今回の県の計画は、是非はともかくも、国から既に予算が確定したものであり、枠組みは決定したものと考えなければならないものである。詳細についてはこれから協議するというものでは既にない。
この計画では、
仙南医療圏については、
中核病院が
基幹病院に、
刈田病院は
中核病院のいわば
支援病院的な
位置づけとなっている。それは明らかに序列づけられた
役割分担であり、だからこそ、3次救急(
高度救命救急)は
中核病院が担い、それ以下の軽度から中程度の救急は
刈田病院が担うという分担になったのであり、それ以外の解釈はあり得ない。
序列を決定づけているのは、「
地域医療再生計画」の中で、
刈田病院が
リハビリテーションに重点を置く病院としても
位置づけられたことにも象徴されている。
これは患者のケアに関して、「
クリティカルパス」という考え方であり、例えば脳卒中などの発作直後の重度の急性期は、
高度急性期病院で治療を行い、急性期をしのいだ
亜急性期または慢性期の患者は
急性期病院から慢性期の患者をケアする周辺(あるいは
患者家族の近所)の病院に転院してもらい、そこでゆっくりと治療を続け、
リハビリテーションも受ける。医師などの
医療資源の
効率活用あるいは医療経済学的にもそのような流れになるべきだという考え方に基づいている。
この「
クリティカルパス」は、ほぼ適切な考え方というべきであるが、この概念からしても、今回の県の計画では、
刈田病院は
サテライト病院あるいは2次救急も扱う
地域密着型の
リハビリテーションに重点を置いた病院ということになるのではないのか。
風間市長は、「県南に同じような病院が二つあるため、再編ネットワーク化するというのが今回の県の計画である」と答弁した。
これは「
ツインホスピタル」ともとれる発言であるが、既に指摘したように、序列づけられた
機能分担のもとで、「
ツインホスピタル」とは、もはや、かつてのような同等・同質の機能を持つ
双璧病院という意味合いではなく、厳しい言葉をあえて使えば、
センターと
サテライトという序列化だということ。しかも、
刈田病院はもはや基幹的・
中核的病院としての役割は果たせず、そのような医療の質の低下を招いている厳しい現実を自覚すべきではないのか。
そして、この
枠組みそのものについての協議など、今後もあり得ないことは、
厚生労働省、宮城県の明確な見解である。国から予算がついた政策であるため、事態は、
風間市長がどのように考えようと、これからの協議というのは
センターと
サテライトという枠組みの具体化についての協議にしかならないのが現実である。
風間市長は、「5者会談は放棄していない。県などでの話し合いには出席している」と答弁したが、それでは、
大河原町長とはどのように協議しているのか、その
協議組織の
具体的名称と、その協議の要綱の開示を求めます。
この枠組みに関して、
大河原町長との協議の余地などない、そのような協議の場もないのが現実なのではないのか。そうではなく、既に指摘したように、国の予算を受ける前提としては、
刈田病院がこれまでの
中核病院と同等・同質の
ツインホスピタルのような概念ではなく、
中核病院との間での
センターと
サテライトという序列化を受け入れるということなのではないのか。
この重大な
方針転換を
風間市長はなぜ市民に説明しないのか。
風間市長ご自身がかかわったこの県の計画が策定された昨年の10月から今日に至るまで、
刈田病院のこの重大な
方向転換について、
白石市民にどのように説明したのか、お伺いします。
このように、
風間市長の
現状認識が余りにも現実と乖離した中で、
病院経営が従来の枠組みや考え方、計画のまま続けられ、その結果、今年度末に5億5,900万円とされる赤字を補てんするために「
特別繰り入れ」を再び市民に提案し、
白石市民に税金を
繰り入れることをお願いすることはあり得ないのではないのか。
宮城県の
センターと
サテライトという序列化する「
地域医療再生計画」が策定されてもなお、従来の
経営計画の変更を公表せず、市民にも合理的な説明も行わず、昨年度の
構成市町での6億円、今年度の5億5,900万円にも上る巨額の赤字を補てんするために、
特別繰り入れを行おうとすること自体、極めて異常な事態というべきである。
市長の
現状認識が現実と乖離し、考え方も今回の県の計画とここまで大きなずれがはっきりしている中で、
病院再生のための枠組みや理念を明確に提示することもなく、これまでの考え方の大きな変更もないまま巨額な
特別繰り入れを行うことは、もはや許容される域をはるかに超えており、白石市自体の
経営危機、
財政危機にまでその影響が及ぶ極めて深刻な事態だと受けとめるべきではないのか。
特別繰り入れは、本来、よほどの事情と
効率的経営が担保されない限り、入れるべきではないものである。
私が、今回、過去の私の質問に対しての答弁を再度求めるのは、私は
一般質問をするに当たり、必要に応じて宮城県や
関係機関に出向き、事実確認を行い、
関係資料の収集などをもとに質問しており、自分の質問には責任を持っているからである。
それだけに、まずは、
白石市民に対し、白石市の
医療情勢及び
財政事情にかんがみ、現実的かつ抜本的かつ将来を展望した建設的な
刈田病院再生計画のもとに行動していただきたい。そう願うものである。
今回の県の計画は、国から既に予算が確定したものであり、枠組みは決定したものであります。それが
風間白石市長も承認した計画であること。
刈田病院を再生させる
ビジョンであるならば、市長が従来説明してきた
刈田病院のあり方、いわゆる「
ツインホスピタル=二つの
中核的病院」という考え方と整合性がつけられないものである。
この状況で、
特別繰り入れをお願いする
白石市民に、
刈田病院のこの重大な
方向転換について、市民が納得のいく正確な情報の公開と
特別繰り入れを可能とする根拠は何か、
医療行政上の展望は何かについて、説明をきちんとしなければならないのではないのか、市長の所見をお伺いいたします。
5
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
6
◯風間康静市長 おはようございます。
沼倉議員のご質問にお答えを申し上げます。
まず、1点目でございますが、昨年の12月の議会でも答弁させていただきましたが、宮城県の
地域医療推進委員会のことをお話しされているんだというふうに私は思っております。
その中で、今、
再生計画の中であるのが、12月の議会でもお話しさせていただきましたが、
機能分化と
連携強化による
救急医療体制の構築、つまり、
中核病院と
刈田病院との機能の分化を図るとともに連携の強化を図るということが大きく取り上げられているんだろうと。
その中で、7者会談をした上で、今、
中核病院が持つ機能、また、
刈田病院ができる範囲というものを話し合った結果、
中核病院の部分では3次救急を行いたいと。
刈田病院の方は2次救急を行うと同時に回復期、いわば
リハビリテーションも行い、また、腎臓の方の
センターをしたいという旨で、採択になったことであるということを、まず、ご理解をいただきたいと思っています。
県の「
地域医療再生計画」県南版を見ていただいてもわかりますとおり、それぞれが持つ役割を分化して、協力し合って、ここで補完をするという形になっておりますので、どうぞ、もう一度見ていただければありがたいかなと思っております。
2点目の、
特別繰り入れにつきましては、これは
刈田病院改革プランに基づいて、特に
重要課題であります医師の招聘、これにつきまして、東奔西走しまして一生懸命取り組みましたが、結果として、今年度目標でありました29名を達成するのが困難という状況になっています。
昨年10月から12月までの3カ月間、
常勤医師が28人と、計画まであと一歩というところまで来ましたが、そのうち、開業のために2人退職、また、ほかの病院に1人
異動退職という形で、現在、25人の
医師体制となっております。この医師数が医業収入の増減に大きく影響しているということをご理解いただきたいと思っております。
今年度の
刈田病院の予想の実質の赤字額が、
改革プランの計画では4億円を超えてしまい、5億5,900万円と現時点で見込んでおります。
私は、
病院管理者としても、また、
白石市長としても市民の命と健康を守るとりでである
刈田病院をしっかり支える必要があると考えております。
刈田病院をしっかり支えるためには、その姿勢を
東北大学病院、また、地域の住民の方、そして、
刈田病院、働く医師を初めとする職員の方々にも明確に示すために、今年度も
運営費補助を
繰り入れしたいと考えておるところであります。
また、今後の
刈田病院の展望につきましては、医師の招聘が非常に厳しいという現実を踏まえて、現在も行っております
改革プランをもう一度早急に見直すように指示を出しているところであります。
私からは以上でございます。
7
◯佐藤英雄議長 1番
沼倉昭仁議員。
8 ◯1番(
沼倉昭仁議員) やはり、今回、
特別繰り入れが2回目ということでありますので、
刈田病院の
位置づけや
特別繰り入れを可能とする将来展望まで含めたきちんとした根拠は何なのか、それを明らかにすべきだということで質問をさせていただきました。
特別繰り入れは、ただ単に
繰り入れをお願いするだけでは、余りにも思慮がなさ過ぎるのではないのか。病院のこれからはどうするのか。そのために現在何をしなければいけないのか。
特別繰り入れを続けることが、
風間白石市長が考える病院の将来を期すことになるのか。そのために、どうか市民の皆さん、
特別繰り入れをお願いします。その理由はこうですと、はっきりと
病院経営に関する展望のある根拠、理由を説明し、
特別繰り入れの
説明責任を果たさなければ、
白石市民は到底納得しないのではないでしょうか。
まず、今回の
風間白石市長がかかわられた県の計画での
刈田病院の
位置づけについて、市長は、今回の県の計画は
刈田病院のこれまでの
経営計画と矛盾はないと弁明しているように思われますが、
仙南医療圏の
基幹的病院を
中核病院とする今回の県の計画は、これまで市長が言ってこられた、ただいま答弁にもありました
中核病院と同等・同質の
ツインホスピタル構想とは明らかに異なる概念であると言わざるを得ない内容となっております。市長はそのような
ツインホスピタル構想すら変節させて弁明しようとしているように思われますが。
それでは、確認のため、質問をいたします。
市長が言う
ツインホスピタルとは、いつ、どの会議で使われていたものなのか。そして、そのときの
仙南医療圏はどのような状態であったか。その当時、
風間市長は、
白石市長として、
刈田病院のあり方についてどのような発言をしていたのか。資料に基づいて明確にお答えいただきたい。その上で、
風間市長のこれまでの考えや発言と、今回の県の計画がここまでの大きなずれがはっきりしている中で、なぜ、そのようなずれが生じるに至ったのかの説明もないまま、また、
刈田病院の具体的な
再建計画を
白石市議会に提示することもできないまま、昨年度と今年度合計で10億円近くもの
特別繰り入れを行おうとする
風間白石市長のお考えは何なのか、それを明確に示していただきたい。
だれが考えても、これだけの規模の
特別繰り入れを行わなければならない
刈田病院の現状は、白石市自体の
経営危機、
財政危機にも及ぶ非常事態であると認識すべきではないのでしょうか。
市長は、
特別繰り入れを行うことで、
白石市長として、病院の将来をどのように描いているのか。しかも、それは多くの
白石市民を説得できるものなのか。どのような根拠に基づいて
特別繰り入れを行おうとするのか、もう一度、答弁をお願いします。
9
◯佐藤英雄議長 傍聴の皆さんに申し上げます。携帯の電源が入っている方は、確認して電源をお切りになるか、
マナーモードにお願いしたいと思います。
風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
10
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
先ほどもお話しさせていただきましたが、白石市として、しっかりと今の
刈田病院を守るということを示さなければ、やはり、
東北大学病院からの医師の派遣、また、看護師の増員というのは難しくなってくるだろうと。さらには、一番大切なのが市民の
安全安心、病気をしっかりと担保するということをするために、今回もお願いしたいと思っておるところであります。
それと、先ほど来の
ツインホスピタルの件でございますが、これは
ツインホスピタルという言葉が出てきたのが、まだ5者会談をやっているときのことだと思います。
東北大学の伊藤教授の言葉の中で出てきた言葉で、両方の病院が両方とも補完できる。当時の部分では、300床、300床の病院というのは
仙南地域には多いんじゃないかという発想。それと、両方の病院がつくってから4年くらいしかたっていない。それに新たな500床の病院をつくるということは、これはどう考えても不可能であるということで、
中核病院と
刈田病院で、両方で一つの病院という感覚があるのが
ツインホスピタルと聞いております。
その中で、出てきたのが、それぞれの
機能分化、連携をしていきましょうということでございます。事実、そのときに決まったことが、20年後、30年後に財政的にも一緒にしようという部分だけが当時は決定事項として出てきたことでございます。以上でございます。
11
◯佐藤英雄議長 1番
沼倉昭仁議員。
12 ◯1番(
沼倉昭仁議員) 今のご答弁では、市民には到底わかりません。これでは先が見えないのに、なぜ、これだけ多額の資金を投入するのかということになります。政策というのは、具体性に裏づけされたものでなければならない。
刈田病院改革プランに見直しをかけているということだけでは、
特別繰り入れを可能とする根拠にはなり得ないし、市民の理解も得られない。これでは先が見えないのに、どうして多額の資金を投入するのかということになります。
また、今ご答弁にありました
ツインホスピタル構想、これはただいまの5者会談、平成17年12月設置、
仙南地域医療体制検討部会、これに
風間市長が
白石市長として、今ご答弁にありましたように出席されておりましたが、
ツインホスピタル構想とは、かつて
刈田病院と
中核病院が統合すべきとの「
マグネットホスピタル構想」が出た際の、それに対抗する概念として打ち出された、一つの医療圏に同等・同質の
基幹的病院が存在してもいいのではないかという考え方だったはずです。したがって、
ツインホスピタル構想とは、
刈田病院と
中核病院とが同等・同質であるというのが基本です。
風間市長の答弁にあるように、今回の県の計画で示された
中核病院が3次救急を担い、
刈田病院が2次救急までしか担わないという序列のついた構想ではもともとありません。その
ツインホスピタル構想すら変節させた
風間白石市長の根拠と理由をはっきり示していただきたい。
ツインホスピタルの概念は、つまり、今回の県の計画を誤って認識されているのではないでしょうか。繰り返しになりますが、今回の県の計画は、
風間市長が考えるような、同じような二つの病院、
ツインホスピタルではなく、
刈田病院は、
サテライト病院あるいは2次救急も扱う
地域密着型の
リハビリテーションに重点を置いた
支援病院ということになるのではないでしょうか。
そのために
風間市長が考える
刈田病院独自の
起死回生プランが現実には存在しない中で、
刈田病院の再生策とは、今回の県の計画で示された
中核病院との間での
センターと
サテライトの序列化を受け入れるということがより現実的なものではないでしょうか。これが
刈田病院を再生させる残された具体的な
ビジョンではないのか。これが
特別繰り入れを可能とする根拠ではないのか。
風間市長も
白石市長として承認された計画ではないのですか。
なぜ、
白石市民にこれが
刈田病院の
ビジョンだということをみずから公表しようとしないのか。
風間市長が承認したにもかかわらず、そうした
病院機能の改変や病院の
経営規模の見直しを公表しないまま
特別繰り入れを提示することは、市長による意図的な不作為、さらには、市民に赤字補てんのツケを回す背任行為以外の何物でもない。
私が一番言いたいのは、結果責任ということ。それは何か。
ツインホスピタルのような言葉で真実を覆い隠すようなことがあってはならないのではないでしょうか。ここに至る、
風間白石市長の責任は非常に重いと考えます。市民に不利益が及ばないようにするということ。
刈田病院に対する市民の意向、意見、そういうものを本当に考慮していくのかどうか。
説明責任、結果を示すためにどのように行動しようとしているのか。それができなければどのような責任のとり方をするのか。それを決意的に述べていただきたい。
13
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
14
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
地域医療再生計画の中にも、県のうたってありますとおり、宮城県の
地域医療再生にとってまず必要なことは何か、
医師不足及び偏在の処方せんであるということがまずうたわれています。
特に、
仙南地域におきましては、県内の
初期救急医療体制が整備されていないため、両病院がそれぞれ、両病院というのは
刈田病院と
中核病院です。それぞれ初期及び2次救急を担っており、勤務医の疲弊を招いております。このような
仙南地域の再生を図るため、一方の病院に
救命救急センターを設置し3次救急を確保するとともに、他方の病院は2次救急の役割を担いながら回復期、
リハビリを担うと、機能を分担していくというふうに書かれてあります。
これは、とりもなおさず、
救急医療体制の完結を
仙南医療圏内で再生をしようというふうに県の方で考えているところであります。それには、
ツインホスピタル、つまり、両方の病院が必要であるということなんです。序列化はどこにも書いてありません。まず、その認識を逆に改めていただきたいなというふうに思っています。
県として、
ツインホスピタルの中での両病院の必要性、また、
機能分化が必要であるというふうに説きながら、一番最初に申しました会議の中で、
仙南医療圏に国からちょうだいするお金を入れるというふうになっている。
刈田病院の中の方向を転換しているわけではないんです。
改革プランの中にも、回復期、
リハビリを行う計画もあります。
腎センターの部分もあります。それを踏まえた上で、両方の病院が補完し合って、仙南の1,500平方キロメートルを、また、4市9町という大きな枠組みも視野に入れながらの、この
地域医療再生計画であります。それをまずはご理解いただきたいというふうに思っております。
さらに、先ほど来から申しておりますが、市長として、市民の健康、
安全安心を守るのは当たり前のことである。そのために、
刈田病院を支えていくという、しっかりと支えていくということをお願いして、皆さん方に今回も、まだ提出しておりませんが、赤字の補てんをお願いしようとするものであるということをご理解いただきたいと思っております。私からは以上です。
15
◯佐藤英雄議長 次に、4番
吉田貞子議員。
〔4番
吉田貞子議員登壇〕
16 ◯4番(
吉田貞子議員) これまでも、当市は、子供を大切にする施策展開や男女共同参画社会推進条例の策定などにより、先進的な取り組みをなされていることに敬意を表しながら、子供を大切にする施策展開について、質問いたします。
この2月10日、石巻市において、配偶者やパートナーとの間の暴力、いわゆるドメスティックバイオレンスによる殺人事件が起きました。とても残念なことであり、この状況のもと子供が育てられているという現状に危惧を抱かざるを得ません。そして、ドメスティックバイオレンスによるこのような事件や被害はどこにでも起き得る状況にあること、行政の女性及び子供への支援のあり方の再検討が必要であると考え、質問いたします。
まず、子供を取り巻く社会的状況について、若干述べさせていただきます。
ドメスティックバイオレンス、DV被害ですが、昨年3月に内閣府が発表した男女間暴力に関する結果では、女性の24.9%、4人に1人が身体的暴力を受けています。命の危険を感じることがあった人は、女性の4.4%で、20人に1人が生命の危険を感じるほどの暴力を体験したことになります。
一昨年度の警察の統計では、夫が妻を殺した事件が107件と3日に1件の割合、妻が夫を殺した事件が86件、4日に1件の割合で夫婦間の殺人事件が全国で起きています。2人の間に子供がいれば、重度のトラウマを持つことはほぼ間違いありません。このような間の子供が加害男性を殺害する事件も起きています。夫から虐待を受けている女性が子供を虐待する確率に至っては、そうでない女性に比べ2倍となっているとの調査結果もあります。
また、先ほどの内閣府調査では、異性から無理やり性交された経験を持つ女性は14人に1人の確率で、その相手は配偶者や元配偶者が35.5%、職場やアルバイト先の関係者が25.8%、親兄弟が7.6%で、被害時期が中学生以下である割合は2割にも達しております。
一方、子供たちの育ちの現状ですが、大人中心の社会の中で、子供の存在や子を育てるということが相対的に軽視されている状況が見えてきています。親自身も子育てしにくくなっている。子供へのさまざまな権利侵害がふえている。子供の立場で成長発達を考える方々が減少しつつあります。
ある自治体の調査で、この5年間において、小中学生で、「自分のことが好きだ」または「自分は人から必要とされている」という割合が、8割から5割へと大きく激減しています。このような子供の自己肯定感が失われて不安感が大きくなっているのに、一緒にいて安心する人や困ったときに助けてくれる人として、友人や学校の先生、父親などの割合が激減し、母親のみが変わらず約7割と、母親へのみの負担が高まっている傾向が見えています。
また、ひとり親や小家族が増加しており、若い方々のワーキングプアや非正規労働などの雇用不安など、加えてひとり親世帯の増加とともに、母子家庭の貧困化は顕著で、平成18年の年収平均213万円と、母子家庭は一般世帯の4割の年収で生活しており、親が生活していくこと自体の不安が高まっています。子は基本的に親が育てることはもちろんのことではありますが、このような社会状況の中で、これまでとは違った子の育ちを行政が支援する必要性があると考えます。
そこでお尋ねいたしますが、このような全国的な傾向を踏まえ、当市の子供の育ちの現状をどのように把握しておられるでしょうか。所見を伺います。
子供を育てる環境の変化、ひとり親(母子家庭・父子家庭)の数、若い家庭の貧困化傾向、母子家庭の貧困化傾向、児童虐待の傾向、育児放棄、いわゆるネグレクト、また、児童虐待の緊急一時保護の状況、母子の相談内容、多様化する保育ニーズの把握など、どのような調査をしておられるか、その内容をお示しいただきながら、安心して子育てできる環境整備のために何が必要とされると考えておられるか、見解を伺います。
次に、このような状況を踏まえ、市のひとり親家庭への支援メニュー、児童虐待やネグレクトへの市の対応状況、保育ニーズで、どこが不足しており、どこへのてこ入れがこれらの課題について必要と考えるか、見解を伺います。
3点目に、子供支援の総合的施策展開についてお尋ねいたします。
子供は、大人と違って、直接社会へ自分の現状を訴えるすべを持っておりません。そのため、より被害が潜在化し、悲劇的な状況を生んでいます。当市でも、電気も通らない部屋で何日も食事も食べずに、また、1日給食1食のみで過ごしていた例も見聞きしております。子供を社会で支えるという自治体の決意が今こそ必要な時期に来ていると考えます。
当市の次世代育成支援行動計画にも基本理念として、「安心して子育てできるまちづくり」、「共に支えあう地域づくり」、「夢や希望のもてる次代の親づくり」が掲げられ、平成17年度から本年度までの前期年度が終了し、本年度は見直しがなされ、平成22年度から平成26年度までの後期計画が来年度から施策展開されますが、前期年度の行動計画をどのように総括なされ、次年度行動計画にどのように反映されているか、お尋ねいたします。
また、このような理念が、絵にかいたもちにならずに、一人一人の子や親に寄り添う支援となるために、子供支援のPDCAサイクル、子供支援の総合的な視点、情報の届きにくい方々への方策、ニーズ多様化への担保、市民支援の育成・創出・連携が必要と考えますが、所見を伺います。
4点目に、大人の抱える問題が子供へとつながることから、女性に対する暴力を根絶する施策展開について、お伺いいたします。
当市におけるドメスティックバイオレンスの被害の状況をどのように把握なされておられるでしょうか。DV法では、市基本計画の策定が必要とされておりますが、計画策定を検討される意向はありませんか。お尋ねいたします。
また、緊急一時保護のみならず、DV被害者自立支援事業の検討のお考えはないでしょうか、お尋ねいたします。
最後に、予防教育の実施について見解を伺います。
さきに述べた石巻市の事件でも、殺傷事件に至るまで、交際していた2人は1年以上にわたり保護施設に避難するなどしながらも、交際と別れを繰り返しております。これはDVの典型的な例と見受けられます。逃げられない、離れられないのが不思議と感じるかもしれませんが、恥ずかしいこと、親の顔をつぶすといった世間の目や、別れたくても被害が怖くて言い出せない、周囲へ、また家族への被害の心配など、加害者への恐怖、暴力後に泣いて謝られて、暴力はなくなるのではないかと信じるなど、加えて子供がいれば、子供の父親を窮地に追い込みたくないなど、さまざまな問題により、女性自身の心身状態が不安定に陥っているのが現状であります。そして、被害者は自分が悪いのだと思ってしまうことも典型です。加害者の男性が、世間的には几帳面だったり、優しかったり、まじめだったりしています。妻やパートナーにのみ暴力を振るっているのが典型です。暴力を振るうのは、病的なことではなく、相手を操るために暴力を選択しているというのがこのDVの定説であり、被害者がこの加害者の暴力を直せるような種類のものではないということです。
そこで、被害者や家族の命の安全を確保するには、被害者に「あなたは悪くない。悪いのは暴力を振るう夫である。どんな暴力も悪い」ということを伝え、支援していくことが一番大事なことだそうです。
そこで、このような命の危険を感じる前に予防することが必要で、これには早い段階から、暴力とは何か、自分の体は自分のものといった、暴力加害者にも被害者にもならないための予防教育をすることが大切だと考えますが、このような取り組みに対する所見を伺います。
17
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
18
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
まず、1点目の子供の育ちに係る現状把握でございますが、一般的に、子供の精神的、また、身体的成長は早まっているなというふうには感じております。一方、気になる点としては、食において、アレルギー体質を持った子供が増加している。成長過程でのつまずきのある子も増加をしている。これは、議員がお話ししたとおり、核家族の進展によって、祖父母、高齢者とのつながりが希薄化したことや、また親中心の生活リズムになって、家庭生活での愛情とゆとりを持った一家団らんという時間が減少してきたことに起因しているのではないかなと思っています。
また、少子化によりまして幼児期における兄弟から学ぶ体験機会が減少したこと。さらには、室内でのゲーム機を使った一人遊びによって屋外での集団遊びが減ってきていること。加えて、また、現在の子育て中の若い世代が核家族及び少子化の中で育った第1世代、第2世代になりつつある点が挙げられるのではないかなと思っています。
したがいまして、こうした子育ての環境変化というのは、現在の景気低迷による不安定な就職状況下のもとにあっては、今や、子育てというのは、個人事ではなくて、地域全体で取り組むべき重要事項であると認識をしております。
2点目のひとり親家庭につきましてですが、昨年実施した次世代育成支援行動計画策定のための市民アンケートの調査結果では、就学前の児童の6.4%、また、小学生の10.2%がひとり親世帯との報告を受けております。これは全世帯の調査ではございませんので、実数となると多少の相違はあると思いますが、いずれにいたしましても、ひとり親世帯は増加傾向にあると認識をしております。
また、児童への暴力、虐待につきましては、福祉事務所が、現在、直接の対応窓口となっております。また、近隣者、保育園、幼稚園、あるいは病院等との連携によりまして、当該児童の安全確保を行っているところであります。
具体的対応としては、相談・通告等があった場合は、担当者及び家庭相談員、保健師等が直接訪問し指導する。また、状況によっては、宮城県の
中央児童相談所での一時保護等を行っているところであります。
また、全体的な対策に当たっては、県の児童相談所、白石警察署、市内小中学校長、自治会長、民生児童委員ほか関係各課で構成する市の子供ネットワーク連絡協議会を設置しまして、情報交換と対策を協議しているところであります。
ひとり親世帯への支援としては、従来より、児童扶養手当等の経済支援を行っているところでありますが、またあわせて、虐待が危惧される場合は、育児ストレス等の軽減を図る観点から、保育園への優先的入園措置を講じるなど対策を現在行っておるところであります。
子供支援の総合的施策の展開につきましては、子供・親・地域、みんなが育ち合うまちづくりを基本理念とした諸施策を展開しております。
具体的には、平成17年度から21年度までの5カ年間の白石市次世代育成支援行動計画を策定し、総合的施策を実施してきているところであります。これまで、庁内関係各課12課にわたる75の事業に及ぶ子育て支援策を展開してきているところであります。
21年度で前期の計画が終了することから、必要な検証と国の示す指針に基づき、本市を取り巻く情勢の変化、及びアンケート調査結果で住民ニーズを踏まえ、現在、先ほど、議員の方からありました、22年度から26年度までの後期行動計画を策定作業中であります。間もなく作業完了との運びとなりますが、後期行動計画においては、関係各課12課は前期と同様でありますが、支援事業は88の事業に拡大しております。あわせて、また、新たに母子保健に係る項目を盛り込むなど、実施事業の充実を目指す内容となっております。
今後、5年間、この後期行動計画に基づいて、次世代を担う子供すべての子育て家庭への総合的支援を引き続き実施してまいりたいと思っております。
4点目のDV根絶の施策展開でありますが、男女共同参画支援の一つであるDV対策といたしましては、現在、ふれあいプラザ内に相談員を配置し、随時、相談業務を行っております。過去4年間の相談実績件数は1,098件、そのうち、DVに関する相談が351件に上って、全相談件数の32%となっております。もちろん、相談者は総じて複数回の相談となることから、回数が事案発生件数ではございませんが、いずれにしても、非常に気にかかる事案であります。
また、相談内容により、緊急を要する場合は、一時避難措置を想定しておりますが、福祉事務所、白石警察署、そして、宮城県女性相談
センターとの連携の中で、現在、対応しております。
また、相談者にあっては、もちろん若い世代もありますが、長い間にわたって夫の暴力に耐えてきた中高年齢層の事例もあり、非常に憂慮すべき点であると考えております。
この種の大きな問題点の一つとしては、当事者が、先ほど、議員もお話ししたとおり、DV被害であるという認識を持っていただかないことなんです。また、家庭内の秘密事項として第三者に隠そうとする意識が働いて、これが一層暴力にエスカレートしている点が問題点であると認識しております。さらなる問題点としては、その被害者が、加害者が、親から子供に継承される傾向が強い点が挙げられます。
その被害根絶のためには、男女共同参画社会推進の理念を啓発するとともに、個々の人格を尊重する啓発事業が重要であり、かつまた、幼児期からの取り組みも十分配慮すべき事項であると認識をしております。以上です。
19
◯佐藤英雄議長 武田教育長。
〔武田政春教育長登壇〕
20 ◯武田政春教育長 先ほど議員の方から予防教育ということが出ましたので、お答え申し上げたいというふうに思います。
石巻市の事件は、今議員がおっしゃられるとおり、本当に悲惨なもので、被害に遭ったお一人には高校在学中ということで、これからも本当に希望あふれるところでの惨劇ということだったのかなというふうに思っております。
DVの加害者、先ほどから議員もおっしゃっておられたように、まさにその原因の大きなものとして、いろいろと調べてみると、幼児期に暴力を振るわれた、あるいは自分の父親が母親に暴力を振るっていることをその場で見ていることが多かったとか、そういう時期を過ぎてきた方が加害者になっていることが非常に多い。これは事例として出ているところであります。
また、実際に市内で起こった児童虐待の中で、聞き取りをした中で、親から実は自分もそうされてきたというような報告も出ているところであります。
ただ、予防教育ということは、非常に難しい部分がやはりあるのかなと思っています、予防教育、狭く考えるとですね。やはり、もっと広く考えていくことが大事なのかというふうに思っています。先ほど市長からも答弁ありましたけれども、まさに幼児期、小学校で言えば道徳教育とかを中心とした学校教育全般においての心の教育を重視しながら、本当に長期にわたって教育というもので対応していかざるを得ないのかなというふうに思っております。
基本的には、個々の、一人一人の子供たちが自立をしていく。思いやりとかを持ちながら自立をしていく。そういった心を育てることが大事なんだろうというふうに思っておりますし、もう1点は、やはり、コミュニケーション、言葉で相手にものを伝えることも大事だということがあるのかな、言葉でものを伝えられないときに暴力ということが出てくるのかなというふうに思っていますので、そういった点も非常に大事にしていかなければいけないというふうに思っています。
先ほど申しましたように、これまでも市内小学校等でも虐待が認められて、県の児童相談所等に緊急避難、緊急同行してもらった例も数件ございます。そういった面からも、教育委員会としては、児童虐待等に関する早期発見にも力を入れていかなければいけないというふうに思っていますし、と同時に、先ほど申しましたように、心の教育に今後とも力を注ぎながらやってまいりたいというふうに思っております。以上でございます。
21
◯佐藤英雄議長 4番
吉田貞子議員。
22 ◯4番(
吉田貞子議員) 当市の状況もなかなか厳しい状況であることも見聞きし、また、ただいまの答弁でもそのようなことが予測されていることに危惧を感じるんですが。やはり、私が例えば子供のころですと、おじいちゃん、おばあちゃん、そして、地域でいろいろな行事があって、みんなで参加して、その中で自分が地域から育てられるというか、そういったものも非常に強かったんですが。今現在、非常にそういったものが希薄になっている現状ということで、全国的にもそのニーズというか、変わってきているものに対応するというようなことで、県も今考えていられるようですが、子供条例の策定などが進んでいると聞きます。
次世代育成支援行動計画を一歩進めて、子供条例ということで、すべてを縦の課の中ではなくて、横のつながりをもって、子供を支援するような体系をつくるためにも、子供条例などの策定のお考えはないか、まず1点お尋ねいたします。
それと、ただいま白石市は、国でやっておりましたいきいきプランを継続して、当市でも独自にいきいきプランを継続しておりますが、本当に子供たちの、障害を持った子や多動の子とか、そういった子らの補助教員ということでおりますが、現在、4時間くらいで、行政の臨時職員募集登録から配置されているとお聞きしております。こういった方々を6時間なり8時間なりしっかり配置して、きめ細やかな、学校の場でも教員補助としての募集をしっかりして、より、そういう支援を拡大配置していくべきとも考えますが、そういったことが学校でもきめ細やかな予防教育の一環となるとも考えますが、2点目に、その拡大の考えはないか、お尋ねいたします。
23
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
24
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
今、議員がお話ししたとおり、我々が本当に生活したときは、隣のおじちゃん、おばちゃんにもいろいろなことを教わり、また、しかられもして育ってきたというのが現状だろうなと。
ただ、現実の今の世の中で、それが、さあ、通じるだろうかと思ったときには、すべてが100%それではない。そこにあるのが、先ほど来から議員もお話ししている、地域間の顔の見えないつながりというものが大きくなってきている。それと、逆に言うと、あれはどこかのクラブの標識にあったように、「しかってくれてありがとう」という精神がだんだん薄くなっているのではないかなというふうに私自身も思っております。
それですから、やはり、子育てというのは、個人だけではなくて、地域も何とか巻き込んで、みんなで顔が見えることができないかなというふうには、現在も思って計画をしているところであります。
子供条例の件、これは当然いろいろな面で検討しながら、今後も検討していきたいというふうには私自身は思っております。以上です。
25
◯佐藤英雄議長 武田教育長。
〔武田政春教育長登壇〕
26 ◯武田政春教育長 今、いきいきプランのことについてのお尋ねがありました。
予防教育の一環という形でもう少し時間をふやしたらいいんじゃないかというふうなことのお尋ねだと思いますけれども、今のところは1日4時間ということで7名、幼稚園を入れると9名になりますけれども、市内に入れているところであります。現在のところは4時間というところでやっておりますけれども、時間的には、4時間のところで私はある程度やれるんだろうというふうに思っていますけれども、今後、活動について検討を加えていければというふうに思っているところでございます。以上でございます。
27
◯佐藤英雄議長 4番
吉田貞子議員。
28 ◯4番(
吉田貞子議員) 先ほど、予防教育の中で、心の教育の中、また、自立やコミュニケーションということを大切にして心の教育を進めていきたいというような話がありましたが、私も、児童虐待やDVにかかわって、そういった民間のNPO等、活動なさっている方の、白石市でもキャップネット等の講演などもあったりもしておりますけれども、実際受けてみますと、自立やコミュニケーションという一方で、本当に自分の命を大切にする、そして、暴力はいけないというようなことの中身というのは非常に特殊な部分もありまして、これはいわゆる心の教育でできることではなくて、しっかり、暴力がいけないということ、自分の命を大切にするという教育が一つの枠組みの中で必要になってくると非常に感じています。
受けてみると、これも暴力だったのか、そういったことが、今、デートDVの方も非常にふえておりますけれども、子供の時点でわかることが非常に大きいと思います。そして、実際、そういった民間の方のこういう講習の中で、非常に反響がよくて、親もはっとさせられて、そこから被害が減少しているというところも見えてきております。
この点において、教育課程の一つぐらいに考えて、道徳の中で必ず一回は市としてはそういった教育をするような検討も必要ではないかと考えますが、いかがお考えか、お尋ねいたします。
29
◯佐藤英雄議長 武田教育長。
〔武田政春教育長登壇〕
30 ◯武田政春教育長 今、議員おっしゃられたとおり、DVに関しての暴力とかというものは、実は本当に深刻だと思っております。単なる、先ほど言ったような自立とかコミュニケーションだけではやっぱり解決できない。あるいは、学校の授業とか、そういった中でも、なかなかそれだけでは解決できるものでもない。本当に命というものに恐怖感を持って転校をしてくる子供もいます。逆もあります。これは国の方で特別措置をとって、通常の通知等を行わないで、学校を通さないで、教育委員会同士での措置でもって行っているようなところがあります。それだけ深刻な部分だと思っております。
先ほどのお話ですけれども、命とか暴力とかについては、先ほど、お話ちょっとしましたけれども、道徳教育等において、例えば小学校において、生命、中には、近くにいる妊婦の方、保護者の方に入ってもらって、授業で、そして、間もなく臨月に近い方に来てもらって、子供たちにおなかにさわって赤ちゃんの様子を感じさせるとか、そういった具体的な部分で命というものを感じさせるような、そういった授業を行っているところもあります。
ただ、これはタイミングもあるものですから、いつでも間もなく生まれる方がいるわけじゃありませんので、そうはいかないですけれども。そのようにして、各学校で、やはり、命というものを子供たちに実感として感じるような教育を行うということをやっているところであります。
今、議員言われたように、この辺について、白石の教育の私は一つの大きな柱になっているというふうに思っていますし、来年度以降もその辺、力を入れながらやっていきたいというふうに思っています。
31
◯佐藤英雄議長 次に、9番佐久間儀郎議員。
〔9番佐久間儀郎議員登壇〕
32 ◯9番(佐久間儀郎議員) 通告書に従いまして、私から3項目についてご質問をいたします。
最初に、地上デジタル放送への対応についてお尋ねをいたします。
平成23年7月24日をもって、現在のアナログ放送から地上デジタル放送へ全面移行し、アナログ放送は見られなくなります。映りは悪いが、それでもある程度見えるというようなことがアナログ放送の場合はありますが、デジタル放送では映らない場合は全く映らないと言います。NHKを中心に盛んに広報活動が行われてきましたので、これは周知の事実だと思っております。
このデジタル化の対応につきましては、基本的には国の施策でございます。国が解決すべき問題だと承知をしておりますが、市内には、現在でもテレビ難視聴地域、地区があり、アナログ波が停止になったとき、かなりの数の家庭でテレビ放送が視聴できなくなるのではないかと危惧をいたしております。
現に、第384回定例会の予算審査特別委員会での質疑において、市当局からは、デジタル用テレビを買ったが映らないといった家庭からの声が寄せられている、また、東北総合通信局を通じて、本市にも難視聴の地区があるといった調査情報を得ている旨、ご答弁がなされております。そして、行政としては、住民のために難視聴の解消に努力することを示唆されておりました。
地デジ対応の時間的余裕が狭まっている現下、行政は引き続き総務省、NHKなどと連携して調査と対策を検討されているのかと思いますが、現在、どの程度まで進展をしているものなのか、難視聴地域、地区への支援の現況をお伺いいたします。
次に、児童生徒のいじめ等(問題行動)の現状と対策についてお尋ねをいたします。
平成20年度に全国の国公私立の小中高校に対して行った文部科学省の問題行動調査結果について、昨年12月1日に紙上において報道がございました。小中高校が把握した学校内外の暴力行為は、3年連続でふえ、過去最多の5万9,618件になったこと。特に中学校においては約6,000件ふえ、全体の72%を占めたそうです。
文部科学省では、暴力行為がふえた理由として、一つ、規範意識の低下、二つ、感情を制御できない、三つ、コミュニケーション能力不足などと分析をしているようであります。
他方、特別支援学校も加えたいじめの把握数は8万4,648件、これは前年度よりも約16%、1万6,449件減ったというものでございますが、それでも依然として多くの学校でいじめがあったことに驚きますし、沈痛な思いを覚えます。
いじめが確認された頻度でいくと、1,000人当たりの認知件数は、全国平均が6.0件のところ、東北地区は7.1件で全国を上回り、このための十分な対策が求められております。
加害者、被害者ともに将来の社会を背負う若者たちでございます。決して、見逃すことのできない深刻な問題と言わざるを得ません。そこで、以下の諸点をお伺いいたします。
第1点として、本市における児童生徒の問題行動の現状です。事の性質上、一般的に表にはあらわれてこない分野、案件ですが、本市でも暴力行為、いじめは全くないとは思えません。白石市いじめ問題等対策室を中心に、いじめ(問題行動)の早期発見・早期対応に努め、児童生徒の支援活動を推進しているものと考えております。したがって、教育委員会では実態を把握されていると思いますので、その現状についてご説明をお願いいたします。
次に、第2点として、教育委員会では、実態調査の結果を把握して、何らかの対策は打ち出されているものと想像しますので、その効果をどのように評価されているか、お示しいただきたいと思います。
第3点、文部科学省は、教職員が一体となって問題行動を早期発見して、暴力行為には警察などと連携して毅然とした対応をとるよう県教育委員会に通知したようでございます。間接ではありますが、本市ではこの指示をどのように受けとめていらっしゃるのか。以上、お答えをいただきたい。
最後に、学校支援ボランティアについて、質問します。
本市の教育において、いわゆる学校支援ボランティアの意義、教育振興等における
位置づけ、活用を伺います。
白石学校支援ボランティア制度の内容、運用状況など、以下の諸点についてお知らせをいただきたいと思います。
1、募集の方法。2、報酬の有無。3、損害保険加入の有無。4、不審者との区別、混同を回避するための処置。5、活動の実際。6、支援ボランティア制度の効果。
また、制度と学校支援地域本部事業とのかかわりはどのようなものでしょうか、これもあわせてお伺いをいたします。
33
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
34
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
まず、地上デジタル放送の対応について、お答えいたします。
テレビというのは、本当に現代社会におきまして欠かせないものになってきております。スムーズに地上デジタル放送へ完全に移行できるように問題解決のために、現在、対策を行っていく必要があると考えております。
これまでも、市広報紙等による啓発、また、説明会の開催、また、越河地区、小原地区への中継局の建設、また、松ケ丘地区、城南地区の共聴施設のデジタル化改修のため、地元と国などへの連絡調整や、また、生活弱者世帯へのチューナーの配布の申請受け付けなどを実施してきたところであります。
さて、それでは本市の難視聴世帯というのはどのくらいあるのか。総務省の発表では10地区、96世帯と見込まれております。一部地区においては、現在、市がパイプ役となりまして、関係住民、また、国、放送事業者とで、難視聴解消のための対策の手法、対策時期等を協議中であります。残りの地区につきましても、早急に国などを交えまして、地元説明会を実施していきたいと考えております。
また、新たに難視聴地区が発生することも考えられます。今後も引き続きまして、国及び放送事業者との連絡調整、地元説明会の開催の調整、地元への情報提供に努めるとともに、受信に関する相談の窓口になっていきたいと考えております。さらに、難視聴地区で国の補助事業により、共同受信施設を整備する場合、補助申請、事業の完了まで、市が事務手続をサポートしてまいりたいと考えております。
なお、先ほど議員がお話ししたとおり、地上デジタル化というのは国策でありますので、難視聴対策は基本的に国や放送事業者において進められるべきものでありますことから、市長会を通じて、国及び放送事業者の責任で条件不利地域、難視聴地域に対する十分な情報提供と整備対応を図るよう、強く現在要望しているところであります。今後も引き続きまして、市民の利便性を考慮しながら、国や放送事業者にさまざまな働きかけをしてまいりたいと考えております。
2点目、3点目は、教育長より答弁いたさせます。
35
◯佐藤英雄議長 武田教育長。
〔武田政春教育長登壇〕
36 ◯武田政春教育長 それでは、児童生徒のいじめ等の現状と対策についてのご質問ですけれども、まず最初に、本市における問題行動の現状についてお話を申し上げたいというふうに思っております。
現在、教育委員会に各学校から報告されている件数、毎月、細かなところまで出していただいていますけれども、小学校で23件、中学校から27件、合わせて50件ございます。
小学校では、上履きや運動着などの隠しのいたずら、あるいは友達を中傷する落書き、自転車での接触事故、万引き等が起こっておりますが、これらについては、小学校については、発覚時点で指導等を加えながら、現在落ち着いている状況にございます。
中学校においては、報告の3分の2については、茶髪、ピアス、あるいは丈の短いスカートといった問題であります。これらについてはほぼ同じ子供たちが毎月同じ形で報告があるという形で継続指導中ということであります。残りの3分の1が、喫煙、金銭盗難あるいは暴力行為、万引き等がございます。これらについては、警察等の
関係機関と連携を深めながら対策を講じているといったところであります。
2点目のいじめについてですけれども、いじめの件数については、21年4月から22年1月まで、小学校から2件、中学校から5件の報告が入っております。冷やかし、仲間外れ、あるいは暴力、金銭の強要といったものが入っておりますが、保護者からの連絡あるいは養護教諭等からの情報提供で事態を把握したものでありますけれども、いずれも早期の生徒指導あるいは家庭との連携を行って学校内で解決しており、11月以降は報告がない状況であります。
なお、この2点目のいじめについて、中学生においては、中学生自身によるPSC活動を主体として、いじめ撲滅運動を子供たち自身が行っております。数年前からPSCが主体となっていじめ撲滅キャンペーンという形で集会等も行っていましたけれども、今年度に関しては、例の新型インフルエンザがちょうど11月、大発生いたしましたので、それについては中止をしたところであります。
また、校長会を初め生徒指導担当者会議等で現状の分析・対応を行っておりますし、学校で組織する生徒指導問題対策会議において事例を出しながら、具体的に各学校での対応・対策に当たっているところであります。
また、市内全体として、高校も含めて学校警察連絡協議会という会がありますけれども、こことの連携を図って、情報あるいは対応の共有化を図り、生徒指導、特にいじめについての撲滅を図っていこうとしているところであります。
なお、3点目の暴力行為等に対しての対応のご質問ですけれども、このような事犯、暴力行為等が出た場合は、白石警察署と連携をとって、必ず被害届を出すように指示をしております。被害届を出して、
関係機関等への通告を行うということを行っております。けんかとかですとまた別ですけれども、もうちょっと大きな暴力事件の場合ですね。現在も、市内で、家庭裁判所等において試験観察という形で継続して観察を受けているという生徒も実際にいるところであります。
なお、今後とも、暴力行為等に及んだ児童生徒には毅然とした態度で臨むように各学校に改めて指示をするとともに、学校における心の教育の一層の充実を図って、心身ともに健康な児童生徒の育成に今後とも取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。
大きな2点目の学校支援ボランティアについてであります。幾つかのご質問点がありましたので、それにお答えしていきたいと思います。
1点目の募集方法ですけれども、これについては各学校単位で募集を行っているところであります。
2点目の報酬ですが、ボランティアですので、報酬がありません。ただ、無償で行ってもらっていることが実は各学校の子供たちにとって非常にありがたいですし、非常に勉強になっているんだろうなというふうに思っています。おじいさんたちが朝早く、子供たちの通学のために寒い中立っていただいているということについては、子供たちがあいさつをしながら非常に感謝申し上げていますけれども、教師がいろいろな面で指導をするときにそのことが非常に大きいなというふうに思っているところであります。
3点目、損害保険加入の有無ですけれども、ボランティアの方には一般会計予算からボランティア保険を掛けているところであります。
4点目、不審者との区別をするための処置でありますが、学校によって若干違います。登下校のパトロール等については、よく見かけるところでありますけれども、ベストあるいは帽子、ジャンパー等を着用しておりますし、車ではパトロール中といったマグネット式のステッカーを張っているところであります。
なお、学校内でのいろいろなご支援をいただく場合には、こういった名札を常備しております。学校によって、各個人に説明会のときにお渡ししている場合と、学校の入り口に置いておいて、来たときにそれをつけて入るという形、自分の名前をつけて入るというような、いろいろな形があると思いますけれども、そのような形で、不審者との区別を行っているといったところであります。
5点目ですけれども、活動の実態ですが、今申し上げましたように、スクールパトロール、あるいは校外学習引率補助、農業体験の手伝い、あるいは図書の整理等多々あります。スキー、登山等の引率の補助等も行ってもらっているところであります。
六つ目の効果でありますが、活動の実態の中でお話ししましたけれども、教師だけでは手が足りない授業における補助も行ってもらっておりますし、校外活動でのボランティアの協力によって、その校外活動がより安全に行うことができる。あるいはプール活動での補助等、
安全安心というところで非常に大きな貢献をしていただいているというふうに思っております。
なお、学校支援地域本部事業とのかかわりでありますけれども、今までの学校における学校支援ボランティアというのは、各学校単位で行っておりますが、学校支援地域本部事業は、ある地域、今回は福岡地区ですので福岡中学校、福岡小学校、深谷小学校、この3校において登録をしていただいて、このコーディネートをコーディネーターが行う。今までは、それをすべて教頭あるいは教務主任が各学校で行ってきたものを、3校に登録してある方の、一番、学校でこういった方といったときに、そこに合う方をコーディネーターが行うということでやっている事業であります。
さらに、講習会等を行って、より質の高いボランティアの方を育成する、そういった目的も含んでいるところであります。
21年、22年度は、先ほど申し上げましたように、福岡中学校をモデル地区として実施しているということであります。以上でございます。
37
◯佐藤英雄議長 9番佐久間儀郎議員。
38 ◯9番(佐久間儀郎議員) それでは、2項目め、児童生徒のいじめと問題行動について、再質問をさせていただきます。
申し上げましたように、文部科学省では、問題行動の理由として、規範意識の低下、感情を制御できない、コミュニケーション能力不足、このように分析しているわけではありますが、教育研修関係者の中からも、人とのかかわり合いが少ないと相手の立場で考えることが身につきにくいんだということを、それを育てていくということが大事だというふうに指摘がございます。
そこで、3の体制づくりにおきましては、やっぱり学校教育と社会教育、この連携がやはり一層求められてくるんだなというふうにも考えております。こうした観点で、もう一度、教育長の方でどのようにお考えになるか、お答えいただきたいなというふうに思います。
それから、視点を変えて提言させていただきますが、昔から「子供はしかるより褒めて育てよ」と、このように言われているわけですが、例えば困った人を助けた、いわば善行をなした者、学習やスポーツ活動、こういう他の模範たる児童生徒に対しては、地域の住民、それから学校長、こういう地域からも市長に推薦をして、市長がこれを表彰するというような、児童生徒を対象にした顕彰条例、仮に名前をつけるとすれば「白石子供を褒める条例」とか、こういった条例を制定してみてはいかがでしょうかということを申し上げたいんです。
やっぱり、地域ぐるみで子供を健全に育てようとする意識づけになると思いますし、地域の大人同士が連携することにもつながるのではないかなと、こういうふうに思いますし、これにつきましては全く財政の負担というものは伴うものではありません。それでいて効果は大きく期待できるのではないかと考えておりまして、市長のお考えをお聞かせいただき、同時に教育的な視点から、教育長のお考えもお出しいただければありがたいなというふうに思います。
それから、3項目めの学校支援ボランティアに関連して質問いたしますが、私なりに学校支援ボランティアへの参加の形態を分類しますと、大きく3類型になるんじゃないかなというふうに思っています。
第1類型は、アシスタントとしての参加、つまり、学校が展開する教育活動の補助者として活動する参加の仕方ですね。
それから、第2類型としては、直接教育活動に関係はしないが、学校の教育環境整備のお手伝いをいただく。例えば先ほどもありましたけれども、学校図書館の整理だとか、あるいは植木とか園庭とか花壇の整備のお手伝い。こういった教育環境整備に向けた活動の参加のタイプ。
それと、三つ目の類型としては、教師の持たない専門的な知識・技術・特別な体験などを教師にかわって指導する。いわゆるゲストティーチャーとしての参加の仕方があるんだなというふうに考えております。
先ほど、実績を伺いましたけれども、白石の場合ですと、第1、第2のタイプというのは十分に実績があるなということを思いましたけれども、第3類型としての、ゲストティーチャーとしての参加の仕方、この辺につきまして、比較的実績はまだないのかな。これについては人材を集めるという、そういう一つの根本課題があるんだとは思いますけれども、こうしたこれらの類型について、これをふやしていくということについて、今後どのように取り組まれるかということについて、ご所見をお伺いしておきたいと思います。
それから、ボランティアの募集の方法につきましては、学校ごとということをおっしゃっていたわけですが、いわゆる人材バンク式でしょうか。私はむしろ、学校から具体的にこういう人材が欲しいんだということを市民に広く公募しまして、それに条件が合った市民が応募してくるという、そういういわゆる「ハローワーク(求人)」方式というか、そういう形のやり方が考えられるんじゃないかなというふうに思うんですね。そうすると、双方の主体性がかなり強調された方法ということになるんですが、学校側からすれば、当然、求める活動を明らかにして公募するわけですから、また、ボランティア側からすれば、その活動内容に応じて、随時学校が選択できるんだということになると思いますし、そうなれば、ボランティアにとっても、かけ持ちも、1校だけじゃない、2校、3校とか、そういう形で広がりが出てくるんじゃないかなというふうに思うんですね。
そういった意味で、先ほど触れましたゲストティーチャー的な類型のそういう人材も集まりやすいのかなというようなふうにもちょっと思うんですが、いかがでしょうか。
それから、報酬についてのお答えがありました。無報酬ですということであります。これは当然のことだとは思うんですが。当然、子供たちがだれだれさん、ありがとうねと、そういう笑顔が返ってくるというのがボランティアとしての一つの報酬みたいなものかとは思うんですが。やっぱり、市としては、それを進展していくということで考えていけば、例えば市の方のいろいろな施設があるわけでして、貢献度・実績において、施設の入館料を無料にして差し上げるとか、そういった配慮もあるのかなというようなこともちょっと考えておりますが、こういうことはいかがなのでしょうか。
それから、先ほど、ボランティア保険に加入されているとお答えいただきましたが、この保険の補償内容、当然、活動中の事故とか、そういったものについては補償されるんだと思いますけれども、学校に行って、そして戻るという、ボランティアの途中の事故に対してもそれは対応できる補償になっているのかどうか。その辺をもう少し、ちょっと伺っておきたいと思います。
39
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
40
◯風間康静市長 私の分をお答え申し上げます。
本当に昔から「子供は褒めて育てろ」というふうに私も聞いておりますし、これは本当にいい事例なのかなと思っています。先ほど、吉田議員の方にお答えしましたとおり、これは当然先ほどの子供条例という部分にもかかわってくるんだろうなと思っております。あくまでも行政だけが主体ではなくて、いろいろな面で、多方面を見据えて、今後、検討をしていきたいというふうに思っております。以上でございます。
41
◯佐藤英雄議長 武田教育長。
〔武田政春教育長登壇〕
42 ◯武田政春教育長 何点かお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。
1点目の学校教育と社会教育との連携ということでお話がありました。私も、子供は社会全体で育てていくというのはもちろん基本になりますので、その連携をさらに深めていきたいというふうに思っているところであります。
2点目、今、市長の方からもお話ありましたけれども、当然、褒めることの大切さというのは、山本五十六の「褒めなければ人は動かず」というのと同じで、大人ですら動かないわけですので、子供であればなおさら褒めることの大事さというのはあるのかなというふうに感じているところであります。
3点目にありますゲストティーチャーですけれども、現在も各学校入れております。
中学校はほとんど入っていて、特に進路関係で、ゲストティーチャーを迎えて、当然、卒業生あるいは社会人、あるいは保護者、そういった方を入れて、いろいろな話、社会に出てからの大事さ、あるいは受験、あるいはその将来についての話とか、多方面にわたってやっております。
小学校においても、JICAからの帰国の方のお話とか、そういった方を迎えての話とか、あるいは、ある小学校では、就職の決まった高校生に小学校のときからの大事さ、あいさつの大事さとか、そういった話をしてもらっているということで、各学校何らかの形でゲストティーチャーは入れているんじゃないかなというふうに思っています。
4点目のハローワーク形式でのことでありますけれども、実際にこういった方が欲しいといってやると時間がかかるんですね。だから、今、本部事業のような形で、市内でもし将来的に登録制を行えば、そこから必要な方にお願いをするということができるのかなというふうに思っているところであります。
なお、施設入館料の無料云々というところについては、今のところは、ちょっと私の方からは何とも言えませんので、お答えしかねるところであります。やはり、ボランティアの無償のところのよさというものがあるし、逆に、そういった形でやることに喜びを持っていただいている方が非常に多いのかなというふうに思っております。
なお、損害保険の補償内容については、担当課長の方から答えさせたいと思います。以上でございます。
43
◯佐藤英雄議長 一条学校教育課長。
〔一条秀義学校教育課長登壇〕
44 ◯一条秀義学校教育課長 補償のことなんですが、ボランティア中についてはもちろんですが、行き帰りについても補償されます。ただし、寄り道した場合については該当できないということでございますので、ご了解ください。
45
◯佐藤英雄議長 次に、12番四竈英夫議員。
〔12番四竈英夫議員登壇〕
46 ◯12番(四竈英夫議員) 通告に従い、農業の現状と今後の振興策について、質問をさせていただきます。
本市農業の現状をどのようにとらえ、それらを踏まえて、今後の農業をどのように振興させようとしておられるのか、お尋ねいたします。
長期化する不況で経済は冷え込み、なかなか好転の兆しが見えてきません。一たんは底を打ったかに見えた景気も依然回復せず、いわゆる景気の二番底を懸念する見方も出てきております。最近では、経済の原動力となっている自動車産業が大きなダメージを受けるなど、国内外とも厳しい経済状況が続いております。
こうした中、本市の基幹産業である農業も大変厳しい経営を迫られております。低迷する農産物価格とは裏腹に値上がりする肥料、農薬、資材代など経費の増大により経営は圧迫され、農家の生産意欲は減退しております。
さらに、農業経営者の高齢化が進み、農作業を続けていくことが困難な農家がふえてきております。そして、それを受け継ぐべき後継者は、既に農業以外の仕事に従事しているため、農業は継げない。「農業は自分の代で終わりだ」とつぶやく農家の声が聞こえます。農業が続けられなければ耕作放棄地となり、草や木が生い茂ってしまいます。そこには野鳥や害虫などがふえ、あたりに悪影響を及ぼすことになります。意欲のある人に有効活用してもらう手だてが望まれます。政府は、2013年度までに耕作放棄地の解消を目指しておりますが、厳しい現実であります。
一方、場所のよい農地は、宅地などに転用され、農地の面積が減少してきております。「消える水田、荒れる畑」という言葉も聞かれるこのごろであります。耕作放棄地の問題をどのように解決していくか、大きな課題であると思います。
また、課題はこれだけではありません。市内には、まだ圃場整備をされていない農地がたくさんあります。そして、整備されていない農業用水路も数多くあります。当然、作業効率が低下し、作業も困難になります。水利の便がよくないところでは、耕作を断念せざるを得ず、これもまた耕作放棄につながる要因となります。
さらに、農作物への鳥獣被害もふえ続け、これも生産意欲の減退につながっています。丹精を込めて育てた農作物が一夜にして食い荒らされたときの無念さは、経験した人でなければわかりません。猿やカモシカ、ハクビシンなどに加えて、イノシシの被害も広がってきており、農家は対応に困難をきわめております。
しかし、収支決算がマイナスになっても、先祖伝来の農地は守らなければならない。荒廃させてはならない。手放すこともできない。そういうかたい信念で農業を続けている農家もおられます。
こうした問題を一挙に解決する妙案はないでしょう。したがって、少しずつでも、息の長い施策が必要だと思います。
最近、農家の方が地産地消を進めるとともに新鮮な地場農産物を販売する道の駅のような施設があれば、農家も消費者もお互いによくなるのではないかと話しておられました。交通量の多い場所にこうした施設があれば、大きな効果が期待されるのではないでしょうか。
また、高齢化する農家から農作業を受託する「協業組合」組織の育成も重要になってくると思います。農作業を委託したいのだが、引き受けてくれるところがないということになれば、これもまた耕作放棄地になりかねません。市内には協業組合のほか、地域のリーダー的存在の方々がいて、作業を受託してくれていますが、ふえ続ける需要に追いつけず、限界状態にきていることも事実です。
これらの対策として、農協では「集落営農」の推進を行っております。これは個々の努力には限界があるため、集落全体をとらえた、いわゆる点から面への取り組みということになります。これを行うことによって、農業機械などへの過剰投資を防ぎ、効率的な作業と経営が可能となり、安心して農業を委託することができます。行政としても農協と連携を図りながら、この集落営農の推進をバックアップすることが必要ではないかと思います。
白石市では、昨年、農家に対するアンケート調査を実施いたしました。これは農業の将来
ビジョンや土地利用の方策を見直し、新たな農業振興計画を策定するに当たって、現在の農業経営状況や意見、要望等を把握することが目的であります。その結果、農家の実態と課題などが浮かび上がってきたと思いますが、それらを踏まえ、新しい計画に十分反映されることを期待するものであります。
また、今年度から新たな制度として、「戸別所得補償モデル対策」がスタートします。従来までは米をつくらない農家に対して助成金を交付していました。すなわち、米余りを防ぐために、米のかわりに麦や大豆、野菜などをつくった面積に対して助成金が交付されました。しかし、今度の対策では、米をつくった面積に対して助成金が交付されます。米をつくった面積に対して、10アール当たり1万5,000円を交付するというもので、これまでとは180度転換した制度であります。ただし、割り当てられた面積の範囲内で作付した農家に対して交付するという条件がつきます。
いずれにしても、農家にこの制度を理解して取り組んでいただくためには相当の時間と人員を要するものと思われます。この制度を円滑に進め、農家の所得がふえ、農業の振興につながるためにどのような推進方策をお考えか、お尋ねいたします。
47
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
48
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
まず、昨年のアンケート結果でございますが、この調査、特に興味深く感じた点について話をさせていただきたいと思っております。
「1年間の農業所得が幾らか」という問いがありました。農業所得が「ない」人が全体の32.7%、「50万円未満」が38.8%を占めておりました。すなわち、農業所得が50万円未満が全体の7割を占めるという実態であります。このことは本調査による専・兼業農家の割合とも密接にかかわってくると思っております。農業所得というのが低いがゆえに、農家が農業だけでは生活ができないので、他の産業に従事しなければならない現状が浮かび上がってきていると思っております。
このため、農業就業者の育成や確保のために必要な施設を聞いた設問では、他の産業、就業環境の整備を求める声が29.1%と最も多かったところであります。
また、後継者の有無について聞いたところ、1,674戸のうち、後継者が「いる」と答えたのは741件、しかし、そのうち半数以下は農業を継ぐ意思があるかどうか、わからないため、実際に農業を継いでくれる後継者の割合はかなりもっと低いのではないかなと見込まれております。
さらに、これからも農業経営を維持あるいは拡大していきたいと考えている意欲的な農家612戸に対して、「なぜそうしたいのか」と理由を聞いたところ、「農地を荒らすわけにいかない」、「飯米を確保したい」という回答が最も多かった。「農業で生計を立てる」という回答は57件しかありませんでした。
このことからも、農家自身、農業以外に生活基盤を置いていることがわかりました。この実態から浮かび上がるのは、基盤産業である農業を維持するには、比率の高い第2種兼業農家の他産業からの所得の安定にあるというふうに考えております。
この実態を踏まえ、今進めている深谷の工業団地に少しでも早く企業を誘致し、雇用の場を確保しなければならないと、改めて確信をしているところでございます。
このほか、アンケートの結果の分析や農家の皆様から寄せられた多くのご意見を参考として、この一年、
関係機関と協議を重ね、農業振興、地域整備計画の作成に努めてまいりたいと思っております。
「戸別所得補償モデル対策」がスタートするのを踏まえて、本市の稲作農家においてよりよい米づくりを図るために、16日に白石市農政推進協議会の総会を開催し、二つの議決をいたしました。
一つは、生産数量を目標において担い手を育成するため、継続して傾斜配分を行うこと。
二つ目は、優良農地の有効活用などの観点から、生産数量目標の未達成者からは、未達成面積に応じ10アール当たり3万5,000円を拠出していただき、これを原資として、生産数量目標の達成者に超過達成面積に応じて最大で3万5,000円を交付する、農業者間の調整としてのとも補償事業を行うことであります。
この総会の結果を農家の皆様に周知するため、17日から19日までにかけて、白石・越河・斎川・白川・福岡・深谷、そして小原の9カ所で地域農政推進協議会を開催し、これまで申し上げましたことについて詳しく説明を行ったところであります。
この戸別所得補償制度は、まだ明らかにされていない点がありますので、わかり次第、農家の方々にお知らせします。制度を有効に活用していただくよう努めてまいりますので、この総会に出られた四竈議員も、ぜひとも、お知り合いの方々、農家の方々にこの説明をしていただくことをお願い申し上げます。以上です。
49
◯佐藤英雄議長 12番四竈英夫議員。
50 ◯12番(四竈英夫議員) アンケート調査の結果を細かく分析、ご説明いただきまして、ありがとうございました。
そのような分析の結果に基づいて、新たな計画に対して十分生かしていただくことをご希望したいと思います。
それから、農家の高齢化に伴って農業経営を続けていくことが困難だという農家が農作業を委託したいという場合に、現在、委託を受けているところも飽和状態になっているというようなことから、さらに、委託する人なり、あるいはそういった組織をもっと広げて充実していかなければ、ますます耕作放棄とかそういうことがふえていくのではないかというふうに懸念されますので、それらの組織なり、そうしたリーダー的な方々の育成、あるいはそれらをさらに発展させた集落営農組織の形成など、それらについてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
51
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
52
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
大変それは本当に難しいことかなと思っておりますが、集落営農、これにつきまして推進をしていかなければならないというふうには思っております。ですから、地域農業いきいき推進事業を通しまして、地産地消を含め、地域農業の活性化に資する行動を支援してまいりますので、集落営農の組織化等を促進していきたいというふうに考えております。以上でございます。
53
◯佐藤英雄議長 午後1時まで休憩いたします。
午前11時48分休憩
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午後 1時00分開議
54
◯佐藤英雄議長 午前に引き続き会議を開き、
一般質問を行います。
3番水落孝子議員。
〔3番水落孝子議員登壇〕
55 ◯3番(水落孝子議員) 最初に、雇用の確保について伺います。
宮城県は、完全失業率が沖縄、青森に次いで全国ワースト3位の6.6%、昨年の7-9月期ですが、6.6%。非正規の雇いどめの状況も、ことし1月発表では5,448人でワースト16位、そして、有効求人倍率は、昨年12月度で、全国は0.46倍の中で、宮城県は0.4倍という状況です。そして、中でも大河原管内の09年12月度の求人倍率は0.17倍と、依然として県内でも最低水準にあり、深刻な雇用の状況にあります。
こうした中で、平成22年度施政方針において、雇用の拡大を図るため、企業誘致を最
重要課題として取り組むと述べられております。現在、深谷に工業団地造成中であり、市長はトップセールスの展開に精力的に奔走されてきたと思われますが、まず、最初に、現時点での企業からのお問い合わせの件数と、その工場の規模についてお知らせください。
二つ目に、工業団地完成と工場着工が間を置かずに連携できることが大変望ましいと考えますが、そのためのこれからのアクションプランについてお尋ねいたします。
3点目に、企業立地等に伴う転入者補助金制度の創設が述べられておりますが、この制度創設の背景は何か、お尋ねします。また、今までの問い合わせ等で企業の側から示唆されたものなのかどうか、お尋ねいたします。
4点目に、転入して1年経過後、月額1万円上限とされておりますが、そのほかの内容についてお知らせください。
現在、雇用の確保については、国の政策による緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生特別基金事業が行われておりますが、これらの事業は、2011年度までの3年間の事業であり、その後の継続はまだ未知数だと思います。
私は、地域経済の振興を考えると、雇用の問題は、企業誘致に特化することではなく、地域の特性を生かした地域振興策とあわせた産業政策の確立が必要ではないかと考えております。そして、この自治体独自の産業政策は、自治体でしか持てないものです。これはしかも一、二年ですぐ効果を期待できるものでもなく、しっかりした中長期的なプランをもって当たることが必要だと思います。
折しも、今、白石市の今後10年間をデザインする総合計画が立案・検討中ですが、その産業政策の立案・検討にも着手すべきではないかと考えるものです。そして、白石市にある資源は何なのか。それは広大な286平方キロメートルの面積の中にある山があると思います。ご承知のように、農業とともに、林業も大変元気をなくしている状況の中で、環境問題も加味し、林業再生の道を切り開くことで、雇用を生み出し、今後の地域経済振興に貢献できるのではないかと考えております。
そこで、5点目に、白石市の面積の中で森林の面積の割合はどれぐらいあるのか、お尋ねいたします。
次に、毎年、市行造林は実施されておりますが、木材として利用できる40年から50年ほど経過したものの比率はどれほどの割合になっているのか。また、用材に最も適した80年以上経過した木はどれほどの割合になっているのか、お尋ねいたします。
現在、木材市場は、約8割が外材で占められ、価格も外材主導で決定され、林業の衰退を招いています。多くの森林組合が苦慮しており、後継者もなかなかできるわけもなく、高齢化の一途をたどり、荒れた山がふえています。
そこで、自治体独自に林業の再生に取り組み、地元産材の利用促進を進めることで、生産段階で発生する残材や樹皮、間伐材等の利用で、ペレットストーブの普及や木質バイオマス利用など、多様な取り組みをしている自治体もふえています。
そこで、お尋ねします。産業基盤の確立のかぎは何だとお考えでしょうか。
次に、白石市に豊富にある森林資源を活用して地域おこしを進めることを提案いたしますが、所見を伺います。
次に、そのときの課題はたくさんあると思いますが、それらについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、二つ目として、施政方針にあるクリーンなまちづくりについて伺います。
施政方針の具体化では、この項で9件の施策がありますが、特に公共下水道事業と農業集落排水事業については、未接続家屋の接続促進を進めるとあります。このことは今までも取り組まれてきたことですが、特に取り上げられたことには大いに賛成です。
そこで、今までと違う新たな進め方は何か、あればお尋ねいたします。
私は、今までの進め方に加えて新しいこともやってみることが接続促進を成功させることではないかと考えます。リフォーム助成制度の創設などが適切ではないかと考えましたが、接続促進に拍車をかける意味でも、リフォーム助成制度の創設を提案したいと思います。
この制度を、全国で実施している例をみますと、平均的な例では、工事費の5%から10%程度の助成、上限10万円から20万円ぐらいの助成が圧倒的に多いようです。山形庄内地方の場合、その内容は、工事費の5%、上限50万円で、波及効果は約30倍にもなると鶴岡の商工会長が歓迎しております。
接続家屋の促進とともに、市内の工事業者の仕事おこしにもなるものです。さらに、下水道工事のみに限定せず、近い将来起こると予想されている宮城県沖地震対策に積極的な対応をしていこうという取り組みをしている自治会もあることから、そうした市民への応援にもなると考えますが、所見をお伺いいたします。
最後に、新しい統合高校の発足に当たり、白石市としてできる応援策についてお尋ねいたします。
長い歴史と伝統を持ち、
白石市民に愛されてきた白石高校と白石女子高校が統合され、新しい高校として、校舎新築も順調に進み、4月1日から開校される運びとなりました。学校は
地域住民に支えられて伸びるとも言われております。新しい高校を祝福し、通学することがうれしいと感じていただけることは、白石市にとっても、
白石市民にとっても大変うれしいことではないかと思われます。県立高校ですから、県がやることではありますが、市の施設利用や通学が楽しい環境など、何かお考えになっていることがあれば、お示しいただきたいと思います。
56
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
57
◯風間康静市長 それでは、お答えを申し上げます。
まず、1点目の現時点での工業団地の規模と件数でございますが、具体的な工場の規模などの詳細までは把握しておりませんが、今年度において10件程度の照会はありました。
2点目の工業団地完成と工場着工が連携する今後のアクションプランについてですが、工業団地の完成に向けた企業誘致の実現については、私を含めた市民共通の願いだろうと思っております。平成22年度の最
重要課題として取り組むところがそこでございます。
現在の経済状況下において、企業における投資環境というのは依然として厳しい状況にあると認識しております。今議会において、白石市企業立地促進条例の一部改正案を提出したところですが、可決をいただきました際には、これら優遇制度等を含めた誘致環境のPRに努めるとともに、企業情報の収集や企業に対するアプローチを積極的に実施してまいりたいと考えております。
また、企業とともに発展していくまちづくりを念頭に、深谷地区の工業団地周辺のインフラ整備や都市計画用途区域についても見直しを図ってまいりたいと考えております。
3点目の転入者補助金制度の創設の背景につきましては、昨年、NECトーキン株式会社の生産拠点再編に伴いまして、岩手事業所等から約100名の従業員が白石事業所に配転されたところでありますが、本市としても、この方々に定住していただきたいとの思いから、市内賃貸住宅の情報を提供するなど、定住に向けたサポートを行ってまいりました。その結果、60名の方が市内に住んでおられますが、その大半が単身赴任ということになり、残念ながら、本市に住所を移転した方は少なかったというのが実情でございます。
それらを踏まえて、雇用の拡大と本市へのさらなる定住促進を図るための制度創設であります。
4点目の転入者補助金の概要でございますが、企業の新規立地等に伴う転入者、また、先ほどお話ししたNECトーキン株式会社などのような、生産拠点再編等による関連事業所の閉鎖に伴う転入者を対象としております。対象要件は、転入から1年以上居住することを条件として、その他市の家賃補助を受けていないことや市税等の滞納がないことも要件としております。助成内容は、家賃の3分の1程度の額で、上限を、先ほど議員がお話ししたとおり、1万円として、1年間の居住実績を確認後に交付するものとして、助成期間は3年間といたしております。
次に、林業の件の5点目でございますが、286.47平方キロメートルが白石市の全体の面積でございます。その中の森林の面積というのが194.5平方キロメートルで、全体の約68%を占めております。
6点目の市行造林で木材として利用できる40年から50年を経過したもの、また、80年を過ぎたものはどのくらいあるかということですが、市行造林地4.87平方キロメートルのうち、17.2%に当たる0.84平方キロメートルが40年生以上となっております。
なお、この市行造林というのは、昭和39年から実施されているため、まだ80年生以上の大経木はございません。
7点目の産業基盤の確立のかぎは何かということで、まず、林業においては木材の価格の低迷にあるのではないかなと思っております。
伐採はもとより、間伐における、また、作業路の費用、製材所までの運送費、そして、担い手の育成が課題になっているのではないかなというふうに思っております。
8点目の、新たな2点目のクリーンなまちづくりについてでございますが……
失礼いたしました。8番、9番、抜けていますね。8番と9番目でございますが、これは一括してお答えをさせていただきたいと思っています。
京都議定書を初め、CO2の削減が世界的な課題となり、森林が二酸化炭素の吸収源として大きな効果があるとして見直されてきております。また、本市では、「不伐の森」、「水芭蕉の森」、「どうだんの森」など、近隣にはない森林浴に満ちたいやしの空間を生かそうと、現在、農山漁村活性化プロジェクト事業の採択を得て、遊歩道などの整備を進めておるところであります。事業完了後には、森林浴と温泉入浴との相乗効果による健康増進をPRして交流人口の拡大に努めてまいりたいと考えております。
また、森林には、二酸化炭素の吸収源としての地球温暖化防止のほか、国土の保全、水源の涵養の機能を生かし、災害防止のため、森林施業を行う必要があるとも思っておるところであります。
大きい2番目のクリーンなまちづくりについてでございます。
1番目の下水道の未接続家屋の接続促進ですが、これは今でも行っております早期接続の啓発チラシを配布して、また、職員の戸別訪問もより充実させたいと思っております。
具体的に申しますと、供用を開始したばかりの越河地区においては、利用組合の役員、また、市担当職員、排水工事業組合役員共同による戸別訪問を実施しまして、農業集落排水事業の趣旨であるとか水洗化による生活の快適さ等について、区域内の住民の方々に普及啓発を行い、接続を進めていきたいと思っております。
また、その他の下水道事業におきましても、重点地区を定めて、職員が2名体制で戸別訪問を行いまして、聞き取り調査を今まで以上に充実させることをしていきたいと考えております。
2番目のリフォーム助成制度の創設の提案でございますが、現在、4万人都市復活大作戦に掲げている施策の一つであります定住促進奨励金制度を平成22年4月1日から一部変更して定住促進と地域活性化策を図っているところであります。ご提案いただきましたことにつきましては、今後も検討課題として考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
次、大きな3番目でよろしいんですね。
新しい統合高校の発足に当たって、白石市でできることは何かという問いですが、この長い歴史と伝統を持ち、多くの人材を社会に送り出してきた白石高校と白石女子高校が統合し、新しい白石高校として開校に至ったというのは大変喜びとするところであります。
本市といたしましても、協力体制をしきながら、県と協議等を重ね、開校に向けて積極的に取り組んでまいりました。今議会に提案しております連絡通路の設置に伴う白石市都市公園条例の一部改正も取り組みの一つであろうと思っております。
開校に伴う祝意等の件ではありますが、県立高校とはいえ、議員がおっしゃられたとおり、市民とともに大いに祝意をあらわす必要があると思っております。
開校後の問題でありますが、解決すべき課題は山積みをしております。今後とも、県教育庁と緊密な連絡調整のもと、課題を一つ一つ着実に解決してまいりたいと考えております。以上です。
58
◯佐藤英雄議長 3番水落孝子議員。
59 ◯3番(水落孝子議員) 平成21年度、本年度ですね、10件ほどの企業誘致のお問い合わせがあったということですが、その中で、大変希望が持たれるようなところがあったのかどうか。そして、大体その10件はどのような業種の工場だったのかについて、お尋ねいたしたいと思います。
それから、林業の方の問題ですが、やはり、私はこういう産業基盤をしっかり確立していく。この白石にある大切な資源を生かして、白石の地理的環境、それから風土を生かしてやっていく。それは工場の誘致だけでなくて、地域振興策として、大変重要な施策ではないかと考えているわけです。そして、そういうことが相互に作用し合って、4万人都市復活に向けていけるのではないかと考えるわけですが、いろいろな問題が、確かに、今、農業の問題も、お米づくりの問題もそうですし、林業、たくさんの森林組合、本当に窮地に瀕している。こういう状況の中で、やはり地域振興策が大変重要だとお考えだと思うわけですが、例えば、先ほど示された課題の中で、林道や作業道の整備ですとか、やはり、材木の国産材の価格の低迷など、ご指摘いただきましたが、こういうものをじゃあ、どういうふうに白石の地域の中で、振興策としてやっていけばいいのかどうか。やっていくには、どういうところが問題になって、どこまで、どのようにできると考えておられるのか、この点について、もう一度お尋ねいたします。
60
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
61
◯風間康静市長 お答えを申し上げます。
まず、1点目でございますが、10件の業種でございますが、主なものとして相談に来ているのが、食品関連が4回、また、高度電子機器等がございました。これが決定に至らなかった理由としては、企業の投資計画では、ほとんどが造成後の更地を求めているということ。深谷地区の工業団地の完成時期よりも企業の工場建設の着手時期を早くしたいということでの、企業の投資のスピードとマッチしなかったことが考えられると思っております。
2点目の林業についての育成も含めた部分ですと、白石蔵王森林組合に聞いたところ、過去3年間、林野庁の「緑の雇用担い手対策事業」に取り組んで、これまで12名が応募しましたが、現在、作業員として就業しているのは5名という厳しい状況だそうです。就業しても、今後も継続して働ける事業の見通しが立たないため、新規の育成が困難な状況と話をしております。担い手育成として、チェーンソーや刈り払い機等の取り扱い資格取得や安全装備等初期費用に経費がかかるほか、実施教育では、新人1人に安全確保のため三、四名の熟練作業員の配置が必要とも話しておるところであります。以上です。
62
◯佐藤英雄議長 3番水落孝子議員。
63 ◯3番(水落孝子議員) 企業誘致の方は、今すぐ工場用地が欲しいというところでまとまらなかったということでございますが、来年3月の完成に向けてこれからも大いに頑張っていくことになると思いますが、やはり、でき上がった、即着工というところで、それが、間があくと大変利息払いとかいろいろ出てきますので、それでは大いにその点で、今までと違ったPRの仕方、これがあるのかどうか。この点についてお尋ねしたいと思います。
次に、森林の経過ですが、確かに後継者、これは大変重要なもので、専門的な知識や技術が必要だと言われております。そして、先日、テレビのニュースの中で、県がやる育成事業、これでチェーンソーを持って下草を刈っているあれがあったわけですが、それに5人が行かれたというお話だったのかなというふうに思っているわけですが、この林業の方については、県でも振興策として取り上げているようで、私はこのことについては歓迎しているところです。
県として、昨年、県産材木、これで住宅を新築する個人に助成する制度を実施したら、仙台圏を中心に100戸のところに2.5倍以上の応募があったということですが、これは私たち、白石市の地域には合わなかったのか、これはどのように取り組まれたのか、取り組めなかったのか、このことについて、1点、お尋ねしたいと思います。
それから、最後になりますので、リフォーム助成制度と下水道の接続についてですが、今まで以上の戸別訪問をおやりになるということで、聞き取り調査等もしながら進めていくというご答弁でございました。この聞き取り調査、どのようになされていくのか。
そして、ここの中で出された意見について、やはり、リフォーム助成制度があればなお有利にいくと思いますので、検討させていただきたいということなので、これについては、ご答弁はなくてもいいんですけれども、よろしくご検討をいただきたいということにさせていただきたいと思います。
前の二つの点について、お答えお願いいたします。
64
◯佐藤英雄議長 風間市長。
〔
風間康静市長登壇〕
65
◯風間康静市長 お答え申し上げます。
まず、1点目でございますが、当然、企業誘致を促進していくために、まずは環境整備をしていこうというふうに思って、企業立地、今回、企業の総合窓口、行政手続のワンストップサービスを行っていこうと考えております。また、市内の企業訪問をさらにもう一回行いまして、御用聞きによりますサポート体制を構築していきたいと思っております。
また、新たな企業に対しても、情報発信等、企業に対するアプローチといたしまして、まず、当然のごとくホームページの充実を図りたい。それから、パンフレットを作成していく。今も使っているパンフレットを常時変えられるような方法の新たなパンフレットにしていきたい。また、当然、企業立地のセミナーへの参加、また、当然、企業の訪問を行っていきたい。
ただ、それにはやっぱりターゲットを絞った情報収集、また、企業アプローチが必要であろうと考えております。今、問い合わせの中にもありました食料品関係産業とか、また、高度電子産業、また、クリーンエネルギーの関連産業、また、現在、東北の方にまだ進出してこない自動車関連の2次、3次のサプライヤーなんかがターゲットになろうかなと。
それと、地縁とか人脈を活用した情報収集をしていきたい。宮城県人会などを活用したり、宮城県の出身者が代表となる企業のリストアップなんかも図っていきたいと思っております。
2点目の件ですが、県の木材はこの対象でありまして、小十郎プラザをそれでつくらせていただきました。以上です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
66
◯佐藤英雄議長 本日の日程はこれで終了いたしました。
なお、あす26日は本会議を開き、本日に引き続き市政に対する
一般質問を行う予定であります。
本日はこれにて散会いたします。
ご苦労さまでした。
午後1時34分散会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する
白石市議会 議 長 佐 藤 英 雄
議 員 大 野 栄 光
議 員 保 科 惣一郎
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