平成24年 6月
定例会----------------------------------- 平成24年松本市議会6月定例会会議録 第2
号----------------------------------- 平成24年6月11日 (月曜日
)----------------------------------- 議事日程(第2号) 平成24年6月11日 午前10時開議 第1 市政一般に対する
質問-----------------------------------出席議員(31名) 1番 田口輝子 2番 上條美智子 3番 上條 温 5番 村上幸雄 6番 中島昌子 7番 太田典男 8番 小林あや 9番 阿部功祐 10番 小林弘明 11番 上條俊道 12番 犬飼信雄 13番 山崎たつえ 14番 忠地義光 15番 宮坂郁生 16番 村瀬元良 17番 吉江けんたろう 18番 芝山 稔 19番 宮下正夫 20番 熊井靖夫 21番 柿澤 潔 22番 青木豊子 23番 近藤晴彦 24番 草間錦也 25番 太田更三 26番 南山国彦 27番 白川延子 28番 赤羽正弘 29番 大久保真一 30番 増田博志 31番 中田善雄 32番
池田国昭-----------------------------------説明のため出席した者 市長 菅谷 昭 副市長 坪田明男 総務部長 高山 満 政策部長 寺沢 健 財政部長 安達正泰 危機管理部長 牧垣壽志 市民環境部長 武井保典 健康福祉部長 渡辺 明 こども部長 青木敏和 農林部長 勝家秀夫 商工観光部長 平尾 勇 建設部長 堀内俊男
城下町整備本部長 早坂義導 上下水道局長 丸山今朝雄 病院局長 熊谷賢一 教育委員長 斉藤金司 教育長 吉江 厚 教育部長 川上一憲 行政管理課長 福嶋良晶 秘書課長 小原直樹 政策課長 大石幹也 財政課長 島村
晃-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 栗原信行 事務局次長 林 婦美子 次長補佐兼議会担当係長 次長補佐兼議会担当係長 三沢眞二 市川英治 主査 金子 稔 主査 滝澤 修 主任 出羽沢千曲 主任
畑中悠子----------------------------------- 本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)記載事件のとおり
----------------------------------- 午前10時開議
○議長(柿澤潔) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。
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△日程第1 市政一般に対する質問
○議長(柿澤潔) 日程第1 市政一般に対する質問を行います。 質問通告者は、お手元にご配付いたしてあります
一般質問者一覧表のとおり、17名であります。一覧表記載の順序により発言を許します。 最初に、5番 村上幸雄議員。
◆5番(村上幸雄) 〔登壇〕 おはようございます。発言の機会をいただきましたので、政友会を代表いたしまして、宮坂郁生議員とともに質問をさせていただきます。6月定例会最初の質問で緊張しておりますけれども、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いをいたします。 まず、菅谷市長、3期目の当選おめでとうございます。毎日お忙しい日々が続いていると思いますが、お体にはくれぐれもご留意され、市民の幸せのために頑張っていただくことを心よりご祈念申し上げます。 それでは、第1回目の質問をさせていただきます。 まず最初に、住宅耐震化の対策について質問をさせていただきます。 平成7年1月17日に発生をいたしました阪神・淡路大震災では、6,431人の人命が奪われました。また、東海・東南海・南海地震や
首都直下型地震などの発生が懸念されている昨今、大地震に備えるには、東日本大震災で学んだ津波対策や、建物の倒壊が多くの命を奪った地震などの教訓を生かしていかなければならないと思います。 阪神・淡路大震災での直接的な死者は5,502人、この約9割の4,831人が住宅や建築物の倒壊や家具の転倒によるものであったが、その多くは昭和56年に改正された建築基準法による耐震基準以前に建築された住宅、または建築物による被害であったことが判明しており、本来、豊かな市民生活を送る上で、基本的な要素であるべき住宅や建築物が、その安全性を十分に確保されているとは言いがたい状況であることが明らかになりました。 その後も平成16年10月の新潟中越地震、平成17年3月の福岡県西方沖地震や平成19年の新潟県中越沖地震など、これまでに地震が起こりにくいとされてきた地域においても頻発しており、本市においてもご案内のとおり、昨年の6月30日の地震や
糸魚川-静岡構造線付近の地震が心配されるところであります。ちなみに、糸静地震の中部地方の被害想定でございますが、木造、非木造でございますが、全壊及び大破及び半壊、中破含めて4万5,000棟、人的被害は、死亡、重傷、軽傷合わせて2万2,000人となっております。 このような状況の中、平成17年3月、国の中央防災会議において、今後10年で東海地震や東南海・南海地震などの想定死者数及び経済被害額を半減させる地震防災戦略が策定されました。国土交通省の住宅・建築物の地震防災会議において、平成17年6月の提言により、住宅及び特定建築物について、現状の77%の耐震化率を10年後に9割とすることが定められました。また、平成18年1月には、建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、地方公共団体における
耐震改修促進計画の策定による計画的な耐震化の推進などが示され、平成27年までに9割とすることが目標とされました。 本市においても、同じく平成27年までに9割とすることが目標とされているようですが、まず本市の住宅耐震化率の状況と、それを全国及び長野県平均と比較をした場合はどうなのか。それと今まで本市が行ってきた
住宅耐震化促進事業の実施状況についてお伺いをしたいと思います。 次に、サッカー松本山
雅フットボールクラブの経済効果等と駐車場及び渋滞対策についてお伺いをしたいと思います。 ホームゲームの初戦、松本山
雅フットボールクラブと
モンテディオ山形との試合を観戦に行きました。
ホームゲーム初回ということもあり、サポーターや地元の観戦者は熱気にあふれておりました。私も早くアルウィンに行き、サポーターと話す機会がありましたが、その一端をまず紹介をさせていただきます。 まず、サポーターの人数ですが、午後1時からの試合でしたが、朝6時には約100人、7時には200人、8時半には500人以上ということで、正直数が多くて数え切れなかったということでございまして、早く来る理由を聞きますと、私の思いでは、早く来て応援をするのかと思いましたが、意外にも駐車場を確保したいからという方が多くいらっしゃいました。何で山雅の試合は燃えるのかの問いには、地元だから燃える、私たちがこれから育てたい、格好いいからなど、さまざまな思いで来ていると感じました。 また、アウエーの
モンテディオ山形のサポーターとの話ですが、高速道路から出たところ道がわからず、ぐるぐる回ったので、道路標識は大きくなくてもよいから案内が欲しいとの声。アルウィンはすばらしくJ2の中でもいいスタジアムであると思う。駐車場が心配で早く来た、周辺の水田は駐車場として使えないか、山形は6,000台の駐車場と周辺の企業に2,000台の駐車場を確保しているとのこと。また、何で燃えるかの質問には、点がすぐとれないから、1点の重みが大きい、サッカーはスタミナ勝負であり、声をかけてやることで選手がもう一度頑張れると思う、だから、どこにもついていき、声援をしている。J2の試合は日曜日がほとんどであるので、次の日は勤務だから、試合が終わればすぐ帰る。また2週間に1回は応援についていかなければならないから、節約をしている。周辺に地元の食文化の土産店があれば買うが、他の土産はほとんど買わない、とのことです。朝5時に会場に着いたが、試合まで時間があるので、これから松本城に行くが、逆にシャトルバスがあればいいなと思う。 また、最後に松本山
雅フットボールクラブのサポーターの話に戻りますけれども、松本市(市民)が2,000万円を出していただき、感謝をしている。松本山
雅フットボールクラブを見て、感じて、松本山
雅フットボールクラブを通じて触媒となり、松本市が発展すればいい。駐車場は近くにあったほうがいい。しかし、今は松本山
雅フットボールクラブが強くなり、多くの人がこれではだめだと思うような姿が必要ではないか、というような話でございました。ほんの一部の人の意見でございますが、当たらずしも遠からずのような気がいたします。 本題に入りますが、
観光地域づくりの
シンクタンク事業をする
NPO法人SCOPは、松本山
雅フットボールクラブがJ2に昇格した場合、県内の経済波及効果は、年間14億円余りという試算を発表いたしました。昇格前の平均観客数は7,000人余であり、経済効果は約6億6,000万円であったが、昇格した今期はホームの試合は4試合多い21試合であり、観客数の平均は約1万人と推定、他のJ2クラブと比較した場合、例えば富山市や岐阜市を拠点とするJ2クラブの経済効果は14億円余りであるが、松本市が県庁所在でないことを考えると、14億円という経済効果はかなり大きいと言えるようであります。 14億円の内訳は、
相手チームサポーターの宿泊や試合後の観客の飲食などの直接効果が8億6,000万円、グッズ販売などに携わる業者らへの間接効果が5億4,000万円と見込むようであります。この14億円に対する市としてのコメントを市長にお伺いをしたいと思います。 県内で初めてJ2に昇格した松本山雅FC、3月4日の初戦から早くも18試合が終了し、6月9日現在で5勝8敗5分けという成績であり、J2の重みを選手、サポーターや関係者、地元松本の大勢の皆様が感じていることと思いますが、今後の健闘を願わずにはいられません。また、財務や施設面などでリーグ参加のための基本水準を定める
クラブライセンス制度の導入が来年から始まるといった課題もあると思いますが、他のリーグに引けをとらないサポーターを誇る松本山雅FCは、新しいファン層を開拓しながら、地域の期待にこたえていくことが求められていると思います。 反町監督が、「いい環境があれば、いい選手が集まるし、競技力も上がる。環境抜きにしてチーム力向上はあり得ない」と言ったことを耳にいたしましたし、反町監督が
アルビレックス新潟の監督だったとき、2001年から2005年ですが、最初は県内を転々としていたし、土のようなグラウンドで練習したこともあるが、現在は、天然芝4面、人工芝2面、屋根つきのフットサルピッチがあり、
筋力トレーニングもできるクラブハウスや寮が設置されたと新聞紙上にありましたが、今後、松本市としてどこまで支援をしていくのか、非常に難しい判断だと思いますが、市長としてのお考えをお伺いをしたいと思います。 また、サッカーや他のスポーツの振興、さらには市民の健康増進にも関連すると思いますが、市民が気軽に親しみながらスポーツ活動ができ、生涯スポーツの振興施策を設ける、例えば
スポーツ振興課のような課を設け、スポーツのすばらしさ、健康であることの幸せを感じられるような対応をするお考えはないか、お考えをお伺いをしたいと思います。 次に、孤立死対策でございますが、孤立死の明確な定義はないようですが、同居家族のだれかが先に亡くなり、支えをなくした認知症のお年寄りや障害者が飢えや寒さから命を落とすことを一般的にはいうそうですが、1月には北海道釧路市で夫婦が、札幌市では姉妹の遺体が見つかり、さいたま市では2月に餓死と見られる親子3人の遺体が発見され、立川市では2月に母親と男児の遺体が発見されたのに続き、3月7日にも都営アパートで高齢の母と娘の遺体が発見された後も孤立死が後を絶たず、悲しい限りであります。 本市でも、孤立死とは異なると思いますが、2月に市内で93歳の夫、86歳の妻、59歳の次女が将来を悲観して亡くなりましたが、遺体は数日たっていたようで、奥さんは中度の要介護の認定を受け、
ケアマネジャーが少なくとも1回訪問していたが、ヘルパーの派遣などの支援の希望はなかったと報道で知りました。これは孤立死かどうか、また対応に問題があったかどうかを論ずる前にもう少し早く何とかならなかったかなと思う気持ちは、だれしもが同じだと思います。 そこで、医療者である市長に先ほどの松本の事例や全国の事例の中で、この飽食の時代に母親が先に亡くなり、障害のある子供が何も食べるものがなく、寒さの中で返事がない母親の横に茫然として日増しに衰弱している姿を想像するとき、どんな思いであるか、また行政の長としてどのようなことを考え、指示をするかお伺いをしたいと思います。 孤立死、孤独死の違いはありますが、本市でもことしになって1人、もしくは夫婦などが世間から忘れられて亡くなり、死後数日たって発見されたことがあるか、お伺いをしたいと思います。 次に、道路行政と橋梁の設置についてお伺いをしたいと思います。 旧
県道松本環状高家線の市道への移管と道路整備について、まずお伺いをしたいと思います。 旧
県道松本環状高家線は、ご案内のとおり、国道19号から村井駅前を
通り神林南荒井交差点まで総延長約2,900メートルで、昔から周辺住民の生活道路としてなくてはならない道路であることは言うまでもありません。平成2年10月に現在ある道路の北側に並行するように新たに県道48
号松本環状高家線が建設をされたことによる、いわゆる旧
県道松本環状高家線という呼び名で現在に至っていることはご承知のとおりであります。 この道路について、県から市への早期移管や整備について、地元の前議員が何回となく質問されましたが、今6月定例会に県より移管される旨の提案がされましたので、今後は市道として、道路整備がスピードアップされるのではと期待が高まりますが、移管に至った経過について、まずお伺いをしたいと思います。 次に、村井駅北側の踏切を渡ることなく村井駅を西側から利用できるように、村井駅の西に住む笹賀、神林ほか住民の多くが望んでおります。村井駅に西口を設け、東口と西口を自由に往来できる通路の設置とともに、駅前広場、周辺通路などの整備のお考えをお伺いをしたいと思います。 次に、
市道平田野溝線先の橋の設置についてお伺いをしたいと思います。 平田野溝線は、国道19号の
平田駅東交差点から約1,360メートルで、駅周辺の
土地区画整理事業とあわせ、平成13年から約10年がかりで整備され、平成23年度末に完成をいたしました。両側に歩道を設けたすばらしい幹線道路になりましたが、
奈良井川右岸堤防で行きどまった状態で、奈良井川の西側に位置する笹賀、主に二子、二美町になりますが、や神林地区の住民にとっては、目と鼻の先にある平田駅や
ディスカウントショップなどに買い物に行くには二子橋、もしくは笹賀橋を迂回し、平田駅に行かなければならないために、橋の設置を強く望んでおります。 そこで、本市において今まで、または今後、橋を設置する場合の根拠、または基準についてお伺いをしたいと思います。 次に、危機管理室から危機管理部になった対応についてお伺いをいたします。 危機管理という用語が頻繁に使われるようになったのは、阪神・淡路大震災からであると言われております。その時代とともに本市も消防防災課から総合防災課、危機管理室になり、本年度から危機管理部に格上げになりました。市民の安全に対する菅谷市政の思いが一層強く感じられ、市民の多くが今、一番心配していると思われる地震を含む多くの災害、いわゆる危機管理に対する姿勢のあらわれだと思います。 さて、昨今、温暖化などの影響と思われる大型台風の日本列島直撃や
局所的集中豪雨、大規模な地震が各地で発生をしております。本市においても、昨年は、先ほども申しましたが、6月30日、震度5強の強い地震や、上高地方面で土石流災害が発生し、当時の危機管理室の適切な対応で被害を最小限にとめたことは、多くの市民が評価をしていると思います。さらに、3.11東日本大震災に絡む原発事故で避難されてきた皆様の受け入れや子供キャンプの開催、防災訓練の実施など、多くの実績を残したと思いますが、その後、総合防災課、危機管理室時の対応などをどのように評価、検証したか、お伺いをしたいと思います。 今年4月1日より室を部に格上げし、職員の専門性を高め、災害計画や災害時の危機管理体制の対応が今まで以上に強化されるようですが、室と部がどのように違うのか、部に格上げしたことにより、市民の安全がどのように増し、守られていくか、お伺いをしたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(柿澤潔) 菅谷市長。
◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 村上議員のご質問のうち、2点についてお答えいたします。 最初に、松本山
雅フットボールクラブに関するお尋ねでございます。 まず、経済効果についてですが、この試算は、先ほどお話しありましたが、
民間シンクタンクによるものであり、J2昇格による地域振興への波及効果が客観的な数字として示されたものと受けとめております。内訳は入場料収入や場内飲食などの直接効果が約9億円、他の産業への波及などの間接効果が約5億円で、試算の前提条件が1
試合平均入場者数が1万人であることに対し、これまでの実績は9,840人、これはJ2では1位ということでございますが、であることから、前提条件をほぼ満たしているものと考えております。 14億円という額についてでございますが、例えばクラフトフェアが18億1,000万円、サイトウ・キネン・フェスティバルが12億7,000万円など、ほかのイベントと比較しても十分匹敵する数字であり、経済効果はかなり大きいものと期待しております。また、これらの直接並びに間接的な経済効果のみならず、スポーツ文化の振興や健康増進、青少年の健全育成、市民活力の向上など幅広い分野に効果が及ぶため、松本山
雅フットボールクラブによるまちづくりへの貢献は、想定よりさらに大きいものと考えております。 次に、練習環境の整備への支援についてですが、
Jリーグクラブライセンス制度は、質の高いプロクラブの育成を目指して、来年度から導入されることになっておりますが、内容といたしましては、チームの健全な財政基盤や組織体制の整備のほか、トップチーム及び下部組織の専用練習場の確保などが求められています。もちろん
フットボールクラブの自助努力はもとよりでございますが、練習環境の整備等を初めホームタウンの自治体による一定の支援、協力が不可欠になると、Jリーグ側や町田市などの他都市からも聞いております。本市といたしましても、ご質問にありました事例を含め他都市及び他のクラブの状況を参考にしながら、検討を進めてまいります。 次に、スポーツ振興に関する部署の設置についてでありますが、スポーツ振興につきましては、本市における現在の取り組みは、社会体育が教育委員会の体育課、
プロスポーツ振興は、政策部の政策課が所管しております。他都市におきましては、市民スポーツからプロスポーツまで統括する
スポーツ振興課など、新たな組織を設置する事例が近年ふえておりますので、松本市におきましても、スポーツを通じた健康づくりや地域振興を進めていく上で、今年度の行政改革の見直しの中で検討してまいります。 続きまして、孤立死についてのご質問にお答えします。 昨今の孤立死の状況を見ますと、ひとり暮らしの場合は言うまでもなく、生計の中心となる方の急逝により援助を受けていた方が死に至ったり、本市の事例のように家族全員が市に至る場合などがあり、医療者としても早く気がつけば救命可能であったことを考えますと、本当に無念の思いとともに喪失感を覚えるところであります。また、近隣の皆さんを初めとした地域社会に不安と衝撃を与えるものであり、都市化が進み、地域のつながりが希薄となっている昨今の我が国の社会を象徴するような、憂慮すべき大変痛ましい事件であると思っております。 私は以前より無縁社会からの脱却を訴え、3期目の公約においても、ひとり暮らしの高齢者や老々世帯など、要援護者の地域支援体制を進めるとともに、地域のきずなや人のきずなを強めることを掲げております。孤立死の問題は、高齢者や障害者を初めとした要援護者が地域社会と多様なつながりが持てるよう、きめ細かな施策を進めてまいる所存であります。 なお、具体的な松本市における孤立死等の状況につきましては、健康福祉部長より答弁させます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 堀内建設部長。
◎建設部長(堀内俊男) 〔登壇〕 村上議員の4点のご質問にお答えします。 まず、住宅の耐震化率でありますが、国が5年ごとに実施している「平成20年度住宅・土地統計調査」の結果から推計しました数値によりますと、本市は79%で、全国平均は79%、長野県平均は71%でありまして、本市は全国平均と同数値となっております。 次に、
住宅耐震化促進事業の実施状況についてでありますが、本市では、平成20年2月に松本市
耐震改修促進計画を策定し、その中で、平成27年度末までに住宅の耐震化率を90%とする目標を掲げ、市民、関係団体、松本市がそれぞれの役割を分担しながら、鋭意その実現に向けた支援策を講じているところであります。 その施策の一つとして、昭和56年5月31日以前に着工された、主に個人所有の
一戸建て木造住宅について、その所有者からの希望により無料で簡易・精密耐震診断を行っており、その中で一定の評点に満たないものについては、耐震補強工事を行う際に、その費用の一部を補助する事業を、国及び長野県の補助制度を取り入れながら実施しております。 そこで、昨年度までの実績を申し上げますと、簡易耐震診断が3,636件、精密耐震診断が1,336件の合計4,972件、
耐震補強工事補助金交付が214件となっており、長野県が公表した県下19市の件数と比較しますと、簡易、精密を合わせた耐震診断総件数で第1位、耐震補強工事
補助金交付件数で、長野市に続いて第2位となっております。 なお、昨年度は東日本大震災や本市南部を震源とする地震発生の影響から、精密耐震診断が303件、
耐震補強工事補助金交付が44件とそれぞれ大幅に増加し、特に精密耐震診断につきましては、補正予算をお願いして対応してまいったところであります。 昨今の景気低迷の影響等により耐震補強工事になかなか踏み切れない方が多いことは承知しておりますが、今後も引き続き広報活動等を通じて機会あるごとに住宅耐震化の必要性について周知を図るとともに、無料耐震診断や耐震補強工事の補助制度の活用を積極的にPRしてまいります。 次に、旧松本環状高家線の本市への移管経過ですが、県は旧松本環状高家線のように、新たなルートの道路整備により、旧道区間が発生する箇所においては市町村へ引き渡すことになっております。平成2年から県において関係者との調整が始まり、境界確定や関係町会との意見交換、移管前の道路補修が行われてきました。平成21年に神戸橋の床版が抜け落ちたため、大規模な補修工事が県により行われ、平成23年6月に完了いたしました。あわせて本年3月に路面整備等の移管条件も整ったことから、今回の移管となりました。 移管を受ける区間は、村井駅前の県道町村白川村井停車場線と重複している区間を除き、村井駅北側踏切の東の市道交差点から西へ、現在の環状高家線、神林地区の南荒井中信号機交差点までの延長2,973メートルとなっております。 次に、村井駅整備についてですが、村井駅は駅舎の出入り口が東口のみであり、利便性、安全性の面から西側から駅への出入り口の新設と、それに伴う周辺整備の要望がございます。市においては、村井駅周辺の交通環境実態調査を行い、現況及び課題を把握した上で、整備が必要であると判断しております。駅舎や自由通路の整備に関連した駅前広場や周辺道路の整備につきましては、新たな用地をご負担願うことになりますので、直接関係する村井町会及び小屋町会の皆様の合意形成が必要であると考えております。このことにつきましては、村井駅周辺整備準備会での研究や地元町会の皆様との勉強会を開催し、村井駅周辺整備に関する地元住民への啓発と意識の高揚に努めているところであります。 次に、橋梁の設置根拠でございますが、河川を横断する橋梁を設置するに当たりましては、橋単独で計画されるものではなく、松本市全体の道路網や土地利用、費用対効果などを考慮して計画しております。また、その際、河川管理者と河川管理施設等構造令、工作物設置許可基準等の規定を踏まえ、河川占用の許可が得られて橋は設置されることになります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 渡辺健康福祉部長。
◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕 初めての登壇でございますので、よろしくお願いをいたします。 本市の孤立死等の状況についてのご質問にお答えをいたします。 本市におきまして、65歳以上の独居高齢者や老々世帯がことしになって死後1日以上たってから発見された事例でございますが、把握しているものは、4件4人であります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 牧垣危機管理部長。
◎危機管理部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 村上議員の危機管理部に関する2点のご質問にお答えいたします。 まず、昨年の大規模災害時における危機管理室の対応についての評価、検証でございますが、危機管理室は自然災害はもとより、感染症などの多様な危機に総合的に対応する市長直轄の組織として平成22年4月に設置されました。その設置後1年となろうとする昨年3月、あの東日本大震災が発生したわけでございます。危機管理室としましては、被災者支援本部の事務局として、被災地への物的、人的支援活動の調整や取りまとめなど、過去最大規模の災害支援業務を行ってまいりました。 特に、原子力発電所事故により避難を余儀なくされた方に加え、子供さんのいる自主避難世帯の受け入れや、信州まつもとこどもキャンプの実施など、子供さんたちを放射能被害から守るための対策を行ってまいりました。また、松本市民に対する対策として、市内の小学校、公共施設や観光地での空間放射線量の測定、学校給食食材の放射能測定など、市長の決断に基づき市民を被曝から守る迅速な対応は、本市独自の取り組みとして多方面から評価されていると考えております。また、昨年6月は、上高地方面での土砂災害、長野県中部を震源とする地震と、大規模な自然災害に相次いで見舞われ、わずか1週間のうちに災害対策本部を2度設置するという異常な事態となりました。 長野県中部を震源とする地震につきましては、幸い東日本大震災ほどの甚大な被害は受けないものの、死者1名、重軽症者17名、6,000棟を超える建物被害が発生いたしましたが、大きな混乱もなく対応できたものと考えております。しかし、町会連合会の調査や市民からのご指摘に基づく検証結果としまして、迅速な被害情報の収集や、地区・町会など市民への情報提供が不十分であったことなど、それらが課題として残っております。 次に、部に格上げしたことにより、市民の安全がどのように増し、守られていくかについてでございますが、危機管理室を部に格上げし、危機管理課と消防防災課の2課体制としました今回の組織の見直しは、東日本大震災や6月30日の地震等の教訓を踏まえ危機管理に関する分掌事務を見直すことにより、自然災害を初め事故災害などの危機に対し、より専門的に対応するため組織を充実したものでございます。 危機管理部としての初年度の目標は、市民の生命、財産を脅かす災害事象に包括的かつ迅速に対応できる体制を強化し、防災、減災対策の取り組みを進め、健康寿命延伸都市・松本の実現に資する、危機管理面からの地域づくりを目指してまいります。具体的には、昨年の災害の教訓等を踏まえました訓練の実施及び地域防災計画の大幅な修正や、災害情報等を一斉に全市域へ伝達できる防災行政無線の整備に取り組むなど、安全・安心のまちづくりをさらに推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 5番 村上幸雄議員。
◆5番(村上幸雄) 〔登壇〕 それでは、2回目の質問に入らさせていただきます。 まず最初に、住宅の耐震化でございますが、内閣府が取りまとめた住宅における地震被害軽減に関する指針では、耐震化が進まない一般的な要因として、費用や労力など、この労力とは耐震改修に伴う一時的な引っ越しや手間、また、高齢者単独世帯の増加や障害者の方々は、現実には困難な場合が多々あるということでございますが、そのことが一番のネックになっているようであります。 本市における耐震改修の補助事業は、本市が実施した精密耐震診断の結果、総合評点0.7以上にする工事において費用、または計画に要する合計額の2分の1の額を、60万円が限度となっておりますが、費用負担やライフステージの問題から困難な場合も多いことを踏まえて、現状より少しでも建物の耐震性を向上させ、地震発生時に人命に影響を及ぼすような場合を考え、できるだけ費用もかけず、高齢者や障害者にも適用が可能な補助制度の創設も必要ではないかと思いますが、お考えをお伺いをしたいと思います。 次に、サッカー松本山
雅フットボールクラブの関係でございますが、初代Jリーグのチェアマン、現日本サッカー協会川淵三郎名誉会長が、3月に講演のために松本市を訪れた際の新聞社のインタビュー記事の引用ですが、話を総合すると、東京ヴェルディとの第1戦でアウエーでも約7,000人が詰めかけたが、そのことが「山雅恐るべし」と思ったということのようです。そして、松本山
雅フットボールクラブは大会社、いわゆる親会社がいない中、地域に根差した組織のあり方はJリーグが望む姿と言える。こうしたクラブが成功してほしいと掲載されておりました。 J1を目指し、強くなり、地元に愛されるチームをつくる上で必要であるそれは何か。まず、地元の子供たちをしっかり育てていくことだと語ったようですが、市として、サッカーと子供たちに対する教育の考え方や思いはどのようなものか。また、松本山
雅フットボールクラブへのサッカー教室の要請やサイン会の開催ができないものか。さらには、各学校にサッカーボールは現在も配付されておることは承知しておりますが、もう少し増設できないかをお伺いをしたいと思います。 学校経由で招待券を子供たち、私から見れば孫に当たりますけれども、配布していただき感謝をしておりますが、その券を大事に握りしめ、目を皿のようにし、競技を見つめる姿を見るにつけ、この子供たちが健やかに成長し、サッカーを愛する子供たちが大勢生まれ、底辺の拡大になることを祈わずにはいられません。 話は変わりますが、駐車場対策と帰りの際の渋滞状況をサポーターにも聞く機会がありましたが、塩尻北インターチェンジまでおおむね40分から50分かかるようであります。駐車場対策は前回、地元でもあります上條 温議員が質問をいたしましたが、球場周辺は迷惑駐車が後を絶たない状況でありますし、松本山
雅フットボールクラブ関係者の話として、駐車場もすぐできるとは思わないが、このままだと観客が将来しぼんでしまうという切実な声もあります。 過去、近くにある陸上競技場で国体を開催したときは、鎖川の河川敷を臨時駐車場として利用した経過や、周辺の水田は優良農地であるので、当然賛否はあろうと思いますが、駐車場として利用することができないかの検討や、周辺企業の駐車場の借用を現在も実施していただいておりますが、もうちょっと数をふやせないか。また、周辺の白地になっている空地があれば借用できないかなど、県ともさらに相談をしていただき、前向きな対応をお願いをしたいと思います。また、渋滞対策も簡単には解決できると思いませんが、公共交通機関を利用するPRやシャトルバスの利用が好調であるようですので、さらに平田駅からや市街地からのシャトルバスの発着なども検討する必要がありはしないかと思います。民間のことではありますが、浅間温泉に宿泊すれば、競技場までの送迎をすることは可能との声もありますので、ご承知おきください。 アルウィン近くにあるシャトルバスの発着場を、特に帰り際でございますが、いつも全面利用できるように県にもお願いをしていただきたいとの要望もありますので、よろしくお願いいたします。 いずれにしましても、県にも協力や理解を得ながら、一歩一歩でもいいと思いますので、改善をしていただきたいと思いますが、駐車場及び渋滞対策、さらにシャトルバス対応のお考えをお伺いをしたいと思います。 次に、観光による経済効果でございますが、言うまでもなく経済効果とは、経済に与える影響であって、一般的には予測されるものであり、どれだけ金が動くかの指標で、どれだけの富が生まれるわけではないと言われております。 2010年、政府は観光を成長戦略の一つと位置づけておりますが、昨年の大震災で観光産業は大打撃を受け、自粛ムードや風評被害により経済的被害が拡大をいたしました。一方で、震災直後の被災地経済をボランティアツーリズムや会議誘致などが下支えをし、震災の中でも観光により経済が活性化することが少なからずあることが社会に広く認識されたと思います。観光で人が動くことが経済にとっていかに重要かということだと思います。 いずれにしましても、同じ松本の中でお金が回っているよりも、外から落とすお金をいかに多くするかということだと思いますが、今までもそれぞれいろいろな考えや対応はしていただいていると思いますが、今後も多くのアイデアを出して対応する必要があるのではないかと考えます。 そのような意味からも、松本山
雅フットボールクラブの試合後に市街地中心部に立ち寄って、少しでも買い物などをする流れが必要ではないかと思います。その意味におきましても、中心市街地からシャトルバスを発着するというのはそのような意味でございますが、現在のところ、試合会場やサポーターの盛り上がりに比べて、中心市街地の人の流れや盛り上がりはいまいちと感ずる方もいるのではと思います。市として現在までどのような対応をしたか、今後、どのような施策を設けて観光行動を喚起し、経済の活性化につなげるか、お伺いをしたいと思います。 次に、孤立死対策でございますが、1回目でも申し上げましたが、認知症や知的障害のある人を抱えている家庭で、介護者が先に倒れ、人知れず2人とも亡くなる事例が近年、発生していることはご案内のとおりです。が、このような事態は、高齢者や障害者に対するこれまでの福祉行政に対して変更を迫るものだと言っても過言ではないと、昨今、言われております。 個人情報の保護に関する法律が平成17年4月に全面施行されて6年が経過をいたしましたが、大まかに解釈すると、同法は個人の権利利益を保護することを主目的としつつも、個人情報の利用によってもたらされる社会全体の利益、つまり個人情報の有効性に配慮することを求めている法律であることが主な目的であるが、法律の施行後、同法の趣旨に対する誤解やプライバシー意識の高まりを受けて、必要とされる個人情報が提供されない、つまり個人情報を保護する側面が強調され過ぎて、有益な活用が行われない、過剰反応と言われる現象が昨今多く見られるようになったと言われております。 先般、小宮山厚生労働大臣は、生活保護受給申請がなかったがために餓死をしたり、孤立したりし、痛ましい事案が発生していることについて、個人情報保護法がつくられた趣旨が、現在は過敏に反応し過ぎて必要な情報が行き来しないことも背景にあるとの認識を示し、個人情報保護法上の問題を提起し、検討していく意向を記者会見で示されました。 東京都中野区では、個人情報保護法がネックになり個人情報が余り利用されず、結果として孤立死を発生させてしまうのではないかとの認識のもとに、平成23年3月に「地域支えあい活動に関する条例」を制定したと報道がありましたので、早速詳細をお聞きすると、地区の会長には個人情報がマル秘で配付されているが、流失し、悪用されることが怖いがために、会長はタンスなどに厳重に保管してしまうケースがあり、必要なときに利用されないなどの弊害があったため、地域審議会を経て個人情報を共有するようにも考えたが、結果として、賛否両論があり決めることができなかったために、住民の代表である議会の議決を経て閲覧できる人を複数人、10人ぐらいだそうですが、定め、さらに秘密を守るため、違反した場合は罰則を設け、位置づけを明確にしたようであります。このことにより、各組長会の意識が盛り上がり、回る人もすっきりした気持ちで対応でき、条例を制定してよかったというのが中野区の事例であります。 孤立死を防ぐためには、個人個人が社会との接点をどれだけ多くつくることができるかや、今、連携先として注目される電気、ガス、水道などのライフライン事業者が孤立防止ネットワークを立ち上げ、電気、ガスなどの担当者が滞納で供給停止になる家庭を訪問、異変を察知すると役所の窓口に通報する。こうした活動に厚生労働省も注目をし、都道府県や政令市、中核市に対し同業者などの連携強化を求める通知を出したが、連携は必ずしもうまくいっているとは限らないようであります。 ある県のLPG協会では、まず困窮者かどうか見きわめるのが非常に難しいし、個人情報保護法の観点からも、すべての顧客情報を提供するのは難しいと指摘しているところもあると聞いております。しかし、孤立対策はこの先一層重要になると考えますし、安否確認を行政だけで担うのではなく、難しい面があるとは思いますが、ライフライン事業者や地域の協力が欠かせないと思います。本市として、実際どのような方法で孤立防止策を行っているのか、また情報提供をどのような形で行っているか、お伺いをしたいと思います。 次に、道路行政と橋梁設置につきまして、第2回目でございますが、旧
県道松本環状高家線を実際に私なりに歩いてみたり、村井駅北側の踏切の交通量を私なりに朝7時から10時までの3時間調査をしてみました。素人ですので、若干誤差はあろうかと思いますが、詳細に調査をしてありますが、時間の関係で詳細は省きますが、おおむね車両は1時間当たり約500台、歩行者が約70人、自転車が50台、バイク10台、また1時間当たりの踏切が遮断される時間は、10回遮断されまして、トータル時間が1時間当たりおおむね20分弱であります。他と比較しておりませんので、多い、少ないはわかりませんけれども、感想としては、自転車とバイクが意外に少なく、踏切の遮断される時間は思ったより長く、多くの車両が遮断の影響を受けていると感じました。 村井駅西側には民家はもとより病院であるとか、デイサービス、パチンコ店、コンビニエンスストア、飲食店、さらに神戸橋の西方、笹賀・神林方面には、松本短期大学、小・中学校、保育園、西南工業団地などが所在しており、大なり小なり、旧
県道松本環状高家線を利用していると思われます。 よって、生活道路としては欠くことのできない重要な幹線道路でありますし、どちらかといえば、先ほど申しました北側に並行して走っている環状高家線よりは生活者に密着したと言っても過言ではない道路であると思いますが、残念なことに、ほとんど全線歩道がないことであります。このような中、松本短期大学では、過去に車と接触する事故も2件ほど発生しているようでありますし、大学では平成19年から交通事故防止や防犯のために、村井駅から大学までシャトルバスを運行しているとのことであります。 なお、道路状況ですが、神戸橋から西方約100メートル区間は特に幅員が狭く、両サイドにガードレールがあるために、車が渋滞しているときには自転車はもとより、歩く人でも通行できないような状況であります。できるところからでも結構ですが、交通安全対策等を早急に実施できないか、お考えをお伺いをしたいと思います。 次に、仮称ですが、村井駅西口設置につきましては、笹賀方面から駅口に行くには、先ほどご答弁ありましたが、北側の踏切を渡るわけでございますが、最長で3分31秒の遮断があります。そのようなことから、ややもすると、乗車ができないことがあるので平田駅まで行くと、一部の人からお聞きをいたしました。今から仮に計画が進んでも、10年、20年の歳月がかかるかと思いますが、地元の一部の方の意見でありますけれども、「今やらなければやるときがない」と言った言葉が非常に印象的でありました。 次に、平田野溝線先の橋につきましては、二子橋、笹賀橋の朝夕の通勤時間帯の渋滞、松本山
雅フットボールクラブの試合終了後の渋滞があるために、その緩和策として橋の設置計画も検討をお願いをしたいと思います。 昨年6月30日の地震では、二子橋が一部損傷し、一時通行どめになりましたし、松本の空の玄関口である松本空港の直行バスが二子橋を通行するようになったことを考えたときに、新たに橋を設置することで二子橋が通行どめになった場合のバックアップ機能を有したり、平田駅からも松本空港に通ずる重要な幹線道路として利用できるのではないかと思います。 しかし、先ほどもご答弁ありましたが、昨今の経済状況、費用対効果などを考えたときには、非常に難しい状況であることは理解をいたしますし、現在のところ全く計画のないことも承知しておりますが、見解をお伺いをしたいと思います。 次に、危機管理の関係でございますが、危機事象が発生しないことが最良であることは言うまでもありませんが、危機はいつ起きるかわからない、それが危機であることから、万が一危機事象が発生した場合に、被害をできる限り最小限にするための危機管理システムづくりが必要であると、一般的には言われております。 これまで自然災害にかかわる危機管理は、地域防災計画をもとに全庁的な防災対策の取り組みが確立されていると考えますが、それ以外の災害事象についても、地域防災計画に定められていたり、別途計画策定がされていると思います。例えば、危機管理の範囲として挙げられる重大事故、これは航空機事故であるとか、危険物の事故、原子力事故など、さらにその他の事故、ノロウイルスなどの感染症、高病原性鳥インフルエンザから新型インフルエンザ、SARS、テロ、武力攻撃事態などが挙げられますが、現在、どの防災計画の策定がされているか、お伺いをしたいと思います。 次に、危機管理部の位置づけについてですが、初動対応の可否が市民の安全が確保できるか否かにかかっていると言っても過言ではないと思います。そのような意味から、前段で挙げた重大事故、その他の事故で所管がはっきりしなかったり、部局が複雑に絡み合っている事故や社会的影響の大きい危機事象が発生した場合、災害対策本部が立ち上がるまで、または立ち上げない事象の危機管理部と他の部との位置づけはどのようになるか、お伺いをしたいと思います。 話は変わりますが、会派政友会で宮城県石巻市に行政視察に行き、津波の恐怖を改めて思い知らされましたが、その中で災害状況対応について視察をしてまいりました。その一つとして、災害対策本部が正常に機能し出したのは、災害発生から6日目ころからだとお聞きをいたしました。職員がおおむね50名殉職をし、市長も出張で当日は不在、その後、災害対策本部のある市庁舎近くまで駆けつけたが、途中、水に阻まれて足どめされてしまったようであります。職員の殉職、市長の不在でやむを得ないとは思いますが、市民3,161名が死亡、行方不明者が793名であったことを考えると、市民から初動対応に問題があったと指摘されてもやむを得ないかと思います。 そこで、このことを本市に置きかえて考えたときに、市長が例えば出張で不在、途中で道路も鉄路も通行どめ、携帯電話は途中まで通話ができたがそれも不能になってしまった。このようなことは考えられるケースだと思います。このようなときに、もし災害対策基本法第60条の避難指示の判断をしなければならないときは、法的には地方自治法第152条により、市長の権限に属する職務を臨時代理させることができると定められており、現在、市長から副市長、教育長ははっきりしていると思いますが、3者が仮に、ケースとしてはほとんどないと思いますけれども、仮にけがや道路の寸断、四賀地区のトンネルの崩壊などで来られなかったりした場合は、だれに委任するかお伺いをしたいと思います。 以上で第2回目の質問を終わらさせていただきます。
○議長(柿澤潔) 堀内建設部長。
◎建設部長(堀内俊男) 〔登壇〕 村上議員の2回目のご質問のうち、3点についてお答えします。 まず、費用負担が少なく高齢の方や障害のある方にも適用が可能な耐震補助制度の創設についてですが、比較的安価で短時間に設置できる方法の一つに、住宅全体を耐震補強し、その倒壊を防ぐのではなく、寝室や睡眠スペースといった部分的な補強を図り、住宅が倒壊しても、安全な空間を確保することにより居住者の命を守るため、1部屋ごとに剛性を確保する耐震シェルターや、鋼鉄製フレームなどで周囲を覆う耐震防災ベッドなどが各社メーカーで製造、製品化されております。そして、東京都や神奈川県など大都市圏を中心に、高齢の方のみが暮らす世帯や障害のある方がいる世帯を対象に、その設置に対して補助制度を取り入れている自治体がございます。また、長野県下でもこの4月から茅野市が初めて単独補助の制度化を図ったところであります。 このようなものの設置につきましては、特に高齢の方や障害のある方のとうとい命を守る観点から、有効な方法の一つであると考えておりますので、現行の補助制度の対象である耐震補強工事よりも費用や労力の負担が比較的少なくて済む他の工事方法によるものも含めて、その需要や効果、費用、財源など、各方面から十分な検証を行い、本市における補助制度の創設について、国・県、他市の動向も注視しながら、検討してまいります。 次に、旧
県道松本環状高家線の交通安全対策についてですが、議員ご指摘のとおり、旧
県道松本環状高家線は、交通拠点である村井駅と笹賀地区、神林地区を結ぶ生活幹線道路であると認識しております。国道19号への接続や近くに塩尻北インターチェンジもあり、交通量も多く、交通事故が発生していることから、何らかの交通安全対策は必要と考えております。今後、地元の皆様のご意見をお聞きし、沿線の土地利用状況を考慮する中で、総合的な交通安全対策を検討し、できるところから対応してまいります。 次に、平田野溝線先線の橋梁設置についてですが、平成23年2月定例会で高山芳美議員へお答えしたとおり、現在、平田野溝線先線の西への延伸計画はございません。本市では、平成22年度におおむね20年後を目標にした総合的な交通計画として、松本市総合都市交通計画を策定いたしました。基本的な考え方として、超少子・高齢型人口減少社会を迎え、過度に車に依存した生活を見直し、公共交通の利用や自転車、歩くことなど、さまざまな交通手段への転換を推進し、すべての人に優しい社会を目指すため、既存道路を有効に活用し、真に必要な幹線道路網の構築を進めることとしております。こうした中で、本路線についても既存道路網において、将来交通量が賄えるかどうか検証したところ、既存道路で賄える結果となりました。 したがいまして、現在の松本市総合都市交通計画においては位置づけをしておりませんので、ご理解をお願いいたします。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 寺沢政策部長。
◎政策部長(寺沢健) 〔登壇〕 村上議員の松本山
雅フットボールクラブの支援についての2回目のご質問のうち、アルウィン周辺の駐車場確保及び渋滞対策、シャトルバスの対応についてお答えいたします。 アルウィン周辺の駐車場につきましては、平成24年2月定例会において大久保議員、上條議員からのご質問に対し答弁をさせていただいておりますが、長野県の施設として、アルウィン及び信州スカイパーク内には約4,600台分の駐車場が確保されています。しかし、アルウィンの客席規模から、県で用意できている駐車場の収容台数では十分な対応ができていないため、現状では、主催者である松本山
雅フットボールクラブにおきまして、近隣企業の協力により約3,000台分の駐車場を確保し、対応している状況でございます。 アルウィン周辺の駐車場の確保及び整備につきましては、本来、施設設置者である長野県の所管でありますことから、引き続き地元市として県への働きかけを行うとともに、主催者である松本山
雅フットボールクラブにも必要な対応を要請してまいります。 駐車場整備につきましては、即時の対応が困難でありますので、松本市としましては、まず駐車場及び交通渋滞の効果的な対応策として、シャトルバスの利用促進を図ることを最優先にして進めてまいります。 6月初旬までのホームゲーム8試合での松本駅及びアイシティからのシャトルバスの延べ利用者数は約2万3,200人、1試合平均では約2,900人と聞いております。昨年と比較しますと、1試合平均でシャトルバス利用者が2倍に伸びており、松本山
雅フットボールクラブのホームページなどでのPRにより、バスへの乗りかえが進んでいるものと考えております。 今後、さらなるシャトルバスの利用促進を図るため、特に松本駅・アルウィン間のバスの輸送力アップと利便性の向上を図り、駐車場及び交通渋滞対策とするとともに、中心市街地への誘客にもつなげてまいりたいと考えております。そのため、本定例会においてシャトルバス増便に伴う経費を予算計上させていただきました。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 吉江教育長。
◎教育長(吉江厚) 〔登壇〕 松本山
雅フットボールクラブを通しての教育について、村上議員のご質問にお答えします。 子供たちにとって、松本山
雅フットボールクラブというプロチームが地元にあることは、一流のプレーヤーが目標に向け日々取り組む姿を目の当たりにできることで、あこがれを抱き、自身の夢の実現に向けて踏み出す大きな力になると考えております。このことは、まさにプロスポーツが持つ魅力であり、多くの子供たちに夢を持つことの大切さや仲間を尊重する意味を伝え、自立心と社会性に富んだ子供をはぐくむために大きな影響を与えるものと考えられます。さらに、家族や仲間同士など地域として松本山
雅フットボールクラブを応援する中で、人と人とのつながりが深まることで一体感が醸成され、地域を誇りに思う気持ちがはぐくまれることを期待しております。 次に、松本山
雅フットボールクラブの支援につきましては、松本山
雅フットボールクラブが地域に根差したチームを目指す中で、これまでホームでの試合のたびに松本市など21自治体の小・中学生への招待券配布を初め、地域貢献活動として保育園児等との巡回ふれあい活動、中学校での進路講話やスポーツ少年団のサッカー指導などを実施してきております。今後も、さらに多くの場面でサイン会や講演活動など、幅広く選手と子供が触れ合う機会を持てるよう働きかけてまいります。 なお、サッカーに限らず、学校の体育競技の充実につきましては引き続き努めてまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 村上議員のご質問の松本山
雅フットボールクラブを活用した観光振興について、現在の市の取り組みについてお答えを申し上げます。 現在、政策部、農林部とも連携しながら、アルウィンで行われるホームゲームだけでなく、アウエーゲームにおいても観光パンフレットや農産物等を対戦相手サポーターに配布し、観光及び農産物の宣伝を行っております。また、福岡、北九州、大分、熊本で行われるゲームについては、九州戦略の一環として、松本観光コンベンション協会と連携し、マスコミや旅行代理店訪問を行うなど、新規顧客獲得に向けての営業活動を行っております。 今後の施策ですが、まずはアウエーサポーターがどの程度宿泊しているか。ゲーム前後に松本城を初めとする観光地を訪れているかなど、サポーターの行動の実態把握を実施したいと考えております。それを踏まえて、中心市街地での回遊や消費を高める方策を検討してまいります。 例えば、市内の宿泊施設では、サポーター応援宿泊プランを提供する取り組みを行っておりますので、ゲームチケットの半券提示で割引サービスを行うなどのサービス拡大を関連団体にお願いしていきたいと考えております。また、松本市の情報をアウエーサポーターに的確に提供するよう、松本山
雅フットボールクラブのサイトとくるくるねっとまつもとや新まつもと物語のサイトを相互リンクさせるとともに、松本市民に対しても対戦相手先の観光を初めとする情報をホームページ等で紹介するなど、都市間相互の交流を図ることも進めてまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 渡辺健康福祉部長。
◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕 孤立死の防止策及び情報提供についてのご質問にお答えをいたします。 最初に、本市の孤立死の防止策でございますが、まずは日ごろからの地域住民の支え合いと要援護者の見守り体制を築くことが重要でありますことから、災害時等要援護者登録制度を活用し、地域内のネットワークづくりを進めてきたところでございます。しかし、議員ご指摘のような事例を踏まえ、本年から新聞販売店や弁当宅配業者と協定を結び、高齢者宅に新聞がたまっている等の異変がある場合は、通報を受けるシステムをスタートさせました。既に、5月末までに4件について通報による安否確認を行い、うち2件につきまして無事を確認し、2件につきましては救急搬送に結びつけることができました。今後、この事業にご協力をいただける事業者をさらにふやしていくことを検討をしております。このほか、あんしん電話による緊急通報に伴う救急活動や、介護保険制度の訪問介護員及び訪問給食サービスの事業者やボランティアによる見守りも行われておるところでございます。 こうした取り組みを連動させながら、行政、地域住民、そして事業者が連携を強めるとともに、緊急時の対応を明確にして、速やかに発見、救出につながる仕組みづくりを進めてまいります。 次に、個人情報の提供についてでございますが、先ほど申し上げました災害時等要援護者登録制度により、地域内での要援護者情報の共有化を進めておりますが、昨年6月30日の地震の反省から、従来からの町会長や民生委員への情報提供に加え、10月から隣組長等までの情報提供を可能とする仕組みといたしました。 取り組み状況でございますが、本年6月1日現在で、11地区59町会で隣組長等まで情報提供しており、また、登録情報をもとに地区独自の方法で隣組や常会等で情報の共有化を進めている地区もございます。このため、まずは登録制度の一層の加入促進を図り、各地区の実情に合わせた情報の共有化を進め、日ごろから地域内の顔が見える関係づくりを進めてまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 牧垣危機管理部長。
◎危機管理部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 村上議員の3点のご質問にお答えいたします。 まず、防災計画についてでございますが、現在、自然災害以外の航空機災害、道路災害、鉄道災害、危険物等災害など、大規模な事故災害について、地域防災計画において応急対策等を定めております。これに加え、地域防災計画を補完する個別の災害対応計画、各種マニュアルを定めております。具体的には、松本市放射性物質事故災害対策指針、災害時医療救護活動マニュアル、災害時要援護者支援プラン、焼岳火山防災計画などでございます。 さらに、ゲリラやテロ、弾道ミサイル攻撃など、武力攻撃事態等に対応するため、国民保護法に基づきます松本市国民保護計画を策定しておりまして、直近では北朝鮮の人工衛星と称するミサイル発射事案につきまして、この計画に基づく体制をとったところでございます。 次に、災害時の危機管理部と他部局との位置づけについてでございますが、まず災害発生時におきましては、各部において被害情報の収集を行い、危機管理部では集められた情報を分析の上、災害初動の体制をとっていくこととなっております。特に、危機管理部がイニシアチブをとり、各部と連携し、災害対策本部設置までの間や災害対策本部設置までに至らない災害事象の対応に当たっております。 最後に、災害対策本部長不在の場合の事務委任についてでございます。 松本市災害対策本部規定では、市長不在等の場合は副市長、教育長の順に本部長の職務を代理することとなっておりますが、それ以降の順番については定めておりません。議員ご指摘のとおり、三者が不在となってしまうような事態はまれで、そのような事態にならないようリスク分散、管理を行っていくことはもちろんのことでありますが、万一に備え、今後、災害対策本部規定の中に明確に位置づけてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 5番 村上幸雄議員。
◆5番(村上幸雄) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきまして、ありがとございます。 3回目でございますので、要望やら思いとさせていただきます。 まず最初に、住宅耐震化でございますが、倒壊、崩壊を生じさせないために、段階的に補強を行う簡易な耐震改修に対する補助制度や、費用負担の問題から全体的な耐震改修が困難な場合に、寝室などの居住空間に限定して一部だけをシェルターのように補強する耐震改修、このことは先ほどご答弁いただきましたが、1階のみを上部構造評点1.0以上とする耐震改修に対する補助制度も必要ではないかと思われます。 段階的に補助対応している事例を申し上げますと、いずれも強化地域であるとか、政令市でありますけれども、大阪市、京都市では、1階のみ耐震基準を満たす工事で補助をしている。東京都墨田区では耐震性が向上する簡易改修でも補助対象。神戸市、京都市、大阪市では、耐震基準の7割以上の簡易改修でも補助対象。名古屋市では、耐震基準を満たす工事を2段階で行う、最初は耐震基準の7割でオーケーだと。川崎市では、最初は1階だけ耐震基準を満たせばオーケーだというようなこのようなところも。このように弾力的に対応している市や区があることを参考にして、今後、研究をしていただきたいと思います。 最後に、耐震改修は建物所有者にとって費用負担が大きいにもかかわらず、補助金の公的支援が一般的には不十分であると言われておりまして、耐震化のインセンティブを強化し、耐震化のスピードアップを図るためにも、費用やまた計画に要する合計額の2分の1の額、これは限度額60万円となっておりますが、国・県の補助制度を活用しながら、予算の範囲内で事業を行っていることは十分承知をしておりますが、財源が確保できるならば、60万円にプラスアルファ分、約20万円ぐらいを一般財源として上乗せできないか、このことについてもちょっと先になりますが、今後、平成28年以降の計画の中で前向きに検討していただくよう要望いたします。 次に、サッカー山雅の関係でございますが、渋滞対策、駐車場につきましては、ぜひよろしくお願いをいたします。 観光につきましては、国においても観光は国家戦略であるという認識に基づき対応しておりますし、言うまでもなく観光による国内外の交流人口の増加は消費をふやし、日本経済を活性化させ、疲弊する地域経済にも貢献すると言われております。 1つ例を挙げますと、平成23年度3月の国内スポーツ観光活性化調査事業報告書によりますと、観光立国推進本部のもとでスポーツを核として観光行動を喚起し、地域活性化につなげるスポーツ観光が重点テーマとして取り上げられております。ヴァンフォーレ甲府と同じような境遇といいますか、環境の中の松本山
雅フットボールクラブは、市民のシンボルとして、地域経済の起爆剤として大きな存在であると思われます。一時の思いでなく、将来を担う子供がサッカーを愛し、将来、松本から有名なサッカー選手が生まれることを夢に見て、他のスポーツにもいい影響を与え、切磋琢磨し、経済も教育も多くの広がりを期待しながら、皆が知恵を出し合って進められる環境になることを要望いたします。 次に、孤立死でございますが、孤立死を防ぐこと、最後は地域住民のつながりではないかと思います。先ほどのご答弁にもありました。私の地元の町会の宣伝をするようで大変恐縮ですが、公民館で月に1回ですが、お茶を飲む会を開いております。平均20人ぐらいが集まりまして、半日歌を歌ったり、世間話をしたりして過ごしております。このことがまさしく地域で考える地域づくりの一例であると思いますし、地域のきずなが生まれ、孤立死、孤独死の防止につながるのではと考えます。 いずれにしましても、第9次基本計画に示している高齢者やその家族が地域で安心して暮らすことができる社会を目指すことが必要であると考えます。本市におきましては、先ほどもご答弁ありましたが、災害時要援護者の登録により実態を把握していると思いますが、登録者は現在まで全体の約半分とお聞きをしておりますので、ご理解を得ながら、多くの登録をしていただくよう要望いたします。 次に、道路行政と橋梁設置についてでございますが、旧
県道松本環状高家線整備につきましては、県より移管されて間もないことでもあり、松本市の道路計画の中での位置づけはこれからだと思います。しかし、地元では長年の懸案であることを考慮していただき、対応していただくよう要望いたします。 村井駅西口につきましては、周辺町会で賛否両論があることは十分承知をしております。地元の理解を得ながら、先を見た対応をよろしくお願いを申し上げたいと思います。 平田野溝線先線の橋梁の設置は、現在の経済状況、費用対効果を考えたときには非常に難しい状況であることは大変理解をしております。時として政治は夢も必要であると考えます。私はまだ政治を語るには10年早いと思っておりますが、将来に向けて明るい展望になるよう要望いたします。 最後に、危機管理でございますが、災害対策本部長の代理についてご答弁をいただきましたが、石巻市の事例から携帯電話などの通信手段が断たれている中、出張中の市長が市役所と重要な連絡をとらざるを得なくなった場合を考えますと、確実に連絡のとれる衛星携帯電話の利用は大変有効であると思いますし、危機管理の観点からも携行について、さらに検討していただき、正確な情報伝達ができるよう要望いたします。 参考ですが、DMAT隊、これは医療編成チームでございますが、今、11病院27隊すべての隊に、県より衛星携帯電話が支給されていることを申し添えます。 先ほどの危機管理の質問とは異なりますが、東日本大震災もこの3月11日で1年が経過をいたしました。いまだ行方不明者の方々が3,000名以上いる今日、一日も早く発見され、家族のもとへ帰れることを願わずにはいられません。寺山修司は「思い出の歴史」と題する詩に「定義に当てはまらない異形の歳月であった」と記しております。復興の遅々たる歩みを思えば、時計の針は前にも後にも進んでいない。時計の針が前に進むと「時間」であり、後に進むと「思い出」であるが、震災地方はいまだ午後2時46分を指して時計はとまったままであると。石巻市が自力で処理するのには106年分の瓦れきが積まれております。これは一般論ですが、すべての都道府県で少しずつ引き受ける総力戦以外に解決の手だてがありませんが、汚染の危険がゼロでないのだからという、受け入れ側の拒否反応もあって、瓦れきの処理は進んでおりません。きずなという言葉は心にしみるすばらしい言葉ですが、きずなを語るならば、お互いさまの心、日本人としてもう少し理解が必要ではないかと思う昨今であります。 最後に、行方不明者の母に岩手県宮古市の当時4歳児が書いた手紙を紹介して終わらさせていただきます。「ままへ。いきているといいね。おげんきですか。」、この手紙は震災に遭ったすべての方々の気持ちを代弁しているような気がいたします。一日も早い復興を願う日々です。 以上ですべての質問を終わらさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 以上で、村上幸雄議員の質問は終結いたします。 昼食ため暫時休憩いたします。 再開は午後1時といたします。 午前11時34分休憩
----------------------------------- 午後1時再開
○議長(柿澤潔) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 15番 宮坂郁生議員。
◆15番(宮坂郁生) 〔登壇〕 発言の機会をいただきましたので、政友会を代表し、村上幸雄議員に続き、通告に従い質問をいたします。 市長3期目のご当選おめでとうございます。いよいよ3期目のスタートであります。3Kプランを初め健康寿命延伸都市・松本を市政の根幹に据え、2期8年にわたっての市政運営が市民に評価された結果と受けとめております。今後の松本市の将来に向けて、これまで取り組んできた重要施策を発展的に継承するために新たな視点に立ち、5つの大きな柱を改めて総点検し、それぞれ健康寿命延伸都市と関連づけて、市政運営に邁進する決意には、大きな期待をするところであります。 3期目のキャッチフレーズを、「高めよう『命の輝き』、広げ、強めよう『人の絆』」としています。市長におかれましては、健康にご留意され、市政運営に当たっていただきたいと思います。 昨年発生した東日本大震災や松本震災からはや1年がたちましたが、その後も地震は日本列島を覆うように連続して発生しています。こうした状況の中、松本市では、昨年の教訓を生かして、想定される災害に備え防災マップの見直し、防災備蓄倉庫など着々と整備計画が進められております。平成24年度予算の防災、減災対策事業では、巨大な災害や特殊な災害への備えと対応策を充実していくための3事業に3億2,472万円が計上されています。地域防災計画の見直し462万円、同報系防災行政無線整備3億1,074万円、震度計整備937万円が上げられております。いつ起こるかわからない災害に備え、事務・事業の早い執行を望みたいと思います。 それでは、質問に入ります。危機管理・防災対策についてであります。 公共施設の空きスペースを活用した地域ごとの防災備蓄倉庫についてであります。 防災備蓄倉庫については、従来、学校施設など学校区単位で空きスペースを利用し、防災備蓄倉庫として整備をし、利用しておりました。平成23年度に設置した中型備蓄倉庫を補完するために、今回6月補正では、小型備蓄専用倉庫6棟を設置する予算が599万円計上されております。 小型備蓄専用倉庫は、他の拠点から離れた場所をカバーするための専用施設で、幅6メートル、奥行き2.4メートル、高さ2.4メートルのサイズのものですが、この大きさであれば、さらに多くの場所に設置可能かと思われますが、今後、増設する考えがあるか、お尋ねをいたします。 また、各町会、各自主防災会が備蓄倉庫を整えるために相当額の資金が必要であり、資金調達に苦慮している町会等の負担軽減のためには、公共施設の空きスペース、管理面の問題もありますが、有効に活用するなど工夫も必要と考えます。対応についての考えをお伺いいたします。 次に、自主防災会への資材・機材の補充は十分かについて伺います。 昨年、東日本大震災や松本震災以降、市内各町会においては防災訓練が実施されております。震度5強による被害を受けて地震の恐ろしさを実感した市民も多く、地区の防災訓練にも一段と熱が入っているように思えます。本市の自主防災組織、平成21年6月改定版には、防災資材・機材の整備についての補助制度の概要及び補助金交付要綱が示されております。各自主防災会では必需品の調達に年数がかかり、また予算的な問題も多く想定される中で、災害に備えて一日も早い対応を求めております。平成23年度においても、当初予算に加え、追加補正予算により対応し、補助金交付申請額を処理したと聞いております。補助率の引き上げなどを含め、今後の対応等についての考えをお伺いいたします。 次に、避難場所・一時避難場所となっている地域の町内公民館建物の耐震補強の状況についてであります。 平成23年9月定例会で、上條 温議員が町内公民館の耐震化の推進で、改築や耐震補強について、現行制度のほかに別枠の補助制度を創設する考えについて質問をしております。教育長答弁では、現行制度の中では、一般改修を含め補助金を交付している。地震を経験する中で、耐震補強工事の必要性については重要課題であると再認識をしている。地震警戒地域における他都市の補助制度等を参考にしながら、研究していきたいとしております。今回の私の質問では、一部重なる部分もありますが、再度質問をいたします。 耐震補強の現状について、耐震診断済みは何%あるか。補強が必要な町内公民館はどのくらいあるのか。現状の補助制度に加え、老朽化した町内公民館の耐震補強工事について、危機管理面での新たな制度の検討も必要と考えますが、対応についてお伺いをいたします。 次に、地域防災行政無線整備についてであります。 旧松本市域における同報系無線の整備及び合併5地区の同報系無線と統合を行うとして、6月定例会に提案の補正予算、工事請負費、平成24年から平成26年でありますが、11億469万円、工事管理委託料、平成24年から平成26年、682万円、合計12億151万円の債務負担行為を設定するとしております。市民に災害などの情報提供するための重要な施設整備であり、一刻も早い整備が必要であります。 そうした中、梓川地区の防災行政無線は旧村時代に設置された施設であり、場所によっては聞こえない区域があるとの声も寄せられているため、今回の整備にあわせ屋外スピーカーの再点検の必要があると考えます。対応についてお伺いをいたします。 次に、行政改革に伴う支所機能の見直しについてであります。 行政改革に伴う支所機能の見直しについては、平成21年に4支所機能の見直し、平成22年に5支所機能の見直し、平成23年8月には、5支所庁舎の活用基本方針が地域審議会、地域協議会へ示されており、今後検討していくとしています。現在、合併地区の支所職員は多いところで40人ほどおりますが、市では平成25年4月までに、原則として他地区の支所、出張所並みの5人から7人程度に減らす方針で、さらに空き室がふえることになります。 支所の空き室の有効活用については、今後検討していく考えが示されていますが、その後、どのように検討されているかをお伺いいたします。 活用の検討課題として挙げられている内容は、支所管内に施設を新設する場合は、支所管内の老朽化した施設、公共団体等への賃貸の検討と、現地機関の設置などが挙げられております。また、支所庁舎の空き室を地域住民のフリー広場として、地域住民が予約なしで、個々に自由に利用できる対応も考えられますが、いかがでしょうか。 各支所内には、市営施設が数多くあります。現在、支所担当課が貸し出し、管理運営等を行っております。職員数が大幅に減少となることから、施設利用者への管理委託など、早い段階での取り組みが必要と考えます。現在の取り組み状況と今後の対応についてお伺いをいたします。 次に、教育行政についてであります。 教育支援「学費助成奨学金」について、高校授業料無償化については既に実施されており、松本市においては、市育英資金奨学金として公立高校生には月額7,000円、私立高校生には月額1万円の貸与があります。学ぶ意欲のある子供たちが金銭面など家庭の事情で大学、短大、専門学校等への進学をあきらめるケースがあると聞いております。しかし、援助を受けることにより、希望する大学や短大、専門学校等へ進学するケースもあるようであります。将来を担ってくれる若者に対する支援は、行政として取り組むべき重要課題ではないでしょうか。高校生への奨学金制度の拡充、増額について、大学生等への市独自の支援制度の創設などについての考えをお伺いいたします。 次に、本年度から新学習指導要領により武道が必修化いたしました。平成20年に改訂された学習指導要領に基づき、平成24年度から中学1年生・2年生で武道、これは剣道、柔道、相撲がありますが、選択をしていくということになっております、が必修科目となっておりますが、指導者の経験の問題について保護者からは心配の声が上がっております。 県教育委員会の調査では、県内186校のうち、柔道のみを選択する方針の学校は41校、柔道と剣道の両方を選択したのは18校で、合計59校が柔道を取り入れるとしていますが、市教育委員会としては現状、どのような指導をしているのか。また、市内中学校の選択の状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。 次に、東日本大震災被災地支援、震災瓦れき処理受け入れについてであります。 東日本大震災における被害状況と現状について、去る4月15日から17日に、会派による宮城県石巻市の被災地の現地視察調査を行いました。その状況を少し述べさせていただきます。 宮城県石巻市は、面積555.78平方キロメートル、人口約15万6,000人で、県内第2の都市であります。平成23年3月11日、午後2時46分ころ、マグニチュード8.8、国内史上最大の地震で大きな被害が出ました。まず、被災地の状況について、一般市民の撮影したビデオを見ながら説明を受けました。ビデオ映像からは、当時の生々しい自然の威力、津波の怖さを身をもって感じ、絶句したところであります。浸水面積73平方キロメートル、市域の13.2%で、平たん部の30%が浸水、死者3,161名、行方不明者793人、施設被害は港湾・水産関係が多く、農業関係にも塩害による被害が多いとの説明がありました。また、住宅家屋被害は53,742世帯で、全壊が2万2,357戸、半壊が1万1,021戸、一部半壊が2万364戸であり、応急仮設住宅も134団地に7,297戸が完成しており、順次入居しておるとのことであります。 問題となる震災瓦れきは616万トンで、106年分相当量で、一時仮置き場は23カ所で95ヘクタールを確保しているとのことでありました。また、現地の確認では、被害の大きかった門脇地区の小学校、南浜町地区の市立病院、魚町地区の港湾施設、大橋地区の仮設住宅を初め、市内各所を回り、被害状況の説明を受けました。既に公共施設や民間の大型施設を残して処理されておりましたが、報道等からだけではわからなかった被害のつめ跡の大きさに改めて胸が締めつけられました。公共施設の石巻市立病院は、旧北上川沿いの南浜町にあり、医療検査機器類はすべて塩害により全滅、また門脇小学校は津波と火災により、これまた全滅となっております。 被災地の市民の声を紹介いたします。「きのうまであった日常が一瞬にして消え去った。それでも夕日がこのまちを包むように希望はそばにあることを忘れないでいたい。」「地震にも津波にも、そしてこれから来るであろうどんな困難にも負けない礎を市民とともに築いていきたい。」「被害が甚大だった石巻にとって、全国の皆さんの応援が私たちの力になっています。」などと語ってくれました。悲しみに負けず、市民全員がゼロからスタートしようとする熱意が伝わってまいりました。 こうした体験を踏まえ、震災瓦れき処理受け入れについては、昨年12月の一般質問で、宮下正夫議員が松本市として震災瓦れき受け入れ処理に用意があるかとの質問に、理事者からは、受け入れを検討するに当たって5つの問題点を挙げ、これらの問題点が解決できれば受け入れは可能としています。また、震災瓦れきの受け入れについての新聞報道では、被災地で大量発生した震災瓦れき処理に協力するかどうかで、松本・木曽地域16市町村長の考えが揺れていると記されており、あらゆる前提条件を慎重に見きわめようとする姿勢が全員に共通しているとのことであります。 5つの問題点の検討はどうなったのか。また。原発事故による放射能被曝の対応について、貴重な体験をしている市長の立場から、震災瓦れき受け入れに対する考えをお伺いをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。
○議長(柿澤潔) 菅谷市長。
◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 宮坂議員の震災瓦れきに関するご質問の中で、受け入れに対する考え方についてお答えいたします。 震災瓦れきの処理につきましては、東日本大震災からのいち早い復興を促進するために不可欠なものであり、被災地以外での都道府県で広域処理を行うなど、さまざまな形で日本全体が協力をしていく必要があることは十分承知しております。しかし、今回、国が広域処理を要請している瓦れきは、震災瓦れきという表現は使っているものの、そもそもホットスポットなどによる放射性物質を含む可能性のある原子力災害を複合した瓦れきであり、純粋な自然災害によるものとは異なることを十分認識する必要があります。 通常放射能汚染防止対策の実施に際して、最も注意すべきことは、放射性物質を遠隔地に拡散させないことであり、広域処理を行う場合には、放射性物質を含まない廃棄物に限定するなど、国民の安全・安心を確保することが大前提であると考えております。 そこでまずは、国が主体となって、それぞれの被災地域で廃棄物の一部を実際に試験焼却を行った上で、排ガス及び焼却灰中のセシウムなどの放射性物質の測定を行い、詳細なデータを示し、安全性の面から受け入れ自治体の住民の理解を得ることが必須であると考えております。このように、とりわけ原子力災害に派生する問題につきましては、行政としても住民の皆様にきちんと納得いただけることが不可欠であると認識しております。 なお、受け入れ条件等につきましては、担当部長から答弁させます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 牧垣危機管理部長。
◎危機管理部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 宮坂議員の危機管理・防災対策に関する4点のご質問について、順を追ってお答えいたします。 まず、専用備蓄倉庫の整備状況についてお答えします。 専用備蓄倉庫の設置は、今年度の小型備蓄倉庫の整備で終了する予定でございます。合併5地区における支所の庁舎への備蓄を加えますと、中型、小型で21カ所となります。これにより、市内の中学校区にほぼ1カ所の整備が完了することとなります。 次に、各町会の防災備蓄倉庫整備と補助制度について一括してお答えします。 昭和56年に開設しました松本市自主防災組織防災活動支援補助金制度につきましては、菅谷市長公約の3Kプラン「危機管理」における地域防災力向上策としまして、地域のご要望におこたえし、制度の拡充を行ってまいりました。その内容としましては、平成18年度は世帯数に応じた補助限度額の増、平成19年度は補助対象品目の拡充、平成20年度は再交付に必要な経過年数を5年から3年へと短縮いたしました。 そこで、各町会の防災倉庫につきましては、平成19年度に行いました対象品目の拡充の際、防災倉庫設置工事につきましても、補助対象とさせていただいたところでございます。各町会、自主防災組織における備蓄品の管理や災害発生時の使用を考えますと、公共施設の空きスペース活用よりも、町会内の最寄りの場所に備蓄していただくことが最も望ましいと考えております。 次に、この補助金制度につきましては、3年間の限度額の範囲で毎年継続して利用できることや、補助金交付の翌年から3年経過すれば、新たに再交付が可能となるなど、本市の制度は県内他市と比べましても、補助率、上限額など、最も充実した制度となっております。 なお、過去3年間の本補助金の交付実績は、平成21年度は77件、1,095万円、平成22年度は83件、1,146万円、平成23年度は121件、1,641万円となっておりますが、いまだ78団体がその制度を活用していただいていない状況もございますので、当面は現制度を継続してまいりたいと考えております。 次に、町内公民館の耐震補強についてお答えします。 現在、町内公民館は493町会に525館ございまして、このうち昭和56年に改正されました新耐震基準以前に建設された町内公民館は176館で全体の33.5%となっております。この176館のうち、町会一時集合場所として指定された町内公民館で、公費負担による耐震診断を行う住宅建築物耐震改修促進事業を利用した館は、平成23年度末で30館となっております。 町内公民館の整備につきましては、教育委員会所管の町内公民館整備補助金制度があり、過去3年間で134件の補助実績がございますが、このうち耐震補強に利用いただきましたのは7件にとどまっております。町会一時集合場所は、町会内居住者の安否確認、救助活動を行う町会自主防災組織の防災拠点でもありますため、耐震化が進まない状況について分析をした上で、有効な耐震化促進策につきまして検討してまいります。 次に、同報系防災行政無線の整備についてお答えします。 本市では、緊急災害情報等を市民へ的確かつ迅速に伝達する手段の一つとして、旧松本市域に未整備でありました同報系デジタル防災行政無線を整備し、合併5地区に整備済みの同報系防災行政無線との統合を本年度から平成26年度までの3カ年で進めてまいります。梓川地区の同報系防災行政無線は、村当時、平成10年度と平成11年度の2カ年で、屋外拡声子局19局及び各戸への戸別受信機の設置が行われたもので、現在は親局及び屋外拡声子局について定期的なメンテナンスやバッテリー交換を行っております。 屋外スピーカーが聞こえない地域への対策としましては、今後、合併5地区の実態調査について検討してまいります。 なお、今月から緊急速報メールサービスを行う携帯電話会社が、NTTドコモに加えauとソフトバンクに拡大いたします。当面は、緊急速報メールサービスの活用や松本市のメール配信サービスであります松本安心ネットへの加入、テレビやラジオなど、複数の情報伝達手段の積極的なご活用についてお願いを申し上げるものでございます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 高山総務部長。
◎総務部長(高山満) 〔登壇〕 宮坂議員の5支所の庁舎の空きスペースの活用についてお答えを申し上げます。 支所庁舎の空きスペースの活用につきましては、支所管内に施設を新設する場合や老朽化施設の更新の場合、支所内への設置、移転を検討すること及び公共的団体への貸し付けを検討するという活用方針を平成17年に定め、これまで各支所において検討してきておりますが、なかなか進まない状況でございます。 そこで、平成22年度に策定をいたしました第6次行政改革大綱におきまして、本庁から遠隔地域にお住まいの皆さんの利便性向上を図るとともに、より迅速な現場対応が可能となるよう、本庁組織の現地機関を支所庁舎の空きスペースに設置をし、要員を配置して活用を図ることも検討してまいることといたしました。 この方針にのっとり、梓川支所の活用例を若干申し上げますと、現在、庁舎2階は社会福祉法人中信社会福祉協会及び成年後見支援センターの事務室として活用をいただいております。また、平成25年度からは、農林部の現地機関を設置することについて、現在検討をしているところでございます。また、その他の空きスペースの活用につきましても、現在鋭意検討を進めております。 次に、議員ご提案の地域住民のフリーの広場としての活用についてでございますけれども、気軽に地域の皆さんが集い、談笑するようなフリーの広場的な活用につきましては、支所庁舎のロビー等の空きスペースを活用することも含めまして、今後、地域協議会等とも相談を申し上げながら検討してまいりたいと考えております。ただし、各地区の皆様が会議等に活用するという場合には、ぜひ地区の公民館をご活用いただければと考えております。 次に、各支所管内の市営施設についてでございますが、ご発言のとおり、支所管内の施設につきましては、現在、各支所が本庁担当課とともによりよい施設運営を目指しまして、指定管理者制度の導入等、管理形態等の検討を進めているところでございます。これら支所管内の施設につきましては、平成25年7月から支所機能が縮小されますことから、施設のあり方も含め管理形態等につきまして、現在、支所と本庁担当課で検討を進めているところでございます。これらにつきましても、地域協議会等の皆様とも十分ご相談申し上げてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 吉江教育長。
◎教育長(吉江厚) 〔登壇〕 宮坂議員の2点のご質問にお答えします。 初めに、奨学金等の松本市の支援制度についてお答えいたします。 松本市では、経済的な理由により就学が困難な学生に対し、教育の機会を確保する観点から、昭和41年度より松本市育英資金奨学金として、先ほど議員が言われたとおり、高校生に対し国公立の場合、月額7,000円、私立の場合、月額1万円を貸与しております。高校生を対象としたこの制度は、松本市民となり市内企業に就職した場合は、貸与した奨学金の償還を免除することとしております。奨学金の増額については、平成22年度から高校の授業料が無償化されたこともあり、家庭での負担が軽減されておりますので、現状でご理解いただきたいと思います。 また、大学、短大、専門学校への進学に伴う支援対策につきましては、高校への進学と違い、家庭の状況を踏まえた上で、自分の意思に基づいていること、及び独立行政法人日本学生機構等の支援制度もありますことから、大学生等への市独自の奨学金制度は設けてはおりません。しかし、今後、大学等への進学者にも高校生と同様の支援制度を創設し、奨学金償還の免除を適用することで、地元に戻る若者の増加も期待できることから、県や他の自治体の対応を注視しながら、大学生等に対する市独自の支援策等の必要性について研究してまいります。 次に、市内中学校の武道必修化の状況についてお答えいたします。 市内の中学校の武道の選択状況についてですが、市内20校のうち柔道を選択した学校は2校、うち1校は柔道と剣道の両方を学年を変えて行う学校でありました。他18校はすべて剣道を選択しており、相撲を選択した学校はございません。 議員ご指摘のとおり、柔道の必修化に伴って事故やけがを心配する声があります。このため、松本市教育委員会としましては、柔道を行う学校に対し、県教育委員会から示された中学校武道必修化への対応や柔道学習指導の手引「けがをさせない指導法」をもとに、安全に配慮して取り組むように指示をしております。さらに、指導教員には、指導力向上を目指した研修への参加を求めております。 安全面への対応として、具体的に申し上げますと、柔道の授業では、打ち込み用のマットを準備すること、受け身の練習を十分行うこと、かけるわざも難易度を低いものから次第に高くしていくこと、投げわざを制限すること、成長段階や個人差を踏まえて段階的に指導していく、などを行います。指導者につきましては、一定の指導歴を持つ有段者の教員の指導や、体育教員と一緒に外部指導者が授業に加わって指導を行うなどしています。 これからも、柔道、剣道の種目を問わず、どの学校におきましても、安全に武道の授業が進められるように支援していきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 武井市民環境部長。
◎市民環境部長(武井保典) 〔登壇〕 初めての登壇でございますので、よろしくお願いいたします。 宮坂議員の震災瓦れきの5つの問題点の検討に関するご質問にお答えをいたします。 旧松本西部広域施設組合では、昨年4月に環境省から長野県を通じて行われた受け入れ条件に係る調査に対しまして、町会及び組合議会の了承を得た上で幾つかの条件が整えば、受け入れが可能であるとしておりました。 その条件は、1つ目は、破砕処理が必要な廃棄物については処理能力及び受け入れピットに余裕がないため、直接処理できる生ごみなどの生活ごみに限ること。2つ目は、放射性ヨウ素、セシウムなど及び塩分、土砂が付着したものは安全上及び施設の耐久性などの理由により受け入れができないこと。3つ目は、これまでの最大焼却量等を考慮すると、受け入れ量は1日20トンが限度であること。4つ目は、焼却灰の処理方法が不確定であること。5つ目は、平成24年度以降は塩尻・朝日衛生施設組合との共同処理が始まり、処理量に余裕がなくなることの以上の5点でございます。これは、本年3月までの受け入れ条件でございまして、現在の受け入れ条件ではありません。 したがって、本年4月以降につきましては、塩尻・朝日衛生施設組合との共同処理が始まっておりますので、処理能力に余裕がない状態でありますことから、残念ながら、受け入れはできません。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 15番 宮坂郁生議員。
◆15番(宮坂郁生) 〔登壇〕 それぞれ答弁をいただきました。2回目の質問をいたします。 まず、危機管理・防災対策についてでありますが、町内公民館の耐震補強について、診断状況につきましては説明をいただき、理解ができました。また、町会の一時集合場所につきましては、自主防災組織の防災拠点であるため、耐震化が進まない状況を分析した上で、有効な耐震化促進対策について検討をしていくとの答弁をいただきました。ぜひ早い時期の検討をお願いをしたいと思います。また、各町会とも財政的に大変厳しい状況にありますので、耐震補強のために、今後制度の継続はもちろんでありますが、新たな制度の検討もぜひお願いをしたいと思います。 次に、行政改革に伴う支所機能の見直しについて答弁をいただきました。支所の空きスペースの活用につきましては、現状と対応の考えについて詳しく答弁をいただきましたが、梓川支所空き室の使用についての現地機関の設置につきましては、検討中ということで答弁をいただきましたが、平成25年4月から実施ということになりますと、残りが9カ月となっております。一日も早い段階での結論をお願いしたいと思います。 次に、教育行政についてであります。それぞれ現状と対応につきまして詳しく答弁をいただきました。大学生等への支援制度の創設の必要性につきましては、検討をしていきたいという答弁をいただきましたので、さらに検討をしてぜひ制度の創設等につきまして、お考えをいただくように要望をしておきたいと思います。 また、柔道での事故防止対策については、十分な指導力の向上と研修会等への積極的な参加をお願いをしたいと思います。 次に、被災地支援瓦れき処理受け入れについてでありますが、基本的な考え方につきましては市長から答弁をいただきました。理解ができました。 5つの問題点の検討につきましては、部長から答弁をいただきましたが、現段階では受け入れできない旨の答弁であり、支援は難しい実情にあると理解せざるを得ないと思います。また、一日も早い復興のために被災地支援瓦れき処理受け入れについては、何らかの形で全国民が協力していく必要があると考えます。政府の原発に対する説明不足、情報伝達のおくれが復興のおくれにも影響しておることは、ご承知のとおりであります。市としても、今後、県や国の動向を見ながら、引き続き対応の検討をいただきたいと思います。 以上、それぞれ答弁に対しての意見、要望を申し上げましたが、これをもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 以上で、宮坂郁生議員の質問は終結いたします。 続いて、14番 忠地義光議員。
◆14番(忠地義光) 〔登壇〕 忠地義光でございます。翠政会を代表しまして、阿部功祐議員、青木豊子議員、芝山 稔議員とともに市政一般に対して質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず初めに、それぞれの議員からお祝いを述べられたわけでございますけれども、改めて菅谷市長、もう3カ月がたったわけでございますが、3期目のご当選おめでとうございます。また、市長日程を拝見しますと、日々多忙なる毎日であります。どうかご身体ご自愛いただきまして、健康にご留意され、市政発展のためご尽力くださいますようお願いいたします。 さて、選挙前、菅谷市長支持率アンケートということで、これは平成23年12月の信濃毎日新聞社の世論調査でということでございますが、86.4%という菅谷市長に対しての今までの市政に対しての支持率、それほどよかったわけでございます。86.4%という数字は、私ちょっと全国の2期8年間在職された市長の中で、これまでのところ、これほどの高支持率を得た人はないではないかと、こう思うわけでございます。 そういうことで、今回の選挙、ともすると、この高支持率で対抗馬が出れない状況になってしまった、そういうこともあるんではないかと思います。本来なら、選挙は複数、大勢の方が立候補しまして、市民は松本市の今後のあるべき姿をどのように立候補者が掲げているか、そのマニフェストを見たり、また政策を聞きまして、じかに会話をしまして、候補者の選択をするところでございますけれども、今回は無投票当選ということで、それがかなわず、市民の皆さん、また合併地区も含めてでございますけれども、各地区から残念がる声が多く聞かれました。 それは各候補者でもありますが、菅谷市長の生の声を聞く機会がなかったというようなことで、本当に菅谷市長の生の声を聞きたかったというような、そういうことだと思います。ぜひ機会を見て、また合併地区も含め出向いていただいて、生の声を聞かせて、市政運営を語っていただきたいと、かように思います。よろしくお願いします。 そこで、お伺いしたいことは、市長はたびたび20年先、30年先、100周年記念のときには100年先の人たちに、市政の継続性ということを掲げてやっていくというようなことをたびたび語っておられるわけでございますが、3期目に対しまして市長、30年後、また100年後の松本市のあるべき姿をどのように描いておられるのかと、こういうようなことを語っていただければありがたいかなと思います。よろしくお願いします。 また、2点目としまして、信濃毎日新聞社のアンケートの結果では、経済活性化対策、農業と商業と工業、観光振興などについてでございますけれども、直接関係する商工自営業と農林業に携わっている6割の人が余り評価をしないというような回答が出ているわけでございます。この分野に対しまして、今後、4年間でどのような振興策を図られていくのか、分野別にできたらお伺いをいたします。 3点目としまして、合併後、波田・梓川地区は多少人口もふえているわけでございますが、四賀・安曇・奈川地区においては、人口減少が顕著に見られるわけでございます。これらの地域に何とか若者が定住できるような、そういう就労の場、環境整備、活性化対策をどのようにお取り組みをされていくのか、お伺いをいたします。 次に、一極集中型行政運営ということでお伺いしたいと思います。 現在、東京都には日本の人口の10分の1が集中していることは皆さんも承知のとおりでございますし、国の関係省庁を初め多くの大企業の本店も東京都に集中しており、各道府県、市町村は予算獲得のために中央、霞が関のほうへ要望・陳情活動を重ねているのが現実であるわけでございます。同じ事業の予算獲得でも年に1回や2回の要望・陳情よりは、やはり回を重ねたほうが優先度が高くて、はるかに書類が上に上がる、優位になるというようなことが言われておるわけでございますが、そういう中で、各市町村の長も霞が関の中央へ足を数多く運んでいるのが現状であるような気がするわけでございます。 これは各道府県、各道府県知事も同じことを行っているとは思いますけれども、そこで市長は各自治体のこのような現実をどうとらえられておるのか。また、東京一極集中型行政を是正するため、地方分権や道州制などが論議されておりますが、これらのことをどう考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、危機管理面でお願いしたいと思いますが、焼岳噴火の想定と避難訓練についてであります。 皆様もご承知のとおり、大正4年6月に大噴火を起こしまして、その後、昭和37年6月にも爆発をしたわけでございます。大正の大爆発では溶岩、また土石流が梓川をせきとめたというようなことで、大正池ができたことはご承知のとおりでありますけれども、このときの土石流は、向こう側にあります霞沢岳ですが、そちらの山のふもとまで行って帰ってきたというような大きい、約10万立方メートルというような土石流が押し寄せたと言われておるわけでございます。また、噴煙については、上空30メートルから5,000メートルまで達したということで、これは後の憶測でございますので、実際にはどの辺まで上ったかはわかりません。しかしながら、奈川地区まで小粒の石が飛んできたということは、ずっとお年寄りから聞いているわけでございます。 このような大噴火が起きるということは想定されるわけでございますけれども、大正4年から97年がたちまして、100年でございますが、また昭和37年からは50年がたっているというふうなことでございまして、地震もいつ来るかわかりませんが、焼岳は活火山でございます。再びいつ大爆発を起こすか想定できませんが、万が一の場合の対策は常に心がけておく必要があるわけでございます。この万一の場合に備えて、現在の調査方法、また事前の予知の対策、災害時の入山者への周知、また上高地の住民の人たち、旅館、ホテル、ペンションを含めてですが、また入山している登山者への避難、また各省庁との連絡、応援、また協力体制、また支援をしていただくための体制などについて、現在どのようなお取り組みをされているのか、お伺いをいたします。 次に、白骨温泉の通称「隧通し」と呼ばれているところでございますけれども、この上流斜面の崩落防止についてお伺いします。 隧通しとは、白骨温泉の市営の露天風呂があるわけでございますが、そこの下流にあるわけでございます。そこが河川によって岩盤が浸食されまして、自然なトンネルができているわけでございますが、そのところを隧通しというわけでございます。上部には市道があるわけでございます。地元白骨温泉町会では、以前より隧通しの上流斜面が雨水等の浸水やまた凍結等による押し出し、また風化による、風等ですけれども、風水害ということですが、それの崩落を危惧しているわけでございますが、市長にその防止策を要望しているわけでございます。 市長もご承知のとおり、地元の安曇自治区長とまた白骨温泉町会長、また白骨温泉旅館組合長とともに、国土交通省北陸地方整備局の松本砂防事務所長あて、また長野県建設部長あてに、この崩落防止対策に関する要望書を提出しておるわけでございます。地元としては、この箇所が一たび崩落して、この隧通しが、下のトンネルが閉鎖したというような場合には、自然ダムとなりまして、大規模な土砂災害の発生につながるということで、大変その危険性を危惧しているわけでございます。そして、白骨地区の本当に死活問題になるとまで言っておりまして、一刻も早い対応を願っておるわけでございます。そこで、この崩落防止対策についての見通しについてお伺いをいたします。 次に、スーパー林道奈川安曇線のうちB線、B線というのは鈴蘭から白骨温泉間を指しているわけでございますが、この通年利用、通年通行についてお伺いします。 県道白骨温泉線の上部、温泉のすぐ下でございますけれども、その下の部分はZカーブというふうなことで、大変以前よりドライバーさん、また特にバスの運転手などには敬遠されておりまして、恐れられていた危険箇所でした。そうはいいましても、本当に市長初め各関係各位のご努力によりまして、平成21年5月よりこの部分の工事に着手されまして、本年11月31日に完成ということで、本年12月1日より通行可能とのことでありまして、今までの関係された皆様に心より感謝申し上げる次第でございます。 白骨温泉協会、旅館、ホテルの皆さんは、本当にこの工事期間4年間ということでございますが、通年にわたりまして県道白骨温泉線が利用できず、観光客の呼び込み、また確保に一苦労、人一倍ご苦労があったことと考えられますが、あと6カ月間、何とかしのげれば、本年12月1日の開通ができるというふうなことで、本当に開通した後は喜びもひとしおであろうと思います。 そこでお伺いしたいと思いますが、この県道白骨温泉線が通行可能というようなことになるわけでございますけれども、その後、12月にはもう乗鞍高原のスキー場もスキー場開きも行われまして、スキー客、また観光客でにぎわうわけでございますが、そのときにやはりスーパー林道、この白骨温泉から鈴蘭間というのは、大変最短距離で結んでいるということで、観光客、またスキー客には近い道ということで、本当に通年、通行可能でぜひ確保してもらいたいというのが地元の要望でございますが、これは県道白骨温泉線が開通された後も、ぜひスーパー林道B線も通年開通していただけるかどうか、お伺いをいたします。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(柿澤潔) 菅谷市長。
◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 忠地議員のご質問のうち、30年後、また100年後の松本市のあるべき姿に関するご質問についてお答えをします。 まず、松本市の将来像を考えるに当たり、その基本に人口構造を踏まえることが極めて重要であると考えております。国立社会保障・人口問題研究所が平成22年の国勢調査結果を基に推計した日本の将来人口は1億2,806万人から、50年後の平成72年に8,674万人、7割弱にまで減少する反面、65歳以上の人口割合は一貫して上昇し、16.9ポイント増の約40%になると試算しており、またこのまま推移すれば、100年後には人口半減社会を迎えるとも言われております。 そうした社会の大きな流れをとらえ、松本市では時代を先取りする成熟型社会の都市モデル健康寿命延伸都市・松本の創造を市政運営の大きな柱に据え、その実現に向けた取り組みを目下進めているところでございます。 本定例会冒頭の提案説明でも申し上げましたが、私がこれまで一貫して取り組んでまいりました市民の命を守ることを第一とした健康寿命延伸都市・松本の創造は、このような将来のさらなる超少子高齢型の人口減少社会を踏まえた、市民の皆様の幸福度を高めていくための具体的な政策、松本スタイルの幸せづくりであります。 これは、市民一人一人の命と人生の質をより高め、松本市を、生きていることの幸せを感じさせるまち、命を大切にするまち、そして品格のあるまちとしていくものでございます。30年後、100年後の社会の姿は現時点で明確に申し上げることは難しいですが、当然、今の社会とは多方面での情勢が異なっているものと考えられます。ただ、確かなことは人の命の大切さは普遍であり、まさに成長社会から成熟社会への転換を経験した私たちの世代が将来にわたるまちづくりの柱として次代へ引き継ぎ、幸せを実感できるまちにしていくことが必要であると考えております。 こうした普遍的な理念をまちの将来像の根底に据えつつ、それぞれの時代に必要な要素も柔軟に取り入れながら、持続可能なまちづくりを進めていくこと、あわせてその積み重ねが30年後、100年後のまちの将来を築いていくものと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 寺沢政策部長。
◎政策部長(寺沢健) 〔登壇〕 忠地議員のご質問に順を追って答弁させていただきます。 初めに、経済活性化対策に関するご質問につきまして、まず私のほうから総論的な考え方を答えさせていただき、具体的な取り組みにつきましては農林部長、商工観光部長から答えさせていただきます。 市長選の際の世論調査において、経済活性化策の評価が低かったとのご指摘でございますが、経済対策につきましては、さきの2月定例会におきまして市長が宮下正夫議員のご質問にお答えしましたように、市としましては、グローバル化や超少子・高齢化の進展、また世界的金融危機などの経済が低迷する不確実な時代の中で、一歩一歩着実に経済活性化対策に取り組んできているところでございます。また、第9次基本計画におきましても、その6つの柱の一つに経済の健康を位置づけ、推進することとしており、本定例会に提出させていただきました6月補正予算でも、経済対策関連予算を計上しているところでございます。 しかしながら、経済活動は全国規模、あるいは世界規模で行われるものが大半であり、地域内のみで完結する経済活動は極めて少ないことから、市町村レベルでの経済活性化対策には限界があるものと考えております。今回の世論調査の結果につきましても、市の裁量が発揮しやすい保健福祉政策、子育て支援や危機管理の分野では6割、8割の方に評価をいただいているところでございますし、市町村の対策に限りのある経済活性化につきましても、他の分野よりは低いとはいえ、アンケート者全員では5割の方に評価をいただいているところでございます。 今後も市としまして、引き続きできることは着実に取り組んでまいりますが、まずは、国においてこの長引く経済の低迷に対する抜本的な打開策を展開していただきたいと考えておりますし、議員におかれましても、この経済情勢を脱却する妙案がございましたら、ぜひご提案いただければと思っております。 次に、四賀・安曇・奈川地区の定住策に関するご質問でございます。 定住には大きく分けまして、安心して暮らせる生活基盤、定住したいと思える地域の魅力、そして生活の糧となる産業の3点が必要な要素であると考えております。 本市では、合併後にまずは市民の安心・安全の確保を最優先との考えから、安心して暮らせる生活基盤としまして水道施設、保育施設、学校施設、市道、林道の改修や改良を順次進めてきているところでございます。 議員ご質問の若者が定住できるような環境整備、活性化対策とは、今申し上げた3点のうち、生活の糧となる産業、就労の場の確保と推察いたします。このことは、四賀、安曇、奈川のみならず、過疎化が進んでいる地域を持つ各都市が抱える全国共通の課題であり、その特効薬はいまだないわけでございますが、その取り組みとして、地域資源を生かした魅力づくりと産業振興をあわせて進めていくことが持続可能な地域づくりの基本になるものと考えております。 四賀・安曇・奈川地区におきまして、移住された方々がその豊かな自然環境を移住決断の要因としておりますことからも、それらの資源を生かした地域の魅力づくりと産業振興を進めていくことが大切であると考えております。その方法論としまして、本市では生き生きとした地域づくりを5つの重要課題に掲げ、取り組んでいくこととしておりますので、まずはまちづくり、地域づくりの主役である地域住民の皆様がこのことを共通の地域課題として位置づけ、地域の魅力づくりと地域特性を生かした産業振興について議論し、一定の方向を見出していただくことから始めていただきたいと考えております。その取り組みの中で出された方向性に基づき、行政として必要な施策を検討して実施してまいりたいと考えております。 次に、東京一極集中行政に関するご質問についてでございます。 議員ご指摘のとおり、多くの自治体は補助事業や国直轄事業の予算化を図るため、国への要望・陳情活動を実施しており、本市でも道路事業を中心に国への要望・陳情を実施しているところでございます。国と地方の関係につきましては、平成22年6月22日に閣議決定されました地域主権戦略大綱により、対等な立場で対応のできる新たなパートナーシップの関係への転換がされておりますので、国庫補助事業の採択、あるいは予算化のために要望・陳情が繰り返されることは本来の姿ではないと考えております。ただ、国の直轄事業の推進につきましては、地方の実情、事業の必要性を伝えるために必要な場合もあると考えております。 地域主権改革につきましては、国の出先機関の移管、道州制、あるいは税源移譲などさまざまな議論が展開されているわけでございますが、いずれも国民視点での具体的なメリットやデメリットが明らかになっておらず、また基礎自治体である市町村への情報提供も不足していることから、国民不在の議論になっているのではないかと危惧しているところでございます。 地域主権改革は、その歩みのスピードでは定かではございませんが、着実に進んでいくものと認識しておりますので、その動きを注視しながら的確に対応してまいります。地域主権改革ということでつけ加えさせていただくならば、松本市としましては、地域発の改革といたしまして、市長の公約でもございます「日本を、そして世界を動かそう、地方都市松本から」を本年度の行財政運営のキーワードに掲げ、国の施策を変えていく気概を持ち、「健康寿命延伸都市・松本」の創造を柱として、職員一丸となって市政に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 勝家農林部長。
◎農林部長(勝家秀夫) 〔登壇〕 初めての登壇となりますので、よろしくお願いいたします。 忠地議員の経済振興策に関するご質問のうち、農業分野についてお答えいたします。 本市の農業振興策は、農業を基幹産業として守り、育てることにより、第9次基本計画で掲げる6つのまちづくりの基本目標のうち、「経済の健康」と「環境の健康」を中心に維持・増進し、将来の都市像、健康寿命延伸都市・松本の実現を目指すこととしています。 体系的に申し上げますと、持続可能な農業が営まれるよう、引き続き生産振興、生産基盤整備を初めとする産業としての農業振興に主眼を置き、1点目には、農業の担い手不足解消に向け、認定農業者と集落営農組織を農業の担い手の柱とし、新規就農者など意欲ある多様な農業者の育成、確保、2点目として、農・商・工連携による地域経済活性化のため、農家の取り組みを支援することを主体とした農業、農村の6次産業化の推進、3点目には、消費者から期待と信頼が寄せられる産地確立のため、消費拡大、地産地消、食育の推進など、農産物のマーケティングの戦略の推進、さらには農業生産活動が農業の持つ多面的機能の発揮につながることを十分に認識した上で、優良農地の確保と遊休荒廃農地の解消を図るとともに、防護さくの設置等の有害鳥獣対策を進めてまいります。 また、これらの施策を本年度には本市の農業振興の指針として策定する新たな農林業振興計画に位置づけ、国・県の制度を活用しながら、本市独自の施策を組み合わせ、農業の振興を図ってまいります。 なお、この6月補正予算には担い手対策として、農業者育成対策事業費、遊休荒廃農地対策にもつながる鳥獣害防護さく設置にかかわる経費の追加、また新たに6次産業化推進のための農産物処理加工施設の整備に関する経費、松本山雅の関連事業として、松本産農畜産物の消費宣伝に要する経費などを計上しております。 以上です。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 忠地議員の経済活性化対策に関するご質問のうち、商工観光分野についてお答えをいたします。 商工観光の分野では、健康寿命延伸都市・松本の創造に向けて、経済の健康の増進を目指し、本市の掲げる5つの重要課題に基づき経済対策に一層力を入れて進めてまいりますが、主な3つの課題に対応する施策について説明をいたします。 まず、健康医療産業の創出・誘致と雇用の拡大に向けて、本年度は商工課内に健康産業担当を設置し、健康寿命延伸新需要創造事業を実施しております。事業の詳細は、市長の提案説明で申し上げたとおりですが、今後は松本地域健康産業推進協議会の作業部会を通じ、実用化に向けての検証に取り組んでまいりたいと考えております。また、新産業創出を目的とした研究開発支援や販路拡大支援の強化と、新工業団地への知識集約型企業の誘致、それに伴う雇用の拡大を図ります。 次に、中心市街地のにぎわいの創出について、新規開業者への支援の拡充と意欲ある若手経営者や後継者支援、また、そば祭りなど中心市街地におけるイベントを開催し、次世代交通政策と連携した中心市街地のにぎわいの創出を図ります。 最後に、人と情報の交流拠点都市の形成について、首都圏、中京圏における観光誘客の促進、九州戦略を進める中で、J2チームのある九州4都市や鹿児島市との都市間交流、観光誘客の促進、そして、3つの「ガク都」を軸として、いやしや健康をテーマに誘客宣伝を強化してまいります。 なお、これらの重要課題に対応するため、庁内各部局はもとより商工観光部内各課の連携強化を図り、スピード感あふれるチームとして、地域経済の活性化を目指してまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 牧垣危機管理部長。
◎危機管理部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 忠地議員の焼岳火山噴火対策の取り組み状況に対するご質問のうち、まず、連絡、応援・協力・支援体制についてお答えいたします。 焼岳の火山噴火対策につきましては、安曇村当時の平成14年度に関係機関による焼岳火山噴火警戒避難対策協議会が設置され、火山監視体制の整備や焼岳火山防災マップの作成などの取り組みが行われてまいりました。 しかしながら、避難計画など具体的な対策はとられないままであったため、松本市との合併後の平成22年に、当時休眠状態でありました協議会組織を再編いたしまして、焼岳火山噴火対策協議会を平成22年3月に設置したものでございます。この協議会は、国土交通省、環境省、林野庁、気象庁、陸上自衛隊、岐阜・長野の両県、松本・高山の両市のほか、両県の消防、交通機関、地元町会等、各省庁、防災関係機関との連携による組織体制となっております。 次に、焼岳の調査、事前の予知の対策につきましては、気象庁、大学、砂防事務所等が予知に必要な火山活動の監視を行っておりまして、活動の状況に応じて噴火警戒レベルが気象庁から発表されることとなっております。具体的な調査内容は、GPS、傾斜計等による山体・地盤変化の把握、地震計、空振計による地下のマグマ、ガス等の活動や噴火発生の把握、監視カメラによる噴気・噴煙状況の把握等でございます。 次に、噴火発生時における入山者、住民や登山者の避難対応につきましては、平成23年3月に焼岳火山噴火対策協議会が策定いたしました焼岳火山噴火防災計画に基づき、気象庁から発表されます噴火警戒レベル情報により、協議会が必要に応じて現地対策本部を設置し、登山者や上高地入山者に対する注意喚起、入山規制、国道・県道の通行どめや避難対応などの防災対策を実施することとなります。 なお、気象庁では、現在の焼岳の火山活動は静穏な状態とのことでありますが、ことしは昭和37年の前回の噴火から50年の節目の年でありますことから、6月17日には火山防災講演会の開催、また秋には情報伝達等、防災訓練の実施などを予定しております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 堀内建設部長。
◎建設部長(堀内俊男) 〔登壇〕 忠地議員のご質問のうち、2点についてお答えします。 まず、白骨温泉の隧通しについてですが、議員ご指摘のとおり、危険な状況であることは十分承知しております。このため、ご質問にもございましたが、本年3月に地元の安曇地区、白骨温泉町会及び白骨温泉旅館組合とともに、松本砂防事務所及び長野県に対し崩落防止対策の要望を行いました。松本砂防事務所からは、本年度、時期は未定であるが、どのような対策が可能であるか、調査を含め検討を行うとお聞きしております。 本市といたしましても、この調査の実施状況及びその結果を踏まえ、早急に崩落防止対策が行われるよう、関係機関への要望を積極的に行ってまいります。 次に、スーパー林道B線についてですが、スーパー林道B線は、白骨温泉地区と鈴蘭地区を結ぶ重要な生活道路であり、冬期間は県道が通行どめとなるため唯一の生命線でありました。 県道白骨温泉線は、この12月から通年通行が可能となりますが、スーパー林道B線については生活道路として、また観光道路としても重要な路線であるため、改良後の県道を含めた冬期間の交通状況や気象状況を把握する中、今後も冬期の通行が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 14番 忠地義光議員。
◆14番(忠地義光) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。ありがとうございました。 市長より、松本市の将来像についてご答弁をいただいたわけでございます。命を大切にして、また市民が安全で安心して暮らせるそういう社会、このことは30年先、また100年先、また永遠にそうあるべきと私も考えます。 私が市長にもう一点お伺いしたかったのは、ソフト面だけでなくて、本当はまちづくりのハード面での将来図を描いていたら、将来の子供やまた孫に夢を語っていただきたかったということでありますが、ぜひまたそういう機会がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 東京一極集中型行政の是非について、また地方分権、また道州制についてのご見解を伺いました。松本市においては、市長初め職員の努力によりまして国・県よりも順当な予算配分がされまして、スムーズな行政運営をされていることに敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 次に、経済活性化対策についてでございますが、先ほども部長答弁にもありました。何かいい案があったらということでございますが、今、ちまたに出ていきますと、景気が悪いで何とかしてくれというようなことでございます。こういうときこそ行政主導で牽引をしていただきたいと、私はこう申し上げておきたいと思います。合併地域、また観光業者もそうですし、また既存商店街等、合併地域も含めて市内全域でございますが、相談に乗っていただきまして、活性化対策に取り組んでいただきたいと。 また、農業分野におきましても、新たな就農支援制度が創設されたわけでございますけれども、その支援制度は、150万円を7年間くれるというふうなことでございますので、なかなか応募が激しくて、今、応募が倍あったというふうな全国の話でございますが、そういう状態でございますけれども、そうはいいましても、それらの制度もPR、活用して、新規の就農者や後継者育成に力を入れていただきたいと、こう思っております。お願いしておきます。 また、林業振興におきましても、いろいろ公共建物に市でも県内産、また地元産を使っていただいてありがたいことで感謝申し上げるわけでございますが、ますます地元産等を使っていただきまして、林業振興にもお力をいただきたいと、かように申し上げておきます。 四賀・安曇・奈川地区の若者の定住策でございますけれども、地域の資源を生かした産業振興を進めていただくとともに、立地条件等がありますけれども、何とかそういう企業を見つけていただきまして、雇用の場として、工場誘致等も視野に入れながら取り組まれるようお願いしておきます。 次に、焼岳噴火を想定しての対策について、焼岳火山噴火対策協議会を設置して監視体制の強化を図り、また隣の高山市とも連携をとりながらやっていただいているということで、ありがたく受けとめているわけでございます。また、来る6月17日にも訓練も予定されているということでございますけれども、今後も各関係機関と密接な連絡のもとに、万一災害が発生した場合でも、人的被害が出ないように常に万全の体制をつくっていただくよう、お願いしておきます。 次に、白骨温泉の隧通しの上流斜面の崩落防止対策についてでございますが、部長答弁にもありました。そういうことで、要望書は出してあるわけでございますが、この部分なかなか環境省、文化庁、また林野庁というようなことで、大変省庁が関係している場所でございます。各関係省庁の認可と協力が得られなければ、この工事には取りかかれないわけでございまして、せっかく国土交通省松本砂防事務所も調査に入っていただくというようなことでございますので、市でもできる限りの協力をしていただきまして、一日も早く最善の対策が図られるようお願いをしておきます。 次に、スーパー林道奈川安曇線B線の通行は、冬期間も通行使用できると、年間を通して通行使用できるというようなご答弁がありました。冬期間におきましては、除雪等にも大変ご配慮いただいているところでございますけれども、何とぞよろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に質問に入らせていただきますが、要望・陳情についてお伺いをいたします。 民主党政権発足当初は、道路整備、砂防事業、かんがいなどの国の直轄大型事業については、要望・陳情等は与党の幹事長の目を通さなければ予算化しないというような強硬な姿勢であったわけでございます。現在では、そのようなことはないと思いますが、それでも、そういうこともあるかもしれません。松本市としても、要望している事業が多くありますし、いかに大切で必要であるかを霞が関、中央の大勢の官僚の方々に、また担当の大臣、国会議員に知っていただくこと、知っていただくということは、何しろ何度も訴えて、印象を強く持っていただくことが予算確保につながると考えるわけでございます。 国道158号、奈川渡下流の2.2キロメートル区間の事業化については、市長初め関係する皆さんのご尽力によるものと感謝するわけでございます。そうはいいましても、この工事、本体工事だけで100億円という試算が出ておりまして、現在の予定では平成25年度に着工したいというような話でございますが、ぜひ着工していただくような、また完成まで約5年間の見通しであるということでございます。これも5年なのか、地元の熱意によっては4年になるかもしれません。熱意次第ではまだかかるのかもしれませんが、何とか私たち議員連盟も一生懸命要望・陳情活動をやりますので、ぜひまたお願いをしたいと思います。 県議会議員との懇談会でも話しましたが、中部縦貫自動車道建設促進福井県協議会というのがあるわけでございますが、福井県では、毎年県で7回、県議会議員連盟で3回、沿線自治体で5回ということで、1年に15回ほど中央要望、また陳情活動を行っているわけでございます。これらの強い要望活動が福井県内の中部縦貫自動車道の供用開始と、また事業化を含め60キロメートルのうち56キロメートルがそういうことで供用開始と事業化になっているというふうなことでございまして、あと福井県内は4キロメートルを残すのみでございます。進捗率92%という数字が出ているわけでございます。また、岐阜県では60キロメートルのうち、進捗率が65%というふうな数字が出ているわけでございますが、これらを見てもいかに陳情・要望活動が必要かなと、私自身は考えているわけでございます。 市長におかれましても、中部縦貫自動道、国道158号、また国道19号松本拡幅、また地域高規格道路松本糸魚川連絡道路等の道路整備を強力に進めて促進していただくために、従来より大変ご多忙の市長ではございますけれども、多く中央要望・陳情にご尽力をいただければと願うところですが、市長のご見解をお伺いいたします。 次に、平成の合併地区の支所機能縮小と合併地域の今後についてお伺いをいたします。 このことにつきましては、先ほど宮坂郁生議員からも合併支所のことについて触れ、質問がありました。そういうことで、私もちょっと質問させていただきますけれども、合併時の申し合わせ事項によりまして、支所職員の人数は減りつつあるわけでございます。また5地区、平成25年4月には、奈川支所も含め減少しているわけでございます。それで、奈川支所においては1課体制というふうなことでありまして、地域によって違いはあると思いますけれども、支所機能の縮小、また職員の減少で、地域の活力が減退するのではないかというような思いがあるわけでございます。 平成の大合併、行政改革を目的に進められた国の政策でありますし、合併時の申し合わせで支所機能の縮小、人員削減はやむを得ないこととしましても、危機管理面におきましても、合併支所にある程度の職員配置は必要じゃないかと、私はこう考えるわけでございます。 ちなみに、奈川地区では、昭和58年9月28日に時間雨量30ミリメートルというふうな集中豪雨があったわけでございます。これは、昨年の安房峠の集中豪雨の40ミリメートルより大分少ないわけでございますが、それでも30ミリメートルで中小河川が決壊しまして、大洪水が発生し、家屋流失12棟ということで、ほかにも多くの被害があったわけでございます。そういうわけで、奈川はその当時は村でございますけれども、3日間孤立状態に陥ったというようなことでございまして、本当に川沿いの家屋がどんどんと流れるような状態でございました。 そうはいいましても、当時の職員の適切な判断による迅速な行動と対応が、このような奈川地区では本当に今までになかったような未曾有の災害でありましたけれども、人的被害が1件もなかったということにつながったわけでございます。このような大きな災害が発生したときも、身近にある程度の人数の職員配置がされていて、いかに住民に対して災害から身を守るべき対応と、その周知ができるかであるわけでございます。 職員削減は、行政改革の最重要課題と承知しておりますが、災害時には一番先に対応可能で行動していただけるのが職員であります。支所の従来どおりの削減は別としましても、本庁で同等に扱えるような事務事業、そういうことがありましたら、本庁の機能を幾らかでも、梓川・波田地区は多少そういう機能を今後やるということでございますが、他の四賀地区、また奈川地区あたりにも、安曇地区にも昨年山岳観光課つくっていただいたわけでございますが、四賀地区や奈川地区にも本庁の機能の一部がそういうことで行えるようなことがありましたら、支所職員体制の充実ができないものかと、こうお伺いするわけでございますが、当局のご見解をお伺いします。 次に、上高地、乗鞍、白骨の観光振興策についてお伺いします。 安曇地区は、村当時から観光戦略に力を入れておりまして、観光立村を掲げてまいりましたし、これらの観光産業で地域力を高めてきました。そして、松本市という大きな自治体と合併したことによって、より一層強力に観光振興が図られることを期待しておるわけでございます。また、奈川地域におきましても、上高地、乗鞍、また白骨のお膝元としてこれらの観光地の恩恵を受けてきたわけでございます。 そういう中で、平成17年の合併後、この7年間、これらの観光客の入り込み客が減少の一途であるわけでございます。平成16年の入り込み客に比較しまして、平成23年は20%ということで落ち込んでいるわけでございます。 昨年、NHKの朝のドラマ「おひさま」、また映画の「岳」や「神様のカルテ」、またプロサッカーリーグ松本山
雅フットボールクラブの活躍というようなことで、数多くの市内のイベント等で市街地の観光客の入り込み数は伸びておるということでございますが、西山一帯は平成16年に比較して、年間50万人強の減少であるわけでございます。この人数は松本市の人口の約2倍に当たるというふうなことでございまして、それほど大きい人数でございます。いろいろ交通規制、また災害等の要因、原因、理由づけはありましても、こんなときこそある程度の財政出動をしていただきまして、観光客を呼び戻す観光戦略を立て、力強い観光振興策、特に誘客宣伝事業を展開していただければと考えるわけでございますが、ご見解をお伺いし、2回目の質問といたします。
○議長(柿澤潔) 堀内建設部長。
◎建設部長(堀内俊男) 〔登壇〕 忠地議員の国等への要望・陳情活動についてのご質問にお答えします。 福井県においては、中部縦貫自動車道の建設計画の前から、既に油坂峠道路が事業化され、また永平寺大野道路となる国道416号も事業着手されており、長野県よりも早い段階から事業が進められていました。したがいまして、長野県と福井県とでは状況が違っており、必ずしも要望活動の回数が事業の進捗に影響しているとは言えないと思われます。 しかしながら、市民の安全や産業振興に必要な道路整備を進めていくためには、地方が抱える課題や実情などを、地元の熱意を込め、生の声として国へ届けていくことが必要であり、本市は道路等の整備の必要性について、毎年国に対し繰り返し要望を行ってきました。例えば、昨年度は市長が7回、市長代理としまして私や担当課長が3回の合計10回、中央要望を行っております。これまでの息の長い取り組みのほか、関係団体の強力な要望活動により、本市におきましても懸案事業が大きく動いてきております。 特に、平成20年11月、たび重なる土砂崩落災害による住民生活への影響などを踏まえ、長野・岐阜両県知事と高山市長とともに、国土交通大臣に対し要望活動を行いました。このことが国道158号奈川渡改良の事業化に結びついた大きな要因であると思っております。 今後の事業の進捗状況によりましては、同じ年度内に回を重ねて要望を行うこともあろうとは思いますが、これまでどおり関係団体や沿線住民と連携を深めながら、タイムリーに粘り強く要望活動を行ってまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 高山総務部長。
◎総務部長(高山満) 〔登壇〕 忠地議員の合併支所職員の適正配置の質問についてお答えをいたします。 5支所の見直しにつきましては、一日も早い新松本市としての一体感を醸成するため、平成21年度から地域審議会、地域協議会などにご相談申し上げながら、第6次行政改革大綱において、平成25年4月を目途に旧市の支所、出張所の体制を基本とすることとし、現在、その体制について検討をしているところでございます。 5支所の体制につきましては、行政改革大綱に定めたとおり、地理的な条件から山間地の災害時初期対応、あるいは合併前の地域の独自性を考慮し、その支所しかできない業務につきましては、支所独自業務として位置づけ、適正な要員の配置を検討することとしております。 先ほどの宮坂議員のご質問にもご答弁申し上げましたように、本庁から遠距離にある市民の利便性向上を図るとともに、より迅速な現場対応が可能となるよう本庁組織の現地機関を支所内に設置することも検討をしております。特に、昨年6月に発生をいたしました上高地豪雨災害時には、安曇支所内に設置されました山岳観光課が、安曇支所とともに、その初期対応に当たっております。 そこで、奈川地区についてでございますけれども、本庁から遠距離にあること、さらには災害の発生が多いことなどから、奈川支所の果たす役割は非常に重要であり、その面での一定の職員の配置については認識をしておりますので、現在行っております支所の機能見直しの中で、地域協議会等のご意見を伺いながら、具体的に検討してまいりたいと考えております。 なお、四賀地区におきましても、支所の独自業務による職員配置等について検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 忠地議員の2回目のご質問、上高地・乗鞍・白骨地区の観光振興について、お答えをいたします。 議員ご指摘のとおり、当地区の観光利用者数は、平成16年の約250万人から平成23年は約200万人とおよそ50万人の減少となっております。議員ご指摘のとおりでございます。これらの観光地を有する安曇地区は、観光業等の第3次産業に依存する割合が非常に高く、観光客の大幅な減少は、地域経済への影響が大変大きく憂慮すべき状況であると認識をしております。減少の要因につきましては一概に結論づけられませんが、マイカー規制を初め自然災害や改良工事による県道の通行どめ等が大きく影響しているものと考えております。 しかし、こればかりではなく、多様化する観光ニーズや観光の質の変化に的確に対応することができず、競合他地域への流出を食いとめられなかった、あるいは、地域全体での取り組みが機能していないという面もあるのではないかと受けとめております。 本市では、観光を21世紀のリーディング産業と位置づけ、総合的な戦略を整えながら、積極的に受け入れ態勢の構築に努めてまいりました。とりわけ、西山一帯の観光振興につきましては、計画的に基幹観光施設等の整備に取り組むとともに、昨年度、山岳観光課を新設し、EVレンタカー事業や首都圏でのマスコミ懇談会、「岳都松本山岳フォーラム」を開催するなど、山岳エリアならではの特徴を最大限生かした誘客展開に取り組んでまいりました。また、地域と一体となった取り組みとして、本年度はメディアを活用し、地域の魅力を効果的に発信することを目指して、観光関係者との共同による新たなプロモーション事業を展開しております。さらには、市長みずから全国各地でトップセールスを行う中で、上高地や乗鞍などアルプスエリアの魅力を積極的に発信して誘客に努めております。 観光振興は、行政だけではできるものではありません。地域と一丸となって取り組むことが重要であり、何よりも最大の誘客要素と言える口コミ効果につながるよう、地域でのホスピタリティーの発揮が不可欠です。また、観光利用者総数だけを注視するのではなく、宿泊につながる利用や長期滞在の促進等、観光の質を高める取り組みが重要と考えております。 市といたしましては、6月補正予算において、沢渡駐車場整備を含めて1億9,227万円の山岳観光関連予算を計上しておりますが、今後とも当エリアが岳都松本を代表する魅力ある観光地として、さらなる誘客促進を図れるよう、手法や効果等を見きわめながら最大限努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 14番 忠地義光議員。
◆14番(忠地義光) 〔登壇〕 3回目に入らせていただきます。3回目は強く要望しますが、よろしくお願いしたいと思います。 先ほども言いましたように、中部縦貫自動車道、また国道158号改良、また国道19号松本拡幅というようなことで、数多く中央要望が含まれているということでございますけれども、官僚も2年に1回ぐらい部署が交代し、また大臣はたびたび交代しているような現状であります。また、市側としても部長はその都度行って、かわっていくわけでございますけれども、4年に1回、2年に1回というような部長交代もあるわけでございまして、そういうことで顔を覚えていただくには、大変向こうも覚えていただくのは大変で、こちらの人が覚えるのも大変なのかもしれません。 そんなようなことで、回を重ねていかないと、どうしてもだめだということでございますので、何とかお願いしたいと思いますし、また、このたびは内閣改造によりまして、長野県出身の国会議員の羽田雄一郎先生が国土交通大臣に就任されたわけでございます。奈川渡改良の国道158号の予算獲得にも、また何とか本体工事、平成25年度にはできるような予算獲得をしていただきたいと、こう思うわけでございまして、それには市長、本当にマスコミを通じて大変全国に顔が売れておりますので、また中央要望していただければ、また重みが違いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、合併地域の関係でございますけれども、合併支所体制につきましては、部長から災害時の対応等についての地域の独自性等を考慮をした中で、職員の適正な配置をしていただくというようなご答弁がありました。今は遠距離でもテレビ等での会議ができるわけでございまして、本庁の機能を一部支所へ移してでも、やはり支所がにぎやかになる、昔の合併地域がにぎやかになるのは、やはり支所周辺がにぎやかになることでございますので、支所活性化のためにも何とぞよろしくお願いをしたいと思います。 次に、西山一帯の観光振興策について、部長からご答弁いただきました。ありがとうございました。 本年は、沢渡駐車場の整備、また乗鞍湯けむり館、また野麦峠スキー場ほか、本当に観光誘客活動に取り組まれておりますことに改めて感謝申し上げます。先ほども言いましたが、この地域、50万人の減少ということで、このお客さん50万人をすぐにふやすわけにはいかないわけでございますけれども、そうはいっても、50万人の観光客復活ということになると、経済効果でいきますと、30億円というような金額になるわけでございます。今後もより一層誘客活動にご尽力をいただきますようお願いしまして、私の質問すべてを終わらせていただきます。ご清聴、大変ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 以上で、忠地義光議員の質問は終結いたします。 続いて、9番 阿部功祐議員。
◆9番(阿部功祐) 〔登壇〕 発言の機会をいただきました。会派翠政会を代表いたしまして、忠地議員に続き発言をさせていただきます。今回、忠地議員、青木議員、芝山議員より5分ずつをいただき、15分の質問時間の中で、私の平和行政についての質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 昨年は、昭和61年の平和都市宣言から25年の節目となり、あわせて地方都市としては初めての開催となった第23回国連軍縮会議の開催がありました。また、この機会にまるごと博物館連携特別企画として、各施設10カ所で「戦争と平和展」の開催がされました。博物館が一つのテーマでの合同展としては、過去最大規模の開催であり、さまざまな視点から平和について、改めて考える機会になったという年であったと思います。また、市長は、昨年の国連軍縮会議の開催によって、市民の平和意識が向上してきているとコメントを出しております。また、この6月定例会補正予算にて市民みずから企画する平和推進事業への支援経費など、平和推進事業費の追加予算が計上をされております。 本年は、戦後67年の年であります。戦争に関するさまざまなものが風化をされてきております。昨年の国連軍縮会議、そして「戦争と平和展」、戦争の悲惨さなどを知ることによって、平和を考えるよいきっかけとなって、とりわけ若者への平和意識向上につながっていくものであると期待をしているところであり、一過性の事業にしてはいけないと考えます。 そこでまず、昨年、博物館を中心に開催をされた「戦争と平和展」の事業の成果と今後の展開について伺います。 以上、1回目の質問といたします。
○議長(柿澤潔) 川上教育部長。
◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕 「戦争と平和展」の成果と今後の事業展開についてのご質問にお答えします。 「戦争と平和展」につきましては、昨年開催された国連軍縮会議in松本にあわせ、7月2日から8月21日まで、議員ご発言のように、松本市立博物館を中心に、松本まるごと博物館の連携事業として開催いたしました。 具体的に申し上げますと、市立博物館では「学校に残る戦争の記憶」展、旧開智学校では「子どもと戦争」展、歴史の里では「歴史で見る巣鴨プリズン」展など、各施設と関連のある企画展を開催し、さまざまな角度から戦争の悲惨さと平和のとうとさを訴えました。会期中には延べ約5万人の観覧をいただき、市民の皆様から「初めて知ったことが多い」、「今を生きることを見詰め直した」、「平和について考える機会を今後も設けてほしい」などの声があり、一定の評価をいただいたと考えております。 市民の皆様からのご要望にこたえるため、新たな資料の収集を初め、今後も戦争の悲惨さや平和のとうとさを考える機会を、一過性の事業とせずに、継続して実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 9番 阿部功祐議員。
◆9番(阿部功祐) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。市民の方の声からということで一定の評価があり、そしてまた一過性の事業とせずに継続をして実施をしていきたいと、こういう答弁でありました。 今回、新たな事実と言っていいかわかりませんが、知っている方もおられると思いますけれども、今までこの松本ではほとんど知られていなかったことであります、この松本の浅間温泉の疎開学童と特攻隊について、2回目は質問をさせていただきます。 これは、本年4月、私が子供のころからお世話になっている知人の方からの話がきっかけであります。その方のお母様の遺品の整理をしていたところ、戦時中の寄せ書きや兵士の写っている写真、そして、生前に書いた書である遺墨が出てきたということでありました。その遺墨はしっかりきれいにとじられ、「武揚隊」の文字があり、そのことを調べているという話であり、これは浅間温泉に滞在していた特攻隊員の書いたものでありました。 今回、発見された資料は特攻隊の武揚隊の隊員が出撃に際して書を残し、とじられた遺墨や戦時中の写真など、貴重な資料が長年、たんすの中に眠っていたものであります。この特攻隊は、満州で編成をされ、戦争末期、昭和20年2月、この松本の浅間温泉に滞在していたのであります。そこで知人の方のお母様は特攻隊員との交流があったそうであります。また、写真の1枚は松本城をバックに、5台のトラックと20人近くの人たちが写った写真であります。写真の説明には、「昭和14年、自動車全部に白紙召集令来る。松本城にて記念撮影」と記され、トラックを供出したということでした。人には赤紙、物には白紙が来て、戦場へ持っていかれたということをお聞きしました。 あわせて東京で疎開学童と特攻隊について調べている作家の方のこともお聞きし、紹介をいただきました。そこでちょうど先月26日、世田谷区にて疎開学童と特攻隊について調べている作家の方と、疎開学童であった方のお話を聞く「戦争経験を聴く会、語る会」が開催をされるということで、世田谷区の下北沢へ行ってまいりました。 「世田谷の疎開学童と特攻隊」というタイトルを設けての開催であり、会の冒頭、「67年前の昨日、5月25日、世田谷は空襲に遭った日でした。」、そんな話で始まった会でありました。昭和19年8月、世田谷から約2,600人の疎開学童が新宿から10時間かけてこの松本にやってきました。そして翌年、昭和20年2月、特攻2隊、武剋隊と武揚隊が陸軍松本飛行場に飛来し、浅間温泉に滞在します。そこで、この両者が交流をしていたということでありました。 全国で疎開学童と特攻隊が交流をしていたことはまれなことであったといいます。疎開学童であった方の、浅間温泉に滞在中の特攻隊員との交流の話は、初めてお聞きをいたしました。若い兵隊のお兄さんから勉強を教えてもらった、浅間温泉の桜ケ丘や女鳥羽川の土手で一緒に軍歌など歌を歌ったことなど、当時の思い出を語ってくれました。そのころ、特攻隊員だとは知らなかったそうであります。会の中、一緒に歌った歌を披露してくれた方もいました。その歌は軍歌の替え歌で、「さらばラバウルよ」の「ラバウル」の部分を「松本」にかえての歌でありました。その方は、一緒に歌った歌詞を記録してあるそうであります。 また、女性の方は、たくさん一緒に歌った中で、「ふるさと」の歌を歌っているとき、1人の隊員が「いかにいます父母」のところで目に涙を浮かべて歌っていた姿がとても印象的だったと言っておられました。わずかな日数の触れ合いの中、多くの思い出が残っていると言っておりました。 特攻隊員が松本を離れる前日、壮行会として学芸会を開催したこと、そして、松本飛行場を飛び立った飛行機が浅間温泉上空を飛び、学童たちが旗を振って見送ると、旋回し、機体を振って飛んで行ったといいます。疎開学童たちは滞在していた浅間温泉で、昭和20年4月1日の夜、食事中ラジオから、大本営発表の戦果発表が流れ、交流していた特攻隊員の名前が読まれ、3月27日6時出撃、6時12分突入、アメリカの船は撃沈し、戦果を上げたというニュースを聞いて涙を流したことも話されました。 そんな出撃の状況が始まった前後、松本を離れた特攻隊員から児童たちに手紙が届き、「沖縄に向かって出撃します。この手紙が届くころ、僕はいません。にっこり笑って散っていきます」などの内容であったといいます。ほかにもたくさんのお話をお聞きしました。知人宅から発見された遺墨、写真などの資料はまだほとんど公開をされておりません。東京の作家の方は、せっかく松本で見つかったものであるから、松本で公表されることがよいと言っておりました。また、今回、発見された資料、ぜひ松本で公表してほしい、また、公表の際には、みんなで松本へ行き、浅間温泉に宿泊をしましょう、公表の機会があれば、連絡が欲しいなど、時間が過ぎてもいろいろなお話をお聞きし、3時間の会もあっと言う間に終了となってしまいました。 浅間温泉滞在中、特攻兵は出撃前の決意をさまざまな形で書き記し、人々に送っているそうであります。知人宅で見つかった遺墨もその一つであります。知人の方は、その資料はお役に立てるなら使っていただいて構わないと言っていただいております。戦後67年を迎える中、戦争の記憶、記録、話など風化をしていく中、新たな発見であると思います。発見された資料の公開、そして疎開学童として松本に滞在していた方のお話を聞く機会ができたら、新たな松本の戦争史の1ページが残り、浅間温泉の疎開学童と特攻隊のテーマで、事業企画が開催できると考えますが、見解を伺います。 また、昨年の企画展では、答弁にありましたが、さまざまなお声があり、評価をいただいたということでありました。企画展の開催によって、また新たな資料の掘り起こしもできると思います。今回をきっかけにまだまだ眠っている資料の掘り起こしが考えられると思いますが、この点、どのように行っていくのか、伺います。 先日、博物館の市民学芸員の会の活動が始まったというニュースがありました。このような組織の方のご協力をいただき、戦争体験など、記録保存調査を進めていくことができないか考えますが、この点、あわせて見解を伺います。 以上、2回目の質問といたします。
○議長(柿澤潔) 川上教育部長。
◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕 浅間温泉の疎開児童と特攻隊員にかかわって、その情景を思い、目頭を少し熱くしてお聞きしました。2点の質問にお答えいたします。 まず、企画展の開催についてですが、議員のご発言を含め、今年度は市立博物館において、浅間温泉に疎開した学童と松本に滞在した特攻隊員との触れ合いをテーマとした企画展「戦争と平和-松本に来た特攻隊-」の開催準備を進めているところでございます。さらに、平和のとうとさを知っていただくため、旧開智学校では「戦時下の子どもたち」展と、それにかかわり開智小学校卒業生有志も参画する「お話とコンサート」、歴史の里では「写真で見る巣鴨プリズンⅡ」展を開催し、3施設が連携して企画展を実施してまいります。 次に、資料の掘り起こしについて申し上げます。 昨年、企画展を開催した折には戦争関連資料19点の寄贈があり、新たな資料の掘り起こしにつながりました。戦後生まれの世代がふえる中、従来にも増して戦時下の暮らしを調査し、記録することが喫緊の課題となっておりますので、市民みずから考え、学ぶ機会とするため、新たな資料の掘り起こしについて、議員ご提案の市民学芸員と協働して実施してまいりたいと考えております。 聞き取りを含めた調査を積み重ね、一層戦時下の資料の掘り起こしを行うとともに、その成果は、企画展開催などを通し、継続して市民の皆様を初め多くの方に伝えるよう取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 9番 阿部功祐議員。
◆9番(阿部功祐) 〔登壇〕 3回目は、提案、要望をいたします。 今回、知人の方のお宅から見つかった資料のほかにも、市内外には関連資料があることもわかりました。先ほどの世田谷区の話につきましても、まだまだたくさんの話がございます。私がこの場で話す時間もありませんので、話は控えますけれども、私の話よりも、そのご本人の方から聞く、そんな場をぜひ今後のまた事業でやっていただけるということでございますけれども、そういった世田谷区の疎開学童として経験された方のお話を聞く機会もぜひお願いしたいと思います。 そして、浅間に来た疎開学童たちにまた別名があります。それは引率をしてきた教員が「鉛筆部隊」と名づけたそうであります。兵士は戦場で戦い、疎開学童は鉛筆で戦うという意味であったと聞きました。疎開学童たちは家族などへあててはがきを書き、そして引率の先生が添削し、そのはがきに鉛筆部隊の印を押してくれたそうであり、そのはがきは山梨の方が多数所有をしております。 また、世田谷区で語る会の当日、録音でありましたが、特攻隊員が出撃に当たっての決意表明の肉声を聞きました。これもあるところに保存をされております。このようなさまざまな資料も今後、事業企画の参考にしていただけたらと思います。 世田谷区で、涙が出るたくさんのお話を聞きました。ぜひ資料とともにそのお話を聞く機会を設けていただき、この松本でたくさんの方に聞いてほしい、そんな思いを持ちました。世田谷区には平和資料室という施設があります。世田谷区と松本の学童疎開での関係から、この施設と松本市立博物館との交流、資料の貸し出しの連携ができたら、より有効な事業への展開ができると思います。 そして、戦争体験、資料などの掘り起こしでは、文書館にても行っているという話もお聞きしていますので、ぜひ連携をしていただいて、多くの掘り起こしができたらと思います。 そして、今回、まだまだ疎開学童と特攻隊の話がわかった部分が出てきているわけでありますけれども、将来、この浅間温泉の疎開学童と特攻隊の映画、あるいはドラマなどの提案もできたらと思います。これによって松本、あるいは浅間温泉の活性化につながる一つの案ではないかと、こんなことも思い、またこの点は今後の資料等々の状況を見る中で、改めて提案をさせていただきます。 今回の資料発見で多くのつながりができました。このつながりによって、事業企画がよりよいものとなること、そしてより平和についての意識向上につながることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 以上で、阿部功祐議員の質問は終結いたします。 暫時休憩いたします。 再開は午後3時40分といたします。 午後3時17分休憩
----------------------------------- 午後3時40分再開
○議長(柿澤潔) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 22番 青木豊子議員。
◆22番(青木豊子) 〔登壇〕 発言の機会をいただきましたので、翠政会を代表いたしまして、忠地義光議員、阿部功祐議員に続きまして、一部私見を交え、質問させていただきます。 大きく指定管理者制度についてと学都松本についてを質問させていただきます。 まず、指定管理者制度についてでございます。 このことにつきましては、昨年より総務委員会で調査・研究してまいりましたが、時間がなかったこともありまして、全員の皆様の賛同を得ることができませんでした。ここに提言とはなりませんでしたが、制度がより向上していくことは必要と思いますので、このたび総務委員の承諾を得て質問させていただくことにいたしました。 さて、現在、松本市では212施設で指定管理が行われております。議員活動の中では、指定管理者についての市民の声を多く聞いております。議決を経た一つ一つの施設に関しましては、常に検証していくことは議員の責務でもあります。そのことは別の機会ということで、今回は指定管理者制度そのものについての運用についてのみの提言を質問形式でお尋ねいたします。 まず、制度適用の検討についてです。 現在、737施設が制度導入対象施設として整理されております。これまでは制度導入の検討の際、パブリックコメント的な住民意見を聞く手段がとられていませんでした。今後におきましては、必要な情報を提示の上、住民意見を聞く機会を設けることが必要と思われますので、お聞きいたします。 次に、募集及び選定について伺います。 選定方法は、公募を原則とし、競争性を高める取り組みがされ、募集の際の審査項目の公表や選定審議会の審査結果の公表などで情報が開示されておりますので、価格が安いものが必ずしも選定されているわけではないということが見てとれます。しかし、募集状況では、多数応募しているものもあれば、応募が1団体のみのものもあり、また複数の団体募集でも地元の団体からの応募がないものがあったことは注視しなければならない問題でございます。 地域性によりやむを得ない場合もありますが、地元企業でも指定管理に名乗りを上げられるような、申請しやすい環境づくりをしなければなりません。そこで、新規募集に対しても猶予できる募集期間を原則30日から50日以上設定すべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、モニタリングについてです。所管課での訪問や第三者モニタリング等検討されていますが、利用者の立場から利用者の声を直接市に届けられるような方法を導入してもらいたいと思います。利用者側の声が当の指定管理者に特定されず、自由な記述ができることはサービスの向上につながると思います。同時に、この施設がどこどこの団体とか、企業が受けているという指定管理者であることを市民がわかりやすいように見えるところに明記していただきたい。実際、市民の方は市の施設なので、働いている方は市の職員だと思っている方がいらっしゃいます。 次に、指定管理者へのインセンティブの付与についてです。 モニタリングにより評価がすぐれていた指定管理者を広報、ホームページなどで公表し、次期更新時にポイントを付与できるような仕組みをつくり、さらなる意欲の向上を目指すことができないか、お聞きします。 最後に、災害発生時の危機管理対策についてです。 公の施設は災害時の避難所に指定されているところがあります。指定管理者でも、市と連携しながら対応をしていかなければなりません。そこで指定管理者がどこまで対応して、どの程度の権限を持つことができるか明確にしておく必要があると思われますので、その点についても伺います。以上、5点について質問いたします。 次に、学都松本について。 重要文化財旧開智学校校舎を国宝に、について質問いたします。 去る突風が吹き荒れた本市におきまして、まさか風見鶏に被害が及んでしまったとは、だれしもが驚いた事態でした。それほど、松本市の宝でありますこの旧開智学校校舎を心配した市民が多くいたことでしょうか。明治9年の校舎の完成以来136年、昭和36年に重要文化財の指定を受け、昭和39年の移築復元から50年の年月を迎えようとしております。この質問は、かつて平成19年9月に質問した際、教育部長から重要文化財旧開智学校校舎の国宝指定については、関係機関などに打診してまいりたいと考えます、という回答をいただいております。それから約5年近くになりますが、これまでの市としての営みをお聞きいたします。 次に、特別支援学校について質問いたします。 松本市今井に長野県立松本養護学校があります。現在、この学校には身体、知的、発達に障害を持つ松本市及び近隣の市村在住の児童・生徒が、分室を除き278人通っています。就学指導判定によりまして、妥当とみなされた多くの児童・生徒が通っています。しかしながら、判定結果を受けながらも、地域の普通学校の特別支援学級で学んでいる児童・生徒もいます。ですから、小・中学校ではもっと多くの生徒がこの学校へ通うことを勧められている状態でありますが、親の方針で普通の学校に通わせているわけでございます。本来、だれもが教育を受ける権利として一人一人の障害に合わせた教育をするためにこの学校が創立されているわけです。しかし、もはやパンク状態です。 この学校は県立であるため、松本市議会で質問することではないと思われるでしょうが、松本市の子供が約8割近く通っているこの学校の今後5年、10年を考えますと、本市が取り組んでいかなければならない問題と感じましたので、質問させていただいております。 ご存じのことと思いますが、この学校は小学部、中学部、高等部と6歳から18歳までの子供が同じ敷地の中で教育を受けています。ここ8年間の子供の増加率は、小学部1.4倍、中学部1.3倍、高等部においては1.8倍という数字が出ております。これは障害の種別が多様化し、特に発達障害により、普通の高校には行かず養護学校に来るケースがふえているためです。 松本市においても、発達障害のお子さんに対する支援はなされてきているところでありますが、知的にはおくれはないものの、人とのかかわりがうまくできない子供や、卒業後の働く場所を考えてのことや、経済的な理由でこの学校を選んでいます。もはや一般の生徒の方でも100%に近い生徒が高校進学をしている現状です。国には、特別支援学校に対して生徒数に対する配置職員の決まりはあっても、規模や総定員数などの設置基準はないため、自治体任せになっております。 このような中、実は須坂市では、市立の特別支援学校を創立しました。本来、児童・生徒はお隣の長野市の県立養護学校に通っておりましたが、30分以上の通学距離が遠いと、保護者の要望があり、実現しました。松本市におきましても、北部地区の児童・生徒は約1時間かけて通学しております。保護者の強い要望がありますので、この際、北部方面の子供が通える特別支援学校の分校とか、本校舎の創設を考えてもいいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、小・中学校の皆勤賞についてお伺いします。 たしか私が子供のころは、小学校の6年間、中学校の3年間において、1日も休まなかった子供に対しては皆勤賞というものがあったように思います。卒業式か終業式であったか定かでありませんが、全校の前で表彰を受ける仲間を見ながら、子供ながらに褒めたたえたものでした。近年は学事報告で人数だけは知らされますが、表彰はないと伺いました。私は、本人の頑張りや家庭の家族の協力に対して褒めたたえ、人生に残るものとして表彰をすべきものと思いますが、見解をお伺いいたします。 道徳教育についてでございます。 政府の事業仕分けで、平成23年度から道徳用の教材「こころのノート」の無料配布が廃止されました。その後は、文部科学省のページからダウンロードして教材に使うところもあったようですが、現在は教師に任せているとお聞きしました。そこで、この際、松本市独自の教材をつくらないか、お聞きします。 地元の歴史や人物を取り上げることにより、郷土愛をはぐくむことができると考えておりますが、お聞きしたいと思います。 以上、1回目の質問とさせていただきます。
○議長(柿澤潔) 高山総務部長。
◎総務部長(高山満) 〔登壇〕 青木議員の指定管理者制度のご質問についてお答えをいたします。 指定管理者制度につきましては、平成16年度に導入後、この4月で8年が経過し、本市におきましても、その都度見直しを行いながら、現在に至ってきております。議会におかれましても、指定管理者の指定につきまして、それぞれ今日まで議決をいただいてきている中で、昨年度総務委員会におきまして制度のさらなる見直しについて研究、検討をされたということに対しまして、心から敬意を表したいと存じます。 さて、今回、指定管理者制度の運用に対し、具体的に貴重なご提言をいただき、本当にありがとうございます。ただいまいただきましたご提言につきましては、今後の指定管理者制度の運用に当たりまして、大いに参考とさせていただき、指定管理者制度が市民サービスのさらなる向上につながるよう、努めてまいりたいと考えております。 なお、ご提言の中にございました新たに制度を導入する際に、市民や利用者の意見を聞く機会を設けることにつきましては、平成26年度導入施設から実施することを予定しておりますし、また、第三者モニタリングの結果を公表するということにつきましても、今年度から導入することとしておりまして、6月定例会におきまして関係予算をご審議いただくということにしてございますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 川上教育部長。
◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕 青木議員の旧開智学校校舎の国宝指定についてのご質問にお答えします。 旧開智学校の国宝指定は、重要文化財校舎の管理保全はもとより、校舎の利活用を積極的に進め、市民の学習支援に資することが第一に必要であると考えております。 平成19年9月議会で青木議員にお答えした後の取り組みを申し上げますと、校舎を積極的に活用する「明治の授業を体験しよう」の充実を初め、展示解説ボランティアの導入、新たな展示解説書の刊行、収蔵資料を積極的に活用した企画展の開催など、従来にも増して校舎の保全と活用に努めてきております。さらに、機会あるごとに文化庁関係者や全国の博物館へこうした活動を掲載した博物館ニュースを送付するなど、PRに努めてまいりました。その結果の一つが昨年11月の皇太子殿下行啓であると思います。 殿下からは、「文明開化を象徴するすばらしい学校を見学できてうれしい。今後も維持管理に努め、多くの皆さんに観覧していただくとよいですね」とのお言葉を賜り、文化庁からも「旧開智学校が改めて全国に知られてよかった」とのコメントをいただいたところでございます。 さて、学都松本の象徴でもあります旧開智学校は、学校建築としては最も早い昭和36年に重要文化財に指定されました。このため国・県の関係者から、旧開智学校は将来国宝が望ましいとのご意見もございます。本年度は「学都松本へ」を合い言葉に新たにキャッチフレーズを作成し、現在開催中の企画展「旧開智学校校舎の裏側」、8月から「戦時下の子どもたち」展と「お話とコンサート」、10月には第6回を迎える「明治の授業を体験しよう」を開催するなど、今後も引き続き文化財保護と利活用の両面から旧開智学校の実績づくりに努め、その成果を積極的に周知してまいります。 なお、機会をとらえて文化庁へ国宝指定に向けた働きかけをと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 吉江教育長。
◎教育長(吉江厚) 〔登壇〕 青木議員の3点のご質問にお答えします。 初めに、市立の特別支援学校の設立についてお答えします。 松本市立特別支援学校設立につきましては、市を越えて市外在住の生徒も受け入れることとなる高等部のあり方についての課題、県立と市立の特別支援学校が存在することとなった場合の入学基準、学校選定の基準設定についての課題などから、市立特別支援学校を設立することは大変難しいことと考えております。 しかし、青木議員のご発言のとおり、松本養護学校の現状につきましては、学校訪問等を通してその大変さは理解しております。人数的には、松本養護学校のここ5年間の児童・生徒の在籍数を見ると、高等部では31名増加しており、本年度は125名の生徒がおります。高等部生徒の増加に伴い、校舎の一部をプレハブ校舎によって対応していることや、そのプレハブ校舎を建てたことによって、グラウンドが狭く、使いにくくなっていることや、人数に対して校舎が狭いことなど、学習環境が十分でないことは承知しており、胸を痛めているところでございます。県立の学校であるとはいえ、松本の子供たちも通っている学校ですので、学習環境改善の必要性を強く感じているところであります。 次に、市内児童・生徒の皆勤賞の現状についてお答えいたします。 子供たちが皆勤を続けるためには、ふだんから風邪をひかないなどの健康的な生活習慣づくりや安全な生活を心がけていることが必要であります。そのため、かつては、このような児童・生徒に対してその努力をたたえて賞状を授与したり、記念品を贈ったりすることが、各学校で行われていました。しかし、生まれながらに体の弱い子や、いじめや不登校などで登校したくてもできないという悩みを抱えた子供たちへの配慮も忘れてはならないことであります。そこで、現在は全校の前で呼名したり、賞状・賞品を授与したりするといったことは全国的に余り行われなくなり、個々の子供たちのそれぞれの努力やよさを認める内容の一つとして、個別に評価するようになっております。 本市においても、同様の理由から皆勤した児童・生徒の評価は全体の前では行っていません。しかし、皆勤できたということは間違いなくその子供が本当によく努力した結果であります。そのことも大切に考え、各学校では、学年末や学期末の場面を中心に、一人一人の頑張ったことや努力できたことの評価の一つとして大いに認めながら、自信につなげていけるようにしております。 次に、児童・生徒の郷土愛をはぐくむ点についてお答えいたします。 青木議員のご発言にありましたように、生まれ育った松本市を大切にしたいという郷土愛は、とても大切だと考えます。そこで、松本市の学校においては、次のようなことに取り組んでおります。 人物につきましては、道徳の副読本「わたしたちの道」の資料や音楽の授業で、郷土の先人の中でも有名な浅井洌さんを扱い、社会科の3、4年生の副教材「わたしたちの松本市」には女鳥羽川の改修に尽力した百瀬三七さんが、6年生の「わたしたちの松本城」には、松本城の再建に貢献した市川量造さんや小林有也さんが取り上げられております。「信州から世界を見よう」という読み物資料の中で鈴木鎮一さんを、短歌の学習を通して地元の歌人である窪田空穂さんを取り上げております。 学校では、郷土愛は道徳の授業ばかりではなく、全教科、教育活動全般を通して育っていくものと考え、それぞれの学校では地域の素材を集め、子供たちの実態や発達段階に応じた教材開発をしています。特別活動や総合の時間では、松本一本ねぎの栽培や米づくり、そば打ちなどを通して地域の歴史や特色を学んだり、用水路を教材にして地域の人々の努力を実感したりしています。さらに、松本市では、市内の湧水を取り上げた「まつもと水巡り」や小・中学生が市内の全博物館に無料で入館できる「まるごと博物館パスポート」などの冊子を全児童・生徒に配布して、郷土について学習する機会を広げております。 各地域には、その地域にとって大切な歴史があり、それを伝えてくださる地域の方々がいらっしゃいます。地域の人や物や歴史を通して学んでいくことが郷土愛をはぐくむことにつながると考えます。学校においては、道徳の時間に今までまとめられている先人の資料を使って学習することとともに、これまで同様に地域へ出て地域素材の教材化に努め、郷土を愛する心を育てていきたいと思います。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 22番 青木豊子議員。
◆22番(青木豊子) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。指定管理者制度については、もう一つ質問させていただきます。 先ほどの提言については、そう難しいことではありませんので、よろしくお願いしたいと思います。 今回、もう一つ、これだけはぜひ進めてもらいたいことがあります。それは障害者の雇用に対してです。総務委員会の視察先の倉敷市では、指定管理者制度を新しい価値の創造として、一定の規模の事業所ではもちろん、小規模事業所でも直接的、間接的に障害者の働く場の提供を義務づけています。市民の税金を使って建設された施設であります。多くの人が携わることが当然と思われます、どうでしょうか。私の地元の浅間温泉のホットプラザでは、近くの就労支援施設の方に頼んで花壇の草取りや、それから水やりなどの手入れを委託していると聞いております。これはほんの一例ですけれども、指定管理者と地域の障害者との地域交流や関係が良好に保たれることも必要と考えます。このような点も、公募に加味されることができないか、ひとつお伺いしたいと思います。 学都松本についての重要文化財旧開智学校についてお伺いいたします。 利活用と学習の場に努めているとお答えいただきました。時に触れ、文化庁へも働きかけていただくということもご回答いただきました。学都松本を語るときに、この重要文化財旧開智学校の存在がいかに重要であったか、私は今まで歴史的建造物としての歴史や価値について述べてきましたが、開校に至る先人の思いや当時の教育姿勢が資料の中からうかがえます。 江戸時代からの寺子屋が数多く存在していたことや、後に身分を問わず、広く一般子弟を学ばせる学制が発布されたときは、教育的遺産を総合的に受け継いでいたので、当時の就学率は全国一とのことでした。旧開智学校は小学教育を第一の使命としましたが、そこにとどまらず中学校、女学校、師範学校、幼稚園、職業学校、盲学校、さらには図書館、博物館などが発祥しました。その中でも、子守の奉公に出されて就学できない子女のために、松本子守教育所が併設され、生徒は午後から背中に子供を背負い、子守をしながら授業を受けていました。当時、授業料を徴収していた中でも、ここの授業料は無料でした。旧開智学校の1階の奥の教室に、このころ学んだ生徒の卒業時の答辞がありました。感謝の言葉と将来の決意が書かれていて、私は胸を深く打たれました。 これとは別に松本の学都を語る上にもう一つのことがあります。それは、本市にあります松本少年刑務所の旭町中学校桐分校です。塀の中の中学生です。罪を犯したとはいえ、学ぶことができなかった少年たちへ義務教育を、松本市民は、市立旭町中学校の分校として開設しました。この分校は日本全国見回してもどこにもない、松本にしかない学校であります。教育長も毎年、入学式や卒業式に出られていてご存じですが、学ぶことを通してもう一度人生をやり直し、更生の道を開こうとする受刑者たちを応援しようとする思いは、学都松本だからできるのではないでしょうか。 このように、だれでも平等に教育を受ける素地を熟成した先人の思いなどについて、学都松本を提唱し、創造するに当たり、教育委員会はどう発展させていくのか、お伺いいたします。 次に、特別支援学校についてです。 現状には胸を痛めているというご答弁をいただいておりますが、教育には市とか県とか、本当は垣根がないことが好ましいことであります。その垣根を取っ払って地域の中で育てることが必要であると思うのは、私だけではないことと思います。子供や親にとっては、県でも市でも関係ありません。ただただ教育環境を整えていただきたいだけです。市として、とれる対応策が何かあるはずです。やる気があるかないかだけでもお伺いしたいところでございます。再度お伺いいたします。 小・中学校の皆勤賞についてです。 ただいまの回答、ちょっと納得できないんですが、確かに体の弱いお子さんのことを考えると理解できないこともないのですけれども、大人の世界では、そういうことは普通にあります。皆勤できたことを子供の努力と認めるなら、素直に認め、たたえてあげることも必要ではないでしょうか。他の子供の頑張りを見て、僕も私も頑張ってみようという意欲を持つ子があらわれることのほうが大事ではないでしょうか。また、いじめや不登校により来たくても来れない子供がいる点に配慮しているとも伺いましたが、しかし、いじめがあること、不登校になってしまうことに問題があり、その問題をなくしていくためにも、皆勤賞というものは必要ではないかと思いますが、その点についてお考えをお伺いいたします。 道徳教育についてです。 時に触れ、松本市にゆかりの方たちを副読本として使っているという、道徳以外でもそういう先人の方の功績を勉強しているということでしたが、県内外からこの地に転勤してきた先生というのもいらっしゃいます。できましたら、副読本として一本にしていただけるのがいいんじゃないかなと思いますので、その点は要望しておきます。 私もこのようなことを提案してみましたが、この人という人物がなかなか出てこないのが実情です。心を育てる教育としての道徳教材を地元でつくるのは、多くの方がかかわってつくることにもなるので、そのことだけでも意義があると思います。私が一人考えましたのは、松本市で生まれた方ではありませんが、大変松本では有名です。現在は鹿児島に住んでおられます。小・中学校での教材としては難しいかもしれませんが、映画にもなりました河野義行さんなんか、私はお薦めだと思いますが、ご参考までにしていただきたいと思います。 以上、2回目の質問とさせていただきます。
○議長(柿澤潔) 斉藤教育委員長。
◎教育委員長(斉藤金司) 〔登壇〕 お答えいたします。開智学校に始まり子守教育や少年刑務所内の中学校につながる松本の教育の評価と、学都松本の将来の姿についてです。ご指摘ありましたように、旧開智学校の校舎は、筑摩県が教育を立県の指針としたことを示す象徴であるとともに、校舎建築資金の7割を住民の寄附が占めるなど、当時の松本市民がいかに教育を重んじ、いかに教育に期待を寄せていたかを示す象徴です。教育を重視した施策を市民と行政が一体となって推進した結果が開校や就学率の高さにつながっています。 この文明開化を象徴する擬洋風建築の校舎は、シンプルで簡素、気品があるたたずまいの旧山辺学校校舎とともに、先人たちの学ぶことに対する熱い思いと真摯な姿勢を、今の我々に問いかけています。 すべての子供に平等に教育を受けることを保障する取り組みとして、ご指摘の子守教育所は、子守奉公に出されていて就学できない子供のために、松本幼稚園に併設された学校です。授業は園児が帰った午後1時以降に行われ、生徒たちは子守をしながら授業を受けたそうです。 また、松本少年刑務所内に設置された旭町中学校桐分校は、義務教育を修了していない人に義務教育を保障しようとする全国でただ一つの矯正施設内の公立中学校分校です。日本一勉強する中学生と言われるほど厳しい学習をやり遂げ、昭和30年の開校以来、703名が卒業を果たしています。卒業生の最高年齢は74歳です。 このほか明治23年には、松本尋常小学校に落第生学級が設けられています。障害のある子供や勉強についていけない子供に対する教育が、学校で一番優秀とされる先生を担任として行われました。日本で最初の特別支援学級とされています。 このように松本の教育は、どの子にも教育を保障しようという強い願いのもとに、ハンディを背負った子供たちに対しては、とりわけ手厚い細やかな教育の場を提供してきた歴史があり、改めて先人の先見性を思うところです。 現在は、経済的な格差と子供の学力との関係が論議され、また身体的、精神的な困難を抱えた子供たちの増加も言われています。しかし、その一方で成果や効率を重視する時代のもと、教育もまた平等から個性化、多様化、自由化へと軸足を移しつつあります。このような状況にあって、教育基本法第4条の「教育の機会均等」は、その定義をも含めて改めて再認識しなければならない理念であり、松本の教育のこれまでのあり方は、今こそ強く求められるものでありましょう。教育委員会といたしましては、このような先人たちのすぐれた実践を範としながら、学都松本、これは「学都松本へ」という不断の営みであり、永遠の、現在進行形ですが、学都松本の実現に向けて努めていきたいと考えております。 長くなって恐縮ですが、最後にこのような松本の教育のとてもうれしい成果を一つ紹介させていただきます。桐分校の卒業生から、その方は当時、釈放をされて3度目の春を迎えるという古希に近い方ですが、一昨年の1月、教育委員会あてに手紙をいただきました。その手紙をところどころ抜粋して読ませていただきます。 「アルプスの峰々が白く輝いていることニュースなどで目にし、分校の短い時間を思い出しています。いてる松本、旭町中学校、アルプスの峰々、ペンをとめ、目をつぶりますと、数々の思い出がわいてきます。70歳になる私が少年のようで、自分で苦笑いしています。分校の1年間は本当に童心に戻り、学ばせていただきました。その学んだ80%が、現在の私に大きく生かされています。それは孫の家庭教師としてです。」 そのお孫さんというのは、父を亡くし、母に去られた小学校1年生ですが、小さな体、小さな心を痛めながらも、明るく素直に一日も休まずに登校しているそうです。「私が分校で受けた授業、成績は不としても」、成績はそんなに立派ではなかったということでしょうか、「学ぶという心が私に養われ、その学ぶとうとさを孫に授けています。人として生きる、人間として生きる、過去を持つ私には厳しい現実です。これから孫が社会人となるまで長い道ですが、妻と2人で第2の子育てのスタートでもあります。生き続ける限り、孫を中心としての家庭、今は私は苦しい、貧しい生活ではありますが、物すごく心身が満たされています。 小学生、中学生の方々に命、命とはを教えさせてください。23歳の若さで私は我が子を失いました。生の大切さを説いていなかった、それが私の大きな苦、後悔、悔いとして残っています。命は守るもの、命は社会のもの、国のもの、命とは宝であること、若い方々に助言してあげてください。」こういう手紙でした。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 高山総務部長。
◎総務部長(高山満) 〔登壇〕 青木議員の指定管理者制度についての2回目の質問にお答えをいたします。 障害者の社会参加と自立支援のための雇用を進めることにつきましては、松本市におきましても重要な施策であり、機会をとらえて企業、団体等に雇用促進を働きかけてきております。 指定管理者の皆様におかれましても、その趣旨を十分ご理解いただいていると思いますが、今後とも指定管理施設の規模、利用目的等に応じて雇用促進を図っていただきますようお願いをしてまいりたいと考えております。 特に、具体的には、これまで指定管理者選定審議会における審議の際に、雇用されているかということにつきまして、一定の評価をされてきているわけでございますけれども、今後は雇用の促進がより図られますよう、指定管理者選定審議会の審議の中で審査基準につきまして、明確化することなどにつきまして、指定管理者選定審議会委員と相談する中で検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 吉江教育長。
◎教育長(吉江厚) 〔登壇〕 青木議員の2点の質問にお答えいたします。 初めに、松本養護学校の教育的環境について市の対応ですが、環境改善の必要性を十分理解しております。現在、長野県教育委員会としても、松本養護学校を初め県内の養護学校に対して、平成29年度をめどに特別支援教育推進計画を進めているところであり、平成17年度からは分教室の設置も行われています。中信地区にも、平成22年度に安曇養護学校高等部の分教室が南安曇農業高校に設置されています。 先ごろPTAの皆さんからも松本養護学校の実情を説明していただき、改善の要望をいただいたところであります。そのことを踏まえ、松本市教育委員会としましては、長野県特別支援教育推進計画の中に松本養護学校の学習環境改善を盛り込んでいただけるよう、県に対してさまざまな機会をとらえて、積極的に要望を上げていきたいと考えております。 次に、皆勤賞の復活はできないかというご質問にお答えします。 議員ご指摘のように、学校を休まず通ったという努力を認めることは、その子供にとりましては大変大きな自信となり、その子のよさをさらに伸ばしていくことであると考えております。しかし、子供たちが真に自信とできるのは、他から与えられた言葉や賞ではなく、この結果に至るまで頑張った自分自身に対する満足であり、喜びであるということであります。教師は、常に一人一人の子供の努力する姿を評価し、児童・生徒自身が新たな自分のよさに気づいたり、確認できたりするよう、寄り添っていくことこそが重要であると考えております。 各学校においては、引き続き全体の前で賞を与えるということではなくても、子供たち一人一人が自分に対する自信をもとに、社会で自分らしく生きていける力を身につけられるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 22番 青木豊子議員。
◆22番(青木豊子) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。3回目は要望として発言させていただきます。 まず、指定管理者制度については、前向きなご答弁をいただきましたので、了といたしまして、公の施設は設置目的とか種類が多種多様ですので、利益の面から見ても相当の収益が見込めるものもありますけれども、特命指定の施設を見ますと、地域との結びつきも強く、地縁による団体を指定して地域づくりに貢献していっている施設も多数あると思います。今後におきましても、行政の平等性、指定管理者の民間感覚、こういうものを利用し、さらなる住民サービスが向上できますように、新しい価値を生み出す指定管理者制度を期待して、この質問を終わります。 次に、学都松本でございます。教育委員長からも旭町中学校桐分校のお話、お伺いしました。私も実は桐分校を応援している者でございます。感性が人の力になると言われています。美しい景色や音楽に触れ、五感豊かに心を育てる、そして厳しい自然や環境の中で命の大切さ、人を思いやる力をつける、子供の教育がいかに大切であるか、旧開智学校から学ばせていただきました。いずれ国宝になるべく宝だと思いますが、実は、せんだって、「松本城を世界遺産に」についての講演を聞いたときに、姫路城が世界遺産になった、やはり早く手を挙げた者勝ちかなというような気もしましたので、今回質問しました。市民の中からも、早く国宝にすべきと機運が上がっています。このときです。市民との協働で、国宝にすることをもっと働きかけることを要望いたします。 次に、特別支援学校についてです。 今、平成29年度までに改善の計画があるとお答えいただきました。そして、県への要望を積極的にしていっていただくというお答えもお伺いしました。ぜひお願いいたします。 須坂市では、市立の小学校に併設の須坂市立支援学校を創設しましたが、現在は小学部だけですが、2013年には中学部、その後は高等部をつくろうとしています。地域の子は地域で育てる、より地域に近い学び場をスタートしています。養護学校という名称は、現在は特別支援学校という名称に変わっておりますが、この須坂は、須坂市立支援学校という名称です。名称には特別という文字がありません。地域の子供のニーズに合った教育を提供するのは当たり前で、特別ではないという思いが込められています。理想の実現に向けて第一歩を確実に踏み出しています。 松本市も先人が築いてきた学都松本を提唱する以上、理想の教育が実現できますよう、対応を願うばかりであります。 小・中学校の皆勤賞についてです。 皆勤賞については賛否両論、理想と現実に向き合い、議論することもあっていいと思います。私とは、もしかしたら価値観の違いではないかなという思いもしておりますが、ただ、やめてしまえば解決できるような考えはよくないと思います。皆勤賞が就職の役に立った、何の取り柄もなかったが、皆勤賞は自分の誇りだと経験者は語っていました。皆勤賞をもらえなかった子はうらやましいと思う気持ちになり、その気持ちがあることが大切で、世の中には理不尽なこともたくさんあるわけで、なぜもらえなかったのか、どうしたらもらえるのか、そんなことも考えること、考えさせることも必要で、それ以上のものに向かって、その子が前向きにポジティブ志向で進んでもらえることを、親子で考えてもらうことがもっと必要だと思っております。 皆勤賞については、また議論する機会ができればよいと思いますので、この程度にとどめたいと思います。 以上でありますが、まだ残された時間がちょっとありますので、1つ、私、皆勤賞についての作文がちょっとありますので、ご披露させていただきます。ちょっと4分ぐらいかかるかもしれません。 実は、「母に誓った皆勤賞」という作文というか記事でございます。これ中日新聞の記事なんですけれども、 「はい、これっ」。高校から帰宅した浜田由治君、15歳は、9月、居間にいた祖母のサトさんにそっけなく学校ニュースのコピーを手渡した。作文が全国コンクールで入選したと書かれていた。「すごいねぇ」。サトさんが驚くと、「5月に学校の宿題で書いたやつ」。それだけ言うと、そそくさと出ていった。好きで生き残ったわけじゃない。だれにも言えない思いを奥歯でかみつぶしたときがあった。作文は、閖上中学校の卒業式があった15回目の誕生日に母の直美さん、当時39歳と妹の瑠衣さん13歳を亡くした絶望感で始まり、2人の死を乗り越えようとする決意で終わっていた。15回目の誕生日、僕が生きるために闘ったことを、頑張ったことを、希望を捨てずに生きると決めたことを、母はだれよりも喜んでくれるはずだ。 「こんなふうに考えていたの」。サトさんは閖上に行った8月のことを思い出し、寝るまでに何度も読み返した。閖上中の卒業生のサマーキャンプに参加した浜田君は、迎えに来たサトさんと卒業式以来となる中学校に立ち寄った。祖母が声をかけるのもためらうほどに顔をこわばらせ、無言で歩いた。今は使われていない校舎には、津波が襲った日と変わらぬまま、「笑顔で卒業」の飾りつけが残る。浜田君は教室に入ると、棚の前にたたずみ、中にあった数学の教材を触り続けた。棚には瑠衣さんのネームプレートが張られていた。「あの時計が欲しい」。浜田君が見上げた壁時計は地震があった2時46分でとまっていた。 浜田君は帰途の新幹線でもいすを倒して口をきかず、岩手県遠野市に戻ると、家族にあいさつもせずに部屋にこもった。サトさんはいたたまれず、台所に孫を呼んだ。「全国の人が義援金を送ってくれたり、応援してくれているんだよ」。おじの洋一さんも「由治、生きていればいいことあるよ」と続けた。立ったままうつむいていた浜田君は少し間を置き、言った、「生きていてよかったか」。母と妹を奪った津波で自分だけが助かった日から、浜田君は「一緒に死にたかった」「2人のために生きよう」と2つの気持ちに揺れてきた。必死に生きようと決めた「答え」。それでも迷うその背中を遠野の家族が押してくれた。 浜田君は、これまで明かさなかった津波の体験を話し始めた。「水の中で重くなった上着とワイシャツを脱いだ」とぼそぼそっと語った。「寒かったべ」。サトさんが尋ねると、「体に壁の断熱材を巻いた」と答える。「お前、頭いいなあ」。祖母は包み込むように褒めた。今でも津波から1人生き残った自責の念に心がさいなまれることがある。 そんなとき、浜田君が思い出すのは、震災後に祖母から教えてもらった高校時代の直美さんの姿だ。「お母さんは3年間、皆勤賞だったし、新聞配達も1日も休まなかったよ」。浜田君は母の母校に通っている。体調が悪くても休もうとしない。ベッドの横には皆勤賞の賞状と母の遺影が飾られている。 こうした文書が載っておりました。皆勤賞というものについて、また考えたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 以上で、青木豊子議員の質問は終結いたします。 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 続いて、18番 芝山 稔議員。
◆18番(芝山稔) 〔登壇〕 質問の機会をいただきましたので、翠政会を代表しまして、忠地義光議員、阿部功祐議員、青木豊子議員に続き、質問をさせていただきます。 市長、3期目の初の定例会に際しまして、改めまして当選の祝意を申し上げたいと存じます。選挙では、いわゆる論戦がなかったということを踏まえまして、この議会の役割というものが大変重要になっているというふうに感じております。市長におかれましては、今後とも引き続き真摯なご論議をご期待申し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。 まず、健康寿命延伸都市・松本の健康と観光についてでございます。 健康寿命延伸都市・松本につきましては、松本市基本構想2020におけます将来の都市像と位置づけるとともに、第9次基本計画で政策の方向と個別目標を示しています。その中で、一丁目一番地とも言うべきものは、やはり何といっても、体の健康でありまして、市長も「市民歩こう運動」を健康寿命延伸施策として、早くから提唱をされております。私もこの基本中の基本とも言える体の健康というものは、何にも増して最も大切にすべき人間の財産であると考えております。 これまで松本市におきましては、体の健康を十分認識し、既に15年も以前から全国に先駆け、「楽しく、仲良く、健康で」を基本理念とした熟年体育大学を平成9年に立ち上げ、特に高齢者の健康増進を図ってまいりました。熟年体育大学の大きな特徴としましては、信州大学の協力を得て生まれた「インターバル速歩」があります。この効用については、今さら申し上げるまでもありませんが、正しい姿勢での速歩がもたらす健康増進は、体脂肪率、血中脂質などの低下、筋力増加、持久力や最大歩行速度の向上、個人の感覚としては体重が減り、体が軽くなったといった効果を多くの受講生が実感しております。 こうした効果を踏まえ、平成21年にはアメリカ、イギリスの権威ある学会誌におきまして、「インターバル速歩」が公表され、諸外国における科学者の評価を得て、世界から注目を集めるようになりました。 そうした経過があって、日本人としてはいささかいかがなものかとの思いはありますけれども、松本発ではなく海外からの情報を逆輸入でインターバル速歩が日本において評価され、これを取り入れて健康と観光を両立させようと、本格的に取り組む自治体も出てまいりました。 このことにつきまして、平成24年度における他市の事例を紹介してみたいと思います。 いわく、インターバル速歩を軸に、歩くことを中心とした市民挙げての健康づくり運動を推進し、市民の健康寿命の延伸に努めるという目標を掲げまして、少子高齢化と人口減少社会の中、市民一人一人が医療や介護の世話にできるだけならず、健康に長生きできるよう、健康寿命の延伸に取り組むことが急務の課題となっているという背景を踏まえまして、地区単位の「健康ひろば」の取り組みと、松本大学との協定による年数回のウオーキングを中心とした健康づくり講座等の実施により、住民の健康づくり意識の向上を図り、市民挙げた健康づくり運動を展開することにより、市民の健康寿命の延伸が期待できます、という効果をねらっているわけであります。 繰り返しますが、これは松本市のことを言っているわけではありません。しかも、この自治体も有名な温泉地でありまして、さらに観光との合わせわざも展望しているわけであります。 このように健康寿命の延伸を正式に掲げ、まるで松本市であるかのような取り組みを展開していこうとしているわけですが、何を言いたいかといいますと、この他市の健康と観光のため、松本市民が実践し、蓄積したノウハウが生かされているわけであります。こうした事業が松本市以外で展開され、全国に普及していくことにつきましては、大変意義のあることとは思いますけれども、しかし、松本市で培われた、いわば頭脳、そしてノウハウ、これは貴重な財産です。これは本家本元である松本市が、もっと健康を軸とした観光産業に活用していくことが必要なのではないかと感じております。 そこでまず、インターバル速歩を基本に運動を進めている熟年体育大学のいきいき健康ひろばコースは、例年500名程度の参加にとどまっております。つまり、例年ですので、継続していく方に増加が見られないような気がいたしますが、大変よい施策でありますのに、もったいないと言わざるを得ません。この傾向につきまして、どのように認識されておられるのか、お尋ねしたいと存じます。 また、あわせまして、こうした健康づくりと観光とを有機的に結びつけることは、松本市にとって相互の産業の活性化に寄与するものであり、かつて乗鞍・奈川地域におきまして、そうした観光メニューで誘客を図ったことがございました。具体的には「健光ツーリズム」として、平成18年から平成22年までの5年間のイベントと、平成18年の温泉を活用した「健康づくりツアー」ですが、いずれにしても、現在は終了となっております。私としては、継続していただきたかった事業でありましたが、この事業が終了となった経緯等について伺っておきたいと存じます。 次に、カタクラモール再開発についてお尋ねします。 カタクラモール再開発の問題につきましては、昨年の9月に、私の一般質問に対し、市長から今後、この再開発が歴史的遺産を生かした松本らしい開発となるよう、さまざまな団体の提案、市民の皆様の意向を踏まえ、片倉工業株式会社側と意見交換をしていきたいと、ご答弁をいただきました。当時の感触では、今春ごろには具体的な計画が提案されるとの想定をしておりましたけれども、現時点、いまだ計画は公表されておりません。 そこで、これまでの片倉工業株式会社側の検討状況につきまして、松本市としてどのように把握されているのか、お尋ねをしたいと存じます。 以上で1回目の質問とさせていただきます。
○議長(柿澤潔) 渡辺健康福祉部長。
◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕 芝山議員の健康寿命延伸都市・松本の健康と観光のご質問のうち、「熟年体育大学いきいき健康ひろば」についてお答えをいたします。 「いきいき健康ひろば」は、平成17年度から各地区福祉ひろばでインターバル速歩を中心とした健康づくり事業として行ってきております。現在は、NPO法人が主体となって、会員制により実施しておりまして、生活習慣病予防や、最近では熱中症予防の方法として、一定の効果があると言われております。平成23年度には、26地区の福祉ひろばで527人の参加により事業が行われましたが、参加者が増加しない現状でございます。これは会員制による参加者の固定化や、会費負担が発生するなどの理由によるものであると思われます。 こうした状況を踏まえ、今後はだれもが気軽に参加できるような、幅広い取り組みが必要と考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 芝山議員の2点のご質問にお答えをいたします。 まず、乗鞍・奈川地域で行った健康と観光の取り組みについてであります。 議員ご指摘のとおり、奈川地区で行った健康と観光をミックスさせた「健光ツーリズム」は、延べ50名の参加がありました。しかし、5年間で終了いたしております。白骨温泉で開催し、市民を対象にした「中高年心と体の健康づくりツアー」は34名の参加がありましたが、1年間で終了をしております。 このようなツアーは、温泉を活用した健康づくり講座、ウオーキング体験、自然観察会、そば打ちなど郷土色等を組み合わせ、健康づくりをテーマとして、新たな観光事業が地元に定着することを願ったものであり、参加者からは「満足した」、「健康づくりに役立った」との声が多く聞かれました。当初は、行政主導によるモデル事業として実施し、その後、地元での実行委員会や研究会議が組織され、企画運営も開始されましたが、民間へのスムーズな事業の移行や商品開発的なアプローチに欠けていたこと等が要因となり、継続開催には至りませんでした。 ただ、このツアーの試みは、地元にとって観光振興、地域振興を図る上で大きな財産になったものであり、今後、健康を切り口とした長期滞在型の質の高い観光プログラムの開発等、観光産業の質を高めると同時に、健康産業へもつながるものと考えております。 次に、カタクラモール再開発についてのご質問にお答えをいたします。 2月議会でも提案説明の際、申し上げましたが、本年2月9日、市長が片倉工業株式会社の竹内彰雄社長を直接訪ね、懇談を行いました。これを受け、事務レベルでの意見交換を定期的に行っておりますが、片倉工業株式会社側からは再開発計画について、現在、核テナントとなる企業と調整を行っている段階と聞いており、現時点では計画概要等は示されていない状況です。 ただし、現在、公表されております2016年秋という開業時期については、今のところ変更がないとのことでございます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 18番 芝山 稔議員。
◆18番(芝山稔) 〔登壇〕 それでは、2回目の質問に入らさせていただきたいと思います。 まず、健康寿命延伸都市・松本の健康と観光ということでございますけれども、健康づくりと観光産業、これを融合していったらどうかという趣旨でございますけれども、現在、歩くこと、あるいは自転車に乗ることを基本とした健康づくりにつきまして、個人の酸素摂取量や二酸化炭素排出量などを正確に計測しまして、当人に合った運動メニューを提供してくれるサービスが人気でございます。 このサービスは、某ホテルが経営しておりまして、例えば家族3代で訪れた場合は、お子さん含めて親子は周辺施設でレジャーをし、そして、おじいちゃん、おばあちゃんが余ってしまうというか、やることがないものですから、このおじいちゃん、おばあちゃんが健康づくりプログラムを利用するということが多いそうです。つまり、観光産業の方が健康に着目し、健康に関心のある世代の誘客を図っているというものでございます。実際、私も参加をしてみましたが、みずからの健康維持と筋力アップの具体的方策や正しい歩き方などの指導は、自身満足のいくものでございました。また、当該ホテルは温泉施設でもありまして、運動の後はゆっくり温泉につかって疲れをいやし、おいしい食事と休養で、あすへの活力がみなぎる、そういったプランが用意されているわけでございます。 観光戦略の一つに、「ハイバリュー・ローボリューム」という考え方があるそうです。これは、多くの観光客に訪れていただいても、何も消費せずに去っていく観光ではなくて、少人数でもよいので、その観光に価値を見出していただき、たくさんお金を落としていただく、そういった戦略と理解をしております。その意味でも、こうした一連のプランは健康を志向する方々を観光施設へと引き寄せる効果がありまして、まさしく健康産業と観光産業の融合ということではないかと感じた次第です。 一方、1回目の質問において、健康と観光をセットにした「健光ツーリズム」等の取り組み経過をお聞きいたしました。今後はだれもが気軽に利用できるよう幅広い取り組みが必要だということでございましたが、そういうことも含めまして、改めて、今申し上げた事例は、松本市としても参考となるのではないかと思うのです。松本市は、天候や温泉施設に恵まれておりまして、かつウオーキングして、楽しい場所には事欠きませんし、遊歩道の整備も進んでおり、まさに健康と観光産業を融合させることのできる適地であります。 私は、ウオーキングと健康づくりのノウハウを持つ松本市として、こうした健康と観光の融合施策を展開すべく、早急に事業の検討を行うべきと考えております。本事業については、当然のことながら、観光客のみならず多くの市民も活用していくことが期待されます。ここで、本市がこうした事業を起こす意味について考えてみたいと思います。 一義的には、観光産業の活性化ということもできますが、もっと大きな効果として、市民の健康づくりと自治体経営という視点があろうかと思います。例えば、この施策の費用対効果です。約100名分の健康づくり教室を展開していく場合の経費は、約1,000万円かかるそうです。一方、1人の要介護者に係る経費は年間約340万円ということですので、1,000万円というのは、要介護者3名分の経費ということになります。つまり健康指導によって、要介護者が3名減れば、その経費は出てしまうばかりでなく、当人も幸せな健康を維持できることになります。また、こうした健康づくりによりまして、医療、介護費用についても20%削減できるのではないかとの試算もあります。 平成24年度予算における国民健康保険の給付費は約170億円、介護は約180億円でありまして、合わせて350億円という巨費になっております。これを仮に20%削減することができれば、約70億円の節減となるわけです。費用が減り、健康が手に入るということは、自治体経営の観点からも意義深く、ひいては保険税、保険料の軽減につながっていきます。ちなみに、民間企業健康保険組合におきましては、近い将来、医療費の多寡と保険料が連動するのではないかとの想定のもと、企業防衛の観点からこうした施策を取り入れ、健康づくりを積極的に推進する事例も散見されております。 こうした施策による健康づくりは、観光誘客、医療費の削減、市民の幸せ向上とよいことづくめであります。この事業を行わない手はありません。しかも世界が注目するそのノウハウは松本にあるのです。ただ、このような健康と観光を結びつける施策については、産・学・官連携のもと、ニーズに素早く対応できる民間で行うことが望ましいと、私は考えます。 松本市としても、平成23年度実施した観光動向調査の結果を反映し、本市のすぐれた豊富な観光資源を戦略的かつ効果的に発信するとともに、健康寿命延伸都市としていやしや健康をキーワードにした誘客に取り組みますとうたい上げております。そこで、健康と観光の融合の考え方につきまして、どのような見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。 次に、カタクラモール再開発についてお尋ねします。 カタクラモールと中心市街地の共生に向けてということでございますが、私は昨年9月、また12月議会におきまして、中心市街地のまちづくりとして、幾つかの提案をさせていただきました。その提案の核となっているのは、松本城、松本駅、あがたの森をトライアングルの面でとらえて、歩行回遊性を高め、都市的な活動を発展させ、魅力的な都心に成長させることであります。そうした意味で、カタクラモールが一人巨大化し、松本商圏を寡占状態としてしまうことは、甚だ疑問ですし、そうならないよう取り組んでいくことは極めて重要と基本的に考えております。 ただ、これまで他地域における片倉工業株式会社の都市開発は、当然のことながら、人口や商圏規模を考慮したものであり、100万商圏規模のものを45万商圏の松本に立地していくことは現実ではないと考えられますが、開発の主導権は片倉工業株式会社側にあることに変わりはなく、開発規制のない地域であるといっても、松本の経済を常に意識した取り組みが重要なのは言うをまちません。 そこでですが、まだ片倉工業株式会社側がカタクラモール再開発について検討段階にあるとすれば、松本市としては先手を打ち、健康寿命延伸都市・松本として、あるべきまちづくりの方向、姿というものをデザインし、これが開発者に見えるようにしていってはいかがかと考えるものでございます。こうした問題は、カタクラモールだけではなく、さきにも高層建築物について複数の案件が持ち上がり、そのたびに高さ問題を初めとして大きな地域課題となっております。 ところで今、中町通りはゾーン30の考え方を取り入れて、車道を狭め、歩行者と自動車が従来にも増して共存できる形へと整備が進んでいます。工事の状況をかいま見ますと、相当歩行者を意識した通りとなることは間違いありません。こうした取り組みは、次世代交通のありようとも相まって、評価できるものであり、関係各位のご努力に一層期待をいたします。 そうした中、カタクラモールにしても、高層建築物にしても、次世代交通にしても、おのおのが個別に検討していくということではなく、松本のまちづくりという観点で全体をとらえた総合的なあり方を求めていくべきではないでしょうか。私は、松本市総合計画2020、都市計画マスタープラン等も踏まえながら、今後のまちづくりの姿が、もっと市民にわかりやすいものとしていく必要があるのではないかと考えています。例えば、このエリアではこのような建物の高さが望ましい、回遊性を持たせる道路の道幅はこうだといったことが理解でき、そして市民が議論できるものとしていくことが必要と考えます。 カタクラモールのオープンは2016年秋の予定です。計画公表までの時間は限られています。市長も今議会、提案説明におきまして、次世代交通に絡めて、まちづくりビジョンに言及されておりますが、まちづくりのあり方につきまして、今から早急に取り組んでいただき、片倉工業株式会社、あるいはそこに入りますイオンがその方向を踏まえていただけるように、また市民にもよく理解できるように、まちづくりの方向、姿を描いていただきたいと思いますが、市長の見解をお尋ねします。 以上で2回目の質問とさせていただきます。
○議長(柿澤潔) 菅谷市長。
◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 カタクラモール再開発に関する芝山議員の2回目のご質問にお答えいたします。 カタクラモールの再開発につきましては、先ほど商工観光部長がお答えしましたように、私が去る2月9日に片倉工業株式会社の竹内社長に直接お会いいたしまして、松本市の状況を十分にご理解いただくとともに、この再開発においては、松本の将来の姿を見据え、松本らしさ、適正規模、回遊性の3点がポイントであるという考えをお伝えし、片倉工業株式会社側からは、定期的に意見交換の場を設け、今後も松本市とよい関係を構築してまいりたいとのお話をいただきました。 片倉工業株式会社とは事務レベルで、ただいま申し上げました3点を基本に意見交換を実施してきておりますが、現時点において片倉工業株式会社側からは計画概要等は示されておりません。 片倉工業株式会社側には、私から松本市の目指す将来の都市像である健康寿命延伸都市・松本を見据えた考え方を示してありますが、このたびの再開発がまちづくりに大きく影響するプロジェクトであり、市民の関心がとても高いことから、今後、推移を見ながら、片倉工業株式会社との信頼関係に配慮し、市民にも理解できるように目指すべき松本のまちの姿を示していくことが必要であると考えており、現在、事務レベルにおいて調整中であります。この内容につきましては、しかるべき時期に議会へ報告してまいる予定でございます。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 芝山議員の2回目のご質問、健康づくりと観光産業の融合についてお答えをいたします。 国民の健康への関心が一層高まる中、自然豊かな観光地を訪れ、そこにある温泉につかり、ウオーキングや軽い運動、さらに体に優しい料理を味わうなど、心身ともいやされ、リフレッシュする新しい観光形態としての健康ツーリズムが大変注目されております。 近年、民間、地方自治体、旅行会社などが連携して、健康ツーリズムに結びつけた観光資源開発が全国各地で行われております。 本市は、議員ご指摘のとおり、自然環境に恵まれ、豊富な観光資源を有し、その上専門家を有する地方大学があるなど、事業展開を行うには最適地であり、本市が進める健康寿命延伸都市の創造の施策としてもふさわしいものと考えております。 事業を実施するに当たっては、プログラムに合った食を提供いただける旅館、ホテル、質の高いデータを活用した学術的裏づけのあるプログラムを作成する大学、商品造成を行う旅行会社等との連携、協力が不可欠であります。また、受け入れ先の地元の取り組みも重要となっていきますので、地元と行政も加わりながら、産・学・官連携により事業を実施していく必要があります。 このような取り組みは、健康を切り口とした付加価値の高い新しい観光スタイルであるとともに、健康産業の創出にもつながる事業であると考えますので、本市といたしましては、モデル事業の反省や松本地域健康産業推進協議会の中での検討過程を踏まえた上で、同協議会での事業実施に向け、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 18番 芝山 稔議員。
◆18番(芝山稔) 〔登壇〕 ただいま前向きなご答弁をいただきました。市長のほうから、基本的な考え方を片倉工業株式会社側にお伝えをし、そして片倉工業株式会社側からはよい関係を構築していきたいということで、そのような回答をいただいていることは頼もしいなというふうに感じております。また、今、目指すべき松本のまち、あるべき姿、そういったものについて事務レベルで調整をしていただいているということでございますので、先ほども申し上げましたが、時間的には限られておりますけれども、早急に、奥の深い検討をしていただけばと、こんなふうに思っております。これにつきましては、ご答弁を了とさせていただきたいと思います。 また、健康づくり、観光産業の融合につきましても、前向きなご答弁をいただきました。今後、事業実施に向け、検討していっていただけるということでございますので、この答弁についても了とさせていただきたいと思います。 そうした中、3回目につきましては、今度は人材の観点で質問をさせていただきたいと思っております。 健康寿命延伸都市・松本の健康と観光についてということで、松本大学との連携について質問をいたします。 健康と観光が融合した施策推進の考え方につきましてはよく理解できますし、今後とも一層推進していただきたいと考えております。 そこで、こうした観光産業を創出することができれば、当然雇用も生まれるわけでございます。松本市が支援をします松本大学にはスポーツ健康学科、健康栄養学科があり、運動、栄養のエキスパートを輩出する機能を持っております。こうした学科を修めた学生が健康と観光に関する事業に就業することができれば、まさにうってつけと言うことができると思います。そして、こうした人材が雇用できれば、松本市の一層の活性化へと結びつくのではないでしょうか。このような考え方につきまして、見解を伺っておきたいと存じます。 また、あわせまして、食の専門家養成という立場から、さきの地元県議会会議員懇談会でも市政の重要課題として上がっておりました、県立4年制大学の設立、長野県短期大学の4年制化についてお伺いをいたします。 長野県短期大学の4年制化につきましては、松本大学といいますか、私たちが求める姿に、若干どうかなというふうな感じを持っております。現在、管理栄養士の国家試験が受けられます松本大学は、優秀な人材を輩出をしております。こうした事例は少なからずその前提となる優秀な学生を呼び寄せる効果がございます。ということは、松本市にとってもメリットがあると考えます。公立での同様の学部、学科が新設されれば、公立と私立の競合ということになってしまいます。こうしたことは、松本市にとっても大きな影響が出ると言わざるを得ません。そこで松本市として、県立4年制大学の設立につきまして、県に対しどのように働きかけていかれるおつもりなのか、お尋ねをいたします。 以上で私のすべての質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(柿澤潔) 平尾商工観光部長。
◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 芝山議員の3回目のご質問、松本大学との連携についてお答えをいたします。 松本大学には、議員ご指摘のとおり、スポーツ健康学科や健康栄養学科があり、食や運動を専門的に研究をしております。健康を考える上で、この食と運動は非常に重要であり、それを専門としている松本大学との連携は、健康寿命延伸都市・松本の実現に向けて、大きな成果が期待できますので、今後、さらに連携を深めてまいりたいと考えております。 また、両学科の卒業生は長野県内の行政・教育機関や、介護施設での栄養指導の専門職員、病院で運動指導による予防医療を行う専門職員など、医療・福祉現場のほか、リゾートホテルの滞在型健康メニューの指導員など、まさに議員が言われるように、観光・健康産業に就職され、大学で培った専門性を生かして活躍しております。 議員ご指摘のように、健康と観光が融合した施策の推進は、結果として専門家である松本大学の卒業生の雇用を生み出すことにつながると考えられますので、事業実施に向け、今後、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 寺沢政策部長。
◎政策部長(寺沢健) 〔登壇〕 芝山議員の県立4年制大学の設立と、松本大学に係る本市の取り組みについてのご質問にお答えします。 長野県は、ことしの4月、総務部情報公開・私学課に県立大学設立準備室を設置するとともに、5月7日、県と有識者による第1回の県立大学設立準備委員会を開催し、基本構想案を9月までに策定するよう準備を進めております。また、同じ5月7日には、松本大学関係者から県立4年制大学の学部学科構成と入学定員について、既存の私立大学を圧迫するものとならないよう、県への働きかけを松本市、松本市議会へ要望がなされております。 松本大学には、これまで多額の県費及び松本市からの補助が支出されており、松本大学も地域に根差した私立大学として数多くの人材を輩出し、地域に貢献しております。私立大学、私立短大の充実と安定経営は、将来の地域社会の発展振興につながる重要な要素であると認識しておりますので、松本大学からの要望を県にお伝えするとともに、6月1日に開催いたしました地元県議会議員との懇談会の場におきましても、市政の重要課題として県内の私立大学と競合しない特色ある学部構成と、今後の学生数の減少を考慮した定員について、県への対応をお願いしたところです。 さらに、本日、県内私立大学4校の学長が県知事に同趣旨の要望書を提出するとお聞きしております。 松本市といたしましては、まず私立大学による県への積極的な働きかけが重要であると考えており、県立大学設立準備委員会での議論を注視しながら、今後も松本大学とも連携して対応してまいります。 以上でございます。
○議長(柿澤潔) 以上で、芝山 稔議員の質問は終結いたします。 お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明12日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(柿澤潔) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議は、これをもって散会いたします。ご苦労さまでした。 午後5時17分散会...