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12月06日-02号

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  1. 松本市議会 2010-12-06
    12月06日-02号


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    平成22年 12月 定例会---------------------------------------          平成22年松本市議会12月定例会会議録                 第2号---------------------------------------            平成22年12月6日(月曜日)---------------------------------------                議事日程(第2号)                     平成22年12月6日 午前10時開議 第1 市政一般に対する質問      -----------------------------出席議員(42名)      1番  古田寛司          2番  小林あや      3番  太田典男          5番  山崎たつえ      6番  犬飼信雄          7番  小澤 豊      8番  小林弘明          9番  浅川三枝子     10番  阿部功祐         11番  両角友成     12番  上條俊道         13番  守屋義雄     14番  宮坂郁生         15番  村瀬元良     16番  忠地義光         17番  上松正文     18番  澤田佐久子        19番  熊井靖夫     20番  柿澤 潔         21番  芝山 稔     22番  吉江健太朗        23番  青木豊子     24番  福島昭子         25番  宮下正夫     26番  南山国彦         27番  白川延子     28番  近藤晴彦         29番  芦田勝弘     30番  太田更三         31番  草間錦也     32番  犬飼明美         33番  牛山輝雄     34番  大久保真一        35番  小林繁男     36番  赤羽正弘         37番  黒田輝彦     38番  増田博志         39番  高山芳美     40番  塩原 浩         41番  倉橋芳和     42番  池田国昭         43番  中田善雄      -----------------------------説明のため出席した者  市長      菅谷 昭      副市長     坪田明男  総務部長    浅川 猛      政策部長    高山 満  財政部長    上條信博      市民環境部長  牧垣壽志  健康福祉部長  大日向栄一     こども部長   熊谷賢一  農林部長    川上一憲      商工観光部長  平尾 勇  建設部長    丸山悦男      上下水道局長  田中春男  病院局長    中澤 孝      教育委員長   斉藤金司  教育長     伊藤 光      教育部長    二木保明  危機管理室長  早坂義導      行政管理課長  福嶋良晶  秘書課長    麻原恒太郎     政策課長    寺沢 健  財政課長    安達正泰      -----------------------------事務局職員出席者  事務局長    林 純一      事務局次長   渡辺 明  次長補佐兼          市川英治      議会担当係長  小西敏章  議会担当係長  議会担当係長  喜多村博章     主査      田原 茂  主査      赤羽志穂      主任      金子 稔      -----------------------------            本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)記載事件のとおり      -----------------------------                                午前10時開議 ○議長(赤羽正弘) おはようございます。 現在のまでの出席議員は42名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 最初に、報告事項を申し上げます。 本日までに陳情書が7件提出されております。 皆さんのお手元に陳情文書表(第1号)としてご配付申し上げてあるとおりであります。 これは、それぞれ記載の常任委員会に回付しておきます。 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。      ----------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 ○議長(赤羽正弘) 日程第1 市政一般に対する質問を行います。 現在までの質問通告者は、お手元にご配付いたしてあります一般質問者一覧表のとおり17名であります。一覧表記載の順序により発言を許します。 最初に、27番 白川延子議員。 ◆27番(白川延子) 〔登壇〕 おはようございます。 12月定例会一般質問初日でございます。久々に初日の1番をいただき、公明党を代表しまして、近藤議員と2人で質問をさせていただきます。 12月定例会開会の日、市長は国連軍縮会議について述べられました。松本市も平和都市宣言をしております。平和への流れをより確かなものとして定着する本格的な軍縮を実現するための第一歩がこの国連軍縮会議だと思います。今、アジア、日本のすぐ近くできな臭いにおいが漂っている感がありますが、国益にとらわれず、人類益というグローバルな視点で解決方法を求めていく時を迎えている今、松本市で来年7月に国連軍縮会議が開かれますことは大きな意義を感じます。国連軍縮会議に向けてご尽力いただきました関係者の皆様に感謝を申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 新生児聴覚スクリーニング検診費用の公費助成についてお伺いいたします。 難聴児は、時機を逸することなく適切な補聴手段を提供すれば言語やコミュニケーション能力の習得が十分に可能で、健全な発育が期待できます。ゆえに、新生児聴覚スクリーニング検診の大切さを感じるところです。 長野県におけるこの事業の発端は、1枚のチラシを私が八王子の駅頭で手にしたときからでした。新生児のうちに聴覚検診をして早期発見と療育を施せば、健常者と変わらない生活ができることを知りました。どうすれば取り組めるのか、信頼するドクターに相談しましたら、信州大学の宇佐美先生を紹介してくださいました。人工内耳のことから、産後退院するまでの新生児のうちに検診をすれば精密な聴力結果が得られるとのことでした。議会で質問をして、県が動くまで聴覚検診にかかる費用を市が助成するとの答弁をいただきましたが、産院にその検査をする機器が設置されていなくては新生児スクリーニング検診事業は始動をしません。県議会議員につなげて県議会で質問をしていただきました。当時3,000万円の予算がつき、聴覚検査をする機械を導入した産院に上限100万円の補助がつきました。県下30カ所の産院に導入となりました。そのときの県の衛生部長が菅谷市長でした。不思議なご縁を感じます。今までのいきさつを話しながら質問に入らせていただきます。 1、新生児聴覚スクリーニング検診は任意の制度ですが、県下で84%ないし85%の新生児が検診をしているとデータが出ております。松本市では新生児の何%が受診しているでしょうか。 2、この検診にかかる費用を平成20年、国は一般財源化し、市町村のメニューになっています。一括交付金になっています。このチャンスに松本市は対応されているでしょうか。松本市で助成の要綱をつくれば検診費用助成の財源は確保できます。木曽町では検診費用の半額を助成しております。昨今、出産に30万円ないし50万円の費用がかかります。そこへ新生児聴覚スクリーニング検診は、必要とわかっていても、さらなる出費にとどまる保護者が県下で15%もいるということです。行政からの助成が出ればさらに多くの新生児が検診を受けやすくなり、安心を得ます。松本市として早く要綱を作成し、新年度からでも財源の確保を要請いたします。行政のお考えをお伺いいたします。 次に、軽度、中度の聴覚障害児への支援についてお伺いします。 聴覚障害にも、軽度、中度、重度とレベルがあります。重度の難聴児は障害者手帳の交付対象となり、障害者自立支援法による補聴器の交付が受けられます。原則1割負担です。軽度、中度の難聴児は、補聴器が必要だとしても交付対象となりません。両耳の聴力レベルが30デシベル以上で身体障害者手帳の交付対象とならない難聴児が、信州大学耳鼻咽喉科小児難聴外来の調べでは県下で49人です。松本市は7人で、県下で一番多く対象者がいます。障害者自立支援法に基づいて、重度の人には13万5,000円補助が出ます。デジタル補聴器は、平均片耳10万円かかるといいます。昨今の経済事情で、買いたくても買えない人、一度に支払えない人もあります。せめて県、市町村、本人との割合で、18歳までは補聴器購入の助成をしていただきたいと思います。県もその必要性を感じて、市町村と相談をしていきたいと前向きな姿勢を示しております。 県下で49人の軽度、中度の難聴児童がいると言いましたが、そのうち23人は既に補聴器を装用しています。それ以外の11人はダウン症や発達障害など重複障害を持ち、補聴器そのものの装用が困難なケースもあります。今現在の該当者はわずかですが、今後のために助成の仕組みづくりをしておくことは必要です。 岡山県では、補聴器を買うとき基準価格の3分の2を上限に市町村が助成をし、県は市町村が助成した2分の1を補助しております。ことし4月からの新規事業となっております。ほかに、大阪府、三重県も実施をしております。 新生児スクリーニング検診は、松本から県を動かした事業でした。松本市は県下で一番多く軽度、中度の聴覚障害児がいます。再び長野県も岡山県のような形での取り組みがなされるよう、松本市から県に声を上げていただきたいと思います。行政のご所見をお伺いいたします。 次に、子宮頸がんワクチン接種と並行して学校での性教育の推進についてお伺いいたします。 人のがんで唯一ワクチン接種によって予防できる子宮頸がん、高額なワクチン接種への公費助成を公明党は全国的な取り組みをしてまいりました。私どもも要望書を市に提出させていただきました。国としても、子宮頸がん、ヒブ、肺炎球菌それぞれのワクチン接種について公費助成の予算が可決されております。 既にご存じと思いますが、子宮頸がんは世界じゅうで毎年約50万人が新たに発症し、半数近い約24万人が死亡していると言われます。婦人科のがんでは乳がんに続いて2番目に多い発生率で、日本では1日に10人の方がこのがんで亡くなっています。 子宮頸がんの原因となる発がん性HPVと呼ばれるものは、主に性交渉によって感染をします。エイズも同様な経緯が主たる感染原因です。ワクチン接種と同時に大事なことは、早期発見と予防です。そして、最も力を入れるべきことは、どういうがんなのか、なぜワクチンが必要なのかなどなど、正しい情報を伝えて自分の体と心を大切にしていくことだと思います。いよいよ子宮頸がんワクチンの公費助成が松本でも始まり、ワクチンの接種となっていくわけですが、正しい知識ということから、このワクチンを受けられる年齢層が定まりましたら、対象となる、例えば国としては13歳から16歳としていますが、そうなりますと、女生徒ですから、その女生徒とその保護者へ専門家によるお話を聞く場を必ず設定していただきたいと要望をさせていただきます。ワクチンを受けるか否かは本人と家族のアドバイスで決める選択ですから、重要な場の設定となります。 次に、学校での性教育の推進についてお伺いいたします。 性教育といいますとその言葉にだけ意識が集中しがちですが、本質的な問題で、命の大切さ、責任をとる心と体になることを学ぶことです。学力重視の教育環境の中で、命、心、体を育てる大切な学びは、祖父母と同居の時代は、自然な生活の営みの中に経験を通して語ってくれたでしょう。しかし、今は親も生活のことで精いっぱいという現状では、家庭教育では補えないのが本当の姿です。何の教えもなく、問題を抱える子供への対応を、家庭も学校も、無理もありませんし言い過ぎかもしれませんが、放置的状態です。ただ、事が起きれば罰を与えてしまうような事件があちこちで起きております。今は社会全体で担わなければならない時代です。子供たちは想像以上に情報を持っております。そういうものがあふれる生活環境にいますので、当然でしょう。社会全体で担うと言いましたが、高い意識と見識を持たれた専門職、または同様な見識と知識を持たれた部門外の方からの指導のほうが子供たちにはすっと入っていくようです。 命の授業をしている学校があるとの知らせをいただきました。どのような内容か勉強させていただきたく、11月26日の安曇野市の堀金小学校の授業に参加してきました。講師は木島知草さんで、劇団の主宰であり、菅谷市長初め川田龍平さんなどとの交流があり、松本市エイズ(HIV)等性感染症予防啓発推進協議会のメンバーであります。90分の時間、人形劇や本、スライドなどを交えて子供たちにも意見を求めたりで、あきることなく巧みな話術で性の本質を話されました。木島さんみずから子供たちに「恥ずかしさを乗り越えて大切なお話をしているんだよ」と言われましたが、全体に命を大切にする心、自分と相手を大切にする心がにじみ出ていました。家庭や学校ではできないお話でした。木島さんだから、淡々とさわやかな性教育がなされたとの実感を持ちました。 前日の25日、二子小学校には教育委員会からも講演にご出席をいただいたと聞いております。命の授業の取り組みも各学校ごとでなされているようです。保護者が声を出して毎年同じ学年で取り組まれているところもあったり、担任や養護の先生方での授業であったり、さまざまのようです。ともかく子供たちに正しい情報を与えることと、お互いを思いやることをしっかり教えていくことの大切さを、保護者と一緒に聞くことで改めて親が気づかされることを授業に参加をして学びました。 性教育に力を入れると助長していくのではなどと思われる方もありますが、決してそうではないことを認識しなくては、恐ろしい病気から我が身を守れません。学校ごとの取り組みではなく、教育委員会として、すべての子供が基本的なことにつき同等のレベルの知識を身につける、命を大切にする教育を受けるべきと訴えさせていただきます。学力重視の教育環境の中ではありますが、小学校の最終学年で、全該当生徒が親と子と一緒にこれから思春期の真っ盛りを迎える前に必ず正しい情報を得て、また、大事なことを話してくれる人がいることを知ることも大切です。 以上のことを踏まえて、教育委員会の性教育への対応につき、お考えをお伺いいたします。 最後に、学校保健安全法による学校薬剤師のかかわりについてお伺いいたします。 学校における児童・生徒や職員等の健康の保持増進を図るため、保健管理に関する必要な事項を定めたものに学校保健安全法があります。学校には学校医、学校歯科医、学校薬剤師を置くものとされ、その職務執行の準則は文部科学省令で定められています。私たちは、意外と学校薬剤師という名前とその職務について認識がないのが実態かと思います。調べてみますと、学校薬剤師の活躍は、県内でも地域の格差が見られます。なるほど私たちのこの職務に対する認識がほとんどないのも納得できるところだと思いました。 学校薬剤師の職務は、学校の保健計画、安全計画の立案に参与すること、環境衛生検査に従事すること、環境衛生の維持改善に対して指導・助言を行うこと、健康相談、保健指導に従事すること、学校で使用する医薬品、毒物、劇薬の検査、鑑定、及び必要な用具、材料の管理に指導を助言するなどなどです。 その一つ、学校の環境衛生基準の中に騒音レベル検査があります。この検査に関しては、学校薬剤師会に検査をする機器がないので、県の薬剤師会から借りているといいます。環境衛生では、揮発性有機化合物の一つトルエンの検査や、かつて問題になりましたシックハウス検査も、建築基準法が変わり、学校の改築、新築のとき、業者が行うようになりました。しかし、ホルムアルデヒドやキシレンは家具や楽器に使うようになりました。思わぬ形で環境に影響を与えております。真新しい家具、コンピューター室、音楽室などは危惧するところです。空気は体の中に一番多く取り込むもので、食べ物より恐ろしい一面を持っております。児童・生徒が1日の大半を過ごす学校での生活に安全の確保が図られなければいけません。 質問をいたします。 1、学校環境衛生基準に照らし、検査方法に定められたことを調べるにも機器がないということなどを含め、その改善のために必要な措置を講ずることは教育委員会の責務だと考えます。 2、養護室、理科の実験などに使います医薬品、劇物の検査、鑑定は、担当の先生方がしっかり管理をされていますが、一任しておくだけではなく、これも定期的な管理を学校薬剤師の指導・助言のもとで実施することだと思います。 3、学校薬剤師は、薬とつき合う基本的な教育指導も職責と思います。薬事法が変わり、1類の薬については薬剤師による説明、2類の薬は登録販売者からと変わっております。また、最近のサプリメントや健康食品には、医薬品とのすれすれのところで売られているものがあります。基本的なことを小学生のうちから学ぶことで、危険から子供たちみずからが身を守ることにつながっていきます。特に禁煙教育は大切で、たばこから薬物乱用につながっていく可能性があるので、子供と保護者とで一緒に学校薬剤師や元麻薬Gメンの方々の話を聞く場を設けることが重要です。 薬物乱用については、毎年11月の人権週間のときに取り上げられるだけで、内容も統一的ではありません。希望がなければ行われない学校もありますが、その道のプロ、学校薬剤師より、毎年、学年を決めて、すべての子供にも同じ質の教育を提供すべきだと提案をいたします。薬とのつき合いと一口に言いましても、風邪薬に代表される薬から薬物の乱用まで、内容は重要な問題を含んでおります。教育委員会のお考えをお聞かせください。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 白川議員の新生児聴覚検査に関するご質問にお答えいたします。 生まれてきたお子さんの健やかな成長は、すべての人々の願いでございます。しかし、新生児1,000人のうち1人から2人に先天性聴覚障害、生まれつき耳の聞こえにくい障害が発生すると言われております。その場合、早期に発見して適切な医療や療育につなげることが障害児の生育過程における言葉と心の成長のために極めて重要であると言われております。 議員からお話もありましたが、長野県は平成14年度から、くしくもちょうど私が県の衛生部長時代にこの新生児聴覚検査機器を導入する医療機関への補助を開始し、平成15年度までにほとんどの分娩医療機関で新生児を検査できる体制が整ったところでございます。新生児聴覚検査は生まれて間もないお子さんの耳の聞こえの状態を調べるもので、眠っている間に自動的に判定を行うことができ、検査は大変有効であると認識しております。本検査の受診率は、長野県全体では平成21年度は97.3%、松本市でも97.7%と大変高い状況にございます。 そこで検査費用の公費助成についてでありますが、ただいま申し上げましたように本市では97.7%と大変高い受診率で、ほとんどのお子さんが受けているという現状を考えますと、新生児聴覚検査への公費助成につきましては、近隣基礎自治体の状況も考慮し、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 熊谷こども部長。 ◎こども部長(熊谷賢一) 〔登壇〕 軽度、中度の聴覚障害児への支援についてお答えいたします。 白川議員が言われましたように、聴覚障害で身体障害者手帳を取得できれば、障害者自立支援法に基づく補装具として、原則1割の自己負担で補聴器の購入費等の支給が受けられます。聴覚の身体障害者手帳の交付基準は、両方の耳の聴力レベルがそれぞれ70デシベル以上、もしくは片方の聴力レベルが90デシベル以上で、もう一方が50デシベル以上となっております。一般的に、聴力レベルが30デシベル以上で、手帳の基準に満たないレベルを軽度、中度としております。軽度難聴の場合でも、小声が聞こえにくい、遠くの会話が聞き取りにくい、あるいは10名程度の会議でも会話が困難であるなどの理由で、日常生活において補聴器を使用している方が多いと伺っております。特に、難聴児にとっては、学校や家庭における日々の生活において、補聴器は言葉の発達や学習の理解のため、あるいはコミュニケーションの一助として、なくてはならないものであります。 そのような観点から、議員が言われましたように、幾つかの自治体において難聴児に対する独自の助成が実施されております。しかし、このような補装具費の助成などについては地域的な問題ではなく全国的な課題であることから、本来は国もしくは県の制度として実施されるべきものと考えます。 現在、開会中の長野県議会11月定例会において白川議員と同趣旨の一般質問があり、長野県健康福祉部長から「関東甲信越の各県と共同で、補装具費支給制度の対象とするよう国に要望している。県としても、市町村と協力して、どのような支援が可能か検討していく」旨の答弁がされております。 本市といたしましても、この県の意向を踏まえまして、関係機関や特別支援学校と連携を図り、実態把握に努めながら、県と協力して検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 伊藤教育長。 ◎教育長(伊藤光) 〔登壇〕 議員の子宮頸がんワクチン接種にかかわって学校での性教育の推進についてのご質問についてお答えを申し上げます。 議員ご指摘のとおり、子宮頸がんのワクチン接種に当たり、その前段階として、性に関する正しい情報を伝え、自己と他者の心と体をいたわる教育は大切なことと考えております。性教育はまさに命の授業であり、生き方の授業として全小・中学校で行っているところであります。 まず、松本市では、平成18年度に信州大学医学部、松本市医師会等の医療関係者、教育関係者、そして松本市町会連合会の地域の方々で構成する松本市エイズ(HIV)等性感染症予防啓発推進協議会を立ち上げ、官民協働で性感染予防啓発事業を展開しております。中でも、小学生から高齢者まで、全世代を通して性に対する正しい知識を身につけていただくため、予防教育に重点を置いた出前講座を実施し、この4年間で約3万人近くの皆様に受講いただくなど、一定の成果を上げております。 一方、学校教育におきましては、市独自で作成をいたしました性教育の指導計画書「すこやか」を中心に、小学校入学から中学校卒業まで一貫性のある性教育を実施してきております。また、その実践した記録や発展的な内容を含む授業案、新しくつくった教材等を情報交換しており、他校の性教育の進め方、あるいは外部講師の方々、その折使われた資料などをお互いが共有できるように努めております。 ご指摘の外部講師につきましては、昨年度、約8割の学校が性教育の授業に外部の方々をお呼びしております。その内訳は、産婦人科等の医師が3校、性教育を専門とする高校の先生が6校、助産師、保健師が30校、専門知識を有する方2校と、数多くの方々にご協力をいただいているところであります。 外部講師を招いた学校では、子供たちは、「私がここに生きているのはお父さん、お母さんのおかげ」、「命って重い、だから自分の命も家族も大切にしていきたい」、「安易な性行為はさまざまなリスクを負っていることを知った」など、命のとうとさや性に対する意識を深めたようであります。また、先生方からも、「専門的な立場からわかりやすくお話をいただいた」、「子供たちも集中して聞いており、大変有意義な時間になった」との報告をいただいております。こうした報告を聞くにつれ、子供たちがふだん接している学校の先生だけではなく、豊かな経験と広い知識を持っておられる専門の方々にお話をしていただくことは大変大事なことだと改めて感じているところであります。 議員ご指摘のとおり、性教育は大切な教育と考えますので、これからも専門の方を外部講師に招いたり、あるいはPTA講演会や研修会などで保護者とともに性に関して学ぶ機会を設けたりなどして、子供の実態やニーズに合った性教育を進めてまいりたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 白川議員の学校薬剤師に関する3点のご質問にお答えします。 まず、1つ目の学校環境衛生基準に照らした検査についてでございます。 国が定めた学校環境衛生基準には、主に換気、照明、騒音など、教室の環境にかかわる基準や飲料水等の施設にかかわる基準がございます。検査については、学校薬剤師がかかわり定期的に行っているもの、必要に応じ行っているもの、または学校職員が日常的、定期的に行っているものがございます。 議員ご指摘の騒音レベルの検査やトルエンなどの揮発性有機化合物の検査についてでありますが、学校環境衛生基準では、校舎の新築や大規模な改修工事が行われる際に実施される検査において測定結果が著しく基準値を下回る場合には、以後、教室等の内外の環境に変化が認められない限り次回からは検査を省略することができるとされておりまして、現在、状況が変化した学校がないため、検査を行っておりません。 なお、状況が変化した場合や学校から要望があった場合は、必要に応じて検査を行うこととしております。 また、ホルムアルデヒドについては、前年度までの実施状況、教室等の換気機能の状況などにかんがみ、各学校で学校薬剤師と相談して毎年7月から9月にかけて定期検査を行っております。今後も、学校環境衛生基準に基づき、必要な検査はその都度実施し、学校の適切な環境の維持に努めてまいります。 次に、2つ目の医薬品、劇物の検査、鑑定についてであります。 学校保健安全法に基づき、保健室の医薬品についての使用上の注意や理科室の劇物などが適切に適正に保管されているかなど、学校薬剤師による指導・助言により管理を行っております。今後も、医薬品や劇物等の適正な管理を行い、児童・生徒が安心して過ごせる学校環境の維持に努めてまいります。 次に、3つ目の薬物乱用防止の教育についてです。 本市では、青少年に薬物乱用が広がる前に広範な防止運動を推進するため、本年度から先進的に取り組んでおります。 具体的には、市民フォーラム等の開催による啓発活動、小・中学校への薬物乱用防止講座の講師等の紹介、薬物相談窓口の開設、不正大麻栽培防止活動等を開始しております。また、各小・中学校では、学習指導要領に基づいて、小学校6年生及び中学校で喫煙、飲酒、薬物についての学習を保健の時間や特設の時間等を使って行っております。この学習では、担任や養護教諭の授業のほか、外部講師や警察の薬物乱用防止広報車などを活用させていただいておりますし、さらに市の薬剤師会の皆さんにも大変熱心に対応いただいており、本年度は13校において薬剤師による授業が行われております。今後とも、薬物に関する教育について、薬剤師の協力を得ながら継続的に行い、子供たちが生涯を通じて健康で安全な生活を送ることができるよう、児童・生徒の実態に即した教育を行ってまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 27番 白川延子議員。 ◆27番(白川延子) 〔登壇〕 それぞれにご答弁をいただきました。2回目の質問に入らせていただきます。 初めに、新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成についてでありますが、先ほど市長より、平成15年、長野県としてほとんどの産院にこのスクリーニングに必要な機器が配置されたと伺いました。とてもうれしく思います。 また、この受診率につきましても、私のデータのほうが少し古くて恐縮しております。長野県で97.3%、松本市で97.7%と、ほとんどのお子さんが産院でこの検診を受けられているということ、これもうれしく思いました。 人の体の中で最も早く機能を開始し、そして最後まで機能が残るのが聴覚だと聞いております。その聴覚に異常があるかどうかを早く発見することで、保護者には安心を、不幸にもそうであった子供には適切な療育が施せます。大げさな表現になるかもしれませんが、人の一生にかかわる一大事の検診です。生まれた赤ちゃん全員が検診を受けられますよう、一日も早く、松本市97.7%ではありますが、国がせっかく市町村のメニューに財源を移したわけでございますので、検診の助成へ財源の確保をしていただきますことをやはり引き続き強く要望をさせていただきます。 出産に30万円から50万円かかると言いましたが、その中にこの検診費用が入っております。出産したお母さんに金額を聞いても、その中に含まれているのでほとんどわからないというお答えが多くありました。やはりこの金額が公費助成になればその出産費用も多少でも少なくなるわけでございますので、取り組みを要望したいと思います。 次に、軽度、中度の聴覚障害児への支援についてでありますが、県として国に要望していくとの答弁が県議会でもありました。前向きな検討を進めていただきますことを松本市からも要望をしていただきたいことを重ねてお願いをいたします。 次に、子宮頸がんワクチン接種と並行して学校での性教育の推進についてでありますが、学校での性教育の根底にあるのは、生命の尊厳に気づかせることではないでしょうか。自分と相手も大切にすること、死に至る病の原因の多くは異性間での感染です。ワクチンができたから、よい薬ができたからではなく、命は代価を持たないものだということを教えることが性教育だと思えるのです。各学校での取り組みに温度差がないよう、教育委員会のさらなる教育指導の充実を希望してこの問題につきましては終わらせていただきます。 次に、学校保健安全法による学校薬剤師のかかわりについてお伺いします。 それぞれの質問につきまして松本市で取り組まれている現状を伺いました。2回目は2点の要望をし、質問を終わります。 初めに、学校には学校医、学校歯科医の先生がおられることは知っております。それは、学校で生徒と触れる機会がありますので、生徒も親も認識をしております。学校薬剤師はそういう場面が少ないか、ほとんど学校内の関係する先生方しか知りません。しかし、この3人の先生方の支えがあって、生徒や職員や先生方の健康が守られているわけです。地域差があると文頭で述べましたが、生徒と保護者とで一緒に聞いてもらいたいテーマを設けて学校薬剤師との接点をつくっていただきたいと思います。 次に、松本市も合併により広い市域となりました。さまざまな環境の中に学校があります。騒音に関して今は心配されるところはないという答弁でありましたが、環境衛生ということは大変重要です。騒音測定器を県の薬剤師会から借りるのではなく、1台くらいの用意は必要と思います。ご配慮をお願いしておきます。 以上で私の質問のすべてを終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、白川延子議員の質問は終結いたします。 続いて、28番 近藤晴彦議員。 ◆28番(近藤晴彦) 〔登壇〕 発言の機会を得ましたので、白川議員に引き続き、公明党を代表して質問をいたします。 初めに、健康寿命延伸施策の充実、こういう観点から伺ってまいります。 第1に、うつ対策についてでございます。 私は今日的に本当に大きな課題であろうというふうに感じております。近年、社会構造が大きく変化し、人間関係もいよいよ複雑化が増しておるようにも思います。そして、社会全体にストレスが蔓延をしている。その結果、うつ病などの心の病というものが急増しているというふうに思います。 日本精神神経学会を初めとする4つの学会があるのでございますけれども、そこが共同宣言というものを出しておりまして、その内容にこうございました。「うつ病を初めとする精神疾患は、先進国ではがんや心臓病と並ぶ三大疾患で、その対策は国家政策の最優先課題である」、そして、「我が国でも、がんに次いで重大な社会的損失をもたらし、国民病とも言うべき疾病である」、このように宣言では述べております。厚生労働省が昨年発表いたしましたうつ病に関する患者調査報告によりますと、全国の患者数の推移でございますけれども、1996年には約43万人であったものが2008年までの12年間で2.4倍の104万人へと急増しております。この調査にあらわれない有病者数ということも推計されておりまして、その人数は全国で250万人とされております。この人数というのは我が国人口の約2%ということであり、実態は大変に深刻だ、このように思うところであります。 現在は、このうつ病を初めとした心の病、これがさまざまな悲しい事件へとつながっているのではないかというふうに思います。自殺もそうでございますし、あとはDV(ドメスティックバイオレンス)あるいは児童虐待、育児放棄、高齢者虐待、また、ご高齢の方の孤独死など社会的な影響は大変に大きく、総合的な対策が求められていると思います。心が健康であれば大きな事件にまで至らずに済むといったケースが少なからずあるのではないかというふうに私は思います。従来の年金制度や医療制度、あるいは介護といったこういう社会保障だけでは、今、カバーをし切れない、こういったことが心の病への対応策、新しい福祉とも言えるこの視点が今、出てきているのではないかというふうに考えております。 本市では、私も何度かこの壇上から自殺予防対策の充実という観点で訴えてまいりましたが、相談窓口としての「いのちのきずな松本」が開設されました。市長の開会日の提案説明にもあったとおりでございますけれども、その実態について、私は予想よりもやはりはるかに多くの相談が寄せられているということをお聞きいたしました。この現実、社会情勢の厳しさといいますか、そういったことも改めて感じたところでございます。本事業につきましては、高く評価をするとともに、一層の充実も求めておきたいというように思います。 そこで質問でございますけれども、本市における現在のうつ病対策、この現状はどういうふうになっておりますでしょうか。また、市長は、その実情というものを踏まえまして、今後どのようにこの対策に取り組まれていくおつもりであるか、お考えをお聞きしたいというふうに思います。 健康寿命延伸施策の充実の2点目、これは虫歯の予防ということについてでございます。 歯の健康、これは健康寿命の延伸に直接的に結びつく一つの大きなものではないかというふうに思います。おいしく食事ができること、そして、それは高齢になるにつけ、QOL、人生の質といいますか、その向上に重要性が増してくる、このようにも思います。8020運動というものもございますけれども、そのことと理解ができます。私も多くの高齢者の皆さんと接する機会がございますけれども、やはりしっかりと食べること、そういったことができる高齢者の皆さんというのは元気だなということをつくづく実感いたします。 予防というものは、何につけてもそうだというふうに思いますけれども、早期開始というものが大切でございます。虫歯予防の場合も、その出発は乳児期でございます。いかに早い段階から歯の健康への意識づけと行動を習慣づけられるか、そのことによって将来の結果は大きく変わってまいります。家族全体としての生活習慣の形成も重要な要素となると思いますけれども、今回は歯そのものへの予防対策ということで、フッ素の塗布ということについて伺います。 このフッ素塗布、虫歯予防対策の一つとして有効とされておりますけれども、実態はどうでありましょうか。しっかりとこのフッ素塗布ということをやった場合、またやらなかった場合、そうでない場合の虫歯の罹患率についてどのような差異があるのか、このことについてまずお伺いいたします。 次に、まちづくりの基礎データの整備ということで、地籍調査の促進について質問いたします。 これは、平成12年9月定例会で同僚の草間議員が質問をいたしております。以来10年が経過する中で改めて伺ってまいりますが、当時の市長答弁は、結論としては今後の検討課題という中身でございました。改めて申し上げるまでもございませんけれども、人と同じように土地にも戸籍があります。それが地籍でございます。地籍を確定するために必要な作業が地籍調査でございますけれども、我が国の実施済みの土地というものは、まだ半分にも至っていない、半分弱といったところでございます。この数字は、10年前の数字から本当にごくわずかしか進んでおりません。 地籍が未整備の場合に、次のような弊害が考えられております。それは、1つとしては、土地の境界が不明確でございますので、土地取引等にリスクがございます。また、境界確認に時間と費用を要するため、まちづくりを進めようとした際の支障となる。また、年月を経て判別できなくなった境界確認から始めるために、これは災害復旧の大きなおくれにつながるとも言われております。また、4つ目としては、公共用地の適正管理への支障、5つ目として、課税の公共性の確保への課題、また、6つ目としては、適切な森林管理にも支障がある、このようにも言われております。土地というこの限りある資源を効果的かつ有効に活用するために、私は地籍調査の促進は重要な課題と考えております。 国の報告によりますと、地籍調査は1951年から始まりました。2007年末で、人口の集中する都市部では20%、山村部では41%の実施率、完了率ということです。都道府県のばらつきも大変に大きいということで、最も進んでいる県が沖縄県で99%、最低は大阪府で4%ということでございます。中には、16世紀の豊臣秀吉による太閤検地以後、実態が把握できていない土地も多く残っていると言われております。 この調査が未整備であったために発生した障害といいますかトラブルとしては、近年では、阪神・淡路大震災の復興の際、大変にこのことで復興に関しまして時間を要したケースもございます。また、地籍が確定されないために復興への補助が銀行から担保として出なかったというようなケースもあるというふうに聞いております。最近では、六本木ヒルズの開発、あの大きなビルが開発されましたけれども、境界の確定に4年間の歳月がかかったそうでございます。そして、当初予定していなかった1億円の追加経費もこのために必要になったということでございました。 大きく土地が動くこと、あるいは大災害、こういったときには必ずこういった問題が発生し、事業の促進や、さらには復旧への大きな障害となることが想定されます。そういうことがなければそのままにしておいても大きく問題とならないかもしれませんけれども、私は、この松本というところを考えた場合、大規模地震ということの発生確率も高い、こういったことも言われておる中でもございますし、松本としては、こういう地籍調査、このことは喫緊の課題ではないかというふうに考えております。 そこで質問でございますけれども、国交省の調査で平成20年当初の調査状況ですが、合併をいたしました波田町は、その時点で既に地籍調査が完了というふうになっております。その平成20年当初ですが、松本市は着手中という表現になってございます。この着手中の状況について、今、この松本市の進捗状況についてお聞きいたします。 最後ですが、図書館の充実ということについて伺ってまいります。 本年は国民読書年でございます。キャッチフレーズは、私も初めて知ったことを今恥じておるわけですけれども、キャッチフレーズがあります。これは短くて、「じゃあ、読もう。」というのが国民読書年のキャッチフレーズだそうでございます。2008年に衆参国会で全会一致で決議をされたこの国民読書年、間もなく終わろうとしているわけですけれども、この決議の中には「文字・活字文化振興法の制定・施行5周年に当たる本年を国民読書年と決めて、政官民協力のもと、国を挙げてあらゆる努力を重ねる」というふうに表現をされております。 私ども公明党としても、一貫してこの読書の推進、読書環境の充実を訴えてまいりました。ブックスタート事業の開始、あるいは児童・生徒図書購入費の大幅増額の実現、また、前9月定例会では白川議員から家族読書条例の提案もさせていただいたところでございます。人生における読書の重要性、文字・活字文化振興の必要性を改めて今、感じているところでございます。 さて、今回は、読書機会の拡大・充実、一般対策としてはもちろんですが、特に何らかの理由により図書館へ行くことができない状況の方々に対するこの施策としても有効と考えられております電子図書館、ウエブ図書館とも言いますが、このことについて伺います。 高齢や障害のために外出困難であったり、また、文字を読むことに不自由な方々、あるいは多忙なため図書館に行く時間がない方々、このような状況への対応策は、これまで全市的な取り組みとして具体的には進んでいないように思われます。近年の国民の活字離れが指摘される中、今、電子書籍の普及が注目されております。電子書籍とは、既存の書籍をデジタル化し、パソコンや電子書籍リーダーというもので読めるようにしたものでございます。今、話題の携帯端末機器の登場に伴いまして、これから国民ニーズが飛躍的に高まると予想もされております。 そうした中で、これは先進的な取り組みなんですけれども、千代田区の区立図書館ではいち早く電子書籍の存在に着目をし、平成19年11月、インターネットを使って電子図書を貸し出すウエブ図書館をスタートさせております。現在は、政治、経済、文学、語学などさまざまなジャンルで、10月現在ですが、4,745のタイトルの電子書籍を提供しております。利用者側から見ると、外出困難な場合でも来館時間のない場合でも、24時間自分の都合で利用ができます。また、この電子図書には、文字拡大や自動読み上げ機能、自動めくり機能、音声・動画再生機能なども登載されておりまして、視覚障害の方でも読書を楽しむこともできます。また、これまではなかなか難しかった学習参考資料、こういったことも貸し出しが可能となっておりまして、その端末では自分でマーカーで色をつけたり、問題集の採点もその場でできたりもいたします。さらには、図書館が発行しております行政資料・文書も貸し出し可能ということでございます。利用者側の大きなメリットとなっております。 また、これは図書館サイドといたしましても、この電子図書のために書籍のスペースは必要ございません。また、図書の貸し出しや返却催促に人手も不要でございます。さらには、電子図書の盗難、破損、未返却といったことは、そういった損失がほとんど発生しません。 このように、利用者あるいは図書館双方に導入効果が想定されております。費用は比較的少なく効果が大きい、このように見込まれております。このようなウエブ図書館、電子図書館、この取り組みが本市としても必要ではないでしょうか。生涯学習への機会の拡大にもつながってまいります。教育委員会の考えをお尋ねいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 近藤議員のうつ病対策に関するご質問にお答えいたします。 うつ病はだれでもがかかり得る心の病であり、ただいまお話がありましたように、国が3年ごとに行っている患者調査によりますと、患者数が1999年から2008年までの9年間で2.4倍に増加しており、対策強化の必要性が叫ばれております。議員ご指摘のとおり、うつ病は自殺と密接に関係しており、自殺願望のある方の多くは、うつ病もしくは心が正常な状態に機能していない、いわゆるうつ状態にあると言われており、こうした方への支援は自殺予防の上で直ちに取り組まなければならない対策と考えております。 このため、松本市におきましては、この10月1日より「いのちのきずな松本」を開設し、さまざまな悩みを抱え、うつ病やうつ状態にある方に対し寄り添いながらじっくりお話をお聞きし、迅速に医療など必要な支援に結びつけることで、発作的に自殺に至らないように対応しております。開設後2カ月経過した現時点で約50件ほどの相談がありましたが、そのうちの約半数の方は心の病を抱えている状況にあり、専門医の受診や継続した治療を進めているところでございます。 今後の取り組みについてですが、うつ病は、早期に適切な治療を受けることにより完治できる病気でございます。しかし、放置しておくと慢性化しやすく再発しやすい特徴があることからも、家族など周囲の方々による早期の気づきが極めて重要であると言えます。したがいまして、今後は、既に設置してあります自殺予防対策推進協議会を中心に、うつ病に対する市民の理解を一層深めるための啓発活動に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また、あわせて、自殺予防相談窓口「いのちのきずな松本」での相談体制のさらなる強化・充実を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 大日向健康福祉部長。
    ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 近藤議員の虫歯予防についてのご質問にお答えいたします。 フッ素の塗布は、虫歯になりかけた部分をもとの状態に戻す再石灰化を促進する、歯が溶ける原因となる酸に強い歯になる、虫歯の原因菌が酸をつくるのを抑制するといった効果があり、フッ素塗布は広く実施されております。 本市では、1歳半から4歳までの2年半の間、定期的に歯科健診やフッ素塗布、歯磨きや食事指導を行う幼児歯科管理登録事業を松本市歯科医師会に委託して実施しております。ご質問のフッ素塗布効果について、この幼児管理登録事業の実績で申し上げますと、まず、この登録率でございますが、10年前の平成12年度は16.2%に対し、平成21年度には28%と増加しております。これに伴いまして、3歳児健診における虫歯保有率は、平成12年度では28.5%に対し、平成21年度では18.1%と10ポイント減少しております。これは幼児歯科管理登録事業の全体としての効果でありますが、この中で実施しているフッ素塗布も虫歯保有率低下に一定の役割を果たしているものと思われます。 なお、参考までに申し上げますと、本市の3歳児健診の虫歯保有率は県内19市のうち岡谷市に次いで第2位の低さとなっており、上位5市においては、行政や地元の歯科衛生士会でフッ素塗布事業を実施しているということでご参考までに申し添えます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 近藤議員の地籍調査の促進に対するご質問にお答えいたします。 本市の地籍調査の進捗状況でございますが、昭和28年度から33年度に笹賀地区で実施し、その後、地籍調査以外の事業として、土地改良事業、土地区画整理事業などにより地籍の明確化を図ってまいりました。現在は合併から引き継いだ四賀地区において継続実施しており、同じく合併した安曇、奈川、梓川及び波田地区においては既に事業が完了しております。 平成21年度末現在、本市の地籍調査対象地域面積は554.63平方キロメートル、実施済み面積は260.60平方キロメートル、進捗率は47%であり、長野県平均の37.2%を上回っている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 二木教育部長。 ◎教育部長(二木保明) 〔登壇〕 議員のウエブ図書館に関するご質問にお答えします。 ウエブ図書館は、インターネット環境があれば図書館への来館が困難な方でも24時間利用が可能なサービスとして承知をしております。また、現在では、単独でウエブ図書館のシステムを構築するのでなく、複数の図書館によりシステムを共有してサービスを提供していく公共図書館向け電子図書館システム(クラウド型電子図書館サービス)が開発されてきております。 このような状況ではございますが、年間約8万点以上の新刊書が出版される中、著作権許諾の関係で、電子化をして利用できる図書資料が約四千数百タイトルと限られること、また、新刊書や利用者の要望に即応した資料の電子化が難しいといった課題があり、現在、サービスを実施しているのは千代田区立図書館1館であります。 松本市図書館におけるウエブ図書館への対応につきましては、現時点での導入は考えておりませんが、市民に向けた新たな図書館利用の拡大を図ることのできるサービスであり、システムの改良と利用できる図書資料の充実も予想されることから、今後も情報収集に努め、電子図書などの新たなメディアの普及の度合い、図書館利用者のニーズ等を勘案しながら研究を進めてまいりたいと考えております。 将来の図書館サービスにおいては、さまざまな新しいメディアにより新たな読書環境が創出され、読書人口が拡大していくであろうと予想しておりますが、一方で、利用者が本の重さや質感を感じながらページをめくることで感動を味わい、楽しむという従来からの読書文化、読書習慣を守り、継承していくことも図書館の重要な使命であると考えております。これからも本の持つ魅力を生かしながら読書活動の推進を図るとともに、市民の多様なニーズにこたえられるようサービスの充実を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 28番 近藤晴彦議員。 ◆28番(近藤晴彦) 〔登壇〕 それぞれに答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。 まず、うつ病対策については、自殺予防という観点から、啓発活動に一層の推進あるいは「いのちのきずな松本」の相談体制の充実を図っていく、こういうことでございました。答弁を了としたいというように思います。 2回目は、その上で1点、ぜひともこのうつ病対策ということでの取り組みについて、松本市でもその導入に向かって進んでもらいたい、こういった内容がございますので、申し上げたいというふうに思います。 それは、認知行動療法という新しいうつ病への対応、治療法ということでございます。認知行動療法、初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますけれども、概略を申し上げれば、1970年代にアメリカで開発をされたというふうに聞いております。そして、欧米を中心に、世界的に広く現在では導入が進んできております。現在は、うつ病を初めとする精神疾患以外でも、日常のストレスに起因するさまざまな問題に適用範囲が広がっております。 先ほどの市長答弁でもございましたけれども、うつ状態の人というものは、一般的に自己否定、こういった傾向に向かいます。その志向が持たれておられます。そしてまた、そのことにより、あらゆる物事のとらえ方、解釈ということも否定的、前向きではないとらえ方になりやすいというふうに言われております。この認知行動療法というのは、この否定的なネガティブな考え方そのものについて患者自身に気づいてもらう、そして修正をしていくという精神療法でございます。 治療の中身をお聞きしますと、1回当たり30分以上の面接を患者の方と行いながら、16回から20回程度それを重ねていくということでございます。患者の方は、面接で話し合ったことを実生活の中で検証をしていくという中身でございます。非常に長時間かかる治療でございます。それが本年度の診療報酬の改定によりまして、4月からこの療法の一部が保険適用となりました。また、この認知行動療法の実施者を養成する研修制度も始まっております。 既に先進的な取り組みの事例が幾つか出てきておりまして、これは沖縄県立総合精神保健福祉センターでの取り組みでございますけれども、2005年からうつ病デイケアという形でこの認知行動療法を取り入れております。このことによりまして、認知行動療法の治療を受けた人の9割に症状が明らかに改善されたという結果が出ております。また、これは鹿児島県の取り組みなんですけれども、この夏の8月に、保健所や市町村の福祉担当者の方、保健師や臨床心理士など、実際の心の相談の業務の窓口に当たる人たちを対象としました認知行動療法の研修会が開催されております。県の単位での開催でしたけれども、この受講した皆さんからは、「相談業務が本当にスムーズにできるようになった」、あるいは「的確なアドバイスができるようになった」という感想が寄せられているとのことです。命を守ることへの前進が大きく図られている、こういうふうに感じるところでございます。 翻って、この長野県内の状況について、私がお聞きする中では、まだほとんど手がついていない状態のようでございます。どうか市長、このうつ病対策に、とりわけ自殺予防にも直結するというふうに考えられますこの認知行動療法、この導入促進へ向けて、松本市から先進的な取り組み、こういったものを図っていただきたい、このように私は考えるわけですけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。 次に、虫歯予防についてでございます。 虫歯予防の現状について、またフッ素塗布の効果について答弁をいただきました。フッ素塗布がこの虫歯予防に効果が大きいことを改めて知りました。そして今、この松本市では、フッ素塗布を初めとした幼児歯科管理登録事業、こういった中で行っているという答弁でございました。歯科医師会に委託をしているということでございます。登録率についての答弁もございました。現在は28%まで上がってきているということでございますけれども、私は、この事業、行われている場所が松本市の駅前1カ所でございます。市域も大変に拡大されてきております。なかなかこの28%という登録率、本来は生まれてきた赤ちゃんみんなが登録をしてこの事業をやっていければさらに進むんだろうというように思いますけれども、歯科医師会館へ来てこの事業をやるということにつきましては、遠隔地の場合、なかなか時間というものの制約もございまして、難しいのではないかというふうに考えております。 この事業は費用全額、1歳半から4歳までで1万4,000円だそうでございまして、それは前払いをするそうですけれども、松本市としてこれに対する補助金を出しております。5,000円の補助金がこの登録事業に登録をしたご家庭には出るわけでございますけれども、私は、この今の取り組みということだけでいきますと、全市的な広がり、こういったものにはなかなかつながってはいかないのではないか、このように思うわけでございます。さらなるこの虫歯予防の促進、岡谷市を抜いて1番になる、虫歯保有率最低を目指すということを進めるためには、私は、各歯科医院でも同様のこういった事業が実施される場合に対して補助をする仕組みが必要ではないか、このように考えるわけですけれども、市長の見解をお聞かせください。 続きまして、地籍調査についてでございますけれども、現状について答弁をいただきました。合併地域はほぼ順調に進んでいるといいますか、四賀も現在も進んでおるという状況でございまして、ただ、この旧松本市といいますか、合併前の松本市の状況の中では、なかなかこれは進んでいないのかなということでございます。全体として47%ということでございました。国とほぼ同様の数値でございますけれども、国と同様であるとすれば、都市部といいますか、人口密度の高い地域が恐らくもっと低い率ではなかろうかというふうに想像するわけでございますけれども、私は、これにつきましては、何とか大変でも進めていく必要があるというふうに考えます。 改正国土調査促進特別措置法というものをことし4月に施行しております。これは、本年を初年度とする第6次国土調査事業10カ年計画がその中で策定されておりまして、これは計画的かつ効果的な調査を促進していこうという、すべきであるという国の意思のあらわれでもあるわけですけれども、また、同時期に改正国土調査法というものも施行しております。この中では、民間活力の導入によって地籍調査を実施することも可能というふうにしてあります。さらには財政面での配慮も今回なされておりまして、特別交付税の対象とするということでございます。私は、この第6次国土調査事業10カ年計画、この際、この機会をとらえて一層の促進を図っていくべきだというふうに考えますけれども、市長の見解をお聞きしたいというふうに思います。 最後に、図書館の充実についてでございますけれども、ウエブ図書館の取り組みについて答弁をいただきました。現時点で即、導入ということは難しいということでございました。ただ、将来へ備えて、さまざまな機会の拡大、あるいは読書形態の多様化、こういったことも見据えながら研究を進めていくということでございますので、その実現へ向かって前進が図られていくものというふうに理解をしておきたいと思います。いつでも、どこでも、だれでも、ユビキタス社会ということを言いますけれども、その実現の一つとしてもウエブ図書館早期実施を求めて、この質問については終わりたいというふうに思います。 以上で2回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 大日向健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 近藤議員のご質問のお答えに入る前に、1回目の答弁の訂正をお願い申し上げたいと思います。 先ほどの答弁で、幼児歯科管理登録事業の登録率につきまして、平成21年度28%と申し上げましたが、23.8%の間違いでございますので、訂正をお願いするとともにおわびを申し上げます。よろしくお願いいたします。 それでは、近藤議員の2点のご質問に順を追ってお答えいたします。 初めに、認知行動療法について申し上げます。 うつ病の治療法は、現在、薬物療法が中心で、十分な休養に加え、心の負担になっている環境の調整を行うことが重要とされています。これに対しまして、ご提案のありました認知行動療法、議員からも細部ご紹介ございましたが、一部重複しているところがあるとは思いますが、この治療法は薬物以外の治療法であり、医師等の医療者が患者本人の考え方や行動のくせ等に着目し、柔軟な考え方や行動に変えていくようトレーニングを行い、問題に対処できるようサポートする精神的治療法でございます。これもまた重複いたしますが、この認知行動療法、ことし4月から一部保険法の適用となりましたが、精神科医療の現場では、治療に時間を要することや、まだ我が国では治療の歴史も浅いため人材育成等といった課題も山積しており、現在、医師や臨床心理士、保健師、看護師等を対象とした研修により人材確保に努めていると聞いております。また、長野県内での認知行動療法の実施状況を精神科専門医にお聞きしたところ、信州大学附属病院初め医療機関・施設等でもほとんどまだ実施されていないのが現状のようでございます。 したがいまして、今後、議員からご紹介がございました他県での先進事例等を参考にするとともに、精神科専門医の意見などもお聞きしながら、日々の健康相談や「いのちのきずな松本」での相談対応に生かしていけるよう研究してまいりたいと考えております。 次に、フッ素塗布事業の実施場所の拡大についてお答えをいたします。 この事業は、先ほど申し上げたとおり、松本歯科医師会へ委託し、実施場所は松本市深志にある松本市歯科医師会館の1カ所だけとなっております。議員の、この事業を地域の歯科医院での実施まで拡大してはどうかというご提案につきましては、市民の皆様の利便性を考慮し、また、虫歯予防を促進するため、今後、松本市歯科医師会に相談し、検討させていただきたいと考えております。 また、今後とも引き続き歯科管理登録事業への参加を呼びかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 近藤議員の地籍調査の一層の促進をとのご質問に、地籍調査の総合的な窓口であります政策部のほうからお答えをいたします。 地籍調査につきましては、土地の現状をあるがままに調査、把握して記録するものであり、何度かの立ち会いを要し、土地の境界線にかかわるトラブルが発生するなど、事業の長期化が問題となっております。このような事情から、先ほど建設部長が答弁申し上げましたように、松本市におきましては、笹賀地区で実施して以来、合併当時着手中であり現在も実施中であります四賀地区を除き、今日まで旧松本市内では実施をしてきていないのが現状でございます。 参考までに、県内19市の平成21年度末の現状を若干申し上げますと、松本市は長野市、上田市等とともに事業を継続しておりますが、未着手が3市、休止中が5市であり、地価の高い市街地、都市部を中心に進捗率は低い傾向にございます。 近藤議員ご指摘のように地籍調査の必要性は十分認識しておりますが、ただいま申し上げましたように、地籍調査にはさまざまな課題がございますので、全体を対象としての調査の実施につきましては慎重に検討してまいりたいと考えております。 なお、今回、国土調査法の改正等がなされており、法人の包括的な委託が可能となりましたので、その内容等につきましては調査・研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 28番 近藤晴彦議員。 ◆28番(近藤晴彦) 〔登壇〕 それぞれ2回目の答弁をいただきました。3回目は、要望と、一部提案も申し上げます。 うつ対策について、認知行動療法の導入促進につきましては、今はなかなか人材がいないという現実、まさにそのとおりでございまして、研修ということが中心になろうかというふうに思いますけれども、その実施へ向かって進んでいっていただけるものというふうに理解はしておきたいと思いますけれども、早期導入ということにつきましては、また市長の力強いリーダーシップも求めておきたいというふうに思います。本件につきましては、今後もさまざまな機会を通して、継続して進捗状況、こういったことも確認をしてまいりたいというふうにも思っております。 さて、この認知行動療法、これはうつ症状発症後の対応についての話でございましたけれども、私は、あわせて早期発見、これは「いのちのきずな松本」の取り組みとも重なるわけですけれども、早期発見、このことも同様に大切であるというふうに考えております。 この早期発見への先進事例ということで申し上げますと、これも鹿児島県の取り組みでございました。実は、鹿児島県自体が自殺率が全国26位という非常にと言いますか、高い率にあったということで、県全体としての取り組みが盛んなこともあるわけですけれども、これは一つの町での取り組みなんですが、人口2万5,000人の薩摩町というところがございます。以前は毎年12人前後の自殺者が出ておったということでございます。この2万5,000人で12人という率は、本市の2倍を超える率でございます。同町では、この自殺者の半減、本当はゼロにしたいところだと思いますけれども、具体的な目標としては半減を目標に、2006年度より2つの事業に取り組んでまいりました。 一つは、うつ病の正しい知識や相談の呼びかけ、うつ病がある人への対応方法をわかりやすく紹介したパンフレット、こういったものの全戸配布、あるいは啓発活動、こういったことをやってまいりました。そしてもう一つ、これが特徴的なんですけれども、特定健診や介護予防健診等の際に、自己診断によります心の健康診査、こういったものを実施しました。簡単な8項目の丸をつける診査票でございまして、そのときに提出をいただくという内容でございますけれども、それによりましてうつ傾向の判定がされ、その早期発見と早期支援、こういったものが図られたということでございます。自殺者の数は、2008年には5人、2009年には6人と、目標でありました半減を達成されました。担当の保健師の方からは、「こういった取り組みによりまして相談しやすい雰囲気が町全体に広がった」、「隠していくということではなく、いろいろなところで相談しやすい雰囲気に町全体がなってきた」、こういう感想が寄せられております。こういったパンフレットの全戸配布あるいは各種健診での簡単な自己診査、こういったものの実施も私は提案をしておきたいというふうに思います。ぜひともこの件は前向きに検討していただければと要望をしておきたいというふうに思います。 続きまして、虫歯予防につきまして、率が若干落ちて残念でしたけれども、ただ、効果があるということには変わりはないというふうに思います。このフッ素塗布、各歯科医院での実施について、前向きな答弁というふうに理解をしておきたいと思います。ぜひしっかりと検討を進めていただきたいというふうに思います。また言いますが、岡谷市を抜いて1番、早くこれを実現したいというふうに重ねて要望しておきたいと思います。 地籍調査についてでございますけれども、なかなかはっきりとした答弁といいますか、難しさというものだけが伝わってまいりました。ただ、私が思うに、恐らく将来、代がかわっていけばいくほど境界はあいまいになっていきます。記憶もあいまいになり、つけた印もあいまいになり、混迷の度合いは増す一方ではないかというふうに思えてなりません。何といいますか、健康診査的なことにも通ずるものがありますけれども、将来、がんになることがわかっている病巣を、小さいうちにちょっと痛いけれども今のうちに手当てしておけば後で困らないという考え方が通用するかどうかわかりませんが、私は、できるだけ早くこのことに着手をして将来に備えておくということも今いる私たちの責務ではないか、このようにも考える次第でございます。将来のまちづくりへ備え、どうかこの地籍調査の促進、このことも慎重に検討ということでございましたけれども、その中にも前進が図られることを願い、私の質問のすべてを終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、近藤晴彦議員の質問は終結いたします。 昼食のため暫時休憩いたします。 なお、再開は午後1時といたします。                             午前11時39分休憩                            -----------                              午後0時59分再開 ○議長(赤羽正弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 3番 太田典男議員。 ◆3番(太田典男) 〔登壇〕 太田典男でございます。 松本市と波田町の合併から8カ月が過ぎました。人口1万5,000人という小さな町から参りまして、24万人という大都市の市政運営のほんの入り口を見ただけですけれども、近年の社会経済状況の大きな変化の中で、この時代を量から質への転換の時代ととらえ、20年後、30年後を見据えた中で、持続可能な、市民が安心・安全に暮らせるまちづくりとして健康寿命延伸都市・松本の創造を市の最重要政策として進めていることに深く共感をするものであります。私も松本市の議員の一人として、自分の役目を果たすべく、一層の努力をしなければならないと我と我が身を叱咤激励しているきょうこのごろでございます。 質問の機会をいただきましたので、新風会を代表しまして、犬飼信雄議員、小澤 豊議員、増田博志議員、大久保真一議員とともに、一部私見を交えまして質問をいたします。 まず、波田総合病院の今後のあり方についてお伺いいたします。 市は、本年6月13日に波田総合病院の今後のあり方について検討する波田総合病院あり方検討委員会を立ち上げました。検討委員会は、去る11月21日までに6回の会議を開催し、1つとして、波田総合病院が担うべき役割、機能の検討、2つ目に、その機能、役割を担う病院としてふさわしい経営形態の検討、そして3つ目に、その他関連する事項の検討ということで、この3項目について検討がされました。そして、この第6回の会議をもって、委員の皆さんが3つのテーマに沿って自由に論議する自由論議は一応の終了を見ました。予定では、この後1月30日に提言書(案)の検討が行われ、2月27日に提言書の成案を目指したいということでございます。私は、この11月21日の第6回会議まですべての会議を傍聴させていただきましたが、医療界を初め、各分野を代表する委員の皆さんの高い見識に基づいたご熱心な論議によって波田総合病院の将来に明るい展望を開く道筋が指し示されたと深く感銘を受けた次第でございます。 委員の皆さんのご論議を拝聴し、私なりに検討項目について思ったことを申し上げさせていただきますと、波田総合病院が担うべき機能、役割については、今後も引き続き松本西部地域の地域医療を担う基幹病院として4疾病5事業における急性期・高度専門医療を提供するとともに、2次保健医療圏において病病・病診連携を進めていくことが重要であるということではないかと思いました。そして、そのような病院にふさわしい経営形態としては、現在の健全な経営を持続させていくために、現行の地方公営企業法全部適用の経営形態を継続することがベターであるということではないかと思いました。 市長は、本年6月定例会での私の波田総合病院の今後のあり方についての質問に対して、「波田総合病院の現状を踏まえながら、まずはあり方検討委員会でしっかりと論議をしていただきたいと考えている」と、このように答弁をなさっております。ですから、検討委員会の論議は大変重いものであるわけです。そのことは重々承知しておりますが、波田総合病院の行方をかたずをのんで見守っている大勢の住民の皆さんの気持ちを代表して、あえてお聞きするわけであります。あり方検討委員会の市長への提言は2月27日以降になるわけですが、これまでの検討委員会での論議を踏まえての市長の所感をお聞かせいただきたいと思います。 次に、大学のゼミナールの誘致についてお伺いします。 私の幼なじみに長いこと名古屋大学の教授をしている者がおりまして、この夏、彼と随分久しぶりに会ったのですが、彼は、ふるさと波田町が松本市と合併したことを「将来を見据えた正しい選択だと思う。よく決断した」と喜んでくれました。その折に、ぜひ松本市で検討してもらいたいと私に話してくれたのが、これから提案したい大学のゼミナールの誘致ということでございます。その友人の話では、「都会にある大学では、都会の喧騒から離れて、豊かな自然の中でゼミを持ちたいという要望は非常に多い。自分も長野県でやりたいといつも考えていたが、大学の学生や研究者が宿泊し、ゼミを開くことができる会場がなかなか見つからなかった。最近では、豊科、堀金、乗鞍などでお願いしたが、困ったのは、ゼミを開く会場がなかなか見つからないことだった。公民館をお借りしたこともあったが、何日も借りるわけにはいかず、うまくいかない状況だった」ということでした。彼は、地方でのゼミの中で、学生たちに1日は自分の好きなところを選んで自由に出かけてくることを課しているということです。長野県で学生たちが選ぶ場所は上高地が圧倒的に多いそうです。そして、このときの体験は学生たちにとって強いインパクトとなって、その後、折あるごとに長野県を訪れるようになっているということです。今までは都会の各大学では地方に保養施設などを持っていたのだが、今はそのようなものを持てる大学はほとんどなくなってしまった。だから、今、大学や研究者の間でそのような場所が欲しいという要望が強くなっているということでした。 顧みますと、我が松本市は学都を標榜しております。全国各地の大学生や研究者に、松本の豊かな自然の中で学び、研究をしていただくということは願ったりかなったりではないかと思います。彼は、「乗鞍高原が一番よかった。乗鞍高原でそのようなゼミナールが持てるような施設をつくっていただければ、利用する大学や研究者は多いと思う」と話しておりました。彼の提案は、乗鞍高原に、雨露が防げればそれで十分だから、50人、できたら100人くらいの会議ができる建物をつくってもらいたいというものでした。これは、学都・松本を全国にアピールすることになりますし、松本のファンをつくることになるわけですので、前向きに検討すべきだと思いますが、市長のお考えをお伺いします。 次に、危機管理についてお伺いします。 本市の危機管理につきましては、定例会のたびに質問がされております。これは、とりもなおさず、住民の安全を守るということが行政の最も重い責任であるということのあらわれであると思います。私は、去る10月7日、8日と、神戸市で開催された全国市長会等の主催による都市の危機管理というフォーラムに新風会の太田更三議員、忠地義光議員とともに参加してまいりました。このフォーラムは、全国各地の災害の実情や被災の体験が報告され、そこから何を学べばいいのか、そして、今後の危機に対する備えについてディスカッションをするというものでした。このたびの私の危機管理についての質問は、このフォーラムで学んだことに関連して質問をさせていただきたいと思います。 ご承知のとおり、近年、地震や集中豪雨などの自然災害、新型インフルエンザや鳥インフルエンザなどの感染症、サリン事件などのテロが次々と発生し、危機がかつてなく増大しております。ここ松本平においても、政府の地震調査委員会が牛伏寺活断層を震源としたマグニチュード8クラスの地震が30年以内に起こる確率が14%、100年以内に起こる確率が41%という発生確率を平成13年に示しています。既にそれから10年がたとうとしております。それがあす起こるかもしれないし1年後かもしれませんし、あるいは100年後で、自分がこの世にいないときかもしれません。そう考えるとなかなか実感がわかないというのが現実ですが、しかし、その瞬間は確実に迫っていることは紛れもない事実であるわけです。また、集中豪雨もかつてなく頻発するようになっております。時間雨量が100ミリを超えるような豪雨が各地で観測されています。この10月20日に2人の死亡者が出た奄美大島の豪雨は、時間雨量130ミリということです。想像もつきませんが、松本平では今までそのような豪雨は一度もありません。しかし、近年の異常気象を見ると、そのような豪雨は松本にはこれからも絶対に来ないと言い切れる状況ではなくなっています。全国各地のそうした大規模災害がいつ起きてもおかしくない状況の中で、阪神・淡路大震災から今日までの危機管理を総括し、今後の新たな危機に備える方策について考えてみようというこのたびのフォーラムは、大変に時宜を得た取り組みであったと思いました。 さて、本市の防災計画は、震災対策、風水害対策、火山災害対策、その他災害対策と膨大な対策計画が立てられています。1,000ページを超えるこの防災計画を読む市民はごく限られていると思いますが、やはり基本的には、市民の参画する中で防災計画は策定され、点検、評価され、更新されなければならないと思います。 フォーラムでは、パネルディスカッションの中で、消防庁消防研究センター所長を務められた関西学院大学の室崎益輝教授が「我が国の自治体は、改めてその防災対策を質、量ともに見直す必要に迫られている。巨大地震が切迫していることに加えて、マルチハザードと言われるような危機が襲いかかろうとしているからである。阪神・淡路大震災が投げかけた我が国の自治体の防災対策の問題点を一口で言えば、実効性がなかったということに尽きる。その実効性のなさは、計画内容そのものの不十分さと計画を実行する上での不十分さという2つの不十分さに起因していた。計画内容の不十分さというのは、重要度の高い対策が抜け落ちている、できもしない対策が書き込まれている、内容の見直しや更新がおろそかにされているといったことを指す。計画実行の不十分さというのは、訓練等で習熟を図ることをしていない、事業計画としての目標が設定されていないといったことを指す。そこで、こうした不十分さを克服することが目指され、その中で減災や危機管理といった新しいキーワードに基づく新しい防災対策が推進されることになった」と、このように述べておりました。そして、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、新しい防災対策として、今後、自治体が備えていかなければならないこととして5つの備えを挙げました。その5つの備えについては、本市においても点検し、確認する必要があると思いました。それで、それぞれ認識と対応についてお伺いするものであります。 まず、その1つは、多様な危機に備えることということであります。 これは、阪神・淡路大震災だけではなく、その後のサリン事件や鳥インフルエンザ、集中豪雨災害などを踏まえた教訓で、いかなる危機に対しても効果的に対応できる計画と体制が欠かせないこととなっているということでありました。 本市においても、サリン事件というような無差別テロなどは大都市で起こることで、地方の田舎には関係ないと思い込んでいたことが予想に反して起こった経験を持っておりますし、大気汚染、水質汚染、断水、通信寸断、感染症による行政機能麻痺等々と、襲来すると思われる危機は多様になっております。この多様な危機に備えるということについて、本市ではどのように認識し、どのような体制をとっているのかお伺いします。 2点目に挙げたのは、万一の危機に備えることということです。 これは、阪神・淡路大震災では、震度7の地震など起こるはずがないと思い込んでいたことが対策の空白や手抜きを生み、無防備で無抵抗な状況をつくり出した。このことから、最悪の場合にも備えること、想定外の事象にも備えること、未経験の危機にも備えること、こうしたことの大切さを私たちは学んだ。起こり得る危機を予見する想像力を身につけること、そして、万一の危機にも対応できる柔軟性を身につけること、これが求められるということです。地震にしても台風にしてもゲリラ豪雨にしても、それらはいつ自分たちのところへ襲ってきてもおかしくないと理屈の上ではわかっているのですが、そうはいっても、そこまで巨大なものは本市には来ないだろうと心のどこかでは思っているというのが偽らざるところであります。万一に備えることの難しさを感じるわけですが、本市においては、この万一に備えることについてどのように認識し、どのような体制をとっているのかお伺いします。 3つ目に、包括的・総合的に備えることということです。 これは、事前の対策と事後の対策を有機的に統合すること、すなわち、従来の応急対応が中心の対策を改め、事前の減災や防備に力を入れること、さらに事後の再建や復興に力を入れることが求められる。また、ハードな対策とソフトな対策を包括的に融合することが欠かせない。すなわち、従来のハードウエアとソフトウエアに加えて、人づくりとしてのヒューマンウエアにも力を入れることが求められるということですが、この備えについての本市の認識と対応についてお伺いします。 次に4つ目に、戦略的・管理的に備えることということです。 これは、減災という目標を達成するための戦略をしっかりと立てるとともに、その達成のための実行管理を徹底することが課題となる。今までの防災計画においては、対策としてやるべきことが羅列してあるだけで、それをいかに達成するかの方途は示されておらず、かつその達成度の評価も行われてはいなかった。そのため、いつまでたっても対策は実現されないまま放置される状況にあった。この反省を踏まえて、だれがどのような方法でいつまでに達成するのかの手続を明確にするとともに、達成度を点検、評価して実行管理に心がけることが望まれるということです。これについては、本市においても防災対策、減災対策は多岐にわたっており、大変な事業量になるわけですが、この備えについての認識と対応についてお伺いします。 次に5つ目に、社会的・組織的に備えることということです。 これは、個人中心的な防災対策の考え方から組織中心的な防災対策の考え方にシフトすることが今、必要になっている。被害軽減の対象としても、被害軽減の主体としても、社会や組織を重視して取り組むことである。被害軽減の対象では、個人の住宅の再建ができても、コミュニティーの人口や経済が再建できなければ暮らしがもとへ戻らないという教訓に学んで、地域社会や経済活動を対象にした取り組みを重視しなければならないと、このように述べておりました。 本市でも、巨大地震による大規模災害が現実のものとして迫っていることを考えると、新たな備えとして早急に検討しなければならないと思いますが、この社会的・組織的に備えることについて、本市ではどのように認識し、どのように備えるのかお伺いします。 次に、3世代同居を進める施策についてお伺いします。 去る10月28日の市民タイムスによりますと、市長は市立保育園保護者会等の懇談会の中で「親子3世代で暮らす家をつくった場合の優遇措置を考えたい」と、3世代での居住を促す新たな施策を考えていることを明らかにしたということです。そして、「松本は大家族主義、3世代の形でやる。改めて日本のあり方を考える必要がある」と述べたということです。 私は、この市長の考え方にもろ手を挙げて賛同するものであります。私は、戦後、個人主義の台頭の中で、否定されてきた大家族の復活こそが日本の社会を再生する道だとかねがね思っておりました。 私ごとで恐縮ですが一つの例を挙げながら話をさせていただきますが、私は、そばが大好きです。私は、子供のころ、祖母が打つそばを食べて、そばの味を覚えて大好きになりました。今でも、祖母が裸電球がぶら下がった黒くすすけた吹き抜けのお勝手で腰をかがめてそばを打ち、もみ殻を燃料にした大きなかまどでそばをゆでていた光景が鮮明に浮かんできます。家族は皆そばが大好きで、そばの夕食には、時には近くに住む親戚の者も呼ばれたりして大変にぎやかな夕食となりました。ふだんは寡黙な父も口数が多くなり、皆大喜びで大騒ぎで食べたものでした。そして、その祖母のそば打ちは母が引き継ぎ、上手に打ってくれるようになりました。その母は6年前に他界しましたけれども、母のそばは私の妻が母から習い、引き継いでくれています。妻の打つそばは、まさに天下一品と私は思っております。そして今、私の息子のお嫁さんが、家族が喜んでそばを食べるのを見て、そば打ちを覚えようとしています。ついこの間、そのお嫁さんが初めてのそばを打ってくれました。そのそばは太くて短いそばでありましたが、その味はすばらしいものでした。おいしかったです。 このように、私の家では、そば打ちという日本古来の食文化が自然のうちに3代、4代と引き継がれております。これは大家族だからこそ自然にそうなるのだと思います。そばは小さな一つの例にすぎません。大家族であれば、悠久の歴史の中で脈々と培われてきた民族の知恵が自然に上手にこれからも受け継がれていくことだろうと思います。地域に連綿として続いている伝統文化もそうです。お正月の行事、お盆の行事、お観音様、こたま様、氏神様のお祭り等々は、地域のきずなが保たれ、地域として存続していくためにはなくてはならない大切な伝統文化です。核家族化の中で、こうした地域に続いてきた行事がなくなってしまったところにコミュニティーの崩壊が始まっているのです。 さらにもう一つ言えば、近ごろどう考えても考えられないことが頻発しております。それは、若い母親が自分の子供を虐待したり、命までもを奪ってしまうという信じられないことが起こっているということです。なぜそのような恐ろしいことが起こるのか。その大きな原因は、若い母親が核家族化の中で大変な子育てを全部自分一人で背負い込んでしまうことになり、相談する人もなくひとりで悩み、精神的にも肉体的にも耐えられなくなり、そのような行動に走ってしまうと言われています。行政はそれを見て、子育て相談室を設置して一生懸命やっています。それを否定するものではありませんが、しかし、それだけではこの問題の抜本的な解決にはならないのではないかと思います。 かつては子育ては3世代、4世代という大家族の中で行われてきました。大家族での子育ては、子育ての経験者であるおばあちゃんやおじいちゃんと一緒に行われるわけです。若い母親だけがひとりで悩み、育児ノイローゼになるというようなことはあり得なかったわけです。その家に生まれた子供は家の宝として家族みんなに愛されながら育つわけですから、親が子供を虐待するなどということはあり得ないわけです。そして、子供の側から見ますと、子供は、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らすことによって幅の広い人格が育ちます。子供は、自分を軽々とだっこしたりおんぶしたりしてくれるおじいちゃん、おばあちゃんが大好きです。しかし、時とともにおじいちゃん、おばあちゃんは老いて、その力はなくなります。そしてやがてその子供は、おじいちゃん、おばあちゃんが家族から介護を受ける現場を見ることになります。子供は、絶対的な力を感じていたおじいちゃん、おばあちゃんのそんな姿を目の当たりにして大変な衝撃を受けるわけですが、介護する両親、そして介護されるおじいちゃん、おばあちゃんの姿に毎日接している中で、それを現実の姿として受け入れることができるようになります。そしてやがては、毎日一緒に過ごし、自分を愛してくれた、大好きだったおじいちゃん、おばあちゃんの死に立ち会うことになるわけです。子供は、家族の愛情に包まれながらこうした人の世のめぐり合わせを体験していくわけです。この中で、子供は自然に、生きるということはどういうことか、死とは何か、そして命の重さを感じることができるようになり、他の人を思いやる心が自然に育つのだと思います。 日本は、戦後、家族制度を古いあしきものとして否定しました。私たちは、それと一緒にかけがえのない家族のきずなをも破壊してしまったのではないでしょうか。その結果、社会を形成している基本となる部分、土台となる部分である家族という存在が危うくなりつつあります。土台が揺らいでいるものは、いずれ崩壊してしまいます。それが社会であっても同じだと思います。日本の社会は、大家族の復活によってこそ再生できるのだと私は思っております。市長の所信、そして具体的な施策についてお聞かせいただきたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 太田議員のご質問のうち、2点についてお答えいたします。 まず、波田総合病院あり方検討委員会のこれまでの論議を踏まえての所感はどうかとのお尋ねにお答えいたします。 議員も十分ご承知のとおり、旧波田町との合併協定項目に沿って速やかに対応すべく、議会のご了承もいただきながら、去る6月13日に波田総合病院あり方検討委員会を立ち上げたところでございます。そして、以来6回にわたり、坂井院長さんを初めとする11名の委員さんにより大所高所に立った熱心な議論をいただき、その内容はつぶさに報告を受けておりまして、改めてそのご労苦に対し敬意を表するものでございます。 議員ご指摘のとおり、委員会は今後2回開催されて提言書がまとめられる予定であると聞いております。そこで、波田総合病院の今後のあり方を注視している多くの地区住民の皆さんのお気持ちは重々理解しておりますが、今は、さらに議論を尽くしていただくことが肝要ではないかと思っております。したがいまして、検討をゆだねた委員会に対し、中途で所感を申し上げるというよりは、これまでと同様、提言書が私に提出されるまで静かに見守ってまいりたいと考えておりますし、また、いただきました提言は、その内容を尊重し、かつ適切に扱っていきたいと考えております。 次に、大家族主義、3世代同居についてのご質問にお答えいたします。 初めに、太田議員のご家族のお話に大変心打たれ、温かい気持ちに包まれたところでございます。 さて、私は、議員のおっしゃられた若い母親による我が子への虐待を初めとする高齢者の所在不明、介護拒否、孤独死など、現代の日本は、経済優先で便利さを追求してきた中で、何か大事なものを一つ一つ失ってきたのではないかと考えております。そこで、このような社会的な問題を根本的に解決していく一つのキーワードを「家族」ととらえ、家族のあり方や健康寿命延伸都市・松本の創造の理念でもあります人と命を大切にする精神や、お互いさま、おかげさまの精神について、今まさに一人一人が真剣に考えていく時期に来ているのではないかと思っております。 そこで、過日開催された松本市保育園保護者会連盟との懇談会において、核家族化の進展によりこれからの松本市はどうなってしまうのかなとの思いから、「今こそ大家族主義や3世代同居について考えていく必要があるのではないか」と申し上げたところでございます。このような私の発言に対し、同居したくても事情があって3世代同居は無理といったご意見もございますが、これからの日本のあり方を考えるとき、大家族主義や3世代同居の形に向かっていくことがよいのではないと考えており、行政としても今からそれに向けた取り組みを始めていくこととし、どのような支援ができるのか、担当部局に検討を指示したところでございます。 なお、具体的な庁内における取り組みにつきましては、政策部長より答弁させます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 平尾商工観光部長。 ◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 太田議員の大学ゼミナールの誘致についてのご質問にお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、全国各地の大学生や研究者が松本の豊かな自然の中で学び、研究いただくことは、松本市にとっては大変いいことであるというふうに考えておりますし、特に乗鞍高原が一番よかったとのお言葉をいただき、大変ありがたいことであると感じております。 大学のゼミナールに関しましては夏休みを中心として合宿が行われておりますが、首都圏や中京圏の大学にとって、長野県は比較的近いこと、勉強や研究するのに適した気候であることから、ゼミナールの合宿には適した地であると言えると思います。また、乗鞍高原へゼミナールを積極的に誘致し、ゼミの合宿のメッカになることは、乗鞍高原の活性化につながると考えております。 そこで、ゼミの会議を開催できる施設がなくて困っているとのことでしたけれども、当面、ふれあいパーク乗鞍や観光センターの会議室の利用や、会議室を有している宿泊施設の紹介などを積極的に行い、誘致への協力支援を行ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 早坂危機管理室長。 ◎危機管理室長(早坂義導) 〔登壇〕 太田典男議員の防災対策の5項目の認識と備えについて順を追ってお答えいたします。 まず、松本市の防災対策は、最重点施策であります健康づくり、子育て支援とともに3Kプランに位置づけ、平成16年度から危機管理を重点的に取り組んでまいりました。特に、減災、危機管理という新しい視点をいち早くとらえ、想定外の災害、万一の災害に対しても、被害を最小限に食いとめ、いかに早く復旧・復興に移行していくかという減災対策を進めるため、地域住民みずからが防災を考え、取り組む自主防災組織活性化支援事業を取り組んでまいりました。 それでは、5つの備えについてお答えいたします。 まず、多様な危機に備えるについてです。 自然災害、感染症、事故、犯罪、組織の危機管理など、人間の命を脅かすものを初めとして、すべての脅威への対応をイメージしていくマルチハザードの意識が危機管理には必要だと言われています。このような多様な危機に対処するため、松本市では、自然災害への対応を初め、安全・安心なまちづくりを視野に入れ、新型インフルエンザや北朝鮮飛翔体発射事案、また、先ごろの市街地におけるクマ出没などの鳥獣対策など、まずは市民生活に直結する事案について危機管理体制の向上に向けた取り組みを最優先に考えております。 そのため、本年4月に総合防災課から危機管理室へ組織改正を行い、庁内全体で速やかな初動体制と機動性を高め、多様な危機に対処してまいります。 次に、万一の危機についてですが、危機管理については、想定を超える事態に備え、万全の体制をとることが危機管理の基本と認識をしています。そのため、最悪の事態などを想定した備蓄の確保、避難所の整備、自主防災組織の活性化支援のほか、災害時要援護者支援などの防災・減災対策を取り組んでいます。 松本市において想定されている災害などについて、正確に市民の皆様にお知らせをし、現状をしっかり認識していただくよう意識啓発を進めています。一例を挙げますと、糸魚川-静岡構造線断層帯による地震発生確率が全国第2位であることを踏まえ、11月14日には国の地震調査研究推進本部による重点観測を実際に行った研究者を講師に迎えて市民防災セミナーを実施するなど、最新かつ正確な情報をお伝えしています。特に、防災と福祉を連携させた防災と福祉のまちづくり講座や出前講座において、市民の皆様の防災・減災への意識として、防災を自分のこととして考え、まずできることから始め、次に起こることを予測し、備えておくことの必要性を繰り返しお伝えをしているところです。 今後も、市民防災セミナーの継続開催やきめ細かい講座の開催などを通じて市民の皆様の啓発を進めてまいります。 次に、包括的・総合的な備えですが、防災は、治山、砂防、治水、耐震などハザード対策と、防災マップやマニュアル、連絡網や情報伝達手段を初めとするソフト対策とともに、それを享受し、利用する人の意識、能力が重要です。松本市は、自主防災組織活性化支援事業、要援護者支援プラン推進事業など、防災と福祉のまちづくりを通し、人と人とのつながりの構築、地域での合意形成、協働推進の向上にも力を入れており、今後、児童・生徒も含めた防災対策に対する意識や知識の向上に関する防災教育などにも取り組む必要があると考えています。 あわせて、広く市民の皆様に防災の意識や知識を啓発していただくために、地域でリーダーとして活躍していただく人材の育成は不可欠であり、町会長、防災部長、民生・児童委員など地域の役員の皆様、長野県の自主防災アドバイザーや松本市防災連合会事業などと連携をしながら地域の防災リーダー育成に積極的に取り組んでいます。 次に、戦略的・管理的な備えについてです。 大規模災害、特に発生の切迫性の高い地震についてはその発生の時間が限られており、被害の軽減を図るために、達成時間を含めた具体的目標を定め、行政、関係機関、住民等で共有し、速やかに対応していくことが求められています。 現在、国においては、東海地震及び東南海・南海地震について達成目標年次10年とした地震防災戦略を策定、3年ごとに達成状況のフォローアップを行うなど、取り組みを始めています。また、国の地震防災戦略が対象とする大規模地震以外の地震についても地域の特性を踏まえた被害想定の実施や減災目標を策定し、関係機関、住民と一体となって、効果的かつ効率的な地震対策を推進することを地方公共団体等に勧めています。地震は全国どこでも起こるおそれがあることから、活断層による地震発生確率が全国第2位の松本市としましても、国などの動向を踏まえ、戦略的な防災対策を取り組んでいく必要があると考えております。 次に、社会的・組織的な危機管理対応は、予防対策、応急対策、復旧、そして復興のプロセスが大切であり、順を追って対応していくことになります。現在、松本市において、市民の皆様を対象にした自主防災組織の活性化など、自助、共助の取り組みを平成16年から進めてきたところでありますが、今後、市民の皆様だけにお任せしていくのではなく、行政がやるべきこと、行政でしかできない公助について進める必要があります。将来的には、自助、共助と公助との相互補完のほか、民間企業や諸団体、NPO、大学など、社会全体をコーディネートしての総合的なネットワークを構築し、災害を受けてもダメージを最小限にとどめ、企業の事業継続、再開に必要な情報の収集や保険、融資などさまざまなソフト対策もあわせて充実させ、防災対策と産業経済活動とを密接に関連させていく必要があると考えています。 当面、情報伝達手段の構築、避難体制、備蓄計画の整備など一層の推進に取り組んでいくとともに、多様な危機を想定した松本市における総合的危機管理体制の充実・強化を図るため、危機管理指針の制定を進めていくことを考えています。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 太田議員の大家族主義、3世代同居施策について、市長答弁に補足してお答えいたします。 3世代同居住宅への具体的な支援につきましては、市長からの指示を受け、早速に庁内において検討組織を設け、各課における関連事業、取り組みについての調査、3世代同居の成功モデルケース等についての検討を開始したところでございます。 今後、税制面や補助制度など、行政として3世代同居家族にどのような支援をどこまでできるのか検討してまいることとしております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 3番 太田典男議員。 ◆3番(太田典男) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。 まず、波田総合病院の今後のあり方についてですが、今はまだ検討委員会が検討している中途ですので、市長のおっしゃることは筋としてはそのとおりだと思います。ただいまの答弁もそうですが、私は、波田町との合併以来の市長の各所での波田総合病院についての発言をお聞きして、市長は、波田総合病院を大変大切に考えておられると感じております。そうではありますが、私たち西部地域に住む住民は、波田町は松本市へ編入されたが、波田総合病院はどうなってしまうんだろうと大変な心配をしておるわけでございます。あり方検討委員会の論議が最終段階にまで来た現在、できるだけ早く市長の判断を知りたいと思うのも無理からぬことだと思うわけです。しかし、物事には順序というものがあるわけですから、それはそれで理解をいたします。 しかしながら、私は、くどいようですが再度申し上げさせていただきます。波田総合病院は本当にいい病院です。これは本当に多くの皆さんが評価するところです。私は、いろいろなところで「波田病院はいい病院だね」と声をかけられますが、ついこの間もそんなことがありました。10月の末に中信4市の議員研修会がございまして、意見交換会の折ですが、塩尻市、安曇野市、大町市のそれぞれの議員さんといろいろな話をしたんですが、その中で、それぞれ波田病院へ視察に来られた経験、また、人間ドックで入院された経験を話され、波田病院はいい病院だと口をそろえておっしゃってくれました。このような声がかかる波田総合病院は、まさに松本市の宝だと思います。 市長は、あり方検討委員会発足のときのごあいさつの中で、「私は現在、健康寿命延伸都市・松本の創造を市政運営の大きな柱として取り組んでおります。これは、人々が健康でささやかな幸せと健康に暮らせるまち、また、命を大切にするまちを目指すものでございます。そして皆様には、この取り組みの最も根幹をなす医療現場の最前線についてご検討をいただくものでございます」と、このように述べておられました。自治体病院は、その自治体の健康づくり政策を遂行するための中心的な役割を担っていると思います。健康寿命延伸都市・松本の創造という大事業を進めるために、松本市立波田総合病院の存在は、まさに鬼の金棒、トラの翼になると確信をいたします。市長のリーダーシップに衷心より期待申し上げ、波田総合病院の今後のあり方についての質問を終わります。 次に、ゼミナールの誘致についてですが、当面は既存の施設を紹介して誘致を図りたいということですが、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。また、今後、大学等の要望を聞きながら、誘致しやすい環境を整えていく努力をしていただきたいと思います。要望をいたします。 次に、危機管理についてですが、世界各地で頻発する大規模災害を人ごとではなくみずからのこととしてとらえ、室崎教授が挙げた新しい防災対策として、今後、自治体が備えなければならない5つの備えについてきちんと認識しており、対策を立てていかなければならないという姿勢について理解をいたします。危機が待ったなしで迫りくる中で、危機管理室が新たに設置され、やらなければならないことが山積しているわけですが、どうか危機感を持って進めていただきたいと思います。 そしてもう一つお聞きしたいのは、波田地区は現在の松本市防災計画の中には含まれていないと思いますが、波田地区は市の防災計画にどのように位置づけられているのでしょうか。 また、関連してお聞きしますが、フォーラムで愛知県の岡崎市から平成20年8月の豪雨災害の報告がありました。平成20年8月29日午前2時、真夜中です。時間雨量146.5ミリを観測したということです。100ミリの雨はバケツをひっくり返したようだと言われていますが、146ミリの雨とはどのようなものなのか全く想像もできません。この報告の中で強調されていたことは、災害の真っただ中では情報伝達の困難さは想像を絶するということでした。岡崎市では一部地域を除いて同報無線が整備されておらず、避難勧告等の情報を市民へ伝達する際には、一斉伝達装置によって町内会代表者へ電話連絡をする手法をとっていたということです。情報の伝達は町内会代表者から組長へと行われるが、100を超える組を抱える町内会もあり、深夜100ミリを超える豪雨の中で、伝達は困難をきわめたということでした。異常な雨量を観測したのが午前2時、その10分後には避難勧告を発令したということです。しかし、被害後の検証で、この1時間前には既に多くの浸水被害が発生していたことが判明したということでした。住民には、外の放送やサイレン、人の叫び声などは、ゴーッというまさに滝のような音に覆われて何も聞こえない状況だったということです。この災害の後に岡崎市は、浸水警報システムの整備とともに、避難情報等の伝達手段としてコミュニティーFM局と連携しての防災ラジオを導入したということでした。 そこで、本市における情報伝達手段についてお伺いしたいわけですが、危機管理室でまとめた「松本市における災害情報等の伝達手段構築の方向性について」を見ますと、情報伝達の手段の整備として、短期、これは一、二年を目標ということですが、その中に、合併5地区における同報系防災行政無線の統合という項目がありますが、具体的にどのように進めていくのか、また、進捗状況についてお聞かせください。 そして、3から5年を目標ということで、平成39年のアナログ波無線終了に伴うデジタル波の同報系防災行政無線の全市統一とありますが、具体的な整備計画と進捗状況についてお聞かせください。 それから、インフルエンザの季節になっているわけですが、新型インフルエンザに対する体制は現段階ではどのようになっているのでしょうか。感染症病床を有し、松本保健医療圏で唯一新型インフルエンザ、鳥インフルエンザの指定病院になっている波田総合病院が市に加わったことにより、新たな体制を構築しなければならないと思いますが、お伺いします。 次に、3世代同居を進める施策についてですが、よくわかりました。具体的な施策についてはいろいろなことが考えられると思いますが、3世代が同居するためには、そのための住環境を整えることがやはり大きな関門になると思います。財政支援がきっかけとなって同居に踏み切るということも大いにあると思います。 いずれにしましても、今は総じて別居が近代的だ、文化的だという風潮にあります。きめ細かな施策を講じていく必要があると思います。どうか日本の社会の再生を目指すという高い理念を持って、この松本から大家族主義を全国に向かって発信していただきたいと要望をいたします。 2回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 早坂危機管理室長。 ◎危機管理室長(早坂義導) 〔登壇〕 太田典男議員の危機管理についての2回目の質問に順を追ってお答えします。 波田町の地域防災計画の取り扱いについては、合併時に、諸計画に廃止された合併後の見直し等について反映に努めるとした合併の調整方針に従い進めています。平成23年度には、長野県地域防災計画の修正や火山防災対策などを反映させた松本市地域防災計画の修正に着手する予定であり、波田地区の防災体制整備上の必要な部分については反映をさせてまいります。 なお、実務的には、本年11月に波田地区において県の土砂災害警戒区域等の指定説明会が開催されましたが、松本市では、今後この指定を受け、地区別防災相談会の開催など、ハザードマップの作成準備を進めてまいりますので、ご理解をお願いいたします。 次に、松本市における防災情報等の伝達手段構築の方向性についてでございますが、この9月に方向性をまとめ、安心ネットの再構築など、既に取り組みを進めております。 議員ご質問の合併5地区における同報系防災行政無線の統合については、現在、支所からのみ地区内へ伝達している無線を、災害対策本部となる松本市役所から各地区に一斉に情報を伝達できるようにするもので、合併地区に整備済みの防災行政無線との統合、接続を行うものでございます。この統合につきましては、旧市域への同報系防災行政無線整備にかかわる実施設計の中で方法等について設計をする予定でございます。 また、平成39年度のアナログ波無線終了に伴うデジタル波の同報系防災行政無線の全市統一につきましては、現在、準備を進めている旧松本市域へのデジタル波同報系防災行政無線にアナログ波の停波までの間に全市域に広げるもので、その進め方については、既存機器の更新等、多額な整備費用も必要となることから、各合併地区の既存無線施設の活用状況を勘案しながら今後実施計画で検討をしてまいります。 次に、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザに対する体制についてお答えします。 新型インフルエンザの対応については、新たな危機への備えとして、昨年4月、市民の皆様の健康被害や社会経済への影響を最小限に食いとめることを目的に松本市新型インフルエンザ対策本部を設置し、関係機関との連携のもと、危機管理室及び健康福祉部を中心に庁内部局横断で取り組み、迅速かつ適切な対応を図れるように現在もその体制を継続しています。 また、11月29日、島根県において高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されていますが、松本市では、家畜伝染病対策として、農林部により長野県松本家畜保健衛生所などと連携をとりながら対応をしています。 なお、懸念される新型インフルエンザ等に対処するため、松本市新型インフルエンザ対策本部により、今後のインフルエンザの流行期に備えて、それぞれの部局で連携をとりながら注意深く対応をしてまいります。 波田総合病院と新型インフルエンザの関連につきましては、健康福祉部長から答弁いたします。 以上です。 ○議長(赤羽正弘) 大日向健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 太田議員の新型インフルエンザに対する体制と波田総合病院にかかわる2点のご質問に順を追ってお答え申し上げます。 初めに、新型インフルエンザに対する体制、特に医療面での取り組みについて申し上げます。 平成20年5月に信州大学附属病院、松本市医師会などの専門医師で構成する松本市新型インフルエンザ対策委員会を設置し、現在もその対策について研究を進めているところでございます。昨年の新型インフルエンザの発生流行時には、この対策委員会の指導・助言に基づきまして、松本市と松本医療圏域内の医療機関との情報網の構築や公設の発熱外来の設置など、医療体制の整備を行ったところでございます。 また、この対策委員会の指導・助言による行政と医療機関の情報の共有化、タイムリーな市民への感染防止対策の周知啓発体制、また、公設の発熱外来設置時に得た経験や、医師、看護師などの医療従事体制は現在も維持されており、今後、危惧されます強毒性のインフルエンザなどの対応時に貴重な財産として生かされるものと考えております。 続きまして、波田総合病院にかかわるご質問でございますが、議員ご指摘のとおり、市立波田総合病院は、長野県の指定を受け、松本市のみならず、松本保健福祉事務所管内で唯一のインフルエンザ感染症の指定病院として位置づけられております。したがいまして、病院の設置者が町から市にかわっても、インフルエンザ感染症の指定病院として波田総合病院の果たす役割には特に変わりはないものと考えます。 なお、今後、新型インフルエンザに対する医療体制の構築を進めていく上で、波田総合病院の果たす役割は大変大きいものになると、そのように認識しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 3番 太田典男議員。 ◆3番(太田典男) 〔登壇〕 ご答弁をいただきましたので、最後に要望として申し上げます。 波田地区の位置づけについてはわかりました。えてして災害はこうした対策のすき間に起こることが多いこともありますので、責任の所在を明確にしながら、計画に沿って速やかに市の防災計画に組み入れていただくことを要望いたします。 合併5地区に設置されている同報系防災行政無線につきましては、全市統一までの間は運用面に課題があろうかと思いますが、せっかくの立派な設備であります。十分に活用できるようにお願いいたします。情報伝達というのは災害対策の最も基本的な対策だと思います。経費も随分かかるわけですが、行政が住民に負っている最も重い責任は住民の安全を守るということです。優先順位を明確にしながら計画的に取り組んでいただきたいと思います。 新型インフルエンザへの体制についてでございますが、昨年の体制は、当初は強毒性の鳥インフルエンザと同じ体制をつくったわけですが、途中から、弱毒性であるということから通常の季節性のインフルエンザの体制に移行しましたので、私たちの意識から緊張感、危機感が随分抜け落ちているのではないかと心配されます。波田総合病院は二次医療圏で唯一の新型インフルエンザ、鳥インフルエンザの指定病院となっておりますので、松本市は他の地域に増してさらなる緊張感を持って当たることが必要になると思いますので、お願いをいたします。私がこのたびの神戸のフォーラムで学んだことは、災害対策にはやり過ぎはないということです。この信念で進めてほしいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、太田典男議員の質問は終結いたします。 続いて、6番 犬飼信雄議員。 ◆6番(犬飼信雄) 〔登壇〕 質問の機会をいただきましたので、新風会を代表いたしまして、太田典男議員に引き続き、小澤 豊議員、増田博志議員、大久保真一議員とともに、通告に従いまして私見を交え質問させていただきます。 本会議の一般質問は通常3回目までとし、議長の許可を得た場合のみ4回目に進むとされていますので、私は、今まで3回目まで質問し、3回目の答弁については、次の質問の機会に検証する上で、意見、提案、要望等を申し上げるスタイルで本日まで来ておりましたが、1期目の4年目を迎え、この一般質問が1期目最後の機会となりますことから、今回は3回目の答弁につきまして、検証する中で質問へと展開してまいりますので、あらかじめご理解をいただきたいと思います。 それでは、前回3回目の答弁に対して、通告どおり質問に入らせていただきます。 新年度予算の方針と予算規模についてそれぞれ答弁をいただいてあります。私の質問趣旨は、松本山雅フットボールクラブがJFL昇格を決めたことは近ごろなかった明るい話題であり、市長も提案説明の中で感動したと触れられておりましたので、新年度予算について、市民が感動し、元気になる目玉事業を伺いたい。 また、新年度予算規模についても伺ったところ、目玉事業については「政は言葉でなく結果が大切だ。アドバルーンを打ち上げるのではなく、確実に結果を残すことを心がけている」とのことで、私の質問は切り捨てられましたが、私に配慮してか、これは自分で勝手に思っていることですが、人育ての観点から、未来を担う子供をはぐくむ事業の答弁をいただきました。1つ目として、乳幼児医療の対象拡大、2つ目として、中学生のテスト印刷の保護者負担の軽減、3つ目は、障害児システム事業、新年度ではあるぷキッズ事業でした。 予算規模については、「国の動向などいろいろな要素、背景がある中であるが、前年度当初予算ベースで増か減か現状維持か」を伺ったところ、「国の動向により歳入状況が示されない段階では規模を言うことは難しいが、健康寿命延伸都市・松本の創造プロジェクトを最重点課題として、経済、雇用、生活、環境などを重点施策とし、予算編成に努める」と答弁をいただきました。 目玉事業については、政アドバルーンで表現されたことについてはいささか残念でなりません。現に、起承転結の結に向かっての来年度事業については、大いに私は目玉事業を発信しているのではないかと思います。1つ目は、第23回国連軍縮会議の開催。2つ目は、大手シンクタンクと連携した健康産業の施策、これについては、本日、信濃毎日新聞の中でも大きく取り扱われていたと思います。3つ目は、健康寿命延伸都市・松本の創造を施策展開する事業などでございます。これは、政アドバルーンですか。そうではないと思います。市長自身が記者会見、議会などで述べ、発言したことが報道され、また、健康寿命が信濃毎日新聞の先月11月7日に社説として取り上げられたことは、一自治体の施策としては大いに評価できる事業である内容であり、最適な時期に発信しているこのことは、私は改めて目玉事業と訴えます。 そこで、今回もまた同様の趣旨で、新年度当初予算について、市民が感動し、元気になるような目玉事業を伺うとともに、先ほど私が述べた事業は目玉事業かどうかについてもお伺いさせていただきます。 あわせて、新年度当初予算の予算規模について、国の動向などいろいろな要素、背景はありますが、平成22年度予算ベースで増か減か現状維持か、現時点での希望的表現でも構いませんのでお考えをお伺いいたします。 続きまして、児童館・児童センターの整備方針について伺います。 市内に7館ある木造の児童館は老朽化が著しく、狭隘になっており、これらの館の改築を進めるべきと考えますが、今後、市はどのように考え、計画で進めていくか質問させていただきました。答弁は、「木造児童館改築計画については、以前から進めていた計画を県が一時的に改築を凍結いたしましたが、現在、児童センターは放課後児童クラブとしての機能を果たしています。そのような状況において、市では登録児童が急増した3つの放課後児童クラブの整備を優先させたため、いまだ木造児童館計画について着手できていません。そのような中にあって、先般より登録児童の急増により、仮設プレハブ設置の高宮、島内の2児童館を先行し、また、児童の放課後における安全・安心な居場所確保のため、実施計画に従い順次進めていく」と答弁をいただき、私としては、子供の笑顔が浮かぶとともに、保護者、地域の皆さんの期待にこたえていただいたことに感謝もしておりました。 しかし、去る11月9日開催された議員協議会の協議事項として、地元県議会議員との懇談会への提出案件が示され、その中、市政重要課題項目の新規案件として、社会福祉施設整備事業、児童厚生施設の補助金について取り上げられ、その内容は、来年計画されている高宮児童センターの県費補助が難しいため国・県の補助金の予算確保をお願いするものであり、説明を受けた議員から補助確保が難しい状況での市の考えについて質問がなされ、部長より答弁があり、「来年度の高宮児童センターについては、補助金がなくても他の制度を利用して予算確保に努め、建設をする」との説明がなされました。くしくもこの日の夜開催された島内のまちかどトーク最初の質問で、島内の児童センター建設について、移転改築を要望しております民生児童委員会長より、小学校の近くに子育て支援と青少年健全育成を願って、一日も早い移転改築を地域挙げての要望として質問がなされました。 そこで、このような背景を踏まえる中で伺います。 島内の児童センター建設も、高宮同様、もし国・県の補助が見込まれなくても、他の制度を利用する中で計画どおり建設を進めるか考えを伺います。 また、残り5館ある木造の児童館も老朽化が著しく、狭隘になっており、これらの館も改築を進めるべきと考えますが、残り5館の建設計画についてもあわせて伺います。 続きまして、当面する諸課題、経済対策について伺います。 このことについても前回質問させていただきましたが、前回は最終日、最後の会派となり、多くの議員との質問が重なり、私なりに切り口、角度を変え、通告に従い具体的に切り込んだ質問をさせていただきました。 その初めは、宮地鉄工波田工場の閉鎖に伴う雇用不安と松本地域に及ぼす経済危機を危惧して、市民生活の安心・安全確保に向けた今後の具体的経済対策とプレミアム商品券第2弾の具体的施策の考え方を伺いました。今までの答弁は、「国の2次補正予算の内容を精査し、適切な時期と必要な補正措置を検討し、全庁挙げて取り組む」とし、「制度資金などは、景気の二番底への対応として利用しやすいよう検討する」答弁をいただき、プレミアム商品券の内容については、「松本商工会議所等商業4団体の要望を踏まえ、検討結果を早い時期に議会に相談してまいりたい」としていましたが、私の質問に対し市長は、「プレミアム商品券発行規模のプレミアム分はことしの6月の基準を上回るものとしてはどうか。発売時期についても、年度内で最もタイムリーな時期にスタートするように合意形成を図る」と具体的に見解を示され、その結果、規模は6億円、プレミアム分は2割、発売時期は2月、発売当日は数時間で完売という予想もしない大反響を呼び、大いに市民の期待にこたえる内容であり、経済効果にも期待を寄せたところでございます。 そこで伺います。今回の特徴として雑貨品が多く消費されたことは以前の議会答弁で伺っておりましたが、その後、時間も経過していますので、次の2点について伺います。 1点目は、実績と経済効果についてはどうか。 2点目は、関係経済団体から要望がなされたとき、第3弾目を考えるかどうか伺います。 続きまして、事業仕分けについて伺います。 このことについても、当初は、今現在、事業仕分けはどのようにとらえているかと通告をしていました項目は多くの先輩議員の質問に答弁をいただきましたので了とし、重複を避け、本市に事業仕分けを取り入れる考えがあるかに絞り市長の考えを伺ったところ、「本市は、成果重視の施策を推進するため、事業仕分けに近い方法である行政評価制度に積極的に取り組むものとし、第5次行政改革の中で、必要か否か、行政か民か、仕分け意識を持って取り組んでいる。しかし、現時点では、事業仕分けについて賛否両論があること、また、既に導入している自治体においても試行錯誤を続けている状況などから、今後、先進市の取り組みや反省点などを参考にしながら制度導入について検討していきたい」と答弁をいただきました。その後、本年に入り、国・県、各市においても状況が大きく変化しています。国においては、第2弾として、独立行政法人が行う事業、政府系の公益法人が行う事業を仕分け、第3弾として、前半は特別会計を対象とし、後半は再仕分けを対象に実施し、徹底的に検証を実施したと聞いております。 長野県においても、阿部新知事が信州型事業仕分けを来年1月15、16日に20から30事業を予定し、実施するとしています。その前段の10月に開催された県市長会の部会において県側が説明し、終了後、菅谷市長は取材に応じ、「基本的には反対の人はないが、慌てないほうがいいと一致し、さらに、市町村の予算編成時期と重なることから、予算編成後に県の仕分けでノーとなると、整合性をとるのが難しくなる」と報じられました。また、県下各市においても、上田市、佐久市を初め、数市が県より規模、事業数は少ないもののほぼ同様の内容で実施し、事業仕分け結果を踏まえ市の方針を最終決定し、新年度予算及び補正予算に反映している。このように、昨年とは状況や背景など違いが見えますし、国の事業仕分け自体についても制度そのものについての評価も分かれ、劇場型に終始した事業仕分け廃止論までささやかれている現状でありますが、前回、制度導入して検討すると答弁をいただいていますので、1点目は、検討結果と今現在の考え方を伺います。 2点目は、市が来年度以降に行おうとしている事業に活用する方針の総合特区制度関連予算が来年度見送りと評価され、健康寿命延伸政策に影響もささやかれる中、市長は記者会見で、何とも思っていない、引き続き関連施策を進める考えを示したと報じられましたが、国の事業仕分けによる現時点での補正予算及び新年度予算に及ぶ影響額、また、事業面についても伺います。 3点目は、信州型事業仕分けについて、知事と県議会議員代表者との懇談会の折に、議員側から、十分な審議ができるよう丁寧な説明と、パフォーマンスに陥らないよう配慮を願う要望が出されたとお聞きしますし、また、市長の市長会の部会においてのコメントも先ほど紹介しましたが、それらを踏まえ、今現在、県の事業仕分けについてどのようにお考えか伺います。 続きまして、ごみの方向性について伺います。 このことにつきましても、昨年の12月定例会において、私から「中信地区の盟主である松本市として、今後、ごみ処理計画、特に広域ごみ処理計画についてはどのように考えるか」との質問に対し、当時の担当部長より「焼却施設を適正に維持管理し、効率的な運営を図るためには、ごみ処理の広域化は必要なことと認識し、その一方で、地元の皆さんの協力がなければできません。したがって、焼却施設を所管します松本西部広域施設組合、同組合議会、また、地元の皆さんと相談しながら最善の方向を見出してまいりたい」と考えが示され、それを受け、本年7月には、西部広域施設組合議員協議会に、施設のごみ処理運営の効率化及び地球温暖化防止を図るためにごみの広域処理の検討に着手するとともに、組合議会及び構成市村への協議及び具体的内容については、地元対応を含め調整・協議する報告がなされた後、松本市としても、西部組合とともに、地元町会を初め、希望のあった単位町会、島内連合町会等に出向き、大変努力する中、説明会が開催されたとお聞きしております。 また、11月9日の島内まちかどトークにおいても、ごみ量が減り、このままではクリーンセンター2炉連続運転ができなくなり、諸問題が発生すると聞くが、環境保全の面から市の取り組みについて質問がなされました。市側からは、地元の皆さんの安全・安心対策については誠意を持って対応するとともに、地元の皆さんが不安にならないように努める答弁がありました。 また、焼却灰等の埋立処理地エコトピア山田の延命対策の一環として、焼却灰の資源化のため、溶融炉建設の考えについて質問がなされました。溶融炉建設については、コスト面を含めた諸問題など、現状では困難である考えが示されました。これに加え、今議会の提案説明の冒頭でも市長は、「松本西部施設組合の管理者として、松本市長として、将来を見据えた安定・安全な施設の運転管理と効率的運営により市民の生活の安心・安全を確保するためには、塩尻・朝日衛生施設組合とのごみ共同処理を進めることが最善策と判断した」と述べられました。 そこで、このような状況、背景を踏まえ、伺います。 1点目は、ごみ処理の広域化については、地元説明会等が終了し、連合町会、地元町会から理解が得られたと提案説明でもお聞きしていますが、その内容と今後の進め方について伺います。 2点目は、最終処分場エコトピア山田の延命策について伺います。 このことについても、先ほど紹介しましたが地元の皆さんも心配しているとおり、延命を見出すことが何よりと私も同じ考えでありますので、溶融炉建設が困難であるなら、現在進めております焼却灰の人工砂化で年間約1,000トンほど、金額にして三千数百万円を要して県外の業者に処理をお願いしていますこの人工砂化も、「財政面や費用対効果の面からも焼却灰の量アップは限度」と以前答弁をいただいていますが、今年8月、エコトピア山田環境保全協議会研究視察の折、佐久市の民間業者が進める直壁型最終処分場の視察をさせていただきました。この処理方法は、焼却灰、ばいじんなどを、環境公害に配慮し、国などから数多くの許認可を取得する中、特殊な盛土材とともに何層にも埋め立てていく方式であり、跡地利用の面からも期待が持たれ、現時点でのリサイクル技術としては完成していると説明を受けました。 そこで伺います。この処理法方は人工砂化よりも費用面でトン当たりの処理費が安いと聞いていますので、エコトピア山田の延命の観点から、人工砂化との併用方式による方法で新年度から新たに取り組む考えはないか伺います。 以上で1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 犬飼信雄議員のご質問のうち、2点についてお答えいたします。 初めに、新年度当初予算の目玉事業についてお答えいたします。 昨年に続いて、新年度予算について、市民が感動し、元気になるような目玉事業の話が聞けないかとのご質問でございます。そのときにもお答えしましたが、議員は失望されるとおっしゃいましたが、私は、政は言葉ではなく結果が大切だと考えており、起承転結の結の年と位置づけている新年度におきましても、気負わず、着実にできるところから市政に取り組んでまいる所存であります。しかしながら、私の言葉で少しでも市民の皆様が元気が出るのであればと、これまでも機会をとらえて、努めて市政運営やその方針について市民の皆さんにお伝えしてきたところであります。 新年度当初予算につきましては、現在、編成を進めている最中でありますので、流動的な要素もあり、また、変更も考えられるところではありますが、犬飼議員が列挙された事業は、何か私の胸のうちを盗み見たようでございますが、いずれも新年度の当初予算の目玉事業となるものであると考えております。 ただ、その中で、とりわけ第23回国連軍縮会議につきましては、これまで政令市など大都市で開催されてきた国連軍縮会議を国内で初めて特例市規模の松本市で開催できますことも考え合わせますと、まさに目玉事業と言えると考えております。現在、既にさまざまな支援などの要望があり、驚いているところであります。 このほかには、地球温暖化防止の観点から、防犯灯、街路灯のLED化を進めてまいりたいと考えております。 また、仮称でございますが、成年後見支援センターを松本市社会福祉協議会とともに設置し、成年後見制度利用の支援を積極的に行ってまいります。 さらに、健康寿命延伸都市・松本の創造の一環として、自動車優先社会から、歩くことや自転車の利用を優先させる発想の転換でまちづくりを進める思いやり・譲り合いゾーンの設定に着手してまいります。 次に、新年度当初予算の予算規模についてお答えいたします。 基礎自治体である松本市の予算編成につきましては、市民生活に密着した事業が多く、やらなければならない事業の積み上げによる編成となるという特徴がございます。現在、その実施すべき事業を厳選し、それに見合う財源確保の検討を図っているところであります。 また一方で、最終的な予算規模に影響を与える歳入の状況におきましては、国は、地方の一般財源総額については、社会保障費の自然増に対応する地方財源の確保を含め、実質的に平成22年度、今年度の水準を下回らないよう確保することとしておりますが、政権交代後初めての本格的予算編成が地方財政に及ぼす影響にはいまだ不透明な部分が多いのが現状であります。さらに、今年度の特殊事情としまして、国の補正予算に関連した1月補正予算への事業の前倒しと、合併後初めて計上する波田地区に係る政策的経費という例年とは違った要素もあり、現段階では新年度当初予算の規模を申し上げることはできないのが現状であります。 ただ、あえて申し上げますと、新年度当初予算を編成するに当たっての財政推計では、人件費、公債費など義務的経費の削減努力を上回る社会保障関係経費の伸びと、予算編成方針で示しておりますように、厳しい財政状況下ではありますが、取り組むべき施策につきましては積極的に推進していくという方針を勘案し、本年度当初予算額に対して若干の伸びを見込んでいるところであります。 次に、国や他市の状況等を踏まえた本市における事業仕分け導入に対する検討結果、また、県が来年1月に予定している信州型事業仕分けに対する考え方についてお答えいたします。 国においては、昨年度、第1弾として行われた新年度予算編成に当たっての事業仕分けに続き、今年度は独立行政法人等の事業や特別会計などが対象とされましたが、報道などを見る限り、政策決定経過の透明化と国民の関心の高まりという点では一定の評価がされているものの、一方で、地方の実情を考慮せずに進められる手法や、仕分け結果が実際に事業の改善に反映されていないことなどへの課題も出てきております。 県内では、佐久市に続いて、須坂市、小諸市が事業仕分けに取り組んでいるほか、上田市でも来年2月に実施の意向を示しています。県内初のケースとなりました本年10月の佐久市の事業仕分けには本市の担当職員を視察に派遣しましたが、担当者からは、事業継続の適否を公開の場にさらすことに仕分けの意義があること、また、適否の判断には行政側の説明能力が大きな影響を及ぼすこと、さらには、傍聴している市民がみずから事業の是非を考えるには、仕分け人の専門性や客観的見地も大変重要であることなどの報告を受けております。 そこで、私の事業仕分けに対する考え方であります。これにつきましては去る10月18日の定例記者会見で見解を述べたところですが、一部では市長は事業仕分けに否定的であると受け取られた市民の方々もおいでのようですから、改めて申し上げます。私は、国の事業仕分けを見て、それ自体を否定する立場ではございません。国民の前に予算のあり方が明らかにされた点では高く評価するものです。しかし、仕分けという外部からの力が働かないとみずからでは見直しができないのか、さらに、本市への影響を考えると、地方の現実と仕分け人の判断には大きな隔たりがあったと思わざるを得ないこと、加えて、実際の予算削減効果と仕分け自体にかかっているコストを考えた場合、あえて事業仕分けという手法をとることはどうかというのが私の考えであります。また、市民からの負託を受けた議員の皆さんが、法に基づき、予算の審議から決算の認定までを行っている、私はまずこのことも尊重するべきであると考えております。 もちろん既存事業について厳しく検証することが必要なことは申すまでもありません。本年8月にいただいた松本市総合計画策定市民会議の答申や、現在、審議中の第6次行政改革推進委員会でも、外部の多様な視点を取り入れた事務事業の評価の仕組みについて提言を受けておりますので、この点も踏まえ、これまでの積み重ねをベースに、より発展させる形で事務事業の見直しには粛々と取り組んでまいります。 次に、来年年明けに予定されている県の事業仕分けについてですが、先ほど議員がご紹介くださった県市長会部会に対する私のコメントのとおりでございまして、県政への関心を高める取り組みとしては大変有意義であると考えておりますが、仕分け結果に伴う市町村への影響は危惧しており、今後も注視してまいりたいと考えております。 なお、国の事業仕分けによる本市への影響につきましては、財政部長より答弁させます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 熊谷こども部長。 ◎こども部長(熊谷賢一) 〔登壇〕 児童館・児童センターの整備方針についてお答えいたします。 議員が言われましたように、本市には高宮児童館や島内児童館を初め木造児童館が7館あり、いずれも狭隘で老朽化している状況です。そのため、急増する放課後留守登録児童の受け入れに十分に対応できない感もあり、年次計画で木造児童館の改築整備を進めることとしております。 長野県内の状況を申し上げますと、他の市町村でもここ数年留守登録児童が急増していることから、県では、この状況を踏まえ、社会福祉施設等整備事業補助金の交付については、留守登録児童のための専用施設である放課後児童クラブ室の整備事業を優先しており、児童館の整備事業補助金の確保が厳しい状況です。しかし、松本市としては、急増する留守登録児童に対応するためには木造児童館の改築を年次計画で進める必要があることから、他の財源を確保し、高宮児童館は平成23年度に、島内児童館は平成24年度に改築を進めたいと考えております。 また、それ以降の木造児童館の改築については、社会福祉施設等整備事業補助金の確保を県へ要望するなど、財源の確保に努め、児童館の老朽化の状況や留守登録児童数の推移を見ながら、計画的に改築ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 平尾商工観光部長。 ◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 犬飼信雄議員のプレミアム商品券に関する2つのご質問にお答えいたします。 まず最初に、松本プレミアム商品券第2回目の実績でございますが、発行総額は6億円、うちプレミアム分1億円、20%となっております。有効期間は平成22年2月20日土曜日から5月31日月曜日まで101日間となっております。取り扱い加盟店は1,043事業所、うち大型店47事業所となっております。利用状況につきましては、商品券利用事業所は769事業所で、全取扱店の73.7%。内訳ですが、一般店、小売店723事業所、大型店46事業所となっております。換金では5億9,906万2,500円となっておりまして、発行額の99.8%となっております。一般店、個店の換金総額ですが、3億6,334万3,500円、これは全体の60.7%、それから大型店につきましては2億3,571万9,000円、これが39.3%となっております。 なお、詳細につきましては、経済環境委員協議会でご報告をさせていただきます。 また、経済効果ですが、松本商工会議所で実施いたしました消費者へのアンケート調査結果から推計いたしますと、期間内に8億4,500万円程度の消費があり、地元消費の拡大につながる経済効果があったと考えております。 次に、関係経済団体から要望がなされたときの第3回目を実施するかどうかとのお尋ねですが、第1回目、第2回目ともプレミアム商品券事業が地元消費の拡大につながり、経済効果があったことは事実でございます。第3回目の支援につきましては、経済状況を見る中で慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 上條財政部長。 ◎財政部長(上條信博) 〔登壇〕 国の事業仕分けに関するご質問にお答えします。 初めに、現時点での本年度における影響額及び事業名についてでございますが、本年度におきましては、6月議会で芦田議員の同様のご質問にお答えいたしました。その事業のうち、結果的に影響を受けましたのは、地域公共交通活性化・再生総合事業であります。鳥獣被害防止総合対策事業及び松本駅お城口広場整備や南松本立体交差関連街路整備などの街路事業につきましては、国の追加内示や他の補助制度への振りかえにより財源措置をすることが可能となったため、当初予定していた事業を実施することが可能となっております。地域公共交通活性化・再生総合事業につきましては、平成21年度の事業仕分けにより、国庫補助金が要望額の約2分の1、3,000万円余りが削減されましたことから、事業主体であります地域公共交通協議会が事業を見直すことにより対応しております。 次に、新年度における影響額及び事業名についてお答えします。 新年度における影響につきましては、減額と仕分けされた事業の減額割合が不明な部分があるため影響額が捕捉できませんので、予定していた国庫支出金の総額でお答えさせていただきます。 影響を受けるのは、予算要求ベースで5事業、総額約2億3,500万円と想定しております。内訳で申し上げますと、事業仕分けによりまして、一つには、予算削減とされた事業の影響を受けたものは地域公共交通活性化・再生総合事業と水道水源開発等施設整備費の2事業であります。地域公共交通活性化・再生総合事業の活用を検討している地域公共交通協議会事業では、事業主体であります地域公共交通協議会は、国の交付金を約8,100万円を予定しております。また、水道水源開発等施設整備費の活用を検討しておりました第7次配水管改良事業では、約2,200万円の国庫補助金を予定しております。 次に、廃止と仕分けされた事業の影響を受けるものでございますが、道整備交付金の活用を検討している林道整備事業と道路新設改良事業で約1億3,000万円の交付金を予定をしております。この事業につきましては、他の補助制度や有利な起債を活用することにより事業を実施できる見込みとなっております。 なお、予算の計上見送りとされた総合特区制度の活用につきましては、平成24年度以降の準備を予定しておりましたことから、新年度予算への影響はございません。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 牧垣市民環境部長。 ◎市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 ごみ処理の方向性についてのご質問にお答えいたします。 初めに、ごみ処理の広域化についてお答えいたします。 塩尻・朝日衛生施設組合で処理しております塩尻市及び朝日村のごみを松本クリーンセンターで共同処理することにつきまして、今議会の冒頭、市長が提案説明の中で申し上げましたとおり、現在、協定を結んでおります島内平瀬川西町会及び島内地区町会連合会に申し入れを行い、それぞれご理解をいただきました。 地元であります島内地区の町会や地区町会連合会への説明を通じまして、地域住民の皆様から施設運営や環境保全に関してのご要望やご提案をいただきました。具体的には、健康診断の実施、クリーンセンター周辺のパッカー車の渋滞対策、ごみ質及び環境測定の充実・実施等でございます。したがいまして、共同処理を進めるに当たり、引き続き環境保全に努めるとともに、地元の皆様からのご要望に十分おこたえしながら、地元への負担がふえることのないよう、安定・安全な施設の運転管理と効率的運営ができますよう、具体的な内容の検討を進めてまいりたいと考えております。 今後、両組合議会におきましてごみ共同処理の基本方針を定め、構成市村となります4市村議会にお諮りするとともに、地元の皆様、市民の皆様のご理解を得ながら進めてまいります。 次に、最終処分場エコトピア山田の延命策についてお答えいたします。 エコトピア山田の延命策につきましては、平成20年度から焼却灰の一部を人工砂化する取り組みを開始し、全体で約1万トンのうち、昨年度は1,000トン、本年度は1,100トンの資源化を予定しております。 また、議員ご提案の佐久市の民間業者が小諸市で進めております地盤再生方式による灰の資源化につきましては、人工砂化よりコストを抑えることができ、かつ集じん灰の資源化も可能ですので、新年度予算編成に当たりまして、現在の人工砂化に加え、地盤再生方式による資源化も検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 6番 犬飼信雄議員。 ◆6番(犬飼信雄) 〔登壇〕 それぞれ答弁をいただきましたので、2回目の質問に入らせていただきますが、答弁により3回目も予定しておりましたが、1年間の思いが通じたのか、私の想像以上といいますか、想定以上の答弁をいただきましたので、2回目は意見を述べ、要望とさせていただきます。 まず初めに、児童館・児童センターの整備方針については、補助金の確保が困難な場合でも島内までは他の財源を確保し改築を進めると、財源からも確約の裏づけをいただきました。他の5館についても、財源確保に努め、計画的に改築ができるよう取り組みが示されたことは評価するとともに、市長が進める重点施策3Kプランの子育て支援は他の自治体にも大いに誇れる先進的な取り組みでありますので、ボトムアップ方式により、県・国に対して大いにPR発信し、財源確保に努められることを要望いたします。 続きまして、プレミアム商品券については経済効果につながった答弁をいただき、市長が進める政策判断の重要性を改めて認識いたしました。第3弾目といいますか、3回目については経済状況を見る中で慎重に検討するということですが、市民が購入時に見せたあのパワーを何らかの経済対策に結びつけていただくことを要望しますが、経済環境委員協議会に細部について報告がなされるとのことですので、委員協議会にゆだねたいと思いますが、エコカー減税、エコポイント、太陽光発電、家屋の増改築等を用途指定してのプレミアムも今後検討課題にしていただくことを要望させていただきます。 事業仕分けについては細部にわたり答弁をいただき、私も正確に理解することができました。検討した結果などを含め、市長の事業仕分けについての認識が正確に伝えられた点、また、二元代表制の議会への尊重が確認できた点、これは質問の効果と考えますし、それに加え、外部の多様な視点を取り入れ、これまでのベースをより発展させ、事業の見直しは粛々と取り組まれるとのことでありますので、そのお考えに賛同する一人として期待したいと思います。 信州型事業仕分けについては、危惧していることが改めて示されましたので、改めるべき部分については、市長会を通じ、県民益、市民益につながるよう努力を期待しています。 また、影響については、部長より細部にわたり答弁をいただきました。本年度については1事業のみで、あとは他の制度利用、事務事業縮小で抑えたいとのことで、安心いたしました。新年度は予算ベースで5事業、2億3,500万円と想定、話題の総合特区制度については、11月19日の市民タイムスの1面トップでも報道されていたとおり24年度以降でも影響がないとのことで、市長が会見で何とも思っていないとする意味が理解できました。 削減では、ライフラインの事業など市民生活に直結する事業でありますので、安全・安心対策には市単独でも万全を期していただきたいと思います。 廃止関係では、他の制度を利用して事業実施をするということで、これについても安心いたしました。 事業仕分け全体では、市長が何とも思っていない、このことの裏づけがとれたことは市民の安心・安全が確保されたと理解し、了といたします。 続きまして、ごみの広域化についてそれぞれ答弁をいただきました。昨年12月の私の質問から、段階を踏む中で構成市村議会、地元町会へ協議を重ね、それぞれ理解をいただいた取り組みについては了としたいと思います。今後は、ごみ処理の基本方針を定め、具体的な検討に着手すると思いますが、その際は、市民目線、地元目線を大切に、関係する市村議会と協議する中で、地元市民の皆さんから共同処理をしてよかったと評価されるような取り組みを大いに期待したいと思います。 2つ目のエコトピア山田延命策については、人工砂化及び地盤再生方式により灰の資源化を図り、埋立量を減らし、延命を図る答弁をいただき、先日、エコトピア山田を松本の宝だと表現された意味がよく理解できました。この山田延命対策、ごみ問題については、もし再びこの私に機会が与えられるならば、私のテーマとして位置づけ、大いに議論を重ねていきたいと考えています。 最後に、新年度予算編成方針と予算規模について答弁をいただきました。実は、政アドバルーンで少し虫の居どころが悪くなり、連続して質問させていただきましたが、市民の皆さんが感動し、元気になる答弁をことしもいただけないと考え、2回目は、実は皮肉たっぷりに質問し、3回目の質問で終了させる原稿を用意しておりました。これを披露できないのは少し残念ですが、それ以上に何か込み上げる感動を覚えています。目玉事業を認めていただき、なお市民が感動し、元気になる事業も答弁をいただき、新年度予算規模についても、国の予算不透明の中、また、波田地区等の政策経費や今言われた目玉事業の予算計上など、厳しい諸情勢の中、本年度予算額に対して若干伸びを見込んでいるとあえて私に答弁をしていただきました。アドバルーンが上がりました。このことは、市長がこのように理念といいますか目標を持って政治判断すれば、結果はおのずからついてくると思います。市長が2期目に掲げた「もっと変えよう松本」、これにつながることを申し添えて私のすべての質問を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、犬飼信雄議員の質問は終結いたします。 暫時休憩いたします。 なお、再開は3時25分といたします。                               午後3時5分休憩                            -----------                              午後3時25分再開 ○議長(赤羽正弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 7番 小澤 豊議員。 ◆7番(小澤豊) 〔登壇〕 発言の機会をいただきましたので、新風会を代表して、太田議員、犬飼議員に引き続きまして、増田議員、大久保議員とともに、一部私見を交え質問をさせていただきます。 早速質問に入ります。 初めに、災害に強いまちづくりの推進について、危機管理につきましては先ほど太田典男議員から質問がございましたので、私からは、旧市内の情報伝達手段についてお伺いいたします。 松本市では、市民への情報伝達手段構築庁内研究会を設け、方向性について検討し、6月の総務委員協議会にて検討結果、今後の進め方について了承をされております。今までこの議会でも多くの議員が質問をし、私も連続して質問をさせていただいています。昨年の質問では、年度内に一定の方向を出すとの答えでございました。一歩一歩前進していることに感謝しているところですが、市民への災害時の情報伝達の重要性を強く考える中、一日も早く実現されることを期待してことしも質問項目といたします。 この案の基本方針には、平成17年、合併前の旧松本市の範囲にはない同報系防災行政無線を導入することとし、具体化を図る時期、実施計画には、屋外施設の整備は無線の電波が届く範囲やスピーカーなどからの音声の届く範囲などを考慮してどこに設置していくかを検討する作業から始めるということでございました。6月からのその後の進捗状況と、この事業の新年度予算編成の内容もあわせてまずはお伺いいたします。 次に、同じく災害整備まちづくりの推進を図ることを目的としている建築物耐震補強促進事業について、特に一般住宅の耐震診断、耐震補強への補助金交付事業の現状と今後の方針について、この事業の広報、推進を目的に質問をさせていただきます。 先日、ある市民の方から、住宅を改修することになったため、前から気にしていた耐震補強を一緒にやりたいと考え、市役所に電話したところ、既にことしは締め切っていて、ないと言われたということでございます。その後も2人の方から電話がございました。今、大変景気が悪く、改修する人も少ない上、この事業は予算的にも昨年より倍増しているはずと私は考えました。そんなことはないと思いまして早速担当課に問い合わせたところ、ことしは県の指導により9月末で締め切ったという返事でございました。例年では11月末ぐらいまではまだ受け付けをしていたと思います。 この事業は平成16年から27年度の事業として無料の簡易診断と精密診断を行い、耐震補強への補助を実施していくもので、住宅の耐震化率90%を目標に掲げた3Kプランの危機管理の目玉事業のはずでございます。この最終目的の耐震補強は、それぞれの住宅所有者の自助努力により取り組むことが重要ではございますが、行政の支援、取り組みへのきっかけづくりは行政の重要な仕事と考えます。 昨年までの耐震改修済み補助金交付件数を見ますと、松本市は148件、地震に関心の高い飯田市でも135件、長野市は125件と、県内でも最も多く、力は入れていることとは思いますが、9月締め切りとは方針の変更なのか、今までの実績をあわせてお伺いいたします。 次に、市有林ですが、本市で所有している市外にある山林整備について、存在すら知らない方がほとんどだと思いますので、先人の思いを込めて質問をいたします。 昔、殿様が源流を守るために、下流域の村に水源涵養林として管理、所有されていたと言われる、朝日村、山形村にもございますけれども、昭和29年合併時に当時の合併村から持ち込まれた山、市有林がございます。市に移管されたその後の状態について、当時のことを懐かしく話し、現地の状況を心配するおじいちゃんがいます。私も2年ほど前、朝日村の現地を見る機会がございました。鎖川の源流沿いにある斜面は崩れている箇所が多く、整備されているとはとても言えない現状をその方に伝えることはできませんでした。当時、村の人たちは泊りがけで間伐をし、炭焼きなどをしたということでございます。現在、朝日村にある松本市の公有林として、朝日地区林野警備連合会により保護、管理を行い、沼田林道愛護会により林道の整備、維持を行っていて、本市でもその一員として負担金を拠出しています。この山の整備はどのようになっているのか、現在では厄介者の存在なのかをお伺いいたします。 次に、最近、全国的に拡大、話題となっているナラ枯れについて、まだ松本市では確認されていないとのことですが、80%近くを占める森林を持つ松本市としては、対岸の火事としてまだ対策はないかもしれませんが、時間の問題としてお聞きしたいと思います。 全国拡大、山が荒れているなど、テレビ、新聞の報道が多くございますので細かいことは説明いたしませんが、里山では松枯れが激増し、本市も対応に苦慮されている中ではございますが、この現象は、コナラ、ミズナラなどのドングリの木が集団枯死する状態(通称ナラ枯れ)。毎年被害地域が拡大していたもので、これはカシノナガキクイムシが樹幹に侵入して、繁殖させた病原菌により、木が水を上げられなくなり枯れてしまう。この虫が病原菌を伝播することによって起こる樹木の伝染病と言われています。この虫は、幹回りの太い老木を好み、松枯れ病と同じく、家庭燃料が炭や木材から化石燃料へ入れかわったことから、森林に人が入らなくなり、手入れが不十分になったことで太い木がふえ、繁殖しやすい環境が広がったとお聞きしました。 県内では南信地方で拡大中、また、最近、信濃毎日新聞の報道でもございましたが、北信では長野市でも初めて確認されています。中信では大北の小谷村から白馬村へと拡大しています。山岳景観を観光資源として重要視する松本市として、対策、取り組みについてお伺いいたします。 次に、特定外来生物であるアレチウリなどの駆除対策について、昨年も同様の質問をいたしましたが、ことしはますます深刻化している現状を見ると、民間団体や市職員の皆様が駆除活動に努力していることには感謝いたしますが、ことしの生い茂っている状況を見ますと、この単発的な駆除活動ではふえ続けることが明白であります。今までの取り組みの成果を聞くまでもございませんが、県では駆除するために全県統一日を設け、県民の皆様の協力を得て取り組むとしております。本市では広報等により駆除を呼びかけていますが、県の全県統一日とはいつなのか、また、現状、成果についてお伺いいたします。 次に、公共交通についてですが、パーク・アンド・ライドへの取り組みを伺います。 神林パーク・アンド・ライド駐車場が、ことし4月1日より収容規模が55台から135台収容できる規模に拡張していただきました。大変感謝するところでございます。 拡張と同時に松本電気鉄道株式会社へ運営移行され、1日300円と有料化されました。利用する人としない人がいますので、利用者負担は当然のことだと思います。拡張前の満車状態により隣接農道への違法駐車から一変して、利用状況は1日20台程度、土日の多い日でも80台強と、今までがうそのような光景でございます。今まで、近くの駐車場を持たない企業や団体が駐車させワゴン車で迎えにきたり、乗用車に分乗しているような光景を複数の人たちからの証言により、今まではバスライドとして機能していなかったことがはっきりいたしました。この違法駐車は完全に排除できたと思われます。 また、1日300円ですが、されど300円です。特に高齢の皆様は、福祉100円バスの利用により、この駐車場に車をとめ、路線バスに乗り、中心市街地へ買い物に行っていました。お年寄りの皆さんは、私に「今まで200円でまちに行ってこれた」とおっしゃいました。そうです、身近な年金生活をしているお年寄りの皆さんの利用もなくなったということです。 管理は移管されたのですが、利用が低迷している現状について市のお考えをお伺いいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 小澤議員の同報系防災行政無線の導入に関するご質問にお答えいたします。 災害時における情報伝達手段の構築につきましては、先ほど太田議員のご質問に対し、危機管理室長から整備の方向性等について答弁をしておりますが、私から、改めて災害時の情報伝達手段構築の方向性における旧松本市内への同報系防災行政無線の導入に関しての進捗状況と新年度予算編成の内容についてお答えいたします。 緊急災害情報等を市民へ迅速かつ的確に伝達することは、市民の生命、財産を守り、災害予防や応急対策を図る上で大変重要であることは周知の事実でありまして、伝達手段の整備を図ることは、市議会でも一般質問や委員会等でその取り組みについて多くのご意見、ご要望等をいただいてまいりました。このため、昨年度から情報伝達手段の構築について総合的に検討を進め、市議会への協議及びパブリックコメントの実施を経て、この9月に災害情報等の伝達手段構築の方向性を取りまとめたところでございます。 その内容につきましては、まず、基本方針として、市内全域において災害時に市民へ情報提供できる複数の情報伝達手段を段階的に構築し、特に旧松本市内につきましては、現在、災害情報などを市民へ一斉に伝達する手段がないため、同報系の防災行政無線を導入するとしたものでございます。 また、整備計画として、おおむね1年から2年の間に安心ネットの再構築及び全国瞬時警報システムの導入などを進めることとしており、この12月1日には、緊急災害情報を登録者の携帯電話へメール配信する安心ネットのリニューアル版が稼働を始めたところでございます。 さらに、おおむね3年から5年の間を目標として、旧松本市域にラッパ型スピーカーとサイレンがついた屋外拡声器の整備を段階的に進め、音声による情報伝達ができるようにするものでございます。特に、来年度からこの同報系防災行政無線の整備に着手したいと考えており、まずは屋外拡声器の整備計画や合併地区防災行政無線との統合方法など、整備に係る実施設計に取り組む予定でございます。 いずれにいたしましても、この整備には多額の費用が必要であり、整備に当たっては、国等の財政支援策を有効に活用し、早期に整備できるよう取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 小澤議員の木造住宅の耐震診断、耐震補強工事補助金交付事業について、2点の質問にお答えいたします。 1点目の本年度分の木造住宅耐震補強工事補助金交付申請の期限についてですが、松本市では、建築物の安全性の向上と災害に強いまちづくりを図るため、平成20年2月に松本市耐震改修促進計画を定め、その中で、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅の無料耐震診断事業と耐震補強工事に対する補助金交付事業を住宅の耐震化を図る市民の皆様への支援策の一つとして位置づけ、実施をしているところでございます。 木造住宅耐震工事補助金交付事業につきましては、松本市が実施いたします無料耐震診断を受診いただき、その結果、一定の評価点以下であった住宅の所有者などがみずから耐震補強工事を実施しようとする場合、申請に基づき、その費用の一部について、60万円を限度とし、国、長野県の補助を取り入れながら補助金を交付しようとするもので、補助金の交付決定後に補強工事に着手をしていただき、年度内に工事の完了を要する単年度事業となっているものでございます。 ご質問の本年度分の補助金交付申請の期限の件でありますが、このように、国・県の補助を取り入れながら申請者が年度内に工事を完了していただく必要上、長野県が各市町村一律に事業の最終期限を設定したもので、松本市といたしましても、その期限に間に合うよう、事務処理に要する時間などを逆算し、補助金の交付が受けられない方が出ないように補助金交付申請の期限を9月末としたものであり、今までの耐震化を進める方針を変更するものではございません。しかしながら、市民の皆様を初めとする関係団体等への周知が結果としておくれてしまい、ご迷惑をおかけしたことは事実でありますので、今後、補助金交付申請の期限については事前に十分周知徹底を図ってまいります。 なお、昨年度分につきましては、8月までに交付予定件数に達したため、最終期限を待たずに事業が終了をしております。 2点目の、木造住宅の耐震診断と耐震補強工事補助金交付の今までの実績についてでございますが、本年度、松本市が実施した木造住宅の無料耐震診断件数は41件、また、耐震補強工事補助金交付件数は27件となっております。昨年度に比較をいたしまして無料耐震診断件数は減少をしておりますが、耐震補強工事補助金交付件数は、本年度予定件数をふやして対応したため、7件増加しております。 なお、本年度までの実績を申し上げますと、旧波田町実施分を含め、無料耐震診断件数で簡易診断が3,767件、精密診断で1,140件の合計4,907件、また、耐震補強工事補助金交付件数で175件となっており、簡易診断と精密診断を加えた無料耐震診断総数、耐震補強工事補助金交付件数いずれも長野県下19市で1位となっている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 川上農林部長。 ◎農林部長(川上一憲) 〔登壇〕 市有林にかかわります2点のご質問にお答えします。 まず、朝日村地籍の市有林についてでございますが、松本市は、昭和29年の市町村合併により、旧神林村、旧和田村所有の山林約132ヘクタールを継承いたしました。現在、全体が保安林として指定され、このうち約80ヘクタールは村当時、官行造林契約がされておりまして、国がカラマツなどを植栽し、下草刈り、除伐などの森林保全・保育を10年間実施しております。平成26年度に70年間の契約満了となりますため、当市へ立木の買い取りを要請されております。 残りの約52ヘクタールは、議員のお話しのとおり、村当時、村民の皆様により植栽や手入れがされ、近年では、県の事業によりまして平成5年に間伐を約19ヘクタール、平成9年から12年に土どめ工事と山腹工事を実施しております。 今後につきましては、議員ご指摘の状況を踏まえ、鎖川の源流に位置する当市有林を改めて下流域安全のための水源涵養林として、先達のご苦労に耐えられるように整備してまいりたいと考えております。 なお、整備に当たりましては、まずは保安林の管理者である県において、間伐などによる適正な森林管理を進めるようお願いしてまいります。 次に、ナラ枯れ被害への本市の対応についてお答えいたします。 長野県では、平成16年に飯山市、信濃町で初めてナラ枯れが発生しました。近隣では小谷村、白馬村に発生しておりますが、まだ松本市では確認されておりません。 カシノナガキクイムシは森林病害虫等防除法に指定された昆虫で、松枯れ同様の対応が定められております。現在、県が主体となって、松本及び北安曇地方事務所管内の市町村で構成する調整会議を開催し、松くい虫やナラ枯れの被害状況の把握や対策について検討しております。 本市では、発生した場合には、早期に対応すべく、松枯れとあわせて情報収集をしております。今後発生した場合は、松くい虫と同様に、薬剤注入や伐倒後に焼却、粉砕、薫蒸を組み合わせて効果的な対応を進めてまいりたいと考えております。 なお、実施時期は、気温が下がった秋以降とされております。 また、長期的な対策として、まき材やキノコ原木などを目的とした伐採を行い、切り株から新生によって里山を若返らせる萌芽更新の方法が有効と考えており、周知や取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 牧垣市民環境部長。 ◎市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 アレチウリ等の駆除対策についてのご質問にお答えいたします。 県では、平成17年度から毎年7月の最終日曜日をアレチウリ駆除の県下統一行動日と定め、啓発と駆除に取り組んでおり、本年度は7月25日に実施されました。また、市内各地区におかれましては、この日程以外にも町会等による精力的なお取り組みをいただいております。さらに、平成18年度から取り組んでおります市職員によるアレチウリ駆除のボランティア作業も、今年度は統一行動日に合わせ、7月24日に奈良井川、女鳥羽川で134名が参加し、実施いたしました。 アレチウリは、河川のほか、遊休荒廃農地や山の斜面、線路沿い等、市内全域に繁茂しており、それぞれの地域や施設の管理者による駆除の取り組みは一定の効果は上げておりますが、その繁殖力の強さから、継続した取り組みが必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 公共交通に関するご質問にお答えをいたします。 神林パーク・アンド・ライド駐車場は、松本市パーク・アンド・ライド実施計画に基づき、主に高速バスや松本電気鉄道株式会社の路線バスへの乗りかえ利便の確保と高速バス利用者による違法駐車の解消を目的に、実証実験駐車場として平成14年に実施したものでございます。 この神林パーク・アンド・ライド駐車場は、開設以降利用台数が増加して常時満車となるなど、一定の利用が見込めると判断したこと、隣接地への駐車場の規模拡大が可能になったことなどから本市の実証実験を終了することとし、今年度から松本電気鉄道株式会社に有料駐車場として運営を引き継いでおります。運営移管後の利用につきましては、1日当たりの稼働率が約21%であり、移管前は約100%近かったんですけれども、大きく下回っております。 利用低迷の原因といたしましては、一つに有料化されたこと、また、1日300円という料金設定が、長時間の利用が多い高速バスの利用者と同額となる半日程度の利用者が多い一般生活バス路線の利用者から割高と感じられていることなどからだと考えられております。 今後どうすれば利用率の向上が図られるのか、松本電気鉄道株式会社とも話し合ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、CO2の削減や渋滞緩和などに効果があるパーク・アンド・ライド事業は今後の公共交通を考える上でも重要な施策でありますので、今後とも、新しいエコ通勤や「バスDAYまつもと」等の公共交通利用促進策と一緒にパーク・アンド・ライド駐車場を活用することで相乗効果が得られるような仕組みづくりについて、交通事業者等とも連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 7番 小澤 豊議員。 ◆7番(小澤豊) 〔登壇〕 それぞれご答弁をいただきましたので、続けて質問に入ります。 まず、県営松本空港周辺整備について伺います。 信州まつもと空港について、FDAの定期便毎日運航、そして10月31日からダイヤ改正により新たに静岡線開通と明るい展望が見えてきた反面、利用率向上などの課題が山積している今日ではございますが、地元の声を市長に伝えたいと思います。 子供たちからは、ジェット機を見て、「きょうはピンクだ」、「違うよ、あれは赤だよ」、「朝、飛んでいたのは緑だったよ」などとほほ笑ましい会話が聞こえてまいります。地元4地区の中でも、特に離発着コースの直下、正確に言いますと、空港北側の神林和田地区の騒音指数協定値の70以下の地域に住み、農地を耕作している皆さんもこんな会話をしています。「きょうはやけに低く入ってきたな」とか、「きょうはえらい西寄りだが、大丈夫かや」と、毎日見ている人は、進入してくるコースも少しの時間のおくれも大変気になります。2人が会話している中でも、ジェット機が来ればその会話も途切れることはまれであります。騒音についても、テレビが瞬間的ですが聞こえなくなることは毎日。FDAの毎日運航には99%の人がもろ手を挙げて歓迎しております。この方々も同じく歓迎をしている皆さんでございます。頭の上を毎日通るジェット機への思いに、県営ではありますが、そして県知事に言うべきことだとは思いますが、こんな市民の皆様に、地元市長として何か言葉をかけていただければと私は思います。 誤解をされては困りますのでつけ加えますが、このことで新たな地元要求をするということは考えておりません。先日も和田の上條議員ともお話しした中で、当時の和田地区の会議録を見せていただきました。当時の県は、ジェット機ですので、風に左右されず、北側(神林、和田方面ですけれども)から80%着陸して南側へ80%離陸していくというお話を説明をしたと書いてありました。素人考えでも、飛行機は風に向かって着陸して、風に向かって離陸すると常識的にも考えます。説明に納得したのは当然だったと思います。しかしながら、現実は、北側から進入着陸して、また北側へと飛び立っていくことが1カ月間に70%から、多いときで90%強、神林、和田方面の空が使用されています。このことも申し添えておきたいと思います。 さて、本題に入ります。 地元との約束事項として、県営野球場については、高山議員のご努力により、地元要求への対応とともに県議懇意見交換項目に復活いたしました。これらのことについて私も質問の機会をうかがっていたのですが、本会議では、この整備関連の質問は、平成12年、当時の平林議員が最後であり、10年間、県営松本球場は封印されておりました。県議会では、平成19年6月の議会で、下沢県議の質問に対し企画局長から「地元からの建設要望があることは承知している」との答弁をいただいております。菅谷市長の特に県営野球場についての思いをお聞かせいただきたいと思います。ともに、どのくらいの規模を県に要求するかのお考えがございましたら伺いたいと思います。 また、神林地区に関連した事業を含め、地元4地区への整備の進捗状況、取り組みについてもお伺いしたいと思います。 次に、情報伝達手段、安心して暮らせるまちへの市長の思いをいただきました。全国の地震情報を見ますと、震度1以上の地震回数は年間1,300回以上、ことしの10月だけでも1カ月152回と揺れが観測されております。松本は大丈夫かと、一日も早い対応を強く求めるところでございます。 次に、耐震補強でございますが、ご答弁をいただきました。実際には耐震化が進んでいない、なかなか進まない現状ですが、先日、11月14日に行われた市民防災セミナーにて、講師の三宅先生から発せられた「建物に殺される」という言葉が大変印象的だったことを思い出します。過去も、大きな地震で被害に遭われ、亡くなられた方の多くは建物の倒壊等による圧死や窒息死が原因でした。どんなに健康でも、一瞬にとうとい命が奪われる、セミナーに参加して思いました。せっかく大勢の市民が集まる機会に、耐震改修工法、装置やベッドを安全空間にする耐震シェルターなどの展示会も同時開催するなど、もっと耐震化の重要性とこの事業のPRをすべきではと考えます。 静岡県や神奈川県の市町村では、この補助金のほかに高齢者が居住する住宅に対して割り増し制度もあり、所得税の特別控除や固定資産税の減額措置、中には補強に至る設計士から現場監督士の補助など、積極的に市民の生命の安全の確保を図るため、木造住宅への補助事業を進めております。 今は景気が悪く、ことしの着工件数も過去2番目という低さでございます。建て直せる方は少ないのが現状ですが、そしてこの事業の利用者も少ないことは確かでございます。新築はできなくても、補強だけはやっておきたいと考える市民はまだたくさんおります。そんな市民の後押しやきっかけをつくる窓口を通年あけておくことが行政の役割ではないかと思います。新たな補助制度を県・国に求めることも必要と思いますが、部局が連携して、国がとか県がという問題ではなく、松本市として独自の補助制度を設けることも耐震化を進める上で必要ではないでしょうか。積極的な対応を強く求めます。今後の市の方針についてお伺いいたします。 次に、市有林についてご答弁いただきました。保安林ということで県が管理されているということ、豊富にある森林、当然ながら手が回らないのが現実と理解するところでございます。水源涵養林としても、整備をしなければ保水機能や防災機能の低下など問題があります。10年くらいたっていると思いますので、また現状を見て整備の要請をお願いいたします。 また、ナラ枯れにつきましては、各地の林業試験場での警鐘では、先ほども言いましたが、「手の入らない森林は虫が好む太い木がふえて繁殖しやすい環境をつくっている。この被害は火事のようにあっという間に広がる。被害を発見してから対策の予算を組む現在の手法では間に合わない場合が多い」と言っております。ことしは温暖化の影響もあると思いますが、クマが里に、市街地にと出没する原因にこのナラ枯れがあるとも危惧されています。本市の森林は本当に大丈夫なのか、また、森林税などの活用により、全市的に均衡のとれた森林整備等の事業展開を望むところでございます。 次に、アレチウリの駆除の現状と成果についてご答弁いただきました。私もことし、地元で実施された河川清掃に参加させていただきました。昨年まで全く見当たらなかったところにも生い茂っておりました。アレチウリは1個体当たり5,000個以上の実をつけ、その9割が発芽、種には休眠性があり、次々と発芽すると言われています。農業にも影響があるということをお聞きしました。このままでは繁殖の広がりに追いついていかないのが現状ではないでしょうか。この現状について、予算編成も必要と思います。町会連合会に説明して、この時期が大変重要と思われますが、一斉清掃と同じく、市内一斉にローラー作戦でくまなく駆除をお願いすることも一案と考えます。 県が管理する河川ですが、市内であることには変わりがありません。河川清掃等の実施の打ち合わせで、県の担当者は、刈り取った草木、当然、アレチウリの種も入っていますが、この処分をお願いしたところ、大変迷惑そうな顔をして、対応できないとの答えだったそうでございます。役員の皆さんは清掃の中止をも考えたと大変怒っておられました。その後、清掃が実施され、市の担当課が片づけてくれたということも申し添えておきますが、県の取り組みにも疑問があります。今後の対策についてお伺いいたします。 また、アレチウリ以外にも、特定外来植物には12種類が指定されています。身近なものにはオオキンケイギク、黄色いコスモスに似たきれいな花ですが、一般にはほとんど知られていない、法律で規制されております。庭にあるだけならば違反にはならないそうですけれども、水やりや肥料を与え、栽培行為を行うと違反になるそうです。持ち運ぶことも禁止されていて、罰金や懲役刑の規定もあると言われています。この法律の、市民に直接かかわることの概要も広報等、周知、掲載することもあわせて要望いたします。 次に、パーク・アンド・ライド利用低迷の現状についてご答弁をいただきました。利用低迷は、有料化された塩尻市野村にある駐車場も今は神林と同様に満杯になることはないと聞いております。提案ですが、神林の駐車場は路線バスへの乗りかえを兼ねております。高速バスの利用者は2泊、3泊と利用しますので、1日300円は妥当と考えます。しかし、先ほど部長答弁にもございましたが、路線バスを利用する皆様は3時間から半日、多くても8時間程度と思われます。公共交通の利用促進を目的にしていることから、時間による割り引きを要望いたします。例えば路線バスをおりるときに駐車券を提示すれば割引券を配付するなど、市から松本電鉄株式会社に割引制度の導入の検討を要請していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。今後の取り組みについてお伺いいたします。 以上で2回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 松本空港周辺整備に係るご質問のうち、県営野球場の整備についてのご質問にお答えし、その他の事業につきましては担当部長から答弁をさせます。 昨年JALが撤退を表明して以来、一時は空港の存続に見通しがつかない状況でございましたが、市議会を初め、県、FDAなど関係者の皆様、とりわけ小澤議員の地元であります地元4地区の皆様の深いご理解とご協力により、ジェット機による毎日運航が確保されましたことに心より感謝を申し上げます。今後も、騒音等々、大変ご迷惑をおかけするかと存じますが、引き続いての格段のご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。 ご案内のとおり、平成5年に開催されました信州博覧会の会場として、平成4年に県営野球場が取り壊されました。以来、野球関係者からは建設の要望が強く、地元県議会議員との懇談会におきましても長年にわたり要望してきた経過がございます。 近年では高校野球場の主会場が松本市野球場とされるなど、年間40にも及ぶ大会が松本市で開催されております。これらの状況からも、県営野球場は現在の松本市野球場相当の2万5,000人の観客席を備えた施設が必要と考えております。県の財政も厳しいようではございますが、引き続き県営野球場の早期実現を粘り強く県に要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 空港周辺整備の進捗状況と今後の取り組みについて、市長答弁に補足して申し上げます。 空港周辺整備事業は、平成2年度にジェット化に伴う地元要望事業と、平成17年度に運用時間の延長に係る地元要望事業がございますが、このうち県事業としては、県道整備事業が3路線、歩道整備事業が1路線などでございます。 主なところを申し上げますと、県道整備では松本空港線が既に事業着手をしており、現在、用地測量を行っております。また、塩尻鍋割穂高線では、全線で地元合意が得られないことから、現在、部分的に待避所の整備を行っているところでございます。 なお、土合松本線につきましては、現況と公図が合わないため、長野県で検討を行っているところでございます。 また、航空騒音に対する防音工事につきましては必要に応じて対応することとしておりますし、信号機の設置につきましても、市としても県に要望していますが、優先順位をつけながら実施をされているという状況でございます。これらの県事業につきましては、今後とも県に対し事業の推進を要望してまいります。 また、神林地区に関連した市事業としては、道路改良事業4路線などがございます。既に実施している事業のほか、地元合意が得られ次第着手することにしている事業等もございますが、今後とも地元との調整を図りながら鋭意取り組んでまいります。 次に、神林パーク・アンド・ライド駐車場の利用料金の割引制度の導入についてというご質問にお答えをいたします。 1回目の答弁でもお答えしたとおり、1日単位で利用することの多い高速バス利用者と、数時間から半日程度の利用が多い松本電気鉄道株式会社一般生活バス路線であります空港・朝日線の利用者と利用金額が同額であるため、割高感があるということがパーク・アンド・ライド駐車場の利用が伸びない理由の一つとして考えられております。こうしたことから、小澤議員ご指摘の割引制度の導入につきましては一定の効果があるのではないかと考えております。 そこで、松本電気鉄道株式会社に利用料金の割引制度の導入についてお聞きしたところ、利用が低迷していることについて何らかの解決策を講じる必要があると考えており、生活バス路線の利用者に対する割引制度の導入について前向きに検討したいとのことでございました。このことから、市といたしましても、割引制度の導入を含め、利用率の向上に向けて今後とも松本電気鉄道株式会社とともに取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 小澤議員の建築物耐震補強促進事業の今後の方針について、2回目の質問にお答えいたします。 松本市では、先ほど申し上げましたとおり、平成20年2月に松本市耐震改修促進計画を定め、平成27年度までを計画期間として、市民の皆様、関係団体、松本市がそれぞれの役割を分担しながら建築物の耐震化の促進を図っております。 その中で、松本市の役割を、耐震化に関する普及・啓発活動を行うこと、地域の実情に応じ、所有者が耐震診断や耐震改修を行いやすい環境を整え、負担軽減のため、必要な施策を長野県や関係団体等と連携をしながら実施することと定め、その必要な支援策の一つとして、現行の住宅に対する各種補助事業を設けております。中には、高齢者を対象とする住宅改修補助、あるいは障害者の方を対象とする身体障害者住宅改修事業における住宅改修補助、それぞれ事業を現在、実施をしているところでございます。 したがいまして、この松本市耐震改修計画の期間である平成27年度までは現行制度に基づき事業を実施してまいりたいと考えておりますが、現在、国において当該事業の充実を図る営みがあるとも聞いておりますので、今後の国、長野県の動向を注視しながら対応してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、現在の厳しい経済状況下、多額の費用を要する住宅の新築や改修を行おうとする方々は減少傾向にあることは事実であります。現在までも、町会説明会の開催や、平成18年度からは防災に関するセミナー、シンポジウムの際に耐震化の必要性をPRし、また、防災出前講座においても同様の啓発を進めるなど、事業の周知を図ってきたところですが、今後ともこれら広報活動を通じて機会あるごとに事業の周知に努め、松本市耐震改修促進計画に掲げた住宅の耐震化率90%という目標に向け、長野県及び関係団体などと連携を図りながら事業の推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 牧垣市民環境部長。 ◎市民環境部長(牧垣壽志) 〔登壇〕 アレチウリ等の駆除対策についての2回目のご質問にお答えします。 まず、アレチウリにつきましては、その繁殖力の強さから全国でその生息域を広げておりまして、国は平成17年度に特定外来生物に指定いたしました。本市では、県の統一行動日に合わせ、市内の各河川をきれいにする会17団体への駆除の協力依頼と広報「まつもと」等による市民の皆様への駆除の呼びかけを行っております。 なお、駆除活動につきましては、その年の繁殖状態により、春、秋の河川の一斉清掃に合わせ実施するケースや、6月、9月の町会一斉清掃と合わせ、統一行動以外の日程で実施するケースもございます。 今後も、それぞれの地域の実情に合わせ、市環境衛生協議会連合会、各河川をきれいにする会等の皆様のご協力をいただきながら、抜き取り適期の6月下旬から7月、9月を中心にご提案の駆除推進月間を新たに設定いたしまして、市として統一的な取り組みを行うとともに、県と一層の連携を図りながら進めてまいります。 次に、オオキンケイギクにつきましては、本年7月1日号の「広報まつもと」へ掲載し、市民の皆様への周知とともに、駆除活動を中心となって進めていただくための、町会長、衛生部長の皆様へオオキンケイギクの写真や駆除方法を掲載したカラー刷りのチラシを配布させていただきまして周知を図っております。 今後も、駆除適期に合わせ、広報はもちろん、チラシ等により市民の皆様への周知を図り、アレチウリとともに、市環境衛生協議会、各河川をきれいにする会のご理解とご協力を賜り、駆除に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 7番 小澤 豊議員。 ◆7番(小澤豊) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。3回目は、要望と提案を含め、言いにくいこともくどく要請いたしたいと思いますので、ご意見があればお願いいたします。 まず、アレチウリですが、年3回の駆除がベストと言われていますが、8月に1度抜き取るだけでも、その後発芽したものは種が実らないということでございます。1回でも効果は期待できると思います。それよりも、くまなく全市的にが重要と考えますので、よろしくお願いいたします。 市長から地元の皆さんへの言葉をいただきました。皆さんに伝えたいと思います。 この周辺整備について、市の努力により多くの事業が実現化し、着工をしてまいりました。住民意識、住民感情は人により違いますが、この約束は、球場ができればと考える人、空港への幹線道路である県道松本空港線が拡張すればと言う人、環状高家線4車線化がとか、生活道路、信号機の設置がと、その人にとってその一つができなければ約束が実現されたことにはなりません。着手して暗礁に乗り上げた事業もございますが、地元4地区とのお約束である周辺環境整備、きっちりと要請をお願いいたします。 また、松本市にある公共施設は、公共交通の現状に問題はございますけれども、駐車場が少なく利用しにくい。また、当時、球場は、航空法による高さ規制や夜間照明等の問題など、試行錯誤の議論から宙に浮いてしまったという感じもございます。地元要望の広域公園内にとらわれず、例えば環状高家線沿いのアルウィンの西側、まあ、東側でもいいと思っていますけれども、両施設で利用できる兼用の駐車場を設け、建設する案はどうでしょうか。アルウィンでの松本山雅の試合のときなど、渋滞で地域の皆さんが動きがとれないことや、生活道路への進入、通過もあり、2次的な問題も発生しております。環状高家線の4車線化、渋滞対策として新工業団地が建設されるのが実現への一つの機会になると期待していたのですが、進みそうにありません。この球場建設が引き金になっていただければと思います。 時間だけが経過しております。部長答弁にもございましたが、平成17年にも運用時間の協議の中、再確認していることもございますが、県営野球場は、そろそろ地元市として、予定場所や規模などの具体案を提案していくことも必要と考えます。地域と松本市の発展のために引き続き県への強い働きかけをよろしくお願いいたします。 新しく建設されるであろう野球場のこけら落としでは、菅谷市長の華麗なるサウスポーでの始球式が見られることを楽しみにいたしまして、以上で私からの質問のすべてを終了いたします。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、小澤 豊議員の質問は終結いたします。 なお、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 続いて、38番 増田博志議員。 ◆38番(増田博志) 〔登壇〕 質問の機会をいただきました。新風会太田典男議員、犬飼信雄議員、小澤 豊議員に続き、私と、そしてこの後、大久保真一議員が控えておりますので、私の時間は非常に短く、的確に質問したいということで登壇させていただきました。 残された時間は予定よりも大分多いので、さあどうしようかというところでございますが、私は、議員になって、かなり会派を代表してよりも私的なことが非常に多かったわけですが、ことしの2月議会でも、高速交通網の問題、あるいはスポーツ振興を含めてさまざまな観点から質問させていただきました。本来、総合的にあらゆる見地から質問するということは大事なことだな、そんなふうに思っておりますが、10分の予定でしたので、1点に今回は絞らせていただき、重要課題として質問させていただきます。 私の住んでいるところは町なかでございますし、松本市の財政上、固定資産税を非常に多く負担している。特に割高に評価されているという思いがありますので、そのことも含めて、やはり中心市街地を活性化することが松本の大きな主要課題だというふうにとらえ、今回、中心市街地の活性化に絞って質問させていただきます。 市長も、今までの答弁の中で、「まちづくりの基本方針を、集約型都市構造のまちづくり、すなわち中心市街地や駅周辺などの拠点に都市機能を集約させ、あわせて郊外部においては環境を大切にしたコミュニティーの維持を目的としたまちづくりを進める。こういった形の中で、都市計画マスタープランあるいは住宅マスタープラン、そして総合都市交通計画の策定、さらには市街地のまちづくりを発展させつつ、将来の交通政策を考えるために、トラムや公共貸し自転車システムなど、新たな発想を含めた総合的な交通、まちづくりの研究を進めるなど、全庁挙げて将来の都市像の実現を目指してまいります」、そのようにことしの3月にご答弁いただきました。 こうした中で、本年11月11日に、フランスやドイツを参考に、次世代交通政策検討委員会の立ち上げがありました。ヨーロッパの都市は、規制緩和で自由に郊外型大規模店舗をつくるアメリカや、それに追随する日本と違い、地域や規模、時間など一定の規制の中で共存しており、日本の地方都市のこれからのまちづくりにおいて見習うべきだという指摘など、まちづくりシンポジウムなどでパネリストやアドバイザーの皆さん方がよく申しております。私も、400年以上の伝統ある日本の地方においては、そのとおりだ、歴史や文化を大事にし、今までの商業構造を大事にした都市像を目指すのがいいのではないか、そのように考えておりました。今回の次世代交通システムの取り組みは、将来の松本の都市像をヨーロッパ型の都市構造を目指すことなのかどうなのかお伺いしたいと思います。 また、この中心市街地の活性化については、私は市政の重要課題と考えておりますが、今までも幾つか皆さんの中で重要課題がありますが、この中心地区の活性という課題は、市政においてどのくらい重要と考えているかもあわせてお伺いしたいと思います。 次に、去る10月6日付の新聞にも、信濃毎日新聞ですが、大きく取り上げられました既存大型店のさらなる大規模化についてお伺いします。 新聞紙上では、この大型店、日本に十幾つ展開する中で、松本はその2番目ぐらいの大規模化になるのではないかというような憶測という形で予想した記事が書いてありましたが、8ヘクタールという大きな数字は現状の2倍以上ということで、大変心配しております。市当局については、この計画について具体的に把握しているかどうかお伺いします。 また、超少子・高齢化、人口減少社会になりつつある中で絶対的な消費量の増加を望めないとする中で、売り場面積の拡大は他の事業者に少なからず影響を与える。同じパイの取り合いではならないと、そんなふうにも思います。行政において、このことの影響をどのようにとらえ、今後どのように対応していくのか、お考えをお伺いいたします。 1回目の質問を終わります。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 増田議員のまちづくりに関するご質問にお答えいたします。 初めに、中心市街地の活性化についてでございますが、都市は、あらゆる機能が集約された核となる中心市街地が発展してつくられてきたものであります。松本市に置きかえれば、松本城を中心とした城下町が政治、文化、経済、居住などの核として、その周辺を含め発展してきた都市であります。時の経過とともに都市が拡大してきた現在ではありますが、中心市街地はその核としての魅力を保っており、松本の歴史をはぐくんできた市民共有の財産であると考えています。したがいまして、中心市街地を活性化させることが松本市の持続的な発展に結びつくものと考え、市政の重点課題として取り組んでいるところであります。 そのため、松本駅周辺や中央西地区の区画整理、並びに中町などの町並み環境整備等の基盤整備事業、また、商業ビジョンの策定など、商業活性化のためのさまざまな取り組みを継続して行ってきております。 現在は、健康寿命延伸都市・松本の創造を市政の柱として、少子・高齢型の人口減少社会の到来に伴い、将来を見据えた持続可能なまちづくりを進めております。これは、健康づくりを共通の核として、保健、医療にとどまらず、経済、産業、観光、教育、スポーツ、環境、都市基盤整備などのさまざまな分野を地域づくりと連携し、総合的に進めるものでございます。中心市街地活性化は、健康寿命延伸都市・松本の創造を、行政のみならず地域や企業などが一体となって地域づくりを進めた結果として成果が伴ってくるものと考えております。 次に、本市の目指す都市構造についてですが、これは、本年3月に策定しました都市計画マスタープランにお示ししたとおり、中心市街地や鉄道駅周辺など、交通利便性の高いエリアへの人口と生活利便施設の誘導を図ることにより、松本市型の集約型都市構造による、低炭素で環境に優しい、歩いて暮らせるまちづくりを目指すこととしております。したがいまして、次世代交通の研究は、歩行者、自転車、公共交通を優先したまちづくりを行っていくための研究であり、あくまでその先進事例の一つとしてヨーロッパの都市も参考にしたいということでございます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 平尾商工観光部長。 ◎商工観光部長(平尾勇) 〔登壇〕 まず、増田議員の大型店の開発規模等についてお答えをいたします。 先ほどの8ヘクタールの大型開発ということでございますが、これは、松本カタクラモールのことをおっしゃっていると思いますので、カタクラモールに関する、現在のところの私どもが知っている情報についてまずお答えをいたします。 所有者であります片倉工業株式会社によりますと、現在のカタクラモールの建てかえを含め、まずは総合的な開発を検討しているというふうに聞いております。その開発の規模につきましては、カタクラモール及び隣接の所有地、これは生物化学研究所、それから社宅、松本スマイルホテル等を含んでおりますが、先ほどのお話のように約8万3,600平米となっておりまして、これは坪数で言いますと2万5,000坪という規模でございます。そういった地域を総合的に開発をしていくというふうに聞いております。そのうち、カタクラモールの建てかえは、平成28年秋のリニューアルオープンを目指していると、こういうふうに聞いております。 続きまして、これがどういうふうに中心市街地へ影響するのか、その対応はどうかというお尋ねでございます。 今申し上げたとおり、今回の開発規模は大変広いものでして、8ヘクタールを超えるということで、極めて広大な面積であります。しかも、この開発の場所が中心市街地に隣接しているということを考えますと、今回の総合開発が松本市の中心市街地に与える影響は多大なものがあるとまず認識をしております。 従来から松本市は、集約型都市構造をまちづくりの基本コンセプトとして、都市計画マスタープラン、総合都市交通計画に基づき、さまざまな施策を展開してまいりました。このような集約型都市構造は、中心部に集積した商業機能、サービス機能がにぎわいを創出すると同時に質の高い生活の場を提供することとなり、結果として都市全体の魅力を底上げすることが期待されております。したがいまして、まちの中心部にある魅力の核を維持するということは、都市の発展や、そこで暮らす人々の生活の質を高めるためにも必要不可欠であると考えております。 そうした観点から今回の総合開発を見ますと、中心市街地に隣接した場所にもう一つの新しいまちが出現することで、中心部が分断されてしまうのではないか、あるいは、既に飽和状態にある商業環境下でこれだけの追加投資がなされることによって、商店街やまちが歯抜け状態になり、魅力が失われてしまうのではないか、また、多数の車の乗り入れが渋滞や騒音をまき散らし、まさに人に過酷なまちになってしまうのではないか。仮にこのような懸念、これは仮にの懸念でございますが、現実のものとなれば、20年後、30年後の松本のあるべき姿とはやはりほど遠いと言わざるを得ないのではないかというふうに考えております。 こうした事態を避けるためにも、今後は、商業者、それから消費者、さらに一般市民も含めて、将来の松本市の姿を共有しながら、商工会議所、開発当事者とあるべき姿に向かって協議をし、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 38番 増田博志議員。 ◆38番(増田博志) 〔登壇〕 どうもご答弁ありがとうございました。 先月24日に議員研修会で太平洋の孤島イースター島の話がありました。それぞれの部族が大きさを競い、最後には自滅して文明が滅びてしまった話でありますが、規制緩和の中でだめということはなかなか言いにくいわけですが、これからの時代、話し合って、ともに生き残っていくということは大事でないかなと。私は、今ある施設がなくなっても現状利用している人が困る。そのかわり大きくなり過ぎると、例えば駅周辺の大きな店舗が撤退する。そうしますと、その空きビルはどうするかというと、他の都市の例を見れば、結局、行政が手を出してさまざまな手当てをせざるを得ない、これはもう現実に目の前に迫ってきます。せっかくのまちのにぎわいを持続的に続けていくためには、それぞれ市長の言う「足るを知る」部分でいかなければいけないのかなと。そんな意味で、ぜひ行政におかれましては、今の部長答弁、本当に真摯に業者と話し合いをし、うまいぐあいに廃業にならず、撤退にならずに残って、この地域の消費者のために営業を続けていっていただく方法を探っていただきたいなというふうに思います。一消費者に便利でいいではないかということは、ある意味、今の農政問題のTPPやいろいろなことにもつながってくると思います。ぜひ20年後、30年後を考えながら進めていっていただきたいというふうに思います。 そういう意味におきまして、中心市街地の活性化におきまして、今、松本市も南西外堀の復元、内環状、あるいは大名町における空き店舗を含めて、松本市にはさまざまな課題がまだまだ残されております。ぜひ、今まであるまちづくり協議会、お城周辺のまちづくり、松本城整備計画、あるいは中心市街地活性化計画、そして9月にも取り上げさせていただきましたが、歴史的風致維持向上計画、あるいは先ほど市長も申しました人に優しいまちにしていくというたくさんの事業を総合的に組み合わせて、松本のまちの中は楽しい、来たらいいな、そういうまちのにぎわいが松本の核となるように、そして来年は市長の進める軍縮会議もございますし、30年ぶりに全国城下町シンポジウムも松本で開催されます。そういったコンベンションの中で、観光客にもまちの中を喜んでいただける、また、「おひさま」、「岳」あるいは「神様のカルテ」といった映像でも、松本は非常に売り出すいい機会でございます。大切な宝を大事にしながら、中心の市街地の活性化にぜひ努めていっていただきたいと要望をさせていただきます。 最後に、私は、市長にどうかということで最後に質問を迫ると、ばたっと「できない」と断られることが多いので、もう一度、再度、これは要望にさせていただいて締めたいと思いますが、そういったまちの活性化の中に、開智学校をもとに戻すお願いもさらに研究を重ねていただきたいというふうに思います。次世代交通政策研究会の取り上げている電車(トラム)計画等の実行費を考えれば、決して無理な費用ではない、そんなふうにも考えております。そのことをお願いして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、増田博志議員の質問は終結いたします。 続いて、34番 大久保真一議員。 ◆34番(大久保真一) 〔登壇〕 発言の機会をいただきました。それぞれ午前中の公明党のお2人、そして午後からの新風会のそれぞれの皆さん、太田議員の病院のあり方、あるいは大家族、3世代同居、そして犬飼議員の児童館・児童センター、ごみの問題、そして小澤 豊議員の建築物と空港周辺整備、ただいまの増田議員の中心市街地の活性化、それぞれテーマを持って質問してまいりました。いよいよ私が最後でございますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。 今回は、いつ質問したのか、もう既に記憶の中から飛んでおりまして、勘定してみたらもう4年ほど質問をしてございませんので、何か初心に帰ったような、ちょっと緊張した気持ちで質問させていただきます。 それでは、通告に従って質問をさせていただきます。 今回、起承転結ということで菅谷市長が1期、2期、特徴的に使っておる言葉でございますが、その言葉について、高い理念のもとに菅谷市長は使っておられる、そんなふうに思いますので、そんなことをお聞きしていきたいというふうに思うわけでございます。 私は、菅谷市長が、前期の最終年度に、6つの縦糸と3つの3Kプランを横糸に、健康づくりと、それから危機管理と子育て支援、この3Kを横糸にということでその施策を進めた。その延長線上に、平成20年3月、当選して以来の6月議会に初めて健康寿命延伸都市・松本の創造という言葉を使って、その起承転結の起、いわゆる起こすの部分を申し上げました。その後、承、受けるという意味と、それをまた受けて転ずるという意味、そしてことしが結の年でございますので、いわゆる理念をお聞きしたいなというふうに思うわけでございます。 というのは、市長のいわゆる起承転結、これはちょっと調べてみましたら、中国で漢詩をつくるときのそのつくり方を言うそうでございますので、高い、高邁な思想のもとにそういうことを言っているのではないかというふうに思いますので、その市長の思いを最後の予算編成に、私は予算編成の中で金額がどうのこうのということを聞くつもりはございません。市長がその思いをどこで結ぶのかというところの思いをここでお聞きしたいというふうに思うわけでございます。 1カ月くらい前でしょうか、権威ある某週刊誌に「長野県の長寿の秘訣として」という記事がございまして、その中に福祉ひろばの様子が書かれておりましたし、高齢者の就業率が高い、あるいは医療費が全国一番低い、そんなことを十分承知の上での市長のそういった思いだというふうに思うわけでございます。 さらに市長は、その上に歩こう運動やら食育の日の制定やらそれぞれの施策を並べておりますので、そのことも承知の上で、そして菅谷市長の経験上からも、大学の医学部でのお仕事、そして外国での医療支援あるいは奉仕活動、そして県の衛生部長、そんな経験からも今回の健康寿命延伸都市、そんなことが言われたのではないかというふうに思うわけでございます。 もともと持っていた長野県民の減塩運動、あるいは食生活改善運動、そのことも踏まえて今回の任期の中で起の部分でそれをおっしゃったのではないかというふうに思うわけでございますので、この辺をお聞きしたいというふうに思うわけでございます。その辺のところを市長から説明していただければ、松本市民がそのことをよく理解するのではないかというふうに思っております。 私は、その間、ちょっと2年間だけこの後ろのほうにいましたので、そのことの事情が、違う仕事をしておりましたので、よく理解できておりません。皆さん方は理解しているかもしれませんけれども、私は理解にちょっと欠けていたのかなというふうに思いますので、ぜひその辺を市長の口からご答弁をいただければというふうに思うわけでございます。 続きまして、都市計画、住宅マスタープランについてをお伺いをいたします。 この質問のキーワードはゆとりということでありましょう。そんな感想から、先ごろの国の補正予算、そして経済対策、そしてこれは財政出動にもなるのではないか、そんな意味を込めて質問をさせていただきます。 駅の自由通路から西を眺めたときに、きょうは東のことを言うつもりはございませんけれども、国道19号沿いから、足元のところから西口の区画整理事業を含めて、その辺からずっと西を眺めたときに、私がこれから申し上げる問題が浮上するのではないかなというふうに思いまして、ちょっと挙げてみました。 それはまず、駅西の区画整理から道路が南へ行っているわけでございますが、その道路の中間の辺の渚橋、これが平成26年にかけかえ、橋はもうちょっと先になるかと思いますが、手前の道路改良をすることになっております。その辺のところとのつながり、あるいは県が今、進めている鎌田交差点からホテルブエナビスタのあの近くまでの立体交差事業、そこへどうやってつなげるのか。それは、先ほど申し上げた財政出動も含めて経済対策になるのかなと、そんなことを思っているわけでございますし、また、巾上からの白板橋からの北への道路拡張もそのうちに入るのではないかというふうに思うわけでございます。 それは足元でございますが、さて、目をずっと西のほうへ向けると、国道19号の交差点改良、これが国の事業で今、行われているところでございますし、さらにずっと新村を越えていきますと波田の渋滞対策道路、これは県の事業でございますし、それからまだ先、沢渡のダムの周辺、これも道路改良として、国道158号の改良ということで今、松本市としても関心を持っているところでございます。 さて、戻っていただいて、合庁先線のルートをどうするかという話もございますし、それから、南のほうから市道5005号線、今、南原地区でございますが、既に工事も完了してきれいな道ができ上がりました。その道と合庁先線とをどうやってつなげていくのか、その答えもまだ見えておりませんので、そんなこともご答弁の中に入れていただければというふうに思います。先ほど申し上げました3つの事業の進捗状況も含めてご答弁をいただければというふうに思います。 この地域はいわゆる市街化調整区域でございまして、なかなか開発のできないところでございまして、いわゆる3つの開発しかできないというところでございますが、今回の議案第2号にも出ておりますけれども、その中の第2項にございますが、塩尻の農地だというふうに私は思っておりますが、その農地をどうするかということが、少し緩和とか事務手続が簡単になった、そんなことだというふうに思いますけれども、抜本的なその周辺の農家が非常に困っている事態に、その解決策は見えておりません。そこで、そのこともお伺いするわけでございます。 この河西部の地域におおよそ七、八万人くらいの人が住んでいるのではないかなというふうに思うわけでございますし、安曇野市あるいは塩尻市の通勤だとか通学に西のほうを使う人たちも大勢おりますので、さらに西部地区を利用する方はもうちょっと多いのではないかなというふうに思うわけでございます。そんな住宅政策が、本当にその地域に住む七、八万人の人たちに満足いただけるような住宅政策がとれているのか、そのこともお聞きをするわけでございますし、先ほど太田議員からも3世代同居住宅、そんな話もございましたが、とりあえず2世帯住宅、そのことも必要であろうと思いますし、親が住んでいてスープが冷めない距離にまた新しい家を建てたい、そんな要望にもなかなかこたえていない、そんなふうに思うわけでございますし、この地域の借家の家賃は県内の他地区よりは8,000円高いそうでございますので、その辺のところも含めてご答弁をいただきたいというふうに思うわけでございます。 さて、TPPに関して、少し質問をさせていただきたいと思いますのは、このことについてはあと二、三人の方が質問するわけでございますので、私はここで、TPPは農業者から大きな声での反対運動がございます。そのことも十分承知の上でございますし、また、経済団体からはグローバルに開放したらどうだという意見もございます。相反した意見がある中で、市長はこのことについてどんなお考えをお持ちなのか、その辺をお伺いしたいというふうに思います。 現在の日本経済の状況は、大企業は業績を回復しつつも、中小まではなかなか底上げがならない、そんな状況ではないかというふうに思いますし、今までのように右肩上がりの給料は払えない。そこで、正規社員と非正規社員とに分け、賃金を抑え、結果は内需が減るということになり、企業はさらにその内需を補うために輸出をふやす。貿易黒字を拡大していくと。貿易黒字が拡大すれば為替は円高になる。対ドル安になる。もうけは目減りすると。そうすればさらにまた給料を下げる。こういう繰り返しのいわゆるデフレスパイラルが今の経済の現状ではないかというふうに思うわけでございます。 そんなときにTPPに参加すること自体が、私としては、私見を申し上げれば非常に危ないなというふうに思うわけでございまして、丸裸になっていいのかな、そんなふうに思いますので、その辺のところを市長ご自身のお考えをお聞きしたいなというふうに思うわけでございます。 次に、究極の行政改革というふうに題目を出して質問をしようと思ったら、なかなかその究極というのが難しいということで散々議論をしたわけでございます。私は、このことについては、もう既に第6次の行政改革で行っていると。そのことはそのこととして私は否定するものでもありませんし、異議を申し上げるつもりもございません。ただ私が申し上げたいのは、もう少し先、これから道州制の議論もあるでしょうし、それから広域の自治体、それから三位一体の改革、あるいは税制の改革、そのことによって行政を取り巻く環境が変化をしていくだろうというふうに思うわけでございます。その変化に対応できるスピード感あふれる行政改革がシミュレーションできるのかできないのか、そのことをお伺いするつもりでございます。 そのことをお伺いしながら、今、現実には、IT技術やコンピューター、あるいは電子自治体、そのことが言われておりますので、当面はそういう部分での行政改革を進めることが肝要かというふうに思います。その先はどうなるのか、そこをお伺いしたいというふうに思うわけでございます。 以上申し上げて1回目の質問とさせていただきますが、たばこ税と禁煙ルームについては2回目から質問させていただきますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。2回目からさせていただきます。 以上で1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 大久保議員のご質問のうち、2点についてお答えいたします。 初めに、起承転結の結の年を迎えての思いはとのご質問にお答えいたします。 私は、市長就任以来、先進国の中で唯一我が国が急速に進展する少子・高齢型の人口減少社会を迎える中で、20年先あるいは30年先を見据えたまちづくりをしていかなければならないとの思いから、量から質への転換を基本理念に掲げ、市政運営に当たってまいりました。 特に、市長1期目では、行政経験の乏しい自分に何ができるのかを問う中で、やはり医療者である市長としての特色を生かすことが妥当であると考え、市民の皆様の命と暮らしを大切にとの観点から、3Kプラン(健康づくり、危機管理、子育て支援)を松本市の最重要施策として掲げ、取り組んでまいりました。そして、その取り組みの中で、大久保議員から言われました、この3Kプランを横糸に、また基本構想に定める6つの将来のまちの姿を縦糸とした、いわゆる新たな松本織という施策展開も図ってまいりました。 このような私の考えや取り組みについて市民の皆さんのご理解を賜り、平成20年に市長2期目の任期をスタートさせていただきました。2期目の任期のスタートに当たり、私は改めて、市長就任当初より目指しておりました、これからの時代の都市戦略の第一は健康であることを再認識し、赤ちゃんからお年寄りまでだれもが健康に恵まれ、安心して安全に暮らせるまちづくりを基盤とし、まさにこのことこそが今後4年間の市政運営の柱だとの思いから、これまでの3Kプランをさらに発展させながら、健康寿命延伸都市・松本の創造を市政の柱に掲げ、時代を先取りした都市モデルとして、総合的なまちづくりに取り組んできたところでございます。 そこで、1年目は、まず市民の皆さんにこの理念を共有してもらうための取り組みを行い、2年目の承の年には、具体的な取り組みとして、市内各地区でのウオーキングマップを作成していただき、市民歩こう運動を展開するとともに、ロゴマークの作成や市民委員会となる「健康寿命延伸都市・松本の創造」協議会の設置などを行いました。3年目の転となることしは、ピンバッジやパンフレットの活用により理念の一層の普及に努めるとともに、具体的な事業への取り組みを継続しているところでございます。 また、現在、策定中の市の総合計画の中に、本市の目指す将来の都市像として健康寿命延伸都市・松本を位置づけてまいることとしており、2期目の結の年である来年度は、健康福祉や環境などの成長産業の創出も視野に、本市のさらなる飛躍につながる諸施策に取り組んでまいる所存でございます。 加えて、来年度は、皆様ご承知のとおり、松本市を会場として7月に国連軍縮会議が開催されるほか、松本を舞台としたNHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」の放映、映画の「岳」や「神様のカルテ」の上映などが予定されており、これらにより松本市がさまざまな形で全国に発信される年でございますので、これを機会に、健康寿命延伸都市・松本の創造をこれからの時代にふさわしい都市モデルとして、全国に、さらには世界に向けて発信してまいりたいと考えております。 私は、2期目の市政運営に当たっては、スタート時点より健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げ、愚直なまでにこのことにこだわりながら取り組んでまいりました。このことは、集大成の年を迎えてもいささかも変わるものではありません。健康寿命延伸都市・松本の創造には用意をされた答えはないことから、松本市はまさにフロントランナーとして、試行錯誤しながらも、おごることなく、一歩ずつ着実に前進していくよう取り組んでまいる覚悟でございますので、どうぞ引き続きご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 次に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についてのご質問にお答えいたします。 まず、TPPへ参加した場合の影響として、内閣府では、貿易拡大などで実質GDPを2兆4,000億円から3兆2,000億円に押し上げ、経済産業省では、輸出が約8兆円ふえるとの試算を示しております。これに対し農林水産省は、農業生産額が年4兆1,000億円減少し、また、食料自給率も14%程度に低下するとしています。 こうした中、TPPへの参加により大きな影響が及ぶ農業関係者は、全国農業協同組合中央会が中心となって、市町村への要請も含め、全国的に活発な反対運動を展開しております。他方、経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体は、関税が残ると貿易面で不利益をこうむることになるため、TPP推進と農業の産業基盤強化との両立を図る必要があるとの決議を採択した上、交渉に早期に参加するべきだと求めております。 私はかねてから、生きていくことに欠かせない食料は自国で確保することが必要との考えから、命をはぐくむ農業は国の基であると市長就任以来一貫して申し上げております。去る11月4日には市内3JAからTPPへの参加反対を要請されたところであり、農業に対する思いは相通ずるものがあり、現場の声として重く受けとめております。 他方、貿易立国である我が国にとりましては、経済の牽引車である自動車、機械、電気、電子産業を初め、とりわけ輸出産業にとりましては、自社製品をこれまでよりも海外で有利に販売することができるようになります。輸出関連企業も多く立地する松本市にとりましては、商工業並びに農業はともに基幹となる大切な産業であり、本市経済の基盤を構築するものであります。 TPP参加交渉の検討は国策としての重大な方向性を決定するものであり、政府の責任のもと、参加した場合の我が国への影響について、統一した試算や農業基盤強化の具体的施策とその財源を公表し、広く国民的議論が十分なされるべきであると考えております。さらに、政府が全閣僚の参加で設置した食と農林業の再生推進本部で拙速とならず多角的に議論していただき、自由貿易の推進と農業基盤の強化を国の責任において行い、決して国益を損なうことがないような判断を下すべきであると考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 大久保議員の2点の質問についてお答えいたします。 まず初めに、ゆとりの都市構造についてお答えいたします。 松本駅西口は、本市交通の中心として、松本駅周辺の整備計画に基づき、西部地域の表玄関として整備を完了させ、新たな機能が発揮し始めています。また、交通結節点であります松本駅のアクセスを含め、本市の基盤整備を進めることは、集約型都市構造への転換を進めるとともに、ゆとりを持って暮らせるまちづくりには欠かせないものと考えています。 議員ご指摘の西部地域の基盤整備に関しましては、第4次道路整備5箇年計画に基づいて事業を進めておりますが、個々の事業に関する個別課題の解決に時間がかかることや、財源確保の点から思うような進捗が図れない状況であります。 本年度におきましては、厳しい財政情勢ではありますが、基盤整備の必要性から、普通建設事業費の予算におきましては対前年比4%の増、9月補正予算においては約1億円の事業費を追加して事業執行中であります。国の補正予算を活用しての財政出動をとのご意見でございますが、今般の国の平成22年度経済対策補正予算においては、国直轄の国道19号松本拡幅は除きますが、本市の当初要望額に対して半額の内示が行われたにすぎず、国における財政状況をあらわす内容となっており、健全財政を標榜する本市とすれば、これ以上の財政出動はできない状況でございます。今後の基盤整備につきましても、整備に要する財政面でのゆとりも必要であることから、計画に基づき、限られた財源を選択と集中により必要な箇所から整備を続け、ハード面のゆとりだけでなく、心にゆとりを持つことができる、そんなまちづくりを進めたいと考えています。 なお、主要幹線である国道19号松本拡幅におきましては、今年度から第2工区の用地交渉に入るとともに、第1工区は来年度からの工事着手に向け、現在、調整しております。 また、中部縦貫道、国道158号改良や県道改良につきましては、同盟会活動等を通じ、国・県等に事業進捗の働きを継続してまいりたいと考えております。 また、市道関係につきまして、事業の進捗状況はどうかということでございます。現在、松本駅西口と西部地域を結ぶ道路として中条白板線がございます。内環状南線が県事業でございますが、平成27年度の完了をめどに事業進捗が図られておりますが、この中条白板線につきましても県道との接続部分で事業執行中でございます。 また、渚橋につきましては、県が実施をいたします河川改修事業の一環として、県が主体となりまして現在、地元と協議を進めているところでございます。 合庁先線と5005号線との接続についてのご質問でございますが、現在、検討中でございますが、月見橋を経由して接続することが一番効果的ではないか、今、そんな段階でございますので、経過についてお答え申し上げます。 次に、土地利用緩和策についてお答えをいたします。 市街化調整区域の土地利用緩和につきましては、平成17年の周辺4村合併と超少子・高齢型人口減少社会の到来など、社会情勢の変化に対応した都市のあり方について、都市計画マスタープランの見直しに合わせ、検討をしてまいりました。 都市計画マスタープランでは、今後の都市構造として集約型の都市構造を目指すこととしていることから、都市化している非線引きの梓川地域と都市計画区域外の空港東地区を市街化調整区域に区分することにより都市の拡散を防ぐとともに、一方で、市街化調整区域の既存集落の維持・活性化の必要性から土地利用規制の緩和を図るものであり、集落の拡大は視野に入れておりません。 議員ご指摘の、農地を資産として活用するとの考え方につきましては、農地は地域資源であるとともに貴重な農業資産であることから、都市政策として、農振農用地の農地を含めた土地利用は考えておりません。本議会に提案してございます松本市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例は、法令内で運用できる最大限の基準でありますので、既存集落の皆様方には地域づくりの手法として大いに活用をしていただきたい、このように考えております。 以上です。 ○議長(赤羽正弘) 浅川総務部長。 ◎総務部長(浅川猛) 〔登壇〕 行政改革についてのお尋ねにお答えをいたします。 究極の行政改革とは何かという大変難しいご質問でございますが、行政改革とは、あるべき姿を目標として、現状を目標に近づけるための努力であるととらえております。行政改革においても、同様に将来のあるべき姿を描き、その実現に向けてたゆまぬ努力を積み重ねていくことが改革であり、市長からも、単に行政サービスや予算、人員を削減することだけが行政改革ではないと指示を受けているところであります。 そこで、第6次行政改革よりもう少し先、20年、30年先の将来における適正な職員数をシミュレートしてみてはどうかというご提案でございますが、昨今の社会情勢や経済状況の急激な変化を見ますと、先を見通して具体的な数字でお示しすることは困難な面がございますので、行政の最適化を目指す上での基本的な考え方を申し上げます。 今後の松本市の行財政運営における大きな課題の一つが、超少子・高齢型人口減少社会がもたらすであろう財政構造の変化への対応、それは、歳入の減少と歳出の増加という相反する関係の整合をどのように図っていくかということであります。この点では、長期的に職員数を減少させていかざるを得ないとの見通しを持っております。 一方で、多様化する市民要望などによって、行政サービスを担う職員をこれまで以上に必要とする分野も想定されますことから、最適な職員数を導き出すためには、公務員が担うべき役割、守備範囲というものを改めて見直す必要があります。これまでも、民間ができることは民間へという基本的な方針のもとで、主にはコスト面のメリットを期待をして、業務委託などの形態によって多くの業務を民間へゆだねてまいりました。しかし、今後は、単に経費の比較だけにとどまらず、公務員と民間との役割分担、公と民とのどちらが担うことがより適切なのかという仕事そのもののあり方を問う段階に来ているのではないかと考えます。 市の職員が公務員として担うべき役割の代表的な例としては、政策立案や制度設計などのほか、議会に関すること、許認可や基準の作成に関すること、民間にゆだねる業務のモニタリングなどが挙げられます。こうした、公務員でなければならない業務や公正・公平を旨とする、公務員の特性を生かせる業務など専門性の高い分野を職員が担う中で、まちづくりの主体である市民との協働を一層進めることによって将来を見据えた持続可能な行政の最適化を目指してまいります。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 34番 大久保真一議員。 ◆34番(大久保真一) 〔登壇〕 それぞれ答弁をいただきました。起承転結、これを大百科事典で調べてみましたら起承転合とも言うそうでございまして、市長のお考えをお聞きをいたしました。高い理念と実行をお願いするところでございますし、そのことに感銘も受けました。 質問をした中で答弁がございましたが、少し疑問なところもございますので、その点について少しお聞きをしたいというふうに思います。 それは、量から質へ、持続可能なまちづくり、そういう中の答弁がございましたが、一方で、日本経済が持つ体質と申しましょうか、そんな中では外国人労働者が必要とされるというふうに言っている方もいらっしゃいます。 そこで、一部の有識者の中には、数千万人くらい流入するだろうという試算もあるようでございます。そうなったときには、多分松本市にもそういった流入人口がふえるのではないかなと。ただ、減少する方向は科学的には正しいと思いますが、不測の事態にこたえることも必要ではないかというふうに思っておりますので、この辺については市長はどんなお考えを持っていらっしゃるのかお伺いをするところでございますし、今言われているTPPに関して、全部撤廃をするということになれば外国人労働者も日本の地で競争をするということになりますので、そのこともお伺いをしたいというふうに思います。 駅西のことについて、ずっと見える範囲の河西部の方面についてお伺いいたしました。これでも、この時間内にそのことを全部申し上げるのは、非常に広大な地域でございますので、まだまだそれぞれの地域の課題を全部申し上げるわけにはまいりませんので、私が気がついたところを申し上げました。この地域は私から見ればアンバランスに発展しておりますので、そのアンバランスを解消してほしいなと、先ほど地域の農業者が非常に困っているということを申し上げたわけでございます。 そこで、この地域には交通システムだとかいろいろな施策がこれから実行されようとしているわけでございます。ここに住む農業者、そして自営業者、サラリーマン、その皆さんが満足をする、そのことが地域の皆さんのゆとりだというふうに思うわけでございます。もちろんこちらのほうの、いわゆる市役所の財政にもゆとりがなければなりませんけれども、一番ゆとりを感じていただくのは松本市民であるというふうに私は認識しているところでございますので、その辺のところをよろしくお願いをしたいというふうに思いますし、先ほど答弁いただきました白地の農地については今議会にも提出されております。十分とは考えておりませんけれども、第一歩としてとらえていきたいというふうに思うわけでございます。 重なりますが、そのマスタープラン、ゆとりについて申し上げますと、何でこれを申し上げたかというと、先日、松本駅におり立って帰路についたときに、西のほうへ向かって歩いて、あのパノラマ、いわゆる駅の自由通路から西を見たときに、旅行者が松本を理解する上では、北アルプスが見えますし、すばらしいところだなと旅行者は思うかもしれませんけれども、私たち住民にとっては、どうしても足元を見るというところにいくんだろうというふうに思うわけでございます。この足元、いわゆる河西部の広い地域を一体となってやっていく、課題を解決していく、そういう姿勢が大切であり、国の事業、県の事業、そして市の事業が入り乱れているところで、大変住民は、何と申しましょうか、一本化というわけにはいきませんけれども、実際の行政運営はそういうわけでございますので一体的にということにはなかなかいきませんけれども、そんな一体的な答弁と申しましょうか、開発をしていただく、そんな答弁をお待ちをしているところでございますし、この答弁の中に、「松本市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例、これは法令内で運用できる最大限の基準であります。既存集落の皆様には、この地域づくりの手法として大いに活用していただきたい」、こういう答弁が丸山部長のほうからございました。そのことは少しわかるような気がしますけれども、これは私ども議員として、こういうことに携わっている皆さんにはよくわかることだというふうに思いますけれども、一般市民が聞いていて、どういうことかなと。そのことは一般の市民の皆さんがおわかりになる方もいらっしゃるのでしょうし、もうちょっと詳しい説明が必要かな、そのように思いますので、そのことをもう一度お願いをしたいというふうに思います。 次に、TPPに関しては、国益がどうなるのか、また、それに対して松本市益がどうなるのか私はわかりませんので、市長にお伺いをしたわけでございます。国の進路を決める大事なことですから、一国民として黙っているわけにはいかないな、そんなことを思いまして、これは大いに議論をしていただければというふうに思うわけでございますし、新聞紙上では「冷静な議論が必要なTPP」、あるいは「TPP参加、日本社会に激震」、「食料自給率40%が14%に」、「サービス分野も外国企業や外国人の労働者との競争にさらされる」などと、TPPに関して余りいい報道はされていないような気がいたします。今回、この件に関してはほかの議員からも質問があるようでございますので、それぞれ丁重にご答弁をいただければというふうに思います。 究極の行政改革については、こんな難しいことを聞いたのではなくて、もうちょっと簡単に、要は、行財政改革なら今の第6次の行財政改革推進でよかろうというふうに思います。単なるIT技術あるいはコンピューター技術によって、計算上どのくらいの人数が減らせるか、そんなことを聞いたわけでございますし、いろいろな情勢、財政、いろいろなことを考慮すればそうだろうというふうに思います。この先全く想像のつかない事態が発生したらふやすことはなかなか難しいな、減らすことも想定したら、そういう減らすことの難しさを私も議員定数で体験いたしましたので、難しいことをあえて調整していくということも必要だろうと思いますし、官庁用語として情報収集と情報分析、よく使われる言葉でありますけれども、これは先日、私が読んだ本の中に、何の結論も出ない、そういう言葉だそうでございます。いざというときに小田原評定にならないようにと思い、単純な質問をしたわけでございます。 地方分権や三位一体の改革、道州制、広域自治体、税制の改革等々、自治体を取り巻く環境は、先ほども申し上げましたが、非常に厳しい現状であろうかというふうに思います。いざというときにスピード感のある対応をお願いをしたいというふうに思います。 さて、1回目に質問をしませんでしたたばこ税と喫煙ルームについて、市長にお伺いをしたいというふうに思います。 禁煙は時の流れで、私も医学的に議論をするつもりはございませんが、我が会派の新風会の忠地議員からもこのことは強く言われておりますし、そのことはそれでそのとおりだというふうに思います。ただ、13億円あるいは14億円の税収がある中で、喫煙ルームを1カ所にとどめ、そして市民サービスをかなり低下させているというふうに思います。 私は、本庁舎の1カ所、それから東庁舎の1カ所くらいは大きな予算はかからないだろうというふうに思います。そのことによって喫煙者と禁煙者の分煙がしっかりできれば、お互いに吸うことも自由です、それから吸わないことも自由です。自由を守るということが一番大事な私どもに課せられた使命であるというふうに思っております。これは民主主義の大原則でございますので、その辺のところで若干税金を払っている喫煙者に対して公平性を少し欠いているのかなというような気がいたしますので、これは市長からご答弁をいただけばというふうに思います。 以上で2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(赤羽正弘) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 大久保議員のご質問で、幾つかありますが、私は、一番関心事の受動喫煙防止法のご質問にお答えいたします。 喫煙や受動喫煙から生じる健康被害防止は、健康寿命延伸都市・松本の創造を目指す松本市にとって、市民の健康を守るための最優先の課題の一つであります。本市では、この8月1日から市有施設建物内を全面禁煙とし、本庁舎と東庁舎につきましては、それぞれ1カ所ずつありました喫煙室を現在の車庫の一角に移転し、整備したところでございます。 庁舎内から若干離れた場所に移転した理由は、国の発表からも明らかなように、受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する成人が国内で毎年約6,800人に上り、そのうちの半数以上の約3,600人が職場での受動喫煙と見られることから、まずは受動喫煙防止に徹底して取り組むことが市民の健康の維持増進を進める上でも大変重要なことであり、市が率先して取り組んだものでございます。 現在の厳しい経済状況の中で、財源確保は大きな問題であり、ただいま議員よりお話がありました13億円余のたばこ税収は大変貴重であります。しかしながら、一方で、財団法人医療経済研究機構の調査報告によりますと、国全体では、たばこ税収が2兆2,797億円に対し、医療費などを含めた経済的損失は7兆1,540億円で約3倍に上ると報告されており、税収ではその損失を補えないという事実は、喫煙の功罪の立場から改めて深く考察すべき事象かと考えております。 なお、喫煙室のことにつきましては担当部長に答えさせます。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 高山政策部長。 ◎政策部長(高山満) 〔登壇〕 大久保議員の超少子・高齢型人口減少社会を見据えたまちづくりということに関連いたしまして、松本市の人口減少社会についてお答えいたします。 長野経済研究所に委託して算出いたしました松本市の将来人口推計によりますと、今回、基本構想の改定議案でもお示しをしておりますが、10年後には約9,000人が減少するという厳しい推計値が出ております。そこで、松本市といたしましては、人口の自然増が厳しい状況でございますので、定住人口の増加につきまして、工業団地の増設や新たな産業の創出などの社会増の施策に取り組んでまいります。 大久保議員ご指摘のように、一部には外国人労働者の受け入れにより人口増を図れるとのご意見もあることは承知しておりますが、まずは松本市内にそれだけの雇用を生み出すことができるかが問題であると考えております。 また、松本市では、定住人口の増加とともに、通勤・通学者や買い物客、観光客などの交流人口の増加にも努め、現在の都市規模の確保を目指していきたいと考えております。さらに、住んでよかったと納得できるまちづくりを進め、松本市の魅力を発信していくことも、将来的にわたって活力ある松本市を創出していくために大切なことであると考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 上條財政部長。 ◎財政部長(上條信博) 〔登壇〕 市長答弁に補足をし、喫煙室の環境整備等に関するご質問にお答えをします。 市役所本庁の喫煙室につきましては、先ほども市長が申し上げましたとおり、繰り返しになりますが、受動喫煙防止対策であります市有施設の建物内全面禁煙という方針に従いまして、本庁舎、東庁舎にございました喫煙室を廃止し、現在の場所に設置をしたものでございます。 設置場所の決定に当たりましては、敷地内で、庁舎からできるだけ遠くない場所で候補地を検討をいたしました。その適地として、オートバイ車庫として使用しております建物の中を仕切り、照明、換気扇を設置いたしまして喫煙室としたものでございます。この喫煙室の環境整備などにつきましては、喫煙者の立場を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 丸山建設部長。 ◎建設部長(丸山悦男) 〔登壇〕 大久保議員の土地利用規制緩和に関する2回目の質問にお答えいたします。 今議会に提出している松本市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例は、市長が指定した区域内では、一定の用途に限りますが新たに建築物の建築が行えることとするものでございます。土地の区域の指定に関しましては、条例施行後に市内市街化調整区域の集落の状況を調査した後、順次、指定を行ってまいります。 指定の条件といたしましては、主におおむね50戸以上の建物が連なっている集落で、新たな道路や下水道整備の必要のない区域とし、農振農用地などの優良農地は含むことはできません。お尋ねの白地農地につきましては、条例で指定された区域内にある場合には、だれでもが一般住宅、150平方メートル以下の店舗及び事務所を建築することができます。 いずれにいたしましても、原則、開発を抑制する市街化調整区域であることや、法令で定められた範囲の土地利用規制緩和であることから、どこでも、だれでもが開発できるような一律的な緩和策とはなりません。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 34番 大久保真一議員。 ◆34番(大久保真一) 〔登壇〕 3回目の質問をさせていただきます。 私は昨年の10月以来、たばこをやめました。やめたというか、まだ今でも吸いたい気持ちはありますから、その気持ちがある以上はやめたと言えないというふうに思っております。いわゆる休煙中だというふうに言っておいたほうがいいかなというふうに思います。その休煙中の私が禁煙ルームについてを言うわけでございますが、やはりたばこを吸わない菅谷市長に何か煙に巻かれたような気持ちがしております。 私は、申し上げたとおり、医療論争をするつもりはございません。税の公平性からいってどうだということを申し上げたつもりでございまして、喫煙者と喫煙をしない人を分煙をすると、こういうふうに市長も答弁しておりますので、受動喫煙のことはまた難しい話になりますので、そのことはきょうは議論はなしということにしたいというふうに思います。 そこで、吸わない人、吸う人、その人たちの自由を認めることは民主主義の大原則でございますので、受動喫煙がどうのこうのと、そういう意見を出されれば、それに対抗する意見は私は持っておりませんので、いわゆる自由という部分で議論をしたいなというふうに思って市長に2回目から申し上げたわけでございますので、そういう部分では、喫煙ルームが本当にあそこでいいのか。市長はあそこに行って、二、三分でもあの部屋へ入ったことがあるのかどうか。そして、私はどうしても時間的ロスも含めて、この東庁舎と本庁舎の一番行きやすいところ、職員が、あるいは市民が一番行きやすいところに喫煙ルームをつくっていただければというふうに思いますし、新幹線に乗ってもたばこを吸える車両もございますし、飛行場へ行ってもたばこを吸える喫煙ルームはあるわけでございますので、そういう部分では、確かに受動喫煙だ、こう言われれば、医学的に言えばもう菅谷市長の言うとおりでございますし、それに対して反論するつもりは全くございません。ただ、そういった意味で、自由という意味でぜひご理解をいただければというふうに思います。 そのことを申し上げて、本当の民主主義の構築をするのは、たばこを吸う人を粗末にするわけではなくして、そういう人も民主主義の一構成員でありますから、その人に対しても自由を認めてやる、あるいはまた、吸わない人の自由も、これはしっかり認めなければいけない、そういう観点から質問を構成したわけでございますので、もう一度市長からご答弁をいただければというふうに思います。 以上です。 ○議長(赤羽正弘) 大日向健康福祉部長。
    ◎健康福祉部長(大日向栄一) 〔登壇〕 大久保議員の3回目の喫煙者の自由についてのご質問にお答えをいたします。 今回の喫煙室の移転に至った経過につきまして先ほど市長からお答えをいたしたところでございますが、若干補足して私のほうからも申し上げたいと思います。 これまで本庁舎や東庁舎もそれぞれに喫煙室がございましたが、利用者のほとんどが市職員や行政の関係者であること、また、来庁される市民の方々は短時間の滞在時間でありまして、喫煙所の必要性が比較的低いこと等々を考慮いたしまして、職員へのアンケート調査、あるいは庁内の調整会議、さらには議会等にも市の考え方をご報告申し上げ、最終的に庁議で決定して今回の措置に至ったものでございます。ただいま申し上げたとおり、実施までに一定の手順を踏み、それぞれご理解をいただいたということで踏み切ったものでございますので、何分その点ご理解を賜りたいと存じます。 そこで、今回の措置が喫煙者の自由の選択を制限するのではないかという点につきましては、議員おっしゃるとおり、喫煙はあくまでも個人の自由であることは間違いございません。その点を否定するものではございませんが、たばこを吸わない人も、その周囲にいることでたばこを吸ったことと同じことになってしまう、いわゆる受動喫煙は周囲に対して健康被害を及ぼすことが明白であるということから、今回の措置はたばこを吸わない方に対する配慮、いわば社会的ルールやマナーとして喫煙者の方々にも十分ご理解をいただいた結果だと、このように受けとめておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(赤羽正弘) 34番 大久保真一議員。 ◆34番(大久保真一) 〔登壇〕 物すごく自分でしつこいというふうに思っています。本当にそういう意味で、私は民主主義の根底にかかわる問題かなというふうにとらえています。ちょっと大げさかもしれませんけれども、こういった小さいことから民主主義が崩れたのが第二次世界大戦に発展したのではないかなというふうに、ちょっと大げさかもしれません、これは見解の相違ですから。私はそう思っていますので、こういう小さいところから民主主義が崩れちゃいけないなというふうに思っていますので、そういう意味でぜひとも、あちこち喫煙所をつくれというのは無理かもしれませんけれども、市長も多分今の喫煙所へは足を運んだことはないのかなというふうに思います。そこで、ぜひともその喫煙所ぐらいは、たばこを吸う人たちのために本当の喫煙ルームになるように整備をお願いしたいというふうに思うわけでございます。 これだけ強い市長の思いでございますので、私はちょっと小さい声で市長にお伺いをしたいというふうに思うのは、そこまで市長がこだわるのなら、この次も市長をやるのかなと。その辺のところをちょっとお聞き、小さい声で言っていますから、聞きたいなというふうに思うわけでございます。これだけの思いがあればまださらに続けるのかな、そのことを小さい声でいいですので私にお教えいただければ、ブロックサインでもいいですので、教えていただきたい。 以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(赤羽正弘) 以上で、大久保真一議員の質問は終結いたします。 この際、お諮りをいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明7日午前10時再開の上、一般質問から続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(赤羽正弘) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議は、これをもって散会いたします。                                 午後6時散会...