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12月08日-04号

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  1. 松本市議会 2010-12-08
    12月08日-04号


    取得元: 松本市議会公式サイト
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    平成22年 12月 定例会---------------------------------------          平成22年松本市議会12月定例会会議録                 第4号---------------------------------------            平成22年12月8日(水曜日)---------------------------------------                議事日程(第4号)                     平成22年12月8日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問 第2 議案に対する質疑(議案第1号から第4号まで、第7号から第19号まで、報第1号及び第2号)      -----------------------------出席議員(42名)      1番  古田寛司          2番  小林あや      3番  太田典男          5番  山崎たつえ      6番  犬飼信雄          7番  小澤 豊      8番  小林弘明          9番  浅川三枝子     10番  阿部功祐         11番  両角友成     12番  上條俊道         13番  守屋義雄     14番  宮坂郁生         15番  村瀬元良     16番  忠地義光         17番  上松正文     18番  澤田佐久子        19番  熊井靖夫     20番  柿澤 潔         21番  芝山 稔     22番  吉江健太朗        23番  青木豊子     24番  福島昭子         25番  宮下正夫     26番  南山国彦         27番  白川延子     28番  近藤晴彦         29番  芦田勝弘     30番  太田更三         31番  草間錦也     32番  犬飼明美         33番  牛山輝雄     34番  大久保真一        35番  小林繁男     36番  赤羽正弘         37番  黒田輝彦     38番  増田博志         39番  高山芳美     40番  塩原 浩         41番  倉橋芳和     42番  池田国昭         43番  中田善雄      -----------------------------説明のため出席した者  市長      菅谷 昭      副市長     坪田明男  総務部長    浅川 猛      政策部長    高山 満  財政部長    上條信博      市民環境部長  牧垣壽志  健康福祉部長  大日向栄一     こども部長   熊谷賢一  農林部長    川上一憲      商工観光部長  平尾 勇  建設部長    丸山悦男      上下水道局長  田中春男  病院局長    中澤 孝      教育委員長   斉藤金司  教育長     伊藤 光      教育部長    二木保明  行政管理課長  福嶋良晶      秘書課長    麻原恒太郎  政策課長    寺沢 健      財政課長    安達正泰      -----------------------------事務局職員出席者  事務局長    林 純一      事務局次長   渡辺 明  次長補佐兼          市川英治      議会担当係長  小西敏章  議会担当係長  議会担当係長  喜多村博章     主査      田原 茂  主査      赤羽志穂      主任      金子 稔      -----------------------------            本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)記載事件のとおり      -----------------------------                                午前10時開議 ○議長(赤羽正弘) おはようございます。 現在までの出席議員は42名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、日程第4号をもって進めます。      ----------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(赤羽正弘) 日程第1 昨日に引き続き、市政一般に対する質問を行います。 順次発言を許します。 最初に、2番 小林あや議員。 ◆2番(小林あや) 〔登壇〕 おはようございます。小林あやでございます。いよいよ3日目を迎えました。発言の機会をいただきましたので、翠政会を代表しまして、阿部功祐議員とともに、一部私見を交えながら質問をさせていただきます。 まず、市長の政治姿勢についてお聞きします。 平成の合併後、松本市は現在24万人を超える人口と9万8,000余りの世帯数を抱える県下2位の人口数、面積は978平方キロメートル、こちらは県下1位の広さとなっております。これは塩尻市、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、山形村、朝日村の総面積よりも、まだ広い面積です。松本市として、集合的にとらえているとはいえ、単純に美ケ原高原と上高地を見ましても、そこに付随する課題が異なるように、同じ市内でも地域特性や課題は分散し、多様化しております。現在、市内には、本庁のほか、15支所・出張所と合併地区の5支所がありますが、行政サービスを考える上で、その地域特性を生かしたコンテンツを企画、提案していく力が重要な要素になります。 そこで、昨今の地域の課題が多様化している中において、地域市民の要望を理解した上での地域のよさ、そこに住む人々のよさを引き出せるようなコーディネーター的資質を持ち合わせた職員像が求められていますが、市長は市民から求められている職員像をどのように考えておられるのかお伺いします。 加えまして、求められる職員像と同様に、私たち市民も一元的、画一的な生活ではなく、地域特性と課題を踏まえた上での生活のあり方を考えていく時代となりました。そのための一つの母体的な組織として町会があります。行政がコーディネーター的役割を求められるのであれば、町会はどのような役割を求められるのでしょうか。行政と町会の役割分担につきましてどのように考えておられるのか、あわせてお伺いします。 教育行政についてお聞きします。 新学習指導要領・生きる力の全面実施と学習評価のあり方について、文部科学省はことし7月に日比谷公会堂にて全国説明会を開催しました。生きる力の育成・鼓舞という概念自体は、特に真新しい響きではありません。しかしながら、新学習指導要領として、わざわざ発信されたことの背景には、実際の学習プロセスが目標とする到達段階へのステップアップに向けて、より効果的に行政がサポートする必要があるとの判断に至ったからではないかと思われます。 文部科学省の掲げる学習プロセスには、1、課題の設定、2、情報の収集、3、整理・分析、4、まとめ・表現の4段階の探求的学習ステップのスパイラルが示されています。これはスパイラル、つまりらせんですので、探求的学習が次のステージへ更新されるにつれて、より深く本質を探っていく姿が求められているということです。この文部科学省の方針に対し、学校現場のあり方はどのようにお考えかお伺いします。 次に、キャリア教育推進事業についてお聞きします。 市では、キャリア教育推進事業の一環として、社会スタディーゼミを平成19年から開催しています。これは当初、高校生を対象にしていたようですが、実際には中高生が対象となったことから、より多くの学生に広げたいという意図が働いたからではないかと推測されます。その社会スタディーゼミですが、平成19年度から21年度までは、広く門戸を開放し、ゼミ参加形式で行われていたようですが、本年の平成22年度からは、希望のあった中学校への出前講座形式へと形態が変わったようです。担当課にその理由について尋ねたところ、参加人員が少ないのが原因であったようです。そこで、社会スタディーゼミの経過と現状についてお伺いします。 地域行政についてお聞きします。 まず、町会ごとの課題についてですが、先ほども申しましたとおり、近年、合併等により、松本市域も大きくなり、それに伴いまして、各地域や町会での課題も変化し、多様化してきております。行政として、それぞれの地域課題に対してどのように取り組んでおられるのかお伺いいたします。 また、町会相互の情報共有についてですが、現在、市内35地区の町会相互間の情報共有につきましては、市としてどのように取り組んでおられるのかお伺いします。 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 小林あや議員のご質問のうち2点についてお答えいたします。 初めに、市民から求められる職員像についてお答えします。 私は市長就任以来、20年あるいは30年先を見据えながら、地域の特色を生かした、市民が主役のまちづくりを進めてまいりました。このまちづくりを進めるためには、市民の目線に立った事業戦略、組織戦略、そして事業を遂行するための戦略的な人材育成が不可欠でございます。このため、職員個々の資質向上に主眼を置いた従来の人材育成方針に新たな視点を加え、平成21年1月、新松本市人材育成基本方針を策定したところでございます。この新しい基本方針では、目指すべき職員像を「ともに未来を描き、挑戦する職員」と定義し、「地域と積極的につながり、コーディネートできる職員」「現状を見詰め、業務改善や政策づくりができる職員」「連携を大切にし、総合力を発揮できる職員」を目指すこととしております。 求められている職員像を問われれば、この基本方針に掲げられている姿でありますが、平成22年度のスタートに当たり、改めて私から職員に次の4点を要求してあります。 1つ目として、意欲を持ち、工夫を凝らし、行動を起こせ、2つ目として、みずからの潜在能力の出し惜しみをするな、3つ目として、能吏たる前に良識ある公務員たれ、4つ目として、一つ一つのサクセスストーリーをつくってほしいの4点を実行すべく努めてほしいと伝えたところでございます。 次に、行政と町会の役割分担についてのご質問にお答えします。 まず、松本市における町会は、本市の長い歴史の中で培われてきた地縁による団体で、自分たちの住む地域をよりよい地域としていくための機能を果たしております。松本市の各地区には、民度の高い風土、固有の歴史や文化があり、それぞれ自治の仕組みが地区ごとに存在しております。こうした地域活動の主体は、地域の住民の皆さんであり、まずは住民の皆さんたちで自分たちの地域のあり方について考えていただき、そのお手伝いを市行政で行っていくというのが、地域づくりに対する松本市の基本的な方針でございます。 この中で特に行政とのかかわりは、市を初めとする市内各種団体からの情報伝達、市の実施する事業等についての周知説明など、あらゆる分野において町会を通じてお願いしております。一方で、住民の皆さんからの地域課題や市への要望事項等につきましては、町会を経由して、市に伝えられることが多数あり、町会と市は密接な相互関係にあります。地域と市がさらにお互いの信頼関係を深め、市民が主役、行政は黒子という立場のもと、市民と行政がそれぞれの役割を担う協働のまちづくりを今後も推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 伊藤教育長。 ◎教育長(伊藤光) 〔登壇〕 議員のご質問にお答えを申し上げます。 議員もご存じのとおり、平成8年の中央教育審議会答申におきまして、生きる力とは、基礎基本を確実に身につけ、みずから課題を見つけ出し、みずから学び、考え、行動して、問題を解決する力、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力と定義され、この生きる力をすべての子供たちにつけていくことが必要であるという提言がなされました。 これを受けて、平成10年に改訂が行われました学習指導要領では、この生きる力の育成が全面的に打ち出されました。そして、生きる力の育成を具現化するものとして、総合的な学習の時間が新たに設けられ、地域の特性や今日的な課題などを題材として、体験活動をもとにした課題解決的学習が行われてきております。 その後、基礎基本の学力の低下や体力の低下が叫ばれることとなり、今回の学習指導要領の改訂では、確かな学力、豊かな心、健やかの体の調和をとりながら、ますます重要になってきている生きる力を育成していくことが求められております。 これを受けて、県教育委員会では、「わかる授業」「魅力ある教育課程」「楽しい学校」の3つを重点目標に掲げ、学校の校長先生のリーダーシップのもとで、全教職員が一体となって実践を積み重ねることにより、生きる力をはぐくむ教育の推進を図ることとしております。 各学校においては、基本は生きる力であるとの方針にのっとり、議員ご指摘のように、らせん状的な生き方の深まりを目指して、子供たちの実態や保護者、地域の願いを踏まえて、学校目標や学校運営の方針を決定しております。そして、その内容は、保護者の皆様方にもお伝えし、協力をいただきながら、学校教育のあらゆる場面を通して、生きる力の育成を目指し取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 議員のキャリア教育の推進に関するご質問にお答えします。 松本市では、21世紀を生きる児童生徒が個人として自立し、社会の一員としての役割が果たせるように生きる力を育成するため、平成19年度に松本市独自のキャリア教育推進協議会を設置して、キャリア教育推進事業を推進しています。社会スタディーゼミは、その事業の一環として、中学生、高校生を対象に、第一線で社会貢献活動に取り組んでいる社会人を講師として、子供たちが視野を広げ、将来何を目指して、社会にどんな貢献をしたいのかを考えてもらう課外授業となっております。例えば平成20年度は、おいしいパンづくりによる障害者の自立支援、平成21年度は、国際協力のプロになる方法を題材に実施しております。 本年度は、大勢の生徒の皆さんに受講してもらうように、20人程度の生徒を対象とする従来のゼミ形式から、より多くの生徒を対象にできる講演会形式に変更して、筑摩野中学校女鳥羽中学校の2校で300人から800人近くの全校生徒を対象に、本当に意味のある国際協力、持続可能な社会の実現について、NPO法人宇宙船地球号理事長の山本敏晴さんが講義をされました。生徒の皆さんからは、「社会貢献活動に大変興味が持て、自分の生き方を考えるいい機会になった」といった感想が多く寄せられております。一定以上の成果があったものと受けとめております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 牧垣市民環境部長。 ◎市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 小林議員からの地域行政に関する2点のご質問にお答えいたします。 初めに、町会ごとの課題について。 まず、本市の地域、町会の現状についてご説明いたします。議員もご承知のとおり、現在、松本市には、波田町との合併により、35地区494町会がございます。これら町会に関する組織的な課題の把握方法としましては、合併5地区におきましては、地域審議会や地域協議会と5支所を通じ、また支所・出張所管内におきましては、それぞれの支所・出張所が、それ以外の地区につきましては、本庁が窓口となって対応しております。 さらに、市民の皆様のお声を直接お聞きし、ともに考えながら、新しい松本のまちをつくる提案型、提言型の懇談の形で開催しております市政まちかどトークや、地区町会連合会でのブロック別懇談会、さらには市民アンケート調査等により、各地域における課題等を把握し、できることはすぐその場で、計画的に取り組むことは総合計画等により積極的な課題解決を図っております。 次に、町会相互の情報共有についてお答えいたします。 まず、町会における現状を申し上げます。町会同士の情報共有につきましては、町会連合会常任理事会が定例的に毎月1回開催されておりまして、その中では市や各種団体からの情報提供や町会課題等が検討されております。町会連合会の常任理事会の後、各地域では地区町会長会、さらには単位町会では役員会等が行われ、情報の共有が図られておるものと理解しております。 次に、市からの情報提供は、「広報まつもと」を初め、松本市公式ホームページ、松本市行政チャンネルまつもと公民館報等の広報に加え、必要に応じ各課の情報を町会を通じてお知らせしております。なお、特に町会連合会に対しましては、市民生活課に町会連合会の事務局を置きまして、担当職員を配置して、町会連合会に対する事務支援、また町会相互の連絡調整を行っております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 2番 小林あや議員。 ◆2番(小林あや) 〔登壇〕 それでは、2回目の質問をさせていただきます。 ただいま市長のお考えをお聞きしました。求められる職員像につきまして、市民の声を聞き、市民の目線に立った職員像というのは、言葉自体は浸透しているように見えます。しかし、それは召使のように市民に仕えることでも、意見を無定量に聞くことでもないため、その職員像の実現に向けた判断は、最終的には職員個人の裁量に任されざるを得ません。例えばある事象において過去のデータが欲しいというある市民の方の要望が、対応した職員にとって重要なことでなくても、その市民の方にとっては重要なことかもしれません。仮にそのデータが現存しなかった場合、もうないからといって、そのまま放置するか、残念ながら現存しませんと言いつつも、何らかのリアクションを起こすか、そこが判断力であり、基本的な問題処理能力です。また、未来志向の市民ニーズと即時的なニーズを見分ける力も要求されるのです。そのためには、全体的な職員意識の底上げとして、人材育成が欠かせません。 そこで、人材育成についてお聞きします。最近、よく言われるようになりましたコンプライアンス、法令遵守について、翠政会では6月の一般質問でも小林弘明議員が取り上げましたが、その後のコンプライアンス意識向上のための職員研修の取り組み状況をお伺いします。 また、正規職員はもちろんのこと、嘱託・臨時職員も、市にとりまして大変貴重な資源であり、財産です。失敗や叱責を恐れて、職務への使命感やモチベーションが低下しないよう、職員のやる気や潜在能力を強く引き出せるような環境づくりも、市民から求められる職員であるための一つのプロセスです。リーダー的職員育成と嘱託・臨時職員育成のためのそれぞれ日常業務での人材育成についての研修の取り組み状況についてもお伺いします。 しかし、人材育成の研修制度があるということと、その研修が効果的に職務において機能しているかということとは、また別の話です。市民の皆さんから寄せられる苦情や感謝の言葉、不祥事や事件、事故の数なども、研修効果の検証と言えます。研修効果の検証について、市はどのように考えるかあわせてお伺いします。 リーダーの資質には、自分の能力開花だけでなく、部下の能力開花や組織の雰囲気づくりハラスメント行為の予防など、細やかな気遣いが求められます。最近、人材育成セミナーなどでピグマリオン効果という言葉が使われるようになってきました。これは昔、ギリシャの王ピグマリオンが自身の彫刻作品に恋をし、強く思いを寄せたことで、彫刻が人間の女性に変化し、恋が実ったという説話にちなんでつけられた名前で、上司が部下を大事にし、存在価値を認め、期待をかけて接することで、部下のやる気を引き出し、力を発揮させる効果があるとされ、人材育成の手法の一つに挙げられているものです。このピグマリオン効果を意識した指導の実践についてお伺いします。 文部科学省の方針に対する現場のあり方につきましてお聞きしました。学校現場で日ごろ行っていることでも、要所に来たらかじ取りの方向を確認することが必要だと考えます。それでは、そのお考えを受けまして、実施段階での学習プロセスに焦点を当てて質問を進めさせていただきます。 社会スタディーゼミの経過と現状についてお聞きしました。主催が行政で、広報媒体が学校であると理解いたしました。実績としては、平成19年度から21年度までのゼミ参加者は、40名用のいすが用意されているところ約20名でしたが、その後、講義形式に考えて、筑摩野中学校女鳥羽中学校の2校から要望があったということで、結果として約1,000名余りが受講することになったわけです。 一見、受講生がふえたことで成功しているように見えますが、反面、学習プロセスが軽視されたように思えます。学校の中での行事になってしまい、形態としては閉鎖的になり、結局、学校外の人間からは何をしているのか見えなくなってしまった点、学校の判断で予定が組まれ、受講してみようという気持ちになるに至るまでの生徒の自己啓発性を養う土壌を設けていたのかという点、受講した中学校以外の生徒は参加できない点など、新たな課題が出てくるわけです。 文部科学省では、先ほど述べましたとおり、4つの探求的学習ステップが示されているわけですが、この4つのステップを踏むためにはどんなコンテンツが望ましいかなど、この事業の本来の目的と現場のあり方に対して、もっとすり合わせが行われてもいいのではないかと考えます。また、学校の協力をどのような形で得ようとするのかも大事な点で、この事業の目的と学習プロセスが明確になってくれば、学校側としても具体的な対応策を省エネルギーにて検討しやすくなると考えます。 キャリア教育推進事業とは、学校でも授業の一環で行っているようですし、この社会スタディーゼミのように、行政からのサポート的位置づけで行う事業もあります。私は、社会スタディーゼミについて、ゼミという点が特に魅力を感じさせる部分だと思いますが、要するに学習プロセスに基づいた提供コンテンツの確保がなされているかどうかですので、社会スタディーゼミの必要性、広報の仕方及び今後のあり方についてどうお考えなのかお伺いします。 また、学校と家庭との連携においてですが、社会スタディーゼミについて、教育委員会にお聞きしましたら、どうもぴんとこないような印象でした。学校では、生きる力育成事業を以前から十分行っている上、生きる力とは何でもありの概念で、社会スタディーゼミも多くの取り組みの中の一つだという認識とのことです。行政が主催で学校が広報媒体としてかかわったことを踏まえてのコメントとしては、私のような学校の外の人間が聞くと、双方がばらばらという印象を受けます。学校の授業での生きる力育成指導が十分であるのなら、この事業はそもそも必要がないわけで、やはり今後のあり方が問われます。 確かに課外授業の位置づけであり、直接授業には関連しない事業ではありますが、生きる力を育成するための行政サポートの一環として存在し、キャリア教育推進協議会委員には学校関係者も多数いらっしゃいますので、今後、行政サポートとしての社会スタディーゼミなどのキャリア教育事業を効果的に実施するためには、学校や家庭にどのように協力を要請していく予定でいるのか、あわせてお伺いいたします。 地域行政について、それぞれのお考えをお聞きしました。町会の課題というのは、大小それぞれありまして、地区町会長会で取り上げられる議題は、地区全域に共通することとして主に話し合われています。しかし、町会長の在任期間はまちまちで、かつ事務職になれている方いない方、それぞれですし、単位町会の課題についてはどの程度まで共通議題にしていいのだろうといった線引きに悩んでいる方もいらっしゃいます。町会長の任期は最短で1年という町会もあり、一つの事業を継続させることだけでも相当のエネルギーが費やされています。こうした悩みはなかなか表に出にくく、35地区、約500町会ある中で、すぐ隣の町会がどんな事業をしているのかわからないといった声も多く聞いております。顔見知りの町会長さん同士で相談することで、その町会同士や地区内では情報共有しやすい環境にあったとしても、地区を越えた町会の情報は、なかなかわからないのが現状であります。 それぞれの地区には、支所、出張所、公民館、福祉ひろばと、それぞれの役割がありますが、その役割を超えた課題については対応するのが困難で、相談者が窓口から別の窓口へと点々とすることや、最初の窓口からその先に進めないこともあるのです。議題に上げるのをためらうような単位町会での課題は、もしかしたら他地区町会にも同じ課題として存在するかもしれませんし、その町会では、その課題を解決済みかもしれません。そんなとき先進例や前例があれば、課題解決のためのかぎとなり、対応に費やすエネルギーが軽減されることも十分に考えられます。 そこで、市では来年度から(仮称)地域づくり課が設置されるようですが、そこではどのようなことを行うのかお伺いします。また、町会の課題解決や情報共有等についても積極的に対応されるのかお伺いいたします。 以上で私の2回目の質問を終わらせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 浅川総務部長。 ◎総務部長(浅川猛) 〔登壇〕 人材育成に関しての5点の質問にお答えをいたします。 最初に、コンプライアンス意識向上のための職員研修について申し上げます。 コンプライアンス研修につきましては、研修計画に基づきまして、階層別研修、特別研修、職場研修を実施しております。具体的に申し上げますと、階層別研修では、採用1年目から3年目までの職員と新規の嘱託・臨時職員を対象とした公務員倫理研修がございます。特別研修では、部課長及び管理職員を対象とした外部講師によるコンプライアンス研修と、若手職員を対象にした民間企業から講師を招いての研修がございます。職場研修では、特に今年度は公金横領に伴う処分を5月に行ったこともあり、すべての職場に必須研修項目として、公務員倫理と服務の研修を課してあります。このような研修を通じ、全職員が初心に返って、コンプライアンスを認識し、意識改革に努めております。 次に、リーダー的職員育成のため日常業務で行っております職場研修、階層別研修、派遣研修についてでございます。 まず、職場研修では、上司による指導はもちろんのこと、ベテラン職員による業務指導を通じて、職員全体の能力の底上げを図っております。また、階層別研修では、採用1年目から初級・中級職員までに対しては、業務遂行上必要な基礎的知識、中堅及び管理職員に対しては、政策形成能力やマネジメント能力などを必要とされる時期に必要な能力が獲得できるような研修を実施しております。さらに、派遣研修では、国・県などへ職員を派遣し、幅広い視野を養うことと人脈づくりにつなげております。 続いて、嘱託・臨時職員を対象とした職場研修、特別研修についてでございます。職場研修では、日常業務の中での上司の適切な指導や窓口業務の勉強会などを実施しております。また、特別研修では、接遇や基礎的実務研修を実施しているほか、一般職員対象の文書、会計事務、OA、接遇、クレーム研修などへの積極的参加も呼びかけております。 4点目は、職員研修の効果の検証方法についてでございます。 職員研修の効果につきましては、数字的な評価は難しく、受講した職員に直ちに効果があらわれるものでもございません。しかし、特に接遇に関しては、職場の実態に合った実践的研修を繰り返し行うことで、職員への指導や意識改革が図られ、特に市民課では、来庁される市民の皆さんから窓口対応がよくなったという声もいただいております。いずれにいたしましても、職員研修は繰り返し行って、職員の意識改革を図っていくもので、ある程度長期的な視野での効果ととらえております。 最後に、ピグマリオン効果を意識した指導の実践についてでございます。 私どもは、職員の研修や指導を行うに当たり、特にピグマリオン効果というものを意識はしておりません。しかし、人を育てていく際、個々人の持っている力、能力を信頼し、期待を持って接し、それにこたえてもらう、それは基本であると考えております。「ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉もございます。ピグマリオン効果、別名、教師期待効果と言われるものの、考え方の意味合いは大切にしながら、人材育成を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 小林あや議員社会スタディーゼミに関するご質問にお答えします。 まず、社会スタディーゼミの必要性につきましては、社会人の多様な価値観、人生観に触れる機会を通じて、生徒が自己の生き方を深く考え、地球レベルでも地球規模でも課題を把握して行動できる人材として育成されるため有効な課外授業だと考えます。 次に、広報の方法ですが、平成21年度まではホームページ、「広報まつもと」に掲載し、チラシを中学校・高校全校に配布し、特に中学生は全員に配布いたしました。今後のゼミのあり方については、本年度の講演会方式も、学校での評判がよかったことから継続実施とし、社会スタディーゼミのゼミ形式の実施についても、課題を掘り下げて、社会参画を推進するために必要と考えますので、キャリア教育推進協議会に諮り、実施する方向で考えてまいります。 続きまして、学校と家庭との連携に関して、社会スタディーゼミの学校、家庭へ周知浸透する方法についてお答えします。 一つとしては、社会スタディーゼミについてのわかりやすいリーフレットを作成し、事業の意義などについて担任が説明しながら、子供たちに配付するようにしてまいりたいと考えております。また、学校だよりや学年通信等を活用して、家庭まで内容が伝わるようにするなど、家庭との連携をさらに深めながら、子供たちの生きる力を育成するキャリア教育を推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 牧垣市民環境部長
    市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 地域行政についての2回目の質問にお答えいたします。 新年度設置の(仮称)地域づくり課についてお答えいたします。 本年6月に松本市地域づくり推進行動計画が作成され、その中で現在、各地区の地域づくりを支援してきている支所、出張所、公民館、福祉ひろばが、それぞれ横の連携を図りながら、さらに機能的かつ効率的に推進するための部署として、(仮称)地域づくり課を市民環境部に設置することとしております。 現在、具体的な組織、要員について検討を進めているところでございますが、今後はこの(仮称)地域づくり課を中心に、既存の地域審議会・地域協議会、さらには町会、地域団体等のお力をおかりしながら、住民主体で進める地域づくりを行政として支援し、議員ご指摘の地区・地域を越えた課題の把握や、地区・地域間相互の情報の共有化につきましても、町会の皆様とともに研究しながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 2番 小林あや議員。 ◆2番(小林あや) 〔登壇〕 3回目は、意見と要望を述べさせていただきます。 求められる職員像につきましては、人間ですから、時には体調のよしあしもあるでしょうし、同じ要件に対して一日に何度も同じ説明をしなくてはならないこともあるでしょう。しかしながら、相談に行った市民にとっては、市の対応のよしあしを決定してしまう会話となるのです。コンプライアンスの徹底においては、例えば課内に「コンプライアンスなくして信頼なし」というような心がけたい標語を掲げてみたり、何カ条かにまとめた行動規範を掲示してみてはどうかという提案をさせていただきます。 ピグマリオン効果についてですが、自分が頑張ろうとしているときに期待されたり、頑張ったときに認められたりすると、やはりうれしいものです。タイミングが肝心ですが、日ごろの言葉や動作から伝わることが大切で、それは多少大げさでもいいくらいです。期待をかける、認めるなどの一つ一つの言葉を、その時々に意識するよりも、パックに詰めたように、目標とプロセスまで凝縮された手法として、ピグマリオン効果と一言で呼んだほうがわかりやすいですし、この手法を実践する価値があると考えますので、このピグマリオン効果をぜひもろもろの場面において、積極的に活用されることを要望させていただきます。 社会スタディーゼミの過去の広報の仕方と今後のあり方についてお聞きしました。少なくとも平成21年度まで全中学生と高校全クラス分のプリントが配付されていたということは、中学生だけでも6,000名ほどいるのですから、かなり直接的な宣伝効果です。この事業の目的と学習プロセスに沿った提供コンテンツがぶれないような事業計画を立てていただきたいですし、やるならば、その事業を成熟させていってほしいという願いがあります。その部分が欠けてしまうと、子供にとっては結果的に単発イベント的に終わってしまい、「活動するが、学びなし」という事態を招きかねません。仮にそのような形となるならば、学習プロセスまで考えられた他の事業をさらに充実させてはどうかという流れになってしまいます。 次に、学校が事業をどう受けとめて、どれだけの情報を共有するのか、また学校が広報媒体としての機能を果たすために、家庭に対してどのようにかかわっていくのかといった内容ですが、目的と提供するコンテンツ、つまり商品が充実していれば、学校側のかかわり方も見えやすくなります。しかし、商品に対して例えば学習プロセスの具体性が欠けているなどといった指摘が見つかれば、当然学校側としても協力しにくい部分があるでしょう。そのときは、学校側は教育の専門家集団なのですから、毅然とした態度で商品の改善を要求すべきであると考えますので、相互の連携が合理的かつ効果的に発揮されるような事業のあり方を熟議していただき、来る国連軍縮会議における教育政策にも応用し、成熟させていく形で反映させていただきますよう要望させていただきます。 また、市のホームページでは、情報が早期に発信される中、社会スタディーゼミのページは、2009年10月15日の更新を最後に、以降1年以上更新されておりませんでした。内容は、2009年11月29日日曜日に開催された国際協力についての課外授業の参加者募集のお知らせです。何と約1年、昨年のイベントが参加者募集のまま掲載されていたことになります。現在はそのページが削除されているため、社会スタディーゼミの存在をホームページ上で見ることはできませんが、過去ログの掲載などで過去に行ったゼミの内容は公開してもいいのではないかと思いますので、要望させていただきます。 学校と家庭の連携についてですが、松本市の今年度の教育要覧に載っております小中学校の研究テーマでは、理想の子供像や指導法について設定した学校がほとんどでしたが、支援はどうあるべきかという支援のあり方について明確な研究テーマを設けた学校は、小中学校ともにわずか各1校ずつでした。支援とは、対象の現状を理解し、対象にとって必要なものが何であるかわからなければ、効果のない手の差し伸べ方となってしまいます。 「担任の先生がどんな先生かわからないから相談できない」「もしも相談したことで、逆に我が子の居場所がなくなったら困る」、そんな保護者の声を多く聞いております。もちろん「何でも話せる先生だから、何かあると相談できる」という声もありますが、圧倒的に前者の声が多いです。つまり保護者にとっての学校は、相談にも乗ってくれる先生の集まる場所であってほしいということなのです。 先生が、ただ話を聞いて、自己の裁量のみで判断するのではなく、先生が相談に乗れるということは、相談者の心配や不安がどこにあるのかを受け取った上で、ともに最善の対応を考えていくことができるということです。先生が相談に乗れる力をつけることも、一つの大きな支援であり、今後ますますこのニーズは高まってくると思われます。 学校と家庭の信頼関係を構築し続けるためにも、学校の先生方には、少しの時間を割いていただき、保護者との何でもない電話のやりとりで生の声を伝えたり、保護者には見えない子供の学校での様子を伝えたりして、保護者と心を通わせられるような会話をする取り組みをぜひ展開していただけますよう要望させていただきます。 (仮称)地域づくり課の目的についてお聞きしました。今後の具体的な中身については、まだ検討段階ということですが、組織の役割や機能につきましては、実際にその地に生活している市民の方々に親しみやすい形態となりますよう、十分に地域の声を広聴された上で、柔軟かつ的確に反映していただけることを要望いたします。 また、既存の地域審議会や地域協議会と効果的に協議・連携していくということを要望いたしますし、さらに町会や地域団体などと協議や交流する場を設けられる上では、親しみの持てる雰囲気で進めていく工夫も必要であると感じます。まるでバレーボールのブロッカーさながらにかたい表情にスーツ姿の職員がずらっと前に並んで、「さあ、何でも話してください」と言われましても、なかなか話せないでしょうし、人前で話すことに緊張する余り、結局何を話したかったのかわからなくなってしまうこともあるのが実情だろうと思います。 そんな場合に日常生活の行動範囲の中で、時間のあるときに気軽に地区内外の情報を提供したり、受け取ったりできるような地区サポートセンター的な役割を持った組織、これは昨日の芦田議員へのご答弁で地域支援センターと言われたので、それに当たると思いますが、そういう組織や、地区や町会情報を受発信できるデータベースなどがあれば、他地区の情報や地区を越えた町会の情報が現状よりも整理された形で合理的にやりとりできるようになりますので、各町会が効率よく運営できるための判断材料の足しになると考えられます。地区を越えた情報ネットワーク網の構築と、地区町会運営の効率化との相関性について、ぜひご検討いただけるよう要望いたします。 地域には、限られた予算の中で必死に高齢者への福祉サービスを提供している団体もあれば、補助金の存在は知っていても、先進例を知らないために新しい事業に取り組むだけのエネルギーがないという声、補助金のことは知らなかったという声など、さまざまな声がある現状をご理解いただき、地域のよさを生かせるコーディネーター的要素も兼ね備えた部署として、地域づくりへご支援いただけますよう要望させていただきまして、私の質問をすべて終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で小林あや議員の質問は終結いたします。 続いて、10番 阿部功祐議員。 ◆10番(阿部功祐) 〔登壇〕 阿部功祐でございます。質問の機会をいただきました。小林あや議員に続きまして、翠政会を代表し、一部私見を交えて質問をさせていただきます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず初めに、市長の政治姿勢の中、公共交通のあり方について伺います。 車社会の進展、高齢化、過疎化などにより、路線バス、鉄道など、地域の足の確保が全国的に課題となって久しいところであります。移動の可能性、モビリティーを確保することは、まさに健康寿命延伸都市・松本の創造の中においても、あらゆる人々が生き生きと社会的、個人的に活動を展開できるための前提条件と言えるのではないでしょうか。 松本市では、現在、交通空白地域の解消と効率的な市民の交通手段確保を目指し、平成17年から地域新交通システムの構築を、また平成20年から国の事業を活用するなどしながら推進しているところであります。西部地域では、平成19年8月にタウンスニーカー西コースの開設、平成21年8月にはコミュニティーバス4ルートの実証運行が開始をされ、本年8月には、そのルートの見直しやフリー降車の採用により、利用者数が約5割増加したと聞いております。四賀地区では、10月よりデマンド交通の実証運行、市営バスの見直しなど、効率的な運行に取り組まれております。 そこで、改めて健康寿命延伸都市、CO2削減による環境保全、公共交通を大切にすることなど、公共交通の必要性について、市としての基本的な考え、取り組み状況をお伺いいたします。 次に、三才山トンネル無料化に向けてお伺いをいたします。 この点については、何度となくあらゆる機会で本議会でも出されております。そして、春、秋に開催されます県議会議員との懇談会においても、市政の重要課題項目として挙げられてきております。私自身も議員となり今日まで、早期の無料化の要望を求められる市民の方からの声を何度か聞いております。このことは私に限らず、議員の皆様、そして市長を初め行政も、多くの市民の声として聞いておられると思うところであります。 中信地域と東信地域を結ぶ大動脈である国道254号の三才山トンネルの有料が、大きな垣根あるいは壁となっていると感じているのは私だけではありません。また、松本市側からは、トンネルを越えての病院利用者の声など、無料化は切なる要望であり、ほかにも多くの声があることはご承知されているものと思い、ほか詳しい課題等は省略をさせていただきます。議会においても、上田市議会は同じ認識であると聞いております。 そこで、市としても、国道254号道路整備期成同盟会の提言活動の中で早期無料の要望を行っておりますので、上田市との共通の認識の中で同じ足並みであるとは思いますが、現在、上田市はどのような認識であるか、まず伺います。 そして、過去に平成27年度無料化の方針が示された経過がございます。これは県が出資する外郭団体の見直しの平成16年に策定した改革実施プランの中で、平成26年度末に長野県道路公社を廃止し、平成27年度に有料道路を無料化にする方針を示し、県内の有料道路の無料化、つまり三才山トンネルについても無料化が示されたのであります。しかし、その後、平成19年に修正方針が示され、事業債務償還が終了する平成38年度まで存続されることになりました。本年9月より新知事として、阿部守一知事が就任をされました。知事は、改革プラン検討時、副知事でありました。 そこで、三才山トンネル無料化に向けて、再度、見直し、検討を県へ求めていくことはできないか、市の見解をお伺いいたします。 次に、観光行政についてであります。 新たな九州への観光戦略について伺います。 本年6月より、JAL(日本航空)にかわり、FDA(フジドリームエアラインズ)が就航し、10月31日よりダイヤ改正がされ、新規路線として、静岡便が開設をされました。その静岡便では、鹿児島への空路も開かれました。FDA就航から半年が経過をし、先日、利用率が発表されました。FDAは採算ラインとして65%の利用率を示しております。札幌便では69.6%、福岡便では52.5%、静岡便は34.6%でありました。本市でもこれまで福岡便に関してもさまざまな誘客キャンペーンなどに取り組んでいることには一定の評価をするところでありますが、九州への観光戦略は今までより拡大していくことがますます重要と感じるところであります。 そこで、新規の需要が見込まれる鹿児島方面への観光戦略は具体的にどう考えているかお伺いをいたします。 次に、着地型観光と第3種旅行業資格について伺います。 旅行形態が団体から個人、グループへと変わり、ニーズも多様化している現在であります。そこで、これまでの都市部の旅行会社で企画・造成される発地型商品であったのに対し、旅行目的地側主導で地域みずからが商品を開発し、魅力の発信をしていくという着地型観光の取り組みがされてきております。松本市でも、この着地型観光では、ワイナリーツアー、山岳リゾート観光への電気自動車の活用、美ケ原トレイルなどが具体例としてあると聞いております。このような商品を開発し、今後売り込んでいただき、多くの誘客に期待をするところであります。 そこで、この商品を販売していくに当たり、民間はもちろんでありますが、行政や松本の観光の一層の振興を図るために、昨年6月に設立された一般社団法人松本観光コンベンション協会が第3種旅行業資格の取得をして、販売していくことができないかお伺いをいたします。 次に、NHK連続テレビ小説「おひさま」について伺います。 本年8月、平成23年度前期連続テレビ小説「おひさま」が松本市、安曇野市を舞台として放送されることが発表されました。「岳-ガク-」「神様のカルテ」、そして「おひさま」と、来年は松本市が全国に多く発信される年であります。まさに松本市にお日様が当たる年であります。そして、現在は撮影に入り、松本市内でロケを見かけた方も少なくないのではないでしょうか。 そこで、現在撮影中の「おひさま」に対する松本市の具体的な対応についてお伺いいたします。 次に、庁舎屋上のテレビカメラについてお伺いをいたします。 現在、本庁舎の屋上カメラからの松本市の映像は、高い評価を受けているとお聞きいたします。先ほども述べさせていただきましたが、来年は「おひさま」の放映、「岳-ガク-」「神様のカルテ」の上映により、松本市が全国に発信される年であります。その発信される映像と庁舎屋上の映像との違いがあります。それは庁舎屋上のカメラは、松本城を中心とした風景がリアルタイムで発信されるというところであります。松本市の映像は高い評価があるとお聞きする中、設置から22年経過をし、老朽化しているカメラであるそうでございます。 来年7月からは地上デジタル放送への完全移行があります。全国でもこのような設置カメラ、お天気カメラというところもあるらしいですが、高性能のハイビジョン対応の設置はまだ少ないそうであります。来年は松本市のPRになる年であります。お城を中心とした周辺、北アルプスなど、四季折々の松本市をリアルタイムで発信できるこの設置カメラを、この際、地デジ化にあわせ、高性能カメラに切りかえ、多くのテレビ局に利用していただき、県内、全国へ映像の発信をしていただくことを考えますが、市の見解をお伺いいたします。 次に、教育行政についてお伺いいたします。 まず、学校評議員制度についてであります。 私は、以前、平成21年6月定例会において、この学校評議員会について質問をいたしました。私自身が学校評議員の経験をさせていただく中、気づいた点などを指摘させていただきました。開かれた学校、学校と地域のつながり、よく言われますが、なかなか進まない、見えない部分であります。子供の生育は、家庭、学校、そして地域社会との連携、協力が必要であります。そこで、学校が社会に対して開かれた学校となり、地域社会に対して積極的に働きかけを行い、家庭と地域とともに子供たちを育てていくという視点に立ち、学校運営を心がけていくことが大変重要だと感じているところであります。 そこで、私は、まず学校評議員制度によって、評議員が学校と地域の接点となっていかなければいけないと常々思うところであり、この制度がより学校運営での課題解決の役割を担っていくべきであると考えております。以前の質問では、この学校評議員会がいわゆる学事報告的な報告会などの形骸化とならないように求めたわけでありますが、その後の成果、課題などについて伺います。 最後に、通学区の弾力化について伺います。 通学区の弾力化について、経過について若干述べさせていただきます。平成9年1月27日に文部科学省より通学区の弾力的運用に努めるようにとの通学区域制度の弾力的運用について示されました。その後、平成11年10月、松本市の第7次基本計画策定に向けての中学生の懇談会において、代表の児童生徒の皆さんから自分の家から近い学校に行けるようにしてほしいという意見が出されました。 その後、議会の一般質問でも出され、平成12年4月から8月までにかけ、市議会、町会連合会、地区民生児童委員会、市PTA連合会、小中学校、幼稚園、保育園など、関係機関に説明を行い、平成12年、教育委員会で通学区の弾力化を平成13年から実施する方針を決定し、平成13年度から実施をされ、今日に至っております。許可基準要綱では、近い学校への通学だけではなく、身体虚弱な児童生徒、教育的配慮など、7つの許可基準が設けてあります。 そこで、この通学区の弾力化を実施して10年が経過するわけでありますが、現状はどのようになっているのか、また実施する中で課題があるとすれば、どのようなことがあるかお伺いをいたします。 以上、1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 阿部議員のご質問のうち2点についてお答えいたします。 初めに、公共交通に対する基本的な考え方についてお答えいたします。 これまでも申し上げてまいりましたが、車優先社会が浸透したことにより、公共交通を取り巻く状況が一層厳しさを増す中で、少子高齢型の人口減少社会を迎えるに当たり、これまでの車優先社会から発想を大きく転換し、市民一人一人が車に依存した生活スタイルを真剣に見直すことが急務であると考えております。また、議員ご指摘の環境面での地球温暖化防止を推進するため、CO2の排出量の約2割を自動車が占めている現状から、低炭素社会の実現を図るには、車利用をある程度制限していく方向で見直しが必要になると考えております。 こうしたことから、現在は、西部地域や四賀地域における交通空白地帯の解消を図るための実証運行を実施するなど、新たな地域公共交通システムの構築に取り組んでいるところでございます。また、10年あるいは20年先を見据えた持続可能な交通体系を構築するためには、健康を切り口に、徒歩や自転車、公共交通を利用した次世代交通システムの導入についても、今のうちから検討してまいらねばならないと考えております。 今後の次世代交通の進め方といたしましては、市民が歩くことを基本に、安心して移動できるようにすることで、市街地がにぎわいを取り戻していくことを目指し、ヨーロッパの先進事例などを参考にしながら、松本市にふさわしい交通システムについて検討してまいる所存でございます。取り組み状況等につきましては、担当部長から答弁させます。 次に、新たな九州への観光戦略についてお答えいたします。 信州まつもと空港の利用促進につきましては、6月のFDA就航以来、福岡からの誘客を重要課題として力を入れて取り組んでまいりましたが、10月31日のダイヤ改正により、新たな九州戦略が必要であると考えております。具体的には、新規路線として静岡経由鹿児島便が就航したこと、福岡便が午後便となり、利用しやすくなったこと、そして来年3月、九州新幹線が全線開通し、鹿児島・博多間の移動時間の短縮が図られることなどの状況の変化は大きなチャンスであると考えております。また、信州と九州では、観光資源も違った魅力を有していることから、地元利用、そして九州からの誘客は大きな可能性を秘めていると考えております。 ここで一つ具体例を申し上げますと、信州まつもと空港地元利用促進協議会が地元旅行代理店8社と協力して販売した鹿児島IN・福岡OUTの「霧島・雲仙・九州の名湯めぐり3日間」の商品が大変な人気でございまして、予定していた人員を増員して実施すると聞いております。 そこで、今後は対象エリアを鹿児島県、宮崎県など九州全域に拡大して取り組むとともに、特に福岡周辺の北九州市、小倉、佐賀県などの福岡の圏域を対象に交流の拡大に積極的に取り組んでまいります。また、九州地区での観光大使の任命や、文化・観光による都市交流の促進など、ネットワークの拡大に努めるとともに、私自身のネットワークも活用し、必要であれば、トップセールスを実施するなど取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 公共交通のあり方のうち、取り組み状況につきまして、市長答弁に補足してお答えをいたします。 公共交通への具体的な取り組みといたしましては、これまで議員ご指摘の交通空白地帯の解消を図るなどを目的とした新地域交通システムの実証運行を初め、松本電気鉄道株式会社生活バス路線への運行補助、パークアンドライド事業の推進、鉄道や航空といった広域的な交通ネットワークの構築などに取り組んできております。また、公共交通の活性化、利用促進につながる事業として、市職員による新しいエコ通勤や、交通渋滞緩和策の一環として、バスDAYまつもとの実施等に鋭意取り組んできております。 また、これらの取り組みと並行して、健康を切り口に交通政策の観点から、中心市街地などを訪れる人々の移動手段が車から徒歩、自転車、公共交通利用に変わることで、町がにぎわいを取り戻し、人が安心して、安全に暮らせるような次世代交通システムを核としたまちづくりを行うことにつきましても、具体的な検討に着手したところでございます。 この具体的な取り組みといたしましては、市民や関係機関の皆様から成る松本市次世代交通政策検討委員会を立ち上げ、次世代交通政策に関し調査研究を進めながら、次世代交通政策に係る基本方針の策定に取り組んでまいることとしております。 また、今後は車優先から人を大切にした社会へ発想を転換し、プラチナ社会を想定して、三菱総合研究所と共同で取り組む総合特区構想において、高齢者等を対象とする小型モビリティーの開発や試行を行うとともに、ゾーン30に係る新たな試みとして、思いやり・譲り合いゾーンの設定などにつきましても調査研究を進めてまいりたいと考えております。その過程におきまして、海外の先進都市などの視察もまた視野に入れてまいりたいと考えておりますので、議会におかれましてもご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 次に、庁舎屋上テレビカメラに関するご質問にお答えをいたします。 市役所庁舎屋上のテレビカメラにつきましては、雄大な北アルプスと優美な松本城とのコントラストを、四季折々の日本でも指折りの美しい生映像として全国に発信し、松本市のイメージアップに大きく貢献をしてきております。しかしながら、現在、カメラのふぐあいにより修繕が必要となっており、放送局のご厚意により、カメラをお借りして映像提供の対応をさせていただいている状態でございます。 議員ご指摘のように、来年は松本市を舞台としたテレビや映画の影響もございまして、松本市の自然や文化を全国に発信していく絶好の機会であると考えております。そこで、松本市といたしましては、22年間使用し、老朽化したカメラの修繕を行うのではなく、来年7月の地デジ化も踏まえまして、高性能なハイビジョンカメラを新たに設置し、各放送局にハイビジョン映像の提供を行うことで、より一層松本市のイメージアップや観光PRを図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 阿部議員の三才山トンネル無料化に向けての2点の質問にお答えいたします。 まず、上田市の認識についてでございますが、中信地区と東信地区を結ぶ国道254号の整備促進を目的に、松本市、上田市を初めとして関係自治体で構成をする国道254号道路整備期成同盟会が設立されています。この期成同盟会では、毎年、長野県や国に本路線の未改良区間の整備促進や関連道路の整備促進のための提言活動を実施しております。この提言の中で、平成21年度から三才山トンネルの無料化についても要望しており、本年も10月26日に長野県に要望を行いました。 本道路は、東信地域と中信地域を結ぶ幹線道路として、広域ネットワークを図る上で重要であり、信州まつもと空港の活性化など、三才山トンネル無料化による効果を東信地域の皆様も期待していると聞いており、上田市の認識も松本市と同様であります。 次に、県への改革実施プランの再度見直しについての要望でございますが、議員ご指摘のとおり、県は平成16年に54の外郭団体について、長野県出資等外郭団体「改革基本方針」を策定いたしました。この中で7団体については詳細な改革スケジュール及びその具体策を示した改革実施プランがまとめられ、長野県道路公社は、管理する有料道路6路線7区間を、新たな県の財政負担をせず、平成26年度末に廃止する方針が示されました。 しかし、平成19年の県行政機構審議会の外郭団体見直し検証専門部会において廃止とされた長野県道路公社は、廃止の前倒しで道路建設に充てた県費を支援することは、県民の理解が得られにくいと指摘を受け、料金収入により債務償還が終わる当初の平成38年まで存続することになりました。この改革実施プランは、県の行財政運営と密接に関係がある7つの外郭団体における方針であります。したがって、有料道路を無料化するために長野県道路公社の廃止を求めていくことは難しいと、このように考えております。 しかしながら、三才山トンネルの無料化につきましては、県の改革実施プランとは別に、期成同盟会の構成団体等とも連携をしながら、県へ要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 平尾商工観光部長。 ◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 阿部議員のご質問に順を追ってお答えをいたします。 まず、着地型観光と第3種旅行業資格についてであります。 第3種旅行業資格に関しましては、平成19年5月に規制緩和が行われ、催行区域の限定、旅行代金の当日払いの要件を満たす企画旅行の造成・実施が可能となりました。具体的には、地域の観光資源を熟知した地元の中小旅行業者による旅行商品の創出を促進するため、中小旅行業者が企画旅行の造成・募集を行いやすくしたもので、いわゆる着地型観光のための商品造成が推進されることが期待されております。 松本観光コンベンション協会に関しましては、昨年6月、従来の観光協会とコンベンションビューローを統合し、新たな独立した組織として発足いたしましたが、行政との役割分担のもと、まさに松本市の着地型観光を推進する中心的な組織として活躍が期待されております。また、旅行業資格の取得は、宿泊あっせんの手数料収入など、自主財源の確保にもつながることから、第3種旅行業資格の取得は必要であると考えております。松本観光コンベンション協会におきましても、組織設立当初から第3種旅行業資格取得に向けた有資格者の養成を行っており、既に1名が資格を取得したとのことですので、今後の資格取得について、松本市としましても積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。 続きまして、「おひさま」の取り組みについてお答えをいたします。 NHK連続ドラマ小説「おひさま」に関しましては、8月の制作発表以来、順次出演者も決定し、撮影も順調に進んでいると聞いておりますし、朝ドラマ50周年ということで、大変力が入っているとのことでございます。松本市といたしましても、この機会を松本市を全国にPRする絶好のチャンスととらえ、積極的に取り組んでおります。 そこで、「おひさま」の取り組みについてでございますが、ドラマの舞台が松本市、安曇野市と広域であること、また撮影地も塩尻市や大町市なども含まれていることから、広域的な宣伝や受け入れ体制の整備が必要であると考えております。そこで、現在、安曇野市が主体となり、松本市、塩尻市、大町市や関係の町村、各種団体と、仮称ではありますが、おひさま広域観光推進連絡協議会の設立に向け、準備を進めております。 次に、松本市独自の取り組みについては、来年5月7日に公開が決定した映画「岳-ガク-」、そして夏公開予定の「神様のカルテ」の映画が公開されることから、「おひさま」「岳-ガク-」「神様のカルテ」の3作品を合わせて積極的に取り組むことにしております。具体的な取り組みにつきましては、ロケ地パンフレットや誘客用ポスターの制作、のぼり旗での地元機運の醸成、写真撮影用看板パネルの設置、関係者を招いた試写会やトークショーの開催、また「おひさま」の舞台がそば屋であることから、信州そばを活用したPRなど、さまざまな企画を検討しております。いずれにいたしましても、この機会を誘客につなげる絶好のチャンスととらえ、知恵を絞り、積極的に取り組んでまいります。 また、松本市を訪れていただいた観光客の期待を裏切ることのないよう、行政、松本観光コンベンション協会、民間の企業や団体と連携、協力し進めてまいりますが、何よりも地元の盛り上がりが大切でありますので、機運の醸成に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 伊藤教育長。 ◎教育長(伊藤光) 〔登壇〕 議員の学校評議員制度のご質問についてお答えを申し上げます。 阿部議員からは、昨年の6月定例会で同趣旨のご提言をいただきました。 最初に、その後の教育委員会の取り組みについてお答えを申し上げます。まず、学校評議員の方々には、各学校から十分な情報を伝えてほしいこと、また学校評議員の人選について、特色ある学校づくりや学校運営に積極的に提言し、協力してくださる方を登用してほしいことなどを、校長会を通してお願いをいたしました。さらに、学校評議員の皆さんには、他校の取り組みの様子を紹介し、情報の共有化も図ってまいりました。 このような中で、子供が安心して学ぶ環境づくりや、地域の人材発掘、生徒指導にかかわる情報提供の面で、学校と地域が協力し合う姿が多くの学校で見られるようになりました。また、一つの例でございますが、子供の話を聞く力が弱いという課題に対しまして、学校評議員の方のご意見をきっかけに、地域と学校がともに子供たちの聞く力に重点を置いた取り組みをしているとの報告もいただいているところであります。このように学校評議員の皆さんの働きかけにより、地域の方々の協力が得られ、子供が安全に、そして生き生きと活動する環境づくりが推進されてきているものと認識をしております。 また、新たな取り組みとして、学校教育法等の改正によりまして、学校の教育活動について、外部の方に評価をしていただくということが位置づけられたため、市内のほとんどの学校が学校評議員会を中心とした組織の中で評価を実施しております。その中で、学校教育目標は地域の願いを踏まえているか、学校と家庭、地域との連携はとれているかなどについての保護者や地域の方の評価、また授業はわかりやすいか、学校は楽しいか等についての子供たちによる評価について、学校評議員の皆さんからさまざまなご意見をいただくことによって、教育活動の成果と課題がより明かになったという報告も聞いているところであります。 いずれにいたしましても、学校評議員の皆さんは、学校にとりまして、ご意見番であり、さらには相談役、応援団としてもお力をいただいておりまして、改めて感謝しているところでございます。学校評議員制度の本来の目的は、開かれた学校づくりを目指して、地域や保護者の意見を校長が聞く制度でありますが、松本市教育委員会といたしましては、地域の方々が「おらが学校」という愛着を持って、学校づくりにかかわっていただくための学校と地域のパイプ役として、この制度が有効に活用できるよう今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 阿部議員の通学区の弾力化に関してのご質問にお答えします。 まず、通学区の弾力化の現状についてでありますが、議員ご案内のとおり、国は平成9年、「通学区域制度の弾力的運用について」の通知で、各市町村教育委員会に対して、弾力化への創意工夫がより積極的に行われるように促しました。本市では、この国の通知を踏まえ、児童生徒、保護者の自宅から近い学校に通いたいという強い要望に対し、平成11年度から12年度までにかけて検討を行いました。 また、町会連合会等の関係団体へのご了解をいただきながら、平成13年度から、従来の病弱な児童生徒への配慮、家庭の種々の事情、不登校・いじめ問題など、従来の許可基準に加えて、通学距離を理由とする指定校変更を認めることにしました。これらの理由による指定校の変更に当たっては、保護者と面談をして事情を聞くなどの審査をし、指定校を変更しても、地区行事等に積極的に参加していただくようにお願いをして、申請を受け付けております。 平成22年度に指定校を変更して、通学区域外に通学している小学生は817人で、全児童の6.1%、中学生は579人で全生徒の9.2%、合計で1,396人となり、そのうち約4分の3の児童生徒が通学距離を理由に指定校を変更しています。 次に、通学区の弾力化を行っての課題についてお答えします。 先ほども申し上げましたが、指定校変更の申請の際には、保護者に対して、指定校を変更しても地区行事等には積極的に参加していただくようお願いをしているところでございますが、残念なことに地元町会の行事に参加していただけない児童生徒が一部におられるということは聞いております。こういった課題に対する地域の工夫として、同じ地区内で指定校以外の小学校へ通う児童を含め、保護者が地区としての子供会を立ち上げて、一緒に地域行事を行っている町会や、また町会、保護者、学校が協力して、地区内の違う小学校に通う児童が地区行事に参加しやすくしていただいたという事例があると聞いております。 先月開催されました町会連合会との市政まちかどトークでは、地域において通学区が違うことにより、地区行事に参加しにくいという声があり、通学区の弾力化が地域づくりの一つのネックになっているとのご意見をいただきました。こうしたご意見や、通学距離を理由に指定校変更を認めて、ことしで10年の節目に当たることから、県内他自治体の状況調査や、指定校変更の多い地域について、通学区の弾力化がどんな効果や影響を及ぼしているか調査を行い、総合的に検証してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 10番 阿部功祐議員。 ◆10番(阿部功祐) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきました。2回目は質問、要望をさせていただきます。 まず、公共交通についてであります。 基本的な考え、具体例についてお伺いをいたしました。そんな取り組みの中、西部地域での実証運行をされておりますが、意見交換会の開催により、意見を聞いております。その意見交換会について、参加者数は会場によって差があると聞きます。私の地元の意見交換会でも、残念ながら毎回参加者が少数といった残念な状況であります。 しかし、答弁にございましたとおり、公共交通を取り巻く状況が一層厳しさを増す中で、車優先社会からの発想を大きく転換し、一人一人が車に依存した生活スタイルを真剣に見直すことが急務であります。交通弱者などだけが利用するという感覚ではいけないのだと感じております。公共交通を大切に考え、一人一人が利用することを考えていくことが大切であります。 私自身も利用できるときは公共交通を利用すると考え、タウンスニーカー西コースの利用をする機会があります。昼間の利用のときの経験でありますが、松本駅との往復の際、帰りのバスの待ち時間に、ある喫茶店に寄ってみたとき、その時間の感覚に楽しさを感じました。車での移動でしたら、そのような時間もなく、行き帰りだけでありましたが、このような時間ができること、今までなかったこと、できなかったこと、気づかなかったことに気づく、多くの経験もできるのであります。 先日は、新たに草間弥生さんのデザインとアルプちゃんのラッピングバスが導入をされました。その当日は、タウンスニーカー西コースはレトロ風のバスが走っておりました。そのバスを見て、乗ってみたい、そうも思いました。そして、先日はアルプちゃんのラッピングバスがタウンスニーカー西コースとして走っており、また本日の朝も走っておりました。そのバスを見て、乗ってみたいと思う子供たちも多いのではと期待をするところであります。このような取り組みもあわせ、この数年で公共交通に対する市民の関心は高まってきていると考えます。前回のアンケート調査は平成20年9月に行われ、2年が経過をしております。 そこで、今後、コミュニティーバス本格運行に向けて、いま一度市民の声を聞く手法として、再度のアンケート調査を実施してはどうかと考えますが、市の見解を伺います。 また、鉄道においては、上高地線は西部地域の基幹交通であります。老朽化など、松本電気鉄道株式会社としても維持管理運営などに苦慮していると聞きます。この路線の存続は、市民の生活路線、観光路線として、極めて重要なことと思うわけであります。存続に対しては、多くの市民の声、活動があります。 私の在住しております島立地区でも、以前「酔いよい列車」なる企画がされ、松本駅でのセレモニーでは存続アピールをして、上高地線の存続を願いました。そのほか、新村地区では、松本大学、松本電気鉄道株式会社それぞれが連携をしてのイベントや、また松本電気鉄道株式会社が主催してのワイン列車、生ビール列車も盛況であったと聞きます。また、この12月17日には、昨年も開催された忘年会列車が開催されるそうであります。 先般、安曇、奈川、波田地区の移動実態調査の中の上高地線に関するアンケートでは、波田地区において81.1%の方が「上高地線を必要と思う」と回答しております。上高地線存続に対しては、以上述べましたとおり、極めて重要であると考えるところでありますが、この上高地線に対する市の存続する意義と今後の支援体制について見解を伺います。 三才山トンネル無料化に向けてについて伺います。 答弁では、県の政策に対して見直しを求めていくことは難しいということでありました。しかしながら、県に対しては、上田市も認識は同様であるということでございますので、ともに今まで以上、県へお願いをしていってほしいと思います。また、当時の改革実施プランの手法についても、詳細についてはわかりませんが、菅谷市長は当時、県の衛生部長ということで、また現阿部知事は副知事でありましたので、そんな関係の中、今後、何かの機会がありましたら、一度この三才山トンネル無料化についての見解を聞いていただけたらと願うところであります。 引き続き三才山トンネル無料化に向けてでありますが、県は平成19年、改革実施プランの見直しにおいて、長野県道路公社を債務償還の平成38年まで存続し、料金収入で債務を返済するとしているわけでありますが、現在、三才山トンネルの残債、県債が約4億3,000万円あると聞きます。そこで、その一部負担をしての早期無料化ができないか考えます。茅野有料道路では、建設費の償還中、残債を茅野市が払うことによって、当初の計画より早くに無料化となった事例がございます。その例から、この三才山トンネルについても、残債の一部を、松本市と上田市で協議をし、一部負担することによって、無料化、あるいは通行料金を安くし、市民の利便性を高めることはできないか、市の考えをお聞きいたします。 次に、観光行政の中、新たな九州への観光戦略についてであります。 答弁にもありましたように、福岡線については利用しやすくなり、静岡経由の鹿児島便、そして来年、九州においては九州新幹線の全線開通があり、まさにチャンスであります。また、鹿児島IN・福岡OUTの商品の話もありました。今後の対象エリアでは、九州全域に拡大しての取り組みでいくという答弁もございました。 そこで、福岡の圏域という表現もありましたが、その中の佐賀県について、唐津市へ観光誘客に行ってきたと聞いております。唐津市は、福岡市へ電車、車、バス等で1時間程度とお聞きします。まさに福岡の圏域となる地域でございます。そこで、その唐津市の観光誘客について、その感触と今後の見通しはどうかお伺いをいたします。 次に、着地型観光と第3種旅行業資格についてお伺いします。 答弁にもございましたように、資格取得により、宿泊あっせんの手数料などの収入があります。このことにより、松本観光コンベンション協会が資格取得をすることで、自主財源確保ができるのであります。そのことで民間とともにフレキシブルに動け、足腰の強い、また早い動きとなり、より観光振興が図れると思うのであります。 今後、資格取得について積極的に支援していくという答弁がございました。資格取得の必要性を強く求めているところでありますが、松本観光コンベンション協会が資格を取得することがベストと考えます。他市の例では、観光協会が取得している例もございます。早い段階での取得をお願いし、また資格取得に対して必要な営業保証金についても、市として支援ができるようご検討いただき、今後、予算の反映等にもお願いをいたします。 次に、NHK連続テレビ小説「おひさま」についてでありますが、おひさま広域観光推進連絡協議会の設置の準備も進んでいるということでありました。また、NHKも朝ドラマ50周年ということで力が入るということであります。来年は信州松本を全国的にPRできる年であり、期待するところでありますが、この松本市に期待を持って訪れていただく観光客の皆様へその期待を裏切らないよう、また盛り上がりがいかに継続しているかが大切であります。この「おひさま」は、そば店が舞台であります。そばに関することについて、さまざまな検討をお願いします。また、そばの花についても期待をできるところであり、多くの観光客の方にそばの花を見ていただけるような企画も検討していただけたらと要望させていただきます。またとない絶好のチャンスをどう生かしていくか、行政、民間ともに協力して進めていってほしいと期待しております。 次に、庁舎屋上のテレビカメラであります。この件については、松本市のPRとしての生でのリアルタイムでの映像発信であります。例えば桜の咲く季節に松本市を訪れた方が、紅葉の松本城と北アルプスの背景の映像を見て、次は秋の松本城を旅してみたい、あるいは雪の松本城を見てみたい、そんな効果もあるのではないかと考えます。大変効果的な観光PRとイメージアップになると考えます。答弁では新たな設置ということでありましたので了とさせていただきます。 次に、学校評議員制度についてであります。本来、学校評議員制度は、学校長の求めに応じ、学校の教育目標、計画や地域との連携の進め方など、学校運営について意見を述べるということでありました。しかし、現在の児童生徒を取り巻く環境や学校の先生方の苦労を考えるとき、活動する学校評議員、学校、そして児童生徒の応援団となって、学校と地域のパイプ役となっていかなければならないのではないでしょうか。今、子供を取り巻く環境がどうであるかなど、講演会などの開催も多数ございます。私自身、この数年の間、児童生徒と接している中で、講演会などの参加により、接し方のヒント、課題等、勉強になったことがあります。 そこで、このような講演会、シンポジウムなど、松本市や教育委員会が主催、後援しているものがあるわけでありますが、その開催の情報を学校評議員などへ情報として提供していただくことはできないかと思うわけでありますが、この点は要望とさせていただきます。 また、学校の応援団というところでは、現在、学校応援団サポート事業がモデル的に実施をされております。来年度からは全校対象となるわけであります。以前にこの事業に対しても一般質問で伺いましたが、その後、この学校応援団事業の広がりの中の成果と、どんな事例があるかお伺いをいたします。 次に、通学区の弾力化についてであります。課題についても答弁をいただきました。課題の一つである地区外への通学でありますが、答弁にありましたように、町会単位での取り組みによっては、その課題解決は解消されるのではないかと考えます。地域のサポート、地域内でのコミュニケーションが大切であります。 私の地区の例を挙げさせていただきます。私の在住しております島立地区堀米町会では、島立小学校、そして弾力化により田川小学校に子供たちが通学をしております。先ほどの答弁の課題にありました、もとの通学区制という声も聞こえます。しかしながら、現状の中、町会では、地区行事に参加していただくよう地区の両PTAに声をかけ、参加していただけるよう町会役員の皆さんが努力をされております。年間のさまざまな行事の中で尽力をいただいておりますが、先日、11月28日には、前年の企画を変え、ふれあいもちつき会の開催が行われました。このふれあいもちつき会には70名の子供たちの参加がありました。 お正月飾りの縄細工では、町会の高齢者クラブの方が指導され、ゲームではペットボトルを使ったボウリングを公民館、町会役員の皆さんが考え、製作し、またもちつきや準備は町会福祉部、日赤奉仕団、PTAなど、多くの地域の方々の協力によって開催をされました。当日は、70名の子供たちも楽しかったようで、おもちもたくさん食べておりました。また、町会のそれぞれの役員の方々も、たくさんの子供たちの参加に喜んでおりました。その役員の方の話の中で、「まだまだ途上であるが、町内の子供たち、PTAなど、それぞれの触れ合いの場、そして、それぞれのつながりをつくるため、今後も試行錯誤しながら、地域づくりを進めていく」との話をお聞きしました。 市内にもこのような例はあると思うわけでありますが、町会の活性化と通学区の弾力化は別々の課題であり、通学区の弾力化の課題解決策には、このような単位町会での地域づくりの中にあるように考えます。そこで、このような地域とのかかわりについて、教育委員会としてどのように考えるかお伺いをいたします。 以上、2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 公共交通のあり方の2回目のご質問にお答えをいたします。 西部地域では、地域住民の移動実態を把握し、効率的な運行ルートを選定することなどを目的に、平成20年9月に島内、梓川地区など9地区の町会に加入している全世帯を対象にアンケート調査を行い、調査結果等をもとに、西部地域におけるコミュニティーバスの運行ルートなどの選定を行い、現在2年目の実証運行をしております。この実証運行は、来年度が3年目の最終年度となるため、利用状況や地域の特性などについて、総合評価、検証を行うこととしております。 そこで、平成24年度からの本格運行に向けて、効果的かつ効率的な持続可能なシステムを構築するため、3年間の実証運行の総括と公共交通に対する考え方などをお聞きすることを目的に、議員ご指摘の住民アンケートを実施することが必要だと考えております。また、アンケート調査結果は、地域住民みずからが公共交通課題の掘り起こし等を行う際に有効なデータとして、必要に応じて情報を提供してまいりますので、各地域でご活用いただきたいと思います。 次に、上高地線を存続する意義と今後の支援体制について申し上げます。 本年3月の波田町との合併により、全線松本市域となりました上高地線につきましては、年間約140万人の皆さんが利用しております。そこで、上高地線が上高地・乗鞍方面へ向かう観光客の重要な移動手段であるとともに、地域住民にとっては生活に欠くことのできない基幹公共交通機関でありますので、今年度内に西部地域公共交通総合連携計画の中で位置づけてまいりたいと考えております。 この上高地線につきましては、松本電気鉄道株式会社による自主営業路線として存続していただくことが前提となるわけでございますが、現状では老朽化が進む橋梁や踏切などの保安施設などの安全対策に対応しなければ、鉄道の維持存続が難しい状況となっております。そこで、松本電気鉄道株式会社が国の補助事業を活用した場合に、松本市といたしましても国・県との協調助成に加え、市単独による助成を行うなどの支援策を来年度に向けて検討してまいりたいと考えております。また、活性化利用促進策につきましても、松本電気鉄道株式会社と連携をしながら、地域住民の皆様への啓発や、パーク・アンド・ライド事業等への取り組みなどに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 三才山トンネル無料化に向けて、2回目の質問にお答えいたします。 市が三才山トンネルの債務の一部を負担して、通行料金を安くできないかとのご提案でございます。三才山トンネルは、当初平成18年には債務償還が終わり、無料化となる予定でございましたが、昭和51年にトンネルが開通して以来、松本市街地への大型車等の流入により、生活環境の悪化が問題となり、迂回路として、平成6年に松本トンネルが建設をされました。これに伴い、有料道路区間が変更され、三才山トンネルと松本トンネルが1路線として取り扱われることとなり、債務も合算されての償還となっております。現在の残債は約80億円と聞いております。 有料道路事業としてスタートしたトンネル事業の債務償還は、利用者による受益者負担が原則であり、市費を投入することは、制度上と市民への公平性などを考え、好ましいことではないと判断をしております。通行料金を引き下げる一つの手法として、同じ有料道路区間にある松本トンネルと同様な社会実験による料金の引き下げが可能か、期成同盟会を通じ、関係機関と相談してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 平尾商工観光部長。 ◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 唐津市での観光誘客についてお答えをいたします。 佐賀県唐津市での観光誘客につきましては、先ほど市長が申し上げたとおり、10月31日のダイヤ改正により、対象エリアを拡大してPRするとの考えのもと実施をしたものでございます。具体的には、11月14日に開催されました「唐津うまか博2010」へ信州まつもと空港地元利用促進協議会が出展し、FDA就航の周知、観光宣伝、特産品の販売を行いました。特産品の販売では、ちょうどしゅんであります信州リンゴを販売したほか、そばや漬物、みそなども合わせて販売いたしました。特に信州リンゴは大好評で、用意した15箱が約3時間で完売となったということでございます。 唐津市は、福岡市から電車あるいは高速バスでも1時間ちょっとの距離であり、経済、あるいは生活のかかわりは福岡市と密接であるとのことで、佐賀空港より福岡空港を多く利用するとのことでございます。福岡・松本路線につきましては、まだまだ認知度が低いというのが現状でございますが、上高地や松本城などはかなり知られており、ぜひ行ってみたいとの声が多く聞かれました。 唐津市での観光誘客、特産品の販売は今回が初めてでありますが、ことしから伊勢町商店街振興組合が行っているせせらぎ土曜市では、唐津ひもの市として出店していただいており、干物などの売れ行きもよいとのことで、相互交流が始まっております。 今後の見通しにつきましては、福岡周辺エリアから、誘客の一環として、継続的な誘客活動を展開するとともに、松本城の城主であり、小笠原氏の一族がその後、唐津城の藩主となったことなど、歴史的なつながりもありますので、文化、観光を含めた相互交流を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 議員の学校サポート事業に関するご質問にお答えします。 学校サポート事業は、学校、地域、公民館が一体となって、学校が抱える課題や必要とされる支援内容を本音で議論し、多彩な地域の力をおかりしながら、地域と歩む開かれた学校づくり、特色ある地域づくりを目指し、平成20年度は9公民館、平成21年度は17公民館、そして今年度は26の公民館で事業を展開しています。 具体的な取り組みについて申し上げますと、公民館が学校と地域とのコーディネーター役を担い、学習・部活動支援、安心・安全支援及び環境整備支援の3つの支援を中心に、自然、環境、食育の学習を初め、英語講師の派遣や読み聞かせ、花壇づくりなど多彩な活動が実施されています。最近では、地域の特性を生かし、文化財施設を利用した郷土学習事業や、地域づくりを目指した活動と連携した防災宿泊体験の実施など、新たな活動の広がりを見せております。ただ、活動の中心が小学校との連携にとどまり、中学校とのかかわりがまだまだ少ないことが今後の課題となっております。 今後は、この事業をきっかけに、地域で子供を支え、はぐくむという強い意識を地域全体に広げ、学校、地域はもとより、子供にかかわるあらゆる立場からの情報や思いを生かしながら、平成23年度には全公民館で実施することを目指し、地域に開かれた学校づくりとして、学校サポート事業の一層の推進を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 伊藤教育長。 ◎教育長(伊藤光) 〔登壇〕 阿部議員の2回目のご質問についてお答えをいたします。 コミュニティー意識の希薄化などに伴い、地域で子供を支え、はぐくむ意識が乏しくなっていると言われている中で、ご紹介をいただきましたように、地域の将来の担い手である子供たちのことを真剣に考え、積極的に取り組んでいただいている地域の皆様方に本当に感謝を申し上げるところでございます。 近年、地域における地縁的な関係の希薄化に加え、家族形態の変化に伴い、地域の人々とかかわることのできにくい家庭がふえていると思われます。また、中には地域の祭りや行事等に参加せず、地域とのかかわりを持とうとしない家庭や保護者も見られます。しかし、子供たちは、家庭と学校の中だけで育つのではなく、地域のさまざまな人とかかわり合い、そして支えられ、見守られながら成長していくものと考えております。そして、地域の人々との交流を深めることにより、社会性を身につけるとともに、みずから住む地域にさらなる愛着を持つものと考えております。 これまでも学校において、地域とのかかわりを持つことの大切さを子供や家庭にお話をし、地域活動への参加を呼びかけてきておりますが、さらに保護者、地域と力を合わせながら、子供たちが地域活動にかかわれるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 10番 阿部功祐議員。 ◆10番(阿部功祐) 〔登壇〕 3回目は、意見、要望をさせていただきます。 公共交通についてでありますが、アンケートを今後実施されるということでありました。アンケートの実施の際は、私自身も周りや多くの方にも声がけをしていくつもりでありますが、前回以上に声を上げていただくことに期待をするところであります。 また、このアンケートが地域主導型公共交通システム事業への参考にも使えたらと考えます。開示していくということでありますので、この点もアンケート調査に入る前に、地域主導型事業を考えている地域には特にお知らせをいただき、結果の有効活用をしていただければと思います。 また、これはタウンスニーカー西コースについてでありますが、現在、最終便が午後5時45分であります。午後5時45分、合同庁舎発でありますが、合同庁舎職員の方が多く利用されております。そこで、その午後5時45分以降の利用の声があるのか、またそういった点も長野県合同庁舎に勤務する職員対象のアンケートもご検討いただけたらと考えますので、これは要望といたします。 上高地線についてであります。年間140万人の利用があるということでありました。西部地域の基幹公共交通機関であります。この上高地線も、バス同様に「乗って残そう」を引き続きアピールしながら、利用の向上を目指していただきたく思うところであります。バス、そして鉄道を「乗って残そう」で、公共交通への利用を、交通弱者のみでなく、日常の車利用を時には公共交通に変えてみる、そんなことが一人でも多く取り組んでいただけたらと願うところであります。 三才山トンネル無料化に向けてでありますが、三才山トンネル、松本トンネルが一体、1路線という扱いということが大きな障壁であります。今回、何とか早期の三才山トンネル無料化の方策を考えたのですが、なかなか難しい状況なのでしょうか。答弁にありましたように、松本トンネルのような社会実験が可能か、ぜひ検討をお願いしたいところであります。 そして、負担軽減という視点で1点、提案をさせていただきたいと思います。上田市の平井寺トンネルの例であります。上田市では、この平井寺トンネル有料道路の2割引の回数券を上田市が一括購入をし、これに1割分の市費を補てんし、市民に販売しているというもので、実質3割引での購入が可能となっているものでございます。 松本市としても同様に、先ほどは受益者負担が原則ということでありましたが、しかし無料化の切なる願いという点で、ぜひこの上田市の例同様、またそれ以上の取り組みができれば、利用者の負担軽減ができると思うのであります。この点はぜひ検討いただけましたらと強く要望させていただきます。 次に、新たな九州への観光戦略についてであります。 先ほど信州リンゴが好評であったとお伺いをいたしました。昨年に引き続き、11月でありましたか、横浜市での物産展でも信州リンゴが好評で販売をされたと聞いております。ぜひこういった農産物も観光PRに積極的に取り入れていただきながら、信州リンゴのPRもあわせてお願いしたいと思います。 九州と松本ということで、相互交流では松本から九州地方へということも期待できるところであります。九州地方への観光戦略は、空路あってのことであります。松本市の取り組んでいる状況、私は一定の理解をしているところでありますけれども、信州まつとも空港は、まずは県営の空港であるということを、県へも積極的な働きかけをお願いしていってほしいと、この辺もお願いをしておきます。 そして、最後、教育行政でありますが、学校評議員制度の中で学校応援団ということで、学校サポート事業という点について、今、答弁をいただきました。小学校ではいろいろな取り組みがされているけれども、中学校との連携がまだまだということでありました。この学校サポート事業は、地区公民館がコーディネーターであります。学校評議員には、公民館長が委員として入っている学校もあり、また町会連合会長なども入っており、学校応援団事業の話題提供も会議の場で出していただけたらと思います。そして、地区とも協力、連携しながら取り組んでいただけたらと期待をするところであります。 以前に学校評議員会において、評議員の方が、温泉地にある小学校でせっかく温泉地なのだから、温泉入浴体験をと提案し、子供たちにとって入浴マナーも知る、とてもよい教育の場になっているという、そういった地域ならではの取り組みも聞いております。これはほんの一例でございますけれども、紹介をさせていただきました。 今後、学校の課題を学校評議員会、教育委員会へしっかりと報告できる環境も大切であります。学校の課題は、地域の課題でもあります。課題を公表することで、地域の方の考え、対応が変わることもあると聞きます。ぜひ今まで以上に開かれた学校という点から、そのようにお願いをいたします。多様な生徒への対応についても、地域の力で対応できることがあると思います。 この12月1日の「広報まつもと」の掲載記事で、「先達をこえ『学都松本』の実現を」、これは学ぶ「学都」のほうでありますが、出ておりました。松本市の学都松本の歴史は、松本市固有の市民気質がはぐくまれてきたといいます。また、全国学力・学習状況調査では、学習環境や生活習慣を尋ねた質問紙調査で、「地域の行事に参加する」「近所の人にあいさつをする」という小中学生の割合が、長野県は全国平均を大きく上回っていたことが発表されておりました。 今後、地域と学校の結びつきは、学校運営の中で重要な役割であると考えます。学校評議員制度が学校と地域のパイプ役となり、松本市独自、オリジナルの学校評議員制度、そして学校応援団事業ができれば、地域の教育力が向上し、目指す学都松本の実現となるのではないでしょうか。 次に、通学区の弾力化についてであります。 答弁の中、子供たちや家庭に対して、地域活動へのかかわりを持つことの大切さ、地域活動への参加を呼びかけるなどしていただいているなど話をお聞きして、教育委員会としても、子供が地域とかかわることが大切であるとの認識を持っている点は、私の考えと同じくするところであります。私は、地域社会が子供たちに、違う年齢、違う学校、違う世代の友人との多様なる人間関係や各種の体験活動などを提供することにより、自分や他人を尊重する心、集団のルール、情操や人間性などをはぐくむ力を与えてあげることができるのではないかと考えるところであります。来年度より(仮称)地域づくり課が設置されると聞きます。地域づくりは、町会単位が大変重要であります。その点でも弾力化の課題解決には、教育委員会との連携をしていただきながら、課題解決の力になっていくことをお願いしておきます。 また、この弾力化により、以前、私の経験でありますけれども、いじめによる不登校であった児童が2倍、3倍離れた学校へ通学をし、そこで、楽しい学校生活ができ、そして目的ができて、楽しく笑顔での学校生活となりました。私もたびたびその児童のところに訪問し、話を伺っても、とても楽しい学校生活だという感想を述べていただきました。そして、その目標に向かって、中学校を卒業した後も高校へ進学し、現在は県外でありますけれども、頑張っている子もおります。 そういった児童もおるという中で、やはり地域の子供は地域で育てる、そういったことに私も期待をしている一人であります。しかしながら、弾力化という課題も抱えている町会もあると聞きます。そういう中で、ぜひ教育委員会、そして(仮称)地域づくり課もできるという話でありますが、また地区PTA、それぞれがともに話し合いをし、協力をして、課題解決をしていくように、教育委員会もぜひそういった点でも席を同じくして対応していってほしいと、こんなことをお願いしながら、私の質問の一切を終わりとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で阿部功祐議員の質問は終結いたします。 昼食のため暫時休憩いたします。 再開は午後1時30分といたします。                              午後0時28分休憩                            -----------                              午後1時30分再開 ○副議長(小林繁男) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 24番 福島昭子議員。 ◆24番(福島昭子) 〔登壇〕 会派改革の福島でございます。3日目の午後となりますと、皆さんお疲れのことと存じますが、質問の機会をいただきましたので、会派改革を代表して、塩原議員と、通告に従い一部私見を交え、質問させていただきます。 健康寿命延伸都市についてですが、健康寿命延伸都市・松本の創造は、松本市の持続可能な市政の創造、いわゆる将来ビジョンの方向性の根幹であり、日本、世界の長期的な成長戦略として理想とするところであり、大きく評価し、松本市の誇れる施策として、大切に育てることを前提に、育てたいからこそ見える課題について質問します。 まず、キャッチフレーズについてですが、昨年12月議会で、健康寿命延伸都市・松本の創造に向かって、障害のある人もない人もすべての市民が健康寿命延伸都市・松本の創造をともにはぐくめる内に向かっての理念が必要ではないかと提案しました。中澤前政策部長からの答弁は、「ロゴマークは、市のさまざまな場面で使用するようにしていますが、確かに市民の皆様にわかりやすい言葉で健康寿命の理念や目標などを明確にして、共通認識を持って進めることが必要だと考えております」とのご答弁をいただきました。 このごろ立派な基本理念を掲げたパンフレットができました。その中に「市民総ぐるみで展開していきます」と記されています。もちろん総ぐるみと言っているので、障害のある人もない人もすべてということだと考えますが、私はどこかが違うと思うのです。選挙のことを「デモクラシーの祭り」と言ったのは、有名なハーバート・ジョージ・ウェルズであることはよく知られています。菅谷市長と私たち議員は、デモクラシーの祭りの洗礼を受け、今、健康寿命延伸都市・松本の創造を施策の大きな柱に掲げ、政治をつかさどっています。この大きな責任を思うとき、市民が健康寿命延伸都市・松本の創造という理念をどこまで理解しているのだろうかと常に考えます。 健康寿命の「健康」という言葉、そしてさらに健康を維持し、健康のままの寿命を延伸する。松本市政が個人の「健康」という2字を都市戦略の柱に据え、市民の自助努力に協力を求め、市民とともに命の質、暮らしの質を守ることを掲げたこの施策は、あわせて地方自治体の持つ財政の限界を市民に訴え、市民の意識改革を求め、健康保険や介護保険の支出を抑制するもので、とても大切なことですが、市民のだれしもが健康でありたいという願いはない人はありません。 しかし、その願いがかなえられずに病気で苦しんでいる人、あすの命もわからない人、障害のある人など、列挙すれば、限りなく弱い立場の人々にも配慮しているということが市民にわかるようにすることが必要です。病床や施設や社会の片隅で、自分は健康寿命延伸都市を目指す松本市の施策にお役に立つどころか、施策推進の足を引っ張る立場にいるのではないかと悩む市民もいるかもしれません。このように自分を責め、悩む人は、健康寿命延伸の施策を理解しているから悩むのであって、心の健康な人なのです。 身体的に障害のある人も病める人も、ともに健康寿命延伸都市・松本の創造の仲間であることを共有できることが必要です。例えば「障害のある人もない人もみんなでつくる健康寿命延伸都市」というようなキャッチフレーズがあったらと考えます。ご見解をお聞きします。 次に、健康の定義についてですが、私は健康とは、身体的な健康だけではなく、心の健康も健康寿命に入れないと、人間性豊かな健康寿命ははぐくまれないと考えます。WHOでは、健康とは身体的・精神的・社会的に最適であることと定義づけていますが、健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げたからには、松本市独自の健康の定義が必要と考えます。 健康寿命については、一生涯のうち健康で自立して暮らすことができる期間であり、それは健康で明るく元気に生活し、実り豊かで満足できる生涯の期間であり、健康寿命は、平均寿命から要介護などの期間を除いた期間として算出しています。健康寿命とは、要介護の期間を除くとあります。まさにそのとおりですが、私はたとえ要介護であっても、介護してくださる方にいつも笑顔でありがとうと感謝の心を伝えれば、介護してくださる方はお役に立ててよかったと生きがいにつながり、感謝と感謝のお互いさまの心の健康がはぐくまれます。だから、たとえ要介護者となっても、障害があっても、健康寿命は一緒にはぐくめます。 よって、生きがいや良好な人間関係といった新しい健康観を取り入れないと、市長の目指す人間性豊かな健康寿命ははぐくまれないのではないかと考えます。健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げた松本市らしさの健康の定義について伺います。 このごろ市長も職員も議員も市民の皆さんも、ロゴマークのピンバッジを胸につけ始めています。障害のある人も胸を張って、ともにバッジをつけられる、そんな健康観が求められるのではと考えます。これらを踏まえ、難しいこの施策を進めていく上で、市長が一番大切にしなければならないとお考えのこと、問題点になることは何であるか、またそれらについて具体的にどのような方策があるかについてお聞きします。 次に、プラチナ世代相談窓口「とまり木」について伺います。 去る10月10日、プラチナ世代の持つ社会貢献意識やチャレンジ精神を社会に結びつけ、今まで培ってきた豊富な知識や経験、技能を生かすため、さまざまな地域活動やサークル活動などを紹介し、地域づくりや仲間づくりのアドバイスを行う相談窓口「とまり木」を開設しました。早速、蟻ケ崎西町会のお弁当づくりへの協力を求め、登録を申し出ました。私は、住民自治の実践から、何回も行政の果たす役割の大切さを訴え、質問してまいりましたので、「とまり木」ができたことに期待を寄せ、プラチナ世代がその経験を生かし、地域づくりに大いにかかわっていただくことを求めたのです。 プラチナ世代相談窓口「とまり木」は、まだスタートしたばかりですが、理論や活字のデスクワーク型ではなく、職員は現場に出向き、実態をよく知り、健康寿命延伸都市・松本の創造を目指しているという意識を持って、地域に密着した今後の取り組みに大いに期待を寄せるところでございます。 まだ短期間ですが、相談者数及び内容など、また実績と今後の具体的取り組みについてお聞きいたします。 次に、地域医療のあり方について伺います。 高齢の夫婦2人暮らしやひとり暮らしの世帯が見る見るふえています。だれもが住みなれた家で人生の最期を迎えたいと思っております。しかし、現実は介護が必要になり、支えてくれる人がいなければ、病院か施設に行くしか仕方がない状況にあります。その施設も大幅に不足して、入所待ちの現状であり、しかもお金がなければ入れません。自立できなくなったから何とかしてほしいとよく相談されます。だれもが住みなれた家や地域で、人生のフィナーレを迎えたいと願っています。 医療とは、単に病気の治療ではなく、医療機関と住民が互いに信頼できる関係をつくり、その人らしい生き方ができる、そんな医療と福祉が重なり合う地域づくりができたらいいなといつも考えます。松本市の目指す健康寿命延伸都市・松本の創造は、健康づくり、医療、福祉は独自に完結するのではなく、制度の縦割りの垣根を取り払い、連動して地域づくりと融合させ、地域づくりのグランドデザインに医療を組み込み、在宅介護の充実を図ることが求められます。それには24万人の松本市を一くくりにした地域づくりと地域医療のあり方を考えても難しいのです。顔の見えるコンパクトな範囲でなければ、目が行き届かないからです。35地区にそれぞれ保健・医療・福祉の連携と自助・共助・公助が機能することが原則です。 今、松本らしさの地域づくりと称して進めていますが、地域づくりと医療を切り口に、角度を変えて、地区分権型行政システムの転換について質問します。地域づくりに関しては、きのうの芦田議員と本日の小林あや議員と重なる部分もありますが、角度を変えて質問いたします。 私は、町会長を9年間務めました。そのときにこのまちに保健・医療・福祉の連携が必要と考えたのです。町会長としてできたことは、町の開業医でありました今は亡き荻原医師にまちの公民館長になっていただき、とにかくまちづくりと医療をつなげ、住民に安心感を、そしてともに生きる蟻ケ崎西町会はみんなの家庭というまちづくり宣言をいたしました。 町会長としてできたことは、医療と福祉の連携はそこまでで、町会は家庭と位置づけましたが、医療と介護の連携はどうしたらいいのだろうかと真剣に悩みました。800戸2,000人の町会といえば、小さな村です。このまちに財源と決定権があったら、きっと町民は真剣に自分たちが幸せになるためのまちづくりを考えるだろうと思ったのです。私の地区分権型行政システムへの転換、いわゆる都市内分権の提案は、この実践からの発言です。 さて、議員になって一貫して、地域づくりとあわせ、地区分権型行政システムへの転換を求め、都市内分権として質問してまいりました。市長は、地方分権の時代を見据え、市民が主役となる施策に向かっています。しかし、分権の受け皿にたえ得る行政システムは、まだまだ不備です。ましてや健康寿命延伸施策は、行政の財源の限界を見きわめ、持続可能な自治体運営に向けて、市民の意識改革による協力を求め、市長は、市民がみずからの健康づくりを通して主役となる市政への転換を図ろうとしております。それなのに現状の縦割りの行政システムのままでは、どんなに理事者や職員が頑張っても、一番小さな単位の暮らしの現場の町会まで行政の光が当たるには距離があり過ぎます。健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げた行政の責任はとても重いのです。 保健・医療・福祉を初めとする市民に身近な行政施策が市民一人一人に行き渡り、成果を上げるためには、地域と行政が連携し、住民を身近なところから支えていくシステムをつくることが大切と考えますが、見解をお聞きします。 次に、福祉ひろばの機能についてですが、ハードは行政、ソフトは住民が主役で新しい福祉の魂を入れる、平成7年、「福祉は文化である」をキャッチフレーズに、希望に心弾ませ、福祉ひろばは開設されました。開設から約15年の歳月が流れ、その間、時代も大きく変化しました。この間、福祉ひろばが時代背景を踏まえ、真の地域福祉のサテライト拠点として機能しているだろうかと思うのです。行政は、その時代の到来であることを認識すべきと考えます。 15年間、市民が主役で福祉の魂を入れた、この活動をまず大切にしながら、加えて時代の求める1つの提案として、地域包括支援センターと連携して、松本市ならではの在宅介護の質を上げる在宅介護支援センター的な機能も、もう一方で持たせることはできないものでしょうか。今の個人とかかりつけ医という孤立した点と点の関係が、もっと面となり、住みなれた家で、地域で安心して生きられるには、医療を特別な施策としないで、日常的に地域包括支援センターと連携して、時には軽い認知症の方も福祉ひろばに受け入れ、健康な福祉ひろば利用者と一緒に時間を過ごすような、ともに生きる機能を持たせることができたらと考えます。 福祉ひろばの機能の見直しなどにより、地域づくりのグランドデザインに医療を組み込み、地域づくりを通して、ともに在宅介護をサポートする施策についてお聞きいたします。 次に、医師や看護師、介護福祉士などの人材の確保についてお聞きします。 10月25日の臨時議会で市長の地域医療に対する熱い思いをお聞きし、とてもうれしく思いました。「医療はすべからく地域医療であるべきで、地域を抜きにした医療はあり得ない。あえて地域医療というのは、いかに地域がないがしろにされているかということの裏返し」とおっしゃったのは、あの佐久総合病院の今は亡き若月先生です。きめ細かな地域医療の充実と質の向上には、医師や保健師、看護師、介護福祉士などが地域づくりに向けた高い意識でかかわりを持つことが必要で、そのための取り組みが行政に求められます。 例えば保健師や看護師は、暮らしに常に顔が見える存在として、人をふやすべきであり、介護福祉士は質の向上のために必要と思いますが、どのようにお考えかお聞きいたします。 次に、高齢者福祉施策についてお聞きします。 介護、安否確認つきの高齢者住宅の整備支援についてでございます。 国土交通省は、介護や安否確認つきなどのサービスがついた高齢者向け賃貸住宅を今後10年間で60万戸を目標に整備をする方針を固めたという記事が8月25日の朝日新聞で報じられました。その記事によりますと、国土交通省と厚生労働省が連携して、一定の支援が必要なお年寄りでも安心して暮らせる優良な高齢者住宅の基準をつくり、基準を満たした上で、介護や食事、入浴などサービスの質が保障された高齢者住宅を建てる民間事業者に対し手厚い支援を行うといいます。支援の柱は低利融資の補助金で、住宅金融支援機構から長期で低金利のお金を借りられるほか、1戸当たり100万円の補助金を受けられます。初年度となる来年度は数万戸の整備を想定し、数百億円を概算要求に盛り込むといいます。入居者は、介護保険制度に基づく在宅介護や、ひとり暮らしのお年寄りの安否確認、食事や家事などを希望に応じて選べるようにする方法です。 国土交通省によると、お年寄りだけの世帯は今後10年間で約250万世帯にふえる見通しだそうです。介護が必要となっても、福祉施設に入れないお年寄りが都市部を中心に急増するとされています。高額な一時金などが必要な有料老人ホームや、大量の待機者がいる特別養護老人ホームでは、ニーズに対応し切れません。このため比較的軽い介護サービスで済み、一定の所得がある人たちを対象にした民間による住宅整備を後押しするとの記事です。 この国土交通省と厚生労働省が進めようとしている高齢者住宅の特徴は、介護や生活支援などのサービスの質を入居者に保障することにあることです。国土交通省は、これまでも高齢者住宅のバリアフリー化など、高齢者が住みやすい住宅建設の支援をしてきましたが、サービスは特別扱いだったため、入居しても十分なサービスが受けられませんでした。この計画は、施設難民と言われる大量の施設入居待ちの抑制をねらうものです。 そこで、伺いますが、松本市の特別養護老人ホーム入所待機者数と、今後増大すると予想されます10年後の高齢者数と、それを踏まえた現状での対策と、国土交通省、厚生労働省の示す介護付高齢者住宅支援事業についてどのようにお考えかお聞きします。 次に、男女共同参画施策の推進について伺います。 松本市の女性管理職の登用についてですが、この質問は昨年12月議会でも行いましたが、ことしは課長職に5人がつき、うれしく思っております。市長も「若木が育っているので、今後も積極的に登用する」とのご答弁をいただいてあります。若木が育っているということは、近い将来の松本市役所の女性管理職の比率に期待が持てます。さらに登用率のアップに期待するところであります。 副市長2人制として、女性副市長の登用についても質問いたしました。ご答弁は、「チーム菅谷は現在のままで何ら支障はないので、その意向はない」との答弁でした。支障なく機能していることは、市民にとっても安心感があります。私は、決して現体制を否定するものではなく、男女共同参画社会推進施策を市民に理解していただき、ともにはぐくむには、形を整えることも大切ではないかとの角度からお聞きしました。特に市長は健康寿命延伸・松本の創造を施策の柱に据えております。家庭で、地域で、職場で、健やかに健康を維持するには、男女共同参画社会の実現こそがベースです。 今後、健康寿命延伸を掲げた松本市の将来に向かって、女性の副市長は必要と考えますが、市長のお考えを再度お伺いいたします。 次に、各町会への意識啓発ですが、塩尻市の塩尻東公民館は、地区内に住む女性を対象に、女性の区役員数人についての意識調査を問う調査結果をまとめました。役員を担う意欲のある人がいるものの、男性中心的な習慣やしきたりが残っているなどが理由で、なかなか身近な地域ではリーダーとして活躍しにくい現状にあることがわかりました。このことはいずこにも通じる課題であることは、だれもが認めることでありまして、一番暮らしに身近な町会が男女共同参画社会でなければ、理想的な地域づくりはできないことは明確です。須坂市では、公民館と男女共同参画課が連携し、男女共生市民会議が参画して、各町会に講師を派遣し、男女共同参画社会の実現に向けて、地域学習会を開催し、意識啓発を行っております。 松本市でも先駆的に地区への出前講座など、さまざまな取り組みをしておりますが、改めて松本らしさの地域づくりに男女共同参画の大切さをもう一度再認識するために、出前地域学習会を公民館と連携して、各町会に広げていくことを提案します。先進市である松本市が原点に立ち返り、市民と協働の出前講座の取り組みをもう一度行うことについてお聞きいたします。 次に、市役所のトイレについて伺います。 トイレは、生活に欠かせない施設であり、常に清潔かつ快適に利用したい場所ですと考えたとき、現在の市役所のトイレ環境で、職員も来庁者も果たして心地よく利用できる環境だろうかと疑問に思うのは私だけでしょうか。特に女性は、トイレや洗面所は、身づくろいや化粧などを含めたリフレッシュ空間として、心の豊かさをはぐくむにもかかわる大切な場所なのです。 まず、一番は洋式が少ないことです。衛生面からして、ウォッシャーがついていないトイレが家庭にあるでしょうか。また、高齢者で関節の痛い方も来庁されたとき、各階にすべて洋式が整っていません。あっても使用中のときが多いので、心配になります。理屈はなしに、だれもが気楽で気持ちよく使えるトイレであってほしいと願っております。もちろん和式、洋式、それぞれの好みがあるでしょうが、各階には少なくとも洋式が必要ではないでしょうか。 また、トイレと洗面所に仕切りがなく、食事の後の歯磨きも、トイレの手洗い場です。これではトイレ利用者、洗面利用者、ともども気兼ねをします。「市役所の庁舎は古いが、トイレは素敵ね」と言える松本市役所にしたいものです。ご答弁をお聞きし、1回目の質問といたします。 ○副議長(小林繁男) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 福島議員のご質問のうち、2点についてお答えいたします。 初めに、健康寿命延伸都市に関するご質問にお答えします。 私は、市民の皆さんの命と暮らしを守ることを一番に考える中で、健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げ、市政運営に取り組んでおります。健康寿命延伸都市につきましては、市民や議員の皆さんにも一定の理解はされてきておりますが、まだまだ理解されていない面もございますので、まずは理念を正しく理解していただき、その思いを共有することが課題であると思っております。 この健康寿命延伸都市につきましては、決して市民に押しつけるとか、健康でない人や障害のある人を阻害するものではございません。健康は、人それぞれで状況も違えば、考え方も異なります。それらを包括的に包み込んで、互いを思いやりながら、まちづくりを進めていくことこそが、目指す方向、理念だと思っております。行政としても、これまで以上に意識の啓発等に取り組んでまいりますが、議員の皆さんにおかれましても、ぜひともそれぞれのお立場で市民の皆さんにお話しいただければと思っております。 次に、課題解決のための具体的な方策についてでございますが、私は健康寿命延伸都市・松本の創造を地域で広めていくためには、発想の転換やちょっとした工夫が重要だと考えております。一例を紹介しますと、ことしの今井地区の盆踊り大会では、うちわに健康寿命延伸都市・松本のマークと地区の健診日を入れ、健診の受診率の向上を呼びかけました。これは住民の皆さんのすばらしいアイデアであると思います。 そこで、今後の具体的な進め方の1つとして、このように市民の皆さんが主体的に取り組まれているすぐれた事例を集めた実践事例集を作成し、具体的なアイデアや取り組み方を紹介しながら、地域での取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。 次に、松本市らしい健康の定義についてでございますが、福島議員ご指摘の生きがいや良好な人間関係は、健康にとって大変重要な要素でございます。先ほど議員からお話がありましたが、WHO(世界保健機関)の健康の定義によれば、それはいわゆる社会的な健康、これは家庭、職場、地域などでの人間関係でございますが、これが良好であるということでございます。そういう一部ということになるのですが、社会的な健康には、戦争とか、また飢餓のない状態など、幅広い内容が含まれますので、例えばお互いさまのまちづくりを重点化した松本市らしい健康観を大切にした取り組みを進めていくことも考えていきたいと思っております。 また、福島議員からキャッチフレーズについてのご提案をいただきましたが、松本市は新たに策定する総合計画におきまして、健康寿命延伸都市・松本を本市の目指すべき将来都市像に位置づける方向で、今議会にも議案として提案しております。私といたしましては、健康寿命延伸都市・松本という言葉そのものが既にキャッチフレーズ化しておりますので、改めてつくらなくてもよいのではないかと考えております。先ほど申し上げましたが、健康寿命延伸都市は、障害のある方も、ない方も、また介護を受けられている方も、分け隔てなく一緒に進めていくことでありますので、今後ともその思いを念頭に取り組んでまいります。 続きまして、副市長2人制や女性副市長の登用等についてのご質問にお答えいたします。 既に議会でも申し上げておりますが、私の市政運営に当たっての考え方は、私が基本戦略を打ち出し、副市長以下部課長が具体的な戦術を立案し、それを全職員が一致団結して実行していくことを基本スタンスとしております。議員ご提案の趣旨も理解いたしますし、ここで将来的な検討までも否定するものではありませんが、目下のところ、現体制が定着し、効率的に機能もしておりますので、現時点では現行どおり副市長1人体制で進めていきたいと考えております。 次に、女性職員の管理職へのさらなる登用とのことでございます。女性職員につきましては、男性職員に比べて絶対数が少ないという実態もあることから、管理職への登用数は決して多いとは言えませんが、基本的には性別にこだわらず、優秀な人材の登用を今後も進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 牧垣市民環境部長。 ◎市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 福島議員のプラチナ世代相談窓口「とまり木」についてのご質問にお答えいたします。 ご案内のとおり、この窓口は、10月に協働推進事業として、市民活動サポートセンター2階に開設いたしました。健康寿命延伸都市・松本の創造に向け、おおむね55歳以上のシニア世代が社会貢献やチャレンジ精神を社会に結びつけ、これまで培ってきた豊富な知識や経験、または技能を生かし、地域づくり、仲間づくりのアドバイスを目的としています。 まず、11月末までの相談件数ですが、36件でございます。年代別に見ますと、50代以下が10人、60代が最も多く19人、70代6人、80代1人となっております。相談内容と対応ですが、最も多いのはボランティア希望の23件でございまして、この方々には社会福祉協議会ボランティアセンターを紹介し、ボランティアコーディネーターとの面談を通して、実践に役立てていただいております。次に多いのは就業希望の15件でございます。シルバー人材センターへの登録をご案内しております。さらに、市民活動やサークル活動の希望が17件と続いておりまして、この方々へは市民活動サポートセンターを利用している市民活動団体17分野230団体をご紹介し、ご要望に沿って、加入を進めております。 また、プラチナ世代対象の事業としましては、コミュニティービジネスセミナーやファシリティーテーター養成講座を開催し、プラチナメンバー登録者や相談者に参加していただくなどの対応をしてまいりました。今後は、コミュニティービジネスなどへも地域のご要望に応じて希望者を紹介してまいります。 次に、今後の取り組みですが、この12月12日にはプラチナ世代の方々の第二の人生設計や社会参加のきっかけづくりを目的に、プラチナ世代支援セミナーを開催する予定でございまして、豊かな人生のあり方について考えていただきたいと思います。1月からは、退職前の方々向けのPRを目的に企業訪問を実施するとともに、2月には、市民活動団体とプラチナメンバーとの情報交換の場、出会いの場として、お見合いマッチングを開催するなど、プラチナ世代の社会参加に向けて、引き続き積極的な事業展開を進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 地域医療施策についてのうち、地域づくりに関連してのご質問にお答えをいたします。 健康、医療、福祉を初めとする市民に身近な行政施策が市民一人一人に行き渡り成果を上げるためには、まさに地域づくりの視点に立ち、地域と行政がしっかりと連携したシステムづくりが必要と考えております。これからのまちづくりは、行政だけが担うのではなく、自助・共助・公助の精神で、地域ができることは地域が担っていく時代であり、地域と市がお互いに信頼関係を築き、新たな協働関係を構築しながら、地域課題の解決に取り組んでいくことがこれからの地域づくりにつながるものと思っております。 幸い本市では、町会を中心とした地域システムがしっかりと地域に根づいておりますので、この松本市のよさをさらに伸ばし、市民と行政との協働によるまちづくりを進めるため、既存の自治の仕組みを最大限に生かし、住民が主体、行政が支えとなって、地域力、市民力を引き出していく松本らしい地域づくりを進めてまいることとしております。 松本市は、松本らしい地域づくりをさらに進めるため、本年6月、松本市地域づくり推進行動計画を策定いたしました。その中で来年4月からは、今後の地域づくりの主導的な役割を担う、仮称ではございますが、地域づくり課を設置することとしております。来年度からはこの(仮称)地域づくり課を中心に、今後の地域づくりのあり方等について検討を進めていくわけでございますが、これらの検討に当たりましては、議員の皆様や地域住民の皆様のご意見を取り入れながら進め、各地区に合った地域づくりへの支援体制を強化してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、地域づくりは、あくまでも住民の皆さんが主体となって進めていただくものであり、行政はその支援をしていくという立場になります。また、地域づくりは一朝一夕になるものではありませんので、それぞれの地区の実情に合わせ、慌てず、急がずに取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 大日向健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 福島議員の3点のご質問にお答えをいたします。 初めに、地域医療政策についての2点のご質問からお答えいたします。 福祉ひろばの在宅介護支援についてのご質問ですが、現在、地区福祉ひろばにおいては、在宅介護支援のための事業として、介護予防や健康増進に効果を上げているふれあい健康教室の健康相談、介護者同士の交流によって精神的な負担の軽減を目的とした介護者の集い、さらには地域課題を共有しながら地域づくりの意識の向上を図る福祉を語る集い等の事業を、各地区の福祉ひろば事業推進協議会と協働しながら実施しているところでございます。 また、地域包括支援センターとは、地区福祉ひろばが地域の皆さんからの在宅介護にかかわる相談を地域包括支援センターへつなぐ役割を担い、地域包括支援センターは地区福祉ひろば事業とタイアップした介護予防事業を開催するなど、お互いに連携しながら、地域の在宅介護支援にかかわる事業を共同で実施しています。 そこで、議員ご提案の地区福祉ひろばに在宅介護をサポートする機能を持たせることにつきましては、ただいま申し上げました在宅介護支援事業を充実し、また関係者の声や住民ニーズをよりきめ細かに反映させるとともに、議員のご提案にもありました事業なども参考にさせていただきまして、在宅介護の専門機関である地域包括支援センターとの連携をより強めることで、地区福祉ひろばにおける在宅介護支援を一層充実させていきたいと考えております。 次に、地域づくりの質の向上に向けた各地区での医師や保健師などの取り組みに関する見解をとのご質問にお答えをいたします。 地域づくりを進めるに当たりましては、各地区で人と人がつながり合う、支え合う環境を築くことが重要であり、その一つとして、議員ご提言のとおり、地区内の医療従事者の皆さんとの連携や、また現在も顔が見える関係を基本として懸命に取り組んでおります保健師の活動などが大切であると考えております。例えば幾つかの福祉ひろばでは、地域の開業医の先生や看護師の方による健康講座や相談などに取り組んでおりますし、また医師会のご協力のもと、小児科の医師の先生による出前講座の開催や、市の小児科・内科夜間急病センターの看護師による子育て支援講座の取り組みも、地区を単位として実施しているところでございます。今後も引き続きこのような実践を通して、地域における医療、保健、福祉の連携を強め、また各地区の積極的な取り組みを支援してまいります。 続きまして、高齢者住宅支援策にかかわる3点のご質問にお答えをいたします。 初めに、特別養護老人ホームの入所待機者数について申し上げます。特別養護老人ホームの入所待機者数につきましては、施設入所の申し込みは個人が施設へ直接行うため、日々変動するとともに、他の施設へも重複して申し込みが可能となっているため、本市独自にリアルタイムで把握することは困難となっております。 そこで、県が毎年3月末現在で調査をしている結果により申し上げますと、平成22年3月末の本市在宅者の特別養護老人ホームの入所待機者数は636人で、そのうち要介護3以上の重度者は390人、全体の61.3%となっております。 次に、10年後の高齢者数と、それを踏まえた現状での施策の取り組みについて申し上げます。 本会議に議案として提出してあります松本市基本構想の中での推計によりますと、10年後の本市の人口は23万3,000人余で、そのうち65歳以上の高齢者は6万4,000人余、高齢化率は27.6%と推計されております。 そこで、ますます進む超高齢化社会を見据えて、現在取り組んでおります高齢者施策について申し上げますと、まず高齢者の皆さんが健康寿命を延伸させ、一人一人が生きがいを持った、より光り輝くプラチナ社会の創造を目標とした社会の実現に向け、市民歩こう運動や介護予防教室、そして全国でも例のない若いときからの認知症予防事業などの介護予防事業の充実を図ってきております。そして、福祉100円バス助成事業などにより、閉じこもり防止に向けた外出支援事業にも取り組んできております。 また、要介護者に対しましては、3年計画で策定している介護保険事業計画に基づき、施設や在宅サービスの整備に努めるとともに、在宅介護者へも交流事業の開催や介護手当の支給事業を通じ、心身や経済の負担軽減を少しでも図っていただけるよう本市独自の事業を実施しております。 続きまして、国土交通省と厚生労働省が連携した介護付高齢者住宅支援事業について申し上げます。 議員ご紹介の国土交通省と厚生労働省が連携した介護付高齢者住宅支援事業は、今まで入居対象者や設備の違いで3種類に分かれていた高齢者向け賃貸住宅制度を一本化し、一定の施設基準と介護等サービスの質が保障された介護付高齢者専用賃貸住宅等を、低利融資と補助金を柱に民間整備の促進を図るものと聞いております。この制度により、利用者にとってはさらにわかりやすく利用しやすい制度になるとともに、高齢者が住みなれた地域で安心した生活をするための選択肢が広がるという観点からも、この事業が広く推進されることを期待しております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 浅川総務部長。 ◎総務部長(浅川猛) 〔登壇〕 男女共同参画施策に関連し、各町会への意識啓発について申し上げます。 松本市では、男女共同参画社会の実現に向け、平成20年度から平成24年度までの5カ年間を計画期間とした第2次松本市男女共同参画計画を推進しております。この計画では、女性も男性も意欲に応じて、あらゆる分野で活躍できるように固定的な性別役割分担意識の解消を重点項目の一つとして取り組んでいるところでございます。 そこで、議員お尋ねの出前学習会についてでございますが、現在、教育委員会において、「いい街つくろう!パートナーシップまつもと」と称し、学びの出前講座を実施しております。この中で男女共同参画につきましても、市民の皆様からお申し込みをいただき、担当職員が地区、町会などに出向いて、ご説明をさせていただいておりますが、昨年度の男女共同参画についての出前講座の利用状況は5回と低調な利用にとどまっております。このような状況を踏まえますと、地区公民館、町内公民館などへ、より積極的に出向き、男女共同参画を理解していただく必要性はまだあると感じているところでございます。 以上です。 ○副議長(小林繁男) 上條財政部長。 ◎財政部長(上條信博) 〔登壇〕 市庁舎のトイレ等の環境整備に関するご質問にお答えします。 市役所庁舎のトイレにつきましては、現在、本庁舎の1階及び2階、東庁舎では1階から3階まで、また大手事務所は3階と5階を除く各階に洗浄機能付トイレを男女ともに1カ所ずつ設置してございます。本庁舎・東庁舎においては、主に来庁者の利用が多いと思われる階を洗浄機能付トイレにしております。この洗浄機能付トイレに改修するということになりますと、便器の設置に広い面積が必要となります。これ以上ふやす場合には、便器数の減少や手洗いなどの場所が窮屈になることも予想されます。 しかし、議員ご指摘のとおり、清潔でだれもが快適に利用できるトイレにすることも、大切な市民サービスの一つでございます。先ほども申し上げたとおり、建物による制約はございますが、どのような改修ができるか、各階ごとに調査をし、庁舎環境整備事業の中で、できる範囲で取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 24番 福島昭子議員。 ◆24番(福島昭子) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきました。それでは、2回目は質問と提案、意見などにさせていただきます。 キャッチフレーズについてですが、新たに策定する総合計画に健康寿命延伸都市・松本の創造を松本市の目指す都市像に位置づけるとのことで、健康寿命延伸都市・松本そのものが既にキャッチコピー化しているので、改めてつくらないでもよいとのことですが、健康寿命延伸都市・松本という言葉の響きは、松本市は既にそれに到達しているのではないかと思われる向きもあります。 理想は、結果として健康寿命につながることが大切であって、到達までのプロセスの質が大切です。1回目でも申し上げましたが、特に弱い立場にある人に優しさと思いやりある施策が求められます。「行政はこんなことをして温かく見守っているから」という安心できる施策が、健康寿命延伸都市・松本の創造の過程で具体的に見えるようにすることではないでしょうか。 キャッチフレーズは、その意義からも大切です。より質の高い創造につながるために、障害のある方も、介護を受けられている方も、みんなでつくる健康寿命延伸都市・松本と掲げられたらいいのにと残念に思いますので、もう一度考え直していただくことをここに要望いたします。 次に、松本らしさの健康の定義は健康寿命延伸という個人の健康という生き方にまで踏み込んだこの施策創造は、多くの課題をこれからも抱えながらも、市民の意識改革により、時間をかけて、新しい価値を創造し、次世代につないでいくことを期待しています。お互いさまという相手を思いやる優しさからはぐくまれる心の健康を大切に考えていくとの答弁でした。松本市らしい健康観を健康寿命延伸都市の創造の過程で大切にはぐくんでいただくことを切に要望いたします。 また、市長が一番大切にされていることは、市政の根幹である市民の命と暮らしを守ることであり、表裏一体となる健康寿命延伸都市の創造施策も、命と暮らしを守ることが根幹であるとのこと。私たち議員も、市長が課題であるとおっしゃっている理念の共有を市民とともに図ることに努力し、正しい理解を深め、施策実現に向けて、その役割を果たしていかなければと心新たにいたしました。 課題の対策につきましては、今井地区のアイデアを紹介されましたが、地域づくりの実践とあわせて、主体的に取り組む実践事例集を作成し紹介しながら、意識改革を図るとのことですが、私は新しい活動とあわせて、松本市には既に多くの実践事例、サクセスストーリーにつながる活動事例があると考えます。その活動に光を当て、評価することを要望いたします。 次に、プラチナ世代相談窓口「とまり木」ができたことに期待を寄せていると申し上げましたが、取り組みについて、そのご答弁をいただきました。最も多かったのはボランティアを希望するとのことで、社会福祉協議会やシルバー人材センターにつなげているとのことですが、私は最も小さな単位の町会福祉を育てることが大切であると考えます。活動を通し、理論と実践の難しさを常に実感し、町会福祉活動を支える行政の役割の大切さを続けて質問してきましたので、お弁当づくりの高齢化による課題を解決していただく行政の支援の一つとして、「とまり木」を受けとめ、申し込みましたが、少し私の思いと違うやに感じられますが、今後の取り組みに大いに期待するところであります。 私がなぜ地域づくりの実践に行政の支援が必要かと申しますのは、特別な条件かもしれませんが、松本市にあります約500の町会の一つであります蟻ケ崎西町会には、おかげさまで行政の光が当たっております。一番小さな町会に協働の土壌がはぐくまれているのです。それは蟻ケ崎西町会には、松本市の葬祭センターがあります。その代償として、まちの公民館を市が建設してくださり、公民館は市の施設なのです。 この公民館の特徴は、葬祭センターの代償であっても、行政に要求するだけではなく、ささやかですが、市に建設費を10万円、住民から寄附をしております。町民としてのやるべき責任、それを自覚し、行政もそれを評価してくださり、当時はまだ協働という言葉はありませんでしたが、行政と住民という、よりよい関係の協働がはぐくまれ、協働ということの先進であると思っております。 その公民館をフルに活用し、町会福祉をベースに自助・共助・公助の住民自治づくりをはぐくんでおります。公民館が市の施設であるというハードの支援があるからこそ、ソフトである町会福祉活動のお弁当づくりや「愛・ぶんぶん」のようなテーマ型の町会福祉活動を含め、住民自治づくりが育ちつつあるのです。私は、この活動を何としても広げていきたいと考えております。それには活動を理解した行政の支援が不可欠です。 私たちは、常に行政にも感謝しながら、行政と住民の役割の大切さを実践から常に学び頑張っております。このような町会福祉活動の実践を通して、さらに質のよい協働の住民自治づくりをはぐくむことが、時代の求める松本らしさの地域づくりイコール健康寿命延伸都市・松本の創造につながる活動だと信じております。蟻ケ崎西町会だけではなく、今、高齢化で悩む小さな町会を行政が支え、協働の住民自治づくりを育てることが重要です。 そこで、地域の福祉や保健活動に取り組んでいる人やグループを含め、町会福祉活動をどのようにサポートし、質のよい住民自治の協働の芽を育て、健康寿命延伸都市・松本の創造につなげるための行政の支援についてお聞きします。 次に、地域医療についてです。去る9月11日の朝日新聞の記事に、「地域医療で『逝き方』を考える」が2面にわたる記事に載っておりました。逝き方とは、死に方のことです。福井県おおい町、旧名田庄村の名田庄診療所所長の中村伸一医師の話です。人口約3,000人の地区です。松本市でいうと、四賀地区よりも、もっと小さな地区です。そこで名田庄診療所の所長の中村伸一医師の取り組みについてですが、名田庄地区では、在宅で亡くなる方は全体の42%でした。全国平均の二、三倍です。地方は深刻な医師不足の中、なぜですかという質問に、「僕は名田庄と結婚してしまったようなものです。それも初恋の相手だったんですよね。浮気してないんですよ」とおっしゃっています。中村医師がどんなことをしているかは一々申しませんが、記事の冒頭の一文に「おばあちゃんが自宅の窓から手を振っている。訪問診療を終えた中村さんの車に向かって、いつまでもいつまでも」、信頼し、心の深いつながりで結ばれているんだなと感動しました。 この陰には、町村合併まで15年間、旧名田庄村の村長だった下中村長の存在がありました。それは村長として、保健・医療・福祉が縦割り行政になって、風通しがよくないことに気づき、三者を一体にした総合施設の建設を決め、そのトップに中村医師を置き、さらに村の保健福祉課長にも任命したそうです。村民の皆さんは、それよりも診療してほしいという声があったそうですが、村長は踏み切ったそうです。旧名田庄村は、松本市と規模が違う自治体ですが、旧名田庄村の取り組みは、保健・医療・福祉の連携が家庭まで届き、病気になっても、ひとり暮らしでも、安心して暮らせる温かなまなざしが、松本市でいうと小さな単位の町会まで行き届いていることではないかと考えます。 今回の質問には間に合いませんでしたが、この議会終了後、福井県おおい町、旧名田庄村に私ども改革の会派は視察し、中村医師からお話をお聞きすることになっています。現在の松本市の縦割り行政システムの弊害は、市民の命の質にまでかかわってきます。地域医療と地域づくりをつなげ、暮らしに医療を近づけることで、縦割り行政を見直すべきと考えますが、市のお考えをお聞きいたします。 次に、福祉ひろばの機能についてですが、来年度から(仮称)地域づくり課は機能し始めるとのご答弁をいただきました。福祉ひろばは、地区それぞれに地区の住民が主体となって、特色ある取り組みを展開しています。積み重ねてきた実績を(仮称)地域づくり課とよりよい連携につなげ、地域づくりと保健・医療・福祉の連携を図り、1回目で申し上げましたが、個人とかかりつけ医という孤立した点と点の関係がもっと面となり、住みなれた家で、地域で、安心して、ともに生きる在宅介護をサポートできる機能も持たせたいものです。 ご答弁は、現状の在宅介護をサポートする事業をより発展、充実させるとともに、住民ニーズをよりきめ細かく反映させるとのことですので、地域づくりと医療の連携による地域福祉のサテライト拠点として、住みなれた地域で、ともに助け合える安心の拠点となる機能を重ねて要望いたします。 次に、人材の確保についてですが、「地域抜きの医療はあり得ない」とおっしゃったのは、先ほども申し上げましたが、今は亡き若月先生の明言です。これを聞くと、地域づくりと医療の連携が当たり前であることをこの言葉は示唆しております。地域づくりと医療従事者との連携事業を福祉ひろばでこれからも充実させていくというご答弁をいただきましたが、私は特に保健師は暮らしに常に顔が見える存在でなければならないと思っております。「こんにちは」と言って、保健師が訪問してくださる、それだけで高齢者の皆さん、在宅介護していらっしゃる介護者の皆さんも安心なのです。ぜひ家庭訪問ができるような体制を整える人的配置を強く要望いたします。 次に、高齢者住宅支援についてですが、昨日、両角議員からも提案がありましたが、松本市独自の支援策を講じ、高齢者支援住宅を民間事業者の後押しをする急務があると考えます。国が支援を行うか行わないかは別として、先を見据え、松本市及び広域行政の限界を、財源の限界を見きわめ、民間活力を導入し、資金を呼び込み、施設難民解決のために民間とともに取り組む必要があると考えます。2050年までの高齢者人口の将来推移を追うと、高齢者人口がふえるのではなく、過半数は75%以上になると予想されております。支える人口と受ける人口が逆ピラミッド型の超少子人口減少型社会の到来、年金制度もままなりません。在宅で暮らすのが無理になったら、高額な利用料ではなく、国民年金でも利用できるような低料金で入居でき、足りないところは地域の中で支え合える身近なところに医療とケアつきのコンパクトな施設がこれからは必要となります。これらを見据え、松本市独自の支援策について伺います。 次に、男女共同参画社会推進施策についてですが、副市長2人制についてのご答弁をいただきました。現体制を否定したのではないので、将来的な検討は否定しないとのことですので、再度お聞きして、よかったなと理解いたしました。 ただ、言わせていただくなら、3世代同居施策を推進する松本市です。温かな家庭は、お父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃん、この男女の両性がその個性を認め合い、性の違いの感性を生かすことにより、健全な家庭から心豊かな子供がはぐくまれます。松本市を大きな家庭として考えたら、市長をサポートする副市長は男女が1人ずつと考えるのが私の持論です。まだまだ男女共同参画社会の実現には、ポジティブアクション、いわゆる積極的参画促進措置の施策が求められます。女性の管理職を大いに育て、登用されるよう期待しております。 松本らしさの地域づくりにこそ、男女共同参画をセットで進めなければなりません。それは地域福祉づくりと男女共同参画は不分離の関係にあるからです。福祉とは、クオリティー・オブ・ライフ、いわゆる暮らしの質を高めること。暮らしの質は、男女がともに手を携え、お互いの人権を認め合い、家庭を基盤に高め、はぐくむものだから、家庭と直結している地域づくりにこそ男女共同参画が必要なのです。 そこで、社会教育、生涯学習を培ってきた地域づくりの理念を再認識し、公民館の所管の教育委員会と人権・男女共生課所管の総務部が連携して、地域づくりの最重要施策として、新しい時代の求める男女共同参画社会の推進施策に積極的に取り組み、この施策が市民に理解され、一番小さな単位の町会から男女共同参画の住民自治がはぐくまれることを願っています。具体的施策についてお聞きします。 次に、トイレ環境の整備についてですが、さまざまな制約はあるが、どのような改修ができるか各階ごとに調査し、庁舎の環境整備の一環として、できる範囲で取り組んでいただけるとのご答弁をいただきました。できるだけ早く実現することを期待し、2回目の質問といたします。 ○副議長(小林繁男) 大日向健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 福島議員の町会福祉活動のサポートに関するご質問にお答えをいたします。 町会福祉活動のサポートについて申し上げますと、このことにつきましては、特に地区福祉ひろば事業を中心に取り組んできているところでございます。地域住民が主体となった生きがい、健康、地域づくり事業の実施を通しまして、地域福祉の担い手育成や、町会での自主的な福祉活動の推進を支援してきたところでございます。また、身近な町内公民館を利用した出前型の事業を町会単位で実施することにより、町会役員や民生委員、健康づくり推進員などとも連携を図ってきております。 また、危機管理室、健康福祉部が中心となって、部局横断で取り組んでいます自主防災組織活性化支援事業と、災害時要援護者支援プラン推進事業を進めるため、防災と福祉のまちづくり講座を地区別に開催し、地域住民の防災意識の高揚を図るとともに、自主防災組織の強化と、町会を中心とした地域における要援護者の見守り活動や災害時の支援体制づくりなど、町会福祉活動の支援をしております。 しかし、多様化する地域福祉ニーズにこたえていくためには、これまで以上に関係部局が連携し、地域住民の皆さんのご意見を伺い、地域の特色を生かしたきめ細かな支援をしていく必要があると感じております。市では、来年度に(仮称)地域づくり課を設置することとしており、担当職員を配置して、健康寿命延伸都市・松本の創造の原点となるお互いさまの地域づくりを地域住民の皆さんとともにつくり上げていくこととしています。したがいまして、地区福祉ひろばも、公民館、支所、出張所とのさらなる連携を図り、松本市らしい地域住民主体の地域づくりの一翼を担ってまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 地域医療施策についての地域づくりに関連しての質問にお答えをいたします。 地域づくりを進めていく上で地域の具体的な支援を行っていくためには、縦割りの組織がその専門性を保ちながら、横の連携をしっかりと図っていくことが重要であると考えています。そのため松本市地域づくり推進行動計画の中でも、今後、支所、出張所、公民館、福祉ひろば等の地区を支援する機能が連携を強め、地域振興、学習、地域福祉の3つの機能をさらに充実させた支援体制の構築を検討していくこととしております。この地域支援に結びつく行政支援のあり方につきましては、今後、先ほど申し上げました(仮称)地域づくり課を中心に部局横断で検討してまいりますが、その中で縦割りの組織を、その専門性、独自性を保ちながら、横の連携を強化した、例えば地域支援センター的な部門の設置等につきましても検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、福島議員ご指摘のように、地域医療や地域福祉を進める上では、地域づくりとの関係が重要でありますことから、地域支援を行うための行政システムの構築を図りながら、地域と行政が協働で地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 高齢者住宅の支援施策についてお答えいたします。 超少子高齢型人口減少社会を迎え、本市においても高齢者が暮らしやすい住宅や環境整備を重要事項として、本年3月に策定いたしました松本市住宅マスタープランに位置づけをしております。国の施策は、健康福祉部長から答弁申し上げましたとおり、高齢者住宅支援の省庁を超えた施策として、次期通常国会へ提出の予定で検討がされているところです。新たな国の制度を活用しながら、高齢者住宅の支援をしてまいりたいと考えており、現時点では市独自の支援策は考えてはおりません。今後、国の動向を注視し、新たな国の制度を関連事業者にPRするとともに、高齢者住宅の建設に関する民間活力の導入、協働のあり方について、民間事業者の方々との意見交換を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 浅川総務部長。 ◎総務部長(浅川猛) 〔登壇〕 地域づくりと男女共同参画についてのお尋ねでございます。 松本らしい地域づくりのためには、市民の最も身近な組織である町会から男女共同参画の理解が図られることが重要であると考えます。1回目の答弁でも申し上げましたが、現在推進している第2次松本市男女共同参画計画では、一人一人を大切にする男女共同参画意識の啓発を具体的目標に掲げてあります。その内容の一つに男女共同参画出前講座の開催がありますが、今まで以上に教育委員会や地域との連携を深め、地区・町会に積極的に出向き、男女共同参画意識を深めていただくよう取り組んでまいります。講座の中身につきましても、市内での先駆的な取り組みを紹介するなど、より市民と協働で進められるよう検討してまいります。このほか、今年度は、松本市町会連合会と松本市で発行しております平成22年度版町会活動ハンドブックの中で、地区並びに町会での役員の選出に当たっては、女性役員の割合を高めていただくよう依頼をしております。 最後に、去る11月17日に開催をされました松本市町会連合会市政まちかどトークの内容について触れさせていただきます。 懇談項目の一つに地域づくりがございましたが、その中で町会側から、役員のなり手不足で困っているとの声がございました。これに対し、菅谷市長からは、「各町会の文化祭などへ顔を出すと、多岐にわたる本当にすばらしい作品が出品されており、その多くが女性の皆さんの手によるもので、女性パワーのすごさに圧倒される。各地区には、このような活動的な女性を初め、公民館活動や社会的な活動に積極的に参加している皆さんが大勢いるので、このような皆さんに町会活動にもどんどん参加してもらえればよいと思う。町会でも、女性の皆さんにも積極的に参加いただけるような環境づくりをしていただければ」とお答えしておりますので、そのことも紹介をさせていただきました。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 24番 福島昭子議員。 ◆24番(福島昭子) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきました。3回目は、意見、要望といたします。 特に医療は、保健・医療・福祉の連携のうち、縦割り行政の弊害により、地域づくりと連携しにくく、その弊害がともすると命の質ともかかわるので、地域づくりと地域医療をつなげ、縦割り行政を見直すことについて質問させていただきました。 松本市も地域づくりが大切だとの思いがようやく形となり、(仮称)地域づくり課ができます。部のほうがよいのではないかとのような思いもありますが、職員の皆さんの思いが実ったと、そして住民の皆さんの思いが実ったと大きく評価したいと思います。今後、(仮称)地域づくり課を中心に、縦割りの組織の専門性、そして独自性を保ちながら、横の連携を強化し、例えば地域支援センター的な部門の設置なども検討するとのことです。たゆまず市民の皆さんの幸せづくりのために積み重ねてきた実績を検証し、さらに市政がより市民の暮らしに近づくよう機能することを願っております。 私の地域づくりの原点は、学びと実践による公民館活動がスタートです。公民館の果たす役割は、学びと実践による人づくりです。地域づくりは人づくり、その人づくりが今の公民館には欠けていると思います。松本らしさの地域づくりは、公民館活動の学びと実践による人づくり抜きではできません。行政は公民館の位置づけを明確にしつつ、新しい時代の求める公民館の役割を担える人的配置や機能を備え、(仮称)地域づくり課と手を携えられる地区公民館の機能システムにまず再構築することだと考えます。その上で、支所、出張所、公民館、福祉ひろばが連携できる地域支援センター的な部門の設置も考えているとのこと。いよいよ地域内分権、いわゆる都市内分権の第一歩のスタートになることを期待しています。 20数年にわたる蟻ケ崎西町会の住民自治づくりをライフワークとして、その実践をベースに学びつつ、一貫して8年間、質問や提言をしてまいりました。その地域づくりの熱い思いが、少し時間がかかったかなと思いますが、ここにようやく(仮称)地域づくり課として形になったことに喜びを覚え、(仮称)地域づくり課が縦割り行政の壁を越えて、暮らしの現場に直結し、みんなが松本市に生まれてきてよかった、長生きをしてよかったと思える男女共同参画による松本らしさの地域づくりを通して、真の健康寿命延伸都市・松本の創造につながることを期待し、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。 ○副議長(小林繁男) 以上で福島昭子議員の質問は終結いたします。 続いて、40番 塩原 浩議員。 ◆40番(塩原浩) 〔登壇〕 質問に先立ち、議会一般質問初日の6日、大久保議員が市役所の喫煙室について質問をされ、「しっかり分煙すれば、たばこを吸わないことも吸うことも自由では」との見解を求めました。偶然、その日、午後7時のNHKテレビニュース、「職場の受動喫煙対策義務化へ」と題して報道がありました。その内容を申し上げますので、今後の取り組みの参考にしてみたらと思います。 働く人が職場で他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ぐため、厚生労働省の審議会は、事業主に対して、禁煙や分煙などの対策を法律で義務づける方針を打ち出しました。この方針は、学識経験者などでつくる厚生労働省の審議会で6日、示されたものです。受動喫煙は、心筋梗塞や肺がんなどの病気を引き起こす原因になるとされていますが、職場での防止対策は、これまで事業主に対して義務化されておらず、審議会はことし7月から対策を強化すべきか検討してきました。 6日に示された方針の骨子では、事業主は事務所や工場など職場全体を禁煙にする、もしくは分煙室を設置するといった対策を義務づけるとしています。また、飲食店や旅館についても、換気設備を備えるなどして、客が吸うたばこの煙の量を一定の基準以下に抑えることも義務づけます。ただし、違反した事業主に対して罰則は設けずに、労働基準監督署の是正指導にとどめるということです。一方で、中小企業や規模の小さな飲食店にとっては、対策に負担がかかることから、国は分煙室を設置するための技術的な指導や財政的な支援を行うべきだとしております。 審議会は今月中に具体的な対策を取りまとめるということで、厚生労働省はその対策をもとに職場の安全対策を定めた労働安全衛生法の改正案を作成する方針です。そして、早ければ来年の通常国会にも提出される見通しとのことであります。今後、関係部署での検討をお願い申し上げ、通告に従い質問に入らせていただきます。 質問の機会を得ましたので、福島議員に続き質問をいたします。 市役所移転計画の有無についての市長の考え方、松本市立博物館移転計画の有無並びに歴史的風致維持向上計画について、福祉行政の中、市立保育園嘱託職員の身分について、以上、3点について質問をいたします。 初めに、市役所本庁舎建設について質問をいたします。 昭和及び平成の合併時における旧町村の状況を申し上げますと、昭和の合併では、昭和29年4月1日、当時の島内村、中山村、島立村に始まり、昭和29年8月1日には、新村、和田村、神林村、笹賀村、芳川村、寿村、岡田村、入山辺村、里山辺村、そして今井村、合計13カ村が合併、合計人口5万2,601人、昭和35年4月1日には塩尻市北内田区と、翌年4月1日には塩尻市崖の湯地籍が内田地籍として合併、合計人口1,561人、昭和49年5月1日には本郷村と合併、対象人口1万3,122人、平成17年4月1日には四賀村、安曇村、奈川村、梓川村、合計4村の合併で、合計人口2万520人、平成22年3月31日は波田町との合併、対象人口1万5,403人となり、平成22年11月1日現在の松本市の人口は、男子11万9,294人、女子12万4,103人、合計24万3,397人で、世帯数は9万8,886世帯であります。 次に、合併地区の支所から本庁までの距離を申し上げますと、奈川支所からは35.5キロメートル、安曇支所からは19.8キロメートル、四賀支所からは16.5キロメートル、梓川支所からは10.7キロメートル、波田支所からは11.7キロメートルでありますが、支所より奥に住む市民の方は、当然この距離では済まされませんし、時間的にも2時間近く要する地域も生じており、立地条件により不便さが生じることは仕方のないことでありますが、できる限りの改善策を検討することが今後の課題の一つではないかと思われます。 全職員数は、上下水道局、病院局を含め、平成22年4月1日現在、正規職員2,028人、嘱託職員696人、短時間パートを除く臨時職員93人、合計2,817人であります。 次に、本庁舎等の建設経過と経過年数を申し上げます。本庁舎、昭和34年4月竣工、経過年数51年、東庁舎、昭和44年11月竣工、経過年数41年、東庁舎増築部、昭和55年8月竣工、経過年数30年、東庁舎別棟、平成4年3月竣工、経過年数18年、大手事務所は昭和53年に建築され、経過年数32年でありますが、平成17年7月、松本市が取得し、5年が経過しております。 以上述べました庁舎関係の平成18年から平成20年まで3年間の耐震補強工事の合計金額は6億4,068万9,000円とのことであり、本庁、支所、出張所等の維持管理費、営繕費は、平成21年度決算額で申し上げますと、庁舎管理費合計1億5,776万3,000円、庁舎改修・営繕工事費合計9,428万5,000円であります。本庁舎駐車場面積は4,520平米、駐車台数は234台であります。 そこで、お伺いをいたします。築後の年数も経ており、老朽化が進む現庁舎は、維持管理費、修理費等、年々増加が予想されます。俗にいう古家の増築とも言われ、手狭で効率が悪く、各地区から会議や所用のため市役所に来るには、交通事情も悪く、時間も想定できず、大変な苦労だとの声があります。市長、平成の合併を機に市役所本庁舎建設、建てかえを提案いたしますが、市長のお考えをお伺いいたしますので、ご答弁をお願いいたします。 次に、松本市立博物館について、今回は博物館移転計画について、歴史的風致維持向上計画策定とのかかわりの中で質問をいたします。 初めに、市立博物館について要点を述べます。概略で結構ですので、答弁をお願いいたします。 1つ、現在地建設の経過、2つ、現在地の面積、3つ、所蔵品数、4つ、過去5年間の観覧者数、5つ、過去5年間の主要な展示会、6つ、その他特別に報告できる事例がありましたらお願いをいたします。 私は、今まで機会あるたびに、手狭な博物館の膨大な収蔵資料保存に関する質問をしてまいりました。今回、質問原稿を作成中、11月25日の「市民タイムス」1面に「歴史的風致200ヘクタールで保存」と大きな見出しで報道がなされておりました。松本市がつくっている計画作業で、国の財政支援の対象となる重点区域が11月24日固まり、歴史的風致が集中している松本城を中心にした200ヘクタールが範囲になり、重点区域は、北は信州大学附属松本中学校の南側に当たる北深志3丁目、南は本庄1丁目の薄川右岸、東は女鳥羽川沿岸、西はこまくさ道路に囲まれた範囲となり、松本城天守、旧開智学校など、国、県、市が指定している文化財の建造物が16件あるほか、あめ市、ぼんぼん・青山様などの行事が現在も行われており、歴史的風致が重層的に位置している地域だと判断された結果であります。 国による計画の認定が前提となりますが、重点区域内の事業では、歴史的建造物の修理・復元などで、国が用意している補助金が優先配分されるとのこと。現在、博物館建設は、この国の補助金対象にはならないと伺っておりますが、博物館が補助金の1施設の対象となりますよう期待をしております。松本市の博物館は、100年以上に及ぶ国内でも有数の歴史を誇り、市民の蔵とも言うべき施設であります。 現在、文化庁が推進する博物館の地域活性化事業と連携する本市の松本まるごと博物館事業をより充実させ、博物館を核としたまちづくりを進めることが必要だと考えておりますが、現段階での説明と、移転計画の有無について答弁を求めます。 次に、保育園行政について質問をいたします。 質問に入る前、概略で結構です。現状の保育園が公立になるまでの歩みと、公立にされた主な経過について説明を求めます。 平成21年6月定例会において、村瀬議員が保育園に関する質問をされており、その中で、即民営化ではなく、社団法人などへの業務委託や指定管理者制度による運営を保護者の方々に検証してもらい、納得が得られれば民間に移管されてはどうか。今後のよりよい運営方法を、行政や保護者だけでなく、市民全体での検討を提案されておりますが、その後、検討されたのか、検討されたならば、その結果について答弁を願います。 なお、当時の和田孝一こども部長は、次のように答弁をされております。「健康寿命延伸都市・松本を推奨するためにも、市政運営の最重要施策として、健康づくり、危機管理、子育て支援、いわゆる3Kプランを掲げてきた中、その子育て支援の一層の充実を図るため、組織を再編し、こども部を創設したので、公立保育園について、指定管理者制度への移行や、業務の民間委託による運営は考えていない」と答弁をしておりますが、現在もその方針に変わりはありませんか、お伺いをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○副議長(小林繁男) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 塩原議員の市役所本庁舎建てかえに対するご質問にお答えをいたします。 市役所本庁舎につきましては、平成17年の合併当時、建設以来45年近くが経過し、老朽化していること、さらには耐震性に不安があることに加え、合併協議が進む中で、庁舎の狭隘化対策が心配されておりました。 そこで、老朽化や耐震対策として、平成17年度に実施いたしました市役所庁舎の耐震診断の結果、現庁舎の鉄筋コンクリートは、経過年数の割には比較的高い強度を保っており、補強工事をすることにより、安全性が確保されることから、使用可能であれば、できる限り長い期間大切に使用していきたいと考え、平成18年1月の議員協議会において、庁舎の耐震補強工事について了承いただき、平成18年から平成20年にかけて工事を実施いたしました。 あわせて新庁舎の建設検討につきましても、第8次基本計画に位置づけ、庁舎のあり方や整備の進め方などについて、当面、庁内を中心に研究していくとの方針が議員協議会で了承されております。また、合併による庁舎の狭隘化対策として、平成17年に民間所有のビルを購入し、大手事務所を設置いたしました。 このように庁舎の安全性の確保や狭隘化対策がなされておりますので、現在のところ建てかえについては考えておりません。しかしながら、改築については、必要な時期は必ずやってまいるわけでございますので、その時期を見据えながら、必要な時点から具体的な研究に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 議員の市立博物館に関するご質問に順を追ってお答えします。 初めに、市立博物館の現状についてですが、松本市立博物館は、明治39年に「明治三十七、八年戦役紀念館」として、女鳥羽川のほとり、本町1丁目の松本尋常高等小学校内に開館したのが始まりで、国内では有数の歴史を誇り、県内では博物館法登録第1号の博物館です。その後、二の丸の現在地、地蔵清水、再び現在地と移転し、昭和43年に国史跡内の現地に新築し、日本民俗資料館として開館しました。現在、築後43年を経過しております。 現在地の面積は、敷地面積が約5,900平米、延べ床面積は3,420平米でございます。うち展示面積は1,400平米、収蔵面積は470平米であります。 収蔵資料数は、平成22年3月末現在で約11万3,000点となっております。主なコレクションとして、国重要文化財孔雀文磬1点、七夕人形コレクションなど国指定重要有形民俗文化財3件417点などが挙げられます。収蔵資料のほとんどは、100年にわたり市民から負託された大切な財産でございます。 次に、5年間の観覧者数ですが、平成17年度52万1,000人、18年度50万8,000人、19年度63万5,000人、20年度62万2,000人、21年度68万人と増加傾向にあります。 過去5年間の主な特別展としては、平成17年度に国宝松本城天守解体復元50周年記念「未来に伝える私たちの松本城」、平成19年度に市制施行100周年記念「松本市100彩-来し方 そして未来へ-」「ウィーン展」、平成20年度には「信州と味噌」、平成21年度に「丸山太郎生誕100年」「教科書の中の道具たち」などがあり、本年は「学校のたから百景」「胡桃沢コレクションⅡ」を開催するなど、収蔵資料や地域の資料を積極的に活用し、公開してまいりました。 続きまして、市立博物館の移転計画についてですが、現施設が老朽化に加え、資料の増加による収蔵スペース不足など、松本まるごと博物館構想の基幹博物館としての機能を十分に発揮することができない状況にあることから、移転新築を前提として、平成20年には松本市基幹博物館基本計画を策定、松本城及びその周辺整備計画にも沿いながら、現在、施設の規模や移転場所につきまして、庁内で検討を進めております。なお、移転新築に当たりましては、松本まるごと博物館構想、歴史的風致維持向上計画に沿った観点で、文化財の保存と利活用、まちづくりへの寄与も踏まえ、進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 熊谷こども部長。 ◎こども部長(熊谷賢一) 〔登壇〕 保育園に関する2点のご質問にお答えいたします。 初めに、現在の保育園が公立になった経過について申し上げます。 松本市では、戦後の混乱の中で児童福祉法が制定された昭和22年から、財団法人松本市民生事業助成会を中心として、民間団体が保育所を運営してきました。その後、昭和44年から5カ年計画で保育所の公立移管が行われ、昭和49年10月までに移管が完了し、昭和50年度には公立保育園が35園になりました。現在は、合併地区を含め、44園の管理運営を直営で行っています。 次に、公立保育園の指定管理者制度への移行等について申し上げます。 松本市の保育は、常に時代の要請にこたえるべく、いち早く乳児保育、長時間保育、障害児保育や一時保育を取り入れてきました。さらにアレルギー食への柔軟な対応や食育の推進、看護職員の配置や、シルバー保育サポーターのすべての園への配置など、公立保育園として先進的に取り組み、よりきめ細かな保育体制を整えて、保護者の負託にこたえてきたところであります。 一例を申し上げますと、保護者の申し出により、緊急に延長保育を行う緊急長時間保育事業を本年4月から開始しましたが、10月までに延べ749人、1,309件の利用実績があり、保護者の皆様から高い評価を受けています。 このように健康寿命延伸都市・松本の創造に向けて、公立保育園はまさに地域の子育て支援の拠点としての重要な役割を担っています。したがいまして、平成21年6月定例会でお答えしましたとおり、現時点では指定管理者制度への移行等による運営は考えておりません。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 40番 塩原 浩議員。 ◆40番(塩原浩) 〔登壇〕 それぞれ答弁をいただきましたので、要望を交えて、2回目の質問をいたします。 本庁舎建設計画について、市長の答弁では、「現時点では改築時期については考えていないけれども、改築については必要な時期は必ずやってくるので、その時期を見据えて、必要な時点から具体的な研究に取り組む」とのことでありますが、期待した答弁でなく、残念な気持ちもいたします。 次の質問で申し上げますが、松本市のお城を中心としたまちづくりは避けて通れない大きな問題であります。外堀復元にあわせ、堀に接する内環状北線整備につきましては、8年前に私は議会で質問した経緯があります。今回、現地の空き店舗を活用し、関係住民との権利調整や移転相談に応じるとのこと。私としては、行政のおくれを指摘、嘆かざるを得ません。関係者とは綿密な連携を図り、できる限り早期に結論が出ますよう総力を結集しての取り組みを期待いたします。 今回、佐久市の文化会館建設問題では、県内初の住民投票を採用して、率直な意見を採用する事案がありました。長野市、安曇野市でも、検討委員会等を設置して、庁舎問題等の公共施設建設について、一般市民も交え、議会ともども検討されており、長野市では結果を発表いたしました。住民投票とは、議会の解散請求があった場合の解散の投票、議員・長の解職請求があった場合の解職の投票等、地方自治法で定められた規定はありますが、以上のほかに、近年特に注目されているのが、各地方公共団体の条例で定めて行う住民投票があり、ほとんどは投票結果を尊重するという諮問的なものであります。その影響力は大きいと記されてあります。 仮称ですが、本庁舎建設計画の提唱をし、検討委員会等を設置した上で、直接市民の意見・提言を伺う等の方法、例えば各地区開催の市政懇談会やパブリックコメントでの対応も選択肢の一つではと考えられます。議会も当事者として、市民の意向等を尊重しながら、検討することは当然でありますが、市長としてのお考えをお伺いいたします。 次に、市立博物館の現状、建設経過及び収蔵資料について、それぞれ詳細な答弁をいただきましたので、2回目は要望を申し上げます。 博物館で過去開催された多くの展示会は、それぞれすばらしい内容であり、訪れました多くの観覧者の驚嘆を博しておりますが、そのうち私が特に印象に残りますのは、平成19年、市制施行100周年記念事業特別展「ウィーン展 松本城天守を救ったウィーン万博・ハプスブルクの皇帝たち」、また私の職業に関係する平成20年の特別展「信州と味噌」があり、本年度の特別展「学校のたから百景」は、詳細な学芸員の説明を受けましたことに感謝いたします。各学校には数多くの宝が保存されていると思いますので、児童生徒の情操教育の観点から、一般市民の思い出のため、引き続き開催計画を立案し、実行されますよう期待をいたしております。 質問調査で市立博物館を訪ねますと、文化財指定書が掲げられていました。よく見ますと、国重要民俗資料、現行では重要有形民俗文化財というようですが、七夕人形コレクション45点の昭和30年4月22日付の指定書、続いて農耕用具コレクション79点と民間信仰資料コレクション293点の2つのコレクションの昭和34年5月6日付の指定書、それと仏具の孔雀文磬の昭和34年12月18日付の重要文化財指定書でした。私は松本市立博物館資料の文化的価値の高さに驚き、明治以来、貴重な資料を寄贈され、博物館を支えた市民の熱意に改めて感謝し、誇りを感じる次第であります。 同時に、文化財博物館資料は、保存・保管が第一主義で、その次に利活用があることを再認識する必要があると考えます。先人の残した文化財を次代に継承するには、まず収録、保管の問題があるわけでございます。現在の博物館は、後に触れるように、昭和43年の建設ですが、北隣にある収蔵庫は、貴重な民俗文化財を保存するために国庫補助事業で昭和36年に建設したものであります。それも民俗文化財に対し、当時の文化財保護委員が初めて国庫補助を行った記念すべき収蔵庫であります。しかし、現在は、本館施設と同様に十分に機能を発揮できず、博物館の移転新築とあわせ、博物館資料の今後の保存及び活用について考えなくてはなりません。 昭和43年に建設された施設及び設備の老朽化の進展、収蔵資料も11万3,000点とのこと。資料保存の管理も限界であり、資料の傷みも生じているとのこと。現施設は、国史跡松本城の中に立地しており、平成11年度に策定した松本城及び周辺整備計画で早期移転が望まれており、将来新館を建設という前提で、これまで施設自体の手入れはされていないとのこと。貴重な資料保存は、子々孫々に伝える義務と責任があり、文化、伝統、歴史の象徴でもありますが、取り組みの検討が過去10年以上費やしていることを悔やみ、嘆きますので、今後は円滑なる会議の進展を願うものであります。 次に、歴史的風致維持向上計画につきましては、12月に計画案を公表して、市民の意見を求めるパブリックコメントを開始し、来年2月には国への認定申請を行う予定とのこと。万全を期しての取り組みに大きな期待を抱きます。歴史的風致維持向上計画は、現在、全国で19市町が認定されており、最近では11月22日に岡山県高梁市を含む3市が認定となっております。この計画の策定は、自治体内に国指定文化財などが最低1つ必要であり、全国1,000市町村が該当すると見込まれ、多数の市町村が現在相談中であり、ほかにも認定意向を持つ市町村があると聞いております。移転新築場所につきましても、市民の意見・提言を最大限尊重されることはもちろんであります。なお、本市の計画期間は、平成23年度から平成32年度までとなっております。125ページに及ぶ計画案の資料も関係課から入手いたしましたので、今後の取り組みの参考にさせていただきます。 保育園民営化の考え方について答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。 正規保育士の採用試験において、35歳を上限とする社会人枠を設定し、受験の機会を拡大しているとのこと。嘱託保育士の雇用期間を延長し、最大6年から8年へと改善されたとのことですが、優秀な正規保育士確保のために努力されるよう要請をいたします。 現在、松本市の保育施設数は、波田地区を含めて44園。児童数は、11月1日現在、男子2,508人、女子2,288人、合計4,796人。職員数は、4月1日現在、園長、松本、正規31人、嘱託9人、合計40人、波田、正規4人、嘱託ゼロ人、合計4人。保育士、松本、正規202人、嘱託208人、合計410人に嘱託育休代替20人、それに一時保育担当10人、合わせて合計440人、波田、正規25人、嘱託6人、合計31人に育休代替4人、合計35人。給食調理員、松本、正規43人、嘱託49人、合計92人、育休代替4人、計96人、波田、正規3人、嘱託1人、合計4人。第2種臨時職員数は延べ448人とのことであります。 波田地区を除く松本市の保育士数合計440人中、正規保育士の育児休業者20人と一時保育担当保育士10人が嘱託であるため、その人数を除く場合は、51%が嘱託職員での対応という数字を見て、唖然といたしました。嘱託職員すべてが有資格者であり、職場での勤務体制、保育指導も同じ、すべての勤務条件は正規職員と変わりはないのに、身分保障は異なりますが、現状はどのようになっているのかお聞かせ願います。 仄聞するところ、優秀な嘱託職員の中には、松本市での経験を踏まえて、他所へ転職されるケースもあるとのこと、残念でなりません。年次計画を立て、正規職員の雇用の拡大を検討されるよう速やかな対応を強く提案をいたします。 菅谷市長は、11月21日、市役所で開かれた松本市保育園保護者会連盟との懇談会の中で、親子3世代で暮らす家をつくった場合の優遇措置を考えたいと、3世代での居住を促す新たな施策の考え方の報道もあり、助成、融資、税制の観点で検討されるよう指示されておりますが、その後の取り組みについて答弁を願います。 私は、新聞報道を見て、菅谷市長の全国に先駆けての取り組みに対しエールを送るとともに、実現化されますよう期待もしております。平成20年度から続いております市長と保育園児のエンジョイランチの報道にも心が和み、童心に返った市長の笑顔は、次世代を託す子供たちには大きなインパクトを与えることと信じますので、小学校、中学校の児童生徒との交流も、できる限り数多く開催されますよう要望をいたします。 以上で2回目の質問を終わります。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 塩原議員の2点のご質問にお答えをいたします。 まずは、松本市が本庁舎建設計画を提唱して、庁内検討委員会等を設置し、市民の意見等を聞いたらどうかとのご提案についてでございます。 先ほど市長答弁にありましたように、庁舎改築が必要な時期がまいりましたら、市域の拡大や庁舎建設の歴史的経緯、財源の確保などの諸問題について、長期的な展望に立ち、慎重に検討を進めてまいるということでございます。そして、その際には、市役所庁舎は市民の皆様の日々利用される重要な施設という観点から、市政懇談会やパブリックコメントなど、市民から広くご意見やご提言をいただくとともに、議会にもご相談を申し上げながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、3世代同居施策の取り組みについてお答えをいたします。 大家族主義、3世代同居世帯への支援につきましては、一昨日の太田典男議員のご質問にもお答え申し上げましたが、具体的な支援につきましては、市長からの指示を受け、早速、庁内において検討組織を設け、各課における関連事業、取り組みについての調査、3世代同居の成功モデルケース等についての検討を始めているところでございます。今後、税制面や補助制度など、行政として3世代同居家族にどのような支援をどこまでできるのかを検討してまいることとしております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 熊谷こども部長。 ◎こども部長(熊谷賢一) 〔登壇〕 保育士の正規職員雇用拡大への取り組みについてお答えいたします。 初めに、保育士の状況を申し上げますと、議員ご指摘のように、保育士に占める嘱託職員の割合は50%を超えています。この嘱託職員増加の主な要因は、3人の児童を1人の保育士が担当するゼロ・1歳児、6人の児童を1人の保育士が担当する2歳児、いわゆる3歳未満児が平成20年度から急増したことにあり、本年度の状況を申し上げますと、前年対比で11%、82人の児童がふえています。また、保育の長時間化や障害児の積極的な受け入れ、アレルギーを持つ児童の増加など、多様化する保育ニーズに対応するため、嘱託保育士をふやしてきた経過があり、正規職員の指導のもとで業務に当たっています。 このような状況の中、公立保育園44園の運営には、優秀な人材の確保が不可欠なため、ただいま議員が言われましたように、採用試験において社会人枠を設けて、受験の機会を拡大し、また嘱託保育士の雇用期間を延長するため、任用の更新回数を5回から7回へと改善してきました。一方、運営面を見ますと、非常に厳しい財政状況下で、保護者の多様化するニーズに対応するためには、さまざまな工夫をしながら、一層効率的な運営をすることが求められています。 したがいまして、議員ご提案の正規保育士の雇用の拡大につきましては、保育士数に特に影響のある3歳未満の児童数の推移や、合併後の44園全体の状況を考慮し、また国の子ども・子育て新システムの動向を注視しながら、正規保育士、嘱託保育士のあり方を考える中で、慎重に検討してまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 40番 塩原 浩議員。 ◆40番(塩原浩) 〔登壇〕 3回目の質問をさせていただきますが、市庁舎建設に関する答弁をいただきました。そこで、要望を申し上げます。市庁舎建設の困難なことは十分承知はしておりますが、当然近い将来、市長も語っておりますが、建てかえ時期の検討は必至でありますので、重ねて市長の英断に期待をいたしますので、あわせて庁内で検討されるよう強く要望いたします。 近年は車社会の時代、各家庭を見ましても、複数の乗り物を所持されており、一家に1台の時代から、免許取得者1人1台所有が当たり前の今日、交通アクセスに対する取り組みも急務と思われますが、市長は、機会あるたびに語ります10年後、20年後、時には30年後を見据えて、市政運営に取り組むと強調されておりますので、今後の方針に期待を抱くと同時に、庁舎建設は、一番効率のよい場所、市民から納得が得られる場所、現在分散しております市の出先機関の統一も視野に入れての対応は最重要課題ではないかと思います。 以上述べましたことを念頭に考慮され、できるだけ速やかに調査研究されないと、庁舎建設は、建設場所、時間、費用など、長い年月を要しますので、年次計画、将来計画を立案し、係る諸問題の解決策に取り組まれますことを申し添えておきます。なお、参考までに申し上げますと、財政調整基金は現在80億円とのことでありますが、基金積み立てにつきましても検討が必要ではないかと思います。 最後に、市立保育園について申し上げます。厳しい財政状況下を理由にせず、市政の最重要の柱にとらえております3Kプラン、健康寿命延伸都市・松本の創造の観点からも、積極的な対応を強く求めておきます。 市民の中には、健康寿命延伸都市・松本の創造は高齢者を対象との誤解をしている方もおりますので、機会あるたびに説明責任を果たすことも重要ではないかと思います。その解消のためにも、保育園の中、保育士に対する身分保障には万全を期して取り組み、充実した保育行政の推進を図るべき課題と考えますので、再度、今後の検討と成果に期待をいたします。 親子3世代に関する答弁は、太田典男議員への答弁で承知をいたしました。ぜひとも注目を浴びている取り組みでありますので、関係部署と連携を密にして、早期によりよい方向を目指して邁進していただくことをお願いし、私の質問のすべてを終わります。ありがとうございました。 ○副議長(小林繁男) 以上で塩原 浩議員の質問は終結いたします。 暫時休憩いたします。 再開は午後4時5分といたします。                              午後3時42分休憩                            -----------                               午後4時5分再開 ○副議長(小林繁男) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 22番 吉江健太朗議員。 ◆22番(吉江健太朗) 〔登壇〕 松本市行革110番代表の吉江健太朗です。 我が国の尖閣諸島、竹島、北方領土は、日本固有の領土です。これらのかけがえのない領土を守ることは、今を生きる私たちすべての日本人に等しく課せられた先人と子孫に対する務めであります。国、県、市、市議会におかれましては、とうとい国土が溶けてしまわぬよう、我が国の一員としての務めを果たすべく、今日の不穏な情勢を看過されることのないように、より一層の努力を強く要望します。 一般質問を始めます。 名古屋市議会リコール署名の提言を発言します。 松本市行革110番は、河村たかし名古屋市長の掲げる庶民革命の市民税10%恒久減税、地域委員会、議員報酬半減に賛同しております。河村市長の支援団体である「ネットワーク河村市長」の名古屋市議会解散請求の用紙に「庶民革命のためには、名古屋市議会を変えねばなりません。河村たかし市長選挙一丁目一番地公約と政策は、議会によって実現を阻まれています。名古屋市議会を解散し、名古屋市民の名古屋市民による名古屋市民のための議会をつくろう。名古屋で生まれようとしている民主主義のつくしんぼうを育てよう。そして、日本じゅうに発信しよう」とありました。 松本市の少子高齢化、地球温暖化及び厳しい財政状況に的確に迅速に対処するためには、名古屋市を参考に、最重要戦略である市総合計画に、減税政策の市民税10%減税、地域委員会、議員報酬半減を掲げ、可及的速やかに予算化を要望します。 松本市行革110番は、平成22年8月27日から9月27日までの期間に実施された名古屋市議会解散請求者署名簿集めのボランティアを経験する貴重な機会を得ました。暑い季節の署名集めは本当に大変で、Tシャツに体の中の塩がしみ出て、汚れていても気にする暇がないくらい、多くの名古屋市民は署名集めを頑張っていました。名古屋市議会のことであっても看過できないことは、議会と市役所への不満の嵐の現実を署名現場で実感いたしました。議員報酬が高過ぎると、リコール署名をする名古屋市民の多くは怒っていました。結果は、1カ月で46万5,385人の署名が集められ、名古屋市選挙管理委員会に提出されたのです。 閉塞社会に風穴をあけた名古屋庶民革命の波は、松本市民にも届いています。具体的に年末年始を迎えた今日、「松本市民の暮らしは本当に苦しい」という声が届きます。同時に「議員報酬年収800万円は幾ら何でももらい過ぎ、400万円に半減すべき」「議員は冬も、ことしの冬のボーナス100万円もらえていいですね」「市民の所得が落ちているのに、なぜ議員だけ50万円ももらえるのですか」「河村たかし市長のように議員報酬半減や市民税10%恒久減税を実施してほしい」「河村市長と松本市議会の年収が同じ800万円という状況を松本市議会はどう考えているのか市民に説明すべき」「議会運営委員会、議員協議会、議会報告会等で、議員報酬について公開の場で議論」「市民アンケートを実施すべき」といった松本市民の声をちょうだいしています。議員報酬が高過ぎると松本市民も怒っています。 松本市議会は松本市民の盾になるべきですから、吉江健太朗は平成22年11月22日に松本市議会議員報酬半減実施要望書を、赤羽議長、芦田議会運営委員会委員長に提出するに至りました。また、松本平市民オンブズマンが平成22年12月6日に松本市議会議員の報酬の減額に関する請願書を赤羽議長に提出するなど、真の議会改革を求める松本市民の声が出てきました。平成22年12月8日に開催された議会運営委員会において、先月、11月22日に提出した松本市議会議員報酬半減実施要望書がその他の議題として取り上げられました。議員各位におかれましては、市議会議員報酬半減実施の要望書及び請願書の要旨にご賛同賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。 市民税10%減税を提言します。市民税10%減税は、日本初の名古屋市の金看板です。景気回復の牽引者です。減税財源はすべて行財政改革で起債は充てられていません。減税額の一部を寄附し、市民の選択、税金か寄附で地域社会をつくります。新たに策定する総合計画、来年度予算に名古屋市の市民税10%減税を明記すべきですが、市長の見解を質問します。 地域委員会を提言します。選挙で選ばれたボランティア委員が地域予算を決定し、地域社会をつくります。これこそ本当の住民主権です。総合計画、予算に名古屋市の地域委員会を掲げるべきですが、市長の見解を質問します。 議員報酬年830万円を400万円に半減を提言します。吉江健太朗は、松本市議会議員報酬年830万円を400万円に半減の実施を要望しています。議員報酬半減は、議員の家業化・指定席化をストップします。松本市の経済雇用情勢は悪化し、庶民の暮らしは苦しくなり、納税に対する抵抗感が増した多くの市民から不満の声が届いています。市議会は、市民の盾になるべきです。松本市議会議員の報酬を400万円に半減すべきですが、市長の見解を質問します。 住民投票条例を提言します。名古屋市議会リコール署名に関連し、7年の月日が流れても、新市民会館建設問題の署名を松本市民は忘れておりません。常設型の住民投票条例の制定を求める市民の声がありますが、市長の見解を質問します。 松本平の人々の熱き願いを発言します。長野県庁を松本市に移庁を提言いたします。 平成22年10月29日に中信4市議会議員研修会で、小松芳郎松本市文書館館長による「藩から県へ、松本平の人々の熱き願い」と題する講演がありました。県庁をほかの地に移す移庁と、県を2つに分ける分県について、長野県の移庁・分県運動の歴史を学びました。明治22年9月26日に小里頼永(松本市)、松尾千振(下伊那郡)、森本省一郎(南安曇郡)が元老院に分県建白書を提出したことと、明治24年5月の松本騒擾事件を松本市民は忘れてはならないと痛感しました。 明治22年の分県建白書に「長野県を分けて、特に松本に一県を置かれんことを」とあります。私はその一文を読んで、先人の熱き夢である長野県庁を松本市に移庁することをあきらめてはならないと思いました。次の世代に先人の松本平の人々の熱き願いを引き継ぐため、市内各中学校等でも長野県庁の移庁・分県の歴史を学ぶ講演会の実施を要望します。中南信地区の人々の熱き願いである長野県庁を松本市に移庁すべきと考えますが、市長の見解を質問します。 信州まつもと空港の活性化を発言します。 大都市圏から松本までの航空機利用の時間短縮を要望します。航空機のビジネス利用者の利便性を向上させるよう求めます。松本から羽田(東京)、小牧(名古屋)、伊丹(大阪)間の就航を提言します。信州まつもと空港の活性化には、羽田空港、名古屋空港、大阪伊丹空港を結ぶ路線の開設に取り組むことが必要と思いますが、市長の見解を質問します。 空港関連4地区の神林、今井、笹賀、和田地区の地域振興の充実を提言します。 信州まつもと空港ジェット化に伴う地元約束の周辺環境整備事業の進捗について、市長の見解を質問します。 農民の暮らしを守る発言をします。 松本市行革110番の吉江健太朗は、松本市農業委員会委員の2期目を務めています。農業委員になってしみじみ感じることは、食料安全保障の観点から、農業は大事であることです。松本市の農業は、農業所得の大幅な減少や、農業者の高齢化と担い手不足などから、農村の活力低下が著しく進行しています。松本平の農民の暮らしを守らねばなりません。 食料自給率40%の今日、TPP交渉についても発言いたします。農業と工業は異なりますから、今のTPP交渉は、農業と国民生活を破壊するものと考えています。私はTPP交渉参加に反対です。これ以上、農民に犠牲を強いることのないよう、国、県、市、市議会は全力を挙げて取り組むことを強く要望します。 農民の公的代表組織として、松本市農業委員会があり、農地を守り、将来にわたって明るい展望を持って、農業に従事できる農業・農村の確立を目指して積極的に取り組んでいます。危機にさらされている日本の、松本の農と食を守るのが松本市農業委員会であるのです。今の松本市農業委員会の事務の取り組みは、全国でもトップランナーでありますが、もっと体制強化をすべきです。 農業委員会の体制強化を提言します。市町村合併による市域の広域化に伴い、農業委員会の人的体制が充実できるよう、定数上限の見直しや農業委員会の2分割などを検討すべきです。食料安全保障の観点から、農業委員の定数はふやすべきです。限られた財源の中で、定数増と同時に報酬の見直しも検討すべきです。 加えて活動強化もせねばならない松本市農業委員会のホームページの活用を要望します。市公式ホームページのトップページに項目がありません。もっと目立つように改善できないでしょうか、お願いいたします。農業委員会の議事録は、総会、農地部会、農業振興部会など公開しています。会議の動画配信、農業委員の顔写真や連絡先を含むプロフィールも積極的にホームページに掲載すべきです。農業委員会の体制強化について、市長の見解を質問します。 農業教育の充実を提言します。松本市内の担い手の確保をするためには、農業教育の充実に力を入れるべきです。担い手の育成・確保は、農業・農村を維持していくために緊急かつ最重要課題ですが、市の農業教育の充実の取り組み状況について、市長の見解を質問します。 以上で第1回目の質問とさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(小林繁男) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 吉江議員のご質問のうち、県庁の松本市への移庁についてお答えします。 長野県庁問題につきましては、議員の皆様方もご承知のとおり、明治9年の長野県と筑摩県との廃置分合に端を発し、何度となく行われた県を2つに割っての議論を経て、現在に至っております。この間、松本市では、先人たちのご労苦により、本来ならば県庁所在地に置かれるはずの日本銀行や信州大学本部、さらには旧制松本高等学校などが誘致され、経済分野や教育分野を中心に、県庁こそございませんが、中南信地区の基幹都市として着実に飛躍、発展してまいりました。そして、今日、さらなる松本市の発展を見据えて、市民と行政がともに手をとり合いながら、新たな松本のまちづくりに取り組んでいるところでございます。 先人たちの県庁移転に対する熱き思いは、私といたしましても過去の経過の中で十分承知しておりますが、時代の流れとともに、今は県庁があればよいという時代ではなく、それぞれの都市がいかにその特色を出してまちづくりを進めていくのかの時代だと考えております。そして、そのことが先人たちのご労苦に報いることにつながるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 吉江議員の名古屋市会リコール署名に関連してのご質問に私のほうから一括してお答えをいたします。 まず、市民税10%減税についてでございますけれども、これはさきの9月定例会におきましてもお答えしたとおり、松本市の予算の基幹収入である市税収入の減少は、現在行っております各種事務事業が大変厳しくなるということから、議員お考えのような市税の減税については考えておりません。 次に、地域委員会についてでございますけれども、このことにつきましても本年6月定例会においてお答えをしております。名古屋市と松本市の地域づくりには、考え方や歴史などにも違いがございますので、この方式を松本市で導入することは考えておりません。 次に、議員報酬額についてでございますけれども、これも本年6月定例会でお答えをしたとおり、現在の松本市の議員報酬は、松本市特別職報酬等審議会に諮問をし、社会情勢、人口類似都市、あるいは県内他都市の状況なども踏まえた上で意見をいただき、決定をされているものでございますので、市民の声を的確に反映した適正な水準であると考えております。 次に、住民投票条例の制定についてでございますけれども、このことも、これはさきの9月定例会において村瀬議員からのご質問に対しお答えしたとおりでございます。松本市では住民の皆様に対し、市政まちかどトーク、市長への手紙、パブリックコメントやアンケート調査など、さまざまな手法により、住民意思の把握、確認に努めてきておりますし、住民代表であります議会の皆様もしっかり機能しておりますので、現時点では住民投票条例の制定については考えておりません。 しかし、十分な議論が尽くされる中で、市政を二分するような重要案件等が発生した場合につきましては、住民投票という手段も有効であると考えておりますので、引き続き研究は続けてまいりたいと考えております。 次に、信州まつとも空港の活性化に関連してお答えをいたします。 まず、羽田、名古屋、大阪伊丹空港への就航についてでございますけれども、羽田、名古屋、大阪伊丹空港などの新規路線の開設につきましては、空港間の距離、設定運賃、競合する他の公共交通機関との時間短縮効果などの課題がございまして、各航空会社とも就航は難しいということでございます。 しかしながら、これからの信州まつもと空港の活性化や利便性の向上の観点から考えますと、新規路線の開拓はとても重要なことでございますので、今後とも県と歩調を合わせる中で航空会社のほうに働きかけをしてまいりたいと考えております。 次に、信州まつとも空港ジェット化に伴う地元約束の周辺環境整備事業の進捗状況についてでございます。 このことにつきましては、小澤議員の質問にもお答えしたとおりでございますが、主なところを申し上げますと、県道松本空港線が既に事業着手をしており、現在、用地測量を行っております。また、塩尻鍋割穂高線では、全線で地元合意が得られないことから、現在、部分的に待避所の整備を行っているというような状況でございます。また、県営野球場の体育施設等に関しましては、引き続き県へ要望してまいることとしております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 川上農林部長。 ◎農林部長(川上一憲) 〔登壇〕 農業委員会へのご質問でございますが、所管窓口の私から農業委員会の体質強化、とりわけ農業委員会委員定数の拡大をとのご質問にお答えいたします。 農業委員会等に関する法律は、選挙による農業委員の定数を40人を超えない範囲で条例で定めるとしており、本市では40名を定数としておりますが、現委員数は合併特例法の適用を受け、43名となっております。現在、農業委員会では、平成24年度の一般選挙に向けまして、委員定数の見直し作業を進めております。見直しに当たりましては、法律の規定や行政改革の推進及び市民の理解などを踏まえまして行っているというふうにお聞きしておりますので、農業委員会での定数見直しの結果を尊重してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 伊藤教育長。 ◎教育長(伊藤光) 〔登壇〕 吉江議員の小中学校における農業教育や農業体験についてのご質問にお答えをいたします。 昨日の牛山議員の際にもお答えをさせていただきましたように、農業は生きるための基本である食を支えるものであり、小中学校においても農業に関する学習や体験は非常に大事であるととらえているところであります。各小中学校では、生活科や総合的な学習の時間、あるいは技術科などの時間を使って、米づくりを初め、サツマイモ、大豆など、いろいろな作物を栽培しております。また、地域の農家に出かけ、リンゴやブドウの摘果などの農業体験もさせていただいておるところであります。このような活動を通して、子供たちは農作業の大変さや、自分たちの手で育て上げることのよさ、そして収穫の喜びなどを味わっております。 そのほかにも、松本一本ねぎ、小麦の「ユメアサヒ」などの地域の特産物に視点を当て、生産に携わっている皆さんの苦労や、大事に守り育ててきた心に触れたり、その作物のよさを発表したりするなど、体験活動だけにとどまらず、幅広く学習を進めている例もございます。土に触れ、人に触れながら、このような体験をしていくことは、子供たちの生きる力を育成する上で大きな意味を持つものでありますので、今後とも大事に考えてまいりたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 22番 吉江健太朗議員。 ◆22番(吉江健太朗) 〔登壇〕 2回目の発言をします。 まず、名古屋市議会リコール署名の提言からですが、名古屋市を参考に、最重要戦略である市総合計画に減税政策の市民税10%減税、地域委員会、議員報酬半減を掲げ、可及的速やかに予算化を要望したいと思います。 議員報酬についての質問ですが、公開の場での議員報酬の議論、市民アンケートを実施すべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。 松本平の人々の熱き願いについて発言いたします。市長、ぜひ先人の松本平の人々の熱き願いを受けて、長野県庁を松本市に移庁することを市長も積極的に取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。 次の世代に先人の松本平の人々の熱き願いを引き継ぐため、市内各中学校等で長野県庁の移庁・分県の歴史を学ぶ講演会の実施を要望しますが、市の見解をご答弁ください。 信州まつもと空港の活性化を発言します。航空機のビジネス利用者の利便性を向上させるよう求めます。 また、農民の暮らしを守る発言をします。農業委員会の体制強化と農業教育の充実を要望いたします。 以上で第2回目の発言とさせていただきます。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 吉江議員の2回目の議員報酬に関するご質問につきましては、先ほどの答弁申し上げましたとおりでございますので、よろしくお願いをいたします。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 22番 吉江健太朗議員。 ◆22番(吉江健太朗) 〔登壇〕 3回目の質問をしたいと思います。 議員報酬についてです。議員報酬の私の2回目の質問に的確に答えていただけませんでしたので、再度、議員報酬について、公開の場での議論、市民アンケートの実施を求めますので、理事者の答弁をお願いいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(小林繁男) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 吉江議員の3回目の議員報酬のご質問、たっての答弁ということでございますので、再度答弁申し上げますが、第1回目の答弁で申し上げたとおり、それに尽きますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(小林繁男) 以上で吉江健太朗議員の質問は終結し、市政一般に対する質問を終結いたします。      ----------------------------- △日程第2 議案に対する質疑(議案第1号から第4号まで、第7号から第19号まで、報第1号及び第2号) ○副議長(小林繁男) 日程第2 議案第1号から第4号まで、第7号から第19号まで、報第1号及び第2号の以上19件に対する質疑を行います。 質疑につきましては、通告がありませんので、これを終結いたします。 次に、議案の委員会付託を行います。 議案第1号から第4号まで、第7号から第19号まで、報第1号及び第2号、請願第12号から第15号までの以上23件につきましては、一層慎重審議を期するため、お手元にご配付いたしてあります委員会付託案件表のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に付託いたします。 これをもって、本日の日程は終了いたしました。 本会議は、明9日から14日まで、委員会審査等のため休会し、15日午後1時再開の上、委員長の審査報告を行うことにいたします。 委員会審査につきましては、お手元にご配付いたしました通知のとおり開催し、審査願うことになっておりますので、ご了承願います。 本日の会議は、これをもって散会いたします。                              午後4時35分散会...