松本市議会 > 2020-12-09 >
12月09日-04号

  • がん(/)
ツイート シェア
  1. 松本市議会 2020-12-09
    12月09日-04号


    取得元: 松本市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和 2年 12月 定例会---------------------------------------          令和2年松本市議会12月定例会会議録                 第4号---------------------------------------             令和2年12月9日 (水曜日)---------------------------------------               議事日程(第4号)                      令和2年12月9日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問 第2 議案に対する質疑(議案第1号から第59号まで及び第62号)     ------------------------------出席議員(31名)      1番  牛丸仁志          2番  横内裕治      3番  上條一正          5番  内田麻美      6番  塩原孝子          7番  古沢明子      8番  神津ゆかり         9番  土屋眞一     10番  上條敦重         11番  吉村幸代     12番  勝野智行         13番  青木 崇     14番  若林真一         15番  今井ゆうすけ     16番  川久保文良        17番  上條美智子     18番  村上幸雄         19番  上條 温     20番  田口輝子         21番  中島昌子     22番  小林あや         23番  阿部功祐     24番  上條俊道         25番  澤田佐久子     26番  犬飼信雄         27番  犬飼明美     28番  柿澤 潔         29番  芝山 稔     30番  太田更三         31番  近藤晴彦     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        臥雲義尚   副市長       嵯峨宏一  副市長       宮之本 伸  総務部長      伊佐治裕子  政策部長      中野嘉勝   財政部長      高野一司  地域づくり部長   市川英治   文化スポーツ部長  村山 修  健康福祉部長    樋口 浩   こども部長     青木直美  農林部長      林 浩史   建設部長      上條裕久  病院事業管理者   北野喜良   事務部長      倉科勝美  教育長       赤羽郁夫   教育部長      横内俊哉  行政管理課長    小西敏章   総合戦略課長    近藤 潔  財政課長      小口 眞   行政管理課課長補佐法制担当係長                             伊東伸次     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      平林 泉   事務局次長     河村知佳  次長補佐兼議会担当係長      主査        中田雅基            住吉真治  主任        上條裕子   主事        小林あゆみ     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第4号をもって進めます。 なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、随時、席の入れ替えを行いますのでご承知願います。     ------------------------------ ○議長(村上幸雄) 初めに、昨日の池田国昭議員からの議事進行に関する発言について、理事者から発言があります。 宮之本副市長。 ◎副市長(宮之本伸) 〔登壇〕 昨日、池田議員から議事進行がありました中野政策部長と私の答弁に関して申し上げます。 一昨日の池田議員からのご質問は、松本市はどんな規制緩和を考え、どんなまちをつくろうとしているのかというご質問でしたので、中野政策部長から「規制緩和や顔認証等、具体的な内容につきましては、現在、事業者からいただいた情報等を参考に検討を進めている」とお答えいたしました。昨日の牛丸議員からのご質問は、平成28年松本版PHR報告書への私の評価を含めた提案型のご質問でしたので、当該報告書に対して私の見解を述べたものです。双方ともお二人の議員のご質問の趣旨に即してお答えしたものです。 改めて申し上げますが、スーパーシティ構想の全体につきましては、規制緩和も含めて、現在検討を進めているところでございます。     (「議長」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) ちょっとお待ちください。再答弁を求めているということでしょうか。 池田議員に申し上げます。 池田議員の市政一般に対する質問は終結をしておりますので、再答弁を求めることはできないということでございますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。 池田議員、ということですので再質問はできないということですので、よろしくお願いします。     (「指名をされたので、発言をさせてください」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) いや、受付できませんのでよろしくお願いします。     (「先ほどは指名を受けたので、私、発言席に臨んでいるんですが、発言はできないんですか、議長が私を指名してくださいましたよね」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) 手を挙げたもんですから言ったんですが、一応、再答弁は先ほど宮之本副市長から言われたとおりということでございますので、ご理解をいただいてできないということでよろしくお願いいたします。     (「私の質問に対する再答弁を求めるのではなくて、今の発言に対してお聞きしたい点があるんです、確認をしたい点が。ですから私の質問に対する答弁ではありません」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) 再答弁は求めることができないということになっているもんで……     (「どこになっていますか」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) 再度申し上げます。 これ以上の発言は、議長として議事進行に関係ないものと認めますから注意をさせていただきたいということで、よろしくお願いいたします。     (「先ほどの議長の私に対する指名は間違いだったということですね」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) 指名というか、手を挙げたもんですからお呼びをしたけれども、そのことで私がこのことを言いたかったものですから、指名といいますか……     (「じゃ、指名はしてもらえなかったということですね。」と池田国昭議員呼ぶ) ○議長(村上幸雄) はい。 昨日の池田議員からの議事進行に関する発言につきましては、ただいま副市長から発言がありましたとおりご了承願います。 席替えのため、暫時休憩いたします。                              午前10時5分休憩                             ----------                              午前10時6分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ------------------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(村上幸雄) 日程第1 昨日に引き続き、市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、14番 若林真一議員の質問を行います。若林議員は質問者待機席へ移動してください。 14番 若林真一議員。 ◆14番(若林真一) 〔登壇〕 皆さん、おはようございます。誠の会の若林真一でございます。会派を代表しまして、小林あや議員と共に、一括にて質問をいたします。 それでは、1つ目のまちづくりについて質問をいたします。 「木曽路はすべて山の中である」は、島崎藤村の「夜明け前」にある一節であります。松本を表現した言葉に、「立廻す 高嶺は雪の銀屏風 中に墨絵の松本の里」があります。 さて、長野県は日本一の製糸王国だったことは、皆さんもご存じのとおりかと思います。片倉組松本製糸工場は、鉄道や道路整備等、交通の発達によって全国へ広がりました。生糸の原料となる繭を仕入れるのに巨額な資金が必要であり、日本銀行の支店が中部日本の重要な地である松本に選ばれました。取引を横浜一港主義と決め、神戸出張所を閉鎖したという歴史ですが、FDAの神戸線を思うとき、一縷の光明を認めての黙視ではないかと私は思っています。松本市のシルクロードは、これから一体どこへ向かうのか。 そして時が過ぎ、新産業都市の指定で松本の都市基盤が整いました。降旗市政の終わりが小里市政誕生からの時代の一区切りではないかと私は思っております。近年は、時代の流れに合わせる形で福祉日本一、健康寿命延伸といった福祉健康政策を推進してきました。そして普通選挙発祥の地、この松本での今回の市長選挙で、選挙管理委員長からの異例の談話がありました。この談話については深く反省をしなければいけないと私は認識をしております。 昨日も柿澤議員から指摘をされていましたが、市長は当選後、4期16年の長期政権の弊害と繰り返し、これまで積み上げてきた松本の歴史や市民の思いを踏みにじるような発言だと、もう一方の意見としては考えてしまいます。松本市役所の組織図においても、市民が市長より上段に記載されており、松本の歴史のバトンタッチが市長交代の調印式で行われたわけですから、二元代表制を理解されている市長が松本の歴史を考えれば、4期16年が全てではないことが分かると思います。 1点目に、私は未来志向で前向きな考え方の市長だと思っていたので、静から動へという公約は、どのような考えに至って、一部の賛成しか得られないことがないように、どの部分が静であり、どの部分が動であるのか、私にははっきりしないもので市長にお尋ねをいたします。 資本主義社会の中で、現在、市長は来年度予算編成を行っていて、今年度の棚卸しから見えてきたものがあろうかと思いますが、今後も今年度と同じように、毎年、棚卸しを行うのでしょうか。公約の実現が政策の柱である一方、継続されてきたものを全てひっくり返すことは行っていないし、そうすべきではないという記者会見での発言は継承と変革では何を指すのか。事業を行えば大なり小なりの弊害は出てきてしまいますが、市長も国への予算要望活動で分かったとおり、松本市の予算も必要に応じてバランスを取っていた弊害があったにせよ執行されてきましたので、目的に特化できるように棚卸しで削る作業は予算編成の真髄が分かっただけに心が痛んだのではないでしょうか。かくなる上は資本主義社会の向こう側の松本を目指すおつもりでしょうか。市政運営の根幹は松本のまちづくりであり、市民が安心して暮らせる生活が、まるで今は「コオロギは鳴き続けたり嵐の夜」と私の目には映ります。 例えば松本の市政運営を温故知新の精神をフィルターにすれば、今後の市政運営の道筋が見えてくると私は思いますが、令和の時代に、市長の考えている松本のまちづくりのフィルターとはどんな考えなのかお尋ねをいたします。 2つ目に、「民主主義は油断するとあっという間に独裁になる可能性がある」、宮之本副市長の特徴的な言葉ではないかと思います。その続きには、そのままお読みしますが、「このようにすれば総統閣下がお喜びになるだろうと取り巻き連中が忖度した行動の結果であったことがよく分かる。私が当時のドイツ人だったらどのように振る舞っただろうと考えながら読んだ」と、とある本に宮之本副市長が書いたこのレビューがあり、6月定例会でのテーマのような内容で、常にその疑問を副市長として思想への偏りなく自問自答していただければと思います。 そして、就任の挨拶で、ドラえもんシティという発言がありました。宮之本副市長がドラえもんシティであれば、私は、市長はドラゴンボールシティではないかと思っております。シェンロンに市長が願うのは、スーパーシティの実現、分散型の市役所庁舎、3点目に何か分からないので浮かばないので、市長にいつか確認をしたいと思います。 そこで疑問に思うのは、宮之本副市長のスーパーシティには5%の可能性という発言です。狭き門と知りつつ市長が大英断したにも関わらず、余りにもその希望をそぐような発言ではないでしょうか。スーパーシティに向けて一丸となり、内部で話を進めるのは大いに賛成でありますが、そして今後にも生かされると思いますが、誠心誠意やり抜き、構想を実現するために区域指定を勝ち取りたいという意思は感じられず、シェンロンへ市長が願っても、陣頭指揮をとる宮之本副市長がそのような思いでは残念きわまりないと私は思っております。 そこで、松本を核として街道が通り、城下町として政治の中心地であり、交通の要衝でもあったというようなこのアナログ的な歴史背景を重んじる松本のまちづくりに、ドラえもんシティとして、令和の時代にデジタル化まちづくりの一つの手段として、DXをどのようにまちづくりにマッチさせ、デジタル化の推進は全ての市民が対応できるとは限らないという弊害について、お二つ、どのように説明や解消をされていくのか。宮之本副市長にお尋ねしますが、教育者であったのですから、今後の18歳選挙権のことも考えて、市民が分かりやすい答弁にしていただければと思います。 もう一つ、日本各地では、大小無数の街道があり、中でも有名なのが五街道であり、幕府と関係の深い都市を結ぶため五街道を整備して、江戸と京を結ぶ中山道は東海道の今でいうバイパスでありました。この松本は周辺物流の集積地であり、時には価格の決定権まで握るようになり、今の市場機能を果たしていたことで、松本が商都松本として確立されたのではないかと私は考えています。 松本の特産物としてたばこがあり、たばこ商人も急激に増えたという歴史を考えると、健康を標榜する松本として、喫煙者の肩身が狭い昨今の情勢を、たばこ商人たちはどう思っているのか、先人たちの気持ちを知りたいものであります。宿場と争いはあったものの、馬を活用した輸送を幕府に認めさせた経過は、まさに地方から国を動かすの原点ではないかと想像をしたところです。そして、いつの時代も「先人木を植え、後人涼を楽しむ」の繰り返しで、人もまちも形成されてきました。 そこで、学問の学都として、松本のまちというのは、どのように成長してきたのかを学び知ることが、令和の時代に、これまでの松本市の歩みと、これからの松本市の歩みを考えるきっかけになるのではないでしょうか。まちづくりデジタル化も原点は人づくりであります。これまでの松本のまちづくりを次世代へ語り継ぐことは重要であり、松本の歴史背景を、この令和の時代に次世代へ伝承していくことに対して、松本を核としたそれぞれの街道の意味や、過去の遺産を未来に引き継ぐという意味でも、まちづくりの原点を知り尽くした教育者である赤羽教育長にお尋ねをいたします。 次に、樹幹注入について質問をいたします。 松本はまちの中に緑があるのではなく、緑の中にまちがあるという言葉を思うと森林再生は重要な課題であり、私をつき動かす原点であります。松本市のホームページにある松枯れのQ&Aを読みながら、松本の松を守るということはどういうことなのか思いを巡らせていますが、自宅の裏山を見ながら、松枯れ対策は諸行無常ではないかと脳裏をよぎるときがあります。これまで予防原則という理由を挙げ、政治判断で薬剤空中散布を中止もしくは凍結して樹幹注入の規定までをも変えて方針転換をされ、紛糾した議論を繰り返してきました。 薬剤空中散布から樹幹注入へ方針転換した6月の松枯れ対策の議員協議会では、了承しがたい、市長の責任においてと議長の重い集約がありました。そして8月の経済地域委員協議会で樹幹注入について、本来の施用目的とは異なる事業のため効果が期待どおり出ない可能性がありますと市から報告があり、委員会として了承はしたものの、委員長から次期補正予算の計上に当たっては樹幹注入の効果や財源について責任を持って予算計上を行うことと付言をいたしました。その後、9月定例会経済地域委員会で市の公式見解として、以下のように述べています。 薬剤空中散布の唯一の代替策としての樹幹注入効果は、松本城公園でも実施していて、耕地林務課では、四賀や里山辺でも過去実施した経験があり、中には枯れてしまうという認識があります。山林での使用は一般的ではなく、事例としてあまりないですが、薬剤メーカー資料でも、樹幹注入した箇所の周辺が8割枯損した状況でも、注入した箇所が3%の被害に収まった事例があるという効果の根拠で説明され、補正予算が本会議で議決されました。 薬剤空中散布の効果については、以前、市長はデータで示しましたが、私は地理的条件で変動があると今でも思っています。これは樹幹注入にも言えることで、地理的条件等を加味しての樹幹注入の効果の数字的説明責任を、今後、丁寧に議会に説明をいただきたいと思っています。 そこで、政治判断は、判断した後が非常に重要で、今後の市政運営にも影響を及ぼしかねないと思いますので、この樹幹注入が始まろうとするこの時期に、樹幹注入への数字的効果は9月に担当課から説明を受けたものですが、これが市の公式見解だと私は認識をしております。その中で、市長も同じデータが根拠だと思いますので、市長の政治判断での樹幹注入に対しての強い意志を改めてお聞きしたいなと思いましてお尋ねをいたします。 3点目、次に松本市公式LINEについてお尋ねをいたします。 これはデジタル化ということで推進をしていただければと非常に強く願っての質問でございます。 市政広報の一環として活用しているLINEですが、さらなる充実が私は必要であると思っております。LINE株式会社の子会社でLINE Fukuoka株式会社は、福岡市で実証実験した市政広報の取組を全国展開しようと考えているようです。福岡市は自治体の発信力強化や導入経費の削減を、そしてLINE Fukuokaは、サービスや知識、経験を、地域への貢献として、福岡市の情報発信に活用できないか検討されていたところ、お互いの思惑が合致したということで実現したそうです。その後、行政サービスの効率化、教育、防災、ICTといった様々なサービスで連携するようになり、市政広報を、市民に一括したデータの送信ではなく、個人が情報の選択ができるようにしたそうです。 私は、福岡市でのこのLINE市政広報は、松本市として取り入れられるモデルケースになり、将来的にはデータの活用もできるのではないかと思っています。 現在、松本市では、無償LINE公式アカウントを活用して市政広報を行っていますが、私は予算化してでもグレードアップをさせて、市民ニーズにさらに応えていく必要があり、デジタル化を推進していく中では、効果を発揮できるものだと思っています。今後、LINEでの対応は、社会情勢を鑑みると要望が複雑多様化しており、まずは関係課で発信しているものを、現状の課題や効果を精査をしていただいて、導入に向けて、全庁で方向性を話し合うことが私は重要だと考えますが、市の見解をお尋ねしまして、1回目の質問を終わりにいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 初めに、私が掲げる静から動へという言葉についてであります。これはどの部分ということではなく、政治に臨む姿勢、政治に取り組む姿勢として、前の市政を静と捉え、それとの対比で時代の変化を的確に捉えて、スピード感や実行力を重視する新しい市政を動と表現したものであります。 これまでも申し上げているとおり、私は「継承すべきは継承し、変革すべきは大胆に変革する」をモットーとして松本のまちづくりに取り組んでいます。この基本姿勢は、若林議員がおっしゃる温故知新「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」の精神に通ずるものがあると考えております。 次に、樹幹注入についてのご質問にお答えいたします。 私は、就任以来いち早く、地元でご尽力をいただいていた四賀地区松くい虫対策協議会の皆さん、薬剤空中散布に反対する皆さん、それぞれと意見交換をさせていただいて、双方の皆さんの思いをお聞きいたしました。そこで受け止めたことは、松枯れの進行で生活道路が寸断されないかという危惧を持っている思いや、ふるさとの象徴であるアカマツ林の現状に胸を痛める思い、もう一度緑豊かな森を取り戻したいという切実な思いであり、その上で皆さんとも次の世代に向けて森林を再生したいという思いは1つであることが確認できました。 そして何とかこうした思いに応えるためには、これまで以上に予算をかけてでも森林の保全と再生に取り組む必要があると強く感じたところであります。 そこで、松枯れの進行を一、二年程度遅らせる効果にとどまり、住民の健康への影響を拭い切れない薬剤空中散布を中止、凍結した上で、当面の代替策として短期的にはより効果が見込める樹幹注入を実施することを決断いたしました。 今後は、来年3月に取りまとめられる松本市森林再生検討会議の提言を踏まえ、アカマツのみならず、広葉樹の育成を含めて広く森林の保全と再生に向けて中長期的な対策に責任を持って取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) 松本の歴史を次世代に伝えていくことについてのご質問にお答えをいたします。 議員ご発言のとおり、松本市の発展の歴史を考えると、交通の要衝としての地理的な条件が都市の発展に大きく影響をしてまいりました。 松本城下町善光寺街道と野麦街道に沿って形成をされました。中山道から分岐した善光寺街道を南北の軸とし、そこから糸魚川街道や野麦街道、武石街道が分岐する交通の要衝でありました。戦国時代、四神相応の地と言われた深志に城が築かれ、この地を松本と改めた小笠原貞慶によって松本城と街道に沿った松本城下町の基礎がつくられた後、石川氏による天守築造や歴代藩主による整備を経て、近世の町並みが形成されてまいりました。 江戸時代、四方から街道が集まる城下町は、物資の一大集散地として成長するとともに、豊富な水に恵まれて醸造業や繊維産業が発達し、そのにぎわいぶりは、あめ市の様子からもうかがうことができます。時代を経て商都の繁栄は、先人のたゆまぬ努力により製糸業に見る経済の発展や開智学校に始まる学都の形成へと受け継がれ、まちづくりの基礎となる人づくり、教育に力が注がれました。 今日に至るまで松本のまちづくりの核は、言うまでもなく松本城と城下町が果たしてきており、同時に教育の重視が文化芸術や学びを重んじる風土の醸成に寄与したのではないかと思っております。 教育委員会としましては、このような歴史に培われた市民感覚は、松本市の大きな財産であると考え、学び続けるまち、共に学ぶまち、次代に引き継ぐまちという学都松本として目指すことを決め、各施策に取り組んできたところであります。 次世代に語り継ぐという面では、例えば、今日持ってまいりましたが、小学校3年生におきまして「わたしたちの松本市」、小学校6年生において「わたしたちの松本城」という副読本を使いまして郷土の歴史を学び、松本市のすばらしさを伝えております。 したがいまして、今後ともまちづくりは人づくりという視点を大事にし、郷土に誇りを持ち、松本で育ってよかったと思えるような学都松本を目指していきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 宮之本副市長。
    ◎副市長(宮之本伸) 多岐にわたるお話をいただきまして、どこから回答すればいいか。 まず、イアン・カーショーの「ヒトラー」について触れていただきました。あの本は白水社百周年を記念して翻訳に約10年かかった本で、上下2万円する本なんですけれども、あの本の価値を認めていただけたことに対して、まずは感謝申し上げたいと思います。 2つ目は、スーパーシティ構想の採択可能性に関する5%ということですけれども、新聞にはこう書かれていたんですね。松本が選ばれる可能性は5%との声もあると。正確に申し上げますと、記者が私のところに来られたので、私がある方から5%と言われましたということを申し上げたところ、あの記事に5%との声もあるというふうに記載されたわけで、私が発言したものではございません。 ただ、内閣府が昨年、スーパーシティ構想のアイデアを募集したときに、全国から約60の自治体が提案しました。松本市は誠に残念ですけれども応募しておりません。また過去数年、近隣市町村においては、積極的にスマートシティの実証実験を行っているところもございますが、誠に残念ですが、松本市はそのような実績はございません。そういうことを考えると可能性は高くないというふうに思います。 だからこそ臥雲市長のもとで松本市の将来のために果敢に挑戦するわけです。私、延べ10年、海外で仕事してきました。飛行機に600回乗っていろんな都市を見てまいりました。松本は世界ナンバーワンの魅力を持つポテンシャル、潜在力を秘めていると私は思います。だからこそ臥雲市長のもとで、松本市の将来のために果敢に挑戦するわけです。 ご質問いただきましたデジタル化をどのようにまちづくりにマッチさせていくのかということについてお答えします。 松本市が目指すデジタル化は、歴史ある松本のマチガラに合った形でのデジタル化、そういう形が松本のまちづくりにマッチしていると考えております。先ほど若林議員のほうから温故知新というお言葉をいただきました。いにしえ、「和魂漢才」という言葉がありました。明治に入って「和魂洋才」という言葉ができました。これは日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの知識、文化芸術を摂取・活用して、両者を調和・発展させていくという意味ですね。そういう意味からすると、「和魂デジ才」、つまり松本の伝統的な精神を忘れずに、デジタル化によって市民生活を豊かにし、巧みにその両者の調和をとっていくと、そういうことが求められていると思います。 今後は、地元企業をはじめ、スーパーシティの情報提供依頼に応じてアイデア提案をいただいた事業所などをデジタル化に取り組むパートナーとして、スクラムを組んで検討を深めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) 私からは、LINEの機能拡張ツールに関するご質問にお答えをいたします。 これからの情報発信につきましては、ホームページをスマートフォンから閲覧する人が半数を超えていることからも、スマートフォンを使って、いつでも、どこでも、簡単に欲しい情報を入手できるような仕組みをつくること。また、一方的で一律ではなく、個々が求めているニーズに合った情報を発信していくことが重要だと考えております。 議員ご紹介の事例をはじめ、LINEの機能拡張ツールは、利用者が必要な情報を登録することで、関心のある情報を個別に発信ができるものでございます。加えてチャットボットによる欲しい情報への誘導や施設、イベントの予約、証明書の申請など多くの機能を併せ持つツールと認識しております。 このようなLINEの機能拡張は、利用者の利便性を格段に向上させるものでございます。また、行政のデジタル化の1つといたしまして、先進事例などを関係各課とともに既に研究を始めているところでございます。今後は各課の課題を整理するとともに、早期導入に向け検討してまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 若林議員。 ◆14番(若林真一) 〔登壇〕 それぞれ答弁いただきました。 まず市長からフィルターの話がありました。温故知新と同じだということなんですが、まず私とちょっと温故知新について根本的に考えが私は違うなと思っています。そこら辺は改めて、どこかの定例会で話をしたいなと思います。 市長、井戸を掘った人の恩という言葉を、市長は知らないのかなと私は思いました。やはり先人たちがいて、それまで培ったものがあって、現市政ができてくるんじゃないですかね、私はそう思います。そして前の市政について、これはやはり歴史があってのものだと思うんですよね、そう私は思うんですよ。だから前の市政だけではなくて、この市制113年という、この歴史が私は重いんじゃないかなと思いました。 そして、教育長からも街道からの話がありました。そういうものがあってのものだと思いますので、私は少し考えが市長とは違うなと思っています。このことについても、本当に次回改めて話をしたいなと思います。 ちょっとすみません、順番が教育長、申し訳ないですけれども、先に宮之本副市長に。宮之本副市長からスーパーシティとDXということでるる話がありました。昨日の話し方と全く違うなというのが私からの印象でございます。今日みたいな話し方をしていただくと本当に分かりやすいかなと思います。少し横文字がうんたらかんたらとか、いわゆるつくり言葉みたいなのがあったんですが、市民に説明をするということ。そしてやはり市民理解がないとやれないことですから、聞く耳を持っていただく体制づくりというのが、本来ならば一番大切なところじゃないかなと私は思います。そこを確立してから、どうしようああしようという説明をしていかなきゃいけないのかなと、そのように思っておりますので、よろしくお願いをしたい、そこら辺、市長、副市長、お三方いらっしゃいますので、嵯峨副市長にもお願いをさせていただきたいと思います。 教育長から答弁をいただきました。郷土の誇りというのは、私は人間でいう背骨であると思っていて、今のポテンシャルを十分に発揮できる環境づくりをしっかりしていただきたいなと思っておるところでございます。学都松本の成り立ち、そして今後の目指すべき姿の話がありましたが、それならば学都松本を日常生活とリンクするような仕組みづくりを検討されてはと思います。例えば、自分の住んでいる町名の由来を考えることは、過去の歴史や今後の地域づくりに生かせるのではないかと私は考えますので、またそこら辺、検討をお願いいたしたいと思います。 そして、市長からまた樹幹注入について説明がありましたが、この場で市長、樹幹注入についての効果の根拠というのは説明できるでしょうか。これは答弁を求めませんが、市の公式見解がありますので、十分認識をされていると思いますが、政治判断での効果の根拠ですから、これで分からなければ、また担当課に確認をしていただいて、いつでも説明できる準備だけはしていただいたほうがよろしいかなと私は思っております。政治判断です、これは。 LINEについてですが、私とすれば導入してほしいという思いを込めての質問でありますが、LINEでの課題というものもしっかり精査をしていただいて、導入に向けて歩んでいただきたいなと、そのように考えております。 それでは2回目の質問に入ります。 まちづくりについての質問の2回目をさせていただきます。 全国では特定非営利活動法人全国街道交流会議--以下、会議と言いますが--、このような組織があり、松本市もブリ街道の連合体で加盟しており、野麦街道が大きく関わっています。来年は善光寺のご開帳であり、ご開帳のときは宿場や街道筋も大いににぎわったということで、善光寺街道をメインにして、長野県や関係する各市町村と連携をして、街道サミットを街道の核である松本市で今後開催できればと考えていますので、教育という観点で検討をお願いをしたいなと思っております。 この会議に、松本市単独で加盟をして、首長会に名を連ね、将来的にはここ松本市で全国大会を開催できるようになれば、市長が考える松本の都市づくりの要は交通であるが市民に浸透して、松本経済圏域及び圏域を超えての理解や連携が深まると私は思います。 さらに、道を通じた地域再生を活用できる予算もあり、一例とすれば小浜市、若狭町、京都市で、自転車を活用した街道自転車旅の実証実験が先月行われました。これは国も支援をしているということで確認していただければいいと思います。 私は街道を考えることが、道路建設への市民理解を深め、市長の政策推進になるのではないかと思います。しかし、松本の都市づくりの要は交通であるの言葉を思うと、少し気がかりなことがあります。先月、市長は松本佐久連絡道路の要望に国へ行かれたというのは、今年度2回目ということで、意欲を垣間見たところでありますが、松本佐久連絡道路と中部縦貫自動車道が松本でつながることが、交通政策として市の発展につながると私は思っています。中部縦貫自動車道の建設促進について、先日の県議懇の議員協議会で複数の議員から指摘がありました。昨日も上條俊道議員から話があり、今定例会の建設環境委員協議会で報告事項になっておりますが、お許しを乞うて質問しますが、街道と道路の関係を鑑みれば重要な道路ですので、市長の中部縦貫自動車道の建設促進について強い意欲をお尋ねをしたいと思っております。 同様の案件で、全国京都会議という組織があり、過去には松本市も加盟をしていましたが、今は脱会をしております。さて、なぜ京都で、そしてなぜ脱会なのかをひもとくと、松本のまちづくりは京都型城下町で、京都とはまちづくりの根幹が関係があるということでございます。そして、しかしながら脱会の理由は、松本尾張は城下町で京都のようなお寺のまちではない等々の理由だったようでございます。 9月定例会で阿部議員の質問に、市長は京都、金沢と比べて世界水準に達していない。明治以来の転換のチャンスと答弁をされております。私は、松本城と城下町は一体で、この京都型のまちづくりこそが独自の地域資源であり、まちづくりの成長戦略によって変化はあったにせよ、まちの骨格は変わらないものだと思っています。松本の中心市街地に回遊性が生まれれば、まちづくり、道づくり、人づくりに役立ち、松本の歴史文化こそがオリジナリティーであり、松本本来の城下町の歴史文化の真髄が観光等に生かされるのではないでしょうか。 島崎藤村が飯山市を雪国の小京都と呼んだのであれば、松本は京都のまちづくりそのものであり、中町辺りの市街地には、その骨格が顕著に表れています。コロナ禍という前代未聞の状況で、アナログからデジタルというような緩やかな変化ではなく、新しい生活様式という人の価値観を一気に変えてしまった2020年。この価値観の変化はこれからも続き、ウィズコロナでの観光戦略は、個人をターゲットにしたオリジナリティーを出していかないと、都市間競争の激化に松本市が取り残されないかと私は危惧をしているところでございます。 そこで、観光戦略として、そして今の地域づくり、そしてまちづくりとして、女鳥羽川と薄川の複合扇状地として松本城下町湧水群も考えると、水の都や京都型のまちづくり、小路があり、桜と紅葉の松本の市街地に見せる舞台の設置が可能であれば、四神相応を一体整備して、今は中心市街地、昔は城下町ですが、歴史文化を基調とした水と小路を核としたまちづくりが理想的ではないかと思いますが、市のご見解をお尋ねをいたします。 次に、樹幹注入について質問します。 8月の経済地域委員協議会内で、樹幹注入をする地区に期待どおりの効果が出ない可能性をしっかり市民に説明してほしいと私から要望したところ、市が10月中に市民説明をされたということでした。市長は松枯れ対策の議員協議会で、以前、不十分な資料と過去の市の資料について言及をされましたが、市民が突然、期待どおりの効果が出ない可能性に市から言及があれば、100%ではないとは認識していても、どういうことだろうと思いますし、議会はなぜ予算を可決したのかと思う市民もおられると思います。私は予算を可決した重みを改めて考えなければいけないと思いますし、市の不安な気持ちを説明した事実を聞いて、私も反省をしたところでございます。 市長も9月定例会の提案説明で「最少の経費で最大の効果が得られるよう、効率的な財政運営に引き続き取り組んでまいります」と言及されていますが、億単位での予算が見込まれる中で樹幹注入の不安の払拭や効果の可能性を高めることが現状では重要ではないかと私は考えます。 私は、薬剤メーカーが樹幹注入の資料で推奨している樹幹注入前の松の健康診断と、アフターケアとして樹体内薬剤濃度検査を行うことが9月定例会での効果説明にあった結果に近づくのではないかと考えています。自然相手とはいえ、ただ樹幹注入をしたのに松が枯れてしまいましたでは何の効果検証にもならないのではないでしょうか。樹幹注入の成功した理由はこうだ、枯れてしまった原因はどこが悪かったのか、今後どのようにしたらいいのかと細かく分析していかないと今後につながらないと私は思います。 このように原因追及していくことが責任であり、不安の払拭であり、効果検証を行うことではないかと私は思います。現時点でそれほど不安なら、誰もが山林を守りたい意義やモニタリングの意味を込めて、この検査を市として責任を持って行い、樹幹注入の効果検証や次回の樹幹注入のタイミングの方針に正確さを期することができるのであれば、対策として私は必要かと思いますが、市の見解をお尋ねをしまして2回目の質問を終わりにいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 中部縦貫自動車道に対する取組についてお答えいたします。 中部縦貫自動車道は、松本波田道路が事業中であり、現在、用地取得などが進んでいるものの松本波田道路の先線となる波田から中ノ湯までの区間は、具体的なルートがいまだ示されていないのが現状であります。松本波田道路の事業に同意されていない方からは、同意できない大きな理由として、先線の計画がないまま松本波田道路を先行して造っていいのかといったご意見をいただいています。 こうした現状を受け止め、先月には福井県や岐阜県の関係する市長とともに、国土交通省の国土交通審議官や道路局長と面談しました。その席では、先線ルートの計画を早期に提示することを強く要望してまいりました。引き続き高規格幹線道路が未整備となっている、いわゆるミッシングリンクの解消に向けて、事業主体である国に対して計画の促進を粘り強く働きかけてまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) 私からは、水と小路を核としたまちづくりについてお答えをいたします。 松本市の中心市街地は、豊富な湧水に恵まれ、いにしえから人々の生活用水や様々な産業に用いられております。また、歴史的な井戸を含む多くの井戸が点在し、湧水を水源とする川や水路の流れが人々の生活を潤しています。この豊かな湧水を利用しまして、災害による断水時の生活用水の確保やまちの回遊性の向上、憩いの場づくりを目的に、水めぐりの井戸整備事業を平成18年度から平成26年度まで実施いたしました。井戸へ水汲みに訪れる市民や観光客が水に親しむ様子は日常の光景となっています。井戸の管理は地域住民の活動により支えられ、地域のコミュニティーづくりに寄与し、松本市の歴史的風致の一つとしてまちの風景をつくっています。 また、松本の城下町は、水野家が藩主の時代に整備がほぼ終了し、親町三町枝町十町二十四小路と言われるまちが形成され、今も当時の町割や小路が数多く残っています。 このような町なかで、まち歩きを楽しめる空間づくりや市民の住環境の向上を目的として、進入する車両の速度抑制や歩きやすい景観に配慮した道路の整備を、歩いてみたい城下町まちづくり事業として実施しています。これらの取組は、議員ご提案の水と小路を核としたまちづくりの方向性と合致するものと考えております。 引き続き水や小路を活用した松本ならではの施策を考え、まちづくりに取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 林農林部長。 ◎農林部長(林浩史) 私から樹幹注入についてのご質問にお答えします。 樹幹注入前の松の健康診断につきましては、樹幹注入を実施する前にポンチで木に穴を開け、樹液の出具合で健全木を選定する工程を行いますので、改めて予算をかけて実施することなく、これにより代替できると考えております。 そして、アフターケアとしての樹体内薬剤濃度検査につきましては、県、研究機関、薬剤メーカーなどの専門家の助言をいただき、効果検証に有効かどうか、費用対効果も含め検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 若林議員。 ◆14番(若林真一) 〔登壇〕 答弁をいただきましたので、3回目は要望と意見とさせていただきます。 市長から、中部縦貫自動車道建設促進ということで、いろんな課題はあるにせよ、強い意志、意欲というか、話をいただいた。課題を解決しながらしっかりやっていただきたいなと思います。 いわゆる賛成、反対というのがあると思います。賛成の方もいれば反対の方もいらっしゃるという中で、賛成の方にもしっかり説明をしていただきたい。市のスタンスが分かってきたわけですから、市長はやりたいということで、なので反対する方たちにもしっかりと市としてはやりたいという方向性を、しっかり説明をしていただきたいなと、そのように思います。 水と小路ということで話をいただきました。 私は松本城と城下町は一体であり、中心市街地の回遊性を考えますと、四神の石碑を設置して、城下町のVRでの再現が特効薬だと思いますので提案をしますので検討をいただきたいなと、そのように思っております。 樹幹注入の効果について、市の公式見解というのでございますが、このアフターケアや、やっぱり伐倒燻蒸を小まめにやってこそが、この説明にあった結果に近づくのではないかと私はまだ思っております。市長、この件について、薬剤メーカーに電話一本で内容が分かりますので問い合わせてみたらいかがでしょうか。1ヘクタール、約500本という説明を市はしていますが、実生の松や樹幹注入されない松はどうなるのか。守るべき松林の定義は、守る対策の方法は違っても変わらないと思います、その定義についてはここを守るという話ですから。 次に、外堀復元のこれまでの流れで、市長は、二の丸の皆さんの思いを酌んでいましたが、今定例会での建設環境委員協議会に報告があるようなので深くは言いませんが、八十二銀行深志支店周辺地権者の方たちの取り残された気持ちは、菅谷前市長の外堀復元の市民説明会のときの二の丸町会の皆さんの状況と同じではないでしょうか。松枯れ対策に重ねると、守るべき松林の中で、樹幹注入されない松も同じ思いではないかと思います。 ただ、私には松林の気持ちは声として聞こえません。薬剤を空中からまかれるのが嫌なのか、マツノザイセンチュウが樹体内に入るのが嫌なのか、突き詰めて考えると、やはり私は諸行無常ではないかと思いますが、対策を取らないと最悪の結末になります。行政手続や公文書という話が先週ありましたが、政治決断は公文書にできないと私は思っております。 6月に犬飼信雄議員が、防犯カメラについて矛を収めると話をされていますので、防犯カメラについては触れませんが、実在するなら薬剤空中散布を中止、凍結したことの公文書を拝見したいなと思います。凍結という言葉も現市政になってよく使われるようになりました。空中散布の凍結した心が解ける時期を明確にしてもらわないと、市長は決断や判断ができないのではないかと思います。凍結している時間は待つと長く感じるものであって、その時間でやはり要望の気持ちや要望する人数も膨れ上がってくると思います。これらの意見を申し上げて、私の全ての質問とさせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で若林真一議員の質問は終結いたします。 若林議員は自席へお戻りください。 次に、22番 小林あや議員の質問を行います。小林議員は質問者待機席へ移動してください。 22番 小林あや議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 小林あやです。発言の機会をいただきましたので、誠の会を代表しまして、若林真一議員に続き、一部私見を交えながら一問一答方式にて質問をさせていただきます。時間の都合上、早速本題に入ります。 最初は、松本市立病院の今後と合意形成についての質問です。 松本市立病院は、経営の改善に向けて、これまで様々な取組を行ってきましたのはご承知のとおりです。その結果、徐々に成果が表れ、令和元年度は6年ぶりの黒字となりました。しかし、新型コロナウイルスの影響によって経営は再び悪化し、今年度の経営状況は厳しいものになると言われています。単年度での判断は見極めにくいとはいえ、そもそもが難しい病院経営に加え、公立病院という特質を持った医療提供体制も維持した上での黒字への転換は高い評価に値すると私は考えております。 一方で、病院の今後の在り方については、市立病院にはこれまで同様、西部地域の拠点病院としての機能を果たしてほしいと願う住民の皆さんの声が後を絶たず、私の地元についてももちろんのことながら、近隣地域や自治体からも心配する声が非常に多く寄せられています。それだけ市立病院は私たちの暮らしに溶け込んできた存在であるのだと改めて認識させられています。 したがいまして、この12月定例会では、様々なお立場の住民の皆様からいただいたご意見やご心配を率直に市に投げかけ、よりよい病院の在り方を目指した議論を深めていきたいと考えております。 まず、病院のこれまでの流れについてお聞きいたします。 経営を黒字に転換してきたこと、また呼吸器の専門家がいない市立病院でありながら、院内感染を出すことなく第2種感染症指定医療機関としての役目を果たしてきていること。さらに、一般の患者さんたちも通常どおり診察してきている、この状況をどのように評価されているでしょうか。 1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 経営改善の効果につきましては、決算特別委員会でも説明させていただいたとおり、令和元年度は6年ぶりの黒字を達成することができました。これは平成30年10月に小口特命参与が就任して行った経営改革の成果と考えています。具体的な経営改革の内容は、外来開始時間を早めたこと、回復期病棟の医師の体制を変更したこと、また、救急搬送を断らないことを徹底したことなどで、これにより入院患者数が増え、収益の増加が費用の増加を上回ったということで黒字化につながったものであります。 今年度も引き続き黒字経営を目指していたところですが、ご承知のとおり新型コロナウイルス感染症の影響により現時点では黒字化のめどは立っていない状況となっています。しかしながら、この感染症に対して、松本医療圏唯一の感染症指定医療機関として、職員全員が徹底した感染予防を行い、これまで院内感染を起こすことなく取り組んできています。また、4月17日に、いち早く情報を公開したことで、多くの皆様にご理解をいただくとともに応援を受けております。これまで行ってきた新型コロナウイルス感染症への対応、具体的には新型コロナウイルス感染症患者の多くを受け入れてきたことや、いち早く市民の皆様に情報発信をするとともに、早期の検査体制の整備、自費検査の受入れ、オンライン面会を取り入れたこと、また、他の医療圏からの感染者の受入れも多く行ってきたことで、こうした対応と令和元年度の黒字化達成は、松本市立病院の大きな実績として評価いただいているものと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 病院局が手応えを感じておられる評価が、より多くの市民の皆さんにも感じていただけますように、引き続きのご尽力、お取組をお願いしたいと思います。 次に、専門者会議についてお尋ねします。 地域の実情をよく知る市立病院関係者がメンバーに入っておらず、一方で嵯峨副市長はメンバーに入っておられます。森林再生検討会議は市長部局はメンバーに入っていません。松本市文化芸術振興財団は、市長の判断で副市長を理事長から外し、民間人が登用されています。意図がそれぞれにおありだからこそ、そのような結果になったと思われますが、副市長という存在が会議に入ることは、どの自治体でもその意味の重さを認識するところです。この専門者会議に市立病院関係者を入れず、副市長を入れたことの理由と政治的判断への影響をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 まず、広大な面積の鉄工所跡地への移転が頓挫して計画が白紙撤回となった前の市政の取組から振り返ります。 松本市立病院は、建設から30余年が経過し、老朽化や狭隘化への対応が必要となるとともに、病院の在り方の検討が求められ、平成28年に松本市立病院建設検討委員会が設置され提言がまとめられました。この委員会は、メンバーが医療、福祉、病院経営の専門家、地域代表、行政関係者と様々な分野から選出されましたが、提言は両論併記で具体的な方向性が示されませんでした。その結果、病院局が主導して過大な計画が取りまとめられ、3年余りを経て計画の撤回となったわけであります。 私はこの反省に立って、同じ轍を踏まないことを念頭に、松本市立病院建設専門者会議を組織しました。構成メンバーは、老年者医療における我が国の第一人者であって、二つの独立行政法人において大胆な改革に取り組んだ鳥羽座長をはじめ、松本二次医療圏の地域基幹病院を統括する立場の信州大学医学部附属病院長、川真田委員、県立5病院を統括して地域における病院経営に精通する長野県立病院機構理事長の久保委員、地域包括ケアに特化した病院の経営に当たっている社会医療法人財団慈泉会理事、相澤東病院院長の宮田委員、長野県松本医療圏地域医療構想調整会議会長で松本市医師会会長の杉山委員、長野県の医療行政を統括している長野県健康福祉部地域医療担当部長の牧委員、それに松本市副市長の嵯峨委員の7人であります。このメンバーで新病院の規模や機能、病床数などについて専門的な見地、大局的な第三者の視点から議論を重ね、時代に即した新病院建設の指標とすることができる提言をいただこうと判断いたしました。 この会議に副市長を選出したのは、市立病院の建設に関して庁内で総合的に検討を行う松本市立病院建設庁内調整会議の会長が副市長であり、病院設置者である松本市の代表として指名いたしました。メンバーに市立病院の関係者が入っていないのは、先ほど申し上げたように、前の市政の蹉跌を教訓に、我田引水に陥らず、厳しい現実と将来を直視した議論を行ってもらうためであります。病院局内の建設プロジェクトチームの検討結果や、病院事業管理者や病院長もメンバーになっている松本市立病院建設庁内調整会議の議論を通じて、病院関係者の意見は建設計画に反映できると考えています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 時代に即したものであってほしいという願い、そしてその指標を出してほしいというところが目的であったというご答弁、それが反映できると考えているということでしたけれども、そのバランス軸の取り方というところで、そこが今、問題というか、住民の不安の焦点になっているのかなというふうに考えております。 平成28年の検討委員会の提言では、具体的な方向性が示されなかったことが、市長にとって不十分と感じられたようです。それぞれかみ砕いて吸収していきたいと思う市長のお気持ちは理解できます。しかし、そこにコミュニケーションが図られないと住民が不安になり悩んでしまいます。 市長は11月10日の記者会見で、専門者会議と市立病院側との意見に一定の隔たりがあるとの認識を示されました。また双方の意見交換の場を設ける予定とも述べられました。このことについてもう少し具体的にご説明をお願いいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 先月10日の記者会見でも申し上げましたが、専門者会議で議論されている内容は把握をいたしております。そして病院側のプロジェクトチームの進捗状況の中間報告も受けておりまして、双方の意見や考えには一定程度の乖離があると感じています。 提言は、まだ正式にはいただいておりませんが、将来を見据えた病院の規模や診療科の絞り込み、地域に根差した病院としての特色を強く出していくことが必要と考える専門者会議に対しまして、これまでの診療体制の継続を重視して改善に取り組みたいというのが病院側の考えであります。現時点では、そうした面で一致をいたしておりません。 特に病院の規模を示す病床数については、専門者会議では166床程度、病院側は現状の病床数から8床減らした191床程度。運営形態についても、公営企業法の全部適用から独立行政法人化への転換まで、その方向性には相違があります。 このため今月3日に専門者会議座長、副市長、病院事業管理者、病院長の四者で、目指すべき経営の水準、人件費、給与比率、病床数、病院の規模、病院個室の在り方、独立行政法人化に係る運営形態に至るまで詳細な意見交換を行いました。引き続き検討を行っていく必要があると考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 私は、同業者というものは、もっと競合他社として競い合っているものだと思っておりました。しかし、他種同業者は競合であるという認識よりも、むしろ運命共同体だとの意識が強く、これは宮之本副市長は、民間出身ということでよくご存じだと思いますが、競合他社という意識よりも運命共同体との意識が強く、意外と情報をやり取りしているんだそうです。競合を牽制するだけの考え方は、既に時代の主流ではないのだということを、私は他種同業者の意識から学びました。 市長の記者会見でのご発言から、専門者会議のメンバーには、市立病院に目を向けてほしいとの意向が私は感じられましたけれども、一定の隔たりがあると認識されるほど方向性の違いが浮かび上がってきていることが、本当に地域住民のためになっているのかなと心配しております。 それでは、危機管理の観点から質問いたします。 専門者会議は、危機管理の面での議論が少々少ないように思いました。市立病院の役割は、危機管理面からも安定した医療提供体制を守る役割も担っているものと認識しております。平常時の数値だけを見て在り方を判断することについて、リスクマネジメントの観点から適切であるのかどうか、専門者会議のメンバーであり、元危機管理部長であった嵯峨副市長の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨副市長。 ◎副市長(嵯峨宏一) お答えいたします。 専門者会議でも、災害時につきましては、まず土砂災害のリスクが考えられる西部地域における災害時の対応を行うこと。次に、地震の被害想定の高い中心市街地の病院が被災した際に、市立病院が分担すべき機能を残すこと。そして災害拠点病院と連携して、松本医療圏の黄色タグ病院として中等症の傷病者への医療処置を行うなどの役割を担うことについて確認をしています。決して平常時のみの数値をもって判断しているとの認識はございません。 私自身、危機管理部長当時から、災害時における圏域の各病院の役割について認識を深めてまいりました。この圏域で市立病院と同様に、中等症である黄色タグに対応する病院は、松本医療センター、松本協立病院、丸の内病院、そして安曇野赤十字病院です。これら4つの病院とともに、重症の赤タグ対応病院、軽症の緑タグ対応病院と連携して災害医療に当たることとしています。新病院に移行したとしても、担うべき役割は現在と変わらないと認識しております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 旧松本市内にある拠点病院の立地環境ですが、薄川、田川、女鳥羽川など、信濃川水系の1級河川に隣接する病院が多いことが分かります。県内他自治体が甚大な被害に見舞われた台風第19号のように、大規模な台風が洪水をもたらした場合、河川から離れ、標高の高い場所に立地する市立病院の果たす役割は極めて重要になります。 また、提言書の素案では病床数が30床以上減らされ、診療科も削減するような意向が示されておりますが、これは病院職員の数も相応に削減されていくということを意味しているのでしょうか。災害時における被災者の受入れ体制もサービスの質もともに低下するということを意味します。これに対して住民は安心できるかという点を私は心配しております。 大阪市では、若年がん病棟を一時閉鎖して、新型コロナウイルスの対応にスタッフを充てているようです。しわ寄せは常に利用者に行くということを忘れてはいけない一例です。 次に、医療人材の確保についてお尋ねします。 専門者会議では、人件費削減を前提とした地方独立行政法人化への見直しについての議論が行われているようですが、経営形態の見直しによって引き起こされる人材確保の混乱は、地域医療の提供に支障を来します。事実、他市の公立病院では、医療現場との合意形成が不十分なまま経営形態を見直したことにより、おびただしい人材の流出と慢性的な人材不足が発生し、医療機関としてのサービスが維持できなくなった結果、ほとんどの診療科が閉鎖に追い込まれ、病院そのものが民間譲渡された事例もあります。 専門者会議のメンバーである嵯峨副市長は、こうした事態を想定したリスクマネジメントについてどのようなお考えをお持ちでいらっしゃるか、ご見解をお聞きします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨副市長。 ◎副市長(嵯峨宏一) お答えいたします。 現在の市立病院における給与費の比率は、医業収益に対して70%を超える高い数値であり、持続可能な経営を進める上では改革すべき重要なポイントの1つであるということが、専門者会議における委員の共通認識です。 しかし、独立行政法人化の議論は、人件費削減のみを目的として行われているものではありません。現在の単年度予算主義とは異なって、3年から5年の中期的な計画を策定した上で、民間的な経営手法によって迅速な意思決定が行えること、予算に縛られることなく医療機器整備や設備改修が可能となること、医療機器、医薬材料の効率的な調達が可能となるなど、経営面では相当なメリットが生まれます。事務職員についても、数年で異動する市からの派遣ではなく、専門職員を育てることができます。給与体系も法人が独自に規定することが可能です。その反面、独立行政法人への移行に伴う複雑な事務作業や、新たなコストの発生も想定されます。 現在の市立病院は、地方公営企業法の全部適用病院として、市長から管理者へ権限が委譲され、管理者の経営責任の下で組織運営や医療体制の構築が行えること、また業績に応じた給与体系を定めることができることは独立行政法人と同様であります。ただ、現実には公務員給与の減額は困難で、経営陣にとって労務管理の負担が重くなります。一方で、医師、看護師をはじめ、職員が公務員であることから定着率が高く、働く人にとっては身分保障があることは大きなメリットであり、安定したサービスの提供につながっていると考えています。その反面、市全体の定数管理や人事異動に縛られ、管理者が機動的に人員を増減する裁量に欠ける点もあります。 いずれにしろ、どのような経営形態が望ましいのかということは、提言を受けた後にさらなる検討を行って、最終的には病院の開設者である市長が判断することとなります。副市長としては、議員ご懸念のような事態が生じることのないよう、病院職員とも情報を共有して理解を得つつ、医療の質と経営の質の双方を高い水準で満たす、そうした新病院建設に向けて取組を進めていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 独立行政法人化の議論に人件費削減がどの程度ウエートを占めるかという問題なのかなと思います。 市はこれまで人件費の割合が高いことが大きな課題だとしてきましたし、副市長おっしゃったように、専門者会議でも独立行政法人化の議論の際に人件費のことが触れられています。経営は改善されてきた。じゃ、独立行政法人化によって何を変えるんですかとなったら、当然人件費へのウエートは大きいだろうということは簡単に推測できることでありまして、そこは隠しようのない本音の部分なのではないかと思います。 現場で働く皆さんは、ここが一番知りたいところだと思います。独立行政法人化には、一々議会の承認を取らなくても、自分たちでやりたいことができるというメリットもある一方で、経営の足かせになるものは増やしたくないという思いが基本姿勢になっていくということも考えられます。私は決して独立行政法人化をはなから否定する立場で発言しているわけではありません。しかし、少なくとも専門者会議が提言したからやりますではなくて、関係者との合意形成を大事にしていただきたいと思うのです。強引に結論を導こうとすることは、人材の大量流出を発生させ、地域医療の崩壊を招きかねません。そこが私の質問の論点です。 副市長は、独立行政法人化のメリット、デメリットを研究していくということでご答弁いただきましたけれども、ドクターが見つからずに、泣く泣く診療科を閉鎖した例というのは、全国にごまんとあるんですね。そのしわ寄せは、全て利用者や地域に向かっていくんです。行うべき丁寧なプロセスをしっかり大事にしていただきまして、そうしないと、市にとってのメリットを追い求める姿勢がかいま見えてしまうと、やはり関係者というものは敏感に感じ取って、不安と危機感を募らせるものだと思います。 それでは、市立病院側としては、どのような見解をお持ちか、病院事業管理者にお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 市立病院では、独立行政法人について、新公立病院改革ガイドラインにもあることから、独立行政法人化している他院を2回訪問して話を伺ってきました。また、院内で2回勉強会を行い、リモートによる参加もしてきたことから、多くの職員が参加して情報を得ています。 この2回の勉強会の講師には、地方独立行政法人となっている長野市民病院の経営企画課長にお願いし、同院のみならず、多くの独立行政法人化した病院の情報もご教示いただきました。独立行政法人については、嵯峨副市長がお答えしたとおり、メリット、デメリットがそれぞれありますので、病院局としては、今の新型コロナウイルス感染症対策が落ちついたところで、じっくりと腰を据えて検討すべき重要な課題というふうに考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 独立行政法人化を採用する病院の特徴というものは、全国の独立行政法人化されている公立病院を調べるとよく分かりますけれども、その特徴が極めて明確です。丁寧に在り方を探る中で、また関係者の声を聞きながら慎重に議論を深められますよう申し添えておきます。 専門者会議の提言書素案が周産期医療もなくす意向であるのは新聞報道等で住民も知るところとなりました。周産期医療とは、産科と小児科を併せたものですから、周産期医療をなくすということは小児科もなくなるということです。今、波田地区だけで2,000人以上の15歳未満の子供がいます。そして西部地域で入院まで請け負っている小児科は、松本市立病院1院のみです。産科や小児科がなくなることで地域が衰退することを懸念する他市の状況を踏まえ、本市における見込みと見解をお聞きいたします。 なお、新聞報道等での周産期医療をなくす意向ということは具体的なものではなかったかもしれませんけれども、私が傍聴する中で聞いたものが翌日に新聞報道になったということで、そのように理解しております。補足説明をさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 松本地域では、平成20年に周辺3市5村で、松本地域出産・子育て安心ネットワーク協議会を設立し、分娩医療機関と健診医療機関が役割分担して連携することによって、地域でお産ができる環境を守る産科医療システムを構築しています。 松本市立病院は、信州大学医学部附属病院、相澤病院、丸の内病院、横西産婦人科、穂高病院とともに、松本地域の6つの分娩医療機関の1つとして、地域のお産を担っています。 市立病院の分娩件数は、平成22年度の617件に対し、令和元年度では317件と、この10年余りで半減しています。また、医師1人当たりの取り扱う件数は、平成22年度154件に対し、令和元年では58件と、およそ3分の1に減少しています。松本医療圏全体の出産件数は、今後微減傾向が続くと推測され、松本市立病院が想定する2040年の分娩は、2025年と比較してこのままでは85%程度になると推測されています。 一方、周辺を取り巻く状況としましては、大北地域では、大町総合病院が10月末で周産期医療を終了し、20人程度の出産を松本医療圏と長野医療圏で受け入れることで調整しています。 少子高齢化社会が進展する中、松本市としては、出生数、出生率の回復が重要政策の1つと考えています。それには出産と育児の環境の充実を図ることによって、子供を産み育てやすい社会を構築することが何よりも重要です。周産期医療については、医師は出産に備えて24時間の待機が求められます。現在は働き方改革の一環で長時間労働が禁止されていることから、一定数の産科医を確保しないと病院を運営できない現状もあります。地域の住民に安心な医療を提供するため、そして子育て環境を充実させるため、西部地域の政策医療として周産期医療、小児医療の必要性は十分認識しております。どのような体制が必要か提言をいただいた上で熟慮して判断してまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 病床数320床の長野県立信州医療センターでは、2007年に分娩を中止しました。しかし、分娩を扱わなくなったことによって里帰り出産ができなくなるなど、若い世代が地元に帰らなくなることで地域が衰退していくことを強く懸念した須坂市及び周辺自治体の首長たちが、再び分娩を再開したいと強い要望を出し、また医師確保に向けても積極的に動かれたこともあって、何とか産科医が見つかり、2014年に分娩を含む産科を再開させました。 松本市立病院は、現在300件ほどの分娩を扱っていますが、このセンターは150件から200件程度、単体では赤字だということです。しかし、地域住民の願いをかなえる形で存続されています。 大町総合病院は、医師不足により分娩が制限されています。婦人科は医師1名によって何とか残っています。これも地域の衰退を懸念して、本当は2名体制で産科を維持させたかったけれども、残念ながら2人目の産科医が見つからず、泣く泣く制限に踏み切ったのが実情とのことです。 これらの例から、周産期医療は数字からだけでは決して見えてこない地域づくりと密接な関わりがあることが分かります。西部地域の住民は、周産期医療を残してほしいと願っていますし、市長もそれはよくお分かりです。住民を不安にさせないコミュニケーションをお願いしたいと思います。 次に、現場を担う病院関係者の意向の把握について、いつ、どのような形で市長へ伝えられる予定でいるかお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 市立病院では、今年5月、医療職を中心に新病院建設プロジェクトチームを設置し、病院局として西部地域に必要な医療という観点から、新病院の在り方や規模、機能について、毎月2回、これまでに14回にわたり検討を進めてまいりました。現在、その検討結果をまとめているところです。 臥雲市長と嵯峨副市長には、これまでも病院局としての考えをお伝えしてきていますが、病院局でまとめた基本構想は、12月16日に市長に提出する予定としています。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 広く市民の理解を求めるためには、やはり手続というものがありますから、そうしますと、それを踏まえて住民の意向も把握する必要があります。どのように把握していく予定でいらっしゃいますでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 市立病院では、病院の利用者であり、地域の住民であり、また病院の関係機関でもある波田地区内の各種団体の代表の皆様にお集まりいただき、病院に対する意見や要望などをお聞きするモニター会議を例年開催しております。 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか開催することができずにおりましたが、先月、今年度第1回目の会議を開催することができました。この会議において出された新病院建設に関する意見、要望は、院内の会議や建設プロジェクトチーム会議において検討し、先ほど申し上げた基本構想に反映させていきたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 病院は、経営に、新型コロナウイルスに、通常診療もとこなしているわけですから、そこに広く地域住民の意向まで把握するという作業は想像以上に大変だったのではないかと推察しております。 しかし、だからといって、地域住民の意向を拾わないわけにはいかないんですよね。市長は、7月28日の記者会見で、住民意見については、これ以上聞く場を設けないという発言をされています。しかし、広く地域住民の多様な声を把握し集約することは、市長個人の思いにとどまらず、市として取り組んでいく必要があると思います。これは市長をよく知る多くの市民から頻繁に聞くフレーズなんですが、市長は頭がいいから理解も早い。しかし、周りはその速さについていけないから、市長が何を考えているのか分からないということのようです。 考えを自分のうちで整理してまとめるだけでなく、相手が不安を感じないように、整理された内容を小まめにフィードバックすることも、合意形成を進める上で必要な市長の役割なのではないかなと思い、聞いておりました。そこが、報道の世界にいたときと、政治を行う今のお立場との大きな違いではないかと考えます。 その上で改めてお聞きしますが、専門者会議、病院従事者、住民連携組織等、それぞれの立場の意向は、どのタイミングで、どのように把握、調整し、判断していかれる予定でいるかお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 先ほども申し上げましたが、まず、今月3日に専門者会議座長、副市長、病院事業管理者、病院長の四者で意見交換を行いました。そして今月16日に、病院局プロジェクトチームから報告を受け、21日に専門者会議から提言をいただく予定になっています。 それを受けて、翌22日には、病院建設庁内調整会議を開催し、庁内での議論を進めるとともに、直近の教育民生委員協議会に専門者会議の提言を報告する予定です。 そして年明けから、提出される提言に即して細部を詰め、できるだけ早い時期に市民、住民の代表であります議会をはじめ、様々なチャネルでこの方針を伝え、病院の建設地、機能や規模などについて協議させていただく予定であります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 私も議会人として、その地域住民の多様な声を把握し集約して、こうしてお伝えをしているということでございますので、市長には、このことを受け止めていただきたいと思います。 再整備予定地についてお尋ねいたします。 市長は、再整備予定地を波田地区内の2か所のどちらかと表明していらっしゃいますが、具体的にどのように、どの程度の時間をかけて考えていく予定でいらっしゃるでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 現在、建設地につきましては、波田駅前の現病院に隣接する波田中央運動広場と波田保健福祉センター周辺の2か所を候補地として検討しております。 前者は着工が容易な波田駅前の市街化区域に立地しますが、敷地面積に1万2,000平方メートルという制約がございます。一方、後者は広い面積を確保できるものの、市街化調整区域にあるために国や県との協議が必要となり、着工までに一定の年月が必要となります。 市立病院の老朽化も進んでいるため、新病院の規模と機能、そして竣工と供用開始時期について総合的に判断をした上で、今年度内に建設候補地を示したいと考えています。 なお、候補地選定に当たりましては、地域住民の皆様に丁寧な説明を行い、議会で協議させていただきます。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 それでは、補足としてお伺いいたしますけれども、病院局主催の会議等に参加している住民代表らの意向はどのようでありますでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 先ほど申し上げたモニター会議において、2つの候補地について多くの意見をいただきました。例えば周辺の交通状況、学校、保育園の通学状況、期待する病院の機能の観点から、どちらの候補地についても建設を要望する意見がありました。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 ということは、建設予定地の絞り込みにおいては、住民の意見が少し分かれそうです。市長は、もともとの建設候補地の選定過程においても、その在り方に疑問を唱えられてきました。市長の総合的判断におかれては、先ほど市長からのお言葉もありましたが、広く住民に理解されますように、丁寧な合意形成を図っていただきたいと要望いたします。 再整備に伴い、道路対策の必要性が生じてきますが、他行政機関との調整が必要になってまいります。事業のスケジュールにうまく合うよう、どのように調整を図っていく予定であるかお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) お答えいたします。 現在、候補地としている2か所は、どちらに決定しても周辺の道路整備は必要であると考えています。このことは先ほども申し上げたモニター会議においても、周辺の渋滞対策や通学時の安全確保など多くの意見をいただいています。 建設予定地周辺には、国道や県道、市道が存在していますが、新病院への移転に間に合うよう、市役所内関係部局と情報共有しながら、適切な時期に、県などへ調整を行っていく必要があるというふうに考えています。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 それでは、様々な機会を生かして関係機関との信頼関係を深めていっていただきますようにお願いいたします。 ところで現在、松本市が直接管理している診療所は、安曇、奈川に計5か所ございます。これらの診療所は、今後どういう扱いになっていくのかお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 議員からお話ありましたとおり、安曇地区にある4つの診療所及び奈川診療所について今後のことを検討しております。現在は、病院局への経営の統合に向けて検討しております。これはそれぞれの地区を1人の医師で診療所を運営している現状の中、診療所の医師のバックアップや人材の確保、医薬材料の一括購入による費用削減、事務の効率化が期待されることからです。今後は、それぞれの会計や職員の処遇などの課題を整理し、経営統合について病院局と協議を進めてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 この市立病院そのものの議論をするに当たっては、医療の質、経営の質ということが再三言われております。これらの診療所の今後については、私は総合的な観点から検討されることを要望いたします。単純に病院に統合した場合、統合してから独立行政法人化した場合、病院を独立行政法人化するも統合せずに連携する場合、独立行政法人化せず統合もしない場合など、あらゆる選択肢の中から最もよいと判断できる方法を選択しないと、後々病院経営をさらに大きく圧迫することにつながってしまうんですね。 一方で、診療所の周辺住民の皆さんの健康と安心は守られるべきですので、西部地域全体の医療体制の見立てを十分に行った上で、最もよい在り方をご判断されていくべきだと思います。 といいますのも、全国の公立病院の独立行政法人化の特徴は、中核病院が400床以上、その傘下に入っている病院が100床から200床、市立病院は傘下に入っている病院の規模なんです。このような場合、西部地域の医療を一手に引き受ける、例えば松本市西部メディカルセンターとか、そういったような機能を持たせていったような病院にしていくことが、診療所の統合というようなことのヒントになっていくのかなと思います。またご研究してください。 それでは、今後の見通しについてお伺いいたします。病院の在り方、建設予定地、開院予定時期など、住民の皆さんの関心が非常に高いと認識しております。このロードマップ、どのように考えておられるでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 先ほども申し上げましたが、今月21日に専門者会議から病院の規模や機能、病床数など、市立病院の在り方に関する提言をいただきます。併せて現在、庁内では2か所の候補地について、関係者や国・県の許認可を含め、着工可能な時期や竣工時期について検討を行っています。 年明け以降、庁内での検討を進め、年度末までには建設地、そしてロードマップを含めた建設計画をまとめたいと考えています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 非常に市民の関心の高いところでございますので、よろしくお願いいたします。 最後に、市長の目指す合意形成の着地点についてお伺いいたします。 市長は、これまで報道の世界におられ、政治に関しても様々な着地のさせ方をご覧になってきたことと思います。その取材を数多く行う中で、自分だったらこうしただろうと思われる場面にもちょくちょく遭遇されたのではないかと推察をいたします。地方自治とは、自分たちのまちのことは自分たちで決めていくことを基本理念としていますが、優れたガバナンスに求められるのは、多様な意見を持つ住民の理解と合意を広く得ながら政治を進めていくことです。 臥雲市長は今、ご自分が合意形成を図る立場になられましたが、市長ご自身の目指す合意形成とはどのようなものであるのか。着地点はどうありたいと考えておられるのかお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 松本市立病院の建設は、政府の地域医療構想を踏まえ、松本市西部地域の拠点として、松本医療圏全体の中でどのような役割を担うかという視点、すなわち専門的な知見が欠かせません。その意味で、今回、委員をお願いした専門者会議の提言は極めて重いものであると考えています。 松本市立病院は、昭和23年に国民健康保険直営診療所として開設しました。昭和60年には、市立病院の前身である波田総合病院に改称し、以来、松本市西部地域の基幹病院として医療を提供してまいりました。72年の歴史を持つ地域に根差した病院であると同時に、住民の皆さんが安心して受診できる病院であり、生まれたときから受診をされて強い愛着を持っている方々が多いということについても十分に承知をいたしております。これからの時代に必要とされる病院の本質は、質の高い医療の提供と安定した持続可能な運営である、経営であると考えています。地域の皆さんの病院に対する気持ちに寄り添い、将来世代が背負う負担に対して思いをいたし、広く深い合意形成に努めていく所存です。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 西部地域の現状は、市長から何が行われようとしているのか分からず、非常に住民が大きな不安を抱えているというのが今の率直な印象です。ぜひ、小まめなフィードバックを大事にしていただきたいと思います。 行政が行う合意形成は、住民とのコンテクストの構築が欠かせません。住民と同じ土台に立ち、住民とともに事業をつくり上げる粘り強い作業を繰り返し、初めて合意形成が図られていくのだと思います。市立病院の将来も住民とともにあってほしいと私は願っております。 この質問はこれで終わりにいたします。 行政評価と人材育成についての質問に移ります。 まず初めに、この行政評価についてですが、これに関しましては、決算特別委員会で指摘申し上げたことに端を発します。 概要を申し上げますと、新庁舎建設事業の評価がE判定となっていたわけですが、この事業は市民懇話会や市民ワークショップ、市民説明会など、市民の皆さんが関わられてきた事業ですが、こうした市民意見までも否定されかねないほどの重たい判定だったということです。当然のことながらご自分でご自分の事業が無駄であったと評価された事業を、私たち議会が認めるわけにはまいりませんでしたから、決算特別委員会ではその理由を尋ねたわけですが、理事者席は混乱し、一体何が起こったのか分からないといった状況で、これが整理されるまでに時間を要しました。 さらに、混乱する理事者の様子から、当初、B判定と認識されていたという評価が、いつの間にか誰かの手によってE判定と変えられて公開されたのでしょうか。議会からの指摘後、わずかのうちに再びB判定に戻ったという流れについて、本市における評価の根拠の脆弱性が露呈したように見受けられました。オペレーションに問題があっただけでなく、管理監督体制にも問題があったことを、この議会の場であえて指摘させていただきます。 本市における行政評価の在り方に対する現状と課題についてお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) お答えをいたします。 まず松本市では、行政評価をPDCAサイクルのCの評価機能として、事務事業の選択と集中の具現化を図るシステムとして位置づけ、職員による内部評価と有識者等による外部評価を実施しております。 内部評価につきましては、事業の狙い、指標の達成状況、コスト、現状に対する認識を明確にすることで、時代に即した行政需要に的確に対応し、市民サービスの一層の向上を図るとともに、第10次基本計画の着実な推進を図ることを目的としております。 また、外部評価につきましては、市の実施する事務事業に対しまして、事業のよしあしといった観点ではなく、施策の評価や指標の達成状況について、市民の皆様から事業の目的や手法などに対するご意見を伺うこと。加えて市民の皆様への説明責任を果たすことを目的としております。 次に、課題でございますが、今、小林議員からご指摘をいただいたように、制度を適切に運用できなかった点、加えてそのことをチェックする機能が機能しなかった点のほか、行政評価によって検証した結果を、次年度の実施計画あるいは予算編成に実効性を持たせる仕組みができていないこと、評価票の作成に時間を要すること、また現在の実施方法が導入後4年を経過しているということもございまして、評価自体にマンネリ化、形骸化が見受けられること等が挙げられております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 市民ニーズに応えるための評価であると認識をお願いいたします。 市長は、公約で事業棚卸しを掲げられ、これまでも複数の議員が質問するなど関心も高く寄せられてきた問題ですが、現状に関する質問は委員協議会に委ねられるということで割愛させていただきます。 公共政策を評価するには、その根拠が示され、広く理解されることが重要です。事業棚卸しはどのような評価を根拠として判断されたのかお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 事業の棚卸は、臥雲市長の公約に基づき行ったもので、従来の行政の手法に捉われず、新たに就任した市長自身の目で、松本市が行う全ての事業について、その意義や目的、その効果を確認したものです。資料による確認にとどまらず、担当部担当課とヒアリングや協議を繰り返し、長い時間をかけて根本から事業を見つめ直した上で、市長自身が最終的な判断をいたしました。 今回行った事業棚卸しは、選挙によって16年ぶりに市長が代わり、新型コロナウイルス感染拡大によって社会の前提が変容しつつある今、費用対効果を再精査し、担当部署からは見えづらい無駄や重複、安易な前例踏襲を俯瞰的に全体最適の観点から見直しをしたものです。 事務レベルでは、取り組むことが困難であった課題、気づかなかった課題に、既存のやり方ではなく、市長という立場で切り込むという試みでございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 つまり評価指標は設けずに、市長の見立てが判断の根拠だったというふうに認識させていただきました。 それでは、行政評価に必要な考え方として共通していると思われることについて、少し説明をさせていただきます。 まず、アウトカム、得られるはずの成果・目標があって、そこにアウトプット、そのために何をすべきかを論理的に構造化すること、すなわちロジックモデルが構築できていることだろうと感じております。自分たちに都合のいい評価制度では評価の意味がありませんし、細部にわたり過ぎると職員の評価疲れにつながります。今後の行政評価の在り方についてお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) お答えをいたします。 令和2年度の実施事業に対する行政評価につきましては、第10次基本計画の最終年度に当たりますことから、これまでと同様の手法で実施をいたします。令和3年度の実施事業に対する行政評価からは、先ほどお答えしました課題を踏まえまして、他市の事例などを参考に、より効果的な手法を研究し実施してまいりたいと考えております。 先ほど申し上げました行政評価の目的を改めて職員に周知徹底を図り、マンネリに陥ることなく適正な行政評価を実施し、市民への説明責任をしっかり果たすよう努めてまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 今後の在り方を研究される中におきましては、行政経営や公共政策に明るい学識者、民間コンサルティング会社から助言をもらい指導や研修を受けること、あるいは先進事例を研究すること、あるいは職員が評価疲れしないよう、むちばかり打たないことと、こういったようなことをぜひ念頭に研究をしていただきたいと思います。 行政サービスも、そもそもの質を上げるには人材育成が要です。そこで職員の報酬を伴う地域貢献活動の推進について質問いたします。 住民のニーズに対する感受性や対話力、政策立案力や説明能力など、これからの公務員は社会の変化に柔軟に対応し、自分で判断し行動する力が求められていくと言われています。こうした中、庁内の業務の域を超えて価値観の幅を広げる機会を設けることは、よりよい能力を磨くための機会となると思われます。 一方で、地域は慢性的な人材不足を引き起こしているという実情もあります。松本市の職員の兼業状況を見ますと、駐車場賃貸、太陽光発電の売電などとなっておりました。他都市調査では、NPO活動を行っている職員が複数の自治体におりまして、このような兼業は、地域に貢献でき、市民のためになる活動と感じたところです。 また、兼業の効果についてですけれども、報酬をもらうことでより責任感が増した、人脈が広がったというような評価がされていたりとか、市役所との距離が近くなったと住民から評価されたという例もあったようです。職員が報酬をもらいながら地域貢献活動を行うことに向け推進されてはどうか考えますが、市のご見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 伊佐治総務部長。 ◎総務部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 近年、多様で柔軟な働き方への需要が高まっていることや、人口減少に伴う人材不足などを背景に、民間労働政策においては、兼業や副業が促進されている状況です。地方公務員においても、地域社会のコーディネーター等として公務以外での活躍が期待されるようになってきております。 しかしながら、本市の正規職員における兼業の実態は、ご紹介がありましたとおり他の多くの自治体と同様に、自らが研さんを重ねたスポーツに関する指導や自家用太陽光発電による売電など、こうしたものが主になっておりまして、職員が主体的、中心的となってNPO法人等の社会貢献活動に携わるようなケースは見受けられないのが実情であります。 これは公務員が兼業する場合、地方公務員法で任命権者の許可を必要としているため、市の規則でその許可基準を設けてはいるものの、多くの職員は積極的に報酬等を得て公務以外の仕事に従事することに倫理上の懸念を持っていることが理由として考えられます。これらのことが全国的な背景となり、本年1月には、総務省から各自治体宛の通知がありまして、社会貢献活動等への兼業を積極的に可能とする兼業許可基準の策定が求められました。 これを受けて、本市では本年8月に、人事院規則を参考にして詳細な許可基準を策定して、庁内周知を始めたところです。この新たな許可基準が職員の意識を変えるまでには一定程度の時間を要すると思われますが、議員ご指摘のとおり、社会貢献活動による兼業は人材育成に資する面がございますので、公務の中立性、公平性や職務専念義務などに留意しながら、研修などの機会を通じてその啓発に努めてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 今後、NPOなどの地域貢献活動を行う職員を庁内で紹介する機会等を設ければ、より啓発の効果が上がると思いますのでご検討ください。 それでは、新型コロナウイルスの影響と対応についての質問に入ります。 社会の様子を眺めますと、感染こそ防げているものの、倒産、解雇、生活苦、心身の不調、自死などの2次的、3次的影響も表れ始めており、殺伐とした不安定な空気も強く感じております。感染を防ぐ行動と暮らしの基盤を守ることとの両立は、網かけ的な政策では限界があり、ますます地域単位の政治判断に委ねられていくと感じております。少しずつ進めながら、都度軌道修正していく柔軟さに寛容な社会であってほしいと願っております。 さて、新型コロナウイルスの影響によって、全国的に健康診断の受診率が低下しているようです。本市の状況はどのようでしょうか。今年度の動向、現状、また回復に向けた取組について、学校現場の様子も含めてお伺いをいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私のほうからは、特定健診等の状況についてお答えをします。 松本市では、健康診断として国民健康保険及び後期高齢者医療保険の被保険者に対し、特定健診の実施と人間ドック受診者への助成を実施しています。 それぞれの健診の状況について申し上げます。 国民健康保険の特定健診については、7月から開始しており、9月末時点の受診率は、令和元年度が25.5%、令和2年度が24.5%で約1%の減と、ほぼ横ばいですが、10月以降の予約状況は、前年度の85%程度となっています。 次に、後期高齢者健診は、同じく7月から開始しており、9月末時点の受診率は、令和元年度が48.4%、令和2年度が45.3%で3.1%の減となっています。 また、人間ドックでは、今年度の4月、5月の受診者数は、国民健康保険、後期高齢者医療ともに、前年度の50%程度となっていましたが、緊急事態宣言解除後の6月から徐々に回復してきており、9月の受診者数では、国民健康保険、後期高齢者医療とも、前年度の95%程度まで回復をしてきております。 受診率回復に向けましては、現在、特定健診未受診者への受診勧奨はがきの送付や電話による受診勧奨を実施しています。さらに、令和3年度はウィズコロナ時代に向け、健診医療機関の感染防止対策のもと、特定健診、人間ドックを受診することの重要性を重点的に周知啓発するとともに、過去の健診結果やレセプトデータを活用し、個々の状況に応じた新たな受診勧奨の方策を検討し、実施してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 横内教育部長。 ◎教育部長(横内俊哉) 私からは、学校における健康診断の状況についてお答えをいたします。 学校保健安全法に規定をされている内科、眼科、耳鼻科、歯科などの法定健診につきましては、通常は6月までに実施することとされております。しかしながら、本年度は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、3月に文部科学省から実施体制が整わない場合には、年度末までに実施するよう通知がありました。 そこで松本市では、新たに感染症に配慮をした健診マニュアルを作成し、学校医と十分な調整を行いながら健診を実施してまいりました。その結果、12月中には全ての学校で健診が完了する見込みとなっております。 また、松本市が法定健診以外に独自に追加をして、小学校4年生を対象に行っている心臓検診につきましては、松本市医師会と調整をし、今年度実施することができなかった学年の分も併せて次年度に実施する予定になっております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。
    ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 引き続きの取組、工夫をお願いいたします。 市内では、コロナ鬱と呼ばれるメンタルの不調を訴える市民が増えていると心配する声が聞こえております。市で把握している状況はどうであるのかお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 新型コロナウイルス感染症総合相談窓口及び健康づくり課で受けた新型コロナウイルス感染症に関連した健康相談は576件ありました。そのうち明らかなメンタルの不調を訴えた方は6件でした。 また、自殺予防専用相談いのちのきずな松本における過去2年間の11月までの相談実績のうち、実人数で申し上げますと、平成30年では45人、令和元年では42人であり、それと比べますと令和2年は70人と約30人程度増えています。中でも明らかに新型コロナウイルス感染症の影響でメンタルの不調を訴えた方は9件でした。 そのほか相談人数の増加の要因といたしましては、コロナ禍における生活様式の変化により不安や不調を来した方が相当数あったと認識をしております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 兆候は早いうちに見つけることが重要でありますので、市としてもメンタルケアに力を入れていただきたいと要望させていただきます。 また、現状の健康診断、メンタルに関する項目が入っていないということですので、ぜひ入れていただきますように、こちらもご検討ください。 次に、ひとり親世帯支援について質問いたします。 ひとり親世帯といっても、経済状況や親の性別によって受けられるサービスが異なり、一くくりにできない現状があります。市は8月にひとり親支援を国の臨時交付金を活用して実施し、現在も申請期間中となっていますが、現時点での申請数は一定の数に上っていることが事前の調査で分かっております。特に新型コロナウイルスの影響によって家計が急変したひとり親世帯は、非常に不安を抱え、食費を切り詰めて暮らしているといった状況も全国的な調査結果から明らかになっています。本市もこうした世帯の救済を特に意識する必要があろうかと考えます。 さて、他市では臨時交付金を活用して、市単独事業として生活が苦しいひとり親世帯への追加支援を実施しているところも出始めました。国も2度目の給付について、先日明らかにしたところです。本市の取組がどのようであるかご見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 青木こども部長。 ◎こども部長(青木直美) お答えいたします。 ひとり親世帯の支援につきましては、今年8月に臨時特別給付金を給付いたしました。そして国では、先ほど議員さんもおっしゃいましたが、再給付を行う方向で調整をしている状況でございます。 給付は年内を目途としております。ですので、準備が整い次第、速やかに給付できるように進めてまいります。 また、家計が急変したひとり親世帯の支援につきましては、8月から行っている臨時特別給付金の申請を来年2月まで受け付けております。まだ申請を行っていない方へ、ホームページ等を利用し、広く周知、勧奨を行ってまいります。 松本市単独の給付金につきましてでございますが、まずは国の臨時特別給付金を給付した後、今後の感染状況を踏まえ、必要に応じて検討してまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 速やかなるご対応をお願いいたします。 次に、ひとり親が感染者あるいは疑似感染者になったときの対応についてお伺いいたします。 頼れる存在が近くにいないひとり親が感染者あるいは疑似感染者となった万が一の場合、誰が子供の面倒を見るのかといった問題に直面します。こうした場合の対応策についてお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 青木こども部長。 ◎こども部長(青木直美) お答えいたします。 ひとり親家庭の親子がともに感染あるいは感染が疑われるケースにおきましては、同室入院となった事例がございます。また、親子ともに無症状や軽症である場合には、親子で自宅療養を行うことが考えられます。 次に、親が陽性、そして子供が陰性であって、祖父母などの親戚親族が子供の面倒を見ることができない場合につきましては、市のショートステイ事業または児童相談所が行う一時保護によりお子さんだけをお預かりすることができるようになっております。 また、自宅療養となった方には、保健所が新型コロナウイルスに関する健康観察を行っております。もし、その間に子育てなどに関する不安が生じた際には、電話などによる相談対応を保健師が行っているほか、オンラインによる相談についても、現在、準備を進めているところでございます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 ひとり親の方がとるべき行動がイメージできるように、できる限りダイレクトに情報が届くような工夫をお願いしたいと思います。 また、受け入れるべき施設が受入れを断るということがないように、これは本当に関係機関同士のご連携をぜひお願いしたいと思います。 中核市になれば、ひとり親世帯の就労支援も対象に入ってきます。例えばハローワークでは、ひとり親に優先的に就職先を紹介したり、雇用した企業に助成金が入るなどの制度がありますが、これには市との連携が欠かせません。ひとり親支援には、新しい家族の形を応援するステップファミリー支援というものも重要な施策になってきますが、非常にデリケートな問題でもありますので、これらの支援につきましては、次の発言の際に丁寧に扱わせていただきます。 市長は、10月26日の記者会見で、新型コロナウイルスの影響と税収の減少に伴い、来年度のイベントも中止あるいは縮小の方向性が一定程度あるという認識を示されました。しかし、芸術、スポーツ、イベント等の業種において、プロで活動される方々には、市と連携することで収入を得ていた市民も多く、一方、こうした業種は新型コロナウイルスの影響を受けやすく、不安定な毎日を過ごされています。松本は、インターネットからだけでは分からない味わいが魅力で、来て、体験して初めて松本のよさに触れてもらうことでファンを増やしてきたことが強みでもありますが、これは一朝一夕につくり上げられたものではなく、時間をかけて形づくられた松本の文化であり、豊かな人材が集まっている証拠でもあります。プロとして活動されている市民を、松本のソーシャルキャピタル、人材の資源と位置づけ大切にし、さらに文化を衰退させないための取組としても活動の場を積極的に創出する機会をつくるなどの支援が必要と考えますが、市のご見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 村山文化スポーツ部長。 ◎文化スポーツ部長(村山修) お答えいたします。 イベントにつきましては、新型コロナウイルスの影響と厳しい財政状況の中、開催の意義や内容を精査した上で来年度の予算に計上することとしています。 しかしながら、OMFなどの松本を代表するイベントや、町なかのにぎわいを創出するようなイベントは、地域経済の活性化の観点からも感染防止対策を徹底した上で引き続き開催し、文化芸術とスポーツの振興を図ってまいりたいと考えております。 議員ご発言のとおり、芸術やスポーツに携わるプロの皆さんは、松本の文化芸術とスポーツの推進と発展に欠かせない存在と捉えております。したがいまして、コロナ禍の今、市主催事業に限らず、様々なイベント等へのプロのプレイヤーの出演機会の創出に努めてまいります。 次に、芸術家の皆さんへの支援といたしましては、個人事業主を対象とした国の持続化給付金や家賃支援給付金に加えまして、松本市独自の特別給付金の制度を設けておりますので、活用を促してまいります。 また、プロの方の使用を含めまして、現在、まつもと市民芸術館、音楽文化ホール、波田文化センターにおきまして、施設の利用料金を50%減免しております。この機会に感染防止にご留意の上、コンサート等にご利用いただくよう情報発信をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 前向きなご答弁ありがとうございます。プロにはプロとして相応の報酬が支払われるべきと思いますので、待遇の改善についても、ぜひ一緒にご検討いただきたいと思っております。プロフェッショナルがこの地で集まって活動してくれることがアマチュアの増勢につながっていくわけですし、そのアマチュアがまた様々な市民の暮らしの質を豊かにしていくということが考えられていきます。この相乗効果というものの一番てっぺんにあるのが、やっぱりプロの方たちであるということでございますので、ぜひ大切にしていただきたいと思います。 そして、コロナ禍の中で私たちの活動がとても制限されているわけなんですけれども、その中でも臥雲市長をはじめとしまして、街場のえんがわ作戦ですとか、松本市民は新型コロナウイルス感染に非常に高い意識を持ちながらも、すごく頑張って感染防止に努めながら、できる限りの活動を続けようというふうにしております。私はこれは市長がそういう方向性であるから、市民がそこについて行くというふうに思っております。私は、これはぜひ臥雲市長、続けていただいて、いろいろな声はあると思います。もちろん何かをするといろんな声はあると思いますけれども、松本の若い人たちが一生懸命何かをしようと頑張っていることに対して、これまでもサポートしていただいたように、これからもサポートしていただきたいということをお伝え申し上げまして、私の全ての質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で小林あや議員の質問は終結いたします。 小林議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時30分といたします。                              午後0時16分休憩                             ----------                              午後1時30分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 8番 神津ゆかり議員の質問を行います。神津議員は質問者待機席へ移動してください。 8番 神津ゆかり議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 一問一答で質問させていただきます。 コロナ禍で貧困が加速深刻化しています。長引く影響の中、支援につながることができなければ、社会的孤立状態のまま関連死につながってしまうリスクも懸念されています。 本市では、市民生活総合相談窓口で生活困窮者相談にワンストップで対応しています。相談件数も昨年の倍以上で、その存在意義が高まっています。 しかしながら、寄せられた相談を他部署やまいさぽ松本につなぐだけの交換台だとやゆする声も漏れ聞こえてきます。直近の行政評価では、適切な窓口につなぐ、振り分けることが主な対応である。他課の職員やオペレーターから、担当課では解決できないから市民相談課は苦情担当係等の理由で対応を任されることが多く、市民にとって二度手間になってしまっている。相談窓口を開設して4年となるが、ここで解決できる案件はほぼないため、この窓口が必要か否かは検討が必要と随分控えめな自己評価となっています。 生活困窮者自立支援制度は、生活保護制度に次ぐ第二のセーフティーネットであります。複雑化、多様化する市民の困り事に対し、市民相談窓口にソーシャルワーカーなど専門性を持った人材を配置し、生活困窮者を早めに発見し、寄り添い、解決、救済を目的とした断らない相談、アウトリーチ型、プッシュ型の相談機関へ相談のウイングを広げ、機能をアップデートすることが大切ではないかと考えます。 それでは伺います。 市民相談窓口の充実強化及び当初の理念だった複数部署連携、横断のためのプラットフォーム機能の強化について、市の見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 市民相談課では、市民から寄せられる様々な相談を受けて、専門家などが相談の解決に向けた支援をしているわけでありますが、相談の内容は多岐にわたり、ご指摘のように、内容によっては関係機関へつなぐことが中心となっているというのが現状であると私たちも受け止めております。 生活困窮に陥った方への支援につきましては、松本市生活就労支援センター(通称まいさぽ松本)が、家賃補助を行いながら就労などへつなげるよう対応をしております。 コロナ禍においては、複合的な問題によって生活困窮に陥ってしまう方が顕在化し、容易に解決できない問題を抱えた方が増加しているという状況であります。このような皆さんをどう支援していくかが大きな課題であると認識をいたしております。 私としましても、生活困窮者に寄り添った支援をする市役所の中心的な位置づけに、市民相談課の人員体制と部局横断的な調整機能を強化していくということが必要だという認識を持っております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 答弁いただきました。 課題があることを認識されていて、体制強化と調整機能が必要という前向きな答弁をいただきました。 ソーシャルワークの実践者、そして専門家の配置は、地域福祉における人材育成にも大変寄与するものであると考えます。ぜひ機能のアップデート、早急にお願いしたいと思います。 また、家賃補助や就労支援では救えない人たちもいます。どの制度にもつながっていない社会的孤立状態の方、生活困窮にある方を何とかせねばと志を持って活動しているNPOや市民団体が、首都圏に比べると数は少ないですが、県内、市内にもいらっしゃいます。自主努力とボランティア精神で活動を続けている皆さんには心より敬意を表します。 本市まいさぽ松本では、限られたマンパワーと業務時間内での対応となっており、夜間や土日、祝日での緊急対応は、このようなNPOや団体が受け皿となっています。行政ができない、手が届かない部分を担っていただいているこれらの団体は、共生社会実現のために大きな一役を果たしているかけがえのない社会資源となっています。 一方、財政基盤が貧弱で安定的な事業継続が難しく、活動を縮小、撤退を検討する団体もあると聞いています。市民活動の究極の姿とも言える、これらの団体がなくなることのないよう、何らかの財政的支援が必要だと考えます。市はどのような支援をしているのでしょうか。今後、予算措置を行う考えはありませんか、市の考えを伺います。 ○議長(村上幸雄) 市川地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(市川英治) お答えいたします。 土日や夜間の緊急時に、民間の支援団体が住居を失った方などを受け入れていただいている事例があることは承知しています。全て行政だけで対応することは困難であり、志ある民間団体の皆さん、関係機関とが協力し合って、生活に困窮する方を支援していく必要があると考えています。 市民相談課の機能としては、生活困窮者を支援する側の中心として、市役所内関係各課、民間支援団体、そのほか関係機関との調整を行い、それぞれが連携して一体的に支援する体制を整えていく機能を発揮していかなければいけないと考えています。そのために来年度に向けては職員体制の強化を検討しています。 また、議員ご提案の民間支援団体への財政措置についても、来年度の予算に向けて検討しております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 答弁いただきました。検討はしたが、予算措置はしないということにならないよう強く強く求めておきます。 市長は、誰も置き去りにしない福祉政策を展開する。一人一人が豊かさを追求できる松本へとおっしゃっています。私も大いに同意するものです。日常やふだんの暮らしが何かをきっかけに行き詰まり、困った状態になるのは決して人ごとではありません。一人一人の困ったに向き合い、何とか解決しようと努力する。支援や寄り添いを長期的、継続的に実践する、このソーシャルワークこそ、コロナ後の社会基盤づくりに大変重要なキーワードだと考えています。 ふだんの暮らしの幸せ、この頭文字を取って「ふくし」と読みますが、福祉は子供から高齢者まで全ての人を対象に実践されるものとなりました。誰も取り残さないまちづくりを、福祉を進めていってもらいたいと考えます。 次に、AEDについて伺います。 9年前の2011年夏、本市梓川のふるさと公園グラウンドで、松本山雅FCの練習中に松田直樹選手が突然倒れ、2日後には帰らぬ人となってしまいました。急性心筋梗塞でした。34歳、天才サッカープレイヤーの若過ぎる死でした。練習場にAEDが設置されていなかったことを問題視する報道があったことを覚えています。毎年、松田直樹選手の命日である8月には、松田選手の悲劇がAEDの必要性とともに繰り返し報道されてきています。今やスポーツ界におけるAED普及のアイコンのような存在となっています。 このような悲劇を二度とこのまちで起こさないために、この悲劇を教訓とし、心臓突然死を減らすための努力を全市的に継続していく必要があると考えます。市の施設でのAED使用実績を調べてみました。下は1歳から上は104歳まで、この6年で25件ありました。例えば芳川体育館で63歳男性がソフトバレー中に、男子中学生が部活中に、松本市サッカー場で40代男性がサッカー中に、公民館で70代女性がダンス中に、小学4年生が体育の授業中などです。いずれの場合も意識は取り戻したということでほっとしていますが、使用されたのはスポーツ施設や入浴施設が多く、また老人保健施設では使用後に死亡されたケースもありました。心停止はスポーツ中に起きることが多く、競技ではサッカーが多いそうです。私の息子もサッカーをやっており、練習場にAEDがあるかどうか心配になったところです。 現在、市が管理するAEDは、小・中学校、公民館、スポーツ施設など159か所あります。松本マラソンではAEDをリュックに入れ、自転車で伴走するモバイルAED隊が救護体制を取るなど随分普及してきましたが、しかし、平成30年度の厚生労働省ガイドラインでは、「AEDの普及は、まずその設置数を増やすことに重点が置かれてきたが、今後はより効果的かつ戦略的なAED配備と管理を進めていく必要がある」とあります。AEDが設置されていたにも関わらず、様々な理由で使われなかったなんてことがないように、使用率を上げることが課題だというのです。いざというときは心停止から10分以内、できれば3分以内に使用することが求められています。 市のホームページでは、AEDのある施設がリストアップされていますが、施設のどこにあるのか、具体的な設置場所までは分かりません。また、施設ごとに掲載情報が異なっており大変分かりづらいです。情報を整理し、どこにAEDが設置されているのか、近接施設まで取りに行く場合、どのような動線で取りに行けばいいのかなど、分かりやすく情報提供、広報することが、これからの松本市に必要だと考えますが、ホームページの見直しについて、市の考えを伺います。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現在、松本市では、先ほど議員から159か所とお話がありましたが、市内171か所の公共施設にAEDを設置しております。この設置施設については、施設名、住所を記載した一覧表と位置図をホームページに掲載しています。また、一部の体育施設については、AEDの設置場所と具体的な経路を写真つきで掲載しておりますが、議員からお話があったとおり、施設によって掲載内容が統一されてないということを確認しております。 今後は、残りの施設につきましても、施設の状況に応じ、必要がある場合には設置場所や経路を掲載するなど、施設を利用される方にとって分かりやすいよう、ホームページなどの掲載内容を更新してまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 171施設だということで失礼いたしました。AEDを設置している施設が、自分たちの施設にはAEDがあるとPRするぐらいになっていただきたいと思います。 現在の設置状況を見ると、必ずしも十分とは言えません。AEDがないスポーツ施設もまだあります。休日夜間に施錠されている、分厚いガラスを割る必要があるなど、現実的ではない利用しにくい状況です。他市町村では、全てのAEDを屋内から屋外へ移設している市町村もあります。最近では保温できる屋外設置用ボックスもあると聞いています。せっかくのAEDが宝の持ち腐れとならないよう、利用者や近隣住民が24時間365日使用できるよう、国のガイドラインにあるように、アクセスしやすい屋外へ変更するお考えはあるかどうか伺います。 また、スポーツイベントや町会行事などに貸し出せるポータブルAEDを増やす。バス、消防車、ごみ収集車などにAEDを搭載するなどの見直しができないか。設置施設の追加や見直しについての市の見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 松本市では、平成16年度から厚生労働省ガイドラインに基づき、利用者の多い公共施設、小・中学校、スポーツ関連施設への設置を進め、昨年度までに一定の配備をいたしました。今後は各施設の利用状況等を考慮する中で、既存の配置状況の見直しも含め、設置の必要性は検討してまいりたいと思います。 それで、議員からただいまご提案がありましたAEDの屋外への設置につきましては、厚生労働省、これもガイドラインなんですが、風雨や夏場の高温及び冬場の低温に弱いAEDの保管先として施設内が奨励されております。AEDは精密機械であり、保温や、そして防犯対策等を考慮する必要がありますことから、設置場所については今後の研究課題とさせていただきたいと思います。 次に、貸出し用のポータブルAEDにつきましては、現在、スポーツ推進課で2台、健康づくり課で3台用意しております。これまでもイベントの実施において、施設予約時などに貸出し案内をしております。今後は、さらに貸出し用のポータブルAEDの活用の周知を図る中で状況を確認していきたいと思います。 次に、消防車やごみ収集車へのAEDの搭載についてです。 現在、松本広域消防局におきましては、18台中16台の消防車に既に配備済みということになっております。また、ごみ収集車については、現在、搭載されておりませんので、導入効果等を確認するため、他市の利用状況等の調査を行ってまいりたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 神津議員。 ◆8番(神津ゆかり) 〔登壇〕 答弁いただきました。 屋外設置については、他市町村でも多数導入されている経緯がありますので、ぜひ研究して前向きに、松本は寒いですけれども、エアコンが入っているものとかもあるようなので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。 松本は、松本山雅FCのホームタウンであり、7年後には国体も開催されます。山を歩く方、自転車やマラソン愛好者も多くて、マレットゴルフ、社会体育も盛んです。市長は公約で、スポーツで松本を豊かにするとおっしゃっています。市中にAEDが配備され、いざというときの使用率、救命率をアップさせる、このことがスポーツの環境整備の一環で行われることを求めます。 次に、救命講習についてです。 これまで心肺蘇生は口をつけて息を吹き込む人工呼吸と、胸骨圧迫--心臓マッサージのことですが--の組み合わせで広がってまいりました。最近では新型コロナウイルス感染リスクを考慮する必要があることから、人工呼吸ではなく、AEDプラス胸骨圧迫の重要性が増しています。施設における救命活動を想定し、いざというときにAEDを操作できるよう、AEDを使った救命講習を近接施設や利用者にも呼びかけ、市が率先して実施することについてのお考えを伺って最後の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現在、松本市では、AEDの使用方法を含めた救命講習を、小・中学校の教職員は学校ごとに、市の職員は施設管理職員も含め防災訓練や研修の一環で実施しております。また、体育施設の指定管理者もそれぞれ講習を実施しています。 施設利用者を含めたAEDの救命講習につきましては、施設によっては利用者が多く、多岐にわたり、利用時間もまちまちであること、そういったことから各施設で効果的な講習会を実施するには課題があり、市による講習会の実施は難しいものと考えております。 そこで、現在はそれぞれの町会や企業においても、松本広域消防局の消防士による応急手当講習を活用して、AEDの講習を実施しております。松本市としては、AEDを使った救命講習の重要性をホームページなどで周知するとともに、こうした取組に積極的に参加することを呼びかけていきたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 以上で神津ゆかり議員の質問は終結いたします。 神津議員は自席へお戻りください。 次に、2番 横内裕治議員の質問を行います。横内議員は質問者待機席へ移動してください。 2番 横内裕治議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 無所属の横内裕治でございます。発言の機会をいただきました。無所属のグループ未来として、田口輝子議員とともに、通告に従いまして一括で質問をさせていただきます。 公契約条例についてと、行政のデジタル化について質問をさせていただきます。 最初に、公契約条例についてお聞きします。 公契約条例とは、市が発注する公共工事、委託などに従事する労働者の賃金や労働条件などの確保を契約事項に加えた契約のことで、労働者の生活の安定を図り、公共工事及び公共サービスの質を向上し、地域経済や地域社会を活性化することを目的にしています。また、経営者にとっても公正な競争機会の確保が図られるなどメリットがあります。 先日開催された労働団体と市長との懇談会で、市長は、公契約条例について制定に向けて検討を進めたいと回答したとの報道がなされました。そこで、臥雲市長の公契約条例に対するお考えを伺います。 次に、行政のデジタル化についてお聞きします。 市長は、芝山議員の質問で、市役所の究極的な姿として、市民が足を運ばないでも居ながらにして行政サービスを受けることができる市役所と述べています。また、勝野議員の質問で、納税のキャッシュレス決済や保育園の入園申請手続のオンライン化などが言われております。 デジタル化で行政手続が簡素化したり、煩雑な手続や事務を簡素化し、スピード化することは市民サービスの向上であると言えます。また、職員の負担軽減は大切と考えます。その上で、私は何よりも重要なことは、デジタル化により人によってしかできない部門について市民サービスの向上が図られることだと考えます。 そこで、デジタル化をどのように行政サービス向上につなげていくのか、市長の考えをお伺いいたします。 以上、1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 公契約条例に関する考えについてお答えいたします。 松本市が発注する工事や業務委託など、いわゆる公契約において、事業者が適正な価格で受注し、労働者へ適正な対価が支払われることは重要であります。労働環境の向上は、地域経済の活性化につながるとともに、品質の向上に寄与し、最終的には市民の利益にも結びつくというふうに考えております。 公契約に関わる労働環境の向上については、松本市としても発注者の責任として、より積極的に関与していく必要があると考えています。 今年4月現在、公契約条例は、全国57の自治体で制定されていまして、内容的にも先行する市が制定している賃金などの労働条件に関する規定のほか、豊かで安心して暮らせる地域社会の実現や、地域経済の健全な発展を目指す規定も広がっています。働き方の二極化、格差拡大といった社会問題に加え、コロナ禍による景気後退が著しい現在の状況において、地域における適正な賃金水準と労働条件を確保していくことは大切な課題であります。 これまで松本市は条例の制定に否定的でありましたが、昨今の厳しい経済環境の中で、適正な労働条件の確保に向けて、より積極的な役割を果たすべきという考え方に立って、今後、労使双方の意見も聞きながら、公契約条例の制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、行政のデジタル化についてお答えいたします。 私は、デジタル化は市民の皆さんが将来にわたって持続的に豊かな生活を送る前提であり、また黒子であり、インフラであり、その恩恵の対象は人、市民であると考えております。そこで、市役所のデジタル化を進める上では、例えば結婚やお悔やみなどのライフイベントにおける手続が全て1か所で完結するようにするなど、市民のニーズから出発して、市民の日常に溶け込む、そうしたデジタル化を実現してまいりたいと考えています。 同時に、市役所のデジタル化は、職員を単純な事務作業からできるだけ解放することが可能であると捉えております。将来的にはデジタル化によって生み出された職員の力を、人間でなければできない温かみのある市民に寄り添った活動に、またより価値のある業務に、そして新しい社会の創造に挑戦する仕事に手厚く配置し、市民サービスの一層の向上を実現してまいりたいと考えています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 横内議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 ご回答ありがとうございました。 公契約条例についてですけれども、建設産業において、労働環境の悪化などにより、若者の入職が減少し、若年者の就業者に占める割合が低くなりました。その一方で、現場を担ってきた団塊の世代の技能労働者の高齢化が進み、培ってきた技能、技術を継承できずに現場を去っていく状況がつくられてきました。それにより、担い手不足が生じ、優秀な技術者の確保や育成が困難になる状況が建設産業に生まれてきました。 このままでは公共事業が成り立たなくなるとして、国は国土交通省を中心に、建設産業内の労働環境を改善する対策を進めてきました。その中の1つに、社会保険未加入に対する対策などがあります。この社会保険未加入対策について少し触れさせていただきたいと思います。 社会保険の加入率は、ほかの業種では95%以上が加入していますが、建設業界では7割から8割しか加入していない状況がありました。その原因の1つは、下請業者の財力が弱く、なかなか保険を掛けることが難しい実態があったことが挙げられています。 そんなこともあり、特に2013年以降、国は発注する公共工事の設計労務単価を上げてきました。しかし、常用・手間請賃金や一人親方実質賃金は、設計労務単価ほど上がっておらず、設計労務単価との差が出ている現状があります。 長野県建設労働組合連合会の資料に、公共工事の設計労務単価と実際の賃金を調査し、その差を比較している資料があります。それによると、公共工事の設計労務単価は、2013年から2019年までで48%増と大幅に上昇しています。しかしその一方、実質賃金はそれほど上がっておらず、各職種の公共工事従事者の賃金と公共工事設計労務単価を比較したところ、公共工事従事者の賃金は、設計労務単価の63%ほどしかなっていないという調査結果が出ています。その調査によると、平均割に近い塗装、看板、ガン吹工の1か月の労働日数を21日とすると、月収で18万1,692円、年収で218万304円の差が生じる結果となっています。 市長は、労働団体との懇談会で、労使双方の意見を聞く場を設けることから取り組みたいと発言されたと報道されています。また、今もそのようにお答えいただきました。私も公契約条例を実効あるものにするためには、当事者、経営者と労働者の代表を入れて検討を進めていただくことが重要だと考えます。そこで、具体的な取組を検討されているのかお聞きします。 次に、行政のデジタル化についてです。 デジタル化による市民サービスの充実についてお考えを伺いました。私も同じ思いであります。デジタル化で職員を単純な事務作業や煩雑な作業から解放し、それによって生み出された職員を新たな行政サービスの向上につなげていくことは大変大事なことだという形で思います。 行政サービスは、基本的には人によって行われます。デジタル化を行うために、人を削減をしたら、行政サービスを充実させるという目的に対し本末転倒になると言えます。ぜひそのようなことのないように進めていただきたいと思います。 しかし、デジタル化は、様々な最新機器を導入する必要があり、整備するにも、またそれを維持していくためにもお金がかかります。これからこのデジタル化を具体的に進めていくと思いますが、財源、予算はどのようにお考えになっているかお伺いいたします。 以上、2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 公契約条例の制定に向けた検討を進める上で、労使双方の意見を聞くことは大変重要であると先ほども申し上げましたけれども、そのように考えております。 今後、既に公契約条例を制定しているほかの市の状況も参考にしながら、労使双方を加えた検討組織の設置について、具体的に検討してまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 行政のデジタル化の予算措置についてのご質問にお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、行政のデジタル化には一定の経費負担の増加は必要だと考えています。一方、言うまでもなく、市税等、財源となる市の歳入は限られています。 行政のデジタル化推進に際しましても、これまでと変わりなく全ての施策について、その優先度をしっかりと吟味した上で、既存事業のスクラップや効率化、人員の適正配置なども併せて行いながら、必要な予算措置を講じてまいります。 国においてもデジタル化への集中投資や環境整備は最優先課題と位置づけられ、デジタル庁の創設の前倒し検討など、その動きが活発になってきています。これまで以上に国・県の動向を注視し、補助制度等を最大限活用できるよう、一層の財源確保に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 横内議員。 ◆2番(横内裕治) 〔登壇〕 回答いただきましてありがとうございました。 ぜひ、公契約条例についてはそのように進めていただきたいと思います。 3回目は要望と意見といたします。 公契約条例についてですけれども、公契約条例は2009年に千葉県野田市で初めて制定されて以降、賃金条項のない公契約の総則的な事項を規定した、そういう条例も含めると、先ほど市長が述べられたように、全国で57の自治体で条例化されてきております。長野市もこの12月議会で条例化すると聞いています。松本市でも条例化への取組を進めて、早期に実効ある条例の制定をお願いしたいと思います。 行政のデジタル化についてです。 これから予算が組まれ、来年2月の定例会では当初予算が提案をされると思いますが、来年度の予算など注視していきたいと考えます。 現在、ペーパーレスということで、私たち議員にタブレットが支給されていますし、理事者の皆さんも同様にタブレット型のパソコンをお持ちです。大変便利な反面、私などはそうなのですが、目が大変疲れます。焦点が合わなくなります。年を取ると特に大変だと思います。前にいらっしゃる理事者の皆さんは、私よりも若い方が多いのではないかと思いますが、それほど若いという年でもないので、多分、同様の思いをお持ちの方もいるのではないかと思います。 労働契約法第5条、労働者の安全への配慮では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」とあります。安全配慮義務--と言われているものですけれども--が使用者に付されています。労働契約法そのものは公務員には適用されていませんが、使用者--臥雲市長になりますが--には、同様の義務が課されていると言えます。デジタル化は重要だと思いますが、ともするとデジタル化ばかりに目が行って、必ずしも働く者に優しいとは言えない面が生じているのではないかと思います。ぜひ職員の労働安全にも配慮して、デジタル化を進めていただきたいと思います。 以上申し上げて、私の全ての質問を終わりにします。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で横内裕治議員の質問は終結いたします。 横内議員は自席へお戻りください。 次に、20番 田口輝子議員の質問を行います。田口議員は質問者待機席へ移動してください。 20番 田口輝子議員。 ◆20番(田口輝子) 〔登壇〕 田口輝子です。今回、質問の機会をいただきました。無所属グループ未来、横内議員に続いて質問させていただきます。質問の方式は一括で行います。よろしくお願いいたします。 1件目は、コロナ禍の中での女性の支援について伺います。 私は、今日までずっと女性たちが差別がなく、人間として男性と一緒にそれぞれが自分の人生を生きることができる、そんな社会を願ってきました。日本の社会の中に根強くあるジェンダー不平等、男は仕事、女は家庭という縛りから解放されて、1人の人間として男性も女性も生きやすい社会を願って活動してきました。 1985年に、日本は男女雇用機会均等法を成立させ、世界に向けても日本は男女平等を実現すると約束をしました。しかし、それから今35年がたち、それだけたっても、まだまだ重い荷物を女性たちはしょっていることを、今改めて実感をしています。 今年は年明けからずっとコロナ禍の中で、子供たちも大人たちも苦しく厳しい暮らしを強いられています。こういう厳しいとき、女性たちにそのしわ寄せが来ているのです。今、女性たちへの厳しい現状が明らかにされてきていますが、11月20日付の新聞で、新型コロナウイルス感染症が女性に及ぼす影響について、内閣府の有識者研究会の報告が掲載されました。緊急提言で、コロナ禍では雇用環境や家庭生活をめぐって、女性を取り巻く状況が厳しさを増すデータが提示されています。女性に不利な日本の社会構造がより顕在化したと分析、今後の第3波となれば、女性へのしわ寄せはさらに強まるおそれがあると報告しています。 内閣府への緊急提言では、特に女性への影響が深刻で女性不況の様相である。一斉休園や休校を今後実施する場合は、女性や子供にも最大限の配慮をする必要があると要望しています。ドメスティックバイオレンスや自殺も急増していまして、その防止や対策、相談体制の早急な強化を求めています。 今回の女性たちの置かれた状況について、この状況に対しての支援の必要性を強く感じています。実際に、今年の春、職を失った人は、この春で男性が32万人に対して、女性は74万人が職を失っています。また、女性の自殺者は昨年の10月に比べて、今年の10月は8割増しの851人と急増をしています。 今、松本市の現状はどうでしょうか。松本市における女性からの相談の状況、それぞれの相談窓口での女性たちの状況についてお聞きします。 2件目の青少年の支援についてお聞きします。 このところジェンダー平等の視点から考えるとショックな報道が多い中で、今年の6月29日付、信濃毎日新聞に、文部科学省全国一斉調査で、公立高校の生徒の妊娠、退学の状況調査の結果が報道されました。長野県は2015年度から2016年度、45人が妊娠、このうち16人は退学したということです。県内の高校生の妊娠の実態が明らかになったのは初めてということ。それ以降の実態は調べられていません。この長野県内で1年間に45人の公立高校の女子生徒が妊娠をして苦しんできたという状況に、若い世代をしっかり支える手だてはなかったのかという思いでいっぱいです。つい先日も妊娠してしまった若い女性が一人で産んだ後、放置をして殺してしまい、罪に問われた事件が報道されました。女性が一人で受けて負ってしまうということ、とてもつらい思いがします。 今、多くの課題がありますが、小・中学校での性教育は、今どのような取組がされているのでしょうか。現状と必要性についてお伺いしたいと思います。 1回目の質問です。 ○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) 性教育の現状などに関するご質問についてお答えをいたします。 特に中学校の現状についてお答えをしたいと思います。 中学校の性教育につきましては、学習指導要領に、保健体育で行うことが示されております。それによりまして、毎年、カリキュラムに準じて行われております。また多くの学校では、それとは別に性教育月間を設けまして、学級担任も性教育の授業を行っております。さらに、教員対象の松本市教育委員会主催の性教育研修会を毎年夏季休業中に実施してまいりました。本年度はコロナ禍で行えませんでしたけれども、産婦人科医の遠見才希子先生を講師に招き、望まない妊娠に関する現状を含めた研修を行う予定でありました。 さて、子供たちはICT機器が氾濫し、以前では考えられないほど性情報に容易にアクセスすることが可能な社会の中で過ごしています。また、その性情報も、性を商品化するような誤ったものがあふれていることを把握しております。この社会で子供たちが誰もが平等であり、互いに尊重し合うことを大切にしていくことは、性教育の重要性が増していることを感じております。 現在、学校ではさきに述べましたように、学習指導要領に示されている保健体育だけではなく、人権教育としてさらに充実するように、ICT等も活用しながら多くの先生方が受講できるような性教育研修会を充実してまいりたいと思っております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 伊佐治総務部長。 ◎総務部長(伊佐治裕子) それでは、松本市における女性からの相談窓口の状況につきまして、いずれも10月末までの状況をお答えいたします。 まず、市民相談課内にある、まいさぽ松本の生活困窮・就労相談では、相談件数で比較しますと、男性は令和元年度466件、令和2年度1,097件と約2倍、女性は264件が781件と約3倍に増加しており、女性が新型コロナウイルスの影響を大きく受けている状況が見られます。 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている飲食店、旅館業、清掃業務など、こうした業種における女性就労者からの相談が増加しております。 次に、こども福祉課の家庭児童相談室の窓口に寄せられたDVを含めた女性からの相談件数は、令和元年度475件、令和2年度554件と79件、17%増加をしております。中でも4月、5月は特別定額給付金関連の相談が多く、今回の給付金は家族全員分を世帯主が申請し受給する形であったため、世帯主には支給されても自分には給付金が届かないという女性からの相談や、DV避難者への証明書発行などの相談が寄せられました。 また、自殺者の状況ですが、現在のところ市内の女性自殺者の増加は見られません。しかし、健康づくり課の自殺予防専門相談いのちのきずな松本の女性の新規相談件数は、令和元年度18件、令和2年度31件で13件、72%の増となっております。 なお、女性センター・パレア松本では、緊急事態宣言後、各施設が閉館や休館となった状況の中でも対面相談を継続して実施してまいりました。相談件数は、令和元年度231件、令和2年度247件と16件、7%と微増の状況です。各窓口とも相談件数が増加しております。感染拡大が続いている状況で、今後も困難を抱える女性が増加するものと考えており、相談の内容や相談者の状況に応じ、関係課で連携して支援することが必要と考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 田口議員。 ◆20番(田口輝子) 〔登壇〕 今、ご回答いただきました。 女性の支援の関係については、やはり松本の中でも非常に増加傾向があるということがうかがえました。先日の土曜日、NHKスペシャルで、コロナ不況、女性直撃と特集していましたが、子供を抱えて食事にさえ行くことに事欠くシングルマザーの声とか、非正規で何の保障もなく退職させられ、収入がゼロとなり、その生活が全く見通せないと涙する女性、風俗しか最後は行くところがないという痛切な声、今、追い詰められていく現状を他人事ではなく聞きました。 男女共同参画基本法成立から20年たったこの現状で、先日まで女性の活躍が社会の基本といろいろ言われていたのに、不況の波が来ると、即女性たちに降りかかってくる社会、本当のジェンダー平等の社会はなかなか見えてきません。 世界151か国中、ジェンダー平等指数が121位という日本です。ジェンダー平等についての市長のお考えと、ジェンダー平等視点での支援、相談窓口の強化等の施策の市長のお考えを伺いたいと思います。 2件目の青少年への支援について、性教育について、教育長からご回答いただきました。2回目は時間が限られているので要望にさせていただきます。 1件目の女性支援についてと重なりますか、今、コロナ禍の中で、女性たちが追い詰められています。ドメスティックバイオレンスもパワハラもセクハラも、多くの被害が女性たちにかぶさっています。望まない妊娠で傷つくのは圧倒的に女性たちで、今回の女子生徒45人は退学や休学、転校などで、退学者が16名、大変な数です。この調査の背景にも、文部科学省と内閣府で、女性の貧困につながる調査ということで、高校を中退することが、その後の女性の人生にとってどんな影響を与えるかという、そういう背景の調査でもあったようで、高校中退でシングルマザーになって、今後、生きていくことが苦難の道、これも本当に大変な事態だというふうに思います。性教育というものが、ここのところずっと軽視されてきた傾向は否めないと思います。今この時代だからこそ、根底に人の命とどう向き合うかという本質的な性の教育、多様性を含めた教育が必要です。 松本市には、地域の中で優れた性教育の取組をされている方々がいらっしゃいます。市の青少年の居場所としてまちかど保健室で、先生が若者たちの思いや不安を正面から受け止めて向き合ってくださっています。また、LGBTQで苦しんでいる子供さんたちの居場所づくりをして、そこで子供さんたちが安心して自分のことを話せる場を守ってくださっている、そんなチームがあります。また、CAPもそうです。これも今、自殺防止ということも捉えながら、市の健康づくり課では、定期的に学校にCAPの授業を実践したりしています。ぜひ性教育の中に、こういった現場で一生懸命取り組んでいらっしゃる、そんな皆さんの声を取り入れて、現場の子供たちの声と一緒に、本当の意味での命の教育になる性教育に取り組んでいただければというふうに思います。 2回目の質問を終わります。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 私は、性別に関係なく、全ての人がそれぞれの意欲に応じて活躍できる場とチャンスをつかむことのできる社会が、真の男女共同参画社会であると考えます。ジェンダー平等とは、社会において期待される男らしさ、女らしさによって生じる格差や差別、偏見や先入観を解消し、本来持っている能力を平等に発揮できる社会にしていこうというものであります。 SDGsの17の目標の中にも掲げられ、これからの時代に全ての施策や活動に関わる人たちが持つべき基本的で重要な視点であると考えています。 今回のコロナ禍において、特に女性に降りかかった失業による生活苦やDVの増加、家事や育児への負担などは、従来から存在していた日本社会の課題が顕在化し、今こそその解決策が問われているものだと考えます。 したがいまして、松本市の各種相談窓口におきましては、このコロナ禍による厳しい状況だからこそ、女性に対してきめ細やかな対応ができるよう職員に対してジェンダー平等への意識づけを強化するとともに、男女共同参画社会の推進を担う女性センター・パレア松本の周知にも改めて努めてまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 田口議員。 ◆20番(田口輝子) 〔登壇〕 ありがとうございました。 ぜひ、今、市長がおっしゃったようなジェンダー平等の視点を持って、あらゆるところの施策が行われれば、本当に違っていくというふうに思います。その土台が育たなければ、本当の多様性を持った一人一人の生き方を大切にできる社会にはならないというふうに思います。 今日、多くの質問の中で、本当に現場で苦しんでいる皆さんの支援、コロナ禍の支援のことで、皆さんの要望がたくさん出されました。私は、やっぱり本当に女性がかぶってきている今回の状況の中で、日本で遅れてきているジェンダー平等の社会に向けてのいろんな取組が、あちこちでやっぱり滞っているのではないかということを感じています。どんな課題に対しても、常にやっぱりジェンダー平等の社会ということに対しての視点を持って捉えていくということが、私は本当に重要だと思っています。 高校生の45人の妊娠のことも、私はまず、本当に最初に思ったのは腹が立ちました。女の子たちがこれだけみんな大変な目に遭っているという、なぜ女の子たちだけがしょっているのかということを本当に考えました。だから、性教育の問題として、どうやって人と人とが平等でお互いに大事にし合えるかというところの観点が根底に流れていないと、性教育の問題もやっぱり本当の意味での性教育になっていかない。人が人を大事にできるような、そういう体制をぜひ基本のところで学校の中でも取り組んでいただければというふうに思いますし、市の運営の中でも、ジェンダー平等の視点を、ぜひきちっと根底に据えて取り組んでいただければというふうに思います。 とにかく今はコロナ禍の中で一人でも苦しむ人をなくすために、市として本当に女性が安心して助けてと言える場を提供していただきたいというふうに思います。いろいろな相談の窓口に大勢女性たちが行っているということだけれども、なかなか女性たちが行きづらいという場面も持っていまして、女性が相談しやすい場所だったり、ワンストップであちこち行かずに、先ほども出ていますけれども相談ができて解決までつながるというような、そういう窓口、そして子供を連れて安心して相談に行ける場所、そういったことをしっかり配慮していただきながら、せっかく女性センターがありますので、市長もおっしゃったように、そこを拠点として、しっかり発信して広報していただいて、相談に行きやすい場所、特にこのコロナ禍の時期、一人でも悲しい思いをする人がいないような、そんなシステムをつくっていただければというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 支援に当たって、それを最後の要望といたしまして、私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で田口輝子議員の質問は終結いたします。 田口議員は自席へお戻りください。 次に、3番 上條一正議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 3番 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 上條一正でございます。通告に従い、一問一答で質問をいたします。 時間の関係で、早速質問に入ります。 一般質問初日に、芝山議員が関連する質問をされましたが、やはりもっと議論を重ねていかなければならない課題だと認識いたしました。大変重要な課題ですので、答弁を繰り返すのではなく、より具体的に深化した答弁をいただくことを期待をいたします。 まず、市長が自律分散社会を目指し、分散型市役所と地域づくりセンターの役割やセンター長の権限を強化していくことに関して質問をいたします。 最初に、誰も置き去りにしない、どの地域も取り残さないとの政治信条において、市長が地域づくりで一番大切なことは何とお考えかお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 私は、それぞれの地域の歴史に鑑み、それぞれの地域の課題や特色に即して、地域のことはできるだけ地域で決められる、そうしたことが地域づくりでは一番大切であると考えています。 そしてそのことが、どの地域も取り残さない地域づくりにつながるものと考えます。 ただ、この地域のことはできるだけ地域で決めるということは簡単なことではないと認識しております。行政は黒子という姿勢から一歩前に出て、これまで以上に住民とともに歩み、住民を支え続けるという本来の役割を果たしていく必要があると考えています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 踏み込んだご答弁をいただきました。私は地域づくりに一番大切なことは、ともに支え合う身近なコミュニティーがベースとなった安心で安全な、生き生きとした暮らしがある住民自治を育んでいくことだと思います。 本市は長年にわたり、公民館が学ぶことを核に住民主体の地域づくりを支援してきたことが、各地区の自治の基盤を構築し地域づくりにつながったのだと認識しています。地方創生においても、このコロナ禍の現状を踏まえれば、自律分散型社会への取組が欠かせないことについては私も市長の考えを支持いたします。 市役所を分散し、地域づくりセンター長の権限を強化しようとすることが住民自治の向上につながるとする単純な構図で考えていいものか、問題提起をするものであります。芝山議員への答弁では、センター長の権限、機能や予算について方向性を先に打ち出している割に中身の整理ができていないとの印象を受けました。改めて地域づくりとの関係において、分散型市役所の機能をどのようにしようとしているのか。政策部長の答弁にありました、かつてとは異なるデジタル化が市役所にとどまらない地域づくりセンターに、いつまでに、どのような体制になっていることを前提としてのものなのか、より具体的な機能の分散についてお答えいただきたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 まず、デジタル化あるいはDXは、分散に伴う非効率さを低減して、住民自治を後押しする、そうした技術であり、基盤になるものであると考えています。したがって、DXを通じた分散型市役所は、事務手続を迅速化して、支所や出張所の業務の効率化をもたらすことにより、現在、窓口の対応などに多くの時間を割いている職員が、住民が主体となって取り組む本来の地域づくりの支援に、力をより注ぐことが可能になるというふうに考えます。 また、DXだけによるものではありませんが、住民に身近な場所に専門職をこれまでよりも配置することになる分散型の市役所という考え方は、地域の特性に応じたスピーディーな政策の展開、住民の下支えの役割を可能にするものと考えます。 いつまでに、どのような状態でというお尋ねにつきましては、どのような状態という部分は、繰り返しになる部分もあるかもしれませんが、一般の市民が、できるだけ本庁に足を運ばなくても済む状態、そしてそれは国の取組と合わせて、歩調を合わせて実現をしていきたいと思います。市役所のDXは、できることからスピーディーに取り組み、一方、地域づくりセンターの権限の強化は、段階的に進めていくという考えであります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 ご答弁で、これまでの地域づくりシステムにおいて、行政側が住民サービスを含む様々なシステムの再構築を行っていこうとする考えを改めて確認をいたしましたが、デジタル化を前提とすることや、地域づくりセンター長の権限強化の正負の影響、時間軸の整理を含め、議論をもっと進める必要があるのではないでしょうか。 松本市地域づくりを推進する条例第3条の理念は、これまで築いてきた住民自治と、自治の仕組みが重要であることを規定していることの意味を深く考える必要があります。しかし、住民自治を育んでいくことは、市長がおっしゃるとおり簡単ではありません。公民館、社会教育は、住民主体の学習や実践を積み重ね、住民が自ら地域づくりの主人公として積み重ねた結果、住民自治が育ってきているのはご承知のことと思います。行政主導的に進めている自治体もありますが、松本市は違います。そのため重要なことは、センター長が地域づくり、住民主体について理解していることだと思います。市長が説明された条例に規定されている文言、一体的を切り取ってセンター長の権限を強化するのではなく、支援の鍵を握るセンター長の地域づくりの専門性を高めることが大切と考えます。 そこで、専門性を重視した研修というのは、現在どのように進められているのでしょうか。地域づくり職員、公民館職員についての状況と併せてお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 市川地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(市川英治) お答えします。 住民自治を育む仕事は、住民との適切な距離感や住民のやる気を引き出す適時適切な助言など、理念、知識、技術が求められる専門的な業務です。したがって、研修は非常に重要であると考えています。 地域づくりセンターについては、新任センター職員に対して、地域づくりの基本理念や住民自治力の高め方等を学ぶ研修を行うとともに、全てのセンター長に対して年数回、地域包括ケアや地域防災など地域課題に関する研修を行っています。公民館や福祉ひろばの職員についても、それぞれ新任研修や全体研修を年数回行っています。 また、地区を担当する職員が、地域づくりの理念や連携して地域と向き合う意識を共有するため、地域づくりセンター、公民館、福祉ひろば、保健師など、新任地区担当職員の合同研修も毎年実施しています。 そのほか毎年2月に開催する未来へつなぐ私たちのまちづくりの集いを、全庁的な職員研修に位置づけ、住民の皆さんと職員とが膝を突き合わせて課題解決に向けて議論する機会を設けています。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 研修内容は分かりました。 次に、住民側に視点を置けば、各地区に住民自治を育む自治の基盤があり、その中心は町会です。松本市の町会は、半世紀以上にわたって公民館と関わり、様々な活動を通じて自治の基盤を構築してきました。町会は民主的な住民の相互扶助組織であり、地区を代表する自治組織とし、市と対等で重要なパートナーとして位置づけられています。自治組織がしっかりしていることから、地域づくりにおいては地域の意思決定の屋上屋にならない組織として、町会を母体とした緩やかな協議体という概念を、住民の発案によりつくり出してきています。そのため市長が目指す自律分散のまちづくりを進めていくためには、町会との協働・連携が欠かせないと思います。市内35地区は、人口、年齢構成、地域課題など、それぞれに特徴があります。自律とは住民が自律することだと考えます。センター長の権限強化と一体化は行政側の取組です。しかし、自律を目指すのであれば、その進め方や方向は行政主導型、先導型で決めないことが肝要です。地域づくりシステムにおいて、センター長の権限を強化したからといって、住民自治においては両者のバランスが崩れた地域づくりになってしまうおそれすらあるのではないかと改めて指摘させていただきます。 住民の自律を高める方策について、どのように考えているのか改めてお伺いをいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えします。 住民自治を進めるためには、町会との協働・連携が欠かせないという点について、私も同意見でございます。 ただ、現在の町会運営は、地域によって差はあるものの、高齢化によって役員のなり手がいない、地域のつながりの希薄化から幅広い住民参加が得られていないといった問題を抱えています。世代や立場を超えて住民参加の裾野をいかに広げていくかが課題であると考えています。 こうした課題を解決して住民の自律を高めるためには、行政がもっと積極的に関わっていかなければいけないと考えています。 センター長の権限強化は、議員ご指摘のように、両者のバランスが崩れるようなことがないように留意することが必要です。行政主導でなく、住民自治の支援力を強化するための方策であり、その結果として、地域づくりセンターだけではなく、住民自治の力も押し上げていくことになるようにしなければならないと考えています。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 ご答弁の町会運営への参加の課題、行政のサポートの必要性の認識については、私も全く同じでございます。センター長の権限強化で住民自治の支援力、住民自治力を強化するとのことは、あくまで考え方であり、その仕組みをどうするかが大切だと思います。なぜ緩やかな連携なのか、なぜ一つの課にまとめて効率よく進めないのか、なぜ公民館が教育委員会なのか、なぜ地区を単位とするのか、こうしたことはそれぞれ意味があり、歴史や経験から学んでいかなければなりません。長野市の都市内分権断念の評価について、市は以後のデジタル化やICTによる変化を強調されています。しかし、これらについて本市として十分な検証、検討を経ない中でその方向にかじを切るのは、やってみて駄目なら切り替えるということで済まされる施策ではないことだと思います。 そこで、これまでの地域づくりシステムのどこに問題があり、何が課題と考えているのか、これらの庁内での検証はされたのか、住民自治の主体である町会を含む住民とのやり取りをした足跡が見えません。 市長は丁寧に説明していくと発言されましたが、先にやるべきではないでしょうか。改めて権限強化、組織改編などを、内部の意見を聞いただけで市長が判断されるのか。常々重要視されている町会組織を含めた市民等、重層的に意見を聞かないのか伺いたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) お答えいたします。 どこに問題があるのかというご指摘であります。現在の地域づくりセンターの体制、昨日も申し上げましたが、センター長が公民館の館長補佐という変則的な形で併任することは、センター長が様々な責任を持って、住民の皆様と向き合うことに対して、1つ課題であるというふうに考えております。 また、福祉ひろばにセンター長の権限が及ばない。そして健康福祉部の下にある、この福祉ひろばというものが、教育委員会の下にある公民館、そして支所、出張所機能をつかさどる地域づくりセンター長、そうしたことの一体的な住民の皆様の自治支援の取組にも問題を抱えているという認識を私は持っております。 こうしたことを解決をして是正をして、いかにして住民の皆様のための一体的な体制にしていくかが課題であると考えています。 地域づくりセンターは、設置から7年余りが経過いたしました。今のような体制となって、この年月を庁内でも振り返ってきたところでありますが、常日頃から地域住民と接している地域づくりセンター長を通して住民の意見を酌み取るとともに、引き続き、市民から様々なチャネルでご意見を伺っていかなければいけないと思っております。 これらを踏まえて、私なりに検証した結果、一定の見直しが必要だと考えているわけでありますが、いずれにいたしましても、地域づくりセンターに関わる組織の見直しは、段階を踏んで進んでいこうと考えています。その結果を住民の皆様と検証し、議論を重ねながら、さらに理想の姿に近づけてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 センター長の権限の一体化については、また別途議論が必要かなというふうに受け止めました。加えて、芝山議員を含め、これまでのご答弁は、結論ありきで進めるための説明かなというふうに私は受け止め、掘り下げた議論をしていく必要を強く感じました。 アフターコロナ社会に向け、世の中が変化するときだからこそ、松本らしい新たな地域づくりを考えていきたいとともに思っています。 これまでの取組の検証と今後について、庁内組織で整理の上、市民、町会、有識者を加えた外部機関による検討を行った上で進めていただくことを強く要望し、次に、スーパーシティについて。 DX、スーパーシティ構想は手段ですが、本議会での複数議員の質問にあったと同様、その目的、市民に正負の影響等が理解されているのかが重要であることは言うまでもありません。ここでは構想そのものではなく取組姿勢についてお伺いします。 宮之本副市長は、国の特区指定による都市の発展の可能性があるのにチャレンジしない選択は将来に対する責任を問われると発言されたと報道されました。その視点は非常に前向きな姿勢と受け止めているので、全力投球すべきと考えています。 村上内閣府審議官は、申請自治体の熱い熱意と他都市を圧倒する規制緩和のアイデアを国は求めていると自治体に事業提案する事業者向けに説明しています。そういう中で、市民の理解を得られ、他都市を圧倒する規制緩和のアイデアには、何がポイントで何が必要と考え、どのような取組を行おうとしているのかお伺いをいたします。 若林議員に強く答弁されていますが、一歩踏み込んでのお答えを期待いたします。 ○議長(村上幸雄) 宮之本副市長。 ◎副市長(宮之本伸) お答えします。 まず、上條議員の質問に対して直接お答えする前に、この3日間を通じて、私2つのことを明確化しなければいけないというふうに思いました。1つは、言葉の定義です。デジタル化、DX、スーパーシティ、言葉の定義をはっきりしないと議論はやっぱりかみ合わないということを感じました。 私の定義なんですけれども、デジタル化とDXは、私は同じものだと。どういう定義かというと、この広報まつもとの12月号に記載されているように、デジタル化、DXとは、デジタル技術を上手に取り入れることで、従来の発想や慣習を超えて社会を変革するということをDX、デジタル化と呼びたいと思います。 スーパーシティですけれども、スーパーシティは、国家戦略特区の一つの型です。スーパーシティ構想というのは、国家戦略特区スーパーシティ型に採択された場合に実現したい構想のこと、そういうふうに私は定義したいと思います。 もう一点は、ただいまの上條議員の冒頭のご発言にあったように、手段と目的を履き違えないこと、つまりデジタル化、DX、スーパーシティ構想、いずれも単なる手段であって目的ではない。これを自己目的化すると、殺伐とした無味乾燥な東京砂漠のような松本になってしまう。なので、ここはしっかりと我々同じ共通認識で議論することが大切だというふうに3日間を通じて思いました。 それでは、質問に対してお答えしたいと思います。 まず、私どものアイデアのポイントですけれども、まず内閣府のほうからスーパーシティ区域の指定基準に対して7つのことが書かれています。1つ目が複数分野の先端的サービスの提供、おおむね5分野以上を目安、2番目として広範かつ大胆な規制・制度改革の提案と先端的サービス等の事業の実現に向けた地方公共団体、民間事業者等の強いコミットメント、3番、構想全体を企画する者であるアーキテクトの存在、4番、地方公共団体の公募による必要な能力を有する主要な事業者候補の選定、5番、地方公共団体による区域指定応募前の住民等の意向の把握、6番、データ連携基盤の互換性確保及び安全管理基準適合性、7番、住民等の個人情報の適切な取扱い。 昨日の牛丸議員からのご提案、あと本日も若林議員からご提案いただいたように、私も松本の歴史あるいは蓄積といったものを生かした、とがった提案にしていく必要があると思っています。 現在、どのような取組を行っているかということですけれども、11月11日に、ホームページに掲載して、スーパーシティに対するアイデアを公募しました。今日現在、民間事業者20以上の会社からのアイデアをいただいています。現在それを見ながら、私どもの素案を検討しているところです。 先日、大阪府が2分程度の動画をつくって、その中で吉村知事が我々はスーパーシティ勝ち取りに行きますという動画をつくっているわけなんですけれども、ほかのスマートシティに応募して実績のある自治体は余裕がありますよね。私どもは、先ほど若林議員に私がご答弁申し上げたように、そうした実績はございません。そういう状況の中で、どうしたら大逆転できるのかということを、単なる気合ではなくて、民間事業者からいただいたアイデアをもとに、私どもプロジェクトで今考えています。ある程度、具体的になったところで、議員の皆様にもお諮りしたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 副市長からは、DX、スーパーシティ構想に対し、非常に丁寧なご説明ありがとうございました。市民にも分かりやすかったのかなというふうに思います。また、強い気持ちも伝わりました。 松本市は、平成23年度、特区に関係する申請を行った事例があるのはご承知していると思います。国の新成長戦略の21のプロジェクトの1つ、「環境未来都市」構想にエントリーし、残念ながら不採択となった例です。不採択となったことに関し、申請で学んだことは、市民との協働、市民の活動や市民が携わって計画立案された市民の顔が見える提案をすべき、事業の本質を見据えた取組でした。市民への説明だけにとどまらない、市民が参画し、事業者とともにつくり出すスーパーシティ構想には不可欠なものと思います。 また、指摘された事項では、申請における紙面の域をどこまで脱し、実践できるかにかかっているなどでした。過日の総務委員協議会で、取り組む目的に対し、基本構想で定める都市像を目指すためにとの答弁がありましたが、基本構想策定中での申請において、環境未来都市での紙面域をどこまで脱するかとの指摘をどのように受け止め、取り組んでいくのかをお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 宮之本副市長。 ◎副市長(宮之本伸) お答えします。 ただいま上條議員からございました平成23年度に申請した「環境未来都市」構想の不採択の件ですけれども、平成24年2月の定例会で、その総括がされておりますので、該当部分をご紹介します。 「本構想は、結果として選定の対象とはなりませんでした。そこで、松本市としてこの結果を総括するため、年明け早々、選定事務局であります内閣官房へ、私--当時の商工観光部長ですが--直接出向きまして相談をいたしましたところ、担当者から、本市提案の再検討すべき点を幾つか示唆されました。一番反省しなければならない点は、市民との協働、すなわち市民の取り組んでいる活動や市民が携わって計画立案された、市民の顔が見えるような提案をもっとアピールすべきであったと考えております」というふうに書かれております。 この反省点を踏まえて、昨日、牛丸議員からご提案いただきました平成28年松本版PHR報告書、これが一つのヒントになるのではないかというふうに考えています。 また、この平成23年度に不採択になったときは、不採択になった後、その不合格理由を内閣官房に問合せしたわけですけれども、私は申請開始前の11月に、私が霞が関に伺いまして、しかるべき立場の方と1時間以上意見交換をしました。そして今回、申請のポイントについても幾つか伺ってきました。これがその反省点の2つ目でございます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 上條一正議員。 ◆3番(上條一正) 〔登壇〕 環境未来都市構想での反省点についての見解は分かりましたが、私は紙面域を、紙の域をどれだけ脱するかが大事だというその部分についてお聞きしたかったんですが、残念ながらその部分のお答えがなかった。スーパーシティ構想の採択は狭き門と言われていますが、行政の継続の中で過去の事例に学ぶとともに、デジタル化だけにとどまらない今後の施策に反映していただくことをご期待をいたします。 全体を通した意見を最後に申し上げます。 市役所分散化、地域づくりセンターの在り方の変更は、地域づくりシステムを変えることにつながるものです。行政手続にとどまらない、市役所のデジタル化とはどういうことかを改めて整理し伝えていくことが必要です。 政策を進めるための順番を押さえ、慌てることなくじっくり落ち着いて戦略を練ることが、スピードより市民のためになると考えます。 最後に、過日、市民タイムスに掲載された大都市から松本に移り住まわれ、松本が大好きな方のコラムを紹介いたします。「スーパーシティと聞くたびに、便利になることで失われるものもあるのにな、と思ってしまう。日本語で言うと「すごい町」だろうか。松本は私にとって既に「すごい町」だ。不便だからこそ、人と触れ合い、救われることもある。デジタル化が本当に必要なところをしっかり見極めて、進めてほしいと切に願う」 以上質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で上條一正議員の質問は終結いたします。 上條議員は自席へお戻りください。 席替えのため、暫時休憩いたします。                               午後3時1分休憩                             ----------                               午後3時2分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ------------------------------ △日程第2 議案に対する質疑(議案第1号から第59号まで及び第62号) ○議長(村上幸雄) 日程第2 議案第1号から第59号まで及び第62号の以上60件に対する質疑につきましては、通告がありませんので、これを終結いたします。 次に、議案の委員会付託を行います。 議案第1号、第13号から第33号まで、第35号から第59号まで及び第62号並びに請願第7号の以上49件につきましては、一層慎重審議を期するため、お手元にご配付いたしてあります委員会付託案件表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 また、議案第2号から第12号まで及び第34号の以上12件については、中核市移行特別委員会に付託の上、審査を願うことにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(村上幸雄) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 これをもって本日の日程は終了いたしました。 本会議は明10日から16日まで委員会審査のため休会し、17日午前10時に再開いたします。 委員会審査につきましては、お手元にご配付いたしました通知のとおり開催し、審査願うことになっておりますので、ご了承願います。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでございました。                               午後3時4分散会...