日程第一 1議案第二七号 平成三十年度延岡市
一般会計歳入歳出決算の認定
2議案第二八号 平成三十年度延岡市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の
認定
3議案第二九号 平成三十年度延岡市
食肉センター特別会計歳入歳出決算の
認定
4議案第三〇号 平成三十年度延岡市
介護保険特別会計歳入歳出決算の認定
5議案第三一号 平成三十年度延岡市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
の認定
6議案第三二号 平成三十年度延岡市
水道事業会計剰余金の処分及び決算の
認定
7議案第三三号 平成三十年度延岡市
下水道事業会計剰余金の処分及び決算
の認定
(
決算審査特別委員会審査報告)
日程追加 議案第四七
号再議審査特別委員会の中間報告
日程追加 議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定の再議
◎午前十時零分 開議
○議長(松田和己君) これより、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付しております日程表のとおりであります。
◎日程第一 1議案第二七号 平成三十年度延岡市
一般会計歳入歳出決算の認定
2議案第二八号 平成三十年度延岡市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定
3議案第二九号 平成三十年度延岡市
食肉センター特別会計歳入歳出決算の認定
4議案第三〇号 平成三十年度延岡市
介護保険特別会計歳入歳出決算の認定
5議案第三一号 平成三十年度延岡市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定
6議案第三二号 平成三十年度延岡市
水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定
7議案第三三号 平成三十年度延岡市
下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定
○議長(松田和己君) 日程第一 議案第二七号平成三十年度延岡市
一般会計歳入歳出決算の認定外六件を一括議題といたします。
決算審査特別委員会委員長の審査結果の報告を求めます。
〔
決算審査特別委員会委員長(松田満男君)登壇〕
○
決算審査特別委員会委員長(松田満男君)
決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
ただいま議題となっております議案第二七号から議案第三一号までの平成三十年度各会計決算の認定五件、並びに議案第三二号及び議案第三三号の平成三十年度各
企業会計剰余金の処分及び決算の認定二件の合計七件につきまして、
今期定例会において、議長及び監査委員を除く全議員で構成する
決算審査特別委員会を設置し、これに審査を付託されたのであります。
本
特別委員会といたしましては、九月二十四日から二十六日にかけて委員会を開き、まず二十四日の全体会において、市長より平成三十年度決算に関する総括の説明を受けた後、本
特別委員会に設置した三つの分科会において
一般会計歳出、各特別会計及び各企業会計の審査を行ったところであります。
次に、二十六日に、全体会において各分科会長からの報告を受け、監査委員の
審査意見等も参考にしながら審査いたしました結果、一般会計、各特別会計につきましては、いずれも認定すべきものと、また、各企業会計につきましては、いずれも原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。
これより、審査の経過を御報告申し上げます。
初めに、議案第二七号平成三十年度延岡市
一般会計歳入歳出決算の認定でありますが、本決算の収支状況は、
歳入決算額五百九十七億千六百十四万六千九十二円に対し、
歳出決算額五百八十億二百七十四万六千七百二十八円で、繰越明許費として翌年度に繰り越された事業の充当財源三億六千六百六十六万四千九百四十円を控除した実質収支額は、十三億四千六百七十三万四千四百二十四円の黒字決算となっております。
まず、歳出について、各分科会長からの報告で、その主なものを申し上げますと、第一分科会では、企画費の中で
東九州バスク化構想推進事業のほか、食に関する三事業に関し、委員より「全体的な取り組みの成果をどのように捉えているか」との質疑がなされ、当局より「平成三十年度は、取り組みを開始して二年目の年だったが、食のまちづくりに関する機運が醸成され始めており、取り組みに携わる料理人、生産者の意識も向上してきていると認識している」との答弁があったのであります。
さらに、委員より「今後、目に見える成果を出していくために、どのような形で
プロモーションを進めていくのか」との質疑がなされ、当局より「首都圏での
魅力発信事業を行ったほか、メディアを活用した食べ歩きイベントの
プロモーションを行ったが、首都圏での
プロモーションにおいては、イベントに参加した
トラベル会社が延岡のツアーを造成するといった効果も出ており、今後も、延岡の食について広く情報発信していきたいと考えている」との答弁があったのであります。
次に、第二分科会では、商工費の中で、延岡駅西口街区
等整備推進事業に関し、委員より「延岡駅西口街区整備の進捗状況及び再開発ビルへの入居状況はどのようになっているのか」との質疑がなされ、当局より「延岡駅西口街区整備に関して、土地、建物の取得については、全地権者の同意を得ており、現在、六件の契約が完了している。再開発ビルに関しては、基本設計が完了し、現在は実施設計に取り組み、
入居予定者からのヒアリングを行っているところである。また、入居状況については、現段階で一階部分は、一部の床を除き、飲食、サービス系の入居が確定しており、また、二階以上の階についても、大部分の床について
入居予定者の協議を進めているところである」との答弁があったのであります。
次に、第三分科会では、教育総務費の中で、
小中学校基礎学力向上推進事業に関し、委員より「本事業における学力向上の成果をどのように認識しているのか」との質疑がなされ、当局より、「本年度の
全国学力学習状況調査の結果を見ても、計算力や漢字などの基礎的な学力の向上について、徐々に成果があらわれている」との答弁があったのであります。
さらに、委員より「成果を生かした今後の取り組みはどのようなことを考えているのか」との質疑がなされ、当局より「現在、宮崎大学と協力し、モデル校を選定して、
陰山メソッドがどのような児童生徒に効果があるのか、
全国学力学習状況調査結果も踏まえた分析を計画しており、その結果を今後の施策に生かしていきたい」との答弁があったのであります。
以上のような質疑応答を踏まえ、全体会で採決の結果、本案につきましては、全員異議なく、認定すべきものと決定いたしました。
続いて、議案第二八号平成三十年度延岡市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定から、議案第三一号平成三十年度延岡市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定までの各特別会計四件につきましては、各分科会長からの報告を受け、採決の結果、まず、議案第二八号平成三十年度延岡市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定、議案第三〇号平成三十年度延岡市
介護保険特別会計歳入歳出決算の認定、議案第三一号平成三十年度延岡市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定の三件につきましては、いずれも賛成多数により、認定すべきものと決定いたしました。
次に、議案第二九号平成三十年度延岡市
食肉センター特別会計歳入歳出決算の認定につきましては、全員異議なく、認定すべきものと決定いたしました。
続いて、議案第三二号平成三十年度延岡市
水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定、議案第三三号平成三十年度延岡市
下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定の各企業会計二件につきましては、分科会長からの報告を受け、採決の結果、いずれも全員異議なく、原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。
最後に、国内景気は、良好な雇用情勢と賃金上昇により、個人消費は緩やかな回復が持続され、企業の設備投資については、高水準の企業収益を背景に、増加基調が続く見込みでありますが、地方におきましては、景気回復を実感できるまでに至らず、地方自治体の財政状況は、依然、厳しい状況にあります。
そのような中、当局におかれましては、審査の過程で各委員から出されました多くの意見等を参酌されまして、最少の経費で最大の効果を上げられるよう、計画的、効率的な予算執行に当たっていただきますよう申し添えまして、
決算審査特別委員会における審査の経過並びに、結果の御報告といたします。
よろしく御審議いただきますよう、お願い申し上げます。
(降壇)
○議長(松田和己君) ただいまの
委員長報告について質疑に入ります。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 質疑なしと認めます。質疑を終わります。
これより一括討論に入ります。討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 討論なしと認めます。討論を終わります。
これより、まず議案第二七号平成三十年度延岡市
一般会計歳入歳出決算の認定を採決いたします。
本案に対する
委員長報告は、認定であります。
本案は委員長の報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 御異議なしと認めます。よって、本案は認定されました。
次に、議案第二八号平成三十年度延岡市
国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定、議案第三〇号平成三十年度延岡市
介護保険特別会計歳入歳出決算の認定、議案第三一号平成三十年度延岡市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定の三件を一括採決いたします。
本三件に対する
委員長報告は、いずれも認定であります。
本三件は委員長の報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○議長(松田和己君) 起立多数であります。よって、本三件は認定されました。
次に、議案第二九号平成三十年度延岡市
食肉センター特別会計歳入歳出決算の認定を採決いたします。
本案に対する
委員長報告は、認定であります。
本案は委員長の報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 御異議なしと認めます。よって、本案は認定されました。
次に、議案第三二号平成三十年度延岡市
水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定、議案第三三号平成三十年度延岡市
下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定の二件を一括採決いたします。
本二件に対する
委員長報告は、いずれも原案可決及び認定であります。
本二件は、委員長の報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 御異議なしと認めます。よって、本二件は原案のとおり可決及び認定されました。
◎日程追加 議案第四七
号再議審査特別委員会の中間報告
○議長(松田和己君) お諮りいたします。
議案第四七
号再議審査特別委員会に付託中の議案第四七号について、会議規則第四十五条第一項の規定により、この際、委員会の中間報告を求めることとし、この際、本件を日程に追加し、議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 御異議なしと認めます。よって、議案第四七号については、委員会の中間報告を求めることとし、この際、本件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
議案第四七
号再議審査特別委員会の中間報告の件を議題といたします。
委員長の報告を求めます。
〔議案第四七
号再議審査特別委員会委員長(松田満男君)登壇〕
○議案第四七
号再議審査特別委員会委員長(松田満男君) 議案第四七
号再議審査特別委員会における審査の経過について、御報告申し上げます。
ただいま議題となっております議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定に関する再議につきましては、議長を除く全議員で構成する議案第四七
号再議審査特別委員会を設置し、これに審査を付託されたのであります。
本委員会といたしましては、九月二十六日に委員会を開き、市長を初め、関係部課長の出席を求め、慎重に審査いたしました。
これより、審査の経過を御報告申し上げます。
審査において、まず委員より「再議に付した理由の一について、国の
財政支援制度の活用について徹底した検討が行われなかったとあるが、平成二十九年十二月の水道料金の引き上げに関する議論の中で、当時の
都市建設委員会として、国の
財政支援制度は活用できないという当局の説明のもと、審議を進めた経緯がある。国の
財政支援制度は活用できなかったのか、しなかったのか、どちらなのか」との質疑がなされ、市長より「平成三十年度までの制度においても、活用できる事業はあった。該当する事業がなかったので活用しなかったということであれば、その答弁は間違っていたと考える」との答弁があったのであります。
さらに、委員より「当時の議論において、施設の
老朽化対策や耐震化には、本来三〇%引き上げが必要だが、市民生活や地域の実情を勘案して、
料金引き上げを一四・九%に抑えたということについては、どのように考えているのか」との質疑がなされ、市長より「一四・九%の
料金値上げは、大幅な率の値上げであると考える。その上、
消費税増税により十月から値上げということになれば、二年連続で市民負担がふえるので、値上げに対して最大限検討する姿勢が必要であると考え、このたびの原案を提出したものである」との答弁があったのであります。
次に、委員より「再議に付した理由の三について、追加的な費用が発生することや市民の混乱が生じることなどが懸念されるとあるが、仮に、
料金引き下げを十二月以降の議会において、施行日を遡及した形で可決された場合、どのような追加の費用や問題があるのか」との質疑がなされ、当局より「
システム改修費用には五百万円程度かかると聞いている。また、料金の還付に係る経費として、郵便料五百三十六万円程度が必要である。その他、
料金徴収業務委託業者が行う作業がふえることが予想されることから、別途、
業務委託契約を求められ、別に委託料が発生する可能性がある」との答弁があったのであります。
さらに、委員より「料金改定の事務をスムーズに移行させるには、期限はいつまでだと考えているか」との質疑がなされ、市長より「料金請求の時期だけを考えれば、あと一カ月は余裕があるが、
消費税増税に対応するための事務作業や市民への周知を考慮すれば、消費税が上がる前までには意思決定が必要だと考えている」との答弁があったのであります。
次に、委員より「国の
財政支援制度は、耐震化をさらに進めていくためのものだと考えるが、制度の活用をどのように考えているのか」との質疑がなされ、市長より「耐震化を進めることと市民負担は、一定のバランスが必要であると考える。国の
財政支援制度を活用することによって、
料金値上げ幅を圧縮できることになるので、市民負担の軽減と
計画どおりの耐震化を進めることの両立が図られることになると考えている」との答弁があったのであります。
次に、委員より「市長は、日ごろから少数派の意見も考慮し、取り入れた上で市政を担うと話されているが、水道料金の見直しにおける市民からの
少数派意見に対して、十分に説明を果たしたと考えているのか」との質疑がなされ、市長より「可能な限り周知を図り、多くの意見を聞く努力をしてきた。また、議論をさらに深め、審議をしっかり行う必要があると考え、再議に付すことに至ったものである」との答弁があったのであります。
さらに、委員より「国からの交付金は四十年間交付される一方、市は出資債を十年間で償還することになっているが、十年間の財政負担についてはどのように考えているのか」との質疑がなされ、当局より「公債費負担については、近年、改善傾向にあり、財政指標を悪化させる影響はないものと考えている」との答弁があったのであります。
このような質疑応答が行われましたが、付託された案件は、九月三十日の本会議において
特別多数決議決を行うことなどから、本
特別委員会としての採決を行わないことを求める旨の動議が提出され、採決の結果、本動議を可決し、採決を見送ったところでございます。
以上、議案第四七
号再議審査特別委員会における審査の経過の中間報告といたします。
(降壇)
○議長(松田和己君) ただいまの
委員長報告について質疑に入ります。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 質疑なしと認めます。質疑を終わります。
◎日程追加 議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定に関する再議
○議長(松田和己君) お諮りいたします。
議案第四七
号再議審査特別委員会に付託中の議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定に関する再議については、本日午前十時までに審査を終わるよう期限をつけていましたが、ただいまの委員長の報告のとおり、いまだに審査を終了しておりません。よって、会議規則第四十四条第二項の規定により、議案第四七号は本会議において審議することとし、この際、本件を日程に追加し、議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 御異議なしと認めます。よって、議案第四七号については、本会議において審査することとし、この際、本件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定に関する再議を議題といたします。
これより討論に入ります。通告がありますので、順次発言を許可いたします。
初めに、二三番 河野治満議員の発言を許可いたします。
〔二三番(河野治満君)登壇〕
○二三番(河野治満君) 皆様、おはようございます。令和のべおか
市民派クラブの河野治満です。
ただいまから、今回、再議に付されました議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定に関する修正案に、反対の立場から一括討論を行います。
議案第四七号は、十月一日からの消費税率及び
地方消費税率の引き上げに伴い、水道料金の基本料金を引き下げるための条例の一部を改正するものであります。
去る九月十三日の修正案の採決において、
消費税率分の引き下げのみを行い、
水道料金引き下げに係る箇所を削除する修正案が可決され。また、あわせて提出された
附帯決議案が可決されました。しかしながら、この附帯決議の趣旨に異議があり、本条例案の修正は不適当であるとのことから、地方自治法第百七十六条第一項の規定に基づき、市長が再議に付したものであります。
なお、今回の再議は、修正案の内容もさることながら、
延岡市議会の歴史においてもかつてないとのことや、さきの市長選のしこりがいまだに尾を引いているのではないかなどの心配の声も相まって、市民の関心も高く、マスコミにも再々取り上げられており、県内各地でも大変注目されているところであります。
しかしながら、私はこれまでの経緯を見まして、決して市長と議会の対立ではないというふうに思っております。自治体の最終的な意思決定は、議決機関である議会にあります。市民にとって何が最善か、疑義をただし、かんかんがくがくの論戦を交わすことは、重要なことであります。その意味からして、
水道料金引き下げに関する十分な審議を尽くした中で、さまざまな問題点が明らかになったことは、まさに議会の使命に照らして、当然と言えるからであります。
それでは、まず初めに、私なりに修正案に対する再議の論点を申し上げさせていただきます。一点目は、市民の命をつなぐ上水を供給する体制を整えるため、一刻も早く水道施設の耐震化を進め、市民の安心・安全を担保すべきであり、
料金引き下げ分は管路の耐震化に回すべきであるということ。二点目、
パブリックコメント等の実施もなく、議会にも二週間余りで結論を求めることは、余りにも性急な提案である。大きく言えば、この二点だろうと思います。
これより、本題に入らせていただきます。
その前に、私は前回の
附帯決議案、修正案には、意図するところがあり、賛成をいたしました。しかし、今回は修正案に反対でありますので、まず、このことから申し上げます。
私としては、論点の一点目である、
引き下げ分全てを耐震化に回すべきとの考え方には、初めから異論であります。その理由を申し上げますと、皆様も御承知のとおり、水道料金につきましては、平成二十九年十二月議会において、平均一四・九%の値上げが可決され、昨年七月から実際の値上げ分として市民負担になっているところであります。そして、この値上げによって、延岡市
水道事業経営戦略に掲げる三つの目標が確保可能となっています。一つ目は、
老朽対策耐震化への対応として年間十二億四千万円の確保、二つ目は、災害対策を想定した
内部留保金残高として最低八億円の確保、三つ目に、企業債残高の抑制として発行額を建設改良費の三五%以内とする、以上、三つの目標が、今回、引き下げをしても確実に担保されており、何ら支障なく
計画どおりに達成できるものであるからであります。
なお、
再議審査特別委員会の補足資料として、後日、財政課より、本市の財政運営上、全く問題ないとの報告も受けていることを申し添えておきたいと思います。
では、なぜ私は、前回、修正案に賛成したのか。それは、先ほど申し上げた論点二点目の指摘にあるように、余りにも性急過ぎる、このことにおいては同意見であったからであります。
また、議員の大半がそのことに不信を持つ以上、附帯決議の指摘にあるように、時間を持って丁寧に市民へ説明した上で、再度、十二月議会以降に提案すれば、スムーズに議会の同意も得られるのではないかと考えましたので、結果的に修正案に賛成をしたところであります。
しかしながら、今回提出の再議書を確認しますと、三点の理由が付されており、理由その二では、まさに私が問題とした
市民説明会の開催や
ホームページ等での公開が実施され、また別紙の
水道料金見直しについての意見集計では、四百九十五人中、市長原案に賛成が二百五十一人で五〇・七%、
議会修正案に賛成が百九十一人、三八・六%、そのほか一〇・七%との意見結果も公表されております。
このように、市民の意見をよく聞いて判断すべきとの議会からの要望にも真摯に耳を傾けられ、限られた時間の中で指摘改善の努力をされたようでありますので、評価をしたところであります。
さらに、先週二十六日に設置された
再議審査特別委員会において、再議書の理由その三のシステム変更の問題点について、私から質疑をいたしましたところ、十月一日からの
消費税増税に対応するための問題として、仮に十二月議会以降に可決された場合には、再度の料金徴収システム変更に二カ月間を要し、その費用は約五百万円、ほかに再度の市民への料金変更の郵送料や還付通知などにも五百三十六万円かかるため、追加的な予算として一千万円を上回る経費が必要であること。また、料金収納業務については、民間事業者に委託しているため、口座情報の入力作業、エラーチェック等、相当の期間と人手が必要となり、これらの作業を行ってもらう場合、別途業務委託の契約を求められる可能性があり、その場合、別に委託料が発生するなどなど、本来、必要のない税金が新たに投入されることになるとの内容が判明したのであります。
そして、私が一番に考えていた十二月議会でもよいのではないかとのことについては、料金請求の時期だけを考えれば、あと一カ月の余裕はあるが、もろもろ考慮すれば、消費税が上がる前までには意思決定が必要だと考えるとの答弁でした。つまり、本日、原案の可決が必要との御認識を示されたと私は理解をしました。
以上のような問題点を熟慮した結果、今議会での原案可決を先延ばしすることが、決して最善の方法とは思えないことから、私としては修正案の賛成は、今回、できなくなったのであります。
それでは、改めまして私の考えを続けさせていただきます。
附帯決議案には、時間をかけ、できるだけ多くの市民の意見を聞き、慎重に検討した上で議論を行わなければならないとしていますが、議員定数、政務調査費、費用弁償、報酬など、議会基本条例にかかわるこのような案件は、まさに時間をかけ、可否の参考にすることは必要になるでしょう。
しかし、今回のような条例案等の採決前に、市民の意見を十分聞いて検討するということになれば、市政運営の停滞を招くと同時に、付託された常任委員会の権限である審査権はもちろん、議会の存在意義そのものが問われるのではないでしょうか。このことは、強く申し上げておきたいというふうに思います。
また、今回の
水道料金引き下げ反対の理由の一つとして、南海トラフ巨大地震の発生が三十年以内に七〇%から八〇%と言われる中、将来の安心と安全を担保するために、一刻も早い耐震化を進めるべきと指摘しています。できることなら、私も賛成です。しかし、そうであれば、三十年以内の計画にしなければならなくなります。本市の現状を見ますと、平成二十九年度時点における水道管路の総延長は千十七キロメートルであります。これを現在の耐震化等整備計画のペースでいきますと、完了まで七十年とも、七十五年とも言われています。
しかしながら、本市の平成三十年度の給水人口は、前年度より千六百人減少しています。また、三十年後の人口推計では四万人も減少するとなっていますので、給水率の低下はもちろん、市政運営そのものが深刻さを極めていくことになります。
また、全国的な傾向として、例えば商業施設等が経費削減のために自前で地下水利用に切りかえていることなどから、窮地に追い込まれる自治体がふえていることが懸念されています。
このようなことから、本市でも、水道施設の
老朽化対策や管路の耐震化を急激に進めれば進めるほど、水道事業経営そのものを圧迫することになります。その結果、将来世代に大きなツケを回し、現世代の市民サービスの低下や、緊急を要する災害対応さえ困難となることをもちろん、受益者負担の原則からいっても、とても耐えられないほどの水道
料金引き上げになることを覚悟しなければならなくなります。
市長の再議書の締めくくりに、原案が可決された場合には、当初の耐震化計画に沿って着実に事業を進めることはもとより、附帯決議の趣旨を踏まえ、事業の効率的執行を図ることなどにより、計画以上の耐震化事業を実施するよう、最大限の努力を行うと明言されています。現実的かつ、今でき得る最大限の対応であろうと理解するところであります。
ここで、少しお時間をいただきたいと思います。私が聞いたお話を二点、御紹介いたします。
ある方から、〇〇議員さん、何で引き下げに反対するんですか、と尋ねたら、私は、基本的には引き下げに賛成なんです。でも、会派の意向や考え方があるから仕方ないんですよと言われたそうです。議員が自分で決めながら、それを会派のせいにするとは、都合のよい保身じゃないですか、大変残念がられていました。
確かに、会派制においては運営上のメリットがある反面、議員個人の意思を封じかねない矛盾や疑問もあります。だからこそ、賛成は賛成、反対は反対として、会派におもねることなく、みずからの判断を最優先すべきだと思います。
また、ある女性の方は、わずかな国民年金で生活している、本当に苦しい。要介護の認定をもらったけど、一割負担のお金を出せんからデイサービスにも行けんとよ。じゃかい水道代がちょっとでも安くなったらうれしい、このようにおっしゃっておりました。
本当に厳しい生活に不安を抱えられる多くの方々の切なる声だと思います。言いたくても言えない、小さな声や弱い立場の市民の皆様へ寄り添うことこそ、負託された議員の責務だと改めて感じさせられ、肝に銘じたところであります。
最後になりますが、審査で明らかになりましたシステム変更に伴う不要多額の追加予算や、事務処理を避けるためのタイムリミットを考えますと、仮に、本日、原案が否決となった場合、これは私の勝手な推測でありますが、市長は、十月末前後に臨時議会を招集し、再提案することが考えられます。八月二十日の提案理由の説明から本日まで、一カ月と一週間経過しました。十分な時間も審議も尽くされたと思います。
さきの竜巻被害、そして追い打ちをかけるような二十八日未明の大雨で、土砂流入をこうむり、その対応に疲労こんぱいされておられる方々初め、多くの市民の方々は、市長公約である
料金引き下げに、なぜここまで反対し、エネルギーを費やすのか、怒りや疑問を覚えるのではないでしょうか。
事ここに至りましては、
水道料金引き下げに反対の理由は、もはやありません。これ以上の先延ばしは、決して市民のためにもならず、混乱を招くばかりであります。どうか議員の皆様にも、採決では修正案に反対、原案に賛成していただきますよう、切にお願いいたします。
以上、
議会修正案に反対、市長原案に賛成の討論といたします。
(降壇)
○議長(松田和己君) 傍聴の皆様方に申し上げます。
審議中でございますので、静粛にお願いいたします。
次に、一〇番 田村吉宏議員の発言を許可いたします。
○一〇番(田村吉宏君) 皆さん、こんにちは。友愛クラブの田村吉宏でございます。
議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定についての修正案賛成の討論を行います。
まず、読谷山市長が提出された再議書において、修正が不適当と言われている理由一において、昨年七月の一四・九%の値上げは、国の
財政支援制度を活用していればもっと低く抑えることが可能であったと考えられ、その活用について、
料金引き上げ決定の際に、徹底した討論が行われなかったことは遺憾であり、市民生活や地域経済の厳しさに対する洞察が欠けていたと言わざるを得ないと表記されています。
このときの料金改定は、平成五年以来、二十五年間料金を値上げすることなく経営を続けてきたが、給水収益の減少、老朽化した水道施設の更新、耐震化に要する費用を確保するために料金を検討した諮問委員会からの答申では、水道管の更新、耐震化を進めるために、十年間の設備工事費が総額百八十六億円で、その原資には市民の負担が平均三〇%の値上げが必要であるとされ、市議会に提案されました。
これを受けて、議会は国の支援制度が活用できないかを問い続け、当局より支援制度はないとの答弁を聞いてます。このときの審議において、議会は市民の負担を考慮し、口径十三ミリファイ、二十ミリファイは値上げ率を八%にとどめ、さらに二十ミリファイの基本料金については、十三ミリファイと同様に基本水量五立米以下の区分を新設して、少量使用者の負担を軽減し、平均値上げ一四・九%に抑えるために、十四・五億円、十年間の工事費を、十二・四億円、十五年間の工事計画といたしました。このような議論を積み重ねたにもかかわらず、徹底した検討が行われなかったと断定されたことに対して、遺憾の意を表明いたします。
今定例会の水道料金の見直しに関する考え方の説明で、読谷山市長は、一億八千六百四十万円を大型水道施設の整備は速められないと答弁されてます。そういう意味においては、この整備計画では、耐震化のスピードは速まらないことになります。
一方、旧延岡市内において、水源から透析病院間の重要基幹管路が存在しています。この管路は、災害発生時には、透析患者にとっては命をつなぐ管路であります。水源から宮崎県立延岡病院までは、耐震化は完了してるというふうに聞き及んでいますが、市内に点在する民間の透析病院の配管は、耐震化は進んでいません。おがわクリニック、延岡クリニック、みやた病院、長沼病院など、多くの民間病院があり、多くの患者が利用しています。
延岡市内の水道管は、四十年を超えた管路は、地震などの衝撃でいつ破損してもおかしくありません。このような意味では、病院施設などへの水道管の耐震化を進めることが、市民の安心・安全を確保することにつながるのではないかと考えます。
令和元年に、平成三十年繰越分の三輪水源の電気室工事等で、九千四百九十万円、令和元年水道管管路耐震化、二千四百五十万円、差木野地区配水管新設、三千百五十万円、令和二年と令和三年に予定してる水道管管路耐震化、三千五百五十万円、計一億八千六百四十万円、この予算は総務省が耐震化として認めた工事です。この予算の議会の承認は、耐震化を進めることの承認であります。耐震化で準備していたお金を市民に還元することは、予算審議の時点では説明もなく、当然、承認もしてないことを申し添えて、修正案の賛成討論といたします。
最後に、現在、日本国内ではラグビーワールドカップが開催されています。ラグビーの精神に、ノーサイドがあります。終了のホイッスルとともに、敵味方に分かれて戦った選手が、勝ち負けに関係なくお互いにスポーツマンシップをたたえ合う、いわゆるノーサイドの精神というラグビーの基本理念をあらわす言葉です。この言葉が私は大好きです。
この条例案について、政治的な判断の議論です。勝ち負けの結果ではなく、方向性を決めたら一致団結し、心を一つにして、住みよい延岡をつくり、安心・安全なまちづくりを目指していきましょう。
以上。
(降壇)
○議長(松田和己君) 次に、二七番 稲田雅之議員の発言を許可いたします。
〔二七番(稲田雅之君)登壇〕
○二七番(稲田雅之君) 皆様、こんにちは。自民党きずなの会、稲田雅之でございます。
それでは、ただいま上程されております議案第四七号延岡市
水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定について、
議会修正案賛成の立場で討論を行います。
この議案につきましては、先日の九月十三日の議会本会議の折、従来の水道料基本料金のみに対しかけられていなかった
消費税増税分の二%を加味して可決された
議会修正案を不服として、読谷山市長が再議の申し立てを行ったことは、皆様、御存じのとおりでございます。
その再議書におきまして、極めて多くの市民の皆様から御意見をいただき、そのお考えを把握することができたと書かれておりますが、その実数は五百人弱であり、有権者数を約十万人と考えますと、わずか〇・五%であります。そして、市長原案賛成を過半数とおっしゃいますが、それは〇・七ポイントの差であり、市長原案に賛成できない数と拮抗していると言わざるを得ません。それに、二十代、三十代の若い世代、四十代、五十代の中堅世代の意見の大半が、
議会修正案に賛成であるということも鑑みますと、全世代の市民に対し、もっと長いスパンでしっかりと周知し、メリット、デメリットを説明しつつ、現在の耐震化進捗への見通しを踏まえた上で、議論の醸成を図るべきと考えます。
さらに、仮に、次の議会以降に
料金引き下げが可決された場合、再度の料金徴収システム変更や、再度の市民への料金変更の周知などが必要になるなど、処理すべき事務が増加するとともに、追加的な費用が発生することや、市民の混乱が生じるとのことでありますが、
議会修正案のとおりであれば、現行料金体系のままであるので、変更するのは消費税のみであります。料金を上げてから下げるとの表現を使いますが、修正案は、決して水道料金を値上げするものではありません。ただ消費税を転嫁するのみの処理であります。市長案は、消費税も転嫁するし、料金体系も変更するので費用がかかるわけであります。そもそも水道は、毎月使用量が変化し、請求金額は一定でないことがほとんどであります。つまり、もともと月々支払う水道代は、毎月違うことを考えれば、混乱など常識的にあり得ないわけであります。
さらに市長は、
計画どおりに耐震化を進めるとおっしゃいますが、そもそもこの財政措置であります管路耐震化事業は、耐震化計画百の事業を百二十進めるために国がとられた措置でありますから、当然、耐震化を進めるために使用するのが筋であります。つまり、国が耐震化を進めよといって下さったお金を使って浮いたお金は、水道基本料金のみ値下げという形で市民に直接配るのではなく、やっぱり耐震化を進めるために使わなければ、筋が通らないことになるわけであります。
水道料金値下げの案件は、茨城県の守谷市でも出されておりますが、消費税二%分の値下げをしても、今後とも黒字が見込めるとの理由で、値下げ案を提出したとのことであります。これは、全く正しい判断であり、誰もが賛成するでしょう。
しかし、我が市においては状況が違います。今回の引き下げに使われる一・八億円は、恒久的な財源ですか。いいえ、違います。八年間値下げに使ったらおしまいになるんです。枯渇するのであります。恒久的な財源を見つけて、可能な限り耐震・
老朽化対策などの事業を前倒しにしても、今後とも黒字が見込めるので値下げしますという提案なら、理解いたします。が、今回のように財源を使ってしまった後のことはそのとき考えればいいという考えは、承服できかねます。
さらに今回、消費税が上がるので市民生活の影響を考えてとおっしゃいますが、消費税アップの市民生活対策は、国のほうでもちゃんと考えて対策を行ってるではないですか。この財源が枯渇して、次に値上げとなった場合、そのときは国の消費税対策はない、終わっている。さらに、人口減により一人頭の費用負担がふえることを考えますと、そのときの市民生活への影響は、今回よりもずっと大きくなることは、火を見ることよりも明らかであります。
最後に、私の恩師の著書のサブタイトル、「ポピュリズムは最後に民衆を苦しめる」という言葉を申し添えまして、私の
議会修正案の賛成討論といたします。
どうぞ、議員各位におかれましては、新しい延岡をしょって立つ次の世代に対し、しっかりと議論を深められる延岡というまちはよいまちだと、胸を張れるような判断をお願いいたします。
(降壇)
○議長(松田和己君) 以上で、通告による討論は終わりました。
ほかに討論はありませんか。
〔「議長、二一番」と呼ぶ者あり〕
○議長(松田和己君) 二一番 平田信広議員の発言を許可いたします。
〔二一番(平田信広君)登壇〕
○二一番(平田信広君) 日本共産党の平田信広です。
私は、十三日も討論しましたので、今回は先ほどまで討論するかどうか迷っておりましたが、皆さんの討論を聞いて我慢できなくなりましたので、修正案に反対の立場から討論に参加したいと思います。
こういう事前の文書通告なしの討論は、議会運営上では議会事務局や議長に迷惑をかけますので、余りいいことではありませんが、今議会は
延岡市議会始まって以来の再議の提出など、異例ずくめの運営になっていますので、異例ではありますが、文書通告なしで討論したいと思います。前回の討論と若干重複するかもしれませんが、御容赦を願いたいと思います。
まず、今回の市長の再議の提出の理由等説明を聞いていて、市長は若干要らないことを言われた感じもしましたが、今までの議会での論議や附帯決議などをしんしゃくした、大変議会をリスペクトした、すなわち議会の立場を尊重した再議の理由の説明だと感じました。私は、この提案を受けて、議会もまた市長の立場を尊重し、リスペクトした対応をしなければいけないと思います。しかし、修正賛成の討論を聞いている限りでは、そうなっていない感じがして残念でなりません。
今、議題となっている修正案は、いろいろ先ほどから賛成討論で理由が述べられましたが、結論から言えば、結局、
消費税増税分の負担を市民に当面押しつけるものであります。また、さらに言えば、水道管の耐震化を具体的に早く進めるというような議案でもありません。ここをまずはっきりさせておかなければなりませんし、間違ってはいけません。
昨年は介護保険料が上がりました。年金は連続的に目減りをしています。一般の給与水準も厳しい状況が続いています。ですから、このような暮らしが大変な状況の中で、さらなる市民負担をふやす修正案は、到底同意できないし、賛成できないのであります。
私は十三日の討論で、ぎりぎりの生活をしている人たちは、負担軽減が喫緊の問題だと述べていましたが、私は議員になって二十一年目を迎えました。この間に、数多くの生活相談を受けました。議員というのは、ありとあらゆる相談を受ける何でも屋でもありますが、その中でも生活苦の相談は大変多いのです。国保税が高くてたまらない、国保税が払えずに短期保険証になった、資格証明書になった、そのために、体がきついが病院にも行きづらい。介護保険料も変わらない。差し押さえが来たが、どうしたらいいでしょうと。水道がとめられた、電気がとめられた、ガスがとめられた、あすからの生活のめどが立たないなどなど、多くの相談を受けてきました。そのような悲鳴に近い相談に、私は対応してきました。そんな人たちのことを思い出すと、今でも胸が痛くなります。多分、多くの議員の皆さんも似たような相談を受けているはずです。新議員の皆さんは、まだそんな経験は少ないでしょうが、これから相談を受けることになるでしょう。そんな市民の声を聞いていたら、とてもとても今回の修正案のような結論は出せないのです。
そんな人たちにとって、今回の水道料金の引き上げは、命と暮らしの切実な問題です。引き下げ幅はわずかですが、引き上げと引き下げでは雲泥の差が生じます。
あすからは、消費税が増税されます。いろんなものが値上げになり、その負担は暮らしに大きな影響を与えます。今回の増税では、食料品は基本的に軽減税率が適用されます。これは公明党の功績なのですが、食料品は人間生活の中で根本的な糧です。私は、それなのに食糧の基本中の基本である水道水が適用にならないことが不思議でなりません。せっかく軽減税率を導入したのに、水道水に適用がないというのは、軽減税率の意味合いが水道水の泡、水の泡になる感じもします。水は生活に欠かせないもので、節約には限界があります。こんなことを言っても、国が決めたことだから仕方がないのですが、しかし、私は
消費税増税に腹が立って仕方がありません。
そんな中で、市長提出の原案は、市民の負担軽減を考えての、
消費税増税分を相殺する独自の提案であります。本来なら、国のすることだから仕方がないといって、市当局は増税をそのまま上乗せしても、市民から批判されることはありません。批判の矛先は国に向かうだけです。しかし、他の市町村のようにそれをせずに、独自の施策を打ち出した市長の判断は、やはり私は英断であり、大変共感するわけであります。市長が常日ごろから市民負担の軽減を考えているから、こんなことを考えつくのだろうなどと、少なからず感動すら覚えるのです。
また、今回は議会の主張を受け入れて、緊急的に市民の意見集約がされて、その結果が報告されています。それでは、五〇・七%の過半数の市民が市長原案支持だったこと、修正案支持は三八・六%と、一〇%以上の開きがあります。このことは重要な民意のあらわれであり、議会は尊重しなければなりません。
ただ、確かに修正案支持も、私が思っていた以上に多い感じがしました。このことを考えてみたのですが、この間に敬老の日があり、私は敬老会に七カ所、来賓として呼ばれ、お祝いにいきました。そこでは、必ず水道料金のことを言われました。私は祝辞の中で、私の立場の話は一切宣伝しなかったわけですが、会場では、もう引き下げが決まったのだろう、議会はどうなってるのかなどと、多くの市民が引き下げを待望している声が出ていました。ですから、私の肌感覚では修正支持の数字が意外に感じたわけであります。