に利用していただけるよう実施してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。新しい試みに心から期待いたします。 それでは、母乳外来の実績のお話をさせてください。令和元年度から2週間健診と同時に全対象者に拡大したこともあり、昨年133件に対し、今年、令和2年1月時点で282件と2倍以上の実績となっております。このように助産師さんの能力を活用した産後ケアを充実されていることは産婦人科病院の新たな大変な魅力と思っております。そして、BFHへ「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」を打ち出し20年たちました。今後の宿泊型産後ケア事業も増え、理想は私は母乳育児だと思っていますが、それも願っていますが、今の時代、父親の育児参加などと大変時代の変化は急速に変わってきております。母乳が著しくない方への安心したケアを含めた今の時代に合った病院であることも重要と考え、今求められているニーズの変化を踏まえ、今市民から選ばれる病院になるためには何が必要であると考えているか、また今後の経営ビジョンについてどうか、お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 市民から選ばれる病院になるため、また今後の経営ビジョンについてはどうかのご質問でございました。 より多くの皆様がお産をする病院として当院を選んでいただくためには、産婦人科診療のガイドラインに沿った安全で安心な医療を継続した上で、信頼される公立病院として病院の魅力づくりにも取り組むことが必要と考えております。 具体的には、妊娠中の定期的な妊婦健診以外でも気軽に病院に足を運んでいただき、病院スタッフと触れ合う機会を増やすための院内でのイベントや、出産後の育児不安や孤独化を防ぐための親子で参加するイベントの開催、あるいは育児サークルへの支援など、利用される方々との交流を持てるよう取り組んできたところでございます。今年度は赤ちゃん同窓会、七夕まつり、クリスマス会などを開催いたしており、大勢の皆様にご参加いただいたところでありました。 また、産後ケア事業や母乳相談の実施、産後鬱予防等を目的とした産後2週間健診や1か月健診を実施し、医療においても既存の施設の機能を十分に活用し、外来での診療内容を充実させるとともに、リアルタイムで分かりやすい情報の提供としてホームページの充実など、引き続き当院を選んでいただける病院づくりに取り組んでまいります。 今後の経営ビジョンといたしましては、昨年9月市議会定例会において附帯意見を頂戴いたしました。経営改善や病院の果たすべき役割、経営の在り方を踏まえまして、現在病院の運営を維持しながら、将来の病院の経営の在り方につきまして内部的な検討に着手をいたしたところでございまして、また併せて運営を維持するために義務的経費の削減や医療提供サービスの充実による利用者の確保など、収益の確保や経費の削減の両面から取組を進めているところでございます。 昨日の佐藤清正議員の代表質問でも答弁を申し上げたとおり、病院経営の将来の在り方につきましては、新たな組織となります地域医療政策室とともに、この地域で安定的な周産期医療の提供体制を維持するための取組についての検討と併せまして、産婦人科病院の在り方の検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。ぜひとも今後市民と考える、例えば周産期フォーラムなどを企画し、市民のニーズ、意見をどうぞつかんでください。そして、昨日佐藤議員の質問に院内助産院、手法として考えられるという答弁もありました。新改革プラン、来年度最終年度となります。そして、新組織、地域医療政策室に大きく期待をしております。 それでは、次の質問です。子育てに優しい上田として選ばれるための取組について伺ってまいります。今回の市長施政方針では、子育て支援について、子育てに夢や希望が持てる社会の実現を目指し、子育てするなら上田市でをアピールするというさらなる支援事業の拡充を努めると力強い言葉を頂きました。そのためには、子育てしやすい、子育てに優しい上田として選ばれなければなりません。子育てしやすいまちを見極めるポイントは行政による支援、これは大きな指標となります。そして、若い女性に選ばれるまちとなることも大変重要です。 上田市の姉妹都市、兵庫県豊岡市、コウノトリで有名な豊岡市ですが、取組といたしまして、人口減少の最大の要因は若い女性に住む場所として選ばれていないための考えから、2018年からジェンダーギャップ解消を掲げ、施策を展開しています。特に子育て中の時間短縮勤務など、共働きで子育てに優しいまちであることはとても魅力的であり、大変効果が上がっているとお聞きしております。 そこで、伺います。子育てに優しい上田として選ばれるための取組について、子育てしやすい地域になるために重点的に実施している施策は何か、また市が目指しているところは何か、土屋市長に伺います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 子供たちが健やかに育つこと、これは社会の宝である子供たちに対する全ての人の願いでもあります。私も子供は地域の宝であり、安心して子育てができるまちづくりを目標の一つに掲げ、子供たちが家庭や地域において豊かな愛情に包まれながら、夢と希望を持ち、未来の担い手として個性豊かにたくましく育ってほしいと願い、子育て支援策の充実に取り組んできたところであります。 しかしながら、子育てをする環境を見ますと、少子化や核家族化が進展し、子育ての手本となる存在が身近におらず、どう子供を育てていいのか分からないなど、子育てに不安や悩みを抱える親が増加傾向にあります。また、児童虐待の顕在化、子供の貧困、若年層における自殺の深刻化など、子供が安心して成長する基盤が揺らぎ、支援が必要な子供や家庭が増えているのが現状であります。 こうした多くの課題の中、上田市では今年度子育て支援施策を総合的に推進していくための上田市子ども・子育て支援事業計画の第2次計画について上田市子ども・子育て会議に諮問し、去る2月5日に答申を頂いたところであります。今後はその内容を最大限尊重し、子育て環境の充実に努めてまいりたいと考えております。 この第2次計画にも子供の成長段階や家庭の置かれた状況に応じて数多くの施策が盛り込まれておりますが、その中でも私が社会状況の変化に対応して重点的に取り組むべきものとして捉えておりますのは、まず子育てと仕事の両立への支援という点であります。両親とも就労している世帯が増えており、今年度市内2か所目の病児保育施設を設置いたしましたが、今後はさらに保育園の受入態勢の確保や放課後の子供の居場所の充実を図り、子供にとっても安心して過ごせる環境の整備を行ってまいります。 また、発達障害のあるお子さんへの支援の充実や、医療的ケアの必要なお子さんへの支援体制の整備、児童虐待防止対策や子供の貧困対策など、より丁寧できめ細かな対応が必要な子供や家庭への支援も取り組むべき喫緊の課題であると認識しております。 さらに、子育てしやすい環境とは何かと考えますと、行政の施策に加え、子育てをする家族を温かく見守る地域の存在が不可欠なものであると思います。現代の子育てを共に考える講座などを開催し、子育て家庭を応援する機運の醸成などにも取り組んでまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、子供が健やかに成長していかれるよう、ニーズに沿った施策を実施するとともに、若い世代に上田市で子供を産みたい、子育てをしてみたいと夢を描いてもらえるよう、そしてまた上田市で子供を育てる喜びを多くの皆さんに実感していただける社会の実現を目指し、子育て支援施策の充実に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。共働き世帯への支援は大変重要です。どうぞ引き続き重点的にお願いいたします。そして、私も今回この一般質問のときにいろんな資料を見させていただきながら、「子育てをするなら上田市で」、「で」とついていると、これは外向けのキャッチなのかな、それとも「で」を取ると「子育てするなら上田」と言い切ると、シビックプライドを醸成させる市民向けのキャッチとなります。そう疑問を持ちながら今回この一般質問を考えさせていただきました。こう疑問を持つのは私だけでしょうか。 さて、核家族や地域コミュニティーの在り方が大きく変化した今、自治体の子育て支援策は重要度が増すばかりです。上田市は県内でも先進的な子育て支援策を早期に打ち出し、実施していることは高く評価しております。近年どの自治体でも子育て支援を強化しながら、上田だったらこれというものが実は輝くものが見えにくくなっているような気がしております。 そこで、最も選ばれるためには、1、産後ケア、そして2に豊かな保育、重要な指標となっております。国内で唯一の公立単科の上田市立産婦人科病院は、市民の周産期を市が責任を持っている、これは大きな特徴です。さらに、地域周産期母子医療センター、お隣の信州上田医療センターが隣接されており、市民から見ればとても安心につながっています。しかし、現実はカルテは共通ではなく、両病院それぞれ受診が必要となるのが現実です。厚生委員会の附帯意見でもあります連携強化を図ることにより出産、育児支援と医療の質を高め、助産師さんの活躍など様々な効果がさらに期待でき、上田のさらなる特徴となることを言い添えて、次の質問に移ります。 上田では来年度から強化される産後ケア、アフターフォロー、そして母子育児支援等に力を入れていることが大きな特色となっております。現状とさらなる支援策の取組はどうか伺います。 そして、2点目です。昨今男性の育児参加が求められている中、ゆりかごの利用は母子のみとなっています。大切な育児スタートの時期に両親そろってのサポートが必須です。核家族化が進み、今までのニーズと違っていることを踏まえ、子育て支援施設ゆりかごの利用状況はどうでしょうか、伺います。 そして、近年男性の育児参加が求められており、育児開始時期は夫婦そろってのサポートが必要であります。このため、産後ケアの支援対策として、子育て支援施設ゆりかごの利用対象者に父親を含めることを検討したらどうか、多くの希望が私のところにも届いております。この2点伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、産後ケア、母乳育児支援の現状とさらなる支援策についてご答弁申し上げます。 妊娠、出産、子育て期は、妊産婦の方にとりまして身体的変化を伴う負担とともに、母親としての役割が求められる時期でございまして、精神的にも不安定な時期でございます。また、母親自身が幾つもの課題に同時に直面するときに支えるはずの家族にも課題を抱えている状況がありますと、さらに不安な子育てとなる場合もございます。こうした中、上田市においては妊娠届け時の全ての妊婦の方との面接、出産後自宅に戻って間もない時期の全戸の新生児訪問、そしてひとまちげんき・健康プラザでの助産師による母乳育児相談について、産前産後の母子支援として既に従来から実施をしてまいりました。 この母乳育児相談でございますが、新生児訪問も担当している助産師が担当いたしますので、その経験から母乳の相談を入口として様々な育児上の悩みの相談をお受けすることとしております。年間では延べ約1,000人の母乳相談、そして延べ2,800人の育児相談に対応をさせていただいております。母乳についての相談事業であるため、実際に乳腺炎の心配があるなど医療が必要となる場合には、市立産婦人科病院の母乳外来等への案内をするなど、産婦の方のニーズに合わせた対応も行っているところでございます。 加えまして、平成28年度からは子育て支援と母子保健の連携した子育て世代包括支援センターを開設いたしました。今まで別々に行ってまいりました各事業が母子保健と子育て支援それぞれのコーディネーターを配置いたしまして、一体的に行われることで各事業を取り巻く状況を幅広く捉え、支援の充実につなげておるところでございます。 また、平成30年10月からは子育て支援施設ゆりかごを活用し、助産師を派遣する産後ケアのデイサービス型を開始し、平成31年4月からは産後2週間と産後1か月健診を出産した病院等で受診できます産婦健康診査事業を開始いたしたところでございます。この産婦健康診査は、産後鬱質問票を用いまして、産婦の方の精神的な状況をチェックをすることで、その具体的な状況を産婦から確認することができる、今までの身体的な健康診査に加えまして、精神的な支援につなげる健康診査として充実を図ってきたところでございます。この健康診査導入後、今まで以上に出産後の医療機関等との連携が密となり、健診結果の情報により新生児訪問での対応や、必要な方へは産後ケア事業の活用など、産婦支援の早期対応につながっておるところでございます。 また、先ほども申し上げましたが、令和2年度からは助産師などの専門職の24時間体制で見守る産後ケア事業の宿泊型を市立産婦人科病院と助産所とうみにおいて開始することとしておりまして、産婦支援のさらなる充実に取り組んでまいります。 今後につきましても、産後のフォローについて、国や県の動向を注視しつつ、妊産婦の現状に即した寄り添った支援を進めてまいります。 続きまして、子育て支援施設ゆりかごでありますが、核家族化で実家が遠い、あるいは家庭での育児が不安、産後の肥立ちが思わしくないなどの母親が赤ちゃんと一緒に入所し、産後から心身の十分な回復を図り、希望に応じて育児相談などのサービスが受けられる施設でございます。利用状況といたしましては、原則6泊7日までとし、1日の利用料金と食事代をお支払いいただきご利用いただいております。平成29年4月からは上田地域定住自立圏構想の協定によりまして、連携町村の青木村、長和町、坂城町、嬬恋村の住民の皆さんにもご利用いただけることとなっております。利用中は育児経験のある専門の支援員が常駐いたしまして、身の回りの世話などを行っており、利用者の皆様からのアンケートでは、育児の相談ができた、ゆっくり休むことができたなどの感想を頂いておるところでございます。 利用状況についてでございますが、毎年平均して20人前後、延べ160日ほどの利用となっております。また、同伴者として新生児の兄または姉等きょうだいも一緒に寝泊まりすることができまして、休日や平日の夕方にはご家族がご様子を見に来られるといった状況にもございます。 次に、ゆりかごの利用者を父親にも広げてはどうかのご提案でございました。ゆりかごは同時に2組の母子が利用できる施設でございますが、シャワー室や洗面室、トイレなどは共用となっております。このことから、男性が寝泊まりすることで一方の家族への配慮が損なわれるなどの懸念もございます。したがいまして、ゆりかごはまずは母親の心身の回復を前提としたデリケートな施設としての役割を大事にしてまいりたいと考えております。 なお、議員ご提案の父親の育児参加は大切な視点でございます。この点につきましては、妊娠期のうぶ声学級での父親の育児体験や男性の育児などをテーマとする講座等の開催、仕事と家庭が両立できる職場環境の整備など、子育てが母親だけではなく、いわゆるワンオペ育児に陥らないよう、妊娠期から父親も子供を持つ生活をイメージできるような事業を行うなど、引き続き様々な取組を充実させてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。どうぞ父親視点、大事にしてください。 それでは、次に魅力ある幼児保育について、この2月に丸子まちづくり会議主催で子どもの明日を考える集いに参加いたしました。この信州やまほいく認定に携わった東御市出身の竹内さんのお話を伺い、長野県で令和元年8月時点で210園の認定となり、県内で3分の1認定を受けております。上田の認定を調べてみますと、公立のすがだいら保育園、そして上田女子短期大学附属幼稚園2園のみとなっておりました。信州やまほいくの質問は昨年金沢議員の質問でありましたので、詳細は省きます。 この講演で自分の子育てを振り返りながら納得することが大変多く、自然と触れ、不思議をたくさん感じ、子供自ら課題設定をし、失敗しても乗り越えることでやり抜く力が自信となり、自己肯定感を高める、子供は遊びの天才です。この芽を摘むのも伸ばすのも大人であることの責任だと思っております。 長野県の問題意識として、自己肯定感は小学生は6割、中学生では5割、高校生では3割程度自己肯定感が下がり続けると社会的自立が困難となり、ひきこもり状態も長期化となる、言わば社会問題であるニート、ひきこもりの深刻化が増すという講演の内容でした。自然体験や生活体験が豊かな子供は自己肯定感が大変高い、データ的な根拠もあり、社会問題の根っこの幼児保育の重要性を深く感じたところです。信州上田学でもライフステージに応じた学びの提供、やまほいくと連携した幼稚園、保育園の自然教育も出前講座で行うとして市長方針からありました。それらをどう形にしていくか、どう実行に移すかが重要だと考えております。 そこで、伺います。魅力ある保育の充実として県が推進している信州型やまほいく認定制度の取得を拡大する考えはあるか、お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 信州型自然保育やまほいくについてでありますが、信州型自然保育認定制度は、信州の豊かな自然環境と多様な地域資源を活用した屋外を中心とする様々な体験活動に積極的に取り組む団体を長野県が独自に認定いたしまして支援する制度となっております。平成27年度から開始された制度でございますが、現在までに長野県全域で210園が認定を受け、県内の保育、教育施設の3分の1程度までに拡大いたしております。 認定の種類は2つございます。1つは、屋外を中心とした体験活動が週15時間以上とする特化型で、質、量ともに自然保育に重点を置いた活動が行われるものでございます。もう一つは、屋外を中心とした体験活動が週5時間以上とする普及型でございまして、これはほかの活動と併せて自然保育にも積極的な活動が行われるものとなっております。 上田市で認定を受けた園は現在、議員のご質問でも触れられておりましたが、公立のすがだいら保育園と私立の上田女子短期大学附属幼稚園の2園でございまして、いずれも普及型となっております。そうした中で、すがだいら保育園につきましては、信州上田学の一つとして、近隣のNPO法人やまぼうし自然学校と交流をしながら、山遊びや野外活動を行っております。 上田市といたしましても、自然保育は保育所の保育指針においても幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、自然との関わり、生命尊重がうたわれているように、大切にしていかなければならない保育の形であると認識をいたしております。 また、当制度はやまほいくという愛称をつけておりますけれども、周囲に山々がないような環境でありましても、例えばまちの建物等の軒下から落ちる雨垂れの音にも自然を感じることができ、そのような小さな変化に気づくことが自然保育の基礎、ベースにつながることから、中山間地域以外の園でも取組は可能ではないかと考えております。 上田市においては四季折々の自然や伝統と歴史に育まれた地域資源は豊富でございますので、これらを教育、保育の現場に生かしつつ、自然体験活動など自然保育も推進するとともに、やまほいく認定園の拡大についても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。前向きなご答弁、大いに今後期待しております。外向けのアピール同様、一番大切な市民、住民の幸福度が高まる施策をどうぞ掲げていただき、子育てに優しい上田を実現してほしいと願っております。 次の質問です。時間がないので急いでまいります。上田市婦団連の懇談会の中で、義務教育が終わった以降青年たちの居場所として上田市勤労青少年ホームが5年前に閉館となり、その後その役割を持った代替施設がない、近年増加するニート、ひきこもりの深刻化が進む中、こういった青少年を含む青年たちの居場所が明確でなく、青少年たちは行き場を探しているという当事者のお母さんのお話を伺いました。私が所属する会派では12月、世田谷区立希望丘青少年交流センターを視察しました。家にも学校にもないものを若者が主体的に活動できる場所や気軽に立ち寄れる居場所、そして若者たちが地域とつながり、世代を超えた交流を推進しており、活気にあふれ、調理室や録音スタジオが完備され、30歳まで無料で利用ができました。 そこで、伺います。勤労青少年ホームは5年前に閉館となり、その役割を果たす施設が現在ありません。上田市は青少年の居場所としてどのように考えているか伺います。 また、視察の際あまりにも録音スタジオが画期的だったので、特に音を出せることを主に置くと、上田には何があるかと考えました。ありました。音を出せるスタジオが完備されているサントミューゼです。そして、スタジオの利用率を聞いてみると、大変人気で95%の稼働率、だったら公民館は生涯学習の場として広く使われている、高齢者の利用が大変イメージが高いのが現状です。青年たちが起こした民衆による地域文化の創造と改革を求める自由教育運動だった上田自由大学の発祥の地として来年100年の節目の年となります。その原点を振り返ってほしいと願いながら、2点目、公民館では青少年を対象とした居場所づくりは実践されていますか。音が出せるように各公民館で防音対策を取っている部屋があると聞きます。青少年たちが気軽に音楽を演奏できる場として活用はできませんか。 以上、最後の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 青少年の居場所をどのように考えているかとのご質問でございます。 勤労青少年ホームは昭和41年に建設されまして、いわゆる若者の居場所、社会教育的な活動の場としての役割を果たしてきておるところでございます。その後、勤労青少年の余暇利用の多様化等に伴いましてホーム利用は減少し、僅かなクラブ活動や貸館の利用となりまして、施設の老朽化も著しい状況でありましたことから、平成27年3月に閉館に至ったという経過がございます。 閉館後は、各種講座の開催や若者のクラブ活動の場としての役割につきましては、公民館、体育施設及び勤労者福祉センターに引き継がれております。また、市内11か所の児童館、児童センターは、18歳未満の方は無料で利用できる施設となっておるところでございます。 一方、市内では民間の施設等もございまして、こういった皆さん方のご努力によりまして、若者に寄り添った取組が行われており、若者の居場所となっておるケースがございます。市といたしましても、こどもまつりや成人式実行委員会等の事業において、若者が運営側に携わる機会を通しまして自己実現の場を提供しており、今後ともこうした機会の提供ですとか、市民団体などが若者の居場所として運営している施設の情報を提供してまいりたいと考えております。 次に、公民館では青少年を対象とした居場所づくり事業を行っているかとのご質問でございます。公民館には青少年が自由に集える専用のスペース等は設けられておりませんけれども、高校生や大学生に働きかけまして、様々な公民館活動においてボランティアとして活躍していただく場を設けております。一例を申し上げますと、城南公民館の夏休みチャレンジひろば、上野が丘公民館のわいわい塾、川西公民館や武石公民館の通学合宿などは高校生や大学生が運営ボランティアとして活躍しておられます。どの事業につきましても、地域を学びながら多世代の交流が進むように取り組んでいただいているところでございます。 一方では、若者の公民館利用が少ないのも現実でありますので、若者のニーズを捉え、若者が参加しやすい日時に配慮した事業を開催するなど、公民館をより身近に感じていただくことで若者の居場所の選択肢の一つにつながるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時01分   休憩                       ◇                                午前11時15分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第5号、市政について、井澤議員の質問を許します。井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) 通告に従い順次質問させていただきます。 昨年10月に発生し、上田市にも大きな傷痕を残していった令和元年東日本台風災害から間もなく5か月がたとうとしています。改めて検証する意味においても、またいつ襲ってくるか分からない次の災害に備える意味においても幾つか質問をさせていただきます。 2月12日の信濃毎日新聞に、東日本台風の豪雨災害から4か月となるのを機に、県内77市町村長を対象としたアンケート結果が載っていました。全県的に今回の災害の教訓を生かし、災害に対する様々な対策に乗り出していることや、復旧に向けた課題が見える内容となっていました。指定避難所やハザードマップの見直し、それらに関連した計画の見直しを行い、防災に重点を置いた災害に強いまちづくりをすることは喫緊の課題と考えます。 記事の中では復旧、復興に向けて直面している課題として上田市の状況が紹介されていました。復旧に103人の土木技師が当たっている上田市では、これまで県内外8自治体から延べ18人の派遣を受け入れたが、人手不足が続いている。特に設計のできる技師が足りない。市総務課の担当者は正規職員も再募集しているが、なかなか確保できない。当分は少人数でも対応していくしかないと紹介されていました。災害発生以降、復旧、復興に向けてご尽力いただいているご苦労に心から感謝すると同時に、市民としては一抹の不安を覚える記事でもありました。 そこで、お伺いします。復旧、復興に向けての現状と課題は何かお伺いして、最初の質問とします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 復旧、復興に向けての現状と課題についてご答弁申し上げます。 令和元年10月の東日本台風では、中山間地域を多く抱える丸子、真田、武石地域の河川、道路、農林業施設等におきまして多くの被害がありまして、現在早期復旧に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。 現状といたしましては、河川や道路、農林業施設等の復旧における設計や監理監督業務には市の土木技術職員が当たっておりますが、平成18年の合併以降、現在の土木技術職員の数は、技術系以外の部署にいる職員も含めまして約1割の減少となっております。そのため、平成以降では最大となった今回の災害復旧業務に当たりましては、これまで県内外8自治体から10名以上の土木技術職員の派遣を頂き、対応に当たっていただいたところでございます。 一方、土木技術職員の新規採用は再募集をしても確保が難しい状況にありまして、現在復旧に伴う工事発注を進めておりますが、工事が本格化する令和2年度以降も現行とほぼ同様の体制での対応が想定されることから、今年度に引き続き県外から土木技術職員数名の派遣受入れを予定しております。土木技術職員の確保は今後も対応していかなければならない課題であると認識しております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 先ほどの信濃毎日新聞の記事の出た2月12日ですが、ちょうど上田商工会議所の建設業部会の役員さんと環境建設委員会との意見交換会がありました。その中でこの新聞記事を見られた役員の方から、上田市はなぜ防災サポートアドバイザー派遣制度を使わないのかと、佐久地域には災害直後から何人も入っているといったご意見を頂きました。 この制度について承知していなかったので調べてみました。長野県防災サポートアドバイザー協会のホームページにはこのように紹介されています。近年大規模災害発生への不安が高まる中、災害発生時の支援態勢として、また技術力向上と継承のため、長野県建設部土木技術職退職者有志が発起人となり、長野県防災サポートアドバイザー協会が設立されました。防災サポートアドバイザーとは、長野県の公共土木施設において、地震及び風水害等の災害発生時及び災害による被害の発生が予想される場合に、県または市町村からの要請を受け、公共土木施設に関する情報の収集、災害復旧活動をボランティアとして支援するものですと書かれています。現在132名が登録されているとのことです。国土交通省のホームページにも民間人材の応援事例としてこの防災サポートアドバイザー派遣制度が紹介されています。 長野県防災サポートアドバイザー協会へ今回の台風災害の復旧活動について確認してみました。佐久市管内へは10月16日に4名入っているそうです。その後10月29日に1名、11月6日に2名と入られているとのことです。上田市には11月7日に真田、丸子2か所に2名入られているとのことです。上田商工会議所建設業部会役員さんにご指摘いただいたとおりの内容でした。土木技師が足りない、少人数で対応していくしかないという現状でありながら、過去の教訓を生かしたこういった制度があるのに活用されていない、不思議で仕方ありません。 そこで、お伺いします。長野県防災サポートアドバイザー派遣制度を活用する考えがあるかお伺いし、第2問といたします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 長野県防災サポートアドバイザー派遣制度の活用の考え方について答弁申し上げます。 東日本台風による被災を受けた直後、県からのアドバイスもありまして、国土交通省のテックフォース・緊急災害対策派遣隊によります公共土木施設の被災状況調査が行われました。ここでは1班4人編成により8班が各地域を単独で調査、報告を頂きまして、早期に被災状況を把握することができ、その後の災害復旧事業を速やかに実施することにつながりました。また、県におきましては、国の災害査定が完了した本年1月末まで上田建設事務所に職員を増員していただき、そのうち1名の職員の方に被災直後から約1か月間、上田市の40か所以上の被災状況の調査、復旧方法等の技術的助言を頂き、国の災害査定にスムーズに移行し、復旧事業の推進を図ることができました。 議員ご提案の長野県防災サポートアドバイザー派遣制度につきましては、長野県防災サポートアドバイザー協会が運営しておりまして、台風等の異常な天然現象により公共土木施設が被災した際、建設事務所や市町村からの要請に基づき、長野県建設部OB等から成る防災サポートアドバイザーを現地に派遣し、災害復旧活動をボランティアとして支援する制度となっております。 上田市におきましても、東日本台風の際には比較的被災規模が大きかった丸子地域の橋梁、真田地域の道路について防災サポートアドバイザーを派遣していただき、災害復旧工法に関する技術的な助言を頂きました。 今後につきましても、土木技術職員が不足する中では長野県防災サポートアドバイザー派遣制度は早期復旧に向けた心強い支援活動であり、積極的に活用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきました。上田市のように長らく大きな災害が起こっていない自治体では、職員の災害対応という点においての経験値は当然低くなってしまいます。大きな災害発生時には経験豊富な土木技術者のサポートは大変有効であると考えます。防災サポートアドバイザー協会の担当者は、上田市から要請があれば132名の登録メンバー内であれば何名でも派遣していただけるとのことでした。ただいま部長のほうから今後の積極的な活用をしていきたいというお話頂きましたので、私もそれを、何かあってはいけないのですけれども、何かあった際にはそういった制度を積極的に活用していただければと考えております。 続きまして、避難情報について幾つか質問させていただきます。2月26日に上田市のホームページがリニューアルされました。質問を通告したときには令和元年台風第19号避難情報という項目でホームページに掲載されていたのですが、今は令和元年東日本台風に係る解除済みの避難情報として残っています。この令和元年台風第19号避難情報とはどのような情報を掲載しているかお伺いし、第3問といたします。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 上田市公式ホームページ上の、現在は令和元年東日本台風情報でございますが、昨年10月の台風災害時に発信いたしました上田市メールの中から避難に関する情報を抜き取りまして、まとめて掲載をしております。災害時の上田市メールは、緊急速報として発信した避難情報のほかに、気象庁から出される気象警報や河川洪水情報、道路管理者から出される通行規制情報が頻繁に発信されておりますことから、メール配信された情報の中から住民の皆さんに直結いたします避難情報を抜粋し、現在どの地域に避難勧告、避難指示が発令されているのか、開設されている避難所情報などを分かりやすくまとめたものでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきました。上田市では災害時の避難情報としてメール配信を行い、市民にも登録し、受信するように呼びかけています。昨年11月1日現在で2万2,807件の登録があり、上田市からの緊急時の情報伝達手段はホームページ、上田市メールによる情報発信を基本としていると議会でも答弁されています。災害発生時には市民にとってまさしく命綱とも言える重要な情報源となるわけです。災害時の気象情報は5段階になっています。早期注意情報であり、災害への心構えを高めましょうとする警戒レベル1、大雨注意報、洪水注意報等で避難に備え、ハザードマップ等により自らの避難行動を確認しましょうとする警戒レベル2、高齢者や障害者などの要配慮者とその支援者は避難とする警戒レベル3、全員避難、避難所に速やかに避難するという警戒レベル4、そして既に災害が発生している状況であり、命を守る最善の行動を取る警戒レベル5、この早期の注意報である警戒レベル1と2は気象庁が発表する災害情報ですが、より危険度の高い警戒レベル3、4、5の避難情報は市からの発令となります。そして、この危険度の高い警戒レベルの避難情報の発令手段がホームページであり、上田市メールであるわけです。 ですが、先ほどお伺いした令和元年台風第19号避難情報と上田市が配信したメールの内容を見比べると、幾つかの相違点があります。先ほどのご答弁いただいた内容では、上田市メールの中から抜き取って掲載したとご答弁いただいておりますが、中には2つのメール配信をまとめたと思われる内容であったりするものもありますが、上田市が発令する警戒レベル4、警戒レベル5の大変危険度の高い災害情報がこのホームページ上の令和元年東日本台風に係る解除済みの避難情報には載っていますが、上田市メールでは配信されていません。災害時の避難情報として市民に呼びかけ、上田市からの緊急時の情報伝達手段の基本だという上田市メールで警戒レベル4、警戒レベル5の大変危険度の高い災害情報が市民に配信していないというのは問題だと思います。 そこで、お伺いします。東日本台風接近時に配信されたメールと令和元年台風第19号避難情報の内容が異なっているのはなぜか。また、上田市メール配信サービスによる配信情報に誤りがあった場合の対応はどうかお伺いし、第4問といたします。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) メール配信につきまして幾つかご質問いただきました。 メール配信につきましては、即時性がある情報発信といたしまして、発令されました1つの避難情報に対し、状況の変化により対象自治会の追加など内容に変更があった場合はその都度配信しておりますが、ホームページでは、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、1つの避難情報について複数のメール配信の内容をまとめ、最新の避難対象自治会などが分かりやすくなるよう掲載をしておりました。 例えばでございますが、ホームページに掲載されております10月12日19時、警戒レベル4、避難指示発令とタイトルのつけられている避難情報の内容は、神川の水位が氾濫危険水位を突破する危険性が生じたことによるもので、メール配信では同日の18時57分に配信した避難指示発令と、その後に発令した対象自治会の追加、また19時57分に配信した菅平ダムの放流に関する情報をまとめて掲載いたしました。 議員ご指摘のメールとホームページの内容が異なっているという点につきましては、タイトルが19時、警戒レベル4、避難指示発令の内容に19時57分に発信いたしました菅平ダムの放流に関する情報をメール配信後に追記いたしましたが、更新した時間の記載がなかったため、実際には20時過ぎに放流された菅平ダムの情報が後にホームページを閲覧した際には19時にいかにも放流が開始されたように捉えられ、メールの配信の内容と異なっているように見えてしまいました。 もう一つの例といたしましては、10月12日午後9時45分に千曲川の堤防から水があふれ出したことから、警戒レベル5の災害発生情報を発令いたしましたが、緊急性を鑑み、迅速かつ効率的な情報発信手段であるLアラートを活用した緊急速報メールにより配信いたしました。このLアラートを活用した緊急速報メールの配信によりまして、テレビ、ラジオ等の各メディアのほか、主要携帯電話会社3社、ドコモ、au、ソフトバンクでございますが、これを使用して緊急速報メールを受信設定している全ての携帯端末に警戒レベル5の災害発生情報を発信されたため、上田市メールでの発信は行わず、ホームページへは掲載いたしました。 今後ホームページへの記事掲載の際には記事の更新時間を掲載するなど、後からホームページを見返したときにも分かりやすい情報掲載となるよう改善するとともに、市民の皆様に発表される様々な情報を分かりやすく、また適切に発信できるよう、今回の教訓を踏まえまして情報発信の在り方について検討してまいりたいと考えております。 また、情報発信の内容には誤りがないよう複数の担当者により確認するなど細心の注意を払っておりますが、ご質問の情報に誤りがあった場合の対応といたしましては、当然のことながら迅速に訂正をし、正しい情報の発信をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきました。菅平ダムの放流のことについてもこの避難メール、今ご答弁いただいた内容と重なってくるのですけれども、そちらでちょっと幾つかまた指摘したいと思いますので、ただいま答弁されたことについては取りあえずお聞きした中で次の質問に移りたいと思います。 この菅平ダムの放流については12月の議会の中でも何人もの同僚議員から質問されています。その中で答弁では毎回事前には上田市メールでも配信していると答えられておりますが、私も台風情報のメール削除しておりませんけれども、菅平ダムの放流について事前のメールは残っておりません。ホームページで過去の上田市配信メールを全て見ることができますが、菅平ダムの放流については事前のメール配信は見つかりません。 1月29日に消防団本部と環境建設委員会の懇談会を行いました。消防団の皆さんにおかれましては、10月12日の暴風雨の中から15日までの4日間に延べ1,605人の団員が出動していただき、住民の避難誘導や土のう積み、土砂、倒木の撤去を行い、被害の拡大を未然に防いだことが認められて、水防功労者国土交通大臣表彰を受賞されました。改めて感謝申し上げたいと思います。 東日本台風のときの各分団の活動報告を見させていただきました。その中で菅平ダムの放流に関する項目が幾つかあります。長分団では丸山橋が倒木により通行不可、またダム放流により橋が渡れず団員が孤立する、土屋市長の計らいで一般住宅に宿泊したと書いてあります。また、ダム放流に伴い周辺にて活動中の団員を高台に一時避難、これは19時20分頃ということです。また、ダム放流の前の警報サイレンが鳴らなかったのではないかという声もあります。13分団では菅平ダムの放流時間が20時と聞いていたが、それより早く放流したと感じた。突然無線にて放流の一報が入り、活動中の団員が危険な目に遭ったと、こういった菅平ダム関係の報告が上がっております。 こういった報告を見ても、いかに情報が正確に伝わっていなかったかと感じるところでございます。台風が迫る暴風雨の中、危険な現場で活動していただいている消防団の皆さんに本当に申し訳ないと思います。 そこで、お伺いします。10月12日の菅平ダムの放流について、市民への情報周知は十分であったのでしょうか。 次の質問も続けさせていただきます。私のところに菅平ダムの放流についてのメールが届いたのが、先ほど部長も答弁いただいたように、私のところに届いたのは19時57分です。その内容は、こちらは上田市です。菅平ダムの水位の上昇に伴い、先ほどから放流を始めましたという文面です。これを見る限りでは間違いなく8時前に菅平ダムは放流を始めたと思います。また、先ほども指摘させていただきましたけれども、令和元年東日本台風に係る解除済みの避難情報の中には、これも先ほど部長答弁いただいたように、19時発表の警戒レベル4、避難指示発令という中に、菅平ダムが水位の上昇に伴い、先ほどから放流を始めました、今後急激に水位が増えますので、下記の自治会の浸水想定区域に居住されている方は大至急避難してくださいとなっています。19時の発表で先ほどから放流を始めたと、これは誰が見てもそういう文面でしかないわけです。上田市のメールを見ても、ホームページの避難情報を見ても、議会答弁の内容とは明らかに違うと思います。菅平ダムの放流時間を把握しているのか伺い、以上2問お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 菅平ダムの放流と神川流域への避難情報の発令についてお答え申し上げます。 まず、菅平ダムの放流につきましては、昨年の10月12日の午後5時頃に長野県企業局の菅平ダム管理所から午後8時頃の放流予定について事前の連絡がございました。この連絡を受けまして、市では真田消防署と東北消防署の広報車により周知を行うとともに、午後6時30分頃から複数回にわたり真田有線及び上田有線によりダム放流があることについて周知を行っております。その後、東日本台風に伴う降水量が増加する中、神川の水位が氾濫危険水位3.0メートルを突破する危険性がありましたため、午後6時40分に真田地域と上田地域の神川の浸水想定区域に居住されている方に対して警戒レベル4の避難指示を発令をして、メール配信サービス等により避難を呼びかけるとともに、午後7時には影響が及ぶ可能性がある地域についても避難指示を追加して発令いたしました。また、ダム放流前の午後7時57分には、ダムの放流に備えてメール配信サービスにより再度避難を呼びかけております。 こうした中、流木等が丸山橋に堆積して溢水したことによりまして通行不可能となり、真田町長の大日向地区の一部が一時孤立するなどの状況が発生しましたが、地元の消防団や自治会の皆さんのご尽力によりまして無事避難することができ、この場をお借りして改めて感謝を申し上げます。 その後、私どものほうで後ほど確認しましたが、午後8時に菅平ダムのゲート放流があったというふうにお聞きしておりまして、この菅平ダムの下流の大日向地区の水位局の水位は、ダム放流前の午後6時半にピークとなる3.05メートルを記録をしたのに対して、ダム放流後は高いときでも2.52メートルにとどまるということなど、菅平ダムは利水ダムでありながら、約200万トンを貯水して放流を抑制することで治水に一定の役割を果たしたと県の企業局からお聞きしております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) 今ご答弁いただいた内容は12月議会で何度もご答弁されている内容なのですけれども、菅平ダムが8時に放流しますという市民に対するメールというのは明確には行われていないと思います。何度見てもそういったものはございません。そういった2万件以上の市民が災害メールとして受信しているメールに対してきちんとこのことが伝わっていないと私は思います。ですから、消防団員、さっきそういったいろんな混乱が起きたり、こういう紛らわしいメール、既に8時前に放流始まったというようなメールも現にあるわけでして、非常に現場でいる者は何時に放流が始まったのだろうということは分からず、消防団もああいった報告になってしまっているのではないかと思います。 菅平ダムの所長さんにも当日のことを詳しく伺いました。間違いなく菅平ダムではマニュアルどおり対応されておりました。30分前の19時30分にサイレンを吹鳴して20時に放流を開始し、下流の大日向警報所では19時50分にサイレンを鳴らして、水は約20時20分に通過、横沢警報所では20時5分にサイレンを吹鳴し、水は約20時35分に通過、真田地域自治センターでは20時20分にサイレンを吹鳴、水は約20時50分に通過、そして水は四日市橋をおおむね50分後の20時50分に通過して、千曲川に合流したのが放水からおおむね100分後の21時40分とのことです。 しかも、放流当初の水量は毎秒0.38トン、それを徐々に増やしていって、ピークの毎秒約30トンになったのは21時50分、当時のアメダスの記録を見ますと、群馬県側の降水量が非常に多く、合流する幾つかの支流の川で大水が発生したという話もお聞きしています。それを裏づけるように、先ほどお話もありましたけれども、大日向水位局の記録では、菅平ダム放流の水より約2時間前の18時30分頃に水位がピークになっています。消防団員の皆さんが菅平ダムの放流だと思っていたのは、恐らく支流からの大水だったと推測されます。でも、こういった紛らわしい情報が発信されている中でそう思ってしまうのは仕方がないと感じております。 今回の台風災害では混乱も当然あったと思います。ですが、上田市メールは災害時の市民の命綱です。先月には南極で20度を超えたというニュースもありました。また、長期予報では今年の梅雨は大雨だとも言われています。地球温暖化が要因とされる異常気象の自然災害はこれからも大変心配されるところであります。 いろいろ指摘させていただきましたけれども、ぜひ今後の災害対応に生かしていただけることを願って、次の質問に移ります。 次の質問のバス路線を維持していくための課題につきましては、昨日の議会においても何度か答弁いただいた内容と重なってまいりますので割愛させていただき、最後の質問をさせていただきたいと思います。 1月20日に千曲バスさん、上田バスさんと環境建設委員会との懇談会を行いました。それぞれ上田市の地域交通を担っていただいている会社さんであるわけですが、深刻な運転手不足という現状を訴えられていました。市としても何か手だてはないか、自分なりにいろいろと調べてみました。地域おこし協力隊制度を利用できないでしょうか。全国を見ますと、幾つかの自治体で地域おこし協力隊の皆さんが地域交通を担ってくれています。群馬県の上野村では、村の交通や輸送を支えるバスやトラックの運転手、香川県の土庄町ではマイクロバスの運行業務、島根県の美郷町ではデマンド型の地域交通、島根県の若桜町では、県などが出資する第三セクター方式の鉄道の運転手等幅広く活躍されています。地域おこし協力隊サポートデスクに問い合わせてみたところ、こうした形態に問題はないとのことでした。地域おこし協力隊制度も創設から10年が経過し、昨年度には隊員数5,359名、取組団体数1,061団体と発展しています。運転手の確保策として地域おこし協力隊制度を活用すべきと考えますが、見解をお伺いし、最後の質問とさせていただきます。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 地域おこし協力隊についてのご質問を頂きました。 運転手の確保策としまして議員ご提案の地域おこし協力隊の活用についても一つの視点であるというふうには認識しております。地域おこし協力隊の制度は平成21年度にスタートしまして、30年度末の時点では全国で5,500人を超える隊員が地域づくりに取り組まれている状況でございます。 地域おこし協力隊制度の趣旨といたしましては、地域ブランドや地場産品の開発、販売、PR等の地域おこし支援、農林水産業への従事、住民の生活支援などの地域協力活動を行いながら、その地域への定住、定着を図ることとされております。このような制度の趣旨を踏まえますと、路線バス等の運転手の確保策として本制度を活用することについては難しい面があるものと考えております。 一方で、地域おこし協力隊の制度を活用した交通等に関する他市町村の事例について触れさせていただきます。島根県美郷町の住民の移動支援策である有償運送ドライバーとしての活動、長野県小海町の買物支援策としての移動販売車の活動、また熊本県南阿蘇村では、南阿蘇鉄道の駅業務やPR支援に取り組む活動などが挙げられます。 バス路線の維持を図るため運転手の確保は喫緊の課題と認識しておりますが、地域おこし協力隊の活用につきましては、地域協力活動という制度の趣旨を踏まえ、公共交通全体の視点から住民の移動を支援する方策の一つとして今後検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午前11時51分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、池田議員の質問を許します。池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 通告に従いまして市政について順次質問いたします。 まず初めに、犯罪被害者支援についてお聞きいたします。今回この質問をさせていただくきっかけとなった背景をまず簡単に申し上げます。昨年7月18日、京都アニメーションにおいて放火により36名が亡くなり、三十余名が負傷するという凄惨な事件が発生したことはまだ皆さんの記憶にも新しいところであります。 さて、この犯罪に巻き込まれた被害者たちのその後の支援は、住んでいる自治体によって支援があるところ、ないところにばらつきがあり、日常生活に戻りたくてもなかなか戻れない被害者も少なからずいらっしゃるようです。本来一義的には犯罪者が被害者に対して相応の損害賠償を行うことでありますが、凶悪犯罪を犯した者がその道義的責任を果たすことは事実上不可能に近いわけでありまして、被害者のよりどころは公的な支援に行き着くことになります。 警察庁が定義している凶悪犯とは、殺人、強盗、放火、強姦、この4つになりますが、全国で起きる凶悪犯罪件数の推移を警察庁発表の平成28年度版データから調べてみますと、殺人が1,000件前後でほぼ横ばい状態、強盗が2,500件で、平成18年と比べると半減の状況、放火は1,100件程度でほぼ横ばい、強姦が1,200件から1,400件の間を推移しているという状況です。こうした凶悪犯罪によって心身的、経済的なダメージを受けながら必死に元の生活に戻ろうとしている被害者が年間で全国では5,000人以上に及んでいるというのが我が国の実態です。 一方、犯罪被害者に対する国の法整備も進んでおりまして、平成17年4月に犯罪被害者等基本法が施行されております。この法は、国と地方公共団体に対して損害賠償の請求についての援助、経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対する給付金の支給に係る制度の充実、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策の構築、そして住居の安定を図るため、公営住宅への入居における特別の配慮等必要な施策の構築、これらを求めているわけであります。 しかしながら、全国47都道府県のうち、犯罪被害者支援に関連する条例をいまだ制定していない都道府県が14ありまして、残念ながら我々の住むこの長野県もその14の中に入っております。こうした状況を踏まえて質問いたします。 1点目、上田市の過去5年間における犯罪件数はどうか。 2点目、犯罪被害者等からの相談の状況はどうか。 以上お尋ねしまして、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 犯罪被害者支援についてのご質問でございます。順次お答えいたします。 まず、上田市で発生した過去5年間の犯罪件数ですが、上田警察署の取りまとめによりますと、刑法犯につきましては、平成27年は933件、平成28年は819件、平成29年は724件と減少傾向でございます。平成30年に入りまして742件と少し増加いたしましたが、令和元年は579件と、前年より大幅に減少しております。過去5年間の犯罪の発生件数を見ますと、上田市内で発生する犯罪は全体的に減少傾向と言ってよろしいかと思います。 また、上田市内で発生した過去5年間の刑法犯の犯罪を見ますと、多い犯罪といたしましては、万引き、自転車盗、器物破損の順となっておりますが、このほかに犯罪としては強盗、傷害などの凶悪犯罪や空き巣や事務所荒らしなどの住宅や事務所に侵入して盗み出す侵入犯なども発生している状況にあります。 次に、平成17年4月に犯罪被害者等基本法が施行されましたが、犯罪被害者等からの相談状況はどうかというご質問でございます。議員ご質問の犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とし、法律の中で犯罪被害者等とは、犯罪や犯罪と同様な有害な行為によって心身に被害を被った方や、その家族、遺族との定義がされております。相談体制といたしましては、上田警察署が事務局となりまして、上田市、東御市、長和町、青木村や地方検察庁等15団体による上小被害者支援ネットワークを組織しておりまして、上田市では人権男女共生課が対外的な窓口となって、庁内体制といたしましては、生活環境課、子育て・子育ち支援課、福祉課など庁内12の課において相談に応じております。 法律の定義で言う犯罪被害者等からの相談状況につきましては、上田市消費生活センターを中心に詐欺や悪徳商法、DV、虐待などがございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 私も個人的には上田市内においてはいわゆる凶悪犯罪というものの件数は少ないのではないかなと、日頃からそういう印象は持っております。しかしながら、報道されるコメントの中に、こんな平和なまちで殺人事件が起こるとは思っていなかったというようなものを度々耳にいたします。犯罪被害というのは、災害と同様にいつ、どこで起こるか分からないものであります。市内で起きるはずがないという先入観を持つことは戒めなければならないというふうに私は思います。 そこで、お尋ねしますが、犯罪被害者等からの相談があった場合、市ではどのような対応を取るようになるのか、また警察とはどのような連携を取るのか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 相談者への対応といたしましては、犯罪性につきましては市において判断はできませんけれども、相談者の苦痛に寄り添って十分傾聴し、それぞれの担当する部署あるいは専門機関を紹介し、支援やアドバイスを行うこととしております。また、犯罪の疑いがある相談につきましては、警察への通報や相談を行い、解決策があるか、警察と連携を図りながら進めておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 京都アニメーション放火殺人事件では、被害者の居住する自治体によって事件後の生活再建に向けた支援に大きな差があったということは先ほど申し上げたとおりです。県警のホームページを確認したところ、国が用意している犯罪被害給付制度によって幾つかの給付金が支払われるようです。遺族給付金というのがあります。被害者が亡くなられたとき遺族の方に給付をされるもの、重傷病給付金、重傷病を負ったとき被害者本人に支給されるもの、障害給付金、障害が残ったとき被害者本人に支給されると、こういったものがあるわけです。これに加えて、京都市、神戸市、横浜市、明石市、四日市市、静岡県長泉町などでは、被害者支援条例に基づく独自の支援を行っているところもあります。 そこで、お尋ねしますが、上田市には犯罪被害者が生活再建をする上で必要となる給付金の制度があるでしょうか。また、放火等の被害に遭ったり、あるいは自宅が殺人現場となるなどの理由から居住地での生活が困難になった方が優先的に市営住宅へ入居できるような配慮等があるかどうか、以上2点答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 私からは給付金制度についてお答え申し上げます。 犯罪被害者等を対象といたしました経済的支援に関する自治体独自の取組として、被害の程度に応じた一定額の給付金を支給する見舞金や、被害により収入を断たれたり、多額の治療費用がかかるといった場合に、緊急的に無利子または低利子により資金を貸し付ける貸付金などの制度を導入しているところがございます。警察庁の調べにおいては、昨年4月1日現在、政令指定都市を除く全国1,721市区町村中、給付金制度のある自治体は、見舞金については244市区町村、割合にして14.2%、貸付金におきましては11市区町村、0.6%となっております。 なお、県内の状況といたしましては、先ほど議員からもありましたとおり、長野県もございません。及び上田市を含む全77市町村にはこうした給付金制度等はございません。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 市営住宅への優先的な入居についてお答えいたします。 市営住宅への一般申込資格である上田市民または上田市内で働いている方や、持家がなく、住宅に困窮している方及び所得が世帯構成別に定めている基準以下の方などに該当しており、特に居住の安定確保が必要となる生活保護世帯、障害者世帯、ひとり親世帯及び多子世帯などにつきましては、年4回実施しています入居募集の際に抽せん回数または倍率を優遇する優先枠での申込みを可能としております。 ご質問いただきました放火等の被害に遭い、住宅に居住できなくなった場合や、自宅が事件現場となったことに伴い精神的な後遺症が生じ、医学的に居住することができなくなった場合、または犯罪の被害によって身体を害され、収入が減少し、生計維持が困難となった場合につきましては、犯罪被害により従前の住居に居住することが困難となった世帯としまして、優先枠での申込みを可能としております。 また、放火等の原因を問わず、災害で住宅を失い、住宅に困窮している方に対しましては、市営住宅の空き家を家賃などを免除して一時的に提供し、被災者の生活再建を支援しております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) それぞれ答弁いただいたところです。市営住宅等への入居には優先枠があると、また給付金の制度というのは今のところはないと、こういうことでした。 何の落ち度もない善良な市民がある日突然犯罪に巻き込まれ、生活に支障を来すと、こういう状況に追い込まれることは決してあってはならないことだというふうに私は思います。犯罪件数は減っているとはいえ、いつ、どこで、誰が犯罪に巻き込まれるか誰も予測はできないものです。犯罪の撲滅はまず我々が取り組まなければならないことでありますが、犯罪は起こるものだという前提でその被害者の支援を考えておく必要がありますし、当然上田市の支援の体制の整備は犯罪被害者等基本法にのっとって進めていかなければならないものというふうに思います。 上田市は犯罪を決して許さない、犯罪を撲滅するのだという市民の強い意思を明確にし、同時に犯罪被害者を支援するための条例制定することを提案したいというふうに思います。このことにつきまして市の見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 条例制定の見解についてでございます。 上田市では上田市人権尊重のまちづくり条例に基づきまして、上田市人権施策基本方針を策定しております。9つの分野別施策の方向性の一つに犯罪被害者等を挙げ、犯罪被害者等の人権や支援策についての啓発活動や、犯罪被害者等の状況に応じ、先ほど答弁いたしました情報提供や精神的被害に対する相談など、関係機関、団体と連携しまして適時適切な支援が行えるよう取り組んでまいりました。 犯罪被害者等の皆さんの精神的ショックや経済的負担など苦悩があることを考え併せ、支援に関する条例を制定している自治体の実例や条例の運用を参考に、国の支援制度や他の制度も見極めながら、県の対応も注視しつつ、今後条例の内容、必要性について研究してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 上田市でも法にのっとって犯罪被害者を支援する仕組みを一日も早く整備していただくことを望みます。 次に、地域内分権についての質問に移ります。市内には現在11の住民自治組織が立ち上がり、それぞれの地域の実情に合わせてどのようなまちづくりを行うべきか様々議論が行われ、住民目線による施策展開が図られているところであります。ただ、住民自治組織に交付される交付金の額が最終的にどれくらいの規模になるものか、またどのような権限が市から移譲されるのかなど、いまだ明確になっていない部分があります。 そこで、お尋ねします。住民自治組織を発足した地域では、住民自治組織の委員を自治会地区連合会や地域協議会の委員が兼ねていることが多く、負担感が多いとの声も聞こえてまいります。組織の運営や体制についてどのような意見が出ているのか、またそれら意見に対して市としてどのような対応を行ったか。 次に、住民自治組織の委員の中には権限やその範囲、または交付額の全容がいまだに明らかになっていないことから、それぞれの活動に対する意欲や士気の低下が出始めているといった声もお聞きいたします。ちょうど1年前の3月定例会において、私は交付金算定のルールと市全体における年間の交付金の見込みのこと、また財源のこと、そしてその決定までのスケジュールを質問させていただきました。担当部長から基金だけに頼らない財源の検討が不可欠になってきたので、自治会に対する補助金や委託料のうち住民自治組織への移管が可能と思われる事業については交付金に取り込むことも検討する、またスケジュールは早期に示せるようにしたいという趣旨の答弁を頂いたところであります。 令和2年度の当初予算において住民自治組織支援事業分として昨年度比で約1,300万円増額の5,548万円余が計上されております。これは住民自治組織交付金の最終形と考えてよろしいかどうか、以上答弁を願います。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 住民自治組織設置以降の組織の運営や体制についてどのような意見が出されているか、また意見に対する対応についてのご質問でございます。 住民自治組織からの意見、相談につきましては、直接組織に寄り添い、協働する地域担当職員などを通じてお聴きするほか、平成30年度からは設立済みの全組織の会長や事務局職員と市の担当職員が一堂に会して意見交換や情報提供を行う場である全体会議を開催し伺っているところでございます。 こうした機会を通じて頂いたご意見として、運営に関するものでは、事務処理の簡略化を求めるご意見のほか、住民自治組織の活動が本格化するのに伴って交付金の増額を求めるご意見、翌年度への繰越措置や後年度の事業実施のための積立てを認めてほしいといった交付金の運用について拡充を求めるご意見が主な内容でございます。体制に関するものといたしましては、議員ご指摘のとおり、自治会や地域協議会の委員が住民自治組織の委員を兼ねていることによる負担増や、組織に参画する住民や団体の掘り起こしが進まないといったご意見が出されております。 こうしたご意見に対する対応でございますが、まず運営面といたしましては、事務処理の簡略化のための会計ソフトの導入、また交付金の増額と拡充につきましても、令和2年度当初予算において地域まちづくり計画策定済みの組織に対して新たな交付金の算定基準を導入するとともに、必要と認められるものに限り繰越しや積立ての制度を盛り込んだところであります。 また、体制面におきましては、多くの住民自治組織において組織の活動に参画する意欲ある住民や市民活動団体といった担い手の確保が進まないことから、結果として自治会長や地域協議会の委員が住民自治組織の委員を兼務せざるを得ない状況になっているものと捉えておりますが、こうした状況を変えていくためには、住民自治組織と自治会が相互に理解しながら補完し、役割分担のもと活動することで住民自治組織が地域住民に広く理解され、意欲ある住民や市民活動団体などの参画につながっていくものと期待をしているところでございます。市といたしましても、引き続き地域づくり人材育成講座の開催などを通して意欲ある人材の掘り起こしに努めてまいりたいと考えております。 次に、当初予算での交付金は最終形と考えてよいかとのご質問でございます。これまでの住民自治組織への交付金につきましては、組織設立後から組織の活動指針となる地域まちづくり計画が策定され、安定した組織の運営が定着化するまでの間の支援を目的として、基準額に地区連数、人口規模に応じて定着化交付金を交付してまいりました。 一方で、組織の活動が本格化するのに伴って交付金の増額や翌年度への繰越し、後年度の事業実施のための積立てといった交付金ルールの拡充を求めるご意見が多く寄せられておりましたことから、令和2年度当初予算におきましては、地域まちづくり計画を策定済みの組織に限って新たな算定基準による活動推進交付金と、年度をまたぐ事業や年度当初の支払いに限定した繰越し、単年度では実際にできない事業等に対応するための上限を設定した積立てを可能とする制度の拡充を図ったところでございます。 活動推進交付金につきましては、活動をさらに推進するため、人口規模に応じて算出する人口割を新たに活動費として拡充し、今回計上させていただいたところでございます。令和2年度における内訳といたしましては、活動推進交付金に移行する組織は、既に計画を策定済みの6組織と令和2年度中に策定が完了する予定の3組織の合計9組織であります。従来の定着化交付金の交付予定は2組織となっております。 なお、財源を基金だけに頼らないために、これまでも庁内関係課と協議を進めているところではございますが、例えば現行の自治会にお願いしている事業のうち、自治会よりも広域的な住民自治組織へ移管することが地域にとって効率的かつ効果的な事業につきましては、自治会連合会との協議を重ねる中で一つ一つご理解を頂いてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、住民自治組織に対する支援につきましては最終形という考えではなく、今後少子高齢化や人口減少といった社会情勢の変化による影響を注視しながら、活動の状況に応じて見直すべきところは見直しながら柔軟に対応していく必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 次の質問です。本年度末をもってわがまち魅力アップ応援事業の新規募集が終了いたします。この事業は、自治会から市民団体まで幅広く市民が活用することができ、市民の自由な発想の中で事業が行われ、地域づくりに寄与してきたものというふうに私は評価をしております。 ところで、来年度予算においてわがまち魅力アップ応援事業の継続分として3,000万円が計上されております。これは昨年度と比較して2,000万円の減少ということになります。一方、先ほどの質問でも申し上げたとおり、今年度比1,300万円が住民自治組織支援事業に増額されていること、そして来年度の新規事業分として活力あるまちづくり支援金事業が創設をされておりまして、ここに500万円を新たに計上しております。 そこで、お尋ねいたします。1点目、住民自治組織支援事業に増額された1,300万円は、わがまち魅力アップ応援事業の減額分を財源とした措置であると考えてよろしいかどうか。 2点目、来年度の新規事業、活力あるまちづくり支援金事業に充てられた予算500万円も同様にわがまち魅力アップ応援事業の減額分を財源とした新規事業と考えてよろしいかどうか。 3点目、活力あるまちづくり支援金事業を新たに新設した背景とその理由についてはいかがか。 以上3点一括して答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) わがまち魅力アップ応援事業についてご質問いただきました。 このわがまち魅力アップ応援事業は、まちづくりの主役である市民自ら創意工夫により地域の魅力を高め、市民の交流を促進する自主的な取組を支援する制度として、合併前に各地域にあった支援制度をリニューアルし、平成20年度に新設いたしました。今年度までの採択件数は延べ約1,180件、補助金の総額は5億8,000万円余りとなっております。30年度に実施した利用者団体へのアンケート調査では、規模の大小ありますが、約9割の団体が補助終了後も活動を継続しておりますことから、本事業が住民主体の取組の動機づけになり、地域の個性、特性を生かしたまちづくりに大きく寄与しているものと捉えております。 一方、市内各地域では自治会や市民活動団体などの多様な主体が参画し、地域課題への対応やまちづくりに取り組む新たな仕組みとして住民自治組織の設立が進められております。このことから、今後各地域における住民主体のまちづくり活動は、自治会を初めとする多様な主体が参画するこの組織が担い、市からの交付金を活用しながら様々な事業の展開が見込まれております。 地域振興事業基金を財源とするわがまち魅力アップ応援事業の予算につきましては、平成29年度から段階的に縮小し、同じく地域振興事業基金を財源とする住民自治組織への交付金、これへの転換を図ってきたところであります。 来年度予算におきましては、議員ご指摘のとおり、わがまち魅力アップ応援事業予算の減額分は基本的には住民自治組織交付金の財源に振り替えるとともに、また新たな支援制度である原則として全市を対象とした活力あるまちづくり支援金事業の財源としても活用してまいりたいと考えております。 次に、活力あるまちづくり支援金事業を新設した背景と理由でございます。これまでわがまち魅力アップ応援事業で支援を行ってきた自治会や市民活動団体などが行う全市域を対象としない地域限定のまちづくり活動につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、今後は交付金により活動する住民自治組織が担うことになりますので、各種団体に対しての組織への参画を促しながら実施していただく仕組みに変更いたしました。 一方、全市的な活動をする団体への支援につきましては、県の地域発元気づくり支援金の活用を促してまいりますが、補助額の下限が30万円と定められておりますことから、わがまち魅力アップ応援事業の新規申請が終了した令和2年度以降は全市にまたがる下限以下の小規模な取組に対する支援が全くないという状況となってまいります。わがまち魅力アップ応援事業の利用団体へのアンケート調査では、多くの団体が活動に対する市独自の支援制度の継続を求めていることや、まちづくりを行っている団体の皆様からも小規模な取組を支援してほしいという要望を直接頂いていることから、市といたしましてもこれまでわがまち魅力アップ応援事業で培ってきた貴重な市民活動を衰退させずに市民力をさらに発展、維持していく観点から、制度の隙間となる補助額30万円以下の取組に対して新たな支援制度として活力あるまちづくり支援金事業を創設することといたしました。 この新たな支援金事業の具体的な内容といたしましては、活性化やまちづくりを目的に主体的に取り組む5人以上で構成される市民活動団体を対象団体といたしまして、補助率は県の元気づくり支援金に合わせて4分の3以内、補助期間も県と同様の最長3年、補助額は上限30万円としております。初年度となる令和2年度の当初予算にはわがまち魅力アップ応援事業の新規申請の実績を踏まえて、申請件数を17件と見込み、500万円を計上したところでございます。少額ではございますけれども、本事業が市民活動団体の支援につながり、住民主体のまちづくり活動がさらに活性化するよう制度の普及に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 地域内分権を進める上で住民自治組織は市民力を生かし、市民の幸福のために実効性を持つことこそが重要であるというふうに私は考えます。 そこで、伺います。1点目、組織がより実効性を持つためには何が必要であると考えるか。 2点目、土屋市長に伺います。市長の目指す地域内分権の形は前市長と全く同じものなのかどうか。仮に違いがあったとするならば、その相違点を教えていただきたいと思います。 3点目、地域内分権を推進する上での市長の思いあるいは覚悟はどうか。 以上3点を答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 住民自治組織は自治会の枠を超えた一定の範囲で自治会や市民活動団体、企業など様々な主体が連携、協力しながら相互に補完する組織として、地域住民の福祉の増進に資する地域課題の解決とか、あるいはまちづくりを行う実働組織と位置づけていることから、議員ご指摘のとおり、住民自治組織は市民が自主的、主体的に地域課題の克服に取り組もうとする市民力を生かし、実効性を持つことが重要であろうと思います。その上でより実効性を持つためには、急速に進行している人口減少と超高齢社会において、地域における自主的、主体的な実践の必要性を市民の皆様にもご理解いただき、市民力をより高めること、また多様な主体が多様な視点でつながりを持ち、支え合う地域社会を築く源である共感力を持って住民自治組織の活動に積極的に参画していただく人材や団体の掘り起こしと育成が必要であろうと思います。 新たな地域自治の創出を目指して導入いたしました地域内分権の推進につきましては、新市発足時の合併協定書や新市建設計画にも位置づけられておりますから、これまでに取り組んできた各種施策や第4ステージの目標である住民自治組織の全市域への設立についても基本的には政策を継承して取り組むべきと考えております。 また、私の公約であります上田再構築プラン7つの挑戦の中でも、市内全域のつながりにより均衡ある発展を目指し、地域の強みを生かす地域内分権の推進を掲げておりますことから、これまで市が進めてきた地域内分権と私の考えに大きな違いはないということであります。 しかしながら、地域内分権の確立に向けた最終目標年度であります令和2年度後も社会情勢の変化を見据え、私自身がサテライト市長室などの機会を活用し直接地域の皆様のご意見を伺いながら、再構築の視点で変えるべきところは変え、見直すべきところは見直すなど、柔軟に対応してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、我が国がこれまでに経験したことのない人口減少と超高齢社会の到来に対応するためには、地域内分権の推進による活力ある地域コミュニティーの維持と多様な主体が互いに特性を認め合い、対等な立場で役割分担を行いながら協力して主体的に活動するいわゆる協働が不可欠であると思います。これまでどおり、私も地域の皆様のご意見を直接伺いながら、地域に寄り添い、地域内分権の確立に向け粘り強く着実に進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 今、市長から地域内分権に対する熱い思いをお聞かせいただきました。 次に、小学校で新年度から教科化される英語教育について質問いたします。上田市では2年前倒しで小学校の授業に英語を教科として取り入れ、本格実施の来年度までに様々な試行錯誤を繰り返し、課題をクリアした上でスムーズに英語の教科化に進みたいとしておりました。いよいよその実施まで1か月になったわけですが、お尋ねいたします。 英語を2年先行して実施した成果はどうか。また、解決に至らない課題は何か、以上お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ただいま英語の先行実施の成果と課題についてご質問を頂きました。 上田市では来年度からの学習指導要領の改訂による外国語科の導入に先立ち、2年前から英語活動、外国語活動を実施してまいりました。先行実施する際には市で統一したカリキュラムがなく、学級や学年、学校間で授業内容や進め方に差があったことから、先行実施を確実なものとするよう、単元と教材を組み合わせた上田市モデルカリキュラムを作成し、市内で足並みがそろうように取り組んできたところでございます。 また、小学校英語教科化推進委員会を設置いたしまして、推進委員が中心となって研修会を計画したり、英語担当の指導主事による巡回指導や公開授業を実施し、授業の進め方など研修も行ってまいりました。学校におきましても、英語を重点教科として、平成30年には9校が、今年は3校が取り上げまして、年間を通じて指導の在り方など研究に取り組んでまいりました。 先行実施を始めた2年前には教員から英語力、発音、指導力に自信が持てないなどの不安があったわけでございますが、この2年間研修や研究、実際に授業を行い経験を積んできたことによりそういった不安も徐々に薄れてきたというふうに思っております。子供たちにとっても英語に触れる機会が多ければ多いほど聞く力、話す力が身につくものでありまして、先行実施してきた成果であると捉えております。 一方で、課題といたしましては、来年度から小学校で外国語を通算140時間学んだ学年が中学校へ進学してまいります。小学校で楽しく学んだ外国語が中学でもスムーズに学べるよう、しっかりとした小中の接続、連携を支援してまいりたいというふうに思います。この辺りが課題であるというふうに捉えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 上田市が英語を2年先行実施すると決めた当時、これまで英語という教科を教えたことのなかった小学校の担任の先生にいきなり英語を子供たちの前で教えてくれということになったら教える側も教わる側も混乱を来すことになりはしないか、そういった懸念を私は持っておりましたが、2年たった今もその私の懸念が全て払拭まだされておりません。市内の小学校25校の5、6年生のクラスは100近くあるというふうに思いますが、その100人のクラスの担任の先生はこの4月から自信を持って子供たちの前に立てる状況になっているでしょうか。これまでも一般質問などを通じて音楽や理科に専科の先生が配置されるのと同様に、英語という教科の特殊性、専門性に鑑みると、各小学校に英語の専科教員を配置してはどうか。あるいは英語指導に携わってきた民間人材も弾力的に登用してはどうかという提案もさせていただいたところであります。 そこで、お尋ねしますが、新年度小学校のALTや英語の専科教員の配置の予定はどうか。また、文科省が財政措置しないのであれば、市単事業で英語教員を加配し教科担任制にすべきと、私はその思いを一層強くするわけですけれども、改めて教育委員会の見解をお聞かせください。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ただいまALTや専科教員のことについてご質問いただきました。 ALTの配置状況でございますが、10人のうち6人を小学校に専属で配置いたしまして、全校でチームティーチングを行ってまいりました。また、県費の英語専科教員は4人配置されまして、本務校、兼務校合わせて9校で授業を行っております。来年度につきまして、ALT10人で市内36校の小中学校に対応するのは人数が足りないことから、十分ではないという心配がございます。当初予算におきまして新たに2人を増員するための予算を計上し、お願いしております。子供たちが生きた英語に触れる機会を増やしてまいりたいというふうに考えております。 また、英語専科教員につきましては、県は来年度に専科教員を20人増やす計画をしております。上田市への加配も予定しているとお聞きしております。 次に、教科担任制についてでございますが、文部科学省の中央教育審議会初等教育分科会では、昨年12月に教科担任制、要するに現行の音楽や理科のように専科制度をしくというような内容でございますが、小学校高学年から本格的に導入すべきという方針を取りまとめました。教科担任制の導入で学校の指導体制がより柔軟になり、教材研究が充実し、授業の準備も効果的になる、そして教員の長時間勤務も是正されるといったメリットを挙げております。 一方で、教科担任制に必要な教員数をどう確保するかということは大変問題でございます。要は、中学校の教員免許状1つでは小学校の担任はできにくいということであります。そんなことから、免許法の上でもいろいろ困難状態がございます。市では現段階において市単独の英語専科教員の任用は考えておりませんが、英語の授業においては担任と専科教員が授業を進めることになりますが、加配のない学校と担任が授業をやる学校との差が大きくならないように配慮してまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、専科教員は私個人的には大歓迎でございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時44分   休憩                       ◇                                午後 2時00分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)独居高齢者向け終活支援について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第7号、独居高齢者向け終活支援について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) 通告に従い順次質問してまいります。 今回の質問は、独居高齢者向けの終活支援について伺ってまいります。日本は歴史上経験したことのない速度と規模で超高齢化社会に突き進んでおります。令和元年版高齢社会白書によれば、平成30年10月1日現在、人口1億2,644万人中、3,558万人の方々が65歳以上であり、並行して核家族化も確実に進んでおります。今年度には65歳以上のひとり暮らしの全国世帯は約762万世帯にもなることが推測されております。このような状況から孤独死の問題が深刻化しており、年間約3万人以上の方が孤独死されていると推計されております。この件数は年間の死亡者件数約130万人中およそ50人に1人の割合で孤独死を迎えていることになるのです。孤独死はもはや特別なことではなく、身近に起こっている日常の問題ではないでしょうか。 現状引取り手のないいわゆる無縁仏に関する最終的な対応は各市町村が担当しておりますが、死後事務手続等の各種作業は膨大かつ複雑であり、今後その件数も増えることが懸念されています。人間として生まれて死を迎えることは自然のことではありますが、せめて人生最後の瞬間は穏やかに、尊厳を持った死を安心して迎える体制構築がこれからの超高齢化社会において必要ではないでしょうか。 しかしながら、現実は人生最後の瞬間からその後の対応に関してはいまだ制度構築や支援体制は十分ではないと思います。特に身寄りのない独居高齢者の方々に対して早急に体制構築して、安心して充実した老後の生活を過ごしていただくことが必要だと考えます。 このような状況を踏まえ、まず上田市内の状況に関して伺ってまいります。現在65歳以上の独居世帯はどのくらいおられるのか。また、今後はどのように増加すると予想しているのか伺います。また、年間孤独死を迎える方はどのくらいおられ、そのうち引取り手がなく、上田市が埋火葬した件数はどのくらいあるのかも伺います。 次に、現在無縁仏を安置している供養塔の受入状況はどうなのか。また、遺族の方々がおられるが、遺骨の受取りを否定され、安置している件数はあるのか。 以上3点を伺い、私の第1問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) まず、市内の65歳以上の単身世帯数についてですが、高齢者介護課が民生児童委員の協力を得て作成する65歳以上で同一敷地内に親族がいない方を対象としたひとり暮らしの台帳というものを作っております。平成31年4月時点で3,780人を登録しております。ただ、この台帳の登録者は身寄りがないということではないので、ご留意をお願いいたします。 次に、今後の増加の見込みですが、国立社会保障・人口問題研究所によると、2040年、長野県における65歳以上の単身世帯数は2015年の国勢調査時から約45%の増加と見込まれています。この増加率を先ほどの台帳の数に単純に当てはめると、約5,400人となります。 次に、孤独死についてですが、統計的な数値がないため、上田警察署が自宅での死亡等で死体の検案に出動した中で、すぐに駆けつけられる身寄りがないためひとり暮らしの高齢者と判断された方の数字として、平成30年は56人、昨年は71人となっております。この数字も亡くなられた方が全員が無縁ということではありません。 遺体の引取り手がない無縁となったご遺骨は、諏訪形地籍の上田市霊園内の納骨堂に仮安置しています。霊園及び納骨堂の所管は生活環境部で、現在の納骨堂は昭和54年度に上田市霊園内に納骨堂を建設した後、仮安置の可能数に不足を生じたため、平成21年度に新たに建設したものです。 納骨されるのは主に生活保護の受給者の方が多く、死亡時に65歳以上であった方の直近の3年間の受入件数は、平成29年度が5件、平成30年度が4件、今年度はこれまでに4件で、現在は91の遺骨を仮安置しています。引取り手のない理由としては、親族調査でも身寄りの分からない方、交流が途絶えていて遠縁であること、あるいは生前での親族関係の悪化などを理由として引取りを拒否されたことなどでございます。 以上です。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 まず、1つ答弁漏れがあったというふうに思いますので、それについて質問します。孤独死のところは平成30年56人、令和元年71人ということでしたが、そのうち引取り手がなく上田市が埋火葬した人数、この辺に対して答弁が漏れておりますので、答弁をお願いいたします。 それで、思ったよりも現状少なく、年間供養塔に安置されているのが四、五名ということでございます。ただ、この部分に関しても今後高齢者の皆さん、そして高齢者だけでなく多くの孤独死が増えてくる現状では今後対策が必要ではないかなというふうに感じておりますので、検討をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。エンディングノートの活用に関して伺ってまいります。終活に関する要望は徐々に高まっておりますが、改めて自分の死後の対応を真剣に考えることの必要性は何となく感じていても、実際はまだまだ実感として考えたくないというのが普通の感覚ではないでしょうか。しかし、人間はいつ最期の瞬間を迎えるかは誰も分かりません。まして高齢になればなおさらその瞬間は確実に近づいてまいります。そのまさかの場合に備えて自分が死んだ後の様々な対応や方針を少しずつでも考えて記録に残し、負担のない範囲で準備することは残された多くの方々にとっても大変助かりますし、ご自身の意思を確実に反映するために有効な手段であります。 全国の多くの地方自治体が無料でエンディングノートを希望者に配布するとともに、終活に関する啓蒙や支援を始めています。介護やお葬式の方法、さらには相続についての情報等をエンディングノートに記入されていれば、万が一のとき残された身内や知人、市役所の福祉担当者などの関係者が慌てずに済むようになります。また、自分の歩んできた人生を振り返り、現状を把握することで、まだやりたいことがあるといった気づきが生まれ、余生を充実させることにもなることが報告されています。エンディングノートの活用が前向きに生きるきっかけにもなるわけです。このようにエンディングノートは生き生きとした生活を送ってほしいという願いを込めて多くの自治体が作成しています。 そこで、質問いたします。上田市は終活に向けた意思表示を市民が残していただくような対応は現状どのようなものか伺います。 また、現在上田市社会福祉協議会が独自で実施しているエンディングノート「絆」の活用状況は上田市としてどのように捉え、今後協働して充実することを検討できないかも伺います。 また、上田市としても独居高齢者に対して特に積極的にエンディングノートの活用について啓蒙し、推進すべきと考えますが、見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕
    ◎福祉部長(近藤聖一君) 最初に、答弁漏れと言われた部分についてでございますけれども、まず最初に91体を安置しているということを先ほど申し上げましたが、このうち幾つが孤独死であったかということは特定はできませんので、数値がございません。また、警察署が出動した案件のうち、この方は全員無縁でないということを申し上げました。どういった形で引き取られたかということも統計等はございませんので、残念ながらお答えすることはできませんので、よろしくお願いいたします。 さて、エンディングノートにつきましてご質問いただきました。本日の信濃毎日新聞でも記事が出ておりました。上田市では高齢者介護課及び各地域自治センターの高齢者担当、市内10か所にある地域包括支援センターにおいて高齢者の生前の意思表示についてのご相談も受け付けております。例えば、認知症が進行し、意思表示が難しくなるとの予想される高齢者につきましては、本人の意向を確認しながら、今後の対応について必要な助言などを行っております。 そういった中で、議員ご案内のとおり、エンディングノートというものがあり、今までの人生を振り返り、最期まで自分らしく過ごすための準備ができ、また気持ちを整理して書き留めることで自らの人生の終末期に対する意思や思いが見えてくると言われております。上田市社会福祉協議会が作成した「絆」というエンディングノートがございます。このほか市内のNPO法人が独自に作成したもののほか、一般に市販されているもの、あるいはインターネット上に公開されてダウンロードができるものなど多くの種類がございます。ご相談があった場合には上田市社会福祉協議会の「絆」などについてお知らせをしているところです。 上田市社会福祉協議会ではエンディングノートに関するセミナーは昨年度2回、出前講座を3回しており、書き方や活用などの普及に努めているとお聞きしております。独居であるかどうかにかかわらず、エンディングノートに自らの来し方、行く末を書き留めることは、ご家族や支援者に対する意思表示として意義のあることであると考えております。 市民の皆さん一人一人の死生観、それぞれにお持ちであり、また最終的にはエンディングノートについては個人の意思に帰せられるところでございますけれども、上田市社会福祉協議会や地域包括支援センターとも協議しながら、人生100年時代とも言われる超高齢社会のありようの一つであることとして引き続きお示ししてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。エンディングノート、確かにいろんなところから出ているのですけれども、やはりしっかり行政側としても対応を検討していく必要は僕はあるのではないかなと思います。それが最終的に行政側にとっても大きなメリットを生んでくる一つの要因になってきます。 また、先ほど答弁の中でもありました上田市社会福祉協議会のエンディングノート「絆」ですが、平成25年からスタートして3,000冊作っているということですが、まだ1,000冊ぐらい残っているということで、こういうところもぜひ協力していきながら、また新たなものも作っていくということも検討していただきたい、そのように思います。 次の質問に移ります。終活情報の事前登録制度に関する上田市の考え方について伺ってまいります。せっかくエンディングノートを作成しても、万が一のときにしかるべき方々にしっかりエンディングノートが渡り、活用してもらわなければせっかくの準備が無駄になってしまいます。また、おひとり暮らしの方は死去後の対応などは地元市町村が担う場合が多く、エンディングノートの活用を行政側が対応できれば各種事務処理から埋火葬まで迅速かつ適切な対応が可能になるわけです。また、民間の終活支援サービスも増えてはおりますが、契約の不透明さや死後契約が確実に履行されないケースなど問題も起こっています。地元の市町村が終活情報の事前登録制度を実施することでこのような問題も解決でき、行政側にとっても様々なメリットを享受できるようになるはずです。何より登録をしていただいた方々が安心して死後自分の最期の思いをしっかり実現できるようになるわけです。 このような終活支援の先進地事例は神奈川県横須賀市ではないでしょうか。横須賀市は責任を持って登録者の皆さんが自分の入るお墓の選定や遺言書の保管場所、葬儀や遺品整理、生前契約先など11項を登録し、死後登録情報の開示方法や管理も含めた終活情報登録伝達事業、通称わたしの終活登録として平成30年5月から実施されておられます。高齢者のひとり暮らしが増える状況下、死後に身元や引取り手の分からない事態を減らし、様々な行政負担を減らす効果が期待でき、何よりも市民への最後の市民サービスを提供できると好評だそうです。ぜひ上田でも早期の体制構築を望むところであります。 そこで、質問いたします。死後の様々な事務処理や葬儀方法、墓地の選定などの情報を事前に登録していただき、登録情報を上田市が一定期間管理しながら、登録者の死後、情報開示や活用など責任を持って行う制度を検討できないでしょうか。また、民間業者と終活希望者との生前死後事務契約を結ぶ葬儀生前契約支援事業を推進して、民間の活力を活用してはどうでしょうか。上田市としても民間の終活支援サービス業者と連携して、市民が安心して確実に終活支援を受けられる体制構築が検討できないか、見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 終活情報の事前登録制度に関するご質問として何点か頂きました。制度に関わる問題として総括的にご答弁させていただきます。 終活情報の事前登録制度として議員からご案内のあった横須賀市、大和市ともほぼ類似の事業を実施しているとお聞きしております。事業に協力する葬祭会社との連携によって実施するもので、本人との間で、低い額、低額で生前契約できる葬祭会社の情報提供のほか、葬儀、納骨について事業者が支援プランとして作成し、延命治療の要否などもリビングウイルとして書面として保管するものです。また、本人が急に倒れた場合や亡くなった場合に備えて、エンディングノートやお墓の所在などの情報、その他必要な情報を登録、カードを作成し、病院、消防、警察や福祉事務所など、本人の指定に基づいて生前もしくは死後に開示するものというふうにお聞きしております。 その一方で、相談内容が葬儀や死亡の届出、延命治療の意思確認など多岐にわたり、質の高い相談業務のためには職員の豊富で幅広い知識を求められることや、住民に制度の周知が現時点ではなかなか進んでいないという課題があるとお聞きしております。そのほか、遺品や遺産の整理など相当に法的な問題が関わる案件も含まれてくると思いますので、法律の専門家との連携も必要になると考えております。短兵急なことにならないようにしないといけないのかなと考えております。 いずれにいたしましても、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題の先には高齢者数が最大となる2040年問題が控えており、いわゆる多死社会、多くの死、多死社会への対応が迫られます。また、先ほどの答弁にございましたエンディングノートなど住民の皆さんお一人お一人の終活意識の変革も必要になってまいります。横須賀市の事例など近年取組の始まった新しい事業でございますので、現状取り組んでいる自治体の状況もお聞きするなど情報収集に努めた上で検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。答弁の中にも多死社会というお話がありました。ご承知のとおり、受取り手がないご遺体の場合は各市町村が対応していかなくてはいけない、その費用がかかってくるわけです。横須賀市も毎年、将来人口の1.5%から2%程度が死亡して、そのうち10%のご遺体を公費で火葬する時代が来る、そうすると近い将来それだけで1億5,000万円の経費がかかってくるということに対して危機感を持って実施されたと伺っております。横須賀市が約40万人ですから、上田市で計算しますと約4,944万円ということで、5,000万円近くの部分がこれ将来的にかかってくる可能性があるという部分でございます。この2つの事業、私も横須賀市の担当の方に伺いましたけれども、事業経費が僅か年間で17万3,000円、ほぼチラシ代のみで済んでいる。また、事前の登録制度に関しては220件、そして生前の契約の支援事業に関しては51件ということで、非常に多くの反響があったということです。先ほどいろいろなご答弁の中でありましたけれども、法律というよりも、これはまずやってみて、その中でいろんな問題を考えていくべき問題ではないかなというふうに考えます。ぜひ検討いただければと思います。 次の質問に移ります。行政が実施した埋火葬した際の供養やその後の対応について伺います。現状の法律では引取り手のないご遺体は墓地、埋葬等に関する法律第9条に基づき、市町村が埋火葬を行うとあり、粛々と実施されています。今後ますます独居高齢者が増加し、死後引取り手のないケースは多発することが予想されています。 別所温泉のある自治会では、一昨年11月、94歳の身寄りのない高齢者がお亡くなりになられました。その際に亡くなられた方が住んでいたアパートの大家さんや民生委員、地元自治会、そしてお寺さんが協力して、ささやかでありますが、人間としての尊厳を持った厳かな葬儀が行われ、地元のお寺の共同墓地に安置され、永代供養までされる体制を整えたそうです。大変見事な対応であり、まさに今後目指すべき独居高齢者への最後の模範的な体制ではないでしょうか。 対応された別所温泉安楽寺の若林住職は、孤独死の方でもしっかり人生の旅立ちを見送ってさしあげたい、それが人間の尊厳に関わる私たちの役割ですとお話しいただきました。また、このような独居老人等の孤独死に対する協力は今後も惜しまないとも言っていただきました。故人の宗教的な志向がたとえあったとしても、人生最期に念仏の一つでも上げていただき、死後もある程度法要を上げてもらえることはどんな方々であれ幸せだと思うはずでございます。しかし、現実は死亡後の対応は行政が対応しなければならない場合が多く、十分な葬儀や法要などはできていないのが実情ではないでしょうか。 そこで、伺います。まず、現状では引取り手のないご遺体はどのような過程で火葬され、埋葬されているのか。その後の管理や法要などはどうしているのか。また、行政としてどのような課題があると感じているのかを伺います。 次に、引取り手のない方々の最期の葬儀や死後の法要や納骨などを引き受けていただけるご意向のある市内の宗教関係者の方がおられます。大変ありがたい提案であり、現状はお経も上げることなく無縁共同墓地に安置されるのみの状況からは劇的に改善されると考えますが、市内の宗教関係者などに協力を要請して、葬儀や定期的な法要、無縁仏の安置などを実施する考えはどうなのか伺います。また、上田市が責任を持って無縁仏の安置、管理を今後どのように検討しているのか、長期的な方針を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 福祉部、生活環境部の両部に関わる問題でございますけれども、一括して私から答弁をさせていただきます。 まず、生活保護法の適用を受けている方のご遺体の引取りがない場合には市で火葬し、遺骨を市の納骨堂に仮安置して、生活保護の葬祭扶助として費用を賄っております。また、生活保護法の適用を受けていない方の場合には、地元の民生委員の名義で火葬手続をしていただき、民生委員に対して生活保護法の葬祭扶助という形で費用を賄い、市で遺骨を納骨堂に仮安置をしてございます。 先ほどの答弁で納骨堂へ91体仮安置しているというふうに申し上げましたが、今後さらに50から60ほどの受入れが可能であるというふうに見込んでおります。この納骨堂の隣には亡くなられた方を供養するための萬霊塔が設置されており、関係する庁内各課の担当者によって毎年3月にお参りをさせていただいております。 納骨堂に仮安置した遺骨が引き取られることもまれにはございますけれども、課題としては、まず高齢化の進行や親族交流のない単身高齢者の増加に伴い、埋葬などについて生前意思を示さないまま亡くなって、引取り手がない遺骨が増え続け、いずれは満杯になることが懸念されるところです。 また、安置されている方の宗教的信仰が多種多様であったことが推測され、本人の意思や死生観が不明なため、死後も宗教的静謐を保ってさしあげたいという考え方、また何より政教分離の観点から、市が主体となって納骨堂に納める方の葬儀や法要を特定の宗教的環境、様式によって執り行うことや費用の支弁は難しいと考えております。 一方で、身寄りのない方にとってはいずれ自分が最期のときを迎えたときに、葬儀や納骨などを引き受けていただける関係者があり、死後の法要等も営んでいただけるのであれば、それは大変心強いことであろうというふうに思います。 複数のお寺に確認したところ、萬霊塔での供養は報酬などなくても前向きに検討してもよいというご回答を頂いたお寺もございましたが、遺骨の安置については檀家以外はお引受けができないとのことでございます。また、長野の善光寺は宗派に関係なく個別納骨や合同納骨を受け付け、法要も営んでいるほか、議員からもご案内がありましたように、民間の事業者が終活に対する意識の高まっている社会情勢を先取りして葬儀や遺品整理、埋葬など寺社と連携しながら生前契約等によって支援するサービスも出てきております。 先ほどご案内のありました事例については、市内のそれぞれの地元住民の皆さんとお寺の発意とご理解で行っていただければ本当にありがたいお話ではございますが、現状では先ほど申し上げましたとおり、全ての宗教関係者の方向性が一致しているわけではないと認識をしております。 お寺と檀家という言わば第三者から妨げられてはならない宗教や信仰で結びついている関係性に対し、協力の呼びかけということであっても、行政という公権力を行使し得る者が入り込むことには慎重であるべきだと、またこれは他の宗教でも同様であろうと考えております。 また、善光寺のような合祀についても宗教法人の独自性に任せられるべきであることと考えております。現時点では身寄りがなく、どこにも引き取られることのない無縁の方については、引き続き霊園内の納骨堂への仮安置とし、萬霊塔の供養についてもこれまで同様、市の職員による献花など、宗教色のない形で執り行うとともに、長年仮安置となっている遺骨を共同埋葬するルールづくりや新たな納骨堂の建設などについて今後も検討していく必要があると考えております。 行政が宗教的色彩が強い行為に主体的に関わることができない、あるいは公金の支出ができないということは皆様十分ご理解を頂いていることと思います。前例のない超高齢社会が行き着く大きな、また避けて通ることのできないテーマでのご提言と受け止め、まずは他の地域の事例について情報収集に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。今、安置しているところであと五、六十体の納骨の余裕はあるということですけれども、先ほどご答弁いただいたように、年間5件程度ということになれば、10年から12年程度でもういっぱいになってしまうということでございます。また、先ほどから何回もお話をしているように、今後高齢者の方、独居で身寄りのない方というのはどんどん増えてまいります。確かに政教分離という部分ありますけれども、死んでしまって最期どうしていくかというと、やはり地方自治体の責任を持って対応していかざるを得ない状態があります。ご承知のとおり、こういうようなネガティブな発想ではございますが、こういうものを前向きに捉えた事例というものもたくさんございます。 例えば、今回もいろんな一般質問の中でも財源確保というお話が出ておりますが、小諸市さんでは2018年、ふるさと納税で24万円以上ご寄附いただいた方に対して共同埋葬の永代供養も含めた特典を提供され、45件がそれに応募されておられます。ということは、それだけで約1,000万円の寄附も来ているというような前向きに捉えている自治体もすぐ近くにおられます。長野市も実施されておられます。また、海外に目を向けますと、台湾等では非常に進みまして、自然葬という形で、政教分離の原則ではなく、もう全て共同埋葬をしていくというような流れを2003年から立法化しまして、そのような情勢がどんどん進んでいるということをお話しさせていただいて、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。やはり最期、死んだときに自分のお骨がどこに行くのか、これ独居の方にすれば非常に心苦しい問題であります。そういうものをしっかり捉えていただければ、この上田市としても大きな魅力の創造になってくるのではないかという思いがいたします。 最後の質問です。今回私が提案した課題は、世界で一番高齢化が進行している我が国で身寄りのない高齢者の人生の最期に行政がどのように寄り添って安心を与えることができるのか、それについての上田市モデルをつくり上げる提案でございます。人として生まれ、成長し、地域社会や国づくりに貢献された方々が様々な事情や環境の中で孤独な老後を送らなければならなかった、そのような方々の最期を人間の尊厳を失うことなく人生のフィナーレを迎えるための体制構築であります。地域や行政がスクラムをしっかり組めば早期の実現は可能ではないでしょうか。私はそう信じたい。行政としても生きている間のみだけではなく、死後ある一定期間の安心を担保することを視野に入れた対応が必要になると痛切に感じています。 健康福祉都市を標榜し、信州上田学を基に地域再構築を目指している上田市がさらに一歩踏み込んだ死後の市民の安心に対してもこれから積極的に関わっていただくことを祈念し、土屋市長に伺います。 1として、超高齢化や核家族化が進行する中で、上田市としても終活支援の啓蒙や対応を充実させるべきと考えますが、見解を伺います。 2として、市民への行政支援は生前だけではなく、死後一定期間についても責任を持って実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 3として、独居高齢者に向けての終活支援は、生前にいかに民生児童委員や自治会、医療、宗教関係者等多くの地元の方々と緩やかなつながりを構築することが最大の支援と考えますが、上田市としてこのような新たな地域絆づくりを構築する支援はどのように検討しているのか伺い、私の質問を終了いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 高齢者が安心して最期を迎えるためには、生前からの取組が重要であろうと思います。万一のときに備えて人生の終わりをどのように過ごしたいのか、元気なうちに身近な人と一緒に考える機会を設けることは大切なことであろうと思います。現在市では高齢者介護課及び各地域自治センター、市内10か所にある地域包括支援センターにおいて高齢者やご家族からの相談に対応しておりますけれども、今後も終活の相談があった場合には、生前に自分の意思を明らかにしておくことの必要性を伝えてまいります。 市民に対する死後の一定期間の支援についてでございますが、先ほど福祉部長も触れておりましたが、人生の最後まで見通した支援の在り方について、ただいま各自治体の取組のご紹介あるいは民間事業者との連携のご紹介がありました。それらを参考にいたしまして、まずはきめ細かく情報収集に努めてまいりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 また、終活といっても、本人の家族構成、年齢、健康状態など内容、方法は様々でありまして、また先ほど来出ております宗教観も大きく影響をしております。自分が亡くなるための準備や縁起が悪いといった終活の持つマイナスイメージにより敬遠される方もいらっしゃいます。非常にデリケートな事柄でもありますので、一人一人の価値観や死生観を尊重しながら終活の普及啓発に努めてまいりたいと思います。 現在市では高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けることができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しております。これからも地域住民を初め民生児童委員や自治会、地域の専門職など多様な主体による見守りや生活支援サービスの提供、社会参加につながる介護予防活動の充実を図ることで、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期のときを迎えるまで続けることができるよう引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 様々にご提案を頂きました支援策等につきましては、大変参考になりますので、これからの進める上で参考にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時39分   休憩                       ◇                                午後 2時55分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第8号、市政について、林議員の質問を許します。林議員。          〔9番 林 和明君登壇〕 ◆9番(林和明君) それでは、議長の許可を得ましたので、通告に従い質問をしてまいります。 さきの半田議員の代表質問にもありましたが、最初に今一番市民が関心を持ち、不安に感じている新型コロナウイルス感染症について質問を行います。市民がこれだけ不安に感じている原因は、やはりこの新型コロナウイルス感染症に対する情報が乏しく、対処をどのように行っていけばいいか情報が錯綜していることにあると思います。市のホームページやメール配信では情報が配信されていますが、特に不安に感じているのは、児童を保育園、幼稚園、小中学校に送り出している保護者と思います。 私のところへそんな保護者から問合せを頂きましたので内容を引用しますと、子供が学校に通っていますが、感染前や感染後の対応を万全にしていただき、子供たちを感染症から守ってほしいと思います。専門家ではないので通常の手洗いと殺菌、うがい、マスク、眼鏡くらいしか思いつきませんが、子供たちに所作の徹底並びに着用を義務づけていただけるとありがたいです。人から人への感染経路として、病気に対して比較的無自覚な子供が媒介者となる場合は非常に多いと思われます。ですので、教育関係者と子供たちへの周知と予防、または発症のおそれのある人物への対応、発症後の対応等を迅速に行っていただきたく存じます。そして、外国籍の生徒さんもいることから、外国籍ということで非難の対象になりかねないので、事が大きくなる前にしかるべき対処を講じていただきたいと考えています。こういった内容のお問合せを頂きました。 先日も子供が学校から新型コロナウイルス感染症について教育委員会としての対応を保護者宛てのお便りとして持って帰ってきました。既に昨日から小中学校では休校となっておりますが、各教育現場、保育園、幼稚園ではどのように感染予防への啓発と対策を行っているか伺います。 また、私は外国籍の児童やその保護者、そして上田市に在住している外国籍の方に偏見や差別が向く可能性があると危惧しています。これも市民に感染症の経路や原因などの正しい情報が行き渡っていないことが原因と考えます。市内には外国籍の方だけではなく、業務上の理由で海外を往来する方も複数いるだけに、こういった問合せだけではなく、日頃の話を聞いていると、渡航歴のある方に関しても同様に不安に感じているようです。もはや県内に感染者が発見された以上、渡航歴の有無などにかかわらず、当たり前のように感染症に対する危機意識を持つ必要がある中で、市内の外国籍の方、渡航歴のある方が新型コロナウイルス感染症の流行に対して不当な差別や不利益を被ることがないようにどのような啓発を行うか伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 議員の皆様には新型コロナウイルスにつきまして大変ご心配やご指導、ご提言等を頂きありがとうございます。大変うれしく思っております。 ただいま小中学校や保育園では感染症予防のために啓発活動をどのように行っているかというご質問を頂きました。感染予防対策は実は新たな段階に入ってしまいました。これまで行ってきた啓発活動について申し上げますが、これから申し上げる内容は、今後学校の教育活動が再開された折にも感染拡大を防ぐ指針となりますので、大変大事に考えております。 学校における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、日々の状況が大きく変化してきたことから、市教育委員会においても文部科学省等の国の関連ホームページや県教育委員会からの通知など最新の情報を収集するとともに、各学校に随時これらの情報を提供し、また学校を通じて保護者の皆様に状況をお伝えしてきておるところでございます。各学校では児童生徒に対して感染症の基本的対策としての手洗いやうがい、せきエチケットなどの徹底、日常の健康管理や発熱等の症状が見られる場合の対応、教室の小まめな換気など、適切な環境を保持することなどを指導してまいりました。また、感染症対策に関わるポスターを各学年の手洗い場や洗面所などに掲示するなど、感染症予防の徹底について啓発を行ってまいりました。さらに、保護者の皆様には毎日児童生徒の体温を測定し、風邪や発熱、せき、倦怠感、息苦しさの症状の有無など健康観察を徹底していただくよう依頼をしているところでございます。 一方、2月27日、安倍内閣総理大臣から国内の感染拡大防止のため、全国の小中学校、高等学校及び特別支援学校に対して一斉に臨時休校するよう要請がありました。極めて重大な事態になったというふうに捉えております。また、県教育委員会においても県立学校を臨時休業とした上で、各市町村教育委員会に対しまして具体的な取組を検討するように依頼がございました。上田市教育委員会では、感染が全国的に拡大していること、県内においても感染者が報告されていること、児童生徒の生命や健康の安全の確保をすることが急務であることを考えまして、集団感染のリスクを予防する観点から市内の全小中学校を3月2日から春休みの前日まで臨時休業といたしました。 なお、予想される厳しい事態として、児童生徒が万一ウイルスに感染した場合は、児童生徒の治療についても大変なことになりますが、そのほかにも感染した子供たちが心に大きなストレスを感じるのではないかというふうに考えます。市教育委員会は感染した個人が特定できないように最大限の努力をしてまいりますが、うわさによっても子供たちは心に傷を負うことも考えられます。子供が心身ともに苦しむのは絶対に避けなければなりません。今回教育現場を混乱させない、上田市から児童生徒の感染者を一人も出さないという決意のもと、休校に踏み切りました。 今後、子供たちが休業中ですが、学級担任が家庭訪問をすること等により生活の様子の確認をしたり、子供たちの学習を支援していけるよう全校で対応していきたいというふうに考えております。 また、中学3年生ですが、3月10日に後期の選抜試験がございます。その選抜試験に向けて事前に中学校へ該当の生徒を集め、指導し、当日の動き等を丁寧に説明しながら、受験に対して不安のないように対処していきたいというふうに考えております。 2月28日には卒業式の規模縮小や時間短縮について各小中学校に対し通知するとともに、保護者の皆様と連携して児童生徒の健康状態を把握する等、改めて感染予防対策の徹底について指導したところでございます。上田市教育委員会といたしましては、今後とも新型コロナウイルス感染症に関連した最新の情報を収集し、学校を通じて児童生徒、保護者の皆様に必要な情報を提供の上、周知してまいりたいと考えております。 また、今後も状況に応じまして卒業式や終業式、学校行事の実施方法について再検討をする必要に迫られるかもしれません。このようなときには臨時に校長会等を開きまして対応していきたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 私からは市内保育園、幼稚園での感染予防のための啓発、対策について答弁申し上げます。 保育園、幼稚園におきましては、厚生労働省が示しました保育所における感染症対策ガイドラインに従いまして日頃から感染症対策に努めております。乳幼児が長時間にわたり集団で生活する保育園等では、一人一人の子供の健康と安全の確保だけではなく、集団全体の健康と安全を確保する必要がございます。特に感染症につきましては、集団での午睡や食事、遊び等で子供同士が濃厚に接触する場面が多いことから、飛沫感染や接触感染が発生するリスクが高くなると受け止めております。こうしたことから、園内への様々な感染症の侵入、流行を完全に阻止することは大変難しい面がございますが、抵抗力が弱く、身体の機能が未熟であるという乳幼児の特性を踏まえまして、感染症に対する正しい知識や情報に基づき日々感染予防に努めているところでございます。 新型コロナウイルス感染症への感染予防対策といたしましては、2月の公立園長会において情報を共有するとともに、対策の徹底を指示をいたしたところでございます。各園の対応といたしましては、園内の消毒を徹底するとともに、季節性インフルエンザと同様に、マスクの着用、せきエチケット、手洗い、うがい等の基本的な感染対策が必要となることから、園だよりや啓発用のポスターの掲示などにより各ご家庭への啓発に努めております。また、国や県からの通知につきましては、随時私立保育園等にも情報を提供申し上げておりますが、長野県内においても新型コロナウイルス感染症が発生したことから、上田市といたしましても感染拡大予防についての通知を作成し、公立、私立の全保育園、幼稚園等に対しまして各ご家庭への配布をお願いしたところでございます。 今後卒園式、入園式等のかけがえのない行事が控えておりますが、現段階では感染症防止の措置を取った上で実施を予定しております。卒園式については、参加者は卒園児、保護者、職員のみで行うことで規模を縮小し、また開催時間の可能な限りの短縮を図ることで実施をしてまいります。 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症の状況は日々変化しておりますので、最新の情報収集を行うとともに、保育園等におきまして子供や職員に新型コロナウイルス感染症が発生した場合の対応を含め、関係機関等と連携を図り、感染拡大予防を徹底してまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 私からは不当な差別や不利益を被る可能性がある中での啓発活動についてお答え申し上げます。 現在の状況といたしまして、外国人住民総合窓口においては、新型コロナウイルス感染症に関わる具体的な差別等の相談は寄せられておりませんが、議員ご指摘のとおり、インターネット上では、香川県内の小学校に中国人を差別する内容のはがきが届いたなどの報道や、対象が中国関連に限らず、当感染症に対応した医師らが職場内外で差別扱いされているという報道、感染症患者の家族が言葉によるいじめを受けたといった報道がされております。上田市内におきましても、外国人に限らずあらゆる場面で不当な差別等が起こり得るものと想定できるところでございます。 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法第2条におきましては、国や地方公共団体は感染症患者の置かれている状況を認識し、その人権に配慮しつつ感染症対策を進めることを理念として掲げております。また、第3条では、国や地方公共団体の責務として、教育活動や広報活動を通して感染症に関する正しい知識の普及、情報の収集や提供などが定められており、感染症患者の人権の保護が記されております。上田市において差別事象や誹謗中傷等があった場合につきましては、国や県と連携し、市の新型コロナウイルス感染症対策本部会議にも諮りつつ、適切な対応を取ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症の全容がいまだ解明されていない状況ではございますが、差別事象等の情報収集に努めるとともに、担当部局と十分連携しながら、人権保護の立場から適時効果的な啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 林議員。          〔9番 林 和明君登壇〕 ◆9番(林和明君) ご答弁を頂きました。 新型コロナウイルス感染症に対する不安から全国各地でマスクの品薄が続き、上田市内でも手に入りにくい状況が続いています。マスクはおろか誤った情報が出回り、ティッシュなどの紙類の品切れまで起こっています。政府がマスクの増産を指示しても、しばらくこの状況は続くようです。潜在的な感染は検査をしなければ分からないため、マスクをつけることでほかの人に感染症を広げることを防ぐ役割になるようですが、それでもこれだけ多く感染症が広がっている状況では、危機感からマスクがなければ外出もしづらい状況と考えられます。市ではマスクの備蓄があると思いますが、インフルエンザ対策などと用途を絞るのではなく、柔軟に必要な方にお渡しするなどの対応ができませんでしょうか。中でも児童や高齢者、体調が悪い方などで優先的に配布を行うことができないでしょうか、伺います。 また、感染症が広がる要因として、私は日本人の勤勉さにもあると思います。皆さんも記憶にあると思いますが、朝出勤前に何だか体調が悪いとか、熱っぽいとか、風邪のような症状が出ていてもなかなか休むと言い出せず、我慢してそのまま仕事に向かってしまうということがあると思います。都内でも感染症にかかったまま電車通勤し、そのまま数日仕事を続けていたという報道があり、感染症を広げる一因になっていると考えます。この危機を機会としてテレワークなどの働き方改革を考える機会と思います。 そこで伺いますが、市の職員の皆さん、特に窓口対応を行っていただく職員の方はそういった感染症へのリスクが特に高いと考えますが、職員の感染症に対する備えはどのように行っているか。また、担当者が病欠で不在の場合であっても業務に支障を来さないような人員配置を行って、病欠を取りやすいような体制を取っているか伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 私からは児童や高齢者など重症化リスクが高い方に対してマスクを優先的に配布できないかのご質問に答弁申し上げます。 市においては上田市新型インフルエンザ等対策行動計画による未発生期における対策として、市民生活及び地域経済の安定の確保のため、新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品、その他物資及び資材を備蓄等するとされていることから、発生時における感染者対策等に使用することを想定して、防護キット、感染防止衣、マスクなどを備蓄しております。 全国的に新型コロナウイルス感染症の影響で、議員ご指摘のように、マスクの品切れ状態が続いておりまして、多くの市民の皆さんはマスクの入手が困難な状況となっており、不安な状況におられると思います。また、こうした状況は高齢者施設や福祉施設等でも同様でありまして、対応に苦慮されている状況にございます。 これに対応するため、国では増産体制を取ることとし、国内主要メーカーに要請をしている状況にございますが、現在の状況が改善されるまでにはもうしばらく時間がかかるのではないかと考えております。 議員ご質問の重症化リスクの高い高齢者や児童の皆さんにマスクを配布できないかとのことでございますが、こうした方々への配慮が必要なことは十分承知いたしておりますが、医療機関等を含めた必要性の高い施設の状況や今後の供給量の回復が見通せない状況等を踏まえますと、市の備蓄数量にも限度がありますことから、これらの使用につきましては、対策本部において慎重に検討する必要があるものと考えております。ご理解を頂きますようお願いいたします。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 私からは市の職員の感染症に対する備えについてお答えいたします。 感染症に対する職員の予防対策につきましては、インフルエンザが流行する時期であることも踏まえまして、基本的な感染症対策として、せっけんによる正しい手洗いを行うこと、水分を小まめに取ること、十分な休養やバランスのよい食事を取ることなどを呼びかけているところでございます。 職員のマスクの着用につきましては、せきやくしゃみの症状がある場合には、せきエチケットとしてマスクの着用を呼びかけているところでございます。また、窓口で多くの来客者に対応する職員はマスクを着用し、感染症の予防に努めているところでございます。 次に、職員が体調不良等によって休暇を取得する場合につきましては、各所属において業務の主担当に加え、副担当者を配置するなど、流動体制による対応に努めておりますことから、現時点では業務の中断や職員が休暇を取得できないなどの支障は生じないものと考えております。 新型コロナウイルス感染症につきましては、相談や受診の目安が国から示されたところでございますが、引き続き国、長野県など関係機関と連携をして必要な情報収集に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 林議員。          〔9番 林 和明君登壇〕 ◆9番(林和明君) ご答弁を頂きました。日々刻々と状況が変わっていることから、引き続きの対応をお願いします。 それでは、次の質問に移ります。12月議会に続き災害時の市の情報発信を行うための手法の提案として、今回は地域コミュニティーFMを質問いたします。災害状況によっては情報発信媒体も被害を受けますので、複数の手段で情報発信することが必要です。特にラジオであれば停電時やカーラジオでの受信が可能なため、ほかの情報発信手段に比べて発災前から発災後、復旧、復興時まで有効な手段と言えると思います。これまで何度かこの地域コミュニティーFMの有効性について質問を行ってきましたが、当時の答弁では、万が一の災害時には上田ケーブルビジョンとの協定により臨時災害放送局を立ち上げてラジオ放送を行うとお答えを頂いておりました。東日本台風災害ではまさに地域では被害状況や避難情報など情報が不足し、ラジオの強みが生かされると思っていましたが、結局臨時災害放送局が立ち上がることはありませんでした。当時担当者に理由を尋ねたところ、避難勧告が長期化しなかったことなどが理由と説明を受けましたが、そもそもこういった臨時災害放送局の存在を市民に日頃から知っていただくためにも今後の備えとして立ち上げる必要があったと考えるが、伺います。 次に、災害当時お隣のエフエムとうみの「はれラジ」でも上田地域の災害状況は放送されていました。今後地域コミュニティーFMを通じて災害情報を得る手段として上田市内でこの「はれラジ」を聴取するための環境整備を進めてはいかがでしょうか。以前私が同様の質問を行った際答弁として、上田地域全域に聴取地域を整備するには中継局の設置に莫大な費用がかかるとありましたが、エフエムとうみの調査によると、現在では上田駅北側の市街地、丸子地域の内村、真田地域、武石地域の一部では電波状況が悪く受信しにくい場所もありますが、ケーブルテレビの再送信やインターネット配信を含めますと、8割から9割の市民の皆さんが聴取可能のようです。また、上田市内全域をカバーするためには、現在既存の防災無線鉄塔6か所へ中継局を併設することで市内全域を聴取可能範囲とすることができ、中継局の設置、防災ラジオの購入には国の財政支援制度を活用することで2分の1の補助を受けることが可能とのことです。改めてこういった中継局の設置をしてはどうか伺い、施設導入コストを精査し、試算することに取り組んではどうか伺います。 そして、東日本台風災害では、各自治会館、公民館などが避難所となって各自治会長がその指揮に当たっていただいていたと思いますが、併せて各自治会、自治会長へ防災ラジオを配布してはどうか伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 地域コミュニティーFMについてご質問を頂きました。 最初に、臨時災害放送局に関する質問にお答えいたします。臨時災害放送局は、風水害や地震等で電話やインターネット等の通信回線の断絶や長期的な停電が続いた際に、地方公共団体が運営主体として臨時のFM放送局を立ち上げることで、広く普及をしておりますFM放送を受信できるラジオを通じて避難所情報や通行規制情報、生活支援情報等の災害関連情報の伝達を行うことができるものでございます。臨時災害放送局の開設に当たりましては、電波法に基づく放送局の免許が必要となりますが、緊急時は口頭により開設のための許可を受けられる臨機の措置が認められており、長野県においては所管官庁であります総務省信越総合通信局へ電話で申請を行うこともできます。 なお、災害の発生など開設が必要となった場合にその都度申請を行うことが必要となります。また、FM放送の周波数につきましては、臨時災害放送局の開設時に割り振られることから、その都度ラジオ等で受信するための周波数を周知する必要がございます。 上田市における臨時災害放送局の位置づけにつきましては、上田市地域防災計画において、災害情報の周知のため、防災行政無線を初めとして、コミュニティー放送、ケーブルテレビ、有線放送、電子メール等のほか、地域住民の協力による伝達など多様な手段を用い、避難に関する情報及び被災情報や生活支援等に関する各種情報の伝達を適時に行うとともに、災害の状況によっては臨時災害放送局の開設を検討するとして、既存の通信手段が災害で機能しない際の補完的な通信手段としており、その運営に当たりましては、放送局の運営支援を受けることとしております。 そのため、地元のケーブルテレビであります株式会社上田ケーブルビジョンや丸子テレビ放送株式会社と災害時におけるケーブルテレビ放送及びラジオ放送の要請に関する協定を締結するとともに、毎年開催いたします上田市防災訓練において臨時災害放送局開設の訓練を実施し、関係機関と開局手続等の確認を行っております。 昨年10月の東日本台風においては、インターネット回線やテレビ放送等の既存の通信手段の断絶や長期的な停電といった状況がなかったため、臨時災害放送局の開設は行いませんでしたが、災害時に既存の通信手段を補完する重要な手段として防災訓練や出前講座等を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。 次に、コミュニティーFMでありますエフエムとうみに関する質問にお答えいたします。現在市では災害時における避難勧告等の避難情報を含む防災情報の迅速、確実な伝達のため、情報伝達手段の多重化、多様化に向けた防災情報伝達システムの構築を行うための基本計画の策定を検討しておりますが、コミュニティーFM放送につきましても様々な通信システムの比較検討を行う項目の一つとして検討を行っております。通信システムとしては同報系防災行政無線でありますデジタル同報無線方式や、280メガヘルツのポケベル波、携帯電話等の電気通信事業者の無線通信網を利用したシステム、ケーブルテレビ等の放送事業者を利用したシステム等様々なシステムがありますことから、情報伝達の確実性や即時性、コスト面からのメリット、デメリットを比較する中で検討を行っております。 エフエムとうみにつきましては、上田市オリジナル番組等のラジオ放送を行うとともに、スマートフォンアプリ「はれラジ」を活用し、災害時の上田市の避難情報等の防災情報を発信をしていることから、地域の通信手段の一つとして比較検討の対象としております。 なお、新たな防災情報伝達システムにつきましては検討中でありますことから、コミュニティーFMの活用としてエフエムとうみを市内全域で受信するための中継局の設置など、具体的なシステムの設計やイニシャルコスト、ランニングコストの算出は行っておりませんが、今後システムの比較検討を行う中で、コストを含めて上田市にふさわしい防災情報伝達システムを検討してまいります。 次に、自治会や自治会長に対する防災ラジオ等の配布についてお答えいたします。一般的なラジオにつきましては、災害時の停電においても乾電池やバッテリーで稼働する身近な情報収集手段でありますことから、自治会ごとに設置されました自主防災組織の防災用資器材の一つと位置づけ、補助金により整備を支援しております。防災ラジオにつきましては、通常のラジオの機能のほかに、地方公共団体からの操作により自動起動させて必要な情報を伝達する緊急告知機能など、災害時に有用な機能を付加したラジオとされております。現在上田市では防災ラジオに対応した情報伝達手段が整備されていないため、防災ラジオの配布は現在のところ考えておりませんが、ラジオ型の戸別受信機を導入して防災情報伝達手段の多様化、多重化を図っている自治体もございますことから、今後防災情報伝達システムの検討を行う中で、実際の災害時に活用が図れるか等の有効性も含めて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 林議員。          〔9番 林 和明君登壇〕 ◆9番(林和明君) ご答弁を頂きました。12月議会でも斉藤達也議員が災害時の情報発信の手法の一つとして地域コミュニティーFMを質問されていましたが、その際の答弁としては、地域コミュニティーFMであるエフエムとうみを上田市民にも知ってもらうよう啓発活動を行うとありましたが、具体的に周知啓発活動としてどのような取組を行っているのか伺います。 また、今回の災害から上田市のメール配信の登録が急増したとお聞きしましたが、実際には自分の携帯やパソコンのメールアドレスを把握していない方もいらっしゃいますし、スマートフォン向けアプリでラジオを聴取するにもアプリをインストールするなどの設定が必要となります。こういった方法を周知するだけではなくて、実際に設定する機会や、また使用に関する講習会を行う必要があると考えるが、いかがでしょうか。地域コミュニティーFMを市民の皆さんに知っていただいて、日頃から利活用していただくことで災害時に有用な情報伝達手段は日頃から利用していることで緊急時に使うことが可能となって、緊急時しか使わないシステムというのは緊急時には使えないと思いますので、以上2点伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) エフエムとうみの啓発活動についてご質問いただきました。 エフエムとうみ「はれラジ」につきましては、平成30年11月から上田市オリジナル番組や災害情報の放送、アプリを活用してのメール配信を行っております。エフエムとうみを活用しての取組を多くの市民の方に知ってもらうための啓発といたしましては、毎週放送しております上田市オリジナル番組「うえだ大好き!」の放送告知として、放送内容やゲストの紹介などを上田市公式ツイッター、フェイスブックにより放送前に配信をしております。また、毎回番組にお招きするゲストにつきましても、信州上田おもてなし武将隊、ルートインホテルズ女子バレーボール部ブリリアントアリーズの選手など情報発信力のある方や、消防団、市内大学生など仲間とのつながりが強い方々にご出演いただいており、その出演者の方々からもSNSなどを通じて番組のことを紹介していただく中で、ラジオのことをより多くの市民に知っていただき、アプリをダウンロードしていただけるような働きかけも行っております。 そのほかにも、エフエムとうみで毎月1回アリオ上田での公開放送を行い、上田市でもラジオやスマートフォンなどにより放送が聞けることを周知していただいております。 今後におきましても、公式SNSでの告知に加え、番組に関わる方などを通じて多くの皆様に知っていただけるよう周知に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、使用に関する講習会を行ってはどうかというご質問でございます。上田市メールの登録者でございますが、東日本台風後2,198件増えております。また、「はれラジ」専用アプリにつきましては、ダウンロード件数が台風後約800件増えております。「はれラジ」のダウンロード、またメール登録に関しましては、電話での問合せや窓口に来られる方も多く、登録方法や情報種別の設定などについてその場で説明するなどの対応をしております。 様々なチャンネルから情報を得ることは大変有益でありますことから、今後におきましては、メール登録の周知に加え、情報種類別の設定方法などについても詳しく周知するよう努めてまいりたいと考えております。また、講習会の開催につきましては、広報シティプロモーション課、また危機管理防災課の行う出前講座の中で登録に関する説明や周知を行ってまいりたいと考えております。 なお、迷惑メール対策のためメール受信制限など市民等の所持する携帯電話、スマートフォン側の設定により上田市メールへの登録ができないケースもありますことから、今後におきましては携帯電話、スマートフォン販売店等にポスター、チラシの掲出に併せ、上田市メールへの登録、設定について啓発していただくよう協力をお願いしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 林議員。          〔9番 林 和明君登壇〕 ◆9番(林和明君) ご答弁を頂きました。 次の質問に移ります。昨年12月に神奈川県庁で個人情報や機密情報を含む行政文書の保存に使われていたハードディスクドライブがオークションサイトで転売されて情報が流出した事件が起こりました。情報流出の経路はインターネットのみならず、こういった情報端末の管理、最終的な廃棄まで管理が行われていなければ市民の個人情報を扱う責任を問われることとなります。あの事件以来全国の自治体で情報端末の管理が改めて確認されたことと思いますが、以前私が行った質問で、パソコンの基本ソフトウエアが本年1月でサポート終了となり、自治体、企業で特に多く入替えが進んだと思います。入替えに伴い多くの情報端末、パソコンが廃棄されたということになり、上田市のその廃棄の状況について何点か伺います。 最初に、今回のウィンドウズ7のサポート終了によってパソコンの入替えなどが多く行われたと考えますが、どの程度上田市では廃棄を行っている状況でしょうか。また、適切な廃棄を行うことももちろんですが、情報端末そのものの盗難やあらゆるリスクに備えるため、情報端末の記憶媒体そのものを暗号化するという方法も考えられるが、状況はいかがか伺います。 神奈川県庁で起こった情報流出の経緯は、個人情報や機密情報を含む行政文書の保存に使われていた共有サーバーが交換時期を迎えたところでリース業者に引き渡し、その後リース業者が廃棄を行う業者に丸投げし、県庁の職員もリース業者も誰もその廃棄を確認しなかったことが原因です。神奈川県庁の場合は最終的に適正に廃棄がされたかどうか消去証明書を受け取ることになっていたそうですが、証明書は受け取っていなかったようです。上田市では先ほど質問した廃棄するパソコンはどのように処分を行っているか伺います。 そして、パソコンに内蔵されているハードディスクなどの記憶媒体の廃棄には立ち会っているでしょうか。業者へ処分を委託しているのであれば、消去証明書を受け取る仕組みになっているか伺います。 そして、神奈川県の事例を挙げると、決して情報管理の知識が乏しかったわけではなく、神奈川県ICT推進部では情報セキュリティマネジメントシステムを取得しています。上田市ではこういった情報セキュリティマネジメントシステムを導入されているか伺います。 最後の質問ですが、パソコンなどの情報端末は記憶媒体を消去して適切に処分を行えば有価財となり得ます。情報端末にはレアメタルなどの資源が豊富に含まれておりますので、身近にできるリサイクルの一環となります。市内では東信リサイクルネットワークという仕組みがあり、東信地区の福祉施設業者がレアメタルを再資源化して障害者支援に還元する活動を行っています。パソコンなどの情報端末を福祉施設の活動内で作業として解体処理を進めることで、利用者さんに金属買取料をお支払いすることで利用者は工賃収入を得ることとなります。上田市や関係する団体にこういった取組を賛同するべきと考えるが、状況を伺って、私の質問を終えます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) パソコンの処分について何点かご質問いただきました。時間ございませんので、簡潔に申し上げます。 最初に、廃棄したパソコンの台数でございますが、平成29年度から3年間で980台となっております。 次に、暗号化でございますが、一定のメリットがある一方で、ファイルの暗号化、複合化に時間がかかる、ハードディスクの故障時においてデータ復旧が困難になるなどのデメリットもございます。そのため、現在はハードディスク故障時のデータ確保を優先して記録媒体の暗号化は行っておりません。 次に、上田市におけるパソコン等の処分方法につきましては、情報漏えいに万全を期して、不要となったパソコンなど情報機器は、処分業者に依頼する前に情報システム課が取りまとめて、職員がハードディスクを取り出し、データの復元ができないよう物理的に破壊した上で処分業者に廃棄を依頼しております。そのため、廃棄の立会いと消去証明書の提出は求めておりません。 次に、情報セキュリティマネジメントシステムについてでございますが、上田市では総務省が地方公共団体における情報セキュリティー対策の推進のために整備をした地方公共団体の情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに基づき、上田市が実施する情報セキュリティー対策についての基本的な事項を定めた上田市情報セキュリティポリシーを策定して運営を行っております。 続きまして、福祉施設へのパソコン等の処分依頼についてのご質問でございますが、上田市では資源のリサイクルと障害者支援の向上にもつながることから、平成30年10月の東信リサイクルネットワークの業務開始に合わせまして、パソコン等の情報機器の処分についてお願いをしているところでございます。 今後とも市の情報資産の管理と保護のため、セキュリティー対策の基本となる情報セキュリティポリシーの見直しを行いながら、必要なセキュリティー対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 林議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時39分   休憩                       ◇                                午後 3時55分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第9号、市政について、石合議員の質問を許します。石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) 通告に従い順次質問してまいります。 質問に入ります前に、新型コロナウイルスの対応におけるそれぞれのお立場でご努力を頂いておりますことに重ねまして私からも感謝を申し上げます。 それでは、質問に入ります。まず初めに、第五中学校の改築について伺います。神科、豊殿地区の最重要課題であり、一日も早い改築は地域住民の皆様の長年の願いであります。一昨年8月1日に土屋市長、峯村教育長を初め市当局の皆様に第五中学校の現地にお越しいただき、実情を御覧いただきながら神科、豊殿両地区の代表者より改築関連予算について要望がされ、耐力度調査が平成31年度事業として行われ、地質調査についても継続していくということで、地元の期待は高まっております。 そこで、何点か質問いたしますが、今年度は国庫補助を得る前提となる耐力度調査が行われましたが、その結果はどうでしょうか。また、令和元年東日本台風災害復旧費が甚大になったことに伴い、改築に向けた当初のスケジュールが変更になることはないでしょうか。令和2年度当初予算案には第五中学校改築関連費用の計上がございませんが、令和2年度事業計画の内容はどのようなものでしょうか。昨年神科まちづくり委員会行政懇談会においても令和2年度には配置計画の策定、基本設計が進められるなどの内容をお聞きしているところではございますが、これらを進めるに当たって市の基本的な考え方はどうか、また児童生徒を含めた学校やPTA、地域代表者等の意見聴取をどのように行っていくか、答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 第五中学校の改築についてお答え申し上げます。 第五中学校の改築事業につきましては、平成31年度の実施計画におきまして、今年度は校舎の主要構造部材の耐力を調査する耐力度調査業務を実施することとし、令和2年度おいては施設の配置計画及び基本設計、令和3年度以降に実施設計を行い、順次改築事業を進めていくという計画でございます。昨年10月に発生いたしました東日本台風により市内広範囲に被害が発生している状況ではございますが、今年度実施しております耐力度調査業務につきましては、予定どおり業務を進めておりまして、年度内に業務が終了する予定となっておりますので、結果につきましてはこれからというような状況でございます。 また、令和2年度に予定しております配置計画、基本設計につきましては、当市の技術職員が中心となりまして、国が示す整備指針を基本とする中で、将来的な維持管理コストの削減も視野に入れながら、施設の概要を決定していく予定となっております。 なお、施設配置等の検討の際には、教職員を初め保護者及び地域代表者など関係する皆様との協議の場を設けるなどして、ご意見をお伺いしながら進めてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁を頂きました。着実に事業を展開をしていただけるということで安心をしたところでございますが、関連して質問いたします。 平成29年9月議会における新生会尾島議員の質問に対し、学校校舎の建設の際に基本となる定型的なモデルをつくる考えについて、小中学校の在り方の検討を進める中で、上田市としての教育のあるべき姿、またその教育を進める上で必要となる学校施設の整備に対する提言等を踏まえ、施設整備における基本的なモデルについても作成していきたい旨の答弁、また同年12月議会で山田前議員の質問への答弁において、児童生徒がひとしく学校生活を送れる環境を整備するための標準モデルの作成を検討する旨の答弁がされています。計画的な施設整備に向け、地域性を考慮しつつ、シンプル、快適で安全な機能性のある校舎について一定のモデルケースをつくっていくことは必要だと考えますが、モデル作成に向けた状況はどうでしょうか。教育施設整備室が発足し、技術職員の配置や関係課との連携も進みやすくなっている状況もございますが、どうか伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 学校施設は子供たちが学習をする場であることはもちろんのこと、周りの子供さんたちや地域の方々など様々な人との触れ合いの中で心身ともに成長していく場でもございますことから、多様な活動に対応できる施設となるよう努めてまいりたいと考えておりますが、学校施設は建築に多額の予算を必要とし、また建築後長期間使用することとなりますことから、子供たちの学習に適した環境整備に当たっては、限られた予算の範囲内で施設の整備費用や将来的な維持コスト、維持管理コスト等にも配慮する必要があると考えております。市といたしましては、こうした観点に基づきまして、学校生活に必要な機能は確保しつつも、施設の維持管理が容易に行われるような構造、部材等を積極的に活用するなどして、この第五中学校が今後の学校施設整備における標準的なモデルとなるよう事業を進めてまいりたいと思っております。この標準的なモデルにつきましては、この第五中学校をモデル校としていきたいということでございます。ご理解いただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) 第五中学校をまさにモデルケースにということで、大変力強いご答弁だったかと思います。ぜひご期待を申し上げます。 次の質問に移ります。新年度より制度がスタートいたします会計年度任用職員制度についてです。課題も抱えながら、適正な任用、勤務条件等に向けた前進もある制度ですが、上田市としても会計年度任用職員の方への期末手当支給の処遇改善が図られることから、段階的に増額する手当の支給相当額として最終的に3億円から4億円程度の所要額があると示されています。昨年9月議会において上田市議会としても会計年度任用職員制度の導入に伴う財政措置を求める意見書を国に提出してまいりました。今回制度開始に伴い国の財政措置がされると報道等ではありますが、その内容はどうでしょうか。また、手当の段階的な引上げに対応できる額でしょうか。経過措置を経て手当の支給については毎年増額していく見込みであることから、手当の需要額調査が総務省で行われると承知しておりますが、増額分が毎年保障されるよう市長会を通じて国に要請を行っていく考えはどうでしょうか。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 会計年度任用職員制度についてご質問を頂きました。 議員ご指摘のとおり、新年度から会計年度任用職員制度が施行されることにより、新たに期末手当が支給されるなど一定の処遇改善が図られたところでございます。必要となります財源につきましては、国において地方財政計画に会計年度任用職員制度の施行に伴う期末手当の支給等に係る経費について、一般行政経費等に1,700億円程度を計上し、地方交付税の算定において基準財政需要額に算入することとされております。 新たに支給可能となります期末手当につきましては、9月定例会でご議決いただいた条例におきまして段階的に引き上げることとしたところでございますが、試算では満額支給となる令和5年度では会計年度任用職員の給与は総額で、今年度比3億円から4億円程度の増額が見込まれているところでございます。この増額に見合う財政措置がなされるかにつきましては、地方交付税の算定に当たりましては全国統一した基準で行われるため、この増額に見合うだけの措置が受けられるかどうかは現時点では不明ではございますが、上田市といたしましては、非常勤職員の処遇改善という制度制定の趣旨を踏まえ、必要な経費については責任を持って対応していかなければならないものと考えております。 次に、手当の増額分の財政措置を毎年保障するよう国に要請する考えはあるかとのご質問でございます。会計年度任用職員制度の施行に伴う所要額への財政措置につきましては、制度創設の法律案に対する附帯決議として、制度改正により必要となる財源の十分な確保に努めることとされており、新年度におきましてはこれらを踏まえて必要な財源措置が講じられるものと捉えております。 今後も制度の運用に必要な経費については国が責任を持って措置するものと認識をしておりますが、上田市のみならず、全国の地方公共団体共通の要望でもございますことから、他の団体とも協力をしながら、市長会等を通じて継続的な支援について国に求めていくことが必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁を頂きました。制度がスタートしていく上において課題の洗い出し等も引き続きお願いを申し上げたいと思います。 次に、地産地消の推進と有機農業の振興について伺います。上田市でも地産地消に向けた取組が進められています。地産地消には農政面では地域農業の振興、遊休農地の解消、生産者の方では販売促進、所得ややりがいの向上、消費者の方では顔の見える農産物、健康や安心、経済面では経済の地域循環、ローカルマーケットの創出、食育面では食育力のある食材、献立、このほか輸送に係るコストやエネルギーが節減できることから、環境、エネルギー、あるいは鮮度に至るまで多くのメリットがあると認識しております。上田市として地産地消と食育の意義をどのように捉えているか伺います。 地産地消推進会議が関係各位のご協力を得て組織され、上田市も農業委員会、上田農業改良普及センター、信州うえだ農業協同組合とともに事務局を担っていますが、具体的な取組内容はどうか伺います。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 地産地消と食育の意義、また上田地産地消推進会議で取り組んでいる内容につきましてご答弁申し上げます。 まず、上田市の食育の取組でございますが、第2次上田市食育推進計画に基づき、「うえだの食で育む健康なからだと豊かなこころ」を基本理念として実施しているところでございます。 次に、地産地消の取組でございますが、この食育推進計画の基本目標のうち、「食の大切さを理解し健全な食を実践する」、「食べ残しや食品廃棄の減少に取り組む」の項目に該当しておりまして、上田市においては地産地消に関わる様々な団体、機関で組織し、市が事務局を務める任意団体である上田地産地消推進会議を中心として推進しているところでございます。 上田地産地消推進会議は、上田地域の豊かな自然や気候風土の中で生産された地域の食材を大切にし、生産者と消費者の信頼関係を構築することで地場産農産物の消費及び利用を促進し、もって上田市の農業振興と市民の健康で豊かな食生活の実現に寄与することを目的としております。 推進会議では年間の事業計画や予算の決定、上田市地産地消推進基本計画の策定を担う本会に加えまして、学校給食部会、農産物直売所部会、米消費拡大部会、ブランド部会の4つの部会を組織し、学校給食における地産地消の推進、直売所の運営等、米の消費拡大、上田産農畜産物の販売促進及びPRに関することなどの取組を民と官の協力、連携のもと進めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁を頂きました。各部会で積極的な取組を展開していただいているということもお答えを頂いたところですが、地元産農産物の活用に関連して伺います。学校教育課より上田市学校給食における地元産農産物の使用状況について資料提供を頂きました。これを見れば、米は22年度以降の数値で29年度までが100%、30年度は99.8%と、100%近い使用割合で推移していることが分かりますが、青果物は近年では24年の22.8%をピークに下がり、28年度には22.5%と若干持ち直しますが、29年度には17.3%、30年度には16.0%と、ここ数年は2割を割り込んでいる状況がございます。総使用量自体は児童生徒数の減少に伴い減っていることは分かりますが、地元産の青果物の使用割合が減っている原因は何でしょうか。地産地消推進を目指す上田市としてこの数値を上げるための手だてについての考えはどうでしょうか。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 学校給食における青果物の使用割合が低い原因、また使用率向上に向けた取組についてお答えしたいと思います。 学校給食における地産地消の推進は、推進会議の学校給食部会において取組を進めております。学校給食部会は、生産者団体、流通事業者、学校給食センターなど生産から学校給食の提供までの一連の流れにおいてそれぞれの役割を担う全ての関係者をメンバーとしており、それぞれの立場や視点から地元農産物の使用率の向上はもとより、学校給食の充実に向けた取組を行っているところでございます。 近年の青果物の使用割合低下の主な原因といたしましては、天候不順によりまして、特に夏以降にかけた農産物の生産や価格、収穫時期が安定せず、献立の使用日とのマッチングがうまくいかないこと、地元産タマネギを学校給食で利用する取組について、学校給食の規格に合う地元産タマネギの収量が天候不順の影響により伸びなかったことなどが挙げられますが、地元でたくさん収穫されており、価格差が他産地と比べてなく、かつ長期保存が可能な米に比べると青果物の使用率を上げるのは容易でないと認識をしております。 続きまして、地元産農産物の使用率を上げるための取組でございますが、生産者に契約栽培的な手法でタマネギを生産してもらい、それを一定期間学校給食で使用する地元産タマネギ利用の取組、旬のカレンダーやJA信州うえだの年間生産計画の部会での共有による献立への反映、生産から給食の提供までをまとめたDVDの制作による相互理解、部会における定期的な協議などを行っております。 しかしながら、納入側の事情において、少量多品目の上田市では学校給食の規格に合う農産物の量と時期を生産者がピンポイントでそろえること、また流通事業者が地元産農産物を集めることが難しく、かつ流通コストを含めても北海道などの大産地と比べるとどうしても割高になることなどがございます。また、受入側の事情といたしましては、給食費の範囲内でのやりくりが厳しく、最も重要なカロリーと栄養バランスの確保を考えますと、割高な地元産を使う余裕がないという事情がございます。 そのほかにも、衛生基準、調理時間、欠品リスクの回避、天候不順、生産コストや流通コストの上昇などの様々なハードルがある中で、それぞれの立場で一生懸命に努力はしているものの、それぞれに限界を感じていることも把握しており、現行では劇的な改善策を生み出すことは大変難しいと考えております。 今後につきましても、部会を中心といたしまして、それぞれの立場で地元産農産物の使用率を上げるための取組を継続して進めてまいりますが、一方で子供たちの記憶に残る方法での地産地消や食育の推進を図るため、また昨年度から始めた給食に地元農産物を1品特定して使用し、その農産物の紹介及び地産地消を学習するチラシの配布、生産者等による特定校での授業の3つをセットで行う企画給食の取組にも力を入れてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁を頂きました。学校給食の現場は極めて重要な場であると認識いたします。 ここで、愛媛県今治市の事例をお聞きしましたので、ご紹介申し上げます。今治市では地元産の農産物を学校給食に積極的に利用するようにしたことを受け、昭和63年に食料の安全性と安定供給体制を確立する都市宣言を採択し、学校給食に用いるお米を全量市内産の農薬や化学肥料を削減した特別栽培米に、パンの原料小麦をアメリカ産から地元産に切り替えるなどし、今では大変大きな生産規模に至っているとお聞きしました。ローカルマーケットの創出の成功例と言えると思います。 地産地消に取り組む学校の食育効果ということでは、この今治市は平成15年に26歳の市民の方を対象にアンケートを取っています。今治市に地産地消の学校給食が始まり、5年後に小学校3年生だった皆さんです。結果、今治市の学校給食を食べて育った方のほうがそうでない方よりもなるべく地元産を重視する、産地や生産者への信頼などの点で食に対して望ましい行動を取っている傾向が高いことが分かりました。とりわけ大人になっても地元産の食材を求める行動の傾向については、倍近い数値の差が出たとされています。ここから学ぶべき点は多いと感じます。 先ほど部長のご答弁でもございましたが、上田市でも給食を通じて食への関心や地元への興味関心、流通事情などを学ぶ企画給食が市内学校で実施され、給食を通じて楽しく、おいしく食について、また流通事情について学ぶ機会を設けていただいていること、大変貴重であると受け止めますが、その実施内容と児童生徒、保護者の受け止めはどうでしょうか。また、食育を早期に実施することは、今治市の例に見るように、大変意義があることと思いますが、食育教育の一環として食育モデル事業の実施や、分かりやすい食育副読本の作成、配布などに取り組むべきと考えますが、どうか伺います。 また、上田市ではご家族で農作物を作り、食べる喜びに触れる教育ファームも実施されてきており、こちらも大変重要な取組と認識しますが、内容と参加者の受け止めはどうか伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 私からは学校給食における食育についてお答え申し上げます。 上田市では上田市教育支援プランの基本施策として、豊かな心と健やかな身体の育成を、またその支援策として食育の推進を掲げ、学校給食における地産地消を進めております。この取組といたしまして、先ほど来出ております上田地産地消推進会議内の学校給食部会におきまして、地元の農業や食材について児童生徒の理解を深めるため様々な取組を行っております。今年度の取組といたしましては、児童生徒の記憶に残る給食を企画給食として提供しておるところでございます。 具体例を申し上げますと、菅平高原がラグビーワールドカップイタリア代表の事前キャンプ地となったことから、イタリア応援メニューといたしまして、9月に上田産パプリカを使用した献立を企画いたしました。パプリカの献立はイタリアの国旗の色に見立てたカラフルサラダなどで、児童生徒からは彩りがきれいで華やかといった感想を、また給食だよりを見てパプリカが食べたくなり夕食に頂いたなど、家族からのご意見も寄せられているところでございます。また、1月から2月の節分の時期に合わせまして、上田市で多く生産されております大豆を使った企画給食を実施しております。さらに、上田市では栽培できない食材ですとか、旬の時期しか取れない農産物につきまして、流通の仕組みや、それを支える人々への感謝の気持ちを感じてもらうような企画も実施しております。この企画給食では、12月に広島産のミカンを提供いたしまして、児童生徒からは季節を感じた、太陽みたいでおいしいなどの感想を頂きましたし、このほかには茨城産のレンコンを使ったしゃきしゃき感のあるサラダを11月に提供いたしました。 次に、食育モデル事業の実施や、分かりやすい食育副読本の作成と配布などに取り組んではどうかとのご質問でございますが、上田市では食育を推進するため、各学校では教職員のうち食育を担当する教職員を決め、この職員が中心となりまして食に関する指導の全体計画を策定し、そこに健康教育に関する目標を加えまして、食育の指導を計画的に進めてきているところでございます。この計画に基づきまして、担任や栄養教諭、栄養士が給食や授業の時間、全校集会など多くの場面で給食を生きた教材として指導しております。また、市教育委員会では給食だよりや食育だよりを発行いたしまして、児童生徒、保護者に学校給食に対する理解や食育についての啓発に努めてきておるところでございます。 文部科学省では小学生用の食育教材や中学生用の学習教材を作成しております。市内の小中学校ではこれらを教材としている場合もございますが、食に関する指導の全体計画に基づきまして、各学校に応じた教材を使用しております。 市教育委員会といたしましては、児童生徒が発達段階に応じて食生活に対する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、各学校の計画に対しまして食育の一層の推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 私からは教育ファームの内容、参加者の反応についてお答えをしたいと思います。 教育ファームは、小学生とその保護者を対象に、生産者の指導を受けながら実際の圃場における栽培から収穫した農産物を食することにより、生産者の苦労や喜び、食べ物の大切さを感じてもらうことを目的に平成27年度から始めた取組でございます。今年度はズッキーニ、カボチャ、ブロッコリーなどの種まきから収穫、イチゴ、うえだみどり大根、野沢菜の植付けから収穫、稲倉の棚田での田植から稲刈り、収穫した野沢菜やうえだみどり大根などを使った料理教室などを実施いたしました。参加者の反応は、子供の野菜嫌いが克服できた、関心のなかった農業が身近なものとなり、今後は農業をやってみたい、うえだみどり大根など上田市の農産物を知ることができ、おいしい食べ方も知ることができたなど参加者の満足度も高く、農業に触れる機会の提供ができ、食農教育や地産地消にもつながったものと考えております。 次年度以降におきましても教育ファーム事業を継続し、少しでも多くの子供や親世代に対して食の大切さ、農業の魅力を伝える機会として計画をしてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) それぞれご答弁を頂きました。積極的な取組を展開していただいていることに感謝を申し上げます。 地産地消推進会議では、地産地消推進協力店の認証を行っていますが、その登録店舗数の推移はどうでしょうか。また、認証後の継続的な支援、フォローアップが課題と考えますが、地産地消に取り組む農業者を支える上田市の考えはどうでしょうか。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 地産地消推進の店の認証、登録店舗数の推移と認証後の追跡調査についてお答えをしたいと思います。 上田地産地消推進の店の認定数は現在75店舗あり、近年は1店舗から2店舗の割合で増加していることから、第二次上田市総合計画前期まちづくり計画の計画目標数の78店舗の達成に向けて順調に推移していると考えております。 認定店の認定後の取組でございますが、上田地産地消推進会議のブランド部会で実施しておりまして、認定式を挙行し、メディアに取り上げていただくことで認定店のプロモーションや制度の周知を図っているほか、地元産農産物の消費拡大の取組に対する支援、さらに今年度は認定店全てに連絡し、必要に応じて市のホームページに掲載している情報の更新を行ったところでございます。 議員ご指摘のとおり、認定後のフォローアップについてはまだまだ改善の余地があるものと認識しておりますので、認定を受けたことのメリットを感じられる、また認定店同士のまとまりが醸成され、地産地消の推進と農業者を支える機運がさらに高まるよう、ブランド部会において新たな取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁を頂きました。 それでは、有機農業の振興について一括して伺います。SDGs、持続可能な開発目標の達成と市民の健康長寿、子供たちの健やかな成長を願い、豊かな上田市の自然環境の下で育てられ、遺伝子操作技術や化学物質などを極力使わない安全な農産物と食品を食べられる環境づくりを目指すべきと考えています。上田市としてこの有機農業に対する認識はどうでしょうか。また、振興に向けた取組はどうでしょうか。 さきにご紹介しました愛媛県今治市では、平成17年の合併に伴い、食料の安全性と安定供給体制を確立する都市宣言は失効いたしました。そうしたところ、市内農業団体、商工団体、消費者団体、PTAなど多くの方々から新市で都市宣言の復活を求める声が多数上がり、同年中に同様の都市宣言が議決され、翌18年には地産地消の推進、食育の推進、有機農業の振興を3本柱とする食と農のまちづくり条例が制定されたとお聞きしました。この条例に基づき各種の取組が行われ、小中学校の学校農園での有機認証取得へのチャレンジに対する助成として、農機具購入費、種苗、肥料の助成等を行い、学校農園で有機JAS取得ができた事例があるとお聞きしましたが、上田市でも同様の取組の検討はできないでしょうか。 また、同市では有機農業の基礎知識や技術を学ぶための農業講座が行われ、修了生は食に関する各分野でご活躍をしておられるようですが、上田市の講座に今治市の取組の趣旨を踏まえた講座を行うことは大変意義があると考えますが、見解はいかがでしょうか。 最後に、持続可能な社会を目指すために地産地消推進と有機農業振興に向けた市長の見解はどうか伺い、私の質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 有機農業に対する認識、振興を図る取組についてお答えしたいと思います。 有機農業は、農薬や化学肥料を使わない栽培方法であるため、安全な農産物の提供と環境と調和した農業であり、持続可能な農業を目指す上で重要な取組であると認識しております。 国の環境保全型農業直接支払交付金事業を活用して有機農業に取り組んでいる市内の農業者は4経営体ございます。また、堆肥などを使った土作りにより化学肥料や化学合成農薬の使用量を低減させる農業に取り組み、エコファーマー制度に認定されている市内農業者は個人、法人含め20経営体ございますが、いずれも大きな広がりに至っていないという現状でございます。 有機農業等の取組が進まない要因といたしまして、生産効率が悪く、経営が成り立たないということが挙げられ、また農産物は形が不ぞろいなど見た目が悪いものもあったりしますので、消費者の理解も普及には必要となります。そのほかにも営農上の課題といたしまして、地域の中で単独で有機農業に取り組んだ場合、周辺圃場への病害虫を広げるリスクになってしまうということも有機農業が広がらない要因の一つとして考えられます。加えまして、集落に遊休農地や管理が行き届いていない農地がありますと、病害虫が発生しやすい環境となり、結果として有機農業においてはさらに生産性が低下し、減農薬栽培に取り組む農家には農薬の使用回数が増えてしまうなどの悪影響が生じてしまいます。 市といたしましては、有機農業についての重要性は認識していることから、ご指摘いただいた先進的な取組を参考にしつつ、県で行っているオーガニックセミナーなどの有機農業の基礎知識や技術を学ぶ講座などにより市内農業者への啓発を進め、有機農業に取り組んでいる農家には引き続き環境保全型農業直接支払交付金制度などを活用した支援をしてまいりたいと考えております。 加えて、有機農業を含め環境に優しい農業を進めるには、各地域で草刈りや水路など農業用施設の維持管理などを目的とした多面的機能支払事業を活用して取り組んでいる水土里会の活動や、中山間地域農業直接支払事業による集落協定の活動が保全管理のみならず減農薬栽培などの環境に優しい農業に結びつくなど、地域になくてはならない取組であることを地域で共有し、また再認識しながら地域全体で環境に優しい農業を目指していく流れをつくっていくことが重要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) まず、地産地消の推進についてでございますが、上田地産地消推進会議には、生産者、流通事業者、加工業者、消費者、行政など大変多くの皆様や団体、機関に参画していただき、それぞれのお立場からの思いや考えのもと、真摯に取組を進めていただいているところであります。これだけ多くの皆様が関心を持っていること、また主要な農産物直売所の売上げという客観的な数値、大手スーパーや小売店などの産直需要の高まりを考慮いたしますと、多くの市民の皆様に地産地消の推進は支持されているものと認識しております。 地産地消の推進は消費者の皆様にとっては生産者の顔が見えるという安全、安心感や新鮮さ、生産者の皆様にとっては価格決定権や地元の応援や支持を直に感じるというそれぞれのニーズがあるとともに、流通面からは、環境に優しいため持続可能な社会の構築につながっていくと認識しております。 地産地消の推進がさらに多くの市民の皆様に広がるよう、現状に甘えることなく、あんしん直売所の認定や地産地消の新商品開発など新しい取組を常に試行されている上田地産地消推進会議に集まる皆様とともにさらなる施策を進めてまいりたいと考えております。 次に、有機農業関係ですが、有機農業の振興につきましては、栽培技術、生産収量、周辺圃場との調和、消費者の理解等、生産、流通の面で様々な課題がございます。しかしながら、昨年閣議決定されたSDGsアクションプラン2019において、有機農業、環境保全型農業の拡大が優先課題に位置づけられるなど、持続可能な農業を進める上で今後重要度が増す取組と考えております。 先ほどご紹介いただきました今治市の例もございますし、また過日は長野県内におかれましてもオーガニック議員連盟の結成がされたというふうにもお聞きしております。したがいまして、国や県の動向を注視しつつ、生産性や周辺の営農環境との兼ね合いもございますので、まずは地域全体で環境に配慮した農業に取り組むという機運の醸成を図りながら、課題を整理した上で有機農業の普及を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時37分   休憩                       ◇                                午後 4時55分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第10号、市政について、小坂井議員の質問を許します。小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 議長の許可を頂きましたので、通告に従って順次質問をしてまいります。 間もなく2020年東京オリンピック・パラリンピックが目前に迫り、様々なウエルカムイベントがめじろ押しですが、今回は2021年スペシャルオリンピックス世界大会に向けた上田市の取組をお尋ねしてまいります。 2021年スペシャルオリンピックス世界大会は来年スウェーデンで開かれますが、冬季大会の予選が先々週の2月21日から23日まで北海道札幌市を中心に行われる予定でしたが、北海道大会ではアスリート8,480名、ボランティア1万3,699名が参加するビッグイベントになる予定でした。しかし、直前になって、皆さん方もご存じのような最近の新型コロナウイルス感染症により中止となりました。なので、質問内容が過去のレガシーを今後に生かす観点でお尋ねしてまいります。 話は遡りますが、新上田市が誕生する平成18年、2006年の前年、平成17年、2005年にスペシャルオリンピックス冬季世界大会長野大会が開催され、世界84か国と地域から1,829人のアスリートが参加し、熱戦を繰り広げました。日本からは150人の選手が参加したそうであります。上田市では中国選手団の受入れをしまして、多くの市民ボランティアで中国選手をホームステイで受け入れました。 そこで、お尋ねしますが、上田市が中国選手団を受け入れるに至った経過はどうだったのでしょうか。また、当時上田市から参加した選手はいたのでしょうか。また、いたとすればその競技は何なのでしょうか、以上お尋ねして、第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) スペシャルオリンピックスについての質問を頂きました。 ちょっと中国の関係確認をしておりますが、スペシャルオリンピックスに関して申し上げますと、スペシャルオリンピックスとは、知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織であり、運営はボランティアと善意の寄附によって行われています。 スペシャルオリンピックスでは、オリンピック同様4年に1度、夏季、冬季の世界大会が開催されており、2005年にはアジアでの開催が初となる第8回冬季世界大会が長野県で行われ、世界の約84の国や地域から参加があり、日本選手団としては150名が参加し、8日間の日程で7競技79種目が行われました。 スペシャルオリンピックス日本は、1994年に活動を開始し、約8,500人の知的障害のある方が全国47の都道府県のスペシャルオリンピックス地区組織に所属し、活動に参加しているものです。 また、各都道府県の地区選手団が参加する夏季、冬季のナショナルゲーム、全国大会を意味しますが、4年に1度開催するとともに、世界大会にも日本選手団を派遣しています。昨年3月に開催された2019年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・アブダビには104名の日本選手団を派遣しています。 地区組織であり、長野市に事務局のある公益社団法人スペシャルオリンピックス日本・長野によりますと、県下各地で陸上競技、卓球、ゴルフ、サッカー等のスポーツプログラム19競技、市内ではバスケットボール、ボーリング、フロアホッケーの3競技のスポーツプログラムを実施していると聞いております。 市では過去に全国大会や世界大会に出場される障害のある上田市在住の選手を激励し、大会において好成績を収め、他の競技者を初めとした市民に感動と喜びを与えるとともに、障害者スポーツの振興に貢献したことをたたえ市長表彰を行った実績がございます。最近では2月14日に、先ほど申し上げました2019年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・アブダビの障害のある人とない人による混合チームをつくり試合を行うユニファイドサッカーに上田市在住の3人が参加することから、上田市長が激励をしたところでございます。 大変申し訳ございません、質問の聞き取りではこのようなご答弁。 ○議長(小林隆利君) 今その質問は通告されていないから。 ◎福祉部長(近藤聖一君) しかできません。申し訳ございません。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 先ほどもお話ししたように、当初の予定では北海道大会に向けて上田市の取組ということでお話をしておきましたが、中止になったということで、その後の経過についてお聞きをしてまいります。 先日2月9日になるかと思いますが、長野大学、上田女子短期大学の学生らでつくるチーム’95という団体がスペシャルオリンピックスの交流を目的としたデーキャンプを開催したということが報道されておりました。また、前大会のときには長野大学の中国人留学生が通訳ボランティアとして多数お手伝いをしていただいた経過がございます。今でも学生たちの間ではスペシャルオリンピックス長野大会がしっかり根づいていると感じましたが、上田市の現状と今後の考え方をお尋ねします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 来年のスペシャルオリンピックス冬季大会の国内予選会が札幌で行われる予定でございましたけれども、ご案内のとおり中止となったということで、県内や市内から等の出場者の状況などについて、あるいはアスリートへの支援についてお答えをさせていただきます。 2021年にスウェーデンで開催される世界大会への日本選手団選考を兼ねて実施される予定でありました2020年第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道大会は、新型コロナウイルス感染症の状況の悪化を鑑み中止が決定されました。スペシャルオリンピックスではスポーツ活動に参加する知的障害のある方をアスリートと呼び、残念ながら中止となりました大会には、県内で6競技にアスリート33人、うち上田市在住者は、アルペンスキー1人、フロアホッケー4人の計5人が参加する予定でございました。 アスリートへの支援といたしまして、スペシャルオリンピックスの活動自体がボランティアと善意の寄附によって運営されていることからも、市としては直接的な支援は特段行っておりません。市がアスリートに対する激励や表彰を行うことで、アスリート自身あるいは支援者の皆様への励みとなるとともに、障害者スポーツを通じて障害への理解が促進されるものと考えております。 障害の有無にかかわらず多様性を尊重する社会を目指すというスペシャルオリンピックスのメッセージ、活動を通じて障害のある人の自立と社会参加を促進し、生活の質を豊かにするといった目的は、市の目指す共生社会の実現と共通するものと認識をしております。市といたしましては、スポーツ、文化、交流など様々な活動を通じ障害への理解を促進させることにより、障害のある人もない人も共に生き生きと暮らせる社会、共生社会の実現に向け、より一層努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) それぞれ答弁を頂きました。健常者も障害者も共にスポーツを通じて生きていてよかったと言えるような上田市に今後ともなるような様々な取組を希望するものであります。 次に、農福連携についてお尋ねいたします。国では平成27年から農業分野と福祉分野が連携をした農福連携の取組が各地で盛んになっております。政府が定めたニッポン一億総活躍プランでは、障害者等が希望や能力、障害の特性等に応じて最大限に活躍できる環境を整備するため、農福連携の推進が盛り込まれております。また、平成31年4月には農福連携の全国的な機運醸成を図り、今後強力に推進をしていく方策を検討するために、各省庁横断の会議として農福連携等推進会議が設置され、令和元年6月には取組の方向性を示した農福連携等推進ビジョンとして取りまとめられました。また、農福連携に取り組むことで障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において新たな働き手の確保につながる可能性もあります。 上田市では今議会で農業分野への障害者の就労を推進するために、当初予算に農福連携に関する予算を計上しているわけですが、農業者と障害者のコーディネートを行う上で上田市の農業分野のニーズはどのように把握をしているのでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 来年度予算に農福連携の予算を計上しているが、農業分野のニーズはどうかというご質問にお答えしたいと思います。 農業分野では従来から担い手の高齢化と減少といった課題があり、農林業センサスによりますと、上田市の農業経営者の70歳以上の占める割合は、平成17年度の42.1%から平成27年度は50.7%と高齢化が進み、農家戸数は、平成17年度の7,503戸から平成27年度は6,187戸と、10年間で1,316戸、率にいたしまして17.5%減少という状況でございます。 また、厚生労働省の職業安定業務統計では、平成29年の農業分野の有効求人倍率は1.71倍で、全産業平均の1.54倍を上回る水準にあり、加えまして農業者からは常時雇用のアルバイトの確保にも苦慮している中、農繁期だけの短期のアルバイトの確保はさらに厳しく、時給を1,000円にしても集まらないといった声も聞かれます。さらに、農業分野に限らず昨今では全ての産業で人手不足が顕在化しているため、農業での担い手確保はますます厳しい状況にございます。 担い手対策として、菅平地区などでは外国人技能実習生を受け入れている事例がございますが、言葉の問題や手続などの面から容易に受け入れる態勢を整えることはできない状況がございます。 一方、県によりますと、障害者福祉分野では、企業からの受託開拓や製品の優先調達等に取り組んでいるものの、平成30年度の就労支援施設の月平均工賃は1万6,130円、時給換算にしますと250円と低く、さらなる働く場の開拓が必要な状況にあるということでございます。 これらの状況を踏まえ、農業分野の喫緊の課題である担い手対策として障害者の農業分野への参画が促進されれば、農業分野における貴重な担い手となることが期待されるところでございます。また、農業を通じて障害者の働く場を提供することは、農家の作業負担の軽減のみならず、障害者の社会進出の支援につながるなど、農家にとりましても社会貢献になる取組と考えられます。 こうした背景や農業分野でのニーズがあったことから、関係機関と協議を進め、農業分野と福祉分野との連携事業、いわゆる農福連携事業に来年度から取り組み、喫緊の課題である担い手対策を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) ご答弁を頂きました。 農福連携の取組は農業経営体における労働力の確保や売上げ増加に加え、障害者福祉サービス事業所における賃金や、月3,000円以上と定められている最低工賃の向上や障害者の心身状況の改善など、農業と福祉の双方によい効果をもたらすことが明らかになっていて、今後もより一層の推進が求められています。国では農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現をしていく取組であるとしてさらに推進をしております。人手不足である農業分野と障害者の就労機会の確保を求める福祉分野が連携することにより、双方の分野に利点をもたらすことが期待できることが考えられますが、上田市で農福連携を推進することはどのような可能性があるのでしょうか。また、今年の取組の一番の目標を教えてください。
    ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 農福連携を推進することの可能性、そして取組の目標についてお答えいたします。 議員が申されましたように、国において農福連携は地域における農業と福祉の双方にメリットある取組として全国に広く展開し、各地域において農福連携が定着するように、農福連携等推進会議を設置し、昨年6月に農福連携等推進ビジョンを策定いたしました。このビジョンでは、農福連携の裾野を広げていくための課題といたしまして、知られていない、踏み出しにくい、広がっていかない、つまり農福連携という取組自体がよく知られておらず、農業と福祉の双方共にお互いのことをよく知らないためどのように始めてよいか分からず、消費者や経済界を巻き込んだ社会全体の広がりが見えないと課題を指摘しております。 市におきましては、農林部農政課が事務局を務め、生産者や農業委員会、JA、上田農業改良普及センターなどの関係機関で組織する任意団体である上田市農業支援センターがございます。ビジョンで示す課題に対応するため、農業者を初め関係機関とともに農福連携事業の理解を深めてもらう必要があることから、上田市農業支援センターを実施主体として事業を進めてまいります。 また、農福連携には様々な形がございまして、1つ目として、農業経営者が障害者を直接雇用する形態、2つ目といたしまして、福祉の事業所等が自ら農業に参入する形態、3つ目といたしまして、農業経営者が障害者の施設外就労を受け入れる形態など主な形がございます。今回は喫緊の課題である担い手対策として取組を進めたいことから、3つ目の農業経営者が障害者の施設外就労を受け入れる形を目標として進めてまいりたいと考えております。 具体的には、農家と福祉事務所の間に入り、双方をマッチングさせる農福連携の専属コーディネーターを配置いたします。ビジョンの課題にもございましたが、まだ農家の皆さんは農福連携に対するイメージを持ち合わせていないことから、新年度の目標として、まずは専属コーディネーターを中心に農家の実情に詳しい上田市農業支援センターの専任推進員やJAの営農技術員などと連携し、農家に対して農福連携の意義などの理解を深めてもらい、その上で障害者の特性を踏まえた福祉分野でできる作業を掘り起こすことから事業に着手し、一事例でも多くの福祉事業所とのマッチングを図ってまいりたいと考えております。 さらに、これまで述べてきた農作業での農福連携に加え、各地域で行っている草刈りなどの農地の保全管理に対する農福連携の取組も進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、まずは農業の担い手対策の一環として農福連携の取組をスタートさせ、将来的には障害者の働く場の確保のみならず、災害時のボランティア支援、ひきこもり支援など様々な相乗効果が出るよう、関係機関と情報交換しながら農福連携の推進体制を整えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 答弁を頂きました。障害者は障害はありますけれども、その障害の特性に応じた仕事を用意してやれば本当に根気よくしっかりやれる人たちだと私は考えております。ぜひ今後とも様々な場で活躍ができるようにご支援をお願いいたします。 次に、同和対策事業についてお尋ねいたします。1969年、昭和44年、同和対策事業特別措置法が施行されました。法施行後今年は50年を経過するわけですが、京都市のように事業未実施地区を抱える地域がある反面、大阪市のように高層住宅に姿を変えた地域もございます。上田市では矢沢バイパスを初め別所線赤坂上から上田原駅に至る小牧バイパスなど大規模な事業が取り組まれてきました。特に小牧バイパスは平成2年から4年に実施された道路改良事業ですが、事業総額5億7,000万円余、国庫補助金が3億7,000万円余、起債額が1億8,800万円余、市が負担した用地買収費は1,100万円余でございました。起債の80%は交付税措置がされるので、実質4,000万円程度の負担で完成したことになります。今では国分地区から塩田地区につながる重要な市の動脈の位置づけがされております。その同和対策事業も名前を変え、対象事業も減らされながら、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律という長い名前の法律が平成13年度で終了しましたが、効力を失った後の激変緩和措置が続いております。 ちなみに、法の最終年度平成13年度は、交付税が1億7,000万円余、合併した平成18年度は7,300万円余、平成29年度は484万円、平成30年度は385万円が交付税措置されております。これは、主に住宅新築資金貸付金の返済等の起債償還に関する事務手数料の特別交付税措置ですが、本年も住宅新築資金貸付金の予算を計上しているわけですが、依然として多くの未償還金があるのも承知をしております。 そこで、償還期限が令和3年度に迫っている状況がある中で、回収困難となっている案件の処理方法と物件数の状況をお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 同和対策事業についてご質問いただきました。 昭和44年に施行された同和対策事業特別措置法に基づいて実施されました事業のうち、住環境改善対策の一環として実施された事業に同和地区住宅新築資金等貸付事業があり、国の施策に基づき市町村が必要な資金の貸付けを行ったものでありまして、老朽住宅の改修、増築を促進し、また核家族化の傾向に伴い、新築住宅を建設するために資金の融資制度を確立して、地区住民の生活水準の向上と福祉の増進を図ったものでございます。 この貸付金の償還期限は最長で25年でありまして、令和3年度が最終年度となる中、未償還金における滞納案件につきましては、債務者本人への分納額の増額及び債務承認の取得のほか、相続人や保証人への催告をするとともに、改めて契約書や登記簿等関係書類の調査、確認を進めているところでございます。法的措置であります抵当権の実行につきましても、市の抵当権に優先する順位に他の抵当権が設定しているものや、物件の経年劣化により競売による配当が見込めない状況もございます。 いずれにいたしましても、このような状況の中、破産、相続放棄等による極めて回収困難な案件につきましても、今後それぞれの状況を見極めた上で精査、検討し、回収可能、不可能の仕分けを引き続き行ってまいりたいと考えております。 ご質問の現在の回収困難な物件等の数でございますが、平成30年度の状況といたしましては、150人、227件、滞納繰越分7億4,968万円となっており、借入者の高齢化による収入の減少や死亡により回収困難な事例が多くを占めている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) それぞれご答弁を頂きました。 住宅新築資金等貸付事業は、今部長の答弁にもございましたように、同和地区の劣悪な生活環境を早急に改善するために取り組まれた事業ですが、この事業のアメリカ版がリーマンショックの原因となったプライムローンと言われる低所得者向けの住宅ローンだと私は考えております。生活が不安定な国民には、低金利の融資とはいえ、同時に生活向上の事業も必要だったのではないでしょうか。ちなみに、阪神・淡路大震災の折に住宅をなくした被災者に一律500万円を交付すべきと提言をした国会議員の方もおりましたが、まさにそのとおりだと思います。 そこで、お聞きいたしますが、現在償還が継続している物件を除いて貸付対象地の所有権が第三者に移転されている場合や所有者が死亡した場合は、同和対策ということを踏まえ、税金の不納欠損処理のような回収の対象から除外すべきと考えるわけですが、見解はどうかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 現在のところ、貸付対象である物件が第三者に移っている場合であっても、貸付金が残っている以上は債務者本人や相続人、保証人に催告を行うことになります。また、債務者が死亡あるいは居所不明といった場合は、相続人や保証人、物件等の調査、確認を行いますが、同和対策事業ということを踏まえ、親族等に対しても慎重を期して対応をしていかなければならない状況でございます。 いずれにいたしましても、市が貸し付けた金額でありますので、原則として債務者本人あるいは相続人や保証人へ催告し、返済していただくことを基本と捉えております。 この貸付金は税金などの公債権とは異なり、民法で規定されます私債権となりますので、徴収困難状況を見極めた上で、徴収が不可能なものについての確認を行い、他市の状況を参考としながら、市の類似する他の債権も踏まえ、債権放棄も可能とする制度について今後研究を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) すぐには難しいという答弁だったと思います。 地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が効力を失った中で、公民館事業を初め貸付金の返済などの事務等の同和対策関連事業に係る職員もいるわけですが、同和教育事業や貸付制度に関する職員の理解度に差が生じていると感じております。このため、担当部局と財政部において職員に対する各種貸付事業の制度がなぜできたのか、そのいわれ等の研修が必要と考えますが、市の考えはいかがでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 同和問題に関する研修といたしましては、職員を対象とした人権問題研修の一環として研修会を開催するとともに、担当職員におきましては、県あるいは団体等が開催する専門的な研修会や研究会、講座等に参加し、知識の向上に努めているところでございます。貸付事業に関する研修につきましては、債権を管理する部署と収納業務を行う部署において定期的に担当者による会議を持ち、貸付制度についての理解を深めるなど、収納状況及び滞納者の情報共有を図りながら収納対策を進めております。また、この貸付金の償還事務に関しまして、毎年全国的に開催される住宅新築資金等貸付事業償還事務担当者研修会等に担当する職員が参加し、知識の向上に努めておるところでございます。 今後も引き続きこれらの研修会を通じ、担当する職員等の理解度がさらに進むよう、また差が生じることのないよう努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 最後の質問になりますが、市には交付税の細目表を提出してございます。近隣自治体では同和対策関連の交付税が数十万円単位で増額されている反面、上田市は100万円近い交付税が減額をされている状況がございました。交付税が増額されている原因を精査して、少しでも交付税アップを図るべきと考えるわけですが、市の考えをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 同和対策事業に係る交付税のご質問でございます。 同和対策事業につきましては、昭和44年以降順次3つの特別法の立法措置により進められてまいりました。最後の法律となる地対財特法、こちらにつきましてその従前の地域改善対策特別措置法が失効した段階でなお引き続き実施することが必要と認められる事業、これが地対財特法で措置されてきました。そちらが失効した後は、それまで法律に基づいて実施されてきた地域改善対策事業の地方負担額について、普通交付税による対応へとシフトされたという状況でございます。 上田市におきましては、算定対象事業の終了に伴い、平成24年度で普通交付税への算入が終了し、平成25年度以降は特別交付税による措置がなされております。この特別交付税による算定につきましては、平成15年度以降算定基準として先ほどの住宅新築資金等の貸付事業に要する経費、このほか隣保館に要する経費や人権教育及び人権啓発に要する経費、これにつきまして特別な事情を考慮して定めると、こういう基準となっております。これまでの措置額を分析いたしますと、同和地区の住宅新築に係る宅地取得資金借入金の元利償還額に対して措置がされていると推測され、住宅新築資金等貸付事業に要する経費、こちらに重点が置かれているという、こういう状況となっております。 この上田市における住宅新築資金貸付事業の償還は、先ほどもありましたように、令和3年度をもって終了となりますことから、現状ではご質問の交付税が増額する要素、これは先ほど申しました特別交付税における隣保館に要する経費や人権教育及び人権啓発に要する経費、これに集約されてくるといった状況でございます。 上田市としましては、必要な事業を行った場合に特別交付税において措置されるということで、必要な事業については実施をしていくと、こういうスタンスで臨みたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 5時31分   休憩                       ◇                                午後 5時45分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(9)有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第11号、有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 本日最後の質問となりました。皆様かなりお疲れのようでございますが、しばらくお付き合いいただきたいと思います。 それでは、議長よりお許しを頂きましたので、さきの通告のとおり、有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について質問をしてまいります。 まず、有害鳥獣対策について質問を進めてまいります。私の所属会派新生会は、少し前になりますが、昨年の3月に政務活動費を活用し、小諸市の永続的な対策を目指す野生鳥獣対策の取組を視察させていただきました。小諸市では有害鳥獣対策を行う猟友会員の減少に対処するため、平成23年に市に専門員と狩猟免状を所有した市職員から成る鳥獣被害対策実施隊を結成し、有害鳥獣対策に取り組み、その取組の中から発生した問題解決に向け、猟友会に依存していた有害鳥獣対策から脱却し、捕獲従事者負担軽減捕獲報償費の増額を図るなどして、捕獲数を顕著に増加させました。 一方、捕獲増加により当然のことながら捕獲報償金、個体処分費が増加いたしましたが、これに対処するため、平成27年度に小諸市野生鳥獣商品化施設を整備いたしました。この施設は、県の遊休施設を改修し、財源は地方創生交付金を活用して整備され、施設整備に併せ小諸市野生鳥獣商品化事業として、ペットフードの原料として鹿肉の加工、販売が開始されました。事業発足後もさらなる収益性の改善への取組は行われ、なおかつ施設では地域おこし協力隊員が活躍されております。昨年度は上田市からこの施設に10頭のニホンジカが持ち込まれ、上田市産ニホンジカペットフードとして商品化されたところであります。 小諸市での先進的な取組を視察し、上田市の今後の有害鳥獣対策に非常に参考となることが多いと感じました。ただ単に同様の取組をするのではなく、近隣での取組を見ながら、上田市の地域性などにより、この取組を生かす観点で上田市の有害鳥獣の現状についても併せて質問してまいります。 まず、有害鳥獣捕獲報償金についてです。1点目として、有害鳥獣捕獲報償金の捕獲個体別の単価と単価の推移はどうか。 2点目として、平成30年度決算に係る成果報告書では、有害鳥獣対策ではニホンジカ、イノシシ、ハクビシンについては従来の捕獲報償金のほか、国の鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業により、報償金を加算して捕獲対策の強化に努めたとしておりますが、具体的な加算の金額はどうか。 3点目として、報償金支給対象として捕獲数に応じた支給以外の対象となる事項はあるか。 4点目として、昨年度の報償金の内訳と近年の報償金の推移はどうか。また、報償金から有害鳥獣の捕獲の傾向をどのように分析しているか。 5点目として、報償金の支給方法はどうか。 6点目として、周辺自治体と比較した場合の1個体当たりの支給額はどうか。 7点目として、上田市は有害鳥獣捕獲に対して報償金として支給しており、補助金などと違い補助要綱がないわけでありますが、報償金として支給している根拠は何か。 8点目として、今後の報償金をどのような方針のもとで支給する考えか。 以上8点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 初めに、有害鳥獣を捕獲した際の報償金の単価と単価の推移についてお答えいたします。現在上田市ではニホンジカ、イノシシなどの大型獣については1頭当たり1万5,000円を、中型獣のうちハクビシンは1匹当たり4,000円を、タヌキ、キツネ、アナグマは1匹当たり3,000円を捕獲報償金として捕獲者の皆様へ交付しております。 次に、報償金の単価の推移でございますが、平成18年3月の合併時には旧市町村単位に有害鳥獣駆除対策協議会が組織され、単価は協議会ごとに定められており、地区ごとに差異が生じておりました。このため、上田市統一の報償金額を定める必要があったことから、平成22年度に旧市町村ごとに組織していた協議会を統合し、新たに上田市有害鳥獣駆除対策協議会を設置、上小猟友会と協議、調整を踏まえ、ニホンジカ、イノシシの報償金を1頭当たり1万円とし、その後平成24年度にハクビシン、タヌキなどの中型獣の報償金を1頭当たり3,000円として追加してきたところでございます。その後、平成26年度から国の鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を活用し、現在の報償金の報償金額となっております。 次に、国の事業を活用した報償金の具体的な加算額についてお答えいたします。鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業の導入以前は、上田市が計画を策定するイノシシやニホンジカなどの大型獣の捕獲計画頭数は年間500頭でしたが、被害が拡大したため、平成27年度から捕獲計画頭数を年間1,600頭といたしました。これに伴い捕獲対策を強化する必要があったことから、鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を活用し、報償金の上乗せを実施し、捕獲を推進しました。報償金の加算額は、ニホンジカ、イノシシが5,000円、ハクビシンが1,000円となっております。 次に、捕獲頭数に応じた支給以外に支給の対象となる事項はあるかにお答えしたいと思います。ニホンジカやイノシシなど獣類による被害のほか、カラスなどの鳥類による農業被害が発生している塩田地区と豊殿地区にそれぞれ1基ずつカラスおりを設置して捕獲を実施していただいており、この管理費といたしまして1基当たり年間15万円を支給しております。管理内容といたしましては、カラスおりの修繕などを含む維持管理やカラスを捕獲するための餌や水の補給、清掃、周辺の草刈り、捕獲したカラスの処分などとなっており、平成30年度はこのおりで158羽のカラスを捕獲しております。 次に、昨年度の報償金の内訳、報償金の推移、捕獲の傾向をどう分析するかにお答えいたします。まず、昨年度の報償金の内訳でございますが、報償金の総額は2,588万3,000円、そのうちニホンジカが1,832万円余であり、約70%を占めており、イノシシが536万円余で約21%、ハクビシンなど中型獣が219万円余で約9%となっております。また、捕獲頭数につきましては、平成30年度実績でニホンジカが1,231頭、イノシシ356頭、中型獣が合計691頭となっており、市内においては報償金額、捕獲頭数共にニホンジカが大きな割合を占めております。 次に、近年の報償金の推移でございますが、平成25年度は約1,000万円、平成26年度は約2,200万円、平成27年度は約2,400万円でございまして、平成28年度から30年度までの3年間は、各年共に年間総額が約2,600万円と高止まり傾向が続いております。平成26年度は25年度と比較いたしまして2倍を超える2,200万円となったわけでございますが、大型獣の捕獲頭数においても平成25年度は880頭だったのに対し、平成26年度は1,375頭と約1.5倍の捕獲を実施していただいております。 報償金額が2倍、捕獲頭数が1.5倍を超える実績となった要因といたしましては、1つは国の事業を活用したことによりニホンジカ、イノシシの捕獲報償金が1万円から1万5,000円に引き上げられ、捕獲者の捕獲に対する意欲が高まったことが挙げられると思われます。また、平成23年度から25年度にかけまして集落を鳥獣被害から守る侵入防止柵の設置が進み、3年間で約80キロメートルが設置されました。これにより獣が侵入防止柵沿いを歩くようになり、その動きが把握しやすくなったことから、くくりわなによる捕獲が効率的に行われたことも要因していると考えられます。 また、ここ3年ほど報償金が約2,600万円であることにつきましては、捕獲を担っていただいている猟友会員の高齢化や会員数が横ばいであること、現在の捕獲方法での限界などが考えられます。そのため、より多くの捕獲を目指すためには、猟友会員の若返りや新たな人材の確保、ICT技術などを応用した様々な捕獲技術の導入が必要な時期になっているものと考えております。 次に、報償金の支出方法についてお答えいたします。現在市内には上小猟友会支部が8支部ございますが、支部ごとに毎月捕獲頭数を取りまとめていただき、捕獲した鳥獣の大きさや捕獲日時、雌雄の別、雌、雄ですね、雌雄の別などを記載した調査票に捕獲状況が分かる写真を添付した有害鳥獣捕獲確認書とニホンジカ、イノシシ、ハクビシンの場合は、捕獲の証拠となる尻尾を市に提出いただきます。市ではそれらの提出物により捕獲個体がそれぞれの別の個体であることを精査、確認した上で、上田市有害鳥獣駆除対策協議会宛てに報償金を交付し、その後協議会から上小猟友会の各支部宛てに交付されるという流れになっております。 次に、周辺自治体と比較した1個体当たりの支給額についてお答えいたします。上小地域で1頭当たりの報償金を比較した場合、長和町ではニホンジカ、イノシシが1万8,000円、ハクビシン、タヌキなどの中型獣に対して報償金はございません。東御市ではニホンジカ、イノシシが1頭当たり1万6,000円、ハクビシン、タヌキについては、長和町と同じく報償金はなしとなっております。また、東信地域で見ると、佐久市はニホンジカ、イノシシが1万3,000円、ハクビシン、タヌキなど中型獣は報償金なし、小諸市ではニホンジカ、イノシシが1万8,000円、ハクビシン、タヌキなどの中型獣が2,000円となっております。 東信も含めた周辺地域で比較いたしますと、ニホンジカやイノシシの大型獣の報償金の水準はほぼ平均的でありますが、周辺地域では中型獣の報償金を支給していない自治体も多い中、当市では中型獣の報償金も設定しておりますことから、幅広い捕獲についての支援ができているものと考えております。 次に、報償金を支給する根拠についてのご質問にお答えをしていきたいと思います。他市町村では報償金について条例等で定めている自治体もございますが、上田市では報償金を支給する対象が上小猟友会に所属している捕獲従事者に限定されております。このため、報償金を交付することに関し必要事項を定めた上田市有害鳥獣捕獲報償金交付要領を平成26年度に制定し、これに基づき交付しているものでございます。 次に、今後の支給方針についてお答えいたします。市では来年度から有害鳥獣駆除について新たに上田市鳥獣被害対策実施隊を組織し、捕獲従事者の皆様には特別職非常勤職員として捕獲に従事していただく予定になっております。これにより公務災害補償の対象となること、また狩猟税の全額免除などの優遇措置などあることなどから、安心して長く捕獲に従事していただくことができるものと期待をしているところでございます。 なお、報償金につきましては、これまでどおり引き続き捕獲頭数に応じて交付していきたいと考えておりますが、平成26年度から鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を導入し、捕獲報償金が1.5倍になったことにより、捕獲頭数が大幅に増加した経緯がございます。報償金の増額が捕獲従事者の大きな動機づけになり得ますことから、今後も周辺市町村の状況も調査しながら研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) まず、捕獲報償金についてそれぞれお答えを頂きました。また後ほど小諸市の関係でちょっと触れますが、上田市においても非常に捕獲報償金を上げたことによりまして、限界を迎えている中でも非常に費用がかかっているということをお聞きいたしました。 それでは、次に有害鳥獣捕獲に対する支援についてお尋ねいたします。全国的に猟銃免許所持者が減少する一方、わな免許所持者については増えている状況にあり、上田市でも同様の状況であります。わなは種類によっては1回の使用で破損してしまうものも多く、非常に費用がかかります。上田市では捕獲おり、わな購入の費用を上田市有害鳥獣駆除対策協議会事業負担金として支給しておりますが、現在上田市内でも捕獲おり、わなが一部で足りず、融通し合っている状況でありますが、上田市での捕獲おり、わなの需要をどのように捉えているか。また、今後捕獲おり、わなに対する支援を厚くするべきと考えますが、見解はどうかお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 有害鳥獣捕獲の支援について、捕獲おりとわなの需要をどう捉えているかにお答えいたします。イノシシの捕獲に用いる大型の捕獲おりについては重量があることから、設置、運搬に制約があり、設置可能な場所が限定されるため、ここ数年は毎年3台程度を市で購入しております。1つのおりで複数頭の捕獲が可能なため、農地を集団で荒らす親子連れのイノシシなどの捕獲に適しているものと考えております。一方、くくりわなにつきましては1頭ずつの捕獲になりますが、捕獲おりに比べ設置場所にある程度自由度があるため、山林内の獣道などに仕掛けることができます。しかしながら、大型の個体がかかった場合、わなが破損する可能性が高く、くくりわなについては消耗品と考え、毎年100から150基程度を市が購入し、猟友会の各支部へ配布をしております。また、破損箇所によっては補修も可能なため、補修資材についても市が購入し、支給をしております。 次に、捕獲おりとわなへの支援を手厚くすべきについてのお答えをしたいと思います。捕獲おりとわなは捕獲の重要な道具であるため、可能な限り支援を行ってまいりたいと考えておりますし、継続的な捕獲おり、わなの購入とともに、補修用の資材などについてもできる限り市で対応し、最新の捕獲機器の導入などについても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 支援については可能な限り支援をしていただくというご答弁を頂きました。猟友会の皆さんのお力が非常に大きいところでありますので、できる限り支援をお願いしたいところであります。 次に、上田市産ニホンジカペットフード事業についてお尋ねいたします。冒頭でも申し上げましたとおり、上田市は昨年度より上田市産ニホンジカペットフード事業を実施しており、昨年度はニホンジカを10頭小諸市野生鳥獣商品化施設に持ち込み、上田市産ニホンジカペットフードとして商品化しております。この事業に関して質問いたします。 まず1点目として、今年度前期と後期でそれぞれ10頭のニホンジカを小諸市野生鳥獣商品化施設に持ち込み、上田市産ニホンジカペットフードとして加工する予定としておりましたが、昨年の東日本台風の影響で後期の10頭の持込みが遅れておりますが、今年度末の見込みはどうか。 2点目として、小諸市では捕獲数を増やす対策を取ることにより捕獲数が向上すると焼却費用などの鳥獣対策費用が高騰することから、野生鳥獣商品化施設の建設に至りました。捕獲対策を強化している上田市としても、対策費用の高騰については留意しながら捕獲対策の強化を図らなければなりません。そこで、平成30年度から実施した上田市産ニホンジカペットフード事業について、これまでの実績から費用対効果はどうか。 3点目として、小諸市では市内のニホンジカについてはほぼ捕り尽くした状態であり、現在では軽井沢町からも多く受け入れております。視察に伺った際には上田市からもさらに多くの個体を持ち込んでいただきたいとのお話でございましたけれども、上田市として今後小諸市野生鳥獣商品化施設への持込みについてどのように考えるか。 4点目として、持込みに関しては、捕獲の状況にもよりますが、捕獲から1日ないしは2日以内ぐらいで持ち込まないと商品化ができないという制約があるとお聞きしておりますが、このような制約が持込み上の妨げとなっているのか。また、持ち込む場合のこの制約について上田市として対策を取れる見込みはどうか。 以上4点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) ニホンジカペットフード事業について、小諸市へのニホンジカの持込みはどうかにまずお答えいたします。小諸市では野生鳥獣商品化事業を平成28年度から開始しております。事業開始当初、小諸市から上田市にニホンジカ搬入の依頼がございましたが、個体の処分費用など新たな財政負担が発生するなどの課題があったことから、参加を見合わせておりました。市といたしましては、小諸市への捕獲個体の提供で終わるのではなく、ジビエ振興の第一歩として市内で捕獲されたニホンジカの有効活用の見える化をしたいということで、小諸市とは引き続き協議を重ねてきたところでございます。 上田市で捕獲されたニホンジカをペットフードとして加工、製造していただき、商品は上田市が販売する、いわゆるOEM、相手先ブランド製造という形での協議が調いましたことから、野生鳥獣商品化研究事業を立ち上げ、平成30年度から上田市産ニホンジカペットフードの委託製造、販売を始めたところでございます。 昨年度は10頭のニホンジカを活用し、1袋30グラム入りのペットフード500袋を委託製造し、税込み1袋540円で販売いたしました。順調な売上げであったことから、今年度につきましては前期、後期に分けそれぞれ10頭ずつ計20頭のニホンジカを搬入し、1,000袋の製造を計画いたしました。前期分につきましては、昨年の7月に猟友会塩田支部のご協力を頂き10頭のニホンジカを小諸市まで搬入し、500袋を製造し、2月末までにほぼ完売しております。 このような中、昨年の東日本台風により多くの林道が被災したことにより、後期分の個体を確保、搬入することができませんでしたが、猟友会武石支部のご協力によりまして2月後半から搬入を始めたところであり、3月中旬までには計画どおり10頭のニホンジカを小諸市へ搬入し、今年度の委託製造は完了する予定となっております。 次に、ニホンジカペットフード事業の費用対効果についてお答えいたします。上田市産ニホンジカペットフードを製造販売する野生鳥獣商品化研究事業の平成30年度の収支でございますが、歳出は小諸市への製造委託費として個体の搬入費など約45万円で、歳入は観光会館売店での販売やふるさと納税の返礼品として活用いただき、売上げが約20万円でございました。収支は赤字でございますが、この事業はあくまで研究事業でありまして、この事業の目的の一つは捕獲個体の有効活用の見える化でもあります。先ほど申し上げましたように、現在は観光会館売店などでの販売が中心でありますが、より多くの皆様にご利用いただき、収支を改善していくため、さらなる販路の拡大が必要と考えております。このため、今後は農産物直売所や量販店での販売についても検討してまいりたいと考えておりまして、また現在「上田紅もみじジャーキー」と銘打って販売しており、売行きは堅調でありますが、新たな商品開発なども研究していく必要があると考えております。 さらに、製造数を増やすためには、捕獲、運搬等について猟友会のご協力が必要となるため、今後も猟友会の方々などに有効活用への理解を深めていただくとともに、事業実施上の課題なども調査をしながら、有効活用に向けさらなる展開を研究してまいりたいと考えております。 次に、小諸市は多くの個体を持ち込んでほしい意向だが、上田市の考え方についてお答えいたします。市内では年間約1,000頭以上のニホンジカが捕獲されている中で、ペットフードとしての活用は20頭と僅かな数量でありまして、市といたしましてもより多くの個体を活用していきたいと考えているところでございます。搬入頭数を増加することにつきましては、上田市ブランドのペットフードの販路拡大、小諸市へ支払っている加工委託料、上田市が現在負担している猟友会による搬入費用、猟友会サイドの捕獲体制の整備など検討課題はございますが、いずれにいたしましても捕獲個体の有効活用につながれば、市町村を超えての協力体制はむしろ推進すべきものと考えております。 また、現在は小諸市との連携はペットフード中心でありますが、今後は人が食するジビエの連携についても事業展開ができるかなど、小諸市とは前向きに協議を重ねてまいりたいと考えております。 次に、商品化には捕獲個体を速やかに持ち込む必要があるが、支障はあるか、またその対策についてお答えいたします。人が食するジビエについて厚生労働省が定めた野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針では、捕獲した個体は速やかに食肉加工施設へ搬入することとなっております。ペットフード利用につきましては、これほどまでの衛生管理は必要ありませんが、小諸市へ搬入しているニホンジカは主にわな猟によって捕獲された個体でございます。また、野生獣であることから計画的に捕獲できる保証はなく、猟友会の皆さんには毎朝わなを見回りしていただき、捕獲した個体は速やかに小諸市の施設へ搬入するなど大変なご苦労を頂いておりますことから、今後は捕獲から搬入までの効率的な仕組みを研究していく必要があると考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 小諸市との連携につきましてはまだスタートしたばかりであり、課題も多いようであります。今後の小諸市とのよい連携に期待するものであります。 次に、先ほどもちょっと部長のほうから触れられておりましたが、ジビエの取組についてお尋ねいたします。お隣の長野市において、中条地区にジビエ加工センターを整備し、令和元年7月から本格稼働が開始されました。また、同市若穂地区においても野生鳥獣専用の食肉加工施設信州わかほジビエを若穂猟会が運営を行い、地域おこし協力隊が加わり、ジビエ振興による地域おこしを推進しておられます。全国的にもジビエ振興を推進している地域が多くなる中、上田市でも地域おこしも兼ねたジビエ振興の検討が必要ではないかと考えます。 そこで、1点目として、ジビエ振興をどのように考えるか。 2点目として、小規模で猟友会等に利用していただけるような有害鳥獣のジビエにも対応した解体施設の設置について、運営していただける団体との話合いをしながら検討は必要ではないか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) ジビエ振興をどのように考えるかにつきましてお答えをいたしていきます。 県内にはジビエ解体処理施設は33施設ございますが、このうち約20施設が南信地方に集中し、ジビエを食す文化が伝統的に根づいております。南信地方では捕獲した個体を安定的に供給でき、解体処理施設で加工し、販売していくといういわゆる川上から川下までの一貫したサイクルが確立されているということでございます。鹿などの野生鳥獣を地域の資源として有効活用できるかは、まずはその地域で需要が見込めるのか、具体的にはジビエ料理店の拡大や家庭での鹿肉料理の普及などを通じていかに需要を確保できるかということが一つの課題であると考えております。 次に、供給について目を向けますと、品質の良い捕獲個体を安定的に提供できるかが課題と考えます。個体の提供については猟友会のご理解やご協力がなくては成り立ちませんので、安定的な供給の確保が2つ目の課題と考えております。ジビエの振興には安定的な供給と需要の確保が課題であり、これは上田市だけで解決できるものではございません。したがいまして、上小地域、さらには東信地域といった広域的な視点での取組が何より必要であります。このため、猟友会のほか、農業、林業関係者などを対象として、今後も研修会、先進地視察を開催するとともに、加工施設建設に対する国の支援策などの情報提供にも努めてまいりたいと考えております。 次に、猟友会などが管理運営するジビエにも対応した解体施設の設置についてお答えいたします。さきにも申し上げたとおり、安定的な供給と一定の需要がないと加工施設の運営は成り立つものではございません。特に供給については猟友会の方が中心となるものでございますので、今後も猟友会の意欲のある方々を対象に加工施設について運営の意思があるかなどの情報の掘り起こしに努めていきたいと考えております。また、意欲ある団体などの皆様と情報交換を行いながら、ジビエ振興策について研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) それでは、次に近隣市町村との連携についてお尋ねいたします。 上田市産ニホンジカペットフード事業はまだ始まったばかりでありますが、これは先ほど申し上げましたとおり、小諸市との連携のスタートであります。ジビエに関しても近隣市町村とも連携が図れる可能性がございます。先ほど部長の答弁にも一部触れられておりました。有害鳥獣対策は単市で対策を講じるのは財源的な面からも厳しくなるのは明らかであります。近隣市町村との連携については財政面から見ても大変重要と考えますが、今後の近隣市町村と連携した駆除体制の確立をどのように考えるか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 近隣自治体と連携した有害鳥獣駆除体制確立の考え方につきましてお答えいたします。 鳥獣の生息域は流動的であり、市町村単位での鳥獣対策では対応し切れない部分もありますことから、有害鳥獣駆除に係る広域連携は猟友会が中心となり、市町村境を越えて行っております。具体的には、青木村境の山林では猟友会青木支部と川西及び塩田支部が合同での一斉捕獲を実施しております。また、上小地域全体の一斉捕獲では、美ヶ原高原を中心とする国有林において上小4市町村の猟友会各支部が毎年合同で実施をしております。また、ジビエ振興の面からは、広域的な連携が財政的な負担軽減や個体の有効活用につながると考えます。第2次上田地域定住自立圏共生ビジョンにおいても、有害鳥獣駆除対策の推進としてジビエについて調査研究を進め、事業化を推進するとされておりますので、引き続き連携市町村や県などの関係機関と協力して進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 近隣市町村との連携についてお尋ねいたしました。近隣市町村との連携については重要と考えていらっしゃるということのお答えだったと思います。また、よりよい連携についての取組を期待するところであります。 それでは、次に地域おこし協力隊制度の活用について質問いたします。まず1点目として、地域おこし協力隊については地域からの要望に基づき募集を行っておりますが、小諸市では野生鳥獣商品化施設の円滑な運営が地域おこし協力隊の活躍が大きな力となっていますし、長野市若穂地区でも地域おこし協力隊が活躍されております。また、他の自治体においても有害鳥獣対策や地域の狩猟後継者として活躍されている事例も多くお聞きするところでございます。地域並びに猟友会などの関係団体へこのような地域おこし協力隊の制度、地域おこし協力隊の他地域での実績を紹介し、有害鳥獣対策に関わる地域おこし協力隊が必要かどうか検討していただくことが考えられないか。地域振興の観点からも有効と考えます。 2点目として、午前中井澤議員から地域交通に関して運転手確保策として地域おこし協力隊の活用ができないかという質問ございましたけれども、有害鳥獣対策、地域交通対策だけではなくて、上田市の地域課題について地域おこし協力隊制度の説明を関係団体などと行うなどし、ある程度市主導で地域おこし協力隊制度の活用を推進することが有効と考えますが、どうかお尋ねいたします。 3点目として、上田市においては地域おこし協力隊について平成27年8月から導入し、5年が経過しようとしておりますが、これまで地域で活躍してくださっている方、残念ながら地域に定着しなかった方様々でございました。この5年間近い実績をどのように分析し、これまでの総括と今後の地域おこし協力隊の活用の考えはどうか。 以上3点につきまして、長きにわたり上田市民のために尽力されました小宮山市民まちづくり推進部長に私からの小宮山部長への最後の質問として答弁を求めます。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) ありがたく答弁させていただきます。 地域おこし協力隊制度の活用について3点ご質問を頂きました。まず、関係団体に地域おこし協力隊の活用を提案してはどうかとのご質問でございます。地域おこし協力隊制度は、都市部から人材を誘致し、地域で協力活動を行いながら定住、定着を図る制度でございまして、国の財政措置を活用して全国に浸透してまいりました。上田市は平成27年度からこの制度を導入し、地域の実情を把握している各所属において地域や関係団体からの要望をお聞きしながら必要性を判断した上で各地域での具体的な業務内容を提示するとともに、隊員が日々の活動の中から見いだした新たな業務も追加して行えるようにしております。 議員のご質問にもありましたとおり、小諸市では野生鳥獣の商品化施設の運営を隊員が担い、また長野市では任期を満了した隊員がジビエ解体施設と自ら立ち上げたゲストハウスの運営を行うなど、退任後も定住し、引き続き活動していると伺っております。 上田市で活躍する隊員の日々の活動につきましては市のホームページでも紹介しておりますが、今後さらに他地域で活動する隊員の有害鳥獣対策の状況なども地域や猟友会にも紹介し、事業の研究とともに隊員の活躍できる場について、有害鳥獣対策の担当課や猟友会などに意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。また、有害鳥獣対策だけでなく、地域振興の観点からも全庁的に働きかけながら、各所属で制度が活用できるよう進めてまいります。 次に、地域の課題解決に関係団体等が協力隊を活用することの見解についてでございますが、これまで地域協議会や住民自治組織、また農業や観光など課題解決に向けて取り組まれている関係団体からご意見、要望を受ける中で必要性を判断した上で隊員の募集、配属を決めてまいりました。隊員の熱意と行動力は地域に大きな刺激を与えるものと考えておりますが、団体の活動を維持するための臨時的な人の配置でないこと、地域の温かいフォローや組織的支援が欠かせないこと、また隊員、受入地域、行政の3者が良好な関係で隊員が活動を進められることが隊員が生き生きと活躍できる大変重要な要素でございます。今後につきましては、これらのことを十分理解いただく中で、議員おっしゃるとおり、地域振興の観点からも住民自治組織や各種団体などの活動の課題をお聞きするとともに、最長3年の任期満了後は地域に定住、定着が図られるよう、必要とする隊員の地域協力活動の内容を十分精査し、積極的に隊員の募集を検討してまいりたいと考えております。 最後に、これまでの活動実績と今後の活用についてのご質問でございます。当市では平成27年度から地域おこし協力隊の制度を導入し、これまでに13人の人材を隊員に任命してまいりました。隊員に任命した13人の中にはご家族の事情や被災した地域の復興を支援したい、また上田に来る前に抱いていた展望と異なるなどということでお辞めになった隊員も残念ながらいらっしゃいます。3年間の任期を終了した後もNPO法人を立ち上げ、地域の新たな活力として活動している者や、個人事業主として起業し、引き続き地域に居住している先輩隊員が3人おりますことは、地域おこし協力隊の趣旨であります定住、定着につながり、一定の効果があったものと考えております。 現在各地域で活動しております地域おこし協力隊員は、豊殿地域、川西地域、塩田地域、丸子地域に各1人で、現役の隊員は4人おります。それぞれの地域において地域振興し、地域課題の解決に向けて活動をしているところでございます。この4人の隊員のうち3人の隊員が令和2年度中に任期満了となります。任期満了後も地域に定着し起業することを目標に準備を進めておりまして、起業あるいは商店や農家の事業継承する際に要する経費として今議会の当初予算で計上させていただきました。これら特別交付税で措置される上限100万円の補助金の活用も含め、具体的な相談に対して市としても対応をしているところであります。 隊員が任期満了を迎える地域では、これまでの活動と定住、定着することに対し高く評価を得ており、引き続き隊員の受入れについて強く要望があることから、一定の効果があったものと考えておりまして、後任の隊員の着任に向け募集も行っていく予定でございます。 令和2年度から地域おこし協力隊員は会計年度任用職員に位置づけられ、年間40万円を上限とする期末手当相当額の支給が特別交付税措置されることから、市といたしましては、今後も地域おこし協力隊制度を活用しながら協力隊志望者に選ばれる新たな魅力ある活動内容について、関係団体等の意見をお聞きしながら設定してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小林隆利君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回は明日4日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 6時30分   延会...