松本市議会 > 2018-03-07 >
03月07日-04号

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  1. 松本市議会 2018-03-07
    03月07日-04号


    取得元: 松本市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    平成30年  2月 定例会---------------------------------------          平成30年松本市議会2月定例会会議録                 第4号---------------------------------------             平成30年3月7日 (水曜日)---------------------------------------               議事日程(第4号)                      平成30年3月7日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問 第2 議案に対する質疑(議案第1号から第57号まで)     ------------------------------出席議員(31名)      1番  今井ゆうすけ        2番  勝野智行      3番  青木 崇          5番  若林真一      6番  川久保文良         7番  吉村幸代      8番  井口司朗          9番  上條美智子     10番  田口輝子         11番  中島昌子     12番  村上幸雄         13番  上條 温     14番  小林あや         15番  上條俊道     16番  犬飼信雄         17番  小林弘明     18番  阿部功祐         19番  澤田佐久子     20番  宮坂郁生         21番  忠地義光     22番  芝山 稔         23番  犬飼明美     24番  柿澤 潔         25番  宮下正夫     26番  青木豊子         27番  近藤晴彦     28番  南山国彦         29番  草間錦也     30番  太田更三         31番  大久保真一     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男  総務部長      丸山貴史   政策部長      山内 亮  財政部長      高野一司   危機管理部長    嵯峨宏一  地域づくり部長   宮川雅行   文化スポーツ部長  寺沢和男  環境部長      土屋雄一   健康福祉部長    樋口 浩  こども部長     伊佐治裕子  農林部長      藤井卓哉  商工観光部長    川上正彦   健康産業・企業立地担当部長                             小林浩之  建設部長      小出光男   城下町整備本部長  百瀬雅仁  上下水道局長    守屋千秋   病院局長      斉川久誉  教育長       赤羽郁夫   教育部長      矢久保 学  行政管理課長平和推進課長    行政管理課法制担当課長            市川英治             小西敏章  秘書課長      羽田野雅司  政策課長      横内俊哉     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      麻原恒太郎  事務局次長     逸見和行  議会担当係長    住吉真治   主査        金井真澄  主任        高橋千恵子  主任        永原浩希     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(上條俊道) おはようございます。 3日目の議会を始めます。 本日は、松本市観光大使のRKB毎日放送の赤司大使がお見えになっていらっしゃいますので、ご紹介させていただきます。よろしくお願いします。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第4号をもって進めます。     ------------------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(上條俊道) 日程第1 昨日に引き続き、市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、25番 宮下正夫議員の質問を行います。宮下正夫議員質問者待機席へ移動してください。 25番 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 改めまして、おはようございます。 会派みんなの未来の宮下正夫でございます。一般質問も3日目となりまして、少々お疲れのこととは存じますが、どうかもうしばらくおつき合いをいただきたいと思います。 発言の機会をいただきましたので、会派を代表し小林あや議員と2人で、私見を交えながら質問をいたします。なお、質問は一問一答でお願いします。 初めに、会計年度任用職員制度への移行についてお尋ねいたします。 この会計年度任用職員制度といった、耳なれない言葉かと思いますので、最初にこの制度化の経緯等について私のほうから若干説明を申し上げ、そしてその後また理事者からもご説明をいただくことといたします。 地方公共団体に働く臨時・非常勤等職員は、正規職員の定数削減や財政的な理由などから多くの職場で増加しています。また、地方公務員法地方自治法等法律上の不備に加え、国や県からの定数管理の指導などから、賃金、労働条件の整備や改善が放置された状態となっています。 このような中、民間における同一労働同一賃金に向けた検討が始まったことも踏まえまして、総務省では、地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会、この研究会が開催をされ、任用、給付などの見直しに向けた検討が進められてまいりました。この総務省の研究会は、一昨年、計8回開催をされ、地方公共団体や同職員団体の全国組織である自治労等の意見聴取を含め、報告書として取りまとめられました。そして、同年12月に政府へ報告し、公表されたのです。 報告書の公表を受けて総務省は、昨年1月に各地方公共団体からの意見募集を行い、総務省としての対応を示すとともに、改正が必要となる地方公務員法及び地方自治法の改正案を昨年3月7日に閣議決定し、国会へ提出をいたしました。 その後、改正案は、昨年5月11日の参議院本会議で可決成立し、これを受けて総務省は、6月28日付で地方自治体に運用通知を出すとともに、8月23日には制度導入に向けた準備等についての通知を出して、2020年4月1日の施行に向けて、条例制定等所要の改正を行うよう求めています。 それでは、質問に入ります。 初めに、昨年8月23日に総務省から発せられた会計年度任用職員制度の導入に向けた必要な準備等についての通知、少々長いために以下準備通知と呼びますし、あわせて出された会計年度任用職員制度の導入に向けた事務処理マニュアル、以下同様に事務処理マニュアルと呼びますが、これら2つの文書には、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律、以下改正法と呼びますが、この改正法の趣旨が記載をされております。この趣旨に記載の改正法についての内容及びその特徴について、わかりやすく理事者からご説明を願いたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) 〔登壇〕 お答えをいたします。 行政需要の多様化に伴い、地方行政において臨時・非常勤職員が増加し、重要な担い手となっている中、各自治体において独自に設定をされている臨時・非常勤職員の運用基準を今回統一的に定め、適正な任用や勤務条件の確保を図っていくため、今般の法改正が行われたものでございます。 改正の内容は、一般職の非常勤職員の任用等に関する制度の明確化のため、会計年度任用職員制度を創設し、その任用、服務、給付等に関する規定等の整備を図るとともに、特別職非常勤職員及び臨時的任用の厳格化を行いまして、臨時・非常勤職員の適切な運用を確保するというものでございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 説明をいただきました。 次に、昨年8月に出されました事務処理マニュアルによると、各地方公共団体が本年度中に実施すべきものとして、①臨時・非常勤職員の実態把握について、②臨時・非常勤職員全体の任用根拠の明確化と適正化について、③会計年度任用職員制度の整備についてというように、臨時・非常勤職員全体の任用根拠等の実態把握と検証、また、新制度移行に向けた制度設計及び条例改正等の整備や検討が求められております。 ついては、本年度中に行われるこれら調査・検証事項について、その結果について伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 任用根拠等の実態把握につきましては、行政改革の要員として定めている臨時・嘱託職員は、国の事務処理マニュアルが求めている任用根拠、職名、職務内容等の実態について、既に実態が明らかであるため、今後は、各課で雇用されている非常勤職員の実態について、任用根拠、勤務条件等について調査・検証いたしまして、今後の適切な制度の設計を進めていくための基礎資料といたします。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、会計年度任用職員制度導入に当たって、市の制度設計はどのように考えられているのか。また、制度導入までのスケジュールについてお伺いをしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 制度設計につきましては、改正法の趣旨に従い、臨時・非常勤職員の適正な任用と勤務状況を確保するとともに、市民サービスを安定的に提供していくために、効果的、効率的な制度の構築が必要と考えております。改正法の施行日であります平成32年4月1日に会計年度任用職員制度を導入するため、まずは、先ほど申し上げました実態調査を根拠として、平成30年度中に国から示される事務処理マニュアルの改定などを参考に、任用、勤務条件等の制度設計を行います。その後、職員団体との協議等を経て、平成31年度早々に、任用根拠を明確にするための条例制定や規則の改正を行ってまいります。 なお、職員の募集については、平成31年度前期をめどに行いたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 市の制度設計は現在進行中ということでございますが、作業は急がなくてはならないように思います。しかし、慎重かつ適正に進めていただきたいと思います。 次に、公共サービスの多様化に対応し、安定的にサービスを提供するためには、臨時・嘱託職員の存在は不可欠と言えますが、制度移行に当たっては、経験やスキルのある人材を確保するためにも、現在市に働く臨時・嘱託職員については、雇い止め等をすることなく、会計年度任用職員等への移行をすることが市民の利益につながるものと考えますが、理事者の見解を伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 事務処理マニュアルによりますと、会計年度任用職員の任期は1会計年度内とされており、1会計年度ごとにその職の必要性が吟味される、新たに設置された職と位置づけられます。会計年度任用の職についていた者が再度同一の職につくことはあり得るわけですが、任期の延長ではなく、新たな職に改めて任用されることとなります。この場合であっても、長期的、計画的な人材育成や身分及び処遇の固定化などの問題が生じないよう、各任期ごとに面接や書類選考、条件つき採用の対象とするなど、能力実証の結果に基づき任用することとなるものでございます。 したがって、現在働く臨時・嘱託職員が新たに会計年度任用の職につく場合も、この能力実証を経て、当該職に従事する十分な能力を持った者を任用していくことが市民サービスの向上などにつながると考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員
    ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 私は一昨年2月定例会において、市に働く正規職員と非正規職員について尋ねました。このとき理事者からは、平成27年4月1日時点で正規職員1,953人、嘱託職員762人、1種臨時職員93人で、合わせて2,808人との答弁でした。それから2年が経過し、今回質問するに当たり、改めて市の職員数について調査をいたしました。市の回答は、今年度の年度当初で正規職員については増減がないこと、また、嘱託職員と1種臨時職員についてはそれぞれ6名ずつ増員されているということでございました。 ところで、市に働く非正規職員は、嘱託職員及び1種・2種臨時職員と呼ばれますが、国の通達や地方公務員法、以下地公法と呼びますが、この地公法上では、特別職非常勤職員一般職非常勤職員、そして臨時的任用職員の3種類に区分けされております。つまり、常勤以外の非常勤職員は、一般職なのか特別職なのか、また臨時職なのかに分けられているのです。 この点についても調査をいたしました。市の回答は、嘱託職員768人はその全てが地公法第17条に規定する一般職非常勤職員であり、1種臨時職員99人はその全てが地公法第22条に規定する臨時的任用職員であるということでございました。そして、このほかに地公法第3条に規定する特別職非常勤職員、この職員が215名いることもわかりました。この結果、2種臨時職員等を除く本年度の年度当初における非常勤職員の総勢は1,082人ということになります。 このたびの改正法では、現に市に働く臨時・非常勤職員、本市が言うところの臨時・嘱託職員ですが、この総勢1,082人その全てについて調査・検証の対象とし、ついている職の内容や勤務形態に応じて、特別職非常勤職員会計年度任用職員臨時的任用職員のいずれが適当であるのか厳格に検証することとしております。 それでは引き続いて、昨年6月の総務省の運用通知及び改正法制定時の国会の附帯決議に照らして伺います。 初めに、運用通知によると、今回の改正法の趣旨を踏まえますと、一般職として非常勤職員を任用する場合には、会計年度任用職員として任用することが適当であって、これ以外の市独自の一般職非常勤職員として任用することは不適切なものであるとされておりますが、この点について市の考えをお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 非常勤職員を任用する場合には、改正法に基づき、今、議員からもご紹介がありましたとおり、会計年度任用職員臨時的任用職員特別職非常勤職員の任用を進めることとしており、議員ご指摘のとおり、それ以外の市独自の一般職非常勤職員を任用することは想定しておりません。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、運用通知によりますと、勤務条件の確保等に伴う財政上の制約を理由として、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員から会計年度任用職員制度への必要な移行について抑制を図ることは改正法の趣旨に沿わないものであるとされております。この点について、改めて市の考えを伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 臨時・嘱託職員の必要数につきましては、現状及び今後予想される業務量を勘案し、毎年見直しを行っております。会計年度任用職員制度への移行に当たっても、その職の必要性や業務量を十分吟味し、必要数の職を配置していくなど、適正な任用、給付、勤務条件を確保するという改正法の趣旨に沿った形での制度移行を行います。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、運用通知によりますと、会計年度任用職員はフルタイムとパートタイムとに区別をされております。いずれも任期は、会計年度の範囲内で、最長1年とされております。再度の任用は可能であるというふうにもされております。また、任期と任期との間に不適切な空白期間は設けない、このように配慮することが義務づけられているわけですが、この点について市の考えを伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 会計年度任用職員の任期につきましては、1会計年度内で各地方自治体で設定することとなっておりますが、改正法に基づき、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとされており、議員ご指摘の任用と任用の間に空白期間を設けることは適切でないとされていることから、これに沿った制度設計が必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 次に、法改正に当たり、衆議院での附帯決議は、現行の臨時的任用職員及び非常勤職員から会計年度任用職員への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるよう、国は地方公共団体に対し適切な助言を行うよう求めております。この新制度移行に当たって不利益が生じることがないよう適正な勤務条件を確保することについて、市の考えを伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 会計年度任用職員への移行に当たりましては、議員ご案内の法律案に対する附帯決議に記載されているとおり、国の事務処理マニュアル等に基づき、不利益が生じることのないよう、適切な任用、給付、勤務条件の確保に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 それぞれにご答弁をいただきました。 今回の改正法により、臨時・非常勤職員の新制度への移行は、本市の場合、現在の嘱託職員768人はその全員が会計年度任用職員へ移行するものと考えられますし、また、1種臨時職員99人及び特別職非常勤職員215人についても、現在の職の厳格な検証に基づき、会計年度任用職員へ移行する職員も相当数いるのではないかと考えられます。市の新制度移行に当たっての制度設計や職員の移行作業は今後本格化することになりますので、質問はこの程度にとどめ、これ以降の諸課題の整理については、担当部局を中心に引き続き慎重な検証、検討を重ねていただくとともに、当該職員団体との丁寧な協議に委ねたいと思います。 最後に、要望、意見を申し上げます。 市におかれては、今後、精力的に作業を推し進められ、適正で確実な新制度への移行により、臨時・嘱託職員の労働条件が改善されるよう期待します。 また、必要となる財源の確保については、現段階で国は具体的に示しておりません。このため理事者におかれては、全国市長会などを通じて、財源負担は国の責任で実施すべきことを強く求めていただくことを要望して、この質問は終わりといたします。 次に、生活保護行政について質問いたします。 昨年12月、厚生労働省の社会保障審議会のもとに置かれた生活保護基準部会において、社会保障審議会生活保護基準部会報告書、以下報告書と言いますが、この報告書が取りまとめられ、公表されました。報告書は、5年に1度実施される全国消費実態調査のデータ等を用いて生活扶助基準の検証を行うもので、生活扶助基準最低生活保障として適切な基準にあるか否かの検証で、この結果が公表されたのです。政府はこの報告書を踏まえ、新年度以降の生活扶助基準を策定し、生活保護行政へ反映させることとしております。 このような経緯から昨年12月、政府は生活保護基準の見直し方針を決定しましたが、見直しによる生活保護基準はどのようなものか、その概要についてお伺いをいたします。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 主な見直しは3点ありまして、1点目といたしまして、食費や光熱水費などに充てる生活扶助基準について、一般低所得世帯の年齢、世帯人員、居住地域別の消費実態との均衡を図るための見直しを行いました。そのため、世帯構成や年齢、居住地域により増額となる場合もありますし、減額となる場合もあります。 なお、今回の見直しにより減額影響が大きくならないよう、減額幅を現行基準からマイナス5%以内にとどめるとともに、平成30年10月から3段階で実施することとしております。 次に、2点目といたしまして、児童養育加算、母子加算及び教育扶助などについて、子供の健全育成に必要な費用等を検証し、必要な見直しを行った上で支給することとしております。児童養育加算については支給対象が中学生までから高校生までに拡大され、母子加算は、母子世帯で子供1人の場合、現行平均月約2万1,000円が、見直し後は平均月1万7,000円にこれは減額されます。また、クラブ活動費の教育扶助につきましては、実費支給を行う方法に変更するとともに、入学準備金の増額や高校受験料の支給回数の拡大などの見直しが行われます。 続きまして、3点目といたしましては、生活保護世帯のお子さんの大学等への進学を支援するため、自宅生10万円、自宅外生30万円の一時金を支給する制度が創設されたものです。 以上です。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ただいま生活保護基準の見直し案の一部についてご紹介をいただきました。生活保護基準の見直しにつきましては、5年前も行われました。このときは特に、生活保護の基礎をなす生活扶助費が大幅に引き下げられました。平成25年8月から平成27年4月にかけて、平均で7.3%、最大で10%の引き下げが実施されました。そして、今回の見直しです。国の新年度予算案及び国会に提出予定の生活保護法改正案によりますと、生活扶助基準額が今回もまた引き下げられ、ことし10月分から段階的に最大で5%の削減となり、67%の生活保護世帯の受給額が減少いたします。また、母子加算についても、平均で2割程度削減をされる予定となっております。 このような相次ぐ生活保護基準の見直しによって、生活扶助費など生活保護費が削減されることについて理事者の見解を伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 生活保護基準は、法令等に基づき国が定めることとされております。今回の生活保護基準の見直しに当たっては、社会保障審議会のもとに設置された生活保護基準部会において、生活保護基準の水準と一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているかを専門的かつ科学的な見地から評価及び検証が行われたと聞いております。そのため、生活保護法の趣旨に沿った適正な基準を定めたものと考えております。 以上です。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ただいま生活保護基準の相次ぐ見直しについて市の見解をいただいたわけでございます。 次に、私の理解が間違っていたらご指摘いただきたいのですが、国の生活保護制度は、生活保護を受けていない一般の低所得者世帯の1割に相当する最も低い世帯層を対象に、この世帯との公平性を確保するとして、衣食その他日常生活に充てる生活費を調査・検証して基準の見直しが行われております。国民の経済的格差が年々拡大をし、低所得者層の水準がますます低下する中においては、際限なく生活保護基準は引き下げられることとなります。 これはことし1月16日付の山形新聞の記事ですが、「市の奨学金、収入認定は違法」といった見出しで次のように報じています。子供の奨学金を収入とみなされ、生活保護費が減額となった福島市の母子が、精神的苦痛を受けたとして市に100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は16日、生活保護の支給額から奨学金を差し引いた市の処分は違法と判断をし、判決は、母子に慰謝料10万円を支払うよう命じました。事件を担当した裁判長は判決理由で、市は奨学金を収入と認定すべきかどうか検討しなかったと指摘し、減額分が後に追加支給されたことなどを踏まえ、慰謝料は10万円が相当というものでありました。 私は、現在進められている生活保護行政は、本来の法の趣旨からかけ離れてしまっているように思います。生活保護法の第1条にはこの法律の目的が記されていますが、ここには、日本国憲法第25条の規定する理念に基づきと、このように明記をされております。言うまでもなく憲法第25条は、全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。このように記されているわけでありますが、幾ら最低限度の生活であっても、健康が保障されなくてはいけませんし、また、文化的な生活についても保障されなくてはいけません。 生活保護受給者の生活実態は、私が知る限りでも余りにも不十分な実態にあるように思いますが、今日の生活保護行政のあり方について理事者の所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 生活保護行政は、法定受託事務であり、国の定める基準に基づき実施をしております。市といたしましては、今後も生活保護受給者の状況に応じた適切な対応を心がけ、最後のセーフティーネットとしての機能が十分に発揮できるよう、適正な保護の実施に努めてまいります。 以上です。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、この生活保護基準は、市が実施する低所得世帯の子供の学用品代などを援助する就学援助など、低所得者支援の基準とも連動をいたしております。このことから、生活保護基準が引き下げられることによって就学援助の対象から外れることが懸念されることから、本市の就学援助等事業への影響について、質問に先立ち調査をいたしました。市の回答によると、生活保護基準が見直されることによって影響を受ける市の事業は、市の12課にわたり全19事業に影響することがわかりました。 そこで、12課19事業の中で、学校給食費の援助事業についてお聞きいたします。 本市における平成28年度事務報告書に掲載の要保護及び準要保護児童生徒就学援助費内訳にある学校給食費を見ますと、小学校、中学校とも平成26年度から平成28年度までの3年間では、対象人数及び給付金額とも年々減少しています。この要保護及び準要保護児童生徒就学援助事業における学校給食費の就学援助基準はどうなっているのか、認定基準について説明をいただくとともに、年々減少している援助対象者及び支給金額について理事者の見解を伺いたいと思います。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 就学援助制度は、生活保護に準ずる経済的な理由により就学が困難な児童・生徒の保護者に対し、給食費や学用品等を支給するものでございます。松本市では、世帯の合計所得が生活保護基準額の1.4倍までを就学援助の認定基準と定め、申請に基づきまして就学援助費支給対象者を認定し、学用品費や給食費等を支給しております。 学校給食費の援助につきましては、要保護及び準要保護児童生徒に対し、それぞれ生活保護費と就学援助費から実費支給しております。対象人数及び金額の減少につきましては、児童・生徒数全体の減少に伴うものと認識しております。平成26年度から平成28年度における就学援助認定者数の割合を比較しますと、小学校が約13%、中学校は約18%で、ほぼ横ばいとなっております。 学校給食に係る援助事業につきましては、生活保護基準の見直しによる影響はないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、5年前の生活保護基準の見直しによって要保護・準要保護児童生徒就学援助事業の対象から外れた児童・生徒はいたのか、その影響についてお伺いします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 5年前の平成25年度における国の生活保護基準の見直しに際しましては、当時、文部科学省及び厚生労働省から、対象者が影響を受ける可能性のある制度について影響が及ばないようにと、各自治体で適切に判断するよう通知が出されております。松本市では、この通知に従いまして、準要保護児童生徒の就学援助の基準を変更せず、従前のままの基準を用いて認定しておりますことから、国の生活保護基準の見直しによって対象から外れた世帯はございません。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 前回の生活保護基準の見直しによって、要保護・準要保護児童生徒への援助事業に影響を与えないよう、市は見直し以前の基準で認定をしたという答弁でございました。 これは、前回の生活保護引き下げの際、今ご紹介がございましたが、国が地方公共団体に対し就学援助に影響させないよう要請していたことを受けての対応であったわけでございます。それにもかかわらず、全国の89市区町村におきましては就学援助の基準が引き下げられ、多くの子供が対象外となって、就学援助費が受け取れなかったといったことがございました。 そこで、今回の生活保護基準の見直しによって、要保護・準要保護児童生徒就学援助事業への影響が改めて懸念されるわけですが、生活保護基準見直し後の同事業実施について市の考えをお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 現在、国会において審議中の生活保護基準の見直し案につきましては、早ければ10月から段階的に実施される見通しでございます。したがいまして、見直しの項目や金額など詳細が決定いたしましたところで、影響する額について試算し、対応について検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 生活保護基準の見直しが、現在国において審議中ということで、明快なご答弁をいただくことはできませんでしたが、生活保護基準の見直しが実施された場合においても、本市では要保護・準要保護児童生徒の就学援助の基準は変更せず、従前のままの基準を用いて認定をされ、影響の及ぶことのないよう検討いただくことを要望し、この質問は終了といたします。 次に、環境行政について、使用済みの紙から再生紙をつくる新しい製紙機導入について伺います。 庁舎内で使用して不用となった使用済みの紙から再生紙をつくる新たな製紙機の導入についてです。これは、県内に本社を置く大手メーカーが一昨年12月から販売を開始したもので、世界で初めて、使用済みの紙を原料として、文章情報を完全に抹殺した上で新たな紙を生産するオフィス内製紙機とも言えるものです。 この製紙機の仕組みと特徴について簡単に説明いたします。新たに開発された技術によって、繊維化、結合、成形といった一連の工程が連続して瞬時に行われ、使用済みの紙から新たな紙を生み出すことができます。この製紙機の特徴は、繊維化では、機械的な衝撃により、水を使わずに使用済みの紙を細長い繊維に変えて、文章情報を一瞬で完全に抹殺します。結合では、繊維化された使用済みの紙は、結合素材を使用することによって繊維を結合します。さまざまな結合素材により、白色度の向上や色つけを行うことができます。また、成形では、結合した繊維を加圧して新たな紙にするわけですが、加圧時の密度や厚み、形状をコントロールすることで、A4やA3サイズの紙、また、名刺などに使用できる厚紙などを生産することができます。 先月7日付の信濃毎日新聞によると、この製紙機が長野県庁に導入され、阿部知事や開発したメーカーの社長らが出席して稼働式が行われたといった記事が掲載されました。この稼働式で阿部知事は、森林資源を守り、ごみを減らせる。県の導入で多くの人に環境に関心を持ってほしいと述べられておりました。また記事では、自治体での導入は全国で9例目、県内では諏訪、塩尻の2市に続き3例目となり、費用はリース契約で月額30万円とのことでした。 また、昨年10月14日付の日本経済新聞は次のような記事を掲載しております。秋田県はことし3月、年間で約7,200万枚購入しているA4コピー用紙を毎年1%、約72万枚ずつ削減する計画をつくり、導入する製紙機で年間95万枚を製造して早期にこの計画を達成したいと言っておりました。年間のリース料は465万円で、用紙1枚当たりの価格はコピー用紙の10倍近くになる計算だが、職員の意識向上や小学生の環境教育などコスト以上の効果が大きいと紹介をされておりました。 ついては、このような製紙機導入により紙の地産地消を推進する取り組みについて理事者の見解をお伺いしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 土屋環境部長。 ◎環境部長(土屋雄一) お答えします。 本市では、松本市役所エコオフィスプランに基づき庁内の環境管理を行っており、市役所全体で使用する紙についても、例えば会議のペーパーレス化、あるいは文書の電子ファイル化、さらには両面コピーや裏紙利用、縮小印刷など、そういうようなことから使用量の削減を図っております。市役所から出る使用済みの紙の量は、平成28年度では重要書類及び機密書類が約50トン、その他の書類は約60トンとなっており、両方とも民間事業者に搬入し、再生紙としてリサイクルされております。 議員のご提案のとおり、製紙機を導入することにより、現在民間で処分している重要文書などを自家処理することができ、さらに、コピー用紙ばかりでなく厚紙や色紙など単価の高い用紙が作製できるなど、事務効率の面からも効果が期待できます。また、設備の見学など市民への環境教育にも役立つと考えられますが、まずは排出抑制の観点から、現在取り組んでいる紙の使用量の削減強化に努めることとし、製紙機導入については今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ただいまは、製紙機導入による紙の地産地消の推進について理事者の見解を伺いました。 次に、製紙機導入に当たっては、障害者雇用につながるよう求める質問を予定したわけでございますが、ただいま製紙機の導入については今後検討するといった答弁でございましたので、質問は時期尚早というふうに考えて、過日、私たち会派が行った先進地視察について紹介して、要望意見といたします。 私たちの会派では先月初めに、東京都世田谷区にある株式会社世田谷サービス公社を視察しました。世田谷区での紙を循環させる紙の地産地消事業に製紙機を導入し、区と公社が連携して進めている取り組みについて話を聞いてまいりました。 世田谷区は、人口90万人を超す大都市です。区内にある株式会社世田谷サービス公社は、世田谷区の第三セクターとして設立された会社で、従業員が820人余り、うち障害のある社員が90人、この90人の社員が区内17カ所の公共施設において、床のモップがけや各種清掃作業、公園の清掃等に従事し、市の委託事業として公社が実施しているとのことでした。加えて、本年度から新たに区役所内に導入された製紙機の運用業務が追加され、障害のある人を採用して製紙機の操作等に従事させているとのことでした。 株式会社世田谷サービス公社の職員の説明によりますと、①区の事業所内で発生した使用済みの紙を繊維に分解し、印字内容を抹殺することができるため、個人情報保護の強化につながること。②新しい紙の調達や使用済みの紙の処理場への輸送を減らすことができるため、CO2削減に貢献し、環境負荷が低減されること。③古紙を再生する際に染料により再生紙を着色することで、リサイクルが目に見える形で実感できるため、再生紙を利用する職場の意識啓発を初め、幼稚園、小中学校を対象とした環境教育に活用できること。④紙の地産地消という先駆的な取り組みについて、他の自治体に情報発信できること。そして、⑤製紙機の運用が障害者雇用の促進につながることなど、5点ほどの利点についての説明がございました。 とりわけ最後の障害者雇用の促進については、処理作業にはクリップ外しや再生紙の梱包などといった多くの手作業が発生するため、これら作業を障害者雇用で運用することによって、障害者の社会参加の促進と就労の場の提供につながるという説明がございました。 よって、今後、市が製紙機の導入及び運用等について検討される際には、障害者雇用が促進できるよう要望して、この質問は終了といたします。 最後に、教育行政について。 特別の教科・道徳についてお伺いします。 特別の教科・道徳については、昨年12月定例会において我が会派の吉村幸代議員が質問を行いました。このとき詳しいやりとりがなされておりますので、私は1点についてのみお伺いをしたいと思います。 昨年5月30日付の松本市公民館報の新村版に、前松本市教育委員で最後の教育委員長を務められた斉藤金司先生の退任の挨拶が掲載されておりました。ここには次のように書かれています。最初の部分は省略いたしますが、「長きにわたりながら、なすことの少なさを恥じていますが、何より子供を大事にし教育を重んじる菅谷市政のもとでの12年間であったことをとても幸せだったと思っています。」途中を省略しますが、「現在、教育委員会制度の変更や道徳教育の教科化など、教育をめぐる状況には厳しいものがありますが」と、こういったくだりでありますが、私は、先生が言う、「現在、教育委員会制度の変更や道徳教育の教科化など、教育をめぐる状況には厳しいものがある」ということは、一体どういうことを先生は危惧されていたのか、先生にお会いしたら聞いてみようと思っておりました。 今回、特別の教科・道徳について調べていると、先生が次のように話されていたことがわかりました。それは、平成26年度の第8回松本市定例教育委員会の開会を宣言した後の先生の挨拶です。当時、斉藤教育委員長でしたが、次のように述べられています。「ここのところ一番気にかかっていることを話します。今、学校教育は、非常に困難な状況に置かれています。現在の教育に対する危機感を自分はこれまで生きてきた中で今一番強く持っています。これから学校はどうなっていくのだろうかと思うと、オーバーではなく、暗澹とした思いになります。これが自分だけの危惧であればと思っていたのですが、尾木直樹先生も信濃毎日新聞掲載のコラムを終えるに当たってこんなふうに書いています。」と言って、尾木先生のコラムの内容について一部紹介し、「尾木先生も非常に強い言葉で現在の教育を批判していました。このような認識は、教育にかかわる者はすべからく持たなければいけないと思います。」と言っています。教育委員長の挨拶としては比較的長いものだったように思います。 そこで質問ですが、文部科学省は、小学校ではことし4月から、中学校では来年4月から、これまでの道徳の時間を特別の教科・道徳に変更して、教科書を用いて進められるわけですが、新年度から小学校で使用することが決まった特別の教科・道徳の教科書について、採択経過とその理由についてお伺いをいたします。 ○議長(上條俊道) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 県内の市町村立小中学校で使用する教科書の採択は、県が設定いたしました採択地区ごとに協議会を設置し、市町村教育委員会は、所属する採択地区の協議結果に基づき、科目ごとに同一の教科書を採択することとなっております。これに基づきまして、今年度、松本市では、塩尻市、安曇野市、東筑摩郡の計3市5村で構成いたします松塩筑安曇地区教科用図書採択研究協議会で、歴史上初めてとなります小学校の道徳教科書について、慎重かつ丁寧な検討を重ねて教科書を選定し、その結果を踏まえて教育委員会で採択をいたしました。 採択の経過を詳しく述べますと、5月に3市5村の教育委員会、校長会、学識経験者、保護者代表の30名で構成いたしました松塩筑安曇地区教科用図書採択研究協議会を設置いたしまして、まずは8社6学年分の教科書の内容や特色を細かく比較検討するため、6月から7月にかけて、専門的な知識を有します10名の教員による調査研究委員会を組織いたしまして、5回の会議を重ね、調査研究を進めてきました。その後、調査研究委員会の検討結果がまとめられまして、7月18日に採択研究協議会を開きまして、調査研究委員会の検討結果を踏まえ、出席委員全員からの意見をお聞きし、全会一致で光村図書出版の教科書を選定し、松本市では7月27日の定例教育委員会で同教科書を採択したものでございます。 この教科書は、県から示されました4つの採択基準に照らしますと、1つ目に教科の目標からの配慮として、体験的に学習し、課題を多面的、多角的に捉える配慮があること。2つ目に学習活動への配慮として、文末を完結型にしない資料構成や役割演技などを取り入れ、主体的に学習できる工夫がされていること。3つ目に学習指導への配慮として、現代的課題と向き合う資料が豊富に配列されていること。そして、4つ目に全体的特色として、手に持ちやすいB5判で、紙質、挿絵等の色調も優しく温かみがあり、大変適切であることでございます。 採択いたしました光村図書出版の教科書は、子供たちの多様な価値観が教室内で表出され、互いに考え、議論する道徳の時間をつくり、子供たちの道徳性を養うため最も適した教科書であると考えております。 今年度初めて特別の教科・道徳の教科書を採択いたしましたが、私としては、今まで同様に道徳教育は全教育活動の中で行うことを基盤に、特別の教科・道徳の時間の充実を図りたいと考えております。主たる教材として教科書の活用を図ることはもちろんでありますが、教科書だけに頼ることなく、長野県で今まで大切にしてきました地域に根差した教材の掘り起こしも含め、多様な価値観に触れながら、子供と教師がともにつくり上げる道徳の時間が各教室で展開されることを願っております。 なお、来年度は、議員からもお話がありましたように、中学校の特別の教科・道徳の教科書の採択を予定しております。 以上であります。 ○議長(上條俊道) 宮下正夫議員。 ◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕 ただいま教育長から、特別の教科・道徳で使用される教科書について、採択経過やその理由について、また進め方についてもご答弁をいただきました。 私は、通告では次に、特別の教科・道徳を進めるに当たっての教育長の所信をお聞きする予定でいたわけですが、ただいま教育長からも述べられましたし、また、昨年12月定例会において吉村幸代議員の道徳教育への対応や進め方、また、進めるに当たっての教育長の思いなどについて質問がなされております。これに対し赤羽教育長が真摯に熱く思いが語られておりましたので、予定した質問は取りやめて、要望、意見としたいと思います。 私は、この4月から始まる特別の教科・道徳の教科化については、ある種の危惧を抱いております。もともと心の評価はなじまないものとして戦後一貫して見送られてきた道徳の教科化が、改めて実現することになったのです。第1次安倍政権では、文部科学省の諮問機関、中央教育審議会が、いわゆる中教審ですが、中教審が、道徳は教科になじまないとして突っぱねていたにもかかわらず、第2次安倍政権では、中教審のメンバーを入れかえて、特別の教科として格上げする道筋がつくられてきた経緯があるからであります。 道徳の教科化の必要性の根拠とされたのが、いじめ問題でした。皆さんも記憶に新しいかと思いますが、2011年の大津市で起きた中学2年生の自殺をめぐる一連の問題で、いじめが社会問題化するに至ったわけです。安倍首相肝いりの教育再生実行委員会は2013年2月に、いじめをなくすために道徳の教科化が必要だと提言をしたのでありました。皮肉なことに、事件があった中学校は、文部科学省指定の強力な道徳のモデル校であったと言われております。 さて、私たちは、過去に忌まわしい歴史の存在を知っております。この過去を経験した人は今は少なくなっているわけですが、我が国が武力で他国を侵略し、植民地支配した歴史であります。当時、教科書は、国定教科書といって、国が定めた教科書以外は使わせず、都合のよいことだけを教えました。その中には、日本よい国、清い国、世界に一つの神の国、こういった内容のものが書かれていました。また、朝鮮人や中国人など日本人以外の人を蔑視するような考え方を教え込んだのです。このような教育を受けた当時の子供や国民は、政府のやり方に疑問すら持たず、お国のためにと国の政策に協力したのでありました。日本が起こした戦争でアジア各国の人々に甚大な被害を与えました。教科書もまた、戦争の武器として使われていたのです。とりわけ戦前戦中、筆頭教科と言われた修身を中心とした道徳教育は、国の政策の露払い役を果たしたと言われております。戦後日本は、この戦前教育に深く反省し、新しい憲法をつくり、そして、この憲法の理念のもとに教育基本法が制定され、戦後教育は進められてきたのであります。 戦後70年以上がたちますが、教育の基盤をなす教育基本法が第1次安倍政権のもとで、また日本国憲法が現在の安倍政権のもとで変えられようといたしております。私たちは、過去の誤った歴史とその反省と教訓、そして今日の政治情勢の中で、この特別の教科・道徳が用いられることを考えなくてはなりませんし、教育委員会は教師を通し具体的な授業に当たらなくてはならないと考えております。 新年度から始まる特別の教科・道徳を進めるに当たっては、昨年12月定例会で、また、ただいまの赤羽教育長の答弁でも示されたように、単に教科書や教科だけに頼るのではなく、道徳は全ての授業においてにじみ出るものでなくてはならず、これまで大切にしてきた、地域に根差した教材などの掘り起こしも含めて、広く世界に目を向け、新たな課題や多様な価値観に触れながら、子供と教師がともにつくり上げる道徳の時間が各教室において展開されることを切に期待して、私の全ての質問を終わりといたします。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(上條俊道) 以上で宮下正夫議員の質問は終結いたします。宮下正夫議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時といたします。                              午前11時6分休憩                              ---------                                 午後1時再開 ○議長(上條俊道) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 14番 小林あや議員の質問を行います。小林あや議員質問者待機席へ移動してください。 14番 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 会派みんなの未来の小林あやです。発言の機会をいただきましたので、宮下議員とともに一問一答にて質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。 冬季オリンピックが終わり、そして次はパラリンピックと盛り上がりを見せる季節です。私の場合は、ちょっと想定外に質問のスタートのタイミングがずれまして、態勢の立て直しに気持ちを集中させているところでございます。そうは言っても、アスリートたちのすばらしい活躍には目を見張るものがありますが、何よりも、レースの瞬間までの長い4年間、ひたすら自分に厳しくわざを磨き、努力を積み重ねてきた姿への敬意に対し、果たして自分も高い次元で仕事の質を追求できているだろうか、自分との闘いを続けられているだろうか、努力の積み重ねを大事にしているだろうかなどと改めて自問自答する機会も与えてもらっている、感謝すべき期間であるように思います。アスリートたちの自分の限界を自分自身の力で超えていくたくましい姿に大きな刺激をもらっています。パラリンピックももうすぐ、あさってですが、全力を出し切って頑張ってほしいと思います。 今回は4件の質問をいたします。 最初に、中核市についての質問に入ります。 中核市移行については、所管委員会での協議のほかに、2月21日に全員協議会が設置されましたように、徐々に具体的な協議の場がふえてきたことから、今後に向けて中核市移行に関する全体の輪郭を浮かび上がらせるために今回質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず初めに、地方自治の歴史について、これまでの経過を簡単に説明させていただきます。 地方自治は、明治以降、国の行政を分担させられていく中、あるいは自治を制限される中、少しずつ、自分たちのまちのことは自分たちで決めるという自治権の枠を広げてきました。一例を挙げますと、明治以前の日本社会には庄屋や名主という村役人がいましたが、明治4年、政府によって大区小区制がしかれ、現在の松本市で言えば市長に当たる戸長等の新たな役人が選任されたことで、地域に混乱が生じました。そこで翌年の明治5年、政府は、それまで何百年も続いていた庄屋等の役職を全て廃止し、戸長、副戸長に一本化させましたが、国からの派遣による戸長が断行した処分については法律上有効か否か争われたほど、住民にとって深刻な不都合が生じるケースもありました。これが後に住民の代表者による区会、市会、町村会の開催につながり、現在の議会制度へと発展していったのです。 もしも現代において市長は選挙なく派遣された国の官僚が務めていたとしたら、松本市の特徴を押さえたきめ細かい行政サービスは提供できているでしょうか。今でこそ私たちが当たり前に捉えている地方自治は、きのうきょうのスパンでは変遷を感じにくいものの、時の先人たちの苦労と先見性による歴史の積み重ねによって獲得されてきたものです。 しかし、これまでの成果とともに、まだまだ道半ばでもあります。中核市に移行するということは、地方における中核的な役割を担う都市になることを意味しており、自分たちのまちのあり方を自分たちで決めていこうとする地方自治の理念にのっとって、これまで国や県が決定権を持っていた事業を松本市に移すことで、松本市の特徴に合わせたきめ細やかな事業内容を決定できるようになる権限移譲へとつながっていくのです。 中核市移行によって自分たちのまちを自分たちで決めるという分権がさらに進むということは、言いかえれば、中核市になったことによる行政運営のあり方はまさに自治体によって十人十色となることを意味します。つまり、分権の意味をきちんと押さえていれば、他都市はこうだから自分たちも同じようになるといったような比較の仕方は意味がなくなるということになります。 政治も時代の変化と社会ニーズによって考え方の軸が変化します。国づくりを進めるために、とにかく同じものを大量に仕入れ、国全体に浸透させねばならない時代もありました。それが、ハードインフラの整備が必要とされた時代の特徴であり、当時の社会ニーズです。それは、例えば戦後の学校建設、上下水道や道路の敷設などが挙げられます。屋根の形を何にして、壁の色を何にして設計をどうするというような時代ではなく、とにかく全国に学校を建設して教育環境を充実させ、上下水道を敷いて衛生状態を改善させ、道路をつくって暮らしの基盤を安定させるといった大量生産、画一的整備の時代でした。こうした時代背景においては、自治体の独自性よりも国の主導による政策の推進が優先されてきました。 しかし、暮らしは豊かになり、物があふれる時代になった現代において、その考え方は変化しています。どういう目的の施設や政策が必要で、構造や制度設計をどうするか、資源の使い方をどうするかなどを自分たちで決めたいとする自治体がふえています。中核市に移行することは、こうした社会ニーズの変化を反映させるためのシステムであると考えられます。 したがって、かつての大量生産、画一的整備時代から思考を脱却させられないまま、国が、あるいは県が何とかしてくれるだろうと思って中核市に移行しても、そこに何の意味も付加価値も見出すことはできません。 市長は当初、中核市移行について慎重な姿勢であったものの、今では必要な方向性であると判断されています。中核市制度の意義、地方分権の重要性についての考え、また、中核市移行を目指す市長の思いをお聞きします。 ○議長(上條俊道) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 それでは、ただいまのご質問にお答えします。 小林あや議員ご紹介のとおり、中央集権制度からの脱却を旨とする地方分権は、少子高齢化や人口減少が進み、社会経済情勢が急速に変化している現代社会において、今後ますます重要になるものと捉えております。 松本市は、これまでの特例市としての権限移譲に引き続き、県からさらなる事務権限の移譲を受け、都市としてより高度な自主性と自立性を備えることで、将来にわたり持続可能な行政運営をより確かなものとするため、中核市への移行を目指すことに至った次第であります。 中核市移行により、まずは主体的なまちづくりと市民サービスの向上を図り、その上で保健所設置の相乗効果などにより、これまで以上に独自性のある健康福祉政策や子供・若者支援政策を展開することにより、地方から国を動かす意欲を持って健康寿命延伸都市・松本のさらなる推進を目指してまいります。 地方分権は、地域住民みずからが判断し実行に移す、住民本位による行政へと、国、県、市それぞれの役割を変えていく取り組みでございます。松本市の中核市移行が、超少子高齢型の人口減少社会を乗り越え、住民の幸福感の向上を実現する、全国に先駆けた取り組みのモデルとなるよう、強い信念を持って取り組んでまいります。健康寿命しかり、30・10運動しかり、情熱を持ち本気になって取り組めば国を動かせることを松本市民は既に経験しているのであります。 以上であります。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 中核市移行の目的は、主体的なまちづくりと住民サービスの向上であり、これによって健康寿命延伸都市・松本をさらに推進させることであるという、そして、地方から国を動かしていくという市長の強い信念を確認いたしました。 中核市移行によって松本市への分権がさらに進むと、移譲された権限を担う松本市の職員のやる気、創意工夫がますます重要となってまいります。新たに独自でできるようになることがふえるということは、言いかえれば、これまでは誰かが描いていた地図を今度は松本市自身が書いていかねばならなくなります。 では、この点について職員の覚悟がいかがかお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 山内政策部長。 ◎政策部長(山内亮) お答えいたします。 これまで中核市移行の検討段階におきましても、庁内組織として中核市検討庁内委員会を設置し、全庁を挙げて検討を重ねてまいりましたが、中核市移行を目指すに当たり、引き続き全庁挙げ、さらに前向きな姿勢で取り組んでいかなければならないと強く感じております。 また、中核市に移行しますと、多くの事務権限が移譲され、より高度な業務を担うことになりますことから、今以上に大きな責任と覚悟を持たなければならず、そのためには職員の一層の資質向上が不可欠であると考えております。 したがいまして、職員力を高め、組織力の一層の向上を図ることにより、移譲される事務を効果的かつ効率的に実施し、さらには、与えられた権限を最大限活用し、時代に対応した新たな発想による主体的なまちづくりを行ってまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 先ほどの市長の思いと、そしてただいまの職員の前向きな覚悟と申しましょうか、その確認をさせていただくことができましたので、それでは、具体的な中身の質問に移らせていただきます。 中核市移行に伴い移譲される事務が、松本市の掲げる政策の推進にどのようなインパクトをもたらすのかという点については、これまで広報まつもとに8回、シリーズで市民への説明として、具体的な事例も含め掲載されてきています。また、2月21日の議員協議会でお示しいただいた中核市移行に関する検討結果報告書の中にも、期待される効果が掲載されています。もう少し具体的な事例が多く紹介されていればなおよかったのかもしれないとは思います。 例えば広域の中に拠点があればいいものと、エリアを網羅すべきものとに分けて考えてみますと、感染症対策は、対象者は感染者ですので、広域の中に拠点を置いての対応でも可能だと考えられます。しかし、感染症予防対策となると、対象者は全員となり、対象人数が莫大に増加します。その場合は、エリア全体を網羅すべき対応が必要となり、それを県が全て行うということは現実的に困難であろうことは、誰もが理解できるものと思います。 また、健康福祉や予防など、保健行政の範囲で抑えられない場合が医療の出番となり、医療の範疇を超えると介護行政の出番だというようにしばしば言われたりするそうですが、実態では、県と市とで権限が分かれ、一連の流れになっていないのが現状です。 こうした点などを踏まえ、改めて、中核市移行にどのようなメリットがあると考えるか、あるいは移譲される権限をいかに活用していくかという点についてお尋ねいたします。 ○議長(上條俊道) 山内政策部長。 ◎政策部長(山内亮) お答えいたします。 ただいまのご質問の中で議員からご紹介がありました中核市移行に関する検討結果報告書のとおり、これまで県と市が分担して行ってまいりました事務を市が一括して行うことにより、福祉や子育てなどに関する施策を一元的かつ総合的に実施できることが大きなメリットの一つでございます。 そこで具体的な例を2つご紹介いたします。 まず1つ目でございますが、小児がんなどの難病をお持ちのお子さんがいらっしゃるご家族に助成されます小児慢性特定疾病の医療費についてでございます。現在は県の松本保健福祉事務所で手続をしており、松本市分として年間約300件の支給認定がございます。中核市移行後は松本市役所で手続を行うことになるため、既に松本市が実施しています子育てに関する相談支援のほか、福祉に関するサービスなどとあわせ、ワンストップで手続や支援が受けられるようになります。 2つ目でございますが、これまで関与が希薄でありました医療行政の一翼を松本市が担うことにより、医師会や病院との連携がより深まりますことから、例えば病気で入院された市民の方がその後在宅での医療や介護が必要となる場合に、その方の医療に関する情報を病院から介護事業者などへスムーズに伝達できるようになります。既存の松本市の福祉や介護サービスとあわせた総合的な支援によりまして、在宅療養に必要なサービスや環境整備をいち早く行うことができるようになります。このことにより、急性期から回復期、さらには在宅医療に至るまで、地域全体で切れ目のないサービスの一体的な提供が可能となることが期待できます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 福祉や子育てに関するサービスがワンストップで切れ目なく一元的かつ総合的に受けられるようになるということは、福祉や子育て支援に大きな関心を寄せて議会で質問をされる議員が多い近年の状況を踏まえると、これは大きなメリットになると思われます。 それでは、国と自治体の双方において進められているいわゆる地方創生についてですが、全国的には定住促進や交流人口増加などを目的としたものが主流となっているように見受けられます。しかし、既に住んでいる住民に向けた施策の展開も重要となります。高齢者や子育て世代、若者をどう支えていくのかという視点では、健康のまちづくり、子育て支援などの面で、中核市移行に伴って移譲される事務が関連してくるというふうに思われますが、本市が地方創生を進めていく上で中核市への移行がどのような効果を生むと考えるかお尋ねします。 ○議長(上條俊道) 山内政策部長。 ◎政策部長(山内亮) お答えいたします。 松本市の地方創生の取り組みにつきましては、平成27年度に策定をいたしました「健康寿命延伸都市・松本」地方創生総合戦略に8つの重点施策を掲げ、現在、雇用の創出や地域経済の活性化などに取り組んでいるところでございます。その重点施策の一つであります成熟型社会の都市基盤づくりでは、地域包括ケアシステム・松本モデルの構築に向けた取り組みがございまして、これは、中核市移行により移譲される健康づくりや子育て支援の事務と大きく関連のある施策でございます。 中核市移行により、これまで松本市が実施してまいりました保健福祉施策と新たに移譲される事務との一元化により、より一層充実した健康福祉政策が展開できますことから、松本市の人口推計において目標としております2040年の合計特殊出生率1.8の実現の前倒しも期待できます。このように長期的な視点におきましても、中核市への移行が地方創生の取り組みに寄与できるものであると考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 おっしゃるように本市の強みは、ゼロから手探りで始めるわけではなく、これまでの着実な実績があるという点だと思います。より一層充実した健康福祉政策によって、2040年の合計特殊出生率が1.8という目標の前倒しも考えられるという見解は、非常に大きなインパクトを受けました。 ところで、中核市移行に当たっては、庁内の体制整備や県との協議など、現時点での課題も検討結果報告書の中に記載されています。中核市移行によって松本市への分権が進められることは、金銭でははかれない大きな意義があると考えますが、その一方で、移行後の支出をできる限り効率化していくことも、住民サービスの向上という観点から重要となります。移行直後の激変緩和措置として県職員を派遣してもらったり、職員交流などの実施も選択肢に入れておくべきだと考えます。中核市移行後の支出の合理化、効率化のためにどのような工夫があり得るとお考えでしょうか。 ○議長(上條俊道) 山内政策部長。 ◎政策部長(山内亮) お答えいたします。 議員ご指摘のとおり、中核市移行直後におきましては、市民サービスに影響を及ぼさないよう、急激な変化への対応策が必要であることは十分に認識しております。ただいま議員からご紹介がありました県職員の派遣や職員交流など具体的な課題につきましては、今後、県や関係機関などと協議を進めてまいります。また、中核市移行に伴う経費につきましては、大きな課題の一つであると捉えておりますので、中核市移行の効果を最大限に発揮させることを前提として、既存の組織の見直しなど組織体制の整備による効率化や、既存の事務と移譲される事務との一元的な実施による合理化など、工夫を重ねながらさらに検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 効率化できるところはやはり十分効率化させていくという視点からの住民サービスの向上にもしっかりと努めていただきたく、お願いを申し上げます。 それでは、中信地域における松本市の役割についてお尋ねします。 長野市のホームページを参考にしますと、一部事務組合や広域連合は、主に事務を共同処理するための枠組みであり、自治体とは別組織の地方公共団体であるのに対し、連携中枢都市圏構想は、別組織をつくることなく自治体ごと1対1で政策面での基本的な方針や役割分担を定めることが可能であり、自治体の独自性を担保しつつ政策を共有できる性質を持っていると整理することができます。 中核市に移行しないと連携中枢都市圏構想も実現しないことは事実ですが、中核市移行の目的は、市長も触れられましたとおり、あくまでも地方分権であるのに対し、連携中枢都市圏構想は、自治体同士が政策を共有することによってともに繁栄する仕組みをつくるというものであり、松本市が中核市に移行することの目的が、決して連携中枢都市圏構想のためではないと改めて理解することができます。 しかしながら、連携中枢都市圏構想を初めとして松本市が中核的な役割を果たしていくことを周辺自治体から期待されていることから、本市は中信地域の中核的都市としてどのような責務を担うべきなのか、また、周辺自治体との間で広域的連携を進めていく上で中核市への移行がどのような効果をもたらすと期待しているか、市長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 質問にお答えします。 松本地域の3市5村、さらには中信地域におきましては、生活基盤の整備や産業の活性化など共通する多くの課題を抱えている中で、近隣市村の首長の皆様からは、この地域のさらなる発展のため、松本市がリーダーシップを発揮し、これまで以上に地域の中核としての役割を果たしてほしいとの声がございます。 そのため松本市といたしましては、地域の衰退を回避し、一層の活性化を図るため、松本ファーストのごとき保護主義的な思考を排除し、松本市のみにとどまらず中信地域全体を牽引していく道を選択していくことが求められているものと認識しております。 地域の共通する課題を解決していくためには、ただいま議員からもお話がありましたが、自治体同士の広域的な連携が不可欠であり、その広域連携の枠組みの一つが連携中枢都市圏構想でございます。まさに政策的な都市間連携によりまして、戦略的な課題の解決がより高い確率をもって可能となるものと推察しております。 松本市が中核市へ移行し、松本地域の中核的都市として成長していくことが、周辺市村へもよい波及効果を生み、さらにその先に、場合によっては連携中枢都市圏を形成することになるとすれば、中信地域全体のさらなる活性化及び周辺基礎自治体の持続可能な地域づくりにつながっていくことも可能かと思料いたしております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 周辺自治体からの期待に応え、よい波及効果を生めるようになるためには、まずは松本市が中核市に移行して、拠点都市として成長を遂げる必要があるという点、そして、松本市が中信地域における中核的都市になることで松本市自身もさらに発展していけるという点、このように理解をいたしました。 市民にとっての最大の利益とは、決して裕福でなかったとしても安心して暮らし続けられることだと思います。ことしの成人式、新成人代表のスピーチで、ドイツ留学中、いつ故郷に帰れるかわからないシリア難民の友人と話す中で、自分には帰る場所があることを改めて認識したというような、たしかそのような話だったと記憶しておりますが、これが市民の最大の利益の本質だろうと思いながら聞いていました。 周辺自治体にも住民が暮らし、彼らも安心して暮らし続けたいと思っているはずです。松本市民も同じ気持ちです。ともに政策を共有することでそれがかなうなら、松本は中信地方を牽引する役割を担うべきだと思います。 中核市移行については、全体像を踏まえた上でバランスを考慮して議論する必要性を改めて感じました。 以上で中核市についての質問を終わります。 それでは、松本版SDGsの質問に移ります。 初日に近藤議員がSDGsについて説明されましたので、詳細は割愛させていただきますが、SDGs自体は、2015年に採択されたパリ協定に端を発しています。この協定では、世界共通の長期削減目標として、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑制することを規定するとともに、1.5度までへの抑制に向けた努力の継続に言及するものであり、そのために国ごとに二酸化炭素の削減量の目標数値を設定し、5年ごとに全体の検証が予定されているというものです。 この中で相当厳しい二酸化炭素排出量の抑制をうたっているため、世界が目指すべき目標を定めたSDGsでは、環境関連が中心を占めています。17あるゴールのうち、例えば1番目は貧困をなくそうというカテゴリーが設定されているなど、番号ごとに各課題が設定されています。 一方で、こうした山積する世界規模の課題に対して、社会変革や社会インパクト、これをもたらすような課題解決策が求められる中、新たな産業の創出やビジネスモデルの構築が期待されています。 世界的な大規模投資家が投資先を選定する上での判断根拠としてSDGsが、CSRやESGなどのグローバルレベルでの企業の評価指標とともに重要な役割を果たしています。その自治体版である松本版SDGsの推進について及び、国の優先課題の一つであり松本の強みでもある健康長寿に関する質問は、初日と重なる部分がございましたので割愛し、それ以外のものについての質問をさせていただきます。 まずは、同じく国がSDGsの優先課題の一つとしている循環型社会について、先ほど宮下議員のほうから再生紙の製紙機について質問がありましたので、私のほうからは都市鉱山とメダルプロジェクトについて質問させていただきます。 日本は、製造業が盛んになるにつれ、輸入した金属がさまざまな電化製品等に活用されてきた結果、世界でも1位、2位を争うほどの金属を保有する国となりました。これは、初日にも紹介がありましたとおり、都市鉱山と呼ばれています。天然鉱山を持つ国が金属を採掘する行為は、山を切り崩すことによって自然破壊を引き起こしてしまいますが、都市鉱山のように既に使われた金属を再利用することは自然破壊につながりません。また、新興国の発展に伴って、今後大量に金属を必要とすると、天然資源ではもはや賄い切れないとも言われており、このままでは将来的に極めて深刻な自然破壊を引き起こすおそれがあることも既に指摘されています。 大型家電は回収システムが構築されている一方で、小型家電の回収は自治体の裁量によるところが大きいという性質があります。小型家電は認定業者が回収できることになっていますが、国のシステムとして金属の総量コントロールが確立されていないため、金属リサイクルに回さず、中古品として高く売れる途上国へ流出させてしまうケースもあり、深刻な問題とされています。また、多くの小型家電は、所有者が金属資源の価値に気づかず、可燃ごみとして出してしまったり、自宅で眠らせている場合も多いということです。 こうした背景から、啓発事業として、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、小型家電から回収された金属を使ってメダルをつくろうというプロジェクトが実施されています。自宅に眠っているゲーム機や携帯電話などの小型家電の存在を思い出してもらったり、あるいは環境教育の一環として子供たちが資源の循環に興味を持つ機会の創出にもつなげられることが期待できることから、メダルプロジェクトに関連したイベントを実施してはどうかと考えますが、市の見解を伺います。 ○議長(上條俊道) 土屋環境部長。 ◎環境部長(土屋雄一) お答えします。 家庭に眠っている使用済み小型家電から貴重な金属を取り出し、東京2020オリンピック・パラリンピックのメダルを作成する、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」には、昨年10月から本市も参加しており、回収した小型家電から取り出した金、銀、銅は全てメダルに使用されることとなります。また、昨年10月30日に本市で開催しました第1回食品ロス削減全国大会では、環境省と協力し、プロジェクトのブースを設け、PRを行っております。 このプロジェクトは、メダル作成のほか、プロジェクトを通して市民に小型家電のリサイクルの意識づけを行い、継続的な循環型社会を形成していくことを目的としております。 議員が言われましたように、子供たちが資源の循環に興味を持つことは非常に大切なことでありますので、今後、多くの市民が参加するイベントなどでメダルプロジェクトのブースなどを設置し、興味を引くような内容の工夫をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 2014年、JAXAでは、小惑星探査機はやぶさ2の打ち上げに際し、本体に刻む名前とメッセージを募集するプロジェクトを実施しました。これは、子供たちに宇宙科学に興味を持ってもらうための啓発活動の一環であったようですが、登録された応募者には、まるで打ち上げプロジェクトの一員になったかと思えるような証明書が発行されるなど、子供の気持ちを大切にした丁寧なプロジェクトでした。これにより、宇宙科学が遠い存在であった子供たちも、はやぶさ2の打ち上げにみずから参加しているような気持ちになり、活動を応援するきっかけになったに違いありません。これを松本メダルプロジェクトに応用させれば、参加者は、オリンピック・パラリンピックの成功を願うだけでなく、リサイクルへの関心にもつながるきっかけになると思われます。 また、都市鉱山の名づけ親である工学博士の原田幸明氏が主催するエコマテリアル・フォーラムでは、この3月から「My都市鉱山バッグ運動」を始めるとのことです。このバッグは、小型家電を気づくたびに1個ずつリサイクルに持っていくのではなく、バッグに入れて一旦ためておいて、まとめて持っていくためのものです。1台だけなら持っていく手間も、袋いっぱいになると持っていきやすくなるという気持ちを考慮して製造されたものだということです。こうした活動と連携したイベントも選択肢の一つになろうかと思われますので、申し添えておきます。 ところで、小型家電の回収についてですが、海外流出が問題とされている不適切な処分の実態をどのように把握しているのか、その傾向は本市においてどうであるのかお尋ねします。 ○議長(上條俊道) 土屋環境部長。 ◎環境部長(土屋雄一) お答えします。 本市で小型家電を回収している業者は、家電販売店、一般廃棄物収集運搬許可業者、市内数カ所で期間を限定して借地で不用品の無料回収を行っている者、チラシを家庭配布して訪問回収している者のほか、古物商の許可を取り不用品回収を行っている業者であり、それぞれの回収の実態については、県と情報を共有し、市民の方からの情報提供などを踏まえながら実態の把握に努めております。 本市における傾向はとのことですが、家電販売店は小型家電リサイクルルートに沿って回収していること、また、市で小型家電をステーション回収していることが一般家庭に浸透してきておりますことなどから、その他の回収業者の回収量はそれほど多くないと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 それでは、その多くないということは大変すばらしいことだと思いますけれども、回収した小型家電が海外に流出してしまうことに対して、それを予防していくということも引き続き必要だろうというふうに考えられます。今後どのように対応されていくのか、見解を伺います。 ○議長(上條俊道) 土屋環境部長。 ◎環境部長(土屋雄一) お答えします。 小型家電につきましては、小型家電リサイクル法に基づく回収処分を行うことで、国内の都市鉱山の適正な循環が図られるものと考えます。 そこで、現在も、不適正な回収をする業者には現地確認等で直接指導を行っておりますので、今後も関係機関と協力して実態を把握し、適切な指導を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 地球規模の課題は、背景を知らずにいると、誰かが解決すべきもので、自分たちの役割ではないと思い込んでしまう場合が多いのですが、ごみを資源と捉えて新しい循環構造、サーキュラー・エコノミーをつくり上げることは、新産業創造にもつながっていきます。現に、金属を取り出しやすくするために、機能性を重視しながらも、壊しやすい製品の開発なども始まっています。こうしたところにも新産業創出のチャンスがあります。まずは現実を、実情を多くの皆さんに知ってもらうことからだと思いますが、松本からの強い発信を期待したいと思います。 次に、食品ロス削減の取り組みについて伺います。 先月、恵方巻き大量廃棄の惨状がニュースになり、衝撃を覚えたところです。こうした食品ロスの問題は以前から指摘されており、期限切れ間近の食料を廃棄するのではなく、有効に活用するようなフードバンク等非営利団体も設立されるようになってきています。 本市は、食品ロス削減の取り組みが注目され、国内の多くの自治体が導入の動きを見せています。しかし、先日お邪魔した県外の某行政エリアにて、30・10運動の取り組みを導入しているとご紹介をいただいたので、後に首長さんに発祥は松本市であることをお伝えしたところ、ご存じなかったというケースに直面しました。30・10運動は有名になっている一方で、松本が発祥であることが意外と知られていないこと、また、食品ロス削減の問題は個人レベルの問題ではなく、もはや社会全体で考えるべき問題であること、まだ認識し切れていない市民もいることは、本市の課題かと思われます。 食品ロス削減の取り組みを単発で終わらせることなく、社会システムの一環として組み込ませていくには、恵方巻き大量廃棄などの目の前で起こっている実態にも目を向けていく必要があります。 初日の勝野議員の質問に対し、食品ロス削減に向けて関係団体との連絡会を立ち上げたと答弁がありましたが、市民はもちろんのことながら、企業や非営利団体とのネットワーク化を行う中で、連携して食品ロス削減事業に取り組んでいくことができないか、市の見解をお聞きします。 ○議長(上條俊道) 土屋環境部長。 ◎環境部長(土屋雄一) お答えします。 市内の企業や非営利団体とのネットワーク化につきましては、一昨日の勝野議員のご質問にお答えしましたとおり、昨年10月の第1回食品ロス削減全国大会を契機に、食や食品ロスにかかわる関係団体の連絡会を立ち上げております。連絡会には商工会議所、商店街連盟、旅料飲食団体協議会、農業協同組合、大学、町会連合会、消費者の会、食生活改善推進協議会、PTA連合会などに加え、子供や子育てに係るグループやNPO、さらに、「残さず食べよう!」推進店・事業所認定制度の登録店、登録事業所にも参画いただいております。 今後は、この組織を核といたしまして、食品ロス削減に向けた情報共有、意見交換などを行い、各団体の皆様と協力しながら具体的な事業展開を検討してまいりたいと考えております。 また、先ほど恵方巻きの話もございましたが、議員ご指摘のさまざまな諸課題につきましても、解決に向けて粘り強く取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 時間や手間がかかることもあるとは思いますが、諦めずに知恵や工夫で乗り越えていっていただきたいと要望いたします。 また、本市にフードバンクなど関連分野のNPOが十分育つまでは、全国にネットワーク展開しているNPOと協力し合うということも一つの選択肢だと考えられますので、またこちらのほうもご検討いただきたいと思います。 それでは、国の定める優先課題のうち、あらゆる人々の活躍推進について質問をいたします。 以前の議会質問にて庁内における女性管理職登用の実態を尋ねたところ、将来的な登用を目指して、しかるべき人材育成を行っているといった旨の答弁をいただきました。 今回、庁内における専門職を除く女性技術系職員数を調べたところ19名でした。ちなみに技術系男性職員は201名で、技術職だけでも女性職員の割合は10%に満たない状況となっています。ちなみに専門職を除く全職員における女性職員の割合は41%であり、これと比べても技術系女性職員数は著しく低いということがわかります。これは、理工系女子、通称リケジョの絶対数が少ないということと関係します。 内閣府の資料によると、主要国で活躍する女性研究者数の割合及び企業における女性研究者数の割合は、軒並み日本が著しく低いという結果が報告されています。CSRレポートやESG等から割り出される世界基準の企業評価指標では、女性管理職割合の低さなどから、日本企業がなかなか上位ランキングに入らないことが指摘されています。上位企業ほど投資家との信頼関係が構築されやすいというメリットがあることから、日本の技術系企業は、優秀なリケジョを獲得しようと争奪戦を繰り広げています。 諏訪市では、リケジョ雇用応援事業と称して、市内企業と連携し、主に首都圏の大学に通学するリケジョを対象に、市内企業に就職してもらおうという取り組みを始めています。また、内閣府では、女子学生の理工系への進路選択を促進しようと、リコチャレ応援団並びに理工系女子応援ネットワークを設立し、賛同団体や協力団体を募集しています。本市は、パレア松本・女性センターが賛同団体となっていますが、活動実績はまだないようであります。これに対して郡山市や文京区などは、組織概要や現場職員の声などを掲載しています。 本市は中核市への移行を目指しており、専門職や技術職などの人材を確保する必要があります。企業や大学等との連携も視野に入れながら、リケジョ育成はもちろんのことながら、企業や行政への就職活動を考えている学生たちに対し、本市の魅力や情報を知ってもらい、松本に来たくなるような取り組みが必要だと考えますが、これまでの活動実績とともに市の見解を伺います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) 最初に私から、理工系女子のご質問のうち、その育成についてお答えをいたします。 理工系女子の社会進出につきましては、工業製品において女性のユーザーが増加し、製品の開発やマーケティングにおいて女性の視点が必要不可欠となり、企業が採用を活発化させたことなどにより、この40年間で大学入学者の占める理工系女子の割合は約3割増加したと言われていますが、工学、理学などの分野では、男性に対しての割合はまだ低い状況です。 本市でも第3次男女共同参画計画に基づき、将来の男女共同参画社会の基盤づくりのため、理工系女子の育成事業として女性センターでの講座を企画いたしましたが、女子中高生の関心は低く、開催には至りませんでした。 このため、このたびの第4次男女共同参画計画策定に当たり、ただいま議員からご案内のありました、内閣府が進める、理工系分野に興味のある女子中高生の進路選択を応援する理工チャレンジ、リコチャレの応援団体に昨年7月登録をいたしました。今後は、この登録を契機に、教育委員会、大学、企業と連携し、現在策定中の第4次男女共同参画計画に掲げた科学技術分野の企業、大学などの女性研究者・技術者を講師とした新たな出前講座など、理工系女子の育成事業を実施し、実績を積み重ね、理工チャレンジの次のステップである理工系女子応援ネットワークへの参加を目指していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 川上商工観光部長。 ◎商工観光部長(川上正彦) 私のほうからは、理工系女子に対する人材確保、就職活動支援についてお答えいたします。 松本市には多くのものづくり企業がございますが、それらの企業が持続的な発展を遂げるためには、男女を問わず技術系の人材が不足していることが大きな課題であると認識しております。 松本市では、学校関係、経済関係団体、企業、労働団体等で構成する松本市ものづくり人材育成連絡会において、地域産業の将来を担う若年者の育成、地元への就職、産業に必要な人材の確保などについて議論を重ね、効果的に各種事業が実施できるよう連携を図っているところでございます。 就職活動支援といたしましては、ハローワーク松本や松本職業安定協会と連携し、東京、神奈川、埼玉、千葉など首都圏の大学の就職担当部署に情報を配信し、就職面接会を年4回開催しております。また、市内大学生、高校生等を対象にものづくり企業の企業見学会を実施しており、今後は参加者の募集を首都圏等の技術系大学へも積極的に広げ、技術系企業の魅力をアピールする見学会になるよう取り組んでまいります。 議員ご提案の理工系女子の就職活動支援につきましては、社会における女性の活躍が求められていること、また、産業、とりわけ製造業の技術系人材が不足している現状から大変重要と考えますので、今後は、ものづくり人材育成連絡会において、技術系学生の人材確保とあわせて就職活動支援策の中で研究してまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。もちろん本市としましては、しっかりと就職の支援、あるいは研究をしていらっしゃるということはよくわかりました。 市の職員の採用という点についてはどのようにお考えになっているかをお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 市の職員の採用についてでございますが、今年度は技術職として土木、建築、電気、機械、農業職の職員を募集しましたが、昨今の技術職員の採用を取り巻く環境は、女性に限らず大変厳しく、本市においても技術職員の確保に苦慮しているところでございます。 このため採用募集活動では、各学校等で行われる就職説明会等に参加し、全体では200名以上の公務員志望の学生へPRを行っているところですが、技術系学生に絞った活動としては、市の技術職員と学生との座談会を、昨年は女子学生2名を含む14名に参加をいただき開催しており、今年度も近日に開催する予定でございます。 さらに、学生と雇用契約を結び、より実践的な業務が経験できる有給実践型インターンシップの取り組みや、仕事の内容、やりがい、受験者への一言など、女性技術職の声も掲載して作成しました「松本市役所技術職員~技術のシゴト~」のパンフレットなどを活用して技術系の学校訪問も行っており、長野工業高等専門学校では5名の学生と懇談を行ったほか、県内外の大学への応募促進にも取り組んでいるところでございます。 今後は、女性を含むより多くの技術系学生等に応募いただけるよう、関係部とも連携をいたしまして積極的なアプローチを行い、技術職員の確保対策にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。
    ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 今、市のこれまでの取り組みと、それから今後どのように展開していく予定であるかというような方向性というものをお聞きしました。 全体の絶対数が少ないという課題は、これが現時点における明白な課題となっておりますので、いただいたご答弁のほかに、学生として市外に出ていった若者をどうUターンで帰ってきてもらうかと、こういった視点でもお取り組みをいただきたいというふうに思っております。 まずは情報収集というものが必要ではないかなというふうに思います。今後、彼らにアプローチをするに当たりまして、効果的な情報や整備すべき環境が一体何なのかということが明白になってくる、その根拠となる資料になるからです。 Uターンの決め手とは何なのか。また、例えば都市計画のゼミなど、教授にもよるのでしょうが、女性が半数を占める研究室もあるようです。こうした研究室の情報などリサーチを行って作戦を練っていただくのがよいかとも思います。 本市職員は2,000人おります。まずはお子さん方を対象にアンケートをとることも一つの方法ではないかと思います。SNSでURLを送ればすぐに答えられるようなウエブアンケート形式にして、遠隔地にいるお子さんがスマホで回答すれば、貴重なデータが収集できると思います。身近なところでできる情報収集を行い、部局間の連携によって作戦を立て、次の一歩を踏み出していただきたいと要望いたします。 それでは次に、ワーク・ライフ・バランスについて伺います。 企業に向けたワーク・ライフ・バランスの普及に関しては理解もいただいている一方で、根強い抵抗もあると聞いております。一番の懸念は、利益に結びつかないかもしれないという不安だということのようです。しかし、市内には、週休3日にしても生産力が落ちていないという企業もあります。これは、従業員の副業を認めたことで、従業員がみずからの視野を広げることにつながったり、外部との新たなネットワークの広がりによる情報量の増加が本業へのフィードバックに効果をもたらしているなどの分析があるようです。 市や商工会議所などの関係団体がこうした市内企業の情報をいち早く収集し、多くの事例を分析していくことにより、ワーク・ライフ・バランスの普及にさまざまなヒントが見えてくるものと思いますが、見解を伺います。 ○議長(上條俊道) 川上商工観光部長。 ◎商工観光部長(川上正彦) ワーク・ライフ・バランスの普及に関するご質問にお答えいたします。 ワーク・ライフ・バランスの普及につきましては、企業経営者や人事担当者、労働組合を対象としてワーク・ライフ・バランスセミナーを開催するとともに、労政まつもとにより市内の中小企業への周知を図っているところでございます。 しかしながら、各企業によりまして取り組みへの温度差があり、長野県の平成29年労働環境等実態調査結果によりますと、3年前と比較した場合、従業員1人当たりの残業時間が減ったと回答した企業が37.1%になっている一方で、変わらないと回答した企業も54%あり、現状においてはワーク・ライフ・バランスが十分に普及していない状況にあります。 今後は、議員ご提案のとおり、松本商工会議所等と連携し、ワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組んでいる市内企業など多くの事例を収集、分析し、一層の普及啓発に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 こちらに関しましても、情報収集、あるいは更新情報の収集と、常に情報が集積していき、分析された環境をつくっていくような取り組みを期待したいと思いますので、よろしくお願いします。 さて、ワーク・ライフ・バランスに欠かせない多様な働き方についてですが、新規に設置予定のテレワーク拠点施設には、外部からのテレワーク誘致のためのスペースも設けると聞いています。しかし、テレワークを実践している企業の現場の声を聞くと、テレワークオフィスはあちこちからお誘いがあり、オフィスから歩いてすぐ近くの場所に公共交通機関の駅や停留所、宿泊施設があることなどが最低条件であるといいます。 本市に誘致するための戦略についてお伺いします。 ○議長(上條俊道) 川上商工観光部長。 ◎商工観光部長(川上正彦) お答えします。 既に全国の多くの自治体においては、テレワークが行えるサテライトオフィスを整備し、それぞれの強みを生かしながら企業の誘致活動を行っています。中には、田舎であることを前面に打ち出し、都会の日常から隔離された豊かな自然環境を売りにしている自治体もございますが、松本市は、戦略的に人や情報が集まる中心市街地への整備を考えております。加えて、コワーキングスペース、テレワークオフィス、サテライトオフィスが1カ所に集まる拠点として整備することで、さまざまな年代、性別の人が集い、それぞれの課題や、また、その課題を解決するために情報が集まること、そして、そこから新たなアイデアやビジネスの発現、起業、創業といった相乗効果が生まれることを期待しております。 中心市街地の立地条件に加え、歴史風土、文化芸術の気質の高さ、雄大な自然環境をあわせ持つ松本市の高いポテンシャルと、拠点として整備する特異性と強みを前面に打ち出し、大都市圏からの企業誘致、人材の還流、定着を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 やはり情報が集積していくということが大事な点でもあろうと思いますので、その点に関しては非常に期待したいところです。 一方で、私は委員会の場でも発言しているんですけれども、今、拠点施設の戦略というものだったんですけれども、テレワークを誘致するという面におきましては、担当部局というものがこのままでいいのかどうかということは再考の余地があるのかなというふうに考えております。 東京都の場合ですけれども、国際金融都市を目指しているということで、外資系企業を呼び込みたいという狙いから、戦略特区としてのテレワーク推進センターを設置しています。明確なマーケティングが存在していると思います。一方、いただいたご答弁は、誘致というものに関する戦略があるのかないのかというところで申し上げますと、ちょっと漠然としてわかりにくいのかなという印象です。 今やJK専門とも言える小林弘明議員は、JKタウンの問題を幾度となく扱ってきていますが、担当部局の検証については繰り返し問題提起しているように、その分野の専門性という観点はテレワーク誘致についても同じで、課題の抽出や戦略に対し、インパクトのあるわかりやすいキャッチコピーを出して積極的に動くくらいでないと、企業を呼び込むには少し弱いのかなとの不安もあります。今後の動向を注視したいと思います。 それでは、障害者支援について質問をいたします。 スポーツ庁の報告書によりますと、全くスポーツをしていないという障害者が6割に上るということです。あさってからは身体障害のある選手のためのパラリンピックが始まり、この数日はテレビなどで障害者スポーツがクローズアップされています。障害者スポーツはこのほか、知的障害のある選手のためのスペシャルオリンピックや聴覚障害のある選手のためのデフリンピックなど、障害者スポーツの枠が広がってきている一方で、その認知度は、パラリンピックは9割以上の日本人が知っているものの、スペシャルオリンピックやデフリンピックは10%台と、まだまだ知られていないのが現状です。ちなみに、韓国は50%台、アメリカではパラリンピックよりもスペシャルオリンピックのほうが認知度が高いという結果です。パラリンピックとデフリンピックには、本市出身の三澤 拓選手、中東郁葉選手がそれぞれ出場していることもあり、もっと注目されてもいいのになという思いがあります。障害の有無にかかわらず、目標を持って努力し限界に挑戦する姿は、多くの市民が刺激を受けるだけでなく、障害者の皆様にとっても大きな勇気と影響を与えることができると考えられます。 2つのプロサッカーチームのホームグラウンドである味の素スタジアムでは、サッカーの試合前にスポンサー企業がブラインドサッカーの体験会を開催するなどして、企業も積極的にサポートしているようです。 企業と協力するなどして障害者スポーツの認知度を上げていくことも必要だと思いますが、こうした点も含め、障害者スポーツ支援に関して本市の考えをお尋ねします。 ○議長(上條俊道) 寺沢文化スポーツ部長。 ◎文化スポーツ部長(寺沢和男) お答えいたします。 障害者スポーツの支援につきましては、梓川支所内にございます県の障害者スポーツ支援センター、サンスポートまつもとが、スポーツ教室や大会等の開催、スポーツ、レクリエーションの情報提供を行っており、松本市も連携して取り組んでおります。また、市内体育施設には、多目的トイレの設置や洋式化、スロープの設置等、ユニバーサルデザイン化を進めているところでございます。 しかしながら、議員ご指摘のとおり、松本市スポーツ推進計画策定の際に実施いたしましたアンケートでも、障害者スポーツの種目を知っていると答えた方は39%と、残念ながら理解が低いことを示しております。 障害者スポーツの認知度を上げるためには、まずは地道な周知やPRにより健常者の理解を得ることが肝要と考えますので、健康福祉部とも連携をし、ファミリースポーツカーニバルなどの行事で障害者スポーツの紹介、体験等を実施してまいります。 また、議員ご提案の企業との連携や、松本山雅FC、信濃グランセローズ、信州ブレイブウォリアーズ等のプロスポーツを活用した市民交流事業の中で、障害者スポーツへの理解を広げる取り組みを検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 本市の企業や各種プロスポーツの選手及びサポーターたちはとても理解のある方たちだと思いますので、ぜひ協力体制の構築に向けて、そして実施に向けた取り組みに期待したいと思います。 それでは、SDGsの今後の方向性としてですが、初日の質問と重なりますので、これに関しては省略をさせていただきます。 一方、広報について1点要望を申し上げます。 一般的にSDGsと各種事業を関連づけることは、冒頭申し上げましたとおり、投資家が投資先を選ぶ際の根拠になるというメリットがあります。例えば、本市の主要事業において、それが17あるSDGsのどの目標に当てはまるのかをわかりやすく明記することによって、内外に向けた情報提供、情報発信を行うことで、本市が関連する新産業創出事業を実施する際に投資家へアプローチしやすくなるという点も期待できます。SDGs自体は包括的な理念ではありますが、それを活用することによって次の選択肢が見えてくるということもございますので、今後に向けてのご検討をお願いいたします。 以上でSDGsに関する質問を終了します。 それでは次に、交通政策についての質問に移ります。 本市は観光都市であり、観光シーズンや連休になると大勢の観光客が訪れます。知名度が増すことはうれしいことなのですが、同時に自動車交通量の増加による渋滞なども発生し、その解決策が求められています。道路を拡張するにも利害関係者との調整や莫大な工事費がかかり、簡単には実現がかないません。 一方で、旧来の日本社会は予算主義が主流であり、事業効果による社会的インパクト評価よりも、予算を一円でも多くつけることが評価の対象とされてきました。しかし、日本の産業構造の変化に伴い、限られた予算の中で社会ニーズの多様化、複雑化に対応していくためには、最小限の予算で最大の効果を発揮できる施策の展開が求められています。 1つご紹介申し上げます。京都市では、四条通が最もにぎわいの多い通りとして有名であり、歩道を拡幅するために片側2車線を1車線化して対応しようとしたところ、深刻な交通渋滞を引き起こす結果となりました。渋滞は公共交通の遅延も招いてしまいます。そこで、四条通をカーナビゲーションの案内で優先表示される主要道路から外すように大手カーナビゲーション各社に要請し、四条通がルート検索に表示されにくくなったことで渋滞緩和にも効果があらわれたとのことです。 これはゼロ予算で大きな効果が期待できるものであり、本市もこうしたシステムを、自動車通行量を抑制させたい道路、あるいは駐車場へと誘導するために活用してはと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(上條俊道) 小出建設部長。 ◎建設部長(小出光男) お答えします。 ただいま、交通政策の取り組みを行う中で、最小限の予算で最大の効果を発揮できる施策として、カーナビゲーションシステムを活用した交通渋滞対策のご提案がございました。これは、カーナビゲーションシステムの案内において、指定する路線を優先ルートから外すことにより、一般車両の流入を抑制する仕組みと捉えております。 また、ご提案の中で京都四条通の取り組みについて紹介がございました。この事例をもとに、現在松本市で進めております次世代交通政策の中で、どのような取り組みができるか検討をしてみたところ、例えば歩行者を優先するまちづくりを進めるため設定しているゾーン30の取り組みにあわせてこの仕組みを導入すれば、さらなる効果も期待できるのではないかと考えます。 したがいまして、今後の交通政策の実施に当たりましては、ご提案の有効活用の方法などについても検討し、各施策に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 この政策は、活用によって免疫強化のようにじわじわと効果が大きくなっていく性質のものだと思います。今回、ゼロ予算でも大きな効果が期待できる政策ということで1件提案させていただきましたけれども、交通政策のみならず全庁的にこうした考え方を普及させ、日ごろの情報収集に努めていただきたいと要望しておきます。 それでは、次の消防団への質問に移らせていただきます。 消防団につきましては、昨日の宮坂議員や同じ会派の吉村議員、そしてこれまでにも多くの議員が質問してまいりましたので、多くの議員たちが関心を持っている分野だと言うことができますが、私からは出初め式の日程と企業理解についてに絞って質問をさせていただきます。 松本市は、出初め式が1月5日と固定されています。しかし、県内の他市の様子を調べますと、日程を固定しているのは松本市だけで、他市は全て週末に設定されています。最近ではサラリーマン団員がふえ、また、市外の企業に勤める団員もいます。1月5日の出初め式に出席することは職場の理解が得られにくい、また、5日は通常では仕事始めのため、その日に休むことはとても厳しいという声が現役団員からもたびたび届くようになっています。 かつて試験的に週末に日程を変更したことがあったようですが、参加人数に変化がなかったとのことで、また5日に戻されたとお聞きしていますが、パレードに参加する様子を家族が写真におさめたり、家族連れで式典終了後に市内周遊を行ったりする選択肢をふやしてあげることで、企業の仕事始めにぶつかる5日に固定するよりは、家族の理解を得られたり、職場に気を使わなくてよくなるのではないかとも思います。 ただ、これは団員からの相談で質問しているとはいえ、他の団員の皆さんのお気持ちも尊重すべきことですので、私からはあえてこうすべきだとは申し上げませんが、来年、再来年はちょうど5日が週末に当たりますので、何かしら今から策を準備してみてもいいのかなと思います。 また、市外の企業に勤める団員もいるという上での企業理解については、ただいま申し上げました団員の実情を受けとめ、彼らをサポートしていただけたらと思いますが、市のご見解をお伺いします。 ○議長(上條俊道) 嵯峨危機管理部長。 ◎危機管理部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 松本市の消防出初め式は、記録で確認できる限り、ほぼ1月5日に開催しています。消防団では毎年出初め式後に反省会を行っており、今、議員からご紹介がありましたように、過去には参加しやすい土日の開催を望む意見があったことから、平成20年から平成22年の3年間は土日に開催いたしました。しかし、土日開催でも参加者の増加が見られなかったことから、平成23年から再び1月5日の固定に戻しております。 ことしの出初め式の反省会でも、特に土日への変更を望む意見はございませんでしたが、来年、平成31年1月5日は土曜日、再来年は日曜日に当たりますので、この参加状況を踏まえて、団員の意見を聞きながら、まず消防団において検討がなされる予定です。 次に、消防団に対する企業の理解につきましては、消防団員の加入や活動にご協力をいただけるよう、昨日、宮坂議員にお答えしたとおり、企業に依頼文の発送をしたところです。さらに今後は、職員や消防団幹部が企業に直接お伺いして、消防団活動へのご協力を説明し、理解を得られるよう努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 小林あや議員。 ◆14番(小林あや) 〔登壇〕 特に大手の企業ともなると、依頼文を送付したとしても、最初に受け取る部署でとまってしまうことも多いとも考えられます。依頼文の効果的な活用とはどういうものなのかご研究いただきまして、できるサポートをいろいろと考えていただき、また2年かけてじっくりとあり方を検討していただければと思います。 多くの方に消防団活動について理解をしてもらえるような取り組みに期待し、以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(上條俊道) 以上で小林あや議員の質問は終結いたします。小林あや議員は自席へお戻りください。 次に、19番 澤田佐久子議員の質問を行います。澤田佐久子議員は質問者待機席へ移動してください。 19番 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団を代表して、南山国彦議員と2人で質問をいたします。私の質問形式は、2回目以降一問一答で行いますので、よろしくお願いいたします。 まず最初に、生活保護行政についてです。 政府は、ことし10月から3年かけて、段階的に生活保護の基準額を現行より最大5%引き下げる計画です。この基準額は2013年から2015年にも最大10%引き下げられており、今回はそれに続く削減となっています。5年に一度の見直しの年となっていますが、厚生労働省が示している試算では、引き下げとなるのは主に都市部の高齢者世帯や家族の人数が多い世帯で、世帯数で67%程度が引き下げの対象となると言われています。 生活扶助費引き下げの方針を決めたことに対して、国民の不安と怒りが広がっております。この生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題ではありません。今の社会情勢の中で、貧困は特別の問題ではなく、倒産、失業、リストラ、自身の病気、親や家族の介護などで職を失ったり、誰もが貧困に陥ってもおかしくない状況に置かれております。 OECD、経済協力開発機構のデータから作成した2000年から2015年までのアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、日本の名目値で示された数値を見ますと、日本以外のどの国も貧困ラインは上がっているのに、日本だけが下がり続けています。日本の貧困層を見てみますと、所得が最も少ない10%の層の実質所得が下がり続けているという現実があります。 生活扶助基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、最低賃金などに連動し、広範な市民の生活に重大な影響を与えることになります。憲法25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットである、全ての国民の権利にかかわる重大な問題です。 本市として、今回の生活扶助費削減をどのように受けとめているのか、また、対応をどうしていくつもりなのかをお伺いいたします。 次に、生活保護の捕捉率についてお伺いいたします。 捕捉率とは、生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人の割合です。実際に利用している割合が2割程度にとどまっているという問題があります。諸外国と比べても極めて低いと言われています。 捕捉率がここまで低い原因があります。第1は、スティグマ、この意味は否定的な現象ということですけれども、生活保護は恥だという意識や、また、生活保護バッシングから生活保護の申請をためらうことです。第2には、自分が生活保護を利用できることを知らない人が多いこと。また第3には、窓口で説明だけを受けても申請できない状況があることです。貧困打開のためには、最低賃金の引き上げ、年金の底上げ、非正規社員の正規化、男女の賃金格差の是正など総合的対策が必要です。 生活保護を受けられる状況なのに、少ない年金でやっと暮らしている人たちがいます。子育て中のひとり親家庭で、やっと暮らしている方たちもいます。病気がちで思うように働けない人もいます。ちょっと手助けしてもらえれば立ち直れる人が大勢いるはずです。そういう人たちにもっと生活保護のことを知ってもらい、利用しやすくしてほしいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、生活福祉資金貸付事業についてお伺いいたします。 ここ数年の社会福祉協議会への総合相談件数は、年間1,000件を超えております。平成28年度では1,400件を超えており、本年度でも1月の時点で1,200件を超える件数となっております。それだけ多くの方が相談に来ているわけですが、社会福祉協議会の生活福祉資金の母子、父子の貸し付け実績は、平成28年度は、相談件数40件のうち、実績が6件335万6,000円です。平成29年度は、ことし1月末で相談件数54件のうち、実績は3件64万4,000円となっています。 今回は、ひとり親家庭などの経済的自立と児童の福祉増進のため県が貸し付けを行っている母子父子寡婦福祉資金について、本市での相談件数と実績、その内容についてお聞きいたします。市としての窓口対応も、どのように対応されているのかお聞きいたします。 次に、障害者の医療費の窓口無料化についてです。 ことしの8月から、子供の医療費を窓口で支払わない方式、いわゆる窓口無料化が始まります。残念ながら障害者の医療については実施にならないと聞いておりますけれども、障害者の医療費の状況について、実績なども含めてお聞かせください。 次に、子供の医療費の窓口無料の一部負担金についてです。 今申し上げましたように、ことし8月から、20年以上も前から要望してきました医療機関の窓口で子供の医療費を支払わない方式、いわゆる窓口無料が始まります。全国でも、実施していない、おくれている県の一つでした。やっとという思いですが、この冬のようにインフルエンザがはやり、兄弟で次々にお医者さんへ通わなくてはいけないことを思えば、お金の支払いの心配をせずに済むということでは、お母さんたちはほっとしているのではないでしょうか。この大きな前進を喜びたいと思います。 そこで一部負担金の500円についてですが、自己負担額ゼロにしている自治体が7町村、減額して300円にしている自治体が18町村あります。本市ではどのようにお考えかお伺いいたします。 次に、福祉灯油についてお伺いいたします。 原油価格高騰に対する対応策として、福祉灯油の申し入れを行い、平成19年に実施した経過があります。このときの申し入れは、低所得世帯への福祉灯油制度を大至急実施し、生活保護者に対しては冬季加算を増額し、暖房費が確保できるよう特別な措置をとることという要望でした。 ことしの冬は特に寒さが厳しく、灯油代も生活費を圧迫している中で、再度福祉灯油の実施を望む声があります。健康の面からもぜひ復活していただきたいのですが、どのようにお考えでしょうか、お考えをお聞きします。 次に、マイナンバー制度についてお伺いいたします。 マイナンバー制度は、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平公正な社会の実現のための社会基盤として始めた制度です。マイナンバーカードの普及がなかなか進まないのが現状だと思います。マイナンバーには、国や自治体が持つ税や社会保障などに関する個人情報を個人ごとに割り当てた12桁の統一番号で管理する制度であり、最終的には個人情報をこの番号に集めて管理しようというものです。現在、本市でのマイナンバーカードの交付状況と市での管理についてお伺いいたします。 次に、個人住民税特別徴収税額決定通知書についてお伺いをいたします。 総務省では昨年12月15日、市町村が企業に送る個人住民税特別徴収税額決定通知書、以下決定通知書と申し上げますが、2018年度から当面マイナンバーを記載しないことを自治体に通知しました。2017年度から実施した制度ですが、県内を含む全国市町村で決定通知書の誤送付が相次ぎ、わずか1年で撤回となりました。昨年4月から9月に全国でこの決定通知書の誤送付が約150件発生しておりまして、県内では本市を含めて4市の誤送付と情報漏えいがあり、個人番号を変更しております。 この決定通知書への個人番号記載も、事業所が記載していないにもかかわらず、国の方針で本市でも事業所へのマイナンバーが記載されてきました。しかし、個人の納税や財産に関する情報漏えいにつながりかねないとして、決定通知書への個人番号記載への反発が強く、事業所側の情報の管理体制が整っていないとして、東京都の世田谷区を初め23区、名古屋市など記載を見送った自治体も幾つもありました。全国的に相次ぐ誤送付の発覚もあり、批判が高まった中で、1年で記載の撤回を余儀なくされたものです。 決定通知書への個人番号記載をめぐり翻弄されたのは、自治体や事業所です。平成29年度は、情報漏えい防止などの目的のために簡易書留や特定記録郵便の対応をとったので、本市のコストもふえたわけです。本市でも簡易書留で送られてきています。マイナンバーでの管理が事務の効率化につながるのか、自治体や事業所がどのように情報を守ることができるのか、不安だらけのマイナンバーです。 総務省が1年足らずで方向転換した中で、平成30年度の本市の対応と、マイナンバー記載を総務省が取りやめたことを事業所に通知してあるのか、お伺いをいたします。 以上、1回目の質問といたします。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 〔登壇〕 何点かのご質問に順を追ってお答えします。 まず、生活保護行政に関しまして、生活扶助費削減についてのご質問にお答えします。 先ほども宮下議員のご質問に対しお答えしましたとおり、生活保護基準の見直しにつきましては、国が法の趣旨に沿った適正な基準を定めるものと考えております。また、対応につきましても、最後のセーフティーネットとしての機能が十分に発揮できるよう、適正な保護の実施に努めてまいります。 次に、生活保護の捕捉率に関し、生活保護制度を周知してはというご質問につきましては、本市では平成28年度から市民生活総合相談窓口を設置し、広く市民の相談に応じており、特に生活困窮者につきましては、まいさぽ松本とも連携し、相談者の状況により生活保護の申請につなげております。また、他の庁内関係部署、民生委員、医療及び介護機関等とも連携を図り、保護が必要な方が速やかに生活保護の相談、申請につながるようご協力をいただいているところでございます。そして、生活保護の窓口においては親切丁寧な対応を心がけ、必要な面接相談を行い、保護の申請意思を示された方につきましては全て申請を受理しているところであります。 続きまして、障害者の福祉医療の現状についてお答えをします。 福祉医療は、保険で診療を受けた場合の自己負担額を助成する制度であり、ただいま議員ご紹介のとおり、子供の福祉医療につきましては、本年8月から医療機関の窓口で医療費を支払わない方式を実施いたしますが、障害者福祉医療に関しましては適用となっておりません。 そこで本市の障害者の福祉医療に関する現状を申し上げますと、身体障害者手帳1級から4級、療育手帳A1、A2及びB1、そして精神障害者保健福祉手帳1級、2級、特別児童扶養手当1級、2級の方を対象としております。 実績ですが、平成28年度は全体の受給者数が1万80人、給付額は7億9,277万円となっております。また、医療費の窓口で支払いが困難な方への支援策といたしまして、所得要件はございますが、医療費の窓口での負担分を無利子で貸し付けする制度を設けており、平成28年度の実績といたしましては526件の貸し付けがあり、増加傾向となっております。 次に、福祉灯油についてお答えをします。 平成19年度に実施しました福祉灯油につきましては、国の原油価格高騰対策にあわせて、生活保護世帯や住民税非課税世帯のうち、75歳以上の方だけの世帯などを対象に実施したものでございます。平成28年12月定例会で犬飼明美議員にお答えしましたとおり、今後、灯油価格が高騰し、国において確実な財政措置が講じられるようであれば、その際に適切な対応を図るよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) 〔登壇〕 私からは2件のご質問にお答えいたします。 まず、母子父子寡婦福祉資金の貸し付け制度についてです。 本貸し付け制度は長野県の事業で、決定から貸し付けまでは県が行っておりますが、相談から申請までは市町村が担うこととなっており、本市ではこども福祉課が対応しております。 まず、本市での相談件数と貸し付けの内容でございますが、平成28年度の相談件数は40件、うち貸し付け申請は1件で、子供の修学資金144万円でございました。今年度の2月末現在の相談件数は27件、うち貸し付け申請は3件で、引っ越し資金26万円、免許取得と車の購入のための資金63万円、生活の資金30万円、合わせて119万円でございます。 次に、相談者への窓口対応についてですが、こども福祉課では、母子、父子、寡婦の皆さんからの相談に対して、知識経験を有する専門職である母子・父子自立支援員を配置し、家庭や生活の相談を受ける中で貸し付け制度をご紹介し、条件の説明や申請に至るまでの支援を行っております。 次に、子供の福祉医療費の窓口一部負担金についてお答えいたします。 議員もおっしゃいましたように、この制度につきましては長年懸案とされてきたところでございますが、議員の皆様によるご支援のおかげをもちまして、本年8月からようやく実現することとなりました。 議員ご質問の窓口一部負担金のあり方につきましては、県と市町村の代表で構成される検討会での取りまとめにおいて、受益と負担の関係を明確にし、将来にわたり持続可能な制度とするため、現行の負担金を維持することが適当であるとされました。 したがいまして、昨年の6月定例会でも犬飼明美議員からのご質問にお答えしましたが、本市においては当面、この検討会の取りまとめの方針に基づき、現行と同様に1レセプト当たりの負担金を500円として制度をスタートしたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) 〔登壇〕 マイナンバーの管理についてお答えをいたします。 初めに、本市のマイナンバーカードの交付状況でありますが、本年2月末現在で2万1,363枚を交付しており、交付率は8.9%でございます。県全体の交付率は8.7%でありますので、本市は県平均並みという状況でございます。 次に、市民から交付申請のあったマイナンバーカードにつきましては、発行元の地方公共団体情報システム機構から送付された後は、申請者への交付までの間、市民課や支所、出張所の金庫等に保管し、厳重に管理をしております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 〔登壇〕 個人住民税特別徴収税額決定通知書に係るご質問にお答えいたします。 平成30年度以降の個人住民税特別徴収税額決定通知書への個人番号、いわゆるマイナンバーの記載につきましては、去る12月27日に総務省より通知があり、平成30年1月1日付で地方税法に係る総務省令を改正し、平成30年度から当分の間、個人番号を記載しないこととされました。したがいまして、平成30年度につきましては、松本市も記載をいたしません。 次に、個人番号を記載しない旨の改正については、議員ご指摘のとおり、何らかのお知らせをする必要があると考えておりますが、現段階では事業所への通知等は行っておりません。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 それぞれに答弁をいただきました。 まず最初に、生活保護行政についてですけれども、国が基準を定めたとおりに適正な保護の実施に努めるということですけれども、この国の定める基準がどんどん下がっているからこそ、この貧困率が広がっているのではないでしょうか。この法の趣旨としては、憲法第25条の精神で行っていただきたいと思います。 生活保護費削減による子供への影響について、2018年の国の予算を見てみますと、子供のいる世帯ほど削減幅が大きくなる方針を盛り込んでいます。貧困の連鎖を解消するためには、保護世帯の子供が大学などに進学できるように経済的な支援が必要と言っていますけれども、政府は、高校を卒業したら働くことが前提で、保護を利用しながら大学などに進学することを原則認めていません。進学すると、学生分は保護費を支給しない世帯分離をします。最低限度の生活に大学の進学は含まれていないということです。世帯分離することで生じる不利益として、国民健康保険に加入する必要が生じてきます。生活保護費がこのことによって平均4万円減るケースもあります。子供が進学した世帯では、このことによって最低生活未満の暮らしを強いられることになります。これこそが、子供に進学を諦めさせる原因となっています。 今回の見直しは、保護世帯の進学する学生に対する世帯分離を残したままにする一方で、一時金を給付する決定をしています。入学したときだけ一時金を渡して終わりではなく、子供が安心して学校で学べるように、あくまでも、進学しても保護を打ち切らない、世帯分離の廃止を求めています。 また、公表されたモデル試算から見ますと、多人数の世帯ほど引き下げ率が高い傾向が見られます。生活保護世帯では、高齢者世帯が多く割合を占めているけれども、家族人数の多い世帯は子育て世帯が多く含まれていると思われます。前回の引き下げの影響の検証結果では、高齢者世帯では5%以上はほとんどゼロでしたけれども、母子世帯では77%が5%以上の引き下げとなっています。家族数が4人以上、これは子供が3人以上で計算しますと、実に85%以上が5%以上の引き下げになっています。 今回は、子供の基準額を引き上げるとか、また、児童養育加算を高校生にも適用するなど、子育て世帯に多少の配慮はしていますけれども、その一方で、母子加算の額を最大で約2割引き下げ、ゼロ歳から2歳児の児童養育加算も5,000円引き下げられています。この結果、厚生労働省の試算でも、母子世帯の37%で生活扶助費が引き下げられるとされています。世帯数で37%ですけれども、子供の数からいきますと半数近くになる可能性もあります。 子育て世帯ほど引き下げ額がより大きくなるという中で、市独自の子育て施策をするべきと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。 また、生活保護の捕捉率についてです。 まいさぽ松本や民生委員、ケアマネジャーやケースワーカーなど、直接その方にかかわっている人の対応が一番大事だと思います。 ○議長(上條俊道) 澤田議員に申し上げます。 一問一答の通告になっておりますが。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 続けていいでしょうか。 ○議長(上條俊道) 一問一答でございますので、待機席へお戻りください。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 じゃ、今の質問にお答えください。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 生活保護制度は、国の基準に基づき実施するもので、最低生活費が保障されています。制度では他法他施策が保護に優先するため、例えば児童手当などの収入については世帯の収入として認定をしております。 したがいまして、生活保護受給世帯に対しまして市独自の現金給付などの施策を実施した場合、世帯の収入として認定することとなるため、生活保護の制度上難しいものと考えております。 以上です。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 失礼いたしました。 今の他法他施策ということですけれども、生活保護費が母子家庭に大きな影響を与えるようなことがあってはなりません。本来は国が責任を持ってやらなければいけないことだと思います。生活保護費は、子供にすれば未来への投資です。ぜひソフト面からの支援策や、生活にかかわる全ての課と連携をして、それぞれの家庭に沿った支援を心から望むものです。 次に、生活保護の捕捉率について質問いたします。 まいさぽ松本、また民生委員や医療や介護機関、こういった関係者の皆さんと連携をしていく、このことが今求められていると思います。やはり生活保護を恥と思うのではなくて、正当な権利として認めてもらうこと、また、最後のセーフティーネットである生活保護制度を多くの市民に知ってもらい、安心して暮らせるように行政として手助けする必要があるのではないでしょうか。 生活保護制度とは、国が、生活に困窮する全ての国民に対して、その困窮の程度によっては必要な生活費の給付を行い、最低限度の生活を保障するとともに自立を促すことを目的としています。 また、3つ目の窓口での申請についてですが、丁寧に説明をして、申請書は受け付けるという姿勢で臨んでいただきたいと思います。そうしなければ、この捕捉率はいつまでたっても上がりませんし、暮らしはよくなりません。 先日、仕事を失って次の仕事を見つけるまでの3カ月間生活保護を受けたことがあるという方のお話を伺いました。本当にありがたいと言っておりました。ぜひ生活保護の利用できる人には周知徹底していただき、憲法で保障されている最低限の暮らしが守れるよう努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 生活保護制度については、市のホームページ及びくらしの便利帳へ掲載するとともに、生活保護課窓口においても、保護のしおりを常備して周知をしております。また、先ほども申し上げましたが、民生委員や医療・介護機関の関係者に対しましては、機会を捉えて生活保護制度の説明を行い、必要な方に生活保護申請の助言をしていただけるように理解を深めていただいております。また、課の窓口対応におきましても、要保護状態にある方については申請を受理し、全て保護を実施しております。今後も相談者の状況に配慮した親切で丁寧な対応を心がけてまいります。 以上です。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 ホームページやくらしの便利帳などそれぞれ説明され、また配布されているということですけれども、やはり生活に困っている皆さんには目に入らない、届かないところもあると思います。やはり一番身近な、お話をして受けとめやすい、そういった民生委員やケアマネジャー、そういった方にことあるごとにお願いをしていただければと思います。 次に、生活福祉資金貸付事業について、ただいま答弁いただきましたけれども、実績からいきますと社会福祉協議会とも同じような数字ですけれども、相談件数の割に申請実績の件数が少な過ぎるのではないでしょうか。 この制度は、低所得者などの生活を支援するための貸し付け制度です。ここで断られれば行き場がない方たちです。借りにくい制度になっているのではないでしょうか。もっとこの制度について知らせて、積極的に活用してもらえるようにしたらいかがかと思いますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 この貸し付け制度につきましては、市のホームページや子育てガイドブックでご案内しているほか、ひとり親家庭や寡婦の皆さんを対象にした専用のリーフレットを窓口に備え、随時周知を行っております。加えて、母子、父子、寡婦の方が参加される年1回の研修会において、毎回、本貸し付け制度の紹介と説明を行い、相談窓口をご案内しております。また、生活困窮者の相談支援を行っているまいさぽ松本や生活保護課とも連携を密にし、この制度を活用できると思われる方については、こども福祉課の窓口までつないでいただいております。 本市ではこのように、できる限りひとり親家庭、寡婦の皆さん一人一人に寄り添った問題解決のお手伝いを心がけておりますが、この制度においては、決定から貸し付けまでは県に権限がありますことから、しっかりと実態を県にお伝えするとともに、連携して、この制度がより活用されるよう周知に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今の質問についてですけれども、今あるこの制度をより多くの方に知らせて活用していただくことは、もちろん今まで以上に実績につながるように努力をしていただきたいと思います。 数日前の話ですけれども、大学に合格したけれども、大学の入学金、初期費用が家庭の事情で用意できないという方がいらっしゃいました。みんなで話し合って、貸付金のこの事業を受けようということになりましたが、私が、すぐにはお金にはならないということで、ここで高校へ相談に行く人、また、合格した大学の減免制度を探してこようと大学へ電話をしようという人、また、もちろんこの貸し付け制度に申し込もうということで、みんなでこの方をバックアップして大学へ入学できるようにと話し合いました。 せっかく合格したのに、大学を経済的理由で断念するようなことがあってはなりません。窓口へ来られる方はさまざまな問題を抱えてくることが多いと思いますが、その中でも財政的に行き詰ってくる方も多いと思われます。書類の提出の多さや、また、市へ何回も足を運ばなければいけないということで諦めている方も多いかと思います。県と連携をとりながら、例えば保証人をなくすとか提出書類の数を減らすとか、手続の簡略化を考えていただきたいです。相談に来られた皆さんの心に寄り添った対応をお願いいたします。 次に、障害者の医療費の窓口無料についてです。 障害者はこの適用にならないということですけれども、この受給者が1万人以上いること、そして給付金額が7億9,000万円、8億円近いお金が一旦窓口で支払われるということです。この福祉医療の対象者全体の窓口無料化と一部負担金の廃止、対象年齢の拡大、これを私たちは20年以上も求めてきました。本市ではかつて、障害者も医療費窓口無料のときがありました。重度の障害を持っている家庭では、1カ月20万円、30万円の医療費を立てかえなければならず、その負担の重さにははかり知れないものがあります。 貸し付け制度が増加傾向とのことですが、やはりこの経済的負担の大きさが示しているのではないでしょうか。ぜひ実現してほしいと願っていますけれども、本市としてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 子供の福祉医療につきましては、医療機関の窓口で医療費を支払わない方式とすることから、本市といたしましては、障害のある方も含めて福祉医療費給付事業全体を一体的な制度のもとに進めることが望ましいと考えております。 その一方で、市単独で実施する場合、運用上の問題や国の減額調整措置、いわゆる国保ペナルティーの負担が大きく、このことは県内他市におきましても同様の状況であることから、子供の福祉医療と同じく、全県で一斉に取り組むことが必要であると考えております。このため、新たに生じる財政負担への対応も含めて、窓口無料化の対象範囲を障害者などの受給者にも拡大するよう、県市長会を通じて県へ要望しているところでございます。 以上です。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、答弁がありましたように、一体的に制度をすることが望ましいということです。19市全市で県へ要望しているわけです。この1月には福祉医療制度の改善を進める会で、県へ昨年分と合わせて3万3,000名以上の署名を届けて申し入れをしていますし、また本市でも、松本地区社会保障推進協議会で要望書が出されています。本市としても、機会あるごとにもっと積極的に県に働きかけるように努力をしていただきたいと思います。 次、子供の医療費の窓口無料の一部負担金についてです。 将来にわたり持続可能ということで、現行の500円のままスタートするということですけれども、先ほど申し上げましたけれども、この実施が遅い県の一つとなっています。ほかの県から引っ越された方が、窓口で無料でないことには本当に驚かれております。このたとえ500円でも若いお母さん方には、おやつを買ったりパンを買ったり大切なお金ですので、ぜひ窓口での完全無料化の実施を望みます。 福祉灯油についてです。 国の原油高騰対策にあわせて実施したということですが、先ほど申し上げましたように、生活保護の基準額が年々下げられている中で、生活費を節約して、寒くても我慢をして暮らしています。灯油価格が高騰していなくても、国の財政措置がなくても、本市独自の施策は考えられないかお伺いをいたします。 ○議長(上條俊道) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 灯油価格の高騰は国民生活全般に影響を及ぼすことでありますことから、先ほどお答えしましたとおり、繰り返しになりますが、国において確実な財政措置を講じるようであれば適切な対応を図ってまいります。 以上です。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今のところ予定がないということですけれども、この福祉灯油の要望は依然高いです。私たちも機会あるごとに要望してきていますけれども、平成29年度、非課税世帯対象で福祉灯油券を発行している自治体も県内にはあります。国の財政措置に頼らずに、市としてぜひ検討をお願いいたします。 次に、マイナンバー制度について。 今の市のカードですけれども、2万1,363件ということで、2万件を超えています。また、率から言いますと8.9%ということですが、数字が上がっていないのが現状ではないでしょうか。カードの必要性を感じていなかったり、個人情報の流出を不安に思っている方も多いと思います。 2016年にマイナンバー制度の本格運用が始まったわけですが、総務省は、住民票やパスポート発給が速やかになる、行政の事務が効率化されるといったメリットを強調し、制度が活用できる事業を拡大してきました。個人番号の漏えいが後を絶たずリスクが大きいために、なかなかふえていないと思われます。 マイナンバーカードについて、送付された後、市民課、支所、出張所の金庫などに保管ということですけれども、かつてこの制度が導入されたころは、まだ支所などでもパーテーションの整備もされていない中、パソコンの画面を見られないようにと事務所への立ち入りを制限され、不快な思いをしたことがありましたけれども、職員の皆さんのご苦労も本当に大変だったと思います。 こういうやり方で情報が守れるかとそのときは思いましたが、現在はどのように情報の管理をしているのかお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 個人番号、マイナンバーにつきましては、法の定めにより、行政機関、民間事業者の別を問わず、マイナンバーを取り扱う事業者に対し適切な安全管理措置を講じることを義務づけております。これにより本市におきましても、平成27年10月の個人番号の通知以来、4つの安全管理対策を進めております。それは、組織体制の整備などの組織的安全管理、事務取り扱い担当者の監督や教育、研修などの人的安全管理、取り扱い区域の管理や盗難防止などの物理的安全管理、アクセス制御、外部からの不正アクセス防止などの技術的安全管理でございます。 特に、議員ご指摘の人的ミスをなくすための対策として、全職層での情報セキュリティー研修を行うとともに、全てのマイナンバー事務担当者を対象として安全管理措置研修を実施しているところでございます。これに加えて平成30年度には、マイナンバーの利用事務ごとに窓口受け付けや書類保管といったそれぞれの場面でのリスクを点検し、漏えいを起こさないための事務改善の検討を行う研修を実施するため、平成30年度当初予算に必要経費を提案申し上げてございます。 また、ネットワークからの不正な侵入等による情報漏えいが懸念されている中、平成28年度には、国の指示に基づき、庁内ネットワークとインターネットとの分離や、生体認証である指の静脈も含めた二要素認証の導入等によるネットワークシステムの強靭化対策を実施いたしました。 今後、マイナンバーに限らず、個人情報等の保護を初めとした情報セキュリティー対策につきましては、人的、物理的両面から万全の取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 ただいまの答弁で、安全管理措置や全職員への階層の情報セキュリティー研修、漏えいを起こさせないためにさまざまな研修を行っているということでしたけれども、この場合には、これだけのことをやっているから安心できるというものはないと思います。どんなに管理をしていても、やはり人が扱っている限りは防ぎようがない部分があるのではないでしょうか。現時点では漏えい防止に最大限努力をしていただきたいと思います。 個人住民税特別徴収税額決定通知書についてですけれども、平成30年度はマイナンバーの記載は実施しないということですが、これは当分ということですが、今後の見通しはいかがでしょうか。 また、事業所への周知徹底、必要だと思いますが、どのようにお考えかお伺いをいたします。 ○議長(上條俊道) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、1月1日改正の総務省令におきましては、平成30年度から当分の間と規定されており、国の方針が今後どのようになるか明らかではありませんので、現段階では今後について申し上げる状況にはございませんが、原則的には法令に従って対応せざるを得ないと考えております。 しかしながら、個人番号の記載につきましてはさまざまなご意見があることは承知しておりますので、全国や県内の他の市町村の動向を把握し、慎重に検討した上で適切な対応をとってまいります。 次に、事業所への周知について申し上げます。 個人住民税特別徴収税額決定通知書等の平成29年度分の通知がほぼ終了する本年の5月ごろまでは、個人番号を記載して送付をいたします。また同様に、5月から発送をいたします平成30年度分の決定通知書には、平成30年度から記載しない旨のお知らせ文を同封することで周知を図る予定でございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 澤田佐久子議員。 ◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁をいただきましたけれども、国の方向性が決まっていないということですけれども、方向性を見るまでもなく、やらない自治体もあったわけですから、ぜひ記載しないように要望をいたします。 昨年は、先ほども申し上げましたが、事業所が望まないにもかかわらず、市側から記入してきた中で実際に人的ミスがあったわけです。全国ではさまざまな団体からも要望書が出されております。 また、通知書は、平成30年度の5月に決定通知書と一緒に送るのが私も望ましいと思っております。 また、マイナンバー制度についてですけれども、個人や企業の情報漏えいのリスクや自治体の負担増になりますし、また、将来的にも納税者の番号や社会保障番号などさまざまな分野を集約しようとするもので、危険が大きいために廃止すべきと考えます。少なくない市民の皆さんから、プライバシーが侵害される危険性があると不安の声が広がっております。市民の個人情報を守るために、マイナンバー制度の廃止を国に働きかけていただきますよう要望をいたします。 以上で私の全ての質問を終わりといたします。ご協力ありがとうございました。 ○議長(上條俊道) 以上で澤田佐久子議員の質問は終結いたします。澤田佐久子議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後3時40分といたします。                               午後3時7分休憩                              ---------                              午後3時40分再開 ○議長(上條俊道) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 28番 南山国彦議員の質問を行います。南山国彦議員は質問者待機席へ移動してください。 28番 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の南山国彦です。通告に従いまして一問一答で質問をさせていただきます。 まず、平和行政について。 核兵器禁止条約署名推進について伺います。 この署名は現在、松本市のホームページから署名ができるようになっております。市長は昨年9月議会で、今後も平和首長会議等の平和推進組織を通して国への働きかけを続けるほか、松本市からの平和のアピールと若い世代の育成など、平和をつくる取り組みを一層進めてまいる所存でございますと決意を述べられています。 そこで、昨年9月以降の取り組みの状況、また、今後の方向性について見解をお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) 〔登壇〕 お答えをいたします。 まず、その後の取り組みといたしまして、昨年9月議会後の取り組みでございますが、平和都市宣言をした日を記念して、市役所本庁舎の前庭において、平和の灯から採火いたしました火を手づくりキャンドルに点火し、地元小学生や大学生とともに、平和を願うイベントを実施いたしました。10月には、小中学生が平和について関心を持ち、平和への願いを込めて描いた352点の作品を展示した平和ポスター展を実施いたしました。 特に、昨年度から取り組みを始めた、平和について学び行動する大学生組織の松本ユース平和ネットワークでは、市内小中学校4校に出向いて、核兵器や平和について考える出前授業を行ったほか、海外の平和や核兵器問題を知る機会として、留学生との意見交換会などを実施してきております。 現在、この松本ユース平和ネットワークでは、若手の市職員も参加し、これまでの平和学習の成果をまとめ、今後の出前授業などで活用する平和ハンドブックの作成を進めているところでございます。 今後は、世界で今起きている紛争などの悲惨な状況、貧困などを実際ご自分の目で見てこられた方の平和講演会の開催のほか、松本ユース平和ネットワークを若い世代が平和をつくる取り組みの柱として位置づけ、社会人の参加などメンバーの拡大やさらなる学習、啓発活動など、組織の育成や活動支援を一層進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 答弁をいただきました。 松本ユース平和ネットワークなど、世代を超えての取り組みが進んでいるというふうに理解をいたします。 さて、今、核兵器禁止条約署名の推進が全国で進められています。本市においても、この取り組みをさらに広げていくために市民の皆さんに周知する方法として、広報まつもとに署名の協力を求める記事を掲載してはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動は、昨年7月の国連での核兵器禁止条約の採択を受けて、松本市も加盟する平和首長会議が取り組んでいるものでございます。松本市では、市ホームページで市民の皆様にご案内しているほか、市職員への働きかけも行い、市長を初め1,235筆の署名を本年1月に平和首長会議へ提出いたしました。 議員ご提案の広報への掲載につきましては、広報まつもとへのさまざまな平和事業のお知らせの中で掲載をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 掲載の検討をしていただくということでした。愛知県大府市では、ことしの2月1日号の広報おおぶというところにこの署名の紹介記事が掲載をされております。こんなことも参考に、ぜひお願いをしたいというふうに思います。 続きまして、原爆パネル展の開催拡充について伺います。 核兵器禁止条約の署名、またヒバクシャ国際署名など、核のない世界を目指した取り組みが、今、国内外を問わず広がってきています。松本市では、8月15日の平和祈念式典の会場で原爆パネル展、これを実施し、原爆の悲惨さを市民の皆さんに伝える取り組みが行われておりますが、私は、この日だけではなく、さらに市内各地での展示をしたらどうかと思っています。庁舎内も含め市の施設などで定期的にこの原爆パネルを展示するなどして、市民の皆さんへのアピールをさらに強めたらどうかと考えておりますが、このことについての見解をお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 丸山総務部長。 ◎総務部長(丸山貴史) お答えをいたします。 今、議員からもご紹介がありましたとおり、平和祈念式典の会場におきまして、広島や長崎からお借りしました原爆に関するパネルを展示いたしまして、市民の皆様に、戦争の悲惨さや命のとうとさについて考える機会としていただいております。 また、各地区で開催される平和関連事業の際に、市で所有をしております原爆に関するポスターやパネルを貸し出ししております。今年度は白板、中山の2地区で、平和祈念式典など平和事業の際に展示され、地区の皆様にもごらんをいただきました。 議員ご提案のとおり、核兵器廃絶に向けたさらなる市民へのアピールをしていくことは必要と考えておりますので、今後も平和関連事業などでのポスターやパネルの活用について、改めて各地区や公民館などに周知し、機会を捉えて原爆パネルの展示を働きかけていくとともに、現在展示をしております中央図書館や文書館の平和資料コーナーにおいてもさらに原爆パネルを展示するなど、市民の皆様にごらんいただく機会の課題に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 市民の皆さんに見ていただく機会の拡大を図っていくということでしたので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。 次に、危機管理に関して、避難所開設・運営等について、まず、昨年8月以降の取り組みの状況についてお聞きをいたします。 昨年8月は台風5号、また10月には台風21号、22号による大雨被害が発生をし、中山、内田、四賀地区で避難をする、そういう事態となりました。このことに関して、私は昨年9月定例会で避難所運営につきまして質問をさせていただきました。そのときに危機管理部長から、大雨時の避難所運営につきましてはさまざまな課題があることが明らかになりましたので、速やかに改善してまいりますという答弁がございました。 そこで、その後の改善の取り組みの状況、このことについてお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 嵯峨危機管理部長。 ◎危機管理部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 1日から数日程度の短期間の避難所運営についての主な課題を申し上げますと、避難所担当職員の配置、備蓄物資を保管する倉庫の鍵の管理、備蓄食料の内容、避難所の環境整備などでございます。 その後の取り組みといたしましては、要援護者のトイレ等の介添えに対応するため、担当職員は男女各1名を配置することとし、避難者が多く、2名で対応できない場合は、地区を超えたブロック単位で職員を配置してまいります。 次に、備蓄倉庫の物資を該当地区の地域づくりセンター等が速やかに利用できるよう、鍵を複製して渡す予定です。 備蓄食料につきましては、現在の白飯やかたいビスケットから、味つきのワカメ御飯や長期保存が可能な缶入りのやわらかいパンへ備蓄の切りかえを行ってまいります。 また、避難所の環境整備につきましては、まずは、体育館ではなく、畳や冷暖房設備のある地区公民館へ避難していただくことを基本といたします。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 それぞれ対策、また改善の方向の答弁がございました。仮に短期間の避難であっても、実際その場になってみるとやはりスムーズにいかないことがございました。行政の役割、また、それぞれの地域での役割、それぞれあると思いますが、地域での取り組みについては、活動のあり方も含めて、さらに充実、また発展させていくことが今後のためにも必要だと思いますが、その点に関して松本市としてどのように取り組みを進めていくのか、お考えをお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 嵯峨危機管理部長。 ◎危機管理部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 昨年8月の大雨では、中山地区では初となる避難準備・高齢者等避難開始が発令されましたので、地元町会の皆様におかれましては、大雨における避難誘導や1日程度の避難所の運営について、どのように対応してよいか困惑されたものと理解しております。 松本市ではこの教訓を踏まえ、中山地区の皆様と話し合いの場を持ち、その席で町会の皆様からは、市の対応には限界があるので、今後は、温かいみそ汁の用意など、地区住民でできることは行うといったようなご提案もいただいております。 避難所の短期間の運営は、震災による長期的な運営とは異なりますが、避難所運営委員会を通じて、短期的な避難所の運営方法についても検討していただくことを考えております。 また、各地区で避難誘導や避難所運営を推進するため、昨日の犬飼信雄議員にお答えいたしましたとおり、体験型の出前講座を受講していただくことで、実際の災害時に即応できる体制づくりを目指してまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 今後の対応ということで、各地域との連携や、また出前講座ということもお話がございました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、避難所開設・運営ガイドラインについて伺います。 松本市が発行しています避難所開設・運営ガイドライン、これは平成25年7月に作成されたものでありまして、内容も、地震によっての大規模災害を想定しての中身というふうになっています。したがいまして、昨年あったような局所的、また短期間での対応には十分対応できていないのではないかと思います。 このガイドラインの中には、避難者名簿の様式が資料として添付されていますが、避難されてきた方にはどんな支援が今必要なのか、また、介添えが要る、あるいはどうなのかというようなことがなかなか記入できない、記入しにくいという内容になっていて、中山地区では実際これは使えなかったと聞いております。また、避難所から退去する場合にも、連絡をとる緊急連絡先といったようなところの記入先も記載がありませんでした。こういうところはやはり改善をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。 既にこのガイドラインも策定から5年がたちます。この間の経験も踏まえた中での改定が必要だというふうに思いますが、見解をお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 嵯峨危機管理部長。 ◎危機管理部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 避難所開設・運営ガイドラインについては、様式や資料も含め、随時内容の見直しを行っているところでございます。また、このガイドラインは、ご指摘のように大規模な地震を想定しておりますので、今回のような局所的、短期的な災害時の避難所運営には適さない部分もあると考えております。 そこで、1日から数日程度の避難に関し、現行のガイドラインを補完するマニュアルを作成し、ただいまご指摘いただきました様式についても改善を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 追加のマニュアルを作成していくということですので、ぜひその際に現地の声ももう一度聞いていただいたりして、その声も反映した内容にしてほしいと要望をしておきたいと思います。 続きまして、憲法第13条にのっとった市政をということで、保育行政と教育行政の大きな2点についてお伺いをしたいと思います。 まず最初は、個人の尊厳を保障する保育についてということで、待機児童解消と保育士不足の問題についてお聞きをいたします。一昨日は教員の多忙化、また昨日は待機児童解消問題でそれぞれこの場でも質問がされております。私の質問にも若干重複するところがあるかと思いますが、私なりの観点から質問をさせていただきます。 初めに、昨年12月市議会で待機児童解消について、こども部長からは、本市では国の基準を上回り保育士を手厚く配置しておりますが、保育士不足の中、人的資源を最大限生かせるよう、本市が大切にしてきた保育の質の維持を大前提に、各園各クラスの状況を見ながら、可能な範囲で配置基準の一部を弾力的に運用できないか検討を進めてまいりますと答弁がございました。 松本市の保育のよさというのは、私は、まさに保育の質、このよさだというふうに思っております。待機児童解消のためということで、この保育の質を低下させてはならないと思います。 市として保育の質は今後も維持をしていくということでよいのか、まずその点についてお聞きをいたします。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 保育士の配置基準の運用につきましては、昨日、犬飼信雄議員からもご紹介がありましたが、本市では1歳児のクラスにおいて、園児3人に対し1名の保育士を充てる3対1のルールで配置を行っております。これが国基準ですと6対1となるわけですが、この範囲内で緊急避難的に弾力運用することを検討しているものでございます。 具体的には、子供たちの成長の度合い、年齢や月齢、子供たちの落ちつきの様子に加え、担当する保育士の熟練度などを見きわめた上で、受け入れが可能な範囲で、現行の松本市の配置基準を超えた受け入れを行っていくものです。 したがいまして、議員ご指摘のような保育の質の観点から不安がある場合は、基準を超えての受け入れは見送ることになります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 松本市の市としての保育の質は維持をしていくということだと思います。 私たち会派としてもこれまで、この保育園、また保育問題については何度となく、また最近は毎議会質問をしてまいりました。時代の変化とともに、保育園、また保育そのものに期待と不安が広がっている、そういう状況があったからです。 そこで松本市は、保育、これをどう捉えているのか、松本市が大事にしてきた保育とは何か、改めて市の認識をお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) 保育園は、働く親の安定的な生活を支えるものであり、安心して子育てができる環境は、社会の持続可能な発展の上でも重要な鍵を握っております。 したがって、まず自治体は、保育を希望する保護者に対し、あまねく入園機会を保障していく責務があり、本市でも現在、待機児童の解消に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。 しかし、この待機児童対策においては、受け皿としての保育の量の確保とともに、子供たち自身の成長にとって重要な保育の質を担保する観点もぶれずに持ち続けなければならないと思っています。 特に本市では、子どもの権利に関する条例を定め、その前文では、どの子も命と健康が守られ、愛され、大切に育まれ、安心して生きることができるまちを目指すことをうたっております。この大切な理念に基づき、本市の保育行政においては、保護者の希望に寄り添いながら、常に子供にとって何が最善の利益かということを判断基準に、今後も施策を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。
    ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 入園の機会を保障していく責務があると感じていると、また、質の担保も大事にしていくということでありました。まさにその点はそのとおりだというふうに思います。 しかし、現状はどうかといいますと、現場の保育士さんからは、ゼロ・1歳児、今、3対1で保育をしておりますが、大変なんだという声を聞きました。もしかすれば2対1でも大変な場合もある、そんなこともお聞きをしました。 私は、何より松本市が保育の質を大事にし、公立保育園を発展、そして維持させてきた、そのことはまさに全国的にも誇れる、そういう状況だというふうに思っています。しかし、今そういう中でも、保育の質が改めて問われる、そういうときに来ているのだと思います。 そういう中で、今、国が進めようとしているのが、子ども・子育て支援法の改正案、これがありますが、この改正案では、都道府県が待機児童対策協議会、こういうものを設置できるとしており、この中で保育基準の見直しを迫るものになっています。待機児童の解消と言いながら、保育の質の低下を招く、そのことがこういうものをやっていけば明らかになるのではないでしょうか。 今、一人一人の子供の気持ちに寄り添い保育をしていく、それはまさに憲法13条の個人の尊厳の実践そのものではないでしょうか。そのためにも人権が保障されなければなりません。これらの上に成り立つものが保育であると私は思います。そのことをしっかりと基本に据えて、今後の保育行政を進めてほしいと要望をしておきたいと思います。 さて、新年度、平成30年度の入園希望者のうち、2月末現在で、3歳未満児を中心に100人を超える子供さんが保留中だということが、昨日の答弁でも明らかとなりました。恐らくそういうことであれば、そのうちのかなりの数の子供さんが待機児童という状態に置かれることは避けられないことと思います。必要なときに必要な保育を受けられることがきちんと保障される、それがなければなりません。その点からも言って、施設の充実と保育士の確保ということが重要な課題となります。 待機児童解消に向けての取り組みとしては、島内保育園に未満児用施設を増設する、そういう予定がございます。しかし、開設にはまだ2年ほどがかかります。また、梓川東保育園の大規模改修でも、2歳児室の拡大がされるということになっておりますが、これも新年度には間に合わないという状況です。 保育士が足りない上に施設的にも不足という状態が続いています。しかも、現状では1年あるいは2年待たないと、2年たっても全て解消するかどうかはわかりませんが、いずれにしても時間がかかる。そういうことでは済まされない、私は、直ちに対応すべき問題が今あるのではないかと思います。 昨年12月議会の場で、園児数の減少が顕著な園を中心に、3歳以上児室が空き部屋になっている園もあります。しかし、改修には、調乳室やトイレなど乳幼児用の設備が必要であり、一定の改修をしないと転用は難しい場合もありますが、園内の配置の工夫などにより利用可能となる部屋やスペースが生じる場合は、積極的に活用していきたいという答弁もありました。 こうした今できる改修で、少しでも対応できるのではないでしょうか。一定の費用は当然かかりますが、しかし、今やるべき問題としてあると思います。保育が必要な子供は、全て必要な保育を受けられる、それが福祉としての保育園ではないでしょうか。 さて、保育士不足は深刻と言われ、本市の募集にも応募者が減ってきていると聞いていますが、この保育士不足の要因として、昨年12月定例会でも部長から、応募者自体は年々減少しております。この原因の一つは、養成校の生徒自体が減少しており、保育士を目指す学生の絶対数が減少していることが背景にありますという答弁がありました。 しかし、本当にそうでしょうか。私の調査では、保育士を目指す学生は、全国的に見たとしても、そう減っているという状況ではありません。問題なのは、学校を卒業しても保育士にならない、保育園を就職先に選ばない、そういう学生がふえている、そのことが何よりも保育士不足の大きな原因になっているのではないでしょうか。この点についての見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) 保育士確保についてのご質問にまずお答えします。 毎年、県内7つの保育士養成校へ保育課の採用担当者が訪問しております。今年度の訪問の中で、少子化の中、保育を目指そうとする学生の確保が、特にここ二、三年難しくなってきているというお話を複数の先生方から伺ったため、12月定例会では、保育士不足の要因の一つとしてそのような側面もあるという認識を述べたものでございます。 一方で、議員ご指摘のとおり、保育士有資格者のうち、実際に保育業務に従事していない方が相当数いるということも伺いました。これが、潜在的保育士の掘り起こしが必要と言われるゆえんですが、保育士の報酬の低さと責任の重さが、保育の仕事を敬遠する要因と言われています。 このため昨年度来、本市では、保育士の処遇改善や働きやすい環境の整備について検討を重ね、現在、ソフト、ハード両面から総合的に取り組んでいるところであり、今後も現場の声を聞きながら継続的に取り組んでまいります。 なお、先ほどご指摘がありました島内保育園の増築並びに梓川東保育園の改修についてですが、当初予算説明会でもご説明申し上げたとおり、これらは、待機児童対策として急遽施設整備計画を前倒しし、さらに追加をし、当初予算において今最大限可能な対応を盛り込んだものでございます。単に入所児童数をふやすため今すぐに用意できる保育室でよいというならば、簡易な急ごしらえのものになってしまいます。しかし、今回のハード整備は、子供たちの良質な環境を確保し、保育士の労働環境にも配慮しつつ施設環境を整える、すなわち保育の質を維持することを大前提に最大限スピードアップして行う整備であることをぜひ理解していただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 保育士の問題については、まさに今、全国的に学校に入る方はふえている、しかし、職につく人が減っているということです。しかも、その上、離職をする人がふえている。短期間でやめてしまう人がふえているということで、人手不足になっているという問題があるわけです。そのところをしっかりと捉えていく必要があるかと思います。施設整備、またそれも当然大切ですが、しかし、そのことも含めて、今やるべきことは本当に待ったなしの状況ということは、ぜひ私もその点は訴えたいと思います。 今、保育士にならない、また、やめてしまうその大きな原因は、大きく言って2つあるかと思います。1つは処遇の問題、そしてもう一つは仕事の大変さ。それは、先ほどの部長のお答えの中にもその意味が入っておりました。まさにこの2つの点をきちんと解決しないと、待機児童問題も、また保育士不足問題も解決しないのではないかと思います。 そこでまず、処遇の問題についてお聞きをしたいと思います。 ここに来て、正規職員の採用枠の拡大、また、嘱託職員の処遇改善を図られてきたことは確かです。また、新年度、嘱託職員から正規職員になられる方が十数名いるともお聞きをしております。一定の経験を積まれたそういう方々が、正規職員として一層今後の活躍を期待したいと思うところです。 しかし、現場の保育士さんからは、仕事の内容からしても、経済的にはとても十分とは言えない、そういう切実な声を聞いています。やはり経済的には問題がまだまだ大きい、そのように思います。 人間の成長を支えるすばらしい仕事だから耐えろ、また我慢しろというような精神論ではもう続けることができない、そういう現状があると思います。また、他業種と比較しても10万円近い開きがあると言われている保育士さんの待遇面、ここも解決をしなければならない問題だと思います。 働きやすい環境を整え、そして保育士を安定的に確保するには、こういった現場の声を踏まえたさらなる処遇改善が必要かと思いますが、この点についての見解をお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) 議員ご指摘のとおり、嘱託保育士の処遇については、第1段目の改善として、6年目と9年目の保育士に対する報酬の増額や育児休暇制度などの労働条件の見直しに取り組んでいます。現場の保育士からは、モチベーションの向上につながったという声もあり、改めて処遇改善の重要性を認識しております。 また、その後に続く改善を研究しておりますが、午前中の宮下議員のご質問でもご案内がありましたとおり、平成32年4月以降、地方公務員法が改正され、現在の非常勤職員会計年度任用職員制度に移行されます。制度改正にあわせて来年度、任用、勤務条件等の制度設計を行うこととされておりますので、この中で保育士の処遇や労働条件等の改善を図りたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 一刻も早い、しかも思い切った改善が必要だと思います。私は、やはりそういった点でも、正規保育士さんをふやす、そのことが、本当に松本で仕事をしてよかった、そう思える、そういう魅力がなければ、やはり都会に出ていってしまうのが現状ですから、その点での対策を求めておきたいと思います。 2つ目の問題として、仕事の大変さという問題があります。責任の重さ、また、仕事の過重負担、そういう中で、なかなか希望の持てない現状にあるのではないでしょうか。 新年度、事務系のパートの方を各園1名ないし2名補充する、そういうことも新年度予算の中で出されております。しかし、これをやったとしても十分な負担軽減策とはならないのではないかと思います。何よりも、やはり根本的問題、それは、保育士の不足の問題、ここをどう解消するか、そういうことだと思います。 市長がこの間、精力的にこの子育て支援に取り組みをされております。今議会の提案説明の中でも、一貫して子育て支援を最も重要な施策の一つとして進めてきており、未来への投資として子供や若者の成長を後押しする施策に、より一層重点を置いて取り組むことといたしました。また、一日も早い待機児童の解消に向け、スピード感を持って取り組んでまいりますということを述べられ、具体的な施策展開がされているかと思います。 しかし、これで本当に解消に向かうのかということも気になるところでもあります。保育というのは、人が人を育てる営みです。そういう点で言えば、保育士が労働者としてしっかり守られている、そのことが必要です。潜在保育士がふえている、それは確かに、低過ぎる給与、そういうこともありますが、保育という大変重要で重い仕事を本当に、ほとんど休憩時間も十分とれない、そういう中で長時間拘束をされながら働いている、そういう現実もあります。 予算の枠がある。そういうことは当然自治体としてはありますが、しかし、人権の問題としても、まず最優先に事業を進める。そのことが自治体としての務めではないでしょうか。ハード、ソフト両面での対応が同時に求められている今、子供が尊厳あるかけがえのない存在として、それにふさわしい保育を受ける権利が保障されなければなりません。 保育士がここで仕事をしたいと思える働きやすい環境がなければ、安定的に確保することも難しいと思います。長時間勤務の状況を解消し、そして何よりも、保育士の皆さんが子供としっかり向き合える時間と、そしてゆとりを確保することが欠かせません。この点でのこれからの市としての取り組みはどうされようとしているのか、この点についてお聞きをいたします。 ○議長(上條俊道) 伊佐治こども部長。 ◎こども部長(伊佐治裕子) 保育士の働きやすい環境整備についてお答えします。 先ほど議員からは、現場の声を踏まえというご指摘がありました。今年度、園長会研究会において、業務上の課題を把握するため、全職員を対象に働き方に関する実態アンケートを実施いたしました。その中で特に多かったものは、保育業務時間の長時間化に伴い、事務仕事の持ち帰りが常態化していること、加えて、パソコンの台数不足やそもそも作業時間がとれないなど、主として業務の多忙さや設備、機材の不足を訴える意見でした。 このことを受けて、働きやすい環境の整備をテーマに園長会等で対策の検討を進め、そのうち全保育園へのエアコン設置や短時間業務補助者の配置などは、事業化に向けて平成30年度当初予算でお願いしているところでございます。 そのほかに研究段階のものを申し上げますと、入退園の記録、日誌といった、これまで手書きで作成していた帳票をデータ化することや、正規・嘱託職員を対象に、3人に1台のパソコン配備を1人1台化すること、また、保育園専用の業務ソフトを導入することにより業務負担軽減を図るといったことも進めたいと考えております。そのほかに、土曜保育の利用園児数が少ない園については、拠点化による統合を図ることで保育士の労働時間を短縮することも研究しております。 これらの取り組みが功を奏し、保育士の離職防止や安定的な保育士の確保につながることを期待しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 今後の取り組みということで、さまざまなことが報告をされました。パソコンの台数、また、データ化をする、また、仕事の持ち帰りも常態化しているというようなこともございました。直ちにできる、そういった改正については大至急取り組んでいただきたい、そのことを求めておきたいと思います。 しかし、いずれにしても、今の現状のまま推移すれば、平成31年度も同じような状態になりはしないかと私は大変心配をいたします。 これから先、平成30年度はなかなか具体的な対策というのはとりにくいかもしれませんが、そういう点で考えても、やはりことし平成30年の1年間は非常に重要な年になるかと思います。ぜひ真剣に取り組んでいただき、できることなら、平成31年度は本当に安心できる、そういうことになるようにお願いをしたいと思います。 保育士の労働環境や配置基準、財政的な支援などを含めて、保育条件の質を保障することが子供の人権保障には不可欠となっています。ある園長退職者の方がこう言われました。子供の幸せのために何がよいのかを考えてほしい。私はこのように訴えられました。このことを申し上げて、この保育行政については終わりにしたいと思います。 次に、人権問題としての教職員の多忙化解消と教育環境についてお聞きをいたします。 昨年4月に、10年ぶりに実施されました教員勤務実態調査結果が発表され、教職員の長時間労働が10年前の調査時より伸びていることが大きな問題となりました。労働基準法第32条では、使用者は労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならないとし、時間外勤務が例外的な措置であることを条文の中で規定しています。 そこで、教職員の皆さんにも原則としてこの労基法が適用されるということでよいのか。また、教員の時間外勤務は原則として命じられないという、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、俗に給特法と言われておりますが、この給特法でもこの労基法の労働時間の原則にのっとっているということでよいのか、その見解についてまずお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 教職員につきましては、一部の規定を除き労働基準法が適用されるものと認識しております。その上で、教員の勤務につきましては、その職務と勤務の特殊性から、過去において超過勤務手当に関する問題が発生したことを踏まえ、昭和47年に公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、議員もご紹介いただきましたいわゆる給特法が制定されました。給特法には、時間外勤務手当及び休日勤務手当を支給しないかわりに教職員調整額4%を一律支給することとなっております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 ご答弁のとおり、教職員の方も当然労基法の適用になるわけですから、労働者として過労死ラインに届くような長時間労働があってはならないわけですが、今、教職員の多忙化による超長時間勤務、これが社会問題となっています。昨年9月議会で、今年度当初の時間外勤務が月およそ60時間という部長答弁がございました。 そこで、今わかる範囲の最新の松本市の小学校、中学校での実態はどうなっているのか、時間外勤務、それから持ち帰り仕事の時間、実際にとれない休憩時間、週休日、休日の勤務、また、病気休職者数についてお聞きをいたします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 平成29年度12月分の時間外勤務時間の調査によりますと、時間外勤務時間の平均は、小学校で52時間、中学校68時間、平均は58時間となっております。これは平均時間でありますので、実際には個人差がございます。そのうち持ち帰り時間の平均は、小学校が5時間、中学校2時間、平均は4時間でございます。休日勤務時間は、小学校2時間、中学校が11時間、平均は6時間となっております。休憩時間に関しましては、授業の準備や給食指導等のため十分にとれていない現状があることは承知しております。また、病気休職者は16名でございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 病気休職者数は16名と言われました。恐らくこの中の半数以上の方はメンタル的な事情ではないでしょうか。全国的な調査でも、およそ6割近いという結果が出ております。やはり現場でかなりストレスを抱えている、そういう実態があるのではないでしょうか。 休憩時間についてお聞きしましたが、恐らく実態をつかんでいないということで報告はございませんでしたが、昨年6月の長野県教職員組合が調査をしたものがございます。この調査では、1カ月当たりの休めない休憩時間が12時間を超える、そういうことで超過勤務時間の平均が昨年比で1時間8分ふえ、83時間20分という調査結果が出ております。この時間は、厚生労働省が定めます過労死危険性ラインの80時間を上回っている、そういう時間です。中でも中学校では100時間24分、まさに異常と言える状態でした。 先ほど松本市の小中学校の時間がありました。平均で58時間、そういうことですが、仮にその休憩時間を加えれば70時間を超えることにもなります。中学校の場合には、この過労死危険性ラインと言われる80時間を超える、そういう状況にある。やはりここ松本でも全国的な傾向がある、そういうことだと思います。 さて、そういう中で、県教育委員会が2014年3月、教職員の業務を改善し、子供と向き合う時間の確保・充実を図るための総合的な方策、総合的な方策と言いますが、これを出しました。そして、この中で目標としたのが、3年後には超勤30%程度の縮減ということでした。この30%程度の縮減という目標は達成できたのでしょうか。もし達成できていないということでしたら、その原因は何と考えているのかお伺いいたします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 松本市の小中学校における時間外勤務時間の平均は、平成26年度75時間、平成27年度が56時間、平成28年度は58時間でした。このように一旦は減少したものの再度増加に転じ、残念ながら県の掲げました目標の30%は達成できませんでした。平成29年度を含めた最近の3年間は、若干ふえる傾向にございます。 教員の多忙化の原因ですが、いじめ、不登校など生徒指導上の課題や、特別な配慮を必要とする児童生徒や保護者への対応、地域との連携など、学校の抱える課題が複雑化、多様化し、学校に求められる役割が拡大してきたことも大きな原因であると考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 答弁からは、勤務時間がふえているということで、ここ二、三年はふえている傾向がある。また、さまざまな課題があるということで、複雑化、多様化ということもありました。要するに、先生方が児童生徒に向き合う時間以外のことが非常にふえている、そういうこともあるのではないかと思います。 昨年12月22日に中央教育審議会から、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について、ちょっと長いですが、こういうものが出され、こういうものについての中間まとめが出されました。この中間まとめを受けて、文部科学大臣から緊急対策が出され、全国の各教育委員会に通知が出されております。 そこで、この中間まとめに基づいて、教育委員会としてこの教職員の皆さんの多忙化の解消に向けたどういう対策を考えているのか、具体的にお願いをしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 1日目の勝野議員にもお答えいたしましたとおり、本市ではこれまでも、教職員の多忙化解消に向け、ノー部活デーを設定することや、県下で初めての夏季休業期間中の3日間の学校閉庁日を設定するなど、教員の勤務時間を意識した業務改革、業務環境の改善を進めてまいりました。また、市独自で学力向上や不登校の児童生徒に対応する教員を配置することや、コミュニティスクール事業で地域や保護者の協力体制を強化すること、さらには、提出書類を電子データ化することや業務の効率化などにも取り組んでまいりました。平成32年度に向けた給食の公会計化への取り組みも進めております。 今後も、年休の取得の推進や部活動指導員の導入、コミュニティスクールにおけるコーディネーターの配置等を検討するなど、地域、家庭と課題を共有し連携を強化しながら、教職員の多忙化解消に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 ご答弁がありました。 この間もノー部活デーなど負担軽減や勤務時間の縮減、こういう取り組みがされてきたということだと思いますが、しかし、残念ながらそれにもかかわらず解決には至っていないというのが現実であります。やはりその根本には、教職員の不足、それと同時にやはり業務量の多さ、この2つが原因として横たわっているのではないでしょうか。 国では教員定数を算定するのに、1時間の授業に1時間程度は準備が必要だ、そういう考え方を示しています。現在、教員の方が1日当たり4時間25分の授業をしていると言われております。したがって、国の基準で考えますと、授業と授業準備だけで8時間50分は必要ということになります。 しかし、これでは、1日7時間45分という通常勤務時間内では当然おさまらないということが明らかになります。しかもこのほかにも、児童生徒の指導、また学校行事、学年・学級経営等々、本当にたくさんのやるべきことがあるわけで、学校内に10時間も12時間もいる、そういう状況もある、そういうこともお聞きをしております。 そういうことを含めて、改めて、今現在、多忙と言われている原因はどこにあると考えるのか、見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 議員のご発言にもございましたとおり、業務量を減らすことが多忙化の改善につながるのではないかと考えております。しかしながら、社会が大きく変化する中、学校が抱える問題も複雑多様化し、学校だけでは解決することが大変難しくなってきております。 昨年11月28日の中央教育審議会の中間報告では、学校が担うべき業務、学校の業務だが外部人材も積極的に導入する業務、学校・教師の業務と、学校の業務を3つに分類し、地域や家庭の役割を含め、業務の見直しについての提言がございました。 市教育委員会といたしましては、教職員の働き方改革をさらに進めるためには、保護者や地域の方の理解とご協力をいただくことが一層不可欠になると考えております。地域、家庭が共通認識を持ち、それぞれが連携して教員の業務改善に取り組んでいくことが重要となっております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 確かに、現在社会は大きく変化をし、児童生徒が抱えている困難さ、また、学校が抱える問題も複雑多様化している、そのことはわかります。しかし、だからこそ今、子供たちに真正面から向き合える時間と教職員の皆さんの心のゆとりが必要ではないでしょうか。 県教職員組合の調査の中で、改善してほしいことということの調査がありました。小学校、中学校、また障害児学校、こういうところですが、教育課程の研究、また指定校研究、各種PTA行事など、また、各種の研究委員会、校内研究、こういったものが非常に多くて改善してほしい、特に中学校では部活指導、これが飛び抜けている、こういったことを精選、要するに選んで、そして縮小してほしい、こういう回答が出されております。 こういった問題は、市教育委員会の段階でも精選、縮小が可能なものではないでしょうか。今、教職員の皆さんがゆとりを持って仕事に取り組める、そういうための改善がどうしても必要だと思います。国や県、また市からも新たな取り組み、そういったものが出てくる。学校現場では新しいことをどんどん取り入れる。しかし、今までやってきたことに対しての見直しも余りされずに、どんどん積み重なっていく状況がある。やはり業務の精選、縮小、そして思い切った廃止、こういったこともやってほしい、これが現場の先生の声でした。 そういう中で、今、教育改革が国から推し進められています。全国学力テスト、そして、このテストが引き起こしたテスト対策のためのテスト前後の膨大な業務、こういう大きな問題もあります。先ほど紹介した県教職員組合の実態調査の中で、月平均超過勤務時間が過労死危険性ラインを超えたのが2007年からでした。ちょうどこの年から全国学力テストが実施をされ、その後、一貫して80時間を超えるような残業時間、そういう勤務時間となっていることもあります。先生からは、この学力テストの分析、また対策会議などたくさんの負担がかかっている、とても大変なんだ、そういう声をお聞きしました。そして、ここに来て小学校では英語の採用など、また新たな学習指導要領が実施をされる。こういったことも含めて大胆な見直しがなければ、今の学校現場の状況は改善されないのではないでしょうか。 先ほど授業時間のことを少し申し上げました。7時間45分の1日の通常勤務の中で業務が終わる、そのためにはどうするか。例えば、授業に3時間、準備に3時間、その他の業務が1時間45分なら勤務時間内におさまるということにもなります。しかし、そうするにはおよそ現在の1.4倍の教員が必要だと言われています。要は、そのくらいの教員の増が必要、今そのことが求められているのではないでしょうか。 全国の市町村教育長アンケート、この中でも、全国の97%の教育長が教員定数の改善、これを求めています。今何よりも求められているのは、教職員の増員、そして、過労死を生むような勤務実態を大胆に見直すことが求められていると思います。その点で言えば、全国学力テスト、本当に先生方の負担をふやしている。そして子供たちにも、学ぶ学力ではなく、点数をとるためのものになっている。この学力テストはやめるべきだと思います。 教職員の人権をきちんと守ってこそ、児童生徒の人間性豊かな成長が図れるのではないでしょうか。この点について教育長の見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(上條俊道) 赤羽教育長。 ◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 議員ご発言のとおり、根本的な解決策としては、何よりも教職員の増員が不可欠と考えております。これまでもあらゆる機会を通じて、国に対し教員定数の改善をお願いしてまいりました。今後もより強く、また粘り強く要望してまいりたいと考えております。 さて、我が国の学校教育は、教師の専門性を高めつつ、その職務の範囲を広げることで社会的な信頼を得るように努めてまいりました。生徒指導や部活動指導もその一つでありました。また、社会の急速な変化により学校は、家庭や地域の要請も教育的配慮として引き受けてまいりました。その結果、教員の多忙化が私は特にこの20年で急速に進み、子供と向き合う時間の確保、教職員の働き方改革が現在大きな問題となっている現状であると思っております。議員ご指摘の学力テストを超えた多様かつ複雑な要因が絡み合っているのが大きな原因ではないかと考えております。教職員の多忙化解消に向けての取り組みが始まる一方で、先生たちは大変だが頑張ってほしいという声もあり、この二律背反を解消するには、国、県、市町村、保護者、地域がそれぞれの役割について共通認識を持ち、発想の転換と相当の覚悟が必要でございます。 まずは、1日目の勝野議員の質問にもお答えしましたように、早急に業務改善方針並びに計画等を策定いたしまして、教職員の多忙化解消に向け、一歩一歩確かな取り組みを進めていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 教育長から答弁をいただきました。教育長の答弁については、ちょっと時間の関係も考えて、先に次の質問をしてから少し申し上げたいと思います。 次の質問は、全教室へのエアコン設置ということであります。 昨年も、大変暑い夏でした。小中学校の教育環境を考えれば、学校の職員室だけということではなく、全教室へのエアコン設置が必要だと私は思います。学校の立地条件にもよって違いは当然あるかとは思いますが、私が聞いた話は、学校周辺に立木がないと、2階、3階は本当に教室が暑くて、窓をあけたとしても、中に入るのをちゅうちょするくらい大変なんだということをお聞きしました。 ここ数年来、猛暑が続いております。そういう中で、やはり学習環境の改善、私はどうしても必要だと思います。そういう点からも、全教室へのエアコン設置について市の見解をお聞きいたします。 ○議長(上條俊道) 矢久保教育部長。 ◎教育部長(矢久保学) お答えいたします。 エアコンは、現在、小中学校の保健室及び中学校のパソコン教室に設置しておりますが、近年の地球温暖化による気温の上昇に伴いまして、小中学校へのエアコンの設置も課題の一つとして認識し、今後の設置のあり方等の検討を進めているところでございます。 昨年の9月定例会で勝野議員にもお答えいたしましたとおり、まずは教職員の健康も考慮し、風通しの悪い職員室を初め、図書室、窓の開放がしにくい音楽室や小学校のパソコン教室へ優先的に設置を考えております。 議員ご提案の普通教室や特別教室への設置につきましては、今後の課題として検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 南山国彦議員。 ◆28番(南山国彦) 〔登壇〕 優先順位を決めてという答弁もございました。普通教室、特別教室等へは今後の課題として検討ということではありましたが、ぜひこれは進めていただきたい。来年度から保育園や幼稚園にもエアコンを設置する3年計画であります。もう今、エアコンは当たり前の時代となっています。私たち大人も、どこでも冷房がきいた場所で仕事をしている、こういう状況もあります。児童生徒にだけ我慢を強いる、先生たちも含めて我慢を強いてよいはずはありません。全教室への速やかな設置を強く求めておきたいと思います。 さて、先ほど教育長から答弁をいただきました。教職員の増員が何よりも必要だ、そのようにお話がございました。本当にそのとおりですが、しかし、それだけでは決して済まない問題も今ある。過労死を生むような勤務実態、これは解決がなかなか進まない。やはりこの点は、私は大胆に見直しをしていくことが必要だと思います。 教育長からは、学力テストを超えた大きな要因が原因にあると言われましたが、しかし、私は、やはりそうは言っても、この学力テスト、現場の中では今大変な負担になっている、そのことは現実問題としてあると思います。 そして、今、格差と貧困の拡大、このことによってさまざまな困難を抱えた子供たちが、また発達障害、この子供たちも急増している。ある先生がこのように言われていました。今まで数年に一度出会うかどうかの子供が、今は1クラスに数人もいるような状況にもなってきている。これが現実です。 各種の支援員、また、部活動指導員の体制もとる、そのようなことも言われました。しかし、現場の先生にしてみれば、こういった支援に入っていただいた先生方との連絡調整、引き継ぎ等、どうしても時間をとられる。結局のところ、そのことによって負担軽減にはどれほどなるのか、そういう心配する声もお聞きをしました。 先ほど来から答弁の中で、保護者、地域の協力、また理解を得ながら、それぞれの役割に共通認識を持つということとか、現状、教育長は、簡単には進まない、そういう共通認識を持っていただきたい、そういうことも言われました。しかし、今の教育現場の実態、本当に大変な状況、私は、そのことは本当に危機感としてお持ちなのかな、そのような受け取りをしてしまいました。 松野文部科学大臣が中央教育審議会に諮問をした際には何と言ったか。教員の長時間勤務について看過できない深刻な状況、こういう強い言葉で諮問を行いました。また、県教育委員会の学校における働き方改革推進のための基本方針、この中でも、具体的な取り組みとして直ちに取り組むこと、こういう形で何点も挙げております。 こういったことを考えても、一刻を争って多忙化を解消する、私はその点については、先ほどの教育長の答弁も含めて、きょうの質疑の中では、残念ながら市の十分な思いを感じることができませんでした。 この中間まとめ、これは、これまで上からの教育改革が必要な環境整備を伴わなかったため、教員の負担増を招いたことを反省しています。しかし、教育改革が、子供のために使うべき勤務時間を奪っただけではなく、教員の教育者としての誇りや自由、また自主性をも奪ってきたことを本来反省すべきではないでしょうか。教師は労働者であるとともに、子供の教育に直接責任を負う教育の専門家、この立場に立って教職員の働き方改革は、労働者の命と健康を守る、その闘いの一環であることとともに、教員が授業準備と子供に向き合うことに全力で当たれるようにしていく、そのことが子供に対しての責任ではないでしょうか。教員の働き方は子供の教育条件である、そのことをはっきりとさせる、そのことが重要ですし、ここにもそのことが、人権としての重要な位置づけがある、私はそのように思います。 最後に、若干、現場の先生の声を少し紹介したいと思います。授業準備をもっとしたいが、指導計画とか評価の計画を立てることなどが優先されて、いい準備ができない。現場で今一番欲しいのは、正規の教員をふやしてもらい、持ち時間をみんなで、そして仕事を分かち合うこと。小学校、中学校両方を経験し、産休中の先生は、子育てとの両立を考えたら、もうとても中学校への復帰はできないだろう。また、定年まで続ける自信がない、そういう先生もふえていると言われました。若い人が教員試験に合格したといっても、もろ手を挙げてよかったね、そう言えない。自分の子供に教師を勧められない、そういう苦しさがある。そのようにもおっしゃっておりました。 私は今回、憲法の問題、こういう形の大きな枠の中で、この保育問題、また教育問題を取り上げました。乳幼児も児童も生徒も皆、それぞれの人格を持ったすばらしい存在です。松本市子どもの権利に関する条例の前文にもそのことははっきりうたわれております。人間としての大事な成長期に保育士として、また教職員としてかかわることは、本来、この上ない喜びのはずです。個人の尊厳が保障される保育現場、また教育現場となることをぜひとも望み、そして最後に、教育、医療、福祉の分野は、効率とかコストカットがそぐわない分野です。そのことを改めて強調して私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(上條俊道) 以上で南山国彦議員の質問は終結いたします。南山国彦議員は自席へお戻りください。 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。     ------------------------------ △日程第2 議案に対する質疑(議案第1号から第57号まで) ○議長(上條俊道) 日程第2 議案第1号から第57号までの以上57件に対する質疑を行います。 発言通告者は、32番 池田国昭議員であります。 池田国昭議員の発言を許します。 32番 池田国昭議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 それでは、通告に従い、議案第41号 平成30年度松本市一般会計予算について、以下、質疑を行いたいと思います。 平成30年度の予算案の中で計上されている地方交付税、普通交付税に関してお聞きしたいと思います。平成30年度の予算資料で言えば、この資料ですね、39ページ、40ページの部分に当たります。 1番目に、この中で、いわば普通交付税の当初予算額の算定の根拠として、基準財政需要額及び基準財政収入額が計上されておりますけれども、金額は割愛しますが、基準財政需要額について、平成29年度と比べ変化している中身についてはどんなものがあるのか、項目と金額についてお聞きしたいと思います。 同様に、基準財政収入額についても項目と金額についてお聞きしたいと思います。 また、合併算定がえの影響についても、前年度と比較して、わかりましたらお答えいただきたいと思います。 来年度の算定の中で、基準財政需要額は減ると。一方、基準財政収入額はふえている結果なのか。交付税基準額は、平成29年度の算定結果と比べて減っております。また、地方の財源として、普通交付税と臨時財政対策債を合わせたその金額もマイナスとなっております。お聞きしたいのは、なぜなのかという点です。 2つ目に、平成28年度から、この交付税の試算に関連してトップランナー方式が導入されてきました。このトップランナー方式の松本市への影響について、平成30年度はどんなふうになっているのか、算入金額でお答えいただければと思います。 3番目に、当初予算説明会でもお聞きしましたが、この調整率と調整額という欄がございます。調整率については説明を説明会の中で受けましたが、改めて、調整率とは何かと、どういう仕組みなのかということと同時に、この平成30年度当初予算額の欄には数値は示されておりませんが、例えば平成29年度算定結果などなど、この数値、この数字は、松本市のオリジナルのものなのか、それとも全国共通なのかに関してお聞きしたいと思います。 4番目、最後に、国は本来ならば、いわゆる交付税のパイが小さくなってしまって足りなくなるようであればそのパイをふやすと、大きくする責任が地方交付税法の中身からいっても求められているはずです。ところが国は、先ほど冒頭に紹介した、そのパイをふやすことなく、臨時財政対策債というこの借金を地方自治体、松本市にも求め、その借金の返済に関してはいずれ地方交付税で賄うからということで、この「賄う」はこの間の中核市の中の議論でも私が使ってまいりましたが、とは言っても、あくまで算入するというだけのことですけれども、いわば財源の先送りというふうに言える中身です。 この臨時財政対策債の起債残高は、今回の示されている資料によれば、平成30年度末約430億円ということになります。全体の松本市の起債残高が平成30年度末で751億2,767万2,000円ですので、この通称臨財債の占める割合は、この全体の57%に当たります。果たしてこの臨財債の借金に関して、地方交付税の制度のもとで借金返済の財源としてちゃんと賄えると言えるのかどうかということが、お聞きしたい点です。 この借金の返済状況についてどのように今後行っていくのか、公債費に関連することですけれども、平成30年度の予算案ではどうなっているかということをお聞きして、1回目の質疑といたします。 ○議長(上條俊道) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 〔登壇〕 それでは、平成30年度一般会計予算における地方交付税に関連した議案質疑に関し、一括してお答えをいたします。 1点目の普通交付税の基準財政需要額及び基準財政収入額の主な項目の増減について、平成29年度実績と平成30年度当初予算での比較で申し上げます。 まず、基準財政需要額についてでございますが、包括算定経費が3億124万円の減、また、合併算定がえの段階的縮減額が2億3,897万円の減などが主なもので、総額で5億3,499万円と大幅な減を見込んでおります。 続きまして、基準財政収入額でございますが、増減の最も大きなものは市税でございます。中でも個人住民税の所得割が1億7,611万円の増、法人税割が3億1,725万円と大幅な増を見込み、評価がえにより税収減額が見込まれます固定資産税の減、例えば家屋につきましては1億9,465万円の減を見込んでおりますが、これらを差し引きしまして市税全体で2億9,214万円の増を見込んでおります。この市税以外の項目では、地方消費税交付金が9,118万円の増となる見込みで、基準財政収入額全体では3億6,844万円の増額を見込んでおります。 この結果、基準財政収入額がふえ、基準財政需要額が減るということの結果で交付税額が減となる見込みでございます。 また、合併算定がえについてのご質問でございますが、平成30年度の縮減額につきましては7億1,950万円となっております。 続きまして、トップランナー方式が平成30年度予算に影響を与えているかについてでございますが、この方式は既に平成28年度から段階的に実施されております。平成30年度予算にも影響はございます。その額についてでございますが、本市の交付税予算額の算定に当たりましては、平成29年度の算定額に地方財政会計の伸び率を乗じる形で算出しておりますので、個別での影響額は算出できません。しかし、ただいま申し上げました各算定項目の伸び率には、このトップランナー方式による単位費用の増減も加味されておりますので、当初予算には反映をされております。 次に、調整率についてのお尋ねでございますが、調整率とは、普通交付税の算定の中で各地方自治体の財源不足額の合算額が普通交付税の総額を超えてしまう場合に、その総額に合わせるため国から示される減額率のことでございまして、その率は全国一律で示されるものでございます。 最後に、臨時財政対策債についてお答えをいたします。 まず、必ず後年度に交付税により措置されるかと、措置されているかというご質問でございますが、国によってその全額を基準財政需要額に算入することになっております。 その償還についてというご質問は、通常の起債と同様の償還方法で償還をしておりますが、多くの起債が10年償還であるのに対し、臨時財政対策債は20年償還という形をとって償還をしております。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 池田国昭議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 答弁をいただきました。 1番目のことについては、主なるものという形での答弁だったと思いますが、詳細はまた後ほど私も勉強をさせていただければと思いますので、さらに詳細を教えていただければというか、そういう希望を述べておきたいと思います。 3番目の調整率と調整額との関係での答弁というか説明がございました。要は、早い話が、基準財政需要額、基準財政収入額、その差額が全額来るのではないということがよくわかりました。この点が大事かなというふうに思います。 4番目のこの臨時財政対策債との関係では、私の質疑の趣旨は、本当に賄える、本当に来るのかという率直な思いなんです。今の答弁を聞いて、実は地方交付税は、その地方交付税の中に入っていますよというだけのことであって、結果として、ほかの事業を行う中で、他の事業へのしわ寄せ等も含めて、あわせて使っていい金額ですので、一見賄えているように見えるだけではないかなと。これは私の感想ですので、述べておきたいと思います。意見ではありませんので。 2回目にもう一つだけお聞きしたいんですが、今、トップランナー方式との関係で説明がございました。答弁としては、金額はわからないと。当然のこと、平成28年度からやられているので反映されていると、そういう答弁だったんですが、私としては、ならば、金額がわからないということであれば、きょうは、お聞きしたい点は以下のことです。 まず、このトップランナー方式というのは、いわゆる標準的なもともとの交付税の算定の仕方は、いわゆる標準的な経費水準をもとに算定するべきものなんですけれども、このトップランナー方式は、少ない経費で同程度の事業を行っている自治体、これをトップランナーということらしいですが、その計上水準で算定するもので、結果として需要額を少なく見積もるものとなっています。それで、このトップランナー方式は、この基準財政需要額だけではなくて、基準財政収入額にも影響を与えています。本来ならば、これだけ集めればこれだけの収入があるんだということを示して、実際に集まっているかどうかということは別ですが、いわば収入額を高目に見積もるという中身になっています。 このトップランナーの関係は、この上位3分の1の自治体が達成している徴収率を基準として引き上げて、収入額として多目に見積もると。先ほど申し上げたとおりです。言いかえれば、需要額については、これだけで賄えるはずだよということで少なく見積もり、収入額については、これだけ集められるはずだよと言って多目に見積もって、差し引き結果として交付税額を削減する危険性が高い。削減することになると言ってもいいかと思うんです。 そこで私がお聞きしたかったのは、さて、松本市の場合は、このトップランナー方式が採用されることによって、平成30年度はどうなるのかと。それは算入された結果というのはわかりますが、このトップランナー方式の採用によって、いわば松本市にとってはプラスに働くのか、それともマイナスに働くのか、その影響についてはどうなるんだということをお聞きして、2回目の質疑といたします。 ○議長(上條俊道) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 〔登壇〕 トップランナー方式の採用により平成30年度予算がどうなるかというご質問にお答えをいたします。 トップランナー方式は、ただいま池田議員からご紹介がありましたとおり、基準財政需要額では、民間委託等の業務改善を実施している地方自治体の経費水準により算出をする。結果的に需要額を抑えるという方向。また、基準財政収入額におきましても、議員ご紹介のとおり、これまで地方税の徴収率を全国の平均的な徴収率で見込んでいたものを全国の上位3分の1の自治体が達成している徴収率に段階的に反映する見直しを行うというもので、これは基準財政収入額をふやす方向に働くものでございます。結果として、普通交付税を引き下げる方向に働くものであります。 現在、国は地方の一般財源総額を確保するとしているものの、これにつきましては、本市といたしまして、トップランナー方式の導入については疑問に思うところでございます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 池田国昭議員。 ◆32番(池田国昭) 〔登壇〕 それでは、最後、確認という意味も含めて質問したいと思います。 トップランナー方式は、私の説明よりもわかりやすく説明をしていただきました。要は、地方交付税の額を減らすような仕組みになっていると、疑問だというお話でした。 私が質問したのは、では、改めてお聞きしますが、平成30年度予算案にはどちらに働いているんですか。 疑問というのは、私も大疑問ですよ、これね。私がお聞きしたかったのは、端的に言って、これは私の予想ですけれども、基準財政需要額は恐らく下げられているでしょうと。それは民間委託等々の問題にかかわると、お話しのとおりでした。基準財政収入額はもしかすれば、その3分の1グループの中に入っているかもしれないということになって、ただ、総じて、両方合わせてプラスに働いているのか、マイナスに働く影響なのか、改めてお聞きして最後の質問といたします。 ○議長(上條俊道) 高野財政部長。 ◎財政部長(高野一司) 〔登壇〕 すみません、2回目の質問で私の答弁、足りなかった部分がございました。平成30年度予算額において基準財政需要額は、先ほどのトップランナー方式の国の制度の見直しに伴って減額に働いております。また、収入額につきましても、当然、これは松本市でなく全国全ての自治体においてふえる方向に働いているということで、結果的には総額はマイナスの方向になるというふうに考えられます。 以上でございます。 ○議長(上條俊道) 以上で池田国昭議員の質疑を終結し、議案に対する質疑は終結いたします。 次に、議案の委員会付託を行います。 議案第1号から第57号まで及び請願第1号の以上58件につきましては、一層慎重審議を期するため、お手元にご配付いたしてあります委員会付託案件表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 また、議案第56号中、市立病院建設事業関係予算は市立病院建設特別委員会に、議案第28号中、基幹博物館建設事業関係予算及び第41号中、基幹博物館建設事業関係予算は基幹博物館建設特別委員会に、議案第28号中、市役所新庁舎建設事業関係予算及び第41号中、市役所新庁舎建設事業関係予算は市役所新庁舎建設特別委員会にそれぞれ付託の上、審査を願うことにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(上條俊道) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 これをもって本日の日程は終了いたしました。 本会議は、明8日から15日まで委員会審査等のために休会し、16日午後1時再開いたします。 委員会審査につきましては、お手元にご配付いたしました通知のとおり開催し、審査願うことになっておりますので、ご了承願います。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 ご苦労さまでした。                              午後5時17分散会...