延岡市議会 2016-06-15
平成28年第 7回定例会(第3号 6月15日)
第二
一般質問
本日の会議に付した事件
日程第一 1議案第 五号 平成二十八年度延岡市
一般会計補正予算
2議案第 六号 平成二十八年度延岡市
国民健康保険特別会計補正予算
3議案第 七号 延岡市
山村定住住宅条例の一部を改正する条例の制定
4議案第 八号 延岡市
国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定
5議案第 九号 延岡市
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を
定める条例の一部を改正する条例の制定
6議案第一〇号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 二期
建築主体工事)
7議案第一一号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 電気設備工事)
8議案第一二号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 空調設備工事)
9議案第一三号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 給排水衛生設備工事
)
10議案第一四号 財産の取得(
小型動力ポンプ付積載車)
11議案第一五号 市道の路線認定(七路線)
12議案第一六号
指定管理者の指定(延岡市
駅前複合施設)
日程第二
一般質問
◎午前十時零分 開議
○議長(上田美利君) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしております日程表のとおりであります。
◎日程第一 1議案第 五号 平成二十八年度延岡市
一般会計補正予算
2議案第 六号 平成二十八年度延岡市
国民健康保険特別会計補正予算
3議案第 七号 延岡市
山村定住住宅条例の一部を改正する条例の制定
4議案第 八号 延岡市
国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定
5議案第 九号 延岡市
家庭的保育事業等の設備及び運営に
関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定
6議案第一〇号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 二期
建築主体工事)
7議案第一一号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 電気設備工事)
8議案第一二号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 空調設備工事)
9議案第一三号
議決事項の一部変更(新
庁舎建設 給排水衛生設備工事)
10議案第一四号 財産の取得(
小型動力ポンプ付積載車)
11議案第一五号 市道の路線認定(七路線)
12議案第一六号
指定管理者の指定(延岡市
駅前複合施設)
日程第二
一般質問
○議長(上田美利君) 日程第一 議案第五号平成二十八年度延岡市
一般会計補正予算外十一件を一括議題といたします。
これより、ただいま一括議題といたしました十二件に対する総括質疑、及び日程第二の
一般質問を行います。
これより二三番
平田信広議員の総括質疑及び
一般質問を許可いたします。
〔二三番(
平田信広君)登壇〕
○二三番(
平田信広君) おはようございます。
日本共産党の
平田信広でございます。
ただいまから
一般質問並びに総括質疑を行います。
きょうは、
東京都議会が注目を浴びているようですが、しかし、私は最初にやはり国政についての市長の見解を聞いておきたいと思います。
いよいよ
参議院選挙が始まります。そんな中で、
安倍首相は、与党内でも賛否両論があった消費税一〇%増税の二年半の先送り、延期を決め、
参議院選挙で国民に信を問うと言っています。
アベノミクスは、うまくいっている。
リーマンショックや大地震のような事態も起きていない。しかし、世界経済のリスクが心配だから、新しい判断で増税は延期する。
安倍首相の記者会見の内容です。
首相が
伊勢志摩サミットで言ったという、リーマン前に似てきたという説明も、各国首脳の批判を受けて引っ込めました。安倍政権が何が何でもやると言ってきた消費税の再引き上げを延期せざるを得なくなった最大の理由は、三年半にわたる
アベノミクスでも一向に景気がよくならず、特に一昨年四月に消費税を八%に引き上げた結果、消費の落ち込みが予想以上に長引いているためなのは明らかです。
勤労者の実質賃金は、二〇一五年度まで五年連続のマイナスです。国内総生産、GDPの約六割を占める個人消費は、
消費税増税後の十四年度、十五年度と二年
連続マイナスです。首相も予想外の落ち込みと認めざるを得ない状況です。
安倍首相は、新しい判断で
消費税増税を延期するとともに、
アベノミクスを加速して、この秋に大胆な経済政策を実行するとも言っています。しかし、大企業のもうけをふやすだけの
アベノミクスを幾ら吹かして加速しても、今までのことを繰り返すだけだと思います。とてもとても国民の暮らしはよくなり、消費が回復できる見通し、展望は見えてきません。貧困と格差を拡大する政策を転換することこそが、景気回復を促し、国民生活の向上の道だと私は思うのです。
そこで、今回の
消費税増税延期についての見解をお聞かせください。
増税は、やるべきだという人たちも結構います。その主なもっともらしい主張は、
地方自治体に直接かかわる
社会保障とリンクさせた論議です。国政のことだとは言わずに、そういった点で
地方自治体の長としての立場からの見解をお聞かせください。
以上で、壇上からの質問は終わりますが、後の項目並びに再質問は質問席から行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(降壇)
〔市長(首藤正治君)登壇〕
○市長(首藤正治君) ただいまの
平田信広議員の御質問にお答えいたします。
消費税増税の延期についてのお尋ねでございます。
政府は、来年四月に予定されていました消費税率一〇%への引き上げを、平成三十一年十月まで、二年半再延期する方針を正式に表明したところであり、この判断には、議員もおっしゃっておられますように、賛否両論があるようでございます。
また、増税再延期への賛否とは別に、財政再建や
社会保障改革の必要性を強調する意見も多く出されており、私といたしましても、政策の優先順位を明確にし、経済成長による財政再建や
社会保障の抜本的な見直しなどに、より真剣に取り組むべきであると考えております。
今後は、秋の臨時国会に
増税延期のための
関連法改正案を提出する方針が示されており、国会の場でさまざまな観点から議論がなされるものと思いますが、市政を預かる身といたしましては、その中で喫緊の課題である
少子化対策や
高齢化対策に関連する
社会保障の充実はもとより、将来に安定した経済と財政を引き継ぐために、必要な財源の確保といった観点からの議論もしっかりしていただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(降壇)
○議長(上田美利君)
平田信広議員の発言を許可いたします。
○二三番(
平田信広君) 市長、ありがとうございます。
市長の答弁は、
増税延期の是非はともかくとして、
社会保障の充実という観点から、必要な財源は確保してほしいと考えているというような答弁だったと思います。私は全く同感です。
私は、
安倍首相の
増税延期の判断は選挙のためとは思いますけれども、当然で、よかったと思っております。しかし、現在は、同時に
社会保障分野で予定していた施策や、事業を後回しにするようなことを言っております。
社会保障充実と
増税延期をリンクさせた論議が横行しているように感じます。私は、冗談じゃないと思っているんです。私たちは、消費税に頼らない道があると言っているわけですが、例えば、この間の
アベノミクスで、史上空前の利益を上げている大企業への法人税をまけてやる必要はないと。法人税率をもとに戻す。史上最高になった三百兆円を超える、大企業の
内部留保金に一定の課税をする。七億円も年間所得がある
高額所得者に、課税率を昔のようにもとに戻して課税をする。強化する。またはタックスヘイブンで課税逃れをしているところに、課税する。また、米軍の将校たちに、おふろが三つあるような住宅を提供するような
思いやり予算などの、軍事費が五兆円を突破しました。この予算を見直すなどなど、幾らでも財源の確保の道はあると私は思います。要するに、ある所から税金は取れと言いたいわけです。
消費税は、ある所もない所も、庶民から取る、最悪の
不公平税制であります。
消費税増税は、延期ではなくて、きっぱりと断念してほしいと思っております。
市長は、この私の財源確保の考えには異論もあろうかとは思います。しかし、先ほどの答弁は、自治体の長として、
社会保障の充実は待ったなしだと、その財源確保は国政でしっかりしてほしいと述べられたように感じました。私はそのように解釈したんですが、それでよろしいでしょうか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
議員御指摘のように、
社会保障の充実ということは、これは
少子高齢化が続くこの日本社会において非常に重要な課題でありますので、そういったことも含めて申し上げたところでございます。
しかし、
社会保障のみに限らず、さまざまな財政需要というものを、我々、
地方自治体としては今、抱えております。そういった財政需要というものを一つの財源として、やはりこの消費税の中から手当をしていくという枠組みが示されていたわけですから、そういった流れの中で各自治体、これは政府もそうでしょうけど、そうした予算の組み立てといいますか、そういったことを進めていく、さなかでのことでございますから、財源だけ、すっと外されても、これは
社会保障に限らず、いろんなことが困るということは言えるかというふうに思っております。
○二三番(
平田信広君) この論議は、また改めてしたいと思います。
次の項目に移りたいと思います。
次に、
議決事項の一部変更議案、第一〇号から第一三号についてお聞きしたいと思います。
この議案は、四件とも新
庁舎建設工事の工期を延長することに伴って、
工事請負金額を変更するものです。
幾つか疑問に思う点がありますので、お聞かせください。
まず、一〇号議案の二期
主体工事では、試験掘りで岩盤が想定より深いことが判明して、工期に影響したということです。このことは、事前に上部に建物が建っていて、想定に差が出たということのようですので理解できます。
しかし、熟練工や型枠工の不足などが影響したとの内容の説明もあるようです。これは、私は
受注者側の責任だと思うんです。これによる工期のおくれでの増額には、納得がいきません。熟練工や型枠工の不足などで、工期がおくれるのは仕方がないかもしれません。しかし、これで契約金額を増額するのが理解できないんです。普通は、工期がおくれることでの市政運営の予定変更に伴う損害を考えると、ペナルティーものではないかと私は思います。
受注者側の責任で解決すべき問題であり、
受注者側が経費増として利益から落とすべきと思うんですが、その点のお考えをお聞かせください。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
今回の工期の変更につきましては、二期
建築主体工事におきまして、くい工事及び
労働者不足に起因する要因がございました。
二期
建築主体工事におけるくい工事に起因する工期の延長につきましては、地下の支持層が当初の想定より深い箇所にあったことなどによりまして、くいの長さなどについて設計内容の変更を伴うことから、受注者の責任ではないと判断し、工期を平成二十八年九月六日まで延長することにより、経費を増額するものでございます。
また、
労働者不足に起因する工期の延長につきましては、熟練した鉄筋工や型枠工が県外の
建設工事に従事しているためとの報告を受けておりますが、このことは受注者に責任があると判断いたしましたので、このことによる工事期間の延長契約は認めないこととしております。
しかしながら、現在の工事の進捗状況や品質確保を考慮し、工期期限後、相当の期間内に工事を完了する見込みがあると認められることから、二期
建築主体工事の完成の日を平成二十八年十月二十七日に変更することとしております。
また、この延長期間に係る経費につきましては、本市は負担しないこととし、工事完成後に
工事請負契約約款の規定に従い、必要な手続について検討することになるものと考えております。
○二三番(
平田信広君) 工事完了後に必要な手続を検討するという答弁でした。それなりの措置をとるということですが、もうちょっと詳しく聞きたいんですが。詳しくというか、要するに
遅延損害金等を取るということでいいんですかね。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
御案内のように、低層棟、まだ工事が進んでおりますので、完成後のことは、この場では発言を差し控えさせていただきたいと思います。御理解をいただきたいと思います。
○二三番(
平田信広君) それではちょっと納得できないんですが、それなりの措置をとると、ぜひとってほしいと思います。少し納得できませんが、そういうふうにしてほしいと思います。
ところで、それでない部分での工期延長での増額、これはどのような計算というか、中身なんですか。
○
企画部長(
中村慎二君) 今回の工期の延長によって経費がふえた分のお尋ねと考えておりますが、
工事請負費につきましては、直接工事にかかわる直接工事費と同時に、工事を受注し、進捗していく間に現場の管理等に係る共通費というものがございます。この共通費の算定には、工期の要素を加えるということになっておりますので、今回、工期が延びたということで、その分の経費が増額になったということでございます。
○二三番(
平田信広君) 理解できました。
それでは、もう一つの、この四つの議案のうち、一一号議案だけが減額議案になっています。本来、増額になるはずなのに、これはどういうことなんでしょうか。
○
企画部長(
中村慎二君) お尋ねは、
電気設備工事の増額ということでよろしいでしょうか。
この
電気設備工事につきましては、今回、増額と減額、この二つがございます。増額につきましては、先ほど申しましたように、工期の延長に伴うものでございまして、この
電気工事の経費の増額分として五十七万二千円が増額になっております。
一方、減額につきましては、昨年十二月に議決をいただきましたが、
インフレスライドの経費の中に、一部対象外とすべき経費があったと。そのことを今回、是正をいたしまして減額いたしました。その分が百十四万八千円でございます。トータルで五十七万六千円の減額となっているものでございます。
○二三番(
平田信広君) わかりましたけど、昨年の十二月議会での議案にミスがあったと。早い話、そういうことですね。このミスと私は思うんですけど、これ、そのまま見過ごされれば、そのままになってたと思うんですが、これ、業者側からの申告なんですか、それとも当局側が発見したんですか。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
電気工事は一期工事と二期工事に分かれておりまして、二期工事の分の調整を行う、ことし初めだったんですが、その場の中で、受注者のほうからそういう話がありまして、市としても確認をしたということでございます。
○二三番(
平田信広君) こういうことは、やはり気をつけてもらわないと、見過ごす可能性があると。やばいなという感じがしますので、今後、気をつけてもらいたいと思います。
それでは、次に移ります。
議案第一六号の
指定管理者の指定についてお聞きします。
この議案は、延岡市
駅前複合施設の
指定管理者に、
カルチュア・
コンビニエンス・
クラブ株式会社を指定するものです。この
指定管理者には二社が応募していたようです。結局、このCCCと呼ばれる会社が指定されたわけです。
この会社は、全国でいろいろと物議を醸している会社であり、いろいろと心配します。今回の指定については、事前からいろいろと取りざたされていました。この会社が指定されるんではないか、決まっているんではないかなどとの、うわさも飛びかっていました。結局、この会社が指定されたわけですので、私としてはどうも嫌なのであります。市民から聞かれたときに説明できるように、指定された根拠や理由、選定結果など、市民が納得できる説明をしてほしいと思います。もう一社との比較が重要だと思いますので、その点を踏まえてお答えしてください。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
複合施設の
指定管理者につきましては、詳細な
業務仕様書を公表した上で、
指定申請書提出までの期間を約三カ月置くなど、広く応募を求めてまいりました。
最終的には、他の自治体において
指定管理者としての実績のある二社から申請がありましたが、この二社を対象に、民間の有識者を含めた選定会議を開催し、書面審査に加え、公開でのヒアリングを実施した上で、委員全員の総意として
カルチュア・
コンビニエンス・
クラブ株式会社を選定いたしております。
主な選定理由といたしましては、本とカフェを集客の軸とすることで、これまでなかった
公共交通利用者の滞留を生み出し、また、それらを目的に集まった利用者を市民活動の広がりにつなげることを重視した、
イベント開催による一過性の賑わいではなく、日常的な賑わいを生み出す、具体的かつ
実現可能性の高い提案であったこと。さらに、
複合施設の職員は地元から積極的に採用するとともに、
統括責任者等には、他の施設において
責任的立場に従事した経験のある社員を移住させた上で配置するなど、本市における雇用の創出とあわせて、本市に根づいた責任ある
施設管理体制が提案されたことなどが高く評価されたところでございます。
○二三番(
平田信広君) そうすると、CCCは、日常的な賑わいを生み出す提案であったと。もう片方の会社は、
イベント開催による賑わいを創出する提案であったと。CCCのほうが、より具体的で実現の可能性の高い提案であったと、その差が大きかったということで選定したと、こういう判断でよろしいでしょうか。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
そのとおりでございまして、
複合施設の最大の目的が、日常的な賑わいをつくり出すということでございまして、その部分を高く評価したということでございます。
○二三番(
平田信広君) 次に移ります。災害対策についてです。
熊本地震には大変驚きました。私も被災された方々や関係者の皆さんに、心からお見舞いを申し上げたいと思います。私たちは、この地震を教訓にしなければならないと思います。
そこで、
巨大地震対策での水道の耐震化の取り組みについてお聞きします。
熊本地震では、耐震化されていない水道管の破損が目立ち、最大四十四万戸が断水したと言われております。宮崎県内でも、
南海トラフ巨大地震が発生した場合、百五万人の世帯で断水すると試算があると報道されていました。延岡市は、
耐震化率二一・〇%、
耐震適合率二五・六%とも報道されていました。この数字をどう見るのか。巨大地震が発生した場合、大丈夫なのか。市の今後の対応をどのように考えているのか、お聞かせください。
○
上下水道局長(日高淳三君) お答えいたします。
本市の旧
上水道区域における平成二十六年度末の
基幹管路の
耐震化率は二十一・〇%、
耐震適合率は二五・六%となっておりまして、全国平均の二二・五%、三六・〇%とともに下回っておりまして、
耐震化率の向上は重要な課題であると認識しております。
平成二十六年に策定した延岡市
水道施設耐震化計画におきまして、巨大地震が発生した場合、最大で五千九百六十カ所の
路上漏水被害が発生するとの想定をしております。
現在、更新による
水道施設の耐震化を進めておりますが、さらなる更新費用をふやすことは、財政的に困難な状況にありまして、災害時の初期活動を迅速に行えるよう、給水訓練や災害訓練の強化も行っているところでございます。
今後は、本年三月に策定した延岡市新
水道ビジョンの理念に基づき、優先順位に基づく施設・管路の耐震化、
各種マニュアルの定期的な見直しや訓練の充実を図り、災害等の危機管理への対応の徹底を行いたいと考えております。
○二三番(
平田信広君) 先週の十日に政府の
地震調査委員会が、今後三十年間で震度六弱以上の確率の十五年度版を公開しました。宮崎は前回と変わっていませんでしたが、それでも四三%でした。大変心配します。
この水道管の施設改善は、当然一〇〇%を目指す必要があると思いますが、目指していると思うんです。それには、市としてはどのくらいかかると。経費ではありません。時間というか、年数というか。
○
上下水道局長(日高淳三君) 水道管の耐震化は重要な問題と認識しておりまして、しかし、膨大な費用を要するため、一〇〇%まで一気に行くのは難しいと考えております。
国のほうが、
国土強靭化基本計画というのを平成二十六年に閣議決定しておりまして、その中の
アクションプランで
水道施設の計画的な耐震化を進めるということを掲げております。その中で、
基幹管路の
耐震適合率を平成三十四年度までに五〇%ということを指標として掲げておりますので、本市といたしましても同様に、平成三十四年度までに
基幹管路の
耐震適合率を五〇%に引き上げるべく努めてまいりたいと考えております。
○二三番(
平田信広君) 一〇〇%は、今の時点では見通せないと。しかし、国と合わせて五〇%、国の方針に基づいてやりたいと、そういうことでよろしいですね。
○
上下水道局長(日高淳三君) そういうことで取り組んでまいりたいと考えております。
○二三番(
平田信広君) 次の項目に入ります。
教育行政についてお伺いします。
昨年十二月に、広島県府中町立の中学三年の生徒が自殺した事件がありました。この報道を聞いて胸を痛めたのは、私一人ではなかったと思います。
この事件は、この生徒が一年のときに、万引きしたという非行歴の記録があったので、中学校が私立高校への推薦をしないという基準を設けており、推薦をしなかったというものです。しかも、冤罪だったことも明らかになっています。
私は、冤罪だったことにも信じられない気持ちがしましたが、一年のときの非行を問題にして、推薦基準にしているということには、あきれてしまいました。冤罪でなくても、一年のときの非行が、三年になって進学の推薦基準の対象になる。この間の教育はどうなっているのかと思ったわけであります。
そこで、お聞きします。延岡の中学校の私学への推薦基準などはどうなっているのでしょうか。生徒指導や進路指導についてお聞かせください。
○教育長(笠江孝一君) お答えいたします。
高等学校進学に当たっての推薦基準につきましては、それぞれの私立高等学校が示すものでございます。
各中学校においては、推薦を希望する生徒の学力や素行、部活動、あるいは学校行事での取り組み、特技など、さまざまな面から総合的かつ客観的に判断して、各私立高等学校の推薦基準に合った生徒を推薦しているところでございます。
議員御案内の府中町での事件におきましては、学校の組織的な対応の欠如や、生徒指導・進路指導上の情報管理の不徹底などが指摘され、文部科学省から通知も出されたところでございます。
本市における生徒指導や進路指導につきましては、生徒のさまざまな情報について職員間で確認し合いながら、正確な記録を残したり、全職員で共通理解を図る場を設けたりするなどしているところでございますが、改めまして、今回の文部科学省の通知を全校に周知し、さらなる生徒指導・進路指導の充実に努めていくよう指導したところでございます。
○二三番(
平田信広君) この質問は、本当は三月議会で聞きたかったんですけど、議会の都合で聞けませんのでしたので、少し間が延びました。
私もこの数年前に、ある中学校、地元の中学校ではありませんが、推薦の問題について、父兄から相談を受けたことがあります。ですから、非常に関心が高かったんですけれども。
それで、高校への推薦の人選の方法について、ちょっとお聞きしたいんですが、中学校では、ある生徒を推薦する場合、校内である程度の、複数の人数で協議をして決めるんでしょうか。その点はいかがでしょうかね。校長の判断が非常に強いという話も聞きましたので、ある程度のルールは決めてあるのかどうか、その点をお聞かせください。
○教育長(笠江孝一君) お答えいたします。
生徒の推薦につきましては、高等学校が示す推薦基準、今申し上げた推薦基準に照らしまして、複数の教員によって検討をして、最終的には校長の決裁という手続になるわけでございますが、校長が一人で判断するということはありません。合議制でございます。
○二三番(
平田信広君) 再度、改めて聞きますが、私は、この広島のようなことが延岡で起こらないか心配するわけです。一年生、または二年生のときの素行が、推薦の基準、判断にされるようなことはないのか。この広島の事件は、極端に言えば、私、教育の敗北だと思います。延岡は大丈夫なのか、その点、教育長お願いします。
○教育長(笠江孝一君) お答えいたします。
学校は一年生のときに仮に非行があったとしますと、これを繰り返すことがないように、関係機関と連携しながらということになりますが、粘り強く指導を行ってまいります。このような指導の中で素行が改善された場合には、通常、それまでの過年度の非行歴を推選の基準に加えるということはございません。
○二三番(
平田信広君) ありがとうございました。安心しました。
それでは、次の項目に移ります。介護保険料についてお聞きします。
先月に介護保険料滞納で差し押さえの六十五歳以上が、初の一万人を超えたとの報道がありました。もちろん、全国の市区町村の話ですが、所得の低い低年金者に集中していると思われますが、深刻です。
介護保険料が高いという苦情は、しょっちゅう聞きます。うちの母などは、年金からの天引き額が示されたはがきを見て、ぶつぶつ言っております。
延岡市の納入状況、滞納状況はどうなっているんでしょう。また、異常に高いからこそ、負担感や生活に影響して不満や批判が出ます。今のような制度のあり方では、当然、今後さらなる引き上げが予想されます。保険料の今後の見通しも、あわせてお聞かせください。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
介護保険料の納入状況につきましては、平成二十七年度決算見込み額で、収納率が九五・六%、収入未済額は、約八千八百九十万円となっています。
また、保険料の今後の見通しでございますが、今後も要介護認定者の増加が見込まれることから、保険料は上昇していくことが予想されております。
平成三十年度以降の保険料につきましては、第七期介護保険事業計画策定の中で保険料の見直し作業を進めてまいりますが、市といたしましては、できる限り、市民の皆様の負担が大きくならないよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○二三番(
平田信広君) ありがとうございます。
滞納額の合計額が八千八百九十万円ということでした。この滞納額や滞納者は、年金などで天引きができない人たち、要するに収入の低い低年金者。普通徴収の方々が納め切れない額だと思うんですが、そうですね。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
はい。議員のおっしゃるとおり、年金が十八万円以下の方については、この特別徴収という天引きができませんで、普通徴収という自主納付の形になります。ですから、この滞納しておられる金額については、低所得の方の分が大きいと考えているところです。
○二三番(
平田信広君) 大変、生活に苦労しておられる方が、ほとんどだと思います。先ほど言いましたように、全国では差し押さえが横行しているようですけれども、延岡市では差し押さえされている状況はあるんですか。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
延岡市におきましては、今まで差し押さえをした事例はございません。
○二三番(
平田信広君) 安心しました。いろんな問題で、悪質な税金の滞納というのは、それは仕方ないかもしれませんけれども、こんな介護保険料というのは、本当に困っている人たち、悪質な人たちというのは少ないと思います。今後、気をつけてほしいと思います。
それで、今後も介護保険料は、やむを得なく今の制度自体では上昇していくことが予想されるというような答弁だったと思うんですが、今後は具体的にどれくらいの上昇が予想されるのか。延岡市でなくて結構です。おおよそで結構ですので、お答えください。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
新聞などの情報によりますと、二〇二五年には、全国の平均で月額八千円程度になるものという報道がなされております。
現在、延岡市の保険料が、大体、国の平均と同額ぐらいになっておりますので、そのころには、大体、延岡市の保険料も同額程度になるのではないかと予測しているところでございます。
○二三番(
平田信広君) たまりませんね。介護保険料というのは、この前から私、しょっちゅう苦情を受けるんですけれども、できるだけ、先ほど部長が言われましたように、引き上げを抑えるような取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
できるだけ、そのように頑張っていきたいと思います。
○二三番(
平田信広君) 最後の項目です。東九州バスク化構想についてお聞きします。
先月十九日に発表しました東九州バスク化構想についてです。
一応、議会には説明があっていますし、マスコミも報道していますので、内容はある程度知っているつもりですが、大変夢のあるような構想のように感じました。
しかし、両市で今年度約一億円の予算が計上されているのには、いまいちピンと来ない市民も多いのではないでしょうか。私は、最初は何でじゃろうかと思ったのですが、バスクというのは、フランスとスペインの国境の市をまたいだ地域のことだそうです。何でバスクなのか、よくわからないんです。
私は、そんなに有名な地域になっていることを知りませんでした。私だけでなくて、夕刊デイリーの記者手帳欄にも、そんな意味のことが書いてありました。あの欄は編集長が書く欄のようで、そのような見識の高い人まで知らなかったんですから、私がピンと来ないのは当たり前だと思ったところでした。
そこで、聞きます。このバスク地方というのは、どれくらい有名なのか。何で地域活性化のモデルがバスク地方なのか、お聞かせください。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
この東九州バスク化構想、これは昨年のエンジン01オープンカレッジの開催によりまして、本市の食の潜在力については、ある意味、お墨つきをいただいたと考えておりますが、これをまちづくりにしっかり生かしていこうということで、大会委員長でございました料理評論家の山本益博さんのアドバイスをいただきまして、今お話のありました、フランス・スペインの国境にまたがって、かつては辺境の地と呼ばれた、このバスク地方のスペイン側の都市サン・セバスチャンの取り組みを参考に事業の組み立てを行ったというものでございます。
このサン・セバスチャンでございますが、これは本市と佐伯市を合わせた人口よりも少ない、人口十八万人ほどということでございます。そして、以前は、この地域というのは、一つはお金がない、人が少ない、交通が不便、特に自慢できる名物は何もないと、そういったことが言われる地域だったようでございまして、まさに日本のどこにでもあるような一地方都市と言っていいまちでございました。
そんなまちが、当時の流行でありました高級フランス料理をまねるということではなくて、地元料理人の方々が調理技法を磨きながら、このバスク地方の豊かな山の幸、海の幸を生かして、そこでしか味わえない、いわば地産地活の取り組みを重ねたということによって、大きく、世界一の美食のまちに十年ほどで成長を遂げたというところでございます。
今、このサン・セバスチャンには、ミシュランの星を持つ店が、三星三店を初め計九店もあること、また、近隣に観光都市ということで注目を集めるビルバオというまちがあるという存在、また、世界中から、こういったことによって食を目当てとして多くの人々が集まってきているということでございます。
本市と佐伯市にも、近くに高千穂とか別府など多くの観光客が訪れる都市があります。地理的にも似通った部分がございます。このように地方都市である本市と佐伯市が、県境をまたいで美食に焦点を当てた取り組みを行うことは、まさに、かつて辺境の地でありました、このバスク地方の取り組み、サン・セバスチャンなどの取り組みがよいお手本となると考えております。そういった意味で、今回、バスク化構想ということで打ち出したところでございます。
本構想につきましては、国からも地方創生における特徴的な取り組みということで高い評価をいただいておりますが、高速道路開通によりまして、陸の孤島を脱した本市が、県境を越えて佐伯市とともに九州のバスク、九州のサン・セバスチャンを目指しますことは、将来の本地域のあり方を大きく変える可能性を秘めたプロジェクトであって、新時代においてチャレンジするにふさわしい目標であると考えているところでございます。
○二三番(
平田信広君) このバスク地方のことは、山本さんが提案する前に市長は知っておられましたか。
○市長(首藤正治君) まちの名前とかぐらいの知識しかございませんでしたけれども、益博さんからお聞きして調べてみて、なるほど、これはと思ったところでございます。
○二三番(
平田信広君) 今回のこの計画は、若干壮大なものだと思うんですけれども、市当局として、ここに一度は調査に行かれたんですか。百聞は一見にしかずというんですが、この構想を立ち上げるために、現地の調査、視察といったことをやって立ち上げたんですかね。
○市長(首藤正治君) 現地調査などは行っておりませんけれども、さまざまな情報は集約をし、そして今回の構想策定には、そういった情報をもとにして組み立てたところでございます。
○二三番(
平田信広君) 今後、市としては調査するつもりはないんでしょうか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
関係者の中からは、一度ここは行ってみるべきだという声も上がっておりますが、まだ具体的な計画というところまでには至っておりません。
○二三番(
平田信広君) 市長は行ってみたいと思いませんか。
○市長(首藤正治君) もちろん、我々が目指すべきまちだということでございますので、行ってみたいなとは思っております。
○二三番(
平田信広君) ぜひやっぱり行くべきじゃないかなと思います。
ただ、今、舛添氏の高額海外出張問題がありますので、公費というわけにはいかんでしょうから、自費で行く必要があるんじゃないかなと思います。公費で行くと、一年半後の問題もありますし、これからの首藤市長に影響することもありますので、新しい判断をそのときはするかもしれませんけれども、ぜひそういうふうにしていってほしいなと。成功させる意味でですよ。自費で行ったら批判を受けないと思いますし、もう市長になって十年になりますよね。十年過ぎました。この間、非常に忙しかったと思います。家族サービスも余りやってないんじゃないかなと思うんですが、当たってなければ申しわけありませんが、ぜひ家族サービスも兼ねて調査研究と。このバスク地方にぜひ行って研究してもらいたいと思いますが、市長どうでしょう。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
大変ありがたい御提案でございますが、もちろん、そういった自費で行くなんていうのは、全然、私としては、ぜひそうした形でも行ってみたいなと思いますので、実現できればいいなと思ったところでございます。
○二三番(
平田信広君) ぜひ。
このバスク化構想は、本当に夢があると私は思います。
ただ、この東九州バスク化というネーミングは、余りおいしい感じがしないんですよね。私だけかもしれませんけど。もっといいネーミングの工夫が欲しかったと思った次第です。バスク地方の方には申しわけないんですけれども、リスクとか、ブラックバスとかいうような、響きが悪い。
ですから、もうちょっと工夫が欲しいなと思いますので、サブタイトルなり、愛称なり、研究してみたらどうかと思うんですが。もっと市民が食らいつくようなものを考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○市長(首藤正治君) この名称につきましては、いろんな感じ方があるかと思います。ブラックバスとかいうような話もありましたが、バスクというと、ラスクというおいしい食べ物があったりいたしますから、いろんな連想があるかと思います。
まずは、こういった形で打ち出したところでございますので、バスクとは一体何じゃろかいというような反応で全く構わないと私は思っております。
もともと、昨年のエンジン01をやりますよと打ち出したときも、エンジン01って何じゃろかというのが、大体、世の中の反応でございましたが、そういったところからでも関心を持っていただいて、そして最終的には、これはやってよかったねとなるように、中身を実質的にしっかり進めてまいりたいと思います。
○二三番(
平田信広君) 一応、全項目終わりましたが、少し時間があるようなので、少しもとに戻って水道の耐震化のことについてお聞きします。
この改善の費用ですね。これは国の交付金などはないんでしょうかね。
○
上下水道局長(日高淳三君) 耐震化に対する国の交付金制度でございますけれども、先ほど申し上げましたように、国も
水道施設の耐震化というのは重要だと認識をしているところでございまして、本年度からも補助事業に関する新しいメニューが講じられたところでございます。
しかしながら、まだまだ予算規模も小さく、採択のハードルも高いものがございまして、延岡市の水道事業では、現段階では採択条件に合致していない状況でございまして、制度の利用が図れないところとなっております。
○二三番(
平田信広君) ちょっとよく聞こえなかったんですけど、国からの現在の交付金というのは、ほとんどないというような感じだと思います。国は、口は出すけど金は出さないというような感じを受けるんですよね。やっぱり国の施策として、もっとやってほしいと思います。
最後に、介護保険料の質問、
消費税増税の
社会保障関係の答弁で、再度お聞きしたいと思います。
私、市民から生活保護や介護保険問題、医療費の問題など、
社会保障に関する相談をよく受けます。深刻です。介護保険料が高い、国保税も高い、年金は減る一方で、低所得者は本当に苦しい現実があります。
年金問題では、さきの三月議会で、削減をやめてほしいという陳情が残念ながら不採択になりました。しかし、その後も、市内の一般社団法人の年金協会が、年金の減額はやめてほしいというチラシと運動を行っていたことがデイリーで報道されていました。私は、もっと
社会保障政策は充実をさせるべきだと、いつも思っております。今の
社会保障政策の現状について、市長はどう思われるか、再度、市長、お聞かせください。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
大変重い御質問だろうと思います。今の日本社会において、この
社会保障制度というものが、もはや非常に厳しい状況に来ているということは言わざるを得ないと思います。この
社会保障関係経費の総額と、そこに充てられる財源とのギャップというものが、ますます年々大きく開いていっていると。そして、高齢化の中で、この
社会保障に対する行政需要は、ますます大きくなっていっているということでございますので、そういった中で、その給付と負担とのバランスだとか、あるいは財源等の関係を、どうしっかりマネジメントしていくのかということは、これは非常に大きな重い課題だと思います。
行政需要ということでのお尋ねだと思いますが、ますます我々日本人にとって、非常に
社会保障というものが今まで以上にお金のかかるものに、もちろんなっていっているわけだし、それは当然、我々がそういった需要があるから、そうなってるんだと。
社会保障というものは、やはりより拡充していく方向であるべきだとは感じているところでございます。
○議長(上田美利君) これをもって、
平田信広議員の総括質疑及び
一般質問を終わります。
これより一四番 上杉泰洋議員の総括質疑及び
一般質問を許可いたします。
〔一四番(上杉泰洋君)登壇〕
○一四番(上杉泰洋君) 皆さん、こんにちは。
のべおか市民派クラブの上杉泰洋でございます。
先日、第七次行財政改革の平成二十七年度実施状況が発表されました。それによりますと、職員十四名削減、経費約四億円節減とあり、成果は上がっているようでございます。
しかし、市民の評価は厳しいようです。職員十四人削減しても、臨時職員が多くなったのでは。経費約四億円節減したのに、何で福祉バスの回数やサロンの予算が減ったり、国民健康保険税などが高くなったのかの御批判でした。
「公共事業などのコスト縮減などで予算を節減したそうですよ」と説明したのですが、「節減された土建業界は大変ですよ」の言葉でした。理解は得られず、市民にその矛盾を説明する必要性を感じた次第です。
さて、今回も、延岡市の本年度から始まった第六次長期総合計画や、市長が年度当初に約束する施政方針の実施状況と、市民からいただいた声をもとに質問いたします。
第六次長期総合計画では、各部局の目標でしょうか、六つの基本目標が示されています。この六つが縦割りなく役割を果たしたら、すばらしい延岡市になると思います。それを確認の観点から質問します。
まず、地域の特色を生かした交流連携のまちづくりから、二点ほど質問します。
高速道路開通に伴う総合観光施策について、高速道路開通後の市当局や市民の声は「通過点にならなければよいが」の心配の言葉でございました。幸い、北や西の玄関口として、従来ある道の駅のてこ入れを実施し、通過点にならないように努力しております。
しかし、道の駅にちょっと立ち寄り、また高速に戻り通過する、そのような現況ではないのでしょうか。
延岡市の出会いの愛宕山や弘法大師の今山、そして、宮崎県で唯一、人が住んでいる島野浦を観光し、延岡市南部地域まで全地域を巡回する、まさに、本当の通過点にならない、延岡市全体に賑わいをもたらす総合的な施策が必要となってきます。
そこでお聞きいたします。
市長の延岡市全地域を生かした観光ビジョンをお示しください。
次に、熊本地震で、隣の県の熊本が大きな被害を受けました。いまだに避難所生活を余儀なくされている方が多くおられます。
皆さん御存じのとおり、熊本とは九州中央道早期開通を要望している交流連携の都市でもあります。
そこでお聞きいたします。
今後の熊本の復興支援について、延岡市として市長の考えておられることがございましたらお示しください。
「市民のための市民の市政」
以上で、壇上からの質問を終わります。
(降壇)
〔市長(首藤正治君)登壇〕
○市長(首藤正治君) ただいまの上杉泰洋議員の御質問にお答えをいたします。
まず初めに、観光振興についてのお尋ねでございます。
これまでも機会あるごとに申し上げておりますが、念願の東九州自動車道が開通した今こそ、観光振興を加速させるチャンスであると考えております。
いよいよ北九州とも結ばれたこの効果を最大限に生かすため、うみウララを当面の重点的な観光推進エリアとし、自然や食などの資源を活用した取り組みを行っているところでございます。
また、三つの道の駅や北浦臨海パークの総合案内所において、本市の多様な魅力の情報発信を行うなど、お客様に市内を周遊していただく取り組みを進めているところでもあります。
さらに、本年度スタートいたします東九州バスク化構想のもと、豊富な食材とおいしい料理という、この本市の食の魅力をしっかりと絡ませながら、市内各地に周遊していただく仕組みづくりを行っていくことといたしております。
このような中、市南部地域には、昨年開催しましたエンジン01オープンカレッジでの夜楽などにおいて高い評価を受けた名店もございますし、現在、日向市・門川町と連携の上、開催をしております日豊海岸岩ガキまつりに参加されている飲食店もございますことから、今後とも、地域の皆様の熱意に期待を寄せているところでございます。
議員御案内のとおり、島野浦や愛宕山を初めとしまして、本市には体験型観光や神話・歴史、そして食といった魅力ある観光資源が数多く存在しておりますので、それぞれの特性を組み合わせながら、観光客の誘客推進を行ってまいりたいと考えているところであります。
いずれにいたしましても、本市を訪れた方々に市内を周遊していただき、その消費活動が地域経済を潤すことにつながるよう、第六次長期総合計画において観光の産業化を掲げたところでございます。
今後とも、このような方針のもと、観光振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、熊本地震被災地への今後の復興支援についてのお尋ねでございます。
本市におきましては、四月十四日の一回目の地震発生直後には、緊急消防援助隊の派遣や、熊本赤十字病院への給水活動等を実施しております。
また、阿蘇大橋や俵山トンネルの崩落等により、西九州方面からの支援が届きにくくなっている南阿蘇村と連絡をとり、本市の備蓄品等をお届けいたしました。
さらに、多くの市民の皆様から、四トントラック七台分を超える支援物資の提供をいただき、南阿蘇村を初め、支援要請のあった御船町や大分県竹田市、由布市へお届けすることができました。
そのほかにも、被災地からの支援要請に応じて、さらなる給水活動や、ごみ収集支援、建物や土地の危険度判定士の派遣、被災者の健康支援のための保健師の派遣、避難所運営や自治体事務に従事する職員の派遣など、さまざまな支援を実施し、これまでに、延べ百三十一日、延べ人数で五百一名の職員を派遣してきたところでございます。
また、今議会に補正予算として提案させていただいておりますが、宮崎県市長会では各市が百万円ずつ負担し、義援金として支援する予定にいたしております。
復興までには相当の時間がかかることが見込まれますことから、今後とも、被災地の復興状況を見守りながら、被災地からの支援要請等に応じて、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(降壇)
○議長(上田美利君) 上杉泰洋議員の発言を許可いたします。
○一四番(上杉泰洋君) 答弁ありがとうございます。
壇上での質問に対する再質問をいたします。
延岡市全地域を生かした総合的な観光施策について、三つの道の駅を統合するとのことですが、総合的観光施策に大変有効だと思います。そのスケジュールについて、
企画部長お願いいたします。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
この道の駅を経営する経営主体の統合というのは、統合することが望ましいという方針を出させていただいたところでございますが、今後の具体的な手続につきましては、現在、法的な手続の整理であるとか、そういうこともやっておりまして、できるだけ早く統合できるような形で進めてまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) 市長答弁もありましたけれども、その際、島野浦とか、南部地域もちょっと交流した延岡市全体の観光総合戦略は取り入れられることは考えられませんか。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
今、
企画部長から答弁ありましたように、道の駅は、観光資源としても大変重要な施設でございます。それから、そこを起点にさまざまなPRが必要になってくると思っております。その中では、当然、議員おっしゃったような、市内全域の観光資源といったものについても、しっかりその中でPRしていきたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) ぜひ取り入れていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
二十六年三月の議会で、総合観光戦略から高速道路を迎えての観光道路、経済道路としての価値と、防災道路としての役割の重要性から、土々呂から門川に通じる遠見半島の道路と島野浦の宇治の浜から日井の浜について、この二点の質問をしました。
市長と部長の答弁は、「遠見半島道路確保は総合的に検討する。島野浦の日井の浜の道路拡幅は、歩道ならば」の答弁をいただいております。この二つの地区のその後の検討措置について、都市建設部長、お願いいたします。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
まずは、二点の道路についての御質問がございました。
遠見半島の道路につきましては、観光と防災をかなえた道路ということで、その必要性については非常に認識をしているところでございますが、現在、市民の皆様からは、自分の家の所に、消防車とか緊急車両がなかなか入ってこないと。火事になったら大変だと、広げてほしいという要望を区長初め、いろんな方からいただいておりまして、そういう生活道路の整備をいろいろやっている状況でございまして、こういう防災ですとか、観光の道路になりますと、非常に規模も大きく、予算規模も膨らんでまいりますが、なかなか国の補助も少なくなっている状況で、なかなか厳しいものがあると判断をしております。
次に、島野浦の日井の浜の歩道の件でございます。
この件については、いろいろ過去も御質問をいただいているわけですけども、検討しましたけれども、地形的に急峻な斜面にございまして、歩道ですのでやはり人が歩くということになりますと、勾配を緩やかにしなくちゃいけないということで、今の形からいくと、等高線に沿ったルートにすると非常に距離が長くなるだろうと。ルート変更しますと、民間の土地もございますので、土地の所有者の方の御協力も必要になりますし、現地には工事の車両も入りませんので、人力での施工になりますと、非常に技術的に、財政的に厳しいものがあると思っております。
ただし、急勾配の所における対策として、これは地元の皆さんとの協働になるわけですけれども、必要な資材を市が提供しまして、トレッキングコースを整備していくような協働・共汗道づくり事業というのがございますので、そういうのが地元のほうと検討できないかということで、地元のほうではいろいろ、トレッキングコースの案内をされる方とかがいるとお聞きしておりますので、その方々と協議をしていきたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) 観光道路とすれば、お金も将来は入ってくる可能性もあります。防災道路では、人の命がかかっておりますので、再度、検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、熊本地震への今後の復興支援についてお聞きします。
東日本大震災での教訓は、復興が始まったときに、建設・土木などの事業者が不足したことでした。宮崎からの支援は、遠い地で難しい面もあったようです。熊本は近県であり通勤可能です。熊本復興の心温まる支援と将来の防災広域協定考慮の観点から、延岡市役所に復興ニーズの調整担当を設け、公共事業などが少なく困っている延岡市建設業界などに情報を提携するなどの連携をとられたらよいと思いますが、総務部長いかがでしょうか。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
まず、復興担当の部署を設けて市内のそういう建設関係のという御提案でございますが、熊本地域がどのような復興の支援を求めてるのかということが、まず先に来るんじゃないかと思っております。今、御提案のような内容につきまして、具体的に現地のほうから、そういう要望が今のところあっておりません。
先ほども市長答弁の中で申し上げたように、延べ人数としても大変多くの支援をしてきております。そういった支援の現実を踏まえた上で、現地からそういったものが声として上がってくる、そういったものを見ながら今後の復興の支援については考えていきたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) 今、部長が言われたように、そういう情報が上がってこない、わからないから、設けて、そういう情報を入手したらどうですかということなんですね。遅くなります。建設業界も仕事がないということも聞いております。だから、相手から情報が来るという話じゃなくて、設けてやれば延岡市も潤うわけですね。市長、それどうでしょうか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
延岡市としても、先ほど答弁申し上げたように、これまでいろんな支援をいたしてきております。これは延岡市だけの話ではなくて、全国のいろんな、被災地以外の都市が同じように、それぞれ濃淡はあれども支援をしてきております。それは、ある程度、国としてのきちんとした支援の交通整理みたいなことがありますし、それから県としても支援の交通整理みたいなものはあります。こういったものなしに、それぞれが、てんでばらばらに余りにやり過ぎると混乱するということもあります。
もちろん我々としても、待ってられなくて臨機応変にということでやった部分ももちろんありますけれども、ただ、そういう被災の発災時点から日数がある程度過ぎてますから、ある程度きちんとした整理のもとで進めていくことは非常に重要です。
ですから、そういったことも踏まえながら、我々としてはしっかりと現地の方々の役に立てるような思いで進めていこうと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) ありがとうございます。
情報をよくキャッチして支援をしていただければと思います。
これからは、この質問席から質問いたします。
岡富古川土地区画整理事業の進展状況についてお聞きします。
事業の延期になる話も聞きます。当初十年で移転できると契約した七十歳の方は八十歳、さらに五年延期になれば八十五歳に移転。「上杉さん、おれは生きていないようや」おくれは心の不安定状況になってる方がおられます。住居の安定や将来に不安がないことが市民の願いであります。事業の進展状況について、都市建設部長、お示しください。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
岡富古川土地区画整理事業による平成二十七年度末の進捗状況といたしましては、事業費ベースで約七八%、家屋移転率で約五四%の進捗状況でございます。
本事業は、国の補助事業を活用して施行中でございますが、今後とも予算要望を国や県に強く働きかけ、事業費の確保及び早期完成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) おくれは国の事業ということもありまして、仕方がないという言葉を使いたくはないんですが、その辺は理解します。
ただ、このままの状態は、低い家の冠水、曲がった道路は災害時の避難に影響がありますが、その対策等はとられてますか。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
事業が途中のため、浸水被害等が考えられますので、防災関係機関と協議を重ねながら、総合的な防災対策を講じていきたいと思っているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) ぜひ防災担当と現場を見られて、市民の安心・安全につなげてください。異常な状態になっております。
次に、このおくれは、今、都市建設部の所管かもしれません。しかし、おくれから精神的にまいっている市民もおられます。涙が出てきます。区も困っています。
そこで、心の担当部局、健康福祉部として、何か心の不安の現況を確認し、対策を考えるなどのお考えがありましたら、お示しください。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
高齢者の心のケアに関しましても、健康福祉部におきましても、健康増進課の保健師ですとか、地域に配置しております地域包括支援センターの保健師など、相談がありますと家庭訪問をして悩みに寄り添うという取り組みをやっているところです。
今お話にありました岡富古川の区画整理事業でのお悩みということも、今から地区の民生委員さんですとか、区長さん方にお話を聞きながら、寄り添ってお話を聞けるような取り組みをしていきたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) ぜひ現場を確認して、お願いいたします。
これは、お金は要らないんですよね。健康福祉部の仕事だと思いますので、ぜひ、民生委員とか区長さんがおられて情報は入ると思いますが、そういう問題が起きてて家がいつまでも動かないと、多分、おじいちゃん、おばあちゃんは悩んでいると思います。その辺をチェックをされて、心の話を聞いてやってください。それがいいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、狭隘道路整備事業についてお聞きします。
本市の中心地に近い稲葉崎・川原崎・大武・粟野名、郊外地では、川島・伊形・土々呂など、区画整理されておらず、快適と安心な生活を送れていない地域があります。
これを少し解消するために狭隘道路整備事業があります。狭隘道路整備事業の現況と課題について、都市建設部長、お示しください。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
狭隘道路拡幅整備事業につきましては、建築物の建てかえの際に建築基準法の規定による後退用地を寄附していただく際に、分筆及び所有権移転登記とともに道路整備を行うものでございます。また、工作物などがある場合には、撤去費の一部を補償しております。
平成二十七年度までに五百二十九件の寄附がございまして、総延長で約十一キロの道路拡幅整備を行っております。そのほとんどが建てかえなどに伴う部分的な整備であるため、路線全体のセットバックが終わるまでには、相当の時間を要することが課題となっております。
○一四番(上杉泰洋君) それでちょっと心配なのが、土地を提供し、セットバックというか、狭隘道路の同意された方たちが、のかした後に、市が今度は責任を持ってやらない舗装関係がそのままになっております。この辺の進展状況というか、そういう対策はどう考えておられますか。
○都市建設部長(佐藤光春君) 後退をして道路として寄附をいただいたところについては舗装するということで対応しているんですけども、その部署と舗装する土木課がございますけれども、そことの連携をとって情報共有をしまして舗装はさせておりますが、一年間を通じてでございますので、業者の方も複数に及びますので、その工期の関係でどうしてもタイミングよく舗装できないということがありまして、いろいろ御苦労をかけておりますけれども、そういうことがないように、情報を共有しながらスピード感をもって取り組んでまいりたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) その部分だけが舗装されてないと、散歩者とか非常に危ない状態になっておりますので、状況を把握されまして、ぜひお願いいたします。
次に、簡易な道路補修についてお聞きします。
簡易な道路補修には、当局の皆さんが迅速に対応されて感謝します。
しかしながら、延岡市が九州で二番目になった広さから、管理する道路が長くなったことや、一ヶ岡団地のように昭和四十年代に整備された道路は、全面補修も考える時期になっています。予算がないため、簡易な補修で対応しているようである。簡易な道路補修の実施状況について、都市建設部長お示しください。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
現在、市が管理する市道は三千八百四十一路線で、延長は千四百四十四キロとなっております。昨年一年間の道路補修の件数でございますが、職員の直営作業による補修が九百八十件、業者への発注による補修が三百一件でございます。
市道の維持管理は地道な取り組みの積み重ねであると考えておりまして、今後も市民の皆様に安全・安心に道路を利用していただけるよう、迅速な対応をとってまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) 次に、
中小河川の河床整備についてお聞きします。
細見川や沖田川、井替川などの市内の
中小河川で、アシや木々が生え、土砂が堆積しています。ここ数年、大雨がなく、河川が氾濫するような水害は発生していないが、河床の土砂の堆積は心配でございます。
中小河川の河床整備の実施状況について、都市建設部長、お示しください。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
議員御指摘の河床整備につきましては、県及び市において、日々、市内各地の皆様方からさまざまな御要望をお受けしているところでございます。
実施状況として、昨年度は、県により井替川の支障木の撤去や、細見川、曽木川の土砂しゅんせつ、市につきましては、追内川や高野川の土砂しゅんせつなど、緊急性の高い河川を選定しまして、整備を実施しているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) 雨季時期にもう入りましたが、今、緊急性の高い河川は検査されたと。土木のほうでチェック機関を設けて、延岡の
中小河川を一回見られるという案はないでしょうか。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
これから雨季に入りまして、台風も来るという予測のもとに、市民の皆様からいろいろ御要望を受けている河川もございますので、そういう河川を中心にパトロールを強化してまいりたいと思っているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) よろしくお願いいたします。
熊本地震を教訓とした延岡市防災計画の見直し等について質問します。
熊本地震は、旧役場が傾いたり、新しい役場でも二度の揺れで入れなくなったりと、災害の怖さと事前の減災準備や庁舎の再度の耐震チェック、避難所運営の事前訓練、仮設住宅用地の事前確保などを行政として実施しておく重要性を知ることになりました。
延岡市が地震災害で予測しなければならない南海トラフも、相当なひずみが予想され、防災・減災対策は喫緊の課題です。
熊本地震の教訓を踏まえ、本市防災計画見直しなど実施するとのことですが、どのようにするか教えてください。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
熊本地震におきましては、議員御案内のとおり、指定避難所不足、支援物資の遅延、罹災証明書の発行遅延、応急仮設住宅の未指定、災害廃棄物の中間集積場所不足などのさまざまな課題がございました。
本市といたしましては、被災者支援システムによる罹災証明書発行の迅速化や応急仮設住宅建設候補地の台帳の整備、災害廃棄物処理計画の策定など既に取り組みが完了しているものもございますので、これらにつきましては、市地域防災計画の中に盛り込んでまいりたいと考えております。
また、熊本地震では、指定避難所不足や支援物資の配送遅延など、多くの課題が見えてきておりますので、今後、改めてこれらの課題について整理を行い、関係機関などとも協議を行い、必要に応じて本市防災計画を見直してまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) わかりました。
再質問します。
熊本地震では、避難所の上に大きな問題が発生しているようです。延岡市は、平成二十一年に市職員を対象とした避難所運営図上訓練において、今、避難所で問題となっている高齢者、障がいや難病をお持ちの方の避難生活、また、赤ちゃんの授乳場所、女性の更衣室、そしてペットの扱い方について市職員の皆様と検討いたしました。
また、ボランティアリーダー養成では、延岡市への物資の搬入路についても検討しております。延岡市は、まさに防災の先進地でもあります。それを生かさない手はありません。
二十五年三月議会で、数地区と行政の避難所運営の実技訓練の実施について、今回の熊本地震のような教訓を予測した災害時の効果も紹介しつつ、質問いたしました。そのときの答弁は「避難所運営、実技訓練も効果があるので実施を検討したい」との答弁でございました。
避難所運営実技訓練実施状況をお示しください。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
避難所運営訓練ということで、現在、本年度も二回実施しておりますが、HUGということで、防災推進員の指導のもとで職員対象に実施しております。それと、防災推進員のほうが、各地域を回りまして、避難所運営訓練と申しますか、そのようなものを地域とともども実施しているということでございます。
○一四番(上杉泰洋君) 避難所図上訓練と実技訓練は違います。避難所が延岡にできたときに、五、六地区が避難したときに、どの区長が仕切るのか、そういうのが実技訓練でございます。それをぜひやってもらいたいのですが、どうでしょうか。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
実技訓練というものは本当実効性のあるものでございますので、今、図上訓練HUGをやっておりますけれど、さらに一歩踏み込んだところでの実技訓練も必要であると認識しておりますので、そのような訓練についても取り組んでまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) わかりました。
罹災証明についてお聞きします。
平成十八年の延岡市の竜巻発生のとき、防災推進員であった私の提案なんですが、罹災証明発行のため、ミニ市役所を各地域に七カ所開設していただきました。本当に市民の方に喜ばれたのを思い出します。当局の皆様も頑張ったんですが、罹災証明の記述できる職員が少なかったのが記憶にあります。
今回の熊本地震でも罹災証明発行や被災住宅判定にも課題があるようです。被災者支援システム運用要領も考慮し、罹災証明発行訓練や被災住宅判定訓練実施など、防災計画に記述し、訓練実施をされる予定はございませんか。
○総務部長(高浜公善君) システムができ上がっておりますので、そういったものは計画に盛り込んでまいりたいと思っておりますし、危険家屋の判定というものが熊本においても非常に大きな問題になっておりますので、そういったものについても整理を行いまして、関係機関としっかり協議を行いながら、必要なものについては、しっかり計画の中に盛り込んでいくような見直しをしてみたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) 避難所運営、実技訓練と一緒で、これは訓練をすると非常に職員の方が力をつけますので、ぜひやっていただきたいと思います。
次に、福祉避難施設の考えで、延岡市も防災計画を見ますと何個か指定されておりますが、今後、介護保険施設と連携した防災訓練は考えておられますか。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
避難訓練については、さまざまな形で訓練を呼びかけているところでございますので、自主防災組織を含めて、福祉施設関係とも一緒に連携して訓練が行われるようなお願いをしてまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) わかりました。
失礼な言い方だけど、ちょっと勉強してですね。この質問は、避難所とどっかと連携して、住民を避難所に入れて、お互い介護はどうしますかと、そういう訓練。介護施設も希望してます。そういうのをやっていただきたいということです。もう一度お願いいたします。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
勉強不足という指摘を受けましたが、さまざまな課題がございますので、そのあたりは、しっかり危機管理室のほうで情報の収集はしております。個別に私のほうに届いているということにならない部分もございますので、その点は御了解いただきたいと思いますが、施設関係との連携による訓練ということにつきましては、しっかり対応してまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) よろしくお願いいたします。
あと、難病指定が本年から三百五ほど指定されました。拡大されました。災害時、大変な難病の方々の、市として健康福祉部長、何か考えておられますか。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
難病を持っていらっしゃる方は、延岡でも大変多くの方が苦しい思いをしてらっしゃることと思います。特に、災害が起きたときに、今回の熊本でもそうでしたけれども、やはり病院が倒れたりとか、治療が受けられる機会が失われるということで、大変な思いをされてらっしゃるようです。
延岡で、もし今度、災害が起きたときにどうするかということなんですが、まだ今のところ、これをこうするというものは持っていないんですけれども、近く、危機管理室のほうが熊本の現地を視察すると聞いておりますので、そこでしっかり見てきていただいて、延岡でまたどういう対応ができるのか、考えていきたいと思っております。
○一四番(上杉泰洋君) ありがとうございます。
延岡にも難病の会という会があるそうでございます。ぜひ一度、会議に出られまして、その方たちの気持ちを聞くと道が開けると思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、人工透析の皆さんの、延岡市、これ、水がたくさん要るんですね。自衛隊も優先的に水をそこに運ぶという計画もあるようでございます。この辺の人数は把握されてますか。
○健康福祉部長(佐藤純子君) 延岡市で人工透析を受けていらっしゃる患者さんの数は、大体四百六十名ぐらいと聞いているところです。
○一四番(上杉泰洋君) これも非常に困るあれですので、よく人員を把握されて、どこで人工透析するとか、そういうことも検討しとってください。よろしくお願いいたします。
次に、防災の見直しの中で、新庁舎の防災拠点としての確認をいたします。
熊本地震では、宇土市の庁舎が使用不可能になりました。その他の所も傾いたりで中に入れない避難所など、あるようです。
さて、防災計画では、延岡市新庁舎は防災拠点になっています。まさに災害発生時、市民を助ける指令本部になるわけです。
心配なことがございます。先日、現在工事中の低層棟の工事は、技能労働者の不足と当初の調査・計画より深いくいが必要で工期が延びたの理由でした。現在、完成し、業務を実施している高層棟は、当局に聞きますと、くい打ちデータ違反の判明前にくい打ちは完成しております。低層棟は、くい打ちデータの違反後、施工された工事です。高層棟のくいの長さと低層棟のくいの長さに、どのくらい違いがあるのか、お示しください。
○議長(上田美利君) 上杉議員、通告のどの部分ですかね。
○一四番(上杉泰洋君) 防災の見直しです。
○
企画部長(
中村慎二君) 高層棟と低層棟のくいの長さでございますが、高層棟は百六十本のくいを打っておりまして、全体で千八百二十四メートルでございます。低層棟は六十三本打っておりまして、千七十八メートルとなっております。
○一四番(上杉泰洋君) 済みません。これは防災計画の見直しということで、関連して質問いたしました。
調べますと、この高層棟と低層棟の四メートル違う所で、八メートルから十メートルぐらいくいの長さが違うんですが、これは地層の問題でしょうか。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
当初、ボーリング調査をやっておりまして、ある程度、低層棟のほうが、特に南東部のほうが深くなっているというのはつかんでおりましたが、低層棟の地盤につきましては、非常にでこぼこがあると。かなりすぐそばでも、支持基盤の浅さといいますか、深さといいますか、それが違っているということでございます。
○一四番(上杉泰洋君) 熊本地震の防災の教訓からということで、宇土市のような古い庁舎は別として、新しいとこも結構傾いたりしたということも聞いておりますので、ぜひその点はチェックしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
次に、指定した避難場所の現況についてお聞きします。
当局の御尽力により、津波タワーが方財小学校、長浜、二ツ島、土々呂に昭和町、川原崎には市営住宅が避難づくりとして、また、市民協働の避難経路が各地区に多くできております。要望していた私として感謝します。
さて、東日本大震災から五年経過しました。当初、工事をした避難経路等、確認する時期に来ております。指定した避難場所や工事をした避難経路など、問題点がございましたら、総務部長、お示しください。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
現在、津波緊急避難場所として四百七箇所の高台や避難ビルなどを指定しておりますが、地域によりましては、地区人口と比較して地区内の津波緊急避難場所の収容人数が足りない所も見受けられておりますことから、今後とも、津波緊急避難場所の指定数をふやす取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に津波避難経路につきましては、これまでに五十九路線を整備してまいりましたが、現在のところ、地元からの整備した津波避難路に関してのふぐあいに関する報告は届いておりません。
今後とも、地区の皆様に津波避難路を活用した避難訓練を繰り返し実施していただきながら、整備した津波避難路についてのふぐあいなどがございましたら、御連絡等いただき、地区の皆様と一緒に解決策を検討してまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) 一例をもって再質問します。
櫛津の避難場所、天神山というのがあるんですが、これはもう、この地区は何度も訓練をされております。通路の崖崩れの予測や幼稚園児、学園、地区の人たちの不特定多数の人が集まる割には、避難場所が狭い、通路が悪いなどの問題があります。
地元で何回も訓練しましたが、地元ではこの問題は解消できません。このような場所の措置は、総務部長、どう考えておられますか。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
このテーマについては、これまで何度か議論させていただいたところでございますが、地区において、基本的に自主的に何かを考えていただくというのが前提となるわけでございますけれど、施設の御要望とか複数あるようでございますので、それらについては、また直接お話をお伺いして、またあわせて地元と協議しながら対策を講じてまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) 総務部長のほうも、これについてはいろいろな所を見ておられるということで、安心しております。よろしくお願いいたします。
次に、子ども・子育て支援についてお聞きします。
子育て支援は、一億総活躍社会や女性活躍社会を後押しする重要な施策です。その施策として、新たな枠組みのもとで、認定こども園や児童クラブなどの制度が始まり一年になります。
児童クラブの現況と課題について、健康福祉部長お示しください。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
現在、市が実施しております放課後児童クラブの利用児童数は、十七カ所で八百七十八人となっております。昨年度に比べまして、百三十八名の増となっています。
本年度は、昨年度に引き続き、児童クラブを一カ所を増設し、要件を満たしている方でその申し込みがありましたら、利用できる状況にございます。
家庭や地域の子育て機能の低下が指摘される中、放課後児童クラブは、子ども・子育て支援事業の主要施策の一つとして位置づけているところでございます。仕事と育児の両立支援のため、確実に事業が推進していくよう努めてまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) 一年たちました。保護者の方たちに聞くと、いろいろ問題があるようでございます。児童クラブの開設状況などに、市民のニーズ調査は実施されたんでしょうか。また、今後、実施される予定はございますか。ニーズ調査です。
○健康福祉部長(佐藤純子君) ニーズ調査は実施しておりません。
現在、児童クラブは延岡市が開設しておりますが、このほかに民間の保育所のほうが自主事業として学童保育というものを運営しております。こちらのほうと市がやっている放課後児童クラブ、こちらのほうとで、放課後に預けたい子供たちについては、ほぼ充足されているのではないかと延岡市としては考えているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) ぜひ保護者等の声も聞いて、今後の運営に反映していただきたいと思います。
児童クラブに子供さんを預ける場合の料金なんですが、これは今、三つぐらいの制度があると聞いたんですけど、これは一律なんでしょうか。
○健康福祉部長(佐藤純子君) 放課後児童クラブの利用料金につきましては、一律四千円となっております。
先ほど申しました自主事業として行っている学童保育につきましては、一時間幾らとか、一日幾らということで、各園で異なっていると聞いております。
○一四番(上杉泰洋君) 次に、公園などの軽易な子供の遊び場について質問します。
身近な公園について、児童クラブに見られますように、両親共働きをしております。市民の方から、子供と気軽に行って遊べる遊具が設置された公園が少ないとの声を聞きます。
遊具施設を備えた公園の整備の考え方について、都市建設部長お願いいたします。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
街区の公園などの中には、議員御案内のとおり、子育て世代の方から、子ども遊具が設置された公園などが少ないという声を聞く地域もございます。
また、現在は、
少子高齢化が進みまして、主に市内の公園が整備された昭和五十年代と比べますと、公園のあり方に変化も生じてまいっております。
いずれにいたしましても、街区の公園などに関しましては、地域に密着した公園でございますので、地元の意向を第一に、地元の区長さんを中心とした地域の皆様の声を聞いた上で、整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○一四番(上杉泰洋君) 遊具なんかの撤去も、よろしくお願いいたします。
次に、通学路などの安心確保について質問します。
子供さんの通学路の安心・安全確保は、車社会が進展するとともに、不審者が多発するなど、本市でも、子供だけではなく、散歩する人たちが巻き込まれるような事件や事故が起きておかしくない現況です。
通学路の安心・安全確保についての施策について、教育部長お示しください。
○教育部長(穴井誠二君) お答えいたします。
本市における通学路と周辺の安全対策につきましては、延岡市通学路交通安全プログラムに基づきまして、関係機関等と連携しながら、毎年、小中学校における通学路の合同点検を行い、安全の確保を図っているところでございます。
今年度も、七月に通学路安全推進会議を開催いたしまして、夏季休業中に各小学校の要請に応じて危険箇所の合同点検を行い、安全の確保に向けた具体的な取り組みを行っていくことにしております。
また、各学校におきましても、登下校時における学校支援ボランティアやPTA、地域の方々の協力による見守り活動や、警察と連携した交通安全教室等を通じて、児童生徒の安全の確保と意識の高揚に努めております。
教育委員会といたしましては、子供たちが安全に安心して通学できるよう、道路管理者や警察署を初めとした関係機関との連携を、より一層密にするとともに、児童生徒の交通安全に対する意識を高め、危険を予測し、回避する力を育むよう、各学校に指導してまいりたいと考えております。
○一四番(上杉泰洋君) ありがとうございました。
以上で終わります。
○議長(上田美利君) これをもって、上杉泰洋議員の総括質疑及び
一般質問を終わります。
議事の都合により、しばらく休憩いたします。
午前十一時四十一分 休憩
午後 一時 零分 再開
○議長(上田美利君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
これより二六番 稲田雅之議員の総括質疑及び
一般質問を許可いたします。
〔二六番(稲田雅之君)登壇〕
○二六番(稲田雅之君) 議場の皆様、テレビをごらんの皆様、そしてFMのべおかをお聞きの皆様、こんにちは。
平成二十八年六月定例議会、
一般質問、自民党きずなの会、稲田雅之でございます。おかげさまで、副議長という重責を全うし、昨年の改選以来の初登壇、実に一年と三カ月ぶりに登壇の機会をいただきました。
それでは、分割方式による質問ということで、通告に従い、壇上で、そして質問席で順次質問してまいります。どうぞよろしくお願いをいたします。
まずは、三北との合併後、十年を迎えた中での地域振興の現状についてであります。
我が延岡市は、平成十八年に、山の文化の北方町、海の文化の北浦町、そして、同十九年に山と川の文化の北川町と合併を行い、ことしではや十年を迎えました。先日の二月二十日には、合併十周年の式典も野口記念館で挙行されたことも記憶に新しいことであります。
さて、今年度から、三北の総合支所の組織改編が行われ、総合支所では四課十係から三課六係、教育委員会も各教育課から各分室となり、規模が縮小されました。
北方総合支所だよりに掲載されておりました、北方地域協議会会長の髙見氏の談話によりますと、「幾らかの職員数は減少したが、今後も通常の生活における支所機能は、十分に維持できる体制になったのではないかと考えている。そして、地域協議会終了のかわりに、地域に関する問題や活性化を考える組織として、地域活性化協議会が組織されることも、強い要望どおりである」と、一定の評価をいただいているようであります。
このように、この十年、三北に対する旧市との醸成は進んできて、さらに、今後も各地の地域振興の受け皿、窓口は確保できたと思われますが、ここで問題提起したいのは、合併後の新市に対する旧市の各地の地域振興はどうなのかということであります。
旧市の各支所には、東海、伊形、島浦、南浦があり、業務を行っておりますが、それは窓口業務であり、地域振興的な業務は担っておりません。
しかしながら、その窓口業務の取り扱い実績を見てみますと、平成二十七年度で、三北の平均取り扱い件数三千八百四件のパーセンテージ一・六%に対し、東海支所が二万七件取り扱いの八・六%、伊形支所が一万二千五百五十四件取り扱いの五・四%。また、平成二十八年四月一日現在の世帯数を見てみましても、三北平均千六百九十五世帯に対し、東海支所で七千七百七十八世帯、伊形支所で七千九百六十二世帯を抱えるなど、三北と比較しましても、この二支所管内の地域振興は、三北それぞれの支所同様、地域振興課を置いて、行政と地域住民との深いつながり、かかわり合いにおいて行う必要があると考えます。
五年前に同様の質問をした折には「考え方として、どのような思想で、それぞれの地域を振興していくのかという点にかかわってくるが、現段階では旧延岡市と旧三北が合併して、一体感のあるまちづくりの途上であることも御理解いただきたい」との御答弁をいただきました。
しかしながら、合併して十年。その間、念願の高速道路が開通し、交流人口も各段にふえたわけでありますが、その玄関口は旧三北の道の駅であり、地域振興という点においても、その恩恵に大いに預かっていると思いますが、果たしてそれが旧市内にどれだけ波及をしているでしょうか。私は、ここに来て、合併した旧三町と旧市の、各地域の地域振興格差が生まれてきている気がしてならないのであります。
そこで、新市の本当の醸成を図るなら、居住世帯数が多く業務取り扱いも、三北の各支所よりも五倍から三倍多い、すなわちそれだけ住民ニーズも多い、東海・伊形支所に、地域振興課の設置を御提言申し上げます。
続いて、それを踏まえての、各地域の実情を踏まえた地域振興策のあり方についてであります。
一口に地域振興と申しましても、さまざまな考え方や実施方法があると思いますが、ここでは、昔栄えて今は衰退してしまっている地域の振興策について考えたいと思います。
その地域が栄える。さまざまな要因が考えられる中、一番考えられるのが、民間の投資が考えられると思います。実際に、現在でも、東京を初めとする大都市は、放っておいても民間がジャンジャン投資して、ビルは建つわ、大型店は建つわで人口がふえるわけでありますが、地方では、なかなかそうはいかないのは、皆様御存じのとおりであります。
しかしながら、この地方にも、昔は民間投資等のおかげで栄えた町や地域がございました。具体例を申しますと、我が故郷の土々呂地域など、まさにその一例でございましょう。
さて、民間からの投資が期待できない昨今、その昔、栄えた地域が再び栄えるにはどうすればよいか。私は、やはり行政が手を差し伸べねばならないと考えております。しかし、その受け皿になるべき商店街や各種組合などがなくなってしまっている昨今、それは容易ではありませんが、地域振興待ったなし、やらねばなりません。
さて、市長におかれましては、こういった状況を鑑み、市全体でなく、各地域の実情に合わせた地域振興策についてどうお考えでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。
次に、壇上での最後の質問になります。
新市長が誕生した日向市との連携と期待についてでございます。
先日、お隣の日向市において、任期満了に伴う市長選が行われ、現職と新人の一騎打ちの末に、十屋新日向市長が誕生いたしました。現職の四期目という安定継続よりも、新人の新しい風を選んだということで、日向市民の皆さんの期待も大きいと推察をいたします。
お隣の市の首長がかわる。我が市にとりましても、この高速道路新時代を迎え、観光客誘致や広域行政など、近隣市町村との連携をさらに進めることは必要不可欠でありますが、企業誘致においては、パートナーである反面、強力なライバルでもあります。
そして、何より、首藤市長が公約にも掲げておりました二十万人都市構想を実現させるためには、この日向市との合併ということも視野に入れなければなりません。
首藤市長におかれましては、この十屋新体制に、どのような期待を持っておられますでしょうか。そして、今後どのような連携を図っていくおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。
以上で、壇上での質問といたします。
残りの項目は質問席で行いますので、よろしくお願いをいたします。
(降壇)
〔市長(首藤正治君)登壇〕
○市長(首藤正治君) ただいまの稲田雅之議員の御質問にお答えをいたします。
まず初めに、各地域の実情に合わせた地域振興策についてのお尋ねでございます。
地域振興のあり方につきましては、基本的には議員御指摘のとおり、地域の皆様方の御意見を拝聴させていただいた上で、各地域の実情に配慮しながら、総合的な視点で取り組むべきものであると考えております。
現在、全国の自治体が地方創生の取り組みを、しのぎを削りながら展開いたしておりますが、その中で大きなポイントとなっているのは、その地域の強みを生かすという観点であり、延岡新時代創生総合戦略におきましても、高速道路の開通や九州保健福祉大学の存在というようなことを初め、本市の強みである、各地域の資源や財産を生かすということを重点に置いた内容としたところでございます。
先月、地方創生の取り組みの一つとして、佐伯市との連携による食を生かしたまちづくりである東九州バスク化構想を打ち出したところでございますが、地域の資源をその地で活用する地産地活を基本姿勢とする本構想の推進におきましては、優良な漁業基地であることや、料理評論家の山本益博さんも評価された魅力的な飲食店があることなど、本市南部地域は大変重要な存在であると考えているところでございます。
今後、高速道路の開通効果をしっかりと享受するためには、市内各地域がそれぞれの個性を生かしつつ、交流人口を獲得していく、人の流れをつくり出すということが重要となりますので、今後とも地域の個性を伸ばし、生かすという観点から、地域の実情を踏まえた地域振興に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、日向市との連携についてのお尋ねでございます。
日向市は、重点港湾の細島港など物流のかなめを有しておりまして、古くから本市との経済・産業面でのつながりが深い都市でございます。
また、県北定住自立圏や宮崎県北部広域行政事務組合の構成市として、これまでも、東九州メディカルバレー構想に基づく医療関連産業の振興、夜間急病センターにおける三百六十五日診療体制の構築や小児科の休日在宅当番医の運営といった地域医療の充実、日豊海岸沿線での広域的な観光の推進等、さまざまな分野において本市と連携していただき、ともに県北地域において重要な役割を担ってまいりました。
十屋市長は、日向市議会や県議会の議員として、行政経験も豊富なものがあり、日向市のみならず、広く県北地域の発展につきまして御尽力いただけるものと期待いたしているところでございます。
今月一日には、十屋市長を初め、県北の市町村長に集まっていただいて、県北の地域医療に関する課題を共有し、解決に向けての方策を検討するための意見交換を行うなど、早速、連携のための行動を始めているところでございます。
現在、地方創生において地域間連携が推進されており、これらの取り組みに対して国が支援を行うなど、広域的な枠組みの連携がますます重要になっておりますことから、連携を一層緊密にしながら、インフラや観光といった両市が持つ資源を活用したさまざまな取り組みを展開し、県北地域の一体的な発展につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(降壇)
〔
企画部長(
中村慎二君)登壇〕
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
伊形・東海支所への地域振興課の設置についてのお尋ねでございます。
地域振興を図っていく上では、市全体のビジョンを示し、それぞれの特色を踏まえ、個性を生かした取り組みを進めていくことが重要であると考えております。
そのため、まちづくり懇談会や移動市長室を実施し、市長が直接、現場を視察するとともに、市民の皆様からの御意見を伺っているところでございます。また、地区の区長さんを通じて、地域の課題、要望の把握にも努めております。
行政組織につきましては、効率的で効果的な施策の推進や市民ニーズへの迅速な意思決定の観点等を踏まえ、適宜、見直しを行ってきておりますが、御提言の支所への地域振興課の設置につきましては、第七次行財政改革に取り組んでいる中においては、限られた人員で最大の効果を発揮できるような組織機構の構築という視点も欠かせないところであり、現状では困難であると考えております。
まずは、行政と地域がしっかりと向き合い、今ある組織を十分に活用しながら、市全体の均衡ある発展と地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
(降壇)
○議長(上田美利君) 稲田雅之議員の発言を許可いたします。
○二六番(稲田雅之君) 御答弁ありがとうございます。
それでは、再質問ということでいたしたいと思いますが、まず、合併後十年を迎えた中での地域振興ということでお伺いをしたわけでございます。
企画部長の御答弁では、なかなか難しいというような、現状では困難であるということでございました。
まず、市の全体のビジョン。それぞれの特色を踏まえて個性を生かし、取り組むと。そして、まちづくり懇談会、移動市長室で、市長が直接、現場を見て、市民の皆様の意見を聞いて、それから地区の区長さんあたりから地域の課題や要望の把握を行うと、これが従来の旧市からの続けてきた延岡スタイルと仮に名づけるとします。
現在、三北のいわゆる地域振興課等を置いて、そこを窓口にしてやるというやり方もあるんです。これが仮に三北スタイルとしますね。この三北スタイルというのが、非常に私、よく機能してるんじゃないかなと思うんですよ。ですので、この三北スタイル、三百六十五日、窓口がそこにあって、地域の人たちがそこに来て自分の意見を言ったり、現状を言ったりする場がある。そういったのが旧延岡市にもあれば、もっと意見の拝聴というか、意見を聞く場になったりとか、もっとより深く問題点の追求ができる窓口ができるんじゃないかと思うんですけれども、市長どのように思いますか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
今、三北スタイルというようなお言葉がございました。合併をしまして、旧三町のエリアというのは、やはり旧延岡市の各地域と決定的に異なる要因というのがございまして、その一つは、面積要因ということがあるのかなと思っております。
旧延岡市は、それまで二百数十平方キロ、これを一体的な形で自治体としてまちづくりをしてまいったわけでございますが、合併をし、旧三町それぞれに数百平方キロという面積を有する、確かに、御指摘のように人口からしますと、その比率はそう大きくはないわけでございますが、ただ面積は非常に大きい。この自治体の仕事ということについて、広大な面積を抱えるというのは、非常に大きな要因でありまして、さまざまな、そこでは旧延岡市内とは違う様相が生まれていると感じているところでございます。
おっしゃるように、旧延岡市内でも、各地でそういう組織づくりをそれぞれにしていって、今の言葉をお借りすれば、三北スタイルのような進め方をしてはどうかという御提言でもございますが、やはり行政として行財政改革をしっかり進めていく中で、効率的な行政というものをどう突き詰めていくかということもございます。そういったさまざまなバランスの中で、今の
企画部長の答弁にもなったようなことでございますので、そういったあたりは御理解をいただければと思います。
○二六番(稲田雅之君) 第七次行政改革に取り組んでいるさなかで、そういった要因があることは、もう重々わかってはいるんですけれども、だからといって、じゃあ、この三北スタイル、これは私もそうですけど、市長もそうですけど、任期というのが当然ございますので、将来的、二十年、三十年先には、どうなっているというか、どうなっているべきだとお考えですか、市長。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
未来ということを考えるときには、過去を振り返ってみますと、私も、地域で言いますと、旧南方村の地域の出身でございますから、じゃあ、旧南方村が今どうなっているのかということが、歴史としては一つの形となっているわけでございますが、将来については、これからさまざまな時代背景もございましょうし、一概に申し上げることはできませんが、いずれにしても、その時代その時代に合った行政としての組織、あるいはその体制というものを突き詰めていく必要があると思います。
○二六番(稲田雅之君) そうですね。先を考えるのは大変難しいことでもあるんですけれども、それでも、やっぱり過去に学べば、確かに、うちの出身であります土々呂・伊形地区も、もともと村というか、行政区がございまして、それが支所になって今に残っているわけなんですけれども。
ですけども、先ほど言いましたように、窓口業務になってしまっているためとは言いませんよ。言いませんけども、それも要因の一つじゃないかなと思うんですよ。その地域が廃れてしまっている一つの要因としてですね。
で、現在この三北でこのスタイルがすごくいい感じで機能している。でも、将来的には旧延岡スタイルになっていくのも、これは時代の流れかもしれない。そうなってきても、結局、どこかでいい着地点があって、この三北スタイルと延岡スタイルのいい融合地点が見つかるんじゃないかなという気がするんですよ。
ですから、市のスタイルを三北に合わせるんじゃなくて、三北からのやつも延岡市のほうに取り入れられるやつは、どんどん取り入れるべきだと思うわけなんですけども、これに関してはどう思いますか。
○市長(首藤正治君) お答え申し上げます。
先ほどからの答弁の中で、地域の実情を生かすとか、あるいは地域の強みを地域振興の中に生かすというような観点でのお話を申し上げているかと思いますが、これは、行政がそれぞれの地域全てを主導して発展させていくというようなことのできる時代は、もうとうに終わっていると思っております。
ですから、それぞれの地域の皆さん、あるいはそれぞれの地域でいろんな事業をしておられる皆様、これは第一次産業だろうと、第二次、第三次産業だろうと同じですが、そういった方々と行政がどう連携をして、その強みを生かす、あるいはその地域の特徴を生かす、こういったことに手を携えて、どう効果的な取り組みをしていくかという話になるかと思います。
ですから、今お話のような市の体制だけの問題ではなくて、やはりそこには、どうその地域と連携をしていくかという、この連携という問題が非常に大きい要素でありますから、そこのところは、我々としてはしっかり見ていきたいし、また、そこで大きな取り組みがある、あるいは何かしら熱意を持って、ある目標に向かって取り組んでおられる、そういった姿が出てきている部分については、これは市の体制がどうとか、課がどうとかということを抜きにしても、それはしっかりとサポートをしていかなければいけないし、手を携えてしっかりと汗を流していかなければいけないと思っております。
ですから、これはそういうそれぞれの地域の熱意、あるいは盛り上がりということも御期待申し上げたいところでございますが、我々としては、考え方としては、そんなふうにしっかりサポートしながら、連携を進めていきたいと思っております。
○二六番(稲田雅之君) その動きを察知するためにも、ぜひ幅広いセンサーと申しましょうか、情報収集手段。そのためにも地域振興課をというような形のアプローチだったわけなんですけれども、先ほどありましたように、第七次行政改革ですね、これもありますが。
じゃあ、ちょっと角度を変えます。どうしても必要なことであれば、多少、行革には反してでも、そこには予算をつけるべきと思うんです。この問題、ちょっと外れてもですよ、ちょっと外れても予算をつけるべきだと私は思うんですけど、これに関してはどう思いますか。
○市長(首藤正治君) 行財政改革という言葉に対して、今、行財政改革に反してでも予算をという、そういった表現が今、議員からございましたが、行財政改革というのは、必ずしも、絞るとか、お金を節約するとか、スリム化させるとか、節減するとか、そういったことばかりではなくて、やはり市として最大の行政効果、行政としての成果を上げるために、限られた資源をどう有効活用するかという観点でございますから、そういう重点傾斜をしていく、あるいは選択と集中を図るべきというテーマについては、当然ながら、そこにはそれ相応の予算を割き、また組織としてのエネルギーを割く必要があると考えております。
○二六番(稲田雅之君) わかりました。それぞれアプローチの仕方はあると思いますけれども、最終的には市民がよくなる、地域がよくなる、延岡市がよくなるのが我々の仕事だと思いますので、お互いに頑張っていきましょうと言ったら生意気になりますけども、頑張ってまいりたいと思います。
それでは、続いて、項目に従っての質問に移りたいと思いますが、まずは、新庁舎の低層棟工期延長に伴う影響ということでお伺いをいたします。
この件につきましては、午前中の平田議員の質疑にて、工期延長について、おおむね理解しましたので、同じ質問は繰り返しはいたしませんが、私なりの疑問点をお聞きしたいと思います。
そもそもこの低層棟の工事が延びた原因でありますが、くい工事に起因する理由で三十九日間、技能
労働者不足に起因する理由で五十一日間、工期が延びることになったわけでありますが、このもともとの工事遅延の発端は、このくい工事が原因であると理解します。
当然、これが終了しないと箱物づくりには着手できないということになりまして、当然、施工業者が集めていた技能労働者の方々も、この三十九日間は仕事ができないということになります。これが、この次の遅延理由の技能
労働者不足につながりはせんかと推察するわけなんですが、いかがでしょうか。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
今回の新庁舎低層棟工事を初め、通常の
建設工事の工程につきましては、受注者が入札時点で想定した工程をもとに、工事監理者と協議を行った上で調整を行い、より詳細な工程を作成してまいります。
その際、施工数量の増減や天候などによって、工事の進捗に影響を生じることも考えられますが、受注者は、契約した工期内に工事を完成させる義務を負っておりますので、工事の進捗にあわせて、それぞれの工程に見合った技能労働者を確保することになるものと考えております。
今回の低層棟のくい工事につきましても、昨年十月の試験掘削や本掘削を開始した時点での状況などから、進捗状況が把握できる状態であったと考えておりますので、必要な技能労働者の調整は事前に可能であったと思われます。
そのようなことから、今回のくい工事に起因する工期の延長が、直接的に技能労働者の不足につながったとは考えていないところでございます。
○二六番(稲田雅之君) 答弁でお伺いしますと、昨年十月の試験掘削や本掘削を開始した時点での状況から見ると、進捗状況が把握できる状態であったと考えていると。必要な技能労働者の調整は事前に可能であったと思われるという御答弁なんですけども、その表現とか話を聞きますと、これはあくまでも市当局側の見解という形に聞こえるわけなんですが、この見解はその業者の方とも、意志疎通というか、納得づくというか、ですよねという形で納得してもらっている案件なんですか、そこを確認したいと思います。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
工事延長につきましては、これまで受注者の方々と十分協議を行ってきております。その中で、受注者のほうから、今回のくい工事に起因して技能労働者が足らなくなったという話は伺っていないところでございます。
そのような中で、今回の工期調整とか来ておりますので、私どもといたしましては、受注者のほうも了承をいただいているものと考えているところでございます。
○二六番(稲田雅之君) 了解しました。
そしたら、別の角度で外構工事の完了のことなんでありますが、予定ですが、当初の計画では、
主体工事完了後、一カ月の余裕がございました。しかし、変更計画は
主体工事と同日完了ということになっております。
一般的に、これ、かなりタイトなスケジュールの工事になると思われますけれども、品質とか、工事の安全という点において、無理はないのか、余裕がなくなった分、無理はないのかということについてお伺いしたいと思います。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
外構工事は、議員おっしゃられたとおり、当初、低層棟が完成した後、一カ月後の完成を予定しておりましたので、変更後は工事の進捗管理が難しくなるという面もあるかとは思いますけれども、逆に、工期が長くなったということで、本体工事との調整が有効になるという部分もあるのではないかと考えております。
いずれにいたしましても、この低層棟の工事、二期工事につきましては、しっかり工程等の調整を行いながら、品質管理と安全管理に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○二六番(稲田雅之君) そしたら、このおくれたグランドオープンなんですけど、これ、グランドオープンとか、セレモニーとか、恐らく計画すると思うんですが、いつごろになりそうですか。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
低層棟が完成しましたグランドオープンという話なんですが、低層棟が完成をいたしまして、その後、備品類の搬入を行います。その後、今度は健康福祉部の引っ越しがございまして、その後にグランドオープンということを考えておりまして、今のところ具体的な日程というのが申し上げにくいところでございますが、大体十一月中ぐらいにはグランドオープンにこぎつけたいと思っております。
○二六番(稲田雅之君) それでは、次のことなんですけど、じゃあ、高層棟のくい打ちはどうなのかということで質問したいと思います。
午前中、上杉議員からもありましたけれども、私も通告いたしておりますので、質問したいと思うんですが、一般的に、二階の低層棟よりも八階建ての高層棟のくいのほうを、より丈夫に念入りに埋設しなきゃいけないということは、誰しも考えることだと思います。
全国的な問題となりました、折からのくい打ちのデータの改ざん事件もあって、今回の低層棟の遅延の原因が同じくい打ちという作業においての原因であるということを踏まえて、もう完成してある高層棟のくいは、じゃあ大丈夫なのかという懸念が生まれてくると思います。
実際、低層棟がやったのも、わずかな違いで低層棟のほうの深さが深くなっているということが判明して、新たにくいを打ったということになりますので、じゃあ、高層棟のほうは大丈夫なのかということが懸念されますが、それについての御見解はいかがでしょうか。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
高層棟と低層棟の基礎ぐいを比較いたしますと、高層棟は八階建でありまして、くいの本数も多く、低層棟が六十三本であるのに対しまして、高層棟は百六十本のくいを施工しており、より強固な構造となっております。
また、試験掘削の状況から、支持層が低層棟の建設地である南東側に向かって急激に深くなり、かなりの差がある結果、一本当たりのくいの長さの平均は、高層棟が十一・四メートルであるのに対しまして、低層棟は十七・一メートルとなっております。
高層棟のくい工事につきましては、昨年十月に全国的なくい打ち問題が判明したことから、市といたしましても、念のため、直ちに掘削時に記録する電流計等のデータを再度確認いたしましたが、全てのデータは適正に記録されております。
あわせまして、建築を担当した共同企業体や実際にくい工事を行った下請業者、工事監理者にも再度調査を依頼しました結果、適正に施工されているとの報告を文書で受けております。
また、工事の際は、試験掘削により支持層の確認を行うとともに、受注者や工事監理者が現場に立ち会うなど、適正な監理のもとで施工されておりまして、建設中の低層棟とあわせて、新庁舎全体が安心して使用できる建物であると考えております。
○二六番(稲田雅之君) 低層棟のくいの数が六十三本、高層棟が百六十本、これだけ考えても、かなりしぎくという言葉ですけど、くいを打っているなというイメージがあって、それはそれですごく安心をいたしましたところです。
このくいの平均の長さで、高層棟が十一・四メートル、低層棟が十七・一メートル、計算しますと五・七メートルぐらいの違いがあろうかなと思うんですが、さっきも言いましたけど、低層棟と高層棟のわずかな違いで、そこまで深さが違うものなのかと、心配というか懸念をしたんですけど、くいは、しっかりと地盤に届いているということで判断してよろしいんですね。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
くいがしっかり届いているかどうかということにつきましては、電流計のデータであるとか、セメントミルクの状態であるとか、そういうものをしっかり施工時に管理をしているというのを、まず市のほうで確認もしておりますし、現場立ち会いのときも、先ほど申しましたように、立ち会いをしながらやっておりますので、それは大丈夫であると考えております。
○二六番(稲田雅之君) 安心しました。
それでは、続いて防災ということでお尋ねをいたしたいと思います。
まずは、この質問に入ります前に、先日の熊本・大分での大地震において、亡くなられた方々に心からのお悔やみと、被災された方々に心からの御見舞いと一日でも早い復旧復興をお祈りをいたしたいと思います。
さて、本市でも、忘れもしない四月十六日の深夜一時四十五分過ぎ、いわゆる熊本地震の本震にて震度五弱を記録して肝をつぶしたわけでありますが、幸い大きな被害も出ずに、ほっとしたところではありました。
そして、肝をつぶしたと言えば、これまた忘れもしない、同じ十六日の十一時二十分過ぎ、日向灘で地震発生とのエリアメールがあったことでありましょう。
受けた瞬間、何でこの最悪のタイミングで。これは津波が来る、間違いなくと覚悟をいたしましたが、結果的にコンピューターのトラブルというか、勘違いということで、誤報ということで事なきを得たわけであります。
しかしながら、地震もさることながら、この津波に対する恐怖、備えの大切さを身を持って知ることができた貴重な体験であったとも言えると思います。
そこで、改めて、我が市の津波対策を見てみますと、長浜地区の津波避難タワー整備、熊野江地区・二ツ島地区の避難施設整備と、いわゆる避難困難地区に指定されている地区を含め、着実に整備が進められているという感がございます。
しかしながら、私が昨年の三月議会の折に「新たに津波避難困難地域に指定された土々呂町三丁目・四丁目の対策をどのように考えているか」との質問に対して、「既存公共施設の整備などにより、平成三十年度をめどに、特定津波避難困難地域の解消を図ってまいりたい」との御答弁をいただきました。
あれから地元でも避難訓練を繰り返し行いましたが、指定してある最寄りの避難施設に逃げるには、どうしても時間がかかってしまう、すなわち間に合わないというのが現状であります。
そこで、この土々呂の当該地区には、津波避難タワーを設置するのが必要不可欠と考えていますが、ぜひ前向きな御所見、お伺いしたいと思います。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
土々呂町三・四丁目の津波避難対策でございますが、この地域内の特定津波避難困難地域の解消には、津波到達時間内に避難できる施設の確保が課題となっております。
これまで既存施設の活用も検討してまいりましたが、適当な施設がなく、昨年度からは施設整備に際して国の有利な補助制度が活用できる津波避難対策緊急事業を申請しておりましたところ、本年三月に内閣総理大臣の同意が得られたところでございます。
今後、この事業を活用いたしまして津波避難施設を整備してまいることになりますが、建設場所などにつきましては、地域の皆様とも協議を進めながら、できるだけ早期に特定津波避難困難地域の解消が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○二六番(稲田雅之君) 非常に前向きな御答弁いただいたと思います。
確認します。新たに、何らかの津波避難の施設を設置するということで間違いないですね。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
そのとおりでございます。
○二六番(稲田雅之君) それでは、その設置までの期間というか、いつごろまでにどうしたいとかいう、そういったものがもし聞かせられる範囲がございましたら、お聞かせ願いたいと思いますが。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
今年度、整備する場所でございますとか、そういったものを一応検討して、実施設計等までもっていきたいと思っておりますので、来年度以降に建設したいと考えております。
○二六番(稲田雅之君) それでは、続いて今度は二点目ということで、二次避難に対する本市の対策ということでお伺いいたします。
地震にしろ、津波にしろ、まず自分の命を守るための一次避難については、危機管理室を初めとする関係各位の御努力により、かなり進んできたと思っております。協働・共汗の避難所づくりなど、かゆい所に手が届くような具体的な施策により、その不安はかなり解消されたんじゃないかなと思います。
しかしながら、このたびの熊本・大分での地震でも見えてきたことでありますけれども、次の段階は復旧までの生活をどうするかということに尽きると思います。
指定避難所に入り切れなくて車中で過ごす方、簡易テントで過ごす方、その健康やストレス。また、指定避難所でないため、支援物資が届かない、届きにくいというこの現状。そして、仮設住宅の建設予定地の確保などなど、問題が間近に見えた中での、我が市でのこの二次避難に対するシミュレーション、そして、その対策はどのようになっているか、お伺いします。
○総務部長(高浜公善君) お答えいたします。
本市の長期避難のシミュレーションの基本は、まずは地震・津波により住む所をなくした方に指定避難所等で生活をしていただき、その後、応急仮設住宅が整備されましたら、そちらに移っていただくこととしております。
この指定避難所の対策といたしましては、市内に八十一施設を指定しており、約一万九千名が収容可能となっております。また、避難所における生活運営などにつきましては、避難所運営マニュアルを策定しており、その中には、指定避難所以外に避難されている方への対応につきましても定めているところでございます。
次に、不自由な避難所生活を解消するためには、早急に仮設住宅を建設しなければなりません。そのため、本市では、応急仮設住宅建設候補地につきまして、公共用地を十五カ所指定しておりますが、現在、その箇所数をふやす取り組みを行っているところでございます。
○二六番(稲田雅之君) その応急仮設住宅の候補地についてなんですが、これはきのうまでの質問でも何度か出てきましたけども、十五カ所を指定してあるということで、いざというときには、すぐにでも対応ができるのよということで安心はしているんですけども、実は、延岡には工業の団地でまだ立地されてない土地があったりします。クレアパークとか、リサーチパーク向洋台とかがそれに入りますけれども、もしいざというときには、その土地の使用も可能と考えてよろしいんですか。これは市長でも部長でもよろしいんですが、いかがでしょうか。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
まず、クレアパークの工業団地は、これは法的な工業用地として定められております。それから、リサーチパークも、工業用地として整備を行っていくことにしておりますので、まずは企業立地のための場所でございますので、その避難場所としての指定というのは難しいんじゃないかと思いますが、災害が起これば、そのときには当然考えていくことになるんじゃないかと考えております。
○二六番(稲田雅之君) リサーチパークにしろ、クレアパークにしろ、高台にございますので、地震はそうですけど、津波が特にそうなんですけども、一番安心して過ごせる所じゃないかなという気はいたしますので。
逆に、そうやって避難地域にもなっているのよとなったら、そこは安全な所なんだねということで、県外の中小企業とか、工業立地を考えている企業にもプラスに働くんじゃないかなという気もするんですけども、その点についてはいかがですか。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
ただいま申し上げましたように、今現在、空き地があるということで、そういうお尋ねのようなことかなと思いますが、ここにつきましては、法的な制限もあるということと、それと、企業立地をこれからもしっかり進めていくという場所でございます。
○二六番(稲田雅之君) わかりました。いざというときには、速やかに行動ができるように、その辺のほうだけはお願いいたします。
それでは、続きまして、続いての項目ですが、福祉推進ということで、いきいきサロン、地域福祉推進チームへの活動支援のあり方についてということでお聞きします。
延岡市の社会福祉協議会におきましては、地域福祉に関することとして、さまざまな取り組みを行っていただいております。心から感謝を申し上げますが、その中でも、高齢者の生きがいづくり、交流する場としての、ふれあい、いきいきサロンや、高齢者の見守り活動をしてくださっている福祉推進チームの皆様は、各地区のボランティアの方々が中心となって、地域福祉推進のため、大活躍をいただいております。
さて、ここで注目したいのは、この活動がボランティアによって支えられているということであります。
ボランティアの定義は、自主的に社会活動に参加し、奉仕活動する人のことであり、延岡市社会福祉協議会の地域福祉推進チームのリーフレットにも、ボランティアの三原則として、自発自主性、福祉性、無償性が挙げられておりますが、活動する以上は何らかの経費は必ず発生いたします。
特に、活発に活動すればするほど、その経費はふえてまいります。幾ら無償性とはいえ、必要経費を負担していただくのは、やはり酷であり、それが活動の阻害になっては、本末転倒というものであります。
とはいえ、この活動は社会福祉協議会のものであり、市が直接というわけではありませんが、この活動は、市民の、特に高齢者の方々の幸福追求のためには必要不可欠であり、その活性化のために大いに支援していただきたいところでありますが、本市としましては、この活動をどのように捉え、どのような支援を行ってくださっておりますか。また、今後どのように充実していくおつもりか、お尋ねをいたします。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
いきいきサロンや地域福祉推進チームの活動につきましては、地域のコミュニティづくりにおいて、大変重要な役割を果たしていただいていると考えております。
現在、地域のふれあい活動や、声かけ、見守り活動などに対しまして、運営費の一部を助成しているところでございます。
今後とも、社会福祉協議会と密に連絡をとりながら、ひとり暮らし高齢者の居場所づくりや、認知症高齢者の見守りなどの活動が介護予防につながり、住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域活動を充実してまいりたいと考えております。
○二六番(稲田雅之君) このまま最後の項目のほうに行きたいと思います。
最後の項目になります。
高速道路安全対策ということで、延岡道路の中央分離帯のコンクリートウォール化と四車線化に向けた取り組みについてであります。
高速道路宮崎~北九州間が全線開通しました。高速道路は、つながってこそ意味があると、常々市長が議会答弁でおっしゃっておりましたが、ここでは延岡道路の安全面という観点から、この現状を考えてみたいと思います。
北浦インターチェンジから蒲江インターチェンジ間は、プレストレストコンクリートのブロックで仕切られており、事故が起きても反対車線に飛び出るという大事故につながる可能性は低いです。
しかしながら、南延岡から延岡ジャンクションは、ラバーポールと縁石で区切られているだけで、一つ間違えれば、反対車線の車と正面衝突、さらに高速道路ということで大事故に直結をいたします。実際に、つい先日、このラバーポール区間で、普通乗用車と大型トラックが正面衝突する死亡事故が起きたばかりということです。
ここは、高速道路が通ってよかったと喜ぶだけでなく、安全性を高めるためにも、このラバーポール区間を全面プレストコンクリートブロックでウォール化、すなわち、対向車線を壁で仕切るような安全対策を関係各位に働きかける必要があると御提案申し上げます。
また、この東九州道の四車線化についてでありますけれども、西の九州自動車道は、四車線どころか、六車線です。ここは、最低、高速道路というからには四車線化するのは当たり前ということで、運動する必要があると考えますが、御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
延岡道路は、暫定二車線で中央にラバーポールが設置され、往復の通行が区分されておりますが、安全性を確保するためにコンクリートウォールを設置する場合には、一・五メートルの中央帯が必要となります。道路構造上、設置するのは困難な状況でございます。
四車線化については、小峰地区の約一・五キロ区間で追い越し車線の整備に着手しておりますが、暫定二車線区間が続く区間では、走行車両が対向車線へ逸脱し、正面衝突する重大事故も発生しておりますので、東九州自動車道建設促進宮崎県央北部期成会などと連携しながら、国土交通省やネクスコ西日本株式会社などに、四車線化の早期実現を訴えてまいりたいと思っているところでございます。
○二六番(稲田雅之君) 以上で、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(上田美利君) これをもって、稲田雅之議員の総括質疑及び
一般質問を終わります。
これより六番 北林幹雄議員の総括質疑及び
一般質問を許可いたします。
〔六番(北林幹雄君)登壇〕
○六番(北林幹雄君) 皆さん、こんにちは。
自民党きずなの会の北林幹雄でございます。
一般質問を行うに当たりまして、まず、このたびの熊本地震において被災され、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、お見舞いを申し上げます。
さて、先日、政府決定において、消費税の引き上げが二年半延期されました。経済産業省がAI(人工頭脳)など次世代技術を導入すれば、平成三十二年度の名目GDPが五百九十二兆円まで拡大すると予見しており、景気回復のためにも、今回の措置は当然であったと考えます。
さらに、首相が六月一日に、整備新幹線の建設加速によって全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊をつくると語られたようです。
マイナス金利の今こそ、交通インフラの整備は不可欠であり、生産性向上のため、九州中央道の整備はもちろん、東九州新幹線計画の要望活動等も展開すべきであるし、今こそデフレマインドからの脱却をなすときだと存じます。
そこで質問です。
延岡市の景気浮揚、所得向上策において、市民の気分は重要であり、延岡市が第六次長期総合計画で示した延joyというキャッチフレーズがもたらす心理効果についてお伺いします。
その解説文を解釈すれば、延岡の秘めた可能性とは、神話・歴史、自然、食を生かし、観光や第一次産業を振興することだと存じます。また、みずからつくる延岡とは、政府方針を先取りした工業都市らしいAI産業の振興と、未来の子供のための教育を推進することにあると存じます。すなわち、延岡市民総活力社会の実現であり、延岡の夢を描くということであると存じます。それが、仕事と暮らしを楽しむ道に通じると解釈いたしますが、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で、壇上からの質問を終わります。
(降壇)
〔市長(首藤正治君)登壇〕
○市長(首藤正治君) ただいまの北林幹雄議員の御質問にお答えいたします。
長期総合計画のキャッチフレーズ延joyについてのお尋ねでございます。
第六次長期総合計画においては、市民の皆さんと、より一体感のあるまちづくりを進めていくため、キャッチフレーズ延joyを採用したところでございます。
この延joyには、市民の皆さんが、それぞれに置かれた立場や境遇にかかわらず、やりがいを感じながら日々の仕事や活動に励むことができ、そして経済の活気や、まちの賑わいとともに自然の豊かさや歴史・文化の厚み、また市民力の高さなどを、誇りを持って実感できるまちを目指したいという思いを込めているところであります。
議員御指摘のAI産業の振興につきましては、日本経済の成長力を底上げする上で大変重要な分野であると認識をしておりますが、第六次長期総合計画の推進に当たりましては、神話・歴史・自然など本市の地域資源、強みを生かす施策を初め、第一次産業の振興など、さまざまな施策の展開を図りつつ、行政課題の解決に挑戦を重ね、達成感を味わい、共有するということが重要であると考えております。
今後とも、延岡新時代における新たなステージへの飛躍を目指し、延joyを合い言葉に、市民の皆さんとともに積極的にチャレンジングな取り組みを展開していきたいと考えております。
以上でございます。
(降壇)
○議長(上田美利君) 北林幹雄議員の発言を許可いたします。
○六番(北林幹雄君) 御答弁ありがとうございました。
今、AI産業の振興につきまして、市長より、挑戦を重ねていくんだというお話がありましたけども、延joyというマインドにおいて、このAI産業のクレアパークへの誘致活動とか、そういうプラン等がありましたらお伺いしたいと思います。まだ未知のものといいますか、そういうところがありますので、容易に具体的な話はできないかと思いますが、よろしくお願いします。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
クレアパークにつきましては、今現在は、先端産業ということでいいますと、航空機関連産業の立地というようなことが、既に実現をしたわけでございます。そして、延岡市全体としては、この先端産業という意味合いの中では、ほかの分野でいいますと、医療機器関連産業というようなことも視野に入れながら、メディカルタウン構想などに取り組んでいるところでございます。
今御指摘のAIに関する産業でございますが、我々としては、もちろんAIに関連するさまざまな情報産業、いわゆるICT分野とか、こういったものもしっかりと視野に入れながら、こういう企業誘致の活動等については取り組んでおります。
ですから、とりたてAIだけをターゲットにしてということはないわけでございますけれども、さまざまなそうした先端産業を初め、本市にとって、雇用面で、あるいは本市の産業政策上、非常に意味のある産業の誘致というようなことについては、積極的にこれからも取り組んでまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) ぜひ積極的な展開をお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。
これは行政改革にかかわる提案になるかと思いますが、延岡市が子育てのまちとして重点政策を推進するのならば、市の行政担当部に、子育て支援部を創設すべきであると考えます。
昨年の議員視察におきまして、岐阜県大垣市を訪問いたしましたが、同市では既に子育て支援部が設けられ、行政組織にも子育て支援対策推進本部が、市長とトップ部長級で構成され、議会にも子育て支援日本一対策委員会という特別委員会が設けられておりました。
その目的は、人口対策や子育てのための地域や家庭環境の充実でありましたが、延岡市でも子育て支援部を設け、同様の目的はもちろん、乳幼児・児童の保育、教育の充実を目指すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
本市の子育て支援につきましては、総合戦略におきまして、結婚・出産・子育て支援プロジェクトを掲げ、平成二十八年度予算に九つの関連する新規事業を盛り込むなど、重点的に取り組んでいるところでございます。
議員が視察された大垣市の取り組みにつきましては、子育て支援部を設け、部内に子育て支援課や保育所、幼稚園などを配置する編成になっており、実効性のある取り組みの一つとして参考にさせていただきたいと思っております。
現在のところ、本市の子育て支援施策につきましては、こども家庭課が所管しており、部内の関係課室や教育委員会とも連携しながら、子育て支援に取り組んでおります。そのようなこともあわせて判断してまいりたいと考えているところでございます。
○六番(北林幹雄君) ぜひ就学前児童の包括的な支援と申しますか、教育ということを、今後、考慮していただきたいと思います。
次に、(仮称)子どもの城と現おやこの森の連携と経営基盤の確立についてお伺いいたします。
現在、(仮称)子どもの城の基本構想が練られていると存じますが、その基本構想には、現おやこの森との連携強化を明確にすべきだと存じます。それは、現おやこの森は、地域子育て支援事業等の委託料の積み上げによって成り立っており、経営基盤は脆弱で、職員並びに関係者による献身的な努力によって成り立っております。
今後、(仮称)子どもの城を設立し経営していく上で、現おやこの森の経営基盤も含めて、子育て関連施設としてしっかりした連携に基づいた経営基盤の確立が必要であると存じますが、これについての御所見をお伺いします。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
御案内のとおり、本市の子育て支援の拠点施設であるおやこの森につきましては、利用者支援事業や病後児保育事業など、さまざまな子育て支援事業に取り組んでいただいております。
また、議員御提案の(仮称)子どもの城の管理運営体制等につきましては、本年度、策定予定の基本構想・基本計画の中で検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、職員の方々の献身的な努力により支えられている、おやこの森の運営につきましては、職員の処遇の改善を含め、しっかりと連携し、子育て支援の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○六番(北林幹雄君) さらに質問をさせてもらいたいと思いますが、(仮称)子どもの城の管理運営体制におきまして、国からの補助金の当て等あるのか、あるいは自主事業で行う考えなのか、その点よろしくお願いします。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
その点につきましては、現在のところ検討中でございます。先ほどの答弁で申し上げましたように、ことし策定する予定の基本構想・基本計画の中で、その辺につきましても検討してまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) ぜひよろしくお願いいたします。
続いての質問に移ります。
子育て支援部、あるいは(仮称)子どもの城を構想する上で、保育教育の充実の観点から質問いたします。
現在、政府にあっては、国際競争の一環として、先ほども述べましたが、AI産業、あるいはIOT事業に着手し、いわば第四次産業革命を起こそうとしています。このような時代にあって、未来を担う子供たちの保育・教育は真に問い直さなければなりません。二十年後には現在の職業の半数がなくなると言われます。つまり人工頭脳ではできない業種が増加するとのこと。
中央教育審議会は、それを見越して、次期学習指導要領で思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力、人間性等の資質・能力を育成するとしています。これは、福祉や教育の別を問わず、就学前児童から学童に至る共通の課題であり、子育て支援部創設の意義にも通じ、教育委員会との連携によって教育・保育の質を向上させる重要課題であります。
この質問への御回答は、福祉と教育、厚労省と文科省という縦割り行政の壁の前で大変困難な課題とは承知しておりますが、かつて幼保一元化などの政策課題があったのであり、これは健康福祉部長、そして教育長にお答えいただければありがたいと存じます。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
議員からお話がありましたように、将来、人工頭脳の開発による技術革新が起こった場合、子供たちを取り巻く環境は大きく変化することが予想されます。
そのような場合でも、子供たちには、未来の担い手となるために、生きる力を確実に育むことができる保育・教育が必要であると認識しているところでございます。
特に、幼児期から学童期にかけては、人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期でございますので、幼保小の円滑な接続を支援するため、福祉施設と教育機関の連携強化に努めてまいりたいと考えております。
○教育長(笠江孝一君) お答えいたします。
これからの時代には、さまざまな情報や出来事を主体的に判断しながら、他者と協働して問題を解決していくとともに、新たな問題の発見・解決につなげていける人間であることが求められています。
そこで、学習指導要領改訂に向けての論点整理では、育成すべき資質・能力の要素として、先ほど議員の御指摘もありましたように、一つ目が、個別の知識・技能、二つ目が、思考力・判断力・表現力等、三つ目が、学びに向かう力、人間性等、この三つが示されているところでございます。
このような資質・能力を育成するために、児童生徒の発達の段階を踏まえて、社会とのかかわりを大切にした学びを重視するとともに、幼小、小中、中高の接続がスムーズになるよう、学びの連続性が確保されるべきであると考えております。
教育委員会といたしましても、学習指導要領の改訂の趣旨にのっとりまして、就学前に身につけた探求心や思考力、表現力、また、感情や行動のコントロール、いわゆる自制心でございますが、こういったものなどが小学校の教育課程に生かされるよう、こども家庭課とも連携しながら、就学前の保育教育の接続の充実を図ってまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 今、健康福祉部長のほうから、生きる力を確実に育むというお言葉がありました。その生きる力とは一体何なのかということを思うわけでございますが、私としては、チャレンジする力であり、困難を克服する力とか、危険を察知・回避する力とか、あるいは地道に仕事を続ける力とか、あるいは寛容の精神も含まれるでしょうか、あらゆる力というのが要求されると思いますが、保健福祉部長、どういうふうにお考えでしょうか、よろしくお願いします。
○健康福祉部長(佐藤純子君) お答えいたします。
今、議員がおっしゃられたことは、私も本当に同じだと思っております。
まず、人として生きていくこと、自分の力で生きることが大切だと思っています。子供のときに十分に遊んで体力をつける、健康な体をつくる、それも大切です。そして好奇心、興味を持って柔軟に吸収していくという、やわらかい心もつくっていかなければならないと思います。
たくさんの人と交わって集団生活をする中で、他者への思いやり、自分の感情を抑える、コントロールできるという協調性の心、そういったものも大切です。課題はたくさんありますけれども、やはり就学前から、それから小学校に上がってから、継続してそういった育成、子供を育てるという視点をもって当たっていかなければいけないと考えているところです。
○六番(北林幹雄君) ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、教育長にもお伺いしたいんですが、就学前保育教育との接続の充実というお話がありました。その接続のための具体的な取り組みとかプラン等ありましたら、お願いいたします。
○教育長(笠江孝一君) お答えいたします。
接続の充実についての具体的な取り組みということでのお尋ねでございますが、このことにつきましては、現在、幼保小の連携会議というのを年に二回開催しているんですが、この中におきましても、この就学前におきましては、小学校への接続のためのアプローチカリキュラムというのを持っております。また、小学校におきましては、就学前の取り組みを踏まえたスタートカリキュラム、こういったものをもとに就学前と小学校の教育をつなぐ取り組みをやっているところでございます。
また、この保育園や幼稚園等での幼児の様子を記録したもの、保育所で言うところの保育要録に当たるわけでございますけれども、そういったものの確実な引き継ぎをしっかり行うように、校長会で私のほうからお願いをしているところでもございます。
今後の具体的な取り組みにつきましては、学習指導要領の改訂の方向性を注視しながら、健康福祉部とも連携をしながら研究してまいりたいと考えているところでございます。
○六番(北林幹雄君) 接続のところを、よろしくお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。
次に、駅まちづくりの総合戦略についてお伺いします。
まず、ノマドの時代と駅まちづくりのコンセプトということでございますが、もともとノマドというのは遊牧民を意味する言葉で、IT機器を駆使してさまざまな場所で仕事をする新しいワークスタイルを指すそうであります。
今後、AI時代を迎えますと、そのような職種がふえてくるでしょうが、その前提としてインターネット接続の環境としてWi―Fiの整備を考えているか否かをお伺いいたします。
また、駅まちエリアに、乳幼児及び児童が楽しめ、保護者とともに時間を過ごせる環境を準備しているか。また、歩いて楽しむまちというコンセプトのもとに、歩道が整備された環境を構想しているか。さらに、延岡は歴史と伝統のまちでありますが、駅まちエリアと今山を結ぶ道路等の整備が構想されているか、お伺いいたします。
この質問のねらいは、駅まちエリアにアミューズメントエリアを構築し、これまでどこにもなかったまちをつくるんだという希望といいますか、が込められているんだということを御了解の上、御答弁いただきたいと思います。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
まず初めに、駅まちエリアのWi―Fi環境の整備につきましては、若者を中心とした賑わいづくりに加え、議員御案内の新しいワークスタイルへの対応のためにも効果的な取り組みと認識しておりますので、その環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、親子がともに楽しめる環境といたしましては、現在、七夕祭や各種イベントが地元商店街や住民の方々の手によって開催され、多くの親子連れで楽しまれているところでございます。また、
駅前複合施設におきましても、子育て中の親とその子供が集い、交流するためのスペースを整備することといたしております。
次に、延岡駅周辺整備基本計画の中では、歩いて楽しむための歩道や、駅まちエリアと今山を結ぶ道路を新たに整備する具体的な構想はございませんが、もう一度、歩いて暮らせるまちづくりを方針の一つとして定めております。
そのようなことから、駅まちエリアを歩きたくなるように、個店の魅力向上や緑のネットワークによる快適な歩行空間の形成、さらには、今山までの導線を表示するわかりやすいサイン計画など、エリア全体の回遊性を高める取り組みを、関係者の合意形成を図りながら進めてまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 今、
複合施設におきまして、子育て環境や交流スペースを設けるというお話でございましたけども、ここに保育のプロである保育士を配置する考えはあるか、お伺いいたします。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
これまで、この
複合施設につきましては、関係者の皆さんと協議をしてまいりました。その中では、子供の預かりということは行わないということでございまして、したがいまして保育士の配置は予定をしておりません。
○六番(北林幹雄君) はなから預からないと決めつけないで、検討するということではいかがか、お答えください。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
今言いましたのは、現状ということでございまして、施設を運営していく中におきましては、利用者の意見等も集約をして、そういった必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 次に、駅まちエリアに関する交通体系の構想についてお伺いいたします。
駅まちづくりである以上、延岡駅を交通網の結節点とするのは当然でございまして、しかしながら、モータリゼーションの発達の中で鉄道が置き去りにされて久しく、車と人と鉄道がどのように結ばれるかは重要であります。
そこで質問です。
まず、延岡駅と市役所周辺を通過し、延岡インターをスムーズに結ぶ道づくりを構想しているか。
次に、車と人が行き交うには、駅周辺の道路の整備や駐車場の確保がなされているか。
最後に、延岡駅の駅の賑わいが前提でありますが、衰退している鉄道をいかに活性化するか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
駅まちづくりにおける道路整備についてのお尋ねでございます。
長期総合計画や都市計画マスタープランにおきまして、JR延岡駅を交通拠点、市役所を行政拠点として位置づけまして、それらをスムーズに結ぶネットワークといたしまして、延岡インター線や五ヶ瀬大橋及び国道二一八号線など、都市計画道路を整備してきたところでございます。
また、駅周辺の道路整備につきましても、戦前、戦後の区画整理事業にて都市計画道路などの整備をしてきたところでございます。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
駅周辺の駐車場の確保と鉄道の活性化についてのお尋ねでございます。
まず、延岡駅周辺の駐車場につきましては、西側の市営駐車場用地を拡幅することで約七十台の駐車スペースを確保し、また、東側に新たに約三十台分の用地を取得することといたしております。
次に、駅まちエリアに関しましては、賑わいの拠点となる
複合施設の整備とあわせ、先ほど申し上げましたように、魅力的な商店街の形成や各種イベント、市民活動の開催、町並み景観の向上等に取り組むことで、多くの方々が、それぞれの目的に沿って楽しむことのできるまちづくりを進めてまいります。
このようなまちが実現することで、市民の皆様はもとより、近隣市町村の方々がJR等の公共交通機関を利用して駅まちエリアに訪れていただけるものと考えており、公共交通の活性化にもつながるものと考えております。
○六番(北林幹雄君) 今の都市建設部長の御答弁の中に「戦前、戦後の区画整理事業にて都市計画道路の整備をしてきた」という言葉があったわけなんですが、戦前、戦後と言えば、七、八十年前の計画ということになろうかと思うんですね。これは余りにも古くないかなという気が私はしたわけなんですが、まず、この計画がされた年代、いつごろだったか、お伺いしたいと思います。
また、今から駅まちエリアを注目される地域にするんだということを考えましたら、即、計画が新たに立てられるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
戦前、戦後の区画整理にて駅周辺の道路環境が整備されてきたということを御答弁申し上げましたけれども、駅の日豊線より西側、幸町、萩町については、戦前の昭和九年から昭和十七年で、地元で施工が行われております。日豊本線より東側、日の出町側でございますけども、これは戦後の昭和三十七年から四十八年にかけて延岡市で施工されております。
先ほど、戦後七、八十年たっていると、古いというお話がございましたが、都市計画上は完成をしておりまして、道路規格等をとりましても、朝晩一時的に渋滞はするものの、車はスムーズに流れておりますし、歩道もございます。場所によっては、駅とスムーズに二一八号から直結するような道路があればいいんでしょうけども、ちょっと曲がっていたりとか、山下新店街のように一般車両が通行できないような利用形態をとっている所とかございますけども、決して七十年、八十年たっているから古いということではなくて、それを生かす、ストックを生かした利用形態が求められるのではないかと思っております。
新たにやり直すということになりますと、民間の方を含めて多大な投資が必要となりますので、その辺も含めまして御理解をいただきたいと思います。
○六番(北林幹雄君) 車が流れればいいものではないと私は思っています。いかに流していくのか、いかにそこにとどまらせるのか、そういうことを構想したプランをつくり上げていくべきだと思いますが、そういうお考えはないか、お伺いいたします。
○都市建設部長(佐藤光春君) 駅周辺の市街地におきましては、都市計画道路のネットワークの中で、現在の道路ネットワークを生かしてするということで、例えば、歩道が不足している所は歩道の整備をするとか、そういうことでいろいろやってきておりますので、先ほども申し上げましたけれども、今現在のストックをいかに生かしていくか、ハードだけではなくて、ソフトも含めて生かしていくことが、私はこれからの時代は求められているのではないかと思っております。
○六番(北林幹雄君) 続きまして、駅の東西両側合わせて百台の駐車場を確保するという御答弁でございましたけれども、この近辺には民間駐車場の経営者の方もおられますので、その方々についても十分配慮する必要があると思いますが、しかし、それを利用する上においては、二、三時間限定の無料化ということも考えてもよいのじゃないかと思いますが、御答弁お願いいたします。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
今後、整備をいたします市営駐車場につきましては、これは公共施設の駐車場でございます。そういった側面と、あわせまして近隣には民間の駐車場があるというようなことも、そちらに対する影響等も、また考えられるところでございます。
この件につきましては、関係者等の中でもいろいろ御意見が出ているところでございまして、今後とも、引き続き検討させていただきたいと思います。
○六番(北林幹雄君) 次の質問に移ります。
民泊についての質問です。
神話・歴史・自然を生かした観光という観点から、先日、タイの国からの観光客の皆さんが延岡市を訪問され、民泊を体験されたとの事です。その中で、全てのスケジュールの中で、延岡が一番よかったとの感想があったとのことで、その理由は、自然の美しさ、おもてなしの心であったようです。それは最大の観光資源であり、これについての広報活動ですとか、民泊支援活動等の観点から、御所見をお伺いいたします。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
去る五月十八日から五日間、タイの観光客九名による九州観光ツアーが開催され、十九日には本市北川町川坂地区の民家四軒にてホームステイが行われたところでございます。
その際、神楽や餅つき、郷土料理など、地域住民のおもてなしに大変感激され、今回の旅行行程の中で延岡の体験が一番よかったと、そういう感想もお聞きしており、私どもといたしましても、大変心強く感じたところでございます。
一方、現在進めております民泊事業につきましては、平成二十六年に先進地の現地視察を行って以来、修学旅行誘致に向けた研究や取り組みを行っております。
この中で、民泊事業に参加していただく方々への研修会や先進地視察による勉強会、料理講習会等を計画しており、受け入れ態勢を整備することといたしております。
今後は、民泊事業に参加していただく方々による協議会設立に向けた取り組みを進めてまいりますが、あわせて、神話や自然体験、工場見学等、延岡ならではの修学旅行のコースづくりを行ってまいりたいと思います。
○六番(北林幹雄君) 東京オリンピックじゃありませんが、おもてなしこそ日本の文化であろうと思いますが、先ほど、民泊事業参加者の協議会の設立とお話がありました。それを設立するならば、本市の神話とか歴史とか、自然、あるいは食を紹介、ないし案内していくような研修部門ということも当然その中には入っていくべきだと思いますが、御所見をお願いします。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
先ほど言いました協議会といいますのは、民泊に携わる方々が集まって組織を立ち上げないと、修学旅行の誘致とかをということでございます。その中では、当然、議員がおっしゃったような教育関係もやっていきたいということでございます。
○六番(北林幹雄君) では、次の質問に移ります。
次に、農林畜産業の振興についての質問でございますが、政府のほうで、林業成長産業化地域新設への対応ということで、このほど、産業化地域を全国に十数カ所設定すると。そして、重点的に育成するということが出されました。五月、六月、閣議決定をしたとのことでございますが、公共建築物等木材利用促進法を見直す方針のようです。
次期成長戦略には、CLT(直交集成板)やCNF(セルロースナノファイバー)の早期実用化とか、さらには、リグニンを用いた高付加価値製品の開発が進んでいるようでございますが、延岡市として、これらの需給創出のため、林業成長産業化地域を目指すお考えはあるかどうか、お伺いいたします。
○農林水産部長(田中文靖君) お答えいたします。
議員御案内のとおり、国は来年度、林業成長産業化地域の創設を掲げ、新たな木材需要の創出や原木の安定供給体制の構築を重点的に進めることとしております。
林業の成長産業化を進めるためには、川上となる木材の生産、川中となる木材の加工・流通、川下となる木材の消費者までの流れを強固にしていく必要があり、流域を単位として取り組むことが、より有効であると考えております。
このことから、来年度の選定にむけ、国の動向を注視しながら、県や県内の市町村、森林組合、大型製材工場等の関係団体と連携し、準備を進めてまいります。
○六番(北林幹雄君) すなわち、県北流域エリアと考えていいかと思いますが、延岡市、日向市等を中心とした県北地域というのが、その成長産業化地域として指定されれば、非常に大きな効果がもたらされると思うんですが、この本地域が指定を受ける可能性や、そのメリットをどのように考えておられるか、お願いいたします。
○農林水産部長(田中文靖君) お答えいたします。
林業の成長産業化地域の創設といいますのは、先ほど議員もおっしゃったように、この前、閣議決定されたばかりの、来年度やっていこうかという事業でございまして、その詳細等、まだ指定の基準等、何一つ明らかになっていない段階でございますので、今の段階では可能性について、ちょっと私、申し上げることはできないんですけど、ただ、御案内のとおり、宮崎県は有数の林業県でもございます。ですから、期待は申し上げております。
これに地域指定されますと、多分、ほかの地域より、そういう事業等におきましても優遇されるんじゃないかと期待しているところでございます。そういうメリットがあるものと思っております。
○六番(北林幹雄君) 林業日本一の宮崎県でありますから、ぜひとも地域獲得のために御尽力いただきたいと思います。
続きまして、有害鳥獣対策としてのジビエ産業の振興についてお伺いいたします。
先日、農林水産省農村振興局鳥獣対策室の秋葉一彦室長の講演が、宮崎県主催により、本市議会大会議室で実施されました。その中で、西米良村の代表の方が、自治体を上げてジビエ産業振興に取り組んでいると報告されましたが、今回の研修において、国・県・市が一堂に会して議論したわけですから、本市として国・県・市との連携をどのように取り組むと考えておられるか、お伺いいたします。
この問題は、有害鳥獣によって耕作放棄を余儀なくされている方々への対策でもあり、農林業振興にかかわる課題でもありますので、より積極的な取り組みを求めたいと思います。よろしく御答弁お願いいたします。
○農林水産部長(田中文靖君) お答えいたします。
野生鳥獣の食肉などの利活用が進めば、狩猟者を初めとする捕獲関係者の所得の確保や有害鳥獣の捕獲の促進、ひいては耕作放棄地の解消にもつながるもの考えております。
ジビエの取り組みにつきましては、安全・安心な食肉の提供に向けた衛生管理技術の向上、統一表示基準の導入、飲食店への普及拡大を図るために、みやざきジビエ普及拡大推進協議会が設立されたところでございます。
この協議会を核といたしまして、ジビエの普及拡大が加速化することが期待されておりますので、取り組み状況等を把握し、県と連動して事業の支援を図ってまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 先ほど、衛生管理等の統一基準の導入という御答弁でございましたけども、どのような基準を設けられるお考えか、お伺いいたします。
○農林水産部長(田中文靖君) お答えいたします。
今、ジビエの問題は、利活用がさらに普及拡大していくための一番の課題というのがよく言われていますけれども、これは消費者、いわゆる売れなくちゃいけないわけですね、消費者、飲食店のほうが求める品質とか規格、そういうものを満たす肉を、いかに安定供給するかということが課題となっておるわけです。
ですから、その飲食店のほう、使うほうが、どのような肉を選ぶのかという基準ですね。そういう基準を設けることによって、使いやすくするための基準でございまして、例えば、その肉が雄・雌のどちらなのかとか、あとは銃で撃たれたやつなのか、わなで捕られた肉なのか。それとか、肉の部位ですね。ロースの部分なのか、モモ肉なのかとか。今、道の駅とかで売られているのは、ただシシ肉とか、シカ肉とか書いてあるだけですけれども、そういうものをきちっと表示する。その表示の内容を今後検討していくということで、例えばそういうことでございます。
○六番(北林幹雄君) 次に、畜産クラスター事業の振興についてお伺いします。
この事業は、TPPが発効し、国際間の農産物輸出入競争が激化した場合、日本の農業、ひいては食料安全保障をいかに守るかという見通しにおいて構想された事業であり、この内容はさまざまな事業所が合議体をつくり、事業所の施設整備等に十分な補助を行い得るための制度であると理解しております。延岡の農業の将来にかかわる課題ですので、この事業の取り組みの現況と今後の計画についてお伺いいたします。
○農林水産部長(田中文靖君) お答えいたします。
議員御案内のように、畜産クラスター事業は、畜産の収益力や生産基盤を強化し、国際競争力の向上を図ろうとする事業でございます。
施設整備や機械導入の事業を実施するためには、生産者を初めとする関係者で、事業の実施主体となるクラスター協議会を設立し、地域一体となって収益性向上を図るクラスター計画の策定が必要となります。
本市では、事業の活用を図るため、昨年度、肉用牛クラスター協議会の設立と計画策定を行ったところであり、豚とブロイラーにつきましても、現在、協議会の設立に向け、関係機関・団体で協議を進めているところでございます。
○六番(北林幹雄君) ぜひ早急に進めていただきたいと思います。
続きまして、時間がなくなりましたので、次の質問に移ります。
ニニギノミコト御陵墓参考地と西郷記念館の観光地化についてでございますが、この地は夕刊デイリー新聞でも取り上げられましたように、時空を超えた出会いの聖地であると言われておりますが、この地を紹介する広報活動とか、交通の利便性等をぜひ推進していただければと思うんですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○
商工観光部長(浜松泰宏君) お答えいたします。
ニニギノミコト御陵墓参考地と西郷記念館につきましては、西郷隆盛のひ孫である西郷隆夫氏の証言や、「西南の役従軍深江権太郎記」の発見により、西郷隆盛はニニギノミコトの御陵墓があったことで宿陣したとする仮説が実証され、この新説が大変有力な観光資源であると認識いたしており、観光パンフレットわけあって延岡においても、時空を超えた出会いの地として紹介しているところでございます。
また、本年度、九州各地の旅行代理店が企画した六つの旅行商品の中に、既に御陵墓参考地と西郷資料館のコースが組み込まれており、現時点で約九百名の観光客が見込まれております。このため、観光バスの受入環境を充実することや、展示方法等の改善などが、今後、重要となっていくものと考えております。
今後につきましては、日向神話の中心が本市であるとの御意見もいただいており、県北地域で広域的な観光地づくりを行っていく中で、その中心的位置づけとなる御陵墓参考地や西郷隆盛の宿陣のエピソードを有効に活用し、地元ならではの西郷さん献上そばなどの食や特産品等を絡ませた観光の産業化を図ってまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) よろしくお願いいたします。
続いての質問に移ります。
中山間地域の人口減少は非常に著しい状況でございますけれども、この地の産業振興は当然ですが、実態として市街地への通勤が多いため、通勤や住宅にかかる手当を補助することも必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○
企画部長(
中村慎二君) お答えいたします。
本市はこれまで、中山間地域の定住促進と地域活性化を図るため、離島・過疎地域等高校生修学支援事業や、元気のいい三北地域づくり支援事業などの事業に取り組んできているところでございます。
また、今年度からは移住定住推進室を設置し、関係機関と連携しながら、移住先として中山間地域の魅力をPRするなど、移住者の獲得に努めているところであり、さらに、人口減少対策として、子育てしやすい環境づくりを推進するため、移住希望の世帯や多子世帯が住宅を取得する際に助成を行う、移住・子育て住まい支援事業を実施することとしております。
過疎地域を含む中山間地域への定住促進につきましては、今後、地域おこし協力隊、お試し移住等の事業を実施予定でございます。各事業を通して調査研究を重ねまして、さらなる中山間地域の地域活性化と移住定住の推進を図ってまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 最後の質問になります。
旧国道にかかる橋で、八十年を超えた橋がございますが、特に北川町の熊田橋がそうなんですが、この改修計画についてお伺いいたします。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
旧国道で架設後八十年を経過した橋梁といいますと、北川町川内名の鐙橋と熊田橋の二つの橋がございます。
道路法施行規則の改正によりまして、橋梁点検を平成二十六年度から実施しているところでございますが、鐙橋につきましては昨年度点検を行っております。
熊田橋につきましては、通常の橋梁とは異なり、橋の側面に鋼材があるため、橋の上から点検用の車両で橋の下面を点検する手法が使えないため、特殊な調査方法で行わなければならず、検討を行ってまいりましたが、今年度、点検を実施することにいたしました。
今後は、全ての橋梁の点検をした後に、その結果を踏まえまして、改修についての方針を定めてまいりたいと考えております。
○六番(北林幹雄君) 以上で、質問を終わります。
○議長(上田美利君) これをもって、北林幹雄議員の総括質疑及び
一般質問を終わります。
議事の都合により、しばらく休憩いたします。
午後二時四十一分 休憩
午後三時 零分 再開
○議長(上田美利君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
これより四番 吉本 靖議員の総括質疑及び
一般質問を許可いたします。
〔四番(吉本 靖君)登壇〕
○四番(吉本 靖君) 友愛クラブの、案ずるより吉本 靖です。
ことし、平成二十八年度から始まった新たな総合計画、延joy延岡を進めていく上で、大変重要な課題二件について質問をさせていただきます。
まず、延岡南道路の件です。
昨年、十二月三日に
一般質問をさせていただきましたが、五日の夜に、一ヶ岡の方からお電話をいただきました。延岡南道路の料金の引き下げを、さらに強く議会で取り上げてほしいとのことでした。電話の方が言われるには、とにかく一ヶ岡は、交通事故が多いとのことでした。その日、十二月五日も死亡事故が発生したとのことでした。
そこで、交通事故の発生状況について、宮崎県警察本部の交通事故多発地点の情報を調べてみました。事故多発地点は、年間五件以上の人身事故が起きた地点を発表しているものですが、平成二十六年で見ると、門川から伊形地区までの延岡南道路を迂回した路線では、七カ所の多発地点が表示されていました。十年前の平成十六年には、この地域では交通事故多発地点がゼロでしたから、大幅にふえていました。
一ヶ岡地区は、住宅地ですが、地区内を走る四車線の市道環状線は、大型トラックも多く、生活道路でなく、産業道路化しているとのことで、国道一〇号とあわせ、交通事故、交通渋滞だけでなく、騒音被害もひどい状況だとのことです。
延岡南道路は、国道一〇号のバイパスとして平成二年に完成しましたが、高い料金のため、二十六年たった今でも、国道一〇号の渋滞は改善されないままです。
毎朝のFM放送の交通情報では、土々呂や旭ヶ丘での交通渋滞が報告されています。日向の財光寺や新富町の国道一〇号の四車線化が進んでいるのを見ると、一番交通量の多い延岡が取り残され、何とも残念なことかと思います。
冒頭で述べました延joy延岡ですが、ポスターでは、延岡の当たり前の暮らしとして、一番目に「混まない道でスイスイ出勤できること」と紹介されています。大事な視点だと思います。
私は、延岡南道路の料金引き下げを何としてでも実現させたい。その思いで質問をさせていただきます。
まず、一番目ですが、昨年十月に、五年に一度の道路交通センサスが実施されました。延岡南道路の交通量について、どのような結果が出たのか。一日当たりの交通量と大型車の混入率について、日向以南との比較もあわせてお伺いします。
二番目ですが、延岡南道路の普通車料金は全国で一番高いとのことでしたが、トレーラー等の特大車の料金については、全国の中でどういう状況でしょうか。
三番目です。昨年十二月、延岡南道路の料金見直しについての私の質問に対し「延岡南道路と同様の一般有料道路は全国にあることから、現行の料金制度の枠組みを変えることは非常に困難と認識している」との答弁をいただきました。
それでは、全国の五十七路線の一般有料道路について、料金の見直しは行われていないのか、現状をお伺いします。
四番目です。広島岩国道路についてです。
五月の連休に見てきました。どういう理由で値下げされたのでしょうか、お伺いします。
次に、方財から土々呂までの長浜等の海岸の浸食問題です。
これも、延joy延岡のポスターの二番目に重要な項目です。
「太平洋を見渡す砂浜に十五分で立てること」すばらしい指摘だと思います。今、その砂浜が浸食による危機に陥っています。第六次長期総合計画では、新たな項目として海岸が防災対策として記述されたことは大いに評価できると思います。
かつては、松林から波打ち際まで、なだらかな砂浜が続いていましたが、今では松林のもとまで波が打ち寄せ、崖の状態、いわゆる浜崖となっているところもあります。
このような状況の中、延岡港の河口付近では、毎年のように大量の砂利がしゅんせつされています。地元の皆さんは大変危惧をしております。地元の方からは、砂利しゅんせつの許可を出している国土交通省延岡事務所には、砂浜の浸食をとめるため、しゅんせつした砂利を地元の海岸へ養浜として戻すよう要望も出されているようですが、対応はなされていないようです。
そこでお尋ねです。
一番目ですが、現在の海岸浸食の状況について、どのようにお考えでしょうか、お伺いします。
二番目ですが、このまま浸食が続けば、どのような問題があると思われますか。
三番目ですが、この十年間にどれくらいの量の砂利がしゅんせつされ、どのような処理がなされているのでしょうか。
四番目ですが、海岸を担当する県の部署は、砂浜、港湾、漁港で異なります。国の所管も、国土交通省河川局、港湾局、農林水産省と分かれています。
市にとっても重要なこの方財・長浜等の海岸の浸食問題の対応については、それぞれの機関の連携が必要だと考えます。
また、長浜海岸は、アカウミガメの産卵地として天然記念物にも指定されています。国・県・市及び市民合同の対策協議会を設置してはいかがでしょうか。
以上で、壇上の質問を終わります。
(降壇)
〔市長(首藤正治君)登壇〕
○市長(首藤正治君) ただいまの吉本 靖議員の御質問にお答えいたします。
現在の長浜海岸の浸食状況についてのお尋ねでございます。
長浜海岸につきましては、平成十六年の台風十六号や平成十七年の台風十四号によりまして著しく浸食を受けたことから、関係機関において平成十九年度より継続して延岡新港のしゅんせつ土砂を搬入し、海岸の砂浜に補給する養浜を行っているとお聞きしております。
これまでの砂浜の変化を測定する汀線測量や写真による定点観測から、季節的に変動はあるものの、現在のところ、比較的安定している状況にあり、しゅんせつ土砂による養浜の効果が出ているとお聞きしております。
市といたしましては、引き続き関係機関に対し、海岸の保全に努めていただくようお願いしてまいります。
以上でございます。
(降壇)
〔都市建設部長(佐藤光春君)登壇〕
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
まず初めに、平成二十七年に実施された交通センサスの結果についてのお尋ねでございます。
交通センサスの結果につきましては、延岡河川国道事務所に確認しましたところ、まだ公表していないということでございました。
前回、平成二十二年の交通センサスの結果につきましては、平成二十三年九月に概要が公表され、その後に路線ごとの詳細な交通量が公表されております。
また、高速道路調査会が発行している機関紙「高速道路と自動車」の高速道路統計月報から、延岡南道路の平成二十七年度の日平均通行台数を計算しますと、約一万一千三百台となります。車種別には記載がございませんので、大型車の混入率は不明でございます。
門川~清武南間につきましては、車種別に記載があり、同様の計算から、平成二十七年度の日平均交通台数は約七千百台、大型車の混入率は約六%となります。
次に、延岡南道路の特大車の料金についてのお尋ねでございます。
延岡南道路の特大車の料金につきましては、海峡部などの特別区間を除く普通区間の一般有料道路では、高速道対策課で調査しました結果、全国で一番高い料金になっていると認識しております。
延岡南道路の場合、特大車の料金は九百三十円で、営業距離三・七キロメートルで除しますと、キロ単価二百五十一・三五円となります。
高速道路の普通区間のキロ単価が七十三・〇六円でございますので、約三・四倍に設定されており、非常に高いと思っております。
次に、全国の五十七路線の一般有料道路について、料金の見直しが行われていないかとのお尋ねでございます。
高速道路の料金につきましては、平成二十六年四月一日に、普通区間、大都市近郊区間、海峡部などの特別区間の三つの料金水準を基本として整理をされております。
五十七路線の中で、普通区間では広島岩国道路と本州四国連絡道路の陸上部三路線が個別採算制から対距離制の料金体系へ見直され、ETC車に限定して平成二十六年四月一日から当面十年間、引き下げられております。
また、平成二十八年四月一日には、首都圏の料金体系が見直され、現行の大都市近郊区間の水準に十二路線が統一されております。
先ほどの普通区間の普通車のキロ単価二十四・六円が大都市近郊部では二十九・五二円になります。四・九二円高くなりますが、計算方法は同じでございます。
五十七路線の中では、首都圏中央連絡自動車道の内側にある十二路線が対距離制へ見直しされております。
次に、広島岩国道路の料金値下げの理由についてのお尋ねでございます。
地方部で距離に対して料金が著しく高い区間として、広島岩国道路を含む六区間が指定され、普通区間の料金水準に引き下げられております。
高速道路普通区間の普通車の料金は、一キロメートル当たり二十四・六円に延長を乗じた額とターミナルチャージ百五十円を合算し、それに消費税を加えた金額となっております。
広島岩国道路の旧料金の一キロメートル当たり単価は、消費税とターミナルチャージを差し引き、距離で割り戻しをしますと、約三十四円となり、普通区間の二十四・六円と比べて割高となっているため、値下げされたものでございます。
次に、長浜海岸の浸食継続による問題についてのお尋ねでございます。
議員御案内のように、当海岸は、県の天然記念物であるアカウミガメの産卵地であり、散策などをされる市民の方の憩いの場となっております。
現在の浸食状況につきましては、比較的安定している状況ではありますが、仮に海岸浸食が進みますと、アカウミガメの産卵や市民の散策などへの影響が少なからず懸念されるところでございます。
また、仮にさらに浸食が進みますと、防災上の観点から、台風・波浪・津波等の災害時に沿岸の松林などへの影響も懸念されます。
次に、この十年間の延岡港河口付近でのしゅんせつ量、及びその処理についてのお尋ねでございます。
河川管理者である延岡河川国道事務所へお聞ききしましたところ、昨年度までの過去十年間の砂利採取量は、約二十二万九千立米となっており、その処理としましては、採取後の砂利について、全て骨材供給に利用されていると伺っております。
次に、国・県・市及び市民合同の対策協議会設置についてのお尋ねでございます。
例年、延岡土木事務所において、県、市の関係部署の参加により、養浜に関する会議が開催され、毎年の養浜計画や汀線測量の結果、アカウミガメの産卵状況について情報を共有しているところでございます。
議員御提案のように、海岸を担当する部署が多岐にわたりますので、海岸に関係する部署の連携を図るため、状況に応じて河川管理者である国、海岸と港湾管理者である県、そして市の関係部署による検討会などの開催について、各機関と協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(降壇)
○議長(上田美利君) 吉本 靖議員の発言を許可いたします。
○四番(吉本 靖君) 昨年十二月の私の
一般質問で、延岡南道路の高い料金問題について、延岡市は被害者であると申し上げたところ、当局からは、議会後の反省で、それは不穏当な発言だとの指摘を受けました。それは私も表現が悪かったのですが、現在の交通渋滞や交通事故などの地元の厳しさや苦しさを考えますと、ほかにあらわす言葉が見つかりませんでした。
ただ、ここのところは、私も気になるところなので、繰り返してみたいと思います。
前回の市長の答弁で、現在の延岡南道路の料金二百六十円について、当時、延岡南道路に限っては接続の原理から外れて、ここに飛び地として、いわば多少無理を言って、この料金で結構ですので、何とかつくってもらえませんかということで、地域から無理を言ってつくってもらったという経緯があると。国としては、そういうふうに見ているわけです。ですから、国としての物の見方というものを考えないと、一方的に被害者だという言い方では前に進まないという答弁でした。市長、よろしいですよね。
ちょっと市長にお尋ねですけど、当時の方は、永遠にこの料金で結構ですと考えたと思われますか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
新たに一つの有料道路を新設するときに、その料金が永遠に続くかどうかというようなことは、多分、発想の中にはなかっただろうと思います。
○四番(吉本 靖君) 私が尋ねているのは、これは一般有料道路なんです。ですから、もともと三十年で返済が終わったら無料になる。そういう前提の道路なんですね。ですから、道路公団の民営化時に、実は平成三十年、あと四年後には無料になるという約束だったのが、現在ではあと五、六十年ですか、それくらい延びてしまったと。そういう経緯があるんで。
私がなぜこういうことを言うかというと、言葉はちょっと悪いんですけども、負い目とか、そこはもう、こっちはお願いして約束したけど、向こうも、結局、約束をやぶってしまっている。あのときは、もう三十年で終わるはずだったんですから、だから、そこは国に対してもきちっとやっぱり整理をしておかないと、なかなか物が言いづらい状態が続くと、そんなことはなかったと思うんですけども、一応、あのときの答弁を感じたんで、そこのところはちょっとお伝えしたいと思って申し上げました。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
先ほどの、前回の答弁を引用していただいた部分でございますが、私としては、申し上げたかったのは、そういったことがあるから、我々としては国に対しての要望がトーンダウンしてるということを申し上げたわけではなくて、我々としては、国に対しては、これでもかというぐらいの要望を続けてきております。それは、当然、私たち、今のままじゃ困るから。だから何とかしてほしいということを言ってきているわけですが、ただ、その基本的なスタンスとして、我々は被害者なんだと、国は加害者なんだと、だから何とかするのが当たり前だというような持っていき方だと、前に進まないということを申し上げたわけでございます。
○四番(吉本 靖君) わかりました。ありがとうございます。
さて、それでは具体的に質問に入りたいと思います。
先ほどの答弁にありましたように、料金の見直しについては、ことしの四月からは首都圏では十二の路線での見直しがなされています。
私は、これまでの当局の答弁で、料金の引き下げというのは、当局の説明では、法律や制度上の問題もあって、延岡南道路だけでなく、見直しそのものが難しいと理解しておりました。ですから、大変驚きをもって受けとめたところです。
この点について、市長は正直なところ、驚いたのか、それともある程度、予想されていたのか、お尋ねします。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
いろいろと情報を調べていく中で、いろんな詳細が判明をしたわけですが、当初考えていたのと違う部分もいろいろあるなということは感じたところです。
○四番(吉本 靖君) ここに、昨年一月の神奈川新聞の記事があります。
政府は、横浜横須賀道路の全線で、千四百四十円の料金を来年四月から、つまりことし四月からですが、九百五十円に値下げする方針を明らかにした。菅官房長官は、神奈川県知事や小泉進次郎衆議院議員と面談し、要望いただいてきた横浜横須賀道路は、政府として九百五十円に下げる。既に具体的な作業に入っていると述べた。国土交通省の社会資本整備審議会部会が、参考にすべきだとした大都市近郊区間、一キロ当たり三十六・六円の料金水準などをもとに試算した場合、全線で千百円台となるが、菅氏はさらに踏み込んで引き下げる考えを示した形だ。
私は、これを読んで唖然としました。基準の料金水準をつくっておいて、さらにそれ以上に引き下げる。本来なら千百円台だけど、九百五十円にするというわけです。これはお手盛りではないかと思いました。
政府は、地方創生と言っています。首都圏の料金が一キロ当たり四十四円で全国四位の横浜横須賀道路が安くなり、一キロ当たり七十円、七十二円、普通車ですが、全国で一位の地方の延岡南道路は据え置きです。おかしいと思いませんか、当局の見解をお伺いします。
○都市建設部長(佐藤光春君) この件に関しましては、私のほうで御説明させていただきます。
先ほどございましたように、横浜横須賀線が単価四十四円になりました。これについては、なぜだったかというと、社会資本整備の道路分科会というものがございまして、その中でいろんな中間答申がなされまして、普通区間に挟まれた一般有料道路などを対象に、料金を下げていきなさいということになりまして、ただ、延岡南道路につきましては、御案内のように、片方が延岡道路で無料でございますので、これについては対象外ということで、なりませんでした、ということでございます。
○四番(吉本 靖君) それでは、延岡南道路は、全国の一般有料の中では一キロメートル当たりの単価が一番高いんですが、見直しの対象にはならないということですかね。その両端がという話になると。
○都市建設部長(佐藤光春君) これは最近、二十七年七月三十日に、社会資本整備の審議会、道路分科会というのがありまして、この国道幹線道路部会というのが中間答申を出しております。高速道路を中心とした道路をかしこく使う取り組みということがございまして、その中の文章の一説に「国際競争力の強化や地域活性化などの視点から、料金水準の低減が交通渋滞を引き起こす区間を除き、引き続き料金の低減に向けた努力を払うべきだ」と答申が出ているというのが、国土交通省のホームページに記載されておりましたので、議員が言われるように、地方創生ということで、こういう一つの切り口もあるのかなと考えております。
○四番(吉本 靖君) 全国で一番料金の高い南道路が見直しの対象にならないというのは、その理由だけでしょうか。何かほかに理由はないんでしょうか。
じゃあ、質問をちょっと変えます。
私が思うんですけども、延岡南道路の区間距離ですが、現在は公式には三・七キロメートルと表示をされています。しかし、実際には本線上の距離は、私の計測ですが、二・六キロメートルです。三・七キロメートルには、門川と延岡南の両インターチェンジの取りつけ部分が含まれています。区間距離に取りつけ道路を含むなど、全国にどこにもありません。
昨年十二月の市当局の答弁で、高速道路対策課は、ネクスコ西日本宮崎高速道路事務所に対し、区間距離の見直しを検討していただくよう申し入れを行っています。そのときの宮崎高速道路事務所の回答は、「延岡南道路では料金所の新設・移設が生じなかったため、事業認可上の延長は変更していない」というものです。
しかし、日向~門川間がつながったときに、本線上に新たに門川の料金所が新設されているのです。このときに、区間距離の変更申請をしなかったため、本線上を走る車は二・六キロメートルしか走っていないのに、三・七キロメートル分の料金を支払っている状況が生まれたのです。
私は、区間距離の変更は、料金所の新設・移設にかかわらず、本線とつながった時点でネクスコ社として国へ申請すべきだったんではないかと思っております。
実は、私は延岡南道路の料金の見直しのかぎは、この区間距離の見直しにあると思うんです。延岡南道路を二・六キロメートルに改めた場合、一キロメートルの単価が上がります。三・七よりも二・六は短いですから、単価が上がります。そうした場合、延岡南道路は、料金見直しの基準に該当するのではないかと思っておりますが、先ほど質問しました広島岩国道路との比較で御答弁いただければお願いします。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えいたします。
延岡南道路の料金につきましては、先ほど議員のほうから御説明ありましたように、現在、三・七キロということで、普通車でいきますと二百六十円、メートル当たり二十四・五円でございますけども、今おっしゃるように二・六キロで計算した場合は、三十四・九円となります。
ということで、先ほど広島岩国道路の単価を申し上げましたけども、そういうことになれば該当するのかなと思います。
○四番(吉本 靖君) 市長に再度お尋ねしたいんですが、国は、高速道路の料金引き下げ問題は、延岡南道路だけの問題ではないと言っているふうに聞いております。
そこで、現在、全国の一般有料道路で延岡南道路以外に料金の引き下げを求めている路線が、どのくらいあると思われますか。もちろん、大都市近郊の路線を除いてということになりますが。地方には、まだ四十くらいの路線があると思うんですが、大体の見当でいいんですけど、どうでしょうか。
○市長(首藤正治君) 国といいますか、国土交通省との議論の中では、先ほど御指摘のように、全国で同様の問題があるということはお聞きしております。
ただ、私として今、全国で何カ所のそういう値下げ要望があるということについては、今は承知しておりません。
○四番(吉本 靖君) 実は私も、全国の一般有料道路で各自治体は料金問題をどう考えているんだろうかと思ったんです。それで、各自治体に直接聞いてみようと思ったんです。
全国で延岡南道路の次に二番目に高いのは、東富士五湖道路です。私は、御殿場市の総務課に行って、料金が問題になっているか聞いてみました。問題になっていませんでした。
第三位は、福岡の椎田道路です。みやこ町と築城町を結ぶ道路で、ここは東九州自動車道が開通した際、一昨年十二月に延長が十・三キロから八・九キロに短くなったところです。取りつけ道路の部分を省いて本線上の距離で表示をしたので短くなりました。みやこ町の総務課に、椎田道路の料金が問題になっているか聞いてみました。問題になっていませんでした。
四番目が、横浜横須賀道路です。私は、横須賀市の市議会議員に直接聞いて、そのとき、初めてこの四月から料金が安くなるのを知りました。そして、首都圏の一般有料道路の見直しを知ったんです。見直しですから、安くなったところもあれば、高くなったところもあります。
五番目に高いのは、首都圏のアクアライン連絡道ですから、これは飛ばします。ちなみに、本線のアクアラインは、三千円の料金がETCで普通車八百円です。
六番目に高いのが、鹿児島県の隼人道路です。霧島市の議会事務局に聞いてみました。ここも料金については問題になっていません。
七番目、八番目は、それぞれ大都市近郊、京都の京奈和道路、京滋バイパスです。
九番目以降は、料金が今回の大都市近郊の見直し基準の三十六円に近いかそれ以下だったので聞いておりませんが、問題にはしていないと思います。料金がもともと安いところは、見直しをしないほうがよいはずですから。
そうしてみますと、私は普通区間で料金引き下げを国に要求しているのは、全国で延岡南道路だけではないかと思うんです。私は、全国の自治体があちこちで料金引き下げを要求している、そんな状況を連想していたのですが、意外にも熱く取り組んでいるのは延岡だけという状況に驚いています。これが本当だったら、ちゃんと聞いているのだから本当なんだと思いますが、当局の印象はどうでしょうか、市長。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
他市といいますか、ほかの路線の状況については、今議員から御指摘をいただいたような状態であるということについては、また改めて確認もしてみたいと思ったところでございます。
それで、なぜこの延岡南道路が、こうしてこれだけ強い要望を、これだけ長い期間、これだけのエネルギーをかけてやってきた。これは多分、おっしゃるように、全国のどの路線よりも、料金値下げ、あるいは無料化ということについて強く働きかけをしてきた路線に、もうなっているだろうと。よそが同じ状況だから、ここはできないということ以上に、なぜこれだけやって、てこでも動かないんだろうかということについては、非常に私としてもじくじたる思いが改めてあるところでございます。
○四番(吉本 靖君) 私は、先ほど申しました区間距離ですね。これを見直して基準どおりに判断していただければ、延岡南道路の料金引き下げが実現できると思っております。
これは、今の南道路の三・七キロで計算しますと、百五十円足す二十四・六円のキロで、全国で一番短いんですね。そうすると、キロ単価は全国で一番高いんだけど、距離が短いがために、百五十円というターミナルチャージが物すごく影響します。ですから、一般のプール料金で比較したときには、平均とかわらない二十四・六円のキロ単価になってしまうんで、これは目立たないんですけど、現実には本線は二・六キロしかないんで、それをきちっと精査すれば、区間距離を、そうすれば広島岩国道路と同じ状況になるんで、私はこれは可能だと思っています。
私は、交通事故や交通渋滞の解消など、産業発展のために、どうしても延岡南道路の引き下げを実現したいと思っています。そのためには、まず、国への要求をはっきりすることだと思っています。
延岡南道路の無料化、料金引き下げの課題ですが、要求が無料化と料金引き下げの二つでは、焦点がはっきりしないと思います。無料化は市民の長年の要望ですから、大変重要な事項です。しかし、そこのところは十分考慮した上で、今の時点では、全国の料金見直しの中で、まずは料金の引き下げに特化して取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
確かに、この問題につきましては、今は料金のことだけお話がありましたが、そればっかりじゃなくて、例えば、南向きランプの話だとか、あるいは国道一〇号の四車化ということだとか、基本的に、問題はこの延岡南道路の下の地域といいますか、生活圏域が特に大型車などでこみ合って、通学路なども非常に危険な状態になっているということが一番大きな問題でありますし、あと、物流の面での国道一〇号等がうまく機能してないと、この渋滞が大きいというようなこと、こういったことを解消するための手だてとして、南道路を無料化すれば解消する、あるいは値下げしてはどうか、あるいは南向きランプを使えば、少なくとも安全性が確保できるんではないか、国道一〇号の四車化をすればいいんではないかとか、あるいは延岡南道路、今は両側で二車線分だけですが、四車分の用地はもう確保済みですから、そこをうまく活用して、ここがうまく整備できないかとか、これまでいろんな選択肢といいますか、問題解決の手だてとして、我々としては手を変え品を変えと言っていいぐらい、これは提示をしてまいりました。
そのときそのときに、これも長くなってますので、そうですね、五年前とか、あるいは七、八年前のときの感触と今の感触と、それぞれやっぱり変わってくるんですね、時代とともに。国道一〇号の四車化ということをメーンで訴えていくほうが受け入れられやすそうだとか、あるいは南向きランプをまず第一に打ち出していくほうが問題解決の早道になりそうだとか、そのときそのときで状況がやっぱり変わってまいります。
ですから、そういったことも踏まえながら、これまで戦略を考えながらやってきたわけですけども、おっしゃるとおり、料金については、当初はずっと無料化無料化と言ってまいりました。先方も、無料化ということで、そういう要望に対しての議論はさせていただいていたんですけど、やはり一定程度の議論を経た中で、無料化ということのハードルの高さというのは非常に、並大抵のものではないということに今なっておりまして、やはり料金体系の見直しということを進めていこうということで、これはいつからですかね、もう今はそういう形で最近は取り組んでいるところでございます。
○四番(吉本 靖君) それから、もう一点、この区間距離の見直し、これをぜひ、もう要望はされています。高速道対策課も一生懸命頑張ってますが、これをぜひやっていただきたいと。
というのは、これは国が許可してないんじゃなくて、ネクスコ社が申請してないから許可してないだけの話なんです。本線とつながっているわけですから、ぜひこの見直しをやっていただいて。今、全国の道路を比較するときにどうなっているかというと、南道路は三・七キロで比較するんで、低いところに置かれているんです。延岡道路だけ、取りつけ道路が含まれたと。これは非常に不満です。でも、現実そうなんで、ネクスコ社に対しては、ぜひそういった要求を引き続きお願いしたいと思います。強くお願いしたいと思います。
それでは、次に長浜海岸の浸食問題です。
私の資料ですと、昨年、平成二十七年度でも五万五千立方メートルの土砂がしゅんせつをされています。例えば、これを一立方メートルの塊として並べた場合、どのくらいの距離になると思われますか。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えします。
五万五千立方メートルでございますから、約五十五キロぐらいになるかと。東九州道を使えば、延岡から高鍋ぐらいが、そのあたりかなと思います。
○四番(吉本 靖君) 私は、最初それ、五万五千立米、物すごい量だと思ったんですね。この十年間に、先ほどの当局の答弁ですと、二十二万九千立方メートル。先ほどの話じゃないですけど、高速道路を使うと福岡近くまで行ってしまいます。それほどの量の土砂がしゅんせつをされていると。
例えば、これを長浜にあわせたら、八キロの浜で高さ一メートルで沖合いに二十八・六メートル、そこまで行く量が、しゅんせつをされているという状況です。
では、一体この大量の土砂は、どこから来たのかということですね。海なのか、川なのか。五ヶ瀬川は、日本で一番きれいな川です。ここ十年では、大きな洪水は発生していません。十年間で二十二万九千立米の砂が五ヶ瀬川で発生したとしたら、港も埋め尽くすような土砂になると思います。日本一の清流、五ヶ瀬川ですから、砂だらけで鮎も住めないと思います。ですから、私は、土砂は主な要因は川から来たんではないと思います。
では、海から来たのかということになるんですが、宮崎県の調査では砂浜の変化を測定する汀線測量や写真による定点観測から、今、長浜海岸は比較的安定しているとあります。
答弁にありました、県の汀線測量等の資料ですけど、市には提供をされているんでしょうか、お伺いします。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えします。
会議の中で提出いただいております。
○四番(吉本 靖君) ぜひ開示いただいて、これが納得いくような資料なのか、中身をまた精査をさせていただきたいと思ってます。
それから、長浜海岸の浸食問題については、先ほど答弁があったとおり、県も延岡新港のしゅんせつ土砂を長浜海岸に活用しています。地元としては、延岡港のしゅんせつ土砂も養浜に利用していただきたいという要望があるんですけども、国土交通省に対して、延岡港の河口付近での土砂、浜に戻して養浜というようなことはお願いできませんでしょうか。
○都市建設部長(佐藤光春君) お答えします。
五ヶ瀬川河口付近の砂利採取につきましては、河川管理者でございます国土交通省延岡河川国道事務所におきまして、民間業者の方からの採取の許可申請がございまして、国土交通省内での検討、あるいは県とか市とか、いろんな関係機関との協議を経まして、支障がなければ許可をしているとお伺いしておりますので、市としての対応は難しいと判断しております。
○四番(吉本 靖君) 市としての対応は難しいとのことですけど、進行する浸食に対しては何らかの対応が必要となっております。しゅんせつして深くなった所に周りの砂が流れ込むといった状況でありますので、現状の把握、その対策、検討よろしくお願いします。
地元の皆さんは、あと五年もしたら砂浜がなくなるのではないかと心配をしております。それほどの浸食が日々進行しています。緑ヶ丘付近では砂がなくなり、浜だけになり、方財地区では、砂の流出にあわせて堤防の根固めコンクリートブロックが破損し動いています。地元の皆さんは進む海岸浸食のために、南海トラフの地震や津波などの不安にさらされています。海岸浸食から住民の生命と財産を守るため、早急の対策が求められていると思っております。
海岸浸食対策に市民の声を反映していただきたいと思います。市民が参加した協議会の設置はできないでしょうか、お伺いします。
○都市建設部長(佐藤光春君) 先ほどの主答弁の中で、関係部署によりました検討会の開催について、関係機関とお話をさせていただきたいということでしましたので、その中において、最近は御案内のように、いろんな市民団体とか、行政の説明責任という形でいろんな団体を入れてお話を進めていくことになっておりますので、まずは、そういう行政機関で連絡をとり合いながら、そういう方向性を検討してまいりたいと思っております。
○四番(吉本 靖君) 地元の皆さんは、現実に海岸の浸食を現場でひしひしと実感しています。地元から市長へのお願いなんですけど、ぜひ現地で一緒に海岸浸食の現状を見ていただけませんでしょうか。
○市長(首藤正治君) お答えいたします。
この問題については、もう少し私も状況を把握させていただきたいと思っています。まずは、情報をお聞きする中で、必要があれば、今お話しのように現地に赴きまして、そして見させていただくということもあり得ると思っておりますが、まずはちょっと状況を把握してからということで考えたいと思います。
○四番(吉本 靖君) これで私の
一般質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(上田美利君) これをもって、吉本 靖議員の総括質疑及び
一般質問を終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(上田美利君) 御異議なしと認めます。よって本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
あすは午前十時に会議を開き、本日に引き続き、総括質疑及び
一般質問を行った後、議案の委員会付託を行います。
本日は、これをもって延会いたします。
午後三時四十六分 延会...