長野市議会 > 2021-03-08 >
03月08日-05号

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  1. 長野市議会 2021-03-08
    03月08日-05号


    取得元: 長野市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-19
    令和 3年  3月 定例会令和3年3月8日(月曜日) 出席議員(39名)   第1番   小林史子議員   第2番   小泉一真議員   第3番   倉野立人議員   第4番   堀内伸悟議員   第5番   西脇かおる議員   第6番   箱山正一議員   第7番   グレート無茶議員   第8番   加藤英夫議員   第9番   青木敏明議員  第10番   桜井 篤議員  第11番   和田一成議員  第12番   黒沢清一議員  第13番   滝沢真一議員  第14番   竹内 茂議員  第15番   東方みゆき議員  第16番   鎌倉希旭議員  第17番   鈴木洋一議員  第18番   勝山秀夫議員  第19番   松井英雄議員  第20番   金沢敦志議員  第21番   手塚秀樹議員  第22番   北澤哲也議員  第23番   市川和彦議員  第24番   若林 祥議員  第25番   松田光平議員  第26番   野々村博美議員  第27番   阿部孝二議員  第28番   佐藤久美子議員  第29番   松木茂盛議員  第30番   塩入 学議員  第31番   布目裕喜雄議員  第32番   小林秀子議員  第33番   近藤満里議員  第34番   西沢利一議員  第35番   小泉栄正議員  第36番   宮崎治夫議員  第37番   寺沢さゆり議員  第38番   小林義直議員  第39番   三井経光議員 欠席議員(なし) 説明のため会議に出席した理事者  市長         加藤久雄  副市長        樋口 博  教育長        近藤 守  上下水道事業管理者  上平敏久  監査委員       西島 勉  総務部長       倉島 明  企画政策部長     酒井 崇  財政部長       清水啓太  地域・市民生活部長  日台和子  保健福祉部長     中澤和彦  こども未来部長    広田貴代美  環境部長       宮尾正彦  商工観光部長     丸山陽一  文化スポーツ振興部長 小林祐二  農林部長       西澤雅樹  建設部長       小林正明  都市整備部長     岩片弘充  会計局長       倉島康嘉  保健所長       小林良清  危機管理防災監    鎌田富夫  上下水道局長     望月勇次  消防局長       佐伯英則  教育次長       樋口圭一  教育次長       永井克昌 職務のため会議に出席した議会事務局職員  事務局長       柄澤顕司  総務議事調査課長   湯本智晴  事務局主幹兼総務議事調査課長補佐             中村元昭  事務局主幹兼総務議事調査課長補佐             塚田勝彦  総務議事調査課長補佐 石坂陽子  係長         村山哲也  係長         内山健二  係長         竹 直樹  主事         馬場悠生子  係長         徳武慎治  係長         一之瀬 貴  主事         菅野航平  主事         前島諒人  係長         坂口夏江        議事日程 1 一般質問(個人)   午前10時 開議 ○議長(小泉栄正) おはようございます。 ただ今のところ、出席議員数は39名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 去る5日に引き続き、市行政事務一般に関する質問を継続いたします。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 5番西脇かおる議員     (5番 西脇かおる議員 登壇) ◆5番(西脇かおる議員) おはようございます。5番、新友会、西脇かおるでございます。 昨年の3月定例会で質問し、御答弁いただきました内容の検証を兼ね、私の専門分野である健康づくりに関する質問からさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず初めに、令和4年度までを計画期間とする第三次長野市健康増進・食育推進計画、ながの健やかプラン21についてです。 新型コロナウイルスの重症化率が高くなると言われている糖尿病ですが、本市は全国平均より糖尿病予備群の割合が高く、これはコロナに感染した場合、重症化する可能性の高い市民が多いということでもあります。コロナ禍で糖尿病予備群である方の危機感や自覚の高まり、また、基礎疾患のない方におかれましても、健康意識の向上につながることを期待するところでもあります。 平成29年度から、ながのベジライフ宣言の普及啓発や健診後の個別保健指導等の取組を進めていただいております。昨年8月に開催された第三次長野市健康増進・食育推進計画審議会を傍聴させていただいた際には、個別訪問の成果で糖尿病予備群の割合は僅かながら減少傾向に改善されており、引き続き継続していくとのことでした。コロナ禍での今年度の個別訪問の現状と進捗を伺います。 また、健診の中止、健康診断や受診控え、自粛生活等により、フレイルの進行や健康状態が悪化している市民が増えていると推測します。今後、半年、1年と健康状態の悪化が顕著に現れることも予測されますが、現状の把握、予防策を本市はどのようにお考えか、御所見を伺います。     (5番 西脇かおる議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 昨年の審議会にお越しいただきましてありがとうございました。 初めに、個別訪問の現状と進捗状況ですが、市では糖尿病などの生活習慣病の発症・重症化予防のため、国民健康保険特定健診等の結果から対象者を抽出いたしまして、保健師等による訪問指導を行ってございます。昨年度2,576人に対して、今年度は3月4日時点で1,817人となってございますが、この事業は5月実施分までを集計することとしておりますので、当初は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、最終的には今年度も昨年度並みに、あるいはそれ以上に訪問指導が実施できますように今、鋭意取り組んでいるところであります。 また、これまでの訪問指導では、糖尿病性腎症、こういった重症化のリスクが高い181人の方に対して、かかりつけ医と連携をいたしまして、治療の継続、食事の改善、運動等の指導を行ったところです。 続きまして、外出の自粛等による市民の健康状態の悪化についてですが、訪問指導した方から運動不足によって体重が増えたといったお声もお聞きしますけれども、市民の健康への影響を客観的に分析できるデータは現時点ではございません。今後、健診、それから受診、さらに介護等のデータを分析する中で、市民の皆さんのフレイルや健康状態の変化などに注視してまいりたいと思っております。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。 疾病というものは、実際に自身が罹患しないと闘病の大変さや、罹患していないことのありがたさを理解することは難しいものであると思います。 糖尿病の初期は、痛みもなく、自覚症状のないうちに病状が進行していく、正にサイレントキラーであります。糖尿病は、コロナのみならず様々な感染症のリスクが高い疾患と言われておりますが、単に糖尿病であるからリスクが高いわけではなく、血糖コントロールがなされずに高血糖状態が持続することが、様々な感染症や合併症のリスクとなると言われています。 私は、1型糖尿病患者として日々の血糖コントロールの重要性を学びましたが、糖尿病予備群の方々は糖尿病患者となることがハイリスクであるとの認知が十分ではないのではないかと推察します。 ながの健やかプラン21事業では、164項目にわたる講座の開催や健診機会のない20歳代、30歳代を対象に青年期糖尿病予防講座などの事業を推進していただいている中で、糖尿病予備群が全国平均より高い本市においては独自の方策が必要であると考えます。 個別訪問を行っても意識変容していただけない方には、24時間、14日間、常時血糖変動を見える化できる間欠スキャン式持続血糖測定器を貸与することを御検討いただきたいと考えます。自身のリアルタイムでの血糖値を目の当たりにすること、そのデータが蓄積されることは、傾向と対策を把握しやすいものとし、検証が可能となります。このことは意識変容、行動変容につながり、確実に糖尿病予備群から脱却し、市民の健康課題解決、医療費削減につながる予防教育の一因であり、大変重要なことであると私は考えます。是非導入を検討し、糖尿病予防教育を推進していただきたいと思います。御所見を伺います。 市民の健康増進と健康意識の向上を図る事業の一つの先進例として、川口市において川口市健康ポイント制度があり、マイナンバーカード取得の促進を図るとともに、市民の健康増進と健康意識の向上を図るため、平成30年9月から国のマイナンバーカード普及の取組に呼応し、開始されたそうです。 ポイント付与事業として、元気づくり推進リーダー養成講座介護支援ボランティア、健康運動教室、健康アップ教室、口腔教室・食生活改善推進員養成講座、パパ・ママのための小児医療講座に参加することでポイントがためることができ、ためたポイントは川口市ポイント券と交換し、市内の商店街でお買物ができるそうです。健康によし、家計によし、地域もよしとうたわれています。 川口市健康ポイント制度利用前後のマイナンバーカード普及率は、約3年間で10.4%から21.4%に上昇したとのことです。ちなみに、川口市健康ポイント制度の事業に係る導入経費は約130万円とのこと。さらに、川口市では、昨年の12月に健康応援アプリを配信し、市民の健康づくりへの意識向上を図っておられます。 このように、川口市では大変積極的に有意義な施策がなされております。本市においてもマイナンバーカードの取得率向上、健康増進と健康意識向上を図るために、こういった積極的な事業の導入が必要であると考えます。 また、総務省では現在、民間のキャッシュレス決済事業者と連携し、独自のポイント給付事業を行う自治体マイナポイントのモデル事業に参加する自治体を募集しています。自治体がポイント給付施策を企画、立案し、多様なポイント給付施策を実施するとのこと。このような国のメニューを長野市民のために積極的に活用していただきたいと思います。これらの導入に向け検討を要望するとともに、今後の本市の未病・疾病予防教育の方針について御所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 糖尿病の患者さん、また、市民の皆さんの健康づくりの行動変容につきまして、私どもは正直非常に苦慮しているところでありますけれども、そういった中で御提案をいただきました。 最初に、間欠スキャン式持続血糖測定器、こちらの導入についてですが、この測定機は血糖値を持続的に測定するものでありますが、インスリン等の糖尿病治療を行っている患者さんに対して、医師の指示により使用する機器として、令和2年度の診療報酬改定により保険適用となってございます。この機器により、患者さんが自分の血糖値の動きを把握できるほか、低血糖や高血糖が起こりやすい時間帯や注射の量、タイミングの変更など血糖変動の幅をより小さくするための方法を主治医の先生と検討することで血糖コントロールの改善を図るもので、糖尿病診療の場において活用されているものでございます。 しかし、糖尿病かどうか医師の診断を受けていない方がこの測定機を使用いたしまして、御自分で糖尿病かどうか、あるいは生活習慣と血糖値の変動を自己判断することによって、かえって糖尿病を悪化させたり、また、過度な食事制限などの誤った生活習慣に陥ったりするおそれもあります。 この機器は、糖尿病と診断された方が、医師の管理指導の下で適切に使っていただくことが必要でありまして、現時点においては市としての導入は困難というふうに考えてございます。 私どもとしては、引き続き保健師や管理栄養士による訪問指導等を通じて、市民の皆さんが糖尿病やその予防の重要性を御理解いただいて、生活習慣の改善につなげていただくよう取り組んでまいりたいと思います。 もう1点、自治体マイナポイントモデル事業の活用について御提案をいただきました。健康ポイントの制度の導入についてというお話です。 本市においても、この健康ポイント制度につきましては、これまでも機会を捉えて様々検討してまいりましたが、同様の事業を実施している自治体にも様々お話を聞く中で、もともと関心のある方がこの制度を活用して、更に健康づくりを進めるという後押しにはなっているということですけれども、事業の本来の目的であります関心がなかなか持てない方、こういった方々に対する健康づくりの動機づけ、また、具体的な取組の成果、こういったものは必ずしも明らかになっていないというお話がございますし、参加者の目的も健康づくりというよりはポイントをいかに取得するか、そういったところに傾きやすいといった課題もお話をいただいてございます。 このような状況を踏まえ、本市といたしましては、ポイント給付などによる動機づけではなくて、子育て世代に向けた子育て応援アプリ、働き世代に向けた健康通信の発信、出前講座の開催や保健センターでの健康講座など、ながのベジライフ宣言を中心とした啓発活動を推進するとともに、健診結果から把握したリスクの高い市民の方を対象とした個別指導を行って、対象者が明確で成果が分かる事業に力を入れていきたいと思ってございます。 未病・疾病予防教育の方針とのことですが、健康づくりや生活習慣病予防の大切さを理解をしていただいた上で生活習慣を見直していただく。それから、リスクの高い方に対しては、具体的な行動変容につながるよう個別で丁寧な支援を実施することを基本に据えまして、健康増進と健康意識の向上を図ってまいりたいと思っております。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) ありがとうございました。健康ポイントは、モチベーションを高める動機づけの一因となると思いますので、引き続き要望させていただきます。よろしくお願いします。 フレイル予防についてです。 フレイル予防においても鋭意取り組んでいただいており、先日開催されましたフレイル予防チェックガイド市民ナビゲーター研修会に私も参加させていただきました。皆さん医師のオンライン講座に熱心に耳を傾けていらっしゃいました。昨年のナビゲーター養成研修で受講された86人の方に今年度はどのような活動をしていただいたのでしょうか。あわせて、今年度研修を受け、ナビゲーターとなられた方の活動を今後どのように本市は支援されるお考えか、御所見を伺います。 この研修会に参加してくださった方も、公民館ではつらつ体操をボランティアで運営してくださっていますが、「もう5年近く同じことしかしていない、本当にこれでよいのだろうか、毎回自問自答、試行錯誤しながら開催している。専門知識が必要となるため、参加者の安全確保も含め、精神的な負担が大きい」とお話ししてくださいました。私も運動指導者の立場から、この方のおっしゃることはごもっともであると思います。 介護予防教室や血糖値を下げる講座等の講師ができる市内在住の健康運動指導士が、現在87名いらっしゃいます。これまで以上に地域包括支援センター等と協働し、専門家が地域に根差し、サポートし、安全で確実に運動効果が期待できる有意義な自主グループ活動となることがフレイル予防の根幹であると考えます。専門家との連携についてどのようにお考えか、御所見を伺います。 あんしんいきいきプラン21の改定の重点項目として、要介護状態の前段階の介護予防と市民の健康づくりを支える保健事業を一体化させていくとのことですが、具体的にどのように具体化させていく方針か。また、新年度フレイル予防事業を拡大し、ハイリスク者の早期把握、アウトリーチ支援の拡大をするとありますが、具体的にどのような支援策となるのか、御所見を伺います。 次に、厚生労働省が普及啓発を進めているアドバンス・ケア・プランニング--人生会議についてです。 疾病予防、フレイル予防等の健康づくりとの両輪で、人生会議の推進がコロナ禍においてはより必要であると考えます。大変センシティブな問題でありますが、最期のときを考えることで見えてくるものがあります。自分はどう生きていきたいのか。自分らしい人生を最期まで送れる選択肢を考えることは、ウエルビーイング、身体的、精神的、社会的に良好な状態にある市民、よりよく生きる市民が増えることにつながると考えます。 他市と比べても、本市の啓発リーフレットは市民に寄り添った、心の籠もったすばらしいものであると私は感じておりますが、このリーフレットを使っての本市の人生会議の啓発、周知方法の現状と今後どのように推進していくのか、御所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 大きくフレイル予防と人生会議についての御質問を賜りました。 初めに、フレイルというのは身体的機能とか、認知機能の低下が見られる状態のことをいいますが、このフレイル予防のためのチェック&ガイドを活用したナビゲーター研修につきましては、昨年度ナビゲーター研修を2回開催いたしまして、まずは市の職員、あるいはかがやきひろば等の職員がナビゲーターになりまして、日頃の講座等でこのチェック&ガイドを活用しまして、約7,900人の市民の皆様に自分の体や日々の暮らし方をチェックしていただきまして、フレイル予防が必要と思われる方につきましては、運動相談会とか栄養相談会等の利用を御案内したところでございます。 また、本年度も同様に実施したのですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、本年2月末現在は約2,000人となっております。 なお、本年度は、身近な御家族や御友人にフレイル予防を実践していただくよう、新たに一般市民を対象にナビゲーター養成研修を開催し、52人の方に修了証を交付いたしました。今後、市民ナビゲーターの集いを開催する中で、情報交換等を行いながら、市民同士でフレイル予防の取組が更に広がるよう支援してまいりたいと考えております。 次に、介護予防クラブと専門職との連携についてですが、地域公民館等において住民同士によるはつらつ体操等を行う介護予防クラブは、現在市内に200以上ございます。気軽に参加できる通いの場として活動しておられます。 議員が今御指摘したとおり、活動がマンネリ化して、参加者が受け身になりがちという声もあることから、今後は参加者自身が主体的に特技や趣味を生かせる活動を取り入れたり、健康運動指導士をはじめ、多様な専門職との連携を図ったりすることなどによりまして介護予防クラブの活動が活性化し、より多くの市民に参加していただけるように併せて支援をしてまいりたいと考えております。 続いて、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施についてでございますが、本市では、来年度から長野県後期高齢者医療広域連合から委託事業として実施を予定しているものでございます。これまで国保加入者を対象に実施してまいりました保健指導を後期高齢者にも拡大するもので、国保のデータベースシステムに蓄積されました個々の健診、医療、介護の情報を分析しまして、一人一人に合った支援メニューを提案してまいりたいと思っています。あわせまして、介護予防クラブなどの地域の集まりにおいて保健指導を行い、早期に医療機関への受診や地域包括支援センター等への相談につなげてまいりたいと思っております。 また、本市では、介護や介助が必要となった主な原因、79歳以下の方は脳卒中が第1位となっております。先ほど保健所長が糖尿病対策の答弁をさせていただきましたが、それに加えまして、高血圧の対策とか、脳血管疾患の予防にも重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 令和3年度は、国民健康保険課に医療専門職を新たに配置しまして、まずは市内14地区で事業を開始し、令和5年度を目途に全市に拡大してまいりたいと考えております。 続いて、新年度のフレイル予防の事業についてなのですが、認知機能の低下等に関する相談がやっぱり増えております。前年に比べて増えておりまして、このような状況は看過できないと考えております。地域住民に身近な民生委員等からの情報によりまして、コロナの影響で家に閉じ籠もりがちのフレイルのハイリスク者を早期に把握して、地域包括支援センターの職員がお宅へ訪問して必要な情報提供とか助言等を行ってまいります。 こうした早い段階での専門職によるアウトリーチ型の支援を行うことによりまして、コロナ禍におけるフレイル予防の強化を図ってまいりたいと考えております。 続いて、アドバンス・ケア・プランニング--人生会議というのは、もしものときに備えまして、自身が望む医療とかケアについて、御家族やかかりつけ医などとあらかじめ話し合って共有する取組のことでございます。 まず、人生会議の啓発、周知の現状ですが、令和2年度に実施しましたまちづくりアンケートの調査では、人生会議という言葉を知らない方が67.9%と最も多く、一方、言葉も意味も知っているという方は8.6%にとどまっております。特に若い世代ほど、人生会議という言葉を知らないという人が多い傾向となっております。こういったような状況もありますので、まずは人生会議という言葉や目的を知っていただくために、ゼロからはじめる人生会議というリーフレットを作成して、今、支所等に備え付けてあるほか、医師会にも周知の協力をいただいておりまして、広報ながのとか、ホームページとか、市政出前講座によって普及啓発にも努めているところでございます。 今後の啓発の推進についてですが、長野市在宅医療・介護連携推進会議というのを長野市で持っているのですが、そういったところで議論をいただいた中で、やはり若い世代への啓発が効果的ではないかというような御意見をたくさんいただきましたので、先ほど説明した現在の取組を充実を図るとともに、新たに医療機関とか薬局などにポスターを掲示したり、SNSを活用した情報発信を行うことによって、若い世代への啓発についても今後積極的に取り組んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) 御答弁ありがとうございました。 コロナ禍で生きがいを感じられにくいとか、閉塞感を募らせる人たちに希望をもたらし、自分にとっての絶対的な価値の追求や向上をこの人生会議という手法で実現していくのは有効であり、本市でも積極的に取り入れていただけるようにお願いいたします。 次に、GIGAスクール構想についてです。 コロナ禍でGIGAスクール構想の加速が国から示され、本市におきましても児童・生徒への1人1台端末の配備に向けて準備が進んでおります。 新友会で、文部科学省のICT活用教育アドバイザーの方をお招きした勉強会で、GIGAスクール構想の趣旨は、創造性を育む、問題解決能力、判断力、表現力を養うと掲げていると伺いました。人間力の向上、急速に変化する社会を生き抜く力を育てることがGIGAスクール構想の核であってほしいと私は考えます。 ICT教育は、緊急時の学びの保障となり、不登校や病気療養児の可能性も引き出すことにつながり、希望に満ちていると思いますが、ICT教育導入のスピード感で児童・生徒の心と体の発達を促すようなリスクヘッジを取ることが必要であると考えます。 文部科学省の児童・生徒の健康面における配慮事項に関する調査結果では、特段の支障なしと公表されておりますが、デジタルに過剰に頼り、ITを過信して、長時間をデバイスなど機器の操作に費やされてしまうあまり、私たち大人でも体調不良、不定愁訴、自律神経の乱れを訴える方は少なくありません。体の発達と成長の著しい時期は重要であることから、いわゆるアナログ的な活動が少なくなり、非認知能力を引き出し、育むような機会が奪われはしないかと懸念する向きもあります。本市のICT教育におけるリスクマネジメントについて御所見を伺います。 また、ICT教育を推進させると同時に、児童・生徒の発育発達段階、成長期においての人格形成、ITリテラシー等を重視して、全人的な人間形成を目指すためのリスクマネジメントも必要だと強く感じるところです。 これまで以上に心のケアも重要と考えます。自然の中での体験や人間関係等の体験を増やし、体を思い切り動かすことが特に求められ、それによって個の可能性や快さを知ることにつながります。体が整うと心が整い、自己受容をし、自己肯定感を高めることにつながり、共生の大切さや他者を認めて力を合わせ、よりよい社会を形成するための方法を見つける力を身に付けることにつながると確信します。誹謗中傷するような思考とは無縁となると考えます。御所見を伺います。 新規事業の体力向上グッと!プラン推進事業に34万円の予算が計上され、発育発達段階に応じて、小学校低学年は水泳スタートプログラム、中高学年はハートフル・ヨガ、高学年が体幹トレーニングを行う健康・ラボ、中学生でだんだん・ダンスレッスンを行うとのこと、運動好きな子供の育成や児童・生徒の体力の向上のための新たな施策とし、実技校へ講師を派遣するモデル事業に取り組むとのことで、児童・生徒の選択肢、個々の個性、可能性を広げ、自己肯定感の向上にもつながるすばらしい新規事業であると私は思います。 国も、社会人教師採用に力を入れ、個別最適化の学びを協働的に行うこととしており、本市においても社会人や専門の外部講師の活用が大事であると考えます。本市の社会人や外部講師の活用について今後の方針を伺います。 ICT支援員強化事業として支援員が新年度増員されており、教師の負担減、円滑な授業となり、学びの助けとなると思います。ICT教育を推進するに当たり、文部科学省のICT活用教育アドバイザーの活用も必要であると考えます。御所見を伺います。 現在進められているGIGAスクール構想の中、日本中どこにいても質の高い教育を受けられるのであれば、都心からの利便性もよく、自然豊かな長野市で子育てをしたいと考える保護者は少なくないのではないでしょうか。移住者が増え、人口増、ひいては地方創生につながるのではないかと私は考えます。 豊かな自然に恵まれた長野市だからこそできる教育、長野市独自の幸せ実感都市ながのICT教育モデルが構築されることを強く要望するところでもあります。本市におけるICT教育の方向性について御所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 幾つか御質問いただきましたが、私からは、まずICT教育におけるリスクマネジメントについてお答えいたします。 議員御指摘のアナログ的な活動が少なくなり、非認知能力を引き出し、育むような機会が奪われはしないかという御懸念については、私も同様に感じております。 そこで、本市におけるICT教育を推進する上で大切にしたいことは、第二次長野市教育振興基本計画に掲げている基本理念、広い視野から思いやりの心を育み、自律心や豊かな情操、創造力を養い、自然と文化あふれる郷土に誇りを抱き、明日を拓くための深く豊かな人間性の実現を目指すことと考えております。 一例を挙げますと、本年度コロナ禍の影響による様々な行動制限が求められる中、市教育委員会では、学習保障をはじめとする様々な課題の中で、学校再開後のストレスを抱える子供の心のケアを最優先とし、子供同士、また、子供と教員がつながり合う機会を大事にするため、リフレッシュ校外活動事業を実施いたしました。このことは、議員のおっしゃるリスクヘッジの具体の姿であるのではないかと思います。 来年度始まる第三期しなのきプランでは、自学自習の資質能力を、学齢期の終わりまでに願う子供の姿の中で、自学自習、道徳性・規範意識、自然との関わり・生命尊重、健康な心と体等の10の項目として示し、それらを一体的に育むことを推進してまいります。ICTがどんなに有効なツールであるとしても、それだけで子供が健全に成長することは決してありません。全人教育は大変重要であると考えており、これまでのアナログ的な教育とデジタルの教育の適切なバランスを考え、保護者や地域の皆様にも御理解、御支援をいただく中で、子供との心のつながりが持てるICT教育を一歩一歩進めてまいります。 次に、ICT教育の方向性についてでございますが、ICT教育といいますと、多くの人はアプリを利用し、パソコンの画面とにらめっこしている様子を思い描くかと思いますが、忘れてはならないのは、パソコンをはじめとするICT機器は飽くまでも道具であって、使いこなすのは人間であるということです。 例えば、市内のある小学校でございますが、コロナ禍で家の中に閉じ籠もっている地域の方々に、私たちのよさこいソーランの踊りを見て元気になってほしいと願い、ICT機器を用いて練習を繰り返し、上手に踊れるようになった自分たちの姿をドローンで撮影しました。それを地域のお年寄りに見ていただいたところ、ずっと家にいるだけだったので、子供たちが元気に踊る姿に涙が出ましたなどの感想が届けられました。 この実践のように、ICT機器を単に使うことを目的とするのではなく、子供が必要とする場面で効果的に利用することが大切でございます。まだまだ始まったばかりであり、試行錯誤の途上でありますが、GIGAスクール構想により整備されるICT環境を最大限に活用し、人をつなぎ、地域をつくる、正に幸せ実感都市ながのの実現につながるよう、本実践のような取組が増えていくようICT教育を進めてまいりたいと考えているところです。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 私からは、初めに社会人や外部講師の活用についてお答えいたします。 これからの学校教育では、社会に開かれた教育課程の実現が求められており、市内各校でも子供たちの豊かな学習活動の実現に向けて、積極的に地域人材をはじめとする外部講師の活用を進めてきているところでございます。 例えば、外部講師による絵本や紙芝居の読み聞かせ活動、マジックや太極拳等の専門講師によるクラブ活動、社会人講師による職業体験講座の実施等、各校から様々な実践例が報告されております。 このような社会人や外部講師による教育活動は、自分を知り、自分をつくり、自分を生かすキャリア教育の充実につながるとともに、子供の自律心や社会性を育み、ひいては地域への愛着を芽生えさせるものではないかと考えております。 また、地域人材や外部講師との関わりの中で得られる多様な経験は、教員の指導力向上にもつながり、さらには多くの目で地域の児童・生徒の育ちを見守ろうとする意識の醸成にもつながるものと考えております。 議員が述べられたように、市教育委員会では、令和3年度新規事業として体力向上グッと!プランの推進を計画しております。本事業は、ダンスや従来の事業では使わなかったヨガ等を通して子供が楽しみながら体を動かすことができ、運動好きな子供を増やしていくことを願うものです。 事業の推進に当たっては、議員御指摘のとおり、教員だけではなく専門性の高い外部講師を積極的に活用してまいりたいと考えております。今後とも各校の教育活動や体力向上グッと!プランなど、教員以外の人材を幅広くお願いする場面が多々あろうかと思いますが、是非とも多くの市民の皆様に御協力をお願いしたいと存じます。 次に、ICT活用教育アドバイザーの活用についてお答えします。 議員御提案のICT活用教育アドバイザーについては、ICTの環境整備やICTの効果的な活用等の促進に向け、助言・支援できる専門家を自治体の要請に応じて国が派遣する事業でございます。 今回、ICT活用教育アドバイザーを講師とした勉強会や勉強会終了後の懇談では、講師より本市のICT教育推進に当たって役立つ情報やお考えを聞くことができ、大変有効な時間となったと伺っております。 市教育委員会では、1人1台端末の配備を見据えて、ICT支援員強化事業として令和3年度から5人増員し、合計12人体制で学校を支援していくよう計画しているところですが、加えて、ICT活用教育アドバイザーのような専門家からの助言・支援も有効なものと考えており、今後必要に応じて国の事業等を利用し、ICT環境整備や効果的な活用に向け、専門家の助言・支援を依頼してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員
    ◆5番(西脇かおる議員) 御答弁ありがとうございました。教育長の御答弁をお聞きして、少し安心して、ほっとしましたので、引き続きよろしくお願いいたします。 その他といたしまして、希望ある未来につなげる安全・安心予算案を高く評価するとともに、このテーマを拝見した際、災害とコロナの二重、三重の苦難に耐えている市民と共に立ち向かい、乗り越えていこうという本市の強い思いを感じました。私はこのテーマを見たとき、とてもうれしく、心強く思いました。幸せ実感都市ながのの実現を確信いたしました。私自身も、議員として長野市の未来のために邁進してまいります。 また、本日、国際女性デーということでシンボリックのミモザを着けて登壇したのですけれども、男性、女性という概念に捉われず、それぞれの良いところを生かして調和を図り、創造させ、よりよい社会となることを願って、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 33番近藤満里議員     (33番 近藤満里議員 登壇) ◆33番(近藤満里議員) 33番、公明党長野市議員団、近藤満里でございます。 健康に関する質問が続きますが、私からは、30年以上、長野市において市民の死亡原因の第1位となっております、がん検診の受診率向上について伺います。 コロナ禍では、医療機関に足を運ぶ人が減少し、健康診断の受診を控える人も増えています。全国の20歳から79歳の男女1万5,000人を対象に行った民間企業の調査では、緊急事態宣言発令後では、健康診断、がん検診ともに5割を超える方が受診を控えていたと回答しています。時間の経過とともに受診を控える人の割合は減ってはいるものの、4人に1人は来年度も控えたいと回答するなど、受診をためらう傾向がうかがえます。 2018年に閣議決定したがん対策基本計画では、生涯のうちにおよそ2人に1人ががんに罹患すると推計されており、健康にとって重大な問題であることから、国のがん対策の全体目標として、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生の三つの柱が掲げられております。死亡原因第1位のがんですら、検診受診率、長野市においては減少傾向という厳しい状況になっております。 医療技術の進歩によって、肺がんも2018年時点で、病気1期では5年生存率は82%とのことですから、早期発見のための肺がん検診の受診率向上は極めて重要と言えます。 初めに、目安となる受診率について伺います。 長野市の肺がん検診受診率は、ながの健やかプラン21では、平成27年健康づくりに関するアンケート調査として50.3%、これは目標値の50%を達成できている数値となっております。 一方、あんしんいきいきプランでは、肺がん検診受診者はおよそ1万1,000人ですから、対象者およそ11万人から考えますと10%程度です。会社などで受診する方や人間ドックの受診者が加わると50%という数字に届くのか、やや懐疑的です。 こうした中、厚生労働省では、がん検診の受診率の算出方法を、令和2年度から国保保険者の受診率を第1指標にすることが決定されたとのことです。全国同じ指標にすることで、少なくともほかの自治体との比較は正しく把握できるものと思われます。 そこで伺います。あんしんいきいきプランと健やかプラン21、市民から見ますとこの数字の違い、どう解釈していいのか、やや分かりにくいと思います。この二つの表記の使い分けについて改めてお聞かせください。 また、厚生労働省の算出方法では、長野市の受診率はどのくらいになるのか、お聞かせください。     (33番 近藤満里議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) がん検診につきましては、受診率がなかなか伸び悩んでいるということと、議員御指摘のとおり、そもそも受診率の算定について以前からいろいろ苦労しているという状況がございます。 今回御指摘いただきました二つの受診率が提示されているという御指摘ですけれども、まず、あんしんいきいきプランに掲載してございますのは市が実施しているがん検診の受診者数ですけれども、市では職場等でがん検診を受けた方は対象としておりませんので、人口から働いている人の数を除いた人数を分母といたしまして受診率を計算してございまして、平成30年度の肺がん検診、議員御指摘のとおり10.0%となってございます。 一方、健やかプランに掲載されております受診率、こちらにつきましては、働いている方も含めて市民の方にアンケート調査を行ってございまして、そのアンケートにより肺がん検診を受けましたというふうに御回答いただいた方について受診率を計算してございまして、平成30年度肺がん検診受診率が50.3%となっておりまして、市で実施している場合には働いている人を入れていない。健やかプランのアンケートは働いている人も入れての計算ということで、これら二つの受診率については、それぞれ目的に応じて活用しているところでありますけれども、議員御指摘のとおり、両者の違いが市民の皆さんにより理解していただきますよう、更に分かりやすい説明をしてまいりたいと思っております。 次に、厚生労働省の算出方法についてですが、がん検診の対象者の範囲やその人数の算定が、実は全国の自治体で様々でありまして、国からも具体的な定義、そういったものが示されていない中で、これまでは自治体間での受診率の比較が困難な状況となってございました。そういう中ですので、今回対象者の算定が全国で統一されたこと、こちらについては私どもとしても意義あるものと考えてございます。 新たに国から示された算定方法は、国民健康保険の加入者で40歳から69歳までを対象に、その中で何人が受診したかという受診率を計算することになってございまして、この算定式を用いて平成30年度の肺がん検診の受診率を計算いたしますと、本市では6.2%、全国では16.5%となってございます。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) 40歳から69歳、働き盛りの皆さん、是非受診していただきたい方たちですが、6.2%というのは非常に厳しい数字と受け止めております。そこで、受診率向上に向けての方策についてお尋ねします。 検診を提供する機関が複数存在する中においては、市民の誰がどこで受診をしたのか、正確に把握するということが困難だということが分かりましたけれども、未受診者が多い集団というのは明らかになっております。 がん対策センターの医療保険種別のがん検診受診率では、全ての部位のがん検診で市町村の国民健康保険加入者の受診率が男女とも一番低くなっております。こうした状況から考えますと、まずは国保被保険者の皆さんの受診率向上策が必要だと考えます。 受診率向上策としては、以前にも個別の受診勧奨、特定健診との同時受診、オプトアウト方式の意思確認の3点を提案させていただいております。このうち個別の受診勧奨に関しましては、対象者およそ11万人への個別勧奨というのは、費用対効果において検討が必要だという御見解でございました。特定健診の受診券とともにがん検診の御案内をしていただいておりますけれども、まずはこの受診者が少ない国保加入者への個別勧奨から実施してはいかがでしょうか。胃内視鏡検査についても個別勧奨を実施されているとのことですが、この個別勧奨の効果についても併せてお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 最初に、胃がんの内視鏡検診の個別勧奨の結果についてお話をいたします。 昨年度から、50代の国保加入者のうち検診対象者となっております偶数年齢の方約3,800人の方に対して、受診勧奨のはがきを個別にお送りをしたところであります。勧奨の前後で申込者数を比較いたしますと、令和元年度は23人がその結果増えておりますけれども、今年度は102人増加をしたということで個別勧奨の結果が出ているものと考えてございます。 次に、そのほかのがん検診における国保加入者に対する個別の受診勧奨についてですが、現在、大腸がんの検診につきましては、国民健康保険の特定健診の受診券と併せて個別に受診票をお送りしているところでございます。 また、子宮頸がん検診と乳がん検診につきましては、国の補助事業を活用いたしまして、こちらは国保加入者以外の方も含めて、検診初年度の対象者全員に無料クーポン券を個別にお送りをしているところであります。 肺がん検診につきましては、現時点で個別の受診勧奨は行っておりませんけれども、今後は過去の受診歴、また、喫煙状況等を踏まえまして、特に検診が推奨される方にターゲットを当てて個別の受診勧奨を行いまして、こちらは国保加入者も含めてですけれども、市民の皆さんのがん検診受診の増加につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) 個別勧奨ということで、ターゲットを絞ってということだったのですが、そのあたりをもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) がん検診の受診対象者は総数で11万人いらっしゃるということでありますので、その方々に一律にお伝えするということについて、費用対効果の観点もありますけれども、肺がん検診については過去の受診歴がないとか、また、特定健診を受けている方については喫煙歴も分かってございますので、そうした肺がんのリスクが高い方を抽出いたしまして、その方々については是非検診を受けてくださいといったことが通知できるものと考えておりまして、そういった方法を今検討しているところであります。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) 理想としては全ての対象者ということなのですが、まずはリスクの最も高い方からということで、是非個別勧奨を積極的に御検討をお願いいたします。 特定健診との同時受診に関しましては、厚生労働省の肺がん検診の指針によって2人以上の医師による読影が必要であることが問題だとされてまいりました。しかし、この読影方法を工夫することで個別検診を可能にした自治体も見られます。 例えば、岸和田市は、市内の医療機関と市民病院間で画像データをやり取りすることで、平成25年から個別検診を導入したところ、受診率は6.4%から21.1%に上昇し、その後も20%台を維持しています。長野市においても、受診率向上に向け、関係機関と検討しながら特定健診と同時実施できる方策を探っていただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。 また、がん検診受診率減少の原因につきましては、がん検診に関する誤解との見解がございましたけれども、きめ細かい受診機会の確保や啓発活動に取り組んでいただいているものの受診率向上に結びつかないことを考えますと、これまで以上の取組が必要だと思いますが、御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 肺がん検診と国保特定健診との同時受診につきましては、これまで私どもは肺がん検診は検診車が地域をきめ細かく巡回をいたしまして、一度にできるだけ多くの方に受診していただく集団検診を中心にやってまいりまして、市民の皆さんにも定着をしてございます。 こうした中で、個々の医療機関において特定健診の際に肺がん検診も行う、こういった場合には、議員御指摘のとおり複数の医師によってレントゲンを診なければいけないといったほか、過去の画像との比較、精密検査となった場合のフォロー体制、検診の費用などの課題もありまして、これまでも検査機関や実施医療機関、医師会などと話をしているところでありますけれども、関係者の御理解、御協力が必要となります。 がん検診の受診率向上につきましては全国的に大きな課題でありまして、いずれの自治体も苦慮しているというのが正直なところであります。 本市においても、がん検診についての正しい知識の普及啓発を行うとともに、休日検診、また、集客施設での検診、複数のがん検診の同時受診など、受診しやすい環境を整備することで受診率向上に努めてまいりましたが、今後は議員御指摘のとおり、個別の受診勧奨も含め、これまで以上に受診率の向上に努めてまいりたいと思っております。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) これは医師会の御協力なくしては、読影をどのように工夫していくかということは検討できないかと思いますが、医師会もやはり人々の命と健康を守るという高い使命感に立っておられますので、何とぞよりよい工夫をお願いしたいと思います。 また、検診の御案内などには、長野市として十分な感染対策を講じているということですとか、受診控えによって早期発見ができなくなるリスクが高まること、こういったことも一つ一つ丁寧に御案内をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 続いて、がん教育の推進について伺います。 がんに対する正しい知識を持つためには、小・中学校におけるがん教育も大切だと考えます。文部科学省が全国の小・中学校3万7,200校にがん教育の実施状況を調査したところ、6割以上の学校で実施をされておりましたけれども、外部講師の活用は8%程度にとどまっていました。長野市の外部講師の活用を含め、がん教育の実施状況とがん教育の重要性に対する御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 初めに、がん教育の実施状況及び現状についてお答えいたします。 文部科学省が平成29年度、平成30年度に行った調査における本市の実施状況は、両年度とも小学校で3割、中学校で6割ほどでございました。そのうち外部講師を活用してがん教育を実施した学校は、平成29年度は全体の1割に当たる8校、平成30年度は残念ながら1校でありました。外部講師は、がん専門医やがん専門看護師、がん経験者、薬剤師、栄養士等に依頼したとの報告がありました。 これまでがんについては、小学校学習指導要領の解説に、喫煙を長い間続けるとがんにかかりやすくなるなどの影響があることに触れるとの記載があるのみでございましたが、今年の4月から完全実施される中学校の新学習指導要領においては、保健分野の健康な生活と疾病の予防の指導内容に、がんについても取り扱うものとすると明記されました。これにより、今まで以上にがん教育が各校で進められることと思います。 日本人の2人に1人ががんにかかると言われている大変な時代になってしまいました。がんによる死亡者数が増え続け、がんは国民の死亡原因の第1位となっていることから、がんにどう向き合うかは私たち日本人にとっては大きな課題であると認識しております。 大人だけではなく、子供にとっても自分自身が罹患したり、身近な人が罹患したり、がんとともに生きていくことが現実的になってきている今、どのような心情で、どのように関わっていったらよいのか。人ごととしてではなく、誰もが大変思い悩むところでございます。 そこで、自ら健康を適切に管理することや他者を思いやる心をがん教育で育み、自分の生活を見直したり、がんについて家族と話し合ったりすることを通して、将来の生活をより健やかに、また、心豊かに送ることができるようになるものと思っております。 発達段階を考慮し、子供の頃からがんに対する正しい知識、がん患者への理解及び命の大切さに対する認識を深めていく教育に取り組むことは、議員御指摘のとおり大変重要なものであると認識しております。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) がん教育を通して命の大切さというものを子供たちにしっかりと理解をしていただく教育、なお一層深まっていくこと、御期待を申し上げたいと思います。 さて、その具体的な取組についてなのですけれども、がん教育を進めていく上の課題といたしまして、がんに関する教師の医学的知識の乏しい現状があること。また、闘病中の家族を持つ子供への配慮などがこれまでは挙げられておりました。専門的な知識を持つ講師の確保に向けては、行政が外部講師派遣リストを作成し、学校関係者に提供している事例もあります。 外部人材を活用した授業を体験した学校では、現場を踏まえた具体的な話で子供の理解が深まった。若いうちから早期発見、治療の大切さを学ぶ教育的意義を感じたなど前向きな感想が聞かれました。医療、学校との協力なくして実現できませんが、専門的な分野であること、命の大切さを学ぶ授業という視点からも、御協力いただける方のリストを活用し、外部人材の活用など、がん教育はもとより、健康のための正しい知識を持てるようお取組をいただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 文部科学省は、がん教育の実施に当たり、がんそのものの理解やがん患者に対する正しい認識を深めるためには、がん教育の専門家の活用が重要であるとし、平成28年外部講師を用いたがん教育ガイドラインを示しました。その中で、講師の専門性を十分生かすよう工夫する、学校教育活動全体で健康教育の一環として行う、発達段階を踏まえた指導を行うの三つの基本方針が掲げられ、中学や高校では科学的根拠に基づいたがん教育を行うことが望ましいとされており、折しも県からこの2月に、外部講師を活用したがん教育の授業実践事例等を紹介した、がん教育の手引き別冊が新たに発行され、市内全小・中学校に配布したところでございます。 その冊子の中には、長野県教育委員会ホームページにあるがん教育外部講師リストにつながるQRコードが示されており、医療機関や医療従事者、がん患者など、がん教育はもとより健康な生活を送るための専門的な知識を有する市内外の外部講師等が複数紹介されており、本市としても活用できるものとなっております。 がん教育は、議員御指摘のとおり、例えば児童生徒自身が、あるいは児童生徒の家族にがん患者がいる場合など、デリケートな配慮が求められるケースもあり、専門家を活用することががん教育を進める上で大変重要であると考えております。 市教育委員会としても、4月の新学習指導要領の完全実施に併せ、各校へ再度周知し、本リスト等の活用を推奨してまいります。 ○議長(小泉栄正) 近藤満里議員 ◆33番(近藤満里議員) ありがとうございます。 いいことは一つもないというふうに断言しながらも、なかなか行動変容に至らない愛煙家の皆さんの姿を見ていますと、きっちりと教育現場において、がん教育、また、命を守る教育をしていただくことが大切だと思います。 いいリストが出来上がってまいりました。推奨をしていただくという御答弁もございましたけれども、しっかりとこの現場で活用して、命の大切さ、子供たちにしっかりと伝えていただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 9番青木敏明議員     (9番 青木敏明議員 登壇) ◆9番(青木敏明議員) 9番、新友会、青木敏明です。 早速ですが、質問通告に基づき質問させていただきますのでよろしくお願いをいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大下の医療機関、高齢者施設について。 まず、医療機関、高齢者施設における新型コロナウイルス感染症の無症状者に対する検査について伺います。 本年1月、報道によると、県の感染レベルが5に引き上げられた松本市において、高齢者施設43施設、施設職員2,750人に集中的にPCR検査が実施されました。これは高齢者施設において新型コロナウイルス感染症が発生した場合、クラスター化し、かつ入所者が高齢のため重症化のリスクが高く、即入院のケースが多く、病床の逼迫状況を踏まえ、医療体制、提供体制の崩壊を防ぐ目的で実施されたものと考えます。 昨年より厚生労働省からは、その都度内容は違いますが、医療機関、高齢者施設等における検査方法について事務連絡が通知されています。今年に入っても、1月22日に無症状者に対する検査方法についての要請が通知をされております。 また、国は2月25日、緊急事態宣言解除地域で無症状者を対象にPCR検査を実施すると発表しています。これは宣言解除地域でのリバウンドを防ぐため、リスクの高い集団や場所で症状の無い人に焦点を当てたモニタリング検査を実施されるものです。 現在、国内では医療従事者に向けてのワクチン接種が始まり、高齢者の接種も4月12日に予定されています。しかし、ワクチン争奪戦の中、日本国内での今後のスケジュールははっきりしません。現段階では、本市のワクチン接種がおおむね完了するまでには、かなりの時間が必要な状況だと考えます。 こうした状況下では、今後の新型コロナウイルス感染症対策として、ワクチン接種と並行してクラスター化、重症化のリスクが高い医療機関や高齢者施設における無症状者に積極的にモニタリング検査をすることが必要だと考えます。現在県では、条件つきで高齢者施設での自主検査費用の補助を実施し、本市でも高齢者と基礎疾患を有する希望者を対象に検査費用を助成しています。 ここでもう一歩踏み込んで、そのサービスの性質上、密が避けられず、既に長い間、施設に持ち込まない、発生させないという緊張感の中、肉体的、精神的な負担が大きい環境で業務に従事し、私たちの暮らしと安全・安心を支えていただいている医療機関、高齢者施設等における無症状者に対して、比較的感染状況が落ち着いている今だからこそ、市独自に積極的なモニタリング検査を実施することが必要だと考えます。御見解を伺います。     (9番 青木敏明議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 議員御指摘のとおり、今年の1月に緊急事態宣言が発せられた都府県に対しまして、宣言が解除された後、感染リスクが高いと思われる集団、場所を対象とする、いわゆるモニタリング検査や高齢者の施設の職員に対する定期的な検査を行うよう国の分科会から提言がされてございます。これにつきましては、それまでの流行規模が非常に大きく、また、減少傾向が鈍化している、こういったことから、解除後のリバウンドを極力抑えることが目的と考えております。 一方、本市においては、流行規模がそういった地域と比べますと比較的小さく、また、現在感染者がほとんど見られなくなってから2か月近く経過していることから、仮にこれらの検査を実施いたしましても、感染が確認される事例はごく僅かと考えられ、実際感染が大規模に感染した地域において行われた数千人規模の検査であっても、陽性者はゼロから数人にとどまっているという状況になっております。 また、感染率が低い集団に対して検査を行った場合、感染していなくても陽性となってしまう可能性が高くなるという検査の限界もございますし、また、頻回に検査を実施しないと、必ずしも施設の感染防止対策につながらない、こういったこともございますので、本市の現状においてはモニタリング検査等を実施する状況にはないと考えてございます。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 御答弁ありがとうございます。 では、本市で無症状者にモニタリング的な検査を行うような段階というのはどの辺を考えていらっしゃるのか、教えていただけたらと思います。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 議員御指摘の検査の実施状況ですけれども、厳密に申し上げますと2種類入っておりまして、モニタリング検査というのと、施設の従事者に対する検査というのは別なものと考えていく必要があります。モニタリング検査というのは、地域で感染が実際にどの程度また再燃しているのかということをモニタリングしていくわけですので、ある程度無作為に抽出をして感染の広がり状況を調べていくという、そういう目的になります。一方、施設の従事者に対する定期的な検査は、その従事する方が施設に持ち込まないという目的で定期的に検査を行うという、そういった趣旨になってございます。 この二つの検査は、いずれにしても国の分科会の尾身会長もよくおっしゃいますけれども、検査前確率というものがあって、検査する対象の中にある程度陽性者がいらっしゃらないと、幾ら検査をしても陰性の方ばかりになってしまうということがあって、検査前確率が一定程度の方に対して、そういったモニタリング検査や定期的な検査というのが推奨されてございます。 現在、国においてその割合がどのくらいになったら検査をするかという具体的な数値はありません。今回は緊急事態宣言ということで、いわゆる国のステージ4の地域については、そういった手法が推奨されているということから考えますと、本市だけではなくて全国的にもある程度緊急事態宣言が国から出されるようなレベル、あるいはそれよりもう少し手前で考えるとすれば、長野県において非常事態宣言の一つ手前の、県独自のレベル5というのがありますけれども、そういった非常に感染者が広がっている中でのそうした検査というのが考えられるものと思っております。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 御丁寧に御説明ありがとうございました。 次に、新型コロナウイルス感染者が発生した介護施設等への事業継続支援制度について伺います。 お配りした資料のように、松本市では新型コロナウイルス感染症対策介護事業所ネットワークを創設して、新型コロナウイルス感染症が発生した介護事業所の事業継続支援を行っています。岐阜県飛騨市においても、同様の取組が始まっています。 介護施設において、新型コロナウイルス感染症の発生により関係職員が濃厚接触者として自宅待機となった場合には、介護サービスの維持が困難になることも予想されますので、介護事業所同士による職員派遣の仕組みにより事業が継続され、お互いに助け合うすばらしい取組だというふうに思います。 現在、松本市では、162法人中127法人がこのネットワークに賛同しているとのことです。1月31日現在、このネットワークを使い、2法人から3名の職員が派遣された実績があります。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、松本市や飛騨市のようなネットワーク事業継続支援制度は、御利用者にとって介護サービスが維持され、また、その御家族にとっても安心・安全につながるものです。 本市においては、新型コロナウイルス感染症対策のみならず、災害時にも連携可能なネットワークに発展できる制度として御検討いただきたいと考えますが、御見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) ただ今、議員からは松本市と飛騨市の事例を御紹介いただきましたが、本市では介護施設等において万一感染者が発生した場合に備えまして、応援職員を円滑に派遣できる体制について長野県と連携しており、長野県高齢者福祉施設等応援職員派遣支援事業として取り組んでいるところでございます。また、必要な予算につきましては昨年6月補正予算で措置をしてございます。 この制度に当たりましては、応援職員を派遣する協力施設、これは事前に登録するという仕組みになっておりまして、様々な機会を捉えまして市としても依頼をしておるのですが、本年2月末現在での市内の登録事業者は46事業所で、長野県全体では323事業所となっていただいている状況でございます。幸い、これまでは市内の介護施設等におきましては徹底した感染症防止対策を講じていただいておりまして、市内でこれまでこの事業を活用した事例はございませんけれども、万一の場合に備えまして、この支援事業を活用して必要な介護サービスが継続できるよう、引き続き施設等へ働きかけを行ってまいりたいと考えております。 新型コロナウイルス感染症対策のみならず、災害時にもこの連携可能なネットワークに発展できる制度として検討いただきたいとの御提案でございますが、この支援制度につきましては、国の新型コロナウイルス感染症に係るサービス継続支援事業というものを活用しておりまして、実際、応援職員の派遣が必要となった場合については、その人件費を中核市である本市又は長野県が補助するスキームとなっております。そのため、災害時に活用するには、支援の内容とか費用負担等について別途検討が必要となります。市としては、県及び関係機関と連携して本制度の発展的な活用ができるかどうか、今後調査研究をしてまいりたいと考えております。 本市では、次年度からの第九次長野市高齢者福祉計画等におきまして災害や感染症への対策を新たに盛り込んでおります。そして、その取組を促進するとしておりまして、感染症への対策と併せまして自然災害における避難確保、あるいは事業継続といった観点から、施設間での協力とか連携について積極的に働きかけるなど、必要な体制の整備促進に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 次に、介護施設における介護人材不足に対する今後の市の取組について伺います。 市内高齢者介護施設においては、どの法人、事業所においても、程度の差はあれ介護サービスを担う介護人材に対する不安や不足を感じていることと思います。施設基準、人員やその職種をぎりぎり満たして運営している施設も多いかと思います。 今後、更なる少子高齢化の進展により、本市においては団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年には高齢化率が40%、介護認定者数は3万人を超えると推計され、介護人材の不足が懸念されています。 次期あんしんいきいきプラン21においても、2025年、2040年を見据えた持続可能な基盤整備を重点項目としています。介護人材の確保と育成のための施策も示されています。将来的な介護サービス量の増加に対して、介護を担う人材が不足する状況を何としても避けなければならないというふうに思います。 そこで、介護人材確保と育成について絞って、本市の今後の取組や事業の方針、あわせて予算やセミナーの開催、キャリアパス支援制度導入に向けた具体的な展開について伺います。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 次年度から始まります第九次長野市高齢者福祉計画、第八期長野市介護保険事業計画におきましては、今後の高齢者人口の増加を見据えまして、高齢者の皆様が住み慣れた地域で生活できるよう持続可能なサービスと併せて人材基盤の整備というものを重点項目の一つに掲げております。 昨年、市で実施しました介護サービス事業所調査では、人材が充足していないと回答した事業所が全体の半数を超えておりまして、また、介護人材の不足の理由としては、年々採用が困難となっている、あるいは離職率が高いとしていることから、職員の定着を図り、離職を防止するための職場環境の改善に向けた取組が重要と考えております。 具体的には、対人対応力の向上、管理職向けの人材育成及びヒヤリハットといった事例、こういったものが事業所からの要望が非常に多いもので、そういったものを研修内容に取り入れるとともに、オンラインによる研修を実施するなど、研修方法等を工夫し、より多くの事業者に参加いただくように取り組んでまいりたいと思います。 また、研修開催に係る新年度予算として36万5,000円を計上しておりますが、研修の実施に当たりましては地域活力の創出に向けたアドバイスパートナー協定に基づいて東京海上日動火災保険株式会社と連携をしております。講師の派遣や研修内容について御協力をいただいておりますが、リスクマネジメント研修とか、事業継続計画策定支援といったような研修も企画するなど、より充実した内容となるように計画しているところでございます。 次に、キャリアパス制度については、介護職員の処遇改善が図られる介護職員処遇改善加算を取得するために必要となるものでございます。具体的には、職位等に応じた任用要件と賃金体系の整備、資質向上のための研修の実施、経験や資格に応じて定期に昇給する仕組みなどを設けるものでございます。 市内の介護事業所の処遇改善加算の取得率なのですが、令和2年4月1日現在で93.9%となっておりますが、介護労働安全センターが行っている無料個別相談の活用を促すなど、更なる処遇改善加算の取得を目指しまして働きかけを図ってまいりたいと思っております。 また、あわせまして、介護職員の負担軽減や業務効率化により介護人材の定着を図ることを目的に、介護ロボット技術、あるいはICTを導入する施設に対して助成を行うことや、大学進学や就職等を控える高校生を中心に介護の仕事の理解とか、介護の仕事の魅力を伝えるような説明会、そういったものもこれから考えて、実際にやっていきたいと思っております。 これらの取組を進めるとともに、長野県の介護人材確保事業の活用を促すなどして、介護人材の確保、育成が図れるよう鋭意努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 人材確保、育成、本当に大事な点だというふうに思いますので、また今後ともよろしくお願いをいたします。 長野市に関係する高速道路のインターチェンジの名称変更について伺います。 信州中野インターチェンジを信州中野長野北インターチェンジへ名称変更についてということで、日本、そして世界へ誇れる善光寺や戸隠、松代等の観光地を有する長野市において、観光客を迎え入れる交通網、交通手段は重要な要素です。 長野市内の観光地にアクセスするための高速道路のインターチェンジは、長野インターチェンジ、須坂長野東インターチェンジ、信州中野インターチェンジ、信濃町インターチェンジ等があります。しかし、残念ながら、信州中野インターチェンジ、信濃町インターチェンジには長野もしくは観光地名を示す名称が付いていません。 全国的には、インターチェンジ名や駅名を観光地名や、その場所をより端的に示すサインとなる名称への変更が盛んに行われています。県内では、長野自動車道安曇野インターチェンジが2012年10月、2.1億円の予算を投じて豊科インターチェンジから安曇野インターチェンジへと名称が変更され、その効果は安曇野市、長野県に波及する経済効果として10.4億円と推計され、観光客は15万3,000人増となりました。 長野市の北の玄関口は、長野市豊野地区です。信州中野インターチェンジで降り、北信五岳広域農道で豊野地区、若槻地区を経由しての市内へのアクセスは非常に便利です。 そこで提案したいと思います。来年開催される御開帳には間に合いませんが、信州中野インターチェンジを信州中野長野北インターチェンジへと名称変更、また、信濃町インターチェンジを信濃町戸隠インターチェンジと名称を変更することはできないでしょうか。 各インターチェンジの名称変更は、長野市の今後の交通政策にとって重要だと考えます。観光地へのスムーズなアクセス、経済波及効果だけでなく、週末や祝日の長野市中心部に向かう丹波島橋や長野大橋等の渋滞緩和にも効果があると考えます。名称変更への手続は、相手方の市、町、高速道路会社等の交渉、手続等課題が多く、障壁も高いと思いますが、既存の社会インフラを有効活用し、少ない投資で最大の効果を生むという点、長野市のみならず、中野市や信濃町にとってもその効果は様々考えられます。分かりやすいインターチェンジへの名称変更は、長野市の未来を見据えた均衡ある発展にとって重要だと考えますが、御見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 岩片都市整備部長     (都市整備部長 岩片弘充 登壇) ◎都市整備部長(岩片弘充) 高速道路のインターチェンジの名称は、利用者の利便性を考え、その所在地を簡単に示す必要があり、インターチェンジの所在する市町村名を使用することを基本に、地元自治体などとの協議を十分に行った上で決定されております。 また、同一の市町村に複数のインターチェンジがある場合は、市町村名に方位、字名、隣接する著名な地域名をつけるなど、インターチェンジの所在地がより分かりやすくなるよう配慮が必要とされております。 インターチェンジの名称を誰にも分かりやすい名称とすることは、長野県を訪れる方にとって分かりやすく、親近感が湧き、観光客の増加につながるとともに、住民にとっても地域への愛着心の醸成という観点からも有効なものであると考えます。 また、信濃町を含む長野圏域9市町村は、長野地域連携中枢都市圏を構成し、広域観光連携事業や長野圏域経済成長推進事業、移住・定住促進事業などの連携事業により、圏域全体の活性化に取り組んでおります。 さらに、中野市を含む北信圏域とも定期的に会議を開催し、広域防災や広域観光など連携して取組を進めているところであります。これら連携事業を進めていく上でも、インターチェンジの名称により、長野圏域、北信圏域の一体感が醸成されることは一つのメリットであると考えられます。 御提案のありました信州中野インターチェンジ、信濃町インターチェンジの名称変更につきましては、本市の意向に加え、所在地の自治体、地元観光協会や経済関係団体などと、名称変更による経済効果や観光誘客の面など、双方にメリットがある取組について協議が必要であると考えております。まずは、庁内の関係する課において名称変更の実現性について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 是非御検討いただけたらと思います。 豊田飯山インターチェンジ、所在は中野市にあるのですけれども、飯山という名称がついているインターチェンジもありますので、是非広域の観点から御検討をいただけたら幸いに存じます。よろしくお願いします。 続いて、関連して、令和8年度末供用開始予定の(仮称)若穂スマートインターチェンジの名称について伺います。 (仮称)若穂スマートインターチェンジが供用されるまでの間にインターチェンジの正式名称が決定されることになりますが、決定までの手続、名称の決定方法について伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) (仮称)若穂スマートインターチェンジの名称決定の方法等についてお答えします。 (仮称)若穂スマートインターチェンジは、昨年10月に新規事業化が決定し、現在は長野県やNEXCO東日本と詳細設計等の実施に向けた調整を行っております。 名称につきましては、今後スマートインターの供用開始となるまでに決めていく予定です。名称の決定に関しましては、昨年9月に設立した(仮称)若穂スマートインターチェンジ地区協議会において検討及び調整を行うことになります。 地区協議会は、国、県、市、NEXCO東日本、地元関係者により構成されており、関係機関や地域の皆様の御意見を参考にしながら名称案の検討を行い、長野県内の道路管理者で組織する道路標識適正化委員会での意見も踏まえ名称案を確定します。その後、確定した名称案を独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構へ伝達し、正式な名称として決定します。 (仮称)若穂スマートインターチェンジが供用開始になりますと、本市の新たな玄関口となり、観光振興や産業の活性化に大きく寄与することから、市としましてもそれにふさわしい名称案を地区協議会へ提案するとともに、決定に向けて調整を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 是非、誰にも分かりやすく、また、更に効果が発揮できるような名称を決定していただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。 次に、ゼロカーボンへの市の取組について伺います。 2020年10月、所信表明演説において、菅義偉内閣総理大臣は、2050年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年ゼロカーボン、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。 長野県においても、令和元年、阿部知事が気候非常事態宣言を宣言し、2050年、二酸化炭素排出実質ゼロとすることを決意してゼロカーボンへの取組が始まっています。 長野市は、県の2050ゼロカーボンへの決意へ賛同し、令和3年度からはゼロカーボンの取組を加速化させるべく、様々なゼロカーボン推進事業を実施する経費として3,097万9,000円を当初予算案に計上し、二酸化炭素排出実質ゼロへ向けて大きくかじを切る起点にすることとしています。 ゼロカーボンへ向けての取組を力強く、確実に進めることは、未来への責任を果たす我々の使命であり、本市にとっても重要な取組だと考えます。 そこで伺います。地球温暖化による気候変動の影響で令和元年東日本台風災害を経験し、甚大な被害に遭った長野市だからこそ、はっきりとゼロカーボンシティ宣言をするべきだと考えます。加藤市長、ゼロカーボンシティ宣言をするお考えはございませんか。御見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 令和元年東日本台風災害によりまして大きな被害を受けました本市といたしましては、地球温暖化の影響から市民を守り、将来にわたり持続可能な地球環境を次の世代に残すために、国や県とこれまで以上の連携を図りまして、更なる省エネルギー行動の推進や再生可能エネルギーの活用など、施策を総動員いたしまして、2050ゼロカーボンに向けて大きくかじを切ってまいります。 御提案いただきましたゼロカーボンシティ宣言につきましては、長野県は令和元年12月に気候非常事態宣言と併せまして2050ゼロカーボンへの決意を表明し、令和2年4月1日に長野県気候危機突破方針を策定いたしまして、実質的なゼロカーボン宣言を行ったものであります。 本市は、長野県気候非常事態宣言に賛同するとともに、県市長会会長といたしまして賛同を各市町村のほうにも呼び掛けをした立場であります。ゼロカーボンシティ宣言には県の気候危機突破方針に当たる取組方針が欠かせないと考えております。 現在、第三次長野市環境基本計画の策定を長野市環境審議会に諮問し、秋頃には具体的な方針が固まってまいりますので、それに併せまして検討してまいりたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 青木敏明議員 ◆9番(青木敏明議員) 是非前向きに検討していただきたい。検討していただけるということでありがとうございます。 県内では、御承知のとおりゼロカーボンシティ宣言を多くの市町村でしておりまして、5市3町3村がもう既にゼロカーボンシティ宣言をされております。 ゼロカーボンシティ宣言は、首長が議会や定例記者会見で宣言をするということが条件になっておりますので、今まで災害復旧から新型コロナウイルス感染症対策を含めて、加藤市長の卓越したリーダーシップで数々の困難を乗り越え、市政運営に取り組んでいただいております。是非とも、この件に関してもリーダーシップを発揮していただいて、災害があった長野市だからこそしっかりと取り組むんだよという決意が市民に示されて、多くの市民から感動、共感を得て、すばらしい取組になるように期待をしているところでございます。 時間が余ってしまいましたが、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 午後1時まで休憩いたします。   午前11時34分 休憩   午後1時 再開 ○副議長(西沢利一) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 29番松木茂盛議員     (29番 松木茂盛議員 登壇) ◆29番(松木茂盛議員) 29番、改革ながの市民ネットの松木茂盛でございます。 市行政事務一般につき質問をいたします。 長野市では、昨年4月新型コロナウイルス感染症を確認以来、今日まで感染危機の最前線でPCR検査をはじめ440件余の感染者の治療に当たられ、さらに、引き続き今後ワクチン接種に携わる医療従事関係者の御尽力に心から敬意と感謝を申し上げます。 質問の1は、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について伺います。既に多くの議員から質問され、やや重複もありますが、簡潔に伺いたいと思います。 まず、我が国では去る2月17日よりワクチン接種を開始いたしましたが、その効果、さらに接種可能な体調、副反応等不安払拭のため、市民へのPRの必要性に鑑み、本市の取組をまず伺います。 また、ワクチン接種円滑化のため、他市で実施しております模擬訓練等について、本市はいかがお考えか。 次に、国は3週置きに2回接種で、順位1番に医療従事者、2番に65歳以上の高齢者、3番に基礎疾患者、4番に一般市民としておりますが、感染リスクの高い高齢者の訪問介護者等を1番に加え、さらに死者、重症・中等症者には基礎疾患者が多く、2番手に基礎疾患者を加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、基礎疾患者の把握は自己申告とかかりつけ医からの申請ということになっているんですけれども、本市の場合どのようにされるか。 次に、本市は集団と個別の接種とのことですが、対象区分と会場、対象者への通知方法、これはいかがか。 また、ワクチン入手時期は不透明とのことでありますが、今後の見通しと、さらに2回目の接種の手続を時系列でお示し願いたいと思います。 次に、副反応発生の場合、現場又は救急車対応との御答弁ですが、費用負担等については当然公費であるべきと考えますが、その点はいかがでしょうか。 次に、報道では2回接種不要論もございますが、本市はどのようにお考えか。 また、ワクチン接種後、経過の治験的観測をどのようにお考えか、御所見を伺います。     (29番 松木茂盛議員 質問席へ移動) ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 最初にワクチンの効果や副反応に関するPRですが、国から示されております国民向けの資料等を活用いたしまして、新聞折り込みチラシやホームページのほか、広報ながのなどを通じて周知をしてまいりたいと考えております。 次に、接種の模擬訓練についてですが、既に私どもとしては集団接種の実施手順を構築・確認するため、保健師を中心とした職員10名体制のワーキングチームをつくっておりまして、これまでに保健所を会場に職員総出のテストを2回ほど実施をしており、また私自身も一緒に確認をする中で、レイアウト、それから役割分担、必要物品、進行管理などの手順を具体的に確認し、課題の改善を図っているところであります。 今後もこうした試行や訓練を重ね、円滑な接種の実施に向けて準備をしてまいりたいと考えております。 続きまして、優先接種に高齢者対応の訪問介護者、いわゆるヘルパーさんになるかと思いますけれども、訪問介護者を含めることについてですが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、感染者が御自宅で療養することになった場合に、その方が訪問介護サービスを継続して実施する、こういった前提がある方については、高齢者施設等の従事者と同じ時期に接種をしてよいという方針が3月3日に国から示されたところでありまして、その内容を踏まえまして具体的な準備を進めてまいります。 高齢者と基礎疾患を有する方を同時接種するというお話でしたけれども、ワクチンが段階的に供給されますので、現時点においては国が優先すべき接種区分を設定しておりまして、地域ごと、自治体ごとによる対応は認められておりませんので、本市が独自にその区分を変更することはできないとされてございますので、御理解をお願いしたいと思います。 次の本市の接種体制についてですが、約140の医療機関による個別接種と、個別接種を補完するため、集団接種として2か所の会場で週2日ほどの接種を行うこととしております。対象者についてですけれども、原則としてお住まいの市町村で接種することになっておりますので、住民基本台帳のデータから接種券を作成いたしまして、最初に高齢者の方に発送するとともに、それ以外の方につきましても国の指示に基づきまして発送いたしまして、それぞれの接種時期になった段階で接種を受けていただくことになります。 2回目の接種分については、国からおおむね3週間後にワクチンが配分されることになっておりますので、届き次第順次接種を受けていただくことになります。 現時点のワクチンの供給見込みということでありますけれども、現在医療従事者が接種を受けている状況で、国からは4月12日以降に高齢者接種が開始できるように準備をするようにということで全国の自治体に通知がございましたけれども、長野県に4月中に届く人数分としては、現在の情報としては県全体で、2回接種分を含めてですけれども、1万人余のみが4月に供給されるという数字が国から出ておりまして、現在県においてそのワクチンを県内市町村でどのように活用するのか検討がされているところでありまして、その後の供給のスケジュールについてはまだ私どもには具体的に届いておりません。 基礎疾患のある方の把握ですけれども、基礎疾患につきましては自己申告制となっておりますので、予診票にて確認をすることになってございますが、基礎疾患の範囲等につきまして御不明な点がありましたら、事前にかかりつけの先生等に御相談をいただければというふうに思っております。 副反応に関する対応についてですけれども、仮に接種会場で急激な症状が生じた場合にはその場で応急処置が行われまして、必要に応じて病院等に救急搬送されることになります。 接種を受けて御帰宅された後の副反応につきましては、まずは接種した医療機関やかかりつけ医等に御相談、必要に応じて受診をしていただきますけれども、その後、更に専門的な医療機関を受診する必要がある場合には、そういった医療機関から紹介をされることになっております。 現在、長野県が国の通知を受けまして県内の専門医療機関の確保を進めておりまして、その選定にも本市も協力をさせていただいているところであります。 これらの受診に要する医療費についてですが、基本的には通常の診療と同様、診療報酬の中で自己負担が発生しますけれども、もし入院が必要となるなど一定以上の症状が見られまして、かつ国から予防接種による反応というふうに認定を受けた場合には、他の予防接種と同様に健康被害救済制度というのがございまして、医療費、医療手当が支給されます。また、仮に障害が残ってしまったりお亡くなりになった場合につきましても、この制度が同様に適用されることになっておりまして、手当等が支給されることになってございます。 次に、2回接種不要論というお話がございましたけれども、当面使用することになっているファイザー社製のワクチンにつきましては、国から2回接種において承認がされておりまして、その方針が私どもに伝えられておりますので、現時点で地方自治体としてこの2回接種不要論について言及することは困難というふうに考えております。 ただ、万が一これまで2回接種とされていたものが1回になるとすれば、接種を受ける方、また接種を行う医療機関、こういった方々の御負担が大いに減るとともに、スケジュールそのものが大きく影響されますので、そのような変更があった場合には改めて必要な対応を取ってまいりたいと考えております。 次に、ワクチン接種の治験的観察というお言葉がありましたけれども、このワクチンは既に承認されておりますので、治験という扱いにはなってございませんが、接種を受けた方が何らかの症状が見られた場合に、受診をした医療機関において副反応の可能性があると診断された場合には、患者さんが受診した医療機関から国の機関に直接報告されることになっておりまして、国においてそれらの情報を整理した上でワクチンの安全性の評価がなされるという流れになってございます。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) まず、優先接種順にワクチンの入手計画、これは一体どういうふうになっているのか、それをちょっとお示しいただきたいです。 ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) ワクチンの入手計画というお話でしたけれども、私どもの方から入手できる立場にはありませんので、国からの供給スケジュールという形になるのが今回の流れになってございます。 現在国において示されているのは、3月の医療従事者、それから先ほど申し上げた4月の高齢者ということでありますけれども、医療従事者においても県内においてまだ接種予定者数の恐らく20%ぐらいしか届いておりませんし、高齢者につきましても先ほど県で60万人いらっしゃる高齢者のうちの1万人余ということでありますので、そもそも医療従事者の続きがどうなのか、高齢者の続きがどうなのかということが私どもとしては非常に必要になるんですけれども、そのスケジュールも示されてございません。その結果、次の基礎疾患を有する方等につきましても同様に示されておりませんので、現在私どもとしては国の情報提供を待ち望んでいるところになります。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) 市民も一体いつ受けるのかという心配もあると思うんです。そういう意味で、国では6月中ぐらいということもあったり、あるいは年内まで掛かるというようなこともあったりしているんですけれども、今保健所でつかんでいる大体の市民へ行き渡るというか、市民が接種できる時期はいつ頃とお考えなんでしょうか。 ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 市民の皆さんのそのような不安というか、早く打ちたいという御希望は十分理解しているつもりではありますけれども、国から示されている情報は今まで私どもが申し上げたとおりでありまして、6月中に高齢者全体をといったところは報道機関を通じた情報提供というようなこともありまして、実際にじゃ5月でどうなのか、6月でどうなのかといったところも、まだ私どもが計画を組むまでの具体的なスケジュールも分かりませんし、医療従事者も本当にじゃ4月以降どういうふうにするのか、高齢者と同時で進めるのか、そうはいっても医療従事者にはある程度優先的にやった上で高齢者は結果的に少し後になるのかといったところまでも示されておりませんので、私どもも何とか情報収集できるように取り組んでいるところでありますけれども、市民の皆さんにももう少しそういう意味ではお待ちいただくことになります。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) いずれにしましても、ワクチン確保については国も首相が交渉相手じゃなければ駄目みたいな、そういう報道もありますが、地方自治体においてもやっぱり首長が真剣になって市民のために確保するような努力、これも必要だと思うんですが、市長はどのようなお考えでおられるか。 ○副議長(西沢利一) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) イスラエルの首相がファイザー社に乗り込んだという話も聞いておるところでございますが、日本の場合は国が適正に判断をされて平等にやっていただけるというふうに判断しております。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) いずれにしましても、県の段階での配分等を含めてね、やっぱり人口比、それからいわゆる基礎疾患者、高齢者、そうした状態を加味して、県内の中でもやっぱりそれに比例する配分をしっかり受け取れるように、首長も保健所長もひとつ再度御努力いただきたいということだけお願いしておきます。 次に進みます。 質問の2は、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法、また、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の対応についてでございますが、この法律は皆さん御存じのとおり、罰則を設けて去る2月13日施行となりました。 そこで、この法律は、一つとして、感染症による国民の生命の危機を速やかに回避し、経済の停滞を早期回復して進捗させる目的で施行されております。国及び地方自治体がこの法律を国民に周知徹底させなければならないわけでありますが、本市の取組はいかがでしょうか。 また、この法律による権限、これは厚生労働大臣と県知事に集中しておりますけれども、罰則等については個人も事業者にも及ぶというようなことから、とりわけ接種を担当する窓口は保健所をはじめとしてあるわけで、そうした場合に、その違反者の取締り、是正措置、あるいは過料の徴収等、そういったことは一体どのように当たられるおつもりなのか。 それから、法に基づく入院患者の医療費、療養費負担等については、窓口で本人が払うのか、後に申請で助成されるのか、あるいは公費がすぐ充てられるのか、その辺の状況。 それから、感染症法第39条で保険・共済給付分については都道府県の負担は要しないとなっていますが、組合健保や国保などのいわゆる負担分は、蔓延がひどければ負担も非常に多くなるわけでありますけれども、これはやっぱり全額国庫負担とすべきというふうに考えていますが、その辺の考え方はどうなっているのか。 それから、次に先ほど来も出ておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症については高齢者が重症化しやすい傾向にあることから、高齢者施設のPCR検査、これを定期的に実施して、とにかく蔓延を防ぐということが重要かと思いますので、PCR検査の拡大と併せてどのような方針をお持ちかお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の改正法の周知徹底というお話ですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法そのものは、実施主体であります都道府県が主体となって対応することになりますので、再度長野県において緊急事態宣言が発令された場合等において、市民の皆さんや事業者の皆さんに対し、法の趣旨を踏まえ、感染状況に応じた行動を取っていただくよう協力を求めてまいりたいと思っております。 次に、感染症法につきましては、国から2月3日に発出された通知等を受けまして、医師会等を通じて市内の各医療機関に周知をするとともに、個々の感染者等に対して法改正に基づく対応を説明し、御理解をいただくこととしておりますが、その際、この罰則を前面に出して対応することは、私ども職員と当事者との信頼関係の構築を損ない、かえって適切な業務の遂行に支障を来すおそれがありますので、当事者そのものに周知をするに当たっては慎重な対応が必要と考えてございます。 違反者の取締りや是正措置、過料徴収についてですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法関係につきましては、罰則等の規定についての権限は県知事にありますので、県から周知の協力等の要請がありましたら適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、感染症法関係で申し上げますと、入院の措置、また積極的疫学調査、こういったものに拒否をされた場合にはこの罰則の対象になるわけですけれども、まずは感染者の方のお考えや状況を十分に確認をし、信頼関係の更なる構築も図りながら、入院や調査に御協力いただくよう最大限説得に努め、それでもなお応じていただけない場合には、あらかじめその旨を本人にお知らせした上で、保健所から地方裁判所に対して当該違反者が過料に処すべきものと思料される、こういった旨の通知を出させていただいて、裁判所がそれを受けて決定をして、決定された場合には検察官が支払い請求を行うという流れになってございます。 感染症法に基づく入院に要する医療費についてですが、医療保険における自己負担分について、本人の申請に基づく公費負担が行われておりまして、世帯の収入等によって窓口での一部負担をお願いすることになってございます。 この制度は申請主義となっておりますが、申請しなければ知りませんよということではなくて、御本人又は保護者の方に職員が丁寧に説明をしまして、本市においてはこれまで該当者全員の方にこの公費負担申請の手続を取っていただいております。 なお、宿泊療養施設での療養、ホテル等の療養につきましては全額都道府県が負担することになっておりまして、御本人の申請も負担も不要となってございます。 次に、感染者の増加に伴って医療保険制度が破綻するのではないかについてですけれども、本市の場合、現時点ではこの新型コロナウイルス感染症の影響はあまり大きくないものと捉えてございます。しかし、全国的には感染者が非常に多く発生している地域もありますので、今後本県においても同様に感染が拡大するようになりましたら、県とも連携をいたしまして、国に対して必要な支援を求めていくことも考えられるのではないかと思ってございます。 高齢者施設の検査の拡大というお話がございました。この件につきましては、国の方針に基づきまして、高齢者施設等において症状を有している従事者又は入所者に対して早期に検査を実施するとともに、陽性の方が1人でも判明した場合には当該施設全員を検査する、そういった対応を取ってきております。 定期的な検査につきましては、感染者が多数発生している地域、またクラスター等が多数発生している地域等においては一斉・定期的な検査を実施するという方針が国から示されておりますけれども、本市の発生状況等を踏まえてこういった点については適切に対応してまいりたいと考えております。 なお、これらの検査につきましては、いずれも行政検査の取扱いとなっておりますので、御本人や施設等の負担は発生いたしません。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) いわゆる保険給付分についての負担、これについては正直申し上げて、新感染症というような問題もありますので、やっぱりこれは国に向けて、各組合や国保が負担するんじゃなくて国が全額負担するように、全国市長会等で是非長野市の市長もひとつ働きかけて国庫負担になるように頑張っていただきたいということで、その決意をちょっと市長から……。 ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 財政負担の在り方については様々なお考えや御意見があろうかと思いますけれども、私からは事実的な経過を御説明申し上げますと、もともと感染症法、その前の伝染病予防法については、いずれも公費が中心となって医療保険は使わない形で対応されてきてまいりましたけれども、感染症も一般の医療と同様に医療保険の中で対応する。しかも、公費による負担というのは、予算の関係もあって非常に対応に流動的な部分が生じますけれども、医療保険全体で支えることでむしろ安定的にこの感染症の対応ができるということで、これまでの長い歴史から制度が改正されて、今は医療保険をベースにしながら3割とかの部分を公費負担するという制度設計に変わってきておりますので、確かに今回の新型コロナウイルス感染症の流行そのものは過去に例のないものかもしれませんけれども、医療保険全体は非常にしっかりとした体制がとられておりますので、そういった中で対応できるということでこれまで国において制度設計をされております。もちろん、そういった前提の中で非常に厳しい状況が出てくれば、また対応は考えていくべきものというふうに捉えております。 ○副議長(西沢利一) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 今、保健所長が申したとおりでございますけれども、今回は感染症のことでございますので、私ども保健所を持っておりますので、市民の安心・安全を含めてよく検討してまいりたいと思います。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) では次、質問の3に入りますが、カーボンニュートラルの取組についてでございます。2050年を目指して、EU、日本、米国に続き中国が2060年を目指すというようなことで、世界的な取組に発展しつつございます。とりわけ菅政権は、2035年にEV自動車100%というような施策も打ち出されております。 そこで、地方自治体におきましても取り組む必要性が感じられる。また、加藤市長も2050ゼロという基本方針を打ち出しております。 そこで、まず一つは、バイオマス産業都市の認定を本市ではかつて取り組んでまいりましたけれども、実は認定申請されなかったということでございます。なぜ申請されなかったのか。そして、改めて新年度認定申請されるという提案でございますけれども、その差異が一体どこにあったのか。それから、認定の可能性についてはどうなのか。それから、ゼロカーボンを達成するにはやはり5年単位ぐらいの数値目標が必要なので、その設定値はどうか。それから、本市の公共施設の電力自給、公用車の電気・水素化の方針はどうか。それから、生ごみの分別収集、堆肥化についてはどうお考えか。 次に、土地改良区や水利組合がお持ちのため池は、水田の減少で非常に維持運営が重荷となっているようでありますけれども、小水力発電に関してはどのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) 初めに、バイオマス産業都市の認定について、前回認定申請に至らなかった理由ですが、平成28年度の認定申請を予定しておりましたが、核となる事業化プロジェクトとして予定していた民間の事業が計画段階で中止となったことから申請に至らなかったものでございます。 前回との違いでございますが、製材加工と併せた木質ペレット製造の事業化プロジェクトを核として計画していた前回と異なり、今回は複数の事業化プロジェクトが具現化に向けて動き出している状況でありまして、バイオマス産業都市の認定について期待できる状況にあると考えております。 次に、2050ゼロカーボンに向けての数値目標についてお答えいたします。 市では現在、第三次長野市環境基本計画の策定を長野市環境審議会に諮問しておりますが、計画の中で温室効果ガスの削減量について、国際的な目標年である2050年の長期目標、2030年の中期目標を定め、長野市環境基本計画の進捗管理として5年後の2026年の短期目標を設定していく予定であります。 次に、公共施設の電力自給や公用車の電気・水素化などの方針についてお答えいたします。 長野市役所温暖化防止実行計画におきまして、市有施設の省エネ改修などを施策として位置づけ、推進してまいりました。今後は、市有施設の屋根貸しによる太陽光発電設備の設置を進め、公共施設の電力自給率の向上を目指すとともに、バイオマス産業都市の事業化プロジェクトで予定しているバイオマス発電の電力の活用も検討してまいります。 あわせて、公用車の電気・水素化についても、公用車として適切な車種を見極めながら、令和4年4月の長野市役所温暖化防止実行計画の改定に併せ、ゼロカーボンに向けて市役所における温暖化防止の更なる推進を目指してまいります。 次に、生ごみの分別収集と堆肥化についてお答えいたします。 生ごみを分別収集し堆肥化するには、新たに生ごみの排出について市民の皆様に御協力をいただくこととなりますが、質の良い肥料とするために、異物が混入しないようにする必要があります。生ごみを収集するまでの間の衛生面の対策や、堆肥化できる民間処理施設の状況、また堆肥を活用につなげる販路先の確保など、総合的に検討する必要がございます。新たに家庭ごみの分別の種類を増やすことで収集コストの増加にもつながることから、様々な課題と併せまして検討してまいります。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) ため池の水を活用した小水力発電につきましては、長野県内での設置事例はなく、全国的にも少ないのが現状でございます。これは、ため池の活用地区では一定量の水量が確保できないことに起因しているものと考えられます。 本市では、昨年、流域面積が大きく、より多くの水量が確保できる農業用ため池の浅川大池で小水力発電事業の可能性について検討を行いましたが、施設の維持管理費を上回る売電料が見込めないということで、事業性はないと判断した経過がございます。 一方で、農業用水路を活用した小水力発電につきましては、設置事例も多く、本市においては善光寺平土地改良区が里島地区でかんがい用水を活用して小水力発電を行っております。 小水力発電には年間を通じた一定量の水量と大きな落差が必要で、導入は限定的となりますが、議員御指摘のとおり、土地改良区等の安定経営に向けての財源確保や農業分野におけるSDGsへの取組として有効な手段であると考えていますので、今後も可能性を検討してまいります。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) ゼロカーボンには、より具体的なCO2を何%減らすのかというのを計画に基づいてはっきりさせなければより具体化が難しいと思いますので、その点をもうちょっと詰めていただきたいと思います。 質問の4でございます。市政のスマート化の課題でございますが、デジタル化、ICT化が進んでおります。そこで、提案でございますけれども、職員の出退勤管理や教職員の出退勤、あるいは小・中・高生徒の出欠、給食等の管理の電子化、それから現地調査などはGIS、ドローン等々で実施、あるいは、土木の現地調査についてもGIS、ドローン等で進めてはいかがか。 それから、各種証明書、保険証などもそうですが、これらの電子化、あるいはまたスマート化で、スマホをかざすことで済むというような体制、あるいは徴税関係の電子化、それから上下水道使用量のスマート化、これはいわゆる読み取りですが、これもスマート化。あるいは消防団員の出退勤管理の電子化等々について、どのようなお考えか伺います。 ○副議長(西沢利一) 倉島総務部長     (総務部長 倉島 明 登壇) ◎総務部長(倉島明) 議員から幾つか示唆に富んだ御提案を頂きました。 本市では、市民サービスの向上と業務の効率化を目的に、現在七つほどの方向性を持って、デジタル技術を活用しながらより一層行政のスマート化を進めてまいりたいと考えてございます。 御提案を頂きました取組はその中で検討してまいりたいと考えてございますが、その方向性のうち、御提案に関連して主なものを申し上げさせていただきます。 まず、市民サービスの向上を図るものとしては、押印廃止に併せて進めていくスマート申請について、これは国においてマイナンバーカードと健康保険証や運転免許証との一体化を進めていくなど、普及促進が図られてまいります。国の動きに合わせて、マイナンバーカードを中心としてオンライン手続を拡大していきたいと考えてございます。 また、キャッシュレス化の話もございましたが、キャッシュレス化を進めるスマート決済につきましては、窓口手数料等、現在導入のものに市税や保険料を加えるなど、キャッシュレス決済を更に進めてまいりたいと考えてございます。 次に、業務の効率化を図るものといたしまして、AI-OCR、RPAの活用や、働き方改革を実現するテレワークの推進など、スマート事務を進めてまいりたいと考えてございます。 あわせて、ペーパーレスによるスマート決裁、あるいは5Gなどの新たな技術を調査研究するスマートテクノロジーなどを積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 今後も行政のスマート化に積極的に取り組んでまいりますが、デジタル技術の導入に当たりましては、課題の洗い出しとか、あるいは費用対効果、こちらの方も評価しながら進めてまいりたいと考えてございます。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) 質問の5はスパイラルの保存ですが、2030年冬季札幌五輪で長野市と覚書を締結されましたが、1.7キロの競技コースが野ざらしでございます。札幌市と相談して保存すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 小林文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 小林祐二 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(小林祐二) スパイラルにつきましては、昨年3月に、2030年のオリンピック冬季競技大会の招致及び開催に当たり、スパイラルをそり競技会場として使用することについて、札幌市と覚書を締結しております。 札幌市は、これまでにもスパイラルを視察していただいております。覚書締結後の昨年10月にも、札幌市の施設担当者が来訪いたしまして現地の視察を行った際に、平成30年の製氷休止後に冷凍設備の長期休止への腐食対策や、コースを冷却するための配管をさびから保護する措置を実施していること、また、コースの躯体について、毎年高圧洗浄機によるコース内の清掃を行ってはいるものの、4月から12月の間はコース内を日本ノルディック協会公認のノルディックウォーキングコースとして利用していることもあり、コースを保護するような措置は特に実施していないことなどを御説明いたしました。また、経年劣化している場所など、コースの現状についても直接確認していただきましたが、今のところコースの保存に関して札幌市との間では話題になったことはございません。 2030年冬季大会競技会場としてスパイラルを使用するために必要な措置や整備などにつきましては、開催地が決定してからになるものと思われますが、原則オリンピック組織委員会が行うものと認識しております。今後、組織委員会、あるいは札幌市からお話があれば協議に応じてまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) 最後に、昨年発行の推し店プラチナチケット、ながのビッグプレミアム商品券について、10億円、48億円の効果と、新年度発行する15億円の実施時期はいつかお聞かせください。
    ○副議長(西沢利一) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 昨年8月から実施いたしました推し店プラチナチケット事業につきましては、10億円分のチケットを市内1,406店舗にて販売していただきまして、昨年12月末までの利用期間中、約9億6,800万円分のチケットが利用されました。また、過去最高となります発行総額48億円のながのビッグプレミアム商品券事業、これにつきましては商品券の販売総額32億円に対しまして3倍を超えるお申込みをいただきましたので、購入希望金額に応じた配分とさせていただきました。お申込みいただいた方の商品券の購入率は99%、4,426件の取扱登録店にて先月末までに商品券を御利用いただきまして、2月末までに換金事務局に到着している使用済み商品券は既に90%を超えております。 本市といたしましては、さきに実施しました推し店プラチナチケット事業が遠のいていた客足を呼び戻すきっかけとなりまして、その後年末年始に合わせて実施をいたしましたながのビッグプレミアム商品券により継続的な消費喚起につながったものと考えております。 次に、推し店プラチナチケットの第2弾の実施時期についてお答えいたします。 本年度消費喚起策を実施する中で、飲食店からの御意見といたしまして、複数の商品券事業が同時に重なりますと、換金まで手元資金が乏しくなり、仕入れ等が逆に厳しくなるという声をいただいております。現在、利用期間が6月まで延長されましたGoToイート事業が実施されておりまして、長野県におきましても、信州の安心なお店応援キャンペーン事業としてクーポン券の発行が今後予定されております。そのため、実施時期につきましては、これらの商品券の利用期間や新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めながら、切れ目のない消費喚起策となるよう今後検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 松木茂盛議員 ◆29番(松木茂盛議員) 以上で終わります。 ○副議長(西沢利一) 4番堀内伸悟議員     (4番 堀内伸悟議員 登壇) ◆4番(堀内伸悟議員) 4番、公明党長野市議員団、堀内伸悟でございます。 初めに、先日の公明党の代表質問で質問させていただきました重層的支援体制整備事業・断らない相談窓口について、一歩踏み込んで質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 これからの地域福祉のありようとして、地域共生社会という考えの下、国では様々議論がなされ、制度や分野ごとの縦割りや、支え手と受け手という関係を超え、市民一人一人や地域の多様な主体が暮らしや生きがい、地域を共につくっていく社会を目指すことが示されました。 地域共生社会を実現する一つとして大きく注目されているのが断らない相談窓口であります。現状、福祉サービスなどへの相談は、親の介護であれば介護保険や高齢者福祉サービス、障害者の場合は障害福祉サービス、ひきこもりに対しては生活保護や精神保健、貧困問題については生活困窮者自立支援、お子さんがいる家庭には子育て支援など、それぞれの分野ごとに相談先となる担当課が分かれております。 しかしながら、現実には複雑で複合的な悩みや課題を抱えている市民の方が多くいらっしゃいます。課題が複合的で関わる部署や専門機関も複数となるため、相談しても、いわゆるたらい回しにされたり、制度と制度のはざまで支援が受けられないなどの例も見られます。 こうした問題を解消するため登場したのが断らない相談体制の整備であります。今年度までのモデル事業では、秋田県小坂町が介護分野の相談を受け付ける地域包括支援センターを核として、障害や疾病のある方向けの相談所や、子育て世代包括支援センターや保健センターなどの機能を統合し、住民からの相談にワンストップで対応する総合相談窓口、多世代型地域包括支援センターを整備しております。 また、三重県名張市では、複雑で複合化した課題が絡み合った相談に対応するため、連携担当職員としてエリアディレクターという専門の職員を地域包括支援センターや生活困窮相談窓口、児童、障害、教育分野など複数の部署に配置し、エリアごとに課題解決能力の向上を図るため、ネットワーク力の強化に重点を置き、課題解決に向けたシステムを構築するなど取り組んでおります。 また、国の交付金についても新たな交付金が創設され、複数部署にわたる断らない相談窓口への財政支援が一体的にできるようになり、国は重層的支援体制整備事業の導入を本格的に進めており、今後の地域福祉のスタンダードになると考えます。 今年度より、本市においても相談支援包括化推進員が長野市社会福祉協議会に配置され、多機関協働を総合的にコーディネートすることや、包括的・総合的な相談支援体制の構築を担うなど、多機関協働の中核としてますます期待が膨らみます。 そこで伺います。一つ目として、本市における多機関協働による支援の現状と、今後どのような多機関協働のシステムの構築を進めるのか。先ほど御紹介した三重県名張市のモデルのように、既存の部署や専門相談機関の機能を生かしながら多機関協働を推進することが、本市の現状から発展させるには近いモデルであると考えます。さらに、福祉分野の多機関が協働することは、断らない相談窓口の実現には必要不可欠である一方、協働する機関についても福祉分野以外にも拡大していかなければならないと考えます。御所見をお聞かせください。 二つ目に、この重層的支援体制整備事業の成否を左右するのは支援を担う人材です。本市においては、相談支援包括化推進員の方が多機関協働の中核を担い、さらに各相談機関の専門職の皆様についても多機関協働の視点を持つことが必要と考えます。事業に当たる人材の育成や確保、専門性の向上、処遇改善が支援者を孤立させないと考えますが、本市として今後どのように取り組んでいくお考えか、御見解をお伺いいたします。 三つ目として、重層的支援体制整備事業の断らない相談支援以外の参加の支援と地域づくりに向けた支援についても、これからの地域福祉のキーワードとなる、誰もが役割と生きがいを持つ社会の醸成や地域社会の持続的発展の実現からも大変重要と考えます。参加の支援、地域づくりに向けた支援を今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。     (4番 堀内伸悟議員 質問席へ移動) ○副議長(西沢利一) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) ただ今3点御質問を賜りました。 初めに、本市における多機関協働による支援の現状についてお答えいたします。 今ほどの議員の方から紹介があったように、本市では今年度から多機関の協働による包括的支援体制に取り組んでおります。複雑・複合化した相談、あるいは困難事例等について、関係する支援機関の中で円滑に連携が行えるように、それをコーディネートする相談支援包括化推進員を市社会福祉協議会に配置しております。 相談支援包括化推進員、あるいは生活就労支援センターまいさぽ長野市に寄せられる困難事例については、職員が一つ一つ整理いたしまして事例集を作成して、関係支援機関内で共有できるように対応するとともに、ケーススタディ研修なども併せて実施しておりまして、それぞれの相談支援員のスキルアップを図っております。 なお、本年2月末までに580件の困難事例に対応しておりまして、生活上の悩みやお困り事を抱えた個人、家族をそれぞれの支援機関につなげる断らない相談に取り組んでいるところでございます。 次に、今後どのような多機関協働のシステムの構築を進めるかについてお答えしたいと思います。 相談支援包括化推進員に寄せられます相談内容は、例えば親が高齢で虚弱であって、息子は離職した。その子供は不登校であるといったような複合的な悩みや問題、あるいはコロナ禍の影響で収入が減っていて、いらいらしてついつい子供に強く当たってしまう。また、いろいろ弁護士にも相談したいんですけれども、借金が多くてお金がないといったような話、それとか高校卒業後30年間家族のみで支えている40代後半のひきこもりがいるといったようなケースが少なからずございます。 本市では、将来的に様々な悩みや課題を抱えた方々が、いずれの支援機関に相談しても適切な支援が受けられる体制の整備を目指しておりますが、まずは相談支援包括化推進員がその中心となり、支援機関との信頼関係を築き、様々な経験、実績を積み重ねていく中で、官民の連携も含めた多機関協働のシステムの推進に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、協働する機関の拡大についてお答えします。 複雑化、複合化した課題や問題は、行政や公的サービスの福祉専門機関だけでは解決の難しいものがございます。まいさぽ長野市などに寄せられます相談の中にもこうした事例がありまして、医療機関とか金融機関とか法律関係機関とも連携してその支援に当たっておりまして、本年1月末までに連携先は全体で125件となっております。 協働する機関についても拡大していかなければならないとの見解につきましては、今後福祉の分野のみならず、住まいや雇用、医療、教育など、他分野の様々な機関との連携をしなければ解決が難しい案件が増えてくるものと想定しておりまして、引き続き多機関との協働に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、重層的支援体制整備に当たる人材の育成や確保、専門性の向上、処遇改善など、支援者を孤立させないようどう取り組んでいくかについてお答えしたいと思います。 本市においては、高齢者、障害者、子供及び生活困窮者の包括的な相談支援機関として、地域包括支援センター、障害者相談支援センター、こども相談室及びまいさぽ長野市などを設置し、それぞれの相談支援機関におきまして人材の育成、確保に努めるとともに、各種研修などを通じて専門性の向上や処遇改善を図ってきております。 先ほども申し上げましたが、本市では悩みや問題を抱えた個人や家族、そういった方々がいずれの支援機関に相談しても多機関に円滑につなぎ、適切な支援が受けられるような体制の整備を目指しております。今後、相談支援包括化推進員を中心に、本人や家族を包括的に受け止めるための情報収集の方法、あるいは円滑に多機関連携の仕組みづくりに関するような研修の開催、また実際の困難事例については関係する支援機関が集まって協議、検討し、チームとして対応していくなど、それぞれの支援担当者を孤立させることのないよう取り組んでまいりたいと思っております。 終わりに、断らない相談支援以外の参加支援及び地域づくりに向けた支援を今後どのように取り組むべきかについてお答えしたいと思います。 初めに、参加支援という言葉なんですが、これは国の方で重層的支援体制整備事業の制度設計を行う中で、本人や世帯の状態に寄り添いながら社会とのつながりを回復することを目的に掲げたものでございます。 現在、本市においては、それぞれ分野、制度ごとに、高齢者福祉施設、障害者支援施設、児童福祉施設、あるいは社会事業授産施設などを通じて参加支援というものに取り組んでおります。 一方、重層的支援体制整備の事業におけるこの参加支援というのは、相談を受ける中で明らかとなった既存の制度ではカバーされないニーズに対して、例えば就労支援とか居住支援などを行うという取組でございます。具体的に言いますと、例えば生活困窮者の就労支援施設において、経済的に困窮状態にはないひきこもり状態の方々に対して就労支援を実施するような取組、また養護老人ホームにおいて居住に課題を抱える方への支援のために、空床を活用した契約による入所を実施する取組などが想定されるかと思います。 今後、既存の取組で対応できる場合には既存の取組によって対応し、また、はざまのニーズにも対応できるよう、地域資源の拡充について検討してまいりたいと考えております。 また、地域づくりに向けた支援については、地域社会からの孤立を防ぐとともに、地域における多世代の交流や多様な活躍の場の確保及び地域における活動の活性化を図ることを目的に、参加支援と併せて冒頭に掲げられたものでございます。 現在、本市におきましては、各地区において地域住民が主体となって、ふれあい会食、あるいはお茶飲みサロン、こども食堂など、住民同士が出会い、参加することができる場や居場所の確保に向けた取組がそれぞれ行われております。 地域づくりに向けた支援なんですが、やはり地域住民のやりたいという思いに寄り添って、その思いが実現できるようにするため、幅広いものになるのかなと思っております。今後の取組につきましては、地域に多様な参加の場や居場所を確保するための支援、交流・参加・学びの機会を生み出すコーディネート機能の充実などについて、地域住民の皆様と共に検討してまいりたいと考えております。 なお、御紹介もありました重層的支援体制整備事業では、参加支援及び地域づくりに向けた支援につきましては、断らない相談支援と併せて市町村が努力義務として実施するとなっております。これらを一体的に実施した場合については、国はこれらの支援に係る経費について、一括交付金を市町村に交付するというような仕組みになってございます。 いずれにいたしましても、参加支援及び地域づくりに向けた支援につきましては、断らない相談支援を含めて今後本市において重層的支援体制整備を構築していく中で、国が示しております事業実施に向けた基本的な考え方に沿って、保健福祉部、こども未来部が中心となりまして、庁外の関係支援機関や地域団体と共に今後検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 堀内伸悟議員 ◆4番(堀内伸悟議員) ありがとうございます。 相談支援包括化推進員の方も500件を超える相談ということで、人員自体が今後また、相談件数が多くなるということは、それだけ負荷が掛かってくるかなと思いますので、人員の体制についてもまたよく検討していただいて、増員するなら増員するということでお願いをしたいかなと思います。 また、重層的支援体制整備、断らない相談支援の肝は庁内連携だと考えます。これがまずベースとなって、それで庁外の連携にも大きく展開できてくると考えます。長野市民が誰一人取り残されない、置き去りにしない、そういう理念の下、事業展開をお願い申し上げます。 続いて、長野市新生児特別臨時給付金について伺います。 新型コロナウイルスの社会的影響は今もなお続いており、昨年末から今年にかけての第3波の拡大も落ち着きつつある状況ですが、全国的に感染はいまだ収束していない状況です。特に、飲食業、観光業、旅客業を中心に、あらゆる業種において大きな打撃を受け、本市においても市民生活や経済への影響は深刻さを極めています。ようやくワクチンの接種がスタートしておりますが、ワクチンの供給スケジュールもはっきりしていない状況の中、全市民へ行き渡るには一定の時間を要することから、克服に向けた闘いはまだまだ長期に及ぶことが予想されます。 そのような中、昨年9月市議会定例会で私から質問させていただきました。本市においても、国が実施した令和2年4月27日を基準日とした特別定額給付金の対象とならなかった令和2年4月28日から12月31日までにお生まれになった新生児の赤ちゃんに対し、健やかな成長を支援する目的として、長野市新生児特別臨時給付金が支給されるようになりました。対象となったお子さんがいらっしゃる御家族からは、私の下にも多数喜びの声が寄せられました。 しかしながら、今年に入っても新型コロナウイルスの感染はいまだ収束しておらず、市民生活への影響も続いている中、令和3年1月以降に生まれた新生児にとっても、昨年お生まれになった長野市新生児特別臨時給付金の対象の新生児と同様に、変わらない経済状況の中、おむつ代やミルク代、生活用品全般やベビーグッズなど、誕生直後は様々な費用が必要になります。 そこでお伺いいたします。令和3年1月以降に生まれた新生児に対しても、現在の社会情勢から考えても、長野市新生児特別臨時給付金の支援が必要と考えます。現金での給付と併せて、大変好評であったながのビッグプレミアム商品券のような商品券の発行による支援も大変有効であると考えますが、本市の見解をお伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 本市では、国の特別定額給付金の対象とならなかった令和2年12月末日までの新生児に対し、現在1人当たり5万円の新生児臨時特別給付金の支給を実施しております。この給付金は、新型コロナウイルス感染症対策として、国が実施した緊急事態宣言の解除以降も依然として厳しい社会経済状況が続いたことを踏まえ、本市の新生児の健やかな成長を支援するため、国の財源を活用しつつ、独自制度として実施したところでございます。 令和3年1月以降の新生児に対する支給をとの御提案でございますが、様々な経済対策が国をはじめ本市においても取り組まれている状況や、新型コロナウイルス感染症についても緊急事態宣言が首都圏等に限られていたこと、また長野県におきましても感染者が増加いたしましたが、県独自の医療非常事態宣言であったことなど、昨年の状況とはやや異なる面があると考えております。 なお、今後も昨年5月の緊急事態宣言下のような経済状況の悪化など、支援が必要な状況が生じた場合には、財源等も十分に考慮する中で検討させていただきたいと考えております。 次に、新生児に対するプレミアム商品券などによる支援につきましては、商品券発行に当たっての取扱事業者との調整等の事務処理量が膨大であることや、給付金として支給する方法が比較的短期間に処理できる点を考慮いたしますと、新生児に限定した実施は難しいものと考えております。 なお、今後、本市がプレミアム商品券のような制度を再び実施する機会がある場合には、状況を踏まえた中で子育て支援を対象とした上乗せなどの方法も手法として考えられますので、今後の施策検討の中で参考にさせていただきたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 堀内伸悟議員 ◆4番(堀内伸悟議員) ありがとうございます。 全国的に出生数が大幅に低下しております。一部ではコロナ感染拡大が妊娠、出産の逆風になっているとの声も聞こえています。コロナ禍での出産や育児は、今まで以上に様々な不安やストレスを抱えているものと思われます。経済面でも非常に不安な中、誕生した新生児に対して、応援の気持ちを込めて是非お取組いただきたい、このように要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○副議長(西沢利一) 8番加藤英夫議員     (8番 加藤英夫議員 登壇) ◆8番(加藤英夫議員) 8番、新友会、加藤英夫です。 冒頭、本市の基幹産業でもある農業振興について、その意気込みをお聞かせいただき、日々畑で奮闘している農業従事者の励みの一つになればと思い、質問させていただきます。 全国的に言えることですが、現在の農業は異常気象、有害鳥獣被害、後継者不足、低収入等々多くの問題を抱えています。 特に本市では、一昨年の令和元年東日本台風の影響がまだ残る中、いよいよ離農の動きも見え始めたとの話も聞くところであります。行政がどこまで農業政策に力を入れているかが、農業人たちの大切なモチベーションにつながるものだと思います。 先日、農協の青壮年部アンケート結果で行政との懇談会を是非したいと、そういう意見もありました。この件に関しましては、関係部局にて御対応をしていただきまして本当にありがとうございます。その意見の中で、市長と農業政策について是非意見交換をしたいという、そういう希望もあります。いつの日かこれが実現できればすばらしいと思います。 そこで、加藤市長にお尋ねいたします。本市の農業振興に対する意気込みと、農家へ力強いメッセージがあれば是非お聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。     (8番 加藤英夫議員 質問席へ移動) ○副議長(西沢利一) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 農業は、私たち市民の生活に必要不可欠な食料を供給するとともに、国土や環境を保全するなどの多面的な機能を有し、また農村は農業生産のみならず、地域コミュニティの維持に大きな役割を果たしていると認識しております。 一方、少子高齢化、人口減少が進行する中、農業者や農地面積も減少するなど、農業の生産現場は依然として厳しい状況に直面しております。 このような中、農業者の皆様には、農業を担う次世代に農地や栽培技術、農村の文化や景観などを継承していただいていることに深く感謝申し上げます。 本市といたしましても、農業の持続的発展と成長につながるよう、長野市農業振興アクションプランを策定いたしまして、二つの重点施策を定めて各種事業を推進しているところであります。 まず、一つ目の重点施策であります多様な担い手づくりと農地の有効利用につきましては、昨年度から取り組んでまいりました人・農地プランの実質化がこの3月で完了することから、農業委員やJA、農業公社と共に、地域の中心的な担い手に農地の集積、集約を進めております。中でも、令和元年東日本台風により被災した地区の農地の荒廃化を防ぐために、農地の流動化の促進と優良農地への復元を支援する被災地区農地対策補助金を新設いたします。併せて、新たな担い手の確保のために国の事業を活用するとともに、認定農業者の子弟の就農を促す市の制度に引き続き取り組んでまいります。 また、コロナ禍で地方回帰に関心が高まっていることから、県内外の就農相談会等で本市への新規就農を積極的にPRするとともに、新設いたします農業体験受入事業によりまして、本市への移住を視野に入れたお試し農業体験を提供してまいります。 さらに、農業分野での労働力不足と福祉分野の就労機会不足といった双方の課題解決に向けまして、農福連携に積極的に取り組んでまいります。 また、本市農業の大事な担い手であります家族経営農家、女性農業者にも目を配ってまいります。 これらによりまして、未来を担う若者が就農した暁には、先輩農業者として温かく迎えていただくとともに、本市農業の発展に向けてお互いに切磋琢磨されますことを期待しております。 次に、二つ目の重点施策であります地域の特性を生かした生産振興と販売力強化の促進におきましては、長期戦略2040が目指す農産物の高付加価値化など、もうかる農業の実現に向けまして、これまで経験や勘に頼ってまいりました農作業でありますけれども、データを活用した桃栽培技術の可視化に着手するとともに、スマート農業用の機械の開発と導入に対する支援事業も創設をいたしまして、今後ますます発展が期待されていますスマート農業の推進に取り組んでまいります。 また、本市の主力であります果樹栽培に、シャインマスカットなど新品種の導入や、リンゴの新わい化など、新たな栽培技術の導入を支援するとともに、生産条件が不利な中山間地域には、農地の荒廃化を抑制する対策と、地域の特性を生かした作物の振興を進めてまいります。 私は、長野市の農業の未来は明るいと信じております。引き続き市は農業の振興を図るための施策を全力で推進してまいりますので、農業者の皆様の御協力をお願いしたいと思います。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) 今の市長の農業の未来は明るいと、その言葉を是非長野市中の畑に届けたいなと、そういうふうに思った次第であります。ありがとうございます。 続きまして、基盤整備事業についてお聞きしていきたいと思います。 各地で取り組んでいる人・農地プランですが、後継者不足が取り沙汰されている中、中山間地域の農地は集約しても利用率は低水準にとどまることが予想されます。これに関しましては早急な対応が必要かと思っております。 最近、若穂で大規模な基盤整備事業が着手されましたが、若手生産者の期待度は大きなものです。今後発展が期待できるスマート化を考えても、農業機械を安全に使用するには整った圃場が大前提となります。 本市の基盤整備事業の補助金は、10アール当たり上限が16万円ですが、これは残念ながら十分な額とは言えません。中山間地域の農業振興のためには基盤整備が欠かせないかと思います。是非積極的に推し進めていただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 農地等の基盤整備の関係でございますが、まず国庫補助による基盤整備事業の面積要件や補助率、限度額につきましては、国が定める農業農村整備事業のガイドラインに従って運用をしております。現在、若穂地区で実施中の農地中間管理機構関連農地整備事業では、この制度を活用しておりまして、面積要件は10ヘクタール以上で大規模なものとなりますが、受益者の負担はございません。 なお、中山間地域では面積要件が緩和され、5ヘクタール以上で事業対象となることとされています。 次に、国庫補助の対象とならない中小規模の基盤整備事業につきましては、市単独の補助メニューを用意しており、市が事業主体となる市単土地改良事業では、面積要件は1ヘクタール以上で、受益者負担は20%としております。また、受益者自身が事業主体となる基盤整備補助金事業ですが、面積要件が0.1ヘクタール以上で、受益者負担が50%、10アール当たり16万円を限度として補助することとしており、整備規模に応じて柔軟に対応しているところでございます。 議員御指摘のとおり、スマート農業などの営農の効率化による農業振興を図るためには、圃場の集約、集積が重要で、基盤整備は有効な手段であります。最近では、中山間地域の松代西条地区においても国庫補助による基盤整備の検討が始まっており、今後も国庫補助の活用による事業推進を図ってまいります。 なお、中小規模の基盤整備を対象とした市単事業につきましては、制度創設から長期間を経過していることから、実態との乖離状況も踏まえるとともに、農業振興の観点と適正な受益者負担の観点の両面から、面積要件や補助率、限度額について研究を進めてまいります。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) これからの農業に関しましては、この基盤整備というのは本当に欠かせないものだと思います。国のほうも強く推し進めていることもありますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、スマート農業の推進についてお尋ねいたします。 現状、個人農家ではスマート農業機器導入に予算面でかなりちゅうちょしているところがあるかと思います。 ただ、本市におきましては、スマート農業の予算確保に大変御尽力いただいており、感謝申し上げるところです。 しかし、導入にはI機器の助けは必要不可欠なものです。特に、高齢化が進む今後の農業では、IT機器の操作という面が一つのハードルになることも予想されます。これをサポートすることもスマート農業の発展には欠かせないことだと思っております。 農協等の関係機関に対して、ITやスマート農業の常設サポート窓口創設の橋渡し、また講習会や相談会などの推進も積極的に働きかけることも市の大切な仕事かと思います。ITに不慣れな農業者がスマート農業に参画しやすいように敷居を下げる努力も必要だと思いますが、お考えをお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 本市では新年度から、市長の答弁にもありましたが、生産現場のスマート化に向けて、桃の栽培支援システムの構築に着手するほか、農業者のスマート農業用機械の導入や本市農業に適したスマート農業用機械等の開発などに対して支援をしてまいりたいと考えています。 このように、本市におけるスマート農業の展開は始まったばかりでありますが、議員御指摘のとおり、御高齢の農業者が多い中でスマート農業の普及を図るためには、IT機器の扱い方に慣れていただくということも大事なことと思っています。現状では、農業者が導入するI機器や農業用機械に対する問合せや操作講習などは、販売店やメーカーが対応しているほか、JAも農業機械センターでJA職員がサポートを行っていますが、将来的には二つのJAが協働して、またメーカーとも連携する中で常設のサポート窓口機能が農業者に提供されることが望ましいと考えております。 さらに、IT機器やスマート農業用機械は日進月歩で開発が進んでおりますので、そうした機械操作が簡便で扱いやすくなるよう改良が進むことにより、スマート農業の普及につながるものと期待しております。 市といたしましても、新設するスマート農業用機械等の導入費用を支援する制度の周知を図るとともに、スマート農業に取り組もうとする農業者からの相談に、引き続き丁寧に対応してまいります。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) スマート農業機械の発展は、恐らくこの先日進月歩だと思います。使いこなせる人は恐らくすぐ使いこなすようになるかと思いますけれども、特にI機器が苦手な方にとりましては、恐らくなかなか難しいところも出てくるかと思います。もしかしたら、この先スマート農業に対しての格差というのが始まってきてしまうのかな、そういう懸念も今持っているのが実際のところです。 以前、農協でおじいちゃん、おばあちゃんに向けてスマートフォンの講習会みたいなのを開いたこともありましたけれども、今スマートフォンとかタブレット等に関しましては、その次元を考えますと全くステージが違うもので、これを使いこなせなければ本当に農業からどんどん遅れていってしまうと、そういうような懸念がありますので、この辺に関しても是非お力添えをいただいていい方向に進めていただければと思っております。 続きまして、CSFについてお尋ねいたします。 現在、本市全域がイノシシのCSFの感染地域になっています。その対応策としまして、全県規模でのイノシシに対する経口ワクチン散布が進んでいるところです。本市はジビエ加工センターを有していることもあり、イノシシのジビエ利活用解除がいつになるのか、どのような条件で解除になるのか、狩猟者、鳥獣被害対策従事者にとって気になるところであります。そして、非常に重要なことでもあるかと思います。また、被害を受けている農業者にも少なからず影響があるものと考えております。 そこで、現時点での本市の経口ワクチンの散布状況とそれによる効果、またどのような条件になったらイノシシをジビエとして再度利活用ができるようになるのか、分かりやすい指針をお示しいただければ関係者も安心できるものと思います。お考えをお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) まず、市内へのCSF--豚熱の経口ワクチン散布状況ですが、県内全域への感染拡大防止を図るため、県が主体となり、令和元年10月下旬に初めて信更、信州新町、大岡の3地区に約800個の経口ワクチンを散布いたしました。その後、市内で初めて令和2年2月16日に小田切地区でCSF感染のイノシシが確認されたため、確認された周辺に計600個の経口ワクチンを緊急散布したほか、同年9月上旬には篠ノ井地区と豊野地区内にある養豚場の周辺に約420個を散布したところであります。 次に、経口ワクチン散布の効果についてでございますが、県ではイノシシの経口ワクチン抗体保有率を四半期ごとに確認しておりまして、その直近のデータでは令和2年7月から9月の抗体保有率は約18%であったものが、10月から12月の抗体保有率はその倍となる約36%であることから、CSF感染の予防につながる効果が現れているとの見解がございました。 経口ワクチンの散布につきましては、今後も定期的に実施する方向で県から話がありますので、猟友会や養豚農家の皆様等の御協力もいただきながら取り組んでまいります。 次に、どのような条件になればイノシシをジビエとして利活用できるようになるのかについてお答えします。 まず、イノシシのCSF感染状況ですが、令和3年2月末現在、市内では44頭が検査され、そのうち11頭が陽性であり、依然として感染終息のめどが立たない状況であります。そうした中、令和2年11月下旬には、市が主体となりまして、国、県、長野市猟友会が参集したジビエ振興等に関する懇談会において、国に対しイノシシ利活用再開の指針等を早期に示してほしい旨を強く要望いたしました。その後、国ではCSF発生地域においてもジビエ利用ができるよう、令和2年12月には豚熱検査実証事業に関する検討会を設置して検討を始めています。 いずれにしろ、感染が落ち着いてこないことにはイノシシの利活用の再開はなかなか難しいところであると考えていますが、今後も県と連携しながら国の動向を注視してまいります。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) ありがとうございます。 なかなかウイルスというのはいずれにしても厄介なものだと思いますけれども、厳密な対応が大切かと思いますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 続きまして、収入保険についてお尋ねいたします。 一昨年の令和元年東日本台風をはじめ、現在の農業経営には常に異常気象のリスクがつきまとっています。さらに、本市では有害鳥獣被害が多い実情もあり、そのリスクに備え、安定した営農のためには、農業共済と、平成31年1月から始まりました収入保険制度があります。収入保険制度は、収量ではなく収入に対して保険金を支払う制度で、より包括的な保障が見込まれます。農業共済、収入保険、いずれの制度に関しましても非常に低い加入率であることは否めません。 現在、本市では農業共済加入者に対して20%の補助制度がありますが、収入保険に対しての補助がないのが実情であります。須坂市に関しましては、令和3年度に限りますけれども、加入者負担分の80%の補助が出るそうです。それにより新規加入者が一気に増加したというお話も聞いております。また、中野市や松本市などもこの補助制度の導入を検討しているという話を聞いております。本市でも収入保険加入率の改善のために補助金導入の必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。 さらに、収入保険に加入するためには、青色申告が条件となります。これも、農家の加入率が低水準である一つの要因かと考えます。2015年のデータになりますけれども、全国の販売農家133万戸のうち、青色申告をしている農家は42万戸のみと、とても低い率です。そこで、白色から青色へ転換を促すそのサポートをしていただくことも大切かと思いますが、御所見をお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 近年では自然災害が頻発していますことから、農業者自らが農業経営の安定を図るため、農業共済や収入保険といった公的保険制度に加入することが今まで以上に必要となっています。 農業共済は、風水害や冷害をはじめとする自然災害や鳥獣被害などによる農作物等の損害の一定割合を補填する事業でありまして、議員御指摘の果樹共済のほか、畑作物共済や園芸施設共済などの各種共済が用意されています。 農業共済に係る助成につきましては、本市の農業の主力が果樹であることから、果樹共済の農家の負担する掛金の20%を補助して加入を促進していますが、令和2年産の本市の加入率は11.9%と、長野県平均の16.5%に比べても低い状況でございます。 一方、平成31年から始まった収入保険は、品目を問わず、また自然災害のほかにも農作物の価格低下や農業者の病気、けがなど広範囲にわたって収入減少を補填する制度ですが、導入されて間もないことや、青色申告を行っている農業者を対象としていることから加入数はあまり伸びていないのが現状です。 本市といたしましては、限られた財源の中でもより多くの農業者にリスクに備えてもらいたいことから、当面は果樹共済の掛金に対する補助を優先させていただき、収入保険の加入への補助につきましては今後の課題としてまいりたいと考えています。 次に、青色申告のサポートについてお答えします。 収入保険への加入は青色申告が条件となりますが、青色申告は手続や書類整備が複雑なことから敬遠する農業者が多い一方、特別控除など各種の優遇措置があるとともに、経営分析のツールとすることで農業経営の健全化に資するといったメリットがあります。 そのため、本市では農業研修センターにおいて、農業簿記講座を開講して青色申告の啓発に努めているほか、JAも同様に講座を開催していると聞いております。 市といたしましては、今後も引き続き簿記講座を開講して青色申告への移行をサポートしてまいります。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) この収入保険の弱点というのが、確定申告が終わらないと保険金が下りてこないという、そういう弱点がございますけれども、今つなぎ融資があるということで、一昨年の令和元年東日本台風に関しましては、実際12月末までで542件、30億6,000万円保険金がつなぎ融資によって支払われたという、そういう実績もあります。実際、助かったという農家の声も聞いておりますので、是非この収入保険、これは農政局のほうでも収入保険しっかり進めたいという、そういうお話も聞いておりますので、また本市におきましても是非進めていくという方向でいっていただければと思います。 続きまして、桃の病害対策についてお尋ねいたします。 今、全国の桃産地ではせん孔細菌病に悩まされております。本市も例外ではなく、多くの桃農家が悲鳴を上げております。 そこで、科学的な対策としまして防除の徹底をしているところですが、防除の回数が増加し、農薬の希釈倍率も濃くなる。経費の増加が深刻な問題です。また、防除の際に薬剤が掛かるように、剪定も気を使っています。夏季剪定や秋季剪定にもより手間が掛かるようになっています。また、耕種的な対策で、病斑部の徹底的な除去作業にも多くの時間が掛かります。そこまで徹底しても収まらないのが実態です。 一方で、風の影響で菌が飛散し、感染を広げている実態があります。特に、風の強い園地におきましては発生が多いとのことです。そこで、物理的な対策といたしまして、防風ネットを設置又は防風樹の植栽が挙げられます。防風樹は、費用が抑えられますが、防風効果が得られるまでに時間が掛かってしまいます。防風ネットの設置費用は高価ですが、即効性はございます。お聞きした直近の例を挙げますと、1反4畝--1,440平米に60メートルのネットを設置するのに400万円弱掛かったそうです。国の果樹経営支援対策事業で2分の1の補助金がありますけれども、それでも生産者はその金額を聞くとなかなか手が出ないと、そういう話を聞いております。また、堤外地では補助の適用外で、なおのこと整備が進まない一因ともなっております。 防風ネットは、甚大化するおそれのある台風被害の低減にも有効かと思います。対応が遅れますと、川中島白桃、川中島白鳳などの品種名にあるように、本市を代表する果実でもある桃生産者の更なる減少につながってしまいます。実際に耕作面積の減少も始まっているという話です。 せん孔細菌病対策としまして大きな効果が期待できる防風ネット設置のため、新たな補助制度の設立又は上乗せ等々をお考えいただきたいと思いますが、御所見をお聞きいたします。 ○副議長(西沢利一) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 御質問の桃のせん孔細菌病ですが、細菌による病害で果実への被害や、早期に葉が落ちるなど問題を引き起こすもので、特に果実への感染は、黒褐色の穴が多数空いて出荷ができなくなるといったものでございます。市内では10年以上前から発生していましたが、風の強い場所での発生が多く、また雨で拡散するという特徴を有しており、台風の来襲を受けた翌年には発病が多くなると言われています。 このせん孔細菌病は、薬剤のみによる防除だけでは十分な効果を得ることが難しく、病斑の出現した枝などの定期的な除去と早めの袋掛け、防風ネットの設置などによる風対策も含めた総合的な防除が必要となります。 防風ネットは、風により飛散してくるせん孔細菌病の細菌を防ぐために、風よけ用の網を巡らすもので、農業振興地域内の農用地区域、いわゆる青地であれば、農業者個人でも補助率2分の1で国の果樹経営支援対策事業が利用でき、また農用地区域外でもJAグリーン長野管内では補助率5分の1でJA独自の支援を利用することができる状況でございます。 市といたしましては、これら既存の補助事業がありますので、防風ネット設置に対する補助金の新設や、国やJAへの補助金の上乗せは今のところ考えておりませんが、市単独の補助事業として、農業者が協働で防除活動を行う場合には、果樹難防除病害虫対策事業により経費の10分の3以内を支援できますので、御相談に応じていくとともに、JAと連携してせん孔細菌病の防除の啓発も行ってまいりたいと考えています。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) リンゴの苗木で青森から購入した苗木の中に黒星病という病気の病斑入っておりまして、それに関しましては当初本当にこれ蔓延して大変なことになるなんていう、そういう話もありましたけれども、これは薬剤によって大分抑えられたという話を聞いております。 この桃のせん孔細菌病に関しましては、ちょっと農協のほうでも本当にお手上げ状態、あとはもう防風ネットに頼むしかないんじゃないかと、そういうところまできているなんていう話も聞いておりますので、本当に最後のとりでになるかもしれないので、是非前向きに御検討をいただければと思っております。 続きまして、新たながん検診についてお尋ねいたします。 新しいがん検診、N-NOSEについてお聞きいたします。 昨年から実用化が始まったセンチュウを用いたがん早期発見技術ですが、1滴の尿から15種類のがんの検診が手軽に受けられる上、早期がんに関する感度が高いということなので、がんの1次スクリーニング検査に最適と言われております。がん細胞ができている患者が検査した際、がんと判定する確率は86.3%ととても高精度であり、体への負担を掛けることがなく、正にこれからのがん検診だと考えます。 現状では、検体の提出ができるのが東京、大阪、福岡だけとのことです。そのような中、2019年10月に、久留米市と小郡市がトライアルに参加したとの情報もあります。現時点では久留米市、小郡市も検体が提出できる、そんなような状況になっているとも話を聞いております。現在は、名古屋市、仙台市でも検体の提出が可能となっております。名古屋では、今後毎週土曜日に駅前で検体の回収が行われるそうです。 数種類のがん検診を受けると時間的な負担も増大し、多忙な方には検診のハードルが高くなっているとも思います。各種がん検査をそれぞれ受けていたものが、1滴の尿で15種類の検診ができる画期的な検査であります。さらに、2年後を目途に、同検査でどの種のがんかが判別できるようにまでなるとも聞いております。回収場所も1坪程度で、冷凍保存ができる施設があれば可能だそうです。手軽に負担なく幅広い種類のがん検診ができるこの検査方法の導入に関しての御所見をお伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) センチュウによるがん検査について御提案を頂きました。 この検査は、東京のベンチャー企業が研究・開発しているもので、非常に簡便な検査方法ではありますが、がんのリスクがあるかどうかを判定するものでありまして、本当にがんなのかどうか、どこの場所のがんなのかといったところを判断するためには改めて部位別のがん検診を受けていただく、そういった必要がありまして、受診者によっては時間的、また心理的な負担が増すこともございます。 また、がんの人を検査で陽性と判定する割合が86%と御紹介されておりましたけれども、残りの10数%の方が見逃されるということもございますし、一方、がんでない方が誤ってがんのリスクがあるというふうに判定される可能性もありまして、これについては開発をしている企業自身も認めておりまして、検査能力についてまだ開発途上ではないかといった可能性も考えてございます。 さらに、がん検診そのものは、最終的には死亡率の低下、この効果が明らかな方法を実施することが基本と考えておりますので、この検査がそのような効果までもたらすのかどうか、現時点では明らかになってございません。 この検査、現時点で薬事承認も受けておりませんし、また保険収載もされておりませんので、現時点での導入という状況にはまだないのではないかというふうに考えておりまして、私どもとしては国が示すがん検診の指針に沿って、科学的に死亡率の減少効果が確認されている検診を確実に実施をしていくということで取り組んでまいりたいと考えております。 ちなみにですけれども、センチュウががんの患者さんの尿から何かを嗅ぎ取って反応するということ自体は医学的にも非常にユニークな現象かなと思っております。しかも15種類のがんに反応するということであれば、がん細胞が共通して出している何らかの物質にセンチュウが反応しているという可能性がございます。むしろ、その15種類のがん細胞に共通した物質が一体何なのか、こういったところを科学的に解明したり抽出をしたりすることで、むしろがんのメカニズムであったりとか、より確実ながんの検診や治療にも結びつくものと考えられますので、そういった観点から是非研究が更に進むことを期待しております。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) 1検体当たり9,800円というとてもお得な感じはするんですけれども、また是非将来的なところで検討していただければと思います。 続きまして、感染症対策についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症のニュースが聞こえ始めてから1年以上経過しました。日常生活の中ではマスクの着用、アルコール消毒が違和感なく常態化されています。また、要所での検温も日常になっております。支所や公民館、そして図書館、不特定多数の方が出入りして、かつ管理が可能な公共施設には、利用者の安心・安全のために、この非接触型の体温計の設置を考えるべきではないかと思いますけれども、お考えをお聞かせください。 ○副議長(西沢利一) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 市有施設における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、市内外から多くの来訪者が見込まれる市役所本庁舎、市芸術館、エムウェーブ、ビッグハット、運動公園の体育館などの大規模施設につきましては、モニター付きの非接触型体温計を設置し、体温チェックを行うなどの感染防止対策を行っているところでございます。 また、主に地域の皆様が利用される支所、公民館、図書館などの市有施設については、発熱のある方や体調の悪い方の利用を控えていただくなどの注意事項の周知、消毒剤の設置、アクリル板の設置、館内の消毒、換気の徹底など、施設の規模、利用状況に応じて様々な感染防止対策を行っているところでございます。 なお、危機管理防災課では、各課において多くの方が集まる会議、イベントなどを開催する際にはハンディータイプの非接触型体温計の貸出しを行っておりまして、感染防止対策に努めているところでございます。引き続き全国及び市内の感染状況を注視し、状況に応じて的確な感染防止対策を実施してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いします。 ○副議長(西沢利一) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) 少し気持ちが緩んできたところで、これ改めて気持ちを引き締めるという意味でも、そういう体温計の設置というのは皆さんの気持ちを引き締める、そういう大切なメッセージにもなるかと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(西沢利一) 午後3時5分まで休憩いたします。   午後2時47分 休憩   午後3時05分 再開 ○議長(小泉栄正) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 26番野々村博美議員     (26番 野々村博美議員 登壇) ◆26番(野々村博美議員) 26番、共産党長野市会議員団、野々村博美です。 本日、3月8日は国際女性デーで市内でも集会など予定されていますが、長野市から希望あるメッセージを発信できるよう、御答弁を期待して質問に入ります。 御承知のようにJOC組織委員長だった森喜朗氏が、女性が多いと会議の時間が掛かるとか、わきまえているなどと発言し、女性蔑視発言として国の内外から大きな批判を受け、辞任に追い込まれました。当然です。 私はわきまえるという表現に、政策・意思決定などの場から女性を排除し続けた無言の圧力や社会の呪縛を痛感いたしました。 森氏の発言について、加藤市長の見解を伺います。 また、国連で1979年に採択された女性差別撤廃条約が40年以上が経過し、世界の女性の地位とジェンダー平等は大きな変化と前進を遂げ、北欧をはじめ、女性閣僚が多数登用され、目をみはるような発展があります。 しかし、日本は今や世界の流れから取り残されている国となり、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数2020では、153か国中121位と過去最低を更新しました。発達した資本主義国の中でも日本がジェンダー平等で異常な遅れにある要因の一つが、財界の利潤第一主義にあります。女性を安上がりの労働力として低賃金で働かせ、家族的責任を要求するとともに、男性には長時間労働や単身赴任を押しつける、このジェンダーによる差別が労働者を支配し、女性の力の発揮を妨げています。 もう一つの要因は、戦前の教育勅語や封建的な家制度に基づく男尊女卑の思想とそのような価値観を持つ勢力が政権や自民党の中枢を占め、ジェンダー平等社会実現の最大の妨害者となっていることです。今回の森氏の発言は正にそれを象徴しています。 国連女性差別撤廃委員会は繰り返し日本政府に是正を求めてきました。しかし、政府は勧告に真摯に向き合ってはきませんでした。 この深刻な日本のジェンダー格差をどのように受け止めておられるか、市長に見解を伺います。     (26番 野々村博美議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 初めに、わきまえるについてお答えいたします。 森氏の発言につきましては、女性の活躍が非常に重要な時期を迎えている中で、適切ではなかったと思っております。 次に、深刻な日本ジェンダーの格差についてお答えいたします。 国連の持続可能な開発目標SDGsにおきましては、全ての人々の人権を実現し、ジェンダー平等と全ての女性と女児のエンパワーメントを達成することを目指すとうたっており、目標5のジェンダー平等については、国際的な取組の中で加速化が図られております。 諸外国と比べますと日本のジェンダーギャップの指数の順位は低く、特に意思決定に参画する機会等においては、男女間の格差が大きいと考えられます。国では日本におけるジェンダー平等、男女共同参画への取組が進まない要因といたしまして、政治分野では立候補や議員活動と家庭生活の両立が困難なこと、経済分野では女性の採用から管理職、役員へのパイプラインの構築が途上であること、社会全体で固定的な役割分担意識や無意識の思い込みが存在していることが挙げられます。 また、グローバル化が進む中、ジェンダー平等への取組は世界的な人材獲得や投資をめぐる競争の成否を通じて日本経済の成長力にも関わり、今が日本経済社会の継続発展を確保できるか否かの分岐点であり、危機感をもって男女共同参画に強力に取り組む必要があるとしており、私といたしましても喫緊の課題であると認識しております。 私は全ての市民が活躍できる男女共同参画社会の実現が豊かな市民生活や地域社会の持続的な発展につながり、ひいてはジェンダー格差の解消につながっていくものと考えております。 なお、本市におきましては正規職員の新規採用につきましては、近年その半数が女性を占めております。行政運営を進めていく上で、女性職員の活躍が重要なポイントであると考えております。男女共同参画社会の実現に向けまして、市役所がそのリーダー的役割を果たしてまいりたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 新型コロナ感染症の拡大は特に女性への影響が深刻となり、内閣府男女共同参画局でもコロナ禍の女性への影響と課題に関する研究会を立ち上げ、女性への影響が深刻であり、女性不況の様相が確認されるとして、緊急提言を昨年11月に発表しました。その内容は、DV、性暴力、自殺等の相談体制と対策の強化、休校、休園の判断において、女性、子供への影響に最大限配慮すること、いわゆるエッセンシャルワーカーの処遇改善、感染症に伴う差別的な扱いの解消に向けた取組、ひとり親家庭への支援の強化、テレワーク、デジタル、福祉分野での人材育成、就労支援などですが、自治体や民間とも協力しながら進めることを政府に求めました。 そこで、長野市として深刻な女性の実態をどのように把握され、対応してきたのか伺います。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) コロナ禍で浮き彫りになった実態についてお答えいたします。 コロナ禍によって顕在化したDVや性暴力の増加や女性の雇用への影響等について、市として実態調査等は行っておりません。しかし、全国的な傾向と同様の影響を及ぼしているものと推測しており、関係各課においてはそれぞれ既存の補助制度等を活用しながら対応に努めておるところでございます。 また、DVの増加、女性の雇用への影響等は男女共同参画の視点の重要性を改めて浮き彫りにしており、幼い頃から知らず知らずのうちに刷り込まれている男らしさ、女らしさといったジェンダーバイアスなどの偏見が様々な影響をもたらしているものと考えております。 そのため、家庭、職場、地域における無意識の思い込み--アンコンシャスバイアス等の気付きにつながる取組も一層を進めていく必要があると考えております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) お聞きしたところ、女性の自殺率の向上などは、幸いにも長野市においてはなかったというふうにお聞きしております。 しかし、潜在化しているといけないし、本当に水面下で苦しんでいる人たちがたくさんいると思いますので、是非とも丁寧な対応をお願いしたいと思います。また、掘り起しも是非お願いしたいと思います。 今、ジェンダー平等を求める運動は新しい広がりをつくり出しています。性暴力をはじめ、人格や尊厳を踏みにじられてきた女性が勇気をもって声を上げたフラワーデモやMeToo、KuTooの運動や労働条件の改善、職場の差別ノー、選択的夫婦別姓への民法改正、選択議定書批准などを求める行動も広がっています。長野市議会でも12月議会において選択的夫婦別姓を求める意見書が可決されました。 今、第五次の長野市男女共同参画計画が審議されていますが、真のジェンダー平等社会の実現を目指して実効性ある計画となることを切望いたします。そのためにも、政策・意思決定の場に男女半々の目標を掲げること、男女ともに人間らしく働き続けられる労働ルールの確立、医療、介護、保育などケア労働従事者の待遇改善、女性に対するあらゆる暴力の根絶と健康支援、女性の貧困や困難の解決と社会保障の充実と賃上げ、女性差別撤廃条約と憲法の全面実施の立場に立ち、ジェンダー主流化など、明確に第五次の計画に入れることを求めます。 ジェンダーギャップ121位をこの長野市から変えていくような取組を期待したいと思います。御見解をお願いします。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 昨年12月に閣議決定された国の第5次男女共同参画基本計画では、地域における男女共同参画の取組なくしては持続可能な地域社会の発展も望めないとしており、これまで以上に地域の取組を重視しております。 本市においても、主体的に数値目標を設定し、具体的な取組を積極的に進めていく必要があると考えております。現在、長野市男女共同参画審議会において、令和4年度を初年度とする第五次長野市男女共同参画基本計画の策定に向けて審議をいただいております。今年度実施しました市民意識と実態調査の結果でも、男は仕事、女は家事・育児といった考え方を肯定する割合が31.5%となっております。 固定的な性別役割分担意識は緩やかに減少してきておりますが、下げ止まりの傾向が見えており、社会全体の意識を変えていくことも重要であると認識しております。 また、SDGsや働き方改革などの新たな視点やコロナ禍の女性への影響等も踏まえ、重点を置くべき施策や新たに盛り込む取組についても審議いただいてまいりたいと考えております。 市民や事業者と市が協働し、性別に関わりなく、その個性と能力を発揮し、喜びも責任も分かち合う令和の男女共同参画社会の実現に向けて、実効性のある計画となるよう第五次基本計画の策定に努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 先ほど市長からは積極的なジェンダーフリーのお話をしていただきました。全ての政策、事業、取組にやはりジェンダーフリーの視点を入れる、ジェンダー主流化という観点が今とても大切だと思います。是非、よろしくお願いいたします。 また、雇用・労働分野、長野市の実際のお仕事ですけれども、会計年度任用職員、保育士、そのほとんどが非正規雇用になっていて、公務労働の分野でも深刻な経済格差をここで生み出してしまっている現状となっています。この辺に対しては第五次の計画については、そこまで踏み込んだ中身としては検討されているのか。あるいは、男女半々にということをお願いしましたけれども、管理職など何%ぐらい、今、予定をされているのか、その辺、再質問をお願いしたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 第五次基本計画策定におきましても、これまでの計画同様、市民、事業者、そして市役所、市民全体で策定を考えておりまして、事業者の方へも男女共同参画の事業者の表彰等もございますけれども、あらゆる面でそういったことの啓発を行ってまいります。 また、数値目標につきましても、国からも第五次の策定の中で、地方公共団体としての目標も示されておりますので、そういったことも併せて策定してまいります。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 雇用・労働の分野の改善についてはいかがでしょう。市長、その辺前向きなお考えはおありでしょうか。 先ほどのお答えの中で、新規採用半々ずつ考えているということでしたので、非常にそれはありがたいんですが、更に踏み込んでいかがかなということでお聞きしたいんですけれども。 ○議長(小泉栄正) 倉島総務部長     (総務部長 倉島 明 登壇) ◎総務部長(倉島明) 長野市の職員の採用の状況で、この令和3年度の採用でも大体半々で、女性の雇用も進めています。過去も一部逆転しているときもありまして、ですので女性の採用については進んでいるかと思っておりますし、これからもその辺を配慮していく必要があるのかなと思っております。 先ほど、管理職の女性の割合の話もありましたけれども、今、まだ非常に低い状況でございます。例えば、管理職8.8%、課長級で5%程度です。特定事業主の行動計画の中でも目標にまだ達していない状況もありますので、その辺も含めて配慮していきたいなと思っております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 管理職の分野、それから非正規雇用の分野でも改善を求めておきたいと思います。 次に、長沼の交流センターの再建について伺います。 被災直後、長沼住民自治協議会は貸館業務ができないからということで館長を解雇し、指定管理者を返上し、長沼交流センターは市の直営事業となりましたが、いまだに仮設の施設さえも復旧されてはいません。一方、同じ被災地ですが直営を維持し、社会教育法に基づく公民館である豊野公民館は、災害直後は一時中断しましたが、その後整備され、今までどおり市職員が現地に配置され、公民館機能を発揮させています。 指定管理、交流センター化された長沼交流センターと直営で豊野公民館として維持されてきた両施設の間には大きな違いがあります。 長沼住民は被災直後から長沼交流センターの再開を求めていました。しかし、市は応えてこなかった。ここには明確に直営か指定管理か、公民館か交流センターかの違いが現れたのではないでしょうか。防災ステーション、支所などとの複合施設として交流センターが建設されるのは、順調にいっても2025年、まだ先のことです。 直営事業に戻したのですから、それにふさわしい人の配置と仮設の交流センターの建設を強く求めるものです。見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 初めに、職員の配置についてお答えいたします。 被災した長沼交流センターは堤防の決壊により施設が損壊し、機能を停止せざるを得ない状況となりましたが、長沼地区の生涯学習の継続を図るため、昨年5月、仮設長沼支所の開設に併せ、家庭・地域学びの課の職員1名を配置しております。 講座等の実施に当たっては、担当職員が家庭・地域学びの課の社会教育主事と一緒に長沼地区住民自治協議会、区長会と年度計画について協議し、内容を確認しながら、仮設長沼支所の交流スペースや近隣の古里公民館、柳原交流センターなどを利用して活動を再開し、進めてきたところでございます。 また、同じ仮設長沼支所にいる住民自治協議会の職員とも連携を図りながら、現地の職員が地域と一体となって地域の現況を踏まえ、生涯学習を進めているところであり、これは被災前の運営状態が指定管理、直営、どちらであっても現在の職員配置に何ら変わりがあるものではございません。 続けて、次に仮設の交流センターの建設についてお答えいたします。 地元の合意を得て、河川防災ステーション上に複合施設として整備する交流センターについては、現在、施設の機能や活用方法などの住民の意向をワークショップを通じて基本設計に反映させていこうとしているところでございます。今後の地域の復興につながるよう、早期の整備に努めてまいりたいと考えております。 新たな施設が整備できるまで、順次復旧してきた地域公民館も利用しながら、生涯学習が途切れることのないよう、工夫して講座等の事業を進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 1名を長沼支所に配置をしていただいていますが、パートの職員で、担当課の方は本庁にいらっしゃいます。しかし、住民は決して直営になったにふさわしい活動をされているとは思っておりません。実際に館報も出ていないはずです。全く利用者がいないという統計も出されています。 また、様々な豊かな公民館行事をやってこられた地域であるわけです。2015年には優良公民館として全国表彰も受けている。この公民館がいまだに仮設も造られていないというのは、あまりにもひどいんではないかなというふうに思っております。 今、直営の公民館と指定管理の公民館について、住民自治協議会のアンケートもされておりますけれども、決して指定管理については住民自治協議会の皆さんの理解が得られているという状況でもありません。どちらが住民にとって利益が大きいかは明白であって、公民館事業を安易に指定管理制度に移行すべきではないと思っております。この辺についても御回答をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 市立公民館の指定管理者制度は、平成26年、当時の長沼公民館を皮切りに、現在までに10施設が移行しております。 先ほど申し上げましたとおり、豊野と長沼の災害復旧の違いは、被害の程度や地域住民との協議などに伴うものであり、直営と指定管理の違いによって生じているものではございません。 今後も住民自治協議会から指定管理の申請があれば、選定委員会での選定、議会での議決を経て移行を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 住民自治協議会から申入れがあればというのはおかしいんじゃないでしょうか。既に長野市の直営にはなっているわけですよね。だったら長野市が直営公民館として、直営の交流センターとして責任をもって仮設復旧させていくのが当然ではないでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 現在、交流センターを直営にしておりますのは、実態として施設が被害を受けて、使用できる状態になっていないということでして、指定管理者制度そのものが施設の管理運営を主体としておりますので、管理運営する施設がないという状況の中で、地元の皆様とも話をして、新しい施設ができるまでは直営でということで、今、直営というふうにしているところであります。 ということでして、地元の話を聞くと、やはりまだ復興ということに向けて一生懸命やっているということで、講座等を開設してもなかなか実態としては受講者もまだまだ集まってきていないという状況でありますので、よく住民の皆様ともお話をする中で、復興の進み具合、また生涯学習活動が滞ることのないように、しっかりと考えながら進めてまいりたいというふうに思います。よろしくお願いします。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 生涯学習活動は滞っています。統計も取られていません。これは本当に市の怠慢だと思うんですよ。 実際に災害に遭う前から活動していた人たちは今やる場所がなくて、流浪の民のようにあっちの施設、こっちの施設を借りながらやっているわけですよ。かつて、優良公民館として表彰を受けている地域ですよ。 今回、長沼では1名の方、災害直後に亡くなられていますけれども、住民の支え合いによって多くの人たちの命が助かりました。それは豊かな地域活動があったからこそだったはずです。それを築いてきた中心は公民館活動だったんですよ。その公民館を復活させないというのは、これはあまりにも冷たい仕打ちだと思いますよ。もう一度お願いします。 また、市長の御答弁もお願いしたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 先ほども答弁したとおりでありますけれども、まずは新しい交流センターの復旧に向けまして、地元の皆さんと話合いをさせていただいて、早期の復旧、実現を目指していくところであります。 そうした中で、住民の皆さん、いろいろ様々な工夫をいただいて、地域公民館も使っていただきながら、また近隣の公民館等も使っていただきながら、何とかやはり住民の皆さんと一緒に工夫しながら、工夫をする中で、本来の生涯学習、地域のつながりというものもできてきているというふうに思いますので、そこを更に発展させていく、そういった新しい交流センターをつくっていきたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 豊野地区におきましても、長沼地区におきましても、大変な被害があったわけでございます。 どちらにいたしましても、私どもは住民自治協議会をはじめといたしました住民の皆様の意向に沿って、できるだけ対応をしていきたいということでございまして、現状におきましても、そういう対応をしているというふうに思っております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 住民の意向といいますが、どの住民の意向を聞いているんでしょうか。実際に活動している人が困っているんですよ。実際に、かつて公民館活動を交流センターでやっていた人が困っているんです。その皆さんの意向を尊重するんだったら、活動できる場所を確保するのは当然じゃないですか、市として仮設の施設を造るのは当然だと思いますよ。 誰の意見を聞いているんでしょうか。ほんの一握りの人の意見じゃないでしょうか。もう一度お願いします。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 長沼の活動に対しましては、現地に一人職員、それから本庁では社会教育主事、それから管理職も関わって、今サポートしながら進めているところであります。 本日も社会教育主事が現地に出向いて、いろいろ住民の皆様とお話をしておりますので、そういったことを重ねながら、今後も引き続き生涯学習活動を実施してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 先ほどまだ復興途中で人が集まらないとおっしゃられました。人が集まらなかったら、どうしたら集まってみんなが励まし合えるような核をつくることができるのかと、それを考えるのが社会教育主事の役割だと思います。それをやっていないんですよ。住民に任せっぱなし、やはりそこはしっかりと、もっと丁寧にケアをしていただきたいと思います。 次に移ります。 私は3年前も地域包括支援センターの調査について伺いましたが、その後改善されたのか、定着率、社会福祉士と保健師の確保、委託料の増額加算について、改善されたのか伺います。 業務量の多い問題や直営地域包括センターとの情報の共有、困難なケースの丸投げに対する批判など良好な関係とは取れない回答が多々ありました。現状はどうでしょうか。 また、地域包括センターは今後の計画ではどのように強化されるのか伺います。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 初めに、委託地域包括支援センターの職員の定着率についてお答えいたします。 令和2年度に実施しました市内18か所の委託地域包括支援センター、以下委託包括と略させていただきます。委託包括への調査では、保健師、看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーの定着率は、1年未満が9.1%、1年から3年未満が23.4%、合わせて3年未満が32.5%で、前回調査の75%と比較すると改善してきている状況でございます。 また、確保が困難な職種、これは複数回答ということになりますが、社会福祉士と回答した委託包括の割合が72.2%、保健師、看護師が88.9%、主任ケアマネジャーが77.8%となっております。 次に、委託料の増額・加算についてでございますが、平成28年度から専門職1人を増員できるよう委託料を増額しておりまして、相談支援体制の強化を図ってまいりました。 また、これまでは高齢者人口が6,500人を超え、かつ担当地区内に在宅介護支援センターがない場合に委託料に277万5,000円の加算をしておりましたが、令和元年度から高齢者人口を6,500人から6,000人に要件を緩和するとともに、高齢者人口が8,000人を超える委託包括につきましては、500万円の加算を新たに追加してございます。さらに、令和3年度から、高齢者のフレイル予防を推進するため、新規に実施しますアウトリーチ型の介護予防把握事業においては、委託包括の担当地区の高齢者数に応じて加算をすることとしております。 次に、委託包括の業務量及び直営地域包括センター、以下直営包括とさせていただきますが、直営包括との関係性についてお答えいたします。 同じく、令和2年度に実施した調査において、業務量が平成29年度と比較して、かなり増えたとした割合が44.4%、やや増えたが56.6%となっておりまして、増加している業務につきましては、認知症ケースの対応、生活支援体制整備に関すること、支援困難ケースの対応などが高い割合となっております。 また、直営包括との関わりについての質問のうち、平成29年度に比べて改善されたことがあるかという問いに対しては、12の委託包括があると回答しておりまして、分からないが5、ないが1となっております。改善された項目につきましては、よりスピーディーな対応、支援困難ケースの円滑な連携及び伴走型支援の充実などが上げられております。 一方、改善してほしい、又は、より積極的に支援してほしいことがあると回答した委託包括は9施設で、調査事務の軽減と結果のフィードバックなどでございます。 次に、次期の事業計画における地域包括支援センターの機能強化につきましては、その柱の一つとして、現在、在宅介護支援センターを地域包括支援センターとして位置づけを変更することを検討しておりまして、令和3年度には篠ノ井地区において実施する予定でございます。 また、認知症の支援につきまして、直営包括で新たに精神保健福祉士を雇用して、精神医療との連携を強化することにより、委託包括から相談が多い認知症の困難ケースへの対応についても、直営包括として積極的に支援してまいりたいと考えております。 なお、業務量の軽減につながるよう、委託包括の専門職が抱えている介護予防ケアプランを居宅介護支援事業所に委託し、軽減された事務量を総合相談、あるいは地域づくりの方へ注力いただくことも機能強化の一つにつながるものとして、今後検討を進めてまいりたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 今、居宅介護支援事業所へ委託するということなんですけれども、財政的にはきちんと保障されるんでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 国の財源等も活用して、保障していくような形になっております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員
    ◆26番(野々村博美議員) かなり安いと思いますので、是非その辺は配慮をお願いしたいと思います。 地域包括ケアシステムの構築は、地域包括支援センターや住民自治協議会に肩代わりさせるのではなく、長野市としてしっかりを責任を負うという覚悟を持ってやっていただきたいと思います。その辺の見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 介護保険制度、あるいは地域包括ケアシステムもそうなんですが、自助、共助といった側面もございます。ただ、保険者である長野市においては、市の責任をしっかり果たしていきたいと考えておりますが、被保険者である高齢者等においても健康づくりや介護予防、あるいは身体機能の維持向上に努めるなど、法が掲げる自助による努力義務を果たしていただくことも重要かなと思っております。 なお、互助である行政と住民自治協議会等との地域の支え合い活動等に関する役割分担につきましては、議員に対して12月議会でも答弁させていただきましたが、現行の第三次地域福祉計画の中間評価、あるいは住民自治協議会のアンケート結果を踏まえまして、次期地域福祉計画の策定の中で見直しを含め検討してまいりたいと考えております。 本市と共に地域包括ケアシステムの推進の一翼を担う地域包括支援センターにおかれては、市と使命、目標を共有し、困難事例を抱えつつも、責任とやりがいを持って業務に取り組んでいただいておりまして、年々業務量が増える中、負担軽減に向けた取組について、共に今、検討をしております。 さらに、高齢化が進むことが見込まれる中、自助、互助、共助、そして公助のいずれの局面においても本市の実情に即した適切な役割分担をなされ、それぞれの努力でお互いを支え合えるよう、地域住民の皆様や地域包括支援センター、あるいは市社会福祉協議会等の福祉の専門機関の支援をいただきながら、市は介護保険制度の運営主体として、公助の役割をしっかり果たす中で、高齢者福祉の充実を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 公助の軽減が今の困難層をつくり出していると思います。是非とも公助の強化をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 11番和田一成議員     (11番 和田一成議員 登壇) ◆11番(和田一成議員) 議員番号11番、新友会の和田一成でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 私は今回、4点の一問一答方式による質問です。御答弁のほどよろしくお願いいたします。 まず、第1の質問は、過疎新法における中山間地域支援についてでございます。 遡ること1970年--昭和45年に新規学卒者を中心とした急激な都市への人口吸収への緊急対策として、全会一致の議員立法、10年間の時限立法として過疎地域対策緊急措置法が成立しました。以来、10年ごとに過疎地域振興特別措置法、過疎域域活性化特別措置法と名称を変更しながら、過疎地域の住民福祉の向上や雇用の増大、地域格差の是正を目指し、現在は11年間の改正、震災延長を含め、2000年--平成12年に成立した過疎地域自立促進特別措置法が21年経過し、この3月末に期限を迎えようとしています。 この間、長野市を含め、該当自治体は過疎法に基づく施策として、充当率100%、元利償還の70%が交付税措置となる過疎対策事業債の活用や国庫補助金の補助率2分の1から10分の5.5へかさ上げ、2010年--平成22年からは従来のハード事業に加え、地域医療や交通手段の確保、集落の維持・活性化等、住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことができる地域社会の実現を図るための基金積立ても含む、いわゆるソフト事業にも過疎債の活用が認められています。 さて、長野市は現在、平成の合併前の旧町村のみを過疎地域とみなす一部過疎の適用を受けています。具体的には大岡村、戸隠村、鬼無里村、信州新町、中条村の旧1町4村です。全国市町村数、令和2年4月1日現在1,718自治体中、過疎関係市町村は817自治体と全国の47.6%をも占めています。長野市もその一つです。 現在、国会審議中の過疎新法案は、本年度内の成立と4月施行を目指していますが、2月16日付信濃毎日新聞報道で自民党は国の財政支援が受けられる自治体を明らかにしています。今回の過疎地域の指定要件は、人口減少要件と財政力要件となっており、財政力要件では全国市平均の財政力指数の基準を下回ることが一部過疎の指定基準です。その基準0.64以下に対して、0.74が長野市の財政力指数でした。したがって、一部過疎の指定から初めて外れ、卒業する見込みです。 そこで、お伺いいたします。 過疎新法から外れる場合、過疎地域を含めた中山間地域の支援について、現段階での長野市の長期的ビジョンをお聞かせください。また、現在の過疎対策事業債の活用実績についてもお教えください。     (11番 和田一成議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 私から過疎新法から外れた場合の過疎地域を含めた中山間地域支援の長期的ビジョンについてお答えしたいと思います。 議員御指摘のとおり、開会中の通常国会におきまして、本年度内の成立見通しである過疎新法では、一部過疎地域である本市は財政力指数が全国の市平均を上回るために過疎地域の指定から外れる、いわゆる卒業団体となることが濃厚となっております。卒業団体への財政支援は6年間とする経過措置が講じられる予定でありますので、過疎地域の生活基盤を支える事業の停滞を回避するため、ハード・ソフト両面におきまして、これまでと同様に計画的・有効的に経過措置による財源を活用してまいりたいと思います。 さらに、過疎地域を含めた中山間地域の辺地を対象した辺地対策事業債や地方創生関連の交付金等の活用など中山間地域の活性化に有益な財源確保を努めてまいります。 過疎地域を含めた中山間地域のビジョンといたしましては、施策を総合的・計画的に展開するために第二次長野市やまざと振興計画を策定いたしまして、地域固有の資源を生かした振興策を掲げて実施しております。 本市の中山間地域は、市域全体の4分の3を占めておるわけでございまして、中山間地域の特性を生かしながら持続可能な地域づくりに取り組むことが、市全体の活性化となることから、引き続き令和4年度を初年度とする第三次長野市やまざと振興計画を策定いたしまして、施策を展開してまいります。次期計画におきましては、関係人口の創出やコロナ禍による地方回帰の高まりに合わせた移住施策などにも力点を置きまして、いつまでも暮らし続けられる地域社会の実現を目指しまして、中山間地域の振興に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 私から現在の過疎対策事業債、いわゆる過疎債の活用実績についてお答えいたします。 過疎債の活用は、法に基づき指定期間の過疎地域自立促進計画の策定が前提となっており、本市においても平成28年3月に市議会の議決を経て、平成28年度からの5か年を期間とした計画の下、事業に取り組んでおります。 現行計画による過疎債の活用実績を申し上げますと、ハード事業においては、住民要望の高い道路改良、除雪機械の更新など、市道関連事業で毎年約3億円の起債を充当するほか、小・中学校、公民館、観光施設等の市有施設の改修、市バス等の更新、診療所の医療機器整備など、様々な事業に活用しております。 ソフト事業におきましては、基金積立ても含め、毎年約2億円を活用しております。事業の内訳といたしましては、毎年約5,000万円を小規模舗装などの市道の維持管理に充てるほか、観光まつり補助金、観光施設等管理運営などの地域振興事業やスクールバス運行、高校生通学費補助などによる地域間格差の是正を図る事業に充てています。 また、過疎地域自立促進基金に毎年約8,000万円を積み立てるなど、安定した財源確保とソフト事業の継続性を図ってまいりました。 以上のように平成の合併の際、過疎指定であった旧5町村の過疎計画を引き継ぎ、計画的・効果的に過疎債を活用し、過疎地域の生活基盤整備や振興に多くの成果を上げてまいりました。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございました。 条件不利性の克服に有効に活用されていることを実感いたしました。 著しく高齢化が進行し、身近な生活交通手段の問題や地域医療・福祉の維持、公共施設の維持・存続、若者が流出した集落の存続危機等、過疎地、中山間地域は課題が山積しています。一部過疎から除外されることが、今後の中山間地域振興に支障が出るのではないかと不安や懸念の声が上がっており、経過措置年の期間内にしっかりとしたビジョン策定をお願いいたします。 そこで、再度お伺いいたします。新型コロナウイルス感染症対策を契機として、地方回帰が芽生える中、過疎債を活用したソフト事業に注目が集まるのではないかと感じています。教育や産業振興、保健福祉や医療分野、生活交通、集落整備等々、持続可能な過疎地や中山間地域を目指すための施策です。しかしながら、それは一過性の支援や事業ではない経過措置期間満了後も支援に資する取組が望ましい姿であると思います。 この限りある時間と財源の活用について、市の過疎債ソフト事業に対する御所見をお伺いいたします。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 県から入手した卒業団体への激変緩和案では、経過措置の期間は6年間とされ、直近5か年度のうち過疎債発行額の大きい3か年度平均を基準に、当初の3年間は100%、その後は順次減額されていくことが示されております。 この経過措置期間において、現在の事業が停滞しないよう、地域住民の御意見をお聞きしながら、事業担当課と調整を図り、有益な財源として最大限活用してまいります。 また、過疎債にソフト事業分が加えられた平成22年度の法改正以降、本市では毎年基金を積み立てております。過疎新法から外れ、経過措置以降はこの基金の計画的な取崩しを視野に置き、過疎地域の持続可能な地域づくりについて、財源の確保も含め、新たな仕組みや取組についても検討を重ねてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございました。 過疎新法は新たなステージを迎えました。中山間地域が持続的発展できるよう、改めて地域と住民が主体的に地域課題を共有して、過疎法からの卒業を前向きに捉えるためにも、今後も取組への積極的な支援をお願いいたします。 次に、第2の質問は、地域奨励作物支援事業の持続発展についてでございます。 地域農業の課題として、耕作放棄地の増加対策は待ったなしの状況です。耕作放棄地は草木が生い茂って日照が遮られ、病害虫の温床となって周辺農業に支障を来したり、廃棄物の不法投棄を誘発するおそれや有害鳥獣のすみかとなり、農作物被害が増加するなど、様々な悪影響の増加が懸念されます。その対策として、農地の再生及び耕作放棄地発生防止の取組が国、市の制度を活用して進められています。国は中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払交付金制度、長野市は農地流動化助成金や地域奨励作物支援事業です。 中でも地域奨励作物支援事業は、2004年--平成16年から小麦、大豆、ソバを地域奨励作物として出荷量に応じた奨励金交付を行っています。また、機械化による規模拡大が困難な中山間地域での農地の遊休荒廃化が進むことを防止するために、平地に対し中山間地域の奨励金単価にインセンティブを加えて実効性を担保しています。 2004年--平成16年当時の出荷量と令和元年の出荷量を比較しますと、小麦が0.6トンから366トンの610倍に、大豆は31.3トンから74トンの2.4倍、ソバは11.1トンから158トンの14.2倍と着実に増えており、2015年--平成27年からはJAが生産奨励している枝豆を大豆と区別して奨励作物に追加しています。耕作面積も2015年--平成27年と令和元年のソバ畑面積を比較すると、155.4ヘクタールから4年間で212.3ヘクタールの1.37倍、約57ヘクタールが申請ベースで増加しており、本支援事業の奏功が見てとれます。 そこでお伺いいたします。 今後の本事業の持続発展の取組について、どのように考えておられるのでしょうか。御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 地域奨励作物支援事業につきましては、農地の遊休荒廃化の防止及び地産地消の推進を図るために、平成16年度から始まった市単独の制度であります。 この制度の趣旨ですが、市内での消費は盛んではあるものの、消費に見合うまでの生産がなされていない作物を奨励作物に指定し、市内で生産された奨励作物の出荷量に1キログラム当たりの単価を乗じて生産者に奨励金を交付することで、栽培面積を拡大し、耕作放棄地の発生を抑制するとともに、地産地消を進めているものであります。 なお、当初は小麦、大豆、ソバの3品目でしたが、枝豆を平成27年度に追加して4品目とするとともに、生産条件の低い中山間地域に考慮して、中山間地域で生産されたものの奨励金の単価を中山間地域外で生産された額の2倍としています。 地域奨励作物支援事業の実績につきましては、議員に御紹介いただきましたとおり、制度創設時の平成16年度と令和元年度の比較では、小麦、ソバ、大豆のいずれも出荷量が増加しており、それに伴って奨励金の決算額も平成16年度の1,216万円から令和元年度では4,454万円と3.7倍になっています。 本事業は、制度創設から27年が経過しましたが、この間、生産者に制度の周知がされ、生産者の営農意欲の向上とともに、生産者の収入増加にとつながりました。また、奨励作物を栽培するために、耕作放棄地を復元したり、高齢等の理由により農地を貸したい意向のある農家から担い手が農地を賃借して耕作面積を拡大しており、耕作放棄地の再生と発生抑制に寄与しています。 さらに、これら奨励作物は市民に広く親しまれ、本市の食文化を語る上で欠かせないものとなっているおやきやうどん、みそや豆腐、そばに加工され、地産地消にも大きく貢献してまいりました。 このように地域奨励作物支援事業が着実に成果を上げてきた一方で、奨励金の支出額の増加に伴う財政負担の拡大が課題となっておりました。地域奨励作物支援事業は耕作放棄地の発生を抑制し、地産地消を推進するとともに、ひいては本市農業の振興のために事業を存続していく必要があることから、出荷量の増加が顕著な小麦とソバの奨励金単価をそれぞれ平地で5円、中山間地域で10円引き下げるという見直しを令和3年度予算で行いました。 本事業は、本市の農業施策において、不可欠な事業でありますので、今後も必要に応じて見直しも図りながら、将来にわたって持続可能な制度としてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございました。 予算執行額が年々増加していることは、地域農業が活性化されているあかしでもあります。これ以上耕作放棄地が増加しないためには、不断の努力と継続的な対策事業が必須です。単価引下げは残念ですが、本制度の持続化と発展のためには致し方ないものと考えます。 そこで、再度お伺いいたします。 地域奨励作物は地産地消を目指す、いわゆるブランディング作物ともいえますが、現在の作物に加え、将来の地域ブランドを目指す可能性のある新たな奨励作物に対する御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 現在の奨励作物は、先ほども申し上げましたように、県を代表する郷土食であるおやきの原料となる小麦、また全国的なブランドである信州みそ、信州そばの原料となる大豆とソバを指定しています。これらは私たち市民の食卓に上がる回数も多いことから、消費量が大きい加工食品の原料として、市内産の農産物を供給して、地産地消を図るため、地域奨励作物支援事業を創設したもので、言わばブランドが先に存在し、それを支える農産物の生産を奨励しているものであります。 御質問の将来の地域のブランドを目指す可能性のある新たな奨励作物についての見解でございますが、地域ブランドの成立には農業以外にも商工業や観光、更には健康、栄養など様々な分野からのアプローチが必要であることから、特定の農産物の栽培奨励から、新たな地域ブランドをつくることはなかなか難しいものがあると考えています。 ただし、本市の農業振興に当たっては、農産物のブランド化は不可欠でございますので、栽培技術の可視化により、桃の高品質化を目指すなど、ブランド農産物の候補をレベルアップする地道な取組を進めるとともに、農業者や農協等との積極的な情報交換の中から将来の核となる農産物の研究を進めてまいりたいと思います。 また、議員の御指導もその中で賜れればと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございました。 地産地消は地域の消費者ニーズがあってこそ、今後の研究開発や様々な取組に期待いたします。 次に、第3の質問は中小企業における中企業支援の補助金充実についてでございます。 2016年--平成28年6月時点で全国の企業数は359万者、うち中小企業数は358万者と全体の99.7%を占めています。中小企業白書2020年版によると、中小企業数は年々減少傾向にあり、業種別の開廃業率を見ますと、開業率の高い業種は、1位が宿泊業、飲食サービス業、2位が情報通信業、3位が電気・ガス・熱供給・水道業となっています。一方、廃業率の高い業種は、開業率同様1位が宿泊業、飲食サービス業、2位が生活関連サービス業で、3位が小売業と、常に新陳代謝の波にさらされているのが現実です。 日本経済を支えている中小企業は急激な外部環境の変化や生活価値観の多様化により、そして何より新型コロナウイルス感染症の拡大もあいまって未曽有の打撃を受けています。 長野市においても、地域経済の活性化や税収確保のため、中小企業が果たす役割は大変重要です。雇用の創出は私たちの生活を豊かにし、企業活動が活発になれば地域経済も好循環へと歩み出します。何としても地域企業を振興させて、雇用創出の促進や市民生活の向上を目指さなければなりません。 そこでお伺いいたします。 中小企業が希望する補助金は、売上拡大や販路開拓、生産性向上や人材確保・育成などを目的とし、そのための持続化補助金やものづくり補助金、IT化補助金等が必要になってきます。中小企業庁の補助金で最も要望効果を発揮したのは、小規模事業者持続化補助金です。コロナ特別対応型は上限100万円、今は終了し、今後は低感染リスクビジネス枠となります。同じく一般型は単独型が上限50万円です。 この補助金は、小規模事業者のみが対象で、中企業は該当しませんでした。従業員20人を超える中企業は、長野市にも多数あります。具体的には2016年--平成28年6月時点で長野市の中小企業数1万2,089者のうち1,679者が中企業の中小企業です。 御存じのとおり中小企業基本法で定める小規模事業者とは、製造業その他、サービス業の宿泊業と娯楽業で、常時使用する従業員数が20人以下、宿泊業、娯楽業を除く商業・サービス業で5人以下と規定されています。 長野市も中企業を含めた中小企業補助金として、ものづくり研究開発に対する補助金制度、上限200万円、ただし研究機関等との共同開発が条件で、単独開発には向きませんが、ものづくり産業中小企業者等人材育成事業補助金が業種により最大1事業所、上限30万円、新産業創出・販路開拓に対する補助制度が上限30万円等のメニューがあります。 しかしながら、中企業に対して少なくとも小規模事業者持続化補助金並みの規模、それ以上の補助金制度が必要ではないでしょうか。長野市としての御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 中小企業庁の中小企業白書2020によりますと、小規模事業者の労働生産性は中規模企業、あるいは大企業に比べて低い傾向にあるとされておりまして、小規模事業者への支援は引き続き必要であるというふうに考えております。 本市におきましては、本年度より小規模事業者I機器等導入支援事業補助金を創設いたしまして、生産性の向上や売上げの向上につながるICT機器等の導入支援を始めたところでございます。 中小企業を対象としたものといたしましては、ものづくり研究開発事業補助金をはじめ、新産業創出・販路開拓や、あるいは人材育成に対する支援制度を整えまして、多くの事業者の方に活用いただいているほか、本年度より後継者不足の中小企業の事業承継を促進するために、事業承継促進補助金を創設し、専門家に事業承継の計画策定等を依頼する費用や企業買収仲介手数料等の経費に対する補助を開始したところでございます。 また、新年度はこれまでの支援に加えまして、中小企業を対象に企業の経営課題解決やデジタルトランスフォーメーションを推進し、経営改善・経営改革を進めることで生産額の増額につなげることなどを目的とする外部人材活用促進支援事業を行う予定でございます。また、国や県の支援策もいろいろありますので、これらの支援策に関する周知を努めてまいります。 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして、本市の経済を支える中小企業は大きな痛手を負っておりますことから、アフターコロナを見据え、小規模事業者に限らず、中規模企業の方々に対する更なる支援策につきましても、今後国の動向などを注視しながら、必要な支援策を研究してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございました。 中小企業を取り巻く環境は依然として厳しいですが、長野市や長野県を代表する中企業も多数あることから、地域に根差しつつ、新たな付加価値の創造と雇用創出に苦心している中企業を小規模事業者同様に支援することが地方回帰の原動力となり、長野市の活性化につながるものと期待しています。 次に、第4の質問は、戸隠神社式年大祭を含む新年度イベントへの支援についてでございます。 いよいよ4月25日から7年に一度の戸隠神社式年大祭が開催されます。新型コロナウイルス感染症防止の観点から来年に1年延期された善光寺御開帳との相乗効果は図れなかったものの、来年の春は戸隠7地域で御柱祭が予定されていることもあり、戸隠全域こぞっての協力体制の下、予定どおりの開催決定を見た経緯があります。それだけに、どんな形であれ開催することを前提に、刻々と変わる感染状況に応じた感染症対策プランBも主催者は用意しているとのことです。 そこでお伺いいたします。 ウイズコロナ禍でのイベントに対する支援やプロモーション体制、長野市周遊策や善光寺御開帳に向けてのロードマップについてお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) この春に開催されます戸隠神社式年大祭につきましては、戸隠神社、戸隠神社式年大祭奉賛会、戸隠観光協会及びながの観光コンベンションビューローと連携いたしましてプロモーションを実施しているところでございます。 また、観光客の方々に安心して楽しんでいただくため、感染予防対策が大変重要になりますので、戸隠観光協会主催のイベント等に関しましては、運営方法に対する助言を行うとともに、感染予防対策経費に対しても支援をしてまいります。 長野市内の周遊策につきましては、これは初の取組になりますが、JRやバス事業者と連携いたしまして、スマートフォンの使用によるキャッシュレスでの交通機関の利用で、市内周遊を促す観光型MaaSの実証運用を予定しており、これはまるっと戸隠と称したもので、戸隠を中心に善光寺、松代と周遊していただくツールとして、デジタルバスチケットやデジタルそばチケット、デジタル観光マップ等を組み込んでおります。 その他の対応として、式年大祭期間中限定の御朱印巡りを戸隠、善光寺、松代で行い、専用の御朱印帳や御朱印を作成し、周遊のきっかけにしていきたいというふうに考えております。 次に、善光寺御開帳に向けたロードマップでございますが、式年大祭から御開帳まで誘客活動と切れ目なくイベント等を実施してまいります。具体的には5月にアウトドア・フードフェスティバル、9月にはTHE EXPO善光寺2021、甲信越戦国物語等の開催を予定しておりまして、その他団体が実施するイベント等とも節目節目に連携をいたしまして、新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいる街のにぎわいを回復し、御開帳に向けた機運を高めてまいりたいと考えております。 また、感染状況を見極めながら、秋以降に関係団体と連携した御開帳のプロモーション活動を実施してまいりますが、御開帳に訪れた観光客を戸隠、松代へと市内周遊を促し、滞在期間を延ばすことで市内の宿泊につなげてまいります。そのため、旅行会社に対しましては、式年大祭期間中と9月以降に旅行会社が企画販売する宿泊旅行に対しまして、飲食店等で使用できるクーポン券をセットにしまして、宿泊実績に応じて支援金を交付する予定にしております。 何と言いましても来年の善光寺御開帳は、御柱祭と開催時期が重なり、前回以上に全国から多くの観光客が見込め、絶好のチャンスと捉えておりますので、長野地域、諏訪地域お互いに観光客の周遊を促していけますよう相乗効果を狙った具体的な方策につきましても、今後検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 和田一成議員 ◆11番(和田一成議員) ありがとうございます。 7年に一度の式年大祭の稚児行列は親子や御家族にとって一生に一度の貴重な思い出となることでしょう。 そして、命を取るか、経済を取るかとの二者択一は議論に全くなじまないものです。命や健康の土台の上に医療や福祉、教育や経済の柱が立って、日常生活、日々の暮らしが成立するものではないでしょうか。 今後も一人一人が感染防止に不断の努力を続けていくことこそが、終息への近道であると信じています。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 本日の会議はこの程度にとどめ、明9日は午前10時から本会議を開き、市行政事務一般に関する質問及び各議案の質疑を行います。 本日はこれにて散会いたします。   午後4時17分 散会...