松本市議会 > 2020-02-26 >
02月26日-03号

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  1. 松本市議会 2020-02-26
    02月26日-03号


    取得元: 松本市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和 2年  2月 定例会---------------------------------------          令和2年松本市議会2月定例会会議録                 第3号---------------------------------------             令和2年2月26日 (水曜日)---------------------------------------               議事日程(第3号)                      令和2年2月26日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問     ------------------------------出席議員(31名)      1番  牛丸仁志          2番  横内裕治      3番  上條一正          5番  内田麻美      6番  塩原孝子          7番  古沢明子      8番  神津ゆかり         9番  土屋眞一     10番  上條敦重         11番  吉村幸代     12番  勝野智行         13番  青木 崇     14番  若林真一         15番  今井ゆうすけ     16番  川久保文良        17番  上條美智子     18番  村上幸雄         19番  上條 温     20番  田口輝子         21番  中島昌子     22番  小林あや         23番  阿部功祐     24番  上條俊道         25番  澤田佐久子     26番  犬飼信雄         27番  犬飼明美     28番  柿澤 潔         29番  芝山 稔     30番  太田更三         31番  近藤晴彦     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男  総務部長      嵯峨宏一   政策部長      横内俊哉  中核市推進室長   塚田昌大   財政部長      高野一司  危機管理部長    森本千嘉   地域づくり部長   守屋千秋  文化スポーツ部長  伊佐治裕子  環境部長      久保田忠良  健康福祉部長    樋口 浩   こども部長     村山 修  農林部長      林 浩史   商工観光部長    小原直樹  健康産業・企業立地担当部長    建設部長      上條裕久            小林浩之  城下町整備本部長  松崎 勉   上下水道局長    征矢野伸一  病院局長      斉川久誉   教育長       赤羽郁夫  教育部長      山内 亮   行政管理課長    中野嘉勝  秘書課長      羽田野雅司  政策課長      宮尾 穣  財政課長      板倉 章   行政管理課課長補佐兼法制担当係長                             伊東伸次     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      市川英治   事務局次長     河村知佳  次長補佐兼議会担当係長      主査        芦田真理            住吉真治  主査        永原浩希   主事        小林あゆみ     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第3号をもって進めます。     ------------------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(村上幸雄) 日程第1 昨日に引き続き市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、15番 今井ゆうすけ議員の質問を行います。今井議員は質問者待機席へ移動してください。 15番 今井ゆうすけ議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 おはようございます。会派開明の今井ゆうすけです。 初めに、情報化の推進ということで、業務の効率化について質問いたします。 今後、ますます超少子高齢型人口減少社会が進展していき、財政難と人手不足の深刻度が増すことから、的を絞った効果的な政策を立案することが求められています。 限られた人員や予算の中で取り組み、市民サービスの向上につなげていかなければならない時代において、本市においても問い合わせ対応を初め、業務の効率化が求められます。 本市への問い合わせは、土日や夜間はできません。市ソーシャルメディアは発信専用になっており、返信はしておりません。 市ホームページは、現時点でページ総数が9,632ページもあり、アンケートでは「探しづらい」と「やや探しづらい」が合わせて49%という結果で、必要以上に情報が多く複雑で、検索が大変といえます。 しかし、これらの課題がAIの活用で解決できる時代となりました。 AIについては、平成29年9月定例会の一般質問において情報収集や調査を求め、本市としても他市の取組を参考にする中で調査研究に取り組んでいるところであります。 全国的には、行政においてもAIは様々な分野で広がってきておりまして、中でもAIチャットボットの活用が広がっております。 AIチャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのことです。LINEやフェイスブックメッセンジャーを初め、多くのSNSツールやウェブサイトなどあらゆるシーンでの活用の場が広がっております。 最近では、厚生労働省で新型コロナウイルスについての問い合わせに対し、AIチャットボットが応答することで、発生状況や予防法、相談を受けられる場所などの情報が提供されております。感染の疑いがあるユーザーは、同じアカウントからLINEで医師に相談できるオンライン健康相談サービスも無料で提供しています。 長野市では、令和元年東日本台風災害の被災者からの問い合わせに、罹災証明書の発行のほか、損害保険、生活再建資金など、AIチャットボットが回答しております。 ほかの自治体の例では、日曜日に子供が熱を出してしまった、休日当番医はどこといった質問や、子供の三輪車を捨てたいんだけれども、子供用の三輪車は粗大ごみだったかなといった質問などに自動で回答しております。 本市においても、例えばLINEのAIチャットボットを活用すれば、市民は24時間365日問い合わせが可能であり、聞きたいことの担当部署がわからない人であっても、欲しい情報が欲しいときに得られるようになります。 平日は働いており、なかなか問い合わせができないという松本への移住希望者であっても、早くストレスなく、欲しい情報が得られるようになります。 なかなか窓口まで足を運べないという人でも、自宅で住民票などの申請ができ、手数料の支払いもオンラインで済ませ、書類は郵送で送付してもらうことで、市役所に出向かずに取得することができるようになります。 つまり、窓口で長い時間待つ必要がなくなり、利便性が確実に向上します。 それらは、結果的に職員の事務処理の削減につながり、職員は対面的な対応が必要な方などへ時間をかけることが可能となります。窓口や電話の頻度が減り、市民や職員の効率化につながります。 さらには、お問い合わせ内容や件数、年代、位置情報などのデータを蓄積、分析できることから、根拠あるデータに基づいた政策づくりにつながります。 市民ニーズを的確に把握し、行政サービスに反映できるといえます。 このように、AIチャットボットは有効であり、早期に本市も導入すべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、本市におけるAIの利活用状況について申し上げますと、本年度、音声からの自動文字起こしが可能な会議録自動作成システムを試験導入して、現在270件の会議録で検証を進めております。 変換の精度、確かさの課題がありますが、一定の事務量削減効果が認められましたので、来年度以降も課題解決に取り組みながら継続して活用をしてまいります。 そこで、議員ご紹介のAIチャットボットでありますが、平成30年度から職員で構成するAI利活用検討部会において、住民サービスの向上を観点に、他市の事例も参考に検討を進めています。 その結果、本市が単独で導入することに比べてAIの学習スピードの向上が期待できる、他市との共同利用によるクラウド型AIチャットボットを来年度試験導入いたします。 まず、職員による問い合わせに対する回答について内部検証を行った後、一定期間一般公開を行って、効果及び課題を検証して、本格導入に向けて準備を進めてまいります。 現状のAIチャットボットが提供する回答は、まず、本体のシステムに搭載されている情報で回答した上で、詳細はホームページに誘導いたします。 少しホームページがわかりにくいというご指摘ございましたが、ぜひ、利用者の方々にわかりやすいホームページの情報となるよう、庁内調整にも努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 来年度試験導入し、内部検証を行うとご答弁をいただきました。 AIチャットボットの本格導入に期待し、次の質問に移ります。 コストや人員のさらなる削減を迫られている本市の現場において、業務の精度を高めるための効率化は、もはや必須だといえます。 業務改革の必要性が高まる行政の現場で、昨今、RPAの導入を見据えた実証実験が相次いでおり、本市としても昨年度より始まりました。 RPAとは、人間が行ってきた定型的なパソコン操作を、パソコン内のソフトウエア型ロボットが自動化するものです。 より広い範囲の業務でRPAの横展開を図り、自動化の効果を最大限得ることが必要と考えますが、RPAを活用するためには、申請内容などを電子化する必要があります。 本市の多くは紙の書類を前提としており、各種の申請や届出書、伝票、帳票などといった具合に紙の書類があふれています。大抵は、職員がそれを目で見ながら手作業で電子化し、入力や登録などを行っています。 この電子化の作業が膨大で、幾ら入力や登録などの作業をRPA化しても、その前段階で手作業が残ると、全体として業務効率の向上は図れません。 本市としては、このようなことが障害となり、RPAの適用業務は実はさほど多くないのが実態です。つまり、紙情報の電子化が大きな課題といえます。 ここで重要になるのは、できる限り紙を扱わないことです。 全国では、電子申請が進んできておりまして、中でも窓口業務のICT化においては、マイナンバーカードや運転免許証などを読み取ることで、できるだけ紙に書かないで済むようなシステムを導入していたり、書いてもらうにしても、液晶ペンタブレットを活用して文字をテキスト化している自治体がございます。 電子申請を進めることで、結果的に利用者も待つことなくスムーズに済むことから、負担軽減につながり、職員の業務能率向上にもつながります。 本市でもこのようなシステムの導入を求めますが、時期は新庁舎建設が節目だと考えますので、しっかりと研究を深めていただきたいと思います。 さて、本市に限ったことではございませんが、どうしても紙の資料を扱うことは避けては通れません。 そこで、切り札として最近注目を集めているのが、AI-OCRと呼ばれる最新技術です。 OCRとは、紙文書をスキャナーなどで読み取り、コンピュータで使えるデジタルデータに自動で変換する技術です。 しかし、従来型のOCRは、手書き文字に対応していないといった課題があり、正確に読み取れる割合が低く、確認にかえって手間がかかるなどの課題がありました。 AI-OCRは、AIによってOCRの読み取り精度を大幅に向上させる技術で、文字を読み取りながら学習を重ねるため、手書き文字などにも対応が可能となります。 つまりは、AI-OCRを導入することで、RPAの適用範囲を一気に広げることができるようになります。 数字のように、OCRでも精度が高く読み取れる部分もあるため、紙のフォーマットを工夫することも必要です。そうすることで、業務削減はもとより、人的ミス防止などが期待できます。 東京都港区では、平成30年2月から全国の自治体に先駆け、RPAの本格導入をしています。 現在、11業務で導入しておりまして、年間削減時間は約6,000時間にもなるとされております。 例えば、コミュニティバス乗車券発行申請業務では、バス乗車券をAI-OCRで読み取り、CSVデータで出力の上、RPAを用いてシステムに自動入力及び受付簿の入力を行い、年間900時間も削減するといいます。 AIで住所、氏名等の文字を学習させることにより、読み取り精度の向上を図ります。 このように削減された業務時間は、市民サービスの向上に充てることができます。 そこで、より一層RPAを活用していくことを求めますが、そのためにはOCRを初め、手書きの申請書などを電子化できるAI-OCRの導入が有効と考えます。 本市も導入に向けて実証実験を行うべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 RPAの実証実験につきましては、庁内で応募があった40業務のうち、導入効果が期待できる14業務について実証実験を行いました。 その結果、定型データのシステムへの入力作業という同じ動作の繰り返しについては、データが電子化されていれば、作業時間の短縮や単純ミスの削減効果がありました。一方で、現状の業務プロセスの理解や見直しに加えて、RPAを実行するためのシナリオ作成ができる人材の確保が課題として判明したところです。 このほか、実証実験以外の業務においても、手書きの申請書をもとにRPAを活用して集計やシステム入力を行いたい業務が多数あります。その活用範囲を拡大するには、ご提案のように電子申請もしくはAI-OCRにより申請書を電子データ化することが大きな課題でございます。 議員ご提案のAI-OCRは、電子データ作成の課題を解決する手法の一つでありますが、まずは電子申請を進めることがより一層効果的であると認識しております。 したがいまして、AI-OCRの導入につきましては、電子申請が困難な業務の補完的なものと捉え、他市の導入事例も参考に実証実験に向けた研究を進めて、費用対効果を十分見極めた上で導入の可否を判断してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 要望でございますが、今後ますます業務の効率化を求められるのは、行政だけではなく民間も同じです。 地方の中小企業の場合、費用面の負担が導入の障害になりますが、そこで、本市によるRPAの導入支援補助金のようなものを創設していただきたいと思います。 それでは、次に、危機管理体制の強化ということで、危機管理に係る情報の収集及び発信について質問いたします。 緊急時において生命や財産を守るためには、一秒でも早く正確な情報共有が必要となることは論を待ちません。 神戸市では、AIチャットボットを核とした消防団スマート情報システムという、災害発生時に消防団員が情報共有できる仕組みを、昨年9月から導入しております。 団員が災害現場の写真や状況の報告、位置情報をチャットボットに送ると、地図上に表示する仕組みです。団員の送信内容はAIが整理し、不足している情報を聞き返して精度を高めます。 例えば、大地震を想定すると、まず、消防局からLINEを通じて、消防団員に自宅周辺の被害情報を報告してくださいなどと要請が入ります。団員は、スマートフォンで撮影した写真などの災害情報を自分の位置情報と併せて送信し、負傷者など人的被害はありますか、火災の状況はなどといったチャットボットの質問に答えると、AIが集まった情報を整理、集約し、インターネット上の地図に表示し、それを各団員のスマートフォンでも閲覧ができるといいます。 早く正確な情報共有ができることはもとより、危険なときには退避の指示も出せるため、最前線で活動する団員の安全性が高まります。 AIチャットボットの導入についての見解は先ほどお聞きしましたので、このような先進事例も研究していただき、より一層早く正確な情報共有ができるよう、AIやICTなど最先端テクノロジーを活用した緊急情報共有システムの構築を要望いたします。 さて、本市の危機管理に係る情報の発信について課題だと感じているのは、外国人への情報発信についてです。 本市の外国人住民数は平成27年から年々増加しており、外国人延べ宿泊者数も平成23年から年々右肩上がりに増加しております。 今後も増加することが予想される中、昨日は松本保健所管内でも県内初の新型コロナウイルス感染症の発症者が出ましたが、今年はいよいよ東京オリンピックもございまして、緊急時のスムーズかつ安定した緊急情報の発信が重要であると考えます。 これまでの北海道地震などの際には、外国人向けに防災情報がスムーズに発信されず、大きな混乱やその後のインバウンドの減少を招きました。 本市の状況としましては、外国人向けの情報発信はホームページとフェイスブックのみでして、ともに翻訳の精度と言語数に課題があります。 中でも、外国人宿泊者数で平成20年から11年連続で1位の台湾人の中国語繁体字がないので、追加することが求められます。 また、日本語が読める人であれば、ホームページにつながらない場合であっても、ヤフー株式会社との協定により、ヤフーアプリで情報を取得できます。ヤフーアプリは多言語対応していないため、外国人は情報が得られません。 フェイスブックの発信に関しては、委託業者が管理しておりまして、どうしても市の情報発信とはタイムラグが生まれてしまうことも課題です。 そこで、市ホームページソーシャルメディアの翻訳言語の追加とAI翻訳の活用、防災メールの多言語対応、さらには災害多言語支援センター通訳ボランティアマニュアルの整備などが課題と考えますが、市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) お答えします。 初めに、市ホームページにつきましては、まずは地名などの固有名詞を登録することにより、翻訳精度の向上を図るとともに、特に重要な情報は易しい日本語を使うなど、外国人を含め、より多くの方々に共有できる情報発信に努めてまいります。 その後、令和4年4月に予定されております市ホームページリニューアルに向け、議員ご指摘の中国語繁体字自動翻訳の導入を検討するとともに、AI自動翻訳などの先進事例も研究してまいります。 次に、本市の防災メールにつきましては、自動翻訳機能を持ち合わせていないことから、現時点においては外国人各個人で翻訳アプリ等を活用して、防災情報を認識していただきたいと考えております。 今後につきましては、外国人を含めた全ての皆様に情報を正しく速やかに伝えられるように、防災メールの自動翻訳機能追加や多言語に対応できる人員の配置といった情報発信体制について、先進事例を研究してまいります。 また、災害多言語支援センターにおける通訳ボランティアのマニュアル整備につきましては、このセンターを市と連携して運営する県国際化協会や支援団体等の関係機関と相談をし、必要があればマニュアル化を検討してまいります。 なお、災害多言語支援センターの設置はおおむね48時間以内としているため、災害初期の避難所では災害多言語表示シートやピクトグラムの掲示で対応するほか、公共Wi-Fiを利用した翻訳アプリの活用も含め、多言語に対応してまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 次回更新に向け、中国語繁体字の自動翻訳を検討していただけるとご答弁いただきました。 それでは次に、避難行動をサポートする情報について質問いたします。 災害時には、今いる場所の安全性や最寄りとなる避難所の場所、家族の安否情報などを真っ先に確認したいものです。 本市は来年度、ハザードマップを更新し、全戸配布を予定しており、より一層の防災意識向上が高まると思います。 しかしながら、ハザードマップにより自宅や職場周辺の危険箇所や避難所は覚えていても、慣れない場所からの避難や安全確保には課題があるといえます。 それを解決する無料の民間アプリがございます。 三井住友海上火災保険株式会社の「スマ保災害時ナビ」というアプリでございますが、このアプリでは、スマートフォンのGPS機能を使って現在地情報を取得し、周辺の避難所などに加え、地図上にハザードマップを重ねて表示可能で、現在地から避難所までのルートを表示することができます。 松本市以外でも使え、いつでもスマホで簡単に確認できますので、いざというときに自分で自分の命をどう守るのか、避難経路を考えるきっかけになります。 カメラのAR機能を使って風景画像に避難所などの方向を表示できることから、暗闇の中でも避難所や自宅などの方向がわかり、一度検索した避難所データはスマートフォン内に保存されるため、通信が遮断された状態でもこのような機能は使用できます。 また、安否登録と確認機能があり、ボタン一つで自分の安否情報を登録することができ、速やかに家族の安否情報確認ができます。 さらには、スマートフォンの言語設定が英語、韓国語、中国語の簡体字、繁体字の場合はその言語で表示されます。 そこで、アプリ提供事業者と連携し、本市最新の指定避難所などの情報を提供することで、最新の情報をアプリに反映すべきと考えます。 あわせて、市ホームページ上で市民にPRすべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) お答えします。 パソコンの防災サイトやスマートフォンの防災アプリの利用は、被災状況や避難所の場所などの情報収集手段の一つとして、自分の身は自分で守る自助行動を補う重要な手段になるものと考えます。 そこで、市では昨年12月にヤフー株式会社と災害に係る情報発信に関する協定を締結し、同社のヤフー防災速報サービスを活用した松本市からの緊急情報の配信体制を整えまして、その活用について市ホームページによりPRを行いました。 災害時には、このサービスを用いて避難所の開設情報、交通情報などの緊急情報を発信いたします。 現在、今ご紹介申し上げましたアプリを初め、多種多様な防災情報ツールが普及しております。 そこで、議員ご提案のアプリにつきましては、どれくらいの記憶容量を使うのか、また、消費電力はどうなのかといったその有用性について情報収集に努め、アプリ提供事業者との避難所情報に関する提携及び市民PRについて判断をしてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。
    ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 アプリの有用性について情報収集に努めるとご答弁をいただきました。 それでは次に、被災者の支援物資について質問いたします。 これまでの災害において、国などから送られる支援物資のほかに必要な物資が生じ、迅速に調達する方法として、通販サイトアマゾンの「ほしい物リスト」を活用した事例がございました。 このサービスは、被災者のニーズを自治体が把握し、「ほしい物リスト」に登録すると、購入者が支援したい出資者となって、その物資を被災地に届けることができることです。 令和元年東日本台風災害において実施した長野県や須坂市によると、短期間で届き、嗜好品も集まったということで、避難所の細かなニーズにも対応でき、大変よかったということでありました。 一方で、反省点としては、アカウント登録やマニュアル作成など、災害前に準備をしておいたほうがよいとアドバイスをいただきました。 長野県としても、そのような方法は有効と捉え、シェア拡散に協力していくということであります。 本市では、災害時の支援物資集積拠点となる防災物資ターミナルが今月完成し、支援物資が必要な人のもとに効率よく届くことが期待されるところであります。 いざというとき、国などからの支援物資以外が必要となった場合は、協定締結先から調達します。それでも不足する場合は、購入する予定となっておりますが、この「ほしい物リスト」機能の活用は、本市も市民も一切お金がかかることではなく、欲しい物を欲しいときに集めることができる方法でありますので、事前に準備しておくことが必要と考えます。 そこで、本市としてこのサービスを導入する予定はあるのでしょうか。また、導入するとしたら、事前準備に何が必要なのでしょうか。市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) お答えします。 甚大な被害が発生した場合、まずは国が被災地からの具体的な要請を待たずに調達し、被災地へ緊急輸送するという、いわゆるプッシュ型支援による物資が多量に届けられます。 本市では、避難所が開設された場合は、避難者のニーズを把握し、備蓄物資と全国から送られてきた物資を必要とする避難所に必要量を配送いたします。 また、国等からの支援物資以外に必要となった物資につきましては、ご紹介ありましたとおり本市が協定を締結する自治体や企業等から早急に調達し、その上で不足する物資につきましては、市内事業者を含め本市近在の事業者から直接購入する予定であります。 したがいまして、ご提案のサービスにつきましては、本市では今のところ導入する予定はございません。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 事前準備に時間はほとんどかからず、調達にお金もかかりません。欲しいものを欲しいときに集めることができる方法でありますので、ぜひ研究をしていただきたいと思います。 それでは次に、公共インフラの整備ということで、危険箇所対策について質問いたします。 高齢化の進展に伴い、全国的に用水路での転落事故が起こっております。 警察庁の平成30年における水難の概況によりますと、用水路での死亡、行方不明者数は全国で平成30年は66人いまして、過去5年間で345人に上ります。 ただ、これは水難事故の数字で、自転車で転落した場合は交通事故としての処理になります。 そこには歩行中の事故は含まれず、正確な実態は把握できませんが、実態はこの数字を大きく上回ると言えます。 県内でも、先月長野市で73歳の男性が、先々月は安曇野市で85歳の女性が、自転車とともに用水路に転落し、死亡しました。 岡山県では人食い用水路とも呼ばれたこともあり、身近に潜む命を奪う溝になってしまうおそれがあります。 松本市では大丈夫でしょうか。 松本広域消防局に協力してもらい、本市における用水路等での緊急事案について調査をいたしました。 平成29年から令和元年までの年齢区分を見ますと、被害者の60%が65歳以上の高齢者です。 さらには、若者を含む複数人が同一現場で転落し、救急搬送された危険箇所がありましたが、対策がなされておりません。 救急の概要に多かったのは、足がついてこなくなり転倒したといったことが多くございましたが、これは高齢化社会の宿命と言えます。 事故を防ぐためのハード対策には膨大な費用がかかり、全ての用水路に対応するのは難しいのが現状です。 そこで、事故発生のおそれがある箇所の対策について、市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 松本市では、市民が安全で安心して暮らせるよう、道路や水路、河川等について、毎日地区を決めてパトロールを行っております。 また、1年に4回から5回発行いたしますいじか通信やFMまつもと及びテレビ松本の広報番組等によりまして、市民に損傷箇所や危険箇所を発見した場合通報いただくよう協力を呼びかけております。 そして、通報により現地に出向きまして、危険箇所の維持補修を行っているのが現状でございます。 また、地区あるいは町会からの補修、各種改善要望につきましては、優先順位をつけ、危険性の高い箇所から順次補修等を行っており、議員ご質問の水路への転落防止につきましては、柵の設置や蓋がけを現場の状況に応じて実施しております。 今後も引き続き、パトロールや市民からの通報、要望により損傷箇所や危険箇所の早期発見、迅速な補修や安全対策に努めてまいります。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 全国的な転落事故を受けて、国も対策を強化し、農村地域防災減災事業という用水路の事故防止対策の費用を全額補助する事業を来年度当初予算案に盛り込みましたが、ぜひ、これを有効活用していただきたいと思います。 あわせて、高齢者の転落が増えていることを啓発するなど、ソフト面で後押しすることを要望いたします。 優先順位をつけて、危険性の高い箇所から順次補修等を行っていくために重要になるのが、実態の把握です。 まずは、市全体でどこが危険なのかを把握しなければ、優先順位をつけて対応策を講じることができません。全ての箇所に対応策を行うことができなくても、危険度の高いところに関しては早急に対策を行うべきです。 松本市PTA連合会から令和元年松本市教育委員会への要望ということで、歩道脇の用水路の転落防止柵か支柱の設置を初め、ほかにも通学路の安全確保について要望書が提出されております。 議会が交流事業を行っている松本工業高等学校やエクセラン高等学校、信州大学や松本大学の学生からも、通学路の危険箇所において必ずといっていいほど意見が寄せられますが、用水路以外にも危険な箇所があると市民は感じています。 市としてはそれがどこなのかを、しっかりと実態を把握しなければなりません。 しかしながら、市民としては、誰が管理者でどこに問い合わせればいいのかがわからないのが実情です。 そんな中で、市民からの声を届けるツールとして、道路破損等通報アプリ「なおして!アルプちゃん」の活用が有効であり、行政との対話のツールでもあります。 アプリを活用している人からは、写真を撮ってGPS付きのメッセージを送るだけで済むので便利であると好評です。 一方で、現状ではアプリを知らない人が多く、ダウンロードしていても操作方法がわからないといった声も多くあります。 ダウンロード件数と通報数を見ても、アプリがあることや操作方法の周知で課題があるといえます。 どんなにいいアプリがあっても、知らなければ活用してもらうことはできませんので、ぜひ、このタイミングでより一層周知に力を入れていただきたいと思います。 例えば、ICTのスキルに長けた学生にアプローチし、学校で出前講座をしたりチラシを配ったりすることで、結果的に通学路の安全確保につながると考えます。 また、地元の補修要望をすると思われる町会役員などにアプローチし、使い方を知ってもらうための講座を行ったり、地域づくりセンターの職員が中心となり、各地区に普及していったりすることで、より地域の声が届くと考えます。 そこで、アプリの周知について、市の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 議員ご紹介の「なおして!アルプちゃん」は、平成30年8月から稼働し、本年1月末現在でダウンロード数979件、通報数は365件となっております。 「なおして!アルプちゃん」は、位置情報とともに道路、水路及び公園施設の損傷等の状況を写真で通報することができるアプリで、議員ご紹介のとおり損傷の状況を的確に把握でき、迅速な対応に役立っております。 現在、いじか通信等によりましてPRをしておりますが、さらにより多くの皆さんに使っていただけますよう、今後はツイッターやフェイスブックの活用、各種イベントや会議の機会を利用し、アプリの紹介や通報内容など使用方法について周知を行い、また、先ほど今井議員のほうから提案がございましたものも参考にし、利用促進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 各種イベントや会議の機会を利用して周知していくとご答弁いただきました。 それでは次に、心の健康づくりの推進ということで、自殺予防対策について質問いたします。 長野県の未成年自殺率は、平成24年、25年、26年と単年で全国ワーストが続き、令和元年12月に明らかになった最新の情報では、平成30年は単年でも直近5年間の平均でも両方で全国ワーストという結果になってしまいました。 市内でも多数の自殺者が発生する危機的な状況において、松本市自殺予防専用相談「いのちのきずな松本」の相談件数、実人数は平成26年度から減少しており、周知方法や相談体制に課題があるといえます。 そこで初めに、長野県は未成年の自殺率が全国ワーストであり、本市においても若者の自殺率は高い状況ですが、このような現状をどのように捉えているのかお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 長野県及び本市において、未成年者の自殺死亡率は全国と比較して高い状況で、大変深刻な憂慮すべき状況であると認識をしております。 平成29年度に策定いたしました第2期自殺予防対策推進計画の中で、若い世代への支援を強化するために、CAPプログラムを用いた出前講座やSOSの出し方に関する教育を、教育委員会と連携し取り組んでいるところでございます。 しかしながら、個人情報保護の観点から、個々の本質的な原因までを究明できていないという現状の中、関係機関協力のもと、より継続的な取組が重要であると考えております。 若い世代に限らず、誰もが自殺に追い込まれることのないよう、自殺予防対策を個人の問題として捉えるのではなく、その背景に様々な社会的要因があることを踏まえ、社会全体の問題として取り組んでまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 現状をどのように捉えているのか、ご答弁をいただきました。 それでは次に、現在、本市で行われているいのちのきずな松本の相談対策の効果検証についてお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 いのちのきずな松本は平成22年10月から開設し、自殺予防専用相談として庁内サポートチームを整備し、相談内容にすぐ対応できるよう関係者が連携し、包括的な支援を実施しております。 相談者の実人数や延べ人数は横ばい傾向という現状ですが、相談を通じ、直接支援に結びついた方の割合は増加しており、相談者はどちらかというと年齢の高い方が多い実情ではある中、相談内容に合わせた対応ができており、結果として自殺者総数は減少しており、一定の効果があると認識をしております。 しかしながら、若者の相談は数件という現状ですが、本市においては子どもの権利相談室「こころの鈴」を設置し、市内小・中学校、高校での周知を行い、こちらではフリーダイヤル、メール、FAXなどで相談の対応をしており、啓発などの対策を講じているところであります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 ご認識のとおり、相談してもらうことにより一定の効果があるということは間違いないと思っております。 だからこそ、まずは相談してもらうことが非常に重要です。 しかしながら、相談者の実人数が平成26年度では122人でしたが、毎年下がり続けて、平成30年では66人と約半数になっておりまして、相談体制を強化することが課題だといえます。 子どもの権利相談室こころの鈴での相談は、学校や家、友達のことで困っていることが主であり、やはり自殺相談とは性質が違います。 死にたいぐらいつらいときの相談窓口が、現状平日9時から17時15分までという限られた時間の中で、学校や仕事がある人はどうやって電話すればいいのか、児童生徒は市役所東庁舎までどうやって行けばいいのかを考えると、現実的に相談ができない人のほうが圧倒的に多いと推察します。 自殺という最後の選択が頭をよぎる人に寄り添い、耳を傾け、その心を受け止める居場所づくりが必要と考えますが、現在の相談体制において、曜日や時間帯、方法の拡充について何か改善できないでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現在は、長野県看護協会への委託による相談員を含めた7名の相談員と、健康福祉部の保健師の2名体制で、議員からもご紹介ありましたが、午前9時から午後5時15分までの間、輪番体制で電話相談及び面接相談を行っております。 夜間においては、数少ないNPO団体などが全国的に相談を行っている体制はありますが、専門的な相談員が少なく、十分でないと認識をしております。 まずは、休日・時間外において、いのちのきずな松本の留守番メッセージで本市のホームページを紹介し、夜間対応等が可能な相談先などの案内を早急に行っていきたいと考えております。 また、相談体制の充実については、本市のみならず広域的な対応が重要と考えておりますので、県全体での体制の構築を要望してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 今井議員。 ◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 早急に留守番メッセージで案内を行っていくとご答弁をいただきました。 最後は、質問と要望といたします。 夜間対応の相談先に電話してみますと、しばらくたってからおかけ直しくださいと、いつ電話してもほとんどつながらない状態です。 つながったとしても、国や県の相談窓口では、松本に住んでいる人であればわかることがわからず、心の距離感があるといった声があります。 ぜひ、本市全体として、先ほど取り上げました業務の効率化を積極的に進めていただき、自殺予防対策のようなところへ人員や予算を多く配分していただくことを強く求めます。 さて、いのちのきずな松本を認知していないのか、それとも認知はしているが相談していないのか、それを分けて考える必要があります。 認知していないということへの対策には、周知方法を工夫し、限られた予算の中で、苦しみ悩み自殺を考えている人に届く方法でなければなりません。 そこで、インターネットの検索行動と連動したウェブ広告が有効と考えます。 具体的には、日時、検索ワード、性別、年齢、場所、予算などが設定できる連動型の広告であれば、例えば、長期休みの後に自殺が多いことから、8月の1か月間に期間を設定し、検索ワードを「自殺 方法」といったワードにして、松本市内の、年齢は二十歳以下といったように細かく設定することができます。 ワンクリックごとの課金で予算の上限を設定することもでき、広告結果を蓄積、分析できることから、今後に反映できるといえます。 これを皮切りに、既に自殺願望を訴えているハイリスク者をインターネット上で見いだし、速やかでかつ適切な対応を行うことで、自殺予防を可能にするような危機介入システムの構築につなげることができると考えます。 次に、認知はしているが相談していないということへの対策は、相談しやすい環境の整備を進めることに尽きます。 現状の市ホームページの相談窓口ページは、数あるページの一部分であるという感じであるため、距離が遠く感じるという声があります。 相談員に会ったり電話したりしたときに感じるぬくもりを、何とかインターネット上で伝え、興味を引く視点を取り入れることができれば、連絡してみようかなと思ってもらえると考えます。 ぜひ、そのような特設ページを開設してほしいと要望いたします。 例えば、NHKの「#8月31日の夜に。」という番組ホームページがございまして、動画もあり、とてもよくできたサイトですので、このようなサイトを参考にすることが有効と考えます。 近年では、自殺を考えるほどつらい状況にあった人が、何とかそれを乗り越えて懸命に生きているというようなものが自殺抑止効果を持つこともわかっておりますが、こちらのサイトには有名人のそういった体験談が入っています。 また、自分はどこにも所属していない、自分は周りに迷惑をかけているなどといった葛藤や孤立が自殺願望を強めることが知られています。 自殺願望を持つ人が、インターネットでその気持ちを訴えるのは、そうした自分の状態を匿名の空間で言葉にすることによって、あるいは同じ状況でどこかで苦しんでいる、いわば仲間と気持ちを共有することによって、自殺危機を乗り越えようとする対処行動の一つとも考えられます。 このサイトには、つらい気持ちをわかってほしいという気持ちを吐き出せる部分もサイト内にあります。 まずは、現状ページにはこのような有効と思われるサイトや、国や県などの相談窓口へのリンク、QRコードを追加するなど、改善していただき、そのページを先ほどの広告などにより周知していくことが必要と考えます。 そして、先ほどの用水路での転落事故調査をしていてわかったことは、明らかに川に飛び込み、自殺未遂を図ったと思われる若者が、本市でも複数人いました。 救命救急士や警察、搬送された病院と連携をより強化し、何とか救ってあげることはできないでしょうか。 自殺未遂者に対するケースマネジメント介入はもとより、それを基盤とした若者の自傷行為に対する介入法の開発も求めます。 そこで最後に、連動型広告の活用、特設ホームページの設置、QRコードやサイトリンクの活用、救命救急士や病院等との連携について市の見解をお尋ねし、以上で私の全ての質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えいたします。 議員からご提案をいただいた中でお答えをいたします。 まず、QRコードにつきましては、次年度増刷するものなどできるものから対応してまいりたいと思います。 また、サイトリンクについては、ホームページの加工など、できるところから始めてまいります。 そして、連動型広告の活用、特設ホームページの設置については、議員ご指摘のとおり若者が興味を引く視点を取り入れたものに着手できるよう、今後研究を重ねてまいりたいと考えております。 また、救命救急士や警察との直接的な連携については、多少難しい面はあるかと思いますが、搬送された病院との連携については、今後、市として関係の構築を図ってまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 以上で今井ゆうすけ議員の質問は終結いたします。今井議員は議席へお戻りください。 次に、10番 上條敦重議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 10番 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 改めまして、まだ、おはようございます。会派開明の上條敦重でございます。 今回は一問一答にて、質問通告に従いながら、今井ゆうすけ議員の後、上條 温議員、川久保文良議員とともに、会派を代表し、質問させていただきます。 私は去年4月に当選して以来、常任委員会では教育民生委員として活動してまいりました。 今回は、委員会で学んだ経験を踏まえ、教育行政について最初に質問させていただきます。 まず、学校登山についてです。 昨年の12月定例会で、神津議員も学校登山について質問されていました。 今朝の新聞にも載っていましたが、ついに我が安曇中学校も2年に一度ということになってしまいました。 多くの要因がございますが、先生の問題も大きな課題でございます。 松本市の中学校では、全19校のうち登山を行っている中学校は14校でした。 平成25年度に長野県山岳総合センターが中学校集団登山同行調査を実施いたしました。平成18年度、平成22年度に続き3回目です。 その結果、やはり平成22年度から比べ、長野県全体で178校から170校へと8校減りました。長野県の実施状況は87%です。 12月定例会での山内教育部長の答弁でも、自然体験行事は重要だけれども、幾つかの難しい課題があることもわかってきたという答弁がございました。 松本市でも、5つの中学校が登山に行っていません。松本市の実施状況は74%です。 このままでは、100年以上続く学校登山がなくなってしまうのではないかという心配が心をよぎります。 様々な問題や課題が動向調査の中から見えていますが、その見えている課題の改善がどれだけ進んでいるのか、停滞しているのか、気になります。 自然に触れる教育は、最近はやまほいくにも代表されるように、低年齢でも積極的に推奨されています。 そこでお聞きします。 このような状況の学校登山についての教育長の思いと、学校における登山の位置づけや方向性について、どのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) 〔登壇〕 お答えをいたします。 古くから学校は、地域の自然や歴史・文化を学ぶことを大切にし、山国信州ではふるさとの地を見守ってくれる山への学校登山に取り組んでまいりました。 松本市教育委員会では、恵まれた山岳環境にある岳都松本として、学校登山を子供たちの人間形成の上で大変大切な自然体験行事として位置づけております。 次に、学校登山に対する私の思いをお答えいたします。 中学校だけでなく、小学校も含めてということでお話をいたします。 私も学校に勤務していた頃、子供たちと一緒に学校登山を経験をいたしました。 子供たちにとっての登山は、自分は苦しさに耐えられるか、頑張れるかと自分の体力や気力を実感する場であり、自分の体と心を知ることができる場でもあります。 また、ふだんと違う友達や先生の姿にも出会え、友達や先生をより深く知る、そんな場でもあります。 何よりも、子供たちは自然の雄大さや厳しさを肌で感じ、日常では得られない感動体験を得ることができる場だと思っております。 一方で、子供たちを引率しているつもりの私自身も、実は子供たちに連れていってもらっていることに気づく場でもありました。 ふだん一人では登ることのない山に、子供たちのおかげで登り、子供たちとともに感動体験を味わいました。そして、そこには子供たちのふだん見られないよさが多く見られ、子供理解をより深める場でもありました。 このように学校登山は、子供たちと教員双方にとって価値ある学習の場であると思っております。 今後も充実した学校登山が継続できますよう、支援に取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 教育長の思いも伝わってまいりました。 教育行政が大きな曲がり角にきている今、先生方の負担もかなりのものと推測いたしますが、ここで、ある学校の事例をご紹介しながらご要望を申し上げます。 東京都に成城学園という中学校高等学校があります。大学は成城大学です。 この成城学園の中学校2年生240名余りが、全員で毎年学校登山を行っています。1955年に始まり、65年近い歴史があります。 この240名が、3コースに分かれて登山をしています。 毎年5月、丹沢山地で予備のトレーニング登山を行い、体育の授業での様子を加味して3コースに分かれます。 一番体力のある生徒たちは、4泊5日で表銀座コースを縦走します。中房温泉に1泊、燕山荘に1泊、大天井岳から西岳経由で槍ヶ岳に登り、山荘で1泊して上高地に下山し、最終日は西糸屋山荘で1泊して帰ります。 セカンドレベルの生徒は、白馬岳コースです。3泊4日で白馬岳に登ります。以前は大雪渓を登っていましたが、事故後は大雪渓を避けて登ります。 唐松岳コースは3泊4日で、残りの生徒たちが登ります。麓にある学校所有の施設にも泊まりながら、自然と親しむ教育を実践しています。 ガイドが五、六人つきますが、唐松岳コースは2人です。 80名の教師中20名弱が3班に分かれます。教師は山の研修を受け、リーダーは実践トレーニングで養成していくそうです。 今まで死亡事故は一件もないそうで、事前レクチャーを行い、親にもリスクの話をした上で、全員参加で行う学校行事です。 私の友人の子供たちも行きました。 このように、私立中学校とはいえ、東京都の中学校が65年にわたり学校登山を続けています。 校長先生が、最近、山で中学生たちとすれ違わなくなったというお話をされていました。 まさしく、松本市、安曇野市の生徒たちの燕岳方面への登山が少なくなったのでしょう。 このように、ガイドをきっちりつけ、引率の先生も山に慣れていれば、事故のリスクも減ります。また、先生の負担も減ります。 転勤が伴う公立学校の教育現場では、このような先生の養成は難しいかもしれません。 先ほどの動向調査のまとめにも実施の仕方を工夫すると書かれています。 調査では、できれば登山をやりたくないのが本音というような先生の意見もありました。 私も、何回か学校登山に同行して見守りましたが、山が苦手な先生方やトレーニング不足の先生方もいらっしゃいます。 先生方には、岳都松本の学校に赴任されたわけですから、誇りを持ち、山を愛し、自ら山を歩いて大自然と触れ合って、山好きの先生が一人でも多く誕生することを切に願い、先生頑張れと言いたいものです。 また、実施の仕方の工夫としては、医師の確保がなかなか難しいなど、ガイドやスタッフ不足の課題もありました。 実は、この北アルプス南部には、診療所を備えた山やコースが幾つかあります。 燕山荘には順天堂大学医学部の診療所があり、上高地には東京医科大学の診療所があります。 徳沢にも日本大学医学部の診療所があり、また、涸沢にも東京大学医学部の診療所が、いずれも7月中旬から8月下旬まで開設しています。 奥穂高岳に登頂しなくても、涸沢に行くだけでもすばらしい経験になり、氷河時代のカールを体験するだけでもよい自然学習になります。 決してピークを目指すだけが登山ではなく、次は穂高に登ろうと思わせるのも登山です。 診療所をうまく利用すれば、医師が同行しなくても登山は幾らでも工夫できます。 ぜひ、実施の仕方を工夫して、学校登山の支援策を考えていただき、学校登山の質問を終わります。 続きまして、教職員のメンタルヘルスケアについて質問いたします。 学校を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。今年4月からは小学校の新学習指導要領が全面実施され、来年4月には中学校で全面実施されます。 小学校では英語の学習時間も増え、総合的な改定の方向性は、生きるために働く技能や知識の習得、社会に出て実践的な対応ができるような能力を身につけるクリエイティブな子供たちを育成していくような方向性です。 GIGAスクール構想によるICT化も待ったなしで進められ、デジタル化された機材や教材を使いこなしていく様々な研修が、先生には待ち構えています。その上、教職員の働き方改革もこのような現状の中でも急務な課題です。 このように、教職員を取り巻く環境は非常に厳しく、それぞれタイトなスケジュールの中で勤務をこなしていかなければなりません。 体力的にも精神的にも過酷な環境での業務は、知らず知らずのうちに肉体的、精神的なダメージを受けている可能性があります。 そこで、毎年行われているストレスチェックのデータの分析と活用についてお伺いいたします。 現在休職中の職員の中で、精神的な理由で休職中の職員の数はどのぐらいいらっしゃるのでしょうか。お教えください。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 本年度現在においてですが、療養休暇制度対象の教職員1,258人のうち30日以上療養休暇を取得した職員は27人でございまして、そのうち精神的な理由で休職した職員は12人でございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 30日以上療養休暇を取った職員は27名、そのうち精神的な理由で休職した職員は12名とのことでした。 正式に申し出て休職できた職員はまだ恵まれていますが、なかなか相談できず、その上申告できずにいる隠れた心の病を抱えている職員は果たしてどれぐらいいるでしょうか。 それでは次に、ストレスチェックの実施状況とその結果をどのようにフィードバックしているのか、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 現在、小・中学校に勤務しております教職員を対象に、仕事のストレス要因や心身のストレス反応、周囲のサポートなどに関する68項目を調査するストレスチェックを、平成28年度から実施しております。 調査は、外部機関への委託により、インターネットを利用して各教職員が直接入力する方法で行われておりますが、今年度は対象者1,508人のうち1,052人が回答し、回答率にしますと69.8%でございます。 入力されたデータは委託機関が分析をし、教職員はその結果をインターネットを通して確認することができます。 なお、学校ごとに個人データを数値化し、集計した結果につきましては、教育委員会を経由し学校長に送付をしております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 今年度は対象者1,508人のうち69.8%の回答率で、1,052人が回答したということですが、30%の職員が未回答のようです。 職員の中には、自分は大丈夫と思って回答しない職員もいるとは思いますが、実はこの回答しない人たちもかなり怪しいのではないかと思います。 精神的なダメージを受けていると、自分で自分のことを確認することが怖いなどネガティブな思考になるので、回答すらしないケースもあります。 個人にフィードバックされ、個人がどう考えるか、どう行動するか、全て個人の判断になってしまっているのが現状だということがわかりました。 その上で次の質問ですが、ストレスチェックのデータをもとにして、ストレスを感じている職員に対しては、誰がどのように指導やケアを行っているのでしょうか。お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 ストレスの程度が高く、医師による面接指導が必要と判定された教職員につきましては、希望する場合には、教育委員会を通じて医師の面接指導を受けることができる体制をとっております。 その指導結果につきましては、本人の同意が得られた場合に限り学校長へ報告をされ、個人指導につなげております。 また、学校長は、送付された個人データの集計結果をもとに、学校全体の業務配分や人員体制の見直しなどを行っております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えをいただきました。 あくまでフィードバックされたデータを個人が認識し、個人の判断と行動によって相談できるシステムだということです。 軽症の方はこの方法でもいいかもしれませんが、少し重症な方は果たして相談ができるでしょうか。 文部科学省が平成25年3月29日付でまとめた教職員のメンタルヘルス対策についての中で、なかなか同僚にも相談できない、また、上司にも相談しづらいという報告がされています。 また、小規模校よりも大きな学校のほうが、精神的なダメージが多い職員が多い傾向にあります。 学校は、企業のように組織が小さい単位で成り立っておらず、鍋蓋のような組織になっていて、ほとんどが職員個人任せの形態になっているので、人間関係もまとまりづらい傾向にあり、コミュニケーションも必ずしも校長先生が思っているほどとれていないとの報告がされています。 そのような状況の中で、校長との信頼関係やコミュニケーションが欠如していたり、プライバシーの問題等の理由でケアできない職員の対応はどうするのか、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 現在、学校では教職員の相談体制として複数の相談窓口を設け、対応しております。 まず、学校長が相談窓口であることはもちろんでございますが、学校長に相談できない場合は教頭や養護教諭などが対応しております。 また、学校の教職員に相談できない場合は、長野県から派遣されておりますスクールカウンセラーにも相談できる体制をとっております。 さらに、松本市教育委員会を初め、県の総合教育センターや中信教育事務所におきましても相談を受け付けております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 例え窓口がたくさんあったとしても、本人が決断して行動しなければなかなか難しいことがわかりました。 問題は、精神的に病んでいる職員に対して、窓口は幾つもあるから自ら行動してくれということは難しいのではないでしょうか。 また、休職から復帰した職員へのフォローアップや配慮が足らないと、再発に結びつくケースも多く、対症療法だけではなかなか難しいと思います。 それでは次に、一次予防の必要性と可能性について伺っていきます。 県内でも、今年に入って懲戒処分を受けた職員もおり、昨年10月にも中学校の講師が逮捕される事件もありました。 全て事件後に研修を行うなど、対症療法で対応していますが、過去3年間の懲戒処分は増えています。 そのことに対する見解と、一次予防の効果が現れていないように思いますが、何か課題はありますでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、県内の教職員の懲戒処分についてでございますが、平成28年度に17件、平成29年度に7件、平成30年度10件となっておりまして、依然として非違行為根絶に至らない事態を重く受け止めております。 再発防止策といたしまして、各学校では自己を見直す研修を行い、重ねて教職員同士が同僚性を高める取組を行っております。 その中では、非違行為を起こさないために、いかに自分事として捉えられるような研修にするか、また、互いに意見の言い合えるような風通しのよい職場環境が整えられるか、そういった課題が挙げられております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 必ずしも精神的な病が原因で事件を起こしたとは限りませんが、減っていなくて増えているということが気がかりです。 対症療法により研修した後、学校長に任せるという今の現状は、管理職にも負担やストレスがかかるのではないでしょうか。 埼玉県川口市は、59万人の人口を誇る中核市です。 川口市では、平成12年から教職員対象のメンタルヘルスカウンセラーを当時1名からスタートし、今年度は7名採用しています。 各学校を回り、教職員の面談をしながらガス抜きやケアをしています。もちろん子供のケアもしています。 また、メンタルヘルス研修会なども開催して、一次予防に力を入れています。 チーフカウンセラーの活動報告書によると、精神的なストレスを抱える教職員は、新規採用職員と50代教員が圧倒的に多いとの報告もあり、松本市においても新規採用を含む若手職員に休職者が多いと聞いております。 そこで、この問題の最後の質問になりますが、一次予防の取組についてどのように考えるか、また、教職員の業務が拡大する中、メンタルケアなどのサポートシステムの導入についての見解をお伺いしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 学校現場におきまして、子供たちと向き合う教職員が心身ともに健康であることは大切なことであり、健康の維持増進を図る一次予防の取組は大変重要であると考えております。 議員ご提案の教職員へのサポートシステムの導入についてでございますが、松本市教育委員会といたしましては、まずは現在各学校に配置されておりますスクールカウンセラーに、短時間でも教職員全員の話を聞く機会をつくるなど、心のケアに一層配慮するよう、各学校に依頼してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えをいただきました。 スクールカウンセラーにもお手伝いをしてもらうけれども、新規のカウンセラーを配置することは難しいとのことでございます。 クラスを預かる先生の負担は計り知れません。 誰にも相談できず、精神的な問題を抱えながら現場に立つことは、子供にも伝染します。 そう考えると、一次予防の必要性を感じます。 学校登山のガイドを含むスタッフの確保の件や、メンタルヘルスカウンセラーを含む一次予防の取組など、教育行政に対しもっと投資をしてもよいのではないかと思います。 機材やインフラにお金をかけなければならない時期だからこそ、ますます激務が予想される教職員に対し、未来の大切な宝を育てていく大きな役割の負担を減らすためにも、教育行政の人材にもっと投資をすべきだと考えますが、いかがでしょう。 以上、要望をお伝えし、次の質問に移ります。 続きましては、学生の通学に関しての質問をさせていただきます。 本年2月5日午前8時、神奈川県逗子市の市道沿いで土砂崩れが発生し、通学途中の女子高校生が巻き込まれ死亡いたしました。 平成30年に大阪府高槻市において、地震によるブロック塀の倒壊で亡くなった小学校4年生の事故とともに、本当に痛ましい事故でございました。 この事故の現場も通学路であり、2011年11月に神奈川県が土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーン急斜面に指定した区域で、2月7日に国土交通省の専門家が現場調査をした結果、土の下にある岩が風化していたために崩れたという見解を示しました。 そこで質問でございますが、逗子市の事故を受け、通学路が土砂災害防止法に定めるイエローゾーンあるいはレッドゾーン、松本市にはこれらのゾーンを通学路としている箇所がどのぐらいあるのか、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 松本市においては、議員ご質問のイエローゾーンやレッドゾーンは市内各地に指定されておりますことから、その中にある通学路の箇所数は把握しておりません。 しかし、防災マップと通学路を重ね合わせることで、場所の把握はできるようになっております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 なかなかイエローゾーンとレッドゾーンの中にある通学路の数は把握できないということでございました。 しかし、防災マップのイエローゾーン、レッドゾーンを確認すれば、通学路と重ね合わせて確認できるとのことでございます。 私の住んでいる安曇地区島々は、それこそイエローゾーン、レッドゾーンの入り乱れた地区で、安曇小中学校もイエローゾーンとレッドゾーンに挟まれた区域にあり、当然、通学路もイエロー急傾斜ゾーンを横切り、レッドゾーン近くを通っています。 特に、大野田地区から安曇小中学校への通学路は、以前崖崩れがあった下を国道158号沿いに通学路があり、とても危険な箇所を2キロほど歩いて通っています。 多くの子供たちが住んでいるベルハイツ大野田という特定公共賃貸住宅も、裏が山でレッドゾーンとイエローゾーンとの境にあり、危険な区域になっています。 安曇地区だけではなく、中山間地の多くの通学路がイエローゾーンやレッドゾーンの近くまたは区域を通っています。 ブロック塀の事故後は、撤去や除去に補助制度を設け、安全対策が進みました。 通学路がイエローゾーンあるいはレッドゾーンに含まれている箇所は把握できないとのことですが、今回の逗子市の事故を受け、通学路の安全対策についてはどのように行われているのか、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 松本市では1年に2回、PTA、警察署等とともに通学路の交通安全点検を実施しているほか、市道につきましては、今井議員にお答えしたとおり、道路パトロールを実施しております。 道路パトロール等により道路脇の急傾斜地等に変状が見受けられた場合、状況に応じて国・県等と連携し、経過観察、注意喚起、補修等の対策を実施することとしております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 通常の側溝や道路の点検などは行われているようで、また、急傾斜地のチェックもされているようですが、イエローゾーン、レッドゾーンの中を通る通学路に関しては、ぜひ一回、専門家の視察調査をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 次は、高校生の通学の問題です。 昨日、太田議員が松本と都心を結ぶ新幹線構想を、夢と希望を持って質問されて、それを拝聴させていただいておりましたが、一方では、奈川地区や安曇地区の、特に大野川区から高校に通学する生徒の足すら、残念ながら確保されておらず、そのために進路の選択が制限され、やむを得ずアパートを借りている生徒が13人、寮生活の生徒が4人、親の通勤に同乗して市内まで通う生徒もいます。 当然、毎日アルピコ交通上高地線新島々駅まで送迎する家族も多くいます。 また、親戚のある家族は、そちらに子供を預けてお世話になっているケースもあります。 旧安曇村時代には、そのような生徒のための学生寮もあり、多くの学生が利用していました。 残念ながら、その寮もなくなり、高校進学を機に波田地区等へ移転してしまうご家族もあり、過疎化の要因にもなっております。 本当に通学は真剣な問題で、交通量が多い国道158号を島々から自転車通学をしている生徒や、中学校2年生の女子生徒は、乗鞍が好きだから、どうしても家から通いたいんですと訴えてもおりました。 そこで質問でございます。 安曇地区、大野川区の高校生が、アルピコ交通上高地線を利用し、自宅から通学できるように、市営バスの運行をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 安曇地区の大野川区からは、アルピコ交通の乗鞍線が運行しておりますが、議員ご承知のとおり通学時間帯の便がないため、高校生はバスを利用した通学ができません。 奈川地区からは、市営バス奈川線が朝夕、地区内とアルピコ交通上高地線新島々駅の間を運行しており、現在、この路線を利用し通学している高校生がおります。 したがいまして、大野川区から奈川渡ダムまでの交通手段が確保できれば、市営バス奈川線へ乗り換えることによりまして、市内の高校への通学が可能となります。 そこで、お尋ねの大野川区からの市営バスの運行についてでございますが、松本市といたしましては、高校生が親元から安心して通学でき、また、多くの住民の皆様にもご利用をいただきたいと考えておりますことから、まずは住民の皆様からしっかり要望を伺い、松本市と地域が連携し、一緒に知恵を絞り、地域に合った公共交通を検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えをいただきました。 四賀地区とJR明科駅を結ぶ市営バスも確保されました。地域住民にとっては大変喜ばしいことでございます。 安曇地区に対しても、地元との意見交換を重ねて、ぜひ、実現に向けて検討していただきたいと思います。 これからは私の要望でございます。 先ほど申し上げましたとおり、安曇・奈川地区でアパート暮らしをしている生徒が13人おります。 今後は、安曇・奈川地区だけの問題ではなく、入山辺地区や四賀地区など中山間地にも同じような課題が生まれてくる可能性もあります。 また、諸事情により家庭から通えない生徒もおります。 そこでご検討していただきたいのですが、学生寮が存在すれば、家族も本人ももう少し負担のない学生生活を送れるだろうと思います。 私の知っている家族も、本人が部活動をしているため、乗鞍から通うことができないので、アパートを借り、生徒を住まわせて、母親は毎日料理を作りに通っています。大変な苦労です。 子供たちの人生の選択肢を、環境によって狭めてはいけません。 そんな生徒たちのためにも、学生寮の設置を望みます。 別に新築で建ててくれとは言いません。市で空いている施設などあれば、有効利用していただけないものかと思っております。 多々難しいことも理解しておりますが、子供たちのためにも何とか知恵を出していただけないでしょうか。 以上で教育行政に関した質問を終わりにしまして、上高地のインバウンド対策についての質問に移ります。 上高地は、私にとっても知り合いや友人、後輩など、たくさんの人々が働いたり関係したりしている特別な場所です。 祖父が上高地で仕事をしていた関係で、小さい頃からよく出かけては、霞沢岳の伏流水を集めて流れる、絶対濁らない清水川のほとりに、当時上高地の宿泊施設に飲料水を分配する大きな水車があり、その周りでよく遊んだことを思い出します。 課題が山積する特別景勝地上高地ではありますが、今や松本市の財産です。 議員全員の方々に課題を共有していただき、全員で上高地を守っていきましょう。 上高地に関する一般質問では、昨年の9月定例会において阿部議員が幾つか質問されておりますが、今回は外国人トレッカーに対しての質問に絞ってお伺いいたします。 その前に、3か所ある公衆トイレの改修について確認させていただきます。 9月定例会一般質問の答弁では、大正池のトイレは環境省直轄で整備を進め、令和4年完成を目指しています。また、明神、徳沢については、市が国の補助金を活用し、改修を行う予定であり、現在整備計画の策定に取り組んでいると答えていますが、その後、前倒しになったなどの話もあり、9月定例会以降の進捗状況を、規模などを含め詳しく、現在公表できる範囲でお伺いしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) それでは、上高地のトイレ整備について、昨年の9月定例会で阿部議員からの同様の質問にお答えした以降の取組についてお答えをしたいと思います。 まず、松本市が管理をしております上高地の3か所のトイレのうち、環境省が直轄で再整備を進めております大正池公衆トイレにつきましては、本年度、地質調査と測量を実施いたしました。来年度、保安林解除申請等関係法令の手続を行い、令和3年度に建設工事に着手、翌4年度の工事完了を予定しているところでございます。 また、松本市が再整備を行う明神と徳沢の2か所の公衆トイレにつきましては、来年度に水源調査等を実施し、その後関係法令の手続を行った後、建設工事に着手いたします。 おおむね令和6年度には2か所とも再整備が完了する予定でございます。 なお、早期の整備着手に向け、上高地町会とともに関係機関への働きかけを続けてまいりました結果、本年度の県補助金の活用が見込めることとなりましたことから、本定例会において調査及び設計委託料の補正予算をお願いしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 決断を早くしていただき、感謝いたします。 ただ、少なくともまだ三、四年は我慢しなければならないということもご理解いたしました。 トイレを利用した人たちの気持ちのよい笑顔が早く見たいものでございます。 続きまして、最近増加しているといわれている外国人トレッカーの山小屋の利用状況についてでございます。 外国人トレッカーの山小屋の利用状況について把握しているようであれば、利用者の推移や国別の利用状況についてもお伺いしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 山小屋の外国人宿泊者数について、過去3年の状況を申し上げますと、平成28年が2,403人、平成29年が3,967人、平成30年が4,402人と増加傾向ということでございます。 次に、国・地域別の状況でございますが、上位5か国・地域を直近の平成30年のデータで申し上げますと、最も多いのは韓国で2,270人、以下、台湾673人、香港405人、アメリカ168人、タイ117人の順となっております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 トレッカーは確実に増えているようでございます。 韓国人がナンバーワンでしたが、彼らの登山は集団登山で、小屋泊です。 実は見過ごしてしまいがちですが、外国人トレッカーはテント持参者が非常に多うございます。特にヨーロッパやアメリカのトレッカーはそうでございます。 ですから、実際はもっと多いと推測いたします。 私の手元にある数字で推計すると、上高地を訪れる外国人はおよそ30万人、そのうち登山者は2%です。120万人の4分の1が、今や外国人観光客でございます。 インフォメーションセンターを利用する外国人は、グループや個人が多いのですが、イスラエル人とフランス人がダントツに多いです。そして、焼岳への登山者が多く、インフォメーションに苦慮をしております。 そこで、登山目的の外国人に対して、安全に登山するための登山道、積雪、装備、ルールやマナー、山小屋等のリアル情報の提供がどのように行われているのか、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 雄大な山々に囲まれた岳都松本として、外国人のお客様も含め、どなたにも登山を安全に楽しんでいただきたいとの願いは常にございます。 安全登山に関わる情報提供は非常に大切なことであるという認識でございます。 安全な登山のための情報提供につきましては、県の登山安全条例に基づく、登山を安全に楽しむためのガイドラインで定めている安全登山のために必要なルールやマナーなどが、県のホームページにおいて多言語で掲載され、情報提供されております。 そのほか、気象や登山道などの情報につきましては、山小屋等が発信しておりますが、こちらは日本語での提供のみとなっております。 また、松本市長が会長を務め、警察署や山岳関係団体などにより組織をされた北アルプス南部地区遭難防止対策協会におきましても、登山相談所の開設等により、外国人も含め安全登山のための情報提供を行っております。 しかしながら、刻々と変化する気象や登山道の状況等については、現地でしかわからない情報ということでございまして、現状ではこれをリアルタイムで情報提供する仕組みがないため、こうした問い合わせに対しましては、目的地近辺の山小屋をご紹介しているという現状でございます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えをいただきました。 私たち日本人の登山者にも、情報がなかなか取りにくいということもございます。外国人には、余計に面倒で難しいことがよくわかります。 最近では、知識や情報不足の外国人登山者が増え、一歩間違えば大事故につながるケースもあり、山小屋関係者や登山経験者などからは、こんな状態で登山者が増えても困るよという状態です。 最近、松本広域連合でも外国人向け観光マップを作りましたが、観光用は整理が必要なくらいたくさんありますけれども、登山用はありません。 そこで最後の質問ですが、早急に安心安全な登山ができるように、市が中心になって整備したWi-Fiを生かし、山小屋情報を一元的にしたコンテンツの配信や、上高地の関係者も使用して評判がよい、安曇野市の協議会が作成した外国人向け登山マップの松本版の整備の可能性についてお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) それでは、2点のご質問に順を追ってお答えをいたします。 まず、ご提案のありました山小屋情報の一元的発信につきましては、環境省を中心に県、松本市、高山市、山小屋関係者などが推進をしております国立公園満喫プロジェクトにおいて取り組むべき課題となっており、現在、国立公園の登山情報や山小屋情報を集約、整理した外国語ウェブサイトの整備が検討されているところでございますので、本事業の中で着実に進めてまいります。 次に、外国人にわかりやすい登山マップの整備につきましては、安心安全な登山に必要と考えますので、現在、日本語版と英語版を作成して情報発信に取り組んでいらっしゃいます山岳関係者の皆様とも十分協議をしながら、そのマップの改良も含め、今後研究してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。 ◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 お答えいただきました。 いずれにせよ、命に関わるツールや情報なので、早急に整備が必要と考えます。 ちなみに、本当につい先ほどでございますが、環境省の知人からうれしい情報が届きました。 安曇野市が作成した外国人向けマップの松本版を作成中とのことでございます。 来年配布予定だそうですが、ただし、5,000部しか作らないので、あっという間になくなるので、増刷は松本市にお願いしたいと言っておりましたので、ここで私からお伝え申し上げます。 イベントも大切ですが、岳都松本としてふさわしい取組をお願いし、私の全ての質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で上條敦重議員の質問は終結いたします。上條議員は議席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時10分といたします。                             午前11時55分休憩                             ----------                              午後1時10分再開 ○副議長(阿部功祐) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 19番 上條 温議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 19番 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 会派開明の上條 温でございます。 質問の機会をいただきましたので、同僚の今井議員、上條敦重議員、川久保議員とともに市政一般について質問いたします。なお、件名ごと一括方式にて質問いたしますのでよろしくお願いをいたします。 最初に件名1、国体を想定した都市計画について伺います。 2027年(令和9年)、長野県において開催予定の第82回国民体育大会、第27回全国障害者スポーツ大会については、開閉会式及び各種競技が松本市において開催されます。そこで、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会の受け入れを想定した本市の都市計画について伺います。 私は昨年9月定例会において、競技種目ごとの受入れ施設の整備方針をお伺いしました。それによりますと、松本市において開催が内定している競技は、開閉会式のほか6競技が松本市総合体育館、松本市野球場、四賀球場、松本市サッカー場、美鈴湖自転車競技場において行われる予定となっています。以上5か所の施設整備については、原則として既存施設を有効利用することとして従来から進めている改修等を計画的に進めるとの答弁でございました。 また、県施設である松本平広域公園(信州スカイパーク)陸上競技場については、昨年11月、現在の陸上競技場、主競技場を取り壊し、メインスタンドを西側にして建て替える整備方針が県から公表されました。 さて、前回の国民体育大会、昭和53年やまびこ国体でございますが、今から42年前のことでした。思い返せば、このやまびこ国体を契機としてJR松本駅舎が改築され、松本駅前広場が拡張整備されました。また、今井地区の陸上競技場主会場と選手、役員の宿泊地である浅間温泉、美ケ原温泉とを結ぶ国体道路、やまびこ道路ができたのもこのときでした。このときにできた松本環状高家線は現在、外環状線、やまびこ道路は中環状線として本市の幹線道路となっています。現在の松本の街の基礎ができたときと言えるのかもしれません。 当時の日本は人口増加と経済成長が目覚ましい発展を遂げる一方で、インフラ整備が追いついていかない時期でした。それゆえに国民体育大会を契機としてインフラ整備が社会的要請であった時代でした。一方で、現代にあっては人口減少への対応や超高齢社会への対応等が求められている時代ですから、国民体育大会に求められている社会的要請が変わってくるのもむべなるかなというものでございます。 昨年秋に県が発表した松本平広域公園陸上競技場の整備方針によると、現在の陸上競技場を取り壊し、メインスタンドを西側にして建て替えるということでございます。現陸上競技場は県内唯一の日本陸上競技連盟第1種公認競技場です。一方で、建設から40年以上を経て老朽化が進むとともに、バリアフリー対応に課題があり、空港に隣接するという立地条件などから第1種公認基本仕様を、平成6年に制定されたそうですが、十分には満足しておらず、競技面や運営面などから改善を求める声がありました。 今後、競技団体や障害者団体をはじめ、広く県民の意見を聞き、具体的な設計を行い、令和7年度(2025年度)の完成を目指しています。総事業費は約130億円ということでございました。 建て替え案では、トラック・フィールドの長軸はほぼ南北方向とし、メインスタンド内に必要な諸室、バックスタンド内に雨天走路を設けるほか、エレベーター等の設置によりバリアフリー化にも対応する。メインスタンドには屋根を設け、その下に7,000人分の観客席を確保。照明は屋根先、またはフレーム先に分散配置することで、転移表面以下で必要な照度を確保可能。マレットゴルフ場の一部、テニスコートの一部に影響するため、機能代替のための関連工事が必要。以上が県が公表した内容でございます。 現在のテニスコート8面中2面及びマレットゴルフ場の一部が陸上競技場建て替えに伴って影響が出ると、つまり潰れるということでございます。そのことから代替機能のための用地確保が必要になると思われます。また、駐車場拡張の要望も多数寄せられています。加えて、松本平広域公園内には信州まつもと空港及びサンプロアルウィンがあり、陸上競技場と合わせて県の三大施設が集中しています。 このように考えると、陸上競技場を含む松本平広域公園拡張の話題が早晩出てきてもおかしくありません。今のところ県からそのような話はありませんが、可能性を予測し、準備しておくことが必要と考え、都市計画上の位置づけについてお伺いをいたします。 次に、昭和53年やまびこ国体を契機に改築されたのが松本駅であります。四代目となる現松本駅舎は市や商工会議所などが出資した松本ステーションビル株式会社による駅ビル、当時はセルヴァンと呼んでいましたが、セルヴァンが開店し、併せて東口駅前広場、1万4,300平方メートルが整備されました。松本駅はその後、平成23年まで10年余りかけて総事業費約127億円を費やし、東西自由通路、西口広場、連絡道路を整備し現在に至っていますが、松本駅及び駅前広場の原型ができたのは昭和53年でありました。あれから42年が経過しました。人間が年を取るのと同様に、街も建物も年を取りますから、街の若返りには常に気を配っておかなければなりません。 以上のような背景から、2回目の国民体育大会を想定し、若返りのため松本平広域公園周辺及び松本駅周辺について、現在の松本市都市計画マスタープランなどでの位置づけはどうなっているか伺います。 以上で1回目の質問といたします。 ○副議長(阿部功祐) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) 〔登壇〕 2点のご質問にお答えいたします。 まず、松本平広域公園についてでございます。 松本平広域公園の陸上競技場周辺は、西南工業団地や今井ニュータウンを除き市街化調整区域となっております。平成22年3月に策定いたしました現在の松本市都市計画マスタープランの地域別構想では、河西部南部地域に当たり、まちづくりの方針として松本平広域公園の機能充実を図ることを掲げ、施設の整備方針にレクリエーションや自然との交流の場所として整備・充実を図ることを位置づけています。 次に、松本駅周辺は、都市活動の中心地であり、都市中心拠点として商業・業務を集積するゾーンとしております。用途地域の設定では、現状の環境を維持する考えからお城口側は主として商業その他の業務の利便性を増進する商業地域に、アルプス口側は主として住居の環境保護を定める第2種住居地域の指定となっております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 松本平広域公園陸上競技場周辺については、都市計画マスタープランにおいて松本平広域公園の機能充実を図るとし、レクリエーションや自然の交流の場所として整備・充実を図る。それから、駅周辺につきましては、用途地域の指定ということでお城口、東口側については商業地域、アルプス口、西口側は第2種住居地域というご答弁でございました。 さて、信州まつもと空港にありましては、空港の活性化、国際化が県において鋭意取り組まれておりまして、国際線ターミナル建設が模索されているほか、民間においても松本平広域公園を対象としたにぎわい創出の機運が醸成されております。このように考えますと、松本平広域公園拡張の話題を含め、この地域の都市的機能の在り方について改めて考える時期に来ているのではないかと思います。 次に、松本駅周辺について申し上げます。先ほど申し上げたとおり、松本駅舎ビルは途中で増改築がなされているものの、建設当初から42年が経過していて、改築の話題も巷間うわさされています。そんな折、昨年6月13日、松本市長とJR東日本長野支社長との間で、松本駅周辺開発計画に関連し、連携協定が締結されました。協定締結の目的は、市とJR東日本は相互に連携・協力して松本駅周辺における中枢中核都市の機能強化に向けた取組を推進することとしております。 具体的に連携する事項につきましては3つありまして、1つ目がコンパクトで魅力あるまちづくり。2つ目、定住人口、交流人口、関係人口の拡大。3つ目、市はこれらの取組を進め、JR東日本は松本駅周辺における自社用地を活用した事業を推進するとしておりまして、JR東日本が松本駅周辺の再開発を模索していることをうかがわせています。 松本駅は松本の顔であります。私はかつて広告にあふれた現在の松本駅舎が学問の都、山岳の都、音楽の都である松本市の顔にふさわしいのか、疑問を投げかけてきました。県内他市のJR駅舎はそれぞれ、その街の玄関の顔として意匠を凝らし、自らの街の個性を主張しています。松本駅も早くそうなってほしいものです。 また、松本駅アルプス口、西口方面です。市道中条白板線の道路拡張工事が着々と進んでいます。この地域は先ほど答弁にありましたように、現在第2種住居地域となっていますが、松本市西部地域と松本駅との結節点としての立地と都市機能を考えると、用途地域区分が今のままでいいのか検討が必要ではないでしょうか。 以上申し上げた状況の変化と時代の要請を踏まえた上で、2027年(令和9年)、2回目の国民体育大会を迎えるに当たって気になる松本平広域公園周辺及び松本駅周辺、この2か所の地域について現在見直し中の松本市都市計画マスタープランなどでどのように配慮し、検討していくのか見解を伺います。 加えて、松本市長とJR東日本松本支社長との間で締結された松本駅周辺開発計画に関する連携協定の進捗状況についてお伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 上條建設部長。 ◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 まず、松本平広域公園周辺でございます。令和2年度までの予定で進めております松本市都市計画マスタープランの見直し作業は、地域課題への対応や社会活動に適合した有効な土地利用を図ることを見据え、各地域における拠点の位置づけや整備方針の見直しを行います。松本平広域公園周辺につきましては、議員ご質問のとおり、県からは現段階で公園拡張などの具体的な計画はないとお聞きをしております。国民体育大会の開催や信州まつもと空港活性化の動きから、今後各分野の具体的な計画が進む過程で、松本平広域公園周辺における施設の整備や交通対策を進めるのに当たり、都市計画上の位置づけが必要となってくると考えられます。 現在の都市計画マスタープランにおいても、交通拠点や自然交流拠点となっておりますが、必要な施設配置が可能となる方針を位置づけるよう、県や地元関係者と相談しながら計画の見直しを進めてまいります。 次に、松本市の玄関口である松本駅の再開発は、都市の中心拠点として将来まちづくりを検討する契機となることが想定され、必要に応じて用途地域等の都市計画変更が考えられます。都市計画マスタープランの見直しにおいては、駅周辺の中心市街地のまちづくり方針の見直しを大事な視点として捉え、検討を進めてまいります。 JR東日本が進めます松本駅開発計画につきましては、議員ご質問のとおり、昨年6月に連携協定を結び、施設計画の検討や協業する事項などについて協議を進めております。現段階でJR東日本からは駅ビル等の具体的な整備内容は社内検討段階であるため示されておりませんが、松本市では地域活性化に資する施設や行政機能の設置を含め、庁内関係部局で検討した上で市の考えを整理いたしまして、積極的に提案をしております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 3回目は要望といたします。 松本平広域公園周辺及び松本駅周辺につきましては、両地域とも今後の動向により変貌する可能性のある地域ですので、長期的な見通しを持って柔軟に対応していただきますよう要望をいたします。 また、JR東日本が進める松本駅再開発計画は協議を進めていると。現段階でJR東日本からは駅ビル等の具体的な整備内容は示されていないが、地域活性化に資する施設や行政機能の設置を含め、市の考え方を積極的に提案しているという答弁でございました。この行政機能の設置を含めというところに関心を持ちますが、今後の進捗に期待をしております。 以上で1件目の質問を終わります。 次に、件名2、子供のメディア教育について質問をいたします。 インターネットやスマートフォンなど電子メディアの急速な普及は、私たちのライフスタイルに大きな変化をもたらしています。日常生活の様々な分野においてICTを活用した新たなサービスが創出されています。一方でその便利な機能に伴って、従来起こり得なかった新たな課題が浮かび上がっています。 そこで、子供が電子メディアと上手に付き合う付き合い方、このことをメディア教育と言ってもいいのではないかと思いますが、メディア教育について以下のとおり伺います。 子供たちが知らないうちに犯罪に巻き込まれたり、SNSによるいじめ問題及びインターネット依存による精神面だけでなく身体面への影響等、数々の警鐘が指摘されています。報道によりますと、本市では2018年と2019年に、小学校3年生から中学校3年生まで全児童生徒を対象に、スマートフォンなどの電子メディアの機器利用について調査を実施したとあります。調査結果の概要と浮かび上がった課題の対応について、以下のとおり伺います。 1点目、主な調査項目と調査の概要。2点目、浮かび上がった特に重要だと思う課題。3点目、小中学生ごとのスマートフォン保有率。4点目、学校への持込みの実態。 以上についてお伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 このアンケートでございますが、松本市における子供たちのインターネットや電子メディアの利用実態の把握を目的として調査をしたものでございます。主な調査結果といたしましては、まずスマートフォンの保有状況でございますが、小学校3年生では本人所持と保有者との共有を合わせますと学年全体の47%、小学校6年生では66%、中学校3年生では71%でございました。利用時間も同様に、学年が上がるにつれて長くなる傾向にあります。 また、利用目的としては、小中学生ともに動画視聴が最も多く、次いで小学生ではゲーム、中学生ではものを調べる、検索となっております。中学生になるとSNSや音楽の利用頻度が小学生に比べ急増している実態があります。 次に、スマートフォンの利用が生活や健康に与える影響としてということで、睡眠や学習、家族との触れ合いに充てる時間が短くなっていること、またSNSを介した写真などの投稿やゲームにおける課金の利用が小学校高学年から増加していることが読み取れました。 このようなことから松本市におきましても、インターネット依存やいじめ、犯罪に巻き込まれるなどの被害の増加が大変懸念されているところでございます。 なお、松本市ではスマートフォンや携帯電話を小・中学校に持ち込むことにつきましては、原則禁止としております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 スマートフォン利用の実態が明らかになりました。スマートフォンの所有は小学校3年生で47%、6年生で66%、中学校3年生で71%。学年が上がるにつれて利用時間も長くなる傾向と、低年齢化の実態がわかりました。使用時間が長くなった分、睡眠時間や勉強時間、家族との触れ合い時間も短くなってきている実態。また、SNSを介した写真や動画の投稿、ゲームにおける課金などの課題が明らかになりました。スマートフォンや携帯電話の小・中学校への持込みは原則禁止という答弁をいただいたところでございます。 インターネット依存による精神面、身体面への影響が明らかになりました。本市独自に大規模な調査を実施してこのような実態が明らかになったことは、問題点の把握と課題解決に向けての大きな前進だというように感じます。 2回目の質問は、この課題の解決に向けてどのように取り組んでいくのかという観点から伺います。 平成29年5月に策定されました第2次松本市教育振興基本計画によると、高度情報化社会加速化の中で、ICT利活用の取組とともに負の側面から子供を守る取組の必要性を述べています。具体的には、学校と家庭と地域の連携の項の中で、メディアリテラシー教育事業として、インターネット、携帯電話が青少年の健全育成に及ぼす悪影響について親子で理解するための講座を開催するとしています。 そこで、情報モラル教育や保護者への啓発活動にどのように取り組んでいるのか伺います。
    ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 教育委員会では低年齢化の実態やインターネット依存、SNSによるいじめやインターネット依存による精神面、身体面への影響、この2つを重点テーマとして現在啓発活動に取り組んでおります。その活動内容をご紹介いたしますと、まずメディアリテラシーを専門とする職員が市内各地域や小・中学校を巡回し、子供から大人まで幅広い対象者に向けてインターネットの危険性や対処法に関する講義を開催しております。 また、昨年度、市長が主宰します総合教育会議の中で、子供とスマートフォンを懇談項目として取り上げ、市長と教育委員が意見交換したことを契機といたしまして「脳までむしばむスマホの怖さ」と題した注意喚起のチラシを作成し、小・中学生や保護者に向けて啓発を図っております。 さらには、本年度の新たな取組といたしまして、中学校1年生を対象とした一日教文学習の中で電子メディア機器を用いて情報モラルに関する事業を実施しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 幅広く情報モラル教育や保護者への啓発活動に取り組んでいる実情を答弁いただきました。 文部科学省は学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議というのを開催しています。先ほど答弁いただいたように、松本市では小・中学校への電子機器の持込みは原則禁止というようになっているようですが、やがて学校への持込みが可能になる時代が来るかもしれません。今後、情報モラル教育の推進は必要不可欠だと思いますが、どのように拡充していくか伺います。 また、新聞報道で、子どもとメディア信州のメディアインストラクター養成について報道がされました。この組織では、松本市の先生がその重要な役割を担ったと伺っていますが、市はどのような関わりを果たしているのか。また、そこで養成されたインストラクターを松本市教員委員会として今後活用していく考えはあるのかどうかお伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 まず、議員ご紹介の子どもとメディア信州という組織は、県下各地で情報モラル啓発活動に携わっております教員や医師、教育委員会職員、地域指導者などが集まり、情報モラル教育を進めていく上で今最も必要とされています指導者の養成を目的とした組織として、昨年4月に立ち上がりました。 松本市教育委員会では、この活動に早くから注目をいたしまして、これまで支援を続けてまいりました。具体的には2日間ずつ県下3会場で行うメディアインストラクター養成研修会の2回目を共催をいたしまして、Mウイングを研修会場として実施をしてまいりました。この研修会には、全県で延べ200名近くの受講者が参加をいたしまして、うち31名の方がメディアインストラクターとして修了をされました。この31名のうち6名が松本市在住の方で、県内市町村の中では一番多い人数となっております。 また、インストラクターに認定された方には、それぞれの学校や各学年の課題を洗い出し、ニーズに応えたメディアリテラシー研修が充実しますよう、教育委員会が実施しました市内全小中学校の学年別アンケートの調査データも提供をしております。 このほかに、昨年7月には内閣府が主催します青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムを松本市で開催し、松本市及び松本市教育委員会も共催し、県内外から多くの参加者がありました。このフォーラムでは、子どもとメディア信州のメンバーも加わり、「ネット問題から子どもたちを守るために、今、私たちがすべきこと」をテーマにしたパネルディスカッションを通して、現代の重要課題の一つであります地域における連携体制の構築の在り方に焦点を当て、地域連携に関わる最近の動向や今後の方向性について確かめ合う、よい機会となりました。 このように、松本市教育委員会ではICT教育や情報モラル教育に関わる様々な課題に対し、子どもとメディア信州の皆さんと連携し、県下でも先駆けて取組を進め、指導者養成等に成果が上がってきております。これから情報化社会の中で生きていく子供たちのためにも、便利で安心安全なインターネット環境づくりの構築に向け、引き続き取組を進めてまいります。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 ありがとうございました。 子どもとメディア信州につきましては、松本市立菅野中学校の校長先生が代表になっていると伺っています。松本市教育委員会もいち早く注目し、共に取り組んできたとの答弁でございました。これからも相互に協力し合いながら、他市に先駆けて子供が悲惨なメディア被害に遭わないよう、積極的な取組を要望いたします。 以上でこの件についての質問を終わります。 次に件名3、地域づくりと町会公民館の充実についてをお伺いをいたします。 地域づくりにつきましては、昨日、犬飼信雄議員が質問していますが、私は地域づくり推進交付金に絞った質問ですので、よろしくお願いをいたします。 生き生きとした地域づくりを、主役である市民と協働で取り組むための財政支援として制度化されました地域づくり推進交付金ですが、平成27年度から全35地区に交付されています。均等割に世帯割を加味し、一地区当たり50万円から90万円を交付、具体的な使途は地区で決定し、地域の課題解決や活性化に向けた事業に活用することとして、予定している大規模事業や災害等の緊急対応に備えて積立てが可能となっており、地域にとって使い勝手のよい制度となっています。 つきましては、以下2点についてお伺いをいたします。 1点目は制度開始から5年が経過いたしましたが、その成果と課題についてどのように評価しているか。2点目、各単位町会におきましては町会の法人化、具体的には認可地縁団体化が一つの流れになっております。しかし、認可地縁団体化へは手続の煩雑性や町会役員の負担が大きいことなどの理由により苦慮している町会もあります。488の全単位町会の中で認可地縁団体となっている団体数及び認可地縁団体への移行を目指している単位町会に対して、市はどのような支援をしているのか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 守屋地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(守屋千秋) まず、地域づくり推進交付金に関するご質問にお答えをいたします。 議員ご紹介のとおり、地域づくり推進交付金は地区が使い道を一定程度自由に決められる財源を、地区の規模に応じて交付する制度でございます。各地区での実施事業の傾向としましては、防災、地域包括ケアシステム、歴史・文化に関する事業、各種地区行事のほか、緩やかな協議体の運営に関する事業が多くなっており、災害対策や記念行事のための積立てを行っている地区もございます。 そこで、ご質問の交付金の成果でありますが、交付金の目的である地域の課題解決や活性化に向けて、様々な立場の住民の皆さんが話し合って使い道を決め、創意工夫することにより、地区の特性や実情に応じた事業が住民主体で行われていることでございます。 さらに、こうしたプロセスを通じて住民の皆さんの地域づくりに対する意識や実践する力の向上、地区内の協働体制の構築にもつながっているものと考えております。 特徴的な交付金の活用事例を2つ挙げてみますと、中央地区では地区内の高齢者を支え合う仕組みづくりとして、中央地区福祉互助会事業の運営、入山辺地区では住民の皆さんが楽しみながら地域づくり活動を実践する入山辺地区の将来ビジョンを考える会事業の運営など、各地区で独自の取組が行われております。 一方、課題としましては、制度開始から5年を経て、交付金が地域づくりのための貴重な財源として定着してきたことから、実施事業が固定化する傾向がございます。したがいまして、単なる前例踏襲とならないよう、各地区において、これまでの実施事業の振り返りをしっかり行い、十分な話し合いを通じてより一層効果的な活用につなげていただけるよう取り組んでまいります。 次に、認可地縁団体に関するご質問にお答えをいたします。 本年1月末現在において、認可地縁団体となっている町会は、全488町会のうち253町会でございます。認可地縁団体は市長が認可する制度であり、その事務は地域づくり課が所管をしておりますけれども、認可地縁団体の認可を希望される町会については、どのような手続が必要か、どのような書類が必要かなど、初期の段階から相談に応じております。また、規約の整備や区域図等の申請書類などの作成の実務的支援も行っているところでございます。 この制度は町会が所有する不動産を町会名で登記するための制度でございますが、各町会に毎年配布しております町会活動ハンドブックや市ホームページなどを通じて、引き続き周知し、相談・支援に一層努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 確かに指摘されたような課題はあるものの、地域づくり推進交付金は地域住民が自らの地域のつながりや活性化を考える機会にもなっておりまして、地域づくりに大変有効だと感じております。そこで、交付金の増額を求める声も多いわけでございますが、今後の方向性について伺います。 また、認可地縁団体化につきましては、お答えいただきましたが、半数以上の町会が既に認可地縁団体になっているということでございまして、私の予想をはるかに超える割合でございました。今後とも適切な相談支援をお願いをしておきます。 次に、町内公民館整備補助金についてお伺いします。 この部分は昨日質問した近藤議員の質問趣旨と重複いたしますが、同様な意見があるということでお聞きいただきたいと思います。 市民にとって町会の公民館は一番身近で気軽に使えるたまり場的な公共的施設で、地域活動の一番小さい単位施設だと思います。その町会公民館の老朽化が進んでいます。改築資金集めに苦労している要因は町会によっていろいろでしょうが、高齢化の進展、町会活動への関心の希薄化などが背景にあるのではないでしょうか。町会によっては町会公民館が住民に一番身近な施設で、誰もが場所を知っていて、災害時の一時集合場所にふさわしいにもかかわらず、老朽化による耐震強度不足のため、かえって危険だということで指定できない事例もございます。 そのような中で、市の町内公民館整備補助金は大変ありがたい制度です。メニューは新築、改築、増築、一部改修などいろいろあります。ある町会公民館はこの補助金を活用して畳の部屋をフローリングに替えたり、玄関に手すりをつけたりして、老人から大変喜ばれております。 一方で、老朽化した町会公民館の耐震補強は工事も大がかりになり、工事費もかさみます。市の町内公民館整備補助金制度では、耐震補強は一般改修に当たり補助率3分の2、上限500万円となっています。大きな公民館を持つ町会にあっては、耐震補強工事をやりたいけれども自己負担額が大きく、資金確保のために寄附の話を持ち出せば、高齢者世帯などがそれならば町会を脱退したいと言われかねないと、苦悩する町会長もいます。もう少し補助金を増額していただけないかという要望も漏れてきます。 この補助金の増額は、昨日近藤議員の質問に対し、状況に応じた見直しは必要と考えていると、検討しますというご答弁をいただいていますので、その答弁で了といたします。 市の町会長名簿によりますと、戸数が最も大規模な町会は芳川村井町で加入世帯数1,636戸。一方、小規模な町会は十数戸という町会も散見されます。それぞれの地区の事情がありますので、大小両極端な事例を除いても、50戸くらいの町会は幾つもあり、また逆に300戸、500戸くらいの町会もある中で、補助基準が町会の規模にかかわらず一律ということは見直しの余地があるのではないでしょうか。 小さな町会にあっても一定の規模は必要ですから、十分配慮して、例えば一例ですが、一定の基礎数値の均等割に加えて世帯割を加味したような、先ほど申し上げました地域づくり推進交付金のような仕組みのことですが、制度改正を検討していただけないか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 守屋地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(守屋千秋) お答えいたします。 先ほどもお答えいたしましたとおり、地域づくり推進交付金は地区にとって貴重な財源として定着してきておりますが、現在、金額面も含めた要望や効果、活用における課題などを調査するため、各地区町会連合会長及び地域づくりセンター長を対象としてアンケートを実施をしております。したがいまして、このアンケートの結果や各地区のこれまでの取組状況等を踏まえながら、今後の制度の在り方を検討してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 質問の趣旨がちょっと伝わっていなかったのかどうかわかりませんが、今、質問申し上げましたのは地域づくり推進交付金ではなくて、町内公民館整備補助金の仕組みについてお伺いしましたので、よろしくお願いします。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 私からは町内公民館整備補助金についてのご質問にお答えいたします。昨日、近藤議員のご質問の中でお答えしましたとおり、時代に即した補助制度が必要であると認識はしているところでございます。その中で昨日のご質問にもお答えしましたが、補助制度全体の検討をする中で、ただいま議員からご質問いただきました均等割、世帯割といったものについても併せて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 先ほど申し上げたとおり、町会の規模にして10倍くらいの著しい差がある中で、町会規模に応じた補助制度を検討していただけないかという単純な提言でございます。検討するというご答弁をいただきましたので、期待をして結果を待ちたいと思っております。 次に、件名4、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。 この質問は昨日、勝野議員が感染予防対策、経済への影響と支援策等について行き届いた質問をし、それぞれ答弁をいただきましたので、答弁の重複は避けたいと思います。 恐れていた新型コロナウイルス感染者が松本保健所管内で発生しました。このような感染症に対する対応は保健所の管轄となっていますので、直接の窓口は長野県、松本市は県の指揮下において必要な対応を図っているということだと思います。一方、中核市を目指している松本市にとっては、中核市になれば松本市が保健所を設置し、松本市の所管事務となります。そのような背景を踏まえて質問をいたします。 目に見えないウイルスによる感染症ということで、得体の知れない漠然とした不安感、恐怖感を多くの市民が抱いています。過剰に反応して混乱を招くことがないよう、正確な情報を発信し、冷静な対応を呼びかけることも大切ではないかと思いまして、以下の質問をいたします。 松本市はあらかじめ、庁内連絡会議を開催し、準備してあったと伺っていますが、昨日、松本保健所管内で感染者が発生した事実を受け、昨日本会議終了後、臨時庁議を開催し、今朝、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催したと伺っています。対策本部会議の協議の概要及び感染拡大を抑え込むため、どのような方針で対応するのか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 昨日の松本保健所管内における感染者の発生を受け、本日、市長を本部長といたします対策本部を開催いたしました。これからの2週間前後が急速な感染拡大に進むか否かを分ける極めて重要な期間であることを認識し、基本的な考え方について方針を決定したところでございます。 まずは、個人の感染症予防対策のさらなる徹底に加え、一つとして集団感染を防止することと、二つとして重症化しやすい方を守ること、三つとして今後流行期に入った場合に備えて体制を整えることを最重点として、可能な限りの対応をするとともに必要な体制の強化を進めることといたしました。市民の皆様には正確でわかりやすい情報提供を行い、感染防止の周知徹底に努めるとともに、庁内の対策といたしましては市職員の感染防止対策を徹底するとともに、市主催の不特定多数のイベント開催について、再検討の目安などについて協議をいたしたところでございます。 中核市となり市に保健所が設置されますと、新型コロナウイルス対策を実行する上で相談窓口の開設、市民への情報提供といった対策の意思決定が速くなり、保健センターとの連携により全世代に切れ目のない相談体制や感染症対策が講じられるようになります。現在、中核市推進室とその体制づくりを進める中、今回の対応は、まさに保健所機能に即した対応を現在進行形で実行することができ、中核市移行への意義を感じているところでございます。 次に、具体的な感染予防につきましては、昨日、勝野議員への答弁でお答えしたところでございますが、ここでは若干、相談、受診に際しての注意事項を申し上げたいと思います。 せきや発熱等の症状がある方、特に高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方で症状に不安がある場合は、松本保健所の有症状者相談窓口に必ず電話で相談をしていただくことになっております。相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合には、保健所から指定される医療機関に設置された帰国者・接触者外来に受診の案内がされるので受診をしていただくことになっています。国が昨日示した新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の中でも、感染の不安から適切な相談をせずに医療機関を受診することや、感染しやすい環境に行くことを避けていただきたいとしております。市民の皆様には、冷静で適切な行動を重ねてお願いするものでございます。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 上條 温議員。 ◆19番(上條温) 〔登壇〕 正しく理解して正しく恐れる、冷静な対応が肝要だということではないかと思います。東京オリンピック・パラリンピックを控えた日本にとっても、不安が漂う昨今です。識者によると、ここ一、二週間が正念場だということでございます。今後とも適切な情報発信と指導をお願いをいたします。 最後に、菅谷市長は今任期をもって退任することを表明されています。市長は松本市に清冽で品格ある都市としてのイメージを定着させてくれました。残す任期は1か月となりましたが、深甚なる敬意と感謝を申し上げます。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(阿部功祐) 以上で上條 温議員の質問は終結いたします。上條議員は自席へお戻りください。 次に、16番 川久保文良議員の質問を行います。川久保議員は質問者待機席へ移動してください。 16番 川久保文良議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 会派開明の川久保文良です。今井ゆうすけ議員、上條敦重議員、上條 温議員に続き、会派を代表し、一部私見を交えながら、今回も一問一答にて質問させていただきます。 先日、ある方からご指摘をいただきました。現在、松本市では大型事業を含め様々な事業が行われ、計画されている。その計画された事業が実行され、5年、10年、または20年から30年先に評価されることになるが、その事業はよい評価ばかりでなく悪い評価となるときもある。そうした場合、当然その事業を認めた議会、議員一人一人にも責任がある。議会が賛成や承認することの責任の大きさを再認識してほしいというものでした。 そうした中で、私自身、中核市移行についての疑問はいまだに解消しておらず、中核市移行が市民の皆さんに対してどのようなメリットをもたらすのか。2月5日に開催された中核市移行特別委員会で示された毎年1億円もの財政負担が生じる事業が、中学生のおいやめいが私の年齢になったとき、あのとき、中核市に移行してくれてよかったと言ってもらえるのか、再度考えるようになりました。地方自治法では、中核市指定に係る手続の中で、関係市はあらかじめ当該市の議会の議決を経て都道府県の同意を得なければならないとあることからも、市議会の議決によって中核市に移行するのか、見送るのか、将来の松本市を決める重要な判断となってきます。 そもそも中核市は国が定める大都市制度の一つで、都市の規模や能力に応じて市の事務権限を強化し、できる限り市民に身近なところで行政を行うことで住民サービスの向上を目指すものですと、中核市移行に向けた市民説明会資料にはあります。しかし、私は市議会議員になる前の2年間、長野市桐原に居住しておりました。その当時は中核市であることのメリットを感じるどころか、長野市が中核市であったことさえ知りませんでした。私自身もそのメリットに気づかなかったこともありますが、昨年11月、長野市豊野での炊き出しのボランティアのときに、同じ会場で活動していた長野県職員の方や長野市保健所の方に、今回の災害での活動状況などをお聞きしました。その中で中核市についての話になり、松本市は本当に中核市に移行するのですか、もう一度考え直したらどうですかと指摘され、これが現場の生の声ではないかと感じました。 今月20日の信濃毎日新聞の2面には、市長選挙に係る記事で、健康寿命延伸都市・松本の未来、中核市移行で独自の保健所、財政負担増、市民に利点はとあり、市民サービスをどこまで伸ばせるか、新市政は市民が実感できるメリットをもたらす必要があると締めくくられていたこともあり、今さらと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、今回、関係議案が提出され、これまでの議員協議会などで示されてこなかった事項も明らかになったことから、中核市移行について平成29年12月定例会、平成30年6月定例会に続き質問させていただきます。 最初に、2月5日に開催された中核市移行特別委員会において、青木 崇議員のイニシャルコストの中の保健所整備に係る2億5,921万円の内訳についての質問で、昨年9月開催の中核市移行特別委員会で詳細を示したとの答弁がございましたが、委員会終了後改めて確認したところ、昨年9月開催の特別委員会では保健所整備に係る設計の補正予算審議であって、先般の委員会ではそれ以上の議論とはなりませんでした。 改めて、新たに先日示された保健所整備に関わる2億5,921万円の内訳についてお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) 〔登壇〕 お答えいたします。 保健所整備に係る2億5,921万円の内訳は、大きく3つでございます。1つ目は、長野県松本合同庁舎内に整備する保健所の改修工事経費のおよそ1億4,700万円。2つ目は、机や書棚などの事務什器や検査機器、公用車両、情報システムの構築に関わるおよそ1億300万円。3つ目は、保健所の運営準備に係る経費のおよそ900万円でございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、1億4,700万円が改修に係る費用であるとのことでしたが、長野県松本合同庁舎内での保健所業務はいつまで、約何年行われるのかをお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 保健所を開所する令和3年4月1日から令和8年度中までのおよそ6年間を予定しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 次に、長野県松本合同庁舎内に設置される保健所は令和3年4月1日から令和8年度中ということで、約6年、業務が行われるとのことでしたが、その後はどこで保健所業務を行うこととなるのか、確認の意味もございますのでお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 令和元年8月の中核市移行特別委員会でご報告申し上げたとおり、現在、建設計画中の市役所新庁舎において保健所業務を実施する予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 先ほども申し上げましたが、先日の中核市移行特別委員会で示された保健所整備に係る2億5,921万円のうち、新たな保健所が整備された場合、何がどのくらいの金額で継続的に活用できるものがあるのかお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 机や書棚などの事務什器や検査機器、公用車両、情報システムなどが継続的に活用できるものでございます。整備経費に換算いたしますと、およそ1億300万円相当となります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 2億5,921万円のうち約1億300万円とのことでしたが、次に、新庁舎建設に併せて保健所が松本市役所本庁舎内に設置されるとのことで、1億5,621万円を6年のためだけに投資するほどの新庁舎内に保健所が入ることのメリット、市民の皆さんにご理解いただけるメリットをお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 第二段階の保健所を新庁舎に入れることにつきましては、昨年8月の中核市移行特別委員会におきまして検討の結果及び理由についてご報告を申し上げ、ご了承をいただいております。新庁舎に保健所を配置するメリットにつきましては、改めて一例を申し上げますと、例えば子育て支援におきましては、保健所を含む健康福祉部、こども部、教育委員会等の事業連携によりまして、総合的な相談や手続をワンストップで行うことが可能となり、市民の利便性の向上につながるものと考えております。 また、保健所整備費につきましては、新たに土地を購入し新設する場合を考えますと、二段階で設置することにより、費用の負担は軽減できるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 保健所整備費について、新設で設置する場合を考えると二段階で設置することで費用の負担の軽減が図れるとのことでした。 次に、昨年末、中国武漢で発生した新型コロナウイルスは、今年になって日本でも感染者が確認され、マスクが品薄になるなど感染予防に努める皆さんも多くなっています。昨日は県内で初めて松本保健所管内で新型コロナウイルス感染者が確認されました。 先月末に神奈川県大和市を視察した際にも多くの皆さんがマスクをし、アルコールによる手の消毒を行っていました。2月6日に県は新型コロナウイルスによる肺炎患者の発生に備え、相談窓口を11の保健福祉事務所、保健所に設置したとの報道がありました。 また、12日の東京新聞には、東日本の病院が今月上旬、重度の呼吸不全で新型コロナウイルスの感染が疑われる50代の日本人男性を診察し、保健所にウイルス検査を求めたところ、国の検査対象に該当しないと一時断られたとの報道もありました。病院が翌日、再び保健所に強く要請すると検査は行われたとのことですが、そうした中で新庁舎では約1,000人の職員の皆さんが働き、多くの市民の皆さんが来庁されることが予想されます。本庁舎内に保健所が設置されることで、今回の新型コロナウイルス感染症のような未知なる感染症が発生した場合、電話ではなく直接保健所を訪れることも考えられ、感染リスクが高まると考えますが、その可能性をどう捉えているのかお聞きします。 また、多くの職員、市民の皆さんがいることで、性感染症など、検査を必要とする皆さんが訪れにくく、検査を控える可能性、そのことによってその感染症が拡大することも懸念されます。このようなことが懸念されますが、検査に訪れる方のプライバシーをどのように確保するのかお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 今回の新型コロナウイルスなど、感染症法に位置づけられております感染症は、保健所が行政検査を実施をいたします。行政検査につきましては、感染症の疑われる症状のある方に対しまして、まず保健所が受診の調整をした後、感染症指定医療機関等を受診をしていただき、そこで採取された検体を保健所の職員が回収し検査をいたします。したがいまして、市民の皆様方が感染性の高い疾患の検査のために保健所に来所することは原則としてございません。 また、市役所庁舎内の保健所の有無にかかわらず、感染症流行時には不特定多数の感染者が市庁舎に来庁するという前提のもと、職員には個人予防策を徹底し、庁舎管理においては感染対策の徹底を図ってまいります。市が保健所を設置することによりまして、専門的な見地からこれら庁内の感染対策が可能となります。 いずれにしましても、大規模感染の発生時には、市民の皆様に対しまして必要な情報を迅速に伝達し、不安を取り除き、正しい行動を促すことで、感染拡大の防止に努めてまいります。 次に、HIVや性感染症の検査につきましては原則匿名で個人情報は扱わないため、個人が特定できない形で検査を行ってまいります。また、実施に当たりましては受付は予約制とし、受診者の動線の考慮や時間外検査を実施するなど、検査に訪れる方のプライバシーに配慮してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 感染性の高い疾患の方は検査のために原則として来所はしないということですが、新型コロナウイルスなど感染を心配する方が窓口相談が保健所に設置されたと聞き、電話相談ではなく直接訪れることも否定できないのではないかと考えます。 次に、熊本地震では5つの市、町の庁舎が倒壊し、そのうち1つは現在の耐震基準を満たしていましたが、職員が庁内に入れず震災対応が遅れるという現実もありました。当然のことながら、こういった可能性やリスクを想定されていると考えますが、このようなリスクについてどのように考えているのかお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 横内政策部長。 ◎政策部長(横内俊哉) お答えをいたします。 ただいま議員にご紹介をいただきました熊本地震における庁舎被害の状況や、そのことによる災害対応への影響につきましては、我が事として捉え、教訓として新庁舎建設に生かしていかなければならないというふうに考えております。そこで、去る2月6日に、市役所新庁舎建設特別委員会でお認めいただき策定をいたしました松本市役所新庁舎建設基本計画では、庁舎の躯体とともに内部設備の損傷も軽減する免震構造の採用など、リスクに備える庁舎をあり方・導入機能に計上し、設計与件といたしました。 今後の設計段階におきまして、具体的な対策の検討を進め、新庁舎を十分な業務継続性を備えた中枢的な防災拠点の役割を担う施設として最善の備えを施していく考えでございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 最善の備えを施すとのことですが、大規模災害時、最前線に立つのが危機管理部と保健所であると考えます。そうした中で同じ庁舎に2つの組織が同居することのリスク、庁舎が使用できない、庁舎に入れないということも想定すべきと考えます。 先ほどの答弁にあった保健所を含む健康福祉部や様々な事業連携によるワンストップ効果との比較検討、新たに土地を取得し建設する場合と先ほど申し上げたリスク管理による費用対効果も含め比較していただきたいと考えます。 今月開催の市役所新庁舎建設特別委員会では約169億円という建設事業費が示されましたが、保健所がもし庁舎内に設置されない場合は、169億円という建設事業費の増減は幾らとなるのか。また、現在の庁舎が抱える問題として狭隘化が掲げられていますが、職員1人当たりの面積がどのように変化するのかをお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 横内政策部長。 ◎政策部長(横内俊哉) お答えをいたします。 新庁舎の概算建設事業費は、現状では建築工事単価と概算面積に基づき算出をしております。また、概算面積のうち執務室につきましては、職員1人当たりの面積と配置人数により算出しております。 そこで、お尋ねの件でございますが、あくまで仮にではございますが、新庁舎に配置する保健所の職員数と保健所機能に必要な面積に基づき算出をいたしますと、概算建設事業費としましては4億円程度の減少が見込まれます。また、仮に新庁舎内に保健所を設置しない場合の規模でございますが、保健所職員の執務室と合わせて保健所に必要な診察室などの諸室を除いたものとなります。その場合におきましても職員1人当たり6.5平方メートルを基準とした執務室の面積の考え方が変わることはございません。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 概算の建設事業費としては4億円程度の減少が見込まれる、職員1人当たりの6.5平方メートルという面積には変わりないとのことでした。 次に、平成30年5月18日開催の議員協議会にて、株式会社長野県食肉公社、食肉処理施設について、坪田副市長から、いつ移転するかということについてはなかなかはっきりしませんが、早期5年以内には移転したいという内々のポイントという発言がございました。中核市先行市へのお話をお伺いすると、食肉衛生検査所を持つメリットはなく、食肉処理施設がある中核市は食肉衛生検査所を持つことになっているためとお聞きいたしました。 議員協議会から約2年が経過しようとする中で、株式会社長野県食肉公社、食肉処理施設の移転についての検討状況と見通しについてお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 林農林部長。 ◎農林部長(林浩史) お答えします。 株式会社長野県食肉公社は、工場の移転・統合を検討するとの方針を平成30年12月の取締役会で決定し、併せて移転・統合を協議する場の設置について、長野県に支援を求めております。県は平成31年1月に食肉流通合理化計画を策定するため、県内の処理施設、加工、販売、生産者などの関係者及び有識者による長野県食肉流通合理化検討会を設置いたしました。CSF(豚熱)によりスケジュールに遅れが生じておりますが、検討会とワーキンググループ会議を重ねて県内処理施設の将来展望等についての検討がなされているところです。 株式会社長野県食肉公社の移転・統合を含む県内食肉処理施設の再編には、県畜産振興全体の中での調整が不可欠であるため、主導的立場での県の関与が必要というのが関係者の一致した見解で、そのためにも合理化計画の策定が待たれており、本市も検討委員会委員の一員として県のリーダーシップを強く求めております。 株式会社長野県食肉公社からは、移転の見通しにつきましては、具体的なことを申し上げられる段階にないと伺っております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 移転の見通しについては具体的なことは申し上げられないとのことでしたが、そもそも株式会社長野県食肉公社は昭和55年創設ということで、当然建物も老朽化していることが予想されます。改正食品衛生法が本年6月に施行され、1年の猶予期間を経て2021年6月に完全に義務化される食品衛生管理の国際基準ハサップにも、建物は対応していないとのことであることから、来年6月までには結論が出るのではないでしょうか。全国農業協同組合連合会に勤める知人にお聞きしたところ、やはりハサップが義務化される2021年6月までには、県から中長期的視野に立った方針が示されるのではないかとのことでした。 次に、2月5日開催の中核市移行特別委員会で新たに示されたランニングコストの推計の歳入では、普通交付税における基準財政需要額の増加見込み額として8億6,847万円となっておりました。一昨年、総務省にお話を伺った際には、中核市に移行した市に対しては交付税措置ではなく、臨時財政対策債での予算措置となっていることから心苦しいとのお話がありました。 また、中核市移行先行市への調査でも、中核市移行初年度、普通交付税がマイナスとなったところもあり、ある市への調査では、臨時財政対策債の算定方法としての財源不足額基礎方式は財政力の高い地方公共団体ほど発行割合が高くなっている。平成27年度から中核市・特例市については、一般市と異なる算定方法となっており、さらに発行割合が高くなり、地方交付税が減額されている点をデメリットに挙げていました。 財政部長にお聞きしますが、普通交付税と臨時財政対策債の違いをわかりやすくご説明をお願いいたします。 ○副議長(阿部功祐) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 そもそも普通交付税とは、日本全国、全ての地方公共団体が一定以上の行政サービスを提供できるように国が調整を図る制度で、標準的な収入と標準的な経費をもとに、各地方公共団体における不足財源を算出し、同額を交付するものでございます。 しかし、国の財源が足りないことから、平成13年度以降、その不足額を国と地方で折半して負担してきており、その地方負担分については一旦、地方公共団体が借入れを行い、それに充て、国が後年度の交付税でその元利償還金の100%を措置するものとされています。この地方債が臨時財政対策債でございます。 普通交付税と臨時財政対策債の違いですが、国からの交付金か、国から許可されて発行する地方債かという差異はございますが、どちらも地方公共団体の財源不足を補うものであり、地方公共団体にとっては国から措置された一般財源として同様の意味合いを持つものと理解しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 地方交付税は国からの交付金、臨時財政対策債は国から許可されて発行する地方債、借金ということがわかりました。 公益社団法人日本経済研究センターのホームページで、金目哲郎弘前大学准教授によると、臨時財政対策債には2つの問題点があり、一つは後年度に地方交付税で措置されるとはいえ、臨時財政対策債の債務を返済するのは発行体である地方自治体である。公共施設の建設に伴う建設公債とは異なり、赤字公債の発行は将来の世代への負担先送りであり、禁じ手である。 もう一つは、臨時財政対策債の元利償還金相当額が交付金額ベースで地方交付税に上乗せされるとは限らない。というのも、基準財政需要額は、土木費、教育費、厚生労働費、産業経済費などの行政項目別に、地方自治体の人口、教職員数、児童生徒数、高齢者人口などを基礎に算定する。つまり、人口減少によって各行政項目の基準財政需要額が減少すれば、元利償還金相当額を交付税措置したとしても、地方交付税の交付金額は純増することにはならない。人口減少が深刻化する今日にあっては、現実味を帯びた問題である。こうしてみると、臨時財政対策債のような特例的な赤字地方債に依存する状況が続けば、地方自治体の財政を不安定にしかねないと指摘しています。 ランニングコストの推計の歳入では、普通交付税としていますが、先行市や総務省の言うように臨時財政対策債となることもあるのか、お聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、まず、国は地方公共団体のそれぞれの財源不足を算定した上で、その財源不足額を普通交付税と臨時財政対策債の発行可能額に区分し、割り当ててまいります。その割合は、財源不足額の程度と政令市や中核市などの市町村の区分によって定められ、財政力の強い自治体に臨時財政対策債が多めに割り当てられることになっております。 具体的な交付税の計算に当たっては、市町村は3つの区分に分類されております。1つには政令市、2つ目には中核市と施行時特例市、3つ目はその他の市町村となっており、施行時特例市と中核市は同じ区分に含まれるため、施行時特例市である松本市が中核市に移行しましても、臨時財政対策債の配分の割合は同じでございます。 交付税の計算は基準財政収入額から基準財政需要額を差し引いて、財源不足分を算出します。そして、財源不足額が算出された後に、普通交付税と臨時財政対策債に分けるものでございますので、中核市移行によって発生する需要額が普通交付税として措置されるか、臨時財政対策債として措置されるのかはわかりません。市債残高が増えるなどの側面は確かにございますが、本市としてはどちらも標準的な行政サービスに必要な経費として、国から措置される一般財源であるという認識でありますので、その内訳は財政運営上影響しないものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 市債残高が増えるなどの側面が確かにあるとのことでした。 確認ですが、ランニングコストの歳入見込みである基準財政需要額の増加見込み額として8億6,847万円となっておりますが、この8億6,847万円は確実に措置されるのかお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 試算結果としてお示ししてございます8億6,847万円という額は、平成30年度の普通交付税算定結果を中核市の係数に置き換えて試算したものでございます。普通交付税の算定に用いる基礎数値、例えば市の人口や国の定める補正係数などは毎年度変動するものでありますが、基礎数値が大きく変動しなければおおよそ見込んだ金額が措置されるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 おおよそ見込んだ金額が措置されるものと考えているとの答弁でした。 中核市先行市への調査では、従来県負担となっていた各種費用が中核市負担となることによる財政的な負担の増加、それを補うほどの国庫補助、交付税がないこと。別の先行市では、中核市移行に伴うランニングコストは交付税で補填するものとされているが、全額が措置されていない。本来は交付税ではなく、相当分の税源移譲がされるべき。また、別の先行市では、保健所業務に関わる経費や保健所整備に対する交付税措置額が過少とのデメリットを挙げています。視察にお伺いした新潟県上越市や神奈川県小田原市は、財政面の懸念から断念したとのことでした。 こうした調査結果の中、市民の皆さんの中には、どんなメリットがあるのか、わかりやすく教えてほしいという声がございます。冒頭申し上げた2月20日の信濃毎日新聞の記事の中でも、地元説明会に出席した方から私たちにどんなメリットがあるのかという質疑の後に、健康をつくる、守ると言われても具体的な内容が見えないと首をかしげたとあります。 そこで、中核市移行のメリットを再度わかりやすくお聞きしたいと思います。松本市が中核市となった場合と現状の施行時特例市である場合、10代から80代の皆さんへのそれぞれの年代で中核市移行による実感できるメリットは何があるのか。毎年1億円の歳出増に見合うメリットをお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 塚田中核市推進室長。 ◎中核市推進室長(塚田昌大) お答えいたします。 中核市移行により県から移譲されるおよそ2,500の事務のうち、8割が保健衛生分野と福祉分野の事務でございます。内容としましては、感染症や食中毒対策など、市民の健康や生活衛生に関わる事務や、難病患者への支援、母子家庭への資金貸付など、市民の皆様が困ったときの相談支援に関する事務が数多くございます。これらは市民の皆様の安全安心な生活を下支えする大切な事務であり、より一層充実させることは中核市へ移行する大きなメリットの一つであると思います。 ご質問の具体的なメリットでございますが、感染症対策を一例に申し上げますと、市が保健所を設置し、感染症法の権限を持つことにより、市の実情に合わせた対策を行うことになります。これにつきましては、先ほどの上條 温議員のご質問に対する健康福祉部長の答弁にもございましたとおり、国から市保健所に直接情報が提供されることにより、迅速な意思決定が行われ、保健所の組織として位置づけられる保健センターや庁内の関係部署と連携することにより、市が保健所を持つ利点を生かし、全世代に切れ目のない感染症対策を実施してまいります。 世代を分けてみますと、子供と20代、30代などの子育て世代に対しましては、保健所と保育園、教育委員会とが情報を共有し、感染症に対する備えを強化をいたします。さらには保育園や学校、あるいは乳幼児健診の場において、直接家庭に向けた感染症の啓発や情報提供を行うことにより、これまで以上に安心できる子育てを支援してまいります。 また、働く世代に対しましては、保健所と商工観光部が連携をし、商店や企業へ感染症予防の周知啓発を行うことにより、よりきめ細かな対策が可能となります。そして、感染症に対して特に配慮が必要な70代、80代などの高齢者世代に対しましては、福祉広場などを活用した直接な情報提供に加え、中核市移行に伴い実施する社会福祉施設の実地指導により、集団発生のおそれのある高齢者施設への対策強化が可能となります。 このように、これまでの各世代に対する保健福祉施策と保健所が実施する感染症対策を融合することで、市としてより効果の高い取組を進めてまいります。 議員ご指摘のとおり、中核市移行のメリットがわかりにくいというご指摘がございますので、説明の方法などを工夫しながら、引き続き市民の皆様に丁寧に周知してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 ぜひ、わかりやすく市民の皆さんが中核市移行を歓迎していただけるような、そういったメリットを説明していっていただければと、そのように考えます。 2月5日に行われた中核市移行特別委員会ではランニングコストの試算が示され、何度も言いますが、歳入を歳出が1億円上回り、毎年1億円一般財源から賄うこととなります。先ほど申し上げた中核市先行市への調査でも、地方交付税などの財源措置はあるものの、中核市移行に伴う全ての財源が担保されるわけではなく、一般財源での対応が求められるとのご指摘もございました。このような実情がある中、市長は新しい保健所像を目指し、健康寿命延伸都市の発展につなげるため、この保険所を設置し新庁舎へ入れることを提唱し、この方向性が進められています。二段階設置をせず、長野県松本合同庁舎内に設置したままにしてはどうでしょうか。あるいは新庁舎建設とタイミングが合っているということであれば、新庁舎建設の令和8年度まで移行を見合わせて、そのタイミングで中核市に移行ということは考えられないのでしょうか。 また、先ほども申し上げた食肉処理施設は2021年6月に完全義務化されるハサップには対応していないことから、遅くても中核市移行の2か月後には移転なのか、統合なのか、継続なのかの結論が出るものと考えます。山形市への調査では、食肉衛生検査所を持つメリットはなく、法律で定められているためとお聞きしてまいりました。株式会社長野県食肉公社の結論が市外への移転、県内にある他の食肉処理施設との統合の可能性もあり、結論を待っての移行により、昨日の近藤議員の質問に対して獣医師の確保が課題との答弁もございましたが、獣医師などの職員数の削減が図られ、併せてランニングコストとなる人件費も負担減となる場合もあると考えますので、それではだめなのでしょうか。 保健所の二段階設置には、約6年間のためだけに1億5,621万円を投資することになります。年間約2,600万円を償却することとなるわけですが、どうしてそんなことをする必要があるのか、その必要性を市民に明確に費用対効果も含め、説明する責任が市長にはあると考えます。 市長退任に当たり、道筋をつけようとしているこの中核市移行について、このタイミングで中核市に移行し、二段階設置により新庁舎へ保健所を設置することにより、約6年間のために1億5,621万円を投入する必要性についてお伺いいたします。 ○副議長(阿部功祐) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) お答えいたします。 中核市への移行につきましては、平成30年9月の議員協議会におきまして、その必要性をご協議申し上げ、移行期日を令和3年4月1日としてご了承いただき、以後その都度、市議会にご相談申し上げながら取り組んでまいりました。議員ご承知のとおり、今般の台風などによる大規模自然災害や新たな感染症への対策、食の安全確保など、予測も難しく、多様化し複雑化する市民の命と健康に対する危機管理は、今後より一層地域の実情に合わせ、迅速かつ的確な対応が求められてまいります。 したがいまして、いち早く中核市へ移行することは、ただいまご説明申し上げたような市民一人一人の命と健康を守る取組など、市民ニーズや地域課題に対し、松本市がこれまで以上に責任を持って主体的に行政運営を進めるためにも必要なものであり、ぜひご理解いただきたいと思います。 川久保議員のご指摘またご懸念される点につきましては、私にとりましても理解できますが、ただその一方で私どもの意向を科学的な根拠をもってご説明できず、深く悩むところでありますが、行政サービスの最高レベルとも考えられる市民の命や安全安心をより迅速かつ確実に守ることのできる体制を、できるだけ早い段階で確立したいという強い願いを、切にご理解いただきますよう重ねてお願いを申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 川久保議員。 ◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 これまで中核市移行に伴い、議員協議会や特別委員会にて様々な議論が行われてきました。市長の答弁にございましたが、議員協議会などでは承認をしてまいりました。市長は議員協議会の中で、許認可業務や指導監督、感染症対策、大規模災害などの対応が主たる業務である保健所を松本市が持つことで新しい保健所像をつくっていくと答弁されてまいりました。私自身、医療者である菅谷市長が提唱する新しい保健所に期待をしてまいりました。しかしながら、市長は来月退任されます。保健所開設は今議会で議案が可決された場合、来年4月ということになり、医療者である菅谷市長が提唱した新しい保健所像を誰が具現化していくのか、誰が具現化できるのか、疑問であり心配です。 今回、初めて中核市移行に伴う保健所の二段階設置に関する経費などが示されました。私個人の感想としては、6年間の保健所運営のためだけに1億5,621万円の費用を支出することに疑問を感じます。一方で、中核市先行市への調査では、長野市で12億1,800万円、宇都宮市で20億円、柏市で33億円など、保健所建設に多額の費用がかかっており、本市の試算でも土地とは別に14億円となっています。ランニングコスト年間約1億円の財政負担となる試算もあり、中核市移行に伴っての本市財政への影響をしっかり考えるべきではないでしょうか。 先日は県内で初めて松本保健所管内で新型コロナウイルスに感染された方が確認され、中核市移行後、感染症対策は松本市保健所の対応となることから、中核市移行に関してさらなる覚悟が必要ではないかと考えます。 最後に一言、菅谷市長に申し上げます。今から14年前、私が当時、故吉田博美参議院議員の議員会館で仕事をしていたとき、与党の代議士がいなかったこともあり、菅谷市長は松本市の課題解決のため何度も要望活動においでになりました。そうした中で、12月定例会でも申し上げた国道158号奈川渡改良工事の事業化や中部縦貫自動車道松本波田道路の事業継続などについては、暑い中、何度も何度も期成同盟会とは別に、市長単独で国土交通省や財務省へ要望活動においでになりました。先日、乗鞍へ向かう途中、国道158号奈川渡改良工事箇所でトンネルが貫通したのを見た時、菅谷市長の松本の観光や経済、地域住民の生活向上を思う気持ちが国を動かした結果だと、当時を思い出しました。 現在、工事が進む中部縦貫自動車道松本波田道路や国道158号奈川渡改良工事が完成することで、現在の大型車のすれ違いが困難でしばしば事故のあるトンネルやカーブ箇所を通行しなくてもよくなり、世界有数の山岳観光リゾート地である上高地への長野県側からのアクセスが向上するだけでなく、北陸地域との物流や交流人口の増加など、地域経済へ大きく貢献することが期待されます。この国道158号奈川渡改良工事や中部縦貫自動車道松本波田道路だけでなく、菅谷市長の言う20年、30年先を見据えた様々な政策や活動は、将来評価されるのではないかと思います。 衆議院議員村井 仁の秘書として菅谷市長と初めてお会いし16年が経過しました。16年間、市長という激務、大変お疲れさまでした。 以上で私の菅谷市長への最後の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で川久保文良議員の質問は終結いたします。川久保議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後3時10分といたします。                              午後2時50分休憩                             ----------                              午後3時10分再開 ○副議長(阿部功祐) 休憩前に引き続き会議を開きます。 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 市政一般に対する質問を続行いたします。 6番 塩原孝子議員の質問を行います。塩原議員は質問者待機席へ移動してください。 6番 塩原孝子議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の塩原孝子です。 会派を代表いたしまして、澤田佐久子議員、犬飼明美議員とともに一般質問をいたします。一問一答方式で行いますので、よろしくお願いいたします。 まず、教育行政についてです。 昨年12月の参議院本会議において、過労死が増える、先生を続けられなくなるなどの反対を押し切って、夏休みにおける教職員の休日のまとめ取りを可能とするためとして、公立学校の教員に1年単位の変形労働制を導入可能とする法律案が成立しました。この法律は様々な問題をはらんだものです。今後、学校現場で導入する際には県や市町村において条例や規則が定められることになりますが、現場の教員の労働実態をしっかり把握することが大変重要であり、本市としてこれの導入の是非が問われます。私は現場の小学校の教員の方の声をお聞きする中で、多忙極まる労働実態であることがわかりました。 まず、業務改善をしっかりすることこそが重要である、1年単位の変形労働制の導入は抜本的な働き方の改善にはならない、導入すべきではないという観点で質問したいというふうに思います。 小学校の教員の方、何人かから直接お話を聞きましたので、幾つか紹介をしたいと思います。 ある先生は、朝6時半に出勤し、23時30分に退勤するという勤務をする中で、夏休み明けにとうとう発熱し、休みを取らざるを得なかった。 1年生主任の先生は、けががもとで治療がままならない中でけがが悪化し、1か月間入院することになった。 また、ご夫婦で教員をしている先生は育休明けで復帰した妻が翌朝起きられなくなるのではという強迫的な思いがあり、2階の寝室で寝ることができず、3日ぶりで自分の布団で寝られたと言っている。とても心配だ。2人で保育園の送り迎えなどやりくりをしているが、夫婦で教員は大変。 ある先生は、5年生から6年生に持ち上がったが、1名生徒が減ったために4クラスから3クラスになってしまった。受け持ち人数が増え、合唱団の顧問や理科の専科などもあり、とうとう発熱して入院中とのこと。 いずれの先生もお昼の休憩時間は45分あるが、5分で給食を急いで食べて、その後は高学年の子供たちとの児童会の打合せなど、しっかり休憩が取れない。給食を食べる時間もなく、15時に食べることもあるということでした。給食後に子供たちが、先生、大縄跳びの縄を回してと言いに来るが、それができない。本当に心苦しい。 本来、学校は人格形成の場であるべきで、大切にされるべきものが大切にされていないと思う。子供たちの書く日記にコメントを書いてあげるのが本来の仕事だと思う。日記で子供たち一人一人とつながって、それができないのがつらいともおっしゃっていました。 子供たち一人一人に向き合いたいが、それができないという思いのはざまで、教員の皆さんは日々ストレスを抱えながら仕事をしていることがわかりました。まず、私は多忙極まる、この教職員の働き方を抜本的に改善すべきだと思います。 そこで質問ですが、義務教育の教員の労働実態を伺います。現在の時間外労働時間はどれぐらいありますか。また、本市としての教員の働き方への改善策で取り組まれていることはあるか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) 〔登壇〕 2点のご質問にお答えをいたします。 初めに、時間外勤務の状況でございますが、本年度12月の1人当たりの平均時間は、小学校では47時間48分、中学校では58時間18分で、全体では51時間45分となっております。 続いて、働き方改革の取組についてでございます。 松本市教育委員会といたしましては、まず、確実な休暇取得の推進を図るため、夏休みや年末年始休業の中で一定期間閉庁日を設定しております。 また、業務負担軽減策といたしまして、市費雇用による支援員などの派遣や特に負担の大きい部活動指導に関しましては、中学生期のスポーツ活動の指針を改定し、部活動の活動時間を設定しております。さらに来年度からは給食費の公会計化やスクールロイヤーの本格実施など、様々な角度から教職員の働き方改革を進める対策を講じております。そのほかに学校におきましても学校行事や会議を減らすことや夏休みのプール開放を取りやめること、また、月に2日は完全退校日を設定することなど、独自に取り組んでおります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 昨年12月の本市における教員の時間外労働の実態をお聞きしました。また、働き方への改善策も様々講じているというお答えでした。 しかし、時間外労働が月に51時間45分ということです。これだけ超過勤務をしていながら、教員には勤務の特殊性があるとして、時間外勤務手当は支給されておりません。代わりに給料月額4%を教職調整給として支給がされています。これは1971年に成立した公立学校教職員給与特別措置法によるもので、その当時のデータに基づき、週当たりの時間外労働が1時間48分という設定の中で決められた調整給です。長野県教職員組合の今年度の調査では週当たりの時間外労働が平均11時間51分で、この法律の制定時とは現在10時間も差があり、かなりかけ離れたものです。この点でも改善が必要です。 長野県教職員組合が昨年6月に実施した労働実態調査では、休憩時間45分取れず、時間外超過勤務は月に78時間40分、過労死危険ラインといわれる月80時間に迫るという結果が上がっています。6月という時期は年間の中で忙しい時期のようですが、中学校は91時間20分という結果で、はるかに過労死ラインを超えています。本市では一定の業務改善をされているようですが、さらに実態把握をし、検証もしながら改善に取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、勤務の割り振りについて伺います。これが着実に行われているでしょうか。伺います。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、議員ご質問の勤務の割り振りについて若干ご説明を申し上げます。 学校長は、地区懇談会やPTA行事など、通常の勤務時間以外の勤務を教職員に命じる場合には、その時間の振替をしなければならないことになっております。この勤務時間を別の日に振り替えることを勤務の割り振りと申します。各学校に問い合わせたところ、おおむね勤務の割り振りはできているとの回答でございました。 ただし、勤務を割り振れる期間が起算日より8週間以内と決まっていることから、その期間の学校の状況によっては割り振りが難しい場合もあるといった声もお聞きしております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 おおむね割り振りができているというお答えでした。できない場合の検証をして、ぜひ改善策を検討していただきたいというふうに思います。全学校で割り振りができるようにお願いいたします。 次に、月80時間以上時間外労働をした場合は産業医による面接指導を受けることになっていますが、その教員数は何人いますか。お伺いいたします。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 各学校におきましても、労働安全衛生法に基づきまして時間外勤務時間が月80時間を超えた教職員には産業医による面接指導を実施しております。平成30年度の実績でございますが、小学校9校で114人、中学校5校で87人の教職員が面接指導を受けております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 月80時間超えは、過労死ラインと言われています。合計しますと201名の教員が面接指導を受けているということで、これは大変多い数字だと思います。大変厳しい労働環境の下で、午前中の上條敦重議員の質問へのお答えですと、30日以上療養休暇を取った教員数は27名、そのうち精神疾患の教員は12名とのことでした。この人数は深刻だと思います。 長野県教職員組合の実態調査の中で、「あなたの健康はどうですか」という項目があります。その問いに、健康であると答えた教員は約6割いますが、残りの4割は、通院できず、売薬で済ませている、通院しているや入院という方でした。具体的なコメントを紹介します。睡眠時間が少ない、常に眠い、疲れが翌日まで取れないことがある、原因不明の不調があり、精密検査を勧められているなどです。長野県教育委員会の保健厚生課の資料によりますと、心身の不調で療養休暇、また休職を余儀なくされた方の割合が過去最高であることが明らかになっています。 療養休暇中の先生の補充はできているのでしょうか。また、担任不在のクラスは発生していないでしょうか。伺います。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 教職員の休暇が短期間の場合は、校内で授業のない教職員、例えば専科の教員や教頭などが代わって授業に当たっております。また、療養休暇などが1か月を超える場合は長野県より代替の非常勤講師が派遣されております。 このように対応していることから、現在、松本市内の学校では長期間担任が不在のクラスは発生しておりません。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。
    ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 先生方からのお話で、1か月入院した際に補充教員がいなくて、現場は大変だったという声がありましたが、補充する場合は1か月以上の療養休暇の見通しがないと補充ができないということでした。この点でも厳しい実態があることがわかりました。 次に、35人学級について質問をいたします。 生徒が1人減っただけでもクラス数が減り、その分、教員の負担になるという現場の先生からのお話もありましたが、35人学級だが、1人でも減った場合はどのようにしているか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 現在、その年度のクラス編制につきましては、5月1日時点の児童生徒数により決定することになっております。そのため、5月2日以降、児童生徒数の増減があった場合でもクラス編制の変更はありません。したがいまして、担任が減ることはございません。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 県の基準どおりにやっているということだと思いますが、生徒が1人の減でもクラスが減ってしまうので、柔軟な対応ができるように、ぜひ県に意見を上げていただきたいというふうに思います。 次に、特別支援学級の児童生徒数はどこでカウントしていますか。伺います。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 特別支援学級の児童生徒は、松本市心身障害児就学支援委員会の判定を受けまして、保護者と本人の同意を得て入級となります。したがいまして、特別支援学級の児童生徒の数は通常の学級の学級編制とは別にカウントをしております。 なお、参考にということで、特別支援学級の学級編制については児童生徒数8名につき担任1名と決まっております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 特別支援学級の児童生徒は、授業によっては現学級に戻ることもあります。例えば、35人、目いっぱいのクラスに戻ったときの授業では35人をオーバーすることになります。特別支援学級の児童生徒数を見込んで柔軟なクラス編制ができないものかと思います。今後の検討課題として要望しておきます。 次に、キャリア・パスポートの導入についてです。 来年度、4月から導入の目的は何でしょうか。教員の業務負担にならないか心配です。お伺いいたします。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、令和2年4月より、全ての小・中・高等学校で実施いたしますキャリア・パスポートについてでございますが、児童生徒が小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動につきまして、特別活動である学級活動及びホームルーム活動を中心として自分自身の成長を自己評価できる進路学習の記録のことでございます。 その目的でございますが、児童生徒が自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりして自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐためのものでございます。また教員にとっては、その記述を基に児童生徒と向き合いながら成長を促し、小学校から高等学校までの記録を引き継ぎ、系統的な指導のよりどころとするものでございます。 なお、この取組は現在においても各学校で同様の学習を行っておりますので、特に教員の新たな業務負担にはつながらないものであると考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 このキャリア・パスポートは、私は問題点が4つあるというふうに思います。 まず、1つは目的です。 自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりして自己評価を行うことともに、主体的に学びに向かう力を育むということですが、これらのことは今までも教育活動の中で行われてきたことです。これを今回、教育行政側が内容、形式を統一的に示した上で、小学校から高等学校までを通じて個人データを蓄積していくことがなぜ必要なのでしょうか。子供たちの育ちは一様ではありません。ときには壁にぶつかり戸惑いながら、ときには飛躍し、ときには道草もし、成長発達をしていきます。みんなに同じ形式で自己評価することを小学校から高等学校まで押しつけて、それをポートフォリオとして、その子の全てのデータであるかのごとく蓄積していくことは子供たちにこうあるべきという一定の方向へ押し込めた上で、早い段階から差別、選別をしていくことにつながらないか危惧されることです。 2つ目は、個人情報保護の点です。 指導要録のように、教職員のみが学校で取り扱い、常に金庫に保管されるような対応を取るのであればよいが、学校と家庭を行き来することを想定したキャリア・パスポートに書かれた個人情報が長期間にわたり厳重に保護されにくいということです。 3つ目は、子供と教職員、家庭への負担です。 記入に当たっての指導、記入してからの指導、家庭に持ち帰るに当たっての指導、家庭から返してもらうに当たっての指導、保管に関わる業務、引継ぎの業務があり、多くの業務負担が教職員にかかってくることが予想されます。学校外の活動も含めて振り返るとなれば、家庭にも大きなプレッシャーがかかります。 4つ目は、大学入学者選抜改革の取組の一つの高大接続ポータルサイトを今後抵抗なく利用できるようにするという意図もあるということです。 これは、ICTの活用で子供たち一人一人の成長過程を全てビッグデータ化し、集積する狙いがあるとも言われています。パソコン1人1台の導入が本市でも予定されていますが、公教育の場が民間業者の市場の場になりかねないということです。本市ではこの4月から納入予定ということですが、導入に際して十分な検討はされたのでしょうか。現場の教職員の声をぜひ聞いていただいて、この導入は検討していただきたいことを要望いたします。 次に、1年単位の変形労働時間制の中身と今後の導入の是非です。 変形労働時間制は、繁忙期の勤務時間を1日10時間まで増やし、その分を夏休みに5日間程度の休みに振り替えるといった運用をイメージとしています。今は1日8時間労働ですが、繁忙期に10時間まで増やせるとしています。人間の生理としては、その日の疲れはその日のうちに取らなければなりません。寝だめ、食べだめはできません。教員の過労死は5月、6月に多いと聞いています。働き方が改善できるどころか、所定の勤務時間が伸びることにより8時間労働の原則が壊されてしまうことは教職員の命と健康に関わる重大な問題です。導入の条件としては恒常的な時間外労働がないことが前提で、残業月45時間、年360時間以下の遵守が導入の条件です。この点でも既に導入は不可能です。勤務の割り振り変更ができなくなる、一度決めた労働時間を使用者が任意に変更することができない、管理職や事務職員に相当の負担増も懸念されます。 そこで質問ですが、1年単位の変形労働時間制とは本市はどのように捉えているでしょうか。また、深刻な労働実態になるおそれが予想されますが、本市の導入の是非をお聞きいたします。 ○副議長(阿部功祐) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 1年単位の変形労働制とは、議員からもご紹介がありましたけれども、1か月当たりの超過勤務時間が45時間を超えないことを条件に、業務量の増減に応じて法定労働時間の枠内で1年を単位として配分を決める制度でございます。この制度は、本来は休日の増加による労働者のゆとりの創造や時間外・休日労働の減少により、総労働時間の短縮を目的としております。 しかしながら、学校におきましては業務内容が削減されるわけではないために、労働時間の短縮にはつながらず、結局、働き方の改善に直結しないことや一定の期間、通常の勤務時間が延長されるため、子育て世代や介護をしている教職員には負担増につながるといった課題もございます。 教職員の時間外労働時間の短縮の抜本的な改善には、まず、業務内容の削減や教員の増員が不可欠と考えております。本市におきましても、教職員の働き方改革に取り組んでいるところではありますが、今後も引き続き、国や県に対しまして教員の増員等を要望してまいります。 なお、1年単位の変形労働制の導入につきましては、今後の研究課題としてまいります。 以上であります。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 ぜひ慎重に検討をし、導入しないという方向を要望いたします。 ここで、夏休みの16日間連続で学校閉庁した岐阜市の取組を紹介いたします。 岐阜市では、土曜日の10日間の授業実施をしたり、市教育委員会のサポート体制を構築する中で、夏休み8月4日から19日の16日間連続の学校閉庁を実施しています。閉庁期間中の学校は留守番電話設定とし、市教育委員会が24時間緊急電話で対応。会議、研修、補充学習、部活動指導等の通常業務は原則行わないことにしました。実施後の教員へのアンケートでは92%の教員がこの取組を支持し、休暇の活用内容としては休養や家族との触れ合い、趣味や旅行などが挙げられています。変形労働制を導入しなくても岐阜市のような取組をすれば、夏休みのまとめ取りは可能です。 本市では、1年単位の変形労働時間制は導入すべきではないというふうに思います。制度は完全に選択制です。都道府県が条例を定めるかは自由です。また各学校が導入するかも毎年決めるとされています。高知県では4市町村で昨年、法改正の審議中に法改正しないようにと国に意見書を提出しています。また、高知市、福島県二本松市、北海道赤平市は導入しないと12月の市議会で答弁をしています。長野県議会でもこの問題が取り上げられ、昨日の答弁で導入の適否については慎重に検討していくということです。 抜本的な解決は、教職員の定員数を大幅に増やすことや業務の抜本的な削減が重要であると思います。教員は労働者であるとともに教育の専門家です。子供たちは人類が蓄積した文化を学び、他者との温かい人間関係の中で一人一人が個性的に育ちます。人間形成を支える教員の仕事は尊い専門職です。それにふさわしい労働条件が必要です。教員が生きがいを持って笑顔で子供たちの前に立てるように、さらに教育行政の充実に取り組んでいただくことを要望いたしまして、教育行政についての質問を終わりにいたします。 次に、高齢者虐待についての質問に移ります。 高齢者虐待防止法が平成18年4月に施行されました。この法律の目的は高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること。またそのために保護するための措置、養護者の負担軽減を図るとされています。 しかし、全国的には件数は年々増加、厚生労働省は平成30年度の調査結果を報告いたしました。養介護施設従事者による虐待は621件で、前年度比21.8%増加をしています。県内においては9事業所(施設)での高齢者虐待が認定されています。養護者からは全国で1万7,249件で、前年度比1.0%増加です。 私は、地域包括支援センターで業務をする中で高齢者虐待の対応を何件もしてきました。その対応は大変難しく、虐待者から分離して保護するまでに何か月間もかかり、結果的に保護したときには既に病気が進行していて、数日後に死亡に至った、本当に残念なケースがありました。数年前は市内で娘さんによる母親への虐待で死亡に至ったケースもあり、最近の新聞報道ではサービス付き高齢者向け住宅での虐待が疑われる報道もあり、命にも関わる問題であり、力を入れて取り組むべき内容です。 平成31年4月1日付で、厚生労働省から対応を強化するようにという内容の通知が出されています。長野県社会福祉士会でも今年1月に高齢者の虐待防止と高齢者の尊厳保持に向けて、一層積極的に取り組んでいく趣旨の声明を出しました。本市での体制整備や再発防止などの取組をお伺いいたします。 まず、本市の高齢者虐待の実態を伺います。過去3年間の高齢者虐待の通報件数、認定件数、種類別の内容を養護者からの虐待、養介護施設従事者からのそれぞれのものを伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 まず、養護者による高齢者虐待の通報件数、認定件数を申し上げます。 平成28年度通報件数77件、認定件数66件、平成29年度は通報件数76件、認定件数64件、平成30年度は通報件数99件、認定件数82件です。虐待の通報の内容といたしましては、身体的虐待が最も件数が多く、次いで心理的虐待、経済的虐待となっております。 次に、養介護施設従事者などによる高齢者虐待の通報件数、認定件数を申し上げます。 平成28年度は、通報件数2件、認定件数はゼロ、平成29年度は通報件数5件、認定件数2件、平成30年度は通報件数4件、認定件数2件となっており、通報の内容は先ほど申し上げました養護者による内容と同様となっております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 年々増加している状況がわかりました。通報の種別としては身体的虐待、次は心理的虐待、次が経済的虐待の順番でした。また、養介護施設従事者からの虐待の件数も昨年度は2件あったということです。 虐待対応マニュアルの中での課題について伺います。 通報から虐待の認定、対応までの流れと対応が長期化しやすい中で、早期終結に向けた対応策について伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 まず、虐待の相談、通報を受けた職員は可能な限り通報者からの聞き取りを行い、専用の受付票により情報の共有を行っております。受付後、速やかに複数の関係職員により、高齢者の安全と通報者を特定されないように配慮しながら、虐待の客観的事実について調査を行います。その結果、虐待の事実が確認できた場合に関係課長を含めた職員で構成されるコアメンバー会議を開催し、虐待の認定や程度の確認、緊急性の判断や対応方針を最終決定し、この方針に基づいて支援を実施しております。 早期終結に向けた取組といたしましては、以前から地域包括支援センター法律相談連携事業でご協力を頂いている長野県弁護士会の担当弁護士に出席を頂き、今年度からは虐待対応の評価等を行う新たなコアメンバー会議を月1回開催し、支援方針の評価やモニタリング、終結の判断などを行い、虐待対応の強化に努めているところでございます。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 コアメンバー会議の定期開催や弁護士の会議への参加などで一定強化され、改善されてきたようですが、虐待の有無や緊急性の判断、分離・保護などを決定するコアメンバー会議が重要だと考えます。初動期の対応が大変重要です。 県の事業で派遣が可能な弁護士や社会福祉士の専門職チームを活用すべきと思います。大町市では昨年10月から県の専門職チームを派遣依頼して、初動期の対応の中で専門的、具体的、段階的なアドバイスをもらい、大変よかったと聞いています。池田町でも活用しているようです。コアメンバー会議において第三者の視点が重要であることから、長野県弁護士会及び長野県社会福祉士会が共同で実施している虐待対応専門職チーム派遣事業を活用することで体制強化を図れると思いますが、本市の見解を伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、弁護士につきましては、第三者の視点で既に支援を頂いているところでございますし、ただいま議員からご紹介がありました専門職チームとしての活用も令和2年1月に改定いたしました松本市高齢者虐待対応マニュアルで明記しており、必要に応じ活用を考えているところでございます。 評価を行う新たなコアメンバー会議に弁護士が加わった効果といたしまして、高齢者の施設保護を速やかに行うなど、その後の対応も弁護士に依頼することができたなど、問題が深刻化する前に解決につながった事例が複数ありました。 また、社会福祉士につきましても、高齢福祉課及び西部福祉課、地域包括支援センターに現在26名が在籍しており、今後も相互に相談や事例の検証を重ね、まずは直接支援に当たる社会福祉士の専門性の向上を図りながら体制強化を図っていきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 ぜひ専門職チームの活用をしていただいて、引き続き、体制強化を図っていただきたいというふうに思います。 次に、養介護施設従事者による虐待対応について伺います。 本市においては、平成30年度は2施設という報告でした。福祉サービスを必要とする高齢者は身体機能や認知機能の低下により、虐待等の権利侵害を受けても自ら助けを求め、また逃げ出すことができない状況にある方もおられます。 施設内虐待については、介護保険法、老人福祉法上の指導監督を有する県と虐待対応を行う市との役割があるようですが、連携はどのようになっているか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 養介護施設従事者などによる虐待につきましても、先ほど申し上げました手順と同様の対応を行い、併せて通報内容及び施設に対する対応経過を県に報告しております。通報内容などから運営基準違反のおそれがある、事実の隠蔽のおそれがあるなどの課題が判明した場合、県が権限等を有する施設、事業所については市と県が対応を協議し、合同で事実確認調査を行うなどの連携を図っております。特に高齢者の生命または身体に危険が生じるおそれがあると判断した場合、市は高齢者虐待防止法に基づく立入調査を行い、県は老人福祉法、介護保険法の規定による権限を行使するなど、それぞれの立場から迅速かつ適切に対処しております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 県と市でしっかりその役割を果たし、連携も強化し、命の危険があれば早急に別の施設への保護体制の構築や病院との連携を強化するなどの対応をお願いいたします。 次に、分離・保護の体制強化について伺います。 コアメンバー会議の中で虐待と認定されて、命や身体に危険が生じている場合は契約での入所やショートステイではなく、やむを得ない事由の措置になりますが、措置で入所になったケース数は何件あるでしょうか。措置にするための予算計上はしてあるか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 若干ご説明申し上げますと、虐待を受けた高齢者を分離・保護する手段として、契約による介護保険施設への入所、市町村独自による一時保護、そして議員からお話がありましたやむを得ない事由による措置があります。やむを得ない事由による措置は介護サービスを利用するための契約や要介護認定の申請を行うことができない高齢者に対して市が職権でサービス利用に結びつけるもので、訪問介護などの居宅介護サービスと特別養護老人ホームへの入所などがございます。 本市では、老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置により、平成30年度は1件、特別養護老人ホームへの措置入所を実施いたしました。やむを得ない事由による措置に対応するための予算措置といたしましては、在宅介護24時間あんしん支援事業費の扶助費に毎年、訪問介護、短期入所生活介護及び施設入所の経費をそれぞれ計上しております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 措置対応で平成30年は1件ということです。措置対応が少ないのではないかというふうに思います。 養護者からの経済的な虐待である場合は、利用料金が発生する契約での施設入所が大変難しいことが多いです。まず、措置で入所対応ができれば早期に分離・保護が可能になります。途中から契約に切り替えることも可能です。措置対応のハードルを下げて、適切に行えるようにお願いいたします。 初動期の段階で措置対応ができると、虐待が長期間に及ぶことを防ぐことができます。私は松塩筑木曽老人福祉施設組合等との連携を強化し、受入体制の強化をすべきと考えます。ベッドを持ち回りで確保し、分離・保護が早急にできる体制を整備すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 市町村は、養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法の規定による措置を行うため、必要な居室を確保するための措置を講ずるものとされており、本市では養護老人ホームの居室を確保するなど、入所を早急に実施する体制を整えております。さらに特別養護老人ホームやその他施設の受入体制を整備することも有効であると考えております。 しかしながら、松塩筑木曽老人福祉施設組合や民間の各施設にはそれぞれ入所待機者が複数いる中で、居室をあらかじめ確保しておくことは現在は困難な状況となっております。 本市では、個別に分離・保護の必要性が生じた場合、高齢者の心身の状況を考慮しながら、その都度各施設へ入所受入れについての相談を行っており、特別養護老人ホームが虐待を受けている高齢者を入所させた場合には定員を超過したとしても事業所には不利にならないということを周知しております。緊急での受入れに関わる施設の負担が大きいことに配慮しつつ、今後も各法人に協力を依頼し、受入体制について協議していきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 事前にベッドを確保していくことは難しいというお答えでした。養護老人ホームも満床の状態のようですので、どんな方法が適切に分離・保護体制の強化につながるのか、検討をお願いいたします。保護先の施設を探すのもケアマネジャーが中心ではなく、ぜひ行政も一緒にお願いをいたします。 次に、研修体制についての質問をいたします。 虐待の対応は、個々の対応がそれぞれ違い、児童虐待とはまた違う難しさがあります。虐待を受けていても親族のことをかばい、本当のことを言わない高齢者の方もおられます。また、施設内であれば、次に行き先がないと訴えができない、また、パワーレスに陥っている場合もあります。対応する職員の一定のスキルが求められます。 そこで、専門的な研修を関係部署の行政担当職員が受けることが重要だと考えます。行政担当職員の研修体制はどのようになっているか伺います。また、養介護施設従事者の研修体制はどのようになっているかも伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 コアメンバー会議に参加する高齢福祉課及び西部福祉課のケースワーカーや地域包括支援センター職員は、毎年、長野県が開催する高齢者虐待対応現任者標準研修、市町村職員等高齢者虐待対応力強化研修などに参加をしております。また、組織内研修として毎年、事例を通しての虐待対応の研修会を行い、対応の手順などについて確認を行っております。今年度の研修会では弁護士を講師に迎え、法的な観点からの助言を頂くなど、職員の資質向上を図っております。 次に、養介護施設従事者に対しましては、事業所や団体からの要請を受けて職員が出向き、虐待対応研修を行っております。平成28年度以降5回実施をしております。また必要に応じて、事業者に対し、長野県社会福祉士会や長野県弁護士会などの職能団体による虐待対応研修を受講するよう案内しています。 さらに、市が指定権限を有する地域密着型サービス事業所に対する集団指導において、虐待に関する研修を開催しているところでございます。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 養介護施設従事者向けの研修は、要請があれば実施の実態です。自覚的な施設管理者がいないと研修をしっかり受けられない状況ではないでしょうか。 札幌市などでは、無届けのサービス付き高齢者向け住宅が多くなり、研修体制を構築することが必要との判断で、高齢者向け住宅協会という団体で職員向けの研修を行っています。研修を受けたら修了証を発行して、登録時に活用しているということです。市から委託を受けた事業ではないということですが、研修開催の要項など行政から情報提供を民間業者にしてもらう等の協力をしてもらっているので、担当者としては助かっているとのお話でした。 長野県でも特段の研修は養介護施設従事者向けにはないのが現状ですが、本市は令和3年度から中核市に移行するために、この分野でも責任ある立場になるのではないでしょうか。養介護施設従事者向けにぜひ研修体制システム構築の検討をお願いいたします。 次に、閉鎖的になりがちな施設の入所者の声を直接聞き取る介護保険相談員派遣事業の活用は有効になると思われますが、現在の相談員の数や実施施設の種類や派遣率、効果などを伺います。 ○副議長(阿部功祐) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 介護保険派遣相談員事業について若干ご説明申し上げますと、これは公募によって選出した派遣相談員を介護保険事業所に派遣し、利用者一人一人と面談して、お話をお伺いしながら相談活動を行い、介護サービスに対する不平不満などを事業者及び保険者へ橋渡しすることで苦情の発生を未然に防ぎ、介護サービスの質の向上、事業者による身体拘束や虐待の防止に貢献するものでございます。 そこで、人数等ですが、平成29年度までは派遣相談員6名で事業を実施しておりましたが、平成30年度からは2名増員し、8名体制としております。派遣先は通所リハビリテーション、通所介護等の通所系サービス事業所が49か所、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、グループホーム等の施設・居住系サービス事業所が62か所、短期入所事業所が20か所となっております。介護保険サービス事業所全体における派遣率は約70%でありますが、施設・居住系サービス事業所につきましては、通所サービス事業所に比べて虐待が顕在化しにくいため、優先的に派遣先の拡大を進め、現在全ての事業所に派遣を行っております。 事業の効果につきましては、男女同室が確認された施設に対し、相談員が訪問した際に指摘したことによって男女同室が解消されるなど、サービスや状況の改善につながった事例も多くございます。このように外部から第三者が事業所を訪問することにより、養介護施設従事者などによる虐待の発生を未然に防ぐ抑止力としても一定の役割を果たしているものと考えております。 以上です。 ○副議長(阿部功祐) 塩原議員。 ◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 介護保険の指定施設は派遣先になっていますが、指定以外の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への相談員の派遣は現在難しい面もあるようですが、より必要な施設ではないかというふうに考えます。本市には有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を合わせますと64か所もあります。そのうち47か所は指定以外で、派遣対象にはなっていない現状です。一定の抑止力もあるということですので、ぜひこの相談員を増やして、派遣先の拡大を要望いたします。 高齢者虐待防止法が施行されて14年になります。虐待件数が多くなっている原因の中には介護保険制度が十分に機能しなくなっていることもあるのではないでしょうか。介護保険の充実を図ることがこの問題解決の根幹にあると思います。本市として高齢者の命と尊厳が守られるように、今後もしっかりと取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の全ての質問を終わりにいたします。ご協力大変ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で塩原孝子議員の質問は終結いたします。塩原議員は自席へお戻りください。 次に、25番 澤田佐久子議員の質問を行います。澤田議員は質問者待機席へ移動してください。 25番 澤田佐久子議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の澤田佐久子でございます。 会派を代表して、塩原孝子議員の後、犬飼明美議員とともに質問をいたします。質問形式は一問一答で行います。 まず初めに、学校施設整備について。 学校内の環境整備についてお伺いをいたします。学校のトイレの洋式化についてです。 児童生徒、教職員にとって安全で快適な生活をするために学校施設を整備することはとても大切なことです。現在、学校施設の長寿命化を推進するため、既存の建物のライフサイクルを意識した長期的な視点による効率的なマネジメントを実施する方向になっています。かつて学校のトイレはほとんどが和式でした。現在は各家庭や商業施設において洋式化が進んでいます。学校トイレについてアンケートを取ると、洋式化が進んでいます。松本市PTA連合会から市の教育委員会への要望でも学校施設整備においてはトイレの洋式化が1番に挙げられています。 私たちは、それぞれの学校へ独自のアンケートをお願いいたしました。本当にお忙しい中、回答をしてくださったことにこの場をお借りしまして心から感謝を申し上げます。 お聞きした内容ですけれども、洋式と和式の便器の数、気になることや要望などを記入していただきました。現在の時点で回答があったアンケートをまとめてみますと、和式の数が55%、洋式の数が45%の設置でした。 アンケートの回答内容を少し紹介させていただきます。トイレが古く、タイル張りなので、新しくなると清掃もしやすくなって嬉しいです。また年々、和式のトイレを使えない生徒が増えているので、洋式への変更をしてほしい。また、トイレの壁のタイルが剥がれやすくなっているので、これは冬場というふうに記載されていましたが、改修をしてほしい。また、和式が使いにくいという中で和式しかないトイレもあり、洋式が混雑してしまう。できれば洋式を増やしてほしい。また、洋式でないとできないという子供が何人かいます。洋式を増やしてほしい。また、1年生からは、暗い、怖い、明るくしてほしい、洋式を増やしてほしい。 また、こんな意見も書かれていました。「だれでもトイレ」があるといいなと思います。性自認で悩む子や体の不自由な児童が入学しても対応できるようにという意見です。現在、ジェンダーレストイレ、これを設置する動きもあります。男女の区別のないトイレです。また、日本ではまだ少ないのですが、オールジェンダートイレといったものもあります。これからはそういう社会になっていくのではないかと思います。 また、アンケートの中ではトイレの臭いが気になるという学校が幾つもありました。これは配管の老朽化、また、お掃除が行き届いていないのではないかと思います。 2016年4月に文部科学省から公立小・中学校のトイレ状況について、初の全国調査結果が公表されています。この調査結果によりますと長野県は洋式化率が45.7%であり、全国の43.3%を上回る13位となっています。家庭では洋式が主流ですが、学校は耐震工事を優先する傾向があり、洋式への改修が遅れています。 学校のトイレ研究会が全国の公立高等学校3,801校、私立高等学校645校を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、学校で生徒のために改善が必要な場所はどこですかと、この問いに対して、トイレを挙げた生徒が断トツでナンバーワンだったそうです。第2位の耐震化という答えの2倍に当たるということでした。 和式と比べた場合の洋式の利点は、身体的な負担がかかりにくいので、身体障害者や高齢者には洋式の推奨がされております。災害時には地域の避難所にある学校施設については特に高齢者から洋式化を求める声も強く、8割以上の自治体は今後洋式を増やす方針でいます。老朽化対策も含め、重要な社会インフラである学校トイレを洋式化することは急務と言えます。 学校のトイレの洋式化について、どのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) 〔登壇〕 お答えをいたします。 小・中学校のトイレにつきましては、平成12年度から平成15年度にかけまして実施いたしました小・中学校トイレ環境整備事業におきまして、臭気対策を中心に明るく清潔なトイレに改修し、また手すりつきの広めのブースを設置するなどの整備を行っております。これに合わせて、学校からの要望も取り入れながら各トイレの便器数のうち、おおむね半数を洋式化しております。 しかしながら、整備後15年以上経過をし、各家庭や様々な施設でのトイレの洋式化が一層進んでいる現状を踏まえますと、今後さらに洋式化を進めていく必要があると認識しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 ただいま答弁をいただきました。 答弁の中で、平成12年度から平成15年度に大規模改修を行ったということですが、その時期からしましても既に最初に工事を行ったときから20年がたつことになります。今進めている長寿命化計画を待っていたのではますます老朽化が進み、対応が遅れてしまうのではないでしょうか。 文部科学省の国庫補助事業についてですけれども、その中に対象工事としてトイレ環境を改善するための交付金の制度がございます。東京都では2020年までに小中学校のトイレの洋式化率を80%にする目標を決めております。本市でも具体的な目標を設定して、助成措置を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(阿部功祐) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 小・中学校のトイレの洋式化につきましては、大規模な改修が必要になることなどから、現在進めております学校施設の長寿命化計画に基づく改修の中で検討することとしておりましたが、多くの議員やご紹介ありましたように、PTAの皆様からもご要望を頂いていることから、整備時期や方法などにつきまして改めて検討すべき課題であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 ただいま答弁いただきました。 改めて検討すべきというふうに答弁頂きましたので、ぜひ今申し上げましたように具体的な目標を持って、早急に検討をお願いしたいと思います。 学校では、和式を嫌ってトイレを我慢する児童生徒もいます。また、休み時間には児童生徒が洋式トイレに集中してしまい、いつも和式が空いている、よほどでなければ和式を使わないという声も聞こえています。 先日、「子育て支援の現状と課題」という題名で医療者の立場からのお話を聞く機会がございました。この先生のお話ですと、子供のロコモティブシンドロームが増えているということです。生活の中で今、しゃがむという習慣がないために、足をしっかりつけてしゃがむと後ろに転んでしまうという和式のトイレを使えない子供が増えているそうです。 また、災害時にも、先ほど申し上げましたが、学校は避難所としての役割を担うために洋式トイレの整備が大変重要になっています。老朽化対策や衛生面、清掃のしやすさやユニバーサルデザインとしても早急な課題だと思います。洋式のほうがスペースが必要になるかと思いますが、和式の数が減って、洋式が増えれば、現在ほとんど使われていない和式が減り、洋式を利用する子供が増えます。休み時間にもゆとりが出てくると思います。エアコンの次はトイレの改修と位置づけて、最優先での改善を求めます。 また、教育費の予算として、2020年から期間限定でGIGAスクール構想ということで国が補助金を出しています。私はこのGIGAスクール構想よりも身近な施設整備をという思いでおりますので、ぜひ、先ほど申し上げました国庫補助金の活用もお願いしまして、トイレの改修をしていただきたいと思います。 また、松本市PTA連合会の要望書で申入れがありました体育館の照明LED化や雨漏りの改修など、学校ごとにそれぞれ要望が出されていましたが、それぞれの学校ごとの予算配分もぜひ検討していただき、早急に改善されるように要望をいたします。 私がトイレを見た中では、先ほど要望にありました1年生のトイレ、昼間から暗い中でスイッチを入れないと電気がつかないというところがありました。これもセンサーにすれば、予算をつければできるのではないかと思います。そして洋式のトイレも壊れていたのか、ガムテープで留めてあるところもありました。こういったところも配分された予算を生かせば直せるのではないかと思います。ぜひよろしくお願いいたします。 続きまして、子育て支援について。 児童館・児童センターのあり方について、児童館・児童センターの登録児童の現状についてお伺いをいたします。 児童館、児童センターは、児童福祉法第40条に規定される児童厚生施設の一つです。本市では児童館、児童センターの運営は指定管理者制度を導入して、5年に1回の選定で行われています。 現在、児童館、児童センターの事業の中では放課後などの預かり事業、いわゆる放課後児童健全育成事業で、来館する事業が大幅に増えています。地域的な差はありますが、例えば、芳川地区を例にとってみますと、平成22年度の4月当初、52名であった登録児童が平成31年度には188名となっています。平成26年度になんぶすくすくとクラブ室が増築となったわけですが、この年の登録児童が既に107名で、そのときから比較しても70名の登録児童が増えています。現在、登録児童の増加に対応できず、手狭な環境が続いているのが現状です。 芳川地区の状況を申し上げますと、昨年11月1日に人口1万7,000人を超えました。1月1日では1万7,075人です。そして昨年、2019年に生まれた赤ちゃんの人数、本市では1,815人で、そのうちの1割に当たる185人が芳川地区で生まれております。また、人口が増加している芳川地区では来年度入学の小学校1年生は1クラス多い5クラスで、156名と言われています。このまま来年度になると登録児童が200人を超えることが予想されます。 ほかの地域でも手狭な児童館、児童センターがありますが、手狭な現在の状況をどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 放課後の預かり事業は、毎日利用する児童と週のうち数日を利用する児童がいることから、本市では月のうち半分以上を利用する児童の状況をもとに、受入可能な児童数を算出しております。この算出結果から、議員ご指摘のとおり、地域の人口の増加等に伴いまして、受入可能な児童数を超えて登録児童があるために狭隘化している施設があることは十分認識をしておりまして、登録児童数の動向を踏まえた対応が必要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 確かに、登録児童は毎日ではなくて、様々な形態で通ってくることはわかりますが、だからこそ過密になっている現状を見たときに、国の算出基準が現状に合っていないのではないかというふうに思います。実際、子供が活動するためには十分な広さにはなっていません。子供に健全な遊びを提供して、心身の健康を増進し、情操を豊かにするという本来の目指す姿とは現在は大きくかけ離れているのではないでしょうか。 それぞれの地域の事情も様々だとは思いますが、この状況をどのように工夫されているのか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在、狭隘化が進んでいる児童館、児童センターにおきましては、近隣にある体育館等の公共施設を使用したり、外遊びや遊戯室の使用を学年ごとの交代で行うなど、それぞれの施設の工夫によりまして子供たちが安全かつ快適に過ごすことができるよう努めております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 様々な工夫をされているということで、それは非常に大切なことですし、子供にとってもグラウンドや体育館で遊ぶことは必要だと思いますが、そのことだけでは問題の解決にはなっていないのではないでしょうか。何らかの手立てが必要だと思います。 そこで、施設の増築についてお伺いをいたします。施設によっては老朽化の進行が激しいことから、けがが心配されたり、建設当初と現在の環境の違いから、設備の使い勝手が悪い運営を余儀なくされているところもあります。喫緊の課題として、老朽化や過密状態の施設の場合は増築は待ったなしの課題だと思いますが、今後の計画についてお伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 まず、近年の増改築の状況でございますが、平成30年に狭隘化が進んでいた梓川児童センターのクラブ室を増築、そして今年度、老朽化していた蟻ケ崎児童館を新たに沢村児童センターとして移転改築をいたしました。そして、現在増改築を計画している施設は老朽化が進んでいる波田放課後児童クラブで、令和3年4月に波田中央保育園との複合施設として移転改築を予定しております。 今後につきましては、児童数の増加が見込まれる地域や老朽化により建て替えが必要な施設の増改築について松本市公共施設再配置計画を踏まえながら検討を進めていく予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁をいただきました。 平成30年、令和元年、そして令和3年ということですが、今非常に過密になっている児童センターでは島内児童センターが平成25年開始となっています。また、芳川児童センターではなんぶすくすくとクラブ室、これが平成27年開始となっています。この数年前に増改築したにもかかわらず、既に過密状態なわけです。登録児童が急激に増えている地域では土地区画整理で大規模な宅地造成が行われたり、また今、古い家を壊した跡が更地になった後は数件の一戸建てが立ち並んで、子育て中の若い世代の方たちが住んでいます。この急激な人口増をどのように考えているのか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 議員ご指摘の両地区におきましては、近年、大規模な宅地造成がされておりまして、増改築の計画に当たり、見込んでいた児童数の推移を上回ったことが要因であると考えております。増改築に当たりましては、各地域における児童数の最近の推移や預かりの需要を反映した、この4月からの第2期子ども・子育て支援事業計画における量の見込み、すなわち需要の見込みにより計画をしてまいりたいと考えております。 また、新たな宅地造成やマンション建設などにより、計画の見込みを上回る特別な需要があった場合には柔軟な対応も検討する必要があると考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 お答えいただきました。 ぜひ、増築の検討をお願いします。そして、人口増加については宅地造成など事前にキャッチをすれば、もっと計画的な対応ができたのではないかと思います。地域の差はあると思いますが、子供がゆとりを持って健やかに育つことを願って、今の過密な状況をなくすために早急に検討をお願いいたします。芳川地区では今、百数十戸、400人規模の宅地が開発されておりますので、またそういったこともぜひ事前にキャッチをしていただければと思います。 次に、エアコン設置についてお伺いをいたします。 この間の気象状況の変化によって猛暑が続き、児童館、児童センターでは室温が上がり、暑さで体調を崩しても休養させる場所がないのが今の状況です。この間、議会でもエアコン設置については取り上げさせていただき、エアコンが別の部屋にも設置されて、子供が分散して遊ぶことができてうれしいという声が聞かれるようになりましたが、しかし今、静養する場所、事務室にはついていません。ぜひ事務室や体調を崩した子供が静養できる場所へのエアコン設置をと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童館、児童センターのエアコン設置につきましては、平成29年度に全施設において1室ないし2室に設置いたしました。また、今年度は平成30年度の猛暑を受けまして、エアコン設置部屋に入れない児童が多い施設11か所に増設をいたしました。令和2年度につきましては、子供たちが過ごす部屋全てに設置を行う予定で、現在準備を進めております。 また、体調を崩した子供につきましては、施設ごとに工夫をして静養スペースが確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 静養室がない児童館、児童センターがほとんどだと思います。先ほどお話がありました新しい沢村児童センターには静養室があると思いますが、現在ある児童館、児童センターにはほとんど静養室がないのが現状だと思います。体調を崩している子供さんをさらに悪化させてしまうようなことになりかねません。静養スペースの確保と事務室へのエアコン設置の検討をお願いしたいと思います。 次に、要支援児童の対応についてお伺いをいたします。 各児童館、児童センターともに要支援児童の受入れがあるわけですが、十分なスペースが取れないために児童の環境を悪化させてしまったり、ほかの児童への影響が出てしまうことがあります。要支援児童が気持ちよく過ごせる環境が必要です。 現在の受入状況と対応についてお伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 要支援児童につきましては、現在、全ての児童館、児童センターで受け入れておりまして、今年度の受入数は約140人で、1施設当たり平均4.8人となっております。受入れに当たりましては、まず保護者の方と相談し、必要に応じて職員を増員して対応しているほか、全ての職員に対して研修等を行い、適切な対応ができるよう努めております。 また、全ての児童の安心安全はもちろんのこと、要支援の子もそうでない子も楽しく過ごすことのできる環境の提供について指定管理者と協力して対応してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 お答えいただきました。 今は受入体制ができているということですが、今、保育園や小学校を見ましても、こういった児童が非常に増えていくことが予想されます。これから要支援の子供さんが増える中で、加配も含めて行き届いた職員研修にも努めていただきたいと思います。 次に、長期休み期間中の対応についてお伺いをいたします。 長期休みの期間中は、通常の登録児童以外の一時利用の児童が増えることから、児童数が大幅に増えます。多いときには芳川児童センターの場合ですと開館前に100人も並ぶというふうに聞いています。過密している施設については手狭となり、けがや事故の頻度が高くなっていますが、預かる時間が長時間になるために職員の人数が多く必要になるのではないかと思います。 長期間のお休みの中で、職員の処遇についてどうなっているのか、また健康管理はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童館、児童センターは指定管理者の管理でございますので、職員の雇用、処遇、健康管理等につきましては、それぞれの指定管理者が行っているところであります。市といたしましても指定管理者制度の導入施設におけます職員の処遇や健康管理、働き方については重要視しておりまして、指定管理者の選定に当たっては、これらに対する取組を重要な判定要素としております。 また、年に1回行うモニタリングの際には職員の勤務時間や休暇取得の状況等を確認し、問題等がある場合は各施設及び指定管理者に対し指導を行っているところでありまして、特に長期の休みで利用者が増加するような場合は職員の配置や職員に対する健康管理等に十分配慮するよう促しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 澤田議員。 ◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 指定管理者の管理ということはもちろん承知しておりますが、今後とも指定管理者任せにせずに、今答弁頂きましたようなモニタリングをしっかりとしていただき、さらに職員の研修や健康管理にも十分注意をしていただきたいと思います。 今、地域では就園、就学前の子育て支援や相談、また長期休みの居場所やコミュニティスクール、スクールファームや季節ごとの様々な行事にも取り組んでいます。児童館、児童センターの本来の役割として、放課後の子ども教室や学校、また企業の皆さんにも協力していただいて、子供たちの健全育成のために地域全体で子育てできるような環境の整備が必要だと思っています。市としてもできることには積極的に取り組んでいただきたいと思います。 以上で私の全ての質問を終わりといたします。ご協力ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で澤田佐久子議員の質問は終結いたします。澤田議員は自席へお戻りください。 次に、27番 犬飼明美議員の質問を行います。犬飼議員は質問者待機席へ移動してください。 27番 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団を代表しまして、一問一答にて質問をいたします。本日最後となります。よろしくお願いいたします。 まず、保育行政についてです。 保育は民営化しないという菅谷市長の方針のもとで、本市の保育行政は困難さを抱えながらも前進をしています。県下トップの待機児童を抱えながら、その改善を目指して正規保育士の増員や施設の増設を進めてきました。現在は来年度の入園への準備で調整作業中かと思います。待機児童ゼロを目指して取り組んでもらうことを強く要望いたします。 幼児教育・保育の無償化が始まりまして、市内の保育園に聞き取り調査を行いました。その中で幾つかの課題が浮かび上がってきました。 まず1つ、施設面の改善についてです。まず、園庭の水はけについてですが、施設面で要望が出されました一つが園庭の水はけ問題です。水はつくけれども、早く引けるとした園と水がなかなか引けないとした園がありました。保育園独自の保護者会への調査でも上位に上がると言われています。 まず、園庭の水はけについて、現状と対策についてお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) 〔登壇〕 お答えいたします。 保育園の園庭につきましては、建設地の土壌をそのまま利用しておりまして、学校のグラウンドや運動広場と違いまして、透水性や排水性の機能は有していないこと、また整備から長い年月を経過したり、地下水位の高い場所もあるため、保育園では全般的に水はけがよくない状況であります。そのため、雨の日の園児の登園や降園の際は園庭の動線に当たる経路にできたぬかるみ部分にござやすのこを設置したり、園舎の出入口や経路を変更するなど、各園にて対応をしております。 なお、平成24年度から取り組んでおります園庭芝生化事業で整備した芝生部分につきましては水はけがよく、雪解けも早いため、園庭の状態がよくない場合であっても園児の外遊びなどで使用している状況でございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 保育園では、全般的に水はけがよくない状況だということです。ただし、芝生部分については水はけがよいという答弁をいただきました。これについては園庭の水はけをよくする専門の業者もありますので、ぜひ今後の対応を求めたいと思いますが、今後の対策として、大規模改修時の園庭の改修は可能かどうか、お聞きをいたします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 園庭の水はけにつきましては、これまでにもそれぞれの園庭の状況に応じまして、できる範囲で土の入替えや新たな浸透ますの設置などの対策を実施してまいりましたが、根本的に透水性や排水性の機能を高めることは難しいものと考えております。 今後につきましては、園舎の大規模改造工事や長寿命化改修工事等に合わせまして、園庭の状況に応じた改善策を検討してまいりたいと考えております。 また、当面、大規模改造などの予定がない保育園につきましても、各園からの個別相談に応じて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 根本的に透水性、排水性の機能を高めるということが非常に困難だという答弁でありました。個別相談にも応じるということですが、やはりできれば対処的な方法ではなく、根本的な工事ができないかどうかを検討していただきたいというふうに思います。 次に、保護者用駐車場について伺います。 保育園の駐車場は、職員用と保護者用ともにあったりなかったりという状況は様々です。職員駐車場については近くの駐車場を借りて、代金を個人負担にしている場合は市が受け持つことが可能であるという当初予算説明会での答弁でした。ただし、職員駐車場が狭くて、途中で帰る場合の困難さが報告されています。保護者の送迎用駐車場については公民館やJAの駐車場を借りるなどして、何とかしているというのが現状です。 しかし、園側からは苦情も来ることがあり、自前の駐車場が欲しいというのが現場の声であります。 そこで質問ですが、自前の駐車場を確保している保育園はどのくらいあるのか、また確保していない保育園の対応をお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在、公立保育園42園のうち25園につきましては、園の敷地内に保護者送迎用の駐車場を確保しております。また、近隣の地域づくりセンターなど公共施設の駐車場を共同利用している園が11園ありまして、合計で36園でございます。残りの6園につきましては、保護者会が近隣の民有地を借用しておりまして、そのうち3園が有料で借用しております。その借用に要する経費につきましては、保護者会の負担増とならないよう市が経費を助成しております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。
    ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 42園中25園については自前の駐車場があるということで、とりあえず過半数は何とかなっているというふうに思います。保育園側の声として、自前の駐車場を求める声がありまして、ぜひ応えていただくように今後の調整、検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、床暖房についてです。 未満児室を床暖房にする方針と伺っています。暖房器具を置かない分、危険が少なくなると感じます。人の体温は外気温などにかかわらず、ある程度一定に保たれるようになっています。 しかし、乳幼児期は放熱や発汗などの体温調整機能が未熟なために外気温の差を受けやすくなります。体温調節に大切な筋肉や体脂肪が少ないにもかかわらず、体表面積が大きく、体表面積に対し、血液の循環機能が未熟なため、体温変動が大きくなります。また、大人と比べますと平均体温が高いことも特徴です。床暖房は大人にとっては便利で快適ではありますが、赤ちゃんにとっては心配な面もあります。寝ていても起きていても体が床の下に密着をしているということです。寝かせるときには赤ちゃん用のベッドに寝かせるかもしれませんが、床で寝る時間も多いのではないでしょうか。低温やけどや脱水症状が懸念されます。 そこで質問ですが、保育園施設への床暖房設備の設置に対する市の考えと現状についてお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 床暖房設備につきましては、園児のけがの防止、病気の予防、それから、はだしで活動することによる運動機能の向上など安心安全と快適な保育環境の実現を目的に、平成17年の小宮保育園の新築工事から園舎の改築あるいは新築に合わせまして、ゼロ・1歳児の部屋、それから2歳児の部屋、一時保育室に設置をすることとしております。現在は公立保育園42園のうち、設置済みが5園、一部で設置済みが5園、未設置が32園となっております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 42園中、設置済みが5園という現状だということです。 床暖房の今後の計画について伺います。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 床暖房設備が未設置の保育園につきましては、園児の安心安全、快適な保育環境を整備するため、今後、園舎の大規模改造工事、長寿命化改修工事におきまして設置をしてまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 今後の大規模改造工事、長寿命化改修工事において設置をするということでございますが、安全面ではメリット等々ありますけれども、子供の成長、発達面では不安の声も寄せられています。今後の対応については慎重さを求めてまいりたいと思います。 次に、管理費について質問します。 管理費として、主に修繕費について老朽化している園に多く配分すべきという現場からの声がありますけれども、管理費の現状の運用状況を伺います。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 議員お尋ねの管理費のうち、修繕料でございますが、保育園の修繕に係る経費につきましては、令和元年度予算におきまして約2,700万円を計上しております。この予算につきましては、各保育園に配分をしているものではございません。保育園の修繕対応につきましては、保育課が各園から個別に修繕の依頼を受けまして、現場確認等によって安全面、それから緊急性を考慮しまして、保育課から業者に依頼をしております。そのため、現状では老朽化が進んでいる年数の古い保育園に対する修繕が多くなっているという状況でございます。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 老朽化が進んでいる年数の古い保育園に対しての修繕が多くなっているということでございました。 次に、土曜日の拠点化について伺います。 厚生労働省は、平成28年、都道府県などに待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策についてとする対応方針を出しています。やむを得ず待機児童となってしまった場合への緊急的な対策として何点かの施策が提案されていますが、その一つとして土曜日の共同保育があります。本市での土曜保育の拠点化は3年前から検討されており、現在は試行中です。その結果はまだ検証中だというふうにお聞きをしています。 土曜保育の拠点化について、目的や取組の現状についてお伺いします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在、松本市では市の全42園において土曜保育を実施しております。土曜保育の拠点化につきましては、保育士の負担を軽減することにより働き方を改善し、保育の質の維持、向上を目的とした取組でありまして、園長会等におきまして対象とする保育園や実施内容などの協議を重ねてまいりました。その結果、今年度は令和元年12月から令和2年2月末までの3か月間に限り、並柳保育園の土曜保育をさくら保育園に統合するなど、園児数の少ない保育園5園を園児数の多い近隣の保育園5園にそれぞれ統合する形で10園を対象に、土曜保育の拠点化を試行的に行っております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 土曜保育の拠点化については、保育士の負担軽減ということを目的として、3か月に限り10園において行ってきたということです。 今後の方向性をお伺いします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 土曜保育拠点化の今後の方向性につきましては、この2月末まで試行した結果を踏まえまして、令和2年度中に試行内容を検証した上で実施の有無を決定いたします。その結果、土曜保育の拠点化を実施する場合は令和2年度に実施方法を構築し、全園に周知を行い、令和3年4月から実施をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 試行内容を今後検証しまして、実施の有無を決定するということで、令和3年4月からの実施を目指しているという答弁でした。 この土曜保育の拠点化なんですが、働き方改革の一環でもあり、保育士の負担を減らすという利点もあります。 しかし一方で、子供にとってどうかという点が第一だと思います。本格実施するには保護者の皆さんの理解も必要だというふうに思います。 現場の声として、年度初め、4月、5月くらいに拠点化を実施となると困難だけれども、年度の後半なら可能かもということでした。 しかしながら、子供の安心安全が第一です。長年保育に携わった方の意見としては、いつも通っている慣れた保育園での保育が子供にとっては最も落ち着く環境、1人でも希望があれば保育することが必要ではないか、他園と合同にすることは好ましくないと思う、財政的な都合ではなく、子供にとって一番よい環境にすべきだとの意見でした。検証結果を注視し、本格実施は極めて慎重にと要望いたします。 次に、医療的ケア児について質問します。 医療的ケアを必要とする医療的ケア児は、厚生労働省の実態調査では平成28年には1万8,000人を超え、この10年間で倍増しています。ゼロから4歳に限っても6,100人に達するとの報告もあります。さらには集中治療室からの早期退院が進められ、在宅生活への意向が増すにつれ、子供のみならず、家族を含む支援が重要となっています。このような背景もあり、2016年に児童福祉法が改正されて、上記のように常時医療行為が必要な医療的ケア児支援のため、地方自治体には保健、医療、保育を含む福祉、その他の関連分野との連絡調整が努力義務とされました。 医療的ケア児の保育は、家族、特に母親の社会参加を可能にし、何より不安感、孤独感等の軽減につながり、意義は大きいと言えます。子供にとっても家庭内での保護者との縦のつながりだけでなく、保育者との新しい愛着の形成や同年齢の子供との横の関わりから、家庭のみでは得られない発育、発達が期待できます。医療的ケア児は最も保育を必要としている子供たちと捉えることもできます。全国では保育所に通う医療的ケア児は平成28年で323名、施設数としては292か所との調査結果が示されております。県によって受入人数に差があるのが現状です。 そこで質問ですが、医療的ケア児受入れの取組の経過と現状についてお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 医療的ケア児の保育につきましては、松本市では平成22年度から毎年1名から2名の受入れをしてまいりました。その後、平成28年の児童福祉法改正に伴いまして、保育所で受け入れられる体制づくりに努めるということとなり、松本市では国の医療的ケア児保育支援モデル事業として取り組むことといたしました。平成30年度は保育課で臨時職員として看護師を雇用し、医療的ケア児3名の受入れを行っております。今年度はより継続的かつ安定したケアサービスを提供するため、医療的ケアが提供できる専門性の高い訪問看護ステーションへ業務委託をし、3か所の保育園で4名の児童を受け入れております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 現在は、3園で4名の児童を受け入れているということであります。 課題と来年の申込み状況、今後の取組について伺います。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 医療的ケア児の受入れに係る課題としましては、昨今の医療技術の進歩に伴いまして、医療的ケア児の入園が増加傾向にあることとケア内容が多様化していることから、医療的ケアに対応できる経験豊かな看護師の確保が不可欠であるということでございます。 今後の取組といたしましては、令和2年度には卒園児1名を除いた在園児3名に加えまして、現在のところ、新たに4名の入園申込みがありまして、7名の児童を受け入れるための調整を行っているところであります。今後もさらに保育園での医療的ケア児の保育を充実するため、関係機関、団体と連携を図りながら看護師の確保をはじめ、受入体制の構築に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 この医療的ケア児の受入問題は、ますます期待が高まる、大変重要な分野だというふうに思います。人的配置をしっかり行いながら取り組まれるよう要望いたします。 次に、正規保育士の増員について求めたいと思います。 私ども、保育園調査を行いましたが、ゼロ・1歳児のクラスでの正規保育士の欠員が相変わらず存在する実態がありました。保育士が足りないという声は依然として多い実態です。弾力化の議論、拠点化の議論、空き保育室が十分活用されているか、これらは全て保育士不足から来る課題ではないでしょうか。さらなる保育士の充足が求められます。 その中で、まず、パート保育士について伺います。 会計年度任用職員制度の下では、パート職員にも手当が支給されることになります。そのこと自体は職員にとってプラスですが、パート職員は扶養の範囲で働く方が圧倒的とお聞きをしています。ボーナスが出る分、労働時間を減らすこととなります。幼児教育・保育無償化に伴い、標準保育の増加が懸念され、パート保育士の不足が一部の園で発生しておりますけれども、さらなる不足が懸念されます。 そこで質問ですが、会計年度任用職制度による影響と不足の見通しについてお聞きをします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在のパート保育士のうち、配偶者等の扶養の範囲内である年収103万円以内で働きたいという希望者があることは把握をしております。そのため、パート保育士が賞与を受給し、なおかつ年収103万円以内に収めるようにするには年間の勤務時間を現在より短縮しなければなりません。したがいまして、これまでの保育時間を維持するには、議員ご指摘のとおり、パート保育士の増員が必要となるなどの影響があるものと考えております。 しかしながら、現時点ではどの程度の影響が出るかは不明であります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 今、保育の状況も多様化してくる中で、パート保育士は大変重要な位置を占めています。パート保育士の待遇を見てみますと、近隣のある市の時給は1,050円、また別の市では1,103円から1,236円という回答でした。本市の時給は他市と比べて決していいとは言えません。時給を上げるということも今後求められるというふうに思います。現場からの声で、たとえ1時間でもいいので来てもらいたいという切実な声を頂いております。パート保育士の待遇改善と併せ、さらなる人員増、大変ご苦労の多い分野ですが、お願いをしたいと思います。 次に、弾力化についてです。 さきに紹介しました厚生労働省の待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策についてとする対応方針の一つとして、保育士配置の弾力化があります。平成29年12月定例会で、こども部長の答弁で初めて弾力化について言及がありました。弾力化の議論はこのときから始まったと記憶しています。松本市は国の基準を上回る基準で運用しています。国基準ではゼロ歳児を3対1とし、1・2歳児は6対1にしているのに対し、本市は1歳児まで3対1にしております。保育園への調査では弾力化が一部導入されていることがわかりました。 この弾力化について、市の見解をお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 保育士の配置基準につきましては、ただいま議員ご紹介のとおり、国はゼロ歳児が3対1、1歳児が6対1ですが、松本市立の保育園ではゼロ歳児と1歳児を混合のクラスで保育しているため、1歳児はゼロ歳児の配置基準である3対1を適用しているということで、国基準を上回る手厚い保育をしております。 また、現在の市の配置基準3対1を弾力的に運用することはこれまでの議会一般質問で答弁しましたとおり、子供の成長の度合い、年齢や月齢、子供たちの落ち着きの様子に加えまして、担当する保育士の熟練度を見極めた上で受入れが可能と判断された場合に実施することとしております。 しかしながら、松本市が重視してきた保育の質の維持や保育園に勤務する職員の負担を考えますと、まだまだ課題が多いものと捉えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 弾力化につきましては、やはり状況を見極めた上で受入可能と判断された場合に実施するとしながらも、これまでの保育の質の維持、職員の負担を考えると、まだまだ課題が多いという答弁でありました。 弾力化につきましては、1歳児は確かに年度途中で2歳になるとはいえ、2歳児というのは心も体も大きな変化を遂げるときです。体の動かし方も上手になり、言葉もたくさん覚えて、行動や自己表現の幅がぐんと広がります。成長が喜ばしい反面、第一次反抗期と呼ばれる時期にも当たり、何でも嫌、自分でやると主張したり、思いどおりにいかずに泣き叫んでみたりなど、対応が困難なことが多くなります。イヤイヤ期とか魔の2歳児とも表現されます。同時に、運動能力が発達し、歩けることが楽しくてたまらない時期です。手を引かれなくても自分だけで歩いたり、小走りしたり、両足でジャンプすることができるようになります。 保育現場での弾力化の受け止めは否定的です。子供の発達を保証しようとする基準を緩和することは行うべきではありません。発達著しい1歳から2歳の間の保育はとりわけ安易な条件緩和はふさわしくないと考えます。弾力化について国は待機児童対策として打ち出してはおりますが、本市では進めることのないよう強く求めます。 次に、空き保育室について伺います。 3歳以上の部屋を未満児室に転用することはできないと以前の議会では答弁されています。それは設備面などから困難だということです。そうした空き保育室ではなく、例えば、職員室を改装して保育室にしたのに、保育士不足で保育室として利用できないといった、そんな状況も生まれているという声を頂いています。 質問ですが、3歳未満児について保育士が確保された場合に受入れが可能となる人数をお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 若干状況をお話しいたしますと、現在、松本市内のゼロ歳から2歳までの3歳未満児は約6,000名でございます。そのうち約1,500名のお子さんを公立と私立の保育園でお預かりしておりますが、入園をお待ちいただいています待機児童は62名でございます。 議員お尋ねの保育士が確保された場合、今年度当初の平成31年4月現在の人数を基に単純に算出いたしますと、おおむね200名の3歳未満児の受入枠が確保できたものと考えられます。 しかしながら、松本市は市域が広く、例えば、安曇地区の保育園に定員に満たない保育室がありましても、入山辺地区から通うというようなことは現実的には難しいと考えられますので、保育士の確保に加え、必要な地域に施設整備を行うことも重要であると考えます。 したがいまして、現在、松本市では待機児童対策として正規保育士を令和元年度からの3年間で27名増員するほか、梓川東、波田中央、島内の各保育園の増改築、地域型保育事業の新設により未満児の受入枠の拡大を図るなど、令和3年3月末の待機児童ゼロを目指しまして、鋭意取組を進めております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 受入枠があっても、地域性との絡みもあり、なかなか困難であるということがわかりましたが、保育士がいさえすればクラスとして成立するのに残念だというのは地元から、現場から頂いている声です。今後のさらなる拡大を求めたいというふうに思います。 次に、正規保育士の社会人枠の年齢拡大について伺います。 市の保育園に勤務するパート保育士に嘱託保育士になったらどうかというふうに勧めたことがありますけれども、嘱託保育士にはなりたくない、あの責任であの待遇ではとても嘱託保育士を希望できないと強く断られました。正規保育士の試験を受ける年齢は少し過ぎていました。 昨年紹介しましたが、私ども独自の調査で嘱託保育士の離職率、他市が約1割だったのに対し、本市は2割でした。他市の2倍の離職率、大変深刻だと思います。働きたくなる嘱託保育士の処遇改善が今後さらに必要ですけれども、正規保育士の社会人枠の年齢拡大なども行い、正規保育士のさらなる増員を求めたいと思います。 そこで質問ですが、正規保育士と嘱託保育士の比率はどのようになっているのか伺います。また、正規保育士の受験年齢の拡大についてお考えをお聞きします。 ○副議長(阿部功祐) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 平成30年4月1日現在、正規・嘱託の比率は、正規保育士50%、嘱託保育士50%でありました。これが27名増員後、令和3年4月1日の割合については、正規保育士が55%、嘱託保育士が45%と見込んでおります。 次に、受験年齢の拡大ですが、現在、正規保育士の採用試験において社会人特別枠として、勤務経験3年以上の25歳から35歳までの方を受験資格のある方として実施しております。現時点では受験年齢を拡大する考えはございませんが、今後、他市等の状況を注視してまいります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 現時点では受験年齢拡大の考えはないということでございますが、他市の状況を注視されるということです。先ほど、正規保育士が55%、嘱託保育士が45%という数字が報告されました。これまで嘱託保育士が少し多いかなと思ってまいりましたので、大変大きな成果ではないかというふうに思います。正規保育士の割合が高くなっていることは高く評価ができると思います。 全国的な調査では、最近はむしろ民間保育園のほうが正規の率が高いと言われています。公立保育園のほうがむしろ嘱託化が進んでいるというのが全国調査の結果でございます。本市は、待機児童数が県下でもトップクラスと言われる中、やはり正規保育士の増員しかないと考えます。さらなる正規保育士の増員を強く求めます。 また、本市が着手しようとしております土曜保育の拠点化、弾力化、また地域型保育事業は国が打ち出している待機児童解消に向けた緊急対策の一環です。あくまで緊急的であり、これを常態化することは問題だと思います。これまで松本市が大切にしてきた公的保育の責任、子供の発達を保証する保育の質が保たれるか、保育関係者からは不安の声も寄せられています。高い質を守った松本市の保育行政の今後の発展、継続を強く願い、保育園関係の質問を終わりといたします。 次に、環境行政についてです。 気候変動の取組について質問いたします。 本市は、世界首長誓約/日本に1月29日に署名を行いました。持続可能で強靭な地域づくりを目指し、同時にパリ協定に貢献しようとする自治体の首長が地球温暖化対策や気候変動への適応に取り組むなど、3つの事項を誓約し、そのための行動計画を策定し、具体的な取組を積極的に進めていく世界的な仕組みです。松本市は持続可能なエネルギーを推進する、2030年の温室効果ガス排出量は国の削減目標以上を目指す、気候変動への適応・強靭性の向上を目指すの3点を誓約し、署名をいたしました。 この誓約をしたことで、2点のものが求められています。1つは、2年以内に3つの誓約事項に関する取組などをまとめた気候エネルギー行動計画を策定すること、そして、2年ごとに実施状況を事務局に報告するという2点を具体的に行うことになりました。この署名により、市がこれまで目指してきた数値の見直しが迫られ、具体的行動も示しながら、本格的に取り組むこととなります。市が率先して取り組むことと同時に、地球温暖化防止に向けて市民一人一人ができることに取り組む新たな局面を迎えることとなります。 COP25は、全く不十分な結果で終わりました。課題はCOP26へ先送りとなりました。グレタさんをはじめ、若者が対策強化を訴えたCOP25は期待に応えられませんでした。2030年までにという期限の切り方を受け止めるならば、まさに今年から10年間が正念場となるわけです。とりわけ世界の排出量の60%近くを占める中国、アメリカ、インド、ロシア、日本の排出量削減目標の引上げは必須の課題となります。世界的には2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標設定が標準的流れです。日本は化石賞を2回受賞するなど不名誉な結果であり、過去5年で温室効果ガス排出量を少し減少させてはおりますが、これは日本の政府が努力した結果とは言い難いと言われています。 まず、質問ですが、世界首長誓約/日本に署名し、地球温暖化に対する取組を強化していく決意をしましたが、これまでの松本市の温暖化の取組による成果と現状で把握している松本市域の温室効果ガス排出量の削減状況について伺います。 ○副議長(阿部功祐) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 松本市地球温暖化対策実行計画では、2030年度までに温室効果ガス排出量を2007年度比30%削減することとしており、2030年度には60万7,000トンを削減するということになります。 これまで松本市が行ってきた取組の成果といたしましては、太陽光発電や省エネルギー設備の普及促進、エコ通勤の普及やパーク・アンド・ライドなどにより、2018年度は17万3,000トンの削減量となっております。 今後は、これらの取組のほか、新たな小水力発電などによる排出量の削減を見込んでおります。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 様々な取組がされまして、17万3,000トンまで削減できるという見通しを持たれています。 次の質問ですが、松本市が誓約した3点の中に2030年度の温室効果ガス排出量を国の削減目標以上とするとありますが、目標をどのように設定するか伺います。 ○副議長(阿部功祐) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 国の地球温暖化対策計画における温室効果ガス削減目標は、2030年度までに2013年度比で26%の削減となっておりますが、本年11月にイギリス、グラスゴーで開催をされますCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に関連して、国が削減目標を現行計画より厳しく見直すことが想定されます。松本市の次期計画では現行計画で掲げている取組を精査、整理し、新たな知見なども取り入れる中で、国の動向などを見ながら次なる削減目標を設定していきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(阿部功祐) 犬飼明美議員。 ◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 やはり、これは国がもともとの目標値を修正してくるという中では市の動きもそれに合わせたものになるのではないかというふうに思います。 世界首長誓約/日本に署名した都市で、今のところ具体的に計画を提出しているのは東京都、広島市、横浜市などですが、取組を見てみますと、例えば、東京都では工業化以前からの気温上昇、1.5℃未満を追及するということや2050年にCO2排出量実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現するというビジョンを掲げています。その内容はプラスチックの削減なども含めて、また車に関しても電気自動車だけではなく、水素エネルギーの車の普及なども掲げております。 世界首長誓約の取組では、2年ごとの報告が課せられておりまして、集中的、また実質的に実効性のある取組を一緒に取り組んでいくと申し上げ、併せて原子力発電の廃止、また石炭火力発電からの脱却を訴えて、この質問を終わります。 さて、菅谷市長におかれましては、原発問題に対する深い造詣、また核兵器廃絶、平和行政、市単独の健診事業など医療分野、また公立を守った保育行政などの業績に対し、深く敬意を表し、健康に留意されて、引き続きご活躍されますことを期待し、質問の全てを終わりといたします。ご協力ありがとうございました。 ○副議長(阿部功祐) 以上で犬飼明美議員の質問は終結いたします。犬飼議員は自席へお戻りください。 この際、お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明27日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(阿部功祐) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 大変お疲れさまでした。                              午後5時18分散会...