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09月15日-03号

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  1. 松本市議会 2020-09-15
    09月15日-03号


    取得元: 松本市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和 2年  9月 定例会---------------------------------------          令和2年松本市議会9月定例会会議録                 第3号---------------------------------------             令和2年9月15日 (火曜日)---------------------------------------               議事日程(第3号)                      令和2年9月15日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問     ------------------------------出席議員(31名)      1番  牛丸仁志          2番  横内裕治      3番  上條一正          5番  内田麻美      6番  塩原孝子          7番  古沢明子      8番  神津ゆかり         9番  土屋眞一     10番  上條敦重         11番  吉村幸代     12番  勝野智行         13番  青木 崇     14番  若林真一         15番  今井ゆうすけ     16番  川久保文良        17番  上條美智子     18番  村上幸雄         19番  上條 温     20番  田口輝子         21番  中島昌子     22番  小林あや         23番  阿部功祐     24番  上條俊道         25番  澤田佐久子     26番  犬飼信雄         27番  犬飼明美     28番  柿澤 潔         29番  芝山 稔     30番  太田更三         31番  近藤晴彦     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        臥雲義尚   副市長       嵯峨宏一  総務部長      伊佐治裕子  政策部長      中野嘉勝  財政部長      高野一司   危機管理部長    板倉 章  地域づくり部長   市川英治   健康福祉部長    樋口 浩  こども部長     青木直美   商工観光部長    小原直樹  病院事業管理者   北野喜良   事務部長      倉科勝美  行政管理課長    小西敏章   総合戦略課長    近藤 潔  財政課長      小口 眞   行政管理課課長補佐兼法制担当係長                             伊東伸次     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      平林 泉   事務局次長     河村知佳  次長補佐兼議会担当係長      主査        中田雅基            住吉真治  主任        上條裕子   主事        小林あゆみ     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第3号をもって進めます。 なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、随時席の入替えを行いますのでご承知願います。 席替えのため、暫時休憩いたします。                                午前10時休憩                             ----------                              午前10時1分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ------------------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(村上幸雄) 日程第1 昨日に引き続き市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、12番 勝野智行議員の質問を行います。勝野議員は質問者待機席へ移動してください。 12番 勝野智行議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 おはようございます。公明党の勝野智行です。会派を代表し、近藤議員と共に私見を交え、件名ごと一括で質問させていただきます。 まず、情報公開について。 この9月1日に松本市健康福祉21市民会議が開催されました。私は、たまたま用務があって市役所に来たところ、議員協議会室で同市民会議が行われようとしておりました。ちょうど同市民会議について知りたいと思っていたときで、傍聴も可能とのことでしたので、そうさせていただきました。 同市民会議が過去どのような審議をしてきたかを市ホームページで確認しようとしましたが、松本市健康福祉21市民会議条例のみの掲載で、会議録は確認することができませんでした。この下部組織に当たる各専門員会についても委員名簿のみであったり、直近の会議録も掲載されていたり、いなかったりと統一されておりませんでした。本市には多くの審議会が置かれておりますので、他の掲載状況はどうかとホームページで各審議会等を確認してみました。ほとんどが同様にまちまちで、本市の情報公開に疑念を持ちましたので、今回質問させていただくことにいたしました。 平成30年2月定例会において、青木 崇議員が、附属機関における原則公開について質問をしております。当時の総務部長からは、原則公開としており、ホームページなどへの掲載などを行ってきたが、事前周知、会議録の公表とも低い状況である。今後は、改めて市ホームページなどへの会議開催の事前掲載を徹底するとともに、可能な限り会議録についても公表を徹底する旨の答弁がありました。 今の状況を見ますと、この答弁どおりにはなっておらず大変残念に思います。昨日の市長の言葉をお借りいたしますと、職員のマンネリ化ということだったのでしょうか。この現状を市としてどうお考えになるのかお伺いいたします。 情報公開で、もう一つお聞きいたします。 松本市障害福祉計画は、現在の第5期計画を含めて、これまでホームページに公開されてきておりません。この第5期松本市障害福祉計画は、児童福祉法に基づいて平成30年度から3年間を第1期として策定することとなった松本市障害児福祉計画、これと一つのものとして策定をされております。両計画は、障害者計画の中の生活支援に向けた障害福祉サービスに関する実施計画として位置づけられているものであります。しかし、議会の承認や議会への報告は、法律上必要ないものとされております。しかしながら、大切な計画物と考えております。策定後でも、この計画の報告が議会にあると、より丁寧な対応だというふうに考えます。この点についてご検討いただけないかお伺いをいたします。 また、もし報告されないにしても、いつでも確認できるようにホームページに掲載すべきと考えますが、ご見解を伺います。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(村上幸雄) 伊佐治総務部長。 ◎総務部長(伊佐治裕子) 審議会等の会議結果の公開の現状に関するご質問にお答えいたします。 議員ご紹介のとおり、平成30年2月定例会の青木 崇議員からのご指摘や平成30年10月には議会運営委員会からの要請を受けまして、昨年4月からホームページでの公開方法の見直しを行いました。ここでは、審議会等の一覧を掲載するとともに、各審議会等の所管課において作成したページへのリンクを貼り、会の設置目的や委員名簿、会議資料、会議録の概要等をご覧いただけるようにいたしました。しかしながら、ご指摘のとおり、現状では審議会等によって掲載されている情報がまちまちであり、115の審議会等のうち、休会している会もございますが、現時点では会議録まで掲載しているのは全体の3分の1に当たる35の審議会等にとどまっております。 これは、担当する職員の意識の差に起因しているものでもありますが、私を含め、これを指導・監督する部課長の認識も足りなかったと言わざるを得ません。この場をお借りしまして、おわびをいたします。誠に申し訳ありませんでした。 本市の附属機関等の設置等に関する要綱では、会議は原則として公開することや会議の開催結果を速やかに作成の上、公表に努めることとしております。今後は、公正で透明性のある市政運営を目指すこの要綱の本来の趣旨にのっとり、審議会等の情報の公開について、改めて全庁を挙げて徹底をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、松本市障害福祉計画に関するご質問にお答えをいたします。 議員からご紹介ありましたが、私のほうからも若干ご説明申し上げます。 障害福祉計画・障害児福祉計画には、松本市障害者計画という上位計画がございまして、その障害者計画は、障害者基本法に基づき健康福祉21市民会議及び市議会へもその都度協議し、策定をしてきております。そして、その上位計画の方針に即しまして、市民会議の専門部会である障害者福祉専門員会及び松本圏域で組織する自立支援協議会から意見を聴取し策定をしたと、そういった経過でございます。その当該計画については、市民、障害福祉サービスを受ける障害児・障害者、サービスを提供する事業者などに広く知っていただく必要のあるものと考えております。 議員からご提案ありましたとおり、市のホームページに掲載するとともに、議会の皆様への情報提供に対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。総務部長から反省の弁が述べられました。審議会等の情報公開について、改めて全庁挙げて徹底するということですので、今後の様子を注視させていただきます。 また、各会議の会議録等は、当然全て作成されていると思いますが、念のためにご確認いただくことを要望しておきます。 松本市障害福祉計画につきましては、前向きなご答弁でしたので了といたします。 以上、情報公開についてを終え、高齢者施設の質問に移ります。 臥雲市長の公約の一つに、施設介護に頼らざるを得ない高齢者が低負担で入居できる場を提供するため、必要数の特別養護老人ホームを整備しますとあります。私もこれまで少ない年金だけで入れる施設がないか相談を受けたことがあり、順番待ちになってしまいます、取りあえず申込みをしておいたらどうでしょうというふうにお話をしてきました。公約どおりに整備が進んだらというふうに念願をするところです。 市長もこうした市民の方のお声に耳を傾けられ、公約の一つに掲げられたと思います。市長のこの公約への思いをお聞かせいただけたらというふうに思います。とともに施設整備実現に向けた取組についてもお聞かせください。 高齢者施策でもう一つ。第7期介護保険事業計画・高齢者福祉計画「安心・いきいきプラン松本」の令和元年度進捗状況報告書及び令和元年度事業報告を見させていただきました。その中で確認させていただきたいことがあります。認知症思いやりサポートチーム、いわゆる認知症初期集中支援チームについてですが、この事業は、認知症も病気と同じく早期発見・早期治療という点でとても重要な取組です。しかしながら状況を見ますと、令和元年度実績は計画を大きく下回っており、危惧するところであります。 令和元年12月定例会で近藤議員が質問されておりますが、改めてこの取組状況と課題、今後に向けての対応策についてお尋ねをいたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 高齢者施設に関します私の公約、またその思いについて申し上げます。 高齢化が急激に進展している中で、市民の様々なニーズに応えるため有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設整備が進んでいます。しかし、これらの施設はかなりの費用がかかり、入居者や家族にとって経済的負担が重くのしかかります。それに比べて低負担で入所できる特別養護老人ホームへは、希望する施設になかなか入ることができないという多くの市民の声をお聞きしています。 松本市における近年の状況を見ますと、在宅で特別養護老人ホームへの入居を待機している人の数、特養待機者は、平成21年度の636人をピークとして徐々には減ってきています。その理由として、広域型特別養護老人ホーム地域密着型特別養護老人ホームの整備が進んだこと、平成27年度に入所要件を要介護3以上に限定するという制度改正があったことなどが挙げられます。そこで、現在の特別養護老人ホームの定員数、これは合計で838人となっていますが、これに対しまして特養待機者は161人、まだまだ特別養護老人ホームへ入所を希望される方々が多い状況であるというのが私の認識です。 こうしたことから、低負担で入所できる特別養護老人ホームの定員数を増やしていく必要があると考えます。実現に向けては、昨年度行われた高齢者等実態調査の結果や松本圏域の調整会議の結果を踏まえ、現在策定中の第8期介護保険事業計画・高齢者福祉計画で特別養護老人ホームの必要定員数を定めてまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、認知症に関するご質問にお答えをいたします。 認知症思いやりサポートチームは、月1回チーム員会議を開催し、おおむね6か月間の集中的支援につなげています。第7期介護保険事業計画・高齢者福祉計画「安心・いきいきプラン松本」の計画最終年度である令和2年度の目標値では、チーム員会議においての対応件数を年間60件としたところでございますが、議員からご指摘のとおり、令和元年度の実績は39件であり、目標値を下回っているところでございます。 その要因の一つとしては、認知症の初期段階は物忘れを感じていても、認知症としての認識が得られにくかったり、家族や周囲の気づきが遅れることなどにより相談につながりづらいため、初期の対応につなげにくいと難しさを感じているところでございます。また、昨年度は2月以降の新型コロナウイルスの流行も対応数が少なかった原因の一つと考えております。 今後も初期対応につなげるため、引き続き認知症サポーター養成講座の中で正しい認知症の理解について周知するとともに、相談窓口を広く市民へ周知してまいります。また、医療関係機関と連携するとともに、認知症地域支援推進員をはじめとする関係職員のスキルアップを図り、より早期に認知症思いやりサポートチームにつなげるよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。臥雲市長から、特別養護老人ホーム整備への思い、また対応策についてお聞かせをいただきました。私の思いと同じでございまして、ご期待を申し上げるところでございます。 さて、整備する上で欠かせないのが、そこで働く人材の確保であります。介護人材の確保については、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 令和元年12月定例会で、塩原議員から介護福祉士等修学資金貸付事業や信州介護人材誘致・定着事業について紹介がありました。今回、私からは大分県宇佐市の取組をご紹介させていただきます。 宇佐市は、奨励金や報奨金を出して介護分野への就職を促す介護職人材確保支援事業を昨年12月からスタートさせました。宇佐市の支援は大きく分けて3種類あります。まず、市内の介護サービス事業所に介護職や看護職、調理員の正規職員として新たに就職した満50歳未満の人に対し就職奨励金を交付。また、介護職員初任者研修資格を取得している場合は初任者資格取得報奨金も。さらに継続して働く人への継続勤務報奨金も設けておりました。 こうした事業を行っている自治体は珍しいということでありますが、本市においても、現在置かれている厳しい介護施設の窮状を救うためにも、また今後の施設整備に向けての人材確保策としても同様のことができないかご見解を伺います。 次に、認知症思いやりサポートチームについて。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛など生活の変化で認知症になった方が増えた、認知症が悪化したとの報道があります。事実、私の知り合いの方で車も運転されていた方ですが、突然認知症になり、新型コロナウイルス対策で外出機会がめっきり減ってしまったためか、自宅のトイレの場所も分からなくなるほど急激に悪化し、施設に入所せざるを得なくなってしまいました。 ご答弁いただいた今後の取組をしっかりと実施していただいて、認知症初期段階の多くの方が早期に思いやりサポートチームにつながるようにお願いをいたします。 さて、認知症の人やその家族を見守るサポーターを養成する認知症サポーター養成講座ですが、企業、事業所や大学にも目を向けて実施され、目標を大幅に超えるサポーターづくりができており、評価するところであります。現在、市内には認知症サポーターが何人おり、認知症サポーターの活躍の場についてはどのようにお考えかお聞きいたします。 こちらも昨年度、近藤議員からチームオレンジの取組状況として質問しており、健康福祉部長からは、既存の取組を生かしたチームオレンジの体制を考えるとご答弁いただいております。この点も踏まえて、お聞かせを願います。 以上で2回目を終わります。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) それでは、まず介護人材に関するご質問からお答えします。 介護の職場は、働きがいがあり、資格や技能を生かせる職場であるものの仕事がきつい、賃金が低いなどの理由から介護人材が定着せず、人材が不足する状況となっております。また、平成30年5月に厚生労働省から発表のあった第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数においては、長野県では2025年、令和7年度ですが、約6,800人が不足すると見込まれ、人材の確保は全国的な喫緊の課題となっております。 このため市では、県が実施している民間活用委託訓練による資格取得援助事業や外国人介護人材受入支援事業などの事業を普及させるための啓発活動のほか、ハローワーク松本と連携した就職相談を支援し、今後の国または県の方針や事業展開を踏まえながら対応してまいります。 人材確保策としてご紹介がありました奨励金につきましては、市単独による奨励金等の一時的な支援ではなく、国・県による継続的な制度や事業をもって解決する問題であると考えております。そのため、国・県に対しましては介護人材確保に向けた施策、必要な財源措置がされるよう求めていきたいと考えております。 続きまして、認知症サポーター養成等に関するご質問についてお答えします。 まず、認知症サポーター養成数は、令和2年8月末現在で延べ2万7,491人となっています。現在の活躍の場は、地域等での見守りや声かけが主となっております。また、サポーターからさらなるスキルアップを目指し、サポーター養成講座の育成を担うキャラバン・メイトになり、認知症カフェの立ち上げやサロンなどに関わる活動にもつながっています。チームオレンジにつきましては、身近な地域で実際に困っている認知症の方をサポーターや地域の様々な資源につなげ、認知症の方本人もメンバーとして加わり、支える仕組みとして国が示しております。 本市では、サポーターとキャラバン・メイトの既存の活動も踏まえ、新たな活動の場とすることを考えております。まずは認知症の方や家族の思いに寄り添い、ニーズを把握する中で、日頃の見守りや傾聴、認知症カフェでの活動や外出支援など認知症の方とともにサポーターやキャラバン・メイトの既存の取組を生かし、サポーターのさらなる活躍の場が広がるよう努めてまいります。 以上です。
    ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。3回目は要望とさせていただきます。 人材確保については、市単独で奨励金等の交付をして人材を確保することは考えておらず、全国的な課題であるので、国や県にその施策、財源を要求していきたいという趣旨だったというふうに受け取りました。それで第8期介護保険事業計画・高齢者福祉計画に特別養護老人ホームの必要定員数を盛り込んでも、というふうに心配になるところであります。 ハローワーク松本管内の介護関係の求人倍率は、この6月現在フルタイムで3.24倍、パートタイムで2.6倍という状況であります。ベッド、居室があっても職員がいないために定員を減らさざるを得ない施設もある状況であります。入りたいけれども入れない、ベッドは空いているのに入所できないということがないように、もっと力を入れて介護人材の養成、確保に当たっていただきたいというふうに要望をしておきます。 認知症サポーターの活躍の場については、既存の取組、活動を生かし、さらなる活動の場が広がるように努めるということでありました。 私から、今回、認知症サポーターにさらに深い知識を身につけてもらい、地域福祉の担い手として活躍できる体制づくりを進めている京都府綾部市の取組をご紹介させていただきます。 認知症サポーターの広がりを背景に、同市社会福祉協議会が認知症サポーターの中から地域福祉の担い手の育成をしております。同協議会は、高齢者福祉への理解を深める1時間程度の講習を受けた人をシルバーサポーターとし、さらに介護福祉士らから援助技術の講義などを受けた人についてはゴールドサポーターとして認定。シルバーサポーターは地域の認知症高齢者の見守りなどに協力、ゴールドサポーターは認知症カフェの運営や高齢者向けの足湯の出前サービスを手伝うなど、自発的な活動を広げているそうであります。 私も認知症サポーター養成講座を受け、オレンジリングを頂きました。サポーターになって何年にもなりますが、スキルアップしたいというふうに思っております。現在いる2万7,000人以上のサポーターの中にも、地域等で手助けをしたいと多くの方が思われていると考えます。本市においても全国の取組を参考にして、今後に生かしていただきたいというふうに思います。 また、若年者も含めた認知症施策の拡充を要望し、2件目の質問を終わります。 続いて、3件目の要援護者の避難所について質問をいたします。 第3次障害者計画を策定する際に、身体、知的、精神障害の各障害者手帳をお持ちの方にアンケート調査を実施しております。その中で、地震や台風などの災害発生時に不安なこととして、避難所での生活が全ての障害種別で45%前後と最も多く、順位の差はあるものの障害のある方や高齢者に配慮した避難場所、衣料品、補装具などの必要な物の入手といった避難所生活に関係する事項が上位を占めております。この対策の施策方向として、障害者計画では、要援護者支援施策の推進など7項目示しております。そこで確認させていただきます。 災害時においては、災害時要援護者支援プランに基づき要援護者の避難援助を推進するとしており、自助、共助、公助が互いに強みを生かしながら要援護者支援を行うことを前提に、災害発生からの時間推移で見る対応の考え方、要援護者の分野ごとの対応の考え方を示した松本市災害時要援護者支援プラン(ガイドライン編)が平成21年9月に策定をされております。以降、これまで改訂されていないように思いますが、新型コロナウイルス感染症対策を含めた見直しもこの機に実施すべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。 また、ガイドライン編策定と同時に、これに基づいた具体的な行動マニュアルを市民、事業所、行政向けに3種予定で作成を進めるとしておりましたが、ホームページでは確認できませんでした。3種既に策定済みなのか、また、いつマニュアル編を策定しているのかお聞きいたします。 さらに、作成時期にもよりますが、こちらの見直しも行う必要があると考えますが、ご見解を伺います。 以上、1回目を終わります。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えいたします。 松本市災害時要援護者支援プラン(ガイドライン編)につきましては、平成21年9月の策定以降、関係する制度等に大きな変更がなかったため見直しなどは行ってきませんでした。しかし、本年度から避難行動要支援者名簿の活用による見守り体制、避難支援体制づくりを進めております。そのことからもガイドラインを見直すこととし、議員ご指摘のように新型コロナウイルス感染症などの予防や対応についてもガイドラインに反映をしていきたいと考えております。 次に、災害時要援護者支援プランマニュアル編の策定につきましては、市民用、福祉事業者用、行政用のマニュアルをいずれも平成22年10月に策定いたしました。その後、行政用マニュアルは平成24年3月に、福祉事業者用マニュアルは平成25年2月に一部改訂をしてきております。これらのマニュアルにつきましてもガイドライン同様、必要箇所につきましては見直しをしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。災害時要援護者支援プランのマニュアル編は3種策定されていて、ガイドライン編とともに見直しを行うとのこと、了といたします。 2回目は、一般避難所での生活が困難な方に対応した福祉避難所を充実させるというふうにしておりましたので、この点に関連してお尋ねいたします。 災害時要援護者支援プランでは、指定避難所から医療機関、医療救護所、介護施設、福祉避難所への振り分け、スクリーニングは市職員の保健師ではなく外部の保健師や専門職の方、以降外部支援者と言います、が行うようになっています。平時から指定避難所担当の外部支援者は決まっているのでしょうか。もし決まっていないとするなら、発災後どのように外部支援者を各避難所に配置されるのかお聞きいたします。 また、福祉避難所として現在70施設と協定いただいております。コロナ禍でも福祉避難所として受入れ可能かどうか、各施設に確認済みでしょうか。また、まだということであれば速やかに調査すべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えいたします。 まず、スクリーニング体制についてお答えをします。指定避難所に配置する外部からの保健師は、あらかじめ定めてはおりません。外部からの保健師の受入れについては、令和2年に策定された松本市災害時受援計画に基づき、被災状況と避難所の受入れ状況により、本市の保健師だけでは対応が困難と判断した場合、長野県を通じて要請をいたします。 マニュアルには、外部からの保健師が主としてスクリーニングを行うとしておりますが、受援体制が整うまでの間、市保健師が応急的な対応を行い、受援による活動時は、地域の実情を熟知する市保健師が外部からの保健師の支援、調整をする立場で活動を行っていきます。 次に、福祉避難所の受入れについてお答えをします。 福祉避難所の開設に当たっては、災害発生時におよその目安として何人程度の避難者の受入れが可能なのかあらかじめ確認をしておりますが、コロナ禍における受入れ可能人数については、現在把握をしておりません。 協定を締結している事業所は、平時は高齢者や障害者の利用施設であり、それぞれの施設で感染予防対策は行っているところではございますが、コロナ禍において、どの程度の人数の受入れが可能なのか把握しておく必要性がございますので、今後確認を行いたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。3回目は要望とさせていただきます。 指定避難所における外部支援者によるスクリーニングについては分かりました。また、福祉避難所についても、受入れ可能か確認するということで了といたします。 いずれにせよ、災害時においても新型コロナウイルス感染予防対策をしっかりと施し、要援護者の方々の不安ができる限り少なくなるように、きめ細かい対策とその周知に努めていただくよう要望いたします。 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で勝野智行議員の質問は終結いたします。勝野議員は自席へお戻りください。 次に、31番 近藤晴彦議員の質問を行います。近藤議員は質問者待機席へ移動してください。 31番 近藤晴彦議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 質問の機会を得ましたので、会派公明党を代表して、勝野智行議員に続き件名ごと一括形式で質問をいたします。 質問の前に若干申し上げますが、現状のコロナ禍にあって医療、介護、福祉の現場で従事されている皆様方のご心労、ご労苦は本当に計り知れないものがあると思います。その取組に対して、心より、まず感謝と御礼を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございます。 それでは質問に入ります。 初めに、行政のICT化・DX、デジタルトランスフォーメーション、以下この件はDXと言わせていただきますけれども、推進ということで伺います。 このDXは、2004年にスウェーデンの大学の教授によって提唱された概念ということで、進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていくということだそうでございます。今は、デジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革すること、また、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものとされています。 1つ例を取り上げますと、フィルムカメラが、あるときデジタルカメラに変わりました。そして写真の現像工程というものがなくなり、オンライン上でデータの送受信をする仕組みとなりました。そして今はといえば、写真そのものが誰でも簡単に、いつでも加工も共有も自由にできるという、この急激な変革があったわけでございます。非常に分かりやすい、アナログ写真からデジタル写真へのこの変化ということが一つの例かなというふうに感じておるところでございます。 私は、これまでも行政の効率化あるいは市民サービスの向上という視点で何度か質問をしてまいりました。ただいま本庁市役所の中では、AI、RPAの導入による議事録の自動翻訳といったことの実施や省力化対象業務の選定等の作業が行われておるということは承知をしておりますが、市役所の全体としての取組という点では、スピード感に欠けると感じております。 私が一番最初に質問したときの内容として、保育所の入園者の最適配置業務というものの自動化といいますか、そのことを全国各地の事例を通して提案を申し上げました。毎年毎年保育課の職員の皆さんが大変な業務量を時間をかけてやっておられることが、ある意味短時間で同様の回答を得られるという、この導入ということを提案したわけですけれども、なかなかこの点も実施がされておりません。最近では塩尻市も始めたというふうに伺っておりまして、少々この点は近隣で例が出てきますと、どうしても寂しく感じてしまいます。 さて、昨今はこのデジタル・オア・ダイ、デジタルか、さもなくば死なんていう、そういう極端な表現も出てまいりましたけれども、世界中で具体的に叫ばれ始めました。そんなことはないという方もまだまだいらっしゃるわけでございますけれども、現実は想像以上に進んでいるといえます。民間企業では、まさにこのデジタル化競争そのものの様相を呈しております。つい先日の報道でも、ある大手電機メーカーですけれども、グループ全社員16万人がデジタル教育を受けるということを決めたという報道もございました。情報をどれだけ多くリアルタイムで収集分析、そして企業の方針決定に生かしていくか、まさに激しい競争が繰り広げられております。 政府も2017年にデジタル・ガバメント推進方針を策定いたしまして、行政サービスをデジタル前提で見直す本格的なデジタル改革を開始しました。地方自治体におきましても、それを受けて、このICT化・DXの推進が進んでいる自治体も出始めております。 幾つか挙げれば、自分たちが使う様々なシステムの内製化ということを実現しております神戸市、あとは来なくて済む、市民の方が行かなくて済むということですけれども、その市役所ということで千葉県市川市、またお隣の高山市などは、おくやみ窓口プロジェクトというものを始めるということで様々な広がりがございます。最近では深谷市のほうでも、市民の方は申請書を一切書かなくても大丈夫という窓口を始めたということも聞いております。ウィズコロナ、アフターコロナを見通すとき、新しい生活様式の具現化のためにも、この行政のICT化・DX推進は可及的速やかに達成すべき最重要な政治課題と考えております。 さて、それでは翻って本市の状況はどうか、平成29年4月に策定された松本市新情報化基本計画が来年度期間終了となりますが、その進捗状況を確認することで、一定の行政のICT化・DXの推進度が把握できるのではないかと思います。それでその状況を確認しようと思ったわけでございますが、この基本計画の中ではこのKPI、目標というものはうたってございません。実施計画に落とし込んで進めるとなっておりますが、実施計画自体でもこの具体的な進捗状況は分からないということになっておりますので、この基本計画の中の具体的な項目が施策として14あるわけですが、そのうちの、ここでは私が重要と考える8項目についてお尋ねをしたいと思います。 市民サービスの向上に関する4項目がございます。窓口サービスの改善、行政手続の電子化、マイナンバーの利活用、市民との情報共有の改善、それから地域情報化の推進に関する3項目、これはICT利活用による地域・社会的課題の解決、新たなICT利活用の研究、コミュニケーション基盤の整備、それからもう1点がICTガバナンスの強化に関する項目としてのICT人材の育成という、以上の8件ですけれども、計画期間が終了する令和3年度の達成目標と現時点での達成見込みということについて答弁をいただきたいと思います。 なお、答弁は、本計画についての最高情報統括責任者が副市長ということになっておりますので、ぜひ副市長のほうから答弁をいただければと思います。 以上、1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨副市長。 ◎副市長(嵯峨宏一) それでは、お尋ねの8項目についてお答えをいたします。 初めに、市民サービスの向上の4項目のうち、まず窓口サービスの改善では、電子収納手段数3件の目標に対し、今後税収納等のキャッシュレス化を進めてまいりますので、来年度には目標どおり達成できる見込みです。 2点目、行政手続の電子化では、電子化手続数25件の目標に対し令和元年度時点で85件の電子手続化を実現し、目標を達成しております。 3点目、マイナンバーの利活用では、コンビニ交付対応ができる証明書の種類6件とする目標を昨年度までに達成しております。 4点目、市民との情報共有の改善では、スマートフォンアプリの導入数7件の目標に対し、こちらも昨年度までに7件と、目標を達成しました。 次に、地域情報化の推進の3項目について申し上げます。 1点目、ICT利活用による地域・社会的課題の解決では、テレワークを利用できる職員数500名を目標ということでありますが、現時点で340名の職員が在宅勤務できるICT環境を整えています。今後も拡充を検討しておりますので、目標は達成できるものと考えております。 2点目、新たなICT利活用の研究では、こちらは特に数値目標を掲げておらず、AIの利活用を研究し試行するといった定性的な目標を掲げています。取組状況を申し上げますと、先ほどご紹介ありましたAI議事録システムを本格稼働させているほか、行政への問合わせをAIが自動応答するAIチャットボットの実証実験を進めています。 3点目、コミュニケーション基盤の整備につきましても、新たな地域コミュニケーションを研究するといった定性的な目標を掲げております。こちらは、現在のところ具体的な取組に至っておりません。この中身でいえばオンラインでの配布物などを想定しております。 最後8点目でありますが、ICTガバナンスの強化の項目では、年間の庁内ICT利活用研修受講者数50名の目標に対し、業務のオートメーション化を実現するRPAツールの活用研修に平成30年度が11名、昨年度、令和元年度は8名の参加という状況でございます。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 それぞれ施策の達成状況に関して答弁いただきました。窓口サービスの電子化等について、比較的ある意味可能なところはどんどん進めてきたのかなという感想を持っておりますので、その点については、一定の評価をいたしたいというふうに思います。 私といたしましては、全体的な、市役所全体としての将来を見通しての対応というか、そういったことへの取組については、若干進んでいないのかなという感触を持ちました。 それでは庁内全体としてどうして進んでいかないのかなということについてなんでございますが、先ほどご紹介申し上げました幾つかの市の内容等を調査とか聞き取りを若干する中で共通している点がありました。それは、1つには全庁に対してのICT化・DXを進めるための達成ビジョンというものを強力に発信をしています。それから2つ目、このICT化・DX推進のためのプロジェクト組織をしっかりと設置をしている。それから、これはちょっと特殊かもしれませんが、3つ目としては様々なシステム開発を今までよりも迅速に、ある意味簡単にできる、そういったローコード開発ツールというものがあるようですけれども、それを使って推進をしているという3点がありました。 どれも現在本市にはないのかなと私は感じておりますけれども、理事者として、このICT化、DXの全庁的な推進が進まないことの理由はどのように考えておられるのか、そのことをお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨副市長。 ◎副市長(嵯峨宏一) お答えをいたします。 そもそも市政運営の柱に据える政策、主要な政策でありますが、自治体ごと、またそれぞれの市長のお考えで異なるものと考えております。松本市におきましては、これまで菅谷前市長の下で、健康寿命の延伸を旗印に健康を軸に据え市政運営を進めてまいりました。議員ご紹介の都市のほか福岡市、千葉市、渋谷区などの先進都市においてはICT化に軸足を置いていた、この差が出ているものと考えております。 このことを前提としつつ松本市でICT化が大きく進んでいない理由でございますが、情報化計画は立案していたものの、先進都市のような全庁共通のビジョンとしての認識ができていなかった点は反省すべき点と感じております。さらに、推進組織の体制が全庁を先導するには不十分で、私をはじめ職員全体としてもICTを政策に生かそうとするデジタルリテラシーが足りなかったことも一因と考えております。 一方で、松本市におけるこれまでの情報政策部門の主たる命題は、行政事務のOA化、そして業務システムの最適化やセキュリティー対策を含めた安定した業務システム運用でありました。これにより、昨今のテレワーク環境が大規模な投資をせずに構築できたという側面もございます。一言で申し上げれば、力を入れてきた方向性の違いもあるというふうに捉えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 ICT化・DXが進まない理由ということで、大きくは、最も進めるべき政策という意味での違いということもおっしゃられておりました。また職員全員のリテラシーということも課題として挙げておられたということかと思います。 ある意味、それは首長としての考え方の下に職員が動かれているということで、一面は理解できるところでございますが、私はやはりもう一つ大切な視点ということで、今、副市長も触れられておりましたけれども、ICT化・DXを推進するのは自分ではないんではないかという、いわゆる他人事の意識から抜け出せないということが基本的な根っこではないかなというふうに感じております。 専門家の方が言っておられましたけれども、強く心に残っているんですが、いわくDXの本質というのはテクノロジーのそこだけを追求していってはだめなんだと、DXの本質は組織そのもののアップデート、これが大事なんだということを言っておられました。最終的には技術を生かす人、組織の改革に帰着するということでございまして、心に落ちる言葉でありました。 3回目でございますが、ここはちょっと市長にお聞きしたいと思います。私は先ほどの答弁等も踏まえて、この人と組織の強化が必須と考え、今回は市長の見解を求める質問を準備しておったわけでございますけれども、記者会見で市長が発言をされて概要を公表されましたので、ちょっとここでは、そこから一重立ち入らざるを得ないという質問になったわけでございますが、よろしくお願いしたいと思います。 新たに市長が提案される予定という人事の案の副市長が、その専門家として高いスキルをお持ちの方ということでございますけれども、これは私だけではないと思いますが、1人だけで進めることは絶対にできません、不可能と考えます。そこで、一つは引き続き戦略的な職員採用、専門スキルのある職員採用、これが必要と考えますが、この点をまずお聞きしたいと思います。 それから2つ目ですけれども、市長が発表された総合戦略局の組織規模はどの程度なのか、また、そのありようというようなこともお話しいただけるのであれば、そのことについても答弁いただきたいというふうに思います。 市長の目指す今回のDXにつきましては、組織改革の在り方の分類というのがありまして、そこから見ますと、全組織横断的改革という分類に入ります。全事業に横断的に劇的な変化をもたらすということが目的だと思いますので、最も難易度が高い取組ということで分類されます。スピード感を持って進めていくということは、私も、そこは本当にやっていただきたいわけでございますけれども、これだけの変革を総合戦略局が単独的に進めることは極めて困難というふうにも思います。強引に進めれば、全庁職員の士気は上がりません。最悪の場合、失敗に終わるということも十分想定されます。 そういう意味で、全庁職員の意識の共有化いわゆるそれぞれの皆さんが自分事への意識改革を促すための仕組みづくり、これなくしてDXの成功はなしというふうに申し上げておきたいと思います。 そして、最後に市長に質問ですけれども、市長が思い描くこのICT化・DXが進んだ市役所の姿、まちの姿、市民生活の姿についてお聞かせいただければと思います。 ベインアンドカンパニーという世界的な調査会社が1,000社に上るグローバル企業を調査したそうであります。そして、そこの調査レポートが公表されていまして、ちょっと中を拝見いたしますと、このDXの推進を試みたが、期待の成果、また期待以上に成果が上げられたところは、グローバル企業でも5%だそうです。それだけ難しい課題に立ち向かうということを決断されたわけでございます。 私は大変非力ではありますが、このDXの成功を望む者の一人でございます。理事者の皆さんと協力しながら進んでいきたいと思っておりますので、市長には、もう少し丁寧な情報共有の在り方ということへの営みを強く求めておきたいというふうに思います。 以上、3回目の質問とさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) DXの推進に関します3点の質問についてお答えいたします。 1点目の職員の戦略的な採用につきましては、多様な採用方法により、高い専門性を有する人材を積極的に確保する必要があるというふうに考えます。これは、通常の公務員としての職員の正規採用に当たって、このDXに対します理解、知識、そうしたものの深い人材を採用するということはもちろんでありますが、やはりこれは民間で経験を積んだ、そして短期の任用であっても、この分野については精通しているという人材を、これまた併せて積極的に採用していく必要があるというふうに考えております。そして同時に、先ほど近藤議員からもご指摘ありましたが、現在、既に市役所で働いている全ての職員について、これが日常的で、そして不断な研修、スキルアップということをぜひ、どのように日常の仕事と並行しながら、しっかりと取り組めるかということについて研究を進めてまいりたいというふうに思っております。それが組織そのもののアップデートという、近藤議員もご指摘になったDXの推進には欠かせないことに取り組むためには不可欠であると考えております。 2点目のDXを担う組織についてであります。先ほどもご紹介いただきましたように、総合戦略局という市役所の縦割りの組織に横ぐしを刺す、いわば中2階の組織を考えております。そしてその中に、仮称ではありますが、DX推進本部というものを設置したいというふうに考えております。この規模につきましては、現在12人の情報政策課ICT推進担当、この要員を相当程度拡充する体制にすることを想定しております。そして、この職員グループが、いわばダイナモの役割を果たしながら、それぞれの部、課においてもこのDXに関わる、担当する職員の配置をして、これが全庁的に日々の業務や、また部内研修といったものにつながっていく、そうした重層的な体制づくりというものが必要であるというふうに考えております。 3点目の私が思い描くICT化・DXが進んだ姿のお尋ねであります。まず、市役所の姿でありますが、35地区の地域拠点を基本として分散型の市役所を構築すること、それは市民の身近な公共施設で、あらゆる行政サービスを提供できるようにすること、そして究極的には市民が市役所へ足を運ばなくても、そうした地域拠点にすら足を運ばなくても自宅から行政手続が完結する100%デジタルの行政、市役所を想定しております。 次に、まちの姿でありますが、AIなどによって高度にコントロールされた地産地消の再生可能エネルギー、そのエネルギーをもとに動く自動運転車、それに必要なときに誰もが利用できる公共交通が機能をして、子供からお年寄りまで交通弱者がいない、交通渋滞がないまちの姿が理想であると考えております。さらに、市役所の機能を分散して、大災害でも自律した対応ができる災害に強いまちというものも目指す姿であります。 もう一つ市民生活の姿という点に関しましては、全ての市民がデジタルデバイスを高度に使いこなしている姿、子供たちが一人一人の個性に合わせ学びを深めている姿、体の不自由さや高齢であることで行動が制約される方も、デジタル技術を駆使した医療や介護のサービスを通じて社会とのつながりを保って安心して暮らしていける姿、そうした市民の姿を想定しております。 近藤議員からご指摘がありましたように、まだまだ極めて高いハードルがある難しい課題に挑戦をしてまいりたい、そう考えております。それに当たっては議会の皆様、市民の皆様としっかり、どのようなことが課題であって、そして最終的にどのような社会を目指していくのかという大きな合意の下に進めてまいりたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 市長から答弁いただきました。個々の中身については、またそれぞれの機会に議論をしてまいりたいと思いますけれども、DX自体を何としても成功させたいという思いで進んでいきたいと思っています。 それでは、2件目の質問に移りますけれども、災害時の情報活用について伺います。1件目の質問のこの行政のICT化・DX推進からちょっと抜き出したような質問もございますが、よろしくお願いいたします。 まず、情報提供と共有ということで2点伺います。 1点目のアとして、地域中心者への情報提供と地域内での情報共有についてお聞きします。 災害初動時は、やはり基本的には自助、共助が中心です。対応していかざるを得ません。町会長、防災部長等をはじめとした地域の中心者への迅速かつ確実な情報提供、そして地域内関係者の情報共有が重要であります。現在のこの情報提供方法についての検証といいますか状況等、反省等もあればですが、そういったことを含めて情報共有の実態をどう捉えているのか、また、今後の対策ということについてお尋ねをいたします。 情報提供と共有について2点目、イですが、同報系防災行政無線の屋外拡声子局、屋外スピーカー、これが聞こえないという話は依然として絶え間なく届いてまいりますけれども、本市としては、その他あらゆる手段を通しての情報入手に努めてほしいと継続的に訴えております。松本安心ネットやヤフー防災情報の登録など、スマートフォン、インターネットを使っている方には一定程度の理解が進んでいると思いますけれども、全体としては、まだ不十分かなと感じております。特にご高齢の方や障害をお持ちの方等の情報弱者といわれる方々への丁寧な対応ということが求められます。情報再確認のテレフォンサービス、登録制の松本市災害電話サービスは、そのことへの対応として評価をいたしております。 同報系防災無線の戸別受信機の設置に関しては、我が会派の上條美智子議員を含め、本会議場ではちょっと数えたわけではないですが、平成13年より本当に多くの議員方、先輩、同僚議員がその導入を求めてきた経過があります。これまでは一貫して導入経費が多額になるということで厳しい答弁でありました。また、戸別受信機とは違いますが、防災ラジオにつきましても、平成20年6月定例会が初めでございましたが、以降同様に多くの議員が質問いたしておりますけれども、現在まで進めるというような答弁は得られておりません。委員会でも様々議論がされておりました。 現状はといえば、電波法の改正により2022年11月末をもって防災行政無線戸別受信機が使用できなくなるということで、四賀地区では中島昌子議員の昨年の12月定例会の質問に対しましては、ケーブルテレビ回線を使用した音声告知端末を導入するとの答弁がございました。安曇地区や奈川地区も同様と聞いております。 少し古い調査ですが、総務省が平成28年11月に全国のコミュニティー放送事業者303者に対して実施した自動起動ラジオいわゆる防災ラジオ、以下防災ラジオと申し上げますが、この導入状況調査によりますと、269者が自治体との災害協定を締結し、90者が防災ラジオを導入しております。総務省はこの調査を受けまして、防災ラジオは自治体の既存の災害情報伝達システムを補完するものとして有用であるということから、コミュニティー放送事業者と自治体との連携を一層促進し、防災ラジオの普及を図ることを目的に情報難民ゼロプロジェクトアクションプランを策定しております。 そこで質問ですけれども、臥雲市長のマニフェスト2020の中身ですが、防災の項目に「すべての市民がスマホやFMラジオで防災情報を受信できるシステムを構築します」とございます。まさに国の方針と合致しているなと思ったわけですけれども、インターネット環境のない方、スマートフォンを持たない方はまだまだいらっしゃいます。そういう方々への防災ラジオは必要であります。過去の議論の中で本当に難しい課題もあろうかと思いますが、改めてこの防災ラジオの導入ということについて、市長の答弁をお願いいたします。 次に、情報収集と共有について伺います。 災害現場や避難所の状況を迅速かつ正確に収集し、災害対策本部関係者で共有することは、様々な判断を的確に行う上で極めて重要であります。本年1月24日に14回目となる図上防災訓練CPXが行われました。本市が主催となり、自衛隊や県、警察や建設業界、消防等、様々な関係機関が一堂に会し実施されておるわけでございます。実施状況は、過去1回目からそれほど大きく変化をしていないというふうに思います。情報収集は、電話やメール等を中心に行われまして、情報把握は、各機関が設置してあるホワイトボードや大きな紙の地図への書き込みという作業で行われます。現場では様々な情報があるんですけれども、それを集中的に一元管理できるような仕組みにはなっていません。 現時点ではやむを得ないのかなというふうに思うわけですけれども。そこで質問ですが、現在のこの情報収集と共有の在り方についての課題、問題点をどのように認識しておられますか、伺います。 以上、2件目の1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 防災情報を全ての市民が受信できるシステムの構築についてお答えします。 議員ご質問の防災ラジオの導入についてでありますが、平成30年度から令和元年度に市役所内で具体的に研究を進めた経過があります。今回、この経過について私自身も確認をさせていただきました。 この中では現在のコミュニティーFM局、FMまつもとではカバーできないエリアがあること、そして市とFM局の設備改修におよそ1,000万円、そして年間維持に毎年およそ2,000万円と経費が多額となることが判明いたしました。そうしたことから導入を見送ってまいりました。私自身も今回こうした経緯を確認した上で、このラジオの導入ということについては、費用対効果の面から現実的ではないというふうに考えております。 そうした中で、どのようなシステムの構築に向かうのかという点に関しましては、やはりこのDXの推進、デジタル化ということの観点に立ちまして、今後目指す防災情報システムは、市民一人一人がそれぞれ求めている防災情報をスマートフォンなどのデジタルデバイスを通じて自動的に受信できるプッシュ型のシステム、これを実現に向けて環境整備を急ぐということが私の基本的な考えでございます。 当面は、先ほどもご紹介ありました同報系防災行政無線、この屋外スピーカーが聞こえにくい状況でありまして、こちらは、いわば緊急事態をお知らせするサイレンの機能として生かしながら、詳細な情報はスマートフォンや携帯電話への電子メール配信、松本安心ネットをできる限り大勢の市民の皆さんに利用していただくように普及啓発を進めてまいります。また、常時インターネットを利用できない方には、災害電話サービスでお知らせすることによって、全ての市民の皆様に情報が行き渡るよう対応してまいります。 いずれにいたしましても、防災情報を全ての市民が受信できるシステムの構築は、このデジタル化の取組の中で重要政策の一つと位置づけて、積極的に取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 市川地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(市川英治) 地域中心者への情報提供と情報共有に関する質問にお答えします。 これまで災害時には、地域づくりセンター長から地区内の町会長へ個別に電話により避難所開設情報などの情報を伝達し、連絡を受けた町会長から副町会長や防災部長などの町会役員へ情報が伝達するといった仕組みとなっていました。また、町会長と協力して避難行動要支援者などへの避難支援を行う民生委員・児童委員へは、福祉計画課から個々に電話連絡をする仕組みでした。このような方法では情報伝達が完了するのに時間を要し、口頭による伝達のため正確に情報が伝わらない可能性もあり、より迅速で正確な情報提供を図っていくことが課題となっていました。 そのため今月から町会長、町会役員及び民生委員・児童委員に対し、避難所開設準備情報などを一斉にメールで送信する仕組みを取り入れました。これは、既に市職員の情報伝達で活用しているメールシステムを利用したもので、登録いただいた町会役員の皆様へは地域づくり課から、民生委員・児童委員へは福祉計画課から一斉メールを送信するものです。また、地区内限定の情報については、地域づくりセンター長から地区内町会役員へ送信することもできます。 早速、9月1日時点で登録された町会長、町会役員164人と民生委員・児童委員252人にテストメールを配信しました。現在の登録者数は、町会長、町会役員が全487町会のうち200町会の270人、民生委員・児童委員は540人のうちの311人となっております。今後、趣旨を理解いただきながら、さらに登録の促進を図っていきたいと考えています。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 板倉危機管理部長。 ◎危機管理部長(板倉章) 災害時の情報収集の課題についてお答えをいたします。 議員からは図上防災訓練の状況のご紹介がありましたが、初めに、実際の災害時の情報収集の現状を申し上げます。 被害情報をはじめ様々な情報は、危機管理部を中心として組織をいたします指揮本部が各部局や地域づくりセンターなどから電話やメールで随時報告を受け、その情報を地図やホワイトボードなどにまとめて整理し、災害対応を行っております。 情報の共有につきましては、庁内情報システムを利用し、職員間でリアルタイムに情報共有を行える体制をとっております。また、全体の情報共有は災害対策本部員会議を通じて行っています。警察や消防など他の防災関係機関からも電話やファクスなどにより随時情報の提供をいただいており、状況に応じて指揮本部へ連絡員を派遣していただき、情報共有に努めているところでございます。 このような現状を踏まえる中での課題でございますが、様々な災害情報を一元化し、全体の状況を把握するための防災関係機関との情報共有に時間を要することが挙げられます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 災害情報提供と共有についてご答弁いただきました。町会長関係の中身についても答弁いただきました。この点について私ちょっとお声を、町会の現場からいただいてございまして、登録が町会長だけでいいのかどうかということ、それから町会ごとにかなりばらつきもあったりするということで、そういった意味で、初動時に避難所の開設等を隣接町会で協力して行っていくということもございますが、その際、情報提供範囲がばらばらのままですと、そこの温度差というか支障が発生するのではないかなということも言われました。そういった意味では、ある一定程度の登録範囲というものを定めて、ガイドライン的なものを提示するということができないかなということを思います。 また、現在複数の町会で運用開始または準備中のそれぞれの地域内メールというものを回しておられるところも出始めました。そういったものが全町会に導入できるような何か支援ということもできないかということを考えるわけでございますが、こういった点についての理事者の見解をお聞きしたいというふうに思います。 次に、防災ラジオの導入について市長から答弁いただきました。公約に挙げた時点では、そこまでの調査が進んでいなかったということかなというふうにも思いますけれども、全ての方を置き去りにしないという中で、このプッシュ型の通知といっても、スマートフォンは生涯持たないという人もどうしても出てきますので、災害の電話サービス、ファクスサービス等を申請がないとなかなか受付できませんけれども、そういった点ではどの方が情報弱者なのか探し出すというところまで、ある意味やっていく必要があるのかなということを感じた次第でございますので、そういったことの取組をお願いいたします。 それから、情報収集と共有の在り方について課題もいただきました。情報の一元化ということ、全体状況の把握や他関係機関との共有ということで時間を要するというお話でございました。私は、この情報の一元化と分析、また判断とか指示決定までは、プロセスに時間があまりかかってはいけないなと、できるだけ早く的確な判断が必要だなと、タイムロスを極力少なくする必要があるというふうに考えます。1分1秒で生死が分かれるというケースもございますので、そういったことを考えます。 そこで、今内閣府のほうで戦略的イノベーション創造プログラムということで開発をされたシステムがございます。基盤的防災情報流通ネットワークというものでございまして、既に過去の大きな災害でも運用実績がございました。2018年の大阪府北部地震や中国地方を襲った平成30年7月の豪雨災害、いずれも2018年ですけれども、北海道胆振東部地震、この際にこのシステムが現場で稼働いたしまして、的確な情報共有・収集が進み、いろいろと対策が進んだというふうに伺っております。その意味で、私は今申し上げましたシステムが松本市でも利活用できるように受入れのためのシステム整備とか、そういった体制整備ということを、またこれは研究も検討もしてほしいと思います。 今回は、このシステムの導入ということについての見解を伺っておきたいというふうに思います。 以上2回目の質問とします。 ○議長(村上幸雄) 市川地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(市川英治) 地域中心者への情報提供と情報共有に関する2回目の質問にお答えします。 初めに、情報提供の範囲について定めたガイドラインについてです。避難所運営や住民への避難誘導の声かけに携わる町会役員の範囲が、町会の規模などによって町会長対応であったり、隣組長まで分担されていたりと個々に事情が異なります。そのため市がガイドラインで一律に登録範囲をお示しするのではなく、個々の事情に合わせて必要な範囲での登録をお願いしております。登録範囲について悩んでいる町会もあるというお話をいただきましたので、今後、登録範囲や運用について、地域づくりセンターで丁寧に相談に応じていきます。また、町会での登録範囲をどこまでとしているかといった事例の情報提供もしてまいります。 次に、地域内メールシステム導入についてお答えします。災害時だけでなく、地域内での情報共有の手段としてメールシステムやLINEといったSNSの活用は大変有効と考えますので、まずは町会内での情報共有について先進的に取り組んでいる事例を把握するとともに、市としてどのような支援ができるか検討していきます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 板倉危機管理部長。 ◎危機管理部長(板倉章) 基盤的防災情報流通ネットワークにつきましてお答えいたします。 災害発生時に救助や支援活動などを効率よく的確に行うためには、庁内、関係機関において情報共有することが大変重要なことというふうに認識しております。議員ご紹介の基盤的防災情報流通ネットワークは、大規模災害時に内閣府や国の国立研究開発法人防災科学技術研究所で構成する災害時情報集約支援チーム、ISUTというそうですが、被災都道府県の災害対策本部に派遣され、ご紹介のシステムを活用して様々な情報を電子地図上に一元化し、関係機関に情報提供する仕組みと伺っております。 実例をご紹介いただきましたが、昨年の令和元年東日本台風においても県内で活用の実例がございまして、被災市に伺いましたところ、災害時の混乱した状況において効率的に情報が集約され示され、応急対策に当たる上で有用であったとのことでございます。こうしたシステムは大変有効なものと考えます。 しかしながら、現状では市町村単位で個別に導入することは想定されていないとのことで、今後は災害時にその支援チームがこのシステムを速やかに運用できるよう国や県と連携を図りながら、市として必要な取組を検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。ガイドラインは示さないけれども、相談に乗っていくということでございますので、どうか丁寧に対応いただければと思います。 それから、地域内メールの導入への支援ということも検討ということでございますので、どうかしっかりと検討も進めていただければと思います。 それから、ただいまの基盤的防災情報流通ネットワークにつきましては、単独での導入ということは想定されておりませんが、広域災害にどうしてもなってくることが想定されまして、その際はどうしても、この松本市がその対策本部としての位置づけになろうかと思いますので、どうか十分な準備ということを進めていただければと思います。 以上で2件目を終わります。 3件目、松本市立病院の経営についてでございます。 コロナ禍の経営ということで、冒頭申し上げましたが、第2種感染症指定医療機関ということで日夜、この新型コロナウイルスと闘いながらということで、本当に改めて感謝を申し上げる次第でございます。 9月1日付の地元新聞に北野病院事業管理者のインタビュー記事が掲載されました。そこでは、新型コロナウイルス感染者の受入れもしながら通常診療も行っているとしまして、7月の実績としては、赤字幅を1,000万円に抑えることができたということがございました。全国の病院を取り巻く厳しい経営状況の報道、各種医療団体が示している統計データからすると、松本市立病院というのは1,000万円の赤字で済んだのかなという、何か変な感触も持ったわけでございますけれども、そこで、この7月の経営実績について赤字幅を1,000万円に抑えることができたこの状況についてお聞かせください。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) 近藤議員のご質問にお答えいたします。 7月に赤字幅を1,000万円に抑えることができた要因についてです。5月に陽性の入院患者さんがゼロとなり、6月から内視鏡検査、手術、リハビリテーション、健診、救急車の受入れについて、通常診療体制に戻しました。また、6月12日には院内での遺伝子検査が、RT-PCR検査とLAMP法ですけれども、できるようになり、短時間での検査体制が整いました。これらの結果、徐々に患者さんの数が増え始め、7月16日には166人の入院患者さんとなりました。この入院患者数は、ほぼ黒字となる目安で、特に整形外科の患者さんが増えました。一方で、7月15日に松本エリアで第2波の患者さんが発生し、同月の26日までに6人を受入れ、7月後半は、入院患者数は減少に転じました。現在は、9月の平均で125人となっています。その結果、7月は単月での黒字化は達成できませんでしたが、赤字幅を約1,000万円に抑えることができました。9月10日現在、7月以降23名の新型コロナウイルス感染者の患者を受け入れていますが、うち4名は松本圏域外の患者さんです。 新型コロナウイルス感染症により、当院の経営状況は他の医療機関と同様に大変苦しい状況であり、4月から7月までの累計で前年同期比で入院患者数は22.7%、外来患者数は17.7%減少し、4か月で1億9,700万円の赤字となっています。引き続き院内感染対策を徹底し、陽性患者さんの受入れと一般診療の両立を図り、経営の健全化を目指していきたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 松本市立病院の経営状況について答弁いただきました。7月単独では何とかということが分かりました。全体としては、やはり相当数、陽性患者の受入れが始まるとどうしても減ってしまうという、これはやむを得ないことかと思いますが、改めて本当に大変な中での取組ということでお聞きをいたしました。 2回目は、これはちょっと確認という意味にもなってまいりますが、厚生労働省は、コロナ禍における感染症指定医療機関の経営の安定ということを目的に重点医療機関の指定ということを申しておりまして、病床確保料が3倍に、空床でも1日当たり3倍に上がりますので、経営上は非常に、この指定ということは重要なファクターとなってまいります。一般病床でいきますと、私が聞いた中では1万6,000円の確保料が5万2,000円から5万3,000円へ上がるということで、空床で空けておく確保料ですので、それだけ経営にとってはプラスに働きます。 この重点医療機関の指定というのは、ただこれ厚生労働省の基準だけをぱっと見ますと、松本市立病院にとってはとても厳しいハードルのような気が私はします。完全に対策チームというか、診療チームを別立てにしなければといけないとか、病棟も分けて、しっかりやりなさいというようなことが、書面だけ見ていますととてもきついと思うんですけれども、この重点医療機関の指定ということについて、今なっているのかどうかということの状況についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) 重点医療機関の指定についてお答えいたします。 8月25日に長野県による新型コロナウイルス感染症患者などを受け入れるための病床確保に関するヒアリングを受けました。重点医療機関の指定については、そのヒアリングの結果を踏まえ判断されるものと聞いております。議員のおっしゃるとおり、重点医療機関に指定されるか否かは、当院の安定経営に向けて非常に重要な事項と捉え、注視しています。 先ほど議員がおっしゃいましたように、重点医療機関に指定された場合には空床当たり4万7,000円ほどの補填が見込まれ、指定されない場合には1万6,000円となります。 以上、お答えいたします。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 ご答弁いただきましたが、もう1個質問がありましたので3回目の中で答弁いただければと思いますけれども、これから冬季のインフルエンザとのダブルでの対策という意味の中では、非常により丁寧といいますか、十分な対応が求められまして、環境整備ということでは、またこれへの費用負担ということになっていくんだろうなというふうに思うわけですけれども、この季節性のインフルエンザへの対応ということが経営に与える影響と、それからまた、市立病院として国へ求めていくような支援策ということについて、こういったことがというようなことがあればお伺いしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 北野病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(北野喜良) インフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同時に流行すると、診断が難しくなるだけではなく、同時感染の場合には重症化する可能性も高くなり、要注意と考えられます。インフルエンザは軽症のことが多いわけですが、通常は入院適用になりません。しかし、インフルエンザ肺炎を合併した場合あるいは心不全など基礎疾患がある場合や高齢者の場合は入院して治療に当たることもあり、新型コロナウイルス感染者と感染管理区域を分けて対応することとなります。そうした状況では、インフルエンザ感染患者用にもベッドを用意するため、一般診療を大幅に制限せざるを得なくなるため病院経営に与える影響は多大となると予測されます。 国に求める支援策についてですが、令和2年9月4日付で厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から都道府県に対し、次のインフルエンザ流行に備えた体制整備についての通知がされており、基本的には、今後示される長野県の対応を見ながら必要な支援を求めていきたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 一応3回になりましたので。近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 3回目、申し訳なかったです。2回目で質問すべきところ、ありがとうございました。 国へ対しては県からまた出たらということでございますが、しっかりとまたそういったことも踏まえて要望すべきところは要望していくと、そういったお手伝いもできればしていきたいということも申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で近藤晴彦議員の質問は終結いたします。近藤議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。再開は13時といたします。                             午前11時38分休憩                             ----------                                 午後1時再開 ○副議長(阿部功祐) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 27番 犬飼明美議員の質問を行います。犬飼明美議員は質問者待機席へ移動してください。 27番 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 発言の機会をいただきました。日本共産党松本市議団を代表して質問をさせていただきます。件名ごと一括で行いますので、よろしくお願いします。 まず、新型コロナウイルスの感染症対策についてです。 多くの専門家が現在の感染急拡大は、日本の場合、少し落ち着いてきているのかと思いますが、全国に幾つかある感染震源地から他の地域へ感染が広がる中で起こっていることと指摘をしています。この秋冬の感染の広がりも懸念されています。感染震源地を明確にし、検査能力を集中させる対策が必要です。 アメリカニューヨークでは、3、4月の感染拡大で医療崩壊が起こりまして多くの死者が出たことを受け、検査数を大幅に増やす方針を決定しました。全市民が経済負担なく検査を受けられる体制にしまして、その後、陽性判定者が激減をしています。徹底的な検査で感染を抑え込めることが証明され、また経済活動との両立も図れるということが大きな特徴です。 PCR検査はウイルス発見の最も確立された検査法です。無症状の感染者を見つけ出して、保護、隔離するための防疫目的で行う必要があります。感染しているのに陰性と判断される擬陽性が3割とも言われますが、そうした心配に捉われず積極的に検査を広げ、感染者を早期発見することが今重要です。さらに、検査で陽性が明らかとなった方の状況の把握や管理を行う保健所は、歴史的には整理統合されてきましたが、今後は箇所数も職員体制なども抜本的に増やしていく方向が求められます。 まず、社会的検査に積極的に取り組むことについて質問します。 日本では、厚生労働省が8月7日に事務連絡を出しまして、感染が発生した店舗に限らず地域の関係者を幅広く検査する方針を打ち出しました。厚生労働省のQ&Aによりますと、PCR検査や抗原検査は、医師が患者の診断のために必要と判断して行った場合は、症状の有無にかかわらず保険適用となります。また、唾液検査の促進や自治体の判断により地域の関係者を幅広く検査することが可能であるため、積極的に検査を検討してほしいこと、医療施設、高齢者施設等、勤務する方など施設内の感染拡大防止のために幅広く行政検査を実施することが可能で、適切に実施するようにという内容が明記されています。また8月28日、この冬に備えた政府対策を公表しまして、検査体制を1日20万件に増やすなど、方針が出されたことは一歩前進だと思いますけれども、まだまだ面的にとは言えない消極的な方針だと思います。 東京都世田谷区では、感染拡大防止のため幅広い住民へ検査を行っていく方針です。区長は、これ以上保健所を疲弊させてはならないということで、別ルートで検査ができるように、例えば自動計測機を購入するとか、さらに医療機関、介護施設、障害者の施設、保育園の職員などの社会的検査を行い、さらに拡大をするとしています。区長は、新宿区に次ぐ多い現状を抱える中で、症状の有無にかかわらず区内全ての介護施設職員などを対象に無料で9月中旬からPCR検査を始めました。社会的基盤を維持する社会的検査と位置づけています。区長のツイッターにもありますように、5,000万円目標の寄付を含めて、4億円を超える補正予算を組んでいます。大量検査を可能とするため、本人が鼻から検体を採取します。症状がある人のための従来のPCR検査も増やしていく方針です。また、高性能の機器を購入する予算計上もしています。ニューヨーク州の効果を上げている例に倣って、深刻になる前にクラスター化を防ぐとしています。 千代田区でも感染で多くの命が危険にさらされる介護施設の職員全員の検査を3か月ごとに定期的に行うことを決めました。区内の約430人の介護職員が対象で、医師の指導の下に各施設で唾液を採取するとしています。1件3万円かかると言われるこの検査、公的な財政負担が明確にされることが重要です。 本市では、市立病院で検査が再開され、さらに医師の診断なしに全額自己負担での検査も可能となりました。島内平瀬に2か所目の検査センターが開設され、検査を面的に広げる条件が整いつつあります。日本の対応は世界水準から見てかなり遅れた対応と言われています。市民の皆さんからの声は、「なぜ広く検査をしないのか、検査をすれば気軽に出かけられるし、お芝居も見たりできる」、「検査すれば安心して動けるのにどうして検査をみんなが受けられるようにしないのか」、「お金の問題ではない、命の問題だ」などの声です。面的な社会的検査を望む声が今高まっています。 最初の質問ですが、市長は検査が重要だとしています。高森町では、介護・医療従事者に町の負担で抗原検査を、半額補助で希望者にPCR検査を行います。社会的に人的サービスであり、また密になりやすい介護、医療、障害、福祉、保育、教育などに携わる職員の検査を優先的に公費負担で定期的に行うべきと考えますが、いかがですか。 次に、事業者への支援についてです。 浅間温泉など宿泊業が予約のほぼ全面的なキャンセルを受けて最高300万円の給付金、また市独自の10万円、家賃がある場合20万円の給付金を市が用意しました。私も持続化給付金を含め業者の皆さんに市の制度を広め、手続を勧めました。関係者からは、「本当によかった」、「助かる」、「借金が少し返せた」、「コロナ以外でもこの制度が欲しい」などの声を受けています。思い切った支援策に感謝を申し上げますが、実態はまだまだ厳しいと言えます。 そこで質問ですが、宿泊事業者への支援、持続化給付金への上乗せの実態について、8月末までの結果では、それぞれ総額約4億8,000万円、また今朝の市民タイムスの報道では9月10日までの結果で5億円を超える給付実績と伺っています。上伊那郡中川村では、新型コロナウイルスで仕事や収入に出た影響についてアンケート調査を行っていますが、飲食業や観光業で、収入が5割以上減ったとする方が半数を占めました。 本市でも給付金で事業がつながっているのか実態を調査すべきではないでしょうか。この点についてお考えをお聞きし、1回目の質問といたします。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、新型コロナウイルス感染対策のうち社会的検査に積極的に取り組むことについてのご質問にお答えをいたします。 松本医療圏における感染症法によるPCR検査数は、第1波の4月、その1か月間では315件でしたが、第2波と言われる8月、その1か月間においては839件と検査数は大幅に増え、より多くの方に検査を受けていただける体制が整いつつあります。そのような中、松本市は長野県の委託を受け、2か所目のPCR検査センターを昨日開設し、体制強化を図っておりますが、現状の松本医療圏では、議員要望の患者の発生状況にかかわらず、市民の不安に対し広く検査できる体制にはなっておりません。 議員からもご紹介ありましたが、国が8月から拡大した検査体制と通知につきましては、地域で感染が広がっている状態の場合、感染の有無にかかわらず広く店舗などの関係者や、その地域の医療機関や高齢者施設で検査を実施するとしてあります。今後は、松本医療圏におきましてもクラスターの発生や関連性が明らかでない患者が複数発生した場合などには、迅速に検査できるよう県と相談しながら対応してまいります。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 私からは、事業者の実態調査に関するご質問にお答えいたします。 松本市では、これまで新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた事業者を支援するため、議員のお話にありました給付制度の創設をはじめ制度資金の融資枠拡大など、様々な支援策を講じてまいりました。こうした状況を踏まえ、事業者の現状を把握するため、既に松本商工会議所の会員企業・事業者200者を対象とした特別調査を9月3日より実施しています。 この調査では、感染が確認された3月以降の業績以外にも、国の持続化給付金や市の新型コロナウイルス対策特別給付金など支援制度の活用状況や、従業員の休業状況とそれに伴う国の雇用調整助成金の活用、今後の雇用見込み、さらには事業継続に向けて新たに取り組みたい事項なども伺っています。10月中旬をめどに取りまとめる予定となっており、今後の支援策検討のための基礎資料にしたいと考えています。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 それぞれ答弁をいただきました。2回目の質問をお願いします。 まず、新型コロナウイルスの感染症対策について、PCR検査を広げることについては国の通知との関係でもっと広がっている場合だということで、今後、県と相談しながら対応するということであります。この冬は新型コロナウイルスとインフルエンザとの両方に対応することが予想されます。同時に検査できるキットの開発中だということもお聞きしております。 県も抗原検査と方針を出しておりますけれども、市立病院でこの新型コロナウイルス、インフルエンザ、2つの検査をどのように進めるのかお伺いします。 次に、事業者の支援についてでありますが、ただいまの答弁で、既に特別調査を開始しているということです。私どもの党では、かねてから悉皆調査を求めてまいりました。これはなかなか取り組まれませんでしたけれども、今回特別調査に踏み切られたということで、その調査結果を待ちたいというふうに思います。また、今後の対策のための基礎資料としたいということで、対策を求めたいところであります。 2回目の質問ですが、宿泊業者からはお客さんを呼び込める支援を求める声を受けています。GoToトラベルキャンペーンで少しお客さんが戻ったという業者さんの声もありますけれども、厳しい状況は続いております。中川村では、さらに影響が深刻になっているかもしれないとして、秋以降の調査もまた検討をしているとお聞きしています。 市内の業者への今後の対策はどのようにされるのか、さらなる給付金を検討すべきと考えますが、お考えをお聞きします。 以上で2回目の質問とします。 ○副議長(阿部功祐) 倉科事務部長。 ◎事務部長(倉科勝美) この冬の検査体制につきましてお答えします。 この冬の発熱者は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方の検査が必要になると考えています。当院では、新型コロナウイルス感染症に関して6月12日に院内での遺伝子検査、RT-PCR法とLAMP法の2つの短時間検査体制を整えました。外部機関への検査依頼と合わせ多様なニーズに対応できるように進めてきました。9月6日までに1,162人の検査を実施しています。また、抗原検査、抗体検査も行っており、新型コロナウイルスに対する全ての検査が可能となっています。一方、インフルエンザに関しては従来の抗原検査に加えて、新聞報道にもありました新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時検査が可能な簡易キットについても使用することとしており、既に発注しています。 当院としましては、引き続き検査体制の整備を進め、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザという2つの感染症に対して院内感染の防止と安心・安全な医療の提供に努めてまいります。さらに、この冬、病院職員のインフルエンザ感染を防ぐためワクチンを2回接種する予定であり、また、ノロウイルスの感染防止にも注意が必要と考えています。 先ほど近藤議員のご質問にもお答えしたとおり、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から都道府県に対し、インフルエンザ流行に備えた体制整備について通知されており、今後示される県の対応に沿った形で進めてまいります。 最後に、市民の皆様への情報発信も重要な感染防止の手段と考えています。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) それでは、市内事業者への今後の対策に関するご質問にお答えいたします。 松本市内の事業者を取り巻く経済環境はいまだ厳しい状況にありますが、資金繰り支援や雇用対策、それから消費喚起策など、様々な支援策の実施や事業者の皆さんの活性化に向けた創意工夫などにより、少しずつではありますが、消費は戻りつつあります。 松本市としましては、この動き出した経済が停滞しないようにすることが最大の事業者支援と考え、現在、消費拡大を柱に取組を進めています。8月1日から利用開始となりました松本プレミアム商品券につきましては、8月末までの1か月間で既に431件の事業者から5億5,000万円を超える換金をいただいています。また、明後日17日からはキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンも開始となり、多くの皆さんの実店舗での買い物を促進することで、さらなる消費活性化を図っていきます。 したがいまして、現在実施している松本市新型コロナウイルス対策特別給付金に加えたさらなる給付制度についての検討は、現時点では行っておりません。今後は感染拡大の状況や、それに伴う経済状況の変化などを見据えながら、必要な支援策を講じてまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 3回目は要望といたします。 全自動検査機、臨床検査技師さんがいなくても使えるこの検査機の活用も、国内では始まりましたので検討をいただきたいと思います。とりわけ介護・医療分野を優先に社会的検査を強く求めます。南牧村では、村内に実家のある大学生などを想定して、県外在住者が帰省するときに受けるPCR検査費用を補助するということであります。松戸市では、地元にメーカーもあるということで1台980万円の全自動検査機を購入します。また、この検討をぜひお願いいたします。 市民の声として、感染していても安心して暮らすには、やはり検査を旺盛に取り組むこと、この声はどこからも聞こえています。今後の感染状況もありますけれども、命を守るために検査を社会的に広く取り組む方針を強く求めます。 次に、事業者への支援につきましては、事業者の皆さんにつきましては不況に加え昨年10月からの消費税率のアップ、そして新型コロナウイルスという三重の打撃です。松本市の景気動向調査によりますと、全ての業種で今後3か月の見通しが低調か、やや低調、マイナス幅が減少している業種もありますが、建設などではマイナス幅が広がっています。持続化給付金はかなり手続が進んだという実感ですけれども、市の独自の上乗せを知らなかったとする声もまだ少なくありません。もっとPRが必要ですし、またこの持続化給付金は農業者へも適用できますので、さらに市からの広報も要望いたします。分かりやすい書類の書き方、申請したくなる広報の仕方を強く望むところでございます。 また、持続化給付金は50%以上の減収という条件の中で、受け取れないけれどもしのいでいるという業者の方も少なくありません。松本プレミアム商品券は好評ですけれども、使える店舗は限られておりますので、どの業種にも適応する対策を求めたいと思います。 以上で新型コロナウイルス関連の質問を終わります。 次に、保育行政についてですが、市長は6月定例会で議会質問に答え、公私連携保育を進める意義や目的について明言されました。松本市においては、公立4に対し私立1という割合だが、もう少し私立にシフトしてもいいのではないかなどと明言されました。主な狙いとしては、待機児童の解消、そして保育の質の向上、これが大きな狙いということでございます。 待機児童の解消について、本市の取組は保育室の増設、正規保育士の増員、地域型保育施設の認可化で未満児の受入れ増を図り、来年4月に解消できる見通しです。保育の質については、「ルポ保育格差」という書籍によりますと、保育が民間に委ねられれば保育は産業化するとしています。保育の根っこをつくる法律、それは児童福祉法、子どもの権利条約、根底には憲法があります。1948年に施行された児童福祉法の第24条で、市町村は保護者の労働や疾病、その他の事由があるときに児童を保育所で保育しなければならないと定められています。あくまで市町村に責任があります。 松本市の50年にわたる公立保育園の歴史を大切にしてほしいという市民の声も届いています。松本市の公立保育園の歴史と特徴について伺います。松本市の保育の歴史については、松本市史によりますと戦後の農繁期の季節保育所から始まり、これが昭和32年には通年保育の声が高まってきたようです。当時は財団法人松本市民生事業助成会が運営をしていました。助成会等の運営する保育園は保育士さんの給料も低く、労働条件が劣悪で、内容的には長時間保育など働く親たちのニーズには十分応えられないものでした。いわゆる松本方式と言われまして、少ない措置費の中で運営するための方式でした。父母の要求は、平日の長時間保育、土曜日午後の保育、夏休み、冬休みの特別保育、未満児保育などでしたが、松本方式の下では、劣悪な条件で保育士の増員はできず、公立でないために園舎の建設にも設置者の自己負担、また住民への強制負担がありました。これらの問題解決のために公立化への運動がたびたび起こっていました。公立化の前後で、父母と職員の運動で長時間保育が実現し、産休明け保育、また現在では実現しておりますが、病児保育の声もこの頃も既にあったとお聞きしています。長時間保育を要望したときには、その要望する父母の側に市の職員もおり、有給休暇を取って交渉に参加をしていました。公立保育園にしようという声と運動の高まりの中で、市長選では革新統一候補であった深沢松美氏が当選を果たしました。短期間で公立化に取り組もうということで、35園ありました助成会などの保育園は、6年かけて全て市の保育園となりました。 当時、旭町など4か園で行われていました長時間保育は、職員の献身的な残業で運営されていました。制度化に向けてのアンケート調査では、長時間保育を受けている家庭は18.3%、希望する父母は60.6%に及びまして、要求と現実との乖離があり、希望はあっても踏み切れない父母たちの実態が浮かび上がっています。このときには、給食調理員も長時間保育に参加をして、職員の献身的な働き、また少ない手当の問題、当時まだ一般的だった女性が子供を見るという意識や保育園にまで預けて働くことへの無理解など、意識の問題もありました。 しかし、ある母親の「保育時間に合わせて30分早く帰ったら常勤から非常勤にされ、給与も60%になってしまった」などの切実な声、そして働く職員側からの「長時間保育をするには保育士を増やし、超過勤務手当を増やしてください」という声です。その声を実現しよう、何としても長時間保育を制度化しなければの思いが結集しまして、対市交渉も旺盛に実施されました。長時間保育を制度化させた父母と保母の運動の記録によりますと、生々しい運動の記録が記されています。 昭和40年から始まった長時間保育の制度化に向けた取組は、試験的に行った長時間保育が好評で、昭和46年に30か所分予算計上し、県が補助することとなって結果が表れました。 松本市の保育で特徴的なものとして、昭和52年から始まった障害児保育もあります。父母から要望があれば、一歩も引かず障害児を受け入れてきた歴史があります。その点から、松本の保育はすばらしいと全国から高く評価をされ、県外から来られる父母もいたとお聞きしています。障害があっても保育に欠けるために受け入れ、父母たちは救われました。現在は公立40園で216人、私立8園で27人の障害児を受け入れていますが、父母の要望に応える公立の役割が発揮されています。その後、公立保育園は守られてきました。市民の声と運動、そして現場の努力で脈々と受け継がれてきた公立保育園の継承、発展を願うところです。 そこで質問ですが、市の公立保育園の歴史をどのように評価されるのかお聞きします。 もう1点、公私連携という意向が示されていますが、なぜ公立から私立に移行したいのかお考えを伺います。 以上で1回目の質問といたします。 ○副議長(阿部功祐) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 初めに、公立保育園の歴史の評価についてお答えします。 松本市では、今ご説明もありましたが、戦後の社会・経済活動の復興とともに保育の通年化の需要が高まり、昭和22年に設立された財団法人松本市民生事業助成会を中心に民間の有志による幼児教育、保育が進められました。その後、昭和44年から昭和49年にかけて、助成会に加入する保育園の公立化を実施し、保育士の身分保障や施設の充実が進みました。公立化して以降は、時代の保育ニーズに対応する形で、長時間保育、障害児保育、一時預かり事業の開始や未満児クラスの保育士配置基準3対1の導入、保育専門指導員の配置などにいち早く取り組み、現在に至っています。特に障害児保育では、障害の程度に応じた加配職員の配置、医療的ケア児の受入れ、人事異動に伴う職員の交流や研修参加による資質の向上など、社会福祉や人材育成に重点を置いた取組を進めてきました。 こうした歴史を振り返りますと、予算上の問題はありますが、松本市における公立保育園の役割は非常に重要なものだったと評価しております。 次に、公私連携に関する考えについてお答えします。 公私連携型保育施設の設置を私のマニフェストに掲げたのは、平成29年度に待機児童の問題が表面化し、その大きな要因は保育人材の確保が十分にできていないこと、公立保育園の会計年度任用職員の待遇が正規職員に比べて大きく見劣りしていることにあるという認識が根底にあります。この問題を解消するには、公立の安定性とともに私立の経営の弾力性や保育の独自性を積極的に取り入れて、相互に連携・補完する公私連携の保育体制の構築が必要であると考えます。その一つの形が、市町村が協定に基づいて民間の法人に運営を委ねる公私連携型保育施設の設置であります。 待機児童の解消に向けて、今年度は松本市が認可する民間の地域型保育施設について、来年、令和3年4月に開園する施設を当初の計画の2施設から4施設に増やして開設することにしています。その上で待機児童の持続的な解消と保育の質の向上を見据え、公私連携型保育施設を含めた新たな保育の在り方について、有識者の皆様と共に研究してまいりたいと思います。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 市長から答弁をいただきました。公立保育園の歴史については、その重要性を評価していただきました。ただし、今後の方向については有識者の皆様と研究をするということでございました。 要望となりますけれども、民間の場合は特に低賃金になりやすい、そして長く安心して働けるかというところで不安が残ります。公立も私立もそれぞれに特徴があって、子供の成長を保障し、父母の労働も支えております。公立保育園25年の歩みによりますと、元園長の言葉で、「公立になって身分保障が本当にありがたかった。安心して働けるということは、いい保育ができる」と紹介されています。 本市はここ数年、待機児童の解消に向け本当に頑張ってきていると思います。島内保育園の拡張、梓川東保育園、波田中央保育園での受入れ枠の拡大、正規保育士の大幅増員を実施し、公的保育の役割を発揮しています。県内にも胸の張れる保育行政を進めています。国の流れに沿って民間化を目指すのではなく、むしろ公立を守っている松本市の保育行政のすばらしさを全国に発信してほしい、そのくらいの姿勢で進むべきと強く訴えて質問を終わります。 ご協力に感謝をしながら質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で犬飼明美議員の質問は終結いたします。犬飼明美議員は自席へお戻りください。 次に、6番 塩原孝子議員の質問を行います。塩原議員は質問者待機席へ移動してください。 6番 塩原孝子議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団、塩原孝子です。会派を代表して、件名ごと一括方式で質問いたしますので、よろしくお願いします。 まず、中核市移行に向けての課題です。 本市は、半年後の来年の4月から中核市へ移行を予定しています。それに伴い県からの移譲事務が2,500件ほどあります。移譲される事務によって新たに必要な人員が算定されていますが、現在は79名となっています。新たにランニングコストが1億円かかります。中核市に移行することで、市民サービスの充実や「健康寿命延伸都市・松本」の推進などが、その目指す姿になっています。しかし、人材確保や財政的な裏づけ、組織体制の見直しがなければ、結果として行政サービスの低下、縮小になりかねません。市民にとってどうなのか、何より市民の合意の下に進めるべきだと考えます。 既に中核市に移行した自治体27市に影響調査をした報告書があります。これは久留米大学医学部の2008年の調査です。メリットとしては、きめ細やかな行政サービスの提供ができたが、一方でデメリットは人員・財政上の厳しさや業務量の増大が負担になっているということが認められています。 質問ですが、移行により期待される効果として「健康寿命延伸都市・松本」の推進が挙げられています。単なる移譲事務を行うだけではなく、松本らしい地域包括ケアシステムの構築が必要です。保健医療と福祉の連携、地域づくり等は縦割り行政でなく、庁内の横の連携が大切です。行政主導で組織体制の構築もしながら、それぞれのライフステージで切れ目ない、より充実したサービス提供や健康づくりなどが必要と考えます。部局横断しての地域包括ケアシステム松本モデルのさらなる推進をどのように検討されているのでしょうか。保健・医療の連携として、保健所や市立病院との連携を含めて見解をお聞かせください。 2点目は、市保健所の体制強化です。 中核市移行に伴い市の保健所を設置することになります。現在、県の保健所は3市5村を管轄しています。対象人口は42万人です。その中で松本市の人口は24万人、約6割近い人口を松本市保健所が管轄することになります。新型コロナウイルス収束が見通せない中で、保健所の体制強化を図る必要があるのではないかと考えます。 コロナ禍で、この30年間全国の保健所数は850か所から469か所へと激減をしたことが、感染症対策に大打撃を与えています。県内の保健所は17か所から11か所へ減らされています。新型コロナウイルス対応で保健所は疲弊をしています。その中で今後、松本市保健所が果たす役割は大きいのではないでしょうか。 金沢市の保健所では7人の保健師が対応し、4月のピーク時は42人と6倍に増やし対応してきたそうです。しかし、過労死ラインの残業月100時間を超える保健師・医師が10人に上り、新型コロナウイルス以外の検査などの業務は縮小されたということです。 県松本保健所も例外ではありません。関係者よりお話を聞くと、3月、4月は感染経路の調査などで残業が増え、臨時で2名保健師を増員したということです。コールセンターは24時間対応で、昼間は松本市からも保健師が応援に入っています。夜間帯のコールセンターは業務委託をしているということですが、緊急対応があれば保健所職員が対応を求められる体制になっています。8月末までの新型コロナウイルスに関する相談件数は延べで1万500人、そのうち有症相談が8,800人、県松本保健所は今でも恒常的に人手不足の中で業務をこなしているという関係者からのお話でした。 管内で感染症が発生すれば緊急度、業務量は増大が予測されます。市保健所が設置されれば同じような対応が迫られますが、現在予定されている保健所に配置される人員は53名、そのうち保健師は7名です。県からの移譲事務がおよそ1,400件、この53人で足りるのでしょうか。この人員配置は昨年の12月時点の提案のもので、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前のものです。今後、松本にも感染が広がるおそれがある中で、新型コロナウイルス対応で体制強化が必要ではないでしょうか。状況が変化している中で人員増を検討したほうがよいと思いますが、いかがでしょうか。 市民サービスの充実についてです。 中核市移行に伴い、こども福祉課、障害福祉課、高齢福祉課、生活保護課、福祉計画課など民生行政で移譲される事務が合わせておよそ570件ほどあります。中核市に移行されれば市民サービスが充実できるとされていますが、それに見合った適正な人員配置が必要です。今でも時間外労働や休日出勤をしている部署もあり、現場からは増員を求める声や正規職員増を求める声も聞かれます。民生行政のそれぞれの分野の正規職員数、会計年度任用職員数、専門職の職員数をお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、地域包括ケアシステムに係るご質問にお答えします。 本市では、これまで地域づくりセンターや公民館、福祉ひろばによる地域づくりを基盤として高齢者などが住み慣れた家で、地域で生き生きと自分らしく暮らし続ける仕組みづくりを進めてきました。各地区では、医療と介護の専門職と住民が顔の見える関係づくりを行い、地域課題の検討、解決に向けて地域ケア会議を開催し、地域の支え合いの仕組みづくりを進めています。庁内では、全部局で構成する地域包括ケア庁内推進会議を組織し、地域ケア会議等で出された行政が対応すべき課題の共有と調整を図っています。 今後、全世代型の地域共生社会の実現を見据えると、現在、市で実施している各種保健事業、介護予防事業の健康をつくる事業と精神保健、難病、感染症などの従来保健所で行っていた業務を市が実施することにより、例えば8050問題と言われている高齢者と引きこもりの複合的かつ複雑な課題を抱える事案にも一体的に関わることができます。また、市立病院をはじめとする安心できる医療提供体制の確保などの健康を守る機能を融合し、市民の健康を支える機能を発揮することで、地域包括ケアシステムの充実につながると考えております。 しかしながら、地域ケアシステムが分かりにくいという声もお聞きしておりますので、医療と介護の連携を行政がコーディネートする機能を強化させ、さらに地区を単位とした機能の強化を図ることにより、しっかりとしたシステムの構築を行ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) 私からは、保健所職員の人員増及び福祉計画課等の職員数についてお答えをいたします。 初めに保健所職員の人員増についてでございますが、保健所設置後の新型コロナウイルス感染症への対応は、この感染状況を踏まえた上で、まずは全庁挙げて協力し、保健師等の専門職が専門性の高い業務に専念できる体制を整備し対応してまいりたいと考えておりますので、現段階では職員増は考えておりません。 次に、職員数についてお答えをいたします。 令和2年9月1日現在になりますが、福祉計画課が正規職員14人、会計年度任用職員が23人、障害福祉課が正規職員24人、うち専門職8人、会計年度任用職員14人、うち専門職5人、生活保護課が正規職員29人、うち専門職4人、会計年度任用職員が9人、高齢福祉課が正規職員が45人、うち専門職が16人、会計年度任用職員は21人、うち専門職が3人、こども福祉課では正規職員が23人、うち専門職が10人、会計年度任用職員が25人、うち専門職7人でございます。 なお、この職員数には35地区の福祉ひろばなど、本庁以外に勤務している職員も含めての数となっております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原孝子議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 それぞれ答弁いただきました。期待される効果としての地域包括ケアシステムについては、松本らしい、今まで積み上げてきた地域包括ケアシステムの土台を生かしながら保健所の機能、強味を生かし、医療との連携も図りながら、健康寿命延伸都市・松本を目指す地域包括ケアシステムのさらなる推進を要望いたします。 市保健所の体制強化についてですが、2回目の質問です。 人間総合科学大学院の保健所保健師の職業性ストレスに関する調査によると、全国の保健所362か所から回答を得られたデータの中では、精神保健業務を中心とする保健師は、30歳から50歳代より20歳から29歳の若年者ほど疲労感を持ち、休日・夜間の拘束や対応困難事例に疲弊をしているという結果でした。この5年間にメンタルヘルス上の理由により退職または連続1か月以上休業した保健師がいる保健所は29.1%であることが明らかになっています。県松本保健所の精神保健の分野の中で昨年度の精神障害者福祉手帳の交付数は、管内全体で4,876人のうち松本市は2,789人です。精神保健業務が多いことが予想されます。 先日、保健所に長年勤務されてきたOBの方にお話を聞く機会がありました。精神疾患の方への対応は難しく、専門性が求められ、男性の配置も必要ではないか、県保健所より市保健所のほうが職員のメンタル疾患が多いのではないか、人員を増やしたほうがいいのではないかと心配をされていました。精神保健業務を行う保健師のメンタルヘルスについては、何らかの対応が必要と考えます。 前段紹介した調査結果の中で、保健師のメンタルヘルス対策についてのまとめとしては、保健師人材育成プログラムの重要性や経験のある保健師が経験の浅い保健師に指導、助言、援助できるサポート体制、スーパーバイズができる体制が挙げられています。コロナ禍で業務過多の保健所、ぜひ充実した人員配置と組織体制を構築してほしいと考えます。 そこで質問ですが、本市は市保健所を設置するに当たり、保健師のメンタルヘルス対策をどのように考えているのでしょうか。人材育成やスーパーバイズをする体制になっているのでしょうか、伺います。 市民サービスの充実についての2回目です。 現在の民生行政の正規職員の比率は、先ほどお聞きした数を考えますと6割です。専門職比率は2割です。正規職員と専門職の配置をしっかり行うべきで、そのことが住民サービスの向上に直結します。職員の配置についてどのように検討されたか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、保健師の人材育成についてのご質問にお答えします。 現在、市においては効果的な現任教育を構築するための準備を進めているところでございます。具体的には、国が示している保健師活動指針に基づき、市独自に保健師の配属部署ごとの業務指針と人材育成ガイドラインを来年度中に定め、業務を明確化し、人材育成を一体的に実施することで子供から高齢者、健康危機管理など様々な分野での資質の向上を図ってまいります。また、保健所の設置により今まで以上に保健師の組織横断的な協力体制が重要となることから、組織を超えて専門的側面から指導、調整する役割を持つ統括保健師を置くことで、スーパーバイズできる体制の一つとして検討しているところでございます。 また、メンタルヘルス対策については、経験年数の浅い保健師には専任の指導者を配置し人材育成を行うとともに、不調を来した場合には、庁内の精神科産業医及び産業カウンセラーなどとも連携をして対策を講じてまいります。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) 私からは、職員の配置に関するお尋ねにお答えをいたします。 中核市移行に伴います必要職員数につきましては、現状の行政サービスの水準を低下させないことを念頭に、県から移譲される事務の業務量や内容、同規模の中核市先行市の状況などを参考に検討したものでございます。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 保健所の体制強化の点では、体制にゆとりがあることが大事です。保健師の経験値や年代など、バランスを考えた配置と専門性が求められる保健師のメンタルサポート体制をしっかりととっていただくことを要望いたします。市民サービスに直結する民生分野の職員体制については、ぜひ正規比率を上げることを要望いたします。 また、移行に伴い県費負担だったものが市負担となり、民生行政では生活保護費や子育て支援など15の事業費の県費負担がなくなります。財源はしっかり確保して、サービスは継続すべきです。 保健所の2段階設置への方向性について伺います。 来年の4月から松本合同庁舎内に市保健所を設置する予定であり、その後は市役所の新庁舎が建設されれば庁舎内に保健所を設置することになっています。ワンストップ、ワンフロアで福祉部門や子育て部門と保健所が一体性を持つことにより、質の高い保健福祉サービスや子育て支援サービスの提供につなげることが可能との理由です。 しかし、先日の市長との多事争論会において、本庁舎スリム化を考えている中では庁舎内移転は困難という答弁でしたが、本庁舎のスリム化と分散化については慎重な協議が必要と考えます。庁舎内移転をしないという理由と今後の方向性をお聞かせください。 ○副議長(阿部功祐) 中野政策部長。 ◎政策部長(中野嘉勝) それでは、第2段階の保健所の設置についてお答えをいたします。 現在、市役所の新庁舎につきましては、分散化やデジタル化を根本に据えた新たな市役所の構築のため建設計画の見直しを進めております。この見直しの中では、現在の本庁舎の機能をできる限りスリム化する、このことを基本としておりますことから、新たに保健所を本庁舎に入れることは考えていません。分散型の市役所としましては、市民が直接必要なサービスは、市民がより身近な場所で、より多く受けられる体制が望ましく、そのためには、市民生活と結びつきが強い保健福祉業務は本庁の外に置くことが望ましいと考えています。 第2段階の保健所の設置につきましては、市民の皆様の利便性や業務効率の向上が図れることから、健康福祉部門と保健所の一体的配置を含め、新庁舎建設計画の見直しの中で検討してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 福祉行政と保健医療行政が一体的に提供できることで、中核市に移行した効果が市民として実感ができると思います。 以上で中核市への移行課題についての質問は終わりにいたします。 次に、新型コロナウイルス対応による介護報酬の引上げについて、特例措置への本市の対応です。 介護事業所では、コロナ禍で利用自粛があり収入減の事業所が多数あります。消毒作業などをしっかり行いながら介護サービスを提供していただいておりますが、3密を避けられない現場では、職員の方は不安と緊張の中、介護に当たられています。 厚生労働省は、7月のサービス提供分から利用者の同意を前提に、介護事業所が提供するデイサービスやショートステイなどの一部について、時間区分を実際より2段階上げて介護報酬を算定していいという通知を出しました。新型コロナウイルス感染対策で収入が減った事業所を支援するという目的です。利用者に利用していない時間帯もサービス料金をもらってもいいというものです。例えばデイサービスを7時間しか利用していないのに9時間利用したということにして、利用者の同意があれば料金を請求してもいいというものです。デイサービス事業所やケアマネ事業所を訪問する中で、利用してもいないのに同意書をいただいて料金をもらうのはおかしいのではないか、また、高齢者からは「また取るだかね」と言われる、経営と利用者の思いのはざまで現場は苦悩しています。 そもそも新型コロナウイルス対策として、本来国が補填すべきではありますが、この特例措置を利用できるサービス事業所は市内に何か所ありますか。このような介護現場の実態を本市として把握しているか、どんな影響、課題があるか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 ただいま議員が申されました特例措置の対象事業所は、通所介護で102か所、通所リハビリテーションで14か所、短期入所の施設で27か所の合計143事業所になります。特例措置につきましては、事業者や利用者から、上乗せの同意は取りづらい、上乗せされた人とされない人で不公平感が出るなどの戸惑いや疑問の声をお聞きしております。 今後、各事業所への聞き取り調査等を実施し、詳細な実態把握に努めたいと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 介護現場の実態把握をさらにお願いしたいというふうに思います。 飯田市の場合は、この措置に対しまして4つの課題を挙げまして、全国に先駆けて、請求を上げない事業所に補填をするという特例措置を行いました。予算8,100万円を計上しました。このことにより利用者の負担増は解消され、事業所の経営支援にもなります。飯田市にできて松本市にできないことはないと思いますが、本市として市単独で報酬分上乗せ分を補助すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えいたします。 新聞、テレビ等でも報道されておりますとおり、飯田市においては特例措置に対する財政的支援を設けたことは承知しております。国では、新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を適切に評価する観点から報酬算定を可能としたとしており、特例措置は、コロナ禍で減収に悩む事業者への支援を目的とするものと認識しております。事業所が消毒などの感染症対策に取り組んでいる時間などを評価しての報酬算定への反映であり、介護保険制度の中で対応するものと判断をしております。したがいまして、現時点で本市単独での補助は考えておりません。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 上田市では限度額を超えた利用者に対して支援する内容で、利用限度額超過自己負担額支援事業として160万円予算計上しています。収入減や新型コロナウイルス感染対策を講じている介護事業所を支援する意味で、報酬とは切り離して一律給付など市独自の支援をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。 要望ですが、新型コロナウイルス対応で現場は大変です。介護保険制度の矛盾のはざまで高齢者や介護事業所が苦悩していることを考慮して、何らかの対応をお願いいたします。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、9月補正予算で20億円予定されていますが、使途予定事業には高齢者部門の事業がありません。高齢者部門にぜひ光を当ててほしいというふうに思います。 今回の介護保険上の特例措置は矛盾をはらんでいるものです。近隣自治体とも一緒に国に意見を上げてほしいことを要望いたしまして、私の全ての質問を終わりにいたします。ご協力ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 最後のご質問にお答えします。 新型コロナウイルス感染症対策に対する事業者の支援につきましては、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業により介護サービス事業所、施設等に勤務する職員に対する慰労金の支給や衛生用品等の感染症対策に要する物品購入や消毒費用、清掃費用等の掛かり増し経費に対する支援等が実施されているところでございます。現時点では、その活用を図っていただきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 以上で塩原孝子議員の質問は終結いたします。塩原議員は自席へお戻りください。 次に、25番 澤田佐久子議員の質問を行います。澤田議員は質問者待機席へ移動してください。 25番 澤田佐久子議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の澤田佐久子です。会派を代表して質問をいたします。件名ごと一括で行います。 まず、子育て支援についてです。 子供の貧困対策についてお伺いをいたします。 2019年国民生活基礎調査の結果は、子供の貧困率13.5%で、2015年よりも0.4ポイント低下しています。OECDの所得定義に基づき算出した相対的貧困率は15.8%、子供の貧困率は14%です。生活意識は5段階評価の中で「苦しい」とした家庭が54.4%に上っています。 6月定例会でも紹介させていただきましたが、国立研究開発法人国立成育医療研究センターが今回、「コロナ×こどもアンケート」第2回の調査報告書を発表いたしました。調査期間は、多くの学校が長期臨時休校後に再開された時期に実施されています。調査では、全体の72%に何らかのストレスの反応がありました。今、子供の置かれている状況は非常に深刻です。 本市では平成29年度に県と市、それぞれに実態調査を行っています。子供の生活実態や貧困の細かい分析がされていまして、貴重な資料だったと思います。本市では8月支給の就学援助の給付に合わせて市独自の臨時特別給付金が支給され、大変喜ばれています。評価したいと思います。 就学援助を全体で見ますと、児童数が減っている中で準要保護数が増えているという実態があります。ひとり親世帯も含め、困窮世帯への給付金などの状況はどのようになっていますでしょうか。また、現在のコロナ禍で、本市として改めて実態調査が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、子どもの居場所づくり推進事業についてお伺いいたします。 コロナ禍で子供が置かれている状況が悪化しています。特にひとり親家庭の子供は、経済状況に加え生活そのものが厳しくなっています。親は子供の将来を考える余裕もなく、子供もまた学習意欲をなくしている家庭がたくさんあります。 現在、本市の子どもの未来応援事業として、子どもの居場所づくり推進事業があります。この事業の目的は、子供にとって安全安心で温かな地域社会を創造するために、予算の範囲内で松本市子どもの居場所づくり推進事業として交付金を交付する事業です。要件として、年間の実施回数や事業内容によって交付金も変わってきます。昨年度は、この事業の拡充に向けて見直しを行っていますが、昨年度の見直しと利用状況をお伺いいたします。 また、市でこの推進事業について団体へアンケートを実施したと聞いておりますが、内容についてお伺いをいたします。 次に、学習支援の在り方についてお伺いいたします。 国の制度で生活困窮者自立支援制度があります。その中に生活困窮家庭の子供への学習支援事業、その他生活困窮者の自立の促進に必要な事業という項目があります。この支援事業には、訪問型支援事業と集合型支援事業がありますが、本市では、現在どのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。 以上、1回目の質問といたします。 ○副議長(阿部功祐) 青木こども部長。
    ◎こども部長(青木直美) 初めての答弁となります。どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、コロナ禍での困窮世帯への給付金事業の状況についてお答えいたします。 困窮世帯への給付金としましては、国のひとり親世帯への臨時特別給付金事業、そして市独自の就学世帯臨時特別給付金事業を行い、8月中におおむね給付を完了している状況でございます。8月末現在の実施状況でございますが、国のひとり親世帯への臨時特別給付金につきましては、1,773世帯に給付いたしました。そのうちコロナ禍による減収等のために追加給付を行った世帯につきましては、1,015世帯ございました。およそ6割の世帯がコロナ禍の影響を受けているということが分かりました。 また、市独自の就学世帯臨時特別給付金は、就学援助の認定を受けた世帯のうち国のひとり親世帯臨時特別給付金対象者を除く539世帯へ給付いたしまして、現在も随時申請を受け付けている状況でございます。 なお、この対象者であります小・中学生の就学援助申請の状況につきましては、対象児童生徒2,245人のうちコロナ禍の影響により新たに対象とした児童生徒数は66人ございました。 次に、実態調査についてお答えいたします。 前回、平成29年度に市が行った調査でございますが、こちらは子供の貧困対策の推進に向けた基礎資料として、県の調査を補完するものとして実施したものでございます。子供の貧困についての実態調査としては、澤田議員に冒頭ご報告いただきました国の国民生活基礎調査の中で、3年ごとに子供の貧困率の状況が明らかにされております。今回、コロナ禍における松本市の実態につきましては、先ほど申し上げました給付事業結果を通じて一定程度は把握できたと思っております。さらに市独自の調査が必要か否かにつきましては、効果や、そして活用方法等を踏まえて、これから判断してまいりたいと存じます。 続きまして、子どもの居場所づくり推進事業に関するご質問にお答えいたします。 子どもの居場所づくり推進事業は、子供たちに対して食事とともに学習支援等を提供している地域住民、そしてNPOなどへの交付金事業であり、平成29年度から実施しております。令和元年度には2点、事業の見直しを行いました。まず1つ目としましては、開催頻度を月1回以上の通年実施の義務づけから、夏季、冬季等の長期休業中のみの開催についても対象とするように改めました。また、2つ目としましては、交付上限額を増額することにより実施回数の増加への対応をいたしました。その結果、開催実績でございますが、平成30年度は10会場、203回でしたが、令和元年度は11会場、261回と増加をしております。延べ参加児童生徒数につきましては、平成30年度が3,519人、令和元年度は3,567人と、ほぼ横ばいにとどまっているところでございます。 次に、事業実施団体へのアンケート調査についてお答えをいたします。 本年の6月に事業を実施している9団体に対しまして、運営上の課題などについてアンケート調査を行いました。調査結果といたしましては、7割の団体から運営費が不足しているという回答がございました。特に不足する経費としては、支援者の交通費や謝礼、学習支援のための費用が挙げられておりました。また、ほかの運営団体との情報交換を望む声も多く見られました。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 私からは、学習・生活支援事業についてお答えいたします。 松本市においては、集合型の学習・生活支援は実施しておりませんが、訪問型として、生活保護世帯の子供を対象に教員資格を持つ子供専門支援員とケースワーカーが自宅を訪問し、不登校、ひきこもり、学習意欲の欠如等の問題を抱える子供に学習支援を行っております。また、併せまして保護者からの養育相談に対応することで、子供の成育環境の改善を図っています。 令和元年度は小学生5名、中学生18名、高校生2名に対し定期的な訪問や電話による相談を行いました。また、民間事業者が実施している学習支援事業の紹介や参加するための必要な交通費の支給なども行ったところであります。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 それぞれに答弁をいただきました。給付などの支援事業については、増えているという実感がありますので、引き続き支援をお願いしたいと思います。 また、実態調査については必要に応じてということですけれども、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査を紹介したいと思います。 コロナ禍でシングルマザーの7割が雇用形態の変更や減収に見舞われて、6割を超える人が心理的苦痛にさらされています。そして新型コロナウイルス感染拡大で、ひとり親世帯の暮らしが厳しさを増している実情が浮かび上がっています。勤務先の休廃業や労働時間の短縮で、もともとから少ない収入がさらに減り、18.2%の家庭が食事の回数を減らし、14.8%が1回の食事量を減らしていることが分かりました。ぜひ本市独自の実態調査を要望したいと思います。 次に、子どもの居場所づくり推進事業についてです。 回数を増やしているということで、非常に喜ばしいことです。また、結果によりますと7割の団体から運営費の不足という答えがありますけれども、この事業は、食事提供と学習支援などをセットで取り組む団体への交付金の事業となっています。もちろん食事提供も非常に大切です。先ほど申し上げました平成29年に行ったアンケートでも、一番してほしいことが食事の提供だったというふうに記憶しておりますが、しかし、子供の学習の遅れも非常に深刻になっています。新たな事業として、子供が学ぶ意欲を持てるような学習の場を提供していただきたいと思います。 コミュニティースクールもありますが、十分ではありません。貧困家庭への学習支援が全く不十分だと思います。このままでは、ますます格差が広がるばかりです。子どもの権利条例にもありますが、どの子にも子供の権利を保障するための支援が必要です。学習支援のみの事業にも交付金の対象になる体制をとっていただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。 次に、学習支援の在り方についてです。 今、答弁としまして集合型学習支援は実施していないということで、訪問型の支援ということですが、訪問型だけでは不十分だと思います。本市では無料こどもじゅくに通って、スタッフの支援を受けながら高校へ進学した生徒もいますし、大学へ進んだ子供もいます。そして資格を取り、専門知識を生かした職業についている子供もいます。 例えば釧路市では、中学3年生を中心に高校進学に向けた学習支援を行っています。地域が子供を支援する居場所づくり、この場合は高校生ですけれども、希望した学校への進学を後押しすることにより、貧困の連鎖の防止を図っています。ぜひ集合型の自立支援釧路モデルに倣って、本気で行政主導で地域の方たちも巻き込んだ施策をぜひつくっていただくことを要望したいと思いますが、いかがでしょうか。 以上、2回目の質問といたします。 ○副議長(阿部功祐) 青木こども部長。 ◎こども部長(青木直美) 質問にお答えいたします。 子どもの居場所づくり推進事業における学習支援についてお答えをいたします。この事業は、食事提供を必須要件としております。それに併せまして子供の学習支援または子供や保護者への生活相談を行うこととしております。これは、食事提供を中心としたいわゆるこども食堂の全市的な普及を目指すものであるため、この事業で学習支援のみを対象とした市からの交付金は難しいと考えております。 しかし、松本市の考え方としましては、子供の貧困については経済的な貧困にとどまらず心の貧困、経験の貧困、つながりの貧困など、子供の権利侵害が発生するおそれがある状態も貧困状態として捉えております。そのため全ての子供が安心して過ごせる居場所の確保や学習へのサポートも重要な課題であることは強く認識しております。ですので、新たな対応策を講じる必要があると考えております。 続いて、澤田議員ご要望の生活困窮世帯に対する行政主導での集合型の学習支援についてでございますが、かつて検討した経過もございました。しかし、生活困窮世帯の子供に限定することで、生活困窮者として新たな差別や偏見が生じるおそれも予想され、実施には至りませんでした。 子どもの権利に関する条例に基づいて、すべての子どもにやさしいまちづくりを目指している松本市としては、生活困窮世帯の子供に限定することなく、様々な家庭環境の子供が集える取組が必要と考えております。そのために放課後子ども教室、公民館事業、そしてコミュニティースクール事業等あらゆる事業の活用、そしてNPOなど民間のお力もお借りしながら、市全体として生活困窮世帯の子供も含めた学習支援の在り方を探ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁をいただきました。3回目ですので要望とさせていただきます。 子どもの居場所づくりについてですが、学習の支援だけでは厳しいという、支援は難しいという答弁でしたけれども、今実際、月に4回無料こどもじゅくを行っている団体がありますが、食事提供は月に4回のうちの1回しかしていませんので、交付金の対象になっているのが、この1日だけです。食事の提供をするということは、それなりにスタッフも必要ですし、食事作りも学習支援も非常に労力が要ります。片手間では、どちらも中途半端になってしまいます。ぜひ学習支援を強化する手だてを考えていただきたいと思います。 次に学習支援の在り方についてです。先ほど差別という言葉もありましたが、いろいろな子供さんが集まって学習するということは非常に大切なことです。皆さんいろいろな差別も含めて考えていただいて、ボランティアだけに頼るのではなくて、公的な支援が必要だと思います。ぜひ本腰を入れて、検討したことがあるということですので、早急に取り組んでいただくことを強く要望いたします。 次に、平和行政についてです。 核兵器禁止条約についてお伺いをいたします。 今年は戦後、広島・長崎の原爆投下から75年目の節目の年です。8月15日は、あがたの森公園において、いつもですと平和祈念式典が800人規模で開催されますが、今年は新型コロナウイルスの影響で式典を縮小し、折り鶴の献呈も行われませんでした。私も出席はしておりませんが、平和活動を行っている松本ユース平和ネットワークの皆さんがメッセージを発表しました。こうした若者の活動は本市の大切な財産になっていくと思いますので、ぜひ引き継いでほしいと思います。 例年ですと本市では、原爆の惨禍を伝えるパネル展示が行われ、署名活動にも取り組まれております。今年はパネル展示も核廃絶に向けての署名も中止とのことでしたので、この日に合わせて、平和でなければ子育ても暮らしも守れないと活動をしている新日本婦人の会のメンバーで独自のパネル展示会をあがたの森で行いました。会員による平和絵本の朗読もあり、また平和祈念式典に参加された市民の皆さんも足を運んでくださって、とても有意義な企画になったと思います。 2017年7月7日に国際連合で核兵器禁止条約が採択されました。この条約が発効されるには50か国の批准が必要です。唯一の被爆国である日本がいまだにサイン、批准をしていません。あと6か国、カウントダウンに近づいています。一刻も早く日本政府はサインをするべきです。本市の平和祈念式典の中で、臥雲市長は、核廃絶に向けた展望も依然として見えておりません。戦争と核のない平和な社会の実現を世界各国に対して強く訴えていく責任があるというふうに述べております。 改めて今私は大切なときだと思いますが、政府がこのサインしていないことについて、どのように思っておられるのかお伺いをしたいと思います。 ○副議長(阿部功祐) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 核兵器禁止条約に関するご質問にお答えします。 核の惨禍を二度と繰り返さないためには、核兵器のない世界を実現することが必要です。一方、中国や北朝鮮が核兵器を保有している現状で、安全保障上のバランスを崩さずに核軍縮を進めていくためには、極めて複雑な多国間の外交プロセスに取り組む必要があると考えます。 日本は1976年に核兵器の不拡散に関する条約を批准し、核保有国による核軍縮と非保有国への不拡散を前提として核兵器のない世界の実現を目指してきました。2017年に国際連合で採択された核兵器禁止条約は、全ての国において核兵器の製造、保有、使用などを禁止し、各国が目指す理想を体現したものです。 唯一の戦争被爆国である日本が批准していないことに対する私の見解は、批准の是非を判断する前に、アメリカの核抑止に依存することで成り立っている日本の安全保障政策をいま一度、国民一人一人が問い直す必要があるというものです。当面はアメリカの核抑止に依存しつつ東アジアの緊張緩和に取り組み、主体的に安全保障を確保できる環境をつくり出すことが政府の責務であると考えます。その上でこそ核兵器のない世界の実現という理想に向けて、唯一の戦争被爆国である日本が核兵器保有国と核兵器禁止条約支持国の橋渡し役を果たすことができると考えます。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 市長から答弁をいただきました。市長の思いは受け止めましたが、この核兵器廃絶、平和な世界の実現は世界の人々の共通の願いです。政府は世界の先頭に立って核廃絶を訴えるべきだと思います。 次に、平和首長会議の参加についてお伺いいたします。 本市では、昭和61年に平和都市宣言をしております。その理念に基づいて核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を目指す平和首長会議に加盟しています。第4回となった平和首長会議国内加盟都市会議の総会を2014年には広島・長崎の被爆地以外で初めてこの松本市で開催されています。本市として、引き続き平和首長会議に参加するということでよろしいでしょうか。 また、政府へ核兵器禁止条約の早期締結を求める署名、これに署名をしていただけますでしょうか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 臥雲市長。 ◎市長(臥雲義尚) 平和首長会議に関するご質問にお答えします。 松本市は、平成20年に現在の平和首長会議に加盟し、被爆地以外の自治体で初めて平和首長会議国内加盟都市会議を開催するなど、核兵器廃絶に向けて国内外への発信を積極的に行ってきました。引き続き平和首長会議に参加してまいります。 平和首長会議は、核兵器廃絶の市民意識を喚起するとともに人類の共存を脅かす諸問題の解消のために努力し、世界恒久平和の実現に寄与することを目的としています。戦後75年の今年、世界は新型コロナウイルスの脅威と向き合い、大勢の人々が様々な分断を乗り越えて平和を希求していくことの重要性を訴えています。戦争、そして核兵器の悲惨さと幾多の貴い犠牲が存在したこと、何よりも平和の大切さを、これからも機会を捉えて国内外へ発信していきます。 なお、お尋ねの署名に関しましては、日本の恒久的な平和と核兵器のない世界の実現に向けて何をすべきかという観点に立って、検討してまいりたいと思います。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁をいただきました。平和首長会議の参加は引き続きということで、確認の意味でお伺いをいたしました。ぜひ今申し上げましたこの署名には検討ではなくて、すぐに署名をお願いしたいと思います。 本市では、2017年9月定例会で請願が出されまして継続審査となり、12月の定例会で総務委員会で提出された核兵器禁止条約への参加を求める意見書、これが全会一致で可決され、国へ出されています。長崎県では核兵器廃絶を求めて「ヒバクシャ国際署名」に取り組む市民団体が、この9月9日に目標としていた50万筆を達成し記者会見を行っております。田上長崎市長は、「この活動が後押しとなり、一日も早く発効することを心から願っています」、「今後とも核兵器のない世界の実現に向け、取り組んでまいります」というふうに表明をしております。このような状況の中で、市長の立場で、ぜひ核廃絶の思いを発信していただきたいです。 また、今ある平和推進課を中心として次世代への取組を市民と共に一層発展、充実させることを要望いたしまして、私の全ての質問を終わりといたします。ご協力ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で澤田佐久子議員の質問は終結いたします。澤田議員は自席へお戻りください。 席替えのため、暫時休憩いたします。                              午後2時29分休憩                             ----------                              午後2時30分再開 ○副議長(阿部功祐) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明16日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(阿部功祐) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでした。                              午後2時30分散会...